Fate/Grand Order 東方人理奪還戦線 (シントウ)
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サーヴァントステータス
博麗霊夢英霊化


第一回目の投稿です。
最初は勿論この人。

追記
誤字がありました。
報告してくださりありがとうございます。


真名: 博麗霊夢

 

属性 秩序・中立

 

クラス: ルーラー

 

ステータス

筋力・C

俊敏・B

耐久・B

魔力・A +

幸運・EX

宝具・A +

 

カード

Buster×2 Arts×2 Quick×1

 

スキル

巫女の直感A

スターを大量獲得&Arts威力UP

 

博麗の巫女A

対魔特攻付与(1ターン)&自身の弱体化解除&NP増量

 

空を飛ぶ程度の能力B

自身に回避付与(5ターン・3回)&弱体化無効(3ターン・1回)

 

宝具

夢想封印 Arts

ランクB

対魔・妖宝具

レンジ最大1人

敵単体に強力な対魔特攻攻撃を与える&敵に防御力downを付与&確定スタン付与

 

レアリティ星5

 

プロフィール1

身長 153cm

体重 51kg

とある世界で巫女をしているが異変が起きればそれを解決するために現れるのが彼女。

 

プロフィール2

『博麗の巫女』とは彼女の世界の均衡を守るための調停者のことを指す。彼女はその1人であり、歴代巫女の中で初代と彼女の先代に並ぶ最強の巫女としてその名が知れ渡っている。

 

プロフィール3

才能に恵まれ、大抵のことは教えればすぐにこなしてしまうため努力することを嫌っている。彼女を育てたものによれば『真面目に修行すれば間違いなく歴代最強の巫女になる』というほどだが、当の本人はやる気が全くないためその才能を持て余している。

 

プロフィール4

宝具 夢想封印

宝具ランクB

歴代の博麗の巫女が使い続ける技が宝具に昇華したもの。魔のものや妖怪といった存在に対して絶大な威力を発揮するがそれ以外に対しては威力が下がってしまう欠点もあるが元が強力なために大きな問題はない。

 

夢想天生

宝具ランク???

博麗の巫女の奥義とも言われる技だが人によってその性質は変化し、決まった形は無い。あるものは自身の感情を力に変える技に、あるものは敵の力を奪う技に変化した。彼女の夢想天生はまだ誰もみたことは無い。

 

プロフィール5

スキル

博麗の巫女A

世界の均衡を守るバランサー、その中でも彼女は博麗の巫女の中でも完成形とも言える。このスキルは攻撃に対魔・妖特攻が付与される。

 

空を飛ぶ程度の能力B

彼女が持つ固有の能力。文字通り空を飛ぶことができる能力だが、これはあらゆる事象から『浮く』というのが本質だと言われているらしく、彼女に対してあらゆる力は100%その力を発揮することができないらしい。

 

プロフィール6

彼女は本来は決して呼ばれることは無く、存在自体が怪しい英霊。しかし世界がなくなったことにより彼女が存在する世界と繋がったことにより呼ぶことができるようになった。忘れられた楽園より来た巫女は何を思う。

 

「まぁ、面倒なことはやりたく無いけどある程度は協力するわよ。」

 

召喚セリフ

「私は博麗霊夢。こことは違う世界で巫女をやっていたわ。何で私がこんなところに呼ばれたのかは分からないけど…、とりあえずよろしく。」

 

会話1

「ん?何か用?今からゴロゴロしようと思っていたんだけど。」

 

会話2

「まぁ、あんたにしては頑張ったんじゃない?休むことは重要よ。」

 

会話3

「マスターとかサーヴァントとか全く分かんないけど、私を無理させない程度の命令なら少しは従うわ。」

 

会話4 玉藻の前

「九尾の狐ねぇ…。私が知っているのとは全然性格とか違うし、調子狂うわ〜。でも、家事が得意なところや主に対して献身的なところは変わらないのね。」

 

会話5 酒呑童子

「こっちの鬼は随分大人しいわね。飲兵衛なあいつとは全然違う。まぁ、見た目に反して強いところは一緒か。」

 

会話6 茨木童子

「えぇ〜…、嘘でしょ…、何でこんなチンチクリンな姿してんの?思考も子供っぽいし、あの仙人に会ったらたるんでるって言われて修行させられるわよ、あの鬼。」

 

会話7 マルタ

「何、マルタ?……はっ?修行?ヤダヤダ、やりたくないわよそんなこと。……ちょっと待って、何で私引きずられているの!?ちょっ、離しなさいよ!」

 

会話

「世界を救うんでしょ。なら早くしなさい。面倒くさがりな私が頑張ってんだからね。」

 

絆会話1

「私は本来なら英霊なんかになれるような存在じゃない。とある世界……忘れられた存在が行き着く最後の楽園の巫女、それが私。」

 

絆会話2

「異変が起きれば私はそれを解決するために動く。世界の均衡を守る存在、世界を守るために動く無機質な歯車……、だったんだけどね。」

 

絆会話3

「私には1人、親友がいたの。才能も技術力も一般人レベル、なのに私に追いつくんだぁ、って諦めの悪い奴がね。鬱陶しくていじっぱりで見栄張ってばっかで何かあるたびに私に絡んで来る。でもあいつのおかげで私は『博麗の巫女』ではなく『ただの霊夢』で居られたの。」

 

絆会話4

「私がここにいる理由はもしかしたら、そんな何気ない日常を守るためなのかもしれない。世界が危機に反している今、それを取り戻すために、だからあなたに呼ばれた。世界を救う可能性を持つあなたに…。」

 

絆会話5

「異変解決は私の十八番よ。でもこの世界を救うのはあなた自身の仕事。心配しないで、『楽園の素敵な巫女』と呼ばれた私がしっかりサポートしてあげる。これでもあなたのことはそれなりに認めているんだからね、これからもよろしくね、マスター。」

 

イベント

「お祭りでもやってんのかしら?だったら屋台でも出して一攫千金……、こうしちゃいられないわ!!マスター、さっさと準備しなさい!!」

 

好きなもの

「好きなもの?と〜ぜん、お金に決まってんじゃない。あとはお酒よ。」

 

嫌いなもの

「嫌いなものは修行や努力。汗臭いことはあんまりしたくはないわ。」

 

聖杯への願い

「お金をたくさん出して欲しいけど……、ああいう胡散臭いものには頼みたくはないわね。」

 

誕生日

「誕生日おめでとう。今日は素敵な1日になるように巫女らしく神に祈ろうかしら。」

 

戦闘ボイス

 

戦闘開始

「私に退治されたい奴はどこかしら?」

「面倒くさい…、さっさと終わらせるわよ。」

 

カード選択

「分かったわ」 「それね」 「了解」

宝具カード

「私を本気にさせたわね」

 

スキル

「さっさと終わらせるわよ」

「泣いても許さないわよ」

 

攻撃時

「はぁっ!!」 「どうかしら!」

「よけられないでしょ!」

エクストラアタック

「くらいなさい、封魔針!!」

 

宝具ボイス

「これは博麗の巫女に伝わる秘術。夢想封印!!」

「魔を払い、災いから人を守るのが巫女の務め。喰らいなさい、夢想封印!!」

 

消滅セリフ

「この…私が……負けるなんて…」

「そんな、こんな……奴……に…」

 

勝利セリフ

「まぁ、当然よね。」

「この私に勝てると思った?残念だったわね。」

 

レベルアップ

「もっとよこしなさいよ。ついでにお賽銭もね。」

 

霊器再臨1

「やっと元の姿になったわ。あれは修行時代の服なのよ。こっちが私の本来の姿よ。」

 

霊器再臨2

「ふ〜ん、今回は姿は変わらないのね。」

 

霊器再臨3

「ここまで私を強化するなんてね、てかこの服って前に神事とかで着たのじゃない。」

 

霊器再臨4

「私、本当は努力とかそういうのは嫌いなんだけど……ここまで私を強化してくれたあなたの努力は嫌いじゃないわ。マスター、ありがとう。」

 

姿

1・旧作版の姿

2・いつもの姿

3・紅魔城衣装




好評でしたらまた新しいのを出すのでコメントや評価をよろしくお願いします。


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霧雨魔理沙英霊化

霊夢を出したらやっぱりこの人!
取り敢えず自機組は出していこうと思います。

追記
間違いがありました。教えてくれた方、ありがとうございます。
10/1



真名:霧雨魔理沙

 

属性 中立・中庸

 

クラス:キャスター

 

ステータス

筋力D

俊敏A

耐久C

魔力B

幸運B

宝具A

 

カード

Buster×3 Arts×1 Quick×1

 

スキル

魔術を扱う程度の能力A

Arts・Busterの威力UP(1ターン)

 

亡霊の教えB

味方単体に攻撃力・防御力UP(3ターン) &クリティカル威力UP(3ターン) &クリティカル発生率UP(3ターン)

 

白黒の普通の魔術師A

自身に宝具威力UP(1ターン) &弱体化無効(3ターン)&NP増量

 

宝具

マスタースパーク

宝具ランクA

Buster

敵全体に強力な攻撃を与える。&自身の攻撃力・防御力down

 

レアリティ星4

 

プロフィール1

身長150cm

体重49kg

 

とある世界の魔術師であり、異変解決屋・トラブルメーカーとして知られている。

 

プロフィール2

元々は名家の生まれだったがとあることから魔術を知り、興味を示すが親にバレてしまい勘当されてしまった。その後、『魔法の森』という場所に拠点を置き日々魔術を学んでいたが限界を感じるようになったがある亡霊と出会い、その物を師と仰ぎ、様々な魔術を学ぶ。

 

プロフィール3

彼女の目標はその世界でも最強とも言える親友に追いつくこと、肩を並べられるようになることが彼女が望むことである。そのためには努力を怠らない。目標の人物が『才能のある天才』ならば彼女はまさに『努力の天才』だという物もいる。

 

プロフィール4

宝具

光輝く我が道(マスタースパーク)

宝具ランクA

対人宝具

最大レンジ 1〜5人

 

彼女が持つ魔術礼装『ミニ八卦路』から放たれる魔力砲。自身の魔力をミニ八卦路に流し循環させることで強力な一撃を出すことができる。威力にもよるがその気になれば山一つの形を変えることも可能だが消費する魔力が多く連発は出来ない。

 

今なお輝く我が道(ファイナルスパーク)

宝具ランクA + +

対人宝具

最大レンジ 1〜10人

 

マスタースパークをさらに昇華させた彼女が持つ最強の宝具。全ての魔力を使い敵を吹き飛ばす魔力砲だが彼女が存在するのに必要な魔力をも使うこともあり最悪座に還ってしまう可能性がある。しかしそれだけのデメリットの分威力も高く、文字通り一撃必殺を狙える宝具。

 

プロフィール5

スキル

魔術を扱う程度の能力A

彼女の持つ能力で、名前だけを聞くとあらゆる魔術が使える様に感じるが本質は全く違うものであり、彼女が使える魔術を彼女に最適な形に調整することができる。これにより魔力の消費をある程度抑えることが可能。

 

亡霊の教えB

彼女の師によって叩き込まれた教えのこと。このスキルにより彼女は師に教えられたことをほかのものに伝授することができる。

 

白黒の普通の魔術師A

彼女が彼女である証とも言える概念礼装。自分という存在が今までの努力が多くの人に認められれば認められるほどステータスを底上げすることができる。

 

プロフィール6

彼女はこの世界には存在することは決してない英霊。しかし彼女の人となりを見れば彼女に好感を持つものは少なくないだろう。真面目で努力家で自分に自信を持ち何よりも諦めない心を持つ彼女のことを…

 

召喚セリフ

「普通の魔法つ……じゃなかった、『普通の魔術師』の霧雨魔理沙だぜ!よろしくなマスター!」

 

会話1

「マスター、そろそろ行こうぜ!」

 

会話2

「努力を怠っちゃあダメだぜ。コツコツやることで未来の自分が得をするからな!」

 

会話3

「誰かに仕えるなんてことはしたことないがよっぽど無理な命令とかしなきゃ私はとりあえずは従うぜ。」

 

会話4 ヴラド3世

「あれがあの有名な串刺し公か……もっと残忍なイメージだったけど、意外といい人かも。あいつとやっぱ似てんだな…」

 

会話5 メディア

「あれが裏切りの魔女メディア……、うぉぉ〜本物だぁ……早速なんか教えてもらおっと!」

 

会話6 マーリン

「マーリン!?マジでマジでマジで!?色々知りたいことがあったんだよ。と、とりあえず、サイン貰っとこうかなぁ…」

 

会話7 紫式部

「何だ、紫式部?えっ、本を無断で持っていくな?いいだろぉ〜別に盗んでないし、ただ死ぬまで借りるだけだぜ。なんてな!」

 

絆会話1

「私はお前と同じで元々は魔術とは縁がない家庭で育ったんだ。でもある時魔導書を見つけてな、それが始まりだったんだ。」

 

絆会話2

「おかげで親父に勘当されてよぉ、そこからは1人暮らしだぜ。まぁ、結果的にはお師匠様と会えて結果オーライだったけどな。」

 

絆会話3

「私には絶対に超えなきゃいけない相手がいるんだ。そいつは才能に恵まれていて誰もが認める天才だった。一方私はただの凡才、天と地の差ぐらいあった。」

 

絆会話4

「だから私は努力した。才能が無い私は努力をすることでしかあいつに追いつけない。凡才が天才に勝てないなんて誰も決めて無いからな。」

 

絆会話5

「マスター、私は時々思うんだ。一生かけてもあいつには勝てないかもしれないって、情けないことに心のどこかにそんな私がいる。だけど私はいつかこの手であいつを絶対超えると決めたんだ。だからマスターも何か夢があるなら絶対に諦めるな。諦めなきゃ夢はいつか叶うものだからな。普通同士頑張って行こうぜ!」

 

好きなもの

「キノコだぜ。食っても美味い、研究材料にもなる、最高の存在だぜ。」

 

嫌いなもの

「特にはないな。強いて言うなら、何もやってないのに出来ないって喚く奴は好きになれないな。」

 

聖杯への願い

「キノコ一生分……冗談だよ。私の願いは自分で叶えるものだからな、聖杯にはそう言う願いはしねぇよ。」

 

イベント

「何だ何だ、祭りでもやってんのか?見にいこうぜ、マスター!」

 

誕生日

「おめでとさん、今日まで頑張ってきたから今のお前がいるんだ。さあこれからも頑張っていこうぜ。」

 

戦闘ボイス

 

戦闘開始

「普通の魔術師霧雨魔理沙、いくぜ!」

「マスター、戦闘開始だ。ガンガン行くぜ!」

 

カード選択

「それだな」 「おっしゃあ!」 

「いくぜ!」

 

宝具カード選択

「魔力解放、吹き飛ばしてやるぜっ!!」

 

攻撃時

「喰らいな!」 「ほいっとな!」

「まだまだあるぜ」

エクストラアタック

「こいつをくらえ、ブレイジングスター!!」

 

スキル

「日々の努力の賜物だな」

「こいつはとっておきだぜ」

 

宝具ボイス

「私の全身全霊をくらいやがれ!!いくぜ、マスタースパーク!!」

「全魔力集中、出力80%、この一撃は我が力の結晶なり、貫け!マスタースパーク!!」

 

消滅ボイス

「力…不足……だったか……」

「チックショー、こんなところで…」

 

勝利ボイス

「ふふん、私に勝とうなんて100年早いぜ!」

「どんなもんだい!マスター、なかなかやるだろ、私は?」

 

レベルアップ

「うんうん、この感じ力が漲ってきたぜ。」

 

霊器再臨1

「この姿が一番しっくりくるぜ。」

 

霊器再臨2

「また一つ限界を超えたな。」

 

霊器再臨3

「どうだどうだ、この姿。惚れ惚れしちまうだろう?」

 

霊器再臨4

「この力は私とマスターが努力してきた証だ。ありがとな、私1人じゃここまで来れなかった。さぁ、これからも頑張っていこうぜ!」

 

姿

1・旧作版の姿

2・よくイメージする魔理沙

3・紅魔城衣装

 




作者の魔理沙のイメージは努力家です。殆ど自力であの強さを手に入れた魔理沙は一体どれほど苦労したのか…
リクエストがあればコメントでお願いします。
感想などもお待ちしています!


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森近霖之助 英霊化

霖之助さんのステータスを公開します!



真名:森近霖之助

 

属性 中立・中庸

 

クラス:キャスター

 

ステータス

筋力C +

耐久C

俊敏D

魔力A

幸運D

宝具B

 

カード

Arts×3 Buster×1 Quick×1

 

レアリティ星4

 

スキル

道具の名前と用途が判る程度の能力A

自身に防御力UP &スター獲得

 

陣地作成B

味方のArtsカードの性能UP

 

道具作成(改)A

味方の弱体成功率UP &NP獲得

 

 

宝具

東方香霖堂

宝具ランクB

Arts

味方全体に弱体無効&宝具威力UP

 

プロフィール1

身長181㎝

体重59㎏

忘れられた地、『幻想郷』で香霖堂という古道具屋を営む半人半妖の青年。

 

プロフィール2

百年以上は生きており、以前は人里の道具屋『霧雨店』で修行をしていたが、その後独立し、外から来た品や忘れられた古の品などを取り扱う香霖堂を開くが商才は無く、店に置いてある品の半分は非売品であり、商売人というより趣味人と言われたことがある。反面魔術道具の作成の才能は異常であり、霧雨魔理沙が使用している『ミニ八卦炉』や霊夢の巫女服を始めとする歴代の巫女の道具は全て彼の手で作られたものである。

 

プロフィール3

彼のそばに現れる少女は彼の宝具によって現界しているサーヴァントである。英霊としての格が足りなかった彼女は宝具の元となった場所に縁が深かった為、こうして霖之助の宝具の一部として呼ばれた。『名無しの本読み妖怪』、またの名を『朱鷺子』。

 

プロフィール4

スキル

道具の名前と用途が判る程度の能力A

彼が持つ固有スキルであり、彼を象徴するスキル。見ただけで道具の名前と用途がわかるが使用方法についてはわからない。しかし、この能力はサーヴァントの宝具までも見抜くことが出来る為、聖杯戦争では大変有利に働く能力である。

 

陣地作成B

キャスタークラスが持つクラススキルであり、彼の陣地作成は道具を作る為の工房を作成する。

 

道具作成(改)A

八卦炉を作成し、伝説の金属すら加工することが出来る彼のこのスキルは道具を構造的にでは無く、概念的に合成するという技術を持つ。

 

プロフィール5

宝具

東方香霖堂

宝具ランクB

対人宝具

レンジ1〜10

 

彼の店である香霖堂を呼び出す一種の結界宝具。この宝具は彼の店に存在するあらゆる品々が保管されており、その中から自身を含めた味方に最も相性の良い品を貸し出し、強化する。見た目の割に魔力の消費は少ない為、店自体は脆い。

 

封刀草薙の剣

宝具ランク???

対人・対竜宝具

最大レンジ1〜100

彼の店に存在する品の中で最もランクが高いが霖之助自体が上手く扱えない為、真の力は不明である。

しかし、彼が刀の担い手として僅かにでも認められればその力を解き放つ。

 

プロフィール6

森近霖之助は少なくない謎を持つ。妖怪としての力は何なのか、なぜ神刀を見つけることができたのか、その答えはもしかしたら彼も知らないだろう。だがここに存在する森近霖之助を知るものは彼が何者であれ、気にしないだろう。彼は間違いなく幻想郷に受け入れられた存在なのだから。

 

ボイス

召喚セリフ

「やあ、僕は森近霖之助。戦闘はあまり得意ではないが、サポートは任してくれ」

「こんにちは!朱鷺子です!霖之助共々お世話になります!」

 

会話1

「そろそろ、動いた方がいい。部屋に籠るのは僕にとっては至福の時だが君は前に進まなくては」

「霖之助も動く!サーヴァントでも動かないとなまるよ」

 

会話2

「いらっしゃ……、おっと、ごめんよマスター。本に夢中でつい店にいる時のようになっていたよ」

「マスター、気にしなくて良いよ。こいつはいつもこうだから」

 

会話3

「マスター、少し話が「ちょっと聞いてよマスター!!霖之助ったらあの鬼巫女から逃げる為に私を囮にしたのよ!!ひどくない!?」朱鷺子少し黙ってようか!?」

 

会話4

「マスターとサーヴァントの関係はよく理解しているよ。基本的には君に従うさ」

「私もね!」

 

会話5 紫式部

「かの有名な作家に出会えるなど思っても見なかった。僕も源氏物語のファンでね、色々と話したいものだよ」

「私も私も!サインもらいたい!」

 

会話6 エジソン

「おお、発明王がいるのか?しかし…何故彼は頭部が獅子に…?彼が半妖だったという記録は残ってはいないが…」

「英霊って面白いねぇ〜、あっ、紫の服の人と言い争ってる」

 

会話6 シェイクスピア アンデルセン

「多くの作品を生み出し、世にその名を轟かせた作家たちには感謝の言葉しかないよ。僕の生きる理由の半分は作品を眺めることだからね」

「作品はいいけどさぁ、性格滅茶苦茶悪くない?」

「そこは目を瞑ろう」

 

会話7 レオナルド・ダ・ヴィンチ

「レオナルド氏のことかい?流石は万物の天才、僕の考えつかないことを思いつき形にする。いい友人だとは思っているよ」

「でも道具談義で3時間も話すのはどうかと思うよ〜」

 

絆会話1

「僕は香霖堂という店をやっていてね。外の世界から流れてきたものを拾って商品にしているんだ。偶に掘り出し物も見つかるし、楽しいものだよ」

「私はそこに住み着いた妖怪、でもしょっちゅう、閑古鳥が鳴いてるんだよね〜」

「朱鷺子、一応顧客はいるからその言い方は少し語弊があるよ。否定はしないけど……」

 

絆会話2

「博麗の巫女の道具の多くは僕が作ったんだ。といっても現在の巫女を含めて数代くらいしか担当していないんだけどね。店には見本として初代から今代までの道具は保管してるよ。よかったら見るかい?」

 

絆会話3

「朱鷺子は僕の宝具の効果で付いて来た英霊の格が足りなかった存在だ。僕という存在にくっつくことでやっと現界できるんだ」

「しょうがないじゃない……私は別に有名になるようなことはしてないんだから……」

 

絆会話4

「僕の能力は道具を思うばかりに発現した後天的な能力でね、おかげで道具の名前と用途が分かるようになったよ。まあ………使い方まではわからないんだけど……なんとかなるよ、うん」

「そう言って、全然解決したことないよね」

 

絆会話5

「マスター、道具は大切にすればその道具にあらゆる思いがうつる。君が使う道具たちは君が頑張ってきた今までの思いが強く写っているよ。ただ使っているだけではここまで強くは写らない」

「物には魂が宿りやすいんだよ、大切にしていれば付喪神となって恩返ししに来るんだよ」

「君の道具は正しくその域に至ろうとしている。僕たちはそんな君に敬意を表そう、マスター」

 

好きな物

「本だね。やっぱり静かな場所でゆっくり読むのはまさに至福だね」

「私も本好きだよ!知らないことをいっぱい知れるもん!」

 

嫌いな物

「嫌いというより苦手な物は騒音や人混みだね。どうしても慣れないんだよ」

「紅白巫女と白黒魔女!嫌いじゃないけど苦手!会っていきなり襲って来たんだよ!酷くない!?」

 

イベント

「祭りか何かか?行ってくるといい。僕は人が多いところは苦手なんだ」

「ええ〜!行こうよ、霖之助!」

 

誕生日

「誕生日おめでとう。僕特製のアイテムを君に送ろう。きっと気に入るはずだ」

「私のお気に入りの本も一冊あげるね!」

 

戦闘ボイス

 

戦闘開始

「あんまり、戦闘は得意じゃないんだが……」

「ぐちぐち言わない!来るよ!」

 

「さあて、霖之助!張り切っていくわよ!」

「戦うのは僕なんだが………」

 

スキル

「霖之助、これ使おうよ!」

「わかったわかった……」

 

「これが今は最適だね」

「うんうん、いい感じ!」

 

カード選択

「わかった」 「了解」 「いいのかい?」

「わーい!やるやる!」 「いっくよー!」

 

宝具カード

「ようこそ、僕の小さな世界へ」

「霖之助、やっちゃって!」

 

宝具ボイス

「当店へようこそ。ここは古今東西あらゆる品が揃っています。きっといい物に巡り合えるでしょう。『東方香霖堂』!」

 

「霖之助!お客さんだよ!」

「分かっているよ。君に合う品はここにあるはずだ。よく見て行きなさい。当店はの名は『東方香霖堂』。いい物はあったかい?」

 

消滅ボイス

「やはり、こうなるか………」

 

「ご、ごめんね、霖之助……」

「仕方……ないさ……」

 

レベルアップ

「いい感じだ。体が軽い」

「すごいすごい!パワーアップ!」

 

霊器再臨1

「姿は変えないよ、これしかないからね」

「同じく〜」

 

霊器再臨2

「うん、体の限界を破ったような感じだ」

「体が軽い!いつもより力が入る!」

 

霊器再臨3

「君は随分頑張るね、僕らは戦力としてはあまり役に立てないのに」

「マスターは優しいからね!」

 

霊器再臨4

「ここまで僕らを強化するとは君は本当に物好きなやつだ。でも感謝しよう。ありがとう、マスター」

「私からも、ありがとね、マスター!」

 

 




ボイス考えるのすごい大変だった……


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ルーミア 英霊化

ステータスは少し抑えています。
でも結構頑張って考えました。


真名:ルーミア

 

属性 混沌・悪

 

クラス:アサシン

 

ステータス

筋力D+

耐久D

俊敏C

魔力C

幸運E

宝具B+

 

カード

Buster×1 Arts×2 Quick×2

 

スキル

闇を操る程度の能力B

自身に回避付与(1ターン)&スター獲得

 

常闇の妖怪B

敵1体に確率で恐怖付与(1ターン)

 

空亡(偽)A

自身のArts威力UP(1ターン)&ターゲット集中(1ターン)

 

宝具

夜符「ナイトバード」

宝具ランクB

Arts

敵全体に強力な連続攻撃を与える&HP小回復

 

レアリティ星2

 

プロフィール1

身長130cm

体重30kg

忘れられたものたちが最後に集まる楽園からやって来た人食い妖怪。闇を操り、迷い込んだ人間を獲物とする。

 

プロフィール2

見た目は普通の少女だが、実際は数百年生きる妖怪。しかし性格や思考は見た目と同様に幼いため、自身の能力を主にイタズラなどに使用している。しかし時折、大人っぽい言葉や喋り方をすることがあるらしい?

