魔法科に通う一般(相対的)生徒 (姿見 写)
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設定紹介
オリキャラ・設定紹介


本来は原作に合わせて本文中で紹介する予定だった設定です。私の力量ではそれが難しいと判断したため、こんな形で紹介させて頂きます。
一応本文中にも都度説明は加えますが、本文を読んで意味不明になってきたら、ここをお読み下さい。
作品の進行によっては付け足して行く事があるかもしれません。
原作の設定や登場人物は飛ばします。


《オリキャラ紹介》

・オリ主人公:「飯綱(いづな) 三郎(さぶろう)

 飯綱家現当主。元々の名前は「水森(みずもり) (あおい)」だったが、ある切っ掛け(エレメンタル・サイトの発現)により飯綱家を継ぐ事が決定し薫との婚約が確定した為、高校から名前を変える事になった。名前の変更を高校生からにしたのは、第一高校には有名な家系が多く在籍し、彼等との級友と言う繋がりは重要な為に、今後社会で使っていく名前で通学する必要があると判断した為。

 得意分野は魔法式の開発と改良、及び大陸系の古式魔法に通じる魔道具や刻印魔法。実戦で使うのは水森家の抜刀術と千葉家の剣術。牛山さん、達也と共に3人で「FLT」で「トーラス・マーキュリー」の名前で開発をしている。

・オリヒロイン:「飯綱 (かおる)

 飯綱家の跡継ぎ候補筆頭だったが、エレメンタル・サイトを持つ碧(三郎)の登場により候補から降ろされた。現在は当主の嫁としての勉強中。彼女自身この婚約に対して好意的な為に、このまま結婚が確定している。

 魔法力は百家に及ぶかどうかレベルだが、本来得意とするのは古式魔法となっている。莫大な保有サイオン量を誇る為、長い時間と多くの人員が必要となる巨大な結界の単独での構築及び保持が出来る。尚、その結界の素を創るのは三郎の仕事となっている。現在は少しでも構築速度を速める為の練習中。実戦は前線では経験した事が無いが、後方支援の形なら多少経験が有る。

《オリジナル設定》

・飯綱家

 元々は長野を中心とした古式魔法の家系だが、途中から大陸系の古式魔法も取り入れている。飯綱術(いずなじゅつ)と言う一子相伝の魔法を使う。代々一世代に一人は妖精の眼(エレメンタル・サイト)を持つ者が生まれ、その者は性別に関わらず当主となる。ある代の双子が二人共妖精の眼(エレメンタル・サイト)持ちだった為、その代から分家となる「水森(みずもり)家」が生まれた。他の家からしたら考えられ無い魔法を多用するために、「天狗」と呼ばれ恐れられた。

 魔法の存在が明らかになり、各地に魔法技能士開発研究所が開かれる頃には近隣にいた古式魔法の使い手達は京都に行ってしまっていた。しかし、飯綱家はその地に残る事を決めた。それどころか、魔法技能士開発第四研究所の設立と維持について協力を申し込んだのだ。その後も「四葉家」と名乗り始めた彼らとの協力体制は続き、四葉の分家である「津久葉(つくば)家」設立の際には大陸系古式魔法の伝授等の協力をした。

 近年に至るまで協力体制が続いている主な理由としては、妖精の眼(エレメンタル・サイト)の存在が大きい。本拠地を知られたくない四葉家としては、優れた探知機となる飯綱家を使って隠蔽の綻びが無いかを確認出来ると言うメリットは大きい。更にその必ず現れると言う体質の希少さ故に、駒ではなく庇護下にある(次期当主候補を排出する)分家と同格の独立した家(つまりは四葉の継承者争いには参加しない)として認められている。更には正月の慶春会への参加も認められている。

・水森家

 飯綱家の分家、エレメンタル・サイトの所有者は初代当主と碧(三郎)以外誕生していない。飯綱術も使えない為、刀を使う技を追い求めた。結果としては、抜刀術の形に落ち着いた。それ以外が進歩しなかった理由としては、実戦の時には飯綱家の当主がエレメンタル・サイトを使って得た情報を基に敵に忍び寄り一刀のもとに切り伏せていたから。碧(三郎)の祖父母の世代からは、千葉家の剣術も取り入れ始めた。

 次期当主筆頭だった碧(三郎)が本家の当主となった為、そのいとこが次期当主となった。

・飯綱術

 エレメンタル・サイトで見たイデアのプラットフォーム上の情報を書き換える事で、魔法の発動位置や対象を増やしたり、変更したり誤魔化したりする魔法。本来はこの魔法を使える事が当主の条件だが、前提条件にエレメンタル・サイトの所持がある為、エレメンタル・サイトを持っていることが次期当主の条件となっている。

