幼馴染に貰ったオナホでオナニーしてたら幼馴染が妊娠してた話 (タナん)
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1話 報告会(エロ無し)

 僕の名前はレイ、16歳、魔法学院に通う極普通の魔法使いだ。

 僕には幼馴染がいる。

 彼女の名前はシャロ、16歳、魔法学院に通う天才魔女だ。

 

 彼女は殆どの者がその難解さ故に使う事を諦めた空間魔法を操り、それ以外の魔法も卒なくこなし、入学以来常にトップの成績を収め続けている。

 

 それだけではない。

 彼女は可愛いのだ。

 赤い軽くウェーブのかかった髪からはこの世のどんな香水よりもいい香りを放ち、均整のとれた顔に目を奪われない男はいないだろう。

 体つきは胸は大きく尻も大きい。それなのに腰は折れそうなほど細い。

 そのボディラインはあまりにも美しく、ある国民的飲料を入れる瓶の形を彼女のボディラインを参考にして作るほどだ。

 

 彼女の家は国有数の貴族で、僕は彼女の家に出入りしている商人の家に産まれた。

 そんな僕とは釣り合わない天上人である彼女との出会いは4歳の頃。

 彼女の家に親の跡継ぎとして顔合わせのために行ったのが最初だった。

 

 彼女の親と僕の親は身分は違うが、気が合う友人のような関係らしい。

 そのためお互い同じ歳の子供がいるということで遊び相手として引き合わされるのは当然の事だった。

 

「君はだあれ?」

「あの…僕はレイって言います」

 

 それから彼女は何故か僕のことを気に入ったらしく、頻繁に呼び出され遊ぶことになった。

 最初は普通に遊んでいたのだが、徐々に彼女は天才の片鱗を見せ始める。

 

「軽くても重くても落ちる速度は同じなんだって!ちょっと重り持って飛び降りてみて!」

 

 本当に2階から飛びおりて偉い目にあった。

 

「接地面積が大きくても摩擦力は変わらないんだって!」

 

 僕が立ってる時と寝転んでる時にどっち方が滑りにくいか試したのだが、足に紐を結ばれてステンと転けて頭を打った。

 ちなみに服も靴も着てたので実験としては失敗だった。

 

 このように仕入れた知識を試さずにいられないらしく事ある毎に実験するようになったのだ。

 ただ何故か実験に僕を使いたがり、その度に僕は痛い目にあっていた。

 

 彼女が8歳になると魔法学院に通う事になった。

 その時に彼女の勧めで魔力検査を受けた結果、僕も魔力があることがわかり、一緒に入学することになった。

 

 当然彼女は魔法の実験にハマり、何かにつけて僕は実験台にされた。

 14歳にもなると新しい魔法の開発までするようになり、使える者が殆どいない空間魔法までマスターしてしまった。

 最近は魔道具の開発がマイブームらしい。

 

 そんな大変だが退屈しない学生生活を満喫していた。

 だがある日、シャロの衝撃的な言葉で日常が崩れ去った。

 

「ねぇ、レイってオナニーするの?」

「は?」

 

 彼女の口から聞こえてはいけない単語が聞こえた気がする。

 

「ごめん、なんだって?」

「だからオナニーしてるの?」

「そういえば第3研究室の教授が今まで使い道のないとされていた電気魔法の画期的な方法を発明したら」

「それは今どうでもいいの、オナニーしてるの?YESかNOで答えなさい」

「……」

 

 どうやら聞き間違いではなかったらしい。

 話を逸らそうとして彼女の好きそうな話を振るものの逃してはくれない。

 

「どうなの?」

「何でそんな事聞くの?」

「友達が男は皆オナニーしてるって言ってたの。だからレイもするのかなって」

 

 勿論僕も健全な男だ。

 オナニーはするし男友達と猥談で盛り上がったりする。

 だがこれは太古の昔より男女の間では決して触れてはならないタブーの筈だ。

 もしかした好奇心旺盛な彼女のことだ。

 オナニーの話が出たものの知識にないため聞いてきてるのかもしれない。

 

「オナニーの意味って知ってる?」

「男の股についてるペニスを自分の手で刺激して精液を出して快感を得る行為のことでしょう?勿論知ってる」

 

 知ってるらしい。

 仕方がないカウンターを決めてみるか。

 

「そういうシャロこそ……」

「私はYESかNOで答えろって言ったよね?自白剤飲ませるぞ」

 

 どうやら神はいないようだ。

 因みに彼女が作った自白剤は、どんな訓練を受けた暗殺者でも自白させると一部では評判で、その製法は国家機密となっている。

 

「…YES」

「そうなの。じゃあ何見てオナニーしてるの?」

「そんなこと言えるわ……」

「答えて」

「そういう本でしてます……」

 

 彼女は興味ない、つまらなさそうな表情で質問してくるが、何故か有無を言わせぬ迫力があった。

 基本的に彼女に逆らえない僕は遂に白状してしまった。

 恥ずかしくて顔が真っ赤になるのがわかる。

 彼女とは幼馴染で家族のようなものだ。

 家族に下の話をする時ほどキツイものはない。

 

「はいこれ」

「はいって写真……?!」

 

 彼女から手渡された写真には下着姿で胸を持ち上げているシャロの姿があった。

 貴族出身の彼女の事だ。

 ここまでの肌面積を異性に見せたのは産まれた時親に見られた以外は存在しないだろう。

 

「えっこれっなんでっ」

「これからはこれでオナニーしなさい」

 

 彼女の爆弾発言に頭がパニックになる。

 

「いい?これからはオナニーをしたら必ず報告しなさい。明日報告聞くからしっかり励みなさい」

 

 何かの実験だろうか?その後質問は受け付けてもらえなかった。

 今まで彼女を性の対象に見たことなんて無い。

 果たして出来るか心配だったが何とかこなす事ができた。

 因みに凄い出た。

 

 次の日、授業が終わるとシャロの部屋に呼び出される。

 

「では報告を聞きましょう」

「えっと…言わなきゃ駄目?」

「当然でしょう」

「…気持ちよかったです」

 

 駄々をこねて見るものの彼女は譲る様子が無いため、正直に報告というより感想を話してしまった。

 

「ふーん、あの写真どういうところが良かったの?」

「…おっぱいが強調されてる所が良かったです……」

 

 何故か彼女は顔を背けているので表情は見えない。

 またこちらに向きなおると、相変わらず昨日のようなつまらなさそうな表情だった。

 その後もどうやって握ったのか?どれぐらいの速さだったのか?下着の色はどう思ったのか?など根掘り葉掘り聞かれる。

 一通り質問が終わるとシャロは胸のボタンをあけ、指を谷間に突っ込む。

 

「ちょ!シャロはしたないよ!」

「はい次の」

「…ありがとうございます……」

 

 谷間から取り出された指の間には写真が挟まっており、こちらに手渡してくる。

 やはり扇情的な格好をしたシャロの写真だ。

 写真の彼女は制服を着ており、昨日よりは露出は少ない。

 だが胸元を開き、スカートを持ち上げ、黒い下着が丸見えになっている。

 僕は国宝級の価値を持つ写真にお礼を言うしかなかった。

 

 それからも写真を渡され、報告する毎日が続いた。

 次々と渡される写真には僕の報告が反映されているのかどんどんエロくなっていく。

 最近は乳首まで解禁している。

 性の対象に見てなかったはずの幼馴染がエロい写真を渡してオナニーして報告する毎日。

 そんな嬉しい様な辛い様な日々が続く。

 

 ある日、僕はオナニーにある物を使ったと報告した。

 オナホールである。

 友人と一緒にアダルトショップへ行く事になり、ノリで買ってしまったのだ。

 やはり僕にも毎日オナニーするくらいには性欲があるので、どんな感覚なんだろうと興味に負けてしまった。

 オナホールは今までにない快感を僕に与え、もはやこれ無しでオナニーすることは考えられない。

 僕はその事を正直にシャロに報告した。

 

「はあ?!」

 

 オナホールを使った事を報告すると、この報告会で聞いたことのない大声をあげる。

 どうしたのだろうか?オナホールを使っているという恥ずかしい事まで正直に話しているというのに。

 

「オナホールは禁止よ」

「え、なんで?せっかく買ったのに」

「駄目なものは駄目!今日はちゃんと手でする事!」

「…分かったよ……」

「取り敢えず、はいっ今日の分」

 

 またオナホールを使うのを楽しみにしていたのだが仕方がない。

 今日は手でするか。

 

 次の日の報告会でオナニーの報告を終える。

 すると今日の分の写真と何やら筒状の物を一緒に渡される。

 

「オナホール用意してあげたから今日はこれでするように。絶対他のオナホールを使っちゃ駄目」

 

 まさかオナホールまで用意してくるとは思いもよらなかった。

 筒の先は口の形をしており、色も質感も非常にリアルに作られている。

 

「ホムンクルスの生体パーツを使ったオナホールよ。それでも生きてるから絶対に手荒にしちゃ駄目よ。横のスイッチを入れると動き出すから優しくね」

「わ、分かった……」

 

 手荒に扱わないように何度も念押しされる。

 その夜、彼女の指示通りオナホールを使ってオナニーを始める事にした。 



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2話表 幼馴染作のオナホを使う

 夜僕は自室で幼馴染から貰った写真とオナホでオナニーしようとしていた。

 今日の写真は棒アイスを大きく口を開けて舐めている片乳見えている手ブラのシャロだ。

 胸元には溶けた白いアイスが溢れていて精液を胸にこぼしたように見える。

 

 オナホールを使う際に注意された点は4つ。

・決して手荒く扱わない事

・ローションは必要ないので使わないように

・コンドームをつけてはいけない

・精液は中に出すこと、掃除はスイッチを切ったあと外のみすればOK

 

 僕はオナホールにスイッチを入れる。

 すると先についた口の形をしたオナホールに血が通ったように血色が付き、暖かくなる。

 

「どこかで見たことあるような……」

 

 オナホについた口はぽってりと膨らんでいてとてもフェラが気持ち良さそうな形をしている。

 そんなとてもエロい形をしているオナホだが何処かで見たことがある気がする。

 

 もし写真のシャロが舐めているのが僕のペニスだったらと想像する。

 そしてこの口のついた生々しいオナホールだ。

 この中に今からペニスが飲み込まれると思うとムクムクとペニスが起き上がってくる。

 

「そっかシャロの唇と似てるんだ」

 

 シャロとオナホにペニスが咥えられている所を想像すると、どちらの光景も完全に一致する。

 なぜこんなにも似ているんだろうか。

 ホムンクルスの元になったのが彼女なのだろう。

 

 ズボンを脱いでペニスを取り出すと、大きくなったペニスをオナホールに近づける。

 オナホールの唇が心なしか震えている。入れてしまっても大丈夫なのだろうか?

 生きてると言っていたし少し不安になる。

 つんと指で唇を突くとピクッと震え恐る恐ると行った様子で口が開いていく。

 

「すっげぇ……」

 

 開けられた口は既に湿っておりローションはいらなさそうだ。

 歯や舌なども作り込まれており、全て本物にしか見えない。

 喉ちんこまで見えるが奥はどうなっているのだろうか?

 暗くてよくわからないが筒以上の深さがあるように見える。

 オナホの会心の出来栄えに関して色々疑問が湧いてくるが、

 

「まっいっか」

 

 ペニスを震えている唇に一気に突き刺す。

 

「なっなんだこれ!」

 

 オナホはペニスを突っ込んだ瞬間ゴホッと咳き込んだが、自動で口が閉じられペニスを咥えこむ。

 中は暖かくペニスにじんわりとした快感を与えてくる。

 オナホの癖に舌が動き出してペニスを舐めてきた。

 

 オナホをゆっくりと引き抜くと、唇が咥えこむ力が強くなり、ちゅうっと吸引力が発生する。

 中では舌がペニスにべったりとくっつけられ、ペニスの裏筋に快感を与えてくる。

 唇が、カリの段差に引っ掛かるが、そのまま抜くとプリンと亀頭の上を唇が滑った。

 また一気に奥までぶちゅちゅ!と音を立てながら一気に突き刺す。

 

「あーこれ最高ぉ……」

 

 また一気に突き刺すとゴフッとオナホが咳き込むが気持ちいいので気にしない事にする。

 その咳込みも喉に当たる部分が震えてまた気持ちいいのだ。

 

 オナホをブチュ!ブチュと上下するたびに唇が吸い付き、舌がまったく違う動きで密着してくる。

 オナホを抜こうとするとちゅうっと更にキツく吸い付いてきて離したくないと言っているように感じる。

 

 抜けかけた亀頭にペロペロと舌が行かないでーと必死になめてくる。

 舌の動きは女性経験のない僕にはよくわからないが、どことなくぎこちない気がする。

 だがその代わりに一生懸命に気持ちよくしようとしているような必死さが伝わってくる。

 オナホ相手に変な話だがここまで情熱的に愛されると愛らしさを感じてしまう。

 

 ペニスを横方向に押し付けながら入れてみる。

 オナホの壁がみるみる広がり、キレイに揃った歯の外側に収まる。

 もしシャロの口に突っ込んでいたとしたらペニスを頬袋に押し付けている形になるだろう。

 

「あれ?オナホに変形がない?」

 

 オナホは硬質な筒に包まれているが、ペニスをオナホが変形していなければおかしいほど突っ込んでいる。

 だがオナホの見た目上の変化は無い。

 そんなことを考えていると、オナホ唇が突き出してから窄めてちゅぱちゅぱとペニスを奥に導こうと動き出す。

 

「仕方ないな〜そんなに欲しいの…か!」

 

 オナホのおねだりに、なんかもう堪らなくなりしっかりと僕のペニスを味わわせる。

 

「しっかり味わうんだぞ〜」

 

 オナホのおねだりに答えるべくペニスをオナホの舌の裏側や上側、頬などありとあらゆる場所に擦り付ける。

 オナホはどんなに乱暴にあつかっても全てを受け入れてくれる。

 

「シャロ!シャロ!」

 

 シャロの写真を使って目の前に持ってくる。

 こんな可愛い子が、幼馴染が僕のペニスを咥えてるんだ……。

 

 跪いて僕のペニスに必死に気持ちよくなってもらおうと奉仕するシャロの姿が、鮮明に僕の脳内で再生される。

 

「シャロ!出すぞ!」

 

 オナホをずん!っとペニスを突き刺すように大きく押し付けると快感が限界に達する。

 ビュルルル!と音が鳴っているんじゃないかと言うほど勢いよく射精する。

 まるでシャロの喉奥に精液を流し込んでいる気分だ。

 今の僕は恍惚としただらしない表情をしているだろう。

 それだけオナホの中が居心地がいいのだ。

 精液を出しても出しても決して溢れることはない。

 どうやら奥に飲み込まれているようだ。

 やがて射精が止まる。

 

「あ~凄かったぁ……」

 

 ベットにぱたっと倒れ込んで快感の余韻に浸る。

 オナホから手を離してもしっかりとオナホに咥えこまれているため、ペニスが小さくなっても抜ける事はない。

 

 小さくなったペニスをペロペロと舐めてお掃除フェラをしてくれている。

 なんて優秀なオナホ(シャロ)なんだろうか。

 小さくなって皮が被ってしまった亀頭にもしっかりと舌を挿し込んで掃除してくれる。

 

「ふぅ…あれ?」

 

 お掃除フェラがイったばかりペニスには少々刺激が強いためスイッチを切ろうとするが、固着したのか動かない。

 ならばと引き抜こうとすると強烈なバキュームで吸い付いて離してくれない。

 抜こうとすればするほど刺激が強くなるため力が抜けてしまい離すことができず、あっという間に自らの吸引力で根本まで咥えこんでしまった。

 

「なっ!これ!抜けなイィッ!」

 

 舌がニュルニュルとペニスを刺激してきた為強制的に勃起させられる。

 僕がオナホを動かさない分、先程より舌が激しく貪ろうとしてくる。

 

「ちょちょちょ!強い!強すぎるから!」

 

 僕の必死の懇願も虚しくオナホ(シャロ)がペニスを味わうのを止めることができない。

 

「あ、なんかくるぅ、ああああ!」

 

 ペニスから何かが吹き出す。

 何なんだこれは!快感が強すぎてつらすぎる!

 オナホ(シャロ)はペニスから吹き出した何かを飲み込んで喜ぶように元気に舌が踊り狂う。

 

 やがてペニスから何かを吐き出し終えると、またオナホ(シャロ)がペニスを勃たせようとしてくる。

 

「もう勘弁して……」

 

 だがオナホ(シャロ)は許してくれない。

 その後5回ほど射精を強制された所でようやく満足したようで、ポロンとオナホ(シャロ)がペニスから外れた。

 後で確認したところスイッチが勝手に切れてペニスはしっかりとお掃除されていた。



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2話裏 天才少女の世紀の大発明と浄化ボランティア

 渡してしまった。もう後戻りはできない。

 私は自分の才能と行動に恐ろしくなる。

 

 事の発端は友人達とお茶会をしていた時の事。

 深刻な表情をしたドリルのような髪をした子が女性向け雑誌を机に広げた。

 

「ここを見ていただきたいのですが……」

 

 そこには~殿方を喜ばせる淑女のマナー男の生態編~と名売った記事が広げられていた。

 なんとも頭の悪そうな記事だ。

 

「これがどうしたのですか?」

 

 ここでは一応由緒正しき貴族令嬢のみのお茶会であるため、よそいきの言葉遣いで意図を訪ねる。

 

「この記事によると殿方は例外なくおなにーという行為をしているというのです」

「おなにーとはなんなのでしょうか?」

 

 はて、おなにー?聞いた事のない言葉だ。恐らく記事の題名からして下品な単語ではあると思うのだけどさっぱり心当たりがない。

 ここに集まった貴族令嬢たちは皆筋金入りの箱入り娘で、性知識がないものがほとんどだ。

 男女共学なのに恥ずかしくて男と話した事もない娘もいる。それだけに男の生態は謎であり神秘的なものに映るらしい。

 私はレイがいるので男には詳しいけど。

 

「この記事によると殿方にはおちんちんというものが股の間に付いているそうなのです」

 

 それは知っている。幼い頃実験でレイを氷の水に落とした時、服を脱がせたことがある。

 その時、私にはない可愛らしい形をした物がぶら下がっていたのを覚えている。

 

「殿方はそれを大きくして手で擦って気持ちよくなって、赤ちゃんの元になるせいえきというものを出すそうなんです」

「大きく?それはどれくらいになるんですの?」

 

 あの可愛い物が大きくなるらしい。どれくらいになるんだろう5cmくらい?

 私の中の実験魂に徐々に火がつき始める。

 

「人によるらしいのですが、15cmほどの大きさになるそうです」

「15cmというと…こんなに?!」

 

 私の中で衝撃が走る。レイについていたあの可愛い物体がそんなに大きくなるものなのだろうか?

 そんなものがついていたらズボンに収まらないはずだ。

 

「殿方はおちんちんを大きくする時、女性の裸を想像や写真を見て興奮するらしいです。

 つまりあのシーダ王子もヨハン様も一人になると女性の事を思っておなにーしているという事なのです!」

 

 ドリル令嬢が段々鼻息を荒くして説明してくる。それを聞いている他の令嬢たちも顔を赤くしながらも興味津津の様子だ。

 

「と言う事はレイもおなにーをしているって事に?」

「確かシャロ様のお付きの方でしたわね。当然男ならばしている筈です!男なら女性の裸の写真を必ずベッドの下に隠し持っている筈ですの!」

 

 レイがそんなことしているとは想像できないが、本当なのだろうか?

 もし本当だとしたら…あれ?女性の写真?私の写真をレイに渡した事はないはずだ。

 つまり他の女性の写真を持っているという事に?

 私の胸の中でどす黒い感情が湧いてくる。私の中のマナが感情に合わせて活性化し、手に持った紅茶が沸騰する。

 

「あ…あのシャロ様?私なにかお気に触るような事でも……」

「え…あ、そんなことありません。なんでもないですよ」

 

 どうやら感情が外に出てしまったようだ。

 私は怯える令嬢達をなんとかなだめ、お茶会を後にした。

 

 そしてその夜レイを部屋に呼び出した。

 もし他の女の写真を持っていた場合処分しなければならない。

 念のため、その代わりの写真を用意しておいた。

 ポーズは雑誌の男を虜にするポーズを参考にした。

 顔から火が出そうだったが、レイを他の女に目移りさせてはいけないので頑張った。

 

 そしてレイにオナニーをしてるか尋ねると答えはYESだった。

 信じられないがレイはオナニーをしているらしい。ならば一体なにをつかっているのか聞かなければならない。

 

「そういう本でしてます……」

 

 レイの答えを聞いた時頭がボッと熱くなり、喚き散らしたくなる。

 だがそんな事で怒るわけにはいかない。男は持っていて当たり前のものなんだ。

 私は気持ちをなんとか落ち着けて顔に出さないようにする。

 やっぱり写真を撮っておいて正解だった。

 

「はいこれ」

「はいって写真……?!」

「えっこれっなんでっ」

「これからはこれでオナニーしなさい」

 

 やばい、想像以上に恥ずかしい。

 お母様が肌を見せるのは結婚する相手にだけと言われて育ってきたのだ。こんな姿見せる事になるなんて恥ずかしさで死にたくなる。

 でもこれは必要な事だったんだ。私はそう言い聞かせてなるべく平静を装った。

 

次の日

「では報告を聞きましょう」

「えっと…言わなきゃ駄目?」

「当然でしょう」

「…気持ちよかったです」

 

 それを聞いた瞬間私は何とも言えない幸福感に包まれる。

 なんなのだろう幸せは。今までこんなの感じた事が無い。

 お腹の奥が熱くなり、股からなにか湧いてくる。

 

 レイにどうやってオナニーをしたのか詳しく聞く。

 どうやって握るのか?写真(わたし)のどんなところを気に入ったのか?

 情報のピースが集まるたびに私の頭の中のオナニーをしているレイが鮮明になっていく。

 私はもうどうしていいか分からないもどかしい感情を胸の内に抑えながら次の写真をレイに渡す。

 受け取ったレイの顔は赤く、私の胸や足を食い入るように見つめていた。

 レイが帰った後パンツを確認するとお漏らしでもしたのかと言うほどぐちょぐちょに濡れて糸を引いていた。

 

 私はその夜生まれて初めてオナニーをした。

 

 それからレイの感想を聞きオナニーするのが日課となった。

 レイの好みを分析し、報告時の握り方やしぐさからレイのおちんちんの形を推測する。

 私の恥ずかしい恰好の写真を見せて、レイが私に興奮している姿を見るともっと見てほしくなる。

 オナニー中に今私の写真でレイがオナニーしているかと思うと一緒にオナニーしているみたいで嬉しくなる。

 そして気付く。どうやら私はレイの事が好きなようだ。

 

 だが幸せな日々が終わる。

 何時もの様にオナニー報告会を開くとレイがいつもと違う方法を使ったらしい。

 

「オナホールを使ったんだ」

「は?!」

 

 オナニー報告会を開いてから私も男について研究したためオナホールの事は知っている。

 女性器を模した道具におちんちんを入れて疑似的にセックスをする道具だと文献に書いてあった。

 それをレイは使ったらしい。

 

 やられた……信じられない。レイのおちんちんが使われてしまったのだ。

 相手は道具だって?関係ない私のレイのおちんちんでセックスしたのだ。とても許される事ではない。

 ああ神様、こんな理不尽があっていいのだろうか。

 私は怒り狂いながらオナホール禁止を言い渡す。

 早く何とかしなければならない。

 レイの汚されてしまったおちんちんを早く綺麗にしなければ。

 

 私はレイが帰った後、日課のオナニーもせずに研究室にこもった。

 私と全く同一の生体情報を持つ意思のない唇だけのホムンクルスを培養し、精神系の魔法で私の唇と神経接続されるようにする。

 中身は空間魔法の真髄である空間転移の魔法にアレンジを加え、空間を私の口内に繋げるようにする。

 

 そして私が持ちうる技術の粋をこらしたオナホールが完成する。

 ちなみになぜおまんこではなく、口と空間をつなげたかと言うと単純に怖かったからだ。

 まだ推察だけでおちんちんを見た事すらない。

 それをいきなり体内に入れる度胸が私にはなかった。

 

 さっそく報告会でこのオナホールを渡す。

 

(これから私の口の中にレイのおちんちんが入ってくるんだ……)

 

 これからの事を想像すると怖い、でもそれ以上に……興奮した。

 

 

 夜ベッドの上に座って待機する。

 これから私がされる事を思うと心臓が張り裂けそうになる。

 早くその時が来て欲しいが同時に不安で永遠にそんな時が来なければいいのにとも思う。

 永遠にも感じられる時間が流れる……来た。

 

 レイがオナホのスイッチを入れたようだ。私の唇とオナホの神経がシンクロしたのを感じる。

 体が期待と恐怖で震えてしまう。

 来ちゃった!優しくしてくれるかな?と考えていると口の中に異物が一気に侵入してきた。

 

 遂にレイのおちんちんが入ってきたらしい。

 私は喉奥まで一気に貫かれ咽てしまう。

 まさかの扱いに、呼吸困難に陥り意識が飛びそうになってしまうが、私は諦めない。

 早く穢れてしまったレイのおちんちんを浄化する必要があるからだ。

 

 私は苦しいのを我慢して口の中のおちんちんを舐め始める。

 舌がおチンチンに触れた瞬間ぴくっと震えてまた苦しくなるが、必死におちんちんを舐め続ける。

 するとおちんちんががゆっくりと抜かれ始めた。

 今逃がすわけにはいかない。だがレイに触れる事が出来ない。私はレイのおちんちんを口で吸引して逃がさないようにする。少しでも抜く力に抵抗するため舌をペニスに押しつけて摩擦の足しにする。

 

 努力空しくレイのおちんちんが私の口からほとんど引き抜かれてしまった。

 おちんちんには先の方に段差があるらしく、唇をきつく閉じて引っ掛けようとするもプリンと段差から唇が離れてしまう。

 私が焦っているとまた一気に喉奥までおちんちんに貫かれた。

 

 私はまた咳き込んでしまうが、帰ってきてくれたご褒美におちんちんを舌でよしよししてあげる。

 するとおちんちんが震えて喜んでくれる。

 私はおちんちんが愛おしくなり一杯よしよししてあげた。

 おちんちんはさらに喜び何度も何度も出たり入ったりを繰り返す。

 私は犬が芸をするたびに褒めるように何度も何度もおちんちんをよしよししてあげた。

 

 おちんちんが私の頬に押しつけられた。

 私はリスのように頬を膨らませ、その中に悪戯好きなおちんちんが隠れてしまうが、唇を使って根元をちゅぱちゅぱと擦り、出ておいでと言う。

 するとおちんちんが喜んで頬の中から飛び出してきて私の奥に帰ってくる。

 悪戯好きなおちんちんが私の舌の裏側に隠れたり、口の上に体を押し付けてくるなど色んなところに悪戯するので、唇で出ておいでと言って、喉奥まで帰ってきたら舌で褒めてあげる。

 

 すると段々私の口を抜き差しする速度が上がっていく。

 じゅぽ!じゅぽ!と激しい音を立てながら出入りを繰り返す。

 そして今までで一番深くおちんちんが私の中に入ってきた。

 唇にはレイのおちんちんの付け根が痛いくらい押し付けられている。

 するとレイのおちんちんから何かが噴き出してきた。

 

 私の喉に直接流しこまれるその粘液が聞いていた赤ちゃんの元である精液だろう。

 私は喉に精液が張り付き窒息しそうになるが、何とか飲み込んでいく。

 決して吐き出すわけにはいかない。このおちんちんは浮気相手に精液を流し込んだのだ。

 ならば絶対に私は吐きださない。レイの全ては私の物なのだから。

 ごくっごくっと精液を飲み込む度に幸福感に包まれる。

 

 レイが私で気持ち良くなってくれた証拠だ。当然出されてうれしいに決まっている。

 それにこれは穢れたレイのおちんちんを浄化しているのだ。今のレイのおちんちんはいわば膿がたまっている状態で、今膿を吐き出している。

 膿は私の中に取り込み清めなければならない。

 一滴も残さないようにストローを吸う様におちんちんを吸引する。

 唇で袋に詰まった調味料を出すようにしっかりと精液を押し出す。

 

 最後の一滴を飲み込んだ瞬間私は絶頂した。

 頭が真っ白になり、体が痙攣して、空を飛んでいるような感覚になる。

 どうやら私は無意識のうちにおまんこと胸をいじっていたようだ。

 ベッドが愛液でぐちょぐちょになっている。

 私のおまんこからぴゅるぴゅると透明な液体が吹き出している。

 あまりにも気持ち良すぎた。

 

 おちんちんが小さくなる。

 元気のなくなったおちんちんを付着した精液を舐めとって掃除して介護してやる。

 おちんちんも浄化されて嬉しそうだ。

 私は頑張れ!と心の中でおちんちんを応援しながら舌でマッサージしてやるとおちんちんが大きくなり始めた。

 

 おちんちんが何故か出ていこうとするので、思いっ切りおちんちんに吸い付いて引き止める。

 よしよししてあげるから戻っておいで!とペロペロと先っぽのツルンとした部分を一杯舐めてあげる。

 すると抵抗する力が弱まり、私はその瞬間を逃さずにちゅー!と吸い付いておちんちんを手繰り寄せた。

 

 おちんちんはすっかり元気を取り戻したので、何故出て行こうとしたのか乱暴に舐め回して叱りつける。

 するとおちんちんから何かが吹き出してきた。

 精液よりサラサラしてて喉に引っ掛からない。

 おしっこかな?と思うがレイのだと思うと全く嫌に感じない。

 

 おちんちんがまた元気を失いかけていたので、ベロベロベロと一杯撫でて上げるとまた元気になってきた。

 私のおまんこを擦る手が激しくなっていく。

 またおちんちんから精液が出てきた。

 今度はしっかり口に貯めて舌で味わってから飲み込む。

 レイの赤ちゃんの元の味を感じると鼻血が出そうなほど興奮し、飲み込むと脳が溶けた。

 まだまだ私はお腹いっぱいになっていない。

 もう一度おちんちんを大きくするためよしよししてあげる。

 まだまだ可愛がってあげるからね。



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3話表 フェラホール安全利用実験

 僕は目覚めるとまずシャワーを浴びた。

 昨日は搾りつくされ体力が底をついて気を失う様に眠ってしまった。

 全身が汗でべっとりとして気持ち悪い。幸い精液がベッドに散乱しているようなことはなくペニスはふやけるくらいしゃぶり尽くされたので綺麗だ。

 

 オナホールの唇についた粘液を洗い流しながら考える。

 シャロはなんてものを作るんだろうか。これはあまりにも危険すぎる。

 こんな物を使い続けることなど到底できない。シャロに危険性をしっかりと報告しないといけない。

 

 昨日は射精とよくわからない何かを6回ずつも吐き出してしまった。

 僕は何時もは1回しかオナニーしないのだ。それを無理矢理勃たせて搾り取ってくるなんて……。

 抜こうとしてもバキュームが強すぎて全然抜けやしない。欠陥も良いところだ。

 これじゃちんこが溶けてしまう。

 

「やばい、勃起してきた」

 

 フェラホールの危険性について考えるとペニスに血流が集まりだした。

 今日は学園は休みだ。目の前にはオナホールとシャロのおかず写真集。

 

「いやいや朝からだめだって」

 

 一度始めたら最後、絞り尽くされて動けなくなってしまう。

 下手したら夜の報告会にもいけなくなってしまう可能性があるし、その前にも昼にシャロと出かける予定になっている。

 いくらエロい唇がついたフェラホールが目の前にあるからって朝っぱらからオナニーするわけにはいかない。

 

「それにしても本当にシャロそのものだよな~」

 

 僕は人差し指を唇に触れさせて形を確かめる。見れば見るほどシャロの唇そのものだ。

 プルンとした唇は見た目にそぐわずマシュマロのように柔らかい。

 唇に沈む指先が幸せだ。ずっと触っていたくなる。

 フェラホールのスイッチを入れてみる。すると唇に生気が宿り微かに動き出す。

 

 非常に魅力的な唇だ。僕は唇の魅力に吸い込まれていき、自らの唇を重ねた。

 

(柔らかい…シャロとキスしたらこんな感じなのかな……)

 

 唇を触れ合わせるだけのキスだがあったかくて柔らかくて気持ちいい。

 暫くキスを楽しんでいると唇が動きだし、少し開く。

 僕は舌を差し込むと綺麗に揃った歯に当たる。舌で歯をなぞっていると口が開いて奥に迎え入れられる。

 舌をそのまま奥に進めていくと舌が迎え入れてくれる。

 僕は迎えいれてくれたシャロの舌を絡め唾液の味をしっかりと味わうと、しばらくぴちゃぴちゃと言う音だけが部屋の中に響き渡った。

 僕はすっかりシャロとキスしている気になっていた。ペニスが痛いくらいに勃起している。

 

 僕はガチガチになったペニスにシャロのフェラホールを近づけていく。あと数ミリ近づけるとフェラホールに触れてしまう。もし入れてしまえば最後、僕のペニスは天国に旅立ってしまうだろう。

僕は一つの考えに思い至る、ならば入れなければいいのではないか?

 

 僕はペニスを唇に触れさせる。すると唇がパカッと開き迎え入れようとするが、入れたくなる衝動を抑え、先を唇に触れさすだけにとどまる。

 唇が戸惑ったように先っぽをパクパクと挟んでおいでよと誘ってくるが、無視し続ける。

 唇は焦れたのか鈴口に吸いついてきて無理やり口内に拉致しようとするが、僕はフェラホールを無理やり引きはがす。

 ちゅぽんと音を立てて離れた唇が、ぱくぱくと動いてペニスを探しているので、再び近づける。

 またペニスに唇が吸いついてきて、今度こそ逃がさないと言わんばかりにちゅーと音を立てる。それもまた無理やり引きはがす。

 

「いい感じだ」

 

 ちゅぽんっちゅぽんっと何度もペニスに吸いつかせて引きはがすのを繰り返す。吸いついた唇を剥がす瞬間がなかなか気持ちいい。思った通りだ。これなら無理やり搾精されることなく気持ちよくなれる。

 僕は吸引機と化したフェラホールを横からペニスにくっつけて吸いつかせる。ペニスを万遍なく愛撫させ、睾丸にも吸いつかせる。最初は右側、次に左側。だがここでフェラホールを近づけすぎて睾丸をすぽんと吸い込まれ丸飲みされてしまった。

 

「ふぉ?!おっおおお!」

 

 突然の出来事に変な声を出してしまった。急所をいきなり吸い込まれたためひやっとしたのだ。

 だが睾丸は直ぐに温かいものに包まれる。

 口内で睾丸が手厚い歓迎を受ける。舌でコロコロころがされ、頬でもぐもぐと揉まれ、とにかくもみくちゃにされる。勿論剥がそうとしても逃がしてくれるはずもない。

 ここで詰んだか?と思ったが、やがて求めていたのはこれじゃないとぺっと吐きだして睾丸を解放してくれた。

 

「あぶなかった……」

 

 僕は再びペニスの先を近づける。吸いつこうとする直前にペニスを離してお預けにする。

 すると唇の奥から舌がペニスを追いかけてきた。

 限界まで伸ばされた舌の先が鈴口に当たるように近づける。鈴口が舌に触れた瞬間、激しく舐めはじめた。

 我慢汁もしっかりと舐めとり、鈴口をボクサーがミット打ちするかのごとく何度も何度も舐めてくる。

 

 僕は少しだけフェラホールを近づける。今度はカリまで届く距離だ。

 舌が亀頭をぬるんと一周する。裏やカリの形を確かめるようにねっとりと味わう様に、舌が亀頭上を縦横無尽に這いずり回る。我慢汁が次々と溢れだしてくるが、必ず舐めとってくれ、舌の上に乗った我慢汁を巣の中に持ち帰る。持ち帰ったらすぐに次の我慢汁を求め、亀頭を刺激して我慢汁を出そうとしてくる。

 

 また僕はペニスから一定の距離を保ちながらペニスの横にフェラホールを移動させる。

 舌がペニスをべっとりと垢を取ろうとしているかのように舐めてくるので、僕は上下に動かして、舌をペニスの上に這わせる。

 裏筋にぞりぞりと舐め上げさせ、今度はカリ首を重点的に舐めさせる。まるで孫の手を使うかのように舐めてほしいところにフェラホールを持っていき舐めさせる。

 強い刺激がほしいなと思ったら手を早く動かして舌の動き以上の速さで無理やり舐めさせる。

 

「そろそろでそう……」

 

 裏筋を重点的に攻めさせていると射精感が込みあがってくる。

 僕はまた唇をペニスにくっつけて吸いつかせると、そのまま上下に這わせてラストスパートを掛ける。

 亀頭の裏の段差を重点的に往復させて刺激する。

 ついに限界が訪れると僕はフェラホールを離し、唇の前にペニスを持ってくる。

 ペニスを追って出てきた舌を指で捕まえて、しっかりと広げてやる。

 僕は広げた舌の上に精液を直接ぶっかけた。舌の上にボトボトと精液が乗っていく。

 やや下に向けているため溢れそうな精液はそのまま舌を伝って口の中に入っていく。

 僕の腰が気持ちよさにびくんびくんと震えていると、最後の一滴を出す時に一際強く震えてしまう。

 

 震えで腰を突き出してしまった僕のペニスは誤ってフェラホールの中に突っ込んでしまった。

 急いで抜こうとするも時すでに遅し、強烈なバキュームフェラで僕を底なし沼に引きずり込んでいく。

 にゅるるっとあっという間に咥えこまれた僕のペニスは、びちゃびちゃびちゃ!と激しく舐めつくされる。

 どうやらお預けを繰り返した事で相当ご立腹の様だ。イったばかりのペニスには刺激が強すぎる。

 あっという間に勃起させられると、フェラホールが新しい技を披露する。

 奥まで咥えこんでいた僕のペニスを逆に息をストローで吹くかのように外に出す圧力を加えてくる。にゅるると亀頭まで唇がくるとまた吸いついてきて奥に入っていく。

 こっちは手を触れていないにも関わらずしっかりとしたストロークが独りでに行われる。

 

 僕は抵抗を諦め、ただ与えられる快感を受け入れる事にする。

 ベッドに寝転んで頭だけを上げてペニスを見ると、フェラホールが勝手に上下にストロークして精液を絞り取ろうとしている。

 抵抗を諦めた僕はあっさりと精液を吐き出す。精液が出る時は丁寧にしっかりと奥まで咥えこんでいる。

 その後シャロのフェラホールはもう一度だけ搾りとって意外にあっさりとペニスを解放してくれた。

 そろそろ出かける準備をしなければシャロとの約束に遅れるところだったが助かった。

 僕は身支度を整えてシャロとの買い物に出かけた。

 

 

 その夜の報告会で僕はオナホールの不具合と恐ろしさを説明していた。

 

「このオナホールは貪欲すぎる!何度も何度も僕を勃起させて搾りとってくる!まるで淫魔にされているようだ!」

 

 シャロは何故かうつむいてプルプルと震えている。調子が悪いのだろうか。だが本人は問題ないというので報告を続ける。

 

「え?気持ち良かったかって?まあそりゃ気持ちいいよ。すごいあったかいし、ねっとりと舐めてくれるし、何より唇の形がエロい」

 

 僕は何度も行われた報告会のおかげで、もはやシャロ相手に恥ずかしいという感覚はなくなっていた。

 後で気付いたが、このオナホールの唇はシャロの形とそっくりなんだった。僕は間接的にシャロの唇がエロいと言ってしまっている事になる。幼馴染相手にそれはありえない。

 その後も僕はオナホールのフェラチオのがいかにエロくて危険があるかを事細かに伝え続けた。

 何故かシャロは終始うつむいてもじもじしていた。

 



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3話裏 意地悪しないで

 何かが私の唇にあたっている。ちょっとかさついてるけど柔らかい。何故だろうとても落ち着く。

 私はぼんやりとしながら目を開くと何時もの天井だけが映る。

 暫く唇にじんわりと広がる暖かい感触を楽しむ。

 ちゅっちゅっと一生懸命に愛を伝えてくれるのはレイだろう。

 私は心地よさのあまりほっと吐息を漏らす。その時私の少し空いた口の中に何かが入り込んで、閉じられた歯を撫でる。

 どうやら彼に求められているようだ。私は求められるままに口を開く。

 私の招きに応じた彼の舌が私の中に入ってきて私の舌とハグをする。

 

「ふぅん…ちゅっれろぉ…あっ……」

 

 しばらく舌を絡め合わせスキンシップを楽しんでいると、彼が私の口の中を移動し始める。

 私は口の中を彼に案内してあげる。

 彼には私の全てを味わって欲しい。歯の一本一本まで私は貴方のものだと知ってほしい。

 彼の舌が帰ろうとする。私は追いかけて一生懸命舌を絡ませて行かないでとおねだりするがヌポっと音を立てて引き抜かれてしまう。

 

(私…キスしちゃった……)

 

 体がふわふわする。夢にまで見たファーストキスを彼に捧げることが出来たのだ嬉しくないはずがない。

 

(えっウソ?!本当に?!私本当にキスしちゃったの?!)

 

 夢見心地だった頭が徐々に覚醒してくるとキスをした実感が湧いてくる。いざ目をさまして考えてみると、顔がカッと熱くなって恥ずかさで死にそうになった。多分今の私は耳まで真っ赤になっている事だろう。

 

(そんな?!ウトウトしてる場合じゃなかった!もう一回して欲しい!)

 

 もう一度キスをして欲しい。私はレイを期待しながらじっと待つ。すると唇に触れる感触がきた。

 私は唇を突き出し、ちゅっと吸い付く。

 

(あれ?なんだろうさっきと感触が違う気がする。この弾力は……思い出した、おちんちんだ。)

 

 思い出した。このプリプリした感触はおちんちんだ。昨日散々味わったばかりだと言うのに何故直ぐに思い出せなかったんだろう。

 どうやら私はおちんちんにキスをしていたようだ。

 それでもレイのならば嫌ではない。昨日はキスどころか咥えこんでお腹がパンパンになるまで精液を飲み込んだのだ。

 

(朝からおちんちん入れてくるなんてよっぽど私の事が好きなのね。昨日一杯気持ちよくしてあげたから虜になっちゃっても当たり前ね♡)

 

 私は昨日のことを思い出すとじゅんと股が濡れる音がした気がする。

 なかなかおちんちんを入れてこない。どうしたんだろうか。

 私は早く入れてほしくておちんちんの先っぽをパクパク挟んでおねだりする。

 

(そろそろちゃんとおちんちん味わいたいな〜。)

 

 私はちゅうっとおちんちんを吸込もうとする。だけど中々おちんちんが私の中に入ってこない。

 しまいには、おちんちんが私のおねだりを振り払ってしまった。

 

(もう何なのよ!)

 

 私は雛鳥が親の餌を待つように口をパクパク動かしておねだりする。

 するとまたおちんちんが唇につけられた。

 

(次こそは!)

 

 私は今度こそおちんちんをしゃぶる為に力の限り吸い付く。

 だけど残酷にもまたおちんちんがポンっと音を立てて離されてしまった。

 

(レイのやつどういうつもり!)

 

 早く彼のおちんちんをしゃぶって赤ちゃんの素を体内に取り込みたい。そんな私の気も知らずに何度もおちんちんを唇に付けては離すのを繰り返される。

 毎回次は入れてくれるのかなと期待するが何度も裏切られる。

 

(もう…何なのよ……)

 

 唇に触れる感触が変わる。これは棒の部分だろう。次は裏側の部分だ。

 

(口が寂しい……レイはどうして意地悪するの?)

 

 レイのおちんちんがなくて寂しい。でもレイの意地悪は止まらない。どうやらおちんちん全体に吸いつかせているようだ。

 

(これはなんだろう?なんかシワシワで柔らかい。中に玉みたいなのがある。)

 

 味わったことの無い不思議な感触が唇に感じる。

 何なのかな?と考えていると今までで一番近づいてきたのがわかる。

 私はその謎の玉をすかさず吸い付いて口の中に連れ込んだ。

 

 私は口に含んだ玉を舌でコロコロ転がして見る。

 何かは分からないけどレイのものというのは間違いない。

 因みにレイ以外の人が私のオナホールに触れようとすると、空間の断裂が発生して切り落とすようになっているため触れることすらできない。

 

 モグモグと口で味わって頬に入れてみたり、舌で玉が入ってる袋の部分を引っ張って伸ばしてみたり色々遊んでみた。

 ピクピクしてるので気持ちよくはなってくれてるようだけど、やっぱりなにか物足りない。

 私は玉をぺっと吐き出す。

 

 またおちんちんの先っぽが触れてきたので吸い付こんでみるがまた私の誘いを断って引き剥がされた。

 

(こんなのってないよぉ…お願い意地悪しないで……)

 

 私は我慢できず、せめて少しでもおちんちんにくっついていたくて舌を伸ばす。

 すると私の舌の先におちんちんの先っぽが載せられた。私はペロペロと舐めて彼の機嫌を取ろうとした。

 

(私が悪いのなら謝るから…お願い……)

 

 思いが通じたのがおちんちんが近づいてくる。私はぷりぷりとした所を一生懸命なでなでする。

 段差になっているところや裏側まで余すことなく舌でなでなでして許しをこう。

 ご褒美だろうか?先っぽからねばねばした精液みたいなのが出てきた。私は嬉しくなり、一滴もこぼさないようにしっかりと舐めとる。

 頑張ったら頑張った分だけご褒美をくれるので私は一生懸命ぺろぺろして奉仕する。

 

(あ、場所変わった。)

 

 奉仕して欲しい場所がかわったようだ。勿論私は彼の物なのでしっかりと奉仕して、色んなところを舐めさせてもらう。

 機嫌が治ってきたのかまた唇がくっつくまで近づけてもらえた。

 

(早く許してもらわないと……)

 

 私はぶちゅっと唇をおちんちんに張り付かせ、中で舌をつかってマッサージする。

 するとおちんちんが唇の上を滑りだした。

 ずるずると唇の上を滑るおちんちんに少しでも気持ちよくなってもらおうと舌も唇もべったりとひっつける。いや、本当は私が寂しくてできるだけ接触面積を増やしたいだけだ。

 おちんちんの形で私の唇や舌が形が変化するのが、おちんちんを感じれて嬉しいのだ。

 唇の上を往復する速度が速くなってきた。ちゃんと気持ち良くなってくれたようだ。

 

(あっ…そんな…え?!レイが私の舌をつかんでる!あ!熱い!私の舌に精液でてるんだ!嬉しい!)

 

 おちんちんが離された。

 おちんちんを取り上げられ、一瞬私がまた粗相をしたのかと不安になり、残念な気持ちになる。

 だが、私の舌を女とは違う逞しい指が私の舌を掴んだ。レイが指先を怪我したり、指先にお菓子がついている所を舐めた事があるのでわかるのだ。

 そして舌に広がる熱い感覚。私が望んでやまなかった精液だった。

 私の舌の上に吐きだされる精液がこぼれそうになる。こぼすわけにはいかない。これは大事なレイの赤ちゃんの素なのだ。わざわざ私のために妊娠しない場所に吐き捨ててくれているのだ。この恵みをこぼすなど罰があたる。

 

 私は舌に吐きだされる精液を舌を滑り台のようにして口の中に流し込む。

 ごくごくと飲む度に脳がとろけそうになる。麻薬にはまる人がいるのが分かる気がする。こんなもの味わったらやめられるはずがない。

 最後の一滴なのか一際大きい塊が私の舌に乗せられると、ついに私の口の中におちんちんが入ってきてくれた。

 

(来てくれた!嬉しい!許してくれたんだ!)

 

 私はおちんちんを吸い込んで喉奥の特等席に案内する。

 あまりの嬉しさに私はつい夢中になって舐めてしまう。私の股からぴゅっと透明な液体が飛び出し、びちゃびちゃと激しい音が私の中でなっているのがまた心地いい。

 

(ゆっくりしてね!私が全部ちゃんと気持ち良くしてあげるから動かなくていいよ!)

 

 私はしっかりと唇をペニスに密着させて空気が漏れないようにする。頬一杯に空気をためておちんちんをストローの様に吐きだす。

 するとおちんちんがずるずると外に吐き出されたので、またおちんちんを吸引する。

 じゅぞぞ!ぶちゅちゅ!と音が鳴る。もっともっと気持ち良くなってもらわないとまた怒らせてしまう。

 おちんちんが口の中でびくびく震えだす。またご褒美をくれるようだ。

 私はまたおちんちんを喉奥の特等席に案内する。昨日は彼はここが気に入ってくれたようで何度もここを激しく突いてきた。最初こそ咳き込んでしまい苦しくて大変だったが、すぐにコツを覚えて彼を迎え入れることができるようになっていた。

 

 喉奥でもしっかりとおちんちんを締めつけて、居心地の良さをアピールする。

 喉の締め付けをずぽんと通り抜けて奥に入った時、ついに精液が吐きだされた。

 こんどは直接喉の奥で精液を味わう。彼の赤ちゃんの素をわざわざ無駄になってしまう場所に出してくれているのだ。しっかりと飲まないといけない。

 激しく私の喉を精液が叩く。舌で味わえないのは残念だが、彼の赤ちゃんの素が私の喉を伝っていく感覚が何とも言えない。

 

 ごくっごくっと私の喉がなり、全て飲み干した。おちんちんが少し小さくなる。

 私は昨日のように素気がなくなったおちんちんをよしよししてあげる。

 また素気を取り戻したおちんちんを口全体で味わいながらも、できるだけ彼に負担を掛けないよう自分で動いて奉仕する。私は出来る女なのだ。

 ほどなくして精液が吐きだされる。

 私は激しくオナニーしながら精液を受け取ると絶頂する。やはり彼の精液は麻薬のようだ。

 

 もう一回おちんちんをよしよししようとすると、時計が目に入る。

 11時だ。今日はレイとの買い物の約束があるのでこれ以上続けるわけにはいかない。

 私はまた会えるからねとおちんちんを離して別れ際にちゅっとキスをする。

 

 私はシャワーを浴びて口紅を塗る。お気に入りの服に袖を通して、お気に入りの下着に足を通す。

 約束の時間だ。私は待ち合わせ場所の学園の門に向かう。

 彼は既に到着していた。私は彼の姿が見えた時嬉しくなって駆け寄る。

 

「お待たせ!じゃあ行こっか!」

「うん。…あれ?シャロの今日の格好かわいいね」

 

 彼の言葉に嬉しくなり腕に飛びつく。しっかりと私の胸の間に腕を挟んで腕を取る。

 腕を組むのは昔からの癖だけどなんだかキスまで済ました後にするとドキドキする。

 

「今日はバンスの店だったよね。僕も丁度爆炎魔法用の触媒が足りてなかったんだ。あと鍛冶屋にお願いしてた物を取りに行きたいんだ」

「そうね。でもその前に食事に行きましょう。近くに美味しいパスタの店ができたらしいの!」

 

 

 

 その夜の報告会。

 私は恥ずかしさに顔を俯かせていた。

「このオナホールは貪欲すぎる!何度も何度も僕を勃起させて搾りとってくる!まるで淫魔にされているようだ!」

 

(淫魔とか…たしかに一杯しゃぶったけど私そんなにえっちじゃないし……) 

 

「そ、そう。それで…その…気持ち良かった?」

「え?気持ち良かったかって?まあそりゃ気持ちいいよ。すごいあったかいし、ねっとりと舐めてくれるし、何より唇の形がエロい」

 

(エロっ?!ああそんなことまで!もう穴があったら入りたい~!)