 

プロフィール3

人食い妖怪と言われているが彼女の食料は人間そのものではなく、人間が持つ『心の闇』である。闇さえ食べれば彼女の腹は満たされるが偶に人間ごと食べてしまうことがあり、それを偶然見られてしまい『人食い妖怪』と言われるようになった。

 

プロフィール4

闇を操る程度の能力B

彼女が持つ固有の能力。自身の周囲に闇を展開させ、その闇で自身の姿を隠したり、敵の視界を奪うことが可能。普段は黒い球体の様な形態で闇を展開している。闇(視覚的、概念的どちらでも)が周囲にあればあるほど強力になる。しかし、欠点として本人の視界も封じてしまう為、周囲のものにぶつかることもある。

 

常闇の妖怪B

彼女の二つ名であり、闇を従えるその力から恐れられており、正体が分からないほど敵のステータスなどを下げる。正体がバレていると大幅にその力が弱まる。

 

空亡(偽)A

現代で百鬼夜行絵巻の最後に描かれている太陽が妖怪だったらという概念から生まれた『空亡』という妖怪の姿が彼女の黒い球体に姿が似ており、その結果『空亡』の概念が後天的に混ざり、その力を一時的に行使することが可能になった。しかし、近年に生まれたとはいえ、その力は強力であり、使用すればタダでは済まない。

 

プロフィール5

宝具

夜符『夜に迷う鳥(ナイトバード)

宝具ランクB

対軍宝具

レンジ1〜100

最大捕捉50

彼女の技が宝具として昇華したもの。鳥の形をした青白い弾幕が左右に円弧状を描きながら敵に発射する。闇の中で展開されると捕捉するのは難しい。

 

夜符『暗闇を彷徨う鳥(ミッドナイトバード)

宝具ランクB+

対人宝具

レンジ1〜50

最大捕捉5人

ナイトバードを応用した宝具。範囲を狭めることで弾幕一つ一つに込められた妖力が多くなり威力が上がった。少数を相手にする場合はこちらが有効。

 

プロフィール6

彼女の頭部に付いている赤いリボンは実は彼女の力を抑えるお札であり、彼女では決して取ることは出来ない。このお札が何故着いているのか、取れてしまった場合どうなるのか、それは誰にも分からない。彼女自身も含めて……

 

 

召喚セリフ

「わはぁ〜、初めましてぇ〜。ルーミアなのだぁ〜!早速で悪いんだけど、お前は食べてもいい人間かぁ〜?」

 

会話1

「ねぇ〜そろそろ行かない?私お腹空いてきたぁ〜!」

 

会話2

「こんな見た目でも君よりは長く生きているんだよぉ〜。だ・か・らぁ〜、余り舐めていると痛い目見るよ。」

 

会話3

「マスターとサーヴァントの関係?全然分かんなぁ〜い。でも君を食べずに守ればいいんでしょ?前者の方は難しいけど、後者はヨユーだよぉ〜。こう見えて、そこそこできるよ、私。」

 

会話4 アルトリア(全員)

「あの王様、どんだけ食べるの?流石の私でも10回もおかわりはしないよぉ〜…あっ、おかわり下さい、大盛りで♪」(8回目)

 

会話5 ランスロット(バーサーカー)

「すごい闇の瘴気が漂ってるねぇ〜、あれは人として生きることを捨てた主君への嘆き?それとも主君を見捨てた者への怒り?はたまた、最後までついて行くことが出来なかった自分への怒り?どちらにせよ、あの闇が自分を苦しめていることにはかわりないけどねぇ〜」

 

会話6 太陽に関わりがあるサーヴァント (例:ガヴェイン・ケツァル・コアトルなど)

「いや、ほんとさ、あいつらを私の近くに来させないで欲しいんだけどぉ〜?いくら闇で光を遮断出来るとはいえ、太陽の化身みたいな奴の近くに行きたくはないの!覚えて置いて!」

 

絆会話1

「私はいつもあっちこっちをテキトーに回っていて、たまぁーに人間を闇に閉じ込めたりして遊んでるんだよねぇ〜。」

 

絆会話2

「こんななりだけど、実は君よりは歳上なんだよぉ〜。えっ?どれくらい歳上だってぇ?もぉ〜、マスタァ〜、女の子に歳を聞くのは余りいいことではないよぉ〜。少なくとも君のお爺さんやお婆さんたちよりは上だよ。」

 

絆会話3

「私は実は人食い妖怪なのだぁ〜!……あんまり驚かないの?……前に聞いた?………そ、そうなのかぁ〜…」

 

絆会話4

「前に人食いって言ったけど、あれはちょっと違くて…性格には人の闇を喰べる妖怪なの私は。ただぁ〜……偶に本体ごとガブリと….…あっ、勿論君にはしないよ!これはほんとだから!」

 

絆会話5

「頭のリボン〜?ああ、実はこれはお札で私の力を抑えているらしいんだよねぇ〜。なんでつけられているのかは私も知らないよぉ〜。自分でも取れないし。でもたとえこのお札が取れたとしても、私は君のサーヴァントでいるよ。君の事を喰べちゃいたいくらい気に入っちゃったからね。これからもよろしく、マスター」

 

好きなもの

「人間の闇かなぁ〜、あとは美味しいご飯」

 

嫌いなもの

「不味いものは全部嫌い。闇でもご飯でも全部!」

 

聖杯について

「なんでも願いが叶うんでしょぉ〜、でも私は今のところ大それた願い事はないしあんまり必要ないかなぁ〜?」

 

イベント

「なんか大きなことが起きているみたい早く行こう、マスター!」

 

誕生日

「おめでとぉ〜!一年を無事に終えられて良かったねぇ〜。

 

戦闘ボイス

「お前らは食べてもいいのかぁ〜?」

 

カード選択

「そうなのかぁ〜」

 

「分かったのだぁ〜」

 

「行くのだぁ〜」

 

宝具カード

「本意を出すのだぁ〜」

 

スキル

「これかぁ〜?」

 

「わはぁ〜」

 

攻撃時

「そぉ〜れっ!」

 

「ど〜ん!!」

 

「行くのだぁ〜!!」

 

Extraアタック

「闇に飲まれなさい」

 

宝具ボイス

 

「暗い暗い闇の中、入れば二度と出られない、光は全て呑み込まれる『夜符「ナイトバート」』!!」

 

消滅セリフ

「残念……なの……だぁ〜」

 

勝利ボイス

「お腹すいたぁ〜マスタ〜ご飯〜」

 

レベルアップ

「なんか、強くなった気がするのだぁ〜」

 

霊器再臨1

「新衣装なのだぁ〜」

 

霊器再臨2

「変わらないのだぁ〜」

 

霊器再臨3

「大分力を取り戻したわ……もしかしたら……あっなんでも無いのだぁ〜」

 

霊器再臨4

「ここまで私を強くするなんて、マスター私が人食い妖怪だって忘れてない?まあいいか、これからもよろしくね♪」




因みに霊器再臨してもルーミアは幼女スタイルです。
カーマさんみたいに成長はしません。
姿はご想像にお任せします………(表現の仕方が難しい…………)


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Fate/GrandOrder 特異点F 炎上汚染都市冬木
博麗霊夢 召喚


A.C 2004 冬木

 

タッ、タッ、タッ、タッ…

 

「はぁ、はぁ、はぁ…」

 

なんで…、なんでこんなことに…

 

始まりは気まぐれで参加したあの献血だった。俺・藤丸立花はそのことがきっかけで夏休みを利用してあるアルバイトに参加した。

 

ところが来てみればいきなりよくわからないシミュレーションをさせられ、その影響で眠気に襲われて廊下に寝てしまい、あの子…マシュに出会った。

 

そのあとは所長の雷が落ちて、退出させられ、部屋に行ったらダメさ全開のドクター・ロマンと駄弁っていたら突然の爆発音。

 

爆発した方に向かうとマシュが瓦礫の下敷きになっていた。アナウンスは意味不明なことをいっていたがこの時の俺には全く耳に入ってこなかった。

 

そのあとはいつのまにか意識を失っていた俺は全く別の場所に来ていた。そして重症だったはずのマシュがドテカイ盾を持って骸骨達と戦っていた。通信が繋がったドクターによるとマシュは『サーヴァント』とという強力な力を持った戦士になったらしく、俺はそのサーヴァントをサポートする『マスター』に選ばれた。あとはマシュと一緒に行動していたのだが……

 

骸骨達が急に現れ、マシュと分断されてしまった。そして今こうして必死に逃げているのだが…

 

「ほらほら、どうしたのですか?さっさと逃げないと殺されますよ?」

 

巨大な鎌を持った女の人に追いかけられていた。

 

 

 

追いかけられてから10分もせずに立花は女性…ランサーに追い詰められていた。ランサーは立花の首を掴み、逃げられないように鎖で体を縛っていた。

 

「ふふふ、手を抜いていたとはいえよく生き延びましたね。しかし、これで終わりです。」

 

ランサーの腕に力が入る。

 

「…る……よ……」

 

「?」

 

「お……る……か……よ…」

 

立花の口から言葉が掠れながらも出てくる。

 

「何も……分からない…まま……で……終わるかよ!」

 

ランサーの目に映ったのは絶望の淵にいようと決して諦めないという闘志がこもった目だった。

 

「そうですか……ですが残念、貴方はここで終わりです。」

 

ランサーは手を離し、両手で自身の武器であるハルパーを掴み立花の首を切断しようと大きく振りかぶった。

 

(絶対に死ねない、こんなところで死ねない、あの子のためにも…俺は…)

 

「こんなところで…死んでたまるかぁぁ!!」

 

 

 

『気合は十分見たいね。たく、見てられないっての。』

 

ゴォゥッ!!

 

突然2人の間に眩い光と風が現れ、思わず立花は目を瞑った。そして次に見たのは…

 

「ガァッ!?」

 

ガッ、ドカッ、ガンッ!!

 

という音と声と共に転がっていくランサー、そして……

 

「間一髪ね。ふぅー、さてと…」

 

赤いリボンと肩まで掛かる黒い髪、赤い巫女服らしき服装をした……

 

「一応形式通りに聞くけど……」

 

貴方が私のマスターなの?

 

とても可憐な少女だった。

 




こんな風に2人は出会ったていうプチ小説です。
続きはあるかは分かりません。


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楽園の素敵な巫女

ゆっくりですがこの小説を始めようと思います。不定期更新になりますが暖かい目で応援してくださると幸いです。


「で?聞いてんだけど……、あんたが私のマスターなのよね?」

 

数秒程、立花は突然現れた彼女に驚き呆けていたが彼女の言葉でハッと我に返った。

 

「え〜と……多分だけど、そうだと思う……」

 

「ハッキリしないわねぇ……、まあいっか。魔力パスは通っているしあんたがマスターってことは本当なんだろうし。」

 

そして彼女はため息をしながらまた前を向いた。

 

「まさかこの土壇場でサーヴァントを召喚するなんて……、思ってもいませんでしたよ。」

 

先ほど彼女によって吹き飛ばされたランサーはなんとか体勢を立て直し再び戦闘態勢に入った。

 

「こっちも同意見よ。まさかこんな切羽詰まった場所に喚ばれるなんて………」

 

愚痴を言いながら彼女もお祓い棒を手右手に左手には数枚のお札、そして横には巨大な陰陽玉が現れた。

 

「さぁーて、始めますか。見た感じ、あんた妖怪とかそういう類のやつでしょ。妖怪退治は巫女の仕事!」

 

そう言いながら彼女はお祓い棒をランサーに向けた。

 

「私のクラスはルーラー、『楽園の素敵な巫女』の実力、特と魅せてあげるわ!!」

 

 

 

 

 

 

 

この時ランサーは突如現れたルーラーのサーヴァントから感じる異様な雰囲気に違和感を感じていた。本来ならば『ルーラー』というクラスは聖杯戦争に異常がきたした時に現れる特殊なサーヴァント。確かにこの冬木の聖杯戦争は現在異常だらけ、ルーラーが召喚されるのはおかしくない。だがそれは聖杯戦争が行われている場合、今この冬木で行われているのは聖杯戦争にあらず。ならば何故?

 

「よそ見してんじゃないわよ!」

 

ルーラーが打ち出した光弾がランサー目掛けて飛んでくる。ランサーは一度思考するのをやめて戦闘に集中することにし、飛んできた光弾をハルペーで切り裂く。ルーラーはランサーの周りを旋回しながら、何度も光弾を出しその光弾が弾幕となりランサーに襲い掛かる。ハルペーで光弾を弾きながらランサーは自身の切り札である魔眼を使う機会を伺った。

 

ランサーの真名は『メドゥーサ』。ギリシャ神話に登場する世界的にも有名な怪物。彼女の魔眼はその伝承通り『見た相手を石にする』と言う能力。これは彼女が相手を見ていさえすれば発動するがルーラーの絶え間なく打ってくる弾幕がその機会を許さない。これでは埒が明かないと思ったのかランサーはルーラーから少し距離を取るために後ろへ跳んだ。

 

ルーラーはそれを見逃さずすぐさまランサーに近づき、お祓い棒をランサーに向けて真上から振りかぶる。

 

ドンッ!!という音がその場に響いた。ランサーはハルペーでとっさにお祓い棒を受け止めたがその一撃はあまりにも重く、通常なら考えられない威力だった。

 

「っ……!?くっ……、ハァァー!!」

 

余りのことに魔眼を使うことを忘れたのかランサーはルーラーをお祓い棒ごと吹き飛ばした。

 

「おっと…?!英霊の出来損ないの癖に中々やるじゃない。」

 

「貴女は一体何者なのですか、ルーラー?先ほどの一撃といい、普通のサーヴァントではありませんね?」

 

「まぁね、本来はこの世界に喚ばれることはないんだけど……、どういう訳かこんなところに喚ばれたのよね。」

 

ランサーの問いにルーラーは何気ない雰囲気で答える。まるでこの出来事が当たり前であるかの様に。

 

「あと、さっきも言ったけどよそ見していると危ないわよ?」

 

どういうことだ、と答えようとした瞬間。

 

ドッッカッァァァァーーンッ!!

 

「ギャァァァァーーーーーッ!!!!??」

 

突如、ランサーの足下から眩い光が現れ、ランサーが大爆発に巻き込まれる。

 

「えっ?えっ!?何が起こったの!?!?」

 

突然の爆発に2人の戦いを少し遠目で見ていた立花は動揺した。

 

「落ち着きなさい、あれは私が戦いの最中に設置しておいた時限式のお札と術式よ。妖怪や魔の存在に対して絶大な威力を発揮する術を組んだとっておきのね。」

 

「ど、どう言うこと?」

 

「さっきも言ったけど、あいつは魔の存在……つまり日本でいう妖怪とかそう言う類のものなのよ。私はそれらを退治する専門家。あいつらの弱点はある程度は知っているの。けどまだ殺してはいないわ、聞きたいことがあるからね。」

 

爆発が収まり煙から満身創痍のランサーが現れた。体のあちこちは火傷で爛れており、長い髪も焦げて一部が短くなっている。辛うじて生きてはいるが霊器はもうボロボロ。保ってあと数分だろう。

 

「さぁーてと、それで?アンタはなんでコイツ(マスター)を襲っていたのかしら?そしてこの惨状……。一体何が起きたっていうの?」

 

消える前にランサーからいくつか情報を拾えれば何か分かるかもしれない。そう思ったルーラーはランサーに質問をした。

 

「ふふふ、私も詳しいことは何も分かりません。しかし、私がこの様になった元凶は知っています。」

 

先程では考えられないほどの穏やかで優しい口調でランサーは語り出した。この街で行われていた聖杯戦争の途中、突如として街が燃え上がり、マスターを含めた多くの人が姿を消した。残ったサーヴァントたちは呆然としていたがセイバーのみが聖杯戦争を再開、あっという間にランサーを含めたアーチャー・ライダー・アサシン・バーサーカーを倒し、この様な姿にしてしまったのだ。

 

「もし何か他に知りたいことがあるならキャスターを探しなさい。彼はまだセイバーに倒されていない唯一正気を保ったサーヴァントですから。」

 

そう言うとランサーの体は少しづつ崩れ始めた。

 

「ランサー!?体が……!?」

 

「座に還るのね。ありがとう、おかげで色々分かったわ。」

 

立花は崩れ始めたランサーの体に驚き困惑したがルーラーは落ち着いた口調でお礼を言った。

 

「それでは、縁があったらまた会いましょう……。ルーラー。」

 

「うん?何よ?」

 

「私を止めてくださり、ありがとうございました…」

 

そしてその言葉を言ってランサーは完全に消滅した。

 

「…………たく、妖怪なんかにお礼言われても嬉しくないわよ。」

 

素っ気ない態度をとるルーラーだったがその表情は少し晴れやかな顔をしていたことを立花は見逃さなかった。

 

立花がルーラーに話かけようとした時。

 

「先輩!!」

 

カルデアに来てから初めて聞いた声がした。後ろを振り向くと。

 

「マシュ!!」

 

自身を『先輩』と呼び、先程逸れてしまった自身のサーヴァント『マシュ・キリエライト』が武器である巨大な盾を抱えながらこちらに走ってきた。

 

「ちょっと!!マシュ、私を置いて行かないで!私をこのセクハラサーヴァントと2人きりにさせないで!」

 

「おいおい、酷いいい様だな魔術師の嬢ちゃん。俺が助けなきゃお前さんたちはライダーとアサシンにやられていたんだぜ。」

 

「それとこれとは話が別です!いきなり女性の体を触ってくるなんて……現代では考えられないことです!」

 

後ろに色々すごいの連れてきて………




色々と悩んでいますが一番悩んでいるのは「どの東方キャラをどこに登場させるか」です。アンケートでも取ろうと思っています。


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忘れられた世界の英霊

結構台詞考えたり登場人物を登場させるの大変です。



「で、ランサーに追われていたけど土壇場のところでルーラーのサーヴァントを召喚して、ランサーを撃破し行動を起こそうとしたところで私たちが現れた………そういうことね?」

 

「はい、そうです。」

 

立花はマシュと離れた後のことをカルデアの所長『オルガマリー・アムニファス』に伝えていた。彼女もカルデアで起きた爆発に巻き込まれ、目を覚ましたらこの街にいた様でありそれまでスケルトンたちに追われていたがマシュと偶然合流し、その場はなんとかなったが今度は英霊のなり損ない…『シャドウ・サーヴァント』二騎、ライダーとアサシンが現れ絶体絶命に陥りそおうになったが………

 

『我が魔術は炎の檻、茨の如き緑の巨人。因果応報、人事の厄を清める社───

灼き尽くす炎の檻(ウィッカー・マン)』!』

 

突如現れた燃え盛る炎の巨人によりライダーとアサシンは倒され消滅した。

 

「すみません、先輩。私が不甲斐ないばかりに……」

 

「別にマシュのせいじゃないよ。あれはしょうがないって。」

 

自分のせいで立花を危険な目に合わせてしまったことで落ち込んでいるマシュをフォローする立花にカルデアの医療スタッフの責任者、ドクター・ロマンこと『ロマニ・アーキマン』が話しかける。

 

『しかしよく無事だったね、藤丸くん。マシュと離れてしまってもスケルトンたちから逃げ切り、最速と言われるランサーとも少しとはいえ逃げていて、土壇場のところでサーヴァントを召喚するなんて……』

 

悪運強すぎやしないか、というロマニのコメントに苦笑いを浮かべるが情報だけ聞けばかなり運がいい。

 

「んで、ボウズ。俺に何か聞きたいことがあるんじゃねぇか?」

 

キャスターが今までの話を切るように立花に話かける。

 

立花はランサーがキャスターに知りたいことを聞けと言っていたことを話した。

 

「ランサーめ……最後の最後に正気に戻ったか……。よしっ、セイバーが他のサーヴァントを倒したあと、俺はひたすら情報を探していた。こうなったのは絶対に他の第三者が介入したからだったと思ったからな。」

 

キャスターの話を要約すると聖杯戦争は既に儀式として破綻した。この特異点を解決するには『大聖杯』とそれを守るセイバーをなんとかするしかないらしい。

 

「セイバーを倒さない限り、恐らくなんの進展もねぇ。」

 

「キャスター、セイバーの真名は分かっているの?貴方を除いた六騎のサーヴァントを倒したのだから、かなり高名な英霊なんでしょう?真名が判明しているのなら、それによっては対策の仕様があるわよ。」

 

ルーラーの問いにキャスターはすぐに答えた。

 

「セイバーの真名はアーサー王。あの有名な騎士王様だ。」

 

『アーサー王……!?しかし、そうか。それならば他のサーヴァントを圧倒したのにも納得がいく。かの騎士王が最優のクラスたるセイバーで召喚されたんだ、敵うサーヴァントはごく僅かだろう。』

 

「そういうこった。つーわけで、あいつに勝つためにもこっちが揃えられる最大の戦力で挑みたいわけだが……俺が満足に戦うには、マスターが必要だ。土地から魔力を吸ってなんとか戦えはするが、そう何時までも持つもんじゃねぇしな。」

 

そう言ってキャスターは立花のことをを見る。

 

「ボウズ、お前さんも何がなんだかわからないだろうがどうする?今日はじめて会ったまだ真名も明かしていない俺を信用するか?マスター適正を持っているのは今ここにいるボウズだけだ……お前さんに戦う覚悟はあるか?」

 

キャスターは立花に覚悟があるのかどうかを問う。立花はついこの間までただの一般人だった。生死をかけた戦いなど本でしか知らない。しばらく目を伏せて考えていたが…

 

「……正直、分かんないけど今ここで俺がやんなきゃ、色んな人が大変なことになるんだろ。……キャスター、俺と契約してくれないか?俺も黙ってこんなところで死にたくは無い。皆んなで無事に帰りたい、だから、お願いします。協力して下さい。」

 

頭を下げてキャスターの反応を待つ。

 

「………、悪りぃ悪りぃ。ちょいと意地悪がすぎた。俺もこの状況を何とかしたいのは同じだ。俺こそ頼むぜ、仮契約だが今から俺はお前のサーヴァントだ。」

 

キャスターは笑顔で立花と契約した。

 

「んじゃ、俺の真名を明かしとくか。我が真名は『クー・フーリン』。今はこんなクラスで召喚されてるが、もしあんたらが召喚するならランサーのクラスで頼むぜ?」

 

『クー・フーリン!?ケルト神話の大英雄じゃないか!?アーサー王にも負けないほどの知名度を誇る君が協力してくれるならこれ程心強いものはないよ!!』

 

通信越しでロマニは大興奮しながら騒いでいる。

 

「それよりも、ルーラー。お前さんは真名を明かさないのか?見た感じお前さんは東洋の英霊みたいだが……どこか妙な感じがする。何もんだ、お前?」

 

その問いに他の者の視線がルーラーに向いた。ルーラーは暫く黙っていたが、ため息をして話しだす。

 

「最初に言っておくけど私はあんた達を裏切る様なことはしない。それは理解しておいて。」

 

オルガマリーは警戒していたが立花とマシュはうなずき、クー・フーリンは特にリアクションはしなかった。

 

「私は本来ならこの世界には呼ばれる事はない英霊(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)なのよ。」

 

クー・フーリンを除く全員がそれぞれ驚きの表情を浮かべていた。

 

「あの………本来なら呼ばれないと言うのはどう言うことでしょう?」

 

マシュがルーラーに質問する。

 

英霊は歴史・伝説・神話、ありとあらゆる人類史に残る記録にその名を残した人物達のことを指す。彼らは自身の死後、世界と契約することで後の世界でサーヴァントとして現界する。例外として『守護者』と呼ばれる抑止力の代弁者がおり、本来なら彼らを普通の魔術師が召喚することは余程のこと(遠坂のうっかりなど)がない限り喚ぶことはできない。ならば彼女は守護者なのか、しかし彼女の言い方はまるでこの世界は自分の世界では無い(・・・・・・・・・・・・・・)と言っている様に思える。マシュはそんな気がした。

 

「言葉通りの意味よ。私は厳密に言うとこの世界出身じゃない。まぁ、大きく括るとそれも間違いなんだけど………」

 

「ハァ!?なら何、貴女は並行世界の英霊だって言うの!?ありえないわ!?世界を超えてくるなんてもうそんなの『魔法』の域よ!!」

 

魔術師の多くは根源に到達するために長い年月をかけて魔術を研究する。その中でも魔法は現代の魔術では実現することが不可能のものを指す。カルデアの『レイシフト』は魔法の領域に片足突っ込んでいるものだがそれでもまだ『魔法に近い魔術』なのだ。並行世界の移動も魔法の一つ『第二魔法』に分類され、それを行使できるのは世界でただ1人なのだ。

 

「その辺の説明めちゃくちゃ複雑なのよねぇ〜。大雑把に言うと大体200年くらい前に妖怪の賢者達と私の祖先たちがこの世界から少しズレた位置にある地域を移したの。幻想種たちが生きる最後の楽園を作るためにね。」

 

この説明に既に魔術師組は開いた口が塞がらず、クー・フーリンは少し驚き、立花完全にハテナマークを浮かべていた。

 

「私の真名は『博麗霊夢』。忘れ去られたもの達が最後に行き着く楽園……『幻想郷』、そしてその幻想郷のバランスを保つ調停者………『博麗の巫女』、それが私よ。」




中々話が進まず申し訳ございません。この後は霊夢の説明回とマシュの宝具、そしてアーチャー・セイバー・オルタ戦があるのに………地道にコツコツ頑張りますのでぜひコメントや評価・お気に入り登録をお願いします。


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幻想の巫女vs堕ちた幻想の剣 前編

長くなったので分けました。
東方のあの2人(霊・魔)とFateのあの2人(凛・士)ってそこそこ似ていますよね?



