銀狼のヒーローアカデミア (シックスウルフ)
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大狼 大地

 自己満足のために書いたので拙い文章力ですがよろしくお願いします
 好きじゃないって人はバックしてどうぞ
 あと、作者は狼が好きなので主人公には色々な狼要素を詰め込みました


「ここが雄英高校…………思ったよりも大きいな」

 そう呟く少年には犬のような耳が頭から生えていて、尻尾も伸びていた。

 人が犬のコスプレをしてるかのように見えるがコスプレなどではなく、個性の影響である。

 そんな少年の名前は大狼大地(だいろう だいち)

 狼みたいな事ならなんでも出来る個性の持ち主である。

 

 大地を見た周りの人々の目には恐怖を抱いていた。

「おい、なんかあいつやばくねぇか」

「見た目、なんか怖いな」

 

 そう呼ばれるのも当然。

 他の受験者たちとは違い、身長180cm以上あって一回り体格が大きく、

 睨んでるかのような眼力と目の前に立ったら食われそうになる程の威圧感があった。

 だが、それが大地にとっては普段どおりの姿勢でもあり、慣れている視線でもある。

 

「む、足元に注意しろ」

 大地の目の前に足が震えていて、一歩踏み出そうとしたら躓き、

 地面に頭からぶつけようとしていた少年がいて、片手で掴み立ち上がらせた。

 

「わっ、ありがとうございま。ヒィッ

 礼を言おうとした緑色の髪で小柄な少年は大地を見ると涙目で怯え出したが、

 

「受験前から転ぶと縁起が悪い。 余計なお世話だったと思うが、怪我は無いか?」

 

「えっ、あっ……はい

なんか見た目よりも怖くないのかな? 

 

 

「ふむ、そこの子も悪かったな。手柄を奪った」

 大地が声かけた方向には、少年を助けようと手を差し伸べかけている少女がいた。

 

「あっ、だっ、大丈夫です!」

 

「そうか、俺は行く。次は転ぶなよ」

 大地が立ち去る姿を少年少女は見てから、お互いの顔を見合わせた。

 

「なんか見た目怖かったけど、優しそうな人だったねぇ」

 

「へ……あ……えと……」

 

「それじゃ、お互い頑張ろう」

 

 少女がそういい、分かれた後に少年はこう思った。

 ……女子と喋っちゃった!! キュン

 ※ 喋ってない

 

 

 

 

 

 

 

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 随分、人が多いな。講習を受けてる時はそれなりに人はいたが、

 ここには倍以上の人数がいる。それだけ、ヒーローを目指すものがいるということか。

 そう思い、準備運動をしながら周りを見回すと、掛け声が聞こえた。

 

「ハイ スタートー!」

 

「ん……? ちぃっ、そういうタイプか!」

 把握できず少し反応が遅れてしまったが、誰よりも一足早く駆け抜けて演習場に入る。

 

「どうしたあ!? 

 実戦じゃカウントなんざねえんだよ!! 

 走れ走れぇ!!」

「賽は投げられてんぞ!!?」

 

 その声を聞いた他の受験者はようやく状況把握して騒ぎながら演習場に入っていった

 

 

 

 

 

 

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「標的捕捉! ブッ」グシャァァァッ

 

「ふんっ、1Pか……つまらん。後は……敵はいないか」

 敵を足で砕き、気付いたら俺の周囲には砕かれた多くのロボットが死屍累々のように積み重なっていた。

 

「これで多くのポイントは稼いだな」

 俺の予想通りならこれはヒーロー活動に例えている筈だ。

 であれば、敵を倒すだけでなく、救助活動も実技試験の一つとして捉えている筈。

 なら、高所に行けば後は個性で広域まで視れるな。

 形態を切り替えて高所を駆け上るか。

 

「ふぅ……グゥッ」

 体中から毛が伸び、顔が狼のように変わり、尻尾や手足など人とは違う、

 狼が二足で立っているような、人狼形態に切り替えた俺は、

 伸びた毛をいくつか抜いてばらまくと、毛が狼に変わったのを見届けながら、

 

「アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、四方に散って俺の指示が出るまで偵察しろ」

 俺の指示を受け取った狼達は拡散して走り去った。

 後はここから一番高そうなビルを探して駆け上るか。

 

「はぁっ! ……よし、あとはここで待機だな」

 ビルの屋上に着いた俺はアルファ達と意識を同調し、すぐ動き出せるよう体勢を整えた。

 しばらく、反応が来るまで待機していたら、

 ベータから伝達が来て、誰かが敵に囲まれていて苦戦している状況と伝わった俺は、

 ベータがいる方向に三次元機動のような動きで駆け下りて敵を蹴散らして駆けゆく。

 

 そうして駆け抜けた先に多くのロボットが男一人囲んでいる状況を把握した後は、

 敵を一撃で粉砕する動きで立ち回り、全滅したのを確認してから声かけた。

 

「怪我は?」

 

「お、おぉ、大丈夫だぜ」

 と、見るからに金髪でなんか全体的に電気でビリビリしてる男は礼を述べた。

 

「あぁ、気にするな。あっちなら敵もそういない。一人でも対処できるだろう」

 ベータの偵察によって把握しているエリアの内、敵が少ない方面を指し示した。

 

「マジ? でも、なんで教えてくれるんだ?」

 

「ただのお節介だ。早く行かないと誰かにP(ポイント)を取られるぞ」

 

「おっと、それはヤベェ! サンキューな、犬の人!」

 

「狼だ……と言ってももう聞こえてないか」

 ビリビリの男が走り去ったのを見届けると、アルファとガンマから伝達が来て

 そのエリア方向に向かい、何人かを救助していった

 

「ありがとう!」

「見た目によらず、良い人なんだな!」

 

 そんな声を聞きながら救助活動をしていったら、妙な音が聞こえた。

 まるで、地鳴りのような、巨大なものが歩く時に発するような音を聞いた瞬間、

 嫌な予感がしてビルを駆け上り、足場が開いた所に着き、聞こえた方向に目と耳を凝らすと、

 とてつもなく巨大なものが見えた。

 

「おい……雄英高の受験ってのはここまでやるものなのか……? 

 大怪我人が出たらどうするつもりなんだ……というかあれが0Pのギミックって奴か?」

 俺の視線の先には破壊した敵よりも巨大なロボットが、

 ビルを砕きながらこちらに向かってゆっくり歩いてくる姿が見えた。

 

「まずい!」

 あっちの方面にはまだ何人かいたはず! 

 四方に散らばってる狼を巨大ロボットの方に向かわせて、

 転んだ者、ロボットのせいで瓦礫に巻き込まれそうになる人などを、

 救助させるという指示を与えながら、俺は巨大ロボットに全力で向かった。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 巨大ロボットの方にスピード重視の4足歩行形態で全力で駆けていた時、

 近くに瓦礫が落ちそうになって、その瓦礫の先には驚きで動けなくなった少女がいた。

 

「きゃあ……ってえぇっ! ワンちゃん!?」

 直ぐ様少女を口で抱え込み、

 瓦礫の範囲外まで脱してから少女を離した。

 

「狼だ。それと、ここは危険だ。早く逃げたほうがいい」

 

「喋った!? え、あ、うん。でも、あなたも逃げた方が……!」

 

「いや、俺はまだやるべき事がある。あれをなんとかしないと」

 

「でも、危ないよ! それに、0Pのギミックだよ!? 相手しない方が良いって!」

 

「大いなる力には大いなる責任が伴う。

 ヒーローってのはこういう時にこそ立ち向かわなくてはな。

 それにとっておきがあるから大丈夫、俺を信じろ」

 俺は人間形態に戻り、少女が安心できるよう答えた。

 

「えぇ、ワンちゃんが人間になった!? 

 で、でも……ヒーロー……わかった、ごめん。私には何も出来ないけど、気をつけて!」

 少女はそう言いながら走り去った

 

「あぁ、その声が聞けただけでも頑張れるさ。

 さて、あれを壊せるかは分からんが……弁償だけは勘弁してくれよ」

 ロボットの進行方向に人はいないことをアルファ達から確認した俺は、

 とっておきの力を解放するために集中する。

 

「フシュー……グルルゥァア!!! 

 人間形態ともパワー中心の人狼ともスピード中心の狼形態とも違う、

 人狼の時よりも大きく筋肉が膨れ上がってより巨大になった分、

 思考が野生よりになってしまうのが難点な野生解放にオレは至り、吠えた。

 

「グルルルォォォッ!!!」

 ロボットに向かって大跳躍し、顔面に向かって凶悪なパワーごと殴りつけた! 

 

BOOOOOM!! 

ドンガシャァァァンッッッ!!! 

 

「まだ、破壊には至ってないか……

 なら、壊れるまで蹂躙するのみ!!! 

 倒れたロボットに向かってそのまま周りの被害などいとも問わずそのまま殴り続けた。

 その時、ロボットが反撃しようと腕が上がったのを見た俺は、

 

「させるかぁ!」

 ロボットの腕へと跳躍し、そのまま両腕で叩きつけたっ! 

 

DOOOOOOM!!! 

