旅の始まり/μ'sとの出会い (破壊者で三角形な提督(0w0))
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#01 破壊者の目覚め

どうもこんにちは永斗改め改名して破壊者で三角形な提督です。
破壊者の瞳に移る虹の方でμ's編が人気なので分けてみました!
こっちだけでも見てくれると嬉しいです。


サイド 亜里沙

私は知らない場所に立っていた。

そして目の前には見覚えのある8人が1人のピンク色の人に向かって攻撃していた。

 

???「世界の破壊者ディケイド、お前はここで散る定めだ!」

 

崖の上で薄い茶色のコートと帽子をかぶった男性が叫んでいた。

私がその人から視線を戻すとピンク色の人以外はみんな倒れていた。

そのほかにもドラゴンや電車のような物も黒い煙を上げて墜ちていた。

上空に白い光を纏ったピンクの人が空中に浮かび上がる。

ピンクの人を見ていると突然、頭の中に一つの言葉が頭に思い浮かんだ。

 

「ディケイド…」

 

そうして私の意識を落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁぁ」

 

何やら変な夢を見た。あの人とたちはいったい何だったのだろうか。

私はベッドから起き上がって休日にいつも行く場所へと用意をして向かう。

 

 

月ノ宮写真館

 

 

「こんにちは」

 

永斗「おはよう。亜里沙ちゃん」

 

私は最近見つけた月ノ宮写真館というところに遊びに来ていた。

ここは時渡永斗さんが住んでいる写真館でちょっと前に入ってみて仲良くなった。

 

「今日も写真を撮るんですか?」

 

永斗「そうだよ」

 

「今日はちゃんとした写真が撮れるといいですね」

 

永斗「頑張るよ」

 

なぜか永斗さんが取る写真はいつも何故か歪んでいる。

カメラを変えてみても写真は歪んでいた。

結局どのカメラで撮っても変わらないということで

永斗さんはマゼンタ色のフィルムカメラを使っている。

 

永斗「今日は秋葉原の方まで行ってみようか」

 

「はい!」

 

 

秋葉原

 

 

永斗「亜里沙ちゃん、こっち向いて」

 

「え?」

 

『パシャッ』

 

私が永斗さんの方に振り向くと永斗さんがカメラのシャッターを切った。

 

永斗「いい表情だ」

 

するとどこからか聞き覚えのある音楽が聞こえた。

 

永斗「この音楽は…」

 

「μ’sの僕らのLIVE君とのLIFEです!」

 

永斗「確かお姉さんがμ’sのメンバーなんだよね」

 

「はい!」

 

永斗「見に行ってみようか」

 

私は永斗さんと一緒にライブ会場の後ろの方に行ってみる。

 

永斗「人が多いね」

 

「そうですね」

 

私が見えにくそうにしていると永斗さんがどこからか脚立を持ってきた。

 

永斗「これを使って」

 

「どこから持ってきたんですか?」

 

永斗「近くの人から借りてきたんだ」

 

「とりあえず使わせてもらいますね」

 

私は脚立の上に乗ってライブを見る。

 

「ここで脚立に乗っても大丈夫なんですか?」

 

永斗「ほぼ外野みたいなものだし大丈夫だと思うよ」

 

「そうなんですか?」

 

私がライブの方に目線を戻すと上空に銀色の幕のようなものが現れる。

 

永斗「何だろうあれ」

 

その銀色の幕のような物から大量の見たこともない怪物が現れる。

 

永斗「亜里沙、逃げるぞ!」

 

「はい!」

 

私は脚立を降りて永斗さんが走って行く方へと走る。

少し走って永斗さんが止まる。

 

永斗「ここまでくれば大丈夫かな」

 

「あれは何なんだったんでしょうか」

 

永斗「宇宙人とかじゃないみたいだしね…」

 

永斗さんが考え始めると近くのビルが急に崩れ出した。

 

「永斗さん!」

 

永斗「えっ?」

 

いまいち状況を理解していない永斗さんの腕を引っ張って私は走る。

 

永斗「亜里沙!?」

 

「ここにも時期にさっきのが来ますよ!」

 

そう言って走っていると目の前に何体もの怪物が現れる。

すると永斗さんが私の前に立った。

 

永斗「亜里沙だけでも逃げて」

 

「でも…」

 

永斗「大丈夫。俺も少しは戦えるから」

 

「それでも!」

 

永斗「早くいけ!」

 

私はとりあえず近くのがれきの後ろに隠れる。

 

永斗「かかってこい」

 

永斗さんが戦い始めて一方的に攻撃されている。

 

永斗「くそっ」

 

私は当たりに何か攻撃できるものがないかと探していると

見覚えのあるものが落ちていた。

 

「これは…」

 

あの夢で出てきたディケイドがつけていたベルトで

もう一つのこの本みたいなものはよく分からない。

これを永斗さんに渡せばどうにかなるのでしょうか…

私が目線を永斗さんの方に戻すと永斗さんが銀色の幕の反対側にいた。

どうやらこっち側に来ることができなくなってしまったらしい。

私が顔を出してしまったせいであの怪物たちに気づかれてしまい、

こちら側にも攻撃が飛んでくる。

 

永斗「亜里沙!」

 

私はどうにか銀色の幕の所までたどり着く。

 

「永斗さん、これを」

 

永斗「こいつは…」

 

「それを使えばあの怪物に対抗できるはずです」

 

私はそのベルトを銀色の幕に近づけるとそれは銀色の幕をすり抜けた。

もう一つの本のような物も近づけてみる。

それも銀色の幕をすり抜けて永斗さんの手に渡る。

 

永斗「ありがとう、亜里沙」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 永斗

俺は亜里沙からベルトを受け取る。

使い方は大体わかるので俺はそのベルトを装着する。

そして本の様な形をした物の中から唯一色がついている英語で

「DECEDO」と表記されたカードを取り出してベルトにカードを装填する。

 

「変身!」

 

『KAMENRIDE』『DECADE』

 

俺の周りに9つの影が現れて、その影が一つになって

ベルトからカードが飛び出して頭に突き刺さる。

そして目の前にあった銀色の幕にひびが入ってそのまま砕け散る。

 

「亜里沙、大丈夫か?」

 

亜里沙「はい」

 

俺は亜里沙に手を差し出す。

そして亜里沙がその手を取って立ち上がる。

 

亜里沙「その姿は?」

 

「仮面ライダーディケイドとでも言っておこうか」

 

亜里沙「ディケイド…」

 

「下がってろ」

 

亜里沙「分かりました」

 

そうして亜里沙ががれきの後ろに隠れる。

 

「さあ、怪物狩りの始まりだ」

 

俺は腰についている先ほどカードを取り出した物を剣に変えて

目の前にいるオルフェノクを切る。

さらに剣を銃に変えてグロンギを撃つ。

 

「敵は5体っと」

 

俺は敵の人数だけ確認してから

銃を開けて中からカードを取り出す。

 

『KAMENRIDE』『KABUTO』

 

俺の姿が赤いカブト虫のライダー。仮面ライダーカブトの姿に変わる。

とりあえずクロックアップで一掃だな。

 

『ATTACK RIDE』『CLOCK UP』

 

ものすごい勢いで2体のワームに蹴りによる攻撃を与える。

そして近くにいるオルフェノクを剣で切り付ける。

 

「こいつで終わりだ!」

 

『FINALATTACK RIDE』『KA・KA・KA・KABUTO』

 

俺はワームに接近してライダーキックを決める。

2体のワームは爆発してさらに別のカードをベルトに差し込む。

 

『KAMENRIDE』『FAIZ』

 

体に赤いラインが現れ、自分の姿が仮面ライダーファイズに変わる。

さらにあらかじめ取り出しておいたカードを差し込む。

 

『ATTACK RIDE』『AUTO VAJIN』

 

どこからか現れたマゼンタ色のバイクが

ファイズ専用のバイク、オートバシンに変形する。

 

「オートバシン、亜里沙を頼んだ」

 

俺はオートバシンにそう言ってオルフェノクに殴り掛かる。

さらに横にいるグロンギにも蹴りを加える。

 

「2体を一気に潰すならこいつだな」

 

『FORM RIDE』『AXEL FORM』

 

俺は腕のファイズアクセルを起動する。

 

『START UP』

 

そしてそのまま別のカードを差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』『FA・FA・FA・FAIZ』

 

ファイズポインターから円錐状の赤い光を放って

目標のオルフェノクをポイントし、跳び蹴りを叩き込む。

さらにグロンギにもファイズポインターから

放たれた円錐状の赤い光で標的をロックオンする。

そしてそのまま飛び蹴りを放ちファイズアクセルのカウントが0になる。

 

『TIME OUT』

 

その音と共に俺のカメンライドが解ける。

オルフェノクは灰になり、グロンギは爆発した。

 

「ラスト1体だ」

 

俺は一方的にやられていく姿を見ていることしかできなかった

魔化魍の方へと歩いていく。

 

『KAMENRIDE』『HIBIKI』

 

体が燃えて仮面ライダー響鬼の姿にカメンライドする。

 

『ATTACK RIDE』『ONGEKIBOU REKKA』

 

俺はカードを差し込んで音撃棒・烈火を装備する。

魔化魍に向かって火の玉を放ち、魔化魍との距離を詰める。

 

「行くぜ!」

 

『FINALATTACK RIDE』『HI・HI・HI・HIBIKI』

 

魔化魍の動きをベルトから出現した音撃鼓で

動きを封じ清めの音を叩き込む。

魔化魍は土に帰っていった。

 

「マジで土にかえるんだな…」

 

とりあえずさっき襲ってきた怪物たちは片付いたな。

 

「亜里沙、終わったよ」

 

俺がそう言うと亜里沙ががれきの後ろから出てくる。

 

亜里沙「怪我はないですか?」

 

「大丈夫だよ」

 

亜里沙「よかったです」

 

「とりあえず、帰ろうか」

 

辺りの敵はいったん片付いたので、

俺は亜里沙と一緒に月ノ宮写真館に戻った。

 

 

月ノ宮写真館

 

 

俺たちが写真館に戻ると突然何かが落ちる音がした。

 

亜里沙「今の音は?」

 

「見に行ってみよう」

 

俺たちが撮影室に入るとなぜか背景ロールが変わっていた。

 

亜里沙「これって降りてましたっけ?」

 

「いや、降りてなかったと思う」

 

ロールの固定が甘かったのか?

なんか今日はいろいろあったし1回、

亜里沙には帰ってもらった方がいいかもしれない。

 

「とりあえず、今日は帰った方がいい」

 

亜里沙「分かりました」

 

亜里沙が写真館の扉を開けた音がしたとき、

すぐに亜里沙が戻ってきた。

 

「忘れ物か?」

 

亜里沙「外が!」

 

「外がどうかしたのか?」

 

俺は窓の外の景色に驚く。

 

「景色が変わってる」

 

亜里沙「そうなんです」

 

「これじゃ家がどこにあるか分からないな」

 

亜里沙「どうしよう…」

 

「仕方ない。ここに今日は泊ってくれ」

 

亜里沙「はい」

 

「とりあえず、着替えを買っておいで」

 

俺は亜里沙に一万円札を渡す。

 

亜里沙「一万円も!?」

 

「女の子の服って1セットでもこのくらいかかるでしょ?」

 

亜里沙「いいんですか?」

 

「ああ」

 

亜里沙が買い物に行くのを見送って俺はソファに横になる。

先ほどの戦闘の疲れが急に襲ってきて俺はそのまま寝てしまった。

 




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#02 古代の戦士

あゆぴょんを見るたびに瀕死になる提督(0W0)です。
せつ菜はかっこいいしかすみんはかわいいし
愛さんは言葉にできない不思議な空間に引きづり込まれた…
推しがまた変わりそうだ…


俺が目を覚ますと宇宙空間のような場所にいた。

 

「ここはどこだ?」

 

???「ここは世界のはざまと行った所でしょうか」

 

「世界のはざま?」

 

???「おっと名乗るのを忘れておりました。私は紅渡です」

 

「で、渡さん。世界のはざまって何ですか?」

 

渡「ここはありとあらゆる世界が存在する空間」

 

「へぇ~」

 

渡「あなたをここに呼んだのはこの世界を破壊してもらおうと思ったからです」

 

「ちょっと何言ってるか分かんないです」

 

渡「あなたのいる世界は他の世界と融合を始めました。

  このままだとあなたのいる世界は消滅してしまいます」

 

「何だって!?」

 

渡「そこでそのディケイドの力を使うのです」

 

「こいつか?」

 

俺は例のベルトと本のようなものを取り出す。

 

渡「そちらのベルトがディケイドライバー。

  そしてそのカードホルダーがライドブッカーです」

 

「なるほど」

 

俺はこの前使ったカードを含めて9枚のカードを取り出す。

 

渡「あなたは世界を旅し、クウガからキバまでのライダーを破壊してください」

 

「破壊とは?」

 

渡「そのうち分かりますよ」

 

渡がそう言うと俺の手にあった、

クウガ・アギト・龍騎・ファイズ・ブレイド・響鬼・カブト・電王・キバの

9枚のカードの色が消える。

 

渡「では、任せましたよ」

 

「ちょっと待て!」

 

俺がそう言ったのも聞かずに渡は消えてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亜里沙「起きてください!」

 

「ん?」

 

亜里沙「もう朝ですよ」

 

「ごめんね。どうやら疲れが溜まっていたみたい」

 

亜里沙「大丈夫です」

 

「そう言えば夕飯はどうしたの?」

 

亜里沙「冷蔵庫の食材で料理して食べました!」

 

「それならよかったんだけど」

 

亜里沙「結局、ここはどこなんでしょうか」

 

「もしかしたら別の世界なのかもしれない」

 

亜里沙「どういうことですか?」

 

「夢を見たんだ。他の世界を破壊してくれという夢を」

 

亜里沙「そうなんですか」

 

「とりあえず出てみようか」

 

俺は一度、外の様子を見ようと写真館の外に出る。

外に出てみると普通の街が広がっている。

 

亜里沙「普通の町ですね」

 

「見かけはね」

 

亜里沙「見かけ?」

 

「どんな世界にも裏があるってことだよ」

 

亜里沙「裏?」

 

「亜里沙みたいな純粋な子は知るべきではないかな」

 

亜里沙「?」

 

亜里沙は頭に?マークを浮かべているようだ。

だがこれでいい。あの子には純粋な天使でいてほしい。

そう言えばまだ朝食をとっていなかったな。

 

「どこかで軽く食べようか」

 

亜里沙「はい!」

 

俺は亜里沙を連れて近くのカフェに入る。

すると亜里沙が何かに向かって指をさしていた。

 

亜里沙「穂乃果さんだ!」

 

「穂乃果さんってあのμ’sの?」

 

亜里沙「そうです」

 

「この世界にもμ’sは存在するみたいだね」

 

亜里沙「雪穂もいるのかな?」

 

「じゃあ、食べ終わったら行って見よっか」

 

亜里沙「はい!」

 

ちょうど運ばれてきた料理を食べ始める。

すぐに食べ終えて会計を済ませて和菓子屋、穂むらへと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和菓子屋 穂むら

 

亜里沙「ここです!」

 

「古い感じがまたいいね」

 

俺は扉を開けて店に入る。

 

???「いらっしゃいませ~」

 

店に入るとそこには茶髪の女性がいた。

 

亜里沙「穂乃果さん、こんにちは!」

 

穂乃果と言われた女性が立ち上がって亜里沙のもとへと駆け寄る。

 

穂乃果「亜里沙ちゃんだ!」

 

穂乃果さんが亜里沙と話していると

俺の存在に気づいた穂乃果さんが駆け寄ってきた。

 

穂乃果「亜里沙ちゃん、この人は?」

 

亜里沙「この人は月ノ宮写真館の管理者?さんの時渡永斗さんです」

 

「時渡永斗です」

 

穂乃果「私、高坂穂乃果です!」

 

「穂乃果さんはμ’sのリーダーなんですよね」

 

穂乃果「私たちの事、知ってくれてるんだ!」

 

本当にこの世界にもμ’sが存在するんだな…。

もしかしたら世界を移動したなんてのは嘘ってことか?

