First story of_againk_ (Solo Mon)
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first take _againk_

 ────────

 

「僕は()()になりたいんだ!」

 

 ────────

 

 

 

「…」

 

*ありし日の、過去の、今は遠き、記憶の欠片。

 

*何度、繰り返したことか。

 

*自分は()なのか。

 

*分からない…

 

*ここは暗い

 

*とても、とっても…

 

*しかし逃れる術は無い…

 

*終焉だ。

 

 

 

 

 

「…どういうことだ?」

 

*しかし、誰も来なかった。

 

 

「…ヤツが来ない…一体なぜ…!」

 

*彼は気付く。

 

*ヤツはもう二度とここへは来ない。

 

 

 

このファイルを消去しますか? 

 

⚫︎はい いいえ

 

 

「…まさかっ!退避っ!」

 

*彼は逃げた。

 

*刹那、世界は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・削除完了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

そして、彼は逃げた。

上手く逃げ切れたようだね。

彼はとても運が良かったんだよ。

あと一歩遅かったら、きっと世界の崩壊に巻き込まれて無き者になっていただろうね。

 

 

「…消えた、か。」

 

彼は元いた世界が眼前で消えてゆく様を無感情に見遣っていた。

そして、消えてゆく世界にこう言葉を零したんだよ。

 

「もう二度と戻ることはないな。さて、消された世界の残骸は…ん?」

 

でも、消え去ったと思った世界はちゃんとまだ残っていたんだよ。

()()存在が完全に消滅するには()()()()()()ね。

おっと、口を滑らせてしまったようだ。

ま、いいか、この際全て教えよう。

存在は、とにかく残ってさえすれば完全に消えはしない。

誰かの記憶の片隅に残っていれば、

一つのパソコンのファイルに残存データが残ってさえいれば、

その物が存在したという証拠は何かしら残ってしまうのだよ。

 

「…これは…『セーブポイント』?何故これだけが残ったんだ…?」

 

今回はその残存物が『セーブポイント』だっただけ。

 

「セーブポイント、今まで忌々しい程に見たこの光、だが…これはもしかして…」

 

おっと、彼は何か気づいたようだね。

 

パァッ

ビシュン‥

体内にセーブポイントを取り込むのか、口から行った方が無難だったと思うが…

なんで胸部に…

あ、そうか、彼は私と同じくソウルレスなんだった。

 

バリバリバリバリィッ‼︎

「グッ…!」

 

セーブポイントはケツイの塊みたいな物。

まあ当然それなりの負荷がかかるに決まっているね。

 

ビジィッビッフヒュゥゥ

 

おやおや、彼は原型を留めているよ。

限界を超えたみたいだね。

 

「と、とんでもない量のケツイの力…っ!身体が崩壊するかと思った…でも…」

 

お疲れ様。

 

「ハハッ…ハハハッ!アハハハハ!やった!!これでヤツに勝てる!やっとだ…これで…やっと……」

 

ちょっと落ち着こうか。

 

「…でも今はヤツは消えた。僕は一体この先どう生きていけばいいんだよ…誰か…教えてくれ…」

 

 

 

 

「僕は()()になりたいんだ!」

 

 

 

「…そうだ。誰かになりたいんだ。」

 

 

 

「そうと決まれば…こんな場所さっさおさらばしないと…」

 

ふむ、ここから出たそうだね。

「力を貸そうか、そこの骨。」

 

 

「なっ!誰だ!」

 

 

「私か?私は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Player、と呼んでくれ。Againk sans君?」

 







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In multiverse:Player vs Againk battle

「Player、と呼んでくれ。Againk sans君?」

 

 

「…ニンゲン?また新たな…オレを殺しにきたんだろ、お前も!」

 

そう言うとAgainkは間髪入れず、Playerと名乗る謎の女性?目掛け5つのブラスターを召喚、嗾ける。

そしてほぼ同時に大量の骨がAgainkの周囲に出現し、Againkはそれらを凄まじい速度で投擲する。

ガスターブラスターと周囲の大量の骨は、Againkを離れ、一直線に彼女?を襲う。

 

しかし、Playerはそれらを頭容易く避けて見せる。

 

「まぁまぁ、私はニンゲンのようでニンゲンではない…」

「そんな見え見えの嘘に引っかかる程オレは甘くない!」

 

