灰の岩礁の序作品 (はいぱーとりかぶとさん)
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注意

ーWARNINGー

このページは注意書きです。

(書き足しありです)

 

※なんやかんやでこの注意も殆ど気にする必要がないです。なぜなら書いていく毎に全くと言っていいほどこの下のルール?は無視されていきます

 

・このお話は作者の作りたいように作った作品で、書き方に一貫性が無かったりキャラ崩壊やオリジナル要素など満載の自由な物語です。

 

・他作品を彷彿とさせるネタやシナリオなど多数出てくる可能性あり(読者様の提案などもコメ欄で受けます)

 

 現状使う予定のネタは

・艦隊これくしょん(当たり前だけど)

・東方Project(スペルカードやキャラ、地名や施設等)

・ドラゴンクエスト(主に呪文や特技、モンスター等)

・ポケモン(技やきのみだけの予定)

(・ファイナルファンタジー(魔法など使うかも))

・ソウルエッジ·ソウルキャリバーシリーズ(ソウルエッジのみ予定)

・メタルギア(兵器(フェンリル、REX、RAY、月光、仔月光)とかフルトンとか)

・モンスターハンター(モンスターと武器を数種だけの予定)

・黒ウィズ(魔法とかその辺)

・デュエルマスターズ(龍解とドラグハート系)

・Fate(クラスの概念のみ予定)

・セブンスドラゴン(大体はニアラさんとサクヒメ、チルヒメのみの予定)

・がっこうぐらし!!(ちょっとやってみたいから)

 

位かと。

増えたら書き足します。

 

・文句は受け付けませんがアドバイスや

リクエスト、シナリオの提案も出来るだけ取り入れます。

 

・戦闘描写などもその時の気分次第で変わります。(例えば魔法とかでもドラクエ式だったりFF式にしたり他のにしたり)

 

・妖精さんの謎技術類は気分によって万能になる。

 

・本編までは艦これほとんど関係ないかもしれません。

 

・ストーリーの進行が非常に遅いです。牛歩どころかイモムシが這うレベルの速度です。

 

・序章は書き終わってるので一日一話ペースであげます。

 

・ツッコミどころ多数になる気がする。

 

・キャラとかの使用は自由ですが、使う際は教えて下さい。どう使われてるか知りたいので

 

・作者は豆腐メンタル通り越してバブルメンタルと呼べるほどの脆さです。

 

・コメ欄でやってはいけない事として、ケンカとイジメはしないでください。以上

 

・当作品での階級が、尉官≒少将、佐官≒中将、将官≒大将。みたいな感じになってます。理由として『昔は将官のみが提督をやっていた』という記憶からです。

 

 

 

 

 

〜最後に〜

 

 面白いかどうかは保証しかねますが読んで感想やアドバイスをいただけると嬉しいです。

 本当に書き方に悩んでるのでアドバイスや注意などを頂ければと思います。

 

 

 

 



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一話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 私は『平方 春真《ヒラカタ ハルマ》』先日、少将階級をいただき、この笹芽《ささめ》鎮守府に着任した。

 今ここにいる理由を説明するには二・三日遡る事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時、私は海軍学校の生徒だった。

 成績は良く、学科テストでは毎回十位以内、指揮の実技テストでは、毎回上位三位はあたりまえだった。

 その日はいつもより空が晴々としていたと思う。早朝、私は校長室に呼ばれた。······呼ばれるような事をしてしまっていたのだろうか?

 それに、普段なら必ずと言っていいほどに誰かいるのだが、今日は誰一人として見かけない······

 そんなことを考えていると、目的の校長室前に着いた。

 そして、扉をコンコンと優しめにノックした。

 

 

 

春真「平方 春真、参りました」

 

校長「時間通りですね。入室を許可します」

 

春真「失礼します」

 

 扉を開け、入室する。普段なら校長先生と妙高さんが居るだけだが、今日は妙高さんがいない。その代わりに珍しい人物がソファに腰掛けていた。

 

??「ふむ······君が件の春真君か」 

 

春真「!? ······『虎坂 李白《コサカ リハク》』元帥殿!? 何故ここに貴方が?」トッサニケイレイ

 

元帥「なに、そう気を張らないでほしい。私も堅苦しいのは苦手なのでね」

 

春真「そう······ですか。ならそうさせて貰います。」キヲツケ

 

元帥「立っていては疲れるだろう。まぁ座ってくれ」

 

春真「失礼します」

 

 私は元帥に従って向かいのソファへと着席した。

 

元帥「······まず一つ疑問に思っているだろうから、私がここに居る理由を説明させてもらおう。

 その理由というのが先日完成した鎮守府のことで、そこをを任せられそうな若者を探していたのだ」

 

校長「そこで少し前に私が偶然あなたの事を話していたようで、興味を持った元帥が直々に見極めに来たと言う事よ」

 

元帥「戦術面は充分だと聞いたのでね。いくつか質問させて貰おうと思ったのだ 肩の力を抜いて、変に騙らず本来の君自身として答えてくれ。親と話す時くらいまで力を抜いてもらって構わない。

 いや、むしろそれくらいまで抜いてくれ。その方が私も楽だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元帥「ふむ、軍人としての知識などは問題なさそうだな、では最後に『艦娘』とは何か。また、どう思っているのか教えてくれ」

 

春真「はい、『艦娘』とは主に大戦中の

艦船の霊が少女の形となって現れたものであり、一人一人の性格が少し違っています。

 その理由に大戦中の乗組員の魂が少なからず混ざっていると考えられているからであり、また、『艦娘』は『人間』ではなく『兵器』として扱うべきである。

 なぜなら、いくら沈もうと、また建造によって手に入るから情をかける事で後の指揮に支障が出るからであり、勝利するには冷徹である必要があるため、『兵器』として扱うべきと言われている

つまり『艦娘』とは『兵器』である」

 

元帥「そうか············」

 

春真「という考えは未だに残ってはいますし、教本にもそうありましたけれども、この学校でみんなと接しているうちに私個人の考えが生まれ、『艦娘』は『人間』でも『兵器』でもなく、『艦娘』という新しいカテゴリとするべきだと思います。

 理由として、『兵器』としては優しく、逆に『人間』としては強すぎる。それに、『兵器』とすると、使い捨てたり悪事に利用する輩も出てくるだろうし、彼女達は皆、容姿端麗と言われているから、自らの欲望の捌け口として考える屑もいるだろうし、『人間』とすると世間が騒ぐと考えられるうえ自由過ぎます。

なので、『艦娘』という新しいカテゴリにする事で、動きを多少なりとも制限できるし、ただの『兵器』と考える屑も減らせるでしょう。

 それに、彼女達が反旗を翻さないとも限りませんから結論として、彼女達との信頼関係を作るのが大事だと考えます」

 

元帥「······ふむ。ものすごい熱意だな」

 

春真「!! 申し訳ございません。私の様な未熟者がベラベラと」

 

元帥「いや! むしろ今くらいの熱意があってくれなければ困る」

 

 元帥がそう言ったとき、どこからともなく声が聞こえてきた。

 

??『そろそろ時間だぞ。白虎』

 

元帥「おっと、危ない。他の候補者たちの面接をしなければならないことを忘れていたな······ではな春真君、今日の放課後辺りに結果を伝えよう」

 

??『合格だったら飛び級卒業だとよ! 楽しみに待ってな』

 

 そうして謎の声は途切れ、元帥は立ち上がり退室していった。

 

校長「······割と好印象で残ったようですね。よかった······」

 

春真「それでは、これで······失礼しました」ケイレイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー放課後。講堂にてー

 

校長「2ーB 平方 春真 貴殿を元帥の命により特例として我が校の過程を修了したものとして、階級の進呈を行う」

 

 ということでこの通り、私は元帥殿から合格を貰えたようで、現在卒業式のようなことを行っている。

 

元帥「私が直接、君の階級を贈ることとさせて貰う」

 

校長「壇上へ」

 

春真「はっ!!」

 

 壇上に登り、元帥殿と目を合わせる。

 元帥殿は先程の校長室でのオーラとは全く違う。威厳のある強いオーラに変わっていた。

 

元帥「平方 春真 君に三等少将の階級を与えると共に、新たに建築された笹芽鎮守府への着任を命ずる。初期艦は明日のヒトハチマルマル(18:00)に大本営に出頭した際に選んで貰う形とする」

 

春真「はっ!!謹んでお受け致します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 卒業式が終わり、着任のための荷物整理をしてから眠った。

 そして、翌日である現在。再び荷物の確認を行っている。

 

春真「荷物はまとめ終わってる。確認も合計五回した。流石にもう忘れ物とかは大丈夫だろうからあとは大本営に向かうだけだな」

 

 そうして、大本営に向かうまでの暇を持て余していると、「コンコン」と扉をノックする音が聞こえた。

 

??「ハル君、今大丈夫ですか?」

 

春真「(この声は······)羽黒か?荷物の確認が終わったところだが、どうしたんだ?」

 

 と聞くと、ヒョコっと扉の隙間から顔を出して

 

羽黒「お別れの前に少しお話したいと思って······だめかな?」

 

 と言ってきた。

 もちろん反則級の可愛さである。

 

春真「いや大丈夫。荷物もまとめ終わってヒトヨンサンマル(14:30)の出発まで何をするか悩んでいたから、むしろ助かるよ」

 

 それから、羽黒と一緒に校内の色々な所を回り歩きながら今までの思い出話をしていた。

 

羽黒「······それじゃあ、残すは講堂だけだね。そういえば大本営まではどうやって行く予定なの?良ければ教えて貰っていいかな?」

 

 このとき、僕の顔を下から覗き込むように見つめてきたのでつい恥ずかしくなり目を逸らしてしまったのはしょうがない事だろう

 

春真「まずはバスで駅に向かい新幹線に乗って行く、それから向こうの駅前からはタクシーで······の予定だ」

 

羽黒「間に合うの?」

 

春真「ああ、予定では30分前程度には着けるはずだ。

 それに、最悪予定が全て狂うか、襲撃されるかしない限りは大丈夫だ確実に30分前には着ける」

 

羽黒「そっか······じゃあ大丈夫だね!」

 

春真「もうすぐ講堂に着くな······

(講堂の電気が点いてる?今日は臨時の

休日のはず······講堂は集会や授業以外での使用は禁止されている。となると······不審者か!?)」

 

羽黒「行こっ!」

 

春真「まてはぐr」

 

 僕の静止が聞こえなかったのか無視したのかは知らないが、羽黒は講堂の扉を開けた。

 それと同時にこちらに振り向いて

 

羽黒「せーの」

 

「ハル君(春真/君)卒業おめでとう!!」

 

 

 




)あとがき的なとこ(

提督の階級は少、中、大将と元帥だけです。理由として、昔提督やってたのは将官だけって聞いた記憶からです。三段階ずつ合計十段階の設定です。

因みに終点とかは考えてないので作者が飽きたら止まります。

お楽しみに





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二話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

 

 

《xbig》「ハル君(春真/君)卒業おめでとう!!」《/xbig》

 

春真「······へ?」

 

 扉を開き、そこに待ち受けていたのは今まで共に授業を受け苦楽を分かち合ったクラスメイトや艦娘達だった。

 

羽黒「ハル君14時まで大丈夫だって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやらお別れ会の計画を立てていたようだ。羽黒はここまで連れてくることを担当していたようで、話をするためにだいぶ早く登校して来たらしい。

 

校長「この会は昨日、階級授与の後に決まりました。みな何かしらやりたいとは思っていたようで、計画はすぐまとまりましたよ」

 

*「お前ら遅かったじゃねぇかよ思い出作りでヤったかww」

 

春真「んなわけあるか!?」カオアカメ

羽黒「そんなことしてないよ!?」カオマッカ

 

 そしてふと思いついて「いっそ殴ろうか?」と言うと「それは駄目だよ!?」と未だ少し顔の赤い羽黒に止められてしまった。

 少しの沈黙の後。

 

足柄「惚気けてないでパーっとやりましょう!!」

 

 という足柄さんの号令? でお別れ会が始まった······

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お別れ会では出されたピーチケーキを食べたり、友人と『吹雪』を歌ったり、半ば無理矢理ではあるが羽黒と『憂き夜道』歌ったり(冷やかされて羽黒が赤くなっていた)

 あと何故かダンスパーティもした(羽黒と踊ることが多かった気がする······)

 そして終盤に差し掛かり······

 

*「以上! 羽黒さんの『海色』でした〜!」

 

羽黒「ありがとうございました」

 

 羽黒は少し恥ずかしそうにステージを降りていった。

 それと同時に放送が入り

 

*『それでは最後に、羽黒さんよりプレゼント授与です平方君も壇上へ』

 

足柄「羽黒!頑張りなさいよー!」

 

 それにより会場の空気が変わり、何かを楽しみにしているように感じた。

 

 

 

 僕が壇上に上がり、羽黒も上がってくる。そして互いを正面に捉え、羽黒は一度深呼吸をして

 

羽黒「それじゃあ始めるね」

 

羽黒がそういった瞬間会場に『吹雪』が

流れ始めた。

 

羽黒「えっと、まずこれがみんなからのプレゼントの『特注羽根ペン』

 元帥さんにお願いして大本営の明石さんに作ってもらった物なんだ······

それでね、えっと·········///」 カオマッカ

 

春真「? どうした?」

 

羽黒は決意したような顔で、更に近付いて来た。どうしたのだろう。とそう思った瞬間。頬に熱を感じた······

 

春真「!?」

 

羽黒「これが私の気持ち! 私からの プレゼント······答えを待ってます!!」カオマッカッカ

 

 

 

春真「············驚きはしたが、答えはもう決まってる」

 

 僕は、背を向けてステージから降りようとしている羽黒を追い、肩を掴んで半ば強引に振り向かせ、そしてキスをした

 

羽黒「ふぇ?」ユデダコノゴトシ

 

 

 

 その瞬間、会場に歓声が上がり熱気すら感じるほどまでになっていた。

 

春真「功績を上げて偉くなったら迎えに来る! だからその時まで待っててくれるか?」

 

羽黒「······待ってるから。いつまでも! だから······絶対に迎えに来てね!」

 

春真「絶対に迎えに来る! だからその時まで待っててくれ!」

 

 決意を言葉にした。その瞬間

 

『汝らそれを神に誓うか』

 

 とどこからともなく声が聞こえ

 

春真·羽黒「誓います!!」

 

 そう答えると講堂は更に大きな歓声に包まれた······

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歓声が落ち着き、夢ごこちでいると、ステージ脇から何者かが出てきた

 

??「盛り上がってるとこ悪いんだが、ウチからの個人的なプレゼントだぜ」

 

 これは予定に無かったようで

 

校長「何者ですか」

 

 校長先生が睨みながら問うと、その男は「大本営の遣いだ」と答え、刀を置いて消えた。

 そしてどこからともなく『その刀は《鉄刀 紅牙(コウガ)》って銘だ大事に使えよ······あとお幸せにな』という声が聞こえた。

 

 その後、私は母校を出て、羽黒との誓いを胸に大本営へと向かった。

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 ここまで学校編です。
 本編までに詰めたいことが多いため本編までが長いです。
 因みに選曲は趣味です。




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三話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 春真のお別れ会が始まった頃

 

 

 

〜とある鎮守府の執務室〜

 

 そこには、中年で髪が長く小柄だが太った······一言でいえばラプソーン第二形態(DQVIIより)が人間になり、一ヶ月風呂に入っていないような······そのくらい不潔な男と、中学生くらいで長い銀髪を三つ編みにした少女がいた。

 男は、シワだらけではあるものの白い

軍服を着ているため、ここの提督だと思われる。また、少女の方もボロボロではあるが制服を着ているため、艦娘だろうと思われる。

 提督と思しき男が、咥えていた煙草を

離し、紫煙を吐き出してから口を開いた。

 

 

 

ーside.??ー

 

 

提督「フゥゥ······なんで翔鶴ちゃんが沈んで、あなたみたいな駆逐艦が帰ってこれてるの? 言ってみなさい」

 

??「それは······翔鶴さんが私をかばって」

 

 そう答えると提督は煙草を灰皿に置き

 

提督「そんなことを聞きたいわけじゃないの! ······翔鶴ちゃん達みたいな大型艦の盾になるのがあなたの役目でしょうが!」

 

??「申し訳ありません」

 

提督「そういうのはいいんだよ」

 

 そう言って提督は私の服の襟を掴んで来た。

 

提督「てめぇが盾になってりゃ良かったんだよ······あいつを着任させる為にどれだけの事をしたかわかってんのか?」

 

??「申し訳ありません」

 

提督「やっとの思いで着任させたってのによ······建造するためにまたあの痴女共に資材取ってこさせるか」

 

 提督はそう言って執務机に向かい、少し考えるような素振りを見せた後

 

提督「そういえば今出てる子達が"やまかぜ"がドロップしたって言ってたわね······今夜は楽しめそうね」

 

 そう言って気持ち悪い笑みを浮かべ始めた。

 

??「!! お相手は私がします! ですから山風には酷いことしないで」

 

提督「あぁん? 他の海風の個体よりもガキ体型な失敗作が俺に指図するんじゃねぇ!」

 

 提督が振り上げた拳が私に振り下ろされる······

 刹那、窓が開き執務室に風が吹いた。

 

提督「な、何!? あなた誰よ!!」

 

??「ドーモォッ提督=サァン☆KOROSIYA☆=デェッス♪······お仕事しに参りましたわ〜」

 

 そこには赤い刀を腰に差した黒服白髪の男が立っていた。

 提督は殺し屋を見るや否や騒ぎ出した

 

提督「誰かいないの!? そうだ憲兵! 憲兵はどこ!?」

 

K「ここの憲兵は今頃眠ってんじゃん? 寝不足(死んだん)じゃないの〜」

 

提督「(どうするどうするどうすればいい······そうだ)いくらで······いくら払えば見逃してくれる?」

 

K「······は?」

 

提督「あなた、殺し屋でしょう? なら、いくらで見逃してくれる? いくらで依頼を受けたの?」

 

K「あー······そういうことか······OK! OK! なら教えてやるよ! いくらでこの仕事を受けたか」

 

提督(表側の資金なら全部出せる······それでも駄目ならこのガキを売ればどうにかなるか)

 

K「依頼金は·······

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

         ············ゼロだ」

 

 そう言うと同時に、男は刀を抜き提督を斬り捨てた。

 

K「仕事はこれで終わりかな······だが目撃者はこのままにはできねぇかな?」

 

 カチンと刀を納め、男は一歩また一歩と私に近づいて来る。

 

K「目撃者は拉致るか殺すかしか無ぇ······だからといってガキを殺すのは嫌だしなぁ」

 

 瞬間、パァンと軽い銃声が響き、生温かいナニカが私の頬に飛んできた。男は頭から血を流し、倒れた······

 

提督「やった······やったわ! ははっ殺し屋も大したことないじゃない! 私だったら頭に二・三発はぶち込むわ······慢心したわね殺し屋さん!」

 

 提督が血だらけで······左腕は動かないようだが······立ち上がり、殺し屋だったものを蹴りながらそう言った。

 

提督「······ふふっ。さぁて気が変わったわ······楽しませてね海風ちゃん?」ニタァッ

 

 提督が再び気持ち悪いの笑みを浮かべ、私に近づいてくる······

 

海風「嫌······やめて······」

 

 私は後ずさるが、提督との距離は少しずつ詰められる······

 提督の手が私に触れる······その時、提督の足元が赤く燃えだし、私は尻もちをついてしまった。

 

提督「!? 熱っつぁ!! タバコでも落ちやがったか!?」

 

 提督は足元の火を踏み消し、執務机に置かれている灰皿を見て灰皿に煙草が載っていることを確認する。

 

提督「落ちてないわよね、ならなんで燃えだしたのかしら」

 

 提督が気を抜いた瞬間、どこからか出現した透き通ったナイフのような物提督の足を貫き、提督は前のめりに倒れた。

 その後ろで、提督が頭を撃って殺したはずの殺し屋が起き上がっていた。

 

提督「貴様······なぜ生きている!? ······確かに頭を撃ち抜いたはず」

 

K「『死んでいない』だから『生きている』とだけ答えておこう······と思ったが、冥途の土産に教えてやるよ······と言っても単純に当たりどころが良かっただけだけどな······それともう一つ"100%殺せる"相手に慢心して何が悪い?」

 

 そして殺し屋は刀を抜き、提督の頭に突き立てた。

 

K「さて······と改白露型の海風で合ってたっけ? 俺に拉致られるかそれとも死ぬかの選択することを許そうかと思ったけども、やっぱ俺は殺すの嫌だから拉致る事にさせてもらうよ☆

 俺は『結城 京《ユウキ キョウ》』名前は呼ばれ慣れてないから『ユウ』で呼んでくれ! 敬語は苦手だから喋るときはできるだけラフにお願いね!」

 

 先程と口調と雰囲気が一変した彼は、そう言うと提督室の扉を「お邪魔しま〜す」と言いながら蹴破り

 

ユウ「なんか良さそうなのあるかな?」

 

 部屋の中を物色してタンスを漁り

 

ユウ「······こいつでいいか······これでも着ときな」

 

 白い服を投げ渡してきた。

 

ユウ「そこのカマブタの女装用のだろうが、そんなボロボロの服のままよりはマシだと思うぞ〜」

 

海風「······なんで和服なんですか?」

 

ユウ「目のやり場に困るし、そこの死骸の部屋にあったものの中で一番似合いそうな気がしたからだ」

 

海風「······ありがとうございます」

 

ユウ「頼むから早く着てくれ」

 

 私が着ている間、彼は執務室で何かをしていた。

 

海風(······さっき提督にやられたように後ろから撃たれるとか思わないんでしょうか?