 

穂乃果「あ、そろそろ練習の時間だ!」

 

穂乃果さんはそう言って店を出て行った。

ジャージとかで練習するわけじゃないんだな…。

 

「行ってみる?」

 

亜里沙「入れるのかな?」

 

「神田明神で練習してるって聞いたことがあるけど」

 

亜里沙「行ってみましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神田明神

 

亜里沙「ここですね」

 

「とりあえずお参りでもする?」

 

亜里沙「そうですね」

 

俺と亜里沙が階段を上っていると聞き覚えのある音楽が聞こえてきた。

 

亜里沙「スノハレだ!」

 

「もしかしたら、穂乃果さんたちがいるかも」

 

俺がそう言うと亜里沙が階段を駆け上がった。

表情から察するに穂乃果さんたちはいるらしい。

俺も階段を登り切って亜里沙が行った方へと向かう。

するとそこには亜里沙と話しているμ’sのメンバーの姿があった。

とりあえず陰から見守るとしよう。

すると後ろの林が揺れる。

そこからグロンギが現れる。

 

「グロンギ!」

 

俺はディケイドライバーを取り出して走り出す。

すると穂乃果さんがクウガに変身するときのポーズをとっていた。

 

穂乃果「変身!」

 

穂乃果さんが仮面ライダークウガに変身する。

 

「クウガ!」

 

俺がそう言うと穂乃果さんが一瞬だけ振り返り、グロンギと戦い始めた。

穂乃果さんに応戦しようとベルトを取り出すと頭痛がした。

 

???『この化け物が!』

 

そんな声が頭に響く。

俺はベルトをしまって変身しないままライドブッカーで戦う。

 

穂乃果「永斗君!?」

 

「腕を磨けば生身でも戦えますよ」

 

次々にグロンギを切りつける。

別に腕を磨いたわけでもないんだがな…

グロンギの攻撃を避けながら攻撃を加えていくとグロンギが

ウミさんとコトリさんがいる方へと飛ばされた。

 

コトリ「きゃ!」

 

コトリさんとウミさんに攻撃しようとしたグロンギを穂乃果さんが蹴り飛ばした。

 

穂乃果「ウミちゃん、コトリちゃん大丈夫?」

 

ウミ「はい」

 

穂乃果「よかった~」

 

「穂乃果さん、まだ敵は生きてますよ」

 

俺はそう言ってライドブッカーでグロンギを撃つ。

ライドブッカーをブレードモードに変えて穂乃果さんに投げる。

 

「それを使えば超変身が使えますよね?」

 

穂乃果「うん!」

 

穂乃果さんが精神を集中させて叫ぶ。

 

穂乃果「超変身!」

 

穂乃果さんの姿が蒼いドラゴンフォームへと変わり、

ライドブッカーがドラゴンロッドに変わる。

 

穂乃果「はっ!」

 

ドラゴンロッドを構えて穂乃果さんがグロンギに攻撃する。

マイティフォームより増したスピードでグロンギを翻弄していく。

 

「穂乃果さん!」

 

穂乃果「どうしたの?」

 

「ライドブッカーは銃にも剣にもできますよ」

 

どうやら穂乃果さんは俺の言葉の意図に気づいたらしく、

一度マイティフォームに戻って今度は紫色のタイタンフォームへと変わる。

 

グロンギ「ボソグ」(殺す)

 

そう言ってグロンギが走り出す。

穂乃果さんには焦った様子もなくタイタンソードを構える。

そうして走り込んで来たグロンギはタイタンソードによって真っ二つになり、

グロンギは爆発した。

 

「真っ二つ…」

 

穂乃果さんが変身を解除してライドブッカーを手渡される。

 

穂乃果「ありがとう!」

 

「助けになってよかった」

 

穂乃果「ものすごく助かったよ!」

 

亜里沙「永斗さん、怪我してないですか?」

 

「大丈夫だよ」

 

するとエリさんとノゾミさんがこっちに歩いてきた。

 

エリ「亜里沙、その人は?」

 

亜里沙「月ノ宮写真館の永斗さんです」

 

「時渡永斗です」

 

ノゾミ「よろしゅうな」

 

それぞれが自己紹介をしあってμ’sのメンバーたちは練習に戻った。

 

「この世界のライダーもわかったことだし一回帰ろっか」

 

亜里沙「はい」

 

俺と亜里沙は一度写真館に戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月ノ宮写真館 書斎

 

亜里沙「何を探しているんですか?」

 

「確かここら辺にあったはず…」

 

俺たち二人は祖父の書斎で探し物をしていた。

ここの管理を頼まれたときにここの本について説明された。

 

「これだな」

 

俺は表紙に『2000』と書いてあるタイトルの本を手に取る。

 

亜里沙「これは?」

 

「グロンギについて書かれた本みたいだよ」

 

亜里沙「グロンギってさっきの怪物のことですか?」

 

「うん」

 

俺は本を開いて中身を読み始める。

そして一ページ目を読み始めてすぐに叫ぶ。

 

「ウゾダドンドコドーン!」

 

亜里沙「どうしたんですか!?」

 

俺は亜里沙日本の内容を見せる。

 

亜里沙「なんて書いてあるんですか?」

 

「グロンギ語だよ」

 

亜里沙「グロンギ語?」

 

俺は本の最後のページから文字列が書かれた紙を取り出す。

 

「これを使えば解けそうなんだけど…」

 

亜里沙「日が暮れちゃいそうですね」

 

「頑張ってみるよ」

 

俺はディケイドライバーを取り出して自分の部屋に入る。

 

「変身」

 

『KAMENRIDE』『DECADE』

 

ディケイドに変身してライドブッカーから

『イリュージョン』のカードを取り出す。

 

『ATTACK RIDE』『ILLUSION』

 

割と広い部屋に8人のディケイドが現れる。

 

「じゃあ、頑張ろうか」

 

俺はそう言って分身を含めて全員が解読作業に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

サイド 亜里沙

 

「永斗さん、ご飯できましたよ」

 

私は永斗さんの部屋の扉を開ける。

 

ディケイド「「「「「「「「「もうちょっと待って」」」」」」」」」

 

目の前には部屋中で髪を広げているディケイドたちの姿があった。

「私、夢でも見てるのかな?」

 

ディケイド「「「「「「「「「亜里沙ちゃん、大丈夫?」」」」」」」」」

 

「何でこんなにもディケイドがいるんですか!」

 

ディケイド「「「「「「「「「分身だよ」」」」」」」」」

 

ディケイドたちがそう言うと分身が消えて永斗さんの姿に戻った。

 

永斗「ご飯できたんだよね」

 

「はい」

 

そうして永斗さんは撮影室の方へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド永斗

 

深夜

 

「この事件の共通点か…」

 

本の解読を終えて内容を整理していると

ニュースで報道されている未確認生命体のナンバーや

クウガについての情報が事細かに記されている。

なぜ、祖父がこんなものを持っていたかはわからないが

助かってるし気にしないでおこう。

 

「こいつが鍵か…」

 

俺は『ゲゲル』と書かれた項目に線を引く。

ゲゲルのターゲットを見つけることができれば…

 

「そろそろ寝ようか」

 

俺はそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「今日はゲゲルに関しての調査をしないと」

 

亜里沙「分かりました」

 

まずはターゲットからだな。

これまでの事件からするに標的は女性か…

後は全員が青髪ってところくらいしかないな。

本には究極の闇をよみがえらせるためにゲゲルを行うと書いてあったし、

早いところターゲットを見つけないとな。

 

「とりあえず、街を歩いてみようか」

 

亜里沙「はい!」

 

2人で街を歩いていると何やら怪しげな老婆を見つけた。

 

亜里沙「怪しい人がいますね」

 

「亜里沙、1度写真館に帰ってもらえる?」

 

亜里沙「どうしてですか?」

 

「ここからは普通の人間じゃ対処できないかもしれないからね」

 

亜里沙「分かりました…」

 

さてとここからは俺の仕事だな。

ディケイドライバーを装着して『インビンシブル』のカードを取り出す。

 

『ATTACK RIDE』『INVISIBLE』

 

「追跡開始だ」

 

河川敷や路地裏といった複雑な道を進んで行く

その老婆はまるで歳など感じさせない動きだった。

追跡を続けると音ノ木坂学院と書かれた学校にたどり着いた。

 

(学校なんかに何の用だ?)

 

そこから穂乃果さんとウミさんが一緒に出てきた。

どうやらここはμ’sたちが通う学校のようだ。

すると老婆が急に走り出す。

 

老婆「リヅベダゾ!」(見つけたぞ!)

 

老婆の姿がグロンギの姿に変わる。

こいつは『メ・ギャリド・ギ』という名前だったはずだ。

ってそんなこと言ってる場合じゃなかった!

サイドバックルからライドブッカーを取り外して切りかかる。

攻撃を与えたと同時にインビンシブルの効果が解けてギャリドに見つかる。

 

ギャリド「ザセザ!」(誰だ!)

 

「ダザンドゴシグガシグ」(ただの通りすがりさ)

 

穂乃果「永斗君!?」

 

「穂乃果さん、手を貸してもらえますか?」

 

穂乃果「うん!」

 

穂乃果さんの服の上にアークルが現れて構える。

 

穂乃果「変身!」

 

穂乃果さんが仮面ライダークウガに変身し、

ギャリドに拳による攻撃を浴びせる。

俺もライドブッカーを使ってギャリドを切りつける。

攻撃を受けてギャリドは辺りの人を襲い始める。

 

「チッ」

 

ライドブッカーをすぐさま銃に切り替えてギャリドの進行を妨害する。

 

「穂乃果さん、あの人を頼みます!」

 

俺は穂乃果さんにそう言ってギャリドの目の前に立ってギャリドを撃つ。

さらにブレードモードに切り替えて切りつける。

するとどこからパトカーが現れる。

 

警官「未確認生物4号と7号を確認」

 

降りてきた警官が何やら言っている。

すると俺が生身で戦っていたことに気づいた警官がこっちに向かって叫んでいた。

 

警官「君、何をしている!」

 

「人を守っているだけですよ!」

 

俺が応答していると隙をつかれて吹っ飛ばされる。

 

「ぐはっ」

 

穂乃果「永斗君!」

 

警官「近づくな、4号!」

 

警官がそう言って穂乃果を撃つ。

 

穂乃果「きゃ!」

 

「やめろ!」

 

警官「何を言っている。こいつは未確認だぞ」

 

そう言われると反論ができない。

この世界ではクウガもグロンギも同じ人類の敵扱いなのだから。

 

「仕方ない。使いたくはなかったんだがな」

 

ライドブッカーからカードを取り出してベルトに差し込む。

 

「変身」

 

『KAMENRIDE』『DECADE』

 

俺がディケイドに変身すると警官が怯え始める。

警官が無線を取り出して叫ぶ。

 

警官「未確認10号を確認!」

 

「10号?ふざけるな。俺の名はディケイドだ」

 

俺は警官に一言放ってグロンギの方に向く。

 

「さあ、ここから第2ラウンドだ」

 

俺がそう言うとギャリドが辺りにあったパトカーを

ひっくり返して暴れだした。

 

「早期解決が必要か…」

 

俺はライドブッカーから取り出したカードをベルトに差し込む。

 

『ATTACK RIDE』『SLASH』

 

スラッシュのカードのより強化された斬撃でギャリドを切る。

さらに何度も何度も切りつけてギャリドを撃破する。

 

「いい刺激だった」

 

ディケイドライバーからカードを取り出して俺は変身を解除する。

変身を解除したときにかなりの痛みが体を駆け巡った。

さっき蹴り飛ばされたときの分がかなり来てたみたいだな。

俺はライドブッカーを杖にして歩き始める。

すると穂乃果さんが変身を解いて駆け寄ってくる。

 

穂乃果「永斗君、大丈夫?」

 

「大丈夫です」

 

とは言ってるものの体は正直らしい。

俺はその場で倒れてしまった。

 




オリ主の設定は今度だします。
感想、評価、よろしくお願いします!


