INFINITE STRATOS with EX-AID&BUILD (G・himagin)
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番外編 年を越した夜に

新年記念


某年23時55分

 

「っしゃ!一夏、買ったぞ!」

「あぁぁっ、負けたぁぁっ!!」

「うおっ、うるさっ!」

 

隣で一夏が叫び、余りに声がデカい為思わずヘッドホン越しに耳を塞ぐ

予め年越しはゲームをしながら越そうと2人で決め、その為に俺は某大乱闘ゲームや某建築アリのバトロワが出来る様にとゲーム端末を揃え俺の家に泊まり、9時からゲームに勤しんでいた

 

「認められねぇ……ロボット腕ぶんぶん丸には負けられねぇ……!」

「そのぶんぶん丸にお前は負けてるだぜ?どうする?」

「次のマッチでボコボコにしたらぁ!」

「それでいい!」

 

俺と一夏がもう一マッチする為にコントローラーを握り直そうとした時コントローラーを後ろから来た手に奪われた

 

「ほれほれ、もうすぐ年越しだぞ。ゲームすんなら年越した後にしろ中学生」

「普通はそこやめろって言うとこじゃね?零兄」

「別に冬休みにどうこう言うわけないだろ、始業式までに生活リズムを戻せばいい」

「さっすが零兄、話がわかる!」

「ま、俺もダチとはこんな感じで年越したしな……」

 

零兄が何故か首を傾げる

 

「どした零兄」

「あぁいや……そういやアイツらから連絡が無いなって」

「連絡?」

「アイツらの事だから毎年するかと思ったが……なんで来ないんだ?」

「いや、わからん」

「だよな……うーむ、ちょっと今度調べとくかな……」

 

そう言いながら壁によりかかって考え事をし始める零兄

 

「なあ一夏」

「どした永珠」

「零兄のダチってどんな人だと思う?」

「……零兄と同じようにヤバいやつ?」

「それは違いない。でもどんな人なんだろうなって、零兄がダチって呼ぶくらいだからよっぽど信頼されてるんだろうし……」

「ダチについて話してる時は楽しそうだしな、零兄。正真正銘の親友って奴かな……」

「益々想像がつかねえ……」

「全くだ……」

「おいおい、人の友人を化け物みたいに言うんじゃねーよ」

「「聞いてたのか!?」」

「聞こえた。まあ化け物なのは否定しない」

「しないのか……」

 

友人化け物呼ばわりかよ……

 

「ただ2人とは、俺の中で1番色々な物を見せてくれたな」

「色々な」「モノ?」

「色々な世界を旅して色々見てきたんだ。恋人とも見たが、その時とは違った景色も見れた……ってやば!」

「「ん?」」

「もう残り1分だぞ!」

「「うわやっば!」」

 

俺達は慌ててテレビをつけ、年越しカウントダウンを待った。そしてラスト5秒

 

『5!』

『4!』

『3!』

『2!』

『1!』

 

『「「0!ハッピーニューイヤー!」」』

 

「あけましておめでとう、永珠。今後ともよろしく」

「あけましておめでとう、一夏。今後もよろしくな」

 

そう言うとゲームを再開した



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Prolog

上空にピンク色の光と黄金色の光が散る空

光同士が衝突し、ピンクの光が墜落し、次いで黄金の光が着地する

 

「ぐぁっ!」

「諦めなさい……あなたはここで死ぬ運命なのです」

「なんだとっ!」

「あなたの持ち得る最大級の力はいま私の手元にあります」

 

黄金の光から姿を現した異形は手の内にある金色のゲームカセットを見せる

 

「これが無ければ貴方も木偶の坊同然……その命の価値は死んでから現れる。私達の為に死になさい!」

 

そう言うと極太のエネルギーの槍を生成し、ピンクの光から現れたゲームキャラのようなモノ……()()()()()()()()()()()に向けて投げつける

ボロボロの体では対処出来ないが、出来ないなりにも腕をクロスさせて防ごうとする

 

「(ごめん、ポッピー、()()、みんな……)」

 

諦めにも近い言葉を心の中で呟くエグゼイド、しかし目の前で槍は姿を消す

 

「え?」

「なに?」

 

異形が再度投げるが、それも消える

 

「なにが……まさかっ!」

「そのまさかだっ!」

 

突如上空から響く声、それと共に異形に橙色のエネルギー鋸が命中し、後方に吹っ飛ばされる

その直後、着地した分厚い装甲の仮面ライダーが振り返るとエグゼイドは思わず吹き出しそうになる

過去にオーズ、フォーゼ、ウィザード、鎧武、ドライブ、ゴースト、ビルドという個性の塊のようなライダー達を見てきた

しかし目の前にいる仮面ライダー……正確にはライダーの顔は今まで見てきた仮面ライダーの一線を画していた

【らいだー】という文字が複眼として張り付いているのだ

 

「え、な、なんだそれ?」

「……んぁ?…よかった、宝生永夢、生きてたんだな」

「あんたなんで俺の名前を?」

「まあ色々あってな。まずはこいつをぶちのめしてからだ」

「……あんたの事が信用出来ない」

「ビルドみたいに力を奪うつもりはねぇよ、相棒がもうアンタの力は持ってるしな」

「はぁ?」

 

意味不明な発言に困惑するエグゼイド、しかし仮面ライダーは気にせずに丸鋸のような武器を異形に向ける

 

「とりあえず、だ。そろそろ奴がこっち来るぞ?」

「あんた、ちゃんと顔見せろよ」

「おう、行くぞ。……天才ゲーマーM」

「おう!」

 

そういうとエグゼイドは他のゲームカセットの様なもの……ガシャットよりも一際大きいガシャットを取り出し、起動する

 

MAXIMUM MIGHTY X!