でも、最初に殺し屋だって言ってたけど

悪い人じゃないのかも?)

 

※ちなみにこの和服イメージ的に、東方Projectの旧作霊夢(靈夢)の物です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海風「······お待たせしました」

 

ユウ「( ˘ω˘)スヤァ······( ゚д゚)ハッ! スマン寝ちまってたみたいだな······リボンとかは着けないんだな······でもまぁ似合ってると思うぞ······行こうか」

 

 ユウさんはウトウトしていたが、私の服装へのコメントをしてから立ち上がり、パキパキと骨を鳴らした。

 

海風「はい! ······あれ? 下の階が騒がしくなった?」

 

ユウ「ん〜。大方、大本営の憲兵隊辺りが来たんだろう」

 

海風「じゃあどうやって······」

 

ユウ「歩いていくとやばいなら、飛んでいけばいいじゃない!」

 

海風「!? 飛ぶんですか」

 

ユウ「まぁ、窓から出るだけだけどね〜······」

 

海風「それ······落ちますよね」

 

ユウ「大丈夫! だって三階だし」

 

 そう言いながら彼は私を抱えあげて飛んだ······同時に 私の意識も トんだ

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 このエリアにいろいろと違和感あると思ってるのでよければアイデアください。




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四話


ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!





 

 

ーside.海風ー

 

 

 彼は私を抱えあげて飛んだ

······同時に 私の意識も トんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なにか聞こえる······

 

『・・ろ』

 

 その声は少しずつ鮮明になってきて······

 

『・きろ』

 

 私の意識は浮上した

 

ユウ「起きろ」

 

海風「!!」

 

 目を開けると正面に彼が立っていた

 

ユウ「おはよう。どこも痛いところはない?」

 

海風「ごめんなさい」

 

 私は鎮守府付近の木にもたれかかる形で気絶していたようだ

 

ユウ「初めてだからしょうがないよ······

俺も異世界のBB······妖怪の賢者Y・Yに25メートルくらいから初めて頭から落とされたときは死んだかと思ったからね······自分で立てる?」

 

海風「······ちょっと無理そうです」

 

ユウ「それなら、ほら」

 

 彼が私の方へと手を差し出し、私はその手を取る。

 

ユウ「よいしょっと」

 

 直後に彼は私のことを思い切り引き上げた······勢い余ってそのままぶつかってしまったがガッチリと、けれども優しく受け止めてくれた。

 

海風「ごめんなさい」

 

ユウ「どっちかと言うと『ありがとう』のほうが欲しかったかな」

 

 そう言いながら軽く頭を撫でられる

 その時見た彼の瞳は透き通った銀色で優しい目をしていた。

 

ユウ「さてと······行こうか」

 

海風「どこに行くんですか?」

 

ユウ「拉致するのに教えたりはしないよ〜♪」

 

 彼はいたずらっぽく笑った。

 それから彼に手を引かれ、私達は人混みの中を歩いて移動していた······

 

ユウ「あっ、そういえば〜······『紅牙(コレ)』渡しに行こ。近いし······海風ちゃんも着いてきて」

 

 彼に言われるがまま人混みを抜けると青と白の服の人が近づいてきて、色々聞いてきましたが、彼が「兄妹です」と答えると納得したのか青白の人は去っていきました······

 青白の服の人が去った後に彼は

 

ユウ「······一応拉致られてんだし······助けを求めりゃ良かったのに」

 

 そう言われて「現在拉致されている」ということを思い出しました。

 

 

 

 連れられるがまま着いたところは学校のような所で

 

ユウ「行ってくるから海風ちゃんはそこのベンチに座って待ってて〜♪」

 

 そう言って彼は建物の中に入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後、彼を待っていると少し太った青白の服の人が近づいてきました。

 

青白「君、一人かい?」

 

 そう言われ、彼が言ったことを思い出し助けを求めようかと考えたが反射的に

 

海風「えっ······あ、兄を待っています」

 

青白「そういうのはいいから。

 ······家出の子ってさぁ大体身内を待ってるとか、友達を待ってるって言うんだよね。さて······おじさんと一緒に交番まで行こうね」

 

 そう言って近づいてくる青白服の人の目は、他の青白服の人と違いあの提督と同じような感じがした。

 

ユウ「待たせたな」

 

 その時、彼が戻ってきたので私は咄嗟に彼の後ろに隠れました。

 彼は、青白の人に気づくと

 

ユウ「うちの妹のこと気にかけてくれて

ありがとうございました」

 

青白「いえいえ、本当にお兄さんを待っていたんだね。······疑っちゃってごめんね。お嬢さん」

 

 互いに軽い笑みと会釈を交わしてから青白の人は去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、連れられるまま人混みを抜けて行き、彼は近くの浜辺で足を止めた。

 

海風「なんで浜辺に?」

 

ユウ「この辺りに帰るための足を呼んであるから来たんだよ〜

 ······もうちょい待っててね〜」

 

 

 

······数分後

 防波堤の一部に線が入り、線は静かに目を開けるかのように開いてその空間から何かが出てきた。

 

ユウ「······思ったより遅かったな」

 

 言いながら彼はその何か······灰色の艤装のようなもの······を装着すると、ソレから無機質な音声が流れた。

 

??『ユーザーとの接続チェック開始······

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ······完了。問題無しと判断(オールグリーン)······

 人工艤装補助システム。神流(カンナガリ)システム······起動確認』

 

 すると灰色だったボディが、白く······所々黒が入ったものに変わった。

 

『神流型 一番艦 汎用戦艦『骸《ムクロ》』起動します』

 

骸「······お久しぶりです。マスター······三年ぶりですね」

 

 ······と骸の音声はクリアになった。

(好きなボイスで聞いててください)

 

ユウ「遅かったな。そういえば装備換装システムの修理は終わったのか?」

 

骸「はい。おかげさまで通常状態での装備換装などは問題なしです!」

 

ユウ「ならば良し! 他のやつの修復度合いはどうなんだ?」

 

骸「あ、ええっと······他のシステム搭載艦は番外の駆逐艦『太刀風』のみじきに使用可能になるくらいです」

 

ユウ「あれ? 確か太刀風の方が「!!敵性反応······索敵に感あり! 数二隻です!!」······まずは殲滅しないとだな。装備は主砲とブースターでいい」

 

骸「了解!」

 

 すると虚空から小型レールガン(×二)と小さな円筒状のもの······彼が言うにはブースター(×四)が出現した。

(ブースターは足首の上と膝下に一本ずつ付いています)

 

ユウ/骸「「フゥッ 汎用戦艦『骸』出る/行きます」」

 

 言い終わると同時に彼/ 骸は、風や音を置き去りにして海へと出た。

 

海風「······凄い······」

 

 それがこのとき唯一絞り出せた言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 防波堤に背を預けて彼を待っていると「フゥゥン」という音とともにまた防波堤に目の様な物が開き、骸よりも小型な物が出てきた。

 

??『マスターの残り香を確認······近くの器を仮登録······接続を開始します』

 

 それは一瞬のうちに私との距離を詰め、次の瞬間には私の意識は落ちていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.ユウー

 

 

〜海上〜

 

ユウ「······敵の反応は二隻じゃございませんでしたっけ? 骸さん?」

 

骸「ごめんねマスター······再チェックの結果。レーダーとか探知機系の精度が落ちちゃってるみたいなんだ〜ごめんね」

 

ユウ「精度が落ちてると言っても四隻分の反応を見逃すとか聞いてねぇよ!!(軽巡二、駆逐四)残りは軽巡一隻と言っても······」

 

 その時、相打ち狙いかはわからないが、残りの一隻······軽巡ホ級が特攻を仕掛けて来た。

 

ユウ「っクソが!(接近しすぎたッ避けられねぇ······なら!)」

 

 操作を後退から前進に変え、海面を蹴って回し蹴りを放った。

 

ホ級「!?」

 

 ホ級は真っ二つ(顔から上とその下と)になり上側はふっ飛んで行ったが、下側はそのまま突っ込んできた。それにより右側のレールガンに命中し、レールガンは大破した。

 

ユウ「······主砲は仕舞ってひとまず海風の所まで戻ろうか······」

 

 瞬間、左のレールガンに何かがぶつかり、爆発が起きた。それにより左のレールガンも大破状態となった。

 

ユウ「骸! 反応あるか?」

 

骸「海上には無し! よって、海中だと思われます!」

 

ユウ「対潜装備に換装!!」

 

骸「ごめんなさい復活初日から潜水艦は想定してなくて装備······補充して無いです······」

 

ユウ「クソッ!! 刀も渡してきちまったから······しゃーない回避に専念! 全力で手伝え!」

 

骸「了解!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 敵の潜水艦隊による雷撃を紙一重で避け続け、五分ほど経っただろうか

 

ユウ「流石に疲れてきたな······体の反応が遅くなってる」

 

骸「そろそろ限界ですよぉ······」

 

 その時、とどめと言わんばかりに四方から魚雷が迫ってきていた。

 

ユウ「······流石にもうここまでかねぇ」

 

 体が動かず、避けることをほぼ諦めていた。

 

??「やらせません!!」

 

 その声が聞こえると共に四方の魚雷が爆発した······が、ダメージは極めて軽微なものだった。

 

骸「······太刀風!? ナンデ!?」

 

太刀風『マスター契約が成立したため、フルスピードで参上致しました』

 

ユウ「······海風か?」

 

海風「はい! お待たせしました」

 

ユウ「神流型は最低限仮登録しないと使えないはずだが?」

 

海風「理由は後で話します! だからまずは敵を倒します!」

 

ユウ「······そうだな······任せた」

 

海風/太刀風『「了解!」殲滅を開始する』

 

 その後、敵潜水艦隊が“壊滅”するのに一分も掛からなかった。

 

 

 

 

 

 

ー脚部のみの省電力モードで骸充電中ー

 

 

ユウ「······まぁつまり、太刀風が海風を器として仮登録したけど俺の······と言うよりは骸のピンチを感じ取り、やむを得ず仮登録じゃ無く、マスター登録したってことか······性能フルで出せるし」

 

太刀風『はい。そうなります』

 

海風「でも登録は私が提案しましたから、太刀風さんは悪くないです」

 

ユウ「そこは大丈夫! もういいよ。むしろ神流型のユーザーが増えるのはいい事だから二人の合意で決めりゃあいいと思うし、自分の艤装より太刀風が使い易けりゃメインとして使えばいいし、万が一もあるかもだからマスター登録の破棄はしなくていいよ」

 

海風「ありがとうございます!」

 

 このときの海風の瞳はなぜか少し輝いて見えた······気がする。

 

 そして、索敵を海風に任せ、波の音に耳を傾けていると、骸の充電が終わったようだ。

 

骸「······おはよ〜ございます☆マスター♪」

 

 なんかゆる〜んとした声になっているがそんなことは気にせずいくつかのことを問うことにした。

 

ユウ「おはよう骸······さて、太刀風がどうして遅れたのか教えてもらおうか?」

 

骸「マスター顔怖いです」

 

 表情が少し怖いらしいがそんな事は知らん

 

ユウ「それは済まないな······で? 理由は? 説明プリーズ」

 

骸「うぅ〜わかりました」

 

〜骸説明中〜

 

ユウ「まぁつまりはお前が再起動して早速暴れたくなり、太刀風の出撃があると知って太刀風に接続、出撃を遅らせて代わりに自分が出てきた······と。それのせいで死にかけたんですが?」

 

骸「ゴメンナサイ」

 

 多分液晶とかに接続したらショボーンとしてるんだろうなぁとかいうクッソどうでもいいことを思った。

 

ユウ「······まぁ過程はどうあれ結果的には神流型のユーザーが増えたし、生きてるから、結果オーライってことでいいよ。許す!」

 

骸「ホントですか!?」

 

ユウ「でもまぁ、帰ったら艤装の確認と整備をちゃんとしろよ?」

 

骸「はい。帰ったらちゃんと確認と整備します······」

 

ユウ「そんじゃまぁ〜······帰りますか」

 

 その瞬間、ドォンと大きな砲撃音が聞こえ、その直後に海風/太刀風に着弾した。

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 一応オリジナルの要素を突っ込んでみました。
 神流システムは簡単に言うと艤装にMGS4のSOPが入ってるような物だと考えてください





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五話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

ーside.海風ー

 

ユウ「そんじゃまぁ〜······帰りますか」

 

 彼が言った時、砲撃音が聞こえた

 私がその方向に振り向こうとした時、私は既に吹き飛んでいた。

 何が起きたのか理解できぬまま沈みゆく意識の中で私が見たのは鎌を持って敵と向かい合う彼の後ろ姿だった······

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が目を開くとそこは白でも黒でもない······いや、白でもありまた黒でもある······そんな空間に立っていた。

 

海風「ここは······どこ?」

 

??『その問いにはワタシが答えます。マスター』

 

海風「誰ですか!? ······もしかして太刀風さん?」

 

太刀風『はい、ワタシは駆逐艦太刀風の

核(コア)であり、また歴代マスターの魂の結晶になります。

 また、先程の問いへの回答として、この場所は継魂の儀の世界になります』

 

海風「継魂の儀······ですか」

 

太刀風『継魂の儀とは神流型ユーザーが

次のユーザーのために“魂を使い”神流型を強化するものであり、また歴代の魂を継承する儀式です』

 

海風「つまりは私が魂を使って太刀風さんを強化するってことですか?」

 

太刀風『いいえ、飽くまでも継魂の儀の魂は“遺産”にあたるのでマスターは継承する側です。

因みに骸のマスター······ユウ様は神流型全てと契約なさっていますが、継魂は骸の物のみです』

 

海風「継魂の儀をするともっと太刀風さんを使いこなせるようになるってことですか?」

 

太刀風『はい。現状では通常艦娘の改の程度まで練度を引き上げ、スペックを更に引き出せるようになります。

 また、後々少し特殊な変化が可能になると考えられます』

 

海風「そうなんですね······そういえば 私······沈みませんでたっけ?」

 

太刀風『同時に沈んだワタシが消滅していないため、沈んではいても、死んではいないと思われます。

 そのため、所謂気絶に近い状態になっているものと考えられます』

 

海風「それなら······まだ大丈夫なんですか? ······まぁ大丈夫と仮定して、なんでこのタイミングで継魂の儀の話を?」

 

太刀風『継魂の儀は先程説明した通り、魂の遺産であるため亡くなる際に諦める代わりに後世に力を託したり、希望を残すために行っているので継魂の儀もこの様な不安定な時にしか行えません』

 

海風「そういうことだったんですね」

 

太刀風『因みにマスター契約の際に継魂自体は完了しており、この様に儀式を行って魂の力のロックを解除し使える様にする······という形になります』

 

海風「つまりはもうここにいる必要は無いってことですよね?」

 

太刀風『そうではありますが、ワタシもこの様な事は初めてなので、よく分かりませんが、ユウ様が外からなんとかしてくれますよ』

 

 すると急に強い眠気に襲われる

 

太刀風『おやすみなさい。また外でお会いしましょう。マスター』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ······声が聞こえる

 

『・・! ・き・』

 

声が聞こえやすくなると共に

 

『・風! ・きろ』

 

私の意識も浮上した

 

??「海風! 起きろ」

 

 ······てっきりそこには彼がいると思っていた。

 けれどもそこにいたのは白髪ロングの女性だった。

 

??「骸! 海風見つけたぞ! 寒ぃから早よ揚げろォ」

 

 それを聞いて自分の体が水に浸かっていることに気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜帰り道〜

 

 私が継魂の儀をしている間に色々あったようで、まず一つ骸がネ級に使われていた。······と言うよりは骸がネ級になっていた。

 あと、さっきの女性はユウさんだったみたいです。······今はイタチになってムクロ(ネ級)の首許で寝ていますけど······彼が言うには、彼には決まった姿は無いが、あの姿が気に入っていたし、使い易いから基本あれなのだと言っていた。今イタチなのは燃費がいいからだと言う。

 骸がネ級になっているのは、私が沈んでいるときのことを説明したほうが早いと思う。

 

ムクロが言うには

・着弾した瞬間ユウさんがキレて敵の懐に入り、魂だけ斬った

・直後にユウさんが潜り、私を見つけて

引き揚げた

・その魂だけ斬った敵がネ級で、その器に骸が入ってる

・女体化は反動で、イタチなのはさっき言ったように燃費がいいから

ということらしい。

 

 なんというか······非常に現実離れしたことを言われている気がするが、それ以上に······なんで燃費という単語が出てくるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

······20分後······

 

 

 

ーside.ユウー

 

