比企谷八幡とイギリス美少女 (Rin-)
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置き去りにされた

初投稿です。まだ中一の13歳なのでよくわからないことばかりですが、読んでいただけたら幸いです。よろしくお願いします。


 ---30分前---

 

 

俺は比企谷八幡今年12歳になったばかりだ、今はイギリスに家族で旅行に来ている。いろいろなところを観光して疲れていたのでそろそろホテルにチェックインしに行こうかとなり疲れた足でホテルに身を運んだ。ホテルに着くと荷物を預けすぐに部屋に向かう。4階までエレベーターで向かうと俺は部屋に入りすぐに椅子に座った。

 

「やっとホテルに着いた! 小町もう足が動かないよ~」

 

小町が俺の隣の椅子に座る。小町もよっぽど疲れていたんだろう。まだ10歳なのによくここまで頑張ったなと思う。

 

「イギリスに来たしみんな疲れていと思うからミルクティー入れるわね」

 

母がミルクティーを入れてくれるらしい、めちゃくちゃ疲れたし何か飲みたい気分だったのですごくありがたかった。

 

 

数分経って母がミルクティーを2人数分手に持ちこちらに向かってきた。最初に俺の席に置き次に小町に置いた。さすがに4人分を一回で持ってくるのは危ないので母は残りの自分の分と父の分を持ってくるためにもう一度キッチンのほうへ戻っていった。

 

「それじゃ飲むとするかな」

 

俺は何の躊躇もせずカップに口をつけた。この瞬間小町の口元がニヤリと少し上がったのは気のせいではなかったらしい。

 

「うまいけどなんか変な味も混ざっている気がするんだが気のせいか?」

 

「気のせいだよ」

 

「そう...か......?」

 

話そうとしたら急に自分の意志と関係なく瞼が閉じていく、とても眠い。

 

奥にいた父の顔は人生で見たことがないほどの満面の笑みを浮かべていた。

 

ここからの記憶は一切ない。

 

気が付いたら俺は、寒い夜のロンドンの路地裏に一人ぽつんと凍えていた...

 

 

 

---現在---

 

 

 

俺は一人凍えて路地裏に座っていた。ロンドンの時刻だと夜の11時くらいだろう。ホテルに着いたのが9時だったので約3時間も眠っていたのだろう。

 

今身に着けているものは服以外何もない。簡単な英語しかわからない。立とうとしても睡眠薬がまだ薄く効果は続いているの足に力を入れることができないかった。

 

何よりも最初に頭に浮かんでくるのは家族のことだった。小町、父、母の顔が頭から離れない。旅行の前はあんなに仲がよくこんなことをする素振りなんて一つも見せなかったのになぜこんなことを...

 

「クソ......!!!」

 

考えていたら目から涙が出てくる俺は今までにないほどの力をこぶしに込めて路地裏の冷たい壁を殴った。手から血が流れている。俺は泣きながらも一度眠りについた。

 

 

 

もう一度眠りから覚めると少しだけ、少しほんの少しだけ明るくなっていた。朝の4時くらいだろう、俺は何とか立ち上がり路地裏から出て街に出た。

 

「これから...どうすればいいんだよ...」

 

空腹で今にも死にそうだ、水も飲んでいない。昨日は観光に時間を使いすぎて夕食を食べる暇がなかったのだ。

 

こういう時だからこそ思うが、知らないところに自分一人だけで取り残されたらこんなにも怖いことなんだと思う。ましてやまだ12歳になったばかりの少年がこんなことに耐えられる訳がない。

 

体がふらつく状態で5分ほど歩いた、たまに人は見えるが誰も俺を気にかけてはくれなかった。そして俺はとうとう力が尽き、倒れてしまった。俺は死ぬんだなとこんなに本気で思ったことはないくらいだ。

 

また気を失いそうになった時、俺が倒れた目の前にあるカフェから女性らしき人影が現れた。彼女は心配そうに俺のところへ駆け寄る。

 

何か俺に話しているがもともと英語がわからないし、気を失いかけている俺には日本語でも聞き取ることはできなかっただろう。

 

彼女は俺を抱きかかえると小走りでカフェの中に入っていく。彼女はきっとこのカフェのオーナーなのだろう。

 