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#03 究極の闇

クウガの世界編最終回です!
今回は穂乃果がまさかのフォームに変身します。



目が覚めると俺は病院のベッドの上で寝ていた。

どうやらあの後で倒れてしまって誰かに運んでもらったらしい。

 

「まだ結構痛むな…」

 

病院で寝てるのはいいんだが金はどうなるんだろう。

この世界じゃ保険も入ってないしな…

医療費のことを考えていると扉が開いた。

 

穂乃果「永斗君、怪我は大丈夫?」

 

「怪我よりお金の方が心配だよ」

 

穂乃果「それって大丈夫なの?」

 

「どうにかするよ」

 

俺と穂乃果さんが話していると亜里沙も病室に入ってきた。

 

亜里沙「永斗さん、目が覚めたんですね」

 

「うん」

 

俺が机の上に遭ったリモコンを取って電源を付ける。

すると未確認のニュースが流れていた。

 

アナウンサー「先日、町に新たな現れました。

姿はピンク色だという目撃情報が寄せられています」

 

「ピンクじゃない、マゼンタだ」

 

穂乃果「永斗君?」

 

亜里沙「永斗さんってピンクとマゼンタを間違えられるのをすごく嫌うんです」

 

穂乃果「そうなんだ」

 

「そうだ、ウミさんたちは大丈夫だった?」

 

穂乃果「うん」

 

「ならよかった」

 

ウミさんたちは無事みたいだし、

今はゲゲルのことを考えた方がいいかもしれないな。

俺はスマホを取り出してメモに保存していた未確認の事件の記事を出す。

1人目被害者は青髪の高校1年生で2人目が青髪の高校3年生ですか。

共通点は青髪の高校生で女子生徒か…

さっきウミさんたちが襲われたことを察するに

次のターゲットはあの人と見て間違いないな。

とりあえず俺の体が治るまでおとなしくしておきますか。

そうして俺は寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方

目が覚めると病室の窓には夕焼けが映っていた。

ベッドから起き上がると体の痛みはもう引いていた。

 

「これで調査ができるな」

 

ベッドから立ち上がり俺は病院を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神田明神

俺が神田明神の階段を登りきるとすぐ近くで

亜里沙と穂乃果さんが話していた。

ものすごく微笑ましいな~

すると俺に気づいた亜里沙がこっちに来た。

 

亜里沙「永斗さん、もう体は大丈夫なんですか?」

 

「痛みも引いたよ」

 

亜里沙「よかったです」

 

亜里沙は安心したような顔をしていた。

とりあえず穂乃果さんに次に狙われるであろう人を伝えとかないと。

俺は穂乃果さんの所に行って情報を伝える。

 

穂乃果「えっ!?」

 

「俺の予想が当たっていたらですが」

 

穂乃果「どうしよう…」

 

「とりあえずは様子見ですかね」

 

俺がそう言うと穂乃果さんは頷く。

すると誰かの悲鳴が聞こえる。

 

穂乃果「永斗君!」

 

「はい!」

 

穂乃果さんがそう言って俺は走って悲鳴が聞こえた所に向かう。

向かった先にはμ’sのメンバーを襲う2体のグロンギの姿があった。

 

「メ・ビラン・ギ、ゴ・ベミウ・ギ!」

 

俺がそう叫ぶとグロンギがこっちを向く。

エリさんたちを逃がすための隙を作る。

逃げたのを確認してからディケイドライバーを装着して

ライドブッカーからカードを取り出す。

穂乃果さんもアークルを出現させて構える。

 

「「変身!」」

 

『KAMEN RIDE』『DECADE』

 

変身を終えた俺と穂乃果さんでグロンギを攻撃する。

クウガを集中攻撃している二人のグロンギの

うちの片方を蹴り飛ばしてライドブッカーで切る。

 

ビラン「ジャラゾグスバ」(邪魔をするな)

 

「ドググダギパパンパゼガジャバギザソ?」(二対一はフェアじゃないだろ?)

 

ライドブッカーでビランを切りつけさらに銃弾を撃ち込む。

するとビランはどこからか剣を取り出して突撃してくる。

俺はそれを剣で受け止めてビランの剣を弾き飛ばす。

そしてビランを蹴り飛ばして距離をとって

ライドブッカーからカードを取り出して使用する。

 

『ATTACK RIDE』『BLAST』

 

強化された弾丸をビランに発射する。

弾丸が命中してビランが倒れる。

 

「ゲゲルゾグスロブデビパバンザ」(ゲゲルをする目的はなんだ)

 

ビラン「パガゴグゾボンヂビボグシンガゲスダレザ」

(我が王をこの地に降臨させるためだ)

 

グロンギの王って言ったらン・ダグバ・ゼバか。

たしかアルティメットクウガじゃないとまともに戦えないよな…

なら、なおさらゲゲルを成功させるわけにはいかないな。

とりあえずこいつは消しとかないと。

 

『FINALATTACK RIDE』『DE・DE・DE・DECADE』

 

10枚のカードがグロンギをロックオンして俺は飛びあがる。

そして、その中を潜り抜けて必殺の一撃を与える。

必殺の一撃を食らったメ・ビラン・ギは爆発して消滅した。

さて、穂乃果さんの援護に向かいますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果さんの所にたどり着くと苦戦しているようだった。

とりあえず戦闘に割って入り、グロンギをライドブッカーで切る。

 

穂乃果「永斗君!」

 

「大丈夫ですか?」

 

穂乃果「まだ戦いになれなくて…」

 

「ここからは俺も手伝います」

 

穂乃果「ありがとう!」

 

すると俺は近くになぜか止めてあったトライチェイサー2000の

ハンドル部分からトライアクセラーを引き抜いて穂乃果さんに投げる。

 

穂乃果「これは?」

 

「それを伸ばしたら使えますよ」

 

穂乃果「こう?」

 

穂乃果さんがトライアクセラーを伸ばす。

するとトライアクセラーが床に突き刺さるほどの巨大な剣へと姿を変えた。

穂乃果さんは動揺しているようだがもう一度変身するときの構えをした。

 

穂乃果「超変身!」

 

穂乃果さんがそう叫ぶとアークルの中央の霊石アマダムが紫色に変わり、

姿が特徴的な紫の鎧を纏ったタイタンフォームへと変わる。

そして地面に突き刺さったタイタンソードを引き抜く。

 

穂乃果「永斗君、行くよ!」

 

「はい!」

 

穂乃果さんが走り出し、俺も走り出す。

タイタンソードとライドブッカーで

ベミウを切り、2人で蹴りの追撃を入れる。

ベミウは体制をすぐに立て直して攻撃してくる。

穂乃果さんはそれを避けてタイタンソード切りつける。

それに加えて俺がライドブッカーで狙撃する。

 

「穂乃果さん、決めますよ」

 

穂乃果「うん!」

 

ライドブッカーからカードを取り出してベルトに差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』『DE・DE・DE・DECADE』

 

穂乃果さんもタイタンソードに封印エネルギーをチャージして走り出す。

俺も目の前に現れた10枚のカードを潜り抜けてベミウの方へ走る。

2人の剣がゴ・ベミウ・ギを切断し、爆発した。

 

穂乃果「やったね!」

 

「はい!」

 

俺と穂乃果さんは変身を解く。

 

穂乃果「何でグロンギは人を襲うのかな?」

 

「どうやら王をよみがえらせるために動いているみたいですよ」

 

穂乃果「王?」

 

「とんでもない存在です」

 

穂乃果「そうなんだ」

 

「クウガの究極のフォームを使わないとおそらく倒せないでしょう」

 

穂乃果「究極のフォーム?」

 

「すべてを破壊する生物兵器と行った所でしょうか」

 

穂乃果「生物兵器!?」

 

「変身者は理性を失い、すべてを破壊するまで暴走する。

それが究極の闇に対抗するためのアルティメットフォームです」

 

俺がそう言い切ると穂乃果さんは黙り込んでしまった。

 

「でも、ゲゲルを止めればそんな力必要ありませんよ」

 

穂乃果「そうだね」

 

そろそろ本気でゲゲルを止めないと…

明日が勝負だな。

 

亜里沙「永斗さん!」

 

「どうしたの?」

 

亜里沙「ニコさんたちが!」

 

「えっ!?」

 

亜里沙の話によると穂乃果さん以外の

μ’sのメンバーがグロンギにさらわれたらしい。

 

「どこに行ったか分かる?」

 

亜里沙「たぶん、工場の方だと思います」

 

「分かった」

 

俺は穂乃果さんが焦っているのを無視して工場の方に向かって全力で走る。

するとこの前の銀色の幕が現れ、そこからバイクが出てくる。

今は悩んでいる暇はなかったのでとりあえず変身してバイクに乗って走り出す。

すると後ろからトライチェイサー2000に乗ったクウガが隣に並んだ。

 

穂乃果「永斗君、待ってよ~」

 

「穂乃果さん!?」

 

穂乃果「みんなのピンチなのに私が行かないわけないよ!」

 

「そうですね」

 

2台のバイクが工場へと突撃する。

そこには床で倒れているμ’sのメンバーの姿があった。

 

穂乃果「みんな!」

 

「行っちゃだめだ!」

 

穂乃果「え?」

 

俺がそう言ったときには遅かった。

穂乃果さんの頭上に大量の槍が降り注ぎ、

変身が解かれ、血が辺りに飛び散った。

 

「穂乃果!!」

 

血まみれになった穂乃果に駆け寄る。

彼女の体が冷たくなっていく。

 

「嘘だろ…」

 

ウミ「穂乃果!」

 

コトリ「穂乃果ちゃん!」

 

声がした方へ向くとコトリとウミが叫んでいた。

 

ガミオ「ボセゼクウガパギンザバ」(これでクウガは死んだな)

 

「ン・ガミオ・ゼダ!?」

 

ガミオ「ゴラゲパザセザ?」(お前は誰だ?)

 

「ゴセパゼィベギゾ。バレンサギザザザ」(俺はディケイド。仮面ライダーだ)

 

ガミオ「ゴラゲロシンドンゲンギバ」(お前もリントの戦士か)

 

「バゼズグギンガセデギダゴラゲグギス」(何故封印されていたお前がいる)

 

「ゲゲルパゲギボグギデギバギザズザ!」(ゲゲルは成功していないはずだ!)

 

ガミオ「ザガボグギデボボビギスボパジジヅザ」(だがこうしてここにいるのは事実だ)

 

今の俺にこいつを倒せるかどうかはわからない。

穂乃果がいてくれれば少しは戦えるんだがな。

ライドブッカーをガミオに向けて構える。

 

「穂乃果の仇、取らせてもらうぞ」

 

俺がガミオに切りかかろうとすると、

ガミオが空へと飛びあがり電撃を飛ばしてくる。

その電撃を避けながら空中のガミオに向かって銃弾を放つ。

しかし、銃弾は電撃によって全て迎撃されてしまった。

遠距離攻撃は効かないし、近距離攻撃を使うにも届かない。

もはや詰みゲーだが、ここで諦める気はさらさらない。

するとガミオが急降下してきて俺は地面にたたきつけられる。

 

「ぐっ」

 

速い。

一撃が重い。

これが最高上位の『ン』力か…

こいつらみたいな化け物を一人で倒してきた

先代クウガはすごい人だったんだな。

でも、今やクウガすらいないこの状況で

どうやってこいつを攻略すれば…

 

「うぉ!」

 

ガミオに頭をつかまれて投げ飛ばされる。

そしてそのまま壁に打ち付けられて変身が解除される。

 

ガミオ「ボギヅパガギゴラゼベギデゴブバ」(こいつは最後まで消しておくか)

 

ガミオが穂乃果の前に立つ。

 

「やめろ!」

 

俺はライドブッカーをガミオに突き刺す。

 

「俺は穂乃果を守れなかった。なら、こいつの体だけでも!守ってみせる!」

 

ガミオ「ビゲソ」(消えろ)

 

ガミオが電撃を溜め始める。

すると穂乃果の腹部になぜかアークルが現れる。

しかし、ガミオはそれに気づく様子はない。

溜め終わったガミオが電撃を放つ。

もうダメだと目を閉じる。

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

いつまでたっても痛みが来ない。

目を開けるとそこには金色の光に包まれた穂乃果が立っていた。

 

「穂乃果?」

 

穂乃果「変身」

 

穂乃果がクウガに変身するとアークルに金色のパーツが装着され、

赤い装甲全体にに金のラインのようなものが現れる。

 

穂乃果「永斗君、ここは任せて」

 

ガミオ「ゴラゲパダギバビギンザザズザ!」(お前はあの時、確かに死んだはずだ!)

 

穂乃果「何て言ってるの?」

 

「気にしなくていいよ」

 

穂乃果「分かった!」

 

穂乃果が元気な声でそう返すとガミオと戦い始める。

 

穂乃果「はっ!」

 

穂乃果の攻撃はガミオの電撃をもろともせずに、攻撃を加えていく。

どうやらこの姿のクウガとの対面はガミオにとって不利なようだ。

するとガミオが黒い煙を辺りに発生させた。

俺は急いでウミたちのもとに駆け寄る。

 

「あれを吸っちゃだめだ!」

 

エリ「え?」

 

すると煙の近くにいたニコが苦しみだした。

 

マキ「ニコ!?」

 

「この煙を吸ったら死にます!」

 

ハナヨ「ええ!?」

 

リン「かよちんどうしよう!?」

 

「とりあえずここから出ましょう!」

 

ノゾミ「ニコっちは?」

 

「もう手遅れです」

 

マキ「うそでしょ!?」

 

「時期にあいつらと同じ姿になります」

 

ウミ「そんな…」

 

俺はライドブッカーで近くの扉をこじ開ける。

 

「あそこから出てください」

 

コトリ「穂乃果ちゃんは?」

 

「クウガの姿である以上は大丈夫です」

 

皆を逃げたことを確認してから俺も外へと逃げる。

黒い煙は風に乗って街の方へと向かっている。

するとガミオが工場の屋根を突き破って町の方へと飛んでいった。

俺はトライチェイサー2000に乗った穂乃果と共に

工場から出てきたバイクに乗って町の方へと向かう。

道を走っていると穂乃果の変身が解かれた。

 

穂乃果「あれ?」

 

「タイムオーバーだと思う」

 

穂乃果「そうなの?」

 

「たぶん」

 

町が見えてくると大量のグロンギが街に溢れかえっていた。

 

穂乃果「どれだけいるの!?」

 

「町の人口分だ」

 

穂乃果「え?」

 

「あの煙は吸い込んだ生物の命を奪ってグロンギとして蘇らせる」

 

穂乃果「あのグロンギは町の人ってこと?」

 

「そうだ」

 

すると街を覆うほどの大きな煙が現れ、町が飲み込まれる。

すぐに煙は消えたが、さっきまでうじゃうじゃいたグロンギが消えていた。

 

穂乃果「消えちゃった」

 

何か嫌な予感がするな…

 

「急ぐぞ!」

 

穂乃果「うん!」

 

スピードを上げて街の中央に向かうとガミオがそこにいた。

 

ガミオ「待っていたぞリントの戦士たちよ」

 

「町中のグロンギをどこにやった!」

 

ガミオ「すべて吸収した」

 

「何!?」

 

穂乃果「どういうこと?」

 

「こいつはグロンギを吸収することで強くなる」

 

穂乃果「それって…」

 

「もしかしたら手が付けられない強さになってるかもしれない」

 

穂乃果「そんな…」

 

ガミオ「試してみるか?」

 

ガミオがそう言って辺りに放電する。

電撃が当たったビルはあっという間に粉々になった。

 

「火力が桁外れすぎる…」

 

穂乃果「永斗君」

 

「どうした?」

 

穂乃果「アルティメットフォームになれば倒せるんだよね?」

 

「確かにそうだが…」

 

穂乃果「なら私、なるよ」

 

「いいのか?」

 

穂乃果「みんなの笑顔を守るためだもん」

 

「それだけの覚悟があったら倒せるよ」

 

穂乃果「どういうこと?」

 

「俺はディケイド。世界を破壊し、すべてを繋ぐ者。

究極の闇なんて俺たちがぶっ壊してやればいい」

 

穂乃果「永斗君…」

 

「おい、そこの気取ってる王様。お前がいくら強くなろうが関係ない。

 穂乃果が皆を笑顔にするために戦うなら俺が穂乃果を笑顔にするために戦う。

 こいつはな、誰かを笑顔にしたい。そう信じて戦ってんだよ!