 

ユウ「済まない······だいぶ寝ていたな」ファァ

 

 ムクロの首許から降りて人間体(男)に戻った俺は欠伸をしながら言った。

 

ムクロ「······ホントに、すやすや可愛らしい寝息立てて寝てましたよ」

 

ユウ「そういう点ではイタチは嫌なんだよな〜。燃費はいいけど! ······あと艤装寄越せ無駄にMP消費するから」

 

 そう言うとムクロは明らかにイヤそうな顔を浮かべ

 

ムクロ「嫌ですよ! せっかくいい体貰って楽しく走ってるのに」

 

ユウ「知るか! こちとら最近無駄に疲れてるんだからさっさと艤装寄越せ!」

 

ムクロ「嫌ですよ〜今くらい体動かしてもいいじゃないですか〜······って言うか艤装使いたいだけなら太刀風でもいいじゃん!」

 

 ムクロは可愛く頬を膨らませ、抗議してくる。······素のこいつはこういう性格なんだよな

 

ユウ「太刀風盗ったら海風が立てなくなる。だから駄目ってことで艤装寄越せ」

 

ムクロ「それなら海風ちゃんをお姫様抱っこして帰ればいいと思いま〜す」

 

ユウ「······それは色々アウトな気がするから却下! それにその理論だとお前を抱えてでも問題ないことになるが!?」

 

ムクロ「私はもっと動きたいからぜ〜ったい嫌で〜す」

 

 などと普通に考えれば「子供か!」と言われてもおかしくないレベルの言い争いをしていると海風がおずおずと質問を投げかけてきた。

 

海風「あの······ユウさん。アウトってどの部分がですか?」

 

ユウ「あ? そりゃあお姫様抱っこ云々のトコだけど?」

 

海風「そこなら大丈夫ですよ? 私場別に嫌じゃないですし、それに鎮守府から逃げるときに私を抱えて飛んだじゃないですか」

 

ユウ「ゑ!?」

 

 俺は先ほどの事を思い返し

 

ユウ「あ〜······そういえばそうか」

 

ムクロ「さーて合意を得たんですし、私は諦めてください☆」

 

 ムクロはこちらにやけに嬉しそうな表情を向けてくる。正直殴りたいが、海風もいるのでやめておこう

 

ユウ「分かったよ······あと折角だし俺がイタチになったように海風も獣化してみるか? 何になるかは分からないけど」

 

海風「ホントですか!?」

 

 海風の目が輝いてるように見えるし、尻尾みたいなものも見えた気がする······白露型は本当に犬系が多いんだな······

 

ユウ「んじゃあやろうか。ちょっと失礼するよ」

 

 一度動きを止め、左手で海風の右手を右手で海風の左手を握ると、電池が入った豆電球のように海風が光りだした。

 

 

 

 数秒後、光が収まったときにはすでに海風は白い毛の仔犬?の姿になっていた

 

海風『あぅ眩しいです······!?ユウさん達が大きい? ······いえ。多分私が小さくなってますね』

 

ユウ「海風、獣化で犬になったしな」

 

 言うのと並行して仔犬(海風)を抱え、太刀風を装着する。

 

海風『なんで犬なんですかぁ』クゥーン

 

 泣きそうになっている······というか鳴いている海風に自分なりの説明及び仮説を話す。

 

ユウ「分からないけど、確実にただの犬ではないよ? 多分。神獣のスペディオ(DQM JOKERシリーズより)に近い姿だからね」

 

海風『それはそれでなんでですか?』

 

 海風は不思議といったふうに首をコテンと倒す。いちいち可愛いせいで撫でたくなる

 

ユウ「俺の魔力で獣化したから······か? あと当人? 曰く神獣ってのは神に近い獣らしいぞ? 喋れてるのもそのせい······喋ると言うよりはテレパシーの類だと思うが······それにスペディオだとすれば犬というよりは狼に近いか?」

 

 ゆっくりと進みながらついでに説明していると、少し遠くでスイスイ滑っていたはずのムクロが近づいて来て

 

ムクロ「可愛いからこれはこれでアリだと思うので撫でさせてください!」

 

 その時のムクロの表情は軽くヤバいやつだったため、二人で正直に思った事を冷やかに言い放つ。

 

「『ムクロ。顔怖いそしてキモい(です)』わりとマジで」

 

 「ムクロは心に大量のダメージを受け、目の前が真っ暗になった······」

 とか言って地に······水面に? 伏してるのを放置するのも可愛そうなので

 

ユウ「ムクロ〜そういうのいいからさっさと帰るよ〜」

 

ムクロ「わかりましたけど〜べつにノッてくれてもいいじゃないですか〜」

 

 また駄々こね始める······放置の方が良かったかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.海風ー

 

 

ユウ「陸地に着いたよ〜」

 

 陸へ上がり、正面の建物を見るとその建物は大きく、入り口にかかった看板を見ると艦隊総司令部······つまりは大本営と書いてありました。そしてムクロ達と別れ、ユウさんに連れられるがまま沢山ある部屋の一つに入る。

 

ユウ「ただいま〜」

 

??「遅かったじゃないか〜」

 

海風「お邪魔します」

 

ユウ「そんな固くしなくていいよ。

さてと······ひとまずお互いに自己紹介すれば?」

 

海風「白露型七番艦の海風です!」

 

 固くしなくていいと言われたものの、相手が相手なためキッチリとした敬礼を向ける。

 

??「そんなに固くならなくてもいい。 虎坂 李白 階級的には元帥になっているが基本的には軽口で結構······むしろ普段から軽めにしてほしい。疲れるからな。白虎で呼んでくれ」

 

 対して元帥は大きな欠伸をしてから、ふわっとこちらに手を振る。

 

ユウ「白虎も固いの苦手だからね〜」

 

 補足をするようにユウさんは言って元帥の向かいのソファに座る。

 私はふと思った事を質問してみる。

 

海風「そういえば······元帥さんとも関わりがあるユウさんって本当に何者なんですか?」

 

ユウ「あっ······それは〜」

 

 ユウさんが目を泳がせる。

 

白虎「一体どのような自己紹介をされたんだい?」

 

海風「最初『殺し屋』って名乗ってました。それに、私のことも『拉致る』って言って連れてこられましたし······」

 

白虎「で? それを信じていたのか?」

 

海風「最初の方だけ······ですね。鎮守府から出た後は優しくて良い人だと感じました」

 

白虎「······だ、そうだが?」

 

ユウ「······そうだな〜アイツ殺ったあとは割と素だったな······ホントに」

 

白虎「まぁ、改めて自己紹介しておいた方が良いだろう」

 

ユウ「了解······改めて・・・

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 太刀風の基本装備は、高周波ブレード(左右の腰に一本ずつ)と脚部ブースターだけです。ブレードは付け替え可能です。

 次は春真側に戻します。
 別視点の方が長くなるってヤバいのではないかと感じてます。
 この続きは春真の方が進んでからです。




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六話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




春真「ハァ······やっと······着いた······」

 

 道中に色々なことがあったが、なんとか大本営まで来ることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は母校から出た後バスで最寄り駅、最寄り駅から近くの新幹線の出る駅まで移動し、そこから大本営の最寄り駅、そして大本営と移動するつもりだったが、最寄り駅から新幹線の駅までの間に襲撃され、電車がやられた。

 そのせいで、二時間遅れで済めば万々歳の距離から歩くことになってしまっていたのだが、運良く遠征帰りの艦隊に拾ってもらえたので元々の到着予定時間の17:30より30分早く着く事ができた。

 

春真「いくら早く着いたとはいえ、勝手に歩き回るのは駄目だよな」

 

 どうやって元帥の部屋に向かうか悩んでいると、先程拾って連れてきてくれた艦隊にいた駆逐艦と憲兵が話をしていた

 

 

 

憲兵「······あいつならまだ任務に出たまま帰ってきてないはずだぞ?」

 

駆逐「そう······じゃあ帰ってきたら教えて。近くで釣りしてるから。あと、お疲れ様」

 

憲兵「解った。あいつが帰ってきたら伝えるだけ伝えとくよ。そっちもお疲れさん」

 

駆逐「ありがと。それじゃあまた後で······本当に、ひと声かけてから出ていきなさいよ···あのクソ兄貴は······」ブツブツ

 

 そう言って駆逐艦はどこかヘ歩いて行った······会話の内容的に釣りに行ったのだろう。

 僕は、憲兵に道を尋ねようと思い声を掛けた。

 

春真「あの······少しお時間頂いてもよろしいでしょうか?」

 

憲兵「ん? 俺か?」

 

春真「はい。元帥閣下の部屋への行き方が分からなくて······教えてもらえませんか?」

 

憲兵「いいよ。俺も白虎······元帥に用があるからついて来てくr······あっ······申し訳ありません少将殿! 先程の無礼をお許し下さい!!」ズザァァ

 

 瞬間。ものすごくキレイな土下座をされた。

 

春真「ほぇ? ······あぁえっと私は先日階級を頂いたばかりなので······だからあの〜······お気になさらないでください」

 

憲兵「いいのですか?」

 

 憲兵はガバァッと勢いよく顔を上げた。正直な話だいぶ怖い

 

春真「うわぁっ······はい······私は大本営に来たのが初めてですし、まだ学校を出たばかりの新人ですからむしろ普通に喋ってもらえた方が助かります」

 

憲兵「そう······ですか······それならばそうさせてもらうよ」

 

 そういって彼は立ち上がり、「元帥の部屋はこっちだ」と歩き出した。

 

 

 

 

 

 

憲兵「その刀、なかなかに良いやつなんじゃないか?」

 

春真「そうですか? よくわかんないですけど、私としては憲兵さんの刀の方がカッコいいと思います······キレイな黒ですし」

 

憲兵「そういうことじゃないんだが······取り敢えず、こいつは友人から貰ったもので、確か『龍刀 黒鉄(クロガネ)』って銘だった筈だ」

 

春真「黒鉄······なんかカッコいいですね!」

 

憲兵「少将殿のはなんて銘なんだ?」

 

春真「えっ? えーとたしか······『鉄刀 紅牙』だったかな?」

 

憲兵「ふーん······紅牙か·········いい銘だな······っとあそこが元帥の部屋だ」

 

 彼が指をさした時に白髪の男?とすれ違い、僕と憲兵が来た道を逆に進んでいった。

 大本営で見かけた人たちの中で一番異様な雰囲気を醸していたが、憲兵さんが何も言わないなら大丈夫なのだろう。

 

 元帥の部屋の扉の前に立ち、憲兵は三回ノックの後

 

憲兵「『クロバネ イオリ』入るぞ」

 

 憲兵は扉の前で待っていたのだが、返答がなかった。返答がないまま30秒が経った時、彼から「凸るか」と聞こえた。

 瞬間、扉を開けて彼が部屋に入っていき、それに追従する······同時に彼が元帥に平手打ちをしていた·····それもパァァンと音が響くレベルで

 

元帥「コクウよ······起こすならもっと優しく頼む······痛いから」

 

 ······三等少将に対してのタメ口で土下座してたのにトップの元帥に平手打ちって······それに、元帥も全く気にしていない風だし、特に問題ないのだろう。

 

元帥「そんで?······何の用なんだ?」

 

憲兵「入り口見りゃわかる」

 

 元帥と目が合い、咄嗟に敬礼をした。

 

元帥「平方少将か?だとしたら······一時間程早くはないか?」

 

春真「申し訳ありません。母校からこちらに向かう途中、深海棲艦の襲撃に遭ってしまい、電車がやられました。

 ですが、通りがかった遠征艦隊の方々に連れてきて頂いたお陰で予定より早く到着できましたので、そちらの憲兵殿の案内のもと、挨拶に参りました!」

 

元帥「ふむ······大変だったのはわかった! だが此方も準備がまだ完全ではないからな。館内放送で呼ぶまでは館内を自由に動き回っていてくれて構わない。一時間程ではあるがな」

 

春真「わかりました」

 

元帥「それと、案内役としてこの憲兵(バカ)を付けよう」

 

春真「ありがとうございます。それじゃあ少しの間ですが、よろしく頼みます! 憲兵さん」

 

元帥「さっきから聞いていると『憲兵さん』と呼んでいる辺り、自己紹介されていないんだろう?」

 

憲兵「あー······そういえばしてないな······じゃあ自己紹介ってことで俺は、『黒羽 伊織《クロバネ イオリ》』だ。コクウで呼んでくれ······これでも見た目通り憲兵だ」

 

 コクウから差し出された手をガッチリと握り硬い握手を交わした。

 

春真「改めてよろしく頼むよ。コクウ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、食堂や工廠、演習場を見て回ったのだが、食堂ではコクウが駆逐艦の娘におやつをねだられていたり、海防艦? の娘にぺしぺし叩かれていたりしたが「後でな〜」とか「仕事中だ」とかって言ってあしらっていた。

 工廠では、深海棲艦が『普通に』艦娘のものだと思われる艤装をいじっていたり『仔犬が』艤装に触っていたりして驚いたが、コクウが言うには大丈夫らしい。

 演習場でも、コクウが駆逐艦の娘にじゃれつかれていたが、ここでも「仕事中だ」とあしらっていた······小さい娘に好かれているのだろう。他にも、酒瓶を持った軽空母の人に「今夜一杯どうだい?」と誘われ「仕事が終わってから! な?」と言ってたけれども······まぁそんな感じで時間を潰していた。

 

 大体、大本営を一周した辺りで何をしようか悩んでいた時

 

??「ただいま。コクウ」

 

コクウ「おう。お帰り! 釣果はどんなもんだった?」

 

 先程の駆逐艦がコクウ話しかけてきた

 

駆逐「釣果は一匹よ。最初に釣れたやつだけ。アタリは何度かあったけど、最初の以外食べられないサイズ」

 

コクウ「ほほ〜う······お前が一匹だけしか釣れないなんてのはだいぶ珍しいんじゃねぇか?」

 

駆逐「ホントに最悪よ! あと今日の唯一の釣果は夕飯になるわ。もう調理が始まってるから、早めに食堂に行って食べることをオススメするわ」

 

コクウ「そうか! ん〜まぁ少し早いが飯にしよう······春真少将もそれでいいか?」

 

春真「そうだね。まだ時間に余裕があるし、そうしよう」

 

駆逐「私は姉妹艦呼んできて食べるから。じゃあね」

 

コクウ「そうだ、行く前に一つ」

 

駆逐「なによ」

 

コクウ「あいつはそろそろ帰ってくるぞ〜俺の勘ではあるがな」

 

駆逐「······あっそ」

 

 そう言って彼女は離れて行った。

 ······心無しか頬が上がっていた気もするが······気のせいだろう

 

コクウ「そんじゃ食べに行きましょうか〜少将殿」

 

春真「分かった。でも少将呼びはむず痒くて······やめて欲しいかな」

 

コクウ「んー、まぁそうなんだが、一応他の奴らからの目もあるときはこっちのがいいと思ってな」

 

春真「そういうことか·····了解。じゃあ行こうか」

 

コクウ「だな······あ、ちなみに、あいつが釣ってきたやつで作った料理は基本無料だ」

 

春真「何故なんだ?」

 

コクウ「あいつの頼みと料理人の優しさだな! 言ってしまえば······だが」

 

春真「大丈夫なのか?それ」

 

コクウ「まぁ白虎もそれで食ってる時あるし〜?良いんじゃ〜ん?」ファァ

 

 そんな会話をしながら僕達は食堂の扉に手をかけた。

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

ストーリーの展開が遅いのでここまで読んでくれている方々は少ないと思いますが…

気長にお待ちください。
次回、新キャラ多め




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七話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!



 

 僕達は扉を開けて食堂に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食堂は鳳翔さん、間宮さん、白髪の少女と白髪の青年で経営······正しくは担当しているようで、厨房を鳳翔さんと間宮さん、ホールとカウンターを白髪の青年と少女が担当している様だ。

 

青年「いらっしゃい。コクウ」

 

コクウ「おう。元気そうだなキョウヤ」

 

青年「おかげさまでな! 何食ってく?」

 

コクウ「無料の海鮮丼で頼む」

 

春真「私も同じもので」

 

青年「分かった。鳳翔さ〜ん海鮮丼二つお願いしま〜す。······それでそっちの人は初めましてだよな。俺は『三船 鏡夜《ミフネ キョウヤ》』鏡夜で呼んでくれていい。敬語は無しでな。君は?」

 

春真「『平方 春真』階級は三等少将。春真で呼んでくれ。こちらも敬語は無しで頼む。よろしくね鏡夜」

 

 僕が握手を求めると鏡夜は快く握手に応じてくれた。

 

鏡夜「できたらこの端末が鳴るから取りに来てくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕は端末を受け取り、席で待っていると、「お待たせっ(ピット君ボイス)」と端末が鳴った。コクウの方は「待たせたな!(スネークボイス)」で鳴っていた。

 食器を取りに来た時、コクウが白髪の少女に話しかけた。

 

コクウ「よ〜うリヒト······今はレイヤだっけか?」

 

少女「そうだねコクウ。ちゃんと今の名前で呼んでくれる方がいいかな。あといつものように君のは大盛りね」

 

コクウ「サンキュ」

 

少女「それで、君が春真くんでいいんだよね?」

 

春真「はい?」

 

少女「いや、鏡夜が自己紹介したんだしボクもと思ってね。ボクは『三船 澪夜《ミフネ レイヤ》』艦娘としては『Z1(レーベレヒト・マース)』なんだけど······まぁ澪夜で呼んでほしいかな。あとこれ。君の分の海鮮丼ね」

 

春真「ありがとうございます。あれ? 三船······ってことは鏡夜の?」

 

澪夜「妻だから! 妹じゃないからね!!」

 

春真「(なんで急に)!? わかってますよ? 左手薬指見れば」

 

澪夜「えっ······ごめんね。いつも鏡夜と関係あるって気付く人によく妹と間違えられるからつい」

 

コクウ「まぁお前を見かけるときは大体鏡夜と一緒だからな。鏡夜がウザがらないのが不思議な程には」

 

澪夜「そこまででも無いと思うけどね」

 

コクウ「まぁ仲がいいのは全然いいと思うがな。てか俺はともかく春真はこの後忙しいらしいから話すならまた後で頼む」

 

澪夜「そうだね。ボクも仕事中だし······また後で」

 

 その後、席に戻り海鮮丼の丼の蓋を開けると、青かった。海鮮丼の刺身が。コクウが普通に食べていたので、勇気を出して食べたら普通に美味しかった。

 食べ終わった時にコクウに聞いたところ、魚=イ級だったらしい。イ級が食べられることを証明したのは今は任務に行っている他の憲兵だとも話してくれた。

 

春真「そういえば深海棲艦は怨念の塊って習ったけど、そこはどうなんだ?」

 

コクウ「釣り上げた時に怨念を斬ってくるって聞いてるぞ〜?」

 

春真「斬れる物なのか?それ」

 

コクウ「まぁできてる訳だし斬れるだろ! 俺も一応やれば出来るからな」

 

春真「出来るのか······」

 

コクウ「出来なくは無いだけだ」

 