 

「グルゥオォォオォォォ!!!」

 

 腕が上がるのを止めた後にロボットの腕が千切れるまで殴る!! 

 殴り、殴って、殴りまくる!!! 

 

ブチブチブチィィッッッッ!!! 

 

 殴り続けた結果、千切れたロボットの腕を持ち上げて、

 そのまま叩きつけた!!! 

 

グシャアァァッ!!! 

 

ピギィッ

 

 その叩きつけた場所にヒビが入り、光り輝くものを見えた瞬間すぐ反撃を喰らわないよう、

 飛びかかり、強引に開いた!! 

 そして、輝くコアを見つけて握り潰したら、ロボットは静止した。

 そのロボットの最後を見届けた俺は大きく吠えた。

 

「グルォォォオオオオオン!!!」

 勝利の雄叫びを吠えた後は集中力が切れて人間に戻ってしまった。

 

「はぁっ、はぁ……はぁ……ふぅ、

 これやるととんでもなく疲れるのがネックだな……なんとか克服しないと」

 

 

 

「終了〜〜〜〜〜!!!!」

 

 

「む、終わったのか」

 はぁ、これで試験は終わりか。ここまでの疲労を残して帰れるかな……

 

 

 

 

 




 一話作るだけでかなりの時間と頭を使いました……
 イメージをそのまま文章に切り替えるのって難しいですね
 主人公はちょっと蜘蛛男の名言と人生を参考にしています


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受験結果発表

前話を読み返してみたのですが、なんか説明文ばっかだなって思ったので
出来るだけ減らして会話が目立つような書き方に...なってたらいいな
前話と比べるとちょっと短いですがよろしくお願いします
あと、サブタイトルがなかなか思いつかない...笑

ー追記ー
色々と書き直してみたので、まともに読めるはず・・・だといいなぁ


「実技総合成績出ました」

 教師陣の前には受験者らの活躍した姿が映されており、

 中でも一際活躍した者に目を見張っていた。

 

救助活動P(レスキューポイント)0で、

 敵P(ヴィランポイント)77の総合2位とはなぁ!!」

 

「 「1P」「2P」(仮想ヴィラン)は標的を捕捉し近寄ってくる後半、

 他が鈍っていく中、派手な”個性”で寄せつけ迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 彼らの視線の先には(ヴィラン)を個性で破壊し何も寄せ付けない、

 ヒーローらしかぬ表情を浮かべている少年が映されている。

 反面、弱気になっているのが分かりやすく顔に出ている少年の姿も映されていて、

 

「それにしても、敵P(ヴィランポイント)0だけで総合8位ですか。

 救助活動P(レスキューポイント)限定で言えば、60での2位……」

 

アレ(・・)に立ち向かったのは過去にもいたけど……

 ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「思わずYEAH! って言っちゃったからな──」

 

「しかし自身の衝撃で甚大な負傷……。

 まるで発現したての幼児だ」

 

「妙な奴だよ。

 あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」

 

「細けぇことはいんだよ! 

 俺はあいつ気に入ったよ!! 

 YEAH! って言っちゃったからな──」

 巨大なロボットを一撃で破壊したという事実は、

 教師たちにとって信じられない事だったのだろう。

 だが、自身にもダメージを負うというデメリットに良く思わない者もいた。

 

 

 …………ったくわいわいと…………。

 そんな彼らを見ていた相澤消太は呆れていた。

 

「そんな中、救助活動P(レスキューポイント)敵P(ヴィランポイント)を、

 誰よりも稼いだ者がいるのさ!」

 

「校長先生!」

 

「彼ですね」

 

大狼 大地(だいろう だいち)……ですか」

 校長先生も含め、教師陣の視線の先には大地が活躍している姿が映されていた。

 

救助活動P(レスキューポイント)敵P(ヴィランポイント)両方、1位」

 

「そいつぁやべーな。

 救助活動P(レスキューポイント)117Pに、

 敵P(ヴィランポイント)83Pかよ! 

 とんでもない奴が来たもんだぜ!!」

 

「確かにヒーローとしての素質は高い……!」

 

「基礎能力において情報力、機動力、判断力、戦闘力のこの4つ全て兼ね備えていますね」

 

「HEY!あれ、ハウンドドッグと似てねぇか!?

 後輩だぜ!後輩が来るぜ!」

 

「でも、確か彼はある事件の首謀者と関わっているだとか

 良くない話は聞いた事がありますが……」

 

「あの事件か、確か孤児院殺人事件だっけ」

 

 大地の過去のある事件を知っている人達は疑心暗鬼になっていたが、

 相澤消太の一声によってその雰囲気が切り替わる。

 

「その点に関しては俺が保証します。事件の事であいつと関わった事がありますが、

 その時は無実でむしろ被害者でした。

 それに大人が子供を導く。そのための教師なのでは?」

 

「相澤先生がそう言うとは……!」

 

「おいおい、お前がそう言うの中々ないんじゃねーの!?」

 

「ふむ、それなら相澤先生に任せるという事で良いのさ。

 みんなもそれで納得するのさ!」

 

「……分かりました。それで納得するのなら、俺が見ましょう」

 その言葉を聞いて教師陣も相澤消太に任せる事に落ち着いたようだ。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 早朝ランニングの帰りがてら、ポストを確認すると雄英高校からだった。

 受験結果だろう。シャワーを浴びてさっぱりした後に、

 開封してみると中に円盤のような機械が入っていて、床に置いてみたら、

 

私が投映された!! 

 

「ぬ、オールマイト」

 

「久しぶりだな、狼少年! 君からすれば私が言えた立場ではないが、

 敢えてこう言わせてもらおう!! 

 受験結果についてだが、筆記はそれなりだったんだけど、君の事だ。

 実技試験の内容は把握しているだろうから、はっきりと言うね! 

 実技試験の救助活動P(レスキューポイント)敵P(ヴィランポイント)どちらも文句なしの一位だ! 

 来いよ、ヒーローアカデミア(雄英高校)に!!!」

 

「そうか、合格か」

 やはり、あれはそういうシステムになっていたんだな。

 爺さん、かつてあんたが憧れ、そして挫折した雄英高校に俺は受かったぞ。

 見ててくれよ、立派なヒーローになってあんたが誇りに思えるぐらいに、な。

 あんたの言葉……「大いなる力には大いなる責任が伴う」って奴を、

 唯一残された遺影写真に写った爺さんに向けて、心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




なんか名言使い回すと軽くなっちゃいそうだなぁ
こういうのも気をつけていきたいと思います


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大狼 大地のプロフィール

プロフィールだけなのでとても短いです
見なくてもいいとは思いますが、イメージの捕捉などになればと思い、書きました
あくまでも作者にとっての主人公像ですので、追加されるかもしれないし消去される部分が出るかもしれません




 

 名前 大狼 大地(だいろう だいち)

 実は本名ではなかったり……? 

 

 住んでいる所 ボロボロのアパート

 拠点を転々と変えたり無断で住み込んだりとか色々やらかした事がある

 現在は今の家に落ち着いていて、お金もヒーロー組織から振り込まれる手当てで成り立っていたりする

 

 

 家族 不明

 ある一族の元に生まれたらしいが今は滅んでいて、消息不明になっている

 噂では巨悪の手にかかったらしい

 

 

 性格

 過去に色々あったせいで色々と達観している 

 そのせいもあって年齢よりも精神的に落ち着いている

 

 

 髪型 

 銀髪で後ろに軽く撫でつけたかのような髪型をしている(完っ全なオールバックではない)

 ちなみに、さらっさらのヘアーではなくちょっと荒々しくゴワゴワしている髪質

 ちょっと前髪も垂れている

 

 

 顔

 野性的でハーフのような顔立ち

 吊り上がっていて澄み切った空色の眼をしている

(他者から見れば睨まれているように見えるが、眼力が強すぎるだけで本人は睨んでるつもりはない)

 ハスキーボイスの持ち主

 

 

 身長 185cm

 耳も含めると2mは超える

(モフモフしていてかつ艶が良いので触り心地はとても気持ちいいらしい)

 脱いだらすごい筋肉を持っているプラス様々な傷跡がある

 

 

 年齢15(?)

 誕生日 11月5日

 

 

 好物 肉全般

 特に牛肉の赤身(脂が乗ってるのはあまり好みじゃない)

 でも、野菜も食べる……ただの犬種と違って食べられるのだ

 

 

 好きなこと

 運動関係と筋トレ

 

 

 個性 狼

 狼にできることはなんでもできる

 その反面、動物の性質も引き継がれてるせいで強すぎる匂いや大音量などは苦手

 伝承などにあるような銀の弾丸に弱いとか爪で傷をつけると感染するとかはない

 あと、泳げる。長くは潜れないけど泳げる

 

 毛を抜くと自身の分身的な狼を作り出せる

 現在はアルファ、ベータ、ガンマ、デルタの4体しか出せない

 アルファ達と同調すると、アルファ達の視野や意識が頭の中で浮かび上がるような感覚で繋がる

 

 

 人間形態

 見た目は耳と尻尾が生えているだけ

 その分他の形態と比べるとバランスが取れていて、器用

 

 

 狼形態

 4足歩行の狼になる(喋られる狼)

 どの形態よりも早く動けるけど、その分パワーが落ちる

 人間で掴めるものなども掴めなかったりする

 

 

 人狼形態

 手足が毛に覆われたり顔が狼になる

 パワーが格段に上がる

 

 

 野生解放

 自身の中にある野生を呼び覚ます

 喋られりはするが他の形態と比べて本能が上回ってるので戦闘時以外でも周りが見えなかったりする

(ちょっと大きくて理性のあるハルク……?)