髪からいいにおいがする、この匂いは家族と一緒にいるときよりも全然暖かく包み込まれているように思えた。

 

 

 

カフェの中に入ると俺は席に座らせられいったん彼女は俺のそばから離れる。

 

数分後奥からいい匂いがしてきたと思ったら彼女が厨房から出てきた。手にはスープを持っている。

 

スープを俺の席に置く。「食べて」と言っているのか英語で俺に話しかけている。

 

俺はそんな言葉は気にせずすぐにスプーンを持ちスープを飲む。こんなにおいしいスープを飲んだことがない、思わず涙が出てきた。名前も知らない日本人の子供を助けてくれた謎の女性は食べてくれて安心しているのか笑顔だ。

 

食べ終わると俺はまた眠りについた。眠っている間に2階の寝室に運んでくれたのだろう。ふかふかのベッドに横になっていた。時計は9時を指している。ゆっくり体を起こすとスープを飲んだせいか体はよく動いた。階段を降り彼女にお礼を言いに行こうと思う。さすがに俺もthank youくらい言える。1階に行き彼女のところに向かう。

 

見渡す限り彼女はいない、奥の厨房にいるのだろうか、俺は店の中をぎこちない動きでうろうろしていると、奥から足音が聞こえてきた。彼女は厨房から出てきて俺の前に立つ。

 

「good morning!」

 

俺もぎこちない英語でグッドモーニングと返しておいた。




最初だからまだ慣れませんがとても文章を書くのは難しいですね、1話目だからまだ文字数は少ないですがこれからもっと書いていこうと思います。よろしくお願いします。


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新しい家

とりあえず2話を投稿しました。この物語は大体1話2000文字くらいでいこうと思います。


 

「サンキュー...?」

 

「you're welcome」

 

 

とりあえずお礼を言っておく、英語は小学校の授業でやった程度で会話はできずに気まずい、この空気を断ち切るように2階から足音が聞こえてくる。階段を誰かか降りてきているようだ。

いったい誰だとそっちを向くと、俺は目を疑った。こんなにきれいな少女がいるのかと思った。

 

『おはよう』

 

『今日は遅いのね』

 

『昨日夜まで音楽を聴いていたから寝るのが遅くなってしまったの......そこの男の子は誰?』

 

『朝に早く起きてしまったから店の前の掃除をしようとして外に出たわ、そしたら男の子が倒れていてとてもおなかが減ってそうだからとりあえず店に入れてスープを作ってあげたの』

 

『見たところ外国人っぽいけど英語は話せるの?』

 

『無理そうね』

 

『そう...ねぇ、君名前は?』

 

少女が俺に名前を尋ねる、これくらいは聞き取れた。しかしそれ以外の会話はさっぱりわからなかった。

 

『俺の名前は比企谷八幡、日本人だ』

 

『ハチ..マン...?日本人の名前は言いにくいわね』

 

ちゃんと伝わってくれたようだ。なんだか相手に自分の言葉が伝わるのがとてもうれしかった。

 

『あなたの名前は?』

 

『私はノエル・オースティン、よろしくね』

 

彼女は俺に手を差し出す、握手ということだろう。こんなきれいな人と握手をするなんて恐れ多いことだが俺も手を差し出す、握手をするとこっぱずかしくなり彼女を直視できない。彼女は頭の上に?マークを浮かべている。

 

『なんであそこに倒れていたの?ちなみに私の名前はオリビア・オースティンよ』

 

助けてくれた女性の名前はオリビアというらしい、苗字が同じオースティンなので親子なのだろう。英語はよくわからないが「Why」と聞こえたのでなぜ俺がこんな目にあっているかを聞いているのだろう。

 

『俺は英語が話せない、紙とペン』

 

I don't speak English までは言えるが紙とペンはないですか?が paper and pen としか表すことができなかった。

しかし彼女には何とか伝わったみたいでメモ帳とシャーペンを俺に渡してくれた。

 

それからは俺がホテルであったこと、俺が置き去りにされて空腹で倒れていたことなどを絵と簡単な文字で説明した。

気が付いたら俺を助けてくれた女性、オリビアに抱きしめられていた。

 

