ある日、幼女がうちに来た。借金のかたで。 (黒川鈴鹿)
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1話

続き書いてと言われたから取り合えずもとに有ったところまで書いたよ
追いついたら自分で考えるけどそれまではツイートの内容追いかけるのは許してね?
何か言われたら原作者様(https://twitter.com/__saru__?s=20)に土下座をします


「結月ゆかりさんですよね。東北家三女、東北きりたんです。よろしくお願いします。」

 

殆ど誰も来ないようなこの部屋にも一応チャイムがある。

その珍しいチャイムに怠い体を起こして、ドアを開けた。

 

目の前には幼女がいた。

 

幼い容姿に不釣り合いな大きなキャリーバッグに、何やら不思議な頭のアクセサリー。

その佇まいはその見た目に似合わない品性を感じさせる。

間違ってもこんな場所に来るような子供じゃないはずだ。

その第一声がこれだ。さっぱり訳が分からない。

茫然としているとそのきりたんとやらが聞いてきた。

 

「えっと……お話、聞いていないのですか。」

 

「いや何も聞いてないけど……」

 

気まずい無言が流れる。本当にどういう事なんだ?

 

「お手紙を預かっています。どうぞ。」

 

「あ、うん。ありがとう。」

 

取り合えず読んでから考えるか……。二枚あるな。

 

【結月家祖父へ、借金を暫くのうちに返す当てがありませんので担保として三女のきりたんを家に送ります。東北家より】

【ゆかりへ、担保としてきりたんを受け取りましたが、うちに置いておくのは非常に外聞が悪いので引き取ってください。お前の生活態度を直す良い機会です。ちゃんと生活しなさい。祖父より。】

 

頭が真っ白になる。何を言っているんだこいつらは。

東北家については一応聞いたことがある。

祖父が仲良くしていて、昔に結構な額を貸したらしい。

あまり返されてはいないようだけど、祖父はあまり気にしていなかったはずだ。

 

「そういう事なので、置いていただけないでしょうか。」

 

眼の前の幼女、きりたんがそう告げてくる。

東北家三女。見た目としては10歳そこらだろうか。

流石に一緒に住むのはごめんだが、ここまで来たんだ。一晩位は泊めてやるか……

あとで祖父と、こんな時代錯誤なやり方をしている東北家に文句を言わなければ。

 

「ああー……、一緒に住むのは面倒だしごめんだが、まあ上がっていきなよ。丁度掃除もした所だし。一晩位は泊めてやる。」

 

「ありがとうございます。では失礼します。」

 

そういうきりたんの態度になんだか無駄に丁寧でむず痒いなと思っていたら、部屋の内部を見た途端凍り付いた。

ん?なんか変なものでもあったか……、いや、ないな。ちゃんと掃除もしたし。

 

「掃除……、何を?」

 

何かを小さくつぶやいていたようだが、聞き取れなかった。

また虫がいる。潰しとかないと。

あとあの頭のアクセサリー、どう見ても包丁なのだが、だれか突っ込まなかったのだろうか。

あれだけ態度は品性を感じるのに違和感がすさまじい。つい目が行ってしまう。

祖父に電話をかけるつもりだったが……疲れた。

もう明日でいいや。

それよりもう一人分の食料あったっけな。

何やらすさまじい顔をしているきりたんを横目に見ながら、これからの災難を予感して気落ちするゆかりだった。

 




推敲もせず勢いで放り投げるアホは私です。
ネタを提供してくださった大統領様に感謝を


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2

③④分
書き散らかしただけなので多分後で見返したら私死ぬんじゃないかな


きりたんを部屋に通し、一本吸って部屋に戻ると(そうか、これも部屋じゃ吸えないか……)きりたんがごそごそと動いていた。

何やってるのかと思うと、きりたんが決意を固めたような表情でいきなりの宣言をしてくる。

 

「掃除をします。」

 

「なんで?さっきしたよ?」

 

「こんなのは掃除といえません!私がここを文化的な空間にします!」

 

私が困惑するのをよそに、きりたんは猛然と動き始める。

そこには先程までの余所余所しい態度の幼女はおらず、ただ使命に燃える一人の女がいた。

まるで実家に居た時の私の母のようだ。苦手な。

 

「あ、捨ててはいけないものだけは都度教えてください。」

 

「あ、うん。」

 

