マスターガンダムでZの世界を生き抜きます (ボートマン)
しおりを挟む

破界編
第1話


というわけで書いたのはスパロボの新作でした。
色々と迷いましたが、今回はこれに決めました。

ちなみオリ主のモデルはGジェネレーションオーバーワールドの男性マイユニットNo.07で服装はマスターアジアと同じ感じです。

左のキャラのような感じです。
https://www.famitsu.com/images/000/020/612/l_50457e320af1e.jpg


「ああ…誰か。誰か、どうしてこうなったのか教えてほしい。………これはどういう状況ですか――――――!?」

 

何かの乗り物と思われる物の中で男こと、ジン=カミノギの叫びが木霊するのであった。

 

叫んでいたジンは少しして、叫んだことで落ち着いたのかゆっくりと深呼吸をする。

 

「うん、うん、とりあえず落ち着こう。まずは状況を確認しよう。まずここは何処だ?」

 

周りも見渡すも周りは真っ暗だった。

 

しかし、ジンはここであることに気づいた。

 

「ん?この服は?」

 

自分が来ている服装に見覚えがあり、さらにあることに気づいた。

 

「この上と下にある機械は?……もしかして?」

 

あることに気づいたジンは物は試しとということで、恥ずかしい気持ちを抑えて息を吸うと。

 

「ガンダーーム!!」

 

辺り一面に木霊するかの如く思いっきり叫んだ瞬間、真っ暗だった空間に周辺と思われる光景が映し出された。

 

「本当に……ガンダムなのか……」

 

試しでやった結果が乗っていたのはガンダムでした~という事実。

 

あり得ない事実にジンは理解できずにいた。

 

「しかも、これって…」

 

ジンは今乗っているガンダムと繋がっている感覚がある。

 

「やっぱりモビルトレースシステムだ」

 

腕を動かすと、黒い腕が先程動かした通りに動く。

 

「ん?待てよ?」

 

動かしたときに見えた黒い腕に、ジンは見覚えがあった。

 

「待てよ?まさか!?」

 

自分の体を見るように頭を動かして見る。

 

「待て待て待て待て!マジで!?ま、ままままマスターガンダムぅぅぅぅ!?」

 

ジンが乗っていたガンダムは、なんとマスターガンダムであった。

 

「ちょっと待って!?え!?本当にマスターガンダム!?」

 

もう一度じっくり見るも、見えるのはマスターガンダムの姿だった。

 

あまりの状況にジンは思わず膝をつき、シンクロしているマスターガンダムも膝をついた。

 

「本当にどういうこと何だよ~?マスターガンダムはガンダム作品の中で好きだから嬉しいけど。こんな状況じゃ受け止めきれないよ~!」

 

頭を抱えてわんわん喚くジンは、ここで重要なことに気づいた。

 

「ま、マスターガンダムっていうことはDG細胞が…ある?」

 

DG細胞、正式名称はデビルガンダム細胞と呼ばれる。

 

この細胞に感染したパイロットは脳まで浸食されるとゾンビ兵になってしまう。

 

ところがこのマスターガンダムのパイロットであるマスターアジアは一味違う。

 

その強靭な精神力で、逆にDG細胞を制御下に置いたのだ。

 

だが、それはマスターアジアだからできたことだ。

 

一般人であったジンにそんなことできるわけがない。

 

「やばい!やばい!とりあえず機体から降りよう!」

 

今は感染しているかわからないが、まだ感染していないなら間に合うとジンは機体から降りようとした。

 

そこへ突如耳鳴りのような音が響き渡る。

 

「な、何だこの音は?」

 

突如響き渡る音に狼狽えていると、空間が歪曲し始めた。

 

「今度は何なんだよ~!」

 

歪曲した空間からは黒い生物が現れた。

 

「え、え~と、こんにちは?」

 

とりあえず挨拶してみると、帰ってきたのは咆哮に加えて突撃だった。

 

「あ、危な!」

 

咄嗟にジンは大きく跳躍して突撃を回避する。

 

何処から見ても友好的とは思えない生物に、ジンは逃げることも考えた。

 

「マスターガンダムに乗ってるのに逃げる?いったい何が起きてるのかはわからないけど、この機体で逃げることはあまりしたくない!」

 

一番好きな機体でもあるためか、ジンは逃げずに戦うことを選択した。

 

そんなジンの意志に呼応したのか、背部シールドが展開された。

 

そして、ジンは黒い生物に対し片足で立って構える。

 

その構えはジンの好きなマスターアジアと同じ流派東方不敗の構えだった。

 

とはいえ、見よう見真似の構えのため、若干形になってなかった。

 

「いくぞ!」

 

先制攻撃といわんばかりに一体に接近すると、パンチの連打をお見舞いする。

 

「ダラララララララァ――――ッ!」

 

最初に一体をパンチの連打で倒すと、突撃してきた一体に今度は回し蹴りをお見舞いする。

 

「デリャァ!」

 

回し蹴りで吹き飛んだ一体の背後に回ると、右手を貫手の形にして突き刺した。

 

「残り二体!……試しにあれをやってみよう」

 

残り二体のうちの一体に右手を突き出して構える。

 

「秘技!十二王方牌(じゅうにおうほうぱい)大車併(だいしゃへい)!」

 

右手を大きく円を描くように動かすと梵字が出現する。

 

そして、小型のマスターガンダムの分身が作り出された。

 

分身は標的に向かってパンチや蹴りを繰り出す。

 

帰山笑紅塵(きざんしょうこうじん)!」

 

分身の攻撃に標的も倒れ、ジンは分身を帰還させる。

 

「お前で最後だ」

 

最後の一体もやられてたまるかといわんばかりに突撃してくる。

 

「これで終わりだ!ダァァァクネス!フィンガァ―――!」

 

掌が黒く輝きだし、掌を最後の一体に突き出す。

 

そして、突き出した掌で頭を掴んだ。

 

「ハァッ!」

 

掴んだ頭を力強く握り、頭部を破壊し最後の一体を倒した。

 

すべての敵を倒したジンは、初めての戦闘だったこともあるせいか倒れた。

 

「はぁ…はぁ…つ、疲れた」

 

通常の格闘はともかく、ダークネスフィンガーなどは気力を使うためかジンは倒れるほど疲弊していた。

 

「これは…色々と考える必要があるなぁ。とりあえずは…休もう…」

 

疲弊したジンは倒れたまま眠るのであった。

 

こうしてマスターガンダムに乗ったまま、どこかわからない場所で眠るジンはとてつもない運命に巻き込まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第2話

「う、う~ん。ここは家?……だったらよかったな…」

 

実は夢でしたと思いたかったジンだったが、変わらずマスターガンダムのコックピットだと気づくと涙が出てきた。

 

眠ってしまったためか機体は停止しており、状況がどうなっているか確認できない。

 

「それにしても、やっぱりマスターガンダムは凄いけど気になることが……ありすぎるな」

 

気になることその1は初の戦闘であれほど動くことができたこと。

 

ジンは健康のために少し鍛えているが、ドモンやマスターアジアのように鍛えているわけでもないし武闘家ではない。

 

それなのにあそこまで動けることはおかしい。

 

気になることその2はDG細胞だ。

 

あれからどのくらい眠っていたかわからないが、自分の体にDG細胞が感染した様子はない。

 

とはいえ、これはジンがそう感じているだけで感染していないとは確実には言えない。

 

気になることその3は自分の服装とこの世界ことだ。

 

自分の服装をよく見るとマスターアジアと同じ服装だ。

 

何故マスターアジアと同じ格好なのか不思議に思った。

 

「何だかコスプレしてる感じだな」

 

他にもこの世界はG武闘伝の世界なのかということだ。

 

しかし、G武闘伝の世界にあんな黒い生物は存在しなかった。

 

「とりあえずは周辺を確認するためにガンダムを起動しよう」

 

立ち上がって深呼吸してジンは息を整える。

 

「ふぅ~よし!ガンダーーーム!」

 

機体を起動させて周辺を確認する。

 

映し出されたのは何処かの施設だった。

 

「へ?何処だここ?」

 

自分が最初に見たときは荒野だったが、今は何処かの施設の中だった。

 

「あ、人がいる。これはチャンスだ!」

 

作業員と思われる人間を見つけ、彼らから詳しいことを聞けるかもと思った。

 

しかし、作業員たちはこの機体が動き出したことに慌てだした。

 

中には銃を構える警備兵もいる。

 

「ちょ、ちょっと待って!俺は何もしないよ!」

 

思わず腕を振ってしまい、シンクロしたマスターガンダムも腕を振ってしまった。

 

そのせいで作業員はさらに慌てだし、警備兵は発砲してきた。

 

「ひゃぁっ!本当に撃ってきた!」

 

いくらマスターガンダムのコックピットにいるとはいえ、一般人であったジンからしたら銃を向けられただけでも驚くのに撃たれたのだ。

 

驚くなというほうが無理なお願いである。

 

「と、とりあえず外に出よう!」

 

跳躍して屋根を突き破って外に出て見ると、何処かの基地の中だったようだ。

 

「とにかく逃げるべきか?でもここで逃げるのも……」

 

折角人に会えたのにここで逃げるべきかと悩んでいると、数機のMSと思われる緑色の機体が近づいてきた。

 

「あの~先程のはちょっとした手違いというか、え?」

 

弁明しようと試みるが、その前にMS隊は滑空砲の砲口をマスターガンダムに向ける。

 

「いや~な予感がする……」

 

ジンの予想通りに滑空砲は火を噴き、砲弾はマスターガンダムに飛んできた。

 

「ちょっ!待って待って!」

 

攻撃をギリギリで回避しながら呼びかけるも、通信回線が開いてないのか返答は砲弾だった。

 

「こ、こうなったら…やるしかねえ!」

 

覚悟を決めて撃ってくるMSに接近する。

 

「うおりゃぁぁぁぁっ!」

 

砲弾を回避しながら接近し、敵MSの脚部めがけてチョップや蹴りを繰り出して破壊する。

 

脚を破壊されたことで立つことができない緑色のMSは倒れる。

 

「ああ……やってしまった…」

 

覚悟を決めてやったとはいえ、これではもう何も弁明できなくなった。

 

「もう、もう逃げるしかない!」

 

ジンは全速力でこの基地を脱出して逃走するのであった。

 

 

 

 

「遅かったか……」

 

驚異的な速度で逃走する黒い機体を人類革新連盟、通称人革連の軍人である『ロシアの荒熊』の異名を持つセルゲイ・スミルノフ中佐は見ていた。

 

司令部の命令で未確認のMSを本国へ移送するために基地を訪れていた。

 

セルゲイ自身もこれまでとは全く違うMSに興味がわいていた。

 

しかし、突如基地内で機体が起動して格納庫を突き破って外に出た。

 

取り押さえようとした防衛部隊には時間を稼ぐよう通信で命令した。

 

急いで向かうセルゲイの部隊だったが、到着したころにはティエレン3機は脚部を破壊されて戦闘不能にされていた。

 

「奴はいったい何者なんだ?」

 

攻撃を掻い潜って脚部だけを狙って戦闘不能にする技量を持つ機体とパイロットに、セルゲイは大きな不安を覚えるのであった。

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第3話

すいません、明日の8時に投稿するつもりが間違えて今しました。
というわけで今回も日記形式を取り入れてみました!
ちょっと短めですがどうぞ!


Q月W日

 

この世界の記録を残そうと思い、あまり書いたことはないけど日記を書くことにした。

 

この日記?

 

この日記はあの何処かの基地を逃走した後に、コックピットを改めて調べたらあったんだよ。

 

俺が普段使うバッグの中に財布と携帯端末と一緒に。

 

……皆まで言わなくてもわかる。

 

明らかに怪しいうえに都合がいいと思うかもしれないけど、あったものはあったんだもん。

 

しっかり使わないと勿体ないし、暇なんだもん!

 

E月R日

 

今日は驚くべきことを発見した。

 

あの戦闘の後、整備などをしていなかったので(やったことねいけど)整備をしてみた。

 

見てみるとMSの攻撃は直撃してなかってけど、爆風などで破片で汚れてもなく傷一つなかったよ。

 

機体の体勢を変えて見てみたけど、本当に傷一つなかったよ。

 

まあ、ここまで言えばわかると思う。

 

やっぱりU(アルティメット)細胞かDG(デビルガンダム)細胞がある。

 

前者は大歓迎だけど、後者だったらやばい。

 

今のところ何もないけど、いつDG細胞に体が浸食されるかわからない。

 

とりあえずは様子見だ。

 

はぁ…せめてどっちかわかるればいいんだっけどなぁ…

 

T月Y日

 

今日から修行を始めた。

 

まず筋トレは絶対だ。

 

自分の体は多少の筋肉はあるが、ドモンやマスターアジア達と比べたらまだまだだ。

 

そのあとは腰布を使っての修行も欠かさない。

 

マスターアジアのようにMSの頭部を布で倒せるようにすることが目標だ。

 

まずあそこまでいかないといけない。

 

というかあれぐらいできないと、マスターガンダムを乗りこなすことは無理だと思う。

 

最後に精神統一だ。

 

ドモンやマスターアジアなど至った明鏡止水。

 

蟠りや疚しさのない澄んだ心。

 

これを習得しない限りあの最終奥義を使えるはずがない。

 

といっても精神統一しただけで習得できるとは思わないけど、何もしないよりはマシだろう。

 

鍛錬の後は川や湖など水辺を探して汗を流そう。

 

U月I日

 

また驚いたことがあったよ。

 

もういいよと思うかもしれないが聞いてくれ。

 

俺の携帯端末とマスターガンダムを繋げて見たんだ。

 

そしたらなんと!

 

機体の状況を見ることができたんだ!

 

もう都合よすぎ!と思うかもしれないけど今の俺にとっては嬉しかった。

 

これでU細胞なのかDG細胞なのか知ることができる。

 

そしてドキドキしながら見たら……なんとU細胞だった。

 

奇跡だ!奇跡としか思えない!

 

何とも都合よすぎる展開ばかりだけど、今の俺にとってはもう何でもよかった。

 

DG細胞でないなら感染の可能性はないんだからね!

 

だけど、落ち着こう…落ちつこう。

 

そもそもDG細胞はアルティメットガンダムが大気圏落下のショックで、デビルガンダムに変貌してできたんだ。

 

このU細胞も何かの切っ掛けでDG細胞に変貌する可能性もある。

 

嬉しいこともありながらも、俺は気を付けなければいけないと思った。

 

これからこの世界に生きることでとても大切なことであるからだ。




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4話

O月P日

 

う~む……布の扱いがうまくならない。

 

やっぱりそう簡単には上達しないなぁ。

 

やはり何かコツがあるんだろうか?

 

とはいえコツがあってもうまくできるかわからないしなぁ…。

 

いや!ここは諦めずに修行を続けよう!

 

この努力がいつか実るはず!………たぶん。

 

A月S日

 

今日の修行が終わって近くの川で水浴びしてたら、ふとあることを思った。

 

マスターガンダムってクーロンガンダムに変形することってできるかな?

 

元々マスターガンダムはクーロンガンダムの改良型だったはず。

 

確か原作でもクーロンガンダムの装甲を吹き飛ばして正体を現したはずだし。

 

俺としてはマスターガンダムもいいけどクーロンガンダムもいいんだよな。

 

っとそろそろ遅いから寝ることにしよう。

 

D月F日

 

うむぅ………

 

こういう時は何て言えばいいんだろう?

 

まあ…一言でいうならこうだな。

 

何ということでしょう!

 

貴方のマスターガンダムはクーロンガンダムになりました!

 

自分で言っていてなんだが、少し頭が痛くなってきた………

 

確かにできるかな?って思ったけどさ!

 

万能すぎにもほどがあるでしょU細胞!

 

しかし、こうして実物のクーロンガンダムを目にできるとは、これは喜べばいいのか頭を抱えて悩むのか迷うな。

 

G月H日

 

今日はクーロンガンダムに直接乗ってクーロンクロスの修行をした。

 

こっちのほうも修行しとかないとね。

 

それにこっちの修行が何かヒントになるかもしれないしね。

 

というわけで近くの岩でやってみよう!

 

駄目でした…………

 

うまく操ることができませんでした。

 

変な方向に飛んだりすれば、上手く飛ばなかったりと散々な結果でした。

 

こういうのってイメージが大事なのかな?

 

どんなイメージだろう?

 

鞭?思いつくイメージと言ったら鞭かな?

 

とりあえず鞭をイメージしてやってみた。

 

おお!さっきよりは違って狙った場所に当たった!

 

よし!もう少しやってみよう!