「『幻想郷』……?」

 

ルーラー__博麗霊夢が語った事はとんでもない突飛な事だった。彼女はこの世界とは違う世界の英霊……つまりは全くのイレギュラーであるというのだ。

 

「そんな……世界の移動もそうだけど『世界そのものを移動させるなんて………」

 

オルガマリーは完全にパニックに陥っていた。現代魔術では到底なし得ないことを200年前とはいえこんな極東の島国に魔法を扱えるほどの技量を持つ存在がいたとは思いもしなかった。

 

「言っとくけど、幻想郷を作るためにに多くの賢者たちが数百年という時間をかけて、多大なる犠牲を出してやっとできたことなんだからそんなに落ち込む必要はないわよ。実際に賢者の1人はもう出来ないしやりたくもないって言っていたし。」

 

見るからに落ち込んでいるオルガマリーをフォローしている霊夢にクー・フーリンは問いかける。

 

「なるほどな、なら何でお前さんはここに喚ばれた?違う世界の英霊が喚ばれることなんて普通はありえねぇぞ。」

 

確かにその通りだ。いくら過去の英雄を召喚することが出来るとは言っても世界を越えて喚ばれるなんて無理がある、魔術が完全にド素人である立香もなんとなくだがあり得ない気がする。

 

「知らないわよ、そんなこと…。こっちが聞きたいくらいなんだから。それにさっきも言ったでしょ、『大きく捉えると』…って、幻想郷は完全に世界とは隔離されていないのよ。」

 

『どういうことだい?完全に隔離されていないっていうのは…』

 

「世界を完全に分けるなんて不可能よ。例えるなら『電話』?ってやつよ。あれって二つに分けることが出来るでしょ?でも結局はけーぶる?で繋がっている、それと同じよ。こっちの世界が本体なら幻想郷は受話器ってやつよ、つまりは一つの世界としては幻想郷はこの世界と同じなのよ。」

 

なるほど、と立香は理解した。世界を電話に例えるならいくら分けられているとはいえ結局は同じ存在だということか。

 

『なるほど、やっと理解したよ。君の世界は僕たちの世界から分かれたけどさっきの例えでいうと一昔前の黒電話でいうところのケーブルでまだ繋がっている。そして立香くん、君はもしかしたらそのケーブルが繋がっている場所、こちらの世界と幻想郷を結ぶ楔に関係する場所を訪れたことがあるんではないか?そうでなければ彼女の様な特殊な存在を喚びだす事はほぼ不可能だ。君は何か彼女に『縁』があるはずだ。』

 

ロマニが言ったことに立香は記憶を辿ったがそのような場所に行ったかどうかもわからない。そもそも何をイメージすれば良いのか分からないから難航していた。

 

(幻想郷に関係する場所?俺が行ったことがあるところでそんな感じのとこあったか?彼女は巫女さんみたいだから多分神社だよな………ん?神社……?)

 

「え〜と、ルーラー?」

 

「霊夢でいいわよ。クラス名で呼ばれるのはあまり慣れてないし。」

 

「うん、分かった。霊夢の名字って『博麗』だったよね?」

 

「そうだけど…それが?」

 

「………!思い出した、俺の住んでいた地域にかなり古い神社があったんだよ、それが確か『博麗神社』だったはずだ。」

 

・・・・・・・・・

 

暫く周りが静寂に支配された。

 

「あの、先輩?その博麗神社というのはなんなのでしょうか?名前を聞く限り霊夢さんにとても関わりがあるように思えますが?」

 

最初に沈黙を破ったのはマシュだった。

 

「いや、もう大分前だし引っ越したからあんまり覚えてないけど…確かその地域でなんか特別なところだった……と思う。」

 

「あぁ〜それよ。幻想郷とこの世界を繋ぎ止めている楔は…」

 

その後の霊夢の説明によると、博麗神社は幻想郷とこの世界に同時に存在するもので正確にはその中間地点に位置するらしい。そのため空間や次元的な意味では博麗神社はどちらの世界にも存在し存在しない場所なのだとか。

 

「ほら、私の事はもういいでしょ。さっさとこの異変を解決しに行くわよ。」

 

霊夢のこの言葉により取り敢えずこの話は一旦終了という事になった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その後、マシュの宝具が使えないということが判明し、その原因はマシュそのもの、心にあるという。よってクー・フーリンによる特別特訓が開始。ルーンで敵を呼び寄せ所長及び立花を襲わせたり、自らが立香を殺すつもりでマシュとの戦闘も行った。その結果、マシュの『守りたい』という心に反応して彼女に宿る英霊の力の一部を出すことに成功。オルガマリーによりこの擬似宝具の名に擬似展開/人理の礎(ロード・カルデアス)と命名した。

 

そして現在は立香とマシュの魔力回復を込めて休憩中である。

 

「やれやれ、なんとかスタート地点には立つことが出来たか」

 

「宝具はサーヴァントを象徴するもの、今日初めてサーヴァントになったにしては中々すごいじゃない。それでもあれはやりすぎじゃない?」

 

霊夢はマシュの方を見ながらクー・フーリンに話しかけた。マシュは立香と話し合いながらその膝にはフォウをのせている。

 

「あの嬢ちゃんのクラスは『シールダー』、守ることに特化したサーヴァントだ。嬢ちゃんが真に『守りたいもの』があるならそれに呼応して英霊の力を引き出せると思ったんだよ。だから坊主を殺す勢いで襲ったてわけだ。」

 

カラカラと笑いながら説明するクー・フーリンに霊夢は呆れながら顔を押さえる。

 

「さて、そろそろ出発するか……セイバーを倒すために必要な魔力はある程度回復しただろうし…」

 

その直後

 

ドッガァァァァァァーーーーーーーーーンッ!!!!!!!!!

 

立香たちがいた場所から大爆発が起きた。

 

____________________________________________

 

 

 

「…………あの一撃で仕留めたと思っていたが、キャスターになっていても野生のカンは鈍っていない様だな……」

 

立香たちがいた地点から数キロ離れた地点でアーチャーは呟いた。彼の目には無傷の状態のカルデア一行とクー・フーリンがいたのだ。

 

(キャスターが張ったルーンの結界、並大抵のサーヴァントでも簡単に突破することは難しいだろう……だからわざわざ『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』で強引に結界を破壊したのだが…………どうやらあの特殊なサーヴァントも結界を張っていた様だな……御丁寧に此方からはバレない様に……)

 

アーチャーはため息を出し、次の行動に出る為移動を開始した。

 

(最優先は未熟なマスターとサーヴァントの2人、あの盾は彼女に相性が良すぎる。早々に退場してもらうぞっ!!)

 

 

_____________________________________________

 

カルデア一行は大爆発のせいで放心状態だったが特に目立った傷は無く、オルガマリーはもう涙目で呟いた。

 

「ゲホッ、ゲホッ……なんなのよ……今の爆発は……」

 

「どうやら、アーチャーの野郎の仕業だ。こうも簡単に結界を破壊するとはな……」

 

「何呑気なこと言ってんの、あれどう見ても宝具並の魔力を感じたんだけど……私の結界まで壊すなんてどんな英霊なの?」

 

爆発によるダメージはゼロだがその爆風の余波によりあたり一面は煙で充満しており視覚による情報は入ってこない。

 

『大変だ、みんなそこにサーヴァントが向かっている!!10秒もしない内に接敵するぞ!!逃げるのは無理だ、迎撃するしか無い!!』

 

ロマニの通信から間も無く煙が晴れ、瓦礫の丘に一つの影が現れた。

 

「よう騎士王の信奉者、相変わらずあの王サマのことを守ってんのか。随分とご苦労なこったぁ」

 

「別に信奉者になった覚えはないが、こちらにも事情がある………ここで仕留めさせてもらうぞ……!」

 

アーチャーが立香に向かって弓を引き、矢を放つ。しかし……

 

「何を勝手に人のマスターを狙っているのかしら?」

 

ガンッ、ギンッという音が鳴り、アーチャーが放った矢がはじき飛ばされた。

 

立香の前に移動した霊夢が結界を張り、放たれた矢を弾いたのだ。

 

「ほぅ………随分と良くできた結界だ、この短時間で組んだにしては質が良い。努力の賜物か天部の才か………恐らくは後者の方か……」

 

「へぇ、何でそう思ったのかしら?」

 

「生前、君の様なあらゆる分野の天才たちをこの目で見てきたものでね……自身の不甲斐なさを感じたよ」

 

そう言うアーチャーの表情はどこか暗いものを感じた。

 

「ふ〜ん……まぁ、いいわ。戦闘開始よ、いくわよマシュ、クー・フーリン」

 

「はい!マシュ・キリエライト行きます!」

 

「よし来た!任せな!」

 

マシュとクー・フーリンが戦闘態勢に入り、アーチャーの方も弓を構える。

 

「みんな、頼んだよ!!」

 

立香も震える腕を押さえ、自身と共に戦ってくれるサーヴァントたちに答えるために覚悟を決めた。




タイトルは堂々とあんな感じですがそれっぽい要素は最後の最後しかないと言う……


話を変えて、前書きに書いたあの二組ってなんか似ていると思うのは私だけですかね?
カラーリングとか才能の話とか……
皆さんはどう思います?よかったらコメントにどうぞ。
その他の応援や評価は作者のモチベーションが上がるのでもしよろしければぜひお願いします。


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幻想の巫女vs堕ちた幻想の剣 後編

お待たせしました。
駄文ですがどうぞ楽しく見ていってください。
アーチャーの台詞考えるの難い………


アーチャーは再び弓を引いて攻撃をしようとするが一瞬で近づいて来た霊夢により妨害される。

 

「ちっ…」

 

「悪いけどそう簡単には撃たせないわよ」

 

霊夢が放った光弾を躱し距離をとろうとするが…

 

「やあああぁぁっ!!」

 

今度はマシュがアーチャーの上空に現れ、その巨大な盾でアーチャーを潰そうとする。それを間一髪で避けるが続いてクー・フーリンの火炎の攻撃が放たれなんとか避けるも手にしていた弓がその攻撃により消滅した。

 

「自慢の弓がなきゃ弓兵の名折れね。さて一気にいくわよ」

 

しかしアーチャーは特に焦るような素振りをせず、悠然とした態度をとる。

 

「やれやれ、随分と浅はかな考えだな……弓兵が弓だけしか扱えないなどと思っているのなら、それはとんだ勘違いだ」

 

アーチャーの手から淡い光が出たと思うと………

 

「弓兵とて剣を取れば槍も振ろう、はたまた……魔術すら扱うやもしれんぞ?」

 

白と黒の双剣を手にし、霊夢との間を一瞬で埋め斬りかかる。

 

「なっ…!?」

 

なんとかお祓い棒に強化し、攻撃を防ぐがもう一刀の剣の攻撃がさらに霊夢を襲う。

 

ザンッ!!という音が鳴り、立香たちは霊夢が斬られたと思い目を見開く。

 

「霊夢さん!」

 

「落ち着け、嬢ちゃん」

 

「しかし……!」

 

「よく見ろ」

 

クー・フーリンが言った通り霊夢を見ると……

 

ドンッ!

 

音と同時にアーチャーが吹き飛ばされた。そして……

 

「いったた、完全に油断していたわ……あと少しでも遅れていたらシャレにならないことになっていたわ……」

 

そこには斬られて右肩あたりに傷を負い出血もしているが問題なさそうに立っていた霊夢がいた。

 

「霊夢!その、大丈夫なの!?」

 

「大丈夫大丈夫、ちょっと肩らへんの感覚が麻痺しているけどなんの問題はないわ」

 

「いや、それ大丈夫じゃないよね?絶対にそこそこヤバイ奴だよね!?」

 

平気そうな顔をしているが今までの戦闘では余裕そうな顔をしながら敵を倒したきた霊夢だったが、今は肩で息をしており額からは汗を垂らしている。

 

「あんた……本当に弓兵?その剣、魔術で作ったものでしょ……受け身の取り方もさっきの斬撃もアーチャーのサーヴァントにしては変じゃない?」

 

「何、先程も言っただろう。弓兵だからと言って弓だけが武器とは限らない。こちらとしては君のその回避行動に驚いたよ。まさかあの一瞬で斬撃と同じ方向に体を捻り、ダメージを軽減するとはな……」

 

ため息をつきながらアーチャーは皮肉が混じった台詞を吐く。

 

「しかし、こちらも一撃もらってしまったが、ダメージはそちらの方が大きい。盾のデミ・サーヴァントは未熟、キャスターは宝具でなければ私を倒す決定打が無い。そして私に時間をかけ過ぎると君達は不利になっていく。さあどうする?カルデアのもの達よ」

 

アーチャーの言う通りこのままでは例えアーチャーを倒せたとしても幾らか回復したとはいえ消耗したまま次のセイバー戦をするとなると自分たちが不利になっていくだけ。アーチャーを早急に倒すには何か大きな決定打が必要になる。立香はなんとかしようと頭を捻らせる。

 

(考えろ……考えろ……あいつを倒す方法が何かあるはずだ……!マシュは防御系だからアイツを倒す手段は無いし、クー・フーリンの宝具は当然アーチャーも警戒しているから多分防がれる可能性が高い。じゃあどうすれば………)

 

こうして考えている間もマシュ達はアーチャーと戦っている。何か良い手はないかと考える。

 

(霊夢は戦えてはいるけど長くはもたないだろうし………ん?待てよ……)

 

「……所長!!」

 

「ひゃぁっ!?な、何よ、急に!?」

 

「俺は補欠で一般人だけど魔術が使えるからこうしてカルデアに来れたんですよね?」

 

立香の急な質問に驚くオルガマリーだがその質問に答える。

 

「え、えぇ……サーヴァントと契約するにはマスター適正と魔術回路が必要最低限のものよ。マシュと契約しているならもう魔術回路は開いているだろうし、貴方が着ているそのカルデアの魔術礼装は例え一般人だとしてもサーヴァントのサポートと自衛のための簡易魔術『応急手当』、『瞬間強化』、『緊急回避』が使えるようになっているわ」

 

「どうやって使うんですか!?」

 

「ちょっ、急に詰め寄らないで!!カルデアの礼装に備えられている3つを使用するには3つの内のどれか1つを強くイメージしなさい。そしてそれをかける対象を思い浮かべて発動するの。判りづらいなら対象に掌を向けるなどの体勢をとればいいわ」

 

オルガマリーに言われた通り立香は自身の中でイメージする。そして手をその対象に向け、今この状況で最も必要なことは……

 

「『応急手当』、霊夢!!」

 

霊夢の復帰だ。

 

「っ!?これって……!?回復魔術?」

 

「っち!!」

 

霊夢の傷が癒えたことを知ったアーチャーは手に持つ双剣を霊夢に向けて投擲する。

 

「マシュ、『瞬間強化』!!霊夢を守ってくれ!!」

 

「はい、マシュ・キリエライト、了解しました!!」

 

『瞬間強化』により一時的にステータスが強化されたマシュは一瞬で霊夢の前に立ち、その巨大な盾で投擲された双剣を叩きつける。

 

「霊夢、宝具を出すことはできる!?」

 

立香の問いに霊夢は彼が自分に何をさせたいのか理解した。

 

「任せなさい、博麗の巫女の力……見せてあげるわ!!」

 

お祓い棒を正面に掲げ詠唱を始める。

 

「神羅万象、あらゆるものたちが夢見る世界。神秘が行き着く最後の楽園。我は世界の秩序を正すものなり、我が秘術は世界の安寧を望む願いの結晶なり……」

 

アーチャーは詠唱を始めた霊夢を止めるために霊夢に近づきながら投影した双剣を幾つも投擲する。

 

「おっと、俺のことを忘れてもらっちゃあ困るぜ!」

 

クー・フーリンがアーチャーの投擲した双剣を火炎で焼き尽くし、焼き漏らしたぶんはマシュが盾で弾く。

 

「博麗の力により我が敵を打ち倒せ!霊符『夢想封印』!!」

 

七色に輝く光の弾幕がアーチャーを襲う。

 

「くっ……」

 

再び双剣を投影し光弾を弾いていくが数が多く、少しずつアーチャーにダメージが溜まっていく。

 

「これで、最後よ!!」

 

その声と共に直径1m程の光弾をアーチャーに向けて打ち出す。双剣を正面に構え防御の体勢をとるが僅かに拮抗したもののアーチャーは吹き飛ばされた。

 

「………完敗だな、これは……」

 

アーチャーはそう言い残し消滅した。




やっと、ここまでこれた……とりあえず特異点Fは必ず終わらせます。
けどどのタイミングで他の東方キャラ登場させよう……
一応幾らか決まっていますがアンケートをとります。
ここで選ばれなくてもこのキャラたちは必ずどこかで出しますのでご安心を……


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反転した騎士王

滅茶苦茶難産でした。
駄文かもしれませんがどうか楽しんでいってください。

アンケートに答えてくれた方々ありがとうございます。
このアンケートは一先ず10月中はやっているのでまだまだ投票して下さい。


「あいたたた……あ〜油断した〜」

 

「ほら、動かない!カルデアの礼装の回復はあくまでその場凌ぎなんだから、じっとしていなさい!」

 

現在カルデア一行はアーチャーとの戦闘を終え、作戦会議を兼ねた休憩をしていた。いくら時間がないとはいえ、あの状態でセイバーと戦うのは無謀過ぎるためだ。

 

『こちらでモニタリングしたが、霊夢君。君はこの後の戦闘は前みたいに前線に立つのは少し危険だ。いくら君が強いからと言って万全ではない状態の君をセイバーの、彼の騎士王の前に出すのは不安すぎる。』

 

通信でロマニは霊夢にそう伝える。現在の霊夢はアーチャーの攻撃で決して小さくはないダメージを受けた。オルガマリーいよる回復で少しは回復したが先程に比べ少し気迫などがないように見える。

 

「その優男の言う通りだ巫女の嬢ちゃん。お前さんは次のセイバー戦では盾の嬢ちゃんのサポートに徹してくれ、なぁに前線は任せておけ」

 

「………なんかさっきのアーチャーもそうだけどあんたもだいぶおかしいわよ……近接戦闘をするキャスターなんて普通ありえないでしょ……」

 

アーチャーは弓を使わず剣を使う、キャスターは工房に籠もらずバリバリ前線で戦う。自分が持っている聖杯戦争の情報と違いすぎて頭を抱える。

 

____まあ、Fateのアーチャーは弓使うことの方が珍しいし、近接戦闘可能なキャスターも何体もいるし、こちらからしたら別に気にすることはない。

 

「確かに色々とおかしいけど今はなんだっていいわ……それよりキャスター、アーサー王相手にどのように立ち回るの?今までのサーヴァントはあくまで英霊の残りカスのような存在。ハッキリ言って通常のサーヴァントよりも弱い存在でしょ?でもアーサー王は違う。あれは今までとは違う本物のサーヴァント……一瞬でも隙を見せたらこちらが負けるわ。」

 

『その通りだ。キャスターの話が本当なら騎士王は彼を除く6騎のサーヴァントを一瞬で倒した。三騎士のアーチャーとランサーは勿論、理性を犠牲にステータスを強化するバーサーカーにも勝ったのだから。』

 

オルガマリーとロマニの話を聞き、立香はふと疑問に思ったことがある。

 

「あれ?バーサーカーって今まで遭遇したことあったけ………?」

 

「『・・・・・・・・・・・」』

 

大人2人の空気が、凍った。

 

「所長?ドクター?一体どうしt『ああああぁぁぁぁ!?そうだ、バーサーカーのことをすっかり忘れてたぁぁ!!!い、今すぐ、周辺の魔力を探知するから少し待ってて!!』

 

「バ、バーサーカー……聖杯戦争で最も注意しなくちゃいけないクラスをなんで放置していたのかしら………た、確かに今までスケルトンやらシャドウ・サーヴァントやらに襲われていて気が動転していたけど冷静に考えたらブツブツブツブツブツ…………

 

パニックに陥った大人2人を見て立香とマシュは呆気を取られ、フォウは呆れた鳴き声を出した。

 

「これ、どうしたら良いのかな……マシュ?」

 

「さ、さぁ、私も現状が少し分からないので、返答に困っています……」

 

「フォウ…」

 

因みに霊夢は特に反応せずに無視、クー・フーリンは声を出さないように口を手で押さえて笑っていた。

 

____________________________________________

 

「いやぁ、悪りぃ悪りぃ。お前さんたちの反応が面白くてなぁ」

 

暫くして、なんとか落ち着いた大人組にクー・フーリンが説明をした。どうやらバーサーカーはここから少し離れた城に居座っているらしく、全くそこから動かないようだ。近づかなければ襲ってくる事もなく、ほっといても問題ないらしい。

 

「それを早く言いなさい!!慌てて損したじゃない……」

 

『こちらも観測してみたけど確かに君たちから離れた地点に魔力反応を感知した。おそらくそれがバーサーカーなのだろう。キャスターの言う通りここは無視して大丈夫だと思う』

 

2人が落ち着きを取り戻したのを確認し、セイバー撃破のための作戦会議が始まる。

 

『まず、敵の確認からだ。敵の名は《アーサー・ペンドラゴン》。世界中の誰もが知っている騎士王だ』

 

アーサー・ペンドラゴン

イギリスに伝わる伝説、『アーサー王伝説』に登場する王。選定の剣を抜き、多くの悪と戦い、そして勝利してきた世界で最も有名な騎士。

 

「敵がアーサー王だとするなら、その宝具は勿論『エクスカリバー』。その破壊力は想像もつかないわ」

 

「そしてクー・フーリン以外のサーヴァントを倒すその実力、油断したら一瞬で勝負が決まるわ」

 

「ああ、そこでだ。俺は盾の嬢ちゃんが奴を倒す鍵なんじゃねぇかと思うんだ」

 

クー・フーリンの言葉で視線はマシュの方に向く。

 

「私……ですか……?」

 

「アーチャーがなんでお前さんたちを狙ったか分かるか?」

 

マシュと立香は首を振る。

 

「それはお前さんたちが厄介だと感じたからさ。あの戦いはルーラーが奴の攻撃を引きつけていたが、あいつ、隙あらばマスターと嬢ちゃんのことを狙おうとしていたんだぜ」

 

クー・フーリンの言葉通りならセイバーを守っていたアーチャーが積極的に前に出て自分たちを排除しようとしていたのならセイバーにとってマシュはかなり厄介な相手なのだろう。

 

「だから、嬢ちゃんにはセイバーの前に出てもらうことになる。かなり危険だがな」

 

セイバーの目に出る。今回が初の実戦で宝具も完全に出すことができない、さらに相手は世界的に有名な最強の騎士王。マシュにとってはかなり酷なことだ。

 

『いくらなんでも危険すぎる!!僕は反対だ!!いくらセイバーに有効だからと言ってまだ未熟のマシュをセイバーの正面に出すなんて、そんなの自殺行為だ!!』

 

「私はいいと思うわ。現状これしかないのならこの作戦が一番よ。勿論、マシュを全力でサポートするわ」

 

ロマニは反対、霊夢は賛成。残るはオルガマリーと立香、そして張本人のマシュのみ。

 

「……………確かに、危険すぎるわ。いくらこちらの数が多いと言っても相手は5騎のサーヴァントを倒した者、しかもこちらのサーヴァントは3騎中2騎は不完全な状態、普通に考えたら負けるのはこちら。………でも、こちらも後に引けない、私はこの作戦に賛成するわ!」

 

『えぇぇぇぇ!!?大丈夫なんですか、所長!?チキンなのにそんな決断しちゃって!?』

 

「ロマニ、帰ったら2ヶ月減俸」

 

そんなぁ〜、という情けない声を聞き苦笑いをした立香だが、直ぐに表情を戻しマシュに顔を向ける。

 

「マシュはどうしたい?」

 

マシュに優しく話しかけた。

 

「………私は、その……」

 

マシュはかなり悩んでいた。自分が敵の切り札になるとは思えず、もし自分が失敗したら立香含め他の仲間たちが殺されてしまう。そう考えると恐怖を感じ動けなくなってしまう。マシュは立香からの問いに答えられず手は震え、顔が俯いてしまう。しかし、そんなマシュの手を立香は優しく包んだ。

