サトゥーシ君のレポート  (アルピ交通事務局)
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夢と希望はあるかどうかは知らんが取りあえずレッツゴー(強制)

 レポート 1

 

 目覚めるとサトシくんになっていた。

 今、こうしてこれを書いている時は冷静になってるけど、今まで出したことが無い松本さんボイスを思わず出してしまい、本当にビビったわ。異世界転生したいわ~と過去に何度も何度も言ったりしたけど、本当にそうなるとは思わなかった。

 突如上げた声にサトシのママさんが驚き、オレもサトシのママさんがなんでと驚いたが、なんやかんやと上手く誤魔化すことが出来、取りあえず日記帳を貰った。

 幸い?と言えば良いのか、この世界の文字と元居た世界の文字が異なるのでこの日記を見られても問題ない。もし、この日記の文字を理解出来る奴が居れば、それはオレが居た世界の住人だ。

 

 レポート 2

 

 目覚めるとやっぱりサトシくんだった。実は夢だったというのはこの手の出来事では一度もあったことはない。

 なんでサトシくんになったんだと昨日の日記を読み返して見るものの特になにかをしたとかは書いておらずなにをしたっけと思い出すのだが、状況確認しかしていない。まぁ、初日だしそんなもんだよな。1日目を読み返してみた後、もう一度考えた。どうしてサトシくんになったのかと。

 自分が特別な人間とか思ったこともない、むしろ夢も希望も特に持っていない、どちらかと言えば人より劣りまくっているところが多く全体的にトロくて抜けている人間だ。のろまで、素早く行動できないダメな奴だ。

 そんな人間がどうしてサトシくんにと色々と考えてはみたものの、こういう超常現象は神のみぞ知る感じなんだなと答えが出ず、過去を振り返るよりも未来を見ようとした。

 目を閉じて、本来あったサトシくんの人格的なのは無いのかと心の中で問い掛けてみたりしたものの特にウンともスンとも言わない。もしかするとサトシくんになったせいで消えたのかと罪悪感が込み上げてしまい、死にたくなる。

 とはいえ、死にたくなるのは日常茶飯事であり直ぐにどうやって生きるかを考える。サトシくんみたいに熱血男子になる?……いや、無理だろう。マサラ人と言われるスペックがあっても熱血男子にはなれない。もう、ほんと、熱血とか無理だって。限界ギリギリに追い詰められない様に逃げる人間なんだから。あ~もう本当にどうしよう。

 考えてもよく分からない事だらけで考えることを一旦止めて、この世界の事を見てみようと思い、外に出てみた。

 マサラタウン付近の川辺や林と色々と歩いてみると人になれたポッポやコイキング等、色々とポケモンがいた。ああ、本当にポケモンの世界に居るんだなと深々と感じる。そしてアニメの作画スタッフがちょくちょく変わったりしているせいか、マサラタウンがクッソ田舎だとも感じる。

 とぼとぼとマサラタウンを一周し、オーキド博士の研究所付近からマサラタウンを一望して、今後について考えた。俺はサトシくんじゃないしサトシくんみたいになりたいとは思わない。けれども、肉体はサトシだ。

 サトシらしく振る舞えば良いのか?いや、違う。俺は俺なんだ。本来のサトシくんには申し訳ないけど、これは俺の人生だ。別の人間からサトシくんになってしまったのもまた俺の人生で、俺はなにがしたい?そう考えた。

 ただ目的もなにもなくやりたいことが見つからずに○○すべきだからで生きていたが、今の自分ならばなにがしたいか……

 

 レポート 3

 

 なんでサトシくんになった?

 本来のサトシくんは何処に行った?

 元のオレはどうなった?

 神様的なのが異世界に転生させたのか?

 そもそもこの世界はアニメの世界なのか?

 君に決めた時空なのか?電撃ピカチュウみたいなちょいちょいあるサトシと言う名の主人公がいる時空なのか?サザエさん方式なのか?

 オレはいったいなにをしろと言うんだ?

 とにもかくにも、色々と考えに考えて最終的にもういいやと考えることを止めた。

 だって、オレも被害者だもの。そりゃまぁ、オレがなにか夢に向かって頑張ってるわけじゃなかったけど、それはそれで平穏な生活を送ってたんだ。大体こんなの考えたって、無駄だ無駄。

 という事で考える事を止めてみると凄く楽になった。気持ち的な意味でもそうだが、身体的な意味でも楽になり肩が軽くなり数十キロあるであろう岩を片手で持ち上げることが出来た……マサラ人の身体能力半端ねえ。

 とにかく、なんでサトシ君になったのかを考えるのは止めた。元に戻る方法とか、そういうのを考える事もしない。代わりと言ってはなんだがサトシ君がやろうとしていたことを……と思ったけどもポケモンマスターって結局なんなのか分からない。

 新無印とか君に決めたとかでポケモンマスターってなに?と言われていたけども、改めてなんだろうと考えてみる。

 ポケモンのマスター(達人)って事はポケモンに関する事を極めた人だと思う。ポケモンに関する事がなにかと聞かれれば色々とある。

 ポケモンバトルは勿論のことポケモンコンテストにポケスロンと言ったポケモンと一緒にバトル以外のなにかをする競技とかとにかく色々とある。

 ポケモンバトル1つ取ってもリーグチャンピオンになる為に必要なジムバトルとそれとは違うが名誉が得られるバトルフロンティアと枝分かれしている。

 基準がイマイチなのでトレーナーカードをランクアップさせる条件を全て満たせばポケモンマスターになるんじゃとなったが、直ぐにそれは無理だと思った。

 

 トレーナーカードの色上げ方法 その1 殿堂入り

 

 コレに関してはあまり問題は無い。

 ポケモンを貰えばジムを巡ってリーグに出るつもりだから、頑張ってポケモンバトルの頂点を目指せば良い。最近だとワールドチャンピオンシップスとかある。そこで一位になればいい。

 

 トレーナーカードの色上げ方法 その2 バトルフロンティア制覇

 

 コレも問題は無い。エニシダに出会って、バトルフロンティアに挑戦する意思を示して制覇をすれば良いだけだ。

 なんだったらサトシ君もバトルフロンティアを制覇していたのでコレもどうにか出来る。

 

 トレーナーカードの色上げ方法 その3 ポケモンコンテスト制覇

 

 ゲームとは異なったポケモンコンテストなものの、ちゃんとこの世界には存在している。トレーナーとコーディネーターの二足のわらじが出来るかどうかは分からない。

 

 トレーナーカード色上げ方法 その4 全国図鑑完成

 

 はい、無理。絶対に無理。

 ポケモンと言うゲームは所謂モンスター育成RPGであり、図鑑をコンプリートするゲームじゃありません。

 そりゃまぁ、確かにやり込み要素の醍醐味だよ、図鑑コンプリートは。でも無理だ。この世界、何処にどんなポケモンが生息しているか分からねえし、伝説のポケモンを捕まえるとヤバいのに狙われる。カプ系のポケモンを捕まえれば【カプ・コケコ捕まえた~】みたいな島八分に合う。

 

 とにもかくにもポケモンマスターは無理っぽい。図鑑コンプリートとか絶対に無理だろう。

 ゲームでもその地方の図鑑コンプリートぐらいで全国図鑑を一度もコンプリートしたことないぞ。そもそもしてる奴も見たことねえぞ。

 とにかく、図鑑コンプリートは無理そうだ。リアルポケモンマスターの某国のあのお方の様にポケモンを極めるのは無理っぽい。

 サトシくんみたいに真っ直ぐに生きるのは無理そうだ……てか、よく考えたらなんでサトシくんらしくしないといけないんだろうと言う考えに至り、自分らしく生きていこうと決めた。

 

 

 レポート4

 

 改めてこの世界について色々と勉強をはじめた。

 なにせ3値とか色々と知っているがここはゲームの世界でなく、なんだかんだで20年も続いているアニメの世界でどんな話があったのかを完璧に覚えているとは言い難い。定期的にサトシ君の背中に世界の命運が掛かってたりしてる。

 10歳になるとポケモン取り扱い免許が許されてポケモンが貰えるという初期の設定なんて覚えてねえよ。オーキド博士、初期の方だと街のポケモン研究家だけど今じゃポケモン研究の権威みたいなもんだよ。

 そういえば、前から疑問に思ってたけどミュウツーとか幻のポケモンとかなんで図鑑に登録されてるんだろ?あの辺の闇って深そうだ。



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目指せ、ポケモントレーナー

 レポート5

 

 昨日に続けて、なにを勉強すればいいのかを勉強した。

 

 言葉や文字にすればなに言ってるんだとなるが、これが割と重要である。

 

 洒落にならないガチ勢や、ゲームを趣味でなく仕事にしているゲーマー程で無いにせよ、ポケモンに関してある程度の知識をオレは持っている。

 

 このアドバンテージは大きく今更ポケモン言えるかなとかこのポケモンはこんな技が使えるんだとか、そういうのを覚えなくて良い。これは割と大きい。

 

 サトシくんはポケモンと一緒に歩んだりしていてポケモンの気持ちは分かっているけど、基本的にはそれだけで自力で技を習得させる感じの描写はほぼ0。

 

 ピカチュウのアイアンテール、オオスバメのつばめがえし、ジュカインのタネマシンガン、ドダイトスのエナジーボール、ブイゼルのれいとうパンチ。

 

 やたらとホウエンとシンオウに固まっているのはアニメ的な都合上仕方が無いにせよ、サトシくんがポケモンのレベルが上がったり進化したりして技を覚える以外で自力でこの技を覚えよう!って、なる時に大体誰かに教わったり手本を見てから覚えようとしている。これは地味に痛い。

 

 技を多く覚えれれば良いとは言わないけれども、その技を覚えられるのを知らないとか覚えさせたらバトルが有利になるのに覚えさせていないのはダメだ。というか、出会った事があるポケモンに対して毎回図鑑を開くんじゃねえと思う。確かに図鑑が教えてくれるから覚えなくて良いじゃんのスマホ理論あるけども、それでも実戦じゃ使えなかったりする時がある。とにかく、ポケモンの知識のアドバンテージはある。これを生かさない手はない。

 

 1からポケモンを覚える勉強はしなくて良い。代わりに一人で旅立てる様に知識をつける……キミにきめたサトシくんだって、一人で旅をしていたんだからいけるはず。頑張れ、オレ。

 

 レポート6

 

 今日は衝撃的な体験をした。

 

 ゲームだと描写らしい描写は無いがアニメだと旅をするのに必要な物が、キャンプ用品的なのが必要だ。それだけじゃなく、ポケモンの手入れをする道具とかも。

 

 ポケモンがデジモンみたいなシステムじゃないのでアニメでしか見ないが、ポケモンもちゃんとご飯を食べる。ポケモンフーズと言う物が売られている。それどころか自分で作れる奴もいる。

 

 市販のやつを買っておけば大体どうにかなるらしいが、人間一人一人に好みの味がある様にポケモン一体一体に味の好みがある。あくまでも市販で売っているやつは各タイプ好みの味付けであり、細かな味の調整はしていない。

 

 流石に正ヒロインとも言われているタケシの様に毎回、完璧にとは言わないが、ある程度は出来るようになりたい……と思ったんだが、これが結構難しい。でも出来なくはなさそうだ。

 

 テントセット(寝袋だけなのは嫌だ)、着替え、水筒、調理器具、自分の食材、ポケモンフーズを入れる皿(6枚)、ポケモンの手入れをする道具……これだけで大荷物だ。

 

 そこから更にきずぐすりやなんでもなおしと言ったポケモンを回復させる道具にきのみ、ポロックケースなんかも必要となり、最低限の物だけ固めてもかなりの量でタケシが背負ってるリュックでも無理っぽい。

 

 そう思っていたんだが、何時もサトシが背負ってるぐらいの大きさのリュックに全て入った……いや、うん。ゲームとかで、プレイヤーがアイテム99個を持ち歩いてたりするけど何処に持ち歩いているんだとか、装備を変更したのにプレイヤーの見た目が変わってないとかあるよ。それもこれと同じ理論なんだなって、ギャグか何かかと思った。

 

 どれぐらいの重さなんだろうと試しに背負ってみると、そこそこ荷物を入れただけのリュックで軽かった。

 

 

 レポート7

 

 今日は外に出て、ブラブラとしていた。

 

 連日勉強ばかりしていたら体が鈍るといった事もあるが、なんと言っても旅は徒歩であり足腰を鍛えておかなければならない。

 

 アニメではやたらスピアーとかリングマとかオニドリルとか人相が悪いポケモンを悪役にして追い掛けられるシーンが多々ある。まあよくよく考えればサトシくん達が余計な事をしたからじゃないかと思ったりしているが。

 

 とにかく足が早いことに越したことは無い。ゲームと違い野生のポケモンが逃げたりしたら追いかけなければならない。サトシくんは基本的に友情ゲットだが、オレは多分無理だ。

 

 そういう事情もあり、体を鍛えておかなければならず一先ずはサトシくんの肉体が何処まで出来るのかを調べてみたんだが、ヤバかった。普通に岩を持ち上げたり、水の上を走ったり3メートルぐらいジャンプしたり出来た。

 

 流石はマサラ人と呼ばれるスペックを持った少年だ。格闘家を目指した方が良いんじゃないのか?そう思いながらイシツブテよりも重そうな岩を持ち上げたり、手刀で岩を砕いたりしているとかの有名なライバルであるシーゲルくんが現れたじゃありませんか。

 

 ママさんを除けば初の原作キャラだなと驚いたものの、この頃のシゲルはサートシくんとおちょくってくるので特になんかサトシくんらしい演技とかそういうのをしなくてよかった。これを機に徐々に徐々にサートシくんはこんなんだと上書きをしていきたい。

 

 シゲルはオレと久々に出会ったのか、サートシくんと絡んできたのでポケモントレーナーになるための訓練をしていると適当にあしらおうとすると鼻で笑われた。

 

 てめえやんのか(゚Д゚#)と思っていると、「イシツブテ合戦のプロにでもなるつもりかい?」と言われた。懐かしいな、イシツブテ合戦。初代の図鑑に載っていた狂気染みた遊びで、イシツブテを雪合戦の如く投げつける……死人が出るぞ。

 

 イシツブテ合戦の事を思い出して、若干だが嫌な事を想像しているとシゲルは岩を砕くんじゃなくて石を自由自在に投げれるようになりなよと近くの川辺に石を投げて水切りをした。水切りをした石は向こう岸にまで届いていた。上手いな、こいつとオレも負けじと手頃な石を拾い、ゴーシュート。ホバークラフトの如く水面を走り、向こう岸にまで届いていた。

 

 

 レポート8

 

 日記(レポート)を読み返して思う、昨日のオレはなにをやっているんだと。

 

 水の上を走ったり、岩を粉砕したり、手を使わずに足の力だけで木を登ったり、高速拳で空気の塊を飛ばしたりと、ポケモントレーナーになるために色々とやらないといけないのに、最早別のなにかになろうとしていた。まぁ、確かにいざというときのリアルファイトは大事だけども基本的には暴力NG……そう考えればこの世界でよかった。GOD EATERとかのヤバめな世界じゃなくてよかった。そしてGOD EATERならばクレアかアリサを全力で口説きにいく。

 

 昨日は謎の修行をしており、日記を見返してなにをやっているんだとなったのでなにをするのか予定を立てた。

 

 その結果、ポケモンと触れあおうとなった。

 

 よくよく考えれば、ポケモンを見てるものの実際に触れ合った事は無い。ママさんがポケモンを持っているという事もなく、この世界に来てから一度もポケモンと触れあっていない。

 

 何れはポケモンを貰い、旅立ちポケモンをゲットする。まだなにを捕まえるかとかどのポケモンを貰うのかとかは決めてはいないが、あらゆるポケモンを捕まえるぐらいの気持ちを持たないといけない。某お転婆人魚は虫タイプのポケモンを見て、叫んだりしており、見た目があれだからって一部のポケモンを毛嫌いするとかこの世界じゃよくあること。まぁ、元の世界でも動物ダメとかそういうのがよくあるし、分からないでもないが、そうはいってられない立場にある。どんなポケモンでも大事に育てなければならない。

 

 ポケモンが多く居て尚且つポケモンの手入れに関して色々と知識が豊富なオーキド博士を訪ねた。今はまだ関さんもといケンジがおらず一人で研究所を切り盛りするオーキド博士。送り出したトレーナーから預かったポケモンの面倒を一人で見てるとかスゲエなと尊敬した。しかし、ポケモンに関する手入れとかのやり方を尋ねた時に実際にやってみねば分からんぞと言い、手入れをやらせたと思えば他に関係無いであろう雑用を押し付けたのでプラマイゼロとなる。

 

 とはいえ、ポケモンの手入れの仕方を覚えられたのは大きい。ポケモンの種類によって手入れをする道具が事細かく分かれていて、これを覚えるのも今後の課題だと勉強になった……までは、よかったんだけどな。

 

 キングドラがいた……オーキド博士が言うには今まで送り出したトレーナーの一人がゲットしたポケモンらしいが……時間軸が謎だ。



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目指せ、スーパーマサラ人(目指さなくていい!!)

 レポート9

 

 朝目覚めると、ポッポでなくマメパトが外にいた……お前は歴代の序盤鳥ポケモンの中でも使えねえポケモンなんだよと思わず睨んでしまった。サトシくんはポケモンの事を大事に思ったりするけど、オレは平気で使えないとか言う人間だなと改めて実感する。自ら変わることはしない。きっとこの世界が遊戯王だったとしても使えないカードは平気で屑カードと言う。うん、絶対に言うな。

 

 昨日はキングドラだったのでそりゃあるよなと納得が出来たが、マメパトを見たのであれ?となってしまう。

 

 そりゃあアニメの世界じゃ生息地不明なポケモンがポンポンと出てくるし、そこには生息しとらんだろうと言うポケモンが生息していたりする。だが、序盤鳥であるマメパトがあんな所に居るのはおかしいだろうと紙の図鑑とかを調べてみるものの、マメパトに関する事は載っていなかった。

 

 別にマメパトが珍しいとも思わないし種族値とか覚える技も頭に入っているので特に問題はなく、奴は序盤鳥の恥さらしで例えイッシュ地方まで行ってもゲットはしない。てめえはいらん。

 

 とにかく、どうなってんだと思いオーキド博士に訪ねてみた。困った時のオーキド博士である。「図鑑に載ってないポケモンが結構いるんだけど、なんで?」と聞いてみると、割とあっさりと答えてくれた。

 

 

 調整中

 

 

 色々と細かな説明を受けたのだが、オレには分からない事もあったので要点だけ纏めると、それだった。

 

 今こうして、日記(レポート)を書いている間にも新種のポケモンが見つかったりポケモンに関する新しい事が判明したりしている。そしてそれ等に関するデータをオーキド博士、ウツギ博士、オダマキ博士、ナナカマド博士、アララギ博士、プラターヌ博士、ククイ博士といったゲームでもお馴染みの博士やこの世界にいるウチキド博士の様なゲームに出てこない博士が採取して纏めたりして学会に発表、その発表した内容が学会に認められて、更になんやかんやあってはじめて図鑑に登録される。ポケモン図鑑とか本に載ってる図鑑とかはポケモン関係の公式データを載せなければならないとかで、適当な情報を載せられず現状はカントーの151匹のポケモンだけ公式に全国図鑑として認められていて、他の地方のポケモンは現時点では全国図鑑として認められていない。でも、地方のポケモンとしては認められているから、その地方限定の図鑑だったら出てくるとなんかややこしいことになっている。

 

 図鑑を使う人達の大半はオーキド博士みたいなポケモン研究家じゃない。ある程度の知識はあっても完璧とは言えない。図鑑に間違った事を載せてしまえば最後、間違った事を覚えてしまう。ジョウト以降の事が載ってないのは地方は認めているけれども、公式が認めていないと言うなんかよく分からん事になっている。

 

 「ポケモンに関するデータが正しい間違いで揉めている訳ではないので時間が勝手に解決する」とオーキド博士が言うので、細かいことは気にしない事にした。オレは研究者じゃないし、ポケモンに関する知識はちゃんとあるからそれでいい。

 

 それはそうとオーキド博士がサマーキャンプ開催するけど来ないか?と誘ってくれたので、行くことを決めた。

 

 

 

 レポート10

 

 今日は家で勉強と言ってもポケモンに関する知識はある。今更、ポケモンを覚えるなんてしなくてもいい。ポケモンの手入れの知識とかを学びたければオーキド博士に聞けば良い。幸いにもそういう感じの本は何故か博士は持っている。

 

 さて、なにを勉強しようか?と考えた結果、オレって何処まで覚えてるんだろう?となった。よくよく考えれば、このサトシくんはなにサトシだ?最近、映画とかでパラレルなサトシくんが出て来てよく分からなくなったりした。少なくとも電撃ピカチュウじゃない事ぐらいしか分かってないぞ。

 

 ここらでその辺りをハッキリにと思ったが、どうすればハッキリとするか分からないので直ぐに断念。代わりに原作知識、何処まであるっけ?と言うのを思い出す事にした。

 

 カントー地方編→オレンジ諸島編→ジョウト地方編→ホウエン地方編→バトルフロンティア編(カントー)→シンオウ地方編→イッシュ地方編→イーストイッシュ編→デコロラアドベンチャー編→カロス地方編→アローラ地方編→最新無印編。

 

 と言うのがサトシくんが旅したルートを何となくで思い出して、この日記(レポート)とは別のノートに記した。具体的に言えば、アニメでこんな話があったよな~的なのを書いていったんだが……なんか、やたらと覚えている。

 

 うん……サトシがピカチュウを貰う1話とかヒトカゲ、ゼニガメ、フシギダネを捕まえる話とかバタフリーとさよならバイバイする話とか有名どころな話は別に覚えていてもおかしくはない……うん、おかしくはないな。

 

 けど、割とマイナーな話とか見た覚えの無い話まで覚えている……何故だ?

 

 改めて日記を見返してみると、ゲームには登場しないアニメオリジナルのウチキド博士の名前が書いてあった。どんな顔かどんなおっぱいかどんな性格か知っている。それだけじゃない。見に行っていない一部の劇場版の知識も何故かあった……え、なにこれ?転生特典的なの?……ありがたいけども、う~ん……。

 

 

 

 レポート11

 

 朝、目覚めると無かった筈の原作知識が増えていた。うん……原作知識が転生特典的なのならそれでいいや。

 

 別のノートに書いたアニメとか映画でこんなんあったな~というのを読み返し、気付く。ホウエン地方編以降、悪の組織ヤバいの多いな~と。

 

 陸を増やそうとしているマグマ団、海を増やそうとしているアクア団、世界を創り直そうとしているギンガ団、なんか適当な事を言い回りつつ世界征服的な事をしようとしているプラズマ団、世界はもうダメだと大量殺人を試みるフレア団、後、映画に出てくる悪役達……これら全てを相手にしないといけないのか。

 

 何だかんだで上手く納まるとは言え、そういう悪い奴等を相手にしないといけないのは心苦しい。しかし、相手にしないとヤバい。ギンガ団とフレア団は特にヤバい。つーか、ダイヤモンドパール編の映画の出来事全部ヤバい。

 

 ヤバいヤバいと焦ったオレは別にしなくても能力値は既にカンストだと言うのに自分自身を鍛える事にした。とは言え、既に水の上を走ることの出来る速度や岩砕きはお手の物。某30前、もしくは後の番組の忍者の如く樹木を跳んで移動する事の出来るオレはどうすれば強くなることが出来るのだろうかと考える。

 

 そもそもこれ以上パワーアップするのに必要なのは努力をすることだがサトシくんお馴染みの根性は不要。なんの努力をするかが重要でありサトシくんに出来ることはなんなのか、答えはあっさりと見つかった。

 

 それは波導。ミュウと波導の勇者ルカリオでサトシは勇者アーロンと同じ波導を持っていて、アーロンの相棒であるルカリオはアーロンの格好をしていたサトシとアーロンを波導で見た際に間違えていた。アーロンと同質の波導を持っていて、波導グローブとか言う波動の力を増幅させる装置を使って色々とやっていた。

 

 サトシくんがアーロンと同じ波動を持っているならば、サトシくんになっていたオレにも行ける筈。というか、超能力者とか波動使いとかこの世界には普通にいるので、多分行ける筈だろう。サトシくんも時折なにか不思議な力を感じてたりするし。

 

 

 目指せ、スーパーマサラ人…………なんか大分それてる気がする。



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設定が特に決まっていなかったキャラの過去編とか無理にやると矛盾する。

 レポート12

 

 昨日のレポートを読み返したが、波動と波導どっちが正しいんだっけ?書き間違えてたけど、映画は波導だった。ゲームとかだと波動の表記だし、その辺が分からないし割とどうでもいいので考えるのを止めて波動使いを目指す。

 

 伊達に種の繁栄を捨てて別次元を見ていた(2次元大好き童貞)訳ではない。どういう感じの修行をすれば良いのか、なんとなくで分かる。NARUTOのチャクラ然りドラゴンボールの気然り聖闘士星矢の小宇宙(コスモ)然り、使いこなすにはそれがいったいどういう物なのかを認識するのが重要だ。

 

 そして波動は全ての物質に宿っており、ジャンルで言えば小宇宙とかチャクラとか魔力とかマナとかのその世界独特のエネルギーとかでなく命そのもの、氣とか生命エネルギーだ。

 

 考えるんじゃない!感じるんだ!一先ずは鼻栓をして嗅覚を絶ち精神を集中させる。氣とかを感じるには、精神を落ち着かせるのもそうだけど五感に頼らないのが大事だ。五感を絶つ事でエネルギー探知能力とかを強化するのは色々な作品である。バトルもので盲目系のキャラが目が見えなくても強キャラをやれるのは五感の中で生活を行う上で最も大事な視覚が使えない代わりに他の五感や空間認識能力が鍛えられたりしてるからだとなんかの本で見た。

 

 鼻栓をつけて心を落ち着かせてマサラタウンをぐるりと一周。やはりと言うべきか、余り意識して使っていない嗅覚を絶っただけではなにも感じない。視覚を絶つのはいきなりすぎるので今度は耳栓をして聴覚を絶つ。すると、嗅覚を絶っていた時とは比べ物になら無いほどに神経が研ぎ澄まされた。余り意識していない嗅覚と異なるだけはあるとマサラタウンを二周した。

 

 なんか近所の人達からは変な物を見る目で見られたが気にしない。

 

 さっきより色々と研ぎ澄まされている興奮が冷めぬまま3周目を迎えようとするが足を止める。なんか違うと。これだと余計な雑音を防いでいるだけであり、視覚に頼って歩いているので視覚に集中が行っているだけだ。

 間違っているとは言い難いが正しいとも言えない。多分、これは歩いているだけだからだ。目的もなく歩いているだけだと、五感が鋭く研ぎ澄まされるだけで肝心の波動を認識できない。

 

 アーロンだって日々修練してやっとの思いで波動使いになったので一朝一夕で出来る代物でない事は理解しているが、なにかきっかけの様な物が必要だ。オレはただ歩くだけなのを止め、ゴミ拾いをはじめた。

 

 他の最初の街と比較してもド田舎のマサラタウン。登場する度に作画スタッフが違うので、民家の数は増えたり減ったりだがそれでも少ない。言い方を変えれば自然に囲まれた場所なのだが、そんな所にでもゴミをポイ捨てしたりするバカはいる。多分、マサラタウンの人じゃないんだろう。

 

 五感を研ぎ澄ませて、何処にゴミが落ちているとか感知しながらゴミ拾いをはじめる。さっきまで変な目で見ていたマサラの人達は偉いねと感心してくれる。凄い手のひら返しだが、ぶっちゃけ仲良くもなんともないので気にせずに、ゴミ拾いをし……とんでもない物を見つける。

 

 それを見つけた時、マジかよと思わず身を引いてしまった。オーキド博士が研究所を構えている以外に特筆すべき事はないド田舎に落ちているだなんて、そんな漫画みたいな事があるのかと思わず硬くなる(意味深)……。

 

 

 

 

 エロ本、拾ったどぉおおおおおおおおおお!!!

 

 

 

 

 心を鎮めて波動を感じようとしていたが、この喜びを味わえないのならば心を鎮める道理無しじゃボケぇ!!

 

 

 

 ポイ捨てとか歩きタバコとか色々と喧しいこの御時世、ド田舎の道外れの草むらにエロ本が落ちているとは思わなかった。しかも、巨乳物で数冊あるぞ!!ただの巨乳じゃなく色々と属性があるぞ、このエロ本!!

 

 

 

 あわよくばモンスターボールとか拾えないかなとか、珍しい道具とか落ちていないかと言う期待はあった。メガストーンとかキーストーンとか落ちてないかなと思っていたが、大人のメガシンカをさせるキーストーンが落ちているとは思いもしなかった。この喜びは暫くは忘れられない。そして拾ったエロ本は一生の宝物となるのだが問題が発生した。

 

 オレ、明日からサマーキャンプだ。

 

 オーキド博士がポケモンと直に触れあえるサマーキャンプを開催するから参加するって数日前に言ったが、まさかもうとは予想外だった。ゴミ拾いを終えて家に帰ると早く準備しなさいよとママさんに言われてマジかよと驚いてしまった。参加する事が嫌なのではないが、このままではまずいと感じた。だって、エロ本を隠す準備が出来ていないのだから。

 

 仮にオレが適当な所にエロ本を隠したとして、キャンプに行っている間、ママさんは部屋の中に入って掃除をしてくれる。それはとてもありがたい事なのだが、そうなった場合先ず確実に隠しているエロ本は見つかる。友人同士で見つかったりするのはまだしも、ママさんは非常にまずい。2、3日あれば確実にエロ本は隠せるのだが、その時間すら無いとは……これを書いてる今でも頭を悩ませている……。

 

 

 こうなれば、ヤケクソだ!!

 

 

 

 レポート13

 

 

 まぁ、分かっていたことだ。

 

 そろそろ楽しい時間は過ぎ去っていって、嫌なものがやってくると言うのは分かっていた。だが、いざ現実と直面すると心は苦しく辛い。だけど、泣いたってどうにか出来るわけでもない。現実は非日常のくせして都合よくはいかなかった。

 

 半ばヤケクソ気味にエロ本を隠しながら、キャンプに行った。オーキド博士主催のキャンプだけあり、大勢の子供達が参加していた。マサラタウンはド田舎だが、他の街は普通の街だ(行ったことはないが)。

 だから、人に馴れているとは言え、自然の中で野生のポケモンと触れあう事は新鮮で皆が皆、楽しんでいる。かくいうオレもその一人であり、オーキド博士からこれはどんなポケモンなのかの説明を聞くのだが、オーキド博士が説明をするよりも先に答えてしまう子供がいた。

 

 そう、それは新無印でサトシの相棒を勤めているGO(ゴウ)くん。オーキド博士の代わりに答えていてドヤ顔をしているその姿はまさにちょっと知識を持っているからって偉くなった気分になっているクソガキそのものだった。

 コハルにもオーキド博士の解説を聞きなさいよと呆れられているその姿は微笑ましいものである……オーキド博士の解説の邪魔をしてたけども。

 

 とまぁ、知識自慢をしたり集団からはぐれてどっか行ったりしてたけども最終的にはミュウを捕まえてやるとかどうとか言っていたので、多分原作と同じ事があったんだろう……うん。GOくんはGOくんであり、オレとは違う。正真正銘のGOくんである。

 

 別にオレが偽者とか本物とかそんな細かいことを気にしているんじゃない……オーキド博士に連れられて戻ってきたGOとコハル。オレみたいに変なボロを出さない様にしているのかとカマをかけてみた。どれぐらい知識があるのかと色々と聞いてみて、ポケモンのゲームをしているならば知っているであろう三値とか6Vとかの単語が出るかと思えばそうではなかった。

 

 

 もうかれこれオレがサトシくんになってから二週間が経過しようとしている。

 

 どうしてサトシくんになったとか、この先どうやって生きていけば良いんだとか、自分はいったい何者なんだとか、哲学的な事は考えない。そういう細かいところまで気にはしていられないし、なってしまった以上後戻りは出来ない。

 

 ただ……オレは一人なんだなと言う孤独感の様なものは出来ている。別にそれで誰とも関わりたくないとかいう中二病的なのになるわけでもない。

 

 人間どうしても一人になりたいとか一人になって最高だと思うときはある。そしてその逆もまたしかり。

 

 

 新月から満月に段々と変化する様にオレの心の中にあった小さな空洞は今じゃポッカリと大きな穴が開いている。

 

 

 

 レポート 14

 

 

 イタい……昨日のオレめっちゃイタい人やん。日記を見返して今日の分をつけてるけれども、物凄くイタい。ヤバいな、バンジージャンプとかスカイダイビングとかの恐怖体験(高所恐怖症)で頭の中をリセットしたい。

 

 サマーキャンプ二日目、一人なんだと感傷に浸っていたオレは周りに馴染む事が出来ずにいた。やろうと思えば馴染めたのだが、感傷に浸り過ぎていたが為に出来ず、今思い出してもイタい人間だったと思う。まぁ、馴染めていたと言ってもある程度なので本当の意味で馴染む事が出来ないのでそれに関してはもう考えない。

 

 馴染めないオレは集団からはぐれて適当にブラブラ。サトシくんが居ないと世界が滅びる可能性があるので、居なくなるといったことはせずに、宛もなく歩いていた。

 

 ある程度歩くと流石に宛もなく歩いているのもなんだし、一人になったちょうど良い理由としてポケモンをゲットできないかなと考える。モンスターボールは持っていないので仲良くなる友情ゲット、もしくは好感度を上げて将来的に一緒に旅をする仲になっておきたい。

 

 サトシくんがゲットした通りにポケモンをゲットするつもりは無い。キモリとかヒトカゲとかの御三家を捕まえる時は原作はとことん利用するが、ゲットしない時はゲットしない。タイプバランスとか色々と考えておかないと。

 

 まだ最初の3匹をどれにするか決めてはいない。ゲームでヒトカゲ、フシギダネ、ゼニガメ、どれも選んでクリアしたことがあるので(FR)ゲットしたポケモンで選ぶポケモンを決めようかなとポケモンを見る。

 

 ポケモンだからってなんでも良い訳じゃない。ある程度は厳選をしておかなければならない。本音を言えば、タマゴからスタートしたいのだがそれをすれば色々な意味で大変な事になってしまう。

 

 自分と合うポケモンは居ないかとぶらりぶらりと歩いていると女の子を発見。オレは集団から離れて行動しておりオレ以外にもそんな奴が居たのかと思っているとなにやら困っている様子。何事かと気になり、近付いてみた。その結果、セレナだと判明した……うん。

 

 

 GOくんとセレナって別々の時期じゃね?

 

 

 サトシがポケモントレーナーになる前の出来事を例え設定が矛盾してたりしていても偽造しまくるのがアニポケのお約束。ぶっちゃけGOくんが先でセレナが後とか割とどうでも良い事である。とにかく、セレナも居た。

 

 無理矢理サマーキャンプに参加させられ、気付けば迷子になっておりニョロモに驚き足を挫いてしまったセレナ。幸い近くに水辺があり面倒だったのでセレナをお姫様抱っこで水辺に連れていき足を冷やす。

 余り浸けすぎるのもよくないので、何処かにこおりタイプのポケモンが居ないかと探そうとするがセレナが行かないでと言うのでこおりタイプのポケモンを探すのを諦める。

 

 それと同時にポケモン探しも諦めていると、セレナはどうしてこんな事にと泣きかけておりくよくよしても意味は無いと言っておいた。サトシくんになって数日は落ち込んだり色々とあったけれども、くよくよしていて落ち込んでいても意味はなく、どうやって楽しむかを考える様にしている。

 

 オレの特に深くもなんともない普通の言葉に耳を傾けてくれたのか、泣き止むセレナ。オレがなんでここにいるのかを聞かれたので、ポケモンと触れあってあわよくば一体ぐらいスカウト出来ないかなと、将来的にはポケモンリーグに挑戦するから早い内にポケモンが欲しいと色々と言い、そうなんだとセレナはなんか羨ましそうな目をしていた。

 そういえば特にやりたい事はないとかそんな設定あったなと思い出したので、世界はスゴく広い。ポケモンを貰ったら色々なところを歩いてみたら面白い事とかあるよと特に深くもなんともないベタな台詞を言った。

 

 その言葉が胸に響いたのか冒険かと旅をしている自分を想像するセレナは面白そうと笑みを浮かべていた。

 

 足をある程度、冷やすと少しだけ楽になったセレナ。正しい治療もしておらず素人なので怪我の度合いも分からないので、普通に歩かせるのは怖いのでお姫様抱っこ。足を挫いた所は濡らしたハンカチを巻き、いざ戻らんキャンプ場。

 道中にやたらと柄の悪いポケモンが出て来て八つ当たりの如く襲ってきたので、やり返した……まさか最初のポケモンバトルがこんなところでとは思わなかった。

 

 ポケモンとのバトルを終えて、キャンプ場に戻ると案の定怒られた。ポケモンをもっと生で見たかったと言ったのだが普通に怒られてしまい、セレナも巻き添えをくらっていた……マジ、ごめん。いや、本当にごめん。

 貰い事故に近い形で怒られてしまったので恨まれてないだろうか?一応、オレが連れていったと適当な嘘を言ったけれども、巻き添えをくらって怒られてたからな……よし、忘れよう。

 

 

 レポート15

 

 

 昨日、あんな事があったからと気まずく一言謝ろうと思ったが謝る事は出来ず終わってしまったサマーキャンプ。

 スゴく気まずいなと家に帰ってからも悶々としており、カロス地方で再会した時はごめんなさいと謝っておこうと決める。恨まれてるだろうな……考えると胃が痛い。

 

 結局、ポケモンをゲットする事は出来ずに終わってしまったものの、それなりに楽しむ事が出来たサマーキャンプ。ポケモンを貰い、旅をすればコレが毎日かと料理とかをちゃんと覚えないといけないなと深く身に染みた。後、ポケモンフーズとか色々と覚えておかないと。

 

 貴重な経験が出来たものの、ポケモンとバトルをする事になったのは予想外だった。中々に手強かったので、慢心せずに修行をしなければ。波動をかめはめ波みたいに……いや、はどうだんみたいに飛ばせる様になりたい。悪の組織とか倒さないといけない相手を倒すための力はあるにこしたことはない。

 

 なんとかして波動を感知できるように今日は休もうと早目に寝ることを決め、こうして何時もよりも早く日記を書いており、あることに気付く。後はシゲルとちょいちょいっとモンスターボールを取り合うだけだと。

 サトシくんがピカチュウを貰う前に、マサラタウンに居た頃に起きた出来事はセレナとの出会いとかシゲルとモンスターボールの取り合いと……後はまぁ、ギエピーの映画を見るぐらいだ。

 

 ギエピーの映画を見るのはぶっちゃけどうでも良い事であり、後はシゲルとモンスターボールを取り合えば良いだけであり、それは旅立つ少し前の出来事だ…………めっさ、暇になったな。

 

 ポケモントレーナーになるために旅立っても問題が無い様に様々な準備をしないといけないので、暇とは言えないが……うん。

 

 エロ本を何処に隠すか考えないと。




次回から原作開始です。


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ポケモン、君に決まった

 レポート 1314

 

 どちらかと言えば、長続きしない性格だがなんとか1日も欠かす事が無く、レポートを書き続ける事が出来た。

 

 我ながら良く長続きしたもんだと思いエロ本と共に専用の金庫に隠しているレポートを読み返したりする。本当に、本当に長かった。気付けば、ノート数冊分のレポートが出来た。

 

 サトシくんになった当初は訳が分からず困惑しまくりで、難しい事は考えないようにしようと現状を楽しもうとすればオレは一人なんだと時折寂しさを感じてしまう。

 

 けれどもまぁ、それよりも楽しみが明日ある。明日からオレはポケモントレーナーになる為の冒険に出る。遂にポケモンを貰うことが出来る。

 

 サトシくんは遅刻をしてピカチュウを貰っていたが、オレはそうはいかない。確かにサトシくんのピカチュウは自力でボルテッカーを覚えるキョダイマックス個体だ。並のピカチュウで済ませられないピカチュウだが、ピカチュウはピカチュウであり他にも優秀な電気タイプのポケモンは多くいる。なんだったらライチュウもいる。

 

 故に最初のポケモンはピカチュウ以外と最初から決めている。

 

 最初のポケモンをゲットするには絶対に遅刻してはいけない。【ポケモン、キミにきめた】でも【ポケモン、きみにきめた】でもビリリダマ型のモンスターボールを寝惚けて投げたからサトシくんは遅刻をしてしまった。

 

 なのでオーキド博士の研究所前で寝袋に入ってスタンバってたらオーキド博士にそれはズルだからダメじゃと追い返された。人に懐いていないポケモンを託そうとするジジイがなにを言うんだ、このヤロー。初心者向けのポケモンが欲しいんだよ。

 

 抵抗するとポケモン無しと言われそうなので、渋々家に帰って家で寝ることになるのだがやはり興奮が納まらず眠れない。これで寝不足なんて笑えないのでなんとかして眠気を誘おうと色々とやってみる。

 

 ビリリダマ型の目覚まし時計、時計の電池が切れての寝坊が万が一起きない様に新品に入れ換える。

 

 次に旅に持っていく物を確認する。忘れ物があると後々買い直したりしないといけないので、これも慎重にする。

 テントと寝袋、ポケモンフーズ、きずぐすり、どくけし、まひなおし、エロ本、簡単な調理器具、水を入れるポリタンク、レジャーシート、替えの下着、エロ本、ポケモンフーズを入れる皿(×6)、スキットル型の水筒、人間用の食材、フェンせんべい、ポケモンの手入れの道具、オボンのみ、万が一病気になった時の常備薬、財布、日記帳、バトルノート。

 旅に必要そうな物は大体はこんな感じだろうなと詰め込んだ物を改めて確認し、これで足りない物があれば何処かで購入すれば良い……これから、どんどんと荷物が増えるのにそれでもこの鞄は入るんだよな。

 

 ついでに、明日着ていく服も確認。カントー、オレンジ、金銀編でサトシくんが着ていたあの服を着ていくのだが、肝心のキャップは違う。大分初期の設定だが、あれはポケモンリーグ公認のキャップの限定100個しかないレア物でサトシくんは1000通応募してゲットしたらしいが、そんな物に金を使う暇があるならば別の物を購入する。キャップはキミにきめたキャップで、特になにか特別とか珍しいとかそんなのは無い。

 

 とにかくポケモンリーグ優勝を目指し、最強のポケモントレーナーを目指して頑張ろう。

 

 カントーレポート1(ポケモン、キミになってしまった)

 

 今日からポケモンの原作が始まるので今までとタイトルを変更。サブタイトルを()をつけて入れて見ることにした。

 

 

 ……チックショォオオオオオオオオオオオ!!!ざっけんなよ、マジで。セレビィかディアルガを探し出して歴史改変してやろうか……と叫んで冷静になった1日だった。

 

 

 目が覚めると遅刻が確定していた。

 

 

 うん……そんなバカなとオレは思った。確かにモンスターボールを投げる夢は見た。だが、ビリリダマ型の目覚まし時計を投げまいと机の上にビリリダマ型のモンスターボールを置いて、絶対に手元に来ない様にしていた。それなのに、それなのにビリリダマ型の目覚まし時計は止まっていた。

 

 電池はちゃんと入っており新品だ。目覚まし時計そのものが壊れているということもない。ビリリダマ型の目覚まし時計はなんと目覚ましを鳴らしながら移動して、机の上から落ちて運悪く止まっていた……。

 

 おいこれ、どう言うことだ?神様的なのがお前は絶対にピカチュウにしろって言ってるのか?あ?

 

 事態を上手く受け入れられず、オーキド博士の研究所にダッシュ!をせずにそのままゆっくりと着替える。事態を受け入れられなかったせいか、一周回って逆に冷静になっており普通に朝食を食べてゆっくりとオーキド研究所を目指すとデカデカとオーキド博士にポケモンを貰ったとドヤっているバカ(シゲル)がいた。

 

 「サートシくんは遅刻かい?」と物凄く自慢気な顔で聞いてくるシゲル。取り合えず寝坊したと一言告げて階段を上っていると、シゲルは見ていてくれ!と声援に来ていた人達にポケモンマスターになることを宣言していた。オレも居るし、顔は見たこと無いが残りの2人のトレーナーも居るのを忘れているのか、マサラの人達よ。

 

 オーキド研究所に入ると「おお、そういえばサトシもじゃったの!」と素でオレの事を忘れていたオーキド博士。このジジイ、なんで初心者用のポケモンを新米トレーナーに渡す重要な役割をしてる?完全にオレの事を忘れてんじゃねえか。

 

 フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメと三角形に並べられた名前が刻まれたモンスターボールをなにやら無駄に豪勢な機械から出す。

 オチは見えているが一か八かだこの野郎とヒトカゲが入ったモンスターボールを手にして開けるも、空。最初に来た奴が持っていったと言い、次にフシギダネを開ければ時間通りに来た子が、最後にゼニガメと来たが全て空である。

 

 「オレのポケモンは?」と聞けば「いるにはいるんじゃが」と気まずそうな顔をするオーキド博士。機械からイナズマのマークが刻まれたモンスターボールがウィーンと出て来た……フシギダネ達が居ないなら居ないで、最初からピカチュウを出してくんねえかな……。

 

 そんなこんなでピカチュウを貰ったのだが、案の定人に懐いていない。最初に貰うポケモンは最初に貰うポケモン用としてある程度まで育てる養殖的な事をしてるってアドバンスジェネレーションで言ってたのに、なんでピカチュウだけは完全に野生からのスタートなんだよ。どうせならばピカチュウも育てておいてくれよ。

 

 色々と愚痴ったとは言え、やっと旅立ててポケモンを貰えたと喜びピカチュウを抱っこ。

 オーキド博士が慌てたものの、既に時遅し。ピカチュウはオレに対して10まんボルトで攻撃してきたが、甘い、甘いぞ。伊達にマサラ人を名乗っていない。サトシくんに対して電撃なんぞ百年早いと頭を撫で撫で。ピカチュウは電撃が効いておらず、引いていた。

 

 餞別だと昔懐かしい初代のポケモン図鑑とモンスターボールを貰う。このポケモン図鑑が後々ロトムと融合するロトム図鑑にまで成長するのかと20年の間に起きる歴史の流れを感じる。今の時代、スマホ一つでなんでも出来る。電子辞書を持っている奴なんて周りに一人も居ない……これからロトムが酷使される事を考えると、なんだか可哀想に思える。

 

 はじめてのポケモン(ピカチュウ)、身分証明書代わりにもなるポケモン図鑑、空のモンスターボール×6を持ち、オーキド研究所を出ると出迎えてくれたママさんとマサラタウンの人達。シゲルの時と比べて明らかに人が少ない。アイツは何だかんだでオーキド博士の孫だから、期待度が高いんだなと若干の苛立ちを覚えながらも、マサラタウンの住人の手のひらを返させてやると決意。

 

 予定は狂ったもののトキワシティを目指そうとするのだが、言うことを聞かないどころか一緒に来ようとはしないピカチュウ。完全に舐められており、どうしたものかと考える。原作ではオニスズメと一戦やらかして友情を築き上げるのだが果たしてそれで良いのだろうか?

 

 やり方自体に文句は言わない。だが、オレはこれから先サトシくんがゲットしていないポケモンをゲットする。そうなると言うことを聞かないポケモンをゲットする可能性がある。その度に野生のポケモンに襲われる展開が起きたとなっては身が持たない。

 

 

 ここはオレが優れたトレーナーだと証明するべく、ポケモンバトルを挑んだ。

 

 

 たかがピカチュウ、そう思っていたオレはバカだった。今まで何度か戦ったポケモンの中でも群を抜いて強く、本当に初心者に渡すポケモンなのかと思わず疑ってしまう程だ。途中に降った豪雨を味方に付けており波動の訓練をしていなければ確実に負けていた……波動拳が決まり手である。

 

 バトルに負けた事により、オレと言うトレーナーのスゴさが伝わったのか、友情の様な物が芽生えた。ちゃんと言うことを聞く様になり、きずぐすりでダメージを回復させてオボンのみを与えながら今後についてピカチュウに教えて確認を取る。

 

 

 オレは今後、ポケモンリーグ・セキエイ大会に出る為にポケモンジムに挑戦してバッジを8個集める。公認のコンテストじゃない、街のお祭りのコンテストみたいなのは出るけれどもグランドフェスティバルの出場権を手に入れる為のリボンが手に入るポケモンコンテストには出場しない。バッジを集め終えたら一度、マサラタウンに帰ってみっちりと修行をする。

 

 

 サトシがゲットしたエイパムはポケモンバトルよりもポケモンコンテストがしたく、逆にヒカリのブイゼルはポケモンコンテストよりもポケモンバトルがしたいので交換をした。ポケモンによってやりたいことが異なるのは仕方ない。やりたいことをやらせずに無理に別の事をやらせるのも余りよろしく無い。

 

 だから、ポケモンバトルよりもポケモンコンテストの方がしたいやりたいというポケモンは捕まえない。ポケモンバトルがしたいポケモンをゲットしておかなければならない。流石に図鑑を開いてポケモンのデータを見て「っち、ゴミ個体かよ」とか言って逃がす厳選は出来ないが、そういう意味での厳選はしておかなければならない。

 

 今後の方針をピカチュウに語ると納得するピカチュウ。オレは拳を出すとピカチュウも拳を出して触れあう。すると雨は上がり、舞い落ちる虹色の羽根。空を見上げれば虹が掛かっており虹色の羽根を生やしたホウオウを発見。ポケモン図鑑を開くものの、ミュウツーを除くカントー地方のポケモンにしか対応しておらずデータ不明となった。

 

 ……これ、映画時空なのか?【ポケモン、きみにきめた】じゃなくて【ポケモン、キミにきめた】なのか?オレのこの原作知識に間違いがなければ、ピカチュウとの出会いも見送りをしてくれた人達も【ポケモン、キミにきめた】じゃなくて、【ポケモン、きみにきめた】なんだけども……混合しているのだろうか?

 

 別に誰かが死ぬとか悪の組織がポケモンを使ってヤバい事をしようとか世界が滅びる滅びないの話じゃないし、ホウオウに会いに行く暇があるならばポケモンを鍛えるのに時間を使う。

 

 

 【すずのとう】に行ってもホウオウが現れないだろうし、伝説のポケモンは大会(ゲーム)で基本的に使用禁止だし、持っているとなんか祟られそうだし、虹色の羽根をマニアに売り付けよう。マニアならば高く売れる!

 

 

 

 最初のポケモンがピカチュウで出鼻をいきなり挫かれてしまった。畜生と盛大なまでに叫んだり色々としてスッキリとした。今日からはピカチュウと一緒に頑張っていこう……うん。



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ポケモン、ゲットしたぜ!

 カントーレポート2(対決!トキワシティ)

 

 ピカチュウと仲良くなるのに丸一日使ったが為に出遅れてトキワシティに到着。

 昨日のバトルでついた汚れが目立っていたのか、トキワシティ入口のジュンサーさんに捕まり、身分証明書(ポケモン図鑑)を提示。するとああ、昨日の!と納得をした。マサラタウンからトキワシティまで割と直ぐなので、オレだけ遅れた事に疑問を一瞬だけ持ったりもしたが、遊んでただけだと勘違いをされた。

 

 取りあえず、その姿だと目立ったりするのでポケモンセンターに案内するわとバイクに乗せてもらい、ポケモンセンターに辿り着くのだが、もう見るも無惨にボロボロ。昨日、ロケット団がポケモンを盗もうと襲ってきたらしい……。

 

 

 

 そういえば第2話は初日の夜に起きた出来事だった……なんか、すんません。

 

 

 

 ロケット団に襲われてボロボロなものの、ポケモンセンターは辺鄙なところにもありポケモンに襲われたりすることもあるので、これぐらいは日常茶飯事だと笑うジョーイさん。スゲーなとピカチュウを預けて待っている間にママさんに電話をし、トキワシティに辿り着いた事を報告。そして感動される。父も祖父も一週間掛かったってどんだけ掛かってんだ。ママさんに続きオーキド博士も電話を入れてきて、オレってそんなに信頼されてないの?と少し落ち込む。

 

 昨日のバトルでついた汚れを落とし、ピカチュウを回復させている間にシャワーでさっぱりリフレッシュ。体を綺麗にして回復したピカチュウと一緒に食堂で食事をしたら、いざ尋常にポケモンバトル。

 

 ポケモンを直ぐ回復させる事が出来るので、ポケモンセンターの直ぐ隣には大きなバトルフィールドがあり勝ち抜き形式でバトルをしており、オレ参戦。

 ピカチュウも初バトルだと両頬の電気袋をビリビリと鳴らして闘志を燃え上がらせており、何事も最初が肝心だぞ!と気合いを入れてバトル……結果は13連勝で、14戦目はピカチュウしか居ないことを気付かれたのと連戦で体力を減らしていた為にゴローンに敗北。やっぱり地面タイプのポケモンとは相性が悪いか。

 

 全員をぶっ倒すつもりでいたが、やっぱりそんなに甘くはない。とは言え、出だしは好調だったとピカチュウを誉める。ついでに手入れもする。はじめての手入れだが、思いの外上手く出来た。

 

 バトルの後はニビシティに向けて出発!はせずに、拾った虹色の羽根を売ることに。いやぁ、マニアはスゴい。

 一瞬にしてポンっとありえない額を出してくれる。取りあえずはこれでとモンスターボールを購入しにフレンドリィショップへと足を運ぶ。

 オーキド博士は餞別でモンスターボールをくれたが、正直な話、モンスターボールじゃ色々と限界がある。なんか使えそうなボールは無いかと探す。

 ゲームみたいにバッジの数で購入できるボールが変わるなんて事はなく、なにか良いボールは無いかと探すが、スーパーとかハイパーとかのモンスターボールの上位互換ぐらい。欲を言えば、ガンテツボールが欲しいがそれはジョウト地方までのお楽しみだと、ヒールボールを3つほど購入するだけに終わる。

 

 はじめてのポケモンバトルで勝利をし、快調の連勝からの敗北。これだけで見えてくるものが大きく変わった。ピカチュウはライチュウになりたくないと進化を拒絶するので、その分をカバー出来るように頑張らないと。

 

 今日のバトルで見えたことや今後の課題点はこのレポートじゃなくてバトルノートに記しておこう。

 

 

 カントーレポート3(ポケモン、ゲットしたい!)

 

 

 トキワシティでグッスリ休み、目指すぜニビシティ!とはまだいかない。

 

 この世界のポケモンリーグはトーナメント形式のルールで、出場するにはバッジ以外にも最低でもポケモンが6体必要で、ポケモンジムに挑戦する際にはポケモンジムが言う数でバトルしなければならない。

 

 一番最初のジムであるニビジムでバトルをするのに必要なポケモンの数は2体……あれ、そういえばポケモンを数える単位って【体】と【匹】どっちだっけ?……どっちでもいいか。

 

 ゲームの様に2、3体ぐらいでポケモンリーグにも挑戦する事は出来ないので、ジムに挑む為にもポケモンを最低でも6体、ピカチュウを除けば5体ゲットしなければならず、ポケモンリーグは連日連夜のトーナメント形式のバトルであることを考慮し、最低でも9体ぐらいは必要だと思う……でも、これが案外大変なんだよな。

 

 この世界では個体値的な意味での厳選が出来ず、1つの試合で2体以上同じポケモンで戦わせることは禁止されてる。ジム戦は指定された数しか使えない。タイプ統一パや天候パと言った何らかのコンセプトのパーティを組むのは難しく、厨パを組めば手持ちのバランスが悪くなったりする。

 

 要するに旅パを作れば良いのだが、よくよく考えれば旅パって4体ぐらいで、残り2体が雑用(秘伝要員)だったりするんだよな。

 

 ともかくポケモンをゲットする為にトキワの森に向かわず、セキエイ高原付近を目指した。

 ニビジムのジムリーダーであるタケシのポケモンはイシツブテとイワーク。どちらも【いわ】と【じめん】の複合でピカチュウの10まんボルトは効かない。特訓したら効くようになるなんて都合の良いことも無い。

 

 バイバイすることになるバタフリーもピジョンも最初から捕まえるつもりはなく、ピカチュウ版だとニドラン♂♀のにどげり、マンキーのけたぐり、バタフリーのねんりきでゴリ押しすることが出来る。しかしこれはゲームでなく現実。なにがあるかは分からない。

 

 ポケモンゲットの為にセキエイ高原付近を探索しているとサイホーンを発見。直ぐに図鑑を取り出して色々と調べるのだが、とくせいが【ひらいしん】だった。はい、別個体を探しましょう。なんで初代の図鑑でとくせいが見れるかは知らないけれども、【ひらいしん】サイホーンなんて捕まえるつもりは無いです……そもそもで【ひらいしん】って、アズマオウ以外に需要あったっけ?メガジュカインとかライボルトに電気技をぶつけるのバカでしかないぞ。

 

 【ひらいしん】のサイホーンが居たので他にもサイホーンは居ないかと波動を頼りに探知していると発見。しかし、呪われているのか連続で【ひらいしん】の個体と遭遇。オレが欲しいのは【いしあたま】の個体であり、8体目にしてやっと【いしあたま】のサイホーンと遭遇。よっしゃ、後はゲットするだけだ!となったが、直ぐに問題が発生した。

 

 

 サイホーンに全然ダメージを与えられない。

 

 

 開幕モンスターボールをしてみるものの、1度もボールは揺れずにボールから出るサイホーン。やんのかこらぁ!と威嚇してきて、バトルとなるのだがこっちにはピカチュウしかいない。

 【とっしん】してくるが曲がらないサイホーン。素早いピカチュウは横に避けながら、【たたきつける】を繰り出してみるも効果は0。A(物理攻撃)とB(物理防御)に特化しているだけあり、普通にやったらダメかと【しっぽをふる】で防御力を下げてみるものの、やっぱり効果は無い。

 塵も積もれば山となるみたいにダメージを蓄積していくかと思ったが、これは無理だと判断したオレはモンスターボールを投げるが、やっぱり無理で、ボールを回収してピカチュウを抱えて逃げた。

 

 

 いわタイプのポケモンはBが物凄く高くてD(特殊防御)が低いのが多い。多分、ルナトーンだけがBよりDの方が高い。

 

 

 あのまま普通に戦っていても、いずれはピカチュウの方が根を上げてしまう。

 ここは特訓だと言うとピカチュウもやる気を出して頬から電気を出すけれども、今回は電気技はお休みだ。あいつ【じめん】【いわ】タイプのポケモンだ。どれだけ強力な電気技を覚えようが無駄である。

 

 手頃な川辺に移動して、川に手を入れる。川は物凄い浅くオレの手が入るぐらいの深さで、先ずはここからだとピカチュウを水に入れる。ピカチュウは気持ちいいと喜んで水遊びをはじめており、取りあえずは水が怖いとかそういうのは無いなと見守り、暫くするとなにをするの?と首を傾げるので【なみのり】の特訓だと教える。アイアンテール?後々覚えさせるけれども、Bが高いいわタイプのポケモンを相手にするから後に回す。

 

 なみのりピカチュウは相手によって左右される【くさむすび】より安定性を持っていて強い。

 

 【なみのり】を覚える為にはとバトルノートを見返す。ポケモンバトルに関する色々を書いたバトルノート、流石にピカチュウの【なみのり】の覚え方は書いていないので、手探りでやる。

 

 第一段階、水に馴れる。

 

 水を巻き起こして津波で相手を飲み込むのが【なみのり】。水を怖がるということはない。それどころか楽しむので第一段階は突破。

 

 第二段階 板の上に乗る。

 

 通常の【なみのり】は巻き起こした津波の中を泳ぐのだが、ピカチュウの【なみのり】は違う。ピカチュウの【なみのり】はサーフボードを使う。なので、板かなにかに乗ってバランスを崩さない様にする。サーフィンとかスキーとか下手くそな奴とか初心者は絶対に転けたり上手く立てなかったりする。そしてオレは修学旅行がスキーだったので行かずに積立金を返してもらった。スキー旅行なのでスキーしかせず、出来ない奴は全然楽しく無い二度と行きたくは無いと言う人は多かった。

 

 ピカチュウは思ったよりも器用であり、流れる川の上でも板の上に乗ることが出来たので第二段階終了。

 

 第三段階 【みがわり】を覚える。

 

 水に浮かんでいる板の上に乗れたらば、次は板(サーフボード)を作る。

 やっていることが完全にポケスペのピカの【なみのり】だが、同じピカチュウなんだし問題ない。さっきまでと違い本格的な技の訓練へと切り替わるのだが、今までと比べて難易度が高い。

 特に体力の4分の1を消費して分身を生み出す【みがわり】の特訓は体力の消耗が予想以上に激しく、攻撃系の技とも補助系の技とも言い難く、上手くコツを掴みづらく数回挑戦しては休憩を繰り返す。

 最終的に【みがわり】は完成しなかったものの、体力を消耗して分身を生み出せる様になった。分身を水に入れてみると水を弾いたので【なみのり】の習得までは後僅かだ。

 

 【みがわり】に予想以上の時間と体力を消費したので、最後の仕上げは明日にすることに……よくよく考えれば、普通にみずタイプのポケモンをゲットすれば良かったんじゃ?とコレを書いてて思うのだが、ピカチュウを鍛える的な意味で【なみのり】の習得は必須……いやでも、やっぱ捕まえた方がよかっただろうか?

 

 

 カントーレポート4(ポケモン、ゲットだぜ!)

 

 

 2日目に入り、ピカチュウの体力も全快。

 ピカチュウの【なみのり】の1番の肝であるサーフボードを作り出す為に必要な【みがわり】っぽい事は出来る様になった。取りあえずは分身を生み出さずに、サーフボードを作り出す特訓に入る。

 

 分身を作るには体力の4分の1を使用しなければならない。【なみのり】を使うのにいちいち体力の4分の1を使用するなんてやってられないので最小限に、それこそ得意の電気技を使うぐらいの体力消費でなければならない。

 かといって、あまりにも雑な分身(サーフボード)だと波に乗っている最中に壊れるので、体力消費を極力抑えつつ壊れにくいサーフボードを作る特訓に。

 

 体力の細かい調整をしなければならず、これが思ったよりも難しく昼過ぎまで時間が掛かった。

 

 なんとか【なみのり】を覚える事が出来たので、少し遅めのお昼に入る。お昼が終われば、サイホーンに再挑戦だとピカチュウにやる気を起こさせ、サイホーン探しをする。サイホーンの波動を覚えているので割とあっさりとサイホーンを発見。怖いので念のためにとポケモン図鑑を起動して確認をすると【いしあたま】の個体だった。

 

 取りあえずはモンスターボール、レッツゴー!と攻撃を一切せずにモンスターボールを投げる。どうせ捕まえられないだろうからと何時でも戦える準備と空のモンスターボールを用意してたら普通にゲットすることが出来た……おい!

 

 昨日、追いかけ回されたり必死になって【なみのり】を覚えようとしたのはなんだったんだよ?いや、まぁ、無駄ではなかったよ。実戦でまだ使ってないけれども【なみのり】を覚えることが出来たのは良かった事だが、これはねえだろう。

 

 あまりにもあっさりとゲットすることが出来てしまい、テンションを落としまくる。本当に昨日はなんだったんだとテンションがガクっと下がる。

 

 それでもサイホーンをゲットすることが出来た事は良かった。一先ずは図鑑でなんの技を使えるのかを確認。

 【とっしん】【ふみつけ】【つのでつく】……よし、今後を期待しよう。岩と地面の技は絶対に覚えさせないと。

 

 念のためにオレはポケモンリーグに挑戦するからコンテストとか基本的にはしない事をサイホーンと話し合う。コンテストがやりたいと言う個体でなく今後の事を承諾してくれた。

 

 サイホーンをゲットすることが出来たので、これ以上セキエイ高原付近をブラブラしている暇は無い。トキワシティに戻ろうとするとドードーを発見。こいつはいいやとモンスターボールを投げるのだがあっさりとボールから出る。

 やっぱりある程度弱らせてからじゃないとゲットできないかとピカチュウに戦って貰おうとするが疲れたからパス!と何処かから取り出した布団一式で眠っており、それならばと捕まえたばかりのサイホーンを使う。

 

いわタイプのポケモンは捕まえていて正解だった。

 

 ドードーは素早く、サイホーンの背中の上に乗った。これでもかと言わんばかりに【つつく】で連打をしてくるが、殆どダメージが無い。これは好機だと背中の上に乗っているドードーを振り払い【ふみつけ】で攻撃。怯むかと思ったら、急所に当たったのか立ち上がる事は無いのでヒールボールを投げる。ドードーをゲットした。

 

 ポケモントレーナーになって4日目でポケモンを2体ゲット。

 

 サトシくんは2日目(多分)でキャタピー、3日目(多分)ピジョンをゲットしていたから遅れているだろう。

 

 夕方にはトキワシティに到着し、ポケモンセンターに向かうとジョーイさんがオレの事を覚えており、ポケモンをゲット出来たのねと喜んでくれた。

 

 ピカチュウ達が回復してモンスターボールが返されると、みずタイプのポケモンをゲットするのを忘れていた事に気付くがこれ以上はちんたらしていられないので明日からニビジムを目指してニビシティに行こう。トキワジムは最後に挑戦しよう。



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ニビジムの対決!

 カントーレポート5(虫取り侍との激闘)

 

 ニビシティに行くためにトキワの森を通る。

 

 右見ても左を見ても木だらけでこりゃ迷子になるわなと波動と地図を頼りに歩く。変なところを歩けばスピアーの群れに遭遇したりする。この世界の見た目が悪役っぽいポケモン、やたらと凶暴性が高いからな。【ほのお】タイプのポケモンが居れば、経験値稼ぎにちょうど良いんだが、それがいないのは残念である。

 

 道中にピジョンやキャタピーを見つけたものの、無視。1日遅れているんだからと急いでいると甲冑を着た日本刀を持ったヤベー奴が「お主、マサラタウンのトレーナーでござるか?」と聞いてきたので「そうだ」と答えると斬りかかってきた。

 

 波動で相手の動きを見ずに認識出来る様に鍛えていて正解だった。日本刀を振り回すなバカヤロー。

 

 そっちがその気ならばと波動で出来た螺旋丸を作るのだが、「いざ尋常に勝負!」とモンスターボールを見せる虫取り少年。日本刀での攻撃のくだりは要らねえだろと思いながらもバトルを挑まれたのならば答えるのが流儀だと場所を移動して、ポケモンバトルを開始。使用ポケモンは2vs2。

 

 虫取り少年改め虫取り侍の一体目はカイロス。トキワの森に出ないのに、何処で捕まえてきたのか気になったがゲットしたいわけではないので聞かず、ドードーを出す。

 「セオリー通りで来たでござるか!」と言うので「当たり前だろう」と答えて先手必勝の【つつく】。効果は抜群の【つつく】をくらい苦しむカイロス。虫取り侍は【はさむ】を指示してドードーの頭を挟むのだが、ドードーの頭は2つ。胴体を掴まなかったお前の敗けだと、もう1つの頭でもう一度【つつく】。

 

 ドードーの記念すべき初のトレーナー戦、勝利する。

 

 カイロスが倒された虫取り侍が出した次のポケモンはトランセル。とっとと終わらせると【つつく】を指示して攻撃するも【かたくなる】で物理防御力を上げられたのでボールに戻し、ピカチュウを出す。

 トランセルの【かたくなる】は強力で、【たたきつける】で攻撃したがノーダメージ。

 

 はい、ということで【10まんボルト】

 

 貴様がBの個体値が最高で努力値を振っているトランセルを使って【かたくなる】を積んだとしても無駄なんだよ。どんだけ物理防御力を高めようが初代からある電気技の顔とも言うべき【10まんボルト】の前では無力。

 

 真正面からくらって黒焦げになっているトランセル。虫取り侍は「今度マサラタウンのトレーナーと戦う時は絶対に負けんと誓ったであろう!!」とトランセルに渇を入れるとなんとか起き上がる。

 

 あ、これやばい。

 

 そう思うも手遅れでトランセルは進化の光を放ちめでたくバタフリーへと進化をした。なんでこういう変なフラグを踏んでしまうんだオレは。けど、逆にこれが良かった。

 【むし】タイプのトランセルが【むし】【ひこう】タイプのバタフリーになった。つまりピカチュウの【10まんボルト】がより効くようになった。

 

 【ねむりごな】で眠らせに来るバタフリー。【なみのり】で粉を一掃し、濡れたバタフリーをすかさず【10まんボルト】これで虫取り侍はマサラタウンのトレーナーに4連敗。「いいバトルだったな」と満面の笑みで握手を求めると「負けたでござる」と握手を返す虫取り侍……ッチ。

 

 「ニビシティってどっち方面?」と聞けば、「あっちでござる!」と教えてくれオレはニビシティを目指す……けど、デカいなトキワの森。ゲームでもやたらとジグザクしてニビシティに出ただけあって、ホントに広い。まさか野宿するとは思わなかった。

 

 ……つーか、シゲル達早くね?

 

 ロケット団とか野生のポケモンに襲われるとかそういうの無いのに、シゲル達はポンポンと行っている。彼奴等、自転車かなにか使ってるの?いや、確かにシゲルは車に乗ってたけども残りの二人もなんか乗ってるの?

 今頃はニビジムでタケシとポケモンバトルをしているんだろうなと思うとオレってどんだけ遅いんだよとなる。水の上を自由に走り回れるのにこれでも遅いのか……。

 

 

 カントーレポート6(ニビジム攻略、大特訓)

 

 今日も今日とて森の中。昨日の虫取り侍が嘘の道を教えたのかと思わず疑ってしまうほどに森続きだがタウンマップ的には道は間違っていないので道は間違っていないのだろう。

 ただただニビシティを目指して歩いていると、虫取り小僧と遭遇。「目と目が合えば、それがバトルの合図だ!」とモンスターボールを構える……ポケモントレーナーってヤンキーより質が悪い。

 

 売られたバトルは勿論、買う。

 

 相手の1体目はスピアー。ならばと、まだトレーナー戦を経験していないサイホーンで戦う。結果は圧勝。

 【みだれづき】で距離を縮めてきたので【とっしん】でカウンターを決めてやった。

 

 2体目はコンパン……いや、トキワの森に生息してるのか?

 【かなしばり】で【とっしん】を封じて一瞬だけ動けなくなった隙をついて【しびれごな】からの【サイケこうせん】。確実に倒しに来ており、殺意が高かった。そしてサイホーンは特殊攻撃にやっぱ弱かった。

 

 サイホーンがやられ、2番手だとドードーを出す。

 

 直進的な動きのサイホーンに対し、縦横無尽に走るドードー。コンパンを撹乱しつつ、【つつく】をきめて勝利。やはり効果は抜群の技は強い。

 

 最後の3番手にはストライク登場……トキワの森の生態系が知りたい。頑張ればヘラクロスとか見つかるんじゃねえかと思う。

 

 コンパンと異なり地味に早いストライク。

 ドードーの動きにもついて来ており、近距離戦闘は苦戦。弱点をついているから此方が若干有利だと思っていると急に距離を取った。なにをするつもりかと思えば【かまいたち】を飛ばしてきた。余りにもマニアックな技で対処をすることは出来ず、ドードーはKO。

 

 一進一退の戦いを繰り返す事になろうとはとピカチュウを出す。

 

 昨日のバトルとは異なり、蓄積してたダメージもあってか【10まんボルト】の一撃でダウン。これで2連勝だとガッツポーズをし、虫取り小僧と握手を交わして別れた後にサイホーン達にきずぐすりを使うのだが、これで大丈夫なのか?と思わず疑ってしまう。

 

 まだ旅立って間もなくポケモンバトルの経験も少ない。2連勝して強くなっていってるという感じもしており順調だ。だが、これで大丈夫なのか?そう疑い出した。着実に強くなっている感覚はあれども、上の恐ろしさをオレはまだ実感していない。もしかするととんでもないぐらいに強いかもしれないと。

 

 念には念を入れようと野宿するのにはちょうど良い場所に移動をしてサイホーン達を鍛える事にした。

 

 よくよく考えればピカチュウの【なみのり】頼りで、ニビジムは使用ポケモン2体のポケモンバトル。もう一体をドードーかサイホーンのどちらかにしなければならない。ここでどれだけ鍛えれるかで選出するポケモンを決めることにした。

 

 鍛えると言ってもゲットしたばかりなので進化は難しい。ここは技の1つでも覚えさせようと図鑑とにらめっこ。サイホーンはなにを覚えさせれば良いのか直ぐに決まったのだが、ドードーになにを覚えさせれば良いのかが思ったよりも時間が掛かった。

 

 サイホーンは【いわなだれ】と【あなをほる】、ドードーは【とびげり】と【ドリルくちばし】を覚える為にバトル。

 

 練習で使えても本番で出来ないなんて事はあってはならないとピカチュウの時と趣旨を変えて実戦形式で、自由自在に移動していいが、その2つの技しか使用してはいけない縛りでの特訓。ピカチュウは自分は?と首を傾げてきたので【でんじは】の訓練をする。

 

 ゲームでは野生のポケモンを狩りまくれば良いのだが、この世界ではそうはいかない。基本的には手持ちのポケモン同士のバトルで鍛え上げなければならない。一体だけの指示に集中している対人戦と違いこれが結構難しい。

 

 結果だけを言えば、ドードーが【とびげり】を覚え何故かサイホーンが【ドリルライナー】を覚えた……いや、なんでやねん。

 

 

 カントーレポート7(辿り着け、ニビシティ)

 

 

 ニビシティに到着した。

 

 

 

 カントーレポート8(ニビジムの戦い)

 

 

 昨日のレポートを見て、短っ!と思ったがよく考えれば本当にそれしか書くことが無かった。

 

 ただただ果てしなく広いトキワの森を真っ直ぐ進み、道中にトレーナーに挑まれるということはなくかといってスピアーに襲われるということもヘラクロスの様なゲットしてみたいと思えるポケモンも特にいない。

 

 本当に真っ直ぐニビシティを目指して夕方過ぎにニビシティに辿り着いて、タケシの親父さんであるムノーさんと出会ってポケモンセンターに案内をしてもらって1日が終わった。ポケモンバトルとかをせずに移動にだけ丸々1日使っただけあり思ったよりも疲れていたのかぐっすりと眠った。

 

 ピカチュウ、ドードー、サイホーンの健康状態良し。本人達のやる気も問題は無い。そしてオレもエロ本を読んで精神統一完了。

 

 目指せニビジムとニビジムに向かおうとするとムノーさんと遭遇。「今からニビジムに挑戦か?」と聞いてきたのでタケシに勝利してグレーバッジをゲットしてきますと宣言。「威勢だけじゃない事を祈る」とか言い、ニビジム方面に行った……あのおっさん、何だかんだで家に帰りづらいんだろうな。

 

 ニビジムに入ると何処もかしこも真っ暗。しかし、ムノーさんの気配はする……おっさん、コッソリと試合を見に来たんだな。

 

 ムノーさんの気配を無視しつつタケシはと思っていると、明かりがついた。「何者だ?」と物凄い堅物系の雰囲気を醸し出しながら聞いてきた。これがあの「おねえさ~ん!」と軟派になる男になるとは……大人のお姉さん、恐るべし。(男は皆、スケベです)

 

 「オレはマサラタウンのサトシ、ジム戦に挑戦に来た!」と高らかにモンスターボールを見せるのだが空のモンスターボールだった事に後で気付く。

 

 「またマサラタウンのトレーナーか」と言うタケシ……あいつら、どれだけ早いんだよ。取りあえず、ジムリーダーが挑戦者にバトルを挑まれたら逃げられないだろう!と言うと「挑戦を受けてやろう」と指を鳴らすタケシ。

 

 フィールド、下からせり上がる方式じゃないんかい。

 

 岩のフィールドが下からウィイインと出てくるのでなく、両端からウィーンとスライド式で出て来てビビった。普通は下から出てくるものだろう。なんで横からだ?て言うかオレとピカチュウ棒立ちだったら挟まってたぞ。

 

 ポケモンバトル前に命の危険を感じつつも、はじまるポケモンバトル。審判は機械だった……これがいずれロトムになると考えるとロトムは酷使され過ぎだろう。

 

 タケシの1体目はイワーク。いきなりかと思いつつそれならばとこっちもピカチュウを出す。

 

 案の定「愚かな、じめんタイプのポケモンにでんきタイプで挑むとは」と言ってくるがAがポッポと同じイワークで挑んでくるお前の方が愚かなんだよ!

 

 【たいあたり】で突っ込んでくるイワーク。甘いわ!と【なみのり】でそのデカいだけの図体を飲み込んだ。ピカチュウが【なみのり】を使えると思っていなかったのか驚くタケシ。

 

 みずタイプの大技をくらいイワークは一撃でダウン。「新米トレーナーだからと侮っていたようだ」とイワークをボールに戻し、イシツブテを出す。

 

 【なみのり】の前では無駄無駄無駄ァ!と攻めに行くのだが、イシツブテは……多分だけど【うちおとす】を使ってきた。タケシは【いわおとし】って言ってたけど、フィールドの岩をぶん投げてきたので【うちおとす】だ。

 

 無敵に思えたピカチュウの【なみのり】に弱点発覚。泳げるポケモンは波に乗って移動しながら攻撃するが、ピカチュウはサーフボードに乗って波に乗っている。ピカチュウをサーフボードから落とせば【なみのり】は失敗に終わる。

 

 ピカチュウの【なみのり】を気付かなかった為に大慌て。幸いにもまだ動けるとピカチュウに距離を取らせてからの【なみのり】で攻撃するも打ち落とされる。

 

 「【なみのり】は驚いたが、それだけで倒されるほどジムリーダーは弱くはない!」と言うタケシ。これはまずいと直ぐに【なみのり】以外の手を考えるもイシツブテは待ってくれず【メガトンパンチ】で殴りにかかり、ダメ元で【アイアンテール】をするが当然使えず【たたきつける】になり尻尾が痛いと鳴くピカチュウ。

 

 こりゃマジでヤバい。

 

 ドードーが入ったモンスターボールに触り、交代するしかないのかと思っているともう一度【メガトンパンチ】。

 ピカチュウは避けるのだが、右左右左と【メガトンパンチ】のラッシュがあり徐々に徐々に後退。最終的には岩の壁際まで追い込まれた。これは避けられないと「これでおしまいだ!」とメガトンパンチで決めに来るが、跳んで避ける。

 

 しかしそれを予測できないタケシではない。「上だ!」とイシツブテは右手で岩を破壊して直ぐに使わなかった左手を使い跳んだピカチュウを殴りにかかり、尻尾で反らす時間も無いとイシツブテの左手の側面を踏み台にしようとした。

 

 その結果、ピカチュウは【にどげり】を覚えた……ピカブイで覚えたな、そういえば。

 

 ここに来てのまさかの【にどげり】、想定外だがコレはチャンス。1発目で蹴り、2発目で蹴って跳ぶ【にどげり】で攻める。よっしゃ、こりゃいける!と思ったのだが、相手は岩ポケモン。Bは高い。

 ダメージはあるが決定打にならない。二回ほど【うちおとす】をくらっているピカチュウ。このまま長期戦は不利だが、【なみのり】を使えば打ち落とされる。

 

 【にどげり】を偶然に覚えたんだから、こうなればと一か八かで賭ける。

 

 段々とピカチュウの【にどげり】のリズムになれてきたイシツブテ。タイミングを測ってきており、それを利用しない手はない。【メガトンパンチ】で殴りに掛かってくると跳ばずに側面を尻尾で攻撃して反らしイシツブテとの距離を無くす。そして使う【じごくぐるま】。

 

 スマブラのZ+←or→の様にグルグルと回るイシツブテ。回転により目を回したイシツブテをピカチュウは投げつけ、フィールドの外の壁にぶつけ……引き分けに終わった。

 

 うん……やっぱりダメージが大きかった。【メガトンパンチ】こそくらってないものの2連続の【うちおとす】からの【じごくぐるま】での反動。思ったよりもダメージは大きくピカチュウは目を回していて最終的には倒れた。

 ピカチュウはまだ1体目なので2体目を残しているオレの勝ち……なんだけどもなんか納得は出来ない。いや、勝ったことは嬉しい。サトシくんは常にギリギリでの勝利をしているから手持ちを1体残しての勝利を喜んで良い筈なんだがあんまり喜べない。引き分けだからか?

 

 

 ポケモンバトルはまだまだ奥が深いな。

 

 

 何はともあれポケモンジムを攻略してグレーバッジ、ゲットだぜ!!ジムを出る間際に「何時まで隠れてみているんですか?」とムノーさんに声をかけてかっこよく去っていき、ポケモンセンターへ……

 

 

 ジムバッジを入れるバッジケース、マサラタウンに忘れた。



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月の光より月の石

 カントーレポート9(灰色の休息日)

 

 昨日の試合が疲れたのか、何時もよりも長く寝ていた。マサラタウンで体力作りをちゃんとしたつもりだが、肉体的疲労じゃなく精神的疲労だった。「所謂場数を踏まないとこの疲労はどうにか出来ず、新米トレーナーではよくあることじゃよ」とバッジ入手の報告をした際にオーキド博士が言ってくれた。昨日は2体だったけども最終的には6体でのバトルになるから経験は積まなければ。

 

 グレーバッジは服の裏にくっつけることに。バッジを集め終えてマサラタウンに帰ったらちゃんとバッジケースにしまおう。

 

 今日はニビシティをグルリと観光しつつ旅に必要な物を買い物した。ピカチュウ達の好みの味のポケモンフーズにオレ自身の食糧、その他色々を購入しつつ博物館を見学した……化石復活マシンがあった。

 よくよく考えれば化石を復活させてポケモンに戻す技術って凄いオーバーテクノロジーだよな……そういえば、大昔に絶滅(設定上)したとされるポケモンなのに、なんでポケモン図鑑に載ってるんだ?

 まぁ、最新作だと絶滅してなかったとか言われているし……あれ、でもそれだとガラル地方のポケモンとしてカウントされないか?……相変わらず闇が深そうだ。

 

 カントーレポート10(おつきみやまでお月見)

 

 朝にニビシティを出発し、目指すはハナダジムがあるハナダシティ。

 

 ぶっちゃけた話、ハナダジムでのジム戦は望みが薄い。経験を積みたいしサカキとミュウツーが怖いから、ゲームには登場しないジムに挑戦してみたいなとは思う。けれども、そういう余計な事するとなにが起きるか分からないので怖いから出来ない。逆に考えよう。事前調査をいちいちしなくて良いと。

 

 そうこう考えている内に何名かのトレーナーとバトルをし、おつきみやまに到着した。

 

 ニビシティ側にポケモンセンターは無かった。やっぱこういう細かいところはゲームとは違う……コイキング500円で売ってくれるおじさんがいたら購入したんだがな(あの親父からは買わない)

 ゲームとは異なり化石も貰えないしハナダシティに向かうまでそれなりに時間が掛かるだろうなと思いながら歩いているとズバットに襲われている研究員を発見。

 

 ポケモンに襲われている人を見たらやることは1つ、【10まんボルト】……ポケスペでも颯爽とかっこよく助けてたりしてるじゃん……オレも出来るかなって思ったんだ。予想に反して研究員も巻き込んで電撃を浴びせてしまった。

 しかし、伊達にポケモンの世界じゃない。ケロっと起き上がり感動をし、こっちに抱き付こうとしたので波動螺旋丸!

 

 オレに抱き付きたければおっぱいのある美女になってこい。

 

 結果的には研究員とズバット、両方を撃退してしまったが、あっさりと起き上がる研究員もといリカオさん。波動螺旋丸の威力が弱かったのかな?今度、ボルトサイズでなくカカシ先生サイズで使ってみよう。

 

 改めてお礼を言われたので「ポケモンも持たずにこんなところでなにやってんだよ?」と聞いた。

 たま~にこういう野生のポケモンが滅茶苦茶居るところにポケモンを持たずにやってくる奴が居るけれども、マジで危険だぞ。1体ぐらいはポケモンを持っておかないと、舗装された安全な道じゃないんだから人に馴れていない容赦も無いヤベーのも居るんだぞ。

 

 その辺の事を言うと反省するリカオさん。しょんぼり姿にちょっとだけ罪悪感を感じたが、直ぐに無くなる。

 「君の腕を見込んで頼みがある!研究を手伝ってくれないか?」と言ってきた。ニビシティの博物館の研究員であるリカオさんはピッピに関する調査をしに来てああなっていた。だから、ポケモンを持っていけよ。

 

 要するに護衛を頼みたいらしく「やってほしけりゃ、つきのいし一個な」と交渉。タダでは動かない。報酬の内容がつきのいしだったので渋るリカオ。くれなきゃやらないと先に行こうとすると渋々承諾した。そういう顔をするとやる気は無くす。

 

 おつきみやまの洞窟に入るとなんか電気が通っていた。至るところに電球が設置されている。オレみたいにつきのいし目当ての人間がつきのいしを掘り起こそうとしてこうなったと言うが、オレはここまでの事はしねえ。第一、手持ちにつきのいしで進化するポケモンがいねえ。

 

 だが、持っていて損は無いので寄越しやがれ。

 

 道中、ロケット団に遭遇したのでピカチュウの【10まんボルト】で撃退。「なーんてニャア!」のところで攻撃。問答無用での攻撃。ロケット団はやな感じである。

 そんなこんなで巨大なつきのいしを中心に小さいつきのいしの欠片を祀るピッピ達の群れを発見。ピッピ達は躍りながらピクシーへと進化していき、その際につきのいしをちょいと拝借していた。

 

 

 カントーレポート11(目指せハナダシティ)

 

 シゲルの野郎、ふざけた真似をしやがって。

 

 おつきみやまを降りるとハナダシティへ近道となる看板があった。

 

 よっしゃラッキーと思っていると看板に【シゲル参上、サトシのばーか】と隅っこに書かれていた。あの野郎、人が遅れている事をバカにしやがって。オレが遅いんじゃねえぞ、お前等が早すぎるんだよ。なんでそんなに早いんだよ、車でも乗ってんの?いや、乗ってるんだろうけども。

 

 ハナダシティの近道となる看板は本当であり、多分、明日にはハナダシティに辿り着くだろう。

 ニビジムの時と違い対策らしい対策はしなくていい。こっちにはピカチュウがいる。ハナダジムで出てくるポケモンは基本的には第一世代のポケモンでヌオーとかの【じめん】タイプのポケモンが出てくることはない。

 それに明日が水中ショーだったら試合が出来ずにそのままブルーバッジを貰える。どちらにせよオレの明日は楽に進める。

 

 その前にウォーミングアップ、と言うかドードーとサイホーンを鍛えないと。

 道行くトレーナーにバトル、バトル、バトル!お陰さまでトレーナー戦は現在27連勝。サイホーンは【いわなだれ】を覚えてくれた。ドードーは【でんこうせっか】予想外の【オウムがえし】を習得……果たして【オウムがえし】を使う機会があるのだろうか?

 

 ハナダシティを越えれば次はクチバシティ。

 ここを出るとサトシくんの御三家入手イベント(原作)が発生する。捕まえれるならば捕まえたいが、もしかすると捕まえられない可能性もある。それも想定しておかないと……出来ればヒトカゲはほしい。

 

 ポケモンリーグに出場するには最低でも6体以上のポケモンが必要で、6体だけだと限界がある。と言うかジョウトリーグ・シロガネ大会でバシャーモをエースとしているハヅキがサトシのリザードンとの激闘の傷が癒えずに翌日の試合に出せなかったって言う前例がある。あんまり1体のポケモンに固執しすぎていると、そいつしか育たなくて他が弱いと言う事もある。沢山は無理だろうけど9体ぐらいは捕まえておかないと。

 

 そういうことでハナダシティに向かいながら良いポケモンは居ないかと探してみるけども、コラッタとかマダツボミばっかだった……ちきしょう。

 

 

 カントーレポート12(ハナダシティの水穣)

 

 

 辿り着いたぜハナダシティ……道中にピンと来るポケモンは居なかった。

 まぁ、辿り着いたから良しとしようとポケモンセンターに向かおうとすると道中に人だかりが出来ていた。何事だ?と思って野次馬根性を出していると気付けば最前列に。

 

 どうやら泥棒が入ったらしくポケモン泥棒でなく機械泥棒、ポケモンに関する珍しい道具とかそういうんじゃなくて、何処にでもとは言わないが珍しくもなんともない道具が盗まれたらしい。

 

 あ~それロケット団だなと原作知識で犯人が誰か知っているのでさっさとポケモンセンターに向かおうとしたらジュンサーさんに捕まった。

 

 いきなり去ろうとしたのが怪しいとか言う酷い理由で止められたので、これを見やがれとポケモン図鑑を見せると納得をしてくれる……しっかし、トキワとニビのジョーイさんといい、ジュンサーさんといい、瓜二つにも程がある。服装も同じで、見分けがつかんぞ。

 

 身分を証明したのでポケモンセンターに向かい、ジョーイさんにポケモンを預ける……やっぱり瓜二つだ。従兄弟とか姉とか色々とあるのになんでそこまで似るんだ?何処まで血が濃いんだ。

 やっぱりアレか?ポリゴンやミュウツー、シルヴァティといった人工的にポケモンを作れるこの世界のオーバーテクノロジーを用いて全員が同じ顔になるようにしているのだろうか?そうなると大元となるジョーイさんは何処のジョーイさんなんだろうか?

 

 そんなバカな事を考えつつもジム戦にハナダジムに突撃。ヒャッホイ、水着美女の水中ショーだぜ!!

 

 噂に聞いていた通りジム戦そっちのけで遊び呆けてるもとい美女達が水着姿でポケモン達と戯れている。眼福、眼福。ありがたや。

 

 ピカチュウが横で呆れていたものの、ジム戦の事は決して忘れたわけじゃありません。オチが何となく読めているけれども、ジム戦を申し込んだ。

 

 シゲル達がボコボコにしたからポケモンがいない……だから、彼奴等、はえーよ。そして曲がりなりにもポケモンジムでしょうが。その辺の対策とか対応とかちゃんとしてろよ。

 

 ブルーバッジはくれるので貰えるものは貰いましょうと受け取ろうとすると「ちょっと待ったぁああ!」とまさかのカスミ登場。何故貴様がここに!!と思わず驚いてしまった。

 

 1番道路付近に思ったよりいいポケモンがおらず、トキワの森は虫だらけでやっぱりクチバシティよねとクチバ方面に向かおうとしていたらしく、クチバの通り道なのでチラッと顔だけ見ようとしたらこの様子なので文句の一言でも言おうとしたら今に至る。

 

 ブルーバッジを渡す事に対して文句を言うカスミ。もう面倒なので「お前でいいから相手をしてくれ」と言うと額に青筋を浮かべる。「お転婆人魚の力、見せてあげる!」と言ってきた。

 

 結果は前回と同じくピカチュウ1体での勝利だよ。

 

 水のフィールドはやたらと水ポケモンに対して有利に出来ていて、浮き島から水に潜れば大体の攻撃は避けれる。しかぁし!オレのピカチュウはそんじょそこらのピカチュウとはわけが違う。【なみのり】で水中に【ダイビング】しているヒトデマン、スターミーをフィッシング!問答無用の【10まんボルト】ッシャア!!勝ち確のコンボじゃ!!

 

 【みず】タイプのポケモンってさ、複合を含めて物凄いまでの種類が居るんだよ。世界の7割が海で出来ていると言われても不思議じゃないぐらいに海は広くて大きくそこに水ポケモンは多く生息する。故に扱いが非常に難しい。【みず】タイプだけのポケモンと言えど物凄い型がある。

 

 ヒトデマンとスターミーだけでサトゥーシくんをやろうなんざ百年早いわ!!せめて、ギャラドス……いや、ギャラドスだと負けるか。

 

 まぁ、とにもかくにもブルーバッジをゲットだぜ!!

 

 しかし今回も出番は無かったとサイホーンとドードーが文句を言ってきた……その内、コイツらの好みのポロックかポフィンを作らないとな。

 

 



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必勝ポケモンバトル

 カントーレポート13(クチバはどっち?)

 

 ハナダシティを後にして、目指せクチバシティ……なんだが、やっべえな。

 恐らくと言うか多分、道を間違えた可能性がある。オレのタウンマップ、ただの紙でGPS的なの一切ついてないからな……方角的にはあっている筈だから、トレーナーとバトルしてその際に聞いてみようと決める。

 

 と言うことでポケモントレーナー狩りじゃ!と道行くトレーナーを倒して連勝記録が伸びまくる……敗北を知りたい(笑)。

 

 相手のトレーナーが弱かっただけだと言われない様に出来るだけ格上のトレーナーと相手をしているつもりだが、コラッタ、ポッポ、オニスズメ、バタフリー、スピアー率が高いな。

 もうちょっとバリエーション豊かにバトルをしたいのだが……場所が場所だけに無理で、オレの手持ちイノムーが来たらほぼ詰むし、贅沢は言えないか。

 

 倒したトレーナーから「クチバシティへ行く道は何通りもあって南の方角に進んでいけば必ず着くよ」と言われたのでホッとする……ポケギア的なの欲しいなー。

 

 ……書くこと、少ないな。

 多分、原作を除けば基本的にはトレーナーとバトルをして歩き続けるのがメインになる……フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメの御三家を確実にゲットできると言う保証は無い。常に万が一を想定しておかなければならない。

 特にヒトカゲ、御三家の中でもなにかと優遇されているコイツをゲットしなければ他の炎ポケモンを捕まえなければならない……とにもかくにも、こればっかりは運次第である。

 

 カントーレポート14(ポケモンリーグへは歩いていけ)

 

 祝50連勝。

 

 今日も今日とてクチバを目指しながらポケモンバトル。

 勝利を納めてバトルの結果、決まり手等を細かく纏めたバトルノートに記載していると50連勝している事に気付いた。

 ピカチュウ24、ドードー9、サイホーン17……う~ん、ドードーの使用率が低いな。ピカチュウが進化しないし、【なみのり】がある以上は【アイアンテール】はまだいいし、ちょっとドードーを鍛えよう。

 

 そんな事を考えていると「君ならアキラに勝てるかもしれないよ!」と勧めてくるオレが倒したトレーナー。

 アキラと言えばアレかと原作知識を思い出しながら勧められたので行くかと行くと堂々と非公認のポケモンジムと書かれた思わずサーカスの舞台裏?と言いたくなる様な場所に辿り着いた。

 

 「頼もう!」と門を叩き、アキラのジムに挑戦を申し込む。使用ポケモンは2体のバトル。

 「お前を倒して100勝目を手にしポケモンリーグを目指す!!」と言ってきたので「残念だったな。オレが連勝記録をリセットしてやるよ!」と言った。お前は1回だけのゲストキャラじゃい!!

 

 結果は大勝利!ドードーがまさかの進化を遂げてドードリオに、それだけでなく【ドリルくちばし】を習得。今でこそ【ブレイブバード】とか【エアスラッシュ】とか色々と【ひこう】タイプの技があるが初代では【ひこう】タイプの技があるが【ゴッドバード】と【そらをとぶ】の様に2ターン使わないと使えない技だったり【つばさでうつ】の様に絶望的に威力が低い技だったりで【ドリルくちばし】は地味に高威力(80)でデメリット無しの飛行技……まぁ、その内【ブレイブバード】を覚えて貰うんだけど。

 

 「っく、負けた……1からのやり直しか」と負けた事を悔しむアキラ。取りあえず「待つ側になるのはどうかと思うぞ?」とここでジムを開いていることについて如何なものかと苦言を呈した。

 

 ポケモンリーグに出るためには基本的には公認のポケモンジムを巡らなければならず、1つの土地に留まる事は出来ない。色々な所に行き色々なトレーナーとバトルをする。

 オレ達は今はまだ四天王でもジムリーダーでもサブウェイマスターでもフロンティアブレーンでも無い。何処にでもいる極々普通のトレーナー、有象無象の1人に過ぎない。

 趣味で鍛えるならば中途半端で良い。でもそうでなければ、死に物狂いにならなければならない。オレは挑戦を待ってなんかられない。挑戦をする側にならないと……。

 

 自分に挑んでくる奴と戦う受けの姿勢の奴には負けない。

 

 これでも自分から進んでトレーナーと戦っているんだ。受けてたーつじゃなくて「おい、ポケモンバトルしろよ」とノリノリでポケモンバトルをする。

 

 オレのその言葉を聞いて心に来たのか「俺は自分に自信が無かったからこんな事をしていたのかもしれない」と言い、アキラは旅立つことを決意した。「この借りはポケモンリーグで返すぜ!」とポケモン達と共に旅立った……。

 

 

 お前の出番はもうねえよ!!(ゲス顔)

 

 

 カントーレポート15(必勝したけりゃ厨ポケ)

 

 

 人間真っ直ぐ歩いていると思っていても時折、道を間違える時はある。

 今日もクチバを目指して歩き続けるのだが珍しくトレーナーがおらず、それどころか霧が発生した。かなりの濃霧で【ひこう】タイプのポケモンがドードリオしかいないオレは【きりばらい】が出来ない。

 

 こりゃ足止めかな?と思った矢先、人の気配を感じる。

 

 今にしてみてもかなりのシュールだった。

 外でランニングでなく外でランニングマシーンを走りながら、ポケモンに関する問題を答えている奴等がいた……うん、本当にシュールだ。霧が濃い外でやる必要性はあるのか?

 

 

 どうやらここはポケモンゼミ、まぁ要するにトレーナーズスクールだった。

 

 オレは通ったことは無いけれどもトレーナーズスクールってなにを教えるんだろう?状態異常についてか?それとも【あなをほる】状態とかのゲームでは細かに説明されない状態異常以外の状態についてか?

 

 そんな事を考えていると「よかったら見ていきませんか?」と言うしごかれていたトレーナーもといジュン。トレーナーズスクールははじめてだから見てみたかったと言うと「トレーナーズスクールではありません。ポケモンゼミです」と言う。違いが公立か私立ぐらいだろう?と言うと、卒業資格と同時にポケモンリーグに出場できる。しかし学費がバカ高い。落ちこぼれになって家に帰るに帰れないベンゾウさんも居たので驚いた。

 

 中を見せて貰うと、こりゃまたスゴいなとゲームの筐体ばっかだった。

 

 「僕はこれでもジムバッジを2つ持っているんですよ」と自慢気なジュン。生憎こっちも2つ持ちで今から3つ目だとブルーバッジとグレーバッジを指に挟んで見せる。

 「ニビジムとハナダジムぐらい簡単に攻略できますよ」とジュンは言い返すとゲームの筐体もといシミュレータを起動。ウツドンの【ハッパカッター】で倒した……ハッパカッターの文字、なんで全部カタカナ?

 

 「ゲームで倒せたところで、ゲームはゲームだろう」と恐らく世界で1番オレが言ってはいけない事を言うと「なら、僕と勝負してみますか?バッジ2つとバッジ2つ同等、どちらが強いのかを」とか言うのでボコる。

 

 「そんな互角どころかまともにダメージを与えられないだなんて……」と言うジュン。いや、だって攻撃が単調すぎるし、面白味にも欠けてるし、ピカチュウの【でんじは】で動けなくなって【たたきつける】で終わったんだからレベルが低すぎるんだよ。

 

 落ち込むジュンになんか言ってやるかと思っていると「だから、貴方はダメなのよ!!」と取り巻きどもを連れた美女登場……ヤリサーの姫か?

 ポケモンゼミの初級主席でありバッジ3つ分の力を持つと言うセイヨだった。レベルの差と言うものがあるのよ!と説教するセイヨ。最終的には落ちこぼれには消えてほしいとまで言うようになり「そういうお前もなんだかんだでまだ初級コースだろう」と思わず呟いてしまう。

 

 やはり、オレと言う人間は性格の悪さが出てしまうな。元々、性格が悪いし。

 

 ハッキリ聞こえたらしく「バッジ3つ分の力を見せてあげる!」と言いつつゴローンを出してくるバカヤロウ。【なみのり】を使えるオレのピカチュウに死角無し。

 

 「そ、そんなピカチュウが【なみのり】を使うだなんて」と驚くセイヨ。「マニュアル通りのバトルなんて、所詮はそんなもんだな」と言ってやった。結構気持ちよかった。

 

 結局のところポケモン必勝マニュアルなんてものは……存在する。うん、普通に存在する。

 ランドロスとかドラパルドとかの厨ポケで固めとけばある程度は上に行ける必勝のパターンみたいなのがあるだろう。ランドロスとガルーラの使用率がエグかった第6世代なんてまさにそれだろう。

 

 なんか最終的に実戦経験が不足しているとか型に縛られているだけじゃ野良試合を経験しているオレには勝てないとか、ここだと勝ったり負けたりを仲間内でやるから緊張感に欠けるとかそれっぽい事を言って終わった……昨日と比べてなんかダメだな。

 

 

 カントーレポート16(フシギダネは不思議だね)

 

 

 アキラとのバトル、ポケモンゼミでのバトル。次はいよいよフシギダネと思ったけれども、どうやったら会えるのかが分からない。

 宛もなく歩いて気付けば夕暮れになり、フシギダネは残念だが諦めなければとバトルノートを取り出して今後のパーティと控えについて考える。

 

 【くさ】タイプのポケモン……今シーズン(カントー地方の旅)では逃すか?【みず】タイプの様に別に今すぐに欲しいと言うわけじゃない。

 

 そんな事を考えていると、ナゾノクサを発見。ゲットすべきだろうか?そう考えると、フシギダネを発見した。と言うか襲われた。

 

 まだゲットする素振りすら見せてないのにそりゃないだろうと思っているとオレを見て慌てているナゾノクサ。フシギダネは『ダネフシャ!』とナゾノクサにここは食い止めているからとっとと行け!と言っていた……性格が悪いのは自覚しているが人相は悪くはねえぞ。

 

 ナゾノクサが完全に去ると自らも逃げていくフシギダネ。姿が見えなくなってもオレには波動を感知する力があるので、何処にいても問題はない……ポケモンバトルでこの力は使わないけどもこういう時は躊躇いなく使わせて貰う。

 待て!と追いかけ辿り着いたのは木製の縄橋……如何にもボロいその橋は壊れそうな見た目をしており所々穴が空いていてフシギダネは何故か立ち止まっていた。

 

 ナゾノクサが穴に填まってしまったらしい。

 

 どんだけボロいんだよ?と思ったが石橋と違って木製の橋。雨が降れば何れは腐ったり朽ちたりするもの。フシギダネは何とかしてナゾノクサを助け出そうとするのだが、悪戦苦闘。

 日が暮れ出しているので夜になると夜行性のポケモンが動き出すかもしれないしとオレも橋に乗るとフシギダネは振り向き【つるのむち】で攻撃。

 

 オレには効かないと【つるのむち】を掴むと驚くフシギダネ。ピカチュウが間に入ってオレは悪い人間ではないと言ってくれる……だからなんで悪人前提?

 取りあえずは一時休戦だとナゾノクサを助ける為にフシギダネが蔓でナゾノクサをガッシリと掴みオレが木の板をベリっと剥がしてナゾノクサを救出。ありがとうとお礼を言われ、ナゾノクサが橋を渡りきると橋が崩壊。

 

 やっぱ力任せにするのはよくなかったか。

 

 しかぁし、伊達にマサラ人はしていない。

 ピカチュウを頭に乗せ、フシギダネを右手で抱え込みギャグ漫画でよくある空中を泳ぐアレでなんとか崖に向かいしがみつく。マサラ人でなければ大ケガをしていた。フタバ人やミシロ人には出来まい。

 ナゾノクサは落ちたオレ達を心配して上から覗き込むので「問題ない」と言い安心させる。そして崖を昇る。

 

 NARUTOのカカシ先生が片手で断崖絶壁を登った様に、オレも片手で崖を登る。波動螺旋丸と言い、30分前後の番組には感謝をしなければならないな。

 

 コイツ、マジか!?と驚きを見せるフシギダネ。オレはこんなもんだよとピカチュウはオレについて諦めろと言っており、色々諦めたのかオレを敵視することもなくなった。

 

 崖を登り終えるとフシギダネは「ダネ」と一言だけ言い歩き出す。ついてこいと言っているんだなとついていくのだが予想以上に入りくんだ道を歩き、最終的には隠れ里(療養所)に辿り着く。

 

 ポケモン達の治療をしている隠れ里に住むミドリさん。何時もなら夕暮れ前に居るはずのフシギダネもナゾノクサも居ないので心配しており、オレと一緒に戻ってきて驚いていた。人間嫌いと言うよりは人間不信のフシギダネが心を開いている事が驚きの様だ。

 

 起きたことを説明すると「大変だったのね」で終わらせるミドリさん。

 

 ここでなにをしているの?と訪ねると野生のポケモン達を保護していたりすると色々と話しており、最終的にはフシギダネを連れていってはくれないかと言われる。

 

 オレはあくまでもポケモンリーグ出場を目指していてコンテストとかには興味はあれども出るつもりは無いし、この先フシギダネに厳しかったり酷い事を言うかもしれない。それを踏まえた上でフシギダネが一緒に来てくれるならば、連れていく。フシギダネは欲しいけども無理強いはしないと言うと戦えと言うフシギダネ。

 

 ピカチュウで応戦し、思いの外手強かったのだがなんとかゲットすることが出来た……フシギダネ、ゲットだぜ!

 

 

 カントーレポート17(種は種のまま)

 

 ミドリさんにクチバはどっちか教わり、再出発。

 フシギダネゲットとくれば次は本当は最初に貰おうと思っていたヒトカゲと興奮するのだが、そう易々と会えるものでないとヒトカゲはもしかしたらゲットできないかもしれないと思いつつ、クチバに向かって歩いているとトレーナーと遭遇。

 

 トレーナー同士、目と目を合わせればやることはただ1つ。ポケモンバトルだ。

 

 最近、コラッタとかの序盤で見るポケモンばかりだったが出てきたのはゴローニャ。ならば、此方は新入りのフシギダネだとフシギダネを出す。タイプの有利で勝負じゃ!

 

 最初のポケモンだった場合は基本的な技しか覚えていないが、オレのフシギダネは既にそこそこに育っている。【つるのむち】で足を固定して【ねむりごな】をぶっかけて寝ている隙に【はっぱカッター】を連射。

 これで終わりだ!と思ったら倒れておらず、【はっぱカッター】のダメージの痛みでゴローニャは目を覚まして【いわなだれ】をしてきたので【つるのむち】で地面を叩いて空中に跳び、岩を跳び移り続けて回避。

 もう一度だと【つるのむち】で足を狙いに行こうとすると蔓が掴まれ、逆に引っ張られるのだが蔓を更に伸ばす事でゴローニャをグルグル巻きにする事に成功。独楽を回す際の紐の様に蔓を引っ張り、ゴローニャを回して【はっぱカッター】でとどめをさして勝利。

 

 最初のバトルで勝利したのは幸先が良い。オレとフシギダネは初バトルを快勝で勝利した事を喜んだのだが、オレの笑顔は直ぐに消える。ピカチュウの時と同じでこれで良いのだろうか?と言う疑問を持ったから。

 勝てたから良かったものの、最初のはっぱカッターで決まったと思っていた。しかし結果は決まらなかった。物理攻撃の【はっぱカッター】ではゴローニャを一撃で倒すことは出来ない。

 

 昨日はゲットできた事に喜んでいたのだが、よく考えてみればサトシのフシギダネはフシギソウに進化することを嫌がっていた。

 進化することとかどう思っているんだろうと今後の方針を決めるついでに聞いてみると、やっぱりフシギソウに進化するのは嫌だと言う。

 なのでオレも「進化しない分、どうしてもパワーが劣る。それに負けない様に強くなるように少し厳し目にするぞ」と言う。フシギダネはそれを了承したので予定変更。修行である。

 

 進化をしないと言ってもフシギダネはフシギダネである。

 別の地方で【くさ】タイプのポケモンを捕まえた時を想定して使い分けられる様にしておかないといけないと図鑑とにらめっこ。フシギダネだから出来るフシギダネらしさを出す為にはと考えた結果【ヘドロこうげき】と【どくどく】と【メガドレイン】を覚えて貰うことにした。

 

 フシギダネは草ポケモンだが毒ポケモンでもある。

 サトシくんは基本的な技しか教えていないが、オレはサトゥーシくんなので、色々と教えさせる。

 

 【ヘドロこうげき】は割とあっさりと覚えられた。体内から毒を排出するのは【どくのこな】で馴れており、なにかを飛ばしての攻撃は【はっぱカッター】で出来るので本当にあっさりと覚える事が出来た。

 【どくどく】は単純にレベルが低いのか、思った通りに行かないので後回し。最悪、覚えさせなくても良いと思っている。

 

 だが、【メガドレイン】は絶対に覚えて貰う。

 フシギダネの種族値はCの方が高く、ゴローニャと戦った際に【はっぱカッター】の一撃で倒せなかった。ゲームでは戦闘中に道具を使ったりしても良いが、この世界ではそれは出来ないとなるとダメージを与えつつ体力の回復も出来る【メガドレイン】、後々【ギガドレイン】が最適だろう。

 

 体からエネルギーを放出して相手にぶつけて吸い取る【メガドレイン】

 今までと毛色の異なる技に悪戦苦闘、結果としては【メガドレイン】とは呼べないものの、相手の力を奪い取るエネルギーを飛ばすことは出来ている。後は純粋なレベルとか馴れとか練習量の問題だから、頑張ろう。



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電撃はほぼ使わないクチバジム

ランキング載ったの凄く嬉しいです……ただ、作者は皆さんの期待に応えれないかもしれないので悪しからず。



 カントーレポート17+18(ヒトカゲ、キミに決めた)

 

 色々とあり、纏めて書くことになった。取りあえず結果だけを書いておこう。

 

 

 ヒトカゲをゲットした。

 

 

 今日も今日とてクチバを目指して歩きながらポケモントレーナーとバトルをしていると、迷った。

 バトルする際に手頃なスペースでバトルしているからか、本当にポケギアかポケナビが欲しいと思っていると、岩の上に座っているヒトカゲを発見。

 

 おお、ヒトカゲと出会えた!とオレは直ぐにポケモン図鑑を取り出して確認。

 案の定、誰かのポケモンでなく野生のポケモンでいざ、モンスターボールだと投げてみると尻尾で叩き返された。

 

 あ~自分を捨てたトレーナーを待っているんだろうな~となんとなく拒んだ理由を察したので、さっさとゲットするべくポケモンセンターに行こうとするのだが何処にもポケモンセンターがない。

 

 割と直ぐ近くにポケモンセンターがあった筈なのに何故無いんだ?と疑問に思っていると少しだけ嫌な予感がしたので、ヒトカゲの直ぐ側でスタンバイ。すると、豪雨が降り注ぎヒトカゲは近くにあった大きな蓮の葉を傘代わりにしようとしていたのでオレが持っているカッパを渡して蓮の葉で尻尾を隠して待っているとそいつが現れた。

 

 そう、【ポケモン、キミにきめた】で出てくるヒトカゲを捨てたトレーナーであるクロスが。

 

 なんでそこで【キミにきめた】なんだよ……と思いつつヒトカゲがクロスが来たことを喜んで近付くのだがクロスは「まだいたのか」とヒトカゲを冷たく突き放す。

 流石にここで無言を貫けないので「なにやってんだよ、お前!」と突っ掛かる。一応はお前を待っていた事を言うと「弱いポケモンには興味はない」と言うので「お前が弱いトレーナーだから弱いポケモンになったんだろ?」と煽る。

 

 そりゃ剣盾でメガシンカ廃止で代わりにダイマックスになりました~でリザードンのキョダイマックスそこまでで、一気に使用率が下がったよ。メガシンカありきと言われればそこまでだが、それでもメガリザードンはバカみたいに強いんだよ。

 

 強いポケモンをゲットして強いトレーナーになりたいのならばアルセウスでもゲットしてこい。そらのはしらでレックウザをゲットしてこい。

 

 ポケモンをどうやって強くなるのか考えて鍛えるのがオレ達ポケモントレーナーの腕の見せ所であり醍醐味でもある。

 

 無論、自分と合わないポケモンもいるのは理解している。そいつを逃がすと言うのもだ。

 だからと言って、弱いのをポケモンのせいにして自分のヘタクソな腕を棚上げしてんじゃねえよ。

 

 全力で煽ってやるとぶちギレるクロス。そこまで言うのならばポケモンバトルだと言うのだが、その前にヒトカゲが倒れてしまった。

 

 オレと出会った時には既に弱っており、豪雨によって肉体的に一気に体力を奪われて更にはクロスにもう必要は無いと見捨てられた精神的ショックが原因で倒れた。

 

 これはまずいとオレはヒトカゲを抱えて走り、雨宿りに最適な洞窟に飛び込む。クロスのバカ野郎はついてきていない。というか、この後は会っていない。

 

 洞窟に入ってもまだ寒く、尻尾の炎が弱まっておりオボンのみ等のきのみも食べられない程に衰弱している。

 どうすれば良いのかと大慌てになっているとなにかに気付くピカチュウ。洞窟で雨宿りをしていたポケモン達が木の枝を集め出す。

 

 なんで木の枝を?と思っていると奥からエンテイがやってきて【せいなるほのお】で焚き火を始める。

 洞窟内部で焚き火をするなよ……と思っているとヒトカゲを【せいなるほのお】の焚き火に近付けろと言うエンテイ。体が冷えているヒトカゲを近付けると弱くなっていた小さな尻尾の炎が段々と大きくなる。

 とはいえ衰弱状態であることには変わりは無い。一歩でも油断すれば死ぬので気が抜けず、常に神経を研ぎ澄まし……ていたんだが、気付けば寝落ちしていた。

 

 本当に気付けば寝落ちしていたのでマジでビックリした。

 目覚めると焚き火の方の炎は消えており、尻尾の炎は元に戻って呼吸も乱れると言った事はなくすやすやと眠っているヒトカゲ。よかったとホッとするとオレが目覚めた事に気付いたのかヒトカゲも目覚め、元気になった事をアピールする。

 そこでオレは「オレ達と一緒に来ないか?」とモンスターボールを取り出して誘うのだが、この時になってヒールボールがあった事を思い出す。ボールに入れときゃ一発で治療できていた。

 

 いや、本当に恥ずかしいと自分を恥ずかしいと思っているとヒトカゲはモンスターボールの開閉スイッチに触れてオレのポケモンになった。ヒトカゲ、ゲットだぜ。

 取りあえずはクロスの奴をボコボコにして「悔しいでしょうね~」と言って、クロスが切れてポケモンに八つ当たりをして人間として落ちていく様を見てみたい(笑)……と、思ってたんだけどな~、うん。

 

 明日にはクチバシティに着きそうだ……。

 

 カントーレポート19(おい、電撃は何処行った対決クチバジム)

 

 道中ポケモントレーナーとバトルしつつ辿り着いたクチバジム……やっべ、ゼニガメと出会ってない。流れ的にゼニガメと出会えるだろうな~と思ってたんだけど、ゼニガメ軍団のゼの字も無い。

 ピカチュウ達が疲れているので一先ずはポケモンセンターに向かい、待っている間にとパソコンで調べものをしているとゼニガメ消防団、居たよ。つい最近、森に雷が落ちて火事が起きた際に荒くれ者のゼニガメ達が消火してヒーローになったってニュースがあり、グラサンをかけたゼニガメ達がジュンサーさんと一緒にピースをしていた。

 

 やっべえ……。

 

 流れ的にゼニガメがゲットできると思っていたので少しだけ焦るが、焦ったところでどうにかなるわけでもない。

 ピカチュウ達の回復も終えたので取りあえずはポケモンジムに挑戦だとクチバジムに向かいマチスにポケモンバトルを挑むと笑われる。こんな小さな子供がか?と物凄く馬鹿にしてくるのでボコってやろうと決意した。

 

 

 マチスのライチュウ【なみのり】使ってきやがった。

 

 

 サイホーンでぶっ倒してやる。【メガトンパンチ】だろうが【メガトンキック】だろうがBが高いサイホーンの前では無駄無駄ァ!!と思ってたんだけどな……ライチュウ【なみのり】使ってきた。

 嘘だろ、おい!と思っているとマチスは人差し指を伸ばしてチッチッチと「ミーが【でんき】タイプのライチュウを使うからって【じめん】タイプのポケモンさえいれば良いと思ってたのか?甘いぜ、ボーイ。対策は完璧に出来ているのさ」と言うマチス。完全に侮っていた……【でんき】タイプのジムって割と下に見てしまう。【でんき】タイプが悪いのでなく、そのタイミングが悪い。

 直ぐ近くにディグダの穴があるし、ルビーサファイアではヌマクローでボコれるし、ダイヤモンドパールではその頃にはガブリアスやドダイトスとかいるし……唯一難しいのってカミツレぐらいか?

 

 そんな事を考えつつも、この敗北を生かさなければならないと次に目を向けるのだが次は自分が出る!とヤル気満々のピカチュウ。そんなピカチュウを見てマチスはおいおいと笑う。「ピカチュウじゃライチュウに勝つことは出来ないぜ」とドヤるマチス。お前のライチュウになら勝てるわ!と言い返すと二回戦開始。

 

 なんかジム戦の度にピカチュウを出しているな……と思いつつも、先制の【でんこうせっか】。

 素早い攻撃に馴れていないのか驚くライチュウ。負けじと【10まんボルト】で攻撃してきて此方も【10まんボルト】で応戦したのだが如何せんパワーが違う。

 

 【10まんボルト】同士の押し合いは少しだけ均衡になるのだが、直ぐに押されていきピカチュウに【10まんボルト】が直撃。【でんき】タイプのポケモンなのでダメージが比較的に少ないが、電撃で戦うのは得策ではない。

 それ以外の技で戦おうと【なみのり】で攻撃するのだが、ライチュウも【なみのり】を使えるので巻き起こした津波に乗り、【のしかかり】でピカチュウの動きを押さえて【なみのり】を不発にする。

 

 強い……。

 

 今までの2人と違い余裕を持ってのバトルが出来ない。やっぱりフシギダネ辺りで挑んだ方が勝率高かったかと思いつつも、次の手を幾つも考える。

 電気技での勝負は勝てず奇策である【なみのり】は向こうが使えるが為に奇策にならない。そもそもで奇策は定石を打ってから使わないと奇策にならない。

 

 【のしかかり】や【メガトンパンチ】と言った強い技で攻撃してくるライチュウ。

 ピカチュウは避けるのが精一杯で極稀に【でんこうせっか】でダメージを与えるのだが、与えれるダメージが少ない。ヒット&アウェイで攻めても決定打が足りない。

 

 何とかして決定打を浴びせたいのはマチスも同じで、【10まんボルト】で攻撃してきた。

 1発目を寸でのところで回避。直ぐにライチュウは2発目の【10まんボルト】を撃とうとするので、避けるのでなく【でんこうせっか】で攻撃する。結果は成功、とは言えない。

 

 攻撃を耐えながらも【10まんボルト】で攻撃するライチュウ。

 直ぐに避けろと指示するとピカチュウは避けるのだが、その際にピカチュウは【10まんボルト】の電撃を纏ったまま移動をしていたので、これはと電気の究極技である【ボルテッカー】が頭に過るのだが、ピカチュウのダメージがあるので使えない。

 

 ヒット&アウェイを繰り返し、スタミナを削り続けていると息を荒くするライチュウ。

 【10まんボルト】はともかくとして【メガトンキック】や【のしかかり】と言った技を使いまくっているので動きや判断力が鈍っていた。パワー重視の戦いをしており素早いピカチュウの動きになれていないのが仇となったな。

 

 体を動かす技は不利だと気付いたマチス。

 攻撃を【10まんボルト】一本に絞って来たが、そう何度も何度も見ると攻略法の1つも思い浮かぶ。こっちも【10まんボルト】をぶつけてピカチュウに当たらない様にそらす。

 

 頼みの【10まんボルト】が通じずに慌てるマチス。

 その隙は逃すまいと【でんこうせっか】で攻撃。流石にスタミナが減っている状態では耐える事は出来ず、尻餅をつくライチュウ。とどめだと言わんばかりに【たたきつける】を決めて見事、勝利を納めてオレンジバッジをゲットした。

 

 一時はどうなるかと思ったが、なんとか勝てた。

 

 マチスが調子に乗って2連戦したから勝利したとかそんなんじゃない。工夫次第でライチュウに勝てることが分かった……いやでも、やっぱライチュウに進化させた方がいいのかも……う-ん。

 

 

 カントーレポート20(セレナっぱい)

 

 

 オレンジバッジをゲットした事をオーキド博士に連絡をすると何時もの通りビリッケツ。本当にシゲル達はどんだけの速度でジムを制覇しているんだ?確かにXYでサトシがバッジを集め終える頃にアランがパパっとバッジを集めたけれども……サトシが遅いのか他が早いのか謎である。

 

 昨日の傷を完全に治して元気一杯のピカチュウとサイホーン。よっしゃ、ヤマブキジムに……とは行かない。

 そのままパッとヤマブキジムに行きたいのだが、オーキド博士に電話をした際にまだ手持ちが5体な事に呆れられた。ポケモンリーグに出場するには最低でも6体必要で後、1体足りない。 

 

 クチバシティはアサギシティ行きの船があるだけでなくリニアモーターカーなんかも走っており、他の地方との貿易も盛んでなにか大きなイベントがあればクチバシティで開催という事もザラであり大食いイベントとかもあるらしい。

 今までは悠長にゆったりとしていたが6体目のポケモンをゲットする為にもクチバを起点にしよう。

 

 情報交換を兼ねてバトルフィールドでポケモンバトル。

 ヒトカゲの初陣は見事、大勝利。既に【かえんほうしゃ】を覚えているのはデカい。【かえんほうしゃ】はマジで強い。クロスのバカ野郎はなんでこんなに強いヒトカゲを捨てたんだろ?ガオガエンが居たから【ほのお】タイプのポケモンが不要だったのか?

 

 そんなこんなでヒトカゲのレベルを上げつつもポケモンに関する情報を求めた。クチバシティは港町なだけあり水ポケモンに関する情報は多数あった。パウワウ、トサキント、シェルダー、コイキング、ニョロモ、タッツー、クチバを出て直ぐの海には水ポケモンが沢山いる。

 全部をゲットするのは無理だし、とにかく1体だけに絞ろうと図鑑とバトルノートとにらめっこをしているとゼニガメだけでなくクラブをゲットすることも出来ていない事に気付くがクラブはそこまでなので別にいい。

 

 【みず】タイプのポケモンだけは絶対に必要になるとポケモン図鑑とバトルノートをにらめっこ。安定性と言うかなんでもありならばぶっちゃけた話、ラプラスが欲しい。しかしラプラスはカントーでは絶滅危惧種。アローラやカロスでは増やしすぎてしまったと言う困った事になっている。人間のエゴの闇の深さがヤヴァイ。

 

 ラプラスなんて生息地不明で4の島辺りに行かないとゲットできないのだから、贅沢は言ってられない。こういう時こそ原作知識だと原作を頭に浮かべてみるものの割となんにもない。いや、もう本当にビックリするぐらいになにもない。カントーのサトシくん序盤でポケモンを揃えてた。

 

 ああだこうだ考えてみても無駄だ。ここはやっぱり出たとこ勝負でもするかとオレは重い腰を上げる。

 情報収集の際に水ポケモンを釣るのに絶好なスポットがあるとつりびとのおっさんから聞いているので釣竿を手にし、釣りスポットに向かうとそこそこの釣り人がいた。

 「釣れてますか?」と訪ねるとキレ気味に「全然釣れねえよ!」と返してくるので、ポケモンバトル開始。フシギダネが【メガドレイン】を覚え、大勝利を納めた。

 

 「釣りをするのはいいが、目当てのポケモンはいるのか?」とバトル後に訪ねてくるので、目当てのポケモンは決まっていない事を言うと渋い顔になる釣り人のおっさん。目当てのポケモンも居なくてただただ釣りをするのはただの馬鹿だぞとイラッと来るものの正論をぶつけられた。

 「じゃあ、ここにはどんなポケモンが居るんだ?」と聞き返せば黙る釣り人のおっさん。釣れてなかったんでしたね。聞いて申し訳ない。

 

 とにかく、水ポケモンが欲しいので変な会話をしている場合じゃないと釣竿を片手にフシギダネとピカチュウと一緒にスタンバイ……結果は惨敗でコイキングしか釣れなかった。コイキングはギャラドスになるとはいえいらん。

 

 コイキングしか釣れず、眠そうにするフシギダネとピカチュウ。

 日も沈み始めており、クチバシティに戻ろうとすると……セレナが立っていた……うん。

 

 一瞬、他人の空似かなと思い無視しているとハッキリと「サトシ……」と呟いてのでマジかと振り向くと嬉しそうに笑うセレナ。「やっと会えた!」とオレに抱きついてきた。

 おかしい。オレの記憶ではセレナはかなり先のカロス地方で新人トレーナーに、プラターヌ博士にポケモンを貰う筈なのになんでここに居るんだ?

 

 それを疑問に思えばヒカリとかナナコとかハルカとかショータとかシューなんとかくんとか10歳なのにサトシ君とポケモンを貰う時期が異なっている新人トレーナーが居まくりなんだけども、まぁ、とにかくイレギュラーこそ発生しているもののオレ以外は原作通りとイレギュラーは主にオレが原因で発生していると昨日思って、今日これなのでビビった。

 

 変にビビったせいで「私の事、覚えてないの……」と今でも泣きそうな顔をするセレナ。サトシくんと違うので普通にあの日の事を覚えているよと微笑むとギュッと抱きつく。

 一先ずはなんでここに?と1番の疑問をぶつけると「サトシに会いたくて、ポケモンを1日でも早くサトシと同じ日に貰える様に頑張ったの」と答えてくれる。

 そうか~頑張れば1日でも早くポケモンを貰えるのか……オレももうちょっと頑張ればヒトカゲを確実に貰えたのだろうか?文通とかそういうのをしていないのによくもまぁ、出会えたものだと思う。

 

 「サトシがポケモンリーグに挑戦する為にバッジを集める旅をしているからジムがある街を巡ってたの」と教えてくれるセレナ。オレがジムがある街に足を運ぶと考えたのは良いけれども、この世界ってゲームに登場しない所謂アニメオリジナルのジムがバカみたいにあるのに、なんでピンポイントでクチバシティに辿り着けたのだろうか?

 

 セレナにその辺を聞いてみると「決め手はやっぱり、女の勘よ!」と自慢気に語る……要するに運が良かったと言う訳か。 まぁ、何はともあれ再会できてよかったな~と軽く考えておりセレナもオレが覚えてくれていた事にホッとしていた。

 

 

 「よかった、サトシが私の事を覚えてくれていて。

もし覚えていないなら思い出せる様にわざとスピアーの巣に煙玉を投げてあの時みたいに再現をしよう、あ、でもサトシなら簡単にスピアーを撃退しちゃうしスピアーが可哀想になるからそうせずにサトシを何処かに閉じ込めて名前を切り刻んで──(後は覚えてない)」

 

 

 なんかセレナの瞳から光が無くなっていて色々と言っていたが途中から右から左に聞き逃した。あれだよな。実際、こういう感じの人の言葉って凄く長い。一字一句覚えていられない。

 要するにオレに会いにわざわざ遠路遥々カロス地方からカントーのクチバまで来たんだ。無下に出来ない。と言うよりは嬉しいのである。セレナは可愛い、うん。

 

 

 それはそうとしておっぱいデカくね?

 

 

 なんかこう、凄く綺麗になっているセレナ。

 元々可愛い子だったから綺麗になるのは当然なのだけども、なんかこう、物凄い上手い絵師さんが描いたセレナみたいにおっぱいがある……アニポケってこう胸に影をつけるなって作画スタッフ厳しく注意されてなかったっけ?

 

 オレがサトシくんになっている時点で原作の根本的な部分が壊れてしまっているけれども、昨日今日でもう本当にバカみたいに壊れてしまったな。

 結局、この世界線が【キミにきめた】時空なのか【きみにきめた】時空なのかも分からないし……まぁ、オレはサトシくんじゃなくてサトゥーシくんだから、【キミにきめた】でも【きみにきめた】でもない時空だ。

 とにかく明日も頑張ろう。




セレナ登場はサトゥーシくんのレポートを書くと決めた時から決めてた事ですので悪しからず。

次回、他の転生者登場


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沈む豪華客船

 カントーレポート21(むしろ勝利と言う幸福を呼ぶゲンガー)

 

 朝、目覚めるとセレナが横にいたので思わず「ファッ!?」とおかしな声を出してしまった。

 「ご、ごめんなさい。寝惚けちゃって」と目覚めたセレナが言うのだが、絶対に嘘である。オレ達が使っているベッドは二段ベッドでオレは上の方で寝ているんだ……狙ってやったな~。

 セレナがブスならば物凄く拒んだりキレてたりしたけれども、セレナは可愛いから許す。

 

 セレナは「この子が私のポケモン」とフォッコを紹介してくれた……フォッコ、どう見てもXY編でセレナが貰ったフォッコだ……もう気にしないでおこう。

 ここに来るまでの道中の旅を朝食を食べながら話し、今後の事について聞く。セレナはオレと一緒に旅をしたいらしいが、セレナはなにか目的があるのだろうか?

 

 その事について聞いてみると気まずそうな顔をするセレナ。

 オレと旅をしたい為に頑張ったけども、ただそれだけでなにかを目標としていない。前の世界でなぁなぁと生きていてサトシくんになったから取りあえずポケモンリーグ優勝を目指そうかと頑張っているオレが言うのもなんだけども、それは不味い。

 

 ここは原作知識をフルに活用してポケモンコンテストの事をと思い、ポケモンコンテストについて調べてみてそれとなーく教えてみようとするんだけども、なんかカントー地方ではポケモンコンテストやっていない。

 ホウエンとかシンオウではやってるけれどもカントーとジョウト、それにイッシュとかガラルには無いらしく、今現在必死になって他の地方でも開催出来る様に頑張ってるらしい……。

 

 セレナにポケモンコンテストを教えようにもカントー地方で開催していないし、教えても変に期待させるだけだ。取りあえずは色々と旅をして回ってみて考えればいいという。

 ポケモンコーディネーター以外にもこの世界にはポケモン○○は沢山ある。なんならトレーナーとして活躍するのもアリだ。結果的にはセレナの事を後回しにしているだけだが、問題は特に無い。色々な地方を巡るのだから。

 

 セレナの事も大事だけど自分の心配をしないとならない。

 昨日、頑張って水ポケモンを釣ろうとしたけれども結果はコイキングのみ。水ポケモン無しで今後を乗り切るなんて絶対に無理だ。特にやたらと気合いの入った試合で有名なグレンジム。ヒトカゲがリザードンになって、リザードンvsブーバーがあったとして……無理だな。そもそもでリザードンvsブーバーって再戦での試合で1戦目普通に負けてるからな。

 

 昨日と同じく釣り場でボーッとしているだけになるのかと考えていると「難しい顔ばっか」と言ってくるセレナ。今後を左右する事を考えているんだから難しくも険しくもなると言えば「たまには息抜きをしないとダメよ」と言ってくる。

 思えば旅に出てから色々と詰め込んでいて神経を研ぎ澄ますもといピリピリとさせており、リラックスや精神統一をするのにエロ本を読んでいるのだが、それだけだ。

 ガス抜きをするのはあまりしていない。旅が順調でイライラしてストレスを溜めていないが、もしかしたら気付いていないだけでストレスが溜まっているかもしれない。

 

 セレナの提案を飲んでガス抜きをする為に今日はクチバシティをグルりと一周する事になった。

 

 カントーと他の地方を繋いでいるだけあり今までの街の中でも大きく尚且つ色々とある。

 バトルレコーダーにポケモンの笛にポフィンケース、ポンシェイカー、ダウジングマシン、シルフスコープ、おしえテレビといった【たいせつなもの】

 フェンせんべい、いかりまんじゅう、もりのヨウカン、ヒウンアイス、ニビあられ、マラサダといった各地方の名物。

 ヤチェのみ、リンドのみ、シュカのみといったダメージを軽減してくれる市場に余り出回らないきのみ。他にも色々とこの辺では見かけない珍しい物が売られていた。

 

 クチバの街が一望出来る場所等を回っていると「あれ、これってデートなんじゃ?」と考えたのだが「別にデートでもいいや」と特に問題ないことが分かる。

 セレナが腕を組んで胸で腕を挟みながら歩くリア充がやっている定番のアレとかしてきており、ボディタッチとか普通にあるし帰るときとかも手を繋いだりしているけれども別に問題らしい問題は発生していない。

 むしろ一つ一つに嬉しそうな反応をみているとこっちの心が癒される。セレナはマジで可愛い。

 

 ショッピングを終えてクチバを一望出来る高台や大食い選手権等を見て回っていると、古い大きな屋敷に辿り着く。

 あれこれどっかで見たことがあるぞ?とこの屋敷を何処で見たかと思い出そうとするとゲンガーが居たのでポケモン図鑑を取り出してみると野生のゲンガーだった。

 

 そこでやっとここが後にサクラギ研究所になる場所なのを思い出す。

 

 あのゲンガーは後にサトシくんがゲットするサクラギ研究所に前々から住み着いていたゲンガーだと分かり、ゲンガーに近付いてモンスターボールを取り出す。

 何時もの様にゴー、モンスターボール!と投げるのだがヒトカゲの時と同様に弾かれる……モンスターボールって感覚的に言えば300グラムぐらいの重さで、それを【サイコキネシス】で弾くと恐ろしい速度で鉄の塊が飛んで来るので恐ろしい。

 

 いきなりボールを投げたので怒るゲンガー。

 タイプ相性有利なポケモンはサイホーンだが、相手はCとS(素早さ)がトップレベルのゲンガー。ドサイドンならいざ知らず、サイホーンでは危険すぎると色々と狙いがありヒトカゲを出す。

 

 目から黒色のビームもとい【ナイトヘッド】で攻撃するゲンガー。

 負けじと【かえんほうしゃ】で応戦するのだが、ヒトカゲがゲンガーに対して有効打となる技が【かえんほうしゃ】しか無いことに気付く。やろうと思えば【ひのこ】とか【ほのおのパンチ】とか出来るだろうが、【ゴースト】タイプのポケモンに対して、有利打が圧倒的に少ない。

 【ナイトヘッド】と【かえんほうしゃ】がぶつかり合い、力の押し合いがはじまる。これがポケモンバトルならば次の手を考えるかポケモンを代えるが今回は勝利ではなくゲット。

 目からビームもとい【ナイトヘッド】を使っているので下手に動けず視界も悪くなっているゲンガーにボールを投げた。

 

 レベルが高いのかゲットに失敗する。やっぱり普通のモンスターボールよりもスーパーボールとか補正のかかるボールの方がゲットしやすいのかと考えているとなにやら困惑している様子のゲンガー。

 オレが投げたボールを拾って開閉スイッチを自ら押し、ボールの中に入るのだがゲットされずにボールから出て物凄い落ち込みをみせた。思わず何事かと近寄り声をかけるヒトカゲ。

 

 どうも自分が捨てられた事を自覚していなかったらしく、オレのボールに入った事から捨てられてしまった事に気付いたらしい。

 前から思っていたけれども、ポケモンをゲットして直ぐに言うことを聞かせられるならば逃がした事を自覚させる機能とかついていないのか?

 

 トレーナーが捨てたんだとヒトカゲが教えると怒り狂うゲンガー。

 八つ当たり気味に【シャドーボール】をそこかしこにばらまき、セレナにまでぶつけようとしておりとにもかくにもゲットしてやるとヒトカゲでのバトルを続行。

 怒りに狂っているせいかパワーがある【シャドーボール】だが、撃ち方が単調で避ける事に集中すれば割と簡単に避ける事が出来る。

 

 冷静に指示をしながら【かえんほうしゃ】で確実なダメージを与えてゲンガーを倒す。ゲットするのでなく倒す。

 

 倒されたゲンガーにボールを投げることはせずに寄りそう。不幸を起こすかなんかは知らないが、ゲンガーを捨てるなんて勿体ない。確かに初代では製作陣がやらかしてゴースト技が【エスパー】タイプのポケモンに効かないだけじゃなく、【したでなめる】しかなく、【ナイトヘッド】が固定ダメージで糞だったよ。

 

 第三世代までタイプで物理か特殊か分けていて【ゴースト】タイプのポケモンはなにかと不遇だったりしたけれども、第4世代で一部のポケモンが一気に化けた。

 ゲンガーなんてピカチュウを除いたポケモンの中でもかなり優遇されているポケモンだ。レートでもちょくちょく見るし、メガシンカとキョダイマックスの両方があり、タイプも覚える技も優秀。

 

 通信進化とか言うゲームで1番面倒な進化のさせ方で進化させるだけあり、ゲンガーは滅茶苦茶優秀であり、リージョンフォームのポケモンを除けばカントーで唯一の【ゴースト】タイプ。あの手この手で捕まえるのはまだしも逃がすのはバカらしい。

 

 「他の奴等がなんて言おうと知らない。オレはゲンガーをゲットしたい」と言ってはみるものの、捨てられた事に気付いたばかりなので人間不信になっているゲンガー。なんとかして心を開かせたいと買ったばかりのポロックキットを使いポロックを作成……したんだけど、不味かった。もうビックリするぐらいに不味かった。

 

 ゲームと違って分量とかをちゃんとしておかないと美味しく作れず、性格で好みの味が決まる訳じゃない。現にピカチュウは【がんばりや】の性格だがケチャップの様な程好く甘いけれども酸味もある味を好んでる。

 ビックリするぐらいに糞不味い味を食べさせるとショックで気を失いかけるゲンガー。不味いものを食べて失神って現実ではじめて見るわーと思っていると林檎を取り出して半分くれた。オレの思いが伝わった様でボールに入ってくれた。

 

 

 ゲンガー、ゲットだぜ!

 

 

 ところで前から気になっていたのだが、なんで林檎は林檎なんだろうか?

 哲学的な話じゃなくて、ポケモンの世界って現実にはないきのみが物凄いまであるのに、林檎だけは○○のみじゃなくて林檎としてカウントされている……本当になんでだろう?

 

 ともかく、息抜きをするのにはちょうど良い1日だった。

 ポロックキットを購入したので、これから色々とポロックを作ってみよう。ポケモン1体1体の好みの味を調べて作ることになれないと……そのうちゲットするであろうカビゴン対策が出来ないと本当に洒落にならん。

 きのみも色々と買えたし……残念な事があるとすればゴーゴーゴーグルを買えなかった事だな。これから色々な所に行くのでゴーグルは必要になると思う……たぶん。

 

 

 カントーレポート22(豪華客船沈没)

 

 昨日、サントアンヌ号を見ていなかったので見に行きたいと言うセレナ。

 あ~そういえばと原作を思い出しながら港に向かうと豪華客船サントアンヌ号があり、その付近で何時の時代と言うか放送当時は居たんじゃないの?と思えるギャルの格好をしているムサシとコジロウがサントアンヌ号のチケットを配っていた。

 

 これ、ロケット団の罠なんだよな。

 

 よくみれば、その辺のトレーナー達にサントアンヌ号のクルージングのチケットを配っていた。

 ぶっちゃけた話、オレが居る居ないでなにかが変わるわけでも無いのだろうが何かあると本当に怖いので騙されてやるかとサントアンヌ号に乗るのだが、半端なかった。

 

 伊達に豪華客船でなく豪華絢爛な船内。

 テロを起こすもといポケモンを一気に奪う為とは言え金が掛かっているなとポケモントレーナー御一行の看板がある大広間のパーティー会場に足を運ぶとポケモンを自慢し合う招待客、それにバトルをしているポケモントレーナー達。

 ラッタがスターミーとバトルをしており、ラッタが勝利。トレーナーであるジェントルマンが「挑戦者はいないかね?」と言ってくるので、此処で出ないわけにはいかない。

 

 

 いやぁ、ノーマルタイプの技しか使えないラッタは強敵でした。

 

 

 ゲンガーの初バトルは大大大大、大勝利。

 【サイコキネシス】という超強力な技を覚えているだけでなく【さいみんじゅつ】等の搦め手も覚えている。技を覚える作業をしなくて本当に楽だ。

 セレナは「こんなところでもバトルだなんて、もうサトシったら!」と怒っていたので謝る。これでも1番を目指すトレーナーなのでバトルの匂いがすればしなくちゃならないんだ。

 

 セレナを放置した御詫びにセレナの言うことを聞くことになり、その結果着替えさせられた。

 豪華客船だけあり高そうな服も置いてあり、社交ダンスとかで使いそうなタキシードとかの高級な服がズラリとあり無料でのレンタルが……こういう服って冠婚葬祭でしか着ないから、むず痒い。ポケモンコンテストってこういう服を着るのが当たり前なんだよな。

 

 セレナもドレスに着替えており、元が良いだけありとても綺麗で褒めると嬉しそうにする。いや~良いものを見れたと思っていると手を出すセレナ……うん。

 

 

 社交ダンスなんて出来ないよ?

 

 

 こう漫画とかで夜に二人きりで社交ダンスをするシーンとかあるけども、オレは社交ダンスなんて全く出来ないよ。

 そもそもで趣味でやっている奴以外で社交ダンス出来るの?むしろなんで漫画のキャラ達は社交ダンス出来るの?習ってるの?社交ダンス用の衣装ってバカみたいに高いんだぞ?

 

 下手ながらもなんとかノリでダンスを終え「下手くそでごめん」と謝る。腰とかに手を当てたりしないといけないけど、ガッツリと掴んだりしてしまったな~と思っていると「ううん、楽しかったわ」と嬉しそう答えるセレナ。社交辞令で無いことを祈る。

 

 ダンスを終えるとお腹が空き、豪華な食事を取ることに。

 肩が凝るコース形式の料理でなく立ち食い形式のバイキングで、飯を食ってて思うのは花より団子だ。コーディネーターには向いていないなと漫画肉にかぶりついているとバトルでぶっ飛ばしたジェントルマンが話し掛けてきた。

 「君のゲンガー、素晴らしいじゃないか」と褒めてくれるジェントルマン。こっちも「ラッタは中々に育ててますね」と返すと「なら、話が早い!」と肩を掴む。

 

 ポケモン交換を提案するジェントルマン。

 なにが悲しくてラッタとゲンガーを交換しなきゃならん。明らかに釣り合わないし、ゲットしたばかりのゲンガーを交換すればグレるしかない。ポケモン交換を丁寧に断り、船内の土産物屋等をグルりと回っていると騒ぎが起きる。

 

 そう。ロケット団がモンスターボールを吸い取る機械を背負って沢山現れた。

 「大人しくポケモンを寄越せ!でなければ、痛い目に遇うぞ!」と言う量産型ロケット団。ムサシとコジロウは?と思ったが、なにやらコイキング売りの親父に金を返せと揉めている様だった。

 

 「お前等にやるぐらいなら、戦った方がましだ!」と言いピカチュウに【10まんボルト】を指示。

 オレの言葉に賛同するポケモントレーナー達もモンスターボールを取り出すのだが、投げるなよ。投げずにボールから出さないと掃除機みたいな機械に吸い込まれるのに投げるなよ。

 

 掃除機みたいな機械に吸い込まれていくモンスターボール。余計な手間を取らせるなと持っているポケモンを一気に出す。そこからはもう圧倒的だった。

 

 ヒトカゲ同士でピラミッドを作り出し【かえんほうしゃ】

 サイホーン達が横一列にならび【とっしん】

 ドードリオ達がロケット団員を嘴で突き飛ばし、キャッチボールをする。

 ピカチュウ達が電気を1つにし、100まんボルト!

 円形に囲んで四方八方からフシギダネ達が【つるのむち】

 

 ロケット団もアホだな。

 トレーナー達からポケモンを奪うのは良いけど、奪うならば奪うで強いトレーナーを連れてこないと数で有利なオレ達が数の暴力で勝つのに。インフレしていない戦いでの基本的な戦術は数がものを言うんだぞ。

 

 同種のポケモン達が協力しロケット団を制圧している中、しょんぼりしているセレナのフォッコ。

 ここは海の上で乗っている客の殆どがロケット団に騙されて乗せられた人達であり持っているポケモンはカントー地方のポケモン。他にフォッコが居るわけがない。

 仲間を必死になって探しているが居るのはカントーのポケモンで極々稀にジョウトのポケモンを、マグマラシとワニノコを見かけるのだが、仲間ではない。

 

 ロケット団を徹底的にボコっていると傾くサントアンヌ号。

「サントアンヌ号は豪華客船です!絶対に沈みません!」と船長は言うのだが、更に傾くと真っ先に船長が避難用のボートに乗りやがった。テメエが1番最後だろう!

 

 まぁ、とにかくポケモン達が盗まれるなんて事もなく程好く経験値を集める事が出来た。

 サントアンヌ号が沈んでしまい事件に巻き込んでしまった御詫びにリゾートに招待してくれるとのことなので儲けものである……でも、行き先がハトバなんだよな。

 

 

 カントーレポート23(最早、設定上存在するだけの存在)

 

 なにから書けば良いのだろうか?

 サントアンヌ号が沈んだ事によりカントー本土から若干離れた島に辿り着き、近くのポケモンセンターに泊まったんだがマグマラシがオレに近付いてきた。

 

 こいつ昨日のマグマラシか?と昨日の事を思い出す。

 サントアンヌ号の事件に巻き込まれたトレーナー達も宿泊しており、その内の1人のポケモンかと思っているとオレになにかを訴えかけるマグマラシ。ピカチュウが翻訳してくれポケモンバトルがしたいそうだ。

 トレーナーとして挑まれたのならば答えるのが流儀。いざバトルだとマグマラシにトレーナーの元に案内をしてもらうとそのトレーナーは外にいた……。

 

 

 

 ポケットモンスタークリスタル ライコウ雷の伝説で主人公をしていたワカバタウンのケンタが。

 

 

 

 その姿はそう。所謂第二世代、ポケットモンスター金銀クリスタルの男主人公でなくポケットモンスターHGSSの男主人公の格好をしていた。頭にはゴーゴーゴーグルをつけており、目付きの悪さも加わってポケスペのゴールドに見える。

 

 時期的にサトシくんがピカチュウを貰う頃にジョウト地方でウツギ博士からヒノアラシを貰っている。チコリータを貰ったポケモン界の創造神である増田さんを模したジュンイチはジョウトリーグに出場したサトシくんとバトルを繰り広げた。金銀クリスタルの女主人公を模したマリナは時折チラリと顔だけ出演しており、ケンタだけは主人公なのに本編で一切の出番が無い。

 蓮舫編以前の銀魂の坂本よりも出番がない存在で、今はジョウトリーグに出場するためにバッジを集めているんじゃないのか?と驚くしかなかった。

 

 

「使用ポケモンは1体、お互いに自慢の1体でバトルをしろ」と言うケンタ。番外編の方でも似たような台詞を言っているが、言い方が全く異なっている。

 困惑するオレを他所にマグマラシで勝負を挑むケンタ。色々と気になる事があるが、今はポケモンバトルに集中するんだと相性の良いサイホーンを出した。

 

 サイホーンを出すと極僅かだが眉をピクリと動かすケンタ。

 この時点で気になっていた事を物凄く聞きたかったが我慢をしてバトルを挑んだ。

 

 先ずは先手必勝だと【とっしん】で突っ込むサイホーン。

 素早いものの一直線の動きなのか、あっさりと見きられ真横に避けてマグマラシは【ひのこ】をぶつけるがダメージは無い。今度は手を変えて【いわおとし】で攻めると直撃して大ダメージ。

 倒したか!と思ったが岩の隙間から出てくるマグマラシ。なんとか立ち上がったもののダメージは大きい……そう、ダメージは大きい。

 

 

 弱っている筈なのに頭の炎が最初よりも大きくなるマグマラシ。とくせいの【もうか】が発動した。【もうか】は【ほのお】タイプの技の威力が上がるが発動条件は体力が少ない時。鉄は熱い内に叩く。

 ケンタは【かえんぐるま】を指示し炎を纏って突撃するマグマラシ。そっちがその気ならばと【ドリルライナー】で受けて立ち、【かえんぐるま】と【ドリルライナー】のぶつかり合いは【ドリルライナー】の勝利。

 【もうか】で火力を上げようがAでダメージを与える【かえんぐるま】ではBが高く効果は今一つなサイホーンには勝てなかった。

 

 バトルは終わり握手を求めるのだが、握手に応じないケンタ。

 負けた事が悔しいのか目元には涙を溜めており、オレに向かって「108・130・95・80・85・102」と第6世代まで600族のトップを走っていたガブリアスの種族値を出したので「ドラゴン・じめん」と答えると涙を流した。

 

 

 ケンタは転生者……と言うか普通に知り合いだった。

 

 

 互いに転生者だと分かり現実の情報を交換していると普通に知り合いだった事が判明。

「なんだよ、お前かよー」と気楽に言ったら殴られそうになったので避ける。あのバカ、オレがお気楽にしているのに物凄い苛立ったらしい。八つ当たりすんじゃねえよ。

 

 

 オレと同じである日、突然ワカバタウンのケンタになっていた。

 

 

 よくある異世界転生みたいにトラックに轢かれたわけでもなく、現実が糞だったわけでもない。

 それなりに楽しくやっており模試でA判定を貰ったりと順調な人生を送っていたがある日、突然見知らぬ男になっていた。それはあまりにも理不尽であり、絶望をするしかない。

 

 ケンタになってからは悲しんで苦しんで辛い毎日を送っており、消えたい死にたいと思う日々が続いて何度かワカバタウンを出ていこうとフラついた事もあり、その度に幼馴染みのマリナが自分を探しにポケモンも持たずに追い掛けるので仕方なくマリナを連れてワカバタウンに戻る日々を過ごしていた。

 

 ポケモンを貰える日になりウツギ博士からヒノアラシを貰い、此処がアニポケの世界だと気付いたケンタは滅茶苦茶にしてやろうと思いジョウトリーグに出ることはせずにカントー地方で冒険してやろうと来て、オレと違い原作知識の転生特典的なのは無く、いずれはポケモンリーグで顔を合わせる事になるだろうと旅をしてたらクチバでサントアンヌ号のチケットを貰い、オレを発見してサトシくんが持っていないポケモンを持っている事に疑問を持ったりした。

 

 で、オレとバトルをしてみて転生者だと判明して今に至る。

 

 「お前も大変だったな」と言えばぶん殴ってくるケンタ。

 「なんでお前はそこまで気楽に出来るんだよ!」と怒るので「オレが気楽に見えると思ったら大間違いだ、ボケ!」と殴り返す。オレはそういう葛藤的なのをしない様に諦めたりしているだけでお前みたいになろうと思えば何時でもなれるんだ。

 

 「お前は設定上存在するだけで良いかもしれないが、こっちはバリッバリの主人公だ。定期的に滅びを迎えたりする地球や世界を救いながら各地を旅して永遠の10歳をやらなきゃなんねえんだぞ。神様的なのがオレ達をこんな目に遇わせたのならば、難しい事を考えても無駄なんだよ!」と諦めまくりな事を言う。

 

 「言っとくけどな、まだポケモンの世界で良かったと他の世界よりはましだったと思えよな!!」とこの世界で良かった事を主張する。

 鬼滅の刃やるろうに剣心みたいに100~150年ほど前の色々と大変だった頃の日本に転生なんてしたくないし、歴代のテイルズオブの中でもトップレベルに文明のレベルが低いテイルズオブゼスティリアみたいに科学のかの字も無い世界も無理だし、FGOの様に戦闘能力よりもコミュニケーション能力と度胸を極めてないと生き残れないソシャゲ世界もある。

 

 

「オレ達みたいな特になにもない一般人Aは感情によってパワーアップする系の世界よりもワールドトリガーみたいな頼れる大人がいて訓練できる場がある世界か遊戯王みたいな暴力以外でバトルする世界じゃないと絶対に生き残れないからな!その辺の輩に殺される可能性だってあるんだぞ!!」

 

 

 我ながら良いことを言ったと思う。

 実際問題、感情によってパワーアップする系の世界だったりなにも知らない一般人がある日突然系の世界はモブに優しくない。アンチ要素多い。屑の集まりが多い。後、アンチ多い。主人公達が正義の味方をしている屑野郎とか普通にある。やっぱアンチ要素多い。

 

 色々と吹っ切れたのかケンタは「どうせならアイドルマスターがよかった……」と言うので呆れた。

 アイマスの世界に転生してアイドル達を口説きたいと言う気持ちは分からないでも無い。ハーレムと言うのも最高だがしかし、アイマスの世界でアイドルを口説くのは洒落にならないほどまずい。

 

 なにせアイドル達は事務所の商売道具。

 俳優でも女優でもなくアイドル、エロ同人の如く手を出した事をマスコミに知られれば記者会見待った無し。10:0でプロデューサーが悪い事になる。てか、未成年のアイドルに手を出したら普通に犯罪だ。

 

 手を出すならばラブライブ!もといスクールアイドル、矢澤にこは真面目にアイドルを目指しているのでそれ以外ならばネットで叩かれるだけで済む。物凄く叩かれるのを覚悟しておかなければならないけれども。他の面々も地雷臭漂うからオレは絶対に手を出さないけど。

 

 相変わらず変なところを見落としているなと思っていると、ある事を言うのを忘れていた。

 

 「ありがとう」

 

 オレはケンタに対して大分遅れたがお礼を言った。

 余り口に出さないし、感情にも出さない。考え始めると物凄く気分が沈んでしまうから絶対にしない様にしているのだがオレはずっと1人だと思うと孤独感を酷く感じて鬱になる。

 旅に出てから楽しい事や嬉しい事ばかりだったのでその辺を考えなくなったが考えないだけあって、本当に油断をしてると泣きそうになるが、今日からはその心配がもう無い。

 

 見知らぬ誰かなら気まずかったが知り合いだから気持ち的にも楽で、ポッカリと空いていた胸の穴がすっぽりと填まった。ケンタが居てくれたからだ。

 感謝の理由を伝えると顔を両手で隠すケンタ。オレが言っている事が恥ずかしいのか聞いてられずに顔を真っ赤にしていた。やめてくんない?オレも恥ずかしくなるし。

 

 とにもかくにもまぁ、スッキリとした。

 今まで足りなかったパズルのピースが空白の部分にピッタリと填まっていて爽やかな気持──────

 

 

 

 

 カントーレポート23追記

 

 

 

 レポートを書いている時に闇討ちされた……。

 

 ケンタの奴、1人で旅をしていると思ったら女主人公もといマリナと一緒に旅をしていた。

 なんかケンタになった頃から一緒に居て旅する時も流れで一緒だったらしい……あのワニノコ、お前のやったんか。

 

 今まで難しい顔をして神経をピリピリさせていたケンタ。

 オレとの出会いで色々と吹っ切れたらしく、笑うようになったのだがそれが気にくわなかったらしくワニノコを引き連れて襲撃。まぁ、マサラ人にそんな卑劣な手を使ったとしても無駄である。

 トレーナーに対してのダイレクトアタックならばやるぞと構えるのだがケンタが焦った顔で走ってきた……セレナも似たような事をしていた……どっちも大変だな……。

 

 

 

 とにかく爽やかな気持ちである事には違いなくケンタもオレとの会話で吹っ切れた。

 オレみたいに一気に気持ちを切り替えるのは無理だけど、少しずつ気持ちを変えていくらしく一先ずはセキエイ大会を目指してジムを巡る旅は続けるらしい。




はい、と言うことで1人目(サトシくんを含めれば2人目)の転生者はワカバタウンのケンタです。
何者かと言われればアランの最強メガシンカと同じで本編と世界観は繋がっているけどもスピンオフな主人公であり、ある意味1番幸の薄い主人公です。
ワニノコを貰ったマリナはちょくちょく絵とかで出てきてチコリータを選んだジュンイチはサトシくんとジョウトリーグで戦う大役を貰ったのに彼だけは全く出番がありません。


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アオプルコの休息日

 カントーレポート24(色々と複雑なアオプルコ)

 

 レポートを書いている途中に背後から攻撃されるという予想外の出来事があったものの、旅は再開。

 ケンタとマリナもカントー本土に戻るまで道は同じなので一緒に旅をすることになり、カントー本土に戻る為とサントアンヌ号の事件の詫びにとハトバのホテルのチケットを貰ったのだが、その前に遊泳ビーチのアオプルコに辿り着く。

 

 海を見て嬉しそうにするセレナとマリナ。

 遊泳のビーチでそこかしこに海の家、此処まで来たら遊ぶしか道はない!とハトバに向かうのを一旦中断して目にも止まらぬ素早さで走り出し、靴を脱いで一瞬にして水着姿にチェンジ。

 

 いや、良いものを見れた。

 セレナも大きいけどもマリナも中々にデカいと良い彼女が出来たなと言うと物凄く睨んでくるケンタ。

 彼女じゃないと否定する……そうやって否定するならば本気で拒めよ。そうやってズルズルさせると後々どっちも大変な目に遇う。あ、既にひどい目に遇ってるの……ごめん。

 

 折角の海、しかも遊べる海なのでポケモン達を出すとケンタもポケモン達を出す。

 マグマラシ、ウソッキー、エイパム、ヒマナッツ……ポケスペのゴールドと手持ち一緒じゃねえか。狙ってやったのか?やったのか、お前。

 

 ケンタの奴、水着を持ってきていないみたいだ。海とかで遊ぶ機会はあるのに……オレでも一応と持ってきてるんだぞ。

 ポケモン達を好きに遊ばせている間、水着美女達を眺めて心のリフレッシュをする。ビキニのお姉さんは見ているだけで心が踊る。

 

 

 そして案の定、フォッコとワニノコの攻撃をくらうがこの程度の痛みであの快楽を得るならば安いものよ。

 

 

 水着を褒めるのを忘れていてプンプンと怒るセレナ。

 此処はあえて手口を変え「セレナは可愛いんだからなにを着ても似合う。オレは褒めるの下手くそだから月並みな事しか言えない」と遠回しに褒めると嬉しそうに顔を真っ赤にするセレナ。実際問題、なにを着ても似合う。

 

 そんなオレを見てケンタは「伊藤誠みたいな事を……」と引いていたので「オレそこまで酷くないし月並みな事しかいえないの事実だからな!」と否定し「そういうお前もなんか言ってやれよ」と爆弾を投げ付ける。

 マリナもマリナで期待しているんだからなんか言ってやれよと煽ると恥ずかしそうに「まぁ、その……似合ってるぞ」と言うケンタ。

 

 今までツンの時期が長かったのかマリナは「遂にケンタがデレた!」とガッツポーズを取り、抱きつこうとするのだが避けられる。そいつのATフィールドはかなり硬い。もうちょっと段階を踏まなければ突破は不可能だ。

 

 腹が減り、飯を食おうと海の家で焼きそばを注文。

 こういうところで食う焼きそばは美味しくないが、逆にそれが美味しいと言う謎があるんだよなと思っているとサングラスをつけた厳つい男が「なんじゃこりゃあ!」と叫ぶ。

 焼きそばに髪の毛が入っていた事に対してクレームを入れるのだが、焼きそばを作っている爺さんは白髪。茶色の髪の毛が入っている事は絶対に無く、ただの悪質クレーマーだと見守っているとなにかに気付く爺さん。

 

 「お前達、あのババアに頼まれて来たな!」と近くの大きな海の家からの刺客だと言い張る爺さん。

 バレちゃ仕方ねえと柄の悪そうな奴等はモンスターボールに手をかけるので目に見えぬ素早さで首の裏をトンと叩いて気絶させる。

 

 ケンタが「お前……」となにか言いたげな顔をするが、これが1番なのである。

 爺さんは助かったと礼を言うので礼よりも事情を教えろと聞けば近くの海の家を経営しているオババから金を借りているらしく、もうすぐ返せるのだが悪質な嫌がらせをされてそのもうすぐの目標に到達しない。

 

 借金を返せる様にしているのに邪魔をしているとは何事かと聞いてみると海の家が欲しいとのこと。

 ハトバからアオプルコに人が流れている今が書き入れ時で売上がもうすぐと言うのにこのままだと店の評判がガタ落ちになる。そうなれば夢であるボートで様々な海を旅することが出来なくなる。

 

 なんだか大変だなーと他人事の様に聞いていると、可哀想だと感じて首を突っ込むマリナとセレナ。

 どうにかしてこのお店の売上を上げたいとのことだが、料理の質を上げるとかそういうのをしても借金の期日とかもあるので今からだと遅い。客寄せでもするか?とケンタが提案をするが爺さんがこんな事があるぞとミスコンのチラシを見せる。

 

 

 優勝すれば賞金とかクルーザーとかくれるよくある?水着美女のミスコン、狙ってたな。

 

 

 これは野郎の出番は無いなと完全に傍観に徹するオレとケンタ。

 セレナは「私が優勝したら嬉しい?」と聞いてくるので「嬉しいぞ」と答えるとガッツポーズをする。

 マリナはアイドルトレーナーを目指しているのか物凄くノリノリで「優勝してくるね!」とケンタに勝利予告をしていた。

 

 そんなこんなで始まる水着美女のミスコン。

 トップバッターに噂のオババが水着姿で出てきたのでオレとケンタは大絶叫。山田伝子さんを見るよりも辛く、ちょっと見えない舞台裏に行ってゲロを吐いた。オレ達以外にも見物に来ていた人達も吐いた。しわくちゃなババアの水着姿は誰得じゃ。

 

 オババが居なくなったので観客席に戻るとオーキド博士を発見。

 日に焼けていたのか一瞬だけオーキド博士(アローラの姿)かと思ったが、オレを見て驚いていたのでオーキド博士だった。マサラタウンの町内会旅行でここにやってきているらしく、同じく眼の保養で見学に来たらしい。

 

 なんか嫌な予感がする。

 そう思いながらミスコンを見物しているとシゲルが登場し、シゲルの応援団が水着姿で登場した。おっぱい大きなお姉様方が沢山居て眼福、眼福とありがたく祈っていると「こんなところで鼻を伸ばしてなにをやってるのかな、サートシくんは」と絡んできたので「お前の方こそなにやってんだよ」と返す。

「息抜きに決まってるじゃないか。彼女達と海辺で遊び、たまっている心の汚れを落としに来たのさ。そういうサートシくんは1人かい?」と自慢してくるので、次が出番のセレナと一緒に旅をしているとドヤってやった。

 

 シゲルの応援団もレベルが高いけれども、セレナのレベルはもっと高い。

 フォッコと一緒にモデル歩きで出てくるセレナ。【めざめるパワー】を放ち、周りをキラキラと輝かせて盛り上げる。シゲルはショックを受けていた。

 

 セレナの次はマリナの出番。

 ワニノコのワニワニと共に水を使ったパフォーマンスで場を盛り上げており「ケンター!見てるー!」とケンタの名前を出すので「なんで名前を出すんだよ」と呆れるケンタ。

 

 そんなこんなで何名か出場し、マリナにするかセレナにするのか悩む審査員達。

 「2人ともポケモントレーナーだし、ポケモンバトルで決着をつけるのはどうじゃろう!」とオーキド博士が提案をし、何故かポケモンバトルに。

普通ならば此処はコンテストじゃないのかと思ったがどっちもコーディネーターじゃないので、コンテストバトルは出来ないし、何よりもコンテストバトルするには機材が必要だ。

 

 そんなこんなでセレナvsマリナのポケモンバトルが開始される。

 使用ポケモンは1体の1回勝負、セレナは当然フォッコを出してマリナはワニノコを出してポケモンバトル開始。

 相性の有利をついてくるマリナ。【みずてっぽう】でフォッコにダメージを与え負けじとフォッコも【ひのこ】でダメージを与えるのだが相性の問題上、与えれるダメージが少ない。

 

 このままでは負けると感じるセレナ。チラリとオレの方を見るのだが、あくまでもこのバトルはセレナのバトル。

 ケンタもマリナのバトルだからと余計な事を言わずにいるので「頑張れよ!」とバトルをサポートする様な発言は一切しない。

 

 無意識の内にオレを頼っていた事に気付くセレナ。

 両頬を叩いて気持ちを切り替え【ほのお】タイプ以外の技を使い戦っていると【サイケこうせん】を習得。これはセレナが勝利か!と思わず喜んでしまったのが原因でフラグが立ってしまい、マリナのワニノコが進化の光を放ちアリゲイツに進化した。

 

「俺のヒノアラシがつい最近進化したからな……そろそろだと思っていたがここでか」

 

 とケンタは進化に納得しており、進化したことによりパワーや素早さが増したアリゲイツにフォッコは敗れた。

 初バトルで相性も悪くレベルの高いポケモンを相手に大分健闘したなと慰めるのだが負けた事を悔やむセレナ。これも冒険の醍醐味だ。オレだって……まぁ、負けることがある。

 

 そんなこんなでマリナが勝利し、水着コンテストのNo.2が決まる……No.1じゃなかった。

 オレとケンタがゲロを吐いている頃にママさんが出場しており、ママさんがぶっちぎりで1位に、2位をセレナかマリナで悩んでいた……うん。

 

 水着美女のミスコンで優勝したのが母親って、どんな顔をすればいいわけよ?

 

 なんとも言えないこの気持ち。「どんまい」と励ましてくれるケンタは笑いを堪えていた。

 

 まぁ、とにかく爺さんが借金を返済できて海を旅することが出来るようになってよかった。

 

 

 カントーレポート25(行進!ドククラゲ)

 

 

 アオプルコを離れ、辿り着いたのはハトバ。

 アオプルコと同じくリゾート地でありサントアンヌ号の事件での御詫びである最高級ホテルで世界中の豪華なグルメ食べ放題チケットはここで使えると楽しみに歩きホテルにチェックイン。

 昨日は海で遊んだので今日はホテルでゆっくりとしようと思っていると同じくホテルに泊まっているケンタがやって来た。

 

「ホテルのオーナーが腕自慢のポケモントレーナーを募集してる。これってなんかあるのか?」と聞いてくるので重い腰を上げてオレと一緒にオーナーの元に向かうとそこには昨日トラウマを残したババアが。

 

「あ、ジョーイさんと同じ理論?」とババアを見て納得するが「アオプルコのと一緒にするんじゃない!ワシの方が何億倍も美人で金持ちじゃ!」とか無茶苦茶を言う。

 オレ達以外にも色々とポケモントレーナーを集めており「この凶悪ポケモンを一掃しろ!そうすれば金でも最高級ロイヤルスゥイートでも世界のグルメでもなんでもやるぞ!!」とメノクラゲの一掃を依頼するのだがパスする。

 

 こう言う時は原作知識に頼るのみ。

 いざという時に備えて逃げ出す準備をしていると「なにをしてるの?」とセレナが疑問を持っていると地響きが起きる。

 何事だ!と慌てながら窓の外を見るとそこには物凄くバカデカいドククラゲがいた……。

 

 ドククラゲ くらげポケモン

 

 高さ 1,6m 重さ 55kg

 

 ……ざっと見なんだが超高層ホテル並の大きさなんだが。

 慌ててやってきたケンタが「あいつをゲットしたら余裕でポケモンリーグを突破出来るんじゃないか?」と言うので「まず、バトルフィールドに立てるのか?あの大きさで」と言う。

 

 ホエルオー辺りならまだなんとかバトルフィールドに出せるけども、あのサイズは無理だろう。

 いったいなにをどうすればあのサイズに育つのだろうか?ぬしポケモンなのか?この世界の海で1番大きなポケモンじゃないのか?

 

 呑気に暴れているドククラゲに対して色々と考察していると「そんな場合じゃないでしょ!」とツッコミを入れるセレナ。このままだとこのホテルも危ないので荷物を持って非常口から脱出。

 「で、あれどうするんだ?」と暴れているドククラゲにどうやって対処するかケンタは考えておりモンスターボールを手にしていたが、あれをゲットするのは無理だろうと止めさせる。

 

 真正面から超々巨大ドククラゲと殴りあっても不利だ、そもそもで暴れる原因となった事を解決しなければならない。

 あのドククラゲが暴れている原因はこの海にある。人工島を開発する過程で海を汚染してしまい、その汚れにドククラゲとメノクラゲは怒っている。

 

「それって自業自得なんじゃ」とマリナは言うのだがケンタは「そう言われても、此処までされるのはな」と言う。あれだよ、人間も自然の法則から抜け出す事は出来ないんだぞ。人間だけが特別感があるけれども、人間も自然の法則の輪からは抜け出せない。

 

 

 と言うことで生け贄を出す。

「全ての原因はこのババアです!!」と重火器を装備したハトバのオババを気絶させ、売り渡す。

 

 

 いやぁ、気持ちいいことをした。人助けをした日は心地良い。

 

 

 そんなこんなでオババを売り渡し、この辺りの海の汚染関係をオババ達がどうにかすることで終わった。

 リアルファイトにならずに済んで良かった。リアルファイトをしても良いが、なにせ相手はデカい。倒せない事は無いのだが、如何せん周りに被害が掛かる……【みず】タイプのポケモン、そろそろ欲しいな。

 

 

 カントーレポート26(大激突!ジョウトのポケモン)

 

 

 ハトバから出る連絡船でカントーの本土に戻ってきたオレ達。

 オレとセレナはこのままヤマブキシティに向かうがケンタ達はタマムシシティを目指す様で、ケンタとマリナはまだバッジ1つらしい……まぁ、オレですら簡単に集めれるから二人ならば8つ簡単に集めれるだろう。

 

 オレと再会出来たことはケンタにとって大きな出来事だった。オレもケンタと再会出来たのは大きな出来事だった。

 もしかすると他の2人も何処かで転生者をやってるかもしれないなと笑う。全く違う別人になっているので笑い事じゃないのだが笑うしか無いので笑う。

 

 セキエイ大会を目指してジムを巡る旅をするのでまたその内会うかもしれない。

 会えれば良いなと言おうとすると別れる前にバトルを挑まれる。ただのバトルでなくフルバトルなんだが、ケンタはポケモンを6体持っていないからどうするつもりなんだ?と疑問を持つと直ぐに答える。

 

「俺とマリナの2人合わせたポケモンとお前のポケモンとフルバトルだ!」と。

 

 ポケモンスタジアムで1P&2Pvs3Pとか出来るから、それと同じ感じでのバトルを挑んでくる。

 お前、そこは自分のポケモンでフルバトルをしろよ……と思ったがマリナもやる気満々なので、挑戦を受けることに。

 

 ポケモンリーグのフルバトルと同じルールでバトルをすることになり、セレナがコイントスをしてくれて先攻はオレから。先ずはと無難にドードリオを出す。

 サトシくんが使った事の無い、サトゥーシくんであるオレのポケモン。なにで来るかと見守っていると出したのはエイパム。あいつは第7世代までしっかりとやっていてSwitchが入手できないから実況プレイで第8世代を見ていた。エイパムが進化していないのはまだ【ダブルアタック】を覚えていないからだなと油断をしてしまった。

 

 開幕【ねこだまし】からの【れいとうパンチ】とか言う夢も希望も無いガッチガチの攻撃をして来やがった。

 いや、オレも油断しまくっていた。こいつ、オレとの出会いで色々と吹っ切れたのかマグマラシでのバトルの時が嘘みたいにイキイキしている。

 

 エテボースとかウソッキーとかあんまりレートで見たことねえなと倒されたドードリオをボールに戻す。

 出て直ぐに【ねこだまし】を使ったので一旦ボールに戻さないと【ねこだまし】は使えず、更に言えば既に手の内が露見している。とはいえ、相手が相手だけになにをしてくるか分からないのも事実。

 なにをしてきても良いようにしようと1番であるピカチュウを出すとケンタは直ぐにエイパムをボールに戻すとマリナとハイタッチ。

 

 ケンタに代わり出てきたマリナ。

 アリゲイツならば一瞬でぶっ倒せるからなにを出すと見守っていると出てきたのはムウマ。あ、これヤバいとピカチュウを戻そうとすると先手を取られ【くろいまなざし】で逃げれなくされた。

 

 こいつ確実に狙ってやったなと戦うしかたなくムウマと渋々バトル。

 なんか前口上とかやっていたがムウマを倒さなければくろいまなざし状態は解けないと【10まんボルト】で攻撃、向こうも負けじと【シャドーボール】で応戦。

 とっとと倒さなければと緊張の糸を高めつつ予想外の一手にもなる【なみのり】で攻撃をすると驚くマリナとムウマ。よっしゃこれで勝ち!と思えば「ムウちゃん、みちづれ!」と【みちづれ】で引き分けに持ち込んだ。

 

「サトシのピカチュウと言えば恐ろしく強いからな。何かある前に叩き潰すのが1番だ」

 

 サトシくんの恐ろしさが分かっているからこそ使った手。

 この世界で使いまくれば大ブーイングな事を躊躇いなくするとはマリナを魔改造したなケンタ。2対1で人をボコボコにしやがって。

 

「悔しいけど、今はまだお前の方が上だからな。使える手はとことん使わせてもらう」

 

 褒めてるのか貶してるのかよく分からない事を言いやがって。

 痛み分けどころか此方がやや不利な状況、ここらで1発逆転しなければ危ないなとゲンガーを出す。他のポケモンだと相性を突かれるがゲンガーなら無いだろう。

 案の定、読み通りムウマが倒れてしまった今、ゲンガーに有利なポケモンはいないのかアリゲイツが出てきた。

 

 アリゲイツの前口上をしている間にアリゲイツが出来ることを考える。セレナとの対決があったお陰で若干だがアリゲイツの使える技が判明しているので分かりやすく直ぐに戦い方を考えれた。

 先ずは軽めに【みずてっぽう】で攻撃をするので避けるゲンガー。ならばと【れいとうパンチ】で地面を凍らせて滑りながら距離を詰めて来たので【ナイトヘッド】で自分の手前の凍っている部分のみを破壊。

 手前までくれば充分だと勢いに任せて【かみつく】で攻撃をしてくるのだがその前にと【サイコキネシス】で動きを止めて、吹き飛ばす。

 

 吹き飛ばされたアリゲイツは目を回しており戦闘不能。やっと一勝をもぎ取ったがこれでフェアになっただけ。

 しかも、倒したのはマリナのポケモンだけでケンタのポケモンは1体も倒しておらず、マリナはケンタとバトンタッチ。「良いバトルだった」と褒めるとマリナは嬉しそうにしケンタに頑張ってと頬にキスをしていた……セレナはチラリとオレを見てきたけど、それはリーグ優勝してからのお楽しみである。

 

 ゲンガーに対し、出してきたのはマグマラシ。

 相性の良いポケモンを持っていないかレベルが最も高いポケモンで挑んできたので戻れとゲンガーを温存。前と同じくサイホーンを出す。

 吹っ切れる前と後では段違いのケンタ。【にどげり】でサイホーンにダメージを与えるのだが、Bの高いサイホーンを相手に【にどげり】はあまり効果はない。

 ここは半減されても大丈夫な様にと【にほんばれ】で【ひでり】状態にして【ひのこ】の威力を上げてきた。これは長引かせると後がまずいと【ドリルライナー】で攻める。

 

 勝負を焦ったのかケンタの作戦勝ちなのかサイホーンは【やけど】状態になってしまう。

 【ドリルライナー】は直撃したが【やけど】状態の為に威力が落ちてしまい、マグマラシを倒すことが出来ず【もうか】を発動するレベルまで体力を削ってしまい「やるなら今しかない!」と限界を越えて覚えたのか【かえんほうしゃ】で攻撃をし、とどめと言わんばかりに【にどげり】を決めてサイホーンは破れた。

 

 今までの相手が骨が無い奴ばかりだったせいか、燃えてきた。

 【にほんばれ】の効果はまだ続いている。向こうがマグマラシならばとこっちはフシギダネを出す。ケンタはマジかと言った顔をするが残っているのがヒトカゲとゲンガーだけなのでフシギダネに頑張って貰うしかない。

 

 【ねむりごな】を撒き散らすフシギダネ。

 「害悪戦法すんじゃねえよ!」と言いつつマグマラシに【ひのこ】で燃やすと粉塵爆発が起きてビビってしまうが、これは使えると【ねむりごな】をもう一度撒き散らすと【かえんぐるま】で突っ込んで来る。

 読んでやがったかと粉塵爆発の中から飛び出るマグマラシ。回転しながら突撃してくるので真正面から挑めば絶対に勝てない。多少のダメージは覚悟の上で【つるのむち】で側面を叩き、バランスを崩しすかさず【ねむりごな】で眠らせて【ヘドロこうげき】で攻めてとどめの【たいあたり】でなんとか倒す。

 

 マグマラシで使える技のレパートリーがまだ少なかったからよかったもののバクフーンだったら勝てなかった。

 こりゃ余裕でセキエイ大会を優勝は難しいと感じながらも次に出てきたのはエイパム。一度ボールから戻っているので【ねこだまし】からの【れいとうパンチ】のコンボが炸裂。

 

 倒れずになんとか持ちこたえるフシギダネ。ここは体力の回復だと【メガドレイン】でエイパムの体力を吸い取るのだが、エイパムも勝負を決めに【れいとうパンチ】で攻めていき勝負の結果、引き分け。

 これによりオレとケンタ&マリナは互いに2体となり、今度はケンタからポケモンを出すこととなり出てきたのはウソッキー。

 

 読み通りだとゲンガーを出し【シャドーボール】で攻撃をすると【ものまね】で【シャドーボール】をコピー。

 ウソッキーは【いわ】タイプのポケモンの例に漏れず、AとBが高くCDは弱い。というか、ウソッキーってS以外ギガイアスの方が種族値大きい。

 【シャドーボール】同士のぶつかり合いはゲンガーのシャドーボールがあっさりと勝利。多少威力が落ちてしまったものの、元々Dの種族値が低いウソッキーには威力が落ちても効果はあり【シャドーボール】の連発で勝利。

 

 最後に残ったのはヒマナッツ、ケンタは負けるかとここで逆転してやると意気込む。

 相手が相手だけに逆転が普通にありえるのでゲンガーを戻し、無傷のヒトカゲ出す。予想通りあのヒマナッツは【だいちのちから】を覚えてやがった。

 

 予想通りであり予想外でもある一撃を受けるものの、ヒトカゲの【かえんほうしゃ】を直撃し一撃で勝利する。

 

 

 なんとか勝利をする事が出来たものの、割とマジで危なかった。

 出す順番とか間違えてたら負けたかもしれないと思っていると負けたことを物凄く悔しがるケンタとマリナ。自分達の手持ちを合わせて協力して戦ったのに勝てなかったことを悔やんでいる。1人ならまだしも2人で挑んでこの結果なので余計に悔しいらしく、ケンタは今まで負け無しだったので悔しさは普通の人よりも重い。

 

 「早いとこ、足りない手持ちをゲットしてこい。今度はお前達と一対一でのフルバトルを……いや、フルバトルはポケモンリーグでだな」

 

 今回は勝てたが、もしかすると次は無いかもしれない。

 そんな危機感を感じながらもケンタ達と別れてヤマブキシティを目指す……ほんと、早いところ水ポケモンをゲットしないと。



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閉店!タマムシゲームコーナー!