 実戦では、隣で別の人が発動する魔法をいきなり敵の目の前で炸裂させる事で、現代魔法並みの発動速度だと誤認させることが可能。その為、古式魔法がメインの世の中では人外の術を使う者として「天狗術」と呼ばれ恐れられた。

 この魔法を使うと、その瞬間に魔法を使う人と全く同じ物がイデアのプラットフォーム上にもう一つ作られる事となる。その際には魔法式を読み込んで発動する状態の情報体をコピーする為に、何工程の魔法でも自身に掛かる負荷は変わらない。しかし、事象干渉力は高い水準を求められる。そしてこの魔法はそのコピーを何体まで複製できるか?が重要になってくる。一体のコピーを生み出せると「一尾」、二体なら「二尾」と呼び方が変わって行く。現在三郎は「九尾」となっている、これは過去の全当主を凌ぐ記録となっているために「歴代最高の当主」とも呼ばれる。前当主の記録を超すか並ぶと当主交代となる為、現在は三郎が当主となっている。しかし、まだ若すぎるため名義だけとなっていて現在は移行期間となっている。

・《トーラス・マーキュリー》

 フォア・リーブス・テクノロジー[FLT]所属のエンジニア。

 《ト-ラス》はハード面を担当する牛山さんの事で。《マーキュリー》の意味は「水星」ではなく「水銀」の事、ソフト面を担当する飯綱三郎(()森碧)と司波達也(()()()())の事。三人の間では牛山を「ミスター・トーラス」、達也を「ミスター・シルバー」、三郎を「ミスター・フォックス」と呼び合っている。「ミスター・フォックス」の由来は三郎が「九尾」と呼ばれていることを知った2人が「九尾の狐」の伝説を思い出したから。

 三郎は主に刻印魔法の開発と、古式魔法のアレンジを手掛けている。刻印魔術に関しては五十里(いそり)家に迫る出来栄えとなっており、古式魔法のアレンジでは他の追随を許さない状態となっている。が、その多くは世に出せない物となっている。また、古式魔法の常識は達也にとって新たな視点となり、その逆もあるために2人でよく話し合いをしている。




 主人公の一人称視点で書き始めたら能力紹介なんて出来ませんよ。いきなり自分のステータスを明かし始めるのは、現状把握のためなら出来るかも知れませんが。飯綱家に関してなんて言えないでしょう。アンタッチャブルの四葉家に関する事を、ペラペラとしゃべりだすバカはいないでしょうし。

 アニメ二期一話のリーナの服装、だいぶ可愛らしくなってましたね。私の認識が間違ってたのかと思って、小説取り出して確認しちゃいました。


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本編
初めまして


 初投稿です。
 ずっ追いかけてて、初めて全巻揃えた作品で常々二次創作を書きたいと思っていました。丁度『魔法科高校の劣等生』が完結したので書き始めました。
 オリ主を作るのは確定していたのですが、ヒロインは誰にするかで悩んでました。多くのヒロインは公式半公式を問わず、カップリングが成立しています。ですが、そういったカップリングを破ってまでオリ主を入れるのは主に心理的に難しく、結局オリヒロインを創りました。
 漢字のミスや言葉の誤用などが多々あると思いますので、誤字報告は覚悟しています。
 モチベーションはある程度自分で保つように努力しますが、例え改善点のご指摘でも感想をもらえると有難いです。もっと言えば、褒める内容の肯定的な感想ですと嬉しいです。

2020年9月24日に「ヒロイン(薫)の容姿説明」と「オリ主達のクラス」を変更しました


「こんなに早く着いちゃってどうしよう」

 そう呟くが、実際の所そこまで早すぎるわけでもない。式が始まる一時間前というのは一般的に言えば早い方かもしれないが、彼の胸と両肩にある八枚の花弁を模したエンブレムを見れば多くの場合納得するだろう。何故なら、それは入学するだけでも誇らしいことである国立魔法大学付属第一高校。その中でも入学時の成績が特に高い上位百人にのみ与えられるものであり、それを与えられるという事はまさに将来を約束されたと言っても差し支えない程の事だからだ。

 つまりは「一高の一科に入れた喜びで舞い上がってる人」と考えれば特段おかしい訳でも無いのだ。ただ、僕の場合は事情が違うのだが。

「雇用主様の命令だから何も言えないんだけど、遅刻するといけないからってこの時間に待ち合わせた(かおる)は案の定寝坊するし。一緒に出掛ければいいものを、わざわざ学校で待ち合わせにするからこうなるんだ」

 そんな愚痴をこぼしながら座れる場所は無いかと歩いていると、並木の向こうにベンチが見えた。誰もいないだろうと思っていたそこには、三人掛けのベンチに座って携帯端末に顔を落とす、人影があった。恐らく彼は僕の知っている人だろう。