穂乃果の笑顔はな、この世界を照らす太陽だからな!」

 

「穂乃果、行くぞ!」

 

穂乃果「うん!」

 

「「変身!!」」

 

『KAMEN RIDE』『DECADE』

 

俺と穂乃果が変身を終えるとライドブッカーから3枚のカードが飛び出す。

飛び出したカードは『KUUGA』と書かれたカードだった。

その中のクワガタのようなものが描かれたカードをベルトに差し込む。

 

『FINALFORM RIDE』 『KU・KU・KU・KUUGA』

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

穂乃果「え?」

 

俺が穂乃果の背中を押すと、

穂乃果の体がカードに書かれていたクワガタと同じ姿に変わる。

確かカードにはクウガゴウラムって書いてあったっけ?

 

穂乃果「どうなってるの!?」

 

「俺と穂乃果の力だ」

 

するとガミオに呼ばれたと思われるグロンギの集団が現れる。

 

穂乃果「いっくよー!」

 

空中からゴウラムが滑り降りてきて、

グロンギの集団を一掃していく。

 

「すごいな」

 

最後に残されたガミオは電撃を放とうと腕を上げた。

 

「穂乃果、頼むぜ!」

 

穂乃果「うん!」

 

ゴウラムが電撃を受けるも全くダメージはない。

 

ガミオ「何!?」

 

「そう簡単にはやられないぜ」

 

ガミオ「お前たち、いったい何者なんだ!」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

俺はさっき色づいたカードの中からもう1枚の

クウガのライダーズクレストが描かれたカードをベルトに差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』 『KU・KU・KU・KUUGA』

 

ゴウラムがガミオを顎のようなところで挟んで空中に連れ去る。

空中からゴウラムが急降下してくるのに合わせて俺も飛び蹴りを決める。

ガミオは空中にもう一度打ち上げられ、落下してきた。

そして穂乃果の姿がゴウラムから元のクウガの姿に戻った。

 

穂乃果「倒せた?」

 

「たぶん倒せたと思うんだけど…」

 

すると何かガミオが言っているのに気が付いて近寄る。

 

ガミオ「リントよ……闇が、晴れるぞ……」

 

そう言ってガミオは爆発した。

するとガミオが爆発した地点から

とてつもない量の黒い煙が空へと上る。

 

穂乃果「どうしたの!?」

 

「まだ終わってないのか?」

 

俺たちが戸惑っていると黒い空に一筋の光が現れる。

次々と光の筋が現れ、空の闇が晴れていく。

 

「あいつが言ってたのはこういうことか…」

 

少しの時間がたち、闇が晴れ切った空はどこまでも青い。

 

穂乃果「永斗君!」

 

穂乃果の声がした方へと行くとグロンギに

変えられたであろう人々が倒れていた。

 

「穂乃果、さっきの工場に戻ろう」

 

穂乃果「何で?」

 

「まあ、行ってみたら分かるって」

 

変身を解いてそれぞれのバイクに乗って工場に向かう。

工場の前にはニコも含めたμ’sのメンバーが立っていた。

 

穂乃果「みんな!」

 

穂乃果がメンバーのみんなと話している風景を

首からかけていたカメラで撮る。

 

亜里沙「永斗さん」

 

「亜里沙か」

 

亜里沙「お疲れ様です」

 

そうして亜里沙と話していると体が透け始める。

 

亜里沙「どうなってるんですか!?」

 

「きっとこの世界でやるべきことが終わったってことだよ」

 

亜里沙「じゃあ、この世界ともお別れですね」

 

「そんなことないよ」

 

亜里沙「何でですか?」

 

「きっとこの旅を続けていたらまた戻ってくるよ」

 

亜里沙「そうですね」

 

そうして俺と亜里沙の体は完全に消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 穂乃果

 

「永斗君!」

 

私がそう言って振り返ると永斗君の姿はもうなかった。

 

「永斗君?」

 

ウミ「写真館に戻ったのではないですか?」

 

「そうだね」

 

私はバイクに乗って写真館へと向かう。

永斗君から聞いていた場所には建物はあったが写真館ではなく、

喫茶店のようなところだった。

 

「ここじゃなかったのかな?」

 

???「そこのあなた。ちょっといい?」

 

「何ですか?」

 

私が振り返るとそこには人ではなく、

小さなコウモリの様なものが浮いていた。

 

キバーラ「私はキバ―ラ。貴方、クウガよね?」

 

「そうですけど」

 

キバーラ「ディケイドを知らない?」

 

「私もそのディケイドを探しているんです」

 

キバーラ「じゃあ、この世界にはもういないわね」

 

「この世界?」

 

キバーラ「ついてらっしゃい」

 

するとキバーラの前に銀色の幕のようなものが現れ、

キバーラがそれを潜ったのを見て私も潜る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 永斗

 

亜里沙「戻ってきましたね」

 

「うん」

 

すると突然、背景ロールが変わる。

 

亜里沙「また変わりましたね」

 

「これはドラゴンと月?」

 

亜里沙「月に何か模様がありますよ」

 

「このマークは確か…」

 

亜里沙「とりあえず外に行ってみますか?」

 

「今日は疲れたし寝かせてもらうよ」

 

亜里沙「分かりました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド ???

 

『カメンライド』 『ディエンド』

 

???「お宝、頂戴します!」

 

 




あらかじめ言っておきますがディエンドの世界はありません。
その代わりディエンドの世界で出た3ライダーはちゃんと出します。
グレイブはもう出したので破壊者に映る虹をチェックだ!
感想、評価、よろしくお願いします!


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#04 月の旋律

キバの世界編スタートです!



サイド 永斗

 

目が覚めたのは夜の9時だった。

どうやら昨日から丸1日寝ていたようだ。

とりあえず身支度だけして撮影室へと向かう。

亜里沙「永斗さん、おはようございます!」

 

「おはよう」

 

亜里沙「ごはんできてますよ」

 

机の方を見るとトーストとコーンスープが並べられていた。

「ごめんね、いつも作ってもらっちゃって」

 

亜里沙「いいえ、泊めてもらっていますから」

 

「ありがとう」

 

俺はそう言って席に着く。

 

「「いただきます」」

 

そういえばこうして2人で写真館で

ご飯を食べるのは初めてかもしれないな。

そんなことを考えている内に夕食を食べ終える。

 

「ごちそうさま」

 

亜里沙「お粗末様です」

 

「洗い物が終わったら外に行ってみようか」

 

亜里沙「分かりました」

 

亜里沙と洗い物を済ませて写真館の外に出る。

 

「奇麗な月だね」

 

亜里沙「見とれちゃいそうです」

 

「こんなこと言うのもなんだけど、亜里沙の方が奇麗だよ」

 

亜里沙「えっ!?」

 

亜里沙が顔を真っ赤にしているのが暗闇からでもわかる。

 

亜里沙「冗談ですよね!?」

 

「それはどうかな」

 

月明かりが差し込む夜道をそんな会話をして歩く。

すると近くの茂みが突然揺れる。

 

「なんだ?」

 

その茂みから出てきたのは怪物だった。

 

亜里沙「あれって何ですか?」

 

「分からない」

 

怪物「ヨコセ…」

 

「亜里沙、下がってて」

 

牙のようなオーラが現れて俺の方に飛んでくる。

ライドブッカーでその牙を弾き、ディケイドライバーを装着する。

 

「変身」

 

『KAMENRIDE』『DECADE』

 

変身を終えた俺はライドブッカーで怪物を撃つ。

たしかこうやって人の生命を吸おうとする怪物はファンガイアだったかな?

周りに被害が出る前にさっさと倒してしまった方がよさそうだな。

 

「穂乃果の力、借りるよ」

 

俺はクウガの絵が描かれたカードを取り出してディケイドライバーに差し込む。

 

『KAMEN RIDE』『KUUGA』

 

体が光に包まれ、俺の姿が仮面ライダークウガになる。

 

「行くぞ」

 

ファンガイアに接近して拳でダメージを与える。

何故かファンガイアは反撃をしてこないため、簡単に攻撃できる。

俺は一度後ろに後退して緑のクウガが書かれたカードをベルトに差し込む。

 

『FORM RIDE』『PEGASUS FORM』

 

複眼と鎧の色が緑に変わり、ライドブッカーがペガサスボウガンへと変わる。

さらにもう一枚のカードをベルトに差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』『KU・KU・KU・KUUGA』

 

ペガサスボウガンのトリガーを引いて

封印エネルギーが溜められた矢をファンガイアに放つ。

ファンガイアに矢が突き刺さり、ガラスのような姿になって砕け散った。

 

亜里沙「砕けちゃいましたね」

 

「これで死んだのか?」

 

俺と亜里沙が戸惑っていると急に辺りが暗くなる。

 

「何だ?」

 

亜里沙「永斗さん、どこですか?」

 

「そこを動かないで」

 

亜里沙「分かりました」

 

ペガサスフォームの力で感覚が鋭くなったせいか、

目の前になぜかドラゴンのような生物が見える。

とりあえずボウガンで突いてみようかな。

 

ドラゴン「ガァァァ!!」

 

ちょっとだけボウガンで突いただけなのにものすごい暴れだした。

ドラゴンのしっぽか何かが俺に当たり、姿がディケイドに戻る。

するとどこからか水の弾丸が飛んでくる。

 

「水?」

 

弾丸が飛んできたであろう方を見てみるも、暗くて何も見えない。

 

『ガルルセイバー』

 

どこかで笛の音が夜に響く。

笛の音を聞いていると前方から足音が聞こえる。

誰だろうか。こんな暗いフィールドでまともに歩けるのは

そういないと思うんだが…

次第に足音が近くなっていくので辺りをライドブッカーで探ってみる。

すると何かにライドブッカーがぶつかる。

 

「何だろう」

 

すると青い剣が俺の体を切りつけた。

 

「うわぁ!」

 

どこから攻撃されたかも分からずに警戒していると辺りが明るくなる。

 

『ウェイクアップ』

 

どうやら月明かりがドラゴンによって隠れていたらしい。

俺が月を見上げると月に人影が映り、するとこちら側に飛び蹴りが飛んでくる。

地面に打ち付けられて俺の変身が解除される。

 

「ぐあっ」

 

そうして俺の意識が薄くなっていく。

とりあえず俺は目を閉じる。

死んだと考えたそいつは俺の上からどいた。

そいつがいなくなったことを確認してから起き上がる。

グロンギの攻撃に比べたらまだましな方だったな。

とりあえず、亜里沙と合流しないと…

ふらつく足で必死に亜里沙を探す。

 

亜里沙「永斗さん!?」

 

「無事でよかった…」

 

亜里沙「大丈夫ですか?」

 

「前よりはましかな」

 

亜里沙「とりあえず、写真館に…」

 

亜里沙に腕を引っ張られて写真館に戻ろうとすると、足元に銃弾が飛んでくる。

銃弾が飛んできた方を見上げてみると、ビルの上に人が立っていた。

 

『KAMEN RIDE』『DIEND』

 

ディエンド「そのベルト、私がいただきます」

 

「亜里沙、逃げよう」

 

亜里沙「はい!」

 

ディエンド「逃げないでください」

 

ディエンドが足元に弾丸を撃ってくる。

 

「仕方ない。戦おう」

 

俺がカードを取り出そうとすると体に痛みが走り、

その場で膝をついて血を吐いた。

 

ディエンド「どうやら戦えないようですね」

 

そいつが俺に銃口を向けると間に亜里沙が割って入った。

 

亜里沙「やめてください!」

 

ディエンド「亜里沙!?」

 

亜里沙「何で私の名前を!」

 

ディエンド「私だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 亜里沙

 

その仮面ライダーが変身を解くとそこには私の親友の高坂雪穂がいた。

 

「雪穂!?」

 

雪穂「何で亜里沙がディケイドといるの?」

 

「雪穂もなんで仮面ライダーに変身してるの?」

 

雪穂「私は鳴滝って人にこれを渡されたの」

 

雪穂は銃のようなものを取り出す。

どうやらこれで雪穂は変身しているようだ。

 

雪穂「これを使ってこの人を倒してほしいって言われて…」

 

「それで永斗さんを?」

 

雪穂「殺すのはよくないからベルトだけ使えなくすればいいかなって」

 

「そうなんだ」

 

雪穂「で、亜里沙は何でディケイドといるの?」

 

「私は永斗さんと一緒に世界を旅してるんだ♪」

 

雪穂「旅?」

 

「まだ一つだけだけどね」

 

雪穂「どんな世界だったの?」

 

「えっとね…」

 

私はクウガの世界であったことを話す。

 

雪穂「お姉ちゃんがね…」

 

すると私の足を誰かが掴んだ。

 

「きゃっ!」

 

永斗「話の途中でごめんね。そろそろ意識が…」

 

「そうだった!」

 

私は急いで携帯を取り出して救急に電話をかける。

 

「あの、救急車をお願いします!」

 

しばらくして到着した救急車に永斗さんは運ばれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 永斗

 

目が覚めると病室で寝ていた。

 

「また治療費が…」

 

血の涙を流していると横に何かが置いてあることに気づいた。

何だろうかと開けてみるとヴァイオリンが中に入っていた。

ケースにはなぜかディケイドのライダーズクレストが書かれていた。

これが書いてあるってことは誰かの忘れ物ってわけじゃなさそうだな…

俺はケースの中に入っていた弓を取り出して適当に弾いてみる。

これはうまく弾けているのだろうか。素人の俺にはわからないな。

すると、病室のドアが開く。

 

亜里沙「奇麗な音色ですね」

 

「奇麗なのかな?」

 

亜里沙「とっても奇麗でした!」

 

「初めて弾いたんだけどな…」

 

俺が立ち上がると銀色の幕が現れて体を通過すると服装がスーツへと変わる。

 

「どうなってんの?」

 

亜里沙「まるでヴァイオリニストですね」

 

なぜか服のポケットに入っていた名刺入れの中には、

『ヴァイオリニスト 時渡永斗』と書かれていた。

 

「俺、ヴァイオリニストじゃないよ」

 

亜里沙「なぜなんでしょうか…」

 

「それぞれの世界で職業が変わるとかじゃないと思うし…」

 

亜里沙「クウガの世界では何も変わらなかったですしね」

 

「とりあえず、外の空気を吸ってくるよ」

 

亜里沙「分かりました」

 

俺は病室を出て、近くの公園へと向かう。

ちなみにヴァイオリンは高額そうなので持ってきた。

とりあえず公園で練習してみてもいいかな。

そんなことを考えていると公園に付いたので

ベンチでヴァイオリンを出して弾く。

すると見覚えのある銀髪の女性に話しかけられる。

 

ことり「ヴァイオリン、ご上手ですね」

 

「ありがとうございます」

 

ことり「プロの方なんですか?」

 

これってどう答えればいいんだ?