(それにキスして浮かれてたけどあくまでレイにとってはオナホールじゃない!なんで私にする前にオナホールにしてるのよ!あ~複雑ぅ。) 

 

 レイの無自覚にシャロをエロいと言うセクハラは続く。

 

 私はただ恥ずかしさのあまり俯くしかできなくなった。

 

 

それから1ヶ月後

皇歴438年7月4日

シャズート皇国とアステリア王国開戦。



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4話表 調教

 いつものようにフェラホールにスイッチを入れると唇に生気が宿る。

 今日のシャロの写真は大口を開けて頬に指をかけて広げ、舌を出している写真だ。

 喉ちんこまで見えるその姿にもし僕のペニスがここに入ったらと思うとゾクゾクして来る。

 

 僕は下唇に親指を当ててめくるように抑えるとフェラホールが口をあけて舌をベーと突き出してペニスを迎え入れる準備をしてくれる。

 ペニスを舌の上に乗せるとぴくっと舌が震えるが動き出す事はない。ひとたびペニスを口に含ませると際限なく搾り取ろうとしてきたフェラホールだが、この一カ月精液を餌に待てを教え込むことに成功した。

 にゅるるとペニスを唇にゆっくりといれていく。ペニスが根元まで飲み込まれるとペニスが喉があるだろう位置まで達する。そこにはまた一つ締め付けがあり、それでも奥に進めると一気にずるりと入り込む。

 前までならここで僕の精液を搾り取ろうとしてきたフェラホールだが、唇に指をあてている間は動き出す事はない。

 

 僕の脳内ではシャロが跪いて目を閉じて僕のなすがままにされていた。

 僕はシャロの顎を指で摘んでくいっとあげ、親指を口に当てて開けさせるとべーと出してくる。

 シャロは理解しているのだ。僕が彼女のご主人さまで自分が、性欲を鎮めるためのオナホールだと。

 僕はペニスをシャロの口に差し込んでいく。

 

 唇から唾液が垂れ、隙間から見える口内には大量の唾液がたまっているのが見える。

 しばらくペニスを包み込むぬくもりを堪能すると指を離してやる。よしの合図が出た瞬間シャロは一気に唇と奥の方を締めつけバキュームフェラをしてくる。

 同時に舌が根元の方の裏筋をぺろぺろと執拗に舐めて精液を生産するよう促してくる。

 

 僕はフェラホールを持つ手を上下させ始める。

 亀頭が奥の締め付けに引っかかり、ちゅぽんと急に抜ける。その間も竿には舌がべっとりとくっついていてずりずりと裏筋を刺激してくる。亀頭の裏が舌を通過すると次は唇の締め付けだ。

 カリが唇に引っかかると唇がきゅっと抜くのを抵抗するように締めつけてくる。

 唇の締め付けの抵抗も無視してちゅぽんと唇から引き抜くとカリに甘い刺激が広がる。

 亀頭の上を唇が張り付くように滑っていくと先っぽのみ唇に当たっている状態になるが、完全に抜く事はしない。抜けそうになるペニスを唇がちゅうっと先っぽに吸いついてくる。

 我慢汁が漏れたそばから奥に吸収されていくため、ペニスが我慢汁で汚れる事はない。唾液でコーティングされるだけだ。

 

 ペニスを奥に飲み込もうとする力に逆らっていた手の力を、反対に受け入れるようにする。するとフェラホールの吸引力にと手の力があわさり一気に奥まで吸い込まれてしまう。

 

 ちゅぽんっ!じゅぞぞ!ちゅぽん!

 

 三段階の刺激を与える所をしっかりと通過させながらフェラホールを上下させる。

 しばらく出し入れをして刺激を楽しむと、最近お気に入りの使い方をするために奥に突っ込んだ所で動きを止める。

 動きを止めるとどうしたの?というように唇がもにゅもにゅと動いて舌がぺろぺろと舐めてくる。

 僕は根元までペニスを咥えこんだ唇の両端を指できゅっとつまむと、唇がこちらの意図を察して唇がきゅっと締めつけてくる。

 

 僕は両手をフェラホールの筒の部分に持っていく。そして左手を前に右手を後ろに前後違う方向に動かす。

 するとフェラホールがずろろろ!と回転して僕のペニスを上下左右あらゆる方向から刺激を加えてくる。

 

 ずろろろ!ずろろろ!

 

 フェラホールはできるだけ僕の事を気持ち良くしようと頬に当たる部分を引っ込ませてペニスを頬でも刺激してくる。僕は段々と気持ちよくなってきてフェラホールを回転させる速度をどんどん速くする。

 

「そろそろ出すぞ」

 

 ペニスがミキサーにかけられたようにもみくちゃにされると、一気に気持ち良くなってきた。僕は射精を我慢せずにすぐに絶頂に達する。

 僕は射精で体が震え、力が抜けるのを無理やり抑え込んでフェラホールを回転させ続ける。

 精液がフェラホールの上下左右あらゆる方向に精液がまき散らされると、精液が潤滑油がわりになり回転が速くなる。

 僕は強すぎる刺激についに我慢できなくなり、手を止めるがフェラホールは精液を搾るために動き続ける。僕は腰を突き出し、精液を噴き出し続けた。

 僕はベッドに倒れこみびくびくと体を震わせて余韻に浸っているとフェラホールが動き出す。

 僕は強制的に勃起させられる、するとフェラホールは何時ものようにバキュームがはじまり、舌がぞりぞりと裏筋を舐めてくる。

 

 僕はフェラホールに待てを覚えさせることに成功したのだが、精液を一度与えると嬉しさのあまり暴走してしまうのだ。

 僕が自分のペースでオナニーできるのは最初の一回のみで後は搾精されるのみ。

 何時もここから5回は搾り取られる。

 ここからはご主人様が彼女に変わる。これから僕を待つのは壮絶な快楽地獄だ。

 

 フェラホールが舌でずんずん突いて唇をモゴモゴさせてくる。

 これは私の事を上下させろという僕に対する命令だ。

 僕は再びフェラホールを持ち、上下させ始める。

 正直気持ちよすぎて辛い。だが一度喰らいついた彼女は精液を飲み込むのを満足するまで許してくれない。

 僕は一人喘ぎ声をあげながらシャロにペニスを食べられ続けるのだった。

 

 

 

 戦争が始まったらしいがまたいつもの小競り合いだろう。いつものように国境が少し前後するくらいで首都に住む僕たちには関係ない話だ。

 

 なので僕とシャロのオナニー報告は変わらず続いていた。

 オナホールの危険性について抗議してみたがシャロは取り合ってくれず、それどころか必ずペニスを中に入れることを義務付けられた。彼女いわく、

 

「精液はオナホールを通して回収して研究に使うからしっかり中で出す事」

 

 との事。

 そのためシャロ特製のオナホールでオナニーする日が続いているのだが、なぜか日に日に男を喜ばせる技術が向上している気がする。

 やはりホムンクルスの技術を使っているだけに学習能力のようなものが備わっているのだろうか。シャロに聞いてみても顔をそむけるだけで教えてくれない。横顔から察するに口角が上がってる気がするが彼女の考えている事はわからない。

 

 ある日の事、僕の写真のリクエストの傾向からシャロが質問をしてきた。

 

「おっぱい好きなんだ?」

「好きです」

 

 僕は即答した。おっぱいが嫌いな男の子なんていません!

 

「じゃあこれ使ってみて」

 

 シャロが渡してきたのは黒い板だ。ぱっと見使い方がわからない。

 

「ここにスイッチがあるの」

 

 板の側面を見てみるとスイッチがある。僕はスイッチを押してみると、黒い板が更に黒くなった。

 さっきまで多少の光の反射があったが今では何も映らない。

 まるで何処までも深い空間が広がってるようにも見える。すると板から2つのピンク色の何かが現れた。

 

 ピンク色の何かは徐々にせり上がってくると、すぐにピンク色の何かは広がり、根本が大きな白い山になった。

 おっぱいだ。それも極上の超級山岳だ。

 巨大な胸は徐々にせり上がってくると、鳩尾まで出現したところで止まる。

 せり出すのが止まると、慣性でおっぱいがぷるんと波打つ。

 胸は呼吸するように上下していて乳輪は小さめのピンク色。可愛らしい乳首がぷるぷると震えている。

 

「これって……」

「好きにしなさい。いまここでオナニーしていいわよ」

「え、でも……」

「私がいいって言ってんの。私が手伝ってあげるから」



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5話表 シャロのおっぱい

「私が手伝ってあげるから」

 

 シャロは何を言っているんだろうか。まさか彼女が触ってくれるとでもいうのだろうか。

 

「はい、おかず」

 

 シャロはそう言うと椅子の上で片膝を立て、膝の上に頬をつけてじっとこちらを見つめてくる。

 膝上までのスカートが捲れて白いパンツが見えてしまう。

 

「始めてよ」

 

 無表情でこちらを見つめるシャロから目が離せない。

 いつもはこの報告会で表情を見せないシャロが少し頬を赤らめている。

 

 僕は彼女の魅力に囚われ操られるように立ち上がった。

 駄目だと思ったのは一瞬で彼女に触れる事だけをしか考えられなくなる。

 彼女の目の前に立つと手をゆっくりと前に出して彼女に触れようとした。散々精液を飲ましてきたこの唇に僕の物を……。

 

「止まって」

 

 シャロの言葉に僕はハッとなる。

 僕は何をしようとしていた。この国の宝である彼女を汚そうとしていなかったか?

 勘違いしては駄目だ。彼女は上級貴族で僕は商人の息子なんだ。汚していいような存在ではない。

 

「ごめん」

「……ムリ」

 

 彼女は拒絶の言葉を言うと立てた膝につけた頭を俯かせて顔を隠してしまう。

 僕は洗脳が解けたように彼女から離れるとシャロのベッドの上に乗り、おっぱいの前に膝立ちになってズボンを脱いだ。

 ペニスを露出させ、手をベッドにおかれた胸に下からすくうように触れるとシャロが小さく声を出す。

 

「あっ……」

 

 なんて柔らかさだろう。指がどこまでも沈んでいき、手の形に胸が変形していく。

 綺麗なおっぱいだ。これももしかしたらシャロの胸を参考に作られているのだろうか?

 もしそうだとしたらなんて完璧な少女なんだろう。

 

 巨大な胸は形を崩さず美しさを保っており、乳首の色は可愛らしいピンク色で苛めたくなる。

 彼女を見ると膝に潰されているであろう巨大な胸はローブに包まれ伺い知ることができない。

 僕の脳内のシャロはローブを脱ぎ、シャツのボタンを胸の部分だけを開けて露出させている。

 顔を膝にうずめて片目だけで僕の様子をうかがっているが、目線はペニスに固定されており、いつもこの報告会の時は無表情なシャロの頬は赤みを帯びていた。

 

 おっぱいをたぷたぷと揺らしてみる。おっぱいは水風船のように波打ち、乳首が揺れて僕の事を誘ってくる。

 僕は誘いに乗り、手をおっぱいの上で滑らせて乳頭の側面に指を当てる。

 シャロの目先は僕のペニスからおっぱいに乗せられた指に移っており、じっと動向を伺っている。

 

 僕は人指し指を横にずらして乳首をぴんと弾く。そのまま中指、薬指、小指を順番に使って乳首を弾く。その度に乳首がぴくっと震え、おっぱいが波打った。

 同時にシャロからかすかに声が聞こえてくる。今はもう顔を膝に完全にうずめてしまっていてどんな表情をしているのかわからない。

 んっと言うシャロの声が静かに響き渡り、僕は本当にシャロの胸を触っているんだと興奮する。

 

 僕はパクッと美味しそうな乳首を咥えた。乳首を口で引っ張りながら顔をおっぱいの真ん中に寄せ、手を使っておっぱいを寄せておっぱいに挟まれる。すると甘い匂いが僕を包み込み、鼻から脳まで入ってきた。

 これはシャロの匂いだ。いつも僕に引っ付いてくるシャロから漂ってくるのと同じ匂いがする。

 嗅ぎなれたはずなのにひどくエロい匂いだ。

 僕からは決して触れることのできない彼女の匂い。僕は生まれて初めて自分からシャロの胸をさわっている。

 

 ちゅぱちゅぱと乳首を吸ったり、おっぱいを優しくなでたりしておっぱいを堪能する。

 時折、シャロが小さく声を上げているようだが僕には聞こえない。

 

 僕は一通りおっぱいの感触を堪能すると、ベッドから降りて床に膝立ちになった。

 ベッドの上のおっぱいの間にペニスを近づけいてく。

 ペニスは既にガチガチになっており、我慢汁が垂れてベッドの布団を汚している。

 ペニスの先から我慢汁で引いた糸は、そのままおっぱいの上にたれておっぱいを汚す。

 

 僕はおっぱいを両脇からぎゅうっと寄せて谷間を作るとペニスをその間にそえる。

 シャロから、フッフッという呼吸が聞こえてくるが僕は聞こえない。

 僕は腰を進めるとおっぱいはペニスの硬さに負けて変形する。にゅるりとペニスがおっぱいに挟まれれ、興奮でガチガチになったペニスを揉みほぐしてくれる。

 

 僕は根本までペニスを差し込むとおっぱいを持つ手を前後に動かし始める。

 ぱちんぱちんぱちんと巨大なおっぱいが腹に当たって音がなる。腹に胸が当たる度にそこそこの衝撃が僕を叩いてくる事から、かなりの重量を誇っていることがわかる。

 決して強い刺激を与えてくることはないが、シャロのおっぱいを好きにしているという事に、僕は限界まで興奮している。

 

 シャロが顔を上げてボクのペニスを食い入るように見つめてくる。幼馴染の目の前で幼馴染のおっぱいをペニスで犯している。

 興奮のあまりいよいよ射精が近付き、ペニスが膨らむ。

 おっぱいを動かす手が速くなっていき、部屋中にパンッパンッという乾いた音が響く。

 すると小さく声を上げるだけだったシャロが、僕に声をかけてきた。

 

「こっち見て」

 

 シャロは膝を立てて丸見えになっているパンツに手を添えた。何をするつもりなんだろうか。僕はまさかという気持ちで食い入るようにシャロの指を睨みつけ、興奮と期待で心臓がバクバクと動く。

 シャロの指がパンツの縁にかけられ、ゆっくりと横にずらす。

 

 パンツから現れたのは綺麗な無毛のサーモンピンク色の割れ目だった。

 割れ目は片膝を立てていることで形が歪み、少し開いている。

 僕は彼女のおまんこを認識した瞬間射精した。

 

 本能的におっぱいを潰し、ペニスをおっぱいの中に沈める。

 脳内でシャロを押し倒し、胸を好き勝手に動かしておっぱいを犯していたのが、シャロの足を無理矢理開いてペニスをまんこにねじ込んでいる映像にすり替わってしまう。

 そのため、ペニスが今赤ちゃんを作るための穴に入っていると勘違いをおこし、絶対にこの女を孕ませてやると精液を生産していつもの倍の量の精液を吐き出した。

 

 びゅるるるるとおっぱいの中に精液が吐き出されていく。僕は気持ちよさに恍惚としながらもシャロのまんこから目が離せない。

 すべてを出し切ったペニスは硬さを保ち、一切萎える様子を見せない。

 

 僕は血走った目でまんこを見つめながら再び胸を犯し始める。

 精液をローション代わりにした胸はよりまんこの感触と近くなった気がする。童貞である僕には比べようがないが、僕にとっては今この胸の隙間はまんこにしか見えなかった。

 

 まんこをヒダの一つ一つまで観察していると、割れ目が歪む。

 シャロが椅子から足をおろし、立ち上がったのだ。

 スカートにシャロのまんこが隠されてしまい、もう終わりなのかと残念な気持ちになる。

 彼女は、近づいてくるとベッドの上に登ってきた。

 シャロはおっぱいを犯す僕の目の前にウサギ座りをすると手を腰に持っていき、スカートをはずしてしまった。

 

 ずらされたパンツから覗く割れ目はぐちょぐちょに濡れており、ウサギ座りでベッドにまんこが押し付けられているため、ベッドが湿って黒く変色している。

 

 シャロの目線の高さが僕とほとんど同じになり、じっと僕のことを見つめてくる。

 シャロが僕の事を見つめながら手を前に出すとおっぱいを潰す僕の手の上に添えられた。

 

「手、離して」

 

 僕はシャロに言われたとおり手を離す。

 シャロは僕からおっぱいを引き継ぎ、しっかりと乳圧をペニスにかけてくる。

 シャロは僕の目から視線を外すことなく手を動かして、僕の腹におっぱいを打ち付ける。

 

 フーッフーッというシャロの荒い息遣いが目の前から聞こえてくるのが耳に心地良い。

 僕達は目の前にいる決して手の届かぬ想い人を求めてただ快感を与えあった。

 

 僕の2回目の射精が始まる。強い快感で腰が引けてしまうが、シャロの手がおっぱいをさらに大きく動かして決して逃さない。

 シャロは前後左右におっぱいをもみくちゃに動かしてペニスを翻弄してくる。

 巨大なおっぱいのため、ペニスは完全におっぱいに埋もれてしまい、精液がおっぱいの中に吐き出されていく。

 僕は最後の一滴だけは自分で腰を引いてシャロの手が乳圧を作り出すおっぱいに打ちつけた。

 最後の一滴がびゅっとおっぱいに出た瞬間、シャロが大きくのけぞる。

 

 シャロは、ビクビクと痙攣してまんこから潮を吹き出している。

 吹き出す潮が僕のペニスとおっぱいにかかり生暖かさを伝えてくる。

 シャロは震えながらベッドに倒れ込んだ。

 下半身はパンツだけを身に着け、それもずらしてしまっているため、まんこから丸見えになる。

 

 ぱかっと開かれたシャロのまんこからむわっと雌の匂いが広がる、その匂いに僕は落ち着くどころかさらに興奮して潮がかかるペニスが再び持ち上がった。

 

 ベットに倒れてまんこを丸出しにするシャロをおかずにもう一度胸にペニスを埋める作業に戻った。

 

 息を荒くして寝転ぶシャロの上半身を包むローブは、シャロにしては薄い気がした。



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4話裏 私はオナホール

 私はいつものようにベッドの上で女の子座りでその時を待っていた。

 レイのオナニーが始まるのはいつも21時頃だ。

 私は彼の欲望に応えるため、いつもこの時間は服を脱いで待機している。

 彼に不快な思いをさせないために風呂と歯磨きは済ませており、特に歯磨きは入念に行っている。

 これから彼の物を受け入れるのだから当然だ。

 私の口は彼のオナホールになるのだ。

 

 私は期待に胸を高鳴らせながら目を瞑って待機していると、唇の神経が接続されたことを感じた。

 今この瞬間私はレイのオナホールになったのだ。

 私は自分で言うのもなんだけど天才美少女魔女だ。

 私の生み出した技術はこの国を大きく発展させ、経済が死にかけていたこの国を立て直した。

 血筋も良く、見た目もいい私は社交界でも人気で、他国の王子に求婚されたこともある。

 それだけ皆が私を求めているのだ。

 だけど今からは違う。私は彼の欲望を受け止めるだけの存在になる。

 

 下唇に何かが触れる感覚がした。この堅さ、太さ、恐らく親指だろう。

 親指に私の下唇がめくられると私は舌を突き出した。

 私の突き出された舌の上にぱんぱんに張った弾力のあるおちんちんがのせられる。

 彼を一刻も早く気持ちよくしてあげたいという気持ちが湧きあがってくるが、今は待ての状態だ。

 

 親指を唇に当てている間は待ての合図で私から動く事は許されない。

 最初は意味が分からずおちんちんが触れた瞬間舐めまわしていた。

 

 ある時、私が彼のおちんちんを舐めている時に彼が親指を下唇にあて舌の動きをもう片方の指で押さえてきた。

 その指も舐めようとするとおちんちんを取り上げられる。

 もう一度レイが親指を下唇にあててくるとおちんちんが唇に触れてきた。

 また私はおちんちんを舐めようとすると、おちんちんを取り上げられる。

 そして私は悟った。レイが私に待てを仕込んでいるのだと。

 

 レイが私に犬のように芸を覚えこませようとしているとわかれば、あとは簡単だった。

 幼馴染で彼の性癖を毎日チェックしてデータにまとめ上げている私にとってレイの意図を察するのは難しくない。

 

 今日渡した写真は私が大口をあけて舌を突き出し、指で両頬を広げている写真だ。

 となると恐らく一気には入れてこないだろう。このあと舌の上に乗せられたおちんちんは、ゆっくりと私の喉奥に入ってくるはずだ。

 

 予想通り私の舌に乗せられたおちんちんは、ずるずるとゆっくり舌の上を這ってきた。

 私の喉ちんこを押しのけたおちんちんは私の喉まで達する。

 私はベッドの淵に仰向け寝転び、頭だけベッドから突き出して頭を上げる。

 口から食道まで一直線にしておちんちんを喉で受け入れやすくするためだ。

 

 おちんちんは私の狭い喉を押しのけ無理やり入ってくる。今の私の喉は外から見ても膨れている事だろう。

 私を串刺しにしたおちんちんに締めつけてあげたいのをお預けされ、ただ行き場を失った唾液を口内にためることしかできない。

 

(私、今レイのオナホールなんだ……こんな奥までおちんちん入れられてるのに舐めることも許されないなんて……)

 

 早く精液を飲み込みたい、精液はレイが気持ち良くなってくれた証だから飲み込みたいのは当然なんだ。でも私はオナホールだから自分の意思で動く事は許されない。

 私はただ串刺しにされながら股をいじってよだれを垂らしながらレイのよしを待つ。

 

 唇から指が離された。

 

(やった!舐めていいんだ!)

 

 私は喉を締めつけ、唇を閉じておちんちんを吸引して舌は根元をマッサージしてあげる。

 待てを終わらせたってことはおちんちんを気持ち良くしていいということ。

 私はうれしくなって夢中でおちんちんを刺激する。

 するとおちんちんがずるずると引き抜かれる。

 

 せっかくレイが私を使ってくれているのに気持ち良くないなんて事になってはならない。

 気持ち良くなければオナホールとして捨てられてしまう。

 

 引き抜かれるおちんちんに対して締めつけられる所は締めつけ、出来るだけ帰りを楽しんでもらう。

 でもおちんちんがいざ私の中から出ていこうとするとやっぱり寂しくなってまったので、先っぽに吸いついていかないでと引き留める。

 

(お願い気持ち良くするから行かないで!)

 

 私のお願いが通じたのだろうおちんちんから我慢汁が漏れ出してきた。

 これは私が気持ちいいからこれからオナホールとして使ってくれるという合図だ。

 私から逃げようとする力がなくなり、おちんちんがまた串刺しにしてる。

 喉の圧迫感で分かる。レイは私で気持ち良くなってさらにおちんちんを大きくして帰ってきたのだ。

 

(私はレイのオナホールだから乱暴にしてもいいんだよ♡)

 

 ずんずんと私を犯すおちんちんが唾液をかき回してじゅぽ!じゅぽ!と音が鳴っている。

 おちんちんの衝撃が私を揺らして胸がゆさゆさと揺れているのがわかる。

 

(ああ♡私今レイに使われてるんだ……)

 

 おちんちんの動きが止まる。疲れたのかな?なら道具である私が気持ち良くしてあげなければならない。唇でおちんちんをもにゅもにゅと動かして舌で裏筋を刺激する。

 

 そうしていると私にまた命令が下される。

 唇の両端をつままれた、これはおちんちんを締め付けて出来るだけ接触面積を増やす命令だ。

 

 彼のオナホールである私は命令に従い、きゅっと口を閉じる。

 頬を窄め、喉も締め付ける。

 すると私を串刺しにしているおちんちんが回転し始めた。

 

 私の喉を亀頭が回転して抉ってくる。

 高速で私の中でおちんちんが回転して唾液がかき回される。

 かき回された唾液は我慢汁と混ざりながら泡立っていく。

 正直言うと苦しい。でも私はレイのオナホールだから全てを受け止めなければならない。

 それにこの苦しさはレイが私を求めている証だ。

 そう思うとこの苦しさも興奮の材料でしかない。

 

 私は自分の胸を鷲掴みにしてクリトリスをぎゅっと指でつまむ。

 こうすると彼が私を理性を失うほど求めてきてる気がして興奮するのだ。

 

(あ、おちんちん回るの速くなった…もう少しで出すんだ……)

 

 おちんちんが私の中を掻き回しながら射精を開始する。

 おちんちんが回転しながら私の食道を精液でコーティングしていく。

 日に日に精液の量が増えており、それだけ私で気持ちよくなってくれているんだと実感する。

 

 射精をつづけながらおちんちんの回転が止まった。

 ラストスパートだ。レイいわくこの出してる間に刺激されるのが一番快楽が強いらしい。

 ならば私は全力で気持ちよくしなければならない。

 精液を吸引して金たまの中から引きずり出す。

 ぷりぷりした部分を舌でよく頑張ったね、あともう少しだよと元気づけるために舐めてあげる。

 これをしてあげると精液が何時もより多く出るのだ。

 最後の一滴が私の中に放たれる。

 

 ゴクリと精液を全て飲み込むとおちんちんが柔らかくなってきた。

 どうやら疲れてしまったようだ。

 

(あとは私に任せてね♡)

 

 出したあとすぐに刺激するのは、レイは気持ちよすぎて辛いと言っていたけど、ようは気持ちいいと言うことだ。

 喜んでくれるに違いない。

 

(おちんちんさん頑張ってね♡御主人様を喜ばせるためだよ♡)

 

 おちんちんが伸びるんじゃないかというくらい吸引して裏筋を重点的に刺激してあげる。

 こうするとおちんちんは喜んでくれて精液をまた作ろうとしてくれるのだ。

 無事におちんちんが大きくなると唇を動かしてレイにOKのサインを出す。

 あとは私の中でおちんちんを出し入れしたら気持ちよくなるはずだ。

 唇を前後にチュパチュパと動かすとレイはおちんちんを動かしてくれる。

 

 おちんちんはずんずんと子宮に響くストロークをしながら直ぐに精液を吐き出してくる。

 

(ちょっとくらいわがまま言ってもいいよね?)

 

 舌でおちんちんを押し返して何時もより浅い口内で精液を受け止める。

 口いっぱいに精液が貯まり、舌に精液が触れたことで苦い味を感じた。

 苦いけどレイの精液だと思うと体が震え、頭の中で火花弾ける。

 この精液は私にとっての麻薬だ。飲めば飲むほど興奮してどんどん気持ちよくなってくる。

 

 おちんちんはまだ精液を出せるはずだ。

 しっかりと全部出してあげないとまた別のオナホールに浮気されてしまう。

 レイは一回でいいと言っていたけど、大きくなるということは気持ちよくなりたいってことなはずだ。

 少なくともあと4回は出してあげよう。

 

 おちんちんに合計6回精液を飲ませてもらったあと、一杯頑張ってくれたおちんちんを舌で綺麗に舐めとって掃除してあげる。

 私はパンパンになった腹を優しく撫でる。

 

(レイの赤ちゃんできたらこんな感じなのかな……)

 

 精液で一杯になったお腹を撫でていると、レイの赤ちゃんを身籠ることができた気がして気持ちが安らぐ。

 私はこの感覚がとてつもなく好きだった。

 

「レイ…好き……」

 

 私は一人天井に向かって呟く。とっくにオナホールと接続が切れていてレイに声が届くことがない。

 こんな臆病な私がレイと結ばれる時が来るんだろうか。

 私はレイとの幸せな未来を思いながら眠りについた。

 

 

 これまでのレイの性的嗜好を聞いていると彼はおっぱいが好きらしい。

 おっぱいが見えている写真を渡したときは精液の量が濃いというデータが取れている。

 おっぱいが大きく産まれることができて本当に良かった。

 肩はこるし、男が変な目で見てくるだけでいいことがない。

 でもレイが喜んでくれるならこのおっぱいを好きになれる。

 

 となるとレイにおっぱいを触らせてあげるべきだろう。

 でもレイを好きだと認識してからどんどん好きが止まらなくなり、告白すると考えただけで心臓が止まりそうになる。

 

 何処までも臆病な私はまた道具を作ることにした。

 紐に転移の呪文を書き込んで輪っかにする。

 魔法陣を描いた板を何層にも重ね合わせて作った転送装置。

 オナホールをつくった経験から作業は簡単だった。

 今回は紐で作った輪っかと板の空間をつなげるだけなのでそれほど手間ではない。

 

「レイ喜んでくれるかな……」

 

 写真の反応と感想からしてレイは私のおっぱいを好きなはずだ。だけど触ると思ったのと違うといわれて幻滅されないか不安になる。

 今日の報告会で渡そうとおっぱい転送装置を見ているとある決心をする。

 

 目の前でおっぱいを使ってもらうのだ。

 そうすれば私のおっぱいが気に入ってもらえたのか見ることができる。

 

 それになによりレイのおちんちんを直接この目で見ることができるのだ。

 今まで口の中でしかレイのおちんちんを感じる事ができなかった。

 大きくなったレイのおちんちんを直接見ることができると考えたら、唾が溢れてきてゴクリと飲み込んでしまう。

 

 少女は恐怖と期待で悶々としながらレイを待つ。

 そしてついに部屋がノックされる。



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5話裏 使ってもらう事だけ

「この写真は支えてる腕に潰された胸がすごく柔らかそうでグッと来ました」

(来た……。)

 

 どくんと私の心臓が大きく跳ね上がる。

 いよいよ作戦決行の時が来たのだ。

 私はまずはいつも通りに写真についての気に入った所の報告を聞いていた。

 昨日の渡した写真は、上半身裸で右手で胸を隠して、左横から撮っている。

 横から見える潰れたおっぱいの体との段差がレイの好みのはずの写真だ。

 狙い通りおっぱいについての反応が帰ってきたのでずっと考えていた質問をする。

 

「おっぱい好きなんだ?」

「好きです」

 

(即答…そんなに好きなんだ……)

 

 私の質問にレイは間髪を入れずに答える。

 彼の目は炎のように情熱的でおっぱいに対する並々ならぬ愛を感じる。

 これなら私の胸も使ってくれそうだ。

 

「じゃあこれ使ってみて」

 

 私は新しい道具を取り出した。

 一見ただの黒い板でしかないのでレイが怪訝な顔をする。

 

(可愛い!)

 

 レイのこれはなんだろうと考える顔ですら愛おしく感じる。

 レイの考える時の顔では特に眉尻がきゅっと下がる所が私のお気に入りだ。

 

 レイが転送装置のスイッチを入れると私の乳首がひんやりとした空気に触れた。

 目の前では文字通り私のおっぱいが徐々に板からせり出している。

 

 レイはそれがおっぱいだと気付いたようで目つきが変わった。

 レイは私のおっぱいに突き刺すような視線で見つめ、乳首から乳房まで形をなぞっているのを感じる。

 

(本当にやっちゃった…どうしよう!恥ずかしい!私のおっぱいレイに見られた!)

 

 既に写真で何度もレイに見せているが、何も隠すものがない状態は初めてだし、直接見られているというのはとてつもなく恥ずかしい。

 こうしてレイと向かい合っている事で私のおっぱいに夢中になってくれている事が良く見える。

 

(これだけ夢中で見てくれてるし私のおっぱい駄目じゃないよね……?)

 

「これって……」

 

 レイがごくりと生唾を飲み込んだ。

 

「好きにしなさい。いまここでオナニーしていいわよ」

 

(言っちゃった!どうしよう…もし嫌われたら……)

 

「え、でも……」

「私がいいって言ってんの。私が手伝ってあげるから」

 

(ああまたこんな事言っちゃった……でももう後には引けない…これもレイを喜ばせるため頑張らないと…!)

 

「はい、おかず」

 

 私は勇気を振り絞って椅子に座りながら片足を立ててパンツをレイに見せる。

 レイの目がおっぱいから私のパンツに移動して血走った眼で見つめてくる。

 恥ずかしさのあまり顔を隠してしまいたい衝動に駆られるが、頬を立てた膝につけるだけに留めてレイの目を真っ直ぐ見つめ返した。

 

 レイがこのポーズが好きなのは既に分かっている。

 顔の角度や視線を変えたり、おっぱいで膝を挟んだり、おっぱいを膝で潰したりといった様々なパターンを試してこのポーズがレイの一番のお気に入りだという結果が出たのだ。

 

(変じゃないよね?レイが好きなポーズとれてるよね?)

 

 レイの反応からして恐らく大丈夫だとは思うが、やはり写真と違ってやり直しがきかないためどうしても不安になるのだ。

 レイを夢中にさせるのに成功したようだが、戸惑っている様子でオナニーを始める気配がない。

 なので私から促してみる事にする。

 

「始めてよ」

 

 するとレイは立ち上がると私に近寄ってきた。

 

(え…うそうそうそ…もしかして私されちゃうの?)

 

 レイのかっこいい顔が近づいてくるたびに心臓が大きく脈打つ。

 とてもではないが見ていられない。頭が爆発しそうになる。

 レイが手を伸ばしていよいよ私に触れそうになると遂に恥ずかしさが限界を迎える。

 

「止まって」

 

 言ってしまった。せっかくレイが私に触れようとしてくれたのに怖気づいてしまった。

 

「ごめん」

「……ムリ」

 

 レイは悪くないのに謝らせてしまった。申し訳ない気持ちと情けない気持ちが湧いてくる

 でも恥ずかしいものは恥ずかしいのだ、こんなの耐えられるはずがないあのまま続けていればきっと心臓が破裂して死んでしまう。

 私は堪え切れなくなって膝に顔をうずめた。

 

(これからどうしよう…レイ怒らせてないかな?)

 

 レイの顔が怖くて不安で見ることができない。

 私は顔をうずめながらぐだぐだとレイの事を考える。

 すると私の胸に甘い痺れが走った。

 

「あっ……」

 

 レイだ。レイが私のおっぱいを触ってくれたのだ。

 おっぱいに感じる初めての感覚に思わず声が出てしまう。

 私の乳房をつかんで優しくもんでくれる。

 レイのおちんちんをしゃぶらせてもらいながら自分で触っている時より気持ちいい。

 レイの手におっぱいが握られると私のおっぱいがレイの物だということを実感してしまう。

 

 おっぱいがこんなに敏感になってしまうのは私のおっぱいの持ち主が私自身ではなくレイだからなんだろう。

 おっぱいをたぷたぷと揺らされるだけで、快楽の波が胸から私の脳まで犯してくる。

 私は目を瞑りただただレイから与えられる快楽に身をゆだねる。すると胸の先端に鋭い快感が突き刺さった。

 私の乳首を指ではじいてきたのだ。ただでさえ乳房を揉まれて気持ちいのに敏感な乳首を責められて声を我慢できるはずがなかった。

 私は必死で歯を食いしばり膝に顔をうずめて耐える。

 ベッドにおかれているおっぱいが私のおっぱいだとレイは知らないのだ。声を出して気付かれる訳にはいかない。

 

「ふぅっ♡あっ♡ああ♡」

 

 駄目だ。気持ち良すぎて我慢できない。

 乳首を弾かれるたびに口から声を、おまんこから愛液を出してしまい、パンツを濡れさせてしまう。

 私が膝を抱えながら身もだえしていると、乳首が温かさと幸せに包まれた。

 

「ふぅうん♡」

 

 レイが私の乳首を食べてしまったのだ。

 こんなの声が漏れてしまうにきまっている。

 レイが私の乳首を咥えて甘噛みすると乳首に弾けるような快感が走り、乳首を赤ちゃんのようにちゅうちゅうと吸われると脳が幸せになってしまう。

 正直軽く何度もイってしまっている。

 でも私はただただ与えられる快楽に震えながら耐えることしかできない。

 

 しばらく快楽に耐えていると急にレイの感触がおっぱいから消えた。

 私はおっぱいにレイを感じられなくなって寂しくなり、レイの姿を確認するために顔をあげる。

 するとおっぱいに対して腰を近づけるレイの姿があった。

 その股の間にはレイには似つかわしくないギンギンになったおちんちんがある。

 

(え、あれがレイのおちんちんなの?こんな形してるんだ…いつも口に入れて形は把握してたはずだけど…あんなの私の中に入るの?)

 

 始めてみるおちんちんに恥ずかしさを忘れ、おちんちんを穴があくほど見つめる。

 このおちんちんが毎日私の口の中で暴れているのだ。

 こんなもの咥えさせられたらレイを旦那様、いや、ご主人様として認めるほかない。

 

 レイは私のおっぱいの間におちんちんを持ってくると温かい感触が胸を這う。

 おちんちんの先っぽから粘度の高い液体が垂れて私の胸に落ちたのだ。

 私はそれを見て直ぐにわかった。これがおちんちんを気持ちよくするのをがんばっているといつもくれるご褒美の液体だ。

 それが今私の胸にかかっているのだ。つまりレイは私の胸を気に入ってくれたのだ。

 

 それが分かった時、一段とおまんこが寂しくなる。

 なぜおまんこにおちんちんが入っていないのだろう。

 絶対にレイのおちんちんは私のおまんこに入っているべきなのだ。

 この世界は理不尽すぎる。

 おちんちんを見た時おまんこに入るか不安になったと言うのに、おちんちんを入れている事が自然だとなぜか分かる。分かってしまう。だから余計につらい。

 

 レイがおっぱいを寄せて谷間を作った。

 その間にレイのおちんちんが近づけられる。

 

(入っちゃうんだ…あのおちんちん、私のおっぱいを苛めるつもりだ……。)

 

 私はおちんちんが私のおっぱいを犯そうとする光景を目の当たりにして興奮が最高潮になる。

 鼻息が荒くなってしまい、フッフッという短い呼吸が止まらない。

 

 レイが腰を動かした。

 私のおっぱいをかき分けておちんちんが侵入してくるのがわかる。

 ついにおちんちんが限界までおっぱいの中に入り、ぱちんと音が鳴る。

 ローブに隠された私の体に今はおっぱいが存在しない。

 なのでおちんちんを受け入れる事が出来たおっぱいをこの手で褒めてあげる事が出来なかった。

 私の胸に存在しないおっぱいは、それでも確実に存在しておちんちんを受け入れている。

 その肉棒はとても熱く私の胸をレイが動かしておちんちんを擦り上げるたびに、おっぱいの中で快楽の熱が渦巻いていく。

 

 ぱんっぱんっとおっぱいがレイの腹を打つ音が早くなっていき、レイが精液を出そうとしているのがわかる。

 

(レイにもっと喜んで欲しい…そのためにはまだ見せた事のないここを……。)

 

「こっち見て」

 

 ほぼ無意識だった。ただレイがそれを望んでいると心が感じ、私は従っただけだ。

 私はパンツに指を掛ける。指に湿って重くなった布の感覚がする。

 そのままパンツを横にずらしておまんこを外気に触れさせた。

 おまんこは愛液をこんこんと吐きだしており、にちゃあっとパンツとの間に糸の橋をつくる。

 

 効果は絶大だった。レイは私のおまんこを血走った眼が飛び出すんじゃないかと言うほど睨んできた。

 同時にレイのおちんちんから精液が吐きだされる。

 精液がおっぱいをかき分けながら浸食してくる。

 私のおっぱいの間を精液はびゅるるると音をたてて泳いでいるのがわかる。

 

(レイ…気持ちよさそう……)

 

 精液の熱がレイを気持ちよくする事が出来た事を実感させ、また脳が軽くイく。

 私は軽くイってしまいながらもなんとか意識をつなぎとめておちんちんの様子を伺った。

 おちんちんは舌でよしよししてあげていないにもかかわらず、むしろ射精前よりがちがちになっていた。

 

(おちんちん…つらそう…一回出して疲れてるだろうから私が動かないと……)

 

 かといっておっぱいは転送装置でベッドの上にあり、私自身の手でおちんちんをおっぱいで挟んであげる事が出来ない。

 これは困ったことになってしまった。おちんちんを怒らないでいいんだよと慰める事が出来ない。

 だがすぐに妙案が思いつく。

 

(別に転送装置のおっぱいを私が触っちゃだめというルールはないんだった。)

 

 私はベッドにのぼるとぺたんと足を開いて座り込む。所謂女の子座りだ。

 するとスカートが降りてしまい、おまんこがレイに見せられなくなってしまった。

 レイも残念そうな顔をしている。これはいけない。私は直ぐに手を腰にもっていきスカートのホックをはずす。

 そのままスカートを下ろして足から抜くと無事レイの目が私のおまんこに戻ってきた。

 私はそれに満足し、手を自分のおっぱいの上に置かれたレイの手に重ねる。

 

「手、離して」

 

 ここからは私がレイを気持ち良くしてあげる番だ。

 レイの手のぬくもりが私のおっぱいから離れる。

 少しさびしいが私のおっぱいの間にはおちんちんがあるので平気だ。

 私はベッドの横に膝立ちになり、おちんちんをベッドの上におかれたおっぱいの間に挟んだレイの目を見つめる。

 

(レイ…私のレイ……。)

 

 ベッドにおかれた私のおっぱいを横からギュッと寄せておちんちんを圧迫する。

 そして手を前後に動かしておちんちんをしっかりとしごき上げる。

 乳圧を高めれば高めるほどおちんちんは気持ちいいのかびくびくとおっぱいの中で暴れる。

 乳圧を高めると言う事はよりおちんちんが私のおっぱいに食い込むということ。

 それはつまり私自身が気持ち良くなってしまうと言う事だ。

 

「あっ♡あっ♡あっ♡」

(気持ちいい!気持ちいい!気持ちいい!)

 

 私は胸をばちん!ばちん!ばちん!っとおちんちんをしごいて腹を叩くたびに気持ち良くなっていく。

 精液が媚薬となり、私のおっぱいは敏感になってしまっていた。

 もはやおっぱいがおちんちんを犯しているのか、おちんちんがおっぱいを犯しているのかわからなくなってしまった。

 嘘だ。犯されているのは私だ。気持ちよさのあまり、もう声が我慢できなくなってしまっている。

 レイにばれてはいけないが、もう無理だ。我慢できるはずがない。

 

 レイの射精がもうすぐだ。とびっきり気持ち良くしてあげないといけない。

 私自身気持ち良くてつらいが、レイのためならば耐えられる。

 私はおっぱいを左右でぐちゃぐちゃに違う動きをさせて、おちんちんをもみくちゃにする。

 私もおちんちんにおっぱいをあらゆる角度から貫かれ、気持ち良くなってしまう。

 

(イって!イって!イって!)

 

 ぐちゃぐちゃとおちんちんをもみくちゃにしていると、レイが腰を震わせながらバチン!っとおっぱいに打ちつけてきた。

 そのおっぱいに感じた衝撃で私は絶頂に達する。

 おまんこからはぶしゃあっと潮が噴き出して体が痙攣する。

 レイも全く衰える様子のない射精をしており、よだれを垂れそうなほど気持ちよさそうな顔をしていて可愛い。

 

「ああああ!」

 

 おっぱいを蹂躙する精液が熱い。

 触れた所が全て気持ち良くなってしまう。

 私は気持ちよさのあまり背中からベッドに倒れこんでしまう。

 快楽の渦に腰を突き出し、背中をのけぞらせながら潮をふいてしまう。

 

 私は絶頂が去ると力が入らなくなり、足をひろげておまんこをレイにさらすような形で倒れた。

 恐らく無意識のうちにレイのおちんちんを入れてもらう事を望んでいたのだろう。

 

 だけどレイはおまんこではなく再びおっぱいにおちんちんを埋める。

 

(ああ…早くレイと一つに……)

 

 今日も私はレイに処女をささげることも恋人になることもできない。

 できることは私を道具として使ってもらう事だけ。



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6話裏① お願い(エロ無し)

「シャロ、僕は明日から実家で用事があるから報告会は行けない。今日も準備があるから今日も無理そうなんだ」

「そうなの?仕方ないわね……」

 

 突然どうしたんだろう?

 レイは大きな商人の家なため、仕事を手伝うために実家に帰ることは無いわけではない。

 でも何時もは予め私には教えといてくれたので、こんな急な事は無かった。

 

「どんな用事なの?」

「ちょっとね……」

「言えないの?」

「うん…ごめんね」

 

 どうしたんだろう?私に言えないことなんて……。

 真っ直ぐ私を見つめる彼は申し訳なさそうに眉尻を下げている。

 そんなレイの顔を見ると心配になってくる。

 

「じゃあもう行かないと」

「気をつけてね。明日には帰ってくるのよね?」

「ごめん帰りは1週間後になりそうなんだ」

「え?」

 

 一日くらい会えないのくらいは何でもないと思っていた。

 だけど一週間である。

 そんなに長い間離れ離れになるなんて……。

 

「……あの…もうちょっと短くならない?3日とか」

「無理なんだ」

「じゃあ5日は?」

「どうしようもないんだよ」

「……6日」

「ごめんね、シャロ」

「……うー」

 

 ここまでお願いして駄目なんて本当に無理なようだ。

 いつも私のワガママに付き合ってくれたレイがここまで頑なに断るなんて余程の事なのだろう。

 

「……早く帰ってきてね」

「っ…うん分かった。なるべく早く帰るようにするよ」

 

 私はレイの手を握ってせめてのお願いをする。

 レイはなぜか私の事を見て息を詰まらせたような反応をする。

 でも直ぐにいつもの優しい目で私のお願いを聞いてくれた。

 

(レイの手大きいな……。)

 

 こうして触れてみるとレイも大人の男になってるんだなぁと実感する。

 昔は私の方が力が強くてレイを引っ張り回していた。

 でもこの優しい顔に似つかわしくないたこができてごつごつした手を握ると、今は優しさから私に付き合ってくれてるんだとわかる。

 いつの間にこんなに大人になったんだろう?

 それに比べて私は何時までもワガママな子供のままだ。

 果たして私はレイに釣り合うような女になれるのだろうか。

 そんな不安を残して寮の自室に向かう彼を見送った。

 

 午後の授業を受けずに自室に戻った彼に対して、私はまだ受けなければ行けない授業がある。

 私は得意分野の魔法や錬金術に関してはむしろ教師に教えるくらいで授業を免除されているが、それ以外の歴史等の授業は人並みな為、普通に授業を受ける。

 

 私はいつもレイの隣に座って授業を受けていたのだけど、仕方がなく今日は友人の貴族令嬢達と授業を受けることにした。

 何事もなく授業が終わり、友人達と談笑していると

その内の一人があり得ないことを話し出した。

 

「そういえばレイさんお見合いするんでしたわよね。お相手があのレドロス商会のご令嬢だという噂は本当ですの?」

「?!」

 

 私はその話を聞いた瞬間心臓が破裂しそうなほど脈打ち、全身の毛穴がブワッと広がって、頭が真っ白になった。

 お見合い?

 誰が?

 レイが?

 

 私は震える声でその噂について問いかける。

 言っていい冗談と悪い冗談がある。

 正直これは洒落にならない。

 

「それってどういうことなんです?」

「あら?シャロ様はご存知無かったのですか?

 噂になってますわよ。

 戦争特需を狙って両家が手を握るために話を進めていると」

 

 何処の女だ?

 もし話が上手く行ってレイを取られてしまったら私は生きていけない。

 もしレイのおちんちんが汚されてしまう事態になったら相手の女を殺すしかない。

 兎に角、真相を確かめないと。

 

 私は走り出した。

 出発は明日なのでまだ部屋にいるはずだ。

 

(レイ…嘘だよね?)

 

 レイの部屋に到着した。

 扉の前に着くなり私はドンドンと激しくノックをする。するとはーいと呑気な声を上げながらレイが顔を出した。

 

「レイ!お見合いするって本当なの?!」

「うっ…聞いたんだ……何処から出たのか知らないけど噂になってたからな……」

「ということは本当なの?」

「…うん本当だよ」

 

 噂は本当だった。

 手足がガクガク震え呼吸が乱れる。

 そんなこと許すわけには行かない。

 早くレイを説得しないと。

 

「断って!」

 

 私の叫び声が廊下に響き渡る。

 説得にも値しない感情的な言葉しかでてこない。

 レイは周りの目が気になったのかキョロキョロと辺りを見回しながら私を部屋に招き入れた。

 

「そう簡単には行かないんだよ」

「どうして?貴族の私が言ってるのよ?」

 

 レイが私の言葉を聞いて顔を歪ませる。

 私は今までレイに身分の違いを利用して何かを迫ったことはない。

 それをすれば彼と私の関係が対等な友人ではなくなってしまうことを理解していたからだ。

 

 もしかしたら彼からすれば言わないだけで、私が貴族だから私のワガママに付き合ってくれていたのかもしれないし、彼にとって私は対等な友人では無いのかもしれない。

 だからこそ私はできるだけ彼を対等な友人として、最近では将来の恋人として扱ってきた。

 

 でもそんな事を言ってる場合ではなくなってしまった。

 彼のためなら何でもできる。だけどこれだけはどんな手を使ってでも止めなくてはならない。

 

「……親が決めたことなんだ。この婚約が成立すれば家が一気に国内で一番の商会へ成長できる。

 確かに君の家に命令されればうちはどうしようもないだろう。

 でも今まで君とは大切な幼馴染として接してきた。

 出来ればそういう形の命令はして欲しくは無いんだ。

 君との関係が大切なんだ」

「そんなの……」

 

 レイはずるい。私がこんな手まで使って命令したのに、そんな辛そうな顔でお願いされたら何も言えなくなってしまう。

 彼をこんな顔にさせてしまったのだと感じると私のマグマの様な怒りがすっと冷めてしまう。

 なにも言えなくなった私に残るのはどうしようもない虚しさだけ。

 

「シャロ!」

 

 でも私はどうしても認めることが出来なかった。

 どうしようもなくなった私はその場から逃げ出すように走り出す。後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきたがその声から逃げるしかなかった。

 

 翌日、まだ日も登ってない早朝にもう一度彼の部屋を訪ねた。

 

「シャロ……今日は早いね」

「どうしても出発の前に会いたかったの」

 

 幸いレイはもう起きていたようで既に着替えも済ませてある。

 この時間に尋ねて正解のようだ。もしかしたらもう出発する気だったのかもしれない。

 

「レイ……最後のお願い。

 このお見合いの一週間だけこれを着けて、私のことを忘れないで。それでもお見合いを進めるならもう私は何も言わない」

「これは一体……?」

 

 私が取り出したのは金属の輪っかがついた革製のベルトだ。

 何なのかわからない様子のレイに私は近づき、彼のズボンに手をかける。

 

「シャロ?!」

「お願い動かないで、つけてあげるから大人しくしてて」

 

 私の行動に慌てた様子で止めようとするレイだが、私のお願いを聞いてなすがままになってくれる。

 

(本当素直なんだから……)

 

 私は跪きながらレイのズボンをパンツごと下ろす。

 すぐ目の前にレイのおちんちんのが現れてドキッと胸が高鳴る。

 ここまで近くで見たのは初めてだ。

 口の中に唾が溢れてきてゴクリと飲み込む。

 舌を伸ばしたい気持ちが溢れてくるが今はそういう時じゃない。

 

「うっ……」

 

 私は小さいままのおちんちんを指で摘んで輪っかを通す。

 おちんちんに指が触れた際にレイがうめき声を上げておちんちんが少し大きくなる。

 私はその反応も無視してベルトを睾丸に通して固定する。

 その際さらにおちんちんが私の顔に近づき、私の興奮で荒くなった吐息がかかった。

 するとおちんちんは私の吐息でビクッと大きくなり私の唇に触れた。

 

 おちんちんとキスをしてしまった瞬間、私は頭が真っ白になった。口を大きく開けて一気に咥え込もうとする。

 だがレイに頭を捕まれ止められてしまった。

 

「レイ……」

「シャロ…それ以上は駄目だ……」

 

 私は目を潤ませながらレイの目を仰ぎ見て無言のお願いをするがレイの意思は固そうだ。

 フーッフーッとレイは興奮に呼吸を荒げているが、彼の目はしっかりと私を捉えて引く気がないことがわかる。

 私は渋々口を閉じて睾丸を引っ掛けられたベルトを止める部分に南京錠をつけてレイから離れた。

 

「シャロこの鍵は?」

「帰ってきたら外してあげる。大丈夫、これつけてたら時々気持ちよくなるだけだから。何時もの実験よ」

「気持ちよく?!シャロ!これは困るって!…クソッ脱げない!鍵はどこ?!」

 

 レイは焦った様子でベルトを外そうとする。

 要はカバーの付いていない貞操帯だ。

 カバーが付いていないので貞操帯としては役に立たないが……。

 

(ごめんなさいレイ……)

 

 レイの様子に思わず鍵を渡しそうになるが、ここで引くわけには行かない。

 

「お願い、レイ。何も言わずにこれを着けたままお見合いを受けて。何でもしますから、お願いします」

 

 私はレイに頭を下げて改めてお願いする。

 レイはしばらく困ったように口をパクパクさせていたが首をがっくりと落とし肯定の言葉を吐く。

 

「分かったよ、シャロがそこまで言うのなら」

「ありがとうございます」

 

 私は心の底からレイに感謝して下げていた頭を更に深くする。

 そういえばここまで深く頭を下げるのは産まれて初めてだ。そう考えるとこんなことでも初めてをレイに捧げられて嬉しくなる。

 

「じゃあレイ、またね」

「うん、またね」

 

 私はそうしてレイの部屋をあとにした。



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6話裏② 私の計画

 私は部屋に戻り、朝食をとって授業に向かう。

 レイの見送りはしなかった。

 レイがお見合いに行く姿を見てしまえば恐らくレイを気絶させて監禁してしまうからだ。

 

 レイがいないだけでいつも通りの授業だ。

 それだけで、いや、それこそが、私には辛いことなのだが今は我慢する。

 

 翌日、また授業をうける。

 

(そろそろかな?)

