剣と本の保育士 (クレナイハルハ)
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一冊目、平穏な日々


前に活動報告と、助けてバーサーカーの方で告知した作品です

お楽しみ頂けたら嬉しいです


???side

 

 

 

 

 

朝日が登る、僕はそれを横目で流し何時ものランニングコースを走る

 

朝の静かな中、冷たい空気が肺に入り今日1日への気合いが入る

 

冬木市、それが僕が新たに生まれ育った場所だ

 

僕は皆が言う転生者って奴だと思う

 

神様に会った訳じゃないし、凄い転生得点が有るわけでもない

 

ただ、何の偶然か前世の記憶を持って生まれ育っただけの人間

 

剣 翔太(つるぎ しょうた)、それが僕だ

 

こうしてランニングを終えた僕は大きな広場と部屋のある家兼職場に戻り

 

掃除用具の箒を取り、家の入り口に戻り土埃を掃く

 

すると様々な子供達が挨拶しては学校へ向かっていくのを見守り、土ぼこりを掃く

 

この職場は他の所よりも少し後に営業を始め、他の所より少し遅く終わる

 

だから、こうして朝はゆっくりと出来るのだ

 

「今日も良い天気ですねぇ」

 

そう呟きながら空を眺める

 

僕が生まれる前、つまりは前世からとなるが二つの夢があった

 

「しょーた先生ー!おはよーございまーす!!」

 

元気な声が聞こえてきた方を向くと、輝くような銀髪の少女が走ってきた

 

少し前に僕の所に預けられたイリヤスフィールちゃん

 

そして、その後ろから自転車を押して来る日本では少し珍しい赤い髪の少年

 

以前の職場体験でうちに来た衛宮君たちが此方へと向かってきていた

 

「おはようございますイリヤスフィールちゃんに衛宮君、良い朝ですね」

 

「おはようございますしょうた先生!」

 

「おはようございます翔太さん」

 

「これから学校ですね?頑張ってください」

 

「はーい!」

 

「こらイリヤ、返事ははいだろ……行ってきます翔太さん」

 

「うん、気つけて行ってらっしゃい二人とも」

 

そう言って手を振り二人を笑顔で送り出す

 

相変わらず仲の良い兄妹ですね彼らは

 

()()()()、園内の掃除は完了だ。いつでも子供達を受け入れられるぞ」

 

「ありがとう()()()()()。それじゃ、始めよっか」

 

「了解だ」

 

こうして僕は自分の経営している『翼保育園』を開く

 

僕の夢の一つ、沢山の子供達を笑顔にする保育士として

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後になり、お昼寝を始めた子供達をアーチャー達に任せて僕は出版者に来ていた

 

僕のもう一つの夢、沢山の人々に感動と笑顔を届ける物語を描く小説家

 

それがもう一つの夢だ。

 

その夢のため僕はまた出版社に来ていた

 

「どうも翔太先生!お待ちしておりました!アリスちゃんもこんにちわ」

 

「どうも」

 

「こんにちわ、おじさま」

 

そう言って担当の編集者さんに挨拶して、テーブルの横に座る

 

「翔太先生、『英雄戦争』の下の方は?」

 

「はい、書き上げてあります。」

 

そう言って持っていたリュックから原稿用紙の束を取り度して編集者さんに渡す

 

「はい、拝見させて貰いますね」

 

そう言って編集者さんが原稿用紙の束を読む

 

英雄戦争とは、僕が世に送り出した小説の一つだ

 

ふと横を見ると、銀髪に黒と紫のゴシックロリータを着た少女

 

アリスちゃんが静なにテーブルの上に置かれたお菓子を食べている

 

口にお菓子の欠片が着いていたりしていて少し微笑ましい

 

すると読み終わったのか、編集者さんが顔をあげて原稿用紙の束をテーブルに置く

 

「はい、確認してしましたが特に修正点はありません。後は任せてください」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って頭を下げ礼をする

 

「ねぇねぇおじさま」

 

「なんだいアリスちゃん?」

 

「先生のアニメってどうなったの?」

 

そう言えば、編集者さんが前に英雄戦争をアニメにするって言ってたな

 

「それが、アニメは余り人気がないんです。先生の描く『英雄戦争』は上と中がアニメ化してるのですが、人が出てきては次々と死んでしまうので根っからのファンでない限り見る人は少ないんです。一応、私達としても乗りかかった船なので下もちゃんとアニメ化します」

 

まぁ、仕方ないですね

 

子供達は英雄戦争よりマジカルブシドー☆ムサシの方が人気なんですよね

 

「ありがとうございます、そこまでしていただいて」

 

「いえ、アニメはともかく小説の方は既に10万部もの売り上げを得ているので私達も打ち切らずに完結させてあげたいんですよ」

 

どうかアニメの下で挽回できるといいんだけど

 

そんなことを考えつつ、編集者さんに感謝を伝えて出版社を後にする

 

「やっぱりアニメは人気ないかぁ」

 

「仕方ないわ先生、また別の作品を書けば良いじゃない。それにきっと次の章のアニメで人気がでるわ」

 

「そうかな?」

 

「えぇ、先生のお話はハッピーエンドで終わるのだし、何より面白いもの」

 

「そっか……ありがとう。頑張れそうだよ、アリスちゃん」

 

そう言って僕らは保育園に戻り、仕事を再開した

 

 

 

 

 







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二冊目、僕が本を選ぶ理由

 

 

翔太side

 

 

 

今日もいつものようき子供達に絵本を読み聞かせる

 

「そう言えばマスッじゃなくて翔太は、なんでそんなに本を読み聞かせるんだ?子供なら、外で遊ぶべきだと思うんだが」

 

「アタッじゃなくてアルカはそう思うんだな」

 

やっぱりそう思うよな、と苦笑いしながら立ち上がり本棚から適当な本を取り出す

 

サーヴァントアーチャー、アタランテ

 

僕の仕事を手伝ってくれているサーヴァントの一人だ

 

ついでアルカはアタランテの偽名、沢山の人の前でアタランテと呼ぶわけにはいかないからね

 

「あ!?いや、別に悪いとは言ってないのだぞ!?ただ、子供は風の子とも言うし」

 

本の名前は『ジャックと豆の木』

 

「僕はさ、本は本当に凄い物だと思うんだ」

 

そう言ってページを開くと中の仕組みが動き大きな木が現れる

 

「このたった一冊の本には歴史、動物が英雄の物語が、世界が詰まってる」

 

そう言いながら開いた本を閉じて本棚にしまう

 

「そしてその一冊の物語が、人を変えることがあるんだ。優しくなったり、勇気を持てるようになったり、強くなろうとしたりね」

 