 カントーレポート27(超能力vs超筋力)

 

 割とあっさりとヤマブキシティに辿り着いた。

 ケンタはタマムシ、セキチク、グレン、ヤマブキ、ハナダ、ニビ、トキワと巡るらしいので早いとこ面倒なのは処理しなくては。

 

 ポケモン達をポケモンセンターで回復させているとポケモンコンテスト会場を設営するのが決まったとの掲示板が目に入り、なぁにこれ?と首を傾げるのでポケモンコーディネーターについて説明すると興味津々なセレナ。

 残念ながらカントー地方ではまだポケモンコンテストは出来ないので他の地方を旅した時に開催していたら参加してくれ。

 

 ピカチュウ達を回復させるといざヤマブキジムに出陣。

 ヤマブキジムの前にはなんか胡散臭い集団がおり、超能力の特訓をしていた……ゲームでもアニメでも漫画でもさらりと書かれてるけど、この世界って人間の超能力者が普通に居るんだよな。

 

 未来予知したり念力で浮いたりテレポートしたり……透視能力とかベクトル操作とか発火能力とかそういうのは見たこと無いな。まぁ、あったらあったで斉木楠雄みたいになにかと苦労して毎日を過ごすんだろうから絶対にいらない。

 

「なにやってんだ?」と超能力でスプーン曲げを必死にしている男に聞けば「超能力の訓練だ!」と言うがスプーン曲げって超能力の訓練になるのか?最早、手品と超能力のド定番で入門技なのか?

 

「ヤマブキジムを攻略するには超能力を使うエスパーポケモンか、エスパーポケモンの弱点であるゴーストポケモンしかない!」と作業着姿のおっさんが念力で動きながら言うので「虫ポケモンも忘れてやるなよ」と言っておいた。

 ほんと、あれだよ。あんま使う機会が少ないせいかもしれないけれども【むし】タイプ、【エスパー】タイプのポケモンの弱点だからな。第四世代まで【ぎんいろのかぜ】か【メガホーン】ぐらいしか無いけどさ。

 

 未だにこのタイプの高威力の物理or特殊技無いの?って思うの多いからな。そろそろ【かみなりパンチ】以上の物理電気を寄越せ、ゲーフリ。

 

 超能力なんざ不要だと何時もの様にジムに乗り込むと、そこにいたのは人形を持ったおっぱいロン毛美女。

 「お兄さん達は挑戦者?」と人形が喋りだすのでその通りだとモンスターボールを構えると、使用ポケモンは1体のポケモンバトルとルールを教えてくれるのだが、ここからは何時もと違った。

 

 ニビジムの時は機械が、ハナダジムとクチバジムの時はジム関係者が審判をしてくれた。

 しかし今回はなにもなく違和感を感じて何時なにが起きても逃げ出せる様にはしておこうと逃げ腰になりながらゲンガーを出す。

 

 お前が最も活躍出来る場所はここしかない。

 初のジム戦で控え無しなので「お前だけが頼りだ」と言うとやる気を出すゲンガー。応援席からセレナも「頑張れ、ゲンガー!サトシ!」と熱い応援を送ってきたので、ここで勝たなければサトゥーシくんの名が廃る。

 

 ナツメ(人形)はケーシィを出してきて、いざ尋常にポケモンバトル。

 開幕ぶっぱだと【シャドーボール】を撃つが【テレポート】で全く別方向に移動して回避……アニメってほんと、エスパータイプの技がチートだと思う。

 

 後、アニメの製作陣ももうちょっと頑張ってほしい。

 【ブラストバーン】は結局どんなのが正しいのか分からない。アニメ的描写が楽だからって使える技を制限しすぎ。

 

 【シャドーボール】を【テレポート】で避けまくるケーシィ。

 こりゃ普通にやっても当てられない。当てたら絶対に勝てる自信があるのでなにか無いかと考えていると【くろいまなざし】があった事を思い出して、試しに指示してみるとあっさりと使えた。

 レベル1で覚えれる技だからやろうと思えば簡単に出来るのかと【くろいまなざし】状態にして【シャドーボール】で攻撃すると【テレポート】出来なくなり、命中。立ち上がろうとするので追撃の【ナイトヘッド】で勝利をする。

 

 前回が前回だけに割とあっさりと勝利した。

 オレも段々と成長しているからかはたまたゲンガーが強すぎるからか、とにかく勝利したので「ゴールドバッジをくれ」とヤマブキジムを制した証であるゴールドバッジを要求したら人形が「もっと遊んで!」と嬉しそうに笑うが「その前にゴールドバッジをくれ」と言うと不機嫌そうにする人形。

 

「バッジを渡すとお兄ちゃん達、居なくなっちゃうじゃない!」と急にキレたと思うと体に不思議な力が走ったので波動でガード。しかし波動が使えないセレナやピカチュウの体は浮いており「なにこれ!?」と驚き怯える。

「なにさらすんじゃ、ごるぁあ!!」と人形に対して波動螺旋丸を叩き込み、ナツメごと吹き飛ばす。

 

 

「不幸の、原因は、こいつだ!この、人形だ、このおっぱいだ!」

 

 

 と人形をこれでもかとぶん殴る。

 お仕置きとして何回かナツメの乳を揉んだが、お仕置きなので一切の反省はせず「や、やめて」と人形が泣き叫んでも殴るのを止めず最終的にナツメ本人が「やめてぇえええ!」と叫んで止める。

 

 セレナを傷つけようとしたので結構本気目で人形のみをぶん殴ったので、人形はボロボロ。

「反省した?」と聞けば涙目に首を縦に振るので殴るのをもう止めて、ゴールドバッジを要求する。ゴールドバッジを貰い、これにてヤマブキジムを制覇した。

 

 今まで人形に喋らせてたりしていたナツメが生き生きとしていて、作業着姿のおっさんは大喜び。

 おじさん、いや、ナツメのお父さん。これからはナツメと仲良くしなよ。超能力あるだけでおっぱいがあるだけの美女なんだから。人形をオラオラのラッシュをしたけれども、ナツメはおっぱい触るだけしかしていない。

 

 

 やはり暴力、暴力で物事を解決出来る時は暴力に頼るのが1番である。

 

 

 カントーレポート28(怒ったぞオコリザル)

 

 

 やはり暴力、暴力で物事を解決出来る時は暴力に頼るのが1番である……オーキド博士、ごめんなさい。

 

 

 4つ目のゴールドバッジをゲットしオーキド博士に報告をすると例によって遅い!と言われた。

 シゲル達は既にジムバッジを5つゲットしてタマムシシティを越えたと言うマジで早すぎる事を言われたが「しかし、お前さんも順調でなによりじゃ」とオレの旅が順調な事を喜んだ。しかし、直ぐに怒られた。

 

「シゲル達は何体もポケモンを送ってきてると言うのに、お前さんは1体も送ってこんではないか」と例によってポケモンを多く捕まえていない事を怒られた。

「お前さん達が目指すポケモンリーグは連日連夜とバトルを繰り広げる。今の6体がベストなのかもしれんが、1体でも試合に出れなくなればその時点で失格じゃぞ」と忠告もされた。「もうそろそろ1体ぐらいは送ると思うから待ってください」とオーキド博士に期待をさせる。

 

 オーキド博士の言うことは一理あるどころか正論だ。

 とにもかくにも、今の手持ちに足りない【みず】タイプのポケモンをどうにかして捕まえなければならないが、この辺りに川辺も海も無い。

 アオプルコ辺りで【みず】タイプのポケモンをゲットしておいた方が良かったかな~と数日前の自分に後悔するが後悔先に立たず。

 

 オーキド博士と電話をしている頃、セレナはお昼ごはんにおにぎりを握ってくれた(脇ではない)。

 鮭、おかか、昆布、塩のおにぎりで醤油があったのでヒトカゲを出して尻尾の炎で焼きおにぎりにして食べる。

 

 ハナダからクチバシティは滅茶苦茶遠かったけどヤマブキシティからタマムシシティは割と近い。

 この道を一直線に進んでいったらタマムシシティに辿り着くなと思っていると焼きおにぎりの匂いに釣られてか、マンキーがやって来た。

 

 クンクンと焼きおにぎりの香ばしい匂いに釣られるマンキー。

 ここは慎重に餌付けでいこうと焼きおにぎりいるかと焼きおにぎりを出すと帽子を奪われた。マンキーの狙いは最初から焼きおにぎりでなく帽子で、帽子を奪った瞬間にしてやったりといった顔をしていた。

 

「焼きおにぎりやるから、その帽子返せ!」と焼きおにぎりで交渉するものの、返そうとしないマンキー。あの帽子はポケモンリーグ公認キャップのレプリカじゃないが、あれもあれで物凄いレア物らしくママさんがポケモンパンの懸賞で当てた物だ。

 

 返すつもりが一切無いマンキー。

 仕方が無いなとゲンガーを出して【サイコキネシス】で帽子を奪い返すと怒るマンキー。ゲンガーに襲い掛かるのだが、ゲンガーは【ゴースト】タイプのポケモン。マンキーが【ひっかく】や【からてチョップ】でどんな攻撃しようがゲンガーには一切聞かない。

 

「悔しいでしょうねぇ」とゲス顔になるとキレるマンキー。怒りのパワーでオコリザルに進化をするものの、進化をしてもゲンガーに有効なタイプの技を覚えない。【メガトンパンチ】や【メガトンキック】を覚えようが無駄無駄ぁ!!

 

 そんなこんなでオコリザルを嘲笑っていると、暴れるオコリザルに怯えているセレナが「ゲットしなくて良いの?」と聞くので、そういえばこいつはサトシくんのオコリザルだったと思い出した。

 こいつ、ゲットしても直ぐに手放すんじゃないのか?と一瞬だけゲットをするのを躊躇っていると、ゲンガーを殴っても無駄だと気付いたのかオコリザルはオレを攻撃してきた。

 

 オレをぶん殴ってきたオコリザル。セレナが「あ!」と思わず言ってしまうものの、もう遅い。

 オレは極力そういう感じの事はしないようにしているのだが、向こうがお望みならば相手をしてやる。久々のポケモンバトルだろ開幕ライダーキック。ピカチュウとヒトカゲとゲンガーは呆れており、セレナは「頑張れ、サトシ!」と応援をしてくれる。

 

 不意打ち気味に決まったライダーキック。

 オコリザルは直ぐに立ち上がり、オレをぶん殴ってくるので綺麗に一本背負いからのニードロップ。オコリザルを蹴り上げて、とどめのスカイアッパーでKO。

 ボコボコにされたオコリザルは目を回しており、やるならば今しかないとヒールボールを投げてオコリザルをゲット……したまでは良かったんだけどなー。

 

 現在、手持ちがピカチュウ、サイホーン、ドードリオ、ヒトカゲ、フシギダネ、ゲンガーの計6体だ。

 オコリザルは7体目のポケモンでオーキド博士の研究所に自動的に送られる事をすっかり忘れており、オコリザルが入ったヒールボールはオーキド博士の研究所に送られていった……今頃はオーキド博士、オコリザルにボコボコにされてるだろうな……。

 

 

 カントーレポート29(wタマムシゲームコーナー閉店のお知らせw)

 

 辿り着いたぞタマムシシティ。

 ヤマブキシティは大きかったがタマムシシティは更に大きい。大都会といった感じがし、他の地方のアンテナショップとかも普通にある。

 早速、ジム戦だと言いたいが「折角、タマムシシティに来たんだし遊んでいかないなんて勿体ないわ!」とセレナが主張をするので、それもそうかと色々と回る。

 元々遊ぶつもりは無かったのでセレナの誘導の元にタマムシシティを巡り、帽子や服なんかを見るのだが、オレは割とこのサトシくんの初期の衣装を気に入っているので買わない。

 セレナはサングラスを購入し、帽子の上に装着。ゲームのセレナになったな。

 

 色々と店を巡った後はタマムシシティ名物のゲームコーナーに足を運ぶのだが、ケンタの奴が出禁をくらっていた。

「あいつ、なにやったんですか?」と店員に聞いてみるとゲームコーナー史上1番の大勝利で景品を根刮ぎ持ってったらしい。ゲームコーナーの景品を根刮ぎって、ここのゲームコーナーの景品、ゲームと違って色々とあんのに根刮ぎ持ってったってどんだけのフィーバーなんだ。1番の目当てはおうじゃのしるしだったらしい……ニョロトノだな。

 

 取りあえずは数時間でどっちが多くメダルを獲得出来るかセレナと勝負。

 負けた方は勝った方にメダルを半分渡すというそこそこの罰ゲームの様な物があり、欲しい景品があったのでこれは負けられないなと本気を出す。

 ゲームと違ってスロットとルーレット以外にも絵合わせの神経衰弱やポーカー、ブラックジャック、チンチロといった、ここは何処の闇カジノなんですかと思わず言いたくなるゲームの数々。賭けているのはお金でなくコインなのでセーフ。なんか特殊景品交換所らしき場所が直ぐ近くにあるが見なかったことにする。

 

 パチンコやメダルゲーム等の電子機器で当たり外れの演出がある物はほぼ当たらない。ルーレットの様な運要素が大きく運営側が勝利しやすい。なににしようかと悩んでいるとセレナがラビット・ナボコフで大勝ちしていた。

 これはまずいと欲しい景品があるので負けられないと運要素に見えて実力で取りやすいスロットにすることに。

 

 その気になればピカチュウの【でんこうせっか】を蹴り返す事の出来るオレの動体視力と反射速度を舐めてはいけない。

 体を鍛えていてよかったとマサラ人で良かったとコインを1枚入れてスロットを回して真ん中のレーンに7・7・7のスリーセブン。目押しでやったぜ。

 1枚入れてスリーセブンを続けスロットからコインが無くなれば直ぐに別の台へと移る。機械操作でない手動でスロットを止める以上、どんなに糞設定にしていようとも1番コインの出るスリーセブンを1枚で叩き出す。

 

 ピカチュウにコインケースを入れ換えて貰いながらコインを荒稼ぎしていると黒いスーツに黒いグラサンの量産型黒服が肩を叩いてきた。イカサマを疑って来た様だが、オレは特殊なコンタクトも磁石も使っていない。文句無しの目押し。

 しかしケンタがやらかしたせいでもう一回、負けまくると大赤字でゲームコーナーの大元であるロケットコンツェルンに怒られるのでどうしてもオレのコインを無しにしたい黒服はピカチュウがイカサマをしているとイカサマをでっち上げようとしてきたのでポケモンバトル。

 量産型黒服には負けない。ニャイキングを出してきたのは驚いたが、サイホーンがこっちにはいるぞと【ドリルライナー】で倒すと、なんとサイドンへと進化を果たした。

 

 ポケモンが進化をするとちゃんと成長しているんだなと感じる事が出来る。進化するのにはもう少しかと思っていたがこれは嬉しい誤算だ。

 セレナに勝とうが負けようが1番欲しい景品プロテクターを手に入れる事が出来るし、他の景品はママさんにプレゼントかセレナになにかプレゼントしようかと考えていると泣きつく黒服。

 「数日前に根刮ぎ奪われたのに、また奪われたら店が潰れちまう!!なんでもするから根刮ぎ持っていかないでくれ!!」と言う。

 

 アレだよ?

 ゲームセンターって一種のギャンブルだからな。クレーンゲームの達人が近所に住んでたらその時点で破産する事を覚悟しておかなければならないんだよぉ!!

 

 ありがたく景品は根刮ぎ頂いておき、セレナに似合いそうなリボンをプレゼントすると喜んでくれた。

 

 

 カントーレポート30(花よりバッジ)

 

 サイホーンがサイドンに進化し、プロテクターをゲットして絶好調。

 ピカチュウ達の健康診断をする。バトルするポケモンは既に決めているが、どれもコンディションは最高だとタマムシジムへと足を運んだ。

 

 

「タマムシジムは男子禁制です。お帰りくださいませ」と門前払いをくらった。

 

 

 いやいやいや、サトシくんと違ってジムリーダーが経営している店の香水を馬鹿になんてしてない。むしろ、セレナにどんなのが似合うのかとか色々とやったじゃん。

 横暴過ぎると女装してジム戦でも挑んでやろうかと思っていると「男子禁制って、そんなの酷いわ!」とセレナがビシッと言ってくれる。

「ジムリーダーなんだから挑戦者の挑戦を受けなさいよ!」と言うと「貴女なら受けますわよ」とかめんどくさい事を言うエリカ。

 

 一応、気になったので「少し前にケンタとマリナってトレーナーが来なかったか?」と聞いてみると物凄く嫌そうな顔をして「来ましたわ……」とドスが聞いた声で答える。

 彼奴等に負けたのが悔しかったのか?いや、でもジムリーダーは勝ったり負けたりの筈だと考えていると「人前で堂々とイチャイチャしてっ」と……ケンタの奴、デレたの?デレたのか?

 

 マリナは変わらず……いや、ケンタにデレデレだから変わってるけども変わらずデレデレ。ケンタはオレと出会って心にゆとりが出来た為に少しだけではあるがマリナに対して優しくなったりしたみたいで、その光景を見せつけられたらしい。

 完全な逆恨みというかなんというか……男子禁制で香水というあんま男に縁が無い場所で働いているので女性として磨いていても肝心の出会いが無い。リア充カップルが!と睨んでくる。

 

「待って!私達もそうだけれど、ケンタとマリナはまだ付き合ってないわ!!」と火に油を注ぎにいくセレナ。

 あれでまだカップルでもなんでもないだととエリカを含め、ジムの職員達はショックを受ける。彼奴等、なにをしたんだ。取りあえず、ジム戦をしてくれとジム戦を要求。キレたエリカは「完膚無きまでに倒してみせますわ!!」と殺る気満々。

 

 使用ポケモンは3体のシングルバトル。

 交代はチャレンジャーであるオレのみでのバトル。ここからは後半戦、ここで勝てば5つ目のバッジが手に入る。

 パーティは完成とは言わないが順調に埋まってきている。知恵と工夫もそうだがここからは腕の見せ所だ。

 

 エリカの1体目はモンジャラ。

 Bの種族値が高く進化系のモジャンボは思わず600族?と疑問を持つぐらい偏ったポケモンで、前回ゲンガーが頑張ってくれたので今日はヒトカゲ、キミに決めた。

 

 女性の職員の合図と共にバトルは始まる。

 エリカは「モンジャラ、しびれごな!」とヒトカゲを弱らせる所から始めるが、粉系は予測している。「粉に向かって【ひのこ】だ!」と【ひのこ】をぶつけると粉塵爆発。粉系の対策はバッチリだと思ったら「モンジャラ、ヒトカゲの頭に【からみつく】ですわ!」とヒトカゲの口を封じてきた。

 

 伊達に【くさ】タイプのジムリーダーはやっていないエリカ。【ほのお】ポケモン対策はバッチリ。

【ほのお】タイプの技は殆ど口から吐いたりもので、ヒトカゲが使えるのも口から吐く系で口を開かせなければいい。だが、オレのヒトカゲはなにも【ほのお】タイプの技だけしか使えないわけではない。

 

 触手が絡んで口を開かせない様にしているがそれだけでヒトカゲの動きは封じていない。ミイラの様にグルグル巻きにしておかなかったのが運の尽きだと【きりさく】で攻撃するのだが、これが思った以上に固く触手から抜け出せず【しびれごな】を掛けてきた。

 これは非常にまずいと思っているとなんと進化の光を放つ。ヒトカゲも充分に鍛えていて強力な技も多数覚えている。フシギダネと違って進化する意思はあるから来たと進化したリザードを見てガッツポーズを取ったまでは良かったんだがな。

 

 

 リザード、オレの言うことを聞かない。

 

 

 指示をする前に【かえんほうしゃ】でモンジャラを倒した。

 最初はよっしゃとなるのだが、直ぐにあれ?と疑問を持ち2番手のウツドンに対してオレの言うことを一切聞かずに勝手にバトルをする。ウツドンはフシギダネと同じ事が出来るので【かえんほうしゃ】で確実に倒していこうと思ったら教えてもいない【ちきゅうなげ】を決めた。

 

 これはまずいとボールに戻そうか悩む。

 オレの言うことを聞かなくなっているだけでバトルするつもりはあるリザード。エリカに対して指をクイクイと動かして挑発をしており、バトルをするつもりはある。じゃあなんで言うことを聞かなくなったのか?と思っている間に出てくる三番手のクサイハナ。

 

 進化後がラフレシアで名前が名前だけに激臭と呼べる匂いを放っている。その臭さにピカチュウは泣いていたが、エリカを含めてジムの面々は気にしていない。

 ベトベトンとかと同じで人間に馴れたり人間が馴れたりすれば問題無い激臭を放つポケモンと一緒であり、一先ずは口呼吸だけに集中した。

 

 匂いがキツいだけでクサイハナ自体はそこまで強くなく、勝手に倒すリザード。

 結果的には5つ目のジムバッジをゲットする事が出来たが、リザードはオレの言うことを聞かない。愛情表現で【かえんほうしゃ】を吹いてくるということもない……なんでそこだけ【きみにきめた】のリザードなんだ。

 

 まぁ、言うことを聞いて貰える様にしよう。最悪、ピカチュウの時みたいなのが1番なんだろうが、これから先、進化をしたら言うことを聞かなくなる事があるし、それ以外の方法で言うことを聞いて貰える方法を探そう。



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戦え!Pー1グランプリ!

 カントーレポート31(催眠!私はポケモン!)

 

 なんか……AVみたいなタイトル……。

 

 

 タマムシジムを制覇し、残りのバッジは3つ。

 次はセキチクジムを目指そうと旅を続けるのだが、やっぱり頭にはリザードの事が過る。

 進化をする前までは言うことを聞いていたのに、進化をしてからは全く聞かない。試しにとポケモンバトルで出してみれば、【かえんほうしゃ】で一撃で沈めて終わった。

 

 バトルはするくせに言うことは聞かない。

 これってどういうことだとオーキド博士に訪ねてみると「進化をして性格がガラリと好戦的に変わったとしか言い様がない!」とまぁ、曖昧な答えが帰って来た。

 

 ピカチュウは自分の時みたいにリアルポケモンファイトをしないのか?と聞いてくるが、アイツはまだリザードンになれるという可能性を残している。今此処でリアルポケモンファイトを挑んでもリザードンになったらもう一回挑まないとダメだ。二度手間はごめんだ。

 

 あれこれ考えていると、「ハジメ!」とオレを息子だと間違えたママさんと遭遇。

 事情を聞いてみればと言うか数日前から何人もの子供達が行方不明という事件が起こっており、立ち寄ったヨヨヨタウンがタマムシシティ並にバカデカい為か見つけることすら出来ない。それどころかピカチュウも元気が無くなっていた。

 

 これはと思っているとなにかを主張してくるセレナのフォッコ。

 ジョーイさんやジュンサーさんが催眠波を感知しているかもしれないと、事件の鍵を握るであろう催眠波を教えてくれた。

 

 子供達が拐われたかもしれない!!ここはこの名探偵セレナに任せて!と一瞬にしてホームズっぽい格好に着替えるセレナ。ノリノリで可愛い。

 じゃまぁ、探しますかとセレナの助手を勤めながらフォッコを頼りに歩いているとポケモン大好きクラブに辿り着いた。

 

 メタい話をすれば原作知識で知っている。

 犯人がポケモン大好きクラブのスリーパーで、偶然が偶然を呼び起こした事件だと。高層ビルの屋上の庭園でポケモンと同じ行動を繰り返す子供達。スリープを使えば元に戻ると判明して一件落着……と思ってたんだけどな。

 

 

 セレナも催眠術に掛かってしまった。

 

 

 現在セレナはオレと顔を合わせようとしないけれども、催眠術に掛かっていたセレナはスゴかった。

 フォッコになりきり四足歩行で歩くのだが、オレにすり寄ってきて頬をスリスリとしてきた。普段は手を握るぐらいしかしてこないのだが、もう本当に可愛かった。お腹を撫でてやると気持ち良さそうな顔をしていたりするし、オレも色々と悪乗りをしてしまった。

 

 いや、本当に頬にキスしてくれたりして……ありがとうございます!!

 

 

 

 カントーレポート32(Pー1グランプリ)

 

 

 リザードばかりに目を向けてはいられない。

 水ポケモンをゲットしないといけないし、他のポケモン達も鍛えなければとオーキド博士に頼んでオコリザルとドードリオを入れ換える。

 

 リアルポケモンファイトで叩きのめしたお陰なのかあっさりと言うことを聞くオコリザル。

 トレーナーにバトルを挑んでみれば【からてチョップ】や【メガトンキック】が炸裂。コイツは中々に強いが、強いだけである。育てないとケンタには勝てないなとオレの直感が言っている。

 

 手始めに三色パンチでちょうどピカチュウがお手本になる【かみなりパンチ】でも覚えておこうかと考えていると、「オコリザルを貸してください!!」ととんでもない事を言ってくる女性が現れた。

 ゲットして間もなくこれから友情と戦闘力を高めるのに、あんたなにを言っているんだと呆れていると謝ってくる女性もといマナミ。

 

 父親であるアノキは格闘ポケモン達の祭典であるPー1グランプリに優勝する為にエビワラーと共に鍛えているのだが、そのせいで家庭を省みないらしく、どうにかして家庭を取り戻したいと躍起になっていた。

 伊達にPー1を目指すだけあり強いエビワラー。並大抵の格闘ポケモンじゃダメで、どうにかしなければと焦ってオレに貸してくれと言ってしまった。

 

 頭の冷えたマナミさんは父であるアノキを倒して目を覚まさせてください!と頼み込む。

 Pー1グランプリは格闘ポケモンが沢山出ている大会で経験値を稼ぐついでにやってやるよと承諾。セレナが恐ろしく鋭い目で睨んで来るのだが、そういうのは無い……無いから睨まないで。お願い。

 

 嫉妬するセレナをどうやって鎮めるか考えながらもPー1グランプリに飛び入り参加。

 一回戦の相手はニョロボン。くらえ!必殺【10まんボルト】……オコリザル、覚えるんだよな。まさかの飛び道具(10まんボルト)に驚くニョロボン。手は休めないぞとすかさず【メガトンキック】を叩き込んでKO。

 

 格闘ポケモンの試合を見に来たのに、一切の慈悲無く放たれる【10まんボルト】に観客達は大ブーイング。オレはなんの迷いもなく中指を突き立ててヒャッハーと叫ぶ。ヒールの方が向いているよな。

 多少の悪役になりつつも試合は次に進む。

 

 2回戦の相手はカイリキー。

 恐らく第一世代の格闘ポケモンで最も強いポケモンだ。油断をすることは出来ないと【10まんボルト】を先制でお見舞いしてやるが、【ひかりのかべ】を貼ってきた。こいつ出来る。

 

 1回戦の試合でオレの対策はバッチリだというカイリキーのトレーナー。

 ならば正々堂々と戦ってやると【メガトンキック】で攻撃をすると足を掴まれてジャイアントスイング。二本の腕がオコリザルを放そうとせず、もう二本の腕で連続の【ダブルチョップ】。

 

 コイツはまずいと直ぐに【いわなだれ】で頭上から岩を落とす。

 頭上からの岩に驚き手を離すカイリキー。オコリザルは直ぐに立ち上がりここぞとばかりに【みだれひっかき】で攻めて2回戦は勝利を収めて顰蹙をくらう。しかし気にはしない。

 

「この調子ならエビワラーに勝利出来るわ!」とオレの強さを喜ぶマナミさん……セレナが物凄く冷たい目でオレを見ている。いや、本当に怖い。そしてピカチュウ、寝返らないで。セレナに抱っこされながらごめ!て顔で鳴かないでくれ。

 

 セレナに怯えながらも準決勝。相手はキックの鬼であるサワムラーが相手だ。

 リングにオコリザルを出して試合がはじまるなと思っていると、審判は開始の合図をしない。早くしろよと思っていると、大きな岩がリングに置かれて、サワムラーの【メガトンキック】で粉砕。

 

「お前がなにをして来るかは知らないが、サワムラーに死角は無い!」と威張る。

 

 試合開始と同時に【ひかりのかべ】を貼るサワムラー。

 もう【10まんボルト】は想定済みなのは分かりきっているのに、なんで撃つ必要がある。サワムラーのとくぼうの種族値110なのに撃つ必要は何処にも無いと【いやなおと】でぼうぎょを二段階下げた。

 

 元々の種族値が低いのを更に下げてやったならば紙装甲も同然。【メガトンキック】を叩き込んで大勝利。

 

 キックの鬼だかなんだか知らないが、Dの種族値が高くてBの種族値が低い奴なんぞこの程度だ。

 周りからブーイングを受けまくりながらも決勝戦。相手はマナミさんの父であるイノキもといアノキ。使用するポケモンはサワムラーの対になる感じで作られたであるエビワラー。

 

「父を、絶対に倒してください!」と両手をギュッとするマナミさん。「サトシが戦った方が勝てるんじゃないの」と苛立ちながらオレに言ってくるセレナは可愛かったけども物凄く怖かった。

 

 試合開始のゴングが鳴るとまずは手始めに【10まんボルト】で攻めるのだが【かみなりパンチ】を使い受け流す、と言うか受けきる。強力な電気技を自分の電気技で上手く受け流す。

【10まんボルト】に元々期待していないので、真正面からやり合おうと思っていると【こうそくいどう】で素早さを上げつつ華麗なステップを取るエビワラー。【れんぞくパンチ】が炸裂する。

 

「見たところ、かなりの強さを持っているオコリザルだがまだまだ育て足りないな」と言うアノキ。まともなポケモンバトルはむしろこのトーナメントがはじめてだ。

 【こうそくいどう】素早さを上げるエビワラー。そのステップは軽快で、オコリザルの【メガトンパンチ】を軽く避ける。積み技は強い。

 

 娘や家の事をほったらかして修業しているだけあって技の精度とか細かな部分が巧みなエビワラー。一朝一夕で身に付く技術じゃないなと思いながらもオコリザルに【れんぞくパンチ】を【みだれひっかき】で弾かせる。

 攻撃に使う技で攻撃を防御するこの世界のポケモンバトルならば普通に思い付く事だが、どうやら普通じゃない様で驚くアノキさん。

 

 【れんぞくパンチ】での攻撃は全て対応されていると手を変えて【メガトンパンチ】にしてきたが、それをオレは待っていた。ただでさえ動きがしっかりしてるのに積まれたら対処は出来ても攻めるのは難しい。

 大振りで腕を引いて溜めを作るエビワラーの【メガトンパンチ】を【からてチョップ】で上から叩き落とし、すかさず突っ込んで【ちきゅうなげ】を決める。

 

 【10まんボルト】とか【いやなおと】とかをずっと使っていたので、完全なヒールになっていたが正々堂々と戦えないわけじゃない。オレに対してブーイングしていた観客達も格闘ポケモンらしい戦いを見て、手の平を返すかの様に声援を送ってくれ、オレ達は優勝を果たした。

 

 オレに負けた事により落ち込むアノキさん。マナミさんは「反省した?」と今まで家のことを蔑ろにしていた事について攻めると「すまなかった!」と一謝り。

 オレはPー1優勝をしたという確かな経験と実績を積んで良かった良かったと思っていると、物凄くお礼を言ってくるマナミさん。「これはお礼よ」と言ってきて頬にキスをしてくるので全力で回避。セレナの後ろに回り込む。

 

「そういうのは無しでお願いします!!いや、本当に勘弁してください!」

 

 そういう女が目当てで戦っている訳じゃないんだ。お礼のキスとかなんかもう波乱を生むだけの物だから受けとりたくない。

 アノキがオコリザルの強さを見て、「Pー1で鍛え続ければもっともっと強くなる。預けてみないか?」って言ってきたけども、ゲットしたばかりのポケモンは早々に預けられない。オコリザルにはまだまだ働いて貰う。

 

 最終的に逃げたのが良かったのか、上機嫌なセレナ。「私、まだ許していないからね」と笑顔で怖いことを言いつつ、許してほしかったら一緒の布団で眠ってと中々の要求がやって来た……ありがとうございます!!

 

 

 カントーレポート33(激臭!ベトベトン)

 

 前回に引き続き、オーキド博士マジでごめん。

 

 

 リザードばかりに目は向けてはいられない。

 他のポケモンも鍛えなければならないし本当に水ポケモンをと図鑑を手に色々と考えつつポケモンバトル。

 

 あえてリザードを出さずにバトルをしていると勝手にボールから出てくるリザード。コイツ、言うことを聞かなくなっただけでポケモンバトルをしようというやる気はあるんだよな。だからこそ、言うことを聞かなくなったのは謎だ。

 

 ある程度暴れると満足したのか勝手にボールに戻っていくリザード。コレを放置したらリザードンになった時、どうなるか考えるだけで恐ろしい。一回ピカチュウで叩きのめすのがいいのかなと考えているとピカチュウが体調不良に。幸いにも街は目と鼻の先だとピカチュウを連れ、グンジョウシティのポケモンセンターに向かった。

 

 ポケモンセンターにはジョーイさんは見当たらず呼び鈴があったので鳴らすと眠そうな顔で出てくるジョーイさん。ピカチュウを見て「【でんき】タイプによくある風邪よ、風邪」と凄く適当な診断をくだす。ここのジョーイさん雑だなと思ったが、ジョーイさんに任せとけばなんとかなるのも事実。

 

「他のジョーイさんは親切だったのにここのジョーイさんはなんであんなに雑なの」とセレナは文句を言っていたが、治るならばそれに越したことはない。

 他のポケモン達も預けていると急に電気が消えた。周りの明かりが消え去り何事かと思っていると発電所から送られてくる電力が止まったとのこと。

 

 このままだと入院しているポケモン達の治療が出来ない!とさっきの態度はなんだったんだと思うぐらい豹変したジョーイさん。幸か不幸か、この街に泊まっているポケモントレーナーはオレだけだ。

 なんでオレだけなんだよと思いつつも預けていたモンスターボールを受け取り、セレナと共に発電所に出発。

 

 今更なんだが、こういう街って普通に発電所あるんだがマサラタウンでは見たこと無い。

 このグンジョシティ、物凄く汚染されまくりの街でマサラタウンとは真逆だが発電所はある。マサラタウンのその辺のライフラインどうなってんだろ?

 

 そんな事を思いつつも、辿り着いた発電所。

 発電所の入口である自動ドアが開かず、マンホールを経由して行くのは嫌だったので二重の極み(多分)で自動ドアを粉砕。鍛えてよかったマサラボディ。やはり物理で解決するのが1番だ。

 

 閉鎖しているドアは二重の極み(多分)で粉砕しつつ、発電所の職員がいる部屋の入口に辿り着いた。

 やっぱそこも自動ドアだったので二重の極みアッー!で粉砕すると中から出てくる職員達。自動ドアが開かなくなっていたので、ありがとうとお礼を言われるのだが、お礼をするのはまだはやい。

 

 「なんで電気が止まったんすか?」と訪ねてみればこの街の電気は水力発電で出来た電気らしく、海水を取り込んでギアを回して発電しているがそのギアが回らなくなったらしい。

 ポケモンの世界って変なところで物凄い科学技術がある癖にこういうところだけ現実となんら変わらないんだよな……謎でしかない。

 

 原因が分かったのだが、やっぱり下水道を通らないといけない事に顔を青くするオレとセレナ。

 念のためにとボールから出ていたフォッコは絶対に嫌!と言わんばかりにボールに戻っていき、オレ一人で行くしか無いのかと思っていると物音がした。

 波動で気配を感知してみると大量のポケモンの気配を感じ、その中でも一際デカくて強いのがいると思っていると天井の通気孔が開いて大量のベトベターが現れた。

 

 

 「………くっっっさ!!」

 

 

 ベトベター達を見て1番最初に言いはなった感想はそれである。

 人間に馴れていない野生のポケモンは独特の匂いを放つというがベトベターはもう別次元の臭さだ。この前のクサイハナがなんだったんだと思える程の臭さで、流石に鼻を摘まむ。

 フォッコ真っ先に逃げて正解だったなと思いつつもポケモン図鑑を取り出すとベトベターが大量発生した原因が判明。この街の海が工場とかの産業廃棄物により汚染されてしまい汚くなった為に住み着いたようだ。

 

 原因が分かったが、対処するに出来ない。オレのポケモンも治療中だった為に疲れており、1体や2体相手をする事は出来てもざっと見た感じ30体は越えている。まともに動けるのはリザードぐらいだし、どうしようとリアルポケモンファイトに持ち込もうか悩んでいると発電所の職員が「ベトベター達のリーダーを捕まえるんだ!」とアドバイスをくれる。

 

 ベトベター達の群れのリーダーって、誰だよと後になって考えれば難しいアドバイスをしてくれたな。とにかく、リーダーは誰だと必死に探していると同じく図鑑を取り出していたセレナがベトベター以外のポケモンを、ずばりベトベターの進化系であるベトベトンを発見するのだが、今にでも死にそうなぐらいに涙を流した。

 

 ベトベトンが放つ悪臭がベトベターよりも酷い。

 

 コイツはとっととゲットしなければまずいと思いつつモンスターボールを投げるも、ベトベトンはあっさりとボールから出てくる。「なにをしてるんだ!まずは戦って弱らせないと!」と極々当たり前の事を言うんだが、状況が状況だけにお前も手伝えよと職員を睨んでしまう。

 

 場所が場所だけにサイドンは使えず、かといってゲンガーもクタクタで疲れている。

 危険を承知でリザードを使おうかとベトベトンに触りたくないので博打に出ようとすると騒ぐセレナ。何事かと振り向けばピカチュウが大量のコイルに囲まれていた。

 

 なにやってんだと驚くと原作知識を思い出す。ピカチュウに【10まんボルト】を指示すると何時もの何倍もの威力を持った【10まんボルト】でベトベトンだけでなくベトベターを一掃。

 しかしまだまだゾロゾロと出てくるのでベトベトンに向かってモンスターボールをもう一度投げると今度はゲットする事に成功した……6体だったのでオーキド博士の元に転送された。

 

 匂いがキツいポケモンの中でも特段匂いのキツいベトベトン。

 今ごろはオーキド博士の研究所で暴れているだろう。よくよく考えればサトシくんのベトベトン、コイツだしちゃんとゲットする事が出来たし、言うことも聞く……マサラタウンに帰るまでは入れ換えないけどな!

 

 ピカチュウは風邪ではなくシンプルに電気を溜め込み過ぎたのが原因だった。ピカチュウは充分に強いからと他のポケモンを重点的に鍛えていたからあんまり電気を使っていなかったからな。

 とにかくライフラインが復旧しポケモン達は無事に治療を続けることが出来て尚且つベトベターが発生した原因が水質汚染だったので、コレからは海の水を綺麗にするように頑張りますとジュンサーさんとジョーイさんが言っていた。多分、無理だと思う。人間だもの。



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リザード、復活の咆哮

 カントーレポート34(忍者屋敷は危険がいっぱい)

 

 セキチクシティに辿り着いた!と喜んだのは良かったが、セキチクジムは無かった。

 セキチクと名前がついているならばセキチクシティにあるもんじゃないのか?と思いながらもポケモン達の体力を回復するとジョーイさんに渡された地図を見て、セキチクジムに向かう。セキチクジムに行く為にセキチクシティに来る奴等が多いらしく、常備しているらしい……ジムの名前を変えないか?

 

 何時もならば直ぐにジム戦なのに歩かないといけないのかと思いつつ地図に載っている場所に向かうとそこには如何にもな和風の庭園があった。ポケモンジムだと証明するGYMの看板はあるので此処がセキチクジムであることに間違いはない。

 

「ジム戦を早く申し込みましょう」と入口の門を開こうとするセレナ。

 必死になって引っ張るのだが全くといっていい程動かず、押すタイプか横に引くタイプなのかと見守っていたのだが全く開かない。アレなんでと思っていると地図の裏に【セキチクジムは忍者屋敷だから気をつけてね】と書いてあった。

 

 コレってもしかしてと試しに扉をコンコンと叩いてみると音が普通の音と違う……入口の扉はフェイクだった。二重の極み(笑)でぶっ壊して中に入ってやろうかと思ったが、流石にジム相手にそれはまずい。

 此処は忍者屋敷なんだと入口から離れて、屋根を経由して中に入ろうとするのだが、ロープを屋敷の向こう側に引っ掻けた瞬間にジャキン!と屋根から槍みたいなのが生えてきた……防衛のトラップだろうが本当に危ないぞ。

 

「忍者屋敷って言うけど仕掛けがまだまだありそうね」と楽しそうに言うセレナ。

 一応、今からジム戦な事を忘れないでほしい。確かに京都の映画村でこんな感じのアトラクションあったけども、コレはアトラクションじゃなくてモノホンの忍者屋敷。罠だらけだ。

 

 適当な石を投げると竹で出来たトラバサミが起動するとか笑えねえよ。

 

 こち亀の忍者屋敷と同じだなと思いながらも、回転させるレバーを発見。回していると壁の一部が開いて丸太の橋がかかる……危険すぎる。中に入るとやはりと言うか、そこかしこに罠が仕掛けられており罠だけでなく行き止まりの部屋も多々ある。

 

「私達、ジム戦に来たのよね?」と言うセレナ。普通にジム戦を申し込みに来たはずが気付けば忍者屋敷探索をしていた。

 掛け軸の裏に入口がと思えば掛け軸が掛けられている棚自体をスライドさせる仕掛けだったり、なんか映画村で見た事のある仕掛けばかりで、飽き飽きしていると天井から大量のビリリダマが。

 

 今にでも爆発しそうなビリリダマ。

 いかん。コレは卑劣な忍者な罠だと察したので自爆する前に瞬殺……ピカチュウ?使わないよ。向こうがそういう感じの事をするならば、そういう感じの対応をするまでよ。

 

 ビリリダマを全て倒すと拍手をしながら現れるくノ一。名前はアヤ。

 セキチクジムに挑むトレーナーの力量を試していたらしく、ビリリダマの罠を突破して見事だと言う。そしてエロい。

 くノ一のコスチュームってやっぱエロいよなとエロい目を使わずみているとセレナにバレてお仕置きかと思ったらセレナはオレの腕を組んできてちょうど胸に当たる様にしてきた……ありがとうございます!!

 

「ジム戦を申し込みに来た!」とセレナっぱいの感触を味わいつつも、当初の目的を果たそうとボールを取り出す。「よかろう!」と承諾をするアヤ……いや、お前じゃないから。

 

 さも当たり前の如く自分がジムリーダー感を出してるけども、お前がジムリーダーじゃないぐらいは事前に調査済みだボケぇ。本物のジムリーダーを出さんかいと言うと「なんのことだ?」と誤魔化そうとする。

 いや、もうネタは割れてるからそういうのはいいんでと思っていると気配を感じる。こうなったらばとヤケクソになり、自爆して倒れたビリリダマをぶん投げるとキャッチされる。セキチクジムのジムリーダーのキョウに。

 

「お見事!」とまたまた拍手を送るアヤ。流石にイラッと来たので「ポケモンリーグ協会にこの事を言ってやる」と呟くと慌てるキョウとアヤ。セキチクジムを挑むに相応しいトレーナーを選び抜いていたって、お前等挑戦を受ける側なんだからそういうのを決めるんじゃない。

 

 言いたいことが言えたのでスッキリし、ジム戦を開始。使用ポケモンは3体のシングルバトル。交代はチャレンジャーのみ可能なバトル。「ゆくでござる!」と共に出てきた1体目はゴルバット。事前の情報通りだとピカチュウを出す。

 

 此処最近ポケモンバトルをしていなかったのでやる気満々のピカチュウ。先ずはと攻撃を指示する前にゴルバットが先に動き出す。いきなりの【くろいきり】による目眩まし。

 マジかよと思っていると【つばさでうつ】で確実にダメージを与えていく。蝙蝠が超音波で周りを判断するのと同じ原理で判断してる為か攻撃が確実に当たる。

 

 こりゃまずいと一先ずは煙から抜け出て、一旦体制を立て直そうとするのだが【くろいきり】を放ち邪魔をする。【くろいきり】ってそういう技じゃねえぞ。アニメの一部の技、チート過ぎる。

 とにかくこのままだとまずいと逆転の手を考える。幸いと言うべきかゴルバットは特殊攻撃をしてこない。超音波でピカチュウが何処にいるのか分かっている。居場所が分かるか分からないかの視界のアドバンテージがある。

 

 そのアドバンテージをどうやって埋めるかと考えた末に身体を動かしながら【10まんボルト】を撃たせる。

 

 身体を動かしながら【10まんボルト】を撃つことにより、一方的な動きから鞭の様な動きに変わり360度どの方向にもランダムに飛んでいく。所謂ダイパでサトシが生み出したカウンターシールドである。

 やった事は無かったものの、意外と上手くいくもので煙の中から飛び出してくる電撃を予測することは出来ずゴルバットは【10まんボルト】に直撃。そのまま【たたきつける】で倒す。

 

 手こずったものの、1体目を倒した。

 見事と褒めるキョウ。ゴルバットをボールに戻し、次に出したのはモルフォン……さて、どうするかと一瞬悩んだ末にピカチュウには一旦引いてもらいゲンガーを出す。

 本音を言えばリザードでどうにかしたかったのだが如何せん言うことを聞かない。レベルと相性で勝てる可能性は高いのだが、相手はジムリーダーで弱点の対策の1つや2つしている。ジムリーダー相手にバトルを勝手にしているリザードは出せない。

 

【サイケこうせん】を撃ってくるモルフォン、やっぱそう来るかと【シャドーボール】をぶつけて押し返す。ゲンガーと特殊攻撃で勝負したければC100越えたポケモンを連れて来い。真正面から勝てないと分かれば手を変えて【ふきとばし】をしてきやがった。それありなの?と思ったが別にルール違反でもなんでもない。しかし汚い。流石は忍者だ、汚い。

 

 ゲンガーの代わりに出てきたのはサイドン……今更なんだが、こういう【ふきとばし】が使える人とポケモンの数を決めてバトルする時って事前に決めたポケモンを出る様になってんだろうか?もしそうじゃなかったら最悪だ。

 

 サイドンは元々出す予定だったので、そのままバトルは続行。すると案の定、撃ってくる【メガドレイン】

 物凄い素早いわけではないがサイドンが鈍足なので撃ってくると困るなと【いわなだれ】で頭上に岩を大量に落として【メガドレイン】から抜け出しつつダメージを与えるのだが、体力を多く奪われて一発で倒せなかった。

 

 ドサイドンにしておかなかったのはオレが悪い。

 追撃の手を緩めれば負けるとオレの中のトレーナーとしての勘が言うので、直ぐに追撃し【すてみタックル】で倒した。粉系で妨害されてたら負けていたな。

 

 残すところは後1体。

 ベトベトンか?それともマタドガスかと思ってたら、ドククラゲが出てきた。なんでやねん。

 いや、確かに【どく】タイプのポケモンで、【むし】タイプとの複合が多くて【ほのお】タイプが等倍だから【みず】タイプのドククラゲは凄く便利だけども!

 

 リザード出さなくて良かったと開幕【じしん】ぶっぱ。

【じしん】の衝撃波がぶつかる前に【ハイドロポンプ】をぶつけられてサイドンは敗北……やっぱドサイドンにしてなかったのはまずかった。

 

 サイドンはよくやってくれたとボールに戻し、ピカチュウを出す。

 Dの種族値120という何気に高すぎる耐久力を持つドククラゲ相手にまともに電撃をぶつけても勝てない、と言うか倒すのに手間が掛かるのを知っているので【でんじは】で麻痺させゲンガーに交代。

 

 流石の耐久値と思うほどに硬かったがゲンガーのCも中々の物。【サイコキネシス】で吹き飛ばし、反撃しようとすると【でんじは】の痺れが回って思うように動くことが出来ずに大勝利。

 

 6個目のバッジ、ピンクバッジをゲット。

 着実にポケモンリーグへの道が近付いているなと感じながらも、サイドンをドサイドンにさせていなかった事からまだまだ優勝には程遠いと実感した。

 

 

 カントーレポート35(強くはなったけれども)

 

 さて、先ずはなにから書こうか。

 

 ゲームならばセキチク経由でグレンタウンに行けるのだが、この世界ではそう簡単に行くことは出来ない。グレンタウン行きの船がある港町を目指して旅を続けるのだが例によってポケモンを鍛える事は忘れない。

 

 オコリザルに【れいとうパンチ】フシギダネに【こうごうせい】と【せいちょう】を覚えさせ、後はとにもかくにも実戦だ。技ばかり磨いていても、実戦で使えないと話にならない。

 

 トレーナーがいない場所ではセレナがオレのポケモンを借りてバトルの相手をしてくれているが、トレーナーがいる場所ではそんな事をする必要は無い。

 ポケモンセンターの直ぐ側にあるバトルフィールドでバトル、バトル、バトル、バトル、バトル、バトル!技の特訓もいいが、実戦形式で経験を積むのが効率がいい。

 

 カビゴンとかガルーラとかゴルダックとかとにかく強そうな奴を片っ端から倒していき無敗のままピースピース。セレナも頑張れと応援してくれて、周りから殺気を向けられるのだが殺れるものならば殺ってみろとその場に居たトレーナーを全員叩きのめす。

 

 いぇーいとトロピカルヤッホーと調子こいてると現れるクロス。

 あえて出していなかったリザードはクロスに反応するかの様にボールから勝手に飛び出して威嚇する。それを見たクロスは「バトルをしろ」とガオガエンで挑んでくる。

 

 ぶっちゃけた話、まだリザードでは勝てない。

 勝てなくはないけども五分五分ぐらいの可能性で挑みたくは無かったのだが、リザードはヤル気満々で仕方なくバトルをするのだが、やっぱり言うことを聞かなかった。

 

 バトルをしようとするやる気その物はあるのに言うことは聞かない。

 ガオガエンに対して【かえんほうしゃ】をぶつけるリザード。炎に炎をぶつけても対して意味は無い。ガオガエンは特に動こうとせずリザードの攻撃を受けてピンピンとしている。

 

 攻撃が命中したので、通じているとリザードは勘違いしたのか真正面から何度も何度も【かえんほうしゃ】をぶつけていく。ダメージが少ないとはいえ真正面から受けていると体力が減るガオガエン。

「頃合いだな」と【もうか】が発動するぐらいに体力が減った頃にガオガエンは【じごくづき】をリザードに叩き込んだ。「オレのガオガエンはダメージを受ければ受けるほど強くなる」とドヤって言ってたので「いや、それただの【もうか】だし【じごくづき】は【あく】タイプだろ」とツッコミを入れると「うるさい!」と逆ギレをされた。若いって怖い。

 

【じごくづき】云々は置いといて今まで動かなかった分を取り戻すかの様な猛攻撃。

 伊達に最終進化系じゃないなと冷静に【もうか】を発動しているガオガエンの力を見る……う~ん7:3の割合で勝てるな、これ。

 

 何回か指示を出してみるが言うことを聞かず最終的にはやられてしまうリザード。

「進化をして多少はマシになったと思えば、この程度か」と呆れるクロス。「ガオガエンの【もうか】を発動してその程度のお前にだけは言われたくない」とは言ってみるものの負け惜しみにしか聞こえない。

 

 必死に立ち上がろうとするリザード。ダメージは大きい為か苦しそうな顔をしており、ポケモンセンターは直ぐ側にあるのだがボールに戻そうとしても勝手に出てくる始末。

 コレは仕方ないとエンテイが残していった【せいなるはい】を吹っ掛けて治しているとクロスは驚いた顔で「それを何処で手に入れた!」と詰め寄る。

 

「お前があの日、ヒトカゲだったコイツを捨てた日に手に入れたんだよ」と言うと悔しそうな顔をして「なんでお前が」と言うのでホウオウ関係の事を思い出す。

「虹色の羽根は持ってるとややこしいから売り飛ばした」と言うと「ふざけるな!」と殴ってくるので、避ける。「それは残像だ!」と言って。

 

「オレはホウオウに」とホウオウ関連の長い過去の回想に入ったが全力で無視。

「ぶっちゃけお前がホウオウに会えないのはその態度に問題があるんだよ。強いポケモンを欲しがるのは結構だが、その結果弱いポケモンを殺しかけた奴に羽根なんてやらねえよバカヤロー」と煽るだけ煽っておいた。

 しかし、負けたという事実は変わりはない。「オレはお前なんかを認めない」と言ってクロスは去っていった……いや、お前に認められてもな。

 

【せいなるはい】で治したとはいえ、何かあると困る。

 クロスが完全に去っていったのでリザードはボールに戻ってくれたのでジョーイさんに診てもらうと【せいなるはい】のお陰でダメージは抜けており肉体的には回復している筈なのだがあまり容態は良くなかった。

 

 精神的なものが原因で治っていないらしく、原因はないのと聞かれたのでクロスにやられた事とリザードに進化をしてから言うことを聞かなくなった事を説明した。

 

 すると原因が分かった。

 リザードは進化した事で自分は強くなったんだと思っていた。クロスの言っていた弱いポケモンじゃない野生の時点で既に使える程に優秀なまでに育った自分を見せてやるとオレの言うことを聞かずに自分だけの力を証明する為に勝手にバトルをしていた。

 

 思えばゲットしてから負け無しも同然の毎日で、オレも若干だが調子に乗っている。

 ジムリーダーという確かな実力者を破り更には進化という明確なパワーアップをしたのならば尚更だ。今回の敗北は良くも悪くもリザードにとっていい薬になった……筈だ。

 なにかが起きると怖いのでジョーイさんにリザードを預けた。

 

 

 カントーレポート36(再起の咆哮)

 

 さて、何処から書こうか。コレだと昨日と同じなのだがそうとしか書けん。

 

 セレナを抱き締めて眠っていると物音が聞こえた。

 なんの音だとまさかのロケット団もあるので波動を使って感知するとリザードだった。どうもピカチュウに用があるらしく、寝ているオレに気付かれない様に連れ出す。

 

 いったいなにをすんだとセレナにバレない様に布団から抜け出て、コッソリと追跡。誰も居ないバトルフィールド、と思いきや誰も居ない林の中に入っていった。なにをするんだ?ととにもかくにも見守る。

 

 リザードはピカチュウの電撃をくらっていた。

 

 あまりにも謎の行為になんで!?と思っていると教えてもいないのに覚えている【ほのおのパンチ】を使い正拳突きをするリザード。コレじゃないと首を捻りもう一度、正拳突きをするが【ほのおのパンチ】になる。

 もしかしてと見守っていると、ピカチュウになにかを言いもう一度、電撃をくらう。そして正拳突きをする。

 

 アイツ、【かみなりパンチ】を覚えようとしている。

 教えてもいないのに、出来るとも言っていないのに本能的なのか【みず】タイプに有利な電気技を覚えようとしている……。

 

 

 オレ、どっちかと言えばY派なんだよ……。

 

 

 剣・盾では落ちまくったけども、この世界では特にメガシンカがどうのこうのの規制は無い。アニメ的制限はあれど小ゲーム的制限は存在しない。新無印でメガシンカ出てきたし、アローラの外でもZ技は使える。

 ならば、とことん利用するまでよとリザードンをメガシンカさせると決めており、Y型に育てたいなと色々と構想して育てていた……メガリザードンXはアランだし。

 

【かみなりパンチ】を覚えようとしているリザードの前にオレは出ると驚くリザード。ピカチュウを疑うのだが、オレが気付いただけでピカチュウに罪は無い。そして【かみなりパンチ】は覚えなくてもいい。

 

 リザードはオレに背を向け、顔を合わせようとしない。

 何処か遠くにいこうとする素振りも見せずにただただジッと動かずにいたのでオレから動かないといけない。

 

「ただ進化しただけだ」

 

 オレはリザードに対してそう言った。

 優しい言葉とか励ましの言葉とか色々とあったが、出てきたのは厳しい言葉だ。オレはちゃんとどうやったら強くなれるのかを知っている。リザードにはリザードンという進化が残されている。更にはメガシンカとキョダイマックスがある。

 メガシンカとキョダイマックスの両方を持ってるのは御三家とゲンガーだけだからな。

 

「進化をして強くなったと威張ってたら、強いポケモンだけゲットして威張ってる奴等となにも変わらないぞ」

 

 そう言うと違うと否定して吠えるリザード。

 ああ、そうだ。オレの言っていることは違うな……だって、負けてしまったのだから。威張るだけの事はあるのならまだしも、負けてしまえば意味は無い。その事を言えばなにも言えなくなるリザード。

 

「お前は野生のリザードじゃなくて、オレのリザードなんだ。1人で強くなってどうする……次は一緒に勝つぞ」

 

 オレのリザードなんだから勝手に成長しても意味はないんだ。

 トレーナーとしてはまだまだ未熟なんだから一緒に強くならないといけないんだ。それにクロスの奴を叩きのめしたい気持ちが結構あるんだ。アイツ、リザードと弱いポケモンを使っているオレに強いポケモンで挑んで負けたら悔しがるだろうから、その姿を見たい(愉悦)

 

 リザードはオレの言葉に反応を示し振り向いてくれて、手を伸ばしてくれた。

「次からはちゃんと言うことを聞いてくれよ」とオレも手を伸ばして握手。リザードンになったら徹底的に鍛えてやるから覚悟しておけよ。そんなこんなでリザードは言うことを聞いてくれるようになった……。

 

 帰ったらセレナに2時間ぐらい怒られた。いや、本当にマジで布団から抜け出してごめん。



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激走!追走!並走!ポケモン大レース

 カントーレポート37(ポケモン大レース!)

 

 リザードが言うことを聞くようになり、快調と言える……わけないだろう。

 

 リザードがバトルすれば割とあっさりと勝利することが出来るのは嬉しい。しかし、次のジムはグレンジム。

【ほのお】タイプのエキスパートであるヅラが相手であり、そろそろいい加減に【みず】タイプのポケモンをゲットしたいとグレンタウン行きの船がある港町から経路を産出して先ずはとサファリゾーンに行くことに。

 

 ゲームではセキチクシティの直ぐ側にあったってのに、こんちきしょう。

 

 トレーナーにバトルを挑みつつ進んでいると何時の間にやらポケモン保護区にやって来ていた。

 自然が豊かでポケモン達がのびのびと暮らしているが、果たしてあれがポケモン達のあるべき本来の姿なのだろうかと痛いことを考えていると、物凄い速さでポニータが走ってきた。

 

 おお、広大な大地で走るポニータは中々だなと見ているとなんかこっちに向かってきている。と言うよりは暴れている。

 なんで暴れてるんだと見ているとポニータの上に乗っている少女が転落してしまい、それでも尚暴れるポニータ。これはまずいとゲンガー、君に決めた。【さいみんじゅつ】でポニータを眠らせる。

 

「大丈夫か?」とポニータに乗っていた少女もといフウコに声を掛けると「大丈夫……っ!」と腕を痛めてるのに無理をしていた。一先ずはと応急処置をするのだが、その間のセレナからの視線が恐ろしかった。「私の時と同じ……っ!」とフウコを睨んでいた。ホントごめんなさい。

 

 結果だけ言えば、手首を軽く捻挫していた。

 後遺症は無くてちゃんと治療すれば元に戻るレベルの本当によくあるレベルの手首捻挫らしく、良かったとホッとするのだが浮かない顔のフウコ。

 彼女はララミー族のお祭りでポケモン大レースに出場するつもりだったのだが、手首がダメになったので明日のレースに出れないと落ち込む。

 

 年に1度のレースで、楽しみにしていたフウコ。

 ポニータと共に優勝すると必死になって頑張っていたのに、手首がダメになったので今年は出れない。

 

 落ち込んでいるフウコを見て、なんとも言えない気分になっているとセレナが「だったら、私が出るわ!」とセレナがフウコの代打に出る。

「私、これでもサイホーンレースの大会で優勝したこともあるのよ!」とドヤるセレナ。フウコはそれを聞いて、嬉しそうにするが「無理よ」と諦めた顔になる。

 

 ポケモン大レースに出るには先ずはポケモンに乗らなければならない。

 フウコが乗っていたポニータは文字通り炎の馬で乗るためには心を開いてもらわなければならず、その為には時間が必要らしい。フウコがポニータに乗るのに時間が掛かったのだから、セレナでは無理だという。

 

 あ、じゃあオレがやろうか?と挙手をするのだが「サトシはポニータに乗るよりもポニータを乗せて走った方が速いでしょ」と言ってきた。なにも言い返せんかった、こんちきしょう。

 

 セレナはなにがなんでもポニータを乗りこなしてみせるわ!とポニータに歩み寄る。

 オレが参加をすれば余裕で優勝してしまうから空気を読んで出場しない。今回はセレナの手伝いをしようとポニータに歩み寄る。

 

 ゲンガーの【さいみんじゅつ】で眠らされてたポニータは目覚めると驚く。

 オレ達を威嚇するので、こっちも威圧してやろうかと思ったがセレナが「力ずくじゃダメよ。レースに出るにはポケモンと心を1つにしないと」と真剣に取り込む。

 

 やはりと言うべきか、暴力特化してるなオレ。

 なにも出来ずにセレナを見守っていると不審な影に気付く。明らかにセレナを監視しているので少しだけ嫌な予感がしていると案の定というか予感的中。

 

 ポニータに食べさせているポケモンフーズの中に【イアのみ】が混じっていた。

 イアのみは食べると体力が回復し、その回復量もオボンのみより多いかもしれない代わりに、食べたポケモンにとって苦手な味だと混乱する木の実。さっきまで暴れていたポニータは混乱していたのだ。

 

 ポニータとの付き合いが長いのなら、ポニータの好みの味が分かっているはずだ。イアのみなんて食べさせない。

 これは明らかに誰かが仕組んだ罠だと気付いた。明日のポケモン大レース、なんかあるな。

 

 

 カントーレポート38(激走!追走!ポケモン大レース)

 

 いや~疲れた疲れた。

 ポケモン大レース当日、セレナはポニータを乗りこなす事に成功し準備万端。

 

 ポケモンフーズに【イアのみ】が仕込まれていないのを確認し、会場に向かうとドードリオに乗ったキザな男、ドリオがいた。フウコに向かって「お前が出ないんじゃ今年はオレのぶっちぎりの優勝だな」とニヤニヤしながら言っており、コイツが犯人だと察する。

 

 拳一発で闇に葬り去る事が出来るが、今回はそういうことはしない。

 セレナの応援に回るぞ!とピカチュウに言うのだが、ピカチュウはオレの肩から降りてリザードが入ったモンスターボールを開いてリザードを出すと選手が並んでいる位置に向かっていった……聞いてないんだけど?

 

 いや、別に出るのは良いんだけどもアリなのか?ポケモントレーナー無しでポケモンだけの出場って。

 ピカチュウ達が位置についても誰もツッコミを入れておらず、セレナも「正々堂々と勝負しましょう!」とピカチュウに言っている。もしかしてオレだけ聞かされてなかったの?

 

 少しだけ寂しさを感じながらもレースは始まり、ドードリオに乗ったドリオが先頭を走る。

 オレのドードリオの方が速いなと追い掛けているとピカチュウを乗せたリザードが【かえんほうしゃ】を使い、ロケットの炎の如き推進力で一気に先頭に躍り出る。

 

 いや~頑張るなとバレない様に先回りをしているとなんか叫び声が聞こえる。

 なんだと思っていると参加者達が次々と落とし穴に嵌まっていく。落とし穴なんてまた典型的な罠をよく用意したな。

 しかしアレだぞ。テレビのドッキリはドッキリ受ける側の事を考慮した落とし穴になっているが、この落とし穴は一切の考慮が無い。いやまぁ、確かにこの世界の住人はやたらと頑丈に出来ているから、本当の罠としての落とし穴に落ちても痛かったなぐらいで終わる。

 

 だが、マルマインに乗ったトレーナー、テメーはダメだ。

 

 ロケット団辺りが仕掛けた罠だろうなと原作知識を思い出しながら見ていると、大きな爆発を起こす。

 なんじゃと落とし穴を見ると【だいばくはつ】を起こしたマルマインが……マルマインに乗ってレースに挑むって狂気の沙汰でしかない。確かにマルマインってSがカントー1だけども、よく挑戦しようとしたな。

 

 並走しながらセレナをコッソリと応援していると急な登り坂に差し掛かる。

 案の定と言うかピカチュウとリザードコンビはここで遅れをとる。そういえば、サトシのリザードンって最初は全くサトシを乗せることが出来なかったなと進化したらジブリよろしくライド出来る様にしなければと決意。まぁ、ドードリオが居るから、役立つ時は早々に無いのだが。

 

 坂道を登るとそこは湖エリア。

 湖に浮いている岩を踏んでもよし泳いでもよしとコースの整備なんて概念が全く無いエリアでこりゃピカチュウ&リザードは終わりだなと思っていたら、よくよく見ればおかしな岩を発見。

 コッソリと調べてみると岩に見せかけたダンボールでポケモンが乗れば壊れてしまう。これもまた罠かなにかかと水の上を走りながら除去。

 

 一方のセレナは最早、ポニータは乗りこなしたと言わんばかりに走らせてオレが撤去したダンボール以外をピョンピョンと跳んで進み、ドリオを抜いて1位になる。

 お~こりゃセレナの優勝で終わる感じだなと思っていると下り坂の崖にあからさまに置かれているポケモンフーズがあった。

 

 妨害工作も此処まで来たらアウトだろうと思っていると、ロケット団を発見。

 よくよく考えればこの3人と出会うのがはじめてだなと思っていると「あの時のジャリボーイ!」とムサシが言うのでこの前のサントアンヌ号の事を覚えていたらしい。

 

 しかしそんな事は関係無いと更なる妨害工作をしようとしているロケット団に対してポケモンバトル。今回はピカチュウ不在なので、ゲンガー君に決めた。

 ロケット団が使ってくるポケモンはゲンガーに対して有利なポケモンでないので【サイコキネシス】で一発KO。

 

 ロケット団を瞬殺して妨害工作は他には無いかとポケモンフーズを除去しているとセレナ達がやってきたので直ぐに姿を隠す。

 ポニータに乗ったセレナは圧倒的だった。しかし、それに追い付こうと必死なドードリオとドリオ。ポニータの方が種族値的には下なんだけどなとこのまま行けば優勝だと見守っているとパチンコを取り出すドリオ。

 なにをするんだと思っているとその辺の石を使いポニータに向かって攻撃をした。石での攻撃はサファリゾーンでしか許されていないのに、こいつはやりやがった。

 

 順調に走っていたのに突如来る足の痛みに苦しむポニータ。セレナはポニータから転落してその横をドリオとドードリオが抜いていく。まごうことなき反則だが、決定的瞬間や証拠を握れなかったのでどうすることも出来ない。

 同じことをしてやろうかと考えたが、それをすれば同類になると諦めてセレナを見守る。

 

 暴れて興奮をしているポニータ。

 足の痛みに苦しみながらも立ち上がるセレナはポニータに触れて「大丈夫」と興奮するポニータを鎮めてレースは再開。猛スピードで走り、ドードリオとドリオに追い付く。

 

 しかし、最後の一手が足りない。

 徐々に徐々にドードリオとの差が開いていくのだが、負けじと詰めようとしていると眩く光る。そう、進化の光だ。ポニータはギャロップへと進化を果たし、ドードリオを追い抜いて最後の一直線のコーナーを突っ走る。

 

 ドリオはまた妨害をしようとコッソリとパチンコを取り出したので、お返しだと言わんばかりにパチンコで撃った弾を小石で撃ち落とし、更には手元に向かって攻撃をしてパチンコを破壊。

 予想外の攻撃をくらって驚くドリオ。もうこうなったら勝つしかないとさっきまではなんだったのかと全速力で追い掛けるが既に遅い。ギャロップと1メートル程の差を保ったまま走っており、1位でのゴールは不可能。

 

 そんだけやれるんだったら最初から真面目にしとけよとゴール前まで移動してセレナとギャロップの帰りを待ち、ゴールテープが切れた。

 

 

 優勝したのはピカチュウとリザードンだった……お前、こんなところで進化するなよ。

 

 

 明らかにセレナとギャロップの勝ち確定の雰囲気だったのだが、横からヒュンと出てきたリザードンに乗ったピカチュウ。湖のエリアで脱落したと思っていたら、そこでリザードンに進化をするという荒業で乗りきり、一気にゴールをした。

 

 いや、うん。優勝するのは素直に嬉しいよ。嬉しいんだけども、もうちょっとこう無いのか?

 ポニータがギャロップに進化を果たして優勝する空気をぶっ壊したリザードンとピカチュウ。幸いにも進化をしたからといって調子に乗るという事は無かったからよかった……わけないじゃん。もうちょっと空気を読んで欲しいので、リザードンとピカチュウは厳しめに育てよう。

 

にしても、セレナより先回りするのは疲れた。二位のセレナを抱き締めておっぱいの感触等があったので疲れはとれたけども。

 

 

 カントーレポート39(遂にゲットだ!サファリゾーン)

 

 

 

 ヒャフウウウウウウウ!!(狂喜)

 

 

 

 リザードンに進化を果たして、益々と強くなる我がパーティ。

 しかし、油断をしてはいけない。同業者(転生者)が同じポケモンリーグに挑戦しようとしているのだから。アイツの手持ちはゴールドパなので何だかんだでバランスが取れてる。対してこっちは1番重要であろう【みず】タイプのポケモンがいない。

 

 リザードン、オコリザル、ゲンガー、ピカチュウ、フシギダネ、ドードリオ、サイドン、ベトベトン

 

 持っているポケモンは8体でトレーナーとのバトルで勝ちまくっている。しかしその辺の並大抵のトレーナーならまだしも、ケンタだけは文字通り別次元に強い。油断や弱点らしい弱点をさらせば確実に負ける。

 

 というわけで戦力増強も兼ねてやって来たぜサファリゾーン。ちゃんと地図を見てやって来たので、間違いは無い。

 

 セレナはまだポケモンが欲しいとかは思っていないので今回はパスするらしく、一先ずはサファリボールを貰いに行こうと受付の元に向かうと猟銃を向けられる。

 こんな人間よりも遥かに強い生き物がいるのに猟銃なんて意味ねえだろうと掴んだ実弾を見せていうと尻餅をつく。コラコラ、人を化け物みたいに言うんじゃない。

 

 サファリゾーンに乱獲しにきた奴かと思って猟銃を向けてきた管理人(オーナー)。「お前達もミニリュウが目的なのか?」と聞いてきたので「いえ、みずタイプのポケモンが欲しいんです。ミニリュウもいいけどふしぎなウロコじゃないと微妙なんで」と言うとキレたのでボールを持ってとっとと逃げる。ふしぎなウロコじゃないとマルチスケイルカイリューにならないんだよ。せいしんりょくカイリューなんて見た記憶ねえぞ。

 

 すごいつりざおとサファリボールを手にして、水辺に向かってあるいているとケンタロスがいた。

 水系のポケモンも欲しいけれど、よくよく考えたら純粋なノーマルタイプのポケモンを持っていないことに気付く。後にカビゴンを捕まえるけども、ケンタロスを捕まえてても損は無いなとサファリボールを手にして投げた……うん。

 

 間違えて、サファリボールが入っているバケツを投げてしまった。

 

 そんな事ってあるんか!?と思わず驚いてしまったが、うっかりバケツの取っ手を握ってしまいサファリボールを大量に投げてしまい、サファリゾーンのケンタロスを大量に捕まえた。

 手持ちが6体なので自動的にオーキド研究所に送られる仕様だから、例によってごめんなさいオーキド博士。

 

 予想外の出来事に落ち込むオレ。残ったのはケンタロスをゲットしようと思って掴んだモンスターボールだけ。こいつでなにがなんでも水ポケモンをゲットして見せる。

 セレナが「大丈夫?お、おっぱい揉む?」と顔を赤めながら聞いてきたので2、3回程揉んでから気持ちを切り替えて水辺に向かう。もう一回、サファリボールを管理人から貰えばいいが、結果的にケンタロスを乱獲したと知られれば、猟銃に撃たれる可能性はある。それは嫌だ。

 

 水辺に向かい、釣竿の糸を垂らして真剣勝負。

 ポケモン達は人間よりも気配に敏感だからと心を無にしていると釣竿が引いたので一気に引っ張ると出てきたのはハクリュー。お前じゃないと直ぐにキャッチ&リリース。

 

 そういえばなにをゲットするか決めていなかったなとカントーの水ポケモンを思い浮かべていると、ハクリューが引っ掛かったのでキャッチ&リリース。物理よりも特殊が強い水タイプよ来いと思ったら、またハクリュー。

 しつけえなと思っているとなにか訴えかけるハクリュー。こいつが管理人の爺さんが出会ったミニリュウなのは知っているので、オレに頼まずお前が直接向かえと言う。感動の再会は他人に頼るのでなく自力でやってくれ。

 

 管理人が居る場所を教えると一人向かうハクリュー。

 諦めずにオレはすごいつりざおの糸を垂らしていると糸が引いて、遂にやって来たぞと引っ張ると出てきたのはなんとシードラだった。

 

 いや、シードラ、サファリゾーン出ねえぞ。

 

 出てきたポケモンに驚いたものの、最後のサファリボールを無駄撃ちしてはいけない。

 的確に急所を狙いにサファリボールをぶつけてゲット……念願の【みず】タイプをゲットした、ゲットしたんだが何とも言えないこの感じ。此処最近、変なゲットをしてきたせいか違和感を感じる。これこそが普通のゲットだというのに。当初の予定より大幅に狂ってたからおかしくなったのか?……まぁ、いいか。

 

 タッツーから進化をさせる必要が無いのでそれでよし。

 明日からは【みず】タイプのサブウェポンともいうべき【れいとうビーム】を使える様に特訓をしよう。ぶっちゃけ、キングドラになれば【れいとうビーム】の需要は薄いが、後々別の地方でゲットする水ポケモンに使わせる為にも覚えておいて、損は無い。



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サイクリングロードを駆け抜けて

ガンピ、てめえ!!!
コレを書こうとしている時に本当にマジで、なにやってくれるんだ。ハッサムの件はマジかーとしか言いようが無い。


 カントーレポート40(嵐のサイクリングロード)

 

 色々と考えてみた結果、リザードン ピカチュウ フシギダネ ゲンガー シードラ サイドンの6体を基本としてその時、その時に合わせて手持ちを入れ換えることにした。

 

 シードラをゲットできた事を喜んだが、結局のところゲットしかしてないのでしっかりしなければと気持ちを切り換えてやってきたのはサイクリングロード。

 金はあるけどもこの世界はやたらと自転車が高くて手が出せなかったのだが、値段の事を考慮してサイクリングロードにはサイクリングロードを渡る為だけに自転車が無料レンタル出来るシステムがあった。

 

 此処を通らないとグレンタウン行きの船がある港町に向かえないのでありがたくレンタルをしようとするのだがジョーイさんが「人を乗せる事が出来るぐらいの大きさのポケモンに乗っていってもいいのよ」とアドバイスを貰う。

 なんでそこだけ最新のピカブイ仕様?と思いながらも今回は普通に自転車を借りることにしたのだが、一応気になったので、どんなトレーナーがなにに乗っていったのかを聞いてみる。

 

 主に四足歩行の乗れる大きさのポケモンと乗れる大きさの翼を持ったポケモンだと教えてくれるジョーイさん。

 カビゴンにしがみついて渡った奴も居るらしいが、気になるところはそこじゃない。バクフーンに乗ったカップルが此処を渡っていったとの記録があった。

 カップルでバクフーンと言えば考えられるのはケンタとマリナしかない。マグマラシを既にバクフーンにしているとは流石だが、カップルに思われているとはとケンタの安否が気になるが今はそこじゃない。

 

 オレのリザードン、この前にリザードンになったばっかで油断は出来ない。多分、今の状態じゃケンタのバクフーンに勝てない。こりゃ、本格的に何処かで鍛えないといけないなと思いちょっと趣向を変えてリザードンに自転車を引っ張って貰うことにした。

 

 まだ人を乗せるのは無理だが自転車を引っ張って行くことぐらいは出来る。

 リザードンの特訓だと自転車を引っ張って快適な陸の旅を楽しんでいると、絡んできたのは暴走族……なんだけどなぁ。なんだけどなぁ。

 

 全員、自転車ってどうよ?

 

 暴走族と言う名のチャリンコ族が絡んできた。

 此処を通りたければ金を払いなというなんともまぁ、三下臭を漂わせながらヒャッハーしてきたので「お前に払う金はねえ」とチャリンコ族と言う事実に若干笑いながら答えてポケモンバトル。困ったらポケモンバトルって本当に楽である。

 

 ゴローニャを出してくるチャリンコ族に対して、こちらは新人であるシードラを選択。

 開幕ぶっパで倒してやろうとシードラに【バブルこうせん】を指示しフィールドを泡まみれにすると、【ころがる】で突撃してくるゴローニャ。泡がパンパンと割れているのに転がる事を止めず、こちらに来てシードラを轢く。

 嘘だろうと思っているとケロッと立ち上がるシードラ。驚く暴走族。シードラのBは中々の物だともう一度、【バブルこうせん】を指示して攻撃をすると、更に速度と回転力が増した【ころがる】で突撃するゴローニャ。

 こりゃ効いていないのかなと思っていると段々と遅くなっていることに気付き、最終的には止まって目を回すゴローニャ。ああ、単純に我慢していただけなんだと気付く。

 

 最初のバトルに勝利して軽くガッツポーズを取る。

 シードラもバトルに勝てたのかピョンピョンと跳び跳ねる……浮いてないんだよな。

 

 原理はよく分からないが、一部の水ポケモンは謎の原理で浮いている時がある。浮遊とかのちゃっちい原理じゃなくて本当に何故か浮いている時がある。シードラは何故か浮いていない。しかし、キングドラは浮いている。謎である。

 

 チャリンコ族を1人倒すと、次の奴が出てきたので「あ、これ全滅させないと先に進めないパターンだ」と察する。

 2番手の女性のチャリンコ族が出してきたポケモンはパルシェン。こいつはまずいとシードラを交代してピカチュウ、君に決めた。

 此処最近、バトルの出番が少なかったのでやる気満々のピカチュウ。よっしゃやってこいと、開幕の【10まんボルト】で一撃でノックアウト。やっぱりピカチュウは強い。

 

 女性の暴走族を倒すとまたまた別の暴走族が出てきてダグトリオを出してきたので、今度はフシギダネ。

 同じく久し振りのバトルに燃えているフシギダネ。ダグトリオは素早いので、【ねむりごな】で眠らせてから【はっぱカッター】で急所を狙い、KO。

 

 なんだなんだと挑んでくる奴等の弱さに少し呆れる。

 もうちょっと骨がある奴が居ないとバトルの相手にならないぞと思っているとオレの態度が気に食わないのか纏めて掛かってきたのでリザードンの【かえんほうしゃ】で一掃してやった。

 

 進化したてでまだまだ伸び代があるとはいえ、流石の一言に限るリザードン。これからもよろしく頼む。

 

 

 カントーレポート41(オワコン!ポケモン交換)

 

 ちょっと寄り道をと港町へのルートから少しだけ外れて、辿り着いたのはストンタウン。なにを隠そうこの町は進化の石で有名な街で進化の石が何時かの日、必要になるかもしれないのでと買いに来たのだが、これまたビックリ。ケンタ達と再会した。

 

 久し振りに出会ったので「うーす!」と元気よく声をかけるのだが「ああ」と暗そうな反応をするケンタ。

 まだこの世界には馴染めていないのかと少しだけ心配をしているとマリナがやってきて「ケンタ、あっちにひかりのいしが売ってたよ!!」とケンタに飛び付いており、ケンタは疲れた顔をしていた。

 

 なんだ、ただのリア充か。

 

 そう思っていると口にしてしまっていたのか、ケンタから【とびひざげり】をくらうのだが残像拳を用いて避ける。

 はい、そこ。人間やめてんじゃねえと言う顔をするんじゃない。修行すればお前も波動を感知出来るし、水の上だって走れる……走れるはずなんだよ。オレがおかしいんじゃないんだよ(震え声)

 

 まぁ、とにかく久々に再会したのでどうよと訪ねると無言でバッジケースを開くケンタ。ピンク、レインボー、オレンジゴールドの4つのバッジがあり順調に進んでいる……まぁ、オレの方がバッジ多いけども。

 此処で会ったのもなにかの縁だしバトルでもするか?と聞いてみたけども断られた。最近、骨の無い相手ばかりでつまらない。お前かジムリーダーぐらいしか強い奴に心当たりが無いんだよ。

 

「先に原作は終わらせておいた」というケンタ。なんの事だと原作を振り返ってみると、そう言えば此処でイーブイがどうたらこうたらあったなと思い出す。どうやら先にケンタが問題を解決したらしくイーブイはリーフィアに進化する事で丸く収まった……収まったのかそれ?リーフィアってイーブイの中でもあんま見かけねえぞ?大丈夫?弱くない?

 

 そんな不謹慎な事を考えている内に進化の石が置いてある店に辿り着くオレ達。

 ケンタはなんの迷いもなくたいようのいしとひかりのいしを購入して早速、ヒマナッツにたいようのいしを使いキマワリに進化をさせる。オレもやっておこうとかわらずのいしを購入してフシギダネに渡す。これがあれば進化をしなくなってしまうが、それがフシギダネの意思なので尊重しなければならない。

 

 互いに目的の物を購入して一息つくと、手持ちの進行具合はどうだと聞いてくるケンタ。

 聞いてくるならば最初からバトルしようぜ!と言うのだが嫌がる。この野郎、ポケモントレーナーならば挑まれたバトルは受けやがれよ。もうこの世界の住人になる覚悟は出来てるだろう。

 

 しつこく迫るとキレられるのでグイグイと行かなかったら、モンスターボールを取り出すケンタ。なんだと思っているとボールからおうじゃのしるしを頭につけたニョロゾが出てきた。「バトル以外にも交流はある」とのこと。

 

 マリナと通信交換してニョロトノにしなかったのか?と聞いてみると「流石にそういうのを押し付けるのはちょっとな」とデレるケンタ。

 まぁ、確かに現実ではポケモンの交換なんて通信進化の為に使うのと図鑑コンプリートの為に別のROMに移す時に使うぐらいでポケモンを交換して交流なんてのは滅多に無い。むしろそんな事をする必要なんて無い。最近はSwitch二台持ちとかもあるし、交換なんて殆ど死んでいる要素である。

 

 とは言え、この世界の住人は違う。普通にお気に入りのポケモン同士を交換してあげる。

 リアルな住人であるオレ達には分からない事で、交換して通信進化させてもう一回交換させるというのはこの世界的にはどうなのだろうか?あまりよろしくないのかもしれない。

 

 一応はマリナを気遣うケンタ。お前はなんだかんだでツンデレだと言えばニョロゾから【れいとうビーム】が飛んできたので避ける。人間に向かってポケモンの技を使うんじゃねえ!え、お前は人間じゃなくてマサラ人?喧しいわ。

 

 とまぁ、主に進化を目的としてポケモンの交換をすることについては悪くはない。

 なにせこっちの手持ちにも道具を持たせて通信進化させるポケモンがいるのだから、しない手はない。

 

 マリナが欲しがっていたやみのいしを購入して、向かうはポケモンセンター。

 ポケモンを交換する装置を見た時、ゲームもソフト一台でWi-Fi無しで通信進化出来るシステム作ってくれねえかな、流石に本体二台持ちは財布を痛めると思った。本当に通信進化は害悪である。

 

 取りあえずと先ずはサイドンにプロテクターを持たせて、通信。

 ケンタのニョロゾと交換するとボールから勝手に出てきてなにごとかと思ったらケンタの方もサイドンがボールから出て来て進化の光を放つ。1回ボールから出てくる仕様なのかとニョロトノに図鑑を向ける。

 カントーの図鑑だからか反応しない。ケンタとマリナの持っているジョウト図鑑は反応してニョロトノが登録される……しかし、ドサイドンは登録されない。

 

「んじゃ、次な」と今度はシードラを送りつけると先程と同じように勝手にモンスターボールから出るシードラ。割とあっさりとキングドラに進化したのでとっとと戻すぞとニョロトノを送り返す。

 これで通信進化するポケモンは進化させた。多分、暫くは通信進化させるポケモンはゲットしないだろうと思う……多分だけども。

 

 やっぱりバトルが出来ない事が原因なのか不完全燃焼だ。

 折角、サイドンがドサイドンになりシードラがキングドラになったのにバトルが出来ないのは少しだけ退屈だったが久しぶりにあったケンタが元気そうにしていたから良かったとしよう。

 

「そう言えば、俺とお前が此処にいるってことは他の奴等も居るんじゃないのか?」と言っているが、もうなるように成れとしか言いようが無いので気にしない。

 

 カントーレポート42(越えろ進化の壁)

 

 今日も今日とてグレンジムを目指して港町に向かおうとする。予想外だが、サイドンはドサイドンにシードラはキングドラに進化した。

 

 リザードの一件があるので少しだけ怖かったのだが、ちゃんと言うことを聞いてくれる……が、まだだ。

 

 トレーナー同士、目を合わせたらポケモンバトルをしようぜ!のノリで同じく旅をしてるトレーナーに喧嘩もといポケモンバトルを吹っ掛ける。相手のトレーナーもやってやるぜと3対3のポケモンバトル……なんだがな。

 

 相手の1体目のゴルバットは進化したてのドサイドンで出撃。

【メガドレイン】を使ってきたが、昨日までのサイドンじゃない。何故ならこいつはドサイドンだから。

 

 とくせいの【ハードロック】のお陰で【メガドレイン】を耐えきるドサイドン。進化は伊達じゃないと【いわなだれ】を使い、ゴルバットを一撃で倒す。それを見た瞬間にあれ?といったなんとも言えない感覚になる。

 

 相手の2体目はキングラー。

 Cの種族値が低いから真正面にやりあうかと考えたが、他のポケモンも鍛えないととフシギダネを出す。

 

【あわ】で攻めてくるキングラーに対し【はっぱカッター】で対処してみるものの思ったよりも泡の密度が大きくて完全に切り崩す事は出来ない。【つるのむち】を利用して地面を叩いて回避すると左腕の大きなハサミから【れいとうビーム】、効果は抜群だったが、Cが低いので思ったよりもあんまり効かなかった。

 

 とはいえ、くらいつづけるのは良くない事なので【つるのむち】を泡の中に入れて泡を動かし、キングラーまでの道を切り開いて【メガドレイン】で攻めてくる体力を奪いKO。この時にまたまたあれっと違和感を感じるのだが、バトルはまだ終わっていない。3体目にウィンディが出てくるので、フシギダネをボールに戻してキングドラを出す。

 

 さっきから相性のいいポケモンでしかバトルしてねえなと思いつつもバトル開始。

 キングドラを見たことが無いのか【かえんほうしゃ】で攻めてくるウィンディ。【なみのり】で津波を起こして飲み込み火を消してやるとキングドラが【みず】タイプであることに気付く。

 

「炎技だけだと思うなよ!」と【こうそくいどう】で素早さを上げてくるウィンディ。ならばと此方も【あまごい】を使いフィールドに雨を降らせてとくせいの【すいすい】を発動し素早さを倍増+炎技の威力を落とす。

 キングドラは知らないくせに【あまごい】の事を知っていたのか、普通に【りゅうのいかり】を使ってきた。

 

 固定ダメージの技だがこの世界だとどうなっているのか分からないので全速力で避けるキングドラ。雨状態にしておかなければ危なかったと思いつつも雨状態で威力の高まった【なみのり】でウィンディを飲み込んでKO。

 

 

 対戦後はいいバトルでしたねと握手をして終わったのだがあまり喜べず、表情に出ていたのかセレナが「どうしたの?」と心配をしてくるのでぶっちゃけた。

 

 全然、もの足りん。

 

 いや、もう本当にもの足りん。

 さっき戦った相手だってバッジを4つ持っている実力のあるトレーナーなんだけども、予想以上に簡単に勝ってしまった。確かにタイプ相性で有利を取っていたけども、そうでなくとも割とあっさりと勝てた感じがした。

 セキチクシティを越えた辺りからなんと言うかポケモンバトルが単調になってきたと言うかメリハリが無い。

 

 いや、世の中上には上が居るのは当然分かっている。

 しかし、これはまずい。このままだと気付かぬ内に慢心してしまう。なにか目標らしい目標を作っておかなければとピカチュウを見て、そういえば【アイアンテール】覚えさせていない事を思い出す。

 本来ならばホウエン地方で覚える技だが、自重なんてしている暇は無い。相手には同業者(転生者)が居るので、慢心とかしてたら絶対に負ける。ケンタのニョロトノとか見るからに強そうだった。

 

 現時点でこれ以上ポケモンを捕まえても上手く扱いきれる自信は無い。

 進化と言う道は既に終わっているので、残すところとなると技しかない。久しぶりにポケモン図鑑とにらめっこ。

 初代の図鑑の為に載っている技が圧倒的に少ねえと思っているとセレナが「私の図鑑を使って」とカロス地方の図鑑を貸してもらった。オレの持っている図鑑と大分違う。初代から大分進んでるな。

 

 そんなこんなでセレナの図鑑を使ってなにか技は無いかと探る。

 初代の図鑑と違ってこれでもかと図鑑に第2世代以降の技が載っている……載っているだけで使い方は一切書いていないが。こういう時こそ技マシンがほしい。

 

 とはいえ停滞していたこの状況下では嬉しいものである。

 リザードンに【ブラストバーン】ドサイドンに【ストーンエッジ】キングドラに【りゅうせいぐん】ゲンガーに【こごえるかぜ】と順調に覚えさせる技を決めていく中、悩むのはフシギダネとピカチュウである。

 

 原作的な考えでは【アイアンテール】が良いのだろうが、そもそもでサトシくんのピカチュウがアイアンテールを覚えたのはカナズミジム戦でピカチュウが有効な技を持っていなかったからだ。

 最終的にはアニメ理論よろしく物凄い電気でイシツブテを倒すとか言う無茶苦茶をやって本当は効果はあるのにノズパス相手に必死になって【アイアンテール】を使っている舐めてんのかと思うような展開になった。今、思い返してもなんでやねんとしか言いようが無い。

【アイアンテール】を覚えても仕方がない。既に【なみのり】があるので使い道は無い。【ねこだまし】を覚えさせてみるものの、原理とか割とあっさりとしているのでほんの一時間で覚えることが出来た。

 

 ピカチュウに関してはまだまだやれそうな事があるのだが、問題はフシギダネだ。

【ヘドロばくだん】は覚えさせてはいるもののオレにはゲンガーとベトベトンがいる。この2体は言うまでもなく【どく】タイプのポケモンとしては充分である。

 

 フシギバナになれば覚えることの出来る技が増えるが、フシギダネはフシギダネのままになるつもりなのでフシギバナだったらを頼ることは出来ない。【だいちのちから】とか使えたら便利なんだがな。

 フシギダネが使える技を図鑑と元の知識を照らし合わせて考えるが、いい案が浮かばない。こうなれば一か八か試してみるしかないのかと【ハードプラント】をやらせてみるとそれっぽい事が出来た。

 

 あれこれもしかしたら使えるんじゃね?ゲームとかでちょいちょい配信されてるし、コロシアムかXDのどっちかで究極技を覚えたジョウトの御三家を貰えたりしてたし、使えるかもしれない。

 これはケンタに対して切り札となるので【ハードプラント】を覚えて貰うことに……多分だけど既にサトシくんを越えてるんじゃね?




あのシステムをさっさとゲームに逆輸入してください。


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対決ダークジム!

サトシくんに転生or憑依
シゲルくんに転生or憑依
サトシくんと同じ日にポケモンを貰う子に転生
ワカバタウンのケンタに転生or憑依
ナナコと同じ日にポケモンを貰う子に転生
ハルカと同じ日にポケモンを貰う子に転生
ヒカリと同じ日にポケモンを貰う子に転生
シューなんとかに転生or憑依
シューなんとかと同じ日にポケモンを貰う子に転生
セレナと同じ日にポケモンを貰う子に転生

作者の技量だと上手く書けないけども主人公に出来そうなポジとかざっと浮かぶだけでもこんなにあるのにどうしてアニポケの小説は増えないだろうか。


 カントーレポート43(真っ暗ダークシティ)

 

 今日も今日とてグレンジム目指すオレ達。

 たまたま立ち寄った街の名前はダークシティ。名前と合っているのかやたらと寂れているというか、建物が崩壊していて何処の世紀末なんだよ。街の雰囲気が完全に世紀末か西部劇の雰囲気で何処と無く全体的に暗いことに気付くセレナ。

 余計な事に首を突っ込むとロクな目に遭わないが一応はとこの後に起きる出来事を原作知識を掘り起こしてみているとピカチュウに向かって石を投げてくる近所の悪ガキ達がいた。

 

 残念ながらオレのピカチュウはそんじょそこらのピカチュウじゃない。

 飛んできた石の気配を察知し、オレの肩からジャンプをして尻尾に意識を集中させ尻尾の色を銀色に変化。岩には鋼だと【アイアンテール】で石を叩き落とそうとするのだが、まだ未完成で尻尾で攻撃する前に元の尻尾に戻ってしまい飛んでくる石を【たたきつける】で叩き落として『チャー』と涙を流す。

 

「そこの子供達、ピカチュウに謝れ」と一応は言ってみるのだが、コッソリとこっちを見てる子供達は出てこようとしない。石を投げられた事を怒っているピカチュウは問答無用で【10まんボルト】を撃つ。

「ぎゃあああ!」と黒焦げになるだけで済んでいるMURABITOはマサラ人と同種なのかと引いてしまう。

 

「ポケモンに向かって石を投げちゃダメよ!」と普通に説教するセレナ。「お前達、ポケモントレーナーか?」と聞いてくるのでそうだと頷くと竹刀みたいなので叩いてくるので避ける。本当に知識で知っていたがバイオレンスなクソガキだ。

 

 オレを攻撃してきたのでセレナもガチギレ。フォッコの入ったモンスターボールを手にかけようとするので流石にそれはまずいと止めているとクソガキ連中の保護者のおじさんがやって来て謝罪。洋食屋のマスターをしているらしくお詫びに昼飯を奢ってもらえるのでそれでよし。

 オムライスを頼めばピカチュウがバカみたいにケチャップをかけようとするのでカツカレーライスを頼み、なんでこんな事になっているかを聞いた。一応知っているが、なにか誤差があると恐ろしい。

 

 この街には非公認のポケモンジムのヤスジムとカズジムの2つがあり、もうすぐポケモンリーグの公認ジムになれるかどうか調査に来る検査官がやって来ると分かり公認のジムになるべく互いのジムが争っている。

 いや、争っていると言うよりは喧嘩をしているようでバトルフィールドの1つも用意せずにポケモン同士で連日連夜と街の中でバトルと言う名の喧嘩をしていてお陰様で街は物理的に崩壊。そりゃポケモンも嫌いになるわと呆れる。

 

 ポケモンバトルとポケモンとバトルとポケモンでバトルは大分違うのに、なんでそんな初歩的な事も気付かないんだと思っていると警報が鳴り響き何事かとマスターに聞けばヤスジムとカズジムの抗争が始まる合図だと怯える。

 どんだけバイオレンスなんだよとカレーを食いながら外を見ているとポケモンバトルと言うより抗争や喧嘩と呼ぶに相応しい戦いだった。

 一応、ポケモンリーグ公認のジムを目指してるんだったらポケモンに攻撃しろ。トレーナーに向かって攻撃を指示するんじゃない。オレならポケモンを倒せるけども一般人には倒せないぞ。

 しかしまぁ、ヤスジムもカズジムも弱い。

 エレブーが【10まんボルト】を使うのだが、電気が弾けてしまってポケモン以外にも命中している。ピカチュウも【10まんボルト】は使うが、あんな風に弾けて狙った的以外にも命中するなんて事はない。

 

 呑気に抗争を見ていると、洋食屋のマスターの元にヤスジムの用心棒がやって来た。というか、ロケット団だった。

 なんか凄くどうでもいい時に遭遇するなと思っていると洋食屋のマスターに洋食弁当30人前をツケで買おうとしている。流石に飯をタダで奢って貰ったので見捨てるわけにはいかない。

 

 オレを見て驚くロケット団。取りあえず、お前等はギルティだと【10まんボルト】を叩き込んでやな感じ~!弱いロケット団なんぞに興味はねえ。

 

 迷惑な客を追い払った事にマスターは喜んでくれて一件落着かと思えばカズジムの人がこの事を見ていたようで「お見事!ヤスジムの用心棒を倒すなんて強いのね!」と拍手喝采。

「あの程度の雑魚を倒して褒められても喜べない」とドライになっていると「なら、ヤスジムを潰してくれないかしら」堂々と言うカズジムのおねえさん。

 

「サトシ」とセレナがオレの名前を呼ぶので振り向くと、笑顔になっていた……ああ、これ怒ってるわ。ハニートラップに掛けられるのもダメだった。

 

 笑顔のセレナに後でなにされるんだろうと若干の恐怖も覚えつつも断ると不機嫌になりカズジムのお姉さん。本性を現した様で「そんな事を言って、ヤスジムに売り込むつもりなんだね。やっちまいな!」なんて言い出してポケモンを出すものだからピカチュウの【10まんボルト】が火を吹いた。

 

 ピカチュウにやられて出ていくカズジムのお姉さん。

 洋食屋のマスターは礼を言ってくれるが、結局のところはその場しのぎで根本的な部分の解決には至っていない。ポケモンバトルを喧嘩だと勘違いをしている奴等がポケモンリーグ公認のジムになれるわけがない。

 ジョーイさん、そこで観察しているんじゃなくてなにか言ってくれよと言うと噎せるジョーイさん。

 

「気付いていたの!?」とマスクとグラサンとコートを脱ぎ捨て何時もの格好になるジョーイさん。そりゃそんなに如何にもな怪しげな格好をしていると誰だって気付くわ。え、気付いてたのオレだけ……あ、そう。

 とにかくこのままだとダークシティが崩壊するし、ポケモントレーナー及びポケモン嫌いの人達が増えるだけなのでなにかしないとまずいと言えば力を貸してと言ってくる。いや、それをどうにかするのもお前の仕事だろうと断りたかったが、一応は耳を傾け、オレが結構苦労する感じだった。オレに頼らないでくれよ。

 

 結局は引き受けた。もうこのまま巻き込まれるならば徹底的にやってやろう。

 明日は結構大変なのでセレナに元気にして貰おう。セレナを抱き枕にして一緒に寝ると本当に心地好い……でも、愛してるとか大好きとかを一時間、ずっと耳元で呟かれては疲れる。

 

 

 カントーレポート44(対決ポケモンジム)

 

 やって来た決戦の日。

 ダークシティの人達に協力してもらい、バトルフィールドを作って貰った。まぁ、バトルフィールドって言っても長方形にラインを引いた簡素な物でジム特有のフィールドじゃないが、それでも充分だ。

 

 ジョーイさんと一緒にスタンバっていると、ヤスジムとカズジムの面々を一気に引き連れてきたセレナ。

「ここにいるのがヤスジムとカズジムのジムトレーナー及びジムリーダーでいいのね」と言うと頷く一同。それを見たジョーイさんはオレの手を上げて「この子が今日からこのダークジムのジムリーダーよ」と言う。

 

 ダークジム……悪くない響きだ。

 

 今までポケモンリーグ公認のジムになるべく争っていたヤスジムとカズジム。

 何処の馬の骨とも分からない奴がいきなりジムリーダーになるなんて当然、認めることは出来ない。ふざけるなと罵倒が鳴り響いているので「テメー等が強いトレーナーだったら、掛かってこいや!!」と中指を突き立て威嚇。

 

 やってやろうじゃねえかとポケモンを出してくるヤスジムとカズジムのトレーナー達。

「待ちなさい!」とジョーイさんは待ったをかけ「審判は私がするわ!」と言うのだが、聞く耳を持たない。ラッタがオレに向かって【ひっさつまえば】で攻撃したので逆に殴り返してぶっ飛ばす。

 

「オレにポケモンバトルで勝ったらジムリーダーの称号をくれてやる!」と喧嘩腰になり、手持ちのポケモンを全て出す。

 

 ラッタの前歯を殴ってへし折るオレに攻撃しても無駄だと悟ったヤスジムとカズジムの面々。

 一度に全員を相手してやってもよかったのだが、ジョーイさんが「1人ずつにしなさい!」と間に入ったので仕方なしに1人ずつ相手にする。

 

 予想通りと言うか、あんまり強くないヤスジムとカズジムのモブトレーナー達。

 フシギダネだけでサイドン、キングラー、ゴーリキー、ゴローニャ、オコリザル、サワムラー、エビワラーと6タテする。【メガドレイン】という相手の体力も奪いつつ自分の体力を回復する系の技があるとはいえ拍子抜けだ。

 やたらとタイプが片寄っている事に少し疑問を持ちながらも両ジムのモブを全員倒すと出てくるのは各々のジムのジムリーダー(笑)

 

 ヤスジムのヤスはストライクをカズジムのカズはエレブーを出してきたので、ポケモンを交代。

 出番だとドサイドンを出陣。【つるぎのまい】でどれだけストライクのAを高めようがエレブーがどれだけ強力な電気技を使おうが無駄ァ!【いわなだれ】で上から叩きつけて【じしん】で一気に倒した。

 

「弱い犬はよく吠えるというが、本当に吠えているだけだったな」

 

 どうせならば吠えて吠えて吠えまくれと思ったが、この程度かと少しだけ落胆していると「こうなったら」とリアルファイトに持ち込もうとしてきた。

 この時にヤスジムとカズジムが出来ることは色々とあっただろうがそれは最悪の手である。

 リアルファイトならば更に負ける気はしねえと相手が攻撃をして来る前に攻撃。ジョーイさんが驚いていたが、知るかそんなもん。暴力、やはり物事は暴力で解決するのが1番だ。

 

 物理的に倒されたヤスジムとカズジムの面々。

 ジョーイさんが「貴方達の様にポケモンバトルを喧嘩だと勘違いしている人達を公認のジムのジムリーダーと認めるわけにはいきません!」とビシッと決めた。しかしオレが物理的にぶっ倒したので意識を失ってる奴等が多く大半は聞いていない。

 

 最終的にはヤスジムとカズジムは今まで街にかけた迷惑や損害を御詫びして街の復興を手伝いながら1からやり直す事になった。めでたし、めでたしだ。

 

 

 カントーレポート45(なんで突然クリスマス)

 

 あ…ありのまま 今日 起こった事を話すぜ!

 

 気付けばクリスマスになっていた。

 

 な… 何を言っているのかわからねーと思うがオレも何をされたのかわからなかった

 頭ががどうにかなりそうだった… 催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ

 

 

 今日も今日とてグレンジムを目指しつつトレーナーを倒して海岸沿いを歩いているとルージュラがいた。

 こんな所にルージュラが居るなんて珍しいと思っていたらオレ達に気付くルージュラ。なにかを必死になって伝えようとしており、一先ずは図鑑を開くと既に誰かがゲットしているポケモンだった。

 

 手に持っているブーツを主張するルージュラ。セレナが「サンタクロースのブーツじゃないの?」と一瞬、頭おかしいんじゃねえのと思うような事を言ったがよくよく考えればこの世界って普通にサンタクロースが居ることを思い出す。

 

 これなんだっけと原作知識を探ろうとすると髪の毛をオレとセレナに巻き付けるルージュラ。超能力を使ってオレ達の頭の中でルージュラがどうしてここにいるのかを教えてくれる。とてつもない重大な理由で!と思ったが割とあっさりとした理由だった。

 

「サンタクロースがブーツを無くしたら、クリスマスにプレゼントが届けられないわ!」と慌てるセレナ。頷くルージュラ。サンタなんてフィクションと言いたいが言えない感じなのでルージュラをサンタクロースの居る島に連れていくことに。嬉しがるルージュラは抱きついてキスをして来ようとするとセレナがフォッコを出して【かえんほうしゃ】で攻撃した。それはダメらしい。

 

 そんなこんなで話はとんとんと進んでいき、サンタクロースの居る島に行くことになる……なんだ、サンタクロースの居る島って。サンタアイランドか?それともサンタモニカか?

 色々とツッコミどころが多く何故かあったイカダを使い、キングドラとリザードンに引っ張って貰って出発。

 

 本当にどうしてこうなったと頭を抱えていると撫でてくれるセレナ。「ごめん、なんか本当にごめん」と何故か謝ってしまいセレナの胸に顔を挟んでツッコミと言う名のストレスから解放される。

 しかし、ポケモン達は解放されない。方角は合っているのだろうが中々に辿り着かない。鍛えているとはいえまだまだ未熟なリザードンとキングドラ。2時間走りっぱなしはキツかった様でクタクタになっていた。

 

 戻れと2体をボールに戻すと「今度はサトシが走るのね」とオレの分のロープを用意するセレナ。

 確かに水の上を走る事は出来るしイカダぐらいなら背負っていった方が早いんじゃないかと思う気もするが今回は違う。リザードン達が走っている間に原作知識を思い出した。

 

 水の上に立って目を閉じて、ポケモン達の波動を感じる。

 ルージュラの波動、セレナの波動、ピカチュウの波動、海の中にいるポケモン達の波動……目的のポケモンを発見!!青緑波紋疾走(ターコイズブルーオーバードライブ)!!

 水中の中でコッソリとオレ達の事を監視していたラプラスは謎の力により海上に押し出される。

 

『いきなりなにをするのですか!』とテレパシーを使って怒ってくるラプラス。「お前がさっさとサンタの島に連れていかないのが悪い」と言えば『貴方達が悪人かどうか見ていただけです』と言うので「それならさっさと自分で連れ戻せ!こっちもこっちで割と暇じゃない」と言うと黙る。論破。

 

 とにかくこっちも暇じゃないのでなるはやでおなしゃすと巻きで、ラプラスに引っ張って貰い辿り着いたのは北極か南極かよく分からない氷山だらけの場所。暖かい格好になるのだが、寒い寒い。セレナを抱き締めて暖を取っていると舌打ちをするルージュラ。お前、一応助けて貰ってる身なのを忘れてないか?

 

 そんなこんなでサンタクロースの元に辿り着き、ブーツを返還。

「これがないと足が寒くて子供達にプレゼントを配りに行くことが出来ない。ありがとう」とお礼を言ってくるが、別のブーツを用意すればいいんじゃないのか?と思う。

 

「お礼に今回はプレゼントを1つ、多めにあげよう!」と気前のいいサンタクロース。

 なんでも好きなものを1つだけくれると言うのだが、いざ改まって考えてもなにが欲しいのかが分からない。

 

 ポケギアとかの道具は既に持っている。ポケモンは自力で捕まえる。可愛いガールフレンドはいる。

 

 このチートなサトシ君の肉体になってから自転車とかは別にいいしどうしようと考えて考えた末にオレじゃなくてケンタになんかやって欲しいと頼んだ。

 オレはもう充分幸せで、これ以上は今のところポケモンバトルの勝利しか欲しくはない。それはサンタクロースから貰うものではなく自力で掴みとる物なのが分かっている。だからケンタにと頼むのだが具体的な物と言うのでじゃあ、取りあえずとマスターボールを頼んだ。これでなんか珍しいポケモンでも捕まえて欲しい。

 

 

 追記

 

 

 朝目覚めると、日付がクリスマスとは全く違う日付に変わっていた……なんでやねん。




この世界はなアニメ製作会社が終わらない限りサザエさん方式で永遠に年が明けないんだ!


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絶滅してない!化石ポケモン

増えろアニポケ小説


 カントーレポート46(コンテストはいかが)

 

 リザードンの【ブラストバーン】やドサイドンの【ストーンエッジ】等の新しい技の習得は順調に進んでいる。いや、順調に行きすぎている。このペースで行けばマサラタウンに帰る頃には覚えた方がいい技を全て覚えれそうだ。

 それ自体は良いことなんだが、そうなると今度はどうやって強くなろうかとなってしまう。誰かが通った道を歩めば二番煎じになるので自分だけの道を歩まないといけないのは頭では分かっているのだが、どうしても自分らしさが出せない。

 

 どうしようと悩んでいると「こういう時は一旦、忘れたり別のものを見たりするのがいいって言うわ!」と励ましてくれるセレナ。一旦、自分の中の固定概念を壊してバカになれってことは分かるがもうちょっとあるだろう。

 

 とはいえ、今の自分だと限界が見えているのもまた事実。

 なにかないかと探してみるとポケモンコンテストが開催されている。正確にはカントーにポケモンコンテストを広めようとしているPRのポケモンコンテストで、グランドフェスティバルに出場する権利をゲットできるリボンを手に入れれる大会じゃない。非公式の大会だ。

 

 だけど、これはこれでいい機会なのかもしれない。

 ポケモンバトルとコンテストは違うが、通じるものがあったりする。根を詰めすぎるのもよくないので、試しに出場をしてみることを決意。セレナもやっぱりというか興味があるので出ることに。

 

 ダイパやORASではちゃんとした正装をしなければならない感じになっていたが、そんな事はなかった。あの格好は恥ずかしいのでぶっちゃけしたくない。

 大会があると分かって直ぐの参加なので所謂練習の様なものを一切していない。セレナはちょくちょくやってるみたいだから問題無さそうだが、オレはそうはいかない。

 

 頼むからトップバッターはやめてくれよと強く祈ってみるものの、その祈りは通じずトップバッターに選ばれた。

 嘘だろと思いながらも必死になってパフォーマンスの内容を考える。ただただ、相手を倒すだけに特化した技の使い方をすればいいんじゃない。一次審査は技の殺意とか威力とかではなく魅せ方が大事だ。

 

 道具を使ってのパフォーマンスは先ずオレの方が練習がいるので出来ない。

 となると技のバリエーションが多いポケモンの方がいい。ゲンガーが第一候補に浮かぶが、此処は1番のパートナーであるピカチュウに賭ける。

 

 ピカチュウ、君に決めた!

 

 ボールから出てこないので観客達はピカチュウかと何のポケモンが出てくるか分からない。ドキドキ感が足りない。

 先ずは何よりもインパクトが大事だ。ピカチュウだったらと言う殻を打ち破る為に開始早々に【なみのり】を使って圧倒的なインパクトを与える。しかし、コレがある意味悪手になる。

 ピカチュウが【なみのり】を使ったことで会場のボルテージは一気に上がるのだが、逆を言えばその分こっちのハードルが一気に上がる。高まったボルテージを下げずに高度なパフォーマンスが求められる。

 

【かげぶんしん】で数を増やして【でんこうせっか】で稲妻マークを描く様に走らせる。

【でんこうせっか】の軌跡が稲妻を描いており完璧な稲妻が完成し、やるならば此処しかない。稲妻の内側に【かみなり】を叩き落として、稲妻のマークを光らせる。

 

 結果は大成功。【なみのり】で観客の意識を一気に奪い高めたのが効いたのか物凄い歓声に包まれた。

 けど、物凄く疲れた。何時もポケモンバトルをしている時はどうやって相手にぶつけるか回避するかを考えるだけで周りを気にしなくて良かったが、魅せるのが此処まで辛いとは思わなかった。

 こりゃ非公式のお祭りの大会はいいけども、公式のちゃんとした大会はオレには無理だと深く感じる。

 

 トップバッターだったので終わった後も心臓に悪い。

 前の人と最初の人と比べてと比べられることに怯えながらも、お祭り感覚で参加したオレと違い真面目に出場しているコーディネーター達のパフォーマンスに感心する。

 相手にぶつける云々の話だと無駄があるが、魅せるという点だけを取れば参考になるものがあり応用すれば使えそうな物が幾つもあった。

 

 参考になるなと見ていると、次はセレナの番だ。

 フォッコしか居ないので少しだけ心配だったが、そんな事はなかった。

 

【おにび】を複数出して周りを怪しい炎で灯し【とおぼえ】でフォッコの持つ可愛さとはまた違う魅力を出す。

【とおぼえ】を使うことにより視覚だけでなく聴覚にまでフォッコの魅力を訴えかける事が出来、そこから【ニトロチャージ】を使い、フォッコの周りをグルグルと回る【おにび】を包み込み通常とは異なる色の青紫色の【ニトロチャージ】が出来た。

 

 技の複合が上手い。気付けばフォッコの次が気になっている自分がいる。

 技を一個ずつ発動するのでなく技を繋げて発動するのかとフォッコの技に魅了されていく。最終的には【ほのおのうず】を出して【サイケこうせん】で渦の中心を貫いて終わった。

 

 こうやってみているとパフォーマンスとポケモンバトルは似て異なるのがよく分かる。とはいえ、使えそうなものが無いわけじゃなかった。

 一次審査を全て終えて次にコンテストバトルの二次審査があるのだがちゃんとした大会でないのか、二次審査に出場できるのはたった二人、つまり一回きりの勝負である。

 

 見事、勝ち進んだオレの対戦相手は言うまでもなくセレナ。

 二次審査はバトルでセレナはフォッコしか持っていない。技のレパートリーや応用を考えた末にゲンガーでなくキングドラを選出。セレナには悪いが勝負なので本気で行かせてもらう。

 

 相性の上で不利だが、これはただの試合でなくコンテストバトル。

 魅せる戦いをすれば勝てるとセレナは考えるが、そう上手く行くと思ったら大間違いだ。

 

 渦の形をした炎でなく炎で渦を描く【ほのおのうず】でキングドラを包み込むフォッコに対し【あまごい】で雨を降らし、フィールドを雨状態にする。雨状態になればこちらのものだ。

 とくせいが【すいすい】なキングドラ。素早さが倍増し、雨のお陰で【ほのおのうず】が消えたがパフォーマンスのゲージが減ったので【バブルこうせん】を撒き散らす。当然、フォッコも避けるが狙いはそこじゃない。

 

【れいとうビーム】で泡を固めて、フィールドを埋めつくしフォッコの動きを制限。【たつまき】を起こし、大量の凍った泡を纏わせ砕け散りキラキラと輝く様はセレナのパフォーマンスのゲージを大きく減らす。

 

 移動すれば凍った泡にぶつかり、移動しなければ【たつまき】に飲まれる。

 もう少し特訓をしていれば色々と出来たかもしれないが、今回はオレの勝ちだ。【たつまき】に飲み込まれたフォッコに向かって【ハイドロポンプ】をぶつけ、戦闘不能による勝利を果たした。

 

 気分転換にはなったものの、こうして日記にして思い返してみればあまり良い勝ち方をしていない。

 相手のゲージを全部減らしてこそのコンテストバトルだが、オレのは相手に勝っての勝利だった。セレナだから勝てたが、もし見知らぬ相手だったら苦戦していたかもしれない。

 

 逆にセレナが戦っていたら勝っていたかもしれない。

 魅せる技を軽く出していたので、オレにはコンテストに向いていないのが今回のでよく分かった。お祭り騒ぎの時には出るけど、そうじゃないときじゃ出ないようにしよう。

 

 

 カントーレポート47(オレ達、カセキホリダー)

 

 

 ケンタの野郎、ホント貸し一個だぞ。

 

 

 本日は若干道に逸れて、グランパキャニオンにやってきた。

 グランパキャニオンはグランドキャニオンのパロディ的な場所でありポケモンの化石が発掘できることで有名な場所だ。なにをしに来たかと言えば言うまでもなく、化石が欲しい。

 

 既にこれ以上はポケモンを捕まえても今の自分では扱え切れないのを十二分に理解している。

 だけど、化石ポケモンはゲットしたいと思っても簡単にはゲットできないポケモンであり、こういう場所で化石を発掘しなければならないなんとも面倒なやつだ。

 

 なんかの化石を掘り当てれば別の地方を旅する時に役立つはずだ。

 化石を採掘しようとすると例によってシゲルがいて、僕も化石取りに来たのさとドヤ顔になるんだけども、彼奴の格好、何故かインディ・ジョーンズだった。

 オレの記憶が正しければインディ・ジョーンズって考古学者で古代のオカルトグッズとか遺跡関連を冒険してたりして、化石とはそこまで関係無い筈。本人がノリノリなのであえてなにも言わないのも優しさだと別の場所を採掘することに。

 

 ゲームみたいにポンポンと化石とか貴重な石が出ることは早々に無い。

 グランドキャニオンはポケモンの化石で有名なのかシゲル達以外にも結構な人だかりが出来ており、皆化石と言う名の一攫千金を狙っている。中にはプロっぽいのもいる。

 ダウジングマシンなんて買っていないので自力で探さないといけないオレ達だがマサラ人を舐めて貰っては困る。

 

 波動により物の探知は特訓済みだ。

 目を閉じて耳栓をして巨大な岩山の中になにがあるのかと探索していると感じたことのある波動を感じたので一旦取り止める。

 なんでこんなところにと思ったがその波動があるところに向かうとケンタが居た……原作的な話をすれば、サトシ君が本来ゲットするであろうトゲピーのタマゴを手にして……。

 

 お前、それアカンやろう。

 

 前にひかりのいしを購入してて手持ちが狙ったのか、ポケスペのゴールドパだったからトゲピー既にゲットしているのかと思ったら、こんなところでゲットしやがったのか。オレを見て、ヤベえ!って顔をすんじゃねえ。

 トゲピーの最終進化系であるトゲキッスの恐ろしさは重々承知している。もしセキエイ大会で優勝出来なければ今度はシロガネ大会で、トゲピーを手持ちに加えたいと思っていた。なら、チャンスは今しかないと思っていた。

 それなのにこの野郎、原作知識悪用してんじゃねえぞ。

 

 なにが一番腹立つって、オレが見た時にヤベえって焦った事だ。どうせならば堂々としてろ馬鹿野郎。

 

 一応はケンタが先に見つけたタマゴなので、文句は言えないが申し訳なさそうな顔をするケンタ。

 貸し1つで劇場版のゴタゴタを解決するのを手伝えよとポケギアの番号を交換した。「トゲピーゲットの代価がデカすぎねえ?」と言ってきたが、無視したら無視したで世界が滅びるんだよ。主人公、舐めんじゃねえぞ。

 

 トゲピーゲットのチャンスを逃したのは痛かったので、なにがなんでも化石を手に入れてやる。

 ケンタの事は置いといて、探知していると化石反応アリで、発掘をしようとするのだがロケット団が居やがった。「げ、ジャリボーイ!」と驚くロケット団。

 足元にはT型の押すと爆発する爆弾があり「こんなところでなにやってんだよと」聞けば「化石をゲットして億万長者になってロケット団の活動資金にするのよ!」と答える。

 

「爆弾を使うと危険だ」と言えば「そんな事、知ったことじゃないわ!」と開き直るのでピカチュウの【10まんボルト】で倒すのだが、使った技がまずかった。

 導火線に電気が走ってしまい誤作動を起こしてしまって大爆発。ロケット団はやな感じ~で、オレは地盤が崩れてグランパキャニオンの奥深くに落ちてしまった。

 

 流石にNARUTOの様に足に波動を纏わせて崖を昇ることは出来ず、ピョンピョンと飛んで上ろうにも崖が脆く上がれない。

 仕方ないと取りあえずは無駄に広い内部を探索しているとオムスター、オムナイト、カブト、カブトプス、プテラとカントーの化石ポケモンと遭遇。お前等絶滅してたんじゃねえのかよと図鑑の説明文にツッコミをいれる。

 化石ポケモンってなんだかんだで絶滅してねえんだよな。今もこうして現代に生きてるってなんだか神秘を感じるが、向こうは敵意をガンガン向けており、攻撃してきた。

 

 そっちがその気ならばとこちらもやらせてもらう。

 フシギダネを出し【ギガドレイン】でプテラ以外の化石ポケモンをノックアウト。相性が普通のプテラはしぶとく生き残った。最初からピカチュウでやればよかったなと少しだけ後悔していると【はかいこうせん】を撃ってきやがった。

 

 テメエ、なに効率悪い技を使ってんだよ。

 岩の内部なので下手に破壊すれば岩山が崩れてしまうのに躊躇いなく撃ちやがった。幸いにも避けることが出来たが、案の定、岩山が崩れる音がしたのでドサイドンを出して【ドリルライナー】で道を切り開き、なんとか地上に出る。

 

 地上に出ると調子に乗ってるプテラ。

 珍しいポケモンなので皆が騒いでいるのだが、それを怯えていると勘違いをして吠えまくる。よくもオレを生き埋めにしてくれたなと思っているとケンタがヤバそうな雰囲気を察してかオレのところに来てくれた。

 

 ここは一回連携でもやるかとなりケンタはニョロトノを出すと雨が降り注ぐ……お前のニョロトノ【あめふらし】やったんかい。衝撃的な事実を受けながらも恐怖の象徴であるトノグドラを擬似的に再現できるぜと思わせるかの様にキングドラを出して、ピカチュウに【かみなり】を落としてもらう。

 

 これは公式の試合でもなんでもないから多対一がありなんだぜい!

 

 隣でケンタが「お前な……」と本気で呆れていた目をしていたが、そんな事は知ったことじゃねえ。

 取りあえずボコボコにすることには成功し、なんかマリナがゲットをした。ワイルドなところが良いらしい。ワイルドだろう。

 

 ロケット団と化石ポケモン騒動が終えたので、化石探しを再開するのだが別行動をしていたセレナが化石を発見した。

 羽の化石でそれがあれば恐らくはアーケンを復活できる。アーケオスあんま目立たないが結構強いんだよなと、オレも化石の気配がするところで【いわくだき】を使いプロトーガを復元できる甲羅の化石を手に入れた。

 

 ただまぁ、化石を復元する装置がここにはないのでこれは暫くは家の押し入れの中に埋まるだろうな。

 

 カントーレポート48(越えろ、最終進化)

 

 早く、グレンジムに辿り着きたいが中々に辿り着かねえな。

 オーキド博士から図鑑のアップデートがされたんだが、ジョウト地方の一部のポケモンしか通じねえってどうだよ。

 

 今日も今日とてレベル上げの為にポケモントレーナーとバトルをしているとフシギダネが【ソーラービーム】を覚えた。

 キングドラが【あまごい】からの【すいすい】で素早さを上げて【ハイドロポンプ】というコンボがある上に進化していない分、どうしてもパワーが出ないフシギダネに【ソーラービーム】は合わない。

 

 とはいえ【ソーラービーム】を覚えたということはかなりのレベルになっている。

 その気になればフシギソウに一気に進化出来るんじゃないかと聞いてみると不機嫌になるフシギダネ。そんなに進化して欲しいのかと思われていた様で、一応は出来ると教えてくれるが明らかに怒っている。

 

 ここは物で釣るかとポロックを作ろうとするのだが、巨大な蔓がフシギダネ目掛けて飛んできた。

 急に何事かと思ったがそれよりもフシギダネだ。誘拐させるわけにはいかないとフシギダネを掴み、巻き付いている蔓を引っ張る。思ったよりも重かったが、その気になれば4tトラックを押して歩けるオレに不可能は無い。

 

 綱引きならぬ蔓引きの勝者となり、蔓の先からはフシギバナが出てきた。

 なんでフシギバナがと思っていると大量のフシギダネが出て来てフシギソウに一斉に進化をはじめた。フシギダネが群れで集まり一斉に進化をする時にオレのフシギダネだけが来なかったら連れていって進化をさせようとしたらしい。

 

 進化をするのを最初から嫌がっているフシギダネ。

 その事をフシギバナに伝えるのだが、進化こそが正しいと思っているのか頑なにに耳を傾けようとしない。周りのフシギダネがポンポンとフシギソウに進化しているのに一向に進化をしようとせず拒み続ける。

 進化が大事な儀式なのか進化を拒み続けるフシギダネに怒るフシギバナ。理不尽で、何時もならばここで手を出していたが、今回は違う。相手はジュカインでもゴリランダーでもないフシギバナだ。

 

 本音を言えばオレもフシギバナの方が欲しい。

 けど、フシギダネはフシギダネのままがいいと言っておりフシギバナにはならない。ポケモンは進化をした方が強く、フシギバナはフシギダネの完全上位互換だ。

 ここで倒せなければ一生フシギダネはフシギバナよりも弱いとなり、なんとしてでもフシギバナを倒さなければならない。

 

 進化をしたくないフシギダネで進化をしたフシギバナで挑むが、やはりというか無謀に近かった。

 粉系は当然効果は無い。【つるのむち】はフシギダネは2本に対してフシギバナは6本同時に使ってくる。【はっぱカッター】も1度にフシギダネの数倍飛ばしてくる、無論威力もフシギダネよりも上だ。

 

 何処かの一点勝負をしようにも純粋なまでの上位互換。

 重そうな見た目に反してそれなりの素早さも持っており【たいあたり】とかの技で攻撃しても重さとかで余裕で負ける。【ヘドロばくだん】で攻撃してはみるものの、思ったような成果は出ない。

 

 四方八方塞がりでどうしたものかと思っていると攻撃をやめるフシギバナ。フシギダネに対して進化をしているのとしていないのではこういった差が出るから潔くフシギソウ、フシギバナに進化をしろという。

 しかし進化をしたくないフシギダネ。それでも嫌だと拒むとフシギバナは今まで抑えていたのか全力を、御三家のみ覚えられる究極技【ハードプラント】を使ってきた。

 

 正真正銘の【くさ】タイプ最強奥義。

 地面から出てくる巨大な茨をフシギダネは避けることが出来ず、直撃。効果はいまひとつな筈だがフシギダネは瀕死寸前まで一気に追い詰められた。

 

 これはもうダメかと思っていると緑色のオーラを纏うフシギダネ。

 とくせいの【しんりょく】が発動したと喜ぶのだが、相手はフシギバナなので手放しには喜べない。なんとかしなければと色々と考えるが完全上位互換の為に閃かない。

 

 なにか秘策があるのかヤル気満々のフシギダネ。

 一か八かに賭けるのは嫌だ。8割の本気で2割の余裕を持っていたいが、そんなワガママを言える相手じゃない。こうなったらやるしかない。

 【しんりょく】で【くさ】タイプの技の威力が上がっているのならやるしかない。まだ殆ど完成していないがここで完成させてやるとオレは【ハードプラント】をフシギダネに指示。

 

 フシギダネもそれしか勝つ方法は無いとオレの指示に驚かず【ハードプラント】を使いフシギバナが出した茨よりも更に大きな茨を大量に出現させてフシギバナに叩きつける。【ハードプラント】を見たフシギバナは驚いた。最終進化系の草ポケモンしか使えない技をくらえば誰だって驚く。

 

 フシギバナに大きなダメージを与えることに成功はするが倒すことは出来なかった。

 本来は使えない技を使ったせいか思ったよりも体に限界が来ており立っているのもやっとなフシギダネ。大きなダメージを受けたものの、まだまだ戦ってられるフシギバナ。

 後で滅茶苦茶怒られるのを覚悟してリザードンを出すかと考えていると、フシギバナが自ら引いた。

 

 フシギダネがフシギソウに進化をせずにフシギダネのままで戦うという意思を認めた。

 本来は覚えられない【ハードプラント】を使ったことにより、進化をしろという考えを変えてくれた……しかし結果的には【ハードプラント】を覚えてフシギダネが今以上に強くなったので儲けものだがフシギバナに勝てていない。

 

 順調に強くなっているとはいえ、まだまだ未熟。

 ポケモンリーグを勝ち抜くにはフシギバナに勝てるぐらいにレベルを上げなければならない。早いところグレンジムとトキワジムを制覇してポケモンを集中的に鍛えたい。



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真の実力、ポケモン検定!

 カントーレポート49(激闘!ポケモン雛祭り!)

 

 なんか目覚めたら雛祭りだった。

 

 あ~はいはい。前回のクリスマス回と同じ季節回だなと納得。

 急に季節が変わったことについてセレナは特に気にしておらず、雛祭りだからと何故か張り切っており、お雛様の格好をして写真を撮るコーナーにオレを誘うとお内裏様の格好に着替えさせられた。

 

 セレナの和服姿……ありがとうございます!!

 

 こうやってセレナとイチャつける事には感謝をしなければならない。

 今のところはやりたいことは見つかってないからオレの挑戦を全力で応援してくれサポートしてくれるセレナ様々だ。

 

 お雛様とお内裏様の格好での写真撮影が終わると雛人形一式が景品のポケモンバトルの大会が開催される事を知ったセレナ。欲しいと言い出した……いや、驚いた。

 ちゃんとした雛人形一式で階段とかセットでついていて幾らすんだろうと値段を見ると目玉が飛び出すかと思うぐらいに値段が高かった。こういうのが一生どころか世代を継ぐ物なのはよく理解した。高すぎる。

 

 そんな高い物をゲットすることが出来る大会が開かれて飛び入りのエントリーも出来るのでヤル気満々のセレナ。

 出場するには4体のポケモンが必要でセレナが持っているのはフォッコのみ。前回のポケモンコンテストの様にポケモン1体でどうにか出来ることでないのでオレにポケモンを貸して欲しいと頼み込む。

 

 そんな頭を下げなくても貸すつもりだったのでモンスターボールをセレナに渡す。ありがとうと抱き着くがそれは優勝してからだ。

 

 既に出ているピカチュウを除いた面々をモンスターボールから出す。

 食事時でもないのに一度に全員を出したとは何事かとなる一同、既に事情を知っているピカチュウが具体的になにをするのか説明をしてくれ、オレが「セレナの言うことを聞かなかったら分かるよな?な?」と軽く頼む。

 

 オレの頼み方はさておいて、ちゃんと言うことは聞いてくれそうなポケモン達。

 オレのポケモンは貸してはやるけども、具体的になにをどうすればいいのかは教えない。これはあくまでもセレナの戦いで、オレの戦いじゃない。セレナがある程度は自力で勝ち取らないといけない。その辺りは厳しめだ。

 

 

 物理攻撃防御も素晴らしく、ハードロックで4倍弱点も軽減出来るドサイドン

 

 初心者用のポケモンだが、既にそのレベルは初心者を遥かに越えているフシギダネ

 

 【みず】と【ドラゴン】の複合タイプで弱点をつかれにくいキングドラ

 

 リージョンフォームを除けば唯一の【ゴースト】タイプでレートでもよく見るゲンガー

 

 言うことを聞くようになってから敗北どころか苦戦する試合は皆無、エースのリザードン

 

 御存知、ポケモン界の顔。オレが育てたことにより通常よりも遥かに強くなっているであろうピカチュウ

 

 

 今ここにいるのはこの6体だが、他にもまだいる。

 

 29体もゲットしたけど一度も手持ちに加えていないケンタロス

 

 オーキド博士に送りつけて匂いを除去してもらっているベトベトン

 

 三色パンチを使いこなすオコリザル

 

 空を飛べないが跳ぶことは出来るドードリオ

 

 まだまだ居るけどもどうする?と訪ねる。

 真剣にポケモンを選ぼうとするセレナ。相手が誰か分からないポケモンバトルに使うポケモンを選ぶのは頭を使う。ジム戦ならば対策したりすればいいが、それ以外だと頭を使う。

 

 ポケモン達もオレの指示でのバトルではないとは言え選んで欲しいと言う気持ちはある。

 ドサイドンは角を回転させ、リザードンは炎を吐き、ゲンガーはシャドーボールを作るのだが、最終的に選ばれたのはピカチュウ、キングドラ、フシギダネの3体だった。

 

 まぁ、当然と言えば当然かもしれない。

 フォッコを使ったバトルとかやってたりはするが、重量級や体格のデカいポケモンでのバトルはやったことは無い。

 

 選ばれなかった3体は落ち込んでいるが、それはしゃあねえとボールに戻してエントリーしに行くセレナ。

 すると、そこには大量の荷物を持ったケンタと満面の笑みを浮かべているマリナがいた……ケンタ、哀れなり。

 

 相変わらずなんだかんだ言いながらも一緒なんだなと思いながらも出場をするのか訪ねてみると頷くマリナ。

 ケンタは荷物が更に増えることを嫌がっているが雛人形は欲しいとマリナは絶対に譲らず、参加をするポケモン達を登録する。諦めるしかないぞ、ケンタ。今回オレとケンタは外野なので試合を見守る事に。本音を言えば、オレ、バトルしたいんだがな。

 

 セレナの一回戦の相手の1体目のポケモンはキングラー。

 カントー地方の大会だからか、ジョウトとかのポケモンは出てこないなと試合を見守る。

 

 最初にセレナが出したのはピカチュウ。

 セオリー通りで攻めてきたかと審判による試合開始の合図があるとピカチュウに【10まんボルト】を指示。

 鈍足なキングラーに命中して1発KO。育てが違うんだよとそのまま2体目のカラカラが出てきたのでポケモンを変えるかと思ったら続投で【なみのり】で蹴散らす。

 

「ポケモンリーグ優勝を目指して頑張ってるトレーナーのポケモンと偶々開催される街の大会に出るポケモンじゃレベル差が激しすぎるな」と冷静に分析するケンタ。お前もなんだかんだでこの世界に馴染んでるな。

 ケンタの分析は正しく、この大会に出ているトレーナーのポケモンとは大きなレベル差があり残りの2体であるカイロスとラッタも技をぶつけるだけで勝利をする。

 

 ピカチュウが4タテをしてくれるのは素直に嬉しいが次の試合、マリナの試合でマリナはオーダイルを使って4タテした。アイツも伊達にリーグを目指しているトレーナーじゃないなとレベル差を感じる。

 

 予想通り決勝戦に駒を進めるセレナとマリナ。どちらかと言えばマリナの方が有利だが、勝てないわけじゃない……そう思っていたんだがな。伊達に転生者(ケンタ)と一緒になって旅をしているわけじゃない。

 

 マリナのオーダイルに対してピカチュウを出すセレナ。

 タイプの相性ではピカチュウが有利と思えたのだが【じしん】を使ってくるオーダイル。やっぱり相性を突いてきたが、【じしん】対策を知っているセレナはピカチュウに【たたきつける】で地面を叩いて高く跳んで【じしん】の衝撃波を避ける。

 

 よっしゃ!と小さくガッツポーズを取るのだが横でケンタが「どう転んでもオーダイルに美味しいな」と言い出した。

 まさか、この展開を読んでいたのかとマリナを見るのだが驚いている。ハッタリかと思ったが、マリナは慌てず【ハイドロカノン】を指示して空中で身動きが取れないピカチュウに命中させる。

 

【じしん】の衝撃波からの【ハイドロカノン】は確かにどっちに転んでも美味しい。【みず】タイプの技で最も威力のある技で【でんき】タイプには効果は普通の為に一撃でやられるピカチュウ。一撃でやられたことはセレナもショックだったがバトルはまだまだ続いている。

 

 今度はフシギダネを出すセレナ。

 この大会で一度も出していないので情報は無いから多少の有利は取れるか?と見ていたが甘かった。【りゅうのまい】を覚えてた。この世界で積み技使う奴、あんまいないし【つるぎのまい】でなく【りゅうのまい】だから容赦が一切無い。

 

【りゅうのまい】をどういう技かは知らないが攻撃技でないと知ると速攻で決めに掛かるセレナ。【ギガドレイン】で体力を奪いにいくのだが、一撃で倒すことは出来ず【りゅうのまい】が積まれていく。ケンタは「経験の差だな」と倒すことを選んだセレナのミスを気にする。

 

【りゅうのまい】で素早さと物理攻撃力を上げていて無防備な状態ならば粉系の技をぶつけて弱体化させるべきだった。後になって言うのは水掛け論かもしれないがセレナの焦りも分からないものじゃない。

 AだけでなくSも上がったオーダイル。そこから放たれるのは冷気を纏った【れいとうパンチ】。進化と言うアドバンテージもあるが【りゅうのまい】もあってか技の威力が半端でなく、これまた一撃でやられる。

 

 積みまくった状態のポケモンを相手にするのは一苦労だ。

 かそくバシャーモとかいう一種のあくまを思い出しているとセレナはキングドラを出す。ジョウト地方のトレーナーだからかキングドラには驚かないマリナ。とはいえ、こいつならば積みまくったオーダイルに勝てる……と思ったらオーダイルを戻した。

 

 積んでいて素早さもパワーもあるのに戻したということはそれ以上の価値を持つポケモンが控えているということだ。

 プクリンとムウマージとオーダイルしか見ておらず4体目が控えてるからそいつかなと思っているとマリルリが出てきた……見た瞬間、ケンタを見てしまったオレは悪くない。

 

 マリルリと言えばあの戦法。

【はらだいこ】で限界まで攻撃力を上げて【アクアジェット】で先手を取って一撃で倒す。ケンタにゲームでやられて若干泣きそうになったあの戦法だ。

 

 オレの読みは的中し【はらだいこ】でAを限界まで高めるマリルリ。狙えるのは一回のみ。

【りゅうのいぶき】を使うのだが、フェアリータイプがあることを知らなかったので効果が無いことに驚く。そして【じゃれつく】がじゃれついているようには見えなかった。

 

 キングドラは一撃で倒され残すところはフォッコのみだが、肝心の相手はマリルリだ。セレナは諦めずに立ち向かうものの【アクアジェット】の前にはなす術はなく、一撃で倒された。

 

 勝つ奴が居れば負ける奴も居る。それが勝負の世界だ。

 頭では分かっているつもりだが、いざ負けを見るとなんとも言えない気持ちになる。決勝戦まで順調に勝ち進んでいただけあってかセレナの敗北のショックは大きい。

 

 マリナが優勝したことを称えなければならないが悔しがっているセレナを抱き締めるのが最優先だ。

 ピカチュウ達も必死になって戦ってくれたのでよくやったとは言うのだが、普段から勝利し続けてるので敗戦のショックは大きい。

 

 一方のマリナは勝てた事を喜びケンタに褒めてと言わんばかりにアプローチをする。

 鬼かなにかなのか「サトシが相手だったら結果は違ってたかもな」と言いやがった。後で「一個ぐらいは言うこと聞いてやるよ」と変なデレを見せるとお雛様とお内裏様の格好で写真を撮ってほしいと頼まれた。愛されてますな。

 

 しかし、セレナの沈み具合が半端じゃない。

 ケンタの奴が言った一言もあるのだが負けたことがよっぽどショックだったのか、今こうして日記を書いているオレの背中に無言で抱きついている。オレはセレナに対してなにか言おうにもいい感じの言葉が見つからない。

 こういう時にアイツだったらマイペースに言うんだろうなと友人の事を思い出すが、アイツはこの世界にいるかどうか知らん。できれば居て欲しい。

 

 

 カントーレポート50(限界を今越えろ)

 

 昨日の敗戦のショックを引き摺りっぱなしのセレナ。

 気にするななんて軽い言葉を掛けてはいけないのは何となくで分かっているが、どうしたものかと思っていると「バトルノートを見せてくれない?」と頼んできた。

 

 オレはポケモンバトルで学んだことや経験を色々とノートに纏めている。

 それを読みたいらしくセレナなら見せても問題ないんだが、それとは別の問題がある。バトルノート、日本語で書いている。かれこれ数年はこの世界にいるのでこの世界の文字は完璧に書けるのだが、それでもついつい日本語を書いてしまう。

 

 日本語が読める=日本人、つまり転生者が居るからだ。

 読めないノートを渡しても意味はなく、暗号化していると適当な事を言って一応見せる。この世界の文字でないのでセレナは読めないので代わりに読んでると段々と落ち込んで最終的には涙を流すセレナ。

 

 なにか悪いことを、気付かぬ内にデリカシーを欠いてしまったのかと慌ててると「そうじゃないの」と否定するセレナ。じゃあなんだと思っていたら「サトシが此処までやってるのに簡単に勝てるって思った自分が情けないの」と言う。

 どうも昨日の大会でポケモンバトルをコレならイケると軽い気持ちを持っていてマリナにボコボコにされてからのケンタのあの一言が効いたみたいだ。

 

 ポケモンバトルを軽く見ていた事をオレの数冊のノートを見て深く反省するセレナ。

 オレの余裕とかはこういう努力が裏打ちされているからだと納得をしてくれるが、こういう努力をしている奴は他にも居る。具体的には未来で会う事になるであろうショータくんとか。

 とはいえ、負けたショックは大きい。どんな綺麗な言葉を纏めてもその事実に変わりは無い。なにかありがたい言葉を送れるほどオレは高尚な存在ではない。やれる事は1つ、ポケモンバトルだ。

 

 フォッコを出すセレナに対し、リザードンを出す。

 炎系の技では効果はないと読んだセレナは【ひっかく】を指示するがリザードンは空を飛んで避ける。空を飛べるアドバンテージに対し【サイケこうせん】で対抗するが簡単に避けるリザードン。

 

【かえんほうしゃ】を撃ったところで跳ね返されると考えるセレナは諦めの色が見え始めるがフォッコが吠える。諦めないと。

 

 やる気があるのは結構だが気持ちだけだと意味がない。オレはリザードンに【りゅうのいぶき】を指示して咆哮で攻撃をし、息吹がフォッコの目の前に迫ると障壁が出現。この土壇場でフォッコは【ひかりのかべ】を覚えた。土壇場になって技を覚えて成長をするからポケモンバトルは楽しい。

 

【ひかりのかべ】を貼って必死になってリザードンの攻撃に抵抗するフォッコを見て立ち上がるセレナ。一度や二度の負けで悔やんでいたら、この先の負けで挫折してしまう。自分のやりたいことはまだ決まっていないが、それでも前に進むんだと決意を新たにすると気持ちに答えると言わんばかりにフォッコはテールナーに進化を果たす。

 

【ひかりのかべ】を覚えているからレベルは充分だと思っていたが、今此処で限界を越えてきたか。

 テールナーに進化したフォッコは新しく【めざめるパワー】を覚えており、リザードンに命中させると苦しむリザードン。進化したてとはいえ苦しむ表情を浮かべるのは【いわ】か【でんき】か【みず】のどれかだろう。

 

 セレナはもう立ち直った。テールナーと共にオレに挑むので、オレも本気で答える。

 限界を越えてフォッコはテールナーに進化をしたのだから、こちらもそれ相応の事をしなければならない。となれば、やっぱり【ブラストバーン】だ。まだ完璧に使いこなせていないが、今使いこなせないとサトゥーシくんじゃない。

 

 地面から溢れんばかりの炎を出現させ、炎の柱を作り出してテールナーを飲み込み一発KO。

 倒しておいてなんだが、こういう時はセレナに花を持たせる方がよかったのかと若干後悔していると「やっぱりサトシは強いわね」と満面の笑みを浮かべる。

 

 落ち込んでいたセレナが立ち直り、フォッコはテールナーに進化。オレのリザードンは【ブラストバーン】を完璧にマスターして至れり尽くせりの満足な1日だった……そしてこの日記を書いている今もセレナは背中から抱き付いてきている。う~ん、結果オーライ。

 

 

 カントーレポート51(ポケモン検定試験)

 

 またバトルノートを見せてとセレナに頼まれた。

 別に何度見せても構わないが、セレナはポケモントレーナーに転向するのか?と思っていると「サトシって意外とこういうところはしっかりしてるのよね」と感心をしてくれるセレナ。

 それは遠回しにオレの事をバカだと言ってるのかと思うが、日頃の行いや脳筋染みた行為が多いのでバカだと思われても仕方ない。セレナはオレのしっかりとしている部分を見て感心してくれるし結果、オーライ……と言いたいんだがな。

 オレのレベルで褒めるとなると、ケンタの方が遥かに凄い。ポケモントレーナーとしてどちらが上なのかはちゃんと育成したポケモンでバトルをしなければ分からないのだが、知識としてはアイツの方が上だろ。色ち理想個体パーティを用意するとか普通にやってくるんだから。

 ゲームのやり具合とか知識とかそっち方面なら軽々と上回ってる。セレナからすればどっちもスゴく見えるんだろうが、オレとケンタじゃケンタの方がトレーナーとして知識が上だ。

 

 ゲームとこの現実じゃ違いが大きくあるのは理解しているが、それでも充分なアドバンテージになる。

 

「サトシなら検定試験を合格できるんじゃないかしら?」とポケモンリーグ検定試験なるものが行われる事を教えてくれるセレナ。今の自分がトレーナーとしてどれだけなのか知るのにちょうど良い機会なのかもしれない。

 ポケモンリーグ検定試験場に足を運んで早速参加。受験番号は7。縁起がいい。

 

 ポケモンリーグ検定試験は筆記と実技に分かれており、先に筆記の問題をすることに。その間は自分のポケモンを預けておかないといけないので試験官にピカチュウ以外を、ピカチュウをセレナに託していざ勝負……なんだがな。

 

 ポケモンバトルに関する知識が問われると思ったら、それ以外の知識が多く問われる問題が多かった。ベロリンガの舌は体の2倍の長さがあるとかサワムラーはパンチの鬼と言われているとかのバトル以外の問題が多く運転免許取得する時にする○×問題で次はシルエット問題。

 

 上から見たプリンなんて分かるかボケ。問題作った奴、出てこい。あんなもん引っ掻けでもなんでもないからな。

 

 H91 A134 B95 C100 D100 S80

 

 こいつは誰だ?的な問題とか

 

 いじっぱりの性格はなにが伸びてなにが伸びにくい?

 

 かいりきバサミの特性を持ったポケモンが草むらで【いあいぎり】をするとどうなる?

 

 とかを期待していたが、それはあくまでもゲームの問題であり現実の問題じゃない。上から見たプリンはふざけんな。

 

 筆記試験の結果は【よくできました】、【たいへんよくできました】は無理だ。と言うか、シルエットの上から見たプリンを当てれた奴がいるのか?

 

 筆記試験はなんとも言えない微妙な形で終わり、続くは実技試験。

 3つのモンスターボールの入ったベルトを選んで試験官と戦う、要するにバトルファクトリー的な事をする。バトルファクトリーと違ってどんなポケモンか事前に知ることが出来ず、ポケモン図鑑の使用も禁止だ。

 

 こういうのならば大得意だ。

 ポケモンが入ったベルトを選べるが中に入っているポケモンが分からない。どうしたものか。波動を使って試験官の思考を読み取るなんて事をするのは普通にずるいし何より気持ち悪くなる。

 悩んでいても仕方がないので、適当に選び試験官とのバトルをはじまる。試験官もレンタルポケモンでなにが出てくるかは分からない。

 

 先攻はオレからで、頼むから極端な性能なポケモンが来るなと祈りながら出すとギャラドスが出てきた。

 試験官も後からポケモンを出すと出てきたのはガラガラ。タイプ相性の上ではこっちが有利だが、そういうのを含めた上での試験だ。油断は出来ない。

 

 とりあえず【たきのぼり】でやっつけてやる!と【たきのぼり】を指示するのだが、なんと使えなかった。

 おいおい、【たきのぼり】は第一世代からある技だが使えなかった。ギャラドスには【たきのぼり】だろうと思っていると【いわなだれ】で攻撃してくるガラガラ。

 このままだとこっちが負けてしまうと【ハイドロポンプ】を指示すると口から激流の咆哮を放つ。

 

 試験官は試験用に充分育てたポケモンと言っていたが、【ハイドロポンプ】=最強じゃないんだ。

 やっぱりゲームとアニメでは違うと感じつつもなんとか倒すことに成功するが、まだ浮かれることは出来ない。試験官の2体目のポケモンはレアコイル。

 

 ガラガラと違い【ハイドロポンプ】は手応えが薄い。

【じしん】を試してはみるものの覚えてはいない。完全に特殊で育ててるなと【かえんほうしゃ】を指示してみると使ってくれた。試験官も「ギャラドスが【かえんほうしゃ】を使えることをよく知っていたね」と感心をしてくれるのだが、レアコイルは一撃で沈まず【10まんボルト】で倒される。

 

 是非もなし。足掻けるだけ足掻いたので出てこい2体目のポケモンと出てきたのはゴローニャ……アローラのゴローニャだった。試験官が「お、当たりを引いたみたいだね」とニヤニヤしていた。何処が当たりなんだろう。

 普通のゴローニャならよかったがアローラのゴローニャなので迷いなく【10まんボルト】で攻撃するレアコイル。こちらも負けじと【10まんボルト】で対抗してみるがレアコイルの方がパワーが強いのか押される。

 

 アローラのゴローニャ、まともに使ったことないんだよな。

 アローラのゴローニャでの戦闘方法をあまり知らないので無理に電気技を使わず【じしん】を撃って衝撃波をぶつけてレアコイルを倒す。

 

 これで残すところは後1体、勝利すれば筆記の遅れを取り戻すことが出来る。

 3体目はなんだと待ち構えているとニョロボンが出てきた……開始と同時に「ゴローニャ、【だいばくはつ】」と言ってやった。真正面からやってもやられてなにか分からない3体目に賭けるのは怖いのでやれる事はやってやる。

 

 試験官に対し2体のポケモンで勝利した。

 最後の【だいばくはつ】でお前マジかという受験生の視線を受けまくったが、一時期ポケモンのオンライン対戦で【だいばくはつ】しまくるパーティで荒らすだけ荒らしたKUZUじゃない。

 

 爆発という美しさを見せつけ、残すは一体となり大勝利。筆記試験で落とした分はこれで回収することが出来る。

 オレが【だいばくはつ】で勝利した事で若干の気まずさもあるが、そういう手もあるのかとマタドガスでやる奴が出たが気にしない。

 

 全受験生の筆記と実技を終えて、結果発表。

 結果は合格だった……うん、まぁ、合格だった……。

 

 

 

 

 この試験、合格したらバッジ集めをせずにポケモンリーグ・セキエイ大会に出場出来る。

 

 

 

 

 どちらかと言えば簡単な内容であり、こんなんでポケモンリーグに出場して大丈夫なのだろうか?いや、負けたくないし勝てる相手が出てくるならそれはそれで構わない。

 クチバのジョーイさんの妹(ジョーイさん)もなんか受験してて合格をしていた。これはあれか、セキエイ大会でラッキーとかいう耐久悪魔が出てくるのか?

 

 これで後はセキエイ大会を待つだけで結果的にバッジを集めなくて済むようになった。

 けど、残り2つでバッジが8つになるし、グレン島行きの船がある港町までもうすぐだしこのままジムを制覇して回ろう。練習もいいが、実戦の方がオレに向いている。

 

 しかしポケモンリーグにジョーイさんが出場してくるのか……ある意味、強敵だな。



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決戦!グレンジム

 カントーレポート52(燃えろ!グレンジム)

 

 遂にやってきたグレンタウン。

 火山の直ぐ側にあるこの街。観光地としても有名な街らしく温泉がそこかしこから涌き出ている。

 そのせいかグレン島行きの船には観光目当ての人ばかり。

 

 しかし、オレの目的は既に決まっている。グレンジムのジム戦を受ける。

 原作知識と事前の情報収集でグレンジムのジムリーダーであるカツラが経営しているペンションを探り当てて宿泊の予約をしている。

 

 荷物をペンションに置いて早速ジム戦だと町の掲示板に書いているジムがある場所に行くとジムと思わしき場所が潰れていた。

 これも原作知識であったことでこれからどうすべきかと考えているとジムリーダーのカツラさんと思わしき人が声をかけてきて、観光客が観光ついでにジムの挑戦をするので嫌気がさしたと教えてくれる。

 

 オレは観光目当てでなくジム戦が目当てだ。

 その事をカツラさんに証明すべくグレー、ブルー、オレンジ、レインボー、ピンク、ゴールドの計6つのジムバッジを見せる。遊びで挑戦するのでなくマジで挑戦をする。その為に長い長い道を通ってきたんだ。

 

 熱意が通じたのか「ついてきなさい」と言うカツラさん。

 ペンションの温泉に連れてきたと思えばマーライオンの如くお湯を出すギャラドスを動かすと仕掛けが作動して火山に続く洞窟が出現。よっしゃとこの展開を待ち望んでいたとガッツポーズを取る。

 

 カツラさんに案内をされるのだが段々と暑くなってくる。

 マサラ人として充分鍛えているのにくっそ暑い。セレナも滝の様に汗を流しており、まだかまだかとつい、言ってしまう。

 

 洞窟の奥についていくと鉄で出来た扉があり、そこを開けば四方に鎖で繋がれた溶岩の上にあるなんとも危険なバトルフィールドがあった。ジム戦はそれぞれがそれぞれに有利なバトルフィールドを用意して戦っているがこれはないだろう。

 一歩間違えれば溶岩だし、シンプルに暑い。このバトルフィールドは無いんじゃないかと抗議をしてみるが「私とのバトルは暑くて熱いものなんだよ」と言う。歳食って、気温の感覚がボケているのだろうか?

 

 下手すれば日照り状態よりも酷いフィールドであまりの暑さに冷静さを欠く……盤外戦術ってこういうのを言うんだな。

 

 今までとはまた別の脅威を感じながらも公式のジム戦がはじまる。

 使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみのオーソドックスなバトルでカツラさんが最初に出したのはキュウコン。事前の情報通りで、この日の為に鍛えておいたキングドラを出陣。

 

「セオリー通りで攻めてきたか」と特に慌てる素振りも珍しいポケモンを見たという素振りも見せないカツラさん。開幕は【なみのり】だと津波を出現させるのだがキュウコンは【かえんほうしゃ】で津波を焼き付くす。

 

 シンプルにキュウコンの【かえんほうしゃ】の威力が半端じゃない。

 しかし、オレのキングドラだって鍛えていて生半可な【かえんほうしゃ】でやられる様な技を撃つ様には育てていない。なにかタネがある筈だと【ハイドロポンプ】を撃ってみると【かえんほうしゃ】で相殺をされる。

 

 嘘だろと冷静に状況を判断しようとするのだがこの暑さだとどうも上手くいかない……そう、この暑さだ。

 一寸先は溶岩地帯のこのバトルフィールド。洒落にならない程に暑く、日照り状態よりも酷い大日照り状態、いや、それ以上の熱気を放っており、それが【みず】タイプの技の威力を激減させる。

 

 タネさえ分かればこっちのものだ。【あまごい】で雨状態にすればフィールドは冷えて此方の有利になると【あまごい】を指示をするのだが笑うカツラ。「果たしてそう上手くいくかな?」と言う。

 なにかミスでもしたのかと雨雲を起こして雨を降らせるキングドラ。これでと思った矢先に雨雲が消えていく。

 

「普通のフィールドならば雨雲を呼び雨を降らせて水ポケモンに有利な展開になる。しかしここはグレン島の火山の中、この熱気はグレン島の火山そのものから出ている。1ポケモンが呼び起こした雨雲程度、一瞬で消せる」ととんでもない事を言う。おわりのだいちと似たような状態じゃねえか。

 

 暑さと意外な展開にテンパっていると何時の間にかキュウコンが光を集めており【ソーラービーム】を発射。

 キングドラに直撃をする……危なかった。他の水ポケモンなら戦闘不能だった。キングドラじゃないと絶対に立ち上がれなかった。

 くそ暑いから炎の威力増大、水の威力半減、しかし日照りじゃないので【ソーラービーム】とかの一部の技はそのまんま。フィールドの特性を何となくで掴みはじめた。

 

【あまごい】でフィールドの優位性と【すいすい】のコンボが使えず参ったなと困るが、なにもキングドラは【みず】タイプの技だけじゃない。【ドラゴン】タイプでもある。

【りゅうのいぶき】を吐くとフィールドのお陰もあるのか何時もよりも威力があり、キュウコンにダメージを与える……けど、これじゃ足りない。

 

【りゅうせいぐん】をぶっつけ本番でやれるほど甘くはないし、【りゅうのはどう】はまだ使えない。

 キュウコンを倒すためには水系の技でダメージを与えるしかない。

 

 少し手法を変えてみるかと【バブルこうせん】でフィールドを泡で埋め尽くそうとしたのだが、熱気でパンパンと割れていく。キュウコンはその隙を逃さず【かえんほうしゃ】で攻撃をしてくるので【ハイドロポンプ】で打ち消す。

 

 打ち消した際に湯気が出たのでこれだと閃いた。

 やったことはない。しかし、何時かは覚えさせなければならないと思っている技が1つあると【ねっとう】を指示。

 今までやったことが無い技なのでキングドラは戸惑うが「熱い湯を出せばいいだけだ!」とフォローする。やったことはないが覚えると言う事は知っている。

 

 一か八かの【ねっとう】は未完成で、熱湯とは呼びにくいものだがそれでも熱い湯には変わり無い。

 フィールドは【ねっとう】が出した蒸気に包まれており、一直線にしか攻撃出来ていなかったキュウコンは何処だ何処だと探している隙に【なみのり】でキュウコンを飲み込み、戦闘不能にする。

 

 タイプの上ではこの上なく相性がよかったが思ったよりも簡単に勝てず心のゆとりが少しずつ減る。

 キュウコンを戻したカツラが出したのはサイドンだったのでここは万が一をも想定してキングドラを戻してドサイドンを出す。

 

 

 ドサイドンを見てカツラは驚く。第四世代のポケモンで名前からもしやと聞いてくるので進化系だと答えておく。

 サイドンはまだまだ成長できる事を喜んだところで試合は開始。【とっしん】で攻めてくるので、あえて避けることはせずに堂々と真正面から受け止める。

 

 サイドンとドサイドン。

 進化前と進化後のポケモンにある差はとても大きく、攻撃を受け止められた事に驚くサイドン。ドサイドンを押そうとするが押すことは出来ず、大きな隙が生まれたと【つのドリル】で一撃で倒す。

 

 キュウコンの時と比べてあっさりと倒せてガッツポーズを取るのだが、最後はここからだ。

「ここまでの戦い、見事だったよ」と素直に誉めてくれるカツラだが、マグマがブクブクと言い始める。これは来るなと察して少しだけ距離を取るとマグマの中からブーバーが現れた。

 

「これが私の切り札のブーバーだ!」とドヤるので「切り札ならこっちだっているんだ!」とドサイドンを戻してリザードンを出す。

 

 

 進化してからどいつもこいつも弱くて自主トレばかりのリザードン。

 今回は良い相手が見つかったと燃え上がり高らかと咆哮するとブーバーの目付きが変わっていき、互いに臨戦態勢に入る。

 

【かえんほうしゃ】を同時に撃つ。

 パワーの方は互角なのか押し合いにはならず軽く爆発をして煙がフィールドを飲み込むと【スモッグ】で毒ガスをばら蒔いたので翼で扇いで毒ガスを押し返す。

 

 互いの十八番である【かえんほうしゃ】はぶつかり合い、相殺に終わった。

 ここからは他の技も重要になってくると思っていると【だいもんじ】を放つ。いくらフィールドが炎に有利でもリザードンを相手にそれは無茶な物でリザードンは真正面から【だいもんじ】を受け止めて投げ飛ばすと大中小と炎の形が変わって消える。

 

 しかし、これ自体がカツラの罠だった。

 カツラはリザードンとの距離を詰める事こそが真の目的で、【だいもんじ】を投げ飛ばすまでの間にブーバーはリザードンの目の前に行くことに成功した。

 わざわざ距離を詰めて来たと言うことはまさか!と思うとそのまさかは当たる。電撃を纏った拳をリザードンに振るった。

 

 キュウコンの【ソーラービーム】といいブーバーの【かみなりパンチ】といい対策はバッチリのようだ。

 流石にこれは予想外だったので苦しむリザードン。距離を取ろうにもブーバーはしがみついてきて離れない。距離を取られれば負けるのだろうと感づいている。

 

 だから、それを逆手に取ってやる。

 リザードンは空を飛んでグルリグルリと旋回をすると掴まっていたブーバーが目を回して手を離すので、今度は此方が手を掴んでグルリグルリと円を描く様に飛んで一気に地面に叩きつける。

 サトシのリザードンの十八番である【ちきゅうなげ】を用いて勝利した。

 

「熱いバトルだった!」と良いバトルが出来たことを喜ぶカツラさん。中々にヒヤッとしたバトルが出来たのは良い経験になったのだが、とにもかくにも暑すぎる。

 クリムゾンバッジを貰って早いところ退散をしようと思ったけども、暑さの方で限界が来たのかセレナに向かって倒れ込みペンションで意識を起こす。

 

 カツラは申し訳ないと謝ってくれ、明日グレン島の温泉を使うと良いと言ってくれた。

 

 こういうところでセレナとお風呂に入ることになるとは……ありがとうございます。

 

 

 カントーレポート53(燃え上がれ!グレンジム)

 

 折角、グレンタウンまで足を運んだのだからと観光をすることに。

 珍しいポケモンを扱っているポケモン研究所とかポケモンの研究をしていた研究所の跡地とか色々と見て回り、待望のお風呂である。

 

 お風呂用の水着は遊ぶ時の水着と違ってスポーティーなタイプであり、発育の良いセレナなのでオレの目には毒……しかし、毒も用法を守れば薬となる。

 何故か垢擦りでなく体に石鹸を塗りたくるセレナ。これはちょっと大人の階段が昇れるのかと思っていると「おまっ、お前等なにやってんだ!?」と顔を真っ赤にさせながらツッコミを入れるケンタ。

 

 お前、オレとは別のルートを使ってるのになんでオレの方が先にグレンジムに辿り着くねん。

 

 オレよりもバッジ集めの旅が順調でないので些か心配だ。

 顔を真っ赤にしているケンタに「お前等、10歳だろう」とツッコミを入れられたので「10歳であの発育だぞ」と言い返すと更に顔を真っ赤にする。下ネタの耐性が低い男よのう。マリナとセレナはどっちもボンキュボンだぞ。

 

 セレナがマリナによりケンタをデレさせる方法を聞いていると「ジム戦、どうだった?」と訪ねるケンタ。

「後はグリーンバッジを手に入れればポケモンリーグに出場できる」と言うと考え込む。バッジの数が足りないから間に合わないのを心配してるんだろうか?

 サトシくんがバッジを集め終えてマサラタウンに帰省した時には残り2ヶ月と言っていたし、最悪アニメオリジナルのジムに挑めばどうにかなるから集めきれなくて終わりは無いだろう。

 

「俺のジム戦を見ていってくれ」と頭を下げるケンタ。

 一応はライバルなのに手の内をさらけ出してもいいのかと思ったが「お前が見てる方がよりプレッシャーが掛かっていい」と自分を追い込む為だった。だったら、オレはサウナでも洒落混むかとケンタのジム戦を見物することに。

 一応はカツラにも許可を取ってある。

 

 ルールは昨日と同じく使用ポケモン3体のシングルバトル。

 手持ちの交換はケンタのみで、昨日と同じく最初に出てきたのはキュウコン。予想通りと言わんばかりにケンタはニョロトノを出したので「昨日の子と同じだな」とカツラは笑う。

 

 一方でニョロトノの特性である【あめふらし】が発動し、雨雲が出現をするのだが直ぐに消え去る。

 このクソ暑い中では雨雲が全く作れない事にケンタは衝撃を受ける。【あめふらし】から色々とコンボを考えていた様だがそれら全てが崩れ落ちる。

 

 これはまずいと思ったのかニョロトノを戻すケンタ、二番手も相性のいいウソッキーだった。

 昨日の試合を見ているだけにウソッキーが出てきてもそうかと納得は出来ない。真正面から【かえんほうしゃ】を吐くキュウコン。ウソッキーは真正面から受け止めるが苦痛の表情を浮かべる。

 

 日照りに似たフィールドで相性がいいとはいえ【かえんほうしゃ】を受けるのは無理がある。

 大きなダメージを受けながらもウソッキーは【いわなだれ】でキュウコンの真上に岩を雪崩落として倒す。

 

 肉を切らせて骨を断つと言ったところか。

 なんとか倒すことは出来たが、代わりにやけど状態になったウソッキー。次はどう来るかハラハラしているとマリナが「ケンタなら大丈夫よ。こんなギリギリの中でも勝ってきたんだから」と言う。

 

 ケンタの事を物凄く信頼しているんだと思ったが「次はマリナの番よ」とセレナが言うと「だから、敵情視察してるの」と返す。ケンタが最初に挑み、マリナはその戦いから色々と学習をする。意外と考えられてる。

 

 キュウコンを倒されたカツラの2体目は昨日と同じくサイドン。

 ニョロトノに交代するかと思ったが、交代はせずそのまま続行。昨日と同じく【とっしん】で攻めてくるサイドンに対して【けたぐり】で転ばせる。

 

 重ければ重いほど、威力の上がる【けたぐり】で100kgを越えるサイドンには大ダメージ。

 しかし、やけどの影響もあってか立ち上がってくるサイドン。物理攻撃と防御に関してはとても高い種族値を持っているので物理攻撃で倒しきるのは難しい。

 

【けたぐり】で大ダメージを受けたものの立ち上がったサイドン。下手に近付けば負けるので距離を取り【じしん】を巻き起こす。

 触れない、物理攻撃、広範囲、【じめん】タイプと四拍子揃った技に対しケンタも【じしん】を指示。衝撃波を相殺しようとするが、やけど状態で威力が半減して相殺しきれずにウソッキーは倒される。

 

 昨日はドサイドンのゴリ押しで倒したけども、サイドンは侮れないな。

 

 3体目のポケモンにするのかと見守っているとニョロトノで挑む。

 まだ3体目が互いに控えているがカツラの3体目がなんなのかを知っているのでヒヤヒヤしていると開幕と同時に【みずてっぽう】を撃つニョロトノ。

 

 水対策は万全だ。そう言わんばかりにまさかの【なみのり】で【みずてっぽう】を完全に防ぐ。【なみのり】があれば大抵の技は防ぐことが出来る。これは泥沼試合かと予想するがケンタは動じない。今度はニョロトノに【れいとうビーム】を撃たせる。

 こんなくそ熱い中で【れいとうビーム】って大丈夫なのかと思ったが【なみのり】で対処しようとしたサイドンは乗っていた津波が凍ってバランスを崩し、転倒。その隙を逃さずニョロトノは【ハイドロポンプ】で倒す。

 

 流石はケンタ、やーるーと感心するのも束の間、ブクブクと音を鳴らすマグマ。「出でよ、ブーバー!」と昨日と同じくブーバーを出すカツラ。今までのポケモンもレベルが高かったが、このポケモンもレベルは更に高いと感じさせる覇気がある。

 

 どうやって倒すのだろうかと楽しみにしているとまさかの開幕【ほろびのうた】だった。

 セレナとマリナは「ええっ!!」となるがそれが1番の正解なのかもしれない。昨日のオレとのバトルと同じく【かみなりパンチ】を決めるブーバー。一撃で倒すことは出来ず【ハイドロポンプ】でダメージを与えるが倒せず、二撃目の【かみなりパンチ】をくらい戦闘不能。

 

 これで残すところケンタも1体。

 ケンタの手持ちはポケスペのゴールドの手持ちだったが、流石に6体だけで進んできたわけじゃない。なにが来るかと思ったら、まさかのバンギラスの登場だ。

 

 600族を隠し持っていたとは、わざわざ暑い中、試合を観戦して正解だった。

 バンギラスなら炎も雷も怖くはない。防御に関してはマジでとんでもない600族。ブーバーは【かみなりパンチ】で攻めてみるが対して効かず【だいもんじ】も完全に受けきられてしまい、バンギラスが攻めに入ろうとすると電源が切れたかの様に意識を落とし、戦闘不能に。

 

 グレンジムのジム戦はケンタの勝利で納まった……しかし、ケンタの表情はあまり優れない。

 出来ればニョロトノとウソッキーだけで倒したかったようで、バンギラスまで出してしまったのは自分の弱さだと嘆いていた。オレとしてはカントーのジムリーダーの中でもトップレベルに強い人に勝てただけでも充分に見えるが、まだまだらしい。

 

 なにはともあれ、バッジを手にすることに成功したケンタ。

 オレの時はどんな感じだったのかカツラに訪ねると真っ向からブーバーを叩きのめした事を知って悔しそうな顔をする。お前も勝ってるんだから、少しぐらいはと思ったがここはまだ予選の予選みたいなもの。

 

 オレと勝負して気を紛らわせるか?と訪ねると「こんなくそ熱い中でお前とバトルしたら二重の意味で死ぬ」と言った。やっぱ、火山の中でバトルするもんじゃねえな。

 

 最終的に全員で温泉に入って汗を流した。水着姿のマリナに迫られているケンタを見て、笑っているとセレナが瞳から光を無くした状態で「いいわよね」とだけ呟いていたので怖い。



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恐怖!最後のジムバッジ!