 驚きの余り、空いた口が塞がらなかったが、やろうと思えば大本営の人なら十人くらいはできるらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕達が食器を返した時、館内放送で呼ばれたので、元帥の部屋へ向かっていた。

 

 校長室に呼ばれた時と同じように人が全然いない廊下を歩き、部屋の前で一度立ち止まり深呼吸をしてから扉をノックした。

 

元帥「入れ!」

 

春真「平方春真少将、入ります」

 

 扉を開け、部屋に入ると、部屋には元帥の他に五人の人物がいた。

 

??「特型駆逐艦、吹雪型の吹雪です」

 

??「同じく吹雪型の叢雲よ」

 

??「特Ⅱ型の漣で〜っす」

 

??「特Ⅲ型の電なのです」

 

鳳翔「私も同席させて頂きますね」

 

元帥「鳳翔は私の秘書艦故、同席してもらっていることを詫びよう。

 そして本来であれば初期艦はこの四人の他にもう一人、白露型の五月雨という艦娘もいるのだが、彼女はまだ帰って来ていなくてな、この四人の中から選んでもらうことになる」

 

鳳翔「こちらが今いる娘達の性格などのデータです。」

 

 私は手渡されたファイルに目を通す

 

吹雪「〜♪」ルンルン

 

叢雲「······」アワアワ ビクビク

 

漣「ふん」バァーン(ジョジョ立ち)

 

電「フッ」シュシュッ(シャドウ)

 

 何故か二名おかしな事をしているが気にしない事にする。

 

 

 

 

 

 

 目を通していると、少し疑問が生まれたので鳳翔さんに聞いてみることにした

 

春真「あの、鳳翔さん。一つお聞きしてもいいですか?」

 

鳳翔「私が答えられる範囲でならお答えしますよ」

 

春真「これで選ばれなかった娘はどうなるんですか?」

 

鳳翔「ふふっ平方少将の事ですから『解体になるのではないか』と考えられているのでしょうけど、予定では他の提督候補生の秘書艦になるのかどこかの鎮守府に配属されるので安心してください」

 

春真「······もう一つ聞いてもいいでしょうか?」

 

鳳翔「えぇ。元帥は夕飯を食べに食堂に行きました」

 

春真「嘘ですよね!?」

 

鳳翔「あの人も自由な人ですから」フフッ

 

 そう話す鳳翔さんは修羅が宿ったかのようなオーラをしていたため、相当怖かった。

 そんな会話をしながらも私はゆっくりとファイルに目を通していた。

 

 ファイルの情報を簡単にまとめると

吹雪=普通だがたまにMになる

叢雲=他の個体と違い、気弱で泣き虫。自己紹介の時は頑張ってた

漣=好戦的で人を見下す癖があるがムードメーカー気質も持っている

電=基本は他の電と同じだがスイッチが入ると冷酷で負けず嫌いになる

大雑把にはこういうことらしい。

 

 ファイルから目を離すと、廊下から足音が聞こえ、扉の方へと目を向けると

 

元帥「ただいま〜」

 

 元帥が帰ってきた

 

鳳翔「平方少将、少し席を外しますね」

 

 そう言うと鳳翔さんは元帥を連れて部屋を出ていった。

 

 

 

鳳翔「白虎さん。あとでお説教ですので部屋に来てください。いいですね?」

 

元帥「アッハイわかりました」

 

 

 

 

 という会話が聞こえてきたが、聞かなかったことにしたほうがいいだろう。

 

 

 

元帥「それで初期艦は決まったかな? 平方少将?」

 

 元帥が改めて部屋に入ってくると、漣と電が俯きながら元帥の方へと歩き出した。

 

元帥「どうした?」

 

漣/電「······なんで」

 

元帥「?」

 

漣/電「なんで一人だけ飯食いに行ってるのさ!/ですか! じいちゃん!!」

 

言い終わったとき、二人は元帥の足へローキックしていた。······両側から。

 

春真「······え!?」

 

叢雲「その······いつものこと······です」

 

 叢雲さんが耳打ちで教えてくれたので、パニックにならないで済んだのだが······いつもなんだ。これ

 

漣「漣達はお腹空かしてここで待ってるってのに! じいちゃんだけ食べ行くとかズルい!」ゲシゲシ

 

電「こっちは空腹によるイライラを抑えて我慢してここで待ってるのです! そのへん配慮しろ! なのです!」ゲシゲシ

 

吹雪「ローキックはやめなよ二人とも! 痛そうだし。こんなのでも一応は元帥なんだから」

 

元帥「吹雪······お前いつもの流れ的にもしかして······」ゲシゲシ

 

吹雪「っていうか、むしろ"私を"蹴ってください!!」

 

元帥「やっぱり!?」

 

漣「相変わらず······引くわ〜」

 

電「いくらなんでも引くのです」

 

 この時、叢雲さんと鳳翔さんもドン引きして苦笑いを浮かべていた。

 

 

 

元帥「気を取り直して、初期艦は決まったか? 平方少将」

 

春真「それがまだ決まってなくて······ 一応五月雨さんのデータも見させて頂けないでしょうか?」

 

 それを聞いた元帥は機械仕掛けの人形が首を回すかのように鳳翔さんの方へ首を回した。

 

元帥「見せてなかったの?」

 

鳳翔「いませんから」

 

元帥「全員分渡してって言ったよね!? まぁいいや。これが五月雨のデータだ。」

 

 そうして渡されたデータにも目を通していると、廊下から足音が近づいてきて、扉が強く開けられた。

 

??「白露型駆逐艦! 五月雨。只今帰投しましたッ!」ケイレイ

 

元帥「遅かったじゃないか! サミィ」

 

五月雨「ただいま帰りました······うわぁ」

 

 五月雨が躓いたらしく私の方へ倒れ込んできたため、咄嗟に受け止めた。

 

春真「大丈夫か?」

 

五月雨「ごめんなさい躓いちゃって······」

 

 五月雨は私の服を見るや否や、最初のコクウみたいに土下座始めそうだったので、「気にしないで欲しい」と伝えると、ひとまず落ち着いてくれた。

 

 

 

元帥「さて······そろそろ決まったかね?」

 

 再び元帥が喋り始めたとき、また扉が開いた。

 

??「間にあったな······入るぞ」

 

春真「コクウ!? どうしたんだ?」

 

コクウ「自室に戻ってからふと占いしたくなってな、対象が思い付かなかったからお前が誰を選んだらどうなるかを占った」

 

春真「それで? 結果はどうなったんだ?」

 

コクウ「結論から言うと、漣か電だと昇進も楽になる的な感じて出てた。飽くまで占いだから気にするな」

 

春真「? ってことはその二人のうちどちらかを選ぶべきってこと?」

 

コクウ「いや。飽くまで占いの結果がそうだったってだけだ。俺個人としては叢雲か五月雨の方がお前に合うと思ってる」

 

春真「それは······なんでだ?」

 

コクウ「性格的なところとかだな。吹雪だと毒されそうだし、漣か電だと逆ブラック鎮守府になりそうだし······叢雲だと畏縮して作戦立てづらそう、五月雨だと執務中にドジしそう······とまぁ全体的に見てマシなのがその二人だった訳だ! 白虎と『ミハネ』さんはどう思う?」

 

元帥「俺は叢雲に一票だな。執務もできるし。まともな平方少将ではやばいの三人には振り回されそうだからな」

 

三名「それってだれのことですか〜?」

 

 元帥の方へ睨みをきかせる三名

 

鳳翔「私はサミちゃんに一票です。ドジな娘ですがお料理も上手ですし、見てて癒やされますから」

 

コクウ「とまぁ······この二人にも聞いたが、最終的に決めるのは春真だからな」

 

春真「······決まりました。私は・・・

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 やっと本編に近づいてきました。

 本当に稚拙な作品ですが、楽しんでいただけていれば嬉しいです。書き方のアドバイスなどもいただけると幸いです。





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八話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!



 

ーside.ユウー

 

 

ユウ「改めて······名乗らせてもらうが、俺は『大本営元帥直属特務憲兵』の結城 京だ」

 

海風「特務憲兵って···なんですか?」

 

ユウ「······それは〜知らなくていいと思うよ?」

 

白虎「······言ってしまえば場合によって私の代わりを行う代行官のようなものだよ」

 

ユウ「言うなっての」

 

白虎「すまんすまん······それよりもお前に話があるんだが······」

 

ユウ「······それは海風に聞かせても大丈夫な内容のことか?」

 

白虎「大丈夫だが······大事にはしたくないから、聞かれない方が良いかな」

 

海風「じゃあ私は退室していますね」

 

ユウ「······それならムクロのところに行っていろいろと教わってきな! 多分工廠で艤装の修理やってると思うから。ついでにワンコ状態でも艤装使えるかの確認とかもしておいてくれ」

 

海風「分かりました。それでは······」

 

 海風は「失礼しました」と礼儀正しく退室して行った。

 

ユウ「そんで、話ってのは何なんだ?」

 

白虎「······本日、初期艦を選びに新人提督が来る。そんで、その初期艦一人の五月雨がお別れのあいさつ回りに行ったきり帰ってこないから探して連れ帰ってほしい。形式上は任務とする」

 

ユウ「了解! 五月雨探して連れてくりゃいいんだな? 任務、承った!

 ······なんというかこれって親父に妹探してこいって頼まれた時の様な懐かしさがあるな」

 

白虎「確かに。懐かしいな」

 

 白虎は再び大きな欠伸をする

 

ユウ「······だいぶ眠そうだな」

 

白虎「眠いからその新人提督が来るまでの間少し寝ようかと思ってる」

 

ユウ「大船に乗ったつもりで待ってな」

 

白虎「頼んだ。俺はもう寝る」

 

 ウトウトしていた白虎の頭が机に強く打ち付けられた。痛みで起きるのかと思いきや、寝たようだ。

 

ユウ「絶対連れ帰って来てやるから安心して寝てな······行ってきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウ「······と言ったもののどこに行ったんだかな〜」

 

 特に何も考えずに大本営から出てきた訳だが、どこに居るのか見当がつかず適当に近場を歩いていた。

 

ユウ「『挨拶周り』って言ってたし取り敢えず商店街辺りで聞いてみるかね」

 

 

 

······ってことで五月雨と何度か来たことのある店の人に聞いてみることにした。

 

ユウ「こんにちは八百屋のおばさん。今日······というかここ数十分の間にうちの五月雨見ませんでした?」

 

八百屋「あら? ユウちゃんじゃない! 久しぶりねぇ。今日はキュウリがだいぶ売れ残っちゃってね〜安くしとくよ!」

 

ユウ「今は任務中なので後で買いに来ます。それよりもうちの五月雨見てませんか?」

 

八百屋「そうかい。じゃあ何本かキープして待ってるよ。それで五月雨ちゃんなら『お別れになるかもしれないので挨拶に······』って来たねぇ」

 

ユウ「その時、他にどこに行くとか言ってましたか?」

 

八百屋「確かねぇ······他に魚屋と肉屋に行ってくるって言ってたからそのどっちかにいるんじゃないかい? 30~40分前の事だからお家に帰ってて入れ違いの可能性もあるかもしれないけどねぇ」

 

ユウ「分かりました。ひとまずそのニ箇所を回って探すだけ探してから買いに来ます」

 

八百屋「きちんと取りに来なよ! そうじゃ無いとお家まで届けに行くからね!」

 

ユウ「忘れずに寄らせてもらいます! それでは」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウ「で二箇所とも回ってどっちにもいないとは予想外」

 

 こんな感じで魚屋と肉屋にも行ったが、どちらにも居なかった。

 

ユウ「でも、次に行く場所を肉屋のおっちゃんが聞いてくれててよかった〜」

 

 肉屋のおっちゃんが駄菓子屋と、路地裏のカフェにも行くと聞いたらしいのでその二箇所も回る訳なのだが······

 

ユウ「なんでここに居んの? 白虎(オマエ)

 

白虎「なに、忘れ物を渡しに来ただけだ。ほれ」

 

 白虎が銀色の銃を俺に向けて投げる

 

ユウ「投げんなバカ! 落下の衝撃で動作不良が起こったらヤバいから」

 

白虎「それはすまんな。だがお前が忘れるのが悪いのだ」

 

ユウ「だからといってなぁ······それよりなんでここにいるんだ?」

 

白虎「それがな〜春真君がけっこう悩んでるから〜決まるまで時間掛かりそうだしな。あと待つの嫌いだから」

 

ユウ(多分みんな怒ってるだろうな〜)

 

白虎「目的は達成したから帰るわ〜」

 

 白虎は全力ダッシュで帰っていった

 

ユウ「来たなら五月雨探すの手伝えよ······まぁいっか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウ「······ってな感じのことがあったんだけどよ〜」

 

??「それを言いにわざわざウチに来る必要があるのか?」

 

ユウ「いーじゃんか〜! 最後のアテがこのカフェだったんだからさ〜」

 

追加二箇所でも見つからなかった為、カフェでカフェオレを飲みながら少し休んでいる。

 

??「だからといって愚痴をこぼしに来るな! ······客がいない時だからまだいいが」

 

ユウ「客が居ても付き合ってはくれるんだろ? 時坂」

 

 飲み終わり、カップを置く

 

??「苗字呼びはやめろと言っているだろう! 俺の名は《ソラ》だと何度言えば分かるんだ?」

 

ユウ「分かった。分かった。そんじゃ俺は帰るわ〜。代金ここに置いとく〜」

 

ソラ「普通に支払って行け!」

 

ユウ「釣りは迷惑料って事で〜」

 

 カフェから出て、さて帰ろう。そう思った時、微かだが路地裏の奥の方から声が聞こえた。

 

ユウ「ふー······プライベートとして取り敢えず行ってみましょうか〜!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.五月雨ー

 

 目が覚めると私は薄暗い部屋で椅子に座っていた。体を動かそうとしてみるが腕は後ろ側で縛られ、足も動かせない。

 記憶を探り、なぜここにいるかを思い出そうと頭を働かせる。瞬間、扉が開き二人の男が入ってきた。

 

男A「起きたようだな」

 

五月雨「······こんなことをして何が目的ですか」

 

男B「何が目的だと思う〜?」

 

五月雨「······身代金の要求なら無駄ですよ。私たち艦娘の大半に個の価値はありません。私みたいな希少価値の低い駆逐艦だと特に」

 

男A「身代金を要求するよりも裏で金持ちに売る。或いは臓器を売るほうが金になる。

······臓器を売った後で外身を金持ちに売り捌く方が結果的に多く金が入るか?」

 

男B「それに血には若返り効果があるって聞くし〜、それにモテ易くなるとかも聞くことがあるし〜」

 

男A「神が憑いて近くの運気が回ってくるとも聞く」

 

 その話を聞いて私は呆れを隠せず、溜息を吐いてしまった。

 

五月雨「ハァ······そんなことを信じてるんですか!? ······残念な事に血を吸っても肉体が微妙に若返れるってだけで寿命は伸びません。若返りも誤差程度ですし。モテ易くなるなんてのは絶対あり得ませんし、運気なんかは気の持ち用です」

 

 そう答えたが、気にした様子もなく

 

男B「まぁ僕っちはそんなことより、駆逐艦のガキでも下は相当のものってのを調べたいから、そのために脚は縛ってないんだけどね!

 ······開脚した状態で足を縛らないのは僕っちの趣味。抵抗の無い娘をヤっても楽しくないし〜」

 

男A「そっち方向は興味無いから好きにヤれ。だが逃がす事は許さんぞ!」

 

 そう言って壁に背にして瞑想? を始めた。

 

男B「さ〜てっ。楽しませて貰うとしましょうか〜♪♪」

 

 そう言って一歩、また一歩と近付いて来る······瞬間。ドアが蹴破られた。

 

??「ハ〜イ(ヘーベル君式)」

 

男B「何者だテメェ!!」

 

五月雨「お兄さん!?」

 

??「やっほー! 五月雨〜偶然とはいえユウ兄さんが助けに来たよっと♪」

 

男B「ふざけてんじゃねぇぞ!!」ダッ

 

 男はお兄さんの方にナイフを向け、走って行く。

 

ユウ「刺すでも切るでも、やれるもんならやってみろ〜って言いたいとこなんだけれどね〜······普段だったらな」

 

 言い終わった時には男の手にナイフは無く、男は地べたに這いつくばっていた

 

ユウ「急ぐ必要があるからごめんなさいな······さ〜て終わったし帰るよ〜」

 

 お兄さんが私の方に歩を進める。

 

男A「油断大敵とはよく言ったものだ」

 

 瞬間、お兄さんの後ろに瞑想していた方の男が現れ、お兄さんにスタンロッドを突きつけた。

 

ユウ「ほぇ? もう一人いたんだ······完全に気付かなかったねぇ」

 

男A「今更遅い」

 

 

 

バチバチバチッ

 

 

 

 電極がお兄さんに当たり、大きな音と光が放たれる。······が

 

ユウ「······スタンロッドってこんな弱いもんでしたっけ?静電気程の痛みも無かったわけだけど」

 

 全く聞いた様子もなくお兄さんは問いかけた。

 

男A「何故だ!! なぜ気絶しない!? そこの艦娘でさえ気絶したんだぞ!」

 

ユウ「いやそんなこと知らんのですが······とりあえず続きは罪償ったあとで!」

 

 呆れたような表情でお兄さんが男の肩に触れた瞬間、男は足から崩れ落ちた。

 

ユウ「さて。それじゃあ帰るよ〜」

 

五月雨「腕の縄切って下さい」

 

ユウ「へ? ······もう切れてるぞ?」

 

五月雨「え!? ホントだ」

 

ユウ「通報したし、後は警察の方にお任せして帰ろうか」

 

 そうして部屋から出て歩いていると、少し太った警官が私達に近付いて来ていることに気づいた・・・

 

 

 




)あとがき的なとこ(
 なんかだいぶ長くなってしまったので、一旦切ります。
 次回はユウ視点からの予定です。




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九話


ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

ーside.ユウー

 

 

ユウ「通報したし、後は警察の方にお任せして帰ろうか」

 

 五月雨に声を掛け、大本営に帰るために部屋を出て路地を歩いていると、どこかで······それもつい最近どころでなく、数時間前に見た顔の警官がこちらに向かって歩いてきた。

 

警官「君はさっきの······協力に感謝するよ」

 

ユウ「いえいえ。此方こそ早く来てくれてありがとうございます」

 

警官「いやこちらこそ助かったよ! 