「本が、人を?」

 

「そう、それは例え漫画だろうとライトノベルだろうと電子書籍だとしても変わらない。僕はね、本に人生を変えて貰ったんだ」

 

「翔太は本に人生を?」

 

僕はそれに頷き、外で遊ぶ子供達を眺める

 

「この園に沢山の絵本があるのも、子供達に沢山の本を読んでもらってさ。笑顔になったり、勇気を持てるようになったり、本当に大切な者を知って欲しいから僕は本を読み聞かせるんだ」

 

「そうか、そうなのだな。」

 

そう言って二人で外を眺める

 

「ありがとう翔太。お前のお陰で私の夢は少しかなった気がするよ」

 

「そっか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、じゃあねユウキ君。また明日も本読もうね!」

 

「うん!しょーたせんせーさよーなら!」

 

そう言って元気に親と帰っていく最後の子を送り、玄関の扉を閉めて鍵をかける

 

「ふぅ、これで最後の子は送ったし閉園だな」

 

「あぁ。そうだねアタランテ、早く家側に戻ってご飯にしよう」

 

そう言って家の方に繋がる廊下を歩いていると、アリスちゃんが此方に走ってきた

 

「先生!」

 

僕はしゃがんで走ってきた彼女を受け止める

 

「どうしたのアリス?」

 

彼女はサーヴァントキャスター

 

名前はナーサリーライムで、渾名はアリスだ

 

「ねぇ先生、今度この保育園を見学したいって連絡があったわ。新しい友達が増えるのね、嬉しいわ♪」

 

「そっか、気に入ってくれるといんだけど」

 

そう言いながら三人で家に繋がっている扉を開ける

 

「ただいまー!」

 

「ただいま!」

 

「今戻った!」

 

すると早めに此方に戻っていた三人の声が聞こえて中に入る

 

「お帰りでち、あとちょっとで晩御飯が出来るでちよ」

 

一人目は赤髪で和服の上にエプロンを身に付け

 

古風な丁寧語を話す少女

 

サーヴァントセイバー、紅閻魔

 

「ヴゥー!」

 

ゴスロリを身に付け、額から金属の角に両目を隠す程長い前髪みの少女

 

サーヴァントバーサーカー、フランケンシュタイン

 

「お帰りなさいお母さん!野菜を解体したよ!」

 

何故か分からないけど僕のことを“お母さん”と呼ぶ白髪で、顔に切り傷のあるパーカーとスカートを着た少女

 

サーヴァントアサシン、ジャック・ザ・リッパー

 

「そっかぁ凄いよジャック」

 

そう言って頭を撫でる。

 

僕の方針は叱りつけるのではなく

 

誉めて優しく接することで、長所を伸ばすだ

 

すると紅閻魔ちゃんが回す鍋から食欲をそそる良い匂いが

 

「もしかして、今日のご飯って!」

 

「カレーでち。あの時に好物だと申していたのでつくってみたでち」

 

あの時か、覚えていてくれたんだ

 

「それではみんな、頂くでち」

 

僕らはそれぞれの席に座り、手を合わせる

 

『いただきまーす!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、ご飯を食べた僕は自室で原稿に向かっていた

 

今書いている話しは『仮面戦士ゼロワン』

 

世界は近未来でAIが発達した日本では、ヒューマギアと呼ばれるロボットが売れていた

 

あるお笑い芸人を目指す青年が突如としてある大企業の社長となり、また社長の残した遺言である企業の最大の危機が訪れようとしていた

 

青年は前の社長から託されたベルトを使い、仮面戦士ゼロワンへと変身する

 

ヒューマギアと人間が笑い会える未来の為に

 

キャッチコピーは『お前を止められるのはただ1人、俺だ!』

 

明日の『英雄戦争 下』の打ち合わせのときに編集者さんに頼もうと思っている

 

もう分かるかもだが、元ネタは仮面ライダーゼロワンだ

 

すると、扉からノックの音がした

 

「翔太、少しいいか」

 

「アタランテ?入って大丈夫だよ」

 

そう言ってペンを置いて振り返ると部屋にアタランテが入ってきた

 

「こんな時間にどうしたの?」

 

「さっきなんだが、魔力を感じた。もしかしたら、この町に魔術師か魔術使いが来ている恐れがある」

 

その言葉に僕はまるで時が止まったかのような錯覚を味わった

 

「そんな、どうして…………■■■■は終わらせたはずなのに」

 

「念のため、そとに出るときはナーサリー(アリス)を連れていった方がいい。」

 

「あぁ、分かったよアタランテ。明日の午後からちょっと打ち合わせで喫茶店に行くから、アリスを連れてくよ。園の留守を頼むよアタランテ」

 

「あぁ、任せてくれ翔太」

 

そう言って僕は執筆に戻り、アタランテは自室へと戻っていく

 

なんか起きないといいなぁ

 

そんなとき、窓からまた景色には沢山の星が輝いていた

 







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三冊目、再誕!聖なる刃と勇気の竜!!

 

翔太side

 

いつも通り、今日も保育園の子供達を見ていると外に赤い服をきたツインテールの高校生くらいの子がいた

 

あれ?あのこってもしかして

 

「翔太、先ほどからあいつが家の庭で遊ぶ子供達をみている気がするのだが……もしや、あれが噂に聞く不審者とやらか!?」

 

「いや、違うから落ち着いてアルカ。少し行ってくるよ」

 

そう言って玄関から出てその子がいる場所に向かう

 

「まさか、一年で帰ってくる事になるなんて。しかもルビーがあんな何も知らないあの娘をマスターにしちゃうし………それにしてもいつの間に保育園が出来てたのかしら」

 

なんか、悩んでいるみたい

 

でもあの容姿はやっぱり

 

「悩んでるところ悪いんだけど、もしかして凛ちゃん?」

 

そう言うとその子は突然話しかけられたことに驚いて此方を見る

 

「へ?しょ、翔太さん!?」

 

「久しぶりだね、衛宮君からはロンドンに留学って聞いてたけど元気だった?」

 

「はいお久しぶりです。翔太さん、ここの保育士何ですか?」

 

「まぁね、そんなとこ」

 

本当は園長だけど

 

彼女を遠坂凛ちゃん。僕が学生だった頃かな、この子のいる保育園と幼稚園の合わさった学校に研修でいったんだよね

 

そして彼女が驚くのも無理ないな、彼女が行ってから出来て開園した保育園だし

 

そのあとに衛宮君が内に職業体験に来てくれたんだよなぁ

 

「いやぁ、僕が研修したときより成長したね」

 

「えぇ、あのときから一年以上はたってるんです。当たり前ですよ」

 

「あー、翔太。その人と仲が良さそうだが」

 