その手際のよい行動に、私は聞かれたことに「いいよ」か「だめ」としか言えず、ただただ見守るのみだった

どうやら私が掃除だと思っていた行動は掃除ではなかったらしい。

場所ごとにどうやって掃除をすればよいかを一々話すきりたんには悪いが、何も頭に入ってこない。

そうしてもう1時間は経った頃だろうか。気づけば部屋は確かに綺麗になっていた。

あれは掃除ではなかったんだな、と流石の私でも納得してしまう出来栄えだ。

まあ反省も後悔もしないのだが。勝手に綺麗になるのは楽でいいな。

途中タバコの臭いに顔をしかめていたのはちょっと悪いと思ったが、これは考え無しの祖父が悪い。

消臭剤撒いといたから許してくれ。

とはいっても流石にこの子をずっとここに置いておくわけにもいかないので明日には祖父の家に連れて行くけど。

 

さて、達成感に浸るきりたんの頭を軽くなで、夕飯があるか探すとどうにかカップ麺が二個はあった。

ま、これでいいだろ。

お湯を沸かしてカップ麺を二個机に持っていくと(二人分の置き場があるのは初めてだ)、きりたんは凄い形相でカップ麺を見ていた。

この表情を「葛藤」という題名で提出したら花丸が来るくらいの表情だ。

もしかして食べたことも無いのだろうか。

 

「どうしたの、冷めるから早く食べたら?」

 

「ああだめですこんなカップ麺なんてずん姉様も言ってましたカップ麺なんて栄養バランスを崩すような食品ははべないほうがいいとああでもだめおいしそうな匂いがごめんなさい姉様私は我慢できそうにもありません」

 

と声をかけてみるがぶつぶつと呟いていて食べる素振りが見えない。

そんな表情を横目に見ながらカップ麺を啜る。

するとそれを見てかきりたんは意を決したかのような表情になってずるずるとカップ麺を啜った。

あ、あれは私でもわかる。堕ちたな。

 

 

結局あれだけ葛藤していたにも関わらず、あっさりと汁まで全部飲んでいった。

しかしこの子、カップ麺も食べたこと無いみたいだけど普段はどうしていたんだろうかね。

いきなり掃除を始めたから詳しく聞いていないけど、これは祖父に問い質す内容も増えたかなぁ、とふときりたんを見やると、宿題を始めていた。

こんな所なのによくやるなぁと思うけど、これ学校はどうするつもりだ……

今は長期休暇だから良いとして、まさかここから通わせるつもりもないだろう。ないよな?

考えを逸らそうとタバコを取り出して、止めた。

 

「ゲームにするか……」

 

まだ、夜は長い。




素敵な元ネタ様はこちら
https://twitter.com/__saru__/status/1307797057093083136?s=20
こんな作品よりこっち見て?


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3

このゆかりさんは28時間サイクルで動いてそう
大学生の夏休みかな?


我が仕事たるゲームをやっていると早々と寝たはずのきりたんが起きてきてしまった。

 

「ふわ……一体何をやってるんですか?」

 

「ゲームだよゲーム、スマブラ。」

 

「え、こんな時間ですよ。(スマブラ……?)」

 

「こんな時間だからだよ……さぁ、もっかい寝た寝た」

 

そう、現在3時だ。流石の生活習慣崩壊ニートたる私にも良心はあるので、幼女には辛かろうと促すと、きりたんはきりっとした表情になって――掃除を始めたときと同じ表情だ――私に宣告する。

「夜更かしはいけません、ゆかりさんも寝てください。」

 

……まぁた始まった。親でもないのにまあ義務感の強い奴だなぁ。

当然聞く義務はないので気にせずゲームを続ける。

そうして暫く放置すると目が冴えてしまったのか(まあゲームなんて見てたらそうなる)私に話しかけてきた。

 

「そのゲームというものは面白いのですか?」

 

「そんなんゲームに依る……ってもしかしてやったことないのか」

 

「そんなわちゃわちゃするようなゲームはやったこと無いですね。」

 

「じゃ、やってみるか?」

と聞いてみるときりたんは案の定面白い表情をしている。

大方(やってみたい)と(でも寝なきゃ)とでも思ってるんだろう表情はからかうのには丁度いい。

 