······それにしても一日に二度も会うなんて、偶然って怖いね······」

 

ユウ「そうですね。······意外と必然だったりして。

 ······そう言えばどうしてこちらに?」

 

警官「異動で来たんだよ。さっき会った時は向こうでの最後の町内見回りだったんだよ」

 

五月雨「お兄さん。この人は?」

 

ユウ「ん〜と、一つ前の仕事中にたまたま会った人?かな」コソッ

 

警官「それにしても、よくこんな誰も来ないような場所にいると分かったね」

 

ユウ「偶然。少しだけ声が聞こえたので興味本位で見に来たらこうなっちゃって······それじゃ後のことはお願いします」

 

 そう言って警官の横を通り過ぎて行こうとして胸部に鋭い痛みが走った。

 

警官「こういう処理がし易いから助かるよ」

 

五月雨「お兄さん!?」

 

ユウ「イツキ······逃げ······ろ!」

 

 意識が遠退き、口から吐血するなか、その一言を絞り出して俺の意識は闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside.五月雨ー

 

 

 お兄さんが刺されて倒れたところを見てしまった私はパニックになりながらも走って逃げ、今は来た道を戻って部屋にいる。

 

五月雨(ここならひとまず大丈夫なはず······最悪ナイフが見つかれば一方的にやられるだけは避けられると思うし······)

 

 その時、扉が壊され先程の警官が入って来た。

 

警官「そう簡単に俺様から逃げられると思うなよ小娘ェ」

 

 そう言って警官の体はバキバキという音を立てて変質していき、サメの様な頭にモノクルをかけた二足歩行のナニカに変化した。

 

さめ「ふぅ······ホントに警察とかいう偽善者の演技は疲れるわねぇ〜! あら? あらあら! この役立たず(ゴミ)共まだ生きてるのねぇ〜」

 

 サメの様なナニカは変質した大きな腕を使い足元の男······Bの体を軽々と持ち上げ、自らの巨大な口に放り込み、バリボリと音を立てながら喰らう。

 

五月雨(私もああやって食べられるのかな······)

 

さめ「やっぱり美味しくないわ〜不味い! と吐いてもいいんだけど今は我慢しましょう。臭いし固いし······お腹には貯まるんだけどねぇ······もうちょいどうにかならないかしら? この不味さ······

さて、そんなことより艦娘ちゃんのお肉はどんな食感、どんな味なのかしら? 美味しいのだろうけど、想像が止まらないわ」

 

 サメの様なナニカは息を荒げ、舌なめずりをしながら私に近づいてくる

 私は恐ろしくなり後ずさるが、椅子の近くで転んでしまった。サメの様なナニカはゆっくりと恐怖を与えるように一歩ずつ距離を詰めて来る。

 

さめ「それじゃあまずは一度。頂きましょうか!」

 

五月雨(この辺りにナイフがあったはず······あった!)

 

 手探りでナイフを探し、見つけられたものの、サメの様なナニカは倒れている男Aに目もくれず、私に近づいてくる。

 

五月雨(手が触れる直前にナイフで突き刺す。それなら成功率が高いはず·········今ッ!!)

 

 サメの様なナニカが私を掴もうと手を伸ばすと同時に地を蹴り、飛び出す。

 

 その時、床から茨が生え、サメの様なナニカの両腕両足に巻き付いた事で一瞬だけサメの様なナニカの動きが止まり、ナイフはさめの腹部を貫いた。

 

さめ「ゴフッ······俺に傷を付けておいて······ただ食われるだけで済むと思うなよ小娘ェ!!」

 

 さめは茨を引きちぎり拳を振り上げる

 

五月雨「(私、十分頑張りましたよね)······さようならお兄さん」

 

 さめの腕が振り下ろされる。瞬間

 

『修羅なる下天の暴雷よ、千々の槍以て降り荒べ!!』

 

 部屋に声が響き、サメの様なナニカに無数の雷撃が放たれた。

 

さめ「カハッ」

 

雷撃はナイフの刃を通り内臓を焦がして消え、サメの様なナニカは黒焦げになり、倒れた。

 声の方に目を向けると声の主は剣を杖にして、骸骨の様な人形に体を支えられ、血を流しながら私に向けてこう言った。

 

「待たせたな。イツキ」

 

五月雨「お兄さん!? 大丈夫ですか」

 

ユウ「大丈夫! って言いたいけどちと辛い。てゆーかもう無理」

 

 私がお兄さんに駆け寄り、支えに入るとタイミングを見計らったかのように人形が消えた。

 

ユウ「スマン。大分出血多くてな」

 

 そう言っているが、お兄さんの傷口はまるで凍っているかの様に冷たく、血もすでに止まっていた。

 

五月雨「ひとまずはカフェで応急処置だけでもしておかないと!!」

 

ユウ「処置はソラに頼む事にするからイツキは大本営に向かえ! 遅れたら元も子も無いし、依頼失敗になるのは避けたいからな」

 

 私はお兄さんをカフェまで連れて行こうと一歩を踏み出した。

 

?「動くな! でないと撃つ!!」

 

 声の方を振り向くと倒した筈の男が立ち上がり、こちらに銃を向けていた。

 

ユウ「······ん? お〜俺のM9じゃん! 無いと思ったらここに落としてたのか〜。見つけてくれてありがとね〜」

 

 お兄さんは私から離れ、Aの方に歩き始めた。······普段のように軽快な動きでは無い上、剣を杖の様にしながらではあるが······

 

A「······動くと撃つと言ったはずだ」

 

ユウ「それで撃てる人はもう一歩目のときに撃ってるよ······」

 

A「······」

 

 Aは静かにトリガーに指をかけた。

······『本当に撃つ意志がある』という事なのだろう

 それでもお兄さんは歩みを止めず、ついにはAの手首を掴み、銃口を自分の額に当てた。そして大声で怒鳴った。

 

ユウ「撃てるのか? お前に!」

 

A「クソ! 死ねェ!!」

 

 Aはヤケクソと言わんばかりに引き金を引いた。

 ······が、出て来たのはカチッと言う音だけだった。

 

ユウ「だから言っただろう? "撃てるのか?" と」

 

A「なん······で」

 

 Aは後退り、力が抜けたかの様に立ち尽くす。

 

ユウ「弾の入れ忘れ? 不発弾? 整備不足? そのどれでも無い! 某ナノマシン(SOP)の仕業でも無い! ただ、この銃は私のオリジナルカスタムであり、魔力をはじめとする特別な力を弾とするからだ! 故に貴様にはその力が無かっただけの話!

 だが、我を殺そうと引き金を引いたことは称賛に値する。」

 

 お兄さんが長々と喋っていると、どこからともなく小石が飛んできて、お兄さんの頭に当たった。

 

ユウ「イテッ」

 

「えんぜつしないでさっさとおわらせなさい」

 

 小石を投げたのはどこからともなく現れた妖精さんのようで、それだけ言って消えた。

 

ユウ「熱くなってたな。······じゃあ依頼達成ってことで。帰るか」

 

 お兄さんは一瞬で銃を奪い、銃床でAの頭を叩き気絶させてからそう言った。

 

 カフェに向かう途中、『帰りに八百屋のおばさんにきゅうり貰って食べな〜』と代金渡されたり、『お前が選ばれたら時々会いに行く』と言われて「私がいないと寂しいんですか?」と冗談交じりに聞いてみると『ああ。寂しくなるよ』と返されたり······あと、「あの部屋を放置して大丈夫なんですか?」と言う質問を『大丈夫だ。相方に頼んである』と返されたりと

 

 そんなこんなでカフェで『また会いましょう』と別れ、大本営に駆け出した。

 ······時間ギリギリだった為、漣ちゃんと電ちゃんに睨まれました。

 

 

 

 

 

 

 このあとおまけ(という名のだいぶ自由なエリア)になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜工廠〜

 

 ユウと別れて、と言うか置いてかれてる海風とムクロはというと······

 

 海風はユウの指示通り太刀風とのリンク調整とか"海風としての艤装"を明石に組んでもらったり、獣化()時に艤装を使えるかの試験をしている。

 

 ムクロは艤装の整備や身体の健康診断といった簡易的な体力測定だったが、海風を待つ名目で倉庫にある艤装の余りパーツで新たな装備を組み立てていた。

 

ムクロ「······よしっ。スペアできた!ストレージに入れてっと······おっけ」

 

海風『疲れました』

 

明石「はい。やっぱり太刀風の方は無理そうですね〜」

 

海風『獣化状態だと······ポンッ······刀に届かないです」

 

 海風はもう獣化の解除法などはもうマスターしたようだ。

 

ムクロ「となるとワンコの時用の短刀とか着けた方がいいのかもね〜」

 

海風「でも短刀があっても使えないです」

 

明石「短刀くらいなら某超龍の団長みたいに咥える形で使えばどうにかなりますよ〜」

 

ムクロ「なれば鍛冶師さんに依頼しなきゃね······コクウから依頼してもらおっ」

 

海風「じゃあお願いします」

 

 その時、どこからともなく「くきゅ〜」という音が聞こえ、ムクロ達はその方向に目を向ける。

 そこには恥ずかしそうに顔を赤らめる海風が······

 

ムクロ「あっ······そういえばこんな時間か。お腹空いたし一旦休憩にしよう」

 

明石「分かりました! じゃあ私と海風ちゃんは食堂へ直行して席の確保と注文。ムクロちゃんはコクウに依頼してから食堂。これでいい?」

 

ムクロ「了解(ガティ)! 食堂集合ね!」

 

明石「······何食べる?」

 

ムクロ「安いやつで!」

 

 

 

 そして、二人と別れたムクロは短刀のことを話そうとコクウを探していたが、見つからず食堂へと向かっていた。

 

ムクロ「コクウが見つからないならライちゃんか鏡夜に頼もうかな〜······ってコクウいた。お〜い!」

 

コクウ「ん? ってネ級!? ······そういやムクロか」

 

ムクロ「そだよ〜♪いま暇〜?」

 

コクウ「まぁ今は暇だな!」

 

ムクロ「それでね〜······

 

 

······少女説明中······

 

 

······って事でよろしくぅ」

 

コクウ「よろしくと言われてもな······素材はあるのか?」

 

ムクロ「へ? 素材? 分かんない!」

 

コクウ「だとしたらまぁ、材料も任せる形で安いの作ってもらうかね」

 

ムクロ「じゃあそれでいいかな〜」

 

コクウ「OK! それで注文しておく。

 ······次から"鍛冶師(クロガネ)"に依頼するときはユウからにしてくれよ」

 

ムクロ「さ〜んきゅ〜! じゃあ私は食堂で明石達を待たせてるから! またね♪」

 

 

 

 そうしてコクウと別れて食堂に入り、二人を探していると灰髪の少女とぶつかった。

 

少女「あうっ」

 

ムクロ「わっ······ごめんね。大丈夫? 手を貸そうか?」

 

少女「はい。大丈夫です······こちらこそごめんなさい。」

 

 少女は申し訳なさそうに謝ってくる。

 ムクロはこの状況をどうにかしようと思い、いくつか疑問を口にした。

 

ムクロ「君、名前は?」

 

少女「······私は『清美《キヨミ》』です。お姉さんは?」

 

ムクロ「私? 私はムクロだよ! 神流型一番鑑」

 

清美「ムクロお姉さんは艦娘なんですか?」

 

ムクロ「ん〜そうだけど、そうじゃない半分合ってて半分外れ······かな〜

そういえば清美ちゃんはどうしてここに?」

 

清美「ここにいる理由は、その······艦娘になるために······です」

 

ムクロ「そっか。何に······どの艦種になりたいの?」

 

清美「戦艦になりたいです! ······いや、いつかなります!」

 

 そう答える清美の目には「絶対になってやる」と言わんばかりの熱がこもっていた。

 

ムクロ「フフッ······なれるよきっと。いや、いつか絶対······ね♪

私が保証する!」

 

清美「ほんとですか? 絶対?」

 

ムクロ「ええ。いつか絶対! 保証するって言ったでしょ!」

 

清美「絶対ですね! 信じます」

 

ムクロ「それじゃ頑張ってね!」

 

 そうして、清美とムクロは別れた。

 ちなみに明石に「遅い」と怒られたようだが······

 その後、食器を返しに行った際、澪夜と仲良くなり、澪夜の部屋で女子会していた事はまた別の話。

 

 

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(上)

 死者三人出ましたね(二人+一体)

 次回は春真の過去話ラストの予定です。
 これでも頑張って書いてるのでお楽しみいただければ幸いです。


)あとがき的なとこ(下)

 今回は書き方を変えたパターンもやってみたかったので、おまけとしてやらせていただきました。

 ちなみに澪夜の部屋=鏡夜の部屋なので、鏡夜は別の所で寝たことになります。部屋主は別の所にいますが、許可取って寝て(借りて)ます。
 明石たち休憩じゃなくなってるのは、やることはやったし疲れたから明日でいいやってことです


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十話



ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

 

 

「決まりました。私は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ということで、これからよろしくお願いします!」

 

「こちらこそ。これからよろしくお願い致します!」

 

 現在時刻はフタヒトサンマル。PM9:30もしくは21:30が分かりやすいか。

 

 あの後、初期艦を選び、鎮守府へと向かう時に漣の「せっかくだし海路で送ってきましょー」という提案により、元帥の操縦するクルーザーに乗り、鳳翔さんを旗艦としてほか五人(吹雪、叢雲、漣、電、五月雨)の護衛艦隊と共に鎮守府へと送ってもらった。

 元帥がいる理由は本人曰く「君のことを気に入ったから。あと気分転換も兼ねる」とのこと。イメージしていた元帥とはほとんど違うが、何というか父性を感じている。

 

 海路な事もあり、敵水雷戦隊と会敵したが、ノーダメだった。······結果的に鳳翔さんが元帥の刀を使い、弾をすべて落とした上で全員沈めたのには驚いた。

 

「それでは提督。まず何をします?」

 

春真「特には考えてないけど、五月雨は何か案はある?」

 

五月雨「本来ならば建造とか出撃とかですが、時間的にもっと簡単な事をした方がいいかなと」

 

春真「じゃあ本日は何もせず明日からという事で」

 

五月雨「流石に何かしましょう。鎮守府内の散策とかそういう感じの事でいいので」

 

春真「建物の構造を把握するのは必要な事だな。じゃあそれ採用! ってことで行こうか」

 

 鎮守府内の散策は時間の事もあり、肝試しの様だった。なぜかと聞かれれば電気がついていないからとしか言えない。

 

春真「なんで電気がつかないんだここ」

 

五月雨「一応電気は通ってる筈なんですが······スイッチが見つかれば点くんでしょうけど······」

 

 現状。どうなっているかというと、僕が懐中電灯を持ち数歩先を照らしていて、その左側に五月雨がいて、両手でがっしりと腕を掴まれている状態だ。彼女の震えが伝わってくるし、正直な所、指が食い込んでいる上、普通の女の子よりも力が強いため、すごく痛い。

 ······駆逐艦の五月雨でこれなので、重巡の羽黒にやられた場合のことを考えてしまうと、少し冷や汗が流れた。

 

 

 

 ひとしきり見て回った結果、設備として工廠に建造ドックが二つ、大浴場が和洋で二つ。その間に浴場が一つとその中に入渠ドックが三つ、大本営のものと同じ様な広さの食堂と厨房、更には弓道場までもがあった。ちなみに電気はいつの間にか点いていた。

 

 個室などは完全な空き部屋(いっぱい)だが、ベッドやソファ等のクッション類は執務室のソファ二つとその隣の提督室にベッドがあるだけなので、

 

春真「私はソファで寝るから五月雨がベッドで寝てくれ」

 

五月雨「提督がベッドを使ってください! 上官のベッドを上官より先に使った何て漣ちゃんや青葉さんに知られでもしたら大本営で笑いのネタになっちゃいます!」

 

春真「こっちだってベッドがあるのに幼い女の子に譲らないなんてアイツらの耳に入ったら······幻滅されて約束も破棄されるだろうな······兎に角! 私がソファで寝る!」

 

 という話し合いになっている。

 

五月雨「なら私も『クキュ~』······ふぇ?」

 

春真「······一先ず何か食べるか? 食材も少しあったはずだから、なにか作るよ?」

 

五月雨「······すいません。きゅうりしか食べて来なかったので······お願いします」

 

春真「きゅうりだけって······」

 

 言い合いになりながらも······なったから? 五月雨のお腹が空腹を主張し、僕も少しお腹が空いていたため、僕達は食堂で夜食を作る事にした。

 

春真「さて、何を作ろうか?」

 

五月雨「大本営でこの時間に作るのは大体おつまみか漣ちゃんのオーダーで焼きそばとかパイとかでしたけど」

 

春真「食材は何があったっけ? っと······あれ?」

 

 冷蔵庫を開けたわけだが、食材が入れた時より少なくなっている。

 

五月雨「あの光は······なんでしょうか」

 

春真「光? 何のこ······と」

 

 振り向くと食堂の隅で人魂の様な水色の光がゆらゆらと揺れていた。

 ······人魂はゆっくりと、次第に速く近づいて来た。

 そして、僕達の前まで来て

 

「おやしょくできてますよ」

 

 と言うと同時に人魂は水色の髪の妖精さんに変化した。

 

春真「妖精さん!? 明日、憲兵と一緒に着任するんじゃ? それに夜食って······」

 

妖精さん「わたしもそのかたちでくるよていでしたが、ししょーにいわれてだんぼーるにはいってきたのでいまここにいます。

 おやしょくにかんしては、くろのすさんけいゆでさみだれさんがおなかすかせてるとししょーにきいたのでつくってみました! おくちにあえばいいんですが······」

 

春真「つまりは妖精さんの師匠に言われて食材が入ってた段ボールに入って来て、その師匠が五月雨がお腹を空かせると予知していたから夜食を作った······ということでOK?」

 

妖精さん「OK! ······ししょーがいうにはきゅうりしかたべてないみたいだけどほんとなの?」

 

五月雨「は、はい! 向こうでの帰り道で食べたキュウリだけです」

 

妖精さん「わかりました。······ひとまずおたべください! ほんじつは"ぱんけーき"をごまいつくりました! にまいずつおたべください。」

 

春真「······二枚ずつということは残りの一枚は妖精さんが食べるわけか」

 

妖精さん「はい。じぶんへのごほうびです♪」ニパッ

 

 ······不覚にも妖精さんのはにかみにキュンとしたのは僕だけでは無いだろう。

 現に五月雨は顔が緩み、漫画であれば『ほわーん』とエフェクトが付いていそうな状態だ。

 ······それにしてもこの笑顔は学校の指揮演習でMVPを取った時の雪風ちゃんの顔を思い出すな······

 

妖精さん「あ、それとよければですが、わたしに"なまえ"をいただけませんか?」

 

春真「名前?」

 

妖精さん「はい。ししょーにつけてもらおうとおもってたんですけど、『名前は一つの存在証明だから信頼出来そうな人に付けてもらえ』といわれまして。

 もういっかいおねがいしたんですけど、『俺にはお前に合う名前が思い付かないんだ』って。ひとばんじゅうかんがえたけっかがそれだったようで······」

 

春真「······うん! 私で良ければ名付けをやらせてもらうよ」

 

五月雨「私もパンケーキを頂きますからそのお返しとして案を考えました!」

 

春真「なら同時に案を発表、どっちがいいか妖精さんが選ぶ······でいいかな?」

 

五月雨「異議なしです」

 

妖精さん「では『せーの』でおねがいします。せーの」

 

 

「「シエル!」」

 

 

春真「えっ!?」

五月雨「え!?」

 

妖精さん「『シエル』ですか。······お二人の案、有り難く頂戴します」

 

 妖精さん改め、シエルは嬉しさのあまりか目を潤ませながら再びにこっと太陽の様な笑顔を見せた。

 

シエル「そういえば、お二人は如何にしてこの名前に思い至ったのかお聞きしても良いですか?」

 