()()()()()、突然ですが隣あいてますか?」

 そう声を掛けると、彼は一瞬面食らった様な顔をした後。穏やかな顔で返事をした。

「どうぞ」

 何だかいたずらが成功したようで少し気分が良かったが、すぐ彼に返されてしまった。

「失礼ですがお名前をお伺いしてよろしいですか」

 そうのたまう顔は、少し笑っている様に見える。

「自己紹介が遅れちゃったね、僕の名前は飯綱(いずな)三郎(さぶろう)。飯綱って呼んでくれと嬉しいな、名前で呼ばれるのはあまり好きじゃないから」

司波(しば)達也(たつや)だ。俺は達也で大丈夫だ」

 そこからは互いに会話も無く、二人ともそれぞれの端末に目を落としていた。

 気が付くと時間も丁度良くなり、端末を閉じて立ち上がろうとした時に目の前にふと影が落ちた。

「二人とも新入生の方ですね?そろそ会場の時間ですよ」

 そう声を掛けてきたのはどうやら先輩のようだった。女生徒用の制服に胸の八枚花弁のエンブレム、加えて腕のCAD。それの着用が認められる位の立場の人なんだろうと想像してると。隣の達也と彼女の間では何やら会話が交わされていた。しかしながら、達也は若干押され気味のようだが。そのやり取りを見ていると、彼女は思い出した様にこちらを見て慌てて自己紹介をしてくれた。

「あっ、無視してしまったようですみません。申し遅れましたが私は第一高校の生徒会長を務めている、七草(さえぐさ)真由美(まゆみ)です。ななくさ、と書いて、さえぐさ、と読みます。よろしくね」

 何だか語尾に星マークでもついて、キラッと言う擬音とともにウィンクしながら目元でピースしても違和感の無い口調だが。不思議と似合っていた。数字付き(ナンバーズ)それも七草の家系とは思えない気安さだと吞気に考えていると、達也は自己紹介を済ませてしまっていた。

「僕は飯綱三郎です」

「司波達也くんと飯綱三郎くんね、先生方の間で噂の2人が一緒にいるのは偶然かしら」

 はて、噂とは何の事だろう。

「司波くんも飯綱くんも魔法工学で小論文含めて満点、司波くんはそれに加えて魔法理論でも満点。前代未聞の成績よ、二人共第四高校に行ってもトップを取れそうな成績だって」

 努力していた事を認められるのは嬉しいものだが、達也は何だかつらそうな顔をしている。慌てて

「でも僕はその他の教科は普通なんですけどね」

なんて良く分からない言葉で場を濁して二人して

「そろそろ移動しなければならないので、失礼します」

と言って逃げるようにその場を去った。

 2人並んで歩いていると身長が152センチしかない自分の背がだいぶ低く感じてしまい、なんだか劣等感に苛まれてしまうな。なんて考えていると、講堂についたようだ。

 既に半分程度の席は埋まってしまっているが、自由席のはずなのに前半の席は一科生(ブルーム)後半は二科生(ウィード)と綺麗に別れている。興味深いと眺めていると、達也は空いている席に向かっていたのでついて行って隣に座った。

「飯綱は前半に座らなくて良いのか?」

 そんな事を聞かれても後ろでも声は聞こえるだろうからここで大丈夫だと答えると、達也は少し困ったように笑うと、そうか、とだけ言ってそれ以上は聞いて来なかった。会話は途切れたが、別段話したいことも無いので式が始まるまで軽く眠るかと瞼を閉じようとすると、

「あの、お隣は空いてますか?」

突然声がかけられた。僕ではなく達也が、だが。

「どうぞ」

 そう達也が答えると、次々と四人の女子生徒が腰をおろした。何やら会話を交わしているようだが、今朝早く起きたせいか本格的に眠くなってしまい。段々と声が遠ざかっていった。

 

 

 ふと肩を揺すられるのを感じて目を開けると、達也が呆れた顔でこちらを見ていた。

「まさか式の間中ずっと寝るとは思わなかった」

 もう式は終わってしまったのか、思っていたより時間が過ぎているな、と寝ぼけた頭で考えているとどうやらIDカードを受け取りに行くようなのだが、まだ眠いからと同伴を断った。すると達也は少し呆れた様にため息をつくとこちらに目を向ける人影を見るとどこかに行ってしまった。きっとカードを受け取りに行くのだろう、僕も行かなければ、なんて思いつつも眠気に負けてしまった。

 

 

「起きなさい!!」

 突然耳元で大きな声が聞こえ、びっくりして目を瞬かせていると。いたずらっぽく笑っている顔がこちらをのぞき込んでいた。

「おはよう、薫」

「おはよう、寝坊助さん」

 そう言って微笑む彼女には、朝は君の方が寝坊したんじゃないか、とか、そんな大声を出さなくてもいいじゃないか、とか言いたいことは色々あったけどその顔を見てると何も言えなくなってしまった。