すると、話し掛けずらそうにが入り口からアルカが出てきた

 

「ごめんごめん、実は僕が学生時代に研修で行った保育園のこでさ。」

 

「そうだったのか。てっきり不審者と言い争ってるのかと思ったぞ。私はアルカ、ここで翔太に雇って貰ってる保育士だ」

 

「私は遠坂凛。翔太先生には少し世話になった……ちょっとまって!あんた今雇って貰ってるって!?」

 

「そうだが?何か可笑しいか翔太」

 

「いや、大丈夫だよ。それより子供達を頼むよ」

 

「あぁ、先に戻ってる」

 

そう言ってアタランテが保育園に戻っていく

 

「ま、まさかここって」

 

「アハハ、うん。僕の保育園だよ」

 

この後にむちゃくちゃ驚かれた、そりゃ知り合いが保育園を自分で経営してるって知ったら驚くよね

 

あのあと少し雑談して凛ちゃんと別れて子供達へと戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、子供達に本を読み聞かせたり遊んだりしてたらあっという間にお昼過ぎだった

 

「先生、そろそろ時間よ」

 

「あぁ、もうそんな時間か。みんなー!先生は用事で出掛けるけど、アルカ先生のお話をちゃーんと聞くんだよー!」

 

『はーーい!!』

 

そう言って子供達に読み聞かせていた紙芝居をアタランテ達に任せて自室に向かう

 

そして昨日書き上げた

 

『仮面戦士ゼロワンⅠ~俺が社長!?~』の原稿、そして『英雄戦争』の資料をリュックの入れてお気に入りのハットを被る

 

よし、服装も原稿も問題ないな

 

「アリスちゃん、準備出来たよ」

 

「それじゃあ行きましょう!」

 

玄関へ向かう途中、調理部屋に行く

 

「あ、紅閻魔ちゃん今日は外で食べてくるから僕らの分は無くていいよ」

 

「分かったでち」

 

返事が聞こえたし大丈夫そうだな、アリスちゃんと外に出て目的地へと歩く

 

「今日もいい天気だ」

 

「そうね先生、嬉しいわ♪」

 

今日は編集者さんのオススメの喫茶店で打ち合わせを行うらしい

 

すると喫茶店らしき店が見えたので近付くと『冒険野郎』と書かれた看板のついた喫茶店があった

 

「ここが編集者さんの言ってた」

 

「きっとそうよ。楽しみね、先生」

 

「確かにそうだね」

 

そう会話し、店に入る

 

「いらっしゃいませーーー!」

 

するとアリスと同じくらいの身長で、腰まで伸ばした髪の少女が笑顔で出迎えてくれた

 

「君、まだちっちゃいのにお店の手伝いしてるんだ。偉いね」

 

つい何時の(保育園の)感覚で、彼女の視線にしゃがんで会わせてからそう言って頭を撫でる

 

「ありがとうございます!」

 

「先生、また癖がでてるわ」

 

すると、珍しくアリスちゃんがジト目で注意してきて驚いた

 

「あ、ごめんね急に。いつもの癖で」

 

「大丈夫です。えっと、お席は……」

 

「おーーい!剣さん、こっちだよ!」

 

「あ、どうも」

 

そう言って奥の席から手を降ってくる編集者さんに軽く会釈してから立ち上がる

 

「あ、お予約のお客さんだったんですね!」

 

そう言って少女に案内してもらい編集者さんの向かいにアリスちゃんと座る

 

するとアリスちゃんは早速メニューを見ている

 

「お疲れ様です、翔太先生。」

 

「いえ、そちらこそお疲れ様です編集者さん」

 

「さて、まずは……」

 

「パンケーキ!先生、先生!私パンケーキが食べたいわ!」

 

「ちょ、アリスちゃん落ち着いて。編集者さん、取り敢えず何か頼みませんか?」

 

「アハハ、そうだね!じゃあ自分はアイスコーヒーを頼もうかな。確か翔太先生はミルクティーがお好きでしたよね?ここのミルクティーは絶品ですよ!」

 

「本当ですか!じゃあそうします、アリスちゃんは決まった?」

 

「私はチョコシロップパンケーキとイチゴミルク!」

 

近くの店員のお兄さんに注文を伝えると先に飲み物が来たので、早速ミルクティーを一口飲む

 

「美味しい」

 

ちょうどいい甘さで、なんか作った人の気持ちがこもってるのが分かる

 

「それは良かった、さて先生。今回は英雄戦争下の方は、また先生がオープニングとエンディングの歌詞を?」

 

実は、この世界には特撮や前世の世界にあった曲があまりない

 

自分の作品がアニメになるんだし、自分が納得するものにしたい

 

だから、僕は歌詞だけ書き編集者さんに頼んでアーティストさん曲をつくって貰ってるのだ

 

例えならアニメ『英雄戦争 上』

オープニングは『青い果実』、エンディングは『飛び立てない私にあなたが翼をくれた』

『英雄戦争 中』はオープニング『英雄』はエンディングは『you』等だ

 

「はい、今回はオープニングの曲とエンディングで歌詞は書いてきてあります」

 

そう言って歌詞を書いた原稿用紙を取り出す

 

「今回のオープニングは『IMAGINARY LIKE THE JUSTICE』エンディングは『ハッピーエンド』と言う曲を考えてきました」

 

そう言って歌詞の書かれた原稿を渡す

 

「了解です、あとは任せて下さい」

 

「ありがとうございます!それと、新作を思い付いて、書いてきたんですけど」

 

「し、新作ですか!?」

 

「はい、今回は近未来をテーマにして作ってきたんです」

 

そう言ってリュックから書き上げた『仮面戦士ゼロワンⅠ~俺が社長!?~』の設定と一冊分の原稿を取り出す

 

「題名は仮面戦士ゼロワンです」

 

「仮面戦士、と言う事は!」

 

「はい、英雄戦争にて主人公が変身したした仮面戦士セイバーと同類の戦士の物語です」

 

「なるそど、物語はどのように……………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕とアリスちゃんは暗い夜道を歩いて帰っていた

 

あのあと、いつの間にか来ていたパンケーキを食べていたアリスに気付いて驚いた

 

そして僕と編集者さんの打ち合わせが長引いてしまい夜遅くまで喫茶店にお邪魔してしまったのだ

 

「先生」

 

突如として歩みを止めるアリスちゃん

 

「どうした?眠くなったんなら背負って帰るけど」

 

「近くから魔力を感じるわ、注意して」

 

「っ!?」

 

『さっきなんだが魔力を感じた。もしかしたら、この町に魔術師か魔術使いが来ている恐れがある』

 