『...思う存分泣いていいのよ...』

 

俺は恥ずかしさなどお構いなしに泣き出した。数分たち、泣き止むと彼女の服に俺の涙が少しついてしまっていた。

 

『しばらくはここにいてもいいわよ」

 

さっきと同じようにstay here という単語が聞こえたのでここに少しいてもいいのだろう。もともと俺を捨てた家族なんかには会いたくなかった。

 

『でもあなた英語が話せないのよね...ちょっとついてきてもらってもいいかな?』

 

俺は手を握られ彼女の向かうところに引っ張られた。店を出てロンドンの街を5分ほど歩くとある家の前に止まる。

 

ドアをたたき返事が聞こえるとドアが開く。

 

『どうしたの?...その子供は...日本人かな?』

 

『ええ、あなたの家に英和辞典はないかしら?あなた生まれは日本でしょう?」

 

『あると思う、ちょっと待ってて』

 

話を聞くところ家から出てきた男性は日本生まれのイギリス人と日本人のハーフらしく、オリビアの親友らしい。

彼はイギリスに行くときに勉強した英和辞典を取り出して俺の前に来た。

 

「きみはなんでここに子供一人で?」

 

イギリスにきてまだ2日目なのに久しぶりに日本語を聞く気がする。俺はさっきのエルたちに話したように彼にも説明する。しばらくオリビアの家にいていいことも。

 

「だから英和辞典を...よかったら夕方は俺暇だから英語教えてもいいよ。俺の名前は鈴木優大っていうんだ」

 

「本当ですか! すみません、お願いします鈴木さん!」

 

俺は深々と頭を下げた。そのまま店に戻りもらった英和辞典を声に出しながら単語を覚えていく、文法などはさっぱりだ。まだ12歳だしある程度英語を教わった人がイギリスに行くのとはわけが違う。

 

夕方になりいきなりだが今日から鈴木さんの家にお邪魔して英語を教えてもらう。道はさっき言ったときに覚えている。記憶力にはまあまあ自信がある。この調子で英語も覚えていけばいいな。

 

鈴木さんの家では簡単な日常会話の基本や単語の意味、文法などを教えてもらった、まだ1日目だが今日はいろんなことを頭に詰め込ませすぎて疲れた。8時になり店に戻る。店では夕飯が用意されていた。オリビアさんには本当に感謝しても感謝しきれない。

 

夕飯を食べ始めると隣でも一緒にノエルが食べ始めている。彼女もいきなりこの店に来た俺を嫌っていたりしないだろうかと考えたが彼女は全然気にしていないそうだ。

 

『とてもおいしいです』

 

今日教わった英語をさっそく使ってみた、とてもうれしそうな顔をしている。

 

『おいしくてよかったわ、夕飯は私とノエルが作ったのよ』

 

横にいるノエルを見ると嬉しそうに俺に微笑んでいる、見る限り俺と同じ年齢くらいなのにこんなにうまく料理ができるなんてと感心する。夕飯を食べ終わり俺はもう寝ていいよと言われたので2階の寝室へ向かった。ノエルの部屋は隣らしい。

 

俺は寝る前にもう少し英語の勉強をした。どこかで寝る前は記憶するのにいいらしいというのを聞いたことがあるような気がする。そして俺は何時間か経つと椅子に座ったまま机で眠りについた。

 

 




今日は日曜日だから投稿できましたが平日はどうかわからないです。頑張って投稿していこうと思います。誤字脱字などあったらすみません。


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既視感

寝れないので3話目も投稿しておきますね


 

 

 

あれから3カ月がたった、鈴木さんの教え方がうまいおかげで英語は短期間でかなり上達した。ノエルやオリビアの会話も頑張れば聞き取れる。そして急にこの店に来たばかりだからかあまりノエルとは仲を深められていない、どうにかならないだろうかと悩んでいたところオリビアが二人で一緒に街に出てみてはどうかと提案し、今日一緒に街に出てみることにした。今持っている服が少ないし、一緒に服でも見に行こうかなと思う。

 

『それじゃ、気を付けて行ってくるのよ~』

 