「そうかそうか、やってみたいかぁー。」

今、悪い顔をしている自覚がある。正直楽しい。

そんなことは、などと小声で呟いてはいるが興味を向けてるのはとても分かりやすかった。

東北家なんて所にいたからには多分免疫も無いんだろうなぁ。

ぶつぶつと何事か並べたあと、きりたんはこちらを指差し、「いいでしょう、対戦です。私が勝ったらゆかりさんは寝てください。」と時間を気にしてか小声で言ってくる。

「ふふーん、これはやったことないですが、私はゲームが得意なんです。負けませんよ」などと言っているがやるのはスマブラだ。

 

当然こう――惨敗して地に伏せるきりたん――なる。

時間は午前4時。だがきりたんはハイになってるのか起き上がると再戦を要求してくる。

やらせた本人が言うのもなんだけど、寝なくていいのだろうか。

 

午前五時。幼女らしくきりたんはぷつんと落ちてしまった。私はまだゲームを続けるつもりだったけど、眠くなってきたので寝ることにする。

 

「あ、布団がない。」

 

こんな限界ハウスには当然客が来ないのでその事を忘れていた。万年床はきりたんが安らかな顔をして占領している。……流石に退けるわけにもいかないなぁ。

まあ30時間位寝なくても平気か。明日きりたんを送ってから寝れば問題ないだろう、とゲームを続けることにした。

ところで、寝るときも頭の珍奇なアクセサリーはそのままだったけど、本格的にあれはなんなんだ?聞いても髪飾りとしか言わないからなぁ……

ずん姉様とやらが着けるように言ってるのかもしれない。

 

午前七時。きりたんが起きてきた。子供の朝は早いなぁ……

 

「ゆかりさん、おはようございます。ちゃんと寝ましたか?」

 

「あー、寝た寝た。朝はパンでいいよね……」

 

「む、明らかに寝てないじゃないですか。健康に悪いですよ。」

 

「あー、知ってるよ。でも昨日3時まで寝てたし、丁度いいでしょ。」

 

むぅ、と頬を膨らませる様子は可愛らしいが、言ってることはうちの母親と同じだ。遠慮が無い分こちらの方が直球なくらいだ。

もう数年こんな感じだけど体は壊してないしなぁ、というときりたんは一旦その矛を納めたようだった。

今日は送ってかないとなぁ……、これでまた元の生活だ。

などと朝食を食べ、ゲームをしている時。

 

突然携帯のベルが響いた。




凄いね、ネタがあると文章だけは出てくる
次まではネタがあるので(質はともかく)速いかも?


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4

ゆかりさんも育ち自体はいいので祖父には敬語を使う
育ちのいい生活習慣崩壊ニートとか最悪では?
ここからは思いつき次第書くことになると思います
ネタの提供は常に受け付けてますよ?


携帯が着信を知らせる。

祖父からだ。

嫌なタイミングだなぁ……。そして直感が警鐘を鳴らしている。

取らないと余計に面倒になりそうなので渋々と携帯をとった。

 

「きりたんの返却は受け付けないぞ」

 

第一声で私の頭は停止した。

 

「おや、聞こえていないのか?」

 

「いや……聞こえてますけど。」

 

「じゃあ返事をしなさい、もう一度言うぞ。きりたんは送ってこなくていい。」

 

「はぁ!?何いってるんですかクソジジィ!そもそも借金のかたとかどういう事ですかちゃんと説明してください!!」

 

「うん?そもそも手紙を受け取ったと思うが。」

 

「予め説明しろって言ってるんですよ!」

 

「まあまあ、落ち着け。」

 

「こーれが落ち着いていられますか!」

 

「あ、きりたんを匿わないなら仕送りを止めるが「畏まりました保護させていただきます。」……速いな。」

 

「で、なんでこんなことになったんですか。」

 

「手紙で説明は全部だぞ?ああ、一週間後にきりたんに迎えが来るからそれまでよろしく。それまでに生活習慣が改善してなかったらやっぱり仕送り止めるぞ。」

 

「えっ、ちょっ、まっ……切りやがった!?」

 

……本能が理解を拒否しているのがわかる。

取り敢えずわかったことは一週間きりたんを預かってれば良いとのこと。

期限がわかっただけまだいいかぁ。

それでも訳がわからないよ。

 

ところでそんなきりたんは特に悲壮感とかも無くゲームを触っていた。昨日のスマブラが気に入ったようだ。いや、初めてやったからかな。

 

「あぁー、きりたん。ゲーム楽しかったんだ?」

 

ハッ、という音が目に見えた。私の顔もにやにやという言葉が顔に出てるだろう。

色々と言い訳している声が聞こえるが無視してスマブラのコントローラーを手に取った。

 