「私を放っておいてこんな所にいるなんてひどいわね」

 なんて言う薫には申し訳ないことをしたと思うので、

「今度何か薫のいう事を何でも一つ聞くから許してよ」

 と言うと薫は満足そうに頷いた。

 カードを受け取りに行く為に並んで歩いてると、ふと薫と僕を見比べてしまう。

 167センチと女性としてみると背の高い薫は線が細くスレンダーな体系をしていて、胸はないわけではないが決して大きくは無い。僕は別に気にしていないのだが、薫は気になるらしい。髪の毛は栗毛のロングヘアで柔らかい顔立ちの中にある大きな丸っこい目、その瞳は翡翠色になっている。正直言ってかなりの美少女だ。

 僕はと言えば152センチの女性としても低い身長に男らしく無い中性的な顔立ち。黒髪の短髪に、丸い目に黒い瞳。いくら鍛えても細いままの体、二次性徴を迎えても低くならなかった声も相まって。薫に女性物の服を着せられた時も、何の違和感も無く思わず泣いてしまった。

 一応僕と薫は婚約者のはずなのに、私服で街を歩くと姉妹に間違われたり、絶滅したと思っていたナンパに声を掛けられた時は狙いが僕だった時もある。

 今更どうしようもない事なので諦めてはいるのだが、確実に男子とわかる制服には感謝している僕がいる。なんだか複雑な気持ち。

 そんな事を考えながらカードを受け取ると、C組と表示されていた。どうやら薫も同じC組のようだ、特段感動もないしホームルームに行っても特にする事が無いので帰ろうとすると同じく帰宅途中の達也たちを見かけた。

 声を掛けようかと悩んだが、彼の妹を含め美人な女生徒三人に囲まれて周囲から嫉妬のこもった眼差しで見つめられているのを見て、今日は疲れているのもあり無視して帰る事にした。

 

 校門を出て暫く歩くと駅に辿り着いた。薫とは調布にある同じマンション(ビル)の隣どうしなので、一緒のキャビネットで帰り部屋の前で別れた。帰る途中に一緒に登校する方が楽だと思うから明日からは一緒に行こうと言うと薫は頷いてくれた。なぜ昨日は断固として拒否したのだろう。

 家に帰れば自由の時間。という訳でも無い、高校生ではあるがこれでも飯綱家現当主。やるべき事はそれなりにある。まずは雇用主への報告書作成、書き終わるといつも通り暗号化の処理をして送信する。これで終わり。そう言っても相手は()()四葉(よつば)家だ。尋常ではない精神力を使う。

 その後は建物内部にあるジムに行き、身体を動かして夕飯を薫と共に食べ。明日の準備をして早めに寝る。四葉家への報告さえ終わってしまえば、後は楽なのが普段の特徴だ。しかし、その後は普段と違った。数日前から四葉家に問い合わせていたことへの回答がようやく来たため、部活連代表の十文字会頭へ部活連枠での風紀委員会への推薦を承諾する旨を伝えるメールを送った。すぐに十文字先輩から感謝のメールが届いたのには驚いたが、その日は明日のことを考えてそのまま眠ることにした。




 漢字のミスや言葉の誤用などが多々あると思いますので、誤字報告は覚悟しています。
 モチベーションはある程度自分で保つように努力しますが、例え改善点のご指摘でも感想をもらえると有難いです。もっと言えば、褒める内容の肯定的な感想ですと嬉しいです。
 衝動的に書き始めた作品なので、更新は不定期です。なるべく早めに投稿したいと思っています。なので、先の展開が思い浮かばずにエタる時は正直にギブアップのサインを出しますが、それがない場合は時間がかかっても必ず書きますので宜しくお願い致します。
 次回ではオリ主の境遇について解説したいと思います。


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顔合わせ

 タイトルもサブタイトルもいいものが浮かばない。そんな言い訳にもにた愚痴を垂れ流しますが、二話目の投稿がここまで遅いのには理由がありまして。偏に私の執筆速度の問題です。本当はある程度書き溜めてから投稿していこうと考えてたんですけど、勢いで始めてしまった為にこうなってしまっています。申し訳ないですが、今後もこのくらいの週一を目途に頑張っていきます。