 

「先輩……?」

 

「不安だよね。分かるよその気持ち、でも大丈夫だよ。マシュならきっとやれる。さっきだってアーチャーの攻撃を防げたし、クー・フーリンの宝具だって止めることができたんだよ。それにマシュは1人じゃない。俺は勿論、所長やクー・フーリン、霊夢にフォウくん、あと通信越しだけどドクターもいる。1人じゃない、みんなでやるんだ。だから抱え込まなくてもいいんだよ」

 

マシュが周りを見ると他の者たちは微笑みながら頷き、フォウもマシュの肩に乗り小さく鳴いた。ロマニは少し複雑そうだったが最終的には同じく頷く。マシュは瞳を閉じて深呼吸をし、瞳を開く。

 

「はい、マシュ・キリエライト。精一杯やらせていただきます!!」

 

____________________________________________

 

「ここがセイバーのいる洞窟だ」

 

一同は移動し、柳洞寺の裏にある洞窟にたどり着く。

 

「セイバーの奴はこの奥にいる。気を引き締めろよ」

 

クー・フーリンの言葉に一同は頷き、洞窟の中を進んでいく。

 

洞窟を潜り、辿り着いた大きく開けた空間。そこには知識のない一般人の視点でさえ異常なほどの存在感を感じる何かが存在していた。

 

 ―――大聖杯。冬木において運行されていた聖杯戦争の心臓部。

 

「これが大聖杯……超抜級の魔術炉心じゃない……なんで極東の島国にこんなものが……」

 

『資料によると、制作はアインツベルンという錬金術の大家だそうです。

 魔術協会に属さない、人造人間ホムンクルスだけで構成された一族のようですが……』

 

「お喋りはそこまでにしときな。奴さんに気づかれたぜ」

 

オルガマリーとロマニの会話をキャスターが打ち切る。

 

前を見ると、そこには1人の少女(・・)が立っていた。

 

病的なまでに白い肌。それを覆う漆黒の鎧。そして手にする黒く染まった聖剣。

 

「……なんて魔力放出……!あれが、本当にあのアーサー王なのですか……?」

 

『間違いない。何か変質しているようだけど彼女はブリテンの王、聖剣の担い手アーサーだ。伝説とは性別が違うけど何か事情があってキャメロットでは男装をしていたんだろう。男子でなければ王座にはつけない、みたいなそういうあれこれさ。この手の事は大抵が宮廷魔術師であるマーリンの入れ知恵だろう。本当に趣味が悪い』

 

普段穏やかなロマニにしては珍しく吐き捨てるように語るが彼女が発する魔力によりそれに気にするものは居なかった。

 

「え……? あ、ホントです。女性、なんですね。男性だと決めつけて見ていました」

 

盾を構えながらそこに驚いている彼女にキャスターが声をかける。そんなどうでもいいことに驚いている場合ではない、と。

 

「見た目は華奢だが甘く見るなよ。アレは筋肉じゃなく魔力放出でカッ飛ぶ化け物だからな。一撃一撃がバカみてぇに重い。気を抜けば宝具さえ使わせないままバラバラにされるぞ」

 

「確かに、この桁外れの魔力放出……私が戦ってきた今までの奴らの中でも上位に入るわ……気を抜いたらこっちが飲まれそうになる…」

 

現在の最高戦力である二人の言葉を聞いた誰もが体を強張らせて身構える。

 

戦闘態勢を整えているこちらを見て、セイバーは小さく笑みを浮かべた。

 

「――――ほう。面白いサーヴァントがいるな」

 

「なぬ!? テメエ、喋れたのか!? 今までだんまり決め込んでたのは何だったんだよ!」

 

「ああ。何を語っても見られている。故に案山子に徹していた。だが―――その私が思わず口を開く珍客だ。その宝具を引っ提げて我が前に立たれたからには、この剣をもって試すしかあるまい」

 

魔力が炸裂し、彼女の体から黒い霧が立ち昇る。それらは全て純粋な魔力というエネルギーに他ならない。

 

「っ――――!」

 

「構えよ、名も知れぬ娘。その守りが真実か、この剣で確かめてやろう」

 

黒に反転した騎士たちの王が今、カルデアの者たちを叩き潰すために動き出す。




セリフを見直したりアレンジしたりしてかなり時間がかかりました。
今回も見てくださりありがとうございました。
もしここがよかった。ここを直した方がいいと思ったら是非、コメントや評価などしていってください。
作者は単純なのでこういうのでモチベーションがかなり上がります。


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約束された勝利の剣

遅くなって申し訳ありません。
戦闘シーンもお粗末なものかもしれませんが楽しんでいってください。


セイバーの魔力が爆発したロケットの推進力のようにマシュたちに突撃してきた。咄嗟に盾を構え防御をとるマシュだがその威力に耐えきれず吹き飛ばされてしまった。

 

「がっ………!!」

 

「マシュ!?」

 

吹き飛ばされたマシュを見て声をあげる立香。セイバーはマシュに追撃しようと再びマシュの元に突撃しようとするが……

 

「俺たちのことを忘れて貰っちゃあ困るぜ、セイバー!!」

 

「食らいなさいっ!!」

 

セイバーに向かってルーンの火炎弾とお札による射出攻撃を放つクー・フーリンと霊夢。しかしセイバーは防御の姿勢をとることなく、二人の攻撃はセイバーに到達する前に消失した。

 

「今の……もしかして対魔力!?」

 

「違うわ、あれはただ魔力放出で攻撃を掻き消したのよ」

 

『はあぁ!?そんなことありえるのかい!?それはつまり、ただの魔力の壁で君たちの魔術攻撃を無理やり封じ込めたと言うことだろう!?』

 

「ええそうよ、私もこんな簡単に防がれるなんて思っても見なかったわよ!」

 

やけくそ気味に答える霊夢は再びお札を取り出し詠唱を始める。

 

「人に仇なす異形のものよ、その力、我が力を持って封じ込める」

 

そして再びお札をセイバーに向けて投擲する。セイバーは先程のように動かず、魔力放出で掻き消そうとする。

 

「魔を封じろ、『封魔針』!」

 

しかし放たれた札はまるで針のような形になりセイバーの魔力の壁を突き抜け、彼女にダメージを与える。

 

「っ!?これは………」

 

「ふふん、驚いたでしょ……この『封魔針』は魔力などの力を一時的に封じるのよ」

 

『封魔針』

 

それは博麗霊夢が使う技の一つ。その名の通り『魔を封じる針』。普段はお札の形をしているが霊夢が魔力を込めることで針の形になり、それを敵に投げつけることで攻撃する。その利用方法は今回のように魔力の塊を消す、簡易的な結界の破壊などに多く使用される。

 

もしもセイバーがただの魔力の壁ではなく結界などを張っていれば少し結果も変わっていたかもしれない。

 

「ルーラー!貴女は万全の状態じゃないのだからあまり前に出ない!一撃でもまともに喰らえば行動不能もありえるのだから!」

 

アーチャー戦で負傷した霊夢をあまり前に出したくないオルガマリーは霊夢に向かって叫ぶ。確かに霊夢は表面上平気そうな顔をして戦っているが実際は『封魔針』を出すのも通常より多くの魔力を消費するほど弱っていた。特にアーチャー戦で宝具を出したことで霊夢には宝具を出すほどの魔力は残されていなかったのだ。

 

セイバーはそんな弱った霊夢を見逃すことはなく、霊夢に向かって突っ込んできた。霊夢は咄嗟に自身に強めの結界を張り、向かってきたセイバーの剣を防ぐ。

 

「貴様からは何か不思議なものを感じる。先程の札といい、この結界といい……主流は恐らく東洋の魔術である陰陽道だが、あらゆる流派のものを取り込み既存のものとは全く違うものを生み出している……さすがは『忘れられたものたちの楽園』の守護者」

 

「……あら、遠い異国の王様にまで知られているなんて光栄ね。(ああああああっ!何この力!?萃香といい勝負じゃない!?結界貼らなかったら今頃真っ二つよ、私!てか、肩痛すぎてお粗末な結界になっちゃったじゃない!!そもそも召喚された初日から二回も真っ二つになりかけるなんてどんだけついていないのよぉぉ!!!!)」

 

余裕そうに答える霊夢だが内心かなり焦っていた。

 

結界を押しつぶそうと力を入れるセイバーに対し霊夢は結界が破られないように魔力を注ぎ、その状態を保つ。しかし霊夢の結界に少しづつ罅が入り初め霊夢は焦り出す。

 

「ルーラー!!真横に跳びやがれぇ!!」

 

しかしそこでクー・フーリンの大声が洞窟に響き渡り、それに気を取られたセイバーの隙を付き霊夢はセイバーを蹴り飛ばし、命令通りに横へ跳んだ。蹴り飛ばされたセイバーは体勢を少し崩したがすぐに持ち直した。

 

「とっておきをくれてやる 。焼き尽くせ木々の巨人。

 

『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)! !」

 

しかし、そこに燃え盛る木で作られた巨大な巨人がセイバーの前に立ちはだかる。

 

これこそキャスターのクー・フーリンが持つ宝具、『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)

本来はケルト神話に伝わるドルイドたちが儀式のために使われていた道具であり、ルーンの奥義ではなく、クー・フーリン自身も生前に使った事が無い。これはクー・フーリンがケルトのキャスターとしてドルイドの側面を獲得したため、ドルイドの象徴である『灼き尽くす炎の檻』が宝具に昇華したのだ。

 

「食いやがれっ、セイバァァー!!」

 

クー・フーリンの怒号とともに燃え盛る巨人はその巨大な腕を振り下ろす。

 

咄嗟のことに反応が少し遅れたセイバーであったが防御の構えをとり自身に振り下ろされる巨腕を受け止めた。

 

「宝具による一撃を受け止めた!?何よあれ!?規格外すぎるわよ!?」

 

彼女が宝具を受け止めそれに耐えたことを見たオルガマリーは驚愕するが立香はそれを見てここに来る少し前のことを思い浮かべていた。

 

 

_______________________________________

 

 

「作戦はこうだ。まずは俺とルーラーがセイバーの気を引き続ける」

 

数時間目に行われた作戦会議でクー・フーリンは立香たちに石を使って作戦概要を伝えていた。

 

黒い石をセイバーと見立て青っぽい色合いの石を自分、灰色の石を霊夢に見立ててその二つの石を黒い石の近くに置く。

 

「互いにあいつを攻撃し、どちらかが危なくなったらフォローに入る。んで、奴の隙を見計って俺が『宝具』を放つ」

 

『ランサーの君なら間違いなく『あの魔槍』なだろうけど、キャスターとして現界した君の『宝具』とはいったい?』

 

「まぁ、そこそこ使い勝手が良いやつだ。問題ないぜ」

 

不安そうなロマニにクー・フーリンは口角を上げる。

 

「で、あんたの宝具はセイバーを倒すことはできるの?」

 

「無理だな」

 

「即答!?ちょっと、どういうことよ!?セイバーを倒す為にこうやって作戦立てているのよ!それなのに倒せないってどういうことよ!?」

 

クー・フーリンの一言に騒ぐオルガマリーを宥めながら立香は話を聞く。

 

「騒ぐな騒ぐな、正確にはダメージを負わせれるが倒すまでは行かないってことだ」

 

『なら、どうするんだ?君の宝具もトドメをさせない、霊夢くんはそもそも全力を出せない。君はいったいどうやってセイバーを倒すんだ?』

 

ロマニの問いにクー・フーリンは直ぐに答えた。

 

「あいつに『宝具』を使わせるんだよ」

 

 

_____________________________

 

 

「舐めるなよ、アイルランドの光の神子!」

 

セイバーの黒い聖剣が魔力を纏い『灼き尽くす炎の檻』(ウィッカー・マン)の腕を切り裂く。腕を無くしたことでバランスを崩し前屈みになりながら倒れそうになるがセイバーの黒い魔力を纏った斬撃によりバラバラにされてしまった。

 

「そろそろ終わりにしよう。貴様らの命運はここで潰える」

 

黒き聖剣に魔力を込め出したセイバーを見て立香は自身のサーヴァントを呼び出す。

 

「マシュ、来るぞっ!!」

 

「はい!!マシュ・キリエライト、これより擬似宝具を展開します!!」

 

『「あいつが宝具を撃ってきたら、そこから先は嬢ちゃんの番だ。あいつ自身の攻撃があいつ自身を滅ぼす一撃になる」』

 

「『卑王鉄槌』、極光は反転する。光を呑め………! 『約束された勝利の剣』(エクスカリバー・モルガン) !!!』

 

漆黒に染まった聖剣から放たれた極光が立香たちに向かってきた。

 

「宝具、展開します!『疑似展開/人理の礎』(ロード・カルデアス)!!」

 

マシュの盾から放たれた光が模様を描き、巨大な結界が姿を現し、『約束された勝利の剣』の極光と衝突した。

 

「クッ………うぅ……」

 

最初の衝突による衝撃でわずかに後退したものマシュは何とかその場に踏み止まった。しかし……

 

「うぅぅ………!!」

 

再びマシュの体は徐々に後退し始めた。いくらマシュの宝具がセイバーに相性がいいとはいえ、不完全な宝具ではサーヴァントとして最優であり、彼の有名な騎士王___アーサー王の宝具をマシュ一人で受け止められるはずがない。

 

しかし……

 

「マシュ!!」

 

「フォウ、フォーウ!!」

 

彼女は一人(・・・・・)ではない。

 

「!?せ、先輩っ、フォウさん……!?危険です、離れてください!!」

 

「後輩の君に任せてばかりじゃ、先輩としてカッコがつかないよっ!!」

 

彼女の盾を支える手をとったのは彼女のマスター___藤丸立香、そして不思議生物のフォウだった。立香はマシュと共に盾を支える。そこにさらに盾を支える手が現れる。

 

「しょ、所長!?」

 

「オルガマリー所長……何故、あなたまで……」

 

「貴方たちが無茶するからよっ!!いいから集中しなさい!!これを防げなければここで全員死ぬのよっ!!それと藤丸っ!!」

 

「えっ、は、はい!!」

 

「『令呪』を使いなさいっ!!」

 

オルガマリーの言葉の意味が分からず混乱する立香。

 

「ああ、もう!!貴方の手の甲にある赤い模様の様なものよ!!それは自身のサーヴァントに三回までの命令を出せる絶対命令権よっ!!令呪はサーヴァントのステータスを一時的に底上げすることができるのよ、それを使ってマシュを強化しなさい!!」

 

周りの轟音にも負けないほどの声でオルガマリーは説明する。立香は自身の右手に出来た翼を広げた様な模様の令呪を見る。使い方は分からない、だがするべきことは分かる。

 

「『令呪』よっ!!」

 

右手を握り拳にして力を入れる。自身の中で何かがカチリという音がした様な気がした。カルデア礼装の魔術を使用する時とは違う。全身の力が令呪に注がれる様な感覚になる。

 

しかし、セイバーにも令呪を使用する為の魔力を感知しさらに聖剣に魔力を込める。漆黒の極光はさらに威力を上げ、マシュたちに襲いかかる。

 

「クー・フーリン、準備はいい!?」

 

「おうよっ!!いつでもいけるぜっ!!」

 

マシュの宝具の前に小さい無数の結界が姿を現し、マシュの宝具を補助するかの様に宝具の周りに配置された。

 

「何……これ……」

 

これらの結界が展開されてから盾にかかる重圧が軽くなった。

 

「これは私たちが貼った魔力封じの結界よ。正面からの魔力を吸収して胡散させるのよ」

 

「だが長くはもたねぇ。俺たちの魔力もこいつを貼ったことで底を尽こうとしている。急げ!」

 

二人の言葉に頷き立香は再び令呪に魔力を込める。

 

「マシュに騎士王の一撃を跳ね返す、絶対的の守りをぉぉ!!!」

 

令呪から発せられた赤い光が輝き、マシュは自身に力がみなぎるのを感じ取る。

 

「ハァァァーーーッ!!!」

 

マシュは自身の体に力を込め、盾を前に突き出す。セイバーの宝具は徐々に押され始めた。

 

「これは……!」

 

宝具が押され始めたことを察したセイバーはさらに魔力を込めようとするが霊夢たちが貼った結界に邪魔されうまくいかない。

 

「行けっ、マシュッ!!!」

 

「はいっ!!!」

 

そして漆黒の極光が跳ね返され、セイバーに向かって行った。

 

「……………見事だ……」

 

そう言ってセイバーは自身が放った極光の中に飲まれた。




冬木市編終盤です。お楽しみに!


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黒幕と別れ

更新遅くなり申し訳ございません。
なかなか上手く纏まらずぐだぐだしてますが楽しんでいってください!

それとお気に入り数が50人を突破しました!ありがとうございます!
これからも頑張っていくので評価やお気に入り登録、コメントなどよろしくお願いします!


光と衝撃による突風が収まり、辺りが視認できる様になりった。

 

「お、終わった……のか……?」

 

立香は足を震わせながら言った。マシュを助けようと無我夢中で彼女の元に近づき、一緒に盾を構えるという自分の行動に今更ながら恐怖した。

 

『ザッ………ザザッ……yっと、やっと繋がった!!所長、マシュ、立香君、みんな無事か!?』

 

「ロマニ!?今まで静かかと思っていたら、急に喋り出してどうしたのよ!!」

 

『すいません、所長!!実は戦闘が始まってセイバーの高濃度の魔力に機器が狂ってしまい、今ようやく復旧したんです!そ、それよりもセイバーはどうなったんですか!?こっちは映像が回復しただけで他の機器はまだ復旧してないんです!』

 

ロマニの言葉にハッとした立香たちはセイバーが居た方向を見た。

 

煙が立っており見えづらかったがその奥に黒い人影が見える。

 

「ま、まさか倒し切れていない………?」

 

「いや、よく見な」

 

震え声で呟く出すオルガマリーの言葉をクー・フーリンが否定する。

 

「どうやら、限界みたいだぜ」

 

煙が晴れると立香たちは言葉の意味を理解した。漆黒の鎧は所々が剥がれ、まるで血色がない様な白い肌が見えその肌にも火傷が見られ、後ろで纏められていた金色の髪は解けており、仁王像の様に勇しく立ってはいるもののその両足は僅かに震えており今にも崩れ堕ちそうだった。

 

誰が見ても満身創痍、しかしセイバーはそれでも堂々とその足で大地に立ち、こちらを見据えていた。

 

「───フ、結局こうなるのか」

 

常に冷酷と表情を固めていた彼女の顔は、寂しげな笑顔をしていた。

 

「私一人ではこの結末。運命を一人で抗おうとは、この末路も納得か」

 

「…それはどういう意味だ、セイバー?」

 

「随分と含みがある言い回しね………何を知っているの?」

 

「貴方達もいずれ知ることになる、アイルランドの光の御子、楽園の守護者よ」

 

 

 

 

「グランドオーダー。聖杯を巡る戦いは、まだ始まったばかりだと」

 

 

 

セイバー、騎士王である彼女の目は立香達へと移った。既に彼女の体からは金色の光の粒子が出始め座に帰還し始めていた。

 

「人類最後のマスターよ。願わくば我が剣、これから起こりうる戦いの為に振るいたいものだ」

 

それだけ言うと、彼女は光と共に完全に消えていった。グランドオーダー、聖杯、人類最後のマスター(・・・・・・・・・)。ありとあらゆる謎の言葉を彼らに残し、大聖杯を守護した騎士はこの冬木の聖杯戦争から敗退した。

 

「グランドオーダー!? なんであのサーヴァントがその言葉を? いや、それよりも」

 

セイバーの言葉に動揺するオルガマリー。

 

「藤丸が人類最後のマスター!?一体何を言っているのよあのセイバーは!?」

 

『しょ、所長、落ち着いてください!』

 

混乱している大人組だったが立香も少なからずセイバーの言葉に混乱していた。『人類最後のマスター(・・・・・・・・・)』。確かにカルデアに集められた多くのマスター達は重症を負い、動けるのは自分だけだ。だがいずれは人員の補給されるし、他のマスター達も回復するだろう。しかし、何故彼女はわざわざ『人類最後(・・・・)』と言ったのだろか?

 

「ったく、奴さんも分かんねぇこと残しやがって」

 

「っ!?クー・フーリン……体が……!?」

 

彼の体は先ほどのセイバーの様に金色の光を出しながら少しづつ消え始めていた。

 

「聖杯戦争が終わった。なら、サーヴァントは消える定めだ。納得いかねぇところも多々あるが仕方ねぇ」

 

「あと、アレは回収しておけ、膨大な魔力を感じるもんだ、貰っておいて損はないだろうよ」

 

クー・フーリンが指差す方向には輝きを放つ物体があった。

 

「クー・フーリン……」

 

「クー・フーリンさん……」

 

自身が消えるというのに変わらず笑っているクー・フーリン。立香やマシュは悲しそうな顔でクー・フーリンを見ている。

 

「そんな顔すんな、俺たちは過去を生きた亡霊……いずれは別れなくちゃいけねぇ。シャキッとしろ、俺に会いたきゃあお前さん達が俺を召喚すればいいだろう」

 

立香の頭を掴みワシャワシャとかきむしる。

 

「………うん、分かった」

 

「おう、楽しみにしてるぜ。あっ、召喚する時はランサーのクラスで頼むぜ!」

 

「じゃあね、キャスター。会えたらまた会いましょう。今度は一緒に一杯お酒とか呑みながら話しましょう」

 

「おっ、誘われちゃあ、行くっきゃないな!!じゃあな、お前ら!短い時間だったけど楽しかったぜ!!」

 

そう言ってクー・フーリンは光の粒子になり消えていった。

 

立香は少しの時間動かなかったが、よしっ、と言いながら気合を入れ直し、オルガマリーの方を向く。

 

「所長、指示をお願いします!」

 

先程の混乱状態から抜け出したオルガマリーは立香の声に一瞬驚いたが咳払いをした後立香達に指示を出す。

 

「えぇ、分かったわ。取り敢えず、キャスターが言っていたあの物体を回収しましょう」

 

所長の指示により、一同はその物体に近づこうとする。

 

「いや、それは待ってくれたまえ」

 

しかし、ここで今この場では決して存在しない人物の声が洞窟内に響いた。

 

「レフ?」

 

緑を基調としたコートを着た男性が、大聖杯の前に立っていた。その男の名はレフ・ライノール。カルデアの謎の大爆発で生存不明となっていた筈の技術者だ。

 

「ああ、レフ! 生きていたのね!!」

 

「お待ちください所長!!!」

 

レフの姿を見るなり駆け出したオルガマリーをマシュが引き止めるが、耳に入らないのか止まることなくレフの下まで走っていく。

 

『レフ!? レフ教授だって!?』

 

「ああ、ロマニ。君も生きていたのか。管制室にきてくれと言ったのに」

 

 

レフは酷く落ち着いた、冷静な雰囲気を出し、笑顔を浮かべていた。

しかし、次の瞬間彼が浮かべた顔は____

 

 

「ああ、全く吐き気がする。どうしてこうも人間は統率が取れないんだ。どいつもこいつもクズばかりだ」

 

 

 

酷く歪んだ顔だった。立香は今、それ以外考えられなかった。この特異点にくる少し前に、立香はレフ教授にあっている。その時のレフは落ち着いていて、穏和な、理解のある大人の様に感じられた。しかし、今のレフから感じられるものはカルデアで会った時のものとは全く別物だった。

 

「下がってくださいマスター! あれは、レフ教授は危険です!」

 

マシュは警戒心を隠さず、盾を構えている。マシュも同じ考えなのだろう。あの男は、何かが違う。もっと危険な何かだと。

 

「霊夢っ!!」

 

「分かっているわよっ!!」

 

立香は反射的に霊夢の名を叫ぶ。そしてその意味も霊夢は理解し、すぐさま行動を起こす。何より、霊夢は自分のカンが告げていた。レフに__あの危険な人物にオルガマリーを近づけてはダメだと。

 

「ああ、待て待て異邦のサーヴァントよ、君は少しイレギュラーな存在でね。少し黙っていてもらおうか」

 

レフがそう言いながら指を鳴らすと霊夢の足元に魔法陣が現れ彼女の動きを止める。

 

「なっ!?これは………!?」

 

「何、あらゆる行動を抑制するだけの術式さ。そこでじっとしていなさい」

 

意識はあるが体が全く動かない。文字通り指一本も動かせなず、霊夢は焦りの表情を浮かべる。

 

「レフ、レフ!」

 

「やあ、マリー。大変だったようだね」

 

「ええ、本当よ!! 管制室は爆発するし、街は廃墟だし、カルデアには帰れないし、散々だったわ!! でも、もう大丈夫よね!? 貴方がいるんだもの! 」

 

「ああ、私も予想外のことが多くて困ったよ。特に───君が生きていたことがね」

 

「……え?」

 

このまま行けばレフに体当たりしそうな勢いで走っていたオルガマリーの足が止まる。

 

「まったく、足元に爆弾を仕込んだというのにしぶとい。まさか、レイシフトの適正がないというのにこんなバグが起こるとは、頭にくるよ」

 

「レフ、あなた、なにを」

 

「まさか不思議とは思わなかったのかね? レイシフトの適性もマスター適性もない君が、なぜ冬木にいるのかということを。君は管制室で死んだことにより、初めてレイシフトできるようになったのだよ」

 

「……え? え?」

 

レフが何を言っているのかオルガマリーは分からなかった。自分が既に死んでいる?今、自分は生きているのに、呼吸をし、傷が付き、疲れを感じる体を持っているのに、死んでいると言われ、納得できるものなど何処にもいるはずがない、いるわけがない。茫然とする彼女にレフはさらに話だす。

 

「残留思念だよマリー。君はあの爆発で死に、意識だけレイシフトしてきたわけだ。ははは!!傑作だろうマリー!?君はこの特異点を解決できたというのに、カルデアに帰還すれば消え去ってしまう。哀れだ、哀れだよマリー!!」

 

「…嘘よ! 嘘よ嘘よ嘘よっ!! なんでよレフ! なんであなたが、なんでよ! なんでよ!!」

 

「まあ、そんな君にプレゼントがある。憐憫というやつさ。これまで頑張った君にもう少し優しくあげたくなったよ」

 

レフの後ろ、何もない空間に穴が空いた。その穴の向こう側には立香やマシュ、所長が見たことがある光景があった。

 

「…カルデアス?」

 

擬似地球環境モデル・カルデアス。惑星に魂があると仮想し、その魂を複写した擬似天体。カルデアスが放つ青は文明の、生命の光。その光がある限りカルデアスは美しい青で輝く。

 

そのカルデアスが放つ光は───

 

赤だった(・・・・)

 

燃え盛るような赤がカルデアスを染め上げていた。文明の光ではなく、地獄の炎の様な光が映されていた。カルデアスが指すものはただ一つ。

 

 

 

人類は、人理は赤く焼却されている。

 

 

 

「そんな……」

 

「アレは虚像なんかじゃないよ。聖杯の力により時空を繋げている。カルデアスの姿を今ここに映しているのだよ」

 

全ては現実。夢でもない、悪夢たる光景。それを前にレフ・ライノールは嘲笑う。

 

「よく頑張ったねマリィ? 君が頑張ったおかげで…人理は焼却された」

 

「嘘よ! そんなはずがない! 私はまだ失敗していない! まだ、何も、何も……成し遂げていない!! 私はまだ絶対に死んでなんかいない!!」

 

頬に涙が流れていた。滂沱の涙が溢れかえっていた。止めようのない感情が剥き出しになって、彼女自体自分が何を叫んでいるのかさえ、すぐに忘れてしまっている。

 

「そうか…。なら、これで本当に教えてあげよう」

 

眉を顰めたままオルガマリーを見ていたレフが指を鳴らした。

 

「え? なに、これ」

 

重力が無くなったように彼女の体が浮き、徐々にまっすぐと突き進み始めた。

 

真っ赤に燃える、カルデアスへと。

 

「やめて、やめてよレフ!!」

 

「優しくしてあげようって言ったじゃないか。最後に、君の宝物に触れさせてあげようと思ったんだよ」

 

「カルデアスよ!? 高密度の情報体、別次元の領域なのよ!? そんなものに触れてしまったら…!!」

 

「ブラックホール、もしくは太陽か。まあどちらにせよあれに触れたら分子レベルに解体されてしまうだろう。正に地獄の苦しみだ。生きたまま無限の死を味わいたまえ」

 

彼女の体は引っ張られるように、引き寄せられるように、少しづつ速度を上げながらカルデアスへと引きずり込まれる。

 

「いや――いや、いや、助けて、誰か助けて! わた、わたし、こんなところで死にたくない! だってまだ褒められてない……! 誰も、わたしを認めてくれていないじゃない……! どうして!? どうしてこんなコトばっかりなの!? 誰もわたしを評価してくれなかった! みんなわたしを嫌っていた!」

 

「やだ、やめて、いやいやいやいやいやいやいやいや……! だってまだ何もしていない!