 

 

 

 

 

「………ん?」

 

クーロンクロスの練習をしていたジンは近くで爆発する音が聞こえた。

 

「何だろう?レーダーにも反応してるな」

 

クーロンガンダムのレーダーにも反応しており、近くで戦闘が起きてるようだ。

 

「ちょっと見に行ってみよう」

 

この行動にジンは深く後悔するのであった。

 

「なんてこったい……」

 

ジンが見に行った戦場には見慣れないMSにガンダムに機体などのごちゃごちゃとした戦場だった。

 

「まだバレてないから逃げよう」

 

こっそりその場を離れようとしたら、気づいてたのか緑色の狙撃型のガンダムがこちらを撃ってきた。

 

咄嗟に回避したが、この場にいるすべての機体の注意をひいてしまった。

 

「(さ、最悪だ……!)」

 

しかし、すでに出てしまったためもう後には引けなかった。

 

「一撃でこの場の全員を圧倒すると同時に逃げるしかない。となると、あれだ!」

 

覚悟を決めたジンの動きに合わせて、クーロンガンダムは荒ぶる鷹のように構える。

 

「行くぞ!超級覇王!電影弾!」

 

クーロンガンダムの頭部以外を渦上の気で包みはじめる。

 

そのままクーロンガンダムはMS部隊や緑色の機体の集団目がけて突っ込んだ。

 

爆発(ばぁーくはつ)!」

 

その掛け声とともにMS部隊や緑色の機体の部隊は爆発しだした。

 

「今のうちに逃げろ~!」

 

この状況に残った機体が呆気にとられている間に、ジンはその勢いに乗じてこの戦場から離脱するのであった。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第5話

「というわけだ、チーフ」

 

そう言って通信する垂たれ目の男、クロウ・ブルーストは自分の借金を払ってくれて現在の雇い主であるトライア・スコートと話していた。

 

「なるほど。それでクロウ、あんたはそこまで借金を増やしたいのかい?」

 

「何でそうなるんだ!?」

 

「あんた、これは私を馬鹿にしてるようにしか見えないんだけど?」

 

そう言うトライアが見たのはクロウから送られたある戦闘データだった。

 

そこにはクロウがAEU・OZとレッドショルダーの混成部隊。

 

対するクロウとソレスタルビーイングのガンダムとコロニーのガンダム。

 

そこへ突如現れた謎のロボット。

 

そんな混雑した状況にまたもや突如現れたデータにない古代中国の鎧武者を思わせる重厚な見た目のガンダム。

 

ガンダムは構えだすと、頭部以外を何かで包み始める。

 

そのままAEU・OZ部隊のほうに突撃し、上空に上がってポーズを決めた瞬間。

 

敵MS部隊が爆発しだしたのだ。

 

こんな映像を見せられて馬鹿にしてると思われても無理がないほどだ。

 

「俺としても驚いてるよ。また謎のガンダムが現れたと思ったらあんなことすんだからな」

 

「それで、あんたとしてはどう思ったんだい?」

 

「そうだな……正直あの動きは異常だった」

 

「異常?どうしてそう思うんだ?」

 

「あの動きはMSを操縦して動かしてる感じじゃなかった。まるで…」

 

「まるで?勿体ぶらずにいいな」

 

「あの動きはまるで人の動きと同じように見えたんだ」

 

クロウの所感にトライアも考え始める。

 

「なるほどね。人の動きか…確かにこれは当てはまるわね。クロウ、もしまたこの機体と遭遇したらこいつのデータを優先して記録しな」

 

「おいおい、俺としては関わりたくないんだが…」

 

「それは残念だねえ。こいつのデータを記録してくれたらボーナスが出るのに」

 

「喜んで記録させていただきます!」

 

ボーナスという言葉に簡単に釣られるクロウであった。

 

「それじゃ、こいつとあんたが遭遇するよう祈ってるよ」

 

そう言ってトライアは通信を切り、クロウはこの謎のガンダムを最優先目標にするのであった。

 

 

J月K日

 

どうしたものか……

 

唐突だが大変困った事態が発生した。

 

それは何だと思う?

 

それは………着替えなんだよなあ~。

 

普段は水浴びの時に水洗いして、焚火で乾かしてるけど臭いはそう簡単に取れないんだ。

 

まあ、食事に関しては野鳥といった野生動物を捕獲して食べたり、川とかの魚や食べれる野草とかを採取して食べてる。

 

どう食べてるかって?

 

調味料なんてないからそのまま焼いたりとか、たまに見つける香草で焼いて食べるぐらいだね。

 

話がそれてしまったがとにかく服や下着類をどうにか用意しないと。

 

何処かの街で買うか。

 

L月Z日

 

というわけで俺は海を渡ってエリア11と呼ばれる元日本に到着した。

 

ここはブリタニア・ユニオンという大国に占領された日本。

 

何故ここを選んだというと、身分証がないからだ。

 

ここに来る前に近くの街に入ろうとしたが、ガンダムやテロリストに初めて戦った次元獣と呼ばれる生物に警戒して入り口で警備員が立っていた。

 

こっそり入るのも考えたけど、誰かに見られたらその時点でアウトだ。

 

そういうことでこのエリア11にしたというわけだ。

 

しかし、こうして自分が住んでいた国がここまで破壊されると沸々と怒りが込みあがってくるな。

 

っと、いけないいけない、今は服を探してみよう。

 

あるかはわからないけど。

 

それとクーロンガンダムは海底に待機してもらってます。

 

流石にあのままで行ったら大事態になるからね。

 

ちなみにエリア11やブリタニアのことは、ゲットーと呼ばれるここで出会った優しい人たちとちょ~っとお話しして知りました!

 

さて、彼らが教えてくれた服を売ってる店に行きますか!

 

X月C日

 

昨日は散々な目に合った……

 

何があったかって?

 

優しい人たちが教えてくれた服を売ってる店に行ったんだよ。

 

でもさ、その道中にさ何か追われている赤い髪の女の子とすれ違ったんだ。

 

すると見るからにガラの悪そうな男達とすれ違ってさ、この男達が変な難癖付けてからんできたんだよ。

 

もう酷いよね!

 

まあ、動きから見てただのチンピラみたいだったからどうにか撃退できたけどさ。

 

そのせいで服屋はすでに閉まっていたんだよ!

 

もう最悪だったよ!

 

はぁ……どうしてこうなるんだよ~!

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第6話

V月B日

 

あれからもう一度店に行ってみた。

 

店は開いてて商品の服もあったけど。

 

値段が高すぎる!

 

上下一式にかなりの値段すぎるよ。

 

今持っている残金の3分の2はなくなるほどだよ。

 

やっぱりこのエリア11のゲットーだと物価が高いのかな?

 

とりあえず買うべきか保留することにした。

 

明日買うべきか今日中に決めよう!

 

N月M日

 

どうしてこうなるんだ………!

 

あれから考えてやはり服は大事だと買うこと決めた。

 

そんな矢先に以前に撃退したチンピラに絡まれた。

 

何でもやられたのでやり返しに来たそうだ。

 

はぁ……こいつらに構ってる暇はないのに。

 

とりあえずさっさと撃退して服を買いに行こう。

 

そう思って構えた途端に、さらに厄介なことになった。

 

何があったか知らないが、このエリアを統治するブリタニア・ユニオンの正規軍が出動していた。

 

 

 

「何で正規軍がいるんだよ!?」

 

「そんなの知るかよ!」

 

「早く逃げるぞ!」

 

チンピラ達も突然の事態に狼狽え、この場から離れようとしていた。

 

しかし、チンピラ達のその行動は一歩遅かった。

 

神聖ブリタニア帝国の機動兵器KMF”サザーランド”一機と一台の戦闘車両が近づいてきた。

 

サザーランドは対人機銃をこちらに向けると容赦無く撃ってきた。

 

「くっ…!」

 

ジンは咄嗟に飛びのいて回避することにできたが、チンピラ達はそんなことできるわけがなく撃たれてしまった。

 

まるで虫けらの如く命を奪う所業に、ジンの中に怒りが沸々と湧き上がってきた。

 

「命を…命を何だと思っているんだ!」

 

あのチンピラ達は善人と言えるかはわからない。

 

だからといって命を奪う必要はなかったはず。

 

「来い!ガンダーーーあっ!」

 

怒りのままにクーロンガンダムを呼び出そうとしたが、ここでジンは冷静になる。

 

このままガンダムを呼べば、騒ぎが大きくなることは間違いない。

 

自分一人ならともかくこの近辺に住む日本人にとって迷惑でしかない。

 

「なら…なら…この身一つで倒すしかない!」

 

あのマスターアジアもデスアーミーを生身で倒した。

 

自分があんな風にできるかわからない。

 

「だけど、流派東方不敗を極めるならできなければならない!」

 

覚悟を決めたジンはサザーランドへ接近する。

 

まさか生身で接近するとは予想しなかったサザーランドは一瞬だけ驚く挙動を見せた。

 

しかし、すぐに落ちついて対人機銃を掃射する。

 

「うおおおおおおお!!」

 

掃射する機銃の弾丸をジンは縦横無尽に動き回って回避する。

 

「今だ!はぁっ!」

 

機銃を回避したことに驚いているのか、動きが止まりジンはそのすきを見逃さなかった。

 

腰布を使いサザーランドの頭部に巻き付ける。

 

「(上手くいった!)でやぁ!」

 

腰布を引っ張ってサザーランドの頭部を破壊する。

 

頭部を破壊されたサザーランドは動くことはできるものの、メインカメラを破壊されたためジンを視認することができずにいた。

 

流石に見過ごすことができなくなった戦闘車両は砲塔をジンに向ける。

 

「この程度!」

 

サザーランドの機銃と違い、砲塔は狙い定める必要がある。

 

ジンは縦横無尽に動き回って狙いにくくすると、近くのビルに向かって跳躍する。

 

「ハァッ!!」

 

そして、ビルを何度も殴打し始める。

 

日頃の修行の賜物か、ビルの一部を破壊したジンはそれを戦闘車両へと投げつける。

 

投げつけられた瓦礫に戦闘車両は押しつぶされ、残ったのは頭部を失ったサザーランドだけだった。

 

「まだやる気か?」

 

サザーランドは異常な身体能力を見せたジンに恐怖したのか、ふらつきながらも逃げていった。

 

「はぁ~~き、緊張した~!」

 

流石に生身でKMFや戦闘車両と戦った疲れが押し寄せてきて、ジンはその場に座り込んでしまった。

 

「正直、凄い怖かった…」

 

怒りでついやってしまったが、思い返したジンは恐怖に身を震わせていた。

 

「まだまだ未熟だよなぁ」

 

マスターアジアならあのチンピラ達を死なせずに、サザーランドを無力化できたかもしれない。

 

「もっと頑張らないと」

 

さらに鍛錬すべきと決めたジンは立ち上がり服屋に向かうのであった。

 

「す、凄い……!」

 

そんな立ち去るジンを赤い髪の少女が遠巻きに見ていたのであった。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第7話

Q月A日

 

お、俺が何をしたんだよぉぉぉぉぉぉ!!

 

うぅ…どうして俺が泣いてるだって?

 

服屋が…服屋が無くなったんだよぉぉぉぉ!

 

閉店じゃないんだよ、無くなったんだよ。

 

あの正規軍の戦いから急いで行ってみたらね。

 

店の店主どころか店自体無いんだよ。

 

探してみたらさ、小さいな紙が落ちててね。

 

近くで戦闘があったから店を移転したんだって。

 

場所は何処かって?

 

書いてなかったよ!これ俺が悪いのか?

 

戦闘っていたら俺と正規軍だと思うし。

 

クソ……せっかく買う決意した矢先にこんなことって……不幸だ。

 

A月Z日

 

途方に暮れていた俺に一人の少女が話しかけてきた。

 

話しかけてきたのは赤い髪にバンダナをした少女だった。

 

俺は少しして少女のことを思いだした。

 

そう、あのチンピラに追いかけられた少女だったんだよ。

 

何の用だろうと思って聞くと、仲間になってほしいと言われた。

 

え?仲間ってどういうこと?

 

話を聞くと、目の前の少女―紅月カレンはレジスタンスに所属しているようだ。

 

それで、何で俺が勧誘されるの?

 

理由を尋ねると、どうやらあの戦闘を見られちゃってたとか……

 

どうしよう……まさか見られてるとは考えもしなかった。

 

とりあえず断ろう!うん断ろう!

 

自分は今武者修行中ということを伝えて、断ると紅月さんが少し悲しそうな顔をした。

 

ううぅっ!あんな顔されると断るこっちも辛い……。

 

だけど、俺はまだ未熟者の身だしそれにガンダムのことも知られるわけにはいかないし。

 

自分の中でそんなみっともない言い訳を思っていると、紅月さんからどうして途方に暮れていたか聞かれた。

 

俺は理由を話すと、今度は紅月さんは何故か申し訳なさそうにしていたな。

 

どうしてか気になって聞こうとする前に、紅月さんは謝ると何処かへと去っていた。

 

W月S日

 

さて、どうしよう……。

 

服屋はどこかに消えて、別の場所で買う当てもない。

 

もうエリア11を出て別の場所に探しに行こうかな。

 

そんな風に考えていると、紅月さんが声をかけてきた。

 

どうやら俺を探していたようだけど、どうしたんだろう?

 

紅月さんは俺になんと服を渡してくれた。

 

仲間が使わないからあげると言うが、このエリア11で使わないからってそんな服が余ることはないはずだ。

 

俺のために無理をして服を用意してくれた紅月さんに感謝を述べて頭を下げた。

 

紅月さんは自分にも責任があると言ったが、いったい何のことだろう?

 

とはいえ、服を手に入れることができて本当に良かった。

 

紅月さんには感謝しきれないよ。

 

そう言っていると紅月さんはいやカレンは気にしないでといった。

 

紅月さんという呼び方はあまり慣れないのかカレンでいいと言われた。

 

俺はレジスタンスの参加は難しいけど、それ以外で出来ることなら何でもするとカレンに言う。

 

カレンはありがとうと言って、それからは俺はカレンとしばらく話して過ごした。

 

 

 

カレンからもらった服に着替えた俺は割れたガラスで自分を見てみる。

 

「サイズは問題なし。本当に申し訳ないな…」

 

ガラスは割れているため、少しぼやけているけどサイズは問題なかった。

 

「さて、これからどうしようか?」

 

当初の目的である服は手に入れたので、ジンはこれからどうするか考えていた。

 

そこへ大きな爆発音がゲットーに響く。

 

「な、何だ!?」

 

爆発音の所から見える黒煙はジンがいる場所より遠い場所からのようだが、爆発音は今も響き黒煙も所々で上がっていた。

 

この現状にただ事ではないのは誰が見ても一目瞭然だ。

 

そんな中、ジンはある人物を見つけた。

 

「カレン!」

 

「ジン!?どうしてここにってその恰好……」

 

カレンはジンがいることに驚き、服装が自分が渡した服に気づいた。

 

「ああ、カレンからもらった服だ」

 

「そう、きつくない?」

 

「いや、サイズは問題なかったよ。ってそれよりもこれは一体?」

 

今起きている爆発を尋ねると、カレンは顔を俯かせる。

 

何かしらの関係があることは見て取れた。

 

「実は……」

 

カレンはブリタニア軍が開発した毒ガスを奪取しようとしたが、失敗してしまってこうなってしまったことを話してくれた。

 

「そうか……」

 

「ごめんね、私達のせいで」

 

このゲットーに住む関係ない一般人を巻き込んだことにカレンは心苦しそうにしていた。

 

「ジンは急いでここから逃げて」

 

「カレンはどうするんだ?」

 

「私は戦うわ。仲間が戦っているから」

 

「いくらんなんでも危険だ!」

 

レジスタンスと言っても軍相手では戦力の差は大きいと思ったジンは危険だと声を上げる。

 

「大丈夫。今の私達には頼りなる仲間がいるから。だから、ジンは早くここから離れてね!」

 

そう言ってカレンは何処かに駆けだした。

 

恐らく先ほど言った仲間の所だろう。

 

「………レジスタンスとして戦うことはできないが、それ以外のことは何でもするって約束したな。今がその時だ!来い!ガンダーーーーム!!!」

 

ガンダムの名を呼ぶと海中に待機させていたクーロンガンダムは、海上へと上がるとジンの下へ急行する。

 

そして、クーロンガンダムがジンの下へ近づいたとき、ジンはクーロンガンダムへと跳躍する。

 

「さあ、行こうか!」

 

ジンは恩を返すために戦場に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第8話

S月X日

 

いや~派手に暴れたなぁ。

 

それにしてもカレンの仲間にガンダムがいるとは驚いたよ。

 

確かガンダムの何かの作品の機体だったな。

 

う~ん何だったかな~?