頭の中で昨日のアタランテの言葉が思い出す

 

そうだ、もしかしたらこの町に魔術師に来ている可能性が

 

「アリス……いや、キャスター。何処からか分かる?」

 

「任せて」

 

アリスが魔力を感じた場所へと歩き出すのを僕は後ろから追う

 

そしてたどり着いたのは僕の母校でもある穂群原学園だった

 

「ここ、なの?」

 

「えぇ先生、校庭から魔力を感じる。もしかして鏡面世界の中?」

 

そう言ってアリスが何処からか取り出した本を校庭へと向けて開くと何も描かれていなかったページに風景が浮かび上がる

 

そこには、イリヤスフィールちゃんらしき人物が魔法少女の格好をしてサーヴァントらしき人物と戦って?いた

 

「あれは、恐らく武器的にセイバーやランサー、アーチャーじゃない。もしかしてあれがライダーなのか?」

 

「恐らくそうよ先生っ」

 

見ると、イリヤスフィールちゃんがステッキを向けると魔方陣が展開され大量の魔力弾が放たれ、ライダーと思われるサーヴァントの周囲に降りそそる

 

「っ不味い!」

 

土煙の中、サーヴァントのつけた仮面が少し光るのを見て僕は一つの考えがよぎった

 

宝具を使う気だ

 

「アリスちゃ……」

 

俺はイリヤスフィールさん達を助けるためにアリスちゃんにそう声をかけて、止まってしまう

 

僕が戦うために僕は彼女に力を借りなければいけない

 

英霊とはいえ、少女の姿をした彼女に力を借りて戦う僕は、結局彼女を巻き込んでしまっているのではないか

 

結局、僕は子供に戦わせたくないと言う綺麗事ばかり並べてるのだけで

 

()()()()

 

「ッ!」

 

思考の中に沈んでいた僕はいつの間にかアリスちゃんに手を握られていた

 

「マスター……私は貴方のサーヴァント、パートナーよ。気にしないで、それに子供に戦わせないようにする為にマスターは戦うんでしょ?」

 

「…………アリス」

 

「だから私は、私の意思でマスターと戦うの。貴方の剣として、貴方の理想を叶えたいから……」

 

「そっか、ありがとう。一緒に戦ってくれ、ナーサリーライム」

 

「えぇ!」

 

そう言って彼女が飛び上がり、別の姿に変身する

 

僕が戦う為に必要な聖なる刃と世界を作った本の姿へ

 

覚悟なら決めた、覚悟の先に理想がある

 

僕は中に浮かぶそれを掴み取る、赤い柄の剣の納刀された金と黒の鞘のようなベルトを

 

『聖剣ソードライバー』

 

手にして腰に当てると、ベルトが現れて体に固定される

 

僕はもう一つの赤い竜の描かれた赤い本のようなアイテム

 

かつて、世界を作ったと言われる『大いなる本』がバラバラち分割された中の一つ

 

ワンダーライドブック『ブレイブドラゴン』のページを開くとまるで炎が渦巻くよな音が鳴り響く

 

 

『─かつて全てを滅ぼすほどの

    偉大な力を手にした神獣がいた─』

 

ページを閉じ、ワンダーライドブックを一番右に装填する

 

ブレイブドラゴン!

 

するとベルトからは待機音声が流れ、次の動作で変身出きることを伝えてくる

 

僕は右手でベルトの剣を握りしめて引き抜き構える

 

烈火抜刀!!

 

そして覚悟を決めて、イリヤスフィールちゃん達のいる世界にへと走りながら叫ぶ

 

「変身!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡面世界にて、イリヤスフィールは遠坂凛と供にクラスカードが実体化した長い髪で長身の女性と思われるライダーと戦闘しカレイドステッキ、マジカルルビーの助言の元に散弾を放った

 

だが、土煙があがりそれが晴れたときライダーのサーヴァントはイリヤへと武器を向け、魔方陣を展開させる

 

「イリヤ、逃げなさっ!?」

 

凛の声と真剣な表情にイリヤは戻ろうとするが、それが駄目だった

 

突如としてライダーの魔方陣が消えた

 

そう、宝具を発動すると見せたその行動は囮であり、ライダーは

 

鎖付きの短剣を恐ろしい早さでイリヤの背後へと投擲していた

 

「イリヤ!後ろよ!!」

 

「っ!?」

 

イリヤは振り返ると、短剣がイリヤの胸に吸い込まれるかのように向かっていた

 

怖かったイリヤは思わず目を瞑る

 

すると、金属がぶつかりあったかのような音がする

 

気になり目を開いたイリヤの前には右手に剣を持った何者かがいた

 

まるで、炎を思わせるかのような複眼に仮面に大きくXにきられた斬撃のようなデザイン

 

右肩にはまるでドラゴンのような模様と赤くそまった装甲に赤くひらめくローブ

 

まるで騎士を連想させるその姿

 

烈火一冊!

 

眺めていた時、その人物のベルトから大きな音声が鳴り響く

 

『─勇気の竜と火炎剣烈火が交わるとき

           深紅の剣が悪を貫く!

 

 

 

 

世界が解けるとき

      竜が炎の剣を呼び覚ます───

 

 

 

火炎剣烈火!!

 

 

「よく頑張った。あとは任せてくれ」

 

「は、はい!?」

 

「そこの女の子も、この子を連れて下がって!ついでに後ろで隠れてる二人もだ、あとは任せてくれ」

 

そう言って再び僕は火炎剣烈火を構える

 

「ちょっと!そう言ってクラスカードを回収するんじゃ!」

 

「悪いけど、僕はクラスカード?に興味はない。僕はただ、まだ小さな子供に戦わせたくないだけだ!」

 

僕は火炎剣烈火に炎を纏わせてライダーらしきサーヴァントへと走る

 

「はぁ!」

 

そしてライダーが此方へと投擲する短剣を真上にジャンプして避けて短剣を繋ぐ鎖へ上から炎を纏わせた火炎剣烈火を振り下ろす

 

だが、ぶつかり合うだけで叩ききる事は出来なかった

 

「くっ!やっぱり硬い……なら!」

 

僕はソードライバーのブレイブドラゴンのワンダーライドブックのページを押す

 

ブレイブドラゴン!

 

そして火炎剣烈火を左手にもち変えて右手の拳を握りしめ、炎を纏った拳をライダーへと振り抜く

 

「ドラゴンワンダー!!」

 

すると右手から放たれた炎は、ワンダーライドブックに描かれたブレイブドラゴンとなりライダーへ向かう

 

ブレイブドラゴンの突進を受け、吹き飛ばされたライダーは少しボロボロになり立っているのがやっとのように見えた

 

「僕が、全てを救ってみせる」

 

ソードライバーへと火炎剣烈火を納刀し、火炎剣烈火のトリガーを1度引く

 

必殺読破!