 

 私は授業中に空間を繋げる魔法を発動させる。

 繋げる空間の入り口の座標はレイのおちんちん。

 出口は私の谷間だ。

 

 谷間の下あたりから徐々にせりあがってくる物を感じる。

 まだ小さいがレイのおちんちんだろう。

 レイに取り付けた貞操帯もどきは、金属の輪っかの存在している座標を私に教えてくれる魔道具だ。

 これがレイのおちんちんについている限り、レイのおちんちんが遠く離れた国にいても正確に私にはわかるのだ。

 その座標を使ってレイのおちんちんと私のおっぱいの空間を繋げてあげれば遠隔パイズリの完成である。

 レイのおちんちんが急になにかが触れる感触を感じたようでびくっと震えて不安そうにしている。

 

(大丈夫だよ。優しくしてあげるから。)

 

 私はノートを取るふりをして両手を机に置いて腕でおっぱいを横から潰してみる。

 乳圧が高まり、おちんちんにおっぱいがより密着するとおちんちんが、あれ?これもしかして気持ちいい奴?と言ってるかのように少しだけ元気になる。

 駄目押しに体を貧乏ゆすりさせておっぱいをぷるぷると震わせておちんちんを刺激してやる。

 私のおっぱいの振動により、おちんちんの皮が徐々に剥けていく。

 するとおちんちんが、これ気持ちいい奴だ!と分かったようで完全に服を脱ぎ捨てておっきくなってくれた。

 

(この堅さはまだ8割ってとこかな?)

 

 おっぱいから感じる感触でレイのおちんちんがまだ十分に勃起していない事を把握した私は、更に強い刺激を加える事にする。

 私はなんか寒いな~とわざとらしい声を出しながらローブの前を閉じる。

 ローブを閉じた後、空間魔法でローブの位置を固定して、布で出来ているにもかかわらず一切動く事のない物体と化す。

 この状態のローブはべヒーモスに踏まれても形を変える事はない。

 

 私はローブの中でシャツのボタンをプチプチと外してブラジャーを外気に晒す。

 ブラジャーに手を掛けるとそれすらも下にずらしてぶるんっとおっぱいを完全に露出させた。

 私はローブの中でおっぱいを手で持ち上げると上下に動かし始めた。

 ずりゅっ!ずりゅっ!っと最初から容赦なく精液を搾り取る動きをする。

 外から見れば私は真面目に授業を受けているだけだろう。

 だが実際にはローブの下でおっぱいを露出させて激しく胸で搾精行為をしているのだ。

 

 正直言うと途轍もなく恥ずかしい。だけどお見合いが始まっているであろうこの時間でなければ駄目なのだ。

 もしお見合い前に遠隔パイズリを始めてしまえばレイは体調不良と言ってお見合いを中断してしまうかもしれない。

 それはそれで狙い通りではあるのだが、根本解決にはならないため、もう一つ貞操帯もどきに魔法が付与してある。

 

 それは私の事を思い出す魔法。

 精神魔法の一つで、ただ私の事を思い出すだけの魔法なのだが、そこでおちんちんを死ぬほど気持ち良くする事で私の事しか考えられなくするのだ。

 これをレイのお見合い中に行う事で、レイに相手の事より私の方に夢中にさせ、悶えるレイに相手は幻滅して愛想を尽かすという計画だ。

 

 レイからお見合いをすることを告げられた夜、自室に戻って枕に顔を埋めながら泣いて失恋を悲しんでいた。

 だけど10分ほどでやはりレイを手放す事は不可能だと判断した私は、この計画を思いついて貞操帯もどきを徹夜で作り上げた。

 急ぎだったので少し不安だったが、座標を伝えるのと私を思い出すだけの簡単な魔法だったので上手くいったようだ。

 

 逞しいおちんちんから我慢汁が溢れてきたので、手をおちんちんの先に持って行って我慢汁をおちんちんに伸ばしてやる。

 

(手でおちんちん触るの初めてだ……)

 

 パイズリに移ろうとしたが気が変わった。

 おっぱいの間におちんちんを捕えたままおちんちんを握って上下に擦り始める。

 にちゃっにちゃっと粘着質な音が響くが、私の周りには空間を固定しているので、音はおろか臭いでさえ外に漏れる事はない。

 レイのおちんちんの臭いを他の女に嗅がせるなんて想像しただけで腸が煮えくりかえる。

 本当に空間魔法を習得しておいてよかった。

 

(指で触ると形が良くわかるな~先っぽがぷにぷにしてて気持ちいい、ずっと触っていたくなる。)

 

 おちんちんのぷにぷにした所を人差し指と親指でくにくにといじる。

 するとおちんちんは震えながら我慢汁を出してくれるので指にまぶしておっぱいに塗りたくる。

 右手はおちんちんの先をいじりながら腕でおっぱいを寄せ、左手でおっぱいを下から持ち上げて上下させる。

 おちんちんの先をいじるくちゅくちゅと言う音とおっぱいを擦りつけるずちゅ!ずちゅ!という音が私だけに聞こえる。

 今私は意味のない授業を受けているのではなく、レイを気持ちよくしているのだと思うとなんだか誇らしくなる。

 

 次はおちんちんの位置を少し前に移動させる。

 両手をおっぱいにもってきて乳首を寄せておちんちんに当ててあげる。

 するとレイの子供(おちんちん)はお乳が欲しいのか、くんっと持ちあがって乳首を押してくる。

 

(ごめんねぇまだお乳出ないの。いつか一杯飲ませてあげるからね♡)

 

 おちんちんの先の段差の部分に乳首をぷりんっぷりんっと交互に引っ掛ける。

 乳首でおちんちんの両方から挟んで同時に持ち上げて段差に引っ掛けておちんちんを引き抜いてみる。でもおちんちんはとても逞しいので乳首が段差からはずれてしまうだけだ。

 

(おちんちんが気持ちいいって言ってる♡そろそろ出るかな?)

 

 私は再度両手をおっぱいに添えて上下し始めた。

 ぶちゅぅ!と音が鳴るたびにだらだらと我慢汁が流れるので、もうおっぱいはべとべとだ。

 今おっぱいを左右に開くと谷間に糸の橋ができるだろう。

 ばちゅばちゅと激しくおっぱいを動かして精液をいよいよ搾り取る段階になった時、先生から声がかかる。

 

「ではシャロさん。シャズート皇国とアステリア王国が初めて戦争状態になった原因を答えてください」

 

 今はそれどころではないが仕方ない。

 私はパイズリする手を緩めず立ち上がる。

 興奮に包まれている私だが、体の隅々まで操ることができるので顔に行く血をコントロールし、無表情を保っているので外から私の興奮がばれる事はない。

 私の痴態を見せるのはレイだけだ。

 

「皇歴125年、王国が大飢饉に見舞われ食料を求めて戦争を仕掛けてきたのが最初とされています。

 攻めてきた王国を迎え撃つ任に就いたのは、若くして将軍の地位に昇りつめたカジート将軍でした。

 カジート将軍は次々と戦果をあげますが、後がない王国の兵は死に物狂いで突撃を仕掛け、カジート将軍は討ち死にしてしまいます」

 

 先生の質問に答えながらもパイズリする手を休めてはいなかった。

 おちんちんは一段と大きく膨らむとついに射精を始める。

 

「結果的に勝利した皇国ですが、実はカジート将軍に当時の姫が恋心を抱いており、王国に対して激しく憎悪を燃やしました。

 5年後、女皇となった彼女は何度も王国を滅ぼそうと兵をあげるようになりました。

 これが戦争が今でも続いている原因です」

 

 しっかりとおちんちんの先がおっぱいの中に埋もれるように位置を調整してあげる。

 おっぱいの中でびゅー!っと精液が噴き出してくるが、それを無視しておっぱいをぐちゅぐちゅぐちゅ!と動かし続ける。

 おちんちんは激しく動いて喜んでくれているみたいだ。

 おっぱいの中で精液が濁流となって暴れまわるが全てを受け止めきる。

 このために私のおっぱいは大きくなったのだとこの時理解した。

 

「はいシャロさんありがとうございました。やはり貴方は優秀ですね」

 

 私が再び席につくと、おちんちんの痙攣が次第に弱くなり、おちんちんが小さくなる。

 指でおちんちんを掴み、最後の一滴まで精液を絞り出してあげる。

 

「では今日の授業を終わります」

 

 授業が終わり席を立つ。

 友人達と合流して次の授業のある教室へ向かう。

 

「さっきの授業、流石はシャロ様です。お美しいだけでなく学業も優秀でうらやむ気も起きません」

「私なんてシャロ様のお声を聞いただけで天にも昇りそうな気持ちになってしまいます」

「皆さんありがとうございます。皆さんのご期待に添えるようこれからも精進致しますわ」

 

 ローブの中では精液を潤滑油に再びパイズリを始めて既に勃起させている。

 レイにはまだまだ気持ち良くなってもらう。

 

 ちなみに私は一応王族の血をひいてるので姫様は私のご先祖様だ。



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7話裏 こんな幸せがあっていいの

 レイがお見合いに行ってから3日が立った。

 この3日間休むことなく、私は朝から晩までずっとレイのおちんちんを気持ちよくしていた。

 

 今私はマスクをして次の授業のある教室へ向かっている。

 当然私の口の中にはレイの勃起したおちんちんが収められている。

 

「シャロ様、今日の放課後お茶会でもどうですか?」

「申し訳ありません。しばらくはやらなければいけない研究がありますので行けそうにありませんの」

 

 友人と私は普通に会話しているが、実際に喋ってるわけではない。

 今もマスクの下の口の中でおちんちんをレロレロと舐めている。あ、射精した。ごくごく。

 

 腹話術は流石の私でも使えないので、空間魔法で口のあたりの空間を振動させることで、空気を振動させて私の声を真似ているのだ。

 

 じゅぞぞぞ!じゅるるる!と大きな音を鳴らしながらおちんちんが口の中で前後している。

 これは出現させるおちんちんの部位を前後させることで、マスクを膨らませることなく、かつ自分が動くこともなくストロークさせている。

 

 流石に頬を凹ますほど吸引する事はできないが、しっかりとおちんちんに吸い付いてねっとりと唇を貼り付ける。

 私は更に奥までおちんちんを咥えこんで喉まで受け入れる。

 ごぽっごぽっと音がなって膨らむ喉に手を持っていって自分で首を絞める。

 こうすると苦しいが、喉越しにおちんちんを締める力が強くなりおちんちんが跳ねて喜ぶのだ。

 程なくしてまた私の食道に直接精液が注ぎ込まれた。

 精液を出したばかりのおちんちんに舌を尖らせて出口をほじほじしてあげる。

 出口が広げられて吸引する力を強くして精液を吸い出す。

 

「シャロ様、今日は天気がいいですしお外で食事はいかかでしょうか?」

「申し訳ありません。今日はお腹一杯ですの」

 

 翌日、私は頬杖をついてバルコニーから外を眺めていた。

 頬を膨らませて中でコロコロと転がしている。

 

「シャロ様何を食べていますの?」

「ちょっと飴玉を」

 

 もちろん口の中で転がしてるのは飴玉ではなくレイの睾丸だ。

 玉袋の部分を口の中で出現させて片方を口の中に、もう片方を頬に入れていたのだ。

 

「まあ美味しそう、何味ですの?」

「そうですね…塩味と言うところでしょうか」

 

 ちなみにおちんちんの方は机の下に隠した、軽く握った拳の中に先っぽだけ出現させている。

 拳をぐにぐにと動かして先っぽのプニプニした部分を揉んであげる。

 我慢汁がだらだら流れてるので掌に塗してグリグリ回して先っぽを刺激する。

 

 更におちんちんの持ち方をかえて、握ったときに裏の段差に親指以外の4本の指が当たるようにする。

 指を触手の様にバラバラに動かして裏すじを刺激する。

 おちんちんから温かい液体が吹き出してきたので、手で包み込むように蓋をして外に漏れないようにする。

 睾丸を口でマッサージしてあげたおかげなのか精液の量が7回目にも関わらず多かった。

 

 そのせいで手から精液が溢れそうになったので、精液をコーヒーの中に転移させてスプーンで混ぜた。

 

「ん……」

 

 ふかくにも興奮で少し声を出してしまったがまあ大丈夫だろう。

 精液入りコーヒーを口に含むと精液が喉にまとわりついて非常に飲みにくい。

 それでもレイの子供が入ってきてるのだと思うと幾らでも飲めてしまうから不思議だ。

 

 更に翌日の夜、私は裸になってベッドに女の子座りしていた。

 顔の前にはレイの勃起したおちんちんがそびえ立っている。

 

「はあ…レイ…素敵……」

 

 何度も連日搾り取られているのにも関わらず逞しさを失わないレイのおちんちんにうっとりしてしまう。

 この造形美は過去のどんな彫刻家が作ってきた石膏像も叶わないだろう。

 

 私はまずおちんちんを祈るように両手でやさしく包み込む。

 我慢汁が浮いてるので先っぽに優しくキスをしてじゅぞぞ!と卑猥な音を鳴らして飲み込む。

 

「今日もお疲れ様。あと少し頑張ってね」

 

 私はおちんちんをねぎらうために舌を大きく突き出して根元からねっとりと舐め上げる。

 おちんちんを右手で握り顔につけた状態で舌を横に伸ばして顔と舌でおちんちんを擦る。

 左手は睾丸を包み込み、にぎにぎとこの数日で学んだ精液を最も生産させるマッサージを施してあげる。

 

「じゃあそろそろ最後のお仕置きだよ♡」

 

 私はおちんちんにそう語りかけると口を大きく開いて咥えこんだ。

 この前はレイの手に阻まれたが、今はおちんちんしかないので邪魔する手はない。

 レイはただ私の事を考えておちんちんを私に捧げるしかない。

 これは罰だ。私の夫になるはずの男が他の女とお見合いするなんて、意識が足りていない。

 徹底的におちんちんに誰が妻か分からせてあげる必要がある。

 

 先だけをぱっくり咥えこみじゅる!じゅる!と舌を回して掃除してあげる。

 毎日咥えてあげてるので垢がたまる事などないのだが、それは掃除をさぼる理由にはならない。

 おちんちん掃除係は妻の何よりも大事な仕事だから毎日するようにしている。

 口からはみ出た竿の部分は手でしごきあげるのも忘れてはならない。

 おちんちんは寒いと小さくなるらしいのでちゃんと常に何かで温めてあげるのが重要だ。

 

 ぐっぽぐっぽ!ぐちゅぐちゅ!

 

 バキュームフェラと手こきが激しくおちんちんを攻める音が部屋中に響き渡る。

 この座り込んでフェラしている体制は、まるで仁王立ちするレイに奉仕しているようだ。

 だけど実際には違う。私がレイをお仕置きしているのだ。

 おちんちんが降参だ!と白旗ならぬ白濁を出そうと震えている。

 私は手を離して一気にレイのおちんちんを根元まで咥えこんだ。

 鼻がレイのお腹に食い込むほど顔を押し付け、喉でおちんちんをしめてあげる。

 

 ちなみに両手は自慰につかっている。

 右手は左胸を激しく掴み、左手はクリトリスをガッシュガッシュ!と音が鳴りそうなほどきつく潰している。

 すっかり開発されてしまった私の体はレイのおちんちんを舐めてるだけでイってしまうはしたない体になってしまった。

 そこに自分で刺激を加えたら当然気をやってしまう。だけど一日の締めくくりはレイと一緒に死ぬほどイきたかったので仕方がない。

 レイにお仕置きすると言っておきながら結局は私はレイの所有物で妻でしかないのだから当然だ。

 

 だけどこの日はミスをしてしまった。

 おちんこによる快感が強すぎて頭が真っ白になった瞬間、頭を後ろにそらしてしまい、口からおちんちんが出て行ってしまった。

 イっている間も無意識に口寂しさを感じたのか口をあけたまま舌を突き出していたらしい。

 おちんちんから噴吐き捨てられた精液が私の顔にかかり、その一部が私の舌の上に飛び込んできた。

 

「…おいひぃ……」

 

 今のレイの精液の量は、初めてレイの精液を飲み込んだ時とは比べ物にならなくなっている。

 当然顔だけではなく、髪や胸にも精液はかかり全身を汚していく。

 胸の谷間や絶頂で閉じてしまった股の間に精液がたまっていくのを感じる。

 

 びゅっと最後の一滴が私の頬にかかるともう私の全身は精液でべとべとになっていた。

 私は絶頂でぼうっとする頭で今の最優先事項である、お掃除フェラを始める。

 ぺろぺろとさっきとは打って変わって優しくおちんちんを舐めて綺麗にしてあげる。

 この刺激でまたおちんちんは少しだけ堅くなるが、流石に今日は限界のようで半勃ちにしかならない。

 

「よく頑張ったね。今日はゆっくりお休み」

 

 最後におちんちんの先にちゅっと軽いキスをしてあげておちんちんをレイの元に戻してあげる。

 一人残された私は白濁で全身をコーティングされているので自分の掃除をすることにした。

 口の前に空間をつなげるゲートを出現させる。

 私が舌を突き出すと、舌が胸の前に現れた。

 私は胸から精液がこぼれないように両手で胸をギュッと寄せて、谷間に溜まった精液をぴちゃぴちゃとなめていく。

 全て飲み干した後は、所々についている精液を舐める作業だ。

 自分の肌に自分の舌が這いまわるのは変な感じだが、レイの精液が舐められるので問題ない。

 バター犬ならぬ精液シャロだ。

 割れ目についた精液を舐めるのは流石に躊躇したが、レイを受け入れる場所の掃除はきちんとしないといけないのでしっかりと舐める。

 

「あ…ン…ふぅ…」

 

 少し声が出てしまったがこれ以上はレイにいじって開発してもらわなければならないので必要以上には触らないようにする。

 

 私は今日の16回にわたる遠隔搾精が終わり、シャワーも浴びずに眠りについた。

 

「はやくレイと会いたいな……」

 

 

 そして約束の一週間が過ぎた。

 私はそわそわとしながら部屋を行きききしている。

 私がこの一週間したことはただレイを気持ち良くしただけの事だ。

 レイが縁談を断る保障も相手がレイに幻滅する保証もない。

 むしろレイのように魅力的な男が多少悶えているとむしろプラスにしかならない気がする。

 今更になって私は不安に襲われ、一睡もせずにレイを待っていた。

 時間を何度も確認するが、もう1時間たったかと思ったらまだ3分しか経っていおらず、地獄のような時間だ。

 

 私が不安でたまらなくなり、涙が滲み始めた時、こんこんとドアがノックされた。

 

「シャロ?起きてる?」

「レイ!」

 

 私は勢い良くドアを開け放ち、レイに飛びつく。

 

(あーレイだ!あったかい!もう離したくない!)

 

「シャロ?!びっくりしたよ急に飛びついてくるんだから」

「だって…だって……」

 

 レイに顔を埋めると安心して気が抜けてしまい、涙と鼻水が溢れてレイのシャツを汚してしまった。

 レイは少し困った顔をするが何も言わず私の背中をぽんぽんと叩いてくれる。

 レイは私を優しく腕で包み込み部屋へ促してくれた。

 本当にレイは優しい。やっぱりこの人以外私には考えられない。

 

(って違う!安心してる場合じゃない!縁談はどうなったの?!)

 

「そうだ!縁談はどうなったの?!」

「えっと…断った……」

 

 私はその言葉を聞いて腰が抜けてしまう。

 力が入らなくなり、その場にへたり込むまではまだいいのだが、ありとあらゆる筋肉がゆるんでしまった。

 

「あっあああぁぁぁ……」

 

 ぷしゃーと音がなり、私の周りに黄色い水だまりが広がっていく。

 大事な所まで完全にゆるゆるになってしまって漏らしてしまったのだ。

 

「やっ見ないで!」

 

 恥ずかしい!死にたい!おしっこ漏らしちゃうなんてレイに幻滅される!

 私の胸中は安心とは一転してパニックになる。

 どうする?どこかへ転送する?駄目だもう見られてる。レイの記憶を消す?そんなことレイに出来る訳ないしレジストされるだけだ!

 ぐるぐると目が回るような感覚に襲われ、言葉が出ずにいるとレイはふっと笑い声を掛けてくる。

 

「大丈夫だよ、シャロ。僕はその程度で嫌いになったりなんかしないよ。

 ずっと気が張ってたみたいだから安心しちゃったんだね。むしろそれだけ僕の事を思ってくれてるなんて嬉しいよ」

「ぐすっ……本当?」

「本当だとも。僕は決心したんだ。シャロの事をずっと守るって」

「……え?」

 

 どういう意味だろう。

 おしっこ漏らした事を大丈夫だと言ってる事は分った。

 でもその後の事の意味がわからない。

 混乱する私をよそに優しい笑顔のまま、レイはおしっこに汚れることも厭わず膝をついて私に目線を合わせてくる。

 

「シャロ、僕は君が好きだ。愛している。僕と結婚してくれ」

 

 言葉が出なかった。

 口を開くが言葉が出ない。

 出るのは涙と鼻水だけで出てほしい物は何一つ出てこない。

 ずっとずっと不安だったのだ。

 

 レイに対してとんでもない事をしてきた。

 どうしても恋人になって欲しいという勇気が湧かず、少しでも安心を得るためにレイのおちんちんを好き勝手してきた。

 でも結局熱くなってるのは一方的に私の方だけで、レイはただ無理やりオナニーの報告をさせられているだけ。

 嫌われたらどうしようと毎日不安で胸が張り裂けそうで、でもレイを感じる事ができるのが嬉しくて辞められなかった。

 そんなわがままな私にレイが告白をしてきたのだ。

 こんな幸せがあっていいのだろうか。

 

「シャロ?返事が聞きたいんだけど」

「ふぁい!よろじくおねがいじばず!」

 

 私は泣きじゃくりながら何とか言葉を出す。

 私は彼の胸にしがみつきわんわん泣き続けた。

 彼は嫌な顔一つせず、私をずっとなだめ続けてくれた。



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8話裏 ご利益(エロ無しキスのみ)

 どうやらいつの間にか寝てしまっていたようだ。

 何だろうすごく安心する匂いがする。

 ずっとこのまま匂いに包まれていたい、でもそういうわけにもいかない。

 先ずはこの匂いの正体を確かめないといけない。私はゆっくりと目を開く。

 

「あ、子供産まなきゃ」

 

 私は直感した。

 この目の前で眠る男の子供を産む事が、私の生きてきた意味なのだと。

 私は朝がとても弱く、普段覚醒まで時間のかかるのだが、彼の顔を見た瞬間、子作りをする為に一気に全身が覚醒した。

 頭が冴え、昨日の記憶が蘇った上で今の状況を理解する。

 

 私はレイにベッドで抱かれながら眠っていたようだ。

 パンツも服も着替えさせてるみたいで気持ち悪さは感じない。

 つまり彼が私を着替えさせたという事だ。

 

(え、私裸見られた?いやそれより私レイと結婚するの?つまりちゅーしてもいいってことよね?)

 

 色々考える事はある。でも今大事な事はレイと結ばれてもいいという事だ。

 ならばと私は唇を突き出してレイの顔に顔を寄せる。

 レイはそんな私の気配に気付いたのかパチッと目を開ける。

 

「おはよう、シャロ」

「おはようちゅー」

 

 朝の挨拶をしてきたので取り敢えず私も返す。

 だけど今はちゅーだ、ちゅーするのだ。

 

「まっ!」

 

 レイは何か言おうとしていたが私の唇が彼を黙らせた。

 なんだかとても恋人っぽくていい。

 

(なんかオナホごしでした時と違う気がする!なんかすごい!)

 

 レイの唇は柔らかいだけでは無い。

 何か不思議な快楽物質が分泌されてるようで、唇から脳まで快感が貫く。

 これはしっかりと研究する必要があるようだ。

 

「ぶちゅ…ぐちゅ……」

 

 先ずはレイの唇に吸い付いてみる。

 なるほど触れた私の唇が幸せになってしまう。

 やはりここから快楽物質が出ているようだ。

 では中ならどうか?研究者としての血が騒いで仕方がないので実験だ。

 

「んむ…」

 

 少し口を開いて舌を出してレイの唇をノックしてみる。

 レイは唇を開けてくれる様子がない。やはりこの中が怪しい。何か隠してるに違いない。

 そういう事なら強行突破だ。

 私はレイの閉じた唇に舌を差し込む。

 舌を無理矢理ねじ込んでいくと唇がどんどん開いてくる。

 そしてついに舌がレイの中に侵入することに成功した。

 

「れろぉ…ぐちゅ…ぴちゃ……」

 

 私の舌がレイの歯に当たったのでこれも調査だ。

 にゅるっと舌をしっかり差し込んで歯をなぞっていく。

 前歯から順に一本一本舐めて形を確かめながら、奥歯の方へ進めていく。

 上も下も左も右も行けるところまで舐める。

 奥まで舌が届かなくなってしまうので調査はここで中断だ。

 調査の結果、これは危険だ。

 唾液が私に付着すると子宮がキュンとなり、股が濡れてしまう。

 快楽物質の原液はこれのようだ。

 

「じゅるるるる!」

 

 私は念の為この唾液を持ち帰って分析にかけるため、肺を膨らませて唾液を吸い込んでいく。

 快楽物質が私の中に入ってくる。

 レイの唾液を取り込んだことで頭に幸せな快感がブワッと広がり、体が震えてしまう。

 レイに押し付けた胸の先が痺れる。

 

(もっと欲しい……)

 

 より強い快感を求めるため体をもっと密着させて胸を押し潰す。

 すると少しうめき声を上げてレイの歯が少し開いたのですかさず舌を差し込んだ。

 

 舌と舌がぶつかる。

 

(美味しすぎる…!)

 

 勿論本当に味覚で美味を感じているわけではない。

 でも確かに美味いのだ。

 全身に甘い痺れが広がり、私の舌が溶けてなくなってしまうような感覚で何時までも味わっていたくなる。

 

「くちゃ…くちゃ…じゅじゅ!」

 

 舌を絡ませあい、お互いの舌の味を確かめ合う。

 唾液をもらったらお返ししてあげなければならない。

 私は体液を交換するため、舌を絡ませながら唾液を吸い取ると、私のどくどくと分泌される唾液を舌を伝わせながら送り込んだ。

 

「ぷちゅっ…はぁ…おいしい……」

 

 息が苦しくなり、口を離して舌を引き抜いた。

 私の口と彼の口に糸の橋がかかっている。

 私がその様子を見つめていると、目を瞑っていたレイが目を開いたため私と目が合う。

 

(かっこいい……)

「カッコいい……」

 

 無意識に頭で考えたことが口に出てしまった。

 まあ事実なので大丈夫だろう。

 私が息を大きく吸い、もう一度レイとキスをしようとするとレイが語りかけてきた。

 

「あの…シャロ…そろそ…」

「っ!そうよね!レイも辛いよね…いいよ…レイなら……」 

 

 しまった。私ばかり楽しんでしまった。

 レイも男だ、きっと私を抱きたくなってしまったのだ。

 勿論私はいつでもOKだ。嬉しい、ついに私、レイと結ばれるんだ……。

 私は目をギュッと瞑り無抵抗になりレイを待つ。

 やばい!心臓が破裂する!

 

「待って!そろそろ起きないと!それにそういう事はまだ駄目だ!」

「……へ?」

 

 

 私は不貞腐れながらシャワーを浴びていた。

 残念ながらセックスの為ではない、何か大事な話があるらしく、先ずは身支度を整えている。

 昨日は一応レイが拭いてくれたらしいのだが、お漏らしをしたため、ちゃんと風呂に入るように促された。

 私はシャワーを終え、タオルだけを巻いて風呂場を後にする。

 

「も〜♡レイ〜話ってなんなの〜?」

「ちょっとシャロ!ちゃんと服着なきゃ!」

「いいのよ♡レイは私の旦那様なんだから♡」

 

 レイは照れているようだがきっと嬉しいはずだ。

 私の谷間とか足に目が行っている。

 私はベッドに座るレイの隣に腰をかけるとレイの腕に絡みつき、しなだれだれかかった。

 だがレイは私の肩を掴んで引き剥がしてきた。

 凄い真剣な目で私を見つめてくる。

 あまりのかっこよさにキレイにしたばかりなのに濡れてしまう。

 

「シャロ、聞いて、大事な話なんだ」

「うん♡なに?話って♡」

「僕は戦争に行くことにした」

「…えっとぉ…ごめんよく聞こえなかったからもう一回言って♡」

 

 戦争?まさかそんな訳がない。レイの口からそんな言葉が出るはずがない。

 もう一度聞いてみよう。レイの滑舌が悪かっただけだ。

 

「戦争に行く。少しまずい状況みたいなんだ」

「…っ!なんで!レイが行く必要ないじゃない!」

 

 レイの言うことなら何でも聞ける。

 だけどそれだけは駄目だ。

 レイに何があったんだろう?誰かが変な事を吹き込んだ?そいつを見つけて罰を与えなければならない。

 もしかしてあいつか?愚かにもレイと縁談を組もうとしたあの家……確か私の魔法理論を使った魔法書とか魔道具を商品としてあつかってたはずだ。

 まずはその使用権利の剥奪だ。

 レイを誑かした罪は重い、この国で生きていけなくしてやる。

 私は自分顔が怒りで真っ赤になるのがわかる。

 どうやって罰を与えようかと思いを巡らせていると次のレイの言葉で現実に引き戻された。

 

「君と結婚する為に必要なんだ」

「……どういうこと?」

「君は公爵家の娘で、僕は平民だ。絶対に許して貰えない。

 だから戦争で君に釣り合う手柄を立てる。

 もう一週間もすればこの首都まで王国の軍が到着するだろう。

 戦況が悪い今だからこそ僕が英雄になるチャンスがあるんだ」

 

 レイは馬鹿になってしまったんだろうか?

 そんなことできるはずが無い。

 公爵家に釣り合うほどの戦功なんて不可能だ。

 

「できるわけないじゃない!家がなによ!そんなのなんとかするわ!駄目なら駆け落ちすればいい!お金ならあるし私には空間魔法がある!」

 

 そうだ確かに彼とは身分が違う。

 だけどそんなの些細な事だ。

 空間魔法を操る私が家の追撃を逃れるなど容易だ。

 私を捕まえることができるのなんて、この国では国一番の大魔道士マーリンのジジイくらいしかいない。

 

「僕の縁談の話を持って来たのは君の家だ。

 いつまでも僕と離れない君を心配したらしい。

 もし君と離れないのなら一族郎党殺すと釘を刺された」

「は?そんな事を言ってたの?なら私が説得するわ。もし駄目なら駆け落ちするから荷物を纏めといて」

「無理だよ。その場にはマーリン様もいた。君の暴走を止めるために、君の父さんが頼んだらしい」

「そんなの……」

 

 問題ないと言おうとして言えなかった。

 悔しいが私ではマーリンのジジイには敵わない。

 もしアイツに本気で追いかけられたら私でも逃げることはできない。

 なんでアイツが出てきたんだろう。

 政治なんて興味がないとか言ってた癖に……。

 

「君の父さんに言われたよ。君の事は認めているからこそシャロの側にいることを許していた。でも身分の違いはどうしようも無い。ってね」

「父様がそんな事を……」

 

 大好きな父様が今は憎くてたまらない。

 だが殺そうとしてもマーリンには勝てない。

 八方塞がり、だけど私に諦めるという選択肢はない。

 

「マーリンでもなんでも倒してや」

「でもマーリン様が一つ助言をくれたんだ」

「……ジジイが?」

 

 言葉を遮られた。

 あのいつもニタニタ笑ってる何を考えているかわからないジジイを思い浮かべる。

 何だろうアイツが味方してくれたんだろうか。

 

「戦争で戦功を立てて英雄になりなさい。今この国始まって以来のピンチを迎えている。

 もし今王国の大将を討ち取る事ができれば、君は救国の英雄となり望む報酬が君に与えられるだろうってね」

「そんなの……駄目よ……」

 

 私は対案を思いつかず、ただ力なく否定する事しかできない。

 マーリンさえ居なければ幾らでも方法は思いつく。

 だけどあいつがいるだけで何一つ上手く行かなくなる。

 一体どうすればいいのか。

 

「それに君のお父さんも認めてくれたんだ。もし英雄となる事ができれば君に娘を譲ろうってね。だから僕は覚悟を決めたんだ」

「父様が……」

 

 このままではレイが死んでしまう。

 それだけは避けなければならない。

 

(考えろ!なにか方法が……)

 

 ……レイの命は私より重い。

 優先順位を間違えてはいけない。

 この世で最も大事な物はレイでその次が私。

 その前提が成り立ってこそ彼と結婚するという目標が成り立つ。

 ならば……。

 

「やっぱり駄目…レイが死んじゃう。それくらいなら…それくらいなら結婚しなくてもいい!他の女と結婚しても…いいから…行かないで……」

 

 私はレイに縋り付いて懇願する。

 他の女とレイが結婚することを思い浮かべただけで涙が溢れてくるが関係ない。レイさえ生きてればそれでいいのだ。

 

 

 

 

 3日後、レイは戦争に旅立とうとしていた。

 厳しい状況にある前線への援軍の内の魔法部隊にレイは組み込まれている。

 今は城の庭に兵を集めて隊列を組もうとしているところだ。

 

「レイ……」

 

 私は列に加わろうとしているレイを呼び止めた。

 いつもの制服ではなく、軍の正規鎧に自作の魔法陣が刻まれた小手と剣を装備している。

 

「シャロ…ちゃんと寝てる?美人が台無しだよ。君はもう少しで救国の英雄の妻になるんだよ?しっかりしなきゃ」

「これ作ってきたの。これを私だと思って」

 

 私はレイの首に手を回しペンダントを着ける。

 

「これは?」

「空間の断絶を作り出す魔法陣を組み込んでるわ。何度かはあなたを守ってくれるはず」

「ありがとう。助かるよ」

「それと……」

 

 私は袋を取り出す。

 これは私自身だ。

 これが何かは彼には教えない。

 もし彼が知ればきっと遠慮してしまう。

 私は彼に袋を渡すと耳に口を寄せ、周りに聞こえないように小声で話す。

 

「戦った後は…その…女が欲しくなると聞いたの……」

「これって……」

「私の夫になるんだから絶対に娼婦を使っちゃ駄目。その代わりこれを使って」

 

 私は何か言おうとする彼の唇を私の唇で塞ぐ。

 

「絶対に生き残りなさい!この天才美少女魔女の私の夫となるんだから王国なんてひねり潰しなさい!」

 

「……だからそういってるだろ。絶対に英雄になって君を貰いに来るよ」

 

 レイはそう言うと踵を返し、軍の列に加わった。

 まもなく行軍が始まる。

 

「進め!」

 

 指揮官が行軍の合図を出した。

 レイはこちらを見ることなく、真っ直ぐ前を向いて歩いている。

 私はただ彼が生きて帰ることを祈るしかできない。

 

「レイ!あんたが死ねば私も死ぬから!」

 

 町中を行軍する軍を追いかけ、私はレイに最後の発破をかける。

 レイはそれでも何も反応を示さず歩いている。

 私はそこで立ち止まり、やがて彼が見えなくなる。

 

「ちゃんと使ってくれるかな……」

 

 彼に渡した袋の中身はオナホールだ。

 何が何でも彼に私の処女を奪ってもらう。

 この私の処女を捧げるのだ。

 きっと神様に祈るよりご利益があるに違いない。

 さて……

 

(お風呂入っとかないとね!)



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9話裏 一番幸せなキス

 レイが戦場に出て1週間、領土深くまで侵入していた王国の兵を押し返したという情報がこの首都まで届いていた。

 

「ふぅ…く…あ……レイ…早く……」

 

 私は今オナニーをしている。

 私には処女膜があり、彼の物を準備もなしにいきなり受け入れるのは難しい。

 そのため、彼が戦場に出てからはこうして毎日、自分で膣穴をほぐして受け入れる準備をしていた。

 未だに毛の生えない無毛の割れ目を左手の人差し指と中指で割り開き、右手の中指を膣穴の中に入れて処女膜を傷つけないようにかき回す。

 

 彼に渡したペンダントは受けた振動を私に伝える魔法も刻み込んである。

 常に胸に身に着けられたペンダントは、彼の心音を拾って私に彼の生存を伝えていた。

 昼間から急激に心音が激しくなる日が続く。

 恐らく戦場で戦っているのだろう。

 彼の心音が激しくなるたびに、それ以上に私の胸が不安で張り裂けそうになる。

 日中のレイの心音が激しくなっている間はずっと彼の無事を祈り、夜は彼のおちんちんを受け入れるためのオナニーをする。

 彼が眠りにつけばゆっくりとなった心音を子守唄にして眠る日々が続く。

 

 そしてついに今日、夜に心音が大きくなっている。

 もし夜襲にあっていないのであれば考えられることは一つ、性的興奮に陥っているということだ。 

 私はレイとついにセックスができるかと思うと、おまんこをかき回す指をつい激しくしてしまう。

 部屋に響く、くちゃくちゃという粘着質な音が、今ではぐちゃ!ぐちゃ!という擬音がふさわしい程の激しさだ。

 

 私は中指をおまんこに刺したまま、右手の親指を伸ばしてクリトリスを潰す。

 くにくにとクリトリスをいじり、包皮を剥く。

 そしてクリトリスをいじる親指からレイの心音の振動を増幅して発生させ、1分間に90回という刺激が加える。

 彼の安静時心拍は1分間に34回だ。

 その彼がこれだけの心拍数になるのはよほど興奮しているのだろう。

 

「レイまだなの?…私…あ…もう…イっちゃう……あ…ああああ!」

 

 私のおまんこから潮が噴き出す。

 絶頂で足をピンと延びて体が弓なりにのけぞってしまう。

 絶頂で潮を吹いている間もクリトリスへの振動による刺激はやめない。

 こうしていると彼に責められているようで脳が溶けそうになるのだ。

 ぷしゃ!っと最後の潮が噴き終わると私はベッドにくたっと沈み込む。

 

「レイが触れてくれる前にイっちゃった………っ!」

 

 絶頂の余韻にしばらく浸る。

 するといつの間にかおまんこに突き刺さる視線があることに気付いた。

 見られている。

 おまんこの中がレイに渡したオナホールと繋がったことがわかる。

 この視線の正体はレイだろう。

 

 おまんこに何かが触れるとにちゃっと音を立てて私のおまんこが左右に開かれた。

 私は緊張で唾を飲み込む。

 

(見られてる…!私のおまんこが…それどころか奥の…処女膜が見られてる……)

 

 開かれた膣穴の中に視線を感じる。

 この視線の鋭さはレイが今目を血ばしらせながら処女膜を観察しているのだろう。

 私の毛も生えてない指で開かないとぴっちりと閉じてしまうおまんこでレイを興奮させることができたようだ。

 感じるレイの鼓動がおまんこを開いてから更に早くなっている。

 

 すると急におまんこが温かい何かに蓋をされ、膣穴に何かが侵入してきた。

 

「ひゃあ!あああ♡入ってくる♡」

 

 レイが私のおまんこを食べてしまったようだ。

 じゅるじゅると私のホカホカになったおまんこから分泌される愛液が吸い込まれ、膣穴に舌が入り込み縦横無尽にはい回っている。

 未だに忘れることのできないレイの唇の感触。あの柔らかな唇が、私のおまんこを貪欲にしゃぶりつくそうとしている。

 

「ああ!はあん!レイ!つよい!」

 

 処女膜を舐められ処女膜の穴から舌が侵入しようとする。

 

「あ!駄目!それはぁん♡おちんちんにぃ♡破ってもらうの♡」

 

 私は激しい快楽を与えられながら、処女膜の奥に進もうとする舌に焦りを覚える。

 レイがどうしてもというのなら諦めて身を任せるが、やはりここはおちんちんで破ってほしい。

 ここはあくまでレイのおちんちんを入れて精液を吐き出すための場所なのだ。

 それにずっと守ってきた処女膜にはおちんちんで突き破ってもらうという最高のご褒美を与えてあげなければ可哀そうだ。

 

 私は股がぐずぐずに溶かされ、何度も絶頂して潮を吹いてしまう。

 あまりの快感の強さに何度も気を失いかけるが、おちんちんを迎え入れるために我慢し続けた。

 しばらく股が溶かされていると、舌が私の中から引き抜かれた。

 私は息を切らせながら、つかの間の休憩で余韻に浸っていると、

 

 どちゅっ

「かはっ!」

 

 大きな杭が私を貫いた。

 一体私の身に何が起きたんだろうか?

 貫かれた場所は…おまんこだ。

 私の中に何かが入ってきて子宮を押しつぶしている。

 この感覚はなんなのだろうか気持ちいいじゃ言葉が足らない。

 おまんこが痛い?違うそんなの大したことじゃない。これは…これはおまんこが幸せなんだ。

 

 私は今一気におまんこにおちんちんを入れられたのだろう。

 処女膜を突き破り、その奥の子宮が潰されると、たった一突きでおちんちんをご主人様と認めて屈服してしまったようだ。

 おまんこがキュンキュンと喜びのあまり締め付けてしまう。

 おちんちんは出入りをせず、ぐりぐりと子宮に押し付け続けている。

 

「あ…待って……」

 

 私は理解した。 

 私の子宮は銃口を突き付けられているのだ。

 それも脅しのためではない、これは確実に打ち殺すための……

 

「ひゃあああああん♡」

 

 おちんちんからビュービュー精液が飛び出る。

 おちんちんに潰された子宮は、直接精液をびちゃびちゃとかけられ甘い熱を持つ。

 レイの精液を受け取るという大切な役割を果たした子宮が気持ちよくなってしまい、射精されただけでイってしまったのだ。

 

 おちんちんはぶるっと震えて最後の一滴をしっかりと奥に出し切る。

 だがおちんちんは萎えることはなくガチガチに硬いまま。

 おちんちんは私の膣からずるずると引き抜かれるとまたどちゅっ!っと子宮をえぐってきた。

 エラのはった亀頭が私の膣壁を削り、中を犯してくる。

 

どちゅ!どちゅ!どちゅ!

「はっくっああっああっ!」

 

 今度はさっきとは打って変わって激しい容赦のないストロークだ。

 おちんちんが私のおまんこから抜ける寸前まで抜けると一気に奥まで刺し込んでくる。

 おまんこが幸せすぎる。

 オナホールである私がこんなにレイの求められていいのだろうか。

 一突き一突きが初めてなのに気持ちよすぎる。

 私の役目は、ただ彼の性欲を発散することのみ、それが今は私が気持ちよくなってしまっている。

 破瓜の痛みは確かにある。だが、それがレイから与えられたものだと考えるとむしろ痛い方が気持ちいいかもしれない。

 痛みが快感に変換されるたびに、やはり私はレイとこうなるためだけに生まれたのだと理解してしまう。

 

どちゅ!どちゅ!どちゅ!…ばちゅん!

 

 私の子宮をレイのおちんちんが深くえぐると私はまた絶頂する。

 その衝撃で私は確実に排卵しただろう。

 排卵したての子宮に精液が注ぎ込まれてしまう。

 精液でドロドロにコーティングされた私のオナホール(おまんこ)はぎゅっと締まり少しでもレイのおちんちんに気持ちよくなってもらおうとする。

 私の絶頂はおまんこを締めてレイに気持ちよくなってもらうための物なのだろう。

 いつも感じている通りレイの精液は媚薬だ。

 それがこんな粘膜に直接かけられた上におちんちんで刷り込まれればイってしまうに決まっている。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…ああん♡」

 

 レイのおちんちんを感じつつレイの心音を聞くという幸せな余韻に浸っていると、またレイが暴れ始めた。

 レイの性欲は発散されるどころかどんどん強くなっている。

 まるで獣だ。

 当然レイは(オナホール)の事など考えていないのだろう。

 容赦なくおちんちんを叩きつけて快楽を激しく貪ってくる。

 レイが腰を振るのではなく、手で(オナホール)を上下させているのだ。

 そのおちんちんを私に出し入れする速度は通常ではあり得ない速度だろう。

 

「レイ…たす…けて……」

 

 あまりにも暴力的な快楽に脳の許容限界を迎えた私は、なんとか快楽から逃れようと身もだえるが、直接おまんこがレイに握られている現状では全く意味をなさない。

 当然レイに聞こえるはずもなく私ができるのは、絶頂しておまんこ締めてレイを喜ばせることだけ。

 蛇口が壊れたかのようにぴゅるぴゅると潮を吹き続けている。

 どちゅ!っとまた私の子宮を潰すとまた射精が始まる。

 もう私の中はレイの精液で一杯になってしまっているが、レイは決しておちんちんを抜いてくれないためたまる一方だ。

 レイのカリに出された精液が掻き出されようとするのだが、私のおまんこがしっかりと吸い付いて精液で汚れたおちんちんが抜けるころにはピカピカに剥がしてしまう。

 

 私は恐らく13回は絶頂してしまい、息も絶え絶えになっているが、レイが射精したのはまだ3回だ。

 私がレイの精液を絞り続けた結果、レイは今では20回は精液を出すことができる。

 その証拠にレイのおちんちんはまだまだ獣欲を失っていない。

 私はその事実に気付いたとき恐怖した。

 こんな幸せな時間がまだまだ続くというのだ。こんなの幸せすぎて死んでしまう。

 

「あひぃん♡」

 

 またレイのおちんちんが動き始めた。

 これほどの性欲を私が独り占めできるなんて、なんて幸せなんだろうか。

 私は脳が焼き切れるような快楽を与え続けられ、おまんこが溶かされ続ける。

 まだまだ今夜は眠れそうにはない。

 

 レイが戦争に行ってから3か月が経過していた。

 なんとか戦線は国境付近まで押し返したものの未だに戦争は続いている。

 毎日戦っているのだろう、いつも感じるレイの激しい心音で毎日不安に押しつぶされそうになる。

 私のペンダントの障壁の魔法も既に2回発動している。

 それは少なくともレイが2回死んでいたかもしれないということ、魔法の発動感じた時、私は恐怖で過呼吸になってしまった。

 そして私は今トイレにしがみ付いている。

 急な吐き気に襲われ、急いでトイレに駆け込んだのだ。

 生理もあの初めての夜以来来ていない。

 どうやら私は妊娠したようだ。

 

 レイが戦争に旅立って8か月、レイの活躍が町中に広がっている。

 曰く、騎馬隊に攻撃を受け、壊滅寸前だった魔法部隊を立て直し、騎馬隊を全滅させた。

 曰く、先陣を切って敵の兵に突っ込み敵の陣形に穴をあけ、そのまま止まることなく指揮官の首をはねた。

 曰く、どういう方法を使ったのか竜を手なずけた王国が部隊を襲った時、あわや全滅というところでレイが竜の羽を切り裂いて地に落とし、首を断ち切った。

 町ではレイの英雄譚を吟遊詩人が歌い、若い女はキャーキャー黄色い声を上げながらレイの肖像画に熱を上げている。

 

 私はというとお腹の子はすくすくと育ち、すっかりお腹がおおきくなった。

 時おりお腹を子供が蹴るようになり、とても元気な子だというのがわかる。

 ただでさえ大きかった胸がさらに膨らみ、母乳が出るようになった。

 戦争状態なので実家に戻っていたのだが、私の妊娠に父様が気付いた時は失神しながらレイ殺すと言っていた。

 まあなんだかんだ言って父様は、平民であるレイの事を息子のように気にかけていたので大丈夫だろう。

 

 私今はほぼ毎日レイのおちんちんを受け止めている。

 レイのおちんちんが小さくなるまでは流石に時間がないようなので、5回ほどで済ませることがほとんどだ。

 初めての夜は23回も出したが、それくらい私を求めてくる時がちょくちょくある。

 心音からして激しい戦いがあった時ほど回数が多くなるみたいだ。

 妊娠してお腹が大きくなった今でも例外ではなく、今もおちんちんが私のおまんこを出入りしている。

 

「ああん♡あっ♡あっ♡あっ♡」

 

 私が腹ぼてになっているのにも関わらず、レイは容赦なく犯してくる。

 ぶちゅっ!ぶちゅっ!と激しく貫かれ、赤ちゃんの部屋をノックする。

 赤ちゃんはこんな時間にノックされたことが不満なのか私のお腹を蹴ってくる。

 

「ごめんね♡お母さん今お父さんのお世話しないといけないの♡」

 

 レイの肉棒を受け止めながら、お腹の赤ちゃんに話しかけて宥める。

 私は赤ちゃんのお母さんだが、レイの妻でもあるのでどっちもないがしろにすることはできないのが辛いところだ。

 こんなレイの強烈な性欲は毎日抜いてあげないと浮気してしまうかもしれない。

 もしレイが浮気すれば、私が妻の役割を満足にこなしていたかったということになるので、しっかりおまんこは締めてレイを満足させる。

 

「あっ♡ああああ♡んむぅ♡」

 

 私は完全にレイに屈服しているのであっという間に絶頂してしまう。

 相変わらず潮を吹く癖は治っておらず、ぴゅるぴゅると潮がでるが、今ではそれに加えて母乳が噴き出してしまうようになっていた。

 私は自分のおっぱいを持つと両方の乳首を自分で咥えて噴き出る母乳を飲んでいく。

 こうやって母乳をしっかり出してあげないと、日中漏れてきてしまうのでちゃんと搾り取らなければいけない。

 それに今は赤ちゃんが私の栄養で育っているのだ。

 少しでも栄養を取り入れて丈夫な子に育ててあげなければいけない。

 

「お母さんもうちょっとお父さんの面倒見てあげないといけないから大人しくしててね♡」

 

 遠隔腹ボテセックスはまだまだ続く。

 

 

 レイが戦争に出て10か月、ついに戦争が終わったようだ。

 無事に勝利を収めた軍は、今は帰路についているらしい。

 あと1か月もすれば帰ってこれるとのこと。

 なんとか出産には間に合ってほしかったが、それは叶わなそうだ。

 でも贅沢は言っていられない、私は無事に元気な男の子を出産できたのだ。

 愛する男の子供を産むことができて、女としてこんなに幸せなことなどないだろう。

 

「かわいい……」

 

 私は出産での激しい痛みに耐え、息も絶え絶えになりながら、助産師から赤ちゃんを受け取る。

 その子を見た瞬間、愛が溢れてきて止まらない。

 こんなに可愛い子がいるのか。まるで天使のようだ。

 

「産まれてきてくれてありがとう……」

 

 その日からしばらくレイがおちんちんを入れてくることはなかった。

 

 

 レイが帰ってくるまで残り4日、私は夜泣きする赤ちゃんをあやして母乳を与えながらレイに犯されている。

 

「いつもごめんねぇお母さんは今お父さんのこともあやさないといけないの♡」

 

 ベッドに胡坐をかいて座りながら赤ちゃんに母乳を与える。

 ちゅうちゅうという赤ちゃんの必死に母乳を吸う音と、私の股から聞こえるぐちゃぐちゃという音が愛する者が二人になったという事を実感できてとても嬉しい。

 

「あ、ちょっと待ってね。お母さん今イクから♡」

 

 ぷしゃっと赤ちゃんの口の中で母乳が噴き出してしまうが、流石は英雄の子供である。

 むせることなくしっかりと全て飲み込んでいる。

 きっと将来レイのように強い男の子になるだろう。

 

「レイ…早く会いたいな……」

 

 

 今日はレイが凱旋してくる日だ。

 町には人が溢れ、正門から城まで続く大通りは凱旋する軍隊を見ようと人が押し寄せている。

 私は少しでも早くレイの顔を見ようと、赤ちゃんを抱きながら群衆の中に紛れ、レイの帰還を待っている。

 やがて軍の凱旋パレードが始まった。

 私はレイの帰還を狂おしいほどに待っていた。

 だが今は同時に強烈な不安感を感じている。

 

 私は今赤ちゃんを抱いている。

 レイは当然私がレイの子供を妊娠したことを知らないはずだ。

 レイからしたらオナホールでオナニーしていただけで、私に種を植え付けた覚えなどない。

 そんな私が子供を抱いていれば、レイに浮気を疑われるんじゃないかと昨日気付いたのだ。

 正直、オナホールの中身は私でしたなどと言うのは恥ずかしくて墓まで持っていくつもりだった。

 だけど処女膜を失い、赤ちゃんを産んでいるとなれば説明しないわけにはいかない。

 