 

前にどっかの国の軍隊と戦ってる時にも似たような機体を見たこともあるなんだよな。

 

あ、でもソレスタルビーイングっていう組織のガンダムの機体とは違うけど。

 

まあそれは置いといて、あの戦闘に参戦したはいいけど予想外の敵が現れたよ。

 

白い騎士のような機体で動きが凄く速かったよ。

 

何しろ他のガンダムも苦戦するほどだったよ……俺も含めて。

 

でも、ああいう敵との戦いが己を高めることができるよね。

 

実際ドモンも強敵との戦いで己の限界を超えようとしてたしね。

 

E月D日

 

今更だが前のKMFと装甲車を撃退したあれって大丈夫だろうか。

 

あの時顔を隠してなかったし、記録とかされてるのかな?

 

されてたらヤバイ……非常にヤバいぞ…!

 

それが原因で指名手配とかになるかもしれない!

 

どうしよう…どうしよう…………うん!

 

記録されてないと信じよう。

 

大丈夫のはずだ!

 

D月C日

 

ゲットーで一夜を過ごした俺は、このエリア11でブリタニア人が住んでいる租界と呼ばれるこの場所を訪れた。

 

何で来たかだって?

 

そんなのどんなのか興味が出たからだよ。

 

とはいえブリタニア人が暮らす街の中で、日本人のジンがうろつくと凄く目立ってしまう。

 

そんな時はこれだ!

 

テッテレ~帽子とサングラス!

 

帽子とサングラスはこの租界であったお兄さん達と優しくお話ししてもらったんだ。

 

そんなわけで租界をうろついていたら何やら騒がしくなってきた。

 

近づいてみたらエリア11総督殺害の容疑者を護送されるということで、沿道が多数のブリタニア人の人だかりで埋め尽くされているよ。

 

あんまりこういうのは見ていていいものではないな。

 

離れようと踵を返そうとしたら、何かさらに騒がしくなってないか?

 

見れば隊列を離れたKMFから仮面の男が出てきた。

 

そこからはゼロと名乗る仮面の男が容疑者を奪還というより、先頭のKMFのパイロットから渡されてないか、あれ?

 

その上部下たちに全力で見逃せって言うなど、明らかにおかしい。

 

どういうことなのか気になるが、住民たちは軍によって避難させられているため俺も一緒に避難することにした。

 

だって危ないんだもん!

 

R月F日

 

お~昨日のゼロって仮面の男?のことが取り上げられてるな。

 

まあ、あんなに報道がいる前で派手に枢木スザクを奪還して軍を撃退したんだしね。

 

そんな風に携帯端末でニュースを見ていた俺はエリア11を出て、暗黒大陸と呼ばれる未知の大陸に向かった。

 

これまで次元境界線の歪曲で調査することができなかったけど、何か時空振動が発生したせいで境界線が安定したんだって。

 

どうして俺がこの大陸に来たって?

 

そんなの修行に決まってるだろ!

 

こういった未知の場所での修行って鍛えられる気するよね!

 

そんな思いを胸に抱き、俺は暗黒大陸を歩み始めるのであった。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第9話

F月V日

 

ああ、どうしてこうなったんだろう。

 

皆さん、私は今変なロボットと戦っています(生身)。

 

暗黒大陸に入ってひたすら歩いていると、こっちに何かが向かってきたんだ。

 

どんどん近づいてきたそれは牛のような顔のロボットと馬のような顔のロボットだったんだ。

 

この大陸に住む原住民との初コンタクトなので、俺は慎重に話しかけたらさ。

 

相手の返答がこん棒とガトリング砲だよ!

 

こんなの食らったら普通に死ぬわ!

 

全力で回避した俺は牛ロボの角に腰布を巻き付けて頭に乗った。

 

馬ロボは仲間にガトリング砲を撃つわけにもいかず、撃てずにいることを利用して俺は牛ロボを殴りまくった。

 

うん、凄い痛い………。

 

やっぱり鉄を直接殴って破壊するのはまだ無理かな?

 

そんな殴った俺に牛ロボは苛ついたのかこん棒を自分の頭に振り下ろした。

 

危ないので俺はひょいっと飛び降りたけど、こん棒はそのまま牛ロボの頭に当たった。

 

あ~あ~力強くやったからへこんでる。

 

牛ロボは頭がへこんだせいで前が見えないのかふらふらしてるよ。

 

今度は足に腰布を巻き付けて力の限り引っ張った。

 

すると、前が見えない牛ロボはつんのめってしまって馬ロボと激突してしまった。

 

ありゃりゃ酷いことになってるな……あ、起き上がった。

 

牛ロボはぶつかった衝撃で動けなくなったのか、中から何か出てきた。

 

何だあの毛むくじゃら?

 

馬ロボの手の上で毛むくじゃらは捨て台詞を言いながら逃げていった。

 

T月G日

 

いや~それにしてもこの大陸には人間はいないかと思ったよ。

 

だってあんな毛むくじゃらの何かがいたからさ。

 

そう思っていたけど、すぐにこの大陸で生きる人に出会ったよ。

 

出会ったのはヨーコというスナイパーライフルを背負った赤いポニーテールの元気な少女。

 

あの二機のロボットをどうにか撃退した後、しばらく歩いていたら声をかけられたんだ。

 

食料調達に来ていたヨーコは爆発音を聞いてスコープを覗いたら、先程のロボットと戦う俺を見つけたらしい。

 

それであのロボットはガンメンと呼ばれるようで、この大陸で地上にいる人間を標的にしているようだ。

 

ん?地上の人間?

 

地上のとはどういうことなのか聞いてみると、この大陸の人間の殆どは地下で暮らしているようだ。

 

ならヨーコはどうして地上にいるのか聞いてみると、ヨーコも元は地下のリットナー村と呼ばれるところで暮らしていたようだ。

 

だけど、村にある武器庫から毒ガスが発生して、やむなく地上に移り住むことになったそうだ。

 

ところが地上ではガンメンが人間を攻撃しており、ヨーコたちは武器庫の兵器でどうにかガンメンと戦っていたらしい。

 

この大陸はそんな危険なところだったとは、これは気を引き締めないとな。

 

G月B日

 

そんな俺は今、リットナー村でお世話になっています。

 

あの後ヨーコから村に来ないかと誘われたんだ。

 

この大陸のことを知るのも大事だし、何より一人だと……ちょっと寂しくて。

 

何だよ!何か文句あるかよ!

 

ちなみに俺は村では物資の運び係をやってる。

 

これまで鍛えた甲斐があったのか、結構重そうな物を持てるようになった。

 

この村でよく話す人は村長であるダヤッカと村一のメカニックマンであるリーロンにヨーコだ。

 

ダヤッカは優しく接してくれて、リーロンは外の世界のことを何度も聞いてきた。

 

何というかリーロンは科学者みたいな感じだけど、俺を見る目がとても怖いです。

 

まるで獲物を見つけた狩人みたいで。

 

そんな寒気を覚えながらも、一番話すと言ったらヨーコかな。

 

ヨーコも外の世界のことに興味があるようだ。

 

そんなヨーコだけど、やっぱり目のやり場に困るんだよな。

 

ヨーコの普段着はビキニとホットパンツのみである。

 

そのうえ、ヨーコは容姿端麗なこともあり色々とヤバい。

 

俺はこれも修行の一つだと思って、煩悩と戦うのであった。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第10話

Y月H日

 

ここ数日俺はリットナー村で鍛錬を続けながら過ごしていた。

 

何事もなく平穏に過ごしていたが、それを壊す存在が現れた。

 

ガンメンの部隊が襲撃してきた。

 

ダヤッカや村人たちは武器を手に迎撃の準備をしている。

 

そんな中、時間を稼ごうとヨーコは一人だけガンメン部隊を引き付けようと飛び出した。

 

幾らヨーコが射撃の名手といえど、ガンメンが相手では危険すぎる。

 

ならどうする?

 

当然、そんなの決まっている。

 

そう書き記して日記をとじる。

 

H月N日

 

あの後のことをここに書き記そう。

 

俺はクーロンガンダムを呼び出し、ガンメン部隊を見つけるとすぐさま突っ込んだ。

 

近くには小さいサイズのガンメンがいて、それにヨーコと見慣れない男と操縦する少年がいた。

 

なるべくヨーコ達に近寄らせないようにガンメンたちを殴りまたは蹴り飛ばし、はては掴んでは別のガンメンに投げつけた。

 

そうしてガンメン達を撃退した時、小さなガンメンに乗ってる男が何か言ってるように見えた。

 

男の行動にヨーコと少年は信じられないといった表情で男を見て、やめるように男に言うも男は気にせず言い続ける。

 

そこへレーダーに接近する反応があってみると、一隻の輸送機がこっちに近づいてきた。

 

俺は言い続ける男のことを気にせず、そのままこの場を離脱したのであった。

 

とまあ、あの後はこんな感じだったよ。

 

U月J日

 

あれから俺はヨーコ達と合流しなかった。

 

あの輸送機に誰が乗っているかわからないが、あれに近寄るのは危険と俺の勘が告げていた。

 

そんなわけで俺はこの大陸で鍛錬を続けながら、出会うガンメンを撃退していった。

 

やっぱり鍛錬だけじゃだめだよね。

 

実戦を何度も経験してないと生兵法は大怪我の基っていうしね。

 

そんなこんなで少しずつだが、成長してると思うんだよね。

 

でも、同じ相手ばかりだからこれで満足してはいけない。

 

やっぱり格上の相手ぐらいじゃないと更なる成長に繋がらないのかな?

 

でも、格上だと少し尻込みしてしまう自分がいる。

 

駄目だ駄目だこんな気持ちでは明鏡止水に至るなんて夢の夢だ!

 

よし、もし格上の相手が現れたらそいつと戦おう!

 

J月M日

 

あんな意気込んでいた俺はとんでもない敵と遭遇した。

 

それは戦艦サイズのガンメンだった。

 

戦艦ガンメンは俺をそのまま踏みつぶそうとしてきた。

 

咄嗟に全力で回避して、俺は戦艦ガンメンを見る。

 

あの野郎、人を蟻のように踏みつぶそうとしやがって。

 

睨みつける戦艦ガンメンから多数のガンメンが発艦していた。

 

俺は逃げることも考えたがそんな考えは捨てた。

 

ここで逃げては流派東方不敗を極める者として恥でしかないからだ。

 

そして、日記をとじてバッグにしまう。

 

そして、覚悟を決めた俺は構え、ガンメンの部隊に突っ込んだ。

 

いくぞぉぉぉぉぉ!!

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第11話

I月K日

 

あの戦艦ガンメンとの戦いの結末を記そう。

 

………逃げられた。

 

戦艦ガンメンから発進するガンメン達を撃破していると、突然黒い生物が現れた。

 

それは目覚めたときに戦った黒い生物ではなかった。

 

そいつはガンメンとこっちに無差別に攻撃してきた。

 

咄嗟にクーロンクロスを振り下ろして反撃した。

 

するとその黒い生物はスパっと切れた。

 

あの黒い生物には何かバリアのようなものがあったけど、こっちにはそんなものはなかった。

 

しかし、見れば見るほど気持ち悪いな。

 

切られた断面は蠢いていて、変な液体を噴き出していた。

 

うぇぇ何か気持ち悪くなってきた。

 

そんな黒い生物に気を取られている隙に、戦艦ガンメンは全速力で後退していた。

 

追おうとしても黒い生物が攻撃してきて追うことができなかった。

 

その結果、黒い生物のせいで戦艦ガンメンに逃げられました。

 

ちくしょぉぉぉぉ———!!

 

 

O月L日

 

よしよし、落ち着こう……

 

さて、世界のほうは色々とあったみたいだな。

 

エリア11でWLFと日本解放戦線が手を組んで、フジ基地近くの河口湖ホテルで観光客を人質にしてホテル占拠する何て事件があった。

 

しかし、仮面のテロリスト“ゼロ”率いる黒の騎士団とソレスタルビーイングなどによってテロリストは撃退され、人質は無事に解放された。

 

それにしてもこのゼロって奴、派手だなぁ~。

 

あんな堂々と全世界に自分は正義の味方ですって言うのは、そう簡単に出来ることじゃないと思うな。

 

とはいえ世界のほうも騒がしくなってきてるな。

 

とりあえずはある問題を解決しないとな。

 

P月L日

 

やっぱりお金は生きる上で大切だよね~。

 

はい、というわけで俺はリモネシア共和国のマイヤ島という綺麗な海自然溢れるこの島で雑用に励んでます!

 

修行しながら各地を転々すればやっぱりお金が必要なんだよね。

 

どうすべきか悩んでいた時に雑用求む!という感じの広告を見つけたというけさ。

 

しかし、俺は別の意味でピンチが迫っていた。

 

それは俺以外に雑用がいたんだが、その雑用の中にヨーコやリーロンがいたんだよ。

 

あのガンメン騒動の後、合流しないで去ったからな。

 

会わせる顔もないし、会ったら何をされるかわかんないしな。

 

だから俺は帽子やタオルで顔を隠して、極力ヨーコ達にかかわらず雑用に励んでます!

 

それからは粛々と作業に励んでいた時、突如耳鳴りな音がした。

 

これって…確か次元震の前兆だっけ?

 

おおっと!?島が大きく揺れ始めた!?

 

どうにか態勢を整えて倒れないようにしていると揺れが止まった。

 

ふぅ~これで終わりかと思いたいけど、そういうわけにはいかないよね~。

 

海のほうから何かが向かってきてるよ。

 

確か…次元獣だっけ?

 

何が目的か知らないけど、ここで暴れられるとこれまでの苦労が台無しになるんだよ!

 

来い!ガンダ―――ム!

 

 

 

 

 

 




新作の候補です。

気軽に見てください。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=256700&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第12話

最近仕事が忙しくて更新が遅れて申し訳ありません!

これからもぼちぼち更新できるよう頑張ります!

ちなみに活動報告では新作のアイデアを


「これは……!?艦長、海中から識別不明の反応が!」

 

「何!?」

 

マクロスクォーターの艦橋で艦長のジェフリー・ワイルダーはオペレーターのモニカ・ラングの報告に海岸を注視する。

 

次元獣を迎撃するために出撃したアルト達も警戒しながら注視する。

 

それは大きな水飛沫を上げながら姿を現す。

 

現れたのは中世中華圏の鎧を模した重厚な見た目のガンダム。

 

「こんな所であいつと再会するとは思わなかったぜ」

 

一度だけ接触したことのあるクロウや初めて見るアルト達は現れたクーロンガンダムを警戒する。

 

そんなクーロンガンダムはクロウ達に構うことなく、次々とくる次元獣に向かって吶喊する。

 

多数の次元獣を殴り蹴り飛ばし、時には手からビームの鞭のようなものを繰り出して次元獣を切り裂いていた。

 

「っと、こっちも呆けてる場合じゃないな。それに……MDだけは奴に譲るわけにはいかねえ」

 

クロウはMD(モビーディック)と呼ぶ灰白色の次元獣を見る。

 

ZEXISも次元獣との戦闘が開始し、その様子を一人の男が見ていた。

 

「フフフ……今のところ彼の支点はぶれていませんか。となれば……」

 

男は視線をブラスタから次元獣を蹴散らすクーロンガンダムに移す。

 

 

「デリャァぁぁァ!!」

 

次元獣を撃破する中、ジンは先程から誰かに見られているような気配を感じていた。

 

「(何だこの気持ち悪い視線は?)」

 

まるで観察されているようで、ジンとしては気持ちの良い物ではなかった。

 

そこへ再び次元境界線が歪曲しだした。

 

「まだ出るのか」

 

しかし、現れたのは次元獣ではなく全身を赤い結晶体で纏われた機体だった。

 

「どうやらさっきから感じる気配はあいつか」

 

結晶体の機体から感じる気配が先程感じた気配と同じだった。

 

「乗ってるやつはストーカーか?ああいうのには関わりたくない」

 

ストーカーと決めつけるジンは次元獣の数を確認する。

 

「これぐらいなら彼らだけで大丈夫だろう。こっちは退散しよう」

 

十分な数を撃破したので、ジンはあとはZEXISに任せて退散しようとした。

 

「おや?何処に行かれるのですか?」

 

退散しようとした矢先に、ジンは結晶体の機体のパイロットに話しかけられた。

 

「………」

 

関わりたくないジンは無言で構える。

 

「だんまりとは悲しいですね。それともガンダムファイターは拳で語るということですか?」

 

「!!」

 

ガンダムファイターという言葉をジンは聞き逃さず、結晶体の機体を見据える。

 

「それにしても、なぜ真の姿ではないのでしょうか?」

 

真の姿という言葉にジンは結晶体の機体のパイロットに対して寒気を感じる。

 

「(こいつは何処まで知ってるんだ?ガンダムファイターという言葉も真の姿という意味も。予定変更、こいつは絶対捕える)」

 

ガンダムファイターはG武闘伝のガンダムのパイロットを示す。

 

その上に、このクーロンガンダムの真の姿を知ってるように雰囲気を出している。

 

流石に放っておくわけにはいかなかった。

 

ジンは結晶体の機体へと吶喊するのであった。

 

 

 

 

 

 

 




新作のアイデア一覧
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=260020&uid=225751

下のアンケートはもし取り入れるならどの系統がいいかのアンケートです。
どうかご協力お願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第13話

Q月W日

 

ああ、もう~逃げられた~!