 

その音声が流れたのを確認しソードライバーへ納刀された火炎剣烈火を引き抜く

 

烈火抜刀!

 

僕は先程より強い炎を纏った火炎剣烈火を両手で握り構える

 

ドラゴン一冊斬り!ファイヤー!!

 

「いくぞ、火炎十字斬(かえんじゅうじざん)!」

 

そう言って地面を踏み込んでライダーへと全速力で駆けながら横に斬り抜ける

 

「フッ!ハッ!!」

 

振り返りもう一度走って、最後の一撃を与えて駆け抜ける

 

「デリャァアーー!!」

 

僕は体勢を直して後ろの斬りつけたライダーを見る

 

するとライダーは体から光の粒子のような物を出しながら消えていった

 

その場に金色に輝くカードを残して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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四冊目、覚悟はあるか

 

 

翔太side

 

 

ライダーが光の粒子と供に消えた場所にはRiderと書かれた金色のカードが落ちていた

 

それを火炎剣烈火をもってない方の手、左手で拾い上げる

 

これがさっき凛ちゃんが言ってたクラスカード

 

この絵、何かを引っ張ってる?

 

いや、何かに乗ってるのか?

 

だとするとライダーのサーヴァントは乗り物系の英雄なのかな?

 

そこまで思案して聖剣ソードライバーに火炎剣烈火を納刀する

 

「ちょっとアンタ!」

 

凛ちゃんに叫ばれて僕は思考を止め振り返る

 

そこには凛ちゃんとイリヤスフィールちゃん、そして隠れていた二人

 

金髪青いリボン、髪型がロールになっていて青い服を来ている凛ちゃんと同じくらいの女性、よく小説でみるお嬢様みたいな感じだな

 

イリヤスフィールちゃんと同じような服とステッキを持ち此方を睨んでくるショートカットの少女が、こちらにステッキを向けている

 

「動かないで下さい、動いたら撃ちます」

 

『動かない方が良いですよ』

 

「流石はサファイアの認めたこですわね」

 

歳はイリヤスフィールちゃんと同じくらいかな?

 

この子……何でこんなに悲しい目をしているんだ?

 

あんな目はこんな小さな子がしていいはずがない

 

イリヤスフィールちゃんは、あわあわしてるから戦闘の様子はないな

 

「カードの件は感謝するわ、さて貴方は誰か、目的は何か話してもらうわ」

 

そう言って何処からか宝石を取り出して構える凛ちゃん

 

やっぱりこうなるか、あの宝石

 

あいつが言ってた宝石魔術?ってやつかなのか?

 

「ちょ!?さ、最初は話し合いとかじゃないの!?ねぇルビー!」

 

『これぐらい、魔術師では当たり前ですよ』

 

「魔術師って怖い!?」

 

「さぁ、答えなさい!」

 

「僕の名前は仮面ライダーセイバー。目的は子供に戦わせないこと」

 

「な!?セイバーのサーヴァントですって!?」

 

「そんな、ここにはライダーのクラスカードしかないはず!?」

 

『落ち着いてくださいお二人とも、彼はセイバーと、名乗っただけです』

 

『そうですよ二人とも!サーヴァントなんて一言も言ってませんし』

 

「で、でも目的はカードじゃないのよね!?」

 

()()()()()()()()()()?セイバー、本に剣…魔術師…………ブツブツ」

 

『おや?イリヤさん?何か思い付きですか?』

 

「うそ、もしかして仮面戦士セイバー!?本物!?」

 

「「「は?」」」

 

『…………?』

 

『あぁ!確かイリヤさんがお昼に読んでた本ですね!』

 

「うん!その主人公の変身するヒーロー!あの話リアルすぎて実際にあったことなのか考察されてたから、まさかって思ってたけど本当だったんだ!」

 

イリヤスフィールちゃんがそう言って此方を見ると、他の皆も此方を見る

 

「その子の言う通り、あれの元は僕だよ」

 

「変身するってことは、変身してるのは誰?」

 

黒髪の子の方は鋭いな、そこに気付くとは

 

「へぇ、ならさっさとその変身とやらを解除して貰おうかしら……もし抵抗するなら」

 

「ミユウ」

 

「撃ちます、抵抗するなら」

 

そう言って青い服の子も構え始める

 

『おやぁ、逃げ場は無さそうですねぇセイバーさ~ん?』

 

まぁ、何時かは教えるときが来るんだし、仕方ないかな

 

そう思って僕はブレイブドラゴンのワンダーライドブックを引き抜いた

 

すると僕の身を包むアーマーが消え元の服に帽子を被った姿に戻る

 

すると、凛ちゃんとイリヤスフィールちゃんの顔が驚愕に変わる

 

「ふぇええ!?しょ、翔太先生!?」

 

「しょ、翔太さん!」

 

『おや知り合いですか?』

 

「やぁ、イリヤスフィールちゃんに凛ちゃん。そしてそこの二人は初めまして、仮面ライダーセイバー。剣 翔太です」

 

「ショウタさん?ですの?」

 

「はい、翼保育園の園長です。良ければ今度来てください、お茶くらいなら出せますし。そこの子も」

 

僕がルヴィアさん達にそう言っていると驚いてあわあわしていた凛ちゃんとイリヤスフィールちゃんが落ち着き始めた

 

「こほん……翔太さん、クラスカードを渡して下さい、貴方はいらないんですよね?」

 

「これの事だよね。ならこっちの質問に答えてくれたらいいよ」

 

そう言って奪いに来ないよう火炎剣烈火を相手側のみんなに向ける

 

その事に凛ちゃんは驚き、イリヤスフィールちゃんは僕の事を信じられない物を見たような目で見る

 

「ごめんね凛ちゃん達、いくら僕でも魔術師に対しては警戒せざるを得ないんだ」

 

そう言って先程まで子供に向ける優しい笑顔ではなく、真剣な顔で火炎剣烈火を握りしめる

 

「ッ!………分かったわ」

 

「トウサカッ、あなたそう簡単に一般人に情報を!」

 

「黙ってなさいルヴィア、翔太さんは恐らく魔術使い、隠してもむだよ」

 

「まず一つ目、何故この町に魔術師がいる?」

 

「わ、私たちは時計塔の任務でクラスカードの回収に来たんです」

 

この町にこのカードみたいなのがあと何枚もあるのか

 

「それなら、凛ちゃん達はどうしてイリヤスフィールちゃん達に戦わせているんだい?任務なら君ら二人がやればいい、それに魔術を少し齧った僕でもさっきのイリヤスフィールちゃんの戦闘は素人の戦闘にしか見えない、何故彼女達を巻き込んだんです?」