「あっ……」

 

 そしてついにレイの姿が門から現れた。

 レイの姿が見えた瞬間、集まっていた人間たちから歓声が上がる。

 レイ様、救国の英雄、竜殺し、様々なレイを呼ぶ声が響き渡る。

 

 私は彼の姿をしっかりと確認すると衝撃を受けた。

 優しげだった顔つきが、どこか陰のある男らしい顔つきになっている。

 彼の左手があるはずの場所は袖だけがなびいており、左耳がなくなっている。

 頬に大きな切り傷があり、首から除く胸元には包帯がまかれているのが見える。

 一体どれほどの地獄を見てきたのだろうか。

 この男は私のために腕を失い、顔つきが変わるほどの地獄を見てきたのだ。

 それを思うと涙があふれて止まらない。

 

「レイ!」

 

 私は泣きながらレイの名前を呼ぶ。

 するとレイは私のほうを見た。

 レイは馬を止めて降りてくる。

 周りの兵は止めようとするが無視して私のほうに向かってくる。

 足を引きづっている、どうやら足も負傷しているようだ。

 

 私は群衆を飛び出し、レイの前に走る。

 レイも足を引きづりながら早足に私のところに向かってくる。

 そしてついに目の前まで近づくと足を止める。

 今は赤ちゃんがいるのだ、飛びつくわけにはいかない。

 

「レイ、お帰り…あのね…私……」

「その子が僕の子?」

「え?」

 

 意味が分からなかった。

 ただでさえ嬉しいきもちや、置いて行かれて寂しかった不満など複雑な感情が溢れてきて涙が止まらないのだ。

 頭がぐちゃぐちゃになっていて、でも彼にまずは赤ちゃんの説明をしなくちゃと考えて……でも彼は赤ちゃんの事を僕の子といったのだ。

 意味が分からない。

 

「どうして……」

「僕がシャロの事を分からないはずないだろ?渡してきたあれって…その…シャロそのものだろ?」

 

 さっきまで厳しい顔つきだったレイの顔が、私の知る優しい笑顔になる。

 

「いつから……」

「えっと…シャロの部屋であれを手伝ってもらった時には確信したかな」

 

 私は恥ずかしくて堪らなくなった。

 おっぱいをレイに触らせてオナニーを手伝っていた時からわかっていたというのだ。

 つまり私はレイにあんな頭のおかしい道具を作って、こっそりレイのおちんちんを味わっていたことを知っていたという事になる。

 

「もう~どうじでよ~!」

「ごめんごめん」

 

 私は人目もはばからずワンワン泣き出してしまった。

 そんな私をレイはそっと赤ちゃんごと私を抱き寄せてくれる。

 

「あの時はまだ君と結婚する勇気も資格もなかったんだ」

 

 胸に私の頭を抱き寄せ、耳元で私に優しく語り掛けてくる。

 ずっと不安になる私を慰めていた心音が今は直接聞こえてきて安心する。

 

「でも僕は君が好きだったんだ。好きな子のおっぱいに触れたらそれを手放したくないと思うのは当然だろ?」

「でも…でも…いじわる……」

 

 私は片手で赤ちゃんを支え、もう片方の手でレイの胸をぽかぽか叩く。

 レイはまた笑いながらごめんごめんと軽く謝ってくる。

 

「シャロ…僕のお嫁さん…この子の名前は何て言うのか教えてくれるかな?」

「うう…ぐすっ…名前は…レイと…いっしょに決めたかったから……」

「そうか、なら今晩のうちに決めよう。男の子?女の子?」

「どう…ぐすっ…みても男の子でしょ……」

 

 私は鼻をすすりながらレイの事を睨みつけるが、軽く笑いながら受け流されてしまう。

 なんだか余裕たっぷりな感じが悔しい。

 

「シャロ、僕はもう行かなくちゃ」

「え?やだ」

「大丈夫だから、夜には絶対に戻ってくる。大丈夫、今日我慢すればこれからはずっと一緒にいられるから。そのために僕は英雄になったんだ」

「……わかった……」

「流石僕の奥さんだ!この子の事頼んだよ」

 

 そういうとレイは私にキスをして凱旋パレードに戻っていく。

 触れ合うだけのキス。

 私は今まで彼と散々濃厚なセックスをしてきた。

 だけどなぜだろう。

 この優しいだけのキスが、今までで一番幸せになってしまった。

 そうか、ついに彼が帰ってきたんだ……。

 

 私はあう?と言いながらどうしたの?という顔をして、頬に手を伸ばしてくる私の子供を抱きしめる。

 

「お父さん…帰ってきたよ……」

 



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6話表① 僕が諦める(エロ無し)

 早朝、僕は訓練場に立っていた。

 手には親の財力に物を言わせて作らせたミスリル製の直剣を握っている。

 刀身には循環、固定、収集の魔法陣を元に僕が設計した魔法陣を刻み込んでいて、これにより特定の物質を刀身に纏わせることができるようになっている。

 

 僕から5mほど離れた場所に鉄で出来た支柱が立てられている。

 僕はふうっと一息吐くと、剣を鞘に収める。

 すると僕が面倒を見ている下級生達が訓練場に入ってきて、そのうちの一人が声をかけてくる。

 

「レイ先輩」

「どうしましたか?訓練の時間にはまだ早いですが……」

 

 僕は彼からタオルを受け取りながら返事をする。

 相手は後輩なのだが、僕が彼の剣技の面倒を見ているとはいえ相手は貴族だ。

 敬語を外すわけには行かない。

 この学校には平民は片手で数える程しかいないため、僕がタメ口で話す事は殆どなかったりする。

 

「貴方にご実家から手紙です。至急開封するようにとのことです。

 手紙は貴方の部屋に届けてあります」

「ありがとうございます。すぐに行きます」

 

 僕は後輩にお礼を言って訓練場に背をむけると、後ろでドスンという音がなり、後輩達がざわつく。

 

「凄い…こんな太い鉄が綺麗に……」

「流石レイ先輩だ……特待生なだけはある……」

「レイ様…素敵……」

 

 女の子の黄色い声と男の尊敬の声に、僕はなんだか気恥ずかしくて聞こえないふりをして訓練場を後にする。

 自惚れてはいけない、平民である僕がシャロと同じ学園に通い続けるためには腕を磨き続けなければならない。

 常に強くあること、それが平民である僕が学園に通う条件、特待生である条件だから。

 

(斬ったのは魔法の力だしね……)

 

 

「なんだこれ……」

 

 部屋に戻って手紙を読んでみると、どうやら僕に縁談の話が来ているから帰ってこいという内容だった。

 平民とはいえ、僕だって一応国内有数の商人の生まれだ。

 今まで何度か縁談の話が来たことがある。

 その度に断って来たのだが、今回は何時もと様子が違っていた。

 手紙には父からの呼び出しと共に、シャロの父親からの手紙も入っていたのだ。

 

『いつもシャロの面倒を見てくれて感謝している。

 だがそろそろシャロも婚約者を決めなくてはいけない。

 シャロが君を好いているのは理解している。

 だからこそシャロを諦めさせるために今回の縁談は受けてもらう。

 君に拒否権はない。

 その代わり最高の相手を用意した。

 君にも理解してほしい。』

 

 いつかこんな日がくる気はしていた。

 平民の男である僕と貴族令嬢であるシャロが四六時中一緒にいた今までが可笑しかったのだ。

 むしろ一緒にいることをよく許してくれたものだ。

 公爵令嬢の側に男の影があるなど家にとってはマイナスイメージでしかないというのに。

 

「むしろ感謝するべきか……」

 

 僕はシャロが好きだ。

 結ばれることはないからと今まで気付かないフリをして来たが、以前シャロの部屋でオナニーさせられた時に気付かされてしまった。

 当然だろう。

 おっぱいを触らされた上に、おまんこを見せられて絶頂する姿を見せられたのだ。

 そんな痴態を見せられて自分の気持ちに知らないフリなどできるはずが無い。

 

 それにしてもシャロは僕が気付かないとでも思ってるのだろうか?

 巨大な胸があるはずのローブはペッタンコで、渡された道具から出てきた胸を触るとシャロが身悶える。

 その前に渡されたフェラホールをだってそうだ。

 唇自体は似ていてもホムンクルスのもののようだが、中身をみるとシャロの歯並びそのものだ。

 

 胸にしてもフェラホールにしても濃密な魔力が宿っている。

 これだけの魔力密度は空間魔法以外考えられない。

 つまりあれらはシャロそのもので空間を繋げていると言うことだ。

 そんな道具を作ってまでシャロが自分の体を僕に触らせようとしている。

 こんなこと好きな人にしかしないに決まってるし、そんな気持ちをぶつけられれば僕も気持ちを自覚せざるを得ない。

 

「丁度いい機会なのかも……」

 

 これ以上彼女の行動がエスカレートすれば僕も我慢できる自信はない。

 正直、彼女がおまんこ丸出して絶頂した時は襲い掛けた。

 だから今回の事できっぱり彼女の事を諦めよう。

 このまま行っても不幸な未来しかないのだから……。

 

 

 

「シャロ、僕は明日から実家で用事があるから報告会は行けない。今日も準備があるから今日も無理そうなんだ」

「そうなの?仕方ないわね……」

 

 朝一の授業が終わり、シャロに用事がある事を伝える。

 好きな子(シャロ)が僕との情事が無いことを残念がっている。

 その事にペニスが大きくなってしまうが我慢するしかない。

 

「どんな用事なの?」

「ちょっとね……」

「言えないの?」

「うん…ごめんね」

 

 あんな不器用で歪だけど、強烈なアピールをしてくる子に、もし縁談の話なんかすれば邪魔してくるに決まっている。

 心配そうな顔で見てくるのが凄く辛いが仕方がない。

 僕自身シャロを諦めるために必要なことなんだ。

 

「じゃあもう行かないと」

「気をつけてね。明日には帰ってくるのよね?」

「ごめん帰りは1週間後になりそうなんだ」

「え?」

 

 僕が日数を伝えるとシャロが捨てられた子犬のような顔になる。

 いつも気が強くて、わがままな子が急にそんな顔をしてくるなんてズルい。

 つい明日には帰ってくるといいたくなる。

 

「……あの…もうちょっと短くならない?3日とか」

「無理なんだ」

「じゃあ5日は?」

「どうしようもないんだよ」

「……6日」

「ごめんね、シャロ」

「……うー」

 

 なんなんだこの可愛い生き物は。

 やばい、これ以上好きにさせないでくれ。

 

「……早く帰ってきてね」

「っ…うん分かった。なるべく早く帰るようにするよ」

 

 シャロが僕の手を握り、上目使いでお願いをしてくる。

 撃たれた。今僕の胸が何かに撃たれた気がする。

 もし僕が剣のために心を鍛えてなければ、形振り構わず彼女を自分の物にしていただろう。

 この子、実は淫魔なんじゃないのだろうか。

 もしそうなら僕のペニスを際限なく貪るのも頷ける。

 そうして僕はシャロの催淫をなんとか振り払い、荷造りを始めるために部屋に戻った。

 

 

 

 部屋に戻って荷造りをしているとドンドンと激しくドアがノックされる。

 僕が扉を開けると息を切らせたシャロが立っていた。

 

「レイ!お見合いするって本当なの?!」

 

 どこからか話が漏れたらしい。

 僕の黙秘が無駄になってしまった。

 

「うっ…聞いたんだ……何処から出たのか知らないけど噂になってたからな……」

「ということは本当なの?」

「…うん本当だよ」

 

 シャロが過呼吸気味になり、手足が震えている。

 相当ショックだったようだ。

 いけないとは分かっていても嫉妬してくれているのは正直嬉しい。

 

「断って!」

 

 シャロが烈火の如く怒っている。

 シャロから活性化した不可視の魔力が漏れ出るのを感じる。

 この魔力密度は常人が浴びれば魔力中毒で倒れかねない。

 僕は誰かが来る前に彼女を部屋に招き入れた。

 僕は元々は貴族からしたら魔法の才能は中の下というところだったが、文字通り血反吐を吐きながら鍛えてきたおかげで、この程度なら問題ない。

 

「そう簡単には行かないんだよ」

 

 僕は部屋にシャロを入れて他人に被害が及ばないようにすると説得を始める。

 この国でも屈指の魔力コントロールを誇るシャロがあれだけ魔力を溢れさせるなんて、相当感情が乱されているようだ。

 怒りで自分から漏れてる魔力に気付いていない。

 

「どうして?貴族の私が言ってるのよ?」

 

 シャロを僕が貴族扱いするのを何よりも嫌う。

 多分身分違いだというのを実感させられるのを無意識に嫌ってるんじゃないかと僕はおもっている。

 そのシャロが僕に身分を盾にして命令してきている。

 ここまで想われているのに僕は彼女を傷つける答えしか許されていない。

 それがとてつもなく辛い。

 

「……親が決めたことなんだ。この婚約が成立すれば家が一気に国内で一番の商会へ成長できる。

 確かに君の家に命令されればうちはどうしようもないだろう。

 でも今まで君とは大切な幼馴染として接してきた。

 出来ればそういう形の命令はして欲しくは無いんだ。

 君との関係が大切なんだ」

「そんなの……」

 

 僕はあえて友人として幼馴染としての答えを返す。

 こう言えば不器用な彼女は断ることができないだろう。

 もし僕がここで彼女を好きな素振りを見せれば恐らく絶対に離してもらえなくなる。

 

「シャロ!」

 

 シャロは呆然とした顔になり目から一筋の涙が流れた。

 シャロは何も言わずに走って部屋を出ていく。

 僕は思わず声をかけてしまうが、彼女はそのまま走り去っていった。

 

「これでいいんだ……」

 

 彼女が立ち止まらなくてよかった。

 あんな顔を見せられては決心が揺らいでしまうところだった。

 

 

 次の日のまだ辺が暗い早朝。

 僕は実家に向けてそろそろ出発しようとしていた。

 その時、部屋がノックされる。

 扉を開ければやはりシャロがそこにいた。

 

「シャロ……今日は早いね」

「どうしても出発の前に会いたかったの」

 

 シャロの目には隈ができており、髪もボサボサで寝てないことが伺える。

 僕のせいでこんな顔をさせたのかと思うと心が痛い。

 

「レイ……最後のお願い。

 このお見合いの一週間だけこれを着けて、私のことを忘れないで。それでもお見合いを進めるならもう私は何も言わない」

「これは一体……?」

 

 シャロが丸い輪っかにベルトがついた変な道具を見せてくる。

 あれ?このパターンって……。

 シャロが急に膝まづいて僕のズボンを脱がそうとしてくる。

 

「シャロ?!」

「お願い動かないで、つけてあげるから大人しくしてて」

 

 彼女が必死な顔でお願いしてくる。

 そんな顔されれば断れるはずがないだろう。

 これが惚れた弱みと言うやつか……。

 

 シャロが輪っかを僕のペニスに通す。

 そして輪っかについたベルトを睾丸の裏に回して固定する。

 ペニスと睾丸を直接触られ、僕は不覚にも勃起してしまった。

 ただでさえ彼女には毎日気持ちよくされて、絶倫に育てられてしまったのだ。

 仕方がないだろう。

 

 そういえばもし僕が体を鍛えてなかったら、多分彼女に絞り殺されてしまってたと思う。

 人より体力が有り余ってたからよかったけど……。

 

(っ!まずい!)

 

 そんな下らない事(事実だが)を考えて現実逃避していると彼女の目が僕のペニスに釘付けになっていた。

 案の定彼女は僕のペニスにキスをすると口を開け、僕のペニスに喰らいつこうとした。

 咄嗟に彼女の頭を掴んで止める。

 

「レイ……」

「シャロ…それ以上は駄目だ……」

 

 シャロが必死に僕のペニスを食べさせてと無言で懇願してくる。

 だけどそれをされると僕も我慢できなくなってしまう。

 シャロはなんとか引き下がってくれた。

 

(危なかった……欲望に負けそうになった……。)

 

 そんな事を考えてると股間からカチッと音がする

 

「シャロこの鍵は?」

「帰ってきたら外してあげる。大丈夫、これつけてたら時々気持ちよくなるだけだから。何時もの実験よ」

「気持ちよく?!シャロ!これは困るって!…クソッ脱げない!鍵をはどこ?!」

 

 やっぱり何時ものろくでもない道具だ!

 それも外せないようにしてきた。

 流石にこれは不味い。

 僕はなんとか外そうとするが睾丸に食い込んで外れそうにない。

 

「お願い、レイ。何も言わずにこれを着けたままお見合いを受けて。何でもしますから、お願いします」

 

 そしてこのお願いだ。

 あのワガママなシャロが頭を下げてお願いしてくる。

 無理だ、好きな人からこんなお願いされたら断れる訳がない。

 シャロを諦めようとしているのにシャロに甘くしてしまう。

 まだまだ心の鍛錬が足りないようだ。

 

「じゃあレイ、またね」

「うん、またね」

 

 僕は彼女のお願いを聞き入れ、一週間この得体のしれない道具をつけて過ごすことになった。

 多分これは座標をシャロに伝える道具だろう。

 ということは僕がシャロにされるのは……。

 

「本当に諦められるんだろうか……」

 

 これからされる事を想像すると僕のペニスがギンギンに反り上がってしまう。

 僕の下半身は好きな人に正直で羨ましいな。



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6話表② 訳にはいかない

 僕はまだ朝のうちに実家に戻ると早速父の部屋に呼び出された。

 僕の実家は同じ町にあり、学園まで徒歩で1時間程度だ。

 十分通える距離なのだが、全寮制の学園のため寮に住んでいる。

 

「よく帰ってきたな。レイ」

「ただいま父さん」

 

 父さんは書類仕事をしていたらしく、ペンを持って机に向かっていた。

 父さんはペンを机に置いて立ち上がると手を広げて僕とハグをする。

 

「また逞しくなったな」

「学園に残るためだからね」

 

 僕は8歳の時に魔力があることがわかった。

 だが、平民としては魔力があるのは珍しいが、貴族の中では普通くらいの魔力量で、とても貴族だけの学園に通うことはできなかった。

 そんな僕が学園に通う為には特待生となるしかなかった。

 特待生となるために必要なのは突出した才能だ。

 才能はなんでもいい、例を出すと魔法の才能、絵の才能、そして戦いの才能。

 僕は戦いの才能を見いだされてシャロと同じ学園に通うことができるようになった。

 

 僕は4歳の頃から戦いの訓練を受けていた。

 父さんは元々行商人から一代で国有数の商人に成り上がった傑物で、僕にも家を継がせる前に行商をさせて修行させるつもりだった。

 そのため何かと危険の多い行商人になるためには、ある程度の戦闘能力が必要だと僕に戦闘訓練を施していたのだ。

 ちなみに父さんはその商人離れした戦闘力でどんな所にも商品を届ける武闘派商人として名をあげて、シャロの父の御用商人になったらしい。

 

 幸い僕には才能があったようで、少なくとも8歳で学園を受験した子供の中では剣術では負けることがなかった。

 もちろん平民なので嫌がらせはあったし、僕が同学年の誰かに戦いで劣るとなった時には、特待生の座を失い、退学となるので死にものぐるいで強くなった。

 今では虐めてきた貴族の生徒達も僕を認めてくれてよき友人だ。

 

「手紙は読んだな?お前にはお見合いをしてもらう。

 お前には悪いが拒否権はない」

「わかっています」

 

 父さんは厳しい面もあるが僕に対して愛を注いでくれている。

 だが商人としての強かさもあるし、友人とはいえ公爵からの圧力に僕を差し出す事に戸惑いはないのだろう。

 

「お見合いは明日からだ。

 場所はこの縁談を持ってきてくれた公爵の家で行う。

 相手に粗相のないようにな」

 

 翌日、僕は正装に身を包み、髪をビシッとセットしてシャロの実家に来ていた。

 僕の身支度を整えた昔から家につかえてくれているおばあちゃんメイドが、僕の姿をみて泣きながら立派になって…と喜んでくれた。

 皆の為にも僕は相手に気に入られて縁談を纏めなければならない。

 

 シャロの父への挨拶はそこそこに、早速僕は縁談相手と引き合わされた。

 

「お初にお目にかかります。

 レドロス商会の長女、サラ=レドロスです」

「スコット商会の長男、レイ=スコットです」

 

 サラはおっとりとした優しげな女の子で、腰まで綺麗な金髪を伸ばし、ドレスに包まれた体はナイスバディだ。

 顔は綺麗系なシャロと反対で可愛い感じの子だが、おっぱいは同等のものを持っている。

 最高の相手を用意するというシャロの父の言葉は、商人としてのメリットだけではなく、女としても最高という意味だったのだろう。

 僕たちは机をはさんで向かい合わせになる。

 

「まずは貴方の趣味を教えてもらえますか?」

 

 兎に角、まずは彼女に気に入られなければならない。

 まあこの場にいる以上相手の子にも拒否権はないのだろう。

 シャロが好きな僕には、サラさんに偽物の愛しか向けられないが、一人の女の子の人生を貰うのだ。

 僕には自分の気持ちを隠して彼女を幸せにする義務がある。

 僕は緊張している彼女にニコッと笑いかけた。

 

 

 縁談が始まって1時間、後は若い二人にと言って家族は出ていき、僕たちは二人きりになっていた。

 

「あそこのクレープがとっても美味しくて、いつも食べようか迷っちゃうの」

「そうなんだ。僕は一度行ったことがないんだけどそこまで言うなら気になるなー」

 

 すっかり僕たちは打ち解け、敬語も抜けていつもの口調で話す。

 お互い礼儀作法を叩き込まれているとはいえ、平民なので砕けた感じのほうが楽なのだろう。

 どうやら今の所僕を気に入ってくれているようだ。

 これなら上手く行きそうだと、内心ホッとしていた時、忘れていたあれが来た。

 ペニスを包む感触がパンツの布の乾いた感触から、何か暖かいものに変わったのだ。

 

 途轍もなく柔らかい。

 しかもぎゅっと柔らかな感触が蠢き出し、ペニスを圧迫して快感を与え始めた。

 なんだこれは?!シャロは一体何をしてるんだ?!

 

『大丈夫だよ。優しくしてあげるから。』

 

「へ?」

「どうかしたの?」

「え?あ、いやなんでもない」

 

 突然シャロの声が聞こえてきた。

 ペニスに感じたマシュマロのような感触は、正直今までシャロが渡してきた道具の経験からなんとなくそうだろうなと予想がついていたため平静を保てた。

 だが急にシャロの声が頭に響いてきて、つい呆けた声を出してしまった。

 

「そう?」

「うんごめんね驚かせてぇっ!」

 

 ペニスを潰す柔らかい何かはぷるぷると揺れ始めた。

 普段は半分被っているペニスの皮が徐々に揺れに合わせて剥けていく。

 皮が剥ければ剥けるほど、敏感な部分があらわになり、より強い刺激が加えられる。

 この感触は間違いない、シャロのおっぱいだ。

 僕のペニスはシャロのおっぱいに挟まれてるんだ。

 

(この時間シャロは授業じゃないのか?!)

『この堅さはまだ8割ってとこかな?』

「やっぱり様子がおかしいよ。顔も赤くなってるみたいだし……」

「ほ…本当に大丈夫だから……ちょっと緊張で暑くなったのかな」

 

 冷静に僕のペニスの大きさを分析したシャロは、一度おっぱいを開いたようで挟んでいたペニスが外気にさらされる。

 だが直ぐにおっぱいが僕のペニスを完全に包み込むとずりゅっ!ずりゅっ!と大きくおっぱいを上下させてきた。

 ペニスを包み込むおっぱいは、その全てを包み込むのような柔らかさに反し、動きは途轍もなく激しく、精液を搾り取ろうとしてくる。

 

「それは…私の事気に入ってくれたってこと…かな?」

「そ…そういうことにっ…なるっかな?」

 

『私の事を思い出す魔法をかけた上で死ぬほどレイを気持ちよくしたら、レイは私の事しか考えられなくなって縁談を断るはず!

 それに悶えるレイを見て相手は幻滅して断るかもしれない!』 

(シャロは何言ってんだよ!)

 

 どこに集中したらいいのかわからない。

 ペニスは極上の快感を感じているし、目の前の美少女は頬を赤らめながら話しかけてくるし、頭の中はシャロの声が響いてくる。

 

(思い出す魔法って…なんかシャロの声が聞こえてるけどこれの事?でもこれって多分シャロの考えてることだよね?

 もしかして眠そうだったし魔法陣間違えた?)

 

 シャロは朝に弱い。

 それに夜に強いわけでもない。

 そんなシャロは当然眠い時は集中力が低下し、色々なミスをやらかす。

 シャロは紛れもない天才ではあるが、ちょっとした記述ミスとかは非常に多く、大体そういうケアレスミスは僕が見直してなんとかしてきた。

 彼女はあくまで発明者で、作業者ではないのだ。

 

 恐らくこれもミスにより、空間魔法と精神魔法が上手い具合に噛み合い、彼女の思考が僕に流れ込んできているのだろう。

 

『手でおちんちん触るの初めてだ……』

「サラは綺麗な手をしてるね」

「嬉しいな。働いてると段々手が荒れてくるからケアが大変なの」

 

 柔らかなおっぱいに包まれていたペニスにまた違う感触がペニスに纏わりついてきた。

 頭に響くシャロの声が本当なら手の感触だろう。

 ペニスに感じた感触の変化に、咄嗟に手に関連した話題を話してしまった。

 

(そんなに変じゃないはず大丈夫……。)

 

 ペニスを握り込むシャロの手はペニスを撫で回して我慢汁をぐちゅぐちゅと手に塗り込んだ。

 手を我慢汁でヌルヌルにした手はペニスをまた竿を掴見直すと激しく上下させてくる。。

 シャロの手はおっぱいと違い、指がそれぞれ違う動きをしてきて、まるでローパーにペニスが囚われてしまったかのようだ。

 

「私が淹れた紅茶どうかな?」

 

『レイのおちんちんの臭いを他の女に嗅がせるなんて想像しただけで腸が煮えくりかえるわ。

 本当に空間魔法を習得しておいてよかった!』

(この感情は…独占欲?)

「凄い…香りがいいね」

 

 シャロから伝わってくるのは言葉だけでは無かった。

 言葉にならないシャロが感じてる感情のようなものを感じる。

 シャロから伝わるのは独占欲と愛しさ、それもあまりにも深い。

 

 その感情は言葉で伝わってきているわけではないが、シャロの感じてることを言語化すると

 

『好き愛してる可愛い愛して触れたい私のものレイのもの誰にもあげない素敵格好いい子供欲しい結婚したい』

 

 およそこのような嵐のような感情が僕の中に入ってくる。

 

『指で触ると形が良くわかるな~先っぽがぷにぷにしてて気持ちいい、ずっと触っていたくなる。』

「ふっうぁぁ……」

「本当に大丈夫なの?凄く苦しそうだけど……」

(ああ…何も考えられない……)

 

 僕はたまらず机に突っ伏した。

 亀頭がグニグニと指で弄り回されている。

 竿の部分には柔らかいおっぱいが押し付けられ、左側のおっぱいだけ上下してくる。

 ヌルヌルになった僕のペニスの上を滑る手とおっぱいはどんどん激しい動きになっていく。

 

(気持ちよすぎる……)

 

 好きな子に気が狂いそうな強い愛を直接心に叩き込まれペニスが尋常じゃないくらいの勃起している。

 そこにシャロのなんでも作り出してしまう器用な手で複雑に刺激され、あの極上のおっぱいで優しく、だがどこにも逃さないと圧迫を加えられて気持ちよくないはずがない。

 

 もう少しで出てしまうというところで、また感触が変わった。

 カリの部分にプリンプリンと何かが交互にひっかけられる。

 

『ごめんねぇまだお乳出ないの。いつか一杯飲ませてあげるからね♡』

(シャロ…本気で僕の子供を産む気だ……全く諦めてない……)

 

 僕はシャロの絶対に僕に母乳を飲ませるという強い決意に、不覚にもの雄としての本能を満たされてしまった。

 僕の体はシャロの雌の感情を感じ取って、本能に従い精液を出そうとしてくる。

 

『おちんちんが気持ちいいって言ってる♡そろそろ出るかな?』

「こんなん出るにきまってるだろ……」

「え?」

 

 ペニスにばちゅん!と大きな衝撃が加えられた。

 とてつもなく柔らかいシャロの搾精器官であるおっぱいの中に激しく突っ込まれたのだ。

 ぐちゅぐちゅぐちゅ!と激しくペニスを揉みくちゃにして、もう降参して射精をしようとしている僕のペニスから一滴でも多くの精液を絞りとろうとスパートをかけてくる。

 

『シャズート皇国とアステリア王国が初めて戦争状態になったのはたしか……』

「レイさん!レイさん!大丈夫なの?!」

「ふう…ふう…大丈夫ぅ!」

 

 僕を心配してサラが肩を揺らしてくる。

 その瞬間僕は射精した。

 射精中も容赦なく絞ってくるシャロのおっぱい。

 授業の事を考えていても同時に僕への異常なまでの愛情が伝わってくる。

 お見合い中にも関わらず、ビュービューと僕のペニスから大量精液が吹き出してしまう。

 サラのすぐそばで揺れるおっぱいは魅力的だ。

 だけど僕のペニスを気持ちよくしてくれるおっぱいはもっと素敵だ。

 

 僕はビクビクと肩を震わせて、せめて快感に流されている顔を見せまいと机に顔を押し付ける。

 背中を撫でるしなやかなサラの手が動くたびに、僕の精液がシャロのおっぱいに吐き出される。

 

『わかった!このために私のおっぱいは大きくなったんだ!』

 

 ぎゅうっと乳圧のあげて僕のペニスを圧迫するシャロのおっぱいを、ペニスがおまんこだと勘違いしてどんどん精液が出てしまう。

 

(やっと終わった…滅茶苦茶出た……)

 

 やがて射精が終わると僕のペニスに指が添えられ、にゅるっと尿道に残った精液を絞り出してくる。

 

「はあ…はあ…すいません…どうにも体調が優れなくて……」

「そ、そう…それなら付き添うから部屋で休もっか……」

『レイにはまだまだ気持ち良くなってもらうからね。』

 

 僕はサラに付き添われながら部屋を後にする。

 僕の精液を潤滑油にまたおっぱいが動き出す。

 シャロは絶対に逃がしてくれないだろう。

 本当に僕はシャロのことを振り払えるんだろうか?

 パイズリされながら歩くのは初めてだが、快感で凄く歩きづらくて、お見合い期間中の与えられた部屋まで戻るのに時間がかかってしまった。

 

「あの…私達どうせ結婚するんだから辛いなら一緒に寝てあげてもいい…よ?」

 

 僕の腕や背中に回されるサラの手がなんだかいやらしい気がする。

 

「大丈夫、今日はここまでで」

 

 モジモジとしているサラの様子を無視して部屋から追い出し扉を閉める。

 婚前交渉は許されないので仕方がない。

 

 僕はその後ひたすらベッドの上で精液を絞られつづけた。

 食事は調子が悪いと言って、メイドさんに頼んで部屋で食べた。

 その時僕の精液を飲んだシャロが精液おいしい♡と言ってきて少し食欲がおちてしまったが、なんとか残さず食べ切った。

 

 お見合い二日目、つまり学園を出て3日目だ。

 僕はサラと庭で歩いていた。

 今日のシャロはキス魔なようで、僕のペニスにずっとキスをしてくる。

 

『好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!好き!』

 

 今日もシャロの強烈な感情が僕の心を犯してくる。

 肉体的にも、精神的にも逆レイプされている僕は、一歩間違えれば廃人になっていたかもしれない。

 それだけシャロの狂愛は強烈で、もし僕が鍛えていなかったら今頃精液を出すだけの猿になっていただろう。

 

「今日は調子がよさそうね」

「うん、お陰様でなんとかね。だいぶ慣れてきたし」

「慣れ?」

「サラさんの魅力にだよ」

「まあ」

 

 昨日の夜はシャロがペニスを胸で挟んで眠るもんで一晩中気持ちよかった。

 だけどそのおかげで肉体に与えられる刺激に対して、体をコントロールするすべを身に着ける時間ができた。

 まあまだ咄嗟にでる言葉はコントロールしきれてなくて変なことを口走ってしまうのだが。

 今も普段絶対言わない、歯がガタガタ浮くようなセリフを喋ってしまっている。

 シャロはペニスの先にちゅうっと吸い付いてくる。

 そのままシャロは吸引を続けペニスがちゅぽんっと中に入ってしまった。

 亀頭が暖かい空間に包まれる。

 まだシャロとセックスしたことないにも関わらず、既に3桁は精液を出している勝手知ったる心地よい空間だ。

 

「今日は暖かいね」

「そうね。こんな日は体を動かしたくなるわ」

「サラさんも運動好きなの?」

「嫌いじゃないわ。ということはレイも?」

「うーん僕は必要に駆られてかな。嫌いではないんだけどね」

 

 シャロが僕のペニスを咥えてちゅこちゅこと浅い位置で前後に動き始める。

 そういえば最近はシャロとの夜の運動で練習量が減った。

 その分練習強度を上げたことで筋力はむしろ強くなり、射精地獄に適応した体はスタミナが飛躍的に上昇した。

 

「ふーん?そうなんだ。必要に駆られてっていうと噂の公爵令嬢のため?あの学園に通っているのもあの方のためだと聞いたけど」

「えっと…」

『レイ!私にはあなたが必要なの!だから断って!いくらでも奉仕するから!』

 

 シャロの感情が高まってきてじゅぞぞ!っと激しくペニスを貪り始めた。

 狂気じみた愛が込められたペニスが引っこ抜かれそうなバキュームフェラに背筋がぞくぞくしてくる。

 

「そんなことはないよ?あくまで僕が学園に通うためだし……」

「じゃあ私と結婚したいと思ってる?」

「もちろん父さんも喜ぶし歓迎だよ」

「私の事愛せる?」

「努力するよ」

「シャロ様のこと諦められる?」

「諦めるも何も……」

 

『私ずっとレイが好きだったの♡私がわがまま言っても見捨てないでくれて、本当に駄目なことをしたらちゃんと叱ってくれるとことか本当に好き♡』

 

 僕は踏み込んできたサラの質問に言葉が詰まってしまった。

 この結婚は仕方がないことなんだ。

 僕と彼女は決して結ばれない。

 だからお互い諦めるためにこうして彼女と結婚しようとしているんだ。

 

「レイ君、私といる時ずっとシャロ様の事考えているでしょ?」

「そんなこと……」

『あなたのいない生活なんて考えられない!』

「……ある」

「やっぱり……」

 

 僕は何を言い出しているんだろうか。

 

「私はレイ君の事をきっと好きになれる。その自信がある。

 でもあなたはどうなの?私を愛せる?」

「それは……」

 

 無理だろう。少なくとも今すぐはシャロの事を忘れることはできない。

 

「私は嫌よ?私は愛されたい」

「そうだね……ごめん僕は君を愛せる自信がない」

 

 それはそうだろう。

 結婚する相手が別の女を愛してるなんて嫌に決まっている。

 僕はなにしているのだろう。

 僕は今、彼女にとても失礼なことをしている。

 あなたの事を愛せないけど結婚してくださいなんて最低だ。

 それを彼女の口から出させるなんて男としてあり得ない。

 政略結婚とはそんなものといえばそれまでだ。

 だが彼女は愛を欲しがっている。

 このまま結婚してもいい未来は訪れないだろう。

 

「本当にごめん!僕はシャロの事が好きなんだ」

「やっと白状したか」

『そろそろ出そうね♡』

 

 僕は射精した。

 僕の精液は一滴残らずシャロのに注ぎ込まれる。

 基本的に彼女は僕から精液を出すのも、飲み込むのも僕が彼女を求めている気がして好きらしい。

 

「どうするの?私とあなたが結婚することは決まってるんだよ?

 私としてもレイ君がシャロ様の事を諦めて私の事を愛してくれるのが一番うれしいんだけど」

「そうだね…うん…ちょっとあがいてみるよ。

 ごめんね。

 そしてありがとう。おかげで目が覚めたよ」

「うーん私は噛ませ犬か~いいの?経験ないけど私の体、多分抱き心地いいとおもうよ?」

 

 サラは自らの胸を持ち上げて僕に見せつけてくる。

 たしかにとてもエロい体をしている。

 今日7回目の射精をしていなければ勃起していたかもしれない。

 

「う…そんなはしたないこと言っちゃだめだよ」

「赤くなった!レイ君可愛い!女の子だってエッチなこと考えるんだよ?」

『おまんこにおちんちんいれたいよ~♡早くレイとセックスしたいよ~♡』

「そ…そうなんだね」

 

 実はもっと凄いことを現在進行形でシャロとしているとは夢にも思わないだろう。

 

「サラさんあなたは凄く魅力的だ。

 でも僕はシャロの事を諦めるわけにはいかないみたいなんだ」

『お願い…私を捨てないで……』

 

 だってこんなに愛してくれている相手をほっとけないだろう?



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7話表 一世一代の大勝負(エロく無い)

 僕はサラに別れを告げ、話があると言ってシャロの父の部屋に訪れていた。

 

『次はおっぱいだよ〜♡』

 ちなみに今はパイズリされている。

 

「婚約者をほっておいてなんのようだ?」

「フィリップ様、シャロの事でお話があります」

 

 王族の血をひく国でも有数の大貴族であるシャロの父、フィリップは僕の事を鋭く睨みつけた。

 

「シャロの事は諦めろといっただろ。いくらお前といえども無理だ」

「お願いです。僕とシャロの結婚を認めてください」

「不可能だ」

 

 取り付く島もない。

 だけどそれは予想してた事だ。

 その程度で諦めるような覚悟で公爵に逆らう訳がない。

 

「シャロは僕のことを深く愛しています。

 もし僕が他の女と結婚すれば、シャロは相手を殺すとまで言っています」

 

 フィリップの眉が釣り上がる。

 どうやら怒りに触れたようだ。

 まあ当然だろう、先ずは女のことを出すあたりも男らしくなくて良くないだろうし。

 でも冷静な判断されるより怒って貰ったほうがOKの確率は高いはず。

 

『おちんちんレイの好きなおっぱいでよしよししてあげるね♡』

 

 気持ちいいけど流石に少し黙っててほしい。

 

「そして僕も彼女の事を愛してます。

 他の女となんて考えられません。

 何が何でも彼女と結婚するつもりです」

 

 フィリップから部屋中にマナが溢れ出した。

 彼の得意とする魔法は炎だ、彼の炎はこれまで何百もの王国兵を灰にしてきた。

 もし部屋に満ちるこのマナが彼の意思に従って炎に姿を変えれば、僕は一瞬で灰になる。

 もしレジストしたとしても熱い空気が肺を焼くだろうし、炎が酸素を使い尽くして僕は呼吸できなくなる。

 

 だけど今僕がするべきなのはそういう戦いではない。

 あくまでこれは娘が大事なお父さんを説得できるかどうかの戦いだ。

 

「娘さんを僕にください!絶対に幸せにします!」

「話にならん。勘違いするなよ?お前はあくまで平民だ。

 あいつとお前が結ばれることは絶対にない」

 

「なら僕は彼女と駆け落ちします!」

「ふざけてるのか!」

 

 部屋が煉獄と化す。

 辛うじて僕を燃やさない理性は働いているようだが、部屋中が炎に包まれている。

 凄まじい熱気だ。

 熱気と緊張により汗が流れる。

 

「僕は本気です!」

「逃がすと思うのか!」

「彼女は空間魔法の使い手です。痕跡を残さず逃げることができます!」

 

 僕はあえてどうするつもりかあかす。

 フィリップには昔から目をかけて貰っていた。

 できれば不誠実なことはしたくない。

 

『先っぽほじほじするよ♡』

 おっぱいから僅かにはみ出た僕のペニスの出口に舌が入ってくる。

 

「そんなことすればお前の家族は縛り首だぞ!」

 

 嫌なところをついてくる。

 だけどその程度で怯むつもりはない。

 

「僕はこの部屋に来る前に父に離縁状を出してきました。

 僕はもうスコット家の人間ではありません。

 唯のレイです。

 いくらあなたでも罪のない人を縛り首するなんて出来ないはずだ」

 

 僕の言ってることはを屁理屈だ。

 でもそもそも認められるはずがないのを通そうとしてるんだ。

 屁理屈を捏ねまくって説得してやる。

 ちなみに父さんはどういうつもりだと僕に詰め寄ってきたが、殴って気絶させた。

 

「どうか僕とシャロの結婚を認めてください。

 もし認められないなら駆け落ちします。

 僕たちは逃げ切る自信があるのでどうせなら認めてください」

「今ここでお前を殺せば解決だな」

「出来るとでも?」

 

 チリチリと肌を炎が焼き始めた。

 僕を射抜く殺気は本物だ。

 全身に空気の壁を作れば炎を数秒たえることができる。

 その間に0.1秒で踏み込んで拳を叩き込む。

『おっぱいビンタだ♡』

 …0.5秒はかかりそうだ。

 

(仕方がないか……)

 

 僕は最終手段である実力行使の気構えをする。

 腰をやや落とし、足の指に力を入れる。

 射精はさっきしたばかりで暫くは大丈夫なはず。

 そういう戦いではないと言っておきながらの掌返し、男として格好悪すぎるがそれでいい、シャロを手に入れるのが優先事項だ。

 

「俺を忘れるんじゃねえよ」

「?!」

 

 部屋に満ちていた炎が声が聞こえた方に吸い込まれていく。

 そこには老人がいた。

 老人は掌を上に向けていて、その上に炎が吸い込まれている。

 

「レイ、なかなか面白え事言ってんじゃねえか」

 

 気付かなかった。

 その老人の事はよく知っている。

 シャロの魔法の研究に興味を持ち、よく研究室に顔をだしてアドバイスしてくれる大魔法使いマーリンだ。

 誰もが国一番だと認める彼のアドバイスは的確で、シャロはうっとおしがっているが、何度も彼には助けられている。

 僕もシャロと一緒にいる関係で何度もお世話になった。

 

「マーリン様…いらしてたんですね」

「おう最初からな。

 フィリップに頼まれてあのお転婆娘が無茶しないように頼まれたんだ」

「そういう事だ。

 マーリンがいる限りお前の駆け落ちは上手く行かない。

 考え直せ」

 

 たしかに同じ空間魔法を使い、シャロより数段上手の彼がいれば逃げることは難しいだろう。

 ならばこの二人を今すぐ殴って気絶させて直ぐにシャロを向かいに行く。

 そしてマーリンが目を覚まさないうちに逃げだせばなんとかなるはずだ。

 

 実践経験のない僕が、この国で頂点に位置する魔法使い二人に勝てる可能性は低いだろう。

 だけどそれでも僕はやる。

 シャロを諦める選択肢はない。

 

「まあいいじゃねぇか。

 こいつの事を認めてやっても」

「なんだと?どういうつもりだ?」

 

 どういう事だ、マーリンはフィリップが呼んだんじゃないのか?

 

「レイの事は俺も知ってる。

 いいんじゃねえか?

 俺達二人相手でもやってやろうという度胸、なかなかこんな男はいねえよ」

「そういう問題ではない。

 俺だってレイの事は認めている。

 だが身分の違いはどうしようもない」

 

 なんだかむず痒い、殴ろうとしていた相手から認められるなんてやりにくくなってしまう。

 マーリンの横やりにフィリップもすっかり毒気が抜けてしまっている。

 

「ならこうしたらどうだ?

 今攻めてきてる王国の軍をレイが追い返すんだ。

 そうすれば俺が皇帝に口聞いて釣り合う身分にしてやるよ」

「馬鹿なことを、できるわけ無いだろう」

「できます」

 

 僕は即答する。

 このチャンスを逃すわけにはいない。

 

「俺はいいとは言っていない。

 それに緘口令を敷かれていてお前は知らないだろうが、今回の王国軍は本気だ。

 もうかなりこの首都まで近づいてきている。

 俺も裏では兵を集めて迎え撃つ準備を勧めている」

「なら僕が追い返します。

 僕がこの国を救って褒美としてあなたの娘を貰う」

「ホラ吹きが」

 

 フィリップは吐き捨てるようにそう言うと顔を逸らそうとする。

 だが僕はそうはさせない。

 殺気を放ってフィリップと目を合わせる。

 

 フィリップは僕から目を逸らさない、彼は理解したのだろう。

 この距離は既に僕の間合いだ。

 目を逸らせば首をへし折られる。

 フィリップはそんな幻覚を見たはずだ。

 

「……我が家へのメリットは?」

「英雄の僕の血を取り入れられる」

 

「お前が将軍を討てる可能性などほとんどないぞ」

「0なら1に、1あれば100にしましょう」

 

「できる保証は?」

「僕は学園最強です」

 

「死ぬぞ?」

「なら約束しても問題ないでしょう?」

 

 僕が答えるとフィリップが考え始めた。

 今まで一考にも値しないと切り捨てていたフィリップが初めて考えている。

 それを見たマーリンがガハハと老人には似つかわしく無い豪快に笑い、フィリップの肩をバシバシと叩く。 

 

「こんだけの事を言い切ってみせたんだ。

 男なら答えるのが粋ってもんだろ?」

 

 マーリンの馴れ馴れしく触れてくるウザ絡みにフィリップは嫌そうな顔だ。

 流石大魔法使いマーリンだ、公爵もこの老人の事を無視することは出来ないのだろう。

 フィリップはマーリンの手を払いのけると深いため息を吐いた。

 

「…はあ……良いだろう。お前が将軍の首を討取れば娘はやろう」

「っ?!必ず…やり遂げてみせます……!」

「おし!契約成立だ!この俺が証人だ。

 この約束は俺の全てをかけて履行させる。

 当然失敗した場合は全力で駆け落ちは阻止するからな」

「ええ、問題ありません。

 フィリップ様…必ず僕は英雄となります」

「…好きにしろ……」

 

 僕は認めてくれたフィリップに、譲歩を引き出してくれたマーリンに深く礼をする。

 

「では僕はこれで……」

「あーちょっと待てよ」

「なんですか?」

 

 僕はそうと決まれば戦う準備を進めるために部屋を出ようとした時、マーリンから呼び止められた。

 

「お前の股から魔力の流れを感じるんだが何してんだ?」

「あっ…えと…これは……何でもありません!失礼します!」

『こうやってバチンて左右のおっぱいでおちんちん叩くのレイ好きだよね♡』

 

 僕はさっきまでの威勢は何処へ行ったのやら、急にしどろもどろになってしまい、逃げるようにして部屋を後にした。

 

 今ペニスに左右からなにかを叩きつけられた。

 その後左右で動かす方向をぐちゃぐちゃにしてペニスを捏ねていく。

 僕は射精しながら逃げるように廊下を走る。

 流石にこの状況だけは言える訳がない。

 

 

 僕は父が気絶していた部屋に戻ると、目を覚ました父に見合いの中止を告げる。

 何をしでかしたんだと言って顔面蒼白になっているが、状況を説明してシャロの家を後にする。

 最初は戦争等行かせられるわけ無いだろと僕を心配してくれたが、僕の意志の硬さを悟ると出来る限りの協力はしようと言ってくれた。

 

 僕は家に帰ると戦いの準備を始めた。

 フィリップには次に出発する援軍に僕をねじ込んでもらった。

 父さんには薬や鎧につける仕掛けの材料を手配してもらった。

 今まで僕の得意とする魔法に、もっとも効果的だが、高価なため代用品を使っていた物質も、金に物を言わせて集めてもらう。

 

 父さんから渡されたミスリルの小手に、魔法陣を手掘りで刻印していた時は睾丸をモゴモゴされて失敗する所だった。

 

 合間には剣の達人を呼んでもらって稽古をする。

 シャロの搾精がどんどん上手くなってきて、体をコントロールするのには骨が折れた。

 そうやって戦いの準備をしているとあっという間に4日がすぎ、シャロに約束していた戻ってくる日になった。

 

 僕はシャロの部屋の前に立つ。

 緊張で激しく脈打つ心臓を深呼吸でなんとか落ち着かせようとする。

 当然だろう、今から始まるのは一世一代の大勝負なのだ。

 僕は扉をノックする。

 

「シャロ?起きてる?」

 

 するとバタバタと慌てたような足音がなり、扉が勢いよく開かれる。

 

「レイ!」

 

 一週間ぶりに見る彼女は全身で嬉しさを表現して僕に抱きついてきた。

 全身で感じる彼女はとても柔らかく、いい匂いがする。

 

(ああ…やっぱり好きだな……)

 

 うん、やっぱり僕は彼女がどうしようもなく好きなようだ。

 ならばやろうか。

 

 一世一代の大勝負、プロポーズだ。



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8話表① プロポーズ(エロ無し)

「シャロ?!びっくりしたよ急に飛びついてくるんだから」

「だって…だって……」

 

 シャロは扉を開けるなり僕の胸に飛び込んできた。

 シャロは僕に縋り付き、ぎゅっと僕の服を握っている。

 どうやらこの短時間で泣き出してしまったようで、ずびずびと鼻をすする音が聞こえる。

 シャロの涙と鼻水で胸が濡れる感触がするが、なんだかそんなとこも可愛いなと思ってしまう。

 

 僕はシャロを落ち着かせるために、天使の輪が眩しいシャロの頭をぽんぽんと叩いてあげる。

 昔は悪戯してフィリップに怒られてギャン泣きするシャロをこうして慰めたものだ。

 だが廊下でいつまでもこうしているわけにはいかないので、彼女を慰めながら部屋に入るよう誘導した。

 どうやら少し落ち着いてきたようだ。

 ちなみに今は股間に付けられた魔道具は使っていないらしく、ちんちんは握られてないし、シャロの声も聞こえない。

 しばらくシャロを胸に抱き、緩やかな時間が流れる。

 すると落ち着いたシャロがバッと急に焦ったように顔をあげた。

 

「そうだ!縁談はどうなったの?!」

 

 そういうシャロの顔は必死だ。

 縁談受けてないよね?断ったよね?という圧力を感じる。

 シャロは不安で気が狂いそうな毎日を過ごしていたのだ。

 この子の強烈な気持ちが文字通り僕にはわかる。

 この後、この子に誓いの言葉を言うんだと思うとなんだか照れ臭い。

 

「えっと…断った……」

 

 僕の言葉を聞いたシャロの変化は劇的だった。

 切羽詰まった表情が、一瞬、へ?という何を言っているのかわからないという表情になり、最後は気の抜けた表情になった。

 そしてずるずるとシャロは崩れ落ち、その場で女の子座りになる。

 僕はどうしたんだろう?とシャロを心配していると、僕を見上げるシャロの顔が青くなり、絶望の表情に歪む。

 

(あれ?嬉しくなかった?!どうしよう、両想いなの僕の勘違い?!)