 

 

「買ってきたぞ」と久々の外出に怠さを訴える体を無視してきりたんに差し出した。

何処にでもあるハンバーガーのチェーン店の紙袋だが、きりたんは訝しげな目を向けている。

 

「ゆかりさん、これはなんでしょうか。」

 

「あぁー、そうか。お嬢様だったもんなぁ……」とMの字のハンバーガーついて説明する。こんなこと説明するのは初めてかぁ。一体どんな環境で暮らして来たのかねぇ……

カップ麺の時と同じで、また栄養が……と譫言のように呟くが、食べないならそれでいいぞと言うとあっさりと陥落した。

この1日でちょろくなりすぎだなぁ。

「今のところはこれで勘弁しますが、直ぐにでもゆかりさんに料理の素晴らしさを教えてあげます!」なんて言ってるけど、私はする気はない。

でもまぁ、作ってくれるなら楽でいいかぁ。

そういえば最後に仕送り止めるだのどうだのと言っていたような?

生活習慣を正すって言ってももうこれで固定されてるからなぁ……

それが目的できりたんがこんな場末に飛ばされたともなると、多少罪悪感を……感じないな。悪いのは祖父。

でもまぁ、少しだけ気にしてやるか……

と屑籠に放って外したゴミをまとめるきりたんを見ながら思っていた。生真面目だなぁ




うーん、指が進まない。
でも一週間と期限を切ったので話が思い付きやすくなるかもしれない。
1000字に届くように話を膨らませるのは私には大変で、商業本書く人や毎日更新するような人には畏敬の念を抱きますね。
ちなみに私はちょろいゆかりさんは好きです


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5

元ネタ様とネタが被ってしまったので急いで仕上げました()
いや、まさか扱うネタが同じになるとは
ネタの提供も随時受け付けています。


さて、一週間。

その間は確実にきりたんの面倒を見なければいけないらしい。

ま、まぁ?私はやさしいやさしいゆかりさんですから?こんな幼女は優しく面倒を見ますけど?

仕送り止められるのが辛いなんてそんな理由はない。ない。

しっかし、面倒を見るって言ったって……こんな奴のところに放り込むとは本当にあのジジィは何を考えてるんだかなぁ……

といっても私は殆ど外に出ないからそれでいいのかな?なーんだ、楽だな。

 

「ゆかりさん、買い物に行きましょう」

 

「あぁ?なんだって?」

 

「ですから、買い物に行きましょう。キッチンを見ましたがこんな状態じゃ健康に悪いです。」

 

「えっ、いや……これで大丈夫だったし。」

 

「ダメです!今は良くてもそのうち酷いことになりますよ。料理はやってあげるので買い物に行きましょう。」

 

いきなりのきりたんの主張。私としては絶対に外に出たくない。出たくないが……「じゃあ勝手に行きます」なんて言われると流石について行かざるを得なかった。仕送りに頼っているという私の立場をよくわかってるなぁ。

いや、多分解ってないけど。

だってきりたん、ぶつぶつとレシピと思わしき文言(私は料理をしないので確信は無いんだけど)呟いている。

正直怖い。一体私をどうするつもりなのか。

 

「ゆかりさん、これとこれ。あとあれも持ってくるのでここに居てください。」

 

どうしてこうなった。

 

「ちゃんと栄養バランスを考えなきゃダメですよ。はい、これも入れてください。あ、戻しちゃダメです。」

 

「インスタントばかりかごに入れないで下さい。料理の大切さを思い知らせてやりますよ。」

 

「……あぁー、でもハンバーガー美味しかっただろ?」

 

「そ、それとこれとは話が別です。」

 

と、動揺を見せるも主張は変えなかった。ちっ。

そうして永い買い物はきりたんが満足したのかようやく終わり、もう暫く見ていない野菜やらが入った袋は持たされることになった。辛いなぁ……

帰宅。連日外出したので私の体は既に悲鳴をあげている。

重い袋を持たされていた腕ももう棒のようだ。

しかしきりたんの方はまだまだ元気だ。これが若さ、か……

いつもなら起きだしてゲームでもやっている時間だけど今はもう寝たい。

きりたんがキッチン周りでてきぱきと動いているのを見ながら、「お休み」と一言だけ伝えて寝落ちた。

 

 

何か良いにおいが鼻腔をくすぐり、目が覚めた。

時計を見る。午後6時。どうやら3時間ほども眠ってしまったらしい。

机の上には久しく使っていない食器類が並んでいる。目を疑う光景だ。

 