 カントーレポート54(帰って来た、マサラタウン)

 

 マリナのジム戦も見ていこうかと思ったが「んな、余裕があるならとっととミュウツーどうにかしてこい」と言うあまりにも他人任せな事を言ってくるケンタ。ミュウツーはあきまへん。

 

 温泉も満喫し、ポケモンだけでなくオレのリフレッシュも済んでいる。

 次に会うのはポケモンリーグの会場であるセキエイ大会だと船に乗り込み、辿り着いたのはマサラタウン……そう、マサラタウンだ。

 

 原作でも語られてはいないがちょくちょく出てくるマサラタウンの港に到着した。

 久しぶりのマサラタウンは空気が美味い。まっさらでなにもないからマサラタウンと言うが……相変わらずの田舎だった。いや、本当にマサラタウンを田舎扱いするポケモントレーナーが多いが、本当に田舎だ。田舎なのに空港と港があると言うのは謎である。

 

「ここがサトシの生まれ育ったマサラタウン」と目を輝かせているのはいいけれど、マサラタウンはなんにもないんだ。

 

 取りあえずはと帰ってくることが出来たマサラタウンはなんだか小さく見える。

 オレの体格が良くなったとかそんな感じでなく、とにかく小さく見えるようになったのは確かだった。オレも少しは成長したんだなと感慨に更けながらも実家に帰省。

 

 今まで一応はバッジを手に入れた報告はしていたので突如の帰省に「サトシ!」と驚くママさん。

 久しぶりの再会に親子の抱擁をしようとするのだが、ビンタをくらう。「帰ってくる時はポケモンリーグに出れる1人前のトレーナーになった時でしょ!」と真の一人前になってないのでご立腹の様子。

 

 

 何だかんだでバッジはまだ7つ、そりゃ怒るのも当然か。

 本音を言えば出したくはなかったが、ポケモンリーグ検定試験に合格をした証を見せるとビックリする。一応はポケモンリーグに出場は出来ることを教えると驚き「やったわね!」と自分の事の様に喜び抱き締めてくれる。

 

 シゲルも他に旅立ったマサラのトレーナー達もまだポケモンリーグに出場する事が出来る新人トレーナーはいない。

 オレが正真正銘の1番なのだが、笑顔が暗いことにセレナは気付く。そりゃそうだ……多分、明日ぐらいには聞いてくるんだろうな。取りあえず、ジムバッジをワックスで磨き家に忘れてしまったバッジケースに入れる。

 

 

 カントーレポート55(ヤケクソ、猛特訓)

 

 

「なんで1番最初にトキワジムに行かなかったの?」セレナに至極普通の質問をされた。

 この世界はゲームと違ってジムの順番とか決まっていない。ジムバッジをとにかく八つ集めればいいので、マサラタウンから1番近いトキワジムに挑むのが道理だと思うのは当然だ。

 

「トキワジムはカントーでも1、2を争うほどの強いジムで【じめん】タイプを専門としてる。ピカチュウを貰ったばかりの自分じゃ勝てないって判断して無視した」とそれっぽい理由を語る。

 実際問題、彼処はロケットコンツェルンのトップであるサカキがジムリーダーを務めていて、他のポケモンジムよりも難易度が高い。

 

「今のサトシなら勝てるんじゃないの?」と言うので首を傾げて悩んでいると「もっと自信を持って!ケンタが苦戦していたカツラさんにサトシは快勝したのよ!」とエールを送ってくれるんだが、そういう問題じゃない。

 

 トレーナーとして大分成長はしているし手持ちに余裕が生まれている。

 今が1番大事な時期で調子に乗ってしまえば大変な事になるのは目に見えているので、調子に乗らないようにはしている。此処で負けを知るか知らないかで変わるとかそんなんじゃない。一応は敗北の味は知っている。

 

 じゃあ、なにが問題かって言えばただ1つ。ミュウツーだ。

 

 多分、今のオレの実力ならトキワジムのジムリーダーが使う通常のポケモンだったら倒すことが出来る。

 ゲンガーにキングドラと毒と地面に強いポケモンは持っているし、色々と対策だって出来るし臨機応変に対応も出来る。

 

 しかし、たった1つだけ問題がある。 それは言うまでもなくミュウツーだ。

 これがゲームだったらまだどうにかする手段はあったんだろうが、アニメの世界だと伝説のポケモンとそうでないポケモンだと力の差が大きくある。

 

 バトルフロンティア編でリザードンがフリーザーに対して【かえんほうしゃ】を何発も当ててるのに、中々に倒れないのが一例だ。ゲームだったら10レベルぐらい差があっても、2発ぐらいで倒せるのにこの世界では伝説と言うだけで箔が付く。

 

 ミュウツーがジム戦で出てくる。

 話し合えばわかり合うことが出来る存在だが、この時はただの大量破壊兵器みたいなものだ。十中八九負ける。「そんなことを言うなんて、何時ものサトシらしくないわ!」と言ってくれるセレナ。こうなればヤケクソになるしかない。

 

 与えられた日は1日だ。この1日で全てをものにするのは不可能だろうが、やれることはやってやる。

 

 リザードン、キングドラ、ゲンガー、ベトベトン、ケンタロス、ドサイドン、ピカチュウ、フシギダネ、ドードリオの合計9体を鍛えれるだけ鍛えてみる。

 たった1日なので技の練習はしない。ある程度の技は使えるので一朝一夕で鍛えたところで直ぐにボロが出てしまう。

 

 セレナは「これならきっと勝てるわ!」と鍛えているオレ達に目を輝かせる。

 でも、ミュウツー1体でひっくり返るんだよな……オレもその内、何処かで伝説のポケモンでもゲットしてみようかな?GOくんがスイクンをゲットしたし、もうなんでもありだよな。

 

 

 カントーレポート56(トキワジム!カントー最後のジムバッジ)

 

 

 セレナを抱き締めて寝ているけども、ミュウツーの影に怯えてしまい一睡も出来なかった。

 やっべーよ、ミュウツースッゲーこえーよと怯えながらも向かうトキワジム。最初の時と比べて割とあっさりとトキワシティに辿り着き、トキワジムの門を叩く。

 

 トキワジムってすげえよ。ギリシャでよく見る感じの門番が入口に2人も立ってるんだ。

 一瞬、施設を間違えた?と思ってしまったけど「挑戦者か?」と聞いてきたので「そうです」と頷くと固く重い門が開かれる。

 

 事前の情報よりもミュウツーに怯えながらも奥に進むとバトルフィールドが見える。

 カツラのバトルフィールドがあれだった分、余計に普通に見える地面のバトルフィールドだった。

 

 フィールドより高い場所に座っているサカキは後光で姿は見えず「挑戦者か?」と今にでも牙突を撃ってきそうな声で聞いてくるのでやるしかないと覚悟が決まり「ここで最後のバッジだ!」とバッジケースを見せる。

 

「使用ポケモンは3、いや、4体のシングルバトル。交代はチャレンジャーのみだ」と勝負内容を提示するので乗ったと言えばモンスターボールを取り出し、出てきたのはサイドンだった。

 前回のグレンジム戦もサイドンが出てきたなと少し前を思い出していると「早くしろ」と急かすのでフシギダネを投入。

 

 久しぶりと言うか初のジム戦に興奮するフシギダネ。

 相手はとんでもなく強いトレーナーだと覚悟を決めるとサイドンは【とっしん】してくるので【つるのむち】で地面を叩いて高くジャンプ。サイドンの背中に回り込んで、そのまま【メガドレイン】で一気に体力を吸いとると倒れる。

 

「あれ?」と思わず呟いてしまう。サカキを相手に物凄くビビっていたが、よくよく考えればシゲルでもミュウツー以外ならば余裕で勝てる相手だったことを思い出す。

「やるな」と特に慌てる素振りを見せずにサイドンをボールに戻すサカキ。今度はダグトリオが出てきた……アローラの姿でだ。

 

「珍しいだろう。アローラで独自に進化を果たしたダグトリオだ」と嬉しそうに語るサカキ。

 ぶっちゃけた話、アローラのダグトリオってリージョンフォームの中でも最弱なんだよな。

 

 直接、触れるとまずいので【はっぱカッター】で攻撃をする。しかし、避けられる。

 リージョンフォームは通常のオリジナルよりも素早さの種族値が10低いが、それでも110と脅威的なのには変わりはない。地面を掘りながら進むダグトリオ、これは勝てないぞとフシギダネをボールに戻し、2番手としてリザードンを出す。

 

 ボールから出して叫ぶリザードンに「常に空を飛んでおくんだ!」と指示。リザードンが空を飛んでいることでダグトリオが出来ることは限られている。案の定か【いわなだれ】を指示し、リザードンの更に上を取りに来る。

 それは読めていたことなので、避けることにだけ集中するリザードン。結果的に全ての岩を避けること成功したのだが、フィールドが岩に埋め尽くされる。

 

 ダグトリオは地中に潜り、姿が見えなくなる。

 どうにかするには岩を撤去しなければならないが、それをするには一度地面に降りなければならない。それをすれば空中にいると言うアドバンテージを失われる。

 

 それをどうにかする方法は1つしかない。【ブラストバーン】を指示し、地面に炎を注ぎ込むリザードン。

 火山が噴火するかの様に炎は飛び出し、地面に潜っていたダグトリオは直撃して戦闘不能となる。

 

 2体目も快勝だと喜ぶのだが、まだミュウツーが控えている。やっべーよと怯えていると3体目に出てきたのはニドキングだった。ここに来てのニドキングかと直ぐにリザードンを戻し、キングドラを出す。

 

「ほぅ、中々に珍しいポケモンを持っているな」と一瞬、狙われるんじゃないかと思わせる発言をするサカキ。

 開幕と同時にニドキングは【10まんボルト】を撃ってきてキングドラにぶつける。【かみなりパンチ】が来ると思っていたのでやられたと直ぐに体制を立て直し【なみのり】で攻めるのだが【なみのり】で相殺されてしまう。

 

 流石は技のデパートと言われていた頃もあるポケモンだ。一筋縄ではいかない。

 このままキングドラで戦っても泥沼化するとキングドラをボールに戻し、4体目のポケモンでゲンガーを出す。「地面ポケモンを相手に毒ポケモンを出してくるか」と考え込むサカキ。

 

「勝負は1発だ!」とこの一撃に全てを賭ける。

 ニドクインはDが高いがニドキングはそこまでだった筈だ。【じしん】を撃ってくるニドキングを【サイコキネシス】で弾き飛ばすゲンガー。ゲンガーの方が先に攻撃を当てることに成功した。

 しかし、ニドキングの【じしん】も発動しており、吹き飛ばした直後に衝撃波をくらいゲンガーは倒れ、ニドキングと共に両者戦闘不能に陥る。

 

 それを見て、これは死んだなと死を直感する。絶対にミュウツーが出てくるだろうとビクビクと怯えていると「お前にはこいつを使ってやろう」と出てきたのはなんとスピアーだった。ここに来てのポケスペかい。

 

 ミュウツーが来るとばかり思っていたので、スピアーが来て内心ガッツポーズで大喜び。

 これならばと取りあえずリザードンを出してみるのだが、考えが物凄く甘かった。普通に【かえんほうしゃ】するも目にも止まらぬ速さで避けてリザードンの背後に回り込むスピアー。【ダブルニードル】を両翼に当てて、リザードンを撃墜し、飛べなくする。

 

 今までのポケモンと比べて明らかにレベルが違うスピアー「こいつはジム戦用じゃないんでな、手加減は出来ん」と堂々と言う……いや、本当に恐ろしいぐらいに強い。

 両翼にダメージがあるために飛べなくなったもののそれでも動くことは出来るリザードン。狙いは見えている。予想通り【ドリルライナー】で攻めてきたので【かえんほうしゃ】をぶつけるのだが、突如として光を放つスピアー。

 

 まさかのメガシンカを使って来やがった。

 ここに来てのメガスピアーは予想外で、メガシンカしたことにより更に素早さが増すスピアーの【ドリルライナー】はリザードンに直撃し、リザードンは戦闘不能になる。

 

 流石はロケット団の首領。

 でも、ここで負けてしまったら応援をしてくれるセレナやマサラの人たちに申し訳ない。キングドラを出すと、まさかまさかの【げきりん】を使ってくるメガスピアー。なんでもありの強さを持ってやがる。

 

 ドラゴンタイプの技にはドラゴンタイプの技で対処するしかない。

 暴れるメガスピアーに【りゅうのいぶき】をぶつけると効果があったのか麻痺状態になる。流石のサカキもこれは予想外だったのか「なに!?」と驚く素振りを見せたので【ハイドロポンプ】をぶつけて倒す。

 

 スピアーのメガシンカは素早さと物理攻撃力が上がるが、それ以外はあまり上がらない。そのお陰かなんとか倒すことは出来た。

 

 結果的にはミュウツーが出てくることはなかったがメガスピアーとかいうとんでもない化物が出てきて危うく負けかけたのでこの事については深く反省しなければならない。メガシンカに対抗するにはサトシゲッコウガかZ技、もしくはこちらもメガシンカで対抗するしかない……メガストーン、手に入ればいいんだけどな。

 

 

 カントーレポート57(これからの事)

 

 再び帰ってきたぞマサラタウン。

 オーキド博士とママさんに8つ目のグリーンバッジが入ったバッジケースを見せると「あのやんちゃだったサトシがポケモンリーグに出るなんて」と言ってくれる。やんちゃだったのは全てこの日の為なんだぞ。

 

 ポケモン検定試験とかいう裏口みたいなやり方じゃない正規のやり方でポケモンリーグに出場する事が出来る。

 手に入れたグレー、ブルー、オレンジ、レインボー、ピンク、ゴールド、クリムゾン、グリーンバッジを眺めてここまでの道のりは長かったと感慨深くなるのだが、ふと思う。

 

 

 オレがポケモンリーグを優勝したのなら、どうなるのだろうか?

 

 

 一応ポケモンリーグは地方リーグみたいなもので優勝すればチャンピオンリーグに駒を進めることが出来る。

 ポケモンリーグ・セキエイ大会で優勝してもそこで終わりじゃないんだろうが、仮に優勝してしまった場合はなにかあるのかと思ってしまう。もし元の自分に戻っていたらどうしよう?割と今日まで必死に頑張ってセレナと言うガールフレンドまで出来たのに、それら全てがパーになるのは怖い。

 

 そこんところが恐ろしくなってきたのでケンタのポケギアに連絡を入れて相談に乗って貰う。ついでにバッジを集め終えた事を報告すると、早すぎると言われたが知らんがな。因みにだがマリナもなんとかカツラに勝てたらしい。

 

 

 バッジを集め終えた報告はさておいて、今後の事について相談をする。

「オレとしては今の状態を手放したくないけど、お前は今どう思ってる?」と聞くと「どうだろうな」と曖昧な答えを返してくる。「一時期は色々と嫌になってたけど、お前と再会出来てなんとか生きてみようとは思っている。けど、元に戻れるなら、それもありなのかもしれない」と言う。

 

 でも、元に戻ったら就職とか進学とか色々と考えないとダメなんだよなと言えば「お前、そういうのは無しだろう」と震えるケンタ。特にやりたいことは無くてなんとなくで生きている組に将来を考えろとか言われるのは本当に辛い。

 

「自分が優勝するとか思ってるのはいいけど、俺が優勝するからな」と言ってくれるケンタ。「お前、バッジの数は大丈夫なのか?」と逆に煽ってみると「後、2つでこっちもセキエイ大会だ……首洗って待ってろよ」と言うので「一応は家に帰って報告はしてやれよ」と言っておく。

 

 ケンタの奴、オレと再会するまで相当荒れてたみたいだしマリナ以外に仲がいい奴もあんまいないらしい(マリナ情報)

 

「わかったよ」と一応は頷いてくれる。この世界にもっと馴染めとは言わないが、もうちょっと優しくなれたらいいと思う。

 

 

 ポケモンリーグ・セキエイ大会まで残り3ヶ月。

 この3ヶ月の間にオレは原作のサトシくんを越えるぐらいに強くならなければならない。ポケモンはこれ以上はゲットすれば扱いきれないので、ゲットはしない。この3ヶ月をどうやって使うかが重要だ。

 遊ぶ時は遊んで、遊ばない時は徹底的に鍛え上げる。目指せ、ポケモンリーグ優勝だ。



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 特訓!特訓!猛特訓!

 カントーレポート58(残されていたポケモン達)

 

 色々な不安や心配が一度に無くなり、スッキリとした朝。

 目を覚ませば超絶美少女のセレナの顔があり、朝っぱらから心臓に良いのか悪いのか分からない物を受けた。もう少し距離を詰めたらキスだったがキスはまだ早い。お布団一緒でもキスはまだ早い。

 

 これからずっとこんな感じかと思っていると起こしに来るママさん。

 セレナは大慌てで着替えて髪をセットしたりするのだが時すでに遅し。朝食等の準備がされており、セレナの出番は無くなった。

 

「サトシに染み込んでる味を学びたかったのに……」と落ち込むセレナ。「俺はセレナの料理大好きだよ」とフォロー入れるとますます落ち込む。「ママさんの料理を覚えてもっと好きになって欲しい」と……もう充分なぐらいだけど、セレナは本当に可愛いな。

 

 朝っぱらからいいものが見れて心がホワホワしている中で、オーキド庭園に向かうとボールに入れてあるポケモンを総出。

 音を聞きつけてかケンタロス×29、ベトベトン、オコリザル、ドードリオ……挨拶代わりに突撃してきたので逆に受け止めてやったわ。毎日走り回ってて体力もパワーも有り余っている様だがまだまだだ。

 

 興奮をする全員をとりあえず落ち着かせるとバッジケースを取り出す。

 グレーバッジ、ブルーバッジ、オレンジバッジ、レインボーバッジ、ピンクバッジ、ゴールドバッジ、クリムゾンバッジ、グリーンバッジ。思い返せば色々とあったなと思い出しつつ前を見て次はセキエイ高原のポケモンリーグだと意気込む。

 

 セキエイ大会までまだまだ時間があるので俺はお前達をミッチリと鍛える。

 特にベトベトンやケンタロスといった手持ちに加えていなかったり直ぐにオーキド研究所送りにしたドードリオやオコリザルは普段の手持ちと比べても弱い。突出して強い奴がいればどうなるほどポケモンバトルは甘くはない。今日は今まで手を出してこなかったポケモン達がどれだけやれるかの確認をする。

 

 流石は俺のポケモンか、そんな育てた記憶は無いのに威力の高い技を使ってくれたりしてくれた……が、まだまだ。ケンタロスに合うのは【はかいこうせん】じゃなくて【ギガインパクト】だ。【ギガインパクト】どんなんなのかは知らないけども。

 

 とにかくまぁ、1から鍛え直すほど軟じゃないのが分かっただけでも充分な成果だ。後はこっちの型にハマッてくれればそれでよし。

 今日は今まで鍛えていなかった方のポケモン達を重点的に鍛え上げた。この調子でどんどん行ってこよう。

 

 

 カントーレポート59(流派マサラ不敗)

 

 

 ケンタ達とやるにはそれ相応のワイルドカードでも用意しておかなければならない。

 ピカチュウに【10まんボルト】を溜め込みながらの【でんこうせっか】の訓練をさせると溜め込んだ電撃は放出され、その身に包んで突っ走る……【ボルテッカー】の完成だ。まぁ、完成と呼ぶには酷い出来だ。

 ピカチュウ自身に掛かる負担が大きいので、【ボルテッカー】の訓練は一日に数回しかさせない。練習のし過ぎで立ち上がれなくなったら元も子もない。

 

 フシギダネは小回りを活かすべくドードリオと、ゲンガーは毛色が異なるドサイドンと、ベトベトンは鉄壁のキングドラを、オコリザルとリザードンは29体ものケンタロスを相手にバトル、バトル、バトル。

 最初は指示をせずにやろうかと思ったが、瞬時に複数の事が考えれるようになる訓練だと指示してみるのだが、全部に指示しなければならず、馴れない事をしたせいで頭がパンクしかけた。1度に5個以上の指示とかキツいし、両方とも味方となれば何を指示すればいいのかが分からなくなる。

 

 ポケモン達よりも俺の方が根を上げた。

 毛色の違う者達を組み合わせることで今までにない成果は出ているには出ているのだが、どうにも直ぐに壁にぶち当たりそうな雰囲気を醸し出している……本当に辛いな。ゲームだと適当にポケモンを倒せば経験値が自動的に入るが、この世界はそう上手くはいかない。勝利による経験値以外にも様々な経験値があり、一番はトレーナー同士の実戦形式だがそれをするには最低でも同格のトレーナーが必要でマサラタウンにはいない。

 

 並大抵のトレーナーならば一掃出来る強さがここまで邪魔になる日が来ようとは思っていなかった。

 どうしたものかと考えているとバスケットを手にやって来るセレナ。お昼ごはんはオーキド庭園で頂くこととなり、進展状況を聞かれたのでぼちぼちとしか言いようがない。ポケモン達が強くなっていってるけど、なんというか俺らしさが無い。

 

 このまま強くなっていくのは確かだけど、俺らしさがなければケンタを相手に勝利するなんて夢のまた夢。どうしたものかとセレナに相談してみるといい感じのアドバイスをもらえた。俺自身がポケモンと戦う……そうすることでポケモントレーナーとしての感性が磨かれる。

 普段ポケモンがどういう目線で戦っているのか分かるし、ポケモン達よりも素早く動けばポケモン達の動きの強化に加わる。

 

 ポケモンリーグは基本的にシングルバトルだけなので一対一でポケモンと戦うことになり、まずはピカチュウ。

 開幕から自慢の一撃こと【10まんボルト】を撃ってくるが直線的な攻撃で簡単に避けることが出来る。距離を詰めつつピカチュウにライダーキック。ピカチュウは蹴り飛ばされるが直ぐに立ち上がり、今度は【アイアンテール】で攻めてくるがコレを素手で掴む。

 まだまだ甘いなと思っていると笑みを浮かびあげるピカチュウ。俺が【アイアンテール】を掴むことを予測していたのか直ぐに【10まんボルト】を放とうとするがそれよりも早くピカチュウを投げてスカイアッパーを決め込む。

 

 次にリザードン。学習能力が無いのか、ピカチュウと同じ様に【かえんほうしゃ】を撃ってきたので、避けて後ろ回し蹴り。

 そのままの攻撃では通じないと知ったリザードンは空を飛んで空中から【りゅうのいかり】で攻撃してくるのだが、俺は空を蹴って空中を跳ぶことが出来る。空中歩行はお茶の子さいさいだとリザードンとの距離を詰めてワンパンKO。

 

 これは中々にいい運動にもなるなと筋肉が解れたころ、出てきたのはゲンガー。

 自分は【ゴースト】タイプなので攻撃はくらわないとニヤニヤしているがそんなに甘くはない。波動を用いてゲンガーの正体を見破り、両手突き。格闘タイプの技を受けるのは初めてなのかゲンガーは目を回しており戦闘不能となった。

 

 その後はドサイドン、キングドラ、ケンタロス×29、ドードリオ、ベトベトン、オコリザル、フシギダネと相手にして全てに完勝をした。

 流石は俺の鍛えたポケモン達。中々に手強かった……しかし最後に勝つのは俺である。負けられねんだよ。

 とりあえず結果としてはこの特訓方法は中々に成功した。

 ポケモン目線になることで今まで見えなかったものが見えてくるようになり、ポケモンと実際に戦うことで動きが手に取るように分かる。動きの無駄を無くしていけば今よりも更に動くことが出来るようになる。明日は動きの無駄を省く訓練をしよう。

 

 

 カントーレポート60(マサラの一番星)

 

 なんか朝目覚めるとバリヤードがいた。

 バリバリと言ってくるバリヤードは俺とセレナから布団を取り上げると、朝ごはんを早く食べに行くんだと諭す。

 あれ、このバリヤード、ママさんがゲットするバリヤードだよな……なんでここにいるわけ?色々と疑問が付き、取り敢えず顔を洗って歯を磨いて朝食を食べに行くと物凄く馴染んでいる。

 

「ママ、こいつって」と聞くと「あら、まだバリちゃんと挨拶していなかったのね」と微笑むママさん。

 え?もしかして俺だけ知らなかった感じなのか?と戸惑いながらも挨拶をしてくるバリヤードに握手をする……バリヤードが我が家にやってくるまでに色々と物語があるんだが、その辺はどうなったんだろうか?まぁ、悪いやつじゃないし、家の掃除とかを手伝ってくれるからいいか。

 

 とりあえず昨日の反省点としてカメラとかを一切使っていない事に気付いた。

 カメラとかの現代機器を用いての特訓は効率も良くなるもの……そして俺はカメラを持っていない。

 これはちょっとまずいんじゃないかとオーキド博士にカメラを持っていないか訪ねて見るとなんとそこには優雅に茶を飲んでいるシゲルがいた。

 

 お前、今グレンタウン辺りじゃないのか?

 突然のシゲルの出現に驚きつつも、シゲルのバッジの集め具合を聞けばバッジケースをこれみよがしに見せつける。2×5の計10個がバッジケースに入っており「おやおや、サートシくんは8つなのかい?」と煽ってきた。

 前から思ってるんだが、コイツラの進行速度がおかしい。寄り道らしい寄り道していないでこれなのになんでシゲルのバッジは8つなんだよ。

 

「シゲルはお前さんが帰ってきたのを知って急いで帰ってきたんじゃよ」と教えてくれるオーキド博士。成る程、常に1番を走っている筈のシゲルが俺より後にマサラタウンに帰ってきたとなればそりゃあもう屈辱的だよな。

 ドンマイと思いつつも俺の方が先に帰ってきた優越感に浸る。やっぱ一番は悪くはない。

 

「二人共、どっちが一番かはまだまだじゃぞ」と言う博士。

 真っ先に帰ってきたのは俺だがシゲルの方がバッジの数が多い。

 シゲルの方が多くのポケモンを捕まえてきたが俺の方が珍しいポケモンと出会った数は俺が多い。

 

 どっちがすごいかの評価の基準がイマイチ決まっていない。

 

「ガールフレンドの多さなら僕の方が上だね」「女の子の質は俺の方が上だ」

 

 セレナを舐めるんじゃない、あれはもう一種の天使かなにかで、エモい存在。笑顔を曇らせたくないんだよ。

「ポケモンリーグ前の前哨戦だ。使用ポケモンは一体の真剣勝負だ」というと「いいとも」と答える。

 

 そんなわけで修行云々は一旦置いといて、ポケモンバトル。

 俺の出すポケモンは勿論、1番の相棒であるピカチュウ。最近バトルに出る機会が減っているが、それでも一番頼れるパートナーだ。対するシゲルはというとなんとゴローニャを出してきやがった。後からポケモンを出せる権利を利用してゴローニャにしてきた。

 勝ち誇った顔をするシゲルだが俺には色々とあるので、こいつは幸先がいいのだとそのままバトル開始。

 

 開幕と同時に【じしん】ぶっ放すゴローニャ。

 やっぱそう来るのが普通だろうと、ピカチュウは尻尾で地面を叩いて飛び、地震の衝撃波を回避。そこから尻尾を鋼の様に硬化させてゴローニャにアイアンテールをぶちかますのだが、思ったよりも威力が出なかった。

 

 よくよく考えればピカチュウが相手する電撃効かないタイプのポケモンって普通に物理防御高いんだよな。

 こりゃ早いうちに別の何かを考えてた方がいいんじゃないかと思いつつも、一発当てることには成功したので隠し玉の【なみのり】を使う。特性の【がんじょう】がどっち仕様か知らないが、少なくとも【なみのり】で倒すことが出来た。これはいい経験値になった。

 

 昨日のハチャメチャな特訓方法、俺しか出来ない俺流の特訓方法は思った以上に効果はあった。

 まだぎこちない部分は多く改善すべきところもあるものの俺がポケモン達と戦うことで確実に強くなっていっている。

 

「これならケンタ達にも負けない」そう呟くとシゲルにも聞こえていたので「誰なんだ、そいつは!」と叫ぶシゲル。

 そういえばあの二人とちゃんと顔を合わせた事は無かったので「セキエイ大会で1番の強敵だよ」と遠回しにシゲルの事を眼中にはないと言うとゴローニャをボールに戻してトボトボとシゲルはオーキド邸に向かうので俺もついていき、オーキド博士からカメラを借りた。

 

 このカメラを用いてポケモン達の動きを一個一個変えていくことが出来る……頑張らないと。

 

 

 カントーレポート61(俺達のバトルステージ)

 

 

 シゲルがマサラタウンを出ていった。

 

 最初はガールフレンド達と何処かでバカンスにでも行ったもんかと思ったが、そうじゃなかった。普通に修行の旅に出たみたいだ。

 オーキド博士が言うには「昨日のお前さんとの負けがよっぽど堪えたんじゃろう」とのこと。確かに今のシゲルには負ける気がしないと言っていいぐらいに強くなってて、眼中にない。ヤバいのはケンタできっとケンタと俺の一騎討ちだと勝手な予想をしている。

 

 ライバルを自称しているシゲルにとって俺の眼中に入っていないのはかなりのショックだった模様で、俺のライバルは僕だという事を教えてあげるとのことで修行の旅に出た……つまりシゲルはパワーアップを果たす。これは面白くなってきた。天狗になっている事を自覚して改め直して来た奴ほど強くなる。

 

 ライバルが増えたなと思っていると今度はケンタから連絡が入り「オレもマリナもセキエイ大会に出る」と出場参加資格のバッジ集めが終わった報告を受けた。最後のバッジは俺と同じくグリーンバッジで「ミュウツー、出てこなかったか?」と一応聞くと「出てこなかった」とのこと。

 スピアーが予想の何十倍も強くて危うく負けかけた……あのスピアー、本当になんなんだ。今まで何回かスピアーを相手にしてきたけど、メガシンカ前からリザードンとまともにやり合えるとかいう明らかにジム戦のポケモンじゃねえ。

 

 マリナにケンタにシゲルに俺に……ん〜わくわくすっぞ。

 あれだよな。甲子園球児とか自分達と同年代の奴等がテレビに映ってる、スゲエなと言われる側にまで俺達足が届いたんだよな。

 

 早くポケモンリーグでバトルをしたいという気持ちでウズウズしているが、このウズウズを修行に向けなければならない。ケンタ達も一旦、家に帰ってウツギ博士の研究所を使って修行をするとのことで期待しておけよという。

 普段ならここで会話は終わるのだが、どうにも終わらず先程とは少し違う感じの真剣な声で「他にも居るのかな?」と聞いてきた。

 

 他にも、それはつまり俺達以外の転生者的な存在のこと。

 サトシの中の人とケンタの中の人が前世で普通に知り合いだった事を考えれば……後、最低でも二人は居そうな気がする。何処にいるかは分からないが、サトシである以上は全ての地方を歩くことになるから嫌でも顔を合わせることになる。

 

 可能性はあるかもしれないが数値に出せばほぼ0の世界。

 あまり気難しく考えても意味は無いといえば「お前みたいにお気楽じゃねえよ、出会った時のオレと同じだったらどうする?」と言ってくるので「なら、1番のバトルを見せつけてやろうぜ。俺達が輝いている姿をな」と言い返す。

 そう、なんで転生したとか元の体はどうかよりも今はまず、この世界を思う存分に楽しんでほしい。折角こんな面白い事になったんだから楽しまなければ損だと言うと呆れるケンタ。

 

 言っておくが、冗談でも笑い話でもなく本気で俺は言っている。

 もし今現在、ケンタみたいに苦しんでるやつがいれば俺とケンタが物凄く楽しくバトルをしている姿を見せつけてやればいい。きっとそれが希望へと切り替わる筈だ……多分。よくよく考えれば、俺達が知らない人だったらそこまで義理立てする必要は無いんじゃないだろうか?

 残りの2人も気難しいかどうかと聞かれれば、そうじゃないし……多分、俺達のバトルで俺達の事について気付くだろう。

 

 



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四天王の壁

レポートの日付が急に飛んでるけどそれだけ時間が経過したと思ってください


 カントーレポート71(ヤドンの神秘)

 

 

 今日も今日とて修行は続く。

 基礎練習はとても大事だがマンネリだとポケモンもオレもモチベーションが下がってしまうのでやり方に工夫を凝らしておかなけれならない。

 

 それはそうとセレナの事を忘れちゃいけない。ポケモンフーズとか毛並みの調整とかをオレの代わりにしてくれるセレナには感謝しても感謝しきれない。今はポケモンリーグに向けての大事な期間で修行に集中しておかないといけないが人間時折欲望のままに身を任せておかないと心のケアにはならないと何処かの誰かが言っていた気がする。

 

 ということでいってきます。

 年に一回、これから永遠と年が開けない可能性があるかもしれないが町内旅行に行くことになったかがオーキド博士ぇ。

 

 人が久しぶりのセレナとのイチャイチャに時間を費やそうとしているのに「ヤドンがヤドランになる理由がイマイチよく分からんから、ビンヌにいるニシノモリ教授に聞いてきてくれんかの?」と頼み込んできた。

 お前が行けよと思ったがオーキド研究所は現時点ではオーキド博士一人のブラックな体制なのでオーキド博士が何処かに出向くことは出来ない……アオプルコとかで見かけたのは知らん。

 

 オーキド博士にはなんだかんだで世話にはなっているからこれぐらいはと引き受けてバスに乗ってやって来たぜビンヌ。

 何時ぞやのアオプルコと同じく遊泳できる感じの海であり、右を見ても左を見てもボインなお姉さんが多い……ありがとうございます。

 水着美女を嫌らしい目で見ていたのがバレたのかセレナがハイライトのない目で見てきたので「今回の水着ってどんな感じ?」と聞くと顔を真っ赤にして慌てるセレナ。まだまだ甘いな。

 

 とりあえずとホテルにチェックインは済ませたので、オーキド博士に頼まれたおつかいをとっとと済ませるべくニシノモリ教授がいる研究所に向かうと事前に話は通じているので待っていたよと歓迎してくれるニシノモリ教授。

「我がニシノモリ家はヤドンについて研究をしており」と長い自己紹介をしながら研究所の奥に案内してくれるのだが、初代から5代目(御本人)の肖像画がデカデカと貼られており、5代目以外は全員同じ顔だった。

 

 ジョーイさんといいジュンサーさんといいなんなのこの世界の血筋は。なんで全員同じ顔をしているんだよ。5代に渡って同じ顔ってDNA強すぎるだろう。つか、自分の肖像画だけやたらと美化してんじゃねえよ。色々とツッコミたいことは多かったものの、オーキド博士に頼まれたデータさえ貰えればそれでいいとヤドンがヤドランになる瞬間を尋ねると気まずそうな顔をするニシノモリ教授。

 

 ヤドンはヤドランになる時には必ずと言ってシェルダーに尻尾を噛まれた時であり、どういうわけかシェルダーの見た目が変わっているとのこと。ヤドンってレベルアップでヤドランになるからそういうのは関係無いんじゃないかと言えば「実例はあるんだよ、キミィ」という。

「私、ヤドンがヤドランに進化するところを見てみたいわ!」とセレナも言い出すので「じゃ、フィールドワークするか」と外に出ることに。

 

 このビンヌ、どうやらヤドンとシェルダーの生息地で割と頻繁に見るそうで遊泳が出来る海から少しだけ離れるとヤドンとシェルダーがいた。

 ボーッとしているヤドンとボーッとしているシェルダー。一先ずは様子見だと二十分ぐらい待ってはみるものの反応はない。大丈夫なのかこれと思っていると「ヤドンとはそういうものなのだよ」と言ってくる。

 

「やっぱポケモンはポケモンバトルとかしてレベルアップで進化すると思うんですよ」と我慢の出来ないオレはピカチュウを放とうとするが「サトシのピカチュウと野生のヤドンじゃ力の差がありすぎるわ」と割とマジで止められる。そんなに実力差は……あるのか。

 

 しかし、あの状態だと待っていたとしてもなにも起きそうにない。丸一日を無駄にするのは絶対に嫌なのでなにかアプローチを掛けてみたい。というかめんどくさくなってきたのでシェルダーをガッシリと掴んでヤドンの尻尾に差し込むとあら不思議。ヤドンはヤドランに進化した……なんでやねん。

 

 ニシノモリ教授は「そうか、分かったぞ!」とメモ帳に高速でなにか書いてくる。「こんな進化もあるのね」とセレナは嬉しそうにする。

 しかしオレはどうにも納得がいかない。ヤドンはヤドランになるためにはレベル上げとけばどうにかなるものでこの進化は……ゲーム的に言えばどういう感じになる?

 

 シェルダーに【からではさむ】をくらいからではさむ状態でヤドンがシェルダーを倒した時にのみ進化する……クソ進化じゃねえか。

 ネギガナイトの方法よりも進化の難易度が高い。てか、第8世代で【からではさむ】は無くなってるからそのやり方は無理か……う〜ん、謎だ。

 

 

 カントーレポート72(なみのりピカチュウ)

 

 昨日、あんな感じだったので今日こそは遊んでやるぞと水着にドレスアップ。

 大胆なビキニを着たセレナは少しだけ恥ずかしそうにしているので此処は男を見せるしかねえと手を握ると更に顔を真っ赤にするセレナだが今日のオレはグイグイ言っちゃうよ。例えケンタに「海で頭がおかしくなったのか?」と言われても構わない。

 

 リア充というかバカップルの定番の水のかけあいをやってキャッキャウフフと遊んでいるとサーフボードに乗った奴に突っ込まれる。物理的に突っ込みを入れられる。ツッコミでなく突っ込みだ。

「イチャイチャしてんじゃねえよ!」とマジギレ風にキレられるのだが「モテない奴の恨み言」と適当に流したのだが、やたらとサーファーが多いことに気付く。

 

「君、そこは危ないよ」と声をかけてくるピカチュウを連れてくる初老のおじさん。

 ビンセントと言う名前でこの近辺に住むサーファーの様で今日が20年に1度やってくると言われっているビック・チューズデイとのことで血気盛んなサーファー達がビックウェーブに乗るべく色々なところからやって来ていること。

 

 事情は分かったけども、だからと言って遊んでいる奴等を邪魔と言うのもどうかと思うが相手にするとめんどくさそうなので余計な事は言わない。それよりもビックウェーブがやって来ている事を知ってセレナは目を輝かせている。

 ビンセントのおじさんが言うにはサーフィンで巨大な波に乗って岩のてっぺんに旗をぶっ刺して伝説になるために皆躍起になっているとのことでセレナも「サーフィンに挑戦したい!」と言う。

 

 すぐ近くでサーフボードのレンタルが出来たのでレンタルして、いざサーフィン。

 すごく気になるんだけどサーフィンやる時ってウェットスーツ的なのを着てやるものじゃないんだろうか?ビッグウェーブに挑戦しようとしてる奴等の殆どが海パンとかなんだけど……セレナのピチピチウェットスーツ、見たかったな。

 でも本音を言えばセレナと一緒のサーフボードに乗って落ちそうだからと背後から抱きしめるイチャイチャしたかった。

 

 女子力満点のセレナだが、ああ見えて体育会系的なところもある。

 最初の方は苦戦していたがあっという間にコツを掴んだのかあっさりとサーフボードを乗りこなす。オレはと言えばそんなセレナを眺めている。サーフィン出来ない事もなくはないのだがこうやって見ている方が楽しいし、なによりも万が一が怖い。

 泳げるポケモンとか浮いてるポケモンとか空を飛んでいるポケモンとか持っているが万が一がセレナが溺れたら怖いのでスタンバっている。

 でも本音を言えばセレナと一緒のサーフボードに乗ってセレナに落ちそうだからと背後から抱きしめてもらいたかったなー。

 

 良い感じの波が来て楽しんでいるセレナ。ビンセントのおじさんも初めてにしては物凄く上手いと褒めている。

 そういえばおじさんサーフィンしねえの?と聞いてみると「自分の狙いはこんな波じゃない」と言う。聞けば20年前のビッグ・チューズデイに挑戦して失敗したらしく、その時の波とこの波は比べ物にならないらしい。

 

 初心者だから分からないが、今でも充分にスゴイ波が出ている気もするが、比較することは出来ない。

 しかしよくよく見れば岩に旗をぶっ刺そうとしているが岩のてっぺんにはぶっ刺すことは出来ていない。セレナも頑張ってはいるもののてっぺんにはぶっ刺せない。単純に波が弱いんだろうなと見ているとなにかに気付くビンセントおじさんのピカチュウことマイケル。

 

 聞けばマイケルはこの海の事がよくわかるらしく、間もなく巨大な波が押し寄せてくる事を察したのこと。

 本当かなと少しだけ疑心暗鬼になっていると段々と海が荒れてきた。水上警察ことジュンサーさんが危険だから海から出てくださいと避難勧告がされてマイケルが予知したとおりビックウェーブがやって来た。

 

 全員が海から出た頃に荒れる海。

 良い感じのビックウェーブが来ているなと思っているとマイケルとビンセントおじさんが走っていった。狙うならば今しかない。

 ビンセントおじさんだけが海に突っ走ったので全員がゴクリと息を飲み込んで見守ると今日一番じゃないかと思えるビックウェーブが襲来。ビンセントおじさんは苦戦をするがなんとか波に乗ることに成功し、遂には岩のてっぺんに旗をぶっ刺す事に成功した。

 

 それを見ていたオレ達は帰ってきたビンセントおじさんに拍手を送る。

 いいものが見れたなと全員で称えているとサーフボードを持っているちびっ子に「次は君だ」とオールマイトの如くカッコいい言葉で次代に託す。いや、本当にかっこよかった。

 

 いいものが見れたし充分に楽しめたしいい気分転換になれた。

 帰り際にセレナに「サトシも挑戦してたらビンセントさんみたいにてっぺんに旗を立てることが出来たの?」と聞かれたので「秘密」とだけ言っておこう。その気になれば水の上を走って岩のてっぺんに旗をぶっ挿せるがそれだと種目が違う。

 

 

 

 

 

 

 カントーレポート108(四天王のシヴァ)

 

 

 

 今日も今日とて特訓の日々だが趣向を変えてみた。録画していたポケモンバトルを見るという感じの特訓だ。

 オレのスタイルは基本的にはなんでもありみたいなものなので他人のスタイルを真似しても意味はないが勉強にはなる。

 

 同じポケモンを使っている奴がいいなと色々と探したりしていると大慌てで部屋に入ってきたセレナ。

 なんとあの四天王最弱とも名高いシバが近くの山にいるとの情報を掴んだとのことで今から会いに行けばバトル出来るかもとのこと。

 

 この世界、ジムリーダーはともかく四天王とかチャンピオンになった途端にレベルが違う。

 ゲームならば最弱かもしれないがこの世界では物凄く強い。オーキド博士を訪ねに来たトレーナーをボコっていても全然経験値にならない。挑むならばもっとレベルの高い相手じゃないとなんの自慢にもならない。

 

 ということでシバのいる山に向かう。

 広大な山の中で人を探すのは大変なので波動を用いて探知。これ、その気になれば人の頭の中まで読んでしまうからあんまりやりたくないんだよな。

 

 あっさりとシバを発見。果たしてトレーナー修行なのかよく分からない滝行をしており、瞑想に浸っていた。

 心を無にする修行に滝行は最適なのかはさておき、テレビでも見たことある本物のシバを発見することが出来た。しかし滝行をしている。心を無にしたり集中しているので邪魔するわけにはいかないと思っていると「そこでなにをしている?」と声をかけてきた。

 

 気配を完全に断っておらず素人のセレナが居るとはいえ、気配を察したのかと姿を現しモンスターボールを取り出す。

「オレはマサラタウンのサトシ!絶賛修行中のポケモントレーナーだ!四天王のシヴァ、オレとバトルしてくれ!」とよくある感じの台詞を言うのだがシバは反応しない。シヴァと言ったからだろうかとちょっと待ってみる。

 

「ウーハー!」と突如叫んで滝から飛び出てオレに飛び蹴りをくらわせに来るので軽く受け止める。

「その出で立ちからはありえない途轍もない力を感じる……サトシだったか?一手、願おう」と言ってくるので「あ、ポケモンバトルしてくれたらいいっすよ」と答える。

 

 リアルファイトをすれば上手く指示をすることが出来ないのでポケモンバトルを先にすることに。

 相手は四天王のシバ。ネット上では最弱だクソ雑魚だボロクソに言われており、実際ゲームでも苦戦する相手じゃない。しかしここはゲームではなく現実の世界、油断も慢心も出来ない。

 

 シバの一体目はイワーク。

 ゲームと違うポケモンを出してくるんじゃと心配をしていたがそんな事は無かったとホッとしつつキングドラを出す。

 

 フィールドは岩山のフィールドで地の利を活かすといった戦法は取れない……だが、これでいい。こうでないと意味はない。

 常に自分に有利な試合なんてないんだと自分に言い聞かせてセレナの合図と共に試合が開始。

 

 先ずは開幕ブッパだと思ったら先に動いたのはイワーク。種族値だけを考えればキングドラの方が上なのだが、それでもイワークの方が早いとなるとかなりレベル差がある。

 イワークは【りゅうのいぶき】を吐いてきたのでキングドラも対抗するべく【りゅうのいぶき】、なんとか相殺をすることが出来たが……なんとか相殺することが出来たという事実はあまり喜べない。

 

 油断は出来ない相手だと守りから攻めに転じるべく【なみのり】を指示するが【あなをほる】で地中に潜られて回避するが、そういった時の展開は考えている。穴を掘るで地面に掘った穴はイワークに通じる出入り口でもあると穴の上に向かわせて【ハイドロポンプ】で水攻め。

 イワークには当たったようで直ぐに地中から出てくるのだが瀕死寸前に追い詰めることが出来ていない。

 

 何時もならばこれで終わりだってのに、四天王のポケモンはレベルが違う。

 しかし手応えはあったので攻める手は止めないと今度は【れいとうビーム】を撃つ。イワークは【りゅうのいぶき】で相殺しようとするが【ドラゴン】タイプの技が【こおり】タイプの技に敵うわけもない。少しずつ四天王に届いている。

 

 そう思ったのも矢先、【いわなだれ】でキングドラの頭上を狙うイワーク。

 落ち着いて慌てずに避ければいいと攻撃の手を止めて避けたのが運の尽きかイワークは雪崩落ちてくる岩の隙間を通って【しめつける】攻撃。

 

 締め付けられて苦しむキングドラ。【れいとうビーム】でイワークにダメージを与えて抜け出すように指示をするが締め付けのダメージが大きいのか上手く力を集中する事が出来ずに【りゅうのいぶき】をくらってKO。

 

 久々に良い感じの負けになったが諦めてたまるかと2体目のポケモン、フシギダネを出す。

 キングドラとの戦いでそこそこのダメージはくらっているイワーク。フシギダネで倒せないとなると最後のポケモンで倒すのが難しいと少しだけ慎重になる。

 

【じしん】をぶっ放してフィールドに衝撃波を飛ばすイワーク。【つるのムチ】で地面を叩いて高くジャンプして波状攻撃を防ぐがそれを読んでいたのか【すてみタックル】を決められる。幸い倒されることはなかったが満身創痍のフシギダネ。シバは手を緩めることはせず【しめつける】を決めに来る。

 

【しめつける】が来るのは痛いがなにはともあれ素早いポケモンが身動きが取れなくなるのはいいとあえて受けて【ねむりごな】を撃つ。

 レベル差があるからもしかしたら効果は無いかもしれないとビビったが効果はあったようで眠りにつくイワーク。とっとと試合を終わらせなければマズイ。【ギガドレイン】で体力を奪いつつも回復。

 

 何時起きるか起きないか分からない緊迫した状況。

 はやく倒れてくれと祈ってても中々に倒れないと焦っていると目を覚ますイワーク。ここまでかと思ったらぶっ倒れた。どうやらギリギリのところで勝つことが出来たみたいで一先ずはホッとする。本当に危なかった。

 

【ギガドレイン】で体力を回復し、万全じゃないとはいえ戦える状態には戻った。だが、なによりもあの四天王のポケモンを倒すことが出来たので喜びを隠せない。オレ、ちゃんと強くなっているんだと改めて確認が出来た。

 

「強いな」とオレの強さを称賛してくれるシバ。負けるわけにはいかないと身を引き締めると2体目に出てきたのはエビワラーだった。

 さっきのイワークと違い【かくとう】タイプのポケモン、相性の勝負は出来ないので一気に勝負を決めに行くことはしない。先ずは様子見だと【はっぱカッター】で攻撃すると【れんぞくパンチ】で全て叩き落とす。

 

 パンチの速度がかなり早い。パワーもあるから受けるわけにはいかない。

【つるのムチ】とかで下手に接触したらパワーが無いフシギダネは引っ張られるかもしれないので【ギガドレイン】で攻めてみるが避けられる。フットワークも軽い奴でどうにかして動きを抑えなければならない。

 

 そういうことならばフシギダネは得意だが「同じ手は食わん!」と攻めに来るエビワラー。

 右手の拳に炎を纏い左手の拳に冷気を纏い【ほのおのパンチ】と【れいとうパンチ】を同時に出してのラッシュ、ラッシュ。こりゃまずいと直ぐに【どくどく】を吐かせると猛毒を浴びるエビワラー。フシギダネは倒された。

 

 強いな四天王と追い込まれて高揚する気分を落ち着かせる。

 オレはあくまでもトレーナー、盛り上がってもいいけども熱くなりすぎると周りが見えなくなってしまう。トレーナーとしての役割を果たさなければならない。

 

 幸いにも猛毒状態にすることは出来たのでエビワラーは時期に倒れる。

 ならば、それらを考慮してゲンガーを出す。エビワラーには3色パンチがあるので物理攻撃を完全に防ぐことは出来ないがエビワラーをどうにかすればまだ勝機はある。

 

【メガトンパンチ】等の物理的な一部の攻撃は【ゴースト】タイプであるゲンガーにくらわない。初歩的な事を見逃す四天王ではないので先程と同じく右手に炎、左手に冷気を纏って攻めてくるがそれを巧みに避けていくゲンガー。

 よくよく見てみると最初の頃と比べて技のキレが下がってきている。四天王のポケモンと言えども猛毒には耐えきれない。

 

 体力が段々と減っていっているのでそろそろ攻めに転じるかと【サイコキネシス】をぶっ放してエビワラーをぶっ飛ばす。

 効果は抜群で確かな手応えはあったのだが、それでもまだ立ち上がろうとするエビワラー。猛毒が効いており、限界を迎えたようで一度ちゃんと立ち上がったもののぶっ倒れる……なんとか倒すことは出来たが……なんとも言えない勝ち方だ。

 

 まぁ、勝ったことには変わりはないので気を取り直していよいよシバも最後のポケモン。

 出てきたのはカイリキー、ビデオでも何度か見たことのあるシバのエース的存在で今までの2体よりも強さがヒシヒシと伝わっている。こりゃあ一撃でもくらったらと思ってたらまさかの【じわれ】が出てきた。

 

 ノーガードじわれカイリキーとかいう存在しない存在なのかこいつは!?

 

 地面が避けていき、大地から溢れる謎のエネルギーを当てられるゲンガー。くらってしまった以上は負けが確定しているので最後の悪足掻きだと【みちづれ】で道連れにして引き分けに持ち込む……いや、これ引き分けじゃないな。結果的には3体目のポケモンを倒せたが全然引き分けじゃない。

 

 

 一体目のイワークは相性のいいポケモンで挑み更には状態異常で動けなくした上でのギリギリでの勝利。

 

 

 二体目のエビワラーには猛毒状態で逃げ回り、倒せるまでに体力を減らしてのギリギリでの勝利。

 

 

 三体目のカイリキーに関しては問答無用の【みちづれ】で道連れにしてなんとか引き分けに持ち込んだ。

 

 

 こうしてどういう感じなのかを書いてみてみると改めて酷い勝ち方をしている。

 公式の試合ならばブーイングとか来てそうだし、みちづれでの引き分けの場合はみちづれした奴の方が負け扱い。

 真正面からの勝負で勝ったとは言い難い……セレナは「四天王を相手に引き分けなんてすごいわ」と言ってはくれるものの、納得の行く形ではないので素直に喜ぶことは出来ない。

 

 これが今のオレと四天王の間にある実力差……決して超えることが出来ない壁では無さそうだが、大きな溝が空いているのは分かる。

 これを埋めることが出来ればチャンピオンに挑めるが…………ちくしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ、リアルファイトの方に関しては普通に勝利した。そこそこやったがオレの方が強かった。



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開幕 ポケモンリーグ・セキエイ大会

 カントーレポート145(サムライでござーる)

 

 流石にそろそろセキエイ高原に行かなければ遅刻する。シゲルは既に向かったらしく、ポケモン達もちょうどいい具合に仕上がってきている。

 最初のポケモンを貰う日はやらかしたがこんなところでやらかしたくはないのでさっさとセキエイ高原に向かおうとすると全てを察したママさんが準備してくれたのであっさりと出発をすることが出来た。

 

 次にマサラタウンに帰ってくる時はそれはセキエイ大会の優勝トロフィーを手にした時。

 ここからは一度も負けることが出来ない試合がはじまるのだとピリピリしていると「サトシ、落ち着いて」とセレナに宥められる。大会開始前からこんなにピリピリとしていたらキリが無い。セレナに抱きしめられて「もう少しリラックス、リラックス」と落ち着かされる。

 

 晴れ舞台に立つのはなんだかんだではじめてなので今の時点でも緊張している。

 どうにかリラックスをしなければと思っているとサムライっぽい見た目のトレーナーが「お主、バッジを8個持っているトレーナーでござるか?」と聞いてきたので「そうでござる」と答える。

 

「集めたバッジを賭けて勝負をするでござる!」ととんでもない事を言い出す。

「アホか、その戦いはこれからセキエイ大会でするんだろう。寝言は寝て言え」と返すとグヌヌと言った顔をするサムライ。「そんな事を言って負けるのが怖いのでござるか?」なんて軽く挑発してくるものだから仕方なく乗ってやった。

 

 人の進路の邪魔をしてきたが、この口振りからして真面目にバッジを集めているトレーナーなのに変わりはない。

 今の自分がどれだけ成長したのか見るのにちょうどいい。サムライもといサイゾウはエースと思わしきガラガラで挑んできたので、フシギダネを出す。

 

 結果だけ言えば一瞬で終わる勝負だった。【ねむりごな】で眠らせた後に【ハードプラント】で攻撃するといった至ってシンプルな戦法。

 割と華麗に決まったと思えるぐらいに華麗に決まった……そう、あんまりにもあっさりとしていた。もう少し苦戦をするかと思っていたのがあんまりにもあっさりとしてて拍子抜けだった。

 

 もう少しいい勝負をするかと思ったがあっさりとしてて少しだけ物足りないが勝ちは勝ちだ。

 勝負の世界ではくだらない情けを見せてはいけないもので約束通りバッジを貰おうと思ったらバッジを1つも持っていないとかぬかしやがる。バッジを持っていないのにカツアゲ紛いの行為をしたのかこの野郎はと強くにらめば「バッジはちゃんと持っていたのでござる」と事情を説明してくれるサムライ。

 

 聞けば喋るニャースにバッジを盗まれたらしく、本来ならばバッジを8つゲットしていて今頃はセキエイ高原に向かっていたとのこと。

 喋るニャースと言えばロケット団かと呆れる。彼奴等、ポケモンリーグの出場条件を知らないのだろうか?最低でも手持ち6体必要なんだぞ。バッジを盗んだだけでも実際に使えるかどうかは別である。更に言えば出場出来たとしても勝利する事が出来るかどうかは別物だ。

 

 しかしバッジを盗まれたのは同情するしかない。

 幸いにもセキエイ大会までまだあるしロケット団探すかと例によって波動で探知。波動は本当にチートである。

 あっさりとコジロウとニャースを見つけたのでバッジを返せと言えば「ムサシが持ってった!」という。この頃のムサシ、アーボックとベロリンガしかもってないのにどうすんだよ。一回戦を出ることすら出来ねえぞ。

 

 とりあえずおしおきの【10まんボルト】でふっ飛ばすと今度はムサシを探してあっさりと見つける。

 他にセキエイ高原を目指しているトレーナーとバッジ交換をしましょうとかいうアホな事を言っておりオレ達を見た瞬間に「っげぇ!」と言っていた。とりあえずボコるかと思ったがサムライが「自分の不始末は自分でどうにかするでござる!」と言うので見守る。

 

 先程のバトルでガラガラは傷ついている。さてどうすると思っていると「拙者のポケモンはガラガラだけでないでござる」とドードーを出すのだが、う〜ん、微妙だった。ドードリオを持っているからよく分かるのだがレベルが低い。エースのガラガラと比較しても育てが足りないから心配をしていると案の定、アーボックに苦戦をしていた。

 

 あの程度のレベルで苦戦するとなるとマズイぞと流石に事が事なのでドサイドンを出す。【ドリルライナー】でアーボックをムサシごと吹き飛ばしてやな感じーで終わらせる。

 

「拙者達が手こずっていた相手を一瞬で」と開いた口が塞がらないサムライ。「育てが足りねえんだよ、育てが」とドヤ顔で返して盗まれた8つのバッジを返す。アニメオリジナルのバッジが多いのが些か気になったもののとりあえず人助けが出来たので良かったと思う。

 

 しかし、アレがポケモンリーグに出場する資格を持ったトレーナーか。

 どんなレベルかと色々と心配をしていたがあの程度のレベルならば快勝する事が出来る……あのサムライがどの辺りなのかが気になる。

 

 

 カントーレポート146(到着、セキエイ高原)

 

 

 セキエイ高原に向かっているんだけど、中々にトレーナーに会わない。

 一瞬だけ道を間違えたんじゃと心配をするが、セキエイ高原への道は沢山あるので道は間違えていない。人里っぽい場所に行くと今回のトレーナーさんと沢山の人達が声をかけてくれた。ポケモンリーグが一大イベントなのがよくわかる。

 

 セキエイ高原に一応は辿り着いたけども、セキエイスタジアムのすぐ近くにあるメインのポケモンセンターに向かって、出場登録をしないといけない。遅刻して出場出来ないのは割と洒落にならないのでさっさと行こうとするとセキエイ大会に来てくれたのかと大歓声を受ける……と思ったら違ってた。

 

 聖火の炎ことファイヤーの炎が運ばれて来ているのでそれを歓迎していた。

 ポケモンリーグと言えば何故か聖火の炎を灯す。オリンピックと混合してるんじゃないかと思える……多分、アニメの制作陣営がノリと勢いでやったんだろうな。

 

 歓声とかそういうのはセレナがしてくれるだけで充分なので特にガッカリはせず、メインのポケモンセンターに到着。

 流石はセキエイ大会と言うべきか沢山のポケモントレーナー達が列を成しており相棒と思わしきポケモンを出していた。カントー以外のポケモンが居るかと少し気にはなったが特に珍しいポケモンはいない。準伝説ゲット勢は流石に存在しなかった。

 

 まだ出場の登録をするだけで胸がドキドキしている。

 バトルでもなんでもないのに心が揺らぐのはまだまだ未熟者の証だ。もっともっとこういう感じの場にも馴れないといけないな。

 

 自分の未熟さに少しだけ反省しつつもポケモンリーグの出場を登録。

 するとパンパカパーンと陽気な音が鳴った。何事かと受付のジョーイさんに聞いてみると俺が出場登録100人目のポケモントレーナーだった事を祝して聖火ランナーの聖火の点火役に選ばれた。

 

 

 めんどくさいので断った。

 

 

 セレナは「ええっ!断るの」と驚いていたが、めんどくさい事この上ない。

 聖火を灯す役になったとしても変に悪目立ちするだけで、何一つ得じゃない。名誉とかそういうのはいらない。周りの奴等は「聖火を灯すのを断るのか!?」となっているがそんなもんには興味は無いとハッキリと言う。するとポケモンリーグの会長であるタマランゼ会長が出てきた。

 

 俺がポケモンリーグの聖火を断ったのは前代未聞の行為だったらしくジョーイさんは慌てて報告する。

 タマランゼ会長は「どうしても出てくれんかのぅ」と言ってくるので「俺は観光気分でも思い出作りでもなく優勝する為にここにやって来た。縁起が良いのかもしれないけど、そういう験担ぎみたいなのに頼らないで純粋な実力で勝ちたい」とハッキリ伝えた。

 

 俺の言っていることは他のトレーナーの胸に刺さったのか俺が出ないなら代わりに出ます的な事は誰も言ってはこない。軽い気持ちでポケモンリーグに出ようとした奴にとってはある意味、いい薬かもしれない。

 

「面白い子がやってきた。こりゃたまらんのう」と俺の姿勢にああだこうだ言わずに受け入れてくれるタマランゼ会長。とりあえず聖火を灯す役は断れたのでそれでよし。

 

 ポケモンリーグの出場登録が完了したのでポケモンリーグのすすめ的なガイドブックを貰った。

 ポケモンリーグ、出場選手及び関係者が居るならば殆どの施設がタダって採算性が一切取れない気もするが、全国放送なので何処かで採算性が……案外赤字前提かもしれない。

 

 セキエイ高原の選手村は原作通り丸々一個のペンション。ベットがスゲエフカフカだった。多分最高の素材を使っているな。

 出場登録と拠点を手に入れたのでペンションの電話を使いオーキド博士達に電話。出場登録を終えた事を報告の電話を入れて何時ぐらいに応援に来れるか尋ねる。あれでもオーキド博士、忙しい身だから直ぐには来れない。

 地元の人達も基本的には画面側で応援をしてくれるそうで、ママさんもオーキド博士と一緒にやってくるのでそれまで残ってる様にと言われた。

 

 頑張らないとなぁ。

 

 とりあえず今日は腹いっぱい飯を食おう。

 

 

 カントーレポート147(再会、ワカバタウンのケンタ)

 

 

 朝、目覚めるとセレナが何時も通り隣で寝ていた……相変わらずな感じだが気を引き締めておかないといけない。

 

 部屋に備え付けのパソコンを起動し、ポケモントレーナー達のデータを確認する。なんかこう、ぶっ壊れて強い奴は居ないかと探してみるが見当たらないので少しだけホッとしつつ、とあるトレーナーを見る。

 

 それはヒロシ……サトシくんが敗北してしまったポケモントレーナー。

 どんなトレーナーなのか見てみると進化していないポケモン達の手持ちであり、よくこんなので勝てたなと思ってしまう。こういうのが油断はならないんだと慢心しない様にしないといけないんだがな。

 

 ゆったりするとついつい気が緩んでしまう。本当に甘い人間だ。

 こうなったらの精神でやるしかねえとメインのポケモンセンターに向かって、今日も今日とてポケモンリーグに出場登録する奴等を品定めする。

 カイリューを引き連れているトレーナーとかはいるが準伝説はいない……これぐらいならば勝てるだろうかと軽く挑発してみる。

 

「どいつもこいつも面白くなさそうな雑魚ばかりだな」と獏良っぽく言ってみると「なんだと!?」となる列に並ぶ人達。

 こうもあっさりと挑発に乗ってくるとはと呆れつつも、売った喧嘩を買ってくれるポケモントレーナー達とポケモンバトルをする。ここで手の内を全て晒すわけにはいかないのでケンタロスで挑む。

 

 ケンタロスにとって相性最悪なポケモンはカントー地方だけで見ると中々にいない。

 レベルの高さも相まって、力のゴリ押しである程度はなんとでもなる。出来る限り手の内は曝け出すつもりはないが、今回は特別だぞとガンガン攻めて攻めて攻めまくる。

 そんな様子を見て、俺のことを観察しているトレーナー達もいる。情報収集している熱心なトレーナー達で、ここで戦うつもりはなさそうだ。

 

 俺の挑発にあっさりと乗ってくるポケモントレーナー達の力量はなんとなくわかった。

 連戦しているケンタロス一体に手こずっているところからあんまり強くはない、余裕を持って勝利をすることが出来る……が、見ている奴等は一向に手を出してこない。少しだけ拍子抜けだが当然といえば当然か。大事な大会前でくだらない試合をやって調子を崩すわけにはいかない。

 

 最低限の力量を持ったトレーナーがどんなレベルなのかの確認は終わった。俺に敗れたのを見てこいつには勝てないと出場登録をしようとした一部のトレーナーは去っていく。俺に破れたショックで去っていったとなると四天王とかに挑めないぞ。一度でも負ければそれで終わる非情で厳しい大会なのでなにも言わずに去っていくのを見る。

 

 これだけやっとけば充分だろうとある程度は満足したしデータ採取も出来たので、変に喧嘩を売らずに情報収集しようとしているトレーナー達と同じくどんなトレーナーがやってきているのか確認。

 誰もこれも倒したトレーナー達と変わらないなと少しだけ落胆していると強者の気配を感じ取る。こいつはマジでやらなきゃいけないと気配がする相手を見に行くとケンタだった。

 

 俺がバッジを全て集め終えてから一ヶ月後にバッジを集め終えた。

 今日まで約2ヶ月の間の期間が空いていたが、その間何をしていたのだろう?真面目に修行していたのは分かるのだが、修行方法が気になるので聞いてみるとバッジケースを取り出した。

 まさかまさかと思い、バッジケースを開くとバッジが15個入っていた。

 

「ドラゴン ゴースト じめん ひこう どく むし みず でんき いわ くさ こおり ノーマル ほのお かくとう エスパー、一通り制覇してきた」とはがねとあくとフェアリーは無いが一通りを制覇してきた……が修行になったかどうか気になる。ジムリーダーの強弱って結構激しいからな。そう思っているとまた別のバッジケースを取り出すとそこには全てのフロンティアシンボルが入っていた。

 

「レジロック、とんでもないぐらいに強かった」と準伝説をぶっ倒した事を報告するケンタ……準伝説か。

 原作のサトシくんですら3回目でやっとの思いで倒せた相手を一発で倒したとかこいつスゴいパワーアップをしている……だが、俺だってパワーアップをしている。見よ、このマッスルを……ポケモンバトルには関係ないか。

 

 マリナの方もバッジを15個集めておりパワーアップを果たしている……う〜ん、今からが楽しみだ。

 ケンタ達が来てくれたのでこの大会は退屈することがないと早速選手村のペンションに戻ってパソコンを起動して2人の情報を集める……やっぱ恐ろしいな、あの二人は。

 

 

 カントーレポート148(開幕ポケモンリーグ・セキエイ大会)

 

 オーキド博士に頼んでポケモン達を入れ替えて調整をする。

 新しい土地で色々と不安があるものの、上手く行っている……本当に場に慣れないといけないのは俺であり、未だに慣れない。あー本当にこういう場って胃が痛い。

 

 色々とポケモンを入れ替えて状態を見ているとやって来るケンタ。

 宣戦布告なら昨日やったのになにか用事かと聞けば「ロケット団はどうしてる?」と聞いてくる。何事かと原作知識の引き出しを引っ張ってみれば、このポケモンリーグ・セキエイ大会はロケット団の3人組が邪魔ばっかりしてくる。

 他の大会だとアルバイトに勤しんでいるがこの大会だけやたらと妨害してくる。初代だからめっさ妨害してくる……それをどうにかしてるかどうかの確認にやって来た。

 

 普通に無視している事なのでやっていないと伝えると呆れられる。

「あの3人は厄介だからとっとと処理しないと大会が出来ない」もうちょっと言葉を選んでほしいな〜と思うが割とマジで邪魔ばっかしてくるのでなんとも言えない。俺に言うぐらいならば自分でどうにかすればいいんじゃとちょっと言えば「主人公だろ、お前」と言われたのでなにも言えない。

 

「んじゃ、ロケット団狩るか」となり、ケンタと一緒にロケット団探し……今日開会式なのになにやってるんだろうな。

 でも、今日見過ごしたらファイヤーの聖火の炎がパクられるので大会のムードが盛り上がらない。俺的にはそこまでなんだが一応は大事な物なので探す……秘技、波動探知!

 

 ニャースと男と女の3人組。男と女の二人組だったら探すのは困難だがニャースがいるから探すのが圧倒的に楽である。

 カメラマンとリポーターに扮しているロケット団を発見。何をしているのかと見ていると出場者にインタビューをしていた。恐らくは、インタビューしてどんなポケモンを持っているか調べているのだろう。とはいえ、準伝説以上の珍しいポケモンを持っているトレーナーはいない。

 自分のポケモンは自慢のポケモンだと言ってくるトレーナーだがそんなもんは珍しくもなんともないとさっさと引いていくので狙うならば今しかないと首の裏をトン。ジュンサーさんの駐在所の前に【こいつ等はロケット団です】と書いた紙を貼り付けて連れ出す。

 

「あれこれ、オレいらなくね?」とケンタが言うがお前がいなければやる気すら起きなかったのでお前が必要だったんだよ(適当)

 

 とりあえずややこしいロケット団は先に処理しておいたので開会式は問題無くはじまった。

 全国中継でセレナも見ているので何時になく真面目な顔をして開会式を迎えるのだが、ケンタが聖火を灯す役だった。アイツの事だからめんどくさがってやらないと思ったんだが聞いてみると「験担ぎ」とのこと……やれることはとことんやるか。真っ向から受けてやる。



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水のフィールド 目指せ3タテ

 カントーレポート149(ポケモンリーグ一回戦)

 

 遂にはじまったポケモンリーグ・セキエイ大会。

 セキエイ高原はそこら中大騒ぎだが騒いでいるのは見に来た観戦客と売店の連中と一部の選手だけで、テレビのインタビューで優勝目指して頑張りますだなんだと浮かれている。精神を集中させて研ぎ澄ませている人とは対極的だ。オレはどういう気分なんだろうか。優勝目指して頑張るぞいと言えばいいのか?とアホな事で悩んでいた。

 

 アホな事で悩むのは後にしてセントラルのメインのポケモンセンターに足を運んだ。

 自分の対戦相手が誰なのか、どのフィールドで戦うのかの確認の為にだ……今更ながらどのフィールドってなんだよなとは思う。水と草と岩のフィールドは分かるけども氷のフィールドって本当になんなんだろう。確かに氷のフィールドってアクションゲームでも特別なエリア感はあるけども氷のフィールドが得意なポケモンって数が少なすぎるぞ。

 

 フィールドに対して疑問を持っていると不機嫌そうな顔になっているケンタを発見。

 マリナが「まぁまぁ良かったじゃない」と宥めていたので何事かと聞いてみるとケンタは一回戦が無いとのこと……なんじゃそりゃ?と聞いてみれば人数とかの調整でケンタは一回戦が無い。まぁ、確かに256人までとか定員決まってないから何処かで人数調整をしないといけないよな。

 

 セレナが「一回戦がパス出来たからいいことじゃないの?」と首を傾げる。

 確かに一回戦をパス出来るのはポケモン達を温存する事が出来ていいことだ……が、なにもいいことだらけじゃない。

「セキエイ大会に出場出来るレベルのトレーナーがどんだけのレベルか分からない」とケンタは語る。他のトレーナーの実力がどれくらいか分からないと心の余裕とかゆとりとか持てない。切羽詰まってるわけじゃないけどある程度は理解しておかないと、精神的にキツい。そう考えると前日にトレーナー達に喧嘩を売って戦ったのは正解だったのかもしれない。ケンタロス一体でかなりのところまで行った……でも、あれ以上が普通に出てくるんだよな。

 

「面白そうな選手でも探したらどうだ?」ケンタは一回戦に誰を出すのか考えずに済むのだから今の内に面白かったり強敵の情報を集めたりすればいいのだが「お前より面白くて強いやつはいねえよ」と言ってくれる。嬉しいね。

「もう、サトシばっかり見てないで私の事を見ていてよ!」とマリナがオレに嫉妬すると「サトシはケンタの事は見ていないわ!私の事を見ているのよ!」と言い返すセレナ。凄く嬉しいけども恥ずかしいです。

 

 惚け話は他でやれよと周りから呆れた視線を感じるので世間話はここまでにしておいて自分の番が何時か確認を取る。

 オレはちゃんと一回戦があって明日の午後からのことで対戦相手はジャグラーのコーム……原作通りの対戦相手だった。原作ではサトシくんがクラブをはじめて使ってキングラーに進化し3タテした伝説がある……サトシくんじゃなくサトゥーシくんのオレならば確実に勝てる……なんて思ってたら慢心してるとか言われてるだろうな。

 

 マリナがこの後直ぐに試合があるそうなので応援をしにいく。

 マリナの対戦相手はコメツコというトレーナー、無名のトレーナーでどんなトレーナーなのか調べてみるとノーマルタイプが主に扱うトレーナーだった。ノーマルタイプ、めんどくさい相手だこと。マリナはやるからには全力で行かなくちゃとやる気を出しており、既に参加させるポケモンは決めておりノリノリのマリナ。

 

 関係者専用の応援席はあるらしいがあくまでも大会に出場するライバルの1人である為に観客席での応援をするオレ達。

 セレナはノリノリでチアリーダーの格好をしようとしたがそこまでしなくていいとケンタから止められていた。オレ的にはセレナのチアの格好を見たかったんだけどなぁ……ッチ。

 

 そんなこんなで草のフィールドではじまるマリナの試合。先攻はマリナからで出てきたのはワニワニことオーダイル。

 草のフィールドで陸でも戦えるオーダイルかと最初に決めていたポケモンはフィールドで有利で戦える云々を考えてじゃない。自分が思えるベストな手持ちで挑んでいる。レベルも充分で相手にするのは苦戦するだろうと思っているとコメツコはミルタンクを出した。

 ミルタンク……第2世代を思い出させるポケモンで思わず身震いしているとケンタは「あれなら問題無いな」と気楽に言う。

 

 審判の試合開始の合図と共に【れいとうパンチ】を叩き込みにいくオーダイル。【まるくなる】で防御力を高めて攻撃を受け流したミルタンクは【ころがる】を用いてゴロゴロと転がる。遮蔽物の無い草のフィールドで転がるミルタンク。【れいとうパンチ】をもう一度叩き込みに行くが真正面から殴ったので弾かれる。ああいう回転系の攻撃は真正面から殴っても弾かれるだけで、側面を叩かないといけない。

 事前に【まるくなる】で丸くなってからの【ころがる】で通常の【ころがる】よりも威力が出ていて素早い。側面を殴るのは難しいのでポケモン変えたりするかと思っていると地面に向かって【みずてっぽう】を撃った。

 

 草のフィールドは地面は土。

 水浸しにすれば泥濘んで上手く転がることが出来ないのを狙っているのかと思っていると【れいとうパンチ】でフィールドを凍らせる。これはと転がっていくミルタンクを避けるとミルタンクは速度を上げて追撃しようとするが凍ったフィールドで上手く方向の切り替えが出来ない。更には地面が泥濘んでる為に通常よりも多く回転しなければならず、ミルタンクは限界を迎えて【ころがる】をやめた。

 

 通常よりも難しい状態の【ころがる】で体力を奪うとはやるなと感心しつつ次を見る。

 そう何回も使えるコンボじゃないと見ていると【ハイドロカノン】を使った……サラッとやっているが半端ねえな。真正面から受けたミルタンクは一撃でやられた。あれは真正面からじゃなくてもマトモに受けたくない……最初のポケモンだけあってレベルが高い。

 

 次に出てきたのはピジョット。空を飛ぶことが出来るポケモンで泥濘んだフィールドや凍らせたフィールドは無関係……空を飛べるのはスゴい武器だ。オーダイルも水中を泳ぐことが出来ると言う武器はあるが草のフィールドでは糞の役にも立たない。陸上で戦うポケモンが空を飛ぶポケモンと戦う場合はやれることが限られている。マリナはオーダイルを戻し、ムウマージを出す。

 

 ノーマルタイプを主に扱うコメツコにとってムウマージは弱点……なんだろうか。ノーマルタイプだから色々と技を使ってくるので油断はならない。ノーマルタイプがあるのでゴーストタイプの技は通じない。鳥ポケモンなので【10まんボルト】辺りを使ってくるんじゃないかと思っているとまさかの【おにび】だ。

 

 攻撃系の技を主に使うこの世界の住人達の中で【おにび】とはケンタの入れ知恵かなにかだろう。

【おにび】をまともに受けてやけど状態になったので物理攻撃は下がる……チンタラやっていると勝負を決めに来たのか【ゴッドバード】を溜める……そう、溜める。【ゴッドバード】は溜めなければならない技で、ムウマージを前にそれは悪手だ。

 

 マリナはこれを待っていたと言わんばかりにムウマージに【10まんボルト】を指示してピジョットを撃墜した。

【ブレイブバード】だったら勝負が変わってたかもしれないと感じながら3体目のエイパムが出てくるがコメツコはいい顔をしない。追い詰められているのもあるが、多分ゴーストタイプに対して有利な技が無いんだろう。苦し紛れに【れいとうパンチ】で殴ってこようとするので【おにび】をぶつけて追い打ちを掛けるかの様に【ほろびのうた】を歌いやがった。

 

 そこまでやるかと思ったがここまでやってこそのポケモンバトルだ。

 マリナはムウマージからオーダイルに切り替えると【ハイドロカノン】をぶつけて倒した……強い。対戦相手のコメツコは決して弱い相手じゃない。相性の問題もあるけど、ほぼ無傷で勝つとはどんだけ鍛え上げたんだ。

 

 マリナの一回戦は見事に決まり決め顔でカメラに向かってポーズを取るマリナ。

「まだ一回戦だってのに……ま、勝ちは勝ちか」と少しだけデレていた。もっとデレた姿を見せてやれよ。お前、本当は優しいんだろ

 

 

 カントーレポート150(水のフィールド、そこまでの相手)

 

 目を覚ますとセレナが隣で寝ていた……何時も通りのいい朝を迎えた。

 今日はオレの試合だが、オレの試合だからってなにか特別な事をしようとは思わない。無理にカッコつけたり変なルーティーンを組んだりするのは悪いことじゃないが普段通りの強さで普段通りの勝利をオレは欲しい。

 

 朝食をいただきココアで一服しつつ昨日の試合の結果等を確認する。何時も通りと言ったもののやっぱり結果は気になってしまう。

 映像は無いものの誰がどんな風に勝利を収めたのかは載っていてマリナの様に1体も倒されずそれどころか3体目を出さずに済んだトレーナーは居なかった。マリナだけだった。

 

 これは燃えてくるなと燃え上がっているとシゲルの試合が行われてるとセレナが慌ててやってきた。

 アイツ、定期的にボコられているから少しは反省したりしてパワーアップでもしてるのかと思ったが「見ているかい、サートシくん」と相変わらずの事を言っていたので成長はしていないみたいだ。

 

 シゲルは放っておいても強くなったりするもんだと自分の事を考える。実は既に出すポケモンは決めていた……このセキエイ大会、自分がどれだけの実力か分からないので最強のメンツで挑む。高まる気持ちを抑えているとセレナがオレを抱きしめてくれた。

「優勝目指して頑張ってね……私が出来るのは応援だから」と言ってくれるので「お前の応援があるだけで力が上がる」と言っておく。セレナがオレのやる気を起こす。

 

「彼女の前じゃカッコつけたがるな」と一連の光景を見てニヤつくケンタ「当たり前だろう」とだけ言っておく……恥ずかしがるところはなにもない。そんなこんなで水のフィールドがあるスタジアムに足を運び遂にオレの出番がやってくる。

 先攻はオレで「ピカチュウ、君に決めた」とピカチュウを出す。ちゃんとした場での戦いは久々なのでピカチュウは燃えている。

 

 コームは「この試合、貰った」とナッシーを出した。実況が相性の上ではピカチュウは不利と言ってくるがオレのピカチュウはそんじょそこらのピカチュウじゃない。開幕ぶっぱだと意表を突く様に【なみのり】を巻き起こし、浮島からナッシーを突き落とす。

【なみのり】を使ってきた事は予想外だったのか周りは驚く……これでもうなみのりピカチュウは認知されてしまったのでこの大会中に意表を突いての【なみのり】は使えない……けど、この一回があればそれでいい。

 

 手が無いナッシーは足をジタバタさせる。

 浮島に上がろうにも上がれない状態のナッシーに向かって【アイアンテール】を叩きつけて空中ジャンプ、そこから【10まんボルト】の二段階攻撃でナッシーを倒した。

 

 ナッシーを倒されて焦ったりするかと思ったが「ビギナーズラックだな」と余裕を見せる。

 次に出てきたのはゴルバット。空を飛ぶことが出来るポケモンで水のフィールドに関係無い更に言えばリザードンやファイアローみたいにフィールドに落ちたらアウトな事もない。とはいえゴルバット……そこまで怯えるもんじゃない。

 

 浮島に立っているピカチュウに【かげぶんしん】で円形に囲むゴルバット。そこから【ちょうおんぱ】を撃ってくるがその手のコンボば対処可能だ。原作で言うところのカウンターシールドをピカチュウに【10まんボルト】でさせて影分身を全て撃墜し本体に攻撃を当てるとすかさず【でんじは】をぶつけて動きを封じて【10まんボルト】を叩き込む。

 

 一旦本体が割れてから【でんじは】を挟むことで相手を動かさずにいける。

 完膚なきまでに叩きのめし、追い詰められたコームは焦りを見せはじめて「逆転を狙うぞ!」とシードラを出す。シードラは直ぐに水の中に潜水し身を潜める。

 

 ピカチュウは特訓によって水系のポケモン程ではないが泳げる様になっている。

 追い掛ける事も出来るが相手は水ポケモン、元々素早さの高いシードラを相手に水中で戦うのは不利だ。追いかけはしない。

 追いかけて来ないと分かると水面から顔を出して【バブルこうせん】を撃ってきて直ぐに水中に隠れる……ここで少しだけ余計な欲が出てしまう。マリナがオーダイルとムウマージで勝ったんだからオレはピカチュウ1体で勝ちたい。キングドラの出場登録はしているのでキングドラを出せば種族値とタイプの暴力で圧勝は出来るが、ピカチュウで勝利したい。

 

 ピカチュウが負けても後が居るのでちょっとした冒険をすることが出来る。

 ピカチュウが水の中に飛び込むとニヤけるコーム。「水中で【とっしん】だ」と攻めてきて、水上へとピカチュウは飛ばされる……がそれが悪手。オレのピカチュウのとくせいは【せいでんき】触れる系の技は命取りだ。

 やっと運がこっちに回ってきたと思ったコームだが麻痺状態になっている事に気付き実況が「これはピカチュウのとくせい、【せいでんき】だ」とご丁寧に説明をしてくれた。水上に居る身動きの取れないシードラなんて怖くはない【10まんボルト】で倒す。

 

 一回戦の水のフィールドでのバトルはピカチュウの3タテで終わった。

 ラオウの如く天に腕を掲げると観客達はいい試合を見せてもらったと言ってくれる中でケンタだけは険しい表情をしている。

 オレの試合に対して些か不満があるようで聞いてみると【せいでんき】が起きなかったら他のポケモンに換えただろうとのことで変な欲に引っ張られなかったら無傷の完勝が出来ていたと言う。勝てたんだからいいだろうと言えば「俺を相手にそんな博打が通用すると思うな」と言ってきた。

 

 一度でも負ければその時点で全てが終わる大会。オレもケンタも体育会系の部活に入っていたわけではないのでそれがどれだけキツい事なのか完全に理解することは不可能だろう。一回戦がいい感じに勝てたのでもしかしたら調子に乗っているかもしれない……けど、調子に乗るって悪いことじゃない。特に同格の敵を相手にする時には何時ものペースや調子を出すことが出来るのは強い……まぁ、同格が居るかどうかは分からないけど。

 

 ともあれ一回戦を勝つことが出来た。セレナも「サトシなら勝てるって信じていたよ」と嬉しいことを言ってくれる。

 しかしまだ8回ある内の1回目の試合を終えたのでまだまだ緩んではいけない……けど、セレナっぱいの感触には勝てなかったよ。抱き着いてくるセレナの匂いとかいい感じ……女の子ってフワフワしている。

 

 

 カントーレポート151(ボールを磨こう)

 

 

 セキエイ大会の一回戦はまだまだ続く……が、暇である。

 情報収集とかした方がいいのだが昨日戦ったコームで今回出場しているトレーナーのレベルがなんとなく分かった。最悪というかパソコンを使えば一回戦の映像とかが普通に見れるので無理に生の試合を観戦しに行かなくてもいい。

 

 セレナとセキエイ高原でデートと考えたけども流石に大会の真っ最中にそれもどうかと思うのでモンスターボールの手入れをすることにした。

 長い長い旅と修行の数々で細かなところで汚れがある……モンスターボールのメンテナンスするところはなく偶然にもモンスターボールを磨くワックスが切れていた。買いに行こうかと思ったが、何処で買えばいいのかが分からないのでケンタを訪ねるとケンタもモンスターボールを磨いていた。

 

 オレとマリナが一回戦を順調に自分だけ試合が無いので落ち着かない。今の自分がどれだけか知りたいとのこと。

 今がリーグ期間中だから相手になってやるぞなんて軽々しくは言えない。なんとか気を紛らわせようと考えているとふとマスターボールが目に付く。サンタクロースにプレゼントしておいてと言っておいたマスターボールだ。

 

「それ使ったのか?」と聞いてみると首を横に振る。あれこいつラストエリクサー症候群とかだっけ?と思ったが「わざわざマスターボールを使うポケモンと遭遇してねえんだよ」とのこと。まぁ、ポッポとか割とどうでもいいポケモンにマスターボールを使ったら送ってくれと言ったオレもショックを受ける。

 

「使うんだったら準伝説級のポケモン……ああでもゲットしたくねえな」と準伝説級のポケモンを浮かべて嫌そうな顔をしている。

 準伝説のポケモンなんてゲームのレートで目にしない日は無いぐらいにいる……けどこの世界じゃ超珍しいから罪悪感でもあるのかと思ったら「あんなの持ってたらヤバい奴等に狙われるだろう」と厄ネタ扱いされていた。悪の組織とかが普通に存在していてポケモンを普通の手段以外でゲットしてくるんだよな……強いけど厄ネタだ

 

「それだけじゃない。守り神扱いされてるのをゲットしてみろ……村八分とかそういう次元じゃないぐらいに責められるぞ」

 

 準伝説のポケモンってホント怖い。そう考えると映画に出てくる悪役とかよく伝説や幻のポケモンにちょっかいかけるよな。ダイパとか割と普通に世界を滅ぼしそうになるし。とはいえマスターボールが勿体無いから使わないというのもどうかと思う。ラストエリクサー症候群は悪い病気だ。

 

「つーか、俺よりお前が持ってた方がいいんじゃないのか?これから先、劇場版関係で伝説のポケモンと遭遇しまくるだろ」と言うが「準伝説はともかく幻と伝説のポケモンは使ったらなんか負けだから使いたくない」と言っておいた。

 やっぱアレだよ。パッケージのポケモンとか使うと楽に勝てるかもしんないけどなんか負けた気がする……レートが基本的には伝説・幻のが禁止だからだな……。



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勝ち上がれ セキエイ大会

 カントーレポート152(ケンタ初陣!草のフィールド)

 

 短いようで長かった一回戦はやっと終わり、遂にやって来た2回戦。オレは最後の方に後回しされて、優先的にケンタが戦うこととなった。

 グレンジムでの激闘からかなりの時間が経過している。あれからどれぐらい強くなったのかと期待に胸を躍らせる。やっぱ強い奴と戦いてえ。

 

 ケンタの戦うフィールドは草のフィールド。

 水や氷の様に戦うポケモンをそんなに気にしなくてもいい感じのフィールドで純粋なトレーナーの力量が試されるフィールドだ。

 ケンタもオレと同じでそこそこの数のポケモンを持っている。スターティングメンバーがバクフーン、ニョロトノ、トゲキッス、ウソッキー、エテボース、キマワリの6体でそこから色々と変えてるといった感じだ。

 

 ケンタの戦うトレーナーはサムライ……オレが旅立って間もない頃に出会ったあのサムライ少年だ。本名サムライだったのを今知った。

 刀を腰に添えた甲冑姿の短パン小僧って色々と危ない気がするが、試合とは関係無い。サムライもオレがボコボコにした後に物凄く鍛え上げたのがよくわかる。

 

 モニターのルーレットが周り、赤、つまりケンタの先攻からはじまる。

 ケンタが出したのはバクフーン……一番最初に貰ったポケモンで一目見た瞬間に「あ、これケンタの勝ちだ」と呟いてしまう程に鍛え抜かれている。あの野郎、数ヶ月の間何処で修行してたんだとマリナに聞いてみるとシロガネ山で鍛えていたとのこと……まんまポケスペのゴールドじゃん。

 

 バクフーンに対してサムライが出したのはバタフリーだった。

 バクフーンはジョウト地方の御三家だと実況が言ってくれて【ほのお】タイプのポケモンである事が分かっているのに出したのはバタフリー……これ勝負になるかとヒヤヒヤしていると試合が開始した。

 

 開幕と同時に【しびれごな】をぶっ放すが【かえんほうしゃ】で粉塵爆発を巻き起こす。

 粉系の技は燃やせば連鎖的に粉塵爆発が起きるので対処するのは簡単だが……迷いもなくやるとか半端じゃないな。

 セレナとマリナは気づいているかは分からないが今の1回の攻撃だけでオレは気付く。サムライとケンタの間にある大きな実力の差を。

 ここまでやって来ただけあってそれなりに育てられているバタフリーだが、バクフーンはそれら全てを凌駕した強さを持っている。試合は決まったので出来ればケンタから色々と捻り出してくれよと試合の見方を変える。

 

 突拍子もない戦法をケンタは警戒していたが王道的な戦い方だと分かると勝負を決めに行く。

【かえんぐるま】を使ってバクフーンはバタフリーに向かって突撃をする。バタフリーは【サイケこうせん】で迎え撃つがパワーに差がありすぎるのか【かえんぐるま】の炎を撃ち破ることが出来ずバクフーンに突き飛ばされて戦闘不能。相性があるのは分かっていたが、こうもアッサリと倒すとは実に相手にしがいがある。

 

 バタフリーがやられた事を悔しみながらもボールに戻すサムライ。

 2体目のポケモンはなにが出てくるかと期待していると出てきたのはカイロスだった。あの時よりもパワーアップしているのがよく分かるが……相性がな。

 

 さっきの試合はケンタは受けだったのでどうか攻めないかと見守っていると【かえんぐるま】でグルグルとカイロスの周りを燃やす。

 これはフィールドを活かした戦法だな。草のフィールドと言う一見なにも無さそうに見えるが、まさか草のフィールドを燃やして炎のフィールドに変えるとは中々に高難易度な技だ。

 フィールドを火事状態にすることで【ほのお】タイプにとって圧倒的に優位なフィールドに変わる……ただ問題は後続が【ほのお】タイプ以外のポケモンだと戦いづらい欠点がある。

 

 ケンタは【ほのお】に強いニョロトノやウソッキーを持っていたがこの様子だとバクフーン1体で3タテをするつもりだろう。

 炎の壁に囲まれたカイロスは完全に逃げ場を無くしてしまったのでバクフーンを相手に【ハサミギロチン】で勝利を狙いにいくがバクフーンはカイロスの自慢のハサミをガッチリと掴んで攻撃を防いだ。

 カイロスの怪力バサミのパワーは相当な物の筈なのにガッチリと掴んでるとは流石はケンタの最初のポケモンだと見せつけられる。

 

 自慢のハサミさえ掴んでしまえばこっちのものだ。

 バクフーンは【かえんほうしゃ】を超至近距離からカイロスにぶつけて、カイロスを一撃で倒した。実況は圧倒的だと騒いで観客達も大盛り上がりしているが……一方的な試合運びだ。3タテも普通にありえる。

 

「コレが拙者の奥の手でござる!」とサムライが最後に出したのはストライクだった。そこはハッサムじゃないのかと思ったが、ハッサムなら余計に負ける可能性が高いのでこれはこれでありかもしれない。

 サムライのストライクは羽ばたいて、自身を囲う炎の壁を取り払う。流石は虫取り少年の虫ポケモンといったところか、炎系の技に対して一切の恐れを抱いていない。

 

 炎の壁を掻き消す事が出来たので身動きが取りやすくなった。

 サムライはストライクに【かげぶんしん】を指示して、さっきのお返しかの様に円形にバクフーンを囲んだ。中々に素早い動きでバクフーンはどれだどれだとキョロキョロ見回す。コレは本体を見つけ出すのが至難の技だと思っていると【かえんぐるま】をその場で使うことを指示した。

 

【かげぶんしん】はNARUTOの影分身と違って本体以外には実体の無い技だ。基本的に物理技しか覚えないストライクはここから何をするにしてもバクフーンに接触しなければならない。仮にバクフーンが【かえんほうしゃ】を撃ってきたのならば一直線にしか攻撃が当たらないので【かげぶんしん】で背後から奇襲を仕掛けれるがコレだとダメージ覚悟の上で攻撃をしなければならない。

 

 他にも色々と技が使える筈なのに【かえんぐるま】と【かえんほうしゃ】だけでここまで翻弄するか。【かえんぐるま】の状態を維持したバクフーンはストライク目掛けて突撃するがストライクのかげぶんしんに当たる。「今でござる!」とストライクは背後からの奇襲を仕掛けにいき【きりさく】でダメージを与えた。やっと攻撃が通ったかと思えば燃え上がるストライク。【やけど】状態になってしまった。

 

 体が炎に包まれて苦しそうな表情をするストライク。ケンタはそんなストライクの隙を逃すはずも無く【かえんほうしゃ】をバクフーンに指示。

 再び【かげぶんしん】で避けようとするが、【かげぶんしん】使用中にやけどが発揮されてしまい本体が露見したのでそこに【かえんほうしゃ】を叩き込んで戦闘不能に追い込んだ。

 

 サムライも使っているポケモンが虫ポケモンに偏ってはいるものの、決して弱くはなかった。

 セキエイ大会の出場条件を満たすレベルのポケモントレーナーの筈だがレベルが違う。今大会の優勝候補の1人だな。

 

 ともあれケンタは駒を3回戦に進めることが出来た。オレもマリナも次の試合で活躍をしなければ笑われるな。

 

 

 カントーレポート153(2回戦の難関)

 

 どんどん行われる2回戦。次に試合が行われたのはマリナで対戦相手はパッとしない名もなきモブトレーナー。

 事前にどんな1回戦を繰り広げたのかを確認してみるとギリギリのところで勝ったトレーナーだった。コレは余裕で勝つことが出来るなと思って試合を見ている案の定、マリナは勝った。

 

 1体も倒される事なく勝利したのは流石と言ったところだが、他人を褒めている場合じゃない。

 オレもオレで試合が控えているんだと控室で若干だがビクビクしながら呼吸を整える。転生したとはいえこんな大舞台での試合なんてはじめてで緊張をするなと言うのが無茶だというものだ。

 

 ガチガチになった体を解しつつ、試合を迎える。2回戦は岩のフィールド……1回戦の水のフィールドと違ってある程度は自由なフィールドだ。

 対戦相手はまたまた名もなきモブトレーナーで特に厄介なポケモンは持っていないが、油断はならない。先攻後攻のルーレットが回るとオレは後攻に決まり対戦相手のトレーナーはニドリーノを出してきた。

 

「ニドリーノか……2回戦の相手には丁度いい」とオレはドサイドンを出した。

 

 久々のバトルなので大声を上げるドサイドン。その大声に思わずニドリーノは引いてしまうが、そんな事は知ったことじゃない。

 審判のバトル開始の合図と共にドサイドンに【じしん】を指示して開幕ぶっぱをするのだが読まれていたのか向こうも【にどげり】で攻撃するべく空中を跳んだので回避されてしまった。更には【にどげり】を2発も受けてしまう。【ハードロック】の個体をゲットしてて良かったとこういう時はつくづく思う。

 

 伊達に1回戦を勝ち進んだトレーナーじゃないと認識を改めつつ【ストーンエッジ】を指示する。

 ケンタの真似をするわけではないが、ただ単に一直線に岩を出現させるのも芸は無いのでニドリーノを誘導するかの様に岩を動かして円形に囲む。昨日の場合だとこれで動きを封じることが出来たのだが、今回は違う。

 

【つのドリル】で岩を貫きこちらに向かってくるニドリーノ。ならばこちらもやるしかないと【つのドリル】を指示。

 ニドリーノは見事に岩を貫き、上からドサイドンを襲ってくるので角と角がぶつかり合う。パワーとパワーがぶつかり合うのならば、純粋に強いパワーを持っている方が勝てる。

 体格も種族値も重さもレベルも全てオレのドサイドンの方が上なので徐々に徐々に鈍い音を立ててニドリーノの回転する角は減速していき、バランスを崩したところでそのまま【つのドリル】が撃沈。一撃必殺!ニドリーノは戦闘不能になった。

 

 ちょこっとダメージを受けてしまったが、取り敢えず1勝はもらった。次になにが出てくるかを警戒していると出てきたのはギャロップだった。

 ドサイドンを相手にギャロップとはマジかと再び【じしん】を使うのだが見事に跳ばれて避けられる。それどころか【こうそくいどう】で素早さを極限まで上昇させてドサイドンの攻撃を避けてしまっている。

 

 1番の範囲攻撃である【じしん】を避けられてしまったのならば、どうすることも出来ない。

 出来れば綺麗に3タテを決めたかったが致し方ない事だとドサイドンからキングドラへと入れ替えた。

 

 先ずはと【なみのり】で津波を巻き起こすのだが、フィールドの岩を踏み台に高らかと津波を上回る高さを得る。

 これはやり辛いなと【バブルこうせん】で弾幕を作り上げてみるが【だいもんじ】で全てを焼き尽くす……恐ろしいが、どうにか出来ない訳じゃない。【あまごい】で雨雲を作り出して【雨】状態に切り替える。

 

 オレのからキングドラの特性は【すいすい】、フィールドが雨状態の時に素早さを倍増する。

 元の素早さはギャロップに勝つことは出来ないかもしれないが特性を組み合わせればなんとか対処出来る。とはいえ元の素早さはあっちの方が上なのでなにか手を考えなければならない。

 

 ギャロップは飛ぶことは出来ない。跳ぶことが出来るポケモンだ。空中を滞空出来ない。

 なら、滞空していても対処することが出来ない技を、【なみのり】の様な1発だけじゃない技……【うずしお】を使う。ギャロップは岩を強く踏みつけて高く跳んで避けるが1度作り出した【うずしお】は早々に消えることは無い。【うずしお】が消える前にギャロップは地面に舞い降りてしまい、流れで【うずしお】に飲み込まれる。予想通りになってくれたと内心ガッツポーズを入れつつ、渦潮の中にキングドラを突っ込ませて【ハイドロポンプ】でギャロップを倒す。

 

 中々に強敵だったが、余力を残して倒すことが出来た。残すところは1体。相手のトレーナーが出したポケモンはニョロボンだった。

 最後に出てきたのはニョロボンかと考えていると雨が止んだ。一瞬だけポケモンを入れ替えるかと考えたがその前にと【なみのり】をぶつけるのだがノーダメージなニョロボン。特性【すいすい】の個体なので相手にするだけ無駄だとポケモンを入れ替え、3体目のポケモン、ドードリオを出す。

 

 素早さの上ではドードリオの方が上なので早急に決めに行く。

 3つの嘴をドリルの様に回転させて突撃する【ドリルくちばし】を決めに突撃するのだが【みきり】を使ってニョロボンは巧みに避ける。無理に攻めても体力を消費するだけだと一旦距離を置いてみると【こころのめ】からの【れいとうビーム】のコンボが飛んできた。

 

 距離を縮めても離れてもダメならば一か八かの勝負に出るしか道は無い。

 再び3つの嘴を回転させて【ドリルくちばし】を使うと向こうも【みきり】で避けてくるので今度は追撃に走る。【みきり】は強力な技だが絶対に攻撃を回避する事の出来る技ではない。こっちには3つの頭があるんだ。時間を掛ければ確実に攻撃を当てる事が出来る。

 

【みきり】で巧みに避けるニョロボンだったが、徐々に徐々に避けるのに限界を迎える。

 寸でのところを避け続けてたのが僅かばかりだったが攻撃が命中して来た。それを見た相手のトレーナーは「首を掴むんだ!」と攻めに転じるがそれは悪手。ニョロボンの手は2つ、対してドードリオの頭は3つだ。

 

 左、真正面、右と3箇所からの同時【ドリルくちばし】で攻撃をすると左右から来るドードリオの頭を掴む事が出来たが最後の真正面による【ドリルくちばし】を防ぐことは出来ず、命中してニョロボンは吹き飛ばされる。

 中々に手古摺らせたが最後はあっさりと決めることが出来た。ニョロボンは戦闘不能となり審判が合図をすると試合終了……こうして振り返ってみると危ないところもあったので反省をしておかなければならない点が多々ある。

 ドードリオが近距離での直接攻撃系の技をメインとしてるのに一旦距離を置いたのは大きな間違いだった。【こころのめ】+【れいとうビーム】は下手すればやられていた可能性だってある。

 

 とにもかくにも勝つことが出来たので緊張の糸が途切れて変な汗をかいてしまう。

 こういう所がまだまだ未熟者だと控室に戻るとセレナが「2回戦勝利おめでとう!」と若干汗だくなオレを抱きしめてくれるが、汗が気になってセレナの柔らかさを堪能することが出来なかった。後で思いっきり抱きしめよう。

 

 カントーレポート154(誰がマサルダイモンだ)

 

 今日も2回戦が行われるので暇である。ロケット団という1番の障害を真っ先に排除したからイベントらしいイベントが起きない。

 大事な大会なので余計な事をされるのはそれはそれで困るので然程気にすることではない……3回戦の相手が決まっていないので事前の情報収集が出来なかったりするし暇だ。

 

 大事な大会なのでセレナと一緒に遊びに行こうとか言う浮かれた気分にはなれない。セレナも空気を読んでくれるのでオレのことを膝枕で耳掻きしてくれるぐらいで終わっている。どうやって休むのかを考えているとケンタがやってくる。

 一応オレとお前は大会でぶつかる可能性のある敵同士なのでポンポンと来られたら困る事を言うが、馴れ合いとライバルである事は違うことぐらいは認識しているとのこと。お前が良くてもオレの方に問題があると言いたかったが言ったところで意味は無さそうなので言わない。

 

 そしてケンタは極々当たり前の如く膝枕をしてもらっているオレをツッコミを入れる。

「大事な大会期間中なのにナメてんのか」と言ってくるが休養を取るのも大事な事なのを忘れてもらっては困る。「お前こんなところで油売ってていいのか。マリナはどした」と言うと「ショッピングに行ってる」とあっさりと答えた。

 

「この野郎、彼氏だったら一緒に付いていくのが筋だろう。荷物持ちの待ち惚けをくらおうがオレならそうする」とビシッと言ってやると俯くケンタ。「マリナとどう向き合えばいいのか分からない」とのこと。他人の恋愛関係に首を突っ込むとロクな事にならない。これ、神話の時代からの鉄則、故に「優勝したらキスでもすればいい、あ、ごめん。オレが優勝するから究極の(チェリー)ボーイだな」と煽っておくと「テメエ、優勝したら顔面ぶん殴る」と殺意マシマシの返事が届いた。

 

「お前如きの拳でダメージを受けると思うのか?」と返すと「お前はなにマサルダイモン的な境地を目指してるんだ」と呆れられた。

 この世界はデジモンでなくポケモンの世界、オレはマサルダイモンじゃない。ユグドラシルをぶん殴ってない……時と場合によっては映画に出てくる伝説のポケモンを殴る可能性があるけど。ENTEIはぶん殴る予定だけど。

 

 なんだ「マジでお前作品を間違えてる」って。

 オレだって転生先を選べるならワールドトリガーとかが良かったよ。この世界もこれはこれで面白いけどワールドトリガーには敵わねえよ。ワールドトリガーでも生身の肉体を鍛えてもそこまで意味は無いって?喧しいわボケ。



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勝ち残れ ポケモンリーグ

 カントーレポート155(特訓方法の違い)

 

 そんなこんなで今日で2回戦も最後だ。

 既に駒を進めているオレ達にとってそこまで重要では無いので瞑想に浸っているとケンタがやってきた。オレとお前は親友だけど今はそういう時じゃないので変に馴れ合いをしたくない。感情は時として判断能力を鈍らせる。120%の力なんて出さなくていい。100%の力を常に出し続ける。でも、本音を言えば80%の力で20%の余裕を持って戦うのがベストだ。

 

 その辺りについて言ってやろうとするとケンタが「一緒に練習をしないか?」と言ってくる。

 お互い暇で戦いのカードが組まれていないのだから手の内を曝け出すのは危険なので断ろうとすると「普段、どんな感じにポケモンを育てている?」と聞いてくる。別になにも難しい訓練はしていない。仮想敵としてオレが戦い、ピカチュウ達の動きのダメなところを指摘する。必要とあらば新しい技を覚えさせるの繰り返しだ。

 

 その事を教えると「マサラ人独特の鍛え方をしてんじゃねえよ」とツッコミを入れられるので「羨ましいだろう」とドヤると脇パンされた。オレの方が頑丈だったのでケンタの奴、手を痛そうにしていた。鍛え方が違うんだよ、鍛え方が。

 

「ということは努力値振ってないのか?」ととんでもない事を言い出すケンタ。

 努力値ってどうやって振るんだよ。素早さを上げる方法ぐらいしか浮かばないぞ。その辺りについて聞いてみると「羨ましいだろう」と返された。プライドの様なものは時として投げ捨てなければならないのでオレは土下座をして教えを請う。

 

 お前にはプライドは無いのかと言いたげな顔をしているケンタだが、勝つ為に必要な事を教わるのにプライドが邪魔するのはそれはただのプライドでなく傲慢だとオレは思う。言い出したのはケンタだったので土下座の力もありあっさりと教えてくれる。

 何時ぞやのタマムシシティで景品を荒稼ぎにした際にぶんどってきたパワー○○系のアイテムを装備させて重点的に鍛えていただけだった……そんなのありかよ。

 

「てことはなんだ?お前のポケモン達って」と聞けば「細かな調整は仕方が分からないからやってないけど努力値極振りはしてある」と言ってきた。やべーな。転生してるから忘れていたけどコイツが1番ポケモンが上手い廃人だった。睡眠時間を削って色違い厳選する男だったよ。

 改めてケンタの驚異を感じ取る。今からでも努力値を振っておいた方がいいのかなとチラリとピカチュウを見るのだが、時すでに遅し。

 

 オレはオレ流の鍛え方で今日まで頑張ってきたんだ。ここでやり方を変えたとしてもそれはポケモン達のコンディションに大きく影響する。やるならばジョウト地方を旅立ってからにしよう。「なんか俺だけ損した気分だ」とケンタは言っているがオレのやり方は真似しようと思えば誰でも出来るんだ。怪我の保証は一切無いけど。

 

 ともあれ努力値を振る方法を知れたことはデカい。

 オレのやり方を真似出来ないと言ってくるので仕方がないなと実践してみせる。今回の対戦相手はケンタロス。四足歩行のパワーファイターだ。

 

「よっしゃかかってこい!」とクイクイと指を動かす。「俺はいったいなにを見せられてるんだろう」と呟くが最初に聞いてきたのはお前だろう。

 ケンタロスは勇猛果敢に一直線にオレ目掛けてすてみタックル。パワー溢れる攻撃は止めるのは至難の技。だが、直線的な攻撃すぎる。何処からやってくるか分かってくる攻撃ほど楽に対処出来るものはない。ムーンサルトを決め込みながら蹴りを尻尾に叩き込む。

 

 必死になって鍛えたがまだまだ鍛え方が足りないな。

「今の【すてみタックル】の時点で殆どのポケモンがやられてるだろう。設定を高くしすぎだ」と苦言をされるのだが「オレが目指してるのは上位じゃない。頂点だ……今よりも更に強くなれるならそれをしないでどうする」とだけは言っておく。

 サトシくんの言っていたポケモンマスターがなんなのかは知らないが、上を目指す気持ちだけは正真正銘のマジである。

 

「1度、やってみるか」とケンタもオレの真似をしようとしたのだがケンタのポケモン達がケンタをマジで攻撃する事は出来ないと言う。

 ポケモン達に大切に思われている事はいい事だが時としてトレーナーは非情な判断をくださなければならない。ポケモンはその判断に身を委ねなければならず、非情な心も大事なんだぞ。仲良し小好しと信頼しあってるは訳が違う。とはいえケンタに向いていないやり方なのも事実だ。

 

「ポケモンの鍛え方は人それぞれで得るものがあれば吸収する。そんな感じか」といい感じに纏めておいた。

 

 カントーレポート156(3回戦、危険な氷のフィールド)

 

 2回戦も全て終えてやってきた3回戦。セントラルのポケモンセンターで対戦相手を確認してみるがあんまりパッとしない。

 まぁ、変に強い奴だと相手にするのが一苦労だったりするのでそれはそれで良いのだが、厄介な事にマリナと試合をする時間が被ってしまった。

 ケンタは申し訳無さそうに「マリナの方を優先させてもらう」と言ってきたので「惚けてるな」と感心してると回し蹴りをくらった。ケンタが痛がってた。だから学習しろっての。

 

 マリナの事だからどうにかこうにか勝ち進むだろうと気持ちを切り替えて試合に挑む。

 3回戦は氷のフィールド……今更ながら4つのフィールドの中でも1番理不尽に思えるフィールドだ。一部のポケモンに不利すぎるのは如何なものか。

 

 とまぁ、文句を心の中で呟きながらもスタジアム入りしてバトルを開始。

 氷のフィールドなので【みず】タイプとか出てきそうな雰囲気なので一番手にフシギダネを選出。フシギダネを見た相手のトレーナーはパルシェンを出してきた。セオリーだけを見ればオレの方が有利だが、相手はあのパルシェン。油断をすることは出来ない。

 

 試合開始の合図と共に【れいとうビーム】を放ってきたパルシェン。直線的な動きなので避けろと指示を出すのだがミスった。

 足元は一面氷。四足歩行のフシギダネは何時もの様に走り回ることは出来ない……色々と今日まで訓練をしてきたが、フィールドに関する訓練をしていなかったのは大きなミスだ。【れいとうビーム】が真正面から直撃する。

 

 こういう事があるからバトルは面白いと笑みを浮かべつつもどうすべきかを考える。

【こおり】タイプが来るかもしれないがフィールドがフィールドだけにリザードンは今回登録していない。リザードン以外に空を飛べるポケモンはいないのでこのフィールドの特性を見抜かないといけない。

 

 だがその前にと【メガドレイン】で体力を吸い取ろうとするのだがパルシェンはスイスイっと動いて避ける。やっぱ氷は氷のフィールドを自由自在に動くことが出来るのか。

 スイスイと動いてくるパルシェンを相手に【メガドレイン】は狙いがつけづらい。オレの見立てが間違いなければ、一発でも【メガドレイン】を当てることが出来れば確実に倒すことが出来る。

 

 倒すのは後にして今は足場の確保を優先しよう。

【つるのむち】を地面に叩きつけて移動してパルシェンと距離を取ってみるものの、如何せんブレーキが上手くいかない。これは練習しないとどうこうできるものじゃないと直ぐにパルシェンを倒すことに意識を切り替える。

 スイスイっと氷の上を動くことが出来ているパルシェンだが、物凄く素早いわけではない。動かしながら攻撃出来る【つるのむち】で攻撃をさせると【からにこもる】で殻を閉じてガードを固めてきたが、それこそが狙いだ。

 

【つるのむち】をグルグル巻きにしてパルシェンを締め付ける。そんな事をしてもパルシェンに殆どダメージは無いぞと実況は叫んでいるがオレの狙いはそこじゃない。

 

「しまった!」とオレの狙いに気付く相手のトレーナー。

 パルシェンが殻を開いている時にあれやこれやと出来るのは知っている。この状態ならば出来ることは圧倒的に少ないものだと【ソーラービーム】の発射用意。パルシェンは殻を開こうと必死になるがフシギダネの蔓を解く事は出来ずにそのまま【ソーラービーム】が発射。

 ぼうぎょを高くてもとくぼうが低いパルシェンにとってソーラービームは大打撃でオレの目論見通りパルシェンは一撃でやられた。

 

 足場にはなれてはいないがなんとかなった。パルシェンがやられたトレーナーが次に出したのはウィンディだった。

 氷のフィールドでウィンディを出すとか正気かと思ったが正気らしい。「炎だけがウィンディの芸じゃない。ウィンディ、りゅうのいかり」とりゅうのいかりを撃ってくる。流石は3回戦まで勝ち進んだトレーナー、やるな。

 

 相性不利の奴と苦手なフィールドで真正面からやり合うのは得策じゃないがまさかの【だいもんじ】が飛んできた。

 あれこれ、もしかしたらと思ったのでオレはフシギダネに逃げる事を指示。ウィンディは猛追の【かえんほうしゃ】を決めに来るのだが、それは1番の悪手だった。氷のフィールドで炎なんて出せばどうなるのか。凄く簡単な事だ。氷が溶けて水のフィールドになる。

 

 程よく氷塊が浮島代わりになってくれたのを見て頃合いだとフシギダネをボールに戻し、キングドラを出す。

 物理的に浮いているキングドラならばなにが掛かってきても問題は無い。それどころかこのフィールドだと好都合だとフィールドの水を使って【うずしお】を巻き起こす。

 

 渦のお陰で氷塊が斜めに傾きバランスを崩すウィンディ。

 別の安全な氷塊に跳ぶのだがツルツルと滑る氷塊には勝てず足を滑らせてしまい、そこを狙って【ハイドロポンプ】で撃墜。

 見事に2体目を倒したのだがその代償は地味に大きい。フィールドが氷から水に変わってしまっている。オレのフシギダネは水を嫌わないが、何処まで泳げるかは不明だ。3体目はケンタロスなのでこのフィールドでは戦えない。

 

 3体目に出てきたのはサイドンだった。

 当然と言うべきか氷塊の浮島から滑り落ちるのだが、流石は【なみのり】を覚えるポケモンと言うべきか割とケロッとしている。

 水の中ならばこちらの方が段違いに有利だと【うずしお】を使うのだが【つのドリル】で渦を巻き起こしてかき消す荒業を使ってきた。渦を渦で掻き消すとはハンパじゃないがこっちの方がまだ上手だ。【れいとうビーム】でフィールドごとカチンコチンに凍らせて倒した。

 

 3回戦の相手も中々にやるがまだまだ余力を残してバトルを出来た。本選までは本気にならずに勝ちたいな。

 

 

 カントーレポート157(溶かしまくれ氷のフィールド)

 

 今日の試合はケンタの試合で同じく氷のフィールドだったのだが、最初に出したのはまさかのバクフーンだった。

 対戦相手は自慢のエースことサンドパンを出したので白熱するのかと思えばケンタはバクフーンに【かえんぐるま】を指示してフィールド内を走らせる。何をするかと思えばフィールドの氷を問答無用で溶かして水のフィールドへと変えやがった。

 

 サンドパンを相手にやるなと直ぐにポケモンをバクフーンからニョロトノへと変える。

 ニョロトノのとくせい【あめふらし】が発動し豪雨がフィールドを降り注ぎ【ハイドロポンプ】を当てに行く。サンドパンは雨+の【ハイドロポンプ】を真正面から受け止めた。流石のケンタも「嘘だろ!?」と声を上げる。

 

 サンドパンを使っているトレーナー、よくよく見れば何時かのサンド使いだった。

 水に馴れる特訓をしまくりオレのサンドパンは水に対する完璧な耐性を身に着けたと語る。そういうことを言うと負けフラグが立ってしまう。

【れいとうビーム】をぶっ放すとカチンコチンの氷状態になってしまい、戦闘不能に追い込まれる。

 

 なんかオレの時も似たような理由で敗北していた気もする。

 エースのサンドパンがやられてしまい気落ちしているのかと思えばまだだとモンスターボールを取り出し、ギャラドスを出した。

 フィールド的に水ポケモンがいるとは思っていたが、ギャラドスかと見守っていると【かみなり】が落ちる。雨状態での【かみなり】は必中技で真正面から受けてしまう。一撃で倒されるかと思ったがなんとか耐え抜いたニョロトノは【ほろびのうた】を歌う。

 

 追い詰められたら【ほろびのうた】ってヤバくないか。あのニョロトノ、確実に1体は倒せる様に仕立て上げられている。

 とはいえ、聞いた直後に倒れるほど【ほろびのうた】は強力ではなく2発目の【かみなり】がニョロトノを襲い、戦闘不能に追いやられる。

 

 1体目はバクフーンで、フィールドは既に水のフィールドとなっている。残す希望は3体目だと出てきたのはトゲキッスだった。

 飛行するポケモンならば関係無いな。トゲキッスが出た頃には雨も上がり晴々とした天気に戻り試合が続く。相手のギャラドスは【はかいこうせん】を撃ってきた。バカめ、【はかいこうせん】は強いがお前が使う技じゃない。

 

 空を自由自在に飛べるポケモンであるトゲキッスに一直線にしか飛ばない光線を当てるのは難しいことであっさりと避けられる。

 トゲキッスに【マジカルシャイン】を指示するとピンク色の眩しい光をギャラドスにぶつけて【エアスラッシュ】をぶつけた頃に【ほろびのうた】の効果で倒すのだが最後の最後にフィールドに向かって【れいとうビーム】を放ちフィールドを元の氷のフィールドに戻した。

 

 最後の仕事がいい仕事なのは言うまでもない。

 最後に出てきたのは陸上を歩く(?)ウツボットだった。トゲキッスは【ひこう】タイプも持つポケモンで【かえんほうしゃ】を覚えさせる事が出来るポケモンだ。これは勝負が決まったと思っていると何故かトゲキッスからバクフーンに変えた。

 

 トゲキッスが【フェアリー】タイプなので毒技を警戒した上での交代か?

 ケンタのトゲキッスならそんな事を気にしなくても勝てるというのにわざわざ切り替えたのは何故だろうか。ともかくバクフーンを出された事で余計に不利になった。バクフーンは【ブラストバーン】をウツボットにぶつけて大勝利。

 

 バクフーンとトゲキッスの余力を残した上での勝利をケンタは納める。

 これで全員が4回戦に駒を進める。次の4回戦が試合の折り返し地点なので気を引き締めないといけない。現にケンタのポケモン、1体やられてしまっている。最初から最後まで本当に油断にならない。

 

 それはさておき嬉しいことが起きた。セレナのおっぱいを揉んだとかそんな感じじゃない。セレナっぱいは顔に挟んでも怒られない。

 ママさんとオーキド博士が応援へと駆け付けてくれた。今まで忙しかった研究に一段落付いたそうなので応援へとやって来てくれたそうだけど、研究所をガラ空きにしていいのか?オーキド博士の研究所ってオーキド博士しか居ないはずなのに……まぁ、オーキド博士も色々と出掛けたりするからこういう時に頼める助っ人でも居るんだろう。

 

 4回戦まで余裕で勝ち抜いたので喜んでくれるママさんとオーキド博士。こういう時、サトシくんをやっていて報われたと思う。

 とはいえ、ここで天狗になってはいけない。オーキド博士も油断するのではないぞと言ってくれる。本当に喜び報われる時が来るのはポケモンリーグで優勝した時だ。

 

 対戦相手を確認に行ったけどケンタ達とはまだ戦わない。早く戦いたい……まぁ、その前にケンタはシゲルと戦うから、頑張れ。



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激闘繰り広げる4回戦

 カントーレポート158(激闘4回戦)

 

 なんだかんだで4回戦まで駒を進めることが出来た。

 我ながらよくやったと褒めてやりたいところだがまだまだ油断をすることは出来ない。結局のところ、1位になって優勝しなければ何一つ報われないのだから。

 

 今日は怒涛の大激戦だと言っておこうか。

 

 流石に4回戦になると残りのトレーナーの数も大分激減しており、試合までの期間が短くなる。気が休めない。

 戦士(トレーナー)に休息など不要、甲子園球児なんて毎日試合してるみたいなもんだという啓示かなにかだろう。連戦の疲れを癒やす間もなくはじまるは4回戦、流石のマリナも苦戦しつつもなんとか勝利をして本戦トーナメントに駒を勧めた。

 一番最初に本戦に進んだので見ているオレやケンタも自分の番だと体に力を入れて試合に向けて意識を集中させた。

 

 ケンタの4回戦の相手はシゲル、オーキド博士の孫でここまで中々に順調に駒を進めていっている。

 アイツは天狗状態とはいえその実力は本物である……が、ケンタが本物よりも強いんだよな、これが。まだ全力を出し切っていない感はある。と言うよりはあいつ、全試合バクフーンを出場登録しててバクフーンを目立たたせて他のポケモン達に意識が向かない様にしている。多分、なんか隠してるな。

 

 シゲルがケンタにどこまでくらいつくことが出来るのかが観物だと売店でポップコーンを購入。セレナにあ〜んして貰いながら試合を見る。

 

 フィールドは岩のフィールドだ。

 特色のあるフィールドだがなにかのタイプが特別有利になるわけでもない極々普通のフィールドだ。

 先攻後攻のルーレットが回るとケンタの先攻で決まった。開幕バクフーンが来るかなと思ったが出てきたのはバンギラスだった。開幕からの600族はヘビーだ。

 

 見たことのないポケモンだと周りがざわめき、シゲルはポケモン図鑑を開くが今のポケモン図鑑では該当するポケモンが残念ながらいない。

 情報アドバンテージをみすみす逃すほどケンタは馬鹿な人間ではなく、シゲルはエースであるカメックスを出した。相手がどんなポケモンなのか分からない以上は1番のポケモンをぶつけるのは賢明な判断だと思う。ただ問題はバンギラスが相手だという事だ。相性の上では有利かもしれないがケンタの鍛えた600族は冗談抜きで油断ならない。

 

 審判から試合開始の合図が出ると開幕【ハイドロポンプ】をしてくる。

 やられる前にやるのはいいことだ。鈍足なバンギラスにとってそれは有効打であるのは間違いない……ただ有効打であるだけであって、決定打とは限らない。ホントに【ハイドロポンプ】くらったのか疑問に思うほどにピンピンしていた。耐久力高い。

 

 開幕ぶっぱをされたのでは今度はこちらのターンだと言わんばかりに【じしん】を起こす。

 岩のフィールドでの【じしん】は衝撃波で岩の破片も飛び散る中々に強烈な技となっておりカメックスを襲うのだが、流石はシゲルが最初に貰ったポケモン。早々に倒れる事はしない。

 

 手探りでバンギラスがどんなポケモンなのかをシゲルは調べようと今度は【ロケットずつき】を叩き込むべく、突撃する。

 バンギラスを相手に近距離攻撃は悪手である。【ロケットずつき】で突撃してきたカメックスを避ける事はせずに真正面から受ける。バンギラスも重いがカメックスも相当な重さのポケモンで、かなりの威力がある筈なのにバンギラスは完全にカメックスを受け止めた。

 

 シゲルのカメックスも相当なものなのに、凄まじいな。

 カメックスをガッチリと掴んだバンギラスはカメックスを離さない。ここで勝負が決まるとケンタが出したのは【はかいこうせん】だった。ここに来てのロマン砲が来るか。身動きが取れないカメックスにバンギラスの【はかいこうせん】が直撃してカメックスは吹き飛ばされて戦闘不能に落ちる。

 

 いきなりのエースがやられた事に動揺したんじゃないかなとチラリとシゲルを見ると案の定動揺していた。

 こりゃシゲルの完敗かと思っているとシゲルは両手で頬を叩いて気を引き締め直す。シゲルの2体目のポケモンはフーディンだった。

 情報アドバンテージの差がここで出始めたな。さっきまでのヘビーなポケモンと異なるタイプのポケモンを出して逆転を狙っているのだが、フーディンはあの技が無い限りはバンギラスに勝つことは出来ない。

 

 先に動いたのはフーディンだった。

 フーディンは【サイコキネシス】をバンギラスにかけるのだが、しかし残念な事にバンギラスは【あく】タイプを持つポケモン。【エスパー】タイプの技は一切通じない。技が通じない事にシゲルは戸惑い、その隙にケンタはバンギラスに【かみくだく】を指示し、フーディン目掛けて突撃して噛み付いた。

 

 特殊攻撃に滅法強い反面、物理攻撃には滅法弱いフーディン。

 600族の名に相応しいバンギラスの圧倒的なパワーを前に一撃で敗れ去ってしまう。【きあいだま】さえ覚えていればカメックス戦のダメージを考慮してワンチャンあったのだが、まだそこまでシゲルは知っていなかった。情報アドバンテージの差は恐ろしい。

 

 若干の余力を残しているバンギラスとケンタ。それに対して追い詰められてしまったシゲル。

 差が大きく開きここから逆転するのは至難の技だと心の何処かでシゲルを応援し、シゲルが最後に出したポケモンはニドキングだった。

 ニドキングならばバンギラスに対してワンチャンあると思ったらバンギラスは【じしん】を撃ったのでシゲルも負けじと【じしん】を指示して衝撃波を衝撃波で相殺させる。

 

 最後を任されるだけあって強い。

 ケンタもオレと同じ事を感じたのかここに来てバンギラスを引っ込める。まだ戦える筈だが無理をさせれば後に響くと感じたからだろう。

 なんとかバンギラスを退ける事が出来てシゲルは喜ぶのだが、一気に絶望に叩き落とすかの様にキマワリを出した……ここに来てのキマワリ。如何にも植物な見た目をしているのでニドキングは【どくばり】をキマワリ目掛けて飛ばすのだが【はっぱカッター】で全てを撃ち落とす。

 

 レートとかで全然見ないポケモンだから弱いんじゃないかと思ったが流石はケンタというべきか通常のキマワリよりも遥かに強く仕上げている。

 オレのフシギダネと真正面からやり合えるぐらいには強いと思った。中距離攻撃は【はっぱカッター】で撃ち落とされると分かったシゲルは手を変えて【ほのおのパンチ】でキマワリを攻めに行く。キマワリは寸でのところで攻撃を後ろに下がりながら避け続けるのだが、岩にぶつかってしまいピンチかと思えば、ケンタはそれでも避けさせる。回避率が半端ないぞ、キマワリ。

 

 一定の距離を保つ事に成功したキマワリは【だいちのちから】を使った。ニドキングや炎系のポケモンに対する対策はしていたか。

 大地から止めどなく溢れるエネルギーに襲われるニドキング。耐えるかと思ったが、耐えきる事は出来ずにそのまま倒れてしまった。

 それにより審判が試合終了の合図を出す。ケンタも本戦トーナメントに駒を進め、シゲルはセキエイ大会ベスト32で終わってしまった。

 

 オレの試合までまだ僅かに時間があるので、シゲルに声をかけようと観客席からスタジアムの外に出るとシゲルは車に乗ろうとしていた。

 シゲルはオレの存在に気づいたので「サトシ……」と呟く。ここに来てシゲルにどんな言葉を掛ければ良いのか悩んでしまう。トーナメント形式の大会で負けてしまった奴に掛ける言葉なんてあるのだろうか?

 どんな言葉を出せばいいのか喉元で悩んでいると「やれやれまいったよ」とシゲルはなんでもなさそうな声を出しているが体は震えていた。やっぱりあの負けは堪えてしまうものだったか。

 

「セキエイ高原から去るのはいいけど、オレが優勝するのを見ておけよ」

 色々と考えた結果、出たのはこの言葉だった。シゲルに健闘したとか言っても傷口を抉るだけだ。なら、オレがここから更に勝ち進むのを見届けてもらいたい。「僕を倒した彼は強敵だ。精々彼に当たるまで負けない様に頑張りたまえ」とシゲルは車に乗って去っていった。

 やっぱりここで負けたことが悔しいんだろうな……次に会う時はトレーナーとしてのレベルが一気に上がってる。オレも負けない様に精進しないと。

 

 シゲルが見えなくなるまで去っていくと今度はケンタがやって来た。

「敗者にどんな言葉を送っても慰めにはならないぞ」と結構厳し目な言葉を言ってきたのでオレが優勝するのを見とけと言ったことだけを伝える。

「カッコつけるのはいいけど、次の4回戦で負けんじゃねえぞ。こっちは決勝戦を楽しみにしてるんだから」と言ってくるので「任せとけ」とサムズアップし、選手控室にレッツゴーだがその途中でママさんとオーキド博士に会った。

 シゲルが負けてしまった事は残念だけど、これはこれで良い薬になったとオーキド博士は意味のある負けだと語り、ママさんは「シゲルくんの分まで勝ってやりなさい」と言ってきた。こりゃますます負けられない。

 

 控室で瞑想したりして気持ちを整えると、あっという間にやって来た4回戦。フィールドは草のフィールド。

 対戦相手のカオルコは箱入りのお嬢様かアイドルなんかじゃないかと思えるぐらいに観客がワーワー言ってる。パネルを使って【カオルコV】ってやるのはよく訓練されたオタクもといファンだ。

 

 先攻後攻のルーレットが回り、カオルコの先攻で最初に出てきたのはスピアーだった。

 顔に似合わずいいポケモンを使ってくるとオレはベトベトンをここで出す……サトシの4回戦と言えばベトベトンしかいない。

 オーキド博士の研究所で長い間お世話になっていた事もあり悪臭は既に消え去っている。鍛えに鍛えたベトベトンを今こそ見せる時だ。

 

 ベトベトンを見て嫌そうな顔をしているカオルコ。ベトベトンは見た目はアレだけど超強くて頼りになるポケモンなんだぞ。

 早急に試合を決めに来たのか【ダブルニードル】を指示するが、ベトベトンにそんな技は通用しない。自慢の針はベトベトンのヘドロな肉体にめり込むだけで、ベトベトンを倒すには至らない。それどころかめり込んだ針が引っこ抜けない。

 

 こんな絶好の機会を逃すほど、オレはお人好しでもバカでもない。

 攻めるしかないなと【ほのおのパンチ】を真正面から叩き込んで、スピアーをぶっ倒す。

 いきなりしかも一撃で倒されたことにカオルコはショックを受けるが直ぐに気を持ち直して2体目のストライクを出してくる。ハッサムならまだしもストライクなんざ怖くはないと【ヘドロばくだん】で攻撃するもあっさりと避けられる。

 

 あのストライク、パワーとかは大した事は無いけど素早さだけは1人前だ。

 鈍足のベトベトンでは追いつくことは出来ないし、さっきのケンタのバンギラスを見本にさせてもらうかと耐久勝負に入る。

 大技を狙えばさっきのスピアーの様にやられてしまうと見たカオルコはストライクにつばさでうつで攻撃させるだけにしているが、手応えが無い。やはり自慢の鎌を使わなければベトベトンにダメージを与えることは出来ない。

 

 勝負を決めに来たカオルコはストライクに【かげぶんしん】をさせて四方にベトベトンを囲む。

 自慢の鎌を振りかざしての四方からの【きりさく】を撃ってくるのでベトベトンジャンプ。何処から狙ってくるか分からないが何処を狙っているのか分かるならば対処は容易い。ジャンプしたベトベトンはそのままストライクに【のしかかり】戦闘不能に。

 

 余裕の2連勝だが、ここで天狗になってはいけない。

「とっておきを見せてあげますわ」と出てきたのはさっきまでの2体とは完全に毛色の異なるマダツボミだった。明らかに弱そうな見た目をしているのが、このマダツボミは本来のサトシくんのピカチュウとフシギダネをボコボコにした経験もある。まぁ、ベトベトンでボコボコにしたオチが待ち構えてたけど。

 

 その見た目の何処にそんな筋力があるのか聞きたいぐらいの怪力でベトベトンを背負い投げする。

 しかし残念な事にベトベトンにはダメージはない。ならばと【はっぱカッター】で攻めるがベトベトンの体にめり込むだけ。

 カカト落とし等をくらわせるがベトベトンにはダメージらしいダメージはない。そろそろ勝負を決めに行くかとベトベトンに【のしかかり】を指示し、マダツボミに覆い被さる。

 マダツボミは当然の様に暴れて脱出しようとするが、どうする事も出来ずに段々と暴れる力も弱まり最終的には戦闘不能に追い込まれた。

 

 カオルコのポケモンが3体やられた事で試合終了。

 応援に来ていたカオルコのファン的な存在はベトベトンなんて醜悪なポケモンに負けるなんてと言っているがベトベトンをナメるんじゃねえ。地味にいい感じの種族値を持っていて覚える技も豊富なんだ……リージョンフォームの方が強いとか言っちゃいけない。

 

 ベトベトン1体で4回戦まで残ったトレーナーを3タテしてやった。

 シゲルはこの試合を観ていてくれたのだろうか……ケンタは「ここからが転生者の見せ所だな」と言ってきた。

 そう、ここまでは原作通りサトシくんが歩んできた道をただただ歩いていただけに過ぎない。ここからは二次創作に出てくる転生者の如く、原作をブレイク……目指すはポケモンリーグ優勝だ。

 

 カントーレポート159(戦士達の休息)

 

 今日で残りの4回戦を一気に消化するらしい。

 既に5回戦である本戦に駒を進めているので今日はリラックスが出来る日だ。なんなら明日も休める。とはいえ遊んではいられない。

 とりあえずはとポケモンのチェックをしようとするのだが一部のポケモン達が不満そうな顔をしていた。

 

 ピカチュウ、ドサイドン、ドードリオ、キングドラ、フシギダネ、ベトベトンの6体しかバトルをさせていない。

 一応はオコリザルとかゲンガーとか参加登録しておいたんだったが相手がヌルいので出す機会が無かった。特にリザードンが暴れたらなそうな顔をしていた。

 準々決勝からはフルバトルになり、出ているトレーナーも桁違いに強くなるからそれまで待てと言っているのに戦わせろとうるさい。

 

 こうなったら仕方があるまい。

 大会中に怪我をしたら元も子もないのは分かっているが今日明日と休みなのは分かっているのでリザードンと勝負をすることにした。

 リザードンはマジかと言った顔をしている。なに、なんなの?お前戦いたいんだろう。だったらオレが相手になってやるよ。本音を言えばセレナとイチャイチャしたいんだけど、その時間をわざわざ削って戦うって言ってるのになんでそんな嫌そうな顔をするんだ。

 

 リザードン達、一部のポケモンはオレとバトルするつもりはなくポケモンバトルをしたいと主張する。

 バトルならオレが何時でも引き受けてやるってのになんて贅沢な奴等だとその事についてケンタに愚痴を言えば「頭湧いてんのか」と言われた。(´・ω・`)

 

 ケンタとマリナの方は躾が行き届いているのか、暴れたりないなどの不満は一切無い。

 ポケモン達にストレスを与えてコンディションを落とすわけにもいかないし、どうしたものか考えているとセレナが「コンテストパフォーマンスの練習をしてみない?」と言ってきた。コンテストのパフォーマンスはポケモンバトルとはまた違った技量を求められるもので息抜きをするのには丁度いい。

 

 明後日まで暇であろうケンタ達も誘ってパフォーマンスの練習をした。

 カントーではまだ開催されていないポケモンコンテストだがジョウト地方では既に開催されているらしく、マリナはジョウトではジムとコンテストの二足の草鞋を履くつもりだ。セレナもポケモンコンテストには興味津々なので、きっといいライバルになるだろう。

 

 思いっきり運動をしたら、お腹ペコペコになった。

 選手村の何処かで飯を食おうと思っているとママさんが出てきて「サトシ達にとびっきりのご馳走を食べさせてあげるわ」と張り切ってレストランの厨房を借りてご馳走をいただいた。そこでふとケンタの両親は来ないのかと聞いたら「俺は色々とグレてたから多分来ねえ」と言われた……ケンタもケンタで色々と苦労しているんだな。まぁ、だからといって勝負の手は緩めないけど。



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打ち破れ 原作

サトシくん、遂に四天王を破っちゃったよね……ならば自粛はしない。


 カントーレポート159(戦士の休息)

 

 激闘に次ぐ激闘が繰り広げられるポケモンリーグ・セキエイ大会もいよいよ本選だ。

 その前に丸一日休みを貰える。オレはここまで頑張ってもらったポケモンにお礼を言う。ここまでやってこれたのもこいつらのおかげである。ただまだ油断できない。肩の力を本当の意味で抜くときそれはオレがセキエイ大会で優勝した時だ。

 

 今日もママさん特性の手料理をいただくのだがオレのだけ微妙に味が違っていた。普段から食べ慣れている味とは異なる味で少しだけ?になっていると「それはママとセレナちゃんが作ったのよ」とのこと……ありがとうございます。

 ママさんの味もいいけどもセレナの味もいい。セレナの味に舌が慣れてきた……尚、ケンタとマリナの場合、ケンタの方が料理上手だったりする。

 

 腹が満たされて自身の部屋に戻ろうとするとエレベーターにやってくるは初代サトシくんキラーのコナンもといヒロシ。

 お前の事は前々から調査済みである。この大会をストレートに勝ってきた中々の実力者である事は知っているがあくまでも初対面であるので無反応を示しているとエレベーターが停電。「キャア」と可愛らしい声を上げてセレナが抱き着いてくるので美味しい思いをした。

 

 美味しい思いをし終えたので結構いい感じの施設な癖にエレベーター停電するのかよと頭を冷静に切り替える。

 しかしオレにはアイツと違って電子工学系の知識はない。エレベーターのドアを開いてみるが、そこは階の間である。天井でも貫いて直接別の階にでも行こうかとするとヒロシがエレベーターを点検して、エレベーターに電気が送り込まれていないだけという事に気付きオレのピカチュウに電気を貰ったことでエレベーターは動き出した……オレが無理矢理ドアを開いたせいでドアが若干歪んだが、緊急事態だったんだ。許せ。

 

 その後は普通に「お互い試合になったら全力でバトルしようぜ」と仲良しの握手を交わす。これが遊戯王ならば握手で敵を倒すワンキルをしてた、まぁ、遊戯王ならばだけど。とにかく感じのいい終わりになったのでそれで良しとする。

 その後は自分の部屋に戻り、もう一回ヒロシのデータを御浚する。サトシくんと手持ちの構成は似ているがサトシくんと違って知性がある……サトシくんの弱点って知識が無いのを気力と根性でカバーするところなんだよな。悪いとは言わないけど知識は大事だ。

 

 これまでの原作通りならば5回戦の相手はヒロシになる。

 ロケット団はブタ箱にダンクシュートを咬ましてやってるので暫くは出てこない。つーか、出てくんな。

 ヒロシがサトシくんキラーならば何かしらの補正的なのが掛かってくるかもしれない。今の所それらしいのは見えないがマジで油断が出来ない。

 

 ヒロシ戦に向けてのオーダーを考える。相手はピカチュウを使ってくるのでこっちはドサイドンでも出すかと悩む。

 最終的にはヒロシ戦のオーダーが決まり、気づけば昼過ぎ。5回戦、本選トーナメントにまで駒を進めたポケモントレーナー達はセントラルのポケモンセンターに集まってくださいとアナウンスがあったので向かうとヒロシと再会を果たす。

 

 先に来ていたヒロシは既にくじであるコイキングを引いており、A−4に配置。オレもやるかとコイキングを釣るとA−3とヒロシと1回戦から激突することになる。事前に知っていたので驚きはしない。いいバトルをしようと握手を交わすとヒロシは去っていく。それと同時にケンタとマリナがやってきた。

 

 ここまでは原作通りだが、問題はここからでこの二人が何処のブロックに入るのかが気になる。

 先にマリナがコイキングを釣るとAー7、順調にオレが勝ち進めば準決勝で当たる位置になりケンタは1回戦でマリナとは戦いたくないと言いながらコイキングを釣るとB−4だった。

 5回戦を勝ち抜けば準々決勝でヒロシを倒したトレーナーに、準決勝はマリナで決勝戦はケンタ……燃えに燃える熱い展開だ。

 

「お前かマリナのどっちかとフルバトルか」と既に決勝戦に駒を進めた前提で呟くケンタ。

 ケンタならば絶対に勝ち進めるとマリナは思っているのでオレに対して「絶対、絶対に勝ってみせるんだから」と宣戦布告をするが「その前に5回戦と準々決勝だろうが」と返しておく。

 

 5回戦で出場させるポケモン達を登録したので選手村に帰り、休むことに集中した。休むときに休む。無理に練習しないのもまた一流の秘訣だ。

 

 

 カントーレポート160(打ち破れ、サトシくんキラー)

 

 朝、目が覚めるとケンタがやってきた。

 寝起きで若干だが低血圧で苛立っているとオレの護衛をしにきたとほざく。リザードンと生身で戦うことすら出来ない奴がオレを護るとかバカな事を言ってるんじゃねえ。「お前、自分がおかしいことを自覚しろ」ってツッコミを受けたのだが、そんなのは気にしちゃいけねえ。

 

 念には念を入れてオレが拉致されたり道中なにかあったり守ってくれる。ケンタの試合は明日だから割と暇である。

 そんなんしてる暇があるならばマリナの応援でもしてやればいいのにと思ったがマリナはオレの次の次に試合なのでオレが試合をしてくれないと困るそうだ。流石にそんなヘマはやらかさないよ。とはいえ万が一が恐ろしいので部屋に引きこもりつつ今まで集めたバッジを磨いておく。箱に入れてない時があったから若干汚れている。

 

「オレの方はいいとしてお前の方は大丈夫なのか?」と一応はケンタの心配をしてみると「既にオーダーは決めていて登録している」と相変わらずの準備万端だった。ケンタの事だからまだまだ実力を隠している可能性は高い……いやぁ、油断ならない。

 

 そんなこんなで色々とやって時間を潰しているとやってきた試合時間。

 オレは選手村を出てセキエイスタジアムになんの邪魔も横槍もなく入ることが出来たのでケンタはホッとする。ジャッジキルによる敗北だけはあってはならない。それだけは回避した。

 

 無事に5回戦、第2試合ははじまる。先攻後攻のルーレットが周り、先攻はオレからとなったのでケンタロスを出す。

 ここまで一切使っていないポケモンで情報は皆無に等しい。どう出るとヒロシを見ているとヒロシはポケモン図鑑でケンタロスの事をチェック……アレって公式戦でやっていいことなんだな。普通、ダメだと思う。

 

 オレのケンタロスに対してヒロシが出したのはバタフリー、原作通りだが油断は出来ない。

 とりあえず開幕ぶっぱで行くかと【すてみタックル】を指示するとヒロシはバタフリーに【しびれごな】を放つ。急には止まれないケンタロスは【しびれごな】に触れて【まひ】状態になった。

 

 なんだかんだいってサトシくんキラーなのは強い。だからといって負けていい理由にはならない。

 ここで気力だ根性だと言って振り切ろうとするのはサトシくんだがオレはサトゥーシくん。力技は時には使う程度でモンスターボールにケンタロスを戻し、これまた今まで温存していたリザードンを出す。

 

 やっとのバトルに燃えるリザードンは咆哮を轟かせて五月蝿い。しかしそれだけやる気に満ちているということだ。

 先ずは一体軽く撚るかと【ブラストバーン】を指示。超火力の炎が地面を伝い噴火してバタフリーに直撃してバタフリーは戦闘不能に陥る。やはりリザードン、困った時はリザードン、リザードンこそピカチュウに次ぐポケモン界の顔である。

 

 一体目を完封して調子に乗るリザードン。こういう時はとことん強い。二体目にヒロシが出したのは相棒のピカチュウもといレオン……相性でついてきたか。レオンは【10まんボルト】でリザードンを攻撃してくる。電撃系の技ならば対策済みだと【かみなりパンチ】で攻撃をガード。ここであることが判明する。レオンはオレのピカチュウよりも弱い。ピカチュウならば【かみなりパンチ】でガードしているリザードンを突破する事が出来るが、レオンはそれが出来なかった。

 

 いい感じに波に乗れている……だが油断は出来ない。【かみなりパンチ】を覚えさせてるけどオレのリザードンは特殊型でYを目指している。

 レオンの電撃は対処する事が出来るには出来ているが何時大技が飛んでくるか分からないのでリザードンには申し訳ないがケンタロスにチェンジ。アニメの世界は謎だが【まひ】状態だけは自力で解除できる。ボールに一旦戻って少し休んだおかげでケンタロスは元に戻っていた。

 

 レオンの特性は不明だ。開幕ぶっぱをして痛い目にあったが猪突猛進も悪くはない。【じしん】を使い、衝撃波を発生させてレオンに飛ばすのだがレオンは尻尾を地面に突き刺して【じしん】を回避する。【じしん】が回避されたのは予想外だが、それでも手が無いわけじゃない。【じしん】でやられなかった時を考慮して【すてみタックル】でレオンに目掛けて突撃。尻尾を地面に突き刺しているレオンは【でんこうせっか】で対抗してくるが素のパワーが違うのであっさりと敗れる。

 

 これによりレオンとバタフリーが破れて残すところは一体だけ。未知のポケモンが出てくるかと思ったがヒトカゲだった。

 これならばとオレは直ぐにケンタロスを戻してリザードンを出す。交代された鬱憤が溜まっているのかリザードンは大きく叫ぶ。【ブラストバーン】の撃った後の反動は消え去っている。コレならばいけると【かえんほうしゃ】を指示するとヒロシのヒトカゲも【かえんほうしゃ】で対抗。

 

 技の指示の選択肢を誤った、進化前と進化系ではパワーが違うので同じ技でのぶつかり合いは一番の悪手だ。

 リザードンの【かえんほうしゃ】はヒトカゲの【かえんほうしゃ】を簡単に押していきヒトカゲを飲み込む。リザードンとヒトカゲの間には大きなレベル差がある為にヒトカゲは大ダメージを受けた。

 この調子ならば勝てるともう一度【かえんほうしゃ】を指示するとヒロシは【かえんほうしゃ】を指示する。それは悪手でこの勝負、貰ったと思っているとヒトカゲは【もうか】を発動しており、リザードンの【かえんほうしゃ】を耐える。

 

 耐えるだけでジリ貧な状態には変わりはなくこれならば勝てると思った矢先、ヒトカゲが進化の光を放った。

 ここに来ての進化とはマジでサトシくんを殺しに来てる。ヒトカゲはリザードに進化し【もうか】も合わさりリザードンのパワーと拮抗をする。こんなところで負けてたまるかという強い意志を感じるがそれだけじゃオレには届かない。

【りゅうのいぶき】に技を変えると【かえんほうしゃ】を押していき、リザードに攻撃を届かせて戦闘不能に持っていった。

 

 3体を戦闘不能にしたことにより、オレの勝利が決まった。

 今まで温存していたリザードンはやっぱり強い。ケンタロスも中々にやる……育ててて良かったと思う。

 バトルが終わればその後は握手をする。お決まりの「僕に勝ったんだから優勝してくれよ」と後を託されるのだがヒロシの握手する力が若干強くて震えている。やっぱり負けたのは悔しいんだな。

 

 試合が終わったのでセレナからのハグを受け取る。準々決勝にまで駒を進めることが出来た……なによりも原作という壁を打ち破る事が出来た。

 原作なんて関係ない、オレはサトシくんじゃなくてサトゥーシくんなんだと改めて実感する。ケンタも「原作ブレイクおめでとう」と言ってくれた。

 

 

 カントーレポート161(原作を超えた先)

 

 今日は休みであり、Bブロックの試合があった。

 目ぼしいものはやはりケンタの試合だろう。例によってバクフーンは参加登録されているのだが相変わらず強い。ここまで残ったポケモントレーナーも決して弱くはないのだが、それでもケンタは強く3タテをした。余力を残した状態での3タテとか半端じゃねえ。

 

 決勝戦はやっぱりケンタかと思っているとジョーイさんが出場している事に気付く。

 そういえばポケモン検定試験の時にジョーイさんが居たなと思い出す。ジョーイさん、流石というかなんというかラッキー1体3タテしてた。

 【どくどく】に【タマゴうみ】に【ちきゅうなげ】と定番の技構成でやたらと硬い……きせき無しであの硬さは中々に、それこそZ技を使っても耐え抜くんじゃないかと思わせる硬さだった。

 

 余力は残していない感じだったが普通に強い……ジョーイさんと言えばラティアスを使っていたりするし、もしかしたらケンタも負ける可能性があるかもしれない。あの感じとパソコンで見れるデータからして確実にとんでもないポケモンを控えに残しているな。

 ジョーイさんという新たなる脅威に驚きつつもオレは準々決勝のポケモンを考える。準々決勝からはフルバトルになる。今まで色々とバトルをしてきたがフルバトルは実戦ではやったことがないバトルで精神を擦り減らす。出来れば楽に勝ちたいと思うのだが世の中そんなに甘くは出来ていない。

 

 明日にはフルバトルが待ち構えているので、心してかかろう。

 

 

 カントーレポート162(フルバトル6vs6)

 

 とりあえず結論だけ言えば勝つことが出来た、辛勝とかそんなんじゃなくて余裕を保っての勝利が出来た。

 対戦相手のサユリはフシギソウ、メノクラゲ、モルフォン、サイドン、ペルシアン、レアコイルと中々にバランスが取れたチームで対してオレはドサイドン、オコリザル、ゲンガー、フシギダネ、ドードリオ、ケンタロスと若干偏った感じになった。

 

 ジョウトリーグでハヅキがサトシくんとのバトルが原因でバシャーモが戦えないという事態が発生した。

 マリナとの対戦は明後日になるのだが、それでも念には念を入れて1番のエースであるリザードンと相棒であるピカチュウには引いてもらった。

 1番のパーティでないので勝ち抜く事が出来るかどうか不安で仕方がなかったが、相手の手持ちとの相性が良かったと言える。

 

 最初はオコリザルvsペルシアン、自慢の爪でオコリザルを切り裂くのだがオコリザルは【ばくれつパンチ】を叩き込んでペルシアンを混乱状態に落としてもう一発【ばくれつパンチ】を叩き込んで倒す。

 次にオコリザルvsレアコイル、オコリザルはまだ余力を残しているので攻めにいくがレアコイルは【でんじは】を撃ってきて避ける事が出来ずに【まひ】状態となりそこにすかさず【トライアタック】をくらい瀕死寸前に追い詰められるが根性を見せて立ち上がってくれて【10まんボルト】をくらいながらも【ばくれつパンチ】を叩き込んでくれた。

 

 一発で倒せるかと思ったがレアコイルの特性が【がんじょう】だった為に倒れることはなかった。

 これはしまったなとオコリザルを戻してフシギダネを出して、【はっぱカッター】を撃って虫の息のレアコイルを倒す。倒せて当然の相手を倒したのでぬか喜びしていられない。

 

 サユリが次に出したのはフシギソウだった。

 進化前と進化後のポケモンの力の差は歴然なのでポケモンを交代しようかと考えたがフシギダネはやると言ったのでそのまま続行。しかしここで考えなければならない。フシギダネよりフシギソウの方がパワーが上なので真正面からやっても勝ち目は薄い。

 

 試しに【はっぱカッター】を撃ってみたが同じ数で威力が上な【はっぱカッター】で全て迎撃されてしまう。

 進化の力は強いなと思いつつ、手を考えた結果【つるのむち】で地面を叩いてジャンプ。そのまま一気にフシギソウ目掛けて【のしかかり】をする。【たいあたり】での勝負ならば重さと体格で負けるが上からのしかかるのならば問題は無い。

 

 上からの攻撃にどうやって対処してくるのかと思えば【つるのむち】で動きを抑えに掛かってきたので【ヘドロばくだん】と直ぐに次の手を使い進化系のフシギソウを撃破……トレーナーの実力というのをハッキリと示す事が出来た。

 

 後はもう快勝だった。

 サイドンに対してドサイドンで迎え撃ち、メノクラゲとモルフォンはドードリオのドリルくちばしでぶっ倒した。ゲンガーとケンタロスを出さずに済んだのはいい……オレの試合の後にマリナも準々決勝で戦い、無事に勝利して準決勝に駒を進める。

 マリナも割と余力を残してフルバトルを制した……これは明後日の試合が激闘に次ぐ激闘になるだろうな。楽に勝てる相手じゃないが、それがまたいい。今まで退屈をしていた。勝つか負けるか分からないギリギリのクロスゲームをオレは望んでいた。マリナならばそれが出来る……ケンタとはもっともっと熱いバトルが出来るだろう。ホントに楽しみで仕方ない。



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対決 vsマリナ

 カントーレポート163(対決フルバトル)

 

 遂に来た、やって来たぞ準決勝。準決勝の第1試合、会場は既に大盛り上がり……凄く胃が痛くなってきた。

 よくよく考えてみればこんな大舞台はじめてだ。勝ちたいと思っているし、楽しむ事も出来てはいるのだがプレッシャーを感じないわけではない。オーキド博士が「優勝を期待しておるぞ」とハードルを上げてくる……コレが甲子園とかインターハイに出場している人達の気持ちか。

 

 オーキド博士から激励を受けたので気持ちを切り替えようと両頬を叩いて立ち上がろうとするのだが足が震えていた。

 プレッシャーとか感じないタイプじゃないんだけどなと震えを止める方法を考えているとセレナがハグをしてきてくれた。「私は応援しか出来ないけど、応援ならなんでもするわ」とオレのプレッシャーによる震えが収まるまで俺を抱きしめてくれた。

 

 オレはここに来るまでに一人になっていたわけじゃない。皆が居てくれたからここに至る事が出来た。

 セレナのハグを受け返してセレナニウムを補充するとセレナはオレをクンクンしてきてデレデレになるが気にする事はせずに、気付けば足の震えも納まっていた。

 

 いい感じに体も温まってきた……ただ、なんて言えばいいのだろうか。まだ上がある気がする。

 もっともっと上がある気がしてならないのだが、そこを気にしすぎている場合じゃないとセキエイスタジアムのフィールドに行くとマリナと向かい合った。

 

「サトシ、あなたを倒してケンタも倒してケンタを私の物にするわ!」と堂々としたマリナ「ケンタを生かすも殺すもお前次第だ、だが勝利は渡さない」ケンタがマリナを心の何処かでは大切な人だと思っているのはもう分かってんだよ。リア充になれよ爆発しろよ、バーロー。

 ケンタが観客席でなにか言っているけど一切気にしない方向で行く。

 

 先攻後攻を決めるルーレットが回るとオレの先攻に決まる。

 出来れば後攻の方が良かったのだが、こればかりは仕方がないと先ずはケンタロスを出す。ノーマルタイプのパワーファイターなケンタロス、控えは互いに万全なのでどう出るのかが重要だ。

 

 ケンタロスに対してマリナはマリルリを出してきた。

 ここでのマリルリ、常人ならば転生者ならばマリルリの恐ろしさは知らないわけではない。試合開始の合図と同時に【すてみタックル】をマリルリにするのだがマリルリは【アクアジェット】でケンタロスの真後ろに移動した。

 攻撃技での回避、伊達にケンタと一緒に旅をしていない。技術力も相当なものだが……【アクアジェット】を使ってきたという事は非常にマズい。

 

 マリナはマリルリに【はらだいこ】を指示。マリルリは腹を叩き出すのでこれはホントにシャレにならないと【じしん】を使い、確実にマリルリを仕留めに行くのだがマリルリは耐えきった。虫の息も同然のマリルリ、もう一手あれば倒せる圏内にまで届いているともう一度【じしん】で攻撃をしようとするのだがその前に【アクアジェット】で激突されて……ケンタロスは戦闘不能になった。

 

 いつ振りだったか。自分のポケモンが先に戦闘不能になってしまったのは、ピカチュウを貰って間もない頃だろうな。

 こういうのを待っていたと笑みを浮かべながらケンタロスをボールに戻す。楽しい楽しい時間がやってきたが、ここでふざけてはいけない。炎のような情熱を持っていてもそれと同時に氷の様な冷静を保っていなければならない。

 

 虫の息に等しいマリルリだがAが最大まで上昇している。その上で先制技である【アクアジェット】を覚えている。はらだいこジェットマリルリは油断すれば全滅させられる可能性を秘めており、適当に選んだら全滅エンドもあり得る。色々と考えた結果、ここは確実に勝ち星を得ることの出来るピカチュウにした。

 

 マリルリを一度でも下げれば【はらだいこ】の効力は消える。虫の息に等しいマリルリはここから戦い抜かなければならない。

 後に引くことが出来ない以上は前に前進するしかないと【アクアジェット】で攻めてくるので【でんじは】を浴びせると、ピカチュウに激突する直前で【アクアジェット】が解除される。やっぱアニメの世界の状態変化技は強いな。動きが止まったマリルリに対して【10まんボルト】を叩き込んで一発KOだ。

 

「この戦法だけでジムリーダーに勝つことが出来たんだけど、やっぱり無理か。ありがとうマリルリ」とマリルリにお礼を言うマリナ。やっぱはらだいこマリルリは強い。1体倒すのにここまで一苦労するとは思いもしなかったがこれでいいんだ。

 マリナの2体目のポケモンはムウマージだった。マリナの最初のポケモンでエースであるポケモンはオーダイル、搦手も出来るムウマージを相手にピカチュウで勝てなくもないが、ダメージを負わせるのはまずいとピカチュウを一旦下げてゲンガーを出す。

 

 ムウマージとまともにやりあえるのはゲンガーだけだろう。

 マリナが手持ちを変えてくるかと思ったがマリナはそのままムウマージを続投させ【シャドーボール】を指示、ならばこちらも真っ向勝負だと【シャドーボール】を指示。ムウマージとゲンガー、Cが上なのはゲンガーの方で後から放ったにも関わらずゲンガーのシャドーボールの方が押しており、最終的にはムウマージの放ったシャドーボールを吸収して一回り大きなシャドーボールが出来た。

 

 大きくなったシャドーボールはムウマージに向かい、空中を浮いていたムウマージを撃墜。ムウマージを戦闘不能でこれでオレが少しだけ有利になった。次は前半戦最後のポケモンで、マリナが出したのはプテラだった。何時ぞやの暴れん坊の姿は無くなっており、すっかりマリナに従順している。多分、裏で色々と苦労があったんだろう。

 

 空中を自由に舞うプテラ。ゲンガーも空中を浮くことが出来るが近距離戦は不利で、プテラを相手に空で素早さを競い合うのは危険すぎる。

 先ずはプテラの動きを封じようと【サイコキネシス】を放つのだがプテラは遥か上空へと上昇し、ゲンガーの念力の範囲から逃れた。この様子だとシャドーボールを撃っても簡単に避けられる。空中を浮いて追いかけないといけないがそんな事をすればカウンターをくらうだけだ。

 

 実戦で一度もやった事はないが、ここはやってみる価値はある。【のろい】を発動してプテラを呪った。攻め待ちのマリナにとってこれは痛い。時間が掛かれば掛かるほどプテラは呪われて体力を失っていく。当然マリナは慌てる。普通のトレーナーならばこの辺りでボロを出すがここまで勝ち抜いているのでボロは出さない。

 

【サイコキネシス】は届かない範囲内にいる。プテラの中距離以上の攻撃は【はかいこうせん】ぐらいでゴーストタイプのゲンガーには効かない。一見、泥沼化している様に見えるがマリナの目には諦めが無い。【こうそくいどう】でプテラの素早さを極限まで上げる。【のろい】のダメージなんてお構いなし、一発勝負に出るつもりでプテラの素早さは最高値にまで上昇するとプテラは急降下。

【サイコキネシス】をぶつけても急降下しているプテラには効かないと判断したオレは【シャドーボール】を指示するのだが、それよりも先にプテラは足を地面にぶつけて【じしん】を巻き起こし、ゲンガーを地震の衝撃波で吹き飛ばした。

 

 パワーや素早さはいいのだが、耐久力に些か難があるゲンガーは戦闘不能。

 ここでゲンガーを失ったのは痛いかもしれないと別のポケモンに変えていた方が良かったのかもしれないと悔やみつつゲンガーをボールに戻す。

 マリナのプテラは呪われており、着実に体力が減っていっている。それならばとキングドラを出す。

 

【こうそくいどう】で素早さが極限まで上昇したプテラはとにもかくにも素早い。

【つばさでうつ】が速すぎてカウンターを決めることが出来ず、広範囲系の技を撃っても上昇して避けられる。しかし【つばさでうつ】だけでは多少のダメージを与える事は出来ても決定打は欠けている。着実に瀕死状態にプテラは向かっている。それをどうにかする方法は2つ、1つは至ってシンプル。違うポケモンに交代すること。違うポケモンに替えさえすれば呪い状態は終わる。もう一つはオレのポケモンをもう一回倒すこと。

 既に2体倒されているのでここで3体目を倒されればインターバル、5分間の休憩が貰える。ポケモンをボールに戻しておかなければならないので、これでプテラの呪いを解除できる。

 

 ここでプテラの代わりに1体出すか、それともプテラで乗り切るか。どちらも危険な道である事には変わりはない。

 一瞬の隙が命取りになるのでマリナは直ぐに選んだ。プテラでこの場を乗り切ると、プテラを急上昇させて【はかいこうせん】を撃ってきた。

 プテラは物凄く素早くなっているが【はかいこうせん】は一直線の動きで何処から来るか分かっていれば避ける事はそんなに難しくはない。キングドラは【はかいこうせん】を避けるとプテラに向かって【ハイドロポンプ】を決めて、マリナの3体目のポケモンを倒した。

 

 3体目のポケモンが倒された事によりインターバル、5分間の休憩を挟むことになった。

 控室に戻ってオレは呼吸を整える。マリナは今までの有象無象とは違い、強いトレーナーだ。油断をすれば傲慢になれば慢心すれば敗北してしまう。勝つか負けるかのギリギリのクロスゲーム、最高だ……その筈だ。なのにまだオレは余力を残している気がする。全力を出している筈なのに全力を出せていない、もっと上の状態があるのを知っているような感覚だ。

 

 まだ上があるならば、もっと上に行けるならば行ってやろうじゃねえか。オレは5分の間、荒ぶる気持ちを沈めず高ぶらせず維持した状態で過ごして後半戦を迎える。先攻はオレだったのでオレからポケモンを出すことに……ここは手堅くキングドラにする。

 事前の情報からキングドラに対抗する事が出来るポケモンは1体だけ、プクリンだ。オレの読みは的中し、マリナはプクリンを出してきた。

 

 プクリンの前口上が終わるとプクリンは【チャームボイス】を歌って来たので【なみのり】で掻き消した。

 体力だけはマジで多いプクリン、今ので沈まないのはちょっとだけ困惑するが直ぐに次の手に移り【れいとうビーム】を撃つのだが【かえんほうしゃ】で相殺される。状態異常やフィールドを変化させるタイプの技は厳しいのかもしれないと感じた。

 

 とりあえずダメージを与え続けなければならないと【なみのり】で攻めにかかる。

 マリナはさっきの事を反省したのか【チャームボイス】でなく【ハイパーボイス】で津波を掻き消しにくる荒業に出た。乗っていた波からキングドラは落ちてしまい【じゃれつく】でじゃれついてキングドラを一撃で倒した。

 

 同じ手ばかりを使えば隙や欠点を見抜かれる。相手が一流ならば尚更だ。

 やらかしてしまったと反省しつつ、このまま逆転を許すわけにはいかないので温存しているリザードンを出す。リザードンは出番が来たのが嬉しいのか尻尾の炎を大きくする。

 

 プクリンは【うたう】で歌ってきた。これは危険だと感じたのでリザードンを上空に避難させる……これは危険だ、実に危険な状態だ。

 陸に降りればリザードンはプクリンに音系の技でやられてしまうので中距離以上の攻撃でどうにかしないといけない。ドラゴンタイプの技は一切効かない。【かえんほうしゃ】しか道は無いのだがプクリンは【かえんほうしゃ】をぶつけて軌道を捻じ曲げる。

 

 近付けば眠らされて中距離以上の技は封じられる……ならば、一撃必殺に賭けるしかない。

 手の内を晒せば決勝戦で支障をきたすが四の五の言ってられる立場ではないので【ブラストバーン】を撃つと【かえんほうしゃ】で威力を弱めようとするのだがリザードンの炎の前では無意味で炎に飲み込まれてリザードンに倒された。

 

 パワーによるゴリ押しは偶には悪くはない。

 これでマリナのポケモンは残すところ2体、対してオレは3体、内2体はピカチュウとリザードンだ。まだまだ逆転される可能性は高い。

 マリナが5体目として出してきたのはワタッコだった。リザードンという炎ポケモンが居るのにワタッコとか死ぬ気かと思ったがマリナの目は諦めていない。なにかある。

 

 そのなにかがやられる前にやらなければならないのだがリザードンは【ブラストバーン】の反動で少しの間動けない。ワタッコはその隙を逃さず【わたほうし】をばら撒き、リザードンの素早さを低下させる。粉系の技も覚えるワタッコがわざわざ【わたほうし】を選んだ。何故それにしたのか頭をフル回転させているとリザードンの反動が納まり動けるようになったので【かえんほうしゃ】ワタッコは避ける事が出来ずにくらって戦闘不能になった。

 

 追い詰めた……だが、リザードンは弱くなっている。

 モンスターボールに戻しさえすれば元に戻す事は出来るのだが、最後の1体はドードリオ……う〜ん……。

 ピカチュウに交代をするべきか悩んでいるとマリナは最初のポケモンでエースであるポケモン、オーダイルを出した。最初のポケモンだけあってレベルは高くて相手にとって不足は無い。リザードンには空を飛んでもらうのだがここでマリナのオーダイルは【あまごい】で雨雲を呼び起こした。

 

「ソーラービームは撃たせないわ」とオレの次の一手を先読みしていた。オレのリザードンはY型を目指していて当初ならばソーラービームで蹴散らすつもりだったが、空を雨雲に支配された。日の光が無いのでソーラービームを溜めるのに通常より時間がかかるだけでなく威力が落ちてしまう。【かみなりパンチ】でも使うべきかと悩んでいるとマリナは【ハイドロポンプ】を指示してオーダイルは襲ってくる。

 リザードンに避けるように指示するがさっきの【わたほうし】で素早さが大きくて激減しており避ける事は叶わず、【ハイドロポンプ】は命中。リザードンはそれでも立ち上がるので、こうなればと【ブラストバーン】を指示してオーダイルを襲うのだが手傷を負わせるだけで致命傷にはならず【ハイドロカノン】をぶつけられて戦闘不能になった。

 

 雨状態での水ポケモンは本当に強い……だからこそ倒したい。

 マリナは一個だけ大事な事を見落としている。ピカチュウが残っていることを、ピカチュウならば【かみなり】を使えることを。

 リザードンをボールに戻すとピカチュウと顔を合わせピカチュウは頷きフィールドに出る。雨がどれだけ続くかは分からない。けれど、この一撃だけは当ててみせる。ピカチュウは大きく腕を振ると雨雲から雷が落ちてオーダイルに命中する。

 

 マリナは「コレを待っていたのよ」と笑う。まさかと思えばオーダイルはピカチュウの【かみなり】を耐え切り、青色のオーラを纏っておりとくせいの【げきりゅう】が発動していた。向こうも腹を括っての一か八かの本気の勝負を仕掛けに来ていたので【ハイドロカノン】を撃ってくる。【かみなり】を落とそうとしている間にピカチュウに【ハイドロカノン】は届いてしまう。ならば、他の技……移動しながら相手を倒す【ボルテッカー】がある。

 

【10まんボルト】を発動するぐらいの電気を身体に溜め込むと同時に【でんこうせっか】で相手に向かって突撃する、それがオレなりの【ボルテッカー】への答えた。ただ今回はそれよりも更に上を行った。

 ピカチュウが走り出すと電撃を纏うのだが、雨雲から突如として雷が落ちてピカチュウに命中して【ボルテッカー】を更にパワーアップ、げきりゅう+雨状態の【ハイドロカノン】を真正面からぶつかると【ハイドロカノン】は大きな水飛沫を上げた。

 

 水飛沫が上がっていて前がよく見えない状況。どうなったと思っていると雷撃を身に纏ったピカチュウが足を止める事なく前進しておりオーダイルに向かって激突し、オーダイルを倒した……のだがピカチュウもピカチュウで大分無茶をしたのか審判がオーダイルの戦闘不能を宣言する前にピカチュウも倒れてしまい結果的にピカチュウ、オーダイル、両方とも戦闘不能になった。

 

 やっぱ無茶だったか。最後の一体であるドードリオを上手く駆使すればもうちょっといい感じに勝てたかもしれないのだが、そこはオレのトレーナーとしての力量がまだまだ未熟だという証拠だろう。

 最後の一体を完全に残した上での勝利だったが、なんと言えばいいのか……最高だったが、まだ上がある……黒子のバスケとかで言うゾーンと呼ばれる領域にまで後一歩で入れそうな気がしてならない。そんな感覚があれば余計にゾーンに入れないんだけども。

 

 ともあれマリナを倒し、オレは駒を決勝戦に進めた。オレは行くところまで行ったぞ、後はケンタの番だ。

 マリナといい勝負だったと握手を交わすのだがマリナの手は震えている。本気でオレに勝つつもりだったが負けてしまった事が悔しい。「ケンタが私の敵討ちをするから覚悟しておいて」とまで言われてしまった。控室に戻ると泣いていたそうでケンタは慰める事はしなかった。それだけ勝負の世界は厳しいんだ。

 

 カントーレポート164(決定、2人の決勝進出者)

 

 

 とりあえずはおめでとうと言いたい。準決勝、ケンタの相手はなんとジョーイさんだった。

 そういえばポケモン検定試験でジョーイさんが居たなと思い出しているとバトルははじまり……凄まじかった。

 ケンタロス、フリーザー、フーディン、ニドキング、マルマイン、ダグトリオとニンテンドウカップ97で見かけそうな手持ち構成しており、フリーザーを見たときはケンタが負けるんじゃないかとヒヤヒヤしたがなんとかケンタは勝ち星を拾った。

 

 明日、決勝戦だ。ポケモン達の治療は入念にし、コンディションもバッチリだ……多分だけど、オレ達を転生させた神様はオレ達の事を見て笑っているだろう。オレの書いている日記(レポート)の存在を知っているだろう……だからどうしたってんだ。見ておけ神様、見ておけ世界。オレはなにがなんでも優勝してみせる。頑張れ、オレ、負けるな、オレ。



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決戦 ポケモンリーグ・セキエイ大会

 カントーレポート166(激闘激アツ フルバトル)

 

 遂に来た、遂にやってきた。長かった実に長かった。ロケット団の余計な邪魔は入るなんてアクシデントは起きない。

 今日に至るまでに色々とあったと過去を振り返りつつもオレはセントラルのポケモンセンターでセキエイ大会の決勝戦に出すポケモンを登録しているとケンタと遭遇した。

 

 試合前に今から対戦する相手に顔を合わせるのは気まずい……なんて事は特になく、オレとケンタはクスリと笑った。

 なんでサトシくんになったのかケンタくんになったのかは今もずっと謎のままでなんだかんだでここに来てしまった。だから笑みを浮かべる……今、この瞬間を盛大なまでに楽しもうとしている。

 

 ケンタもポケモンの登録を済ませるのでセントラルのポケモンセンターを後にする。

 決勝戦は夜に行われるものでドキドキが止まらない。ここまで来たからには優勝するしかないが手が震えている事に気付く。こんな大舞台に来るのははじめてでその対戦相手がケンタとくれば武者震いをして当然か。ケンタはどんな手を売ってくるか、どんなポケモンを出してくるのかなんてのはもう考えない。持てる力全てを出して勝つ。瞑想をして気持ちを落ち着かせようと思ったけど逆に気持ちを昂ぶらせる方向で行く。

 

 セレナにハグをしてこの世界に来れて良かったと思っていると「サトシ、が、頑張れ」と予想外のキスを受けた。

 ママさんよりもオーキド博士よりもそんなに仲がいいわけじゃない地元の人達の応援よりも力が入るエールを受けた、負ける気がしねえ。昂ぶる気持ちを維持したまま時刻は夜となりセキエイスタジアムへと足を運んだ。

 

 実況の人が「赤コーナー、まっさらな町【マサラタウン】出身、なんと今回がポケモンリーグ初出場!サトシ選手」と燃える事を言ってくれるので腕を大きく上げながらスタジアム入り。「緑コーナー、始まりの風を告げる町【ワカバタウン】出身、これまた今回がポケモンリーグ初出場!ケンタ選手」とケンタも紹介されながら出てきたけども、ケンタは手を振らない。オレの方をジッと見ており獲物を見つめる目だった。

 周りの歓声が一切聞こえないぐらいにまで集中している。オレはこの時点で気が緩んでしまっていたのでピカチュウに【10まんボルト】を叩き込んでもらい緩んでいた気持ちを引き締め直す。

 

 フィールドは土のオーソドックスな何処にでもあるフィールド、コレはホントに楽しいバトルが出来るとルーレットが回転する。

 先攻はケンタに決まった。ケンタが出したのはエイパムの進化系のエテボースだった。いきなり厄介なのが出てきたのでここはピカチュウに先陣を切ってもらう。

 

 開幕早々に仕掛けたのはエテボースだった。いきなりの【ねこだまし】でピカチュウを怯ませたと思えば【れいとうパンチ】を仕掛けてきた。やっぱ開幕早々の【ねこだまし】からのコンボは強いが攻めに走りすぎたな。ダメージを一切受けていない筈のエテボースは急に膝を付いてしまった。ケンタはすぐ「しまった【せいでんき】か」とエテボースの身に起きた事に気付く。

 

 勝負を急ぎすぎたなケンタ。

 ピカチュウは痺れるエテボースに向かって【10まんボルト】を叩き込むがこの程度で倒せる事が出来ればケンタはここまで勝ち残る事は出来ていない。ケンタのエテボースは【10まんボルト】を耐え切る……互いに受けているダメージは五分五分といったところ。

【まひ】状態になっており体が痺れているエテボースは苦しそうな顔をするが立ち上がる。交代してくるかと警戒したが交代はしてこずにそのままバトルは続行。

 

 ピカチュウに【こうそくいどう】で素早さを上げつつエテボースを撹乱する。

【まひ】状態のエテボースは自慢の素早さが半減されており、徐々に素早くなっていくピカチュウに翻弄されていく。ケンタは「ピカチュウが攻撃してくる時に停止する筈だ!焦るな」と言ってくる。試しに【10まんボルト】を撃ってみると尻尾を利用した【かみなりパンチ】で防いできた。この調子だと【なみのり】を【れいとうパンチ】で防いで来そうだった。

 

 こっちの方が交代を余儀なくされるかと一瞬だけ別のポケモンでのバトルを視野に入れたが直ぐに辞める。ここで引いたらなんか負けな気がしたから。まだ使ってない技で有効打になる技はないかと思考を張り巡らせると閃く。移動と攻撃を同時に行うピカチュウだけの技があった。

【ボルテッカー】を指示するとピカチュウは【10まんボルト】の容量で体に電気を溜め込み【でんこうせっか】の速度でエテボース目掛けて突っ込んでいき【ボルテッカー】を避ける様に言うケンタだがエテボースは避ける事は出来ず、ピカチュウに突き飛ばされた。

 

 先ずは1体目を倒すことが出来た……ただ代償はそれなりにあった。

【ボルテッカー】なんて無茶な技を使ったもんだからピカチュウに反動のダメージがある。最初のエテボースの二連打も合わせてそれなりのダメージになっておりピカチュウの息は乱れている。

 

 一瞬でも油断していたら命取りの勝つか負けるかのギリギリのクロスゲーム、こういうのをオレは待っていたんだ。

 

 ケンタが2体目に出したのはキマワリだった。

 明らかにピカチュウを意識して出したポケモンでオレの記憶に間違いが無かったらあのキマワリは【だいちのちから】を覚えている。ピカチュウも疲労困憊で使える技からキマワリを倒すのは難しいと一旦下がってもらい、次にフシギダネを出す。リザードンを出しても良かったが、リザードンは最後まで温存しておきたいのでここはフシギダネに頑張ってもらう。

 

 向かい合うフシギダネとキマワリ、オレは早速【ヘドロばくだん】を指示する。

 フシギダネを【くさ】ポケモンとして見ていたら大間違いだ。フシギダネは【どく】ポケモンでもある。キマワリは避ける事が出来ずに命中するが直ぐに【めざめるパワー】を撃ってきてオレはまさかと嫌な予感がすると案の定フシギダネは大ダメージをくらっていた。

 

「見たか、めざパ氷の強さを」ケンタはニヒルに笑みを浮かべる。こいつ、めざパ氷個体を厳選……は流石に出来ない。つまり引き当てたのか【めざめるパワー】の【こおり】の個体を。コレは実に厄介だがまだ引いてはいけないと【ヘドロばくだん】を撃とうとすると【だいちのちから】を使いフシギダネを空中に吹き飛ばした。これはまずいと思ったがもう既に遅い。

 

 空中で足をジタバタさせているフシギダネに対して【めざめるパワー(氷)】を撃ちフシギダネに命中。フシギダネは戦闘不能になった。

 見誤っていた。【だいちのちから】があるのは分かっていたのにフシギダネだからとそれの警戒を怠っていた自分が居た……バトルはホントに水物だと思わされたので次のポケモン、キングドラを出す。

 

 今までの情報からしてキングドラに対して有効打になる手はキマワリには持っていない。対してキングドラはキマワリに対して有効になる一撃を持っている。これはいけるかと思っているとケンタはキマワリをボールに戻しニョロトノを出してきた。

 ここに来てのポケモンチェンジとかロクな事が起きないと思っているとニョロトノは【ほろびのうた】を歌う。まだ何もしていないのに【ほろびのうた】に焦る。

 