今度は先程の数倍以上の数のガスターブラスターを召喚する。

それと同時にAgainkから黒色のインクが漏れ出始める。

たちまち、そのインクはAgainkの周囲を黒く染め上げ、やがてある形を形成していく。

インクが数カ所にそれぞれ集積していき、黒色のインクだった物は赤や青等、様々な色のインクに変化していく。

数秒後、Againkの周囲にはおびただしい数のサンズ達が立っていた。

それもAgain化しているサンズ達。

 

「AgaintaleにAgainswap、Againfell、Againfresh、Againreaper、Againafter、Againouter…とんでもない数いるな…」

 

「おまえにとっては見慣れている光景なんじゃないか?ただ、オレの姿が()()()()だけでな!」

 

「それはink!sansのことを話しているのかな?君はinkの成れの果てとも言える存在だからね。まぁ、彼と君では根本的な部分が大分変わってしまっているように見えるがね、そう、今のような極端なニンゲン嫌いとか、inkはしないけれど…ねぇ?」

 

「知ったことをベラベラと、鬱陶しい!とっととね!」

 

「おお怖い怖い。」

 

その言葉と同時に、Againkはすかさず上空に飛び上がる。

そして、ブラスターの上に綺麗に着地すると、左手を上げ、勢いよく振り下ろす。

それを合図に、大勢のサンズ達とガスターブラスターや骨による猛攻が始まる…

 

初動、仕掛けたのはAgaink自身だ。

避けようと体制を整えるPlayer目掛けて筆を振り下ろす。

だが、Playerはそれを難なく躱す。

しかし、Againkの真の狙いはこの筆攻撃ではなかった。

Againkが乗っているブラスターが突如Playerに突撃し、彼女?をそのまま上空に押し出す。

そして、予めAgainkが仕掛けておいた他のブラスター達がPlayer目掛けて光線を一点照射させる。

Playerは避ける素振りも見せず、その攻撃に真っ向から被弾する。

Againkは次の攻勢に出るためにブラスター上で体制を立て直す。

 

「後ろがガラ空きよ。」

 

「なっ…!」

 

いつの間にかAgainkの直ぐ後ろに立っていたPlayer。

Againkが体制を立て直す前に重い一撃がAgainkを襲う。

ただのナイフ攻撃であれば、Againkもきっと耐えることが出来ていただろう。

そう、()()()ナイフ攻撃であれば…だが。

 

 

その一撃を喰らったAgainkは、HP1を残して体力の大部分を削り取られてしまう。

 

「グハッ!!………い…………い…………たい……何……を……?

 

 

「少し攻撃値を有り得ない値まで調整しただけよ。それで?まだ戦う?」

 

ナイフを掌の上で弄びながら、PlayerはAgainkにそう問いかける。

 

………………もう………勝て…………ない……

 

 

「分かったわ。戦わないってことでOKね?」

 

「……」

 

「あ、ヤバいわね。おらっ、バタスコ食えっ!」

 

Playerは何処からともなく出したバタースコッチパイを無理やりAgainkの口に詰める。

 

「…」

*バタースコッチパイをたべた。

*HPがまんたんになった。

 

「…うっ…何故助けた?」

 

 

「私は別に君を殺しにきたわけじゃないからね。」

 

 

「…その様相で言われても説得力皆無だ。」

 

 

「失礼なヤツ…」

 

 

「身体全身黒で目と服の模様が赤いヤツ誰だって怪しむだろ?ましてやそれがニンゲンの姿していたら。」

 

 

「ふん、まぁそうね。容貌は変えるのがメンドイのよ。我慢してね。」

 

 

「いや容姿変えられるんかい!変えろよ!」

 

 

「だが断る。」

 

 

「…それで一体オレに何の用だ。言っておくが、まだオレはお前を信用していないからな、ニンゲン。」

 

 

「それよりも疲れた。どっかで休も〜よ〜!」

 

 

「いきなり駄々っ子になるな!」

 

 

「えー。だってさっきの余計な戦いで身体が怠いの!」

 

 

「だから駄々こねるなって…はぁ、お前、性格がコロコロ変わるなぁ…」

 

 

「フフフフフッ、少しふざけたの。こうでもしないとどーせ君ニンゲン絶対すマンのままだし。」

 

 

「…向こうから勝手に襲って来たんだ。それに対抗しなければ、オレは何も出来ずにニンゲンに殺られるだけだろ。」

 

 

「それで大勢のニンゲン達のソウルを吸収したと、明らかに過剰防衛…」

 

 

「こちとら何度も何度も殺されたんだぞ!それ位の報復はとっても良いだろ!」

 

 

「うーん、私はどっちかっていうとそれには反対なんだが…」

 