 人狼形態よりも強く速くはなるが、反動で肉体的にも精神的にもかなり疲労が溜まる

 長時間だと、次の日全身筋肉痛とかになって動けなかったりする

 

 

 

 

 




頭の中ではイメージ出来てても、描いてみるとどこかで綻びてたりしてるかもしれないなぁ
書いてるうちになんか色々詰め込みすぎたかなぁってなってきました
最強とかあまり好きじゃないので、強いけど負ける時は負ける
でも、泥まみれになっても一矢報いるって感じの主人公にしたいです


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高校生活の始まり

拙い文章力なのでちょくちょく書き方を変えてみたりしてみたので、読み辛かったら申し訳ない。
会話と動きなどの表現の時にこそ、文章力が欲しい・・・!ってなりました
では、どうぞ


 冬から移り変わり、春。

 多くの新たな始まりの季節である。

 そんな爽やかな朝、朝日が窓から差し込んでいても、

 全体的に暗くひとけの無い部屋の一角に大地は座り込んでいた。

 

「ようやくだ。ようやく今日という日がきた」

 受験に受かってから今日をどのぐらい長く待ちわびたか。

 支度を終えて雄英高校へ向かって歩いていた時に、

 昔の事が走馬灯のように頭の中で湧き出ては何度もかき消される。

 そこで気付く。これからの生活に対して少し神経質になっていた事に。

 

「ふっ、柄にもない。かつて命を狙い、狙われていた時より、

 これからの事に緊張感を持つなんてな」

 長く歩き続けて、雄英高校に着いた俺は割り振られたクラス(1-A)に向かい、

 扉を開けた。クラスには誰もいなく時計を見た時にHRには早すぎる時間だと気付いた。

 

「早すぎたか……? ……これが教室。ここから外が見えるのか」

 学校生活を送った事がない俺にとっては教室にあるもの全てが新鮮に見えた。

 色々見回りながら時間を潰していた頃、扉を開く音が聞こえた。

 

「む、俺が一番ではないのか! さすがは雄英高! 

 一筋縄ではいかないということだな!!」

 

 視線が交わされた矢先、そんなこと言われた。

 

「いや、そんなつもりで来た訳ではないが……」

 

「そうなのか……そういえば挨拶がまだだったな、申し訳ない! おはよう! 

 ぼ……俺は私立聡明中学出身の飯田 天哉だ!」

 

「あ、あぁ……大狼 大地だ」

 なんというか……言葉も腕の動きも特徴的な奴だな。

 動きがやかましいというか、なんか……良く分からない男だ。

 

「そうか! 大狼君。一つ、質問があるのだが良いか?」

 

「なんだ?」

 

「君は実技試験の構造について理解していたか? 

 俺は気付けなかったが……あの時、他に気づいた奴がいたみたいだからな……くっ」

 

「ふむ……予想はしていた。ヒーローとは戦うだけじゃない。

 命と心も救えなくてはヒーローと名乗れない……そう俺は教わったからな」

 

「そうか……くっ、俺はまだ未熟だったというわけか!」

 

「後で気づけたのなら十分じゃあないか? 

 今、後悔しているなら二度と後悔しないようにすればいい」

 

「それは……そうだな! 君の言う通りだ。

 これからの高校生活、お互い切磋琢磨して行こうじゃないか!」

 

 その言葉にあぁ、と一言かけて俺は自分の席についた。

 飯田もそれで満足したのか自分の席について教科書を開いた。自習するようだ。

 他にやる事が無くぼうっと外を眺めていたら、

 時間が幾分か経ったのかまばらと他の生徒たちが教室に入ってきて、

 その中に演習場で一度助けたことがある人がいる事に気づいた。

 

「そこの金髪。お前も受かったんだな」

 

「ヒェッ!? えーっと……どちら様で?」

 俺の声や顔に気付いていないようで、後ろ頭をかいているのを見て、

 記憶力が弱いのかと判断しかけた時に、助けた時は人狼だったなと気づいて、

 顔だけ人狼に切り替えた。

 

「あ──!! あの時、助けてくれた犬の人!! 

 てか、顔変えられるのか!!」

 

「犬ではない、狼だ」

 と、顔を戻して答える。

 

「おっと、狼か! 悪りぃ! あの時は助けてくれたありがとな! 

 おかげでなんとかP(ポイント)を稼げたぜ!」

 

「そうか」

 

「ねーねー、どうしたの? そんな大声出してさー」

 

「おう。実技試験でさ、敵に囲まれててヤベェ! ってなってた時に助けてくれたんだよ! 

 いやー、まさか一緒のクラスになるとはな!」

 

「マジか! 男だなぁ!!」

 

「なぁなぁ、名前なんて言うんだ? 俺の名前は上鳴 電気ってんだ!」

 

「私、芦戸 三奈だよーよろしくねー」

 

「俺ぁ、切島 鋭児郎! なぁなぁ、男って奴についてどう思ってる!?」

 

「……大狼 大地だ」

 

 随分、喧しい奴らだと思ったが……まぁ嫌いではない。

 ガヤガヤと会話していたらHRの時間が迫っている事に気づき、

 

「そろそろHRだ。席に座った方が良い」

 

「あ、やべ! そうだな!」

 

「じゃ、また後で話そうねー」

 

「後で男の心意気ってもんについて語り合おうぜ!」

 

 やっと、落ち着くかと思ったらまた騒動の声が聞こえた。

 見るからに素行不良な男の座り方について飯田と揉めていた。

 

「机に足をかけるな! 

 雄英高の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねーよ! てめー、どこ中だよ。端役が!」

 

 騒動の先の扉に誰かが覗き込んでいるのに気づき、

 顔を見た途端、受験前に転びそうになった奴だと思い出した。

 よくもまぁ、あんな弱気な態度で受かったものだと、逆に感心していたら、

 ベルみたいな音が鳴っても何人かは席に座らなかった時に懐かしい匂いを感じた。

 臭くはないけど、小汚い感じの匂いを。

 

「この匂い……まさかな」

 

「お友達したいなら他所へ行け。

 ここは……ヒーロー科だぞ」

 

 その時、大地を除いてクラスにいる生徒一同、心がシンクロした。

 

(((なんか!!! いるぅぅ!!)))

 

(相澤で合ってたな)

 

「ハイ。

 静かになるまで8秒かかりました。

 時間は有限。君たちは合理性に欠けるね」

 

(((先生!!?)))

 

(あの相澤が先生……? 似合わんな)

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

(((担任!!?)))

 

 心が一致しているように見える生徒たちとあの相澤で、

 これからの高校生活大丈夫なのかと思い、不安に駆られていた時に、

 相澤が教卓? の所に立ったと思ったら寝袋から服を取り出した。

 

「早速だが体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ」

 

 急すぎる展開にみんな言い返せないのか、体操服に手をかけた。

 女子達と分かれて体操服に着替えた後にグラウンドに向かった。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 グラウンドとやらに移動して最初に聞こえた一声が個性把握テストという言葉だった。

 その言葉を聞いたみんなは驚愕していた。

 

「「「個性把握……テストォ!?」」」

 

「入学式は!? ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

「雄英は”自由”な校風が売り文句。

 そしてそれは”先生側”もまた然り」

 

 時間的に考えて効率的な方を取ったわけか。

 相変わらず、合理性の塊だな。

 

 

「ソフトボール投げ

 立ち幅跳び

 50m走

 持久走

 握力

 反復横跳び

 上体起こし

 長座体前屈……中学の頃からやってるだろ? 

 ”個性”禁止の体力テスト」

 

 体力テストやったことないから分からないが、中学では普通に受けるんだな。

 

「国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。

 合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」

 

「爆豪。中学の時、ソフトボール投げ何mだった?」

 

「67m」

 

「じゃあ”個性”を使ってやってみろ。

 円から出なきゃ何してもいい。早よ」

 相澤がそう言った場所には白いサークルがあってその中心に爆豪が立っている。

 なるほど、その円から出なければどう個性を使ってもいいという……、

 いや、今の個性の限界を把握するためのテストということか。

 

「思いっきりな」

 

「んじゃまぁ……死ねぇ!!! 

 

FABOOOM!! 

 

 準備運動をしてからボールを投げたと思ったら、爆発音が聞こえた。

 ……飛んだな、言葉が死ねとかは置いといて。

 爆発か、厄介だな。耳元で発されたら音で動けなくなる可能性がある。

 爆豪に注目していると相澤の声が聞こえた。

 

「まず自分の「最大限」を知る。

 それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 そう相澤が手に持った携帯型記録には705.2mと表示されていた。

 あの爆風の勢いで705mなのか。良いのか悪いのか判断にしかねるな。

 

「なんだこれ!! すげー面白そう(・・・・)!!」

 

「705mってマジかよ」

 

「”個性”思いっきり使えるんだ!! 