 

何なのあいつ?

 

こっちのことを知ってるかのように話しかけてくるわ、その上少ししたらあっさりと逃げやがるし!

 

はぁ~とりあえずは落ち着こう……。

 

あの後、次元獣を殲滅し終えたら撮影は再開された。

 

俺も雑用としてあくせく働き、無事にバイト代をゲットできた。

 

それにしてもマオとシンのキスシーンは凄かったな。

 

ランカちゃんっていう美少女とアルトっていうイケメン君の二人で行われた。

 

やっぱりああいう美男美女がやると絵になるなと思ったよ。

 

Q月E日

 

今日俺はある場所に来ている。

 

それは東京で行われる銀河の歌姫シェリル・ノームのライブに来ていた。

 

いや~マイヤ島での撮影でシェリルのことを知って、彼女の曲を聞いたら一発でハマってしまってファンになちゃった。

 

そんな俺は彼女のライブイベントが東京で行われることを知って、抽選くじに挑戦しんだ。

 

そしたら何と………当たったんだよ!

 

この時は思わずクジを二度見どころか十度見しちゃったよ。

 

そうしてライブを楽しんでいたのに、獣人が襲撃してきやがった。

 

そして、海上に侵入した獣人達の目的はシェリルだった。

 

ここであまりの事態に目を疑ったよ。

 

なんとシェリルが獣人相手に堂々と啖呵を切っただよ。

 

自分達を恐れないシェリルに獣人達は慌ててたよ。

 

そんなシェリルに感化されてか、以前暗黒大陸で見たカミナという男もステージに上って啖呵を切っていた。

 

この二人に獣人達はライブ会場から退散しだした。

 

そして、獣人達の後を追うようにアルト達も会場に出た。

 

さて、折角のライブを邪魔したんだ。

 

タダで返すわけにはいかないよな。

 

 

 

 

ガンメン部隊を迎撃するために出撃したZEXIS。

 

しかし、出撃直後に攻撃を受けてしまい押し込まれそうになっていた。

 

その上、避難する市民達はパニックに陥っていた。

 

そこへシェリルの歌によって市民達は落ち着きを取り戻していた。

 

ZEXISもシェリルの歌によって闘志が湧き上がっていた。

 

そんなZEXISにガンメン部隊は次々と撃破されていたが、会場の近くに二機のガンメンが増援として現れた。

 

「な!会場の近くに増援だと!」

 

二機の内の一機がこん棒を振り上げて、会場を叩き潰そうと振り下ろす。

 

「やめろぉぉぉぉ!」

 

アルトは急いで会場に向かうが、距離があるため誰もが間に合わないと思った。

 

しかし、顔を白い布で覆い外套を羽織る何者かがこん棒を振り下ろそうとしたガンメンを蹴りつけた。

 

蹴りつけられたガンメンは数歩に後ろに下がりこん棒を落としてしまった。

 

蹴りつけた者は落ちたこん棒を持ち上げると、そのまま持ち主のガンメンに投げつけた。

 

投げられたこん棒はガンメンに見事命中した。

 

あまりの仰天行動にZEXISだけでなく獣人達や避難していた市民も呆けてしまっていた。

 

「か、艦長!この戦域に接近する反応があります!」

 

マクロスクォーターの艦橋で呆けていたモニカはレーダーが感知した反応を報告する。

 

「敵か!?」

 

「い、いえこの反応は…」

 

接近する機影は会場近くにその姿を現す。

 

マイヤ島で彼らも一度遭遇したクーロンガンダムだった。

 

外套を羽織る者はクーロンガンダムに乗り込むと、会場を守るかのように構える。

 

「……どうやら敵というわけではないようだな。各機に通達!奴と協力して獣人達を迎撃するんだ!」

 

「りょ、了解!」

 

そして、クーロンガンダムは会場を守るためにガンメン部隊に吶喊する。

 

 

Q月R日

 

ううぅ……体が痛い……。

 

やっぱりあのでかいこん棒を持ち上げるなんて無茶をやりすぎたせいかな。

 

それにしてもあの後異星人?やら機械獣?とかも現れて驚いたよ。

 

だけど、そんな状況でマイヤ島で見たランカちゃんが勇気を出して歌ったことに驚いたよ。

 

それに触発されたのかグレンラガンは地割れを発生させて石像達を飲み込ませた。

 

その上、突っ込んできた一本角機械獣に巨大なドリルで大ダメージを与えた。

 

そこからは歌の力のお陰というべきか怒涛の勢いで敵部隊を撃破することにできた。

 

そんな俺は機体から降りた後に体を痛めちゃった。

 

まあ勢いでやったとはいえ会場にいるシェリルを守れたし、自分で言うのもあれだけど名誉の負傷にしよう。

 

そんな俺は痛んだ体を休めるために熱海に来ていた。

 

この熱海には有名な温泉旅館があるって話を聞いてね。

 

それで熱海に到着した時にはちょっと驚いたよ。

 

送迎係の人の格好がね。

 

メキシコ風の人が持つくろがね屋と書かれた垂れ幕を持っていた。

 

それからメキシコ風の男性するバスに乗ってくろがね屋に向かったけど、二人だけで何を話せばいいのかわからないから空気が重く感じる。

 

そんな少しの時間を耐え、くろがね屋に到着した。

 

さ~てまずはひとっ風呂浴びるとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




新作のアイデア一覧
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=260020&uid=225751

下のアンケートはもし取り入れるならどの系統がいいかのアンケートです。
どうかご協力お願いします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第14話

「う~ん……やっぱりあれって……でも……」

 

マクロスクォーターのブリーフィングルームでヨーコは何か思い詰めていた。

 

「どうしたヨーコ?トイレか?」

 

そんなヨーコにカミナのデリカシーのない言葉をかけてきた。

 

「違うわよ馬鹿!」

 

「ぶへっ!?」

 

その結果カミナの顔面にヨーコの拳が飛ぶのであった。

 

「って~!だったら、何だよ!」

 

「ふん!」

 

「そ、それでさっきからどうしたのヨーコ?」

 

そっぽを向くヨーコにシモンが何を思い詰めてるのか尋ねる。

 

「シモン、シェリルのライブでガンメンにこん棒を投げた奴のこと覚えてる?」

 

「う、うん。あれは本当に凄かったね」

 

あの時のことはシモンは今でも覚えている。

 

なにせあんな強烈な行動を見せられて忘れるはずがない。

 

「それがどうかしたの?」

 

「あれと似たようなことをジンの奴がやっててね。ジンとあの時の奴が似てる気がして……」

 

「ジン?誰その人?」

 

「ああ、ジンっていうのはZEXISに入る前に出会った奴なの」

 

そして、ヨーコはジンと出会った経緯を話す。

 

「な、何だか兄貴みたいにとんでもない人だね」

 

「へえ~面白そうなやつじゃねえか」

 

生身でガンメンと戦ったジンをシモンは呆気に足られながら聞き、カミナはジンに対して興味が湧いていた。

 

「え?ヨーコもジンと会ったことあるの?」

 

ジンという言葉に傍にいたカレン達が話に参加してきた。

 

「うん。日本でね」

 

カレンもエリア11で出会った経緯をヨーコ達に話す。

 

「ジンの奴そっちでも似たようなことしてたんだ」

 

「聞けば聞くほどとんでもない奴だな」

 

「今頃何してんだろあいつ?」

 

 

Q月T日

 

くしゅん!

 

何だろ、誰かが噂してるのかな?

 

いや~それにしても…………温泉最高——————!

 

やっぱり温泉はいいよね~。

 

しかも景色に熱海の海が見えるのもいいよね~

 

いいねくろがね屋。

 

よし決めた!

 

定期的にくろがね屋に通おう。

 

うん、それがいい絶対通うべき。

 

Q月Y日

 

さて温泉で浮かれていた頭を冷やして改めて考えました。

 

この旅館はヤバい感じがする。

 

いや満足度とか居心地の話ではない。

 

この旅館の従業員がただ者ではない気配を感じる。

 

武闘家としてはまだ未熟でも、それとなくだがただ者ではないことがわかる。

 

もし並外れた実力者なら、正直戦いたいとは思わない。

 

とりあえず明日は朝食をいただいたら出る予定だ。

 

なるべく気を抜かない様にしよう。

 

Q月B日

 

最後に温泉に入ってから旅館を出ようとしたが、そうも言ってられない状況になった。

 

以前映画の撮影に協力したリモネシア共和国で巨大な時空震動が発生した。

 

原因が何かわからないが、発生場所に現れた破界の王と名乗る男ガイオウ。

 

一目で見てわかる今の自分では太刀打ちできない。

 

マスターガンダムで戦ってもどうなるかわからない。

 

そんな相手と戦うことになった時、あれが必要になる。

 

俺は女将である錦織さんに最高の温泉でしたと告げ旅館を出た。

 

目指す場所は一つ。

 

ギアナ高地だ。

 

この場所に意味があるかわからないが、何もしないよりはましだ。

 

 

 

 

 

 

 

 




新作のアイデア一覧
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=260020&uid=225751

下のアンケートはもし取り入れるならどの系統がいいかのアンケートです。
どうかご協力お願いします!

ちなみに5/15にアンケートは締め切ります。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第15話

Q月C日

 

やっと到着しましたギアナ高地。

 

Gガンダムで修行場所でギアナ高地といったら、ありきたりかもしれないけどここじゃないとだめ。

 

そうして日本から太平洋を長い時間をかけて、無事に横断することができたよ。

 

さて、修行を始めよう。

 

これまでのようなトレーニングではだめだ。

 

あまり悠長に時間をかけず、短時間でアレを会得して見せる!

 

そのためにUG細胞をフル活用する。

 

そして、クーロンガンダムの周りにUG細胞の一つ自己増殖によって、デスアーミーを生み出す。

 

移動中に思いついたが、何事もなく成功したよ。

 

俺はクーロンガンダムに乗り込むと、デスアーミー達と少し距離を取る。

 

デスアーミー達は金棒型のビームライフルをこちらに向けて構える。

 

こちらも同様に構える。

 

それじゃ始めるか!

 

 

Q月D日

 

はぁ……はぁ……これで1000機……目!

 

最後の一機のデスアーミーの胸に手を突き立てる。

 

今までジンはデスアーミーを増殖させながら、休みなく戦っていた。

 

そのせいで疲労がたまったのか、クーロンガンダムは膝をついてしまった。

 

でもここで休んではいられない。

 

次の修行に移ろう。

 

次に生み出したのはクーロンガンダムだ。

 

ただのクーロンガンダムではない。

 

このクーロンガンダムには俺が知る限りの東方不敗の動きのデータが入っている。

 

といってもアニメで見た動きだから、役に立つかわからない。

 

でも、アレを会得するならこうしなければいけない気がする。

 

作り出されたクーロンガンダムは構え、こちらも同様に構える。

 

いくぞぉぉぉぉぉ!

 

 

「でりゃぁぁぁぁぁ!」

 

互いのクーロンガンダムの拳と拳がぶつかり合う。

 

「ぐわぁぁぁぁ!」

 

しかし、破れたのはジンのクーロンガンダムのほうだった。

 

「流石に……この状態の戦いは……キツイな。だが!」

 

ジンは立ち上がりコピークーロンガンダムに突っ込む。

 

ジンのクーロンガンダムとコピークーロンガンダムは組み合う。

 

だが、少しずつジンのほうが押され始める。

 

「ここで止まるわけにはいかないんだ!」

 

負けじと押し返そうとするも、極限まで疲労したジンではどんどん押され始める。

 

「なら、これはどうだ!」

 

クーロンクロスでコピーを巻き付けようとするも、クロスを身軽に避けると逆にクロスを巻き付けられ縛られてしまう。

 

「のわぁぁぁぁ!」

 

巻かれたクロスによる痛みが体に走り、コピーは縛ったジンに連続でキックをくらわす。

 

「っ!まだまだ!」

 

巻きつかれたクロスを力づくで破り、コピーにキックを放つ。

 

しかし、ジンのキックは当たらずコピーはキックした足に乗っていた。

 

「こうもやると、流石はマスターのコピーというべきか……」

 

原作でもドモンのキックした足に乗っており、コピーでもこれをやることに驚く。

 

「ふん!でもこれではだめだ。殺す気で来い!」

 

その言葉を合図にコピーの動きが変わった。

 

先程までとは違い、容赦のない攻撃がジンに襲い掛かる。

 

「かはっ!コピーで……これほどとは、本当に東方不敗は凄いな。だけど、極めるって決めたんだーー!」

 

すでに片腕を破壊された上にボロボロの状態になりながらも立ち上がる。

 

そんな立ち上がったジンの目に映ったのは、手の形を貫手にしてこちらに突き出すコピーの姿だった。

 

「死ぬ!?このまま…死ぬのか?……なんだろう、この世界に来てからのことやそれまでのことが全てがどうでもよく感じる。あるのはただ自分が死ぬということ……!」

 

走馬灯のようにこれまでのことを思い返すがどうでもよく感じる中、ジンはそれが幻なのかわからないが水の一滴が見えた。

 

「見えた!!」

 

突き出される貫手を紙一重で回避すると、逆にジンはコピーの胸に貫手を突き刺す。

 

コピーにはジンの貫手が深々と突き刺さり、コピーは動かなくなった。

 

貫手をコピーから外したジンはコックピットの中で、極度の疲労と先程の戦いのよるものか倒れてしまった。

 

「今のが……今のが明鏡止水の心なのか?」

 

あまりの一瞬のことでジンには明鏡止水の心を会得できたのか実感がわかなかった

 

「わだかまりやいやしさのない澄んだ心。一瞬だけど感じたあの力……偶然なのかどうか知らないが……絶対にものにしてみせる!」

 

今回の修行でどうにか会得できた明鏡止水の心。

 

この力を極めた次は、必ずあの技を会得して見せるとジンは決意した。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第16話

Q月E日

 

はぁ~水浴びしてさっぱりした。

 

あの後は痛む体に鞭打ち、近くに水辺のある場所を探した。

 

少しして滝を見つけた俺は迷うことなくそこに移動した。

 

そして、滝壺で修行でかいた汗を水で洗い落した。

 

それにしても本当に明鏡止水を会得できたのかな?

 

何度も言ってしまうけど、本当に実感がないんだよな。

 

だけど、もしあの時の力が明鏡止水ならこれをさらに極めないと。

 

ハッキリ言って明鏡止水を会得したといってもこれは序の口だ。

 

これを完全に使いこなすようにして、その上であの奥義をマスターしないと。

 

さて、クーロンガンダムの修理も終わったな。

 

先の修行でボロボロだったクーロンガンダムは、UG細胞の自己修復によって元通りに修復されていた。

 

ここでの修行は済んだ。

 

またUG細胞で作り出したデスアーミーやクーロンガンダムと戦っても限界がある。

 

ならどうすべきか?