「悔しいが今の俺にキングドラをどうにかする手立ては無い……ニョロトノ1体でキングドラを倒せるならつりが来る」と少しだけ悔しそうに語るケンタ。キングドラをボールに戻そうかと考えたがキングドラを戻したところで他のポケモンが【ほろびのうた】の餌食になってしまう。悔しいがここでキングドラには倒れてもらう……これでオレのポケモンとケンタのポケモンは互いに4体、内1体が程よくダメージを受けている。

 

 互いに引き分けに終わったので出すのは同時にお願いしますと審判に言われたのでモンスターボールを構える。

 オレの選んだポケモンはドサイドン、対するケンタのポケモンはウソッキー、どちらもインファイターなポケモン同士。ケンタはポケモンを変えてくるかと少しだけ警戒したがそんな事はせずにバトルは続行。

 

【じしん】を使えば案の定【じしん】で相殺される。向こうも【じしん】持ちなので【あなをほる】なんかを使えば逆にやられる。

 これはまずいと思っているとケンタのウソッキーが【ウッドハンマー】を撃ってくるので【ストーンエッジ】で岩の壁を作る。ケンタのウソッキーは岩の壁を壊していくものの威力は段々と弱まっていき最終的には【ウッドハンマー】はドサイドンの元まで届きはしたものの威力は格段と落ちておりドサイドンはウソッキーの【ウッドハンマー】を真正面から受けると耐え切り、腕を掴んで超至近距離から【アームハンマー】を叩き込みウソッキーを吹き飛ばす。

 

 これで決まったかと思ったが流石の頑丈さかケンタのウソッキーは立ち上がる。

 息は乱れているのでもう一発【アームハンマー】を叩き込めば倒すことが出来る……さてどうしたものかと思う。【じしん】は相殺される【アームハンマー】はさっきのやり取りで警戒されてしまっている。ケンタの交代もありえるけどどう出てくるかと見れば今度はウソッキーが【ストーンエッジ】を使い地面から岩を生やした。ただ生やしたのではなく円形に囲むことでドサイドンの動きを制限した。

 

 出した岩の上に乗りウソッキーは【ウッドハンマー】を打ってくる。

 流石に【ストーンエッジ】の岩の上に【ストーンエッジ】をすることは出来ない。避けようにも円形に岩が囲まれているのでどうすることも出来ない。だったら攻めるしかないと【ウッドハンマー】を打ってくるウソッキーに対してドサイドンは角を回転させて【つのドリル】をぶつける。

 

 ぶつかり合う【つのドリル】と【ウッドハンマー】

 火花を散らしたと思えば互いに弾かれてしまい、最終的に立っていたのはドサイドンだった。【アームハンマー】の分のダメージが生きていた。とはいえ、ウソッキーの【ウッドハンマー】も効いていたので息は乱れている。やっぱり強いなケンタのポケモン達は。

 

 このまま勢いに乗ってバトルをしてやろうと思ったがここでインターバルを挟むことになった。

 ゲームと違ってフルバトルはどちらかが3体倒された場合、インターバルを挟むことになる。とりあえず控室に戻るとセレナとママさんとオーキド博士が出迎えてくれており善戦している事を我が事の様に喜んでいたが、そんなに浮かれている場合じゃない。

 

 勝つか負けるか分からないギリギリのクロスゲームをしている。待ち望んでいたバトルだがバトルは勝利してこそに意味があるものだ。

 ここまで来て準優勝、2位だけどよく頑張ったで賞なんてのは絶対にごめんだと昂ぶる気持ちを維持する。セレナはオレの状態を察してくれたのかオーキド博士達を控室から追い出し「優勝してね」とだけ言い残して控室を出ていく。

 そんな激励を受けたらますます優勝しないといけなくなるけどもそれでいい「ピカチュウ、ホントに最高なバトルだな」といえば『ピッカ』とピカチュウは嬉しそうに返事をする。

 

 心はホットに頭はクールに。その状態を維持したままオレは後半戦に挑む。

 先攻はオレだったのでゲンガーを出すとトゲキッスが出てきた……オレから奪ったタマゴをここまで育て上げるとかホントにやるな。

 

 ここでふと気になったのだがトゲキッスって何タイプに部類されているのだろうか。【フェアリー】ならば【ドラゴン】とか効かないんだよな。

 途中でタイプ変更になったポケモンの裁定は色々と気になるけれども今は気にせずにゲンガーに【シャドーボール】を撃ってもらうとトゲキッスは【エアスラッシュ】を打ってきた。それをくらったゲンガーは怯んでしまう。その隙を逃さずに【でんじは】を撃ってくる。

 

 出たよ、出やがったよ害悪の代名詞ともいうべき【まひるみキッス】

 体が痺れて動けないゲンガーに対してトゲキッスは上から【だいもんじ】を叩き込む。ゲンガーは必死になって痺れと戦い【シャドーボール】を撃つのだがそれよりも先に【エアスラッシュ】を撃ってくる。

 このままだと一方的にボコボコにされると感じたのでオレはゲンガーをボールに戻し、ピカチュウに出てもらう。少しだけ時間が経過したのでピカチュウは休むことが出来たので万全とは言えないが動くことは出来る。

 

 ピカチュウは【でんき】タイプのポケモン【でんじは】は効かない。

 それをわかっているがケンタはポケモンを交代する事はせずにトゲキッスのまま続行で【だいもんじ】を上から落としてくる。来る技が炎技ならば【なみのり】で対処する事が出来る。ケンタの手はコレで封じた、どう出ると思えば【マジカルシャイン】が降り注ぐ。

 

 やっぱこいつ【フェアリー】タイプのポケモンだと感じながら【10まんボルト】を撃つ。

 トゲキッスをどうにかしなければならないがトゲキッスとピカチュウはバチバチやりあえているが決定打にかける。【あまごい】からの【かみなり】のコンボはあるが残っているポケモンからして雨状態は不利になる。

 

 ピカチュウとトゲキッスはバチバチにやりあっているが先に限界を迎えたのはピカチュウだった。パワー勝負なんてしたら直ぐに限界を迎えるのは分かっていた筈なのに熱くなりすぎてしまった。トゲキッスは【エアスラッシュ】を撃ってくるので勝負に出てピカチュウは【ボルテッカー】で【エアスラッシュ】の中に突撃していきピカチュウはトゲキッスに激突した。

 

 結果はトゲキッスを倒すことが出来たが今までのダメージで限界が来たのでピカチュウは直ぐに倒れた。

 ピカチュウが倒されて残すところは3体、対してケンタは2体だが……ここから逆転される可能性が圧倒的なまでに高い。燃える、燃えてくる。

 今度はケンタから先に出すことになりケンタはキマワリを出す。フシギダネとのダメージが残っている様子だったが、それでもどうにかする技はある。

 

 ゲンガーを出し【ヘドロウェーブ】を吐こうとするが【まひ】状態は続いており【ヘドロウェーブ】は上手く飛ばない。

【ヘドロウェーブ】を避けて【だいちのちから】真正面からまともに受けてしまいトゲキッス戦でのダメージもあってか倒される。

 

 蓄積されたダメージが結構厄介だ。

 残っているポケモンはドサイドンとリザードン……これ以上温存していても意味が無いので、ここで切り札(ワイルドカード)を切ってリザードンをボールから出す。ボールから出たリザードンは高らかに雄叫びを上げる。ここが決勝戦なんだと思い知らされる。

 

「遂に来たか」とリザードンを強く見つめるケンタ……ケンタがオレに勝つには嫌でもリザードンをどうにかしないといけない。ケンタの正念場はここだろう。

 

 キマワリはリザードンに攻撃してくる……のではなく【にほんばれ】でひでり状態にする。

 リザードンはキマワリの前に近付き【かえんほうしゃ】で焼き払い、キマワリを一発で倒す。

 

「伊達に出し惜しみしてきたわけじゃねえな……本当に強いな……」とケンタが言ってくるので「こういうバトルは燃えてくるだろう」と笑えば「勝負は勝ってこそ嬉しくて楽しいんだ。負けてしまえばなにも意味はねえよ」と返してきた。やっぱ勝負は勝ってこそ意味があるよな。

 キマワリがやられたケンタはバクフーンを出してきたのでリザードンをボールに戻し、ドサイドンを出す。

 

 アニメだったらリザードンvsバクフーンと熱い展開になるかもしれないがオレは割と非情なところがあるので容赦なく攻める……が、読まれていた。

 

「お前ならここでポケモンを交代するだろう……【ソーラービーム】だ!」

 バクフーンは太陽光を一瞬で集めてドサイドン目掛けて飛ばす。キマワリがやられる事すらケンタの策略の内だった。ケンタのバクフーンはドサイドンを一撃で倒した……強い、分かっていた事だがケンタのバクフーンは桁違いの強さだ。

 

 これでオレも最後となりケンタのポケモンも最後になる。リザードンを出すとバクフーンは背中から炎を噴出しリザードンは負けじと尻尾の炎を大きくする。そこで張り合うんじゃねえよ。

 

「待っていた……ずっと俺はこの時を待っていたぞ、サトシ!!」とケンタは何時になく燃えている「さぁ、最後の戦いを楽しもうぜ」とオレも燃える。互いに【かえんほうしゃ】を撃つ。ひでり状態で炎系の技の威力が上がっている中での【かえんほうしゃ】で威力は互角、オレのリザードンもケンタのバクフーンも同等の力を持っている……だったら他で勝負をするしかない。

 

 ケンタの奴はこうなる事を予測していた。リザードンとバクフーンのタイマンを想定していた……だからだろう。

 あいつ限界ギリギリまで【かみなりパンチ】を隠し持っていた。やたらとバクフーンをセキエイ大会で使っていると思っていたらバクフーンはこういう戦い方をするんだとオレにイメージを与えて【かみなりパンチ】を覚えてないと思わせてた。キングドラを【ほろびのうた】で倒したかったのはこの為だったんだろう……ケンタ、マジで何手先を読んでるのか、読みまくりすぎて恐ろしさを感じる。

 

【かみなりパンチ】を避けて一旦距離を置いて【りゅうのいぶき】を撃つが手応えが薄い。バクフーンに対して有効打の様なものを持っていない……だが、リザードンには空を飛ぶことが出来る翼がある。リザードンは一旦バクフーンの届かない空へと避難し【りゅうのいぶき】を撃ってぶつける。その頃にはひでり状態は収まり元の普通の天気に切り替わる。

 

 バクフーンは上を向いて【かえんほうしゃ】を撃ってくるので【かえんほうしゃ】で相殺する…………これはもう賭けに出るしかない。

 リザードンは【りゅうのいぶき】をバクフーンに命中させる。ダメージにはなっていないが【りゅうのいぶき】で倒せるとは思っていない。ケンタはこの状況に苦しい顔をする。空を飛んでいるポケモンに対しての有効打が【かえんほうしゃ】だけしかなくその【かえんほうしゃ】もリザードンの前では効かない。リザードンとバクフーンの大きな違いにここで差が出てきた。そして狙っていた事が【りゅうのいぶき】の追加効果である【まひ】状態になってバクフーンが痺れて動くことが出来ずに大きな隙を生み出した。

 

 コレをオレはずっと待っていたんだ。バクフーンに近づかせるとバクフーンをガッシリと掴みリザードンは急上昇。

 なにをするのか察したケンタは【かみなりパンチ】を指示するが腕を抑えられていて上手く動かす事が出来ない……と思ってたら体全体に電撃を纏った。ここに来て【かみなりパンチ】が【ワイルドボルト】に進化した。マジでホントに勘弁してくれよ。

 

 こうなったら勝つか負けるかの一騎討ちだ。

 バクフーンは【ワイルドボルト】の電撃を身に纏って暴れておりリザードンはそれに耐えながらグルリグルリと旋回し一気に急降下、バクフーンを地面に叩きつけるとリザードンは地面に降り立ち、土煙が晴れるとそこにはバクフーンが立っていた。

 リザードンはバクフーンを見ると苦しそうな顔で膝をついてしまいオレの負けかと諦めたその瞬間だった。バクフーンが目を渦巻状にして倒れていた。最後の最後【ちきゅうなげ】が決まってバクフーンを倒すことが出来た。

 

 バクフーンが戦闘不能になったのでケンタのポケモン6体全てが戦闘不能になった。

 審判は赤色の旗を上げてオレが勝利した事を宣言するとオレは高らかに拳を掲げて涙を流した

 

 

 

 

 

 

 

 

優勝したぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 長かった、本当に長かった。思い返せば辛い特訓の日々だったが今日ここで報われた。

 原作を討ち破った更にその先に、奥に足を踏み入れる事が出来た。ポケモンリーグ・セキエイ大会で優勝を果たした。この喜びを噛みしめるべくオレは手持ちのポケモン達を全てモンスターボールから出した。ピカチュウがポケモン達に優勝した事を教えるとポケモン達も喜びの雄叫びを上げた。

 

 バトルが終わったのでオレはケンタの元に歩み寄るとケンタは涙を流していた。

 オレに後一歩のところで負けてしまったのが悔しくて悔しくて仕方がないんだろう……でも、それよりもオレの優勝を讃えてくれた。「お前が1番だけど、次は絶対に勝つからな」と震える手で握手を求めてきたので「次も負けねえよ」と握手を交わす。勝った……オレはあのポケモンリーグで優勝したんだ。ここに至るまでに色々とあったな……ホントにサトシくんになって今日ほど良かったと思える日はねえ。

 

 セキエイスタジアムの控室に戻るとセレナ達が出迎えてくれた。

 優勝したオレに向かってセレナは抱き着いてきて「優勝おめでとう、サトシ……私、信じていたわ。サトシならきっと優勝するって」と言ってくるのでギュッとハグをした。ママさんとかオーキド博士がいるのをお構いなしにイチャイチャした。

 

 予想以上に気力、体力を使っていた様で直ぐにセントラルのポケモンセンターに向かいポケモン達をジョーイさんに預ける。

 ジョーイさんや周りのトレーナー達はオレが優勝した事を称えてくれた……1番になるのって物凄くしんどいけど、なれたらホントに最高だぜ。明日が閉幕式なので今日はセレナを抱きまくらにしてゆっくりと休もう。おやすみ前にキスをしよう。



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激突 ミュウツーvsサトゥーシくん

 カントーレポート167(閉幕 ポケモンリーグ・セキエイ大会)

 

 目を覚ますと何時も通りセレナが側に居る……うん、何時も通りだ。

 原作を討ち破った事によりオレをサトシくんに転生させた神様的な存在が何らかのアクションを起こしてくるかと思ったが特にそんな事は無かった。ホントになんでサトシくんになったんだろう。最近そういうのを考えたなかったけどもホントになんでなんだろうか。

 ちょっと気になったのでケンタになにか変わった事は起きていないかを聞きに行くと泣き腫らしたケンタがいた。やっぱり負けたのが悔しかったんだろうな。だが、勝負の世界はそんなもん……次はオレが敗者になる可能性がある。

 

 神様的な存在からなにかアクションが起きたかどうか聞いてみるが特になんのアクションも無かったらしい。

 オレ達がポケモンの世界に転生しているのは偶然か何か……じゃないな。絶対に神様的な存在がオレをサトシくんにした。そうじゃないとこの現象に納得出来ない。非ぃ科学的な事は認められない。

 

 ポケモンリーグを優勝したからなにか変化があるかと思ったがそうでもない……この世界に1つの命として根ざしてるんだな。

 

 選手村を歩くと「優勝おめでとう」の言葉を沢山かけられた。一夜にして時の人になったと実感をしている。

 とりあえずセントラルのポケモンセンターで回復させたポケモン達を受け取ると試合を見ていた人達が「バトルしてくれ」と言ってくるので断った。昨日の今日でポケモンバトルの疲労が完全に回復していない。ジョーイさんはポケモン達は完治したと言うけどもオレの方が完治していない。バトルしてくれない事に結構なブーイングを受けたがんなこと知ったこっちゃねえ。

 

 時刻は夜となり、セキエイ大会の閉幕式がはじまる。

 ポケモンリーグ協会の会長ことタマランゼ会長から優勝の栄光が刻まれた大きなトロフィーを受け取る。優勝のトロフィーなんて受け取るのははじめてで喜ばしい……だが、重かった。200人以上の中から頂点を決める大会なだけありそのトロフィーは物凄い重みを感じた。

 

 ケンタも準優勝のトロフィーを貰ったが嬉しい顔はしない。負けてるんだから当然だよな。

 けど、コレでケンタに勝ったとは言い切れない。これから勝ったり負けたりを繰り返す中になるんだからたった1勝で喜んでられない……けど、今日ぐらいは喜びを噛みしめてもいいだろう。

 

 優勝した記念にと決勝戦で戦ったポケモン達と一緒に写真を取った。今回の大会を制した証で殿堂に飾られる事になった……殿堂入り、やったぜ

 

 カントーレポート168(ミュウツーの逆襲)

 

 殿堂入りを果たしたけども浮かれてはいられない。

 マサラタウンではポケモンリーグを優勝したオレを讃える祝勝会を開いてくれるのだが、まだ地方リーグを優勝しただけに過ぎない。これから各地方の優勝者で争うチャンピオンリーグがある。それに優勝すれば四天王戦、四天王戦が終わればチャンピオンのワタルと戦わないといけない。

 

 優勝した事に対して浮かれていたい気持ちを押し殺し、帰り道を歩いているとポケモンバトルを申し込まれる。

 オレがセキエイ大会優勝者なのを知っている……というか思いっきり見たことある風貌のトレーナー、レイモンド。転生特典と思わしき知識をフルに働かせてみるとこいつミュウツーの逆襲の冒頭で出てきたポケモントレーナーじゃねえか。

 

「YOUを倒せばミーがカントー随一のトレーナーね」と結構滅茶苦茶な事を言うレイモンド。カイリキーとかドンファンとか色々と出してきたのだがピカチュウ1体で蹴散らした。セキエイ大会の序盤にはレイモンドクラスはゴロゴロといた。出直してこいや。

 

 レイモンドをボコボコにするとカイリューが飛んできた。

 最強のポケモントレーナーがニューアイランドに居るから来いとの事……いや、ホントに遂に来てしまった、劇場版が。ミュウツー逆襲は色々と洒落にならないとポケギアを起動してケンタに電話するとケンタのところにもニューアイランドの招待状が来ていた様で「お前処理してくんねえ?」とオレに地雷を擦り付けようとした。ミュウツーの逆襲、サトシくんが1回物理的に死ぬ話じゃねえか。生き返るの分かっててもやりたくねえべ。

 

 いっそのこと完全に無視を決め込んでやろうと思ったがそれだとミュウツーが間違った道を歩むので渋々ニューアイランドに行くことに。

 港町に向かうと大嵐が巻き起こっており小林幸子ボイスの女性がこの嵐の中じゃ船を出すことは出来ないと言うのでニューアイランドに招待された多くのトレーナー達が断念、かと思えば自分のポケモン達ならばこんな嵐屁でもない、ある人はジュゴンをある人はギャラドス、ある人はピジョットを使いニューアイランドへ向かう。

 

 遅れてやってきたケンタもマリナのオーダイルに2人で乗って行き、セレナはオレのリザードンに乗り、オレは海の上を走ってニューアイランドに目指す。いきなり発生した嵐、正体はミュウツーの超能力かなんかなんだろう。嵐にずぶ濡れになりながらもニューアイランドに到着するとハイライトなジョーイさんが出迎えてくれたので招待状を見せると奥へと案内してくれた。

 

 あの嵐を乗り越える事が出来たのはオレを含めれば6人。ピジョットで来た奴、ジュゴンで来た奴、ギャラドスで来た奴、ケンタとマリナ。

 あの嵐を乗り越えられないレベルのトレーナーは最強のポケモントレーナーに会う資格すらない。オレ達で最後だった様で最強のポケモントレーナーが、ミュウツーが降臨する。

 

 ポケモンリーグ・セキエイ大会でレベルの高いポケモン達と激闘を繰り広げた筈なのにミュウツーを見た途端に自分の中の危険信号がサイレンを放つ。コイツは文字通りレベルが違う……流石は禁止にされている伝説級のポケモンだ。

 ミュウツーの登場にギャラドスに乗ってきた男は「ふざけんじゃねえポケモンがポケモントレーナーであってたまるか」とギャラドスに【はかいこうせん】を撃たせるがミュウツーは簡単に跳ね返す。結構な威力だってのに、ホントに半端ねえなミュウツー。

 

「あれがポケモンならゲットする事が出来るはずだ」とピジョットに乗ってきた奴はサイホーンで攻撃を仕掛けるがそれも【サイコキネシス】で止める。

 

「あなたはなにが目的なの?」とセレナは問いかける。

 ミュウツーは強いトレーナーを集めている理由を語ったのだが割とよくあるテンプレートな台詞で「人間はポケモンより愚かだ」とか「弱いポケモンは人間に媚びるしかない」とか色々と酷い事を言う。

 

 それを聞いたピカチュウやケンタのバクフーンは違うと否定する。

 しかしミュウツーは聞く耳を持たないので「お前は結局なにがしたいんだよ?」と聞けば「私を生んだこの世界に復讐をする」と実にどうでもいい事を言う。なにが悲しくて復讐の手伝いをしなきゃならないんだ。復讐すればスッキリするけどもそこまでのものだ。

 

「人間は醜いし愚かな生き物でよく間違いを侵す。でも反省してやり直したり新しい道を見つける事が出来る、ポケモンと共に歩むことが出来る生き物だ」とケンタが珍しく良いことを言う。ミュウツーは『ならばその力を見せてみろ』とオレ達をバトルフィールドに案内すると最初の3体の最終進化系のクローンでありフシギバナ、リザードン、カメックスが出てきた。

 

 ピジョットに乗ってきたトレーナーはフシギバナを、ジュゴンに乗ってきたトレーナーはカメックスを持っていたのでそれぞれバトルをするのだがボコボコにやられてしまう。ここに来るだけでも充分なポケモンだが上には上がホントに居やがる。

 残すところはリザードン、リザードンを持っているのはこの中ではオレなので行こうとするがケンタが前に出る。「お前はミュウツーとのバトルの為に体力残しておいてくれ」と自らが踏み台になる決意をする。

 

 リザードンに対してここでリベンジマッチを挑むことになるとは思いもしなかったがケンタのバクフーンはミュウツーの出したクローンのリザードンを撃退した。「お前のリザードンの方が遥かに強いな」がケンタの勝利後の感想だった。そりゃオレのリザードンの方が強いに決まってるだろう。

 

 リザードンが破れるのが予想外だったのかミュウツーは僅かながら眉間に皺を寄せる。

『偽物では本物に勝つことは出来ないと言うのか……いや、そんな事はない』とか言い出しケンタのバクフーンに対して【シャドーボール】を撃ってくるのでそれを蹴り返す。選手交代だバーロー。

「サトシ、頑張って」とセレナは声援を送ってくれるのでやる気を出す「最早サトシが戦うことに対しては一切気にすることじゃないんだな」とケンタが呆れているが大きなお世話だ。というかお前もなんだかんだで頼りにしてるんだろうが。

 

 先ずは重心を前に倒しつつのロケットスタート

 高速で移動するオレに対してミュウツーは【サイコキネシス】を撃ってくるがオレが気力1つで乗り切ると『そんなバカな』と驚く。この程度、マサラ人ならどうにでもなるんだよ。ミュウツーに殴りかかるとミュウツーは【テレポート】でオレの拳を避ける。オレの拳を受ければ敗北すると察したのだろう。

 

 今まで余裕を見せていたミュウツーは本気を出してくる。

 複数のシャドーボールを撃ってくるのでセレナ達に当たらない様に弾き、ミュウツーとの距離を詰めるとミュウツーは【リフレクター】の壁を貼った。オレの物理攻撃を防ぐつもりだがそれは悪手、オレは【かわらわり】なんて容易く出来る。

【リフレクター】の防御壁を貼るミュウツーに対して手刀で防御壁を破壊した。【リフレクター】を素手で破壊する人間なんて早々に居ないもので防御壁が破られた事にミュウツーは驚き大きな隙を生んだので蹴り上げると天高く飛ばされるのでジャンプ

 

 両手を合わせて殴るダブルスレッジハンマーを叩き込み、ミュウツーを地面に叩き落とす。ミュウツーは苦しそうな顔をしているがオレは知っている。ミュウツーというポケモンは【じこさいせい】を覚えるのを。苦しみの表情を上げてるミュウツーは体を光らせる。【じこさいせい】を使ってダメージを回復しているのだろう。回復中に倒すことが出来たが倒さなかった。ミュウツーと真正面からぶつからないといけないからな。

 

 ダメージを回復させたミュウツーは懲りずに【シャドーボール】を撃ってくる。

 ダメージを回復させても体力は戻っていないのか【シャドーボール】の速度や威力は落ちている。普通の状態で避けたり弾いたりする事が出来るのに弱体化した【シャドーボール】なんて痛くも痒くもない。真正面から受け止めて逆に投げ返してやった。

【シャドーボール】は【ゴースト】タイプの技なので【エスパー】タイプのポケモンのミュウツーには効果は抜群でミュウツー膝をつく……この時点でミュウツーとオレとの間には大きな力の差がある。

 

「お前が愚かだクズだなんだと言っていた人間の力はどうだ?」とミュウツーを見下ろす『これが人間の本当の力なのか』とミュウツーは戦慄するがケンタが横で「ミュウツー、そいつだけだから。普通の人間はお前相手にバトル出来ないから」と冷静にツッコミを入れる。大丈夫、お前も鍛えたら同じ領域に至る筈だ

 

『人間はこんなにも力強い生き物だったのか』と考えを改めているミュウツーの前にミュウがやってきた。コッソリとオレとミュウツーのやり取りを見ていたのは言わないお約束だ。ミュウはどうしてミュウツーは戦うのかを問い掛けるとミュウツーは少しだけ考えた後に『復讐が私の生きる意味だからだ』と答えるので鼻で笑う。当然ミュウツーは『なにがおかしい』という。

 

 生きる意味を持っていないと生き物は生きてはいけないのか?そんな訳はない。

 生きる意味ってのは大事な事なのかもしれないが、それは時として求めるものでも探すものでもなく歩むものになる。生きる意味は分からなくても自分が歩んだ道が生きた証となっている……サトシくんになったオレが生きる意味を求める事はあったが、今こうして歩んだ道が生きた証になっている。

 

 ミュウツーに問いかける「自分の意志で歩いたことはあるか?」と。ミュウツーは首を横に振った。今までサカキに命じられた通りに動いていただけで自分の意思だけで戦おうとした事はなにかをしようとした事は無かった。この復讐が、逆襲こそが自分の意思だと思っていたがオレの言葉を聞いている内に違うものなのかと思い始めている。どうすればいいのかオレに訪ねてきたので「自分で探せ、答えは探し続けるものなのかもしれない」と言えばミュウツーは【シャドーボール】を撃ってきたので蹴り返す。『この戦いの果てになにかがあるハズだ』とやる気満々なのでこっちも全力全開で行く。残像拳を使い残像を生み出しミュウツーを撹乱するとミュウツーの足を【けたぐり】バランスを崩すとそのまま蹴り上げてミュウツーを滞空させジャンプ、ミュウツーの股の中に入り込みミュウツーをひっくり返す、疾風迅雷落としもといキン肉ドライバーを決めてミュウツーをKOする。

 

『コレが敗北か』とミュウツーは負けを認める。とりあえずダメージが大きいのでオボンのみを出すと意外そうな顔をする『敵であった私に施しをするつもりなのか?』と言ってくる。「最初からお前は敵じゃねえよ。悩めるポケモンの1体だろう」と笑って返すと『完敗だ……お前の名前をまだ聞いていなかったな』と聞いてくるので「サトシ、マサラタウンのサトシだ」とカッコよく名乗った。

 

『そうか……サトシ』ミュウツーは念力でオレの懐にある空のモンスターボールを浮かべて自分の手元に引き寄せる。『生きる事がなんなのかは今はまだ分からないが負けたことに私は本気で悔しいと思っている……お前と一緒にいれば色々なものが見えてきそうだ』と言ってくるがお前を持ってると主にロケット団に狙われるので手持ちには基本的に入れるつもりはないぞといえば『お前が鍛え上げたポケモン達がいる』と返す。

 どうしてもオレのポケモンになるつもりなのでオレは折れたがその前に記憶操作をしてもらう。ケンタ以外の記憶を消してもらいニューアイランドから出ていく。

 

 コレにてミュウツーの逆襲は終わった。

 気付けば港町に居てニューアイランド関係の記憶は皆消えていた。唯一残っているケンタは「伝説のポケモンはアウトだろう」と言ってくるのでお前もマスターボールを持ってるんだから伝説のポケモンを捕まえればいいだろうと言っておく。まだマスターボールを使ってないの知ってるからな。

 

 オレはこれから原作を消化しつつチャンピオンリーグを目指していくけどケンタはこの後どうするか聞いてみると一旦家に帰ってからジョウトリーグを目指す。オレが出るのと同じタイミングでジョウトリーグに出場するつもりで今回は勝ちを譲ったが次は絶対にオレを倒すと宣言するとジョウト地方を目指していった。

 

 ミュウツーという新たな戦力を得てオレ達は船を経由してマサラタウンに向かう船に乗った。

 明日にはマサラタウンについて盛大なまでのパレードがはじまる……いや、なんか恥ずかしいな。まだ地方のリーグを優勝しただけなのにこの盛り上がり様、やっぱポケモンリーグはポケモン世界で一大イベントなんだな。

 

 次はルギア爆誕……また世界が滅びそうな案件だなぁ……修行したいけど原作消費しとかないとオレンジ諸島に行かないとな。




マスターズエイトは変える


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新たなる旅立ち オレンジ諸島

 カントーレポート168(凱旋パレード)

 

 マサラタウンに帰ってきた。

 マサラタウンの人達はオレが帰ってきた事を大きく喜ぶ、オレだけじゃない。オレのポケモン達にもおめでとうの言葉を掛けている。

 まだ地方リーグを優勝しただけなのにこの盛り上がり様に思わず引いてしまうがオレの優勝を称えるパーティーを行ってくれた。

 ピカチュウ、フシギダネ、リザードン、ドサイドン、キングドラ、ゲンガー、ドードリオ、ベトベトン、ケンタロス達はパーティを盛大なまでに楽しみ盛り上がった。糠喜びしてはいけないのは分かっているけども今日ぐらいは良いかもしれない。

 

 新たに手持ちに加わったミュウツーは『コレがお前の生き様、実力か……』とオレを盛り上げるパーティに若干加われない感じだった。あの激闘を繰り広げていないから仕方ないといえば仕方ない。そういえば3体のクローンポケモンはどうしたのかを聞いて見ると後で連れてくるつもりの様だった。何時かは自分の元を離れるが、それは今ではなくそれまでの間はマサラタウンのオーキド庭園で厄介になるつもりだ。あそこは野生のポケモンも多くいるから3体ぐらい増えても平気だな。

 

 凱旋パレード等も終わるとオーキド博士からこれからどうするのかを尋ねられる。

 チャンピオンリーグに出るために修行をしようと思うことを伝えるとオレンジ諸島を勧められた。というかおつかいを頼まれた。オレンジ諸島のウチキド博士から転送できない珍しいボールを受け取りに行ってくれと頼まれた。原作の展開が来たなとおつかいを承諾。オレンジ諸島には普通とは違うポケモンジムがあるのでそれで鍛え上げるつもりだ。

 

 まぁ、1番の目的はルギア爆誕をどうにかすることなんだけども……ホントに世界が滅びるのは洒落にならない。

 そんなこんなで次の旅が決まったので早速セレナに伝えるとセレナも一緒についてきてくれる事に南国の地でのバカンスと夢を見ているようだが修行の旅でもあるんだぞ。原作消費も大事だけど、チャンピオンリーグの優勝も狙いに行ってるんだから……ホントにな。

 

 とりあえずミュウツーは手持ちから外しておく。

 映画になったら即座に呼び出すからそれまでの間はオレのポケモン達の纏め役になっててもらう。真のリーダーはフシギダネだけど、ミュウツーが居ることでポケモン達にいい刺激になってくれる筈だろう。

 

 カントーレポート169(オレンジ諸島開幕)

 

 日記をオレンジレポートに変えるかそうでないかと考えたがオレンジ諸島もカントー地方の一部なのでオレンジレポートにせずにカントーレポートのまま続行した。ウチキド博士がいるのはダイダイ島と呼ばれる島で、原作知識ではサトシくんはロケット団達の罠に嵌められてロケット団の用意した飛行船に乗ってしまった。オレはそんなくだらないミスは犯さない。ちゃんとした飛行場に向かってちゃんとした飛行船に乗ってちゃんとしたルートでちゃんとダイダイ島に向かう。

 

 そういえばここでサトシくんのピジョンがピジョットに進化するイベントとかがあったけどもオレはピジョット持ってないから発生しない。

 オニドリルやオニスズメ達にポッポがやられるのはかわいそうだけどもそれは自然の摂理というもので深く干渉してはいけない。かわいそうだからと言って無闇矢鱈と力を貸すのはいけないことだ。

 

 飛行船での旅は割と快適だった。

 

 カントーレポート170(GSボールって結局なんなんだ)

 

 ダイダイ島になんのトラブルもなく辿り着いた。

 なにも無さすぎて逆にこれでいいのかと不安が過ぎるのだがこれでいい、非日常が当たり前になりすぎてて感覚が麻痺してしまっている。

 

 とりあえずポケモンセンターでポケモン達を診断した後にウチキド博士の研究所は何処か尋ねて向かうと研究所があったのだがゴミ屋敷に近い状態だった。私生活がダラシないのは情けない事だぞ。

 とりあえずウチキド博士が何処かと助手の3人組に聞けばウチキド博士は海に居るようで海に向かうとエッロイお姉さんがいた。ボインでエロいお姉さん……ありがとうございます。

 

 既に話がオーキド博士に届いているのか「貴方がサトシくんね。話は聞いているわ」とすんなりと話が通った。

 オレンジ諸島のポケモンはカントー本土と若干異なっている。バタフリーの翼がカラフルだったりラフレシアの花が通常よりも大きかったりと色々と違っていた……コレが後のリージョンフォームに繋がるのか。

 

 オレンジ諸島のリージョンフォームを見ていると助手の人達が困っていたので話を聞くとバタフリーがポケモンフーズを食べてくれないらしい。

 栄養素は完璧なので食べてくれないのは困ると困った顔になるウチキド博士。セレナがポケモンフーズを試食すると不味そうな顔をしていた。アレってポケモン用で人間が食うとクソ不味いんだよな。

 

「ポケモンにだって好き嫌いはあるんですよ」と研究所の庭園に実っているきのみをもぎ取り巧みな包丁さばきで一口大にカットしていくセレナ。

 きのみを混ぜたポケモンフーズはバタフリー達に大好評でバクバクと食べてくれた。「やっぱりポケモンは奥が深いわね」とウチキド博士は納得。「人間の方も得意かしら?」と聞いてくると酷い惨状のキッチンを見せられたのでセレナと協力して炊事。色々と作り置きを作ったりした。こういう感じの料理はセレナの方が完全に上だ……ママさんに熱心に教わってるだけあって料理の腕が物凄く上がってるよ。

 

 カントーレポート171(ラプラスを助けた)

 

 GSボールを貰ったので早速オレンジリーグに挑戦をする。

 最初のジムがあるナツカンジムには船を経由して行かないと行けない厄介なところにあり、ボンタン島に辿り着いた。

 オーキド博士には昨日の時点でGSボールを手に入れた事を伝えているし、とりあえずはポケモンバトルをしようと砂浜に向かうとラプラスをイジメているトレーナー達がいた。

 

 ラプラスは苦しそうな顔で背中に乗るのを止めてほしいと何度も何度も叫んでるが調子こいてる不良達3名はやめない。

 見ていて心苦しいのでポケモンバトルを挑むとめんどうな事に3人纏めて同時に掛かってきた。オニスズメ、エビワラー、スピアーの3体、ピカチュウの【10まんボルト】の前に敗れると逃げるように去っていった……ポケモンリーグを終えたばっかだが、リーグに出場してないポケモントレーナーのレベルってこんなもんなのか。

 

 とりあえずラプラスは無事かどうか確認をするとラプラスはオレに【みずてっぽう】を撃ってきた。

 その辺に落ちていた木の枝で海波斬を使い【みずてっぽう】を切り裂くのだがラプラスはオレを強く睨みつけている。オレに対して敵意を剥き出しにしている……まぁ、ついさっきまで苛められていたのだから誰だって人間不信にはなるよな。

 

 どうしたものかと困っているとセレナが歩み寄り「大丈夫、私やサトシはあなたをいじめたりしないわ」と優しく声をかける。

 それでもラプラスはセレナを睨む。攻撃してきたらやり返してやろうかと色々と思考を巡らせているとラプラスは倒れた。酷く衰弱しているのでコレはホントにまずいとヒールボールを投げるとラプラスはあっさりとゲットされた。

 

 手持ちが6体なのでオーキド博士の研究所にこのままだと自動的に転送されるとポケモン図鑑を取り出し、ドサイドンを代わりに転送する。

 ラプラスをヒールボールでゲットしたからダメージが回復しているだろうが色々と心配なのでポケモンセンターに向かいジョーイさんにラプラスを見せるとラプラスは完治していなかった。

「どうしてこんな状態になるまで放置していたのよ!!」と怒られたのでジョーイさんにラプラスは苛められていた事を伝えると「この子、もしかして群れからはぐれたのかしら?」と推察する。

 

 話を聞けばラプラスには群れが居るらしく、その群れがつい最近このボンタン島を通っていたらしい。

 ラプラスというのはカントー地方ではかなり珍しいポケモンで他の人達が寄ってたかって色々とやってたらしくラプラスの心に大きな傷がついている。心の傷だけはジョーイさんでも治すことは出来ない。

 

 こういう荒療治はあんまり好きじゃないけどもキングドラをボールから出して、キングドラに対話をしてもらう。

 人間が来れば避けてしまうラプラスだったがポケモンの言葉には耳を傾けてくれるのだがオレやセレナが歩み寄ろうとすると嫌がって逃げる。完全に心を開いてくれない。どうしたものかと悩んでいるとつい先程ボコったトレーナーが自分達の兄貴分だというトレーナーを連れてやってきた。

 

 ラプラスをゲットしようとしたのによくも邪魔してくれたなと腕をパキパキ鳴らす。

「何処がよ!貴方達はラプラスを虐めていただけじゃない」とセレナは怒るのだが「あの後に捕まえるつもりだったんだよ!」と後出しな事を言う。言ったもんが勝ちだな

 

 オレ達にラプラスゲットの邪魔をした落とし前をつけてもらうと無茶を言うのでそんな事をするつもりも義理も無いと突っぱねればラプラスを賭けてポケモンバトルをしろと無茶苦茶を言う。リアルファイトで解決した方が早いけどもここは徹底的にボコボコにしないといけない。

 ニドキングを出してきたのでピカチュウを出す。兄貴分を名乗るだけあってかそれなりに強く育てられている。ピカチュウを見て「おいおい、ニドキングにピカチュウとか素人かよ」と笑う兄貴分。【なみのり】で一発KOじゃボケぃ。

 

 オレのピカチュウ舐めんじゃねえぞ。最初はピカチュウである事に落胆したもののピカチュウとしては類を見ない程に鍛えまくってるんだ。

「セキエイ大会じゃお前レベル、下位にウヨウヨ居たぞ」と言えば子分の手下達「こ、こいつセキエイ大会を優勝したポケモントレーナーじゃねえか」とオレの正体に気付く……なんか水戸黄門とか暴れん坊将軍みたいで楽しかった。

 

 オレの正体に気付いたヤンキー共は颯爽と去っていった。惰弱惰弱!

 ラプラスは危険が去ったことを知らせるとオレに頷いてくれた。どうやらオレに心を開いてくれた様でラプラスは頭をスリスリと擦ってくる。背中にも乗っていいとの事で乗せてもらったが心地良かった

 

 ラプラスは群れからはぐれたポケモンでジョーイさんに群れに返してあげなさいと言われた。

 本音を言えば返したくないがそれが本来のラプラスの道なのでラプラスを群れに返すために一緒に旅をする事に。短い間だけど、よろしくなラプラス。

 

 

 カントーレポート172(ナツカンジム 水の戦い)

 

 ラプラスを乗りこなし波に乗っていき辿り着いたナツカン島。

 ここにはナツカンジムがあるとやる気を出すのだがナツカンジムは普通のジムとはちょっと違うジムだった。普通のジムはポケモンバトルをするジムだがナツカンジムはポケモンの腕を競うジムだった

 

 具体的に言えば置かれている空き缶を【みずてっぽう】で撃ち抜いたり飛んでくるクレー射撃とかでよく見るクレーを【みずてっぽう】で破壊したりとポケモンバトルというよりはポケモンコンテストとかポケスロンで見たりする感じの戦いだった。

 

【みずてっぽう】による射撃合戦はキングドラで行った。というかキングドラで行くしかなかった。オレ、水ポケモンはキングドラとラプラスしかいないから。フシギダネとかリザードンとかの他のタイプのポケモンで射撃しても良いルールだったらそれでやってたけども……

 それはそれとしてジムリーダーの出してきたポケモンはシードラだったのでキングドラは燃える。進化後のポケモンが進化前のポケモンにやられたらそれこそ恥だろう。

 

 伊達にこの道のプロじゃないなとシードラは設置されている空き缶を一発もミスせずに撃ち落とす。

 アレぐらいならばオレのキングドラにだって出来るとキングドラも一発もミスを侵さず【みずてっぽう】で全ての空き缶を撃ち抜き引き分けに終わる。

 第2ラウンドはクレー射撃、飛んでくるクレーを先に撃った方が勝者となる勝負で、進化している分キングドラの方にアドバンテージがある。シードラが撃つよりも先にキングドラはクレーを撃ち抜き、キングドラの勝ちでオレの勝利。

 

 1勝1分で一応は勝利は決まったと思ったがまだ勝負は終わっていない。最後で負ければ引き分けに終わってしまう。

 第3ラウンドは水上レース。乗ることが出来るポケモンにライドして浮島まで向かい一周した後にスタート地点に戻る至ってシンプルなルールで妨害はありのルールでポケモンの技を使ってもいいとのこと。

 

 キングドラは泳げるポケモンだけど乗ることが出来るポケモンではない。

 ここは新入りのラプラスに出てもらいラプラスにライド……ジムリーダーの弟の笛が鳴ると同時にラプラスとジムリーダーのカメックスが走り出す。素早さの差は極々僅かだがカメックスの方が勝っている。一日の長は向こうにある。このまま普通に勝負しても技術の差で徐々に徐々に引き剥がされていくのは目に見えている。ならば妨害するしかねえ。

 

 ラプラスにカメックスの背後にとっしんをする様に指示しラプラスは突進する。

 しかし伊達にジムリーダーをやっているわけじゃない。ゲットして間もないラプラスではジムリーダーのカメックスのバランスは崩せないし、ジムリーダーを落とすことは出来ない……というのが普通のトレーナーだろう。甘い甘いぞ

 

 この勝負は妨害ありのルールで妨害していいのがポケモンだけというルールはない。

 ラプラスの背中から飛び降りてライダーキック、カメックスにダイレクトアタックをしてカメックスをひっくり返すと同時に跳びはねてラプラスの背中に戻り、そのままUターン。カメックスと大差をつけての勝利だった

 

「サトシ、なんかズルい」とセレナが言ってきたがなにもズルくはない。妨害ありのルールで使用しているポケモン以外のポケモンでの妨害は禁止であってトレーナーの妨害を禁止にするルールは何処にもない。なんだったらオレが海の上を走ってカメックスよりも早く一周するって手もあったが、それだとルールがおかしくなるのでやめたんだぞ。

 

 とりあえず勝ちは勝ち。2勝1分でオレの勝利に終わりナツカンジムを制覇した。

 ナツカンジムを制した証であるサクラバッジを手にした。今回はバトルが全然出来なかったけども、バトルとは違う事をしたのでいい経験になったと思う。

 

 カントーレポート173(クリスタルのイワーク(多分リージョンフォーム))

 

 次のジムがあるネーブルジムを目指してラプラスの背に乗り旅に出る。

 オレンジ諸島は諸島なだけあって大きな島は無いのだが小さな島が多くてこういうところでラプラスは役立つ。船に乗るのとはまた違ういい旅が出来ているなと潮風に当たっているとセレナは手紙の入った瓶を拾った。

 

 ポンカン島から流れ着いた手紙らしくクリスタルのイワークを探しているとかどうとか。

 そういえばそんな話があったなと思い出しつつ進路を変更してクリスタルのイワークを探しているというマサミちゃんと出会う。

 兄がガラス職人をしているのだが祖父の様に上手く行かず、祖父が嘗て見たというクリスタルのイワークにインスピレーションを受けたとかどうとかでクリスタルのイワークを探しているらしい。

 

 マサミちゃんの兄のイサオさんは既に充分なガラス職人に思えるがまだまだ未熟と思っており壁にぶつかってるのか悩んでいる。

 ここは一肌脱ぐしかないと原作知識を用いてクリスタルのイワークが居る場所に向かい、クリスタルのイワークとバトルをする。キングドラを出して【ハイドロポンプ】で攻めてみるが効果が薄い。やっぱこいつアニメの制作陣がなにも考えずに作ったポケモンかなにかだと考えているとセレナも乱入。「クリスタルなら【ほのお】が有効よ!」とテールナーの【かえんほうしゃ】が炸裂、クリスタルのイワークが苦しんでいる姿を見せるので効果はありで、セレナは弱ったクリスタルのイワークに対してモンスターボールを投げた。その結果、あっさりとクリスタルのイワークをゲットする事が出来た。

 

 クリスタルのイワークを連れてイサオさんのところに向かうとイサオさんはクリスタルのイワークに心を奪われ、なにかインスピレーションの様なものが浮かぶ。目に闘志の様なものが宿ったと思えば早速ガラス細工をはじめてオレとセレナとクリスタルのイワークを作り上げた……それはもう見事なものだったので実家に送った。いいお土産が出来てよかった。

 

 クリスタルのイワーク、オレも狙ってたんだけどもまぁたまにはこういう時もあるよな。

 今までポケモンゲットしようとしなかったセレナがはじめてポケモンをゲットしたんだからコレは喜ぶべき事だと素直に喜んだ……クリスタルのイワーク、図鑑に載ってないからオーキド博士に研究してもらわないと……タイプ的に水晶だし、【こおり】と【はがね】だろうか。ハガネールに進化させるとどうなるか楽しみだな。



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ピンクピンカーピンキスト

 カントーレポート174(クリスタルのイワーク その2)

 

 セレナはクリスタルのイワークをゲットしたのだが色々と困った事があった。

 通常のイワークはポケモン図鑑に載ってはいるのだがクリスタルのイワークについては一切図鑑に載っていない。

 なんのタイプなのか一切分からない事だらけなのでオーキド博士に連絡を入れるとオーキド博士も驚いていた。クリスタルのイワークなんて見たことも聞いたこともないポケモンで是非とも研究させてほしいとセレナに頭を下げていた。

 

 ゲットしたばかりのポケモンを預けても良いのかとセレナに聞けばセレナは「オーキド博士ならこの子についてなにか分かるかもしれない」とクリスタルのイワークを預ける事に。

 まぁ、現時点ではなにも分かっていないといえばその通りでポケモンの事を調べるにはポケモン博士であるオーキド博士に任せるのが1番なんだろう。

 

 ゲットして早々に手放すのはちょっとアレかもしれないがクリスタルのイワークについてなにも知らない状態なのはそれはそれでまずい。

 オーキド博士は現時点で分かることはなにか無いのかと訪ねてくるので水の中で普通に生活出来ていて【ほのお】に弱い。タイプなのかとくせいが原因なのかは分からないのでその辺りの研究もオーキド博士に託す。期限付きでだ。

 

 オレがオレンジ諸島の旅を終えてチャンピオンリーグに挑んでる間に研究結果を出そうが出せまいがジョウト地方の旅にクリスタルのイワークを連れて行く。セレナはポケモンコーディネーターに興味を示しており、テールナー1体でポケモンコンテストを勝ち抜くには無理がある。クリスタルのイワークは見栄えとかも考えると実に使えるポケモンだ。ゲット出来ないのは惜しかったが、セレナの力になってくれるポケモンの筈だろう。

 

 カントーレポート175(何処ぞの乳柱も似たような感じだった)

 

 ラプラスに乗って次のジムがあるネーブルジムを目指すのだが進路が若干ズレてしまい渦潮に巻き込まれる。

 渦潮を乗り越えるにはこちらも【うずしお】を使うしかないとラプラスだけでなくキングドラを使い渦を制するのだが大幅に進路がズレて地図に載っていない島に辿り着いた。

 

 無人島なのかと崖の下に居ると満潮になって海の水に飲み込まれるのでセレナをおんぶして崖をロッククライム。

 島に上陸するとそこにはピンクのサイホーンが居た。色違いのサイホーンとは異なる形態でこれもまたオレンジ諸島の姿かなにかかと思っていると普通の色のガーディがやってきてオレ達を威嚇してくる。

 

 コレはもしかしてと思ったので敵じゃないと両手を上げるとジュンサーさんがやってきた。

 どうやら知らずしらずの内に一般人の立入禁止区域であるピンカン島に来てしまっていた様だ。渦潮にやられて進路を大幅に変えて偶然にこの島に辿り着いた事を話すと別の島に行くための船に載せていってくれる事に。

 

 とりあえず気になったのでなんでここにいるポケモン達はピンク色なのか尋ねてみるとこの島にしか栄えていないピンカンの実と呼ばれるきのみを食べた事により体色がピンク色に染まっている……ピンクは淫乱だというのになんだそれは。

 何処ぞの乳柱も桜餅を食べすぎた結果、髪の毛がピンク色に染まってしまったという一例があるのだけれども、大丈夫なのかそのきのみは。ピカチュウがお腹が空いたのかコッソリと一口齧ったら尻尾と頬の部分がピンク色に染まっている。

 

 明らかに人体に有害な物質が含まれてるんじゃねえのかと思ったがここではそれが普通な事らしい。

 ピンカン島のピンカンの実は体色をピンク色に染める以外はなんの問題も無いどころか栄養満点のきのみとの事……嘘だぁ。

 ピンカン島にいるポケモン達はピンク一色、それなりに目に毒じゃないのかと思っていると密猟者を発見……というかロケット団だった。

 

 彼奴等、何時の間にやら刑務所から脱走してきたのか出所してきたのかは知らないけども久しぶりに見た。

 向こうもオレ達の事を覚えているので「あの時のジャリボーイ・ジャリガール」と言ってくる。覚えてくれててなによりだがお前達の出番はそれで終わりだ。ポケモンをゲットしたければモンスターボールを用いてゲットしろ、バーロー。

 ピカチュウの【10まんボルト】をぶつけて「やなかんじー」でぶっ飛ばす……いや、ホントに弱いな。とりあえず時間が経過したらピカチュウの尻尾とピンク色のほっぺは元に戻った。

 

 カントーレポート176(ネーブルジム 雪山の戦い)

 

 ジュンサーさんに送ってもらい、やってきたネーブル島。

 早速ネーブルジムに挑戦しに行くと挑戦者は山をポケモンの力を一切借りずに登ってこい、でなければ挑戦は受けないとの立札が置いてあった。

 やれやれ、マサラ人相手にフィジカルで挑むとは愚かな、ネーブルジムのジムリーダーよ。

 

 無意識の内にズルしてしまう可能性がないわけではないのでポケモン達をセレナに預けているとダンという人が現れる。

 ネーブルジムのジムリーダーかと原作知識を悪用しつつダンと一緒に山を登る。マサラタウンで鍛えた足腰は本物であり山を楽々と登り山頂に辿り着くもののそこにはロープウェイを経由してやってきたセレナ以外は誰もいない。ジムリーダーらしき人は一切見ていないとセレナが言うので「貴方がジムリーダーなんですよね」とダンに言えば「気付いていたのか」と驚かれる……まぁ、状況的にあんたしか居ないからさ。

 

 ポケモンの力を一切借りる事をせずに山を登ったのでネーブルジムのジム戦を行う。

 今回もポケモンバトルではなくポケモンの技を競う勝負で先ずは間欠泉を凍らして1本の氷の柱を作り上げること……前のナツカンジムの時でも思ったけど水ポケモンとか【こおり】タイプの技を覚えていないトレーナーだったらジム戦が成立しないよな……うん、まぁ、いいけども

 

【れいとうビーム】を覚えたてのラプラスに先陣を切ってもらう事に。ダンはニドクインを出した。

 間欠泉が噴き出ると同時に【れいとうビーム】を撃つラプラスとニドクイン。やっぱり覚えたての【れいとうビーム】では威力がそこまで出てこないのか本当に極僅かだがラプラスの方が後に間欠泉を凍らせて氷の柱を作った。

 

 こういう勝負でも負けるのは悔しいなと思いつつ第2ラウンド。

 凍らせた氷の柱を加工してボートを作り上げる勝負、リザードンとピカチュウとフシギダネの3体で挑みリザードンの【かえんほうしゃ】で氷が簡単に溶けてあっという間にボートを作り上げる事が出来てオレの勝ちに終わり、1対1のイーブン。

 

 最後の勝負は作ったボートに乗って山を滑るスキー勝負。

 ここも3体のポケモンを使っていいというのでピカチュウ、フシギダネ、キングドラで挑み試合開始の合図と同時にキングドラの【ハイドロポンプ】でロケットスタート。先に勢いをつけたがダンが「その速さだと障害物にぶつかってしまうぞ!」と声を上げる。

 

 コレぐらいの素早さは屁でもない……目で追おうとしているから悪いんだ。

 目を閉じ波動を感じて波動を経由し、何処になにがあるのかを探知。考えるのでなく感じる事により障害物を楽々と避けていきダンと大差をつけてゴールに辿り着いて勝利した。

 

「全ての障害物を避けるなんて驚きだよ」とオレと握手を交わす。

 ネーブルジムを制した証であるシラナミバッジをゲット、残すサザンクロスもといジムリーダーは2人……いい感じの修行になってる。

 

 カントーレポート177(大食いカビゴン)

 

 ザボン七島という島にやってきた。この島の名物はザボンのみと呼ばれるきのみらしく、早速ザボンのみを購入しようと思ったが店が閉まっていた。タウンマップとかには年中無休とか書いてあったのにコレはどういう事だと尋ねるとザボンのみが何者かによって盗まれており、ザボンのみが激減している。ザボンの実が食べられないのは結構ショックで犯人はいったい誰なのかとセレナと一緒に探ろうとする。

 

 そしたら犯人が……カビゴンが出てきた。知ってるぞ、コイツは。サトシくんがゲットするカビゴンだ。

 カビゴンはザボンの実を喰らい尽くすんじゃないかと思える勢いでバクバクと食べており、このままだと島中のザボンの実が食い尽くされる。

 カビゴンは【なみのり】も覚えるポケモンで多分ザボンの実があるザボン七島以外の島から泳いでやってきたっぽい。とりあえずこのままだと本当に危ういのでモンスターボールを投げるのだがゲット失敗。ある程度弱らせておかないとゲットできないか。

 

 とりあえずフシギダネを出して【はっぱカッター】で攻撃するとザボンの実を突きだす。

 なにやってんだと思っているとザボンの実を【はっぱカッター】で食べやすい大きさに切った。使い方、違うぞ。あんまり効果は無いけども【ソーラービーム】を撃とうとすると【はかいこうせん】を逆に撃ってきた……食事の邪魔をするなって言うのか。

 

 フシギダネが1発でやられるとか地味に滅茶苦茶強いぞ、このカビゴン。

 こういう時に限って手持ちにオコリザルがいない。ポケモンセンターに戻ってオコリザルとポケモン入れ替える事を視野に入れてみたがそれをやっている場合じゃないのでゲンガー、君に決めた。

 

 ゲンガーならば【はかいこうせん】は撃っても意味はない。

【さいみんじゅつ】をかけようとするがその前にカビゴンは【はかいこうせん】を撃ってくるのだがゲンガーには通じず【さいみんじゅつ】を掛けられてカビゴンは【ねむり】状態に陥る。カビゴンが眠ったので一安心……と思いきやカビゴンは眠りながらザボンの実を食っていた。

 

 どんだけ食い意地が這ってるんだと呆れつつもモンスターボールを投げる。

 カビゴンは糸目だから寝ているかどうかよくわからないのだがとりあえず眠っている事だけは確かな様で2度目は割とあっさりとモンスターボールに入りゲットする事が出来た。オーキド博士の研究所に送られたので早速カビゴン専用のポロックのレシピを教わる。カビゴン大食いだから専用のポロックとかがないとエンゲル係数がエグい事になっちまうよ。

 

 ザボンの実を喰らいつくされる前にカビゴンをゲットして事件を解決したので地元の人達は大喜び。

 お礼と言ってはなんだがザボンの実の皮を砂糖漬けにした物を頂いたが、コレがまた絶品だった。カビゴンがバクバクと食うのも無理ないな。

 セレナが物欲しげな顔をしているのでザボンの実を手に「あ〜ん」と食べさせてあげるとセレナも「あ~ん」してくれる……いや、こういう時に転生して良かったと思うよ、マジで。

 

 カントーレポート178(ストライク 戦士の誇り(前編))

 

 マーコット島と呼ばれる虫ポケモンが豊富な島に辿り着いた。

 ここならばポケモン達を鍛えるのにいいのかもしれないと奥へと進んでいくとストライクの群れを見つける。ストライクの群れは円陣を組んでおり、真ん中で年老いたストライクと若いストライクがバトルをしていた。

 

 若いストライクは中々の素早さ、対して年老いたストライクは素早さで追いついているもののスタミナ負けしており直ぐに息が荒くなる。

 短期決戦ならば年老いたストライクの方が分があるだろうがストライク同士の戦いなので長引いてしまう。徐々に徐々にスタミナが無くなってきて年老いたストライクの動きにキレが無くなっており、最終的には若いストライクに破れた。

 

 若いストライクが雄叫びをあげるとストライクの群れは年老いたストライクを置いて去っていく……群れのリーダーの争いに負けてしまったんだろう。こればかりは自然の掟、万物の摂理故にどうすることも出来ない。群れのストライクが完全に去っていくと傷ついたストライクは立ち上がろうとするのだがフラついている。これはチャンスだとストライクの前に立つとストライクは激しくオレに威嚇をしてくるのだが、若いストライクとのダメージが大きいのか膝をついたのでそこにモンスターボール、アタック。

 

 あっさりとストライクをゲットする事が出来たがモンスターボールでゲットしたので大怪我を負っているままだ。

 早速マーコット島のポケモンセンターに向かいジョーイさんに見せるのだがストライクは暴れる。治療をする為の行為だと分かればなんとか受け入れてくれるのだが、何時暴れ出すのか分からない状態だった。

 

 ストライクの目には闘志が宿っている。

 しかし群れの争いは負けてしまった。ああいう勝負は一度でも負けてしまえばそれまでのバトルでありリベンジマッチというのが無いもので恐らくはリベンジマッチを挑んだとしても意味はない。

 

 ストライクに「そんだけやる気があるんだったらうちで生かしてくれよ」と歩み寄る。

 暴れはしないが闘志に満ちた目をしているストライクは無言になったのでモンスターボールからリザードンを取り出すと顔色が変わる。リザードンを一瞬で強いポケモンだと直ぐに気付きリザードンもストライクが強いポケモンだと感じるのかやる気を出す。

 

 やる気を出すのは良いことだが、ストライクはまだ治療中な事を忘れてはいけない。

 

 

 カントーレポート179(ストライク 戦士の誇り(後編))

 

 ポケモンの回復速度というのはとんでもないものである。

 かなりのレベルの大怪我を負っていた筈のストライクだったが一夜にして傷が完治していた。ジョーイさんも「もう治ったの!」と驚いていた。

 

 とりあえずポケモンセンターに隣接するバトルフィールドにストライクとリザードンを出す。

 傷は完治した様でリザードンに対してストライクは威嚇し、リザードンはそれに負けじと高らかに雄叫びをあげる……今回は指示を出さない方向で行く。

 

 リザードンは早速【かえんほうしゃ】を撃ってくるのだがストライクは体を高速回転させ【つるぎのまい】を舞いながら【かえんほうしゃ】の炎を受け流す。このストライク、スタミナこそ全然無いものの滅茶苦茶技のキレがあるな。

【かえんほうしゃ】が効かないとなると他の炎系の技も効かない。さてどうすると見れば教えていないのに【エアスラッシュ】を使う。順調にY型のリザードンに成長していてなによりだ。

 

 飛んでくる風の刃的なのを【かげぶんしん】を用いて避けるストライク。既に息が荒くなっており、スタミナに限界が来ている。

 オレならばもうちょっと持久戦をしろと粘らせるのだがそんな野暮な真似をリザードンはしない。ストライクが動ける内にストライクを倒す。

 リザードンは空を飛ぶと上から【かえんほうしゃ】を撃ってくる。ストライクの【つるぎのまい】は横からの攻撃に強いが上からの攻撃に対しては弱いと本能で気付きやがった。

 

 ストライクはリザードンの炎に焼かれるが、倒れることはせずにリザードンに向かって【きりさく】をくらわせにいくがリザードンは見事に回避。リザードンとストライクの勝負はリザードンの勝利に終わり、相性で不利だったにも関わらず健闘したストライクを褒めた。

「お前は弱くはない。オレの知る限り最強のストライクだよ……これから色々とバトルしたりするし、よろしく頼むな」と握手を求めるとストライクは応じてくれなかった。

 

 まだ心が開いていないのかと思えば何処かに向かって飛んでいくストライク。

 追い掛けてみるとそこにはストライク達の群れがおり群れの新しいリーダーとなったストライクはまた来たのかとストライクを威嚇する。まさかリターンマッチ的なのを挑むのかと思えばストライクはなにかを話し、オレを紹介する。

 

 もしかして誰かのポケモンになった事を報告してくれたのだろうか。

 ストライク達はオレを見て大きく雄叫びをあげる……ストライクの新しい道を祝ってくれたのだろう。満足したのかストライクは群れから離れていき、ポケモンセンターに向かった。リザードンから受けたダメージがあり結構無茶をしていたみたいでポケモンセンターに向かうと案の定倒れてしまった……スタミナが少ないのは難点だがそれ以外は見事なストライク……メタルコートを何処かでゲットしたらさっさと進化させよう。



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越えれそうで越えられない 越えられなさそうで越えられる壁

 カントーレポート180(四天王の壁)

 

 オレンジ諸島最大の島であるマンダリン島に辿り着いた。

 ポケモンバトルが盛んなところなのか至るところでポケモンバトルを行っており、オレもポケモンバトルを挑まれた。

 ここはこの前ゲットしたばかりのストライクの出番だとストライクに行かせる。結果は連戦連勝、ストライクのスタミナは切れやすかったものの、なんだかんだと上手くやり過ごす事が出来た。このストライク、スタミナに難があるがそれ以外はほぼ完璧と言っていいぐらいに強いぞ。

 

「サトシ、なんだか面白くなさそうね」とセレナは言ってくる。

 オレが楽しんでない?面白いと思っていない?セレナはなにを言っているんだろうと思っていたがなんだろうか……ケンタとのあのバトルを思い出してみると今でも震えが止まらない。勝つか負けるか分からないギリギリのクロスゲーム程楽しいものはない……そう、楽しいものはないんだ。

 

 あの時の感覚がもうオレにはない。セレナはその事に気付いており、オレが面白くなさそうだと言ってきた。

 ストライク達がバトルで勝利してくれるのはオレにとって朗報の筈なのに……何処か心の中で退屈にしていた。これはいけない事だ。チャンピオンリーグも控えているのに熱が冷めてしまうのはいけないことでどうしたものかと悩んでいるといいおっぱいもとい四天王のカンナに出会った。

 

「貴方がマサラタウンのサトシくんね」と聞いてきた。オレも一躍有名人になったもんだとしみじみ感じているけども意識を集中して「そういう貴方は四天王のカンナさんですよね」と返す。シバを経由してオレの事を知ったようでカンナはオレにポケモンバトルを挑んでくる。四天王とのポケモンバトルなんて願ったり叶ったりだ。

 

 カンナが最初に出したポケモンはパルシェンだった。氷使いか水使いかイマイチよくわからないのだが、取り敢えずピカチュウ君に決めた。

 久しぶりの強敵とのバトルにピカチュウは燃えており頬から電気をビリビリと流している。やる気は充分でなによりだ。

 

 バトルが開始すると開幕ブッパの【10まんボルト】だが流石は四天王のポケモンといったところか普通に【つららばり】で反撃してきた。

 最初のポケモンなだけあってレベルも充分に高いピカチュウの電撃をこうも軽々と耐えるとは四天王は恐るべし。だが、それがいい。ゲームみたいにあっさりとクリア出来たら面白味に欠ける。

 

 ピカチュウで勝てるなんて甘いことを考えていたら痛い目に遭う。

 搦手である【でんじは】を浴びせるとパルシェンは【まひ】状態に陥る。この世界、やたらと攻撃技が重視されてこの手の補助系とか状態異常の技は軽視されている。搦手を使った事でカンナもやや表情を変える。

 

「ごめんなさいね」と謝ってきた。何故謝るのか尋ねてみると「貴方を戦うんじゃなくて試そうとしていたの」と言ってくる。

 オレがどれぐらいやれるトレーナーなのか見ようとしていた。オレを戦う相手として見ていなかった……四天王にとってはオレもまだまだ有象無象の雑魚扱い、言ってくれるじゃねえか。本人的にはお詫びをしたつもりだろうがオレからすればただの挑発になる。

 

 この言葉が逆にオレのやる気を起こさせる。

 ピカチュウに【10まんボルト】を指示してパルシェンを倒しに掛かるが流石は四天王のポケモン。中々に倒れないと思ってたら【れいとうビーム】を撃ってきてピカチュウはカチンコチンに氷付けにされる。

 

 こっちは全然ダメージ無いのに向こうは大ダメージとかマジかと思いつつもピカチュウに【ボルテッカー】を指示。

【こおり】状態になっているピカチュウは電撃を纏うことで氷を砕き、そのままパルシェンに向かって激突するがパルシェンは【からにこもる】を使い防御力を高めて【ボルテッカー】を真正面から受け止めた。ピカチュウの【ボルテッカー】を真正面から受け止めるとか相当ヤバいと思っていると【つららばり】をピカチュウはくらって戦闘不能になった。

 

 負けてしまったが決して勝てなくはないこの感じ、久しぶりの感覚だ。

 ピカチュウにはよくやったと褒めておき、次のポケモンを出す。次のポケモンはリザードンだ。四天王のポケモンは生半可なポケモンじゃ勝てない。リザードンや生半可なポケモンじゃないと言い切れるのでリザードンに託す。

 

「これがあのリザードンね」とリザードンを見て何処か納得するカンナ。

 ラプラス辺りが出てくるのかと思いきやルージュラを出した。ナメてるわけじゃなさそうで本気で勝ちに来ているっぽい。ならばこちらも応えるしかないとリザードンに【かえんほうしゃ】を指示。自慢の炎をリザードンは吐いた。

 

 この【かえんほうしゃ】に対してルージュラは【ふぶき】で対抗してきた。炎に対して氷で挑むのかと思っていると互角に渡り合っている。

 メガシンカさえ解禁されれば使うことが出来ればメガリザードンYの【ブラストバーン】で一気にぶっ倒す事が出来たが残念ながらキーストーンもメガストーンも持っていない。最新無印でルカリオナイトを手に入れていたが、オレ的にはリザードナイトYがいい。

 

 ルージュラは状態異常系の多数覚えるポケモンなので下手に近付けば【あくまのキッス】だなんだ飛んでくる。下手に【ちきゅうなげ】を決めてもやられるだけだがメインウェポンである【かえんほうしゃ】が【ふぶき】で掻き消される。

 一応の確認でもう一度【かえんほうしゃ】を撃ってもらうが【ふぶき】で掻き消される……が、しかしオレはちゃんと見ている。【ふぶき】を使って【かえんほうしゃ】を掻き消してはいるがそれが限界なのを。

 

【かえんほうしゃ】より強い技をリザードンは使える。

【ブラストバーン】を指示するとリザードンは地面に炎を注ぎ込み火山の噴火の如く地面から炎を噴出してルージュラを飲み込んだ。燃え盛る炎が消え去っていくとそこにはルージュラは立っておらず倒れており、戦闘不能となっていた。

 

【かえんほうしゃ】は消せても【ブラストバーン】は無理だったかと取り敢えずガッツポーズを取る……今これ書いてるけど、あんまり喜べない結果だな。前回のシバの時もそうだったけども相性の上で有利についてギリギリの勝利とかそんな感じだ。四天王に引き分けに持ち込めたのは嬉しいけれども勝てなかった事は悔しい。特にピカチュウを使って勝つことが出来なかったのはキツい……やっぱピカチュウじゃ限界があるんだろうか。でも、オレにはピカチュウなので頑張るしかない。頑張れ、オレ。

 

 カントーレポート181(ユズジム タイプバトル3vs3)

 

 ユズジムがあるユズ島にラプラスで向かっている途中にパウワウと1人の少女が溺れかけているのを発見する。

 これはまずいとラプラスの進行方向を変更。女の子にセレナが手を伸ばして助けた。海は危険な場所でもあるからポケモンが一緒だからと油断してはいけない。

 

 女の子の名前はマリーちゃん。ユズジムのジムリーダーもといサザンクロスのジギーの妹で助けてくれたお礼にとユズジムに案内をしてもらう。

 ユズジムに辿り着くとマリーちゃんが何処かに行ってた事に対して心配していたジギー。セレナが海で溺れかけているのを見かけたのと助けた事を教えるとセレナにお礼を言う。つーか、口説いてた。

 

 人の彼女になにやっとんだコイツはと思いつつもユズジムに挑戦する事を言うとテストを受けさせられる。

 モーターボートに乗って出てくる的にポケモンの攻撃を当てるだけの至ってシンプルな試験、動いている的じゃなくて動かない的を当てろなんてあまりにもチョロい。こんなんだったらセキエイ大会前の修行で幾らでもやった。

 

 ここはカッコよくリザードンに全てを任せる。リザードンは出現する的全てに【かえんほうしゃ】をぶつける。

 流石はリザードン、やってくれるぜリザードン……お前の出番、今回はコレで終わりである。残念ながら今回のジム戦には出さない。

 

 ユズジムのジム戦はポケモンバトルをするジム戦だが普通のポケモンバトルとは少々違う。

 同じタイプのポケモンでのポケモンバトルで、3回勝負して2本取ったら勝ちのちょっと変わったジムバトル。最初は【ノーマル】タイプのポケモンでのポケモンバトルでオレはこの前捕まえたばかりのカビゴンを使う。

 

 サトシくんがゲットした頃は言うことが聞いていないだろうがサトゥーシくんであるオレにはちゃんと従順で、起きている。

 カビゴンに対してジギーが出してきたのはピジョットだった……たまに思うけど【ノーマル】【ひこう】ってなんかおかしい気がする鳥ポケモンの為に【ひこう】タイプ用意されてるのに【ノーマル】タイプも合わさったらなんか違う気がする。【ノーマル】無しの【ひこう】タイプってトルネロスとかしかいないけども。

 

 それはさておきジム戦がはじまる。カビゴンは初のジム戦だがあがる事は特にない。

 中々に図太い神経の持ち主でなによりだと思いつつも【れいとうパンチ】をピジョット目掛けて決めに行くがピジョットは空へと逃げる。

 オレのカビゴンはカビゴンにしてはかなりの身軽の方だがカビゴンの中では身軽であり他のポケモンと比べれば普通なぐらいだ。さてどうしようかと考えていると【つばさでうつ】攻撃をしてくるのだがカビゴンのポヨンとしたお腹が全ての攻撃を弾く。カビゴンTueeee。

 

 カビゴンの強さを感じつつも意識を切り替える。素早さの方ではピジョットの方が上で更には制空圏を取られている。

 無理に攻めにいけばカウンターを取られるのでどうしようかと悩んでいると【ゴッドバード】を仕掛けてくるのでカビゴンには【はらだいこ】で攻撃力を最大限まで高める。

 

 こういう力と力によるぶつかり合いは嫌いじゃない。

 力を溜めこんで突撃してくるピジョットの【ゴッドバード】に対してカビゴンは【れいとうパンチ】を真正面から叩き込み、力のぶつかり合いを制して勝利を納めた。【はらだいこ】体力が半分になるけどもそれに見合う価値はある技だ。

 

 普通のポケモンバトルならばこのまま続行だが今回はタイプバトル、次のバトルになればポケモンが変わる。

 次は【でんき】タイプによるポケモンバトル。こっちは当然ピカチュウを出し、向こうはエレブーを出してきた。エレキブルじゃないので電気系の技は通じるが【でんき】タイプ相手に電撃で行くのはアホである。

 

【なみのり】を使いサーフボードに乗ってエレブーに攻める。

 エレブーは【10まんボルト】を撃ってくるがピカチュウはスイスイとそれを避けて津波がエレブーを飲み込んだ。並大抵のポケモンならばここで落ちるが、エレブーは並大抵のポケモンじゃないので普通に立ってくる。

 

 ピカチュウが【なみのり】を覚えていることにジギーは驚くが、驚いている場合じゃない。

 エレブーは【ひかりのかべ】を貼ってくるがそれが通じるのは特殊攻撃だけで物理攻撃である【たたきつける】でエレブーをぶっ飛ばしてKO。

 3本勝負なので2本先取したオレの勝ちでユズジムを制してリンボウバッジをゲットした。コレで残すところは後1つ、それを手にすればオレンジリーグのウィナーズカップに挑戦が出来る。いい感じの修行になっている。

 

 カントーレポート182(やっぱりリザードンは強い)

 

 最後のジムがあるリュウチン島を目指してラプラスに乗って進んでいると高速船が突っ切った……と思いきやピタリと止まった。

「お前がマサラタウンのサトシだな」と船からトレーナーが出てくる。ユズジムを制した噂を聞きつけてオレに会いに来たらしく「セキエイ大会優勝者がどれくらいのものか見せてくれよ」と挑発してくる。

 

 ポケモンバトルを挑まれたら受けるしかない。

 近くの島に向かい早速ポケモンバトルをすることになり向こうはチャンピオンベルトをつけたニョロボンを出してきた。明らかにチャンピオンベルトが邪魔なのでそれを外して戦えと言うのだがニョロボンにとってコレは一部の様で外すつもりはない。

 

 そっちがその気ならば仕方がない。

 後で言い訳なんかするなよと言うと「リザードンを使ってこいよ」と出してくるポケモンを指定してくる。そこまで言われればやるしかないとリザードンを出す。「コレがあのリザードン」とリザードンの圧に飲み込まれそうになるがニョロボンが励ます。

 

 オレのリザードンがセキエイ大会のままだと思ったら大間違いだ。

 リザードンは空高く飛んで太陽光を集める。オレのリザードンはY型を想定して鍛え上げたので【ソーラービーム】を撃てる。ニョロボンは【ハイドロポンプ】で対抗してくるがリザードンの【ソーラービーム】に勝つことは出来ず、そのまま押されてやられた。

 

「これがセキエイ大会優勝者のポケモン」と圧倒される……これで圧倒されていたら四天王とかチャンピオンとか相手にしたら大変だぞ。

 

 カントーレポート183(ポケモンコンテスト サンポウカン大会)

 

 リュウチン島を目指し旅をしているとサンポウカン島という島に辿り着いた。

 食料の補充とかもしつつ市街を歩いていると公式のリボンは貰えないがポケモンコンテストが開催される事が予告されていた。

 

 ポケモンコンテストに対して前々から興味を抱いていたセレナは参加したいというが参加条件に一次審査と二次審査は別のポケモンで参加しないといけないというルールがあった。オーキド博士に預けているクリスタルのイワークを引き取るのかと思ったがテールナーと違ってコンテスト用に鍛えてはいない。セレナはどうするか悩んだ末にピカチュウを貸してほしいと頭を下げてきた。何事も経験は大事なのでピカチュウを貸す。

 

 コンテスト会場は思ったよりもしっかりとした会場だった。

 こういう場で緊張したりアガッたりしないか少しだけハラハラしているとセレナの一次審査がはじまる。一次審査はパフォーマンス、テールナーを出した。先ずは【おにび】を指示したと思えば【おにび】は数珠の様に繋がっていき、マリオパーティの炎の縄跳びみたいになって、セレナはテールナーと手を繋いで一緒に【おにび】の縄跳びをジャンプ。

 

 数珠繋ぎの【おにび】を匠に動かし!マークや?マークを作る。

 技1つ取っても色々な使い方があるんだなとコンテストとポケモンバトルの違いを感じつつテールナーは数珠繋ぎの【おにび】を自分の前に一直線に並べると【サイケこうせん】で貫いた。

 

 中々にいいパフォーマンスで審査員からの評価も高かった。

 今回は公式の大会じゃないし、ライバルはいなさそうだと一次審査を突破してホッとする。アレで落ちてたら大変だったよ。

 

 二次審査はコンテストバトル。相手のポケモントレーナーはギャロップを出してきた

【ほのおのうず】を撃ちピカチュウを囲む。更には渦の中心に向かって【メガホーン】で突撃していくと【ほのおのうず】を纏った【メガホーン】が迫ってくる。コレはパフォーマンス力が高いとセレナのゲージは減る。

 

 炎の渦を纏った【メガホーン】はピカチュウに命中するがピカチュウは立ち上がる。パワーやレベルはピカチュウの方が上だ。勝つ方法は確かにあると自分で考えてもらう。今度は【かえんぐるま】で攻撃してくると思いきや三角形にグルグルと移動する。フィールドには三角形の炎が出現し、またまたセレナのゲージが減っていくがセレナは負けじとピカチュウに【10まんボルト】をタップダンスを踊るかの様に放つ。カウンターシールドで魅せる攻撃の1つで相手のゲージは減っていった。

 

 ピカチュウでも魅せるバトルは出来る。ピカチュウは【みがわり】を発動し分身を生み出した。

 ここに来ての【みがわり】なにが狙いだと思っているとピカチュウは分身に手伝って貰い高くジャンプ。そのまま【なみのり】を指示し、分身はサーフボードに変化し、津波に乗っているところをピカチュウは綺麗に着地してサーフボードに乗った。

 

 普通の【なみのり】の筈なのにやり方を変えるだけでこうなるかとセレナのパフォーマンス力に驚く。こういうやり方や魅せ方があるんだな。

 サーフボードに乗ったピカチュウは津波を巧みに乗りこなし、ギャロップを飲み込みKO。相手のゲージが自分よりも多く減らしていたのでバトルで勝つだけでなくパフォーマンスでも勝つことが出来た。

 

 その後も順調に駒を進めて決勝戦も勝ち抜きセレナはサンポウカンリボンを手に入れた。

 非公式の大会だがポケモンコンテストで勝てる事をセレナは証明したが……二次審査のコンテストバトルをピカチュウで戦ったから、まだまだだ。これからの事を考えればクリスタルのイワークは手持ちに加えないといけないし、それ以外にもパフォーマンスの幅を広げる為に色々とポケモンがいる……頑張れとしか言えない。頑張れよ、セレナ。



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帰省 マサラタウン

 

 カントーレポート185(ルギア爆誕)

 

 リュウチン島を目指し、ラプラスに乗っていると急に海流が変わった。

 海というのは気紛れなのはよく知っているがコレはおかしなものだと異変を感じつつラプラスに進路を変更してもらいアーシア島に辿り着いた。うん……ルギア爆誕だこれ。

 ミュウツーが終わってそんなに経過していないのにまた映画かよと思いつつもアーシア島に上陸すると民族衣装に見を包んだ島の人達から歓迎を受ける。

 

 やたらと歓迎されているなと少しだけ嫌な感じがしていると案の定、変な役割を押し付けられる。

 優れた操り人が近くの3つの島を巡って宝玉を取ってくるというよくあるベターな役割を押し付けられる。ホントにめんどくさいけどもこれ引き受けないと世界がヤヴァイ。

 

 島でとれた新鮮な果実を頂いていると天候が急に変わった。

 島の人達は天変地異の前触れだなんだ言い出してオレに早く儀式を終わらせてほしいと言うので荒れに荒れた海を突破してファイヤーがいる炎の島に辿り着いたのだが、そこにはファイヤーはおらず代わりにサンダーがいた。

 

 炎の島なのに雷のポケモンがいて何事かとついてきてくれた巫女さんことフルーラが驚いていた。

 オレはさっさと終わらせたいので目当ての宝玉を取りに行こうとするのだがサンダーは威嚇の電撃を放ってくるので空中を跳んで、サンダーに踵落とし。サンダーを倒すことに成功する。先に進めると思えば怪しげな乗り物がサンダーを捕らえる。

 

 全くホントになんでこんなことをと内心愚痴りつつサンダーを追い掛けると逆にオレが捕まった。

 こういう危ないところにセレナ達を連れてこなくて正解だったなと思いつつオレを捕らえている牢屋を破壊。ついでにサンダーとファイヤーを開放するのだが玉座に座っているおっさんが「私のコレクションになにをする!」と言ってくるので飛び膝蹴りをくらわせる。話し合いする事の出来ない悪人には暴力で解決する。

 

 ファイヤーとサンダーを解放したのでコレで物語はハッピーエンド……に向かうほど都合良くはない。

 あの二体、仲悪いかどうか知らねえけども攻撃しあってて一向に争いは収まらない。それどころか更に天候が荒れてくる。神と呼ばれるポケモンを相手にするのはホントにめんどくせえ。

 

 原作知識を活用してこの後どうすればいいのかを知る。

 3つの島を巡り3つの宝玉を手にして祈り詩的なのを捧げれば問題は解決する。ラプラスにライドし、雷の島、氷の島を巡り3つの宝玉を手にしてヤドキングもといハマダがいる島に向かいフローラがアーシア島に伝わる詩をオカリナで吹くとルギアが出てきて喧嘩しているファイヤー、フリーザー、サンダーを鎮めた。

 

『私を呼び出すとは……流石は優れたる操り人』とルギアは褒めてくる「オレはまだまだ未熟な半人前だよ」とだけ言っておく。まだまだなんだよ、オレは。とりあえず出来る限り最速でルギア爆誕を終わらせた。ロケット団の見せ場?知らんなそんなもの。

 

 アーシア島の儀式を終わらせたのでこれにてルギア爆誕は終了だったんだけど……フルーラがお礼にとオレの頬にキスをした。

 セレナはずっと笑顔になっている……怖い、怖すぎる。どうすればいいのかピカチュウに相談してみたけどもピカチュウは力を貸してくれない。ピカチュウも恋愛クソ雑魚ブロッコリーだったんだ。

 

 とりあえずセレナにごめんなさいって言っておこう……「なにに対して謝ってるの?」と聞かれたら滅茶苦茶怖いけど。

 

 

 追記

 キスしたら許してくれた。

 

 

 カントーレポート186(リュウチンジム タッグバトル)

 

 ルギア爆誕を終えたので暫くは映画に悩まされなくて済む。

 気を引き締め直してリュウチン島に辿り着いたのだがリュウチン島はオレンジ諸島でも最大の観光地で右見ても左見てもホテルの客引きだった。

 オレはバカンスに来ているんじゃないので無視しているとやたら声の大きいおばさんに息子だと勘違いをされた。

 

 このおばさんこそリュウチンジムのジムリーダー、最後のサザンクロス、ルリコさん。

 息子じゃなくマサラタウンのサトゥーシくんだと教えてリュウチンジムに挑む。リュウチンジムのルールはタッグバトル、というかダブルバトルだ。普通とは違うダブルバトルで1体でも倒されたら負けの特別ルールだ。

 

 ダブルバトルをやるのははじめてだけど、だからといって負けていい理由にはならない。

 カビゴンとストライクでバトルをすることにしルリコさんはフーディンとガラガラを出してきた。

 

 ダブルバトル、意識を同時に割かないといけない。

 ストライクには飛んでもらいカビゴンに【じしん】を起こして貰うのだがガラガラが骨を地面に叩きつけて【じしん】の衝撃波を受け止める。この手の技は対処されやすい。しかしこれぐらいではへこたれない。

 

 ストライクに【つるぎのまい】を舞ってもらい攻撃力を高める。

 その間にカビゴンは【はらだいこ】を打ってもらいこちらも極限まで攻撃力を高めているとガラガラは【ホネブーメラン】を撃ってきたのだがカビゴンのお腹がポヨンと弾く。カビゴンに並大抵の攻撃は通用しないぜ。

 

 ストライクとカビゴン、どちらも極限まで攻撃力を高めたのでこちらから攻めに行く

【かげぶんしん】を使いストライクはガラガラを円形に囲み【きりさく】で攻撃するがガラガラは骨で受け止める。このレベルのガラガラならこれぐらい出来て当然であり読んでいたのでカビゴンには動いてもらい【れいとうパンチ】を決めてもらった。

 

 最大級まで高めた攻撃力での【れいとうパンチ】は見事に決まり、ガラガラは戦闘不能になった。

 これがダブルバトルならば続行するが今回はタッグバトルのルールで、1体でもやられたら終わりのルール。オレの勝利に終わりルリバッジをゲットした。

 

 これによりサザンクロス全員を制覇した。

 ウィナーズカップの挑戦権を手に入れてルリコさんは頑張って殿堂入りしてこいと背中を後押ししてくれる……頑張らないとな。

 

 カントーレポート187(オレンジリーグ決戦前)

 

 カンキツ島に向かっている途中、物凄い速度でポケモンが横切っていった。

 セレナは急な突風に驚くのだがオレはアレがなにかを知っている。オレ達の前を横切っていったのは紛れもなくカイリューだった。まぁ、だからといってなんだという話なんだけども。

 

 デカいコロッセオみたいな建物があるところまで行くと今まで集めたバッジを見せる。

 マサラタウンからわざわざ遠路遥々やってきたなと受付のおじさんは言ってくれてウィナーズパレスと呼ばれる場所に連れて行ってくれる。そこには今までにウィナーズカップを制覇したポケモントレーナーとポケモン達の足形が残されていた。

 

 殿堂入りとかゲームじゃ作業ゲーみたいなところはあるけども、こういざ現実味を帯びてくるとテンションが上がる。

 ウィナーズカップを制覇すればオレもウィナーズカップに出したポケモン達と一緒に写真撮影をすることが出来るとおじさんは言ってくれる。

 

 明日はウィナーズカップなので英気を養おうとするのだがここで1つ問題が発生する。カビゴンが一切目を覚まそうとしない。

 リュウチンジムを制したし特製のポロックを食べてお腹いっぱいになったのかここぞとばかりに熟睡している。拳を叩き込んでも一切目覚めない。カビゴンのお腹の弾力は凄まじい。

 

「これはこれでありじゃないの?」と眠っているカビゴンを起こすのをセレナは諦める。

 確かに寝ているから体力は回復するし【ねごと】とかを使えば戦えるけども、こんな状態じゃ役に立たない。仕方ないのでオーキド博士に連絡を取ってポケモンを入れ換える事にしたのだが、ここでまさかのポケモンと入れ換える事に。ぶっちゃけ使いたくないけども、ここまで来たら勢いに身を任せるのもいいかもしれない。

 

 今のヘッドリーダーになってから誰一人ウィナーズカップを制覇する事が出来ないらしいのでオレがその一人目になってやるぜ。

 

 

 カントーレポート188(ウィナーズカップ フルバトル)

 

 昨日のウィナーズカップ開催の予告が聞いたのかスタジアムは満員御礼。

 ウィナーズカップを見に来た観客達は沢山いる……こういうところにいるとセキエイ大会を思い出す。観客達はヘッドリーダー相手に何処まで戦えるのか見ものだと言っているが、オレは勝つためにここまでやってきたんだ。

 

 ヘッドリーダーのユウジと握手を交わしてバトルフィールドに立つ。

 フィールドは中心がプールで周りが岩の変則的なフィールド、なにを出しても問題は無いフィールドなのでオレはラプラスを出す。ラプラスは真ん中のプールで泳いでおりやる気に満ちていた。

 

 ユウジは先ずはコイツだと出したポケモンはメタモンだった。

 実況の人が「やはり最初はメタモン、過去にこのポケモンだけで全滅させられた事もある確かな実力を持つポケモン、チャレンジャーの腕の見せ所です」と言ってるので腕が鳴る。

 

 メタモンはプールへと近付くと早速【へんしん】してきてラプラスへと変身をすると【みずてっぽう】を撃ってくるがラプラスには一切効かない。このラプラスのとくせいは【ちょすい】どれだけ水系の技を受けても一切ダメージにならない。

 ラプラスのとくせいが分かるとユウジは手を変えてきて【れいとうビーム】を撃ってくるのでこちらも【れいとうビーム】で相殺し、色々と考える。ラプラスというポケモンは色々と多彩なポケモンで色々な技を覚えるのだがこの感じ、ラプラスというポケモンをユウジは知り尽くしていないな。

 

【10まんボルト】をラプラスに指示してラプラスに変身したメタモンに電撃を浴びせる。【10まんボルト】を覚えているとは思わなかったのか予想外の一撃にメタモンはやられて元の姿に戻る。先ずは1本先取したと喜ぶのだが、メタモンを倒しただけなので浮かれない。

 

 メタモンの次に出てきたのはイワークだった。真正面からイワークと戦うのは危険だとラプラスをボールに戻しフシギダネを出す。

 セオリー通りでやってきたと実況は語るがそんなに甘いわけがない。イワークは【あなをほる】で地面を掘り進むのだがこれがもうとにかく早い。ユウジのイワークは極限まで素早さを高める様に鍛え上げている。

 

 努力値を素早さに振っているイワーク。

 これは中々に強敵だと感じつつもフシギダネはオレからの指示を待つ。こういうときに慌てれば逆にやられるだけだとフシギダネに目を閉じさせて何時でも動けるようにすると直ぐにイワークが地面から飛び出てきたのでフシギダネは避けて【ギガドレイン】で体力を吸い尽くし戦闘不能に持ち込む。

 

 これで2体目を倒せたと喜ぶと今度はフシギバナが出てきた。

 フシギダネでフシギバナを相手にするのは割と冗談抜きで危険なのでボールに戻し、リザードンを出す。リザードンは大きな雄叫びを上げて炎を空にめがけて放つパフォーマンスをする。そういうのは後にしろ。

 

 リザードンのパフォーマンスはさておきフシギバナは【はっぱカッター】を使ってくるので【かえんほうしゃ】で全てを灼き尽くし距離を縮めようとすると無数の【つるのむち】で体を縛ってきて拘束して来ようとする。

 下手に距離を詰めて近付こうものならば【つるのむち】で動きを封じられる。ならばやるしかないとリザードンに【ブラストバーン】を地面に注ぎ込み地面から【ブラストバーン】噴火させてフシギバナを一気に飲み込み戦闘不能にさせる。

 

 ユウジのポケモンが3体やられた事によりフィールドはチェンジ。砂のフィールドに切り替わる。

 ユウジの4体目のポケモンはゲンガー、ここはこのままリザードンで行こうかと悩んだが他のポケモンも積極的に使おうとピカチュウを出す。

 ピカチュウは【10まんボルト】を撃つとゲンガーは目から【ナイトヘッド】を撃ってくる。これは互角の勝負で技と技はぶつかり合う。

 

 ピカチュウの【10まんボルト】と互角にやり合うとは強いなと感じつつも【なみのり】を指示。

 サーフボードを取り出したピカチュウは津波に乗ってゲンガーに突撃しに行きゲンガーは津波に飲み込まれ戦闘不能になる。ピカチュウの【なみのり】は予想外だった様で対処しきれなかった。

 

 ユウジの5体目はエレブー。

 ピカチュウでエレブーはやりづらいのでポケモンを交代しドサイドンを出すのだが【じめん】タイプのポケモン対策はしている様で【れいとうパンチ】で殴ってくるので【アームハンマー】で対抗する。

 力と力のぶつかり合い、技のぶつかり合いではドサイドンのアームハンマーの方が威力は上だったが【れいとうパンチ】の方が効果がありドサイドンは苦しそうな顔を浮かべる。

 

 ドサイドンといえども【れいとうパンチ】を何度も何度もくらっていたら戦闘不能になってしまう。

 これは速攻で勝負を決めにいかないといけないと思っているとエレブーは尻尾で砂を巻き上げて目くらましをすると【れいとうパンチ】を決めに来るので【じしん】を巻き起こすのだが砂のフィールドがそれを許してくれない。砂のフィールドは【じしん】とかを和らげる事が出来るバトルフィールドだった。

 

 これはまずいと焦っていると【れいとうパンチ】を叩き込まれるがドサイドンはガッチリとエレブーのもう片方の腕を掴んだ。

 エレブーは冷気を纏った拳を必死になって動かすのだがドサイドンは耐え抜いております【ドリルライナー】を指示し角を回転させてエレブーに向かって激突して弾き飛ばした。

 

 エレブーは戦闘不能になりユウジは5体戦闘不能になり追い詰められた。

 対してオレは1体もポケモンはやられていない。圧倒的なまでにオレの方が有利だがユウジは余裕を崩さない。「お前の出番が来たぞ!」とカイリューを出した。

 

 このカイリューがユウジを攻略出来ない一番の要因だと実況は言う。ならば攻略するのみだ。

 エレブーの【れいとうパンチ】に疲労困憊しているドサイドンをボールに戻すと6体目のポケモンを……ミュウツーをボールから出す。ユウジのカイリューは滅茶苦茶強そうな風貌だったが流石にミュウツーでは相手が悪かった。

 

【ふぶき】を真正面から飛ばすとカイリューは空へと逃げていくのでミュウツーは念力で宙に浮いて追いかけていきます【れいとうビーム】を叩き込むとカイリューはカチンコチンに氷漬けにされて戦闘不能に陥った。今まで幾度となく防衛に成功してきたユウジのカイリューがこうもあっさりと倒されたのは言葉が出ない。ミュウツー諸々の事情を知っているセレナだけが拍手を送っているのでオレは腕を上げて勝利した事を示す。

 

 時が止まっていたかの様な時間は直ぐに終わりウィナーズカップに勝利した。観客達は遂にあのヘッドリーダーのユウジを倒して殿堂入りを果たした事に驚いていた……うん、書いていてなんだけどもミュウツーが理不尽なまでに強い。他のポケモンがカイリューと戦ったら激戦を繰り広げていただろうにそれなのにあっさりと勝っちまった。ミュウツーも『久しぶりにいい運動になった』とか言ってくるし……う〜ん……マジで反則級、流石はルールで使用制限くらってるポケモンなだけあるわ。

 

 ともあれウィナーズカップを制したので無事に殿堂入りを果たす。

 ラプラス、ピカチュウ、リザードン、フシギダネ、ドサイドン、ミュウツーの6体の足跡と写真を残し、オレンジリーグを制した証のトロフィーを手にする……オレンジ諸島での旅は良い経験値になった。

 

 

 カントーレポート189(バイバイ ラプラス)

 

 ウィナーズカップを制したのでさっさとカントー本土に戻ろうとするとラプラスの群れに遭遇する。

 ラプラスは自分がいた群れだと本能で気付いたのか進路を急に変えて近付いていくのだがラプラスの群れは【しろいきり】を吐いて姿を晦ました。ラプラスも群れの一員なのになんでと思いラプラスも落ち込んでいるので進路を変更して近くの島に寄るとジュンサーさんがオレ達をラプラスの密猟者だと勘違いをした。

 

 オレのラプラスは正規の手段でゲットしたと身の潔白を証明しつつ、ラプラスの密猟について話を聞く。

 近くにラプラスの密猟者達が居るせいでラプラスの群れは人間不信になってしまっているらしくオレのラプラスが避けたのはその為だと言う。

 また人間がアホな事をやって面倒な事になっているな。オレは波動を用いて密猟者達が何処に居るのかを探知してラプラスと共に撃退した。ちょうどラプラスの群れを密猟しようとしているところだったのでナイスタイミング。

 

 オレのラプラスが撃退したのでラプラスの群れ達は考えを改めてくれてラプラスを群れの仲間に入れてくれた。

 短い間だったけどもラプラスには世話になった。最後にハグをしたラプラスに目一杯愛情を注ぎ込んで分かれを告げた……バイバイ、ラプラス。お前に乗ってオレンジ諸島での旅は悪くないどころか最高だった。

 

 

 カントーレポート190(帰ってきたマサラタウン)

 

 飛行船に乗って帰ってきたぞマサラタウン。

 早速オーキド博士にGSボールを渡しに行ったらなんかケンジがいた。お前、出会わなかったのになんでいるんだと思ったらオーキド博士にポケモンウォッチングの成果を見せに行ったら助手にならないかスカウトされたらしい。オーキド博士の助手って名誉な事だよな。

 

 オーキド博士にGSボールを渡すと早速研究に取り掛かるぞと意気込む。

 そのやる気空回りにならなければいいんだけどもと思いつつオーキド庭園に出てポケモン達をモンスターボールから出す。

 ストライク、カビゴン、ミュウツー、オコリザル、リザードン、フシギダネ、ドードリオ、ドサイドン、キングドラ、ケンタロス、ゲンガー、ピカチュウ、ベトベトン……若干タイプに偏りがあるもののオレの自慢のポケモン達。チャンピオンリーグまでまだ少しだけ時間があるのでそこで徹底的に鍛えてやる。

 

 やる気の炎に満ち足りているとシゲルが帰ってきた。

 ケンタにやられたのが余程堪えたらしく猛特訓を重ねてきたとの事でオレにポケモンバトルを挑む。互いに自慢の1体でバトルをしようとなりオレはピカチュウを、シゲルはイーブイを出す。

 

 イーブイ相手に負けてたら本当に恥なので勝つしかない。

【でんこうせっか】で突撃してくるイーブイ。ならばこちらも【でんこうせっか】だと【でんこうせっか】同士でぶつかり合うと引き分けに終わった……かの様に見せてピカチュウが有利な感じになる。とくせいの【せいでんき】が発動しイーブイは【まひ】状態になった。

 

 ここで【まひ】状態はラッキーだと【10まんボルト】を決めに行くと【すなかけ】で砂を巻き上げ電撃を防ぐ。伊達に鍛えていないな。

 ただこれで終わりだと思ったら大間違いだ。今度は【ボルテッカー】でイーブイ目掛けて突撃する。イーブイは避けようとするが体が痺れて上手く動くことが出来ずに【ボルテッカー】のピカチュウに激突されてそのまま戦闘不能になった。

 

「やっぱりサトシは強い……けど、次はこうはいかないよ」と割とあっさりと負けを認める。

 流石にセキエイ大会に優勝したトレーナーにビギナーズラックとかまぐれとか言えないよな……シゲルも大人になったな。こりゃあ次戦う時が楽しみだ……

 

 多分サザエさん方式の謎の力が働いて歳食わねえんだろうな。




チャンピオンリーグ編はやりません。端折ます


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ジョウト地方 新たなるはじまり

 

 カントーレポートFINAL(カントー最後の日)

 

 ああ、くそ……チャンピオンリーグの結果はベスト4、準決勝で破れるどころか3位決定戦にまで負けてしまった。

 ミュウツーは規格外だからと使わないようにしている。ミュウツーを使えばオレのポケモントレーナーの腕がダメになる可能性が大きい……第1世代のポケモン達だけでは限界があるよな。

 

 オーキド博士の研究所に向かい、ポケモン達に頭を下げた。

 チャンピオンリーグを優勝できる可能性だって見えていたのにそれが出来なかった。主な原因はオレにあるもので、オレというヘボなトレーナーじゃなければ優勝できたかもしれない。

 

 ポケモン達やセレナはそんなことないと言ってくれるけれども悔しい事には変わりはない……が、これ以上負けた事に感傷に浸っている場合じゃない、次を見据えないといけない。ポケモン達に次はジョウトリーグに挑戦する意思を見せるとポケモン達はやる気を出してくれる。

 オーキド博士にジョウトリーグに挑戦する意思を伝えるとオーキド博士餞別だとジョウト地方のポケモンにも対応している第2世代のポケモン図鑑をくれた。ついでにおつかいも頼まれた。

 

 色々と研究してみたけれどGSボールがなんなのか分からないらしい。

 ヒワダタウンにいるモンスターボール職人であるガンテツさんにGSボールを届けに行ってくれと頼まれる……原作知識があるから言えるけどもGSボール、マジでなんなのか分からずじまいで終わるんだけどな……まぁ、いいか。

 

 明日からジョウト地方に向かう。その辺りの事をケンタに連絡するとケンタは「次は俺が勝つからとっととジョウトリーグに来い」と言ってくる。これで楽しみがまた増えた。ジョウト地方にはピカチュウ、フシギダネ、リザードン、ゲンガーだけを連れて行く。状況に合わせてその時、その時にポケモンを入れ替えていこう。

 

 ジョウトレポート1(ワカバタウン はじまりを告げる町)

 

 ジョウト地方を目指し西に進んでいると深い霧に包まれた。

 偶然に起きた霧ではなく誰かが意図的に発生させた霧だとセレナの手を握り、目を閉じて霧の発生源であるポケモンの元に向かうとスイクンがいた。ジョウトに来て早々にスイクンに出会えるのはラッキーだとポケモン図鑑を取り出すのだがスイクンは直ぐに消え去ってしまった。

 

 一応はポケモン図鑑に登録する事が出来た。更に言えばこのジョウト図鑑には追尾機能が搭載されていてスイクンが何処に逃げたのか分かる……まぁ、今はそんな事よりもワカバタウンに行くことが大事なんだけども。

 

 スイクンが去っていくと北風が吹き荒れて霧が晴れていき道が見えたので先へと進んでいくとワカバタウンに辿り着いた。

 ここがケンタの故郷であるワカバタウン……マサラタウンの方が圧倒的に田舎である。もう僻地と言っていいぐらいに田舎である。ワカバタウンは普通の町だな。

 

 とりあえずポケモンセンターに向かってジョウトリーグに参加する為の手続きを取った。

 ゲームと違ってただジムを巡ってバッジを集めればいいのではない。その地方のポケモンリーグに挑戦するぞとポケモンセンターで登録しないといけない。因みにカントー地方での手続き諸々はオーキド博士が先にやってくれてたりする。

 

 ジョウトリーグに参加する為の手続きも終わったのでオーキド博士にジョウト地方のワカバタウンに辿り着いた事を報告するとオーキド博士は是非ともウツギ博士に会ったほうがいいという。かつてのオーキド博士の助手で今では立派なポケモン博士の一人であるウツギ博士、オーキド博士が勧めてくるので会うことに。

 

 ウツギ博士の研究所に向かうとウツギ博士はオレ達をジョーイさんと勘違いをした。

 ポケモンの研究に熱心なのはいいことだが周りをもうちょっと見てほしい。オーキド博士からの客だと言えばウツギ博士はオーキド博士の助手だった事を自慢気に語ってくれる。オーキド博士はやっぱりすごい人なんだなと思う。

 

 ウツギ博士といえばケンタの事を知っているのでケンタの事を聞くと涙を流す。

 ケンタはオレに出会うまでは色々とグレてた様でワカバタウンでも手の付けられないクソガキだった様でウツギ博士も色々と手を焼いていた。クソガキだけどポケモンの知識に関しては誰よりも持っているのでホントに手を付けられなかったらしい。

 

 あいつ、色々とやらかしてんだな。

 ウツギ博士から苦労話を聞き終えるとジョウトの御三家を見せてもらうことになるのだが既にチコリータは貰われて、ヒノアラシとワニノコだけだった……ヒノアラシとワニノコを見ているとケンタとマリナを思い出す。彼奴等は今頃どこでなにしてるんだろうな。

 

 ジョウトレポート2(ルーキーのチコリータ)

 

 最初のジムがある場所はキキョウシティだが、最初のコンテスト会場がある場所がわかった。

 ヨシノシティで開催されるらしくまずはヨシノシティを目指そうと進んでいるとチコリータを使う阪神ファンもといエレブーズファンで、ついこの前ウツギ博士からチコリータを貰ったナナコと出会う。

 

 ナナコのチコリータはポッポ相手に善戦している。新人のポケモントレーナーだなとポッポがゲットされる様を見守っていると目と目が合うのでウツギ博士から貰ったチコリータかと聞けば頷き、チコリータと一緒にエレブーズを盛り上げて優勝にまで持っていくと高らかに宣言する。

 でもここ最近エレブーズ調子悪いぞ。コイキングズとかスターミーズの方が優勝する可能性があるといえばキレるナナコ。

 

 エレブーズの偉大さを教えたると言うのでポケモンバトルになり、オレは手は抜かない。

 先輩トレーナーとしての威厳とか色々とあるのでゲンガー、君に決めた。ゲンガーはニヤニヤと笑うのでナナコは「その笑いを消したるわ!」とコラッタを出すのだがゲットしたてでそんなに育っていないコラッタ。更には【ノーマル】タイプの技しか使えないので【ゴースト】タイプのゲンガーには通用しない。【ひっさつまえば】とか色々と打ってくるけども全てゲンガーは通過していく。

 

 ゲットしたばかりのポケモンじゃ使える技に限界があるなと【サイコキネシス】を撃って1発KO

「新米トレーナー相手にゲンガーはいくらなんでもやりすぎよ」とセレナは言ってくるので「じゃあ、なにを出せと?」とだけ返しておく。

 オレの手持ち、ピカチュウ、ゲンガー、リザードン、フシギダネの4体で多分なにを出しても同じ結果になったと思う。

 

 オレに圧倒的な力で敗れて落ち込むかと思えば「まだやぁ!まだ4番打者は出しとらんのや!チコリータ、いくでぇ!」とチコリータを出したのでゲンガーをボールに戻してフシギダネを出す。

 フシギダネとチコリータ、なにか因縁の様なものを感じるが2体の間にはそんなものは存在しない。先に仕掛けてきたのはナナコのチコリータで【はっぱカッター】を打ってくるので【はっぱカッター】で相殺しようとするが勢いあまってチコリータに【はっぱカッター】が命中する。

 

 進化していないとはいえオレのフシギダネは相当鍛え上げている。そこらのフシギソウやフシギバナより遥かに強い。

【はっぱカッター】同士のぶつかり合いだがよくよく観察するとフシギダネの方が出している葉っぱの数や速度等が上である。

 

「飛び道具はアカン!チコリータ【たいあたり】や」と戦い方を変えてくる。

 直ぐに手練を変えてくるのはいいことだが考えようによっては土台がしっかりと出来ていない事になる。フシギダネは突っ込んでくるチコリータ相手に【ヘドロばくだん】をぶつけるとチコリータはぶっ倒れて戦闘不能になった。

 

 チャンピオンリーグで敗れはしたものの、チャンピオンリーグまで行く事が出来た実力は本物なんだよ。新米トレーナーにやられてしまったらそれこそ恥の上塗りどころの騒ぎじゃない。ナナコは負けてしまった事を悔しがるので「悔しいのならそれをバネにして上に上がってこい」とカッコよく言ってみたりする。ポケモンバトルは勝った負けたの世界で生半可な覚悟で入ると逆に痛い目に遭う。それならば最初から入らなければいい……意外と厳しい世界なんだ。

 

 ジョウトレポート3(激突 ヘラクロスvsカイロス)

 

 ヨシノシティを目指しているとヘラクロスの群れに遭遇する。これはゲットしなければと思っているとモリオという森林調査員に止められる。

 ヘラクロスをゲットするのは構わないけども今は食事の時なので邪魔をすれば他の虫ポケモン達に集団リンチされてしまう。ヘラクロスをゲットしたいけども他のポケモンとバトルするのは嫌なのでとりあえず食事が終わるのを待っているとカイロスの群れがやってきて餌場である一番巨大な樹木に向かって飛んでいく。

 

 カイロスは餌場である樹木を独占しようと樹液を吸っている虫ポケモン達に攻撃をする

 カイロスにはどうする事も出来ずにバタフリー達は去っていくのだがそこにヘラクロス達がやってくる。ヘラクロス達はカイロスに挑もうとするのだがカイロスは自慢のハサミを動かして威嚇するとヘラクロス達は逃げてしまう……ヘタレめ。

 このままだと餌場である巨大な樹木がカイロス達に奪われてしまう。どうにかしたいけども縄張り争いで負けてしまっているのでそれを邪魔するわけにはいかない。自然の摂理と万物の掟は破ってはいけない……人間はよくよく破るけども。

 

 モリオさんはカイロスを見て「おかしい」と呟く。

 なにかおかしなところがあったのかと聞いてみるとカイロスはこの辺りに生息しているにはしているのだが、この辺に出ては来ない。ちょっと先を行ったところに巣があり、その辺りの樹木の樹液を吸って暮らしている。ここにいることはおかしいらしい

 

 このままだと生態系は大きく乱れてしまうので調査をすることになり、オレ達もその調査を手伝うことにしたのだがカイロス達は勢い付いたのかオレ達にも襲いかかってくるのでフシギダネを出して【ねむりごな】を浴びせる。

 野生のポケモンはホントに危険だと思っているとヘラクロス達がオレ達の元に来る。お礼を言いに来たかと思えば一体のヘラクロスがフシギダネの背中の蕾に吸い付くのでフシギダネは本気で嫌がり【ソーラービーム】をぶっ放す。

 

 食い意地の張ったヘラクロスに遭遇するのはなんとも言えない。

 とりあえずカイロスの群れが居る場所に向かおうとするのだが、向こう岸に渡る橋がぶっ壊れていた。偶然にぶっ壊れていたっぽい。カイロスは跳ぶことは出来ても飛ぶことは出来ないので何処にいるのかと探してみると近くの崖からカイロスは跳び越えてやってきていた。

 

 向こう岸にもカイロスが好む樹液があるのにこれは異常だが、問題はどうやって向こう岸に渡るのか悩む。

 リザードンに往復してもらえば向こう岸に渡れなくないけどもどうしたものかと悩んでいるとさっきフシギダネから蜜を吸おうとした食い意地のはったヘラクロスだった。フシギダネの蜜を吸おうと追い掛けてきたのかと思ったがヘラクロスは木に鉄砲を打っている。

 

 なにをしていると見守っているとヘラクロスは木を倒して崖に引っ掛けた。

『ヘラクロ』と手を上げる。木の上に乗って行ってくれと言っている。ここはご厚意に甘えてヘラクロスの倒した木を歩いて向こう岸にまで渡ればそこには巨大なカイロス……の見た目をしたロボットがいた。

 

 例によってロケット団だった。

 カイロスロボを使って樹液を採取してガッポガッポと儲けようと欲張っており、とりあえず【10まんボルト】をぶつけるのだがカイロスロボは爆発しなかった。

 

「いつもいつもそのピカチュウにやられてるんだ。電気対策はバッチリなんだよ」とコジロウが言う。電気対策はしっかりとしているならば他の属性で攻撃すればいい。リザードンが入ったモンスターボールに手を掛けようとしているとさっきのヘラクロスがやってきてカイロスロボに向かって【つのでつく】を使い突き飛ばす。

 

 やっぱりなんだかんだで餌場を奪われてヘラクロスは怒ってるんだな。

 闘志を燃やしているヘラクロス、しかしカイロスロボの方が大きくて重い……ならば技が生きる。体格で上ならば技に走るしかない。ヘラクロスに【みだれづき】を打ってカイロスロボの動きを翻弄し、更には【メガホーン】で突き飛ばすとカイロスロボの装甲が剥がれる。

 

 電気対策はしっかりしているようだがこの状態じゃ無理だろう。

 ピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらうとカイロスロボは爆発してやな感じー。カイロスロボが背負っていた樹液のタンクが飛んできたのでキャッチしてカイロス達の住処を完全に取り戻したのだがヘラクロスは栓を開けて甘い樹液を吸っていた……おいおい。

 

 樹液の出る木を取り戻したのでこれにて事件は一件落着。

 さて、本来の目的を果たそうかとフシギダネをボールから出すと食い意地の張ったヘラクロスがフシギダネの側に近寄るのでフシギダネは【つるのむち】を出してヘラクロスに近付くなと威嚇するがヘラクロスは首を横に振る。フシギダネには用は無いらしい。

 

 もしかしてと思いモンスターボールを取り出すとヘラクロスは頷く。

 オレにゲットされたいんだなとモンスターボールを投げるとヘラクロスはモンスターボールの中に閉じ籠もった……ヘラクロス、ゲットだぜ。後で思い出したけどもこの食い意地の張ったヘラクロスこそサトシのヘラクロスだった……こいつはゆっくりじっくりと育てたいな。

 

 ジョウトレポート4(金持ちには金持ちの苦労がある)

 

 金持ち街ことアザラシティにやってきた。

 とりあえずポケモンセンターに向かおうとするのだがその前にブルーに出会う。街の中でポケモンに出会うというのは誰かのポケモンなんだろうなととりあえず図鑑に登録していると車が急に止まり、如何にも金持ちなおばさんが出てきた。

 

 ブルーのトレーナーのカネヨさんでブルーが行方不明になったから探していたらしい。

 ブルーを見つけた事にお礼を言うのだがオレ達は特になにもしていない。しかしブルーを足止めしてくれたからとブルーが住んでいる大豪邸に招待してくれるのだが……う〜ん……。

 

 カネヨさんがブルーに対して向けている愛情は紛れもなく本物だけどもブルーはそんな生活を嫌がっていた。

 過保護過ぎる生活にウンザリしており、また家出をしようとしている素振りを見せている。このままだとまた出ていくと思っているとブルーはお見合いをすることに……このお見合いが割と酷かった。

 

 相手のブルーは骨にしゃぶりついており、カネヨさんのブルーに目向きもしなかった。

 最初から興味無いのにカネヨさんは話を段々と勧めていく。違うそうじゃない。ブルーも段々と苛立って来たのか吠えだしており、流石にこれ以上は見ていられないので間に割って入った。カネヨさんのブルーは自由が欲しい、窮屈な暮らしに飽き飽きしている。ポケモンはもっと暴れて汚れてこそのポケモンで過保護過ぎる。

 

 相手のブルーは骨に夢中でブルーは外に出たがっている。

 その辺りについて色々と言うとブルーは外に飛び出していった。また逃げてしまったとカネヨさんは悲しむのだがブルーは数時間後、泥まみれになって帰ってきた。思う存分に暴れ回ったので満足している。やっぱりポケモンは動いてナンボだろう。

 

 ジョウトレポート5(ポケモンコンテスト ヨシノ大会(前日))

 

 ヨシノシティに辿り着いた。ポケモンコンテストは明日に開催されるのでとりあえず今日はポケモンコンテストの参加登録をする事になりセレナはジョウト地方で使えるコンテストパスを作成する。いよいよセレナのコーディネーターとしての第一歩を踏み出す事が出来る。

 

 オーキド博士に連絡を取ってクリスタルのイワークを送ってもらう。

 クリスタルのイワークのタイプは【こおり】【はがね】のタイプでとくせいが【ちょすい】に似た感じのとくせいで今のところ名前はまだ決まっていない。クリスタルのイワークとテールナーでポケモンコンテストに挑む……優勝出来るだろうか。

 今回は強敵な感じのポケモントレーナーはいなさそうなのでセレナの優勝を願う。ポケモンコンテストはポケモンバトルとは違うのでアドバイスを送ることは出来ない……送れるのは声援だけでその声援がプレッシャーになってしまうかもしれない……けど、頑張ってくれ。



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晴れ舞台 ポケモンコンテスト

 ジョウトレポート6(ポケモンコンテスト ヨシノ大会)

 

 今日はセレナの晴れ舞台、応援するに限るが少しだけハラハラしている。

 セレナは今日に向けて必死になって特訓していたのだが努力が報われるとは限らないものだ。報われてほしいけど。

 

 コンテストには結構な人数が参加していた。その中で二次審査のコンテストバトルに通過出来るのはたったの8名だけ。

 ポケモンバトルとはまた異なったものであり独特の空気が流れている中でポケモンコーディネーター達のポケモンコンテストが行われる。

 誰か一人突出して無駄に強い奴は居ないかと若干警戒してみるがそういう奴は居ない。サトシくんキラーならぬセレナキラーの存在はここにはいないとホッとしているとセレナの出番がやってきた。

 

 一次審査は相棒のテールナーを出してくると思いきやまさかのクリスタルのイワークだった。

 ほぼ練習していないのに出して大丈夫なのかと心配するがその心配は無用だった。

 

【ストーンエッジ】で地面に岩を巻き起こしてフィールドを岩に包み込むと【ロックカット】を行う。

 今まで派手なパフォーマンスをするのが大きかったので一瞬地味かと思ったのだが、逆だった。クリスタルのイワークはそれだけで十二分の魅力を持っており、下手な技や小手先の技術に走るのでなくクリスタルのイワークのポテンシャルを引き出すのに最も最適なパフォーマンスだ。

 周りが普通の岩の中で研ぎ澄ませてキラキラと輝くクリスタルのイワークは逆に目立っており、カッコよさでも美しさでもない、何処か知的な賢さを魅せる。

 

 ヨシノシティのジョーイさんもポケモン大好きクラブの会長もコンテスタさんも見事だとセレナに得点を入れる。

 その後も審査は続いていき特に目立った人は居らず、二次審査に突破した8名のポケモンコーディネーターが発表されてその中にセレナが入っていた。アレで入ることすら出来なかったのならば小一時間ぐらい問い詰めたい。

 

 とりあえず突破して良かったねと我が事の様に喜ぶのだがセレナはまだ喜べない。

 あくまでも一次審査を突破しただけでここからがむしろ本番だと意気込んでいる。残り8名のコーディネーター達で熾烈を極める争いがはじまる。出来ればいい感じの方向に進んでいってほしいのだが世の中はそんなに甘くはない。第1試合がセレナだった。

 

 セレナの対戦相手はアーボックを出してきた。対してセレナはテールナーを出す。

 テールナーは【おにび】を出して螺旋状に回転させながら飛ばして相手のゲージを削りつつアーボックを【やけど】状態にする。アーボックは【どくばり】を履いてくるが1本1本全て燃やされてしまい、それで更にゲージが減っていく。

 

 よっしゃいい感じになってると思えばアーボックは【ヘドロばくだん】を天高く発射すると【いやなおと】を放つ。

 不快にさせる音が原因で身動きが上手く取れない中で飛ばした【ヘドロばくだん】が落下してきてテールナー目掛けて爆発。これは痛いと思ったがテールナーは立ち上がり杖を使って七色の【サイケこうせん】を撃った。

 

【サイケこうせん】は見事に命中するとアーボックはTKO(テクニカルノックアウト)で戦闘不能となった。

 オレと長い間一緒に居たからかポケモンバトルの腕は本物だ……ただコーディネーターとしてはまだまだ未熟……って言う感じかな。とりあえず今回は無事にセレナはヨシノシティ大会を優勝することが出来てヨシノリボンを手にすることが出来た。

 

 これは記念だとオレは5つのリボンが入るリボンケースをプレゼントするとセレナはとても喜んでくれた。

 

 

 ジョウトレポート7(幼稚園児はクソガキ)

 

 キキョウシティに辿り着くと幼稚園児達がピカチュウを取り合っていた。

 オレのピカチュウは普段は温厚だけどこういう感じの行為は嫌うので【10まんボルト】を撃とうとしたので幼稚園児達から奪い取る。

 タイミングはバッチシなのか【10まんボルト】をくらってしまう。これは人に向けていい技じゃないと耐え抜いてこのピカチュウはオレのピカチュウだと幼稚園児達に教えていると先生がやってくる。

 

 サユリ先生は申し訳ないと謝ってくる。聞けばポケモン講師が来る予定だったのだが急遽来れなくなって園児達が不満になっていたようだ。

 直ぐにジム戦に挑むつもりはないのでポケモンバトルの体験談でもしましょうか?と言えばいいんですかとなり幼稚園に向かいポケモン達を見せる……と言ってもピカチュウ以外はゲンガー、リザードン、フシギダネ、ヘラクロスだけだけど。

 

 幼稚園児達にとってはポケモン達は嬉しい存在……しかしそこは幼稚園児、ポケモンを雑に扱ってしまう。

 人に馴れてはいるものの子供の遊び道具ではないとリザードンは若干苛立ち暴れようとしている。落ち着けと言っても無理だし、オーキド博士に頼んで研究所のポケモンを送ってきてもらおうか考えていると1人の少年がピカチュウを見つめる。

 

「お前気に入った。おれのポケモンになれ!」とピカチュウに飛びかかろうとするのでピカチュウは【アイアンテール】で弾き飛ばす。

 ピカチュウはオレのポケモンであり誰かのポケモンになる予定は一切無い。その辺りについて教えると納得がいかないのかオレのモンスターボールを盗もうとするので、テイッと制裁。モンスターボールをオレから奪おうなんざ100年早い。ピカチュウをくれよとダダをこねるのだがオレは一切譲るつもりはない。

 

 サユリ先生にジム戦に来たことを伝えるとキキョウシティにはマダツボミの塔と呼ばれる修行場があるとの事なのでマダツボミの塔に向かった。修行にやってきたことを伝えると早速奥へと案内される。1階ではポケモンに関する知識を学ぶところなのだがここはパスする。ポケモンに関する知識は嫌になるぐらいにあるから。種族値の細かなデータも知ってるからな。

 

 2階ではポケモンバトルをする事となっており早速ヘラクロスを出す。

 十数名以上居た僧侶達は一度に同時にマダツボミで【はっぱカッター】を撃ってくる。公式戦じゃ出来ない乱闘もたまには悪くはないが、多勢に無勢。ヘラクロスは【はっぱカッター】にやられるが直ぐに立ち上がり【みだれづき】で10体以上のマダツボミをぶっ飛ばす。

 

 大乱闘なバトルも中々のもので、3階を目指そうとするのだが天井から鉄球が降ってくるスイッチをセレナが踏んでしまった。

 忍者屋敷かと思えるような仕掛けじゃねえかと取り敢えず二重の極みで鉄球を破壊すると今度は槍が飛んでくるので掴み取る……ねぇこれ命取りに来てない?オレそんな悪いことしたの?セレナが尽くスイッチを押すのでホントに命が危ない。

 

 屋上にいた和尚さんに「見事、マダツボミの塔を踏破したな。これでそなたもポケモントレーナーとして一歩前進した」って喧しいわ。割と冗談抜きで危険な罠を仕掛けてんじゃねえ。

 

 

 ジョウトレポート8(キキョウジム 大空の戦い)

 

 マダツボミの塔で訓練したので今日はキキョウジムに行くことに。

 キキョウジムはビルの屋上にあるポケモンジム、火山の中でポケモンバトルをしたことのあるオレにとってはこの程度では動じない。

 キキョウジムに行くとジムの門下生の様な人達がいてジムリーダーが何処かと尋ねると気球が空から降りてきた。

 

 キキョウジムのジムリーダーのハヤトは鳥ポケモンの使い手。鳥ポケモンは世間では【でんき】タイプに弱いと言われているがそんな事はないというのでそうでない事を証明しようと早速ジム戦をすることに。使用ポケモンは3体のシングルバトルで交代はチャレンジャーのみ可能とする……久しぶりのちゃんとしたジム戦なので燃えてくる。

 

 ハヤトの一体目はホーホー、ならばこっちはオーキド博士に送ってもらったドサイドンを出す。なにも【ひこう】タイプのポケモンの弱点は【でんき】だけじゃない。他にも色々と弱点は存在している。セオリー通りでやってきたなとハヤトはドサイドンを強く睨むが負け応じせずにドサイドンは雄叫びを上げる。久しぶりのバトルに燃えているな。

 

 審判のバトル開始の合図と共に先に動いたのはホーホーだった。

 ホーホーは【たいあたり】をかましてくるのでドサイドンには真正面から受け切ってもらう。オレの目に狂いが無ければハヤトのホーホーは強いんだけれどパワーがそんなに無い。ヨルノズクに進化していない事を考慮しても特殊系の攻撃は飛んでこない可能性が高い。

 

 オレの予想は的中しており、真正面から【たいあたり】してくるホーホーの激突をドサイドンは軽々と受け止めた。

 地力の差がこういうところで出てくるなと実感しつつも【ストーンエッジ】を使って地面から岩を突き抜いてホーホー目掛けて岩をぶつける。ホーホーは弾き飛ばされて倒れてしまい、立ち上がろうとするのだが体力が気力に追いつく事が出来ずにあえなくダウン。先ずは一体目を軽々とクリアしてガッツポーズを取る、久しぶりのジム戦だが幸先がいい。

 

 ハヤトはホーホーによくやったと言った後、ドードリオを出した。

 鳥ポケモンであり【ひこう】タイプのポケモンの中でまともに空を飛ぶことが出来ないドードリオと考えていると読まれていたのか「ドードリオにはオレの夢が詰まっている。跳んでみせろ!」と他の鳥ポケモン顔負けの高さのジャンプをする。

 

 これは舐めてかかると痛い目を見る……が、様子見も必要な事だ。

 ドサイドンのまま戦闘を続行する事にするとドードリオは【こうそくいどう】でグルグルとドサイドンを囲みながら翻弄していく。これはマズい。ドサイドンはパワーも耐久力も優れているが如何せん足が遅い。鈍足とまではいかないが【こうそくいどう】で素早さを積み上げているドードリオにあっという間に追いつけなくなり【とびげり】を当てに来た。

 

【こうそくいどう】で上げたスピードも相まって中々の素早い【とびげり】に対応できず受け切る事が出来ないドサイドン。

 地力の差でなんとか耐え抜いてはいるものの全くといって追いつける気配はない。仮にドサイドンが素早さを上げる技を覚えていたとしても……追いつくのは無理っぽいな。

 

 こればっかりは本当に相性ゲーというもの。

 頑張れば1発ぐらいはドードリオに攻撃を当てることが出来るだろうがそれはリスクのデカい賭けだ。ここぞという時にはしなければならない賭けだが、それは今するべきことではない。サトシくんならばなんとかして攻略しようとするがオレはサトゥーシくんなので引き際というものを知っている。

 

 ドサイドンをボールに戻し、ピカチュウに交代する。ピカチュウならば素早さが上昇したドードリオを相手にする事が出来る。

 早速ピカチュウに【こうそくいどう】をさせてピカチュウの素早さを上げる……レベルの差はあるが種族値的な意味合いでの差はこちらの方がやや不利、素早さを上昇させたもののドードリオにくらいつくのが精一杯と言ったところだが……ドードリオの喉元に攻撃が届くならば、それで充分だ。

 

 ピカチュウに【でんじは】を指示するとピカチュウは電気の波を放出、ドードリオは【まひ】状態となってしまい素早さが激減する。

 これで邪魔な素早さを上から封じる事が出来たと【10まんボルト】を放つとドードリオに命中し、ドードリオは戦闘不能になった。手持ちに大分余力を残した上での勝利とかオレって気付かない内に滅茶苦茶パワーアップしている。チャンピオンリーグでの経験は本物だ。

 

 残り1体にまで追い詰められたハヤト。最後に出してきたのはピジョットだった。凄く今更なんだけどもゲームとは違う手持ちなんだな……原作知識で知っていたけれども。ピジョットはボールから飛び出ると空高く舞った。完全に空中戦をお望みの様だ……ピカチュウには【あまごい】+【かみなり】のコンボがあるので瞬殺出来なくもないのだが向こうが空での戦いをお望みならばコチラも答えるしかない。

 

 ピカチュウには一旦引いてもらい、最後に出したのは我等がエースことリザードンだ。

 久しぶりの燃えるバトルにリザードンのテンションは爆上げでリザードンは早速空を飛んでピジョットと向かい合う……勝負はここからだ。

 リザードンはピジョットに向かって【かえんほうしゃ】を撃つがピジョットは【ねっぷう】を飛ばして上手い具合にリザードンの【かえんほうしゃ】を捌く。この一連のやり取りでオレのリザードンよりもピジョットの方が極々僅かながら早いことが判明した。

 

 相手の方が早く動けて尚且、通常攻撃を捌き切る相手。

 こりゃ中々に骨が折れると思っていると【でんこうせっか】で突撃してくる。リザードンは避けようとするのだが【でんこうせっか】の方が素早く避けきる事が出来ずに吹き飛ばされるがリザードンは直ぐに立ち上がり、空を飛んだ。

 

【かえんほうしゃ】は【ねっぷう】で掻き消される。となると使える手は限られていると【エアスラッシュ】を撃つがピジョットは避ける。

 素早さの一点だけはどうあがいてもピジョットの方が上……ならば肉を切らせて骨を断つ戦法で行くしかない。リザードンには攻撃の指示を出さずに待つことを指示するとハヤトの方が痺れを切らしたのかピジョットに【つばさでうつ】攻撃をしてくるので、コレがチャンス。

 

 リザードンは真正面から突撃してくるピジョットの翼をガッシリと掴んでニヤリと笑う。

 ピジョットは動こうとジタバタ動くのだ振り解く事は出来ずにそのまま【かえんほうしゃ】を超至近距離でぶつけ、一気に勝負を決めると【ちきゅうなげ】をピジョットに叩き込み戦闘不能になり、キキョウジムを制覇した。

 

 ジョウト地方に来て最初のジム戦、結果はまずまずといったところか。

 キキョウジムを制した証であるウィングバッジを手にウィングバッジ、ゲットだぜと高らかにポーズを取る。そして直ぐにバッジケースに保管する。バッジを入れておくバッジケースは今回は忘れてこなかった。

 

 ジョウトレポート9(リザードンの谷 また会う日まで)

 

 次のジムがあるヒワダジムに向かう……のだが、今回はちょっと逸れたルートを通っていく。

 険しい山々がる山脈の様なところを歩いているとリザードンに乗った1人の女性がやってきてここは自然保護区、リザフィックバレーだと教えてくれる。勿論、オレは知っている

 

 伊達にチャンピオンリーグまで行っているオレは有名人なので「貴方がマサラタウンのサトシくんね」と女性もといジークさんはオレの匂いを嗅ぐ。オレからリザードンの匂いがすると言ってくるので匂いを嗅いでみるがそんな匂いはしない。セレナにも試しに匂って貰ったけど「サトシの匂いしかしないわ」と言ってくれる……ジークさんが特殊なだけか。

 

 とりあえずリザードンを持っているならば見せてくれと頼まれたのでリザードンをボールから出す。

 このリザードンはアニメのサトシのリザードンでなく映画のサトシのリザードンだがオレが徹底的に鍛えに鍛えたリザードンで「中々に育っているわね」とジークさんからも高評価を得る……中々にという点が引っかかる。

 

 リザードンの聖地であるリザフィックバレーを案内してくれるらしくジークさんは自前のリザードンもといリサに乗り、オレとセレナはオレのリザードンに乗る。チャンピオンリーグに向けてセレナと二人乗り出来る様に鍛え上げたのが今になっていい感じになっている。

 リザードンに「大丈夫か?」と尋ねるとリザードンは問題無いと返事をしてくれて、そのままリザフィックバレーに辿り着いた。

 

 リザフィックバレー、その名の通りリザードンの谷だ。

 右を見てもリザードン、左を見てもリザードン、図鑑に載っているリザードンの体格よりもやや大きなリザードンが大勢居る……そんでもってどいつもこいつもリザードンとして強い。オレのリザードンも中々に鍛え上げているのだが同等なのがチラホラといる。

 

 リザードンは同じリザードンが沢山居る場所な為に闘志を目に宿している。ジークさんもその事を理解したのか「試してみなさい、貴方の力を」と背中を後押しする。

 リザードンは自分よりも大きなリザードンに【かえんほうしゃ】を当てると相手のリザードンは尻尾を大きく振るってリザードンを突き飛ばそうとするがリザードンは尻尾をガッチリとキャッチ。尻尾を掴まれると思っていなかった相手のリザードンは意外そうな顔をしており、リザードンはその隙を逃す事はせずに【りゅうのいぶき】を決めて完勝する。

 

「あの子を倒すだなんて貴方のリザードンは逞しいわね」と褒めてくれるジークさん。リザードンがここまで逞しくなったのは一重にオレのお陰である。オレが居なかったら今頃は死んでいたのかもしれない……まぁ、それはさておきオレのリザードンはリザフィックバレーのリザードンを相手にいい感じの勝負をする事が出来るくらいには強いと証明した。

 

 セレナが「あの子もここに連れてくればよかったわね」とポロッとクローンのリザードンの事を零す。クローンのリザードン云々を説明するとややこしいのでオーキド博士の研究所に住み着いた野生のリザードンと適当に誤魔化すとジークさんはその子にも会ってみたいと言うので電話を使わせてもらいオーキド博士に連絡、クローンのリザードンを送ってもらう事になるのだが問題発生、クローンポケモン3体とも野生のままで送るに送れない。

 

「私がゲットします」とセレナはオーキド博士の研究所に空のモンスターボールを送り、クローンリザードンがセレナにゲットされた状態で送られてきた。クローンリザードンを早速ボールから出すとクローンリザードンは吠える。オレのリザードンと同じく闘志に満ちた目をしており、眠っているリザードンにちょっかいをかけて戦うのだが引き分けに終わる……リザフィックバレーのリザードンはマジで強い。

 

 オレとの特訓で鍛えていても限界があるのを薄々感じている。ここはジークさんに頼もうとすると1体のリザードがオレのリザードンにちょっかいをかける。リザードンの聖地であるリザフィックバレーにリザードは居てもおかしくはないのだがなにか違和感を感じる。

 ちょっかいを掛けられたリザードンはリザードに【りゅうのいぶき】を撃つのだが【かみなりパンチ】で対抗してくる……このリザード、下手なリザードンよりも強い。【かみなりパンチ】を覚えてるとか分かっている。

 

「あの子、進化にはまだまだ遠そうね」とリザードの事を知っているのか語るジークさん。

「あのリザードについてなにか知ってるんですか?」と聞いてみるとあのリザードはプラターヌ博士というカロス地方のポケモン博士の助手のリザードらしく数日前にリザフィックバレーに進化の為に必要な石を探しにきたらしく、プラターヌ博士の助手のリザードはここのリザードンを見て闘志を燃やして勝負を仕掛けるのだが敢え無く撃沈した。プラターヌ博士の助手は目当ての石を見つけたらしく帰ろうとしたのだが助手のリザードはまだ戦うと言って言うことを聞かなく、ジークさんはリザードに思う存分に扱かれた方がいいと勧めた結果、プラターヌ博士の助手のリザードはリザフィックバレーに修行している

 

 おいおい、コレってまさかとある事が頭に過ぎる。ケンタという一例があったのだから、それを否定する事は難しい。

 連絡したい気持ちはあるがその事は後回しにしてオレのリザードンとクローンリザードンをリザフィックバレーに修行を積ませてくれないかと頭を下げる。オレのリザードンはもっともっと強くなれるポテンシャルを秘めている、それを引き出すにはこのリザフィックバレーでの修行が1番だ。オレのリザードンはオレがジークさんにリザフィックバレーに置いてくれと頼んだ事に驚く。

 

「お前はもっともっと強くなれる……悔しいがオレだけの腕じゃそこに至る事は出来ない」とリザードンに謝るとリザードンはガッシリとオレを抱きしめた後にリザフィックバレーのリザードンを見る。リザフィックバレーのリザードン達は【かえんほうしゃ】で高らかに雄叫びを上げてオレのリザードンやクローンリザードンを歓迎する。

 

 オレのリザードンはそれを見て覚悟を決めたようなのでリザフィックバレーに向かって歩き出すとオレのリザードンが倒した野生のリザードンがオレに向かって岩を渡してくるので二重の極みで粉砕すると中からメガストーンが出てきた。

「それはリザードンを更に進化させる事が出来る石らしいわ」とジークさんは語る。プラターヌ博士の助手のリザードもウンウンと頷いている……コレがXなのかYなのかは不明だがメガストーン、ゲットだぜ……キーストーンがないとメガシンカ出来ないけど。

 とりあえずコレでリザードンはパワーアップをする事が出来る。今以上に強くなって、もう一度ケンタとバトルする際にボコボコにしてやんよ。



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ガンテツ印のぼんぐりボール

 

 ジョウトレポート10(メリープと牧場の少女)

 

 凄く今更な事だけれどチコリータを捕まえていない事に気付く。

 ぶっちゃけフシギダネがいるのでチコリータにそこまで需要はないし、セレナというガールフレンドが居るので寧ろ邪魔になる可能性がある。

 フシギダネ万々歳だと草原で休んでいると1体のメリープが現れる。ジョウト地方といえばメリープ、しかしオレにはピカチュウがいるので捕まえる必要は無いと思っているとメリープはピカチュウに寄り添う。

 

【でんき】タイプのポケモン同士、惹かれ合うところでもあったのかと思っているとメリープはグイグイとピカチュウに頬擦りをしている。なんか様子がおかしいと思っていると他にもメリープが現れてピカチュウにグイグイと迫る。ピカチュウは助けてと鳴き声を上げるのでメリープから引っ張り出そうとするが思ったよりもメリープの力が強くて困っていると大人の女性がライチュウを連れてやってきた。

 

 ライチュウは【10まんボルト】を撒き散らすとピカチュウに群がっていたメリープ達はピカチュウから離れて、ライチュウに向かうと女性が笛を吹く。笛の音色に反応したメリープ達は列を成して歩いていく。

 女性の人もといエレンさんが「うちのメリープ達が迷惑をかけてすみません」と頭を下げてくるのだがそこまで怒る事じゃないですよと軽く流し、この近くでメリープの養毛をしているらしく、メリープを娘のカレンに任せていたら何体か群れからはぐれてしまい、電気が好物のメリープはピカチュウの電気を求めてやってきたらしい。

 

 カレンにメリープをちゃんと見ておいてと頼んだのにちゃんと出来なかった事を叱るエレンさん。放牧しているポケモン達の統率は地味に難しい。カレンはエレンさんに明日行われる村の年に一度のポケモンバトルの大会に出たいというがメリープの品評会に忙しく、自分の持っているメリープを制御する事が出来なかった事を指摘されて却下される。

 

 ポケモンバトルをしたいのに、大会に出たいのに出るなと言われるのは辛い。サトゥーシくんになった今ならば痛いほど分かる。

 どうにかして出してくれないかと言えばカレンのメリープが他のメリープを統率する事が出来る様になれば出てもいいと言った。言質は取ったのでオレ達は早速特訓をする事に。

 

 カレンのメリープが放牧しているメリープ達の言うことを聞かせるには電気が強力な【10まんボルト】を覚える必要がある。【10まんボルト】はピカチュウの十八番だ。早速ピカチュウに出てもらい【10まんボルト】をメリープに浴びせる。

 ポケモンが新しい技を覚えるのならばこういう感じに直接技をぶつけた方がいい。【10まんボルト】をぶつけられたメリープは気持ち良さそうにしている。

 

 気持ちよくさせる為に【10まんボルト】を撃たせているんじゃない。

 メリープにも【10まんボルト】を撃たせようとするが上手く撃つことが出来ずに【でんきショック】を撃ってしまう。【でんきショック】じゃ他のメリープ達の言うことを聞かせる事が出来ない。なんとかして覚えさせる。

 

 オレのピカチュウはなんか気付けば使えるようになっていたのでもしかしたらレベルかもしれない。

 メリープはレベルで進化するポケモンなのでここはやっぱりポケモンバトルしか道はないなと色々と考え、ピカチュウとポケモンバトルをすることに。

 

 ハンデとしてピカチュウに【でんき】タイプの技を使わないでおく事にし、ポケモンバトル開始。ピカチュウは【アイアンテール】でメリープに攻撃するのでメリープはそれを真正面から受ける。今まで上に行く事ばかり考えていたが、いざレベル差があるポケモン同士での特訓は困るな。

 ピカチュウの方が圧倒的なまでにレベルが高いので手を抜いてバトルしておかないといけない。割と冗談抜きでヒヤヒヤもの……接待バトルは疲れる。

 

 カレンのメリープはピカチュウと特訓した結果、モココに進化……しなかったものの【10まんボルト】を覚える事が出来た。

【10まんボルト】を放牧しているメリープ達の前で放つとカレンのメリープにメリープ達は寄り添っていく。エレンさんは「負けたわ」とカレンの村のポケモンバトルの大会に出ることを認める。

 

 カレンはオレにお礼を言ってくるがお礼される程の事をしたわけじゃない。それどころかむしろ勉強になった。弱いポケモンを相手にする時の接待のやり方とか特に勉強になった。

 

 ジョウトレポート11(バトルしようぜ ハッサムvsストライク)

 

 ヒノアラシとかゲットせずにもうすぐヒワダタウンにつく。

 メガシンカも無ければキョダイマックスも存在しないヒスイの姿にもそこまで価値は無い、リザードンがいるのでそれでどうにかなるのでゲットしていないポケモンよりもゲットしているポケモンに目を向ける。

 

 リザードンが手元に居なくなったので、ストライクを呼び寄せてヘラクロスとバトルさせていると視線を感じる。

 オレをあのマサラタウンのサトシと知って狙っている類の視線なので気にせずにバトルの特訓をしているとハッサムが飛び出してくる。

 明らかにオレを狙いに来ているのでこれはやるしかないとストライクとヘラクロスに視線を向けるとヘラクロスがやると前に出る。ならばヘラクロス、君に決めた。

 

【こうそくいどう】で撹乱してくるハッサム、こういうやり取りはよくある事でヘラクロスは揺るがない。ハッサムは【メタルクロー】で攻撃してくるのでヘラクロスはガッチリと受け止めてそのまま【カウンター】を叩き込んだ。

 

「そこに隠れている奴、出てこい」と言えば初老のおじさんが木の陰から出てくる。

「お見事。流石はセキエイ大会を優勝したあのマサラタウンのサトシといったところか!」と言うのでそれにセレナが反応し「サトシはセキエイ大会を優勝しただけじゃなくチャンピオンリーグでベスト4にまで残った猛者なのよ!」とオレを煽てようとする。煽てても一円出んぞ。

 

 セレナが過剰に反応しているがベスト4はいい思い出じゃなく苦い思い出だ。

 とりあえず「オレを知っているのは嬉しい限りだが不意打ちとは随分と卑怯な真似をしやがるな」と強く睨みつけるとおっさんは土下座をしてきた。流石にそこまでしろとは言っていない。

 

 なにか事情があるので聞いてみようととりあえずおっさんもといムラマサさんの話を聞いてみることに。

 ムラマサさんには息子がいて名前はシンゴ、ムラマサさんが道場主のポケモン道場で1番強いのだが色々と問題があり、どうにか出来るポケモントレーナーをずっと探していた様で、オレを見つけて大喜びついでに試したんだと。オレの事を知っている上で試すとかハッキリと言えばムカつくがそこは我慢して話を続けるとシンゴをどうにか打ち倒してほしいと頼まれた。

 

 実の息子に勝ってくれと応援するのでなく負けてほしいと他人に頼み込むとはなんとも業が深いなと皮肉りつつもそれを承諾。

 ムラマサさんが道場主を務める道場に足を運ぶと若いポケモントレーナーとポケモン達が必死になって己を磨いていた。いい感じの道場だと思ったが体育会系のノリだったのでNG。

 

 あのセキエイ大会を優勝したマサラタウンのサトシ……といった感じの視線を向けられるが今回はあんまり嬉しくない。

 それはさておき、ムラマサさんの息子であるシンゴと対面する。ムラマサさんはシンゴにオレとバトルをするんだと言うのでシンゴはポケモンを出すと思いきやパソコンを操作してオレのデータを洗い出す。ムラマサさんはそれを見て苦しそうな顔をする。

 

 データを纏めるから少しだけ時間をくれと言ってくるので別の部屋に移動し、シンゴの状態を聞く。

 シンゴはパソコンとばかり向き合っており、目の前のポケモンと向き合っていない。ポケモンバトルはもっともっと楽しく熱く燃えるものだ。データが全てじゃない事をシンゴに教えてやってほしいとのこと。

 

 ムラマサさんの気持ちもわからないこともないけどもまぁ……データは割と大事だ。

 ゲームのポケモンだったら事前のデータで相手がどんなポケモンバトルをするのか7割ぐらいは分かる。バスケとかバレーとか常に動き続ける系のスポーツでもデータは有効で特にバレーとかはデータに頼った事により勝利した実績がある。

 

 データじゃ推し量れないものがあることを教えないといけない……教えながらのポケモンバトルは苦手だな。ただ圧倒的な力を押し付けての勝利ならば負けてしまって当然だと思われてしまうし……意外と難問だな。やると引き受けたからにはやってやるけども。

 

 オレのデータを纏め終えたシンゴが出てきたので早速バトルをすることに。

 シンゴの出したポケモンはハッサム、名前はブレード……そっちがハッサムならばこっちはストライクでいく。ストライクを出した瞬間、正気かと言った顔をしていたのだがオレは至って正気だ。

 

「進化前のポケモンで進化後のポケモンを倒せると思ったら大間違いだ。そのストライクはスタミナが無いんだろ」とストライクの弱点とデータを見抜く……伊達に道場で1番強いトレーナーじゃないな。だが、その程度のデータを持ってこられてもだからどうしたというもの。ポケモンリーグならそれくらいのデータどころか対戦動画のデータすら揃っているので驚きはしない。

 

 早速、シンゴのハッサムもといブレードは仕掛けてくる。

【こうそくいどう】で撹乱してくる。スタミナが無いストライクにはちょうどいい技でストライクは翻弄されるが直ぐに【かげぶんしん】で分身を作り出し【つるぎのまい】で物理攻撃を上げていく。

 ブレードは【メタルクロー】でストライクの分身体を1体ずつ処理していく。素早く動くことが出来てもなにやってくるか分かってさえいればある程度は怖くはないとストライクに【ダブルウィング】を使わせ、ダメージを与える。

 

「そんな馬鹿な。そのストライクはそこまで素早くない筈だ。データが間違っている、今のを参考に新しいデータを」と徐々にシンゴの調子が狂っていく。シンゴがパソコンに目を向けている間にオレは攻めにかかる。【きりさく】をブレードにくらわせるとブレードはシンゴの元まで飛ばされる。そんなブレードを見てシンゴは立ち上がりパソコンでなくオレとブレードとストライクを見る様になった。

 

 やっとこっちを見たなとストライクに【つばさでうつ】を指示するとブレードは【はがねのつばさ】で翼同士のぶつかり合う。

 やはり進化の分があるブレードが競り勝ちシンゴは「やった!」と大喜びするがこの程度で倒されるならばセキエイ大会を勝ち抜く事は出来ていない。ストライクも立ち上がり、息を乱しながらもシンゴのブレードと向き合い、威嚇する。それでこそオレのポケモンだ。

 

「歳食ってスタミナが減って弱くなったと思ってるがそれは大間違いだ」とストライクを鼓舞する。なにも若くてフレッシュだけが良いことじゃない。ジジイになってから得られる経験というものもある。オレのストライクはストライクの群れの長を務めていた事もあり、積み上げて来た経験はそんじょそこらのポケモンと比較できない。

 

 シンゴは熱くなってきたのか【メタルクロー】をブレードに指示し、ブレードはシンゴの言うとおりに攻撃するがストライクは寸でのところで避ける。スタミナがなくなって来た頃ぐらいがストライクにはちょうどいい。スタミナが無くなったからこそちゃんとした脱力が出来る様になっており、ストライクはブレードの【メタルクロー】を最小の動きで避けていく。

 

 スタミナが無くなって、まともに動くことが出来ないのにどうしてと言いたげなシンゴ。

「スタミナが無いからこそ、ちゃんとした脱力でちゃんとした力を入れる事が出来るんだ」勇者ことアバンも似たような事を言っていた。オレのストライクはその領域に達しており、シンゴはどうやってストライクを倒すか考えてるが、その考える一手がポケモンバトルにおいて死に繋がる。

 

 ストライクは【いあいぎり】でブレードを一閃、力の入れ具合がベストな【いあいぎり】にやられたブレードは倒れる。

 シンゴはパソコンなんて見向きもせずにブレードの側に駆け寄った。

 

「こんなバトルの世界があるだなんて知らなかった。今のを参考にデータを洗い出さないと」と最初と似たような事を言うが、その顔はもう一人前のポケモントレーナーの顔だった。ムラマサさんも「思い出してくれたのか、ポケモンバトルの楽しさを」と喜んでおり「若」と門下生の人達が駆け寄る……ポケモンバトルに勝ったのオレなのになんかシンゴが勝った空気を醸し出している……是非も無し。

 

 シンゴがポケモンバトルの楽しさや熱を思い出した事をムラマサさんは本当に喜んでおり、お礼と言ってはなんだけども【メタルコート】を貰ったので早速ストライクをハッサムに進化させようと思う。

 

 ジョウトレポート12(ヤドンの井戸)

 

 暑い、とにかくもう暑いとしか言いようがないぐらいの猛暑の中、ヒワダタウンに辿り着いた。

 早速ストライクをハッサムに進化させた。進化したら若返るとかそんな感じの事はなくオレのストライクはハッサムになってもオジイのままだったが進化した事に喜び、早速ヒワダジムにと思っていると掲示板で日照りの影響で断水する事が決まり学校やジム、プールが閉鎖とのこと。

 

 断水で活動できないって過疎化した田舎町かと思ったがよくよく考えればヒワダタウンは田舎の方だった。

 とりあえずジム戦が出来ないならばともう一個の目的であるGSボールをガンテツさんに届けに行くのだが生憎な事にガンテツさんは不在だった。コレはなんかあるなと原作知識を引っ張り出し、クソ暑い中ヒワダタウンを歩いていきヤドンの着ぐるみを来た爺さんを見つける。

 

 こんなクソ暑い中でよく着ぐるみを着れるなと感心しつつなにやっているか尋ねるとヤドンの事を調べているとの事。

 とりあえずクソ暑いのは嫌なのでさっさと事件を解決するかと爺さんを引き連れてヤドンの井戸に向かうと案の定というべきかロケット団が採掘系のロボットに乗っており、ヤドンの井戸のヤドン達に乱暴を働いていたのでハッサムの【メタルクロー】でロボットの手を切り落とし、フシギダネの【ソーラービーム】でぶっ飛ばす。

 

 ヤドンの着ぐるみを着た爺さんは神聖なヤドンになんて乱暴な事をとキレているとヤドンの井戸のヤドン達が大きなあくびをした

 すると何処かから雨雲がやってきて天候は大きく変化し、水不足なんて無かったと言えるほどの豪雨が降り注いだ……コレにてヤドンの井戸事件、一件落着。

 

 ヤドンの着ぐるみを着ている爺さんことガンテツさんにGSボールを渡す事が出来る。

「ガンテツはワシやけど、なんか用か?」とヤドンの着ぐるみの口を開いてくれる……クソ暑いのが去ってくれてホントに良かった。暑いのホントに嫌なんだよ。

 

 ジョウトレポート13(ガンテツボール)

 

 ヤドンの井戸の一件が終わった翌日、改めてオレ達はガンテツさんの元を尋ねてGSボールを託す。

「こんなボールは見たことないさかいに調べるのにごっつう時間かかってまうで」と言っていた。安心してくれ、アニメではその後影も形も出てこないから、GSボールは。

 

 オーキド博士にGSボールを届けた事を報告すると「折角だからガンテツのボール作りを見ていくといい。アレは市販されているモンスターボールとは大きく異なる」と助言をくれたのでガンテツさんのボール作りを拝見する。

 真っ赤になるほど熱したぼんぐりのみを金槌を使いカンカンと叩いている。コレが工業化されてモンスターボールになるのかと見ているとガンテツさんはオレ達に気付く。

 

「GSボールはもうちょい待ってな」と言ってくるので「ガンテツさん印のモンスターボールが欲しいです」とド直球ドストレートで頼み込むと「ええけど、サトシくん達ぼんぐりのみ持っとるんか?」と言ってくる……ぼんぐりのみは持っていない。仮に持ってたとしてもボンドリンクに変わっているだろう。

 

「裏山に一通りのぼんぐりのみが生えとるから、一個だけもいでき。チエ、案内したれ」と孫娘のチエちゃんに案内してもらいぼんぐりのみを取りに行くのだが、ここで問題がある。ガンテツさんが一個もいでこいと言ったという事はガンテツボールは1個しか手に入らない。そうなるとどのボールにするか慎重に吟味しなければならない。

 

 セレナはポケモンと仲良くなる事が出来る【フレンドボール】の原材料である【みどぼんぐり】をご所望で、オレは色々と悩みに悩んだ結果【ヘビーボール】の原材料である【くろぼんぐり】にした。

 

 重量系のポケモン、そんなに居ないのだがこれから先、ゲットするかもしれないので【くろぼんぐり】をもぐ。

 ガンテツさんは早速【ヘビーボール】と【フレンドボール】を作りにかかるがそこそこ時間がかかる様なので明日に備えてポケモン達を最終調整+ヒワダジムの事前のデータを集めておく。こういう細かな積み重ねが明日のポケモンバトルに生きるんだ。



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ヒワダジム 華麗なる森のフィールド

 

 ジョウトレポート14(ヒワダジム 華麗なる虫ポケモン)

 

 クソ暑い猛暑が過ぎたのか少しだけ涼しくなったヒワダタウン。さぁ、ジム戦だとジムに乗り込むとそこは植物園を彷彿とさせる場所だった。

 ジム戦に挑みに来ましたと大声を上げるが返事がない。もしかしてジムリーダー不在なのかと波動の探知モードに切り替えると人の気配を感じたので突き進むとそこには木に登ったのはいいんだけれど梯子が落ちてしまって降りるに降りれないジムリーダーのツクシがいた。

 

 なにやってんだよと呆れつつ、梯子をかけてやるとツクシは降りてきた。

 ジム戦に挑みに来たとモンスターボールを構えると「見せてあげるよ!僕の華麗なる虫ポケモン達を」と勝負を受けてくれ、早速バトルフィールドに移動する。

 

 使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみ可能。

 ツクシは「人呼んで虫ポケモンの静かなる戦士、イトマル」とイトマルを出してきた。事前の情報やゲームの知識通り、ヒワダジムは虫ポケモンのジム、事前にオーキド博士に送ってもらったドードリオを出す。

 

「セオリー通りで来たか……だが、そう簡単には倒されないぞ!」とツクシは叫ぶとドードリオ目掛けて【いとをはく】を使ってくる。

 アニメの【いとをはく】は尋常でない程に強く捕まってしまえば抜け出すのは一苦労だと【こうそくいどう】で素早さを上げつつ回避する。右に左に高速で動きイトマルを撹乱し、何処を狙えばいいのかあたふたしている隙に3つの頭で【ドリルくちばし】を決める。

 

 先ずは軽く一勝を決める。エースであるリザードンが居なくてもオレはちゃんとやれるんだと証明できた。

 さぁ、調子に乗ってきたぞと燃えてくるとツクシが2体目に出したのはトランセル、「虫ポケモンの誇り高き戦士」……いや、ただの蛹やん。

 

 虫ポケモンを相手にしないといけないのは分かっているがトランセルが相手なのは本当に面倒だ。とはいえ、トランセルは遅いポケモンだ。【こうそくいどう】で素早さを上げに上げたドードリオの前では敵じゃない。背後に回り込んで【ドリルくちばし】を決めにいくと【かたくなる】で防御力を上げて耐えに来た。曲がりなりにもジムリーダーのポケモン、一筋縄じゃいかないか。

 

 このまま勝負に付き合っても良かったが熱くなりすぎて勝負が見えなくなるのはいけないことだ。

 少々勿体ないがドードリオをボールに戻してゲンガーを出す……そう、ゲンガーである。とりあえずの【どくどく】を浴びせる。トランセルは【もうどく】状態に陥る……ツクシは悔しそうな顔をしながらトランセルをボールに戻した。

 

 ジムリーダーがポケモンの交代は無しのルールでポケモンをボールに戻したという事は負け扱いでいいのか?そう尋ねるとトランセルは負け扱いで構わないと重苦しい表情を浮かびあげながら答える……トランセルの使える攻撃技は【たいあたり】で【ゴースト】タイプのゲンガーには一切効果は無い。詰んでる状態で【もうどく】状態はただポケモンを苦しめるだけだと判断したのだろう。その判断は間違いじゃない。

 

 オレはまだ1体枠を残してツクシは残り一体だ。「人呼んで虫ポケモンの華麗なる戦士、ゆけ、ストライク!」とストライクが出てきた。

 ここはゲンガーで続行させようかと思ったが他のポケモンにも経験を積んでほしいとゲンガーをボールに戻し3体目のポケモンにカビゴンを出した。カビゴンなら上手くやってくれそうな気がする。

 

 早速【のしかかり】で上から抑えに行くのだがツクシのストライクは軽々と避ける。

 オレのカビゴンはカビゴンの中じゃかなり早いポケモンだがツクシのストライクはそれを上回る素早さを持っている。それに気づいたのかツクシは【かげぶんしん】を使って更にカビゴンを翻弄してくる。

 

 どれだどれだとカビゴンは右を見て、左を見て本物のストライクが何処に居るのかを探す。

「慌てるな」まずい状況に陥っているのは理解しているがそんな時だからこそ冷静にならなければならない。ストライクは【れんぞくぎり】で攻撃してくるのでカビゴンに耐えてもらう。

 

【れんぞくぎり】ば使い続ければ威力が上がる技、今はカビゴンの自慢のお腹が弾いてくれるがその内にダメージになってしまう。ここからがトレーナーとしての腕の見せ所だと笑みを浮かびあげる。やっぱりポケモンバトルは楽しいものだ。

 突っ込んでくるストライクの動きに目は馴れて来たのでカビゴンには真剣白刃取りをさせてストライクの動きを封じる。ストライクはジタバタと暴れ、抜け出そうとするのだがカビゴンはストライクを離さずそのまま【はかいこうせん】を放ちストライクを戦闘不能にする。

 

 手持ちを1体も倒されずジムを制した。

 ツクシは完敗だとオレにインセクトバッジを渡す……コレでジムバッジは2つ、ジョウトリーグにまでまだまだ長いな。

 次の行き先はもう決めてある。大都会コガネシティのコガネジム……なのだがその手前にあるサマガアキタウンでポケモンコンテストが行われるのでサマガアキタウンを目指す事に。

 

 

 ジョウトレポート15(ウバメのもりの備長炭)

 

 ヒワダタウンを出ていこうとするとチエちゃんがガンテツさんが作ったガンテツ印のモンスターボールことヘビーボールとフレンドボールを持ってきてくれた。GSボールは?と聞けば「それが全然分からんねん」との事。まぁ、今の御時世テレビ電話があるからなにか分かれば報告があるだろう……まぁ、アニメじゃそのまま放置されたから一生出番は無いけれども。

 

 ウバメの森を歩いていると一人の男がカモネギに技を指示していたのだが【いあいぬき】と言う全く聞いたことがない技を指示していた。

 カモネギは大きくあくびをしており男の言うことを聞いていない……コレはアレだな。ウバメのもりのカモネギの話だなと原作知識を引っ張り出す。

 

「【いあいぬき】じゃなくて【いあいぎり】じゃないの?」とセレナは男性に指摘すると「そうだった!」と男は失敗に気付く。カモネギは呆れている。男もといナオトはウバメの森の炭を作っている親方の弟子で早く一人前になりたいのだがご覧の通り上手く行かない。【いあいぎり】を【いあいぬき】と間違えてたらそりゃあカモネギも呆れて言うことを聞かないだろう。

 

 近くにポケモンセンターがあったので一旦そこに向かい、オーキド博士に連絡しハッサムを送ってもらう。

 オレのハッサムはオジイでスタミナは少ないものの、技のキレは中々のものだ。オーキド博士に送ってもらうと早速ウバメの森に戻り、炭に使えそうな木をハッサムに【いあいぎり】をしてもらい綺麗に切り裂いた。流石はオレのハッサム、初めての事だけれど上手くやった。

 

 どうだと自慢気に見せつけると今まで気怠そうにしていたカモネギがやる気を出してくれたのか【いあいぎり】で焼くのに最適な大きさに切り裂いた。流石は本職、やるなとしか言えない。カモネギはオレのハッサムに感化されやる気を出してくれる。言うことを聞かなくもなくはないぐらいの状態になった。このままカモネギと一緒に成長していけ、ナオト。

 

 ジョウトレポート16(ソーナンスとポケモン交換会)

 

 リーフタウンという街にやってきた。なんでも年に一度のお祭り騒ぎ状態でポケモン交換会や牛追い祭ならぬケンタロス追い祭が開催されていた。ケンタロス同士のバトルの大会もしているらしく飛び入り参加も可能なので早速ケンタロスを呼び寄せてケンタロスバトルに飛び入り参加をする。オレのケンタロスは毎日オーキド博士の庭を走りに走って強靭な足腰を持っている。

 

 同じポケモン同士のぶつかり合いは滅多にないから燃えてくる。

 オレのケンタロスは相手のケンタロス目掛けて【すてみタックル】をくらわせて一撃でふっとばす。流石、初代最強のポケモンだ。

 トーナメント形式のケンタロスバトルだが、そこはオレのポケモントレーナーとしての腕の見せ所。他のケンタロスとは格が違う事を知らしめるかの様に圧倒的な強さで勝利をもぎ取りケンタロスバトルは優勝した。中々に良い経験値を得ることが出来たと思う。

 

 バトルが終われば祭を楽しもうとセレナとデートだと盛り上がっているとケンタロスバトルを見ていた観戦者達がオレのケンタロスとポケモンを交換してくれと言ってくるので丁寧に断った。オレはポケモン交換をするつもりは一切無い、ポケモン交換会が開かれているが眼中に無い。オレのポケモンはオレのものでありそこを譲るつもりは一切無い。そもそもでポケモン交換ってゲームでもポケモンをあげるとかそんな感じの事テレビの企画でしかやっていないのを見たぞ。

 

 オレがケンタロスを交換に出すつもりは一切無いと意志を示すと交換してくれと言ってきた人達は「調子に乗りやがって」と文句を言いつつ去っていった。調子に乗ってるのはお前等だぞ馬鹿野郎。

 久しぶりのセレナとのデートを楽しんでいるとポケモン交換会の会場もといポケモンを交換する機械の前で人集りが出来ていた。何事かと思えば交換した筈のポケモンが交換できていないどころか空のモンスターボールに変わっており、どういうことだと詰め寄ってきた。

 

 ロケット団じゃねえかと見守っているとロケット団はモンスターボールが入っているであろう袋を持って逃亡。

 ホントに姑息な事をしやがってと思いつつケンタロスをボールから出して猪突猛進の【すてみタックル】をかますとムサシと思わしき人物が吹き飛ばされて別の会場もとい機械にモンスターボールがセットされてあっという間にポケモン交換……ここで原作知識を引っ張り出すと思い出す。

 

 これ、ムサシのソーナンスゲット回だと。

 何時の間にやらゲットしていたベロリンガとソーナンスが交換されている……今度からソーナンスを相手にしないといけないのは厄介だな。

 ムサシが「こうなったら、ゆけベロリンガ!」とボールからベロリンガを出そうとするが出てきたのはベロリンガでなくソーナンス……とりあえずピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらうとソーナンスが【ミラーコート】で跳ね返す。

 

 アニメの【ミラーコート】と【カウンター】ってタイミングを合わせてノーダメで跳ね返さないといけないからホントにズルい。

「やるじゃないの!」とバシバシとムサシはソーナンスを叩くとソーナンスも『ソォナンス』と返事をする……【いわなだれ】と【10まんボルト】の物理と特殊の同時攻撃をぶつけると「やな感じー」と吹き飛ばされた……悪は断つのに限る。

 

 ジョウトレポート17(ダークポケモン・デルビル)

 

 次のサマガアキタウンで行われるポケモンコンテストに向けてセレナは特訓している。

 頑張っている彼女を応援する事が出来てオレはホントに幸せ者だと惚けていると視線を感じる。なんか狙って来ている感じの視線だと警戒心を強めていると向こうもオレの事を警戒したのか襲ってくるという事はなかった。

 

 あの視線はなんだったんだろうと些か疑問に思いつつ、ポケモンセンターに立ち寄るとトレーナー達が騒いでいた。なんでも食べ物やポケモンフーズを盗まれたらしく、恐らくはさっきの視線が犯人だろう。ポケモンセンターにも被害が及んでおり置いている食料が盗まれてしまったという事例もあるぐらいでこのまま野放しにするのはいけないと被害者のトレーナー達が盛り上がるのでポケモンバトルを挑んで全員をボコボコにする。

 

 やはりポケモンバトルは楽しいなと思いつつ、乗りかかった船なのでオレ達も犯人確保に協力する事に。

 ポケモンセンターは夜になると盗まれることが多く夜に作戦が決行される事になりその間に準備を、盗まれることが多い【ほのお】タイプのポケモンフーズを餌にし、監視カメラを見張っている。

 

 こういうことをするのはいいけど待っている間は暇だなと大きなあくびをあげると何時の間にやらポケモンフーズが無くなっている。

 あくびをしている間に盗んだんだなとポケモンセンターを出るとあえて泥濘んだ状態にした地面に足跡が残っており、波動の探知モードに切り替え、後を追いかけていくとそこには無数のデルビルがいた。

 

 ポケモンフーズを盗んだりしたのはデルビルの群れだったのかと思っているとデルビルは威嚇してくる。

 人様の物を盗んでおいてなんだその態度はと思っていると【かえんほうしゃ】を撃ってきたのでピカチュウの【なみのり】で鎮火する。群れのデルビルはそんなに強くないなとピカチュウに【10まんボルト】を使わせて倒しているとボスと思わしきデルビルは逃げ去る。

 

 ボスが逃げるとかと思いつつボスを追いかけるとそこには酷く衰弱していたデルビルと今まで盗んでいった物と思わしき物の山が並んでいた。

 どうやら衰弱していたデルビルを元気にさせる物を探していたらしくボスデルビルはポケモンフーズを差し出すが衰弱しているデルビルは食べない。これはマズいと衰弱したデルビルを背負うとボスのデルビルは何をすると噛み付いてくるので噛みつかれたまま来た道を逆走し、ポケモンセンターに戻り、ジョーイさんに「急患です」と噛みつかれたまま衰弱しているデルビルを渡す。

 

 ジョーイさんは「これは危険だわ!」と直ぐにデルビルの治療をはじめる。

 噛み付いていた群れのボスと思わしきデルビルはジョーイさんをジッと見つめていたので「あの人に任せときゃなんとかなるさ」と安心させる。デルビルはずっとジョーイさんの側にいるので怪しい事をしないかと心配しつつ、オレもスタンバっていると流石はジョーイさん。

 あっという間にデルビルを治療した。「この子が危険だから心配になったのは分かったけど泥棒はダメよ」と最後にはデルビルを叱りつける。流石のジョーイさんである。

 

 とりあえずはコレで泥棒の一件は終わったと思っているとボスデルビルが急に威嚇する。何事かと思ったらジョーイさんが「貴方にゲットされたいのよ」と言ってくるのでそうなのか?と聞いてみるとボスデルビルは頷く。なるほど、オレを認めたというわけか。それならばこっちもやらせてもらうとピカチュウ、君に決めた。開幕ぶっぱの【10まんボルト】で攻める。

 

 流石はボスデルビル、伊達にボスをやっていない。並大抵のポケモンならば今のでやられているがピンピンしている。

 ピカチュウの電撃に負けじと強烈な【かえんほうしゃ】を撃ってきた。【なみのり】を使う前にピカチュウに命中する……中々にやるな。しかしこんなところで負けるほどオレは弱くはない【でんじは】でデルビルを【まひ】状態にするともう一度【10まんボルト】をぶつけるとデルビルは倒れたのでモンスターボールを投げる。ボールはコロンコロン揺れて最終的にカチリと音が鳴った……デルビル、ゲットだぜ。ヒノアラシやチコリータは逃してしまったものの逆にいいポケモンがゲット出来て良かった。

 

 ジョウトレポート18(vsエアームド 鋼の翼)

 

 サマガアキタウンを目指し、山を越えようとするがその前にポケモンセンターがあったので一休憩。休めるときに休めないのは三流とかなんかの本で読んだことがある。ポケモンセンターで休憩を取っているとポケモンを抱き抱えたトレーナー達が駆け込む。なんでも峠にいるポケモン達に自慢の炎ポケモンがやられてしまったとのこと。

 

 そんなに強いポケモントレーナーが居るならば、挑まない手はない。

 早速峠に向かうとミキという綺麗な女性トレーナーがいた。「貴方、マサラタウンのサトシ!?」とオレを見て驚く……オレも大分有名になったものだ。そうだと頷くとミキさんはエアームドをモンスターボールから出し「リザードンとバトルをさせてくれないかしら?」と言ってくる。

 

 残念かな、リザードンは現在リザフィックバレーで猛特訓していて手持ちにいない。その事を教えると残念そうにしているがなにもオレのポケモンはリザードンだけじゃない。【ほのお】タイプが御所望ならば捕まえたばかりのコイツが居るとデルビルをボールから出す。

 

 はじめてのポケモンバトルに燃えるのか遠吠えをあげるデルビル。リザードンと比べれば見劣るかもしれないがそれでもオレのポケモンだ……強いのである。

 炎系のポケモンが御所望だったのでバトルを受けてくれるミキさん。デルビルに【かみつく】を指示して攻めに行くがエアームドは空を飛んで回避する。コレがリザードンならば追いかけて【かえんほうしゃ】を撃つ事が出来るが……まぁ、デルビルにはデルビルの良さがあるのでそこを見極める。

 

 エアームドは【スピードスター】を撃ってきて、デルビルは命中するが直ぐに立ち上がる。

【かえんほうしゃ】をエアームドに向かって撃つがエアームドは軽々と避ける……さて、ここからどうするかだな。エアームドには回避するのは難しい【スピードスター】があり、デルビルには有効打である【かえんほうしゃ】はあるが空中にいる為に当てづらい。

 

 とりあえず【かえんほうしゃ】を撃ってエアームドの動きを制限してみる。

【スピードスター】を撃つには翼を大きく振るわないといけないので【かえんほうしゃ】で動きを制限すれば【スピードスター】を撃たれる事はない……が、この作戦は長続きしない。恐らくはデルビルの方が根を上げる。【かえんほうしゃ】を撃つのも結構体力を使う。どう出てくるかと何個か策を練っているとエアームドは仕掛けてきた。【はがねのつばさ】で硬質化した翼で襲ってくるのでデルビルはジャンプ。エアームドの背中に乗って【かえんほうしゃ】を命中させ、エアームドを倒した。

 

「リザードンじゃない事にガッカリした事は詫びるわ。貴方のポケモンはどれも強いわ」とミキさんはデルビルを褒めてくれる。ゲットしたばかりのデルビルだがヘラクロスと同様に即戦力と言っても過言ではない……しいて言うのならばヒワダジム前にゲットしたかったな。

 今回のバトルでデルビルをどういう方向に成長させていけば良いのかが見えてきたし、今回のバトルは実に身のあるものだった。



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準伝説vs禁止級

 ジョウトレポート19(色違いのヨルノズク、ゲットだぜ)

 

 暗く深い森を歩いていると鳥ポケモンの巣箱を見かける。するとヨルノズクが現れるが誰かが枝でヨルノズクを追っ払ってしまう。すると今度は色違いの黄金色に輝くヨルノズクが現れ、隠れていた男が捕まえようとするが逃げられる。あ、コレは知っている。サトシくんの色違いのヨルノズクの回だ。

 

 色違いのヨルノズクをゲットしようとしているトリガイさんになにやってるのか一応は尋ねる。

 色違いのヨルノズクを追い求めているらしく、色違いのヨルノズクは通常のヨルノズクの個体より小さいがその分ずっと賢い。普通に催眠術を仕掛けてくるのでトリガイは催眠術にやられて岩を色違いのヨルノズクだと勘違いする。

 

 人間相手に催眠術を仕掛けるとか中々にやるなと感心しつつもオレも色違いのヨルノズクに挑戦する。

 と言っても催眠術に対して耐性の様なものがあるのでオレには催眠術は効かない。オレにも普通に効果があるだろうと色違いのヨルノズクは催眠術を仕掛けるのでオレは一撃をお見舞いしてモンスターボールを投げ、色違いのヨルノズクをゲットした。

 

 まさかリアルファイトに持ち込むとは思っておらず流石のトリガイも予想外だったのか開いた口が塞がらない。

 ポケモンゲットは早いもの勝ちなところがあるのでドンマイと背中を叩いてその場を後にした……ちゃんと空を飛ぶ事が出来る鳥ポケモン、ゲットだぜ。

 

 ジョウトレポート20(結晶塔の帝王ENTEI)

 

 間もなくサマガアキタウンに付くというところでグリーンフィールドと呼ばれる場所にやってきた。

 リンというトレーナーがオレにフルバトルを申し込んできたので承諾、ヨルノズク、デルビル、ピカチュウ、ヘラクロス、カビゴン、キングドラの合計6体をフルに活用した……フルバトルは精神を擦り減らすが中々にいいものである。たま〜にやっておかないと調子が出ない。

 

 グリーンフィールドにやってきたので折角だから綺麗な草原を見ていこうと提案するセレナ。

 息抜きもたまには大事な事だと思っていると突如としてグリーンフィールドが結晶化していく。コレはなんだと原作知識を引っ張り出すと劇場版であることが判明したので急いでポケモンセンターに向かい、オーキド博士に連絡を取るとオーキド博士はこちらに向かって来ている様でケンジが出てきた。とりあえずコレからハードな一仕事が待ち構えているので手持ちを入れ替える。リザードンが居ないのがやや心苦しいが、リザードンにばかり頼り切りもいけない事だ。

 

 ポケモンの入れ替えをしているとマスコミ・メディアの取材陣が現れる。それと同時にオーキド博士とママさんがやってきた。

 コレを書いている今になって思えばマスコミ・メディアの取材陣が居なければママさんが攫われる事は無かったと思う。とりあえずグリーンフィールドに起きている異変を解決するのを手伝う事になるとケンタから連絡が入る。全速力でそっちに向かっても最低でも1日は掛かってしまうので今回の劇場版では力を貸すことが出来ないとのこと。

 

 今回のゴタゴタには力を貸してほしかったが場所が場所だけに早々に来ることが出来ない。

 元々1人で解決しなければならない事でもあるので変に駄々をこねずグリーンフィールドの奥地に足を運ぼうとするとエンテイ自らが姿を現して来た。

 

 向こうからやってくるのは都合がいいとエンテイをぶっ飛ばそうとするがエンテイはその前にママさんに催眠術を掛けて意識を奪った。

 ママさんには色々と恩が……というかサトゥーシくんになってしまった罪悪感とか色々とある。サトゥーシくんとして成功を果たす事こそが最大の恩返しみたいなもので拉致されるわけにはいかない。エンテイはオレを睨んでくると紫色の炎を吐いて逃げ去った。

 

 拳を振った時の風圧で炎をどうにか出来る筈なのに……偽物とはいえエンテイであることには変わりはない。完全に油断をしていた。

 攫われてしまったママさんを救いに行くことになりセレナが私も付いていくと言ってきたのでミュウツーをボールから出してセレナに催眠術を掛けてもらう。ぶっちゃけた話だがセレナが居ると色々とややこしくなる……というか力技で解決する事が出来なくなってしまう。