俺とノエルは一緒に街に出かける、どうにか仲良くなろうと思うが特に話題が見つからずただただ気まずい時間が流れる。

 

結局何も話さず服屋までたどり着いてしまった。そのまま店内に入り服を探す。最近は寒くなってきたので温かい服が欲しいところだ。数分たち俺は買う服が決まったがノエルはまだ悩んでいるらしい。

 

『...ねぇ、ちょっと試着してきていい?』

 

『もちろん、いいよ』

 

ノエルは2着で迷っていたようだ、とりあえず近くの椅子に座りノエルを待つ。すぐにノエルは試着室から出てきた。

 

一着目は落ち着いた白いコートで二着目は灰色のパーカーだった、自分的にはどちらも似合っていたが一着目のコートがよりノエルらしさが出ている気がしたので一着目がいいと率直な意見を伝えた。彼女も私もそう思っていたのと少し笑顔を浮かべて会計をすます。

 

特にこれ以外に行くところもないのでこのまま帰ろうかと思ったがせっかくノエルと一緒に出掛けたのだからもう少し何かしていたいと思い、町に何かよさそうな店はないかと思いあたりを見渡していた。するといい感じのCDショップを見つけた。

 

『ノエルは音楽好きだよね、よっていかない?』

 

『ええ、いいわね』

 

入ると店一面にCDが広がる、俺はもともと日本にいた時から洋楽を聞いていたからこういう店に入るとわくわくする。

 

ちょっと店内を回り俺好みのアルバムがないか探していると、ビートルズのアルバムがある。ビートルズは俺の一番好きなバンドで、日本にいたときもよく聞いていた。

ノエルが立ち止まっている俺を見て近寄ってくる。

 

『ビートルズね、わたしどちらかというとロックを聴いていたからそんなに聞いたことないけど、好きなの?』

 

『ああ、ビートルズが一番好きだよ』

 

『へぇ、私も聞いてみようかしら』

 

ノエルはビートルズのベスト盤【The Beatles 1】を手に取るとレジに並ぶ。俺もレジに並び会計を済ませた。

 

『ほとんど聞いたことないから楽しみだわ』

 

『きっといいと思うはずさ』

 

そんな会話をしながら店に戻るため来た道をそのまま戻っている。そして赤信号の横断歩道の前で止まる。数秒待ち青信号になったらわたり始めた、ここまでは何の変哲もない普通の出来事だった。しかし俺たちが横断歩道の真ん中らへんまで渡ったき、右側から赤信号でもお構いなしにこちらに向かってくる車が一台。やばいと思いとっさにノエルを突き飛ばしたが俺は車を回避することはできない。車に突き飛ばされる寸前に見えたドライバーはどこかで見たことがあるような気がした。俺の記憶はそこで途絶えた。

 

 

 

---2日後---

 

 

 

俺は目を開くと病院の天井が目の前に広がった。俺は気を失っていたのだろう、日付が表示されているデジタル時計を見ると2日間眠っていたことがわかった。体は動くか確認したがその瞬間左足首に激痛が走る、どうやら骨折しているようだ。

 

その後医師が俺が目を覚ましたことを確認すると俺に左足首の骨折を伝えた、2日間気を失っていたが頭に異常はないらしい。オリビアとノエルもすぐに俺の病室に駆け付けてくれた。

 

『ハチマン!ごめんなさい、そしてありがとう、私を助けてくれて...!』

 

ノエルが俺に泣きながら俺の腕に抱き着いてきた。

 

『全然大丈夫だ、だから泣かないでくれ』

 

『けがは左足首の骨折だけだから少しの間松葉杖生活ね、そんなに大事にならなくてよかったわ』

 

『そして、車を運転していたドライバーだけど、あなたの伯父で、あなたの父親が事故を装って八幡を殺してくれと依頼したらしいの、殺すことができたら自分の妻、つまりあなたの母を自分のものにしていいと約束していたらしいわ。』

 