五月雨「私の方は、シンプルに"パティシエール"から。ですね」

 

春真「私も語源はパティシエールからだが、それに行き着いたわけがあって『野菜しかなかったはずなのにパンケーキ······菓子というかスイーツを作ってくれた』からなんだけど······どこから素材持ってきたの?」

 

シエル「お二人とも、ありがとうございます! 今度師匠に会った時に自慢させてもらいます♪あと素材に関しては妖精さんパワーです。とだけ」

 

五月雨「······ちょっと気になったんですけど、シエルちゃんの師匠ってどんな人なんですか?」

 

シエル「師匠はですね〜『ロリコン予備軍』とか『切り裂き魔(リッパー)』とか『不死者(アンデッド)』、あと一時期『人類の敵』とかも呼ばれてたみたいですね。

 おじいちゃんには『裁定者(アビテイター)』とか『渡世者』って時々言われてましたね〜」

 

五月雨「······前半全部ヤバイ呼び名じゃないですか!? 人類の敵って······」

 

シエル「人類の敵って呼ばれてた時の活動は、私達妖精と艦娘、深海棲艦の方々を救ったり保護したりが主だったようです。

 補足として現在の戦争は人類側が色々やり過ぎて起こってる部分もありますからね······

 ついでに、師匠はいまちょっと魔力切れとか色々あって死にかけで、とある場所で治療を受けてます」

 

五月雨「死にかけ······ですか。お師匠さんとまた会えると良いですね!」

 

シエル「大丈夫です。クロノスさんなら治せますし、そもそも師匠は私達と同じなので死に切ることは無いです」

 

春真「妖精さんと同じ······って事は人間じゃ無いのか?」

 

シエル「簡単に言うと人の器に入り、力を抑え生活している神といってました。

それに多分明日には動ける程度には復活してきます。

 ······ご馳走様でした。お風呂は大浴場二つをご利用ください。別々じゃなくてもいいですよ〜♪」

 

 シエルはいたずらっぽい笑みを向けてそう言った後、三人分の皿とフォークを持ってふよふよと厨房に入っていった。

 

 

 

 




)あとがき的なとこ(

 さてここまででやっと春真が着任しました。本当だったらもう少し進める予定でしたが、文字数が多くなってしまうため、切ります。

 本編までもう少しです。

 次回は今回の続きと、明日(作中)着任する憲兵の俯瞰(フカン=前回のおまけの時の感じ)視点の予定です。




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十一話


ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

 「お風呂の準備はできてますからお二人で入ってきてもいいですよ」的なことをシエルに言われ、僕達は風呂に入っている。僕『達』とは言ったが、天井の部分にもう片方と会話ができるように隙間が空いているだけで、もちろん別々の大浴場に入っていて、僕は和風の方だ。

 

 風呂からあがる際に、脱衣所に寝間着を持ってき忘れていたことに気付き、士官服で寝るつもりだったがシエルが旅館で出されるような寝間着を籠に入れてくれていたのでそれを着て脱衣所を出た。

 ······風呂から上がってすぐなのでまだホクホクしてはいるが

 

春真(後でシエルに感謝を伝えに行かないとな······)

 

「提督さんもお風呂上がりですね。湯加減は如何でしたか?」

 

春真「いい湯だったよ。ありがとう·······どなた?」

 

 答えながら振り向くと若草色の髪をした少女が五月雨と共に立っていた。

 

五月雨「シエルちゃんですよ?」

 

春真「いや、シエルは妖精さんだし、髪色も緑じゃなく青系だし、それにこの子は人間······

 

 瞬間、若草の少女は消え、五月雨の肩にシエルが現れた。

 

シエル「これでいいですか?」

 

春真「シエルは人間だったのか······」

 

シエル「いいえ。妖精ですけど、名前を頂いたお陰か、昔師匠にもらった姿を自由に使えるようになったみたいです。

 ちなみにわたしも今、五月雨ちゃんとお風呂に入ってきました」

 

春真「そうなのか。それでどうだった?」

 

シエル「久しぶりのお風呂だったので、教わったりしながら入ったのですが、気持ち良かったです!」

 

五月雨「私もあんなにも広々したお風呂に入るのは久しぶりでしたし、何というかゆっくりと湯船に浸かれたのでリラックスできました」

 

シエル「あ······そういえば寝る時どうするの〜?」

 

春真「寝る時? ······あ! そういえばベットが一つしかないんだった。じゃあどうしようか?」

 

五月雨「ベッドは提督が使うべきだと思います!」

 

春真「五月雨が使うべきだ!」

 

 

「提督がー」「五月雨がー」

 

 

 互いに一歩も引かず、相手に譲り合っているのにしびれを切らしたのか

 

シエル「いっその事二人でベッドを使えばいいじゃないですか! 提督さんは間違いを犯す気はないのですから大丈夫でしょう?」

 

 という新たな案を提示してきた。

 

春真「確かに間違いを犯す気は無いが万が一があるかもだし、それに逆もあり······得ないとは思うが······兎に角、私がソファを使う! いっそのことシエルと五月雨でベッドを使ってくれ」

 

シエル「わたしもですか!? 明日起きたら即時消臭とか徹底してやりますよ! ······ほんとにいいの? ベッド使っちゃって」

 

春真「いいよ。男に二言は無い!

 それに、ニオイとかは気にしないけど消臭とかを徹底してくれるなんて、理由はなんとなく分かるけど······シエルは一部の人の間で奪い合いになりそうだね」

 

シエル「じゃあお言葉に甘えてベットを使わせてもらいます♪······けど奪い合いって······怖い事言わないで〜(><)」

 

 この時、五月雨の顔が先程の様にほわ〜んとしていたのは言うまでもない。

 

春真「······シエルはこれで良いみたいだし、五月雨もそれでいい?」

 

五月雨「······( ゚д゚)ハッ!分かりましたそれでいいです! その代わり明日提督になにかお返しをします! お兄さ······じゃなかった、お世話になった人に『恩返しは返せるうちに』とそう教わったので!」

 

シエル「でもやる事によっては憲兵さん呼びますよ〜。それに最悪、わたしでも提督さんをなんとかするくらいはできますから。まぁ提督さんなら憲兵案件は無いと思うので大丈夫でしょうけど」

 

 

 

 その後、僕は執務室のソファで、五月雨とシエルは僕の自室(予定)のベッドで寝た訳だが、なんと言うか、信頼されてるのかな〜とちょこっと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

 僕は起床し、カーテンを開けた。空はまだ薄暗く、静かだ。時計を見てみると時刻はマルゴーサンマル。つまり午前05:30である。

 

 さて、僕は起きたら、すぐ寝間着から私服に着替えるタイプなので私服の上に士官服の予定だったのだが、士官服(上)は掛け布団代わりにしていたのだが、士官服(下)と私服類は、現状自室の方でダンボールに入った状態であり、ダンボールの場所がベッド周辺であるため、ほぼ確実に起こしてしまう。それで何かしらの勘違い等が起こり、いきなり険悪になるのは避けたい。

 

春真「どうしたものか······」

 

「悩むくらいなら行け」

 

春真「でも時間的に起きるだろうし······」

 

「なら俺が取ってきてやろうか?」

 

春真「いや、いい······よ(あれ? 現状鎮守府には僕と五月雨とシエルしかいないはず。それに憲兵さんやシエル以外の妖精さんが来るのはまだのはず······じゃあ僕が今喋ってるのは······)」

 

「じゃ! 外で寝てるわ〜飯には呼んでくれ。頑張れよ〜春真」

 

春真「······もしかしてコクウか?」

 

「もしかせずとも俺だが······気付いてなかったのか?」

 

春真「いることには気付いてた。誰だか分からなかっただけだ」

 

コクウ「そか〜。居る訳は後で説明するから今は聞くなよ〜」

 

とコクウは部屋から出て行った。

 

春真「まぁ、悩むくらいなら行こうか。最悪はそのときに考える!」

 

 僕は念のため三回軽くノックをしてから扉を開けた······

 

春真(え? なんで扉の鍵開いてるの!? 鍵閉めてなかったのか? もしくはコクウがさっき開けたのか······取り敢えず服を持ってこよう)

 

 

 

 

 

春真(ひとまず取り出せたし執務室の方に戻ろう)

 

 僕は扉の方に歩き出そうとした。

 瞬間、足元から『ストン』という音が聞こえ、ベッドの方から

 

「許可なく乙女の寝室を覗くばかりか入ってくるなんて、わたしはともかく五月雨ちゃんの分の裁きは受けてもらいますよ〜」

 

 という声が聞こえ、同時に四方八方にナイフのような物が出現した。

 

春真「ちょっと待てシエル! 私は着替えを取りに来ただけで······

 

シエル「言い訳は無用です。わたしの分も入ってないだけありがたいと思ってください。大丈夫。逃げたりしなければ刺さるのは一本だけです。······どこに刺しましょうか?」

 

春真「話を聞け!」

 

シエル「うるさいのでわたしの分含めて全部刺しましょうか? もちろん······

 

「ストォォップ! お前馬鹿か!?」

 

 僕のすぐ後ろから声が聞こえた。

 

シエル「コクウさん。あなたは憲兵でしょう? ならこちら側のはずです」

 

コクウ「たしかにそうだな。こいつがそっち系目的ならな!」

 

シエル「それ以外あります?」

 

コクウ「さっきが言ってたろ? 『着替えを取りに来ただけ』って」

 

シエル「それは言い訳でしょう?」

 

コクウ「言い訳じゃねぇよ。ちゃんと着替え持ってるし······まぁ寝顔とかを見て癒されたりしてないとは言い切れんが、着替えの回収がメインなのは確かだ」

 

シエル「······分かりました。今回はコクウさんに免じて見逃します」

 

 シエルがそう言うと、四方八方のナイフのような物は消えた。

 

 

 

 この後、着替えて雑談を交わしながらの朝食をとった。

 ちなみに五月雨はコクウとシエルが喋り始めた辺りに起きたらしい。

 

 

 

五月雨「それでは······まず何します?」

 

コクウ「まず建造だろ? 工廠妖精さん達はいないが、最低値なら回せるように設計されているはずだ」

 

シエル「最低値建造ならできますよ。昨日確認したし、専門じゃないけどわたしがいますから」

 

春真「そうだね。じゃあ建造して、出てきた人と五月雨で近海哨戒して、帰ってきたら買い物でも行こうか」

 

コクウ「多分この後来る憲兵が買い物に着いていくだろうから、俺は買い物は行かんぞ」

 

シエル「わたしは包丁とかを見たいので行きます。あといろいろ食材とかも買いたいですし」

 

五月雨「じゃあ私は食器をいくつか買ってきます」

 

春真「なら私は二人の荷物持ちか?」

 

シエル「そうですね。お願いします」

 

コクウ「まず建造するんだろ? なら工廠行こうぜ?」

 

春真「そうだな」

 

 

 

〜工廠〜

 

 資材(最低値のALL30)を入れ、建造のボタンを押した。

 

シエル「01:00:00。軽巡洋艦ですかね」

 

コクウ「軽巡だな。ジャストだと範囲が広すぎて特定できないな」

 

五月雨「どんな人が建造されるんですかね」ワクワク

 

春真「このできるまでの時間が楽しいという人もいると聞くけど、私はそこまで楽しくはないかな。むしろもどかしいと言うかなんというか······」

 

シエル「高速建造できればいいんですけどね〜」

 

コクウ「バーナーならあるぞ? 『工廠妖精用のやつなら』······だが」

 

シエル「バーナーあるんですね······私ができるので······やっちゃいます?」

 

春真「できるんだ······じゃあやっちゃってくれ!」

 

シエル「了解です! ······燃え上がれ! 命の炎ォォ!!」

 

 そして、「チーン」という音と共にドックについているパネルが【建造中······】から【建造終了!】に変わった。

 

シエル「上手に焼けました〜!」

 

コクウ「それ言うのは昔から忘れないよな。お前······」

 

五月雨「どんな人が建造されたんでしょう? 早くお迎えしましょう!」

 

 苦笑いをしているコクウに対し五月雨は目を輝かせている。

 

春真「そうだな」(開ける際になにか言うほうがいいのかな)

 

コクウ「なにか言いたいなら言ってもいいが、言わずとも問題ないぞ〜」

 

春真「サラッと心読むなよ······」ガチャッ

 

 ドックを開け、白煙が晴れるとそこに立っていたのは··········

 

 




)あとがき的なとこ(

 ちなみに補足として。大浴場の天井の高さは学校の体育館の天井までの高さくらいです。

 思ったより文字数が多くなったためここで切ります。
 よろしければアドバイスやコメントください。





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十二話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!





 

コクウ「さァて新造艦のお出ましだ!」

 

 コクウが腕を払うと同時に、煙が晴れて中の人物が出てきた。

 

 

??「ふぁ〜ぁ。よく寝たな〜」

 

 

コクウ「新人さんいらっしゃいってやつかね? 取り敢えず名乗りな」

 

??「······相手の名を問うときは「自分からだろ? 笹目鎮守府所属 特務憲兵 黒羽伊織だ。コクウで頼む」って被せるんじゃねえ!」

 

春真「笹目鎮守府提督の 平方春真 三等少将だ」

 

五月雨「同じく笹目鎮守府所属の白露型六番艦、五月雨です」

 

シエル「同じく妖精のシエルですよ〜」

 

??「ふぐぅ······」

 

コクウ「さて、こちらは全員名乗ったぞ? 今度はお前の番だ」

 

 なんか表情的にもめっちゃ煽ってるように見える。

 

??「······オレの名は天龍。フフフ、こw「お前絶対ポンコツだろ」······テメェちょっと表出ろ」

 

 狙い通りと言わんばかりにニヤリとした笑みをこちらに向けてから天龍の方を見るコクウ。

 

コクウ「予定もあるし時間はかけられねぇ。故に刹那の見切り方式でやるぞ」

 

天龍「は? 何言って「コイントスを合図としての居合だ」······被せんな!!」

 

 二人でどんどん歩いているその後ろで

シエルと五月雨が「かわいい人だね〜」と話し合っていた。二人からはかわいい人認識になったようだ。

 

コクウ「······ここでいいか。春真! コイントス頼む。シエルは審判を」

 

シエル「お任せあれ!」

 

春真「了解。行くよ!」

 

 コインを全力で上に弾く。弾かれたコインは人の目で追えないほどの回転速度で身長の二倍程の高さまで上がり、落下してくる。

 

 ······コクウは目を閉じて。天龍は目でコクウを捉えた状態で。二人ともコインが落ちるその時を待っている。

 

 コインが地に落ち、跳ねる。それが再び落ちた時には、勝負は決していた。

 

シエル「えー······まぁ、分かりきってはいましたが······コクウさんの勝ちです」

 

 それと同時に天龍が前のめりに倒れた。

 

春真「······あれ? 艦娘って人より身体能力高いはずだよね? 艤装つけたままだし」

 

シエル「······そうですね〜。普通の人なら天龍さんが勝つはずです。普通なら······ですが。

 ちなみに先程の試合を詳細に説明しますと、コインの着地と同時にコクウさんは動いたのに対し、天龍さんはコインの音で動きました。そのままコクウさんが天龍さんの刀が振られる前にみねうちして抜けたって感じです」

 

春真「······?」

 

コクウ「わかってないだろ?俺はコインの"着地"で、コイツは"音"で。つまり0.0何秒の音が届くまでの時間差で決まったってことだ」

 

シエル「あとは接近戦の経験差ですかね。えい!」バシャッ

 

 シエルはガラスでできているかのように透き通ったバケツで天龍の顔に水をかけた。

 

天龍「······!! ······ここは······ってそうだテメェ卑怯だぞ!」

 

コクウ「······は? 起きて早々何言ってんだお前」

 

天龍「右に跳んで死角に入るとかせずに正々堂々やれってんだ!」

 

シエル「あー······コクウさんが早すぎて視界から消えたように見えたんですね」

 

天龍「テメェ審判だろ公平にy「うるさい」フガッ······シャク シャク······なんだこれ!?」

 

コクウ「オレンのみ······だったっけ? これ。知り合いが栽培したのを寄越してきたからそのままストレージに入れっぱなしにしてたやつ」

 

シエル「今度分けてください。同胞への賃金に使いたいので」

 

コクウ「いいぞ〜。あと天龍、後でなら相手してやるから一旦終わりな!」

 

天龍「······わかった。次は絶対ぇ勝つ!」

 

コクウ「楽しみにしてるわー(棒)。······で? どうすんだ〜提督殿?」

 

春真「え? ······あぁ、一応近海哨戒くらいはしときたいな〜って」

 

五月雨「わかりました! それで旗艦はどっちがやればいいですか?」

 

春真「う〜ん······五月雨に任せていいか?」

 

五月雨「了解です!」

 

天龍「決定に従うぜ」

 

シエル「五月雨ちゃんの艤装持ってきましたよ〜」

 

五月雨「ありがとう。シエルちゃん!」

 

 

 

コクウ「準備できたんなら行ってきな。無事に帰ってこいよ!」

 

春真「近海哨戒だけどね。行ってらっしゃい。『いのち大事に』だぞ!」

 

「「了解!! 行ってきます/くるぜ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜鎮守府近海〜

 

五月雨「······通信が繋がりません。提督に何かあったのでしょうか?」

 

天龍「ヘッ! この程度の場所なら提督の指示がなくとも大丈夫だろ! 雑魚しかいねぇだろうしな!!」

 

五月雨「まぁ、そうですね。

······イ級を発見! これより戦闘に入ります! ······天龍さん。私が隙をつくるのでその隙にシメてください」

 

天龍「(とどめを刺せってことか)おっしゃあ! やってやらァ」

 

 五月雨は12.7cm連装砲を、天龍は14cm単装砲を構える。

 

五月雨「砲戦開始です!」ダァン

 

 砲撃と同時に五月雨は駆け出す。

 砲撃が着弾し、イ級の目が五月雨達を捉えたときにはイ級との距離は半分まで縮んでいた。

 同時に五月雨の二射目がイ級の頭部に着弾する。

 イ級も反撃とばかりに砲撃を行うが、五月雨は軽々と避けたうえ、至近距離でさらに砲撃を撃ち込んでからイ級を跳び越えた。

 

天龍「これ······オレ要るか? マジd「シメてください!」お、おう!?」ドォン

 

イ級「ギァァァァ」

 

 イ級は沈んで行きそれを確認した五月雨が天龍の方へと駆け寄っていく

 

天龍「いよっしゃあ! やったぜ!!」

 

五月雨「流石軽巡の火力ですね。······でも私"シメて"って言いましたよね?」

 

天龍「······?だからシメ(とどめさし)たぞ?」

 

五月雨「あー······まぁそうですねー。······いいや。次のを探しましょう」

 

天龍(なんかすごく冷たくね?視線と態度が)

 

 

 

五月雨「敵発見。イ級二匹ですから片方はお好きなように調理しちゃってどうぞ。あと刀を貸してください」

 

天龍「は? なんで刀貸さなきゃいけないんだよ?」

 

五月雨「さっき任せて駄目でしたから、自分でシメようかなーと。それに持っててもべつに刀使わないですよね」

 