 

 住居が庭園が結晶化して物理的に破壊しても直ぐに再生してしまう。幸いにもオレの速度ならば再生するよりも前に突破する事が出来る。

 マスコミ・メディアの報道陣がオレの事を遠くからカメラで見ているのでミュウツーに頼んでカメラをボンっと破壊してもらう。オレの今から行う悪逆非道な行為は誰にも見せたくないんだ。

 

 庭園の奥へと突き進んでいくと異次元空間になっていた。

 ミュウツーは『恐らくは(エンテイ)を裏で生み出した真犯人が作り出したものだ』と推測してくれる。ママさんが何処に居るのかは波動で分かるので殴り込みだと突き進んでいくとおっぱいの大きな綺麗な女性がいたのでおっぱいに対して掌底を叩き込んで心臓にショックを与えて息の根を止める。

 

 今回の一連の騒動を引き起こした寂しい少女が大人になった時の姿で恐らくはオレにポケモンバトルを挑みに来たのだろうが今回はしない。

 正直な話、ここをケンタに任せたかったのだがケンタの奴が来られないので渋々暴力で解決する事にした……暴力で解決する事に躊躇いは無いがやはりおっぱいの大きな美女を痛めつけるのには心が痛む。

 

 大人になったミィちゃんが後2回ぐらい出てきたが首をポキっと折ったり、地獄の断頭台を仕掛けたりした。ぶっ飛ばしても問題無い奴等をボコボコにするのは楽しいZOY。

 当然そんな事をしているとモンペことエンテイが出てきて『何故ミィとポケモンバトルをしない!それでも貴様はポケモントレーナーか!』とどの面下げての偉そうな説教をしてくるのかと思った。

 

 とりあえずコイツを一旦叩きのめしてからアンノーンの元に向かわないといけない。

 手をバキバキと鳴らしているとミュウツーから待ったが入る『こんな時こそ私の出番であろう』と言ってきた。『お前のポケモンとして役に立たなければ……でなければ出番が無い』とチャンピオンリーグに出さなかった事を意外と根に持っている。

 

 ミュウツーが強いポケモンなのは実際に戦った事のあるオレは誰よりも知っている。

 ここはミュウツーに任せる……無理だった時はミィちゃんを人質にしてエンテイにはサンドバッグになってもらおうかなと悪どい事を考えているとバトルが始まった。

 

 ミュウツーは開幕【シャドーボール】をぶっ放した。それに対してエンテイは【だいもんじ】で対抗する。

 技の威力的な話をすればエンテイの方が上だがミュウツーは伊達に最強になる為に作られたポケモンでなく【シャドーボール】がやや押している。流石ミュウツー……強すぎるんだよな。準伝説相手にこうもあっさりと押し勝つと逆にオレのポケモントレーナーとしての技量よりもミュウツーだから勝てたとかそんなんになってしまう。チャンピオンリーグで出さなかったのもオレのポケモントレーナーとしての腕を振るう事じゃないから躊躇ったんだよな。

 

 エンテイは【かえんほうしゃ】を撃つがミュウツーは【シャドーボール】を連打する。

【だいもんじ】で押されていたのに【かえんほうしゃ】を撃ったとなればそりゃまぁ【シャドーボール】に押されまくりエンテイはダメージを受ける。ミュウツーはそれでも手を緩める事はしない。ミュウツーだから圧倒的な力でどうにかなっているがコレがオレのリザードンやピカチュウだと激闘を繰り広げていた可能性は大だ。ミュウツーマジでパネエ

 

 オレの出番は無くて良かったなと思っているとミィちゃんが「負けないでパパ!」と声援を送るとエンテイは【せいなるほのお】を撃ってきた。

 声援を受けるだけで圧倒的なパワーアップを果たすとかインチキも大概にしろと思う。ミュウツーは【サイコキネシス】でエンテイの動きを封じようとするがエンテイはミュウツーの強烈な【サイコキネシス】を振り切ってミュウツーに【せいなるほのお】をぶつけた。

 

 あのミュウツーに【せいなるほのお】をぶつけるのとかマジかよと思っているとミュウツーは膝をつく。

 オレが前にボコボコにした時以来のピンチかと思ったら【じこさいせい】をするのだが【せいなるほのお】で【やけど】状態にさせられた。コイツはマズいと【なんでもなおし】を取り出すのだが『それは使うな!』とミュウツーに止められた。

 

『この程度の幻影を撃ち破る事が出来ずに最強のポケモンなど語れまい』とミュウツーは【バブルこうせん】を撃つがその程度の水で倒せる程にエンテイは甘くはない。流石は劇場版、一味も二味も違う。

 

『この手は使いたくは無かったが……仕方あるまい』とエンテイの強さを見て覚悟を決めたミュウツーはオレに石を投げた。まさかと思えばそのまさかで『我等の思いに応えよ!』と叫ぶとミュウツーはメガシンカをしメガミュウツーXにメガシンカを果たした。この野郎、キーストーンとメガストーンを何時の間にやら手に入れてやがったよ。

 

 メガシンカを果たしたミュウツーは凄まじかった。【アクアテール】でエンテイをふっ飛ばしたと思えば【サイコキネシス】で動きを封じて【アクアテール】を何度も何度も叩きつける。エグいと引いているとミィちゃんが「もうやめて!これ以上はパパをいじめないで!」と泣いている。

【サイコキネシス】から解放されたエンテイは立ち上がろうとするたミィちゃんが駆け寄って「もういいの、パパ」というのでこの勝負は終わりだ。ミュウツーがメガシンカという奥の手を使って勝つことが出来るとは流石は劇場版といったところ。

 

 エンテイを叩きのめしたのでアンノーンが居る場所に向かうと大量のアンノーンは空中を回っていた。

 とりあえずここをぶち壊せばこの悪夢は終わりだとメガミュウツーXに【はどうだん】を撃ってもらい邪魔な結界みたいなのに穴を開けてエンテイを押し込むとエンテイは消え去り結晶化していたグリーンフィールドは元に戻った。

 

 流石は劇場版、としか言えないな。騒動の規模がデカくて一時はどうなるのかと思ったがなんとか上手くいった。

 ケンタに事の顛末を伝えると「真正面からエンテイをふっ飛ばしに行くなよバカが」と言われた。友情エンドはオレには似合わないのだ。ママさんも無事に救出する事が出来て、更には行方不明になっていたミィちゃんの本当のお父さんが見つかりめでたしめでたしで終わる。

 

 グリーンフィールドのポケモンセンターに戻るとセレナにかけた催眠術を解いて全部終わった事を教えると物凄く怒られた。

 グリーンフィールドでデートをするのを条件に許してもらったので徹底的にイチャイチャした。

 

 

 ジョウトレポート21(ポケモンコンテスト サマガアキ大会)

 

 

 エンテイの一件が終わると遂に辿り着いたサマガアキタウン。

 今日までセレナは色々と準備をしてきて今日がちょうどコンテストが行われる日なので早速セレナはサマガアキ大会にエントリーした。今回も危なさそうなトレーナーもといコーディネーターはいない。

 

 一次審査はクリスタルのイワークで挑んだ。

 クリスタルのイワークは【ストーンエッジ】で周りに岩を出現させると【ふぶき】でカチンコチンに凍らせる。クリスタルのイワークと氷漬けになった岩が見事なまでの一体感を見せつけるがそこで終わらず【アイアンテール】でカチンコチンに凍らせた【ストーンエッジ】を破壊すると氷の結晶の様なものが飛び交う。

 

 神秘的な見た目をしているクリスタルのイワーク。キラキラと氷の結晶が輝いて舞う姿はとても美しくジョーイさん達からも大絶賛を受ける。

 高得点を叩き出して二次審査に通過したトレーナーが発表された際に真っ先にセレナの顔が出てきたのを見たときは小さくガッツポーズを取った。

 

 二次審査はコンテストバトル。

 一回戦の相手はカポエラーを使ってきてセレナはテールナーを出した。覚えている技的にはテールナーの方が有利だがどう出るか。カポエラーは【すなあらし】を巻き起こして砂嵐の渦の中心となり【こうそくスピン】を撃ってくる。【じめん】タイプ版の【かえんぐるま】みたいな技を使ってきてやるなとポケモンの技の可能性に改めて惚れ惚れする。

 

 砂を纏った【こうそくスピン】にどう出るかと思えば【かえんほうしゃ】を撃ってきた。

 それは悪手じゃないのかと思えば【こうそくスピン】中のカポエラーが爆発を起こす……あくまでもオレの予想だが粉塵爆発的な事が巻き起こったのだろう。普通ならば砂の壁的なのが防いでくれるだろうが【こうそくスピン】で砂を舞い散らせていたので粉塵爆発に適切な量の粉になっていたんだと思う。

 

 爆発に巻き込まれたカポエラー。相手のトレーナーのパフォーマンスのゲージは一気に削られる。

 今ので【こうそくスピン】+【すなあらし】の砂の竜巻コンボは使えなくなった。それ以上はなにかあるのかと期待してみたものの、特に目ぼしい動きは見せる事はなくタイムアップでセレナが大差を付けて勝利。

 

 その後の準決勝、決勝戦も危ない場面はあったものの意外と慌てることなく対応した。

 流石セレナ。日進月歩というべきか圧倒的な速度で成長していっている。パフォーマンス力ならばオレの遥か上を言っているな、うん。

 

 セレナはサマガアキタウンのコンテストリボンをケースに閉まった。今回も無事に優勝する事が出来てセレナにさらなる自信がついて良かった。

 次のコンテスト会場はエンジュシティ……この調子でリボンゲットと続けたいところだが、こういう調子のいい時に限ってロクでもない事が起きたりする。油断は禁物だ。まぁ、今日と明日2日ぐらいは喜びを噛み締めてもいいだろう

 

 ジョウトレポート22(大都会 コガネシティ)

 

 コガネシティに辿り着いた。

 セレナが頑張ったんだからオレも良いところを見せないといけねえとジム戦の準備をしてジムに向かうもジムは定休日だった。ポケモンのジムに定休日なんてあるのかよと思ったが、ふとゲームでジョーイさんが実は滅茶苦茶疲れている、20連勤は当たり前みたいな描写があったのを思い出す。ジョーイさんも人間、ジムリーダーも人間なんだ。四六時中、年がら年中ジム戦を待ち受けているわけじゃない。

 

 とりあえず大都会に来たので色々と見て回ろうとコガネシティのデパートに立ち寄る。

 消費していたアイテム補充をしつつポケモン占いの本を読んだりしたがポケモン占いの本は実はデマだったと分かるとセレナは軽くショックを受けていた。女の子は占いとか好きだが、占いどおりにいかないのが世の中ってものだ。

 

 デパートが終われば次はアミューズメント、コインゲームをしにゲームセンターに向かったのだがケンタの奴、また出禁になってた。

 アイツ、ゲーム上手いのは知ってるけどどんだけ荒稼ぎしたんだよと運要素が絡むルーレットは無視してスロットに挑戦し、777(スリーセブン)を揃えてコインを荒稼ぎ。

 

「このままだと全部の景品が持ってかれる!隠せ!金目のものは特に!」と言っているがもう既に遅い。

 コインケースにコインが入り切らない程に荒稼ぎしたのでオレは大満足。持っていないポケモンを進化させる道具やポケモン育成に使えそうな道具と根刮ぎ交換してやった。

 

「嘘!?またゲームセンターの景品がすっからかんやん!」と関西弁の少女もといジムリーダーのアカネがゲーセンに足を運びに来たが景品がすっからかんな事にショックを受けていた……悲しいけど、コレは勝負の世界なんだ。早い者勝ちだ。

 

 ジム戦が出来ない事は軽くショックだったものの、結果的には大都会であるコガネシティを満喫する事が出来た。

 エンテイとか色々とあって疲れてた事もあるし充分に英気を養う事が出来た……明日は金銀クリスタルのトラウマ的な存在であるアカネとのバトル。サトシくんは一回負けて2度目でお情けに近いバッジを得たがオレはサトゥーシくん、正々堂々と勝利をしてバッジをゲットしてやるぜ。




早くマスターズエイトとか色々とやりたい。ジョウト編を消化しなければ。


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コガネジム 恐怖のころがる

 

 ジョウトレポート23(コガネジム まるくなる&ころがる)

 

 昨日は散々遊んで英気を養う事が出来た。寝起きに体に違和感を感じる事はなく、ポケモン達のコンディションもバッチリだ。

 セレナは結果を残してるしケンタもとっくの昔にコガネジムを制覇しているんだろう。だったらオレも追いつかないといけない。

 

 ピカチュウを除くポケモン達をモンスターボールに入れてやってきたコガネジム。

 昨日は定休日で休みだったが今日は普通にジムが開いていたので「ジム戦に挑戦に来ました」とジムに乗り込むと「昨日ゲーセンでごっつぅ稼いどった人やん!」とジムリーダーであるアカネに変な風に顔を覚えられていた。

 

 一応はセキエイ大会を優勝した功績があるのにそんな風に覚えられているとなると軽くショックを受けるのだが、オレがトレーナーとしての腕や技量がまだまだだと自分に言い聞かせて自己完結的に終わらせる。「前に来た子もゲーセンでコインごっつぅ稼いどったけどなんか必勝法でもあるんか?」と聞いてくるので「オレのは動体視力を活かした目押し」とだけ答えておいた。

 

 ジムリーダーと仲良くしていてもいいのだが、談笑しに来たわけではない。気持ちを入れ替えてジム戦を挑むことにし、バトルフィールドに案内してもらう。バトルフィールドは土のフィールド、安定の土のフィールドだ。

 使用ポケモンは3体のシングルバトルでジムリーダーの交代は禁止、道具の使用も当然禁止のバトル。

 

 アカネの一体目はニドリーナだった。

 ノーマルタイプのジムな筈なのにニドリーナとはと原作知識を頼ろうかと思ったが思考をそこまでにしてこっちは一体目を、デルビルを出す。

 相性の上ではどちらが有利という事は無いが、ニドリーナに対して有利な技をデルビルは覚えていない。審判の試合開始の合図と共にニドリーナは【どくばり】を撃ってくるので【かえんほうしゃ】で一掃する。

 

 技の威力から考慮してデルビルとニドリーナは同格と言ったところか。

 中距離遠距離の技は【かえんほうしゃ】で焼き尽くされると判断したのか、ニドリーナは接近戦に持ち込み【にどげり】で2回蹴ってくる。こっちも接近戦に持ち込みたいのだがニドリーナには【どくのトゲ】がある。下手に攻撃したら【どく】状態になってしまう可能性があるので接触系の技は使えん。

 

 デルビルはニドリーナに蹴り飛ばされるがコレはチャンスだ。

 ニドリーナと一気に間合いを開けたのですかさず【シャドーボール】を撃つ。ニドリーナはジャンプして避けようとするが【シャドーボール】は連発する事が出来るので避けた後も追いかける様に【シャドーボール】を連発するとニドリーナに命中してニドリーナを戦闘不能に追い込む。

 

 先ずは手堅く一勝だと喜ぶとデルビルは遠吠えを上げる。

 初のジム戦でテンションが上がっているなと温かい目で見守ると眩い光を、進化の光を放ちデルビルはヘルガーに進化をした。このタイミングで進化とか流石はオレのポケモンだと感激をするが直ぐに意識を現実に戻す。

 

【にどげり】を真正面からくらって多少のダメージはあるものの、まだまだ戦う事が出来るヘルガー。

 アカネの2体目はピッピだった……アカネのミルタンクは恐ろしくてトラウマものだがそれ以外にもトラウマはある。【ちょうはつ】を使って攻撃系の技しか使えない様にした。「なんでうちの考えてることが分かるん!?」とアカネは驚いていた……これこそ原作知識無双だ。

 

 ピッピの性別は知らないがヘルガーは♂なので♀からの【メロメロ】をくらえばひとたまりもない。

 こういう搦手もリザードンとは違う感じで使えるのだと見せつけるとアカネはピッピに【おうふくビンタ】を指示。ピッピはヘルガーに向かって飛んでくるので丁度いいと【かえんほうしゃ】を真っ向からぶつけてこれまた一撃で勝利を収める。

 

 進化も果たして中々に調子が良くてこのままならばミルタンクも余裕で勝てるんじゃないかと思った。しかし現実は甘くはなかった。

 3体目に出てきたミルタンク。ああだこうだと時間を掛けても意味は無いので【かえんほうしゃ】を撃つのだがミルタンクは【まるくなる】で身を丸める。物理防御を上げても特殊攻撃の【かえんほうしゃ】には意味が無いと思ったが直ぐに地獄へと変わる。

 

 ヘルガーの【かえんほうしゃ】が直撃している中でミルタンクは【ころがる】を使ってきた。

 ヘルガーの進化したパワーをナメるなと回転するミルタンクに【かえんほうしゃ】をぶつけると転がってきているミルタンクの動きを抑える。よっしゃと内心ガッツポーズを取っているのだが甘かった。

 

 ミルタンクは徐々に徐々に回転速度を上げていく。あっという間にヘルガーの【かえんほうしゃ】を乗り越える程に回転速度を上げていき【ころがる】はヘルガーに命中し、ヘルガーは一撃で戦闘不能になった。進化してイケイケ絶好調なヘルガーを倒すとは流石はアカネのミルタンク。2体を撃破してくれたヘルガーはホントに良くやってくれたとモンスターボールに戻した。

 

 次に出したのは色違いのヨルノズクだ。

 これまた【ころがる】を使うミルタンクとは相性が不利に見えるのだがオレだってなにも考えていないわけではない。ヨルノズクには空を飛んでもらう。

 

 ミルタンクの転がる速度は【まるくなる】を組み合わせた事により最高速度にまで達している。まともにぶつかればオレの鍛えたポケモン達でもぶっ倒される可能性が大きい。ならば【ころがる】が絶対に当たらない状況にすればいいとヨルノズクを選出。

 例えどれだけ回転速度を上げても空に居るのならば【ころがる】を当てる事は出来ないと踏んだのだが……普通に作戦は失敗に終わる。

 

「うちのミルタンクが空を跳ばれへんと思ったら大間違いやで!」とミルタンクが回転速度を更に上げると一度凹んで助走をつけてヨルノズクが飛んでいる高さにまでジャンプ。ヨルノズクをふっ飛ばしたが流石に【ころがる】の威力は若干だが弱くなっている。一撃で倒される事こそ無かったのだが大ダメージをくらっていることには変わりはない。

 

 これ以上ちんたらやったとしてもミルタンクの【ころがる】の威力が増すだけだ。

 だったらこっちも勝負を仕掛けてみようと【ゴッドバード】を指示し、一度溜めた後に猛スピードでミルタンク目掛けて突撃するのでミルタンクも対抗して真正面から【ころがる】を打って出る。

 

 ぶつかり合うミルタンクとヨルノズク。

 勝負の結果はミルタンクの回転を止める事は出来たのだが、倒すにまでは至らなかった。ヨルノズクは戦闘不能になった。【ころがる】を止めるには【ゴッドバード】レベルの威力を持つ技を使わないといけないのかと少しだけ頭を抱えるが直ぐに気を持ち直し3体目のポケモンであるヘラクロスを出す。

 

「まだまだうちとミルタンクは終わらへんで!【ころがる】や!」と指示を出して回転してくるミルタンク。

 ヘラクロスに【メガホーン】を指示して真正面から突き飛ばそうとしてみるの角を弾かれてヘラクロスは吹き飛ばされる。【ころがる】の威力やっぱおかしいだろう。アニメの制作陣調整ミスってない?と思いつつも思考を加速させていく。

 

 パワー自慢のヘラクロスの【メガホーン】でさえミルタンクの【ころがる】を撃ち破る事は出来なかった。

 力技でどうすることも出来ないのならばどうしようかと色々な手を思い付くが恐らくは【ころがる】のパワーに敗れ去る。ならばいっそのことと速度を上げていくミルタンクに【こらえる】で【ころがる】を完全に受け止める。そこから【きしかいせい】を叩き込む。

 

【ころがる】を受け止められてそこからの【きしかいせい】は流石のミルタンクもKO。

 もしかしたら勝てなかったかもしれない相手だったので勝つことが出来てオレは大喜び。ジムを制した証であるレギュラーバッジをゲットして何時ものゲットだぜ宣言をする。

 

 バッジをゲットしてコレで終わりだがふと気になったのでケンタが来たのかどうかを尋ねてみると来たらしくウソッキーの【カウンター】にやられてしまったとの事……流石はケンタ、一筋縄じゃいかない。

 

 ジョウトレポート24(ラジオ出演ポケモンストリート)

 

 手に入れたばかりのレギュラーバッジを磨く。昨日はホントに大激闘を繰り広げたのでレギュラーバッジを手にする事が出来たのは非常に嬉しい事だ。次のジムはエンジュシティのエンジュジム、セレナのポケモンコンテストもエンジュシティで行われる。

 エンジュシティで2つのイベントが巻き起こる……とまぁ、気合を入れて次の街に行く準備をしているとラジオ番組のプロデューサーに声を掛けられる。

 

 コガネジムを制覇した噂を聞きつけてやってきたらしくポケモンストリートという番組にゲスト出演してほしいとのこと。

 そこまでエンジュジムに急いでいるわけではないのでポケモンストリートに出演をする事にし、ラジオ塔に向かうとアイドルDJのクルミさんと出会う。オレはミーハーではないがセレナは意外とミーハーだったのか何処かから取り出した色紙を持ってサインを強請っていた。

 

 流石はプロと言うべきかクルミさんはなんの迷いもなくスラスラとサインを書いた。

「一生の宝物にします!」とセレナは喜んでいた……セレナがお世話になった事だし真面目にやらなければならないな。

 

 ポケモンストリートが生放送ではじまると「はじめまして。マサラタウンのサトシです」と若干緊張しながらも自己紹介をする。

 オレ、こういう感じの場所には馴れてないんだよな……セキエイ大会とか観客の歓声は特に気にする事は無かったんだけどな。まぁ、それはともかくとして「最強のポケモンマスターを目指してジョウトリーグに挑戦中で昨日、コガネジムを制覇しました」と軽く近況報告。

 

「今、ジョウトリーグに挑戦中との事ですがライバルは居ますか?」と聞かれたので「オレと戦うトレーナー全てがライバルです」と強気に答える。「ポケモン達と変わったトレーニングはしていたりしますか?」と聞かれる。質問形式なのが多いなと思いつつも全てに答える。ポケモンとリアルファイトを繰り広げていた事を伝えるとドン引きされるがマサラ人なら誰でも出来ることだ。

 

 強さの秘訣はゲームの知識、なんて言えないのでたゆまぬ努力と発想力、閃きだと答えておいた。

 ラジオ番組に出演するのははじめてだったがなんとか上手く切り抜く事が出来た……これから上を目指していけばメディア方面への露出も有り得る事で、こういう感じの場所に馴れとかないといけない。マスターズエイトとかになったら特にな……。

 

 ケンタはラジオを聞いてくれた様で「ライバルは俺じゃないのか?」と聞いてくるので「お前もライバルだけど、他の奴等もライバルだ。まだ見ぬ強豪が世界には潜んでるんだ」とだけ返すと「次のシロガネ大会で目にもの見せてやるよ」と返された……シロガネ大会、今から楽しみだ。

 

 

 ジョウトレポート25(しぜんこうえん 虫取り大会)

 

 エンジュシティを目指して旅を続けていると自然公園に辿り着いた。

 今日ちょうど虫取り大会が開催されるらしく、優勝賞品がたいようのいしだった。前回スロットで荒稼ぎしてたいようのいしを持っているので大会には不参加で行こうかなと思っているとナナコと出会う。

 

 久しぶりの再会であれから旅は順調に進んでいるのか?等の近況報告をする。

 ナナコもポケモンジムに挑戦していて今のところはバッジ1つとの事で……このペースで行けばシロガネ大会に間に合わないだろうな。まぁ、ジムバッジ集めはその人のペースでやらせるもので無理に急かすわけにはいかない。ナナコにはナナコのペースがあるんだ。

 

「サトシはんも虫取り大会に参加するん?」と聞いてきた。元々は参加するつもりは無かったがここで出会ったのもなにかの縁だと虫取り大会に参加する事に。虫取り大会はパークボールを使って行うもので優勝すればたいようのいしとゲットしたポケモンを貰える。虫ポケモンはそこかしこに居るから頑張ってゲットする様にと運営から言われる……ポケモンゲットはオレは苦手な方だが頑張るしかない。

 

 使用していいポケモンは1体だけなのでヨルノズクを選出。ピカチュウをセレナに預けてヨルノズクには空中から虫ポケモンを探してもらう事に。こういう時に空を飛ぶことが出来るポケモンは強くて便利だと実感する。

 キャタピーとかコクーンとかの何処にでもいる奴は出来ればNGで出来るだけ珍しいポケモンがいいと飛び回らせつつ波動でポケモンが何処に居るのかを探してみるとナナコとチコリータが必死になって頑張っているのを感じ取る。

 

 何事に対しても直球勝負で全力全開なのはいいこと……と言いたいが気持ちだけが先走ってしまっていた。

 虫ポケモンを見つけてはチコリータでバトルを挑む。ナナコのチコリータはアレからそこそこ強くなったとはいえ、今回の相手は虫ポケモンで相性が悪い。最初はなんとも無かったが段々とダメージを蓄積していきオレがナナコと顔を会わせる頃にはチコリータは疲労困憊していた。

 

「チコリータ、まだまだ行くでぇ!」と闘志を燃やすナナコだがチコリータの体力は限界を迎えていた。流石に瀕死寸前のポケモンを見捨てるわけにはいかないので「チコリータが限界を迎えてるだろうが」と待ったをかけるのだが「限界は越える為にあるんや!チコリータ、まだまだイケるやろ!」と無茶を言う。確かに限界や壁は越える時はあるにはあるが、それは今ではない筈だ。チコリータもそれを理解しているのかはたまたスタミナに限界が来たのかチコリータは倒れる。

 

「チコリータ!」とチコリータに駆け寄るナナコ。

 無茶はする時を見極めないとただの無謀に成り変わる。今やってるのは無謀な事だと伝えようとするとスピアーが現れた。虫ポケモン狩りをしていた事に対してカンカンにキレており話し合いは通じなさそうだ。

 

 ここはオレが戦って撃退するかと腕を鳴らしているとナナコがオレの前に立った

「チコリータとサトシはんはやらせへんで!」とオレ達を庇おうとしてくれる。ナイスな心意気だがオレは守ってもらわなくても問題は無い。スピアーが自慢の針でナナコを突き刺そうとするのでこっちも対抗しようとするとチコリータが【つるのむち】を出してナナコを守ろうとした。

 

「チコリータ!?」とナナコは驚くとチコリータはフラフラな体を押して前に立ち上がる。

 根性あるなと思っているとスピアーは【どくばり】を撃ってくるのでチコリータは【はっぱカッター】で全てを撃ち落とすと眩い光に包まれてチコリータはベイリーフへと進化を果たした。此処で進化とか限界を越える事が出来たんだなと思いつつもオレはスピアーに向かってチンピラ正拳突きをくらわせてモンスターボールもといパークボールをぶん投げた。

 

 オレの攻撃が程よくダメージになっていたのかスピアーはあっさりとゲットされる。

 チコリータはベイリーフに進化をして「ごめんな、ベイリーフ。あんたのことなんも考えてなかった」とベイリーフに対して謝罪をした。ベイリーフとナナコの絆が更に深まってなによりだ。

 

 ナナコとベイリーフの絆が深まったのは良かったがオレがポケモンをゲットする時間が無くなってしまった。

 残念だと思いつつも会場に足を運んで戻ると優勝したのは全く見知らぬトレーナーで、バタフリーをゲットしていた。バタフリーで優勝する事が出来るのならスピアーをゲットしたオレも優勝するチャンスがあったんじゃねえのと言ってみると「君はポケモンを使わずにゲットしたから失格」と言ってきた。ポケモン使わずにポケモンをゲットするのはルール違反なのか……。

 

 黄色くて縞々なポケモンが好きなナナコにスピアーをプレゼントした。これからも道を踏み外す事があるかもしれないけど、限界と無茶を間違えるなと先輩風を吹かしておいた。



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惚れ薬はオーパーツ

 

 ジョウトレポート26(ウソッキーは嘘つきー)

 

 コガネシティで充分に英気を養い、しぜんこうえんでいい感じの出来事が起きて一応は順調だ。

 この勢いに乗ってと思っていると大きな川に差し掛かる。取り敢えずここを通らないとエンジュシティに向かう事は出来ないので橋を探していると工事中の橋を発見する。この辺りに橋はそこしかなく、現在工事中の為に橋を渡ることは出来ない。

 

 セレナを背負ってセレナっぱいの感触を楽しんで水の上を走るかと考えていると船渡しがいるからその人に頼んで向こう岸にまで向かってくれと言われた。水の上を走って渡るの簡単だけど、それなりに疲れるので船渡しが居るのならばそれに頼るしかないなと頼ることに。

 川をちょっと下った先に船渡しのお爺さんが居たので船渡しを頼むと条件を出してきた……タダじゃねえのかよ!

 

 ウソッキーを連れてきてくれないか?と生のウソッキーを見せてくれと頼んできた。

 ウソッキーといえばケンタの奴、ちゃっかりとウソッキーを持ってたんだよな。何処でゲットしたんだろう。あいつ、ニョロモとヒノアラシ以外何処で捕まえたのかマジで謎だ。

 

 ウソッキーはこの近辺に生息しているから見つけ出してこいと言ってくる爺さん。

 そんなに生で見たいのならば自力で探せやと思いつつも一応は言うとおりに動く事にした。時には長い物には巻かれろである。爺さんの情報が嘘でなければウソッキーは居るらしい。取り敢えず図鑑を広げてウソッキーは何処かと波動で探知する。

 広い森の中で1体のポケモンを見つけるのは地味に難しい事だが、植物だけを限定にして探知していると擬態している木を発見する。

 

 水系のポケモンは手持ちに居ないのでウソッキーに水筒の水を掛けると擬態しているウソッキーは元の姿に戻り、逃げ出した。

 オレから逃げるなんて不可能だと追いかけていくと言い争っているポケモン研究家の卵がいた。ツカサとアキオでアキオはウソッキーは【いわ】タイプのポケモンだと主張し、ツカサは【くさ】タイプで他のタイプの技も使っていると主張して論争する。

 

 本に載っているんだから【いわ】タイプだろう!とオレとセレナを間に挟んで論争する2人。

 百聞は一見に如かずなのでウソッキーを追い掛ける事にしてウソッキーを追いかけると「ウソッキーは色々な技を使っている。試しにバトルしてくれ」と注文があったのでバトルをすることにしフシギダネを選出。

 

【ギガドレイン】を指示するとウソッキーに向かって緑色のオーラを飛ばして体力を吸い取っているウソッキーはバタンと倒れた。

 しまった、その辺のウソッキー相手に【ギガドレイン】はあまりにも無慈悲過ぎたか。使う技を間違えてしまったのでどうしようと思っているとアキオは「ウソッキーは【いわ】タイプだからフシギダネの【ギガドレイン】はこうかばつぐんで一撃で倒れたんだ!」とウソッキー【いわ】タイプ説を主張する。

 

 ウソッキーは色々な技を使っていた!とウソッキー【いわ】タイプ説を後回しにするツカサ

 取り敢えずオレとセレナを間に挟んで論争はしないでほしい。一先ずウソッキーを捕まえたので頭の触覚部分を掴んで爺さんのところにまで連れていくとツカサが「おじいちゃん!」と驚いていた。身内だったのか。

 

 ウソッキーについて研究しているからウソッキーを見せてやろうと爺さんなりの優しさを見せたかったらしい。

 取り敢えずウソッキーは連れてきたので向こう岸にまで連れてってくれと頼むと「結局、ウソッキーとはどんなポケモンなんだ?」と聞いてきたのでポケギアを取り出してケンタに連絡を入れて丸投げする。ウソッキーについて知りたいのならばオレの知る限り1番のウソッキー使いに連絡を取るのが1番だ。

 

 ウソッキーは【いわ】タイプで【ものまね】で様々なタイプの技をコピーしているとケンタが3人に教えたのでこれにて一件落着。ウソッキーは野生に帰して船渡しをしてもらい向こう岸にまで辿り着き、旅路は続く。

 

 ジョウトレポート27(やっぱ絶滅してねえじゃん)

 

 エンジュシティ目指して旅を続けているとオーキド博士と再会する。ラジオを聞いてくれた様で旅が順調に進んでいる事を我が事の様に喜んでくれた。それはさておき、オーキド博士は嘗ての教え子にアルフの遺跡に来てくれと言われており、ついでだからお前さん達も来ないか?と誘ってくれた。道草をしても大丈夫なので道草をする事にしオーキド博士にアルフの遺跡に連れていって貰うと化石ポケモンの筈のオムナイトが大量にいた。

 

「絶滅してる筈のポケモンが生きておるじゃと!?」とオーキド博士は声を荒げるが別に化石ポケモンが珍しいわけないだろうが。

 彼奴等絶滅してるとか言われてる癖にたまにどころか結構な割合で見るぞ。絶滅してるけど化石復元装置とかいうオーバーテクノロジーで復活した個体かもしんねえけどもラプラス同様探せば結構見つかるぞ。

 

 オーキド博士やその教え子達は世紀の大発見とかこの場所の事を秘密にしてくれと言ってくる。化石ポケモン、今のところは欲しいとは思っていないので別にどうだっていい。

 オーキド博士は水かそれとも環境がオムナイト達を生かしているのかと様々な視点から調べるので手伝っているとオムナイトの化石を発見する。化石じゃない普通のオムナイトが居るのでありがたみは薄れる。

 

 もしかしたらこの場所はポケモンの化石が埋まっているんじゃないかと言い出すので化石発掘をする事になるのだがオレは坊主、ウンコの化石しか発掘できず、セレナもなにも見つける事は出来なかった。ポケモンの化石ってそう安々と見つけれるものじゃないか。

 絶滅したと言われてるオムナイトやオムスター達が生き残ってる事は大スクープだけども、オムスター達の稀少性や遺跡の事を考慮すれば報道する事は出来ない。オーキド博士に「この場所についてはくれぐれも内密に頼む」と言われたのでレポート以外に記録は記さない。

 

 しかし絶滅してるとか言われてる癖にたまにどころか結構な割合で見るな、化石ポケモン……絶滅した説いい加減に取り払った方がいいと思う。

 

 

 ジョウトレポート28(格闘バトル ヘラクロスvsカポエラー)

 

 エンジュシティ目指して旅を続けているとケンタロスが走ってきた。

 ケンタロスを持っているからよく知っている事だがケンタロスは早々に止まってくれない。こりゃ引くかと思ったがセレナが居るので引くに引けない。

 

 取り敢えず仕方ないとパワー自慢のヘラクロスを出して突撃してくるケンタロスの群れに【こらえる】で耐え抜く。

 ケンタロスの動きを完璧に封じたのですかさず【きしかいせい】を撃ってケンタロスを撃退すると「お見事!」と出てくるお爺さん。爺さん、あんたワザとオレにケンタロスを押しかけたな。オレを試そうとするとはいい度胸だなと思いつつも爺さんの目的を聞く。

 

 腕利きの格闘ポケモン使いを探していたらしく、名はゲンゾウ。【かくとう】タイプのポケモン道場の師範を務めている。

 取り敢えず説明はコレを見てくれれば分かると道場に連れていって貰うと道場は思ったよりも賑わっていたのだがゲンゾウの爺さんは不満そうな顔をしている。

 

 跡継ぎである孫娘のチグサがカポエラーと共にダンスを取り入れたポケモンバトルをしている。その事について不満だった。

 まさかとは思うが孫娘の目を覚まさせろとか言うんじゃねえだろうなと思っているとそのまさかだった。この前のハッサムの時と違って真面目に道場のトレーナーとしてトレーニングに励んでるし、別にいいんじゃねえの?と口にすると「ダンスなど軟弱な物を取り入れた格闘ダンスで勝てるほどポケモンバトルの世界は甘くはないわ!!」と言う。

 

 じゃあ、オレにどうしろって言うんだと聞けばチグサの目を覚まさせてほしいとのこと。爺さん、時には認める事も大事だぞ……と言いたいところだがポケモンバトルをすれば良いだけの話で【かくとう】タイプのポケモン限定でのバトルという事なので自動的にオレのポケモンはヘラクロスになりチグサのポケモンはカポエラーだった。

 

 同タイプ同士でのバトルだからいい経験値になるな。だが、言っておくが道場主になるつもりもチグサを改心させるつもりもねえぞ。

 チグサのカポエラーは早々にリズムを取る……そういえばXYでダンスをバトルに取り入れているダンシングデブが居たなと思い出しつつもポケモンバトルに集中する。ポケモンバトル、レベルに差が無ければどちらが調子のいい波に乗れるのかが重要になる。リズムを掴み取る事は意外と重要で独自のリズムを持っている奴は手強い……が、オレは知っている。ケンタというトレーナーとしてオレよりも上で自分のペースを掴み取るのが上手い奴をオレは知っている。

 

 ダンスでリズムを取っているということは一定のリズムやパターンがある。法則性を見つけることは簡単で直ぐに【つばめがえし】をカポエラーに決める。リズムを取っているのは良いがそれを上手く利用する事が出来ていない、そんな感じだった。

 

「コレで分かったじゃろう!お前がやっている事は格闘ダンスであって格闘バトルではない!!」と負けたチグサに格闘バトルは甘くはないと言う……相手がオレであったからこんなにあっさりと終わったが他のトレーナーならば結構苦戦するだろう。

 

 ダンスをバトルに取り入れる事は決して悪いことじゃない、そう言おうとすると道場破りが現れた。

 道場破りってホントに居るんだなと思いつつもゲンゾウの爺さんは「お前に本当の格闘バトルを見せてやろう!」と道場破りのサワムラー相手にゴーリキーを出して息巻くのだがゲンゾウの爺さんとゴーリキーはギックリ腰になった。歳なのに無茶をしやがってからに。

 

 爺さんがバトルする事が出来ないのならば用は無いという。チグサが立ちあがろうとするがカポエラーはやられてしまった。頼みの綱はオレだけだと爺さんは頼み込んでくるが「オレは道場の為には戦わねえ……だが、強いトレーナーとポケモンバトルをするのは楽しい」とバトルする事だけは引き受けると相手はオレの事を知っていたのでバトルを承諾、セキエイ大会優勝の実績は伊達じゃない。

 

 サワムラーを相手にヘラクロスは燃え上がる。

 サワムラーは距離を置いてから【メガトンキック】を叩き込んでくる。こいつ、ヘラクロスが近距離戦闘なの分かっているからサワムラーのバネみたいな足を伸ばしての中距離以上の蹴りを叩き込んできた。泥臭い泥沼試合になるかと思ったが思ったよりも相手もやる。

 

 メガトンキックを叩き込んでくるのでヘラクロスには【つのでつく】を使ってもらう。

 真正面からやってくるのは分かっているので角を使って飛んでくる足を綺麗に弾いて逸らす。蹴りを逸らされた事に相手のトレーナーは驚いているとサワムラーとの間合いを詰めて【かわらわり】を叩き込む。

 

 普通のトレーナーならここで倒れるが道場破りに来たトレーナーは倒れないかとサワムラーに【ブレイズキック】を指示。炎を纏った足で蹴りをくらわせようとしてくるのでヘラクロスは角を光らせて真正面から【メガホーン】で炎を纏った蹴りとぶつかり合い、ヘラクロスは勝利する。

【ブレイズキック】を中距離以上の間合いでやられていたのならばオレは負けていたかもしれないな。道場破りのトレーナーは負けたことを悔しがっているので悔しいのならばそれをバネにしてポケモンリーグに出場しろと言っておいた。

 

 チグサはというと「コレが本当のポケモンバトル」とオレと道場破りのバトルに圧巻される。

「格闘ダンスは悪くはない……その道を頑張って極めろよ」とだけオレはアドバイスを送っておく。ゲンゾウの爺さんはなにか言いたそうな顔をしているが生憎な事にチグサがやっている事は悪いことじゃないんだよ。取り敢えずいい経験値を得た。

 

 ジョウトレポート29(ツボツボの秘薬)

 

 セレナ特製のマカロンをいただく。オレは料理は出来るがお菓子作りの腕はまだまだなのでセレナのお菓子は本当に美味しい……なんだけどな。

 急な腹痛に襲われる。セレナのマカロンが当たるなんてありえるのかと戸惑っていると胡散臭そうな顔の爺さんが現れて「食べすぎによる腹痛じゃの」とそんなに食べていないのに腹痛に襲われていると診断してくれた。

 

 腹痛の薬を持っていたっけと鞄の中を探そうとすると爺さんが「待っておれ、腹痛の薬ならば熟成している筈じゃ」と言うのでなんの事かと思っているとマダツボミがツボツボを持ってやってきた。栓をしているツボツボのコルクを抜くとツボツボから緑色の液体が出てきて「ほれ」と差し出してくるので飲むと腹痛は一発で治った。こんなにスムーズに治るとかオレの体はいったいどうなっているんだろう。

 

 お爺さんにお礼を言うついでにまた腹痛に襲われたりした時の為に薬を分けて貰えないかと交渉してみると「薬の回収を手伝ってくれたらいいぞ」と言うのでお爺さんもといツボ老人が作っているツボツボの薬を回収する事を手伝うことに。

 リアカーを引き、ツボ老人の相棒であるポチという名前のマダツボミが山に放っているツボツボの薬の匂いを感じ取る。オレも波動でツボツボが何処に居るのかを探知する事は出来るが薬が熟成されているかどうか見抜く事は出来ない。マダツボミの嗅覚頼りだ。

 

 マダツボミは馴れた手付きでコルクの栓をしたツボツボを投げてくる。

 こんだけツボツボを投げてくるのはいいが、どれがなんの薬なのか見分けが付かなくなるんじゃないかと思ったがそこは匂いで分かるらしい……コルクで栓をしているツボツボの薬の匂いは分からない。

 

 薬が熟成されたツボツボの回収を終えたのでリアカーを引いて、ツボ老人の自宅に向かう。「おぉ、取ってきてくれたか」と嬉しそうに声を出すので大量のツボツボをツボ老人に渡す。ツボ老人はクンクンと匂いを嗅いでおり「いい頃合いじゃ」と頷いていた。ツボツボにどんな配合で薬を作っているのかやや気になるが薬剤師の資格を持っていないので下手に薬を作れば毒薬になる可能性があるのでグヌヌな状態だ。

 

「待っておれ、今薬を分けるからの」とツボツボの中で熟成された液状の薬を容器に詰めているとセレナが1体の色違いのツボツボに気付く。

「このツボツボからはなんの薬が取れるんですか?」と聞くとフッフッフッと笑うツボ老人。ひでんのくすりの原料になる薬かと思えば「惚れ薬じゃよ」と教えてくれる……惚れ薬、最早オーパーツの様な存在だが実在していたとは。

 

 オレはこの時、見逃さなかった。セレナがコッソリと惚れ薬を採取しているのを。

 薬を貰ったお礼だとツボ老人にマカロンを送り、オレにも食べさせて飲み物に惚れ薬を混ぜ込んでいた……効果?そんなの効くわけ無いじゃん。元からセレナが大好きなんだから、惚れ薬の1つや2つで感情が大きく変わるわけがないだろう。

 薬を盛っていたのは分かっていたのでツボ老人と別れた後に薬を盛った事について問い詰めると目が動揺しているので「オレじゃなくてケンタとマリナに使った方が面白いだろう」と煽っておく……まだ一杯分、惚れ薬は残っている。ケンタに盛るかマリナに盛るか……面白い展開になるだろうな。

 

 ジョウトレポート30(卑遁 マルマイン爆殺)

 

 綺麗な花園で一休みしていると視線を向けられている事に気付く。

 セキエイ大会優勝したから町のヒーローになって視線を向けられている事は多々あるが、コレは違う。オレを試しているなとピカチュウにアリアドス目掛けて【10まんボルト】を撃ってもらうとアリアドスは突如として消える。

 

「私の視線に気付くとは、見事!」と何時ぞやのセキチクジムのジムリーダーと偽っていたキョウの妹のアヤと再会する。

 こんなところでなにしてるんだよと聞いてみると近くにある忍法学園で修行中……忍者学園でも忍術学園でもなく忍法学園……忍たまを気遣ったか。忍法学園なにそれ?とセレナは興味津々に聞くので「1日体験コースがあるから体験してみないか?」と誘ってくる。

 

 忍者って1日で体験する事が出来るものなのだろうか?体験コースがあるならばそれに越したことはない。

 幾つかのコースに分かれておりセレナは初心者コースを、オレは何故か上級者コースをする事になった。オレ、素人なんだけども。そう主張したが既に貴方は上級者コースに行く腕前を持っているとのこと。

 

 まぁ、確かに水の上を走ることは出来るし、木から木に飛び移る事も余裕で出来る。初心者コースは忍者としての基礎的な動きを学ぶのでオレにとっては不要なものだろう。じゃあ、上級者コースでいいかと自己完結的に納得し、上級者コースに。

 上級者コースは忍法を会得するコースで、ポケモンを用いた忍法を会得する……何処から来たのか知らないがゾロアークを連れている忍者はゾロアークに自分自身をコピーさせてブンシンノジツをやっていた。

 

 そういうのが有りならばオレも色々と出来る。

 忍法が出来るポケモンは貸し出しもしてくれるのでオレはマルマインを貸してもらい、マルマインに磁力を発生させて他のマルマインの個体が入ったモンスターボールを引き寄せて【だいばくはつ】を起こし、その後に別の個体が入ったマルマインのボールを開きマルマインを出し、磁力でマルマインが入ったボールを引き寄せて【だいばくはつ】を連鎖的に引き起こす……互乗起爆札っぽい忍術を生み出した。

 無論、自分に爆発の影響が及ばない様にしている。最初の爆発が巻き起こる前にゲンガーの【テレポート】で避難をする

 

 言うまでもないが、周りからドン引きされた……卑劣だから仕方ない。

 

 セレナは初心者コースを極める事が出来たのかNARUTOよろしく木の枝の上を飛び回る技術を会得した……やっぱオレがおかしいとかじゃない。皆、鍛えようと思えばオレと同じことが出来るんだ。

 ケンタにその事を伝えると「お前、頭湧いてんのか?」と言われた……いやいや、セレナだからじゃない、ケンタも鍛えたらNARUTOの様に木の枝を飛び移る事が出来るはずだ……出来るよな、なぁ。



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is this an apple?

 ジョウトレポート31(ポポッコ 草ポケモンバトル)

 

 セキエイ大会を優勝していて良かったと思う時は多々ある。

 ポケモンリーグに挑めなかったトレーナーがオレに対してバトルを挑んでくる。オレが優勝者だからといって怖じける事はせずにバトルを挑んでくる。今日もポポッコを使うポケモントレーナーがバトルを挑んできたのでピカチュウの【10まんボルト】で一撃で焼き払った。

 

 レベルリセットをされていないからオレのピカチュウは超強い。

「ポポッコが一撃で……やっぱりポケモンリーグ優勝者はレベルが違うや」とオレに破られたトレーナーは素直に負けを認める。稀にだが負けを認めずにポケモンを追加で出して挑んでくる奴も居るから優しい人間で良かった。

 

 対戦相手のトレーナーもといミノルはオレに負けたけどもその悔しさをバネにしようとしている。敗北は時として最大の経験値なり。

 ミノルは今日開かれる草ポケモン限定の大会に参加しようとしていたらしく、そんな大会があるとは知らなかったとフシギダネの経験値を積む為にもオレは早速エントリー……しようとしたんだがな。

 

 小さな街で他所の地方といえどもポケモンリーグ・セキエイ大会の優勝者だという事は知られている。

 オレが出てしまえば自動的にオレの優勝でバトルは決まってしまうとか言う屁理屈を捏ねてオレの参加を認めようとしなかった。ポケモンバトルの大会なのに出禁とかねえよ。

 

 流石にそれは幾らなんでも横暴なので抗議すると優勝者とバトルをするのならばとの認証を得た。

 出来れば多く対戦をしたかったが仕方がない。渋々優勝者とのバトルのみにする……楽しそうに草ポケモンでバトルをしていて羨ましい。暇なのでケンタに愚痴ると「俺は決勝戦で負けた人認識だぞ」と言われた……なんかごめん。

 

 ケンタに不満をぶち撒けていると優勝者が決まった。

 ミノルが優勝者の様で急遽オレとの対戦カードが組まれた事に驚くのだが、そこはそれオレも若干驚いている。ポポッコで優勝するとは中々の猛者だと思う。

 

 そんなこんなでバトルは開始する。「優勝できたんだ。リベンジマッチ受けてもらいます!」と言ってくるので【ヘドロばくだん】をぶつけると一撃で戦闘不能になった……オレは強くなりすぎた様だな。ヨルノズクとかの捕まえて間もないポケモンならいざ知らず捕まえてからそれなりに時間が経過しているフシギダネは並大抵のポケモンじゃ無くなっている。

 

 地元の小さな祭りのポケモンバトルじゃどうあがいてもオレが勝つ……出禁にした運営の人の判断は間違いじゃなかったのか。強くなりすぎたと言いたいがオレと同等かそれ以上のケンタが居るので慢心なんてしてられない。

 ミノルに次に会う時までポポッコをワタッコに進化させておけよと一言だけ言っておいた。

 

 ジョウトレポート32(ピカチュウとピチューとリンゴ)

 

 果樹園を歩いていると何処からともなくリンゴが飛んできた。

 ホントに何処から来たんだと思っているとカランコロンと音が鳴る。昔ながらのブービートラップだな、うん。

 

 音が鳴っているのでこれはややこしい事に巻き込まれたなと確信していると網を持った女性、果樹園の主であるアンジュさんが「このリンゴ泥棒!」とピカチュウをゲッチュしようとしていた。ピカチュウはなんの事か分からないので取り敢えず【かげぶんしん】をしてアンジュさんの網を回避した。

 

「貴方がリンゴ泥棒のトレーナーね!よくもうちのリンゴを盗んでくれたわね!!」と怒るアンジュさん。

 全くと言って心当たりは無いので違うと主張するとピカチュウが持っていたリンゴに歯型がついておりコレがなによりの証拠だと強気になっているのだがピカチュウの歯型と全然一致しない。ピカチュウの方が歯が大きい。

 

 QEDだとピカチュウの無実を証明すると「じゃあいったい誰がうちの果樹園のリンゴを盗んだの」となる。

 乗りかかった船だし、ピカチュウに冤罪をかけられたままなのはアレなので果樹園のリンゴを盗んでる犯人を探すことにして波動で探知する。やはりこういう時に波動は便利だ。

 

 犯人を見つけたので出てこいと言うのだが微動だにしない。やれやれ、罪を認めないという魂胆か。悪いことをしているという自覚すら無いパターンなのかと思いつつも歯型がついたリンゴを握り潰して威嚇してみるが出てこないのでピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらう。オレの交渉に応じないからこうなるのである。

 

 ピカチュウの【10まんボルト】が命中するかと思えば対抗してきてか電撃が放たれる。潜んでいるポケモンがなんなのかを知っている。オレのピカチュウはそんじょそこらのピカチュウじゃねえぞと【10まんボルト】は対抗して撃たれた電撃を押していき、リンゴ泥棒の犯人に……沢山のピチュー達に当たった。文字通り相手が悪かったな、うん。

 

 電撃を撃った影響かどうかは知らないが目を回しているピチュー達。

 リンゴを握り潰してしまったので新しいリンゴを貰って、歯型を確認すると予想通りピチューの歯型だった……リンゴを握り潰してしまったから目測での確認だけども間違いはない。

 

「貴方達が犯人だったのね!」とピチューの群れを見て怒るアンジュさん。ピチューの群れは行き場を無くしているようで、餌場となるところに巣を作ることも出来ずに路頭に迷っていたところをこの果樹園を見つけて悪いとは思っていたけれどリンゴを盗み食いしていたらしい。ピカチュウがピチューにリンゴを勝手に食べるのは悪いことだよと必死になって言っていた。

 

 行き場のないピチューを見て同情したのかなにを思ったのかピチューに「ウチで働かない?」とピチュー達をスカウトした。

 報酬は売り物にならない不揃いなリンゴで、ピチュー達はリンゴを食べてもいい事なので喜んで話を受け入れてコレにて一件落着。リンゴ泥棒と疑ったお詫びとピチュー達を見つけたお礼として上物のリンゴを貰った。

 

 握り潰してリンゴジュースを作り上げているのだがコレが中々に美味い。果樹園のリンゴ様様だ……ただ1つだけ疑問に思うことがあるこの世界ってきのみ系は○○のみって名前になってるのにリンゴだけリンゴと呼んでいる……なんでリンゴをリンゴと呼んでいるのか、ゲームでもリンゴだけは特別扱いされている……ホントに謎である。リンゴジュース、美味しい。

 

 ジョウトレポート33(エンジュシティ 焼けた塔)

 

 リンゴが何故リンゴ扱いなのか気になりつつも辿り着いたエンジュシティ。

 他の街と違う、コガネシティほど都会では無いが何処か趣や風格のある建物が多く存在している。取り敢えずはポケモンセンターでポケモンを休ませると早速ジム戦にとなるがその前に何時ポケモンコンテストが開催なのかを確認した。

 

 オレのポケモンジムは何時でも出来るが、セレナのコンテストはチャンスを逃せば痛い。

 3日後にポケモンコンテストが開催される様で取り敢えず間に合ったのと準備期間があることにオレはホッとする。レポートにこそ書いていないがセレナも時間があればパフォーマンスの腕を磨いている。いきなりのぶっつけ本番でやる事になるのは少しだけ心配だ。

 

 エンジュシティは境目の街でもあるのでここは一段落、いきなりのジム戦も良いけれどもエンジュシティはジョウト有数の観光地であるのでエンジュシティを観光しに取り敢えずは焼けた塔に向かうとそこには焼けた塔があった……そりゃまぁ、あるだろうな。ゲームだとこの塔の地下に準伝説の3体のポケモンがいるが原作知識が言うにはここには伝説のポケモンは存在していない。

 

 焼けた塔は伝説が残っている以外は何処にでもある極々普通の塔なのかと中に進んでいくと急に塔が燃え出した。

 火もなにも出していないのに急に燃えるなんて妖怪のしわざもといポケモンのしわざだとヨルノズクを出して【みやぶる】を使い隠れているゴーストやゴースの姿を顕にし【サイコキネシス】で仕留める……ヨルノズク、ゲットしていて正解だったな。

 

 エンジュジムのジムリーダーであるマツバは【ゴースト】タイプの使い手。ここには大量のゴースやゴーストが住み着いているから丁度いい相手になるなとヨルノズクに【みやぶる】で正体を露見した後に【つつく】や【サイコキネシス】、【ゴッドバード】等の今の時点で使える技を使って撃退していくと焼けた塔の奥に……ホウオウの壁画がある場所に辿り着いた。

 

 実物を見たことあるだけに本物そっくりに掘られているなと感心していると「それはホウオウというポケモンだ」とエンジュジムのジムリーダーであるマツバさんが現れて聞いてないのにホウオウに関する伝説を教えてくれた。ゲームで知ってるっちゅうねん。

「オレ、ホウオウに会ったことありますよ」と言えば「それはなにかの間違いだ」と言ってくるので虹色の羽根を持った写真とポケモン図鑑にホウオウに1度出会った事があると証明すると驚いた顔をしていた。

 

「彼といい、君といい最近のトレーナーは伝説のポケモンと縁が結ばれているのか」と意味深な事を言う。「彼ってオレ以外にホウオウに会ったトレーナーでも居るんですか?」と聞いてみると「ライコウをゲットしたトレーナーに出会ったんだ」とマジかよ~と思っているとポケギアが鳴ったので出てみるとケンタだった。

 

「エンジュシティに居るんだけど、今お前どの辺り?」と聞いてくるので「焼けた塔を観光中」と答えると「ポケセンで待ってる」とだけ言い残したのでマツバさんには悪いけれどもここでお暇させてもらおうとしたがなんとライコウを持っているトレーナーはケンタの事だった。

「彼を知っているのかい!」と大声を出すものだから思わずビクッとするがケンタの奴、何時の間にライコウなんて捕まえてたのか。

 

 ポケセンで待っているケンタの元に向かうとそこには当然というかマリナも一緒にいた。

 ポケギアでちょくちょく連絡を取り合っていたが直接顔を会わせるのはかなり久しぶりなのだが周りがケンタに向ける視線がなんかおかしかった。なにかやらかしたのか、それともセキエイ大会準優勝が尾ひれでもついたのかと思っているとケンタはオレがサンタに頼んで送り届けて貰ったマスターボールを取り出すと……ライコウが出てきた。

 

 セキエイ大会の時にはライコウなんて影も形もなかった。ということはオレがオレンジ諸島を巡ったりチャンピオンリーグに挑戦してる時に出会ったのだろう。伝説のポケセンって気性が荒くて何処か偉そうなイメージがあるのだが、そんな事は無かった。一瞬だけオレを強く睨んだのだが直ぐにケンタは軽くチョップを入れて「サトシは大丈夫だから威嚇するな」とケンタは言う。威嚇されていたのか。

 

 ここでやっとケンタに向けられている視線の正体に気づく。ライコウを欲しいとか言う欲望に満ちた目とエンジュシティと縁のあるライコウをゲットだなんて恐れ多いの2つの視線だった。ゲームじゃ誰も特になにも言ってこないけれども伝説のポケモンをゲットしているって冷静に考えれば大層な事……カプ・コケコ捕まえた〜みたいな事になっている。

「ライコウは即戦力なのは嬉しい限りだが、この視線は鬱陶しい」とハッキリと言い切った。準伝説のポケモンをゲットするって意外とデメリットもあるもんだな。

 

「オレ、半分引き受けるからもう半分は頼んだぞ」といえば「俺の経験値を……まぁ、流石にこの量は1人じゃ無理だな」とライコウを寄越せとポケモンバトルを挑んでくる奴を次から次へと撃退していく……中には敗れたのにライコウ寄越せとか言ってくるアホも居たのでピカチュウに【10まんボルト】を浴びせて退散してもらった。

 

「ポケモンバトルをせずにリアルファイトしたり色々と馬鹿をやってたみたいだがポケモンバトルの腕は落ちてないな」と言ってくるケンタ。「そっちこそライコウをゲットしてライコウ頼りのポケモンバトルはしてねえな」と言い返すと互いに笑い合う。やっぱり競い合う事が出来るライバルは最高である。笑いながら話も出来るよはまさにそれである。

 

「エンジュジムのバッジはゲットしたのか?」と聞いてみると既にジョウトリーグの出場条件は満たしており、後は開催を待つだけでマリナのポケモンコンテストの旅に付き合ってるらしい。マリナはジョウトリーグに出るのか?と尋ねればコーディネーターとトレーナーの二足の草鞋を熟すようでこれまたジョウトリーグの出場権を手にしている……いやぁ、今回も楽しみだわ。

 

 ジョウトレポート34(エンジュジム ゴーストバトル)

 

 取り敢えず1日が経過して英気を養う事は出来た。オーキド博士にポケモンを送ってもらったりしてエンジュジムのジム戦の準備は出来た。

 エンジュジムに向かおうとするとケンタとマリナもついてくる。「何時かのグレンジムじゃ見られたからな、今回は見させてもらうぞ」と言ってくる。そういえばケンタの前で直にジム戦をするのははじめてだったか。情けない姿を見せないようにしなければ。

 

 エンジュジムに向かうと「待っていたよ」とオレを待ち構えていたマツバさん。

 使用ポケモンは3体のシングルバトルで交代はチャレンジャーのみ可能の例によって土のフィールドの至って普通のフィールドだ。ギミックは存在しないが、それでこそ腕を見せつける絶好のチャンスである。

 

 マツバさんの1体目のポケモンはゴース……事前に調べていた情報通りだ。ならばこちらはとヘルガーを出す。昨日、ヨルノズクで散々バトルをしていたのでヨルノズクで来ると思っていたのか意外そうな顔をしている。ヨルノズクは今回のエースなので早々に出せない。

 先ずは小手調べと言ったところでゴースは【さいみんじゅつ】を仕掛けてくるのだが目を見てはいけないとヘルガーは目を閉じると今度は【ナイトヘッド】で目からビームを撃ってくる。

 

 目を閉じているヘルガーだが嗅覚はちゃんと動いている。

 オレの指示した通りに動いてゴースの【ナイトヘッド】を避けると目を開き【シャドーボール】を撃ち込む……こんな事もあろうかとゲンガーから伝授してもらっていた。【シャドーボール】は上手く命中してゴースに大ダメージを与える。後一発当てれば勝てると思いつつ【かえんほうしゃ】で攻め方を変えてみる。

 

【シャドーボール】で大ダメージを与えて体力を大幅に減らしているので【かえんほうしゃ】でも撃ち倒す事が出来る。オレの目測は正しく、ゴースはヘルガーの【かえんほうしゃ】を真正面からくらい戦闘不能になった。

「流石はホウオウに出会っただけの事はあるな」と悔しそうな素振りは一切見せていない。余裕なのは良いけれども、こっちが勝っている事を忘れてもらっては困る。

 

 ゴースの次に出てきたのはゴーストだった。コレも事前の情報通りだ。【ナイトヘッド】を撃ってくるので【シャドーボール】で押し返そうとするがゴースよりもパワーが増しているので【ナイトヘッド】を押し返す事が出来ずに間で相殺し爆発を起こす。

 伊達にジムリーダーのポケモンじゃないな。出会った頃のオレのゲンガーよりも強いと肌で感じつつもこの後どうするか。取り敢えず状態異常系は怖いので【ちょうはつ】を撃っておくとやられたという顔をしている。

 

 コレで怖いものは無くなったと【かえんほうしゃ】で攻める。ゴーストも【ナイトヘッド】で応戦してくる。

 これはいい感じに拮抗しているかなとポケモンを交代させる事を視野に入れていると【ちょうはつ】の効果が切れたのか【くろいまなざし】を撃ってきた。逃さないってか。

 

 ならばとことん勝負してやると【シャドーボール】を連打。ゴーストも【シャドーボール】を連打する。

【ゴースト】タイプのポケモンを相手に【シャドーボール】合戦は分が悪いかと思ったがこっちが受ける一発と向こうが受ける一発とではダメージの差が大きかった。徐々に徐々に劣勢になっていくのでコレはいけると【シャドーボール】で押し切り勝ったと思った……いや、勝ったには勝ったんだけども【みちづれ】を使ってくるとは思いもしなかった。

 

 強制的に敗北になり【みちづれ】を使ったので一応はオレの勝ち星になるが負けは負けでありちょっと悔しい。

 この悔しさを憂さ晴らしする為にも絶対に勝ってやるとこの試合の要であるヨルノズクを出し、マツバさんはゲンガーを出す。ゲンガーは持っているからどれぐらい強いのか、脅威的なのは十二分に知っている……ただ問題はマツバさんがやらかすかどうかだ。

 

 開幕から飛ばしていくと【ゴッドバード】を指示して力を溜める。マツバさんは当然と言うべきかその隙を狙ってくるのだがゲンガーに【シャドーボール】を指示した。ケンタが「あ」と言っていたのだがもう遅い。力を溜めているヨルノズクに【シャドーボール】が触れるが透過していきヨルノズクは【ゴッドバード】でゲンガーにぶつかった。

 

 この世界の住人って割と勘違いしてるけども序盤の鳥ポケモン一部を除けば【ノーマル】【ひこう】タイプなんだよな。

【ゴースト】タイプの技がどれだけ優れていようが【ノーマル】タイプには効果は無い。【ゴッドバード】を真正面からくらったゲンガーは苦しそうな顔になりながらも立ち上がる……ジムリーダーのポケモンだから、コレぐらいで倒れてもらっては困る。

 

「どうやら勘違いをしていた様だ」ヨルノズクを【エスパー】【ひこう】だとマツバさんは勘違いをしていた事を認めて作戦を考えようとするが判断が遅い。知識不足は玩具販売促進アニメの世界ではホントに洒落にならない……コレが遊戯王ならあんた死んでたぜ。

 戦法を変えてきてゲンガーは姿を消すのだがヨルノズクには【みやぶる】がある。隠れているゲンガーの姿を顕にし【サイコキネシス】をぶつけるとゲンガーはぶっ飛ばされて戦闘不能になった。

 

 ゴース、ゴースト、ゲンガーの3体のポケモンを撃破し、エンジュジムを制覇した。

 エンジュジムを制覇した証であるファントムバッジを手にし「ファントムバッジ、ゲットだぜ!」と例の決め台詞を言ってジム戦は幕を引いた。因みにだがケンタが「3体目はなんだったんだ?」と聞いてきたので「ゲンガー」と答えておいた……念には念を入れておいたんだ。



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伝説って?ああ、それってフリーザー

 

 ジョウトレポート35(レベルがちげえ)

 

 オレの勝ちでエンジュジムは終えたがまだエンジュシティは出ていかない。エンジュシティでポケモンコンテストが開催される。コレを逃すと色々と大変な目に合う。セレナはポケモンコンテスト・エンジュ大会に向けて頑張っている。オレがなにか力に出来る事は無いだろう。

 セレナの事も良いけども、自分の事も見つめ直さなければならない。オーキド博士に頼んでミュウツーを転送して貰う。

 

『私の出番か?』と少しだけバトルしたいオーラを出しているのだが今回お前を呼び出したのはバトルする為じゃない、ケンタの事だ。

 あいつ、ライコウをゲットしてからずっとライコウを手持ちに加えてて特訓をしている。準伝説のポケモンと常時バトルする事により通常の何倍も効率のいい経験値を得ている。

 

 一昨日、ライコウに対して色々と視線を向けてきているトレーナー達をボコボコにした際にケンタは以前よりも一皮どころのレベルじゃないぐらいにパワーアップを果たしている。その事についてミュウツーも気付いているのか『あの時のトレーナーか……格段とレベルが上がっている。面白い』と面白がるな。こっちは心臓に悪いんだ。

 

 ケンタに対して闘志を燃やすミュウツーだったがケンタは「ジョウトリーグでしかバトルしねえよ」とオレとのバトルを断る。今の手持ちがベストな手持ちとは言い難いのでそれでいい。ミュウツーが手持ちに加わっているが、今やれば確実に負ける、そんな気がする。「1番ベストな状態でバトルをして勝たなくちゃ自慢話にもならねえ」と結構辛口のコメントを頂いた。

 

 ケンタはオレとの本気のバトルを望んでいる。それに答えるのはジョウトリーグで問題はそこである。

 ライコウと共にポケモンバトルの特訓をしているので強いポケモンと効率良く戦うことが出来ている。既にセキエイ大会で戦った時よりも遥かに強くなっている。ミュウツーが中々にやると判断しているんだから間違いない。

 

『バトルでは無いのならばなんの為に私を呼び出した?』と聞いてくるのでオーキド博士の研究所にいるポケモン達の事について聞いた。のびのびと暮らしていると教えてくれたがのびのびと暮らしていたらダメなんだ。オレはジョウトのポケモンしかめんどうを見ることが出来ない現状、オーキド博士の研究所で待機しているポケモン達を鍛え上げてほしい。

 

 そりゃまぁ、本家のサトシくんよりは多少はコロコロとポケモンを入れ替えはするけどもそれでも限界はある。それこそポケモンリーグに出すポケモンを限定して残りのポケモンを切り捨てる事をすれば一気にレベルアップはするけどもそれだと原作のハヅキのバシャーモみたいに重症で翌日の試合に出られないなんてオチも待ち構えている。持っている全ポケモンを鍛え上げなければならない。

 

『私になにをしろというのだ?』というので「ある程度はお前の采配で構わないからオレのポケモン達を鍛え上げてくれ」と頼んでおいた。

 現状オレのポケモンの中でずば抜けて強い、頭いくつも抜け出てるポケモンはミュウツー、そこから大きく差が出ているが次点にピカチュウ、僅差でリザードンといったところだ。オーキド博士の研究所でオレのポケモン達を纏めてくれるリーダー役をやってくれているミュウツーにしか頼めない、ピカチュウは常に手持ちにキープしておきたいからな

 

『ポケモントレーナーでなくポケモンがポケモンを育成するのか……世も末だな』と呆れるので「オレのトレーナーとしての腕が未熟だからこうなるんだ。悪いな」と謝っておく。オレのトレーナーとしての腕がもう少し優秀ならばポケモン育成に関してあれやこれや指示を出すことが出来る。まだまだ未熟者なんだと改めて実感する。

 

 呼び出しておいてそのままはアレなのでミュウツーを起点にトレーニングに励むと「ライコウ、見ておけよ。アレが俺達が超えなきゃならない壁だ」とオレのトレーニング風景を見物させる。ライコウは余り口にしないがメラメラと闘志を燃やしている……ヤバいな、勝てるかどうかちょっと自信無くす。

 

 ジョウトレポート36(ポケモンコンテスト エンジュ大会)

 

 オレやケンタが色々と必死になってトレーニングしているとあっという間に時間は過ぎて、やってきたぜポケモンコンテスト・エンジュ大会。今回は完全に応援する側なので観客席に座る。ケンタも「隣いいか?」と聞いてくるので良いと頷いておく。

 

 ジョウトリーグ・シロガネ大会に出場するのに必要な条件は既に満たしているらしいがポケモンコンテスト・グランドフェスティバルに出場する条件は満たしているのかと尋ねてみればセレナと同じでまだリボン2つ。今のところは負け無しの快調らしい……セレナも快調だから、こりゃヤベえなと思いつつも一次審査のパフォーマンスが始まる。

 

 エンジュシティは大きな街だけあって参加者がサマガアキタウンの時より倍近くはいる。

 この中から上位8名に残るのは至難の業かもしれないと心配しつつ見知らぬモブのパフォーマンスを見物する……いやぁ、ポケモンコンテストは専門外だけれど中々に面白いな。

 

 そういえばケンタはポケモンコンテストに興味は無いのかと聞いてみると「コンテストとポケモンバトルは異なるからそれ用にポケモンを育成しておかないといけないからパスした」と言っている……やっぱアレかな。コーディネーターとトレーナーの二足の草鞋を両立できる事って地味に凄い事なのかな。オレも興味こそあれどもコーディネーターになろうとは思いはしていない。向いてなさそうだもん。

 

 ケンタとコーディネーターとトレーナーの違いによる育成論について語り合っているとセレナの出番がやってくる。

 セレナはクリスタルのイワークを出した。クリスタルのイワークは見た目だけで充分にインパクトがある。ケンタはクリスタルのイワークを知らなかったのか「マジか……アレ、リージョンフォームかなにかか?」と聞いてくるが知らん。

 

 クリスタルのイワークでなにをするのかと思えば先ずは【ロックカット】でクリスタルのイワークの見た目を際立たせる。

 余計な事はしなくていい、クリスタルのイワークはそれだけのポテンシャルを秘めている。次にクリスタルのイワークは【あなをほる】で地面に潜り、完全に地面の底に着くと一気に飛び出す。

 

 キラキラと輝くクリスタルのイワークが綺麗に一直線上に飛び出す姿はバエる。

 空中を舞うクリスタルのイワークはもう一度【あなをほる】で地面の中に潜り、もう一度一気に飛び出す。コレを何度も何度も、さながらモグラ叩きの様な状態になるのだが、イワークがクリスタルなお陰で煌めいている。キラキラと輝くクリスタルのイワークで審査員達を魅了すると高評価を得た。

 

 セレナの次に出てきたのはマリナだった、マリナのパフォーマンスを見るのはコレがはじめてだと見ているとマリナはムウマージを出した。

 さっきのセレナのパフォーマンスで熱が上がっている状態でのパフォーマンスだからハードル上がっているがそんなプレッシャーは一切感じていないのかムウマージに【おにび】を出させて【おにび】を数珠の如く繋いで★の形にするだけでなく星座の形にしたりして最終的には例えるならばそう、マリオパーティに出てくる炎の縄跳びに変化させてマリナもフィールドに入って仲良く一緒に【おにび】の縄跳びをジャンプしていた。ポケモンと一体となって魅せるパフォーマンスを魅せてくれた……ケンタの入れ知恵かなにかか聞いてみるが「コンテスト関係はなにも言っていない」とアドバイスらしいアドバイスは一切していないらしい。

 

 面白いパフォーマンスをするとジョーイさん達からも好評価を得て、そんなこんなで一次審査が終わった。

 セレナとマリナは当然の如く一次審査を突破している。オレの目に狂いが無かったらだがセレナは他のコーディネーターより頭1つだけ抜き出ている……ただマリナはもっと抜けている。

 

 二次審査のコンテストバトルが開幕するがセレナもマリナも余裕で勝ち抜きあっという間に決勝戦。

 決勝戦はマリナvsセレナとなりセレナはテールナーをマリナはオーダイルを出した……う〜ん、まずいな。ポケモンリーグに出てくるだけあってかマリナのポケモンは全体的にレベルが高い。どうしたものか。

 

 先に技を仕掛けたのはマリナだった。

 マリナはオーダイルに【みずのはどう】を指示すると水で出来た波動弾を作り上げて上空へと打ち上げた。コレはマズい、上には【みずのはどう】前方にはオーダイルと中々の鬼門でオーダイルに【アクアテール】を指示するとオーダイルは高く飛び上がり、上空に飛ばした【みずのはどう】に尻尾をぶつけて、地面に波動弾を叩きつける。

 

 水の波紋が地面に広がると同時に大きな飛沫を撒き散らす。一瞬の出来事故に反応しきれなかったセレナとテールナー。

 パフォーマンスでは互角だがいざポケモンバトルとなると一日の長が出てくる……一応はオレとポケモンバトルの訓練はしているにはしているんだけどな。テールナーは立ち上がるがそこそこ息が乱れている。自分よりレベルが高い【みず】タイプのポケモン相手に【みず】タイプの技をぶつけられたらな……。

 

「アレで倒れないとか中々にやるな」とセレナのテールナーに関心を寄せるケンタ。

 アレはやっぱり必殺の一撃だったのかと思っていると今度はセレナが仕掛ける。【ほのおのうず】でオーダイルを包み込む。「そこで詰みなら詰むぞ」とケンタはボソリと呟くがコレで終わりなわけないだろう。

 手持ちが少ないセレナ。ポケモンはゲットしたいと思ったらゲットするつもりらしく今のところは食指は動いていない……手持ちが少ないセレナのテールナーは色々と出来る。

 

 オーダイルは【アクアテール】で【ほのおのうず】を吹き飛ばすが既にテールナーは準備万端【でんげきは】を放ちオーダイルにダメージを与える。【ソーラービーム】以外にも一応の対策はしてあるんだ。

 予想外の【でんげきは】をくらってオーダイルは怯む。【ほのおのうず】を切り抜けた先に【でんげきは】があった為にそれを乗り越えればゲージを削る事が出来たが【でんげきは】をまともに受けた為にセレナのゲージは減らず、マリナのゲージは減った。

 

 よっしゃとガッツポーズを取っているが「喜ぶにはまだ早いぞ」とケンタは言う。

 まだなにかあるのかと思ったら【みずのはどう】をもう一度打ち上げるので同じ手はくうかとテールナーは【サイケこうせん】を波動弾に撃ち込むと空中に水の波紋が広がり、オーダイルを魅せる。二重の意味でしまったとなるとオーダイルは【アクアジェット】で突っ込んできて、テールナーを撥ねる……テールナーは立ち上がろうとするが、苦痛の表情を浮かびあげて足を地面につけて倒れて目を渦巻いて倒れた。TKOである。

 

 セレナも一矢報いる事に成功したがマリナがそれを上回ったといったところか。

 いやぁ……ポケモンバトルであいつを相手にしないといけないとなるとこりゃ大変な事になった。あいつ、ケンタと一緒に特訓してるから頭幾つも抜き出ている……ヤバいな、うん。

 

 今まで快調で順調にコンテストを勝ち進んできたセレナにストップの敗北が掛かる。

 エンジュ大会をマリナが優勝して幕を引いたんだがセレナが浮かない表情をしており「サトシ……」と段々と悔しさの涙が流れてきたので抱き締めて「次は絶対に勝とうな……それと敵討ちはしないぞ」とだけ言っておく。オレはまだ負けを知らないけどもやっぱり負ける事って悔しいんだろう。オレも何時かは負ける……やだなぁ、負けるの。敗北から得るものは有るのは知っているけど、負けるという怖さを失う事にもなるんだよな。

 

 

 ジョウトレポート37(ヤミカラス バッジ強奪未遂)

 

 ケンタ達は次のポケモンコンテストに向けてチョウジタウン方面に向かった。オレ達はというとアサギシティに向かった。

 今これ日記を書いてて思い出したけど惚れ薬をケンタに盛るのを忘れていた……ケンタの奴、マリナの事をどう思っているのか……謎のままにしておくべきか。ケンタの奴、なんだかんだでマリナの事を好きだと思う……■■見捨てる時は本気で見捨てるから。

 

 それはさておきアサギシティ目指して歩き疲れたので一休みついでにバッジを磨く。

 カントー地方を旅した際にはバッジケースを忘れてしまうミスを犯したが今回はそんなミスを犯さずにバッジケースを持ってきている。サトシくんは服の裏にくっつけていたがオレはバッジケースにバッジを入れる人間なのである。

 

 最近、バッジの手入れが出来ていなかったなと少し汚れていたウィングバッジを磨く。

 セレナは毎日リボンの手入れをしているので汚れていることは無いのだがやっぱり昨日の負けは堪えている。直ぐに気持ちを切り替えろというのは無茶である……励ます為にあえてオレがパフォーマンスをするか。フシギダネの【ソーラービーム】の花火とか使ってないだけで色々と芸は出来るんだぞ。

 

 どうしたものかと考えていると視線が向けられている事に気付く。

 オレがセキエイ大会の優勝者だから狙ってるとかでなくもっと別の物に、具体的に言えばジムバッジを狙っているなと視線が鬱陶しく感じた頃に一匹のポケモンが、ヤミカラスが出てきた。ヤミカラス……カラスと同じ習性を持っているのか。

 

 取り敢えずバッジとリボンは死守しなければと動きを見せると『カァー!』と鳴き声を出し、複数のヤミカラスがバッジとリボンを目当てに襲ってくるのでピカチュウの【10まんボルト】で撃墜。オレの勲章を奪うとはいい度胸だな、この野郎。

 ヤミカラスも電撃に痺れてしまうがそれでもバッジを奪おうとしてくるのでさせるかと死守していたらセレナがテールナーを出して【かえんほうしゃ】をお見舞い。何時もと違いヴァイオレンスだなと思っているとセレナはモンスターボールを投げた。

 

 ヤミカラスにセレナが投げたモンスターボールは当たり、コロンコロンと二度揺れるとカチリと音が鳴った。セレナはヤミカラスをゲットした。

「クヨクヨしても仕方ない。前を見ないといけないから新しくポケモンをゲットしたの」と突然の心境の変化について語ってくれるセレナ。新しいポケモンをゲットするのは良いことだ。既にヨルノズクがいるのでゲットしようという気にはならない……取り敢えず【やみのいし】だけは渡しておいた。ある一定のレベルになれば進化させておいた方がいい……マリナがムウマージでセレナがドンカラスか。

 

 取り敢えず人のバッジやリボンを盗むんじゃねえぞ……フリとかじゃないから、マジで言ってるからな。

 

 ジョウトレポート38(シラユキ山のフリーザー様)

 

 新たに加わったヤミカラスに色々と教えつつも旅を続けているとシラユキ山という山に差し掛かった。

 ジョウト地方一高い場所にあるポケモンセンターで休憩をしているとシラユキ山に伝説のポケモン、フリーザーが出るとの噂を聞いた。ホントにフリーザーなのかどうかは不明だが噂があるって事はそこに何かしらのポケモンが居るわけだ。

 

 ジョーイさんが「猛吹雪のシラユキ山は危険よ!」と止めに入ってくるが聞く耳は持たない。フリーザーが居るのならば1ポケモントレーナーとして挑まなければならない。寒いシラユキ山を歩いていくと猛吹雪が吹き荒れてポケモンの気配を感じ取った。

 

「よっしゃ、ラッキー!」と見上げればそこには羽ばたいているフリーザーを発見する。「こんな場所でバトルをするの!?」とセレナは驚いていたがこんな場所だからこそバトルするんだ。フィールドはフリーザーにとっていい感じの猛吹雪……対するオレが出したポケモンは自慢のエースであるピカチュウだ。

 

 モブトレーナー戦故にそこまでレポートには書いていないがピカチュウは割とバトルで使っている。

 リザードンよりも強いと自負できるぐらいには強く……準とはいえ伝説のポケモンを相手にバトルは出来る筈だ。というか原作でもラティオスとレジアイスを撃ち破っている。ならば、フリーザーを撃ち破るのも夢じゃない。

 

 ピカチュウに【あまごい】を指示して天気を【あめ】状態に切り替える。

 流石に猛吹雪の中だと【ふぶき】必中の即死もありえたからな。天候変化系、こういう時には役立つ。雪山のせいか雨が無駄に冷たい。防寒着を着ていなかったら風邪を引くところだった。

 

 天候を猛吹雪から【あめ】に切り替えると猛吹雪の中で見えなかった視界が良好になると……フリーザーが飛んでいるところが断崖絶壁だった。

 そういえば遭難したりしている人達の前にフリーザーは現れるとかジョーイさん言ってたな。危うく死にかける人を救う為に姿を現しているのか……立派だなと思いつつもフリーザーに【かみなり】を落とす。オレはポケモンバトルしにきたんだ、悪いな。

 

【かみなり】が命中して苦しい顔を浮かび上げるフリーザー。こっちはバトルしに来たので「キャモン!」と挑発をすると乗ってきてくれて【れいとうビーム】を撃ってくるのでピカチュウに回避する様に言うが完全に回避しきれず尻尾に命中して尻尾が凍り付く。

 ただの【れいとうビーム】でピカチュウを氷付けにする。流石は準伝説のポケモン……こうでないとここまでやってきた甲斐がない。ピカチュウに【アイアンテール】を指示し、尻尾を硬質化させて氷を砕き勢いをつけてフリーザーに叩きつけるとフリーザーは苦しそうにする。

 

 今のコンボで並大抵のポケモンならば倒しているのにコレでもまだ倒れていないのは流石の準伝説というべきか。

 久し振りに破り合いがあるポケモンを前に笑みを浮かびあげていると「サトシ、楽しむのもいいけどもう少し周りを見てね」とセレナに注意をされる。断崖絶壁な事を忘れそうになるな。

 

【あまごい】の効果が切れるまではオレのターンだと【かみなり】を連打でいく。フリーザーは避けようとするが【あめ】状態で【かみなり】を回避する事は出来ずに直撃する。【かみなり】ゲーになっているのは少し気になるが着実にフリーザーに王手を掛けていると思ったが仕留めきれず【あめ】が止んで元の天候に戻る。

 

 ここからが勝負、もう1回【あまごい】を使うか考えているとフリーザーは【バブルこうせん】を撃ってくるので【ボルテッカー】で勝負を決めに行く。電撃を身に纏い突撃するピカチュウ。フリーザーに命中するとフリーザーは倒れたまま立ち上がろうとしない。

 よっしゃとガッツポーズを取る。オレの実力で現時点で準伝説のポケモンを倒す事が出来るまでに至っている。順調にレベルが上がっている。

 

 フリーザーをぶっ倒す事が出来たので大きく喜ぶとフリーザーに【ラムのみ】と【オボンのみ】食べさせる。セレナは「ケンタに対抗してゲットしないの?」と聞いてくるので「フリーザーは別にいい」……ケンタのエースはバクフーンでライコウを持っているのならば圧倒的なまでにフリーザーじゃ勝てない……うん。下山して今、このレポートを書いているけどもやっぱフリーザーはいいや。




サトシくんに倒されたりレイドバトルになったりフリーザーの強さはいったいどうなってるのやら。


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ドスコイ ポケモン相撲

 ジョウトレポート39(千秋楽 ポケモン大相撲)

 

 リキシータウンという街にやってきたのだがやたらとゴツい見た目のポケモンが多かった。

 こんなにゴツい見た目のポケモン達が居るという事はなにかあるのかと思っていると地響きが鳴り響く。なんの音だと地響きの発生源に向かうとそこにはオーダイルが居て四股を踏んでいた。

 

 オーダイルが四股を踏むだけで地響きが起きるものなのかと思っているとオーダイルはニドキングとぶつかり合う。

 ポケモンバトルかと思ったが技らしい技を使っておらず突っ張りや小手投げ等の相撲みたいな事をしていた、というかポケモン相撲だった。なんかやたらとゴツい見た目のポケモンが多いなと思っていると今日はポケモン相撲の大会らしく体重80kg以上のポケモンなら誰でも参加できる大会だ。

 

 オーダイルのトレーナーことライデンさんは「良かったら君も挑戦してみないか?」と誘ってくれる。ライデンさん、元はジョウトリーグを目指していたけどもポケモン相撲の魅力に惹かれてポケモン相撲の道に、ショーノスケ親方の弟子入りをしたらしい。

 飛び入り参加も有りらしいので早速参加する事になるのだがここで誰を参加させるか決めなければならない。オレの持っているポケモンで80kg越えなのはドサイドン、カビゴン、ケンタロス、リザードン。

 

 勝ち負けは特に気にしなくていいお祭りみたいなものなので誰にするか悩む。取り敢えずリザフィックバレーで特訓しているリザードンをこんなところに呼び出すのはアレなのでリザードンは無し。四足歩行のポケモンはNGらしいのでケンタロスも自動的に除外。

 そうなると残りの2体になる。1番重いカビゴンか、パワーファイターのドサイドンかと考えていると『私を出場させろ』とミュウツーが自ら志願してくる。

 

 確かにミュウツーも80kg越えてるけども、これポケモンの技禁止の相撲大会なんだぞ。その辺りの事分かってるのか?と聞けば『私が新たなる力を使いこなすにはうってつけの場所だ』と近距離戦闘の特訓と見ている。今回は完全にお祭り騒ぎで勝った負けたを気にしなくていいから他のポケモンと思ったがミュウツーが志願してるし仕方ないとミュウツーを出すことにした。

 

 超能力とか技禁止の場合、ミュウツーがどれだけ動けるのか。地味に気になるところだ。

 見たことない珍しいポケモンを持っているわねと大会運営に携わるジョーイさんは言ってくる……ミュウのまつ毛から作られた人造ポケモンなんて口が裂けても言えない。ミュウツーの存在は言っちゃいけない……その癖して最新のポケモン図鑑に載っている……ポケモン世界の闇を垣間見る。

 

 体重測定も無事に終えたので試合が来るまで待つ

 今回は何時もの様なインチキ染みた超能力は使えない純粋なパワーとテクニックのぶつかり合いだ。見た目がゴツいポケモンが割と多いのでどちらかといえば大柄だけど細身なミュウツーで勝てるかどうか心配になってきた。今更ながらカビゴン辺りを出せば良かったかもと後悔する。

 

『安心しろ。私は負けん』と自信満々のミュウツー。

 そんなこんなと時間は進み、ポケモン相撲が開幕する。ライデンさんのオーダイルは1回戦にゴローニャと当たる。図鑑を開いてゴローニャの体重を確認するがかなり重い。勝てるのかと心配したが決着は割とあっさりとついた。オーダイルの張り手一発で土俵の外に飛ばされた……このオーダイル、マリナのオーダイルぐらいに強いんじゃないだろうか。

 

 オーダイルの強さに感服しているとオレ達の出番が来る。

 相手はニョロボン、体格の上ではミュウツーがやや有利でミュウツーは腕を大きく引いて強烈な突き押しを決めて土俵の外に追い出す。技が使う事が出来ない大会だから色々と心配だったがコレだったらイケる。

 

 1回戦は着実と進み、続いて2回戦というか準決勝。相手はカイリキー……二足歩行のポケモンで手が3本以上有るのってオレはズルいと思う。

「はっけよい」の合図と共に動きだすミュウツー。先手は取れたが突き押しを決めれなかった。伊達に今日の為に鍛え上げていない。右から来る突き押しをおっつけで上手い事いなした。一発で決めれると思っていたので予想外だった。

 

 ミュウツーは直ぐに左手で突き押しをしようとするが突き押しをカイリキーは上手い具合に避けてミュウツーの左手を脇に挟み込む。

 コレはまずいと思っているとミュウツーに蹴手繰りを入れてカイリキーはミュウツーをひっくり返した……つまり、ミュウツーは負けてしまった。

 

 超能力とか技を全て禁止にしているのでミュウツーの本来の力の1割も出すことは出来ていなかったな。

 ミュウツー自身も勝てると思っていた節があったので負けてしまった事にポカンとなっている。そりゃそうだ。オレもミュウツーなら勝てるだろうとたかを括ってたらこの結果だ。

 

『フフフ……面白い、こんな世界が人間の世界にはあるとはな』とミュウツーは笑う。お前、負けてんじゃねえか……が、コレはコレで良い経験になった。ミュウツーは万能で伝説相手にもガンガンやり合うことが出来るポケモンだが負ける時は負ける、ミュウツーが居れば絶対に勝つことが出来るなんて保証は何処にも無い、無くなった。

 

『サトシ、私と勝負しろ』とライデンさんとオーダイルが優勝して終わった後にミュウツーはオレに戦いを挑んでくる。超能力とか使ってくるのかと思ったが肉弾戦メインにしている。負けたこと、意外と悔しかったんだろう……まぁ、だからといって手を抜くつもりは無いけれど。超能力とか使わない時点でオレに勝てると思うなよ。前回ボコボコにした時よりも圧勝だった。

 

 

 ジョウトレポート40(考えるんじゃない、感じるんだ)

 

 前回の負けはいい経験だったなと山道を歩いているとピカチュウが急に元気を無くした。

 なんで急にと思いつつもツボ老人から貰った薬を飲ませてみたものの、ピカチュウは元気が出ない。何故に?とセレナと一緒にピカチュウが元気を無くした理由を調べていると1人の爺さんが現れてピカチュウに話しかける。「ピカピカ」とピカチュウの鳴き声で話し掛けている。

 

 何やってんだこの爺さんと思っているとピカチュウは体内に溜め込んでいる電気を消耗して疲れているらしい。

 ポケモンバトルとかやってないのになんで電気が無くなっているんだ?いやまぁ、そもそもで電気って溜め込む事は出来ても保存出来る物じゃないとか聞いたことあるけども。

 

 とにかくピカチュウは電気切れを起こしているので電気を補充すれば良いのだが生憎の山の中で電気を補充なんて出来ない……と思っていると昔懐かしいかどうかは不明だが自転車による自家発電装置がある場所に爺さんは連れて行ってくれる。コレをめいいっぱい漕いでピカチュウに電気を補充するんじゃと言ってくるのでマサラ人の足腰の力を見せつけてやろうじゃないか。

 

 フルスロットルで自転車を漕いで自家発電をしているとジュンサーさんが現れる。

 なんでもこの辺でポケモンと会話をする事が出来ると言ってお金を騙し取っている人が居るという……おまわりさん、多分この爺さんです。ピカチュウ相手にピカピカと会話をしていたがありゃフェイクだった。

 

 どうもこの辺りは特殊な磁場が影響しているのか電気系のポケモンから電気を吸い取ってしまうらしい……成程と点と点が繋がった。

 やっぱりコイツが犯人ですと突き出しておいた。「違う!ワシは本当にポケモンと会話が出来るんじゃ」と言っているのでヘラクロスとフシギダネを出してヘラクロスと会話させるが案の定ヘラクロスの意思が分かっていなかった。ヘラクロスはフシギダネの蜜を吸いたかったそうで例によってフシギダネに吸うんじゃねえと【ソーラービーム】を撃たれて吹き飛ばされる。

 

「どうしてポケモンと話せるなんて嘘をついたの?」とセレナは疑問を投げかけると爺さんはその昔、山で遭難してポケモン達に助けられたらしくその際にポケモン達と会話が出来ていたらしい。昔の思い出に浸るのは良いけども、今は出来ないと言うか詐欺まがいの行為をしているんじゃねえ。

 

「サトシも私もなんとなくでポケモンの言っている事は理解できますけど、詐欺はダメです」とセレナが説教しているとレアコイル、エレブー、マルマインと暴走している電気系のポケモンがやってきた。

 こんな時にと思っていると爺さんが「この場所から立ち去るんだ!そうすればお前達を蝕む痛みから解放される!」と普通に人間の言葉で暴走しているエレブー達を説得して、山から下ろした。

 

 ポケモンの言っている事は分からなくてもポケモンと通じ分かり合う事は出来るんだ。

 ジュンサーさんに爺さんは逮捕されたけどもポケモン達と会話をする事が出来たのでそれで良し……詐欺行為、ダメ、絶対。ポケモンと対話したいならばポケモンが人間の言語を覚えた方が効率良いと思うんだ。探せばそれなりに人間の言葉を喋るポケモン居るから。ニャースを筆頭にそれなりにいるからな。大体伝説か幻のポケモンだけども。

 

 

 ジョウトレポート41(スーパースターも辛いよ)

 

 大きな街にやってきた。取り敢えずはポケモンセンターに向かおうとしていると若い男の人が「急にすまない。この子を頼む」とリュックを渡された。チャカとか真っ白い粉とかを押し付けられたらどうしようかと悩んでいると黒いスーツにサングラスの量産型の黒服が男を追い掛けてきたのでオレにリュックを託して逃げ去った。

 

 人に面倒な事を押し付けんじゃねえよ。

 取り敢えずはなにを託されたのか、場合によっては警察に届けないといけないので中身を確認するとムチュールだった……何故にムチュールオレに託したんだと困り果てているとセレナが「思い出した!」とリュックを託してきた人について思い出す。

 

 ブラッド・キタオ、スーパースターと言えるほどの大人気の俳優らしい。

 そんな俳優がどうしてムチュールをオレに託すのかとあんま使いたくないけども原作知識を引っ張り出し、ムチュールを託した理由を知る。

 ブラッド・キタオの相棒であるムチュールだがブラッド・キタオのイメージにそぐわないのでキタオから引き剥がそうとしていた。リザードンとかヘルガーとかのクールとかワイルドとかイケメン系のポケモンがイメージに似合う。

 

 事件を解決しに行くかとこの近くの撮影スタジオに向かうとブラッド・キタオのファンが沢山いた。

 スーパースターも大変だと思っているとムチュールが飛び出して浮かない顔のブラッド・キタオに向かって飛んでいくと「ムチュール!」とブラッド・キタオはムチュールを抱きしめる。

 

 恐らくは事務所の人間と思わしき人達が「ブラッド・キタオのイメージが」とorzの体勢になっていたのだが意外とブラッド・キタオとムチュールがギャップ萌えで似合っているとファンの間でバズる……世の中、なにがヒットするか分かったもんじゃないな。

 取り敢えず人に厄介事を押し付けんじゃねえよと文句を言いつつもサインを貰った……ムチュールを押し付けた件は申し訳無さそうにしていた。スーパースターとイメージに合うポケモンを持っているとか俳優業も大変だと思う。でも自分の容姿とか雰囲気とかを売り物にしているのだからある程度はイメージに合ったポケモンを持っておかないとダメだと思う。

 

 試しにヘルガーを並べて写真を撮ってみると思ったよりもいい絵になったよ。

 

 ジョウトレポート42(あれ絶対叶姉妹を元ネタにしてるよ)

 

 巨大な飛行船が空中を飛んでいて離陸しているのが見えた。

 この近くに飛行場があるのかと野次馬根性を丸出しにして向かうと思ったよりも大きな飛行場があった。飛行機は何度か乗る機会があるが飛行船は中々に無い。

 

 珍しい物が見れたなと思っていると「お客様の中でポケモンのお医者様はいらっしゃいませんか!」とドラマとかでよくあるシーンがあった。ポケモンの医者じゃないけどポケモンの病気を治す薬なら持っていると言えば患者の元に……エルとリサというゴージャスなどっかで見たことのある姉妹のポケモン、普通の緑色のカクレオンと紫色のカクレオンが体調不良になっていたのでツボ老人の薬を飲ませると治った。

 

 流石はツボ老人の薬、頼りになるぜ。

 お礼と言ってはなんだけどもアサギシティ付近まで飛行船で乗せてってくれた。

 

 

 ジョウトレポート43(アサギジム 輝ける灯台)

 

 飛行船で一気に跨いだ事により割と早くにアサギシティに辿り着いた……けどまぁ、コレからが問題なんだよな。

 ゲームだとアサギジムは閉鎖中でアサギジムに挑むにはタンバシティで【ひでんのくすり】を貰いアサギシティの灯台を灯しているデンリュウのアカリちゃんに飲ませてからじゃないとジム戦に挑めない。

 

 こりゃあ一歩停滞するなと思いつつも一応はジムに挑戦しに行くと……普通にジムリーダーのミカンがいて「挑戦者ですね」と挑戦を引き受けてくれた。スムーズに話が進んでくれる事はありがたいけどもスムーズ過ぎるのでチラリと尋ねてみるとケンタの奴がジョウトでジム巡りをしていた際に【ひでんのくすり】を購入しており、病気になる前にミカンに渡しており病気になって直ぐに【ひでんのくすり】を飲ませたらしい。グッジョブ、ケンタ。たまには良いことをしてくれるじゃねえか。

 

 あっさりとジム戦をする事が出来たのは少しだけ拍子抜けだったが、ジム戦が出来る事に越したことはない。

 さぁ、ジム戦だと何時もの土のバトルフィールドでバトル、アサギジムはシングルバトルで使用ポケモンは2体、交代はチャレンジャーのみ可能のバトルだ。

 

 ミカンが一体目に出してきたのはレアコイル。

 事前の情報通りではないが、多少の誤差なので気にせずにオーキド博士の研究所から送ってもらったドサイドンを出す。【はがね】がエキスパートだが【でんき】タイプである事には変わりない。

 

 レアコイルはバトル開始と同時に【でんじふゆう】を使う。【じめん】タイプの技対策はバッチリか。

 しかしそれでもまだこちらに分があると【アームハンマー】で叩くがレアコイルはコレを耐え抜いた。オレのドサイドン、結構レベルが高いのに今の一撃を耐えるとかやるなと思ったがよくよく考えればレアコイルの特性は【がんじょう】だった。

 

 必ず一撃を耐える事が出来るからかミカンは慌てずに【ラスターカノン】を撃ってくる。

【じめん】タイプを持っているポケモンは【いわ】タイプも複合しているパターンが多いので対策として覚えさせていた様だが残念だな。オレのドサイドンの特性は【ハードロック】だ。【ラスターカノン】を耐え抜いてもう一度【アームハンマー】を叩き込むとレアコイルは戦闘不能になる。

 

 ドサイドンを呼んでおいて正解だったな、他のポケモンだと苦戦していた可能性が高い。

【ラスターカノン】が真正面から直撃したドサイドンだが普通に耐え抜いている。まだまだバトルが出来る余裕を見せている。ミカンの二体目はハガネール、さっきのレアコイルよりも一段と強さを感じ取る事が出来る。

 

 取り敢えず開幕ぶっぱの【じしん】で行けばあっさりと【じしん】で相殺される。

 やっぱり【じしん】を使える相手に【じしん】で攻撃しても無駄かと【アームハンマー】を叩き込むが流石はハガネールと言ったところか。レアコイルは特性で耐えたがハガネールは素の防御力で【アームハンマー】を耐え抜いた。

 

 完全に【アームハンマー】を受け切ったハガネールは【アイアンテール】を撃ち込んだ。

【ラスターカノン】に続いて【アイアンテール】まで来るが流石は【ハードロック】耐え抜いてみせた。ただもう一発くらうのはマズいのでドサイドンをボールに戻しヘルガーを出す。

 

 硬いハガネールを真正面から殴ったって勝ち目は薄い。

 ヘルガーに【かえんほうしゃ】を指示して強烈な炎を浴びせるがハガネールは耐える。そして【じしん】を撃ってきてヘルガーは地震の衝撃波に吹き飛ばされるが空中で体制を立て直して【かえんほうしゃ】を続けて浴びせる。

 

 コレはいけると思っていると【すなあらし】を使ってきた。【すなあらし】の砂が邪魔して【かえんほうしゃ】が上手く当たらない。砂のガードが出来ている。さて、コレはどうやって突破しようかとなるがわざわざ突破しようとしなくても良いやと【わるだくみ】を使って徹底的に特攻を上げつつハガネールの攻撃を回避。

 

【すなあらし】が解ける僅かの隙間を狙って【かえんほうしゃ】を撃ち込むとハガネールは倒れた。ハガネール、中々に強かった。

 恐らくだが砂嵐を纏ったハガネールを真正面から破る事は出来なかったな。ホントに【わるだくみ】で積んで【すなあらし】状態が解除されて新たに【すなあらし】状態になる僅かな隙を突けて良かった。スチールバッジ、ゲットだぜ。



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リアルファイトは格闘ポケモンと共に

 

 ジョウトレポート43(格闘バトル タンバジム)

 

 連絡船に乗ってやってきたぜタンバシティ。

 ポケモンセンターでポケモン達のコンディションを確認した後にタンバジムへと向かおうとするとゴーリキー相手にリアルファイトを挑んでいる格闘家のおっさんを発見する。ポケモンを相手にバトルとは中々に無茶な事をしていると思っていると視線が合った。「君は見たところポケモントレーナーだが」と聞いてくるのでタンバジム戦に来たことを伝えるとおっさんは「ついてこい!」と走り出す。

 

 おっさんが何者なのかを知っているのでコレは着いていかないといけないと走るおっさんについていき辿り着いたのは格闘道場、否タンバジム。

 ゴーリキーとリアルファイトを繰り広げていたおっさんはタンバジムのジムリーダーであるシジマさんだ。「昼時だ、一緒に飯を食わんか?」とシジマさんの門下生達と共にシジマさんの奥さんが作ったトレーニングしている人に最適なご飯をご馳走になった。ママさんともセレナともまた違った味付けで美味かった。

 

 食事を終えたら食後の運動だとジム戦を行う。今回はヨルノズク1体だけで勝利する事が出来た。やっぱ空飛べるポケモンが居るって便利だわ。

 真正面から堂々と弱点をついての勝利に感服な様子でコレで終わりだなと思っていると「時にサトシくん、君はかなり体を鍛えているようだが武術か格闘技かなにかやってるのか?」と聞いてくるので「鍛えてはいるけれども、特になにか武術を習ったり覚えたりはしていない」オレのバトルスタイルは我流な事を教えておく……二重の極みとかの漫画に出てくる技がカッコいいからやってたりするけども。

 

「ワシと一手願えるか」と勝負を挑んでくる。ENTEI以降暴れる事が出来ていない、ポケモンを鍛えている横で自らの自己鍛錬は怠っていない。

 久しぶりの人間バトルと書いてリアルファイトと読むバトルをすることになる。オレが勝ったらとっておきをご馳走してくれると言っていたので頑張ろうとポケモン達をセレナに預ける。

 

 格闘道場なのはこういう時に便利だ。戦える場所だとシジマさんと向かい合い、勝負を開始する。

 一本だけの勝負、燃えて来るぞと高速の突きを放つがシジマさんはそれに反応して突きを逸らす。並大抵のポケモンなら今の一撃でやられていたが流石はジムリーダーだ。ポケモンと共に鍛え上げた筋肉は伊達じゃないな。

 

 突きを上手く逸らすとシジマさんはショルダータックルをかましてくる。

 突き飛ばされたが空中で体制を立て直して綺麗に受け身を取ると直ぐに攻めに入る。シバ以来の骨のある相手なので燃える。取り敢えずは史上最強の弟子でお馴染みの山突きをくらわせるとシジマさんは顔に飛んできた拳を防ぐ事は出来たがお腹に向けて打った拳を防ぎ切る事は出来なかった。山突き地味に強いなと思いつつもそのままダメージをくらっているシジマさんの頭を掴んで飛びヒザ蹴りをくらわせる。

 

 山突きからの飛びヒザ蹴りでダメージはあったのか頭がぐわんぐわんしているシジマさん。

 怯んでいる今がチャンスだと小さく前倣えをして柔道の重心移動、中国拳法、空手、ムエタイの突きを合わせたケンイチの必殺技である無拍子を叩き込もうとするが無拍子を片手で受け止める……が流石は無拍子、シジマさんの腕はプルプルと震えて麻痺している。

 

 ここらで試合を止めにしませんか?という提案はしない。シジマさんに対して色々と失礼な事なので止めにはしない。

 ちゃんと一本取って勝たなければならないと蹴りを受け止めて足を掴みグルリグルリとジャイアントスイング。充分に回したので上空に放り投げるとビッグベンエッジの体勢に入り、見事にビッグベンエッジを決めてシジマさんから一本取った。中々の強敵だったがオレの方がまだまだ上手である。ショックバッジを貰い「ワシに勝ったご褒美だ!ワシの力の源だ、たんと食え!」とゴツい格闘家には似合わない綺麗なティーセットに綺麗な洋菓子を並べられた。コレは良いものをもらったな。シジマさんとティーパーティーを開き、ついでに夕飯も頂いた。

 

 ジョウトレポート44(うずまき列島 銀岩島)

 

 ショックバッジをゲットしたのでさっさとアサギシティに戻る……と思うじゃん。

 セレナのコンテストリボン集めをしなければならないので進路は少しだけズラしてうずまき列島と呼ばれる列島にやって来る。うずまき列島の銀岩島でポケモンコンテストが行われる様だ。

 赤岩島ではうずまきカップという水ポケモン限定のポケモンバトルの大会が開催されている……銀岩島のポケモンコンテストまで少しだけ間があるので正直言えば出場したかったのだが、水ポケモン限定となるとキングドラしか居なくて更には2体以上ゲットしておかないといけない。

 

 オレは現在水ポケモン、キングドラしか持っていない……コレって地味に由々しき事態だ。ジョウトに来てからゲットしたのはヘルガー、ヨルノズク、ヘラクロスの3体……いやまぁ、ポケモンを多くゲットしていても平等に育成できるかどうかは話が別で、ゲットと育成下手なオレには案外丁度いいのかもしれない。

 

 うずまき列島の連絡船に乗っていると海中に大きな鳥ポケモンの影が写る……ルギアですね。

 一回会ったことがあるから分かる。ルギアだなぁと思いつつ原作知識を引っ張り出す。うずまき列島にはルギアがいる。そのルギアをロケット団が狙っているのでそいつ等を撃退しないといけない……めんどくさいが、コレも主人公の役目だ。

 

 銀岩島に辿り着くと早速というべきかキャッチセールスに引っかかる。

 うずまき列島の守り神であるルギアの【ぎんいろのはね】だと言ってくるがどうにも怪しいというか胡散臭い。本物の虹色の羽根を見たことあるからコレは偽物だから買わないでおこうとすると「買えっつってんだろ!ナメてんじゃねえぞクソガキが!」と脅してくるのでおまわりさんコイツですと恐喝罪、ついでに銀色の羽根と称して売っていた羽根は偽物だったので商標詐欺罪とか色々と容疑がかかった……島に上陸してから1時間も経たない間にこうなるとは、コナンくん程とは言わないが死神的な存在でもオレには付いているのだろうか。

 

 

 ジョウトレポート45(困ったら暴力一択に限る)

 

 オキ島という島にやってきた。ここには幻のポケモンが居るそうなのでそいつを見に来たんだとセレナに誤魔化しと言う名の適当な言い訳をしているとギザミミなピカチュウに出会う。何処かで見たことあるピカチュウだなと思っているとオレのピカチュウはギザミミピカチュウに嬉しそうに近付き会話をする。するとギザミミのピカチュウのトレーナーである2Pカラーもといヒロシと再会を果たす。セキエイ大会以来の再会であり向こうもオレの事を覚えていた様なので「久しぶりだな」と軽く挨拶を交わしてどうしてオキ島に来たのか尋ねるとヒロシも幻のポケモン目当てだった

 

 まぁ、原作知識で知っているからね、ね。

 取り敢えず幻のポケモンについてなにか情報は無いのかと島の人に尋ねてみる。島民の子供は「し、知らない!」と明らかな動揺を見せてくる。知ってるんだろう……あぁ、めんどくさい。

 

 ヒロシは知らないと言っていた子はなにか隠しているとコッソリと後を着けると島民の子供は子ルギアと一緒にいた。

 今、これ書いてて思ったんだけどもポケモンに親子関係ってあるものなのだろうか。いや、ガルーラとかはあるけども……その辺、謎である。

 幻のポケモンを見つけることが出来たので満足した。ヒロシやオレに絶対に子ルギアの事は言わないでくれと頼む……わざわざ争いの火種になる様な事はしないって(多分)

 

 取り敢えず目当ての物は見つかったのでオーキド博士の研究所から送ってもらったミュウツーをボールから出して、超能力でセレナを含めて3人纏めてマインドコントロール。子ルギアとともに楽しい時間を過ごした偽りの記憶を差し込んでもらう。『奴等め、島の守り神に手を出すとはいい度胸だな』とミュウツーは子ルギアを撮影している隠しカメラを見つけて破壊する。

 

「毎回こういう厄介な事に付き合わせて悪いな」と一言だけ謝っておくと『気にするな。私が力の限り暴れる事が出来る時というのは荒事しか無い』と普通のバトルはそこまで期待していない感じの発言をする……ミュウツー、強すぎるから出すに出せないんだ。いや、ホントにすまん。

 カメラが壊された事によりモブのよく見るロケット団の団員が出動してきたので軽く当て身で気絶させた後にマインドコントロール。ロケット団の秘密基地にまで連れて行けやと連れて行かせるとロケット団の秘密基地は海の中にあった。

 

 またややこしいところに作りやがってと思いつつもマインドコントロールされていないロケット団達をピカチュウの【10まんボルト】で撃退。

 ミュウツーも思う存分に暴れまわり【サイコキネシス】やら【シャドーボール】やら撃ちまくり研究機材を破壊。ギンバ博士とかいう人が「貴様はミュウツー、生きていたのか!?」と驚いていた……ミュウツー、ロケット団の記憶を消し忘れてたっぽいのでキンバ博士の記憶を消去。

 

 ロケット団を締め上げ終えたのでジュンサーさんに通報、おまわりさんこいつです

 カンバ博士諸共警察に逮捕されたのでめでたしめでたしとセレナの元に戻り、マインドコントロールを解除。ヒロシもセレナも記憶が曖昧だったので親のルギアが色々とやったと適当に罪を擦り付けておいた。取り敢えず2度目になるな、ルギアに出会うのと図鑑にルギアと出会った記録を残してオキ島を去った。

 

 ジョウトレポート46(ポケモンコンテスト 銀岩大会)

 

 無事に厄介事を片付ける事が出来たのでポケモンコンテストにステージは移る。前回、マリナに負けてしまったからスランプ的な状態に陥っていないか心配だがセレナは割と前向きでいる。コレが変な事の前触れじゃない事を祈っていると余計な事は特に起きなかった。

 

 一次審査、新たに捕まえたヤミカラスを出した。【くろいきり】でステージを包み込むと【エアカッター】で煙を切り裂いた。ヤミカラスの黒とか闇のイメージにピッタシで上手い具合にハマっている。更には【フェザーダンス】を使って霧の中で舞い踊ると霧は不気味な動きをしたが段々と晴れていきヤミカラスはダークな感じを残しつつ目立っていた。

 

 一次審査は無事に通過して二次審査もあっという間に勝ち進んで銀岩大会を制覇して銀岩リボンを手に入れた。

 コレでセレナの残るリボンは2つ、オレも残るジムバッジは2つ。どちらも順調に旅が進んでいるいい証拠だ……コレからも順調に行こう。

 

 ジョウトレポート47(オーキド博士の研究所の荒れた生態系)

 

 7つ目のジムは当然、チョウジタウンだと来た道を戻っていると巨大な牛乳瓶がコロコロと転がってきた。

 突然の事だがそこはマサラ人のフィジカルだと牛乳瓶を受け止めるとトラックがやってきて「いや〜すまんすまん」と輸送中のミルタンクの美味しいモーモーミルクを落としてしまった事を詫びる。オレじゃ無かったら怪我をしていたぞ。

 

 お詫びと言ってはなんだがエンジュシティ付近に行く飛行船に乗せてもらう事に。こりゃラッキーだと思っているとオーキド博士から連絡が入ってきてフシギダネを貸してほしいとの事。草ポケモン同士が縄張り争いしたり、水ポケモンと草ポケモンが水辺の奪い合いをしたりと色々と厄介な事になっている。

 

 遂に来てしまったか、この日が。

 いやまぁ、別にオーキド博士の研究所にフシギダネを預けてもいいけどよ……オーキド博士、あんた曲がりなりにもポケモンを庭園で放し飼い状態にしているんだから、こう、生態系はしっかりとしておかないと。

 ミュウツーの奴は基本的には縄張り争いとか生態系に関しては口出ししない。というかアイツが口出しすると生態系の頂点がミュウツーになってしまう。ミュウツーが暴走するとオレじゃないと止めれないんだよなこんちくしょう。

 

 取り敢えずオーキド博士の研究所にフシギダネを送ると早速フシギダネは仕事をしてくれた。

 話し合いに応じない奴には問答無用で【ソーラービーム】をぶっ放す結構ヴァイオレンスな事をしているらしいが上手い具合に生態系の頂点の座を獲得してリーダーシップを発揮してくれていた。しかしフシギダネが居なくなると縄張り争い云々してしまうって冷静に考えればオーキド博士の研究所の生態系って荒れてるよな。まぁ、フシギダネは必要になったら呼び出すけども。

 

 

 ジョウトレポート48(セレビィ 時を超えた出会い)

 

 前に飛行船を止めてもらったところとは少し異なる場所だったので船を経由してちょっと歩いてエンジュシティに向かわないとならない。

 まぁ、エンジュシティ付近だから1,2日あればどうにか辿り着くと思っているとポケモンバトルを挑んでくるトレーナーが居たので瞬殺しておき、船に乗ってエンジュシティを目指しているとハテノの森に辿り着く。

 

 この森を超えてちょっとすればエンジュシティだと森の中に入ろうとすると森の声がした。というか森から変な気配を感じ取った。

 ハテノの森に在住のミクさんが「森の声が聞こえるわ」と言い出し、一緒に森の中を探索していると1人の何処かで見たことのある眉毛の少年が倒れていた……名前はユキナリ……オーキド博士の若い頃ですね、はい。

 

 コレはなんだったけと原作知識を引っ張り出しているとユキナリを見たミクさんの祖母であるトワさんが「貴方はあの時の!」とスケッチブックを手にユキナリの元に向かう。ユキナリは「あのポケモンは何処にいるの?」とここに来る直前まで抱き抱えていたセレビィの事を心配し、セレビィを見つけ出すのだがセレビィは木の根っこを操ってオレ達を拒む。

 

 ユキナリが助ける前に酷い目に合わされていたらしいのでセレビィは人間の事を警戒しているらしいがそんな事は知ったことじゃない。

【オボンのみ】を取り出してセレビィの元に届けるとセレビィは疑心暗鬼になりつつも【オボンのみ】を口にしてくれて体力の回復に成功してオレ達が敵じゃない事を理解してくれた。

 

 元気になったセレビィ。こういう言い方はアレかも知れないけれどもとっとと時渡りしてオーキド博士連れて帰ってくんねえかなと思っているとセレビィやハテノの森の奥地に案内をしてくれる。

 こんな森の奥になにが眠っているのだろうと思っていると湖や池と呼ぶには水底が浅いが清らかと呼ぶに相応しい湖があった。セレビィは水の中に浸かって極楽極楽と体力を回復していく。

 

 順調に原作処理が出来ているなと思っているとハッサムとニューラが現れ、セレビィを悪意を持って攻撃しようとしていた。

 ポケモンハンターというかロケット団の最高幹部であるビシャスが放った刺客でオレはヘルガーを出すとオーキド博士もといユキナリは昔のモンスターボールを取り出して中からリザードを出した。昔のモンスターボールって水筒みたいな見た目だな。

 

 ポケモンバトルの方はあっさりと終わった。

 中々に素早いハッサムだったがオレのハッサムより技のキレが弱くてあっさりと受け流す事が出来たので【かえんほうしゃ】で一撃で沈めた。ユキナリの方は苦戦していたので「ニューラの動きを封じれば攻撃は当たる筈だ」とフォローすると【ほのおのうず】でニューラを囲み動きを制限すると【かえんほうしゃ】でニューラを倒した。

 

 現地の虫ポケモンことキャタピーに【いとをはく】でグルグル巻きにして身動きを取れない様にした。

 コレで2体の動きは封じた……恐らくは様子を見にビシャスはやってくるのだろうと思っていると案の定、ビシャスは空飛ぶSFチックな乗り物に乗って様子を見に来た。

 

 2体が捕まっていたのを見てバンギラスを出して来たのでヘルガーを戻してヘラクロスを出して【かわらわり】を叩き込むが流石はバンギラス、滅茶苦茶硬い。

 真正面から【かわらわり】を受けたのにピンピンしている、流石は600族だと思いつつもセレビィに注意を向ける。ビシャスの狙いはセレビィでセレビィをポケモンを凶暴化させるダークボールでゲットする事だ。セレビィが捕まると色々と厄介な事になるとビシャスに警戒心を剥き出しにしているとビシャスはダークボールを空中を飛んでいるセレビィ向けて投げるのでその辺に落ちていた石を投げてダークボールの軌道を変えてダークボールでセレビィをゲットさせない。

 

「邪魔をするな、小僧が!」とオレに対してリアルファイトを挑んでくるので山突き、ヒザ蹴り、肘打ち、凶器攻撃、地獄突き、無拍子のコンボを決めてノックアウト。

 マサラ人に対してリアルファイトで挑むというのは愚の骨頂である。取り敢えず持っているモンスターボール及びダークボールを握り潰す。ダークボールに洗脳効果があった様でバンギラスは自分はなにをしていたんだと我に帰る。

 

 ビシャスもぶっ倒して一件落着かと思ったが森が荒れて湖が汚れてしまった。

 幻のポケモンを巡って悪事なんて働くものじゃない。穢れた湖を見てどうしようかと悩んでいると何処からともなく北風が吹き荒れるとそこにはスイクンがいた。一連の光景を目にしていた様でスイクンは湖の上を跳ねて水上に波紋を広げていると汚れてしまった湖は綺麗になった。準伝説のパワーは凄いなと見つめているとスイクンはオレをジッと見つめてくる。普通ならば北風と共に去っていくのだが、なんか用でもあるのだろうかと思っているとスイクンは【バブルこうせん】を撃ってきたのでピカチュウにカウンターシールドの【10まんボルト】で相殺すると北風が吹き荒れて気付けばスイクンは居なくなっていた。

 

 ホントにあいつなにをしていたんだと思っているとセレビィが時渡りの準備が出来たことを告げる。

 短い間だったがユキナリと出会えて良かったと握手を交わす。コレが後にオーキド博士になるとは時の流れというのは残酷である。セレビィとユキナリは手を繋ぐと眩い光に包まれて消え去った……のだが、セレビィが消え去ったところに変な光の穴みたいなのがある。

 時の波紋とかいう奴で触れれば辺り一帯の自然は枯れ果ててしまい、代わりに少しの間未来が見えるようになるという代物。幻影の覇者ゾロアークで出てきたものだ……未来の知識は嫌になるほど持っているので危険な代物には触れない。未来予知の能力とか知識って毒にも薬にもなる。使い方を誤ればホントに大変な事になる……そう考えるとオレがサトシくんになって良かったのかも。ケンタとか■■とか■■とかだったら未来知識を利用してもっとロクでもない事になっていたかもしれない。



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決戦 スズのとう

 ジョウトレポート49(決戦 スズのとう)

 

 セレビィとの時を超えた出会いを終えてやってきたぜエンジュシティ。

 と言っても既にエンジュシティのジムもポケモンコンテストも既に終わってしまっているので素通り……とはいかない。

 舞妓さんと遊ぶとかいう事はしない。オレにはセレナがいるのでそんな事をすれば浮気したも同然になる。興味があるかと聞かれればあるけども、我慢我慢。

 

 残りのジムバッジは2つで次のシロガネ大会開催までどれくらい時間があるのかと調べたら思った以上に時間があった。

 セレナのグランドフェスティバルを含めても1か月は間が開く……またポケモンを鍛える時間を作ることが出来る。ケンタの奴、ライコウで特訓してるからホントに効率のいい経験値を稼げている。まぁ、今回は前回と違ってミュウツーが居るのでオレの方もいい感じに経験値を得る事が出来る……と願いたい。いや、ホントにね。ケンタ、アイツ冗談抜きで強いんだよ。真面目(ガチ)に戦ってギリギリの勝利だったからな……うん。

 

 取り敢えずは消費していたきのみとかを補充しつつ、ついでだからと原作知識を開く。忘れちゃいけない事だがオレはサトゥーシくんであり主人公のサトシくんでもある。前回のルギアみたいに解決しておかないといけない事件が原作の中で度々ある。悪の組織とかこの世界普通に居るし国際警察とかポケモンGメンとか居るけども肝心な時に居なかったりするから役に立たない……頼れるのは己の身とミュウツー様だけだ。

 

 アサギシティの案件をケンタが処理したりしてくれているし一部案件は大丈夫そうだなと思っているとチリンチリンと巨大な鈴の音が鳴り響く。

 おっと、噂をすれば影が差す。原作知識を引っ張り出し、コレはロケット団が【とうめいなスズ】を盗んだ話だなと音が鳴り響いたところに、スズのとうに向かうとそこにはロケット団が……居なかった。何時もの様にジャリボーイ・ジャリガールとか言ってくるので例によってピカチュウの【10まんボルト】で叩きのめして事件を解決しようと思ったがロケット団は何処にも居なかった。

 

 セレナも鈴の音は聞いているのでオレの聞き間違いという事では無かった。

 じゃあいったいなんなんだと原作知識が頼れない状況に陥るが直ぐに頭を切り替える。こういう時に焦るのは禁物だ、ちょっとした焦りで手持ちが全滅とか本当に洒落にならない。頭をクールにと想定外の事に対処できる様に気持ちを落ち着かせていると同じく鈴の音を聞いたのかジムリーダーのマツバさんとマツバさんの友人のミナキさんがやってきた。

 

「サトシくん、どうしてここに!?」とオレ達が此処に居ることに驚くマツバさん「マツバ、彼がホウオウに会ったという」とミナキさんと軽く自己紹介をした後にお互い鈴の音を聞いてやってきたと情報交換をしあう。スズのとうの【とうめいなスズ】が勝手に持ち出されたんだとミナキさんとマツバさんは推測する。恐らくだがそれで間違いないだろうが問題は誰かだ。ロケット団以外で誰が持ち出したんだろう。

 

 こういう時は雑用もとい鳥ポケモンの出番だ。オレはヨルノズク、セレナはヤミカラスを出して辺り一帯を調べさせると【とうめいなスズ】を持ち出した犯人が見つかった。犯人は嘗てオレのヒトカゲのトレーナーでヒトカゲを弱いからと切り捨てたトレーナー、クロスだった。

「お前、なにやってんだよ!」と【とうめいなスズ】を勝手に持ち出した事について責めるが「ホウオウを呼ぶんだ。邪魔するな」と突っぱねる。

 

 ホウオウを呼び出すってなにを言っているんだと思っているとクロスの手には【にじいろのはね】が握られていた。

「オレは遂に手に入れたんだ!にじいろのはねを!テンセイ山には間に合わなかったがホウオウと縁のあるこのエンジュシティでならばホウオウを呼び出すことが出来る」と自信満々に【にじいろのはね】を掲げているのだが【にじいろのはね】はキラキラと輝かずに淀んでいる。まるで【にじいろのはね】がコイツじゃないと拒んでいるかの様だった。

 

 取り敢えず犯人も事情も分かったのだがマツバさんが「そんな事をしてもホウオウは現れない」と否定する。

 そういえばクリスタルだと【にじいろのはね】以外にスイクン、エンテイ、ライコウの3犬も必要だったんだよな。【とうめいなスズ】とにじいろのはねの2つを揃えているがうんともすんとも言わない。

 

「お前はホウオウに選ばれなかったんだよ」と言っておく。マツバさんも「ホウオウは真のポケモントレーナーを選ぶんだ」とクロスがこんな事をしていたら真のポケモントレーナーとは程遠い……真のポケモントレーナーってなんだよと言いたいが言えば余計にシッチャカメッチャカになるのでなにも言わない。

 

 【とうめいなスズ】とにじいろのはねの2つを手にしてもうんともすんとも言わない。

 まだホウオウに認められる程のトレーナーじゃなかったんだと言えば「オレとポケモンバトルをしろ!お前がホウオウに認められたトレーナーならお前を倒せばオレはホウオウに認められる」と大分滅茶苦茶な理論を振りかざしてくる。

 

 クロスに腹パンしてKO(ノックアウト)している隙に羽根と鈴を奪ってやろうかと思ったが流石にそれは外道すぎる事なので諦めて一旦ポケモンセンターに戻り、オーキド博士の研究所……ではなくリザフィックバレーに連絡を入れる。もしクロスと再び戦う時が来るならば戦うポケモンは決まっている。リザフィックバレーからリザードンを送ってもらうとエンジュジムに向かい、クロスと向き合う。

 

 時間無制限の使用ポケモン1体のシングルバトル、メガシンカ、Z技の使用は禁止の純粋な一本勝負。

 クロスはあの時と同じ様にガオガエンを出してきた。あの時のリベンジを果たす事が出来るとリザードンを出すとクロスは少しだけ驚いていた。オレならばセオリー通りに来るのかと思っていたのだろう。オレも時には理論よりも感情を優先させる。

 

「もう一度同じ目に合わなければ分からない様だな!」と言ってくるので【かえんほうしゃ】を撃つと向こうも対抗してきたのか【かえんほうしゃ】を撃ってくるが相殺しなかった。オレのリザードンの【かえんほうしゃ】の方がクロスのガオガエンの【かえんほうしゃ】を容易く上回っている。互角の撃ち合いになると思っていたのかそんな馬鹿なと言いたげなクロス。「最後にお前と会ってからどんだけ時間が経ってると思ってるんだ」あの頃よりオレは滅茶苦茶にパワーアップをしているんだぞ。

 

 クロスはそんな筈は無いとガオガエンに【フレアドライブ】を指示して、ガオガエンは炎を纏って突撃してくる。

 空を飛んで避ける事も出来なくはないがそんな無粋な真似をするわけにはいかないとリザードンにはガオガエンの【フレアドライブ】を真っ向から受け止めてもらった。キメワザだったのか【フレアドライブ】を受け止められた時には強いショックを受けていた。お前もアレから多少は強くなっている様だが最初から強いポケモンを求めていてはポケモントレーナーの腕が腐るというもの。

 

 クロスというポケモントレーナーの底が見えたので勝負を決めに行く。

 リザードンはガッチリとガオガエンを掴み、急上昇。そのままグルリグルリと旋回をして急降下して地面に叩きつける。毎度おなじみリザードンの決まり手である【ちきゅうなげ】を決める。

【ちきゅうなげ】をまともにくらったガオガエンは立ち上がることは出来ずに戦闘不能、クロスは悔しそうな顔をしてガオガエンを戻した。オレやオレのリザードンを見下して来ただけあってこの敗北は大きい。

 

「オレとコイツのなにが、なにが違うんだ!教えてくれ、ホウオウ!」と叫ぶがホウオウは呼びかけに答える事はしない。

 こんなところにホウオウがポンポンと来るわけがない。アイツ、滅多な事じゃ姿を現さないんだよ。呼びかけには一切答えない、ボコボコにされるともうクロスのライフは0なんじゃないかと思うがアイツの自業自得なので同情はしない。

 

 クロスから【とうめいなスズ】と【にじいろのはね】を取り上げる。

 こういう危ないものは争いの種にしかならない。【とうめいなスズ】をスズのとうに返却していくとオレが持っていた【にじいろのはね】がキラリと輝いていたが生憎な事にオレはホウオウには興味は無いのでスズのとうの屋上には向かわない。

 クロスの奴、ホントに余計な事をしてくれたなと【とうめいなスズ】を盗んだ影響でスズのとう付近のポケモンが凶暴化してしまっている。こういう世界の神秘的な道具はホントに曰く付きでロクでもないものだ。

 

 凶暴化したポケモンに囲まれたりもしたがリザードンが【かえんほうしゃ】で一掃する。

 リザフィックバレーに預けて正解だった。リザードンはオレの予想を遥かに上回る強さを得ている。コレに加えてまだ一段階進化を、メガシンカを残していると言うのはホントに頼もしい存在だ。

 

 スズのとうに【とうめいなスズ】を元あった位置に戻そうとスズのとうを登っているとなんと上からスイクンが舞い降りてきた。

 なんかクリスタルでもこんな場面があったなと思っているとスイクンハンターのミナキさんが「夢にまで見たスイクン!悪いが勝負させてもらう」と【とうめいなスズ】の返却を一旦取り止めてミナキさんはフーディンを出すのでスイクンは【ほえる】を使って強制的にボールに戻す。

 

 スイクン、エンテイ、ライコウの徘徊系はポケモンの中でもタチが悪い。

 何故かって【ほえる】を覚えているから。【くろいまなざし】で逃亡対策バッチリだぜと思ったら相手を強制的にボールに戻すとかいうふざけた事をしてくる。いや、制作陣営3犬を捕まえさせる気あるの?そもそも徘徊系のポケモンってのがゲーム的に捕まえづらいよ。

 

 あまりにもあっさりとスイクンはミナキさんを倒すと今度はオレに向かって【オーロラビーム】を撃ってくるのでリザードンが【かえんほうしゃ】で相殺する。リザフィックバレーでかなり成長した筈のリザードンの【かえんほうしゃ】と相討ちになるスイクンの【オーロラビーム】半端ねえ。

 

 前回に引き続きオレに攻撃するとはいい度胸だなと思っているとスイクンはジッと睨んでくる。

 何時もならば北風と共に去っていくのだがオレとのバトルが希望しているのでリザードン、君に決めた。マツバさん達は「スイクンは水タイプだぞ」とリザードンでなくピカチュウで行くことを勧めるが折角呼んだリザードンを此処で使わない手はない。

 

 リザードンも準伝説のポケモンとのバトルとあってか闘志を燃やしている。

 クロスは「どうしてお前ばっかり」と妬んでいたがオレだってビックリしてるわ。スイクンが挑んでくるとかホントに予想外だ。マツバさんがバトル開始の合図をしてくるとスイクンは【バブルこうせん】を撃ってくるので【エアスラッシュ】を撃って泡を破壊していく。

 

 オレのリザードンはピカチュウの次に強いポケモンでまだメガシンカを残している。

 スイクンはどう出てくると思えば【バブルこうせん】を撃ってきた。懲りずに同じ手をと思っていると【かぜおこし】を使って泡の軌道を変えてリザードンを包み込む様に【バブルこうせん】の泡は囲み弾ける。

 

 こりゃヤバいと思っているがリザードンはこんな事では倒れない。

 スズのとう内部でのポケモンバトルなので空高く飛んで技を避けるという手段は出来ないので一気に攻めに出る。【かみなりパンチ】をスイクンに叩き込んでスイクンを後退させる……XじゃなくてY軸に育て上げているので物理型程ではないがそれでも確かなダメージはあった。

 

 いいね、ミュウツーの時はリアルファイトだったけども本場の準伝説のポケモンは一味も二味も違う。やりがいがあるよ。

【かえんほうしゃ】を撃ってみると【ミラーコート】で打ち返してくる。不用意に【ソーラービーム】を撃つことは出来ないなと思っているとスイクンはまた【バブルこうせん】を撃ってくるので【ほのおのうず】を用いて自分を囲んで自分に飛んでくる【バブルこうせん】の泡を防いだ。

 

 オレは1分1秒、常に進化と成長を遂げているんだ。同じ手は早々に通用はしない。

【ミラーコート】があるのが分かっているので不用意に特殊技を使うことは出来ない。有効打である【かみなりパンチ】を叩き込んでスイクンにダメージを与えているとスイクンが【まひ】状態になった。コレは思わぬ副産物、よっしゃラッキーと【ソーラービーム】を溜めて撃つとスイクンは【まひ】で動くことが出来ずに【ミラーコート】も使えず【ソーラービーム】が直撃した。

 

 流石のスイクンも【ソーラービーム】にはダメージがあったのか息が乱れて傷ついている。もう一撃をくらわせれば勝利だとリザードンにスイクンとの間合いを詰めさせるとスイクンを背中からガッチリと掴んで急上昇。

 本日二度目のリザードンの十八番の【ちきゅうなげ】をしようとしていると【バブルこうせん】を吐いて妨害してくるので【かえんほうしゃ】を吐いて炎の渦を身に纏いグルリグルリと旋回、そのまま地面に急降下して【ちきゅうなげ】を決める。

 

 コレで決まりだと確信しているとなんとまだスイクンは立ち上がろうとしてきた。

 スイクンの耐久力が高いのは知っているけどもここまでのものなのかと動揺しているとスイクンは掛かってこいと吠える……ならばこちらにも考えがあるとガンテツ印のヘビーボールを取り出してスイクン目掛けて投げた。

 

 スイクンはヘビーボールに触れた瞬間にゆっくりと目を閉じて微笑んでいた。

 もしかしたらなのかもしれないがスイクンはオレにゲットされる為にわざと挑んできたのかもしれない。オレを試していたのかもしれないな。スイクンをゲットする事に成功すると開いた口が塞がらないのかミナキさんはオレを指さしてプルプルと震えていた。

 長年追い求めてきたポケモンを出会って間もないポケモントレーナーがゲットしたのならば誰だってそうなるだろう。しかし残念ながらコレは現実である。オレはジョウトの3犬ことスイクンをゲットする事に成功した……何時かは準伝説のポケモンが欲しいと思っていたがこんな形で手に入れる事が出来るとは思いもしなかった。が、ゲットして良かったと思う。貴重な陸の上でも活動できる水ポケモンで知能も高くてなによりも強い……使っている技が【バブルこうせん】とか【オーロラビーム】なのが微妙なところだけどもコレから鍛え上げればバケる筈だ。

 

 スイクンをゲットしてトロピカルヤッホーとテンションを上げているとミナキさんが「私とポケモンバトルをしろ!」とポケモンバトルを挑んでくる。なんでもスイクンに見合うトレーナーかどうか見極めようとの事……今日はホントに次から次に連戦ばっかだな。

 流石にスイクンを相手にした後なのでリザードンを出すことは出来ない、ピカチュウで相手をしてフーディンを撃退した……いや、ホントにさ、1日で色々と有りすぎだろう。

 

 アイテムを補充して、さぁ次の街に行こうとなるところが予想外の事になってしまったよ。

 何時かはゲットしてみたいと思っていた準伝説のポケモンをゲットする事が出来た……後、クロスから取り上げた【にじいろのはね】が手元にある……よし、売るか。



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つっぱしれ ポケモンライド

 

 ジョウトレポート50(突っ走れ ポケモンライド(前編))

 

 スイクンをゲットして順調に旅を続けているとシゲルと遭遇した。

 かなり久し振りに遭遇したので積もる話もあるのだがその前にシゲルのウィンディに首輪が着けられている事について聞いてみた。どうやらポケモンライドと呼ばれるポケモンがスケボーに乗ったトレーナーを引っ張るレースの大会が明日に開催されるらしい。

 

 なにそれ面白そうじゃんとなり受付は今日で締め切りだから出場したいのならば早く登録した方がいいよと勧められたので早速登録に行くのだが「どのポケモンで出場なさりますか?」と聞かれたので立ち止まる。

 現在の手持ちはスイクン、ピカチュウ、ヘルガー、ヘラクロス、ヨルノズクの5体でこの街にはポケモンセンターがあるのでポケモンの入れ替えは自由に出来る。

 

 ポケモンライドで大事なのは早くてパワーのあるポケモン

 フシギダネやピカチュウなんかは早いけどもオレを引っ張るパワーを持っていない。逆にドサイドンやカビゴンはパワーは申し分無いがスピードを持っていない。地味に難題だ。取り敢えずどのポケモンで出場するかで悩む。

 

 オレのヨルノズク、通常のヨルノズクよりも賢いけれど通常のヨルノズクよりも小さな個体なんだよな。

 パワーもあるにはあるが飛んでいるというのがちょっとネックに引っかかる。飛んでいるポケモンの使用禁止ではないがスケボーに乗っているポケモンを引っ張るという事は高く飛びすぎる事も良くない事だ。

 

 となるとヘラクロスとかも出せないなと残っているのはスイクンとヘルガーになる……スイクンにこんな事をさせるのはアレだしスイクンは引っ張ってもらうよりも背中に乗せてもらう方がしっくりと来るので今回はスイクンを見送った。

 ヘルガーを出す事を決めて参加登録をするとスケボーとリード一式が渡される……大会の開催は明日である……急ピッチにも程があるがそこはマサラ人のフィジカルの強さを舐めないでもらいたい。

 

 サーフィンだって出来るオレにとってスケボーに乗ってポケモンに引っ張ってもらうコツを掴むのは造作でもないこと。

 セレナも出たそうにしていたがセレナの手持ちでポケモンライドに向いているポケモンはいないので今回は断念する事に……お前の分まで頑張ってくるわ。

 

 ジョウトレポート51(突っ走れ ポケモンライド(後編))

 

 そんなこんなでやってきたポケモンライド当日。

 ヘルガーもやる気満々で遠吠えを上げていると「大会前なのに元気だねぇ」とシゲルは温かい目で見てきた。やめろ、マジでと思っているとシゲルのウィンディはヘルガーに対抗して遠吠えを上げた。お前の方もやる気満々だなと生暖かい視線を返すとシゲルは恥ずかしそうにしていた。ザマァみろだ。

 

 カイリキー、グランブル、ケンタロス、スピアー、ラフレシア、ナッシー、ドードリオ、サイドン、ニョロボン、ラッタ、エビワラー、ニドリーノ、ストライク、ベロリンガと色々なポケモンが参加している。この中で優勝を争うのか。

 ポケモンライドのルールは至ってシンプル、スタート地点から育て屋にまで向かいタマゴのモニュメントを受け取ってスタート地点に帰ってくるというルールで行く時は指定された道を通って、帰る時は好きな道を選んでいいとのこと。

 

 セレナが「サトシ、頑張ってね!」と応援をくれるので頑張るぞと【カムラのみ】を取り出してヘルガーに食べさせる……ドーピングじゃない、プロテイン的なのだからセーフ、誰も見ていないし薬物検査とかもしてないからセーフったらセーフだ。コレでピンチになったら素早さが上がるぞとゲスい笑みを浮かべていたが気にしない気にしない。

 

 全員がスケボーに乗り手にはリードを携えていると緊張の糸が走る。

 ピッピッピとランプが3回点灯してピーと音が鳴ればスタートの合図だ。開幕ブッパだと全員が一斉に走り出すがオレはヘルガーに一旦止まる事を指示しておいた。

 

 案の定というべきかストライクやスピアー等の空を飛ぶ事が出来るポケモンが高く飛んでしまいそれに引っ張られた選手が派手に転倒して大混乱を巻き起こしていた。スタートダッシュだと我先に飛び込んでいたので結構な渋滞になってしまったと見守りつつもヘルガーに指示を出すのだが、ミスった。シゲルに先を越されてしまったとシゲルは砂煙の中をウィンディに突っ走れと指示を出して突っ走る。スタートダッシュに成功した。

 

 オレもスタートダッシュしとけば良かったと遅れながらに2番手で先頭を走るシゲルのウィンディを追い掛ける。

 流石というかなんというか一向に追い付ける気配はない。ここは追いつかなくてもいい、代わりに引き離されない様にしようとし、育て屋に辿り着こうかなというところで見覚えのある気球が……ロケット団の気球が見えて、シゲルとウィンディに網ネットを被せる。

 

 ヤバいな、純粋な大会だからピカチュウ置いてきてしまっているなとシゲルを無視して育て屋に向かいタマゴを受け取るとUターン。

 シゲル、勝負にアクシデントは付き物だからコレも1つの人生経験だと思って諦めろとシゲルの事を見捨てているとシゲルはロケット団を焼き払ってやな感じーとやったらしくウィンディで怒涛の追い上げを見せる。

 

 だが、甘い、甘いぞ。ヘルガーには事前に【カムラのみ】を食べさせているんだ。こういうピンチな状況に陥ると【カムラのみ】を食べた効果を発揮して素早さが増す。怒涛の追い上げを見せるシゲルだったがオレにギリギリ追い付かず、オレの1位で勝利した。

「アクシデントが無かったら負けてたかもな」といえば「よく言うよ。アクシデントがあっても勝つ算段があっただろうに」というので……シゲルがロケット団に絡まれなくても勝てる算段だったかといえば…………秘密である。

 

 優勝者にはポケモンのタマゴがもらえる。やったぜ、手持ちが増えたぜ。

 

 

 ジョウトレポート52(ポケモンコンテスト スリバチ大会)

 

 ポケモンライドを無事に終えて次に待っていたのはポケモンコンテストだった……まぁ、知ってたけども。

 今回、このスリバチ大会はルールが普段とは異なりシングルでなくダブルでのポケモンパフォーマンスをしなければならない。試合の方も当然、ダブルバトル……事前にこの情報を仕入れる事が出来てホントに良かったと思う。土壇場になってダブルパフォーマンスだと知れば慌ててた。

 

 マリナと鉢合わせする事は無く、ポケモンコンテスト スリバチ大会は開催される。一次審査はセレナが6番目、悪くない出番だ。

 しかしセレナが持っているポケモンでダブルパフォーマンス出来るのかと若干心配しているとなんとセレナはリザードンとテールナーの2体を出した。確かにクローンリザードンはセレナのポケモンになっているけどもここで引っ張ってくるとはセレナも相当にマジである。

 

 しかしクローンリザードンと練習をしていなかったので大丈夫かと心配しているとそんな心配は必要無かったとなる。

 テールナーは【みがわり】を使い、自らのみがわりを生み出すとリザードンはみがわりをガッチリと掴んで急上昇。そのまま【かえんほうしゃ】を撃つとグルリグルリと旋回って、オレのリザードンの【かえんほうしゃ】と【ちきゅうなげ】の合わせ技を使ってるじゃねえかと炎の【ちきゅうなげ】を見せつける。

 

 セレナの奴、水を吸うスポンジの如く一気に学習している……ホントに気が抜けないな。

 一次審査は見事に高評価を受けて見事に突破。二次審査もダブルバトルだったがバトルの部分をリザードンが、パフォーマンスの部分を他のポケモン達が上手い具合にフォローしてくれて見事に優勝を飾った……いやぁ、良いパフォーマンスだった。

 

 ジョウトレポート53(vsスリバチ山のバルキー)

 

 スリバチ山を下山していると元気が無さそうなバルキーを見つける。

 格闘タイプには今のところは困っていないがバルキーが元気なさそうなのでツボ老人の薬を与えようとすると薬とかポケモンフーズが入っている鞄を盗もうとしたので問答無用で拳骨を叩き込んだ。人の物を盗もうとするんじゃねえ。

 

 バルキーはオレに怯えて逃げる。人の物を盗むやつにはそれ相応の制裁をしてやる……クロスの【にじいろのはね】?知らんな、そんな事は。

 とにかくここは一発ガツンと言ってやらなければならないと逃げるバルキーを追いかけて坂道を登っているとバルキーがオコリザルとマンキーを連れて坂の上から巨大な岩を転がしてきたので爆砕点穴と言って人差し指だけで岩を粉砕。

 

 待てやコラァ!と追い掛けるが逃げられてしまう……マサラ人に喧嘩を売るとはいい度胸だと思っていると1人の空手家が声をかけてきた。「あのバルキー達にやられたのか?」と聞いてくるので「やられたらやり返す、倍返しだ」と手をポキポキと鳴らす。

「もしやマサラタウンのサトシではないのか?」と聞いてくるのでそうだよと頷けば自分は空手王のノブヒコでシジマの一番弟子だそうで、あのバルキーを狙っているとのこと。

 

 あんな性悪のバルキーの何処が良いのかと疑問に思ったが欲しいのならば譲るしかない。

 頭が冷えてきて冷静になってきたので波動を使ってバルキーが何処にいるのかを見つけ出してノブヒコさんがポケモンバトルを挑むのだがこのバルキー、無駄に強い。バルキーなのに進化系のエビワラーとサワムラーを倒してしまった……地味に強いな。

 

 ノブヒコさん、ポケモン全滅してしまったしコレで終わりかと思っていると「まだ終わっていない。俺自身が残っている」と自らが戦いに出た。ポケモンを相手にポケモンバトルを挑むとは正気かと思ったがコレが案外良いバトルを繰り広げる。

 オレならば地獄突きとか入れているなと冷静にバルキーとノブヒコさんのバトルを見守る……先に音を上げたのはバルキーだった。というかバルキーに対して放ったオレの拳骨が思った以上にダメージになっていた。

 

 弱点をさらけ出しているのでノブヒコさんは当然その隙間を狙う。

 ノブヒコさんは腕を掴んで一本背負いを決めるとバルキーは戦闘不能になる……やっぱりさ、ポケモンに対して人間がバトルするのはなんにもおかしくないんだよ。その辺についてケンタに言えば「お前等がおかしいだけ」と断言される……いやいやいや、もっと探せばいる筈だからさ。なんだったらお前もアグレッシブになれるよ……オレが保証する。

 

 オコリザルもマンキーもノブヒコさんがゲットして無事にスリバチ山を下山する事が出来た。

 

 ジョウトレポート54(タマゴ孵る)

 

 チョウジジムを目指して旅を続けていると背中のリュックが発光する。

 何事かと思っているとポケモンライドの大会で優勝賞品として貰ったポケモンのタマゴが眩く光っている。コレは孵化の前触れだと足を止めてタマゴをケースから取り出して、タマゴをギュッと抱き締める。

 

 早く生まれてこいよポケモンちゃん。そう願っていると抱き締めているポケモンのタマゴが眩く光を放ち孵化する

 生まれてきたのはゴマゾウだった……原作知識からコレはサトシのゴマゾウだという事が判明した。サトシのゴマゾウ、こういう感じのゲットだったんだな。昔過ぎて覚えてないわ。

 

 生まれてきたゴマゾウは『パオパオ』と元気良く走り回る。

 生まれてきて間もないのに元気でよろしいこと、というか元気がありすぎる。ゴマゾウは【ころがる】を覚えてきてオレに向かって【ころがる】を使って突撃してくる。真正面でなく側面を掴めば回転が止むのでガッチリと掴む。

 

 受け止められたゴマゾウは興奮したのか更に回転してこようとするので動けない様にガッチリと掴む。元気がいいのは良いことだ。だが、オレのポケモンである事を忘れてもらったら困る。言うことはちゃんと聞いてくれ……と言うわけで生まれてから2時間も経過していないゴマゾウにバトルを挑む。ゴマゾウはやる気満々、バトルに対して意欲関心を持っている子で良かったよ。

 

 ゴマゾウの相手はピカチュウがすることに。

 挨拶代わりだと【10まんボルト】を浴びせるとゴマゾウは気持ち良さそうにしている。この世界、稀に効果は無い筈なのにダメージを受けるとかいう謎の事態が発生したりするがゴマゾウには【でんき】タイプの技は効かないみたいだ。

 

 教えてもいないのに【まるくなる】と【ころがる】のコンボを決めてきた。

 開幕から最高速度の【ころがる】はまずいなと【アイアンテール】でゴマゾウを弾き飛ばすとゴマゾウは倒れる……攻撃の面には充分だが、防御の面はまだまだこれからといったところ。育て甲斐があるポケモンだ。

 

 ゴマゾウが生まれたし折角なので手持ちの育成にも励む。

 特に既に十二分の強さを持っているスイクンを重点的に鍛える。覚えている技が【バブルこうせん】や【オーロラビーム】はショボい、特に【みず】タイプの技、【バブルこうせん】なのはまずい。【みずてっぽう】は使えるそうなのでヘルガーに【みずてっぽう】に【かえんほうしゃ】をぶつけて蒸発させる。

 

 熱々の【みずてっぽう】を【ねっとう】を撃ってもらう。スイクンと言えば【ぜったいれいど】かもしれないが【ねっとう】がある事も忘れてもらっては困る。【ねっとう】と【めいそう】の2つはなにがなんでも覚えてもらわないと……レートで見るスイクンって十中八九【めいそう】と【ねっとう】を覚えているんだよな。

 

 冷たい水でなく熱いお湯を放たないといけない、今までとは真逆の事なのか思ったよりも【ねっとう】を会得するのに苦戦している。ケンタはライコウをゲットしている。ケンタの事だからライコウをゲットした事に胡座をかく事はしていない。並大抵のライコウじゃないだろう。ケンタはライコウを持っている。コレがオレの対抗心を熱く燃やしてくれる。

 

 なんとか【めいそう】は覚える事が出来た。

 スイクンは耐久寄りのポケモンなのでとくこうととくぼうを一度に同時に上げる事が出来る【めいそう】は絶対にいる……まぁ、恐らくだがケンタのライコウも【めいそう】を覚えさせている。多分【じめん】対策として【ねっとう】も覚えさせているだろうな。

 

 あいつなんだかんだでポケモンの育成上手い、どうやってかは知らないが努力値の振り方を知っている。素早さを上げる方法ならパッと思い付くけどもCの上げ方は分からない。さてどうしたものかと悩んでいるとケンタから連絡が入る。

 ケンタの方から連絡が入るなんて珍しいとポケギアから出ると「今、どの辺りに居る?」と聞いてきたので「スリバチ山を降りてちょっと歩いたところ。タマゴからポケモンが孵ったばかりだから急な移動は出来ないぞ」と言っておいたが「原作通りに動いているんだったら問題無い。いかりの湖にとっとと来てくれ」と言ってくる……「お前、赤いギャラドス目当てか?」と聞けば悪びれもせず「あのギャラドスはゲットしたい。けど、アレはロケット団の監視の目がある。ロケット団討伐を手伝うから頼む」と言ってくる。

 確かにあの赤いギャラドスは即戦力の価値はある。ゲームでもレベル30とちょうどいい感じのレベルで即座に旅パに入れるぐらいには強い……いや、ホントに強いんだよな。雑用にも使えるしさ。

 

 取り敢えず今日はポケモン育成に時間を掛けているのでいかりの湖に向かうことは出来ないと告げる。

 明日辺りには向かうことが出来るから待っておけ、そしてコレは大きな貸しとして取っておくぞ……この貸しを何時かは返してもらう。この貸しは大きいぞ。



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真紅のギャラドス

 

 ジョウトレポート55(いかりの湖 赤いギャラドス)

 

 約束通りいかりの湖に向かおうとしているとピカチュウが体調不良になった。

 原作知識を開いているのでピカチュウがどうして元気が無くなったのか理由は判明している。取り敢えずさっさと原作を消化するかとケンタに連絡を取っていかりの湖付近に辿り着いた事を伝える。ケンタの奴、なんか慌ててたけども大丈夫だったのだろうか。

 

 ケンタに連絡は行き届いたのでいかりの湖付近でスタンバっていると足音が聞こえる。

 原作知識をフルに活用しているオレは油断はしない。今回はロケット団とバチバチにバトルする可能性が高い、というかロケット団を殲滅しておかないといけない案件だ。全くケンタの奴め、オレになんつー依頼をしてくるのやら。

 

 足音が聞こえたので木の上にジャンプして木の中に身を潜めているとロケット団が歩いてきた。

 何時ものムサシ、コジロウ、ニャースの3人組じゃない本物の精鋭と呼ぶに相応しいロケット団だった。セレナが声を上げようとしたので口を防ぐ。相手はマジものの悪の組織なので油断は出来ない。

 

 ロケット団達はなにか調査をしていた様で調査が終わるとこの場を去った。

 ホントに面倒な事になっているなと思いつついかりの湖に向かうとそこにはケンタとマリナがいてケンタは呑気にすごいつりざおを使って釣りをしていた……一応は一大事なんだからもうちょっと危機感を持てよ、危機感を。

 

「お前が上手い具合になんとかしてくれるだろう」と言うケンタ。ホントに人任せにしやがって……いや、良いんだけどさ。主人公特権でそこそこ美味しい思いをしているからコレはその分の代価だと認識しているから……ただまぁ、今回は相手が悪かったりする。

 進化を促進する怪電波を流しているせいでピカチュウが元気を無くしている。ピカチュウの進化は【かみなりのいし】での進化だからレベルアップによる進化を促す電波とは相性が悪いんだろうな。

 

「そもそもで進化をしないポケモンならこの電波を耐える事が出来る筈だ」とケンタはライコウを出した。

 ライコウはビリビリと電撃を放出しており、進化を促進する電波を防いでいる。試しにピカチュウをライコウの上に乗せてみると元気になった。ライコウは進化を促進する電波を防ぐ事が出来るようだ……心強いな。

 

「ロケット団の研究施設は向こうにあるから後で潰しに行くぞ」と意外とヴァイオレンスな事を言い出す。というかロケット団の研究施設が何処にあるのか分かっているのならばお前一人で乗り込めよ。万が一が起きると怖いからオレを頼ってくれてるのは嬉しいけども……いや、ほんとに第2世代の主人公が進化を無理矢理促進する電波を流している装置を破壊しに行くんだからな。

 

 オレ任せなのに若干だが不満を持っているとケンタの【すごいつりざお】が反応した。

 来たかと【すごいつりざお】を引っ張ろうとするのだがケンタは非力なのか逆に引っ張られる。なにやってるんだよと思いつつもマリナも釣り竿を握って引っ張るが引っ張られる。負の連鎖を起こすんじゃないとオレが釣り竿を掴んで一気に引っ張り上げると色違いの赤いギャラドスが出てきた。

 

 色違いのギャラドスとは珍しいと一応は図鑑に登録していると赤いギャラドスは暴れ出す。というか苦しんでいる。

 本来ならば進化しないレベルのコイキングを無理矢理進化させた的な感じの設定があったなと思い出しつつもケンタはライコウで【10まんボルト】を浴びせる……準伝説のポケモンがトレーナーの指示の下まともに戦っているところを見るのは初めてだが、強いなライコウ。

 

 ギャラドスは【はかいこうせん】を撃とうとするがそれよりも先に【10まんボルト】が追撃されて【はかいこうせん】を撃つことが出来ずにダウン。その隙を狙ってケンタはモンスターボール……ではなくゴージャスボールを取り出し、赤いギャラドスにぶつけると赤いギャラドスをゲットする事に成功した。ゴージャスボールとかリッチな物を使ってるな

 

 しかしライコウ、強すぎるな。

 あのギャラドスだって衰弱しているとはいえ充分な強さを持っている。というか原作通りに事が進めばワタルのものになるポケモンだ。ポテンシャルはピカ1とも言える赤いギャラドス相手に余裕を見せつけているとは……ホントに強いな〜……マジでヌオー辺りを用意しとかないと勝てないかも。

 

 取り敢えず目当てのポケモンをゲットする事に成功したので一件落着……で終わればよかったんだけどもそう上手く行かなかった。

 一連のやり取りをロケット団に見られてしまい「赤いギャラドスは返してもらう。それとそのライコウを寄越しな」と大分滅茶苦茶を言ってくる。取り敢えず悪人なのでぶっ飛ばすかとスイクンをボールから取り出す。

 

 ケンタは「嘘だろ、おい」と驚いていたが嘘でもなんでもない。スイクンはオレのポケモンである。

 スイクンは進化をしないポケモンなので無理矢理進化させる電波を寄せ付けず【ねっとう】を浴びせる。そしてライコウは【10まんボルト】を叩き込んでロケット団を吹き飛ばす……のだが、カイリューを連れたロケット団員だけは吹き飛ばされなかった。コイツ、やるなと身構えていると「待ってくれ!俺はロケット団じゃない」と言ってくる。何処からどう見てもロケット団だろう。胸にRの文字があるスーツがなによりの証拠だと言えば素顔を見せる。

 

 ロケット団員じゃないと言ったロケット団員の正体はドラゴン使い、四天王兼チャンピオンのワタルだった。

 そういえばマリナはマントを付けたイケメンが好みだどうだという設定があったけども、この世界線ではケンタにメロメロなのでワタル様と囃し立てる事はしなかった。ケンタの奴、愛されてるぅ!

 

「何故貴方がロケット団に」と原作知識では色々と知っているけどもあくまでも初対面なので素知らぬフリをして聞いてみるとポケモンGメンでロケット団の悪事を調べていたそうだ。ロケット団の悪事を調べているならばルギアの時に出てこいや。なんだったらサントアンヌ号の時にも出てこいよ。

 

 内心でボロクソ言いつつもワタルさんと協力する、というか今の光景を十中八九ロケット団達に見られている。

 こうなればもうロケット団の基地を破壊するしか道は無い。ケンタの奴がロケット団の基地の場所を知っているので乗り込んでロケット団員達にスイクンの【ねっとう】を浴びせる……ミュウツーが居ないから暴れるのが難しいと思ったがそんな事は無かった。

 

 とにかくロケット団の研究所を破壊しまくった。「俺とお前が組めば百人力とかそういうレベルじゃないな」とケンタは納得をしている。

 かくしてロケット団の進化を強制的に促す電波を流す装置があるいかりの湖付近にある研究所を破壊して研究所にいたロケット団員やシラヌイという悪のポケモン研究家を逮捕する事が出来て一件落着だ。

 

「助かったよ。君達のおかげでロケット団を逮捕する事が出来た、礼を言わせてくれ」と礼を言ってくるのでケンタが「だったら俺とポケモンバトルをしてください」と言う。

 眼の前にいるのは近い将来マスターズエイト入りするチャンピオンだ……その実力は今までに出会ったポケモントレーナーとは次元が違っている。それでもケンタは挑もうとする……上を目指す以上は何時かはぶち当たる壁だ。

 ワタルさんも「いいだろう」とポケモンGメンとしてでなく1人のトレーナーとして、チャンピオンとしてケンタを迎え撃つ。

 

 使用ポケモンは1体のシングルバトル、Zワザ、メガシンカ有りのバトルだがケンタはどちらも持っていない。ワタルさんもダイマックスバンドしか持っていない。ここはガラル地方じゃないのでダイマックスは出来ない。ノーマルなバトルが繰り広げられる。

 

 ワタルさんは事件解決にも使ったエースとも呼ぶべき存在であるカイリューを出すとケンタはトゲキッスを出した、容赦ねえな。

「どうやら俺の事を研究してきているみたいだな」とトゲキッスが【フェアリー】タイプである事をワタルさんは知っている。ドラゴン系の攻撃を使って空振りみたいな展開にはならないだろう。

 

 どう出るかと思えば【でんじは】を撃ってくるのでカイリューは空を飛んで避ける。

 空中戦になればどちらが有利なのか分からないが【でんじは】はくらわなくて正解だった。まひるみキッスはホントにアカンって。

 空中戦になった……なんかの漫画で読んだ記憶があるけども戦闘機とかの戦いは如何にして相手の後ろを着くかどうかの戦いだって。カイリューは真正面から【はかいこうせん】を撃ってくるのでトゲキッスは避けると【マジカルシャイン】を撃つ。

 

「今の技、並大抵のトレーナーだったら負けていたな」とケンタの強さを認めるワタルさんと立ち上がるカイリュー。嘘だろう、真正面から直撃したってのにピンピンと起き上がった……チャンピオンのポケモン、半端ねえ。今のが決まったと思ったケンタもマジかよと驚いている。

 

 戦いはまだ終わっていないのでトゲキッスは【マジカルシャイン】を撃つ。

 カイリューは今度はくらわないと避けると【れいとうビーム】を撃ってきてトゲキッスに直撃して右の翼だけ凍りついてバランスが取れなくなり【はかいこうせん】を決められて直撃、トゲキッスは撃墜した。

 

 コレがチャンピオンのポケモン、そして実力……半端じゃない。

 マスターズエイトにまで話が進むとダンデはコレよりも更に強いという事……まだまだ壁は高いというわけか。良いじゃねえか、越えてやるよ、その巨大な壁を。

 

 オレもケンタも今回色々と得るものがあった。

 恐らくだがオレがワタルさんに挑んでも似たような結果になっていただろう……オレもバトルを挑んでいた方が良かったのかもしれないが、負ける可能性高いからな。とにかく色々と激闘を繰り広げる1日だった。ケンタには大きな貸しが出来たので何時かは返してもらおう。

 

 

 ジョウトレポート56(ここほれイノムー)

 

 いかりの湖の事件が解決したのでチョウジジムに挑戦だとなったのだがケンタの奴が「ヤナギの爺さんの件は処理してないから頼んだわ」と丸投げしてきた。あの野郎、オレが主人公だからってホントに都合良く頼ってきやがって……まぁ、良いんだけどさぁ。

 

 原作知識をの引っ張り出してヤナギの爺さんが子供の頃からの相棒であるイノムーを探す。

 カチンコチンの氷漬けにされているイノムーを発見してヘルガーの【かえんほうしゃ】で溶かす……凄くアレな話だが、よくイノムー生きてたな。カチンコチンの氷漬けになっているだけで細胞的な意味で死を遂げている可能性だってあるのに。

 

 イノムーを助け出す事が出来たがイノムーは風邪に効くきのみを持って走り去る。

 お前、何処に行くんだと追い掛けてみると滝行をしているヤナギの爺さんに遭遇し「イ、イノムー、何故ここに!?」と驚いているのだがイノムーが風邪に効くきのみを持っている事に気付くとヤナギの爺さんは涙を流す……良かったな、爺さん。

 

 取り敢えず今日はジム戦に挑むことはしなかった。

 数十年ぶりに再会したイノムーと積もる話が色々とあるだろうと特になにも告げずに分かれてチョウジタウン名物のいかりまんじゅうを購入、思ったよりも美味しかった。その内役立つアイテムになるだろうな。

 

 ジョウトレポート57(vsチョウジジム 冬のヤナギ)

 

 1日経過したのでいざジム戦だとジムに向かえば「待っていたぞ、小僧」と言ってくる。

 待たせたな爺とジム戦に挑みに来たことを伝えれば使用ポケモン2体のシングルバトルでチョウジジム戦が開幕。

 

 ヤナギの爺さんの一番手はジュゴンだった……やっぱさぁ、【みず】【こおり】ってズルいと思うんだよ。【ほのお】タイプも【いわ】タイプもどうにかする事が出来るってズルいんだよ。初手にヘルガーを出そうかと思っていたがジュゴンだったので作戦中止で久しぶりのジム戦だとピカチュウ、君に決めた。日記には書いてないけどピカチュウ結構バトルさせてるがジム戦は久々である。

 

 試合開始の合図と共に【なみのり】を撃ってくるジュゴン。馬鹿め、オレのピカチュウは【なみのり】が使えるんだ。

 ジュゴンの起こした津波に乗ってサーフボードでサーフィンしていると「バカな!?」と驚きを隠せない。【なみのり】を覚えているピカチュウ、オレの知る限りオレのピカチュウしか居ねえんだよな。まだ時代が追い付いていないからか。

 

 ともかく【なみのり】は効かない事を見せつけるのだがもう一度【なみのり】を撃ってくる。

 なにか考えがあるようだなと【なみのり】の波に乗っているとジュゴンは【なみのり】に【れいとうビーム】を撃って津波を凍らせた。マジかと思っているとジュゴンは【ドリルライナー】で凍った津波を破壊しつつピカチュウに突撃、津波の上に乗っていたピカチュウは身動きする事が出来ずに【ドリルライナー】は激突した。

 

 この爺さん、強いな。流石はジムリーダーだ。

 久々のジム戦で燃えているピカチュウ、この程度で倒れるなんて言わないよな?とピカチュウに尋ねれば『ピカ!』と元気良く立ち上がる。オレのピカチュウはそうでなくちゃ困るぜ。

 立ち上がったピカチュウ。ヤナギの爺さんは三度【なみのり】を使う……波に乗って回避すれば【れいとうビーム】で氷漬けに、かと言って避けることは出来ない、隙の無い二段構えだがオレにはまだ手は残されていると【ボルテッカー】で津波を突破し、ジュゴンに突撃してジュゴンを倒す。

 

 流石はオレのピカチュウ、やってくれるぜと感心していると次に出てきたのはイノムーだった。

「昨日、起きたばかりなのにもうポケモンバトルをさせてもいいのか?」と聞けば「ジョーイさんから許可は貰っている。むしろバトルをしたくてウズウズしておるよ」という……戦闘狂かな?

 

 まぁ、オレも人の事は言えないので気にせずにバトルを続行だが相性が悪い。

 別にピカチュウで勝てなくもないが念には念を入れてポケモンを交代、ヘルガー……ではなく、ハッサムを出す。ヘルガーもありっちゃありだが他のポケモンにもジム戦とかを経験させておきたかったので今回はハッサムにした。

 

 イノムーが【じしん】を撃ってくるので空を飛んで回避すると【つるぎのまい】を積んでいく。

 ヤナギの爺さんの相棒なだけあってイノムーはかなりやる。生半可な攻撃じゃやり返されるだけである。空中を飛んでいるハッサムに対してイノムーは【こごえるかぜ】を撃ってくるが【つるぎのまい】の動きで【こごえるかぜ】で凍えない。

 

 一気にパワーアップを果たしたので攻めに行くかと【パレットパンチ】を決めるとイノムーは大きく後退する。が、オレのストライクもといハッサムは元がオジイなので連続の【つるぎのまい】からの【バレットパンチ】に息が乱れている。技のキレはオレのポケモンの中でも1,2を争うのだがスタミナの無さは相変わらずだ。

 

 こりゃ早急に勝負をつけた方が良いなと思っていると【れいとうビーム】を撃って地面を氷漬けにする。

 何が狙いかと思っていると鈍足であったイノムーがそれはもう素早く滑らかに氷の上を滑っている……機動力を手に入れたか。だが、オレのハッサムにはそんなものは通じないとハッサムも氷の上を滑って【バレットパンチ】

 

 倒せたか?と思っているとまだまだ立ち上がるイノムー。対するハッサムは息が大きく乱れている。

 このままいけばハッサムが一撃で戦闘不能に追い詰められるとハッサムに【バトンタッチ】を指示しバトンの様な物を残してモンスターボールの中に戻り、ピカチュウがバトンを掴んで出陣するとピカチュウのこうげきは最大にまで高められる。

 

 イノムーはしぶといが倒せない相手じゃない。

【なみのり】を撃って津波に乗って突撃すると【ふぶき】を撃ってくる。それは読んでいたぞとピカチュウはサーフボードをジャンプして【ふぶき】を回避して津波ごと凍らされる事は無かった。

 ピカチュウに【アイアンテール】を指示して凍らされた津波を破壊して氷の礫をイノムーにぶつけて怯ませているととどめだと【アイアンテール】をイノムーに叩き込んだ。

 

「イノムー!」とイノムーに対して心配そうな声を出してヤナギの爺さんは駆け寄る。バトル中なのにバトルフィールドの中に入る事はルール違反だ。イノムーの身を心配しているヤナギの爺さんは負けを認めた。我が身よりイノムーの方が大事か……まぁ、そこは人それぞれか。

 取り敢えずチョウジジムはオレの勝ちでチョウジジムを制した証であるアイスバッジをゲットした。コレで残すところバッジは後1つ……セレナもリボンが残り1つ、来るところまで来たなと実感する。




サトゥーシくん

攻撃 5
防御 4
スピード 5
戦略 3
経験値 3
意外性 4

ケンタ

攻撃 5
防御 4
スピード 4
戦略 5
経験値 2
意外性 3

???

攻撃 ?
防御 ?
スピード ?
戦略 ?
経験値 ?
意外性 ?


???

攻撃 ?
防御 ?
スピード ?
戦略 ?
経験値 ?
意外性 ?