 

「マックス大変身!」

 

エグゼイドはゲーマードライバーのガシャットを抜くとレバーを閉じ、起動したガシャットを装填しレバーを開く

 

マキシマムガシャット!

ガッチャーン!

レーベールーマーックス!

 

上空に巨大な顔のようなモノが現れると、ガシャット上部のスイッチを押す

 

MAXIMUM POWER X!

 

顔のようなモノにエグゼイドが入る、すると顔のようなモノから手足が生え、更にエグゼイドの顔がひょっこり現れる

 

「行くぞエグゼイド!勝利の法則は、決まった!」

「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」

 

そう言うや否やエグゼイド目掛け拳を振り上げる異形にマキシマムゲーマーの拳を喰らわせる、吹っ飛びこそするも、着地した異形は赤黒い光を纏った片手斧を呼び出しエグゼイドに向け放とうとする

 

「左から失礼」

 

異形の左横にはオレンジの仮面ライダーが既におり、丸鋸で異形を弾き飛ばす

 

「がぁぁっ!?」

 

異形の身体が抉れ、明確に怯んだ瞬間にはエグゼイドはレバーを閉じ、開くと跳躍し、蹴りを放つ

 

MAXIMUM CRITICAL BREAK!

 

ゲームの様なエフェクトと共に放たれたエグゼイドのライダーキックをモロに受けた異形は地面を転がり、青年のような姿になった

 

「やるじゃん」

 

オレンジの仮面ライダーは異形が落とした金色のガシャットをエグゼイドに投げ渡す

 

「うわっ、あんたいつの間に」

「さっき奴が落としたからな。お前さんのだろ?」

 

まあそうだけど……と言うエグゼイドに対し、異形は指をさす

 

「エグゼイドッ!それを返せッッ!」

「返せとは面白いことを仰る、これは元々この仮面ライダーエグゼイド君のものなんだが?」

「煩いッ、この忌み子めッ!」

「忌み子、ねぇ……望まれずしてテメーらによって生み出されたんだからなぁ……俺が忌み子ならテメーらクソ共は毒親だな」

「く、くそぉ……!」

 

青年がオレンジの仮面ライダーに向ける視線は殺意と憎悪に満ちており、直後には光弾を地面に放ち、砕けたアスファルトや煙に紛れて逃げていった

 

「ふぅ…なんとかなったな……あ?」

 

オレンジの仮面ライダーが安堵の声を漏らすと同時に自らの体に紫電が走り、変身が強制的に解除される

それと共に地面には他の仮面ライダーが使うようなベルトとは違う、握力計のような物が落ちていた

 

「……そっか、壊れちったか…今までお疲れさん」

 

オレンジの仮面ライダーだった青年が握力計のような物を拾い上げ、大事そうに撫でる

 

「……なあ、あんた」

「ん?……そういや顔を見せるって話したな。これが俺だ」

「……何者なんだ?」

「零、仮面ライダービルドと仮面ライダーゲイツだった。今はビルドになったがな」

「……そうなのか、あんた何しに来たんだ?」

「お前を守りに来た……正確には、この先の物語を守るために来た、かな?」

「は?」

 

エグゼイドは、青年……零の言った言葉の意味を理解出来ず、困惑した

 

 


 

 

数年後……

 

「えすっ!はやいはやい!」

()()()がおそいからだろー!」

 

2人の少年が歩道を走っている

目指すは住宅街の中でも一際大きい家

インターホンを鳴らした

 

「はいはい……よぉ。一夏に永珠」

「れいおにーちゃんっ!今日はどんなにお話してくれるの!?」

「そうだなぁ……今日は、巨大な怪物に挑んだ。Zっていう光の戦士の物語の1つかな〜」

「ぜっと?」

「そ、Z。光の戦士の1人だ」

「きかせてー!」

「はいはい、じゃあそこに座って」

「「はーい」」

 

 


 

 

「零さん、これ」

「ん、永夢さんきゅ」

 

話を終え、一夏と永珠が庭で遊んでいる間にやってきたエグゼイド……()()()()と零は出会った時のことを思い返していた

 

『なんなんだアンタ、やばい人か?』

『やばい人じゃねーよ』

『いや物語なんて言われて普通信じれるか?』

『そうだなぁ……君の息子に関係がある』

『俺の息子?』

『そ、奴等は君を殺すことで、物語の方向性を変えようとしたんだ』

『いや、やっぱり意味がわからねぇ』

『様々なルートが用意されてるゲームがあるだろ?この物語をAルートとした時、奴等は無理やりBルートに物語を進めようとしてるって訳だ』

『……その為に俺を殺しに来たと?』

『お前の命1つで物語が大きくねじ曲がる。だから俺はお前を守りに来た』

『……信じてもいいんだな?』

『むしろ信じてもらわないと困る。お前さんに死なれる訳には行かないんでな』

『まあ、信じてみるよ』

『サンキュー』

 

今でこそ信用出来るが、出会った当初はほぼほぼ信じることが出来ず、警戒していた永夢だったが、今ではよく話す友として、零と談笑する程にまでなった

 

「でも僕のハイパームテキを奪った彼みたいな人は来ませんね」

「まあアイツらは俺が来たのを知って諦めた節があるしな」

「彼等の中では有名なんですか?」

「……殺し屋的な意味では有名なんじゃね?」

「な、なるほど……というか帰らなくていいんですか?また別のルートに行きそうなんでしょう?」

「……お前らが帰してくれないからもうルートCだよ?」

「あ、すみません……」

 