 

強者と戦い明鏡止水を鍛えるしかない。

 

うってつけの相手ならいるので問題はない。

 

それじゃ行くとするか。

 

 

 

 

AEU領内にはサンクキングダムと呼ばれた国がある。

 

そこはかつてヒイロ=ユイというコロニーの指導者の思想を基に完全平和主義唱えた王国だ。

 

しかし、いくら素晴らしい思想も世界の私利私欲と圧倒的な力により、この国の存在は抹消されてしまった。

 

そんな国に危機が訪れていた。

 

新帝国インぺリウムは国家として認めてもらうという要求を国連に、見せしめとしてサンクキングダムを滅ぼそうとしていた。

 

そんなインぺリウムの暴挙にZEXISは見過ごすわけがなかった。

 

国連や各国の思惑など関係なく、世界の平和のために固い決意を持って戦おうとしていた。

 

 

 

 

新帝国インぺリウムが操る次元獣とZEXISに別世界の転移者である特殊部隊“ZEUTH”と呼ばれる新たな仲間たちによる、サンクキングダムの戦いは熾烈を極めていた。

 

新たな仲間によって徐々に押していたZEXISだったが、インぺリウムの母艦より発進した二機により押し返されていた。

 

その上、戦力の中核ともいえるブラスタがアークセイバーのシュバル=レプテールによって戦闘不能にされてしまった。

 

そんな窮地に陥る中、プトレマイオスのオペレーターであるフェルト・グレイスは、この戦域に高速で接近する反応を探知した。

 

「スメラギさん、この戦域に高速で接近する反応があります!これは……UGです!」

 

「何ですって!?」

 

熾烈極まる戦場に現れたのはUGと呼ばれた存在。

 

それはクーロンガンダムだった。

 

UGとはZEUTHのメンバーも知らない未知のガンダムであることから、UG(アンノウン・ガンダム)と呼ばれるようになった。

 

「こんな時に現れるなんて、UGの目的は一体?」

 

「あれがUG……」

 

Zガンダムのパイロットであるカミーユは・ビダンは話に聞いたUGを見ると同時に、クーロンガンダムから妙なプレッシャーを感じていた。

 

「(何だ?この澄んだ水のような気配は?)」

 

ZEXISとZEUTHが突如現れたUGに困惑する中、クーロンガンダムはインぺリウムの方を振り向く。

 

「何だ貴様は!我らの敵なら打ち倒してくれる!」

 

シュバルのエメラルダンがクーロンガンダムに接近しながら戦斧を振り払う。

 

しかし、クーロンガンダムは戦斧を跳躍して回避すると、振り払った戦斧の上に足をつけて立っていた。

 

「ぬうう!ふざけた真似をしおって!」

 

戦斧をもう一度振り払うと、クーロンガンダムはもう一度跳躍してエメラルダンと距離を取る。

 

「ふむ……貴様なら丁度いいな」

 

「喋った!?」

 

「どうやら無人機ではないようだな」

 

クーロンガンダムから聞こえたくぐもった声にZEXISのメンバーたちは驚いていた。

 

「貴様ほどの武人なら本気で相手をしないのは無礼だ。真の姿を見せてやろう!」

 

クーロンガンダムから赤い光漏れ出すと、クーロンガンダムの装甲を破壊して真の姿を現す。

 

そして、姿を現したのは黒いボディに頭部に二本の特徴的な角のガンダムだった。

 

「さあ、始めよう」

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第17話

クーロンガンダムの装甲を破壊して真の姿を現したマスターガンダム。

 

「この姿で戦うのは久しぶりだな」

 

最初に戦ったのはこの世界に転移して、目覚めてすぐに現れた次元獣とだった。

 

「ふん!そんなものただの見掛け倒しだ!」

 

シュバルのエメラルダンは標的をマスターガンダムにすると、両腕に太刀を構えるとスラスターを噴かして接近する。

 

対するマスターガンダムも構えて待ち受ける。

 

「くらえええ!」

 

エメラルダンは両腕の太刀で斬りかかるが、マスターガンダムはその攻撃を回避し時にはマスタークロスで受け止める。

 

「(ん?あの男の太刀から激しい憤りが伝わるがこれは……)」

 

エメラルダンの太刀から伝わる思いにジンは違和感を感じた。

 

「おのれ!我を馬鹿にしているのか!」

 

「馬鹿にしているのは貴様のほうだ。貴様、その激しい憤りをどこに向けている?」

 

「なっ!?そのような戯言でこのシュバルを惑わすか!!」

 

「言いたくないのなら構わん。だが、貴様も武人なら戦いの最中に余計なことを考えるな!」

 

「ぬぅぅ!?よかろう、ならば我が奥義で貴様を粉砕してくれよう!」

 

エメラルダンは太刀を鞘に納めると、背部の二本の槍を連結させるとマスターガンダムに投擲する。

 

「では、こちらもいくぞ!ダークネスフィンガー!」

 

マスターガンダムは向かってくる双槍を黒く輝く掌で受け止める。

 

「ぬぅぅぅぅ……ふん!!」

 

双槍の力にわずかに後退したマスターガンダムだったが、ダークネスフィンガーで掴んだ双槍をそのまま握りつぶす。

 

「そんな馬鹿な!?エメラルダンの双角が!?」

 

「何を呆けている。次はこちらの番だ!酔舞・再現江湖(すいぶ・さいげんこうこ)デッドリーウェイブ!」

 

マスターガンダムは舞のような動きをとると、エメラルダンに向かって突撃する。

 

「まだだ!双角を破壊しただけで勝ったつもりか!」

 

エメラルダンは再び太刀を引き抜き、マスターガンダムを迎え撃つように構える。

 

そして、マスターガンダムは迎え撃つエメラルダンをすれ違うかのように通り抜ける。

 

「き、貴様!ふざけているのか!」

 

何もせずにすれ違ったマスターガンダムに憤るシュバル。

 

「ふん!爆~発!」

 

次の瞬間、ジンの掛け声とともにエメラルダンは突如爆発したのだ。

 

「ええええーーーー!?」

 

この現象にこの場にいる全てのものが驚いていた。

 

技を食らったエメラルダンは無事ではあるものの、これ以上の戦闘続行は不可能であった。

 

「ぐぅ、一体何が起きたんだ…?」

 

シュバルは自分の身に起きたことが理解できない様子だった。

 

「(ふむ、やっぱりこの男は本心を隠してるな。それにしても、やっぱりこの技凄いな……)」

 

エメラルダンの太刀から感じたシュバルの本心はわからないが、今は考えるのは後にした。

 

まだ敵は残っているため、ジンはZEXISに通信回線を開く。

 

無論、顔には布を巻いて隠しておく。

 

「こうして話すの初めてだなZEXISよ」

 

「UG、貴方の目的は一体?」

 

そう言って話しかけてきたのは美人の艦長だった。

 

「(UG?)私の目的は強者との戦いだけだ。それ以外に理由はない」

 

UGという聞きなれない呼称に内心困惑しながらも話を続ける。

 

「では、私達と敵対する気はないと?」

 

「そちらが邪魔をしなければな」

 

それから少ししてプトレマイオス艦長のスメラギは頷く。

 

「わかりました。私達は貴方の邪魔はしません。これでよろしいですか?」

 

「ああ、構わん」

 

スメラギの判断に何名かのZEXISメンバーは文句を言っていた。

 

まるで自分達は強者ではないととれる言葉が気に食わない様子だった。

 

そんなことを知らないジンは敵の母艦を見据える。

 

その母艦から出撃したのは玉座のような形をした次元獣に座る巨人。

 

「初めましてというべきかなガイオウ?」

 

「くくく……まさかてめえみてえな奴がいるとは驚いたぜ」

 

対峙する一人の武闘家と破界の王。

 

今まさに戦いの火蓋が切られる。

 

 

 

 




次回はガイオウ戦です!

上手く戦闘シーン書けるかわかりませんが、精一杯頑張ります!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第18話

「いくぞ!」

 

「こぉい!」

 

戦闘体に変化したガイオウにマスターガンダムは吶喊する。

 

「はぁ!」

 

「ふん!」

 

マスターガンダムの拳とガイオウの拳がぶつかり合う。

 

両者の一撃によって大気が震え、ぶつかり合ったまま静寂が訪れる。

 

「フフフ………ハーッハッハッハ!やはり俺の見立て通りだ!お前はこの場にいる誰よりも楽しめそうだ!」

 

「それは光栄だな。だからこそ私も来た甲斐があったものだ!」

 

互いにぶつかっていた拳を離すと、再び互いの拳と拳がぶつかり合い連続で大気が震えだす。

 

しかし、このぶつかり合いは長くは続かなかった。

 

マスターガンダムとガイオウは互いに距離を取った。

 

どうして距離を取ったのか。

 

この戦いを見守っていたZEXISはマスターガンダムの手を見て理解した。

 

マスターガンダムの手はガイオウとぶつかり合ううちに半壊していたのだ。

 

「おいおい、まさかこれで終わりなわけないよな?」

 

「ふん……当たり前だ!」

 

半壊していたマスターガンダムの手を分離すると、UG細胞によって新たな手を生み出す。

 

「ほぉ~手が生えるとは面白いな」

 

ガイオウは余裕のつもりか悠長にこちらの再生を見ている。

 

「そうやって余裕にしているのも今だけだ。いくぞ!」

 

マスターガンダムは荒ぶる鷹の構えをすると、マスターガンダムの頭部以外の全身が気で包まれる。

 

「超級・覇王・電影弾!!」

 

そのままマスターガンダムはガイオウに向かって吶喊する。

 

「面白れぇ、こい!」

 

対するガイオウは避けるでもなく正面から受け止める。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

「ぬぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

気で包んだマスターガンダムとガイオウは激突し、激しい衝撃が戦場に走る。

 

そんな衝撃の中心地にいるマスターガンダムとガイオウ。

 

衝撃が収まりそこにあったのは、マスターガンダムを押さえるガイオウの姿だった。

 

「いいぞ!やはりお前との戦いが俺をさらに燃え昂らせる!」

 

ガイオウは押さえつけたままマスターガンダムを蹴り飛ばす。

 

「ぐぅぅっ!」

 

押さえつけられた状態で食らった重い一撃にジンは膝をついてしまった。

 

「(重い!これまでの敵とは全然違う!だからこそ……)」

 

「もっとだ!もっとお前の力を俺に見せて見ろ!」

 

膝をつくマスターガンダムにさらに追撃を仕掛けようとする。

 

その巨体に見合わぬ俊敏さから、一瞬でマスターガンダムに肉薄する。

 

そして、文字通り命を刈り取るともいえる一撃がマスターガンダムに襲い掛かる。

 

「(この時を待っていたんだ!)」

 

その刹那の瞬間に状況は一変した。

 

マスターガンダムが黄金に輝きだす。

 

「ダークネスフィンガー!」

 

マスターガンダムのダークネスフィンガーとガイオウの拳がぶつかり合う。

 

再び拮抗するかと誰もが思った。

 

しかし、ぶつかり合いはガイオウが押し負けて後ろに吹き飛んだ。

 

「(この感覚……ついに掴んだぞ!明鏡止水の心を!)」

 

今も黄金に輝くハイパーモードの状態であることが明鏡止水の心を掴んだ証だ。

 

「さあ、続きを始めようか」

 

「くくく……悪いがここでやめだ」

 

「何?それはどういうことだ?」

 

戦いを求めるガイオウが戦いを中断することに、ジンは何か裏があるのか警戒する。

 

「なあ~に、今の状態のお前と戦っても楽しめそうだがよ。もう少し待てばもっと楽しめそうな気がするんだよ」

 

それだけ言うと、もう用はないといわんばかりにガイオウはこの場を去った。

 

「ちくしょぉぉぉ!」

 

まさかの勝手な戦闘中断にジンはやり場のない怒りを叫びながらこの場を離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第19話

Q月D日

 

ぐぅぅ……まだ体が痛い。

 

流石は破壊の王だな。

 

ガイオウとの戦いの後、あの戦場を離脱したがZEXISが逃がしてくれなかった。

 

待ってくれ~とか話がしたい~とか通信で呼びかけてたよ。

 

まあ、ガイオウと互角に戦うやつを野放しにするわけにはいかないんだろ。

 

それにしても、ガイオウは気づいてたのかな。

 

あの最終奥義のこと。

 

あの奥義を習得した俺と戦うために戦闘を中断したのか?

 

…………なんだろう、これを自分で言うと天狗になってる感じになるな。

 

とりあえずは、あたたっ!

 

傷ついた体を治さないとな。

 

Q月E日

 

あれから何日経ったか。

 

やっと体も治ってきた

 

ガイオウ戦から中華連邦の廃墟となった街でジンは体を治すためにこの街に滞在していた。

 

はぁ~こういう時のために簡単な治療法の本でも買っておこう。

 

体を伸ばして調子を確認しながら、必ず買うことを決意する。

 

さて!次の目標は最終奥義習得だ!

 

ガイオウとの再戦とか関係なく、あれは絶対に習得しないといけない。

 

流派東方不敗を極めるなら当然だから。

 

そんな意気込むジンは近くで聞き覚えのある声が聞こえる。

 

思わず隠れたジンはこっそりと様子を窺う。

 

声の方向を確認すると、そこにはZEXISと獣人が何か話し合っていた。

 

話し合っていたとはいえ和やかな雰囲気ではなく、一触即発の雰囲気でだった。

 

しかし、あの宣戦布告した大きい獣人。

 

あいつって確か暗黒大陸で戦った奴だよな。

 

まさかこんな所で会うとはな。

 

ZEXISは何やら因縁があって戦う様子だったが、因縁ならこっちもあるんだよね。

 

 

 

ZEXISと獣人軍を率いる螺旋四天王一人、怒涛のチミルフの戦いは一進一退の攻防が続いていた。

 

そこに均衡を崩す二つの存在が現れた。

 

一つはインベーダー。

 

しかし、インベーダーは獣人を攻撃せずZEXISだけを攻撃していた。

 

もう一つはUGことマスターガンダムだった。

 

「またUGか!奴の目的は一体?」

 

ガイオウ戦から消息不明だったマスターガンダムの登場にZEXISの面々は驚く中、この男だけは違った。

 

「おうおうおう!でやかったな真っ黒野郎!丁度いいぜてめえもぶっ倒してやる!」

 

そうカミナだった。

 

カミナはガイオウ戦でジンから言われた言葉に一番に頭に来ていた。

 

とはいえ消息不明で戦おうにも戦えなかったが、この好機を逃がすカミナではなかった。

 

「(何で俺こんなに敵対されてんだろ?)」

 

ジンは困惑しながらもチミルフの乗艦であるダイカンザンを見据える。

 

「また人間共の増援か!奴も蹴散らせ!」

 

チミルフはマスターガンダムをZEXISの仲間と思い、部下たちに攻撃するように命令する。

 

「(流石にクーロンガンダムじゃないから覚えてないか……)」

 

マスターガンダムに攻撃を仕掛けるガンメンやインベーダーに対して、ジンは焦らずに冷静に構える。

 

「でゃゃゃゃ!」

 

そして、向かってくるガンメンやインベーダーをマスターガンダムは蹴散らしていく。

 

「ちっ!シモン、俺達も負けてられねえぞ!」

 

「え!?わ、わかったよ兄貴!」

 

そうしてジンがガンメンやインベーダーを蹴散らしている間に、ZEXISはダイガンザンに攻撃を集中する。

 

ZEXISの集中攻撃にダイガンザンは動きを停止した。

 

この機を逃さずカミナは頭部のラガンを掴む。

 

「よし!行け、シモォォォォン!!」

 

「うん!」

 

そして、グレンはダイカンザンに向けてラガンを投擲する。

 

投擲されたラガンはダイカンザンにとりつくことに成功した。

 

これで敵の戦艦を奪取できたとZEXISのメンバーは思っていた。

 

しかし、シモンはダイカンザンを乗っ取ることができないでいた。

 

「何があったんだ?」

 

そんな様子をジンは戦いながら見ていた。

 

そこへマスターガンダムに攻撃を仕掛けていたガンメン達は、ダイカンザンを守るべく攻撃を止めて戻り始める。

 

「逃がさん!」

 

ジンは超級覇王電影弾の構えをとる。

 

その射線にはダイカンザンも入っていたが、ジンは攻撃の手を止めない。

 

回転しようとした矢先、マスターガンダムに通信が入る。

 

「ちょっとあんた!何しようとしてんのよ!」

 

通信相手はヨーコだった。

 

「よーっ!?ゲフンゲフン!………何の用だ?」

 

ついヨーコと呼びそうになるも、どうにか抑えて用件を尋ねる。

 

「ん?あんたの声、聞き覚えが……?」

 

「一体何のようだ!?」

 

危うくバレそうになり、語気を荒げて用件を尋ねる。

 

「そうだった、今シモンがあのガンメンを奪おうとしてる。だから、邪魔しないで!」

 

「奪うだと?私の目には奪えていないようだが?」

 

ちらっと様子を見ると、今もダイカンザンの制御を乗っ取ることができずにいた。

 

「あれでどう奪うというのだ?」

 

「いいから黙ってみてなさい!」

 

「………信じてるんだな、奴らがあれを奪取すると」

 

「まあね……」

 

シモンなら必ずダイカンザンを奪えると信じているヨーコに、ジンは少しだけ妬けてしまった。

 

そうやって話している間に状況は好転する。

 

仲間たちがガンメンを抑えている間にカミナのグレンがシモンのラガンの下へ向かう。

 

そして、あろうことかカミナはシモンの顔面をぶん殴った。

 

「………おい、あれで本当に大丈夫なのか?」

 

「だ、大丈夫に決まってるでしょ!ほら、見なさいよ!」

 

ヨーコの言う通りで迷いが吹っ切れたのか、シモンはどんどんダイカンザンの制御を奪っていた。

 

このままいけばと誰もが思っていた。

 

しかし、そんな甘い考えは一瞬で崩された。

 

ダイカンザンより発艦した白いガンメンがグレンを強襲する。

 

その白いガンメンはチミルフの専用機であるビャコウだった。

 

ビャコウはグレンに攻撃を畳みかける。

 

「ちっ!」

 

今の傷ついたグレンでは回避はできないため、ジンは急いでグレンの下に向かう。

 

だが、いくらマスターガンダムと言えど距離があるため、すぐに向かうことはできなかった。

 

その間にビャコウの一撃がグレンを貫く。

 

「兄貴!返事してよ兄貴!」

 

誰が見ても大破しているグレンに、シモンは焦り始める。

 

「ふん!このチミルフが止めを刺してくれるわ!」

 

大破しているグレンに止めを刺そうと、ビャコウは槍を構える。

 