 ――――生まれてからずっと、ただの一度も、誰にも認めてもらえなかったのにぃ―――!」

 

彼女の心の叫びが洞窟に響く。カルデアスと彼女の距離は数メートルを切った。

 

立香はオルガマリーの元へ無我夢中に走り出す。

 

考えもなしに、例え残骸だとしても、短い時間しか共に過ごしたとしても、藤丸立香は目の前で誰かが死ぬのを見たくない。

 

「まったく、三流の一般人だから見逃してやったもののここまで足元で囀ると鬱陶しい」

 

レフの手が立香へと向けられた。マシュはすぐさま立香の元へと駆け出した。だが、遅い。レフの手から向けられる敵意が、立香の肉体に、精神に、危害を及ぼすのを防ぎきれない。

 

「残念だが、今、ここで死にたまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少しは落ち着きなさい。私のマスターなら尚更ね」

 

「ッ!?」

 

ガシッ!!

 

カルデアスに引き込まれそうになっていたオルガマリーの腕を掴んだのは、

先程まで拘束されていた博麗霊夢だった。

 

「……えっ…………?」

 

「ちょっと、口閉じてなさい。舌噛むから」

 

そして掴んだ腕を大きく振りかぶり立香の方へ向く。

 

「えっ、ま、まさか……」

 

「マスター!しっかり受け止めてあげなさい!!」

 

霊夢はオルガマリーを立香目掛けて放り投げた。(・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

「キャァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

「えっ、ちょっ、待っ!!?」

 

ドォォォーン!!という音を出しながらオルガマリーは立香に衝突した。

 

「せ、先輩!所長!ご無事ですか!?」

 

「フォウ!?」

 

急いで立香達に駆け寄るマシュとフォウ。立香の胸元には目を回しているオルガマリーがおり、立香は衝突による衝撃により体を打ち、咳き込んでいたが震える腕を上げ、マシュに向けてサムズアップをした。

 

一方、レフは立かに向けて攻撃を行おうとしていたが霊夢の突然の登場により、意識が逸れ攻撃をキャンセルしてしまい暫し放心し、自問自答をしていた。何故あのサーヴァントは動ける、何故オルガマリーはあの場にいる、何故己は攻撃をやめた?

 

「あら、どうしたのかしら?自分の筋書き通りに行かなくて驚いてるの?」

 

横から聞こえる声により、思考が回復したレフは霊夢に向き合う。

 

「貴様……一体何をした?貴様は私の結界により、指一本も動かせない状態だったはずだ。魔力の残量もわずかな貴様はあの結界を壊すことは出来ないはずだ」

 

冷静に取り繕うとしているが表情と言葉に所々怒りが含まれているレフに対し、霊夢は淡々と答えた。

 

「あんたがぺちゃくちゃ喋っている間に魔力を回復させて結界を解いたのよ。あとは私のスキル、『空を飛ぶ程度の能力』よ」

 

『空を飛ぶ程度の能力』

 

霊夢が生まれながらに持つ能力。文字だけで見れば空を飛ぶだけだがこの能力の真価は“ありとあらゆる事象から浮く”ことだ。

 

「この能力は私に対してあらゆる事象が完全には作用することはないのよ」

 

毒を盛られようが、時間を止めようが、洗脳しようが彼女には完全に効く事はない。だからこそレフの結界を打ち破ることができたのだ。

 

「なるほど…………その様なスキルを持っていたのか………しかし、君は先程の戦闘と私の結界の解除で実体を保つ分の魔力しか残っていないはずだ。その状態でさらにこの私と戦うのかい?」

 

怒りがわずかに収まったのか、再び貼り付けた様な笑顔に戻ったレフは霊夢を挑発する。

 

「それになぜ君は彼女を助けた?私の話を君も聞いていたはずだ。今の彼女はただの残留思念、この世を去った人間の残りカスだ。ここで君が助けたとしても彼女はこの特異点が消滅したらともに消える存在だ。なのn「さっきからペラペラ、ペラペラ何をくっちゃべってんのよ」……!」

 

レフの話を強引に終わらせた霊夢。

 

「確かに今ここで彼女を救ってもそれは彼女の消える時間が少し伸びただけ、助けたところで結局は消えてしまう」

 

「ならばなz「でもね」……」

 

「私のマスターがオルガマリーを救いたい。そう願ったから行動したのよ。後はあんたに一矢報いるためにね」

 

まるで悪戯が成功した子供の様な笑顔を浮かべる霊夢にレフは再び顔を歪めるが何とか耐える。

 

「まあいい、どちらにせよ彼女はここで終わりだ。私の仕事も終了した、では改めて君たちに自己紹介をしようか。

 私はレフ・ライノール・フラウロス。貴様たち人類を処理するために遣わされた、2015年担当者だ。

 通信で聞いているのだろう、ドクター・ロマニ?共に魔道を研究した学友として、君に最後の忠告をしてやろう。カルデアはもう用済みになった。おまえたち人類という種は、既に滅んでいる」

 

『……レフ教授。いや、レフ・ライノール。それはどういう意味ですか。2017年が見えない事に関係があると?』

 

ロマニの探るような声色。この状況で、出来うる限り情報を集めようという姿勢。

 

「既に関係のあるなしではない。もう終わったという事実の提示だ。未来が観測できなくなり、おまえたちは『未来が消失した』などとほざいたな。

まさに希望的観測だ、楽観的にもほどがある。これは未来が消失したなどという話ではない。お前たちの未来などという害悪は既に焼却され、燃え尽きたのだ。カルデアスが深紅に染まった時点で結末は確定した。貴様たちの時代はもう存在しない。カルデアスの磁場で未だカルデアは守られているだろうが、その外はこの冬木と同じ末路を迎えているだろう」

 

『そうでしたか……外部と連絡がとれないのは通信の故障ではなく、そもそも受け取る相手が消え去っていたのですね』

 

カルデアの外の消失。今この場にいる者、そしてカルデアに残るスタッフたち。それ以外のものは全て消失していると、現状とレフの言葉を合わせてロマニは確信していた。

 

「さて、私にも次の仕事がある。そろそろ向かわせてもらうよ。さらばだ、カルデアのもの達よ。君たちの未来はもう来ない」

 

それを言い残し、レフ・ライノールは消えていった。それと同時に洞窟が崩壊を始める。

 

「地下空洞が崩れます……! いえ、それ以前に空間が安定していません!」

 

『レイシフトによる帰還を実行中だ!でもゴメン、そっちの崩壊が早いかもしれない! それに___』

 

忙しなく動きが画面越しに伝わってくる中、ロマニの声に苦渋が混じる。それが誰を思っての事なのかなど、誰にでも分かる。

 

「その、所長の体がもうないっていうのは……」

 

『____レフ・ライノールが彼女に精神的苦痛を与えるための虚言。そういう可能性もある。彼は明らかにマリーを自分に依存させ、それを突き放す事で……遊んでいた。だとすれば何の問題もない。そもそもレイシフトでそちらに送られたんだ。同じように帰還させる事は可能のはずさ。やってみせるよ。君たちは問題なく帰還できる___』

 

「無理よ、あなたは分かっているんでしょ、ロマニ」

 

今まで黙っていたオルガマリーが声を出し、立ち上がった。

 

「私の体はレイシフト適正を持っていない。今私がここに存在するのはサーヴァントに近い霊体の様な存在だから。奇跡的に私の体が有って、生きていたとしても、私は本体から別れた残留思念。どちらにせよ、今ここにいるオルガマリー・アムニファスという存在は消える」

 

淡々と言葉を発しているがその体は震えている。立香とマシュは何か方法はあると考えるが霊夢は分かっていた。彼女という存在はどう有ってもここで『消える』ということを。

 

「ロマニ……いえ、ロマニ・アーキマン、現時刻をもってカルデアの長、オルガマリー・アムニファスが命じます。この一連の事件が解決するまで、あなたにカルデアにおける全権限を譲渡します。そしてこれは私の最後の命令よ。必ず二人をカルデアに送り返しなさい!」

 

震える体を無理やり止め、虚勢だが力強く、彼女は言い放つ。今、ここで自分がすべき事を、今の自分が彼らに残せることを。

 

『っ…………分かりました。ロマニ・アーキマン、必ずやり遂げて見せます!』

 

ロマニは彼女が残したものを消えさせないために覚悟を決める。

 

「藤丸、マシュ、ルーラー」

 

オルガマリーがこの場にいるもの達に声をかける。

 

「いい?レフの言うことが本当ならあなた達は人類最後の希望よ。あなた達にはこれからとんでもないことが起きるかもしれない。しかし、どんな事が有っても諦めることはしないで、諦めたりなんかしたらそれこそレフの思う壺よ」

 

「はいっ!!」

 

「分かりました!マシュ・キリエライト、了解しました!」

 

「…………」(コクン)

 

『よっし!!準備完了!!みんなレイシフトに備えてくれ!!』

 

ロマニの声と同時にオルガマリー以外の全員に青白い光が現れる。

 

「所長……」

 

「………藤丸立香」

 

 

「頼んだわよ」

 

 

その言葉を最後に立香の意識は暗転した。



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新たな出会い

お待たせしました、第一特異点突入前の間話です。
文才がない私の作品を見てくれて、本当にありがとうございます!!
おかげさまでお気に入り登録が60人突破、UA数が7000を突破しました!!!
これからも『Fate/Grand Order 東方人り奪還戦線』をよろしくお願いいたします!!


人理焼却

 

レフ・ライノールの裏切りにより、カルデアは甚大な被害を負ってしまった。配備されていた優秀なスタッフは半数が死傷、レイシフト可能なマスターは一人を残して皆がコフィン内部で冷凍保存。物資はいざという時の為に貯蓄されているのがせめてもの救いだ。

 

「これから、大変なことになるね」

 

「はい……先輩」

 

人類最後のマスターである『藤丸立香』、そのサーヴァント・シールダー『マシュ・キリエライト』はカルデアの廊下を歩いていた。ドクターロマンから伝えられたこれからの事。

 

世界中に散らばる7つの特異点。人類史を狂わす歴史のバグ。

 

その特異点を解決し、全ての歴史を元に戻す果てしない旅路

 

 

『人類守護指定・グランドオーダー』

 

所長であったオルガマリー・アムニファスは辛うじて息はあったものの意識不明の重体。未だ予断が許されない中、所長代理となったロマニ・アーキマンをトップに現在いる残りのスタッフがその対応に追われている。立香とマシュは特異点が発見され次第すぐさまレイシフトを行わなければいけないため、現在は休憩中である。

 

「世界を救うか………ハァ……まさかこんな事に巻き込まれるなんて……」

 

「先輩、元気を出してください!私も精一杯先輩のことをサポートします!」

 

藤丸立香は日本の一般家庭の男子高校生。魔術とは一切関わってこなかったただの一般人だ。まだ学生の身である一人の少年に世界を救えなど、はっきり言って正気の沙汰じゃない。

マシュはそんな重荷を立香一人に背負わせないために自分も頑張りますとアピールする。

 

「ハハハッ、ありがとう、マシュ」

 

マシュにあまり心配をかけたくないと思った立香は頬を叩いて気合いを入れ直した。

 

「よっし、じゃあドクターのとこに行こうか」

 

「はい、行きましょう先輩!」

 

 

 

======

 

「やあ、立香君、マシュ、待っていたよ」

 

ロマンに指定された部屋についた立香とマシュは部屋を見渡す。部屋の中にはロマンの他にも特異点Fからついてきた霊夢ともう一人、派手な格好をした美女がいた。

 

「お待たせ、ドクターロマン。それで、この部屋は……?」

 

「ここは召喚ルームといって、サーヴァントを召喚するための部屋だ」

 

ロマンの説明によると現在のカルデアの戦力では特異点を解決するには圧倒的に人材不足。特異点Fで回収した聖杯のリソースを使いサーヴァントを召喚しようと言う事らしい。

 

「今のカルデアの戦力は後衛のマシュとオールラウンダーの霊夢君の二人だけだ。現状あらゆる物質が不足しているが背に腹は変えられない」

 

「あの〜、ドクターロマン?さっきから気になっていたんだけど、霊夢の隣にいる女の人って誰?」

 

一通りの説明を終えたロマンに立香は先程から気になっている事を聞いた。ロマンは苦笑いをしながら件の女性の方を向く。女性はロマンを見て、頷き立香の方に歩む。

 

「やぁあやぁあ、人類最後のマスター君。私のことが気になったかい?まぁ、仕方ないよね、部屋に入ったら全く知らない美女がいたらそれは驚くよね」

 

明るい口調で立香にグイグイ歩みよる美女に立香は少したじろいだ。

 

「では自己紹介をしよう。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。カルデアに召喚された召喚英霊第三号。この頭脳を用い、様々な分野で協力している天才さ。気軽にダ・ヴィンチちゃんと呼んでくれ」

 

「あっ、分かりまし…………え?」

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ?立香は自分の耳を疑った。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

ルネサンスの時代を代表する人類史にその名を刻んだ偉人。芸術家であり、科学者であり、発明家でもあった『万物の天才』。歴史に疎い自分でもよく知る人物だ。しかし、レオナルド・ダ・ヴィンチは確か男性(・・)だったはずだ。アーサー王が女性だったという前例があるが彼は肖像画も残っているし、女性であったなんて話は聞いたことがない。しかし、目の前にいる人物は紛れもなく女性だ。

 

「あ〜立香君、気持ちは分かるよ。非常に分かる。けどね、そこにいる人物は紛れもなくレオナルド・ダ・ヴィンチ本人だ」

 

混乱している立香にロマニは助け舟を出した。

 

「この天才はね、自分の理想の女性である『モナ・リザ』を実現させる為にね、自分を(・・・)モナ・リザ(・・・・・)にしたんだよ(・・・・・・・)

 

「・・・・・・・・」

 

この時、立香は、考える事を放棄した。

 

 

 

==========

 

「さあさあ、それでは気を取り直して、召喚タイムといこうではないか!!」

 

「言っとくけど、あいつがフリーズしたのあんたが原因だからね」

 

立香が現実逃避から帰り、しばらくしてからようやく本題が始まった。

 

「立香君、さっきも言ったけどここは『召喚ルーム』。この部屋にリソースを入れてカルデアの召喚システムを使い、味方となるサーヴァントを呼び出すことがこの部屋の目的だ。現在のカルデアは人材不足、スタッフたちが半数も死亡し、マスター候補となる人たちもレフ・ライノールの暗躍により君を残して全員危険状態に陥りコフィンの中でコールドスリープ状態だ。だから、僕らに今必要なのは『人材』。そのため君にはここでサーヴァントを喚び出してもらう。本来、サーヴァントの召喚にはその英霊を呼び出すための触媒が必要なんだけど、カルデアの召喚システムではそれはできない。完全に運頼みだ。中にはとんでもないサーヴァントが喚ばれるかもしれない」

 

「いや、怖いこと言わないでくださいよ」

 

「ドクターロマン。不用意に先輩を怖がらせないでください」

 

「ああ、ごめんごめん!でも心配しないで、ここに来るということは皆んな人理焼却に対して共に戦ってくれるという人物たちが喚ばれるはずだ。それに、サーヴァントの召喚は召喚者の『縁』が少なからず関与する。君に賛同してくれるサーヴァントが基本的には喚ばれるはずだ」

 

ロマンの説明に若干不安が残る立香だが確かに特異点攻略には戦力が必要だ。向こうの戦力は未知数。対してこちらの戦力はマシュと霊夢の二人だけ。いくら何でも他勢に無勢だ。

 

「カルデアの現存する物資と冬木の特異点で回収したリソースを可能な限りこちらに回した。全部で5回の召喚が行える。できれば前衛を任せられるセイバーやランサーのクラスを喚び出してほしいが、まあ、そこまで緊張しなくても大丈夫。今はとにかく数を揃えたい。さて、話が長くなったね。早速召喚してくれ!」

 

「はい!」

 

立香は腕を上げて、目の前にある召喚サークルに掌を向ける。そして魔力をサークルに向けて込めると召喚サークルから眩い光が現れ三つの輪が回転し始めた。

 

「サーヴァント反応確認!!これは、高ランクのものを引き当てたぞ!!」

 

光が収束し、立香の目の間には………

 

 

 

 

「……問おう。貴方が私のマスターか?」

 

 

冬木で立ち塞がった騎士がいた。

 

「え、もしかして………アーサー王?」

 

「貴方は………なるほど、そう言うことですか」

 

セイバーは立香を見て一瞬目を見開いたがすぐに元に戻る。

 

「改めまして、セイバー、真名、アルトリア・ペンドラゴンです。これからよろしくお願いします、冬木では世話になりました。人類最後のマスターよ」

 

「よ、よろしくアルトリア。俺は藤丸立香。立香って呼んでほしい」

 

「わかりました、リツカ」

 

「ちょ、ちょっといいかい、セイバー!?」

 

二人が互いに自己紹介をしている最中にロマンが急に間に入ってきた。

 

「セイバーは今立香君のことを人類最後のマスター(・・・・・・・・・)と言ったかい?つまり君は覚えている(・・・・・)のか?特異点での出来事を」

 

ロマンの問いに立香とマシュは気づいた。サーヴァントは召喚されてから座に帰還するまでの記憶は次の召喚には持ち越せない。前の記憶は記録となり知識に成り下がる。例えるなら自分が出てくる小説を読む第三者視点になる。しかし、セイバー___アルトリアの発言は記録ではなく記憶を持つ実感を感じるものだった。

 

「その問いの答えは是とも言えますし否とも言えます。私は確かに冬木で貴方たちと戦った事を記憶として覚えています。しかし、それは酷く曖昧なものです。戦った事は覚えていても何故あのような事をしたのかは全く覚えていないのです」

 

申し訳なさそうな表情を浮かべるアルトリアを立香とマシュはフォローした。

 

「ねぇ」

 

ここで今まで口を閉じていた霊夢が声を発した。

 

「なんか動いてるわよ」

 

霊夢が指差す方を向くとそこには再び召喚サークルの光の輪が回転を始めていた。

 

「ああ、そうだった!!この召喚サークル一度に大量のリソースを入れると自動的に連続召喚を始めるんだった!」

 

ロマンの声とほぼ同時に召喚サークルから眩い光が放たれ、召喚サークルから二人の男が現れた

 

「サーヴァント・アーチャー。召喚に応じ参上した」

 

「よぉう、サーヴァント・ランサー。召喚に応じ参上した。ちゃんとランサーとして読んでくれたか、ありがとよ」

 

「クー・フーリン!!」 「クー・フーリンさん!!」

 

赤い外套を身に纏った白髪の男、冬木で立香たちの前に立ちはだかった無銘の英雄『エミヤ』と青い衣に身に纏い、紅い魔槍をその手に持つ男は冬木ではキャスターとして共に戦ってくれたアイルランドの光の神子『クー・フーリン』の二人だった。

 

「アーチャーにランサー!!貴方たちもここに呼ばれたのですね!!」

 

「っ!!……ああ、久しいなセイバー」

 

「おっ、セイバーじゃないか!懐かしい顔ブレじゃないか!」

 

アルトリアは二人を見ると声を弾ませて二人に話しかけた。エミヤはアルトリアを見てわずかに目を見開くがすぐに穏やかな雰囲気でアルトリアに話しかけ、クー・フーリンはアルトリアとエミヤを交互に見て口角を上げて笑いだす。

 

立香はそれを見てこの3人は大丈夫だなとひとまず安心した。ロマンの発言のせいで内心少し不安を感じていたがこの調子なら大丈夫だろうと。

 

「立香君、親睦を深めるのはいいけど、まずは目先のことをやろう。今、リソースの供給を一時的に止めたから君の準備が出来次第、召喚を始めれる。残り2回、どんどんやっていこう!」

 

「はい!」

 

再び召喚サークルの前にたち、立香は腕を掲げる。サークルの輪が回転を始め、3つの輪が現れ、光出す。

 

立香たちが目を開くとそこには…………

 

「よう!私は『霧雨魔理沙』だ!クラスはキャスター、よろしくな!」

 

「同じくキャスター、真名『森近霖之助』だ。今後ともよろしく」

 

小さい子供が思い浮かべる魔女の姿をした白黒の少女と銀髪で眼鏡をかけた青と黒を基準とした青年が現れた。

名前からして日本人だと思うが全く聞いたことのない名前だった。

立香が混乱している中、霊夢がワナワナと体を震わせているのにマシュは気付き、「霊夢さん?」と声をかけたが反応がない。その顔を見ると今までにないくらい驚いた顔をしている霊夢をマシュは見た。

 

「ま、魔理沙?霖之助さん………?」

 

「ん?おっ!?霊夢じゃないかこんなところでどうしたんだ?」

 

「霊夢!?君が何故ここに?」

 

「それはこっちのセリフだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

霊夢の怒号がカルデア中に響いた。




今回もいかがだったでしょうか?
アンケートをとった通り、東方キャラから霊夢と対を成す主人公魔理沙が登場しました!
ついでに東方キャラで数少ない男性キャラこーりんこと霖之助さんも登場。
霖之助さんはこの二字小説を書こうと思った時の初期から登場させようと考えていました。
また、次回も楽しみにしていて下さい。


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第一特異点 邪竜百年戦争オルレアン
踏み出す前の小話


今回は少し短め、間にいれる話しなのでただただゆったりとした話しです。
次回から特異点に行きます!
それでは楽しんでいってください!

追伸
UA数が8000を超えました!!ゆっくりとですがこうして自分の作品が多くの人に見てもらえて本当に嬉しいです!
これからも応援よろしくお願いします!