 

 シャロの様子に自分がなにか重大な思い違いをしたのかと焦るが、すぐにその理由がわかった、というよりわかってしまった。

 

「あっあああぁぁぁ……」

 

 シャロが悲壮感漂う声を上げるとぷしゃーという音が聞こえ、彼女の足元に液体が広がる。

 

「やっ見ないで!」

 

 シャロは必死に手を股にかざしたり、顔を隠したりわたわたと忙しなく動かす。

 恥ずかしくて顔を隠したい、でもおしっこも隠さないといけないという八方塞がりな状況で焦っているのだろう。

 こういう普段強気な彼女が最近見せ始めた嫉妬や弱気な姿を見ているとなんだかとても心地良い。

 今も必死になって嫌われたらどうしよう!と全身で語っている様子が男の独占欲を満たしてくれる。

 そんなシャロがどうしようもなく愛おしい。

 僕は彼女を安心させるためおしっこで膝が汚れるのも気にせず膝をついて目線を合わせる。

 

「大丈夫だよ、シャロ。僕はその程度で嫌いになったりなんかしないよ。

 ずっと気が張ってたみたいだから安心しちゃったんだね。むしろそれだけ僕の事を思ってくれてるなんて嬉しいよ」

「ぐすっ……本当?」

 

 シャロは不安げな様子で上目遣いでこちらを伺う。

 やはり決心してよかった。

 彼女の為なら命を掛けられる。

 改めてそう思った。

 

「本当だとも。僕は決心したんだ。シャロの事をずっと守るって」

「……え?」

 

 シャロがおしっこを漏らした事も忘れ、ぽかんとした表情になる。

 いきなりの告白に意味を理解できないようだ。

 天才のくせにこういう事はポンコツなのはどうしてだろうか。

 それが可愛いところなんだけど。

 だけどこんな今回はちゃんと分かってもらえないと困る。

 伝わらなければ何度でも伝えよう。理解できないのであればあらゆる言葉でわかるまで伝えればいいだけだ。

 

「シャロ、僕は君が好きだ。愛している。僕と結婚してくれ」

 

 僕の言葉に彼女はまた呆けた顔をする。

 だが頭が言葉を理解したのか何かを言おうと口を開くが何も言葉が出てこない。

 何も言葉を発することが出来ずに口をパクパクさせながら、落ち着いていた涙と鼻水がブワッと溢れ出した。

 まるで赤ちゃんのようにワンワン泣き出す。

 まさかこの歳になっても昔のように彼女を慰めることになるとは思わなかった。

 それもこんな短時間に二度もだ。

 

「シャロ?返事が聞きたいんだけど」

「ふぁい!よろじくおねがいじばず!」

 

 僕はぐちゃぐちゃな顔だけど元気よく返事をした彼女を胸に抱きしめる。

 彼女も僕の背中に小さな手をまわしてぎゅっと抱きついてくる。

 男とは違う体、とても柔らかくて折れてしまいそうだ。

 

(これは死ねないな……)

 

 僕は彼女が泣きつかれて眠るまで、胸でワンワン泣く嫁の頭を撫で続けた。

 もう僕だけの命ではないのだ。

 

 

 僕はすやすやと眠るシャロの服を脱がせて、おしっこで汚れた下半身を拭いて着替えさせてあげる。

 股の割れ目を拭くとき少し興奮してしまったが、連日抜かれまくっていたのでなんとか我慢できた。

 もしシャロの遠隔搾精がなければ襲ってしまっていただろう。

 ちなみに彼女の世話をするときは、すーすーと静かな寝息を立てながらも抱きついて離れないので、タオルや着替えを取りにいくのに抱っこして移動した。

 ずっと気を張っていて疲れていたのだろうか、眠るシャロの目元にはうっすらと隈が見える。

 どうやら彼女の独占欲は、寝ていても僕を手放す様子がないようで、がっちりと僕の背中を掴んでいる。

 仕方がないので彼女のベッドにシャロを抱えながら潜り込み、僕も眠りについた。

 

 

 

 

 

 僕は手の中でなにかがごそごそ動くのを感じて意識を覚醒させた。

 とても柔らくていい匂いのする大切なものがこの腕のなかにいる。

 僕は目を開ける。

 目の前には思った通り、僕の天使が僕の事を見つめいた。

 

「おはよう、シャロ」

 

 僕は凄く満ち足りた気分になり、朝の挨拶をする。

 すると僕の天使が目をつむり、顔を近づいてきた。

 

「おはようちゅー」

「まっ!」

 

 いきなりの事に僕は焦るが、シャロは当然待ってくれなくて唇が触れ合った。

 

(柔らかい……)

 

 キスの心地よさに、シャロを止めようという気持ちが失せてしまいそうだ。

 だけど僕には彼女に伝えなければいけないことがある。

 まずは話をしないと。

 

 僕の唇にちゅうっと吸い付いてくる。

 

(……もうちょっといいかな?)

 

 彼女の強い吸い付きに唇同士がより深く密着し、彼女の唇と僕の唇が一つに溶け合ってしまうかのようだ。

 どうやら唇と一緒に僕の意思が溶かされてしまったみたいだ。

 彼女はさらに舌を差し込んできた。 

 

「れろぉ…ぐちゅ…ぴちゃ……」

 

 彼女の舌が僕の歯を一本一本舐めた上に僕の唾液を全て吸い出されてしまう。

 僕のどんな部分でも排泄物でさえ全てを愛おしいといわれているようで背筋がぞくぞくする。

 僕の胸にシャロの巨大なおっぱいがむぎゅっと押し付けられると、唇がより強く押し付けられる。

 その強い欲望を乗せた彼女のキスに脳を犯され口を開いてしまう。

 すると彼女はすかさず舌を差し込んできた。

 いよいよ逃げ場のなくなってしまった僕の舌は彼女にとらわれる。

 

「くちゃ…くちゃ…じゅじゅ!」

 

 僕の舌は彼女に余すことなく蹂躙され、唾液が分泌された瞬間全て彼女に飲み込まれてしまう。

 その代わりといわんばかりに彼女は唾液を僕の口に流し込んでくる。

 僕は快楽に一杯一杯でもう彼女になすがままにされるしかない。

 しばらく濃厚なキスというより捕食というほうが正しいだろう行為が続く。

 やがて彼女の息が続かなくなったようで口が離され、ぷはっと息を大きく吸い込む。

 

「ぷちゅっ…はぁ…おいしい……」

 

 彼女の顔は言っている。

 レイの唇はこの世のどんな高級な食べ物よりおいしいと。

 彼女の顔は溺れきっており、今彼女の中ではこの世に二人しかいないのだろう。

 

「カッコいい……」

 

 ポツリとそんな言葉をシャロが吐く。

 シャロの考えることを散々聞かされてきたので当然その誉め言葉も何度も聞いているのだが、こうやって面と向かって言われるとなんだか恥ずかしい。

 シャロがもう一度キスしようとしたのか大きく息を吸い込む。

 僕はまだまだ彼女に流されていたい気持ちを抑え、シャロに話しかける。

 

「あの…シャロ…そろそ…」

「っ!そうよね!レイも辛いよね…いいよ…レイなら……」

 

 なにを勘違いしたのか、淫魔のような表情から一転して生娘らしく顔を真っ赤にして目をぎゅっとつむって無抵抗になる。

 これは…覚悟ができた表情だ、僕とセックスしてもいいという許可が出たのだ。

 僕は激しく勃起する。

 僕の本能が彼女にペニスをねじ込み、精液を注ぎ込めと訴えている。

 だがそういうわけにもいかない。

 フィリップとの約束はまだ果たしていないのだ。

 せっかく引き出した条件を反故にするわけにはいかない。

 

「待って!そろそろ起きないと!それにそういう事はまだ駄目だ!」

「……へ?」

 

 一旦お互いに落ち着かせるために彼女をシャワーに行かせた。

 僕自身一度離れないと頭が性欲に支配されそうだったのだ。

 正直危なかった。

 帰ってくるまで彼女に手を出すわけにはいかない。

 僕は目をつむり心を落ち着かせて彼女を待つ。

 すると未だかつて聞いたことのない甘ったるい声が聞こえてきた。

 この声は誰だ?シャロの声のように聞こえるが……。

 

「も〜♡レイ〜話ってなんなの〜?」

「ちょっとシャロ!ちゃんと服着なきゃ!」

「いいのよ♡レイは私の旦那様なんだから♡」

 

 シャロははち切れんばかりの胸をバスタオル一枚に収めた姿で現れた。

 シャロはなんだかくねくねしていて知能がなくなってしまったようだ。

 ベッドに座る僕の横にピタリとくっつきながら座ると、僕の腕を掴んで胸の間に沈めてしまった。

 悔しいが脳が溶けたシャロの甘えも凄く僕の雄の自尊心を満たしてくる。

 だが今は心を鬼にしなければならない。

 

「シャロ、聞いて、大事な話なんだ」

「うん♡なに?話って♡」

「僕は戦争に行くことにした」

「…えっとぉ…ごめんよく聞こえなかったからもう一回言って♡」

 

 一瞬、彼女の顔は知性を取り戻した。

 きっと僕の言葉を理解したのだろうが、信じがたい一言だったので聞こえないふりをしたのだろう。

 できることなら僕もそのまま何も考えずに、彼女を貪りたいがここで流されては一生結ばれなくなってしまう。

 

「戦争に行く。少しまずい状況みたいなんだ」

「…っ!なんで!レイが行く必要ないじゃない!」

 

 彼女はようやく僕の言葉が冗談ではないことを理解したようで、いつものシャロに戻る。

 きっと何かよからぬ事を考えているのだろう。

 うつむいて親指の爪を噛んで何かをつぶやいている。

 

「君と結婚する為に必要なんだ」

「……どういうこと?」

 

 顔を上げた彼女は酷く冷たい目になっている。

 まるで人を殺してでも僕を止めるといっているようだ。

 今彼女はその優れた頭脳で僕を止めるために、考えられる殺しを含めた全ての可能性を模索しているのだろう。

 だけど彼女にはそんなことをさせるわけにはいかない。

 僕の覚悟は彼女を愛すのと同時に守る覚悟でもあるのだ。

 僕の女になるからにはそんな重荷は絶対に背負わせない。

 

「君は公爵家の娘で、僕は平民だ。絶対に許して貰えない。

 だから戦争で君に釣り合う手柄を立てる。

 もう一週間もすればこの首都まで王国の軍が到着するだろう。

 戦況が悪い今だからこそ僕が英雄になるチャンスがあるんだ」

「できるわけないじゃない!家がなによ!そんなのなんとかするわ!駄目なら駆け落ちすればいい!お金ならあるし私には空間魔法がある!」

 

 僕の言葉にシャロは激昂した。

 彼女の髪がマナの活性化で光りながら持ち上がり、その身に宿した膨大な魔力が空間をゆがませる。

 だけど彼女が怒るのはいつも通りだし、それをなだめるのもいつも通りの事だ。

 

「僕の縁談の話を持って来たのは君の家だ。

 いつまでも僕と離れない君を心配したらしい。

 もし君と離れないのなら一族郎党殺すと釘を刺された」

「は?そんな事を言ってたの?なら私が説得するわ。もし駄目なら駆け落ちするから荷物を纏めといて」

「無理だよ。その場にはマーリン様もいた。君の暴走を止めるために、君の父さんが頼んだらしい」

「そんなの……」

 

 彼女はわがままで感情に任せて暴走することも多い。

 だが同時に天才的な頭脳を持っているため、怒ってる時でもこういう風に訳を説明すると意外とわかってくれる。

 少し冷静になっているうちに畳み込もう。

 

「君の父さんに言われたよ。君の事は認めているからこそシャロの側にいることを許していた。でも身分の違いはどうしようも無い。ってね」

「父様がそんな事を……」

 

 また少しシャロが考え込むと。

 

「マーリンでもなんでも倒してや」

「でもマーリン様が一つ助言をくれたんだ」

「……ジジイが?」

 

 結局やけくそになって出来もしないことを口走ろうとしたので更に情報を与えて遮る。

 

(途方もないことを言おうとしてるのは僕も同じだけどね。)

 

「戦争で戦功を立てて英雄になりなさい。今この国始まって以来のピンチを迎えている。

 もし今王国の大将を討ち取る事ができれば、君は救国の英雄となり望む報酬が君に与えられるだろうってね」

「そんなの……駄目よ……」

 

 僕は真っすぐ彼女を見つめながら、言葉の一つ一つに覚悟を込める。

 

 僕の言葉は全て本気だ。

 折れる気はない。

 そういう意思を込める。

 

「それに君のお父さんも認めてくれたんだ。もし英雄となる事ができれば君に娘を譲ろうってね。だから僕は覚悟を決めたんだ」

「父様が……」

 

 彼女は必死に何かを考えている。

 僕の決意は伝わったとは思うが彼女はきっと諦めない。

 

「やっぱり駄目…レイが死んじゃう。それくらいなら…それくらいなら結婚しなくてもいい!他の女と結婚しても…いいから…行かないで……」

 

 必死に絞り出した彼女のその言葉はどれほどの苦悩なのだろうか。

 自分の出した言葉で自分自信が傷ついているように見える。

 僕は彼女にこんな顔をさせるためにプロポーズしたんじゃない。

 僕が出兵するまで3日、笑顔で送り出してもらえるように説得しなければならない。 



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10話 レイの戦記

 僕達シャズート皇国軍の前方500m程先にアステリア王国軍が布陣していた。

 両軍は基本ともいえる横に兵を並べる横陣をとっており、戦いの開始の合図を待っている。

 身の丈ほどもある大盾と全身鎧を身にまとった重装歩兵部隊が前方に展開し、その後ろに皮鎧しか持たない軽装歩兵、僕達魔法部隊、弓矢部隊、が並んでいる。

 最前列に展開した重装歩兵部隊は密集陣形をとっており、大盾が隙間なく並ぶ光景は圧巻で、まるで要塞のようだ。

 

(これが戦場……。)

 

 戦場に流れる空気は分厚く、重い。

 質量を持たぬはずの空気は、確実に僕の全身に纏わりつき、僕の膝を折ろうとしてくる。

 

 喉が痛い。

 目が乾いて瞬きが止まらない。

 暖かいはずなのに歯が鳴って仕方がない。

 

 この視界に写る全ての人間がこれから人を殺そうとしているのだ。

 僕は戦うための、いや、殺すための訓練を積んできた。

 それがどうだ。

 今の僕は戦場の空気に当てられて恐怖に震えている。

 僕には実戦経験はない。もしかしたら今までやってきたことは無駄だったのかもしれない。

 そんな考えばかりが頭を支配する。

 

(我ながら情けないな……)

 

 あれだけの大見得を切ったくせに戦争が始まっていないのにもかかわらず震えている自分に失望してしまう。

 本当に僕にシャロに見合うだけの器があるのだろうか。

 

 早くこの時間が終わってほしい。

 永遠にその時が来てほしくない。

 

(矛盾もいいところだな……)

 

『全軍!前進!』

 

 どんなに時間がたつのが遅くても確実に時は刻まれる。

 戦場に太鼓の音が鳴り響きついに両軍が前進を始めた。

 

『魔法部隊は停止!詠唱を始めろ!』

 

 両軍距離、残り150m。

 僕が所属する魔法部隊は一斉にファイアボールの詠唱を開始する。

 重装歩兵を先頭とする歩兵部隊はなおも前進し、同様に王国軍も近づいてくる。

 

 歩兵部隊と魔法部隊の距離が100mまで近づいた時、ついに戦いか始まった。

 

『撃て!』

 

 僕は魔法陣を刻み込んだ小手を装備した左の手の平を、斜め前の上空に向けると、魔法陣により燃焼という現象を行うように指向性を持たせたマナが解放される。

 その結果、手の平からは不可視のマナが上空に放たれた。

 そのマナは放物線を描くと、燃焼という現象を行おうとするマナと、空気中の酸素が結合し一気に炎が燃え上がり、直径50cm程の炎の玉になって王国軍へと襲い掛かる。

 放物線を描いた炎の玉は、大盾を並べる重装歩兵部隊の頭上を飛び越え、後ろにいる軽装歩兵部隊に着弾した。

 

 次々と炎が歩兵を襲い、炎が全身を包み込む。

 着弾した炎が燃料となるマナを燃やし尽くすまでは3秒ほどとごく短い。

 だが、その炎は目を焼き、肺を焼き、肌を焼く。

 人一人を戦闘不能にするのになにも灰になるまで燃やし続ける必要はない。

 

 目を焼かれれば相手を捉えられなくなり戦闘不能に。

 熱い空気を吸い込めば肺の細胞が死に酸素を取り込むことができなくなり戦闘不能に。

 肌を焼かれれば痛みのあまりまともに動けなくなり戦闘不能に。

 

 即死はしない。

 だがゆっくりと確実に人を殺す魔法は次々と歩兵に襲い掛かる。

 ほとんどのファイアボールは重装歩兵に受け止められダメージを与えられないが、運の悪い後続の軽装歩兵は放物線を描いた矢と魔法に悲鳴をあげる。

 

(帰れ…帰れ…帰れ…帰れ…帰れ…帰れ!)

 

 僕はひたすらファイアボールを放ち続ける。

 初めて人体を焼いた罪悪感は、自分が殺されるかもしれないという恐怖の前では小さなものだ。

 

 僕はここに来た本来の目的も忘れて、魔力が続く限り夢中で魔法を放ち続けた。

 自分の命惜しさに殺し続けた。

 

 

 

 

 僕は初陣を生き残り、夕食を取って焚火の前で休息していた。

 この日の戦いはなんとか勝利をおさめ、喉元まで来ていた王国軍を少し押し返すことができたらしい。

 次々と勝利をおさめ、どこか油断していた王国軍に対し、負ければ自分の家族が危ない皇国軍は決死の覚悟で戦って勝利した。

 油断していたとはいえ、これまで勝ち続けた王国軍が弱いはずもなく、激しい泥沼の戦いになり多くの犠牲者が出た。

 戦場の花形である魔法部隊は後方で歩兵に守られているため、危険にさらされることはなかったが、当然厄介な魔法部隊を潰そうとして相手は攻めてくる。

 いつ皇国軍の陣形を突破して僕のいる魔法部隊が襲われるかわからない。

 

「何を考えているんだ…僕は英雄になるんだろ……」

「なんかいったか?」

「あ、いや…なんでもありません」

 

 どうやら弱気になって独り言を言ってしまっていたようで、隣に座る兵に話しかけたと勘違いされたようだ。

 

「俺はスティーブ、同じ魔法兵だ、よろしくな」

「僕はレイです。よろしくお願いします」

 

「なに辛気臭い顔してるんだ。

 お前戦場は初めてか?」

「はい、恥ずかしながら今日が初陣でして……」

 

 その男は貴族が多い魔法兵にしては粗野な印象を受ける言葉遣いだ。

 風貌も髪はぼさぼさで無精ひげをはやして言葉遣いに違わぬ姿だ。

 もし魔法兵だといわれなければ平民だと疑わなかっただろう。

 もしかしたら僕と同じように魔力持ちの平民なのかもしれない。

 

「なるほどな。そりゃそんな辛気臭い顔になるわけだ」

「ええ、情けない話です……」

「新兵が何言ってんだ。生き残っただけで儲けもんだろ」

「そうなんですかね……」

 

 酒の匂いを漂わせる男は、完全に僕と話す体勢に入ったようだ。

 すこし面倒だと感じたが、血飛沫が飛び交う光景が頭を離れず、思考がマイナス方向ばかりに陥っている今はありがたいかもしれない。

 スティーブは気のいい男のようで、初対面の僕に馬鹿話をしては自分でガハハと笑う。

 シラフの僕は彼の冗談で笑うことはできなかったが、彼を見ていると少し気が楽になった。

 暫く彼と話していると、すっかり夜はふけて薄暗かった野営地には満天の星が輝いている。

 

「お前歳は?」

「16歳です」

「となるとお前やりたくてたまらないんじゃいか?女は抱いたことはあるか?」

「…いえ…ありません……」

「ははは!そうだと思った!坊主付いてこい!」

「あっちょっと!」

 

 スティーブは僕の首に腕を回すと強引に何処かへ連れて行こうとする。

 嫌な予感がする。

 この話の流れからしてこの男が向かう先は……。

 

「着いたぞ」

「兵隊さ〜ん♡今からどう?」

 

 肩を出した扇情的な姿で甘えた声を出すこの女はひょっとしなくても娼婦というものだろう。

 連れてこられたのは軍の野営地からやや離れた所にあるテントが立ち並ぶ野営地だ。

 その野営地は、戦いで興奮した兵隊を相手に商売する娼婦たちの仕事場のようで、立ち並ぶ薄い布でしかないテントの中から獣のような男女の媚声が聞こえてくる。

 

 相手がおらずに突っ立っている僕に目をつけたのだろう。

 また別の女が僕のほうに寄ってきた。

 

「お兄さんまだ相手は見つかってないのかい?」

「こいつ童貞なんだってよ。ちょいと筆おろししてやってくれよ」

「え?嘘、こんな可愛い顔してるのに勿体ない!大丈夫よ私が優しくしてあげるから♡」

「いや…僕は……」

 

 女は僕に抱きついて体を密着させてくる。

 豊満な胸が体に押し付けられ、漂ってくる甘い匂いがどうしようもなく女の意識させる。

 

「ほらサービスしてあげるから♡」

 

 女は僕の手を取ると開いた胸元から服の隙間へ導いた。

 

(柔らかい……。)

 

 手の平に感じる柔らかな感触と少し硬い突起。

 さっきまで落ち込んでいてそれどころではなかったが、種を残そうとする生存本能が女を感じることで一気に目覚めた。

 ペニスはガチガチに勃起し、精液が陰嚢の中で次々と作られている。

 目の前の女を犯せという獣欲に脳が支配されながらもわずかに残った理性が邪魔をして動けない。

 

 いきなりペニスに快感が走った。

 下を向くと女の手が、ズボンの上から僕のペニスを握ってゆるゆると動かしている。

 女が耳元で囁く。

 

「童貞のまま死ぬのなんて嫌でしょ?」

 

 僕は女の肩を掴む。

 

 その方は華奢で柔らかい。

 こんなところも男と違って柔らかいのか。

 

 僕は掴んだその柔らかな肩を自分から引きはがして逃げ出した。

 

 

「はあっ…はあっ…はあっ……」

 

 僕は野営地から離れた森に一人で逃げ込んだ。

 シャロに貰った袋からオナホールを取り出す。

 そのオナホールの入り口はぴちっと閉じた綺麗な一本筋で、以前に見たシャロのおまんこと全く同じ形をしている。

 恐らくこのオナホールはシャロのおまんこと繋がっているのだろう。

 もしこの中にペニスを突き入れれば僕は童貞を卒業し、あわよくば子孫を残せるかもしれない。

 ゴクリと生唾を飲み込むと、ズボンをおろして震える手でオナホールの入り口へペニスを近づける。

 ガチガチになったペニスからは我慢汁が溢れ、今すぐ精液を出さないと爆発してしまいそうだ。

 シャロに搾り取られ続けることで育てられた僕の性欲は最早怪物の域に達しているかもしれない。

 

「くそっ!」

 

 僕はオナホールをペニスから離すと自分の手でペニスを握る。

 僕はまだ英雄になっていない。

 明日にでも死ぬかもしれない。

 そんな僕がシャロの処女を奪うわけにはいかないのだ。

 

 硬くそそり立つペニスが訴えてくる。

 

 女だ!女を犯させろ!

 

 それがどうした。

 あんな娼婦なんて目じゃない極上の女を手に入れるためだ我慢しろ!

 

 目の前にその女を手に入れる道具があるじゃないか!

 簡単だ!その穴に俺を入れればいい!

 

 知るか!お前なんかには勿体ない女なんだ!

 遠くで火の玉を投げるだけで震えてるお前には手で十分だ!

 

 何度も何度も精液を地面に吐き出す。

 頭の中では四つん這いにさせたシャロを後ろから激しく犯していた。

 何度も何度も。

 地面に吐き出すたびにシャロの体は白濁で汚れていく。

 

 ぴちっと閉じた一本筋は僕のペニスで無理やり押し広げられ、ペニスでかき回すたびに中から精液と破瓜の血が溢れてくる。

 ムチムチに育った大きな尻を鷲掴みにすると指の間から尻肉がこぼれる。

 

 開発済みの尻穴からも精液がこぼれ、ひくひくと僕を誘っている。

 バチンバチンと腰を打ち付ける音が鳴ると尻は柔らかく波打つ。

 その波はやがて帰ってきて衝撃を与えた僕の腰を叩きかえしてくる。

 

「うっ…くっ…ふっ……」

 

 シャロは破瓜の痛みを枕に顔をうずめ、必死に声を押し殺して肩を震わせている。

 そんな健気に僕の怪物のような欲望を、破瓜の痛みに耐えながら受け止めるシャロに興奮し、射精感が高まってきた。

 ペニスをおまんこから引き抜くと中からごぽっと音が鳴り、抜かずに何度も出した精液と血が溢れてくる。

 僕はシャロの体をひっくり返すと、枕を抱えて顔を隠したシャロの枕をはぎ取り、ペニスをその口に突き込んだ。

 ベッドと僕に挟まれ逃げ場のないシャロの頭に、信じられない量の精液が注ぎ込まれていく。

 シャロの手は僕の太ももを強く握り、足をじたばたと動かして苦しさをごまかしている。

 

 ドクッドクッと僕の下敷きになり、精液を受け止める道具と化しているシャロに体重をかけて決して精液を漏らすことは許さない。

 やがて射精が終わりペニスを引き抜くと、シャロはごほっと咳き込み、必死に酸素を取り入れようとする。

 ぜぇぜぇと辛そうな呼吸をしながら見下ろす僕を見るとシャロはニコッと笑って口を開く。

 

「私上手くできた?私レイに気持ちよくなってもらえたら凄く嬉しいの」

 

 僕の萎えかけていたペニスが再び勃起する。

 へたり込むシャロの膝裏に腕を回して持ち上げる。

 僕に持ち上げられたシャロは足を閉じられない駅弁の格好になり、僕の形になってしまったおまんこの穴から、だらだらと精液だけではない液体がベッドを汚す。

 僕は完全に硬さを取り戻したペニスの上にシャロを落として一気に串刺しにする。

 どちゅっ!とペニスがシャロの中にはいると、シャロの肉が僕のペニスを包み込み、僕の精液を貪ろうとしてくる。

 僕は何度も精液を出し続ける。

 僕がどんなに乱暴にしようと道具のように扱おうとも彼女は一切嫌がることなく受け入れてくれる。

 あくまでこれは妄想だ。

 初めてでこんなに乱暴に何度もされれば痛がってセックスどころではなくなるだろう。

 

 でも何故だろう。

 彼女はきっと僕の全てを受け入れてくれる気がする。

 

「会いたいな……」

 

 何度も自慰で精液を吐き出した僕はポツリと呟いた。



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11話 レイの戦記②(エロ無し)

 僕が所属している魔法部隊は後方に位置しているのと、常に他の部隊の護衛があるため白兵戦になることは基本的にない。

 もし僕が白兵戦になることがあるとすれば、それはこの部隊が終わるときだろう。

 だがその時は早くにやってきた。

 

 僕の初陣から3日。

 僕は怒声と悲鳴が響き渡る戦場に少しだが慣れつつあった。

 前線を歩兵に支えてもらっている間に、僕はいつものようにひたすら敵を焼く。

 今日もこのまま戦線を少し押し返せるかと思っていたが甘かった。今日の王国軍の圧力は凄まじいのだ。

 

 王国兵の右翼側の士気が異様に高く、僕達皇国軍の兵が圧力に負け押し込まれた。

 横一列で拮抗していた戦線に右翼側を押し込まれたことで隙間があく。

 それを狙っていたのだろう。王国軍はその隙を見逃さなかった。

 王国の重装騎馬隊が戦線にできた隙間に突撃し、その騎馬隊が持つ突進力でこじ開け、戦線を貫いたのだ。

 

「こっちへ来る……」

 

 王国軍の重装騎馬隊が真っすぐこちらへ向かってくる。

 狙いは明らかに僕達、魔法部隊だ。

 

『絶対に通すな!我らの後ろにいるはシャズート皇国の要!抜かれればこの戦い、我らの負けぞ!』

 

 随伴歩兵部隊が魔法部隊の前に展開し、大盾と槍を構える。

 戦場の花形である魔法部隊を守るこの歩兵もまた精鋭部隊だ。

 戦況を左右するほどの攻撃力を持った魔法部隊の弱点は白兵戦である。

 そのため、常に魔法部隊には歩兵が随伴し、その歩兵は絶対に負けを許されない。

 

『後退!』

 

 魔法部隊に後退命令が下る。

 命令に従い、次々と魔法兵が荷馬車に乗り込むと全速力で駆け出した。

 僕達魔法部隊の移動には二頭立ての馬に引かせた荷車を使う。

 馬に一人直接乗るより、移動しながらも魔法で攻撃に集中するためだ。

 僕は荷馬車の上で揺られながら随伴歩兵と王国重装騎馬隊の激突の瞬間を見守る。

 

「なんだあいつ……」

 

 遠くに見える王国の重装騎馬隊で、一際僕の目を引く兵がいた。

 そいつは先頭を走っており、銀色の鎧を着た他の兵と違って全身鎧を真っ黒に塗っている。

 だが僕が目を引かれるのは、その単純な見た目の違いからではない。

 なにか強烈なプレッシャーを感じるのだ。

 

 そいつはまだ皇国歩兵との距離があるのにも関わらず、手に持ったランスを後ろに引き、前に突き出す。

 すると、何もないはずの空間に突き出されたランスの穂先は虚空に消え去った。

 再びランスを後ろに引くと、その穂先が赤く染まっていて、同時に皇国歩兵の一人が崩れ落ちた。

 

「空間魔法か!」

 

 シャロが戦闘訓練の授業中に質の悪い貴族に絡まれた時にみたことがある。

 シャロが手に持った木剣を、離れた位置から何もない空間に突き出すと、相手の男子生徒が股間を抑えて倒れたのだ。

 恐らく同じ魔法を使用して離れた位置から、鎧の内側に穂先を転移させて攻撃しているのだろう。

 恐ろしいまでの空間認識能力だ。

 離れた位置にいる皇国兵の鎧の内側に、動きながらピンポイントで空間をつなげるゲートを作り出すなど、恐らくシャロでもできないだろう。

 

 黒い騎兵は歩兵と衝突するまでの間、3度ランスを突き出した。

 王国兵は黒い騎兵が動いた数だけ崩れ落ちる。

 倒れた4人の皇国歩兵は王国騎馬兵の正面に位置する4人だ。

 王国騎馬兵はその戦列に空いた穴に突撃を仕掛けると、みるみるまに皇国歩兵の隊列を引き裂いていて深く浸透していく。

 皇国歩兵も魔法をぶつけ、槍で馬を狙うが、全くその勢いが衰える気配を見せず、ついに皇国歩兵の壁を抜け出した。

 

『近づけさせるな!撃て!』

 

 荷馬車に乗って退却する魔法兵に迎撃の命令が下った。

 僕は炎の玉を作り出すと王国騎兵に投げつける。

 荷馬車に乗せられた魔法兵は移動砲台となって近づく王国騎馬兵を攻撃する。

 

 だがやはり止まらない。

 

 こちらは目標が動き、足場が揺れ続ける状況のため、魔法の命中率が著しく落ちている。

 魔法攻撃が当たるかと思えば盾で防がれ、馬に当たりそうな攻撃は手に持ったランスを突き出して受け止めてしまう。

 黒い騎兵だけでなく、他の騎兵までそんな技をやってのける。

 凄まじい練度だ。

 

 馬に人を乗せた荷馬車を引かせるこちらに対し、向こうは重武装とはいえ乗せているのは一人だ。速度の差は明白で、見る見る間に差を詰めてくる。

 ついには王国騎馬兵が追いつき、魔法兵を左右に分かれながら追い越してしまった。

 どうやら頭を押さえるつもりのようだ。

 

 黒い騎兵がまた何もない空間に槍を突き出すと、先頭を走る荷馬車引く馬が血を吐いて倒れる。

 馬が倒れても、兵を乗せた荷馬車は急には止まれない。

 荷馬車は馬に乗り上げ、乗っていた兵が空に投げ出されてしまう。

 横転した荷馬車に後続の荷馬車がぶつかって次々横転していく。

 それを避けようにも左右は騎馬兵に抑えられているため、避けることもできない。

 

 僕の乗っている荷馬車も避けきれずに、横転した荷馬車にぶつかって、僕の体が宙に投げ出されてしまった。

 僕は頭上に地面があることを認識し、なんとか体をひねって足から着地する。

 

『止まれ!』

 

 たまらず皇国魔法兵を乗せた荷馬車に停止命令が出る。

 完全に相手の術中にはまってしまった。

 足を止めた魔法兵の周りを騎馬兵がぐるぐると走り続け、外側から手に持ったランスで僕達を磨り潰してくる。

 

『壁を作れ!土魔法が使えない者は荷車を盾にしろ!』

 

 魔法兵が荷車や地面を隆起させて壁を作り、その陰から火炎魔法で騎兵を攻撃する。

 僕もみんなと同じように荷馬車を起こして盾にし、ファイアボールを騎兵へ放つ。

 至近距離から放たれたファイアボールは、流石の王国騎兵も槍で受け止めることができず、馬の体を火だるまにする。

 

 血の匂いと肉の焼ける臭いが僕の鼻を刺激する。

 僕が戦争に参加して4日目、殺意を直接向けられるのは初めての経験だった。

 

(これが戦いか……)

 

 凄まじい。

 なんとしてでも僕達を殺そうという強い意志を感じる。

 王国重装騎馬隊が発する圧力は、それだけで多くの兵の戦意を折ってしまうのではないか。

 そう思わせるほどの圧力だ。 

 

(これは……何とか持つか?)

 

 今はなんとか時間稼ぎは出来ている。

 もう少しすれば置いてきた随伴歩兵や、こちら側の騎馬隊が助けに来るだろう。

 

『持ちこたえろ!助けがぇほっ……』

『隊長!』

 

 味方を鼓舞しようとした隊長が、黒い騎兵の空間魔法の餌食になってしまった。

 隊長の姿は見えないが、恐らく声を上げたことで目をつけられてやられたのだろう。

 

 隊長がやられ、皆が躍起になって黒い騎兵にファイアボールをぶつけようとしても、全て空中で消え去ってしまう。

 

 ふと妙に気になって横を見る。

 少し離れた位置に腹に穴の開いた兵士が倒れている。

 スティーブだ。

 

 ピクリとも動かない彼は、あの僕を娼婦の元へ連れて行こうとした夜から、毎夜一緒に食事を取っていた。

 彼は面倒見がいい性格らしく、新兵である僕を何かと気遣ってくれて、精神的に非常に助けられた。

  

『うああああ!』

 

 魔法兵の叫び声と共に何かが崩れ落ちる音が聞こえた。

 そちらの方を見るとバリケードにしていた荷車が真っ二つに切断され、王国騎兵が雪崩こんできた。

 勿論、僕たち魔法兵に混じって護衛のための騎兵もいる。

 だが、装備、練度、数全てが負けている。

 一方的な蹂躙が始まった。

 

 僕はバリケードの外から突いてくるランスを避けるため、屈めていた膝を伸ばして真っ直ぐ立つ。

 僕はこの戦場に来て初めて腰の剣を抜くと、王国騎兵が僕にランスを向けて迫ってくる。

 

 恐らく、今、部隊の皆は僕と同じことを考えている。

 

 勝てない。

 早く助けてくれ。

 次は僕が死ぬかも?

 死んだのが僕じゃなくてよかった。

 

 今、僕たちの命は自分のものではない、全ては相手に握られているのだ。

 自分の意志などこの場では無価値。

 僕たちは殺されるのを待つだけの存在。

 

 ただ、僕にはそれが酷く腹立たしい。

 

 腰に下げた水筒の蓋を開け、腰に下げた袋の中身の粉を剣で切り裂いてぶちまける。

 自分の筋肉や脂肪に貯蔵されているマナを血液に乗せて手に集め、 手に持った剣に刻まれた魔法陣に流し込む。

 すると水筒から水が噴き出し、袋からぶちまけられた粉を拾い集めるように意志を持って動いて剣を覆うように纏わりついた。

 

 水に覆われ、一回り以上長くなった剣を水平に構える。

 王国騎兵のランスが僕の喉を貫くまで相対速度を考えるとあと三歩。

 

 僕は一歩踏み込み、姿勢を低くする。

 僕は二歩目を踏み込み、剣を振り上げて、ランスに下から掬うように合わせる。

 僕は三歩目を踏み込むと、体を反転させ、更に姿勢を低くし、剣でランスをかち上げながら下に潜り込んだ。

 

 一歩目の時、相手のランスが僕に合わせて下を向く。

 二歩目の時、相手はランスを反らそうとする僕の剣を力尽くで押し込もうとする。

 三歩目の時、相手はランスを僕に反らされ、僕を見失った。

 

 僕はスローモーションで流れる世界の中で、ランスを退け、隣を通り過ぎる騎兵を反転した体で正面に捉えていた。

 僕はランスを反らすために頭上に掲げていた剣に纏った水をさらに伸ばしながら、袈裟切りに振ると、水でできた剣が王国騎兵の鎧を撫でた。

 

 王国騎兵は何事もなかったかのように走り去っていく。

 この水の剣では王国騎兵の鎧は傷一つついていない。

 当然だ、水で切ったところでケガする生き物などいない。

 王国騎兵は走る勢いのまま、別の皇国魔法兵へランスを突き出そうとする。

 

 だが異変に気付いたのだろう、騎兵は下を向いて今僕が水の剣で撫でたあたりの鎧を見た。

 鎧には背中からぐるっと水が一本の輪となって巻き付いて、凄まじい速度で循環している。

 鎧からはギイイ!という耳障りな金属音が鳴り、騎兵は慌てたように手で水を払おうとするが、その手にも水がまとわりつき、指をあっという間に切断する。

 

 騎兵は自分の手があったはずの位置から血が噴き出すのを呆けたように観察すると、鎧からも血が噴き出た。

 

「やめっ!」

 

 騎兵は振り向き、僕に声を出そうとするが、言い終わないうちに体が真っ二つになってしまった。

 

 僕は走り出した。

 皇国魔法兵を殺そうとしている騎兵に、3mまで伸ばした水の剣で撫でる。

 僕は相手がどうなったか確認せず、そのまま走り続け次々と撫でていく。

 よけようとした相手もいたが、その時は更に水の剣を伸ばし絶対に逃がさなかった。

 僕が水の剣で撫でた数は14人、その全てが遅れて胴体から血を拭き出した。

 

 ランスで僕を牽制しながら騎兵が僕を取り囲んできた。

 その数5人、だが僕の水の剣の前にはそれは悪手だ。

 僕は水の剣を水平に振るって一回転する。

 水の剣は騎兵に当たっても抵抗なくそのまま振るうことができ、その騎兵に纏わりついて水がすくなくなるも、既に十分な量の水を空気中から集めているので問題ない。

 

 結果、僕を囲んでいた5人は仲良く胴体から血を吹き出し、僕の体に血のシャワーを浴びせる。

 

 そうしてやっと騎兵たちが僕の方を見た。

 

「なんなんだお前は……!」

 

「俺の名前はレイ、レイ=スコット。覚えろ、そして広めろ!このシャズート皇国の戦士の名を!」

 

 僕は叫ぶ。

 自分の名を。

 僕は逆らう。

 僕の命は僕の物だ。

 

 この命、お前たちなどに好きにできるほど安くはないぞ。

  



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12話 黒騎士(エロ無し)

 王国軍に名乗りを上げた瞬間、マナが僕の周りに集まるのを察知した。

 咄嗟に膝を曲げ、体を倒して姿勢を低くすると頭上に死の気配がする。

 まだ終わりではない、姿勢を低くした僕の顔の目と鼻の先にマナが集まると、鋭い銀色の棘が空中から突如現れた。

 

 僕の体は、未だにマナの収束を回避した時の慣性に従って下に向かおうとしている。

 慣性に逆らい、無理やり左肩を後ろにそらし、頭を右方向に限界までのけぞらせる。

 腹斜筋、脊柱起立筋、腹直筋、大殿筋、その他多数の筋肉を切れる寸前まで動員してようやくの回避。

 銀色の棘は僕の頭を頬をバックリと割って通り過ぎていく。

 

 僕は右手を地面について右方向に飛びのいて態勢を立て直した。

 攻撃された方を見ると、僕の後ろにあった荷車が真っ二つになっており、銀色の棘が何もない空間に戻っていく。

 これは空間魔法による攻撃だ、となると相手は一人。

 

「今のを避けるか」

 

 僕は真っすぐに立ち上がり、後ろを振り向く。

 そこにはやはり例の黒い騎兵。

 そいつは一切素肌を見せない全身鎧を真っ黒に塗装し、その乗っている巨大な馬までもが黒い。違うのは手に持った馬上で扱うための鈍い銀色を赤く染めた長大なランスのみだ。

 

 目の前にして改めてわかる。

 こいつは強いと。

 

 遠くからでもプレッシャーを感じる程なのだ、いざ相対してみるとその凄まじいプレッシャーで、黒い騎兵の体が実際の何倍も大きく感じる。

 僕は震えそうになる体を押さえ、虚勢を張る。 

 

「この騎馬隊の指揮官とお見受けする。貴方の名は?」

 

 僕の口から出るのは、まるで吟遊詩人が歌う物語のような語り口。

 こんな話し方、実際にするわけがないと思っていた。

 だが今ならこの語り口の意味が分かる。

 

 この仰々しい語り口は己を強く見せるのだ。

 強く見せる相手は勿論敵に対してだろう。

 だがそれだけではない、自分自身で、自分を騙し虚勢を張るため。

 そして、僕を縋るような目で見る味方の兵を鼓舞するためだ。

 

 僕は平民で、この部隊での身分は最も低くて期待などされていなかった。

 だけど今は違う。

 圧倒的な蹂躙者である王国騎馬隊を一人で15人殺した僕は、この状況を打破できる唯一の希望なのだ。

 誰かがそう言ったわけではない、だけど皇国魔法兵の縋る目が、王国騎馬兵の怯える目が、僕に虚勢を張れと言っているのだ。

 

「いかにも、私の名はジェイル=アブサロン、お前たちが黒騎士と呼ぶものにして、アステリア王国軍を率いる将軍。

 お前はレイ=スコットと言ったか。私の魔法を避けたのはお前が初めてだ。

 その名、しっかりと私の胸に刻んでおこう。」

 

 将軍だと?

 この恐ろしい男が?

 確かにそれだけの才覚があるのはわかるが、将軍がこんな前線まで出てくるのだろうか。

 そんな疑問が浮かぶが、抑えていた恐怖で震えそうな体は、いつの間にか武者震いとなって体を揺らし始める。

 

「ジェイル=アブサロン、貴方に決闘を申し込む」

 

 同じ戦士として何となくわかる。

 こいつは今の名乗りに誇りを持ち、誇りをかけた以上嘘をついていない。

 これはチャンスだ。

 今こいつを討てばこの戦争を終わらせることができるのだ。

 格上だろうが関係ない、こいつをここで逃がすわけにはいかない。

 そもそも英雄となろうとしていたのだ、戦う予定が少し早まっただけの事。

 

「受けて立つ」

「感謝する」

 

 いつの間にか王国重装騎馬隊の蹂躙は止っていた。

 皇国魔法兵も王国重装騎馬隊も僕たち二人を見ている。

 ここにいる全員が理解しているのだ、この戦争の行方がこの決闘によって決まることを。

 

 僕は剣を横に、黒騎士はランスを正面に構え、全身のマナを活性化させる。

 僕の活性化した体内のマナに反応して、大気中に漂うマナが僕のマナの色である水色に変質する。

 対して黒騎士の周りに漂うマナの光の色は黒だ。

 

 お互い、武器のリーチは未知数。

 その上、命中すれば金属鎧など簡単に切り裂ける魔法を持っている。

 故に勝負は一瞬だろう。

 

 僕は覚悟を決め、ジャリッと地面を踏みしめ、黒騎士とにらみ合う。

 僕と黒騎士の水色と黒のマナが反発しあい、バチバチと音を立てて弾けた。

 黒騎士の殺気が高まっていく、勝負の時が近い。

 だが、フッと黒騎士の圧力が消える。

 

「水入りだ。この勝負は預ける。」

「なっ?!」

 

 黒騎士が馬を反転させて走り出す。

 

「撤退だ!」

「待て!」

 

 僕は撤退の命令を出しながら背を向けて逃げようとしている黒騎士に、水の剣を伸ばして斬りつける。

 だがあらゆるものを両断する僕の魔法は、空中で見えない壁に阻まれ、黒騎士には届かなかった。

 

「レイ=スコット、再び戦場で相まみえる時を楽しみにしているぞ」

 

 黒騎士は王国重装騎馬隊を率いてバリケードの外側へ抜け出した。

 馬に乗っていない僕にはもう追いつけないだろう。

 黒騎士達の後姿を見つめていると程なくして味方の援軍が到着した。

 

 それはつまり、僕との決闘が始まっても、バリケードの外から接近する皇国軍の存在に注意を払っていたという事。

 僕は黒騎士以外の存在を認識から外して黒騎士の身に集中していた。

 そうでもしないと一瞬で殺されると感じたからだ。

 だが、奴はそうではなかった。

 

 もしあのまま続けていれば僕はどうなっていたのだろうか。

 今更になって僕の心を乗り越えたはずの恐怖が襲った。



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13話 俺の覚悟

 戦いを生き残った。

 あの絶望的な状況をよく生き残れたものだ。

 本当の生きるか死ぬかの戦いだった。

 多くの兵が死に、一歩間違えれば僕も死んでいた。

 余りの出来事に、もしかしたら既に僕は死んでいて、ここは死後の世界なんじゃないかとさえ思う。

 

 戦っている間は気にならなかった黒騎士につけられた頬の傷がジクジクと痛む。

 皮肉なことに、僕に生命の危機を感じさせたその傷が、生きているという実感として感じられた。

 

 昼間の活躍を魔法隊の戦友達が良くやったと讃えてくれた。

 曰く、

 よくやってくれた。

 命の恩人だ。

 なんでそんなに強いのに黙ってたんだ。

 

 などなど、貴族ばかりの部隊において、昨日まで目立たなかった僕が今日は注目の的だ。

 この部隊に所属する者は皆、自分達がこの部隊に所属して国を守る事を誇りに思っていて、平民である僕にも、同じ部隊の仲間として対等に接してくれる。

 

 この部隊にはシャロの父、フィリップが土壇場でねじ込んでくれたのだが、本当にいい部隊に入れてくれたものだ。

 

 だが、お陰で皆が酒を飲ませようとしてくる。

 僕はまだ明日も戦いがあるというと言ってなんとか逃げる事ができたが、本当の問題はその後だった。

 

「ほら、行くぞ。今日は俺のおごりだ」

「いやいや!行きませんって!」

「遠慮すんなって。あれだけの戦いをしたんだ。女が欲しくて堪らないんじゃないか?」

「僕には心に決めた人がいるんです!」

 

 そう言って女を抱かせようとする部隊員から逃げだして、自分のテントに戻ると僕は一人横になる。

 ここには他に3人が一緒に寝ていたのだが、二人とも今日の戦いで命を落としてしまったらしい。

 

「女か……」

 

 今までのような、遠くから魔法をぶつける様な戦いではなく、本当の命のやり取りを経験した僕の体が死ぬ前に女を犯せと喚いている。

 戦いの後は女を見ただけでペニスが硬くなって仕方がない。

 数日とはいえ共に寝食を共にした仲間が死んだのに、僕は悲しいはずなのに、仲間の死を思えば思う程自分の死を強くイメージして、性欲が高まってしまう。

 

 仲間が死んで、僕じゃなくてよかったと思ってしまう自分の浅ましさに嫌気がさす。

 

 不安、恐怖、性欲、色んな感情が混ざり合って何が本当の気持ちなのかがわからなくなって来た。

 仲間達の喧騒から離れ、テントに一人きりなると考えないようにしていた事を意識してしまう。

 

 駄目だ、眠れそうにない。

 目を瞑っても眠れず、僕はテントの外へ出た。

 向かうのは森の茂みの方だ。

 

 怖くて

 寂くて

 恋しくて

 

 僕はシャロのオナホを取り出す。

 

 シャロに会いたくて会いたくて堪らない。

 少しでもシャロを感じたい、その一心でオナホを彼女と繋ぐ。

 可愛らしくピチッと閉じた割れ目かピクリと震えて生気が宿る。

 

 体が火照り、心臓が激しく脈打つ。

 心臓が激しく動いて送り込まれる血液は、ペニスに集中して既にズボンを持ち上げたペニスをより硬くさせる。

 

 僕はそっと割れ目に指を添える。

 柔らかい……

 シャロの盛り上がったおまんこは、僕の指のなすがままに形を変形させ、グニュっと歪な形になった割れ目から、サーモン色の肉が顔を覗かせる。

 

 シャロのこの色は未だ誰も見た事のないはずの色だ。

 王族の血を引く公爵家の令嬢の秘部の色。

 それを僕だけが知っているかと思うとそれだけで我慢汁がダラダラと溢れてくる。

 

「見るだけだ……入れるわけじゃない……だから……大丈夫……」

 

 自分にそう言い聞かせながら、ツバを飲み込むと、割れ目に添えた指をぐっと開く。

 色は広がると、男を誘う花となり蜜がごぽりと溢れた。

 

 頭がカッとなった。

 割り開かれた穴は小さいが、パクパクと蠢いていて粘液が次々と溢れてくる。

 シャロの秘部を割り開いた瞬間、ムアっと広がった蜜の匂いが脳を痺れさせていく。

 

 僕は鼻息を荒くしながら、穴の中を覗き込むと白っぽい三日月の穴があいた膜が見えた。

 処女膜だ。

 僕が破るためにあるシャロの処女膜。

 これは僕の物だ。

 

 そう思ったときにはシャロの秘部にむしゃぶりついていた。

 愛撫でもなんでもない、ただシャロのおまんこを味わうだけの行為。

 広げた割れ目に、唇をぶちゅっとつけて蜜を吸い上げる。

 

 シャロのおまんこはぐぽぐぽと収縮して、蜜をこんこんと出し続ける。

 僕は夢中になってその蜜を舐めて、吸って、飲み込んだ。

 

 決して美味いわけではない。

 だが、男を狂わせる味だ。

 僕は何度も何度もシャロの愛液を飲み込んだ。

 そろそろやめようと思ってもあともう一回、あともう一回と欲しくなってしまう。

 

 穴の中に舌を差し込むと、蜜の味が舌を包む。

 割れ目を広げていた指を離すと、割れ目がピタッと閉じようとして僕の舌を挟み込む。

 閉じられた膣のなかに入れた舌は、中で蠕く穴にもみくちゃにされる。

 

 まるで僕の舌を子宮の中に迎え入れようとしているかのような動きだ。

 シャロのおまんこは視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚、全てで僕を喜ばしてくれる。

 

 割れ目を花開かせれば男を誘う匂いが漂い、

 舌を圧迫する膣壁が僕の舌を気持ち良くし、

 蠕く穴がぐぽぐぽという音が僕の中に響いて、

 舌の上に次々と載せられる愛液体が蜜となって、僕を奥へと誘う。

 

 割れ目の形も膣のヒダの一本も処女膜の穴の形状も全てを舐めあげた僕は、完全にシャロのおまんこの魔性の魅力に駄目にされてしまった。

 

 僕はズボンを脱ぎ捨て、ペニスを取り出すと、シャロのピチッと閉じた無毛の幼いおまんこの中に一気に差し込んだ。

 

「あ…あぁ……」

 びゅるるるる!

 

 頭が真っ白になる。

 割れ目を無理矢理押し開いて侵入した穴は、これまで受けてきたどんな快楽をも越える快楽を僕に与えた。

 

 何十というヒダが、僕のペニスに吸い付きながらゾリゾリと擦りあげ、ブチっと処女膜を突き破る。

 直ぐに奥の子宮に到達するも、まだペニスは全部入りきっていなかったため、無理矢理押し込んでいった。

 

 するとどうだ、子宮が僕のペニスの亀頭に吸い付いてくるではないか。

 全てを迎え入れたシャロのおまんこは僕のペニスを美味しそうに味わってくる。

 

 僕は精液が吸い取られる様な錯覚を覚えながら、本能に従い出来るだけ子宮を潰して射精した。

 

 まるで何千というミミズに貪られているような感覚。

 他の女を知らないけどわかる。

 これは恐ろしいまでの名器だ。

 動いてないのに何千というミミズが這い回るような快感。

 僕のペニスは一瞬で硬さを取り戻した。

 

 英雄になるまでは手を出すまいと思っていたはずなのに、今ではなんでそんな事にこだわっていたのだろうかと思う。

 こんなに気持ちいい事を今まで避けてきたなんて本当に僕が馬鹿だった。

 おまんこオナホをゆっくりと持上げると、ペニスのエラにヒダが一本一本引っかかる上、全てのヒダが意思を持っているかのように蠢いている。

 

「シャロ……」

 

 抜けそうになるまで持ち上げたオナホを、一気に恥骨にぶつける。

 頭が真っ白になるほど気持ちいい。

 駄目だ、またすぐに出てしまう。

 

 僕は二度目にも関わらず、入れただけで出しそうになるが、この快感を少しでも味わいたいがためにぐっとこらえておまんこを上下させる。

 

 ペニスがおまんこを突く度におまんこがギュッと締め付けてくれる。

 動かさなくても確実に僕はこのおまんこにに射精させられていただろう。

 

 僕が我慢できるのは精々5秒程度、せめてこの間だけでも気持ち良くなるため、僕はシャロの処女まんこを激しく上下させる。

 

 ずちゅ!ずちゅ!ずちゅ!ずちゅ!