その時、一夏と永珠が帰ってきた

 

「「ただいまー!」」

「おかえり、永珠、一夏くん、手洗いうがいだよ」

「「はーい!」」

 

「れいにー!」

「れいおにーちゃん!」

「ん?」

「ぜっととかたりすとのはなしきかせて!」

「しょうがねえなぁ。今日だけだぞ?」

 

一夏と永珠が「わーい!」と声を上げて喜ぶ

それみて微笑む永夢と零

 

……物語が進むのは、7年後になる



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Before StoryⅠ

本編前物語です


7年後……

 

白騎士事件が引き起こり、ISが流通した今の世界において女性が優遇されることが多くなってきた

 

そんな中、永珠と一夏は同行者を連れて映画を見に行っていた

 

「いやぁ、まさかボクも誘われるとは思わなかったよ。一夏くん、永珠くん、ありがとね」

「いえ、神奈さんにもこういったリフレッシュする機会が必要だと思ったので」

「え?俺単純にこの映画が神奈さんの好みだから誘ったんだと思った」

「いやそうだよ。俺達が見たい映画と神奈さんの好みの映画が一致していたから誘ったんだ」

「わぁ!ということはボクを誘ったからこの映画にしたんじゃなかったんだね!よかったぁ!」

 

眼鏡をかけ、その奥にはグレーの瞳、黒髪を1つ結びにし、オレンジの服の上に白衣を羽織った周囲の人物とは明らかに違う、浮いた格好の女性が一夏と永珠の手を繋いでいた

 

「いやぁ、愛弟と一緒に好きな映画を見れるという幸運、神に感謝しなきゃね」

「「誰が弟ですって?」」

「君達だよ。()いねぇ」

「それホント千冬姉の前で言わないで下さいよ。また取っ組み合いの喧嘩になるんすから」

「大丈夫大丈夫、仮に彼女が本気ならボクは既にバラバラになって東京湾にコンクリ漬けで沈められてるよ」

「友人の姉をヤクザみたいに言ってる人に俺はどう対応すればいいと……」

「笑えばいいんじゃないかな?」

「「笑えませんが」」

 

そんな会話をしている時、ボロボロの衣服の男性が館内に現れ、助けを求める

 

「た、助けてくれっ!ヤバい奴に追いかけられているんだっ!このままだと俺は殺され──」

「何をしているのでしょうか」

「ひぃっ!」

 

男に呼び掛けたのは上下共に白い服の女性

 

「全く、実験体一号が煩わしい真似を…」

 

女性はボトル型のアイテムを男の胸に投げつける

するとボトル型のアイテムのキャップ部分が男の胸に命中、苦しそうに悶える男を見て神奈は駆け寄ろうとする。しかし

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

男の胸部を中心に薄緑の煙が出てきて男を包む、そして煙が晴れると、赤い羽根の様なものが腕に装着された異形になっていた

悲鳴があがる映画館で神奈は冷静にあれを眺めていた

 

「あれは……ッ!」

「神奈さん逃げよう!」

 

永珠が避難を呼び掛ける。しかし、神奈は微かにあの異形が言った言葉を聞き取っていた

 

「……ボクが助けなくて誰が彼を助けるんだい?」

「ッ!?」

「ボクは医者だ。『助けてくれっ』と言われた以上、助けるのがボク等の役割さ!」

 

そういうとシルバーをベースに赤いレバーのついたバックルを腰にあてがう

するとバックルの側面からベルトが飛び出し、自動的に巻かれる

 

ゲーマドライバー(ツヴァイ)

 

「それじゃあ、オペを始めよう」

 

そういうと濃い黄緑をベースに、グリップは茶色のガシャットを取り出し、起動しゲームエリアを形成する

 

CREATE THE WORLD!

 

「変身」

 

ガシャットをゲーマドライバーにいれると、キャラクター選択パネルの様なものが出てきて縦回転する

神奈がタンッとつま先で地面を叩くとキャラクターが選択される

 

ガシャット!

レッツゲーム!

メッチャゲーム!

ムッチャゲーム!

ワッチャネーム!?

 

I'm a KAMEN RIDER!

 

他のドクターライダーのレベル1と同様のボディで、顔はスナイプに近く、茶色にヘルメットのようなものを被っており、左目に黒髪が垂れているような形になっている

 

()()()()()()()()()()………一掘り目、変身完了!」

 

そういうと武器が呼び出され、実体化する

鶴橋型の武器となったソレを握るクエイト

 

ガシャコンピッケル!

 

「それじゃあ製作開始だ!」

 

そういったメイクに飛び掛る異形、しかしクエイトは焦らす、先程起動した際に呼び出された土のようなキューブ型のゲームオブジェクトをガシャコンピッケルで叩く

ポンッ!という可愛らしい音と共に複数個の小さくなったキューブがクエイトに吸収される

 

異形の攻撃がクエイトに命中する寸前、先程の4分の1の大きさのキューブが2人の間に現れ、それが攻撃を防いだ

 

「ボクのクリエイト・ザ・ワールドにはエナジーアイテムが存在しないんだ。でもね──」

 

異形の腹部に同じようにキューブが生成され、ガシャコンピッケルで突かれると勢いよく異形に向かって飛び、異形ごと巻き込んで壁に叩きつけた

 

()()()()()()()()()()があるから、こうやって他のライダーより自由に動けるのさ」

 

そういうと3つのキューブオブジェクトを召喚、そしてガシャコンピッケルを振るうとキューブオブジェクトは異形に向かって飛び、連続で《HIT!》の文字が現れる

 

更に周囲のキューブオブジェクトを破壊し、キューブ3つを使い棍のような武器を生成、反撃してきた異形の攻撃を受け流す

 

「さて、と……それじゃあ二掘り目、行きますか」

 

そういうとゲーマドライバーⅡのレバーを開く

 

ガッチャーン!