一応この世界ではヴァイオリニストだし『yes』でいいかな。

 

「一応、ヴァイオリニストです」

 

ことり「やっぱり!」

 

どうやら俺のことをことりは知らないみたいだな。

やっぱり世界を渡ってるんだな…

 

ことり「何でここで弾いていたんですか?」

 

「散歩のついでにね」

 

俺とことりがそんな会話をしているとどこからか悲鳴が聞こえる。

 

「何だ?」

 

するとことりが悲鳴の方へと走り出す。

俺はまたどこからか現れたバイクに乗って悲鳴の方へ向かう。

向かっている途中に走っていることりを見つけたので読んでみる。

 

「ことり!」

 

ことり「えっ!?」

 

「乗れ!」

 

俺はことりにヘルメットを投げる。

 

ことり「どうして私の名前を?」

 

「今はそんなこと言ってる暇はない!」

 

ことりが乗ったのを確認して俺は発進する。

俺とことりが現場にたどり着くと、ファンガイアが人を襲っていた。

とりあえずベルトを取り出すと横でことりは腕を上げていた。

 

ことり「キバットちゃん!」

 

キバット「よっしゃー、キバっていくぜー!」

 

ことりが、キバットと呼ばれたコウモリを腕にかませる。

 

『ガブッ』

 

ことりの腹部にチェーンが巻かれて、ベルトが現れる。

 

ことり「変身!」

 

キバットがベルトに装着され、

ことりがこの前の仮面ライダーに変身した。

これは変身しないで戦った方がよさそうだな…

俺はライドブッカーを取り出して、ファンガイアを狙撃する。

 

ことり「えっ!?」

 

「俺が援護するからことりは接近戦を頼むよ」

 

ことり「はい…?」

 

それだけ言ってすぐに後ろに移動する。

後ろの方から何発もの弾丸をファンガイアに撃ち込む。

出来ればそこに追撃してほしかったのだがことりは棒立ちしたままだ。

 

「ことり、早く攻撃を!」

 

ことり「はい!」

 

俺がそう叫んでことりが攻撃を始める。

まだ戦いに慣れてないのかな?

でも、それならあんなに戦略的な立ち回りは難しいと思うんだけどな…

2人で攻撃を続けていくとファンガイアが体制を崩す。

 

『ウェイクアップ』

 

月が現れ、辺りが暗闇に包まれる。

ことりが右脚を高く振り上げ、キバットが右脚の鎖を断ち切ってそして

そのまま天高く上昇し、とんぼ返りで体制を整えて飛び蹴りを放つ。

その飛び蹴りを食らったファンガイアの周りにはコウモリのような紋章が現れる。

ファンガイアはガラスになり砕け散る。

 

「終わったみたいだね」

 

すると変身を解いたことりとキバットが俺のもとへと歩いてくる。

 

ことり「お話、いいですよね」

 

逃げようかな。

俺は少しずつ後ずさる。

 

ことり「逃げたらことりのおやつにしちゃうぞ♪」

 

なぜか足が氷ついたように動かない。

 

「足が動かない…」

そうして俺はことりに捕まってどこかへと連れて行かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの城

 

俺はとある一室に通されていた。

そういえばここら辺ってなんでこんなに暗いんだろう?

そんなことを考えているとことりが部屋に入ってきた。

 

ことり「待たせちゃってごめんなさい」

 

「大丈夫だよ」

 

ことりが席に座る。

 

「で、話って何かな?」

 

ことり「あなたは何者なんですか?」

 

「俺は時渡永斗。ヴァイオリニストだよ」

 

ことり「では、時渡さん。なんで私の名前を知っているんですか?」

 

「知り合いだからでいいのかな?」

 

ことり「私の知り合いの中に時渡さんはいないよ?」

 

「別世界の南ことりだからね」

 

ことり「別世界…」

 

すると誰かがティーカップを持って入ってきた。

なぜかその人の姿に見覚えがあった。

 

穂乃果「ことりちゃん、お茶持ってきたよ」

 

ことり「ありがとう、穂乃果ちゃん」

 

どうやらこの世界の穂乃果のようだ。

 

穂乃果「あれ、永斗君?」

 

「え?」

 

普通に名前を呼ばれて驚いている自分がいた。

 

穂乃果「やっぱり永斗君だ!」

 

ことり「知り合い?」

 

穂乃果「うん!」

 

「なんでこの世界の穂乃果が俺のことを知ってるんだ?」

 

穂乃果「それはね…」

 

「それは?」

 

穂乃果「この世界の私じゃないからだよ!」

 

「へぇ~」

 

穂乃果「驚かないの?」

 

「世界を移動できるのは俺たちだけとは限らないからね」

 

ことり「話を戻してもいいかな?」

 

穂乃果「あっ、ごめんね。話の途中で」

 

ことり「時渡さんも穂乃果ちゃんと同じ世界から来たんですか?」

 

「違うよ。俺はディケイドとして世界を旅しているんだ」

 

ことり「ディケイド!?」

 

ことりが反応するとともに、表情が険しくなる。

するとことりが穂乃果の近くで俺に聞こえない程度の声で話し出した。

 

穂乃果「どうしたの?」

 

ことり「時渡さんってどんな人?」

 

穂乃果「いい人だよ」

 

ことり「どんなふうに?」

 

穂乃果「何て言うんだろ~」

 

ずっと会話をしている穂乃果たちを待っていると

穂乃果たちが戻ってきた。

 

ことり「ごめんなさい!」

 

戻ってきたとたんにことりが謝ってきた。

 

「どうしたの?」

 

ことり「昨日、急に襲っちゃって」

 

「それならいいよ」

 

ことり「私、鳴滝さんっていう人にディケイドは

    世界を破壊するって聞いていたんです」

 

「鳴滝?」

 

穂乃果「ことりちゃんの所に茶色いコートと帽子をかぶった

    男の人が来てたんだって」

 

「なるほど…」

 

鳴滝という男は記憶にとどめておいた方がよさそうだな。

すると突如、銀色の幕が現れて俺の体を飲み込んだ。

 

穂乃果「永斗君!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある海の浜辺

 

「ここは…」

 

雪穂「時渡さん!」

 

「雪穂?」

 

雪穂「ここってどこか分かりますか?」

 

「分かったら苦労しないね」

 

雪穂「はい…」

 

???「何故、ディケイドが!」

 

崖の上の方でそう叫んでいる声が聞こえたので見上げると

茶色いコートと帽子をかぶった男がいた。

 

「あんたが鳴滝か」

 

鳴滝「何故、私の名前を…」

 

「残念だけど俺は世界を破壊する気なんてさらさらない」

 

鳴滝「そんなの信じられるか!やれ、ディエンド!」

 

雪穂「嫌です」

 

鳴滝「何!?」

 

雪穂「親友の知り合いを殺せるほど悪人ではないので」

 

鳴滝「こうなったらお前もここで死ぬといい!」

 

鳴滝が手を振り上げると、銀色の幕が出現した。

銀色の幕が移動して鳴滝が消えると共に一人の青年が立っていた。

 

???「あれ?」

 

俺と雪穂が警戒していると、

青年がこっちの方へと歩いてくる。

 

???「君ってディケイド?」

 

「そうだけど」

 

???「じゃあ、判決を言い渡そう。死だ」

 

青年がそう言うとどこからか白いものが腰に装着される。

 

???「変身」

 

その青年は白い棒のような物を差して引き抜く。

青年は白い仮面ライダーに変身する。

 

サガ「僕は仮面ライダーサガ。ファンガイアの王さ」

 

「雪穂、とりあえず行くぞ!」

 

雪穂「はい!」

 

「「変身!」」

 

『『KAMENRIDE』』『DECADE』

         『DIEND』

 

変身を終えた俺と雪穂でサガに攻撃する。

 

サガ「2対1なんてひどいな」

 

雪穂「2人で済んだらいいですね」

 

雪穂がそう言うとカードケースから3枚のカードを取り出して、

ディエンドライバーに差し込む。

 

『KAMENRIDE』 『IXA』

 

『KAMENRIDE』 『ARC』

 

『KAMENRIDE』 『REY』

 

ディエンドライバーのトリガーを引き、

3対のライダーが召喚される。

どうやらディエンドは他のライダーを呼び出せるようだ。

 

「なら俺も」

ライドブッカーからクウガのカードを取り出してベルトに差し込む。

 

『KAMENRIDE』『KUUGA』

 

俺の姿がクウガに変わり、サガに攻撃する。

 

サガ「おっと」

 

サガはその攻撃を軽く避けて鞭のようなもので攻撃してくる。

 

「ならこれだ」

 

俺はライドブッカーからカードを取り出してベルトに差し込む。

 

『FORM RIDE』『TITAN FORM』

 

姿が赤いアーマーから紫のラインが入った銀のアーマーに変わり、

取り出したライドブッカーがタイタンソードへと変わる。

 

「行くぜ!」

 

俺はタイタンソードでサガを切りかかる。

サガは鞭のような物でタイタンソードを受け止める。

受け止めている所を雪穂とイクサが狙撃する。

サガは銃弾を受けてそのままタイタンソードもヒットした。

 

雪穂「決めますよ」

 

「了解」

 

『『FINALATTACK RIDE』』『KU・KU・KU・KUUGA』

『DI・DI・DI・DIEND』

 

雪穂が銃をサガに向けると青緑色の光のカードたちが銃口から

渦を巻くように伸びてサガをロックオンする。

トリガーを引くと周りのライダーたちが銃弾に吸い込まれ、

一つの弾丸に変わってサガにヒットする。

そして吹っ飛ばされたサガを封印エネルギーがチャージされた

タイタンソードでサガに刺す。封印エネルギーが流れ込み、サガが爆発した。

サガは消えてカードに変わった。

 

「どうなってるんだ…」

 

鳴滝「やはり貴様は世界の破壊者だ。おのれディケイド!!」

 

突然現れた鳴滝はそう言って消えて行った。

とりあえず落ちているカードを拾うと雪穂が質問してきた。

 

雪穂「破壊者ってどういうことですか」

 

「どうやら俺は世界の破壊者って認知されてるみたいなんだ」

 

雪穂「そうなんですか」

 

「昔の記憶がないからよく分からないんだ」

 

雪穂とそんな話をしていると、とあることに気づいた。

 

「どうやって帰る?」

 

雪穂「あっ」

 

俺と雪穂が悩んでいるとまた銀色の幕が現れて俺たちの体を通り抜けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月ノ宮写真館

 

気づくと写真館の部屋にいた。

夕日が奇麗に見える。かなりの時間あっちにいたようだ。

 

亜里沙「おかえりなさい!」

 

「ただいま」

 

亜里沙「雪穂、急に消えちゃったけどどうしたの?」

 

雪穂「時渡さんと一緒に浜辺?に飛ばされてたみたい」

 

亜里沙「そうなんだ」

 

何にも驚かずに返事ができる亜里沙って何者なんだ?

とりあえず夕飯の用意しないとな…

俺はキッチンに移動して冷蔵庫を開ける。

具材は十分すぎるほど入っていた。

いったい何日分の食糧なんだ?

 

「雪穂、亜里沙。何食べたい?」

 

雪穂「何でもいいですよ」

 

「じゃあ、適当に作るよ」

 

とりあえず、ハンバーグとかでいいかな。

冷蔵庫から材料を取り出して調理を始める。

すると写真館の扉が開く。

 

穂乃果「ごめんくださ~い」

 

ことり「穂乃果ちゃん、待って!」

 

俺が写真館の入り口に向かうとそこには穂乃果とことりがいた。

 

「穂乃果にことり?」

 

穂乃果「やっぱりここであってたよ、ことりちゃん!」

 

ことり「そうだけど…」

 

「どうしたの?」

 

ことり「穂乃果ちゃんが時渡さんに会いに行くって聞かなくって…」

 

「何か用でもあったの?」

 

穂乃果「永斗君にこの世界の事、教えてあげよっかなって」

 

「ああ、それは助かる」

 

穂乃果の話によるとこの世界はファンガイアと人間が共存している。

しかし、時に人間を襲う輩もいるようでそれを裁くのが

ことりや穂乃果たちらしい。

 

「なるほど、なるほど」

 

亜里沙「でも、穂乃果さんはクウガの世界の住民でしたよね?」

 

穂乃果「そうだよ」

 

亜里沙「じゃあ、どうやってこの世界に?」

 

穂乃果「それは…」

 

???「ハーイ♪」

 

「うぉっ!」

 

穂乃果「あっ、キバーラだ!」

 

「キバーラ?」

 

キバーラ「そうよ。私がキバーラ」

 

亜里沙「コウモリなんですね!」

 

「見た感じはキバットとかと同じ種族かな?」

 

キバーラ「ふふふ、そうよ~」

 

なんか謎が多い気がするけどまあいいか。

 

「あ、そうだ。穂乃果、ことり、夕飯食べてくか?」

 

ことり「いいの?」

 

「具材は腐るほどあるからな」

 

穂乃果「やったー!」

 

俺はキッチンに戻って冷蔵庫から追加の肉を取り出す。

人も増えてたしさっさと作ってしまおう。

 

 

 

 

 

 

 

 

穂乃果「おいしー!」

 

ことり「美味しいね」

 

雪穂「ほんとだ」

 