衝撃の事実に頭がついていけなかったがようやく状況を理解することができた。俺の伯父は俺を殺してそのままひき逃げするつもりだったらしいがちょうど目の前に警察がいてそのまま現行犯逮捕されたらしい。伯父は父に依頼されたと正直に話し俺の家族全員も逮捕された。父は日本に帰ってきたとき八幡の通っていた小学校に最近 八幡君休んでますけどどうしました?と聞かれたらしく周囲からも怪しまれてきたとき八幡をイギリスで事故死したことにすればいいんだと考えて依頼した。そこで警察は俺の身分をどうするかとなったが正式にオースティン家の養子となったらしい。

 

『ということは、俺はノエルたちの家族ってことでいいの...?』

 

『ええ、これからはあなたもオースティン家の一人よ』

 

うれしかった、比企谷家から離れて俺はこのイギリスで新たな人生を送ることができるんだ。ノエルがカバンからあの時買ったビートルズのアルバムを取り出しプレーヤーにかけると一曲目[Love me do]が流れ始めた。

 

 




少し無理やりになってしまった感があります。ごめんなさい!あとビートルズなど音楽の趣味は完全に私です。


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旦那さんのギター

学校から帰ってきて宿題もするきにならないので、簡単に書き始めました。


 

 

俺は一日病院で過ごし、目が覚めた翌日病院を退院した。オリビアが病院に朝来てくれて、受付で手続きをし松葉杖を借りた。外にでてオリビアの車に行くと中でノエルが待っていた。3人で一緒に家に帰り、それからの生活は松葉杖でいろいろと困ったことは多かったが四六時中ノエルが付き添ってくれたすごくありがたかった。彼女は嫌ではないのかと思い聞いてみると、『いいの、私がしたいことだから』と微笑みながら言ってくれた。俺の目には彼女が天使のように見えたがすぐに我に返る。それからほとんど食事以外の時は2階の自室でずっと自分でできる英語の勉強をしていた。しばらくの間外には行けないので鈴木さんに英語を教わることができなくなったからだ。家だとノエルがリスニングの練習のために俺の英語の勉強に協力してくれてたからあまり英語の勉強は問題にはならなかった。

 

けがは一カ月半で完治し、松葉杖も病院に返しに行った。ノエルには本当に感謝している。松葉杖をしていたときに特に疑問に思ったことが一つあった。それはこの家にはオリビアの旦那さんがいないのかということ。下手に聞いたらオリビアさんを悲しませることになるのかもしれないしずっと聞けないでいた。しかし、俺ももうオースティン一家の一員だ、勇気を振り絞って聞いてみたほうがいいんじゃないかと思う。

 

俺は朝食を食べ終わりオリビアのところに行き聞いてみた。

 

『この家にはオリビアの旦那さんはいないの?』

 

オリビアが一瞬目を大きくしたがすぐに戻る、そして口をゆっくり開けた。

 

『...あなたももう私たちの家族だし、いつか言わないといけないと思っていたわ......』

 

それからオリビアは辛そうだが俺に事情を話してくれた。旦那さんはノエルが産まれてからすぐに事故で死んでしまったらしい。旦那さんはとてもやさしく温かい人で前の俺がノエルをかばったように旦那さんはオリビアさんをかばって死んでしまったらしい。

 

つらい話をさせてしまったとオリビアに謝るが、彼女は何かを決心したような顔をして2階に向かった。俺もオリビアの後をついていくと俺がまだ入ったことのない部屋に入る。ここは物置らしい。

 

数分してオリビアは戻ってきた。手には少し埃をかぶったギターを持ってきた、ヘッドの部分を見ると【Martin】と書いてある。とても高級なものなのだろう。埃はかぶっているが少し拭けばまだまだ使えそうなギターだ。

 

『これは昔彼がずっと弾いていたギターで、もう使われずにずっと放置されていわ、いつまでも私も彼のことをひきずっていられないし、いい機会だからあなたにあげるわ、使わなくてもいい、あなたに持っていてほしいの。』

 

そしてオリビアは俺にギターを俺に差し出す、とても触り心地がよく旦那さんの温かさがこのギターに入っているようだった。

 

『...ありがたく使わせてもらいます。』

 

『ありがとう、うれしいわ。』

 