 オリキャラ達の細かい設定も一応考えてはいるので、そのうち個別に出していきたいです。


 朝起きるとまだまだ登校するには早すぎる時間だったが、特段普段より早い時期に起きた訳でも無い。毎日この時間に起きて薫を起こし、寝ぼけてる彼女が寝間着から着替え終わるのを部屋の外で待つ。そして彼女が来ると一緒にトレーニングルームに向かった。基礎体力をつけるトレーニングを終えると、薫は先に部屋に戻った。いつも通り二人分の朝食を用意してくれているのだろう、有難い事だと思いながら。剣道の練習を始めた。初めはちゃんと千葉家で習っていたのだが、剣道の大会などには出ずに魔法剣の「圧斬り(へしきり)」と「斬鉄(ざんてつ)」の二つを使いこなすとすぐにやめてしまい、その後は自主練習をして。時々千葉家の道場を借りて形が崩れていないかを確認してもらっていた。道場を辞めた僕が教えてもらうのはどうかと思ったが、歓迎されているようなので素直にお世話になっている。最近では千葉家の同い年の子に師匠となって貰っているが。そう言えば昨日達也の傍に師匠がいた気がするが気のせいだろう。

 始めた頃は僕一人で行っていたトレーニングだが、ある晩夕食の後体重測った彼女は突然変な声を上げると僕の体重を尋ねて来た。嘘をつく必要も無かったので正直に「49キロ」答えると、少し俯いてからぷるぷると震え覚悟を決めたように顔を挙げて明日からは一緒にトレーニングをすると言い出した。認めたくはないが、そのころには既に薫は僕の背丈を越していたので僕より体重があるのは当然なのだが。どうやら気にするようだ、薫曰く「健康に気を付けようとしてるだけで、体重とは一グラムたりとも関係ないんだから」だそうだが、単位にかなり体重の影が表れている気がする。

 部屋に戻るとシャワーを浴びて用意して貰った朝食を二人で食べると、制服に着替えて荷物の確認をしてキャビネットに乗り「第一高校前」へと向かった。

 登校二日目、教室に入るとある人物に目線が集中していた。目線の先をたどると、新入生総代を務めた司波(しば)深雪(みゆき)さんがいた。先日彼女の兄である達也と仲良くしたいため、クラスは違うが一応声を掛けてみようと二人で近づくと周囲から突き刺さるような目線を向けられたが、気にせずに声を掛ける事にした。

「初めまして司波さん、僕の名前は飯綱三郎。飯綱でいいよ、名前で呼ばれるのは好きじゃないから。彼女は僕の許嫁の」

「飯綱薫です、よろしくお願いします。司波さん。薫と呼んで下さい、飯綱が二人だと紛らわしくなってしまうので」

 いきなり声を掛けられたことに驚いたのか、思いがけない()()()()から声を掛けられてあっけに取られたのか。ワンテンポ遅れたが、すぐに挨拶を返してくれた。

「飯綱くんと薫さんですねよろしくお願いします。飯綱くんは昨日の夜お兄様からお話を伺っております」

「達也が僕の話をした?何を話したんだろう。そこまで一緒にいた訳でも無いのに」

「きっと式の途中で寝てる人がいたって話でしょうね。そんな事をしでかす人が相当珍しかったから、印象に残ったんでしょう」

と、それなりに気安く話して居るとオリエンテーションの始まる時間となりチャイムが鳴った。

 自分のクラスに戻り担当の先生が入って来て話すのを、適当に聞いて直ぐに履修登録を済ませた。残りの時間は寝て過ごしていると、不意に薫に起こされて学内施設の見学に行かないかと深雪から誘いを受けた事を伝えられた。A組に向かい了承して一緒に行こうとすると、A組の人達が機会を伺っていたかの様に次々と声を掛けて来て、気付けば大所帯になっていた。その深雪を中心として歩くグループに紛れて見学していると、色々と面白い物を見れた。特に僕の得意分野であるCADの調整等を行う「工房」では、流石は第一高校と言わんばかりの設備が揃っていた。

 昼食の時間になると、そこまで皆で食べたいと言う思いも無いため。一緒に巡っていた深雪達のグループと別れ、薫と二人で適当な空いてる席に座って食べていた。すると達也達の座る席が視界に入った、何やら揉めているようだ。

「何かあったのかな、三郎は何だと思う?」

「きっと、深雪さんが達也と食べようとしたら、それをA組のお近づきに成りたい男子辺りが邪魔したんじゃない。」

 よくそんな命知らずなことできるな、なんて考えていると。最終的に達也がそのテーブルから離れることで、解決としたらしい。

 午前中は軽く見るくらいであまりじっくりと見れなかったので、午後は薫の気になるところを見に行く事にした。早速遠距離魔法練習場(通称「射撃場」)に向かって3年A組の実習を見に行くと、昼食の時にも見掛けた達也たちの集団が先頭で見学してた為にかなりの視線を集めていた。それを横目に実習を見ていると、流石は生徒会長の七草先輩と言うしか無い腕前だった。