亜里沙「永斗さん、今度作り方教えてください!」

 

「いいよ」

 

そうしてみんなで夕飯を食べていると急に写真館のガラスが割れる。

 

「敵襲か?」

 

すると割れた窓からファンガイアらしき怪物が入ってきた。

 

雪穂「亜里沙、下がって!」

 

亜里沙「うん」

 

穂乃果「永斗君、ことりちゃん!」

 

ことり「キバットちゃん!」

 

ことりが腕を上げると窓からキバットが飛んでくる。

キバットがことりの腕を噛み、ことりの顔に模様が現れる。

俺もライドブッカーからカードを取り出し、

穂乃果もアークルを出現させて構える。

雪穂もディエンドライバーにカードをセットする。

「「「「変身!」」」」

 

『『KAMENRIDE』』『DECADE』『DIEND』

 

それぞれがそれぞれのライダーに変身して、

ファンガイアを俺が写真館の外へと蹴り飛ばす。

外に出ると大量のファンガイアの群れが辺りを埋めていた。

 

「こいつら全員、裁きの対象か?」

 

ことり「そうだよ」

 

雪穂「大変そうですね」

 

穂乃果「行くよ!」

 

穂乃果の掛け声と共にファンガイアの大群へと突っ込む。

予想以上の量の大群を拳でなぎ倒していく。

 

『ATTACK RIDE』『SLASH』

 

スラッシュのカードを使用して強化された剣でファンガイアを砕く。

 

『ATTACK RIDE』『INVISIBLE』

 

カードの効果で透明化して隠れながらファンガイアに攻撃する。

やっぱりこっちの方が戦いやすいよな…

 

『ATTACK RIDE』『BLAST』

 

どこからか飛んできた弾丸が俺の体に当たって透明化が解ける。

 

雪穂「時渡さん!?」

 

「雪穂の弾丸だったのね」

 

雪穂「ごめんなさい、気づかなくて」

 

「透明化してたから仕方ないよ」

 

俺はそう言ってライドブッカーからカードを取り出す。

 

「じゃあ、一緒に行こうか」

 

雪穂「はい!」

 

『『ATTACK RIDE』』『『BLAST』』

 

俺と雪穂が背中合わせに立ってそれぞれの方角にいるファンガイアに銃弾を放つ。

放った銃弾は全てファンガイアに命中するが砕ききることはできなかった。

 

雪穂「これならどうですか?」

 

『KAMENRIDE』『RIOTROOPER』

 

雪穂「行ってらっしゃい、私の兵隊さん」

 

大量のライオトルーパーが召喚され、

ファンガイアたちを攻撃し始める。

 

『ドッガハンマー』

 

ことりがファンガイアの群れの中から飛び出してきて、

巨大なハンマーをファンガイアたちに叩きつける。

ハンマーの下敷きになったファンガイアたちは砕け散る。

するとどこからか一瞬黒い影が目の前を通り過ぎた。

 

キバット「うぉ!」

 

キバットのそんな声が聞こえたと思うとことりの変身が解けていた。

 

ことり「えっ!?」

 

ビートルF「我が娘よ、これは私が戴くぞ」

 

ファンガイアはキバットを持って消えた。

それと同時に当たりにいたファンガイアの群れも消えた。

我が娘とは一体どういうことなのだろうか。

とりあえず本人に聞いてみるか。

 

「ことり、あのファンガイアが言ってたことって本当?」

 

ことり「実は私、ファンガイアと人間のハーフなの」

 

穂乃果「ええ!?」

 

どうやら穂乃果も知らなかったらしい。

と言うかハーフってなんだ?

俺が聞こうとすると亜里沙が先に聞いた。

 

亜里沙「ハーフってどういうことですか?」

 

ことり「昔、ファンガイアの王が一人の女性に恋をしました。

    しかし、ファンガイアと人間が結ばれるなど

    許されるわけがありませんでした。

    そうして王が取った決断は…」

 

「駆け落ちしたのかな?」

 

ことり「はい。そうして私が生まれたんです」

 

確かこいつもファンガイアの王って言っていたなような…

俺はライドブッカーからサガのカードを取り出す。

 

ことり「それは?」

 

「こいつも自分がファンガイアの王って言っていたんだ」

 

ことり「これは…」

 

俺からカードを受け取ったことりはそのカードを見つめていた。

 

ことり「あの人だ!」

 

「誰か分かるの?」

 

ことり「登さんだよ」

 

「登さん?」

 

ことり「私の親戚だよ♪」

 

ことりの親戚倒しちゃったけど大丈夫かな?

 

ことり「でもどうして時渡さんがこのカードを?」

 

「拾った」

 

とりあえず登さんを倒したことは伏せておいた。

すると雪穂がこっちの方に来た。

 

雪穂「写真館の窓ガラスを片付けませんか?」

 

「そうだった…」

 

亜里沙「私も手伝います!」

 

俺と亜里沙は写真館に戻って箒と塵取りを使って割れたガラスを片付ける。

しばらくして穂乃果が雪穂と一緒に写真館の中に入ってきた。

 

「ことりは?」

 

穂乃果「帰ったよ」

 

「穂乃果はよかったの?」

 

穂乃果「ことりちゃんにも悪いし、雪穂がまだ部屋開いてるかもよって」

 

「まだまだ部屋はあるし、大丈夫だよ」

 

穂乃果「ありがとう!」

 

とりあえず穂乃果を2階の開いている部屋へと案内する。

 

穂乃果「広いね!」

 

「何か必要なものがあったら言って」

 

穂乃果「分かった!」

 

俺は穂乃果の部屋を出て祖父の部屋へと向かう。

クウガの本もあったしあのライダーに関する本もあると踏んで本棚を探す。

 

「こいつか…」

 

表紙に「2008」と書かれた本を取り出して中を読み始める。

本の内容はファンガイアと人間の共存に関することだった。

あいつは先代キングのビートルファンガイアで、

正式な継承は行われていないが本には娘が継いだとだけ書いてある。

娘というのはことりのことだとみてまず間違いないだろう。

すると最後のページに仮面ライダーキバのことについてまとめられていた。

何でか1ページに詰め込んである。

 

「黄金の鎧か…」

 

キバの真の力が黄金の鎧か?

ことりがキバットにかまれてなるのがキバの鎧で

その力を開放したのが黄金の鎧らしいな。

キングを倒すにはぜひとも用意しておきたいな…

でも、キバットがいなかったら元も子もなかったな。

すると表紙とブックカバーの隙間に紙が入っていることに気づく。

その紙を広げてみるとそこにはどこかの地図が書いてあった。

 

「城の見取り図か?」

 

さらにもう一枚の紙の中を確認すると、

今度は東京らしきところの地図に赤い点と数字が書いてあった。

これって何かの地図とかだったりするのか?

俺が部屋で悩んでいると誰かが部屋へと入ってきた。

 

亜里沙「永斗さん」

 

「どうしたの亜里沙?」

 

亜里沙「これをどうぞ」

 

亜里沙の手にはコーヒーが握られていた。

 

亜里沙「たまには休憩も大事ですよ♪」

 

「ありがとう」

 

俺はそう言ってコーヒーを受け取って亜里沙の頭を撫でる。

 

亜里沙「永斗さんに撫でてもらうの気持ちいいです」

 

「そうかな?」

 

亜里沙「はい、とっても」

 

「じゃあ、もっと撫でてあげるね」

 

亜里沙「ハラショ~」

 

しばらく亜里沙の頭を撫でていると今度は雪穂が入ってきた。

 

雪穂「亜里沙~、何してるの?」

 

雪穂がドアの隙間からこちらを覗くと固まった。

 

雪穂「何やってるの!?」

 

亜里沙「雪穂も撫でてもらいなよ~」

 

雪穂「ええ!?」

 

亜里沙「気持ちいいよ~」

 

雪穂「亜里沙がそこまで言うなら…」

 

雪穂がそう言うと亜里沙の横に座った。

 

雪穂「お願いします」

 

とりあえず雪穂の頭も撫でる。

すると雪穂の顔が少しトロンとした。

 

雪穂「確かに気持ちいいね~」

 

亜里沙「でしょ~」

 

しばらく2人の頭を撫で続ける。

俺から始めたことだがどうしてこうなったんだ?

そろそろ腕もきついしな…

 

「はい、おしまい」

 

俺は2人の頭から手を離す。

 

亜里沙「もう終わりですか?」

雪穂「もっとやってほしいです」

 

「ごめん、腕が…」

 

すると穂乃果が部屋に入ってきた。

 

穂乃果「永斗君」

 

「どうかした?」

 

穂乃果「冷蔵庫のプリンって食べていい?」

 

「いいよ。3つあるから亜里沙たちも食べておいで」

 

亜里沙「永斗さんの分は?」

 

「大丈夫だよ」

 

俺がそう言うと3人は下の階へと降りて行った。

 

「さて、作業に戻りますか」

 

ふと見ると机の上のコーヒーはまだ少し湯気が立っていた。  




亜里沙と雪穂の頭を撫でたい。
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#05 響く旋律/父と娘

主人公の設定書くの忘れてたのでここで出しときます。

時渡永斗(ときわたり えいと)
2002年1月30日生まれ 
長男 16歳 みずかめ座
身長183cm 体重65.8㎏
記憶をなくしていて目覚めると写真館にいた。
亜里沙とは写真館で出会い常連となった。
机の上に置いてあった紙でこの写真館は永斗の祖父から受け継いだものだと判明し、
暇な時に読んでいた祖父の本で仮面ライダーの知識をつけた。


キバットが盗まれた次の日からファンガイアの動きは活発化していた。

主にビートルファンガイアが政治を乗っ取ったりしていた。

 

「結構取り返しがつかないことになってきたね…」

 

雪穂「政治も乗っ取られちゃいましたしね」

 

亜里沙「ことりさんも変身できなくなっちゃうし…」

 

穂乃果「どうすればいいんだぁぁ!!」

 

「ことり、あの王様の居場所ってわかる?」

 

ことり「心当たりはあるけど…」

 

「じゃあ、準備が整ったら行ってみよっか」

 

ことり「うん」

 

「みんなも用意しておいて」

 

穂乃果「分かった!」

 

あっ、そういえばこないだタンスの中であれを見つけたんだ。

祖父の書斎のタンスから銃型の武器、ファンガイアバスターを取り出す。

なぜかカラーリングが本体カラーが白で

青い線が入っていたところが紫色になっていた。

なぜこの色になったかは分からないが護身用として亜里沙に渡しておこう。

そうだ説明書も渡しておかないと…

書斎から出てテレビを見ている亜里沙に話しかける。

 

「あ~りさ」

 

亜里沙「なんですか?」

 

「これあげるよ」

 

亜里沙「ありがとうございます」

 

「はい、説明書」

 

亜里沙は渡した説明書を読み始める。

 

亜里沙「ボウガンですか?」

 

「フックガンにもなるみたいだよ」

 

亜里沙「私にうまく使えるかな…」

 

雪穂「大丈夫、私も一から練習してこれを使いこなせるようになったから」

 

そういいながら雪穂がディエンドライバーを回しながら取り出す。

 

亜里沙「じゃあ、私も頑張る!」

 

「これで練習したらどう?」

 

俺はコーラの空き缶を取り出す。

 

雪穂「これを的に使えってことですか?」

 

「正解」

 

亜里沙「雪穂、行こ!」

 

雪穂「うん!」

 

2人は写真館を出てすぐ前の駐車場に缶を立てて缶を撃ち始める。

 

穂乃果「永斗く~ん。お茶~」

 

「はいはい」

 

ソファの上で寝転んでいる穂乃果の前の湯飲みにお茶を注ぐ。

キッチンで料理を始めようと棚を開けると包丁が刺さっているところに

包丁ではないものが刺さっていることに気付いた。

 

「なんだろう…」

 

手に取ってみると2つのパーツのようなものに分かれていて

つないでみると剣のようなパーツが出てきた。

スマホで検索をかけてみるとファンガイアスレイヤーという武器が出てきた。

 

「1986年の武器か…」

 

これもまた対ファンガイア用の武器なのか。

なら、これも亜里沙に渡しておこう。

俺はファンガイアスレイヤーをもって写真館の駐車場に行く。

 

「練習は捗ってる?」

 

亜里沙「はい、かなり当たるようになってきました!」

 

雪穂「亜里沙、上達がすごく早いんですよ!」

 

「じゃあ、これの練習もしてみたら?」

 

亜里沙「これは?」

 

「ファンガイアスレイヤーだって」

 

雪穂「今度は剣の武器ですか…」

 

「これをこうすれば鞭にもなるよ」

 

パーツを組み替えていくと鞭の形に変形する。

 

亜里沙「すごいですね!」

 

雪穂「でも、私じゃ剣の使い方は…」

 

「大丈夫。俺が教えるよ」

 

亜里沙「ありがとうございます!」

 

「雪穂、ついでに穂乃果も引っ張ってきて」

 

雪穂「分かりました」

 

ことり「みんな、何してるの?」

 

すると突然、ことりが写真館から出てきた。

 

「亜里沙の特訓だよ」

 

ことり「私にも手伝えるかな?」

 

「剣術の特訓だから、ことりにも手伝ってもらえるかな」

 

ことり「うん!」

 

ことりとの話が終わり、少しすると雪穂が穂乃果を引きずり出してきた。

 

雪穂「お姉ちゃんもみんながやってるんだから行く!」

 

穂乃果「嫌だ~!」

 

「まあまあ、これが終わったら俺のプリンあげるから」

 

穂乃果「いいの!?」

 

チョロイな。

 

穂乃果「よし、がんばるぞ!おー!」

 

そうしてみんなで特訓を始める。

亜里沙は尋常じゃないくらいに上達が早かった。

ほんの数時間でボウガンとフックガンの命中率は100%になっていた。

 

雪穂「すごいよ、亜里沙!」

 

亜里沙「えへへ///」

 

何この天使、めちゃくちゃ可愛いんですが。

 

「ほんとに頑張ったね」

 

俺は亜里沙に近づいて頭をなでる。

 

亜里沙「ありがとうございます///」

 

「じゃあ、軽く剣の使い方だけ教えたら今日は寝ようか」

 

亜里沙「分かりました」

 

亜里沙がファンガイアスレイヤーで

写真館から持ってきた板を真っ二つにする。

 

「すごい切れ味…」

 

こんなのを中学生に持たせて大丈夫かな…

とりあえず剣の使い方だけ亜里沙に教えて今日は写真館に戻った。

そういえばファンガイアスレイヤーって鞭にもなったけど、

鞭って使ったことないしどうやって教えればいいんだろう…

そんなことを考えながら眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

次の日…

 