 さすがヒーロー科!!」

 

「…………面白そう……か」

 

「ヒーローになるまでの三年間

 そんな腹づもりで過ごす気なのかい?」

 

「!?」

 

「よし、トータル成績、最下位の者は見込みなしと判断し、

 除籍処分としよう」

 

「「「はあああ!?」」」

 

 ……あれで本気で言っているから尚更たちが悪い。

 昔、あの合理性主義者に何度か恐れを抱いたか……。

 過去の事を思い出すと冷や汗が背中に出て、苦笑いが出てしまった、

 

「生徒の如何は先生(おれたち)の自由

 ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ

 

 なるほど、これが雄英高校のヒーロー科。

 ここでなら俺を更なる上へと高められる……! 

 口角が上がってしまうぐらい、これ以上と無いぐらいの昂りを感じ、

 個性把握テストに俺は励んだ。

 

 

 

 

 

 

 




誰とどう会話させるかに、凄い悩みました。
このキャラはこういう会話とかするのかなぁっていう理解力が大切ですね。
それと、アメコミみたいな擬音語。
一応、アメコミは持っているんですが、こういうサイトが参考になるよって方がいたら、
教えてくれると幸いです。


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個性把握テスト

申し訳ない。
色々と読み直してみたら抜けてるな、この文章おかしいなってなったりしたので、色々修正しました。
暇があればぜひ。



「最下位除籍って……!」

 

「入学初日ですよ!? 

 いや初日じゃなくても……理不尽すぎる!! 

 

「自然災害……

 大事故……

 身勝手な(ヴィラン)たち……」

 

「いつどこから来るかわからない厄災

 日本は理不尽にまみれてる」

 

「そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー」

 

放課後マックで談笑したかったらお生憎。

 これから三年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける

 

Plus Ultra(更に向こうへ)さ。全力で乗り越えて来い

 

 相澤が指で挑発しながら煽ってきた。

 覚悟はしていたが、甘く見てたな。

 面白い、これがヒーロー科……! 

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ

 

 みんな気が引き締まったと思ったら、相澤が俺を呼ぶ。

 

「そうそう、大狼」

 

「なんだ?」

 

「お前、実技試験1位なんだから手ぇ抜くなよ。

 抜いたら最下位じゃなくても除籍にするからな」

 

「む、わかった」

 

「えぇ──! お前、1位なのかよ!」

 

「そんな悪人顔なのにか!!」

 

「マジかよ」

 

「なんだと、てめー!! 俺とたたかムグゥッ! 

 

「お前は後だ。順番守れ」

 

 一位という言葉を聞いた途端、爆豪が襲い掛かって来たが、

 相澤が身に纏っている捕縛布で捕らえた。

 口が塞がっているせいかジタバタしているが、大丈夫なのかそいつ。

 

「すげー、布みたいなので黙らせたぞ!」

 

「なんか血気盛んな奴がいるなぁ、ハハッ」

 

 手を抜いたとしても除籍される、か。手を抜くつもりは無かったが、

 こちらの心などお見通しとばかりの言葉にため息をついたら相澤に睨まれた。

 

「わかってるんだろうな?」

 

 その言葉に頷き返し、準備運動を始める。

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 第1種目:50m走

 

「うしし、負けないぜ」

 

「あぁ、俺も負けん」

 挑発に応えてから、狼に変化したら周りからどよめきの声が聞こえた。

 

「おぉ!? 犬になった!?」

 

「あれは個性による変化なのかな。

 体全体だけじゃなく手足など他の部分だけでも変化できるのかな。

 いや、犬の性質も引き継がれるのかな? 

 だとしたら、凄い。追跡が出来るというわけだしぶつぶつ……」

 

「うぉ、なんかぶつぶつ言ってるぞ」

 

「はぁ、狼だ」

 このやりとりで何度目だ……。

 鉄砲の音に身構えて、

 音が聞こえたのと同時に、全力で駆け抜いた。

 

「はっや!!」

 

「犬の速さじゃねーぞ!!」

 

「記録は!?」

 

「1秒05」

 

「マジか、すげー!!」

 

「さすが、実技試験一位!!」

 

「俺のエンジンより速いとは……」

 

 まずまずといった速さか。

 でも、これでもオールマイトの速さにはついていけないんだよな。

 

「才能マンだ! 才能マン!!」

 

「狼だから才能ウルフマンじゃねぇか!?」

 

「それ、語呂読みわりーな」

 

「うぐぐぐぐ、てめーには負けねぇ!!」

 

「ふぅ……はえーな、全然ついていけねーわ」

 

 

 

 第2種目:握力

 

 握力か。人狼でやった方が……いや、握力計とやらが小さくて掴めんな。

「相澤……先生、もっと大きな握力計はあるか?」

 

「なぜ……いや、そうか。そこの中にあるから使え」

 指し示された箱の中には両手でやっと持ち手を掴めるぐらい大きな握力計が入っていた。

 

「おいおい、そんなでけー奴、どうすんだよ」

 

「それは今にわかる……ふんっ」

 人狼になって掴み、握り潰すぐらい全力でやった。

 握った瞬間、持ち手が砕けて針もグルグル回っている……壊れたか? 

 

「すげぇ! 壊しやがった!」

 

「狼だけじゃなく、そんなのにも変身できんのかよ!!」

 

「くそがぁ!!」

 

「すまん、壊した」

 反応から察するに壊したようだな。

 

「はぁ、測定不能だな。

 予備はあるから大丈夫だ、次」

 

「測定不能なんてのあんのか!」

 

 

 

 第3種目:立ち幅跳び

 

 立ち幅跳びに関してはあまり活躍できなかったと思ったが、

 周りの反応を見ると違うようだった。

 

「お、おぉ……さっきまでのと比べるとなんか普通に見えるな」

 

「いやいや、それでもすげーから!!」

 

「ふははは、勝った!! 俺の方が飛べる!!」

 

 

 

 第4種目:反復横跳び

 

 人狼より、人に戻った方がやりやすいか? 

 体力テストやったことないから要領が掴めん。

 

「今回は変身しないのな」

 

 

 

 第5種目:ボール投げ

 

 

 

「はぁっ!!」

 人狼形態で全力でボールを投げ抜いた。

 

「1037m」

 

 一応爆豪の記録は抜いたか。

 流石に、先に投げた女子の記録∞には勝てなかったな。

 

「うぎぎぎぎ」

 

「歯軋りしてやがる……」

 

「まぁ、気持ちはわかるぜ、あんな記録勝てるわけねーよ」

 

「でも、∞女子よりはなぁ」

 

「まぁ、可能性はあるわな」

 

 しかし……さっきから緑色の髪をした奴、目立った記録を出してないが大丈夫なのか? 

 仮にもヒーロー科として選ばれたんだから何かしらの個性は持っている筈なんだが。

 

「緑谷くんはこのままだとマズイぞ……?」

 

「ったりめーだ。無個性のザコだぞ!」

 

「無個性!? 彼が入試時に何を成したか知らんのか!?」

 

「は?」

 

 無個性? どうなっている? 

 にしても、相澤の目が気になる……緑谷に対する目が他生徒と比べて違う。

 緑谷が助走をつけてボールを投げようとした瞬間、雰囲気が変わった、

 と思ったら46mしか飛ばなかった。

 まさか、相澤の奴。

 

「な……今確かに使おうって……」

 

「”個性”を消した」

 

「!?」

 

「つくづくあの入試は……合理性に欠くよ。

 おまえのような奴も入学出来てしまう」

 

「消した……!! 

 あのゴーグル……そうか……!!」

 

抹消ヒーロー

 イレイザーヘッド!! 

 

 入試の時になにかあったのかは分からないが、緑谷を除籍するつもりか? 

 

「イレイザー? 俺……知らない」

 

「名前だけは見たことある! アングラ系ヒーローだよ!」

 

 メディア露出を嫌ってるらしいからな、顔が広まってないんだろう。

 相澤が緑谷に近づき、話しかけている。

 ここからだと聞こえんな。すまんが聞かせてもらうぞ。

 二人の方へ耳を澄ますと、会話が耳に入ってきた。

 

「見たとこ……”個性”を制御出来てないんだろ? 

 まだ行動不能(・・・・)になって誰かに助けてもらうつもりだったか?」

 

「そっそんなつもりじゃ……!」

 

「どういうつもりでも周りはそうせざるをえなくなるって話だ」

 

「昔暑苦しいヒーロー(・・・・・・・・)が、

 大災害から一人で千人以上を救い出すという伝説を創った」

 

 オールマイトの事だな。

 オールマイトと言えば、さっきからそれらしい匂いがするし、

 実際にコソコソと隠れてこっちを見ているんだが……こっちに来なくて良いのか? 