 

 もし僕達が身分の差がなく、こんな戦争がなければ一体どんな初体験を迎えたのだろうか。

 

 シャロは裸でベッドに膝を抱えながら寝そべっている。

 顔は手で顔を隠していて、首筋や耳が真っ赤だ。

 僕もベッドを軋ませながら膝を乗せるとシャロの体がぎゅっと固くなる。

 僕はぎゅっと閉じている膝に手を置き、ぐっと左右に開く。

 

「いやぁ……」

「シャロ…とっても綺麗だよ」

 

 開かれた股の間から綺麗な無毛のおまんこが顔を見せた。

 恥ずかしさと期待で既に濡れており、ベッドに水たまりを作っている。

 

くちっ……

 

 僕はペニスをおまんこの穴に狙いを定める。

 亀頭で感じるおまんこは信じられない程柔らかく、当てているだけの僕のペニスで割れ目の形を変えてしまっている。

 

「いい?」

 

 僕がシャロに許可を求める。

 普段のシャロなら

 

「勝手にすれば?」

「いいにきまってんでしょ?」

「さっさとしなさい!」

 

 とでも言いそうなものだ。

 だけど案外恥ずかしがり屋の彼女は、何も言わずにこくっと頷く。

 

「…っ!い…たぁ…い……」

 

 ペニスはシャロの中にゆっくりと侵入していく。

 初めておまんこに入る異物にシャロは苦悶の声を上げるが、僕は止まらない。

 ぶちぶちという音がペニスに響いた。

 

「う…ぅう…もう入った?」

「まだ半分だよ。頑張って」

「うん…私頑張る……」

 

 ぬちち…づちゅ……

 

 ついに僕のペニスが全て入った。

 

「ほら…顔見せて」

「あっやっ!」

 

 僕は顔を隠すシャロの手を掴む。

 シャロはそれに可愛らしい声を上げながら抵抗するが、女の力では僕の手を止める事はできない。

 無理やり開かせた彼女の顔は、涙を流しているが、同時に切なそうで、どうしようもなく僕を求めている顔でとても美しい顔だった。

 

 僕の胸に愛おしさがこみ上げてくる。

 シャロの背中と頭に腕を回してギュッと抱きしめると腰動かす。

 ずちゅっずちゅっとリズミカルに彼女の中を犯していく。

 腕の中にすっぽり納まったシャロが、僕の背に手を回し足を腰に絡ませてくる。

 

「ふっ…くぅ…ふっ…くぅん♡……」

 

 次第に僕の腰が速くなっていき、今ではバチンバチンと腰を打ち付けるようにシャロを犯している。

 シャロの中があまりにも気持ちよすぎて加減などできなくなってしまった。

 

「出すよっ…シャロ!」

「うん…はん♡…いいよ……」

 

 僕は奥にペニスを差し込むと射精を始めた。

 精液がシャロの子宮にびちゃびちゃとかかり、僕は射精しながらもぐりぐりと子宮をペニスでえぐる。

 シャロの僕にぎゅっと目をつぶりながら足と手で抱き着いてくる。

 シャロのそんな普段と違ういじらしい姿に、胸がいっぱいになる。

 僕はできるだけの愛を込めてシャロに口づけをした。

 

 オナホの中でびゅーびゅーと射精している。

 精液を食らうように貪欲に動くシャロのオナホおまんこの前に、信じられない量が出たにもかかわらず、まったく衰える様子がない。

 それも当然か、いつもよりはるかに量が出ているとはいえ、毎日シャロに搾精されて鍛えられてきたのだ。

 二回程度で収まるはずがない。

 

 

 もし、今の関係のまま、戦争が起こらず、シャロが僕に遠回しのアプローチを続けていたらどうなっていただろうか。

 きっと僕はいつか我慢の限界を迎えていたと思う。

 

 シャロとのオナニー報告会は次第にエスカレートしていき、直接僕がオナニーを見せる会になっていた。

 おっぱいを使わせてくれた時のように、おかずは生のシャロ自身で、今日はスカートをまくり上げて黒のパンツを見せつけてきている。

 

 尻の肉に食い込んだパンツが彼女の柔らかさを伝えてくる。

 彼女の体はどこもかしこも柔らかそうで、どんな場所でも射精するのに適した体をしている。

 でももう少し奥まで見たい。

 あの時のようにおまんこを直接見たい。

 あの日以来、下着程度では満足できなくなってしまい、生の迫力を体験したせいで写真では物足らなくなってしまったのだ。

 

「シャロ…お願い…もっと見せて……!」

「これ以上は駄目、我慢しなさい」

 

 僕は仕方がなく、ペニスを握る。

 物足らないとは言ったが、既にペニスはギンギンになってしまっている。

 僕のペニスは、シャロと二人きりになっただけで硬くしてしまうほどに調教されてしまったようだ。

 

「じゃあ…いくよ……」

 

 僕の自慰が始まり、シャロはパンツを見せたまま椅子に座る。

 シャロのパンツを穴が開くほど見つめるが、シャロは決してその奥を見せてくれない。

 

(あの時は見せてくれたのに!)

 

 おまんこを見せてくれない苛立ちをぶつけるようにペニスをしごく。

 シャロの黒いパンツはよく見ると変色している。

 シャロだって興奮しているのになんで見せてくれないんだろう。

 一体何がしたいんだ。

 

「なんだか必死で可哀そうだから……少し手伝ってあげる」

「うっ……」

 

 シャロはそういうと椅子に座ったまま片足を伸ばし、ピンとつま先で僕のペニスを蹴り上げた。

 僕は不覚にもその衝撃であっさりと射精を始めてしまった。

 シャロの白い足と黒い下着が僕の精液で汚れていく。

 

「あーあ、もう出ちゃったんだ」

「この……っ!」

「きゃ!」

 

 僕は馬鹿にするようなシャロの態度にカッ頭に血が上った。

 椅子に座るシャロの肩を掴むと、僕を見るシャロの目が急に不安気な色になる。

 僕は構わずシャロをベッドにお尻だけを持ち上げたうつ伏せに引き倒した。

 

「レイ!やめなさい!」

「うるさい!お前が悪いんだろ!」

 

 僕は文句を言おうとするシャロの頭をベッドに押さえつけ、パンツの中に手を突っ込む。

 シャロのおまんこは既にぐちょぐちょに濡れており、ひどく熱を持っている。

 

「濡れてるじゃないか、やっぱりこうなることを待ってたんだろ?」

「……ぅぅ…」

 

 シャロは否定も肯定もせず、ベッドに自分から顔をうずめるのみ。

 僕はそれを肯定と取り、パンツを横にずらした。

 現れたおまんこからメスのフェロモンが溢れ出る。

 僕はそのフェロモンに我を失うと、容赦なくペニスをシャロのおまんこにねじ込んだ。

 

「ふぐっ!あう……」

 

 シャロがベッドのシーツをギュッと握りしめて耐えている。

 僕は痛がるシャロに我に返りかけるが、おまんこが急に動き出し、ペニスを気持ちよくしてきた。

 シャロの中は天国だった。

 僕は戻りかけていた理性が一瞬で吹っ飛び、再び獣になる。

 

 シャロの突き上げた腰を掴み、容赦なく腰を打ち付ける。

 部屋には荒い息と、肌を打つ乾いた音、そして必死に声を抑えようとするが、膣を穿たれるたびに漏れるシャロの声が響く。

 

 ぱん!ぱん!ぱん!ぱん!

「うっうっくぅ……」

 

 シャロは人差し指を噛んで必死に声を押し殺している。

 その様子もまた僕の理性を奪ってしまう。

 

「くっ…そろそろ出すぞ!中にだ!いいんだな?!」

「……黙って…だし…たら……?」

 

 僕はシャロの頭を押さえつけながら、片手でシャロの尻をぎゅっと掴みペニスを奥に入れる。

 びゅーびゅーと精液がシャロの中に注ぎ込まれ、あまりの気持ちよさに僕は口をだらしなく開け、放心状態になってしまう。

 シャロのおまんこは精液を搾り取るのに非常に適した形をしているようで、まるでバキュームフェラをされているかのような吸いつきをしてくる。

 

 指の形にひしゃげた尻をぐっと押し出すと、シャロが力なくベッドに倒れた。

 シャロのおまんこから白と赤が混じった液体が漏れ、尻には僕の手形がくっきりとついている。

 普段の制服を着たまま、スカートをまくり上げられ、パンツだけを横にずらして精液を漏らす、その様は僕を再びその気にさせる。

 

 僕はシャロをひっくり返し、次は正常位でシャロを犯そうとすると、シャロが涙を流しながらキッ!と強い視線で僕を睨みつける。

 

「キスぐらいしてよ!バカ!」

 

 

 

 何回シャロのおまんこで射精しただろうか?

 夢中で何度もシャロのオナホおまんこでセックスをしてしまった。

 数も数えられない程、シャロの中に抜かずに出したことで、冷静さを取り戻した。

 

「僕…なんてことを……」

 

 今も僕のペニスにぎゅっと纏わりついてくるシャロのおまんこの感触が僕が何をしたかを突き付けてくる。

 まだ何もなしていないのに、約束したのに、欲望のままシャロとセックスしてしまった。

 僕はずぽっとオナホをペニスから引き抜く。

 シャロのオナホおまんこは、僕の妄想と違い、ペニスが抜けた後もぴちっと閉じてしまい、僕の大量の精液が決して外に漏らさない。

 

 ためしに閉じた割れ目を指で開いてみる。

 すると中からぶぴゅっ♡と大量の精液が地面に落ちた。

 

 その精液と精液に混じった破瓜の血を見ると、お前はこれだけの種付けを後先考えずにしたんだと突き付けられているようだ。

 それに破瓜の血……

 当然だが、シャロは初めてだったのだ。

 それをこんなに激しく何度も容赦なくペニスを突き入れるなんて、一体シャロにどれだけの負担をかけたのだろうか。

 

 僕の胸に後悔と反省の念が渦巻く。

 

「フィリップさんと約束したのに……

 あれだけ大見得きって…結局性欲に流されるなんて……」

 

 僕は頭を抱えて座り込む。

 本当に情けない。

 英雄になるといったくせに自分が死ぬかどうかとかばっかり考えていたのだ。

 約束を違え、ビッグマウスの癖にへたれるなんて恥ずかしくて死にたくなる。

 僕は「はあ…」と深いため息をつく。

 

「……でもこれで後には引けなくなった」

 

 胸には後悔と反省の念はある。

 だけど恐怖は不思議と消えていた。

 

 シャロは処女を失った以上、誰にも嫁ぐ事ができなくなった。

 でも、そんなの最初から僕が貰うつもりだったじゃないか。

 シャロが僕が死ねば自分も死ぬと言っていた。

 最初から僕には死ぬという選択肢はなかったのだ。

 

 思うところはあるが、覚悟は決まった。

 僕には愛する妻と、もしかしたら子供ができてしまったかもしれないのだ。

 なんとしてでも生きて帰らなければならない。

 

「待ってろよ…俺は生きて帰る」

 

 俺はこの日、ようやく本当の覚悟を決めた。



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14話 英雄部隊

 初体験を終えた次の日、俺は上官に直談判して別部隊への配置換えを願った。

 上官も俺の戦いぶりを見て、その方が戦果を上げられると判断してくれたようで、後ろ盾も効いたのか直ぐに部隊を変えてくれた。

 

 俺の新しい部隊は一般歩兵部隊。いわゆる雑兵へとなった。

 なぜわざわざ魔法部隊から格下げともいえる歩兵部隊への配置換えを願ったか。

 

 その理由は単純、一番槍を貰うためだ。

 

 俺は堅牢な鎧と大盾を隙間なく構える敵の重装歩兵部隊へ駆け寄る。

 敵の重装歩兵部隊は長さ3mの槍を構え、まるでハリネズミの様だ。

 その攻守一体の陣形は敵の接近を一切許さない要塞と化している。

 

 だが、俺には関係ない。

 

 俺は誰よりも早く、敵の槍衾の手前まで辿り着くと、横に構えた水の剣を5()m()まで伸ばした。

 その水の剣を横凪に振るうと、重装歩兵の槍の間合いの外から一方的に盾を斬りつける。

 

 水の剣で大盾を斬りつけられた重装歩兵は戸惑っているのがわかる。

 わざわざ殺傷力の無い水で攻撃してきたのだ。案の定、構える大盾に衝撃がほとんど無く、俺が何をしたかったのか分からないのだろう。

 

 だが直ぐに彼等は自分の大盾の様子がおかしいことに気付いた。

 水の剣で斬られた場所に、そのまま水が纏わりつき、その水が大盾の裏側まで伸びて大盾を一周した。

 

 ギィィ!と耳障りな金属音がその水から鳴り響く。

 重装歩兵は音を聞いて、大盾を振って纏わりつく水を払おうとするが、数秒後には大盾は真っ二つとなった。

 

 

 元々、俺のマナは戦うのに不向きな水魔法への親和性が高かった。

 戦い向きである炎魔法への適正は、平均より少し下くらいで、剣術のみでは戦闘力で勝ち取った特待生の座を奪われるのは時間の問題であった。

 

 そこでシャロと共に開発したのがこの魔法である。

 

 俺の使う剣の刀身に刻まれた循環、固定、収集の魔法陣。

 3つの魔法陣を緻密で複雑に組み合わせて起こる現象は、水を刀身に集め、剣の形に固定し、高速で循環させるというもの。

 

 だが水だけでは当然、斬鉄には至らない。

 ではどうやって斬鉄を可能にするか。

 それは鉄の粉末を水に混ぜることで可能にした。

 

 鉄の粉末を混ぜた水を纏わりつかせ、高速な水流を発生させて、鉄の粉末で目標の表面を削り取る。

 

 この魔法は理論上、研磨粉とする粉末の材質次第ではどんな物でも切断する事ができる。

 

 結果、僕の水の魔法は、間合いが変幻自在、重量が同じ長さの剣の約8分の1、防御不可の斬鉄剣となった。

 

 その効果は、一振りで10人の大盾を切断し、返す刀でその10人の鎧に包まれた胴体を真っ二つにする程度。

 

 鉄壁を誇った重装歩兵のファランクスの陣形に大穴が空く。

 俺はそのまま大穴に飛び込んで、後ろに隠れていた一般歩兵をまた10人真っ二つにした。

 遅れて到着した味方が俺の後に続き、俺を先端とした楔が敵軍を深く抉り、穴を無理矢理広げていく。

 

『なんなんだよこいつは!』

『盾が真っ二つに!』

『やだ!やめろ!痛い!痛い!お母さん助け………』

 

 味方を殺された敵兵がガタガタと震えながら俺の事を化物のような目で見てくる。

 それも当然か、俺の魔法は、時間をかけて体を削り取られる苦痛を与えながら人を殺すのだ。

 明らかに人の道を踏み外している。

 

 だが俺は決して止まる事はない。

 

「俺の名はレイ=スコット!俺の剣は鉄を喰らう水剣!まだ喰われたい奴はいるか!」

 

 俺は吠えた。

 この名乗りは俺の慈悲でありエゴだ。

 

 慈悲とは、ここにいる俺は強いぞ。怖いぞと敵に知らしめ、俺の拷問のような魔法から逃げ出す時間を与える事。

 

 エゴとは、俺の名を戦場に少しでも広め、シャロと結婚するために利用させてもらうという事。

 

 俺は今日、どれだけの人を殺したのだろうか。

 人が俺の手で苦悶の声を上げながら死んでいく。

 その断末魔は人の命の重さを伝えてくるようで、俺の肩に重く乗しかかってくるが、

 

「シャロ程ではない」

 

 敵兵をまた6人程斬った。

 そのうち一人の兵士が、斬られながらも激痛に耐えて突撃してきたが、俺に剣を届かせる前に力尽きて崩れ落ちようとしていた。

 

 油断があったのだろう。俺の意識はその兵から外れ、その攻撃に気付くことができなかった。

 俺の胸に何かがぶつかる。

 

「なんだ?」

 

 俺は視線を下ろすと、背筋が凍った。

 俺の腹には、力尽きて崩れ落ちようとしていた兵士の腹を、突き破った槍が突き付けられていた。

 

「死ね!化けもっ……」

 

 崩れ落ちようとした兵の後ろに隠れて小柄な兵が、その瀕死の兵ごと槍で攻撃してきたのだ。

 俺は水の剣ではなく、それを纏うミスリル製の通常の刀身部分でその首を切り裂いた。

 

 どうやらシャロから貰ったペンダントが守りの魔法を発動したため助かったようだ。

 俺は、ふぅと深く息を吐いて頭を冷やす。

 少し冷静さを欠いていた。

 

 落ち着いた頭で辺りを見回すと、俺に近寄ろうとする敵兵はいなくなっていた。

 皆一様に恐怖で震え、俺が1歩歩くと相手は3歩後退る。

 その中で一人馬に乗った男が叫んでいるのが見えた。

 

「逃げるな!ここであいつを討たねば明日は友が死ぬぞ!」

 

 どうやらこの辺りの歩兵の指揮官のようだ。

 必死に逃げようとする兵の統率を取ろうとしている。だが兵の士気は低く動こうとしない。

 それを見た指揮官は覚悟決めたようだ。

 槍を持った指揮官が、歩兵の壁から抜け出て自らが先頭に立って突撃してきた。

 

「続け!」

 

 指揮官が先陣を切って馬を走らせるのを見て、怖気づいていた敵の歩兵が続いて走り出す。

 歩兵を引き連れた指揮官が、槍の表面に刻まれた魔法陣を光らせると、先端からファイアボールを撃ってきた。

 

 俺は左下段から水の剣を振り上げ、ファイアボールを迎え撃つ。

 人体を焼き尽くすための軍用魔法の高温にさらされた水の剣は、一瞬で沸点に達し、その体積を1700倍まで膨れ上がらせた。

 

 爆発音と共に出現した白い高温の蒸気の壁に敵兵がそのまま突っ込んでくる。

 いきなり出現した蒸気に突っ込んだ歩兵達は目と肌を焼かれ、咄嗟に立ち止まってしまうが、次々と後ろから歩兵が突っ込んできて、もみくちゃになりながら転倒する。

 

 蒸気の中から馬の勢いをそのままに、腕で顔を覆った指揮官が現れた。

 

 指揮官は馬上、手に持つは3mの槍、対する俺の剣は水を失い刃渡り60cmのミスリル製の軽い剣のみ。

 咄嗟に目を守った指揮官は、歴戦の戦士なのだろう。

 今までのような魔法の押し付けは封じられ、状況は圧倒的に不利。

 

「はあああ!」

 

 左手で突き出された槍の勢いはまさに豪槍。

 俺は左下段から振り上げた剣を右上段で構えたまま、槍の左正面へと向かう。

 突き出される豪槍は俺の脇の鎧と肉を僅かに削り取ると後ろに流れていった。

 

 今いる俺の立ち位置は、敵指揮官からみて右手側、つまり槍を持った手と反対側となる。

 俺は振り上げた剣を指揮官の鎧へと叩き込む。

 スローモーションで流れる世界の中で馬の勢いと、俺の全力の一撃を加えられた鎧が凹み、衝撃を加えられた指揮官は、落馬する。

 

 地面に叩きつけられた指揮官に俺は近づくと、声を上げる隙を与えぬまま首へ剣を突き立てた。

 

 

 

 

 

「はあ…はあ…シャロ…凄い……」

 

 イキりたったペニスをシャロのおまんこへ突き立てる。

 シャロのオナホまんこはすっかりと俺の形を覚え、ぶちゅっと音を立ててあっさりと俺のペニスを飲み込んでしまう。

 相変わらず子供のようなぴちっと閉じたおまんこだが、隠された穴はペニスをあっさりと飲み込み、その癖ペニスへぴちっと張り付いて奥へ奥へ吸込もうとしてくる。

 

 俺は震えるオナホまんこに付いたクリトリスを親指で潰してあげると、穴がきゅっと収縮し粘液が溢れてきた。

 包皮に包まれたクリトリスを指で剥いてあげると、外気にさらされたクリトリスが、期待に震え始めた。

 俺はその期待に答え、剥き出しのクリトリスをくりくりと回すように指でなぶり、時折指できゅっと摘んでやる。

 

 ペニスを咥えたおまんこがその度にぎゅーとしがみついて来てチンコが溶けそうな快感を味合わせてくれる。

 まだ入れて1分程だがあっさりと射精感が高まってきたので、特に我慢することなく出来るだけ奥へペニスを突き刺して射精する。

 

 シャロの膣も精液をもらえて喜んでいるようで、中がウネウネと動き、ミミズ千匹の名器がより多くの精液をねだって貪ってくる。

 まるで搾精生物かのような動きで精液を絞り取られた俺は、快感のあまりベッドへ倒れ込むと、まだまだ足らないと言わんばかりに中が蠢いて強制的に勃起させられる。

 

 俺はぐちゅぐちゅとペニスをシャロに食べられながら疲労の限界に達して意識を手放した。

 

 

 

 

「ふっ♡はっ♡はっ♡はっ♡ああ~♡」

 

 私の中が逞しい肉棒が深く抉ってくる。

 その激しさは、まるでレイの精液を捨てるための道具のように扱われてるようで、少しでもレイの役に立っているかと思うとそれだけで満たされてしまう。

 事実、レイはオナホールを使ってるだけで、私に種付けしてるなんて思ってもないだろう。

 

 ベッドで四つん這いになりながら犯されてる私は、レイと触れ合っているのはおまんこだけだ。

 だけど私の奥をズン!と突かれると子宮へ衝撃が加わり、私の体が揺すられておっぱいが激しく揺れる。

 

 レイのおちんちんで数え切れないほどイカされてきた私のおまんこは、既に壊れてしまったようで、直ぐに絶頂してしまう。

 

 レイのおちんちんで絶頂した私のおっぱいから母乳が吹き出し、ベッドを白く汚してしまう。

 私は、ベッドに顔を突っ伏し、お尻だけを上げた状態でぺニスをねじ込まれ続ける。

 

「ふぐ♡ひゃ♡そこは♡」

 

 私のクリトリスが潰されてしまった。

 レイは私のクリトリスを潰すのがとても好きらしく、よくこうやって虐めてくる。

 私のクリトリスは弱いらしく、レイの逞しい指で擦られると自分が何者なのかわからくなるほど気持ちよくなってしまう。

 

 私は、理性が飛ぶまえに、なんとか大きくなり始めたお腹を潰さないように仰向けになると、レイの性処理道具としてしっかりとイッて中を動かす。

 私はレイの妻♡私は夫の性欲を管理する道具である。

 

 私の脳の容量が快楽により許容限界を迎えてしまったので、思考を2つわけて並列思考を始める。

 この並列思考は簡単に言うと脳の中で二人の私が、同時にものを考えられるようにした状態だ。

 

 一つはレイのおちんちんでぐずぐずに馬鹿にされる生贄に、もう一つの方でレイを気持ちよくするためにどうするかを考える。

 

(もっと♡もっとください♡御主人様♡)

(んっ…もっと中の筋肉を…ああ…うご…かさないと……)

 

 多分、私が絶頂するだけで私の中は動いてレイを気持ち良くできてると思う。

 私が一杯絶頂したときはレイのおちんちんも直ぐに精液をくれるのは経験上知っている。

 

 でも意識的におまんこと中の筋肉をしっかり動かすと、いつももっと濃くて一杯精液を出してくれるので、私は妻の役目としてレイのおちんちんへ全力で気持ち良くするようにしている。

 

(おまんこ気持ちいい♡気持ちいい♡もっと♡もっと♡)

(あ…く…ああ♡もうだめ♡もーレイ好きー♡)

 

 分割した2つ目の思考も快楽で馬鹿になってしまったので、さらに並列思考数を増やす。

 

 だが、快楽を感じる思考が増えれば増えるほど、分割しても脳は一つなので、二人分、三人分と快楽が快楽が強くなってしまう。

 私の限界である10まで並列思考を増やした所で、9人分の快楽に一瞬で気持ちよくされて遂に脳の容量が一杯になってしまった。

 

「レイ!レイ!」

 

 一際大きな絶頂が私を襲い、並列思考も何もなくなってしまう。私はもうわけがわからなくなってレイの名前を叫ぶ。

 脳が真っ白になり、体がふわふわと浮いてるようだ。

 

 自分がどういう存在か再び認識できるまでどれくらいかかったのだろうか。

 気付けば私の股から潮が吹き、おっぱいから母乳が出てしまっている。

 

 レイのおちんちんはまだ私の中に入ったままだ。

 どうやら今日も入れたまま寝てくれるらしい。

 今日も私は幸せだ。

 

 

 

 朝、俺は自分のテントから外へ出る。

 戦争が始まって7ヶ月、功績が認められた俺は自分専用のテントを貰い、毎日シャロとセックスをしている。もちろん防音魔法を付与されている。

 

 お陰で日に日に増す周りからの期待に潰れそうになっても、シャロとの繋がりが俺の心を支えてくれてまた戦えるようになる。

 

 この長びいた戦争は多くの死者を出した。

 だが同時に突出した戦功を上げる者が現れ、今まで埋もれていた才が発掘された。

 皇国は黒騎士率いる重装騎馬隊に対抗し、身分に関係なく突出した戦闘力を持つ兵を集めた精鋭部隊を作った。

 その部隊は圧倒的な戦果をあげ、いつからか味方から英雄部隊と呼ばれるようになった。

 

「今日も頼りにしてるぜ隊長」

 彼から放たれた矢は、どれだけ堅牢な鎧に身を包んでも、隙間があれば寸分違わず狙い撃ち、隙間がなくても矢を鎧の上を滑らせて、鎧の継ぎ目から確実に相手を仕留める弓の達人。

 ルーパット=ハント

 

 

「うちの娘をもらってくれる話は考えてくれましたかな?」

 その姿はまるで巨人、2mを超す長身と、それに見合った人間離れした膂力で扱うバトルハンマーは、構えた盾の上から人を破壊し、誰にも止めることはできない。

 フェリオン=プレート

 

 

「何時でも戦う用意はできてますよ」

 その槍は変幻自在、蛇のようにしなる槍は相手を惑わし、相手が穂先を認識した頃には既に喉を貫抜いている。

 ライアリー=ピアース

 

 この部隊に集められたのは10人、兵科も武器もバラバラ、共通するのは一騎当千の猛者ということのみ。

 

「行くぞ」

 

 俺の言葉に9人の猛者が立ち上がって付いてくる。

 

 俺はレイ、この英雄部隊の隊長だ。



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15話 ドラゴンハント(エロ無し)

 騎士が数メートルに渡り宙を舞う。

 終わった姿だけを見ればただの前蹴り、だが騎士の重厚な鎧には綺麗な足型がつき、口から血を吐き出していることからその衝撃は内臓をも破壊しているようだ。

 片足を前に突き出している男に、仇討ちだと気合いの声を上げて王国兵が斬りかかるが、腕を振り下ろす前に、顔面に男のタトゥーの入った腕が突き刺ささる。

 

 その男は戦場でありながら武器や防具はなく、布の服のみで靴すら履いていない。

 髪は短く刈り上げた銀髪で、腕や靴の履いていない素足から除くタトゥーは全身に広がっている。

 その剣速ならぬ拳速は神速。

 己の肉体のみで戦う事を宣約することで(けん)を剣と化した男。

 コンラッド = ビーチャム

 

 皇国軍と王国軍が正面からぶつかる戦場は、部隊を展開させやすい平地で行われている。

 周りには遮蔽物はなく、お互いの動きを遮るものはない。

 にもかかわらず、不利な場所へ駆けつけるため戦況を見守っていた後詰部隊の隊長が突然、首から血を吹き出して倒れた。

 少なくとも矢の届くような場所には皇国軍はいない。

 

 なぜだ? どこから?

 必死に犯人を捜すが一人、また一人と首から血を吹き出して倒れていく。

 次は自分の番か? 幻でも見ているのか?

 そんな恐怖に支配される王国兵の中を滑るように走り抜ける者がいた。

 

 顔は黒いスカーフで隠し、全身を黒い服で包んでいる。

 全身黒づくめのその男は髪まで夜のように黒く、その恰好は夜ならば闇に溶け込むだろうが、真昼間では逆に目立つはず。

 だが王国兵はその男に気付かない。気付いた時には死んでいる。

 

 数百の目のある戦場で人の意識の隙間を見つけ出し、針のような狭い意識の隙間に潜っては手に持った黒塗りの短剣で首を割く。

 剣術を磨こうが、鎧で身を隠そうが、気付かなければ殺すのは容易いこと。

 赤子の時に暗殺を生業とする一族に拾われ、暗殺者として育てられた彼は、500年続く一族の者をして最高傑作といわしめる死神。

 エルネスト = ミクモ

 

「えええあああああ!」

「やめろ! 俺は味方だ!」

 王国兵が突然奇声を上げながら味方に斬りかかる。

 何か月も共に戦場を駆け抜けた戦友が錯乱した男を抑え込もうと後ろから羽交い絞めにするが、錯乱した王国兵の体が二回りほど大きく膨らみ、人間離れした怪力で拘束から抜け出した。

 錯乱した王国兵は振り返ると、戦友の頭を鷲掴みにする。

 

「ぐぅ……あが……やめ……マイク……」

 

 最後まで狂った戦友を止めようと声をかけるが、錯乱した王国兵は止まらない。

 頭を掴む力は徐々に強くなり、ミシミシと掴んだ頭が軋む音をあげていく。

 万力のような手に掴まれた頭には指が食い込み始め、あと数秒で頭が砕けるというところで味方の王国兵が錯乱した王国兵の腕を切り落とした。

「た……助かった……」

「マイク……一体どうしちまったんだ……」

 錯乱する王国兵は彼だけではない。

 あちこちで王国兵の気が狂い、信じられないような怪力で味方を襲う事態が発生した。

 

 まるで地獄、敵の攻撃を耐えながらいつ隣にいる戦友の気が狂うかがわからない。

 大盾を横一列に並べ、槍を構えるファランクスの陣形は、隣にいる味方を盾で守り、自分もまた味方に盾で守ってもらう味方との信頼関係がなくては成しえない陣形だ。

 前からも内からも攻撃され、いつ隣の自分の命を預けている男が狂うかわからない疑心暗鬼にかられ、陣形が崩壊していく。

 その様子を遠くから嬉しそうに眺める男がいた。

 

 彼は旅の医者だ。

 世界を渡り歩き、古今東西の医学を修めた医療の腕は、長らく不治の病と言われていたグール病の特効薬を作り出し、この世界ではあり得ない切断された手足を縫い合わせて繋げてしまうほどの外科技術。

 通りすがっただけの村の人間をたちまち治療してしまうことから一部の地域では神の使いともいわれている。

 

 だが表があれば裏もある。

 彼の並外れた医療技術は膨大な屍の山の上に築かれたもの。

 実験と称して人を切り刻み、治療と称して劇薬を服用させてまた実験。

 もし旅の途中で野党などに襲われれば実験材料があっちから来たと大喜びする事だろう。

 

 彼にとってこの戦争はまるでおもちゃの山だ。

 合法的に実験できる相手が視界一杯で、戦いが終われば新しい治療方法を試せる実験材料が山のように運ばれてくる。

 王国兵の間で起こっている錯乱の原因は、前述した彼が治療法を見つけたグール病だ。

 グール病の症状は見ての通り、敵味方区別なく襲い掛かるようになり、異常な怪力を宿主に与えるというもの。

 

 彼は何十人かの皇国兵の矢に培養したグール病の病原菌を塗らせて攻撃させていた。

 矢をかすらせたもの、矢で動けない程のケガを負い、助けるために血まみれになりながら味方を担いだ者、グール病は空気感染こそしないものの、粘膜感染率100%という強い感染力を持っている。

 味方を助けた者が理性を失い、味方に殺される。

 敵とはいえ人道を無視したこの地獄を描いたのはこの狂気の医師。

 ジャスパー = ハーロウ

 

 

 鬼がいる。

 角の生えた兜は首に行くにつれて広がる変わった形をしており、顔面を覆っていない代わりに、しわがれた不気味な老人の顔をした面で目から下を覆っている。

 全身を覆う赤い鎧は、金属を重ね合わせて可動域を確保していて、動きを妨げぬように工夫が凝らされている。

 当世具足と呼ばれるその鎧は遥か東方で作られたもので、意匠が一目でこの地方の鎧とは違うことが見て取れる。

 

 その戦い様はまさに鬼。

 剣を向けられればその指を切り落とし、手に持った太刀と呼ばれる鋭い片刃の武器は皮鎧程度なら一刀のもとに切り伏せる。

 全身を鎧で包まれた重装歩兵に対しても全くひるまず、あっという間に武器を弾き、鎧の隙間に刀を通す。

 太刀を振れば振る程王国兵の腕と首が飛ぶ。

 その圧倒的な剣戟はまるで嵐。

 彼の周りでは血の雨が止むことはない。

 

 そんな彼の圧倒的な剣技に対抗する猛者が現れた。

 その猛者は全身鎧に身を包んだ重装歩兵で、鎧の隙間に刀を滑り込まれそうになれば体をずらして鎧で弾く。

 今までの王国兵は一合も斬りあうことができなかったが、この重装歩兵は10合も鬼の猛攻を耐えきった。

 だがそこで鬼の雰囲気が変わる。

 太刀を上段に構えるとフェイントも何もなく、鎧の隙間も狙うことはない、小細工抜きのただ力強い一撃を放つ。

 王国の重装歩兵はその太刀を剣で受け止めるが受け止められなかった。

 

 太刀が剣に埋まり、切断し、

 太刀が兜に埋まり、切断し、

 鎧に埋まり、切断した。

 

 その剛剣は、本来打撃武器以外の攻撃を完全に防ぐはずの鋼鉄製の鎧を断ち切り、重装歩兵の体が左右に真っ二つに分けてしまった。

 

 彼は遥か東方の国の騎士階級の者だ。

 ある日、船で戦場に向かう時に嵐に会って船が漂流、流れ着いたこの大陸で生きるため傭兵として腕を鳴らし、手柄を求めてこの戦場に現れた。

 彼は執拗に首を斬るその姿から剣の鬼、剣鬼と呼ばれた。

 カゲミツ=アラキ

 

 節くれた杖を掲げ、大地に突き刺す。

 すると杖を始点に大地が盛り上がるようにひび割れていき、目の前の王国兵へと迫っていく。

 王国兵は自分たちに迫ってくる大地の異変に気付き、背を向けて走り出すがもう遅い。

 圧倒的な速度で王国兵の元へひび割れが到達すると轟音と共に炎の壁が立ち上がり、王国兵を焼き尽くした。

 金色の靡かせた髪から覗く耳は笹の葉のように尖っており、まるで女のような美しい顔立ちはこの国では珍しい森の民、エルフだろう。

 そのエルフは、木を焼くため森の民が忌み嫌うはずの炎魔法を得意としており、森を離れて傭兵をしている森の異端児。

 マリウス=フェノウ

 

 

 その男は全身を王国の騎士用の鈍く光る皇国正規鎧に身を包み、カイトシールドとロングソードを手に持った、他の重装歩兵と見分けがつかない装備をしている。

 構えも右手に持った盾を前に構え、左手に剣を持つ皇国軍が採用している何の変哲もない剣術だ。

 

 だが王国軍は決してこの男を傷付けることはできない。

 槍がくれば盾で受け止め、ハンマーがくれば体を反らして避ける。

 隙を見て振り下ろす剣は真っすぐな力強いお手本のような太刀筋で、全て教本に乗っているような洗練された動きだ。

 

 彼が扱う皇国剣術は攻守のバランスがとれた優れた剣術ではある。

 だがそれだけに使い手は多く、当然長い戦争の歴史で培った対策が王国軍には叩き込まれているはずだ。

 でも彼には通用しない。

 特別な理由などない、只々彼の剣術があまりにも完成されているだけだ。

 自分なら勝てると踏んだ王国兵が彼に次々と攻撃を仕掛けるが、彼を傷つける事はなく、屍の山が増えるだけ。

 どこまでも正統派な皇国剣術の使い手。

 バリー = ニコール

 

 

「隊長、あっちは問題なさそうだぜ」

 弓使いのルーパッドが英雄部隊の活躍を教えてくれる。

 彼は非常に目がよく、遠く離れた弓兵が腰に下げている矢の数を数えられるほどだ。

 その目を生かして部隊の目となって戦場の様子を逐一伝えてくれる。

 今俺たち英雄部隊は二つに分かれて戦っている。 6人が右翼側へ攻撃を仕掛け、残った俺たち4人は少し後方で中央の戦場を見ている。

 

「フェリオン、あの攻撃は止められそう?」

「流石に無理ですな、体の大きさも内包したマナの量も人とは違いすぎます」

 

 人間離れした怪力無双と恐れられるフェリオンで持っても戦場で暴れまわるあの化け物を止めるのは難しいらしい。

 まあそれも当然だろう。 生き物としての格が違いすぎるのだ。人間が多少鍛えたところであの化け物にとっては誤差の範囲だということだろう。

 

「私の槍でもあの鱗は貫けそうにないですね」

「ライアリーの槍でも無理か」

 

 鉄をも穿つ槍の達人であるライアリーもあの化け物の鱗を穿つ自信はないらしい。

 そもそも彼の槍は鋼鉄製で、作ったのが国一番の鍛冶師だろうと、それに見合う使い手だろうと、化け物の鱗より弱い素材では傷一つつける事などできるはずがない。

 

「本当、どうやってあんな竜を手懐けたんだろうか」

 

 俺たち4人の視線の先の化け物は、全身を赤い鱗に覆われた全高10メートルはある巨大な竜だ。

 大きな翼で空を駆け、角を持った頭に起用に人を掴む発達した前足、口からは鉄をも溶かす劫火を吐くその竜はレッドドラゴンに間違いない。

 レッドドラゴンはいきなり皇国兵のど真ん中に降り立ち、一方的な蹂躙を始めた。

 王国兵はその姿を見て恐怖するどころか、喜びの声を上げて攻めてくることからレッドドラゴンは王国兵の味方をしているようだ。

 

 尻尾をふるえば何十という兵の体がバラバラになり、前足で兵を捕まると口を大きく開けスナック菓子のように食べてしまう。

 肉も鉄も関係なく飲み込んでしまうとは途轍もない雑食性だ。

 物語でドラゴンの胃の中に自分から入って中から攻撃する話があるが、剣だろうと丸呑みしてしまう現実のドラゴンに対して有効だとは思えない。

 

 幾人もの兵が剣や矢で攻撃するが全て硬い鱗に弾かれて全く効いている様子がない。

 動きも巨体に似合わず俊敏だ。

 馬で走る騎士にもあっという間に4本足で駆け抜けて捉えてしまう。

 

 俺たち4人は今からあのレッドドラゴンを倒さなければならない。

 そのために他の6人と別れてこの4人でレッドドラゴンをどうやって倒すか観察しているが、見れば見る程、倒すのが不可能に思えてくる。

 できれば逃げ出したい相手だが、今や皇国軍の希望となっている俺たちが逃げるわけにはいかない。

 今もレッドドラゴンに意味のない攻撃を皇国軍が仕掛けているのは、全て俺たちが奴を倒すための情報収集するためなのだ。

 

 兵は俺たちが仇を取ってくれると信じて戦っている。

 死ぬとわかっていても家族のため、仲間のため、泣き叫びながら命を散らしている。

 すでに俺たちのために何百という犠牲が出ているのだ、今更逃げるなんてできるわけがない。

 

 今はレッドドラゴンは皇国兵を食べて満足したのか、それとも蹂躙に飽きたのか、空を飛んで地上に向かって火を吐いている。

 こうなればもう人間には手も足も出ない。

 火の地上に届かせるために飛行高度は20メートルほどの低空を飛んでいるが、その高さは人にとってはあまりにも高い。

 だが俺たちならギリギリやれそうだ。

 

「算段が付いた、そろそろ行こうか」

「隊長ならやれんのか?」

「届けば斬れる」

 

 俺たちは空を飛ぶレッドドラゴンへ向かって走り出した。

 全身全霊の全力疾走、こうしている間にも俺たちのために皇国兵が犠牲になっている、これ以上の犠牲を出さないためにも時間をかけるわけにはいかな。幸いにもレッドドラゴンはこっちへ向かって飛んできている。

 

「フェリオン!」

「応!」

 

 レッドドラゴンまであと100メートルのところで、俺は先行させていた怪力無双のフェリオンの背に向かって名を叫ぶ。フェリオンは全力疾走から急停止を行い振り返って俺たちの方を向いた。

 フェリオンは腰を少し落とし、手の平を上に向けて太ももの前に構えると、俺とライアリーはそのフェリオンの手を全力で踏みつけた。

 

「ふん!」

 フェリオンは俺とライアリーの足を掌で受けると全力で上空へ投げ飛ばした。

 歯を食いしばり盛り上がった筋肉で加えられた上方向の力は、地面にその巨体を支える足をめり込ませながら、二人の大の大人の横向きの力を上へと変換することに成功した。

 その人間離れしたフェリオンの膂力と、極限まで鍛えぬかれた俺たちの脚力は一気に10メートルもの跳躍に成功した。

 

「ルーパッド!」

「しくじんなよ!」

 

 ルーパッドは上空のレッドドラゴンへ向けて矢を射かけた。

 普通の弓兵二人がかりでやっと引ける程の剛弓から放たれた矢は、重力に逆らい上空のレッドドラゴンへ向けて飛んでいく。

 彼が狙うのは唯一効果が見込めそうな目だ。

 弓の名手である彼の矢は、寸分たがわずレッドドラゴンの目へと吸い込まれていくが、顔を反らされて弾かれてしまう。

 だが彼は速射の腕も尋常ではない。 既に5本の矢がレッドドラゴンへと放たれていて、顔を反らした後の目へ向かって矢が殺到する。

 だがレッドドラゴンはそれを瞼を閉じることで弾いてしまう。

 狙い通りだ。レッドドラゴンは顔をそむけたことで、このままでは俺たちを焼くはずだった炎は横に反れた上、ややバランスを崩したレッドドラゴンは飛行高度を18メートルまで落としている。

 

「ライアリー!」

「頼みましたよ!」

 

 ライアリーは空中で手に持った槍を横に突き出すと、俺はその槍の上に足を乗せる。ライアリーはそのまま俺ごと槍を上空へ向かって振り回した。

 俺は空中で得る事の出来ない足場を手に入れ更に跳躍する。これで高さは15メートルだ。

 俺はいつものように水の剣を3メートル伸ばす。レッドドラゴンの高度は18メートル程、思った通りギリギリ届いた。

 俺は水の剣をレッドドラゴンの翼の根本へ向けて軽く振るう。全力の一撃は必要ない。これはあくまで魔法なのだから。それより空中という慣れない環境で姿勢を崩して空振りしない事だけに集中する。

 

 水の剣は研磨材を高速でぶつけて相手を削る魔法だ。

 俺が普段使っている研磨剤は鉄の粉末、レッドドラゴンの鱗より柔らかい物質、確実に効果がないだろう。

 だから今回は、

 

「とっておきだ」

 

 俺は大地に引き寄せられながらレッドドラゴンの様子を見る。

 流石にレッドドラゴンの鱗の硬さなど、実験材料にされた記録がなく、わかるはずがない。

 もし今使った【とっておき】がレッドドラゴンの鱗より柔らかければ、このあと俺たちは炎で焼け死ぬしかない。

 だが賭けには勝ったようだ。視界の中で小さくなっていくレッドドラゴンの翼から血が噴き出した。

 

「おっと!うまく行きましたね隊長」

「ああ、ほっとしたよ」

 

 俺はフェリオンの逞しい腕に受け止められると、すぐに地響きと轟音が聞こえてきた。

 フェリオンに降ろされ、俺は自分の足で立つと、空を飛ぶ勢いのまま落ちたレッドドラゴンが少し離れたところに墜落したのが見えた。

 どうやら流石のレッドドラゴンもその巨体で宙から叩き落されるとこたえるようで、立ち上がろうとしても脳震盪を起こしたのかフラフラとして何度も崩れ落ちている。

 

 俺は地面に這いつくばるレッドドラゴンの傍まで近づくと、再び水の剣を振り上げた。

 その時、レッドドラゴンと目が合った。

 その目には絶対的強者としての威厳はなく、恐怖におびえた小動物が命乞いをする目をしていた。

 竜は非常に頭のいい種族だ。人の言葉を話し、必要であれば自分の巣に家具まで作ってしまうほど。

 それゆえにその目は酷く恐怖の色を俺に伝えてくる。捕食者と被捕食者が入れ替わった瞬間だった。その時、隣に立つ俺にレッドドラゴンが初めて言葉を発した。

 

『マテ……』

 

 俺は水の剣を振り下ろした。もし言葉を発することを許して開いた口から炎を出されたら終わりだ。

 あくまでレッドドラゴンが生物として上位者なのだ。下位の生物である俺が油断するわけにはいかない。

 ジュイイイィ!と金属がひしゃげる音に似た掘削音がレッドドラゴンの首に巻かれた水の首輪から鳴る。

 レッドドラゴンは必死に水の首輪を掻きむしるが、効果はない。

 

 俺が研磨剤として用いたとっておきは金剛石、つまりダイアモンドという宝石を砕いたものだ。

 父さんが戦争に行くにあたって商会の財力にものを言わせて用意してくれた。

 非常に貴重で高価な宝石で、砕けやすいがその硬さはオリハルコンをも凌駕する。

 

 砕けやすく硬いこの宝石は採算度外視するのであれば俺の魔法にはうってつけだ。

 立場を悪用して商会の金でダイアモンドを買いあさったため、商会がすこし傾いたそうだが、そのおかげで生き残ることができた。本当に父さんには感謝だ。

 そういえば父さんの目の前でハンマーでダイアモンドを砕いた時は何とも言えない顔をしていたな。

 

 そんなことを考えているうちにレッドドラゴンの首がどすんと落ちた。巨大な体をから噴き出る血はあたり一面に降り注ぎ、逃げまどっていた皇国兵に降り注ぐ。

 血の雨に濡れたことで、信じられないものを見たような顔で呆けていた皇国兵がこれが現実のものだと理解したようだ。

 

「やった!やったぞ!英雄部隊が!レイがレッドドラゴンを倒した!」

「ありがとう……あいつの仇をとってくれて……」

「信じられない……竜を倒すなんて……」

「見たか王国のクソ野郎共!こっちには竜殺しのレイがいるんだ!」

 

 皇国兵が次々に俺たちへの賞賛の言葉を叫ぶ。

 その声は次々と兵たちに伝搬していき、程なくして戦場中に響き渡った。

 竜殺しの英雄が味方にいることで勢いづいた皇国兵が王国兵を押し始める。

 長く続いた戦争で、落ちていた士気がここにきて最高潮になったようだ。

 

 俺は3人を引き連れて前線へ走り出した。

 俺には喜んでいる暇はない。この竜殺しは何百という命の上に成り立ったものだ。

 命の価値が途轍もなく低い戦場では忘れがちだが、彼ら一人一人に数十年の命の重みがある。

 それを二十年も生きていない若造のために、犠牲になってくれた。

 彼らには俺が知らない多くの経験を重ねてきた歴史があるはずだ。

 

 その歴史の重みに俺のまだ軽い歴史が潰されそうになるが、それは周りに横たわる黒い塊のためにも許されることではない。

 俺はこの重みに潰されてはいけない。この重みは託されたもの。錘にするのではなく、礎に。

 それが英雄を目指した俺の責任だ。




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16話 続きをしよう(エロ無し)

 戦場は現在、敵味方入り乱れた激しい乱戦となっていた。

 恐らくこの戦場では、隣にいるのが敵なのか味方なのか、殆どの者がわかっていないだろう。

 陣形も何もない、この戦争始まって以来の泥沼の戦いはまさに総力戦だ。

 

 盛り返したとはいえ、一時は大きく領土を削られた皇国軍の疲労の色は濃く、徐々に我々王国側に戦況は傾き始めていた。

 だがここにきて皇国軍がこの無茶な特攻を仕掛けてきた。もう物資も兵力も後がないと悟った皇国軍が一か八かの賭けに出たのだろう。

 

 

「ジェイル将軍、例の部隊は中央に現れたようです」

「そうか……」

 

 例の部隊……皇国軍に少し前に現れた一騎当千の猛者たちだけの精鋭部隊。身内からは英雄部隊などと大層な名前で呼ばれているらしい。

 その数は分かっているだけで10人と少ないが、その誰もが国に一人居るか居ないかという天災レベルの猛者達だ。

 彼らは私たち王国軍の前線をなんでもないかのように食い破り、陣形を崩されて大きな被害が出している。彼らを止めようと戦略を練り、なんとか孤立させてもたった一人で包囲網を突破してしまい、とどめを刺すことができない。

 ならば私自らが英雄部隊を迎え撃とうと出撃しようとしたのだが、副官に

 

「指揮官が戦場にでていいわけがないでしょう。ましてや相手はだれも稀代の英傑ばかり、流石の黒騎士殿といえども命の保証はありませんから」

 

 と言って止められてしまった。

 数か月前、皇国をもう少しで落とせるという時に、士気を挙げるため無理やり出撃したのだが、その日以来、副官に出撃は止められてしまい前線にでられずにいる。

 私は黒騎士と言われ、この軍を預かる最高指揮官だが、長い間共に戦場を駆けたこの副官は一切私に遠慮することはない。

 だからこそ副官としているのだが。

 

「私が直接出る」

「駄目です」

 

 案の定今日も出撃を止められてしまうが、今日ばかりは彼の進言を聞くわけにはいかない。

 

「では英雄部隊を止められる奴がいるのか?」

「……所詮10人です。重装騎馬隊の働きで奴ら以上に皇国に被害を与えられています」

 

 私直属の重装騎馬隊はその機動力を生かし、英雄部隊との交戦を徹底的に避けて奴らがいないところを攻撃している。

 要は英雄部隊から与えられる損害より、こちらがそれ以上の損害を与えればいいということだ。

 だが、切り札であったレッドドラゴンが奴らにやられてしまった以上、これ以上奴らを野放しにするわけにはいかなくなった。

 この乱戦で英雄部隊は密な連携を取りづらくなっているはず、この機会を逃すわけにはいかない。

 私は副官の静止を無視することを決め、前線へ向かう。

 

「将軍!」

「心配するな。そろそろ私の子どもが生まれてる頃だ。無茶はせんよ」

 

 

 

 

 

 

 槍兵が刹那の間に3人の王国兵の喉を貫いた。

 勇気ある兵達が、何とか彼の槍の間合いに踏込もうと数人がかりで一斉に襲いかかったが誰一人、間合いのうちに入ることができない。

 あの腕前、英雄部隊の一人に間違いないだろう。

 

 槍兵の周りを王国兵が槍を構えて囲む。

 前も後ろも針の筵状態で逃げ場がないにもかかわらず、槍兵は焦った様子は見せずどこまでも冷たい目で、王国兵の位置と得物を確認している。

 槍兵の持つ槍は2.153メートル、王国兵の持つ槍は3メートル±10ミリで周りを囲む槍兵の方が武器の間合いは遥かに長い。

 

 普通に考えれば圧倒的に有利な状況ではあるが、その視線に晒された王国兵は蛇に睨まれたカエルのように「ひっ」という情けない声を上げて体を硬直させてしまう。

 それも仕方がないだろう。奴に何百という仲間が殺されたのを見てきたのだ。

 そんな化け物の次の獲物になったと思えば逃げ出さないだけ立派だ。

 

 槍兵はその隙を見逃さず悲鳴を上げた王国兵の方に踏み込んだ。

 悲鳴を上げた王国兵が咄嗟に反応して槍を突き出すが、槍兵は顔色ひとつ変えず頭を傾けて槍を避ける。

 突き出された槍、その内側に入った槍兵、どうなるかは明らかだ。

 王国兵の喉を狙い、槍兵の精確無比な突きが繰り出される。

 だが、私の見ている前で、槍が王国兵の喉に到達することはなかった。

 

「え?」

 

 その声は狙われた王国兵からなのか、英雄部隊の槍兵からか、あるいは両方か。

 だがそれはどうでもいい。

 重要なのは槍兵の両腕が切断され、王国兵が無事だという事だ。

 

「いっ……今だ!あの化け物を殺せ!」

 

 槍兵が両腕から急に血が吹き出し、それを見た王国兵は訳が分からないといった様子だが、それでも巡ってきた絶好のチャンスに王国兵が槍兵に殺到する。

 

(まずは一人)

 

 私はいつもの黒いフルプレートアーマーではなく、一般的な歩兵が着る皮鎧に身を包んでいる。

 この乱戦の中、雑兵の格好をした私に気付く者はいない。敵にも味方にも。

 