アラン

攻撃 5
防御 3
スピード 5
戦略 5
経験値 6
意外性 2


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ポケモン魔法はドーピング

 ジョウトレポート58(ポケモン魔法で大変身)

 

 最後のジムがあるフスベジムを目指して旅をしていると魔女っ子と出会った。

「ピカチュウちゃ〜ん」とピカチュウに対して猫撫で声で近寄る魔女っ子、怪しい奴に付いてくる程ピカチュウはバカじゃないと【アイアンテール】で魔女っ子の手を弾き飛ばす。気安く触れるんじゃない。

 

 魔女っ子になんの為にピカチュウに近付いてきたのかを尋ねる。

 なんでもポケモン魔法に使う素材をピカチュウが持っているそうで、是非とも分けてほしいとの事……そんなの持ってるのか?と聞けばピカチュウは首を横に振る。怪しさ全開だが魔女っ子もといリリーはピカチュウの電撃がポケモン魔法に使える材料とのこと

 

 エレキッドとかレアコイルとかじゃダメなのかと聞いてみるとピカチュウの電撃じゃないと駄目らしい。何故にピカチュウの電撃限定なんだろうと思っているとポケモン魔法薬の本を取り出す。リリーが現在作っているのはポケモンの気持ちが言葉が分かるようになる魔法らしく、ピカチュウの電撃とエイパムの涙が必要らしい。

 

 乗りかかった船だし、ポケモン魔法薬がどんな効果を発揮するか気になるのでリリーを手伝う事に。

 エイパムは何処かとヨルノズクに探させると割とあっさりと見つけることが出来たのでエイパムの涙を回収する事になるのだが、エイパムの涙がは痛みによる涙でなく感動とかの涙じゃないとダメらしい。涙の成分って感情によって変わるものだっけ?エイパムの涙はヨルノズクの【さいみんじゅつ】で催眠を掛けて手に入れた。

 

 必要な材料は一通り揃い鍋の中に入れてグツグツとかき混ぜる。如何にも魔女っぽい薬の作り方だ。

 ある程度、煮立って来たのでピカチュウの電撃こと【10まんボルト】を注ぎ込むと薬の色が変化してポケモンの気持ちが分かるようになる魔法薬は完成した。ポケモンの気持ちが分かるようになる魔法薬……何故かオレが試飲する事になった。

 

 いや、そんな薬を使わなくてもポケモンの気持ちは大体のなんとなくで分かるからと一応は言ったけどもリリーは飲んでと頼んでくるので渋々試飲すると体に電撃の様な衝撃が走ると煙を上げて……ピカチュウの姿に変身した。ポケモンの気持ちを理解する為にはポケモンになれって事かと冷静になって聞いてみるとリリーの持っていた魔法薬の本には続きのページがあったみたいでオレの飲んだポケモン魔法薬は未完成だった。

 

 未完成だったのに質量保存の法則とか明らかに無視している薬を作り上げるとかポケモン魔法薬の効果半端じゃねえ。ピカチュウになったけど何故か帽子だけはそのまんまだった……ピカチュウの姿になっているのでレポート書きづらいな、こんちくしょう。

 

 ジョウトレポート59(リアルポケモンバトル)

 

 1日経過すれば薬の効果が切れると思ったのだが薬の効果が持続していて今日もピカチュウのままだった。

 リリーは薬は切れると元に戻ると言っていたのだがホントかどうか疑ってしまう。こんな姿のままフスベジムになんて行けるかと取り敢えず今日はポケモンを鍛える事にした。

 

 ピカチュウを筆頭にスイクン、ヘルガー、ヨルノズク、ヘラクロス、ゴマゾウの6体。

 ピカチュウの体になっているのならば出来るであろうと【10まんボルト】を試しに撃ってみるとゴマゾウが『パオパオ』と嬉しそうに近付いてくる。ゴマゾウにとって電気は心地良いものなのだろうがゴマゾウ、遊びじゃないんだ。マジでやっているんだ。

 

 ピカチュウが出来る技は大体使えそうなので、ピカチュウとして1VS1のバトルを挑む。

 先ずはヘラクロスから。ヘラクロスは軽くいくぞと【かわらわり】で攻撃してくるので【かげぶんしん】で分身体を作り出し回避する。ヘラクロスはならばと【じしん】を撃ってくるので高くジャンプして回避するがヘラクロスの狙いはそこで【メガホーン】で突撃してきた。やるなと感心しつつも飛ぼうとするヘラクロス相手に【くさむすび】を使いヘラクロスを転ばす。足元を疎かにしたら駄目だと尻尾を使って【たたきつける】を撃ち込んでヘラクロスを吹き飛ばして戦闘不能に追い込む。

 

 ヘラクロスが終わると次に出てきたのはヘルガーだった

【かえんほうしゃ】を撃ってくるので【なみのり】で消す。ただ技を撃ってきても意味は無いのだがヘルガーは逆効果だった様でやる気を出す。【わるだくみ】を積んでいるので【10まんボルト】を浴びせるのだが倒れる事は無く、ただ一撃を待っていた。

 

【わるだくみ】で極限まで上げた(とくこう)からの【かえんほうしゃ】を狙っているのならば【あまごい】で雨を降らして【なみのり】で突撃する。ヘルガーは渾身の【かえんほうしゃ】を撃ってくるのだが【あめ】状態で威力は半減している。コレならばと思ったが、ヘルガーのパワーは思った以上にあって【なみのり】の津波の水を一瞬にして全て蒸発をさせた。

 

 コレは予想外にヘルガーは強くなっている。巻き起こした【なみのり】の津波が【かえんほうしゃ】の炎で蒸発して辺りが見えなくなったが【あめ】状態にしていたのが幸いだった。【かみなり】を落としてヘルガーに直撃し、ヘルガーを撃ち倒す。

 

 さぁ、次は誰だと雨が上がり勇んでいるとヨルノズクが出てきた。

 ポケモンになった今ならば【さいみんじゅつ】が効くんじゃないのかと思ったのか【さいみんじゅつ】を撃ってくるので目を閉じる。目を見なければ【さいみんじゅつ】にはかからない。その読みは的中したがコレ幸いと【サイコキネシス】を撃ってきてオレの体を弾き飛ばす。

 

 考えたじゃねえかとヨルノズクに対してカウンターシールドの【10まんボルト】を撃つ。

 防御壁の代わりにもなるこの技はホントに便利な技だと思いつつ閉じていた目を開く。流石にカウンターシールドの前だと【さいみんじゅつ】の照準も上手くつけづらいものでヨルノズクはパタパタと飛んでカウンターシールドを回避していた。

 

 流石にカウンターシールドだけで倒せるほどオレのヨルノズクは弱くはないかとカウンターシールドを一旦停止。

【あまごい】で【あめ】状態にして【かみなり】を落とすべきかと判断に悩んでいるとヨルノズクは【ゴッドバード】で突撃してくるので寸でのところで回避して【アイアンテール】を叩きつけて【10まんボルト】をぶつける。勝負が決まらないからヨルノズクが焦って欲を出して攻めに入った結果だな。

 

 残りは2体だと振り向けばゴマゾウが突撃してきて丸くなり【ころがる】で攻撃してくる。

 まだ勝負しようと言っていないのにヤンチャな性格だと思いつつも【なみのり】を撃つ。【なみのり】があるのに真正面から突撃するのは悪手……ゴマゾウは伸びしろはあるけども、まだまだ若いな。いや、オレも偉そうに言えるぐらいには歳を食ってないけども。

 

 ゴマゾウを軽く撚ると出てきましたスイクン。教えていない筈なのだが【あまごい】で雨を降らせる。

 オレには【かみなり】があるのに【あまごい】を使ってくるという事は釣りなのかと一瞬考えた後に敢えてその釣りに引っ掛かってみると【かみなり】を【ミラーコート】で反射した。アニメの【ミラーコート】一度も技をくらわずに発動するからチートなんだよな。

 

 自分の自慢の一撃をくらって痛い目にあうがまだまだこんなところでは倒れてたまるかと【でんこうせっか】で突撃しようとするとスイクンは【バブルこうせん】で道を防ぐ。この野郎、戦い馴れているな。流石は準伝説のポケモンと言ったところか。だがこんなところで倒れてはマサラ人の名折れだと【でんこうせっか】から【ボルテッカー】に切り替えてスイクンに激突して突き飛ばす。

 

 こんなところで終わればスイクンはミナキさんにあっさりとゲットされているだろう。

 追撃の手は緩めないと移動するスイクンに対して【くさむすび】を撃って転ばして【エレキネット】でスイクンを閉じ込めて【でんじは】を撃つ。スイクンに効いた様で【まひ】状態になったので【10まんボルト】を叩き込むとスイクンは倒れた。

 

 5タテしたが喜んでいられない。まだ最後のトリが残っている。そう、ピカチュウだ。

 今のオレはピカチュウになっていてピカチュウで出来る戦いをした。つまりはピカチュウが目指すべきお手本となっている。5体のタイプも戦闘スタイルも異なるポケモンを相手に戦って勝利した。さぁ、お前も出来るかなと試練を与えるとピカチュウは頬に電気をビリビリと溜めてやる気を見せている。

 

 開幕ぶっぱだとピカチュウは【でんこうせっか】で突撃してくる。

 真正面から【でんこうせっか】を受けるのは危険だと【かげぶんしん】で分身体を作り【でんこうせっか】を回避するとカウンターシールドの【10まんボルト】を撃って広範囲に技を広げて全ての【かげぶんしん】を消していく。考えたな。カウンターシールドは広範囲に及ぶ技だから【かげぶんしん】を消すのには最適だ。だが、まだここで終わりじゃない。

 

【アイアンテール】をぶつけに行くとピカチュウも対抗して【アイアンテール】をぶつけてくる。バカか、ピカチュウはパワーに頼ったバトルはしてはいけない。小柄なポケモンなんだ。案の定オレの【アイアンテール】の方が強くてピカチュウは弾き飛ばされる。技の選択をミスしたなと【なみのり】で攻撃してみるのだがピカチュウは【10まんボルト】のカウンターシールドを展開して防ぐ……やるぅ。ポケモンバトルはホントに熱くなるものだなと熱中しつつ【くさむすび】で足を止めて【ボルテッカー】を決めてピカチュウを倒す。

 

 久しぶりのポケモンとのバトルに熱くなったが、悪いことではなかった……ただちょっとダメージを受けすぎた。セレナが【かいふくのくすり】を掛けてくれるが傷口に染み込んで痛かった。「ピカチュウになったからって無茶しすぎよ」と言ってきたがピカチュウになっている今、無茶しなくて何時無茶すればいいんだよ。「ケンタのライコウを見てから気張りすぎよ」と言ってくる……やっぱり気張り過ぎに見えるか。ケンタがそれだけ強くなっている証拠なんだけどな。

 

 まぁ、貴重な経験が出来たので良かったと思う。

 

 

 ジョウトレポート60(クリスタルの湖)

 

 ポケモンも鍛える事が出来たのでセレナの肩に掴まりフスベジムを目指す。

 ピカチュウとオレが左右の肩に乗っているから苦しくないのかと思ったがそんな事は無かった……ケンタ、オレの事をマサラ人扱いしているがこの世界の住人も大分大概だぞ。

 

 やはりマサラ人だけが特別じゃないんだと思っているとボンッと煙を上げる。

 なんの前触れもなく元の人間の姿に戻った。いや、良かった。このままピカチュウとして生きていくのかと若干心配になっていたところがあるんだ。リリーの薬、効き目が良すぎるだろう。

 

 ピカチュウだった頃とサトシくんとの間の体の誤差が、特に尻尾に関してはなんとも言えない感覚になっていた。

 もう一発電撃を撃つことが出来ないか試してみると微弱だが電撃が出た。未完成の魔法薬でピカチュウ化した後遺症だろう……マサラ人に対して効果のある魔法薬ホントに効果半端じゃねえ。

 

 なんだか体に元気もとい電気が足りない気がするのでピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらい、電気をチャージする。20発ぐらい【10まんボルト】を撃ってもらうと元気が出てきたのだが、逆に今度はピカチュウが電気切れを起こした……オレの持っている電気を譲渡すればピカチュウは元気になるだろうがそうすれば今度はオレが電気切れを起こしてしまう。

 

 物凄い電気を持ったポケモンから電気を分けて貰えれば良いんだがなとこういう時にケンタのライコウが羨ましくなる。

 どうしたものかと途方にくれているとセレナが不規則に動く浮き雲を見つけるとサンダーだった……サンダーならば強烈な電気を蓄えているだろうとサンダーを追いかけていくとマルマイン、サンダース、エレブー、デンリュウといった電気系のポケモンが同じ方向に歩いていた。

 

 目的は同じなのかと歩いていると大きな湖に辿り着いた。

 ポケモン達は湖の水に風呂の様に浸かると気持ち良さそうにしている。試しにとオレもピカチュウも入ると消費していた電気をチャージする事が出来た。どうやらここは電気をチャージする事が出来る不思議な湖の様なのでサンダーも湖の中に飛び込んでおり電気をチャージしていた。

 

 オレも無事に回復することが電気を操る事が出来るようになったのだが……コレは練習しないと使いこなせない感じだな。全く、厄介な能力を手に入れてしまった……それもこれもリリーのせいだ。あいつ、ホントに覚えておけよ。

 

 ジョウトレポート61(拙僧は煩悩の塊でございまする)

 

 ヤドンが沢山居るヤドンの湖にやってきた。ヤドンは尻尾を湖に浸けており釣りでもしてるのかと思ったがシェルダーが引っかかってもうんともすんとも言わない。おいおい、何だこれはと思いつつもモンスターボールを取り出す。水ポケモン、もうちょい増やしても良いと思っているんだとボールを構えていると「ここのヤドンはゲット禁止です」と尼さんに言われる。

 

 なんだよ、ゲット禁止の区域かよ。

 ヤドンはなにをしているのか聞いてみるとヤドンは悟りを開こうとしている……ポケモンって悟りを開いたりする事が出来るんだな。貴方達もどうですか?と聞いてくる。なにがどうなのかは分からないけれど悟りを開こうと修行をすることに。

 

 ポケモンばかり強くなっても肝心のトレーナーが弱ければ意味は無い。

 己自身を見つめ直すのに丁度いいと湖の前にある石の上で座禅を組んで精神を統一、頭の中を切り替える……一応の精神の修行はやってきたので無想状態に頭を切り替えることは容易い、頭の中でスイッチをオンオフ切り替える事は簡単に出来る。

 

 こりゃ修行の意味は無かったのかもしれないと少しだけ落胆しているとセレナが抱き着いてきた。

 セレナっパイの感触をオレに味合わせようとしてきて無想状態が解除される。いや、ダメだって、セレナに色仕掛けされたら誰だって無想状態を解除させられるってば。

 

 座禅の時に使われる例のシバき棒でオレの肩を叩き「煩悩に塗れている」と言ってくる……こんなので煩悩を抱かなきゃそいつはホモかEDだろうが。セレナの誘惑に耐えようとしてみるもあっさりと負ける……セレナがなにもしてこなければなにも問題無いんだけどなぁ。

 取り敢えず悟りを開くことは出来ずに煩悩に塗れている……けど、それのなにが悪いってんだ。煩悩に塗れてなにがわるい。セレナにあ〜んをやって煩悩に塗れてるならばそれで結構だ。煩悩最高

 

 ジョウトレポート62(ポケモンコンテスト エビチャ大会)

 

 なんかオーキド博士の偽物が居た。というかロケット団だった。彼奴等オーキド博士とクルミちゃんに扮してタダ飯をくらっていた。

 後から来たオーキド博士とクルミちゃんとポケモンクイズ対決とかポケモン川柳対決とかやって最終的に本物のオーキド博士が勝った。

 

 ポケモン川柳の何処がスゴイのかイマイチ分からないな。そもそもで川柳と俳句の違いが分からないレベルだし。

 というかオーキド博士、研究はいいの?ちょくちょくテレビに出演してるのを見るけれども、ポケモン研究家として働けてるのか……謎である。

 

 ポケモンコンテストが開催していたのでサクッとセレナが優勝した……ライバルが居なくて張り合いが無いとかそういう事を言い出さずに精進しているところはオレも見習わなければならない。

 クルミちゃんが「今回のグランドフェスティバルはエンジュシティで開催されるわ」と教えてくれる。というかクルミちゃんが特別審査員に選ばれていた。

 

 セレナのリボンが無事に5つ集まったのでコレで問題は無い、残すところはオレのフスベジム……最後だからな、派手に行かせてもらおう。

 

 ジョウトレポート63(バトルパーク ケンタ対策)

 

 お嬢様な風貌のトレーナーと戦いバトルはあっさりとオレの勝利に終わった。

「バトルパークのポケモンよりも強いですわね」と言ってくるのでなんだそれ?と尋ねてみるとこの近くにバトルパークというほぼ全てのポケモンが揃っていてバトルする事が出来る施設があるらしい。

 

 そんな夢の様な施設があるならば行くしかないと行ってみると文字通り色々なポケモンがいた。

 取り敢えずギャラドス、バクフーン、トゲキッス、ウソッキー、エテボース、オーダイルとフルバトルをした。本音を言えばライコウとバトルをしたかったが流石に準伝説のポケモンはゲットしていないらしい、残念だな。

 

 バトルパークのポケモン達も決してレベルが低いわけじゃないが……ケンタの方が確実に上だ。でも、得るものはあった。ケンタとバトルした際に多少役立つと思う……問題はライコウだな。ドサイドンやゴマゾウで挑んで勝つことが出来るのやら……因みにセレナもバトルをしていた。マリナとの決戦も着実に近付いているからな。オーダイルにムウマージ……敵は大きいぞ。



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ジョウト最後のジムバッジ

 ジョウトレポート64(イブキとミニリュウ)

 

 氷の洞窟を抜けて湖に出るとミニリュウを発見した。

 こんなところでミニリュウとは珍しいなと図鑑に登録しているとギャラドスが現れて【ハイドロポンプ】を撃ってくる。いきなりにも程があるなとセレナを抱き抱えて回避、ピカチュウに戦闘態勢に入ってもらうと「私のミニリュウになにか用なの!」と強気の女性が、フスベジム・ジムリーダーのイブキさんが現れたのでミニリュウが珍しかったから図鑑に登録していただけだと説明をする。

 

 事情を説明するとイブキさんは申し訳無さそうな顔をしていた。

 ギャラドスはイブキさんのギャラドスでミニリュウの事を守れと言っていたらしく、オレ達がミニリュウを狙っている密猟者かなにかだと勘違いしていたらしい。ポケモンに護衛を頼むのは良いけどももうちょっと手綱を握ってくれよ。オレ達だったから良かったものの、ホントに危ないぞ。

 

 イブキさんは大事な用事があるのでじゃあと別れると取り敢えずフスベシティでも目指そうかと思っていると小柄な爺さんが小包みを背負って歩いてきて転んでいた。セレナが「大丈夫ですか!」と心配すると「大丈V」と返したのでなんとも鬱陶しかったが爺さんもといカブラギさんはフスベジムに代々伝わる【りゅうのキバ】を聖なる祠に持っていく予定だった。

 

 どうせ今日一日はフスベジムに挑む事は出来なさそうだし、ついでだから神聖な儀式を見ていっていいか聞けば見ていって良いと言ってくれたので神聖な儀式を見ようと野次馬根性を見せるのだがなにやら雲行きが怪しかった。困った時こそ原作知識を使おうとするとロケット団が【りゅうのキバ】及びミニリュウを狙いに襲撃してくる。まぁ、ロケット団雑魚なのでどうにかなるだろうと思いつつも先回りをすると案の定ロケット団がミニリュウを狙っていて、ギャラドスが【ハイドロポンプ】でロケット団に攻撃していた。

 

「ミニリュウになにをするつもり!」とミニリュウを守ろうとするイブキさん。

 こりゃオレの出番は無いかと思ったが、ロケット団は怪しげなメカを使ってきてミニリュウとギャラドスの動きを封じる。コレはマズいとオレも参戦「っげ、何時もいいとこで邪魔してくるジャリボーイ・ジャリガール!」と驚いた様子。顔は覚えてくれてるんだな。

 取り敢えずぶっ倒すぞとピカチュウを出す。その間にセレナが変な網ネットに囚われているミニリュウ達を救い出すのだがミニリュウは怒っていた。大事な儀式を邪魔をしたことに、大好きなイブキさんを危険な目に合わせた事に。

 

 怒ったミニリュウは【りゅうのいかり】をぶつけるとロケット団は吹き飛ばされそうになる。

 やな感じーにはまだ早いぞと【10まんボルト】を浴びせてトドメと言わんばかりにオレも【10まんボルト】を撃って20万ボルトをくらわせてロケット団をやな感じーと吹き飛ばす。

 

 悪は滅びたしコレにて一件落着。

 聖なる祠に向かい、【りゅうのキバ】を用いて神聖な儀式を行うとミニリュウはハクリューに進化をした。ロケット団とのバトルがいい経験値になった様だ。

 

 ジョウトレポート65(フスベジム ジョウト最後のバッジ)

 

 フスベジムは最後のバッジをかけたもので、取り零しがあってはいけない。それに加えてフスベジムは今までのポケモンジムよりもレベルが違う。ドラゴン系のポケモンをエキスパートにしているだけあって全体的にレベルが高いのだ。ジムに挑戦することを伝えたのはいいけれども、どのポケモンを出すのか決めていなかったので頭を悩ませる。

 

 取り敢えずギャラドスとハクリューとキングドラが出てくるのは確定だ、原作知識がそう教えてくれる。

 ならばコチラも対抗してキングドラを出すべきかと悩んでいるとジークさんがやって来た。ジークさんはイブキさんと旧友の間柄で、時には楽しく茶会を、時には切磋琢磨鍛え合う仲らしい。

 

 ジークさんが自分のリザードンのリサだけでなくオレのリザードンも引き連れてきた。

 ジークさん曰く「リザフィックバレーのリザードン達が貴方のリザードンに感化されて皆、鍛え上げて全体的にリザフィックバレーのリザードン達のレベルが上がってるわ」とのこと……やっぱ同種同士の方が盛り上がるよな。

 ついでだからとリザードはどうしているのか尋ねてみると無事にリザードンに進化する事が出来てオレのリザードンに毎日挑んでは負けるを繰り返していたが日に日に強くなっていってて3回ぐらい負けてるらしい……やるな、あのリザード、いや、リザードン。

 

 あのリザードン及びリザードンのトレーナーに関して色々と聞きたいことがあったのだがジム戦をしなければならないのでそれ以上は聞かずにリザードンが居るのは好都合だとフスベジムに出す3体のポケモンを決定する。

「サトシ、最後もカッコよく決めてね!」とセレナからの声援を受けたのでやる気を出してジムに乗り込むと「待っていたわよ!」とジムリーダーの衣装を身に纏ったイブキさん……エロいな、おい。まぁ、セレナの美しさには勝てないけども。

 

 ジム戦が開始するとウィーンとジムのフィールドが動き、水場が出てくる。

 水ポケモンが自由に動くことが出来る水場だとイブキさんは一体目のポケモンを、ギャラドスを出してきた。ギャラドスの相手はお前だとピカチュウに先陣を切ってもらう。

 

 水に浸かるギャラドス、ギャラドスは陸でも自在に動くことが出来るから油断はならない。水の中だけしか動けないという先入観は捨て去る。

 カブラギさんが試合開始の合図を出すとジム戦が開始する。「ギャラドス、ハイドロポンプ!」と初っ端から大技を仕掛けてくるのだがその【ハイドロポンプ】貰った。

 

 ピカチュウに【ボルテッカー】で【ハイドロポンプ】の激流の上を走り、ギャラドスに激突してギャラドスを大きく後退させる。

 流石はジムリーダーのポケモンというべきか今の一撃で倒れることはない、4倍弱点なのに普通に立ち上がった。ホントに強いな、おい。とはいえ【ボルテッカー】のダメージが残っていないといえば嘘になる。もう一発技をぶつけることが出来れば勝てると【10まんボルト】を指示するとギャラドスは【10まんボルト】で相殺してきた……一応は【でんき】タイプの技の対策はしているんだな。

 

 もう1回【ボルテッカー】をぶつけるにしても【ボルテッカー】を警戒しているので早々に使えない。

【10まんボルト】も【10まんボルト】で相殺されるし【アイアンテール】で攻めてみると【アクアテール】で対抗してきた……【あまごい】で【あめ】状態にして【かみなり】を落としても【10まんボルト】である程度は掻き消される。どうしたものかと考えていると【はかいこうせん】を撃ってきた。「これなら上を走ってくることは出来ないでしょう!ギャラドス、潜って!」と反動で体が動けなくなる前に水の中に潜って【はかいこうせん】の反動中の動くことが出来ない状態を回避しようとしているがそれはオレには悪手だ。

 

 水の中にポケモンが潜っているならば炙り出せばいいとピカチュウに【なみのり】を指示して水槽の中の水を操り津波を巻き起こす。

「嘘!ピカチュウが【なみのり】を使えるの!?」と【はかいこうせん】からの水中ダイブを失敗したと気付くかもう遅い。津波に飲み込まれたギャラドスは空中に飛ばされたのでそこだと【10まんボルト】を叩き込み戦闘不能に追い込む。

 

 取り敢えずコレで1体目を倒した。イブキさんがミスをしてくれたからギャラドスを倒すことが出来たが、最後のバッジをかけたジム戦、一筋縄じゃいかない。2体目のポケモンはキングドラ、ピカチュウも【ボルテッカー】の反動もあるしと一旦引いてもらい、リザードンを出す。

 リザードン、またお前の力を見せてくれよと思っていると天井が開き「陸海空、全てで戦えるわ」と空での戦いも出来るようになったのでリザードンを空に飛んでもらうと【かえんほうしゃ】を撃つ。

 

 狙いはキングドラじゃない、キングドラのいるフィールドだ。

 水の中に隠れられたら流石のリザードンでもというかリザードンだから水に安易に飛び込む事が出来ない。キングドラは水の中に入って回避するのだがリザードンは【かえんほうしゃ】で水を蒸発させる。フィールドを生かした戦法なんて取らせるかとリザードンの【かえんほうしゃ】はみるみるとフィールドの水を蒸発させてキングドラの隠れる場所を無くした。

 

「フィールドの水を蒸発させるなんてやるわね。だったらコレはどう!りゅうせいぐん」とキングドラは口にエネルギーを集中させて【りゅうせいぐん】を発射だがこの時点で【りゅうせいぐん】の対抗策はある。【りゅうせいぐん】よりも遥か高くに上昇すればいい。

 並大抵の鳥ポケモンならばキングドラの【りゅうせいぐん】が降り注ぐよりも前に【りゅうせいぐん】の上を行く事は出来ないが流石はオレのリザードン。【りゅうせいぐん】の上を行き、降り注ぐ【りゅうせいぐん】を完全回避。

 

【りゅうせいぐん】を撃ったことによりキングドラは大きくパワーを消耗しているので突撃して【りゅうのいぶき】を浴びせる。

 この程度で倒れるならばジムリーダーのポケモンをやっていないだろうとリザードンはガッチリとキングドラを掴んで空に上昇。何時ものリザードンの十八番【ちきゅうなげ】を叩き込んでキングドラに勝利する。

 

 リザードンの強さも相変わらずのものだ。

 キングドラもやられて後が無いイブキさん「この子で巻き返すわ!」と昨日進化したばかりのハクリューが出てくる。ハクリューの相手は最初から決めていたとリザードンをボールに戻し、初陣だとスイクンをヘビーボールから出す。

 

「サトシくん、スイクンなんて持ってたの!?」と流石のイブキさんも開いた口が塞がらない。

 今まで出し渋っていただけあってコイツは強いですよと言えば上等よ!とイブキさんは乗ってくる。【あまごい】で雨を呼び寄せて【かみなり】を叩き落とす。スイクンには【ミラーコート】があるので【ミラーコート】で反射させる。

 

「流石は伝説のポケモン、一筋縄じゃいかないわね」と頷くイブキさん。

【かみなり】を安易に撃っても反射されるだけだと【かみなり】を撃つことを止めて【ひかりのかべ】を展開する。【れいとうビーム】対策だろう。だったらこちらにも考えがあると【めいそう】を積む。【ぜったいれいど】という手もあったがここは確実に行こうととくこうととくぼうを上げる。途中ハクリューが【はかいこうせん】を撃ってきたのだが流石はスイクン、耐久力は並じゃない。

 

 時間経過と共に【ひかりのかべ】が消えた。

【はかいこうせん】を撃ったので反動の為に動くことは出来ない。イブキさん的には【はかいこうせん】で決めようとしていたのだが、スイクンの耐久力はナメてはいけない。動けなくなったハクリューに向かって【れいとうビーム】を撃ってカチンコチンに氷漬けにし、氷が砕け散るとハクリューは目を渦巻いて倒れており、戦闘不能になった。よぅし、1体も倒される事なく最後のバッジをかけたジム戦を勝ち抜いたぞ。

 

 コロンビアポーズを取っているとボールから勝手にリザードンが出てきて雄叫びを上げる。

 おいおい、まだジョウトリーグの出場権を手に入れただけで優勝したわけじゃない……と言いたいがスイクンも柄にもなく吠えていた。なんだかんだで初のジム戦で最後を任されて勝利したのだから喜ぶなというのが無理な話である。

 

 今日ぐらいは喜びを噛み締めてもバチが当たらないだろうとライジングバッジをゲットした事を高らかに宣言する。

 口では我慢しているが喜びを隠せない……今回もポケモンリーグに出れる。

 

 ジョウトレポート66(晴れ舞台の準備)

 

 オレのジムバッジは8つ集まった。セレナのコンテストリボンも5つ集まった。

 オレはジョウトリーグ・シロガネ大会に、セレナはポケモンコンテスト・グランドフェスティバル・エンジュ大会に出れる様になった。

 グランドフェスティバル開幕まで数日の間があるので急いで向かいつつもオーキド博士に連絡を取って手持ちをピカチュウ以外、総入れ替え。リザードンの調子はフスベジム戦で見たのでこれ以上の特訓は不要である。彼奴は放置しても自動的に強くなる。

 

 ドードリオ、オコリザル、ベトベトン、ドサイドン、ケンタロスと普段は手元に置いていないポケモンを呼び寄せる。

 取り敢えずジョウトリーグに出場する権利を手に入れたぞとバッジを見せると5体のポケモン達は高らかに雄叫びを上げる。ジョウトリーグに出場する事が出来る様になった喜びの雄叫びはもういい。

 

 取り敢えず鍛えるぞとポケモンバトルをしようとするとセレナが珍しく「本気のバトルをしてくれない?」と言ってきた。

 あまりにも急な事だったので驚いたがセレナの事だ、なにか考えがあった上での事だろうとポケモンバトルをする。先ずは手堅く行くぞとケンタロスを出すとセレナはヤミカラスを出した。

 

 ヤミカラス、なにが出てくるのか分からないが負けはしない。

【じしん】が使えないのでどうしようかと悩んでいると【ブレイブバード】で突っ込んでくるので【すてみタックル】で対抗する。ケンタロス相手にパワー勝負を挑むのは悪手に近いぞ。

 

 ぶつかり合いはケンタロスが勝利するが直ぐにヤミカラスは体制を立て直す。

 真正面からの力技では勝つことは出来ないぞ、さぁ、どうすると確かめてみるとセレナはヤミカラスに【いちゃもん】を撃ってくるのでマズいと思ったが手遅れでケンタロスは【いちゃもん】の効果をモロに受けてしまいセレナはもう一度【ブレイブバード】を撃ってくるので使いたくは無かったが【ギガインパクト】を使わざるを得ない。

 

【ギガインパクト】と【ブレイブバード】のぶつかり合いは【ギガインパクト】が制した。

 パワー勝負でケンタロスに真正面から挑むのは悪手だと言いたいのだが【ギガインパクト】を撃たされてしまった。【はかいこうせん】と同じで【ギガインパクト】を撃てば暫くは動けなくなる。ヤミカラスは立ち上がり【あくのはどう】を撃ってきたのでケンタロスに当たる……が、ケンタロスは倒れない。流石はオレのケンタロスだぜ。

 

 ケンタロスが【ギガインパクト】の反動を乗り越えたのだが【いちゃもん】の効果はまだ続いている。

 教えたわけじゃないがこういう搦手を使ってくるとは……オレという手本を見本にしたのだろうか。オレのバトル、あんまり参考にするべきものじゃない。が、【いちゃもん】を使うのは良いぞ。

 

 動けるようになったケンタロスに【いわなだれ】を指示して岩を雪崩落とす。

 ヤミカラスは連発した【ブレイブバード】の影響もあってか動きが鈍くなり【いわなだれ】の岩を回避する事が出来ず撃墜、中々にしぶとかったがオレにかかればこんなもんだ。

 

 ヤミカラスがやられたのでボールに戻すセレナ「やっぱりサトシは強いわね」とオレの強さを称える。

 ケンタロスも結構なダメージを負っているのでモンスターボールに戻し、クリスタルのイワークを出してきたのでベトベトンを出す。ベトベトンは【ほのおのパンチ】を撃ち込むとクリスタルのイワークは苦しそうな顔をする。

 

 さぁ、どう出ると見守ると【しめつける】を使ってくるがベトベトンの体はヘドロで液体に近い。

【しめつける】で締めつけようとするがあっさりとベトベトンは抜け出てしまい、ベトベトンは【ほのおのパンチ】を連打させる。攻撃に耐える事が出来ないと【あなをほる】で地面に穴を掘ってベトベトンの攻撃を回避する。

 

 ベトベトンは特殊攻撃は出来ないわけじゃないが得意ではない。かと言って物凄い早いわけではない。

 クリスタルのイワークの【あなをほる】攻撃は待つしかないんだと待ちの体制に入ると地面に亀裂が走り、クリスタルのイワークが駆け抜ける。ちょっとこれは搦手を使ってやろうと思ったらセレナがクリスタルのイワークを【だいばくはつ】させた。

 

 あまりにも突然の事に開いた口が塞がらない。【だいばくはつ】なんて手、普通のポケモンコンテストじゃ使えない。ゲームでも大量にポイントが入る代わりにそれ以降はパフォーマンスに参加する事は出来ない仕様になっている。

 流石のオレも【だいばくはつ】は予想外だった。ベトベトンも目を渦に回しており戦闘不能になる……セレナと引き分けたか。オレの方が強いと思っていたが何時の間にか慢心しまくっていたみたいだな。

 

 ベトベトンにオレのミスだと謝りつつ、3体目のポケモンをドサイドンを出す。

 ドサイドンに対してセレナはリザードンを出す。あのリザードンはホントに強くて油断はならない……油断しないけども。リザードンは【ねっさのだいち】を撃ってくるので【じしん】を撃って相殺する……が、リザードンは空を飛んで【じしん】の衝撃波を回避する。

 

 これぐらいは想定内だと【ストーンエッジ】を使い地面から岩を貫いてリザードンの元に向かわせる。

 リザードン更に高くに飛んで【ストーンエッジ】を回避するので【アームハンマー】で【ストーンエッジ】を破壊して石の破片をリザードンに向けて飛ばす。

 

 リザードンは【ドラゴンクロー】で飛んでくる石を捌こうとするが予想以上の数に石の破片を捌き切る事が出来なかった。

 石の破片が一発命中すると怯み、2発3発と連発されて後退していく……が、コレだけで倒れることはない。ケンタのバクフーンとまともにやりあえるポケモンがこの程度の事で倒れるわけが無いだろう。

 

 リザードンはあっさりと立ち上がり雄叫びを上げる……というか【もうか】を発揮したのか尻尾の炎が大きくなっていた。

 まだ戦えるとリザードンに【おにび】を指示したので長期戦は不利になるなと【つのドリル】で突撃をし、リザードンの【おにび】に命中しつつもドサイドンは怯む事なく【つのドリル】をリザードンに当てて戦闘不能に追い込んだ。

 

 ドサイドンは【やけど】状態になったがここで試合は終了なので取り敢えずラムのみを食べさせて【やけど】を治す。

 コレで残すところはテールナーだけだと最初のポケモンで挑んでくるのでこっちも対抗してピカチュウを出す。テールナーは【サイケこうせん】を撃ってきたので【10まんボルト】をぶつける……が、流石はオレのピカチュウと言っておくべきか。テールナーの【サイケこうせん】を押していく。

 

 純粋なパワーがピカチュウの方が上なのでどうするか?

【なみのり】で襲ってみると【ひかりのかべ】を貼ってきた。いいぞ、いいぞ、そういう搦手はポケモンバトルでは大事なんだ。この世界の住人、変化技をあんまり使わないからそういうのは大事だ。

 

 だが、そんなもんでオレのピカチュウは止まらない!

 

 津波で飲み込みテールナーを濡らすと【10まんボルト】を浴びせる。【ひかりのかべ】がある程度軽減してくれるがそれでも効果は絶大で更には【まひ】状態になったのでトドメと言わんばかりに【たたきつける】でテールナーを叩きつけた。4戦やって4連敗だがセレナは挫けない。

 

「今の私はマリナとまともに戦えるかしら?」と聞いてくる。技が通用しないわけじゃないがオレとのバトルとセレナが戦うマリナとのバトルは別物だ。普通のポケモンバトルでなんとか戦える状態なのでコンテストバトルになれば……3割ぐらいじゃないだろうか。

 決してマリナは超えられない壁じゃない。まだまだ鍛える余地はありそうなので頑張っていこう。目指せエンジュシティだ。



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グランドフェスティバル

 ジョウトレポート68(ただ一つの)

 

 余計な道を通らずに真っ直ぐにエンジュシティに向かったのであっという間に辿り着いた。

 道中ポケモンバトルをしたりしたかったけども今回はセレナに花を持たせないといけないのであっという間に辿り着いたエンジュシティ。既にグランドフェスティバルの準備はされており会場は既に完成されており、現地入りをしているコーディネーターがチラホラと居る。

 

 この中から1番にならなければならないのかとセレナはプレッシャーを背負い込む。

 1番にならないといけない……コレばかりはなんとも言えない、楽しんでいこうぜなんて軽々と口にしてはいけない。ポケモンリーグに出た経験があるから分かる……けど、それはここにいる全員が背負っているプレッシャーなんだ。優勝する奴はそんなプレッシャーを跳ね除ける……多分だけど。

 

 なんとかしてプレッシャーを解す事が出来ないかと取り敢えずはハグをしてみる。

 セレナっパイの感触を楽しみつつ「大丈夫、お前だったら優勝する事が出来る……自分に自信を持てなんて言わない。けど、自分の中にある可能性や力を出し切るんだ」と励ましのエールを送る。

 

 この声援が力になったのかセレナはやる気を出す。オレにしか出来ないやり方だったが力を発揮してくれてなによりだ。

 オレは基本的には応援する事しか出来ない……一応はロケット団の妨害工作が無いかどうかは気にしておく。折角の晴れ舞台を台無しにさせてたまるかってんだ。

 

 テールナー、クリスタルのイワーク、ヤミカラス、リザードンの合計4体でここまで来た……やれることはそれなりにやってきたのだろうが可能性の引き出しはまだまだ残っている筈だ。一次予選のパフォーマンスは2体で行うものでセレナは2体でのパフォーマンスをどうするか悩む。

 一回やった時はリザードンを全面的に前に押し出す炎の【ちきゅうなげ】を決めるものだ。アレだけの芸当は早々に無いものでアレを超えるパフォーマンスを考える。

 

 空を飛べるポケモンはいる。地面に立つ事が出来るポケモンもいる。地面を潜る事が出来るポケモンもいる。

 やれることは色々とあるのだからとセレナと相談しつつパフォーマンスの練習をしていると他のコーディネーターのポケモンが進化する姿を見る。他人のポケモンといえども進化をする姿は圧巻でコレをパフォーマンスに取り入れる事が出来たのならばとセレナは考えて閃く。

 

 たった一回しか出来ないぶっつけ本番でリスクは高いが成功すれば大きく点数を稼ぐことが出来る。

 ヤミカラス、お前の背にセレナの一次審査がかかっている……頼むからヘマをするんじゃないぞ。

 

 ジョウトレポート69(ライバル現地入り)

 

 明日に開催されるグランドフェスティバル。いよいよ明日という事もあってか多くのトレーナーやコーディネーターが出場登録をしに来ている。

 そんな中で遂にやってきた1番のライバル……マリナとケンタのコンビがやってきた。当然の如くマリナはコンテストリボンを5つ集めていた……まぁ、ここに来てるから当然と言えば当然なんだけども。

 

 ケンタが「今回は勝たせてもらうぞ」と言うが今回はお前が戦うわけじゃないだろうが。マリナならきっと優勝する事が出来るのだと信じているから言える事だ……口ではマリナに冷たく当たっている割にはマリナの事を信頼しているんだな。

 グランドフェスティバルに出場登録を済ませているとケンタのポケギアに電話が掛かってきた。誰からだと隣で聞き耳を立てているとウツギ博士からの電話だった。

 

 グランドフェスティバルが終わった後で良いから海洋研究所に立ち寄ってくれないか?との事で「俺、シロガネ大会に向けて最終調整したいんですけど」と断ろうとしていたのだがウツギ博士が思ったよりも押しが強かったので渋々承諾した。

 ケンタもケンタでなにかと忙しいんだなと思っているとチラッと視線を向けてくる。オレに厄介事を押し付けたい様だが、そう何度も何度も厄介事を引き受けるわけねえだろうが。赤いギャラドスの時は原作に深く関わって来ているからだ、オレはそんなに優しくねえんだよ。

 

 ケンタは最終調整をしたいのにとグチグチと呟いていたのでオレがポケモンバトルの相手をしてやる事にした。

 正直な話、手の内はそこまで見せたくないと既に色々と知られているピカチュウで挑むとケンタは赤いギャラドスを出してきた。アレから赤いギャラドスを鍛える事は出来ているのか試してやると【10まんボルト】を浴びせようとすると【10まんボルト】で相殺する。

 

 一応は色々と対策してきているなと思いつつも【ボルテッカー】で攻めようとすると【とびはねる】で高くに跳ばれて【ボルテッカー】を当てる事は出来なかった。あの手この手とやるなと思いつつも【あまごい】を使い【あめ】状態にして飛んでいるギャラドスに【かみなり】を落とす。

 流石にコレは対処する事が出来なかったのかギャラドスは【かみなり】に命中して撃墜される。

 

「【あまごい】からの【かみなり】のコンボがあるのは分かっていた……【とびはねる】の精度を上げれば雨雲の上を突き抜ける事は……無理か」と撃退されたギャラドスをボールに戻しつつ考察する……まだ捕まえて間もないギャラドスだったが練度が中々のものだ。どういう感じに鍛え上げているのか意見を交換しあう。弱点の特殊系の技は同じ技で相殺するのが1番なのが結論に至った。

 

 ジョウトレポート70(開幕 グランドフェスティバル)

 

 遂にグランドフェスティバルが開幕する。

 トップバッターは名も知らぬトレーナーでガラルバリヤードとソーナンスによる【ミラーコート】合戦を繰り広げる。倍々ゲームで最終的に膨らんだ【れいとうビーム】のエネルギーを回避して氷の柱を作ったのは見ものだった。

 

 流石はグランドフェスティバルというべきか、普通のポケモンコンテストでは雑魚同然でセレナなら余裕で勝ち抜く事が出来たが今回は違う。コンテストリボンを5つ集めた猛者達が集っている。セレナに優勝するように応援をしていると言ったが勝てるのかどうか本人以上にヒヤヒヤしているとセレナの出番がやってくる。

 

 セレナはクリスタルのイワークとヤミカラスを出した。ヤミカラスは【くろいきり】を放ちクリスタルのイワークは【れいとうビーム】をフィールドに撃つ。なにが起きているのか分からない状況を作り出したらヤミカラスは【くろいきり】の中に飛び込んだ。

 中でなにが起きているのか分からないドキドキ・ワクワクの状況を作り出すとセレナは【やみのいし】を取り出して霧の中に投げ込んだ。

 

 眩い光が黒い霧の中を貫いていると黒い霧は段々と晴れていき……氷の木の上にヤミカラス、ではなくドンカラスが氷の木の上に止まっていた。

 急に出来た氷の木の上に止まっているドンカラスは雄叫びを上げる。黒い霧が晴れて氷の木が出現してヤミカラスがドンカラスに進化を果たしていたので圧倒的なまでのパフォーマンスとなり好評価を受ける。

 

 セレナはやっぱり煌めいているなとうっとりしているとセレナのパフォーマンスタイムは終わり、次にマリナの出番が来る。

 マリナはムウマージとウィンディを出す。ムウマージは【おにび】を作り出し輪っかを作り上げるとウィンディは【ワイルドボルト】で【おにび】の火の輪潜りを見せつける。ああいう使い方もあるなと【おにび】の便利さを実感する……コンテストって攻撃系の技よりも補助系の技の方が目立つよな。特に状態異常系の技は強い。

 

 他にも色々と参考になるなと思えるパフォーマンスが多々あった。

 ポケモンコーディネーターとして必死になって鍛え上げたんだなと思える……ケンタも参考になるなと動画を撮影している……オレも撮影機材とか用意した方がいいのだろうか?ケンタの熱心な研究は見習わないといけない。

 

 取り敢えずこのレポートとは違うバトルメモにメモを残す。

 氷の水の波動とか色々と参考になる……実戦で使えるかどうかと聞かれればどうかであるが、面白い技は多々あった……こうしてみるとオレってコーディネーターに向いていないのが分かる。それっぽい事は出来るけども、あくまでもそれっぽい事でちゃんとした本格的な技が出来ない……二足のわらじを履いているマリナは凄いと素直に思った。

 

 全てのパフォーマンスが終わるとあっという間に結果発表だ。

 セレナは勿論1次予選を突破、マリナも当然の如く突破しており今日は終わった……明日は2次審査、コンテストバトルだ。1次審査を無事に通過する事が出来てセレナは涙を流しているがこんなところで泣いていたらキリが無いぞ。

 

 ジョウトレポート71(激アツ グランドフェスティバル)

 

 二次審査のコンテストバトルがはじまった。

 セレナの対戦相手はエレキブルを出してきたのでセレナはクリスタルのイワークを出す……クリスタルのイワーク【でんき】タイプの技を通すんだけど大丈夫かと思っていると【れいとうパンチ】を地面に叩きつけて氷の柱を作り出すので【アイアンテール】で氷の柱を破壊する。

 

 クリスタルのイワークなんて初見でどうすればいいのか対戦相手は手探りでやっている感じがある。リージョンフォームのポケモンの知識は流石に持っていないがイワークならば【でんき】タイプの技は通用しないなと先入観に囚われている。

 当然セレナはその隙をついて【れいとうビーム】で地面をカチンコチンに凍らせた後に【じしん】を撃って氷の礫を【じしん】の衝撃波と共に放ち、エレキブルを戦闘不能にした。

 

 電気系の技を使えないと勘違いをしてくれたのでなんとかなったとヒヤヒヤしているとセレナの次の対戦カードが組まれる。

 セレナの次の対戦相手はマリナだった。マリナを相手に何処までやれるか……少なくともあの時よりは段違いにセレナは強くなっている。「悪いがこの勝負、もらったぞ」とケンタは勝ちを確信するがまだ勝負ははじまってすらいない。

 

 1回戦が順調に消化されていき、迎えた2回戦。セレナはマリナと対峙する。

 2回戦は使用ポケモン2体のダブルバトル、セレナはリザードンとクリスタルのイワークを選出し、マリナはオーダイルとウィンディを出した……コレは色々とまずいなとオーダイルはクリスタルのイワークに向かって【みずのはどう】を放つのだがイワークは真正面から受け切る。

 

 セレナのクリスタルのイワークには水系の技は通じない。

 クリスタルのイワークは【れいとうビーム】を地面に撃ってフィールドをキンキンに凍らせ、リザードンに空を飛んでもらう。これで有利になったのはセレナだ。

 

 クリスタルのイワークは【ロケットずつき】を撃つ。

 ウィンディは避けようとするけど氷が滑って上手く走る事が出来ず、逆にクリスタルのイワークは氷の上を滑って勢いをつけた【ロケットずつき】が激突し、ウィンディは耐えようとするけれど足の踏ん張りが上手く効かずにフィールドの端まで飛ばされる。

 

 イケると思っているとオーダイルが【アクアテール】を地面に叩きつけて氷のフィールドを破壊して【みずのはどう】を撃ってくるのだがリザードンが【かえんほうしゃ】を撃って【みずのはどう】を蒸発させる……コレは厳しいかと見ているとセレナは動いた……ペンダントを取り出した。

 

「今の私じゃ普通にやってても勝つことは出来ない……だから!私の全てを!ぶつける!!」とペンダントに入れてあるキーストーンを輝かせてリザードンをメガシンカ……メガリザードンXになった。嘘だろ、こんなの聞いてないぞと唖然になっているのだがそんな事はお構いなしだとメガリザードンXは青い炎の【ほのおのうず】をオーダイルに向けて撃つとウィンディがオーダイルを突き飛ばしてウィンディがオーダイルの代わりに【ほのおのうず】に囚われる……まずい、まずい…。

 

 メガシンカをしてセレナに有利な状況になっている様に見えるがマリナの体制を中々に崩すことが出来ていない。

 ここからどう逆転するのかと思っているとウィンディがとくせいの【もらいび】が発動して【ほのおのうず】を吸収して燃え盛る。【ほのおのうず】を喰らってウィンディは燃え盛る様なオーラを身に纏っている。

 

 決めるならば今しかないぞと思っているとセレナが動いた。

 メガリザードンXに【ソーラービーム】を指示したのだがそれは悪手だ。メガリザードンYだったらそれが正しいがXでは特殊系の技を使うべきではない。マズいと危険を感じているとウィンディがメガリザードンXに向かって【フレアドライブ】を撃ってくるがクリスタルのイワークが【ストーンエッジ】を地面から生やして無理矢理突撃を止める。

 

 オーダイルが【ハイドロカノン】を撃ってメガリザードンXを撃墜しようとしたが一手遅れた。メガリザードンXは【ソーラービーム】を発射して【ハイドロカノン】を押していく……が、ここで試合終了のブザーが鳴った。そこまでと試合が終了した。【ソーラービーム】は【ハイドロカノン】と相殺された……【かみなりパンチ】だったら勝ててたかもしれない…………セレナが。

 

 コンテストのパフォーマンスのゲージはギリギリのところで、寸での勝負でマリナが勝った。

【ソーラービーム】が【かみなりパンチ】だったら、メガリザードンXではなくメガリザードンYだったのならば、セレナが勝っていたかもしれない。こればっかりは攻めようも無いと選手控室に向かうとから笑いを見せた。

 

「やっぱりマリナは強いわ……」となんでもない素振りを見せているがホントのところは悔しくて泣きたいところだろう。

 グランドフェスティバルはまだ続いているが人気のないところに連れていき強く抱き締めるとセレナは大粒の涙を流した。「勝ちたかった……もっともっとポケモン達と輝いていたかった!!」と悔しそうに叫ぶ。「まだまだポケモンコンテストの道は険しいんだ……これからじっくりと極めよう。セレナはまだまだキラメく事も輝く事も出来るんだ」と大粒の涙を拭いてあげるとセレナは立ち直る。

 

 次の地方でポケモンコンテストを頑張ればいい。

 ところでリザードナイトX何時の間に手に入れたのか聞いてみるとリザードンが何時の間にか持っていたらしい……リザフィックバレーで手に入れた。オレのリザードン、持ってなかったぞ。まぁ、仮に手に入れてもX型に育てていないからYじゃないと不満である。

 

 気を持ち直したオレ達はマリナの応援をする。マリナは準決勝に駒を進める事が出来たので声援を送った……が虚しくもマリナは準決勝で敗退した。あまりにもあっさりとした敗退で言葉も出ない……ポケモンバトルならば勝てていたかもしれない。ポケモンコンテストはポケモンコンテストとして奥が深いのが分かる。

 

 こうしてグランドフェスティバルは名もなきモブの優勝に終わる……いやぁ、ホントにスゴかったとしか言いようがない。

 

 ジョウトレポート72(目指せシロガネ山)

 

 無事とは言えないがポケモンコンテスト・グランドフェスティバルは終わった。

 セレナが頑張ったのだから今度はオレが頑張らないといけないなとやる気を出しているのだが、ここで問題が1つ発生した。ジョウトリーグ・シロガネ大会に参加する為にはもう一度地方リーグ参加登録をしたところに行かなければならない。ジョウトリーグに参加登録をしたところといえばワカバタウンである。

 

 ジョウトリーグ・シロガネ大会までは1ヶ月以上ある……一旦マサラタウンに帰ろうかと考えたが流石に遅刻してシロガネ大会に出場出来なかったのは笑い話にもならない……ので、とっとと現地入りをしようと思う。

 シロガネ大会の会場は分かっているのでとっとと現地入りをして最終調整を……ケンタはワカバタウンの実家でポケモン達を最終調整をするつもりらしい。流石にケンタのところで厄介になるわけにもいかないし。

 

 そういえばなんか大事な事を忘れている気もするけど……なんだろう?リザードナイトとかじゃなくてなんか大事な事があった様な気がする。



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シロガネ大会 会場入り

 ジョウトレポート72(出場登録完了)

 

 ワカバタウンに辿り着いたので早速、今回のジョウトリーグ・シロガネ大会に参加登録をする。

 書いてて何だけども普通はシロガネ大会の会場でやるもんじゃないかと思ったが、どうせシロガネ大会の会場であるシロガネ山に向かうには一度ワカバタウンを経由しておかないといけないのでついでの感覚でやっておく。

 

 数日歩けばシロガネ山の会場に辿り着くことが出来るので、取り敢えずオーキド博士に連絡を入れようとすると出てきたのはケンジだった。

 オーキド博士は用事でワカバタウンに向かっていると知らせてくれる。ワカバタウンに用事ってなんかあったっけ?と考えてみるが、オーキド博士もアレはアレで忙しい身、ウツギ博士と打ち合わせかなんかしてるんだろう。

 

 オーキド博士が居ないけどもオーキド博士の研究所に預けているポケモン達は元気にやっている様なので「これからシロガネ大会の会場に向かってポケモン達を最終調整するからポケモンを入れ替える。ピカチュウを除いた残り5体を送るから」とケンジにポケモンを交換してもらう。

 ゲンガー、オコリザル、ドサイドン、ドードリオ、キングドラ。ここ最近手持ちに居なかった面々だがただただオーキド博士の研究所で待機していたわけじゃない。ミュウツーに指示した通り日夜切磋琢磨と鍛え上げておりキングドラは何時の間にか【りゅうせいぐん】を覚えていた……【りゅうせいぐん】か。キングドラとは相性がいい……筈だ。

 

 スイクンとキングドラ、ヘルガーとリザードン、ヘラクロスとオコリザルの様にタイプ被りのポケモンは上手い具合に使い分けないといけない。

 連日連戦のポケモンリーグでは怪我の為にポケモンが出場する事が出来ないと言う一例が存在している……ケンタやマリナとぶつかり合う際にはベストな手持ちで挑まないといけないな。

 

 ポケモン達にジョウトリーグ・シロガネ大会までにオレが鍛えると言えばやる気を見せる。ミュウツーに面倒を見させるのもいいが、やっぱり自分の手で育成したい。ポケモンを育成するのはホントに楽しい……今の自分がどれくらいやれるのかが滅茶苦茶気になる。チャンピオンリーグから大分鍛えたり手持ち増やしたりしているし、あの頃よりは強くなれた……と、普通ならば自信と紙一重な慢心や余裕が出来るがそんなもんはオレには存在しない。なにせケンタが居るからな……ライコウはアカン。スイクンをゲットしていてどの面下げて言っているんだ状態だが。

 

 ポケモン達と殴り合いながら鍛えているとポケギアに連絡が入った。

 ケンタからで今どの辺か聞かれたのでワカバタウンといえば「ヨーギラスのタマゴを預かった」と教えてくれて思い出す。なんか忘れていると思えば迷子のヨーギラスをシロガネ山に還す作業を忘れていた。

 原作ではウツギ博士がサトシくんに頼むのだが、原作はブレイクされてケンタにヨーギラスのタマゴが託された……どうしようとケンタは困ってたが「お前が孵して還してこい」と冷たく突き放す。毎回毎回頼られては困る。

 

 ケンタも最終的にはシロガネ山に向かうのでヨーギラスのタマゴを引き受ける。

 コレもいい経験だ。シロガネ山にはバンギラスを狙う密猟者も居るから頑張れよと声援だけは送っておく……この世界って結構悪人多いな、うん。悪の組織の大半を引き受けないといけないんだから密猟者の1つや2つ、潰してみせろ。そう考えるとオレって治安の悪い世界に転生してるよな……まぁ、GOD EATERとかよりマシと思っておけばいい。

 

 コレも1つの経験だがケンタよ、コレで赤いギャラドスの借りを返したと思うんじゃねえぞ。

 本来ならばオレがやる行為を偶然にもお前が任されただけであってそこにオレの意図は介入していないんだ。お前はそうだな……アローラ辺りでパシるからな。お前、ホントに覚えとけよ。

 

 ジョウトレポート73(エンテイと温泉巡り)

 

 厄介事も無いのでさっさとシロガネ大会の会場を目指そうとしていると偶然にも温泉を発見する。

 天然の秘湯だなと温泉の温度を確認すると程よい温度だったので早速水着に着替えて温泉に入る。温泉の湯が五臓六腑に染み渡る。ジョウトリーグに出場する為に色々と頑張ったからな……いや、ホントに色々とあったな。

 

 ヘルガー、ドサイドン、ゲンガー、スイクン、ドードリオもボールから出す。

 ヘルガーとドサイドンは水が苦手なので温泉の隣にあった砂風呂に浸かる……砂風呂も気持ち良さそうなので後で浸かろうかなと考えていると人の気配を感じる。セレナはオレの横で一緒になってるので誰かと振り向くと「エンテイじゃなくてスイクン!?」とオレのスイクンを見て驚いていた。

 

 オレのスイクンになにか?と少年もといナオヤに聞いてみるとナオヤはエンテイを追いかけているエンテイハンターだった。

 データを参考にこの温泉地にエンテイが出るらしく罠を仕掛けている……いや、罠を仕掛けるのはやめろ。ポケモントレーナーなら潔くポケモンバトルを、ポケモンを用いてのゲットをしろ。

 

 3犬の内の1体を連れているオレに「どうやってスイクンをゲットしたんですか?」と聞いてくる。

 向こうからバトルをふっかけてきたから正直な話、参考にならない……ケンタに連絡して体験談をと思ったがあいつの場合はマスターボールを用いてのゲットだから話にならない。

 

 エンテイはここに現れる筈だとパソコンと向き合うナオヤ。

 そうやってパソコンと向き合うのはいいけども肝心のゲットの準備は出来ているのか、記念受験みたいなノリでエンテイに挑むのはエンテイに失礼だと言えば「大丈夫」とムウマをボールから出した。

 

 エンテイ、スイクン、ライコウは何処からともなく現れてあっという間に去っていく。故に逃さない、逃げられない様にと【くろいまなざし】を覚えさせているとスイクンに向かって【くろいまなざし】を撃つのでスイクンは【ほえる】を使ってムウマを強制的にボールに戻した。

 やっぱさぁ、徘徊系のポケモンが【ほえる】持ってるのいけないことだって。【くろいまなざし】とか色々と対策しても【ほえる】の一声で全てがおじゃんになるよ。

 

 スイクンもライコウも【ほえる】を使える事が出来るので多分ナオヤのお目当てであるエンテイも【ほえる】を覚えているぞと言えばORZの体制になり落ち込む……取り敢えずムウマをムウマージにして【ちょうはつ】でも覚えさせるか?まぁ【ちょうはつ】を撃ってる間に逃げられるオチだろうけど。

 

 一番手っ取り早い方法としては【ほえる】が効かない様にする、つまりは野生のエンテイよりも強いポケモンになる……手っ取り早いが一番険しい道だな、うん。

 罠は回収しとけよと注意して砂風呂の中に埋まっているとカランコロンと仕掛けていたブービートラップの音色が鳴り響く……まさかと思ったら隣で砂風呂を楽しんでいたスイクンが急に起き上がった。隣に居るオレはスイクンの砂を顔面に浴びる。地味に熱い。

 

 スイクンが反応しているという事はそういう事だろうとオレも砂風呂から抜け出てスイクンの背に乗っていくと崖の上にエンテイが立っていた。

 準伝説のポケモンが何処に出てくるのか当てたナオヤは地味に凄い。このポケモン図鑑、追尾機能搭載されてないから目当てのポケモンを探すの難しいんだよな。

 

 念願かなってエンテイと遭遇する事が出来たナオヤは早速ムウマを出して【くろいまなざし】を撃つのだが案の定【ほえる】で弾かれる。

 エンテイ、もうちょっと手心を加えないのかと思っているとエンテイはスイクンと向かい合う。スイクン、ライコウの時も向かい合ってなにかを話していた……見つけるべきトレーナーを見つけたのか?とかいう会話なのだろうか。エンテイはジッとオレの事を見つめてくる……流石にエンテイまではめんどう見きれないぞ。そもそもエンテイにいい思い出無いし。

 

 スイクンはコレが自分のトレーナーだと自慢気に紹介するとエンテイは去っていった……ナオヤはまだまだエンテイには届かない事にショックを受ける反面、エンテイをゲットするぞと燃えていた……やる気があるのはいいことだ。

 エンテイも完全に去りナオヤもブービートラップを回収したので砂風呂に入って英気を養う……温泉もいいが、砂風呂も中々に悪くない。

 

 ジョウトレポート74(阪神は関係無い)

 

 シロガネ山を目指していると急になにかが変わった様な感覚になる……なにかが変わったのだろうが、なにが変わったのかは不明だ。

 まぁ、なにが起きても問題無いだろうとシロガネ山に向かっているとエレキッドと遭遇する。エレキッドは珍しいなと図鑑を取り出して登録しているとあっという間に去っていった。

 

 幸いにもセレナもオレも欲しいと思っていなかったので良しとしようと思っているとナナコが現れる。

「サトシはん、お久しぶりやな〜」とコテコテの関西弁で挨拶をしてくる……セレナの視線が若干だけど怖い。女の子と仲良くしてると嫉妬の炎を燃やすんだよな……まぁ、別にいいんだけども。

 

 アレから旅は順調に進んでいるのか?と尋ねればバッジ4つとのこと……シロガネ大会までは残り1か月ぐらいで……今回は間に合わなさそうだな。まぁ、ナナコもナナコのペースがあるので無理強いをさせるわけにはいかない。今回は間に合わないが次のシロガネ大会には出れるようになっておけよと先輩風を吹かしつつエレキッドを見たことを伝えるとガッチリと肩を掴まれて「何処で見たん!?」と迫ってくる。

 

「あっち」とエレキッドを見た方向を教えると走り去り……暫くすると雷が落ちていたので恐らくはエレキッドをゲットする事が出来ただろう……まぁ、最近エレブーズ調子悪いけどなんとかなるだろうな。

 

 

 ジョウトレポート75(シロガネ大会・最終調整勢)

 

 シロガネ山の麓に辿り着いたので一休みだとポケモンセンターで休んでいるがなんかやたらとポケモントレーナーが多かった。

 どうやらシロガネ大会に向けて色々と調整をしたり育成をしたりしているトレーナーが集っている様だ。ここにいるにトレーナー達は全員シロガネ大会の参加資格を満たしているトレーナー達だ。

 

 預けたポケモンをジョーイさんに回復してもらうと早速ポケモンバトルを挑みにいった。

 ここにいるのはジョウトリーグの参加資格を満たしている得ているトレーナー達だからきっと強いんだろうとカビゴンを出して「誰かオレとポケモンバトルをしてくれないか?」といえば周りがシーンと固まる。

 

 なにかおかしな事でもやったのだろうか?と困惑していると「マサラタウンのサトシだ」「セキエイ大会優勝した奴じゃん」「シロガネ大会に参加とかマジかよ」と呟きが聞こえている……オレもトレーナーとしてそれなりに有名になったものだ。

 

「オレはシロガネ大会の参加資格を満たしている……オレを倒せなきゃ、優勝なんて夢のまた夢だぞ」と挑発をすれば見事に乗っかってくれてブビィ使いのトレーナーがバトルを挑んでくる。ブビィは【ほのおのパンチ】でカビゴンのお腹を殴ってくるがカビゴンの自慢のお腹はポヨンと弾き飛ばす。カビゴン相手に物理攻撃は不利だと感じたのか【かえんほうしゃ】に技を変えてくる。

 

 カビゴンのとくせいは【あついしぼう】そもそもで【ほのお】タイプの技が通じないんだ。カビゴンは大きな欠伸をあげてブビィの【かえんほうしゃ】を耐え抜いておりブビィが【かえんほうしゃ】を一旦やめると今度はこっちの番だと【のしかかり】を使いカビゴンはカビゴンと思わせない身軽さでジャンプしてブビィの上にのしかかりブビィを下敷きにすると戦闘不能にした。

 

「やっぱりセキエイ大会優勝者はレベルが違うや」と感心する……「記念受験のノリでオレに挑むぐらいならばシロガネ大会に出ようなんて思うんじゃねえよ」と毒を吐いておくと見事に引っかかってくれて「セキエイ大会の優勝者だからって調子に乗るんじゃねえ!」とゴーリキー使いのトレーナーを筆頭にオレに挑んでくるのでオレは手持ち6体をフルに動員し、バトルに明け暮れる。そして全てに勝利をする……やっぱりポケモンバトルはいい……が、つまらないとも感じている自分がいる。やっぱ相手が弱すぎるのも如何なものかだ……強い相手と戦いたいという欲求は極力抑えておこう。ケンタかマリナかどっちかがオレを熱くさせてくれる……心はホット、頭はクールにいかないとな。

 

 ジョウトレポート76(聖なる炎とニューラ)

 

 シロガネ大会の会場まで後少しというところでホウオウ院という寺にやってくる。

 基本的にはポケモンリーグはファイヤーの聖火を灯して行われるのだがジョウトリーグだけは異なり、ホウオウの【せいなるほのお】を灯して行う。オリンピックじゃないんだから聖火は要らないんじゃないかと思っていると寺院の人達がなにか困っていた。

 

 こりゃまた厄介な事が起きており、寺院のホウオウの【せいなるほのお】を祀る社にニューラが巣を作ってしまい、取り出す事が出来なくなってしまったらしい。腕利きのトレーナーがホウオウの【せいなるほのお】を取り返しに行こうと挑んだらしいが逆に撃退されてしまい、さぁ、大変だという状況の様で「このままだと今回のシロガネ大会がぁ」と和尚さんが落ち込んでいる。

 

 正直な話、ホウオウの【せいなるほのお】には興味はないけれどもこのままポケモンリーグが開催されないとか運営に滞る事になるのは非常に厄介なのでニューラを撃退するのに協力する事にした。

 腕利きのトレーナーをも簡単に撃退するニューラ、並大抵のトレーナーならば勝てないだろうがオレは違うぞと社に向かうとゴーリキーとワンリキーが待ち構えていたのでヨルノズクを出して【サイコキネシス】をお見舞いしてやった。お前等雑兵もとい取り巻き共には興味はねえ。

 

 2体をあっさりと倒すと出てきたニューラ。目つきは鋭くヨルノズクをジッと睨んでくるのでヨルノズクをボールから戻してハッサムを出す。

 こっちもマジでやるつもりだと【バレットパンチ】で攻撃しようとすると【メタルクロー】で対抗してきた。中々にやるぞこのニューラと思いつつハッサムに【つるぎのまい】を指示して物理攻撃を高めるとニューラも【つめとぎ】をして攻撃を高める。

 

 オレのハッサムはオジイなので長期戦には向いていない。【つるぎのまい】の時点で大分息が乱れている。

 決めるならば一発だと【ばかぢから】を決めに行き、ニューラを渾身の一撃で殴り飛ばす。【つるぎのまい】を3積みして【バレットパンチ】じゃなくて【ばかぢから】にして正解だと思う。ニューラも【れいとうパンチ】で攻撃してきていた。

 

 タイプの上では圧倒的に有利で技のタイプも有利で更には【つるぎのまい】3積みと来ればそりゃあもう強いというもの。

 ぶっ飛ばされたニューラは目を渦巻き状に回している、戦闘不能状態になっているのですかさずモンスターボールを投げてニューラをゲットする。ここまで出来るニューラは即戦力になり得るポケモンだ。ゲットしておいて損は無い。

 

 騒動が終わり、バシャーモ使いのトレーナーことサトシくんキラーの1人であるハヅキが「遅かったか」と悔しそうにしていた。残念だったな、ニューラは既にオレの物だ。

 

 ジョウトレポート77(シロガネ大会会場現地入り)

 

 シロガネ大会が開催される会場に辿り着いた……意外と長かったがなんとかなるものだ。

 大会開幕まで一ヶ月あるのでそれまではポケモンの修行に当てる事が出来る……既に現地入りを果たしているトレーナーも居たので地味に驚いた。

 

 そういえばケンタはどうしてるんだろうとポケギアで電話を入れるとヨーギラスをシロガネ山の自然保護区に還したと言っている。

 ヨーギラス、扱いづらくなかったか?と聞けば「バンギラスが居るから比較的早くに心を開いてくれた」との事……バンギラスを持っているケンタがヨーギラスをシロガネ山に送り届けて正解だったな。ついでに密猟者もライコウで撃退したらしい。

 

 明後日辺りにはシロガネ大会の会場入りを出来るそうだ。

 急遽予定が狂って調整が上手く行っていないかと思ったがケンタの奴は意外とケロッとしている。なんだかんだでこいつもタフ、ポケモン世界に馴染んできたな。

 

 今日は休む……明日からハードな特訓をするので、休める時に休んでおかないといけない。

 まだ一ヶ月前なので目ぼしいトレーナーもシゲルもハヅキもいない。サトシくんキラーになり得るトレーナーはいない……いや、居たら居たで困るんだけど。オレを殺すためだけのトレーナーとか冗談抜きで出てこないでほしい。伝説厨はホントに黒歴史、というか全力で殺しに来ているよ。

 

 リーグ開催中はポケモンを新しく手持ちに加えることは出来ない。

 ピカチュウ、ドサイドン、ドードリオ、フシギダネ、リザードン、ゲンガー、キングドラ、オコリザル、ベトベトン、ケンタロス、ハッサム、ヘラクロス、ヘルガー、ヨルノズク、スイクン、ドンファン、ニューラとセキエイ大会の時と違い手持ちも大分豊富になっている。戦術のレパートリーが一気に増えている……全てを覚えないといけないし、鍛え上げないといけないのは一苦労だが、苦じゃない。この一ヶ月を無駄にはしない。



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開幕 ジョウトリーグ・シロガネ大会

 ジョウトレポート108(明日から開幕)

 

 約一ヶ月の調整及び特訓を果たした結果、オレのポケモン達は更に強くなった……と思う。

 なにせ比較する対象が居ないもんだからレベルアップを果たす事が出来ているかどうか謎なのである。オレより後に会場入りしたトレーナー達を相手にポケモンバトルを挑んではいるものの割とあっさりと勝つことが出来ている。

 

 対戦相手のトレーナーもバッジを8個以上集めて強いトレーナーの筈だが、それでもオレが圧勝してしまう。

 自分が確実に1歩ずつだが強くなることが出来ている……のは良いことだが相手があまりにも弱すぎるのも如何なものだろうか。いや、良いんだよ。無双してるし、オレTueeeee出来てるしいいことなんだけどな。

 

 明日からジョウトリーグ・シロガネ大会が開幕するので今日は特訓は無しにした。休むのもまたポケモントレーナーの修行の1つである。明日からジョウトリーグ・シロガネ大会が開幕する……コレを書いてる今でもワクワクが止まらない。ポケモンリーグなら一度出て優勝を経験した筈なのに、オレの精神もまだまだな。もっと武者震いな気持ちを抑えれないのは……うん。

 

 今日はオフなので頭を切り替えようとするけれども、そう安々と頭を切り替える事は出来ない。

 サトシくんキラーことハヅキやケンタにボコられた以降パワーアップをしたシゲル、グランドフェスティバルでいいところを見せたマリナにポケモンリーグ・セキエイ大会でオレに負けたケンタととにかく色々と強そうなトレーナーが多々いる。

 

 明日からもしかしたら直ぐにぶつかるかもしれない。

 そう考えると今日、オフにして大丈夫なのかと心配してしまう。原作なんてオレが転生者の時点で既に崩壊しているも同然なんだ。原作通りに事が運ぶとは限らない……いやまぁ、原作通りに事が運んだらオレ本戦トーナメント2回戦でハヅキに負けてしまうから原作通りになってほしくないんだけども。

 

 大会開始前のオフって逆に緊張する。ケンタはどうしてるのかと尋ねてみるとマリナとデートをしていた。

 なんだかんだでケンタも緩くなってきているな。転生して直ぐの頃にはそこそこグレていたのが嘘のようだ……しかし、ホントに今更ながらなんでオレや■■■が転生したんだろう?別に特別な人間でもなんでもない。神様的な存在がなにか仕向けたのか……謎である。

 

 まぁ、考えても無理な事も世の中には多々あるので難しい事は考えずにリーグ優勝だけを目指す。リーグに優勝してセレナとイチャイチャする事が出来れば基本的にはそれでいい。難しい事を考えたとしても意味は無い、いや、考えすぎて逆に苦しむだけだ。

 とにかく明日から大会が開幕するので今日は頭を空っぽにしておこう。

 

 ジョウトレポート109(開幕 ジョウトリーグ・シロガネ大会)

 

 目を覚ますと緊張の糸が途切れたというべきか、プレッシャー等を感じなかった。

 やっぱりオレって本番に強いタイプの人間なのかと思っているとポケモンリーグ会長のタマランぜ会長がオレに話しかけてきた。今回のシロガネ大会の聖火である【せいなるほのお】の灯火を頼みたいらしい。そういう験担ぎ的なのはしない、ケンタ辺りに任せろよと思ったがケンタもケンタで今回の聖火を点灯させる役割をパスしたらしい。

 

 こういう験担ぎみたいなのはしておいて損じゃないのに何故にやらないんだ?と聞いてみると「そういうのに頼ってたら一生お前には届かないし上に上がる事が出来ない……前回のセキエイ大会で痛い目に遭っているから特にな」と返ってきた。

 なるほど、験担ぎは逆に自分を弱くしてしまう。運などに頼ってしまっては実力で勝ち上がらないといけないポケモンリーグに出ている意味は無い。ケンタの奴はやる気満々だな。

 

 マリナでもオレでもケンタでもハヅキでもシゲルでもない名もなきモブトレーナーが聖火を灯してジョウトリーグ・シロガネ大会が開幕する。

 今回の大会の大まかなルールとして流通状況と場所の都合でメガシンカ、Zワザ、ダイマックス、全て禁止で同種のポケモンを2体参加させるのも禁止とセキエイ大会の時と大してルールは変わらない……が、予備選があるのはセキエイ大会の時と違う。

 

 今回のジョウトリーグ、結構な割合で参加者が居るのでそこを絞るところからはじまる。

 予備選は全部で3回、全勝しなくても良いらしくどれだけいい試合をするかどうかを見て人数を一気に絞るらしい。予備選が行われる会場に向かうとそこかしこでポケモンバトルをしていた。ポケモンリーグにやってきた感じがあるなとアナウンスに呼び出されるのを待つと『マサラタウンのサトシ選手、Cコートにお入りください』と呼び出されたので向かおうとするとセレナが服の裾を掴んでいたので「勝ってくるわ」とセレナの手を握り締めてCコート内部に入り、対戦相手と向かい合う。

 

 ここからは1回も負けてはいけない戦いが続く。今日に関しては3連戦、出すポケモンは慎重に選ばないといけないと思っているとルーレットが回りだしてオレの先攻ではじまる。取り敢えずお前の出番だとカビゴンを出す。

 カビゴンは【ノーマル】タイプのポケモンで弱点は【かくとう】タイプのポケモンのみ。更には多彩な技を覚えるぞと相手のトレーナーが出したのはオオタチだった。向こうも1戦目なので何がなんでも落としたくないと1番のポケモンで挑んできたか。

 

 今日は残り2戦もあるんだから最初から飛ばしていたら後につかえる。

 取り敢えず相手がどう出るかと思えば【すてみタックル】をかましてくるのでカビゴンの自慢のお腹でポヨンと弾く。カビゴンのお腹にダメージを与えるのは並大抵のポケモンじゃ無理だ。

 

【すてみタックル】でダメならばと【あなをほる】で地面に潜る。そっちがその気ならばこちらも準備をさせてもらおうとカビゴンに【はらだいこ】を使わせてAを最大にまで上昇させる。

 当然、【はらだいこ】中のカビゴンを狙ってくるのだがここで問題がある。【あなをほる】は地面の中から飛び出してそのままぶつかる技なのだがカビゴンが重すぎるせいかカビゴンの真下から飛び出る事が出来なかった。

 

 戦っているポケモンに対して使用する技をミスしたなとカビゴンに【じしん】を撃ってもらう。

 地面の中に潜っていたオオタチは地面の中から飛び出て【じしん】の衝撃波に弾き飛ばされてそのまま戦闘不能になった。先ずは軽く1勝をもぎ取った。今のが今回のシロガネ大会の平均的な実力を持ったトレーナーだと思いつつも次に移る。

 

 次の対戦はオレが後攻だった。相手が出してきたのはナッシーだったのでこっちは相性がいいヘルガーを出す。

 ヘルガーを出された事で一瞬だけギョッとした顔をしたものの直ぐにやる気を出す相手のトレーナー……だが、悪いな。オレにはポケモンの知識がある。ナッシーがヘルガーに打ち勝つには【けたぐり】とかだろう。

 

 ヘルガーに一定の距離を保たせた状態で【かえんほうしゃ】を撃つ。

 ナッシーは当然の様に苦しむのだが【ギガドレイン】を撃ってくるので回避して【かえんほうしゃ】を浴びせ続けるとナッシーは戦闘不能になった。コレで2連勝、後もう1戦だ。

 

 フィールドを出てセレナの元に向かおうとするとケンタとマリナと遭遇する。

 2人とも既に予備選を終わらせた様で3連勝を決めたらしい。流石はマリナとケンタ、やるな……いや、コレぐらいやってもらわなきゃこっちが燃えないんだよな。

 

 ケンタ達が快勝を決めたのでオレもあっさりと快勝を決めようと思っていると放送が入り呼び出される。

 最後の対戦相手も「これを勝ち抜けばジョウトリーグの予選だ」とモンスターボール相手に言っているのだが悪いがお前のポケモンリーグはここまでだ。ルーレットが回転してオレの先攻だったのでキングドラを出す。

 

 キングドラが相手ならばと相手のトレーナーはギャラドスを出した。

 ギャラドスが相手かとイブキさんを思い出しつつ試合が開始すると早速【りゅうのいぶき】を撃ってきた。キングドラに対してはこうかはばつぐんだがギャラドスの特殊攻撃なんざ怖くねえとこちらは【りゅうのはどう】で対抗する。

 技の威力も種族値もキングドラの方が勝っており、【りゅうのいぶき】は段々と押されていき【りゅうのはどう】はギャラドスに命中した……が、一撃で倒れるほどギャラドスは弱くはなかった。まぁ、この程度でやられてたらジョウトリーグなんかに出れないよな。

 

 起き上がったギャラドスは【はかいこうせん】を撃ってくる。ギャラドスの【はかいこうせん】なんざ怖くはねえと【ハイドロポンプ】で撃ち返すと、丁度ど真ん中でぶつかり合い爆発を起こす……この時点でギャラドスは【はかいこうせん】の後遺症で動けなくなっているので勝負を決めに【りゅうせいぐん】を指示し、天高くに【りゅうせいぐん】を撃ち上げて降り注ぐ。

 

【はかいこうせん】の後遺症で身動きが取ることが出来ないギャラドスは【りゅうせいぐん】に直撃する。

 コレでどうだと【りゅうせいぐん】の煙が晴れるとギャラドスは地面に倒れ伏しており、戦闘不能になった。コレによりオレの予備選は3連勝で決まった。

 

 特に苦戦らしい苦戦をする事無く勝利することが出来たのでコレはイケるとセントラルのポケモンセンターに向かえば予備選が全て終わり結果発表、予備選を通過したトレーナー達48名が選出されており3連勝をしたオレ、ケンタ、マリナは当然の様に予選トーナメントにまで駒を進める事が出来た。シゲルもハヅキも無事に予選トーナメントに駒を進める事が出来ていた。

 

 無事に駒を進める事が出来たがその反面、予備選を通過する事が出来なかった多くのトレーナーが去っていく。勝負の世界は実に厳しいものだが、下を向いていてもしょうがない。オレが目指しているのは優勝という1人しか立つことが出来ないところだ。

 ポケモンリーグの壁は分厚いのが改めて思い知らされるが、こういう勝負じゃねえと盛り上がらねえ。

 

 予選トーナメント48名に絞る事が出来ると夕方から開幕式が始まる。

 ホウオウの【せいなるほのお】をシゲルが持ってくる予定だったのだがロケット団が現れて【せいなるほのお】を盗もうとしていたので撃退してシゲルに【せいなるほのお】を託し、シゲルは点火台に【せいなるほのお】を灯す。

 

 オリンピックじゃないけども……なんか、こう……ポケモンバトルの大会がはじまった感じがする。感じがじゃなくて実際に始まってるんだけどな。

 

 ジョウトレポート110(オレはセレナ一筋である)

 

 ジョウトリーグ・シロガネ大会の予選トーナメントが開幕した。

 予選トーナメントと謳っている割にはトーナメント形式でなく総当たり戦のリーグ形式のポケモンバトルだ。3人1組のブロックでオレの対戦相手はと原作知識と対戦相手のポケモントレーナーの情報を照り合わせる。

 

 オレのブロックはGブロック、対戦相手のトレーナーはモエ。

 炎系のポケモンを多く使用する熱血漢なトレーナーで取り敢えず水ポケモンは必須だとキングドラを出すかスイクンを出すか悩んでいるとモエが「あんたがマサラタウンのサトシはんやな!」とゴリッゴリの関西弁で話し掛けてくる。宣戦布告に来たらしい。

 

 宣戦布告する暇があるならばオレのデータの1つでも集めておけよと思いつつも宣戦布告を受けている。「スイクンでもなんでもかかってきい」と勇ましく言って言いたい事を言い終えたので去ろうとすると坂道からマルマインが何体も転がってきた。

 なんでこんなところに何体もマルマインが転がってくるんだよとモエを押し退けてマルマインをガッチリと受け止めるとピカァと発光する。自爆するしかねえな!!じゃねえよ。取り敢えず爆発に飲み込まれる……オレがマサラ人で帯電体質じゃなければ死んでいたかもしれないぞ。

 

 マルマインを落としたトレーナーに文句の1つでも言ってやろうと思ったがその前に対戦相手のモエが無事かどうか気になったので振り向くと「サトシはん……」と呟いていたので「怪我は無いようだな、無事でなによりだ」と手を差し伸べるとモエが顔を真っ赤にポッとさせていた。どうやらフラグが建った様だがそんなフラグは必要無い。

 

 セレナが恐ろしいと感じるぐらいに冷たい視線を向けてきているので「オレ達は対戦相手だ。また明日な」とキングドラをボールに戻してセレナのところに向かう。「サトシ……」と怖いほどに綺麗な笑顔を向けてくるので手を握り締めて一緒に選手村に戻った。いや、ほんとに怖かった。殺されるんじゃないかと思える程に怖かったよ。

 

 でもまぁ、いくらフラグが建とうともオレはセレナ一筋である。セレナの事が大好きなんだ。好きになる点は多いんだよ。

 セレナの事はさておき、モエの使用するポケモンを調べる。【ほのお】タイプのポケモンを多く使っているが一応は対策に【でんき】や【みず】タイプのポケモンも持っている。

 

 ここでオレのデータも確認しておく。

 スイクンが手持ちに居るのはバレており、恐らくは水対策をしてくる為にエレブーが出てくる……それならば初陣を切るのはドサイドン、炎系対策にキングドラ、後一体をなににするか……悩むがなんとか決めれた。取り敢えずセレナがまだ怖いので今日はこの辺にしておいてめいいっぱいセレナに甘えようと思う。

 

 

 ジョウトレポート111(燃え上がれ 予選リーグ)

 

 時は来た。やってきたぞ、予選リーグ。1回でも負ければややこしい事になるので全戦全勝で勝ち進まなければならない。

 セントラルのポケモンセンターに出場させるポケモンを選出するとシロガネスタジアムに向かう。セレナは観客席で応援してもらう。これはオレの戦いなのでアドバイス等のサポートは必要無い。

 

 ケンタもマリナも見ている試合なんだから情けない姿を見せるわけにはいかない。スタジアムに入ると向き合うオレとモエ。

 ルーレットが回転してフィールドは岩のフィールドに決まり先攻はモエに決まった。モエが1体目に出したのはマグマラシだったのでキングドラを出すと直ぐにマグマラシをボールに戻した。

 

 どっちで来る?と見ていると出てきたのはスターミーだった。

 この状況でスターミーが出てくるということはあの技を覚えているなと思っていると案の定【10まんボルト】を覚えていた。「水対策はバッチリやで」と言ってるがキングドラは【みず】【ドラゴン】タイプのポケモンで【でんき】タイプの技はこうかはばつぐんじゃない。

 

 キングドラならばスターミーの【10まんボルト】を耐え抜くことが出来ると信じて【りゅうせいぐん】を指示すると天高くに【りゅうせいぐん】を発射。無数の流星の雨が降り注ぎスターミーを襲い、岩のフィールドは煙に包まれる。

 フィールドの煙が晴れる前に【りゅうのはどう】を撃つ準備に入り、煙が晴れてスターミーが見えると即座に【りゅうのはどう】を発射し、スターミーをフィールドの端までぶっ飛ばすとスターミーの水晶は黒く淀み戦闘不能になった。

 

 先ずは1体目を倒すことが出来た。

 次はなにが出てくると構えるとマグマラシが出てきた。恐らくはキングドラをスターミーで倒す算段だったのか倒すことが出来なかった事を心底悔しそうにしているがこれも勝負の世界。勝てない奴が悪いんだ。

 キングドラで戦っても良かったのだが【りゅうせいぐん】を一発撃ってパワーが下がっている。ここはコイツの出番だとドサイドンを出すと【かえんほうしゃ】を撃ってくるので【ストーンエッジ】で【かえんほうしゃ】を防ぎつつマグマラシを吹き飛ばす。

 

 吹き飛ばされたマグマラシは立ち上がると真っ赤なオーラを身に纏う。とくせいの【もうか】が発動したんだ。

「いけぇ、マグマラシ!あんたの力を見せつけるんや!【かえんぐるま】」と体を回転させて突撃してくるので【ストーンエッジ】の壁を貼る。1つ目、2つ目と岩を破壊して貫いていくマグマラシだが徐々に徐々に速度を落としていきドサイドンに届く前に【かえんぐるま】は終わり、ボロボロになったマグマラシに【じしん】を撃ち、【じしん】の衝撃波をマグマラシを襲いマグマラシはフィールドの端まで吹き飛ばされて戦闘不能に。

 

 2体目も無事に撃破してモエの残すところは1体のみ。

 出てきたのはマグマッグ、マグマラシと比べれば若干だけど見劣りする……だが手を抜く事はしないとドサイドンをボールに戻し、キングドラを出す。【りゅうせいぐん】でのステータス低下は元に戻ったので【あまごい】を使いフィールドを【あめ】にして【ハイドロポンプ】をぶつける。マグマッグも一応は対抗して【かえんほうしゃ】を撃ってくるのだが【あめ】状態で【ほのお】タイプの技は半減だ。【ハイドロポンプ】は綺麗にマグマッグに命中した。

 

 手持ちを1体もやられず更には3体目のポケモンを出さずに勝利した。

 モエは決して弱いトレーナーじゃない、むしろ強い方に部類されるトレーナーだろう……だが、それでもオレの方が上である。格の違いというのを見せつけてやった……今回、スイクンを選出していない。まだまだ余裕があるな。

 

 試合は無事に終わり、ケンタ達も「楽勝だったな」と言ってくる。

 まぁ、このレベルならば苦戦する事はしない……本戦からレベルが段違いになってくる筈だ……。

 

 ポケモン達も回復させ終えて今日はもうゆっくりと休もうという夕方、モエがやってきて「マグマッグがマグカルゴに進化したんよ!」と嬉しそうに報告してきてくれる……いや、だからね。好意的になってくれるのはありがたいよ、でもね、オレにはセレナがい────

 

 

 追記 セレナに闇討ちされた。「私だけのサトシ、サトシは私と一緒」と念仏の様にブツブツと呟かれた。そんなことしなくてもセレナが1番なのに。




どうでもいいキャラ紹介


サトゥーシくん


説明


何故かアニメのポケットモンスターの主人公になっていた元学生
ポケモンのゲームの腕はそこそこで理想個体じゃないと舌打ちをして「ゴミ個体来んな」「お前じゃねえんだよ」と平然と言う現実次元じゃよくある一般人でFGOとかテイルズとかモンハンとかGOD EATERとか色々とゲームをやっている要するに何処にでもいる学生、成績は上の中である。
何故かサトシくんになっていたが1日悩みに悩んだ末に難しい事は考えないようにし、FGOとかGOD EATERとかの危険な世界じゃないだけまだマシだと開き直っている。
トレーナーとして心身ともに鍛えに鍛えまくった結果、荒れ狂う海の上を走る、伝説級のポケモンを殴り飛ばす、波紋的な物を使える、二重の極みが使える等色々と人としての限界を超えている。伝説のスーパーマサラ人である。
基本的には原作通りに動いており、劇場版とか前後編に分ける長編なんかだと躊躇いなくポケモンでなくポケモントレーナーに攻撃するリアリストな一面を持つ。
セレナは自分に好意を向けてくれておりセレナの事を好きになろうと日夜努力をしている。暴力で物事を解決した良い時は暴力に走る脳筋思考のところもややあるが悪の組織は滅ぼしておいて損は無いのである。
本当に疲れた時はセレナっパイの胸の中に顔を挟んで精神を落ち着かせるおっぱい星人である。尻よりも胸が一番だ


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フシギダネvsメガニウム 草タイプの意地

 ジョウトレポート112(愛など不要なわけないだろう)

 

 昨日、セレナに襲撃されたのだが取り敢えず抜け出す事に成功した。抜け出すというよりは一緒に手を握って歩いたりしていた。イチャイチャするのは楽しいのである。

 今日はシロガネ大会の予選トーナメントは無い。オレが試合が無くて、代わりに増田さんもといジュンイチvsモエの試合がある。2日連続試合だというのは何気に辛いことじゃないかと思う。

 

 しかし本戦トーナメントに駒を進めると連日バトル漬けになるのでそんな事を言ってられない。

 取り敢えず次の対戦相手であるジュンイチを見に行けばモエ対策としてヌオーを出していた。ヌオーか、モエ対策としてバッチリでエレブーを導入してもスターミーを導入しても勝ちにくい相手だ。

 

【マッドショット】をマグカルゴ目掛けて撃つのだが、マグカルゴは中々に倒れない。4倍弱点をものともしないと言ったところだろう。

 それはさておきジュンイチはカッコつけてるなとワタルさんを意識したのかどうかは知らないがマントを羽織っており、カッコつけてるが中々に強い。伊達にジョウトリーグに出場しているポケモントレーナーじゃないな。

 

 試合は終盤に向かい残すところはヌオーとマグマラシだけになる。

 ジュンイチはカッコつけてヌオーに攻撃を指示しようとするがマントを足で踏んでしまいズッコケてしまうというアホな事をしてしまい、その隙にヌオーに【かえんほうしゃ】を浴びせてヌオーを戦闘不能に追い込んだ。なにやってんだ。

 

 試合を観戦しててわかったがかなりのお調子者だ。コレならば余裕で勝つことが出来ると思いつつスタジアムを後にしようとしたらケンタとマリナに遭遇する。そういえばジュンイチもワカバタウン出身だったなと思い出した。知り合いなのか?と尋ねると「昔からの友人だ」と答えた……ちゃんとオレ以外に友人が居て良かったよ。オレ?基本的には一人が好きである。

 

 ここで会ったのもなにかの縁なのでセントラルのポケモンセンターに一緒に向かう。

 ジュンイチの情報は事前に仕入れている。水系のポケモンが多く、エースに最初に貰ったポケモンことメガニウムが控えている。ヌオーも居るのを考慮すればピカチュウで挑むのでなく、フシギダネで挑もうとオーキド博士の研究所に連絡を入れてオーキド博士にフシギダネを送ってもらう。

 

 コロコロと手持ちを入れ替えたりしていたので久しぶりではないが、お前の出番がやってきたとフシギダネに告げるとフシギダネはやる気を見せる。オーキド博士も「健闘を祈っておるぞ」と応援してくれる。

 こりゃあ頑張らないといけないなと思っていると隣でジュンイチがウツギ博士に電話しており、ウツギ博士はケンタ達に会ったのか?と聞いておりジュンイチは「ケンタとマリナちゃん、出てるんですか!?」と驚いていた。教えてなかったんかい。

 

「どうせ大会に出て上に上がっていくなら嫌でも顔を合わせるんだからいちいち報告しなくてもいいだろう」と叫び声を上げているジュンイチをうっとおしそうに言ってくる。マリナを横に連れて。

「ケ、ケンタ。どうしてマリナちゃんと一緒にいるんだ!」と言ってくるのでマリナが冗談半分で「私達付き合ってま〜す」と言えばムンクの叫びの如くショックを受けており「ケンタ、テメエ、マリナちゃんに興味無かったんじゃないのか!」と血の涙を流している。生まれて始めてみたぞ血の涙を流してる人を。

 

「マリナ、適当な事を言ってるんじゃねえよ」と軽くマリナを小突くケンタだがどう見てもイチャイチャしている。

「ケンタ、許さん!!」と嫉妬の炎を燃やしているジュンイチ。殺意をケンタに向けているのは勝手だが次に戦う対戦相手はケンタじゃなくてオレだとオレの方を見させるとセレナと手を握っていたので「お前もかぁ!」と軽くキャラ崩壊していた。リア充なのがそんなに羨ましいのだろう。

 

「リア充、撲滅、お前、倒す」と何故かカタコトになるジュンイチ。

 ジュンイチがオレを倒した場合、全員が勝ち点3点になってもう一回最初から勝負しなおさないといけないのでオレに2回連続で勝たないといけない。なんだったらモエにも勝たないといけない。宣言するのは良いが、相手見てから言えよ。

 

 オレに対して宣戦布告をしてきていると外で騒ぎが起きていると言ってくる。

 メガニウムとフシギダネが争っているとの報告があったので向かってみればオレのフシギダネとジュンイチのメガニウムが睨み合いをしていた。

 どうやらメガニウムが先にちょっかいを掛けてしまったらしい。自由気ままに育てた結果、ワガママに成長していてついさっきの殺意を滾らせたジュンイチとは一転しメガニウムに「喧嘩するんじゃない!」と叱りつける。

 どちらかといえば大人なフシギダネも喧嘩をするとは珍しいので「明日のアイツの相手はお前が務めるから滾らせておけよ」と煽っておいた。

 

 さてさて、あんなのが相手だけども実力は本物だろう。油断は出来ないな。

 

 ジョウトレポート113(くさタイプの意地 フシギダネvsメガニウム)

 

 今日はオレの2戦目だ。出場しているポケモンを登録し、スタジアムに向かうと満員御礼の大歓声。

 予選の時点でこれだから本当にポケモンリーグはこの世界で一大行事になっていると感じる。観客達を湧き立たせようと会場入りし、スタジアムのフィールドに立つと大歓声が鳴り響く。

 

 観客席にはマリナ、セレナ、ケンタが座っているのが見えた。

 どっちが勝つのかどっちを応援するのか的な話をしておりセレナは当然オレを応援し、マリナはジュンイチを、ケンタはいい勝負を見せてくれよとどちらの肩にも掴まらない決断をした。どっちが勝ち上がってきても叩き潰すつもり満々なんだろうな。

 

 

 フィールドが決まり草のフィールドで戦う。

 ルーレットで先攻が決まる。先攻はジュンイチに決まりジュンイチはマリルリを出してきたのでベトベトンを出す。ベトベトンは久しぶりのバトルだとやる気を見せる。悪臭はしない。

 試合開始の合図が告げられると同時にジュンイチはマリルリに【ハイドロポンプ】を指示した。【ハイドロポンプ】は水系の技でトップクラスの技だが必ずしもマリルリと相性が言いわけじゃないぞとベトベトンはヘドロの体で【ハイドロポンプ】を受け止める。

 

 ヘドロ状のベトベトンに対して特殊系の攻撃はそこまで効いていないのでジュンイチは【アイアンテール】を叩き込んで来るのでベトベトンはそれを優しく包み込みヘドロ状の体の中に閉じ込める。身動きの取れなくなったマリルリは暴れるがベトベトンのヘドロ状の体から尻尾を取り出す事は出来ない、ベトベトンは【ダストシュート】を真正面からぶつけてマリルリを吹き飛ばす。マリルリは立ち上がる事はなく戦闘不能になった。

 

 先ずは軽く1勝したとガッツポーズを取りつつも次に思考を向ける。

 ジュンイチが2体目に出してきたのはヌオーだった。色違いのレアコイルが出てくるんじゃないかと思ったがピカチュウ対策をしてきたらしい……今回、ピカチュウを出場登録させてないけどな!!

 

 ヌオーが出てきたのでコレはまずいと即座にボールにベトベトンを戻す。出場登録していて正解だったなとフシギダネを出す。

 久しぶりの公式戦をするのでフシギダネはやる気を見せる。ヌオーは【れいとうビーム】を撃ってくるので回避しつつフシギダネに【にほんばれ】を指示して【ひでり】状態にする。

 

【ひでり】状態になったのでフィールドは熱くなる。【れいとうビーム】を撃って【ひでり】の暑さで簡単に氷が溶けてしまう。

 これはまずいと感じたジュンイチは手を変えてきて【じしん】を撃ってくる。フシギダネに【じしん】の衝撃波を回避させようとするが上手く回避することが出来ずにフィールドの端にまで飛ばされる。コレは中々に痛い。

 

 フシギダネは立ち上がるので【ギガドレイン】を指示し、ヌオーの体力を吸い取り自分の体力に変換する。

 しかし流石にそれで倒すことは出来なかった。【じこさいせい】を使って受けたダメージを回復するのでコレは一撃で倒さなければならないと【ソーラービーム】を発射し、ヌオーにぶつける。【ギガドレイン】は耐え抜いたが【ソーラービーム】は受け切る事が出来ずにヌオーはそのまま戦闘不能、ジュンイチは残り1体にまで追い詰められる。

 

「お前で全て巻き返す!ゆけっ、メガニウム!」とジュンイチのエースであるメガニウムが出てきた。

『ニゥム!』と雄たけびを上げるメガニウム。フシギダネも負けじと雄叫びを上げると互いにバチバチと火花を散らし合う。

 メガニウムは【つるのムチ】で攻撃してくるのでこちらも対抗して【つるのむち】で攻撃をするのだが最終進化系とそうでないポケモンだとパワーに差が出てしまう。ジュンイチの最初のポケモンなだけあってかオレのフシギダネよりも僅かばかりパワーが上回っている。【つるのムチ】での突き押しあいにフシギダネが負けてしまう。

 

 フシギダネは後退させられるが負けてたまるかと立ち上がるので【はっぱカッター】を指示すると向こうも対抗して【はっぱカッター】を撃ってくる。素早さも手数もパワーもジュンイチのメガニウムの方が上だ。フシギダネに【どく】タイプがあるおかげでダメージは少ない。これは上手くイケるかと思っていると【こうごうせい】を使ってきた。【ひでり】状態が最後の時に今まで与えたダメージを無くしやがった。

 

 念のために登録していた3体目のマニューラを出すかと検討するがフシギダネの目にはまだ闘志が宿っている。ならば最後まで付き合うのがトレーナーとしての役目だと【ヘドロばくだん】を発射しメガニウムにダメージを与えるがメガニウムは【ひかりのかべ】を貼ってくる。中々にしぶとい、耐久力なら今までに会ったポケモンの中でもトップクラスのポケモンだろうが、既に勝利の法則は見えた。【どくどく】をメガニウムに浴びせるとメガニウムは【もうどく】状態になった。コレで勝負は決まったと【ヘドロばくだん】をぶつけに行くとメガニウムは耐え抜くのだが、メガニウムは【もうどく】に襲われており、徐々に徐々に体力が減っていく。【こうごうせい】で体力を回復しても間に合わない程に追い詰められると勝負を一気に決めに来たのか【ハードプラント】を撃って来た。

 

 こっちもそれは使えるんだよと【ハードプラント】で対抗する。

 フシギダネとメガニウムの【ハードプラント】の巨大な蔓が、枝がぶつかり合い、互いに吹き飛ばす。フシギダネとメガニウム、互いに目の前まで吹き飛ばされておりフシギダネは限界ギリギリのところで立ち上がりメガニウムも立ち上がったのだが【もうどく】にやられてしまいメガニウムは倒れて戦闘不能になった。

 

 審判が旗を掲げて戦闘不能になった事を宣言する。

 フシギダネはメガニウムに勝つことが出来たことを喜ぶ。草の御三家の最終進化系のメガニウムを進化前のフシギダネで倒すことが出来たと大きく喜びを見せる……下手したらメガニウム、オレのフシギダネの上位互換みたいなものだからな。勝つことが出来てフシギダネには大きな自信がついたと思う。

 

 これにてオレの予選リーグは終わりを告げる。勝ち点6点のストレート勝ちで本戦トーナメントに駒を進める事が出来

 明日と明後日は残りの予選リーグの試合を消化しないといけない。既に本戦トーナメントに駒を進める事が出来たので肩の力が抜ける。数日の間はポケモンリーグのあれやこれやを考えなくてもいいので気が楽だ。

 

 ジョウトレポート114(そういえば居たな)

 

 オレの予選は無事に終わったのだがまだ予選は終わっていない。ケンタの2戦目が残っている。ケンタの対戦相手はシンゴ、何時かのハッサム使いだった。前回のオレとの反省点を生かしているのはいいが相変わらずデータ頼りに戦っている。

 ポケモンバトルは水物で1分1秒毎に状況が変わってくるのでデータに頼りすぎるのも如何なものか。

 

 ケンタは今回もバクフーンを主体に戦っている。

 ライコウは本戦まで温存か、それともセキエイ大会の時の様にバクフーンはこういう戦い方をするんだと印象を与えさせているのか……ケンタの事だからなにか考えがあるだろう。

 

 それはさておきドククラゲを【ワイルドボルト】で倒すバクフーン。

 ややダメージを受けるが直ぐに立て直すと【かえんほうしゃ】を浴びせる……強いな、ケンタのバクフーンは。データ以上のポケモンバトルを繰り広げるのでデータに頼りきりのシンゴは2タテされて後が無いところ。

 

 最後の最後だとエースであるハッサムを出すと【こうそくいどう】で撹乱し【メタルクロー】を決めに行くのだが肉を切らせて骨を断つ、バクフーンは【メタルクロー】を掴んで受け止めて素早い動きのハッサムの動きを封じると【かえんほうしゃ】を撃って戦闘不能にした。データ云々以前にレベルが違うな。シンゴのジョウトリーグはここで終わる……決してシンゴは弱くはない。

 鍛えに鍛えまくった結果、バクフーンがセキエイ大会の頃よりも何段階もレベルが上がっている。具体的な数値は不明だが確実なレベルアップを果たしている。コレは本戦が楽しみだ。

 

 ジョウトレポート115(本選出場者決定)

 

 今日、予選の全てが終わった。

 オレもマリナもケンタもストレートに勝ち、勝ち点3点✕2=6点で予選を突破した。ジュンイチは「ここでオレのポケモンリーグは終わりか」っと落ち込んでいた。敗者にどんな言葉を投げかければいいのか分からないのだがケンタが「俺が優勝していく姿を見ておけ」と言ってくる……やだ、カッコいい。

 

 ジュンイチはさておき、予選が全て終わったのでセントラルのポケモンセンターに来てくれと告げられる。

 セキエイ大会の時みたいにコイキングを釣って対戦相手を決めるのかと思ったのだがコンピューターがランダムに対戦相手を決めてくれるそうで、本戦はトーナメント形式……今更ながらリーグなのにトーナメント形式……謎である。まぁ、それを言えばゲームの総当たり連戦のポケモンリーグも謎だったりするので気にしないでおく。

 

 セントラルのポケモンセンターに本戦出場者の16名のトレーナーが集うとそこにはシゲルやハヅキも当然の様に居る。ここにいるポケモントレーナー達は激闘の予選を勝ち抜いてきた猛者だ……勝てるかどうか少しだけ自信を無くしそうになるがどいつもこいつもオレの事を睨んでくる。すると誰かは知らないが「セキエイ大会を優勝したマサラタウンのサトシ……」と言ってくる……オレ、割と狙われているんだな。

 

 本戦出場者は全員集ったので本戦のトーナメントが発表される。

 オレはAブロックの3番で、マリナはBブロックの1番、ケンタはBブロックの7番……決勝戦はケンタかマリナかのどちらかとして、オレの1回戦の対戦相手はシゲルだった。

 

「君の怒涛の快進撃もここまでだ」とオレに宣戦布告してくるシゲル。「オレの快進撃は今から始まるんだよ」と言い返すとコレを覚えているかと半分になったモンスターボールを見せる。一応は覚えているが、オレは引き分けのモンスターボールだなんて思ってもいない。引き分けなんて下手したら敗北以上の屈辱だ。ここに来たからにはなにがなんでも優勝してみせる「お前、サトシばっかり見てんじゃねえぞ。俺だって居るんだからな」とオレに対して宣戦布告してきたシゲルをケンタは挑発する。

 

「殺気立つのは勝手だけども、本戦は明後日から行われるんだ……準備を怠れば負けるぞ」とだけ言ってセントラルのポケモンセンターを去る。

 対戦相手はあのシゲルだ。ケンタに一度負けてから気持ちを入れ替えて一新したシゲル……ニューシゲル?ネオシゲル?……どっちでもいいか。とにかくシゲルは冗談抜きで強い相手で心して掛からないといけない。

 

 選手村のオレの部屋に戻ると早速、パソコンを起動してシゲルの持っているポケモンを確認する。ピジョット、フーディン、キングドラ、ニドクイン、ニドキング、ゴローニャ、ブラッキー、ウィンディ、ヘルガーと持っていないタイプは居ないんじゃないかと思えるほどだ。

 エースであるカメックスが出てくるのは確実なのでピカチュウは出さないといけない。臨機応変に戦う事を考慮すればノーマルタイプのポケモンも必要になるだろうし……悩みどころだ。

 

 ジョウトレポート116(エース参上)

 

 シゲル対策をしてたら気付けば朝になっていた。

 いや、ホントに悩むな。なにか専門的なエキスパートだったら対策が立てやすいんだけども偏りが無いから自分のベストなパーティで挑まないといけない。目が充血しているので目薬を指して栄養ドリンクを飲んでセレナっパイに顔を挟みやる気を漲らす。

 

 お腹が空いたので朝食を頂いているとセレナが「シゲル相手に出すポケモンは決まったの?」と聞いてくる。「4体は決めたけども残りの2体をどうしようか検討中だ」と返事をする。シゲルの持っているポケモン、タイプ豊富だからなにを出すのかホントに悩む。ベストな6体を出したいが、その次の日も連戦なので後の事を考慮した手持ち構成で行かないといけない。

 

 やれることはやってやるとカツサンドを口にしていると上空から影が差す。

 なんだと思ってみるとそこにはリザードンが飛んでいた。昨日の内にジークさんに連絡して直接シロガネ山にまで来てもらったんだ。調整の際にリザードンを呼び出す事はしなかったものの、リザードンは前に会った時よりも一段と逞しく成長している。

 

「シゲルを相手にリザードンを出すの?」と聞いてくるので頷く。シゲルを相手にするにはリザードンの力がどうしても必要になる。

 リザードンもジョウトリーグの晴れ舞台でのバトルに気持ちが昂ぶったのか空に向かって【かえんほうしゃ】を撃つ……嬉しいのは分かるけれども気持ちは落ち着かせろ、馬鹿野郎。

 

 リザードンがやる気を出しているとシゲルがその光景を見ていた。

「どうやらエースを出すつもりだね」と言ってくるので「とっておき中のとっておきは今回出さないけどな」と返事をする。「全力で僕に挑まないと僕には勝てないよ」と言ってくるがオレは何時だって全力でやっているんだ。ただ大会を勝ち進めば明後日にも試合がある。ポケモンを完治出来ずに出場出来なかっただけはホントに洒落にならない。

 

「僕がマサラタウンの一番星な事を教えてあげるよ」とシゲルとバチバチ睨み合っていると「一回戦、ライバル対決、サトシとシゲル」とオーキド博士とママさんが現れる。「息子の晴れ舞台なんだからテレビじゃなくて生で見ないと!」とカメラでリザードンとオレを撮影してくるのでリザードンと一緒にピースをする。

 

「明日の試合の前からそんなにピリピリとしていては身が持たんぞ」とオーキド博士はピリついていた空気を解してくれる。ここでどっちを応援しに来たのか聞いてみると「セキエイ大会だけでなくシロガネ大会にも出場してきて、2人ともマサラタウンの希望じゃよ」答える。オーキド博士的にはどっちも頑張れの応援なんだろう。まぁ、オレにはセレナとママさんが応援してくれるから良いんだけども。

 

 オーキド博士が「お前達、ポケモン図鑑は持っておるかの?」と聞いてくるのでポケモン図鑑を渡すとセントラルのポケモンセンターに向かい、図鑑をパソコンにセットしてなにやらカチャカチャしていると思えばポケモン図鑑をアップデートしてくれた。

「まだ見ぬ地方のポケモンに対応した図鑑にしておいた。旅する上では役立つじゃろう」と言ってくるのだがホウエン地方のポケモンがどんなのか大体は理解しているのでアップデートしてもらってもな……ぶっちゃけ試合中にポケモン図鑑を見るの禁止されてるし……まぁ、旧式の図鑑で色々と見れるのはなにかと嬉しい。

 

 リザードンも無事にやってきたので対シゲル用のポケモンを決める。

 悩みに悩んだがこの6体ならばイケるとオーキド博士の研究所で待機しているケンジにポケモンを送ってもらい、技の最終調整を行うのだが殆ど寝ずに色々とやってきたので疲労が溜まったので今日は早目に寝ることにした。いや、ホントに眠い




 どうでもいいキャラ紹介

 ケンタ

 説明

 アニメのポケットモンスターの外伝みたいなのであるライコウ雷の伝説に出てきた主人公みたいな男にある日なっていた。
 学業は中の上だが必死になり勉強して模試で目当ての大学にA判定にまで届いていて絶好調な時に何故か転生させられていた。サトゥーシくんと違い深く色々と考えており今までの苦労してた人生が全てパーになり新しい命として生きていく事に絶望して死のうとしていた事もある。マリナやジュンイチは心配をしている。2人に迷惑を掛けている自覚があり、どうせだったら原作を無茶苦茶にしてやろうとジョウトリーグでなくカントーのポケモンリーグに挑戦してサトシをボコボコにしてやろうと企んでいた。
 サトシがサトゥーシくんで普通に知り合いだった事に驚き、能天気にしているサトゥーシくんを見てキレるがGOD EATERとかFGOみたいな世界じゃないだけマシ、難しい事を考えていてもしょうがないと言われて徐々に徐々に気持ちが安定していき改心していく。
 昔からマリナに好意を向けられていて適当にあしらっていたがサトゥーシくんと出会い改心した後には徐々に徐々にデレる。目付きが悪いのでポケスペのゴールドに見える。ポケモンの知識はそれなりに入っている。性癖は太ももとマニアックであり、好物は鰻重と鰻の蒲焼き、リアルファイトはそこまでである。原作知識とゲーム知識を利用してサトゥーシをパシリに使ったりしているが後で色々と支払わされる予定である。ポケモンマスターには興味ない


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サトゥーシvsシゲル

 

 ジョウトレポート117(同胞対決 vsシゲル)

 

 シロガネスタジアムで行われる6vs6のフルバトル。

 第1試合、ハヅキは名もなきモブトレーナーをエースであるバシャーモを駆使してカイリキーを相手に快勝を見せる。ハヅキ、流石はサトシくんキラーの1人だ。バシャーモがかなりのレベルに鍛え上げられている。油断するとオレの方が負ける……かもしれないが、今はハヅキを気にしている場合じゃない。

 

 1回戦の相手はシゲルだ、シゲルはオレを倒すと熱く燃えている。ベストメンバーで挑むつもりなのだがこっちは明日に控えているハヅキ戦も考慮したパーティ編成で行かなければならない。最強の6体で出陣することが出来ない……まぁ、なんとかなるだろう。

 フィールドに立つと実況が「あのセキエイ大会を制したサトシ選手、対するはオーキド博士の孫であるシゲル選手。共に同郷で同年代、コレは名勝負を生み出す好カードか!!」と熱く実況する。

 

 ハードルを上げるのはやめてほしいと思いつつモンスターボールを手に取る。

 ルーレットが回りはじめ、先攻はオレでフィールドは岩のフィールドに決まった。最初から出すポケモンは決めていたのだとケンタロスを出す。ケンタロスは『ブモォオオオ』と大きく叫びを上げる。

 

「ケンタロスか、だったら僕はコイツだ!ゆけっ、ニドクイン」とシゲルはニドクインを出してきた。

 どちらも重量級だが素早さを持っているポケモン、コレは面白いバトルになるだろうと審判が試合開始の合図を出すと早速シゲルが仕掛けてきた。【じしん】を撃ってきたのでこちらも【じしん】で地震の衝撃波を相殺する。「やっぱり【じしん】は覚えているか」とシゲルは冷静にオレのケンタロスを分析する。

 

 冷静にデータを集めているのは良いがケンタロスは今この瞬間1分1秒と強くなっているんだ。

 予想外の一手をくれてやろうとケンタロスにニドクインとの間合いを程良く詰めろと指示するとケンタロスはニドクインに触れないがそれなりに近い距離に近付いた。「おやおや、攻めて来ないのかい?サートシくん」とシゲルは軽く挑発してくるがそんな安い挑発には乗らない。ケンタロスも闘争心を剥き出しにしているが勝手な真似はしない。

 

 こっちが全く攻めようとしていないのでシゲルはニドクインに【にどげり】を指示した。

 そっちが直接攻撃で攻めてくるのをこっちは待っていたとケンタロスに【なみのり】を指示すると飛んでくるニドクインの遥か頭上に津波を巻き起こしてニドクインを飲み込む。コレで倒すことが出来たかと思ったがニドクインは立ち上がる。

 

 下手に近距離戦に持ち込めば【なみのり】で頭上を取られると判断したシゲルはニドクインに【はかいこうせん】を指示する。【はかいこうせん】が幾ら相性が良かろうがニドクインに撃たせる技じゃない。ケンタロスは真正面から飛んでくる【はかいこうせん】を横に動き回避すると【はかいこうせん】の反動で動けなくなっているニドクインに向かって【じしん】を放ちニドクインを吹き飛ばし、ニドクインを戦闘不能にする。

 

「すまない。勝負を焦りすぎた」と自分の犯したミスを認めつつニドクインをボールに戻す。

 あのニドクイン【はかいこうせん】を撃ってきたけども相当に強いから油断する事が出来ないと思っているとシゲルの2体目が出てくる。シゲルの2体目はフーディンだった。

 

 アニメと同じパーティ構成で来ると思ったがそんな事は無かったかと思いつつもケンタロスに【じしん】を指示するとフーディンは【テレポート】でケンタロスの頭上に回避し、そのままケンタロスにライドする。

 これはまずい。ケンタロスは背中に乗っているフーディンを撃ち落とす術を持っていない。仮に有ったとしてもそれは自分自身も傷つける技だ。コレは交代した方がいいんじゃないかと判断に困っている間にフーディンは仕掛ける。【リフレクター】と【ひかりのかべ】の二重の壁を貼ってくる。コレはやってるなと思っているとシゲルはフーディンをボールに戻した。

 

「僕のファーストポケモン、ゆけっ!カメックス!」とエースであるカメックスを出した。シゲルの最初のポケモンだけあって相当にレベルが高い……今更だが最初のポケモン、ヒトカゲを選ぶつもりだったのでシゲルの最初のポケモン、ゼニガメとは相性が悪かったな。

 壁を2枚貼られているのでどうしたものかと思いつつ【ワイルドボルト】を指示して電撃を纏ってケンタロスは激突をするのだがダメージが薄い。カメックス自体がかなりのレベルなのもあるが【リフレクター】がいい感じに仕事をしている。

 

 カメックスはそんなものかと威張っている。威張るだけの強さを持っている。

 ハイドロキャノンから【ハイドロポンプ】が撃たれるとケンタロスは直撃してフィールドの端まで吹き飛ばされて戦闘不能になった。ケンタロスを一撃とかホントにヤバいなと思いつつピカチュウを見るとピカチュウは頷いてフィールドに立つ。

 

「やはり君はピカチュウで来るな。セオリー通りだが……君の事だ、型破りな事をするんだろう」とオレをなんだと思ってるんだ。

 カメックスは【あまごい】を発動してフィールドを【あめ】状態に切り替える。ピカチュウを前にしてフィールドを【あめ】状態に切り替えるなんて死にたいらしいなと【かみなり】をカメックスに落として直撃させるのだがカメックスは【ひかりのかべ】の恩恵もあってか耐え抜いて【ハイドロカノン】を発射してピカチュウに命中、ピカチュウは一撃で戦闘不能に追い詰められた。

 

 シゲルのカメックス、滅茶苦茶強いなと思っていると【ひかりのかべ】と【リフレクター】の効果が切れる。

 流石にカメックスにもダメージがあった様なのでカメックスは苦しそうな顔を浮かびあげており息も僅かながら乱れている。決してダメージが入っていないわけではない。ピカチュウを回収したらこの【あめ】を利用するしか道は無いとキングドラを出す。

 

 フィールドには雨が降り注ぐ。シゲルはコレはと思ったのかモンスターボールにカメックスを戻す。【あめ】状態でカメックスでキングドラの相手をすると負けると判断した。その判断は間違いないと4体目に出てきたのはエレキブルだった。

 エレキブルがそこまで認知されていない為になんだあのポケモンはと驚いた声が会場を包む。カメラがオーキド博士に向いて「あのポケモンはエレキブルと言っての、エレブーの進化系で主にシンオウ等で姿が見られるポケモンじゃ」とオーキド博士のポケモン講座で解説されるがそんな事を気にしている場合じゃないと試合に意識を向ける。

 

 フィールドが【あめ】状態の中でエレキブルを出してきたのは狙ってやっているな。

 オレのキングドラのとくせいは【すいすい】なので雨の中じゃ倍速で動けると素早くエレキブルの前に向かって突撃するとエレキブルは当然の如く【かみなり】を落としてくる。【あめ】状態なので【かみなり】は必中する。コレは手痛いが決して耐える事が出来ない威力じゃないとキングドラに【かみなり】を耐え抜いてもらうと【りゅうせいぐん】を指示する。

 

 フィールドが【あめ】状態なので空には雨雲がある。コレはオレにとっては好都合である。

 エネルギーを溜めて空中に発射する。何時もの【りゅうせいぐん】とは違うぞとエネルギーの塊は雨雲をも貫くと見えなくなり、弾けて無数の【りゅうせいぐん】が降り注ぐ。雨雲のおかげで何処から【りゅうせいぐん】が降り注ぐのか弾道を予測するのが難しくなっている。さぁ、どうすると見ているとシゲルはキングドラとの間合いを詰めて【れいとうパンチ】を連打する。

 

 コレはもしかしてと思っているとシゲルのエレキブルの元に【りゅうせいぐん】が降り注ぐ。

 シゲルのエレキブルは【りゅうせいぐん】に押し潰されるのだがそれでも倒れようとはせずに【れいとうパンチ】を連打するのだがここでシゲルのエレキブルは限界を迎えてしまい戦闘不能になるのだがキングドラの方も限界を迎えて引き分けに終わる。

 

 オレの手持ちが、ピカチュウ、ケンタロス、キングドラが戦闘不能になったので5分間のインターバルを挟む。

 まさか先にオレの方が3体倒されるとは思いもしなかった。シゲルの事をナメていた部分があったので少しだけ反省をしていると「サトシ、お前の力はそんなものじゃないだろう!」とケンタから激を飛ばされる。

 ヌルい試合をやっているオレに対して不満を持っている。この試合はケンタ達も生で見ているんだとミックスオレを一気飲みしてやる気を出し、オレの強いところを見せつけてやると意気込む。

 

 5分間のインターバルはあっという間に過ぎて試合が再開される。

 先攻はオレだったのでシゲルから出すことになっており、シゲルはウィンディを出した。あんまり余裕を見せつけていると足元を掬われると向こうもマジだったのでリザードンを出した。

 

「ようやくエースの登場か。そのリザードンを倒すことさえ出来ればこの試合、一気に僕の勝利に傾く」と言うが「倒せたらのもしもの話をしたって意味はねえんだよ」と言い返す。「もしもじゃない事を教えてあげる。ウィンディ【しんそく】」と目にも止まらぬ速さでウィンディは突撃してきたので「リザードン、受け止めろ」というと【しんそく】で突撃してくるウィンディをガッチリと掴んで受け止めた。

 

 まさか【しんそく】を掴まれるとは思っていなかったシゲルは「しまった」と言うが既に遅い。リザードンは【りゅうのいぶき】を浴びせるとウィンディは吹き飛ばされて戦闘不能になった。流石はオレのリザードン、やってくれるぜ。リザードンの圧倒的な強さにシゲルもここまでなのかと呆気に取られる。オレのリザードンはレベルがちげえんだよ。

 

 ウィンディがやられて残すところ3体、内2体がフーディンとカメックス。

 今のところ互角に見えているが何時この均衡が崩れてもおかしくはない。シゲルが出したのはフーディンだった。フーディンにはさっき手痛い目に合わされたから即座に決めると【ブラストバーン】を叩き込みフーディンを戦闘不能にするが間に合わなかった。

 

 フーディンは戦闘不能になる前に【ひかりのかべ】を貼る事に成功した。

 フーディン自身は身を守ることは出来なかったが【ひかりのかべ】が貼られているのはデカい。ここで出てくるのはあのポケモンしかいないと出てきたカメックス。インターバルを挟んだりした事で多少は体力が回復している。【ソーラービーム】を覚えているオレのリザードンはだが【ひかりのかべ】が貼られているので効果は薄い。メガシンカ有りのルールならばメガリザードンYという手も無いわけじゃないがメガストーンの流通状況が原因でメガシンカは禁止になっている。

 

 ここは引くしかないなとリザードンをボールに戻し、ヘラクロスを出す。

 フーディンが最後に貼ったのは【ひかりのかべ】特殊系の攻撃を半減するが物理系の攻撃ならば半減されない。取り敢えずヘラクロスに【かわらわり】を使ってもらうとカメックスは【ロケットずつき】で激突してきた。ヘラクロスはカメックスの【ロケットずつき】をモロに受けるがなんとか【ひかりのかべ】を破壊する事が出来た。

 

【ロケットずつき】に吹き飛ばされたヘラクロスだがまだまだ倒れない。【メガホーン】を指示するとヘラクロスは角を発光させてカメックスに向かって突撃するがカメックスは【ハイドロポンプ】を撃ってくる。

 下手に避けたりすればヘラクロスの【メガホーン】の威力が弱まる可能性がある。コレは真正面に突っ切るしかないとヘラクロスに「根性見せてやれよ!」と言うとヘラクロスも『ヘラクロ!』とやる気を出す。

 

 徐々に徐々に【ハイドロポンプ】を突っ切るヘラクロス。

 コレならばイケると思ったらシゲルはカメックスに【ハイドロポンプ】を撃たせた状態で【れいとうビーム】を撃ってきた。肩のハイドロキャノンじゃない、カメックスの口から【れいとうビーム】が放たれ、ヘラクロスはカチンコチンに凍りついてしまいカメックスは【ハイドロポンプ】でヘラクロスを吹き飛ばし、オレの元まで飛んでくるとヘラクロスは戦闘不能になった。

 

 シゲルも意外性のある一手を撃ってくるなとやられたとヘラクロスをボールに戻し、次をどうするか考える。

【ひかりのかべ】を無事に破壊する事は出来ているのでリザードンの【ソーラービーム】は当てさえすれば沈める事は出来る……だが、問題は【ソーラービーム】を溜めている間に攻撃されて撃墜される可能性がある事だ。【にほんばれ】で日照りにしたらそれこそ【ソーラービーム】狙いなのが丸わかりで【あまごい】を使われて雨状態にさせられる。そうすれば【ソーラービーム】を溜めるのに余計に時間を食ってしまう。

 

 あんまりよろしく無い手だが勝負の世界だから仕方が無い事だと割り切り6体目、ゲンガーを出す。

 シゲルのカメックスをピカチュウで万が一倒しきれなかった時の為の予備のプランだったがまさかシゲルのカメックスがここまでやるとは思いもしなかった。いや、ホントに強い。リザフィックバレーで鍛えてもらっているリザードンを倒すことが出来るぐらいには強いぞ。

 

「そろそろ君の手札も尽きてきた頃の様だね」とオレが割と崖っぷちの状況になっている事をシゲルは言う。ピンチなのはお互い様である。

 シゲルはカメックスに【ハイドロポンプ】を指示するのでゲンガーは【シャドーボール】で対応するのだがカメックスの【ハイドロポンプ】がやたらと強かった。とくせいの【げきりゅう】が発動する範囲内にまで体力が削られていた証拠……一手、後、一手さえ入れればカメックスを倒すことが出来るが今のオレにはその一手があまりにも遠い。

 

 カメックスの【ハイドロポンプ】はゲンガーの【シャドーボール】を押し返し、ゲンガーは【ハイドロポンプ】と自分の撃った【シャドーボール】が命中する。フラフラと足がおぼつかないゲンガー。狙い目は今だと【ハイドロカノン】を叩き込んで来るのでの遠慮なく【みちづれ】を発動する。どんだけ強いポケモンであろうが【みちづれ】から逃れる事は出来ない

 

「しまった!」とシゲルはオレが最初からゲンガーの【みちづれ】を狙っていた事に気付く……いや、ホントはコレ、シゲルのカメックスがどうしようもないぐらいに強かった時の為のプランであって最初から狙っていたわけじゃない。【みちづれ】は最終手段だ……ゲンガーを失うのって地味に痛いんだぞ。

 

 そんなこんなでシゲルの切り札でありエースであるカメックスと相討ちになる。

 互いに残り1体となった。オレは当然無傷にリザードン、対してシゲルはハッサムだった……コレがどういう状況なのか理解出来ない程オレもシゲルもバカじゃない。リザードンは【かえんほうしゃ】を撃つとハッサムは回避するが直ぐにリザードンは追いかけて【かえんほうしゃ】を浴びせるとハッサムは戦闘不能になった。

 

 カメックス、ニドクイン、エレキブル、フーディン、ハッサム、ウィンディの計6体が戦闘不能になり審判は旗を上げる。

「ハッサム戦闘不能!リザードンの勝ち!よって勝者、サトシ選手!」とジャッジが下ると大歓声が鳴り響いた。パワーアップしたシゲルを相手に紙一重に近かったものの見事に勝利を納めた。

 

「僕の持てる全てをぶつけたんだけどね……負けたよ」と素直に負けを認めるシゲル。しかし紙一重でのゲンガーの【みちづれ】を頼った事もあるので「ギリギリの勝ちなんて勝ちとは言い難い。次やる時は完勝で勝ってやる」とシゲルに宣戦布告をしておく。

「良いよ。次こそは僕が勝ってみせる。それもぐうの音も出ない様な勝利を決めてみせる」と言った。言質は取ったぞ、ポケモントレーナーを止めてポケモン研究家を目指すからポケモンリーグに出ないとか言うんじゃねえぞと念には念を入れて釘を指しておくと「どうして僕がポケモン研究に興味があると知ってるんだい?」というのでオーキド博士の孫だからポケモン研究関連に興味ぐらいは抱いててもおかしくはないだろうと言っておく。

 

 シゲルはポケモン研究家の道を目指そうとするけれどもポケモントレーナーとしての腕を磨くのも怠らない。ライバルが1人でも減ると寂しいんだ。シゲルは「僕に勝ったんだからみっともない姿を見せないでくれよ、サートシくん」と相変わらずな挑発をしてくるがシゲルの手が震えている事に気付く。なんだかんだ言いつつもオレに負けた事は心の底から悔しいんだろう……負ければ誰だって悔しいか。悔しくない奴は1人も居ねえか。

 

 無事に勝利を納める事が出来た。セレナ達のところに向かうとセレナが抱き着いてきた。「一瞬、負けるかと思ったけど本当にいい試合だったわ」とオレの試合を感動してくれる。そんなに名勝負だったろうか。

 ケンタの奴は「ゲンガーの【みちづれ】は使ったというより使わされたんだろ」とオレが【みちづれ】を使いたくて使ったんじゃないと見抜いていた。次こそは純粋な実力で勝ちたいものだ。

 

 シゲル戦は一旦幕を引いたので早急にポケモンセンターに向かう。

 傷ついたキングドラ、ピカチュウ、ヘラクロス、ケンタロス、ゲンガー、リザードンをジョーイさんに見せるのだがキングドラとゲンガーとヘラクロスは明日の試合に出すことは出来ない、所謂ドクターストップの様なものがかかった。

 連日連夜連戦が続くジョウトリーグ・シロガネ大会、明日にも試合は控えている。明日はバシャーモ使いのハヅキ……リザードンを出すことが出来るのは良かった事だが、明後日にも試合が控えているので出すに出せない……明日のエースはお前だ。




 遅刻せずピカチュウを貰わなかった場合の世界線(当初のサトゥーシくんの予定)

 リザードン スターミー マルマイン フーディン ゴローニャ ケンタロス


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破れ サトシくんキラー

気付けば4000人もお気に入りにしてくれてるよ。ありがたいことです。


 

 ジョウトレポート118(打ち破れサトシくんキラー)

 

 ジョウトリーグも終盤を迎える今日この頃、ケンタもマリナも順調に勝ち上がっている。

 今回の決勝戦はケンタかマリナのどちらかが相手になるだろうが今は対戦相手のポケモントレーナーに集中しないといけない。本戦トーナメント2回戦の対戦相手はハヅキ、ホウエン地方のミシロタウン出身でホウエンリーグに出場経験もある腕利きのトレーナーだ。

 

 ルーレットが回り、ハヅキの先攻で草のフィールドが選ばれた。

 ハヅキが1体目に出したのはカクレオン。ホウエン地方の珍しいポケモンでデータ無しのポケモンバトルを狙っていたのなら甘い。こっちにはポケモン最新作のデータまでキッチリと頭に入っている……普通ならば忘れそうな事も覚えているので多分だけど転生特典かなんかだろう。

 

 カクレオン……正直に言えばあんま相手したくないポケモンだ。

 叶姉妹もどきと出会った際に一度会っているのでどんなポケモンなのか頭にインプット済みだ。最初はお前だとオコリザルを出す。久しぶりの公式戦でオコリザルは燃え上がる。

 

 試合開始の合図が告げられるとカクレオンは草むらの中に飛び込んだ。

 なにが狙いかと思っているとカクレオンはお腹の模様以外を透明化させる能力を持っており透明になってお腹の模様以外を透明化した後に草むらに入ることにより何処に潜んでいるのか分からなくしようとしている。

 

 意外と姑息な手段を取ってくるが、どうにもできない技ではない。

 オコリザルに【ほのおのパンチ】を指示し、炎を纏った拳で草のフィールドを連打すると草むらに火が着いた。向こうが隠れているならば炙り出せばいいとみるみるうちにフィールドの草は焼けていきカクレオンは『レオーン』と草が焼けた煙を吸って苦しそうに声を上げた。

 

 お腹の模様以外を消すことは出来るがお腹の模様は消すことは出来ない。声を上げれば大体の位置を割り出す事は出来るとオコリザルに【ばくれつパンチ】を指示するとオコリザルは拳を光らせてカクレオンをぶん殴りフィールドの端まで殴り飛ばす。

「カクレオン!」とカクレオンを心配する声を上げるハヅキだがカクレオンは今の一撃で戦闘不能になった。流石はオコリザル、やってくれるぜ。

 

 オコリザルは勝利した事を喜ぶのだが、まだ浮かれてはいけない。

 1体目を倒しただけで、ここからの逆転も普通にありえるので油断は出来ないとハヅキが次に出したのはスリーパー、セオリー通りのポケモンだ。エスパー技が襲ってくるのは確実なので交代も視野に入れてみるがここで交代したところでと交代するのを止める。

 

「スリーパー【さいみんじゅつ】」とスリーパーは持っている小銭を揺らす。

 スリーパーは眠らせに来るが生憎な事にオコリザルには【さいみんじゅつ】は通用しないと【メガトンパンチ】を叩き込む。しかしコレでは落ちないと【さいみんじゅつ】が通用しないならばと普通に【サイコキネシス】を撃ってくる。

 

 普通の【サイコキネシス】に対しては対応は取れないとオコリザルは念動力に弾き飛ばされる。

 オコリザルはなんとかして【サイコキネシス】から逃れようともがいてるのだが逃れる事は出来ずにフィールドの端に吹き飛ばされて戦闘不能になった。やっぱそう安々とは勝たせてくれないなと思う。サトシくんキラーは伊達じゃない……だが勝てない相手ではない。

 

 オコリザルに良くやったと褒めた後に2体目のポケモン、ヘルガーを出す。

 事前の調査でハヅキはヘルガーを持っているのを知っている。ヘルガーがどんなポケモンなのか知っているのでハヅキはスリーパーをボールに戻し、バシャーモが出陣する。

 

 いきなりのバシャーモに慌てるがコレはチャンスなのかもしれない。ここでバシャーモを倒すことが出来れば試合は一気にオレに傾く。

 バシャーモは【かえんほうしゃ】を撃ってくるがオレのヘルガーのとくせいは【もらいび】なのでものともせず【あくのはどう】を撃ち込む……バシャーモを相手に勝てば優勢に試合を持ち込む事が出来るが、一筋縄じゃいかなさそうだ。

 

 とくせいが【もらいび】だと分かったハヅキは手を変えてくる。【にどげり】を用いて2回連続で蹴りを叩き込む。

 コレはこっちも手を代えるしかないとヘルガーを戻し、ヨルノズクを出す。ヨルノズクを見てハヅキはポケモンを変えるのかと思ったがそのまま続投でヨルノズクに向かって【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでヨルノズクは上空に飛んで回避するのだがバシャーモはジャンプして跳んでヨルノズクを追いかけてきて【スカイアッパー】を叩き込んだ。

 

 バシャーモの脚力半端じゃない。

 バシャーモがエースなのは知っていたがここまでのものなのかと圧巻されるがヨルノズクは立ち上がり空を飛ぶ。今のでバシャーモの跳躍力は見れたので次は更に高くに上昇する事で回避することが出来る筈だ。

 

 しかし余りにも高すぎると今度はヨルノズクの攻撃が届かないので程良い距離を保つ。

【サイコキネシス】をバシャーモに向けて放つとバシャーモの体は微妙に浮いて【サイコキネシス】に弾き飛ばされるバシャーモだが直ぐに立ち上がる。昨日のシゲルのカメックス並に強い。だが決して倒せない相手じゃないと【サイコキネシス】で攻めに行くとハヅキは体は動かす事は出来ないが技を使う事は出来る事に気付き【かえんほうしゃ】をヨルノズク目掛けて発射し、ヨルノズクに命中しヨルノズクの【サイコキネシス】は解除されて【スカイアッパー】をもう一度叩き込みヨルノズクを戦闘不能に追い詰める。

 

 コレはやられてしまったと見せ場を作れなかった事を詫び、モンスターボールにヨルノズクを戻す。

 バシャーモのおかげか試合の流れはハヅキに向いている。コレは勢いに任せてポケモンを戦闘不能にさせられる可能性が高いのでこちらも切り札を切らせてもらうと「スイクン、君に決めた」と温存していたスイクンを出す。

 

 ケンタがまだライコウを出していないのもあるが流石は準伝説のポケモン、ネームバリューは凄まじい。

 会場があのスイクンが出てきたと驚いている。ハヅキも驚いている……一応は公式戦で使った事があるポケモンだからパソコンで調べようと思えば調べる事が出来るんだがな。

 

 場の空気がハヅキ寄りになってきたのを巻き返すにはお前しかいない。

 スイクンはやる気を見せるので【ねっとう】を指示するとスイクンは【ねっとう】をバシャーモに浴びせる。コレはまずいとハヅキはバシャーモをボールに戻し、出した4体目のポケモンはケッキングだった。

 

 ドテッと寝転んでいるケッキング。

 とくせいが【なまける】だからまともに動かないのだろう。動かないのならばこちらも色々とやらせてもらうと【めいそう】を積み上げる。こっちが積み技を使っているのを見たので【じしん】を撃ってくるケッキング。スイクンは【じしん】の衝撃波に飛ばされるが直ぐに体制を立て直しオレの指示を待つ。【めいそう】でCとDを積み上げてもケッキングは物理攻撃をしてくるのでそう何発も耐えきれない。

 

 ケッキングは攻撃する時以外は動きそうにない……ならばそれを利用するしか手は無いと【ぜったいれいど】を指示する。

 流石にスイクンが【ぜったいれいど】を覚えているとは思っても居なかった為にハヅキは「しまった!」と自分の出したポケモンと作戦のミスに気付く。大方、ダメージを受けても【なまける】辺りで体力回復を狙っていたんだろうが一撃必殺の【ぜったいれいど】の前ではケッキングも無力だった。

 

 ケッキングが敗れ去り、次に出てきたのはダーテングだった。

 ダーテングは【シャドーボール】を撃ってくるのだが【めいそう】を積み上げたスイクンの耐久力は半端でなく、スイクンはダーテングの【シャドーボール】をものともしない。この程度かと思っているとダーテングは高速で移動してスイクンを撹乱する。さっきのケッキングとは真逆、素早さが売りのポケモン。だが追い付くことが出来ない素早さじゃないとスイクンに呼吸を整えさせると高速で移動しているダーテングをロックオン、【れいとうビーム】を当てるとダーテングの足が地面とくっついた状態で凍り付く。コレで足を封じることは出来たと思えばダーテングは【だいばくはつ】を撃ってきた。完全に油断していたスイクンは【だいばくはつ】に飲み込まれた。

 

 コレはキツいなと思いつつ【だいばくはつ】が巻き起こした煙が晴れるとダーテングは倒れていた。

 スイクンはボロボロになっていたのだがまだ立っている……対バシャーモ用のエースとして入れていたのでここで倒れるとホントにマズいのでホッとするのもつかの間、ハヅキの手持ちが3体戦闘不能になったので5分間のインターバルを挟む……【めいそう】で積み上げた物をここでリセットは地味に痛いがルールなので仕方ない。

 

 昨日に続きヒヤヒヤさせるバトルだが決して悪い方向に流れは向いていない。

 ハヅキはスイクンで逆転されると感じたからダーテングの【だいばくはつ】を撃ってきた……危うくこっちが倒されるところだったが流石はスイクン【だいばくはつ】耐え抜いてみせてくれた……が、かなりのダメージを負っているので下手に出せない。ホントに手痛い目に遭ってしまったなと思いつつもスポドリを口にする。ダーテングに【だいばくはつ】とかガチ構成か。

 

 インターバルの5分間の間に次はどうするかと作戦を練っておく。次にポケモン出すの、オレが先だからな。インターバルの5分間の間にあれやこれや考えているとあっという間に5分は過ぎてフィールドに舞い戻る。

 

 オレの5体目のポケモンはお前だとドンファンを出すとハヅキはハガネールを出してきた。

 ドンファンに対してハガネール、ハヅキの手札も尽きたといったところだろう。取り敢えず【じしん】を撃ってみるのだが当然の様に【じしん】の衝撃波は【じしん】により相殺されてしまう。やっぱ【じしん】持ちに【じしん】は通用しないか。

 

 ドンファンの【じしん】が通じないのは痛いがドンファンには色々と覚えさせている。

【ほのおのキバ】で牙に炎を纏わせて突撃していくとドンファンはハガネールにぶつかる。ハガネールは炎を纏った牙に触れて苦しそうな表情を浮かびあげるのだが倒れる気配はない。ぼうぎょの種族値200は伊達じゃないか。

 

 ドンファンには特殊系の技は覚えさせていない。【じしん】を覚えている事とスイクンを下手に出せない事を考慮すれば、ここはドンファンに頑張ってもらうしかない。ドンファンの【ほのおのキバ】は襲い続けるがハガネールは耐え抜きドンファンに対して【こおりのキバ】で噛み付いてきた。コレはまずいと直ぐに【こおりのつぶて】を撃ってハガネールの【こおりのキバ】を防いでみようとするが防ぎきれずにドンファンは【こおりのキバ】にやられてカチンコチンに凍りついて氷が砕け散るとドンファンは戦闘不能になった。

 

 出すポケモンを間違えてしまったのかと思いつつもドンファンに健闘してくれた事を感謝する。ハガネールはノーダメージではない、ダメージを多く与える事が出来たのでそれで良しとヘルガーを出す。

 ヘルガーに【わるだくみ】を使わせたいところだがチンタラやっていると【じしん】の衝撃波に吹き飛ばされる可能性がある。ここは一気に勝負を決めに行くと【かえんほうしゃ】をハガネールに浴びせるがハガネールは中々に倒れず【じしん】を撃ってくると【じしん】の衝撃波にヘルガーは弾き飛ばされるが弾き飛ばされながらもヘルガーは【かえんほうしゃ】を浴びせ続け、地面に倒れるとハガネールも倒れる。ハガネール、ヘルガー、両者共に戦闘不能の引き分けだ。

 

 お互いに引き分けだったので同じタイミングにポケモンを出してくれと審判から指示があり3,2,1でモンスターボールを投げる。

 オレが出したのはハッサム、ハヅキが出したのはスリーパーだった。コレは良かったとハッサムは【バレットパンチ】をスリーパーに叩き込む。スリーパーは【サイコキネシス】を撃ってくるがハッサムは気力1つで跳ね除けて間合いを詰めて【とんぼがえり】スリーパーを倒しつつオレのモンスターボールに戻る……ハヅキの最後の1体はバシャーモ、素早さも中々のもので4倍弱点のハッサムはここで退場だとスイクンを出す。

 

 ハヅキも「やはり出てきたか、スイクン!ゆけっ、バシャーモ!!」とスイクンと戦う覚悟を決めたハヅキはバシャーモを出す。

 スイクンもなんだかんだと傷ついているがバシャーモも傷ついている。ダメージの量はお互いにイーブンと言ったところ。取り敢えず【ねっとう】を撃つと【かえんほうしゃ】で相殺する。【もうか】が発動する圏内まで体力が低下していて【ほのお】タイプの技の威力が高まっている。

 

 こりゃ下手な技は蒸発させられるぞと思っているとバシャーモは間合いを詰めてくるがスイクンは【かぜおこし】で突風を巻き起こして間合いを保つ。バシャーモ相手に間合いを詰められたらこっちの身が持たない。間合いを保っておかなければならない。

 スイクンに近付く事が難しいと思ったがハヅキはバシャーモに【ブラストバーン】を指示、本気で潰しに掛かっているがそこがオレの狙いだ。スイクンに【ミラーコート】を指示してバシャーモの【ブラストバーン】を跳ね返す。

 

 しまった!と言った顔をした。バシャーモと間合いを開いたのはバシャーモに中距離以上の距離で放つ事が出来る特殊系の技を誘う為でもある。オレの狙いがなんなのか分かった時すでに遅し。【ミラーコート】により威力が倍増されて跳ね返った【ブラストバーン】が命中して爆煙がフィールドを包み込む。

 

 バシャーモに弾き返した【ブラストバーン】が命中するのは見ていた。

 煙が晴れるとバシャーモとスイクンは睨み合いを続けており、ゆっくりとバシャーモが倒れた。バシャーモは戦闘不能になった。

 審判が「バシャーモ、戦闘不能!スイクンの勝ち!よって勝者、サトシ選手!」と合図を取ると大歓声に包まれた。なんとか勝つことが出来たとガッツポーズを取る。

 

 無事にサトシくんキラーを打ち破る事が出来たとスイクンの元に駆け寄るのだがスイクンは倒れてしまう。

 ダメージは受けていないが体力の方が限界を迎えてしまった。スイクン、バシャーモを相手によくやってくれたとスイクンをボールに戻す。

 

「物語打ち破り、おめでとう」とケンタは拍手を送ってくれる。

 無事に原作を撃ち破る事が出来たのだが、まだジョウトリーグは終わっていない。まだ準決勝と決勝戦が残っている。セレナやオーキド博士、シゲル達から勝利をした事を喜ばれるが喜びを噛み締めている場合じゃないとポケモンセンターに向かう。

 

 ドクターストップが掛かっていたゲンガー、キングドラ、ヘラクロスは無事に回復して明日の試合に出ることが出来る。

 代わりにスイクンがドクターストップがかかる。ダーテングの【だいばくはつ】が思った以上のダメージになっている……スイクンを準決勝に出せないのは痛いが、決勝戦に出すことは出来るとのこと。

 

 明日も試合なのでどうしようと明日の自分の対戦相手を確認する。

 オレの明日の対戦相手はなんとジョーイさん、ケンタがセキエイ大会で戦ったジョーイさんとは別のジョーイさんなのだが、ジョーイさんである事には代わりはない。パソコンでジョーイさんのデータを確認するのだがなんとジョーイさん、サンダーをゲットしている。セキエイ大会のジョーイさんフリーザー使ってきたし、マジで何なのジョーイさん一族。

 

 サンダーであるからリザードンもスイクンも相性が悪い。出すポケモンを慎重になって選んでおかないと痛い目に遭う。

 どうしたものかと困っているとオーキド博士の研究所から連絡があった。というかミュウツーが連絡をしてきた。ケンジを催眠術で操って『私の出番はまだなのか?』と聞いてくる。

 

 そうだ、オレにはスイクンとリザードンだけじゃなくミュウツーも居たんだ。

 しかしミュウツーは強すぎる。ミュウツーに一度でも依存してしまえばそれは負けなんじゃないかと思ったがミュウツーに頼らないと決勝戦がヤバい。今ここでリザードンを出して準決勝でボロボロになってドクターストップがかかってしまって出すことが出来ませんでしただけは洒落にならない。

 

 全国中継の場でミュウツーを使えばロケット団に襲われるんじゃないかと心配もあるがこうなっている以上はミュウツーに頼るしかない。

 明日のエースはミュウツーに決まり、それを軸にパーティ編成をする。まだ出していないポケモンとか色々と考慮しつつ明日のジョーイさんとのバトルに撃ち勝つチーム編成をする。明日、勝てば決勝戦。明日はケンタvsマリナの準決勝も控えている。マリナには悪いがケンタに勝ってもらいたい。




 フシギダネを選んでいた場合

 フシギバナ ゴルダック プテラ キュウコン サンドパン カイリキー

 ゼニガメを選んでいた場合

 カメックス クロバット ニドキング ブーバー エレブー ナッシー


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それぞれの準決勝

 

 ジョウトレポート119(それぞれの準決勝)

 

 準決勝、思えば今回のジョウトリーグも長い道のりだった。

 しかし今回の対戦相手は実に厄介な相手、ジョーイさんだ。ケンタもセキエイ大会でジョーイさんとバトルをした事があるのでなにかアドバイスがないのかなと尋ねてみると「ジョーイさんはガチ構成で来てる」との事……ガチ構成ってなんだよ。オレ達は常にガチでバトルしているだろう。ケンタから貰えたアドバイスは微妙で詳しい事を聞きたかったがケンタもケンタで忙しい身、彼奴はオレの次に試合が待っているからな。

 

 色々とウダウダ考えても仕方がない事だ。

 ジョーイさん一族は容赦の無いポケモン達と技構成をしている。オレも今日出すことが出来るベストなメンバーで挑むしか道は無い。セレナに行って来ますのハグをした後にバトルフィールドに立つ……コレを攻略すればいよいよ決勝戦、ケンタかマリナのどちらかが相手になる。

 

 ルーレットが回り初めて止まると氷のフィールドが選ばれた。先攻はオレからで氷のフィールドならばお前しか居ないとマニューラを選出。

 初の公式戦にマニューラもやる気を見せており、爪をキラリと輝かせる。やる気があるのは実にいいことだ。オレのマニューラに対してジョーイさんが出してきたのはカビゴンだった。

 

 カビゴンなら持っているのでどんな技で来るのか大体予想はつくとマニューラに【つじぎり】を指示すると黒色の剣みたいなのを握る。

 物理攻撃に対してどう対処してくると見ていると【のろい】を使ってぼうぎょとこうげきを上げてきた……このカビゴン、ガチ構成で育てられてないか?カビゴンに対して【つじぎり】を叩き込むのうんともすんとも言わない。硬い【のろい】を積み上げたカビゴン滅茶苦茶硬い。

 

 試合中のポケモン図鑑は使用禁止なのでとくせいは不明だが【あついしぼう】の可能性が大きい。【れいとうパンチ】や【こごえるかぜ】は効果は薄い。さて、どうしたものかと思っているとカビゴンは【ほのおのパンチ】を撃ってくる。パワー系のカビゴンが【のろい】を積んだ状態での【ほのおのパンチ】はマズいとカビゴンの【ほのおのパンチ】を完璧に回避する。

 

 元々の鈍足と【のろい】が相まってカビゴンはかなり遅い。素早さに秀でているマニューラならば【ほのおのパンチ】なんかを避ける事が出来る。コレは何処かに隙が生じるのを待つしかないと【つめとぎ】を使い攻撃と命中率を上げる。

 そっちがその気ならばとジョーイさんも限界ギリギリまで【のろい】を積み上げる。パワーとパワーのぶつかり合い、至ってシンプルだが中々に悪くない展開だ。

 

【のろい】で限界までに力を蓄えたカビゴンは起き上がる。普通に動いてもマニューラを倒すことどころか攻撃を当てる事は出来ないと広範囲に及ぶ【じしん】を撃とうと軽くジャンプをするのだがオレはその瞬間を待っていたと。跳ぼうとするカビゴンの足に【けたぐり】を叩き込む転ばせてそのまま顔面に目掛けて【れいとうパンチ】を叩き込むとカビゴンは戦闘不能に陥る。

 

 1体目を倒すことが出来たのだが油断はまだ出来ない。

 カビゴンをボールに戻し、次に出してきたのはガルーラだった。またノーマルタイプのポケモン、ヘラクロスとオコリザルのどっちかを参加登録しとけば良かったと軽く後悔しつつも間合いを詰めて【れいとうパンチ】

【つめとぎ】で攻撃力を高めておいて正解だったなとガルーラは苦しそうにするが倒れず【ほえる】を撃ってきて強制的にドードリオに手持ちを入れ替えられる。ガルーラに【ほえる】って第2世代のガチ構成かこんちくしょう。

 

 マニューラの【つめとぎ】による攻撃力上昇をリセットされたのは手痛いが、ドードリオが出たのがまだ幸いだ。

 氷のフィールドはツルツルしていて動きやすいポケモンは動きやすいのだろうが一部のポケモンは動きづらい。ドードリオはその一部のポケモンではないので普通に戦う事が出来る。

 

【ノーマル】タイプのガルーラに対してはコレが有効打だと【とびひざげり】をくらわせる。

 ガルーラは【のろい】を積んでぼうぎょを上げてくるのだが確かなダメージが入り苦しそうな顔を浮かび上げている。コレは良い流れがやってきたぞと【ドリルくちばし】を撃つ。ドードリオの頭は3つ、対してガルーラの手は2つ。ドードリオの3つの頭はガルーラ目掛けて突撃していくのだがガルーラは首をガッチリと掴むが3つ目のドードリオの頭は対処する事が出来なかったので【ドリルくちばし】が命中し、ガルーラは吹き飛ばされて戦闘不能に陥る。

 

 コレで2体を撃破して波に乗ることが出来ている。

 この勢いを殺す事なく勝利をもぎ取ろうと考えているとジョーイさんの3体目が、スターミーが出てきた。ここに来てのスターミーはあんまり良い予感はしないなとちょっと手を変えてみて【トライアタック】で攻撃してみると【10まんボルト】を撃ってきて【トライアタック】の電撃の部分を受け流した。ジョーイさんも中々にやる。この様子だと【れいとうビーム】も覚えていそうで他のポケモンを出してもやられそうなのでドードリオを続投。

 

 スターミーは【なみのり】で津波を巻き起こして襲いかかってくるのでドードリオにスターミーが乗っている津波より高く跳んでもらい【ドリルくちばし】で攻めに行くと津波の上に乗っているスターミーは器用にも【れいとうビーム】を撃ってきてドードリオはカチンコチンに凍らされると地面に落下、【なみのり】の津波がドードリオを飲み込むとドードリオの氷がピキリと砕け散りドードリオは戦闘不能になっていた。

 

 強いな、あのスターミー。スターミーの強さに感心しつつももう一度お前の出番だとマニューラを出す。

 マニューラを見てピクリとだがジョーイさんの眉が動く。マニューラが相手では【れいとうビーム】も【サイコキネシス】も通じない。【れいとうパンチ】を覚えているのを知っているので下手に【なみのり】も撃てない。

 

 そうなると残された手は1つしか無いと【10まんボルト】を撃ってくる。

 それしか手立てが無いのは知っていると【つじぎり】で【10まんボルト】を撃とうとするスターミーを切り裂いてスターミーに大ダメージを与えるのだがスターミーは攻撃に耐えきり【10まんボルト】を撃ってくる。

 

 スターミーは【エスパー】タイプでもあるし、マニューラは【あく】タイプのポケモンでもあるから効果抜群でタイプ補正も掛かっている。

 しかし中々にスターミーは倒れない。Bにでも努力値振ってるんじゃないかと思わず疑ってしまうぐらいに頑丈だったが勝利のイマジネーションが見えた。スターミー、特殊系の技は豊富だが近距離系の技はお粗末だ。

 

 一定の距離間を開いていたら特殊系の攻撃をくらってしまうので間合いを詰めてマニューラの素早さと氷のフィールドを生かして滑りながら連続で【つじぎり】を撃つ。前から後から横からと360度どの方向からでも襲ってくるマニューラに対処する事は出来ず【つじぎり】を連続でヒットしスターミーを戦闘不能に追い込んだ。

 

 3体が倒されたのでここで一旦5分間のインターバルを挟む。

 ジョーイさんが相手なのでホントに油断ならない、カビゴンもガルーラもスターミーもとにかく強い。フィールドが氷のフィールドで思うように動く事が出来なかったのが戦いを優勢に進める事が出来た大きな要因だ。まだこっちはドードリオしか戦闘不能になっていない、マニューラも多少のダメージはあるがまだまだ戦えるといった感じだ。このまま行けば余力を残した状態で勝ち進む事が出来る……が、やっぱり甘くないのがポケモンリーグの恐ろしさ、ポケモンバトルの楽しさだ。

 

 5分間のインターバルを終えるとフィールドに舞い戻る。

 氷のフィールド、ツルツルしていて上手く走りづらいこのフィールド……地味にやりづらい。ジョーイさんが4体目に出したのはガラガラだった。まだエースは出てこない様だなとマニューラを続投。マニューラはやる気満々である。

 

 ガラガラは【じしん】を撃ってくる。

 マニューラは【じしん】を覚えていないので相殺する事は出来ずに【じしん】の衝撃波に弾き飛ばされるが直ぐに体制を立て直してガラガラ目掛けて【れいとうパンチ】を撃つがガラガラは骨でガードをし【ボーンラッシュ】を連打してきてマニューラを吹き飛ばし、マニューラは遂に戦闘不能になってしまう。

 

 ここまで良くやってくれたとマニューラを褒めて3体目のポケモン、フシギダネを出す。

 フシギダネは出番だと喜びつつも冷静に状況を眺める。氷のフィールドは足場がツルツルしていて上手く踏ん張りが効かない、重さがそんなに無い小回りの利くフシギダネには頑張って貰わないといけない。

 

 取り敢えず軽く小手調べだと【はっぱカッター】で攻めてみるとガラガラは自慢の骨を使って飛んでくる葉っぱを撃ち落とした。準決勝にまで勝ち進むトレーナーのポケモンなんだからコレぐらいは出来るのは当たり前だろう。【つるのムチ】で攻撃してみたいが単純なパワーならばオレのフシギダネを遥かに上回っている。【つるのムチ】でガラガラのキーアイテムであるふといホネを奪う事さえ出来ればフシギダネに勝負は傾くが単純なパワー勝負をしていない、いや、出来ないと。フシギダネはフシギダネのままなので純粋な力技での突破が難しい。

 

 パワーだけがフシギダネの武器じゃない。フシギダネに【ソーラービーム】を発射する様に言えばフシギダネは背中の蕾に【ソーラービーム】を撃つための太陽光を集めだす。それを見たジョーイさんが「強烈な技だけど墓穴を掘ったわね!」とオレのフシギダネがなんらかのミスを犯した事を指摘する。オレのミスっていったいなんだと思っていると【ソーラービーム】が発射されるのだが、足の踏ん張りが効かずにスゥ〜と滑ってしまいガラガラ目掛けた方向に飛ばすことが出来ずに暴走してしまう。

 

【ソーラービーム】が命中しない、別の方向に飛ばしてしまっているとガラガラ【じしん】を撃ってくる。

 フシギダネは【じしん】の衝撃波に吹き飛ばされて戦闘不能に追い込まれる……あのガラガラ、滅茶苦茶強いな。フシギダネに【ソーラービーム】を指示したのはミスだ。氷のフィールドの特性を理解していなかったと自分を責める。だ、まだ終わりじゃない。

 

 4体目のポケモンはお前だとカビゴンを出した。

 ガラガラもダメージを負っていないわけじゃない。【はらだいこ】を積んで攻撃力を最大にまで高めるとスケートの様に滑り【れいとうパンチ】を叩き込む。ガラガラは【ホネこんぼう】で対抗してくるが最大にまで上げられたカビゴンの攻撃力は伊達じゃないとガラガラの骨を殴り飛ばし、もう片方の手も【れいとうパンチ】を撃てるので2発目の【れいとうパンチ】を叩き込んだ。

 

 最大にまでパワーを上げたカビゴンの【れいとうパンチ】は効いたのかガラガラは倒れた。

 4体目のポケモンを倒すことが出来てコレで残すところは後2体、なにが出てくると心を構えていると出てきたのはヘラクロスだった。ここに来てのヘラクロス……カビゴンは【はらだいこ】で極限まで物理攻撃を高めている。ここで交代するのは悪手だとカビゴンで続行する。

 

 ヘラクロスに対してカビゴンは【のしかかり】を撃つ。

 重さ+極限まで物理攻撃を上げたカビゴンの【のしかかり】、コレで落ちないポケモンは早々にいない。そう感じ取ったのかジョーイさんも攻撃系の技を指示せずに【こらえる】を指示する。カビゴンはヘラクロスの上にのしかかるりヘラクロスを押し潰す……勝った!と思ったがヘラクロスはフラフラになりながらも立ち上がり【きしかいせい】で殴ってくる。

 

 瀕死寸前のヘラクロスに【きしかいせい】はバッチリだったのかカビゴンは殴り飛ばされる。

 ヘラクロスに殴り飛ばされたカビゴンは目を回しており戦闘不能になる……あのヘラクロス、ヤバいな。カビゴンはよく働いてくれたとボールに戻して感謝していると次のポケモン、ドサイドンを出す。

 

 本当ならば対サンダーとして入れていたのだがこうなってしまった以上はやるしかない。

【きしかいせい】の威力からしてヘラクロスの体力はもう虫の息だ。後、一撃を当てる事が出来れば勝てるんだと間合いを取って【ストーンエッジ】で攻撃するのだが【メガホーン】で【ストーンエッジ】の岩を破壊していきドサイドンにまで近付くと【きしかいせい】を撃ってきて……ドサイドンも戦闘不能になった。

 

【こらえる】+【きしかいせい】のコンボ、半端じゃねえ。

 5体のポケモンが戦闘不能になり追い詰められたオレは最後のモンスターボールを手に取る。正直な話、あんまり使いすぎると頼り切ってしまう部分もあるのであまり出したくは無かったがお前に頼るしかない。

「ミュウツー、キミにきめた」と最後の6体目を、ミュウツーを出陣させる。ミュウツーを見たことないトレーナー達はなんだあのポケモンはと騒ぎを立てるがそんな事は知ったことじゃない。

 

 ヘラクロスの【きしかいせい】は殴ってカウンターを叩き込む技だ、真正面からくらえばミュウツーとて大ダメージになる。ヘラクロスとの間を、間合いを詰められるとこっちが詰むので間合いを保ったまま【サイコキネシス】を撃ってヘラクロスを弾き飛ばした。ヘラクロスが既に虫の息なので【サイコキネシス】の一撃に沈められる……コレでジョーイさんの手持ちは残り1体、事前の情報が確かならばと思っているとジョーイさんの6体目が、サンダーが出てきた。

 

 準伝説のポケモンはそれなりに遭遇しているが準伝説のポケモンの中でもかなり強い方に部類されているな。

『ほぅ、どうやら骨のある奴がやってきたか』とミュウツーは骨のあるポケモンが来たことに闘争心を奮い立たせるがこっちもギリギリでお前が負けた場合、オレの負けに直結してる。流石に負けだけは勘弁してくれよといえば『問題無い。私を誰だと思っている?』と言ってくる。

 

 そうだな、お前は禁止級のポケモン、並大抵のポケモンは寄せ付けない……まぁ、相手はサンダーだけども。

【あまごい】を撃ってくるのでミュウツーに【ひかりのかべ】を貼らせる。必中の【かみなり】が狙いだと分かっているのか「読まれてるっ」と動揺している。水ポケモンでもないのにわざわざ【あまごい】を撃ってくるのだからなにをして来るのか大凡の検討はつく。

 

 読まれているから手を変えてくるかと思ったが【あめ】状態のフィールドで何もしないのは勿体無いと【かみなり】を落としてくるのだが事前に貼っていた【ひかりのかべ】の効果もあってか【かみなり】の威力は半減、持ち前の耐久力も合わさりミュウツーはピンピンしている。

 今度はこちらの番だと【ふぶき】をサンダーにぶつけるとサンダーはみるみると凍りついていく。サンダーは【こおり】状態にならない為の足掻いてみせるのだがミュウツーは手を緩めることなくサンダーをカチンコチンに凍らせた……分かっていた事だけどミュウツーの力半端じゃねえ。

 

 カチンコチンに氷漬けにされたサンダー。氷が砕け散るとサンダーは飛び上がろうとするが飛び上がる事は出来ずに地面に墜落した。

 サンダーを倒すことが出来たのでガッツポーズを取った。審判が「サンダー戦闘不能!ミュウツーの勝ち!よって勝者、サトシ選手!」とジャッジをくだすとフィールド内に飛び込みミュウツーを抱きしめる。

 

 コレでオレは決勝戦に駒を進める事が出来た。後、1勝、1勝すればジョウトリーグを制覇する事が出来るんだ。

 セントラルのポケモンセンターに向かってポケモン達を回復させたいが次の試合が……ケンタvsマリナを見届けないといけない。勝った方がオレの決勝戦の相手だ、負けた方がジョーイさんと戦い3位決定戦に挑む。さぁ、どっちが来るか楽しみだ。




ジョーイさんの手持ちはニンテンドウカップ2000の優勝者の手持ち構成です


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続 それぞれの準決勝

 

 続ジョウトレポート118(それぞれの準決勝)

 

 レポートを書いているノートが切れたので新しいノートに続きを書く。

 無事にオレは決勝戦に駒を進める事が出来た。コレで1抜けだとセントラルのポケモンセンターに向かいたかったがポケモン達には多少辛抱してもらいケンタvsマリナのもう1つの準決勝を見ていくことに。

 

 観客席に向かうとセレナが隣を開けてくれた、というよりはケンタ達が去ったのでスペースが空いていた。よっこいしょと座席に座るとセレナが手作りのマカロンを渡してきたのでパクリと頂く。今日もセレナのお菓子は美味しいのである。

「大丈夫なの?」とオレの身を心配するセレナ。気疲れ的な意味で疲れは蓄積しているが一晩ぐっすりと眠れば全快する疲れで万全の状態でジョウトリーグの決勝戦に挑める。オレの方は準備万端だとスタジアムに視線を向ける。

 

 互いに別々の出口から出てくるケンタとマリナ。

 実況がケンタとマリナの経歴を語り出身を語りコレは熱いバトルが繰り広げられる予感だと実況は場の空気を盛り上げる。ケンタもマリナも一流に相応しいポケモントレーナー、名バトルになるだろう。

 

 フィールドを決めるルーレットと先行後攻を決めるルーレットが回る。

 フィールドは岩のフィールド、先攻はケンタからでケンタはエテボースを出した……フルバトルな事もあるがケンタの奴、意識してるのか無意識なのかは知らないが先攻になるとエテボースを出す割合が高いな。【ノーマル】タイプのポケモンで技を豊富に覚えるエテボースは先陣を切らせるのにちょうどいいんだろうな。

 

 ケンタのエテボースに対してマリナが出したのはプクリンだった。

 キュートなだけじゃないタフな一面を持つプリプリなポケモンと前口上を言っている……審判もケンタも律儀に待ってくれている。地味に優しい。

 

 試合開始の合図がなると早速エテボースが【ねこだまし】を仕掛けてプクリンを怯ませてその隙に【れいとうパンチ】を叩き込む。

 オレと対戦した時と同じだ。同じ手だが前よりも技の威力も精度も上昇している。オレに負けた悔しさをバネにしてるのがよく分かる……だが、耐久力が高いプクリンは沈まない。

 

【ステルスロック】を撃ち込む。これはヤバいとエテボースは【れいとうパンチ】を連打するのだが【リフレクター】と【ひかりのかべ】の両方を貼ってくる……コレはまさかと思っていると更に【ステルスロック】を撒き散らし計3回も【ステルスロック】を撒き散らすとエテボースの尻尾による【れいとうパンチ】を受け止めて……【じばく】した。

 

 嘘だろと思ってしまうが生憎な事にコレは現実である。

 試合開始早々に壁を貼って石を撒き散らして【じばく】をするとか容赦もなにもねえ。中々にクソッタレな戦法を取ってくるじゃねえかと思っていると爆煙が晴れてそこにはエテボースとプクリンが倒れていた。

 

 両者共にノックアウト、この場合は互いにポケモンを同時に出すようにと指示があり3,2,1でポケモンを出す。

 ケンタが出したのはバクフーン、マリナが出したのはムウマージ。ケンタのバクフーンは【ステルスロック】の効果で大ダメージを負う……プクリンが仕掛けた技は地味に痛いぞ、どうするつもりだと思えば【かえんぐるま】を撃つ。

 

 ムウマージに向けて【かえんぐるま】を撃つならば【かえんほうしゃ】の方がいいんじゃないのか?と思っていたがケンタの狙いはムウマージでなくフィールドに潜んでいる【ステルスロック】の尖った岩だ。【かえんぐるま】で1つ1つ破壊していく……後の事を考えればこの手は正解だ。【ステルスロック】は地味に痛い。

 

 尖った岩を全て破壊するとムウマージが【くろいまなざし】を撃ってくる。

 交代するのは許さないと【ほろびのうた】も歌ってくる。ケンタのエースは紛れもなくバクフーン、ここで失うのは大きな痛手になるとバクフーンはムウマージを【ブラストバーン】の一撃に沈めるのだが既に【ほろびのうた】を聞いてしまっている。

 

 時間経過と共に倒れる可能性が大きいと思っているとマリナは3体目にオーダイルを出してきた。

 ケンタはポケモン入れ替えるのかと思ったがそのまま続投【ワイルドボルト】で攻めに掛かるがオーダイルの【アクアテール】に弾き飛ばされる。というよりかはプクリンが貼っておいた【ひかりのかべ】と【リフレクター】が地味に強い。

 

 残された時間も僅かだろうなと思っていると【ひかりのかべ】と【リフレクター】の効果が切れる。

 攻めるならば今しかないと【ワイルドボルト】で攻めるケンタだがマリナのオーダイルは足元に向かって【れいとうビーム】を撃ち込み地面をカチンコチンに凍らせて上手い具合に激突しないといけない【ワイルドボルト】を使えなくした。

 

 フィールドがカチンコチンに凍りついているのはなにかと不便である。さっきの氷のフィールドでそれが嫌になるほどに思い知った。ケンタも氷のフィールドでの戦闘経験があるのでコレは野放しに出来ないと地面に向かって【ブラストバーン】を撃ち込み地面から炎を噴出させて氷の貼ったフィールドを元の岩のフィールドに……いや、溶岩のフィールドに変えた。ここからケンタのターンが来るのかと思ったがここでムウマージの放った【ほろびのうた】の効果が発揮してバクフーンは倒される。

 

 バクフーンがここで倒されたのは痛いが、その分仕事はした。ニ枚の壁と鬱陶しい【ステルスロック】を排除する事が出来ただけでも充分な成果である。コレで互いに残すところは4体となった。ケンタが3体目に出したのはナッシー、そんなポケモンも持っていたかと思っているとナッシーは【にほんばれ】を撃ち天候を【ひでり】状態にする。

 

 狙いがなんとなく見えたのかマリナは【こおりのキバ】を指示してナッシーに噛み付いてナッシーを凍らせていくが日照りの影響もあってか【こおり】状態になることはなく【ソーラービーム】を指示して速攻で日光を収束して噛み付いていたオーダイル目掛けて0距離の【ソーラービーム】を発射してオーダイルを吹き飛ばした。

 

 オーダイルは戦闘不能になるかと思ったが寸でのところで立ち上がる。流石はマリナのオーダイル、中々に倒れない。

 しかしこの状況下ではオーダイルもまともに戦えないだろうと判断したのかマリナはオーダイルをボールに戻して4体目のポケモン、エアームドが出てきた。エアームドならばナッシーの【ソーラービーム】を耐え切る事が出来るだろうと見ていると【ステルスロック】を撒き散らす……お前もか。

 

 しかしそれはケンタも読んでいたのか【タマゴばくだん】をフィールドのそこかしこに飛ばして尖った岩を破壊していく。

【かえんぐるま】といい【タマゴばくだん】といい普通はそんな風には使わないのだが流石はケンタといったところか。フィールドを弄る事は許さないとエアームドの【ステルスロック】を封じるとエアームドは【ブレイブバード】で攻めてくる。「そう来るしかないよな!ナッシー【だいばくはつ】」と突撃してくるエアームドがナッシーに触れる寸前に【だいばくはつ】を巻き起こす。ケンタと言いマリナと言いそんなに自爆技が好きか。【ほろびのうた】とか平気な顔をして撃ってくるし、ホントに油断ならねえぞ。

 

 再び巻き起こる爆煙が晴れるとナッシーとエアームド、両者共に戦闘不能になっていた。

 鉄壁のぼうぎょの種族値のエアームドを落とすとかナッシーの【だいばくはつ】凄まじい威力を秘めているな。互いに同時に3体やられたのでここで5分間のインターバルを挟む。フィールドは【だいばくはつ】と【じばく】の影響もあってか更地に近く岩のフィールドの原型を留めていない。

 

 フィールドを生かした戦法はコレで取れなくなったのでオレならばどうするかとあれこれ考えている内に5分間のインターバルは終わりを告げてフィールドに舞い戻る。先攻はケンタからだったので後攻はマリナからの選出になる。

 マリナが出したのはデンリュウだ。対するケンタはバンギラスを出してきた。バンギラスの特性の【すなおこし】が巻き起こりフィールド全体が砂嵐に包まれるので何時かのスロットの景品として手に入れたゴーゴーゴーグルを装着、セレナも装着してコレで試合が観戦する事が出来る。

 

 砂嵐が巻き起こる中で先に動いたのはケンタのバンギラスだった。

 ケンタのバンギラスは【じしん】を撃って衝撃波をマリナのデンリュウに向けて放つとマリナのデンリュウは尻尾を地面に叩きつけて高くジャンプし上空から【きあいだま】をぶつける。バンギラスが出てきても問題無い様に対策は充分に練ってあるのかと思ったのだがバンギラスはデンリュウの【きあいだま】を受けてピンピンしていた。真正面から直撃した筈なのに……コレが600族の力か。

 

 ゆっくりと降下していくデンリュウ。

【コットンガード】を使い身体中を綿で包み込むと地面に着地、それを狙ったかの様にバンギラスは【じしん】を撃ってきてモロにバンギラスの【じしん】を受けるのだが【コットンガード】のおかげもあり、なんとか倒れずにいる……が、大きなダメージが入っている。そう何発も【じしん】を受ければ【コットンガード】でぼうぎょを上げても耐え切る事は出来ない。

 

 ここが腕の見せどころだとデンリュウは【きあいだま】を撃つとバンギラスは【ストーンエッジ】を地面から生やす。

 1つ、また1つと【ストーンエッジ】の岩を破壊していくのだが徐々に徐々に【きあいだま】の威力は弱っていき最終的にはバンギラスの元まで【きあいだま】は届かなかった。

 

 コレは勝負あったなと【じしん】を撃つとデンリュウは高く跳んで回避して【きあいだま】を撃ってくるので回避せずに胸で受け止めて降りてくるデンリュウに【ストーンエッジ】をぶつけて弾き飛ばすと【じしん】を放ち【じしん】の衝撃波をバンギラスはデンリュウにぶつける。コレは勝負があったとデンリュウは戦闘不能になった。

 

 マリナの残すところは大ダメージを負っているオーダイルとまだ見ぬ1体、ここから巻き返しが聞くかとマリナの6体目ポケモン、キュウコンが出てきたと思えば【すなあらし】のフィールドが消え去り【ひでり】の状態に切り替わる。とくせいが【ひでり】のキュウコンか。

 まだまだマリナの引き出しはあるなと思っていると【ソーラービーム】が飛んでくる。バンギラスは受けの姿勢に入るのだがデンリュウ戦で積み上げてきた【きあいだま】のダメージがあってか耐え切る事は出来ずにバンギラスは戦闘不能になった。

 

 やっとバンギラスが倒れたかとケンタは5体目のポケモンを、ニョロトノを出した。

 ケンタのニョロトノのとくせいは【あめふらし】で豪雨を降らせる事が出来る。晴れた【ひでり】状態から一転し豪雨の【あめ】状態にフィールドは切り替わる。マリナはポケモンを入れ替えるのかと思ったがそのままで続行する。残りはオーダイルだけだからマリナもマリナでなんだかんだでピンチだったりするわけだ。

 

【ひでり】状態を解除されて【あめ】状態に切り替えられている。

 この状態でニョロトノ相手に【かえんほうしゃ】なんかは悪手で使える手と言えば【エナジーボール】ぐらいしかない。【エナジーボール】をぶつけに行くがニョロトノは【れいとうビーム】で相殺する。【エナジーボール】はニョロトノにまで届かないと試合を見ているとキュウコンは【かげぶんしん】で沢山の分身体を生み出すがニョロトノは【なみのり】を使いフィールド全体を津波で飲み込む。

 

 キュウコンは【かえんほうしゃ】で津波を焼き尽くそうとするが【あめ】状態での【かえんほうしゃ】は威力が弱まっている。

【なみのり】を用いて突撃してくるニョロトノの津波を焼き尽くす事が出来ずにキュウコンは【なみのり】に飲み込まれてしまい、キュウコンは戦闘不能に陥り、コレでマリナの残すところは1体、オーダイルのみだ。

 

 オーダイルを出すと睨み合うケンタとマリナ。

 なんだかんだと休憩を挟んだおかげで多少はダメージを回復する事が出来ている……が、万全とは言い難い。とくせいの【げきりゅう】が発動していないのを見る限り体力は半分ぐらい残っているんだろう。

 

 フィールドは【あめ】状態、種族値的にはニョロトノよりもオーダイルの方がやや有利じゃないかと見ているとケンタは動いた……ニョロトノに対して【ほろびのうた】を指示してニョロトノに歌わせる。

 ここに来ての【ほろびのうた】は鬼でしかない。マズいと感じたマリナは【ばかぢから】を指示してニョロトノを吹き飛ばすがニョロトノは立ち上がり【ほろびのうた】を歌い続ける。

 

 段々と苦しそうな表情になるニョロトノとオーダイル。

 このままだとホントに負けてしまうとマリナは【ハイドロカノン】を指示してニョロトノにぶつけてニョロトノを戦闘不能にした……が、そこまでだった。ニョロトノの【ほろびのうた】は効果を発揮してオーダイルは倒れた。

 

 手持ちを残り1体残しつつケンタは勝利をしたのだがブーイングが飛び交う。

 激しい技と技のぶつかり合いを見たかった観客達にとってこの展開は認められないよな。「自爆技とか相手を強制的にぶっ倒す技を使うな!もっと派手な技を使いやがれ」とクレームが飛んでくるがケンタは聞く耳を持たない。

 

 審判が「オーダイル、戦闘不能!よって勝者ケンタ選手!」とジャッジをくだす。

 勝ち方がなんとも言えない微妙な勝ち方だったものの勝ちは勝ち、ケンタは決勝戦に駒を進めた。コレでオレの決勝戦の相手が決まる。オレの決勝戦の相手はケンタ……セキエイ大会の時と同じ対戦カードが組まれる。

 ケンタの奴は余力を残しての勝利、対するオレはギリギリのところでの勝利……いや、まだ分からない。勝負は水物だから下駄を履くまでわからない。

 

 最後の対戦相手が決まったので観客席を後にしてセントラルのポケモンセンターに向かう。

 そこには同じくポケモンの治療にやってきたケンタが居た。少しだけ落ち込んでいるのでなにに落ち込んでいるのか聞いているとバンギラスとニョロトノが思ったよりもダメージが大きくて明日の決勝戦に出ることは出来ないそうだ。

 

 おい、それ大丈夫なのか?ちゃんと決勝戦出来るのか?と尋ねれば「お前を相手にする6体は既に決めてある。俺の持てる全ての力をぶつけて……今度こそ勝つ!お前に勝って綺麗に優勝を決めてみせる」と宣戦布告をされる。

 いいね、こういう熱い展開はオレは好きだぞ。オレもポケモン達をジョーイさんに見せて診察してもらうとドクターストップの様な物は誰一人として掛からなかった。オレの方もベストな6体のメンバーで挑む事が出来る……ケンタの奴は燃えているな。前回、なんだかんだとオレに負けてしまった悔しさをバネにしてここまで這い上がってきた。ここで負ければ意味が無い奴は本当に怖い。

 

 ポケモン達の回復をジョーイさんに任せると明日のフルバトルの6体をオーダーする。

 リザードンとスイクンを出せる状態なのはとにかくデカい……が、油断は出来ない。ケンタの奴はまだ1度もライコウを使用していない、更にはエースであるバクフーンや搦手であるトゲキッスが明日の試合には出てくる可能性が大きい……明日の決勝戦はホントに楽しみだ。持てる力の全てを発揮しておかないと。



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激戦 ジョウトリーグ・シロガネ大会決勝戦(前編)

 

 ジョウトレポート119(激戦 ジョウトリーグ シロガネ大会決勝戦)

 

 目を覚ますとスッキリとした気持ちだった。今日は待ちに待ったジョウトリーグ シロガネ大会の決勝戦だ。

 目を覚ますとピカチュウとセレナを起こし、遂にやってきたんだと告げる。遂にここまでやってきたんだ。セキエイ大会の時もそうだったけども胸がドキドキワクワクしてとまらないのでセレナをハグして一旦気持ちを落ち着かせる。

 

 朝食を頂きに行くとケンタ達と鉢合わせする。

 今から戦う対戦相手と顔を合わせるのは気まずい……という感じはなかった。ケンタとは決勝戦で戦うのは2回目だからだろうか。「よっ!」と言えば相槌を打つケンタ。また難しい顔をしているが、コレがケンタのデフォルトなんだろう。

 ここで会ったのもなにかの縁だし一緒に朝食を頂かないかと提案すると「お前、正気か?」と頭を疑われる。オレは何時だって真面目にリーグに挑んでいるんだ。

 

 ケンタの奴は断る理由も無いので朝食を一緒に頂く。

 縁起を担ぐためにカツサンド……は朝っぱらから胃に重たいのでフルーツサンドを頂く。果物の酸味と甘味が程良くて美味しい。ケンタの奴は優勝したら鰻重を食うつもりらしい。相変わらず鰻が好物なんだな。

 

「ミュウツーは登録しているのか?」と聞いてくる。残念だがミュウツーはケンタとの決戦のパーティには参加登録はしていない。その事を教えると少しだけ不機嫌な顔をする。「ミュウツーを使わないとか舐めプか?」と言ってくるがとんでもない、オレは舐めプはしていない。ミュウツーを使わないのはミュウツーを使えば最後ミュウツーに依存してしまう。伝説のポケモンは強いが毒にも薬にもなる。オレにとってはミュウツーは毒に近い存在で最初から強いポケモンで挑んだとしても1人前のポケモントレーナーとは程遠い。弱いポケモンを育成して一流に仕上げるのがポケモントレーナーの腕の見せどころだ。

 

 ミュウツーを使わない事にやや不満を抱いているケンタ。「悔しいのならばミュウツーを使わないといけないぐらいのトレーナーになってみろ」と言い返すとなんとも言えない空気が流れる。これから試合が待ち構えているトレーナー同士が仲良くやっている場合じゃないなとケンタはフルーツサンドを食べ終えると直ぐにポケモンセンターに向かった。