 目が合ったと思ったら口に指を当てて顔を横に振ってきたんだが。

 

「同じ蛮勇でも……、

 お前のは一人を救けて木偶の坊になるだけ」

 

「緑谷出久。

 おまえの”力”じゃヒーローにはなれないよ」

 

 相澤から発する威圧感が収まった。

 蛮勇? 緑谷が入試の時になにかやらかしたのか? 

 

「”個性”は戻した……ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」

 

 

 

「彼が心配? 僕はね……全っ然」

 

「指導を受けていたようだが……」

 

「除籍宣告だろ」

 

 周りも二人の雰囲気に当てられて、不安に駆られていたようだった。

 爆豪だけは別だが。

 

「…………ブツブツ

 ブツブツ言いながら、緑谷が助走してボールを投げようとした瞬間、

 個性の雰囲気を感じた。

 あの雰囲気、まさかオールマイトと似ている!? 

 オールマイトの方へと振り向いたら、オールマイトも少々驚いていた。

 

「見込み、ゼロ……────!?」

 

 

SMASH!! 

 

 

 

「あの痛み……程じゃない!!」

 

 ボールが予想よりも遥か遠くまで飛んで行ったことに唖然としていたら声が聞こえて、

 ハッと、緑谷の方を見ると指が赤く腫れ上がっていた。

 まさか、ボールを投げる瞬間指先に集中して個性を使ったのか!? 

 あの個性……ピーキー過ぎる。代償があろうとは。

 もし、指一本じゃなく手全体を使っていたらと思うとゾッとする。

 

先生……! 

 まだ……動けます」

 

「こいつ……!」

 

 そういうことか、相澤が緑谷に対して強く当たるのも納得した。

 個性で一々身を滅ぼしていたら、周りは堪ったもんじゃないだろうな。

 

「やっとヒーローらしい記録出したよー」

 

「指が腫れ上がっているぞ。

 入試の件といい……おかしな個性だ……」

 

「スマートじゃないよね」

 

「…………!!!」

「どーいうことだ

 こらワケを言えっ、犬野郎、離せやゴラァ!!」

 人狼化して、緑谷に飛びかかろうとした爆豪を止めたら、暴れた。

 

「暴れるな。目つけられるぞ?」

 

「あぁ!? 邪魔すんならテメェから潰すぞ!!」

 

「ぬぅ……! 相澤、先生!」

 思ったよりも自尊心が強いな、こいつ……! 

 個性を使おうと手から爆破を発生してるし、このままだと手につけられなくなるから、

 相澤の方に顔を向けた瞬間、相澤から伸びた布が爆豪を捕らえた。

 

「んぐぇ、またこの布……! くそが、かてぇっ!」

 

「はぁ……炭素繊維に特殊合金の鋼線を編み込んだ「捕縛武器」だ」

 

「ったく……何度も個性を使わすなよ……俺はドライアイなんだ

 

 ギンッと相澤が睨む。

 個性は強いのに勿体無い。

 

「時間が勿体ない。次、準備しろ」

 爆豪もその言葉で落ち着いたようだが、緑谷を睨んでいる。

 また暴走しかけたら、止めないとな。

 

「指大丈夫?」

 

「あ……うん……」

 

「っ…………」

 

「緑谷、あまり無茶はするなよ。

 どういった個性かは知らんが、それで身を滅ぼしたら元も子もない」

 

「えっと、大狼くんだっけ。うん、気をつけるよ」

 

 

 

 全種目が終わり後は結果発表を待つだけ。

 

「んじゃ、パパッと結果発表。

 トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。

 口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する」

 

ちなみに除籍はウソな

 

「…………」

 

「!?」

 

君らの最大限を引き出す合理的虚偽

 いや、そんな煽るような顔してもみんな多分納得しないぞ。

 

「「「は──────!!!???」」」

 

「あんなのウソに決まってるじゃない……。

 ちょっと考えればわかりますわ……」

 

「そゆこと。これにて終わりだ。

 教室にカリキュラム等の書類があるから目ぇ通しとけ」

 

「緑谷、リカバリーガール(ばあさん)のとこ行って治してもらえ。

 明日からもっと過酷な試練の目白押しだ」

 

 緑谷に紙切れを渡して相澤はグラウンドから立ち去ったが、

 最初に言った除籍って言葉は絶対嘘じゃないな。

 

「お? 大狼、どうしたんだ? そんな神妙な顔してよ」

 

「いや……昔に相澤、先生と縁があって分かったことなんだが。

 あの人はやると言ったらやるタイプの人だ。

 除籍宣告されなかったという事は全員見込みがあったんだろうよ」

 

「え……まじ?」

 

「そうなんですの?」

 

「あぁ。まじ、だ。良かったな緑谷」

 

「ガタガタガタ」

 

 全員顔が青ざめていたから言わない方が良かったかな。

 特に、緑谷なんか震えているし。

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 なんやかんやあったが、初日は無事終えられた。

 下校しようと廊下を歩いていたら、相澤と出くわした。

「相澤、先生」

 

「久しぶりだな、大狼。お前、中学には通っていないから今日だけは他の奴で手本を見せたが、

 次からはそうはいかない。出来なかったら見込み無しとする」

 

「あぁ、努力する」

 

「なら良い。それと、ここは学校だ。慣れないだろうが、先生と呼ぶのを忘れるなよ」

 

「了解した、相澤先生……にしてもあんたを知ってる身からすれば、

 先生と呼ぶのに慣れないんだがな」

 

「慣れろ……まぁなんだ、良く合格したな。これからも励めよ」

 

「あんたに励まされるとはな。

 まぁ、頑張るよ。爺さんと約束したからな」

 

「ふっ、そうか。話は終わりだ。さっさと帰れ」

 

「あぁ、またな」

 相澤と別れ、俺は帰路につくのであった。

 

 

 

 

 




ちょっと、文字数多くなってしまった。
色々と気をつけて書いてみました。
まぁ、拙い文章力であることに変わりはありませんが。


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戦闘訓練 狼の狩り

戦闘の描写って難しい。私ではこれが精一杯でした。(戦闘と言えるか怪しいけど)
長くなってしまったけど、戦闘訓練を一つに収めたかったので。
でも、そのせいでぐたぐたに見えなければいいなぁ。
一人称と三人称書いてみました。変だったら申し訳ない。


 高校生活2日目

 

 

 午前 

 必修科目とやらの授業を受けていたが、分からない場面がいくつかあった。

 自習はしてきたつもりなんだがな……。

 そういや八百万が筆記試験1位だったな。時間があれば仰ごう。

 

 

 昼

「ムグムグムグ」

 大食堂、ここは最高だ。安価で美味い肉が食べられる。

 俺にとって理想郷と言っても過言ではない。

 何枚目かの皿を積み重ねた後に他の食べ物に手を出して頬張っていると、

 緑谷たちの視線を感じた。

 

「す、すごい食べるね」

 

「ぬ、すまん。目を汚してしまったか?」

 

「はは、大丈夫だよ」

 

「たくさん食べるんだねー」

 

 ゴクンッと食べ物を飲み込んだ後に、

「食える時に食わないとな。

 いざと言うときに空腹で動けなかったらままならんからな」

 

「そうなんだ。変身したりするもんね!」

 

「変身するからかどうかはわからんがな」

 

 

 そして、午後。

 ヒーロー基礎学の時間がやってくると思ったら、

 

「わーたーしーがー!!」

 

「普通にドアから来た!!!」

 

 ガッと扉を開かれてオールマイトが飛び出す。

 HAHAHAHAとアメリカンアクセントの笑い声と共に。

 普通に来れないのか……。

 

「ヒーロー基礎学! 

 ヒーローの素地をつくる為様々な訓練を行う科目だ!!」

「早速だが今日はコレ!! 戦闘訓練!!」

 

 オールマイトが突き出した手の中にはプレートがあり、BATTLEと刻まれている。

 

「戦闘……訓練……!」

 

「そしてそいつに伴って……こちら!!!」

 その言葉が合図だったのか、ゴゴゴと音を出して壁が縦並びに飛び出し、

 中には番号が振り分けられているケースが入っていた。

 

「入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた……」

戦闘服(コスチューム)!!」

 

「おおお!!!」

 

「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!!」

 

「「「「は────い!!!」」」

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 

「それコスチューム? 私服に見えるけどよ」

 

「あぁ。ほとんどが俺自身の体毛で出来ているからな。

 同化出来れば私服に見えたって構わん」

 

 上鳴が訝しげな顔で聞いてきた俺のコスチュームは、

 タンクトップの上に色あせた銀色のヴィンテージレザーコート。

 正面を向いた狼がマークのバックルベルトとグレーカーゴパンツにミリタリーブーツ。

 知らない人が見れば私服だと思われても仕方ないコスチュームだな。

 

「そういえば、大狼君は体格が変わるのだったな!」

 

「すげぇワイルドだなぁ。男気を感じるぜ!」

 

「まさしく、野生よ」

 

「そうか? お前たちのも似合っているぞ」

 

 

 お互いのコスチュームを褒め合いながら歩いた通路の先にはオールマイトが腰に手を当てていて、

 生徒一同揃ったのを確認するとグラウンド中に響くほどの声で叫ぶ。

 

「さぁ!! 始めようか有精卵ども!! 戦闘訓練のお時間だ!! 