レベルアーップ!

 

するとゲーマドライバーⅡからパネルのようなものが出てきて、クエイトが入るとそこには巨大な壁があった

壁を砕いていくうちにレベル1の装甲が無くなっていき、最終的に緑をベースとした8頭身ボディのクエイト、仮面ライダークエイト クリエイトゲーマーレベル2になっていた

そしてバラバラになった大量のキューブオブジェクトがゲーマドライバーⅡに収納される

 

構想!改造!破壊に創造!

CREATE THE WORLD!

 

レベル2になるとガシャコンピッケルの鶴橋部分を上下反転させ槍のような形状に折りたたむ

 

ス・トーン!

 

ガシャコンピッケル 槍モードに移行させるともう片方の手で先程造った棍をもう片方の手に持つ

異形の攻撃をいなしつつもガシャコンピッケルで異形を貫く、反撃のように腕を繰り出す異形の攻撃を棍のキューブオブジェクトを分解して盾として再構築する事で防いだ

 

そしてゲーマドライバーⅡのガシャットを抜き取り、同色のベルトに着いていたスロット、キメワザスロットホルダーⅡに挿入する

 

ガシャット!

キメワザ!

 

盾のキューブオブジェクトが分解され、更に生み出されたキューブオブジェクトが大量の大砲として形成されていく

 

CREATE CRITICAL STRIKE!

 

生成された大量の大砲が火を吹き、異形を飲み込み爆ぜていく、そのまま異形は消え、あの男が倒れていた

 

「す、すっげぇ……」

「お父さん達はいつもこんな事を……」

「……チッ!」

 

一夏と永珠が憧れの眼差しを向ける中、上下白い服の女は苛立ち気味にクエイトの方へと向かう

 

「余計な事を……!」

「残念なことに君の思惑通りには行かなかったようだねぇ、残念でした」

「……ッ!」

 

怒りの形相と共に、女は銃のようなモノを構える

 

「それは確か……思い出した!……随分な骨董品を持ち出したものだ」

 

思い出すや否やそう言い放つクエイト、それもそのはず、この銃こと【ネビュラスチームガン】は18年前の事件で現れたモノ……彼女から見れば相当な骨董品である

 

GEAR ENGINE!

 

「下らない……骨董品かどうかは、あなたが確かめなさい。その身体で!」

 

FUNKY!

ENGINE RUNNING BROS X!

 

ネビュラスチームガンにギアボトルを挿入し、トリガーを引く

すると煙が発生し、煙が晴れると紫のエンジンブロスこと、エンジンブロスXが現れ、クエイトに襲いかかった

 




簡単な時系列の説明(永夢の年齢も一応)

マイティノベルXが事件が起こった(永夢 30歳)

ポッピーと結婚、同年に永珠を出産、更に襲撃にあい、零に助けられる。永夢にとっては怒涛の年(永夢 33歳)

Prologの中盤(永夢 36歳)

現在(永夢 43歳)


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Before Story Ⅱ

次でオリ主こと永珠が初変身……かな?


エンジンブロスXはネビュラスチームガンを放ち、その直後には右腕のギアパーツからギア型エネルギーを放つ

咄嗟にクエイトはキューブオブジェクトを盾にして防ぐが既に背後にエンジンブロスXが居た

 

「なっ───」

「遅い」

 

右腕と前腕でクエイトの後頭部を殴り、前に吹っ飛んでいくクエイト

 

「ぐが……っ!?」

「あなた方仮面ライダーの性能をベースに強化されたエンジンブロスX……あなた方()()()C()R()のライダーに勝るとも劣らないですよ」

「じっくり研究してたってことか……参ったね。創る事で戦力の増強を図るボクは負けるなぁ」

「……自分で弱点を言っていいんですか?」

「あぁっ!しまったぁ!」

 

自らの欠点を晒してしまうクエイトに対して嘲笑するエンジンブロスX

 

「ですが、あなたが無能なお陰で私の仕事は楽になる。では……」

 

腕を振り上げるエンジンブロスX、しかし振り下ろされる寸前、なにかが腕を弾く

 

「なーんてね♪」

「ッ!?」

 

咄嗟に放たれた銃弾を落とすも、脇腹にガシャコンピッケルが刺さり仰け反ってしまう

 

「がふっ……な、なにを!」

「んー…君は長期的に物事を捉える視点が欠如してるように思えるね。ボクは最初からコレを創ってたんだよ?」

 

クエイトが指を指す、指した先には3つのセントリーガンが置かれていた

 

「なにっ!?」

「ボクの創る能力を舐めてもらっちゃ困るよ。クエイトの能力は時間さえあらば基本的に創れないものなんて無いからね!」

「時間稼ぎ……小賢しい真似をッ!」

 

激昂するエンジンブロスX、だが気にせずクエイトはガシャコンピッケルによる突きで追い詰めていく

 

「く……」

「さて、と……それじゃあ倒させてもらうよ〜」

 

口調こそ軽いが、普通の人を怪人にするなどの行為に対する怒りによる怒気が孕まれているその声で、ガシャコンピッケルを突きつける

 

「参りましたね……どうやら過小評価していた様です……ですので」

「ん?……ッ!?」

 

エンジンブロスXから煙が湧き出し、全身を包む。そして気付いたらエンジンブロスXは消えていた

 

「……クソ」

 

悪態をつくも、周囲には一夏と永珠と気絶している異形にされた者のみで、それ以外には人はいなかった為、変身を解除した

 