そんなビャコウにマスターガンダムがグレンの前に立つ。

 

「ぬぅ!儂の邪魔をするな!」

 

「断る!おい、いつまで寝てるつもりだ?」

 

ジンの言葉は後ろのグレンにかけられていた。

 

「……うるせえ……よ。このぐらい……屁でもねえぜ……」

 

「兄貴!生きてたんだね!」

 

グレンから聞こえる声にシモンは喜びの声をあげる。

 

「シモン、俺を誰だと思ってやがんだ!これぐらいでやられるかよ!」

 

「(これは……そうか……)」

 

最初の声からジンはあることを感じ取った。

 

「時間を稼ぐ。………出来ることなら手合わせをしたかった」

 

「へっ!これが終わったら何時でも受けて立つぜ」

 

「そうか……それは楽しみだな!」

 

そして、ジンは引き続きチミルフを抑える。

 

「ぐぅぅっ!貴様はいったい何者なんだ!」

 

邪魔をするジンにチミルフは苛立ちを露わにしていた。

 

「無茶と無謀と笑われようと意地が支えのケンカ道!」

 

「壁があったら殴って壊す!道がなければ、この手で造る!」

 

二人の口上に合わせて、ラガンはグレンとの合体を始める。

 

「「心のマグマが炎と燃える!超絶合体!グレンラガン!」

 

そこに立つのは先程までボロボロだった機体ではない。

 

「俺を!」

 

「俺達を!」

 

「「誰だと思っていやがる!!!!」」

 

男と男の魂の合体で蘇った紅蓮の機体“グレンラガン”だ。

 

「きたぜ!きたぜ!」

 

「よっしゃー!いけ―カミナァっ!」

 

グレンラガンの復活にZEXISのメンバーの士気は最高潮に達していた。

 

「ふっ……最後の締めはお前たちで決めろ!」

 

「おうよ!いくぜシモン!」

 

「うん!」

 

「必殺!!」

 

グレンラガンは体中にドリルを生やし、グレンのサングラスをビャコウに向かって投げつける。

 

投げられたサングラスは二つになると、ビャコウの両腕と両足に刺さり動きを止める。

 

そして、グレンラガンは右腕を天に掲げると、生えていたドリルは右腕に集結して巨大なドリルに変形する。

 

「ギガァッ…!ドリルゥゥゥッ…!ブレェェェェイクッ!」

 

ドリルは動きを封じたビャコウに向かって吶喊し、巨大なドリルはビャコウを貫いた。

 

「ば、馬鹿な……!!おのれぇぇぇ……!!」

 

ビャコウは爆散し、この戦いはZEXISが勝利した。

 

「おい、真っ黒野郎」

 

「何だ?」

 

「お前、大グレン団に入らねえか?」

 

「……時が来れば入ろう」

 

カミナからの誘いにジンはそう答えると、踵を返してこの戦場から離脱する。

 

「そう……かよ……ありがとうよ」

 

去り際に聞こえた言葉にジンは振り返らずに戦場を離脱する。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第20話

Q月F日

 

あれから俺はZEXISを尾行していた。

 

理由としてはカミナの弟分のシモンが気になったからだ。

 

あのチミルフという獣人との戦いでカミナが死んでしまい、その原因が自分にあると考えて落ち込んでいないか心配だ。

 

俺自身、あの戦いでまだ未熟であることを思い知った。

 

明鏡止水の心を会得できたからと、心の中で浮ついていたのかもしれない。

 

そんな自嘲気味で尾行していると、ダイカンザンから発進する小さな機影が見える。

 

小さな機影はラガンだった。

 

後をつけよう。

 

後をつけて見れば、ラガンは2機のガンメンを容赦なく攻撃していた。

 

その攻撃は憎しみや怒りをぶつけてるように見える。

 

あれは駄目だ。

 

あんな戦い方は自分も傷つけるはずだ。

 

とはいえ、俺がシモンに近づいて言っても意味はないかもしれない。

 

だからとって見過ごすわけにはいかない!

 

そう日記に書き記して閉じる。

 

 

「くそ!くそ!どうして動かないんだ!ラガン!!」

 

レバーを何度も操作するも、ラガンは動くことなく機能を停止していた。

 

「これじゃ兄貴の代わりに……誰だ!」

 

後ろ近づいてくる足音に気づいてシモンは振り返る。

 

近づいてきたのは紫の武闘着を身に纏い、顔を布で隠す男だった。

 

「……酷い戦い方だな」

 

「誰だよ、あんた?」

 

「私は君たちがUGと呼ぶ者だよ」

 

目の前の男があのUGのパイロットであることに、シモンは驚くも興味がない様子だった。

 

「……何の用だよ?」

 

「何、あの男が後を託した弟分があんな酷い戦いをしていたからな。流石に見過ごせなくてな」

 

「……あんたには関係ないだろ」

 

「確かに関係ないな。それにしても………あの男も哀れだな」

 

「……どういう意味だ?」

 

尋ねるシモンの声には少し怒気が含まれていた。

 

「哀れとしか言えないだろ。後を託した弟分がこれでは奴は無駄死になってしまうからな」

 

「ふざけるな!」

 

カミナを侮辱するジンに、シモンは怒りを露わにして掴みかかる。

 

「ふざけるな……か。なら、今のお前は何だ!?」

 

「っ!?」

 

「あの男がお前に託したものは何だ!ただ怒りと憎しみのままに獣人と戦うことか!」

 

「そ、それは……」

 

ジンの言葉にシモンは動揺して掴む力が弱くなる。

 

「あの男が託したものはそんなくだらないものじゃない。それはお前が一番わかるはずだ!」

 

「う、うるさい!お、お前に……お前に兄貴の何がわかるんだよ!」

 

「わからんさ!だが、一つだけわかることはある」

 

ジンはシモンの目を見ながらカミナのことを思い返す。

 

「あいつは強い信念を持つ熱い男だったことだ」

 

「…………」

 

「短い時間だったが、それだけは俺にも分かった。シモン、そんな男がお前に託したものをもう一度思い出せ」

 

「兄貴が俺に託したもの……」

 

ジンの言葉に考え出すシモン。

 

「さて、私はお暇するよ」

 

そう言うやいなやジンは立ち去ったのであった。

 

「何だよ……兄貴が俺に託したものって……あれは?」

 

ジンの言葉が未だに頭に残る中、シモンは白い箱を見つけた。

 

 

 

Q月G日

 

うむ………熱くなりすぎた……。

 

思い返すとやっぱり思うよ。

 

自分でもわからないくらい熱くなりすぎました。

 

いやはや……何か似合わないことしたな。

 

あれからバレない様に尾行すると、ZEXISにガンメン部隊が攻撃を仕掛けてきた。

 

迎撃のために各艦から機体が発進してた。

 

あれ?何か……数が少ないか?

 

発進した機体の数は何故か少なかった。

 

何かトラブルがあったのかな。

 

そう思って様子を見ると、耳鳴りの音がする。

 

次元獣かと思ったら、見たことない生物だった。

 

何だあれ?

 

突然現れた生物にZEXISはこれも迎撃していた。

 

そんな中、状況はさらに混乱し始めたよ。

 

ZEXISの戦艦が敵前逃亡したら、今度はニュースになっていた紅いダンクーガが現れたよ。

 

紅いダンクーガはZEXISのダンクーガと戦い始めた。

 

二機のダンクーガの戦いは激しく、両者は一歩も引かなかった。

 

ところが紅いダンクーガの一撃に、ZEXISのダンクーガは様子がおかしくなった。

 

見ていてちょっと心配だな。

 

何が起きたかわからないが、新たに現れた黒いダンクーガに何か言われたようだ。

 

やられていたダンクーガは黄金に輝きだす。

 

そして、そのまま紅いダンクーガに突撃するやまるで野生の獣のように攻撃し始めた。

 

その攻撃を受けた紅いダンクーガは、形勢不利とみて離脱した。

 

いや~見ていてこっちはちょっと怖かったよ。

 

あ……黒いダンクーガも離脱した。

 

離脱した黒いダンクーガに入れ替わるように、先程の生物がまた現れた。

 

ZEXISは新たに現れた生物に臆することなく、それどころかシモンに何か言葉をかけていた。

 

お!?もしかして……これは?

 

仲間たちの言葉にシモンは闘志を取り戻し、グレンと合体してグレンラガンになった。

 

これならもう大丈夫だな。

 

さて、こっちも移動しますか。

 

再び合体したグレンラガンを見た俺はこの場から移動するのであった。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第21話

Q月H日

 

何か最近見たことないガンダムに襲われた。

 

更なる強敵を求めて移動してたら、赤い粒子を出すガンダムが攻撃してきた。

 

攻撃されたから反撃したけど……。

 

あっさりと撃退できました。

 

戦ってみた感想はそこまで強くはなかったんだよな。

 

何というか機体の性能に頼りすぎてるっていう感じだったな。

 

ZEXISとかは何度も強敵と戦っているから強くなっている感じはするけど、こっちはそんな感じはなかったな。

 

まあ、大剣を持ったガンダムのビットかファンネルみたいな武器はいい修行になったけど。

 

Q月I日

 

ああ!久しぶりにやってきた熱海!

 

疲れた体にはやっぱり温泉!

 

何しろ……何か色んな勢力からちょっかいをかけられてるんだよな~。

 

ええと、Dr.ヘルとか異星人とか獣人とか三大国とかも。

 

あと移動先に何故か現れる次元獣。

 

いくら強敵と戦いとは言ったけど、戦い続けるのもキツイよ。

 

そんなわけで熱海にやってきました!

 

いざ行かん!温泉が俺を待っている!

 

Q月J日

 

はぁ……どうしてこうなった。

 

熱海のくろがね屋に到着したのはよかったが、どうにもタイミングが悪かった。

 

あしゅら男爵率いる機械獣軍団が日本に侵攻しているらしい。

 

その上、面倒な依頼もされた。

 

女将からタダで極上のもてなしをする代わりに、もしZEXISに近づく怪しい奴を見たら確保あるいは仕留めるよう言われた。

 

断ろうにも女将の後ろにクロスさん達が控えていて、断れないよというか無理でしょ!

 

そんなわけでZEXISの近くで見張っていると、ガミアと名乗る金髪ツインテールの美女が近づいてきた。

 

しかも4人とも同じ容姿の上に黒いマントと怪しい格好をしていた。

 

とりあえず止まるよう呼び掛けると、ツインテールを鋼鉄のようにするわ襲い掛かってきたよ。

 

ツインテールを回避して、4人のガミアと戦うことになった。

 

女将から確保するようにも言われていたので、1体は首を折って戦闘不能にした。

 

それからは残った3体を撃破した。

 

まあ、あのツインテールに気を付ければ問題ないからね。

 

その後は首を折った1体のガミアを渡して、もてなしを受けることになったけどまさかあんなことになるとは。

 

 

 

あしゅら男爵率いる機械獣軍団に勝利したZEXISは、くろがね屋で勝利の宴を開いていた。

 

「そういえばあしゅら男爵が言っていたガミアっていったい何だったんだろうな?」

 

赤木の一言に皆の話題もガミアという存在に変わる。

 

「ガミアは殺人アンドロイドだ」

 

実際に戦った甲児がガミアについて話すと、ここで新たな疑問が生まれる。

 

あしゅらは4体送ったと言っていたが、誰もガミアの姿を見ていない。

 

「そのことなら私が手を打っておいたのさ」

 

「それじゃあクロス達がガミアを倒したのか?」

 

「いんや。とある武闘家にね、クロス」

 

「はい」

 

女将の目配せにクロスが襖を開く。

 

ZEXISの宴会場の隣の部屋には先生の料理を味わう男がいた。

 

皆はこの男は誰だろうと思う中、その男のことを知っている人物がいた。

 

「何であんたがここにいるのよ!?………ジン!!」

 

「………」

 

浴衣姿の武闘家ジン=カミノギがいたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第22話

Q月K日

 

やっぱり隣の宴会場で聞き覚えのある声がすると思ったらZEXISだったよ。

 

だったら何で移動しなかったの?って思うでしょ。

 

移動しようにも部屋には先生にジャンゴが見張りなのかいたんだよ。

 

いくら何でもこの二人から逃げるのは無理すぎる!

 

そんなこんなでZEXISのメンバーから色々と聞かれたよ。

 

どんな流派やら個人的なこととか。

 

竜馬とか武蔵にキタンといったメンバーからは手合わせしようぜと誘われた。

 

色々と聞かれたけど、こういうのも悪くない。

 

むしろ楽しいって思った。

 

だけど、そういう時間は長くは続かなかった。

 

Q月L日

 

この日、エリア11で悲しい出来事があった。

 

くろがね屋を出た俺はあるニュースを目にした。

 

それは行政特区日本と呼ばれる式典で大虐殺が起きたことだ。

 

この行政特区日本は限定的な地域で日本人の独立権を認めるという式典だ。

 

この式典に参加するために多くの日本人が集まっていた。

 

そんな日本人達をユーフェミアは殲滅する命令を下した。

 

この命令によって多くの日本人が亡くなったが、ZEXISのお陰で被害は最小限に抑えることができたそうだ。

 

それにしても、どうしてあんな命令を出したんだ?

 

俺はユーフェミアのことをあまり知らない。

 

だが、メディアに映る彼女からこんなことをするとは思えない。

 

無論、これは俺の勝手な思い込みにすぎない。

 

実際にユーフェミア殿下が何を考えていたのか、それを知ることはもうできない。

 

俺は亡くなった日本人とユーフェミア殿下に黙祷をささげた。

 

Q月M日

 

あれから俺は本格的に奥義を会得するために修行を開始した。

 

あの奥義は自身の気を最大限に高めて放つ技だ。

 

なのでまずは気を感じる必要がある。

 

人気のない山奥で俺は静かに気を高めようと試みた。

 

………やはり何も感じない。

 

だけど、そう簡単に諦めるわけにはいかない。

 

必ずあの奥義を会得して見せる!

 

Q月N日

 

ようやく……ようやく少しずつだけど気を感じることができた。

 

この感覚を忘れずに気を高める。

 

そして、高めた気を放つ!

 

………出ない。

 

いや!ここで諦めるわけにはいかない!

 

もっと気を高めて再挑戦だ!

 

呼吸を整え、もう一度気を高める。

 

ゆっくりと焦らずに気を高めていく。

 

少しずつ少しずつ気を最大限に高める。

 

今だ!

 

もう一度放つと、今度は張り手の形で出すことができた。

 

とはいえ、東方不敗が放ったものは巨大な張り手の形だった。

 

俺のは形は同じでも大きさを力もそれに比べると全然及ばない。

 

だけど、ようやく形だけでも放つことはできた。

 

だけど、これで満足してはいけない。

 

となれば、行く場所は一つ!