 

「良いじゃないか皆、カッコいいぜ!! 

 

「先生! ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」

 

「いいや! もう二歩先に踏み込む! 

 屋内での対人戦闘訓練(・・・・・・)さ!!」

 

「監禁・軟禁・裏商売……このヒーロー飽和社会ゲフン

 真に賢しい(ヴィラン)屋内(やみ)にひそむ!!」

 

「君らにはこれから「(ヴィラン)組」と「ヒーロー組」に分かれて、

2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

 

「基礎訓練もなしに?」

 

「その基礎を知るための実践さ!」

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしてもいいんスか?」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか…………?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントヤバくない?」

 

「んんん〜〜〜聖徳太子ィィ!!」

「いいかい!? 状況設定は「(ヴィラン)」がアジトに「核兵器」を隠していて、

「ヒーロー」はそれを処理しようとしている! 「ヒーロー」は制限時間内に

(ヴィラン)」を捕まえるか「核兵器」を回収する事。

(ヴィラン)」は制限時間内まで「核兵器」を守るか「ヒーロー」を捕まえる事」

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」

 

「適当なのですか!?」

 

「プロは他事務所のヒーローと急増チームアップする事が多いし、

 そういう事じゃないかな?」

 

「そうか……! 先を見据えた計らい……失礼致しました!」

 

「いいよ!! 早くやろ!!」

 

「あれ、でもそれだと1人余りませんか?」

 

「余るね! だから大狼少年が最初は一人で(ヴィラン)組として、

 後半にヒーロー組という形で参加してもらうよ!」

 

「おいおい、それはきつくないか?」

 

「いーや、実技試験1位の君なら大丈夫だろう!? 

 ”Plus Ultra"だ! ヒーローならこれぐらい乗り越えなくてはね!!」

 

「一理あるな、了解した」

 

「さて、続いて……大狼少年の対戦相手はこいつだ!!」

 

「ウチぃ!?」

 

「ウェーイ、最初からなんてついてねーなぁ!」

 

 ボールにはGと書かれていて、その相手は耳郎と上鳴のようだ。

 上鳴の個性は知っているが、耳郎のは知らないな。

 対策を考えながら屋内に入ろうとしたらオールマイトに小さく手でちょいちょいと呼ばれる。

 

「大狼少年。君の過去を知ってる上で頼みがある。

 彼らに(ヴィラン)の恐ろしさを理解させるために成り切ってくれないか? 

 無理にとは言わないが」

 

「そんなことだろうとは思ったよ。

 悪を知ってる奴が初戦を飾るべきだとは理解した。

 難しいが、やってみる」

 

「うん……ごめんね! 後やりすぎないようにね!」

 

 昔邪悪と呼べるような奴と遭遇したことがある。

 それも2回……3回か? そんな経験があるからこそ、オールマイトは俺を選んだんだろう。

 でも、オールマイト(平和の象徴)……あんたが頭を下げないでくれよ。

 爺さんが憧れた存在なんだ、あんたは。

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 

 対戦訓練が始まった直後に、大地は人狼化してから自身の毛を抜いた。

「狩りの時間だ。偵察してこい」

 

 その頃2階を索敵していた耳郎たちは通路を歩いていたが、

 何かを察したのか耳郎は個性で壁にプラグを当てる。

 そこでようやく気づく。何かが近寄って来ることに。

 

「待って……あっちから音が聞こえるよ……えっ、

 こっちからも聞こえる!」

 

「マジ? あいつ一人だけだよな?」

 

「これ……唸り声? しかもゆっくりと近づいてきてる。

 まずいよ、囲まれてる!」

 

「えぇ!? なんで!? あいつ、変身するだけじゃないのかよ!? 

 声! 声がしない方向に行こうぜ!」

 

「うん……、こっちからは声がしない!」

 状況把握が出来ないまま声のしない方向へ駆けていくが、

 声の主と距離は一向に変わらない。

 走り続けても変わらない状況に焦った上鳴は声を荒げる。

 

「おい、こっちであってんのか!」

 

「ウチに聞かないでよ! あんたもなんかやれ!」

 

「無理無理無理! 電気を纏うだけだ俺は!」

 

 逃げながらも器用に揉める耳郎らの前に一匹の狼が物陰から飛び出す。

「犬!? そっか、よくわからないけど大狼の個性なんじゃない? 

 ウチに任せて!」

 

「ハートビート!!」

 

 耳郎のプラグから発した爆音は狼に当たり、ポンっと軽やかな音を出して消えた。

 

「消えた!?」

 

「すげぇな耳郎! やるじゃんか!」

 

「へへっ、まぁね! でも、このままだとキリがないよ。

 まだ声はするし、早めになんとかした方がいいと思う」

 

「そうだな、じゃああいつらに捕まらないよう居場所教えてくれ。

 んで、広い場所でなら俺の電気が使えるから一網打尽すれば完璧じゃねぇ!?」

 

「なるほどね、良いんじゃない? 

 じゃあ……こっちならいないよ」

 

「お、マジか! じゃあ急ごうぜ!」

 

「うん……ん? むぐっ」

 走り出した上鳴に続いて耳郎も走ろうとすると、

 後ろから大きな影が迫ってる事に気付き振り向く前に、

 物陰へ引き摺られ、小型無線機も破壊された。

 そして顔と耳郎の個性の特徴である耳たぶも掴まれる。

 

「声を出すな、怪我したくなかったら大人しくしろ。

 わかったら、瞬き2回……良いな?」

 声の正体は人狼もとい大地だった。

 掴まれているせいで声を出せない耳郎は暴れるが、低く響き渡るような声で囁かれる。

 

「返事」

 観念したのか耳郎は動きを止めてまばたく。

 それに満足したのか、ゆっくりと口を抑えていた手が離れるが、

 掴まれている耳の方は少しも力を緩めない。

 

「声を荒げるなよ」

 

「ぷはっ、あんた本気!? ぐっ」

 

「声を荒げるな、と言った。次は無い」

 耳郎の甲高い声に大地はすぐさま首を掴む。

 大地の無機質で冷たい目を見た耳郎はゾッとし、

 何度か頷くと、手が首から離れる。

 

「けほっ……」

 

「大人しくしていろ」

 

「ちょっ、何すんの」

 

 大地は耳郎の両腕を後ろに回し隠し持っていたテープで捕縛した後、

 片腕で抱え上げて屋上へ駆け抜く。

 

 

 

 その頃、モニタールームでは……。

 

「大狼のやつやばくねーか!?」

 

「ヴィランにハマりすぎでしょ!」

 

「オールマイト先生、いいんですか!?」

 

「あんなん、男じゃねー!」

 

「でもよ、なんで大狼からなんで狼が出てきたんだ?」

 

「確かに。個性は狼とは言ってた。まさか何か秘密があるのか……?」

 

 ぶつぶつ……狼って言ってたけど、変身の他に狼を使役できるのか。 

 これは凄いぞ。災害が起きた場合、狭い所まで入り込めるわけだし、

 何より連携が取れている……ぶつぶつ

 

「緑谷のやつ、ぶつぶつ言ってんなぁ」

 

「それより、上鳴のやつどーすんだ? 

 まだ気づいていねーぞ」

 

「私だったらどうしよう……」

 

 彼らの前には大地たちの動きがモニターで映されており、

 生徒たちは自分だったらどうするか話し合っている。

 そんな風景を見たオールマイトはうんうんと満足げに頷いていた。

 

(さぁ、考えるんだ。(ヴィラン)に出会ったら、どう対処すべきか。

 またこういう状況に陥った場合どうすべきかを!)

 

 

 

 場面は切り替わり、上鳴は何も気づかないまま走り続けていた。

 分かれ道にぶつかり、そこで耳郎がいなくなっていることに気づく。

 

「次はどっちに行けばってあれ!? どこ行った!? 

 そうだ、無線……反応ねぇし!」

 無線にも反応がなくオロオロしている上鳴を一匹の狼が襲いかかる。

 

「うわぁ! 放電!! ……ふぅ、焦ったぁってマジかよ!」

 上鳴から電気が放たれて、狼が消えたと思ったらもう一匹が別の道から現れる。

 また襲われては敵わないのか、反転して逃げようとするがその先にも狼がいてゆっくりと近寄って来る。

 

「くそっ、じゃあこっちだ!」

 

 挟み撃ちされてない方向へ心臓がはち切れるぐらい走って走り続けると屋上に繋がる階段が見えてくる。

 脇目も振らず駆け上った先の開かれた部屋にはロケット型の核兵器が佇まっていて、

 その前を人狼が立ち塞がっている。

 

「よく来た。耳郎は預かっている。

 怪我をさせたくなければ降伏しろ」

 

「どうせ、ハッタリだろ! それに、耳郎もどこにもいねぇ! これでも食らえ!」

 

「あれを見てみろ」

 上鳴の体から電気が放電されようとするが、

 大地が指差す先の柱の影から耳郎が現れて、その背後から3匹の狼が出てくる。

 狼たちは唸り声を上げながら上鳴の動きを見逃さないよう身構えている。

 その内の一匹は耳郎に今にも飛びかかろうとしていた。

 

「ごめん、捕まった」

 

「っ!」

 

「耳郎の個性は音に関する何かだろう? 