 

 午前中はマリナとジョーイさんの3位決定戦だ。ハッキリと言えば今回はマリナの方が勝てない可能性が高い……ジョーイさん、ホントに強いのである。オレ達も最後の調整に入るかとフルーツサンドを食べ終え、セントラルのポケモンセンターに向かいピカチュウを含めた6体をジョーイさんに診断してもらう。ジョーイさんの診断の結果、誰一人欠ける事なく無事に出場する事が出来る、全員健康のバッチグーとのこと。

 

 ここからなんか余計なイベントが起きては困ると少し早いがスタジアムに会場入りを果たす。

 マリナvsジョーイさんだがマリナがジョーイさんのサンダーをムウマージの【ほろびのうた】で撃ち倒すなどの快進撃を見せるのだがジョーイさんの方が一枚上手で負けてしまう……実にいいバトルだった。もし仮にマリナと再戦をしていたらオレは負けていたのかもしれないな。

 

 フィールドの整備等で試合までまだ少しだけ時間があるので座禅を組んで精神統一をする。

 セレナが「楽しんできてね!」と一言だけ告げる。ここで敢えて「頑張れ!」とか「優勝まで後1歩よ」とか言ってこない。そういうのは逆にプレッシャーになるのが分かっている。オーキド博士、ママさん、シゲル、モエ、ハヅキが続々とやってくるのだが「サトシは決戦に備えているからそっとしてあげて」とオレに余計な邪魔が入らせない様にしてくれる……ありがとう、セレナ。

 

 ケンタの奴はどんな手持ちでやってくるのかと色々と考える。

 ここまで温存してきたライコウ、そしてエースのバクフーンが出てくるのは確実でなにが出てくるのか。いや、なにが出てきても問題は無いように手持ちをバランス良く揃えている。決勝戦に備えて温存しているポケモン達をフルに解放する事が出来る。

 

 最初に出すポケモンは誰にするか、最後まで温存していくポケモンは誰にするのか色々と悩みつつ最後にピカチュウから【10まんボルト】をくらって意識を覚醒させる。多分だけどゾーン的な領域に足を踏み入れた筈だ。頭の中がスッキリとしている。ピカチュウの【10まんボルト】によるショック療法は効くぜ。

 

 フィールドの整備が終わったので最後の決戦に挑む。

 実況者が「さぁ、いよいよ待ちに待った決勝戦!ここまで駒を進めた2名、1人はマサラタウン出身のサトシ選手!カントーのポケモンリーグ・セキエイ大会を優勝、チャンピオンリーグベスト4の実力を持つトレーナー!対するはワカバタウン出身のケンタ選手!前回のセキエイ大会に出場しております決勝戦でサトシ選手と相まみえており、サトシ選手と名勝負を繰り広げた!セキエイ大会での激闘を今ここで、いや、それ以上の激闘を繰り広げる事が出来るのか!!」と場を盛り上げてくれる。

 

「ケンタ、リベンジだ!」や「サトシ、今回も華麗に決めてくれ!」と言葉が飛び交う。

 どっちが優勝するのか分からない、どちらも互角なパワーを秘めているので試合はどう転んでもおかしくない。

「これよりジョウトリーグ・シロガネ大会決勝戦を開始します!ルーレットスタート!」と審判が合図を送るとルーレットが回り出す。岩のフィールドか草のフィールドのどっちかが来いと祈りを捧げてみるも現実は無情であり今まで一度も使われていない水のフィールドに決まる。

 

 水のフィールドはヤバいなと思いつつも先攻後攻を決めるルーレットが周りだし、ケンタの先攻に決まる。

 今までの傾向からしてエテボースが出てくるかと思ったが出てこず、代わりに出てきたのはトゲキッスだった。空を飛ぶことが出来るポケモン、コレはいきなり飛ばしてきたなケンタの奴。

 だったらこっちもそれ相応に飛ばしていかないといけないなとピカチュウを出す、というよりかはピカチュウしか選択肢が無い……アイツのトゲキッス【まひるみキッス】なんだよ。ホントに辛い。

 

 互いに1体目のポケモンが出揃ったのでバトル開始の合図が出る。

 トゲキッスは開始早々に【エアスラッシュ】を撃ってくる。回避して【10まんボルト】を撃ったりしたいのだが水のフィールドはプールと浮き島のフィールドでピカチュウの移動する事が出来るのは浮き島だけだ。

 

【エアスラッシュ】の波を回避しつつなんとか別の浮き島に移動するピカチュウだがトゲキッスにとっては【エアスラッシュ】を撃つ向きを変えるだけの事で【エアスラッシュ】の魔の手からは逃れられない。

 1発でもまともにくらえば最後、怯み状態が継続してまともな戦闘にならないのでなんとしてでもそれだけは避けたい、なにか手は無いかと考えた結果、ピカチュウにはプールの中に潜ってもらうことにした。

 

 ピカチュウは人間と同じでプールの中にずっと潜ってられない。息継ぎを何処かでしないといけないのでケンタの奴はそこが狙い目だと【エアスラッシュ】の連打を止めてピカチュウが出てくるのを待つのだがその前にピカチュウに【あまごい】を使わせると表情が切り替わる。

 そう、なにもピカチュウの技はピカチュウから放たれるだけじゃない、他にも手立てはあるのだとフィールドが雨に揺れている中でピカチュウは【なみのり】を発動し水中から飛び出しながらサーフボードで津波に乗りトゲキッスに向かっていくのだがトゲキッスは【はどうだん】でピカチュウを撃ち落とすがピカチュウは直ぐに体制を立て直して浮き島に着地し【かみなり】をトゲキッス目掛けて落とす。

 

 ピカチュウからでなくピカチュウが作り出した雨雲からの【かみなり】は流石のトゲキッスも避けることは出来なかった。

【かみなり】が命中したトゲキッスは【まひ】状態になる。【まひるみキッス】に対して逆転してやったぜと2発目の【かみなり】を落としてトゲキッスを戦闘不能にする。

 

 コレで1体目……害悪の【まひるみキッス】を撃破する事が出来たのは大きい。

 ケンタの次のポケモンはなんだろうと身構えているとライコウが出てきた……この段階でライコウを使うのか。準伝説のポケモンであるライコウが出てきて観客達は唖然としている。今の今まで温存してきた手をここに来て使ってくる。ライコウに関してはデータが少ないから慎重になって挑まないといけないと思っているとライコウは【ほえる】を撃ってきた。

 

 この状況下で【ほえる】はマジかと思っているとピカチュウは強制的にモンスターボールに戻されて代わりにゲンガーが出てくる。

 ピカチュウはモンスターボールに入っているのが嫌なので勝手にモンスターボールから出てくるがそれは気にせずゲンガーで戦うのかと色々と考えてみるのだがケンタの奴はまた【ほえる】を指示してきた……ケンタの奴、ゲンガーを恐れたな。ゲンガーに【みちづれ】があるのを見抜いているな。

 

 ゲンガーもボールに戻されると次に出てきたのはドサイドンだった。

 実況が「おっと、指示を間違えたか!じめんタイプのポケモンが出てきてしまったぞ!」と言うのだがケンタの奴はニヤリと笑みを浮かびあげている。これは厄介な事になる前に早急に倒さなければと【じしん】を放つのだが水のフィールドの影響もあってか巨大な津波と【じしん】の衝撃波の2コンボがやってくる。対するライコウは【じしん】で発生した津波を飛び越えて【じしん】の衝撃波も回避し、ドサイドンの目の前にまで距離を詰めると【ねっとう】を浴びせてくる。

 

【でんき】タイプのポケモンが【みず】タイプの技を覚えている事に観客達は驚くのだがそれぐらいなら驚きはしない。こっちにはゲームの知識もあるんだからライコウが【ねっとう】を放った程度では驚かない。そんな事よりも次の手だと【ハードロック】の影響もあって【ねっとう】を耐え抜いたドサイドンに【ドリルライナー】を指示、超至近距離に居たので流石のライコウも回避することは出来ずに直撃する……ドサイドンは勢いを止めて別の浮き島に移動する。ライコウは何事も無かったかの様にケロッと立ち上がる。相性の上ではこちらが有利なのは確かだが準伝説のポケモン、並大抵のポケモンじゃない。

 

 ケンタの今回のパーティの全貌は見えないがライコウが要なのは確かだ。

 だったら多少のリスクを背負った上で挑もうとドサイドンに水中に潜ってもらう。【いわ】【じめん】タイプのドサイドン、いくら【ハードロック】があるとはいえコレはリスクが大きい……だが、これぐらいしねえと勝つことは出来ない。

 

 ライコウが立っている浮き島目掛けて【ドリルライナー】を撃ち込むとドサイドンはライコウの立っている浮き島を貫いて大きな穴を開ける。

 肝心の【ドリルライナー】は少しだけ掠る程度だった。ドサイドンは水の中に居たために少しだけ苦しそうな表情になり、そこを狙って【ねっとう】を浴びせるとドサイドンは倒れる。それと同時に雨も上がる

 

 ドサイドンは良い仕事をしてくれたとボールに戻す。

 今ので一応はダメージを与える事が出来たのでドサイドンは良くやってくれたと感謝して次のモンスターボールに触れる。オレの4体目はヘラクロスだ。ここでケンタの奴は表情が変わった。オレのエースのポケモン等から考えてオレの今回の手持ちが分かっているのだろう。手持ちが全て分かった上でケンタの奴はフルに頭を回転させるが余所見をしている暇は何処にも無いと【メガホーン】で攻めに行くと【ボルトチェンジ】を使って手元に回収する……【むし】タイプ最強の【メガホーン】と威力はそこそこな【ボルトチェンジ】が同等、いや、ちょっとライコウの方が上とかホントにどうなってんだこの世界の準伝説のポケモンは。

 

【ボルトチェンジ】で手持ちを変えてくるのでなにが出てくるのかと構えるとハピナスが出てきた。

 ヘラクロス相手にハピナスとか正気かと思ったが【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでならばと対抗して【メガホーン】で推し進める。ケンタよ、出すポケモンを間違えたな。ハピナスの耐久力が半端ないのはオレもよく知っているがあくまでも特殊系の攻撃に強いだけで物理攻撃しかないヘラクロスにとっては相性最悪だ。

 

 ハピナスの放つ【かえんほうしゃ】を貫いて突き進み【メガホーン】でハピナスを突き飛ばすとハピナスは水の上に浮かぶ。

 ここが狙い目だとガッツイてしまえば逆に負ける。今までの経験上、ここで手を出せば痛い目に遭うのは分かり切っている事だと攻めに掛からないと【みがわり】を使い【みがわり】の人形を残してハピナスは姿を消した。

 

 コレはまさかと思っているとケンタは【タマゴうみ】を使わせる。【みがわり】人形のハピナスは【タマゴうみ】を使い体力を回復に測る。

 いかんぞこれはとヘラクロスに【かわらわり】を指示して【みがわり】人形を破壊してハピナス本体の姿を現すと【みだれづき】をお見舞いする。しかしハピナスは倒れない……中々に図太い。

 

 物理攻撃メインのポケモンは今回はヘラクロスとドサイドンしかいない。(とくぼう)の種族値が高いハピナス相手に特殊系の攻撃で攻めに掛かるのは悪手だとヘラクロスに【つるぎのまい】を舞わせる。

 ハピナスの耐久力は半端じゃない、だったらそれを真正面から乗り越えてやろうじゃねえかと【つるぎのまい】を3回舞って限界までに攻撃力を高めておき【メガホーン】を撃ち込むのだが【みがわり】に逃げられる……くそ、中々に停滞してしまっている。

 

 なんとかしてハピナスを倒さないといけないと焦っているとケンタはハピナスをボールに戻した。

 この状況でハピナスを戻すとかなにかを狙っているのだろうかと4体目のポケモン、ウソッキーが出てくる。ウソッキーならばまだヘラクロスで対処する事が出来るとヘラクロスで続投、ケンタはウソッキーに【ステルスロック】を打たせるのでそれはまずいと【タネマシンガン】で尖った石の破片を破壊していくとウソッキーは【もろはのずつき】をくらわせにくる。

 

 ヘラクロス相手に頭突きとはいい度胸だと【メガホーン】で対抗する。

 最大にまでパワーを高めていたのはこの為だとウソッキーの【もろはのずつき】を撃ち破るがウソッキーは倒れない。【がんじょう】が上手い具合に作用しているがそんな事で終わらないと【かわらわり】を指示してケンタのウソッキーに向かって殴りかかるがここでウソッキーは【カウンター】を撃ち込んでヘラクロスの【かわらわり】を弾き返す。

 

 最大にまでパワーを高めていたヘラクロスは弾き返された【かわらわり】のパワー分ダメージを受けるのだがまだ倒れない。

 もう一発だと今度は【タネマシンガン】を連射する。非接触系の技だからどうだと思っているとウソッキーは苦しそうな顔を浮かべるのだが倒れず、ならばと【じしん】を放つと津波に飲み込まれ【じしん】の衝撃波に吹き飛ばされる。

 

 ケンタの2体目を倒すことが出来てホッとするのもつかの間、次に出てきたのは何時かの色違いの赤いギャラドスだった。

 ギャラドスは雄叫びを上げて軽く【いかく】をする。ヘラクロスは【いかく】に飲み込まれるが直ぐに立ち直り赤いギャラドスを威嚇する。ここでヘラクロスを戻してもいいが、まだ倒れていないポケモンも居る。ケンタの残りのポケモンが何なのか予想はつくので手持ちは変える事はせずに続行する。

 

 ギャラドスはプールの中ではなく浮き島に立つ。

 顔を見せてくれるのならばありがたいと【メガホーン】で突撃していくと【とびはねる】で天高くにまで飛び跳ねた。目に見えない高さまで【とびはねる】を使ったのでヘラクロスは何処だ何処だと左右をキョロキョロするので「襲ってくるのは上からだろう!」とツッコミを入れるとヘラクロスは上空を見つめるのだが時すでに遅し、赤いギャラドスは地面に急降下してヘラクロスに激突し、ヘラクロスを戦闘不能に追い込む。

 

 ウソッキーを倒すのにヘラクロスはよくやってくれた。

 後は他のポケモンに任せろとピカチュウを出すとケンタはギャラドスを交代して再びライコウを出した。流石にギャラドスでピカチュウを相手にするのはキツいと感じたんだろうな。一撃でもくらえば即死みたいなものだから仕方がない。

 

 しかしそっちがその気ならばとピカチュウを交代させてゲンガーを出す。

 ゲンガー、頼むぞとゲンガーに後を託すとケンタはブツブツとなにか呟いている。オレが【みちづれ】狙いな事に気付いているのだろうか?ライコウはまたまた【ほえる】を撃ってくるのでゲンガーは強制的にボールに戻されて出てきたのはスイクンだ。

 

 スイクンならば倒すことが出来ると思ったのか【10まんボルト】を浴びせるので【めいそう】を積ませる。

 スイクンの耐久力をナメてんじゃねえぞと攻撃はせずにひたすら【めいそう】を積んでいくと段々とライコウの【10まんボルト】に馴れてきたのか【10まんボルト】を浴びている状態でも動けているので【ねっとう】を浴びせるとライコウは苦しそうな顔を浮かべる。

 

 コレは手応えありだと思っているとライコウも【めいそう】を積んでくる。

 先に【めいそう】を積み終えているのはこちらだと【ねっとう】を浴びせるのだが徐々に徐々にとくぼうが上がってきたのかスイクンの【ねっとう】を耐え抜くライコウ。ここで逆転はマズいと【ねっとう】で追撃するのだが【ねっとう】には【ねっとう】だと対処されてしまう。

 

 コレはマズいと思っているとライコウは【10まんボルト】を撃ってくる。

 互いに【めいそう】を積んだ状態での【10まんボルト】は色々とマズいと【ミラーコート】を指示してライコウの【10まんボルト】を跳ね返すがライコウは倒れない。

 

 中々にしぶといなと追撃をしようとするがケンタはライコウをボールに戻してもう一度赤いギャラドスを投入する。

 コレはまさかと危険を感じたのでスイクンをボールに戻してみるとケンタは舌打ちをした。ケンタの奴は赤いギャラドスでスイクンを倒すつもりだった様だがそうはさせないとピカチュウに出陣してもらう。

 

 ピカチュウは【10まんボルト】を浴びせにいくのだがギャラドスは【10まんボルト】を放ち、ピカチュウの【10まんボルト】を弾く。

 特殊系の【でんき】タイプの技に対する対抗はしてあるんだなと思っているとギャラドスはプールの中に入る。何をしてくるかと思えば【ちょうはつ】してきた。ピカチュウに【あまごい】からの【かみなり】を撃ってもらおうとしたが無駄になってしまった。

 

 見事に【ちょうはつ】に乗ってしまったピカチュウは【10まんボルト】を当てに行くが【10まんボルト】で相殺されてしまう。

 コレはちょっとまずいなと【アイアンテール】を指示しギャラドスの頭上目掛けて【アイアンテール】を叩き込もうとするのだがそれを待っていたと言わんばかりにギャラドスに【たきのぼり】を指示して滝を出現させて頭上にいるピカチュウを【たきのぼり】で高く飛び上がる……コレによりピカチュウは戦闘不能になるのだが赤いギャラドスは【まひ】状態になった。

 

 ピカチュウ、ドサイドン、ヘラクロスの3体が倒されてしまったので5分間のインターバルに入ると疲れがドッと湧いてくる。

 ケンタの奴は一瞬でも油断したら劣勢になってしまう。常に緊張の糸を伸ばした状態で挑まなければならない強敵だ……燃える、こういうバトルこそオレの待ち望んだものだ。



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激戦 ジョウトリーグ・シロガネ大会決勝戦(後編)

 サイコソーダを飲んで気持ちをリラックスさせるとあっという間に5分間が過ぎた。

 ケンタの先攻からだったのでオレの方からポケモンを出さないといけない。オレはここでリザードンを投入する。まだリザードンを出すとは思っていなかったのかケンタは意外そうな顔をするがオレだって出し惜しみしている場合じゃない、割と切羽詰まっているんだ。

 

 リザードンに対して誰が来るのかと思っていると出てきたのは赤いギャラドスだった。

 メガシンカが使えれば赤いギャラドスなんてケチョンケチョンに蹴散らす事が出来るんだがルールでしちゃいけないからな。ギャラドスは【アクアテール】を撃ってくるのでリザードンは空を飛んで回避する。

 

 リザードンは【りゅうのいぶき】をギャラドスに向かって撃つのだがギャラドスは回避する。

 これは手強いなと【かえんほうしゃ】を撃つとフィールドの水が蒸発していることに気付くので【かえんほうしゃ】を連発し、水のフィールドの水を全て蒸発させる。水のフィールドは底を尽き、ギャラドスは全体が剥き出しの状態になった。

 

 コレが狙いだとリザードンは赤いギャラドスと間合いを詰めて【かみなりパンチ】を叩き込む。

【10まんボルト】は【10まんボルト】で相殺する事が出来るが【かみなりパンチ】を相殺する手立ては持っていないのでギャラドスは【かみなりパンチ】をまともにくらい戦闘不能に追い込む。

 コレでケンタのポケモン3体撃破し、ボロボロのライコウ、ボロボロのハピナスが待ち構えておりノーダメージのリザードン、ゲンガー、ボロボロのスイクンがいる。コレは今回も勝負は貰ったぞと気持ちを昂らせるが息吹をして気持ちを落ち着かせる。

 

 ケンタは赤いギャラドスをボールに戻し、出したのはハピナスだった。

 ハピナスを打ち倒す技をリザードンは持っていると【ちきゅうなげ】の体制に入りグルリグルリと空中を回っているとハピナスは【いやしのねがい】を発動する。ケンタの奴、最初からコレが狙いでハピナスを手持ちに加えていたみたいだ。

 

【ちきゅうなげ】が綺麗に決まるのだがリザードンとオレは浮かない顔をしている。倒したのでなく倒されてしまったのだ。

 ハピナスをモンスターボールに戻したケンタは「よくやった……ここまで順調だ」と言ってくる……ここまでがケンタの作戦通りと相変わらず戦略を練るのは上手い。ハピナスの【いやしのねがい】は完全に盲点だった。

 

 ケンタが次に出したのはボロボロのライコウだった。

【いやしのねがい】が発動し、ボロボロのライコウは元の元気なライコウに戻る……ヤバいと思っているとライコウは【ほえる】を撃ってきて強制的にリザードンからスイクンに交代させられる。

 

 リセットされたライコウとダメージを大きく残しているスイクン、軍配は言うまでもなくライコウに上がるがそう簡単には落ちない。

 ライコウは【10まんボルト】を撃ってくるので【ミラーコート】で反射する。アニメの【ミラーコート】はゲームと違って実際に攻撃を受ける必要はないチート技だ。【10まんボルト】は倍返しで弾き返されるとライコウに命中する。

 

 コレで倒せる……わけがない。ライコウに確かなダメージが入るもののライコウはまだ倒れることはない。中々にしぶといな、ライコウ。

 ここからどう出てくると受け身の姿勢でいくと【あまごい】で雨を降らせる。この展開、非常にマズいと思っているとライコウは【かみなり】を叩き落とす。【ミラーコート】で反射させようとするがそれよりも先に【かみなり】が落ちてスイクンに命中し、スイクンは倒れた。

 

 コレはマズいとスイクンによくやってくれたとお礼を言い、ゲンガーのモンスターボールを手に取る。

 残されたこっちの手札は後わずかだ。対してケンタはまだ6体目のポケモンを残している。コレは実にマズいと思いつつもゲンガーを出すとケンタはライコウをボールに戻し、6体目を、バクフーンを出す。

 

 フィールドはリザードンの【かえんほうしゃ】で焼き尽くしており既に水のフィールドの原型は留めていない。

 浮島っぽいのがある深底のフィールドでゲンガーは浮くことが出来る……とくせいは【ふゆう】じゃないけども。ゲンガーの事はさておき、バクフーンと向かい合う。ゲンガーは【ヘドロウェーブ】を撃つと【かえんほうしゃ】で対抗してくるがゲンガーの方がパワーが上なので【かえんほうしゃ】が押される。

 

 バクフーンをゲンガーを残した状態で勝つことが出来ればオレの勝ちは確定だ。

 ゆけぇ!と【サイコキネシス】でバクフーンをフィールドの端に叩きつけてダメージを与えていくとバクフーンの背中の炎の量が変わる。とくせいの【もうか】が発動する範囲内に届いた、残りの体力が後僅かだ。

 

 叩くならば今しかないと【シャドーボール】を撃つ。バクフーンは【かえんほうしゃ】を撃ち、【かえんほうしゃ】と【シャドーボール】がぶつかり合うと大きな爆発を巻き起こしてゲンガーとバクフーン、共に爆風に吹き飛ばされるが直ぐに立ち上がる。バクフーンはここが勝負どころだと【ブラストバーン】を撃つので使うならば今しかないとゲンガーに【みちづれ】を使わせる。

 

【ブラストバーン】はゲンガーに直撃するがゲンガーは【みちづれ】を発動している。

 バクフーンは勝ったと笑みを浮かび上げる。ゲンガーは目を渦にして倒れている。ゲンガーから黒い靄の様な物が出現するとバクフーンを飲み込みバクフーンは倒れて両者互いに戦闘不能になり、互いに残すところは1体、オレはリザードンを、ケンタはライコウを出す。

 

 互いに残すところは1体でコチラが不利だがだからどうしたってんだ。

 ライコウは【10まんボルト】を撃ってくるので【かみなりパンチ】で対処する……電撃を電撃で対処する技術はお前だけのものじゃないんだぞ、ケンタ。【でんき】タイプの技で攻めるのが難しいと判断したのか【ねっとう】を放つので【かえんほうしゃ】で蒸発させる。電撃も水も効かない、どう出てくるかと思えば【あまごい】で雨雲を呼び出す。

 

 狙いは【かみなり】だなとリザードンを雨雲よりも遥か上空に飛ばすがそれよりも先に【かみなり】が命中する。

 ここまでかと思ったがリザードンは根性を見せてくれて耐え抜き雨雲よりも遥かに上空し、リザードンはそこで対空する……【かみなり】を一発モロにくらっているのでリザードンの体力も残すところは後僅かだ。

 

【あまごい】の雨雲が晴れていくとリザードンは急降下、ガッチリとライコウの背中を掴んで急上昇しリザードンの十八番を、【ちきゅうなげ】を決めに行く。ただの【ちきゅうなげ】じゃない。【かえんほうしゃ】を纏わせた炎の【ちきゅうなげ】だ。

 グルリグルリと回転していくリザードン、コレを決めればこっちに勝利が傾くと思っているとライコウは【10まんボルト】をリザードンに浴びせる。リザードンは苦しそうな顔を浮かびあげるのだがここで負ければ後は無いのだとライコウを放す事なく空中を旋回してライコウを地面に叩きつけると煙が巻き起こる。

 

 ライコウは息を荒らげながら立ち上がる。リザードンもゼェハァと息が乱れている。

【ちきゅうなげ】を叩きつけることに成功しているから後一手、もう一手だと【りゅうのいぶき】を撃ってもらおうとする。緑色の炎の様な物をリザードンは吐いて……そのままリザードンは倒れた。

 

 ライコウもリザードンが放った【りゅうのいぶき】が命中して限界を迎えて倒れ込む。

 リザードンもライコウも共に戦闘不能に陥った……ここまで来ての引き分けの優勝者無しもしくは同時優勝は無しだと思ってるとオレ達が出したポケモンが写し出されている液晶パネルが光り出し、つい先程の出来事の映像が流れ込む。

 

 勝負は最後の最後、ビデオ判定がくだる。

 審判やタマランゼ会長が物議を醸しだし……審判が下った。勝者は……ケンタだった。

 オレのリザードンは【りゅうのいぶき】を撃ってから倒れて、その【りゅうのいぶき】をくらったからライコウは倒れた、順番的にはケンタのライコウの方が後に倒れた事になる……ジョウトリーグ・シロガネ大会はケンタの優勝で幕を引いた……そう、負けたんだ。

 

 過去のレポートとかバトルに関するあれやこれやをメモしているバトルメモを見るのだが、負けるのなんて何時ぶりだろうか。

 ピカチュウを貰って間もない頃にちょこっと負けたぐらいでちゃんとした公式戦での負けはなんだかんだとコレが初になる……あ〜あ、負けちゃったか。いや、流石に完全無敗完全無欠は無理だとは思っていたよ……負けた事はあっさりと受け入れる事が出来た。

 

 何時かこんな日がやってくるのは薄々分かっていたことなんだ……けど、けど、悔しい。

 後もう少しで勝つことが出来た。限界ギリギリの勝負だ。圧倒的な力の差を見せつけられての敗北じゃない、後一歩、後一手あればケンタに勝つことが出来た……ちくしょう、ちくしょうちくしょう……勝ちたかったな。

 

 負けてしまった事を今頃になって実感してポロポロとなみだを流す。オレの持てる全ての力をぶつけたつもりだったがケンタの方がギリギリ1枚上手だった

 ケンタに優勝おめでとうとエールを送ったのだが顔で笑って心で泣いてとはまさにこのことだろう。ギリギリの勝負での敗北はホントにこたえる……次は絶対に負けない。

 

 

 ジョウトレポート120(閉幕ジョウトリーグ・シロガネ大会)

 

 ケンタの優勝で幕を引いた今回のジョウトリーグ・シロガネ大会。2位のオレにもトロフィーが貰えるのだがケンタのよりも地味に小さく銀色の物だった。1位と2位じゃこんなにも扱いの差があるのかと改めてこの大会の過酷さを思い知らされる。準優勝なだけまだマシ、シゲルとかハヅキはなんにも貰えない、ベスト16とベスト8だって充分な功績だってのに、世の中ホントに理不尽である。

 

 昨日の敗戦をオレが引き摺っていると思っているのかセレナはオレにハグをして「元気だして、サトシらしくないわよ」と言ってくる。

 オレらしさっていったいなんなんだろうなと思いつつも既に昨日の敗戦をオレは乗り越えた。負けは負けだ、負けたものは仕方ない、次に活かせばいい……その次があるかどうかは別だけども。

 

 負けを引き摺る事なく気持ちを切り替えるとシゲルと落ち合う。シゲルはポケモン研究者の道を進みたいらしい。お前の道はお前で決める物だからああだこうだ言わないけど……ポケモンリーグに挑戦しないとか言わないよな?「ポケモンバトルに関するデータも必要だからね、バッジ集めとポケモンリーグの挑戦は止めないよ」と言ってくれる……良かった良かった、それならばやる気が出るってもんだ。

 

「とはいえ一旦ポケモンリーグはお休みだ。ポケモン研究者になる為の1歩を踏み出さないといけない」と次のポケモンリーグには出れそうにない気配を醸し出す。研究に忙しくて出れないのは仕方ないが、もう二度と出てこないよりかはマシだ。

「次は何処の地方に挑戦するつもりなんだい?」と聞かれるので答えようとするとロケット団が現れる。何時ものロケット団でなく精鋭っぽい感じのロケット団でミュウツーを寄越せと言ってくる。

 

 こんなところまで来てミュウツー関連で騒動が起きるとか勘弁してくれよと思いつつロケット団を相手にしているとハヅキが加勢してくれた。スイクンに破れたとはいえ流石のバシャーモ、レベルが違うとロケット団員達を撃退する。

「シゲル、オレの次の挑戦はホウエンリーグだ」と次に挑戦する地方を宣言する。ハヅキは「ホウエン地方にはジョウトやカントーに居ないと珍しいポケモンが多く生息している。ホウエンを代表するポケモン研究家のオダマキ博士はそんなポケモン達の生態を調査しているんだ。オレのバシャーモもアチャモだった頃にオダマキ博士から貰ったポケモンなんだ」とオダマキ博士を紹介してくれる。

 

 そういえばオレとケンタ以外にも転生者が居るかもしれないんだよな……というかアイツがそれっぽい。

 オダマキ博士に会うついでに色々と調べておくかと思っているがセレナが「新しいリーグに挑戦する前に一度リラックスをしましょう」とヴェネツィアもといアルトマーレに行くことを勧めてくる……元々ジョウトリーグを制覇したら一緒に行こうと言うつもりだったみたいだ。オレが敗北してしまったばかりに不甲斐ない思いをさせてしまった……ああ、クソッタレが。なんでオレは負けてしまったんだ。

 

 負けたことに対してクヨクヨしていたら男らしく無いのは理解している。だが、悔しいものは悔しいんだ。

 割り切るにはまだ何日か掛かりそうだがそれでも折れる事なくこの悔しさをバネにして一段と成長する……敗北は糧とする……が、負ける事に馴れてしまうのはいけない事だ。この負けは絶対に活かし、馴れないようにしなければ




ジョウトリーグは元からこうする予定だったので悪しからず


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ラティアスとラティオス

 

 ジョウトレポート121(水の都の護り神)

 

 そんなこんなでシロガネ山を後にしてヴェネツィアもとい水上都市であるアルトマーレに辿り着いた。

 今回はオレの命は掛かっていないし世界が滅びる案件ではないのだが悪役が登場するめんどくさい事だ。しかしここを無視すると後々痛い目に遭う。ぶっちゃけた話、ケンタに手伝ってほしかったがアイツはチャンピオンリーグに忙しい身だ。流石にチャンピオンリーグの邪魔をするわけにはいかない。

 

 アルトマーレでは年に1度のポケモン水上レースという水ポケモンにロープを引っ張ってもらうレースをしており、開催がたまたま今日だった。

 よしじゃあ、挑むかとオーキド博士の研究所に連絡を取ってキングドラを呼び出す。セレナも参加したかったけども今回は水ポケモン限定でセレナは水系のポケモンを1体も持っていない。流石にこんなところでスイクンを出すわけにはいかない。

 

 キングドラとついでにミュウツーを送ってもらうとミュウツーは不機嫌そうだった。

 オレが負けたことに対して不満を抱いている。自分を使えば優勝する事が出来たと主張する。全く持ってその通りである。だが、ミュウツーを使えばオレのトレーナーとしての腕でなくミュウツーだから勝てたになる……毒にも薬にもなるポケモンはホントに厄介だ。

 

『私をわざわざ呼び寄せたという事は荒事なのだろう』と不満を抑えて貰い冷静になってくれるミュウツー、頼りにしかならない。

 とりあえず水上レースに参加するからセレナと一緒に見ていてくれと水上レースに参加をすると不思議な気配を感じる。1つじゃなく2つ感じる。

 

 優勝者には記念のメダルが貰えるらしい。遊びとはいえこういうのは本気でやらないといけないとキングドラにオレを引っ張ってもらう。

 キングドラの素早さはそれなりのものでぶっちゃけた話、オレが水の上を走った方が早いのだがオレが走ったらルール違反なので止めておく。

 

 前大会の優勝者である山寺宏一ボイスの男はホエルコで挑む。

 オレと山ちゃんのデッドヒートかと思ったが途中でキングドラが曲がるのに失敗して盛大なまでに転ぶ。ポケモンバトルならば確実に曲がれるところなのだが水上レースはオレの事も考えておかないといけない。その分の予測が出来ておらずに転倒するが直ぐに持ち直し、レースに復帰、キングドラにオレに構わずに最高速度で走るように注文するとキングドラは本気を出した。

 

 山ちゃんに追い付くことが出来るかと期待を抱いたのだがそこまで水上レースは甘くはないと思っていると透明になっているラティアスがキングドラを持ち上げて高速で移動させてくれる。「気持ちはありがたいけどオレは正々堂々と勝ちたいんだ」とオレがラティアス達の存在に気付いている発言をすればラティアス達に気持ちが伝わった様なのでキングドラを離してくれた。

 

 ラティアスの力添えがあったおかげかごぼう抜きする事が出来て再びホエルコ使いの山ちゃんとのデッドヒートを駆け抜ける。

 オレのバランスは気にするなとキングドラに全速力で走ってもらい、僅差でキングドラが勝利した……こういう感じの大会って中々に出ないので中々に良い貴重な経験をさせてもらった。

 

 優勝したオレに「いい勝負をさせてもらった。どうだ?アルトマーレを案内してやるよ」と言ってくるのでありがたく案内してもらう。

 アルトマーレはヴェネツィアみたいなもので船での移動が当たり前で山ちゃんは漕ぐタイプの船を出してくれる。流石はヴェネツィアをモチーフにした街だ、観光地としてはこの上ない場所である。

 

 当初の目的である観光を楽しんでいるとセレナが「アレはなんですか?」と二本の柱の上にいる石像を指差すので山ちゃんはこのアルトマーレの護り神である伝説のポケモン、ラティアスとラティオスだよとラティアス達を教えてくれる。

 ミュウツーは『成る程、今回の相手は奴等か』と1人で勝手に納得をしているのだが今回の相手はラティアスラティオスじゃねえよ、馬鹿野郎。

 

「ラティアス達は実在していて何処かに隠れて潜んでるらしい」とやけにラティアス達に詳しい山ちゃん。「なんでそんなに詳しいんだ?」と尋ねてみれば前にこの街にプラターヌ博士の助手がラティアス達をゲットしにやってきてプラターヌ博士の助手がラティアス達に遭遇したとのこと。

 プラターヌ博士の助手ニキ……準伝説のポケモンは護り神とかに部類されているのでゲットすれば村八分に合う可能性が高い、危険なポケモンだぞ。

 

 色々とツッコミたい事はあるけれども、アルトマーレをグルリと一周して山ちゃんと別れを告げてアルトマーレを観光する。

 こういう感じの観光は地味だがとても楽しいものだと思っているとピカチュウが水浴びをしているシャワーズを見つけてピカチュウも水浴びをしたいと水道に向かうのだが回すタイプの蛇口でなくポンプ式の蛇口だった為にピカチュウは『チャー』と泣いていると一人の女の子がポンプ式の蛇口を押してくれる。ピカチュウは嬉しそうに水を浴びてくれる。

 

「さっきは助かったけどやっぱズルをしてる感じがあった」と女の子もといラティアスに注意をするとラティアスは驚いた顔をしていた。

 生憎だな、オレには波動の探知があるので何処に誰が居るのかが丸わかりだ。ラティアスは1歩引いて身構えるが「オレは悪いトレーナーじゃねえよ」と言えばピカチュウも『ピカァ』と頷く。

 

 しかしラティアスの警戒心は解かれていない。オレを見て怖いと思ったのかラティアスは逃げ出す。

 オレのポケモンでもなんでもないので無理強いは良くない事だと思っているとミュウツーが『人に化ける力を持っているとは随分と珍しいな』と感心しているがお前の方がもっと珍しいわ。

 

 とりあえずラティアスに警戒されているのでどうにかして警戒心を解いて貰わないとなと思っていると念のために着けさせていたミュウツーが『例のポケモンが二人組の女に襲われている』と報告してくれるので直ぐに現場に向かうとアリアドスとエーフィに襲われていた。

 今回は劇場版なので色々と対策はしてきているとリザードンを出陣させる。まだリザフィックバレーに返していないリザードンは【かえんほうしゃ】でアリアドスやエーフィを一掃すると二人組の女は逃亡する。追跡をしたかったが今はそれよりもラティアスが心配だったので無事かどうか見るとラティアスは大きな怪我を負っていないので少しだけホッとする。

 

 今回の敵は今までの敵と比べて取るに足らない雑魚な事が判明した。

 冷静に考えればジョウト地方の映画ってそこまで地球が危ない案件じゃない……それに比べてシンオウ地方の魔境っぷりよ。冗談抜きでこの世界が滅びる案件って何なんだよ全く。

 

 ラティアスを助ける事に成功するとラティアスは嬉しそうにする。

 オレに対する警戒心を解いてくれたのかラティアスはオレの腕を引っ張っていくとアルトマーレの裏道を通っていき辿り着いたのは秘密の箱庭。アルトマーレの観光ガイドブックにも載っていない秘密の場所なのでちょっとだけワクワクしているとラティオスが襲ってきた。

 

 どうやらオレ達が無断侵入したと思っており【ラスターバージ】と思わしき技を放とうとしてくる。

 やはり暴力で解決するしかないのかと思っていると女の子の姿になっているラティアスはオレの前に立つので【ラスターバージ】を撃つのをやめて睨み合いが続いていると「貴方達、ここでなにをしているの!」とラティアスが変身している女の子もといカノンが現れて警戒心を剥き出しにしているので「コイツに連れてこられただけでなにか悪さをしているわけじゃない」と軽く自己紹介をするのだが警戒心を解いてくれない。

 

 どうしようかと悩んでいるとお爺さんが出てきて「その子達の言っている事はホントのようじゃ」と言ってくれる。

 いや、ほんとにお爺さん様々である。お爺さんことボンゴレさんが間に割って入ってくれたおかげで睨み合いの緊迫は無くなった。「ラティアスは君の事を随分と気に入っているようだ」とラティアスに懐かれている事に気付くボンゴレさん。

 

「そういえばさっきラティアスをラティアスだと気付いて襲っていた悪い奴等が居たけど」と二人組の女に関して教えると「またラティアス達を狙うトレーナーが現れたのか!!」と酷く激怒していた。

 また?って事は前にも一度ラティアス達が狙われたのかと聞いてみればカロス地方のプラターヌ博士の助手がこの場所まで足を踏み入れて【こころのしずく】に触れては「これじゃない」とか言ってたりしており、ラティアス達をゲットしようとしたのだが護り神をゲットするんじゃないとボンゴレさん達が止めに入った。最終的にはここにいる兄妹のラティアス達とはまた違う別個体のラティアスとラティオスが現れたのでその2体をゲットする事に成功したとのこと……なにやってんだプラターヌ博士の助手よ。原作知識悪用してるんじゃねえの?ケンタより質悪いぞ。

 

 とにかくラティオスとラティアスが悪い奴等に狙われている事を教えればどうしたものかと頭を抱える。

 こういう時は難しい事を考えずに暴力で物事を解決するのがシンプルで一番分かりやすい。あんな奴等、オレとミュウツーに掛かれば一瞬でぶっ飛ばす事が出来る。暴力、暴力は全てを解決するんだ。

 

 この街の何処かに二人組は潜んでいるから、早いところ退治しておこう。

 ラティオスもラティアスの身になにかあったら大変だと探すのを協力してくれる。頼りになるお兄ちゃんだが相手もプロの悪党、早々に見つける事が出来るなんて都合のいい事もなかった。何気に優秀な悪党なんだな。

 

 まぁ、困った時こそミュウツーだとミュウツーを念には念を入れて護衛に置いておく。するとあら不思議、夜中に二人組の女悪党がラティオス達を狙いにやってきたのでミュウツーが一瞬にして秒殺、流石はミュウツー、困るとミュウツー、誰がなんと言えどもミュウツーは最強である。

 二人組の女は盗賊としてそこそこ名高い存在だったので豚箱にダンクシュート、ジュンサーさん、コイツです。

 

「この街のお宝を狙っていたのに……」という金髪の女性「【こころのしずく】は誰にもやらん!コレは神聖な物なんだ」とボンゴレさんが主張するのだが「お宝は【こころのしずく】じゃないわ」と言う。

 価値のある物といえば【こころのしずく】ぐらいで後はラティアス、ラティオスぐらいなんじゃないかと思っているとこの街には隠された秘密があるらしくボンゴレさん達もそれを知らない。

 

 また厄介な事を抱えているなと原作知識を引っ張り出すとヒット。【こころのしずく】を持ち出してポケモン達の化石が眠っている博物館っぽいところに向かえば【こころのしずく】を嵌め込む台座の様な物があり、セットするとこのアルトマーレに隠された秘密の装置が作動して化石として展示されていたプテラやカブトプスが復活するというとんでもない事態が巻き起こりコレはマズいと装置を物理的に破壊しておいた。

 

「アルトマーレにこんな秘密があったなんて……」と開いた口が塞がらないカノン。

 化石をポケモンに復活させるなんてとんだオーバーテクノロジーで街も津波に飲み込めるとかホントに危ない、危ないよ、マジで。とりあえずラティアス達を無事に生き残らせる事も出来て平和に終わった……これ書いてるの真夜中だから眠い。セレナに気付かれない様に布団から抜け出すの割と大変だったんだぞ

 

 

 ジョウトレポート122(ラティアスとラティオス)

 

 眠い……まだ若干眠いけども頑張ってレポートは書いておかないといけない。

 二人組の女盗賊は無事にジュンサーさんに連行、ポケモン達も取り上げられたので問題は無事に解決した……筈なんだけどな、ボンゴレさんは浮かない顔をしている。この街の隠された機能を破壊しておいたからもう心配は無いと言うのだがラティアスとラティオスが心配らしい。

 

 ラティオスとラティアスは珍しいポケモンだからまた狙われてしまう可能性が高い。というよりは今回の一件でラティアスとラティオスが実在している事が裏社会で広まってしまっているだろう。元々プラターヌ博士の助手がこの地で色々とやっていて護り神であるラティオスとラティアスが実在していると言う噂話はアルトマーレ中に広まっている。

 

 そうなると厄介なポケモンハンターが現れてしまう。今回はオレとミュウツーが居たからなんとかなったけれども次はそうはいかないかもしれない。次はラティアスとラティオスを守りきれない、密猟者やポケモンハンターに捕まってしまう可能性が大きい。オレは次にホウエンリーグを目指すので今回しか助ける事は出来ない、ミュウツーを置いていっても今度はミュウツーを狙うポケモンハンターがやってくるだけのイタチごっこだ。

 

 コレばかりは準伝説、伝説、幻のポケモンの宿命である。

 誰かにゲットされることなく強くなるしか道は無いと思っていると「サトシくん、ラティアスとラティオスを貰ってはくれないか?」ととんでもない交渉を持ち掛けてきた。いやいやいや、話が一気に色々と飛躍しすぎている。

 アルトマーレにいれば悪い奴等がまた何時やってくるのか分からないからアルトマーレから離れていくのはまだ分かるが、ラティオス達をゲットしてくれと話が一気に飛躍しすぎている。

 

 ラティアスとラティオスはそれは名案だと言った顔をする。

 スイクンだけでも充分な爆弾だと言うのに更に爆弾を抱えろというのか、いや、一番の地雷原はミュウツーなんだけどな。ホントにミュウツーは質が悪い。ラティオスとラティアスは念力を用いてオレのモンスターボールに持ち上げるのだがそうはさせまい。

 

「オレは最強のポケモントレーナーを目指してるんだ。オレの手持ちに加わったら問答無用でポケモンバトルをさせるからな」と言えばピタリとボールを動かす念力が止まる。オレのポケモン=オレのバトルに参加してもらう。それでもついて行こうと思っているのかラティアスはボールを念力で動かし、オレのモンスターボールの中に入り……オレにGETされた。

 

 コレはまずいとボールから追い出すのだがラティアスはどうしても付いていくと言っている。逃したのにモンスターボールに入ってくると困り果てているとセレナが目覚める。セレナがなにが起きているの?と状況説明を求めてきたので昨日起きた出来事を掻い摘んで説明すると「サトシは私のサトシなのよ!」と腕を抱き締める。オレはセレナ一筋だがセレナの所有物じゃないぞ、この野郎。

 

 ラティアスと睨み合っているとラティアスはセレナに変身してグルグルと回ってどっちでしょうをするが甘い、セレナとラティアスの見分けが着かないと思ったら大間違いだ。一発でセレナはこっちだと当てると「サトシ!!」と嬉しそうにオレに抱きついて来る……ハッハッハッハッ、愛の力をナメるんじゃねえぞ。

 

 とにかくラティアスを連れて行くのは難しい事だと主張するが「別に今更1体増えたとしてもなにも問題無いんじゃないかしら?」とマジレスするセレナ。確かに今までゲットしたポケモンとかを考慮すればラティアス1体増えたところで痛くも痒くもないが……「ラティオス、私じゃダメかしら?」と聞いてくる。ラティアスとラティオス2体なら重いが、ラティアス1体だけならばまだ軽い方だ。セレナはフレンドボールを取り出すとラティオスはコクリと頷いてセレナの持っているフレンドボールの開閉スイッチに触れてゲットされる……おいおいおい、マジかよ~。

 

 こうなった以上はラティアスをゲットしない訳にはいかない。また厄介な事が増えたと思いつつもラティアスをゲットする。

 コレでロケット団とかポケモンハンターとかの危ない奴等に狙われる割合が増えたのならばボンゴレさん、マジで恨むからな。とりあえずセレナもオレも珍しい準伝説のポケモンをゲットする事に成功した……プラターヌ博士の助手は両方ともゲットしているんだよな。

 

 ジョウトレポート123(帰ってきたマサラタウン)

 

 船に乗って帰ってきたぞマサラタウン。

 今回はポケモンリーグを優勝する事は出来なかったのでパレード等は無しである。準優勝な事だけでもオーキド博士やママさん、名もなきモブ達は立派だと言うのだが負けは負けである。

 

 オーキド博士の庭園に向かいモンスターボールからポケモン達を出した。

 ピカチュウ達を見て改めてオレは涙を流す。ケンタに後一歩のところで負けてしまった。ポケモンのレベルでは互角の筈だったがオレというトレーナーが未熟だったのとミュウツーを出し惜しみしていた……いや、ミュウツーは関係無いか。

 

 悔しいなと涙を流して拭き取り前を向く。

 次はホウエン地方に、ホウエンリーグに挑戦しに行くつもりだ。ポケモン達にその事を伝えるとポケモン達はやる気を出してくれる。ついでに連れて行くポケモンをピカチュウとラティアスだけにするのも伝えておく。なに、ホントに必要になった時には呼び寄せる。トウカジムとかに呼び寄せるつもりだ。

 

 とりあえず今日は英気を養う事にしママさんとオーキド博士に「次はホウエンリーグに挑戦する」と言えば「そう言うと思っていたわ」と新しいおニューの洋服をママさんは渡してくれた。「オダマキ博士におつかいを頼まれてくれんかの?」とオーキド博士はホウエン地方のポケモンにも対応している新型のポケモン図鑑をくれておつかいを頼まれる。

 

 明日から港を出発してホウエン地方にミシロタウンに向かう。明日からはホウエンレポートに変わる……ジョウト地方の旅も中々に楽しかったな。




次回、3人目の転生者が登場する(多分)


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新たなるライバル 新たなる転生者

 

 ホウエンレポート1(新たなる大地 新たなる冒険 新たなるライバル)

 

 海を越え辿り着いた九州もといホウエン地方。

 ミシロタウンに辿り着いた。地方リーグに挑戦するにはポケモンセンターで参加登録をしないといけない。残念な事にミシロタウンにはポケモンセンターは無い。ワカバタウンにはポケモンセンターがあったというのに、田舎だなぁ。

 

 ミシロタウンは観光名所らしいものはなにも無いのでさっさとポケモンセンターがある場所に行きたいのだがオーキド博士のおつかいがあるのでオダマキ博士の研究所を目指してみるのだがオダマキ博士は近くの101番道路でフィールドワーク中とのこと。

 オダマキ博士、フィールドワークとかの外での活動がメインの研究者で研究所を離れる事が多々あるらしく荷物を受け取ろうか?と聞いてくるのでオダマキ博士のおつかいの品は自分で渡さないと気が済まないのでオダマキ博士に直接会いに行くことに。

 

 101番道路に向かうと「た、助けてくれ〜」と叫び声が聞こえる。

 この声は誰なんだと思いつつも現場に向かえばオダマキ博士はポチエナに襲われていた。フィールドワークがメインのポケモン研究家なんだから自分のポケモンぐらい用意しとけよ。オーキド博士といいウツギ博士といい緩くないか?

 

 とりあえず襲われている事には変わりはないのでピカチュウに行ってもらおうと思っていると人の気配を感じる。

 誰だと思えばナイスボインもとい今日から新米ポケモントレーナーとなる予定のハルカがオダマキ博士を見て慌てており、オダマキ博士もハルカの存在に気付いて鞄に入っているモンスターボールのポケモンを使って撃退してくれと頼むのでハルカはモンスターボールを開いてミズゴロウを出す。

 

「ミズゴロウは【みず】タイプのポケモンだ。【みずてっぽう】が使える!」とアドバイスを送ると「ミズゴロウ【みずてっぽう?】」と言えばミズゴロウは【みずてっぽう】を撃つ……ハルカの顔面目掛けて。普通はポチエナに【みずてっぽう】だろうと思っているとミズゴロウは『ゴロォ?』と首を傾げる。のんきな性格だな。

 

 流石に見ていられないしオダマキ博士が怪我をするかもしれないのでピカチュウに出てもらおうとすると何処からともなくアチャモが現れる。

 オダマキ博士の鞄に入っているモンスターボールはミズゴロウ以外は小さなままで、じゃああのアチャモはなんだろう?と思っているとアチャモは【ひのこ】を撃ってポチエナを引かせる。

 

「父さん、フィールドワークは構わないけどポケモンに襲われる事を忘れちゃダメだよ」と……第3世代の男主人公が出てきた。

 原作知識を引っ張り出してみるがこんな展開は無い。ケンタとプラターヌ博士の助手の一例を考えれば……と色々と頭を悩ませていると「そこで隠れてみてる人達、出てきなよ」とオレ達が居る方向に声をかけるので姿を現すとピクリと第3世代の男主人公は眉を動かす。

 

「ピンチそうだったけど助っ人は要らなさそうだったな」とアチャモと第3世代の男主人公を見つめる。

 オダマキ博士は「君達は?」と聞いてくるので「オーキド博士からおつかいを頼まれて来たマサラタウンのサトシです」とセレナと一緒に自己紹介をする。「ああ、アレか!」とオーキド博士からのおつかいがなんなのか知っているオダマキ博士。

 

 101番道路を離れて研究所で話し合いをしようとなり一同、オダマキ博士の研究所に移動する。

 研究所に戻ると「オダマキ博士、オーキド博士からおつかいで来たトレーナーが、あ」とオレ達の存在に気付く助手さん。オダマキ博士と無事に会うことが出来たのである。

 

「オレ達の事は後回しにしていいですよ」と言えば先ずはハルカから処理していく。

 今日から新米トレーナーになるハルカ、オダマキ博士はホウエンの御三家であるキモリ、アチャモ、ミズゴロウの3体をボールから出して紹介してくれるがキモリは目つきが悪く無意識の内に睨んできており、ミズゴロウはさっき【みずてっぽう】をぶつけられたので苦手意識を持っている。

 アチャモが『チャモチャーモ』とハルカに可愛らしい仕草を見せたのでハルカはティンと来たのかアチャモを選んだ。

 

「僕と同じだね」と第3世代の男主人公が言う。

 空のモンスターボール5つとオレが貰ったのと同じ機種のポケモン図鑑を託し「ここから1番近いジムはトウカジム、君のお父さんだ」とアドバイスをくれるオダマキ博士だがハルカはアハハとから笑いを見せる。オレは知っているぞ、ポケモンを持って色々なところに旅をしたいと思っているだけでポケモンリーグに挑戦しようとは思っていない事を。

 

「ユウキ、次はお前の番だ」とハルカに図鑑とボールを託すと第3世代の男主人公改めてユウキに話が飛ぶ。

 助手さんとオダマキ博士とコイツの言動からしてユウキはオダマキ博士の息子らしくアチャモを相棒としている。しかもただのアチャモじゃなく【かそく】アチャモとかいう夢も希望も無いガチのアチャモだ……ハルカとアチャモが被るのが前々から分かっていた事だからってこの野郎、事前にアチャモをゲットしていやがったな。そんなのありだったらオレも事前にヒトカゲをゲットしておきたかったぞ。

 

「10年と言うのは早いものだな」と感慨深いオダマキ博士。「やめてよ、今生の分かれじゃあるまいし」としんみりした空気をユウキは壊してオダマキ博士からポケモン図鑑と空のモンスターボール5つ貰い、その内の1つをアチャモ目掛けて投げるとアチャモはゲットされた。

 初ゲットは初めてのポケモン……ピカチュウを貰って旅立った頃を少しだけ思い出す。オレもトレーナーとして大分成長したのでこんな頃もあったなと感じる。

 

「はぁい、ハルカちゃん僕はユウキ、君と同じ日にポケモントレーナーになる。よろしくね」とウィンクをする。なんだろう、初期のシゲルを思い出すチャラさがある。女の子に目がない感じがする。ハルカもちょっと戸惑っているので間に入ろうと思ったがチラリとこちらに視線を向けては「H35、A55、B30,C50,D40,S90」というので「ピカチュウがどうしたんだ?」と返事をすると腕を引っ張られ研究所の外に連れてこられる。

 

「やっぱり君は僕と同じなんだね」と真剣な顔をする。やっぱりという事は何処かでオレの事を見ていたのか?と聞けば「セキエイ大会とシロガネ大会の両方を見させてもらった…………礼を言わせてくれ、ありがとう」とオレにお礼を言ってくる。

 自分以外にも転生者が居ることで安心感を得られるのだろう。ケンタとか孤独に苦しんでたりしていたし……まぁ、オレもケンタ以外にも転生者が居てくれた事を喜び情報を交換すると…………普通に知り合いだった。というか友人だった。

 

「んだよ、お前かよ」とケンタの時と同じリアクションをする。ケンタの時は殴られかかったが、ユウキは殴り掛かる事はしなかった。オレやケンタと同じくある日突然にユウキになっていて悩んでいるところでオレとケンタのセキエイ大会を見て第二の人生を謳歌しようと決意をしたらしく過去は振り返る事はしない。前向きになっていて正解だな。

 

「ところでセレナちゃんと一緒にいたけど関係は?」と聞いてくるので「ガールフレンド」と言えば聞こえるレベルの舌打ちをする。「僕は可愛い女の子と色々と遊びたいんだ」と純粋な眼で実に不純な動機を語る……お前、そんなキャラだったっけ?一人称、私だったよな?転生して人生リセットするどころか人格もリセットしてないかとツッコミを入れれば「もう就職とか進学とか成績とか悩まなくていいんだ。ポケモン世界バンザイ」受験戦争や就職活動、その他諸々の苦しみから開放されたユウキ(バカ)は一気にはっちゃけているみたいだ。

 

 ケンタが見たらお前ぶん殴られる可能性があると■■も居る事を教えると驚いた顔をしていた。

 決勝戦で戦ったケンタが転生者だとは思ってもみなかったらしい……主人公であるサートシくんはともかくケンタはな……ライコウ雷の伝説を知らないとケンタの事は第2世代の主人公程度の認識だろう。「模試でA判定もらってたのに……神様は残酷だな」、全く持ってその通りだ。

 

 ケンタに○○が……いや、ユウキが居た事を教えようかとポケギアを取り出すのだがケンタは今チャンピオンリーグに向けて猛特訓に励んでいる。ユウキが居てくれた事はオレにとってもケンタにとっても朗報だが今伝えるべきかと悩む。今、伝えればケンタのコンディションを大きく損なうかもしれない。どうしようと悩んでいるとユウキがポケナビを取り出してケンタのポケギアの電話番号を聞いてくるので教えるとケンタに連絡を入れた。なにやってんだと思えば「もしもし私だが■■か?」と真面目な姿を見せる……コイツ、ワザとチャラチャラした感じを演じているな。

 

 ユウキからの電話に驚くケンタ。事情を説明すると「お前もなのか!?」と驚いている。この様子だとシンオウ地方に▲▲も居そうだ。

 ケンタはチャンピオンリーグに忙しいので無駄話はしている場合じゃない。「その内何処かで会おう」と再会を約束する……シロガネ山かワカバタウンのどっちかに居るんじゃないのか?会いに行かなくてもいいのか?と聞けば「つもる話はあるがポケモンバトルの場で会いたい」と真面目に答える。ユウキの奴もなんだかんだでポケモントレーナーなんだな。

 

「どうせならバトルしていくか?」と聞いてくるので勿論だと答える。

 話し合いは終わったのでオダマキ博士の研究所に戻るとセレナとハルカが仲良く談笑していた。セレナはハルカにポケモンコーディネーターについて教えており、そんなものもあるんだとハルカは自分の世界を広めていく。

 

「父さん、今からサトシとバトルするから」とサラリと語るユウキ。相手はセキエイ大会優勝、シロガネ大会準優勝のオレで「いきなりのポケモンバトル!?」とハルカは驚いているので「ハルカちゃん、サトシはホウエンリーグに出場してくる。ホウエンリーグを目指している僕にとっては一番の壁になる存在だ……壁の厚みは今の内に知っておいた方がいい」と真面目になる……チャラいところが増えたが根は真面目な事には変わりはないな。

 

 オダマキ博士の研究所を出て直ぐの広いスペースに出るとオダマキ博士が審判を務めてくれる。

 使用ポケモンは1体のシングルバトルで道具の使用は禁止の1本勝負、ポケモンは互いに同時に出すので3,2,1とオダマキ博士はカウントを取ってくれておりオレはピカチュウ、ユウキはアチャモを出す。

 

 ゲットしたばかりのポケモンだが油断は出来ない。【10まんボルト】で攻めるも【まもる】で攻撃を耐えた……ヤバい、【かそく】アチャモはこういう手があったんだと思っているとアチャモの素早さは1段階上昇する。

 ピカチュウのレベルのおかげかまだ1段階素早さが上昇してもピカチュウの方が上だと【でんじは】を撃つのだが【かそく】アチャモは伊達じゃないと【でんじは】の波を回避し、更に加速する。

 

【かそく】アチャモはコレだから嫌なんだと高速で動いてターゲットを捉える事が出来ない様にするので波状攻撃だと【なみのり】を撃って回避不能な津波で飲み込むとアチャモは戦闘不能になった。流石にポケモントレーナーになったばかりの奴に負けるほどオレは弱くは無い。

「アチャモ、あの津波を飛び越える事が出来るようになればピカチュウを攻略する事が出来る筈だ」と冷静にピカチュウ攻略法を考える。ピカチュウが【なみのり】で出した津波を飛び越える事が出来ればピカチュウを倒すことが出来ると思ったら大間違いだ、まだまだ手札は隠し持っているんだぞ。

 

「コレがポケモンバトル、スゴイかも!」とオレ達のポケモンバトルに感銘を受けたのかハルカは拍手を送る。

 お前も一応はこの道を目指しているんだよ?その辺りの事を理解してるのか?まぁ、ポケモントレーナーにならずにコーディネーターになるけども。それはさておき、新たなるライバルの登場……ケンタがホウエンリーグに挑戦して来ないのでやや寂しさを感じていたが、今回のポケモンリーグも実にワクワクドキドキだ。

 

 オダマキ博士にここから1番近いポケモンセンターは何処かと尋ねる。

 ポケモンセンターでリーグ参加登録をしておかないとホウエンリーグどころかポケモンジム1つまともに受ける事が出来ない。ハルカはポケモンを貰うことが出来たので自転車に乗ってミシロタウンを後にしようとするが「自転車に乗っていたら旅の醍醐味を味わう事は出来ないぞ?」とアドバイスを送る。

 

「ハルカちゃん、どうせだから一緒に旅をしないかい?」とナンパするユウキ。

 トウカジムのジムリーダーであるセンリさんはとても強いジムリーダーで現段階で挑んだとしても敗れるのが目に見えているユウキは最初は軽く行こうとカナズミシティを目指す事にし、ハルカは一緒に旅をしてくれる仲間が居てくれて心強いのか一緒に旅をする事に。

 原作キャラと仲良くする事が出来てなによりだと既にホウエンリーグ参加の手続きを済ませているユウキとハルカはカナズミシティを目指す。オレ達はポケモンセンターを目指す。

 

 ホウエンレポート2(古代遺跡と赤い組織)

 

 コトキタウンに辿り着いたので早速ホウエンリーグに出場する参加登録をするのだが「ここのジョーイさんも他のジョーイさんにそっくりだわ」と相変わらずDNAや血筋が濃いのかを証明するかの様なジョーイ一族。遺伝子改造的なのをしているとオレは思う。

 

 最初のジムはトウカジム、出すポケモンは既に決めているのでとりあえずはとラティアスを出す。

 ラティアスはオレに頬擦りをしてくるので撫でてあげると気持ち良さそうな顔をしている。可愛いやつめ。しかしオレのポケモンになった以上はオレのポケモンバトルに参加してもらう。準伝説のポケモンだからって甘やかしはしない。

 

 ラティアスにバトルの事を話題に出すとやる気を見せる。やる気があってなによりだ。

 今回のジム戦は公式戦初デビューであるラティアスを主軸にしてる。保険を入れているので勝つことは容易いだろう。しかし油断は禁物だ、トウカジムのジムリーダーであるセンリさんは中々のツワモノである事には変わりはない。

 

 なにから鍛えて行こうかと考えているとラティアスが急に怯え出してオレの背後に隠れる。

 何事かと思っているとラティアスを見て珍しいポケモンで交換をしてくれととんでもない事を言い出すバカ共が現れた。ゲットしたばかりのポケモンであるラティアスを早々に手放す事なんて出来るわけがないだろう。

 

 ラティアスを交換するつもりは一切無いと言い切れば「調子に乗ってんじゃねえぞ」と自分の思い通りにならないからってキレる。自分の思い通りにならないから「調子に乗るな」はお前達の方だろうが。

 勝ったらラティアスを寄越せとポケモンバトルを挑んでくるのでラティアスを用いて撃退する。なんだかんだで高種族値のラティアス、戦いの経験はそんなに無いのだが磨けば光る逸材である事には変わりはない。

 

 やはり準伝説のポケモンは卑怯だと感じるがケンタもなんだかんだでライコウを持ってるしセーフだと自分の良心に投げかける。

 あんまり準伝説のポケモンをゲットし続ければ例の伝説厨の様な道を辿る……でもまぁ、レートとかを潜れば準伝説伝説禁止級のポケモン当たり前の如く居るんだけどな。

 

 無事に全員ぶちのめす事が出来たので結構な経験値を得ることが出来た。

 厄介事は抱えてしまっているが乗りかかった船である以上は最後まで責任を持たなければならない。それがポケモントレーナーとしての礼儀、準伝説のポケモンをゲットしている人間の運命(さだめ)だ。

 

 ホウエン地方での旅は順調だと思いつつもそういえばオーキド博士に頼まれたおつかいが終わった事を報告してないことを思い出したので夕食後にオーキド博士に連絡をしようとしているとポケモンセンターは急に停電する。

 何事かと思っているとヘルガーを連れた黒ずくめならぬ赤ずきんの集団が現れて、この近くの遺跡ことコトキ遺跡に色々と調査に来ていたウメズ教授を拉致していき、ジョーイさんを倉庫に閉じ込めた。

 

 新しい地方に来て早々に厄介事……コレもまた主人公の運命だと受け入れつつ、赤ずきんな組織達を追いかける。

 待てやゴラぁと追いかけた先にはコトキ遺跡で、コトキ遺跡の仕掛けを解いて内部にまで潜入すると壁画の様なものがある場所に辿り着いた。壁画のポケモン、ジーランスっぽいポケモンだなと思いつつもピカチュウに赤ずきんの団体に【10まんボルト】オレも一緒に【並列エレキパンチ】とポケモンバトルは何処に行ったと言いたい行いをして赤ずきんの団体を……マグマ団を撃退し、締め上げて何処にヘリをスタンバイさせているのかゲロらせて、スタンバイしている飛行機に向けてラティアスとラティオスが【りゅうのはどう】を放ちヘリを破壊しておく。

 

 ヘリに乗っているマグマ団員の事は一切配慮していない。コンプライアンス?なにそれ美味しいのである。

 爆発するヘリ、飛び出てくるマグマ団員に電撃を浴びせて気絶させるとロープを取り出して捕まえる……やり逃げは許さない。

 

 無事にマグマ団員を捕縛する事に成功し、ジュンサーさんを呼び出しおまわりさんコイツですと売り渡す。

 いやぁ、良いことをした時は心地良い。新手のテロリストがホウエン地方に居るから気をつけてとジュンサーさんから注意勧告を受ける。安心しろ、オレがなんとかして悪の組織を滅ぼすから……なんだかんだで上手く行くと思う、多分…………あ、オーキド博士におつかいが終わった事を報告してない。まぁ、いいか。明日にはトウカシティに辿り着くっぽいし、その時にポケモンを送ってもらうついでに報告しておけばいいか。



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vsトウカジム 怠けないケッキング

 ホウエンレポート3(激突 トウカジム)

 

 マグマ団をジョーイさんに押し付けてジュンサーさんに託して旅を再開する。

 目指すはトウカジムと歩けばあっという間にトウカシティに辿り着いた。ポケモンセンターでポケモンを診断して貰い、さてトウカジム戦だと挑みに行けばそこには1人の少年が立っていた。

 

「君が挑戦者かい?僕はマサト、トウカジムのジムリーダーさ」と息を吐くかの様に嘘をついてくる「つまんない嘘をついてないでとっととセンリさんを出せ、こっちはジム戦を楽しみにしてんだ」と言う。

 マサトがジムリーダーじゃない事ぐらい分かっているんだ。トウカジムのジムリーダーはセンリさんな事ぐらい事前の調査で知っているんだよ。オレの情報収集能力と言うなの原作知識をナメんじゃねえぞ。

 

 センリさんを出せと言っていると「あ!」と何かに気付くマサト。

「決勝戦で負けた人だ!」と的確に人の心の傷口を抉ってくる。「君、決勝戦でケンタに負けた人でしょ!そうでしょ」と負けた負けた言うんじゃない。今は負けたことに対して割り切ってる事が出来ているけど死ぬほど悔しいんだぞ。

 

「僕ならベトベトンを出していたのにどうして出さなかったの?」と言ってくるが【どく】タイプのポケモンは出すタイミングが難しいんだ。「ベストな6体で挑まないと変則的な6体で挑めば確実にケンタに負けてたんだよ」とだけは言っておく。

「でもあのスイクンの使い道は無いよね。僕だったら【ハイドロポンプ】でライコウを押してたよ」と言うが「ライコウ相手に【ハイドロポンプ】で攻めるよりも【めいそう】積んでとくぼう上げて耐え抜いた方がいい。スイクンの売りは耐久力なんだよ。強い技を覚えさせてぶつければそれでいいなんてほどポケモンバトルは甘くはねえんだよ」と言い返す。

 

 ケンタとのバトルは悔いもあれば後悔もあるが割り切っている。

 過去をほじくるのはここまでにしておいてセンリさんをとっとと出せと言おうとすると「マサト、なにをしてるの!」とハルカとユウキが現れる。一昨日ぶりだな……お前の方が先に進んでいる筈なのになんでここで顔を合わせるんだ?どうもユウキのポケモンゲットに一日費やしていたらしい。

 

「お姉ちゃん、ポケモンを貰ったんでしょ!見せて見せて!」と無邪気に言ってくる。

 なんかポケモンジムに挑む気力が無くなって来たなと思っているとハルカはアチャモを紹介するがマサトは「キモリの方がいいんじゃないの?」と失礼な事を言ってはアチャモに【つつく】をされていた。本人を前にしてその手の暴言はいかんぞ。

 

 ユウキもアチャモを選んでいるのでアチャモ尽くしかとアチャモに囲まれているとセンリさんが現れる。

 やっと話を本題に進める事が出来るとモンスターボールを構えて「ジム戦に参りました!」といえば「君は確かジョウトリーグ・シロガネ大会で準優勝した」とオレの事を知ってくれているセンリさん。嫌な形で有名になったもんだ。

 

「ユウキはパパに挑まないの?」とマサトはセンリさんに挑もうとしないユウキに尋ねる。

「トウカジムは使用ポケモン3体、今の僕はポケモン3体持っているけど……センリさんは強いからね、今挑んでも負ける未来は見えているよ」と冷静に語る。アチャモ以外になにをゲットしたんだろう?

 

 自分の父親が褒められると我が事の様に威張るマサト。

 ジム戦を受けてくれるとの事でやっとやってきたと張り切る。「最初のジムだから気を抜かないでね!」とセレナは声援を送ってくる「パパは四天王候補になるぐらいには強いんだ」とマサトが威張るのでセレナは「サトシは四天王のシバさんを相手に引き分けた事もあるわ」と言い返す。

 口喧嘩をしにジムにやってきたんじゃない。センリさんは大事な公式戦なのでマサト達をジムから追い出そうとするので「別に見て行ってくれて構いませんよ」マサト達の見学を認める。

 

「これよりトウカジム、ジム戦を行います!使用ポケモンは3体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能とします!」とセンリさんの弟子と思わしき人物が審判を務めてくれる。ホウエンに来て早速のジム戦だと燃える。センリさんはナマケロを出したのでオコリザルを出す。「セオリー通りにやってくるね」と笑うセンリさん。

 

 試合開始の合図が告げられると早速オコリザルに【ばくれつパンチ】を支持し、ナマケロに殴りかかるがナマケロは軽く避ける。

 素早さは無いが動きが洗練されている……ナマケロって怠けた性格で怠ける行動をして無駄に時間を過ごすがセンリさんのナマケロはシャキッとしている。

 

【ふぶき】を撃ってくるナマケロ。こりゃちょっと搦手が必要だなと【アンコール】を指示する。強烈な【ふぶき】をアンコールするのは危険で一種の賭けだがオコリザルならば切り抜ける事が出来る。【ふぶき】を放ってくるナマケロに【ほのおのパンチ】で凍える事無くダメージを与えると追撃の【ばくれつパンチ】を叩き込み、フィールドの端っこに吹き飛ばす。

 

 オコリザルの【ばくれつパンチ】が効いたのか【こんらん】状態になるナマケロ。

 なにか別の技を指示しなければならないのだがここに来て【アンコール】が効いて高火力で力を多く使う【ふぶき】しか使えず、オコリザルは【ほのおのパンチ】で【ふぶき】に凍らされる事は無く、そのまま【ばくれつパンチ】をもう一発叩き込んで戦闘不能にする。

 

 よぉし、快調だと思っていると次に出てきたのはヤルキモノだった。

 事前の情報通りだとオコリザルのまま続投、オコリザルは【ばくれつパンチ】を決めに行くのだがヤルキモノはそれを回避し【つばめがえし】を叩き込んでくる。やっぱり一筋縄じゃいかないか。

 

【つばめがえし】は確実に当たる技なので回避不可能なのでどうしようと悩みつつ【かえんほうしゃ】を撃ってくるので両手の拳に炎を纏わせて【ほのおのパンチ】で進撃していくとそれを待っていたと言わんばかりに【つばめがえし】で攻撃してくる。

 オレが【ほのおのパンチ】で間合いを詰めてくるのを予想して【かえんほうしゃ】を撃ってきた。コレは手強いとオコリザルを一旦引かせて、お前のデビュー戦だとラティアスを出した

 

「お前、ラティアスなんて持ってたのか!?」と思わず素に戻ってしまうユウキ。「ジョウトリーグの後でゲットする事が出来たんだよ」と伝える。ラティアスなんて珍しいポケモンを持っているなんてとハルカもポケモン図鑑を取り出し、ラティアスを登録する。

 

 さて、ラティアスを見て驚いているところ悪いんだがと【りゅうのはどう】を放つ。

 ヤルキモノは【かえんほうしゃ】で対抗してくるが【ドラゴン】タイプの技に【ほのお】タイプの技は相性が悪く、【りゅうのはどう】は押していきヤルキモノに命中させる。よし、いい感じだなと思っているとヤルキモノは接近戦に持ち込み【シャドークロー】で攻撃をしてくるのでラティアスには高く飛んでもらう。

 

 一定の距離を保った状態で飛ばなきゃいけない状況ならば厳しいだろうと思っていると【れいとうビーム】を撃ってくるので回避し【はどうだん】を撃つ。センリさんのヤルキモノはジムリーダーのポケモンだけあって強いが……少しずつ、少しずつだが地力の差が出てきている。ラティアスが秘めているポテンシャルが少しずつ発揮していく。準伝説のポケモンは伊達じゃない。

 

【はどうだん】が命中したヤルキモノはジャンプして跳び【シャドークロー】を決めてくるがラティアスは回避し【はどうだん】を超至近距離で撃ってくる。【はどうだん】が命中したヤルキモノは倒れて戦闘不能になる。

 残すところは1体となるが油断は出来ない。3体目に出てきたのはケッキング。ナマケロ、ヤルキモノ、ケッキングと進化系をズラリと並べてくれているが、ホントに油断ならない。

 

 本来ならば特性の【なまけ】で一手詰まる筈のケッキングだがセンリさんのケッキングは【なまけ】なにそれ美味しいの?状態である。

 600族を超える種族値を持っているケッキング。【れいとうパンチ】で殴りかかってくる。A160の【れいとうパンチ】は洒落にならない。ラティアスは一発良いのをくらってしまい、フィールドの端にまで吹き飛ばされる……が、なんとか耐え抜いてくれる。

 

 予想通りケッキングは桁違いに強いが、こっちの勝利は確定だとラティアスをボールに戻してゲンガーを出す。

 ゲンガーを出した途端にマサトが「パパ、そのゲンガーは倒しちゃダメだよ!!」とオレがなにを狙っているのか気付くがセンリさんの残すポケモンはケッキングしかいない。

 

 ゲンガーには【はかいこうせん】も【きあいパンチ】も通用しない。

【れいとうパンチ】を主体に殴りに掛かってくるのでゲンガーに飛んで回避させつつ【サイコキネシス】でケッキングを吹き飛ばす。パワー自慢のケッキングだが特殊系には対抗出来ていない様だ。

 

 こりゃゲンガーだけで勝つことが出来るなと思っているとケッキングは力任せに【サイコキネシス】を振り切り【れいとうパンチ】をゲンガーに叩き込むのでそれを活かすしかないと【みちづれ】を使う。ゲンガーはケッキングに倒されるが【みちづれ】を見事に成功させ、ケッキングを戦闘不能に持っていく。

 

「サトシのゲンガーは【みちづれ】を使ってくるんだ。最後に倒さないといけないんだ」となにが起きているのかよく分かっていないハルカにマサトが教える。オレのゲンガーには問答無用で相手をぶち倒す【みちづれ】がある。コレがあるので早々に倒すことは出来ない。【ほえる】とかを使わなければならないが生憎な事にケッキングは【ほえる】を覚えておらず、オレのポケモンを倒さないといけない状況……オレの勝ちでセンリさんの詰みである。

 

「パパが負けた……」とセンリさんが負けたことに対してショックを受けるハルカ。お前はこれからもう1回センリさんが負けるのを見ておかないといけないんだがその事について分かっているのだろうか?

 まぁ、何はともあれホウエン地方初の公式戦で勝利を納める事が出来たと倒れているゲンガーに【オボンのみ】を与えるとゲンガーは【オボンのみ】を食べて体力を回復させる。

 

「コレがトウカジムを制した証、バランスバッジだ」とバランスバッジを差し出してくるセンリさん。1つ目のジムバッジゲットだぜと手を伸ばすとマサトがセンリさんからトウカジムのバランスバッジを取ろうとするのでそれよりも素早くバランスバッジを回収する。

「マサト、何をしているんだ!」とバッジを奪おうとした事についてセンリさんは叱るのだが「パパ、なんで負けちゃうの!なんであんな負け方をしてるのに清々しいの!!」とマサトは涙を流す。

 

 負けたのに喜んでいる事をマサトは理解できていない。

 ジムリーダーとはチャレンジャーにポケモンバトルに勝つ者じゃないんだぞ。ポケモンバトルを通じて色々と学ぶべき人であるんだ。オレは正式な試合を申し込んでセンリさんに勝ったんだ。バランスバッジは受け取らないといけない。

 

 バッジケースを取り出して最初のバッジだとバランスバッジをバッジケースに嵌め込む。

 センリさんは「ジムリーダーは負けたことに対して悔しむものだがそれと同時に喜ぶものでもあるんだ!」とマサトにセンリさんはジムリーダーとしての道を教える。

 

「ゲンガーさえ居なかったらパパは勝ててたんだ!」とオレに言ってくるが「コレもまたポケモンバトルの醍醐味だ」と言い返す。【みちづれ】を狙ってきているのが分かれば【ちょうはつ】を使えば防ぐ事が出来ていたかもしれない。

「オレの勝ち方に不満があるんだったら……お前がポケモントレーナーになった時にオレに挑んでこい。オレは逃げも隠れもしない」とマサトに宣戦布告をする。「何時かポケモントレーナーになってサトシを倒してやる!」とマサトは燃える……その時が来ればいいんだけどこの世界はサザエさん方式で年明けないんだよな。マサトがポケモントレーナーになる日は何時になるのやら。

 

 ゲンガーとオコリザルは良くやってくれたと好みの味のポロックを渡してオーキド博士の研究所に送り返す。

 ラティアスは初デビュー戦で見事に白星を上げたので褒めて褒めてとじゃれ合ってくるので思いっきり撫で回す。可愛い奴め……セレナが嫉妬の視線を向けてくるのでオレは途中で止める。いや、お願いだからハイライトの無い目で見ないで、怖いから。

 

 

 ホウエンレポート4(トウカの森でゲットだぜ)

 

 次のジムはカナズミジム、次のポケモンコンテストの会場もカナズミにある。

 コンテストの開催地とジムがある場所が被っているのはなによりだと思いつつ、トウカの森を歩く。

 

 今の手持ちで勝つことが出来たが新しいポケモンのゲットを視野に入れておかないといけないと色々と考えているとセレナ特製のマカロンをスバメに奪われる。オレの勝利を祝って作られたマカロンを奪うなんていい度胸しているじゃねえかとオレが電撃を放つとスバメは驚いた顔をし電撃を浴びるのだがスバメは根性を見せたのかオレの電撃の射程範囲内から飛び出てマカロンを持っていった。

 

 あのスバメ中々のガッツがあるなと別のマカロンを手にするとまたまたスバメに奪われるので電撃を浴びせると今度はあっさりと倒される。

 あのスバメだけが特別な個体だったのかもしれない。そう考えるとなんだかゲットしたくなってきたと重たい腰を上げてポケモン図鑑を片手に追い掛けてスバメを発見する。

 

 しかし残念な事にオレのマカロンを狙ったスバメではない。根性あるスバメを見たいんだと電撃を放電していると騒ぎに駆け付けてやってきたオレの電撃を浴びて耐え抜いた中々の根性の持ち主であるスバメがやってきた。

 コイツはオレがゲットしてやるとピカチュウに出てもらい、ピカチュウに【10まんボルト】を使ってもらい強烈な電撃を浴びせる。並大抵のポケモンならば今の一撃で沈んでいるのにスバメは立ち上がる。

 

 中々の根性を見せてくれるじゃねえかと空のモンスターボールを取り出し、スバメに向かって投げる。

 スバメにコツンとモンスターボールは当たり、ピューと赤外線の様な物が飛び出てスバメをボールに閉じ込める事に成功し……スバメのゲットに成功した。

 

 リザードン、ヨルノズクに続く【ひこう】タイプのポケモンだ。

 中々の根性の持ち主で進化すれば即戦力、空を飛ぶことが出来るポケモンは実に貴重な存在なので大事に育てよう。

 

 ホウエンレポート5(セレナ・オン・ザ・ロード)

 

 次のポケモンコンテストに向けてセレナは燃えている。

 燃えているのは構わないけども困った事も幾つかは存在している。具体的に言えばテールナーが進化しない事だ。オレのポケモンバトルの特訓に付き合ってくれるのでテールナーは中々に強いのだが、それでもまだ進化しない。

 

 マフォクシーに進化すれば【マジカルフレイム】をはじめとする技のレパートリーが増える。

 急に翼が生えるとか体重が10倍近くになるといった事にはならない。進化をする事はとてもお得な事なので色々と困る。さて、どうしたものかと悩んでいると巨大なジグザグマを発見する。

 

 ここまで巨大なジグザグマは居ないなと思っていると着ぐるみもといコスプレだった。

 ジグザグマをゲットする為にジグザグマのコスプレをしているらしい。名前はキヨ、オレと同じくポケモントレーナーでオレの事をテレビで見ていてくれた様で「トレーナー同士が目を合わせたらどうするか分かってるよな?」とモンスターボールを構える。いいね、そういう感じの展開嫌いじゃねえ。

 

「待ちなさい!サトシに挑みたいのなら先に私を倒してからにしなさい!」とセレナはバトルの矛先を自分に向けようとする。

 後で聞いた話だがオレとばかりバトルをしているので経験値が変に偏っていてテールナーがマフォクシーにならないんじゃないかと考察したらしい。オレの貴重なバトルを奪うとは……まぁ、セレナだから許す。勝とうが負けようが儲けものである事には変わりはない。

 

 そんなこんなでセレナがキヨの相手をする事になった。

 セレナは当然テールナーを出すとキヨはミズゴロウを出した……相性の上では不利だが、それぐらいセレナも百も承知で【でんげきは】をミズゴロウに浴びせる……ヌマクロー、ラグラージでなくて良かった。テールナー一応は【ソーラービーム】を覚えているけどタメが必要になるので【でんげきは】で仕留める事が出来た。

 

 オレと長く一緒に居るからポケモンバトルの腕も中々に上達している……まぁ、それでもまだオレには遠く及ばないけども。

 オレがシロガネ大会準優勝者なのを知っては挑んでくるトレーナーをオレに代わってセレナが挑んでみたりはするもののセレナのテールナーは中々に進化しない。【サイコキネシス】や【かえんほうしゃ】と言った強力な技を覚えているのでレベルは充分な筈だが……厳しいなぁ。

 

 オーキド博士に相談してみるのもいいかもしれないけどあの爺さん、なにをメインに研究しているポケモン博士なのか分からない。

 ポケモンの事には詳しいだろうが……どうしたものか。テールナーがマフォクシーに進化するにはきっかけが必要だ。テールナーに進化した時もそんな感じだった。レベルが充分なポケモンはきっかけがあれば進化するが……そのキッカケが謎なんだよな。オレが居る限りはセレナがピンチになる事は早々に無い。テールナー、クリスタルのイワーク、ドンカラス、リザードン、ラティオスと手持ちも中々に悪くは無いのである……流石に大事な女を危機的な状況に晒すわけにはいかない。いや、マジでどうしようか。



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キモリの樹と森

 

 ホウエンレポート6(キモリの森)

 

 道を間違えたっぽい……旅をしていればそんなことは多々ある事なのでいちいち騒ぎはしない。

 何処で道を間違えたのかセレナと口論しているとキモリを発見した。生息地不明の御三家が居るとは珍しいとゲットしようと思ったのだがキモリはオレ達を全く相手にせずに何処かに行ってしまう。

 

 折角の貴重な御三家を逃してたまるかと追い掛けると枯れ果てた巨大な樹に辿り着いた。

 さっきのキモリは何処に居るんだろうと探してみれば右を見てもキモリ、左を見てもキモリとどうやらここはキモリの群れが生息していた場所だった様だ。

 野生のキモリがこんなにも居るなんて厳選が出来るんじゃないかと思っているとオレ達が見かけたであろう枝を咥えたキモリが水が入った大きな葉っぱを持ってやってくる。

 

 何をやってるんだろうと思ったらお爺さんのキモリが葉っぱを持っているキモリに対してなにかを訴えかける。

 この地はもうダメだから新しいところに移住しなければならないのだがキモリは世話になった樹を見捨てることは出来ない、樹はまだ生きていると主張をする。周りにいるキモリ達はもう無理だとキモリに諦める様に言うのだがキモリは諦めない。

 

 義理と人情に熱い一面を持っているんだな。

 あのキモリをゲットしたいが今すぐには無理だろうと見守っているとキモリの群れを密猟者もといムサシ達がメカを用いてゲットしようとする。久しぶりのロケット団だなと思いつつピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらうのだが「電気対策はバッチリなんだよ」とピカチュウ対策をしていた事を告げる。

 

 仕方ないかとラティアスを出して【サイコキネシス】で弾き飛ばしロケット団のメカを破壊し、トドメにオレが電撃を浴びせると「やな感じー」と吹き飛ばされる。キモリ達は無事に開放されて良かったなと思っているとミシリと鈍い音が聞こえる。何事かと思えばキモリの住処であった巨大な樹に切れ目の様な物が入っており、裂けていた。

 

 コレはと思っていると水を汲みに遠くの川にまで向かっていたキモリが『キャモォ!?』と驚いていた。

 樹はなにもしていないのに大きく真っ二つに避けていく。キモリ達が樹が折れない様に必死になって支えてみるものの、キモリ達の健闘虚しく樹は縦に真っ二つに裂けてしまった。

 

 コレで終わりなのかと思っていると枝を咥えたキモリが何かに気付いて走り出す。

 キモリは樹の中に新しい樹の種を見つけた様でそれを手に取り嬉しそうに老人のキモリに見せると老人のキモリやその他のキモリ達も大きく頷き、穴を掘りはじめ新しい樹の種を植えた。

 

 ここから新しい樹が生まれるんだなと見守っていると1体のキモリが樹の中にまだ何かがあると言う。

 他にも樹の種があるのだろうかと思いつつ調べてみるとジュカインナイトと思わしきメガストーンが樹の中に入ってあった……メガストーンは鉱石なのに何故に樹木の中に入っていたのだろうか?長年キモリが住み着いていたからキモリの力が具現化された的なのだろうか。

 

 老人のキモリはどうぞもらっていってくださいと言うのでありがたくジュカインナイトはいただく。

 しかしジュカインナイトを持っていても肝心のジュカインが居ないと宝の持ち腐れになってしまうとチラリと枝を咥えたキモリを見ると咥えていた枝をオレ達に向かって吐いて来た。勝負しろと挑発をしているんだなとスバメに出てもらう。

 

 初のバトルはお前とだとスバメに【つばさでうつ】を指示するのだがスバメの素早さをキモリは軽々と超える。

 コレはちょっと難しいなとピカチュウに交代する視野を入れつつもスバメに【でんこうせっか】で突撃してもらうとキモリは【はたく】攻撃で対抗してくる。キモリは中々にすばしっこいが決して捉える事が出来ない相手じゃない。

 

【でんこうせっか】が命中したので今度こそと【つばさでうつ】攻撃を当てに行くとキモリに命中する。更には【つつく】攻撃で大ダメージを与えると大分キモリも弱ってきたのでモンスターボールを投げる。コツンとモンスターボールの開閉スイッチにキモリは触れてそのままボールの中に入りゲット……サトシくんのキモリ、ゲットだぜ。

 

 リザードン、フシギダネに続く御三家をゲットする事が出来た。【くさ】タイプのポケモンはなにかと便利でキモリも色々と鍛えがいのあるポケモンだ。是非とも鍛えていこう。

 

 ホウエンレポート7(キモリのポリシー)

 

 ポケモンセンターに着いたのでオーキド博士にキモリをゲットした事について報告した。生息地不明のポケモンを群れで見つけるとは実にラッキーな事だとオーキド博士は感心してくれる。それはさておきオーキド博士にはフシギダネを送ってもらった。

 図鑑を開いてキモリの使える技を見てみると【はたく】と【にらみつける】しか覚えていなかった。

 

 2番目のジムはカナズミジム、ジムリーダーの使うポケモンは【いわ】タイプのポケモンだ。

【いわ】タイプのポケモンを相手にするならばキモリの力はどうしても必要になるのだが肝心のキモリが【はたく】と【にらみつける】しか覚えていないのはまずい。【メガドレイン】や【ギガドレイン】を覚えないといけないとフシギダネを先生役に呼んだのだがキモリは【メガドレイン】や【ギガドレイン】を覚える事を拒んだ。

 

 相手の体力を奪って自分の物にするのは自分のポリシーに反する事らしくなんじゃそりゃと言いたいがキモリの気持ちを尊重しておかないといけない。ドレイン系の技がNGならば他を鍛える事に。

 ドレイン系の技がNGで【リーフブレード】は進化しないと覚えない。なら残されたのは【エナジーボール】かとキモリに【エナジーボール】を覚えさせるべく先ずはと【タネマシンガン】を覚えてもらうことに。

 

「【タネマシンガン】があるんだったら【エナジーボール】をそこまで必死になって覚えなくてもいいんじゃないかしら?」とセレナは言うが【タネマシンガン】は物理技で元の威力が低い。何発も連発して当て続けないといけない技でその点【エナジーボール】は一発でとんでもない威力を秘めている上に特殊技なのでキモリとの相性も良いんだ。【いわ】タイプのポケモンは基本的には(ぼうぎょ)の種族値が高めに設定されているからな……無理に物理で攻める必要は無い。

 

【タネマシンガン】を吐かないといけないのだが上手くいかないキモリ。【りゅうのいぶき】を吐くのはあっさりと出来た……こいつ、才能ありまくりだな。それはそうとして【タネマシンガン】を覚えないといけない。【タネマシンガン】で口から【くさ】タイプの技を放つコツを掴んで【エナジーボール】に移行する。なので先ずは【タネマシンガン】を覚えないといけないのだが中々に成果が出ない。口からタネっぽいのを出すことは出来ているがそこまでといった感じだろう。

 

 まぁ、簡単に会得されてしまえばそれこそポケモン育成の醍醐味というものが無かろう。

 気晴らしに【はたく】を【アイアンテール】にパワーアップさせる事にしこっちの方は割とあっさりと会得する事が出来た……ポケモンに技の相性とかもあるんだろうか。とりあえずタネっぽいものを口から出すことが出来るレベルにまで持ってこれたので今日はコレで良しとする。カナズミジムまでに【エナジーボール】を完成させればそれでよし。

 

 ホウエンレポート8(史上最強のペリッパー(詐欺))

 

【タネマシンガン】が上手く行かないが最悪ピカチュウに色々と託せばそれでいいかと考える。

 やっぱ実戦経験を積み上げた方が良いんじゃないかと考えていると最強のペリッパーがいる非公認のジムがあるらしい。ペリッパーは……まぁ、世界大会で顔を出すぐらいには強いポケモンだとは思うが史上最強は言いすぎだ。

 

 というか非公認のポケモンジムってありなの?昔、そんなのをやってる奴居たけどもポケモンジムって公認じゃないといけないものじゃん。

 色々とツッコミたいところが満載だったもののツッコミいちいち入れていればキリが無い。非公認だろうがなんだろうがポケモンバトルをする場所には変わりはない。いざ、非公認のジム戦だとスバメで挑む。

 

 対戦相手の非公認ジムのジムリーダーであるアントニーさんはペリッパーを出す。

 ペリッパーといえばと思っていると天候は変わらない。おいおい、強いペリッパーといえば【あめふらし】のペリッパーだろうが。この時点で最強かどうか怪しいぞ。

 

 バトル開始となると【つばさでうつ】で攻める。

 スバメの方が体格が小さいがガッツは中々のもので体格差で早々に負けはしない。ペリッパーはどう出てくるかと思えば【10まんボルト】を撃ってきた。本来は覚えない技を覚えてるので思わず「はぁ!?」と驚く。このやろう、改造ポケモンかと考えたのだがよくよく観察してみればペリッパー【10まんボルト】を口から放っている。

 

 ピカチュウもそうだが【10まんボルト】を撃つのは体から撃つもので口から放つタイプの技じゃない。

 こりゃなにか裏があるなと波動で探知をしてみるとペリッパーの口の中にコイルの気配を感じる。いや、コイルだけじゃない。他にも複数のモンスターボールが口の中に入っている。ペリッパーの口は大きくて物を収納する事が出来るが、こんなイカサマをしてくるとは思いもしなかった。イカサマを相手にするならばイカサマで勝ってやるとポケモンバトルでは使わない様にしている波動の能力をフルに使う。

 

 口の中に入っているポケモンはコイル、ブビィ、マダツボミだ。

【かげぶんしん】で円形に囲んで【つつく】をペリッパーに向けて撃つ。狙いはペリッパーの口の中だと本体のスバメはペリッパーの口に向かって激突するとペリッパーの口から【かえんほうしゃ】が飛んでくる。

 

 何処から来るのか丸分かりなので「右に避けろ!」と避ける方向を指示しておく。

「【かえんほうしゃ】に【10まんボルト】……ペリッパーってそんな技を覚えたかしら?」とセレナはポケモン図鑑を取り出してペリッパーのことを調べるのだがペリッパーは【10まんボルト】も【かえんほうしゃ】も覚えない。じゃあなんで使えるの?とセレナの頭に?が浮かぶ。

 

 ペリッパーは【10まんボルト】を撃ってくるので【かげぶんしん】で回避する。

 口から【10まんボルト】を撃ってくるので何処から攻撃が飛んでくるのか丸分かりだ。スバメに【でんこうせっか】で突撃すると【10まんボルト】と【かえんほうしゃ】と【つるのむち】の3つが同時に出ている。中でポケモン達がてんやわんやとなって暴れている。

 

 狙うならば今しかないとピカチュウに【10まんボルト】を指示し【10まんボルト】を撃ってもらうとペリッパーに命中し、ペリッパーは戦闘不能に陥るのだが口の中がモゴモゴとしている。「戦闘中のポケモン以外で攻撃するなんて卑怯だぞ!」と言ってくるので「どの口がほざく、キモリ、口を開いてやれ」とキモリを出してペリッパーの口をはたくと中からコイル、ブビィ、マダツボミが出てきた。

 

「おっさん、コレはどういうことだ?」と問い詰める。ペリッパーのトレーナーであるアントニーは縮こまってしまう。

「ペリッパーの口の中にポケモンを入れてたなんて……ズルいわよ!」とセレナはプンプンと怒る。「ペリッパーは正しく育てれば強いポケモンなんだよ。イカサマなんかすんじゃねえよ」と締め上げる。

 

 ペリッパーは強いポケモン(あめふらし限定)なんだよ。

 オレですらミュウツーはズルだなんだと思っているのにこんな堂々とイカサマをして恥ずかしくないのだろうか?そんなんだから非公認のジムなんだとグチグチ言って説教をする。

 

「まさか、このペリッパーが倒されるだなんて」と最強を自称するペリッパーが倒される事が予想外と言いたげなアントニーさん。「この程度の強さならチャンピオンリーグに出場する事が出来る奴等にはゴロゴロ居る」といえばガーンとショックを受ける。事実を述べただけなので反省はしない。実際問題、ケンタなら余裕で倒すことが出来ていただろう。

 

 とりあえずペリッパーで出来る戦い方を教えておく。

【あめふらし】じゃないので【あまごい】は必需品で【ぼうふう】も大事で【ねっとう】も大事……【あめふらし】じゃないのが実に痛いのだが、まぁそこは致し方がない事だ。

 

 ペリッパーだけじゃない。ブビィもマダツボミもコイルも育てれば強いポケモンなんだ。

 ポケモンに関する知識でマウントを取ればアントニーさん深々と反省して心改めて1からポケモン修行の旅に出ることを決意する。何時か本当に最強のペリッパーになると気合を入れる……【あめふらし】じゃないペリッパーじゃ限界があると思う。特性は厳選しとかないといけないよ。いや、マジで。

 

 ホウエンレポート9(ポケモンコンテスト カナズミ大会)

 

 カナズミシティの手前にあるカナズミホールに辿り着いた。

 ここでポケモンコンテストが行われるとセレナが意気揚々と参加登録をする。ついでにコンテストパスを更新しておく、セレナが持っているのはジョウト地方のコンテストパスなのでホウエンに対応したコンテストパスに更新する。

 

 明日はセレナのホウエン初舞台だ。頑張って応援しようぜとピカチュウと一緒に腕を合わせる。

 

 ホウエンレポート10(セレナ ホウエンコンテストデビュー)

 

 今日はセレナのデビュー戦だとセレナのコンテストパフォーマンスの最終調整に付き合っているとユウキとハルカのペアが現れた。

 カナズミジムに挑んだかどうか尋ねてみればカナズミジムを制した証であるストーンバッジを手に入れたぞとユウキは見せびらかす……既にバランスバッジをゲットしてるのでコレでオレとユウキのバッジの数はイーブンだ。

 

 ハルカは結局ジム戦に挑まなかったらしい。

 前にセレナに聞いたポケモンコンテストに対して物凄く興味を抱いているらしく、今日はセレナのコンテストパフォーマンスを見ていく、応援してくれるとのこと。応援してくれる人が増えたが同時にライバル出現だと思う。

 

 そんなこんなでポケモンコンテストは始まりセレナは1次審査にドンカラスを出す。

 久しぶりのドンカラスだなと見ているとセレナはドンカラスに【くろいきり】を使わせる。フィールドは黒い霧に包まれており、ここからどう出てくるかと思えば【おどろかす】を使い煙の中から飛び出て審査員を驚かせる。成るほど、そういう感じの使い道があるのか。

 

 魅せる戦いは普通の戦いとは違う美しさを持っているなと感心する。【くろいきり】で姿を晦ましてからの【おどろかす】は大いに盛り上がり、ジョーイさん達から高得点を貰う。

 

 セレナ以外に目を貼るコーディネーターは居ないなと思い二次審査であるコンテストバトルになるが伊達にオレと一緒にバトルの訓練をしていない。あっさりと決勝戦にまで駒を進める。

 

 決勝戦の相手はアゲハント、対するこっちはクリスタルのイワークだ。

 アゲハントは【ぎんいろのかぜ】を撃ってくるので【ロックカット】で体を細かくする。【ぎんいろのかぜ】が靡いて程よくキラキラと輝く。それを見ていたユウキは「コンテストとの二足の草鞋を考えてたけど無理っぽいなぁ」と呟く。コンテストのバトルとポケモンバトルは大きく異なる。オレ達は非公式の遊びのポケモンコンテストがお似合いだよ。

 

 対戦相手のアゲハントは手を変えてきて【サイコキネシス】を撃ってクリスタルのイワークを持ち上げようとする。

 コレはまずいと感じたクリスタルのイワークは【れいとうビーム】をアゲハントに浴びせて更にはフィールドをカチンコチンに凍らせてイワークは氷のフィールドを滑る。クリスタルのイワークは見た目だけで映えるからこういった細かな動作で相手のコンテストゲージを削っていく。

 

 コレはまずいと感じたのか【いとをはく】でイワークの動きを封じに来るが選択を誤ったな。

 イワークは蛇の様な形状のポケモンで糸でグルグル巻きにされたとしても身動きは取れるし全体を包み込む糸を出すにはそこそこ時間がかかる。と言うよりはアゲハントとクリスタルのイワークのレベルが違い過ぎるな。

 

【ストーンエッジ】を指示して【アイアンテール】で砕いて散弾の様に撒き散らす。アゲハントは回避しようとするが回避に失敗し、石の破片が命中したのでそこが狙い目だと【ふぶき】を浴びせカチンコチンに凍ったところで【ドリルライナー】で氷を砕き、キラキラと輝かせるとタイムアップ、セレナが対戦相手のコーディネーターのコンテストゲージを大きく削っての勝利……というか【ドリルライナー】にやられた時点でアゲハントが戦闘不能になってノックアウトで勝利する事が出来た。

 

「ポケモンコンテスト……ポケモンバトルと全然違うかも!」というので「こういう世界もあるんだ。ポケモンは奥深いでしょ?」とユウキは楽しそうに語る。可愛い女の子と会話をするのを楽しんでるな、コイツ。

「クリスタルのイワーク、何処でゲットする事が出来るの?」とセレナのクリスタルのイワークに魅了されたみたいだが「アレは貴重な種だからそう簡単にゲットする事は出来ない……他の個体が何処に生息しているのかオレも皆目見当もつかない」と言っておく。もしかするとあのクリスタルのイワーク、世界に1体だけなのかもしれないんだよなぁ……う〜ん。

 

「クリスタルのイワークは無理でもアゲハントなら簡単にゲットする事は出来るよ」とユウキがフォローを入れれば「ホント!?」と元気になるハルカ。ルビサファではケムッソの♂♀でマユルドかカラサリスになるの分かれるけどもそれ以降だとなんかクソややこしい判定があった筈……まぁ、なんだかんだでカラサリスになるだろう。最悪カラサリスをゲットしとけば問題無い。

 

 セレナは無事にカナズミコンテストを制覇し、制覇した証であるカナズミリボンをゲットした。「サトシ、次はサトシの番よ!」とオレの背中を後押ししてくれる……キモリの【エナジーボール】まだ未完成なんだよな。【タネマシンガン】は完璧に極めたんだけど【エナジーボール】3回に1回の割合でしか成功していない。コツの様な物を掴むことが出来れば【エナジーボール】を自在に操る事が出来るんだがな……まぁ、最悪ピカチュウのゴリ押しでいくとするか。



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デボンコーポレーションとおつかい

 ホウエンレポート10(カナズミジム トレーナーズスクール)

 

 カナズミシティに辿り着いた。

 ユウキの奴は既にストーンバッジをゲットしているのでオレも頑張らないといけない。ポケモンセンターでポケモンを回復させた後にカナズミシティを一望できるカナズミタワーにやってくる。やっぱ都会なだけあって色々なものがあるなぁと思っていると近くのベンチの下にニョロモが縮こまっていた。こんな町中にニョロモとは珍しいと思っているとニョロモを探している一団もとい子供たちがいた。

 

「このニョロモは君達のニョロモなの?」とセレナがニョロモを抱きかかえる。

 子どもたちはニョロモだ!とニョロモの元に向かうと引率のお姉さんもといツツジさんが良かったなとホッとする。ニョロモが急に行方不明になっているので心配をしていたらしい。見つかって良かったな。

 

「ピカチュウだ!」とピカチュウを見て声を出すちびっこ達。

 ホウエンでもピカチュウは見かけるものだが中々にお目にかかれないとピカチュウを抱っこするがオレのピカチュウはオレのピカチュウで誰かのものじゃないとピカチュウは【10まんボルト】で威嚇をする。いや、ホントにね……うん。

 

「貴方達は?」とセレナが聞けばトレーナーズスクールの生徒達だそうだ。

 課外授業から戻ってきたついでにカナズミタワーにやってきてニョロモが行方不明になったそうでトレーナーズスクールがどんなところなのか気になったので見学して行ってもいいかと尋ねるといいですよと許可が降りる。

 

 トレーナーズスクールに辿り着くと「あ、シロガネ大会で負けた人だ!!」とトレーナーズスクールの生徒達がオレの心の傷を抉る。

 確かに負けたよ、負けたけども決勝戦にまで駒を進める事が出来た実力派エリートを名乗ってもいいトレーナーなんだよ。「決勝戦にまでいって負けたのは変わりねえだろう!」と口の悪いクソガキが言ってくる……お前等トレーナーになった時を覚えておけよ、慈悲なくミュウツーで叩きのめしてやる。

 

 しかしトレーナーズスクールとはなにを習ってるのだろうかと思えば案の定基礎的なポケモンバトルの知識である。

 こんなのゲームをやっていれば自動的に身につく事が出来るもので変化系の技をあんまり注目していない。ポケモンバトルは攻撃だけでどうにかする事が出来るものじゃないぞ、変化技の技は意外と馬鹿には出来ない。

 

 授業を見ているとオーキド博士のポケモン講座がはじまる。

 オーキド博士、メディアに露出しているのはいいけど肝心のポケモン研究進んでるの?大丈夫なのか?と思っているとオレ達の存在に気付いて「ジム戦は終わったのか?」と聞いてくるので「今から挑むところだよ……ツツジさん、オレとジム戦をお願いします」とモンスターボールを構える。「望むところです……ところで、生徒達にジム戦を見せていってもよろしいですか?」と聞いてくるのでどうぞご自由に、見たいのならば見ればいい。

 

 トレーナーズスクールから場所は移り変わり、カナズミジム。

 ジムリーダーのツツジさんと向かい合い審判が「使用ポケモン2体のシングルバトル!交代はチャレンジャーのみ可能です!」と告げるとジム戦が開幕する。ツツジさんが出した1体目はイシツブテ、事前の情報通りだ。

 

 ここは前もって決めていたようにキモリを出す。

 キモリはボールから出ると枝を取り出して口に咥えてやる気を見せる。初の公式戦だが焦りは禁物だ。イシツブテは【メガトンパンチ】を撃ってくるので【エナジーボール】で対抗しようとするが上手く行かず【タネマシンガン】が発射される。

 

 一応は【くさ】タイプの技なのでイシツブテはこうかはばつぐんだ。

 イシツブテは苦しそうな顔をするのだが苦しそうな顔をしているだけで倒すことが出来ていない。コレはまずいなと思っていると【ころがる】攻撃をしてくる。【タネマシンガン】をぶつけてみるのだがうんともすんとも言わない。【ころがる】の回転が【タネマシンガン】を無効化にしている。

 

【タネマシンガン】を無効化されるとは厄介だなとキモリをボールに戻す。

 無茶をやっても良かったのだが、まだキモリに無理強いをさせるわけにはいかない。ピカチュウを出せば「イシツブテ相手にピカチュウとか正気かよ!」とトレーナーズスクールの生徒達は煽ってくる。お前等、オレのピカチュウをナメんじゃねえぞ。

 

【ころがる】攻撃の回転力が増しており【アイアンテール】を叩き込んでみると弾かれる。【アイアンテール】でダメージを与えるのは難しいなとピカチュウに【なみのり】を指示して津波を巻き起こし、イシツブテを飲み込む。

 ピカチュウが【なみのり】を覚えているなんてそんな事は知らない本にも載っていないと言いたげなトレーナーズスクールの生徒達。本に載っている事だけがポケモンバトルの全てじゃねえんだよ。

 

【なみのり】に飲み込まれたイシツブテは戦闘不能になり、先ずは1勝だ。残り1体を倒せば勝つことが出来ると気を引き締めているとノズパスが出てきた。ノズパスは【でんじほう】を撃ってくるのでピカチュウに避けつつ【でんじは】を浴びせる。【でんじは】はいい仕事をしてくれる【でんじは】でノズパスは【まひ】状態になったのでピカチュウを引っ込めてもう一度キモリを出す。

 

 既にノズパスは締め上げる事は出来ているんだと【エナジーボール】を撃ってもらおうとするが【タネマシンガン】になってしまう。

 ぼうぎょが高いノズパスには【タネマシンガン】はそんなに効果は無い。現にノズパスはピンピンしており【ロックオン】でターゲットを定めて【でんじほう】を撃ってきた。

 

 キモリは【でんじほう】に当たり【まひ】状態になった。

 ピカチュウが控えに居るのでここは交代はさせずに続行で【タネマシンガン】を撃ってもらうと今度は【エナジーボール】になった。『キャモォ』と何かに気付くキモリ。もう一度【エナジーボール】を撃ってもらうと今度はキモリは苦しそうな顔を浮かべ上げながら【エナジーボール】を撃った。どうやら【タネマシンガン】で撃つエネルギーが【まひ】状態で即座に発射する事が出来ずに無意識化でエネルギーを溜めて【エナジーボール】に進化させる事が出来た。

 

「コツを掴むことが出来たか?」と尋ねれば『キャアモ』とキモリは頷く。ならばと【エナジーボール】を撃ってもらうとノズパスの【でんじほう】とぶつかり合う。完全に【エナジーボール】を物にしたなと感心しつつどうするか考える。互いに【まひ】状態で上手く動くことが出来ない。控えにいるピカチュウを出せばどうにかなるのだろうが……キモリを育成する事に集中したいので出さない。

 

【アイアンテール】を撃ってノズパスを攻撃するが手応えが薄い。

 やっぱり物理系の技で攻めるのは手厳しいなと思っているとキモリは痺れて上手く動くことが出来ずにその隙をツツジさんは逃すはずもなく【いわなだれ】で攻撃してくる。キモリは雪崩落ちる岩を跳び越えて行こうとするのだが【まひ】して上手く動くことが出来ずに【いわなだれ】に飲み込まれて戦闘不能になった。

 

 やっぱりジムリーダーにポケモンは強いな。負けてしまったもののキモリは【エナジーボール】を覚えたので十二分な成果を得た。コレもまたいい経験だと思いつつピカチュウを出す。ピカチュウならば勝てると【10まんボルト】を浴びせる。「ノズパスに【10まんボルト!?】」と驚くトレーナーズスクールの生徒達。ノズパスは【いわ】の単タイプ、【10まんボルト】は当然の様に効果があるのだが【スパーク】で電撃を身に纏わせて電撃を防いだ。意外としっかりとしているな。

 

【アイアンテール】を撃って効果は薄いのでここは【なみのり】一択だと津波を巻き起こすと【でんじほう】を撃ってくるので華麗に回避。【ロックオン】で狙いを定めていない【でんじほう】なんて怖くはない。【なみのり】で飲み込みノズパスを倒す。

 

 危険なところがあったもののなんとかカナズミジム戦を制した。

 ピカチュウ良くやったと拳を合わせて健闘を称えると「お見事です」とツツジさんは褒めてくれてカナズミジムを制した証であるストーンバッジをオレにくれる。2つ目のジムバッジをゲットする事に成功した、ストーンバッジゲットだぜ。

 

 ホウエンレポート11(デボンコーポレーション アクア団の影)

 

 カナズミシティは広いのでまだ散策出来るところはあるのだと散策していると怪しげな機械を売っているお爺さんがいた。

 なんか何処かで見たことがあるなと思っているとお爺さんが青いバンダナを被った一団に拉致されそうになってたのでピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらい撃退する。

 

「いや、助かったよ」とお礼を言ってくるお爺さん。何処かで見たことがあるなと思っているとセレナが「デボンコーポレーションの社長さんですよね?」という。そうだ、この人はデボンコーポレーションの社長だった。

 喉に引っかかった小骨が取れた感じがしてスッキリとしていると「さっきの青いバンダナはなんだったのかしら?」とセレナは首を傾げる。アクア団だろうな。

 

「君達、見たところポケモントレーナーのようだが」と聞いてくるのでバランスバッジとストーンバッジが入ったバッジケースを見せると「おぉ、そうか!カナズミジムを突破したのか!」と嬉しそうにするツワブキ社長。

 ついてきなさいというので着いていくとデボンコーポレーションに到着し、ジュンサーさんに青いバンダナの一団に襲われた事を報告する……取り逃がしたのは実に痛いな。

 

 デボンコーポレーションの社長がなんであんなところにいたんだろうと疑問に思っているとセレナも同じことを考えていたのか尋ねるので「新しい商品を開発するには開発室に引きこもっていても仕方がないからね」と新商品開発のインスピレーションを得るためにいた事を教えてくれる。普通、そういうのは開発部の担当かなんかじゃないのか?大きな会社の社長なのにそんな事をしてもいいのだろうか。謎である。

 

「君達、ムロジムに行くつもりはないかね?」というので次の行き先はムロジムだと決めていた事を告げるとそれは良かったとプレゼント箱を取り出す。「ムロジムがあるムロ島に私の息子であるダイゴがいるのだが、コレを届けてはくれないか?」とおつかいを頼まれる。

 別に面倒なおつかいでもなんでもないのでいいですよと引き受けると「コレは助けてくれたお礼とおつかいに行ってくれるお礼だ」と最新型のポケナビをくれる。ポケナビ欲しかったんだ、よっしゃ。

 

 ダイゴさんにも会ってみたいし、このおつかいは引き受けて損は1つもない。

 しかしダイゴさんにおつかいなんてなにを渡すつもりなんだと思っているとジリリとベルが鳴り響く。何事かと思っていると貴重な船のパーツの設計図を盗まれたらしく企業スパイ的なのが居たのかと思いつつも船のパーツの設計図を盗んだ奴に会いに行くとさっきの青いバンダナだった。

 

 さっきぶりだなこのやろう。青いバンダナはシザリガーを出してくるのでオレは電撃を浴びせる。

 ポケモンを使ってくると思ったか?生憎だが、こっちはリアルファイトは大得意なんだよと【エレキパンチ】とシザリガーに電撃を浴びせて撃退すると青いバンダナの男を捕まえる。マサラ人を前にして悪事を働くとは愚かな事だ。

 

 船のパーツの設計図を取り返す事が出来てホッとしているとツワブキ社長は「また助けられてしまったね」と言ってくる。「コレぐらいは日常茶飯事なんで問題無いですよ」と笑う……オレの日常、非日常過ぎるな。とりあえず青いバンダナの男……アクア団を捕獲する事が出来たのでジュンサーさんに突き出す……いやぁ、いいことをした時は心地良い。

 

 ホウエンレポート12(秘剣つばめがえし)

 

 次の行き先を決めたのでさっさと行こうとムロ島行きの船に乗る。

 ムロジムはどんなジムなのかは事前に頭に入っている。とりあえずスバメが活躍する場所だとスバメに【つばめがえし】を覚えさせる。原作知識があるから【つばめがえし】をどうやったら覚えさせる事が出来るのか分かるのは非常に便利だ。

 

 ユウキ達はどうしているのだろうかと思いつつも【つばめがえし】を覚えさせる。そういえばキモリも【つばめがえし】を覚える事が出来たなとついでにキモリにも【つばめがえし】を覚えさせる。キモリの【つばめがえし】はスバメの【つばめがえし】と覚え方は違うが使いこなせる事が出来る様になれば武器になる。

 

 キモリの【つばめがえし】は2撃必中の攻撃で回避不能だ。

【エナジーボール】の時と異なりコツを掴むのが中々に出来ないので竹刀を借りてきて燕返しを見せる。魔剣と呼ばれるだけあって滅茶苦茶強いぞ燕返し。ついでだからキモリと勝負を挑む。オレは当然回避不能な燕返しを撃つ。

 

 波動で探知して動きを先読みしているのでキモリのすばしっこい攻撃には対応する事が出来る。

 キモリは【アイアンテール】を撃ってくるので大地斬で対抗すると竹刀がオレの力に耐え切る事が出来ずに折れてしまう。キモリは『キャモキャーモ』と挑発をしてくるので電撃を浴びせるのだが電撃を真正面から受け止めるキモリ。

 

 オレの電撃を真正面から受け止めるとは中々にやるなと思いつつ、電撃を身に纏わせて飛び蹴りをくらわせる。

 マッハに近い速さでの飛び蹴りはさぞ効いただろうと思っているとキモリは負けじと立ち上がり吠えて……眩い光に身を包む。お、コレはもしかしてと思っているとキモリはジュプトルに進化をした。進化するの早いな〜アニメだと大分先だった気もするが……まぁ、進化してくれてなによりだ。

 

 ジュプトルに進化してもクールな性格は相変わらずで枝を口に咥える。

 新しい技を覚えたんだと言わんばかりに【リーフブレード】で攻撃してくるので白刃取りで【リーフブレード】を受け止めて蹴りを叩き込んで空中に浮かせて電撃を浴びせる。空中だと電気を地面に流すことは出来ないだろう。

 

 進化しても早々に勝ち星は譲らないぞ。まぁ、進化をしてくれただけでもありがたい事だ。

 木製のトンファーを借りてきてジュプトルの【リーフブレード】の特訓をする。ジュプトルの【リーフブレード】は近距離戦のメインウェポンとなる武器だ。精度を上げておいては損は無いとジュプトルを相手にトンファーで挑む。

 

 スバメの【つばめがえし】の方も忘れてはいない。なんとかそれっぽい形にまでは覚える事が出来たので順調に成長していっている。

 次のジム戦もまた2体で挑まないといけないのでどうしたものかと考えているとラティアスが自分を出してと甘えてくる。スバメやジュプトルにばかり目が向きがちだった為に自分を構ってくれない事に嫉妬している。

 

 甘えん坊だな、ラティアスは。

 カノンの姿に【へんしん】するのだがそれは色々とまずいと言えばセレナの姿をコピーする……もしかしてラティアス、他の人にも化ける事が出来るんじゃないだろうか?ちょっと気になったのでジョーイさんに化けてみてくれと言えばジョーイさんに化けた。

 

 ラティアスの時点で珍しいのに、人の姿をコピーする事が出来るのは面白い。

 他にも色々と化ける事が出来るのかと試してみると色々な姿に化ける事が出来ることが判明した……ラティアス的にはカノンがお気に入りの様だが頑張れば色々な女性に化ける事が出来る……まぁ、だからといってそれが何だという話なんだけども。

 

 色々とボインな女性に化ける事をしてくれたけどもなんだかんだでセレナ一筋なオレはラティアスに浮気はしない。

 ボイン好きなのが分かったのかラティアスはボインな女性に化けて甘えてくるがセレナ一筋なオレには効果は…………多分無い。ポケモンの筈なのにおっぱいの感触本物なんだよ……柔らかいって最高である。

 

 とりあえずラティアスとのコミュニケーションも大事にしておく。次のジム戦はスバメとラティアスで挑むつもりだ……明日にはムロ島に辿り着く。ツワブキ社長に頼まれたおつかいも熟しておかないといけないので意外と忙しい。けどまぁ、充実した旅を送る事が出来ている。辛いこともないわけじゃないけども楽しいよ、今の人生は。




 


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ダイゴさん 大誤算

 ホウエンレポート13(サーファーさー)

 

 ムロ島に辿り着いたのでポケモン達の健康診断をした後にムロジムに向かった。

 3番目のジムは対策バッチリだぜとムロジムのドアを開けようと思ったらムロジムのドアが開いた。ぶつかると危ないので即座に回避すると中からサーフボードを持った人達が大勢出てきた。

 

「すみません、ムロジムに挑戦しに来たんですけど」といえばジムリーダーであるトウキさんが「ジム戦?悪いんだけど今日はビックウェーブの予感なんだ、明日にしてくれ」と言ってくる。サーフィンを楽しむのは構わないけどもジム戦を受けてくれないのは少しだけ困る。

 とはいえ明日にはジム戦を引き受けてくれると約束はしてもらった。ムロ島はサーファー達にとって最高の場所らしい。

 

 遊びにホウエンにまでやってきているんじゃないが「たまには息抜きしたらどうかしら?」とセレナは提案する。

 明日にジム戦を控えているのに遊んでいられるかと言いたいがここは海辺、遊ぶには最適だと水着に着替える。たまには羽を伸ばしておかないといけない。ガス抜きは適度に行っておかないと破裂してしまう。しすぎると萎んでしまうけど。

 

 セレナも水着に着替えてさぁ、遊ぼうとポケモン達をボールから出す。

 今日はオフだから思う存分に遊ぼうぜと言えばジュプトルは『ジュ』と砂浜の上に寝転ぶ。クールに気取ってるな。もうちょっと純粋に遊んでもいいんだぞ。

 

 セレナのリザードンとテールナーは砂浜で遊ぶ。ドンカラスもジュプトルと同様に砂浜の上で寝転び優雅に涼んでいる。

 クールになってるなと思っているとクリスタルのイワークにセレナは乗って海を泳ぐ。ポケモン乗るのって地味に楽しい事である。ピカチュウもサーフボードを作り出して器用に【なみのり】をしている。

 

 ガス抜きをして良かったと思っていると「ヘイ!そこのナイスなガールって……なんだお前等か」とアロハに身を包みウクレレを持ったユウキがナンパをしてきた。お前何やってんだよと白けた視線を向けていると「コレは僕の大事な行いなんだよ」と真剣な目で語る。

「綺麗なコブが着いていない女性をナンパして遊んでくださいと言う……こんな世界だ、ナンパは楽しいぞ」と語るユウキ。お前ホントに○○かと疑いたくなる。

 

「ユウキ、なに遊んでるの!」とハルカがケムッソを抱えてやってくる。

 ケムッソゲットしたんだなと思っていると「サトシ、私とバトルをしてくれないかしら?」とオレにポケモンバトルを挑んでくる。今日は完全に遊ぶつもりだったんだがな。ハルカは早くケムッソをアゲハントに進化させたいらしくユウキを相手に特訓している。ポケモンコーディネーターの道を歩むことを決めたらしく、どうしてもアゲハントが欲しいらしい。

 

「やれやれ節操無いなぁ……折角の海辺なんだからもうちょっと楽しまないといけないよ」とウクレレを弾くユウキ。「ユウキがナンパをせずにバトルしてくれたらいいじゃない」と言われればなにも言い返せない。

「ハルカちゃん、ケムッソを早くアゲハントにしたい気持ちは分かるけど焦りは禁物だよ。相手を見て物を言った方がいい……サトシは強いよ」とオレを褒めてるのかハルカを注意しているのかよくわからないアドバイスを送る。

 

 バトルを挑まれたのならば答えるのがポケモントレーナーだ。

 砂浜で優雅に涼んでいたジュプトルを起こしてバトルだといえばジュプトルは起き上がりやる気を見せる。ユウキは「もうジュプトルに進化させたのか?」と驚いていた。原作だともう少し後だからな、キモリがジュプトルになるの。

 

 ジュプトルvsケムッソとなりジュプトルは【つばめがえし】を決めるとあっさりと決着がついた。「そんな」と開いた口が塞がらないハルカ。「だから言ったでしょうが」とユウキは呆れているがモンスターボールを手に取る。「今度は僕の番だ、使用ポケモン3体でバトルをしようよ」とユウキはカッコつける。敵討ちってか。

 

 交代無しの3体のポケモンバトルなので先ずはスバメで行けばココドラが出てきた。

 ココドラなんて何時の間にゲットしたんだと思ったがここがムロ島なのを思い出す。ムロ島にココドラは生息している、遊んでいる様に見えてもしっかりと基礎を鍛えているな。ココドラは【がんせきふうじ】でスバメの四方を囲むのでスバメは【はがねのつばさ】を使い硬質化した翼でその場を切り抜けてココドラに向かう。

 

 至近距離に近付けば【アイアンヘッド】で攻撃してきた。近距離中距離の攻撃はちゃんとしている……やっぱり○○だな。

 ユウキに関心しつつもどうやって倒そうか考える。ユウキのココドラは実に鍛えられているが……まだそう簡単に負けはくれてやらねえ。【はがねのつばさ】で突撃しココドラに的確にダメージを与えていく。

 

 ココドラはまだ空を飛ぶことが出来るポケモンとの戦闘経験が少ないな。

【はがねのつばさ】でココドラを突き飛ばすとココドラは戦闘不能になり、ユウキは次のポケモン、ラルトスを出す。ラルトスならばさっきより相手をしやすいと【つばめがえし】で攻めに行く。

 

 まだ未完成の【つばめがえし】だが流石はオレのスバメか【つばめがえし】を殆ど物にしている。

 ラルトスは【ねんりき】でスバメの動きを封じようとするがスバメは根性を見せてくれて【ねんりき】を振り切って【つばめがえし】を決める。ラルトスもコレには勝てずに戦闘不能になる。

 

「どうした、そんなものか?」と煽ると「ナメるなよ」とワカシャモを出す。

 オダマキ博士から貰ったアチャモを育て上げたが相性の上ではこちらが有利だと【つばめがえし】で攻撃すると【ニトロチャージ】でぶつかってきた。【つばめがえし】が回避不能な技ならば自分からあえて当たりに行く……考えたな。

 

【ニトロチャージ】を一回積むことにより素早さを1段階上昇するワカシャモ。ならばと【かげぶんしん】で分身体を作り出して翻弄するのだがユウキのワカシャモは止まらない。【ニトロチャージ】でギアを更に上げてきた。【ニトロチャージ】を何度も何度も使うことで気付けばあっという間にスバメの素早さを上回り【にどげり】を叩き込み、スバメは戦闘不能になった。

 

 あの素早さに追い付くには並大抵のポケモンじゃ無理だな。

 相性よりも素早さを優先しようとジュプトルを出す。「そう来ると思ってたよ」と【ニトロチャージ】で攻めてくる。炎を体に纏っているからか触れるのは難しい。ジュプトルは回避するが直ぐに切り替えして来てワカシャモに突き飛ばされる。

 

 コレはちょっと厳しいと【リーフブレード】で攻めるとワカシャモは回避して背後に回り込む。

 素早さを積む系の技をジュプトルは覚えていないのでワカシャモの【ひのこ】が命中する。ジュプトルは苦しそうな顔を浮かべるがまだ戦えると追撃の【リーフブレード】を撃って来てワカシャモに攻撃を当てる。

 

 攻撃を当てる事に成功し、内心ガッツポーズを取る。ジュプトルの攻撃が決してワカシャモに届かないわけじゃないんだ。

 追撃の【リーフブレード】を乱打していくが【くさ】タイプの技なのでダメージが浅い。【つばめがえし】を叩き込むとワカシャモは苦しそうな顔を浮かべており、コレはやったぞと思う。

 

 ワカシャモは連続で【ニトロチャージ】を撃ってくる。

 ジュプトルは距離を開けて【エナジーボール】を叩き込むのだが【ニトロチャージ】で突撃してくるワカシャモを止める事は出来ずにワカシャモに突き飛ばされて戦闘不能になる。

 

 男子3日会わざればなんとやらだな。ユウキの段違いの成長速度に驚きつつも3体目のポケモン、ラティアスを出す。

「ここでラティアスとかありかよ!?」と言うので「悔しかったらお前も捕まえてみろ」と返す。ジョーイさんやプラターヌ博士の助手ニキがゲットする事に成功してるんだからお前もワンチャンあるぞ。

 

 ワカシャモは【ニトロチャージ】で突撃してくるので【なみのり】を撃つ。

 素早く動くことが出来たとしても広範囲に及ぶ波状攻撃は回避出来まいと【なみのり】で飲み込むとワカシャモは戦闘不能になった。あっさりと倒すことが出来た

 

「やっぱ準伝説は卑怯じゃないか?」というので「レートじゃ禁止級すらもズラリと並んでるんだ。コレぐらい普通だろう」と返しておく。悔しければお前も捕まえてみればいいといえばあっさりとユウキは黙った。

 

「いやぁ、サトシはホントに強いなぁ……こりゃ気を引き締め直さないとな」とウクレレを弾くユウキ。「先ずはムロジムのジムバッジをゲットしないとね」とここでまだユウキがムロジムのジムバッジをゲットしていない事が判明した。

「まだ挑んでないのか?」と意外そうにしていると「トウキさん強いからね。勝つ算段が無いバトルはあんまりしたくないよ、ポケモンバトルは勝ってなんぼのところがあるし」とラルトスが入っているモンスターボールを見つめる。

 

 成るほど、ラルトスをキルリアに進化させてからムロジムに挑みに行くのか。

 なんだかんだと馬鹿をやりつつも真剣に考えているんだと思えば「女の子、ナンパしてくる」と遊びに行った……真剣なのかそうでないのかイマイチ分かりづらいな。ハルカはそんなユウキに白い目を向けているが当の本人は然程気にしていない。

 

 ホウエンレポート14(ムロジム ジム戦)

 

 1日経過したので約束通りムロジムに挑戦に来た。昨日遊んでユウキとポケモンバトルをしたのがいい感じのリフレッシュになった。

 約束通りジム戦を受けてもらいますよと言えば「もちろんだよ」とモンスターボールを構えてくれる。

 

「使用ポケモン2体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみ可能です」と審判が今回のジム戦について説明をするとジム戦が開幕する。トウキさんはワンリキーを、オレはスバメを出す。試合開始の合図が告げられると今回は搦手で行こうと【かげぶんしん】で分身体を作り出し、ワンリキーを中心に円形に囲む。

 

 普通に真正面から突撃してくると思ったのか意外そうな顔をするトウキさん。オレは脳筋じゃなく計算できる脳筋なんだよ。

 どれが本物かと周りをキョロキョロとするワンリキー。「落ち着け、攻撃するタイミングを狙うんだ」と言うので一度に同時に突撃するのでなく時間差突撃だと【つばめがえし】で突撃していくのでタイミングを上手く使う事が出来ずに【つばめがえし】が命中する。

 

【つばめがえし】を完全に物にしたなと思っているとワンリキーは【きあいだめ】で気合を溜める。ならばもう一度だと【かげぶんしん】で分身するとワンリキーは目を閉じる。心眼で何処にスバメが潜んでいるのか見抜くつもりだろうがオレのスバメの気配はそう安々と見抜くことは出来ないぞともう一度【つばめがえし】を決めるのだがワンリキーは【からてチョップ】でスバメを叩く。

 

 ダメージを負ったがワンリキーを倒す事が出来た。良かったとホッとしているとトウキさんは次のポケモンを、マクノシタを出す。

 マクノシタは【つっぱり】を撃ってくるのでスバメはマクノシタが届かない高さに飛んで回避する。さて、ここからどうしよう。オレのスバメは【ばくおんぱ】を覚えていない。遠くから放つタイプの技を持っていない。

 

【かげぶんしん】以外は変化系の技も無いのでここは行くしかないと【つばめがえし】を決めに行くとマクノシタに命中する。

 これはいい感じに勝負が流れていっていると思っているとマクノシタが眩い光に包まれ……マクノシタはハリテヤマに進化を果たした。ここに来ての進化か。進化1つで勝負の流れが大きく切り替わるから要注意だ。

 

 スバメに【つばめがえし】を撃ってもらうとハリテヤマは【つばめがえし】が何処から来るか見抜いてスバメの嘴を真剣白刃取りした。

 素早さやタイミングが完璧に決まっていたのに受け止めるなんてと思っているとスバメに【ちきゅうなげ】を決めるとスバメは戦闘不能になる。進化した事でパワーが一気に上がった……勢いに乗られたら困るとラティアスを出す。

 

「ラティアスだって!?」とラティアスを見て驚くトウキさん。

 この程度で驚いてもらっては困ると【サイコキネシス】を使いハリテヤマの体を浮かせる。ハリテヤマはジタバタして藻掻くのだがラティアスの【サイコキネシス】は強力な物で簡単に振り払う事は出来ない。ハリテヤマは【サイコキネシス】に吹き飛ばされてトウキさんの元に向かうが直ぐに立ち上がる。

 

 中々にしぶといが勝利の道筋は見えてきている。もう一度【サイコキネシス】を撃つのだが今度は【サイコキネシス】を振り切り【つっぱり】を撃ってくる。しかしラティアスには効果はいまひとつだ。ラティアスは【つっぱり】を回避すべく後退して空を飛んで回避すると【りゅうのはどう】をぶつける。

 

 ハリテヤマは近距離接触系の技しか使うことが出来ない。

 一定の距離を保ちさえすれば勝つことが出来ると【サイコキネシス】でハリテヤマの体を浮かせると手足をバタバタと動かしてハリテヤマは藻掻くのだがラティアスの【サイコキネシス】を突破する事は出来ずに吹き飛ばされて……戦闘不能に陥る。

 

 よーし、コレで勝つことが出来たとラティアスとハイタッチをする。

 マクノシタがハリテヤマに進化をした時はヒヤヒヤとしたものだが結果だけを見ればラティアスが圧倒してくれた。準伝説のポケモンは強い……う〜ん、なんだかんだで3つ目のバッジをゲットする事が出来たけどもユウキの奴は今度からマクノシタじゃなくてハリテヤマを相手にするんだよな……ドンマイ。

 

 ホウエンレポート15(大誤算 ダイゴさん)

 

 石の洞窟にダイゴさんが居るというので向かってみるのだが石の洞窟は迷宮になっていた。

 ユウキの奴は此処でココドラをゲットしたんだなと思いつつも波動の探知能力を発揮して石の洞窟内を歩く。ポケナビもポケギアも通じない場所だからこういう時波動の力は便利である。

 

 石の洞窟内を進んでいくとダイゴさんに会う事が出来たけどもダイゴさん既に鈴村ボイスだった。この頃は鈴村ボイスじゃない様な気もするが……まぁ、いいか。とりあえずデボンコーポレーションから預かった荷物を渡すと「もう完成したのかい!?」と驚いていた。

 中身何だったんだろうと預かった荷物もとい箱をダイゴさんが開けるとメガラペルピンが出てきた。「それってもしかして」と呟けば「知っているのかい?さらなる進化、メガシンカを」と言うのでジュカインナイトを見せる。

 

「君も持っていたのか!?」と驚く。なんだったらセレナも持っているぞと剥き出しのキーストーンを見せる。「それは大変貴重な石なんだ。そのままの状態なのは勿体無いよ」と言う。コレもまたメガリングとかメガバンクル的な物にしないのかと勧めてくれる。オレは……どうしようか。このまま原作通りに行けばメガグローブをゲットする事が出来たんだがな……

 

 それはさておき「早速このメガラペルピンを試してみたい」というので「オレとバトルしてください」と言えばバトルを承諾してくれる。

 ダイゴさんが出したのは色違いのメタグロス、右前足にメタグロスナイトを装備している。チャンピオンとバトルなんて早々に出来ないとレベルが一番高いピカチュウで挑む。

 

 メタグロスは【こうそくいどう】で移動してピカチュウを撹乱する。

 ピカチュウは右を見て左を見てどうすればいいのか戸惑っているので「慌てるな!攻撃の瞬間に動きは止まる」と言えばピカチュウはキョロキョロするのを止めるとメタグロスは【サイコキネシス】を撃ってくるのでカウンターシールドの【10まんボルト】を放ち【サイコキネシス】の射程範囲外にまで距離を開きつつ【10まんボルト】を浴びせる。

 

「【10まんボルト】にこんな使い道があるなんて……面白い事をするじゃないか」と「遊び感覚で倒せるその辺の雑魚じゃないと認識してくれましたか?」と言うのでダイゴさんは笑みを浮かべる。

 オレをそこらのトレーナーと違うという認識をしてくれたのでダイゴさんはメガラペルピンに口づけをする「石のキラメキ、絆となれ!」とメタグロスをメガメタグロスにメガシンカさせた。

 

 やっと本気を出させる事が出来たなと思っていると【コメットパンチ】で襲ってくる。【こうそくいどう】を積んでいたから動き出しが早い、ピカチュウは寸でのところで回避する。あんなのまともにくらったらピカチュウでも戦闘不能になるかひんし寸前に追い詰められる。

 どうにか回避する事が出来たのだがここからどうする?カウンターシールドでの【10まんボルト】を使ってもメガメタグロスはゴリ押しで突撃してくるしかない……なら狙うのはカウンターだな。

 

 もう一度【コメットパンチ】で突撃してくるメガメタグロス。

 ピカチュウに飛んでもらって回避しつつメガメタグロスの頭の上に乗る。体の構造上メガメタグロスもメタグロスも頭の上に乗られればブンブン回して振り解くしかない。現にメガメタグロスは体をブンブン揺れ動かしてピカチュウを落とそうとしたがピカチュウはしがみついて落ちない。コレで決まりだと【10まんボルト】を浴びせるのだが流石はチャンピオンのポケモン、そう簡単には落ちない。

 

 ピカチュウは続けて【10まんボルト】を浴びせていくのだがメガメタグロスは電撃に馴れたのか逆さまにひっくり返り体をブンブン振り回すと流石のピカチュウもしがみつく事が出来ずに振り落とされ【コメットパンチ】をくらいピカチュウは戦闘不能になった。

 強い……四天王のシバを相手にした際にはなんとか引き分けに持ち込めた。あれから必死になって鍛え上げたが……チャンピオンはまだまだ遠いか。

 

 超えなければならない相手の強さを実感した。絶対に超える事が出来ない壁でない事は分かった、次は引き分けにでも持ち込んでみせる。

 ここのところ順調に行っていたのでこの負けは堪えるものがあるが決して悪い気分ではない……けど、負けた事はとても悔しい。あ〜くそ、負けて当然の相手だからケンタの時と違って涙を流さないけども……クソっ、もうちょっといいところを見せたかったな。

 

「いいバトルをありがとう」と握手を求めてくるダイゴさん。その握手に答えるのだがやっぱり悔しいものは悔しい……だが何時までもウジウジしているのは男らしくないので気を持ち直してダイゴさんに「何処でダンバルがゲットできるんですか?」と言えば「ダンバルが欲しいのかい?」と言う……そりゃ欲しいに決まってるだろう。ユウキの奴はココドラをゲットしていたしオレも手持ちを、戦力を補強しておかないといけない。

 

「君ならきっと使いこなす事が出来るよ」とダイゴさんはモンスターボールをオレに渡した。もしかしてと思いモンスターボールを開くと通常の色のダンバルが入っていた。いきなり過ぎるし貰えないと言えば「僕が持っていても意味は無い、君ならきっと使いこなせる」とダンバルを勧めてくれる。チャンピオン推薦のポケモンならばきっととてつもないポテンシャルを秘めているだろう。

 

 まさかこんな形でダンバルをゲットするとは思いもしなかった。

「ダンバルのままだと【とっしん】ぐらいしか使えないからね。進化させたいならこのムロ島で鍛えるといい。ムロ島の自然は修行に持って来いだ」とアドバイスを送ってもらうとダイゴさんは石の発掘に向かった。

 

 こんな形でダンバルをゲットする事が出来るとは……ダイゴさんだけに大誤算だ……上手くねえか。




 


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ムロ島巡り

 ホウエンレポート16(ミズゴロウ養殖場)

 

 次のジムがあるキンセツシティに向かう前にこのムロ島をもうちょっと巡る事に。

 ダンバルがダンバルのままなのは地味にキツい、早いところメタングに進化させておかないと使い物にならない。このムロ島は自然豊かでポケモンを鍛えるには丁度いいのである。幸いにも次のポケモンコンテストまでまだ時間があるし、島を巡るのには丁度いい。

 

 何処かに野生のポケモンは居ないのかと歩き回っていると滝を見つける。

 こんなところに滝かとセレナを背負って滝がある崖の上を登り、進んでいくとなんとミズゴロウがいた。水系のポケモンはまだ持っていないしコレはチャンスだと思いピカチュウに出てもらうと別のミズゴロウが割り込んできた。

 

 別のミズゴロウの方が大きいし強そうだなと思っていると「ここでなにをしておる!!」とミズゴロウそっくりの爺さんが現れる。

 何をしてると言われればミズゴロウをゲットしようとしていると答えれば「密猟者め!」という。オレの何処が密猟者ってんだよ。「立て札が見えなかったのか?」と聞いてくるのでなんのこっちゃと首を傾げる。

 

 ヌマタの爺さん、略してヌマ爺は此処でミズゴロウの養殖をしている。

 ポケモンリーグ協会からミズゴロウのタマゴを受け取り、ミズゴロウに孵化させて初心者用のポケモンになるまである程度育てる仕事をしているらしい。「初心者用のポケモンが何処から来ているのか疑問に思ったことはないかね?」……オーキド博士やウツギ博士も似たような事をしている業者からポケモンを受け取っているとのこと……ヒトカゲを育てる業者が居るんだな……メタモンで孕ませてるんですね、鬼畜です。

 

 因みにだがオダマキ博士はヌマ爺からミズゴロウを受け取っていない。タマゴを入荷して自前で育てているらしい。じゃあ、ユウキの【かそく】アチャモはどっから出てきたのか聞けば偶然に紛れ込んだ可能性のあるアチャモとのこと……う〜ん、ミラクル。セレナのテールナーも何処かの業者が養殖したもので……オレのピカチュウは全くのイレギュラーである。野生の人に慣れていないピカチュウである。

 

 此処でミズゴロウ達の育成をしておるとついでなのでヌマ爺がミズゴロウを育てるところを見ておく。

 やっぱりミズゴロウは良いよなと思っていると先程のここのミズゴロウよりも一回り大きなミズゴロウが現れる。オレ達を警戒している様だがヌマ爺が「その子達は大丈夫じゃよ」といえば警戒心を解いてくれる。

 

「このミズゴロウ、もう充分に育ってるんじゃないかしら?」とセレナは言う。「このミズゴロウはワシが孵したミズゴロウじゃない、何処かから紛れ込んだ野生のミズゴロウなんじゃよ」とヌマ爺は教えてくれる……御三家って基本的には生息地不明で何処に居るのかが分からない珍しいポケモンで……う〜ん、珍しい。

 

 なんとかしてミズゴロウを貰えないだろうかと色々と考えていると1体のミズゴロウが川で溺れていた。

【みず】タイプなのに泳げないのかと思っていると一回り大きなミズゴロウが助けに行くのだが、このままだと滝に流されそうだったので水の上を走って2体をキャッチ、直ぐに川辺に戻った。まだ泳ぐことに馴れていないのでしっかりしろよと釘を刺しておく。

 

 一回り大きなミズゴロウはオレにお礼を言ってくる。別にお礼を言われるほどの事じゃないのだがコレはもしやチャンスかもとモンスターボールを取り出す。「【みず】タイプのポケモン募集中なんだよ。お前さえ良ければオレと一緒にポケモンバトルで頂点を目指さないか?」とスカウトをしてみるとミズゴロウはチラリと自分よりも小さなミズゴロウ達を見る。

 

「お前さんの道だ、好きにすればいい」とヌマ爺はミズゴロウゲットを止めようとはしない。

 小さなミズゴロウ達もミズゴロウを後押ししてくれてミズゴロウはコクリと頷くとモンスターボールの開閉スイッチに触れてボールの中に入った……念願の初の水の御三家をゲットする事に成功した。

 

 オレ、運がいいのか悪いのかは分からないけども水系のポケモンのゲットが色々とアレなんだよな。

 ミズゴロウをゲットする事に成功したので大きくガッツポーズを取る……やべ、ダンバル鍛えるの忘れていた。

 

 ホウエンレポート17(再会 オダマキ博士)

 

 さぁ、今日はポケモンを鍛えるぞとやる気を出していると偶然にもオダマキ博士と再会する。お久しぶりですと頭を下げておく。

 オダマキ博士はフィールドワークの為にムロ島にやってきていたらしく「ユウキはどうだい?」と聞いてくるので「ムロジムに向けて絶賛特訓中ですよ」と答える。我が子の旅が順調に進んでいる事をオダマキ博士は我が事の様に喜んでいた。

 

 ムロ島で修行をするならば洞窟がいいと教えてくれるオダマキ博士。

 ついでだから一緒にフィールドワークをしようとなり、オダマキ博士は洞窟に住むポケモン達の生態系を調べようとしていると明らかな人工物を発見する。コレは【ひみつのちから】で作り上げた秘密基地だ。

 

 ここには人の手が加わっていると別の洞窟を探す事にしたのだが後ろからマグマ団が現れたじゃありませんか。

 何だこのやろうと思っていると秘密基地の主である少年を秘密基地から追い払い、秘密基地を強奪し……大きな装置で洞窟を掘り進んでいった。このムロ島にはなんの秘密も無い……さてどうするか。前回と違いマグマ団は犯罪行為を行っていない、物理的にノックアウトさせるぐらいに締め上げておくかと考えつつ奥に進んでいくと水辺に出る。

 

 コレはと思っていると水の中から青いバンダナの一団、アクア団が出てくる。

 マグマ団とアクア団が会合しており一触即発な空気が流れており幹部と思わしきアクア団の女性とマグマ団の男がグラエナを出して戦いだす。狙うならば今しかないとピカチュウに【10まんボルト】をマグマ団とアクア団に浴びせて撃退するのだが今回は逃げられてしまった……まぁ、いずれは全員ブタ箱にダンクシュートする予定なのでなんら問題無い。

 

 秘密基地の主であるカズキは秘密基地を取り返して貰った事に感謝してくれる。「どうやったら貴方みたいに強くなれるんですか?」と聞いてくるので「知識を身に着けろ」と大雑把なアドバイスを送っておいた。知識は割と大事なのである。

 

 ホウエンレポート18(カラサリスとマユルド、進化の果てに)

 

 オダマキ博士と一緒にフィールドワークをしているとハルカ達と再会をした。

 数日ぶりのハルカ達だなと思っていると「サトシ、勝負よ!」と果敢にオレに挑んでくる。ケムッソをカラサリスに無事に進化をさせる事が出来た様で良かったとホッとする。マユルドになる可能性もあったんだよな。

 

 ハルカはオダマキ博士にポケモントレーナーでなくポケモンコーディネーターを目指すことを伝える。オダマキ博士は頑張れと背中を押す。

 ユウキの方は順調なんだろうか?と思っているがユウキは「ノープロブレム」と気楽に答える……まぁ、○○が問題無いと言うのならば問題は無いんだろう。

 

 ハルカとバトルをしようとなったので新しく手持ちに加わったダンバルを出す。

「ダンバルなんて何処でゲットしたんだ?」とユウキは聞いてくるのでダイゴさんから貰った事を教えると羨ましそうな視線を向けてくる。このダンバルはオレのダンバルなので譲るつもりは無いのである。

 

 さぁ、ハルカとバトルだとカラサリスとバトルをするのだがカラサリスは【どくばり】を撃ってくる。それを見てユウキは「あちゃー」と困った顔をしている。ダンバルは【どくばり】を真正面から受けるのだが効かない。ダンバルは【はがね】タイプのポケモン、【どく】タイプの技である【どくばり】は効かない。オダマキ博士が「ダンバルは【はがね】タイプのポケモンだから【どく】タイプの技である【どくばり】は効かないよ!」と教える。

 

 ならばと【たいあたり】を指示する。

 ダンバルは【はがね】タイプのポケモン、【ノーマル】タイプの技である【たいあたり】は効果は薄くましてはカラサリスの【たいあたり】はそんなにパワーは無い。こっちは敢えて受け止める。ダンバルの耐久力をナメるなと【たいあたり】を受け切り【とっしん】で突き飛ばすとカラサリスはあっさりと戦闘不能になる。

 

 まだポケモンバトルの腕はそこそこだな。コンテストはパフォーマンスだけでなくコンテストバトルもある。綺麗に魅せる特訓も大事だけど、ポケモンバトルの腕も磨いておかないといけない。アチャモの方も鍛えておかないとカラサリスだけでコンテストを突破するのは難しいとアドバイスを送っておく。

 

 アゲハントに進化しないと話にならないのでアゲハントに進化した後にどういう感じのパフォーマンスをするのか先に頭の中で組み立てておいた方がいい。オダマキ博士はフリスビーを取り出して「アゲハントに進化したらこのフリスビーを【かぜおこし】で操れる様になるといい」とハルカにフリスビーをプレゼントする。優しいな、オダマキ博士は。

 

 カラサリスをどうにかしてアゲハントに進化をさせようという事になり、やっぱりポケモンバトルをするのが大事だと今度はセレナがポケモンバトルの相手を務めるのだが……セレナが持っているポケモン、カラサリスに対して有利なポケモンばっかなんだよな。ラティオスで挑んでみるが最早ただのイジメである。

 

「おい、セレナがラティオスとかマジか」と聞いてくるユウキ。コレはマジなのである。

 一応は接待バトルなのでラティオスは手加減をしてくれるので良かったとホッとしているとロケット団が現れる。ラティオスとオレのピカチュウを狙いにやってきたようで、ムサシがマユルドの事を「カラサリスちゃん!【どくばり】」とマユルドをカラサリスと勘違いをしている。

 

「君のそれはカラサリスじゃなくてマユルドだよ」とオダマキ博士は言うが「何処からどう見てもカラサリスじゃない!」と言っては聞かない。一応の為にポケモン図鑑を開いてみるとマユルドだった。色がピンク色だしマユルドなんだろうな。

 ロケット団と初会合するハルカは「誰なの?」と首を傾げている。とりあえず悪い奴である事には変わりはない。悪い奴だと分かると倒す事になり、オレはミズゴロウを出すとコジロウがサボネアを出してきて【ミサイルばり】を飛ばしてくる

 

「カラサリス【かたくなる】」と飛んでくる【ミサイルばり】を受けきるハルカのカラサリス。

 こっちは色々と準備出来ていると【みずてっぽう】をサボネアに浴びせて押し飛ばす、いい感じの傾向でコレならばと思っているとカラサリスは眩い光に包まれ……アゲハントに進化を果たした。

 

 おお、ここに来てのアゲハントに進化かと思っていると「なんであんたのカラサリスが進化して私のカラサリスちゃんが進化しないのよ!」とイチャモンをつける。「育て方が悪いんじゃないの?」とハルカも挑発的になるのでムカついたムサシはハブネークを出すのでそれはいけないとミズゴロウに【みずてっぽう】を撃ってもらいフォローをする。

 

 今日はポケモン進化のバーゲンセールかとハブネークを【みずてっぽう】で倒していると今度はマユルドが眩い光に身を包んだのだがニャースが布でマユルドを覆う。何をしているんだと思えばアゲハントの翼っぽい物を腕に着けて『ふりーふりー』と腕を大きく扇ぐ……何やってんだとミズゴロウに【みずてっぽう】を撃ってもらいニャースを吹き飛ばし、布を取り払うとそこにはドクケイルがいた。

 

「え……え……ケムッソがカラサリスになってドクケイルに……」と目を細めているムサシ。ニャースとコジロウはムサシがキレるかもと怯えており「だからカラサリスじゃなくてマユルドだっつってんだろう」と言っておく。

 ポカーンと開いた口が塞がらないムサシだが「ドクケイル、可愛いじゃない!」と目を輝かせる。ドクケイルの何処が可愛いんだろう……う〜ん、謎である。

 

 バーゲンセールの如くポケモン達が進化していった。

 この勢いでダンバルもメタングに進化をしねえかなと思っているが流石にそんな都合良くは進化しない。とりあえずはピカチュウの【10まんボルト】でロケット団達をやな感じーと吹き飛ばしておく。

 

 カラサリスは無事にアゲハントに進化をした。

 コレで次のポケモンコンテストはバッチリだと思っているとオダマキ博士が「カイナシティでポケモンコンテストが開催されるよ」と次のコンテストの開催地を教えてくれる。「よーし、次はカイナシティよ!」とハルカは気合を入れるが「その前に僕のジム戦が先だからね」とユウキは念を押しておく。

 

 ユウキのジム戦は大丈夫なのか?と聞いてみれば「多分イケると思うよ」と言う。

 多分という事は何%かは負ける可能性があると見ているのか。ユウキの事だからその何%は限りなく可能性が低い……がバトルは水物なのでなにが起きるのか分からないものだ。

 

 出来ればユウキのジム戦を見て行きたかったが明日辺りに台風が直撃しそうなので足止めをくらうと困る。

 ポケモンバトルの訓練になら付き合うぞとユウキとポケモンバトルを挑めばユウキはラルトスを出す……ダンバルは【とっしん】でラルトス目掛けて突っ込む。ラルトスは【ねんりき】でダンバルの動きを止めようとするが【エスパー】タイプでもあるダンバルにはこうかはいまひとつで【ねんりき】を振り払い【とっしん】で激突し突き飛ばす。

 

 ユウキのラルトスの【ねんりき】は弱くはない、だが強くもない。

 後もう少しだと思っているとラルトスは眩い光に身を包みキルリアに進化を果たした……ホント今日はポケモンがポンポンと進化するよな。キルリアに進化をした事により新しい技を覚えたと【シャドーボール】をキルリアはダンバルにぶつけ、ダンバルを戦闘不能にする。

 

 やっぱりラルトスからキルリアに進化したら一段と強くなっているな。

 この負けは悔しいけども経験しておいていい負けだとダンバルをボールに戻す。「コレで多分勝てるじゃなくて勝つことが出来るに変わった」と確かな自信を得るユウキ。負けはしたものの良いことをしたので気持ちいい。

 

 ハルカのカラサリスはアゲハントに、ユウキのラルトスはキルリアに進化をした。

 コレでどっちも大丈夫だと思いつつムロ島を後にする。オダマキ博士もムロ島を後にし、ミシロタウンに向かう。オレ達はカイナシティを目指す。明日はジムリーダーのトウキさんと戦うユウキ。ユウキの事だからなんだかんだと上手い具合に勝つだろう。アイツなんだかんだで強いし。

 

 

 ホウエンレポート19(特訓ポケモンコンテスト)

 

 カイナシティに辿り着いた。3日後にポケモンコンテストが開催されるのでそれに向けて準備をする。

 今回は誰で行くのかセレナに聞いてみればラティオスで行こうと考えているらしくラティオスは【りゅうせいぐん】の練習をしていた……ラティオスの【りゅうせいぐん】って夢も希望も無い。

 

 一方のオレはミズゴロウを鍛えることにした。

 次のジムとそのまた次のジムもミズゴロウの力が必要になる。ミズゴロウの力と言うかヌマクローの力が必要だ。コンテストバトルを兼ねてラティオスを相手に勝負を挑むのだが流石はラティオス、一筋縄じゃいかない強さを秘めている。

 

 キンセツジムまでにはヌマクローに仕上げる。とりあえず【れいとうビーム】を覚えてもらい進化を果たしたらそこから【れいとうパンチ】を覚えさせる。とにかく進化をさせないと……ミズゴロウのままだと意味が無い。

 ダンバルとミズゴロウに指示無しで戦ってもらうがやはりダンバルが【とっしん】しか無いのが痛い。ミズゴロウもそうだがダンバルも早いところ進化させておかないと……課題は山積みだが決して超える事が出来ない壁じゃない。ホウエンリーグでは2体は最終進化系にメタグロスとラグラージになってもらって活躍をしてもらわないと困る……今日は【れいとうビーム】を覚えるきっかけを得たので上々である。




増えろアニポケの二次小説


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右の頬を打たれたら鼻の穴に鼻フックデストロイヤー

 

 ホウエンレポート20(キザったいのはウザったい)

 

 今日もポケモンコンテストの特訓をしようとしていたのだがセレナが野郎共に囲まれていた。

 モテモテだなぁ、と思ったがそうじゃなくてラティオスを交換してくれという無茶な要望だった。セレナは当然ラティオスを交換するつもりは無い。「ラティオスは交換しないわ!」と断言するのだがそれでも交換しろとウザったい。

 

 準伝説のポケモンはホントに厄介だなと思いつつオレは電撃を浴びせて問答無用にボコる。困ったら暴力に頼る、暴力一択だと思うんだ。

 セレナに群がる野郎共を退散させて今日もポケモンコンテストとキンセツジム戦に向けて特訓をしようとなるのだがセレナに色々な視線を向けられている。

 

 ポケモンセンター前で特訓をするのは危険だと直感で感じた。

 オレがラティアス持ってると判明すれば騒ぎは更に大きくなりそうだし、ポケモンセンターの側にあるバトルフィールドでの特訓を中止にして人気の無いところを探す。

 

 カイナシティは遊泳の海がある場所で人気の無いところを探すのに一苦労だ。

 だが、諦めるわけにはいかないとなんとか見つけ出す事が出来たのでホッとしつつラティオスを出す。オレはミズゴロウを出す。ラティオスは【りゅうせいぐん】を撃つ。花火の様に弾ける【りゅうせいぐん】中々に見物だ。

 

【りゅうせいぐん】だけでも充分に強いのだが手を緩めるわけにはいかない。

【れいとうビーム】をあっさりと覚えるラティオスは天才肌……準伝説のポケモンは伊達じゃない。しかし【れいとうビーム】をなにもなしで生かすのは難しいとなりそういえばハルカは道具を使ってのパフォーマンスをしようとしている。

 

 だったらこっちも道具を用いてのパフォーマンスだなとラティオスと相性の良い道具は無いかと模索する。

【かぜおこし】とかは使えないからフリスビーは無理だが何事も試しておかないと分からないのでフリスビーを投擲するとラティオスは【エアスラッシュ】で撃ち落とす。【エアスラッシュ】だからフリスビーを空中で浮かす事は出来ない。【サイコキネシス】なら浮かせる事が出来るがそれだとフリスビーの回転の旨味が無くなってしまう……コンテストってホントに難しい。

 

 ダブルパフォーマンスならばもう少し手を増やせるが困ったものだ。

 ピカチュウに【10まんボルト】のカウンターシールドを見せてラティオスに【10まんボルト】のカウンターシールドをやらせるのだが、なにかが違う気がする。

 

 セレナが行き詰まっているのだがコレはセレナが乗り越えるべき壁なのでアドバイスを送るだけにしておく。

 オレもミズゴロウを早いところヌマクローに進化をさせたい。【れいとうビーム】のきっかけは掴んでいて【こごえるかぜ】を覚えた。順調に育っている。この調子だと【ハイドロポンプ】とか覚えそうだな。

 

 オレの方も行き詰まっているのでちょっとやる事を変えてみる。

【みずのはどう】を撃ち上げて【こごえるかぜ】を撃つと【みずのはどう】は弾けて氷の礫になりその欠片をキラキラと輝かせる。【みず】タイプの技を【こおり】タイプの技で凍らせるコンボは中々に強い。水系でパフォーマンスをするならばコレが鉄板である。

 

 息抜きにパフォーマンスをしてみれば意外と楽しいものである。

 ラティオスも覚えようと思えば【みずのはどう】を覚えることが出来たので真似させてみるかと考えているとセレナがボールをラティオスに向かってシュートするのでラティオスは【サイコキネシス】で弾き返すのだがセレナが居る方向に飛ばずに近くの階段に向かって飛んでいく。

 

 そこには人が居たのでヤベえと思っているとボールを綺麗にキャッチをする。

「すみません、急に」ととりあえず謝っていると「君達、美しくないね」と男は言う。「お前、いきなりなにを言ってるんだ?」と若干苛立つと「君達と君達のポケモンは美しくないんだよ。なんだいその技の使──ふごふぉ!?」と普通にムカついたので鼻フックデストロイヤーを決める。

 

 いいか、他人の容姿弄りはしちゃいけないんだよ。

 太っている人にコミュニケーションでボディタッチしてくる奴が居たりするがアレはやられる側からしたら不愉快極まりないんだ。セレナが綺麗とか褒めるのならばいいが侮辱することは許さねえと鼻の穴に突っ込んだ指を動かしてキザ野郎の体を浮かせる。バラなんて持っててキザったいんだよ。ロイヤルデモンローズでも使うんですか、この野郎。

 

「ほ、ほうりょくにはひるなんて野蛮な」と言う。野蛮で結構、なんせこちとらマサラ人なんだよと電撃をビリビリと放出してキザ男を……シュウの髪の毛をチリヂリにする。

「ブサイクな面を下げてんじゃねえ、ファ○ク、ユー」と鼻フックデストロイヤーの状態で持ち上げたシュウを投げ飛ばす。二本の指の力だけで10歳の人間を持ち上げてぶん投げるオレはホントにマサラ人である。

 

「ここは僕が泊まっているホテルのプライベートビーチなんだ。特訓なら他所でやってくれ」と言う。プライベートビーチならば仕方ない事だとこの場を去ることにするのだがシュウがオレにビビって颯爽と逃げていった。これを機に反省して他人の容姿いじりとかそういうことをしなければいいと思う。

 

 ホウエンレポート21(襲来マグマ団!海の博物館を守れ)

 

 行き詰まっているセレナ。

 なにか前に進むきっかけを与えたいと海の博物館に行かないかと提案すると嬉しそうにする。オレと一緒に行くならば何処でもいいのか。博物館に行くと珍しい石とかが置かれている……流石にキーストーン的なのは無い。

 

 海の神秘的な物に感心していると「あっ!マサラタウンのサトシだ!」と一人の少年が指をさす。オレも有名になったものだと思っていると「決勝戦で負けたんだよな」と傷口に塩を塗る。わざわざオレに声をかけてきたと言う事は死にたいらしいな。

 博物館での展示物の見物もいいがやはりポケモンバトルをしないと調子が出ねえと少年とバトルをし、タマザラシを相手にジュプトルで挑む。

 

 タマザラシは【アイスボール】を発射してくるのでジュプトルは【エナジーボール】をぶつける。

 技同士のタイプ相性もあるのだが【アイスボール】を破る事は出来なかったともう一度【エナジーボール】を撃つと【アイスボール】で対抗してくるのだが【アイスボール】は撃てば撃つ度に威力が増す技で【アイスボール】は【エナジーボール】を撃ち抜きジュプトルにぶつけた。

 

 中々にやるなとジュプトルが無事かどうかを確認するとジュプトルはピンピンしている。

 ジュプトルに素早い接近戦に持ち込むぞと【リーフブレード】で攻める。攻撃しては間合いを開くを繰り返しジュプトルの素早さに翻弄されるタマザラシ。【れいとうビーム】を撃ってくるのだがジュプトルを捕まえる事が出来ずに【リーフブレード】をくらい戦闘不能になった。

 

「人の事を負けただなんだと弄るのはいいがお前はそんなオレに負けたんだぞ」と煽っておく。「やっぱりジョウトリーグ出場はスゴい事なんだ」とオレが凄いトレーナーだと認めてくれる。そうそう、負けたけども決勝戦にまで駒を進めたマサラタウンが誇る実力派エリート、それがオレである。

 

 少しだけ自慢気になっていると「ここにいたのか」と少年もといヨウスケを迎えに来た博物館館長ことクスノキ館長。

「息子がお世話になりました」と頭を下げてくるがそんな大した事はしていないのである。ポケモンバトルをしただけだ。「そうだ、アレを見せてよ!」とヨウスケはクスノキ館長になにかを頼み込む。

 

 息子が世話になったし別に見せて減るものじゃないのでいいかと博物館に舞い戻ると珍しい隕石の欠片を見せてくる。隕石の欠片とは珍しい物だ。いや、そもそもで隕石自体が珍しいもので古代の海底遺跡で見つかったものだなんだと解説をしてもらう。石と言えばダイゴさんを思い出すなと思っていると急に博物館が停電する。

 

 あまりにも急な事で驚いているが直ぐにピカチュウに【フラッシュ】で暗闇を照らしてもらう。

 なんか前にも似たような事があったなと思っていると赤い頭巾の一団が、マグマ団がクスノキ館長が持っている珍しい隕石の欠片を狙いにやってきた。クスノキ館長から無理矢理奪おうとしているので【とびひざげり】と【じごくづき】を叩き込む。

 

 こういう荒事ならば楽に解決出来ると思っていると幹部と思わしき男がグラエナを出してきたのでミズゴロウを出す

【みずてっぽう】をグラエナに叩き込んでいるとミズゴロウは眩い光に身を包みヌマクローに進化を果たした。こんな時に進化をするのかと思いつつ使える技を確認、【マッドショット】を覚えたので早速使ってみるとグラエナは戦闘不能になる。

 

「っちぃ、コイツは予想外だ」と言う幹部の男。

 一時撤退をするつもりだがそうはさせないとモンスターボールからポケモンを全て出してマグマ団幹部に向かってポケモンの技をぶつけてマグマ団を撃退、今回も現行犯なので無事にジュンサーさんに渡してブタ箱にダンクシュート。最近赤い頭巾の団体と青いバンダナの団体をホウエン各地で目撃しているとの事で逮捕の協力感謝しますとビシッと敬礼のポーズを取る。

 

 博物館での一時は実に有意義なものだった。

 ミズゴロウが進化していない事に悩んでいたが、ヌマクローに無事に進化した。コレでキンセツジムもバッチリだ。

 

 ホウエンレポート22(ライバル到着)

 

 ポケモンコンテストとバトルの特訓をどうしようかと悩んでいるとハルカとユウキが現れる。

 カイナシティに来たという事は無事にナックルバッジをゲットする事が出来たんだなと聞いてみれば「凄かったわ。ハリテヤマにキルリアがやられちゃったんだけ──ムゴォ」とハルカの口を閉じるユウキ。「とっておきの存在に関しては出来るだけ秘密にしたいんだ。言わないで」と何やら意味深な事を語る。

 

 どうやらユウキは隠し玉の様な物を持っていてムロジムでそれを出した様だ……何を隠し持っているのかやや気になるのだが、それはホウエンリーグにまで取っておこう……けどやっぱ気になるな。アイツの事だからとんでもない切り札なんだろうが……。

 

 ハルカに明日にポケモンコンテストがあるから早くコンテストに参加登録をとコンテスト会場に向かう。

 今日はポケモンコンテストが開催されないが開催当日には無数の観客達がいる。ポケモンジムと違って周りから見られている感覚と魅せなければならない様だからプレッシャーは半端じゃない。下手したらポケモンリーグよりも過酷な世界だ。

 

「コンテストに向けてポケモンは仕上げてきてるんだよな?」と聞いてみれば「勿論よ!」とアゲハントを見せてくる。

 色といい艶といい問題無し、バッチグーな状態……しかし運が悪いな。今回もセレナが優勝を貰っていく。今回はラティオスのデビュー戦でもあるんだ。マリナとはまた違う毛色のライバル登場でセレナはやる気を出す……ライバルって存在がコーディネーターとしての腕を1つも2つも上げる。ライバルはいいものだ……ケンタは何をしてるんだろう、もうすぐチャンピオンリーグが開催される……優勝出来るだろうか。オレに勝ったんだから優勝してほしいな。

 

 ホウエンレポート23(開催ポケモンコンテスト ハルカコンテストデビュー)

 

 そんなこんなで開幕するポケモンコンテスト・カイナ大会。「ポケモンコンテストはポケモンバトルとは大きく違うが、どう見る?」とユウキの隣に座る。「勝負は水物だからなにが起きるか分からない……まぁ、やれるだけはやってきたつもりだ」と素の状態でマジレスをしてくる。ホントにチャラいキャラとのギャップ差が激しいな。馴れないぞ。

 

 誰か目ぼしい人は居るのかと見ているとミロカロスを使うコーディネーターが、ロバートさんがパフォーマンスをする。

 なにか派手な技をすると思ったのだがミロカロスは完成された美しさを持っていると言いたげに【しんぴのまもり】で光り輝くオーラを纏わせて神秘的な美しさを魅せる。

 

 ロバートさんが頭1つで抜けているなと注目しているとセレナの出番がやってきた。

 セレナはラティオスを出して青色の薔薇をラティオスに向けて投げると【サイコキネシス】で1枚1枚花びらを千切っていく。「【はなびらのまい】の擬似的再現……だと、シュウがあるからマイナスだな」と冷静に語る。シュウがロゼリアで【はなびらのまい】でパフォーマンスしていたからそれと比べてインパクトが無いと思っていると【マジカルフレイム】で螺旋状に並べた花びらを燃やす。

 

 神秘的な炎が渦を巻いて燃えており【めいそう】を積んで輝いているラティオス。

 パフォーマンスは高評価でラティオスのデビューは見事な物で高得点を得る……あれだけ特訓して一次審査落ちは無いだろうな。

 

 セレナのパフォーマンスが無事に終わり、3人ほどパフォーマンスをした後に出てきたのはハルカだった。

 ハルカも今日のこの日に向けてポケモンコンテストの、パフォーマンスの特訓はかなりやっていたのだろうが……場の空気に飲まれかけてアガっていた。昨日、一応はステージがどんなところなのか見に来たのだが……やっぱり無数の観客の視線は厳しいか。

 

「ハルカちゃん、観客なんて魅了しちゃえYO!」とチャラく言えばハルカの表情が変わる……意外といいコンビになってるな。

 やる気を出したハルカはアゲハントを出す。アゲハントに向かってフリスビーを投げ、アゲハントはフリスビーを掴んで投げ返す。【かぜおこし】でフリスビーを浮かすんじゃないのかと見守っているとラリーを続けて最後には【かぜおこし】でフリスビーを操るのだがまだまだ未熟というべきかフリスビーはあらぬ方向に飛んでいくがハルカが華麗に舞ってキャッチする……お前が目立ってどうするんだ。

 

「面白いだろう?念の為に失敗した時のプランBとして覚えさせたんだ」と笑みを浮かべる……お前、ポケモンコンテストでポケモンを魅せなくてどうするんだ。キャンディムサリーナみたいな事を教えるなよ。まぁ、狙ってやっているわけじゃないから別に問題無いんだけども。

 ハルカは【ぎんいろのかぜ】をアゲハントに指示するとアゲハントはグルグルと回転しながら【ぎんいろのかぜ】を撃つ。【ぎんいろのかぜ】を身に纏わせていてアゲハントがキラキラと輝いていた。

 

 ハルカの一次審査のパフォーマンスは見事に成功してジョーイさん達から高得点を得る。得点の計算はしていないけどもアレならば二次審査に進む事が出来るだろう。一次審査は無事に全て終わりハルカとセレナとロバートさんとシュウは一次審査を突破して二次審査に持ち込む。ハルカのコンテストバトルの相手はシュウだった。

 

 二次審査はコンテストバトル……一次審査のパフォーマンスでアゲハントはそれなりに出来ていたがどう来るか。

 シュウvsハルカが開幕戦でハルカはアゲハントに【しびれごな】を指示するのでユウキは「あ〜……」となにかを言いたげな顔をする。粉系の技はシュウのというかロゼリアに通じない。ロゼリアは【どくどく】の猛毒の液体を飛ばして【しびれごな】を飲み込む

 

「嘘、効いてないの!?」と驚くハルカ。ポケモンに関する知識が足りないようでシュウは鼻で笑っている。

「まだ試合は終わってないよ!直ぐに態勢を立て直せ!」真面目な状態でハルカにアドバイスを送るとハルカはハッとなり意識を現実に戻し【ぎんいろのかぜ】を指示するのだがロゼリアは【ぎんいろのかぜ】の上に【あまいかおり】を漂わせる。

 

「ヤバい、ヤバいな」とユウキは焦る。

 ハルカのアゲハントは真正面から【どくどく】を受けて【もうどく】状態になっている。コンテストバトルは時間制限もあるがそれよりも先に【もうどく】がアゲハントに回ってしまう。

 

【ぎんいろのかぜ】で攻めきれないと判断したハルカは【サイコキネシス】を指示するのだが【もうどく】に苦しむアゲハントは【サイコキネシス】を上手く撃つことが出来ない。コレはと思っていると徐々に徐々に地面に舞い降りていくアゲハント。苦しみ上手く動けないアゲハントにチャンスだと【ソーラービーム】をシュウは指示し、【ソーラービーム】発射用意をする。

 

 ここしかチャンスは無いとアゲハントに技を指示するのだがアゲハントは飛ぶことすらままならず……ハルカは【ソーラービーム】をくらう前にアゲハントがKO負けした。「パフォーマンスの腕を磨くのは出来てたけど肝心のバトルが……う〜ん」と率直な感想を呟く。ユウキは「ちょっと行ってくる」とハルカの元に向かった。

 

 今頃はハルカは悔しいとガチ泣きしているだろうな。初のデビュー戦が苦く苦しい結果なのは誰だって辛いことだ。

 オレは行ってこいとユウキの背中を押すとロバートさんとセレナが出てくる。ロバートさんはミロカロス、セレナはラティオスを出す。ミロカロスはラティオスに届きうるポケモンなので油断は出来ないぞ。

 

 ミロカロスは【チャームボイス】を歌う。

 歌にラティオスは苦しむが【10まんボルト】を花火の様に撃ち上げて弾けさせてミロカロスにダメージを与える。いいぞと思っていると【れいとうビーム】で攻撃してくるミロカロス。ラティオスは飛んで回避するが【れいとうビーム】は追いかけてくる。

 

 コレは回避するのが難しいとセレナは判断したので【ひかりのかべ】を展開する。

【ひかりのかべ】により【れいとうビーム】を耐える事が出来たラティオスは【りゅうせいぐん】を発射。花火の様に弾ける【りゅうせいぐん】は降り注ぎミロカロスに命中する……が、流石はミロカロスというべきか、耐え抜いた。

 

 耐久力なら準伝説に匹敵する強さを秘めているミロカロス。

【りゅうせいぐん】は一発しか撃たないと無理に連発しても威力が弱い【ドラゴン】タイプの技だと【10まんボルト】に技を切り替える。ただの【10まんボルト】じゃない、カウンターシールドでの【10まんボルト】でミロカロスを寄せ付けない。

 

 ミロカロスは【りゅうのはどう】を撃ってくるのだが【10まんボルト】の網をかいくぐる事は出来なかった。

 そうこうしている内に気付けばタイムアップでセレナはロバートさんよりゲージを多く残したので判定勝ちをし……そのまま準決勝、決勝戦にまで駒を進めて決勝戦で対峙したシュウのロゼリアをリザードンの【フレアドライブ】でKO、シュウを無事にぶっ倒してハルカの敵討ちをセレナは果たしてポケモンコンテスト・カイナ大会はセレナの優勝で終わった。

 

 コレでコンテストリボンは2つになった。

 残すところは3つだと思っているとハルカがやってきて「優勝おめでとう。素敵だったわ」というのだが目元は涙で腫らしている。やっぱり負けた事は悔しい、特に自分のトレーナーとしての能力が不足しての敗北は堪えるところがあるのだろう。今回の主な敗因はハルカのトレーナーとしての知識不足だった部分が大きい。アゲハントでも勝つことが出来たのだが……うーん……まぁ、頑張れとしか言えないな。



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からくり危機一髪

 ホウエンレポート24(美女と野獣 ダーテングとジョーイさん)

 

 ハルカは思っているよりも負けを引き摺っている。

 コーディネーター云々以前の問題で知識不足だったことを深々と反省しており、ユウキに色々と聞いている。カイナシティを後にするかと思ったがもうちょっと滞在してトレーナーとしての腕を磨いていくそうだ。

 

 一方のオレ達はキンセツジムがあるキンセツシティを目指す。

 次のジム戦は誰を出そうかと色々と考えたり道中トレーナーバトルをしているとあっという間に山の梺のポケモンセンターに辿り着く。

 今日はこのポケモンセンターで休むかと思っているとラッキーが慌てていた。急患でも運びこまれたのかと思ったが、どうやらそうではなくオレ達になにかを必死になって伝えようとしているがなにを言っているのかサッパリなのでジョーイさんに出てきてもらおうとするのだが肝心のジョーイさんが居なくなっていた。

 

 まさか職務放棄かと思っているがラッキーの慌て具合からしてジョーイさんは急に居なくなってしまったらしい。

 ジョーイさんが居なくなるとポケモンセンターの運営がままならない。急いでジョーイさんを探そうとするがアテもなく探すのは難しい。オレの波動探知半径500mまでしか出来ないんだよな。

 

 ポケモンセンターに監視カメラが設置されている事に気付いたので監視カメラを確認する。

 ジョーイさんは少し前までは居たようでカメラにバッチリと写っているのだが何者かに拉致されたっぽい。コマ送りで監視カメラを見てみるとジョーイさんはダーテングに攫われたらしい。

 

 ジョーイさんを攫うとは不届き千万だな。

 とりあえずラッキーには探してきてやるから任せておけと言っておき、ダーテングが居そうな森を突き進む。波動の探知をフルに使用しているので500mの射程範囲内に入れば何処に居るのかが分かる。何処に居るのだろうかと探知しているとタネボーがやってきて【タネマシンガン】で攻撃してくる。【タネマシンガン】とはいい度胸だなとダンバルを出して【とっしん】で対抗するとタネボーは逃げ去って行く。

 

 コレは自然界の人間が入ってはいけない世界に立ち入ったのだろうかと警戒心を強めながら突き進んでいくとジョーイさんと遭遇する。

 ジョーイさん無事だったんですね!とジョーイさんが無事だった事にホッとするとジョーイさんがなんでここまで攫われたのか聞いてみるとジョーイさんは病気のコノハナを治してほしいダーテングが連れてきたらしい。

 

 ダーテング、病気のコノハナを治してほしいのは分かるが拉致はまずい。

 ポケモンセンターにコノハナを連れて行く事を提案するがダーテングはコノハナを此処で治療しろと言ってくる。医療設備がまともに整っていないこんなところで治せるのかとツッコミを入れれば「治せるわ」とジョーイさんは頷く。治せるんかい。

 

 病気のコノハナは薬を飲ませれば治す事が出来るらしくジョーイさんは手伝ってと言うので薬を作るのに必要な薬草集めをする。

 コノハナの病気はそんなに重くないようでオレとセレナが協力して薬に必要な薬草を集めてジョーイさんは煎じて薬が完成し、ジョーイさんはコノハナに飲ませると衰弱していたコノハナの顔色が良くなっていく。

 

「コレでもう大丈夫よ」とコノハナの病気が治った事を告げるジョーイさん。

 ダーテングは頭を下げてジョーイさんにお礼を言うのだがジョーイさんは「傷ついたり病気になったりしているポケモンを見捨てる事は出来ないわ」と天使の様な発言をする。流石のジョーイさんである。

 

「この薬をご飯の時に毎回飲ませればいいわ」とジョーイさんは薬をダーテングに託す。コレでジョーイさんが拉致された事件が解決した。

 いやぁ、ジョーイさんが野生のポケモンに拉致されるとか前代未聞だったがなんとかなってよかった。

 

 ホウエンレポート25(伝説って?)