(次は……)

 

 対して英雄部隊の場所は乱戦の中でもよくわかる。

 派手に人が死んでいる方向に行けばいいのだから。

 

 私は自分の足元から触れた物の形を認識する空間魔法『認識空間』を広げる。

 範囲を広げるため薄く延ばされた認識空間は、人の足の場所しか私に伝わってこないが、次々と『ある足』に近づいた足が地面から離れていく場所がある。

 

「そこか」

 

 私は次の英雄部隊の位置を見つけるとその方向に雑兵に紛れて進んでいく。

 襲い掛かってくる皇国兵を適当にいなしながら、あと少しで目的の場所辿りこうとした時、頭上から人が飛んできた。

 私はまっすぐ目的地に向けて走る足に急制動をかけると、人が目の前に鈍い音を立てて墜落した。

 

 地面に横たわった人は、やはり王国兵だった。

 胸が大きく陥没していて口から血を吐いて絶命している。

 人一人を空中に吹き飛ばすほどの衝撃の前に防具は意味をなさなかったようだ。

 

 王国兵が飛んできた目的地の方を見ると、そこには全身を鎧に身を包んだ巨漢が、その巨体に見合ったハンマーで王国兵を殴りつけている。

 王国兵は盾を構えるが、巨漢は全く意に介さず盾ごと王国兵を叩き潰してしまう。

 あの怪力、英雄部隊の一人だろう。

 

 そしてもう一人、ここに来るまで気付かなかったが、英雄部隊がいた。

 その男は弓兵。この男もまた人間離れした怪力を有しているようで、放たれた矢は盾を貫き、そのまま体に盾を縫い付けてしまう。

 一矢一殺。

 それを次々と速射しているのだから質が悪い。

 

 二人の英雄におびえて近づけない王国兵に混じった私にも、正確無比で強力な矢が飛んでくる。

 

(この矢使わさせてもらうぞ)

 

 私に向かって真っすぐ飛んでくる矢の軌道を、自分を包むように展開した認識空間により正確に予測する。

 着弾点は丁度私の喉仏、周りに転がっている兵と全く同じ場所だ。

 私は喉の前に転移魔法の入り口を開く。

 

 鉄をも貫く威力だろうが、精確だろうが、私には関係ない。

 私には死角はないし、わかっていればどんな攻撃でも別の場所へ飛ばしてしまえる。

 

 喉の前に開いた転移魔法の出口は、そこで暴れまわっている巨漢の後頭部だ。

 敵のみを貫く必中の矢は、その強大な運動エネルギーを一切衰えさせることはなく味方の死角から襲い掛かる。

 

「うお!」

 

 だが巨漢は驚いたような声を上げて体を前に折り曲げギリギリのところで矢を避けた。

 私の魔法を感知したのか、それともカンのようなものなのか。

 流石英雄の一角といったところだ。いまの芸当ができる人間がこの世にどれほどいるだろうか。

 彼はまさに、英雄と言われるにふさわしい戦士だった。

 

「ごふっ……な……にが……」

 

 巨漢の戦士の左胸に矢が突き立った。

 

 私は彼の後頭部にあたるように矢を転移させたが、避けられてしまったので矢をもう一度転移させて、体を前に折り曲げた彼の胸を狙って再び下から転移させたのだ。

 彼は金属鎧に身を包んでいたが、英雄部隊の弓兵から放たれた矢の攻撃力は、その鎧の防御力をうわまわっていた。

 

「フェリオンどうした!」

 

 弓兵が巨漢の戦士が倒れたのを見て、周りを見回して警戒する。

 彼の胸を貫いた矢の出所をさがしているのだろう。

 弓兵はすぐには走り寄らず、周りを警戒しながらゆっくりと巨漢の戦士へと近づいてくる。

 

 私は今度は適当に頭上を飛び交う矢を転移させて弓兵の周りに配置する。

 その矢の数は125本、至近距離でなおかつ、あらゆる方向から急に殺到する矢の前に、弓兵は手持った弓を振るって何本か弾き落としたが、ほとんどの矢が弓兵に突き刺さる。

 心臓は金属の胸当てで守られているため、雑兵の矢では貫けなかった様だが、残りの皮鎧には矢が突き刺さって全身から血が噴き出す。

 弓兵は弓を持ったまま膝を付き、動かなくなった。

 

 

 3人の英雄部隊を仕留めた私は次の獲物の姿を確認した。

 その男が纏う死の気配に背筋が凍る。

 

「死神?」

 

 私はその気配に当てられて、ついあり得ない存在を口にしてしまう。

 私はその男が誰かを確認すると転移魔法を利用し、今着ている歩兵用の皮鎧と、テントに置いた愛用の黒いフルプレートアーマーを交換する。

 顔全体を覆う兜で視界が悪くなるが、認識空間を使えば視界など関係ない。

 

 その男は英雄部隊の中で最も若く、危険とされている竜殺しの剣士。

 この鎧に着替えたのは彼に対する礼儀だ。

 副官には彼との戦いは避けるように言われているが……

 

「レイ=スコット久しぶりだな」

「黒騎士……」

 

 私は彼からの決闘を受けておきながら撤退した借りがある。

 レイ=スコットは以前に会った時はまだまだ甘さの抜けないように見える少年だった。

 恐怖に潰されそうになりながらも必死に泣くのを我慢している子供。

 だが今は違う。目が違う。肉体が違う。覇気が違う。

 この数か月で彼は一人の男となっていた。

 

「会いたかったですよ」

「あの時は済まなかったな。続きをしよう」

 

 私は久しく感じていなかった感情を思い出した。

 この感情は何だったかな。



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17話 学園最強とは(エロ無し)

「レイ=スコット、久しぶりだな」

「黒騎士……」

 

 静かに俺の名前を呼ばれ、後ろを振り返る。

 怒号が飛び交う戦場なのに、まるで彼と俺しかいないかのようにその声はよく通る。

 

 全身を覆う一切の露出の存在しない黒い金属鎧は、金による装飾が施されている儀礼用のような鎧。

 その姿は間違いなくジェイル=アブサロン、通称黒騎士だ。

 馬には乗っておらず、武器は腰に差したロングソードのみ。

 

「会いたかったですよ」

「あの時は済まなかったな。続きをしよう」

 

 やっと……会えた。

 本当に長かった。

 彼と会ったのはただの一度きりだが、シャロに会いたい思いが強くなる程、黒騎士にも会いたくてたまらなくなっていた。

 

 彼の言葉を信じるなら、彼は王国の軍を率いる将軍であるという。つまり彼こそが、俺が戦争に来た理由。シャロと添い遂げるために必要な存在。

 

 黒騎士と初めて会った時、俺は虚勢を張ったり、気分がハイになって武者震いしたと思えば、戦わなくてよかったと怯えて、もう気持ちがグチャグチャで迷いだらけだった。

 でも、シャロと結ばれた日、俺に迷いはなくなった。

 

 俺は何があろうと彼女を優先し、どんな相手でも彼女のために戦う。

 彼が俺が英雄となるために必要な相手というならば、逃げるという選択肢は存在しない。

 戦うしかないというのなら俺はシャロと共に彼を倒すだけだ。

 

 首にかけたネックレスに手を置いてぎゅっと握る。

 護りの魔法とシャロの思いが込められたこのネックレスには、何度も助けられた。つながりを感じられ、何度も勇気をもらったし、まだまだ脇が甘かった最初の頃は、当たればどうなっていたかわからないような攻撃を何度も防いでくれた。

 

 このネックレスにはチェーンでつながれた赤い宝石が下げられていて、その宝石をよく観察してみると宝石の内部に小さな魔法陣が緻密に刻まれている。

 

 宝石の内部という空間魔法により本来手を付ける事の出来ないような場所に、シャロが手作業で彫り込んだのだろう。

 その魔法陣の一画一画に思いやりというか怨念のようなものを感じる。

 

 そんなペンダントをしているからだろうか。

 戦場にいる時もシャロが俺を見守ってくれている気がして、いつものようにこうして手で握ってみると、この日はするっと思ってもいない言葉が口から出てきた。

 

「俺、子供が産まれるみたいなんですよ」

 

 なぜ俺はこんな事を言い出したのかだろうか。自分でもわからない。

 毎日彼女との行為をしているが、彼女が妊娠しているかどうかなんて、直接彼女を見ていないのでわからない。

 でも多分、この感覚は正しいのだと思う。

 

「そうか……奇遇だな。実は私の子供もそろそろ産まれている頃なんだ」

「それは……おめでとうございます。これはお互い死ねませんね」

「ああ」

 

 心が熱いのに穏やかで……なんなのだろうこの感覚は。

 

 何が可笑しいのか、俺の顔がフッと緩む。

 兜に覆われて表情は伺うことはできないが、きっと彼も似たような表情をしていると思う。

 

「じゃあ……やりましょうか」

 

 俺の声と共に、俺と黒騎士が赤く照らされた。

 周りが巨大な炎の壁が地面より立ち登り、昼より明るく、夕より朱く照らされた。きっと英雄部隊のエルフの魔法使いマリウスだろう。

 

 教会が語る地獄とはこんな光景なのだろうか。

 気温が一気にあがり、炎から放たれる輻射熱によりおよそ生物が生きていくには相応しくない熱が、ジリジリと肌を焼いてくる。

 

 もし俺が黒騎士と戦うことになったら邪魔が入らないようにして欲しいと、以前に頼んでおいたのだが、しっかりとこの日も俺の事を見ていてくれたようだ。

 

「安心してください。邪魔が入らないようにしてもらっただけです。決して手は出さないように言っています」

「ならば問題ない」

 

 俺と黒騎士がゆっくりと歩み寄っていく。まるで散歩にでも行くかのような自然体。

 黒騎士もその分厚い鎧の重さを感じさせない軽い足取りだ。

 

 一歩、また一歩と近寄っていく。

 

「「!!」」

 

 刹那、俺と黒騎士はお互いを斬った。

 完全なる同時、届かないはずの距離。でも俺たちが距離を見誤るはずなどない。

 

 俺の水の剣は長く伸ばされ、離れた黒騎士の右肩を叩いて、水の刃が鎧を食い破ろうとたすき掛けに纏わりついた。

 対する黒騎士の剣は空を斬り裂くと、半ばから先が消え失せ、俺の胸の前に銀色に輝く剣先が現れた。

 

 俺は剣を振りながらも、咄嗟に左足を後ろにずらして半身になることで、黒騎士の空中から突如現れた剣を避けた。

 俺の水の剣は、剣そのものの鋭さで斬るのではなく、相手に当てさえすればいい魔法なので力を込める必要がなく、回避と攻撃を同時に行うことができる。

 

 黒騎士は鎧が俺の魔法に削られきる前に姿を消した。

 その先は俺の右後方10メートル。

 俺の水のみを置き去りにして転移したのだろう。

 

 俺は体を反転させ、右の利き足で地面を吹き飛ばし、黒騎士がいるであろう方向に接近する。

 感じた通りの場所で黒騎士を視界にとらえた。

 

 俺の間合いはクロスレンジではなく、槍より更に遠いミドルレンジである。理想は3メートル、重さと遠心力の関係で取り回しが悪化する事をいとわなければ5メートルほどまで水の剣を伸ばすことができるが、相手の間合いは剣だけを転移させるオールレンジ。近寄らなければ勝機はない。

 

 

 8メートル……6メートル……5メートル……4メートル……

 

「?!」

 

 目標である3メートルまであと少しというところで、目の前のマナが変質したのを感じ取り、ガチン!と歯を食いしばって、その場で急制動をかけて剣を振る。

 

 すると、遥か黒騎士のロングソードの間合いの外のはずの俺の顔の前を剣が横切った。

 黒騎士が例の転移魔法で横薙ぎの剣先を飛ばしたようだ。

 俺の避けながら咄嗟に延ばした水の剣にも手ごたえがない。

 

(どこいった!)

 

 一瞬目の前を横切った黒騎士の剣により視界がふさがれたコンマ何秒で、俺は黒騎士を見失ってしまった。

 黒騎士を見つけ出そうと辺りを素早く見回そうとすると、また後ろにマナの変質を感じ、なりふり構わず前に飛んで転がる。

 直後、頭上を何かが力強い風切り音と共に通り過ぎた。

 

 ザリっという地面を踏みしめる音が聞こえる。俺の回避に合わせて黒騎士が踏み込んできたらしい。

 俺は地面を転がったため、まだ中腰で立ち上がっている途中だ。このタイミングで二の太刀を受けるのは不味い。

 

 俺は下に下げた左手の掌を、親指だけ折り畳み、後ろにいる黒騎士の足音の方向へ向けて小手に刻み込んだ魔法陣にマナを流し込むと、俺の手から炎が広がるように噴き出した。

 

 こうして親指を曲げると、俺の掌から指にかけて刻まれたファイアボールの魔法陣が指で途切れて不完全になり、投擲に適したしっかりと形を保ったファイアボールではなく、不定形の自然の形そのままな炎になる。

 

 黒騎士は大きく広がった炎に包まれることなく、また姿を消す。今度は死角ではなく、俺の目の前に剣を頭上に振り上げた態勢でだ。

 

「ぐっ!」

 

 俺は剣を頭上に振り上げ迎え撃つ。

 耳障りな鈍い金属がぶつかり合う音が鳴り響き、衝撃で目がちかちかする。

 

 俺の剣を上から押しこんで来る黒騎士の剣は重かった。

 手が痺れ、腕の筋肉がプチプチと弾ける音が聞こえる。その衝撃を受け止める足は硬い地面を割り、膝を折りそうになる。

 

 これが国の命運を任される男の剣。

 この一合で改めてわかる。彼は転移魔法による初見殺しに頼るだけの男ではない。

 この剣に宿る重さは、剣に人生を積み重ねてきた本物の戦士にのみ宿る重さだ。

 

 だがこの重さ、黒騎士が目の前にいる証拠、転移魔法を操る彼を捉えるチャンスだ。

 

 俺は刀身に纏わせている水を、相手ではなく自分の剣の周りを高速で循環させる。

 すると俺の剣と鍔迫り合いになっている黒騎士の剣に、ダイアモンドとレッドドラゴンの鱗の粉末が含まれた水が黒騎士の剣に激しくぶつかって黒騎士の剣の刃を削っていく。

 

 黒騎士はすぐに鍔迫り合いを拒否して、転移魔法で俺の右後方に移動したので、俺は体を左に回転させながら、遥か東方の武術にある背負い投げという技のように、急に重さの消えた剣を肩から引っこ抜くように振り抜く。

 

 黒騎士の剣と俺の剣が再びぶつかると、また俺の魔法により黒騎士の剣が削られていく。黒騎士の剣を半ばまで切断したところで、黒騎士は再び姿を消すと今度は10メートルほど前方に姿を現した。

 

(不味い!削り切れない内に距離を取られた!)

 

 俺がまた黒騎士に向けて走り出す。

 黒騎士はその場で剣を振り上げると先ほどと同じように、刀身を転移魔法で転移させて俺の肩を切り落とそうとする。

 俺は転移魔法の予兆を感じ取り、同じように回避しようとした。が、

 

「?!ぐっ……」

 

 肩に振り降ろされた剣は半身になる事で避けることができた。だが、俺の左の太ももを外側から縦に、腹部を水平に、焼きゴテを当てられたかのようなカッと熱い痛みが走る。

 

(一体何が?!)

 

 やられた。

 自分が今何をされたのかも、どれ程のダメージをおったのかもわからないうちに、黒騎士が振り下ろされた剣を返す太刀で振り上げて追い打ちをかけてくる。

 

 今度は喉の前のマナが変わった。だがそれだけではない。

 同時に背中、左足首にもマナが作り変わるのを感じ取る。

 

 このままいけば喉が断たれる。後ろにのけぞれば背骨を砕かれる。足を踏ん張って上半身の動きだけで避けようとすれば足を失う。

 

 ならばと俺は前に踏み込む。

 喉元に転移魔法の出口が現れる前に突っ込んで通りすぎれば何も問題なく避けられる。

 

 先程斬られた太ももから血が吹き出すのを感じるが、痛みに悶てる場合じゃない。我慢できなければもっと痛いのだ。

 

 痛みを意思で封じ込めて黒騎士へと駆け、剣を振るおうとすると、腕のあたりのマナがまた変質するのを感じ取る。

 俺は咄嗟に横薙にしようとした剣を、片手で無理やりその場で止め、左手を前に突き出しファイアボールを黒騎士に放つ。

 

 黒騎士は俺のファイアボールを避けようともせずに剣を横に構えて次の攻撃の動作に入っている。

 

 黒騎士が爆炎に包まれて姿が見えなくなるが、転移魔法を使ったわけではないようだ。

 炎を振り払うように刀身が消えた剣が、炎を巻き込みながら振るわれる。

 

 俺が後ろに跳びながら、肩を空振りした部分を横目で見ると、刀身が根元しかなく、それより先がまた別の転移魔法の入り口へ入り込んでいる。

 

 どうやら黒騎士は刀身を3分割して別々の場所に転移させているようだ。

 その出口はアキレス腱なのか、手首なのかは確認している暇はないが、彼は転移魔法を同時に最低でも3つ同時に行使でき、それにより一刀で完全に同時な3連撃を可能にしているらしい。

 

 

 シャロは同時に一つしか転移魔法を用意できないのでこの攻撃は予想していなかった。

 

 幸い、元々の剣を別々の場所へ分割させる性質上、それぞれの転移魔法ので口から現れる剣の長さはそれほどではなく、さっき斬られた傷は直ちに戦闘不能になるほどではない。

 ほっとくと失血死するかもしれないが。

 

 シャロの護りの魔法は意識的にマナの動きに干渉してあえて発動させなかったのだが、痛みで崩れ落ちそうになる膝に、失敗だったかという後悔がよぎる。

 

 また首のまわりのマナが変質したのを感じ取る。

 

 俺はすぐに痛みをこらえ、まだ無事な右足で地面を蹴ってバックステップでその場から離れた。

 異変を感じた首のあった部分には一見何も起こっていないように見える。

 だが、きっとあの場所にはこの世で最も鋭い首輪状のギロチンが通ったはずだ。

 

 たぶん俺の首の周りの空気を空中に固定して、分子単位の薄さの刃物にしたのだろう。

 これはシャロもよくやる手だ。

 

 僅か数十秒のはずが、俺には途轍もなく長く感じた一連の攻防だが、黒騎士の動きが止まることで一息つく余裕が生まれる。

 口が大きく開き、荒い呼吸で必死に空気を取り入れると生き返った気分になる。

 どうやら息を止めていたようだ。

 

「貴様……見えてるな?」

 

 黒騎士の声色には驚きが混じっている。

 恐らくここまで攻撃を避けられるのは予想していなかったのだろう。

 

 彼が空間魔法を使う事を知らなければまだしも、はっきりと空間魔法の使い手だと知っている。なら俺が対策できないわけがない。

 

 なぜなら俺は()()()()()()()()()最強だったのだから。

 

「さあ?どうでしょうね?」

 

 

 空間魔法の最も向いている戦闘方法は暗殺だ。

 基本的に目に見えない魔法ばかりで、特に転移魔法を応用した攻撃は、死角と意表を突く暗殺のためのような魔法だ。

 

 最後に黒騎士が使った魔法は、理屈はわからないが、物質を固定することでどんな物質でも破壊不能にすると言うもので、その対象を自分たちが吸っている空気に使えば不可視の刃にすることができる。

 

 だが一見無敵にも思える空間魔法だが、感知できないわけではない。

 転移魔法により転移するゲートを作るとき、入り口と出口を作るために大気に漂うマナが変質するのだ。

 俺は自分のマナによりコントロールした水を、周りに立ち上る炎の壁で蒸発させて、水蒸気として周りに滞留させていた。

 

 黒騎士の空間魔法が発動した時、俺のコントロールするマナを宿した水蒸気が、黒騎士の空間魔法のマナと反発して押しのけられる。水蒸気ほど細くしてしまうと制御は効かなくなるが俺はそれを感じ取ることができる。

 

 非常に繊細な感覚を必要とする魔法ではあるが、俺はシャロ相手に何度も試して完全にものにしている。

 この魔法に名前を付けるのなら『水の領域』といった所だろうか。

 別に他人に広めるつもりがないので、基本的に俺の魔法には名前を付けていないので今付けた。

 

 本来なら左手に刻まれたファイアボールの魔法陣を使って水を熱するのだが、左手がメラメラ燃えたまま戦っていると明らかに怪しいので、今回は周りの炎の壁を利用した。

 

 一対一の戦いで他人の魔法を利用するのはズルいかもしれないが、俺は騎士ではなく平民だし、プライドなどよりシャロとの幸せ結婚生活を取る。

 

「これは……貴様……何をした?」

 

 黒騎士が困惑の声をあげる。

 恐らく黒騎士は()()()()()使()()()()ことについて問うているのだろう。

 

 サウナ状態であろう黒騎士の鎧では気付けないだろうが、時間がたてばたつほど、俺たちの周りの湿度が上がっていく。

 そしてやっと今、この辺りに漂うマナを押しのけて転移魔法の出口を作れないくらいには掌握できた。

 

 他人が指向性を与えたマナを自分のマナとして使うことは、かなりの実力差がないと難しい。

 この場には俺の色に染まったマナばかり、黒騎士が転移魔法のために使うマナはほとんど存在しない。

 

 つまり、

 

「もう逃がさないってことですよ」

 

 その言葉の言い終わりと共に、俺は横に水の剣を振るった。

 黒騎士は後ろに飛んで避けようとするが、伸びる剣の前に重い鎧を着ていて転移魔法無しに避けきれるはずがない。

 俺の攻撃は黒騎士の胸のあたりに命中する。

 

 黒騎士の鎧を削り取ろうと、胴体にぐるっと水が巻き付くが、黒騎士はその場から動かない。

 俺はそのまま何度も水の剣を黒騎士の鎧めがけて振るう。

 

 太もも、右肩、顔面、左腕、足首、次々と遅延性の必殺の一撃が黒騎士に叩き込まれていく。

 でも黒騎士は動かない。

 俺の竜をも殺した水のノコギリは黒騎士の鎧を動かせない。

 

 いつまでたっても鎧は斬れず、ダイヤモンドと竜の鱗の粉末を含んだ水が表面を滑るのみ。

 これは……

 

「動かなければ勝てませんよ?」

「わかりきったことを……」

 

 どうやら鎧を空間に固定しているようだ。自分の触れている鎧であれば、この辺りのマナを掌握されていても影響を及ぼすことができるということだろう。

 

 今の彼の鎧はまさに鉄壁。この世のどんな攻撃をも防ぐ最強の鎧。

 だけどこの魔法、物質をその場に固定する魔法だ。

 残念ながら、固定化させた物質はその場から動かすことはできない。

 

 彼は今、鉄壁という文字の通り、壁のように動くことができないのだろう。

 もし鎧への固定化の魔法を解除すれば俺の水の剣が容赦なく彼を襲うことになる。

 

 一応この対策も用意してあるので、俺は動かない黒騎士へと走り寄る。

 左拳を握り込み腕を引いて黒騎士の腹に鎧の上から叩き込もうとする。

 

「だが……まあその通りだ」

 

 黒騎士のつぶやきと共に、俺の肩あたりの皮鎧に切れ込みが入っていくのが肌の感覚でわかった。

 黒騎士が剣を持った手を動かし片手のみで剣を振り上げている。

 鎧を俺の魔法が削り取るわずかな間、肩から先のみ、固定の魔法を解除して攻撃してきたようだ。

 

 黒騎士の斬撃は、剣を持った腕のみを動かした手打ちの剣にも関わらず、非常に重い太刀筋だった。 

 雑兵の剣なら防ぐはずの皮鎧が切り裂かれ、俺の骨まで一緒にきるとは、あまりにも化け物じみた力だ。

 

 その結果として俺の突き出された拳は、黒騎士の剣により肩から切断され、黒騎士に届くことはなかった。

 

 

 この黒騎士の腕を犠牲にした攻撃、当然、シャロのネックレスが俺を守ろうと反応する。今度は護りの魔法を意図的に妨げる事はせず、そのまま発動させる。

 シャロから渡されたこのネックレスに込められている魔法は、空間そのものを大きく波打たせ、どんな運動エネルギーを持つ物でも弾き、退ける護りの魔法である。

 

 俺はこの戦いが始まってから、このネックレスを首からではなく、今突き出している左拳に巻き付けていた。

 そのため、首に巻かれている事前提で構築していた護りの魔法は、上手く俺の事を守ってくれずに俺の腕を落とされてしまった。

 

 だが、黒騎士の腹の前に突き出された拳に巻かれたネックレスから、空間そのものを揺らす波が発生し、固定されていたはずの黒騎士の鎧を大きく揺らし、一時的に只の鎧へと変化させる。

 

 空間魔法による固定を失った黒い鎧に、表面を滑るのみだった水の剣による研磨が始まる。

 黒騎士の全身に巻き付いていた水の輪が次々と黒騎士の鎧を切断し、バラバラになった鎧が地面に積み重なるように落ちていく。

 

 転移魔法も固定化の魔法も封じた。

 鎧の中では逃げ場もないはず。

 これでチェックメイトのはずだ。だが、

 

「手ごたえがない……」

 

 

 ドサッというなにかが落ちる音が後ろから聞こえた。

 そこには見知らぬ男が立っていた。

 

 ガタイがよく、キッと吊り上がった意志の強そうな目をしている。

 白髪交じりの黒髪は短く刈り上げていて、歳の頃は40程だろうか。年齢が顔にでているが、それは決して老いではなく、武人としての経験値が刻み込まれている。

 

 その男は右腕を失っているようで、右腕から血が噴水のように噴き出している。右足首がありえない角度に曲がっていて折れているようだ。

 顔は知らないが、腕を失ってなお失わないこの威圧感、間違いなく黒騎士だ。

 

「今のは危なかったぞ」

「その手がありましたか……」

 

 想定外だ。

 黒騎士はどうやら鎧を捨てて転移したらしい。

 

 入り口は、鎧を固定化させる魔法で耐えるのと同時に、その鎧の内側を固定化の魔法で使用した体内のマナで満たして作り出す。出口は、遥か上空の俺の水の領域の及んでいない場所に作り出したという所か。

 まあ完全なる推測だが。

 

 

 マナは血に宿る物だ。

 空間にあるマナに干渉する魔法も、元は血の中にあるマナが働きかけて行使している。

 肩から無くした右腕から血が吹き出たことでマナの流れが乱れる上、激痛による集中力の欠如、底を見せていないが、魔力消費の激しい空間魔法の行使、多分もう魔法は使えないだろう。

 

 だが、それは俺も同じだ。

 俺はさっきから腹と太ももから血を流しているし、左腕を失った。

 なんとかマナをかき集め、魔法を使っていたが、もう水の剣も形を保てない。

 

 お互いに魔法は使えない。

 使えるのは己の片腕のみ。

 

 さて、戦況は五分ではなくさっきから血を流している分、俺が不利か。

 

 なら、まあ悪くないな。



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18話 終戦(エロ無し)

 全身の力が抜ける。視界が霞み灼熱の戦場が酷く寒い。

 1秒過ぎるごとに死が迫ってくるのがはっきりとわかる。

 

 だけど剣を持つ腕にだけは意識を切らさない。

 この剣を落としていいのは死ぬ時だけ。

 

 死ぬのは

 黒騎士か

 俺か

 

 まずは落ち着こう。

横目で転がった俺の腕の位置を確認する。護りの魔法が込められていたペンダントは、腕ごと切断された小手に握られたままだが、宝石部分が砕けてしまっていて何の魔力も感じられない。

 

 黒騎士は片手で剣を持ち上げてまっすぐに立つ。

 折れた右足には体重をかけず、左足を軸足にして頭まで真っすぐに芯を通った待ちの構え。

 剣のリーチはほぼ同じ。

 お互いに血がこうしている間にも失われていてもう数分もすれば行動不能になるが、それが早いのは俺の方か。

 

 よくわかった。あとは戦うだけだ。

 剣を下げ、体を前傾させて少し腰を落とす。

 

 狙うは一点。

 

 この地獄に流れる熱く濡れた空気を肺一杯に吸い込み息を止める。

 

「フッ!」

 

 地面を踏みぬく。硬く踏み固められた地面が砕ける程の踏み込みは、俺の体を真っすぐと黒騎士の方へと動かし、同時に剣の切っ先を黒騎士の心臓へと向ける。

 剣の切っ先は黒騎士へとただ真っすぐに。ただ速く。ただ全力で。

 この一撃は俺の全てを乗せた限界最速の一撃。

 

 これ以上の攻撃は無く。二度目もない。

 

 さあ黒騎士よお前の剣は俺より速いか?

 

 

 

 

 俺の左耳が切り裂かれた。

 

 

 

 

 世界が止まった。いや、思考が更に加速しただけだ。ゆっくりとだが動いている。

 

 未だ俺の剣は黒騎士の胸へと到達せず、黒騎士の剣は俺の耳を削いで肩を砕かんと向かってきている。

 ここはまだ黒騎士の間合いの外のはずだが黒騎士の剣は既に俺に届いている。

 

 どうやった?魔法を使えたのか?

 ゆっくりと動く世界で少し考えるが、黒騎士の手元を見ればすぐにその答えはわかった。

 黒騎士の剣の柄頭は丸く膨らんでいるのだが、黒騎士はその柄頭を人差し指と中指の間に挟んで、拳一個分だけ剣を長く持っていたのだ。

 

 その特異な握りで指と剣の間を一つの新たな関節とし、増えた関節は彼の剣速を俺の知らないもう一段上のものへと昇華している。

 

 確かに構えているときは普通の持ち方だった。

 となると持ち替えたとしたら俺が攻撃へ移った一瞬の間ということか。

 

 どうする? 魔法は使えない。

 

 肩の肉に剣が食い込む。

 

 避けるか? もう無理だ。

 

 肉を割いた剣は衰えることなく鎖骨をミシミシと軋ませる。

 

 どうやらあの持ち方でも十分な威力を持っているようだ。

 

 鎖骨に剣が食い込み始めた。

 

 左腕があれば腕を突き出して威力を弱められたかもしれない。

 俺が金属鎧を着ていれば弾けたかもしれない。

 転移魔法を封じた時点で仲間と共に戦えば倒せたかもしれない。

 

 かもしれない

 

 かもしれない!

 

 かもしれない!!

 

 決してあきらめたわけではない。加速された思考で今も必死に最適解を探している。だが……打つ手がない。思いつくのは全てかもしれない()()()の事ばかり。

 このあり得ない程引き伸ばされた思考は死ぬ間際の走馬灯というものなんだろうか。

 それはつまり俺の体は死は避けえぬものとしているという事なんだろうか。

 

 鎖骨と共に心が折れる音がした。

 

 それでも俺の思考はなお加速していき、さらには視界も遠くなっていく。

 剣を振り下ろす黒騎士の姿が目の前にいるはずなのにそこにいない感覚。

 これが死か?

 

 黒騎士の姿がどんどん遠くなり、代わりの自分の中に意識が落ちていく。

 己の中へ落ちていく。

 そして視界が黒く塗りつぶされた。

 

 

 

 

 

 

 

『あれ?ここは?』

 

 黒く塗りつぶされていく視界が、いつの間にか全く別の物を映していた。

 見覚えがある。まだ一年たっていないが既に懐かしさを覚える光景。ここは学園の廊下だ。 

 廊下にはあちこちで生徒たちが談笑している。生徒達の中には顔の知っている人物もいて、俺は今の状況を確認するために声をかけようとしたが、体が全くいう事を聞かず勝手に廊下を歩いている。

 

 視線すら俺の意思を無視して勝手に動き回り、学園の視覚情報を勝手に俺に伝えてくる。

 俺は何を見せられているんだろうか? 俺は幽霊にでもなってしまったのかとも思ったが、すれ違う生徒達が何やら俺の方をジロジロと見てくるため、確かに肉体は存在するらしい。

 

 俺は体の成すがままに廊下をしばらく歩いていると、ある女生徒達がひそひそとだが、はっきりわかる声で話しているのが耳に入ってきた。

 

「シャロ様のお腹見ましたか? 一体どなたとの子なんでしょうか」

「私はシーダ王子と関係を持ったと聞きましたわ」

「やっぱり戦争で学園が閉鎖していた間かしら?」

 

(シャロのお腹?)

 

 体はその噂話をしている女生徒達の方へ歩みを進め、彼女達の前で立ち止まると懐かしい声が聞こえてきた。

 

「何の話をしているの?」

 

 姿は見えない。

 でもこの気丈で……生意気そうで……でもとても綺麗な声は……間違いない。俺の最愛の人、シャロの声だ。

 視界にはシャロの姿はなく、でも確かに俺の全身に心地よく声が響いてくる。

 この体の持ち主は……シャロだ。

 

「あ……いえ……なんでもありません」

「そう」

 

 シャロの噂をしていた女生徒達は本人の前で気まずそうに黙り込む。

 シャロはそのまま女生徒達へ何を言うでもなく通り過ぎ、椅子を引いて席に着くと視界を下へとすっと下げる。

 そこには胸のふくらみで少し見えずらいがすこし膨らんだお腹があった。

 

 シャロの授業を受ける態度は何も変わらない。変わったのはシャロを見る周りの目だけだ。

 膨れたシャロのお腹を奇異の目で見る生徒達。

 でもシャロはそれを見せつけるかのように背筋を伸ばして堂々と座る。

 

 お腹のふくらみが目立ち始めた今、貴族の子女である彼女は適当な理由をつけて休めばいいだけで、わざわざ学園など通う必要はないはずだ。

 どういう思いで彼女は学園に通い続けているのだろうか。

 

 彼女の思いは俺にはわからないが、なにがあろうと決して自分の道を曲げず真っすぐ進む彼女はとても彼女らしく美しいと思った。

 俺が何度も心が折れそうになっても道を曲げる事を自分に許さなかったのは、彼女の影響なのかもしれない。

 

 

 場所が変わった。次はシャロの家だ。

 シャロのお腹はまた大きくなっていて安楽椅子に座って編み物をしている。

 隣にはシャロの母親がいてどうやら編み物をシャロに教えているようだ。

 そこに扉を開けてフィリップが部屋に入ってきた。

 

「何をしている?」

「あ、父さま。ちょっと赤ちゃんの靴下編んでたの」

「わざわざそんなことしなくても用意しているが……」

「こういうのは自分で作ってあげるからいいのよ。ねえ?母さま」

「ええ、本当にあなたは昔から女の事をわかっていないのね」

「むう……」

 

 

 

 また場所が変わった。

 ベッドの上で足を開いて横たわり、母親や使用人達が周りで心配そうな顔、真剣な顔、十人十色の表情でこちらを見ている。

 

「ああああああ!」

(シャロ?!)

 

 シャロが叫んでいる! 

 何が起きたんだ?!

 

「お嬢様、あと少しですよ!」

 

 あの気の強いシャロが悲鳴をあげている。ただごとではない。

 叫び声をあげては歯を食いしばって痛みに耐え、視界が曇っていることから涙を流している。

 愛する人が辛いときにそばで支えてあげられないのはなんてつらいんだろうか。

 

(シャロ!俺はそばにいる!)

 

 俺は無駄と知りながらもシャロへ必死に声をかけようとする。

 何とかしてあげたいという思いは届かずシャロは悲鳴をあげ続けている。

 

 でも俺は何度も何度もシャロの名前を呼んだ。

 どれほどそうしていたかはわからない。

 シャロの叫び声が聞こえる限り、俺はシャロの名前を呼び続けた。

 

 そして大きな泣き声が部屋に響き渡った。

 高くて大きな赤子の泣き声だ。

 

「無事に生まれましたよ。お嬢様」

 

 赤ん坊の顔はよく見えない。でも産まれてくれた。

 シャロは俺の子供を産んでくれたんだ。

 

 ただその事実だけでこの世の全ての幸せを独り占めしているかのような気持ちが溢れてきた。

 俺にはわかる。この子は俺の子供だ。シャロと俺の子供なんだ。

 

 赤ん坊を取り上げた産婆は笑みを浮かべながら、こちらへと赤ん坊を手渡す。

 息も絶え絶えのシャロはそれでも最後の力を振り絞り、赤ん坊をその胸に抱いた。

 

「かわいい……」

 

 多分は彼女は笑ったんだろう。

 その笑顔は俺も知らない慈愛に満ちた優しい微笑み。我が子の誕生を祝福し、この世の全ての悪意から守る決意が込めらた強い微笑み。

 今、シャロは母親になった。

 

 

 そして俺はまた戦場に戻る。

 今の光景はなんだったんだろうか。

 シャロと俺をつなぐ魔法の力なのか、神様の気まぐれなのか。

 どちらにせよ本当にうれしかった。

 

 俺はシャロの夫であり、父親になった。

 父親とは子供にとって一番強い存在でなくてはいけない。

 少し肩に剣を喰い込まされたくらいで死ぬわけにはいかない。

 

「あああああ!」

 

 俺は右腕で剣を突き出した状態で左肩に迫る剣を避けるため、地面を蹴って体を捻って左回りに回転させて剣から肩を抜こうとする。

 

 だが筋肉だけでは駄目だ。たとえ体が万全の状態であってもそれだけでは黒騎士の剣速より速く動くことなど不可能だ。

 となればやはり魔法を使うしかない。

 

 血液の中のマナはスカスカで乱れに乱れて全く言うことを全く効かない。

 でもマナが乱れるという事はまだ僅かながら存在するという事。制御するしかない。

 俺の血だ。俺のマナだ。なぜいう事を聞いてくれない。

 俺は何度も血液に残ったマナへ呼びかける。

 

『レイ』

 

 シャロの声が聞こえた。

 乱れたはずの血液中のマナが静まり返った。これなら……できる。

 

 俺は自らの血に命令を下す。

 

 

 

 

 動け。

 

 

 

 

 

 俺の全身に赤く枝分かれした光のラインが浮かび上がった。

 水よりなお俺の濃いマナが含まれた液体である血液が血管の中で指向性をもって筋肉に沿った動きを始める。

 

 この魔法により血液は俺の肉体を内側から物理的に押し、地面を蹴るあらたな筋力となる。その結果、肩を切り裂く剣よりなお速く俺の体は宙で回り始め、黒騎士の剣を置き去りにした。

 

 俺は黒騎士へ踏み込んだ勢いのまま黒騎士とすれ違い、地面へと伏せるように着地する。

 俺は振り返ると黒騎士がその指で剣を挟む持ち方の影響か、剣を止める事ができず、地面へと剣が突き刺さっていた。

 

 この戦いで初めて見せた明確な隙、俺は獣のような伏せた態勢から一瞬で黒騎士へと近づき、その腹へと剣を叩き込んだ。

 俺の新たな魔法により、黒騎士は反応が追いつかない。

 だが、黒騎士の腹には俺の剣は全く歯が立たずに弾かれてしまった。

 

 反動で手が痺れ、剣を落としてしまうが、黒騎士が剣を地面から切り上げてきて剣を拾わずそのまま後ろに跳んで攻撃を避ける。

 なんて奴だ。黒騎士も未だに空間魔法による防御が使えるのか。

 

「ふん!」

 

 黒騎士が折れた右足を踏み込み、俺との距離を詰めてきた。足が折れているにも関わらず、その踏み込みは一切衰えを見せない。

 今の俺の血の魔法の速度をもってすれば避けることは可能だが、俺はあえてその場に留まる事を選択する。

 

 俺は丁度足元に落ちていた俺の腕を足で蹴り上げ手に取ると、黒騎士の踏み込みからの斬撃を腕に付いた小手部分で受け止めた。

 黒騎士の剣は俺の腕に付いた小手の鉄板を凹ませ、引き裂こうとした時、鼓膜を突き破る轟音と共に爆炎が黒騎士の剣を押し返した。

 

「な?!」

 

 これが俺の最後の仕掛けだ。

 小手の爆発により黒騎士の剣は大きく弾かれ、俺との鍔迫り合いで半ばまで切断されていた黒騎士の剣は真っ二つに折れて凄まじい勢いで飛んでいく。

 俺は魔法により強化された赤い腕で回転しながら飛ぶ折れた剣先を空中で捕まえ、そのまま黒騎士の衝撃により伸び切った腕へ叩き込んだ。

 

 攻撃する瞬間ならば空間魔法による防御は動きを阻害するため解除しているはず。

 そして爆発による衝撃で混乱から立ち直り、魔法で防御するごく僅かな隙を俺は神速の一撃で捉えた。

 

 この小手の腕の部分は二重構造になっていて、その鉄板の隙間にモジュール状に小分けにした爆薬を詰め込まれている。

 この爆薬は衝撃を与えても火をつけても起爆せず、電気魔法によってのみ爆発するという特殊なものだ。

 二重構造の外側の裏側には電気魔法の魔法陣が刻まれていて、鉄板が破断するようなダメージを受けた時、ごく微量の電気が爆薬へ流れ起爆するようになっている。

 

 爆発により吹き飛ばされた鉄板が触れた剣を押し返すこの最後の仕掛けは一回きりの奥の手だ。

 

 第3研究室の教授が、丁度シャロにオナニーを報告するよう命令されたくらいに開発したもので、これなら小手に刻んだ魔法陣でファイアボールを撃っても爆発しないため仕込んでおいた。

 

 

「見事」

 

 黒騎士はそう言うと両腕失った体で膝をつき首を垂れた。

 黒騎士は負けを認め、俺に首を差し出してきているのだ。

 俺は黒騎士の首へ折れた剣を当て、返答する。

 

「和平を」




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最終話 幼馴染に貰ったオナホでオナニーしてたら幼馴染が妊娠してた話

「彼を頼みます」

 

 黒騎士の身柄はマリウスへ引き渡した。

 彼を助けるために敵兵の攻撃は激しいものになると思うが、彼なら大丈夫だろう。

 俺自身が司令部へ連れ帰ろうにも俺はもう歩くことも難しいため、今は近くにいたの兵士に運ばれて自陣の衛生兵から治療を受けている。

 

 衛生兵は懸命に止血をしてできる限りの事をしようとしてくれている。

 だが、衛生兵の俺を見た時の目は絶望そのもだった。

 

 それもそうか。

 とても寒くて……眠い。

 

 手の感覚がない。それどころか体そのものが存在しないかのような感覚。

 右手はまだある。目で見ればわかることだ。

 でも目では見えるけど感覚がないので酷く違和感がある。

 

 体はないのに寒いっていうのはなんだか不思議な話だ。

 

 俺は死ぬのだろうか?

 だろうか? じゃないか。

 俺は死ぬんだ。もう助からないというのが自分自身がよくわかっている。

 

 どうすればいいんだろうか。

 俺は夫になるから死ねないのに

 俺はパパになるから死ねないのに

 俺は死ぬ。

 

 あがくとか意志とかそういう次元ではない。これはすでに決まってしまっている事だ。

 

 ああ……シャロと会いたかったな。

 でもまあ……最後に子供が産まれたのを見れて良かったかな。

 

 よし、眠い。もう休もう。

 

 シャロ以外は文句言わないだろう。

 

 ただの平民にしては結構頑張ったんじゃないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「運が良かったな。私がいる限りお前は死を体験することはない」

「ああ……ジャスパー……」

 

 彼が来たのなら俺はもう大丈夫だ。

 英雄部隊の一人、ジャスパーハーロウ。医者であるので基本戦うことはないが一騎当千の実力者。

 彼は助からない相手には無理だとはっきり言うが、どんなに酷い状態でも助かるといった相手は絶対に助かる。

 どうやら俺はまだ生きていられるようだ。

 

 彼が居れば俺は安心して眠れる。

 

「あとは任せた……」

 

 今日はよく眠れそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 アステリア王国の総大将、黒騎士ジェイル=アブサロンの敗北の報は瞬く間に戦場に広まった。

 泥沼の総力戦となったこの戦いによる両軍の損耗は激しく、タイミング的にもこれ以上の戦いは無意味だということで和平交渉へはすんなり入ったそうだ。

 

 今はまだ和平交渉中だが、向こうが攻めてきたうえ、総大将の身柄をこちらが確保していることもあり有利な条件を結べそうでどうやらこの戦争は勝利と言ってもいいらしい。

 

 まあ、和平の条件など難しい話は政治屋に任せるとして、俺は治療を受けて馬車で運ばれている。

 黒騎士との戦いにより俺の体はボロボロで、特に最後の体内の血を動かした魔法により、体中の血管が破裂していて生きていることが奇跡だとのこと。

 そのせいか俺は6日も目を覚まさなかったらしい。

 

 

 彼や従軍医師曰く、世界広しと言えども一命をとりとめることができるのはジャスパーしかいない程の重体だったそうで、もし英雄部隊の一人でもあるジャスパー=ハーロウがいなければ間違いなく死んでいたらしい。

 目を覚ました時、ジャスパーには

 

「今度この面倒臭い魔法を使ったらもう治してやらんぞ」

 

 と釘を刺された。

 

 ちなみに英雄部隊のメンバーは皆無事生き残ることができた。

 3人瀕死の重傷を負っていたが、ジャスパーがドーピング剤で強化した肉体でとどめを刺そうとする敵兵をなぎ倒して救出したようだ。

 

 

 目覚めてから3週間が経った。

 俺は未だに体がうまく動かすことができず、首都へ戻るのに馬車で運ばれている。

 できればすぐにでもシャロの元へ戻りたかったのだが、馬車の揺れに耐えられるようになるまで二週間ほど安静にしていたため遅くなってしまった。

 

 どうやら俺の帰還に合わせて凱旋パレードを行うようで、門から城まで住民がずらっとならんでいるらしい。

 一応俺が主役らしく、少し気恥ずかしいがこれは俺が望んだ結果なため、大人しく皆の歓迎を受け入れようと思う。

 それにちゃんと姿を見せてシャロに安心させてあげたい。

 

 俺は体を起こすが、正直まだ本調子ではなくて酷く体がだるい。

 たったこれだけの事で息が切れて額には汗が浮かんでいる。酷く鈍ったものだ。

 

「馬を用意してください」

「その体で無茶です!大人しく寝ててください!」

 

 俺はすこしでも格好がつくように馬を用意してもらおうとした。得意とはいえないが、一応乗れないことはない程度には戦争中に練習しておいたのだ。

 だが、俺の乗っている馬車に同席していた軍医が俺が体を起こしているのに気づくと慌てて止めに来た。

 

「もう一か月ですよ? 大丈夫ですって。それより俺の活躍は町に広まってるんですよね?」

「ええ、なんでも町中の吟遊詩人があなたの英雄譚を語っているそうですよ」

 

「じゃあ俺がいないと国民は不安がりますよ」

「それとこれとは別です」

 

 議論する余地もないほど毅然とした態度で俺の前に両腕を広げて立ちふさがる軍医。

 医者の言う事なのだからそうした方がいいのは間違いない。でも今日こそが俺の英雄としての地位を確固たるものにする大事な日なのだ。

 

 英雄とは役職ではない。人々に英雄だと称えられて、記憶され、初めて与えられる曖昧な概念である。

 既に俺は英雄かもしれない。だが、ここで人々の前に俺の姿を現すことで、その概念と俺の姿を一致させ俺は真の英雄となる。

 ならばもう少しくらい我慢はできる。

 

「すいませんどいてください。」

「あ! ちょっと!」

 

 俺は無理やり軍医を押しのけて馬車の外へ出る。

 周りは馬と兵士が所狭しと列をなして歩いており、みんなが思い思いに自分の武勇伝を語っている。

 出陣の時のような緊張感はそこにはなく、皆晴れ晴れとした顔だ。

 

 俺は砂煙を上げながら歩く人込みを、痛む足を引きづりながら縫って歩いていると、騎手を失って歩兵に引かれている一匹の馬が目に入った。

 体毛も鬣も夜のように黒く美しい馬だ。

 俺は馬を引く兵士に訳を話して馬へ跨った。

 俺の顔を知らない兵士は少ないので、融通は利くのだ。

 

「結構きついな……」

 

 馬が進むたびに体中に激痛が走る。左足がいう事を聞かないため、足で体重を支える鐙にうまく力がはいらない。

 馬が歩く揺れで尻からガンガン体へ衝撃が突き上げてくるが今は我慢するしかない。

 黒騎士の戦いから一月近く経つというのに未だに傷が癒えないなんて本当は俺の負けだったんじゃないだろうか?