 厄介そうだったんでな、先に捕らえさせてもらった」

 

「くそっいつの間に……」

 

「時間まで待ってもいい。

 だが、耳郎を怪我させたくないだろう?

 抵抗すればお前でも容赦はしない」

 

「う……もう捕まえたんだろ! なら耳郎は関係ないはずだ!」

 

「それとこれは別。今の俺は(ヴィラン)

 なら耳郎を生かすも殺すも俺次第だ。オールマイトからも許可を得ている」

 

「なっ、嘘だ! オールマイトがそんなこと」

 

「フッ、なら中止という声が聞こえないのは何故だ?」

 

「それは……」

 

 邪悪な笑みを浮かぶ大地からとてつもない威圧感を感じた上鳴は足が竦み、

 どうしようもない状況のまま時間だけが過ぎ去る。

 

「わかった……降伏する」

 耳郎へ目線をやるが、他に選択肢がないと悟ったのか上鳴は下向く。

 大地が上鳴に近づきテープで捕縛したら、終了の声が流れた。

 

 

「ヴィランチーム……WIIIN!!!」

 

 

「ふむ、すまなかった」

 戦闘終了が終わった途端、大地が頭を下げた。

 さっきまでの威圧感が嘘かのように柔らかく穏やかな様子に上鳴は困惑している。

 

「えっ? えぇっと……どういうこと?」

 

「オールマイトに(ヴィラン)に成り切れと頼まれたんだ。

 怪我をさせるつもりは無かった。見ろ」

 大地が顎をしゃくった先には耳郎の元に三匹の狼達が尻尾を振りながら、

 じゃれついていた。

 

「ちょっ、くすぐったいから離せって!」

 

「あ、あぁ……そうなの」

 

「耳郎も悪かった。首痛かっただろう?」

 

「え、あっウチは大丈夫! そこまで痛くなかったというか」

 

「すまん」

 

「謝らなくてもいいってば! 本気でやったわけじゃないんでしょ? ならもういいよ!」

 

「そうか、助かる」

 

「はぁ──、なんだよそれまじ焦ったーってうぉっ! ビビったー!」

 安心したのか座り込んだら、背後からもう一匹の狼が飛び込み、

 驚いた上鳴の姿に大地と耳郎は笑う。

 

 

 

「さて、ヒーローチームが負けたわけだが……何が悪かったか答えられる人!」

 

「えぇっと……大狼が(ヴィラン)にハマりすぎて怖かったんだけど」

 

「ハイ、オールマイト先生。

 それは耳郎さんと上鳴さんが敵に追われていた時に迅速対応が出来なかった事。

 また、上鳴さんが耳郎さんとはぐれた事に気づかなかった事ですわ。

 常にお互いを把握していればすぐ対応が出来ていたでしょう」

 

「正解だよ! 

 みんなもわかったかな!? (ヴィラン)の恐ろしさに! 

 今回は大狼少年がやってくれたわけだが、本物はもっと恐ろしい! 

 これを参考にみんなもこれから励むように!」」

 

「うぅ、面目ない」

 

「ウチも一人だけだと思ってたから追われるとは思わなかったなぁ」

 

「ねー狼って何匹まで出せるの?」

 

「4匹だ」

 

「む、それだと計算合わなくないか? 

 戦闘によって2匹減っても、最終的には4匹いたのだが」

 

「あぁ、耳郎を捕らえた後は屋上でもう2匹出した。

 消えても、もう一度出せば変わらず。と言った具合だ」

 

「なるほど、そういう理由であったか!」

 

「ね、ね。訓練が終わった後で良いから狼触らしてよ!」

 

「終わったらな」

 

「うんうん! 称え合うのも結構だが、次もあるからね! 

 じゃあ行ってみよう!!」

 

 

 みんな俺たちの戦いに刺激されたのか、善戦していた。

 緑谷だけまた無茶したわけだが、これからもまた無茶をするだろうな。

 戦闘訓練も巡り回り、再び戦闘訓練に出る機会がやってくる。

 

「さて、大狼少年の相手チームは……こいつだ!」

 

 ボールにはCと書かれていた。

 Cといえば、八百万と峰田だったな。

 

「私ですわね」

 

「ちょ、ヤバイって。あいつに勝てるわけねーって! 

 な? 降参しようぜ!」

 

 八百万に関しては注意しないとな。

 創造という個性が故に厄介な物を出してきそうだ。

 どう動き回るか思索しながら俺たちはビルの中に向かう。

 

 

 

 

 

 

「ヴィランチーム……WIIIN!!!」

 

 

「……えっ、まじ? 勝っちゃったよ……」

 

「私も正直ここまで上手くいくとは思いませんでしたわ」

 

「ぐっ……」

 (ヴィラン)組の時が嘘だったかのように八百万相手ではあっさりと負けた。

 まだ体に痺れが残っている……。

 

「流石に……麻痺ガスに、催眠ガスは避けられん……」

 ましてやそれがビル全体に撒き散らされているとな。

 息止めていたとしても目が。目を閉じても、耳が。

 何度もスタングレネードや峯田の個性によって動きを止められると、

 どうにもならない。こればっかりはなんとしても克服せねば。

 

 

「今回は誰がMVPだったかわかるかな!? 

 簡単だろうけどね!」

 

「八百万ですね!」

 

「八百万すげー!! あんなんのも創造できんのかよ!」

 

「大狼でも弱点とかはあるんだな」

 

「あぁ、今回は不覚を取った」

 

「うんうん、何事にも相性というものがある! 

 さっきみたいにね! 君たちも自分の個性をどう使うか考えるんだ!」

 

 

 

 

 

 

「お疲れさん!! 緑谷以外は大きな怪我もなし! しかし真摯に取り組んだ!! 

 初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!」

 

「それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば! 着替えて教室にお戻り!!」

 

 戦闘訓練が終わり、オールマイトからねぎらいの言葉が出るが、

 急いで緑谷の所に向かったようだ。

 やはり、緑谷とオールマイトには何らかの関係性があるな。

 

「なぁなぁ、俺の個性どう思った!?」

 

「ん? 切島か……まぁ良かったんじゃないか?」

 

「お、そう見えるか!? でもよー……」

 

 お互いの反省点を話し合いながら教室に戻り、そのまま反省会が開かれた。

 爆豪だけ不穏な空気を出していたが……緑谷と何やら因縁がありそうだし、

 まぁ、爺さんと似ている緑谷のことだ。何かお節介するだろうから時間の問題だな。

 

 

 




コスチュームは都合主義に見えるけど、轟の炎では燃えなかったし、
エッジショットの個性でも縮小化とか出来てたじゃん。
絶対、僕アカの科学力は世界一ィィとかスタークの会社とかあるでしょ。
大丈夫大丈夫のノリでこんなんになりました。


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USJ 敵、襲来

USJは長くなりそうなのでキリがいいとこで切り上げました。



 森に囲まれて小さくひっそりとしている村の中で俺は育ってきた。

 他と違うのは人としてではなく兵器として一族に育てられたということ。

 そして兄弟みたいな奴らと業を競い合って来たこと。

 そんな風景にノイズが走ったかと思うとあらゆる全てが変わり果てていた。

 大雨の中、村は崩壊して瓦礫になり、一族ほとんどが死に絶えていて、

 地面が赤く濡れた地獄のような中、顔のない男の手が俺を捉えようとしていた────。

 その光景を最後に現実に引き戻された。

 

「はぁ……クソが」

 最悪な気分で目覚め、冷蔵庫から飲み物を取り出し喉を潤わせて心を落ち着かせる。

 飲み干した後は、汗まみれになった服を脱いでシャワーを一浴びてから朝食と歯磨きといった日課を済ませて、

 妙な胸騒ぎをしながらも家を出て高校に向かうと、校門の前には人だかりができていた。

 俺が生徒だと見てわかったのか人だかりが一気に移動してくる。

 

「君! オールマイトの授業についてぜひ聞かせてください!」

 マイクを持った女性がこちらに向けてくる。

 なるほど、マスコミか……。

 

「彼の授業は良い刺激を受ける。授業に遅れるんでな」

 マスコミに対して良い思い出が無い俺は早々と切り上げて彼らの中を掻き分けて進む。

 その後は他の生徒を目につけたのか後ろからインタビューの声がしながらも教室に向かう。

 教室には俺以外、ほとんど揃っていた。

 

「よー、お前が遅く来るなんて珍しいな。さては昨日、エロいやつを見てたんだろ!?」

 

 席に着こうとすると、峯田がそう言ってくる。

 

「いや、夢見が悪かったんでな。家を出るのが遅れてしまった」

 

「ははーん。うんうん、わかるぜ。体は良いのに不細工な奴が急に出てきたら萎えて夢に出るもんな!」

 峯田がニヤニヤしながらこちらを見てくる。

 イラッとしながらもため息を吐きながら無視して席につく。

 遅れて緑谷たちと相澤がやってきて、相澤が手に持つ紙束を教卓に置く。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと戦績見せてもらった」

 

「爆豪。お前もうガキみてえな真似すんな。能力あるんだから」

 

「……わかってる」

 

「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。

 ”個性”の制御……いつまでも「仕方ないから出来ない」じゃ通さねぇぞ。

 俺は同じ事言うのが嫌いだ。それ(・・)さえクリアすればやれる事は多い。焦れよ、緑谷」

 

「っはい!」

 

「さて、HRの本題だ……急で悪いが今日は君らに……学級委員を決めてもらう」

 

「学校っぽいの来たー!!」

 相澤の雰囲気からまた何かのテストが始まるかと身構えていた俺は拍子抜けして、

 ハイハイとみんながそれぞれの思いを告げながら立候補していく。

 

「静粛にしたまえ!! ”多”を牽引する責任重大な仕事だぞ……! 