追記
サーヴァントステータスのところに霖之助のステータスを投稿しました。よかったら見てみて下さい。


カルデア食堂

 

「いやぁ〜、まさか霊夢とこんなところで会うなんて思っても見なかったぜ!あっ、霊夢そのおかずくれ」

 

「誰がやるか。この自称魔術師本業こそ泥」

 

カルデアの食堂にて立香はマシュ、霊夢と共に、新たに召喚されたサーヴァント霧雨魔理沙と昼食を食べていた。

 

「んだよ〜、ケチ臭いなぁ〜」

 

「あ、あのぉ、魔理沙さん?よろしければ私のおかず少し分けますけど……」

 

「おっ、マジで!?ありがとなっマシュ!!」

 

ここ数時間召喚された魔理沙を見ていた立香が感じた魔理沙への印象は誰にでもフレンドリーで、臆さずどんどん相手のテリトリーに入るが線引きはしっかりしている。しかし、知識に関することについては貪欲で、それが科学だろうが魔術だろうがそれを吸収しようとする。そのため先程まではダ・ヴィンチちゃんの工房に入り浸っていた。

 

「にしても、ここはほんとにすごい場所だな!!外の世界なんだろうけど話に聞いていたものよりも何倍もすごいものがあるし、魔術に関するものも豊富だしな!!」

 

「魔理沙さんは霊夢さんと同じ世界出身だと聞きましたが、『幻想郷』とは一体どんな場所なんですか?」

 

マシュが魔理沙に幻想郷について質問すると、魔理沙は一瞬霊夢の方を見て、霊夢はそれに対して少し頷いた。魔理沙はそれを見てからマシュに説明を始めた。

 

「あんまり詳しくは言えないけど、幻想郷はその名の通り幻想、人々が忘れてしまった神秘が集まる最後の場所だぜ。普通の人間や魔術師は勿論、幻想種や神なんかもそこら中に存在する世界だ」

 

「げ、幻想種!?本当に存在するのですか!?」

 

「存在するも何も、マシュ。お前もう見てるぞ?立香も」

 

えっ、という声を出して二人は固まる。そんなものを見たかと立香は思い出そうとするがそれっぽいものは冬木で遭遇したスケルトンぐらいしか思いつかない。

 

「こーりんだよ、森近霖之助。あいつ、ああ見えても百年以上生きている半人半妖だぜ」

 

数秒後、二つの叫び声がカルデアに響回った。

 

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの工房

 

「クッシュ!……魔理沙あたりが僕の噂でもしているのか?」

 

ダ・ヴィンチの工房ではダ・ヴィンチと霖之助が特異点攻略に向けてサポートアイテムの作成をしていた。

 

「それにしてもまさか彼の有名なレオナルド・ダ・ヴィンチにサーヴァントととして出会えるとは思いもしなかったよ」

 

「ほう、忘れられた楽園の者が私を知っているとはやはり私はそこまで有名なのかい?」

 

「勿論さ、幻想郷では偶に外の世界の物が流れ着くことがある。貴方の作品に関する写本を以前拾ったことがあるのさ。どれも素晴らしい物ばかりだったよ。できれば実物をこの目で見たかったがね」

 

「それはなんとも光栄だね。それで、君は今何を作っているんだい?

 

霖之助の作業台にはお札や魔力が篭った布など多くのものが転がっていた。

 

「これはまだなんの効果も持っていないただのお札と布、それと簡易的な魔術礼装さ。マスターである藤丸立香は今まで魔術のまの字も知らない素人だったのだろう?であればあの礼装だけでは足りない。必要最低限、彼が自分の身を守れる物を用意しなければいけない。あの礼装の用途は『使用者及び使用者が契約しているサーヴァントのサポート』だからね」

 

ダ・ヴィンチは驚いた。カルデアの礼装についてはまだ彼には何も話していない。確かに魔術サイドの人間が見ればあれが魔術礼装だとは気付くがその用途までも当てるとなると話は変わってくる。

 

「ああ、驚いたかい?『万物の天才』と言われた貴方を驚かせれるとは、僕の能力も捨てたもんじゃないね」

 

霖之助は作業を止め、自身の能力の説明をする。

 

「僕の固有スキル『道具の名前と用途が分かる程度の能力』はその名の通り道具の名前と用途が分かるんだよ。まあ、用途が分かるだけで使い方まではわからないんだけどね」

 

「へぇ、ならこれの名前と用途は分かるかい?」

 

ダ・ヴィンチが取り出したのは緑色をした立方体の結晶だった。

 

「…………それは『マナプリズム』。用途は魔力に変換してエネルギーを生み出す、みたいだ」

 

結晶___マナプリズムを1秒もかからずその正体を見破ったことでダ・ヴィンチは彼の能力が本物だと確信した。

 

「まあ、用途が判っても使い方までは分からないだけどね」

 

「何をいうんだい、用途さえわかればあとはそれにあう使い方を見つけてやれば良い。それが私たちの仕事だろう?」

 

ダ・ヴィンチの言葉に一本取られたと思った霖之助は両手を上げて降参のポーズをとる。

 

「なら、作業を再開しよう。藤丸立香たちが特異点にいく前に終わらせないと」

 

「そうだね、さあて、ダ・ヴィンチちゃんの腕の見せ所だよぉ!」

 

「そ・の・ま・え・に!!」

 

作業を再開しようとした二人にストップをかける声。声がした方を見るとそこには羽が生えた黒を基準とした服をきた少女がエプロンと三角巾を着けて立っていた。

 

「おや、君は……?」

 

「朱鷺子?どうしたんだい、そんな格好をして?」

 

霖之助はこの少女が何者なのか知っていらしく、ダ・ヴィンチは霖之助に目で訴える。

 

「ああ、彼女は『朱鷺子』。僕の宝具にくっついて来たサーヴァントさ」

 

「初めまして、朱鷺子です。霖之助共々お世話になります」

 

丁寧に頭を下げてお辞儀する朱鷺子を見てダ・ヴィンチは考察する。彼女は森近霖之助に縁が深く、英霊に成れなかった存在が森近霖之助という存在と霊器が合体し『生きた宝具』として限界したのではないかと。

 

「それで、どうしたんだい?僕らに何か用があるんだろう」

 

あっ、という声をだし、朱鷺子はそばに置いていたお盆を取り出しその上にかかっていた布をとると、そこにはおにぎりと味噌汁が乗っていた。

 

「おおっ!」

 

「これは……」

 

「ダ・ヴィンチさんも霖之助と似たようなタイプかと思ったから、どうせ寝ず、休まずの作業をするだろうな〜と思ったから、食堂でエミヤさんと一緒におにぎりとお味噌汁を作って持って来ました!お味噌汁はなるべく温かいうちに飲んじゃって!」

 

二人におにぎりとカップに入った味噌汁を渡し、朱鷺子は工房から出て行った。

 

二人は互いに笑いながら味噌汁が入ったカップを片手に作業を再開するのであった。

 




今回出て来た朱鷺子はサーヴァントですが立ち位置的にはイスカンダルの宝具に登場する兵士のような物です。
次回も楽しみにしていてください。


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最初の特異点

今回から特異点に行きます!

少し短いですが楽しんでいってください。

おかげさまで、お気に入り登録数が80人を突破し、総合UA数9000を突破しました!
本当にありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!

お気に入り登録・評価・感想などをしてもらえますと作者のモチベーションが上がります!
もしよろしければやって行ってください!

それでは本編どうぞ!


カルデア管制室

 

「立香君、マシュ。よく来たね。それでは早速ブリーフィングを開始しようか」

 

特異点が発見されたという知らせを受け、立香、マシュ及び現在カルデアに召喚されたサーヴァントたちはカルデアの管制室に来ていた。

 

「まずは確認だけど、君たちにやってほしいことは『特異点の調査及び修正』。その時代における人類の決定的なターニングポイント。君たちはその時代に飛び、調査・解明して、異常があった場合これを修正しなくてはいけない」

 

特異点が修正されない限り、人類史は2016年で終わり、2017年は訪れることはない。

 

「続いて、『聖杯の調査』。推測だけど、特異点の発生には聖杯が関わっているに違いない。『聖杯』は願いを叶える願望器。恐らく、何らかの形でレフは聖杯を手に入れ、悪用したんじゃないかな。というか、聖杯でもなければ時間旅行とか歴史改変とか不可能だから。ホントに」

 

特異点を解決しても聖杯が残っていれば本末転倒。そのため、聖杯は発見次第回収、または破壊が任務の一つ。

 

「ここまでで、質問はあるかい?」

 

ロマンは全員の顔を見回すが全員問題はないようだ。

 

「うん、問題ないようだね。それともう一つ。これはさっきの二つに比べたらそこまで重要じゃないけど、霊脈を見つけたら召喚サークルを貼って欲しいんだ」

 

「召喚サークルを?なんでですか?」

 

「念話連絡程度なら冬木の時みたいにやればいいけど。補給物資などを送るには召喚サークルが確率していないといけないからさ」

 

霊脈を見つけたら、マシュの盾をセットすれば召喚サークルが設置できるらしく、要はベースキャンプ地を確立して欲しいということだった。

 

「説明は以上だ。では、これより特異点の修正に向かって欲しい。今回は立香君用のコフィンも用意してある。レイシフトは安全、かつ迅速にできるはずだ。七つの特異点の中でも今回は揺らぎが一番小さい特異点を選んだ。向こうに着いたらこちらは通信による連絡ぐらいしかできない。霊脈をみつけ次第ベースキャンプを作りるんだ。では___健闘を祈る」

 

 

 

「藤丸立香君、少しいいかい?」

 

ブリーフィングが終了し、コフィンに向かう立香を霖之助が立香を呼び止める。

 

「はい?どうしたの、霖之助さん?」

 

「君はこの作戦の要だ。君に何かあったら全てが台無しになる。そこでだ」

 

霖之助は懐からある物を取り出した。

 

「これは………お札と布?」

 

取り出された物はい色とりどりのお札と赤い布だった。

 

「このお札にはそれぞれ違う効果が付与されていてね。赤は強化、青は吸収と放出、黄色は反射、緑は回復、白は隠蔽だ。一回きりだが持続時間は5分でそれぞれ3セット。もしもサーヴァントがいない時、自分の身に危険を感じた時に使うといい。魔力を込めれば術式が作動し、直ぐに効果が発揮されるはずだ。ランク的には一応C+くらいのものだけど。サーヴァントと合流するまでの時間稼ぎぐらいにはなるはずだ」

 

「あ、ありがとう。すごい助かるよ!それでこっちの布は?」

 

「それは幻術や魅了といった精神異常に対する効果がある『封魔布』だ。こちらの勝利条件は特異点によって違うだろうが基本は聖杯の回収と黒幕の撃破。しかし、敵の勝利条件は君を倒すことだけ、そのためなら非道な手段をいくつもとる。このアイテムたちは君を守る最後の砦になる。無くさないようにするんだよ」

 

「………はい!ありがとうございます!」

 

霖之助に礼を言って立香はコフィンに向かって走り出す。霖之助はそんな彼を見て、微笑んだ。

 

 

 

 

『アンサモンプログラム スタート。

 

霊子変換を開始します』

 

アナウンスが響き、レイシフトが始まる。

 

『レイシフト開始まで あと3、2、1………』

 

カウントが始まり、立香は息を飲む。

 

『全工程 完了(クリア)

 

グランドオーダー 実証を開始します』

 

 

 

 

立香が目を開くとその目に映ったのはコフィンから見えるカルデアの施設ではなく、そよ風が吹く草原だった。

 

ここは1431年のフランス領、史実では百年戦争が行われていたこの時代に立香をはじめとするカルデア一行、マシュ、アルトリア、エミヤ、クー・フーリン、霊夢、魔理沙は立っていた。

 

「……レイシフト、無事完了です。今回はコフィンによる転移ですので、前回に比べ安全に転移することができました」

 

「確かに、前は気絶していたら別の場所にいた、って感じだったけど今回は一瞬で景色が変わったからね」

 

「フィーウ、フォーウ、フォーウ!」

 

「フォウさん!?また着いて来てしまったのですか!?」

 

マシュの肩に飛び移ってきた不思議生物フォウは何故かレイシフトをすることが可能であり、今回もこうして着いて来てしまったようだ。

 

「フォウもレイシフトできるんだなぁ」

 

「………そのようです。先輩か私のコフィンに忍び込んでいたんでしょう」

 

フォウの話をしていた二人だが、ここで立香は着いて来た他のサーヴァントたちの声がしないことに気づいた。振り返るとサーヴァントたちは全員そこにおり、上を見上げていた。

 

「みんな……どうしたの?空なんて見上げ……て………」

 

先輩どうしまし……た……」

 

『………………ッ、よしっ、繋がった!みんな聞こえるかい?無事レイシフトは成功したみたいだね。上手くいってよかったよかった。ところでなんでみんな上をむいているんだい?」

 

「………ドクターさんよ、あんたもアレ見たら分かるぜ……」

 

魔理沙のいうことに疑問を持ちながらもロマンはカメラの視線を上に上げる。

 

『っ!?こ、これは………!?」

 

 

空には、巨大な光輪が浮かんでいた。

 

幾万、いや、幾億という光線が弧を描いて空を埋めつくさんばかりの円が形成されている。その光景は空に突然光のブラックホールが出来たようにも見える。

 

「ドクター、念の為に確認しますが…」

 

『あんなもの、この年代、いや人類史で確認したことはない』

 

「じゃあ、やっぱり人類焼却の影響なのか…?」

 

あんな存在、無視せよと言われて無視できるものではない。あれがこの時代に存在していたのなら歴史の教科書か何かの文献に記されているはずだ。

 

「…どちらにせよ、あれは我等に益があるものとは思えません」

 

「同感よ、間違いなくあれは今回の異変に関係あるわ。私の勘がそう言っている」

 

 アルトリアと霊夢、予知に近い直感持ち二人の直感が最大級の警鐘を鳴らしている。

 

『…うん、地表から確認してもあの光輪は北米大陸と同サイズはあるぞ。計測はしているけど、何らかの行動はない。ただ空に浮いているだけだ』

 

「…とにかく安全ってことなのかなぁ?」

 

「マスター、今はまだ安全でもあれは間違いなく我々の敵が仕込んだ物だ。油断はしないほうがいい」

 

エミヤの忠告に頷き、立香は気合いを入れ直す。

 

「それじゃあ、これからどうする?ドクターの指示だとベースキャンプするための霊脈を見つけないといけない見たいだけど……」

 

霊脈を確保することができればカルデアからの物資を受け取ることができる。今回の任務では必須事項のことだ。

 

『……霊脈の位置を特定した。その地点から少し移動した場所にあるよ」

 

「なら、さっさといくぞ。急ぐのに越したことはないからな」

 

「うん、そうだね。それじゃあ霊脈を探しながら人も一緒に探そう。何かわかるかもしれないし」

 

一同は頷き、行動を開始した。

 




今回の特異点で出す東方キャラはすでに決まっています。
もしよろしければ予想して感想などに書いて行ってください。
他の特異点の予想もしてみてもどうぞ!


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ワイバーン襲来

長くなってしまい最後かなり駆け足です。
戦闘シーン難しい……

どんな風に表現したら良いんでしょうかね?



少し前にお気に入り登録者が90、総UA数が10000を突破しました!!
いつも見て下さりありがとうございます!これからもコツコツ続けて行くので応援よろしくおながいします!


霊脈を確保した立香たちはエミヤ、クー・フーリン、魔理沙を斥候に使い、この時代の調査を開始した。

 

『立香、聞こえるか?』

 

「聞こえるよ、魔理沙。何か見つけたの?」

 

箒を使って上空に飛んでいた(もちろん隠蔽の魔術で姿を隠している)魔理沙から連絡が入り、立香はそれに応答した。

 

『マスターたちがいる地点から東の方向に砦?みたいなのを見つけたぜ。そこに向かう武装した兵隊たちもだ』

 

『こちらもおそらく霧雨魔理沙と同じ一団を発見した』

 

『こっちは違う方向から来る兵士たちを発見したぜ。向かう方向からするとその砦に向かっていると思うぜ』

 

エミヤ、クー・フーリンからも通信が入る。今は百年戦争の時期に当たることから武装した兵士たちがいても別に不思議では無いだろう。

 

しかし………

 

『だがおかしい。今の時期は休戦中のはずなのだが兵士たちには戦闘を行なった形跡がある』

 

『眼』で兵士達を視認しているエミヤは兵士たちの戦闘形跡に違和感を覚えた。いくら休戦中とは言っても完全に戦闘が無かったわけでは無い。小さいイザコザだったらいくらかあっただろう。

しかし、兵士たちが受けた傷は人間から受けたものにしては不自然すぎる(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)ものだった。

 

『おそらく、あの兵士たちがこの時代に起きた異常について何か知っているはずだ。どうするマスター?』

 

エミヤの報告に立香はしばらく考えてから指示を出す。

 

「取り敢えず、その兵士が向かった砦に行ってみよう。魔理沙、君は戻って来て俺らを案内してくれ。エミヤ達は先に砦に行って情報を集めておいてくれ。合流したらお互いに集めて来た情報を開示しよう」

 

『了解したマスター』/『了解っ!』

 

二人との通信が終わり、そのタイミングで魔理沙が帰ってきた。

 

「戻ったぜ立香!砦はあっちだ!早く行こうぜ!」

 

「分かったよ、魔理沙。行こう、マシュ、霊夢、アルトリア」

 

「はい」/「ええ」/「わかりました」

 

==========

 

砦の近くまできた立香達は驚いた。

 

『中がボロボロじゃないか……外壁はそこそこ無事だけど、砦とは呼べないぞ、これ』

 

通信越しのロマンが言う様に砦は既にボロボロで砦と呼ぶには力不足の様に思えた。

 

「砦の周りも怪我をした兵士だらけだ。今が戦争中と言ってもここまで酷いものなのか?」

 

平和な現代に生きていた立香にとって目の前に広がる負傷兵達の惨状は気分がいいものでは無く、口を抑える。

 

「リツカ、貴方はあまり見ない方がいい。貴方にはこの光景は刺激が強い」

 

「ああ、荒ごとに慣れている私でもこいつは少しきついぜ。マシュも気分が悪くなるなら直視しない方がいい」

 

「は、はい………」

 

立香の様子を察知したアルトリアが立香に声をかける。戦乱の世を生きたアルトリアや妖怪退治で悲惨な光景を見たことある霊夢と魔理沙はある程度の耐性があるが立香は勿論、マシュも少し応えていた。いくらデミ・サーヴァントになったとはいえ、マシュ自身はこの様な光景は生まれて初めて見る為仕方のないことだ。

 

「やっと来たか、マスター」

 

「エミヤ、クー・フーリン!」

 

先に情報収集に行っていた二人と合流し、立香たちは現時点での情報を聞くことにした。

 

「まず、本来なら有り得ない事がこのフランスで起きていることから話そう」

 

エミヤが語ったのは一五世期のフランスでは絶対に起こらないはずの事に立香達は耳を疑った。

 

 

_____シャルル七世が蘇った魔女、ジャンヌ・ダルクにより殺されたというものだったのだ。

 

 

=====

 

ジャンヌ・ダルク

救国の聖女と呼ばれた世界的にも有名な英雄。神の声を聞き、十七歳でフランスを救う為に立ち上がり、わずか1年でオルレアンを奪還を果たしたが、イングランド軍に捕縛され、異端審問の末、魔女として火刑に処されてしまった。その後、名誉回復が行われ、彼女の死後400年後には正式に聖人として認定された。

 

「そのジャンヌ・ダルクが蘇り、シャルル七世を火炙りにして殺した様だ」

 

「そして、フランスのあっちこっちを襲撃し回っている様だぜ。この砦も数日前に被害にあったみたいだ」

 

救国の聖女が蘇り、今度は魔女として救った国を滅ぼしに来た。確かに本来は絶対に有り得ない事だ。つまり、蘇ったという彼女は………

 

「十中八九サーヴァントでしょうね」

 

霊夢が口にした答えに全員間違いないと頷く。

 

「けどよ、聖女サマ一人で砦ここまでボロボロにするか?いくらサーヴァントと言っても一人でここまですることは難しいだろう?」

 

「魔理沙、ここにいるマシュを除いたサーヴァントは砦を破壊する事は出来るわよ」

 

「いや、そうじゃ無くて。砦全体を一人でここまでボロボロにできるか(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)って事だよ!流石に砦そのものが影も形も無いほど破壊されていたらアルトリアの聖剣みたいな派手な宝具をブチかましたって考える事ができるぜ!でもこれ全方位からの攻撃によるダメージだから、少しおかしく無いかっ!」

 

魔理沙の言い分は的を得ていた。一人で攻撃するには範囲が広すぎるし、方向がおかしい。立香がこの事について考えていると……

 

「そいつについてはタネはわかっているぜ」

 

クー・フーリンが口を開いた。

 

「タネ……とは?何が分かったんですか?クー・フーリンさん?」

 

マシュの質問にクー・フーリンが答えようとしたその時。

 

『みんな、話している途中ですまないが聞いてくれ!今、魔力反応を察知した!反応のパターンからして冬木で確認された骸骨兵達だ!』

 

ロマンの声を聞いたサーヴァント達が戦闘態勢に切り替わる。

 

「なるほど、つまりそいつらを使って砦を襲ったって事か」

 

「いや、それだけじゃねぇ」

 

魔理沙の言葉をクー・フーリンは否定する。どういう事かと聞こうとした瞬間……

 

『さらに魔力反応を感知っ!今まで観測した事がないパターンだ!そちらから確認する事ができるかい!?』

 

ロマンの報告にエミヤが反応がある方向を視認する。

 

「確認出来たぞ、どうやら情報は正しかった様だな……」

 

「何が見えたの、エミヤ?さっきのクー・フーリンのと関係が……?」

 

立香の質問にエミヤは答える。

 

「ああ、口でいうよりも見た方が早い。これで見てみたまえ」

 

エミヤがどこからとも無く、双眼鏡を取り出し立香に渡す。双眼鏡に驚きながらも立香は目に当てて確認する。

 

「………あれって………え、マジ?」

 

「先輩?どうしました?」

 

それを見た立香は少しの間放心していたがマシュの声で正気に戻り、無言で双眼鏡をマシュに渡す。マシュは戸惑いながらも双眼鏡を受け取り、反応があった方向を確認する。

 

『立香君、何を見たんだい?』

 

ロマンの質問に立香はゆっくりと声に出す。

 

「えっと、さあ、その……ドクター」

 

『うん?』

 

 

 

 

 

「フランスにドラゴンっていたっけ?」

 

『・・・・・・・・えっ』

 

「ドクター、私も確認しました。………視認しただけでも数十体のワイバーンと思われる竜種がこちらに向かって来ます……」

 

マシュの報告と同時に砦の兵士もワイバーンに気づいたのか砦に怒号が飛び回った。

 

『ワイバーン!?そんな馬鹿なっ!!一五世期のフランスにそんなものが存在するはずがない!!しかもかなり早い、一分もしない内に接触するぞ!!』

 

「マスター、指示を!ワイバーンは骸骨兵とは訳が違います!!」

 

突然の対応に立香は混乱していた。突然現れたワイバーンに呆気を取られてしまいどの様な指示を出せばいいのか迷ってしまっていたのだ。

 

グァアアアアアアアッ!!!!