「ゆかりさん、お夕飯作ったので食べて下さい。」

 

「えっ、これきりたんが作ったの。ていうか作れたのか。」

 

()()()じゃないですか」

 

「……ソウデスカ。」

 

「ではいただきます。ほらゆかりさんも。」

 

「……いただきます。」

 

というと、目の前にある久しぶりの料理を食べてみる。

……悔しいけど美味しい。そんな顔を見咎められたのか、「美味しいですか?」と少し口をゆがめて聞いてくるきりたんにチョップを食らわすと、そのまま食べ進める。

 

「いや、うん。美味いわ。毎日作ってもらってもいいかもしれない。」

なんてことをこぼしたら、「毎日だなんてそんな……」と私の顔を見て少し冷めたような顔になった。何かしただろうか。

 

「ごちそうさま。」

 

「お粗末さまでした。ふふーん、どうです。料理もいいものでしょう。」

 

それには無言を返し、またスマブラを始めたのはせめてもの抵抗だった。

 




とはいっても展開まで同じとは言っていないんですけどね
今回は流石に特例で、以降は不定期になるはずです


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6

ネタが思い付かないので遅筆になっている(いつもの)
他に書きたいものもあるのでこの作品はネタが思いつき次第になります。ごめんね。


「そういえばゆかりさん。なんで一人暮らしをしているんですか?家事もできないのに。」

 

「辛辣だな?いや、大した理由は無くて、ただこんな生活家でやってたら怒られるからだけど。」

 

「えっ、そんな理由なんですか?もっとこう……なんかないんですか。」

 

「無いなぁ。最初はあったかもしれないけど適当に寝て起きる生活が楽でそれ以外を覚えてないね。」

 

「ええ……」

 

夜、ゲームをやってる最中にきりたんが話しかけてきた。

内容は大分予想外なものだったけど……そうか、きりたん東北家の子だったか。

ずん姉様とやらにはあったことないけど、上の姉は一応知っている。性格はあれだったけど、確かにお嬢様という感じはした。

きりたんも箱入りだったのかねぇ。

……いや、箱入りだったらこんなヤバいところに借金のかたとして出されないよな。

やっぱり祖父と東北家の意図が分からない。

仕送りに関わるからぜひとも知りたいなぁ……。

 

二日目。二日目だというのにもうきりたんはこの状況に慣れてしまったらしい。嘘でしょ。

もともとあったタバコの臭いは買い物の時に買わされたスプレーにより薄くなり、自分でも掃除していたはずの部屋は私の部屋ではないかのようだ。

 

……何より私が「きりたんがいれば楽でいいのでは……?」などと考え始めている。小学生相手にこんなこと考えているのはただの屑。しかし少し馴染んでいるとはいえ、私はこの子の事を殆ど知らないのだ。向こうは何か聞いているらしいんだけど、それは教えてくれない。もう一度祖父に吶喊すべきなのかねえ。

 

「そういやさ、きりたん。」

 

「何ですか?私はそろそろ眠いのですが。」

 

「あのさ、時折言ってるずん姉様って誰?」

 

「ずん姉様はずん姉様ですよ?私の自慢の姉です。」

 

「そうか……や、ね。名前聞いたことないなぁと思って。上のイタコさんは名前を聞いたことあるんだけど。」

 

「ああ、イタコ姉様は顔も出してますからね。ずん姉様は顔をイタコ姉様に任せてずんだ餅を作ってるので多分外の人はあまり知りませんよ。」

 

「ずんだ餅……?」

 

「ええ、ずんだ餅です。絶品です。何なら今度届けてもらいますが。」

 

「いや……それは別にいいんだけどずんだ餅……ええ……」

 

「何か文句でもありますか。」

 

「無いけどさぁ。」

 

余計謎が深まった。ずんだ餅のために付き合いを任せて籠るってなんだ。そんな姉を慕ってるきりたんの方もよくわからん。

 

そんな話をしていると今日の疲れが体に襲いかかってくる。買い物に連れていかれあまつさえ荷物まで持たされたんだ。今日はゲーム殆ど出来なさそうだな……

 

きりたんが早々と寝た二時間後、日課のゲームもそこそこに寝落ちてしまったようだ。




ゆかりvsきりたん。生活習慣の対決はどちらが勝つのか私にもわからない()
ただきりたんはもとの生活には戻れないと思います


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