「大丈夫かい?2人とも」

 

異形にされた男の安否を確認し、病院へと搬送させると一夏達に話しかけた

 

「あ、うん……」

「俺達は大丈夫だけど……」

 

おずおずと永珠は神奈にバックルを差し出す

2つのスロットがあり、右側には赤いグリップ回転レバーが備え付けられていた

 

「これって……ビルドドライバー!?」

「あの怪人になった女が持ってたんだ」

「……これで敵がなんなのかわかったね。ありがとう2人とも」

「う、うん!」

 

映画を見れずじまいではあったが、別の日に見に行くこととなり、この場は解散となった



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Before Story III

2ヶ月近く更新しないハーメルン小説家が居るらしい()


あれから数日が経ち、零が帰宅すると、リビングで仮面ライダーブレイブ……鏡飛彩が座っていた

 

「あ、鏡先生!?」

「久しぶりだな、永珠」

「そ、そうですね……とりあえずお茶出しておきましょうか?」

「大丈夫だ。それより……」

 

飛彩はテーブルに先の戦闘で得たあのベルトを置いた

 

「これが何だか、わかるか?」

「まあ、えぇ……ビルドドライバー、でしたっけ」

「そうだ。これは現時点で桐生戦兎、万丈龍我、皇牙零しか持っていない。だが」

「敵が持っていた、ですか?」

「そうだ。敵の特徴を抑えておきたい、永珠、織斑一夏君を連れてきて貰えるか」

「あ、はい」

 

そして一夏を呼ぶと、やはりビッグネームが目の前にいるのもあり驚いていた

 

「あわわわ……ちょ、零、これどういう事だよ!」

「あの怪人の特徴が知りたいんだと」

「この衝撃でんなもん全部吹っ飛んだわ!」

「まじすか……」

 

暫くして一夏が落ち着いてから話が再開された

 

「右側に紫色の歯車見たいなのがついていて」

「紫色の銃みたいなの使ってました」

「あとはエンジンブロスXって呼んでたよな。あの銃」

「X、か……」

 

Xという文字を聞いて露骨に顔を顰める飛彩

 

「あの…どうしました?」

「いや、こっちの話だ。それ以外には特に説明出来る事は……」

「無いですかね……」

「まあ……歯科医(神奈)の説明に比べれば数倍マトモだな……」

「「どんな説明したんだあの人……」」

 

歯科医……神奈の説明力の無さに2人が絶句していると、空中でなにかが爆発したような音が鳴る

 

「ん?」

「なんの音だ?」

「俺が外を見てくるから2人はここで──」

 

宝条家の壁が吹っ飛び、3人は壁に叩きつけられた

 

 


 

「ぐぶっ!?」

「がはっ!」

 

その衝撃から時間にして5秒ほど一夏と永珠は気絶していたが、歴戦の戦士である飛彩は、上手く受け身をとりダメージを軽減し、ゲーマドライバーを装着する

 

「……エンジンブロスX()という名前から不吉な予感はしたが……正解だったとはな」

 

先程まで壁だったものは跡形もなく吹っ飛び、代わりにそこには額と胸部に【X】の文字が刻印された機械兵……Xガーディアンとゴツい人型をしており背中には中央線状の模様がある異形……ロード・ドーパントが住宅街に居てはいけない程の夥しい数居た

 

「……死の商人、()()X()

 

そしてその中心に立っているのはあの時の上下共に白の服の女性

 

「一応最終通告です…ビルドドライバーを寄越しなさい」

「断る。お前達財団Xに渡すものでは無い」

「そうですか……では、お別れです」

 

GEAR ENGINE!

FUNKY!

ENGINE RUNNING BROS X!

 

女性はエンジンブロスXに変身し、ロード・ドーパント達に殲滅を命ずる

同じタイミングで、飛彩はガシャットを起動し、ゲーマドライバーのレバーを開き、レベル2になっていた

 

TADDLE QUEST!

 

「変身」

 

ガシャット!ガッチャーン!レベルアーップ!

辿る巡る!タドルメグル!TADDLE QUEST!

 

迫るXガーディアンはガシャコンソードの一閃で舞い上がり、無双ゲームの雑魚キャラの様に軽々と蹴散らされていく

ロード・ドーパントの熱線も氷属性になったガシャコンソードにより凍結し逆にガシャコンソードの一撃で氷漬けにされていく

歴戦の戦士であるブレイブ相手にロード・ドーパントやXガーディアンなど役に立たず、数分で半数以上がけちらされていた

 

「ハァァッ!」

「ちっ……」

 

蹴散らされていくXガーディアン達に苛立ちを覚えたエンジンブロスXは高速移動による連撃を叩き込む

 

「くっ……」

「ッ…!」

 

しかしブレイブは数歩後退した程度で大したダメージは与えられておらず、驚愕したエンジンブロスXの次の攻撃にカウンターを返す

 

「ぐぅっ!?」

「経験が浅いな、幾ら早く動いた所で予測出来るなら無意味に等しい」

「旧式の分際で馬鹿にしてッ!」

 

エンジンブロスXの連続攻撃をガシャコンソードでいなし直接のダメージをほぼゼロにして炎属性状態のガシャコンソードでたたっ斬るブレイブ、そこにはスペックでは説明の付かない【格の違い】が現れていた

 

「旧式……か、常にベルトのアップデートをして、俺達も休むこと無く訓練を怠らなければ旧式だろうが関係は──」

 

ガシャコンソードの薙ぎ払いでエンジンブロスX、Xガーディアン、ロード・ドーパントが蹴散らされる

 

「──無いッ!」

 