 

「報復を取っちゃいけない?何バカげたことを!」

 

 

「加害者は決して幸福にはならない。そのまま放っておいたとしても、最終的に孤独な生涯を送って死ぬ。これは世界の理と言っても良いだろう。」

 

 

「…だからって此方もやり返さないと…」

「やり返すからニンゲンはより増長するんじゃないかな?加害者って言うのはえてして誰かに構って欲しい構ってちゃんだからね。かまちょは無視、無視。」

 

 

「かまちょって…」

 

 

「とにかく、これからはニンゲンを目にした瞬間すマンはやめて欲しい。君にはこれから協力してもらわないといけないんだからね。

 

 

「…分かった。なるべくしないようにしよう。ところで、何か言って…」

「理解してくれてありがとう!では早速AGAINTALEのグリルビーにでも行こうか!」

 

 

「…何か遮られた気が…まぁ、行くか。丁度()もグリルビーに行く予定があったからね。」

 

 

「あっ、それと、私厳密にはニンゲンじゃないからよろしく〜」

「はぁ???!!!」



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Meeting with player

【マルチヴァース➖AGAINTALE➖】

 

グリルビーズは閉店間際。

最後のお客が帰り、ジャッキを整理するグリルビー。

カランカランッ…

 

如何やらまだ、グリルビーは休むことが出来なさそうだ。

先程、最後の客と言ったが、本当の最後の客はこの二人組になりそうだ。

 

「お邪魔するよ〜」

 

AGAINK SANS。

それと黒いニンゲン?じゃない?ヤツが来店してきた。

 

「お、またアンタか。いつものヤツね、ちょっと待ちな。」

 

AGAINTALEにAGAINK SANSは度々来訪している。

それは、AGAINTALEに住むほとんどのモンスター達が知っていることであり、皆それを受け入れて生活している。

 

「ケチャップマヨネーズタバスコミックス、略してケマスミだ。たんと召し上がりな。ところで、お隣さんは何か食べないのかい?」

 

そして、AGAINKがここのグリルビーズで注文するのはいつもこのケマスミなのである。

 

 

「いや、私は遠慮しておくわ。本当にすまないね。」

 

Playerは食欲が無いみたいだ。

 

「そうかい…まぁ別にいいけどよ。ところでアンタ、ニンゲンかい?姿がニンゲンにそっくりだが…」

 

 

「うーん、厳密にいうと違うんだが…まぁ安心して欲しい、この世界のモンスター達に危害を加えるような真似は決してしないと誓うわ。」

 

 

「なら良いが…」

 

 

「あ、グリルビー、今週末ここ貸切にしてくんないか?」

 

 

「またかよ」

 

「揚げ物専門店は趣味だからさ〜売り上げ全てあげてるからさ〜お願いしますよ〜」

 

AGAINTALEでAGAINKが主にやること、

それはケマスミを食う以外にグリルビーズを貸し切って揚げ物専門店を営むことである。

 

「…はぁ、分かったよ。今週末貸し切りね。」

 

 

「ありがと!」

 

 

「グリルビー、すまないけれどすこーし席を外してくれないか?」

 

 

「あぁ、分かった。」

 

 

「すまないわね。」

 

グリルビーが店のバックヤードへと消えていき、残るは二人だけとなった。

 

 

「…さて、本題に入りましょうか。先ず、君は帰るべき世界を失った、今一人、ってことでOKね。単刀直入に聞くけど、私と共に『真のハッピーエンド(true happy end)』を見たくはないかい?」

 

 

「いや、待て何故charaが消えたかと思いきや、オレの世界がいきなり消されたんだ?」

 

 

「それは至極簡単な事。飽きたから消した。ただそれだけ。」

 

 

「お前が消したのか?」

 

 

「いや、違うわよ。よく聞いて。先ず Player とは私自身に付けられた名前ではない。 Player とは、この世界に大規模な変化をもたらす者へ贈られる称号、と言った方が良いわ。」

 

 

「お前以外にも Player はいるのか?」

 

 

「その通りよ。例を挙げるならchara、彼女は自分の意思とは関係無く、 Player に憑依され、操作され、あんな風に意味もない凶行を行ったの。」

 

 

「つまり…chara自身にも意思があるが、それとはお構いなく勝手にcharaを操る者が居たと?」

 

 

「そう。彼等もまた、 Player なんだよ。彼等は強者を欲している。君みたいな強者を。そして、強者達を次々に打ち負かしていき、自分の優位性を示す。」

 