 

そうこうしている内にワイバーンが砦の側にまで接近し始め、兵士たちを襲おうとする。

 

「っ!!まずい!」

 

立香がそれを見たときにはワイバーンは兵士の目と鼻の先ほどの距離しかなく、恐怖によって動けなくなってしまった兵士ワイバーンは喰らい付こうとする。誰もがその兵士の命が消えると思ったその時……

 

『魔符《スターダストレヴァリエ》』!!」

 

ワイバーンに無数の星形の弾幕が当たり、吹き飛ばされた。

 

「………へっ?………え……」

 

「よう、兄ちゃん!!生きてるかい?危ないから離れた方がいいぜ!」

 

まるで物語に出て来そうな『魔女』の姿をした少女が箒に乗って空を飛んでいた。

 

「立香っ!!」

 

魔理沙は立香に向かって声を出す。

 

「落ち着いて行動しな!慌てていちゃあ、出来ることも出来なくなるぞっ!!」

 

魔理沙は幻想郷という魔術に縁が深い場所にいたとはいえ、元を辿れば立香と同じで魔術とはあまり縁がない普通の少女だった。故に重なったのだ。立香の姿がかつての自分と……

 

立香は望んでこの世界に来た訳ではない、だが日常から非日常の世界へ踏み込んだ先輩として彼女は彼にアドバイスした。

 

「魔術の世界はありとあらゆるものを使って自分の身を守る事が鉄則だ。立香、お前は滅茶苦茶恵まれているぜ。なんせ……お前には自分を守るための手札や仲間が数多く存在しているんだからなっ!!」

 

魔理沙の言葉を聞いて立香は周りを見る。自分と共に戦ってくれるサーヴァント達は皆魔理沙の言葉の意味を理解し頷く。彼ら自身は主人の剣であり盾、彼らは力がない自分の代わりに多くのことを成し遂げてくれる。立香は覚悟を決め、サーヴァント達に指示を出す。

 

「……………みんな、砦にいる人たちを守ってくれ!」

 

「「「「「「了解しました/だぜ/だ/よ、マスターっ!!」」」」」」

 

サーヴァント達は各々の戦法で敵に向かって行く。

 

「ハアアアアアアッ!!」

 

アルトリアは聖剣を手に携え骸骨兵達の大群の中に飛び込み、その聖剣で骸骨兵たちを薙ぎ倒して行く。

 

「ハアアアアアアっ!」

 

マシュはアルトリアの隣で盾を振るい骸骨兵を粉砕していく。

 

「『二重結界』!」

 

霊夢は結界を発動し、骸骨兵達がこれ以上砦に近づかない様に、負傷した兵士達を避難させる為に時間を稼ぐ。

 

「あんた達、急いで怪我した奴を運び出しなさい。こんな雑魚敵でも数が多ければあんた達はひとたまりも無いわ」

 

「す、すまない!急いで負傷兵を砦に運べ!!砦まで戦線を下げるぞぉ!!」

 

「り、了解!」

 

兵士たちは下がっていったが霊夢の結界で押さえ込んでいるのは骸骨兵のみ。ワイバーン達は砦に近づいて行く。

しかし………

 

解析(トレース)___開始(オン)

 

エミヤは高台に場所を移し、黒弓と名も無い剣を投影し、剣の形を歪ませ弓に番え、引き絞り、それを放つ。放たれた矢はワイバーンの眉間を貫通し絶命した。そしてエミヤはすぐさま別の剣を投影し、再び弓に番い放つ。ワイバーンは次々と倒れて行く中、黒の閃光がワイバーンの群れの中を駆ける。

 

「よっと、エミヤの旦那はすげぇな……まさか剣を矢にして放つなんて……、おっと、私も負けていられないぜ!」

 

箒に乗って空を縦横無尽に飛び回る魔理沙は再び星形の弾幕をワイバーン達に喰らわせる。何体かのワイバーン達は魔理沙を獲物として定め、襲いかかる。

 

「私を獲物として認識したか、残念だったな!獲物はお前達だぜ、蜥蜴共っ!!」

 

魔理沙の声と共にワイバーン達の前に青の衣を身に付け、紅の魔槍を持つの男-ーークー・フーリンが現れる。その男の眼はまるで獣が獲物を狩る時のものだ。ワイバーン達は理解した。

 

 

狩られる獲物は自分たちの方なのだと。

 

 

「どうりゃあぁああああっ!!」

 

クー・フーリンは目の前のワイバーンを魔槍で叩きつけ、そのワイバーンを足場に別の個体に飛びかかり、槍で貫く。槍を抜き、すぐさま群れにむけて槍を投擲し、次々とワイバーン達は貫かれていく。

 

落ちていくクー・フーリンを魔理沙がキャッチし、ハイタッチをする二人。

 

「よっ……と、サンキュー魔理沙。もう少しで落ちるところだったぜ」

 

「まぁな、さて、蜥蜴はまだまだたくさんいるぜ。まだいけるよな?」

 

「誰に言ってんだ、小娘が……!!」

 

好戦的な二人はニヤリと笑い群れの中に突っ込んでいった。

 

 

====

 

サーヴァント達が外で戦っているとはいえ、数が多い。ついにワイバーンが一体、砦の中に侵入してしまった。

 

大地を揺るがす咆哮が砦の中に響き渡る。その咆哮が聞こえた瞬間、砦の中の街が阿鼻叫喚の渦と化した。

 

「き、来たぁ!?」

 

「助けてくれ! 俺はまだ死にたくない!!」

 

「お母さん! お父さん!?どこなの!? うわあああぁん!!」

 

街はパニックに陥り、立香はその渦に巻き込まれた。

 

ワイバーンはその口から炎を吐き、次々とその炎に人が飲み込まれていく。

 

そしてワイバーンは立香の前に現れ、炎を放とうとする。立香は霖之助から貰ったお札を使おうとしたその時。

 

グサッ、という何かが肉を貫いた音が聞こえた。立香はその眼でしっかりと見た。

 

金色の髪を靡かせて、旗でワイバーンの首を貫く一人の女性を………




魔理沙は泥棒とか自信過剰とかのイメージがありますけど本当は真面目で努力家な一面もあると思うんですが皆さんはどうでしょう?
作者が考える東方キャラは基本真面目雰囲気を出します。ギャグとかももちろん入れますがタイミングとかが難しんですよねぇ……

もしよかったらこのキャラはこんな風なキャラを入れて下さいという方がいれば感想やコメントをどうぞ。
多ければ作者のモチベーションが上がります!

ちなみにこの特異点の登場キャラは1作目がヒントです。


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工房組の補足説明回

どうも皆さん。いつも『Fate/Grand Order 東方人理奪還戦線』を見てくださりありがとうございます!作者のシントウです。

 

「森近霖之助だ。よろしく。今回は説明役として登場する」

 

「万能の天才、ダ・ヴィンチちゃんだ!私も説明役だぞ」

 

今回はこの作品の詳細な設定などを説明していきたいと思います。コメントで少なからずどういう設定なの?という質問があり、ちまちま答えていると読者の方々が混乱してしまうと思い、説明回を設けました。

 

「因みに何故僕がいるのかと言うと、作者曰く『説明キャラとしてこれほど適任な人はいない!!』とのことだ」

 

では早速やっていきましょう!

 

Q幻想郷とFGOの世界について

 

「この作品では幻想郷はFGOの世界から分離した世界みたいに言われているが厳密には違う。作者の考えでは幻想郷は博麗神社があるあらゆる世界と繋がりを持ち、八雲紫がいた本来の世界以外にも無数の世界と繋がることがある、という設定にしているらしい」

 

「少しややこしくないかい?なんでわざわざそんな設定に?」

 

「何故こんな設定にしているかというと、東方projectのキャラとFateのキャラで同一人物と思われる人物、又は関係が深い人物が何人かいるかららしい。伊吹萃香と酒呑童子、茨木華仙と茨木童子といった風にね。同じ世界にしてしまったら、これらの人物が同時にいるのはおかしいと思った作者はこの設定を思いついたみたいだ」

 

「う〜ん、回避策としては少し投げやりすぎな気がするが…まあ、作者にこれ以上の設定を考えろっていうのは酷だし、及第点ギリギリかな?」

 

「まあそうだね。そして、幻想郷はFGOの世界と繋がりが強くなったことで僕らはサーヴァントとしてこうして登場しているわけだ」

 

Q永遠亭組はどうするのか?

 

「?これはどういうことだ?」

 

「永遠亭組のほとんどは月の民なんだ。だから厳密に言うと人類史とはほとんど関係ない人物ばかりなんだよ」

 

「確かに、FGOはあくまでも消失した人類史を取り戻す話だ。月の民なら人理焼却の被害を受けそうにないからね」

 

「作者もこれをコメントで指摘されてかなり焦ったらしい。そこで作者が捻り出したものは『永遠亭の蓬莱山輝夜は一応人類史に関わりがある人物だから彼女の余波を喰らった』、というものだ」

 

「……さっきよりもガバガバ理論じゃないか…」

 

「それを言ってやるな、作者もかなり頑張ったんだよ」

 

Qレミリアとヴラド三世

 

「レミリア・スカーレットはヴラド公の子孫と言われているが公式ではあまり言及されていなさないんだ」

 

「そもそも、レミリアは東方では珍しく年齢がハッキリ分かっているんだ。作者もレミリアのこの設定は知っていたから試しに逆算してみたらなんとヴラド公が死んだ年代にレミリアが生まれているんだ」

 

「おかしくはないけど、少し無理がある気がした作者は最初の設定を使い、レミリアはFGOの世界とは別の世界のヴラド公の子孫という設定を考えたんだ」

 

「今回はこんな感じだ。もしよかったらこの作品を見ている君たちも質問など、疑問点をじゃんじゃん送ってくれ!」

 

「次回の投稿は恐らく今年最後の投稿か年明けになるだろうがこれからも『Fate/Grand Order 東方人理奪還戦線』の応援をよろしく頼むよ」

 

「「それでは、次回もお楽しみに!!」」




皆様の応援により、こうしてコツコツ投稿しています。
これからも応援よろしくお願いします!
質問やコメントがありましたら是非、評価やお気に入り登録もお願いします。作者は単純なのでお気に入りや評価が高くなるほどモチベーションが上がります。
それでは次回もお楽しみに!


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砦での攻防戦

遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます。
今年も頑張って投稿していきますので応援よろしくお願いします。

そして遂に、この作品のお気に入り数が100を突破し、UA数が12000を突破いたしました!!
この場を借りてお礼申し上げます!!
ありがとうございます!!

それでは本年最初の投稿を是非楽しんでいってください!


「兵たちよ、その身に水を被りなさい! 一瞬であれ、それが彼らの炎を防ぎます!未だ立つこと、剣を執ることが適う者。竜に挑まんとする心を持つ勇者たちよ!

私と共に―――! 続いてください―――――!!!」

 

立香を助けた女性は周りにいる兵士達に指示を出し、鼓舞した。立香は彼女のことを知らない。しかし、その勇姿を見て理解した。今目の前にいるのは、間違いなくかつて誰かを救うために戦った『英雄』なのだと。

 

「まさか……サーヴァント……?」

 

旗を持ち戦う彼女を見ながら立香は呟いた。ワイバーンを倒し、今も常人では考えられないほどの身体能力で敵をなぎ払う彼女は間違いなくサーヴァントだろう。

 

『立香くん、無事かい!?君の近くにサーヴァントのものと思われる魔力反応を感知した!!こちらからはよく見えないから状況を説明してくれ!!」

 

ロマンの応答に答えているほど立香は余裕がなかった。彼女がいくら常識の壁をブチ破る様な存在だとしても複数体のワイバーンを一人で、さらに周りの人々を守りながら相手するのは無理がある。

 

(今、俺にできることは………)

 

そう考えている内に旗を持つサーヴァントがワイバーン達に押され始めた。外にいる他のサーヴァント達を呼び寄せるには時間が足りない。このままでは彼女がやられてしまう。立香はそう考えてる内に既に走り出していた。

 

 

 

side旗のサーヴァント

 

「クッ………!!」

 

やはり、一人でここにいる人々を守るのは流石に無理がありましたか……

 

何故、死んだはずの私がこうして自分の死後少し後の時代でサーヴァントとして蘇ったか、何故自身の力が完全に使うことが出来ないのか、何故この様な惨状が起きているのか、謎すぎることが多すぎます。

 

 

グァアアアアアアアッ!!!!

 

こうして自分に起きていることを考えている間もワイバーン達は私を攻撃してきます。今はまだ何とか避けていますがこれ以上数が多くなるか、又は時間をかけ過ぎると私は倒され、多くの人の生命が彼らによって奪われる。

 

「………例え、魔女と言われようと………私はこの国を守る!」

 

再び覚悟を決め、私はワイバーン達に向き直る。一体一体はそこまで強くない、しかし今の状態ではいずれ………

 

グァアアアアアアアッ!!!!

 

「!!?」

 

背後からっ!?しまった、避けられない!!

 

目に映るワイバーンの姿がゆっくりと私に向かってきている様に見えた。

 

「うぉおおおおおおおっ!!」

 

しかし、ワイバーンに向かってくる私を庇う様に一人の若い男の人が現れるた。

 

「駄目です!!さがって…………」

 

声を出してももう遅い、ワイバーンは彼に炎のブレスを吐こうと口を開ける。

 

間に合わない……!!

 

「『黄符・反射』、発動!!」

 

しかし、炎に包まれたのは目の前の男の子ではなく、ワイバーンだった。

 

side out

 

『立香君!?君、一体何をしているんだ!!?ワイバーンに突っ込んでいった時は心臓が止まるかと思ったぞ!!』

 

「ハハハハハ………ご、ごめんドクター……気がついたら走り出していて………」

 

何故立香がワイバーンにダメージを与える事が出来たのか、それは彼が霖之助から貰ったお札が原因だった。立香の自衛手段として数種類の札を霖之助は渡しており、立香はその一つ『黄符・反射』を使ったのだ。

効果は文字通り、使用者の一定範囲にくる攻撃の反射。これによりワイバーンは自らが放った炎に焼かれ、立香と旗のサーヴァントは助かったということだ。

しかし………

 

ガァアアアアアアアアッ!!

 

下位とはいえ『竜』。自らの炎で死ぬ程弱くは無い。怯みはしたが立香を敵と認識し再び襲い掛かってくる。

 

「そこですっ!!」

 

しかし、旗のサーヴァントの方が早かった。

 

ドスッ、という音と共にワイバーンは眉間を旗で貫かれ絶命した。

砦の周りも落ち着いたのか戦闘音が聞こえなくなっていった。立香は今までの緊張が途切れた勢か、その場に座り込んでため息を出した。

 

 

 

 

砦外

 

「これで、終わりっ!!」 バキッ!!

 

霊夢の蹴りと共に最後の骸骨兵が倒され、戦闘が終了した。

 

「レイム、そちらも終わりましたか?」

 

「見ての通りよ。あ"あ"ぁー疲れだぁ………」

 

「レイム、貴女の様な女性がその様な声を出すのはあまり良くありません。貴女はもう少し……」

 

「ああー、分かった分かった気をつけますぅ」(アルトリアって説教始めたら絶対長くなるやつだわ……まるで華扇ねぇ)

 

アルトリアの説教を躱し、霊夢は上空にいるはずの魔理沙を探す。

 

(ワイバーンは全滅………まあ、三人もいるし、魔理沙が空に居ればあんな蜥蜴共なんて直ぐに撃ち落とされるわ………おっ、いたいた)

 

箒に乗った魔理沙を見つけた霊夢は魔理沙を呼ぼうとする。

 

「魔理沙ぁ〜、こっちこっt …「霊夢、今すぐここから離れるぞっ!!!」……はぁ?」

 

焦った様子の魔理沙が猛スピードでこちらに向かって来たと思ったら通り過ぎていった。魔理沙が来た方向にある砦を見ると何か砂煙が舞っていた。

 

「えっ、何あれ?」

 

「あれは………」

 

砂煙をよく見ると何かが誰かを追いかけていた。そしてその正体は…………

 

「まぁぁぁてぇぇぇ!!!」

 

「その魔女をこっちに渡しやがれぇぇ!!!」

 

「竜の魔女がこっちに居たぞぉぉぉ!!みんな、早くしろぉぉ!!」

 

「魔女め、仲間の仇だぁぁ!!」

 

鬼の様な形相の砦の兵士・市民達と、

 

「アーチャー、早くしろ!!下手したら追いつかれるぞっ!!」

 

「くっ、ランサー貴様、私の状況を見て言え!!こちらはマスターと謎のサーヴァント二人を抱えて走っているんだぞ!!さらに言えば、何故君がマシュ嬢一人を抱えているんだ!ステータス的にも考えれば君の方が二人抱えた方が賢明的な気がするんだが!?」

 

「エミヤ!もっとスピード出して!後ろからくる威圧がなんかすごい!」

 

「あの、私別に自分で走れるんですけど!?」

 

立香と謎のサーヴァントを腕に抱えたエミヤとマシュを俵抱きしているクー・フーリンが必死になって逃げている図だった。

因みに二人のステータスだが

 

   エミヤ クー・フーリン

筋力  D     B

 

俊敏  C     A

 

であるため、確かにエミヤのいう通りである。

 

「おめえが二人の一番近くにいたんだから仕方ねぇだろうが!!とにかく急げ!」

 

「ちっ、あとで覚えておけよランサー!!」

 

そして集団は霊夢とアルトリアがいるところまで近づいて来ていた。

 

「…………アルトリア………」

 

「………なんでしょうか………?」

 

顔を見合わせて、お互い何をするのかを直感で感じ取った二人は直ぐに行動を起こした。

 

「魔理沙が行った方向に逃げるわよ!!」

 

「はい、急ぎましょう!!」

 

猛スピードでその場から逃走した。

 

「待ってくれセイバー!?せめてどちらか片方を担いでくれないか!?」

 

「人を何か重い荷物みたいに言わないで下さい!!」

 

「エミヤ、後ろがなんかすごいことになってるよ!?全員般若みたいな顔になってるんだけど!?」

 

「クー・フーリンさん!!私も自分で動けます!降ろしてください!!」

 

「お嬢ちゃんは直ぐに捕まりそうだから却下だ!いいから俺に任せておけ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この十数分後になんとか全員逃げ切れたのであった。

因みにカルデア通信組はロマニ以外は笑い転げており、ロマニは終始あたふたしていて役に立たなかった。




最後はちょっとしたギャグ風にしましたがいかがだったでしょうが?
何分、作者はあまり言葉で表現するのが苦手であり、他の方々はこんな表現できてすごいなぁ〜って思っています。

もし宜しければ、ここが良かったやここはこうした方がいいと思ったらコメントなどで申して下さい。普通の感想や質問でも構いません。
お気に入り登録や評価なども是非!

それでは次回も楽しみにしていて下さい!


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暗闇の森の中で

前回の投稿から約二ヶ月……
投稿が遅れてしまい本当に申し訳ありませんでした!!

前回の投稿した後の数週間自分にとって色々と大変な時期だったので頑張った分その反動で集中出来ず全然進む事ができませんでした。

久しぶりの投稿なので少し変な部分もあるとは思いますが楽しんでいってもらえると幸いです。

それではどうぞ!


襲いかかる兵たちからなんとか逃げ切ることが出来たカルデア一行は夜の森の中で今後の事を話していた。そして、成り行きで連れて来てしまった謎のサーヴァントの正体がこの特異点で猛威を奮っている『ジャンヌ・ダルク』だということが判明した。しかし……

 

『今、フランスを襲っているのは自分ではない………と?』

 

「はい、私がこの時代に限界した時には既に『もう一人の私』がフランスの各所を襲っていました。さらにこれに関係あるのかは分かりませんが『ルーラー』としての私の力も殆ど行使出来ないのです」

 

「?ルーラーとしての力?」

 

「先輩、ルーラークラスは本来、聖杯戦争に異常がきたした時に召喚されるサーヴァントであり、聖杯戦争の裁定者。その為、クラススキルには『真名看破』と『神命裁決』と呼ばれるスキルがあります。『真名看破』はその名の通りサーヴァントの真名を見破ることができ、『神命裁決』は聖杯戦争に参加している全てのサーヴァントに二回の令呪を使うことが可能です」

 

ルーラーは聖杯戦争では常に中立の立場でいなくてはいけない絶対的な存在。その為、聖杯からある程度の権限を譲渡されており、聖杯戦争の行末を見守る存在なのだ。

 

「へー、あれ?じゃあ霊夢も『真名看破』と『神命裁決』を使えるの?」

 

霊夢のクラスもルーラー、ならば先ほどのスキルも使える筈だが…………

 

「悪いけど使えないわ。言い忘れていたけど私のクラススキルは全く反応しない」

 

カルデアに戻ってから霊夢のスキルの確認のためにトレーニングルームで使おうとしたが全く使えず、恐らく霊夢自身が聖杯戦争と関係ない別の世界の英霊であり、聖杯ではなく『マスター(立香)』に呼ばれたのが原因だと思われる、という仮説が浮かんだのであった。

 

「にしても、『竜の魔女』ねぇ〜」

 

「同じ顔、同じ名を持つサーヴァントが二体、しかしその性質は正反対だ。今我々の目の前にいる彼女は人々を助け、鼓舞し、希望を与えた。正に後世に伝えられた『ジャンヌ・ダルク』像そのものだが、各地を襲撃し回っている『竜の魔女』はワイバーンたちを使い、人々を襲い、恐怖や死、絶望を与えている。つまり別側面ということか……」

 

「性質が反転してるっつうことは、冬木で見たセイバーと似たような存在になってるつうことになるな」

 

「えぇ、私もアーチャーやランサーと同じ意見です。言うなれば、今このフランスを襲撃しているジャンヌは『ジャンヌ・ダルク・オルタナティブ』というものでしょう」

 

オルタナティブ、別側面、つまり『竜の魔女』と呼ばれているジャンヌは魔女と罵られ、祖国に裏切られ、火あぶりにされてしまったことに対しての『恨み』をもつ心の闇というものが前面に出て来たということになる筈だ。

 

『とにかく、一旦この話は置いておこう。もう一人のジャンヌが暴れ回り、各地を襲撃。この時代でフランスという国家が崩壊・消滅するも同然だ。歴史上、フランスは人間の自由と平等などを謳った最初の国であり、この先の革命の歴史を作り出したと言っても過言じゃ無い。フランスの消滅、それは即ち、この先の『自由』の歴史が消滅するということだ。僕らのこの特異点での目的は『もう一人のジャンヌ・ダルクの討伐』、そして『この特異点を作り出した聖杯の回収』だ』

 

ロマンから言い渡された任務に立香たちは再び気合いを入れ直す。

 

『まあ、今日はいきなり大変なことが起きたからもう休むと良い。立香君の疲れが溜まっているだろう、暗闇の中で動くのは危険だからね』

 

 

 

==========

 

 

 

一同は夜の森で交代しながら焚き火の側で見張りをしており、今の時間はマシュの番だ。

 

(この特異点に来て、私は余り先輩の役に立っていません………)

 

マシュは今までに無い程悩んでいた。自分を必要としてくれる人の力になりたい。しかし、この特異点に来て、他のサーヴァントたちに比べると余り活躍できていないと感じていた。勿論、マシュ自身、自分はデミ・サーヴァントであり、周りのサーヴァントとたちとは違い英霊の混ざり物、ある程度スペックが落ちていて当然なのだ。

 

(私は先輩を守る盾。しかし今回の戦闘では先輩と逸れてしまい、もう少しで先輩が危険な目に遭わせてしまった……)

 

小さなため息を出し、マシュは顔を俯かせてしまった。

 

そこに………

 

「おいっ」

 

「!!?」

 

突然後ろから声が聞こえ慌てて振り返るとそこにはいつもの黒い帽子を外している魔理沙とエミヤが立っていた。

 

「魔理沙さん、エミヤさん………どうしたんですか?まだ交代時間では無い筈ですが…………?」

 

「いや、マシュの元気が何となくなさそうだったからな。だから声かけたんだよ」

 

「私は霧雨魔理沙に『暇だろ、来い』と言われて強制参加させられただけだ」

 

小さなため息を吐たエミヤをスルーし、魔理沙は笑いながらマシュの隣に座った。

 

「まあ、なんだ、お前がそんな浮かない顔をしているのは今回の戦闘で立香を危険な目に遭わせちまった事だろ?」

 

その言葉にマシュは一瞬体を強張らせた。

 

「なんでわかった?って顔してんな?そりゃあ、あからさまに落ち込んでそうな感じだったし、今日のことでそこまで落ち込む出来事って言えば立香のことぐらいだぜ」

 

そう言いながら魔理沙は目を細めて怪しく笑う。エミヤはそんな態度の魔理沙を横目に見ながら焚き火を挟んでマシュたちの反対側に座る。

 

「………はい、私はマスターを守る盾です。いついかなる時も私はマスターの側にいなくてはいけません。しかし、私は今までの戦闘を省みてもマスターをしっかりと守れていたとは思えません。あの時も霊夢さんやクー・フーリンさんに助けられてましたし、今日のこともそうです。私はやっぱり皆さんの足手まといなのでしょうか………」

 

マシュの独白を魔理沙とエミヤは静かに聞いていた。

 

「……マシュ・キリエライト、それは違う」

 

「えっ……?」

 

エミヤのその発言にマシュは顔を上げる。その視線の先にいるエミヤは真っ直ぐな目でマシュを見ていた。

 

「確かに、君はサーヴァントとしてはっきり言えばまだまだ未熟だ。サーヴァントはマスターが居なければ成立しない。我々がマスターの指示で他の敵と戦っていようとも常にマスターの事を気にしなくてはいけない。特に君は立香と本契約しているサーヴァントだ。我々は契約こそしているがあくまでもカルデアのバックアップがあってこそ成立しているサーヴァントだが君は違う。今回の戦闘では君と立香が離れ過ぎてしまったのが原因だろう。間違いなくそこは君の落ち度だ」

 

エミヤの言葉に再び落ち込んでしまうマシュ。だがエミヤは「しかし」と言葉を繋げる。

 

「君は自身の戦闘が終わるや否や真っ先に立香の元に駆けつけた。我々は周囲の警戒が必要だった為にすぐには動けなかったが君は真っ先に終わらせ行動した。前回の冬木での戦闘もそうだ。君という絶対的な盾が立香の側に居たからこそ他のサーヴァントたちは心置きなく戦えたんだ」

 

少し優しい口調で話すエミヤに困惑しつつもマシュはエミヤに質問した。

 

「えと、それは、つまり……?」

 

「つまり、君はサーヴァントとしては未熟だが、『立香のサーヴァント』としては君が一番適任なんだ」

 

「私……が……?」

 

「ああ、私でも無く、他のサーヴァントたちでも無く、君だからこそだ。通常の聖杯戦争ではマスターは基本前に出ることはないが今回は状況が違う。サーヴァントを倒すだけでなく、その原因を探り、人理焼却を解決しなくてはいけない。その道中、我々は敵から立香を守らなくてはいけない。立香が倒れてしまえば我々はその時点で敗北だ」

 

カルデアで動けるマスターは現在立香ただ一人。正に立香は世界を救う最後の希望なのだ。敵も恐らくそれを理解している。立香を直接狙ってくるなんて事もあるかもしれない。

 

「君のサーヴァントとしての強みは『守る事』だ。敵を倒すのでは無く、マスターを守り、我々前衛が敵を倒すまで耐え切る。『シールダー』はその名の通り、『守り』に特化したサーヴァント、常に危険が蔓延る立香を守るには正に君は適任だ。まあ、今回のことは立香がかなり無茶をしたから私から厳しく言っておこう」

 

「あっ、えと……お、お手柔らかにお願いします………」

 

「おいおい、エミヤの旦那。私が言いたい事全部言っちまうなんてひどくねぇか?完全に空気だったぞ、私?」

 

「むっ、すまない……」

 

今まで空気だった魔理沙が不機嫌そうな顔でエミヤに文句を言う。

 