 

そうだ、回収なら大人や任務で来てる凛ちゃん達だけでやればいい

 

なぜ、イリヤスフィールちゃん達のような子供に戦闘をさせる

 

何故世界は子供に戦わせる

 

「それは、ルビーが勝手にイリヤと契約を!」

 

「サファイアがこのかたと勝手に!」

 

『そもそも、貴方達が協力もせず喧嘩してばっかでしたから』

 

『こればかりは姉様に同意しますが、彼の言葉にも考えさせられる物があります』

 

『えー、さっき女の子に戦わせたくないとか言ってましたけど~。私は魔法少女用のステッキなのでー』

 

なるほど、イリヤスフィールちゃんと同じような服を着たこのステッキは前にあいつが言ってた魔術礼装なのか

 

「ステッキ、君たちに意思があるなら聞くが何故その子達をこちら側に巻き込んだ。その子達が納得したのならお前らには何も言わない、だが巻き込んだりしたのなら僕はお前らを斬らなきゃいけなくなる」

 

「………ルビー」

 

『イリヤさんは納得しましたよね!よね!?』

 

「そして君たちに言っておくけど、君たちが得た力は強力なものだ。現実はアニメとは違うんだ。どんなに力があっても使いこなさなければ、覚悟がなければ意味はないし何も救えない」

 

「覚悟………」

 

「生半可な気持ちで戦ってるなら、今すぐ辞めるんだ……後悔することになる」

 

『そんなこと言って~、貴方だってヒーローみたいな活動して。貴方こそ生半可な気持ちで戦ってるんじゃないんですか~?』

 

「7人」

 

『へ?』

 

「僕が巻き込まれた戦いで死んだ人の数だ」

 

『……………』

 

僕のその言葉にステッキは黙りこむ

 

「生半可な気持ちで力を使うなら止めろ、カードの回収なら僕がやる」

 

すると突如として腰に巻かれた聖剣ソードライバーと火炎剣烈火が僕の手から離れ、元の少女の姿に戻り僕の隣に降り立つ

 

その光景に凛ちゃん達は理解が追い付かないのか

 

「えぇ!?ベルトが女の子に!?」

 

「もぅ、言いすぎよ先生。彼女達を心配するのは分かるけど」

 

「………確かに、少し言いすぎたかもね。ごめん」

 

そう言って四人に頭を下げる

 

「あと、僕も君達のクラスカードの回収を手伝ってもいいかな?さっきも言ったけど君達のようなまだ大人になってない子に戦わせるようなことは極力したくないんだ」

 

そう言うとどこか納得したのか凛さんは頷いた

 

「えぇ、此方こそお願いします翔太さん」

 

「ならよかった。取り敢えず質問ありがとう、これが約束のカード」

 

そう言って凛ちゃんにカードを渡し、彼女達のクラスカードの回収を手伝う事を約束したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凛ちゃん達と約束しアリスちゃんと供に家に歩く

 

「先生、また戦うのね」

 

「ごめん、アリスちゃん」

 

「いいの、私は貴女の剣。召喚された時に……先生!家の前に誰か倒れてるわ!!」

 

「え!?」

 

そう言ってアリスちゃんが指差す所、園の要り具に高校生ぐらいの子が倒れていた

 

僕は書けよって見るとその子は部屋着のような服を来ており、所々がまるで斬られたかのようになっている男の子がいた

 

取り敢えず手首をさわって脈を確認する

 

「脈をはあるな。取り敢えず園に運ぶよ」

 

「えぇ、分かったわ」

 

そう言って僕は彼を客間の布団に寝かせた

 

 

 

 

 

 

 






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五冊目,揺れる天秤

 

 

???side

 

 

 

 

 

 

 

ある男は願った、種の継続を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺は願った

 

 

 

 

 

たった一人の幸せを

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『士郎、僕は“正義の味方”に憧れてた』

 

あぁ、知ってるよ……爺さん

 

 

だけど、ごめん

 

俺はあの時の約束を守ることは出来なかったんだ

 

俺は■■の為に他の全てを捨てた

 

爺さんから託された理想(ゆめ)

 

目の前で■を殺されかけて

 

俺の妹を、■■を守ろうとする俺に

 

あいつは言ったんだ

 

 

また失うぞ

 

 

お前じゃ誰も救えない

 

 

 

許せなかった……だから俺は決意したんだ

 

たった一人の幸せを願う事

 

それを悪と言うならば、

 

全のため一を殺すというのなら

 

俺は何度でも悪を為そう、と。

 

俺は、悪でいい

 

俺は正義の味方と言う理想を捨てた

 

悪となった

 

目の前で転移していく■■

 

俺は■■に願ったんだ

 

『■■がもう、苦しまなくていい世界になりますように』

 

『やさしい人たちに出会って……笑いあえる友達を作って……』

 

『あたたかで ささやかな、幸せをつかめますように』

 

そのために、俺は奴と戦った

 

俺の全てで彼奴に立ち向かったんだ

 

そして、強大な一撃に俺の全ては勝った

 

俺は片手を中へと向けて突き上げる

 

「勝ったよ……………切嗣」

 

そう呟いた瞬間、腕に力が入らなくなって手が地面に叩きつけられる

 

体から力が抜け落ちていく

 

あぁ、まずいな

 

ごめんよ■■、海に連れてくって約束

 

忘れてた

 

もし、もう一度会えたらさ

 

 

その約束を………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

体は剣で出来ている

 

 

血潮は鉄で心は硝子

 

 

幾たびの戦場を越えて不敗

 

 

たった一度の敗北はなく

 

 

たった一度の勝利もなし

 

 

遺子はまた独り

 

 

剣の丘で細氷を砕く

 

 

けれどこの生涯はいまだ果てず

 

 

偽りの体は、それでも

 

 

剣で出来ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翔太side

 

 

園の前に倒れた少年を家に運び包帯やガーゼで出来る限りの応急処置をした

 

そして念のためと用意していた客間に寝かせた

 

彼の体は所々が褐色に変化していて

 

それは火傷とも、日焼けとも見られなかった

 

更には身体中に何かで斬られたと思われる切り傷が見られた

 

どう見ても、高校生くらいの子が追っていい傷じゃない

 

だとすると、此方側に巻き込まれたか

 

殺人気又は通り魔に襲われたぐらいだろう

 

なら、せめて傷が直るまでは園に居させてあげよう

 

そう目が覚めぬ少年を見つつ思い、椅子から立ち上がる

 

そして廊下に出て、地下への階段を下る

 

すると、上と違い少し温度が下がったのを感じる

 