「薫はあれ出来る?」

「当たり前って言いたい所だけど、あれは無理ね。まるで色んな所に目が付いてるかのように射っているんだもの、私はそこまで精度を良くは出来ないわ。CADをそれなりにチューンすれば出来るかも知れないけど、備え付けのCADであそこまで出来るのは無理ね」

十文字会頭に直接会って昨日はメールで済ませてしまった風紀委員会についての事を伝えなければならないので、昼ご飯の後は薫と別れて十文字会頭の元に向かうことにした。

 部活連本部に覚悟を決めて向かっても今は生徒会室にいると言われてしまい、肩透かしをくらった様な気持ちになってしまったが逆に余分な力が抜けてよかったかもしれない。そう考えながら生徒会室に向かい入室許可を取り、中に入ると予想してた通りの人達がそろっていた。それにしても最強世代の顔役三人「十文字克人」「七草真由美」「渡辺摩利」の三人が揃うと流石に気おされてしまう。

「失礼します、一年D組の飯綱三郎です。先日十文字会頭にメール上で返事をしました風紀委員会への入会の件で、正式な返事をお伝えしに参りました」

 丁度僕の事を伝えてたみたいで十文字先輩は「丁度良い」と言って後は風紀委員の方で話してくれと言って出て行ってしまった。そうすると背の高いショートヘアの女性の先輩が、少し目を開いて確認するように返事をしてくれた。

「私が風紀委員会委員長の渡辺だ。君が、急遽枠が空いてしまった部活連枠での推薦として入ってくれた一年生か。十文字の方から君の実力の程は聞いている、突然の話で申し訳ないと思っているがが正直言って有難い。教員推薦枠は無事埋まったのだが、幾分生徒会推薦枠がまだ決まってないので焦っていたところだ。全くそう言った所くらいはしっかりとして欲しい物だがな」

「私だってちゃんと考えてます、なるべく早めに決めるから」

 女性2人が話し合っているのを聞いていると、ふと会長から「同級生で良い人は思いつくかしら」と聞かれたので「一年E組の司波達也がいいと思います」と言っておいた。それを聞くと渡辺先輩は少し驚いた様な顔をしたが、直ぐにいたずらっぽい顔に戻って話し始めた。

「ついてこい」

 それだけ言うと生徒会室の扉とは反対側の、本来なら非常階段があるはずの場所に向かって歩き出した。そこにはなんと風紀委員会室への直通階段があった。

「消防法はどうなってるんですか?」

「ここは魔法師を育成する場所だぞ、更に言えば生徒会も風紀委員会も学内でのCADの所持を認められている」

「つまりは必要ないんですね」

 そう言うと軽く頷いた渡辺先輩と階段を降りると、かなり無造作に物が置かれている机が置いてあった。

「僕も片づけは苦手なのでここでの仕事では役に立ちそうに無いですね」

「ほかの風紀委員もみんなそんなものだ。聞いているとは思うが、我々風紀委員会は主に校内での魔法使用に関する校則違反者の摘発と、魔法使用を伴う争乱の取り締まり。そういった事をしでかした奴の処分を決定するために現場で見たものの説明もして貰う。つまりは違反者を腕っぷしでとっつかまえる仕事だ、聞くところによると君は古式魔法の使い手らしいがどんな魔法を使うのか可能な範囲で教えてくれないか」

 そう聞かれると返事にこまってしまう、僕としては一から十まで全部話しても構わないのだが。達也から僕と薫は誰かに自分達の魔法を説明するときに話していい範囲を決められているのだ。その範囲内で話すとなると……

「僕の魔法は飯綱家に代々伝わる『飯綱術』と呼ばれる古式魔法をベースに現代魔法に合わせて改良したものとなってます。それと組み合わせて剣術を使うのが現時点での基本的なスタイルですが、基本的には剣術のみを使っています」

「そう言えば君を千葉家の道場で見掛けた事があったな、それなら十分即戦力になりそうだ。となると君はどんなCADを使っているんだ?おそらくこの部屋に有るものレベルじゃスペックが足りないだろう」

「この部屋にあるものも十分いい性能なんですけどね。流石に僕の普段使いの物には負けますね、ですが巡回の時にはここにある剣状のデバイスを借りたいと思います。一応自分も魔工技師志望なので、自分用に少し弄らせてもらいますが」

 渡辺先輩は認めるように一度頷くと、時計を見て慌てた様に今日はお開きとした。去り際に二日後の放課後に風紀委員会室に集まるように告げられた。




 原作が好きなのでなるべく本筋の流れからはみ出ない様に書いていこうと一念発起したのはいいけれど、原作の凄さを思い知るばかり。
 現時点での変更点としては、風紀委員会の部活連推薦枠の先輩の誰かが一人消えてますが、三―Cの辰巳鋼太郎さんと二―Dの沢木碧さんはいます。新入りが二人から三人に変わったくらいです。
 次回は出来ればオリ主達を掘り下げていきたいです。

 話は変わりますが、32巻の特装版?購入特典のB2タペストリーのエリカの髪色が何だか某USNAの魔法師部隊の『スターズ』隊長の「アンジー・シリウス」みたいな髪色してません?一巻を見直すともうちょっとオレンジ寄りだった気がするんですよね、アニメ版の資料を見てもオレンジ色っぽいし。何でですかね?