 

 そんな事を考えていると、馬が背中に乗った俺の様子がおかしいことに気付いたのだろうか。馬がこちらに振り向いて様子をうかがってくる。

 とても賢い子だ。

 それに歩かせただけでわかるこの力強さ、とてもよく鍛えられている。

 

 きっと前の主人と深い信頼関係を結んでいたことだろう。

 俺は片手がないので手綱を握った手で馬の首筋をポンポンと叩き、大丈夫だと伝えて前へ歩みを進める。

 ついでに周りの兵に俺が英雄のレイだという事を叫んでもらえるようにお願いしておいた。正直自分で英雄だと宣伝するようにお願いするのはかなり恥ずかしいが、馬車の中から手を振るという段取りを変えてしまうんだから仕方がない。

 

 背筋を伸ばせ。

 胸を張れ。

 俺が英雄レイだ。

 

 街の門を通ると耳を割る歓声に俺は包まれた。

 中には街道を挟んで多くの人が見物に来ていた。ぎゅーぎゅーに詰まった見渡す限りの人たちが、家族や友人の帰りを暖かく出迎えてくれる。

 前を通った兵士達に対してそれぞれねぎらいの言葉かける人、関係なく飲み騒ぐ人、他にも楽器をかき鳴らし、楽器がないものは樽を叩いて食えや歌えやの大騒ぎだ。

 

 俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。俺の名前を歌う声が聞こえる。俺の名前を称える声が聞こえる。

 

 そうしてどこか夢だったんじゃないかと疑っていた俺の戦いに確信が持てた。ようやく俺は英雄になれたんだ。

 

「レイ!」

 

 そして資格を得た俺は馬を降りる。凱旋する兵士たちの列から離れてその人の所へと向かうためだ。

 足がうまく動かず、体重をかけると痛みが走るが、もう大丈夫。彼女が俺のところへ走ってきてくれた。

 

 ああ、シャロ……こんなに綺麗だったっけ……

 

 少しウェーブのかかった長い髪を揺らし、やや釣り目気味な目を潤ませたシャロは、記憶よりずっとずっと綺麗だった。

 

 シャロは俺の目の前で立ち止まると、何かをこらえるかのように口を開いては閉じている。

 

「レイ、お帰り…あのね…私……」

 

「その子が()の子?」

「え?」

 

 シャロが何か話そうとしていたが、それより気になることがある。口を開けて呆けた彼女の胸には白い布に包まれた赤ん坊が抱かれている。

 

 ああ……なんて可愛いんだろうか。

 

 ほっぺはぷっくりとしていて、髪の毛が一本一本宙に浮いているかのようにふわっふわだ。

 シャロへと延ばされた手は腕と手の境目に筋ができるくらいハムのようにふっくらしていて、口に入れてしまいたい。

 

 あの戦いのときに見た光景は本当の事だったんだ。

 どうしよう、本当にパパになったんだ。シャロがいて、シャロとの子供がいるなんてこんなに幸せなことがあるんだろうか。 

 そんなことを思っているとシャロが今度はぽかんとした表情で口を開く。 

 

「どうして……」

「僕がシャロの事を分からないはずないだろ?渡してきたあれって…その…シャロそのものだろ?」

 

 シャロが混乱しているようで言葉が全く足りていないけど、言いたいことはわかる。

 シャロには話したいことがあるんだ。あの時見た光景や、なぜか子供が産まれたことを確信したこと。

 

 でも今は少し意地悪してやろう。僕が愛しているからよかったものの勝手にあんな道具を作るなんて不意打ちもいいところだ。

 せっかく僕が俺になって正々堂々とシャロを迎えに行く準備をしに行ったのに、先に既成事実を作ってしまうなんて少しは反省してもらわなければならない。

 

「いつから……」

「えっと…シャロの部屋であれを手伝ってもらった時には確信したかな」

 

 シャロの疑問にからかい交じりに答えると、シャロがワンワンと泣き始めた。

 ちょっとやりすぎたかな? でもなんだか泣きながらぽかぽかと僕の胸を叩く姿が可愛くて思わず笑ってしまう。そしてそれを見たシャロが更にヒートアップしてしまった。

 

 うん、これでこそシャロだ。

 俺は謝りながらごまかすように子供の名前を尋ねる。

 

「シャロ…僕のお嫁さん…この子の名前は何て言うのか教えてくれるかな?」

「うう…ぐすっ…名前は…レイと…いっしょに決めたかったから……」

 

 よかった。実は候補をいくつか考えてたんだ。

 

「そうか、なら今晩のうちに決めよう。男の子?女の子?」

「どう…ぐすっ…みても男の子でしょ……」

 

 男の子か。なら候補はあの三つだな。

 ああでももう時間がない。やだなあ離れたくないなぁ。

 でもここは我慢だ。僕は父親だから仕事はしないといけないんだ。

 

「シャロ、僕はもう行かなくちゃ」

「え?やだ」

 

 即答。クソ可愛い。でも駄目だ僕は父親だから。

 

「大丈夫だから、夜には絶対に戻ってくる。大丈夫、今日我慢すればこれからはずっと一緒にいられるから。そのために僕は英雄になったんだ」

 

「……わかった……」

「流石僕の奥さんだ!この子の事頼んだよ。」

 

 だからそんな彼女に僕は一つキスを落とす。

 

 さっきまでの元気の良さが嘘のようにおとなしくなり、頬を赤らめ、濡れた瞳で僕の顔をポーッとした顔で見つめてくる。

 

 僕は再び必ず帰る事を胸に誓って、再び凱旋パレードへと向かう。

 

 本当に綺麗になった。あの子が僕の奥さんなんだ。

 ああ、本当に頑張ったかいがあった。

 

 

 

 

 

 謁見の間へ通された俺は、報酬として姫様との結婚を言い渡された。多分見た感じ姫様もかなり乗り気な様子だったのが少し心が痛んだが、丁重にお断りした。

 もし謁見の間に居合わせたフィリップの口添えがなかったら不敬罪で罪に問われ、シャロと駆け落ちする羽目になっていたかもしれない。

 

 パーティーやら貴族の挨拶やら色々あるらしいが、僕は全て怪我が痛むと言って逃げ出してシャロの家へと向かう。

 フィリップが用意してくれた馬車に乗り、大きな屋敷の門を通り、これまた大きな屋敷の扉の前へつくと大きく深呼吸。

 

「ふぅ……」

 

 なんだかドキドキする。

 会えない時間が長かったからか、昼間にあった上に、幼馴染のはずなのに、シャロとこれから会えると思うと凄く緊張する。

 

 俺とシャロはずっと一緒にいた。だからよく聞く初恋話のようなドキドキを体験したことがないが、もしかしたらこの胸の高鳴りが皆が言う初恋なのかもしれない。

 うん、悪くない。

 

 俺は扉に手をかけようとした時、一人でに扉が開く。出迎えてくれたのはシャロの家に仕える壮年の使用人の女性だった。

 シャロの家によく出入りしていた僕は彼女とは顔見知りで、子供の頃はよくお世話になったものだ。

 使用人の女性は両手を前で重ねながら僕に向かって深々と礼をする。

 

「お帰りなさいませ旦那様」

「えっと……旦那?」

「貴方はお嬢様の夫になるお方。となれば私の主となるお方、これまでのような振る舞いをするわけにはいきません」

 

 そう言うとじっとこちらを見つめてくる。

 平民で小さいころからお世話になった人に、急にかしこまられては気後れしてしまう。昔のように話してくれと言ってしまいたい。でも僕はそれを飲み込んだ。

 

「シャロに会いに来た」 

「こちらに」

 

 僕の言葉に使用人は満足そうにうなずくと背を向けて案内を始めた。

 案内されたのは良く知るシャロの部屋。本当なら案内など必要はないがこれは僕がどういう立場になるかを示す儀式なのだろう。

 

「では私はこれにて」

 

 使用人の女性はそう言い残し僕を残して廊下の奥へ消えていった。

 僕は息を吐き、気持ちを切り替えシャロの部屋をノックする。

 

「入って」

 

 中からシャロの入室を促す声が聞こえてきた。俺はドアノブに手を掛けて扉を開く。すると中からむあっとしたなんとも言えない甘い香りが溢れてきた。

 この香りを俺は知っている。

 

 部屋に足を踏み入れると体中に部屋に充満していた甘い香りが全身にまとわりついてくる。香りにあてられた僕は条件反射でペニスがズボンを押し上げ始めた。

 

 この部屋を満たす香りはシャロの雌の匂いだ。

 シャロのオナホを徹底的に虐めてあげた時、あふれ出す分泌液から発する男を誘うための匂い。

 

 中にはベッドの横で黒いレースに縁取られたネグリジェを着たシャロが立っている。

 そのネグリジェは透けており、乳首もまんこも見えてしまっていて明らかに男を誘うためのものだ。

 

 つまり今、シャロは僕に犯されるため興奮している。

 

「シャロ……」

 

 胸も性器も歯の形も僕は知っている。どの部分を見てもシャロの体は美しく、男の欲望を刺激してくる形をしている。

 

 でも僕は彼女の持つ本当の美しさをわかっていなかった。

 それら一つ一つがどんなに美しい形をしていても、それはあくまで一部でしかない不完全なものだ。

 

 全てがこうして一つに集まってこそ、それらは完全なものとなり、シャロという女の本当の魅力を発揮する。

 ただ透けたネグリジェだけになっただけだというのに圧倒的なセックスアピールをしてくるシャロの肢体に、僕はゴクリと唾を飲み込み、今すぐに襲い掛かろうとする本能を理性で抑え込んで話しかける。

 

「えっと……子供は?」

「乳母に預けてるの」

 

 僕の目をじっと見つめながらシャロは端的に答える。

 

「そうなんだ。じゃあさっそく会いに行きたいな。どこにいるか案内してよ」

 

 僕は思わず、自分の知っている幼馴染とは思えない色香放つシャロから目を反らしてしまい、誤魔化すように子供の所へ向かおうと場所を尋ねるが、

 

「駄目。もちろん子供には会ってほしいけど、今日だけは……駄目。あなたは()()()()()私だけの物」

「えっと……それじゃあ……」

 

 意味がよくわからず、混乱する俺の言葉を無視して、シャロはネグリジェを捲くりあげた。

 僕に見せつけるようにてらてらと光る肉壺を俺に晒してシャロは口を開く。

 

「抱いて」

ぶちゅ!

 

 目の前がカッとなった。

 僕は気付くとシャロに近づき、剥き出しになっていた蜜壺へとペニスを突き入れていた。

 

「あっ♡」

 

 熱く濡れたシャロの穴の中は自分のよく知る感触だった。

 よく知るけどいつまでの飽きる事のない天上の快楽。

 毎日毎日、何度も何度も僕のペニスを扱いてくれたシャロのおまんこ。

 彼女と本当に体を重ねるのはこれが初めてのはずなのに、すっかり僕の形を覚え込んでしまっているおまんこ。

 

 シャロを引き寄せるために掴んだお尻はどこまでも沈んでいくんじゃないかと思う程、大きくて柔らかく、お尻の肉を持ち上げるとずっしりとした肉が僕の手に吸い付いてくる。

 

 片手で引き寄せたシャロの腰に、僕の腰もぐりぐりと押し付け、意志を持ったかのように僕のペニスを貪るシャロのおまんこへ精液を一滴も漏らさないように逃げ場をなくす。

 

「シャロ!」

「あああああ♡」

 

 そうすると、まだ入れただけで動かしていないのにシャロを体が胸の中にあるという興奮のせいか、あっさりと達してしまう。

 

 柔らかい。暖かい。いい匂いがする。逃がしたくない。離したくない。僕だけのものにしたい。

 

 そんな独占欲がシャロを引きよせる手に力を与え、シャロを逃がさないように、ただシャロを捉えて楔を打ち込んで中で出し続ける。

 ビュービューと蛇口をひねったかのように精液が脈打つ。長い長い射精は、脈動の度に脳が痺れるような快感が全身を支配する。

 

 あまりの気持ちよさに永遠にも感じた射精もやがて終わる。

 

 まだだ。

 まだシャロと繋がっていたい。

 ペニスはまだ硬いままだ。なら早く続きをしなければ。

 

 そう焦る気持ちとは裏腹に、膝の力が抜け、シャロの中へ埋まっていたペニスがずるりと抜けてしまう。

 やばい。抜きたくない。もっと味わっていたい。

 

「やっぱりまだ怪我してるんだ」

 

 だが、たった一度の射精で最後の力を使い果たした僕をシャロは抱きとめてくれた。

 亀頭のカリが外へ抜けてしまうというタイミングで体を支えてくれたシャロは、優しく僕の背中をぎゅっと抱きしめると、繋がったまま体を回して僕を下にしてベッドの方へと倒れ込んだ。

 

 ベッドへ倒れ込む際どちゅ♡ とペニスが彼女へもう一度深く突き刺さり、シャロが甘い喘ぎ声を上げる。

 頬を赤らめながら息を切らし、僕を上から見下ろした彼女の髪が僕の顔の周りを覆うとクスリと笑った。

 

「やっぱりレイは私に逆らえないね」

 

 そう言うとシャロはお尻をゆっくりと持ち上げ一気に振り下ろした。

 乾いた音と湿った音が同時に体と耳に響く。

 僕の腰に手を置いて足を立てたM字開脚でしっかりとペニスをギリギリまで引き抜いてから振り下ろす激しい騎乗位だ。

 

 シャロの大きなお尻が高く持ち上げられる程、降ろすときには大きな衝撃となってペニスへ甘い刺激を与えてくる。

 

 僕のペニスがシャロの膣奥に存在する子宮を、大きく持ち上げるたびに膣が痙攣して腰を掴む手に力が入る。

 僕を上から見下ろすシャロは、僕の体を食い入るように見つめてくる。

 その興奮のあまり口を開けっ放しになった性的興奮に脳を支配された表情だ。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡」

 

 暴力的な快楽の前になすすべなく射精をこらえていると僕の上で大きく弾むシャロの胸が、暗い部屋の中でピンクの光が照らしてはっきりと見えるようになった。

 

 どうやらシャロの国でも1、2を争うと言われるほどの貯蔵マナが体の外に漏れ出し、シャロの情欲を表すようにピンク色の輝きとなってシャロの体を淡く照らし始めたようだ。しかも僕の体を視姦するシャロの瞳の中を覗くと中にはハート型の光が浮かんでいる。

 感情でマナに変化を与えることはよくあるが、こんな分かりやすい形で感情をあらわすなんて全く知らなかった。

 

 ピンクは淫乱という諺はもしかしたらこうして生まれたのかもしれない。

 

 ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ずちゅっ♡ ずちゅっ♡

 

 シャロが腰の動きを杭打ちピストンから、前後へのグラインドへと変えると、僕の上へ体を倒してきた。

 僕の背中に回された腕に抱きしめられ、密着した少女離れした胸とお尻は、むっちりと僕の筋肉の凹凸へ入り込んで吸い付いてくる。

 

 不思議だ。

 僕の上を上下に滑る彼女の柔らかな肢体はボロボロのはずの僕の体を不思議と痛めることなく癒しだけを与えてくる。

 

「ずっと……ずっとこうしたかった!」

 

 シャロが心の叫びをあげる。その叫びは行動になり情熱になり僕の中に入ってくる。

 その必死で僕のペニスを膣で貪る様子は、まるでオナ禁から解放されたかのような興奮具合だ。

 

「すごい♡ 感じる♡ 全身でレイを感じる♡ こんなの! 気持ちよすぎ♡」

「うう……ああ……」

 

 残った片腕を拘束するかのように抱き着いてくるシャロの攻めに僕はまた射精した。

 彼女にのしかかられ、腕で拘束されて一方的にペニスを貪られているこの状況は、まるで無理やり犯されているかのようだ。

 僕の意思など関係なく、ただ目の前の女性に搾精されるだけ。

 そう思うと精液を吐き出す時の快感がまた一段強くなった。

 

 

 

 

「じゅる……ここは…どう?」

 

 僕の右横に横たわった彼女は僕の目を一瞥すると、僕の胸へと顔をうずめた。

 直後、僕の乳首に生暖かい快感が走る。

 シャロは僕の乳首を口に含み、少ししかない突起を吸引して唇で咥えてしまったのだ。

 

 シャロに吸い付かれた乳首は、中で舌で転がすようにチロチロと先端をもてあそばれる。

 決して強い快感はないが、少しくすぐったいような、痺れるような不思議な感覚。

 

 シャロはその長いまつげ越しに僕の顔を確認すると、精液とシャロの愛液でドロドロになったペニスを、一切躊躇なく握ってシャロは上下へ擦り始めた。

 

 ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ!

 

 シャロの右手は僕の竿をとても速いペースでしごきあげて射精へと導こうとしている。

 この手の速さは長く持たせる気はないのだろう。乳首を舐められ容赦のない手こきの前に僕はあっさりと射精した。

 

 僕のペニスの動きを敏感に感じ取ったシャロの手が亀頭に覆いかぶさると、ペニスの先を握ったシャロの手の隙間から精液が勢いよくあふれ出す。

 シャロの手の中で暴れまわる精液が、行き場を失いペニスの中の圧力が高まってより強い射精感を僕に与えてくる。

 

 僕の精液はシャロの小さい手には全く収まりきらず、その隙間から勢いよく漏れ出すと精液がベッドをどんどん汚していった。

 

「うわ……すっご」

 

 小さくシャロがそうつぶやくと、僕の精液をこぼさないために出来るだけペニスから手が離れないように密着させてゆっくりと拳を持ち上げる。

 射精した直後の敏感な亀頭と密着させながら持ち上げられたシャロの拳が、自分の目の前まで持ってきて開かれると、手に平にどろどろの精液が小さな池を作っている。

 

「いっぱい出たね♡」

 

 にゃちゃ……にちゃ……

 

 シャロは精液の粘度を確かめるように拳を開いては閉じて精液を掌で揉む。

 笑みを浮かべながら精液をもてあそぶシャロはとても楽しそうだ。

 

 

 

 

「ん?」

 

 こてんと可愛らしく首をかしげて僕を見てくるが、その手は僕のペニスを激しく攻め立てるのをやめることはない。

 右手は亀頭に掌を当てて包むようにしぐりぐりと撫でまわし、左手は竿の部分をゴシゴシと絶え間なくしごき続ける。

 

「出る?」

 

「シャロ……もう出ないから……」

「むー……それじゃあ私の研究成果見せてあげるから頑張って勃たせなさい」

 

 何をするつもりなんだろう。僕の金玉はもうすっからかんだ。これ以上は出ない。

 不思議そうに見る僕をしり目に、シャロはベッドのわきに置かれたテーブルへと手を延ばして引き出しを開く。

 その際、シャロのお尻が目に入り、手を延ばしたことで捻るようにお尻が形を変えると、割れ目から精液がびゅっとこぼれた。

 

「じゃじゃーん! ってあれ? なんだレイもう勃起してるじゃない♡」

「それは……仕方がないよ……」

 

 シャロが取り出したのは10cm程の長さの、先が開いた貫通オナホだった。

 

「これは私のここと繋がっているオナホよ。でも今までとは違って先が開いてるの」

 

 先が開いているシャロのおまんこと繋がっているオナホ?

 ペニスを入れたら先が外へ出てしまうのだろうか?

 それではシャロの中へ精液を出せないだけの劣化版でしかない気がする。

 

「じゃあ行くわよ♡」

 

 僕の困惑をよそに、シャロが僕の股の間に体を割り込ませると、既に精液が溢れてきているオナホを僕のペニスへ一気にぶち込んだ。

 

「ひん♡」

 

 おまんこと繋がっているオナホにペニスを突き入れた彼女は当然絶頂する。

 確かに滅茶苦茶気持ちいい。

 でも僕のペニスの先はオナホから外へ出てしまっているのだ。

 これではシャロの子宮を潰して遊ぶことはできないため、やっぱり物足りない。

 

「はぁ♡ はぁ♡ 大丈夫……ちゃんと気持ちよくするから♡」

 

 僕の不満を感じ取ったのだろう彼女は、僕を安心させるように笑うと、そのまま口を大きく開ける。

 

「はむ」

 

 部屋のひんやりとした空気に触れていた亀頭が、急に熱く湿った精液を出すのに最適な空間に包まれた。

 シャロがオナホから余って外に出た亀頭を口の中に入れてしまった。

 

 これはつまり、シャロはセックスをしながら同時にフェラをしようという発想なのだろう。

 

 オナホにぶち込まれた僕のペニスは、シャロの膣のひだにこすられて性感を限界まで高められ、一瞬解放されたかと思うとキツイ唇で作られた輪の中に亀頭が捉えられてしまう。

 シャロの口内では熱い舌が鈴口から我慢汁を素早く舐めとってから、裏筋から亀頭の上までねっとりと舌の裏まで使って嬲ってくる。

 

 シャロの頭が上に持ち上がった。それと同時に手に持ったシャロのおまんこにつながっているオナホを持った手も一緒に持ち上がる。

 そうするとシャロの唇の締め付けから、ちゅぽ♡ という音と共に解放された亀頭は再び熱くてギュッと締めてくる肉ひだの壁へ沈み込んだ。

 唇に加えて通常ではあり得ない膣による抜く時のカリの段差への引っ掛かりは、内部の襞による引っかかりより大きな刺激となって僕のペニスを握ってくる。

 

 一見、僕の股の間に顔をうずめ、僕へ奉仕しているようだが、その実、自らのおまんこへとペニスを受け入れて快楽を貪っている。

 なんて淫乱なんだろうか。

 

 このエッチな女の子にお仕置きがしたい。

 でも僕の体は動かず、ひたすらペニスを貪られることしかできない。

 

じゅるる♡ じゅぽ♡ ジュゾゾゾ♡

 

 駄目だ。こんなの我慢できるはずがない。

 僕のちんこに詳しいシャロが射精感を感じ取って僕の股座で上下する頭の動きが速くなった。

 

「ああ! 出る!」

「らひぃて♡ ぶちゅ♡ いいろぉ♡」

 

 腰をつきだし、シャロの頭を思いっきりペニスへ押し付けようとするが、シャロの手が僕の手を掴んで邪魔をしてくる。

 シャロは口からペニスを抜くと、亀頭までオナホを引き抜いて竿の方を、僕の手を握ったのとは別のもう片方の手で最後の刺激を加える。

 

どく……どく……

 

 僕の精液は亀頭にかぶされたシャロの膣オナホへと吐き出された。

 射精の間はしこしこと竿を扱かれ続け、精液が膣オナホの先からあふれ出してくる。

 

 シャロは掴んだ僕の手を自分の手と絡めるように握り直し、オナホの先へと口をつけた。

 シャロのオナホから吐き出される精液は外へこぼれることなく、シャロの口の中へ入っていく。

 

 さらに射精している中、膣オナホへと埋まったペニスの先にチロチロという感触がそこに加わった。

 シャロが膣オナホの埋まった僕のペニスを舐めるため、自分の膣を舌でほじくり、僕の亀頭へと舌を届かせたということだ。

 

 手と、おまんこと、舌の感触を同時に味わった僕は、一滴でも多くシャロへと精液を作り続けるしかなかった。

 

 

 

 ベッドの上で膝枕された僕の口へおっぱいが押し当てられている。

 シャロの右手は僕のペニスへと延ばされ、一定のリズムで上下している。シャロの手にはいつもの先の開いていないシャロのおまんこへと繋がったオナホが握られていて

 

「あ……ん♡……おいしい?」

 

 大きなおっぱいが目の前に会ってシャロの表情を見ることはできないが、僕に話しかける声は情欲を伴いながらも、まるで赤ん坊を可愛がるような声だ。

 

 僕は返事をする代わりに夢中で口へと入れられた桜色の乳首をちゅうちゅうと吸う。すると乳首の先からほのかに甘い母乳がどんどん溢れてきた。

 その様子にシャロは喘ぎながらもくすりと笑うと、優しく、でもペニスを攻め立てながら、

 

「レイはえっちな赤ちゃんだね」

 

 と、オナホを持っていない空いた手で僕の頭を撫でてくれる。

 エロいのに凄く母性を感じて凄く安心する。

 

 ペニス以外の全身の力が抜けていき、シャロの太ももへ沈んでいく。彼女の太ももとおっぱいに挟まれた僕は、だらんと手足を投げ出して射精感を我慢することなく、なすがままシャロのオナホへと精液を吐き出した。

 

 射精が始まったことを感じ取ったのだろう。シャロは手に持ったオナホをギリギリまで引き抜くと一気に根元まで突き入れる。

 根元へ激しく叩きつけられた膣オナホはギュッと締めてくると、シャロが上半身を前に倒し、僕の顔に乗せられたおっぱいがぎゅっと押し付けられた。

 シャロの絶頂が始まると、出るのではなく、噴き出すという表現が正しい程、母乳の出る量が激しくなって、僕は口の中一杯に母乳をため飲みきれなかった母乳が口の端からこぼれてしまう。

 

 頬にはシャロの潮がバシャバシャと当たり、余裕を見せるシャロも絶頂したことがぼんやり伝わった。

 

 少し恥ずかしいが、授乳オナホこきセックスはとても気持ちよくて凄く気に入ってしまった。

 

 

 

 ありとあらゆる方法でセックスをした僕達はベッドの上で別れていた時間を取り戻すように、相手の鼓膜を震わせあう。

 僕の残った右腕を枕にしたシャロが僕の胸板を撫でながら、足を僕の体に絡めて必死に眠気と戦っている様子がとてもいじらしい。

 

「本当に英雄になっちゃったね」

「約束したからね」

 

「駄目って言ったのにな」

「でも最後はいいって言ったじゃないか」

 

「あんな説得されれば仕方がないじゃない」

「そういえばあの時は僕に攻められてグニャグニャになってたよね。今日はなんか余裕ありそうだった。どうして?」

 

「ふん!」

「ぐえっ」

 

「帰ってきてくれてありがとう」

「待っててくれてありがとう」

 

「シャロ、改めて言うね」

 

「結婚してください」

「はい」

 

「浮気したら相手を殺してレイは試験管詰めにして私無しで生きられなくするからね」

「殺すのは僕の方じゃないんだね……」

 

「当然よ。あんたは私の物なんだから手を出した女が悪いわ」

 

 シャロは笑った。

 白い歯を目一杯開いた満面の笑顔と、ぽろぽろと光る目は僕のよく知るお転婆なシャロの優しい優しい笑顔。

 よく悪戯して怒られてピーピー泣いてた昔とは違う涙だけど、泣きながらもニカッと笑う所はシャロのイメージにピッタリだ。

 

「あ、でも明日から私の物じゃなくて私達の物になるのか」

「どういうこと?」

 

「私達には子供がいるでしょ?」

「そうだ! 名前決めなきゃ!」

 

「そうね。でも……あと少しだけ私だけを見てて……あと少しだけ……目を覚ましたときにはお母さんに戻るから……」

「……うん」

 

「そうだ! 房中術試してたんだけどどうだった?!」

「房中術?!」

 

「ちょっと詳しく聞かせなさい!」

 

 裸のままベッドから飛び起きたシャロは紙とペンを持ってキラキラとした目で僕を観察してくる。

 さっきまでの会話は何だったんだとすこし呆れたが、好きなものには一途に追い求めるこの姿こそがシャロらしい。

 

 知らない間に大人になったみたいで少し寂しかったが、やっぱりシャロはシャロだった。

 僕はその様子に少し吹き出しながら自分に起きた違和感を思い出す。

 

「えっと……シャロとセックスすればするほど、何故か次の日のマナの量が増えてた」

「やっぱり! 成功してたのね! 私の中へ注がれた精液に私のマナを注いでみたの! レイのちんちんに精液を媒介にして私のマナを送り返せると思ったの!」

 

 

「戦いの時、周りがゆっくりになって思考だけが加速していく感覚になるんだけど、最後はその感覚が凄く強くなってた」

「それは……もしかしたら脳の信号の時間を加速させた可能性があるわね……もしそうだとしたら、空間魔法を操れば時間をも飛び越えられるという仮説が信憑性を帯びてくる……」

 

 さっきまでの淫靡な空気はすっかり消え失せて、僕に戦場の様子を詳しく聞いてくる。

 全裸で股から精液を垂れ流しながら目を輝かせて新しい魔法へのアプローチを語る彼女は本当に楽しそうだ。

 

 

 この時の僕は知る由もないが、僕はこの先、色んな問題にぶち当たることになる。

 

 姫様がシャロのことは妾でいいからと言って求婚してきたり、優秀な遺伝子を求めて貴族の女性に追いかけまわされるという修羅場問題。

 

 最強の名を得るために喧嘩を売ってくる腕自慢の貴族たち。

 

 突如、国を襲った魔物の軍勢。

 

 貴族の女性たちにひそかに広まる魔法のオナホによる出来ちゃった結婚騒動。

 

 この帰ったときのセックスで出来た娘の反抗期。

 

 本当に色んなことがあった。

 傷ついて、覚悟して、また傷つく。

 その度に、シャロは僕に寄り添い、尻を叩いて前を向かせてくれる。

 

 でも僕とシャロの話はこれで一先ずおしまい。

 

 僕とシャロは何時でも繋がっていて、シャロに支えられる限り僕は戦い続けることができる。

 それだけはいつまでも変わることがない。

 

 僕の物語は、ただ、それだけの話なんだから。

 

 

 

幼馴染に貰ったオナホでオナニーしてたら幼馴染が妊娠してた話 完



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おまけ 英雄の息子である俺に皆がオナホを渡してくる件について(エロ無し)

 俺には幼馴染の女の子がいる。

 それも9人もだ。

 その兄や弟も含めるともっと多いのだが、今は問題ではない。

 

 なぜそんなことを言うかというと、最近その女の子たちの様子がおかしいのだ。

 

 彼女たちは救国の英雄である親父と同じ英雄部隊の娘たちで、幼いころからよく一緒に遊んでいたため普段は皆仲がいいのだが、ここ最近雰囲気がよくない気がする。

 ピリピリしているというか……なんというか……

 

 どうやって仲直りさせようか悩んでいたある日、悩みの種である幼馴染の一人が家を訪ねてきた。

 

「あの……ルークくん……こんにちは……」

 

 恥ずかしそうに俯く彼女はかつてこの国を救った英雄部隊の一人、フェリオン=プレートの娘、リンダ=プレートだ。

 彼女は父に似て、女性にしては非常に背が高く、俺の背より頭一つ分は高い。

 どうやらそのことがコンプレックスに感じているらしく、いつも体を縮こませて何かあると俺の後ろに隠れようとする。

 

 まあ体が大きい分、非常に肉感的な体系の持ち主で、ブラウスを押し上げるスイカのような胸が俺の背中にいつもあたっていて非常にありがたい存在である。

 

「あの……えっと……これ! 使ってください!」

 

 リンダは急に叫ぶと顔を真っ赤にさせながら何かの箱を俺に押し付けてすぐに走り去った。

 滞在時間10秒。

 途中、よほど焦っていたのか屋敷の鉄格子でできた門にぶつかっていたが、流石英雄の娘だけあって門を吹き飛ばし、全く速度を落とさずに帰ってしまった。

 

「あーと……」

 

 あの内気怪力高身長娘の前に門の意味などないようだ。

 

「なんだったんだ……」

 

 

 

「なにしてる」

「うぉ!」

 

リンダの様子に呆けていると突然後ろから声をかけられた。

 

「驚くとか失礼」

「じゃあ気配消して近づくなよ……」

 

 声をかけてきたのは暗殺を得意とする英雄部隊の一人、エルネスト=ミクモの娘、スー=ミクモ。

 同い年とは思えない非常に小柄な体の持ち主で、暗殺一族の末裔らしく、いちいち気配を消して俺の後ろから声をかけてくる。

 

「それがさ、リンダがなにか渡してきたと思ったらすぐに帰っちまったんだよ」

「そう」

 

 聞いてきたのにそれだけかよと思うが、いつものことだ。

 彼女は口数は少なく、必要最低限の言葉しか話さないが、別に話すのが嫌いではないらしく、ただ口下手なだけだ。

 

「これ」

「ん? なんだこれ?」

 

 そう言うとリンダに引き続き、スーも何かの箱を渡してきた。

 両手に箱を抱えた俺は首をかしげてスーに中身を聞くが彼女は無視して次の言葉を離す。

 

「使って。リンダのより先に」

「はあ?」

 

 とりあえず開けて中を見てみようとした時、俺の顔の傍を目にもとまらぬ速さで通り過ぎた。

 

「でりかしーがない」

 

 俺は後ろ振り返ると、闇に紛れるように黒く塗られたナイフが壁に突き立っていた。

 どうやら彼女が投げたようだ。

 今起こしたこの凶行に反して、こいつはなぜか頬を赤らめている。彼女が表情を動かすなんて珍しいこともあるもんだ。

 顔だけ見れば少し可愛い気もするが、冷や汗をかいていてそれどころではない。

 

「じゃ」

「あ、おい!」

 

 スーの別れの言葉が聞こえてナイフから目線を外すが、既にスーの姿は見えず、帰ってしまったようだ。

 

「やっべ! もうこんな時間か!」

 

 箱の中身は気になるが、俺は今から徒手格闘の稽古に行かなければならないんだった。

 俺は急いで部屋に戻り、二つの箱を置いて道着をもって家を出る。

 

 ただでさえ今日は寝坊して遅刻なのに来客があって数分無駄にしてしまった。

 うちの使用人は母さんの言いつけで俺を起こすことはない。

 寝坊癖を直すために最近自分で起きれるようになれと言われたからだ。

 

 

 

「遅い!」

「ふぅいまへぇん」

 

 走って道場に付いた俺の顔に肌色の足がめり込んだ。

 俺の顔面を素足で踏みつけにして叱るこの女は素手で鎧を砕いたと言われる英雄部隊の一人、コンラッド=ビーチャムの娘、クリス=ビーチャムだ。

 

「あ!ん!た!は!いつになったら寝坊する癖直るのよ!」

「いふぁいいふぁい」

 

 クリスは俺の顔へとつけられた足を下げたので、やめてくれたのかと思うと、次は足の親指と人差し指で俺の鼻をギュッとつまんで左右に振り回し始めた。

 見ての通り彼女は体が柔らかく、格闘家だけあり全身の使い方が非常にうまいのだが、足癖がかなり悪い。

 白い道着の隙間から下着代わりのシャツはあまり盛り上がってはいないくせに生意気な娘だ。

 

「相変わらず凄いバランスだな」

「まあね」

 

「今日は父さんいないから私とあんただけよ」

「ふ~ん」

 

 珍しいこともあるもんだ。何時も彼女の親父さんと3人で朝稽古をしてから、他の門下生が道場へくるのだが、何か用事があったんだろうか?

 俺の疑問はそこまでで、特に気にすることなくクリスとの組み手を始めるのだった。

 

 

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……ありがとう…ございました……」

「ありがとうございました」

 

 女相手に今日もぼこぼこにされた俺は地面に倒れ込んだ。

 そんな俺にクリスはカップに水を注いで持ってきてくれる。

 俺は体を起こし、水を受け取る。

 

「すまん……」

「まあ、ちょっとはよくなったんじゃない?」

 

 目を反らし、格闘家でありながら伸ばした髪を指で巻きながら珍しく褒めてくれる。

 ずっと組手していたというのに軽く息があがっているだけなんて何か理不尽なものを感じるが、彼女に褒められたことは素直に嬉しい。

 そうして稽古終わりに休憩していると、彼女が何か箱を抱えているのに気づいた。

 

「なにこれ?」

「……プレゼント」

 

 またか。

 

「え? 俺今日なんかあったっけ?」

「えっと……ほら……あれよ! 成長した証っていうか!」

「んん? まあ貰えるもんなら貰っとくけど……」

 

 なんで3人同時にプレゼントを渡してくるんだろう。

 別に今日、俺は誕生日というわけでもないし、なにかのイベントというわけでもない。

 考えてもわからないので、とりあえず中身をみてみようと思って蓋に手をかける。

 

「今開けるな!」

「ふご!」

 

 開封を阻止するべく俺の顔面へとクリスの前蹴りが突き刺さった。

 

 ちっこい足してるくせにいい蹴りをするぜ。

 

 

「なんだこれ……」

 

 俺の前に置かれた3つのオナホ。

 なんでこんなものを女から渡されるのだろうか?

 稽古が終わって家に帰り、自室で3人の幼馴染からもらった箱を開けてみたのだが、中には明らかに女性器を模した穴の開いた筒が入ってあった。それも3人ともだ。

 

 穴の形はそれぞれ違うようだが、なんで3人ともオナホを渡してくるんだろうか。

 男友達にこっそり借りたエロ本に載っていたので存在は知っているが、まさかそれが一気に3個も手に入るなんて思わなかった。

 

 童貞な俺は、女性器の形をした穴を見ると中々グッとくるものはあるが、これを使うのはなんか怖い。

 

 明日は学園が終わったら、他の幼馴染達と会う予定だけどもしかしたらあいつらも渡してくるのか?

 意味が分からないが流れ的にありそうでめっちゃ怖い。

 

 遠回しな告白か? と考えたが、オナホを渡すってことはオナニーしてろって事で、お前とはセックスしない宣言としか思えない。

 

「寝よ」

 

 流石にオナホを使う気にならず、オナホは箱に戻して問題を先送りすることにした。

 

 

 

 

「留学生を紹介します」

 

 朝、教師から突然知らされたスキャンダルに教室がざわめく。

 男なのか女なのか。数秒の間に憶測が憶測を呼び、朝から教室は非常にやかましくなった。

 学級崩壊したかのようなざわめきだが、教師は気にすることなく、外に待機している転校生へと声をかけた。

 

「入ってきなさい」

 

 その子が入ってきたとき、教室が静まり返った。

 転校生は黒髪のとんでもない美少女だった。

 教室中の生徒が男も女も騒ぐのをやめて彼女に魅入っている

 

 腰まで伸ばした長い髪は教室に歩いて入ってくるのに合わせて、柔らかそうになびき、左右交互に動かす足は野生動物を思わすようにしなやかで美しい。

 彼女は意志の強そうな目で教室を見渡すと、呆ける生徒達を気にすることなく、見た目通りの綺麗な声で話し始めた。

 

「シア=アブサロンです」

 

 名前を聞いた瞬間、教室が再びざわめき始めた。

 その家名はこの国の人たちにとってあまりにも有名だからだ。

 絵本にも吟遊詩人が歌う歌にもなっている最も新しい伝説。

 俺たちの世代は皆その物語を聞いて育つほどの有名な話の登場人物。

 

「家名を聞いて察している方も多いでしょうが、私の父上は黒騎士と呼ばれています」

 

 黒騎士って……やっぱりあの黒騎士か?!

 親父を瀕死まで追いやったっていうお隣の国の大将軍じゃないか?!

 

 彼女の父は物語の中のラスボスである黒騎士。

 あれ? ていう事は何か嫌な予感がする。

 

 クラスメイト達も勿論そのことは知っているため、俺の方にも視線が集まる。

 シアと目が合った。

 彼女は何も言うことなく、つかつかと俺の方へと真っすぐに歩いてきて、俺の座る席の前に立った。

 

「私の父上はあなたの父に負けました」

 

 俺の父親がレイだということはバレているようだ。

 俺の顔をなぜ知っているんだろうか?

 

「私と勝負してください。貴方を倒して父上が最強だと証明して見せる」

 

 初対面なのに決闘とかどんな神経をしているんだろうか。

 たとえ美少女でもそのくらいの常識は守るべきだと思うし、俺を倒しても親は関係ないだろう。

 どんな覚悟をもってこの国へ来たかは知らないが、勝負をしかけてくる意味がわからない。

 なぜなら、

 

「俺、そこそこだぞ!」

 

 俺ことルーク=スコットの親父はこの国最強の男と言われているレイ=スコットだ。

 だが、その子供である俺は別に強くも弱くもなく、本当にそこそこという腕前である。

 そんな俺に勝負を挑んできた隣の国から来た最強の父を持つ娘。

 

「はあ……意味わからん……」

 

 一体俺はどうしたらいいだろうか。




日刊ランキング1位ありがとうございます!
これで本当にこの物語は終了です。

おまけの続きは書く予定がありませんのでご注意ください。


↓自分の処女作あげました。
やけに催眠オナニーが気持ちいいと思ったら幼馴染に美味しく頂かれていた話
https://syosetu.org/novel/240182/1.html

透子さんはそこにいる 〜性欲が強い透明人間の女の子とイチャラブエッチする話〜
https://syosetu.org/novel/239522/1.html


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8話表② 説得(ぬるぬる)

ノクターンノベルズにてブックマーク8000件されましたので記念におまけ上げます。

話の流れを考えてカットしていた戦争へ行くレイを止めようとするシャロを説得する話です。

もし忘れているのであれば8話の表と裏どちらでもいいので読み返してもらうと分かりやすいです。


「やっぱり駄目……レイが死んじゃう。それくらいなら……それくらいなら結婚しなくてもいい!他の女と結婚しても……いいから……行かないで……」 

 

 僕はベッドの上で泣き続ける彼女の頬に両手を添え指で涙を拭う。

 

「駄目だよ」

「どうして……お願い……私……レイがいないと生きていけないの……」

 

 彼女の悲壮な顔を見ると気持ちが揺らぎそうになってしまうが、僕は彼女と正々堂々と添い遂げる覚悟を決めたのだ。

 そのための方法が一つしかないというのなら、僕はどんなに低い可能性でも、命を懸けてでも彼女を手に入れて見せる。

 

「シャロは僕のプロポーズ受けてくれたよね?」

「だからそんなこ……」

 

 シャロが言い返して来たので途中で頬に当てた手を引き寄せた。

 仕返しだ。今度は僕が唇で黙らせてやった。

 シャロの唇は本当に柔らい。

 この綺麗な口に何度も僕のペニスが咥えられてきたと思うと凄い興奮してくる。

 

「っぷは!ちょっとまっんん!」

 

 シャロが何か言おうと頭を後ろにそらしたので、僕は彼女の後頭部に手を回して強引に引き寄せた。

 ぶちゅっとシャロと僕の唇が溶け合うように強く押し付ける。

 暫くシャロの唇を堪能しているとシャロの抵抗が弱まったので顔を離す。

 

「受けてくれたよね?」

「だから……くちゅ…ちゅ…あ…はむ……っん…」

 

 今度は吸い付いた唇に深く舌を差し入れると、シャロの舌が逃げようとするので追いかけて深く差し込む。

 

 右手は頭を、左手は腰に回してぎゅっと抱きしめると、シャロの柔らかい体はぎゅっと硬直していているのがわかった。

 僕の舌の上で感じるシャロの舌は固く縮こまっていたので、グニグニと僕の舌で揉んであげる。すると徐々にこわばりが取れてきて、僕の舌がシャロの舌へ沈んでいく。

 シャロの舌を突けば突く程、唾液が溢れてきてシャロの味を感じる。

 僕のディープキスを受け入れる体勢になったところで舌を彼女から引き抜くともう一度答えを聞く事にする。

 

「返事は?」

「はぁ……はぁ……だめぇ……」

 

 先ほどまで強く拒絶していた彼女も今は弱々しく答えるのが精一杯の様子だ。

 そのいじらしい姿に僕はズボンの中でペニスが痛いくらい勃起している。

 僕はベッドの上で立ち上がり、シャロの目の前にテントを張ったズボンを突き付けると、彼女の目がそのテントの先に釘付けになった。

 

「脱がして」

 

 彼女は穴が開くほど股間のふくらみを凝視している。

 僕はじっと彼女の反応を待っていると、次第に彼女の鼻息がフゥッフゥッと荒くなり、ごくりと喉から音が鳴った。

 シャロは酷く興奮した様子で、ゆっくりと僕のズボンに手をかけ、するすると下におろす。

 当然勃起したペニスにズボンが引っかかるが、シャロはぐっと力を入れて無理やり下におろした。

 

ぺちっ

「あっ……」

 

 ペニスが弾かれる様に飛び出ると彼女の唇を叩いた。

 思わず声を出した彼女の開いた口にペニスの先が唇の分だけ中に入る。

 

「僕のお嫁さん入れるからもっと口開けて」

「あ…あぁ……」

 

 僕のお嫁さんという言葉に彼女はびくっと震えると口も震わせながらゆっくりと開いてくれる。

 僕はゆっくりとシャロにペニスの形を覚えさせるようにゆっくりと入れていく。

 

 僕のペニスがにゅるるとシャロの舌の上を滑り、奥の喉に突き当たった。僕は構わずそのまま腰を進めると、行き場を失ったペニスはずるりと下に空いた穴のほうに潜り込んでいく。

 ペニスが熱くてとてつもなく気持ちいい。

 

 こうやってペニスを余すことなく包み込まれると、なんだか落ち着く。

 多分毎日のようにシャロの喉奥の感触はペニスで味わっていたからだろう。

 もうシャロに以外

 

「ごぷっうっ…くぽ……」

 

 幾度となく味わってきたシャロの口だが、直接咥えられるのは初めてだ。

 ペニスに伝わる感触は同じだが、シャロの顔が僕の股間にうずめられているのを見ると酷く興奮する。

 シャロの咥えながらも上目遣いで僕の目を見てくる様子にペニスがびくびくと動いてしまい、シャロの喉をつついてしまう。

 

 シャロは喉から苦しそうな音をだすが、どこか幸せそうだ。彼女はフェラチオが好きなのは心の声を聴いて知っているので間違いないだろう。

 僕はシャロの口にペニスを入れたまま動かないでいると、何も言っていないにも関わらずシャロが手を僕の腰に当てて頭を前後に動かし始めた。

 

「ちゅるるるっじゅぼぼっずぞ!」

「ああ…シャロ気持ちいいよ……」

 

 これは彼女の得意のバキュームフェラだ。

 手を離したオナホが一人でにストロークできるほどの強烈な吸引と、唇とペニスの密着性に魂まで吸い取られそうな程気持ちいい。

 舌は当然ペニスを少しでも気持ちよくしようと触手のような動きでペニスを攻めてくる。

 舌がべっとりと裏筋にはりつきながらペニスがシャロの唇から引き抜かれたかと思えば、入っていくときは舌が亀頭の上側にはりついて刺激してくる。

 

 シャロの口淫は徐々に激しくなり、口の中一杯に溢れた唾液がペニスでかきまわす度に溢れて、ベッドに黒いシミを作る。

 先程までのぎこちなさは何処へ行ったのかすっかりフェラに夢中な様子だ。

 容赦のないフェラに足が震えてへたり込んで射精してしまいそうになるが、我慢して僕は前後に動き続けるシャロの頭を掴む。

 

「ん〜!」

「くっ……」

 

 頭を抑えられてディープスロートを止められたシャロが唸って不満を伝えてくる。

 その代わり舌が激しくペニスを舐め回してきて決して搾精をやめようとはしない。

 僕は快楽で抜けそうになる腰に力を入れてズンと奥に突きこんだ。

 

 シャロはごふっと一度咳き込むが、数え切れないほど精液を飲み込んできたシャロはペニスを受け入れてくれた。

 僕はこんな激しくシャロの中にペニスを突っ込むのに不安を覚えていたが、どうやら前日まで感じていた通り激しく喉にペニスを入れるのが好きなようだ。

 僕はシャロの頭を固定して腰を振ってシャロの口内に入ったペニスを激しく動かす。 

 

「ぐふっごぽっうう♡ぶちゅっぶちゅっふぅ♡」

 

 ずんずんと腰を振り、激しくシャロの顔に腰を打ち付ける。

 恥骨がシャロの鼻にガンガン当たっているが、シャロの顔を見ると頬が上気していて嬉しそうだ。

 

「シャロ……そろそろ出すよ。」

「ちゅるるる♡」 

 

 シャロは僕の声にペニスを貪ることで答えてくれる。

 先程まで拒否の意志を示していたシャロが、ペニスを咥えた途端従順になるなんて、何処まで僕の男心を満足させてくれるのだろうか。

 本当に僕には勿体ないくらいのいい女だ。

 

…ゴク…ゴク…ゴク……

 

 静かな部屋にシャロが僕の精液を飲み下す音だけが響く。

 シャロはビクビクと体を震わせながらもフェラはやめないが、もしかしてイッてるのだろうか。

 

「うあ…はっ…シャロ……ああ……。」

「ふん♡んん♡」

 

 びゅるるると本当に音が出ているんじゃないかという程激しく射精している。さぞ濃いのが出ていることだろう。

 だがシャロは苦しそうな様子を一切見せずに胃袋に精液を貯めていく。

 それどころか射精しているペニスにびちゃびちゃと舌が絡みついて射精を促してきて気持ちよさのあまりついに足に力が入らなくなった。

 

 強すぎる快感に僕はシャロの頭を手で抑えて離そうとするが、シャロはガシッと僕の腰に腕を巻きつけて決して離してくれない。

 僕はベッドにへたり込み、シャロから与えられる快感に悶え続けた。

 

ピチャ…ピチャ……

 

 やがて射精が終わるとシャロがお掃除フェラをしてくれる。

 今は僕の太ももに腕をかけて顔をぺニスよせて横からねぶるように竿を舐めている。

 

「ちゅぽっ……一杯でたね♡」

「はあ…はあ…はあ…うん…シャロ、ありがとう」

 

 僕のお礼の言葉にシャロは満面の笑顔を浮かべる。

 その無垢で純粋に表現された喜びはまるで周りが明るくなったようだ。

 

 僕は戦争の事など忘れた様子のシャロの髪を、すかすように撫でるとそのまま肩へ手を置いた。

 シャロの肩へ置いた手にゆっくりと力を込め、シャロをベッドへと押していく。

 シャロは抵抗せず、されるがままにベッドへ仰向けで倒れ込んだ。

 

「ん……」

 

 目を瞑って唇を突き出してきたシャロへ、口付けを落とす。

 シャロの上唇を僕の唇で挟むようにして味わいながら、左手をシャロの下半身へと延ばす。

 

 おなかの上を滑らせるようにしてシャロの下着の中へ手を潜り込ませると、僕の下にいるシャロがピクリと震えた。

 僕はそのまま構わず手をパンツの奥へと入れていくと、ぬるぬるとした粘液に覆われた割れ目が中指の所に現れた。

 

 シャロのおまんこは他の部分とは比べ物にならないくらい熱かった。

 分泌された粘液を指で掬い取り、割れ目の上をヌルヌルと這わせていく。

 シャロのおまんこは、巨乳に負けず劣らず柔らかい肉でできているようだ。僕の指が面白いくらいに沈んでいく。

 

「あ♡……ん♡……ああ!」

 

 シャロの豆を弾くとシャロはビクッと腰を跳ねさせ、大きな反応をする。

 自分の手で気持ちよくさせていると思うとだんだん楽しくなってきて何度もシャロのクリトリスをいじってしまう。

 潰したり、指で挟んでみたり、擦ってみたりした。

 その全部でシャロは甘い声を上げて気持ちよくなってくれた。

 

 ぷしゃっと僕の手にシャロが吹いた潮がかかる。

 

 手にかかる熱い感触を感じながら、シャロがフェラチオが好きな理由が分かった気がした。

 好きな人が気持ちよくなってくれる姿を見るのは凄く気持ちのいい事なんだ。

 

「はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ ねぇ……するの?」

 

 シャロは息も絶え絶えの様子だが、その顔は期待に満ち溢れている。

 シャロは僕にペニスを入れて欲しくて欲しくてたまらないのだ。

 

 こんな顔をするのに……あんなえぐいフェラをするに……シャロはまだ処女なんだ。

 

 僕は何も言わずにシャロの濡れそぼった下着を脱がした。

 あいかわらず無毛で一本筋の子供のようなおまんこだ。

 

 湯気が出そうなくらいホカホカで、ぬるぬるで、ペニスを受け入れる準備が整ったおまんこの上に、僕は力を取り戻したペニスを乗せた。

 

 ペニスの下筋を左右から挟む媚肉が熱を伝えてくる。

 乗せただけでペニスへ伝わるおまんこの気持ちよさ、一体この肉に挟まれたらどれだけ気持ちいのだろうか。

 もう約束など無視して種付けしてしまおうか。

 

 そんな肥大する性欲が理性を上回ろうとする。

 

「うぅ……くそ!」

バチン!

「あああ♡」

 

 僕は腰をシャロのお尻に打ち付けた。

 ペニスを包む肉厚の肉の感触が腰が震える程気持ちいい。

 

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ 駄目♡ ちゃんと入れて♡」

 

 僕は無視してシャロへと腰を打ち付ける。

 僕はシャロの穴の中へはペニスを入れていない。

 

 シャロの足を閉じさせ、おまんこの上に乗せたペニスを太ももで挟んでいるのだ。

 いわゆる素股だ。

 

 シャロのおまんこがペニスを押し付けられたことで割り開かれ、ピンク色の肉がむき出しになって僕のペニスへ吸い付いてくる。

 腰を引けばペニスのなくなった媚肉が元の一本筋に戻っていき、腰を進めれば抵抗なく割り開かれていく。

 僕のペニスにぴったりくっつく媚肉と体温が交じり合い、ただ押し付けているだけで凄く気持ちいい。

 

 そこに左右から挟むシャロの太ももが凄い。

 シャロの太ももはむっちりと肉が詰まっていて、張りがある。

 足を閉じさせるために鷲掴みすれば程よい弾力が指を押し返してきて、腰を打ち付けるとぷるるん♡ と波打つ。

 

 そんな分厚い肉に覆われた太ももは、みちっとペニスを左右から圧迫してくるが、決して痛くはなく、その柔軟な肉が途轍もなく心地いい。

 

 おまんこを上に乗せられたペニスで擦ると、愛液と潮が何度も噴き出して潤滑油に困ることはない。

 

「入れて欲しい?」

「んあ♡ ああ♡ 入れて♡ 欲しい♡」

「駄目」

「そんな……ふぁあ♡」

 

 一瞬、セックスしてくれない事を知ったシャロは絶望の声を上げるが、ペニスをまたの間に強めに突き入れると直ぐに気持ちよくなってしまったようだ。

 

 シャロの太ももの筋肉が時折力が入ったり、もじもじと擦るように動かしてきてペニスを包む感触が毎回変わるので気持ちよさに慣れることはない。

 入れれば入れる程シャロの素股の魅力が増していく。

 もし最初にフェラで抜いてもらっていなければ瞬殺されていたかもしれない。

 

「そろそろ……出すよ……」

「ひぃ♡ ひぃ♡ ひぃ♡」

 

 射精感が高まってきて腰の動きを速めていく。

 パン!パン! という破裂音がどんどん大きくなっていき、それに合わせてシャロの声も大きくなっていく。

 ペニスの下からはシャロの温水シャワーがさっきから出っぱなしになっており、どうやらイキ狂っているようだ。

 

 駄目押しにシャロのおっぱいをギュッと鷲掴みして力を込める。

 するとシャロは体を折れるそうなほど弓なりに反らせ、また絶頂した。

 

 シャロが体を反らしたことにより、自然と曲げた状態だった足を伸ばそうとしてくるが、僕の体があるため足を延ばすことができない。

 そのため、ただシャロの太ももに力が入り、僕のペニスを一段ときつく締め付けてきた。

 それが引き金となり、僕は射精を開始する。

 

ドク……ドク……ドク……

「ああああああ! いっ……くぅ!」

 

 僕は射精の瞬間、やや腰を引いて太ももの中に先が埋まるように無意識のうちに調整していたようで、シャロの太ももの間、おまんこの上へと精液が出されていく。

 何度も生かされ続けたシャロは、精液が出された瞬間、また深く絶頂した。

 

 鼻水やら涙やらありとあらゆる液体を体中から噴出したシャロ。

 僕はシャロの太ももを開放して、汗まみれのシャロの体を抱きしめ、耳元で囁く。

 

「愛してるよ」

「……っ♡」

 

「結婚しろ」

「……っ♡♡♡♡」

 

「僕の子供を産め」

「……っ♡♡♡♡♡♡♡」

 

 シャロは囁かれるたびに体を震わす。

 シャロは攻めるのは得意だが、攻められるのは弱いようだ。

 

「だから待ってて」

「だ……めぇ……」

 

 僕はそんなイキ癖のついたトロトロになったシャロのおまんこへ再びペニスを押し付け、素股を再開する。

 まだ僕は二回しかイっていない。

 

 シャロに散々絞られたせいで僕は絶倫になってしまった。

 シャロが今までどういう事を僕にしてきたのか、その男を喜ばせる機能に優れた体に教え込まなければならない。

 

「戦争に行っていいて言うまで続けるから覚悟してね」

「ひっ♡」

 

 まだ出立まで3日ある。

 じっくりと攻めてあげる事にしよう。



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