そして冷気を発する原因のある部屋の前で立ち止まる

 

ポケットに入れて置いた鍵を取り出して中に入り電気を着ける

 

すると、部屋の明かりが付き

 

部屋の中央を照らす

 

そこには、氷の台座に刺さった

 

冷気を放つ青い刀身、柄に掘られた薔薇の装飾がついた剣

 

異世界にて、とある英雄が使っていた

 

そしてあの時に紅閻魔からつづらで渡された青い剣

 

イリヤスフィールちゃんや凛ちゃんを守るために

 

「もしかしたら、これを抜くときが来るのか…………やめだやめ、いい歳した大人が厨二病みたいだ」

 

そう言って部屋を出て明かりを消す

 

鍵を閉めて上に上がり部屋に戻る

 

何時も通り保育士をするとき用のエプロンを身に付ける

 

さて、切り替えていこう

 

そう思った時だ、ポケットの携帯がなり響く

 

誰からと見てみると、編集者さんだった

 

「もしもし?」

 

『もすもすひねもす?』

 

「あれ?編集者さんの声じゃない?すいません、どなたですか?」

 

『私はアニメ音楽会の生んだ天災、TABANEさんだよ!』

 

「は、はぁ?」

 

た、たばね?

 

そんな人、聞いたことないけど

 

『ちょっと!困りますよ、携帯返して下さい!あ、翔太さんですか?えっと英雄戦争のOP、EDの曲を歌って下さるアーティストさんが決まったので、どんなリズムで行くのか此方に来て説明して貰えませんか?』

 

「きゅ、急ですね?どうして?」

 

『すいません、TABANEさんは急に活動するかたでして、こんな形になってしまい……』

 

『だって天才の私が愛読するの英雄戦争のOPとEDの歌い手を探しているってきいたんだもん!』

 

「と、取り敢えず行けばいいんですね?分かりました」

 

『はい、場所は○○ビル4階のオーディオです』

 

「分かりました」

 

そう言って携帯の通話を気ってアタランテの元へ行くと園内の掃除を行っていた

 

少し申し訳ないけど、園の管理は彼女にしか任せれない

 

「む?どうしたんだ翔太」

 

「アルカ、少し用事で出掛けなきゃいけなくなっちゃって。申し訳ないけど、僕が行ってる間、園を頼むよ」

 

「あぁ、安心して任せてくれ。だが、午後の読みかきかせは?翔太の読み聞かせが聞けないと、あいつら少し悲しむぞ」

 

「午後の読み聞かせの時間までには戻れるよう頑張るよ」

 

そう言って園を任せて、僕は出掛けようの服と帽子を被って園を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、どうにか午後の読み聞かせまで園に戻る事が出来た

 

いや、選ばれたアーティストのTABANEさんはまるで不思議の国のアリスを思わせるかのような服にウサミミをつけている女性だった

 

なぜにウサミミ?

 

まあ、僕が少しだけ歌って見せると

 

さすがは天才、すぐに僕の思う通りの曲を仕上げてくれた

 

これで最後の戦闘シーンに流れる歌で一気に人気を取り戻せるかも知れない

 

読み聞かせに使う本『ピーターパン』を選んで子供達の待つ教室に入ると一人だけ見かけない子がいた

 

「アルカ、あの子は?」

 

「あぁ、体験入園に来てくれた子でな。名前はアビーだ」

 

「わかった。ありがとう」

 

そう言って僕は何時も通り本を読み聞かせる

 

さすがに女の子の役はアタランテに頼んだけどね

 

新しく来た、アビーちゃん

 

少し前のあの時に喫茶店を手伝ってた子が来てて驚いたけど

 

見んなと同じように笑顔で過ごせていたみたいだからよかった

 

 

 

 






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六冊目,正義の在り方

 

 

翔太side

 

 

「それじゃ、また明日ね」

 

「はーい!」

 

「せんせーさよーなら!」

 

そう言って最後の園児達が帰っていくのを手を振って見送る

 

今日もみんな笑顔で過ごせていた、みたいでよかった

 

明日は何の話を読みにきかせて上げようかな

 

そんな事を考えながら園の入り口の扉を閉めて鍵をかける

 

「さて、今日の晩御飯は何かな~」

 

そんな事を呟きながら廊下を歩いているとちょうど片付けが終わったのかアタランテと合流した

 

「アタランテも終わった?」

 

「あぁ。そう言えば翔太、今日体験入園してたアビゲイルちゃんなのだが、入園する事が決まったぞ!」

 

「本当に!やったね、子供達の笑顔が増えるよアタランテ!」

 

「あぁ、このままどんどん入園してもらって園も大きく出来たらいいな!」

 

「そうだね!」

 

話しながら廊下を歩いていると向こうからトタトタと走る音が聞こえてくる

 

「おかーさーん!」

 

みると、ジャックが走ってきていたのでナーサリーの時と同様にしゃがんで受け止める

 

「どうしたの、ジャック?」

 

「何かあったのか?」

 

「セイバーが寝てた人が起きたってー!」

 

そうか、彼が起きたのか

 

「わかった、ありがとうジャック。アタランテ、ジャックと先にご飯食べててくれ」

 

「わかった、行こうかな」

 

そう言って手を繋いで行くアタランテとジャックを見送り僕は家側の客間へ向かい扉を開く

 

そこにはベットで上半身を起こした状態の少年がいた

 

「やぁ、体は大丈夫かい?」

 

「あなたは?」

 

「僕は剣 翔太、君が倒れてた保育園の園長さ」

 

取り敢えずそう言って笑顔を向けてからベットの近くの椅子に座る

 

「いや、驚いたよ。君は園の前に身体中にまるで斬られたかのような傷だらけの状態で倒れてたからさ」

 

そう言うと、少年は困惑した表情を浮かべる

 

「保育園の前に、ですか?」

 

「うん、所で一つ質問をさせて貰ってもいいかい?」

 

「はい?質問ですか?」

 

「なぜ君は園の前に傷だらけで倒れていた?そして何故()()()()君と同じ顔なのかな?」

 

そう言うと、少年

 

衛宮士郎の姿をした少年は驚愕の表情を浮かべる

 

園に運ぶときは急いでいて気付かなかったけど、治療しているとき気付いた

 

少年は衛宮君とうり二つだったのだ

 

顔だけではなく体格までもが

 

唯一違うとすれば、肌の所々が褐色になっている事のみ

 

「…………」

 

「何か、理由があるのかい?」

 

そう言うと彼はなにか決意したかのように頷くと言った

 

「こんなこと言っても、きっと信じて貰えないと思うんですが─────」

 

そう言って彼が話したのはとても、驚く内容だった

 