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いざこざと野次馬

 特にオリキャラ達について深掘りできませんでした。ですが、今後もメインストーリーに関わっていくためには欠かせないと判断したため、ここは書かせていただきました。
 今更ですが原作キャラの説明っていりますかね?なるべくしようとは努力してるんですけど、頭の中でもうアニメーションとか3Dモデルが出来上がっているキャラクター達を文字に置き換えるのが難しいんですよね。
 それと、毎週土曜日更新を目指す事にしました。間に合わない場合は諦めて日曜に出します。その時は毎週日曜日更新に変わるかもしれません


 薫と待ち合わせていた場所に向かうと約束の時間を過ぎていたせいか、すねた顔で待っている姿が見えた、僕を見つけるとより露骨に、見せつけるようにして不満を表現してきたので。帰りにカフェに寄る事を提案することで、何とか許してもらえた。

 校門に向かって歩いていると、何やら揉めている様子が目に飛び込んで来た。目を向けると達也とその傍に居る司波さん。昨日も見掛けた師匠らしき人とその他数名。何やら言い争いをしているようだけど、立ち止まって遠巻きに眺めている人は意外と少なかった。でも折角だからと数少ない野次馬の一員として薫と二人で眺める事に決めた。

 どうやら昼ご飯の時に起きた事の再演をしている様に見える。昼よりも人は少ないみたいだけど、その分意志が強い人達が揃ったようで。かなり長引いていた。この掛け合いもいつまで続くんだろうな~、なんて考えているとおとなしめに見えてた黒髪の女の子が一番にA組の面々に突っかかっていて中々衝撃だった。

「一番に突っかかって行くのはガタイの良く彫りの深い顔立ち彼だと思ってたんだけどな、薫は誰だと思ってた?」

「考えてるわけないでしょう。三郎は意外とそう言う喧嘩とか戦いについて考えるの好きよね」

「そりゃあ僕もこんな見た目でも男の子だからね、()()()身体も鍛えてるからどうせなら発揮したいじゃん」

 話してる間にA組の茶髪っぽい男子生徒がCADを取り出した。

「あれって森崎かな、あのクイック・ドロウで有名なところ。確か同級生にいるらしいし。それにしても普段から家の仕事を手伝ってるのか、流石の速さだねぇ抜き出すのも狙いを定めるのも見事だ」

「詳しく分析してるみたいだけど、それを相手にしてる深雪さん達は大丈夫なの」

「あそこにいるオレンジ色の髪した人が僕の想像通りなら大丈夫だと思うよ。そろそろ性格的に我慢でき無くなる頃だろうし」

「もしかして前に話してた同級生の剣術の師匠って彼女なの」

 それに返事をするよりも先に結果が最も分かり易く現れた。その師匠がどこからともなく取り出した警棒の様な物で、森崎のCADを吹き飛ばした上にそれを顔に突き付けたのだ。流石は師匠、薫なんかは全く目で追えて無かったようで目を瞬かせていた。その後も相手の方に目もくれず漫才の様な物を続けている師匠、相手はその同級生らしき僕がさっき一番に突っかかると予想した人。やっぱり波長が合うみたいで、かなり様になっている。

「後ろの女の子が魔法を起動しようとしてるけど良いの?三郎は風紀委員なんでしょ」

「まだ正式ではないけどね、流石に法律違反は見逃せないでしょうから仕方ないか。けど、その必要はなさそうだけど」

 秩序の無い諍いの場に、突然目に見えて秩序が訪れていった。それをもたらした三年生の二人組、さっきまで話していた渡辺先輩と生徒会長と達也が何やら会話を交わしていた。どうやらこの場はお咎め無しと裁定が下ったようで、一斉に頭を下げる一年生を置いて渡辺先輩達は帰って行く。しかし途中で渡辺先輩が振り返り達也に問い掛けた。

「君の名前は?」

「一年E組、司波達也です」

 それを聞いた渡辺先輩は周りで見ていた僕に気付いて、目を合わせてから納得したように頷いた。

「成程、覚えておこう」

 それを聞いた達也は少し嫌そうな顔をしている様に見えたが、結局何も言わずに見送っていた。

 その後森崎と達也が少し言葉を交わしていたが、結局A組の人達は機嫌が悪そうに帰って行った。二人の女子生徒を除いてだが。彼女達も含めて帰っていくそうなので、駆け寄って一緒に帰らせてもらうことにした。勿論自己紹介はその時に互いに済ませた、互に名前で呼ぼうとしていたが僕は苗字で呼んでもらえるようにお願いした。ほぼ全員が受け入れてくれた、しかし師匠だけは最後まで名前で呼ぼうとしてたが、最終的に僕はエリカの事を師匠と呼ばないかわりに、エリカにも僕を名前で呼ばない事を約束してもらった。