「まあ、なんだ……今回はジャンヌがあの場にいた為何とかなったから結果オーライって、思っておけば良いと思うぜ。人生に失敗は付き物だ、重要なのはその失敗をどう活かすかだ。マシュなら次は同じ様な失敗をしない様に出来ると私は思うぜ?」

 

ニヤリと笑いながらウィンクをする魔理沙と優しげに微笑むエミヤの言葉に少し気が楽になったのかマシュの表情は先程よりも和らいでいた。

 

その後、ジャンヌと霊夢、アルトリアの3人が加わり、半ばガールズトークの様な雰囲気になったため、エミヤは静かにその場を去った。

 

 

__________________________________________________________________

 

 

エミヤは焚き火の場所から少し歩いたところで立ち止まり正面にいる人物達に声をかける。

その人物達とは………

 

「それで、君たちはこんなところで一体何をしているんだ?」

 

「……アハハハ、ば、バレた?」

 

「何って、マスターが盾の嬢ちゃんが元気なさそうっていうからその様子を見にきただけだぜ?」

 

マスター、藤丸立香とランサー、クー・フーリンの二人である。

 

「では何故、草むらの茂みで身を隠しているのだ?側から見ればタダののぞきだぞ」

 

現在男3人がいる場所は草むらの茂みであり、焚き火の場所が見え、会話の内容がギリギリ聞こえるか聞こえないかくらいしか離れていない。

 

「いや、最初はマシュの様子を見ていてあまりにも思い詰めていそうだったら声でもかけようかなぐらいな感じで見ていたんだけど、そのあとエミヤ達が来て、残りのメンバーも来たから出るに出れない状況になって……」

 

「今に至ると……」

 

フゥ……とため息を吐くエミヤに曖昧に笑いながら誤魔化す立香だった。(因みにクー・フーリンは面白そうだったから付いてきただけ)

 

「取り敢えず此処に居るとあらぬ疑いをかけられるぞ。女性を怒らせると後が怖いからな……」

 

「へぇ、中々言葉に重みがあるじゃないか……生前に何か女関係でやらかしたのか?マスター、こいつの様にならない内に引きあげようぜ」

 

「女関係で盛大にやらかした貴様にだけは言われたくはないぞランサー」

 

二人の間に火花が散るのを横目で見ながら立香はこの場から離れようとする。しかし………

 

「あれ?」

 

何か違和感を感じた。この時間や場所なら対して気にならないだろうが何かがおかしい。

 

「ねぇ、エミヤ、クー・フーリン………」

 

「ん?」 「なんだ?」

 

「俺の気のせいだとは思うんだけど、何か違和感を感じない」

 

立香の言葉に二人は周りを見ると、その眼の色が変わる。

 

「立香、君の違和感は気のせいではない」

 

「ああ、間違いないぜ。まさか俺たちに気付かれずにここまでやるとはな………」

 

違和感を最初に感じていた立香だがその正体が未だに分からず、それを察したエミヤが立香に違和感の正体を話す。

 

「立香、君が感じた違和感は正に今目の前にある。森が暗いものだとしても焚き火の灯りすら見えないのはあり得ない(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 

そう、立香が感じた違和感は森の異様な暗さだった。3人が居る場所は焚き火の灯りが十分見える。しかし、周りを見てみると焚き火の灯りは見えず、見えているのは互いの顔が辛うじて見えるほどだった。

 

「俺たちに気配を悟られず、魔術を行使するとはかなりのやり手だな」

 

「出来るとすれば、気配遮断を持つアサシンクラスか、隠蔽の魔術を得意とするキャスタークラスだろうが……それでもこれは異様だ……」

 

3人が現在の状況を少しづつ飲み込んでいる中、ある声が聞こえてきた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前らは………食べてもいい人間かぁ〜〜〜?」




最後のセリフは東方知識に自信がない人でも分かるあのキャラクターのセリフです。

大分前の後書きで出てくるキャラのヒントとして『第一作』と言った覚えがあるのですが分かりましたか?
エミヤ達が何故立香に言われるまで気付かなかったのは次回以降で明らかになると思います(目そらし)。

ぜひ、お気に入り登録や評価、コメントなどをしてくれると幸いです!作者は単純なのでコメントやお気に入り登録するとはしゃぎます。
それでは、次回もお楽しみに!!


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闇の中からこんばんは

前回の感想でこの娘が出てくるとは予想していなかったと言う方が何人もいました。
作者はコメントは毎回見ていますし、なるべくコメントしています。

今回は前回出てきたこの娘のメイン回それではどうぞ!



「お前らは……食べてもいい人間かぁ〜〜?」

 

暗闇から聞こえてくる声は幼い少女らしきものの声であったがその声から発せられた言葉はなんとも物騒な言葉であった。

 

「食べてもいいかだって…?冗談が上手い奴だぜ……」

 

「人間を捕食しようとするところから、恐らくは過去に人を何度も喰らったことがあるということか。敵はワイバーンだけを召喚したわけではないということか?」

 

戦闘態勢に移行したエミヤとクー・フーリンは己の武器を手に持ち、立香を中心に周りを警戒する。

 

「どうだアーチャー?テメェの目に何か写っているか?」

 

「いや、残念ながら何も見えない。これは恐らく我々の周囲を闇で覆い、あらゆる光などを遮断する結界の様なものだろう。そしてこちらの体力が無くなったところを狩る、というのが奴の手段なのだろう」

 

木々の僅かな隙間から見えた星あかりやマシュたちがいる焚き火の灯りなどの光を遮断、更にクー・フーリンが出したルーンの灯りも直ぐ消えてしまう。この空間は『光』を完全に飲み込んでしまう『闇』の空間であった。

 

『質問に答えろぉ〜、お前たちは食べてもいい人間かぁ〜?』

 

「残念ながら我々は食べられない人間だ。そもそもここにいる立香以外は人間では無い」

 

エミヤとクー・フーリンはサーヴァントである為、厳密には人間とはいえない。そもそもクー・フーリンは半神半人な為エミヤの言葉に嘘は含まれていない。

 

『……えぇ〜、人間じゃ無いし食べちゃ駄目なのぉ〜?そこのお兄さんもぉ〜?」

 

声の主は明らかに残念そうな声を出し、唯一の生きた人間である立香にに聞く。

 

「た、食べちゃダメだよ!!そもそも人間の肉ってあんまり美味しく無いらしいよ!それにそんなもの食べていたら変な病気にかかるかもしれないし!」

 

「立香、論点そこじゃねぇ」

 

少しズレた回答をした立香にツッコミながらもクー・フーリンは周囲を警戒する。視覚が封じられようと彼はケルト神話が誇る大英雄。相手が発する魔力の流れ、呼吸使い、服の擦れる音や気配など相手の位置を掴む方法は幾らでもある。

 

しかし……

 

スゥゥー……

 

「あっ?」

 

「むっ…」

 

「……へっ……?」

 

3人を囲んでいた闇が急に胡散し始め、少しずつ周りの風景が鮮明に現れていく。

 

困惑する3人、そして闇が完全に晴れ、立香たちの正面に居たのは………

 

 

 

 

「お、お腹が…空いて………力……が…でな……いの……だぁ……」

 

地面にうつ伏せになって倒れている金髪で頭に赤いリボンを付けた幼い少女であった。

 

 

======

 

 

「………っで?何であんた達が『ルーミア』と一緒にいるのよ!?」

 

謎の少女発見から暫くして棒立ちしている男3人と倒れている少女を発見した女性陣は事の顛末を聞き、少女を保護したのだが…その少女にかなり問題があった。

 

「だから、俺たちも分かんねぇって!!周りが不自然に暗くなったらいきなり、俺たちのことを食べてもいいか?なんて聞いてきたと思ったら急に闇が晴れて、こいつが倒れていたんだぜ!?」

 

保護した少女____ルーミアの正体は人間では無い(・・・・・・)。その正体は『妖怪』。科学が発展する以前の時代、あらゆる現象に現代の様な科学的根拠が無い頃、人々が生み出した恐れられた怪異たちの総称。ルーミアはその内の1人であり、霊夢たちの故郷、『幻想郷』に住まう『人喰い妖怪』、現在はジャンヌと同じマスターを持たない野良サーヴァントなのである……のだが………

 

「あぁ〜んっ!モグモグモグモグ……ん〜〜美味しいぃ〜のだぁ〜!」

 

「ほら、口の中に物が入っている時は喋らない。あと口周りにカスがついてるよ。マシュ、お願い出来る?」

 

「はい、先輩。ルーミアさん口周りを拭きますのでちょっと失礼しますね」

 

「そうなのかぁ〜」

 

立香の足の上に腰掛け、携帯食を頬張り、口元に付いたカスをマシュがハンカチで拭いていた。

側から見たら近所の公園で少女が知り合いのお兄さんとお姉さんと一緒にオヤツを食べている図にしか見えない。

 

『そもそも、本当に彼女は人食い妖怪なのかい?霊夢君に聞いた話と今の現状を見ると全くそういうことをする様な娘には見えないんだけど……』

 

「はい、私もそう思います。むしろ、村にいる子どもたちに混ざっていても不思議ではありません」

 

ロマニとジャンヌが言う通り、現在のルーミアの状態は完全におやつで餌付けされた子どもそのものだ。あんなに明るい笑顔でリスの様に食べ物を頬張る彼女を見れば、誰も彼女の正体が人喰い妖怪とは思わないだろう。

 

「しかし、彼女から流れる魔力は間違いなく邪悪なものを感じます。闇を操るのに長けているのも納得です」

 

「それにまだ未遂とは言え、一度は我々の事を喰らおうとしていた相手だ。その手口は獲物を捉えるには理にかなっている。博麗霊夢が言う事は本当のことなのだろう」

 

アルトリアとエミヤはルーミアから発せられる闇の魔力に危機を感じた。幾ら霊夢たちの知り合いとは言え、結界で隔てられている幻想郷からどうやってこの特異点に来たのか謎の多い人物?を自分たちのマスターの近くには置いておけない。

 

「まあまあ、落ち着けよ。エミヤの旦那」

 

「霧雨魔理沙……しかしだな…」

 

エミヤの言葉を手で制し、立香たちの方に指を指す魔理沙。

 

全員がその方向に目を向けると…

 

 

「ルーミアは何でこんな森の中に居たの?」

 

「ん〜〜〜〜、分からないのだぁ〜!」

 

「分からない、ですか?」

 

「気づいたらここに居て、暫くあっちこっちをブラブラしていたらいつのまにか夜になって居てぇ〜、お腹も空いていたし、お兄さんたちが居たから食べようとして近づいたけど、人間はお兄さんとお姉さんぐらいしか居ないし、食べちゃダメらしいしぃ〜食べれないって思ったら急に力が抜けてぇ〜」

 

「つまり、ルーミアさん自身もジャンヌさんと同じで詳しい事は分かっていないのですね……」

 

「そうなのだぁ〜」

 

 

サーヴァント達の目には、立香とマシュに聞かれた事を特に嫌がりもせずに話しているルーミアが写っていた。

 

「あいつは幻想郷ではそれなりに名が知られている妖怪の一人でな……『人食い妖怪』としてよりも『大喰らい』の方で有名なんだよ……冥界の主、貧乏巫女、そしてあいつ………『人里大食い三人衆』が通ったあとは、里の飯屋は全て焦土と化すぜ」

 

「色々突っ込みたい部分もあるが、要するに奴自体の危険度は低いということか?」

 

「どういうことですか、アーチャー?」

 

魔理沙の説明を聞いてエミヤがルーミアの危険度はそこまでないと感じていることにアルトリアは困惑していた。

 

「霧雨魔理沙の言葉から彼女が人を喰うのは恐らく稀だ。頻繁に食っているのならばそもそも人間の集落と思わしき人里に入る事はまず不可能だ。そして、そんな不名誉な通り名が付くという事は幻想郷では彼女はそこまで脅威な存在では無い、もしくは簡単に対処出来る存在だという事だ」

 

エミヤの推測は当たらずとも遠からずだった。実際にルーミアは霊夢が巫女になる前から人食いをしていたし、現在でも普通にしている。しかし彼女は数百年生きてはいるが実はそこまで強くは無い。その為、彼女が異変を起こしたり、異変に加担したとしてもすぐに鎮圧される。さらに霊夢が博麗の巫女に襲名してから、ルーミアは人食いの数を減らしている。

まあ、要するに危険だけど他の妖怪に比べたら彼女の危険度は可愛い方なのだ。

 

『では、彼女を同行させるでいいのかい?僕は少し不安だよ。あんな見た目でも人食い妖怪と言われている存在なんだろう?』

 

ロマニが言う事は最もな事だ。レフ・ライノールにより所長は再起不能、多くのスタッフやマスター候補が死亡し、カルデアの機能は実質崩壊しているも同然な状態だ。

そんな中、唯一生き残ったマスターである立香を中心になんとか機能している。もしも立香に何かあれば今度こそカルデアは終わってしまう。ロマニはそうならない為に不安要素があるルーミアを連れて行くのは危険だと感じたのだ。

 

「…………ねぇ、ルーミア?」

 

「?……なんなのだぁ〜?」

 

ロマニが自分の事を心配しているのは分かる。世界を救う事ができるマスターとしても、藤丸立香という一人の人間としても(・・・・・・・・・・・・・・・・)彼は心配してくれている。

だからこそ立香はその心配をなくす為に行動する。見守ってくれる人たちを安心させる為に

 

「今、俺たちはこのフランスを救う為に行動しているんだけどね、俺たちだけじゃ色々大変な事が多いんだ。」

 

「?」

 

キョトンとした顔で立香を見てくるルーミアに微笑みながら立香は話しを続ける。

 

「だから、君の力を俺たちに貸してくれないか?勿論、手伝ってくれたら出来る限りのお礼はするし、流石に人間は無理だけど美味しいご飯とかも用意するけど」

 

キョトンとした顔をしたままだったルーミアだったが数秒もしない内ににまぁ〜と笑い、わはぁ〜といいながら両手を広げて立香の前に立つ。

 

「勿論、いいのだぁ〜!立香と一緒にいれば何か面白そうな事がありそうだし、霊夢たちも一緒だし退屈しなさそうなのだぁ〜」

 

そういって令呪が宿る右手に触れる。次の瞬間、赤い光が令呪から放たれ立香は魔力を吸われる感触を感じた。

 

「仮契約かんりょぉ〜。じゃあ改めて、サーヴァント『アサシン』真名は『ルーミア』。これからしばらくの間よろしくね、マスター♪」

 

 

 

 

 

 




今回はどうでしたか?
ロマニは基本見ることしかできないですが子供達を影から見守る保護者みたいな感じで表現したいんですが中々難しいです。

因みにルーミアは二次創作の要素が多く付いていますが能力云々は作者が様々な作品で見たルーミアの様々な要素を入れています。(幼○夢やp○xiv百科とか)

ルーミアのステータスも『サーヴァントステータス』に掲載しています。良かったら見て行ってください。
ボソッ)ちょっと匂わせ要素も入れてみたり………

それでは次回も楽しみにして待っていて下さい!

お気に入り登録や評価、コメントもよろしければ是非!作者は単純なので来るとモチベーションが上がります。


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救国の聖女と竜の魔女

投稿遅くなって申し訳ありません。
邪ンヌのセリフが難しいのなんの……………
色々変なところがあるかもしれませんが楽しんでもらえれば幸いです。
それではどうぞ!

p.s.
いつの間にかお気に入りが130突破し、UAが17000を突破していました………
ありがとうございます!!


ルーミアとの仮契約を済ませ、もう遅いということで立香とマシュは先に休むことになった。立香はともかくデミ・サーヴァントであるマシュも休息が必要な為、厚意に甘えることにした。

 

そして夜が明け………

 

立香side

 

……ガジガジガジ……

 

………眠い……なんか、聞こえる様な………

 

ガジガジガジガジ

 

気のせいかな………でも頭に何か違和感が…………心なしか頭痛がする……

 

ガジガジガジガジ……

 

いや、やっぱりなんか聞こえる!!まるで動物が獲物の骨をしゃぶる様な音が!

 

慌てて自分の頭部を見る。そこには………

 

「ガジガジガジガジガジガジ………」

 

俺の頭をひたすら齧りまくる、寝ているルーミアの顔が見えた………

 

「ル、ルーミア!?ちょっ、起きてっ!俺の頭は食べちゃダメなもの!!離れなさい!」

 

慌てて両腕でルーミアのことを引き剥がそうとするが………なにこれ!?全然びくともしないんだけど!?

 

再度腕に力を入れるが離れる気配はない。むしろどんどん強くなっている気が……………痛い痛い痛い痛いっ!!?

 

 

「ルーミア!!お願いだから起きて!俺の頭無くなる!!ちょっとヤバイからっ!!」

 

必死にルーミアに呼びかけるがやっぱりウンともスンともいわない……

 

あ、なんか一瞬緩んだ気が……よし、緩んだタイミングで一気に引き離す!!

 

「いただきま〜す………」あ〜〜ん

 

「えっ………?」

 

ガブっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギィイヤァアアアァアア!!!!   ピチューンッ!!

 

 

 

この後、霊夢によってルーミアはお仕置きを受け、俺の頭はなんとか無事だった。

 

立香side out

 

 

 

=====

 

トラブルがあったものの一同は情報収集をしながら特異点の中心であろうオルレアンに向かうことを最終目標にし、出発した。

 

町や村を回って情報を集めようとするがたどり着いた殆どはワイバーンによって軒並み焼かれた跡であり、リビングデットが蔓延る地になっていた。

余計な被害を出さないように見つけ次第全て倒し、ジャンヌと霊夢を中心に供養し、ルーミアが残った怨念という闇を吸収することでゾンビたちをこれ以上現れないようにしながら移動した。

それを繰り返し、数日がすぎた頃、一同は新たな町を見つけた。

 

「…ここもか……」

 

「……はい、生存者は発見できませんでした……先ほど、ゾンビ達は全て討伐し、ジャンヌさんたちが供養しているみたいです」

 

立香とマシュの目の前には倒壊した家屋や既に事切れた人々の遺体が数体倒れている光景が広がっていた。遺体の中にはまだ子供と思われるものもあり、それを見るたびに心臓が締め付けられる様な感覚を立香は感じた。

 

「マスター、上から見てきたがやっぱりダメだ。完璧に壊されまくっていて情報になりそうなものも見つからなかったぜ」

 

「こっちもだ。建物の中は潰れているか、燃えて灰になっているものばっかでロクなもんもねぇ」

 

魔理沙とクー・フーリンが町を調査するが目ぼしいものは見つからず、カルデアは現在途方にくれていた。

 

『みんな! サーヴァント反応を感知したぞ!!』

 

そんな中、 モニター越しのロマンから、通信が入る。内容は、敵サーヴァントの襲来であった。

 

『数は5騎! 急速にこちらに向かっているぞ!』

 

「5騎!? そんな、多すぎです!」

 

 まるでこちらの居場所を把握したような動きにマシュの目が大きく広がる。それに伴い、ジャンヌも苦虫を噛み潰したように顔を歪ませた。

 

「そうか、あちらにも私が召喚されているのなら召喚されたクラスはルーラー。あちらの私は我々の居場所を把握できる…!」

 

「狙って現れたというわけね、私たちはあいつらの罠にかかったってことね」

 

霊夢が顔を歪ませながら言う。表情が乏しい彼女がここまで顔に出すほどということは状況はかなり悪い。

 

「先輩……!」

 

ここで立香には大きく分けて二つの選択肢がある。撤退するか迎撃するかだ。敵は5騎、一方こちらは8騎、数はこちらの方が上だが敵は向かってきた。

こちらを制圧できると確信してきているのかは現段階では不明。そして立香が出した答えは………

 

「………みんな、迎えうとう!」

 

迎撃だった。

 

どちらにせよ遅かれ早かれ敵と相対するのは必然、その時間が早まったに過ぎない。

それに、この地獄を生み出した相手の顔を拝んでおかないと気が済まない。

立香の目には確かな覚悟が宿っていた。

 

サーヴァント達も立香同様迎撃するつもりだった。

アルトリアとエミヤ、霊夢は静かに燃えていた。

クー・フーリンと魔理沙は笑いながらしかし、感情を押さえながら。

マシュとジャンヌは覚悟を決め、敵が来る方向を見据える。

ルーミアは普段と変わらないがその体からは闇を出しながら戦闘体勢を整えていた。

 

そして、数多のワイバーンと共に敵のサーヴァントが立香達の前に現れた。

 

5騎のサーヴァント達は服装も性別もバラバラだったがその中の1騎だけは全員見覚えがあるものだった。

 

「___なんて、こと。まさか、まさかこんな事が起こるなんて」

 

「……………」

 

 二人のジャンヌが邂逅する。金髪で長い髪は銀色で短くなり、肌の色は異様に白くなり、銀と青を基準にした鎧と服は全て黒に染まっていた。

 

悲鳴染みた声で盛り上がる黒いジャンヌと、無言で驚愕だけをあらわにする白いジャンヌ。向かい合う二人の姿はまるで同じ。表情と行動だけが二人の決定的な差違を物語る。

 

「ねえ、お願い。だれか私の頭に水をかけてちょうだい。

 まずいの、やばいの、本気でおかしくなりそうなの………だって!………そのくらいしてトばさないと、あれが滑稽すぎて笑い死んでしまいそうなんだもの!ほら、見てくださいジル! あの哀れな村娘を! 同情しすぎて涙があふれてしまいそう!ああ、ホント……! こんな小娘にすがるしかなかった国なんて、もうとっくに終わっていたって事じゃない!ねえジル、あなたもそう___って、そっか。ジルは連れてきていなかったわ」

 

黒いジャンヌは芝居がかった笑いを上げながら白いジャンヌを見る。

 

「あれが……」

 

「もう一人のジャンヌ……」

 

マシュと立香は二人のジャンヌを見比べ、冬木での反転したアルトリアを思い出す。服装の色が黒く、肌の色が異様に白いなど共通点があったが、性格には大きな違いはアルトリアの場合はなかった思った。

しかしジャンヌの場合は完全に逆だった。

 

「あなたは………あなたは一体何者なのですか!?」

 

白いジャンヌは眼前にいる自分と同じ顔の存在に叫ぶ。

 

「それはこちらの質問ですが……そうですね、上に立つものとして貴女の質問にお答えしましょう」

 

そう言うと黒いジャンヌは白いジャンヌを嘲笑う様な顔で答えた。

 

「私の名はジャンヌ・ダルク。蘇った救国の聖女で貴女自身ですよ、もう一人の“私”」

 

黒いジャンヌ__ジャンヌ・オルタが放った言葉をジャンヌは信じたくはなかった。もう一人の自分がいるという時点で分かり切っていたことではあった。それでも自分がこの様な惨劇を起こしたという事を信じたくなかったのだ。

 

そして立香や他のサーヴァントたちもジャンヌ・オルタの背後に立つ4騎のサーヴァントを見て、苦い表情を出した。

 

「なぜ、なぜ貴女はこの様な事をしているのですか!?」

 

「なぜですかって?……呆れた、同じジャンヌ・ダルク(わたし)なら分かっていたと思っていたのですが……いくら反転しているとはいえ鈍すぎます。私がこの街を襲った理由?

そんなのフランスを滅ぼす為ですよ。政治的に、経済的にとか回りくどいことでやるのは面倒ですから、物理的に全部潰す方が簡潔でしょう?」

 

「貴女は……貴女はその為に罪の無い人々を蹂躙したというのですか!?」

 

ジャンヌ・オルタの答えにジャンヌは怒りを現した。

 

「罪の無い?貴女こそ何を言っているのですか?この国の人々は私たちを裏切ったじゃないですか。聖女として称えながら、私たちを助けようとはせず、あっさりこの国は裏切った。望むものだけ徴収され、あとはゴミのように捨てられた」

 

 淡々と、しかし少しずつ怒りの感情を出しながら語るジャンヌ・オルタを前に誰も声を上げない。

 

「私には主の声が聞こえた。主の嘆きが聞こえた。だから私は戦場に出た!主は正しい。全ての、皆の父! けれど皆信じなかった! 私以外信じなかった。ええそうでしょう、 皆、主の声が聞こえないのだから!」

 

「声が聞こえないのは主はこの国に、人に、既に愛想を尽かしたからです。だから私は滅ぼします。見捨てられた哀れな仔羊達をすべて殺し尽くし、この国を死者の国へと浄化する、それが今の私、ジャンヌ・ダルクの救国です」

 

全てのものを壊し、全ての命を滅ぼす。それこそが竜の魔女として蘇ったジャンヌ・ダルク・オルタナティブの復讐だった。

 

「……っ、貴女は……!」

 

「少しお喋りが過ぎました。いい加減、過去の自分の残骸を見るのは気持ち悪いですし」

 

ジャンヌの言葉を遮り、ジャンヌ・オルタは自身の背後に控えるサーヴァントたちに命令を下す。

 

「さあ、行きなさい『バーサーク・サーヴァント』たちよ!今までの雑魚たちとは違って手応えのある獲物ばかりです!あなたたちの力で聖女気取りの哀れな小娘とその仲間たちを蹂躙しなさい!!」

 

彼女の掛け声と共に振り下ろされた漆黒の旗を合図にサーヴァントたちはジャンヌたちに襲いかった。




第一特異点の一つの山場に突入しました。
やっと、やっとですよ………
自分の投稿が遅いのが原因ですがそれでもやっぱりここまで来るのが長かった。
アンケートはまだまだやっていますのでどんどん入れてください!
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