彼は、この世界と並行して存在する世界の衛宮君らしい

 

このままだと紛らわしいから、イリヤスフィールちゃんの兄の方は衛宮君

 

こっちは士郎君と呼ぶことにしよう

 

なんでも並行世界ではイリヤスフィールちゃんではなく、朔月美遊と言う子の兄らしい

 

そしてその子は完成された聖杯、らしい

 

なんでも人の願いを無差別に叶えてしまうとか

 

その子を連れ去られた士郎君は

 

美遊ちゃんを救うため、たった一人で立ち向かった

 

更には受け継いだ理想すら捨て、妹を別世界に転移させるため

 

英雄王の力を宿した者と戦った

 

聖杯に願った

 

それを聞いて僕は涙を流してしまっていた

 

思わず士郎君を抱き締める

 

「しょ、翔太さん!?」

 

「よく頑張ったね、士郎君。君は本当に、本当に……………良く頑張った」

 

そう言って彼を離して頭を撫でる

 

「君は凄い………君は悪なんかじゃない、本当の正義の味方だ」

 

「止めてください、俺は正義の味方を名乗る資格なんてない」

 

そう言う彼の目には少し迷いと後悔があった

 

「あのね士郎君、ある本の主人公が言ったんだ」

 

「え?」

 

「『たとえ、世界を敵にまわしても守るべきものがある』ってさ。その主人公は妹を守るために、世界を敵に回したんだ」

 

「世界を敵に………」

 

「もう一つ、ある物語の主人公が言った『誰かの正義は、誰かの悪ってこともある。おまえたちの正義と、オレの正義が同じとは限らない』これは君に会う言葉だと思うよ」

 

「そうか、俺は間違ってなんて……いなかったんだ。答えは得た、ありがとう翔太さん」

 

そう言って憑き物が落ちたかの様に笑う士郎君は、僕の知るちゃんとした笑顔だった

 

「うんうん、やっぱり子供は笑顔が一番だな」

 

すると、扉がガチャと空いて二人分の食事を持ってきた紅閻魔入ってきた

 

「ご飯が出来たでち………取り込み中だったでちか?」

 

「いや、ちょうど良かったよ。ありがとうセイバー」

 

「残さず食べるでちよ、貴方もでち」

 

そう言って紅閻魔ちゃんが退室していく

 

「取り敢えず、食べようか」

 

「すいません、治療だけじゃなくて飯まで」

 

「いいんだよ、士郎君はまだ子供なんだから大人を頼りなさいって」

 

そう言って二人でご飯を食べる

 

そう言えば、あのルヴィアって子があのこの事をミユって呼んでたような?

 

もしかして、士郎君の妹はこの世界に?

 

でも、こんな奇跡ってあるのか?

 

食べながら、僕は考え取り敢えず士郎君に話してみることにした

 

「士郎君、実は君の言っていた美遊ちゃんだけどね少し心辺りがあるんだ」

 

「っ!?本当、ですか?」

 

僕の言葉に思わず食べていた箸を止める

 

「うん、いま冬木市にはクラスカードと言う物が会ってね。それを回収するために、イリヤスフィールちゃんとミユと呼ばれてた子が戦ってるんだ」

 

「イリヤと美遊が………」

 

「そして僕はそれを手伝っている。よかったら美遊ちゃんに時間を作って貰おうか?」

 

「美遊とは、まずは会ってみます。あの、さっき言っていたクラスカードの回収って、俺も手伝えませんか?」

 

「悪いけど、士郎君は戦える体じゃないんじゃ無いのか?」

 

「だ、だけど剣一つぐらいなら」

 

「相手はサーヴァントだ。それに君がさっき言っていた通りなら投影魔術を使うことすら難しいんじゃ無いのかい?」

 

そう言うと、士郎君は黙り込む

 

「君が能力を使わないで戦う一つ方法がある」

 

前の世界で妹を守るために戦ったかれなら

 

子供に、戦わせたくないけど彼の決めたことなら

 

そう思い、僕はそう口を開いた

 

「本当ですか!?」

 

「だけどその前にご飯を食べよう。残すと起こられるしね」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからご飯を食べ終えた僕らはアリスちゃんの元に来ていた

 

「あら先生、どうしたの?それにその人は、目が覚めたのね!」

 

「あぁ、お陰様でね」

 

「アリスちゃん、悪いんだけど前に言った僕の記憶にあるもう一人の青い剣を使う方のドライバーと本を投影してくれないかな?」

 

「もしかして戦うの?その人も」

 

「あぁ、妹を守るためならなんだってするさ、俺はそうしてきた。だから頼む、妹を守るためにどうか力を貸してくれ」

 

「むぅ、そこまで言われたらやるしかないわ」

 

そう言ってナーサリーライムは一冊の本を取り出して広げる

 

「いくわ『誰かの為の物語』」

 

アリスちゃんが宝具を解放すると、本のページが光を放ちながら開き

 

止まると聖剣ドライバーと一冊のワンダーライドブックが現れる

 

「出来たわ先生、それとお兄さん」

 

「ありがとうアリスちゃん」

 

そう言って頭を撫でてから、僕は青い柄のついた剣が納刀されたベルト

 

そしてワンダーライドブックを受け取り士郎君に指しだす

 

「士郎君、これは僕も戦いで使っている力。聖剣ソードライバーだ、これがあれば君は魔術を使わず戦う事ができる」

 

「聖剣………」

 

「そしてその剣の名前は水聖剣流水(すいせいけん ながれ)

 

「水聖剣流水、それに聖剣ソードライバーか。聞いたこと無い魔術礼装だ」

 

それはそうだ、僕の前世の記憶から投影した

 

なんて言えないので剣の説明に入る

 

「そして聖剣ソードライバーの力を使うにはこのワンダーライドブックがいる」

 

そう言って僕は先程ナーサリーが投影してくれた青いワンダーライドブック

 

ライオン戦記のページを開く

 

ライオン戦記!

 

『──この蒼き鬣が新たに記す

       気高き王者の戦いの歴史──』

 

「な、なんか特撮のヒーローみたいだな」

 

「まぁ、そうだね。さて、これの使い方は外に出て説明するから着い来てね。アリスちゃん、投影ありがとう、あとでケーキ買ってあげるよ」

 

「まぁ!嬉しいわ嬉しいわ、凄く嬉しいわ!絶対よ?楽しみにしてるわ!」

 

そう言って僕は士郎君に変身や戦闘の仕方を教えるため部屋を出て円の外に出た

 

 

 

 

 

 




次回、士郎君変身!?

この世界の衛宮士郎と美遊兄の見分け方
衛宮士郎→衛宮君
美遊兄→士郎君



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