目が覚めると俺は暗い路地のようなところにアタッシュケースを持って立っていた。

そのアタッシュケースの中には銀のベルトとその他機械類が入っていた。

どうやら今の俺はディケイドライバーを持ってはいなかった。

中に入っている説明書を読んでいく。

 

「これがデルタギアか…」

 

実際に手に取ったのは初めてだが結構ゴツイ…

とりあえず巻いておくか。これつけるのに結構時間かかるみたいだし。

大通りに出ようと歩いているとガラの悪いおっさんが

女子生徒のような人に絡んでいた。

 

女子生徒「やめてください!」

 

おっさん「いいじゃないか」

 

これは助けるべき。いわゆる恋愛ゲームのイベント。

とりあえずこいつで撃ってみるか。

 

「おい、そこの爺」

 

おっさん「なんだ、お前」

 

「そこまでにしとけよ」

 

おっさん「痛い目を見たくなかったら失せろ」

 

「はいはい」

 

おっさん「後悔しても遅いぞ!」

 

するとそのおっさんはUSBメモリのようなものを取り出してボタンを押す。

 

『アフロディシック』

 

「おい、それって!」

 

首筋にそのメモリを差し込むと怪物に姿が変わる。

霧のようなものがあたりに立ち込め始める。

急いでポケットに入っていたハンカチで鼻と口を抑える。

 

「この霧を吸っちゃだめだ!」

 

女子生徒「えっ!?」

 

腕に持っていたデルタフォンのトリガーを引いて叫ぶ。

 

「変身!」

 

『Standing by』

 

デルタギアのサイドバックルに取り付けられた

デルタムーバーにデルタフォンを差し込む。

 

『Complete』

 

俺の体に白いラインが現れてそのラインが

スーツの形を形成して仮面ライダーデルタに変身する。

すると脳に激しい痛みが走る。

 

「ヴァァァ!!」

 

どうにかその痛みを抑え込んでデルタムーバーを怪物に向ける。

 

「ファイヤ…」

 

『Burst Mode』

 

デルタムーバーのトリガーを引いて怪物に弾丸を撃ちこむ。

霧のせいで視界が悪く、このまま撃っていたらさっきの子にあたりそうだ。

 

「3・8・2・4」

 

『Jet Sliger. Come Closer.』

 

俺は慌てて怪物を近くの広場に蹴り飛ばす。

すると大型のバイクが走ってきて怪物にぶつかる。

その巨大なバイクに乗り込んでシステムを起動する。

 

「こいつをくらえ!」

 

ボタンを押して32発のミサイルを怪物に向けて発射する。

爆発の煙で視界が覆われている中でデルタムーバーに

ベルトから取り外したミッションメモリーをセットする。

 

『Ready』

 

「チェック」

 

『Exceed Charge』

 

爆風で霧が晴れたと同時にデルタムーバーのトリガーを引いて

怪物に向かって三角錐状のポインターを射出する。

そのまま飛び上がって怪物に向かって必殺のキックを打ち込む。

そしてそのままポインターの中に吸い込まれ、

数秒後に怪物の後ろから飛び出す。

そのまま怪物は赤い炎をまといΔのマークが浮かび上がる。

そうしてそのまま灰へと変わった。

 

「無言とはあっけない最後だな」

 

灰の中にはさっき使用したメモリが落ちていた。

そのメモリを拾ってよく見てみると「A」のイニシャルが刻まれていた。

なんだろうと思いながらもさっきの女子生徒のところへ向かう。

 

「大丈夫?」

 

女子生徒「はい」

 

その女子生徒は濃い緑髪の八重歯が特徴だった。

少し息が荒くなっていたが大丈夫だろうと判断してその場を去る。

 

女子生徒「あの、お名前は!」

 

その子が何か言っているように聞こえたが俺は無視して走る。

少し先の公園の片隅でベルトを取り外して変身を解除する。

 

「思ったより負担が大きい…」

 

というかここってどこなんだろう…

俺って昨日はちゃんととベッドで寝たよね?

一体どうしてこうなったんだろう。

するとさっき使ったハンカチがないことに気付く。

 

「落としてきちゃったか」

 

写真館にあったやつ、気に入ってたのにな~

するとさっき変身したせいか頭痛が襲ってきた。

俺はそのまま倒れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

目が覚めると自室のベッドの上で寝ていた。

 

「夢か…」

 

ベッドから起き上がると手に何かを持っているのに気づく。

手に持っていたのは夢の中で戦っていたあいつが持っていたUSBメモリだった。

まさか夢じゃなかったとか?するとテーブルの上に

見慣れないケースが置いてあった。

 

「まさかな…」

 

開けてみると中にはデルタギアが入っていた。

やっぱり夢じゃなかったと。

それにしてもなんなんだろうこのメモリ…

とりあえずしまっておこう。

そうして自分の部屋から出て撮影室に向かう。

 

「おはようって誰もいない…」

 

テーブルの上に紙切れが置いてある。

 

「喫茶店に行ったのか…」

 

置いて行かれたことに関しては置いといて

俺もどこかで朝食をとることにしよう。

写真館のすぐ近くのコンビニに入る。

 

店員「いらっしゃいませ」

 

棚からグラタンをとってレジに向かう。

そういえばいつファンガイアの根城に乗り込もうか…

そんなことを考えながら会計を終えて写真館へと戻る。

 

「一人飯か…」

 

なんか心に来るものがあったが気にせずにグラタンを食べ進める。

やっぱりコンビニのグラタンは正義だ。

するとちょうど食べ終わったころに亜里沙たちが帰ってきた。

 

穂乃果「ただいま~!」

 

「おかえり」

 

雪穂「永斗さん、おはようございます」

 

亜里沙「朝ごはん、どうしました?」

 

「コンビニで済ましたよ」

 

ことり「ごめんね、おいて行っちゃって」

 

「寝てた俺も悪いし…」

 

するとまた銀色の幕が現れ、ここにいる全員を包み込んだ。

 

穂乃果「何!?」

 

雪穂「お姉ちゃん、落ち着いて!」

 

ことり「大丈夫なの!?」

 

「出る場所にもよるけど…」

 

亜里沙「どうせれば出られるんですか?」

 

「時間経過で出れるよ」

 

数秒後には城の外壁が目の前にあった。

 

雪穂「ここは…」

 

ことり「お父さんがいる場所だよ」

 

「言い切るってことはここにいるんだね」

 

ことり「うん」

 

「とりあえず入ってみようか」

 

みんながうなずいたことを確認し、

ことりに教えてもらった裏道から城内に進入する。

 

「亜里沙、武器はちゃんと動く?」

 

亜里沙「大丈夫です」

 

武器の動作だけ確認してから城内を歩き始める。

城内は洋風というよりも戦車の中のような造形をしている。

ことりの話によれば王の間に行けばいいらしい。

近くの部屋を漁りながら王の間を探す。

すると図書室のようなところにたどり着く。

 

亜里沙「図書室ですかね?」

 

「そうだと思う」

 

穂乃果「本がいっぱいある!」

 

「図書館だからね」

 

雪穂「ことりさん、ここって何かあるんですか?」

 

ことり「確かこの辺りに…」

 

ことりが本棚に入っている一冊の本を押した。

すると本棚が動き出して地下室への階段が現れる。

 

穂乃果「階段だ!」

 

「ダンジョンみたいな仕掛けだね…」

 

亜里沙「行ってみましょう!」

 

雪穂「待ってよ、亜里沙!」

 

亜里沙が走っていくのを雪穂が追いかける。

するとどこからか『ジャキッ』というのような音がした。

どうやら地下室の方からの音らしく俺たちも地下室へと向かう。

到着すると亜里沙が針山の目の前で転んでいた。

 

「どうした!?」

 

雪穂「急にこれが出てきて…」

 

「罠もあるのか…」

 

ことり「床にスイッチがあって踏んだら罠が起動するみたい」

 

穂乃果「じゃあ、罠に気を付けてすすもっ!」

 

そうしてまた俺たちは歩きだす。

歩いている間に牢屋や倉庫があったりした。

曲がり角を曲がると大きな扉が目の前に現れた。

 

穂乃果「おっきい~」

 

ことり「開けてみる?」

 

「そうしよう」

 

そういって俺が扉を押しても扉はビクともしない。

どうやら扉が錆びついていて開かなくなっているようだ。

 

雪穂「どうしたんですか?」

 

「扉がさびてて開かない…」

 

穂乃果「それなら、穂乃果に任せて!」

 

穂乃果が腰に手を当て、アークルを出現させる。

 

穂乃果「変身!」

 

アークルの光に包まれた穂乃果はクウガへと変身する。

そして穂乃果が助走をつけて走り出し、扉を蹴破る。

 

穂乃果「これで通れるよ!」

 

亜里沙「さすが穂乃果さん!」

 

とりあえず通れるようにった扉の奥には螺旋階段があった。

しかしその階段は上の方まで届いていなかった。

 

雪穂「永斗さん!」

 

「どうしたの?」

 

雪穂「こんなものが」

 

雪穂が指をさしたところには石板のようなものがあった。

石板には楽譜のようなものと王の音を奏でよと書かれていた。

 

ことり「どうしたの?」

 

「これが書いてあって…」

 

ことりがその石板を読み始める。

俺も何かないかと探していると石板の下に扉がついていることに気付いた。

開けてみると中にはクリアケースに入ったヴァイオリンがあった。

こいつであの石板の譜面を引けばいいのか?

とりあえずクリアケースを開けようとしても開かない。

 

「あれ?」

 

亜里沙「開かないんですか?」

 

「何か特殊なカギでもあるのかな?」

 

穂乃果「じゃあ、私がまたこじ開けるのは?」

 

「中のヴァイオリンが傷つくのはちょっと…」

 

ことり「私がやってみるよ」

 

ことりがクリアケースに手をかけると鍵が外れる音がした。

俺はもう一度石板の文字を確認すると小さい文字で、

「奏でる資格は王の血の者にあり」と書いてあった。

 

「どうやらことりにこのヴァイオリンを弾いてもらう必要があるみたいだね」

 

ことり「できるかな?」

 

「大丈夫。俺が教えるよ」

 

亜里沙「教えれるんですか?」

 

「弾けるだけだけどどうにかしてみるよ」

 

そうしてことりにヴァイオリンの弾き方を教える。

するとヴァイオリンの音を聞きつけたファンガイアがやってきた。

 

ファンガイア「侵入者か!」

 

「面倒なのが来たな…」

 

亜里沙「ここは私に任せてください!」

 

亜里沙がそう言ってファンガイアスレイヤーとファンガイアバスターを構える。

 

「でも…」

 

雪穂「私が援護します」

 

ここで止まるわけにもいかないし任せるか。

 

「じゃあ、頼んだよ」

 

そういえば穂乃果は何をしてるんだ?

穂乃果が立っていた方に視線を向けるとそこには穂乃果の姿がなかった。

あいつは肝心な時にいないな…

 

「ことり、続けるぞ」

 

ことり「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイド 亜里沙

 

「私が相手です!」

 

ファンガイア「私がお前のような小娘に敗れるとでも?」

 

「行くよ、雪穂!」

 

雪穂「うん!」

 

ファンガイアバスターを撃ちながら接近する。

正面からの攻撃に警戒しながらファンガイアスレイヤーで切り付ける。

 

『ATTACK RIDE』『BLAST』

 

雪穂が銃を構えたと同時に後ろに下がる。

雪穂が売った銃弾が着弾したことを確認して

ファンガイアバスターで辺りの障害物にフックガンのフックを絡ませる。

ファンガイアスレイヤーにパーツを取り付けて鞭にしてジャンプする。

ファンガイアバスターも持ったまま空中から攻撃を仕掛ける。

 

ファンガイア「ウッ…」

 

「雪穂、決めちゃって!」

 

雪穂「分かった!」

 

『KAMEN RIDE』『IXA』

 

イクサ「その命、神に返しなさい!」

 

『イ・ク・サ・カ・リ・バ・―・ラ・イ・ズ・ア・ッ・プ』

 

現れたその人が構えた剣がファンガイアを切り裂き、砕け散った。

 

「やったね!」

 

雪穂「うん!」

 

 

 

 

 

サイド 永斗

 

爆発音が聞こえたってことは亜里沙たちがやったんだな。

それならさっさとこっちも終わらせてしまおう。

 

「ことり、いけるか?」

 

ことり「うん!」

 

ことりはそういってヴァイオリンを弾き始める。

弾いている曲は何かわからないが暗い音色の曲だった。

すると銀色の幕が目の前に現れてその中から穂乃果が飛び出してきた。

 

穂乃果「帰ってこれた!」

 

「どこ行ってたの?」

 

穂乃果「急に変なところに飛ばされて…」

 

「なるほど」

 

穂乃果「そうだ、はい!」

 

穂乃果が俺に渡してきたのはギャレンのライダーカードだった。

 

「どこでこれを?」

 

穂乃果「飛ばされたところで見つけたんだ♪」

 

「ありがとう、穂乃果」

 

穂乃果「えへへ///」

 

会話をしているうちにことりの演奏が終わり、

地上へと続くであろう階段が開通する。

 

亜里沙「通れるようになってる!」

 

戻ってきた亜里沙がそう言った。

 

「やったな、ことり」

 

ことり「永斗君の教え方が上手だったからだよ」

 

「そう言ってもらえてうれしいよ」

 

雪穂「それじゃあ、登りましょうか」

 

「ああ」

 

階段を登っていくと天井に突き当たった。

どうやら天井を開けることはできないらしい。

 

雪穂「開かないみたいですね」

 

「穂乃果、頼んだよ」

 

穂乃果「分かった!」

 

さっきのように穂乃果が変身して天井を蹴破った。

 

ビートルF「何事だ!?」

 

「こんにちは」

 

俺がひょこっと顔を出す。

 

ビートルF「何の用だ」

 

「あんたが盗った物、返してもらいにな」

 

ビートルF「これのことか?」

 

ビートルファンガイアはキバットを取り出す。

 

ことり「キバットちゃん!」

 

ビートルF「やれ、お前たち」

 

どこからか現れた3体のファンガイアが襲い掛かってきた。

 

ことり「次狼さんにラモンさん、力さんも!?」

 

雪穂「知り合いですか?」

 

ことり「小さい時から面倒を見てもらったりしてたんです」

 

ビートルF「これだけでは終わらないぞ」

 

ビートルファンガイアが腕にキバットをかみつかせる。

すると腰にチェーンが巻き付き、ベルトが現れる。

 

ことり「なんで!?」

 

ビートルF「変身」

 

キバットをベルトに装着してキバに変身した。

 

「嘘だろおい…」

 

穂乃果「永斗君、行くよ!」

 

「「変身」」

 

『KAMEN RIDE』『DECADE』

 

俺と穂乃果が変身して戦い始める。

とりあえず狼にライドブッカーで切り付ける。

 

雪穂「変身!」

 

雪穂もディエンドに変身してゴーレムの相手をする。

 

「穂乃果、その魚人は任せたぞ!」

 

穂乃果「分かった!」

 

『ATTACK RIDE』『ILLUSION』

 

2人に分身してライドブッカーで切り付ける。

 

『『ATTACK RIDE』』『『SLASH』』

 

分身の攻撃は外れたが俺の攻撃はヒットした。

するとそのオオカミの移動速度が上がり、爪で分身が攻撃されて消滅した。

 

「速さならこれだ!」

 

『FOAM RIDE』『PEGASUS FOAM』

 

ペガサスフォームにフォームライドして

ライドブッカーをペガサスボウガンに変えて意識を集中させる。

狼の足音が徐々に近づいてくる。

 

「ここだ!」

 

後ろに振り向いてボウガンの矢を発射する。

砕け散りはしなかったが気絶させることはできたようだ。

フォームライドが解除されて元の姿に戻ると

ライドブッカーでとどめを刺そうと近づく。

 

 

 

 

 

 

サイド 雪穂

 

「貴方の相手は私です!」

 

この怪物はゴーレム?