俺はお辞儀をすると自分の部屋にギターを持って行った。壁に立てかけてみるととてもこの部屋にあう。前本棚を見ているとギターの教則本のようなものがあったのを思い出し確認してみる。俺の記憶通りギターの教則本が見つかった。もともとこの部屋は旦那さんの部屋だったのだろう。さそっく本を開いてみると当然ながらすべて英語で書かれている、これは長引きそうだと考えて俺は本を見ながら古びていた弦から新しい弦へと張り替えていった。

 

 

 

---------

 

 

 

ギターはまだまだだが英語にはだいぶ慣れてきたような気がする。俺の最近の暮らしは朝起きるとまず顔を洗う、朝食を食べそれから小学校の内容の勉強をする、ここにきてからもう半年ほど経ち、もうすぐ日本では中学生になる季節だ。昼ごはんの時間になると1階に行き厨房に向かう、オリビアさんは定休日の日曜日以外はずっと忙しいので昼ご飯は自分で作っている。料理もだいぶうまくなった、いつかノエルと一緒に何か作ってみたいところだ。昼ご飯を食べ終わると俺はギターの練習を2時間する。今頑張って弾いているのはビートルズの[Norwegian Wood]だ。日本語にすると「ノルウェーの森」という、聞いたことがないだろうか? この曲のアコースティックギターがお気に入りで弾き始めた。ギターの練習が終わると少し休憩して鈴木さんの家に行き毎日英語の勉強をする。

 

「そろそろオリビアさんの店の手伝いでもしてみたらどうだ?」

 

鈴木さんが英語の勉強をしている途中に俺に話しかけてきた。

 

「確かに俺って勉強とギター以外何もやってないんだよな...」

 

鈴木さんの言う通りで、これからもずっとこんなオリビアやノエルに頼りっぱなしの生活を続けるのは人間として恥じだと思う。

 

「今度俺も何かできないかオリビアに話してみるよ」

 

毎日忙しそうに働いているから少しでも支えてあげたいとは以前から思っていたが自分自身このままでもいいかという思いもあったため言い出すことができなかったが今度こそ俺は2人にまかせたままじゃいけないと鈴木さんのおかげで思った。

 

 

 

---------

 

 

 

『それじゃあ、もう少しギターがうまくなったらお客さんたちの前で弾いてもらおうかしら?』

 

思っていた「手伝う」とは違う答えが返ってきたがそれでも少しの支えにはなるだろうと思いオリビアの頼みを受けることにした。そのためにはこれからもっと練習していかなくてはいけない。ギターや勉強など頑張らないといけないことはたくさんあるが、俺はこれからの生活に心を踊らせた。

 

 




私がギターをやっているのでそっちよりの話になってしまいました。


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学校

部活などで平日投稿できませんでした。すみません。これからも主に休日投稿になりそうです。


 

かなり月日が流れた。俺がここにきて1年と少し経った。今はギターでカフェを盛り上げている看板娘ならぬ看板息子だ。俺はもう13歳になり、もうすぐイギリスでは中学生になる時期だ。

 

俺はオリビアにちょっと早いけど英語は上達してそこら辺にいる一般人となら会話できる程度になったので学校に通わせてもらってもいいんじゃないかと聞いた。オリビアは本当は中学2年生から通わせる予定だったが今から通わせても八幡の生活に支障は出ないだろうということで学校に通うことになった。

 

いろいろな準備をして9月を迎えた。今日は中学校の入学式だ、午前中に終わるらしい。俺はノエルと一緒に学校まで登校する。

 

俺はノエルと同じクラスだった。入学式中は静かだったが教室に行くとみんなが騒ぎ出す。そして日本人である俺はあまり初日ではいい印象を与えられなかったらしい。

 

ノエルからは『...もうそろそろ身だしなみに気を使ってもいいんじゃない?』ともいわれてしまった。クラスの人たちからの冷たい視線に耐えながら俺は午前中の授業をやり過ごした。

 

担任の先生は優しそうで穏やかな雰囲気が漂っている男の先生だ。授業が終わり初日が終わると俺は昼ご飯を食べ町に体を運んだ。

 

理由は散髪に行くことだ。そして化粧水や乳液などスキンケアなどの用品も買っておいたほうがいいかと思った、とうとう俺は身だしなみに気を使うことになったのだ。

 