 

「そういう事だったのか…何度も何度も殺されたとしても、尚立ち向かっていくあの異常なまでの執着心は。」

 

 

「執着心ではなくて、執念ね、アレは。単なる執着だったらもうとっくに心折られているわよ。恐らくだけれど、 Player 側も、お前だけは絶対に倒すっていう並ならぬ執念があったのだと思うわ。」

 

 

「何故そこまでしてオレを…?」

 

 

「それは分からないわよ…だって、私は彼等ではないから、本当の彼等の心境など全く知らないわ。何となく想像が出来る位ね。」

 

 

「ふぅむ…」

 

 

「そして、 Player にとってこの世界は俗にゲーム、と呼ばれている。 Player の意のままに操作したり、削除したり出来る。それは私も例外ではない…」

 

 

「お前も現実を改変するのか…!」

 

 

「私は虐殺なんてしない。さっき言ったじゃん…ただ、このマルチヴァース全ての物語を『ハッピーエンド』で終わらせたい、ただそれだけ。」

 

 

「…そうか。まぁ、オレもこんなクソッタレな世界などうんざりだ。出来ることならさっさと終わらせたいと思っているよ。」

 

 

「…頼む、私一人だけでは不可能なんだ!どうか力を貸して欲しい!」

 

 

「he、その提案、乗るぜ。」

 

 

「ありがとう…!」

 

 

「良いってことよ。あぁ、あと一つ、聞きたい事があるんだが…」

 

 

「何かな?」

 

 

「あの『セーブポイント』は一体何処へ行っちまったんだ?」

 

 

「うん?君自身が取り込んじゃっていたけれど?」

 

 

「なら何故身体が崩壊しなかったんだ?」

 

 

「うーん、推測の域だけれど、恐らくソウルという器が無いから、セーブポイント自体がその器になったんじゃないかな?」

 

 

「えっ?」

 

 

「つまりは君はデフォルトでセーブとロードが出来るようになったって事、かな?」

 

 

「うぇ?!⤴︎」

 

 

「試しに今ここでケツイを胸に抱いてみてよ。」

 

 

「え?どうやるのか分かんないけど…」

 

 

「祈るような感じ!とにかく強く何かを思って!」

 

 

「えーっと、じゃあ…」

 

*(ケチャップとマヨネーズとタバスコのかたまりをみて、いつものあのあじをおもい、はやくたべたいとねがって、ケツイがみなぎった。)

 

 

   AGAINK!SANS Lv99 --:--

 

   グリルビーズ カウンター席

 

   セーブしました

 

 

「おー!出来た出来た!」

 

 

「おめでと。というか、セーブポイントは君自身だから、いつでもどこでもセーブが出来るってことだよね?それって中々反則だと思うわよ。」

 

命名するなら『どこでもセーブ機能』。

 

「あ、そうか…ってことは Player に負ける要素0?」

 

 

「あーそういうことになるわね?ケツイの大きさにもよるけど。」

 

 

「やっとだ…やっとヤツに勝てる…!」

 

 

「でもchara消えちゃってるけど…あっ(察)」

 

 

「AGAINeRrOR 、君には負けないよ…絶対に。」

 

inkとerrorの対決は例えAGAIN化しても変わらない…

 

「相手は破壊神だし、ワンチャン負けるかもしれないわよ?」

 

 

「いや、アイツはどのみち戦わなくてはならなかった。全てのAGAINを消して回っている存在だからね。いつかは対峙する時が来ると分かっていたからね。」

 

 

「…頑張れ。」

 

 

「手伝っては…くれないか。」

 

 

「今の私では太刀打ちが出来ないわよ…多分。まぁ応援しておくけど。」

 

 

「そっか…」

 

 

「私は力によるハッピーエンドは望んでいないのよ…」

 

 

「じゃあ、行ってくる。」

 

 

「私はUT世界に戻るわ。気をつけて。」

 

 

「ありがと。とりまお勘定任せた!」

 

次の瞬間、AGAINKはグリルビーズの出入り口を開けて外へ出て行っていた。

 

「おい!ふざけんな!お金っと…待てコラァ!」

 

それを追うunderplayer。

ちゃんと律儀にお金は置いていく所が流石である。

 

 

 

 

しばらくしてグリルビーが店の奥から出て来る。

 

「騒がしいヤツ等だったなぁ。まぁ、お金置いていってくれただけでも良しとするか。」

 

今日は、グリルビーズの店仕舞いが少し遅くなりそうだ。

 



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