天龍「うっ······まぁ使わねぇけどさ一応持っときたいじゃん?」

 

五月雨「じゃあ合図出したときに刀をパスしてください」

 

天龍「お、おう」

 

五月雨「······それでは戦闘に入ります」

 

 言い終わるときには先程のように既に駆け出している。近付きながら一発、躱し際に一発、跳び越えるときにまた一発···だが、そのとき聞こえたのは『カチッ』という音だけだった。

 

五月雨「弾切れ!? ······それなら疲れるけどアレで!」

 

 12.7ミリ連装砲のセイフティ? を回し、再び引き金を引く。すると氷の様に透き通った弾丸が発射され、旋回中のイ級の側面に当たったが、体制が少し崩れるだけで装甲に防がれ弾丸は砕け散った。

 

五月雨「天龍さん!!」

 

天龍「お······おう! オラァァ!!」

 

 天龍の投げた刀はキレイに弧を描き、五月雨の手の中に収まった。刀を受け取った五月雨はひと呼吸置いてイ級の首あたりの装甲を切り裂き、血振りをする

 

五月雨「天龍さん! 刀返しまs······あっ」

 

 同時に刀を投げ返すが、波に足を取られ、転んだ。

 

 一方、五月雨の手を離れ飛んでいる刀は、真っ直ぐに天龍のもとへ······とは行かず、イ級の方へ飛んで行き、全く警戒していないイ級の首を上から半分まで斬り、止まった。

 

五月雨「いてて······(またドジっちゃったなぁ······そうだ!)天龍さん大丈夫ですか!?」

 

天龍 「······」( ゚д゚)ポカーン

 

五月雨「······天龍さん?」

 

天龍「! ······なんつーか、すげぇんだなアンタって······」

 

五月雨「いえ。私は全然すごくないですよ。他の子ならやろうと思えば一太刀で刺し身になりますし」

 

天龍「······あっちのじゃなくてこっちのやつの話なんだが」

 

五月雨「こっちのって······え? なにが起きたんです?これ」

 

天龍「アンタが投げたのがそのままザクッといったんだぜ?」

 

五月雨「冗談ですよね······とりあえず食材が増えたってことでいっか······」

 

天龍「後半聞こえなかったんだが······」

 

五月雨「気にしないでください。それより、一応鎮守府に連絡しなきゃ!」

 

ザザッ

 

『アー、アー。聞こえてるか?』

 

五月雨「はい。感度良好ですよコクウさん」

 

『おー。戦果はどんな感じだ〜?』

 

五月雨「二回の戦闘があり、一戦目がイ級一隻でとどめは天龍さんです。

二戦目はイ級二隻で両方私が締めました」

 

『二匹も締めたのか!昼飯豪華になりそうだな〜!帰ってきたら褒めてやる!』

 

五月雨「別にいいですよ」

 

『どっちの「いい」なのかね?てか天龍は無事か?』

 

天龍「無事に決まってるだろうが!」

 

『なら良かったわ〜。安心した』

 

天龍「心配されずともオレはそう簡単には沈まねぇよ!」

 

『まぁいいか!二人とも無事に帰って来い!』

 

「「了解!」」

 

ブツッ

 

五月雨(提督さんからの連絡がない理由は帰ってから本人に聞こう)

 

天龍「······ああは言ったがついでに帰り道でもうひと暴れしてぇな〜」

 

五月雨「暴れたいなら暴れてくればいいじゃないですか。私は試作型大発動艇で締めた魚持ち帰りますから。······怪我はしないでくださいね」

 

天龍「おう。んじゃ先行ってるぜ!敵を見つけたら倒しとく」

 

五月雨「お願いします」

 

 五月雨は大発を出して二匹のイ級を乗せられるよう試行錯誤している。

 天龍は一足先に鎮守府までの安全確保という名目で帰路についた······

 

 




)あとがき的なとこ(
 春真くんがなんか影薄い気がするヨォ

 それと五月雨が使う試製大発動艇は本営の明石作品で、元帥(と鳳翔)監視のもと『誰でも使える大発』というコンセプトで作られたものであり、攻撃に使えないうえ、ちょっとした素質がないと使えない事が発覚し、五月雨の一台しか無いです。
 ついでにキャラの設定集も作ってます。
 刹那の見切りはそのまんまカービィのアレと考えてください
 次回は鎮守府に帰ったあとから始める予定です。





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十三話

ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!





 

〜工廠〜

 

五月雨「え〜と。今回の戦果を報告しますね」

 

コクウ「春真の代わりに聞こう」

 

五月雨「あ、はい。さっき通信で言ったように、イ級を合計三隻撃破し、うち二隻を締めて回収しました。この時点では私達は完全に無傷です。ですが、帰還途中に『氷血』と会敵し、

 

コクウ「すまん。シンプルに堅苦しくてイラついてきたから普段の口調で頼む」

 

五月雨「あ、やっぱりそうなりますか! えっと、それでは続きです。天龍さんが『氷血』にケンカ売ったらしく、大破しました。そのタイミングで私が奇跡的に合流できたので、持ってたイ級を一匹譲ることで見逃してもらえました」

 

コクウ「なんつーかさ、ホントにバカなんだな。天龍は」

 

天龍「誰がバカだ! 「戦犯が何言ってんだ? オイ」ゴメンナサイ!」

 

 コクウはガチでキレているようで、正座している天龍に向けた目には射殺さんばかりの怒りが籠もり、背には一対の翼を持つ大きな竜のオーラが出ているようにも錯覚する。

 

 横からこの光景を見た者たちは後に、『ヘビに睨まれたカエル』という言葉がピッタリ似合うような状態だったと語ったとのこと

 

 数秒間その状態で固まっていたコクウだったが、疲れたのか五月雨の方へ向き直り

 

コクウ「ひとまず天龍は後回しにして、······たしか氷血と『返り血』の二人はこっちがケンカ売らない限り攻撃してこないとか聞くもんな」

 

五月雨「······そうですね! その二人に関してはむしろ場合によっては助けてくれるって話も聞きますし」

 

コクウ「んー、まぁ無事なら良かったってことでいいか」

 

五月雨「······あとさっきから気になっていたんですが、天龍さんはともかくなぜ提督まで正座してるんですか?」

 

コクウ「それはな、お前らが鎮守府近海に出てたとき、通信繋がらなかったろ? そん時にこのバカは『帰ってきたときのため』とか言ってクッキー焼いてたぞ。シエルと一緒に。教わりながら」

 

五月雨「······えぇ(呆)」

 

シエル「『ねぎらうためにクッキーの作り方教えて』って言われたので教えてたんですけど······流石に通信機器くらいは持って来てると思ってたので······」

 

コクウ「······ひとまず天龍の方の説教は終わりにしてやる。次からは無理すんなよ! それじゃクッキー食ってきていいぞ! 二人のことはシエルに任せる」

 

シエル「了解しました! ······コクウさんもほどほどにしてあげてくださいね」

 

春真「あの〜、誰か助けて?」

 

「「巻き込まれそうなので嫌です」」

「もう十二分に味わったから嫌だ!」

 

コクウ「だとよ。残念だったな!」

 

 ケラケラと笑うコクウを視界から外し、怒られてる提督を無視して三人は食堂へと歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜鎮守府敷地内の車庫〜

 

 一方その頃、車庫では一人の人影と多数の球の様な形の影が車両から出てきていた。

 

??「さて! ちょっと早いけど鎮守府に到着だよ♪現状ここには確実に四人はいるみたいだし、奇襲(サプライズ)するからみんな見つからない様に気をつけて行動してね」

 

「「「いえっさー!!」」」

 

??「もう少し静かに······ね」

 

「「「いえっさー」」」ボソボソッ

 

 

 

 

 一方、春真は部下二人とシエルに見捨てられ、足を崩すことも許されぬ状態で未だにコクウの説教を受けていた。

 

 

 

ーside.春真ー

 

 

 

 コクウの説教を受け始めて体感20分程だろうか? 空腹を感じ始めているので時刻的にはヒトヒトサンマル。11:30くらいだろう。流石に足の感覚がなくなってきたのでそろそろ終わらせてくれないだろうか······

 

コクウ「······ということだから。『ねぎらうためにクッキーを焼く』のはいいが、せめて通信機器ぐらいは持った状態にしろ!

 初期の機器は分からんが俺が入ってからの機器は防水機能程度は良いのがついてるから最悪誰かが海に出てるときは風呂にだろうと持ってっておけ! もしくは代役を立てる程度はやるようにしろ」

 

春真「でも代役って言われても誰に頼めばいいんだ?」

 

コクウ「······言っとくが、俺もシエルも学校には行ってねぇが指揮能力に関しちゃ新人程度にゃ負けねぇぞ? あと鏡夜とかもう一人のとかは現役にも負けねぇぞ?」

 

春真「そうなのか!? ······できる限りは自分でやるけど、僕が指揮できないときとかは任せるよ」

 

 その時、黒い球体のようなものがコクウに後ろから襲いかった。

 

春真「コクウ! 後ろ!!」

 

コクウ「は? ほーん······こいつか。どこから設計図盗ってきたかは知らんが······甘いな!」

 

 言うと同時にコクウは黒い球体のようなものを素手で切り裂いていく······だが、球体はぞろぞろと、油虫(ゴキブリ)ではないが湧き出て襲ってくる

 

コクウ「この量を作るだけの素材をどこから調達してきたのやらな〜ほんとに······さッ!」スパスパッ

 

 だが、切っても切っても湧き出てくる上コクウにも体力の限界はあるだろうと考えた僕は

 

春真「コクウ! 手伝うぞ!」

 

コクウ「来なくていい!」

 

 手伝おうとしたが即答で拒否された。

 

春真「なんで!?」

 

コクウ「お前が来たところで俺が対応しなきゃいけない範囲が増えるだけだからな! 自衛だけしてろ!」

 

 喋ることと並行してコクウは球体を切っていくが、数が多いためまとわりつかれていき、まとわりつかれれば回転により引き剥がしてから切る。

 それはまるで踊っているとも錯覚するほどに滑らかなものだった。

 

 

 

コクウ「さてェ、これで終わりかー······なっ!」

 

 その後10分ほどコクウは踊り、遂に最後の一体と思われる球体を切り裂いた。

 

 その直後、コクウは腰の刀を抜刀すると同時に後ろへ振り返り、虚空に切先を突きつける。

 

??「ふふーん♪私を見つけるなんて流石コクウだねぇ」

 

 何もいない空間から白ローブを着た何者かが出現した。

 

コクウ「·····ハァァァ!? なんでもう来てるんだか······」

 

 コクウは驚きながらも一度刀を納め、白フードに対し、「······俺と踊っていただけますか? レディ」と誘いかけ、白フードは嬉しそうな声音で答える。

 

??「はい! 喜んで♪」

 

 それを皮切りに二人は抜刀し“踊り“と言う名の剣戟を始めた。

 

 

 

 

 

 二人が“踊り”を始めてから体感で二十分以上経った今も二人はまだ踊り続けていた。

 

春真(ノンストップで斬り合ってるのにどちらも無傷な上、コクウは笑っている······それに動きが本当に踊っている様にも見える)

 

コクウ「そろそろ疲れてきてないか?」

 

??「疲れてきてるけどまだまだ踊れるよ!」

 

コクウ「それなら結構!!」

 

春真(そういえばあのフードの目的はなんなのだろうか? ······僕にはわからないが、シエル達を呼びに行った方がいいのだろうか? ······足が痺れて無理だねこれ)

 

 そんな事を考えていると

 

ピキピキピキッ

 

 二人の頭上にタライのような物が現れ

 

ガァァン / ガッシャーン

 

 タライがそれぞれの頭に落ちた。

 

「お二人とも。工廠で暴れないで下さい!」

 

 声の方へ目を向けるとそこにはシエルが仁王立ちしていた。

 

シエル「お昼ごはん出来ましたから呼びに来たというのに、なんですかこの状態は!  ······見た感じは壊れたものは無さそうだから良いものの、いろいろと散らかってますからお二人は片付けしてから来てくださいね!!」

 

 そう言いながらシエルは僕の方へと近づいて来て

 

シエル「大丈夫ですか? 足痺れてませんか? 痺れてるようなら私の肩貸しますよ」

 

 と言うので、お言葉に甘えて肩を貸してもらう形で食堂へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで食堂に到着すると、つい昨日見た丼物······イ級の海鮮丼のようなものがテーブルに六人分並べられていた。

 

シエル「お二人とも。お待たせしました! 早く食べましょう······そういえば提督さんはこれ食べられましたよね?」

 

五月雨「鮮度はいいですよ!!」

 

天龍「これほんとに食って大丈夫なのか?」

 

 そう疑う天龍に向かってシエルはこう答えた。

 

シエル「安全確認はバッチリです!」

 

「それなら早く昼飯食おうぜ! 時間的にも腹減ったからよ」

 

 コクウが食堂に入ってきた。

 その隣には彼が連れてきたのであろうツインテールの幼い少女が彼に手を引かれて食堂に入ってくる。

 

シエル「お疲れ様ですコクウさん。早いですけど片付け終わったんですよね?」

 

コクウ「片付け? もちろん終わらせてきた! あとついでにドックが建造終了の表示になってたからついでに連れてきたぞ〜! ······そういうことだから茶碗と箸を一組くれ」

 

シエル「あ、はい。でもご飯も具も配分終わっちゃってるんですけど······」

 

コクウ「? 俺の独断だからもちろん俺のを分けるが?」

 

シエル「コクウさんならそう言うと思ってましたから私からも少しお分けしますね。······少し残しちゃいそうですし」

 

コクウ「悪いな。······取り敢えず二人の自己紹介は食後でいいな? それじゃあ手を合わせて、

 

「『『『いただきます!!』』』」

 

 それを合図に皆が海鮮丼を食べ始めた

 余程空腹だったのか皆がっついていた。······天龍のみワンテンポ遅れて手を付けたがそれ遅れを感じさせないほどに箸の進みが早い。

 僕も食事に集中するとしよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ー食後ー

 

 各自が配分された分を完食し、のんびりと一息ついていた。

 

コクウ「さて、一息ついたわけだし、自己紹介タイムと行こうかァ!」

 

 その声を待っていたと言わんばかりの勢いをつけて白フードが立ち上がった

 

??「はいはーい! 僕から行くよ!」

 

 そう言ってフードを外し、立ち上がる

 ······そのフード外していいのかよとツッコミたいが······まぁいいか。

 

??「僕は『黒羽 愛羅《クロバネ アイラ》』憲兵だよ。できれば名前で呼んでくれると嬉しいな。コクウとは憲兵としても生き物としての二重の意味でパートナーだよ♪

 これからよろしくね! みんな!」

 

春真「一つ質問いいですか」

 

愛羅「いいよ〜」

 

春真「コクウのパートナーならなんでさっき切り合ってたんですか? 仲悪いんですか?」

 

愛羅「さっきの? あれは踊ってただけだし訓練より全然緩めだよ? それにすごく仲いいよ?」

 

春真「ならなんで······」

 

コクウ「そのへんは気にしない方がいい。

 でも強いて言うとしたら······あれだ。犬とか猫のじゃれ合いみたいなもんだ。 あるいは飼い主に構ってもらいたくてじゃれつく犬みたいなものだと考えるのが一番楽だ」

 

春真「つまりはあんまり深く考えないほうがいいと」

 

コクウ「そういうことだ」

 

 その後、コクウとアイラの間で軽く論争というか喧嘩······口喧嘩が起きたが、そこは割愛する。

 

 

コクウ「さて、次はお前の番だぞ」

 

 コクウは、そう言って少女の背を軽く叩き、少女が起立し、名乗る。

 

??「ボクは睦月型五番艦の皐月だよっ。これからよろしくな!」

 

 皐月の自己紹介の後、それぞれが自己紹介を行い、現在は買い物に向かうためアイラの車に六人で乗っている。

 さて、近くのショッピングモールに着くまでは暇だし、ここ数日の回想でもして暇を潰していよう······

 

 私は『平方 春真《ヒラカタ ハルマ》』先日、少将階級をいただき、笹芽《ささめ》鎮守府に着任した者だ・・・

 

 

 




)あとがき的なとこ(



 今までのお話の修正で遅れました。
 さて、プロローグ終了まであと一話予定です! もう少しで自由な世界が待っているゥ!!
 次回は鎮守府への来客視点かコクウ視点の予定です。
 コメントくださいお願いします。
 些細な質問とかそんな感じのでいいのでお願いします





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十四話


ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!