ブレイブの圧倒的な実力差はエンジンブロスXのスペックで補うことは出来ず装甲はボロボロとなり、ブレイブの一撃で簡単に撃破されてしまうことが容易に想像出来た

 

「く、くく……」

 

しかしエンジンブロスXは()()()()()

 

「何を笑っている……!」

「おっと、仮面ライダーブレイブ、もう動かないことをおすすめしますよ。貴方のお仲間さんの息子とその友人を殺されたくなければね」

 

その言葉で振り返るブレイブ

 

「ご、ごめんなさい……飛彩さん…」

「ぐぅ……」

 

Xガーディアンが永珠と一夏に機関銃の銃口を突きつけていた

一夏に至っては抵抗したからか、顔に怪我をしていた

 

「お前ッ!」

「武器を捨てて下さい……そうすれば助けてあげますよ」

「……」

 

ブレイブはガシャコンソードを地面に投げ捨てる

 

「良い人だ……仮面ライダーに相応しい……ですが、貴方は私が殺してあげましょう!貴方の未来はもう無い!」

 

永珠と一夏が人質に取られているので動けないことをいいことにエンジンブロスXはブレイブを嬲り始める

 

「余計な仕事を増やし手間取らせてくれる!」

「がっ……ぐぅっ!」

「貴方達仮面ライダーは何時も私達の邪魔ばかりする!消えろ、無くなってしまえ!」

 

呪詛のような言葉を投げつけながらただの力(暴力)を振るうエンジンブロスXに対して……同時に、見ている事しか出来ない自分に対しての永珠の怒りが溜まっていく

 

「クソ……俺が、コイツらを倒せたら…!」

 

それは目の前の暴力を止める為の願望か、はたまた力への渇望か……そんな永珠の目にある物が映る

 

「あれなら……もしかしたら……!」

 

永珠はそれを見て、すぐに行動に移した

 

「らぁっ!」

 

椅子を掴みXガーディアンに向けて殴り付ける。ガギィという鈍い金属音と椅子が砕ける音が鳴った時には永珠はソレに向かい駆け出していた

 

「なっ……」

 

エンジンブロスXが異変に気付き永珠に銃口を向けた時には、永珠はそれを掴んでいた

 

「……取った!」

 

手に握られているものは()()()()()()()()

そしてそれを腰に宛てがう永珠をエンジンブロスXは嘲笑した

 

「無駄ですよ……ボトルがなければそれは鈍器未満です…。それを手に入れるという蛮勇は褒めてあげようと思いましたが……」

 

エンジンブロスXはネビュラスチームガンを永珠に向ける

 

「どうせすぐに死ぬので褒める意味なしですね」

「永珠ッ!」

 

飛彩が叫ぶのとほぼ同時にエンジンブロスXが死の弾丸を放つ

そしてその弾丸は永珠の脳天を貫く軌道を通り──

 

ガァンッ!

 

()()()()()()()

 

「なぁっ!?」

 

予想外の事態に焦るエンジンブロスX

弾丸を弾いたモノは2本のボトル──()()()()()だった

突然現れたフルボトルを永珠はまるで使い方を知っているかのように掴み、3回ほど振るとキャップを合わせビルドドライバーに装填した

 

DOCTOR!GAME!ベストマッチ!

 

有り得るはずの無い、存在するはずの無いボトルが永珠の元に現れ、使われる

しかしここに零がいた場合は納得をするだろう。そのフォームは永珠に最も相応しい姿にさせるのだから

 

Are you ready?

 

「……変身!」

 

EX-AID!

MIGHTY JUMP!MIGHTY KICK!MIGHTY MIGHTY ACTION X!

 

本来のビルドのようにハーフボディに挟まれる変身ではない

上から下に流れるように装甲が展開され、その姿はベルト以外は仮面ライダーエグゼイド アクションゲーマー レベル2と同じモノへとなった

 

「あ、あ、ありえないっ!」

 

目の前の光景が信じられないエンジンブロスXはただ喚く、しかし、そんなモノはエグゼイド……()()()()()()()()には関係はない

目の前の、弱者を虐げ、卑怯な真似すら辞さない悪を倒す。その為に変身したのだから

 

「ノーコンティニューで、ゲームクリアだッ!」

 

もう1人の仮面ライダーエグゼイドによる反撃が始まった



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Before Story IV

目の前の異物を認められないエンジンブロスXがネビュラスチームガンを撃ち込む前にエグゼイドはガシャコンブレイカーと銃モードのドリルクラッシャーを召喚、ほぼ同時に放たれた弾丸がお互いの武器を弾き飛ばす

 

「がっ!」

「ぐっ!」

 

エンジンブロスXが弾かれたネビュラスチームガンを拾おうとするがビルドエグゼイドのガシャコンブレイカーによって妨害され、さらにハンマーモードのガシャコンブレイカーによる打撃で数メートル吹っ飛ばされる

 

「ぐふぅっ!」

「まだまだ!」

 

ジャ・キーン!