 

 

 

 E組の達也、美月、エリカ、レオとD組の僕と薫、更にA組の深雪、ほのか、雫と言う一科と二科の壁を越えた面子で駅に向かう最中では、主にCADの調整について話していた。

「それじゃあ深雪さんのアシスタンスの調整を達也さんがされているんですか?」

「ええ。お兄様にお任せするのが、一番安全ですから」

 ほのかの質問に対して、どこか得意気に深雪が答えると。達也は謙遜して応えた。

「少しアレンジしてるだけなんだけどね。深雪は処理能力が高いからそこまで調整しなくても大丈夫なんだ。それに、これくらいの調整なら飯綱も普段からやってるだろう」

 どうやら達也はそこまで持ち上げられたくないようで、丁度良いと言わんばかりに雑なパスを僕に出してきた。

「まぁ、やってるけど。僕の場合は余り外部に公開したくない式が多いから、やらざるを得ないってだけなんだけどね」

「そんな仕方なくやってる人に任せるくらいなら、達也くんにあたしのホウキも見てもらおうかな?」

 振り返りながらエリカが達也に声を掛けた。

「無理。あんなに変な形のCADは弄れないよ」

「やっぱりすごいね達也くんは、よくこれがCADだって分かるね」

 そう言ってエリカは瞳に鋭い輝きを持った笑みを浮かべて、縮めた警棒のストラップを持って軽く回す。どうやら驚いてくれなかったのが不満なのかと思い、弟子として師匠の無茶振りにこたえるかと思って返事をした。棒読みになってしまうのはご愛嬌だ。

「エー、ソノケイボウッテシーエーディーダッタンダー、マッタクキヅカナカッタ―」

「えっ?その警棒ってデバイスだったの?」

「美月、良い反応ありがとう。そして飯綱は覚悟して話してるんでしょうね」

 どうやら僕の猿芝居は必要無かったようだ。全員が気付いていたらすべってしまうだろうから、そうなるのを防ぐための良い手だと思ったけど違ったようだ。

「どうなってんだ、このデバイス。さっきの使い方を見ると全部空洞ってことは無いと思うんだが」

「残念レオ、柄以外は全部空洞らしいよそれ。硬化魔法を使ってるらしいけど、詳しいことはエリカより三郎に聞いた方が良いと思うよ」

「ゆうじゃない薫、何も否定できないけど。流石に普段使っているあたしも開発者よりは知らないわよ」

 エリカの発言を聞くと、雫やほのかなどは少し驚いた顔をしていた。

「僕は最初、持ち運びが不便でもちゃんとした頑丈なデバイスにしたかったんだけど。エリカが空洞がいいって言い張って。それだとCADの機械部分が埋め込められないから、刻印にするしかなくて。もともと飯綱家はそっちの方が得意分野だからそれは良いんだけど、問題はどうやって長時硬化魔法を維持させるかで悩んでたら。エリカが『振り出しと打ち込みの瞬間だけ硬化魔法が発動すれば良いじゃない』って言われて。そんな兜割の様な事ができるのかと、感心するやら呆れるやらで。そこから更にサイオンを流した瞬間に、硬化魔法が起動するように刻印を調整してようやく完成だよ」

 本当にあの時は疲れたと振り返っていると、エリカが深雪に兜割りができる方が単純にサイオン量が多いより凄い事だと指摘されて焦っていた。それを見た僕が本当に訳が分からないと便乗してエリカを弄っていたら、飯綱も十分おかしいと言われてしまった。

 そんな事無いのにと思って、何か反論しようと考えていたが。駅に着いてしまったので何も言えないまま、解散となってしまった。

 さらにはカフェに寄り損ねた事に気付いた薫の機嫌が悪くなってしまったので、帰りにケーキを買って帰る事にした。




 字数が多いか少ないか分からん。まぁ今回はこれ以上増やせなさそうだけど。
 オリキャラ達の設定はちゃんと考えてるので安心して下さい。原作リスペクトで少しずつ小分けにして出したいんですが、やろうとすると原作者の力量に押しつぶされてばかりです。

 アニメ二期「来訪者編」楽しみですね、個人的には小説の中での理解が難しい第一のポイントだと思うのでアニメでどう描くのか気になりますね。今期も「さすおに」で終わるのか、原作並みの情報の洪水が来るのか。


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