 

 

 

 

 

「やっと……見つけた!」

 

各地を放浪していたジンはついにZEXISを見つけた。

 

場所は日本の早乙女研究所。

 

そこでZEXISとゲッター軍団に加え、獣人軍との戦いは繰り広げられていた。

 

「しかも修行にうってつけの相手もいるとはな」

 

ジンは上半身が鬼で下半身がトカゲの怪物を見る。

 

怪物は3機のゲッターロボをあっと間に破壊する力を持っていた。

 

だからこそジンにとっては丁度良かった。

 

「さて、始めよう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第23話

「ふむ……何度も現れるから慣れてきたのかな?」

 

毎度のように突如現れた存在にZEXISは驚きはしたものの、マスターガンダムだと分かると気にしなくなった。

 

「まあいい、俺の目的は奴だけだ」

 

ジンはゴール&ブライを見据える。

 

対するゴール&ブライは雄叫びを上げていた。

 

「いくぞ!」

 

マスターガンダムは周りのゲッター軍団を無視して、一直線にゴール&ブライに接近する。

 

「ん?これは?」

 

接近していると、マスターガンダムの周りの岩が浮き始める。

 

浮き始めた岩はマスターガンダムを押し潰すかのように殺到する。

 

「この程度……舐めるな!」

 

殺到する岩を破壊しながら接近し、ゴール&ブライに肉薄するとブライをマスタークロスで切り裂いた。

 

「ガアアアアアア!!」

 

切り裂かれた痛みにブライは悲鳴を上げ、マスターガンダムを睨みつける。

 

「グウウウウウウ!!」

 

ブライの痛みがゴールにも伝わっているらしく、同じようにマスターガンダムを睨みつける。

 

「グウウウ!」

 

そして、ゴールは口からインベーダーをマスターガンダムに向けて吐き出した。

 

「うぇ……。気持ちわる……」

 

無論、そんな攻撃を絶対当たりたくないジンは回避する。

 

しかし、ゴールは何度もインベーダーを吐き出す。

 

その上、ブライも念力で岩を動かして押し潰そうとしていた。

 

このままでは埒が明かない状況にどうすべきかと考えていると、無数のドリルが岩を破壊した。

 

「こんな奴相手に何してんだよ!」

 

鳥型ガンメンを取り込んで翼にしたグレンラガンから、シモンはマスターガンダムを叱咤する。

 

「では見せてやろう。修行の成果を!」

 

明鏡止水を発動させ、マスターガンダムが黄金に輝く。

 

「流派……東方不敗が最終奥義ぃ!」

 

構えながら自身の気を極限に高める。

 

「石破天驚けぇぇぇぇん!!」

 

そして、巨大な拳を気で形成すると、ゴール&ブライに向けて放つ。

 

石破天驚拳を直撃したゴール&ブライは光に包まれ爆散した。

 

「ぐぅぅっ!?」

 

石破天驚拳を放った後、ジンを強烈な疲労を感じ膝をついてしまった。

 

「何だこの疲労感は……!?」

 

余りの疲労感に立てずにいると、マスターガンダムの周囲の岩が浮き始める。

 

「何!まさか……!?」

 

見れば首だけとなったブライが念力で岩を浮かしていた。

 

「くっ!なんて生命力だ!」

 

首だけとなったブライはせめてマスターガンダムだけでも倒そうとしていた。

 

「ぬぅぅぅ!舐めるな!」

 

気力を振り絞って立ち上がると、岩が押し寄せる前にマスタークロスをゴールへ伸ばす。

 

マスタークロスは首だけのゴールを貫き、浮き始めた岩が地面に落ちる。

 

「どうやらあっちも終わったようだな」

 

獣人軍はグレンラガンによって後退し、ゲッター軍団も撃破されていた。

 

ところが研究所から新たにゲッターロボが続々と現れた。

 

その上、一人の男の掛け声に応じるように、ゲッターロボ軍団が合体し始める。

 

そこにいるのはあり得ないほどの大きさの物体だった。

 

「あれが何なのか気になるが、これ以上の戦闘は難しいな」

 

先程のゴールを倒したことで気力はなくなった。

 

今は立っていることだけでも精一杯の状態だった。

 

「悪いが、あとは任せるよ」

 

あの物体はZEXISに任せ、ジンはこの戦場から後退した。

 

 

Q月O日

 

はぁ~流石に参ったな。

 

まだまだ修行が足りないな。

 

一度放っただけで動けなくなるのはヤバいな。

 

今回はZEXISはあの巨大な物体に集中していたし、敵もこっちのことはきにしてなかったから後退できたよ。

 

今後の課題は奥義を問題なく使えるようににしないと。

 

でないと放つたびに膝をつく羽目になる。

 

よし!頑張るぞー!

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第24話

Q月P日

 

再び山中で精神統一の修行を行っていたら、珍しい人物が来たよ。

 

それはまるでジェントルマンと呼ぶべき男性と右の目の部分に傷跡を持つ怪しい男性だった。

 

二人はサンジェルマンと不動GENと名乗った。

 

こんな山中に現れた二人に俺は思わず構えたよ。

 

だけど、何ていうか勝てる気がしなかった。

 

何でか分らないけど、勝てる気がしないってわかるんだよな。

 

二人は敵意は無いというので、とりあえず構えは解いた。

 

それにしても何者なんだこの二人は?

 

二人はUGの正体がジン=カミノギだと知っているし。

 

内心焦りまくりの俺に二人は手を貸してほしいと言われた。

 

どうしようかと思ったけど、もしかしたら更なる強敵と戦えると思い承諾した。

 

サンジェルマンはここに向かってほしいとメモを渡された。

 

メモには場所が書かれていたけど、どんな所だろう?

 

一体何をすればいいのか聞こうとしたら、二人はいつの間にかいなくなっていた。

 

ちょっ!待てよ!

 

何をすればいいのか言わないって、それはないでしょーーー!

 

こうして山中に俺のどうしようもない怒りがこもった叫びが響くのであった。

 

 

Q月Q日

 

とりあえずメモに書いてある場所に向かうと、そこはHLVの発射場だった。

 

うん……。

 

これを見て何処に行くかわかった。

 

宇宙か………。

 

色々と思うことはあるけど、HLVに機体を乗せよう。

 

何しろHLVは用意はされてるけど、人の気配が全くない。

 

多分、無用な騒ぎを起こさないためなんだろう。

 

こうして機体をHLVに積み込んで乗り込んだはいいけど、どう打ち上げるんだ?

 

こっちで打ち上げの操作って出来たかな?

 

そう考えていると、HLVが揺れだした。

 

どういうことかと外を見ると、HLVが発射しようとしていた。

 

どうしてと思ったけど、脳裏にあの二人が浮かび上がった。

 

とにもかくにも、俺は宇宙へと上がったのであった。

 

 

 

 

 

ああ、どうしてこうなった。

 

宇宙に上がったまではよかったよ。

 

そのままどうすべきか外を眺めていると、虫のような生物“バジュラ”に襲われた。

 

咄嗟にマスターガンダムに乗ってHLVを脱出。

 

その後はバジュラを撃退した。

 

ここまではまだいい。

 

これからどうしようと頭を悩ませているとZEXISが現れた。

 

まさか彼らが宇宙にいるとは思わなかったけど、ここは彼らを頼ろうとした。

 

ところがZEXISの各戦艦から機体が続々と発進していた。

 

どうにも話し合いをしようという様子ではない。

 

そして、自分の前に一機のバルキリーが近づいてきた。

 

「UG、お前がランカとシェリルを攫ったのか!!」

 

「一体何のことだ?」

 

「とぼけるつもりか!お前が二人を攫った瞬間をグレイスが見ていたんだ!」

 

「(どうにも話が見えないな……)言いたいことはそれだけか?」

 

とりあえず情報が欲しいジンはさらに話を聞こうとする。

 

しかし、二人を攫われたことに頭に血が上ったアルトは単機でマスターガンダムに突っ込んできた。

 

「貴様、ふざけるな!」

 

「いい動きだ。だが、真正面からでは動きを読むのは容易い!」

 

バルキリーはガンポッドを撃ちながら高速で接近する。

 

しかし、その動きジンは先読みし攻撃を回避すると、マスタークロスでヴァルキリーを縛り上げる。

 

「ぐぁぁぁっ!」

 

「どうやらさらに強くなったようだが、これではな」

 

幾ら強くなっても頭に血が上った状態では、十分に力を発揮できるはずがない。

 

「アルト!」

 

「あの野郎!」

 

他の機体はアルトを助けようと、マスターガンダムに攻撃しようとしていた。

 

「待つんだ皆!どうやら彼を敵と判断するのはまだ早いと思う」

 

そこへ待ったをかけたのは破嵐万丈だった。

 

「確かに、彼が本当に攫ったのか確かめるべきだ」

 

更にクワトロの同意にZEXISは攻撃を中断する。

 

「(今だ!)」

 

その瞬間ジンはバルキリーを開放すると、ZEXISのほうへ蹴り飛ばす。

 

「ぐわっ!」

 

「「「アルト!!」」」

 

そして、ヴァルキリーに気を取られている隙に全速力でこの場から離脱した。

 

「どうやら逃げられてしまったね」

 

「やっぱりあいつが二人を攫ったのか?」

 

「それはわからないが、それを確かめることは出来なくなったな」

 

残されたZEXISは各機に帰還命令をだし、バジュラの巣へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第25話

Q月R日

 

あれからのことをここに話そう。

 

ZEXISから逃げた俺は彼らの後をこっそりとついて行った。

 

理由としては、俺がランカ・リーとシェリル・ノームを攫ったという言葉が気になったのだ。

 

確かに俺は二人のファンではあるよ。

 

だけど、そんな誘拐なんてするヤバい類のファンではない。

 

それにしても、どうしてZEXISの中で俺が攫ったって確定していたんだろう。

 

携帯端末で調べると、何と二人のアイドルを黒いMSが攫っている瞬間がニュースで流れている。

 

おいおい、何だこのマスターガンダムの紛い物は?

 

外側はそっくりかもしれないけど、こんなの動きでわかるよ。

 

でも、大衆はそんなの気にしないから信じてるんだよね。

はぁ~冤罪で指名手配されるって泣けるわ~。

 

そうこうしてると戦闘の光が見えた。

 

そこではZEXISとバジュラの激しい戦闘が行われていた。

 

うわぁ……凄い数のバジュラだ。

 

大量の数のバジュラに体を震わせていると、見覚えのあるバルキリーが小惑星に向かっていた。

 

あれは確かアルトのバルキリーか?

 

ふむ………どうやらそこにランカちゃんやシェリルいるんだな。

 

よし!汚名返上のチャンスだ!

 

日記を閉じると俺は構える。

 

 

ランカとシェリルがいる小惑星に突入しよするアルトのバルキリー。

 

そのアルトを援護するZEXISの面々。

 

バジュラと激戦を繰り広げられる中、アムロとカミーユはこの戦場に向かってくる強烈なプレッシャーに気づいた。

 

「アムロさん、これは!?」

 

「ああ!奴だ!各機、回避するんだ!」

 

アムロの呼び声にZEXIS各機は回避行動をとる。

 

すると、彼らがいた場所を何かが高速で通り過ぎる。

 

そのまま展開しているバジュラの一角に突っ込むと、多数のバジュラを撃破していきながら進むと上がりだす。

 

その動きにクロウや刹那達は見覚えがあった。

 

そして、姿を現したマスターガンダムはポーズを決める。

 

爆発(ばぁーくはつ)!」

 

次の瞬間、大爆発が起きて更に多数のバジュラを撃破していた。

 

「UG……!?」

 

「何であいつが!?」

 

突然現れたマスターガンダムにZEXISの面々が唖然とする。

 

「UG!今度は何を企んでるんだ!」

 

そこへアルトがジンの目的を問い質してきた。

 

「やはり、お前が二人を「馬鹿者!」何!?」

 

アルトの話をジンの一喝が遮る。

 

「俺に構っている暇があるのか!貴様は今すべきことを思い出せ!」

 

「俺がすべきこと………シェリルとランカを助けることだ!」

 

最優先すべきことを思い出したアルトはマスターガンダムが気になるも、小惑星へと突入しよとする。

 

しかし、突入ポイントに巡洋艦クラスのバジュラが現れる。

 

「くそ!突入ポイントに!」

 

「奴に構うな!そのまま進め!」

 

そこへマスターガンダムがバルキリーの前に出て、巡洋艦クラスのバジュラに接近する。

 

「はぁぁ!ダークネスフィンガー!」

 

ダークネスフィンガーを艦首に突き刺す。

 

バジュラから攻撃を受ける中、構わずにそのままバジュラを持ち上げる。

 

「どぅうおりゃぁぁぁぁ!!」

 

そして、バジュラを突入ポイントからずらし道を作った。

 

「さあ!早く行くんだ!」

 

「……すまない!」

 

アルトのバルキリーが小惑星に突入すると、後を追うように紫色のバルキリーも小惑星に突入した。

 

「こちらもおわらせよう!」

 

艦首からダークネスフィンガーを抜いて距離をとる。

 

「かぁぁぁぁぁ!!」

 

そして、マスタークロスを高速でバジュラに巻き付ける。

 

巻き付けたマスタークロスを締め付け、バジュラを切断する。

 

「よし!次だ!」

 

そのままアルト達が脱出するまでの間、バジュラを撃破していると小惑星から二機のバルキリーが出てきた。

 

そのバルキリーを追うように巨大なバジュラも出てきた。

 

出てきた巨大バジュラはランカとシェリルを乗せたアルトのバルキリー目掛けて攻撃する。

 

「くそ!俺を狙ってきて!このままじゃ!」

 

シェリルとランカが危険にさらしてしまうことで焦るアルトに、シェリルの歌が戦場に響き渡る。

 

そんなバルキリーをバジュラクイーンを再度攻撃しようとする。

 

そこへ黒い影がバジュラクイーンを蹴り飛ばした。

 

「早く行くんだ!」

 

「助かる!」

 

「アルト君、あの黒いガンダムって?」

 

「今のところは味方だ………多分」

 

「ちょっと!そこはハッキリさせなさいよ!あれって私達を攫ったガンダムでしょ!」

 

「今はわからないんだよ!」

 

そうしている間にバルキリーはクォーターに帰還する。

 

「さて、ここまででいいだろう」

 

無事にランカとシェリルは保護されたことを確認したジンは、あとのことをZEXISに任せて離脱した。

 

 

Q月S日

 

あれから離脱した俺はとりあえず廃棄コロニーにいた。

 

損傷したマスターガンダムの再生のためにだ。

 

それにしても戦場でシェリルの歌を聞いたときは、何かこう……気力が上がるというかやる気が出る感じがしたな。

 

どうしてなのかはわからないけど。

 

さて、これからどうするか?

 

不動さんとサンジェルマンさんの頼みがバジュラとの戦いの援護なら、もう頼みは終えたからな。

 

一度地球に戻るとか?

 

でも、大気圏突入はどうしよう?

 

どうすべきか頭を悩ます俺は携帯端末にメールが着信していた。

 

内容は…………これは!?

 

どうやら次に行くべき場所は決まったな。

 

マスターガンダムの再生は終えていた。

 

ジンは廃棄コロニーから発進すると、ある場所に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第26話

今回は破界編の最終回です。

スパロボ30面白いですね。

作者は現在プレイ中です。

ナイツ&マジックにマジェスティックプリンスなどの新規参戦は燃えますね!


あのメールを見たジンはすぐさま廃棄コロニーをでて向かったまではよかった。

 

ただ、巡回中の哨戒部隊などに見つからないようにするために、道中の廃棄コロニーに隠れたりしながら進んでいた。

 

それなりの日数はかかったが、どうにか目的地に到着した。

 

到着した場所は陰月と呼ばれる二つになった月の一つ。

 

しかし、次元の歪みによって進入不可能となっていた。

 

そこにジンを呼び出した人物がいた。

 

“破界の王”ガイオウだ。

 

どういうわけか宇宙服を着ずに、平然と立っているこの男が次元の歪みをどうにかしたのだろう。

 

そんなガイオウの周りには大量の次元獣がいる。

 

「よお。ずいぶん遅かったな」

 

「悪いがこちらは貴様みたいに自由に行動できるわけではないのだ」

 

「そうかよ。まあ、その間は退屈せずに済んだがな」

 

「それであのメールは貴様が?」

 

「ああ。アイムの奴が調べておいたとよ」

 

「ちっ!それで俺は決着をつけるために来たのだが、この次元獣は?」

 

ジンに送られてきたのは“決着をつけよう”としか書かれておらず、この陰月に来るように指定されていた。

 

「あ?こいつらは邪魔はしねえよ。折角のお前との戦いにそんなつまんねえことするかよ」

 

「そうか。なら始めよう」

 

マスターガンダムは構え、ガイオウは戦闘体へと変化する。

 

ジンは心の中で叫ぶ。

 

「ガンダムファイト―!!レディィィゴォォォ―――!!」

 

 

宇宙空間に響き渡るぶつかり合う拳と拳。

 

互いに攻撃を受け流し、また受けながらも攻撃の手を止めない。

 

「ククク……ハーッハッハッハ!やっぱりお前との戦いは最高だ!」

 

「それはこちらも同じだ!」

 

自身の持てる力を全て出してぶつかり合うこの戦いに、ガイオウもジンも楽しんでいた。

 

「秘技!十二王方牌(じゅうにおうほうぱい)大車併(だいしゃへい)!」

 

小型の分身を繰り出すと、分身はガイオウに攻撃を仕掛ける。

 

「ふん!これがどうした!!」

 

分身の攻撃にビクともしないガイオウだったが、マスターガンダムは気にすることなく荒ぶる鷹の構えをする。

 

「あの時のリベンジだ!いくぞ!」

 

そして、マスターガンダムは頭部以外の全身が気で包みはじめる。

 

「超級・覇王・電影弾!!」

 

光球と化したマスターガンダムの突進にガイオウはニヤリと笑う。

 

「面白い!さあ、来い!」

 

ガイオウはサンクキングダム戦と同じように構えて待ち構える。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

マスターガンダムとガイオウが激突した瞬間、辺りに衝撃が走り台地が割れ始める。

 

「今度は俺が勝つ!」

 

二人の激突が拮抗している中、マスターガンダムは少しずつガイオウを押し始める。

 

「クククク………本当に惜しいなぁ!!」

 

ところがガイオウは圧倒的な力でマスターガンダムを吹き飛ばした。

 

その上、ゲールディランが雄叫びながら放った衝撃波を直撃してしまった。

 

機体とリンクしているため、受けた攻撃はジンにも届いてる。

 

「はぁ……はぁ……ごほっ!!」

 

尋常ではない痛みがジンの体を襲いかかり、その痛みは吐血するほどだった。

 

「本当に楽しかったぜ。だけど、これで終わりだ」

 

倒れたままのマスターガンダムに近づくガイオウ。

 

「せめてもの餞別だ。お前は次元獣にせずに楽にしてやるよ」

 

ガイオウは左腕に闘気を纏わせると、マスターガンダムに打ち付けようとしていた。

 

「(ここで……死ぬのか?……まだだ……ここで……死ぬ…わけには……いかないんだ!!)」

 

「ん?」

 

「まだだ!!ダークネスフィンガァァァァ!!」

 

薄れゆく意識を覚醒させたジンは、打ち付けようとした左腕にダークネスフィンガーをぶつけた。

 

突然の反撃にガイオウは数歩後退る。

 

「ほう……まだ立つか」

 

ボロボロになりながらもマスターガンダムは立ち上がる。

 

その眼にはまだ闘志は失われておらず、むしろさらに奮いあがっていた。

 

「そう簡単に諦めるわけにはいかないだよ。だから、ここで決着をつけるぞ……ガイオウ!!」

 

「面白れぇ!!だからこそお前を呼んだ甲斐があったもんだ!!」

 

マスターガンダムもガイオウも互いに気を昂らせていた。

 

「はぁぁぁはあっ!!」

 

気を高めたマスターガンダムは黄金色に輝き始める。

 

「流派……東方不敗が最終奥義ぃ!」

 

構えながら自身の気を極限に高める。

 

「石破天驚けぇぇぇぇん!!」

 

そして、巨大な拳を気で形成しガイオウへと放った。

 

対するガイオウは闘気を纏うと、正面から石破天驚拳に突っ込む。

 

互いの最後の一撃が激突し、陰月に巨大な大爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちく……しょう……」

 

宇宙に漂う黒い残骸。

 

その中で一人の男は痛む体を抑えていた。

 

「今は……体を治さないと……ん?」

 

男は陰月に向かう光を見つけた。

 

「とりあえず……ここを離れよう」

 

痛む体に鞭をうち、男は何処かに移動するのであった。

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再世編
第27話


皆さんお待たせしました!