とりあえずはこの子達で様子見ですね。

 

『KAMEN RIDE』『RIOTROOPER』

 

5体のライオトルーパーが召喚されて戦い始める。

やっぱり見た目通り体が硬いせいで攻撃が通っていないようだ。

 

「これなら!」

 

『KAMEN RIDE』『G4』『OUJA』

 

永斗さんに教えてもらった高い攻撃力が特徴のこの2人ならいけるはず!

 

王蛇「ここか…祭りの場所は…」

 

『ADVENT』

 

どこからか蛇のモンスターが現れる。

すると今度はロケットランチャーを構えたG4が

ゴーレムに向かって大量のミサイルを発射する。

どうやらダメージは入っているようだ。

 

『FINAL VENT』

 

王蛇が蛇の前で飛び上がり、

足をバタバタさせながらゴーレムにキックを決める。

 

「とどめです」

 

『FINALATTACK RIDE』『DI・DI・DI・DIEND』

 

ディエンドライバーのトリガーを引いて

王蛇とG4を巻き込んだ弾丸をゴーレムに打ち込む。

 

「やりました!」

 

そういえば亜里沙はどこに…

 

 

 

 

 

サイド 穂乃果

 

「くっ…」

 

なかなかな手ごわい…

さっきから水鉄砲みたいなの飛ばしてずるいよ~

穂乃果にあんな遠くから攻撃し続けるのは無理なのに~

とりあえずあれをはじくための武器が欲しいな~

すると近くのパイプが目に入る。

 

「これだ!」

 

パイプを回収して叫ぶ。

 

「超変身!」

 

マイティフォームからドラゴンフォームに姿を変えて走り出す。

走り出すと同時に魚人は水の玉のを撃ってくる。

それを手に持っていたパイプが変化したドラゴンロッドではじき返す。

そのままドラゴンロッドを突き刺す。

しかし攻撃力が足りなかったのかとどめまでは持って行けず、

水の弾丸を飛ばしてくる。

 

「わっ!?」

 

とりあえず後退して体制を整える。

 

「集中しないと…」

 

精神を集中する。

するとアークルに金色のパーツが装着される。

辺りに電気が走り、ライジングドラゴンフォームになる。

水の弾丸を高くなった走力で避け切って、空中に飛びあがる。

 

「はっ!」

 

ロッドの先端に備わる矛状のブレードを魚人に突き立てる。

 

魚人「グァァァ!!!」

 

そのまま穂乃果はドラゴンロッドを引き抜く。

 

 

 

 

 

 

サイド 永斗

 

俺がライドブッカーでとどめを刺そうとすると

狼がビートルファンガイアの方へ飛んでいく。

 

ビートルF(以下キング)「あいつらを倒したか」

 

狼の飛んで行った方に行くとさっきの魚人やゴーレムも浮いていた。

 

キング「ここが貴様たちの墓場だ!」

 

キングはベルトの横のフエッスルをキバットに吹かせる。

 

『ガルルセイバー』

 

『バッシャーマグナム』

 

『ドッガハンマー』

 

3つのフエッスルを吹かせ終わると狼たちが吸い込まれ、

キバの胴体が紫に右腕が緑に左腕は青色に変化した。

確かあのフォームも本にあったはずだ。

 

穂乃果「永斗君!」

 

どう戦おうか考えていると穂乃果たちが走ってきた。

 

雪穂「あれは!?」

 

ことり「もしかして、次狼さんたちを?」

 

「それが誰かはよくわからないけどたぶんそうだと思う」

 

穂乃果「永斗君、雪穂、行くよ!」

 

「ああ」

 

キング「はたしてできるかな?」

 

キングが引っ張り出したのは気絶した亜里沙だった。

 

雪穂「亜里沙!」

 

「卑怯な手を…」

 

キング「この娘の命が惜しくばその変身を解け」

 

穂乃果「分かった」

 

穂乃果が変身を解くと同時にアークルが消える。

俺と雪穂もカードを抜き取り変身を解除する。

 

キング「そのベルトをこっちに投げろ」

 

「チッ」

 

キングにディケイドライバーを投げる。

 

「雪穂も投げろ」

 

雪穂「はい…」

 

そうして雪穂もディエンドライバーをキングに向かって投げる。

 

キング「賢い判断だ」

 

「亜里沙を返せ!」

 

キング「よかろう」

 

投げられた亜里沙の体を俺が抱える。

 

「ことり、頼んだ」

 

ことり「うん」

 

俺はキングに話しかける。

 

「なぜおまえは人間との共存を諦めた」

 

キング「人間とは欲深い生き物だ。

    それがこうして世界を破壊している。違うか?」

 

「確かに人間は愚かな生き物かもしれない。それでも夢をもって生きている。

 どれだけ愚かでも夢を追い続けて戦い続ける。それもまた人間。

 ことりだってそうだ。」

 

俺は少し前の記憶をよみがえらせる。

 

 

 

 

 

 

 

「ことりは人間とファンガイアの共存ってどう考えてるんだ?」

 

ことり「私はその夢をかなえれたらいいなって思うな~」

 

ことり「みんなと仲良く笑って過ごせるそんな世界になるって私は信じたいな」

 

「その夢、かなうといいな」

 

ことり「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

「ことりは信じている!人間もファンガイアも共に笑える世界を!」

 

キング「そんなものはただの夢だ!」

 

「お前にはわからないだろうな。

 自分の弱さに負けて夢を諦めたお前には!」

 

「ことりは信じている!信じる者のために戦える。

 それが王だ。王の資格だ!」

 

俺は手に握っていたひもを引っ張る。

するとキングの手にあったディケイドライバーとディエンドライバーが

俺と雪穂の手に戻ってくる。

 

「そろそろ演奏も終わりにしよう」

 

ライドブッカーでキバットを撃つ。

 

キバット「なんだ!?」

 

ことり「キバットちゃん!」

 

キバット「ことり、待ってたぜ!」

 

キバットがキングから離れ、キングの姿がファンガイアの姿へ戻る。

 

キング「何者なんだ、お前は!」

 

「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!」

 

ベルトを装着してライドブッカーからカードを取り出す。

 

ことり「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんをお願い」

 

雪穂「分かりました」

 

『ガブッ』

 

ことりの方を向くとキバットを腕に嚙み付かせていた。

 

「「変身!」」

 

『KAMEN RIDE』『DECADE』

 

俺とことりがそれぞれ変身するとキングは城の外へと飛び出した。

 

「ことり、追いかけるぞ!」

 

 

ことり「うん!」

 

キングが通った道を使って俺たちも外に出る。

この世界に来たときあったドラゴンの口から外に出ると

キングがかなり高い位置で空を飛んでいた。

 

「とりあえず撃ってみるか?」

 

ことり「そうだね」

 

『バッシャーマグナム』

 

『ATTACK RIDE』『BLAST』

 

ラッパのような音が鳴り、

キバットの目と右腕と胸部の鎧とキバの複眼が緑になる。

俺とことりはそれぞれの銃を構えてキングに向かって弾丸を撃つ。

しかし弾丸はキングに到達する前に減速してしまいそのままキングに避けられた。

 

ことり「どうしよう…」

 

すると突然ライドブッカーから3枚のカードが射出され、

そのカードを手に取るとカードが色づく。

 

「これならたぶん倒せる!」

 

ディケイドライバーにキバと弓矢の絵が描かれたカードを差し込む。

 

『FINALFOAM RIDE』『KI・KI・KI・KIBA』

 

「ちょっとくすぐったいぞ」

 

ことり「えっ?」

 

ことりの背中を押すとキバの姿が大きなキバットの顔がついている弓に変わった。

 

ことり「なにこれ!?」

 

「俺とことりの力だ」

 

さらにファイナルアタックライドのカードを差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』『KI・KI・KI・KIBA』

 

キングに向けて矢の照準を合わせる。

 

「ラブアローシュートってか?」

 

突如思いついた言葉をつぶやいて、矢をキングに向けて放つ。

その矢は減速することなくキングに向けてまっすぐに飛ぶ。

矢はキングに命中し、空中から落下していく。

そしてことりをヒト型に戻す。

 

「決めるぞ」

 

ことり「うん」

 

ことりがベルトの横のフエッスルをキバットに吹かせ、

俺もディケイドのファイナルアタックライドのカードをベルトに差し込む。

 

『FINALATTACK RIDE』『DE・DE・DE・DECADE』

 

『ウェイクアップ』

 

ことりの足の鎖が外れて赤い羽根のようなものが現れる。

お俺のベルトから出現したカードも空から降ってくるキングをロックオンする。

2人で空へ飛びあがり、キングにライダーキックを叩き込む。

キングはどこかへ飛んでいき、爆発した。

そして地面に着地した俺とことりは変身を解除する。

 

ことり「やったね」

 

「ああ」

 

すると突如目の前に銀色の幕が現れる。

 

「またか…」

 

そしていつものごとく銀色の幕の中に吸い込まれる。

幕を抜けた先には小屋のようなところで椅子に座ったキングがいた。

 

「まだ生きてたか!」

 

俺とことりが身構える。

 

キング「身構えなくてもいい…」

 

キング「すまなかったことり」

 

ことり「えっ?」

 

キング「お前が王としてファンガイアを統率できるか不安だったんだ」

 

ことり「どういうこと…?」

 

「お前の成長のために自らが悪役を買ったってことか?」

 

キング「その通りだ」

 

キング「私の命ももう長くない。ことり、この世界は頼んだぞ…」

 

ことり「お父さん!」

 

キング「通りすがりの仮面ライダーといったか…」

 

「ああ」

 

キングは近くのヴァイオリンを指さす。

 

キング「そのヴァイオリンを弾くことはできるか?」

 

「弾けないこともない」

 

キング「なら、一曲弾いてはくれないだろうか。

    そのヴァイオリンの音で命、尽きれるなら本望だ」

 

「分かった」

 

俺はそのヴァイオリンを手に取って地下室の石板の曲を弾き始める。

 

キング「ことり、幸せになるんだぞ…」

 

キング「通りすがりの仮面ライダー。ことりをよろしく頼む…」

 

そうしてキングはことりの腕の中でガラスへと変わり、砕け散った。

 

ことり「お、とう、さん…」

 

俺は演奏を止めない。

演奏が終了するとヴァイオリンを机に置いてことりに近寄る。

 

「大丈夫か?」

 

ことり「うん…」

 

「全然大丈夫じゃないだろ…」

 

「俺の胸ならいくらでも貸すよ」

 

俺がそう言うとことりは俺に寄りかかり、

顔から大粒の涙が零れ落ちる。

 

「気が済むまで泣け」

 

ことりはしばらく泣き続けた。

 

ことり「ありがとう、永斗君」

 

「もう大丈夫なのか?」

 

ことり「うん」

 

「じゃあ、写真館に戻ろうか」

 

そうしてことりと2人で写真館へと歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真館に戻ってくると穂乃果たちが鍋を食べていた。

 

「おいしそうな鍋だね」

 

雪穂「永斗さんとことりさんの分もありますよ」

 

俺たちも席について食べ始める。

 

穂乃果「そういえばあのファンガイアは倒せたの?」

 

穂乃果がその話を出すとことりの顔が暗くなる。

 

「穂乃果、その話はまた後でだ」

 

穂乃果「分かった」

 

ことりは鍋を少し食べて上へ行ってしまった。

俺もさっさと鍋一杯分を食ってことりを追いかける。

とりあえず部屋の扉をノックする。

 

ことり「どうぞ」

 

扉を開けて部屋に入る。

 

「よっ」

 

ことり「どうかした?」

 

「なんか暗そうな顔をしてたから」

 

ことり「気を使わせちゃってごめんね」

 

「あっ、そうだ。ことりのヴァイオリンまた聞かせてよ」

 

ことり「別にいいけど…」

 

ことりは近くにあったキングのヴァイオリンを手に取って弾き始める。

俺は首にかけたカメラでピントを合わせてシャッターを切る。

すると何かが落ちる音がした。

 

「何の音だ?」

 

すると誰かが扉を開けて入ってきた。

 

亜里沙「永斗さん、背景ロールが!」

 

「何だって!?」

 

俺は下の階に降りて背景ロールを確認する。

 

「ドラゴンに鏡?」

 

背景ロールに書かれていたのは細長い赤い龍と割れた鏡だった。

 

ことり「何があったの?」

 

「世界を渡ったんだ」

 

ことり「世界を渡る?」

 

俺はことりに旅のことを説明する。

 

ことり「ということは私の世界には戻れないの?」

 

「あっ」

 

そういえばそうだ。

とりあえず雪穂とかに聞いてみるか?

 

「雪穂、これってどうすればいい?」

 

雪穂「私に聞かないでください!」

 

ことりがいないとあの世界は回らないのに…

 

「仕方ない。ことりの世界にもう一度行けるまでは一緒に旅をしよう」

 

ことり「いいの?」

 

「お前の親父さんに頼まれたしな」

 

そうしてことりも旅に同行することになった。

 




設定に関してはあとから掘り下げる予定です。
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