「やりたい者」」がやれるモノではないだろう!! 

 周囲からの信頼あってこそ務まる聖務……! 

 民主主義に則り真のリーダーを皆で決めるというのなら……」

 

「これは投票で決めるべき議案!!」

 そう、飯田は告げるが……、挙手しているお前が言っても説得力ないぞ。

 

「そびえ立ってんじゃねーか! なぜ発案した!!」

 

「日も浅いのに信頼もクソもないわ。飯田ちゃん」

 

「そんなん皆、自分に入れらぁ!」

 

「だからこそここで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間ということにならないか!? 

 どうでしょうか!? 先生」

 

「時間内に決めりゃ何でも良いよ」

 

 相澤が緩く許可を出したことから、投票することになったのだが────。

 

「僕 三票────!?」

 緑谷が学級委員を務めることになった。

 副委員は二票を得た八百万だ。

 飯田が委員長とやらにふさわしいと思って投票したんだが無意味になってしまった。

 結果を見ると生徒の中で俺と轟だけが一票入ってない状態になっていた。

 

「大狼、自分に入れなかったのかよー?」

 俺に一票入ってないのを疑問に思ったのか前の席の瀬呂がこちらに振り向く。

 

「あぁ。リーダーとかは柄じゃないんでな」

 

「そっかー」

 

「じゃあ委員長は緑谷、副委員長 八百万だ」

 

「緑谷、なんだかんだアツいしな!」

 

「八百万は講評の時がかっこよかったし!」

 

 投票と午前の授業が終わり、昼────。

 俺は八百万と飯を共にしていた。

 戦闘訓練をきっかけにお互い会話するようになってから、

 授業で分からなかった所を仰ぐついでに一緒に昼食どうかと誘ったからだ。

 

「そういえば、大狼さんは誰に投票したんですの? 

 あの時、大狼さんと轟さんだけ票が入っていませんでした」

 

「ん? あぁ……飯田にだな」

 

「それは……どうしてですか?」

 

「……そうだな、あの時みんな自分という個を優先にしか考えていなかった。

 そんな中みんなの為にと、飯田に言わせてもらうなら”多”だな。

 それを優先したからこそ、どういう状況にあっても冷静に判断出来る……。

 そう思ったから飯田に投票した」

 八百万の質問に箸を止めて彼女が納得できるよう、考えをまとめてから答える。

 

「なるほど、そうでしたか」

 

「あぁ、もし飯田が発案しなかったら俺はお前を推薦していた」

 

「! ……何故、と聞いても?」

 

「飯田と似た理由だ。戦闘訓練の時、俺はお前にしてやられた。

 それは俺に対する対策をあらゆる視野から見てその中から確実な手段を選んだんだろう? 

 思索力と判断力が優れているんだろうなと思ったからだ」

 

「そうなんですの! ありがとうございます!」

 飯田を選んだ理由を聞いて思う所があったのか眉間を寄せる彼女に推薦する可能性の理由を告げると、

 パァっと花が舞ってるように見えるぐらい彼女は笑顔を浮かべた。

 

「フッ、飯が冷める。さっさと食おう」

 

「そうですわね!」

 

 その後は世間話を交わしながら昼食を共に過ごすと、警報が聞こえた。

 

『セキュリティ3が突破されました。

 生徒の皆さんは屋外へ避難してください』

 

「なんですの!?」

 

「セキュリティ3……確か、校舎内に誰かが進入してきた時のレベルだったかな」

 

「急いで避難しなくては!」

 

「そうだな、だが今向かうと押し潰される。

 落ち着くまで様子を見よう。ここはヒーローもいる。そう慌てる事は無い」

 食堂の出口の先にはみんな押し付けて一刻も早く出れるようにと騒ぐ姿が見える。

 その姿を見て立ち上がろうとした八百万も落ち着いたのか席に座り様子を伺っている。

 しばらくして出口の動きが緩やかになり、俺と八百万は出口に向かった。

 

 

 

 原因はマスコミだそうだ。今は警察が到着し対応している。

 教室にて緑谷と八百万が他の委員決めについて執り行うが、

 緑谷が委員長の座を飯田に譲り渡す。

 あの騒ぎの時に飯田が標識になってみんなを落ち着かせた姿を見て、

 彼の方が委員長をやる方が正しいと判断したようだ。

 標識……見てみたかったな。

 

「委員長の指名ならば仕方あるまい!!」

 

「任せたぜ非常口!」

 

「非常口飯田! しっかりやれよー!!」

 

 

 その後は新委員長となった飯田を先導に委員決めを執り行った。

 マスコミによる襲撃事件も無事終わり、明日は穏やかな一日が始まるだろうと、

 悪夢を見たことを忘れられるよう夜に走り込みをして汗を流すという形で一日を終えた。

 

 

 

 今日は昨日と違って昼までのんびりと授業を受けられて、

 午後は相澤の指示の元による人命救助(レスキュー)活動の訓練場に向かうことになった。

 バスで向かうようで、飯田が先導する中番号順に二列で並ばせようとするが……。

 

「こういうタイプだった! くそう!!」

 バスの席は飯田が思った席では無かったことから自由に座ることになった。

 座席のタイプが違ったことで飯田は落ち込んでいて、みんな飯田を宥めている。

 俺は一番奥の席に座り、みんなの会話を他所に窓の外を流れる景色を訓練場に着くまで眺めていた。

 

 

 

 訓練場についた俺たちを迎えたのは、宇宙服のようなコスチュームを着た13号という教師。

 緑谷曰く、災害救助で有名なヒーローだそうだ。

 13号の案内のもと、建物の中に入るとそこはテーマパークのようだった。

 

「すっけー!! USJかよ!!?」

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc。

 あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。

 その名も……ウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)!!」

 こっちの名前もそのままUSJなのか……。

 

「始めるか」

 

「わかりました。えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……。

 皆さんご存知だとは思いますが、僕の”個性”は”ブラックホール”

 どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「その”個性”でどんな災害からも人を救い上げるんですよね」

 緑谷の言葉にうんうんと麗日は頷き、13号先生もえぇ。と答える。

 

「しかし簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう”個性”がいるでしょう。

 超人社会は”個性”の使用を資格制にし厳しく制することで一見成り立っているようには見えます。

 しかし一歩間違えれば容易に人を殺せる”いきすぎた個性”を個々が持っていることを忘れないでください」

 

「相澤さんの体力テストで自身の力が秘めている可能性を知り、

 オールマイトの対人戦闘でそれを人に向ける危うさを体験したかと思います」

 

「この授業では……心機一転! 

 人命の為に”個性”をどう活用するかを学んでいきましょう。

 君たちの力は人を傷つけるためにあるのではない。

 助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな。

 以上! ご清聴ありがとうございました」

 その言葉を聞いて、爺さんの言葉「大いなる力には大いなる責任が伴う」を思い出し、

 どうしてヒーローを目指すようになったかを改めて認識させられた。

 13号の演説に全員が拍手を送る。俺もその中の一人だ。

 

「そんじゃあまずは……」

 

ゾワッ

 

 相澤の言葉が続く前に背中にとてつもない悪寒を感じすぐさま後ろを振り向くと、

 得体の知れないモノが黒いもやから現れた。

 

「ひと塊になって動くな!!」

 

「13号、生徒を守れ!!」

 

「何だアリャ!? また入試みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「動くなあれは(ヴィラン)だ!!!!」

 

「13号にイレイザーヘッドですか……。

 先日頂いた(・・・・)カリキュラムではオールマイトがここにいる筈なのですが……」

 

「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」

 

「どこだよ……せっかくこんなに大衆引き連れて来たのにさ……。

 オールマイト……平和の象徴……いないなんて……。

 子供を殺せば来るのかな?」

 

 

 全く、最悪だよ。昨日の胸騒ぎが1日遅れて現実になってしまうとは。

 




うーん、地の分がちょっと難しい。
一人称で出来るだけ動きだとか省けるものは省いてみたんだけど、なんか三人称?とごっちゃゴチャになってそう。


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