遂に始まる再世編!

間に幕間を挟もうか悩みましたけど、このまま再世編を書くことにしました!

というわけでどうぞ!




破界の王であるガイオウによって引き起こされたこの戦乱を、人々は“破界事変”と呼んだ。

 

この破界事変から大きな変化が起きていた。

 

黒の騎士団、ソレスタルビーイング、コロニーのガンダムといった反政府組織の壊滅。

 

暗黒大陸では早乙女研究所で倒されたはずの真ドラゴンが姿を現した。

 

しかし、真ドラゴンを恐れた政府の強硬手段によって次元境界線が歪曲してしまった。

 

何故そうなってしまったのか、詳しい事情は一般市民には知らされていない。

 

その後に設立された地球連邦によって世界は平和へと進むと思われていた。

 

 

 

 

 

 

「まったくどうしてこうなった……」

 

ゴビ砂漠にある収容所でジンは嘆いていた。

 

ジンは陰月でのガイオウとの戦いの後、動けるまで再生したマスターガンダムで地球に戻っていた。

 

それからは機体が再生するまでの間、療養もかねて世界を見て回っていた。

 

そして、近くの街をうろついていたら治安独立部隊の“アロウズ”に、怪しいという理由だけでここに連れてこられた。

 

「確かに身分を示す物はないけど………何も調べずにって酷いな」

 

ここにはジンと同様に無実の罪でここに連れてこられた人が何人もいる。

 

今後のことを考えていると、向かいの独房に青年が入れられた。

 

「待ってください!話を聞いてください!」

 

青年は軍人に呼びかけるも、軍人は無視してここを出ていった。

 

「そんな………どうして……」

 

青年は膝をついて頭を抱え、自分の身に起こったことを理解できないでいた。

 

「あ~そこの青年君?」

 

「え?ぼ、僕ですか?」

 

「君だよ。それで、君も何かやってここに連れてこられたのか?」

 

「違います!僕は何もやってません!」

 

そうして青年“沙慈・クロスロード”は少しずつ話してくれた。

 

彼はコロニーの建設作業員として働いていた。

 

その職場の同僚が反連邦組織“カタロン”の構成員だったらしい。

 

沙慈はその同僚と仲が良かったから、お前もカタロンの構成員だろという不確かな理由でここに送られたようだ。

 

「なるほどな。それは酷い話だ」

 

冤罪ここに極まりない話だ。

 

「どうして……どうしてこうなったんだ……」

 

「まあ、色々と事情があるみたいだね。話してくれないか?」

 

それからジンは沙慈の話を聞いていた。

 

彼の肉親がソレスタルビーイングについて調べていたせいで亡くなり、恋人もソレスタルビーイングの攻撃によって両親を亡くしてしまった。

 

そんな沙慈は恋人との夢のために宇宙に上がっていたようだ。

 

「(話を聞く限りどう考えてもカタロンの関係者とかありえないな)」

 

「すいません。こんなこと聞いてもらって」

 

「構わないよ。……沙慈君、その思いは一度吐き出したほうがいい」

 

「え?」

 

「そうした思いは吐き出すんだ。何でお姉さんが亡くなり、恋人が傷つかなればならなかったと。そうしないと、いつか後悔するかもしれないからね」

 

我ながら恥ずかしいことを言った思い、頭を搔いていると軍人がジンの独房の前に軍人が歩いてきた。

 

「出ろ」

 

鍵を解錠して鉄格子を開けると短く告げる。

 

「沙慈君、大切なのは諦めないことだ。諦めなければいいことがあるはずだ」

 

「喋らずについてこい!」

 

軍人はジンを殴って黙らせる。

 

「ジンさん!」

 

ジンは手で制し、問題ないと言わんばかりに親指を上げる。

 

そして、ジンは軍人にある一室に連れてこられた。

 

「それでこれから取り調べしてくれるのか?」

 

「いいや、その必要はない」

 

軍人の手には拳銃が握られていた。

 

「貴様はカタロンの構成員として処刑することが決まった」

 

「はぁ~ここまでくると腐りきっているな」

 

取り調べもせずに処刑するという事実に、ジンはどうしようもないと嘆いていていた。

 

「言いたいことはそれだけか?」

 

「なら一つ。舐めるな!」

 

軍人が銃を撃つ前にジンは接近すると、拳を鳩尾目掛けて強烈な一発を入れた。

 

「がっ!?」

 

軍人はあっさりと気絶してしまった。

 

「さて、どうするか?」

 

あのまま撃たれるわけにはいかないので抵抗したが、この状況を見られたら確実にテロリスト扱いされるはずだ。

 

ところが考える暇もなく、収容所の外から爆発音が聞こえる。

 

窓があるのでこっそりと覗いてみる。

 

外ではアロウズのMS部隊にソレスタルビーイングのガンダムや黒の騎士団の紅蓮弐式と無頼、他にコロニーのガンダムやATに黄色のブラスタが戦っていた。

 

他にもカタロンのMSが収容所に攻撃を仕掛けている。

 

「沙慈君のことは気になるが、今はここを逃げるか」

 

ジンはアロウズが外の戦闘に気を取られている隙に、この収容所からこっそりと逃げだすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回作のアイデア一覧です。

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=271426&uid=225751


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第28話

皆さん、遅れましたがあけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!


Q月T日

 

あ~やっちゃたよ………やっちゃったよ~。

 

収容所からの脱獄。

 

これで俺もお尋ね者か。

 

なんて思っていたけど、ニュースや新聞にはカタロンとソレスタルビーイングが収容所を襲った……と報じられていた。

 

脱獄した俺のことまでは報じられなかったことに、やったー!と思って喜んじゃったよ。

 

だけどね……何か行く先々でアロウズに襲われるんだよね。

 

はぁ~アロウズの上層部には俺の正体がバレてるのか?

 

あ……そういえば沙慈君は大丈夫だろうか?

 

あの時は確認せずに収容所を出たからな。

 

無事だといいんだけど。

 

っと、またアロウズが来たよ。

 

Q月U日

 

アロウズに加えて何でかブリタニア軍にも追われる日々に疲れたよ……。

 

そんな中、エリア11ではなんとゼロが復活したそうだ。

 

ゼロは破界事変で処刑されたと言われてたけど、復活して早々に総督であるカラレスを派手な戦略で亡き者にした。

 

その後は全世界のテレビ回線をジャックして、自身の復活を堂々と見せつけた。

 

いつも思うけど、やることが派手だな。

 

まあ、派手さなら流派東方不敗もまけないけどね!

 

Q月V日

 

………何でかな。

 

何かアロウズにブリタニア軍に加えて、怪しい力を使う集団も追ってくるんだけど。

 

例えると某ライダーの怪しげな超能力者(エスパー)みたいな感じだ。

 

とりあえず撃退はしたけど、こいつらって何処に所属してる人なんだ?

 

アロウズやブリタニア軍は服装に武装とかで何とか見分けはつくけど、この超能力者集団はわからないんだよな。

 

う~ん……よし!

 

考えてもわからないから気にしないようにしよう!

 

それにしても………どうして俺の居場所がバレてるんだ?

 

Q月W日

 

あぁ………久しぶりにまともな食事が胃に染み渡る……。

 

俺は今カタロンの基地にいる。

 

理由としては色んな勢力から逃げ回っていた時、俺はある危機に陥っていた。

 

それは………空腹だ。

 

あれは大変だった。

 

手持ちの食料はなく、辺りにも食べれそうな物もなかった。

 

そんな時、カタロンの構成員が救いの手を差し伸べてくれた。

 

どうやら俺のことを避難民と思って助けてくれたようだ。

 

こうして俺はカタロンの方々から食事を頂いていたというわけだ。

 

本当に感謝しきれないよ。

 

だって少ない物資から出してくれたんだよ!

 

こんな見ず知らずの俺に、本当にうれしかった。

 

そう思った矢先に基地内に警報が鳴り響く。

 

基地の人に聞くと、アロウズがこの基地を発見して攻撃してるらしい。

 

またアロウズか!

 

基地内ではMS部隊が防衛のために発進している。

 

だけど、発進しているMSは旧3大国のMSだ。

 

アロウズの太陽炉搭載MSでは歯が立たないはずだ。

 

となればやることは決まってるね。

 

 

 

「クラウスさん」

 

この基地のリーダーであるクラウス・グラードにジンは近づく。

 

「君は……ジン・カミノギだったか。すまないな、こんなことに巻き込んで……」

 

申し訳なさそうにするクラウスにジンは首を振る。

 

「何言ってるんですか。倒れている俺を助けてくれたじゃないですか」

 

「しかし……」

 

「それにそんな簡単に諦めては駄目です。諦めなければ、必ず希望はきます」

 

「希望か……。しかし、この状況では……」

 

諦めるなと言われても戦力に差がある状況に、クラウスは不安を払拭できずにいた。

 

「必ず希望はありますよ。例えば……正義の味方とか」

 

「正義の味方か……。この世界でそう呼べるものは彼らしか」

 

クラウスが想像するのはおそらくソレスタルビーイングや黒の騎士団などだろう。

 

「今は出来ることをしましょう」

 

「そうだな。ジン、ありがとう」

 

クラウスが去ったことを確認したジンは外を見る。

 

外ではやはりカタロンの防衛部隊がアロウズに苦戦している。

 

「さて、ふぅ……来い!ガァァンダァァムッ!」

 

窓から飛び出たジンの呼び声に応じ、空より飛来する機影が見える。

 

機影はジンを掌にのせ、コックピットへ移す。

 

突如大地に降り立ったクーロンガンダムに、アロウズとカタロンのMS部隊は攻撃の手を止める。

 

「いくぞ、アロウズ!」

 

現れたクーロンガンダムはアロウズのMS部隊へ吶喊するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第29話

さて皆さん。
1年の時を得て蘇ったクーロンガンダム。
非道の限りを尽くすアロウズとの戦いが今始まろうとしています。
ガンダムファイト……レディィィゴォォォ!




はい、というわけでGガンダムのストーカーさんっぽい喋り方で久しぶりの更新です。
一年も更新が遅れてすいませんでした。



カタロンの基地を守るかのように現れた古代中国の鎧武者を思わせる重厚な見た目のMS。

 

クーロンガンダムがアロウズの前に立ちはだかる。

 

「……この感覚。やはりこうでないとな」

 

この一年間ジンは機体に乗ることができなかった。

 

理由はガイオウとの戦いで大破したマスターガンダムの再生とジンの体の療養だ。

 

マスターガンダムはUG細胞によって少しずつ再生していたが、ジンの体はUG細胞を感染させているわけではない。

 

なので時間をかけて各地を旅しながら体を休めていたのだ。

 

そして、モビルトレースシステムによって機体とジンが繋がる感覚に笑みを浮かべる。

 

「さあ、始めようか!」

 

クーロンガンダムは構えると敵部隊へと吶喊する。

 

対するアロウズ側では突如現れたクーロンガンダムに僅かながら動揺するも、すぐに落ち着きを取り戻し吶喊するクーロンガンダムへ攻撃を開始する。

 

クーロンガンダムは敵部隊の弾幕を掻い潜ると、近くのGN-XⅢを蹴り飛ばして地面に叩きつける。

 

そして、GNランスで近接戦を仕掛けてくるGN-XⅢに対してランスを難なく受け止める。

 

そのまま地上の右肩を赤く塗装したATへ投げつける。

 

「どうした!この程度では相手にならんぞ!」

 

アロウズの機動部隊を翻弄するクーロンガンダム。

 

「リント少佐、すぐに部隊を後退させるべきだ」

 

「何故です?相手はたかが一機です」

 

「UGは破界の王ガイオウと同等の力を持つ危険な相手だ。それに現状の戦力で勝てる可能性は低いのだぞ」

 

「だからといってこのまま後退するわけにはいきません。それに、正面から戦う必要などないのです」

 

「何?それはどういうことだ?」

 

「フフフ……各機はカタロンの基地を攻撃しなさい」

 

リントの指示に敵部隊はクーロンガンダムからカタロンの基地へ攻撃の矛先を変える。

 

「っち!させるか!」

 

クーロンクロスでビームや弾丸を切り払うも、クーロンガンダム一機だけだは全てを切り払うことは出来ない。

 

そのために切り払えなかった攻撃をクーロンガンダム自身を盾にして受け止める。

 

「ふん!このぐらい大したことはない」

 

被弾したせいで体が痛むも、ガイオウと戦った時の痛みに比べればどうというほどではない。

 

「(とはいってもこのままじゃジリ貧になるな。どうするか……)」

 

このままでは敵を撃退することができない状況に悩んでいると、戦場に二隻の戦艦が現れた。

 

それはソレスタルビーイングと黒の騎士団の戦艦だった。

 

そして、二隻の戦艦からMSにKMFなど見覚えのある機体が続々と発進していた。

 

「グッドタ~イミング!」

 

まさか黒の騎士団とソレスタルビーイングが現れたことに驚きながらも喜んでいた。

 

一方の二隻側は状況を理解したのか、アロウズへと攻撃を開始し始めた。

 

「こっちも反撃開始だ!いくぞぉぉぉぉ!」

 

防衛に回っていたクーロンガンダムも反撃に転じ始めるのであった。

 

 

 

Q月X日

 

いや~久しぶりの戦闘で大暴れしちゃったよ!

 

といっても黒の騎士団とソレスタルビーイングが来た後はとても戦いやすかったよ。

 

それに日本のスーパーロボット部隊が現れてまた驚いたよ。

 

だけど、スーパーロボット部隊は一応連邦軍に所属していたからどうなるかわからなかったけど、アロウズの非道に味方してくれて本当に良かったよ。

 

そこからはとんとん拍子に進んでアロウズを見事撃退できました。

 

戦闘が終われば俺もいつまでもいられないから、すたこらと彼らから逃げたよ。

 

あ~でも、俺が急にいなくなって怪しまれてないか心配だな。

 

………過ぎたことを気にしても仕方ない!

 

人生こういうことはよくあるよくある!

 

こういう時は忘れよう!

 

うん!それがいい気がする………多分。

 

 

 

Q月Y日

 

あれから難民キャンプに身を寄せていたところに、とんでもないニュースが全世界に流れていた。

 

突然電波ジャックして全世界に対して宣戦布告した“インサラウム”。

 

ただでさえこの世界にはいろんな問題を抱えている中に現れた新勢力。

 

その新勢力は街を破壊した後に中心部にドーム型のZONEとかいう装置を設置しやがった。

 

しかし、あのユーサーとかいう皇子。

 

どういうつもりでこんなことするのかね。

 

あんな無用な戦いを望まぬと言いながら、よくわからない装置を設置して土地をよこせとか。

 

それで連邦軍とかがはいそうですかと頷くわけないのに。

 

それにしてもあのZONEっていう装置。

 

何故だか一刻もアレを早く破壊しなければいけないと勘が告げてる。

 

ざわつく難民キャンプを後にし、人気のない広い場所に移動する。

 

いつも通りガンダムを呼び寄せて搭乗し、全速力で戦場へ行くぞ!

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。