 

 

 

 みんなが買い物に出て静かになった鎮守府。その門前で某館の紅さんよろしく門柱に寄りかかって······瞑想しているのか寝ているのかは分からないが······一応門番ぽい事をしているコクウ。

 

 しばらくして規則正しい呼吸が聞こえてきた頃、一人の男が杖を付いて鎮守府に近づいて来る。だが、男は門が閉じていることに気付くとコクウの方に方向転換して歩いて行き、コクウの正面で足を止め、手を伸ばす。

 

「ん······寝てるのか」

 

 男はそう呟いて自分の懐に手を入れ、ナイフを取り出し、「ていっ」と男のナイフがコクウの左胸に触れる。

 

「あれ? 起きたんだ。」

 

コクウ「お陰様でな〜······もうちょいマシな起こし方なかったのか? ユウ」

 

 コクウが問い、ユウは答える。

 

ユウ「揺するのも考えたけどこっちのほうが面白そうだからやってみた」

 

コクウ「『やってみた』て······マジモンのナイフだったら死ぬんだが」

 

ユウ「おもちゃだから大丈夫だよ」

 

 呆れたような表情で言うコクウと眠そうに答えるユウ。

 

コクウ「そんな事よりお前キャラ変わってんぞ」

 

ユウ「知ってるけど普段のは疲れてるから無理。そんなことより早く飲もう? そのために来たんだからさ」

 

コクウ「そういやどこで······食堂でいいか。ついてこい」

 

 ユウの言葉で元々の目的を思い出したコクウは先導をするため門の隙間を通り抜ける。

 

ユウ「通り抜けられる門なら門番は起きてなきゃ駄目じゃんか······」

 

 そう零してユウはコクウを追って鎮守府に入り、すれ違う妖精さん達に挨拶をしながら食堂への道を歩く。

 コクウはさっさと行ったのですれ違った妖精さん達に道を聞きながらになってはいるのだが、癒されてるから結果的に良しとする。

 

 

 

 そうして、いくらか迷った後食堂に到着した。コクウは「遅かったな」というが、置いてったのはこいつである。

 

ユウ「お前がさっさと行くから迷ったんだよアホ!」

 

コクウ「おう、悪い悪い。普段なら普通に追いついてくるからその時の感覚のまま動いちまった」

 

ユウ「一応MP切れなんでいつもの感覚で動かないでくれますかねぇ?」

 

 ユウはコクウの向かいの席に歩いていきながらも明らかに怒っていることが分かるほどの表情である。たぶん春真以外は怖くて近寄れないと思う。

 

ユウ「まぁいいや。早く飲もう。どれくらいある?」

 

コクウ「一応1.5が二本ある。2は探すの面倒だった」

 

ユウ「合計3あれば大丈夫でしょ多分」

 

コクウ「だな! 氷は入れるか?」

 

ユウ「この暑さで入れないわけがない」

 

コクウ「だろうな」

 

 コクウは立ち上がり氷たっぷりのグラス二つとボトルを厨房から取ってきた。

 

コクウ「そんじゃ、乾杯と行きましょォか!」

 

ユウ「かんぱ〜い!」

 

 二人はゴクゴクと喉を鳴らしながら一口目を一気に呷る。

 

コクウ「この喉を通るときの刺激がたまんねぇな〜!」ケプッ

 

ユウ「本当に疲れたときのコレは美味すぎてヤバいな」

 

 一口で注いだ分を飲みきった二人は、二杯目も同じく一口で飲み、三杯目を注いでから、愚痴や自慢話をし始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃。春真達と共に行動している愛羅なのだが······

 

愛羅「こらー! そこの車ー! 止まれー!!」

 

「何なんだあの女! こっちは車なのに距離が開かねぇぞ!?」

 

 現状。愛羅はたまたま誘拐現場を見てしまったため、その誘拐犯を追いかけている。誘拐犯は三人で、車である。

 車種はこういうので使われるイメージが強い(偏見)ハイエースで、フロント以外遮光フィルムが貼ってある。

 一方の愛羅も、車を追うためにバイクや自転車ではなくただ走っていることを除けば普通である。本人曰くだが······

 

愛羅「いま止まれば警察に突き出すだけで勘弁してあげるからさー! 逃げないでよー」

 

「止まれって言われて止まるやつがいるかよ! バーカ!」

 

愛羅「そっかー。やっぱ止まってくれないよね。······怒られるかもしれないけどしょうがないかな」

 

 そう言って愛羅は足を止めた。

 

 

 

「やりましたぜお頭! あの女、あっしらを追うのを諦めたようです!」

 

「よし! なら倉庫で乗り換えるぞ! お前らには悪いが、こいつは海に捨てさせてもらう」

 

「ノープロブレム。問題ない。盗んだ車に愛着などは無いからな」

 

 そんな会話をする三人の間に縛って転がされている白髪と黒髪の双子。この子達は保護者と少し離れたほんの一瞬に誘拐されてしまったのだ。

 

「にしてもこいつら暴れたり抵抗しないっすね」

 

「諦めてるんだろうな。まぁ現実を理解できてるってのは利口なことだな」

 

 その瞬間。車内後方から『ゴトッ』と鈍い音が聞こえた。

 

「······おまえら。今の音はなんだ? ガキ共が暴れでもしたのか?」

 

 返答を待つが、いつもの軽い敬語っぽい声も、クールぶった声も帰ってこないのだが、軽い冗談だと思い

 

「おまえら腹痛にでもなったのか」

 

 そう言って振り向くが、そこにいたのは攫って縛った双子と倒れた二人。そして

 

「つーかまーえた!」

 

 先程、足を止めて追うことを諦めていたはずの愛羅が、誘拐犯の後ろにいた。

 

愛羅「遺言はある? あるなら聞くよ」

 

「なんで······車内に入られてんだよ」

 

愛羅「僕のはそういう能力だからしょうがないよ。フロントに遮光フィルム貼ってあれば変わったかもね。さようなら」

 

「せめて最期は······デカイ胸で圧死したかった」

 

愛羅「無乳で悪かったな!」

 

 愛羅は誘拐犯の顎と頭に手を掛け、それぞれを外側に思い切り強く引く

 

『ゴキッ』

 

 という音と共に誘拐犯の体から力が抜けていき動かなくなった。

 

愛羅「······ほんとに、このやり方は嫌なんだよね······もう次はやりたくない」

 

 そんな事を考えながら前方を見ると、すぐ目の前に海が広がっていた。

 

愛羅「やばっ! このままじゃ海に落ちる!? じゃあしょうがないね!!」

 

 そうしてリアガラスを蹴破って車から飛び出す愛羅。もちろん双子も両手に持って出てきているので無事である。

 

 

 

 双子にダメージを与えないように着地をして、勢いを殺してから双子を縛っている縄を解き、誘拐犯たちの倉庫から車を奪取しモールへの帰路に付いていた。

 

※誘拐犯の乗っていたハイエースは中の三人ごと沈みました。

 

 愛羅はなにか話そうと思いながらも、何を話しても帰ってくるのは無言であり流石にムードメーカーの愛羅でも気まずい空気になっていた。

 

「あの······」

 

 そんな中、双子の白い方が声を発す

 

「助けてくれて、ありがとうございます」

 

愛羅「あぁ、気にしないでいいよ。一応僕もこういう事にはよく首を突っ込むタイプだから」

 

 そう返したあと、再び沈黙が訪れるかと思いきや白い方が再び口を開く。

 

「······でも私と妹を助けていただいたのは変わりありません」

 

愛羅「そういわれても普段仕事でやってることの一部だし······今プライベートだから仕事料とか貰いたくないし」

 

「ならせめてお名前だけでも」

 

愛羅「うーん。それくらいならいいかな

 僕は『黒羽 愛羅』この近くにできた笹芽鎮守府の憲兵だよ。君たちは?」

 

「はい。私は『天草 真白《アマクサ マシロ》』です。それで、こっちが私の妹で······

 

 真白が妹を紹介しようとした時、沈黙を貫いていた妹が真白に「それくらい自分でやれる」と言って止め、名乗る。

 

「あたいは『ミクロ』。『天草 魅黒《アマクサ ミクロ》』だ!」

 

愛羅「真白と魅黒。いい名前だね!」

 

 そう言った途端、二人は瞳を潤ませ始めたので、なにかしてしまったと思い慌てて謝罪する。

 

愛羅「ごめんね二人とも。でも、僕は二人の名前本当に可愛いと思うってだけ。······ごめんね」

 

 すると魅黒が泣きながらも首を横に振り、訂正する。

 

魅黒「むしろ逆だ。名前で褒められたのは初めてだから······すごく嬉しくて」

 

愛羅「そっか。嬉し泣きだったんだね······良かったぁ。

 あと、早とちりのお詫びとしてこれあげるよ。二人で片方ずつ着けておくと良いよ」

 

 愛羅はどこから取り出したのかヒビのようなデザインで半分ずつになった二対のハートのネックレスを二人の方に差し出した。

 

魅黒「なんだ? これ」

 

愛羅「ただの自作のアクセサリーだよ。貰い手が見つからなくて困ってたんだ〜何かの縁だと思って貰ってくれると助かるな♪······っと。モールに到着! 僕は連れを探さなきゃだから。じゃあね!」

 

 と言って愛羅は颯爽と消えていった。

 

 ちなみにこの後、合流したみんなに怒られ、五月雨にQooアップル。天龍に午後ティーミルク、シエルにカルピス、春真におーいお茶を奢らされた買ってあげたそうです。

 

 

 

 





)あとがき的なとこ(

 今回で一旦終わるはずでしたが、少し予定変更で次回で一旦終わりになるように頑張ります。
 一応現在出てるキャラは春真と清美以外は成人してるので酒飲めます。なんとなくの補足です。





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十五話


ーWARNINGー

・このお話は作者の自分勝手なものであり、キャラ崩壊なども勿論あるフリーダムなものです。(一人称不定等)

・どうなっても知りませんが、
それでも読みたい方だけお進みください。

・他作品ネタやシナリオなど多数出てくる予定(読者様の提案なども受けます)

・戦闘描写なども気分次第ですので
ご注意を(スペカ使ったり剣技だったり
銃撃戦だったりします)

それでもいいって人は

ゆっくりしていってね!






 

 

 愛羅が誘拐犯から双子を救い、モールで春真たちと合流した頃、鎮守府にいる二人は用意していたコーラ3Lを飲み干してからも愚痴や自慢、雑談などを交わしていた。

 

コクウ「······でよ〜その時の愛羅の表情がさ〜」

 

ユウ「······」

 

コクウ「おーい!聞いてっか〜?」

 

ユウ「······ん······きいて······る」zzz

 

 明らかに寝ているのだが、「聞いてる」という答えに満足して続きを話し出すコクウ。

 そして、ユウが目を覚まし、チラッと時計に目をやると二十分ほど経っているうえ、空模様が怪しくなってきているのだが、コクウは未だに惚気ている。

 

コクウ「······でな〜その時のアイツの可愛さといったら〜」

 

ユウ「惚気が長い事と空模様。あと時間的に提督くんも帰ってきそうな気がするから僕はそろそろ帰るよ?」

 

コクウ「ん。もうそんな時間か······そんじゃあ最後にちと占うかね〜」

 

ユウ「······で? 結果は?」

 

コクウ「あっさり目に占ったが、何かしらの災いが降るかもよ? とか出たから気を付けろよ」

 

ユウ「あいよ。分かった気をつける」

 

 その時、「ただいま〜」と愛羅の大声が響く。

 

コクウ「足音的に愛羅だけだがそろそろ帰ってくるな。そいじゃ門までは送ってってやんよ」

 

 

 

 そうして外に出ると、空は暗い曇りで、遠くでゴロゴロと雷が鳴っている。

 

コクウ「どうする? 流石に降りそうだぞ? 今日は泊まってくか?」

 

ユウ「大丈夫だ。それに、帰ってからも仕事があるし、それに提督くんとばったり出くわしたらただの不審者だしな」

 

コクウ「身分明かせばたぶん大丈夫だろ。あいつ警戒心だいぶ薄いから」

 

ユウ「普通は疑うがな? どちらにしろ仕事があるんで帰る! じゃあな」

 

 そう言ってユウは剣を差し、もともと着ていた黒ローブを羽織り歩き出す。「次に来た時は艦娘達の訓練でもしようか」と考えながら鎮守府を離れていく。

 その向かいには鎮守府へと帰る春真達がおり、コクウを視認した皐月が何か言って駆け出し、それを追って五月雨と天龍、シエルが走り出した。

 

 

 

 四人がコクウのところに集まり、一番乗りだった皐月がコクウに撫でられている。

 その隣で五月雨とシエルが撫でてもらえるように頭を少し前に出しているように見える。

 「平和だな〜」とそんなことを思った

 瞬間、雷鳴と共にコクウ達との間に爆発が起き、砂煙が立ち上ると同時に海から「バルルル」という駆動音が聞こえてくる。

 

春真(あれは深海棲艦の艦載機!? なんでこんなところまで!?)

 

 昨夜のクルーザー内で元帥より

「ひとまず艦隊が一定水準になるまでは笹芽鎮守府の防衛ラインを近くの鎮守府にカバーしてもらう形になる」

と説明された為、襲撃を受ける可能性を全く考えていなかった。

 

 「ひとまずコクウ達と合流しよう」と思った。瞬間、視界の端に人影を捉える

 

春真「(民間人!?)ここは危険です! 逃げてください!!」

 

 呼びかけるがその人は杖を地につけてブツブツと何かを呟くだけで動こうとしない

 そのしている間にも敵艦載機との距離はじわじわと縮んでいく

 

春真「······くそっ!」

 

 一瞬の逡巡の後、春真は走り出した。

 

春真(みんな······ごめん)

 

 そして、未だ何かを呟いている黒服の民間人を押し倒し、覆い被さる。

 その瞬間、背中に激痛が走り、砂浜へ仰向けに倒れ伏す。······血の匂いに混じって何故か微かに紅茶のような匂いも感じる気がする。

 

「アンタ······何してんだよ」

 

春真「······民間人を守るのも·····軍人の務めですから······ガフッ」

 

 吐血し、全身から力が抜けていく。コクウ達の無事を確かめたいが、力が入らないせいでみんなの無事が確かめられない

 

春真「······すいません。······最期に一つ······お願いしていいですか?」

 

「ああ。大丈夫だ! アンタは俺が死なせない!!」

 

春真「仲間が無事か······教えて下さい」

 

「······それはッ自分の目で確かめろ!」

 

 そう言って彼は僕の上体を起こした。

 コクウがみんなを守ってくれたようで遠目からで少し視界が赤く、ぼやけているが、全員無傷のようだ。

 

「見ろ! 全員無傷だ! だからア・・も死・ん・・ねぇ・・」

 

 彼がなにか言っているようだが、雨が降り始めたせいかよく聞こえない

 

春真(あぁ······僕は死ぬのか······ごめんな羽黒······でも、誰かを守って死んだのなら······許してくれるよな)

 

 そうして仄暗い空から砂浜に打ち付けられるいくつもの雨粒の中、僕は意識を手放した············

 

 

 

 

 

 

 砂浜に杖として使っていた剣を刺し、詠唱を始める。小声ではあるがハッキリと確実に言葉を紡いでいく

 詠唱が終盤に差し掛かった時、横から強い力で突き飛ばされ、剣を握っていた手を離してしまった。

 艦娘達の方は黒翼が視界の端に映ったので大丈夫だろう。問題はこっち側である。

 

ユウ(ヤバっ! これじゃあ多分死ぬかもしれん! ······着地直後に即回収して開花できればなんとかなるか?)

 

 そう思っていたのだが、押し倒されたせいで動くことができない。

 

ユウ(こんなタイミングでホモォ!?)

 

 だが、その考えは彼の表情が苦痛に歪んだことで打ち消される。

 

ユウ「アンタ······何してんだよ」

 

「······民間人を守るのも·····軍人の務めですから······」

 

 砂浜に倒れ、彼は吐血する。

 見た感じでは各部位に一発ずつ。胴には3発は命中(あた)っているように見える。

 だが、下半身は剣から解放されていた黒薔薇が防いでくれたらしく傷がなかった。

 

ユウ(ひとまず傷を凍らせればどうにかなるが、今の俺じゃ無理だ。シエルが来ればいけるか? ······ひとまずあのヌ級を追い払えればなんとかなるか)

 

 そう考えていると

 

「······すいません。······最期に一つ······お願いしていいですか?」

 

 という彼の弱々しい声に

 

ユウ「ああ。大丈夫だ! アンタは俺が死なせない!!」

 

 と返すが、彼の願いはそれとは違った

 

「仲間が無事か······教えて下さい」

 

ユウ「······それはッ自分の目で確かめろ!!」

 

 その生きる事を諦めたような一言に苛立ちを感じ、彼を荒々しく起き上がらせる。同時に雨が降り始める

 

ユウ「見ろ! 全員無傷だ! だからアンタも死ぬんじゃねぇ!!」

 

 彼の意識が途切れぬように必死に呼びかけるが、彼の目はもう既に焦点が合っていない。

 再び声を出そうと口を開いた。

 その時、彼は不意に掌を鎮守府の方へ伸ばし虚空を掴む······そして、彼の腕はプツン。と糸の切れた人形のように力なく砂浜に落ちた。

 

 

 

 

 

 

 ユウは全身から力が抜けて軽くなった名も知らぬ後輩を砂浜に降ろし、色々な感情が入り混じり最終的に黒く濁った瞳を海に漂う黒い腕のヌ級へ向けた。

 

ユウ「······黒薔薇(ローゼス)。彼の延命を頼む」

 

 ユウが命じると地中からツタが生え、春真を雨に当たらないように体を包み、花びらも彼を守るように移動した。

 ユウは一度深呼吸をして冷静さを取り戻し、(ヌ級)を見据える。

 

ユウ「私怨で君達に殺意を向けるのは久しぶりだよ。まぁ、逃げられると思わないでね」

 

 並行して体内の残存魔力を確認する。

 ほとんど残っていないが、空になっても数日間無理しなければ自然回復するだろう。

 

ユウ「······一撃で沈めてやるから、動くなよ?」

 

 彼は殺意を持って敵を睨みつける。すると、艦載機を収容し、やることはやったと言わんばかりにヌ級が背を向けて逃げ出した

 

ユウ「(届くうちに仕留める!!)

スペルカード!! 演装『レミリア・スカーレット』」

 

 同時に、真っ白だった髪は紫色に変化し、同じく瞳も紅く。背中には蝙蝠の羽のような紋章が浮かび上がる。

 

ユウ「さて······行こうか。再現(リプレイ)

『スピア・ザ・グングニル』」

 

 唱えた瞬間、右手に真紅の槍が現れ、ヌ級に対し投擲する。

 投擲時の衝撃波で海面が波立ち、海岸の砂も舞い上がる。

 そして、(グングニル)は寸分の狂いもなく逃げようとするヌ級の頭部を消し飛ばし、四肢(消し飛んだ頭以外)は海底に沈んでいった。

 

 

 

 

 

 

コクウ「どうだった?」

 

ユウ「早くて明後日。遅い場合は不明だってよ。新任が来るまではお前が提督代理しろってさ」

 

コクウ「了解だ」

 

 現在、春真が生死の境に立っており、意識も戻らないため、状況報告を含めて一応元帥である白虎に今後の対処の指示を仰いでいた。

 

シエル「外傷の治療終わりました!」

 

愛羅「担架もってきたよ!」

 

ユウ「了解。そしたら平方提督乗せといてくれ。紫! 多分その辺で見てんだろ! 手伝ってくれ!」

 

コクウ「いや、流石にあのババァだっていつも居る訳······

 

 コクウが否定しようとしたその瞬間、その辺の空間からスキマが開く

 

紫「なんで気付かれたのかしら······」

 

「「「いや居るんかいッッ!!」」」

 

 コクウをはじめとして愛羅も、そして呼んだ張本人であるユウさえ驚きながらツッコミを入れる

 

紫「いや、貴方が呼んだんでしょう?」

 

ユウ「居たらいいな〜程度で呼んだら居たって感じだ。マジでいるとは思わなかった。

 まぁ、居るなら丁度いいや。永遠亭に繋げてくれ。担架は俺とコクウで持つ」

 

紫「ええ。できる限り急ぎで繋げるわ」

 

コクウ「愛羅は鎮守府で子守り。シエルは俺が帰るまで防衛を頼む」

 

愛羅「オッケー! 早く帰って来てね」

 

シエル「承りました! ······でもほとんど迎撃できないですよ?」

 

ユウ「なら俺のM9持っとけ。一応モード変えれば深海棲艦相手でも効くように魔力弾化と飛距離無限エンチャント付けてあるから」

 

シエル「モードの変え方はどうすればいいんです?」

 

ユウ「セイフティのS·Fともう一つMを追加してあってそこに入れれば変わる」

 

シエル「分かりました! 提督さんをよろしくお願いします! ししょー!」

 

ユウ「任された!」

 

紫「繋がったわ! 少しでも生存率を上げるのなら早くしなさい!」

 

ユウ「分かってる! またな。シエル。いつでも大本営に会いに来い!」

 

コクウ「それじゃ行ってくる!!」

 

 そう言葉を残し、春真を乗せた担架を担いで二人は紫が開いたスキマに入っていった。

 

 

 





)あとがき的なとこ(

 やっと序章終わりました。
 次回からは別キャラ達で少しやって行って、本編はその後を予定してます。
 あと、ここまでのキャラの簡単な設定集もどきも出します。
 誤字脱字とか些細な事でもコメントや報告、アドバイスとかそういう系もくださると助かります。ていうかください。
 本編からはどんどん新キャラとかも入れていくのでお楽しみに。



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