ノエルからあんなことを言われてしまっては一緒にいるところを見られても恥ずかしくならない程度にはしなくてはならない。

 

少し歩くがいい美容室に行くことにした。大体徒歩で30分くらいだ。中に入るととても落ち着いた雰囲気でよさそうな店だ。俺の番が来て髪を洗ってもらうととても気持ちがいい。

 

どのような髪形にしようか悩んだ末適当に店員さんのおすすめにしておいた。おすすめをと言われる店員さんの気持ちになってみると少し面倒なことをさせてしまったのかもしれない。

 

50分ほど経ち髪を切ると鏡で自分の姿を確認した。その瞬間びっくりした。本当に自分かと疑うほどだ。そこには少し目つきが鋭いイケメンが立っていた。

 

[八幡の髪形は見ている方々にお任せします]

 

おすすめを選んでよかったかもしれない。とても良い気分になりながら俺は店を後にした。次は肌のお手入れなどのためにドラッグストアに行き適当に良さそうなものを買ってきた。まあまあお金を使ってしまったようだ。

 

店に帰ってきて一番びっくりしていたのはノエルだ。さすがに俺のこの変わりようには目を丸くしたようだ。そして頬を少し赤く染めて『よく似あっているわよ』と顔を手で隠しながら言ってくれた。とてもかわいかった。

 

翌日、俺は昨日と同じようにノエルと一緒に学校に向かった。教室に入ると昨日までは冷たい視線を送っていたクラスメイト達だが一日にして態度が変わった。

 

今日は昨日時間がなくできなかった自己紹介をすることに名なった。どんどんみんなが自己紹介をしていき俺の晩になり椅子から立ち上がると視線が俺に集中する。

 

『ヒキガヤハチマンです。日本人ですがみんなと仲良くできたらいいなと思います。趣味はギターです。よろしくお願いします。』

 

いい感じに自己紹介できたのではないだろうか。悪く目立ってないしちょうどいいベストな普通の自己紹介だ。

 

全員が終わり授業が終わると俺の席に男子が数人きた。

 

『よお、昨日とは全然ちがうな。俺はビリー、よかったら一緒にこの学校にある軽音部に入らないか?』

 

俺を軽音部に誘ってきたのはビリーという少年だ、ドラムをやっているらしい道理で腕に筋肉がよくついているわけだ。

 

ほかの2人はジョージとサムエル、ジョージはベースをやっていてサムエルはピアノをやっていた。3人は小学校から親友らしく中学校に入ったら絶対軽音部に入ろうと約束していたらしい。

 

俺は別に断る理由もないのでOKにしておいた。もともと軽音部には興味があった。

 

俺は部活の見学にさっきの3人と向かいどんな様子か見に行く。とてもみんなレベルが高い人たちだった。

 

『よし、見学に来た人たちもちょっと何か弾いてみてよ。』

 

部のリーダーのような人がいった。みんな自分が使う楽器を貸してもらい適当に弾いていった。さっきの3人はなかなかうまい。とうとう俺の番が回ってきた。俺はギターを初めて半年とちょっとだがかなりうまくなっていた。

 

俺は何を弾こうか迷った末 Johon Mayer の Neon を弾くことにした。この曲を弾き語るにはかなりの熟練度が必要だが自分を信じ冷静にすれば何とか弾くことができるようになった。

 

『When sky blue gets dark enough —————— 』

 

 

 

『素晴らしい弾き語りだったよ、君本当に1年やってないのかい?』

 

終わると先輩方から拍手が湧く。俺は先輩たちの人柄の良さとみんなで仲良くやっていけそうな感じでこの部活に入ることに決めた。

 

俺は部活見学を終えるとノエルとどの部活に入るかについて話した。ノエルはどうやらまだ考え中らしい。

 

『まあ、自由に入りたいところに入ればいいさ。』

 

『うん、でもそういわれても悩むんだよなぁ』

 

『俺は軽音部に入る予定、ノエルも音楽は好きだし歌もうまいじゃないか、入ったらどうだ?』

 

『考えておくわ』

 

そのまま店に帰りその日はギターの練習を少し多めにいて眠った。

 




誤字脱字などがあったらすみません。


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