 

「これでお前をたたっ斬る!」

「なっ……がっ、ぐぁっ、ぐはぁっ!?」

 

ガシャコンブレイカーからの3連続の斬撃で【HIT!】の文字と共に大ダメージを受けるエンジンブロスX

 

「な、舐めるなァッ!」

 

しかし吹っ飛ばされた事でネビュラスチームガンとの距離が縮まり銃撃をしながら距離を縮め、召喚したスチームブレードで攻撃をする

 

「ぐぁっ…!」

 

経験不足が故か防御に失敗して吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられてそのまま地面を転がる

 

「変身して数分のクソガキに負けると思うか……!なぶり殺しにしてくれるッ!」

 

そういいスチームブレードで嬲ろうとするが、何故か脚が動かない

よく見ると脚ごと地面が凍り付いていており、どれだけ力を込めてもピクリとも動かない

 

「これは……まさかっ!?」

 

氷の出所を辿ると、やはりブレイブがガシャコンソード 氷属性モードで凍結させていた

 

「お前ッ、良いのか?織斑一夏がどうなっても!」

「織斑一夏君のことなら問題ない……もう()()が来ているからな」

 

そう言って一夏が居たところへと視線を向けると、黄色のドクターライダー……仮面ライダーレーザーターボがおり、一夏を抱えていた

 

「仮面ライダーレーザーターボォォ……!」

「俺が来ることは想定してなかったみたいだな、残念♪」

「貴様ァッ!」

「おおっと、良いのか?俺に対して攻撃をしようとして」

「は?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「え?……ッ!?」

 

焦りと共に振り返った時にはビルドエグゼイドはビルドドライバーのレバーを回しきり、ブレイブはキメワザを発動させようとしていた

 

「まず──」

 

言い切る前に2人の同時蹴りが炸裂する

 

Ready Go!

ボルテックフィニッシュ!イェーイ!

 

ガシャット!キメワザ!

TADDLE CRITICAL STRIKE!

 

ピンクと水色のエネルギーが纏われたダブルライダーキックにより、エンジンブロスXは爆散、ネビュラスチームガンは基盤が剥き出しになって破損し、女は気絶した

 

 


 

 

撃破後、警察に連行された女を見届けた永珠達

永珠は戦闘による疲れから壁にもたれて寝ており、飛彩は警察に事情を説明しに行った

残った一夏は何をすべきかと混乱していたが、貴利矢に1度帰宅した方が良いと言われ帰宅していた

残ったのは貴利矢と寝ている永珠、そこに男女が現れる

1人は白衣を着た男──宝生永夢、もう1人は男より若い20歳くらいの見た目の女性──宝生明日那

 

「貴利矢さん!永珠は!」

「落ち着け永夢、永珠は無事だ。……まあ厄介な事が起きたが」

「厄介なこと?」

「財団Xが攻めてきた」

 

絶句する永夢と明日那、しかし襲撃の原因に対しては察していた

 

「ビルドドライバー、ですか?」

「どうやら財団X製だったらしくてな。奴らが取り返しに来たらしい」

「なるほど……。それで飛彩さんと貴利矢さんが?」

「いや……大先生と永珠だ」

「永珠が?……まさか!」

「そのまさか、だ。永珠がエグゼイドに変身した」

「永珠が変身って……。永珠には抗体がないんだよ!?」

 

ドクターライダーに変身する為に必要なバグスターウイルスに対する抗体、人とバグスターの娘というイレギュラー故か検査はしたが永珠には抗体が無かった事が確認されている

 

「そうなんだよ……。だがエグゼイドに変身していた……ビルドドライバーを使っていたから特別なのかは不明だが、調べておく必要があるな」

「うん……」

 

心配そうな表情をする明日那

永夢のように戦いの渦に巻き込まれてしまうのではないか、そんな不安から、永珠の頬に触れる

 

「大丈夫だよね。……永珠は戦いに巻き込まれないよね…?」

 

しかし……その願いは、2日後に裏切られる

 

 


 

 

「永珠に抗体があるって──」

「どういう事ですか!?」

 

明日那と永夢の怒声がCRに響く

 

「落ち着け小児科医、ビルド()が説明をする」

「説明するぞ、2人とも」

 

零が見せたのはバグスターウイルスの抗体……だが、その形状が通常の抗体と異なった形状をしている

 

「この抗体……まあ永珠の抗体なんだが、通常のバグスターウイルスの抗体と変わっている所はないんだ。ただ出所が違うだけで」

「出所?」

「ビルドドライバーが擬似的な抗体としてこれを造って永珠の身体にぶち込んで変身させたんだ。純粋に永珠が持っていた後退じゃなくて、ビルドドライバーが生成した抗体って事だ」

「人工的な抗体?」

「そういう事だ。恐らく奴ら(財団X)が追加した機能って所だな。そして…」

「そして?」

「永珠とのシンクロ率が恐ろしい程高い。多分この抗体が永珠の身体から消えることは無いな」

「嘘でしょ!?」

「大マジだ。ここまで適合してると普通にドクターライダーになれるぞ」

「そんな……」

「ま、安心しとけ!永珠には身体に問題がないって説明しといたから、永珠を戦いから遠さげたいんだろ?」

「えぇ……」

「俺も同意だ。だからまあ……その、嘘をつかせてもらっ…た。悪いな」

「いえ…」

 

永珠のもう1つの事実にCRの雰囲気が重くなる

…しかし、3年後のある日、更に驚愕の事態に発展することとなる



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Before Story V

遅れに遅れまくってこれだよ


3年後

 

「ふぅ……緊張してきた」

「一夏は特待生狙ってるもんな」

「勿論」

 

一夏と永珠は藍越学園受験の為会場に向かっていた、途中女生徒が異様に集まってる箇所があり、疑問に思った一夏だったが永珠が解説をする

 

「ありゃIS学園の受験会場だな」

「IS学園の?」

「適性がどうたらだ。あそこでB以下だと弾かれる」

「詳しいんだな」

「父さん達みたいに医者になる訳じゃなくてIS関係の職に着きたいなって思ってさ」

「……もう将来見すえてるのか、凄いな」

「お前は教師だっけ?」

「おう。とはいえまだ永珠みたいにハッキリとはしてないがな」

「俺もまだフワッとだよ」

「へぇ……じゃあお前にIS適性会ったら願ったり叶ったりじゃね?」

「あったらなー。もしあったら神からの贈り物(ギフト)だな」

「だなー」

 

そんなことを話しながら数分後……

 

「「迷った……」」

 

藍越学園の構造が複雑故、ものの数分で現在地も戻り方もわからなくなってしまった

 

「いや複雑過ぎるだろ……」

「地図みたいなのはないのか?というか案内板とかないのか!?」

「なかったな……」

「ホワイ……?」

 

頭を抱える2人、更に迷いに迷った後、1つの部屋を見つける

 

「流石に誰かいるだろ。場所聞かないとな」

「だな」

 

そして戸を開けるとそこにはISが置かれていた

 

「おっ…ISか、実物を見たのは初めてだな」

「普段は競技とかで企業しか持ってないもんな、こうやって見たのは初めてだ」

 

そう言いながら近付いて眺める2人、十数秒後、一夏が徐に呟いた

 

「……触ってみるか?」

「おいおい、おいおいおい……流石にまずいだろそれ。というか誰もいねえしな。別室行くか」

「……まあ、そうだよな」

 

その時

 

「そこっ!誰かいるの!?」

「うぉっ!?」

「あっ、やべっ……」

 

教師が入ってきて驚いた2人、そこで足を滑らせてしまった一夏は──

 

「「あっ」」

 

ISに触れてしまい、I()S()()()()()()()()()

 

「なっ、男がISを!?」

「おいおい一夏!お前どうした!?女だったのか!?」

「なわけないだろ!どうしてこうなった!?」

「ほ、他の教員を!」

 

混乱する現場、一夏だけ連れ去られ、その日が終わった

 

 


 

 

「うっわ……連日ニュースになってら……一夏がストレスで死にそうだな……」

「永珠、そろそろ行くよ」

「わかったー」

 

3日ほど経ち、毎日のように流れるニュースを見て顔を青ざめさせているであろう親友を心配しつつも永夢と共に外に出る

一夏がISを起動させたことにより、世界中の男性のIS適性がチェックされることになったからである

 

「……もし僕にIS適性があった時は」

「ん?」

「飛彩さん達によろしくって伝えておいて」

「……まあ多分ないだろうけど、わかった」

 

 

そうして受けたIS適性の調査、当然永夢は適性が無いと診断される

 

「次の人、どうぞ」

「は、はい……」

 

そして永珠がISに触れた時、ISが光り、気付いたら永珠はISに乗っていた

 

「「「えっ……」」」

 

この場にいる誰もが理解する、世界で2番目の男性IS適性者は宝生永珠であると─



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Before Story VI

第二の男性IS搭乗者が現る!

 

「うわぁ……」

 

翌日

テレビとベッド等が置かれた簡素な部屋で一夏に次いで連日ニュースになっているという現実に引き攣った笑みを浮かべてしまう永珠。昨日は拉致同然に研究所に連れていかれてしまい、そのまま後3日はこの施設で色々と聞かれなければならないという現実が重くのしかかる

 

「さいっあくだ……」

 

頭を抱える永珠の元に白衣を着た女性が来た

 

「本日、質問をさせて頂く小野寺優香です」

「はい」

「昨日から身体に変化はありましたか?」

「いえ、特には」

「そうですか。織斑さんとは親しい関係と聞いていますが、それと関連性があるとは思いますか?」

「無いと思います」

「では──」

 

その時、外が騒がしくなる

 

「……失礼」

 

優香がカーテンをずらして外を見ると『宝生永珠を殺せ』『男性IS操縦者を許すな』等といったプラカードを掲げた女性の団体が「宝生永珠を許すな」と声を上げていた

チラリと見た永珠はドン引きしている

 

「……なんなんすかアレ」

「女性権利団体ですね」

「ISが現れてから女尊男卑になって消滅してないですか?」

「寧ろ逆ですよ?今の女性権利団体は……言うなれば『男性権利剥奪委員会』ですね」

「なんすかそれ……」

「ISが発達した世の中で男性が扱うような兵器は不要、従って男性は不要という寝言を抜かす団体になっているんですよ」

「えぇ…」

「ISは467機が限界……更に仮面ライダークロニクル事件、サイドアース衝突事件といった人智を超えた現象に対処出来る程優秀じゃない。というかアラスカ条約で兵器運用禁止の癖して兵器を投入している時点で矛盾してますしね……私は何故ISが偉い、ISが正義と言い放っているのか…理解し難いです」

「なる、ほど……」

 

その時、一人の女性が集団より前に進み、何かを構える

 

「なにを──」

 

瞬間壁が吹っ飛び、2人は吹っ飛ばされる

 

「なっ……壁をぶち抜かれるの2回目だぞ……!」

「ぐっ……」

 

優香は女性が持っているものが違法の大型エネルギー銃であると見抜いた

 

「女性権利団体じゃない…!?」

「え、じゃあ何処なんですか!?」

 

女性がエネルギー銃を投げ捨て、銀色のメダルを取り出す

 

「……」

 

すると自身の頭部にコイン投入口のようなものが現れ、そこに銀色のメダルを投げ入れる

 

「!」

 

ビクンッ!と身体が跳ねると、自身の体からカマキリのような怪人──ヤミーが現れた

それに悲鳴を上げる団体だが、一部の人間が残っていた

 

「デモの大多数は普通の人だけど、一部は()()()()()()人って事ですか……」

「財団……X」

 

銀色のメダル──セルメダルを割り、屑ヤミーを大量に生み出した財団Xの人間は、ヤミー達と共に仮面ライダーの居ない研究施設へと入っていった



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