 

 キンセツシティを目指していると深い濃霧に包まれる。

 深い濃霧で視界は悪いので波動探知で前を歩いているとセレナが「おかしいわね。この辺りには灯台があって明かりを灯してくれる筈なんだけど」と昨日のジョーイさんに聞いた話と違うと首を傾げているとニャースの気球が、ロケット団がやってきたじゃありませんか。

 

 こんなところでなにやってんだ?またどうせしょうもない事かロクでもない事だろう。

「私達の計画の何処がしょうもないのよ!」とムサシは激怒するのだが相手にしているだけ無駄である。「灯台の石を返せ!」と1人の少年が言ってくる。灯台の石とはなんのことだと思っていると少年はプラスルとマイナンを呼んで【でんきショック】を浴びせる。

 

「無駄無駄無駄ぁ、電気対策はバッチリなんだよ!」と笑うコジロウ。毎回電撃をくらって吹き飛ばされているだけはあるか。「そんなぁ」と少年が落ち込むのでヌマクローを出して【みずてっぽう】を浴びせてニャースの気球を濡らすとピカチュウに【かみなり】を落とさせる。【みずてっぽう】で濡らしたので電気の通りが良くなったので【かみなり】は通り、気球は大爆発、「やな感じー」と吹き飛ばされる。

 

 灯台の石とやらは落としていったので拾うと「凄い!あの悪い奴等を一瞬で倒すだなんて」と尊敬の眼差しを向ける。「サトシはポケモンリーグで優勝する程の実力者なのよ!」とセレナは自慢げに語る。よせよせ、照れるだろう。とりあえず灯台の石を取り返す事に成功したので石を灯台に返すのだがオレ達が石を盗んだと勘違いをされる。

 

「お姉ちゃん、この人達が石を取り返してくれたんだよ」と事情を説明してくれる少年もといカズチ。

 盗んだのは別の奴等だと説明してくれてオレ達の誤解が晴れたので一安心、コレにて一件落着である。カズチが「どうやったら貴方みたいに強くなれるんですか!」と目をキラキラと輝かせて聞いてくるので「圧倒的な知識とほんの少しの閃き」と抽象的なアドバイスを送ると「プラスルとマイナンでも勝てますか?」と聞いてくるので「ダブルバトルは専門外だ」とだけ言っておく。ダブルバトル苦手なんだよな。

 

「強くなりたいならポケモンを信じることと諦めないことと諦める事を覚えた方がいい」「矛盾してない?」と聞いてくるが世の中そんなもんだ。

強くなりたいのならばとにもかくにも戦え、戦って経験値を積み上げなければ話にならない。

 カズチはそんなオレの言葉が響いたのかやる気を見せる。やってやるぞと意気込んでおり、旅に出ることを決意した。コレでお前もオレのライバルの1人になったな。なんかオレの事を勇者様がどうのこうの言ってたけどオレはオレなのである。

 

 ホウエンレポート26(からくり屋敷危機一髪)

 

 ふと立ち寄った街の掲示板を見ているとからくり大王が主催のからくり屋敷大探検なる催し物が今日開幕しようとしていた。

 優勝商品はポロック1年分と中々にゴージャスな太っ腹で、コレは参加しないといけないなとからくり屋敷大探検に参加する。からくり屋敷の主であるからくり大王だが中々に奇妙なおっさんだ。

 

 まぁ、奇妙なおっさんだが悪い人じゃないと思いつつ参加するのだが1個目のからくり屋敷は迷路だった。

 からくり屋敷と言っているのにからくりのギミックが無くいきなりの迷路はそれはそれで大丈夫なのかと思っているとからくり大王が現れて「このからくり迷路には迷路以外にもこんな仕掛けがあるぞ」と迷路の壁にあるドアを開くとそこにはスポンジがあり「スポンジスポンジスッポンポンじ」となんかおかしな事を言う。からくり大王がこんなんで大丈夫なのかと疑いつつ次に進むと丸太が橋代わりにかけられているエリアだった。

 

 地味にこのからくり屋敷探検厳しくない?

 からくり大王曰く丸太を選ぶのが大事な事で変な丸太を選べば丸太が裂けてからくり大王は人工川に落ちた。危ねえよ、オレやセレナは旅で強靭な足腰を手に入れたからいいけども一般人にはキツいぞ。

 

 丸太のエリアを抜けると今度はロープのエリアに辿り着く。

 ロープを登って次に進めと地味にフィジカルを要求されるがマサラ人は伊達じゃないとセレナをおんぶして上に辿り着くと選んだロープが悪かった様でピコハンで叩かれてハサミでロープが切断される。地味に危険だってば。

 

 もう一回別のロープに挑めば今度はあっさりと通る事が出来た。

 しかしロスがあった為に先頭にならない……ポロック1年分を諦めるのは嫌なので次のエリアで巻き返そうと次のエリアに向かうと次は落とし穴のエリアだった……からくり屋敷っつうか、フィジカルを求めるアスレチック屋敷じゃねえか。もうちょっとこう、ピタゴラスイッチ的なのはねえのかと思いつつセレナの前を歩いて落とし穴に一度も引っかかる事無く1位に躍り出るのだが、ここで野生のプリンが現れる。

 

 このプリンは例のあのプリンじゃないかと思っているとプリンは歌い出す。

 こんなところで眠ってしまえば今までが全てパーになると【すごいみみせん】を耳に装着し、眠ってしまったセレナをおんぶして全速力で突破し、無事に1位で突破するのだが肝心のからくり大王がプリンの【うたう】で眠らされていた……おいおいと来た道を戻ってみればプリンがペンで眠ってしまった大会参加者の顔を落書きしていた……危うくオレも同じ目に合うところだったな。

 

 とりあえず無事に1位で優勝できたのでポロック1年分を貰う……コレでポロックを作るという作業をしなくて済むな……まぁ、オレはコンテストに出るつもりは無いのでポケモンの毛並みとか艶とかあんまり気にしないけども。

 

 ホウエンレポート27(電撃帯電キンセツジム)

 

 キンセツシティに辿り着いた。

 割とあっさりと辿り着いたなと思いつつも早速ジム戦に挑みに行くのだがなんかジムが機械仕掛けだった。動く足場、というか台車の様な物に乗りベルトコンベアに乗せられる。そうそうこう言うのだよ。こういう感じのからくり屋敷を楽しみたかったんだと思っているとベルトコンベアは急上昇、コレはと思っていると頂上までベルトコンベアは登ると一気に急降下、ジェットコースターを味わっている気分でハラハラドキドキだった。

 

 やはりアミューズメントはこうでないとなと思っていると今度はライコウを模したロボットが出てくる

 セレナが「ライコウ、どうしてここにいるの!?」と驚いていたがアレはロボットだといえばすんなりと納得する。ジェットコースターの次はなんだろうと思っているとライコウロボはバチバチと電撃を放ってきた。

 

 おいおいとこのままだと電撃を浴びそうになるのでピカチュウに【アイアンテール】を撃ってもらう。

 ライコウロボはかなりの量の電撃を放電するのだがピカチュウはピンピンしており、ライコウロボは動きを停止するに……本物のライコウを知っているから言える事だが本物のライコウならもっと強い電撃を放つ事が出来たぞ。

 

「ガッハッハ、ワシの作ったライコウはどうじゃった?」とジムリーダーのテッセンさんが出てくる。

「面白いがジム戦に来たんで」といえば「なんじゃつまらんの。笑う門には100万ボルトというのに」とオレの態度に困るテッセンさん。いや、アトラクションもいいけどもジム戦が大事なんだよ。

 

「果たしてワシからバッジをゲットする事が出来るかのぅ?」とジム戦に移る。

 バトルフィールドに立ってジムトレーナーと思わしき人が審判を務めてくれて「使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみ可能です」と今回のルールを説明してくれる。

 

 テッセンさんはビリリダマを出した。

 ならばオレはとピカチュウに出てもらう。ジュプトルでもヌマクローでも良いんだけども、一応はな。【とっしん】しか使えないダンバルと【ひこう】タイプのスバメを戦わせるのも酷だし、ピカチュウにはそれ相応に頑張って貰う。

 

「ワシを相手にピカチュウとはいい度胸じゃの!」と笑うテッセンさん。最後に笑うのは誰でもないオレだと言えば「若いもんはそれぐらいの威勢が丁度いいわい。ビリリダマ【ソニックブーム】」と攻撃の指示をしてくる。

 ジム戦は既に開始されているんだと意識を切り替えて気をしっかり保ちとりあえず【10まんボルト】のカウンターシールドを撃って【ソニックブーム】を防いで貰うのだが……なんか今日のピカチュウ、異常な迄に電撃が強い。

 

 いや、オレのピカチュウそもそもで普通のピカチュウよりも強い個体なんだがそれでも何時も以上に電撃を放っている。

 カウンターシールドの【10まんボルト】だがテッセンさんのビリリダマに命中してビリリダマは一撃で戦闘不能になる。「ワシのビリリダマを一撃とは、やるのう」とテッセンさんは感心してくれるがなんか違和感を感じる。

 

 テッセンさんの2体目のポケモンはコイルだった。

 ピカチュウは有効打はないわけじゃないけどもども交代するべきかと考えているとピカチュウは赤い頬からビリリと電気を出す。闘争心を剥き出しにしているので無理に変えず、行けるところまで行ってみようとピカチュウのまま続投。

 

 コイルは【10まんボルト】を撃ってくるので【10まんボルト】で相殺しようとするのだがピカチュウの【10まんボルト】の方がコイルの【10まんボルト】を遥かに上回っており勢い余って【10まんボルト】を相殺するどころかコイルにぶつける事に成功してノックアウト。

 

 おいおい今日のピカチュウ調子が良すぎるんじゃないかと思っていると3体目にレアコイルが出てくる。

 ピカチュウはまだまだやる気満々の様なので代える事はせずに【10まんボルト】で攻撃すればレアコイルは【ほうでん】で対抗するのだがピカチュウの【10まんボルト】はあっさりと通った。

 

 レアコイルも【10まんボルト】であっさりと倒すことが出来たのだがピカチュウは倒れた。

 全くと言ってダメージを受けていないのに何故にぶっ倒れたんだとピカチュウを抱えるとピカチュウはバチバチと電撃を放っている。「もしかしてピカチュウ、病気かなにかじゃないの?」とセレナはピカチュウを心配する。

 

「コレはいかん。体内に電気を溜め込み過ぎておる!」とテッセンさんはピカチュウの状態を教えてくれる。

 電気を溜め込み過ぎている、つまりは帯電しているわけでそうなったのは……ライコウロボが原因だろう。急いでピカチュウをポケモンセンターに連れて行き、ジョーイさんに見せればピカチュウの帯電している電気を吸い取る装置を使いピカチュウに溜まっている余分な電気を吸い取ってくれた。

 

 ピカチュウが元気になって良かったとホッとするとテッセンさんがキンセツジムを制した証であるダイナモバッジを渡してくる。

 ピカチュウが帯電した状態での3タテなのでコレは無効試合にしてほしいと頼み込み、テッセンさんのポケモン達も無事に回復したので再試合をすることに。

 

 ピカチュウは頑張ったので今日はもう出さないぞ。

 1番手のビリリダマを相手にジュプトルでいく。ビリリダマは【スパーク】で突撃してくるので【リーフブレード】で対抗する。技の相性的にこちらの方がやや有利で一旦ビリリダマと距離を置くと【エナジーボール】を撃つ。ビリリダマは【ソニックブーム】を【エナジーボール】にぶつけるのだが効果は特になくそのまま【エナジーボール】で撃沈。

 

 先ずは1体目を倒すことが出来たと喜ぶが直ぐに次が控えている。

 2体目のポケモンはコイルだったのでこれは厳しいとジュプトルをボールに戻し、温存していたヌマクローを出す。「ほぅ、【じめん】タイプのヌマクローか。電気対策はバッチリの様じゃがそれではワシの牙城を崩せんぞ」と笑うテッセンさん。

 

 コイルは他の電気系のポケモンと違ってサブウェポンが乏しいポケモンだ。

【マッドショット】を支持して泥の塊をコイルに向かって飛ばすとコイルは攻撃を受けるのを覚悟してヌマクローに近付くと……【だいばくはつ】を起こした。

 

 おいぃい。いや、確かに有効打ではあるけどもそんな自爆技を普通は使うかね。ベテランのジムリーダーは手札の使い方がエグいと戦闘不能になったヌマクローを戻す。まさかの引き分けである。

 3番手にはレアコイルを出してくる……参ったなとジュプトルを出す。ヌマクローで勝ち抜く自信があったのだが【だいばくはつ】は完全に予想外な手だった。いや、ホントにジムリーダーが使う技かよって話だ。

 

 レアコイルは【ソニックブーム】を撃ってくるので【エナジーボール】のゴリ押しをするのだがダメージが薄い【はがね】タイプが地味に良い仕事をしている。ピカチュウはもう出さないし残ってるのがラティアス、ダンバル、スバメなのでここは是非ともジュプトルに頑張って貰いたい。【ほうでん】を撃ってくるので素早く回避して【リーフブレード】を入れるのだが中々に硬い。

 

 こんな事ならば【きあいだま】でも覚えさせておいた方が良かったと軽く後悔したので試しに【きあいだま】を指示してみるもそれっぽいエネルギー弾を発射する事は出来たが途中で弾けて散っていく。未完成の技に頼って勝つことが出来るほどポケモンバトルは甘くない。

「こういう手もあるんじゃよ」と素早く攻撃を回避するジュプトルに【でんじは】を浴びせる。コレはまずいと直ぐにジュプトルをボールに戻し……ダンバルを出した。

 

「ここに来てのダンバル!?」と意外そうに驚くセレナ。

 ラティアスの方が勝つ可能性が高いだろうがここはあえてのダンバルで行かせてもらう。ダンバルはレアコイル目掛けて【とっしん】を決めるがこうかはいまひとつ。しかしこれしかダンバルはないと【とっしん】をするとテッセンさんは【リフレクター】を指示しダンバルの【とっしん】で受けるダメージを軽減してくる。

 

 コレはいよいよまずいなと思っているとダンバルが眩い光を、進化の光を身に纏う。

 よし、最近重点的に鍛え上げた成果が出てきたなとダンバルは無事にメタングに進化した。よっしゃとガッツポーズを取るが冷静に考えればこの状況で進化しても【メタルクロー】と【ねんりき】しか使えない。

 

 いやまぁ、【ねんりき】を使ってレアコイルを吹き飛ばしたのが思いの外、良いダメージになったけども。

 中々に倒れないレアコイル。流石はジムリーダーのポケモンだと感心しつつどうやって倒そうかと考える。進化したけども進化したてで色々と使える技が無いんだよな。

 

【メタルクロー】の連打を叩き込み徐々に徐々にレアコイルにダメージを与えていく。テッセンさんも負けるかと【ほうでん】を指示する。

 折角の進化デビューなんだから情けないところを見せないでくれと思っているとメタングは【メタルクロー】で攻撃してはこうげきを着実に上げていき、トドメだと【とっしん】を決めてレアコイルを倒した。

 

 進化して負けたのならばカッコがつかないがコレで無事にカッコ良く決める事が出来た。

「いやぁ、見事見事。完敗じゃ!」と今度こそ本当に実力で勝利したのでキンセツジムを制した証であるダイナモバッジを手にする。4つ目のジムも無事に突破してコレで折り返し地点に辿り着いた。次はフエンジム……今回は情けない姿を晒してしまったが次を期待しているぞ、ヌマクロー



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ジュプトルとスイカ切り

 ホウエンレポート28(ジュプトルとスイカ切り)

 

 次の行き先はハジツゲタウンに決まった。

 フエンタウンとハジツゲタウンはそんなに距離が開いていないのでハジヅケタウンでコンテストをした後にフエンジムに挑む事になった。ダイナモバッジを磨き次はどんなチーム構成で行くかと考えていると川辺からスイカが3個も流れてきた。

 

 こんなところでスイカとは珍しいなととりあえず拾って中身を確認する。

 いい感じに詰まっている。コレは食べ頃だが何処から流れ着いた物だろうかとスイカを手にして川の上流を目指す。するとジュプトルとマグマッグが現れて威嚇してくる。オレなんかしたっけ?と思っているとスイカを強く睨む。

 

「もしかしてこのスイカお前達のか?」と聞いてみるのだが聞く耳を持っていないのかジュプトルは【タネマシンガン】を撃ってくるのでジュプトルにはジュプトルだとオレもジュプトルを出す。【タネマシンガン】に対して【エナジーボール】で対抗すると「そこまでよ、スイカ泥棒!」と1人の女性がオレ達をスイカ泥棒だと言ってくる。

 

「待ってくれ、このスイカは川辺から流れ着いた物だ」と状況を説明するが聞いてくれない。体をスイカ模様にペイントしたマルマインが現れて「マルマイン、こいつらがスイカ泥棒ね」と聞くので首を横に振る。オレ達じゃないと分かると「ごめんなさいね。スイカ泥棒が現れてピリピリしていたの」と頭を下げて侘びてくる。

 

 女性もといナッチは勘違いをしていた事を申し訳なさそうにしてくる。

 ならば多少は弱みに付け込んでいいのだろうとスイカを食べていいか?と食べ頃になったスイカを食べていいと許可を貰うとオレのジュプトルに【リーフブレード】で綺麗に切ってもらう。

 

 お見事と綺麗に切ってもらったスイカを食べる。

 甘くてみずみずしくて美味しいスイカで褒めているとナッチは「でしょでしょ!ウチのスイカはスイカの中でもNo.1なのよ」と自慢げに語りついでだからとスイカ畑を見ていくことに。

 

 畑に関して知識は無いのだが、大きくて丸々としたスイカがコレでもかと実っていた。

 聞けばナッチは1人でこのスイカ畑を監視しているらしくポケモン達のおかげか盗まれる事は無くてポケモン達と中々にナイスなコンビネーションを取ることが出来てダブルバトルでは負け無しとのこと。

 

 バトルの腕に自信があるのならばオレは黙っちゃいられねえ。

 ダブルバトルをしようぜといえばあっさりと承諾してくれてダブルバトルをすることに……最後にダブルバトルをしたの何時だったか、レポートに書いてるところじゃ大分前だった気もする。この世界、シングルバトルがメインだからあんま覚えてねえや。

 

 ナッチはジュプトルとマグマッグで挑むのでこっちはスバメとメタングで挑む。

 試合開始の合図をセレナがしてくれるとナッチはジュプトルにスバメに向かって【タネマシンガン】を、マグマッグはメタングに向けて【かえんほうしゃ】を撃つように指示をする。

 技自体が代わり映えのない一直線に向かうシンプルな技なので2体には回避してもらいメタングは【サイコキネシス】を撃ちジュプトルとマグマッグの体を浮かせるとスバメに【つばめがえし】をジュプトルに向かって撃ち更には追撃でマグマッグにも撃った。

 

 身動きが出来ない状態での【つばめがえし】はさぞダメージになっただろうと思っているとナッチは笑みを浮かべる。

「触れたわね。今、マグマッグに触れたわねサトシ」というので何事かと思えばスバメから炎の様な物が噴出する。マグマッグのとくせいは【ほのおのからだ】だったのか。【やけど】状態になるスバメ……コレがメタングならば効果はあったのだろうがまだまだだな。

 

 オレのスバメのとくせいは【こんじょう】

 状態異常になった時に攻撃力を高めるものでオレのスバメは中々に見ない根性の持ち主だ。【やけど】がなんぼのもんだと立ち上がり空中を舞うと……眩い光に身を包んだ。ジュプトル、ヌマクロー、メタングと来てるんだからそろそろ来る頃だと思っていたぞ。

 

 スバメはオオスバメに進化した。

 急いでポケモン図鑑を取り出してオオスバメを確認するが進化と同時に新技を覚えているという事は無く、試合続行。今度はこっちの番だとメタングに【メタルクロー】をジュプトルに向ける様に指示をすると迎え撃つジュプトルの【リーフブレード】

 

 パワーの上では互角……に見えるのだが技のタイプ的にも効果的にも長期戦をすればメタングの方が圧倒的に有利である。

 徐々に徐々にメタングが押してくるのでコレはまずいと思ったのかマグマッグに【かえんほうしゃ】を撃たせる。メタングはそれを回避するがジュプトルの【リーフブレード】を受ける……が、流石はメタング、ジュプトルの【リーフブレード】をものともしない。

 

 オオスバメにジュプトルを狙わせに行くかと思ったがこの様子だと大丈夫で先にマグマッグを片付ける事に。

 マグマッグに向かって【からげんき】を撃つ……やはり焼き鳥の異名は伊達じゃないと【からげんき】で一撃でマグマッグを倒すがここで思った以上に体力を使い果たしていたのかオオスバメもダウン。

 

 コレで1対1になってしまった。

 ダブルバトルがシングルバトルになってしまったがそのままバトルを続行。ジュプトルは【タネマシンガン】を撃ってくるのでメタングは回避して【メタルクロー】を打ち込む。

 

【メタルクロー】で徐々にこうげきを上げていっているので好調だ。このままだと負けてしまうとナッチは感じたのか【ソーラービーム】を指示するがそれこそマヌケというもの。【ソーラービーム】は撃つのにタメが必要な技だと大振りになる【コメットパンチ】で【ソーラービーム】発射用意しているジュプトルを殴り飛ばすとジュプトルは戦闘不能になる。

 

 使っているポケモンは違えどもジョウトリーグ準優勝の腕は伊達じゃないぜ。

 いいバトルをした後には充分な栄養補給をしようとなり、ナッチは井戸水で冷やしたスイカを取ろうとするのだがここで慌てた様子のマルマインがやってくると噂のスイカ泥棒が現れたらしい。

 

 この美味しいスイカを盗むなんてふてぇやろうだと捕まえる事に協力しようとし現場に向かうと籠を背負ったやたらといや、無駄にデカいサボネア……のロボットがスイカを採取していた。案の定というべきかロケット団がスイカ泥棒だったのでオレはメタングに【サイコキネシス】で今まで盗んだスイカを回収させピカチュウに【10まんボルト】で例によって「やな感じー」で終わらせる。

 

 スバメも無事にオオスバメに進化できたし、美味しいスイカを頂く事が出来たのでとりあえず良い一日だった。

 

 ホウエンレポート29(カチヌキファミリー1vs4)

 

 困った事に切り立った渓谷で道に迷ってしまった。

 旅をしていればそんな事もあるのだが何処に行けばいいのかが分からないのは割と困ったものだと思っていると1体のバクーダが歩いてくる。こういう感じの土地に生息しているのかバクーダはとポケモン図鑑を取り出して登録していると1人のお婆さんが「こんなところでなにやってんだい」と現れる。

 

 この人、このお婆さんもといミツヨさんはこの辺りに住んでおり、この辺の土地に詳しい模様。

 もうすぐお昼時だしついでだからとご飯をご馳走になる。セレナともママさんともまた違った料理で実に美味しかった。ハジツゲタウンへの道も教えてもらい、なんか貰ってばっかで申し訳無いなとなにか手伝える事は無いかと聞けば目をギロリと輝かせる。

 

「だったらあたし達のポケモンバトルの相手になってもらおうじゃないか」とポケモンバトルを家族総出で挑んでくる。

 ほっほー、このマサラタウンのサトシに挑んでくるとはいい度胸じゃねえか。4人ずつ1対1のポケモンバトルをする事になり、ミツヨさんの息子であるハルヒコさんがバトルを挑んでくる。

 

 4対1なのでこっちが後攻にしてやるとジグザグマを出すハルヒコさん。

 格闘系のポケモンは生憎手元に居ないのでここはメタングで行こうとメタングを出す。メタングはやる気に満ちている。試合開始の合図をミツヨさんがすると早速ハルヒコさんはジグザグマに【10まんボルト】を指示する。

 

【10まんボルト】なんて毎回ピカチュウに受けて貰っているんだ。今更ジグザグマ程度の【10まんボルト】にやられるかよと【コメットパンチ】で一撃でノックアウト。次行くぞ次と次に出てきたのは息子嫁であるヤスエさん。

 ヤスエさんが出したのはロゼリアだった。ロゼリアにはお前だとオオスバメを出す。ロゼリアは【はなびらのまい】を撃ってくるので【かげぶんしん】で分裂して【つばめがえし】を叩き込んで戦闘不能にする。

 

 まだまだこんなもんじゃねえだろうなとやっとエンジンが掛かってきた。

 孫娘であるアキが出したのはマリル、ならばお前しかないとジュプトルを出す。ジュプトルは【エナジーボール】をぶつけるとあっさりとマリルを倒すことが出来た……おいおい、オレにバトルを挑んできたのはいいけども威勢だけで肝心の実力がついてきていないぞと呆れる。セレナでももっと粘るバトルを見せてくれるぞ。

 

 最後に出てくるミツヨさん「カチヌキファミリー2番目に最強のあたしの力を見せてやろうじゃないか」というとバクーダが出てきた。

 そうそう、こういうのを待っていたんだとヌマクローを戦闘に出し、ハルヒコさんが試合開始の合図をすると早速【みずてっぽう】をバクーダの顔面に叩き込んだ。

 

 よぉし、いいぞと思っていると何故かヘルメットを被るカチヌキファミリーの面々

 え、っちょ、なにしてんの?と思っているとバクーダが顔を真っ赤にさせて背中から炎を【ふんか】する。どうもカチヌキさん家のバクーダは顔面を攻撃されると噴火してしまうらしく、こうなったら手が付けられないという……暴れん坊か、倒しがいのある奴だ。

 

 ヌマクローに向かって突撃してくるバクーダ。

 ヌマクローは【マッドショット】をバクーダの顔面に目掛けてぶつけるとバクーダは立ち止まる。目元がやられると誰だって立ち止まるとそのままヌマクローはバクーダとの距離を縮めて【たきのぼり】で突撃していく。

 やはりヌマクローは物理に限るな。バクーダも流石に4倍弱点の技を真正面から受けると戦闘不能になる……この前は良いところが無かったが今回はいい感じのところを見せる事が出来てなによりだ。

 

「孫はホウエンリーグに挑戦しておる。もしこの場に居ればギタンギタンに倒されてたのはお前じゃ」というミツヨさん。悪いな、今回のホウエンリーグはオレが優勝を貰う……絶対に貰うのである。

 

 ホウエンレポート30(伝説はNG)

 

 ケンタがチャンピオンリーグで負けた。

 準決勝にまで駒を進めたが連日連夜の激闘の為にライコウとバクフーンにドクターストップが掛かってしまった。やっぱり手持ちとエースの数は増やしておいた方が良いなと身に染みる……まぁ、オレの場合だとミュウツーが居たりするんだけども。

 

 ケンタもケンタで次を見据えている。

 ホウエン地方に来るのか?と聞いてはみたが「シンオウ地方に向かう」という。おいおい、オレやユウキとの熱いバトルは無視ですかといえば「チャンピオンリーグでどっちかを叩きのめせばそれで済む話だ」と言う……う〜ん、中々に言うな。

 

「で、本音は?」とカッコつけてるケンタから本音を聞き出す。

 チャンピオンリーグで会おうなんてカッコつけるタイプじゃないのは百も承知なんだよ。裏があるのはもう既に分かってるんだよ。「伝説厨と戦いたくない」と本音を零してくれる……やっぱ、あのサトシくんキラーは苦手か。制作陣営が全力で殺しに来てる感じがするもんな。

 

 ケンタの事だからきっと上手く行く事が出来ているだろうな。

 マリナもポケモンコンテストがシンオウであるのを知っているのでやる気を見せる……どうせならばセレナやハルカとバチバチにやりあっている姿を見せてほしかったのだが、コレばかりは仕方ない事だ。

 

 ケンタとの談笑を終わらせるとジョーイさんに預けていたポケモン達は無事に回復する。

 元気になったので早速ポケモンバトルだとやる気を出すのだがセレナが「ハルカがテレビに出ているわ」というのでポケモンセンターに設置されているテレビを見るとポケモンコンテストに出場して優勝したハルカが居るのじゃありませんか。

 

 どうやらユウキがハルカのコンテストを優先してこの近くのポケモンコンテストに挑戦させたらしい。

 前と違って顔が引き締まっており、一皮剥く事に成功している……ユウキの奴、色々と教え込んだなあの顔は……まぁ、ハルカはポケモンコンテストがメインのコーディネーターだからオレとバトルする機会は無いとは思うけれど……バチバチにやりあってみたいな。

 

 何時の間にかアチャモがワカシャモに進化している。

 ユウキのアチャモもワカシャモに進化をしていた事だし驚く事じゃない。【かそく】アチャモと【もうか】アチャモを比べてはいけない。ユウキのポケナビに電話を入れる。見ていたぞとおめでとうと祝福をすると同時にケンタがシンオウリーグに挑戦しに行った事を伝えると「逃げたか」という。

 

 まぁ、確かにオレ達とバチバチやり合うのを逃げた感は否めない。

 伝説厨の相手なんてしていられるかという気持ちも分からなくもない。ぶっちゃけた話、オレも伝説厨の相手なんてしたくない。ユウキの奴もしたくないのでオレに負けたら次はカントー地方のポケモンリーグに挑戦するつもりだ。オレは勝とうが負けようがバトルフロンティアに挑戦する。ケンタ曰く滅茶苦茶強くて腕を磨くのに丁度いいとのことだ。

 

 ホウエンレポート31(銀河に願いは無い)

 

 千年に1度だけ現れるという彗星を見て天体観測をしているとなにやら怪しげな一団がやってきた。

 移動式のサーカスならぬ移動式の遊園地と中々に珍しいがどっかで見たことがあるなと原作知識を引っ張り出すと劇場版案件だった……のだが、厄介な事になっている。

 

 今回の劇場版は七夜の願い星ジラーチである。

 ジラーチがマサトを選ぶのだが肝心のマサトはいない。バタフライエフェクト的な事が起きるのかとドキドキしていたがそんな事は無く、バトラーのマジックショーは無事に終わって……なにも起きなかった。

 

 劇場版案件だが、劇場版が起きる条件が満たされていないとこうなるのか。

 毎度毎度暴力で解決する案件ばかりだったので箸休めにはちょうど良かったのかもしれないな。いやぁ……暴力で解決する案件じゃなくてよかった……でも、バトラーさんは一切反省しないんだよな……う〜ん、この移動式の遊園地がトウカシティに来たらどうなるのやら。

 

 ホウエンレポート32(相手見てものをいえ)

 

 劇場版がすんなりと解決して辿り着いたはハジツゲタウン。

 ここでポケモンコンテストが開催されると早速ポケモンコンテストへの出場を申し込みに行くのだがそこにはシュウがいた。久しぶりだなといえば「なんだ君達か」と相変わらずキザっぽい。キザなのは良いが黒歴史になっても知らんぞ。

 

 シュウの奴は既にリボンを3つもゲットしている。

 この短期間の間にやるなと感心しつつも、どうせ相手が弱かったんだろうと思っていると「バトルをしないかい?」とオレにバトルを挑んでくる。いい度胸じゃねえかと言いたいがオレはコーディネーターでなくポケモントレーナーだ。「見せるバトルは出来ても魅せるバトルはしないし出来ねえよ」とだけ言っておく。「分かってるよ、それぐらい」と言う。

 

 コーディネーターでなくトレーナーとしての腕を磨くのにオレを利用するつもりか。

 まぁ、挑んでくるバトルを断る理由なんて何処にも無いので普通に承諾すると「スバメでかかってきなよ」と言ってくるので遠慮なくオオスバメで挑むとピクリと眉が動いた。スバメのままだと思ったら大間違い、日進月歩、オレは1分1秒と常に成長するポケモントレーナーなんだよ。

 

 バトルが始まると【しびれごな】と【あまいかおり】を同時に出してくるロゼリア。

 普通のポケモンならば【あまいかおり】の誘惑に負けて【しびれごな】が命中するがオレのオオスバメはそんな甘い誘惑に負けないと翼を仰ぎ粉と香りを打ち返す。ロゼリアは【くさ】タイプなので粉系の技を受けてもノーダメージである。

 

 そっちがパフォーマンスみたいな技を使うならばコッチはガチガチのガチバトルだ。

 ロゼリアは扇状に飛ぶ【どくばり】を飛ばしてくるのでコレはチャンスだと【ブレイブバード】でロゼリアを【どくばり】ごと目掛けて突き飛ばす。当然ロゼリアの【どくばり】をオオスバメは受けるがとくせいの【こんじょう】が発動してパワーアップ、勢い余ってロゼリアをシュウの元に吹き飛ばす。

 

「自分で戦うポケモンを指定してきてこのザマか?」と呆れる。もうちょっと粘れた筈だろうが……う〜ん、ロゼリアの時点でな。せめてロズレイドに進化させておかないと話にすらならない。

 オレは無事にシュウを倒すことが出来たので今度はセレナの番だ……ハルカとユウキはコンテストリボン集めを優先しているから今回は居ない感じだな。



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マグマ団vsアクア団vsサトゥーシくん

 ホウエンレポート33(ポケモンコンテスト ハジツゲ大会)

 

 ポケモンコンテスト・ハジツゲ大会が開幕した。今回は二次審査に4名しか残る事が出来ない過酷な大会である。

 トップバッターはシュウからでシュウはフライゴンを出して【すなあらし】を巻き起こし【だいもんじ】を放ち砂嵐を纏った【だいもんじ】を見せつける。技と技を組み合わせるポケモンコンテストならではのコンビネーションだな。

 

 キャンディムサリーナと名乗る明らかにムサシと思わしき人物はドクケイルを使用。

 七色の鱗粉を撒き散らしたり【どくばり】をパネルに突き刺してドクケイルの絵を作ったりしたのだが、どちらかといえばドクケイルよりもキャンディムサリーナの方が目立っていたがこれまた高得点を得る。

 

 ああいうのは受けるところは受けるだろうが受けない所では受けないなと色々と審査を見ていく。

 ユウキやケンタが毎回側に居てくれたので色々と語り合う事が出来たが今回は居ないので1人で色々と考える事が出来るな。色々と審査が行われているとセレナの出番がやってくる。

 

 今回はどんな風に魅せてくれるのかとテールナーを出す。

 久しぶりのテールナーだと先ずは挨拶代わりというべきかカウンターシールドの【かえんほうしゃ】を撃つ。四方八方に飛び散る【かえんほうしゃ】は見事なもので第一印象、インパクトを掴む。

 

 ここからどう出るかと見ていると薔薇の花びらを大量に取り出して空中に投げると【ほのおのうず】で焼き尽くす。

 1枚1枚丁寧かつ素早く繊細に燃やし尽くした…………ラティオスの時とコンビネーションが似ているな。手持ちに偏りがあるからどうしても似たようなパフォーマンスになってしまうのは仕方が無いことだが……まぁ、審査員達からは高評価を得て無事に1次審査を突破した。

 

 2次審査はコンテストバトル。

 対戦相手はキャンディムサリーナ、出てくるポケモンは当然ドクケイルだ。出てくるポケモンが分かれば戦いやすいとセレナはドンカラスを出す。互いに空を飛ぶ事が出来るポケモン、面白いバトルが期待できる。

 

 先に仕掛けてきたのはキャンディムサリーナだった。

【どくのこな】を優雅に飛ばしてくるのでドンカラスは【おいかぜ】を巻き起こし【どくのこな】をドクケイルに向けて飛ばす。ドクケイルは【どく】タイプでもあるので当然効果は無いのだが【どくのこな】を【おいかぜ】で返した姿は見事だったとコンテストゲージを減らす。

 

 ならばと【どくばり】を撃ってくるのでドンカラスは回避して【つばめがえし】を叩き込む。

 オオスバメがスバメの頃に一緒になって特訓したかいがあったなと思っているとキャンディムサリーナは【サイケこうせん】をドクケイルに撃たせるがそれは悪手、ドンカラスは【あく】タイプのポケモンで【エスパー】タイプの技は一切効果は無い。

 

 コレはチャンスだとセレナはドンカラスに【ブレイブバード】を指示。

 ドンカラスは【ブレイブバード】で突撃し【サイケこうせん】に当たると虹色にキラキラと輝きそのままドクケイルに激突、ドクケイルはフィールド端にまで吹き飛ばされてドクケイルはノックアウト、TKO負けになる。

 

「【エスパー】タイプの技が通じないなんて反則よ!」とキャンディムサリーナはいちゃもんを付けるのだが反則でもなんでもない。極々普通の事で係の人に追い出されてしまった。負けを負けと認める事が出来ないのはなんとも哀れな事だ……負けた事は受け入れないと。セレナは無事に決勝戦にまで駒を進めてもう一度シュウとバトルをするのかと思ったのだがなんとシュウは敗れてしまった。

 

 おいおい、負けちゃったのかよと思いつつも気を引き締める。

 シュウを打ち破り決勝戦にまで駒を進めたグレースさんはチャーレムを出してきたのでセレナはドンカラスで対抗する。ドンカラス……【エスパー】タイプの技は通用しないのでどう出てくるのかと見守る。

 

 チャーレムは【れいとうパンチ】で攻めてくる。

 ドンカラスは飛んでチャーレムが届かないであろう高さに飛ぶ……普通ならばここで【ねんりき】を用いて撃ち落とすのだろうが生憎な事にドンカラスは【あく】タイプのポケモン、どうするのかと思えば【れいとうパンチ】を地面に連打する。

 何を狙っているのかと思えば氷の柱を作っていた様で氷の柱が完成するとチャーレムは氷の柱を【かわらわり】で叩き折ると折れた部分をドンカラス目掛けて投げて更には氷の柱の上に乗った……ドラゴンボールの桃白白かな?

 

 あまりにも予想外な攻撃に驚くセレナ。

 ドンカラスとの間合いを詰めると氷の柱から【とびひざげり】をくらわせに行くのだが空中戦を鳥ポケモンと繰り広げるのは悪手、ドンカラスはセレナが指示するよりも前に【とびひざげり】を回避、チャーレムはそのまま地面に落ちていきフィールドに向かって【とびひざげり】を決めてしまい苦しそうな表情を浮かび上げる。

 

 派手な大技に出てしまってそれに失敗したのは大きな痛手である。

 チャーレムはもう一度【れいとうパンチ】で柱を作り出して投げたのでドンカラスは【おいかぜ】を撃つ。ドンカラスに向かって飛ぼうとしているチャーレムに向かって撃てばチャーレムは体勢を崩し、そのままバランスを崩して地面に落ちる。やっぱり空を飛べるのは便利である。

 

 バランスを崩して落ちていくチャーレムに向かって【ねっぷう】を飛ばす。

【ねっぷう】に飲み込まれて苦しそうにするチャーレムに今だと隙を見つけ出したセレナはドンカラスに【ブレイブバード】を指示してチャーレムに激突、コレで倒せたかと思ったがチャーレムはまだ立ち上がろうとする。中々のガッツだと思っていると気付けばあっという間に5分が経過してタイムアップ

 

 コンテストゲージはセレナの方が多く残っておりセレナの勝利が決まりハジツゲ大会はセレナの優勝で終わる。

 コレでセレナは3つ目のリボンをゲットする事が出来た……残すところリボンは2つ、グランドフェスティバルは近いな。

 

 ホウエンレポート34(応援に力はあるにはある)

 

 セレナが頑張ったから次はオレの番である。

 目指すはフエンジムだと張り切っていると以前出会ったプラスルとマイナンを連れた少年、カズチに出会う。学生服を身に纏っており大胆なイメチェンをしたなと思っているとカズチは応援の道に至ったという。

 

 自分じゃプラスルとマイナンじゃ限界があるから諦めて応援する側になったのかと哀れんでいると違うと否定する。応援道という応援をする事でポケモンを強くするという謎の宗教にハマっていた。

 確かにポケモンを応援する事で、声を届ける事で強くする事は可能ではあるが応援よりも根本的な心の強さとか基礎的な強さとかが大事で、応援は最後の一匙、料理で言うところの隠し味みたいなものだ。

 

「応援道はホントにスゴイんです!そんな今までの応援とは異なるんです」と熱く語ってくれるカズチ。

 なんだかなぁと思いつつもカズチに応援道を歩んでいる人達の元に案内してもらい「応援道なんて胡散臭い物に頼らずにポケモンを鍛えておけよ」といえば向こうはカチンと来たのか団長に応援道のスゴさを見せてあげてくださいと団員達は言う。

 

 じゃあその応援道のスゴさとやらを見せてもらおうかと若干ケンカ腰になっているとセレナが「私が出るわ」とセレナが出る。

 オレだと強すぎて応援道の効果は発揮しないかもしれないし、具体的にどんな効果が発揮するのか見てと頼まれたので今回は下がる事に。セレナも応援道を胡散臭いと思っているのか。

 

 カズチとバトルをする事になりセレナはテールナーを出す。カズチはプラスルで挑む。

 早速勝負開始と応援団員が合図を告げるとテールナーが仕掛けてくる。【かえんほうしゃ】で攻めるとプラスルに直撃する。マフォクシーに進化していないとはいえその強さは本物でありプラスルは苦しそうな顔をする。というか【やけど】状態になる。

 

 おいおい、コレは勝負あったんじゃないかと思っていると団長が「三三七拍子」とプラスルを応援するとプラスルの【やけど】状態が治る。

 回復系の道具やきのみを使っていないのに急に回復した……なにか裏があるとセレナがオレに視線を向けてくるので無言で頷く。セレナが仕掛けを見つける時間を稼いでくれる……困ったら波動の探知である。

 

 波動の探知は本当に便利である。

 目を閉じて波動で何処に誰がいるのかを確認してみると2番の太鼓の中にキノココとマクノシタ、1番の太鼓の中にロゼリアとラフレシアが居るじゃありませんか。状態異常を治す技と言えば【アロマセラピー】……ロゼリアとラフレシアが覚える技だ。

 

 元気になったプラスルは攻撃態勢に入る。

 それと同時に「応援道第2歌、三三拍子はじめ!」と応援団長が2番の太鼓を鳴らすように言うので耳を傾けてみると「【てだすけ】」と小さく呟いており、太鼓からエネルギーの様な物が飛び出てプラスルをパワーアップさせて威力が増した【ほうでん】が放出される。

 

 全くコスい手を使ってるんじゃねえよと重たい腰を上げる。

 応援している団員達の前にまで行き、太鼓を手刀で粉砕すると中からロゼリアとラフレシアとマクノシタとキノココが出てきた。「コレがお前達の言っている応援道の正体だよ」と教える。

 

「団長、コレはどういうことなんですか!」と女性の応援団員が問い詰めると団長が逃げ出そうとするのでそうはさせるかとメタングを出して【ねんりき】で動きを封じる。「お前、コスい手を使ってるんじゃねえよ。やるならもっとマシな手を使えよ」ととりあえず正座をさせる。

「応援道なんて嘘をついて恥ずかしくないの!」とセレナも問い詰める。団長は申し訳無さそうな顔をするが本当に自業自得としか言いようがない。

 

「す、すまない」と謝る団長。「コレが応援道の真実だ……確かにポケモン達は声援を送ることで力を出してくれる事もあるがそれは本当にポケモン達と心を通わせていないと発揮しないんだ」と応援道を信じていた人達に現実を突きつける。ショックを受けている団員達だが「そうよね」と1人の女性団員が納得すると頭に巻いていたハチマキを取った。

 

 オレの言葉がよっぽと効いたのか団長を問い詰めることはせずに自分達が間違いを犯していたと反省する。

 メタングの【ねんりき】から解放した団長はそそくさと逃げていった……これを機に反省してちゃんとした応援団長になってくれればいいけど……反省しているだろうか。

 

 とりあえず新手の詐欺から多くの人達を解放することが出来た。

 カズチももう一度自分を見つめ直すと改めて旅に出直す……次こそはちゃんとした道が歩めるといいな。

 

 ホウエンレポート35(激突 マグマ団vsアクア団)

 

 フエンジムに向かうべくえんとつやまのロープウェイを登っていると複数のヘリコプターが見える。

 ロープウェイで登っているワクワク感が失せて消える、風情もなにも無いなとえんとつやまの頂上に辿り着いた。さて、後はこのえんとつやまを下る事でフエンジムに辿り着く事が出来るとワクワクしているとロープウェイが急に止まった。

 

 システムのトラブルだろうか?と直ぐにロープウェイのゴンドラに備え付けられている電話を掛けてみるものの電話に出てくれない。

 コレは一体全体どういうことだとロープウェイの天井を開いてメタングを出す。セレナはリザードンを出してリザードンに乗ってえんとつやまに降りて、オレはメタングの【ねんりき】でゆっくりと地面に降りていく。

 

 急にロープウェイが止まって何事かと思いつつもえんとつやまを登る。

 ロープウェイの運営になにかがあった、具体的にはマグマ団かアクア団がなんかやらかしてるんだろう。ゲームでもマグマ団とアクア団が色々とやっていたし……ホントに悪の組織ってロクなもんじゃねえ。

 

 えんとつやまを登っていると隕石を抱えてなにかから逃げている人を見かける。

 隕石関係でなにかと博識なソライシ教授だった。ソライシ教授に声をかけると警戒心を強めるのだがアクア団でもマグマ団でもないオレ達を見てホッとしてくれる。「赤い頭巾のマグマ団と青いバンダナのアクア団が隕石を寄越せと言ってきたんだ」と言う……両方か……2つも悪の組織を相手にしないといけないのはめんどくさいがやるしかねえな。

 

 ゴキゴキと腕を鳴らしてやる気を出していると「居たぞぉ!」とアクア団の団員がソライシ教授を見つけた事を上に報告している。

 やれやれ、そんなに死にたいらしいのかとアクア団員が出していたシザリガーに飛び蹴りをかましてシザリガーをぶっ倒す。「こ、こいつ!マサラタウンのサトシか!?」と驚いている。どうやら悪人のブラックリストの様な物にオレは登録されてしまったらしい。やれやれ、嫌な形で有名になったものだ。

 

 アクア団を締め上げていると今度はマグマ団がやってきた。

 オレ1人じゃ倒すのに時間が掛かる「セレナ、ちょっと危ないけど大丈夫か?」と言えば「大丈夫よ、これぐらいなんともないわ」と頷いてくれる。伊達にオレと一緒に旅をしていないなと感心しつつポケモンを出してマグマ団に挑む。

 

 幸いと言うべきかマグマ団は炎系のポケモンを使ってこなかったのでボコるのが楽だった。

 ポケモンにこんな事をやらせるのは申し訳無いがこうなった以上は徹底的に暴れるしかないと暴れまくり、マグマ団、アクア団共に全滅、幹部と思わしき人物を捉える事に成功し、ロープウェイに向かえばロープウェイの職員達がロープで縛られていたので解放した。

 

「アクア団とマグマ団はもう捕まえたので大丈夫ですよ」と言えば安堵してありがとうと感謝された……早いところ2つの組織を潰したいが原作通りに行けば2つの組織を潰すことが出来るからそれまでの辛抱である……ロケット団は潰すことは出来ないな。

 

 ホウエンレポート36(フエンジム 穴だらけのジム)

 

 フエンタウンに辿り着いた。

 フエンタウンは温泉地としても有名なところでなんだかグレンタウンを思い出す……グレンジムは洒落にならない火口がバトルフィールドだったが今回は大丈夫だろう。

 

 ポケモンセンターに向かえばここは温泉と隣接しているのよとジョーイさんが勧めてくれるのだがオレは甘い誘惑に乗らない。

 温泉まんじゅうとか砂風呂とか色々と面白そうなところはあるけどもオレはホウエンリーグに出る為にジム戦に来た。遊ぶのはジム戦が終わった後だとフエンジムに向かうのだがジムリーダーのアスナさんが居たには居たのだが、数日前にジムリーダーになったばかりとのこと。

 

 とりあえずジム戦に来ましたとモンスターボールを構えて挑むと「じゃあ、ジム戦を……ああ、しまった!」となにかを思い出してジムのバトルフィールドに向かうと穴ぼこだらけだった。

 最初のジム戦で相手が【あなをほる】を使ってきて、フィールドをそのままにしたのを忘れてしまったらしい。とりあえず業者を呼んで元のフィールドにすればいいが、業者は直ぐに来ないみたいでアスナさんが手動で直す事になるのでオレ達も手伝う事に。

 

「ごめんね、手伝わせちゃって」と申し訳無さそうなアスナさん。コレもまた1つの大事な経験だから気にする事じゃない。

 アスナさん、数日前に祖父からジムリーダーの座を譲ってもらった新米ジムリーダーで色々とてんてこ舞い、新米ジムリーダーは長い目で見つめるものだと思っていると視線を感じた。

 

 オレ達以外にジムに挑みに来た人なのだろうかと視線を感じた方向に向かえば1人の老人がいた。

 アスナさんのお祖父さんで、ポケモン川柳の旅に出た筈なのになんでこんなところに居るんだろうと首を傾げていると「あれ、そういえばヒートバッジって何処に置いてたっけ?」とかアスナさんは言い出す。

 

「何処に置いてるんですか?」とお爺さんに聞いてみるとお爺さんはトイレを借りるフリをしてヒートバッジを手にした……便所にヒートバッジを置くの止めてくれねえかな、変な匂いが移ったらなんか嫌だ。

 

 アスナさんは「しまった。審判を呼ぶの忘れてた」という……ポケモン監査官が見たらアスナさん、クビにされるんじゃないだろうか?

 見ていられないと思ったお爺さんは正体を現して「今回はワシが審判を務めてやる!」とフォローしてくれた……大変だな、前任のジムリーダーも後任のジムリーダーも。

 

 とりあえず今日はジム戦をする事が出来なさそうだ。

 フィールドの整備を整えるのに一日費やした。アスナさんがお礼だと砂風呂を奢ってくれた。遊ぶのはジムが終わってからだと決めていたが、この砂風呂が思った以上に心地良くて今までの疲れが吹き飛んだ。コレで明日のフエンジム戦をより戦い抜く事が出来る。明日はジム戦だ、油断せずに行こう。



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燃えろ痺れろジムバトル

 ホウエンレポート37(燃えろフエンジム)

 

 砂風呂のお陰で体力は万全に回復することが出来た。試合が終わった後に砂風呂に入ろうと思っていたが、これはまぁ結果オーライと深く難しく考えることはせずにいこうと思う。ポケモンセンターでポケモンの健康診断を終えて問題無いと診断されたのでいざジム戦だとフエンジムに向うと腕を組んでいるアスナさんがいた。何やってんだろうととりあえずジムの中に入ると「待ってたわ、じゃなかった。待っていたぞ、チャレンジャーよ!」と威厳のあるジムリーダーっぽいところを見せようと必死になっていた。

 

 新米のジムリーダーなんだから無理するなと言いたいが多少の無理をしてもらわないとこちらとしては困る。

 こうなった以上はオレもノッてやるかとモンスターボールを構えて「オレはマサラタウンのサトシ、フエンジムに挑戦しに来たぜ」と宣戦布告をする。昨日も似たような事をやったが気にしない、気にしない。

 

 バトルフィールドに案内してもらえば昨日の努力が実り綺麗なバトルフィールドがそこにはあった。

 アスナさんのお祖父さんは昨日の和服っぽい格好から一転し審判の様な格好に着替えておりジム戦をしに来た感が増してくる。まぁ、ジム戦をしにきたんだけども。

 

「これよりフエンジム・ジム戦を行う!使用ポケモンは3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみとする」と試合が成立した合図をする。

 アスナさんが最初に出したのはマグカルゴ、ニックネームはマグ……初っ端から熱いポケモンが来たので此処は頼んだぞとヌマクローを出す。セオリー通りだがどう出てくるのか。

 

 バトル開始の合図と同時に【みずでっぽう】をマグカルゴにぶつける。

 4倍弱点の水系の技はかなり効くだろうが伊達にジムリーダーのポケモンではないので普通に起き上がり【すなあらし】を展開する。水系のポケモン対策にでも覚えさせていたのだろうか?だが残念な事が1つ、ヌマクローは【みず】タイプだけでなく【じめん】タイプも持っている。連撃の【みずでっぽう】だと攻めてみるのだが砂嵐が水に纏わりついていて上手く【みずでっぽう】が当てられない。

 

 伊達にジムリーダーのポケモンにポケモンバトルじゃないな。

 しかぁし、オレはちゃんとそういうのを想定している。【みず】タイプのポケモンから水系の技をくらわない為に【すなあらし】を展開しているというのならば【みずでっぽう】を使わなければいい。

 

 そう考えていると「マグ【リフレクター】」とオレの手の内を察したのか変化技を使う。

 これはちょっと困ったと思いつつも【じしん】を指示するとヌマクローは【じしん】を巻き起こし衝撃波でマグカルゴを弾き飛ばすが【リフレクター】がいい仕事をしてくれて倒れない。

 

 息が乱れながらも立ち上がるマグカルゴは【さいみんじゅつ】を撃ってくる。

 ヌマクローに間合いを取らせろと直ぐにマグカルゴと間合いを開き【さいみんじゅつ】を回避する。アニメの【さいみんじゅつ】とか無駄に強かったりするから油断出来ねえんだよな。間合いを開けていてヌマクローは【じめん】タイプを持っているので【すなあらし】状態の恩恵を受ける事が出来る。

 

 マグカルゴは【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでこちらは【みずでっぽう】で対抗する。

 中々に強い【かえんほうしゃ】だが決して捌けないわけではない。再び【みずでっぽう】が直撃しマグカルゴにダメージがあり、そこに隙が生まれると【じしん】を撃ってマグカルゴを弾き飛ばす。

 

 マグカルゴは戦闘不能となり、1体目を無事に撃破する事に成功した。

 よっし、いい感じの出鼻だぞと思いつつもアスナさんが2体目に出したのはマグマッグだった。マグカルゴからのマグマッグならば余裕なんて言ってられない。マグマッグが出ると【すなあらし】状態がピタリと止んだ。また随分とタイミングがいいことで……まぁ、気にしない気にしない。

 

 マグマッグのメグは【スモッグ】を撃ってくる。

 状態異常になるのはまずいとヌマクローに【スモッグ】の中から出て行ってもらうのだが逆にそこが狙い目だと狙われて【かえんほうしゃ】をくらう。ヌマクローじゃなきゃ負けてたかもしれない。ヌマクローは直ぐに立ち上がるのでモンスターボールに戻した。

 

 ヌマクローだけで勝てるかと思っていたがやっぱりそんなにジム戦は甘くはない。

 コレがゲームだったらボコボコに出来てたんだけどなと思いつつも2体目を、ラティアスを出す。「サトシくん、ラティアスなんて持ってたの!?」と驚かれる。持っているとも、準伝説のポケモンは……最近アニメのキャラも準伝説のポケモンを多くゲットしていたりするし1体2体持っててもなんらおかしくはない。

 

 ヌマクローに代わりラティアスを出す。ヌマクローよりも現時点ではラティアスの方が大きなパワーを秘めている。

 マグマッグは【スモッグ】を撃ってくるのでラティアスには空高く飛んでもらい【スモッグ】を回避、そのまま【スモッグ】が展開されていない場所に一気に急降下して【なみのり】を巻き起こす。

 

 マグマッグに近付く事は危険だが多少の危険を犯さなければバトルには勝てない。

 津波に乗ってマグマッグ目掛けて突撃していくラティアス。マグマッグはラティアスが巻き起こした津波に飲み込まれてしまい、そのまま戦闘不能になった。やはりラティアスの力は偉大である。

 

 ラティアスが軽々と2体目を撃破し、いよいよ残すところは後一体。

 事前の情報等が正しければ出てくるポケモンはあのポケモンしかいないとコータスが出てくる。するとどうだろうか、急に日差しが強くなった感じがする。もしかしてと思い聞いてみればとくせいが【ひでり】のコータスだった。レアなコータスだな。

 

 ポケモンの残り数もこちらの方が有利である事には変わりはない。下手に交代するよりも攻めるのが性に合うとラティアスに【なみのり】を指示し津波を巻き起こすのだがコータスは【かえんほうしゃ】を【なみのり】にぶつけると一瞬にして水が蒸発する。

【ひでり】の影響もあるけどもシンプルにコータスが強いな。【ひでり】をどう対処するか、時間いっぱいまで逃げ切るのも手だが流石にそれは最終手段。ヌマクローに代えてもコータスには恐らくは【ソーラービーム】がある。というかコータスの種族値って防御が無駄に高くて近距離の物理攻撃メインのヌマクローとは色々と相性が悪い。

 

 色々と考えてまだポケモンの枠が1つ残っている事を思い出す。選択肢は無限に広がっているんだとラティアスをピカチュウと交代する。

 コレで使用ポケモン3体の枠は使い切ったがまだ試合は終わっていない。コータスは【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでピカチュウは避ける。威力は物凄く高いけども決して回避する事が出来ないわけじゃないんだ。コータスの鈍足に今回は救われる。

 

 だが逃げ続けても何時かは攻撃が当てられると【あまごい】を指示する。

【あめ】状態にフィールドを変化させる事で【ほのお】タイプの威力を激減させるだけでなく【みず】タイプの技の威力を上げる事も出来る。ピカチュウにはこの【あまごい】を撃つだけで止まってもらい、再度ラティアスを出す。

 

【ひでり】じゃなくなり【あめ】状態の中ならば楽なものだ。

 ラティアスに【なみのり】を巻き起こし、突撃するとコータスは【オーバーヒート】を撃ってくる。雨の中でのオーバーヒートは出したいから出したのではなく出させた技だ。【オーバーヒート】はラティアスの巻き起こした津波を焼き切ったがそこまで、第二波が来ると【なみのり】で攻めると【オーバーヒート】を撃つが【オーバーヒート】は一回限りの技だ。【あまのじゃく】でない限りは連発しても意味は無い。いやむしろ自分の寿命を縮めるだけだ。

 

 1回目の【オーバーヒート】よりも劣る2回目の【オーバーヒート】はラティアスの【なみのり】を焼き切る事は出来ずにコータスは津波に飲み込まれて戦闘不能となる。コレで3体撃破し、フエンジムは無事に突破することに成功した……ので思いっきり温泉を楽しむ。昨日の砂風呂も良かったんだが液体の湯船の温泉も悪くはない。こういうことがあるから旅は止められない。セレナと一緒に温泉に入ることが出来ていい感じのガス抜きも出来た……フエンジムを制覇した証であるヒートバッジを手にし、温泉まんじゅうを頬張る……勝利の味は格別である。

 

 ホウエンレポート38(ハガネの谷のコータス)

 

 次のジムはヒワマキジムだ。ゲームでならばトウカジムだが既にトウカジムを制覇したので次のジムになる。

 ポケナビの地図を見ながら歩いていると急に動作不良を起こす。なんだこりゃとタウンマップを広げてみればハガネの谷と呼ばれる【はがね】タイプが多く生息しており特殊な磁場の影響か一部の電子機器が使用不可能になるとのこと。

 

 また変なところに迷い込んでしまったなと思いつつもハガネの谷を抜けようとしていると【かみなり】が落ちた。

 もしかして何処かの誰かがポケモンバトルをしているんじゃないか、ポケモンバトルは基本的に何時でもウェルカムなので向かってみるとコータスがレアコイルと対峙していた。いや、レアコイルだけじゃない、コイルがコータスをリンチしていた。

 

 寄ってたかってコータスをイジメるとはなにやってんだとピカチュウに【10まんボルト】を指示しコータスを助け出す。

 亀の様に背中を向けてしまえば動けなくなっているので起こしてやるとコータスは嬉しいのか大泣きして煙幕を巻き起こす。感動屋かなにかかなと思っていると地鳴りの様なものが響く。

 

 涙を流していたコータスは涙を止めて走っていく。

 素早さの種族値30ぐらいの筈だが、それでもコータスは物凄い速さで走っていくとそこにはハガネールがいた。このハガネの谷を仕切るヌシ的な存在の様でコータスはハガネールに挑んでハガネの谷を突破しようとしている。

 

 相性の上では互角といったところ。

 先にしかけたのはコータスで強烈な【かえんほうしゃ】を浴びせる。ハガネールは苦しそうな顔をするがそれでも一歩も引かずに【いわなだれ】をコータスに浴びせる。どっちも互角……いや、僅かながらハガネールの方が有利かとなる。

 

【かえんほうしゃ】の連打で倒すのは難しい。そうなると一撃必殺に頼るしかない。コータスに「お前、オーバーヒートを使うことは出来るか?」と聞いてみるとコータスは首を縦に振る。どうやら見た目以上に優秀なコータスの様だ。コータスの甲羅が赤く光るとハガネールは【あなをほる】で地面の中に潜る。穴に目掛けて【オーバーヒート】を撃ってやりたいところだが我慢をし、足元にのみ集中をすると足元に亀裂が走るのでコータスはジャンプして【あなをほる】を回避、そのまま出てきたハガネールに向かって【オーバーヒート】をぶつける。

 

【オーバーヒート】は中々に熱い技だった。重くて大きなハガネールは段々と後退する。【オーバーヒート】は一発が大事な技で連発は出来ない。この【オーバーヒート】に賭けるしかないのだが、ハガネールを倒すことは出来なかった……が、ハガネール的には今の【オーバーヒート】で負けを感じたのか道を譲ってくれる。エアームドやコイル達はなにか言いたそうな顔をしていたがハガネールが道を譲ってくれるのでそれ以上は文句を言わずにハガネールが譲った道を通ってコータスとオレ達は無事にハガネの谷を抜けた。

 

 中々にいい根性をしているコータスだなとモンスターボールを取り出す。

「よかったらオレと一緒にポケモンバトルの頂点を目指さないか?」と言えばコータスは感激したのか涙を流し、オレに飛び乗ってくる。可愛いところもあるな。

 

 そんなこんなでコータスゲットだぜとモンスターボールを投げるとコータスは無事にゲットされた……んだけどもコータスの入ったモンスターボールがオーキド博士の研究所に転送されてしまった。ピカチュウ、ジュプトル、ヌマクロー、メタング、ラティアス、オオスバメの6体の手持ちだった為にオーキド博士の研究所に自動的に転送されてしまった。

 

 こりゃいけないと最寄りのポケモンセンターに立ち寄りオーキド博士の研究所に連絡を入れる。

 久しぶりのポケモンが送られてきた事にオーキド博士は喜ぶのだがコータスを連れていきたいので至急コータスを送って欲しいと頼む。「別にそれは構わんがどのポケモンを送るんじゃ?」となり困る……どのポケモンも育成に専念しているポケモンで送るに送れない。どうしたものかと悩んでいると「ピカチュウのモンスターボールだけを送ればいいんじゃないかしら?」とセレナが名案を提案する。

 

 ピカチュウは普段からモンスターボールに入っていない。

 空になっているピカチュウのモンスターボールを送っておけば手持ち7体が実現できる。これはいい案だと早速採用し、ピカチュウが入っていない空のピカチュウのモンスターボールとコータスを交換する。

 

 コレを書いている今ふと思ったがこのコータスはサトシくんがゲットしたコータスだった。いい感じにコータスをゲットする事が出来て今日は気分が良い。

 

 ホウエンレポート39(痺れる激闘!キンセツジム!)

 

 フエンタウンを降りてハガネの谷を降りて辿り着いたキンセツシティ。

 前回はジム戦に集中していたがなにかと娯楽に溢れているキンセツシティ。とりあえずゲームセンターに行ってみるかとポケモン達をジョーイさんに預けていると久しぶりにユウキ達と顔を合わせる。

 

 テレビの画面越しでハルカはセレナを、セレナはハルカを見ていたようだ。

 アレから旅の方は順調なのかと聞いてみればハルカは嬉しそうにコンテストリボンを見せてくる。旅が順調なのは何よりだと思っているとユウキ達のポケモン達の回復が終わった事が告げられる。

 

「ハルカは順調だけどお前の方はどうなんだ?」とユウキに聞けば「大丈夫、大丈夫。今から3つ目のジムに挑むから……どうせなら見て行ってよ」と誘ってくる。キンセツシティを遊んだりするのもいいが、他人のジム戦を見るのも良いかもしれない。最後に他人のジム戦を見たのって何時だったか、グレンジムじゃなかったけ?。

 

 オレ達のポケモンの回復が無事に終わったのでキンセツジムに向かう。

 流石にライコウのロボットの仕掛けは懲りたのか動く足場、ベルトコンベアだけとなるがユウキの奴が「ヒャッホー」と弾けている……あいつ、ホントに変わったな。いや、いいことなんだけどもな。

 

 ベルトコンベアに連れられてジムのバトルフィールドに辿り着く。

「待っておったぞ、ってなんじゃサトシくん達も一緒なのか?」と驚いた様子のテッセンさん。知り合いだからジム戦を観戦に来たことを告げるとアッチでみてくれと観客席に案内してくれるのでハルカ達と一緒に移動する。

 

 いやぁ、至れり尽くせりだなと思っているとハルカはチアリーダーが持っているポンポンを取り出せ「フレーフレー、ユ・ウ・キ!」と応援をする。「ハルカちゃん、応援ありがとう!今日はサトシやセレナちゃんも見ているからいいとこ見せてあげるよ!」とチャラついた感じのユウキだが本人は至って真面目にやっている。

 

 ジムトレーナーのワットさんが「これよりキンセツジム、ジム戦を行います。使用ポケモンは3体のシングルバトル。交代はチャレンジャーのみ可能とします」と言いジム戦が開幕する。テッセンさんが1体目に出したのはレアコイル、これに対してユウキの奴が出したのはワカシャモだった。

 

 コレは熱い勝負が見られるぞと試合開始の合図と共にテッセンさんがしかける。

「レアコイル【10まんボルト】」と【10まんボルト】を浴びせに行くのだがユウキはそれを読んでいると言わんばかりに【まもる】を使い、そして1段階素早さを上昇する。【かそく】アチャモの十八番、初手に【まもる】を使いテッカニンや一部のポケモンを除いたポケモンの素早さを上回る素早さになる戦法だ。コスい手に見えるが充分な戦術だ。

 

「ぬぅ、ワシのレアコイルの【10まんボルト】を防ぎおったか」と感心するテッセンさん。

 1段階上昇したワカシャモは早々に手がつけられないとユウキはワカシャモに【にどげり】を指示しワカシャモはレアコイルを蹴り飛ばした。【せいでんき】じゃないポケモン相手だからノリノリに飛ばしているな。

 

「【ソニックブーム】じゃ!」と使う技を変えてくるがもう既に遅い。

 ワカシャモは【かそく】し殆どのポケモンよりも早くなっており【ニトロチャージ】で追加と言わんばかりに素早さを上げていく。「い、いかん。何処にワカシャモがいるのか」とワカシャモは何処だ何処だと右見て左見て前を見てとワカシャモの素早い動きに戸惑うテッセンさん。

 

「もういいか。ワカシャモ【かえんほうしゃ】」と充分なまでに素早さの底上げをしたワカシャモは【かえんほうしゃ】を浴びせる。やっぱ強いな、【かそく】ワカシャモは。

 レアコイルは戦闘不能となり、2体目に出てきたのはビリリダマだった。ビリリダマなら素早さに追いつく事が出来るのかと一瞬だけ期待を抱くのだが流石というかなんというかテッセンさん、ユウキの【かそく】ワカシャモの危険性を直ぐに感じ取ったのか【だいばくはつ】を使ってきた。

 

 素早くて攻撃の照準を捉えられないワカシャモに対して広範囲技の【だいばくはつ】は間違いじゃないが、開幕ブッパをするかね普通。

 ジムリーダーのベテランの意地みたいなのが見えてワカシャモは戦闘不能になる。コレばかりはユウキも予想外だったので「やられたな〜あ〜クソっ」と割と本気で落ち込んでいるがジム戦は続いている。

 テッセンさんの3体目はライボルトだった。どうやらあの後、無事にラクライをゲットしたみたいだ。ユウキの奴【じめん】タイプのポケモン持ってたっけ?となるが出てきたのはコドラだった。ココドラを進化させたのか、やるぅ。

 

 残り1体に追い詰められてもテッセンさんは笑みを崩さない。

「コドラ、【どろかけ】」と泥を巻き上げるのだがライボルトは華麗に回避し「さっきのお返し【でんじは】」と状態異常に、【まひ】状態にさせてくる。「だ、大丈夫かしら?」と不利な状況に追い詰められているユウキを心配するハルカ。問題無い、アイツの事だからなんだかんだと上手くやってくれる筈だ。

 

【まひ】状態になってしまったコドラ。【どろかけ】が通らなかったので使う技を変えてきた。【アイアンヘッド】で突撃をかましてくるのだが【まひ】の痺れもあってか途中で動きが止まってしまう。当然テッセンさんがその隙を逃すことはせず……【かえんほうしゃ】をコドラに浴びせる。確かにライボルトは【かえんほうしゃ】を覚えるが覚えさせてるのか……草系の対策だろうか?

 

 コドラはなんとか【かえんほうしゃ】を耐えるのだが息が大きく乱れている。

 派手に動く系の技は下手には使えない、どうするつもりだと見守っているとユウキはコドラをボールに戻した。勝てないと判断したのだろう。有効な手もエースも居ない状況、さてどうすると3体目にサーナイトを出した。

 

 ここでのサーナイトか。どう出るかと見守っているとテッセンさんはライボルトに【でんじは】を指示する。が、それは悪手だ。

 サーナイトは避ける事をせずに【でんじは】を浴びると【まひ】状態になるのだがとくせいの【シンクロ】が発動してライボルトも【まひ】状態にする。コレで条件は五分五分といったところでサーナイトは【サイコキネシス】を使いライボルトを弾き飛ばすがライボルトも負けじと【ほうでん】で対抗する。力と力のぶつかり合い、いい感じのバトルだ、拮抗している……なにか1手は無いのかと模索するのが普通だが、ユウキの奴は余裕を見せている。ポーカーフェイスが上手いとかじゃなく普通に余裕そうにしている。

 

 何かしらの手をまだ残しているのかとサーナイトが使えそうな技を頭に浮かべる。

 もしかしてと思ったがそれは見てのお楽しみだと口にせず【サイコキネシス】でライボルトを空中に浮かせ【ムーンフォース】を叩き込んでライボルトを戦闘不能にした……。

 

「いや〜危なかった。サーナイトを倒されたら色々な意味で危なかったよ」とヘラヘラと笑うユウキ。やっぱりなんか隠し持ってるなと思いつつも今はとりあえずジム戦を制した事に拍手を送る。ユウキの奴はヘラヘラとしたりチャラい様に見せているが○○である事には変わりない、基礎的な部分はしっかりとしている……が、基礎が強くて【だいばくはつ】みたいな予想外の1手に弱い……う〜ん……コレから段々と成長していくから脅威になるが、楽しみでもある。ホウエンリーグで熱いバトルをやりたいな。



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カップルの愛的なの

サトシくん引退なら色々とね


 

 ホウエンレポート40(進化とは vsバクオング)

 

 トウカジムのジムバッジは既に持っているので6番目のジムことヒマワキジムを目指す事になった。

 ユウキ達は今からフエンジムなのでフエンタウンの温泉は良かったぞと温泉と砂風呂を勧めておき、いざ参らんとヒマワキジムを目指しているとドゴームに遭遇した。ドゴームは興味は無いので無視しようとしたら襲いかかってきた。

 

 オレを相手に襲いかかってくるとはいい度胸だなと殴り飛ばすと「ドゴーム!?」とドゴームを探している男性と遭遇する。

 どうやら男性のドゴームだったらしくゴニョニョだった頃は言うことを聞いているのに進化したら手に負えなくなったらしい。進化したら手に負えなくなる経験はオレも一度はあるので悩む。

 

 トレーナーとして自分の方が上だと証明する暴力的な解決方法もあれば普通に対話の精神で接する和解の方法もある。

 トレーナーとしてナメられているのならば強くなるしか道はない。とりあえずドゴームとポケモンバトルをする事になり、オレはジュプトルを出す。ここ最近バトルが無かったのでジュプトルはやる気を見せる。

 

 ドゴームは【とっしん】で攻撃してくるのでジュプトルは颯爽と避ける。

 レベル差はそれなりにあるが油断は出来ないなとジュプトルに【エナジーボール】を撃ってもらう。【エナジーボール】が直撃したドゴームだがまだまだやれると直ぐに立ち上がる。相手のトレーナーとドゴームは心を通わせる事が出来ているなと思っているとドゴームが眩い光に身を包み……バクオングに進化した。

 

 ここに来ての進化ってもしかしてオレは負けフラグを建てているんじゃないだろうか?

 進化してそれで負けるみたいなフラグはホントに洒落にならないと思っているとバクオングは指示を待たずに【ばくおんぱ】を撃ってくる。コレってもしかしてと思いつつバクオングの【ばくおんぱ】をジュプトルは避ける……が、しつこく追いかけて来る。

 

 進化した事でパワーが有り余っているんだろうな。

 だが、その程度でジュプトルを攻略できるとは思うなよ。ジュプトルは【ばくおんぱ】を避けていく。相手のトレーナーは【ばくおんぱ】じゃジュプトルを倒すことが出来ないのが分かったので指示を出すのだが言うことを聞かない。

 

 こりゃちょっとお灸を据えないといけないなとジュプトルはバクオングに接近し【リーフブレード】を決める。

 バクオングは倒れるが直ぐに立ち上がろうとするので追撃の【エナジーボール】を撃ち完全に立ち上がることを出来なくする。バクオングは立ち上がる気力すらも無くなり戦闘不能になる。負けフラグを見事に回避する事が出来てなによりだ。

 

 バクオングをボコボコにしてしまったので一応は無事かどうか確認する。

 この近くにポケモンセンターは無いのでどうしたらいいのかとキズぐすりとかを取り出してバクオングを治療していると意識を失っていたバクオングは目を覚ます。バクオングは暴れるのでチョップを叩き込んで黙らせる。

 

「バクオング……」と怪我をしているバクオングを心配する。「大丈夫、そこまでの大怪我じゃないわ」とセレナはフォローを入れてくれる。

 こういう時は2人にするのが1番だとバクオングと相手のトレーナーと距離を置くとバクオングと対話をする。バクオングは一応は耳を傾けてくれる。ジュプトルで完膚無きまでに叩きのめしたのが色々といい薬になった。

 

 オボンのみを食べさせて回復するとバクオングは暴れようとする。

 お前やる気かと腕を鳴らしているとバクオングはビクッと反応をしている。やっぱりボコるのは効果あったなと思っていると「もう一度バトルをしてくれ」と言ってくる。バクオングの顔をジッと見つめておりバクオングと拳を合わせる。

 

 どうやら仲直りをする事が出来たみたいだがその程度でオレを倒せると思ったら大間違いだ。

 再びジュプトルとバトルすることとなり今度はバクオングはトレーナーの言うことを聞いてくれており【ハイパーボイス】を撃ってくる。ジュプトルは【ハイパーボイス】をまともに受けて苦しそうな顔をしている……が、一歩ずつ前に進むことが出来ている。

 

 真正面からの攻撃はキツいが側面からの攻撃には弱い。

 ジュプトルはバクオングの【ハイパーボイス】を抜け出すと速攻を決めに【リーフブレード】で斬りかかるのだがバクオングは倒れない。中々にやるなと【エナジーボール】を撃つのだが【ばくおんぱ】で押し止められる。

 このままじゃ負ける可能性が高いからどうしたものかと考えているとジュプトルは眩い光に身を包む。お、コレはと思っているとジュプトルはジュカインに進化した。

 

 バクオングに釣られるかの様に進化した。此処での進化は嬉しい誤算だ。

 ジュカインに進化した事により体重が増えたがそんな事は気にはならない程にジュカインは素早くなっている。ジュカインに【リーフブレード】を指示すると目にも止まらぬ速さで【リーフブレード】を決めるとバクオングは倒れた。

 

 一時はヒヤッとしたけれどもジュプトルがジュカインに進化したことでパワーや素早さが今までと段違いにパワーアップをしており、その力を遺憾無く発揮する事が出来たようでなによりだ。バクオングの方もトレーナーと無事に仲直りする事が出来たようでこれにて一件落着だ。

 

 ホウエンレポート41(薔薇のタッグバトル)

 

 ヒマワキジムを目指していざと思っているとセレナが髪が上手く決まらないと悩んでいた。

 最終的にラティオスがサイコキネシスで髪型を整える事により終わったのだが女子の髪の悩みは意外とめんどくさい。しかしセレナがそれで可愛く美しくなるので文句は言わない、不満もない。

 

 セレナが髪型をセットし終えたのでいざヒマワキジムへと歩いているとベルサイユのばらに出てきそうな格好をした二人組と遭遇する。

 ポケモントレーナーらしくポケモンバトルを挑んでくるのだが、ただのポケモンバトルを挑んでこない。タッグバトルによるポケモンバトルを挑んで来た。ダブルバトルとかタッグバトルとか苦手なので断ろうかなと考えている横でセレナが承諾した「私達の力、見せてあげるわ!」とオレの意思は無視ですかい。

 

 そんなこんなでやる気を見せているセレナに対してあんまり気分が乗らない。

 1,2,3で4人同時にポケモンを出すことになり、オスカルっぽいのがニドキング、アンドリュっぽいのがニドクインを出した。それに対してオレはオオスバメをセレナはクリスタルのイワークを出した……う〜ん、咬み合わせが絶妙に悪いな。

 

 試合開始と同時にニドキングとニドクインは【じしん】を撃ってくるのでクリスタルのイワークは【じしん】で相殺しようとするのだが、【じしん】の規模が大きく完全に相殺することは出来ずにクリスタルのイワークはダメージを負う。

 流石にイワークを持ち上げる事は出来ないので此処は1人で頑張るしかないとオオスバメに【すてみタックル】を指示してニドキングを突き飛ばす。

 

 ニドキングを突き飛ばした事により【じしん】の波は弱まりクリスタルのイワークの【じしん】で相殺することが出来るようになった。

【じしん】の衝撃波は【じしん】により防がれる。使える手はまだあるがセレナはどうするつもりと思えば【れいとうビーム】を指示し、地面を凍らせる。ニドクインは尻尾を地面に叩きつけて高くジャンプしたかと思えばクリスタルのイワークに向かって【にどげり】をくらわせる。

 

 氷のフィールドを歩く事は出来ないので一気に飛んできたか。

 次に動いたのはニドキングで【なみのり】を使い津波の上に乗ってクリスタルのイワークを襲うのだがクリスタルのイワークは【みず】タイプの攻撃は効果は無い。津波の上に乗っているニドキング目掛けてオオスバメは【つばめがえし】で激突し津波の中に落とす。

 

 クリスタルのイワークが的になってしまっているがそれはそれでアリだと攻める。

 オオスバメは【つばめがえし】をニドキングに当てるのだが苦しそうな顔をする。ニドキングのとくせい【どくのトゲ】が発動したのだが別にそれは構わない事だと【からげんき】でニドキングを突き飛ばして戦闘不能にする。

 

【こんじょう】からの【からげんき】は中々に強いコンボだ。

 クリスタルのイワークは【すてみタックル】をニドクインにくらわせにいく。ニドクインは尻尾を地面に叩きつけて高くジャンプして回避するがそれは一度見たので対処する事が出来ると空中に居るニドクイン目掛けて【からげんき】を撃って叩き落としクリスタルのイワークが【アイアンテール】を叩き込んでニドクインも戦闘不能にした。

 

「我々の絆ではカップルの愛に勝つことは出来ないというのか」と落ち込む2人……ダブルバトルの時もそうだがタッグバトルとかやり辛い…が、トクサネシティでダブルバトルしないといけねえんだよな。「私達の愛は無敵よ!」とセレナはたわわな胸を張るのだが恥ずかしいのでやめてほしい。でも、セレナは嬉しそうなんだよな……。

 

 ホウエンレポート42(対決 巨大ナマズン)

 

 大きな湖があるところで昼飯をしようとなった。

 お昼ごはんはシチューだとセレナが色々とやってくれるのでオレはバッジを磨く。ジムバッジはオレの純粋な実力で手に入れた勲章みたいなもの。優勝トロフィーとはまた別に大事な物で、湖の水を使って磨いていると水面から巨大なナマズンが出てくる。

 

 巨大なナマズンはオレをジッと見つめてくる。

 オレには既にヌマクローという水ポケモンが居るのでナマズンには興味無い。ナマズンはジッとオレを見つめてくるので見返すと湖の中に潜ったと思えば飛び跳ねて水飛沫をあげる。ジムバッジを洗ってるのに邪魔するなと油断しているとジムバッジが入っているバッジケースを飲み込んだ。

 

 人様のバッジケースを盗んでんじゃねえ!

 ナマズンを追いかけようとすると「待てぃ!あの巨大ナマズンはワシの獲物じゃ!」と釣り名人のスズムラさんもといスーさんが現れる。スーさんは巨大ナマズンを狙っているらしく自慢のナマズンゲットの為のルアーを使って糸を垂らす。そして引っかかる……トサキントが。

 

 トサキントは目当てじゃないとキャッチ・アンド・リリース。トサキントが釣れる釣れる。その度にスーさんは狙いは巨大ナマズンのみ、他のポケモンは不要だ!とハッキリと断言する。しかし巨大ナマズンは釣れない。

 このままスーさんに頼りっぱなしなのはいけない事でそもそもでオレのバッジケースを取り戻さないといけない。オレは水着に着替えてゴーゴーゴーグルを装備して湖にダイブ。巨大ナマズンを発見したので水の中を歩行して巨大ナマズンを蹴り上げて丘の上に出す。

 

 人のバッジケースを盗むとはいい度胸だなと腕をバキバキと鳴らすのだがスーさんが「ナマズンは生涯のライバル!譲ってはくれぬか」と言ってくるので渋々譲る。「ポケモンはバトルして弱らせないとゲット出来ませんよ!」とセレナが横でアドバイスを送るのだが「心配ご無用!」とモココのハマちゃんを出す。

 

 モココということはもしかしてと思っていると【かみなりパンチ】を指示する。

「スーさん、ナマズンは【じめん】タイプのポケモンだから【かみなりパンチ】は効かねえぞ」といえばショックを受ける。水ポケモンは電気ポケモンと相性が良いが何事にも例外というものもある。

 

 スーさんが頼りにならなそうなのでとりあえず湖に逃げられる前にバッジケースを取り返すと釘パンチを叩き込むとナマズンは吹き飛ばされて口の中に入れていたバッジケースを吐き出す。ヌメヌメとしているのでまた1からバッジケースを洗わないといけない。余計な事をしやがってとヌメヌメなバッジケースを湖の水に浸す。

 

 スーさんはナマズンを見て「ハマちゃんの攻撃が効かぬのならばとっておきを出そう」とマスターボールを取り出す……いいな、マスターボール。何処に行けば買えるんだろう?ガンテツ印のボールも良いけどもあらゆるポケモンをゲットする事が出来るマスターボールはシンプルに普通に欲しい。

 

 スーさんはマスターボールを投げるとナマズンは口を開いてゴクリとマスターボールを飲み込んだ。

 バッジケースに続き今度はマスターボールかと尻尾を掴み鉾を突き刺す様に一気に揺らせば飲み込んだマスターボールを吐き出す事が出来た。これでマスターボールを取り返す事が出来たぞとスーさんにマスターボールを渡すのだがスーさんはマスターボールを貰ってくれと言った。「ナマズンは道具の力に頼らずにゲットしたい……マスターボールさえあれば必ずゲット出来ると思っていたワシはまだまだ未熟じゃ」とナマズンに再度挑もうとやる気の炎を燃え上がらせる。マスターボールをくれると言うのならばありがたく頂いておこう。

 

 人の物を盗もうとしているナマズンを懲らしめる事が出来た。バッジケースを取り戻す事も出来たので今日のところはそれで良しとしよう。

 

 ホウエンレポート43(ポケモンコンテスト ルイボス大会)

 

 ルイボスタウンに辿り着いた。この街でポケモンコンテストが行われるのは事前に情報を掴んでいる。

 早速セレナはルイボス大会にエントリーするのだがシュウの奴がファンと思わしき少女達からキャーキャー言われてサインを強請られていた。プロのアイドルでもないのにキャーキャー言われるとか……オレなんてジョウトリーグで負けた人認定なんだぞ。いや、負けたのは事実なんだけどさ。

 

「やぁ、君達も来てたのかい」とキザなセリフを吐くシュウ。

 ここに来て居るという事は今回のポケモンコンテストに出るつもりなのかと聞いてみれば今回のポケモンコンテストには出ない、ポケモン達の調整が上手く行っていない。完璧じゃないポケモン達を魅せる訳にはいかないそうだ。

 

 今回は強敵は居なさそうだな。

 ルイボス大会は開幕されて色々な人達のパフォーマンスを見る。流石はポケモンコンテストと言うべきか、コンテストに出ているポケモンのレベルは高いなと思っているとセレナの出番が来る。

 

 セレナはどうするんだろうと見守っているとセレナはリザードンを出した。

 一次審査にリザードンかと思っているとリザードンに【ほのおのうず】を指示したと思えばリザードンは空中を舞う。空を飛びながらの【ほのおのうず】は見ものだと【ほのおのうず】を身に纏い例えるならば炎のドリルの様な姿になりリザードンは魅せる。

 

 審査委員達からは高評価を得て1次審査は無事に通過、続いて二次審査のコンテストバトルに変わる。

 コンテストバトルにセレナはテールナーを出した。対戦相手のコーディネーターはコドラを出してきた。相性の上ではやや有利かと思っていると【がんせきふうじ】で頭上から岩石を落としていく。

 

 テールナーは落ちてくる岩石を飛び乗り、アクションゲームの如く岩から岩へと飛び移る。

 攻撃技の【がんせきふうじ】を上手い具合に回避する事が出来ていたのでコンテストゲージは大きく削られて岩石が落ちてこなくなったと思えばテールナーは地面に向かって【でんげきは】を放ち電気の波紋を広げたかと思えば【がんせきふうじ】で落とされた岩石を粉々に粉砕していく。

 

 パフォーマンスがマンネリ化してるかと思ったがネタは中々に尽きないものだな。テールナーが進化していないのが困ったものだったが進化をしていなくても十二分に力を発揮する事が出来ている。【でんげきは】を当てられて弾き飛ばされたコドラに向かって【かえんほうしゃ】を浴びせるとタイムアップ、セレナは対戦相手の女性のコンテストゲージを大幅に削っており、セレナの勝利でその後もセレナは無事に勝ち進み、ルイボス大会のコンテストリボンをゲットする事が出来た。

 

 ホウエンレポート44(空中決戦ポケリンガ)

 

 風がビュービュー吹き荒れる街、クロスゲートタウンが間もなくというところでチルットを発見する。

 チルットは翼を仰いで飛ぼうとしているのだがクロスゲートタウンから吹き荒れる独特の風の波に乗ることは出来ずにいる。これは危ないとメタングを出して墜落してくるチルットを【ねんりき】で受け止める。

 

 野生のチルットかと思っているとトレーナーのカイトがやってきてお礼を言われる。

 ポケリンガ目指してチルットを鍛えていたらしい。ポケリンガってなんだと聞けば空を飛ぶことが出来るポケモンでリングを掴んでゴールに叩き込む大会らしい。そんな大会もあるんだなと思いつつポケリンガに興味を持ったのでオレもセレナも参加することに。

 

 オレはオオスバメを、セレナはラティオスを出場させることに。

 急遽参加しても問題無い大会で、やる気を出しているとコジロウと出会う。「ロケット団、この大会になにをするつもりだ」と聞けば「風を読みに来たのさ」と変な答えが返ってくる。どうやら純粋にポケリンガを楽しむみたいだ。

 

 オレの出番がやってきた。対戦相手は3人、内1人は前回のチャンピオンだ。

 バルビートで勝つとか中々の猛者だと思いつつもオオスバメにリングを咥えさせる。オオスバメの素早さをナメるんじゃねえぞと速攻で勝負を決めに行く。

 

 セレナの出番が来た。ラティオスは悪目立ちをしているが大丈夫かと思いつつ見守る。

 ラティオスはポケリンガのリングに向かって突撃しようとするがコジロウのドクケイルが【サイケこうせん】を放ちラティオスに当てるとラティオスは咥えていたリングを落とした。コレはと思っていると上向きの上昇気流が吹き荒れてドクケイルの元にリングが向かいドクケイルはリングをキャッチ、そのままゴールにリングを通した……コレがコンテストバトルとかだったらセレナが勝つことが出来たのだがこういう感じのバトルだと準伝説のポケモンが活躍できない可能性もある。

 

 その後もポケリンガは進み、決勝戦はオレとコジロウになるのだがコジロウが旗でなにか合図をしている。

 何しているんだと下を見れば例の喋るニャースがなにか信号を送っている。ムサシとニャースが裏で要らんことをしているなと思いつつも決勝戦が開幕するのだが砂の竜巻が巻き起こる。このクロスゲートタウン、独特の風が吹いてるが竜巻が起こるって色々な意味で大丈夫か?

 

 リングは竜巻の中にある。コジロウは竜巻が止むのを待っているが、そんなにチンタラやってられない。

 オオスバメに【ブレイブバード】で突撃し回転しながら竜巻の中に入っていけば上手く切り抜ける事が出来る。オオスバメは竜巻の中に入ることに成功して見事リングを取り出すことに成功するのだがコジロウはそれを見抜いており【サイケこうせん】を撃ってくる。オオスバメはそれを回避、最高速度を維持したままでリングをゴールに入れ、ポケリンガを征した。力技もたまには悪くはない。

 

 コレでクロスゲートタウンの名誉市民だと思っていると地面からニャース顔の気球が出てくる。

 ポケリンガに出場していたポケモン達を回復するスペースを作って嘘のケアをしてポケモンを奪い去ろうと企んでいたらしい。全く余計な事をしやがるなとラティアスとメタングを出して【サイコキネシス】で気球の動きを封じてピカチュウに【10まんボルト】を指示して例によってやな感じーと吹き飛ばされた。

 

 全く、真面目にポケリンガをやってればこんな事にならなかったというのに……悪は栄えないな。

 無事にポケリンガを優勝し、オレはクロスゲートタウンの名誉市民になり歴代のチャンピオンの仲間入りになった。



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空中大決戦 ヒマワキジム

 ホウエンレポート45(お天気研究所のポワルン)

 

 後少ししたらヒマワキシティだ。ヒマワキシティのデータは頭に入っている。

 誰をどう出そうか考えているとポワルンが目の前に現れる。ポワルンとは珍しいなとポケモン図鑑を取り出してポワルンを図鑑に登録しているとポワルンのフォルムがチェンジ、雨の形態になったかと思えば急な通り雨が降り注いだ。

 

 急な通り雨とはまた厄介なものだと思っているとポワルンのフォルムがまたまた変わる。

 雪時のフォルムになりかわり温かい筈だった地域なのに雪が降り注ぐ。異常気象だなと思っているとポワルンは元の姿に戻る。すると雪も止んだ。通り雨ならぬ通り雪とは奇妙なもんだと思っていると如何にも研究者な格好をした男女の二人組が現れる。

 

 ポワルンのトレーナーかなと思っていると「す、すみません!」といきなり謝られた。

 何事かと思えば急な雨や雪はポワルンが作り出した物らしく、急にポワルンが何処かに行ってしまったので迷惑をかけたのだと思っていたらしい。別に迷惑をかけたとかそういうのは無かったのだが2人は天気研究所の所長と職員らしい。

 

 天気研究所といえばポワルンが貰えるあの天気研究所かと原作知識を引きずり出す。

 あ〜……これ厄介な出来事に巻き込まれるなと思いつつ天気研究所に興味を持った素振りを見せると所長が折角だからと案内してくれる。

 

 ……そして面倒な事が起きる。アクア団がお天気研究所の天候を操る装置を狙いに侵入してきた。

 やっぱただのテロリストじゃねえかと思いつつもアクア団と対峙すると「お前はマサラタウンのサトシ!」と驚くアクア団員。嫌な意味で有名になったものだと何時もの様に撃退するのだが、今回はアクア団だけじゃない。

 所長と一緒にいた女性の職員は偽物でマグマ団の団員が変装している。波動で探知してみたがチ○コついている。上手い具合に変装こそ出来ているのだが俺にはお見通しだぞとお天気制御装置のデータを盗もうとする前にマグマ団員を、バンナイを捕獲。

 

 全く早く潰れないかな、悪の組織。お天気制御装置とかが盗まれたり流出したりする事を抑える事が出来たのでそれで良し。

 主人公は大変だよ。毎回こんな悪の組織を相手にしないといけないんだから。とりあえず疲れたのでセレナを思いっきり抱き締めてストレス発散。う〜ん、疲れた。

 

 ホウエンレポート46(ヒマワキフェザーカーニバル)

 

 悪の組織をブタ箱にぶち込んだので少しはマシになるだろうと思いつつも辿り着いたぞ、ヒマワキシティ。

 ゲームじゃログハウス的なのが並び立つ感じだったがアニメの世界ではそんな事はなくそれなりに大きい感じの街だった。まぁ、ゲーム通りに行かないのがこの現実である(アニメ世界)

 

 ヒマワキシティに来たので早速ジム戦をしにヒマワキジムに向かうのだがジムリーダーのナギさんが不在らしい。

 不在とはまためんどうなと何処にいるのか訪ねてみるとジムの人が大空を指差すので見てみると巨大なエアームドに子供達と一緒になって乗っている。着陸地点が何処なのかを教えてもらい、向かうと子供達に空を飛んで楽しかったねと感想を言うナギさん。

 

「頼もう!ポケモンジムに挑戦しに来たぜ!」と空気を読まずにモンスターボールを片手に構える。

 ナギさんは「ごめんなさい」と謝ってきた。挑戦は今すぐには受けられない、今日行われるフェザーカーニバルで忙しいので明日にしてくれと言ってくる。まぁ、1日ぐらいならば待つことは出来るなと頭のスイッチを入れ替える。

 

 フェザーカーニバルというだけあって【ひこう】タイプのポケモン達が多く空を飛んでる。

 鳥系のポケモン達が飛んでいるので此処はオレもとポケリンガが行われる大会にエントリーして見事にオオスバメが勝ち星を上げてくれる。流石だ、オオスバメ。

 

 ポケリンガで満足したので出店を見に行こうとセレナと共に屋台巡りをしようとしているとポケモンを売っている店があった。

 チリーンを売っている店なのだが、よくよく見れば何時かのコイキング売りの親父である。このおっさん、普通に詐欺紛いの行為をしているのでジュンサーさんに通報、売っているチリーンはポポッコに色々と装飾した物だと判明するとチリーンだと思って購入した人達から「金返せ」と言われる……詐欺とかそういうのはダメ、絶対。

 

 金を返せと言っている人の中にコジロウが紛れ込んでいた。

 確か記憶が正しければとコジロウはコイキング売りの親父から金を返してもらい、結局は嘘だったのかと落ち込んでいると本物のチリーンが現れコジロウに心を開いてコジロウはチリーンをゲットする。

 

 中々に良い感じのゲットだなと思っているのだが、調子に乗ってフェザーカーニバルのポケモン達を頂くマシンを作ってきやがった。

 もうめんどうなのでヌマクローを適当に出してそれで終わらせようと思っているとヌマクローが眩い光に身を包んで進化する。やったぜ、ラグラージに進化したぜと喜びつつ【かわらわり】でロボットを砕いて破壊すればロケット団は「やな感じー」と飛ばされていった。悪は栄えた試しがない。

 

 ヌマクローがラグラージに進化して順調に行っている。この勢いに任せてヒマワキジムも制覇してみせる。

 

 ホウエンレポート47(ヒマワキジム 大空の戦い)

 

 フェザーカーニバルも無事に終了したのでいざジム戦である。

 ヒマワキジムは空を制するジムで普段ならトレーナーが立っている場所より高い位置にお立ち台がある。そこに乗らないといけないのは面倒だが仕方ない。

 

「これよりヒマワキジム、ジム戦を行います。使用ポケモンは4体のシングルバトル。交代はチャレンジャーのみ可能です」と審判からジム戦のルールについて発表される。ヒマワキジムは【ひこう】タイプのエキスパート。こっちも真面目にやらなきゃ勝てない。

 

「ゆけっ、エアームド」とナギさんの一体目のポケモンは昨日のフェザーカーニバルでも大活躍だったエアームドだ。人を乗せる事が出来る程の大きさの個体のエアームド、ならばこっちはお前だとコータスをジム戦デビューさせる。コータスは初のジム戦だがやる気満々で鼻から黒い煙を出す。

 

 審判が「バトルスタート!」と合図をするのでそれと同時に【かえんほうしゃ】を指示する。

 流石にそれは読まれているのでエアームドは華麗に回避。デカい図体だが俊敏さはあるなとどうやって戦っていこうか考える。コータスには素早さが無い。機動力も無い。コレがジュカインだったらジャンプして追いかけろと指示する事が出来るのだが生憎な事にコータスなのでそれはできない。エアームドは中々に優秀なタイプでコータス以外で挑めば長期戦になるのは目に見えている。コータスの【かえんほうしゃ】を一発でも浴びせる事が出来ればエアームドは確実に倒す事が出来る。

 

【かえんほうしゃ】を指示しコータスは炎を吹く。

 一直線にしか飛ばないので油断さえしなければ当たるものかとエアームドは軽々と避けている……が、ここで問題なのはエアームドがどう攻めるかだ。エアームドに特殊系の技、接触せずに放つタイプの技は殆ど無い。どう出ると思っていると【まきびし】を撃ってきた。

 

 ここに来ての【まきびし】は痛い……と思ったら大間違いである。コータスは【まきびし】を撃ってくるエアームドに【かえんほうしゃ】を浴びせる。【まきびし】を撃ってくるのは考えているように見えるのだが悪手、エアームドは【かえんほうしゃ】が直撃して撃墜してくる。先ずは1本貰ったぞと思っていると「やるわね」と自身のエアームドを一撃で倒したことを称賛してくれる。

 

 2番手に出てきたのはペリッパーだった。

 エアームドの【まきびし】で交代させれない様にしているのが狙いなのだろうが甘い。コータスにはコレがあるのだと【こうそくスピン】で回転してもらいフィールドに散らばっている【まきびし】を弾き飛ばし、フィールドの外に出す。

 ナギさんはコータスが【こうそくスピン】を覚える事が出来たのを知らなかったのでしまったという顔をしているのだが遅いとペリッパーに【かえんほうしゃ】を浴びせるのだがペリッパーにはこうかはいまひとつ。

 

 やっぱペリッパー相手にコータスで挑むのは無茶であるとコータスをボールに戻す。

 ペリッパーが相手ならばと空を見上げると雨雲が発生している。コレを生かすに越したことはないとピカチュウを出す。久々のジム戦にやる気を見せるピカチュウ。さぁ、バトルである。

 

 ペリッパーは【ぼうふう】を吹かせる。

 ピカチュウは【ぼうふう】に吹き飛ばされないように必死に堪えるのだが軽量級のピカチュウに雨状態の【ぼうふう】は手厳しいと地面からピカチュウは吹き飛んで空中を舞うとペリッパーは【ハイドロポンプ】を撃ってくる。

 やっぱ【あめふらし】ペリッパーは強いが決して耐える事が出来ないわけじゃないとピカチュウは【ハイドロポンプ】を耐え切り【かみなり】を落とした。【あめ】状態で有利になっているのはなにもペリッパーだけじゃない。ピカチュウの【かみなり】が命中しペリッパーは倒れて戦闘不能、これで残すところは後2体である。

 

 ナギさんの3体目はチルタリスだった。

【でんき】タイプの技は効果は普通、ならばどうするのか?【かみなり】が必中状態を生かすしか道は無いのだと【かみなり】を指示すると雷を落とすのだがチルタリスは避けた。まさかと思ったら【ノーてんき】チルタリスだった。【しぜんのかいふく】チルタリスだと思っていたのだが厄介な相手だ。

 

 チルタリスは【ドラゴンダイブ】でピカチュウに迫る。

【かみなり】が通じなくてもピカチュウにはまだまだ色々と仕込んでいると【10まんボルト】のカウンターシールドを貼らせる。真正面から突撃してきたチルタリスは【10まんボルト】のカウンターシールドを突破する事が出来ず、途中で【ドラゴンダイブ】が納まった。

 

 やっぱり強えなカウンターシールド。

 チルタリスに残されている手は少ないがどうするつもりなのだろうか?いや、後手に回っていたらいけないと此処は【でんじは】を撃ってチルタリスを【まひ】状態にした。【しぜんのかいふく】チルタリスではないし仮に【しぜんのかいふく】チルタリスでもジムリーダーはポケモンをボールに戻してはいけないので問題無し

 

 チルタリスは【まひ】状態になったのでここで連撃……はせずに、ピカチュウを引っ込める。

 このままピカチュウでもイケたのだが他のポケモン達にも経験値を積ませとかないといけないので引っ込めて、昨日ラグラージに進化したラグラージを出す。フエンジムではアレだったが今回は見事なまでに活躍をしてくれた。

 

【たきのぼり】で急上昇し、チルタリスと同じ目線にまで来れば【れいとうパンチ】を叩き込んだ。

【こおり】タイプは4倍弱点でピカチュウのカウンターシールドのダメージが残っていたのもあってチルタリスは戦闘不能、残すところは一体となったが油断は出来ない。

 

 最後に出てきたのは色違いのオオスバメだった。

 色違いのオオスバメとは珍しいなと思っていたが恐らくは作画スタッフがサトシくんのオオスバメと混合しない様に色違いになっているんだな。大人の事情を感じつつもバトルは続行だと【いわなだれ】を指示してオオスバメの頭上から岩を落とすのだがオオスバメは目にも止まらぬ速さで回避する。ジムリーダーのエースだけあって十二分に育てられているな。

 

 オオスバメは【つばめがえし】で突撃してくるので【れいとうパンチ】で対抗しようとするのだが如何せんオオスバメが早くてタイミングを合わせる事が出来ない。オオスバメの素早さに対抗する事が出来るのはジュカイン……そしてオオスバメだ。

 ピカチュウを出して【あまごい】からの【かみなり】のコンボで必中させる事は出来るのだがそれは最終手段だとラグラージをボールに戻してオレもオオスバメを出す。

 

 空を飛ぶことが出来る鳥ポケモン同士の激突……飛行機同士のぶつかり合いは如何にして相手の背後を取ることが出来るかどうかだと言うが、オオスバメもナギさんのオオスバメも共に早く互いに【つばめがえし】を使える。

【つばめがえし】同士がぶつかり合い互いにダメージを受ける。コレは何処かで一発勝負に出るしかないと思っているとナギさんは【ゴッドバード】を指示した。技の選択を誤ったなと【ブレイブバード】を指示。

 

【ブレイブバード】で突撃していくオレのオオスバメ。ナギさんのオオスバメはパワーを蓄えて隙が生まれており、パワーを溜め終えた頃にはオレのオオスバメが目前に突撃してきており、オレのオオスバメはナギさんのオオスバメに激突した。ゴッドバードのパワーも中々のものでオレのオオスバメは吹き飛ばされるが根性を見せてくれて立ち上がり、ナギさんのオオスバメは空中から落ちた……ナギさんのオオスバメを戦闘不能にする事が出来た。

 

「負けたわ」と負けを認めるナギさん。中々に手応えのあるジム戦だったとナギさんと握手を交わし、ヒマワキジムを制した証であるフェザーバッジをゲットした。最後に【ブレイブバード】を使われてたら相討ちに終わっていた可能性も高い。同種同士のバトルになった時、修が鳥ポケモン同士のバトルになった時のバトルの経験が少ない。特訓する時間が取れるならばヨルノズクとオオスバメで空中戦を繰り広げてみたいな。

 

 ホウエンレポート48(映画はバクーダと共に)

 

 セレナのリボン集めが残すところはあと1つとなった。

 順調に旅が進んでいるのはなによりでホウエンで色々な物が買えると噂のミナモシティでポケモンコンテストが開催される。そこを勝利すればグランドフェスティバルは目前である。

 

 ミナモシティを次の目的地とし、次でグランドフェスティバルがと意気込むセレナ。

 やる気を出しているのは何よりだと思っていると荷物を背負ったバクーダを見かける。こんなところにバクーダとは珍しいなと思っていると案の定トレーナーのポケモンで、浅瀬の川にハマってしまっていて抜けないとのことでメタングを出して【サイコキネシス】で浮かせて川を渡らせる。

 

 バクーダのトレーナー、タカヤさんは映画を届ける仕事をしているらしい。

 なんか覚えがある話だなと思いつつ原作知識を引き出してみる。やっぱりギエピーの映画関連だと思い出すのだがギエピーの映画は結局は見なかったな。映画といえばとセレナは昔見たラブロマンスの映画を思い出す。

 

 今はプライムビデオとかの動画見放題系が増えたが昔はGEOとかでDVDを借りて映画をよく見たものだ。

 スチュアートリトルとかスパイキッズとかハングオーバー史上最悪の二日酔いとか東京オンリーピックとかチャーリー・バートレットの男子トイレ相談室とか色々と見たな……この世界ではそういうのあんまりない。この世界で最後に見た映画はサンタクロースを殺し屋に殺してくれと依頼するクソガキの話だったな。

 

 映画には色々とロマンが積もっていると映画話を盛り上げていくと村に辿り着く。

 田舎な感じの村で商業施設的なのも無いのだろう。映画を持ってきたタカヤさんは颯爽と映写機をセットしていき夜には映画の上映の準備が完了し、映画が上映される……名探偵ピカチュウだった。いいのか?この世界で名探偵ピカチュウを流して、ポケモンバトルが虐待だなんだの問題になるんじゃないのか?……面白かったのでそれで良し。



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バナナナマケロ園のカビゴン

 ホウエンレポート49(バナナナマケロ園の暴食カビゴン)

 

 バナナが有名な植物園もといナマケロ園が割と直ぐ近くにある。

 そこのバナナは絶品でバナナケーキが売りだとかでセレナが行きたいと言ったので向かったのだが、バナナナマケロ園が閉鎖していた。何故に閉鎖しているんだ?と疑問を持っていると地響きが鳴り響いた。

 

 突然の事に何事かと思っているとバナナナマケロ園のドアがギイっと開く。

 コレは中に入れという天命なんだろうとバナナナマケロ園に足を踏み入れる。そこかしこにバナナの樹が生えているのだがバナナが無い。もしかしてシーズンオフか不作の年的なのになってしまったと思っていると地響きが強くなる。

 こりゃなんか厄介な事になっているなと震源地に向かうとカビゴンがバナナを皮どころか房ごと一気に食べていた。豪快な食べっぷりだなと感心していると園長と思わしき人が現れて「これ以上、うちのバナナを食べるんじゃない!」とカビゴンに対してクレームを言うのだがカビゴンは知ったことじゃねえとバナナをむさぼり食う。

 

 ありゃ完全に食う事だけに集中している。俺もカビゴンを持ってるからよく分かる。飯に集中している時のカビゴンってあんな感じだ。

 口で言っても言うことを聞かないのでカビゴンが持っているバナナを奪おうとする園長だがカビゴンはそうはさせるかと泡を【あくび】を吐いた。【あくび】の泡に触れるとウトウトする園長っぽい人。睡魔に勝つことは出来ずに眠ってしまい、その間にカビゴンはバクバクとバナナを食べて腹いっぱいになって満足したのか眠りについた。

 

 とりあえず今が狙い時だなと園長っぽい人を叩き起す。

「き、君たちは?」と聞いてくるので「観光客だ」と答えると悲しそうな顔をする。何処からか紛れ込んだカビゴンがバナナナマケロ園のバナナを毎日毎日貪り食っており、園がまともに運営出来ない感じだった。

 

 カビゴンはある意味外来種みたいなものだ。慎重に扱わなければならないポケモンで、俺も中々に気を使って扱っている。

 ポケモンなんだからモンスターボールでゲットするのが1番な事であるのだが既に園長さんが試したらしく、ゲットすることが出来なかった。まぁ、ポケモンバトルをせずにゲットするのは無理があった。

 

 園長さんにポケモンを持っていないのか尋ねてみればポケモンはナマケロしか居ないと言われたのでナマケロの中から我こそはというナマケロが居ないのか、共にカビゴンをゲットしようと発破をかけると一体のナマケロが出てきた。「やってくれるのか!?」という園長さんに対して頷くナマケロ。さぁ、カビゴンに挑もうというのは愚策である。

 

 ナマケロは進化するとヤルキモノになる。

 ヤルキモノはとくせいのお陰で【あくび】が通じない。ここは進化させてから挑んだらいいとアドバイスを送り、そのままレベル上げを手伝う事になり俺はオオスバメを出す……勝つのは簡単だが今回は経験値を稼がないといけないので接待バトルだ。【ブレイブバード】とか【すてみタックル】とか【からげんき】とか使わない。【つつく】と【つばさでうつ】だけの接待バトルである。

 

 こういうバトルが1番気を使うんだなと思いつつもバトル開始。

 ナマケロはホントにナマケロなのかと思うぐらいにやる気を出しており【つばさでうつ】で突撃してくるオオスバメを相手にジャンプして背後を取り【みだれひっかき】を浴びせる。接待バトルなので空中を旋回して落とすとかはしない。ジタバタ暴れるだけでナマケロは中々に落ちない。意外と強いなこのナマケロは。

 

 満足行くまで【みだれひっかき】を浴びせた結果かどうかは知らないのだがナマケロはあっさりとヤルキモノに進化をした。元々進化が近かったんだろうな。ナマケロからヤルキモノに進化したのでいざカビゴンにとバナナを貪り食うカビゴンに挑み。カビゴンは【あくび】を撃ってくるのだがヤルキモノは【みだれひっかき】で泡を破壊する。眠気に襲われる事は無く【きあいパンチ】をヤルキモノはカビゴンに叩き込む。

 

【あくび】が効果が無いと分かったのかカビゴンはバナナを食べることを止める。園長とヤルキモノが敵だとやっと判断したんだろう。

 カビゴンは右手を光らせて殴りにかかる。【メガトンパンチ】とは中々にやると思っているとヤルキモノは腕を交差させてXの字にしてカビゴンの【メガトンパンチ】を耐えきった。

 

 もう一度だと【きあいパンチ】を入れるとカビゴンは尻餅をついた。

 狙い時は今しかないといえば園長はモンスターボールを出してカビゴンに当ててカビゴンをゲットする。カビゴン、ゲットだぜ。

 カビゴンの扱いは慎重にしないといけないのでオーキド博士に連絡を取るとオーキド博士はカビゴン用の食事について教えてくれた。

 

「そういえばサトシはオコリザルを持っているからオコリザルを送ってもらったら良かったんじゃないかしら?」とセレナが身も蓋もないことを言い出す。俺が解決してもそれはバナナナマケロ園がホントの意味で救われるわけじゃない。ヤルキモノで挑んでこそ意味があるんだ。

 ナマケロをヤルキモノに進化させてくれたお礼にとバナナケーキやバナナプリン、バナナアイス等のバナナつくしなスイーツを園長から貰った。バナナは美味い。そしてこの世界にもバナナはちゃんとあるんだと再認識させられた。そんなバナナ。

 

 ホウエンレポート50(ミナモシティ ポロック大料理会)

 

 ミナモシティに辿り着いた。ポケモンコンテストは3日後に開催との事で、最後のコンテストリボンをゲットするんだとセレナは燃え上がる。

 ミナモシティといえばホウエン随一の貿易が盛んだったりする街であり、市場に出かけてみれば中々に見ないきのみが置いてあったりする。

 

 珍しいきのみが多いので新しいポロックを作ろうとなった。

 ポロック作り……たまにはやっているけどもここまで材料が揃っている中でのポロック作りははじめてである。取り敢えず買える分だけ買ってポロック屋に向かう。

 

「ポケモン達のコンディションを上げて今回のコンテストもバッチリと決めるわよ!」と意気込むセレナ「貴女もポケモンコンテストに出るの?」とポロック屋の娘ことカナタが反応する。カナタもポケモンコンテストを目指して日々修行を積んでいる。

 ライバル登場だなと暖かく見守りつつもポロックを作る。この世界はゲームと違って性格で味の好みが決まるんじゃない。現にピカチュウはケチャップ味が大好きだったりする。

 

 甘くてあっさりなポロック、スパイシーで辛いポロック、酸味の強いポロック、濃厚な苦さを持つポロック、ケチャップ味のポロックと4つの味を作ってみる。ケチャップ味のポロックはピカチュウが大絶賛。スパイシーな味はオオスバメとコータスが、酸味のある酸っぱいポロックはラグラージが、甘くてあっさり系のポロックはラティアスとジュカインが、苦いポロックはメタングが好んで食べてくれた。

 

 ジュカイン、クールな割には意外と甘党だな。

 スパイシーなのはジュカインとメタングが、甘いのはオオスバメが、酸っぱいのはコータスが、苦いのはピカチュウとラティアスとラグラージが苦手な味だった……ポロックの道は奥が深い。

 

 ホウエンレポート51(技教え爺さんとソーラーブレード)

 

 次のジムはトクサネジムだ。トクサネジムといえばダブルバトルをしなければならない。

 ぶっちゃけた話、ダブルバトルはそんなには得意ではない。前世ではダブルバトルが主流だがこの世界ではシングルバトルが主流である。

 出てくるポケモンがソルロックとルナトーンなのは分かるのでなにを出すか悩む。ジュカイン、ラグラージ、メタングと相性の良いポケモンは居る。オオスバメは【はがねのつばさ】とかあるしピカチュウも【なみのり】がある。

 

 選択肢が多くて悩むのは意外と贅沢な事である。

 ジム戦に備えてポケモン達を出して色々とコンビネーションを取ってみる。原作知識が確かならばホウエンリーグ、予選はダブルバトルだ。ホントに嫌になるが運命なので受け入れないといけない。

 

 素早さ特化のピカチュウ、ジュカインコンビでやってみる。

 小回りの効くピカチュウと元からかなり素早いジュカインだが意外と相性は良くなかったりする。【あまごい】で【かみなり】を落とすコンボと【ソーラービーム】と【にほんばれ】のコンボが邪魔をしている。

 

【エナジーボール】と【リーフブレード】を主体に雨の中を走らせる……ありかなしかで言えばありだが、決め手に欠ける。【ハードプラント】を覚えるという手もあるにはあるのだが、アレはパワーが大きい反面硬直状態が生まれてしまう。

 なにか技はないかと模索していると【ソーラーブレード】がある事を思い出す。近距離版の【ソーラービーム】でジュカインも覚えようと思えば覚える事が出来る技だと早速【ソーラーブレード】の習得にかかる。

 

 既に【ソーラービーム】は覚えているのでまずはと【ソーラービーム】で太陽光を集める。

 何時でも【ソーラービーム】を撃てる状態にするとその状態を維持した状態で【リーフブレード】を使うんだと【リーフブレード】を撃たせようとするのだが【ソーラービーム】が暴発した。

 

 意外とコレは難しいぞと苦戦をしていると「【ソーラーブレード】とはまた珍しい技を覚えようとしておるな」と1人の老人が、技教え爺さんと名乗るジンベイさんが現れた。

「【ソーラーブレード】は【ソーラービーム】と似ている技だが【ソーラービーム】と同じ要領で使うことは出来ぬぞ」とアドバイスをもらい、手本を見せてくれるとの事でリーフィアを出して【ソーラーブレード】で巻藁を切断。

 ジュカインは背中で【ソーラービーム】に必要な光をチャージするのだがリーフブレードで使う腕の葉に太陽光を集めればいいそうすれば【ソーラーブレード】を使うことが出来るとアドバイスをもらう。

 

 技教え爺さん、ポケモンが覚える技ならば大抵の技は知っているとのことで連絡先を交換しておいた。

 どうやって覚えればいいか分からない技があるのならば是非とも電話して聞いてくれとのこと……中々にいいコネクションが出来たぜ。

 

 ホウエンレポート52(最強(さいつよ)メガシンカ)

 

 ユウキから連絡があった。無事にセンリさんを倒す事が出来たとのこと。

 ノーマルタイプジムリーダーでケッキングとかいう伝説顔負けのポケモンを使ってくるから危うく負けるんじゃないかと思っていたがメガバシャーモという禁じ手中の禁じ手を使った……キーストーンとメガストーン、持ってたんだな。

 

 しかしまぁ、メガシンカか。ゲームじゃ廃止されたがこの世界では実装されたまんまである。

 石の希少性云々の問題で一部のポケモンリーグでは使用禁止になってたりするのだがホウエンリーグでは石の流通的にも比較的に出回っているからアリだと取り敢えずジュカインをメガシンカさせてみる。

 

 初のメガシンカだが、ジュカインがパワーアップしすぎて言うことを聞かなくなるとかそういった事は特にはなかった。

 ジュカインはメガシンカでパワーアップをしてその力を満喫する。ただでさえ素早いってのに更に素早さが増して昨日、コツを掴みかけていた【ソーラーブレード】を使い巨木を一閃、斬り倒す。メガシンカのパワー半端じゃねえな。仮にコレを6体連続で行えば……スゲエ地獄が待ち受けているな。

 

 メガシンカしているジュカインでミナモシティに来ているポケモントレーナーやコーディネーターとバトルをするのだが手応えが弱い。相手が決して弱いからとかじゃなく単純にオレの方が強くなりすぎた。メガジュカインのパワーはそれほどまで凄まじい……こりゃホントに危険な進化だ。メガシンカがあればこの状況を切り抜ける事が出来ると心の何処かで依存してしまう。

 メガシンカしてもそこまで強味が無いと言ってもいいメガジュカインですらこのレベルだ。メガシンカすればバカみたいに強くなるメガリザードンだったらそりゃあ無双をする事が出来るだろう。

 

 ホウエンレポート53(ポケモンコンテスト ミナモ大会)

 

 ポケモンコンテスト・ミナモ大会が開催された。ホウエン地方の中でも特に大きなミナモシティなのでスタジアムは無駄に大きく参加人数もとにかく多かった。しかし数は多いのは結構な事だが、パフォーマンスがあまりパッとしないな。使っているポケモンも物凄く珍しいポケモンでもないし、コレはなと見守っているとセレナの番が来る。

 

 手持ちを中々に増やしておらずマンネリ化も感じているがセレナは常に新しいパフォーマンスを魅せる。

 ポケモンコンテストはポケモンバトルとは大違いだと感じる……ユウキが二足の草鞋を履くのも無理だと納得するのも理解が出来るわ。

 セレナは今大会で1番の得点を得て、決勝戦でカナタとぶつかり見事に優勝を果たして5つ目のリボンをゲットする……上手く行き過ぎている。こういう時ほど厄介な事が起きやすいのだが、今は上手く事が運んでいる事を喜ぼう。

 

 ホウエンレポート54(裂空の訪問者デオキシス)

 

 予想通りというべきか厄介な出来事が起きたよ、コンチクショウ。

 トクサネシティに行くには複数の船を経由しなければならず、ミナモシティを出て次の街に、ラルースシティに辿り着いた……ラルースシティ、それは裂空の訪問者デオキシスの物語の舞台になっている。旅が順調かと思えば劇場版案件とかホントにツイてねえよ。

 

 コレも主人公の運命だと原作知識を頼りにバトルタワーに挑みに行く。

 トオイはバトルタワー参加者だと勘違いされたのでそのままバトルにエントリー、トオイはポケモンを持っていないのでオレのポケモンを2体、ジュカインとラグラージを出してバシャーモとカメックスを相手にする。

 

 バシャーモもカメックスも色々と思い入れがあるポケモンだが、今のオレからすれば倒すことは容易いポケモンだ。

 取り敢えず勝利したのだが1体がトオイのポケモンじゃなかったので反則負けとなった。勘違いしたのは係の人だから見逃せよと言いたかったが反則負けなのは反則負けである。

 

 まぁ、ポケモンバトルに勝つことが出来たのでそれで良しとしようと前向きに気持ちを切り替える。この後、どうなるんだっけと原作知識を頼りに行動してトオイと謎の光と遭遇する。謎の光の正体はもう一人のデオキシスだ……厄介な出来事が起きるのはホントに勘弁してほしい。

 デオキシスがレックウザを相手に暴れ回ったり、分身を作り出して街の人達を拉致し始めた……あーもう、嫌になる。

 

 ホウエンレポート55(甦れデオキシス)

 

 デオキシスの分身体から逃げ回り1日が経過した。

 トオイと心を通わす謎の光もといもう一体のデオキシスを復元させればこの事件は解決するとデオキシスの本体とも言うべき隕石があるところに向かって光とデオキシスを共鳴させるのだがデオキシスを復活させる為の電力が足りない。

 

 オレの電気とピカチュウの電気、トオイに懐いたプラスルとマイナンの電気を注ぎ込むが全然足りない。

 街中の電力を掻き集めなければならないのだがデオキシスの分身体が街中の人を拉致したので街の電力が少ない。デオキシスに攫われなかった面々を束ねてポケモンの力で風力発電機と思わしき風車をグルリと回し、電力を掻き集めて……最終的には電気が溜まってもう一体のデオキシスを復活させる事に成功したのだがレックウザとデオキシスが喧嘩をしたまんまなのでレックウザをぶっ飛ばす。

 

 伝説のポケモンだからって偉そうにしてんじゃねえぞ。

 最初からレックウザとデオキシスを物理的に叩きのめした方が簡単に解決する事が出来たんじゃないかと思うのだが、暴力で物事を解決する事はあまり良くない……随分前に困ったら暴力一択とか書いてた気もするけども、暴力で解決するってのは最終手段だな、うん。



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最初の3匹 審判の学校

 

 ホウエンレポート56(最初の3匹 審判の学校)

 

 無事に劇場版を処理する事が出来たのでさっさとトクサネシティに向かおうとする。

 トクサネシティに行くには幾つか船を経由しなければならない。最初に辿り着いたのはバンバ島。なにか目ぼしい物はあるのかとセレナに聞いてみるとこの島にはポケモンバトルの公式大会の審判を養成する学校があるらしい。

 

 珍しいところがあるもんだなと思っていると荷物を持ったカメールを発見する。

 こんなところにカメールとは珍しいと思っていると今度はフシギソウ、更にはリザードとカントーの御三家の進化系が揃っていた。3匹勢揃いとは珍しい、誰かのポケモンなのかと思っているとフシギソウが荷物運びに苦戦をしていた。するとトレーナーと思わしき人物が現れた。

 

 ジミーというトレーナー……ではなく、審判学校の生徒だ。

 元々はポケモントレーナーだったらしくジムをまともに制する事も出来ずに悩んでて最終的には公式大会の審判を養成する学校に入学したらしい。持ってるジムバッジがブルーバッジで、ハナダジムを清掃するのを手伝ったお礼だそうだ。おいおい、そんな感じでジムバッジを渡していいのか。

 

 公式大会の審判を養成する学校に行ってみたいと言えばジミーは連れてってくれる。

 公式戦で、ジム戦とかポケモンリーグとかでよく見る格好の審判がいた。審判の養成校なんだなと思っているとサリナさんという女性がオレ達の存在に気付いたのでジムバッジを集めてポケモンリーグ、ホウエンリーグを目指しているとバッジケースを見せる。

 

 残りのジムバッジは2つで後いくつか島を経由すればトクサネシティだ。トクサネジムを制覇すればルネジムだ。

 やる気満々だぜとやる気に満ちているとジミーの審判の練習をしてやってほしいとサリナさんに頼まれる。オレは普通にポケモンバトルをしておけばそれでいいらしく、断る理由も無く承諾。さぁ、ポケモンバトルだ。

 

 オレはメタングを出すと相手のトレーナーはエイパムを出してくる。

 両者向かい合ったのでジミーが試合開始の合図を告げると早速エイパムが【スピードスター】で仕掛けてくる。避けるのは不可能だからコレは耐えるに限るとメタングに下手な行動をさせずに待つことを告げればメタングはオレを信じて【スピードスター】を耐えきる。

 

 タイプの問題もあるが【スピードスター】は受けてもそこまでダメージにはならない。

 じゃあ今度はこっちが仕掛けるかと【メタルクロー】で攻める。エイパムは尻尾を器用に使って防ごうとするがメタングの腕は2つ、右手で攻撃を防がれても左手の【メタルクロー】は通用すると【メタルクロー】を叩き込むがエイパムは倒れない。

 

 流石にそう簡単と倒すことは出来ないが、試合の流れはこちらにある。

 もう一度【メタルクロー】で攻めてみようとするのだがエイパムは距離を開こうとする。コレはどうしようかと思っていると【スピードスター】が飛んでくるのでここはゴリ押しをやってみようと【しねんのずつき】で突撃してもらう。【スピードスター】は命中するがメタングは止まることはなく【しねんのずつき】をくらわせてエイパムを吹き飛ばす。

 

 ここでジミーが「エイパム、戦闘」というので待ったをかける。

 突然の出来事に驚くジミーだがエイパムは立ち上がる。既に虫の息だが、ギリギリ立ち上がる事が出来ている。ここからの逆転は難しいぞと【メタルクロー】で攻撃しようとすると尻尾を用いての【きあいパンチ】を撃ってくる……エイパムの尻尾は1本、対してメタングの腕は2本。一発目の【メタルクロー】は防げたが二発目はくらってしまい今度こそエイパムを倒す事に成功した。

 

 エイパムは完全に倒れて戦闘不能になった。サリナさんが「エイパム、戦闘不能!メタングの勝ち!」と宣言してくれる。ジミーはエイパムが戦闘不能になったのを見間違えていた。虫の息とはいえ立ち上がる事が出来た。そのことについてサリナさんから色々と言われると落ち込む。

 審判すらまともにする事が出来ないのかと物凄く落ち込んでいる。これヤバいんじゃないかと思える程に落ち込んでいた。

 

 夜になると港に向かっていたジミー。審判になる事を諦めようとしている。何をやっても無理なんだとウジウジしていた。

 ここで逃げてどうするんだよと言えばお前になにが分かると言われてしまい返す言葉は無かった。どうしたものかと思っていると海辺から怪しげなロボットが、というかロケット団が現れた。

 

 久しぶりに出てきやがったなこいつら。ジミーの持つカメール、フシギソウ、リザードが目当てだった様で3匹を捕獲する。

 ホントに懲りないなこいつらはと思いつつもピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらうが効果は0「こんな事もあろうかと電気対策はしてあるのよ!」と自慢げにムサシは語る。

 

 御三家が自力で脱出する事は出来ないのかと思っていると「3匹のデータをこのロボットにインプットしてるんだ!」「どれだけ足掻こうが無理ニャ!」とコジロウとニャースは聞いてもいないのに教えてくれる。さて、どうやって倒すかと思っているとカメールが奮闘してなんとカメックスに進化した。「進化したって無駄よ!無駄!」とムサシは進化した事を喜ぶ。どうせだから3体とも最終進化系にしてサカキ様に献上しようだ何だの言っているとカメックスを閉じ込めている檻がピキピキとヒビが入りカメックスは檻から脱出する。

 

「しまった!カメール、フシギソウ、リザードじゃ絶対に破れないように設計してるけどカメックスのパワーじゃ破られる」とコジロウが慌てるがもう遅い。ジミーに声をかけるとジミーはカメックスに【ハイドロポンプ】を指示してリザードとフシギソウの檻を破壊する。

 リザードとフシギソウは無事に脱出する事に成功したのでそろそろ潮時かなとメタングを出して【サイコキネシス】でロボットを捻じ曲げ、トドメにカメックス、フシギソウ、リザードの三位一体の攻撃をくらわせてロケット団を吹き飛ばした。

 

 ジミーはカメックスに進化したカメールを見てこんなところでくよくよしていられないと気持ちを改めて、審判の練習を更にやってホウエンリーグで審判をすると決心した。いい話である。

 

 ホウエンレポート57(ハンテールとサクラビスと水の秘密)

 

 イロハ島と呼ばれる島に向かおうとすると偶然にもオダマキ博士と出会う。

 オダマキ博士は3つの島から構成されるイロハ島にフィールドワークに来たらしい。ミシロタウンからここまで結構な距離がある。オーキド博士同様にフットワークが軽い博士である。

 

 このイロハ島に調べる価値なんてあるのか聞いてみるとイロハ島にはサクラビスとハンテールがよく出るらしい。

 あの進化条件が通信進化とかいうクソ面倒な割には大して強くないポケモンが生息しているのかと思いつつもオダマキ博士のフィールドワークを見物していくことに。

 

 この辺りにはパールルが沢山生息していてロの島にはサクラビスのみ、ハの島にはハンテールのみが出没するとのこと。

 道具をもたせた上での通信進化とかいう厄介な進化方法なのになんか秘密でも隠されているのかと興味津々のオダマキ博士。早速ロの島に向かい、道中ゲットしたパールルを解き放てば……あら不思議、パールルはサクラビスに進化した。

 

 相変わらず謎なアニポケ時空だ。

 海水になにか秘密があるんじゃないかとロの島の海水を採取したら次はハの島に向かい、パールルを出せばあら不思議、今度はハンテールに進化した。通信進化とかいう厄介な進化方法要らずなのは便利だが謎だな。オダマキ博士は海水に秘密があると思っているので海水を採取した。

 

 ロの島とハの島を巡り海水を採取したのでイの島に戻る。

 イロハ時まではサクラビスとハンテールが大量発生してどうして2体が居るのか色々と謎であり、イの島にいるトレーナーズスクールの生徒達は何故ロの島にサクラビス、ハの島にハンテールしか居ないのかを聞いてた。

 

 その結果、ロの島には【しんかいのウロコ】ハの島には【しんかいのキバ】の成分が海水から見つかった。

 海水に進化に必要な成分が混じっていると通信交換とかいう厄介な事をせずに進化させる事が出来るとは実に便利である。ハンテールが欲しければハの島に、サクラビスが欲しければロの島に、パールルが欲しければイの島でゲットする事が出来る……相変わらずこの世界は不思議で溢れていると再認識させられた。

 

 

 ホウエンレポート58(ポケモンマッスル!めっちゃムッキー)

 

 ガンガ島という島に辿り着いた。岩がゴツゴツとした島で足腰を鍛えるのにはちょうどいいかもしれないが既にマッスルは充分に鍛え上げている。これ以上のパワーアップは果たして必要なのかと疑問を持っていると野外なのに筋トレの道具を使っている一団を発見する。

 

 ムキムキな人が多いなと思っているとオレ達に気付いて「君達もポケモンと共に筋肉を鍛えないか?」と誘ってくる。

 聞けばポケモンリーグに挑戦する事なくガンガ島で己の肉体と共にポケモンを鍛えているらしい。ポケモンマッスルを鍛えるのは良いことだけどもそれだけだと井の中の蛙だ。マッスルが無くても強いトレーナーは普通にいる。ケンタとか特にそうだし。

 

 マッスルを鍛えるのを勧めてくるムキムキ集団。マッスルを鍛えるのはいいがそのマッスルを使う機会はあるのかと問えば返事に困るムキムキ集団。マッスルは鍛えるだけで使わなければ宝の持ち腐れである。

 じゃあお前はなににマッスルを使っているんだ?と聞かれればメタングをボールから出してメタングと殴り合う。ポケモンを鍛えるにはやはりリアルファイトに限るぞ。ポケモンの実力が直に、肌に感じ取ることが出来る。

 

 ポケモンとバトルをするだなんてありえないと言いたげなマッスル達。

 ポケモンはポケモンとバトルさせるものだと言うのでポケモンバトルをする事になり、メタングでバトルをする事にした。マッスルのリーダーはトドゼルガを出してきた。

 

 相性の上ではやや有利だが、相手はマッスルを鍛えているだけあって中々にレベルが高い。

 こりゃ油断は出来ないぞとメタングは【メタルクロー】で攻めに行くとトドゼルガは【アイスボール】を撃ってくる。【アイスボール】の氷は小さかったが【ころがる】と同じで連発すればするほどに威力が高まる技、早いところ勝負を決めないといけない。

 

【メタルクロー】で殴り飛ばすと大きな【アイスボール】を撃ってくる。【メタルクロー】で対処する事が出来ない大きさで回避する事が出来ずにメタングは吹き飛ばされるが直ぐに立ち上がる。オレのメタングは中々にタフだなと思っているとメタングは眩い光に身を包んだ。おぉ!と驚いているとメタングは遂にメタグロスに進化した。

 

 メタグロス、待ってましただ。

 ポケモン図鑑を取り出すとメタグロスは色々と新しい技を覚えている。「進化したからってだからどうしたんだ!」とトドゼルガに今までで1番大きな【アイスボール】を撃ってくる。【メタルクロー】では対処できない……が、既に【メタルクロー】は必要じゃない。進化した事により【コメットパンチ】を会得する事が出来た。【コメットパンチ】で前足を動かして巨大な【アイスボール】を砕き、その勢いのままトドゼルガに【コメットパンチ】を叩き込むとトドゼルガは吹き飛んだ……流石は600族、パワーが違う。

 

 トドゼルガを倒す事が出来るとメタグロスに向かって抱きつく。

 遂にここまでやってきたぞとメタングがメタグロスに進化した事を大きく喜んだ。ムキムキ集団も負けたよとオレと握手を交わしてくれる。ホウエンリーグには君みたいのが沢山いるのか?と聞いてくるのでオレレベルは早々に居ないとだけ答えておく。

 

 セレナは「サトシはセキエイ大会で優勝してシロガネ大会で準優勝するぐらいの実力者なのよ!」とデカい胸を張る。セキエイ大会はともかくシロガネ大会は苦い思い出なのであんまりドヤ顔で言わないでほしい。まぁ、セレナにとって自慢になるならばそれでいいんだけどさ。

 

 ホウエンレポート59(グラードンvsカイオーガvsオレ)

 

 後もう少しでトクサネシティに辿り着くことが出来る。

 ダブルバトルだからどの組み合わせで行こうかと悩んでいるとオレとセレナを付けている気配を感じ取る。ロケット団か?それともオレがマサラタウンのサトシだと知って挑みに来たトレーナーなのかと「見ているんだったら出て来い」と言えば捕獲用の網ネットが飛んでくる。

 

 何故にこんな物が飛んでくるんじゃとセレナを抱えて回避する。

 ロケット団が強硬手段を取ったのかと思ったが、あのロケット団がそんな事を考える筈が無い。じゃあ誰なんだと思いつつもジュカインをモンスターボールから出す。

 

 明らかにオレ達に敵意を向けてきているのでなんとしてでもセレナを守りこの状況を打破するしか道は無い。

 ジュカインに波動で探知した場所に【エナジーボール】を撃ってもらうとマグマ団が出てきた。マグマ団が何故此処にと思っているとマグマ団は円形に囲んでくる。

 

「マサラタウンのサトシとその恋人のセレナだ。ここから先には絶対に通すな」とマグマ団の団員が言う。コレはなにか裏があるなとピカチュウ、コータス、ラグラージ、ラティアス、メタグロス、オオスバメを出すとマグマ団の団員はグラエナやヘルガーを出してくる。こちとらジム戦に向けて色々と調整をしているんだ。その辺の有象無象の雑魚には負けないんだよとピカチュウは【10まんボルト】コータスは【かえんほうしゃ】ラグラージは【れいとうパンチ】ラティアスは【りゅうのはどう】メタグロスは【コメットパンチ】オオスバメは【ブレイブバード】ジュカインは【ハードプラント】を撃って一掃する。

 

 見たところ雑魚の集まりだなと思っていると追加のマグマ団員がやってくる。

 メタグロスに【コメットパンチ】でマグマ団員にダイレクトアタックをしようとするとカイリューが出現して【ドラゴンクロー】で防いだ。コイツ、地味に強いぞと思いつつもラグラージと交代する。カイリュー相手にメタグロスは……分が悪くはないが確実に勝てるとは限らない。

 

 ラグラージに前に出てもらうと【れいとうパンチ】で殴りかかる。コレならば効果はあるだろうと思ったがカイリューは中々に倒れない。

 コイツ強いなとどうやって倒そうかと考えていると「待ってくれ!オレだ!」とフードを外すマグマ団の団員。正体はなんとカントー・ジョウトチャンピオンのワタルだった。

 

 やけに強いなと思ってたらあんたのエースのカイリューかよ。

 こんなところで何をやってるんだと聞けばポケモンGメンとしてマグマ団に潜入捜査しているらしく、間もなく重大な作戦が決行されるから周辺の見回りをしてブラックリストのオレとセレナを発見したとのこと。

 

 マグマ団め、またなんか余計な事を企んでやがるなと思っていると「捕虜になってくれないか?」とマグマ団のリーダーであるマツブサに近づく為にオレに協力を要請してくる。まぁ、コレでマグマ団を一掃する事が出来るのならばとロープで手首を縛られて海辺まで向かうと赤色の潜水艦が出現した……前から思うがマグマ団の資金源って何処からなんだろ?潜水艦ってバカ高いよな。

 

「マサラタウンのサトシを捕まえました!」とマツブサに報告するワタルさん。「お前が何時もマグマ団の邪魔をして……まぁ、いい。お前の快進撃もそこまでだ」とマツブサはエラそうに言う。此処でぶん殴ったらマツブサを逮捕できるがそれじゃダメらしい。

 マグマ団は海を増やす力を持ってるカイオーガを捕獲している。マグマ団は陸地を増やす事が出来るグラードンが目当てで、アクア団がグラードンを自由に従えれる【べにいろのたま】を持っている。

 

 アクア団と交渉してマグマ団は【べにいろのたま】を、アクア団はカイオーガをゲットする手筈になっている。

 オレとセレナは倉庫にでも閉じ込めておけと倉庫に閉じ込められてワタルさんは何処かに行った……ので好きに行動させてもらう。ロープを解いてセレナが無事かどうかを確認する。ワタルさんはオレのモンスターボールを持っていくといった事はせず、ポケモン達は何時でも暴れる事が出来るぞとやる気に満ちている。

 

 今現在潜水艦の中なので派手に暴れると潜水艦を破壊するかもしんない。

 ラグラージに乗れば水中から抜け出すことは出来るだろうが……アクア団も一掃しないといけない。さて、どうしたものかと思っているとマグマ団の1人を発見し、怪しげな動きをしている。マツブサが使っている部屋に侵入したかと思えば【べにいろのたま】を盗もうとしていた。

 

 こいつ、マグマ団の団員じゃないなとドロップキックを入れる。

 何者だと気絶させた後に調べてみるとアクア団のバンダナが出てきた。アクア団の奴、抜け目ないな。最初からマグマ団にグラードンもカイオーガも【あいいろのたま】も【べにいろのたま】も渡さないつもりだったんだな。

 

 取り敢えずモンスターボールを剥奪し、アクア団のバンダナを頭に置いて姿を消す。

 アクア団がスパイを紛れ込ませていたんだと怒る未来が待ち構えているが、まぁ、なんとかなるだろう。潜水艦はアクア団との交渉の島に辿り着いた。後は暴れるだけである。

 

 マツブサが潜水艦から出ようとするのでオレは【10まんボルト】を撃つ。

 突然の攻撃にマツブサは倒される。周りにいたマグマ団の団員は「何故此処に!?」と驚いていたが、もう遅い。マツブサから【べにいろのたま】を強奪すると潜水艦を抜け出す。

 

【べにいろのたま】がオレの中に入ろうとするのだが邪魔すんじゃねえよと気力1つで【べにいろのたま】を追い出してアクア団が居るところに向かってアクア団を殴り倒す。悪の組織は滅びるに限るんだ。

「マサラタウンのサトシ、どうしてここに!?」とアクア団のリーダーであるアオギリは驚いていたので「お前等は今日で終わりだ」と殴り飛ばして【あいいろのたま】を手に入れる。

 

【あいいろのたま】と【べにいろのたま】は共鳴するかの様に発光する。

 オレの頭の中に暴れろだなんだと五月蝿い命令が聞こえてきたので……思いっきり地面に叩きつけて叩き割った。こういう危ない道具は叩き割るに限る。叩き割ると【べにいろのたま】はルビーに【あいいろのたま】はサファイアになる。

 

 これでもう厄介な事にならないなと思っていると地響きが鳴り響いた。

 グラードンとカイオーガが【あいいろのたま】と【べにいろのたま】が破壊された事により制御が効かなくなり、暴れているので殴り飛ばして黙らせる。伝説のポケモンだかなんだか知らないが今は人間の時代なんだよ。

 

 ボコボコにされたグラードンとカイオーガは去っていった。

 いっそのことゲットしておけば良かったかもと思ったがマスターボールを此処で使うのもなんだか勿体無い気がする。取り敢えずポケモンGメンのワタルさんは警察を呼んでアクア団とマグマ団の両方を一斉検挙。コレでホウエン地方の悪の組織について色々と考える事はしなくてもいい……いやぁ、鬱陶しい存在を倒せてよかった。セレナも危険な目にあってないし、ルビーとサファイアをちゃっかり頂いたしコレにてホウエン地方の厄介な出来事一件落着……コレでもう暫くは安静……次のシンオウ地方はスゲえ厄介なんだよな……



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トクサネジム タッグジムバトル戦

 

 ホウエンレポート60(トクサネジム vsタッグバトル)

 

 厄介な悪の組織を片付けたのでこれで後はホウエンリーグに集中する事が出来る。

 トクサネシティに辿り着いたので取り敢えずポケモンセンターに向かいポケモン達の健康診断、無事に全員異常無しと判断されたので早速トクサネジムに向かう。

 

 トクサネジムはエスパー使いのジムでダブルバトル、出すポケモンはもう決まっている。

 さぁ、トクサネジム戦だとジムに辿り着くとそこにはユウキの奴が居た。こいつ、もうトクサネジムに来たのか。なんだかんだで顔を合わせるのは久々なので久しぶりだと言えば「おひさ~」と気楽に返してくる。

 

 もうジム戦を済ませているのかと聞いてみれば、トクサネジムに今挑みに来たという。

 挑みに来たのならばなんでジムから出てくるんだと疑問を抱いているとハルカが「ジムリーダーが宇宙センターに居るの」とジムリーダーがジムに居ないことを教えてくれた。

 

 ジムリーダーがジムに居ないとは不便な。ジムリーダーであるフウとランに挑むためにユウキは宇宙センターに向かおうとするのでオレ達もついていく。宇宙センターに辿り着いたのでジムリーダーのフウとランを探せばあっさりと見つかる。ユウキは「ジム戦に挑みに来ました」というので「あ、オレもジム戦に挑みに来た」とついでに挙手する。

 

 フウとランは2人で1人のジムリーダーだからここはユウキに譲るべきかと思っていると「タッグバトルでのジム戦はどうかな?」と提案してくる。タッグバトル……下手すりゃダブルバトルよりも経験が少ない形式のバトルだ。断ってもいいが、その場合だとトクサネジムを1日待たないといけなくなる。何時の間にやらユウキがトクサネジムまで来ていたのでこっちも本腰を入れないといけないと思いオレは承諾した。ユウキの奴も「サトシとなら大丈夫だよ」と問題無いと承諾する。ハルカが「サトシとユウキ、最強コンビかも!」と言ってくれる……ケンタはどう思うのやら。

 

 タッグバトルでのバトルになるのは色々と予想外だったが……まぁ、ユウキとコンビを組むならばなんとかなるだろう。

 宇宙センターから月面をイメージしたかの様なジムのバトルフィールドに移動するとセレナとハルカが「フレーフレー!サトシ!フレーフレー!ユウキ!」と応援をしてくれる。中々ににくい演出をしてくれるな。

 

「使用ポケモンは1体のタッグバトル!相手のチームが全滅した時点で試合が終了となります」と審判から試合の説明を受ける。

 フウとランが先にソルロックとルナトーンを出す。事前の情報通りなのでこちらはラグラージを出すとユウキはなんとミロカロスを出した。ヒンバス自体が希少なポケモンでミロカロスなんて更に珍しいポケモンを何処でゲットしたんだこの男は。意外としっかりとしたパーティ構成をしてやがるな。

 

 ミロカロスとラグラージ、互いに水系のポケモンで陸地でもまともに動くことが出来る。

 ソルロックとルナトーンは浮いているので【じしん】とかが通用しない。さて、腕の見せ所である。試合開始の合図と同時に真っ先に動いたのはユウキだった。ミロカロスに【あまごい】を指示してフィールドの天候を【あめ】に変えた。

 

 ソルロックもルナトーンも【ソーラービーム】を使えるからコレはナイスである。

 そっちがフォローに回ってくれるならばこちらもやりやすい。ソルロックは【しねんのずつき】で突撃してくるので【かわらわり】で対抗する。技の相性的にややこちらが不利だが、倒すために撃ったものでない。上手い具合にソルロックを弾くとユウキはミロカロスに【なみのり】を指示した。

 

 ラグラージが目の前に居るのに【なみのり】を使ってくるんじゃねえよ。

 ラグラージも【なみのり】で津波を巻き起こして波に乗ってミロカロスの【なみのり】を回避、ミロカロスの【なみのり】はソルロックとルナトーン両者を飲み込む。

 

 ソルロックとルナトーンは【なみのり】でダメージを受けるが直ぐに立ち上がる。伊達にジムリーダーのポケモンはやっていないな。

 今度はこちらの番だとルナトーンが【いわなだれ】をうってくると「ラグラージは【たきのぼり】出来るか?」と聞いてきたので出来るぞと【たきのぼり】を指示して巨大な滝を作り上げるとミロカロスがその滝に登って【アイアンヘッド】を撃って落ちてくる岩を破壊する。

 

 いきなりの【なみのり】には驚かされたがユウキはやっぱり○○だな。

 こっちも負けていられないとラグラージに間合いを詰めてもらい【たきのぼり】でルナトーンに激突して突き飛ばす。流れはこちらに来ていると思っていると【あまごい】の効力が切れて元の普通の天気に戻る。

 

 コレを狙っていたのか【ソーラービーム】を撃とうとするソルロック。

 ミロカロスは再び【あまごい】を使いソルロックのチャージを妨害したかと思えば【ハイドロポンプ】をソルロック目掛けて撃つ。僅かばかり出遅れるがソルロックも【ソーラービーム】を撃つのだが、太陽光のチャージが弱い。ソルロックの【ソーラービーム】は押されてミロカロスの【ハイドロポンプ】は直撃し、ソルロックは戦闘不能になった。

 

「私は頑張ったんだ。お前もこれぐらい出来るだろ?」と軽くオレを挑発するユウキ。

 こんなのを見せられたのならば頑張るしかねえじゃねえかと【なみのり】で巨大な津波を巻き起こすのだがルナトーンは【れいとうビーム】を撃ってきて津波を凍らせた。やっぱ一筋縄じゃいかないか。

 

「一応はジム戦だから手は抜くなよ」とまだ完全に勝利を納めていないので釘を刺す。

 ユウキ、残りのいいところをオレに、花を持たせようと考えてるみたいだけれどもオレ1人で戦わせたらタッグバトルの意味は無いぞ。ミロカロスに【ハイドロポンプ】を撃ってもらうと【れいとうビーム】で凍らされる……が、この1手が欲しかったんだ。【れいとうビーム】で【ハイドロポンプ】を対処しているルナトーンは隙だらけで間合いを詰めて【たきのぼり】で激突するとルナトーンは戦闘不能になる。

 

 ユウキとの初のタッグバトルだったが中々に上手くコンビネーションを繋げる事が出来た。審判が試合終了のジャッジを下すとユウキと拳を合わせて互いに笑い合う。「やっぱりお前は強いな」と言ってくるので「お前の方こそ滅茶苦茶な速度で成長してってるじゃねえか」と返す。

 いやぁ……勝つことが出来て良かった。ユウキがどれくらいの強さになっているのか確かめる事も出来た……ホウエンリーグは激戦必須だなぁ。

 

 トクサネジムを制覇したのでマインドバッジを受け取る。

 コレでオレもユウキも残すところバッジ1つとなるが、ハルカのコンテストリボンはまだ3つなのでコンテストリボンのゲットを優先する旅をするそうだ。セレナもウカウカしていられないなとユウキとは別の便の船に乗り別れた……次に会う時はホウエンリーグだな。

 

 ホウエンレポート61(四天王 海の男ゲンジ)

 

 お昼は何処で食べようかと適当なレストランに入った。ホットミルクがオススメだというお店で、味の方は大丈夫なのかと心配していたが中々に美味だった。セレナは既にコンテストリボンを5つ集めていて、オレはルネジムでバッジが8個になる。こりゃ頑張らないといけないなと張り切っていると「お前さん、マサラタウンのサトシだな?」といかにも船長な見た目の男が……四天王のゲンジが声を掛けてきた。

 

「貴方は四天王のゲンジさんですよね?」と言えば頷くゲンジさん。

 ホウエンリーグに挑戦する為にバッジを集めている事を伝えると「どうだ?一戦しないか?」とゲンジさんが乗っている船に誘われる。ジムリーダークラスは容易く倒す事が出来るので今の自分がどれだけの実力なのかを試すのに四天王は丁度いい。

 

 ゲンジさんの乗っている船に乗せてもらうとそのままポケモンバトルをする。

 使用ポケモンは3体のシングルバトルでゲンジさんが最初に出してきたのはコモルーだったのでジュカインを出した。「【ドラゴン】タイプにジュカイン!?」とセレナは驚いていたがオレだってなにも考えずに出してはいない。

 

 船員の試合開始の合図と共に先手必勝だと【ドラゴンクロー】で攻める。

 コモルーは割と鈍足だったりするからジュカインの素早い動きに対応する事は出来ないだろう。そう考えたのが甘かったとコモルーはジュカインの渾身の【ドラゴンクロー】を耐えきった。使う技を間違えたかと直ぐに間合いを開いて【りゅうのはどう】をぶつけに行こうとするがそれよりも先に【かえんほうしゃ】を撃たれる。

 

 まだボーマンダになっていないのにコモルーの時点でこの威力とか四天王のポケモンのパワーは相変わらずおかしい。

 ジュカインは【かえんほうしゃ】が直撃したが直ぐに立ち上がり【りゅうのはどう】を撃つとコモルーに直撃したがコモルーは倒れない……攻撃自体はまともに当たってるんだが、コモルーが異常な迄に頑丈だ。

 

 ジュカインは搦手は少ない。豊富な技でイケイケどんどんをメインにしており、変化球が少ない。攻撃自体は通っているんだ。

 だったらここはと【りゅうのはどう】を撃つのだが【りゅうのはどう】で相殺される。近距離戦で挑むしか無いのかとジュカインに【ドラゴンクロー】を指示して間合いを詰めて攻撃するのだがコモルーは【ドラゴンクロー】で【ドラゴンクロー】を受け止めて【かえんほうしゃ】をジュカインにぶつけ……ジュカインは戦闘不能になった。

 

 久々だ……先行を取られたのは割と久々である。

 伊達に四天王のポケモンをやっていないなとジュカインをボールに戻して「よくやった」と褒める。四天王のポケモンを相手に手も足も出ないと思ったが割と戦う事が出来ている……オレは着実に強くなっているんだ。

 

 コモルーをボールに戻したゲンジさんが次に出したのはチルタリス。

 チルタリスは空を飛ぶ事が出来るポケモンだからこっちも空を飛ぶ事が出来るポケモンで対抗するしかないとオオスバメを出す。今度は空の戦いだと見上げるのだが、もしかしたら出すポケモンを間違えたのかもしれないと不安が過る。

 

 2本目の試合開始の合図と共に動いたのはオオスバメだった。

 飛行戦は背後を取った方がなにかと有利になるのでオオスバメには空中を旋回してもらいチルタリスの背後を取ると【ブレイブバード】で突撃する。コレで先ずはと思っているとチルタリスは【コットンガード】を使ってきた。【ブレイブバード】は命中したけれども思ったよりもダメージを与える事が出来ていない。

 

【コットンガード】を使っただけでオオスバメの【ブレイブバード】の威力をここまで軽減するか。

 オオスバメが使える実戦向けの中距離以上の攻撃技は【ばくおんぱ】ぐらいしか残っていない。【ばくおんぱ】を撃ってどうにかするかと考えるが冷静に考えればチルタリスの(とくぼう)の種族値、無駄に高いんだよな。

 

【コットンガード】をもう一回使われればチルタリスの(ぼうぎょ)は最大にまで高められる。

 なにか手は無いかと考えているとチルタリスは【うたう】を使い歌って来たのでオオスバメはチルタリスとの距離を取る。これはマズい。【コットンガード】でBを上げられて【ブレイブバード】で一撃で沈める事は出来ず、【うたう】があるのでヒットアンドアウェイの作戦は出来ない。

 

 残された手段はコレしかないと【ばくおんぱ】で攻めてみるのだが効果は薄い。

 コレはまずいなと思っていると【りゅうのはどう】を撃ってくる。単調な攻撃なので避ける事は出来るが【ばくおんぱ】だけでは微々たる量のダメージを与える事しか出来ない。ヤバいぞと思っていると【コットンガード】をもう一度使いBを最大にまで高める。コレ、詰んだかも。いや、積んだよな。

 

 間合いを詰めてヒットアンドアウェイも出来ずに一撃必殺も出来ない。【ばくおんぱ】は使える回数に限界があるし、マジで詰んだ。

 負けを認めるしかないのかと思っていると「まだ引き出しはある筈だろう」とゲンジさんは言ってくるので色々と考えた結果、【りゅうのはどう】を受ける。オオスバメの素早さならば避ける事は出来たのだがあえて受けて瀕死寸前にまで追い詰められて……【がむしゃら】を発動する。

 

 正直、自分の体力に依存する技でダメージを受けないといけないからこの手はあまり使いたくないのだがコレしかない。

 オオスバメは限界ギリギリまで追い詰められて【がむしゃら】を使ったのでチルタリスの体力は大きく激減、オオスバメは根性1つで耐え抜いているのでチンタラしてられないと【ブレイブバード】で突撃すると運良く急所に当たったのかチルタリスは撃沈……が、オオスバメも撃沈した。

 

 2本目は引き分け……いや、オオスバメに無茶な戦い方をさせてのギリの引き分けなのであまり喜ぶことが出来ない。次で最後だとボーマンダが出てきた。そっちがボーマンダならばこちらはピカチュウだ。

 

 ピカチュウに【10まんボルト】を指示して攻撃してもらうとボーマンダは【かえんほうしゃ】で相殺する。

 伊達に600族じゃないなと思いつつも【あまごい】で雨を呼び寄せて【あめ】状態にする。そろそろいいところを見せておかなければなと思っていると【はかいこうせん】を撃ってくる。

 

 コレはまずいなとピカチュウは【はかいこうせん】を避けるとボーマンダは反動で動けなくなる。

 動けなくなったボーマンダは怖くはないと【かみなり】を落としてボーマンダに命中させるのだが流石は四天王のエース、普通のボーマンダだったら落とす事が出来たがゲンジさんのボーマンダは【かみなり】を耐えきった。

 

 四天王以上のポケモンはホントに打たれ強いしレベルが違いすぎる。

 だがこれからの事を考えればこんなところで躓いていられないともう一度【かみなり】を落とすとボーマンダは耐え切り【はかいこうせん】を撃ってくる。【はかいこうせん】は強力な技でピカチュウに命中すれば確実にピカチュウを倒す事が出来るだろうが、当たってたまるものか。ピカチュウは一直線に飛んでくる【はかいこうせん】を回避した。【はかいこうせん】で動けなくなったのでもう一発【かみなり】を落とすが中々に倒れない……が、息が乱れている。確かなダメージとなっており決定打を与えれば倒す事が出来ると言ったところだろう。

 

【あまごい】で呼び寄せた雨も止んで、さぁ、どうしようかとなる。

 もう一度【あまごい】で雨雲を呼び寄せてもいいのだがその間に大きな隙が生まれる。【あまごい】+【かみなり】のコンボは強力なものだとゲンジさんも認識している。じゃあどうするべきかと考えていると【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでピカチュウに【10まんボルト】で相殺する。

 

 オレにああだこうだと色々と考える時間を与えないつもりか。

 近付いて来ればカウンターシールドという手もあるのだがボーマンダが中々に近づいて来ない。コモルーの事を考えれば【ドラゴンクロー】とか絶対に覚えている……オレをマサラタウンのサトシだと知っていたからピカチュウを相手に近距離戦は出来ないのを知ってるのか?

 

 ホントに厄介な相手だが、こういう方が燃える。久しく感じていなかった胸の高鳴りを感じ取っている。

 ボーマンダは【かえんほうしゃ】を撃ってくる。【10まんボルト】で相殺する事は出来るがそこまでなのでそれ以上が今は必要だとピカチュウに【アイアンテール】を地面に叩きつけて高く跳んでもらう。

 

 ボーマンダが飛んでいるところまで跳ぶと【アイアンテール】を叩き込みに行くのだがボーマンダは【ドラゴンクロー】で防ぐ。

 右腕の【ドラゴンクロー】で防いだかと思えば左腕の【ドラゴンクロー】で攻撃をしてピカチュウにダメージを与える……が、今ので覚えた。ピカチュウにもう一度【アイアンテール】を地面に叩きつけて高く跳んでもらい、【アイアンテール】を叩き込みに行けば【ドラゴンクロー】で封じるのだが【ドラゴンクロー】を踏み台にして更に高くに翔べと【ドラゴンクロー】を弾いてピカチュウはジャンプ、ボーマンダの背中に飛び乗る事に成功し、【かみなり】を落とす。ボーマンダは必死になってピカチュウを落とそうとするのだが先に【かみなり】が命中し……ボーマンダは遂に倒れた。

 

 長かった。ホントに長かったぞ。遂に四天王のボーマンダを倒す事が出来るところにまでピカチュウを鍛え上げる事が出来たんだ。

「いいバトルだった、ありがとう」とゲンジさんと握手を交わす……四天王のポケモンを状態異常とか無しで倒す事が出来た……コレは大きな自信に繋がるな。



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ルネジム コンテストフルバトル!

 

 ホウエンレポート62(新たなるポケモンをゲットせよ)

 

 テレビを見ているとハルカがポケモンコンテスト・イザベ大会で優勝していた。

 着実にハルカも強くなっているんだなと関心しているとセレナも「負けられないわ!」と燃え上がる。燃え上がるのはいいけれどもセレナは手持ちを増やさなくてもいいのかと疑問を投げかける。

 

 セレナの手持ちはテールナー、クリスタルのイワーク、ドンカラス、ラティオス、リザードンの5体だ。

 空を飛べるポケモンと炎系のポケモンにやや偏っている。ここらで新しいポケモンをゲットした方が良いんじゃないかと言えば「まだ2体控えているわ!」と言う……その2体ってフシギバナとカメックスの事だろうな。

 

 カメックスとフシギバナで特訓をしているところは見たことが無いので大丈夫なのかと尋ねれば黙るセレナ。

 こりゃいけねえと直ぐにオーキド博士に連絡を取ってミュウツーに連絡を入れてフシギバナとカメックスを送ってもらう……ミュウツー、セレナがカメックスとフシギバナをゲットしていた事を全然驚いていなかったな。オレ、今日はじめて聞かされるんだけどな。

 

 カメックスとフシギバナを送ってもらったので早速コンテストパフォーマンスを魅せてくれる。

【ソーラービーム】を応用した打ち上げ花火を打ち上げるフシギバナ、オレのフシギダネも使う事が出来る技術だな。カメックスは【ハイドロカノン】でセレナの投げた円盤を撃ち抜いた。

 

 最初は大丈夫かどうか心配だったけれども、なんとか上手く行きそう……と、思えば慢心になるだろう。

 セレナは既にコンテストリボンを5つゲットしている。グランドフェスティバル以外の大会には出ない予定だ。あんまり練習していないカメックスとフシギバナを導入して戦えるのかとオレは疑問に思う。

 

「やっぱり、新しいポケモンをゲットした方がいいのかしら?」とセレナは新しいポケモンのゲットに悩む。

 相性のいいポケモンを1体ぐらいは捕まえておかないと……オレは今の時点で手持ちは満足しているのでゲットはするつもりは無い。オーキド博士の研究所にポケモンがまだ控えているからな。

 

 ジョーイさんに「この辺りにどんなポケモンが出ますか?」と尋ねれば「【こおり】タイプのポケモンが多く生息しているわ」と教えてくれる。

【こおり】タイプのポケモンか、クリスタルのイワークは実質【いわ】タイプのポケモンみたいなもんだからゲットするのは良いかもしれない。早速ポケモンセンターを出てポケモンを探す。

 

【こおり】タイプのポケモンは色々と万能だ。フィールドを凍らせたり雹を振らせたりと色々とやれることが多い。

 何処かにポケモンは居ないのかと久しぶりの波動探知。中々にポケモンがいるが目ぼしいポケモンはいない。ウリムーとかルージュラとか居たけれどもなんか違う。ラティオスとイワークでも出来る事を他のポケモンにやらせても意味は無い。

 

 何処かに目ぼしいポケモンは居ないだろうかと色々と探しているとユキワラシを発見する。

 そういえばサトシくんはユキワラシをゲットしていたなと思い出しているとセレナがティンと来たのかユキワラシをゲットした……のだがポケモン図鑑を取り出してユキワラシのデータを確認するとユキワラシを逃した。え、もしかして厳選的なのしてるの?理想個体のユキワラシ探してるの?と思っていると♀のユキワラシが欲しいらしく、今のユキワラシが♂だった為に逃がしたらしい……厳選ガチ勢になったのかと思ったけどもホッとしたよ。

 

 ♀のユキワラシを探していると言う事は狙いはオニゴーリ、ではなくユキメノコか。

【めざめいし】は既に持っているので後は♀のユキワラシを狙うしかない……のだが、ユキワラシ自体が珍しいポケモンなので中々に見つからない。波動の探知半径500mが限界だがセレナの新しい手持ちの為にもと本気になってユキワラシを探していると吹雪が舞う。

 

 山の天気は崩れやすいというが急な吹雪だなと思いつつもセレナの手を握る。

 迷子になったり何処に行ったのか分からなくなったりするのは色々と大変だからとセレナの手の温もりを感じているとうっすらと影が見える。誰かポケモントレーナーがいるのだろうかと思ったが波動の探知では人の気配がしない。というよりは探知しにくい。

 

 コレはもしかしたらとポケモン図鑑を開いてみるにのだがオレのポケモン図鑑、第3世代仕様のポケモン図鑑なんだよな。

 ポケモン図鑑を開けばデータに該当しないポケモンの反応があると出た。やっぱりこの吹雪はポケモンが齎したものだなとセレナのポケモン図鑑を開いてもらう。セレナのポケモン図鑑は第6世代のポケモンにまで対応しているポケモン図鑑なので潜んでいるポケモンの正体が……ユキメノコを見つけ出す。

 

 ユキメノコの為に♀のユキワラシを探していたのだが、ユキメノコがいるのならば話は別である。

 セレナはモンスターボールを取り出し、テールナーを出す。テールナーに【かえんほうしゃ】を指示してユキメノコを狙うのだがユキメノコには当たらなかった。とくせいの【ゆきがくれ】が上手く発動している。

 

 この天候はユキメノコにとって有利なフィールドだ。

 テールナーはどうするんだろうか?リザードンに変えるという手も無くはないが、テールナーにもバトルの経験値を積ませておかないといけない。オレが手伝えば簡単に終わるのだが、それだと意味が無いので基本的には見守るスタンスでいる。

 

 セレナはテールナーに【でんげきは】を指示する。

 必中の技ならば【ゆきがくれ】は発動しないなと吹雪の中に隠れていたユキメノコは吹き飛ばされる。必中の技はこういうのがあるから恐ろしい。技が当たらないと思っていたユキメノコは驚いており、姿を現す。セレナは当然その隙を逃す事はせずテールナーに【かえんほうしゃ】を指示し、姿を現したユキメノコにぶつける。ユキメノコは大ダメージを負ったので今しかないとセレナはユキメノコ目掛けてモンスターボールを投げるとユキメノコはボールに入り……ゲットされた。

 

 久しぶりの純粋なポケモンバトルをした後のゲットである。

 セレナはユキメノコをゲットした事を高らかに喜ぶと吹雪が止んだ……吹雪を起こしていたのはユキメノコだったか。雪山で吹雪は洒落にならないのだが無事に納まって何よりである。セレナはユキメノコをゲットする事に成功したのでポケモンセンターに戻るとこのユキメノコはこの辺りの雪山の主的な存在であるとのことで……即戦力なポケモンをゲットする事が出来てなによりである。

 

 ホウエンレポート63(ルネシティ 水のアーティスト・アダン)

 

 そんなこんなでルネシティに辿り着いた。

 セレナのコンテストリボン5つ集まってるし、余計な寄り道をしなくて済むから割とあっさりと船で辿り着く事が出来た。ルネシティはアルトマーレ程とは言わないが水の上にある街で、船で移動しなければならない。

 

 まぁ、オレにはラグラージが、セレナにはリザードンが居るので移動するのに困ることは無いだろう。

 早速ポケモンセンターに寄ってポケモンの健康をチェックする。ピカチュウ含めて7体全員問題無し。よっしゃ、ジム戦に行こうかと考えているとジョーイさんが「ジムリーダーのアダンさんは今の時間帯ならジムに居ないわよ」と教えてくれる。

 

 ジムリーダーがジムに居ないなら何処に居るんだと聞けばステージに居るらしい。

 ステージってなんなんだよと思っているとステージ行きの船があるらしいので乗ってみる。船が向かった先にはステージがあった。何故にこんなものがあるのかと思っているとショーが開幕した。

 

 ルネジムのジムリーダーのアダンさんはトップコーディネーターでもある二足の草鞋を履いて成功した異色の経歴を持つジムリーダー。

【みず】タイプのポケモンのみだったが充分すぎる程に素晴らしいパフォーマンスを魅せつける。こんなショーを頻繁にやってるとは芸達者で……トップコーディネーターが半端じゃないのを思い知らされる。隣で見ているセレナが「コレがトップクラスのパフォーマンス」とゴクリと息を飲み込んだ。

 

 中々にいいものを見せてもらった。ショーの時間は終わりを告げたのでジム戦を挑みに行こうかと考えているとセレナが「サトシ、今日は私に譲ってくれないかな?」と言ってくる。一瞬、なんの事か、ルネジム戦を譲れと言ってるのかと考えたのだが直ぐにセレナが言いたい事がなんなのか理解した。

 

 ルネジム行きの船があるのでそれに乗り込みルネジムに向かう。

 ルネジムに辿り着くと「頼もう!」と何時も通りに挑戦しに来たと告げようとするのだが今回はセレナに譲らなければならない。アダンさんが「挑戦者かね?」と聞いてくるのでセレナはコンテストリボン5つ入ったリボンケースを見せて「私とコンテストバトルをしてください!」とアダンさんにコンテストバトルを挑んだ。

 

 ジム戦を挑んでくると思っていたアダンさんは意外そうな顔をしていたが直ぐに冷静になり「なるほど。分かりました」とあっさりと勝負を受け入れてくれる……のだが「君はポケモンを6体持っていますか?」と聞いてきた。もしかしてと考えていると「6体全てを使ったフルバトルでコンテストバトルを」というので「コンテストゲージとか時間はどうするんですか?」と聞けば「コーディネーターにコンテストゲージでなくポケモン1体1体にゲージを付ける時間無制限のフルバトルのコンテストバトル、コレならば引き受けましょう」という。

 

 フルバトルでのコンテストバトルなんて聞いたこともない。しかしセレナが今よりもコーディネーターとして強くなる為にはこのフルバトルを受けた方がいい。セレナはフルバトルでのコンテストバトルに戸惑い迷ったが最終的にはフルバトルでのコンテストバトルを受ける事にした。

「最初はダブルバトルで3体撃破された時点でシングルバトルに変更する特別ルール……君が明日、私とのジム戦でのフルバトルと同じルールだがいいかね?」とまたまた変則的なルールを仕掛けてくる。

 

 コレはまずいんじゃないかなと思っているがセレナはコンテストバトルを受けると決めたので引かない。

「中々の心意気だ」とセレナの覚悟を認めてくれてバトルフィールドに移動する。最初のフィールドは池があるフィールド、セレナはダブルバトルは……一応は出来るには出来るが実戦経験はオレとのバトルだけに等しい。

 

 圧倒的なまでにセレナに分が悪い……が、これでいい。限界を、壁を越えるにはこれぐらい厳しくしとかねえとな。

 セレナはバトルフィールドに立つ。アダンさんもバトルフィールドに立って……トドゼルガとニョロトノが出て来た。ニョロトノが出てきたかと色々と考えていると上空に雨雲が発生する【あめふらし】のニョロトノとか夢も希望もねえな。

 

 アダンさんは【みず】タイプのエキスパート、対するセレナは……【みず】と【こおり】タイプに弱いポケモンが多い。

 どうするのかとヒヤヒヤと見守っているとセレナはユキメノコとクリスタルのイワークを出した。クリスタルのイワークを見たアダンさんは「トレビアン」と驚いている。流石にクリスタルのイワークは珍しいよな。

 

 審判が試合開始の合図を出すとニョロトノが【ハイドロポンプ】を撃ってくる。

 クリスタルのイワークに向けて撃ってくるがクリスタルのイワークには【みず】タイプの技は効果が薄い。全く効いておらず、クリスタルのイワークならば【あめ】+【ハイドロポンプ】を耐え切る事が出来ると判断してるのかセレナはクリスタルのイワークに避ける事は指示しない。

 

 クリスタルのイワークを壁にしてユキメノコは【あられ】を発動する。【あめ】が止んで【あられ】が降ったと思えばユキメノコは姿を晦ます。

【ゆきがくれ】のとくせいを発動したのだが……コンテストバトルはポケモンバトルとは違い魅せるバトルをしないといけない。隠れ潜んで居るのはコンテストバトルに置いては悪手、どうするつもりだと思っているとクリスタルのイワークに【ロックカット】を指示しユキメノコに【オーロラベール】を指示する。

 

 クリスタルのイワークが綺麗にキラキラと輝いておりバックにはオーロラがある。中々に美しい演出をしてくれるじゃないか。

 トドゼルガとニョロトノのコンテストゲージが削られていく……が、アダンさんは余裕を見せている。なにか来るなと思っているとトドゼルガに【ふぶき】を指示した。【オーロラベール】のお陰でダメージは軽減されるが必中の【ふぶき】……だが、クリスタルのイワークもユキメノコも【こおり】タイプに強く大したダメージにもなっていない……が、アダンさんの狙いはそこじゃなかった。【ふぶき】で水を凍らせて氷の柱を作り上げるとニョロトノが【きあいだま】で氷の柱を砕いた。

 

 綺麗に砕いた氷の柱が散っていく。

【オーロラベール】のオーロラと重なる……相手の技を逆に利用するとか、トップコーディネーター半端じゃねえな。クリスタルのイワークとユキメノコのコンテストゲージが削られていく。

 

【あられ】と【オーロラベール】が発動している……ここからどうやって巻き返すのだろうか?

 セレナは【あめふらし】で降った雨が【ふぶき】で凍りついている事に気付く。クリスタルのイワークに【すてみタックル】を指示するとクリスタルのイワークは氷が貼った池をスイスイと進んでいきニョロトノに激突。

 

 ニョロトノは直ぐに立ち上がる。クリスタルのイワークが【すてみタックル】で強行したので氷の貼った場所が粉々に砕け散っている。

 もう一回氷の上を滑って【すてみタックル】を決めるのは難しい……と思っているとユキメノコがクリスタルのイワークの上に乗った。何をするつもりなのかと思っていると【れいとうビーム】を撃ってフィールドを凍らせてくれる。もう一度氷の上を滑っての【すてみタックル】が出来ると今度はトドゼルガに向かって【すてみタックル】で突撃してくるのだが……トドゼルガは【ぜったいれいど】を使ってきた。

 

 あ、コレはまずいかも。氷の上を滑る【すてみタックル】は素早くて通常の【すてみタックル】よりも威力はある……が、その反面、ブレーキが全くと言って効かない。真正面から突撃してくることが分かっているのならば怖くはないと【ぜったいれいど】が命中し……たが、クリスタルのイワークも【こおり】タイプのポケモン、その事を知らなかったアダンさんは驚いた顔を見せてトドゼルガを突き飛ばして戦闘不能にする。

 

 先ずは1体を倒す事が出来てよかった。

 アダンさんは「どうやらクリスタルのイワークは【こおり】タイプの様ですね」と冷静に推察する。クリスタルのイワークが普通のイワークだったら負けていたな。クリスタルのイワークで初見殺し……あんまりいい感じの勝ち方じゃねえな。

 

 トドゼルガを倒されたアダンさんが次に出したのはナマズン……なのだが、【ふぶき】やら【れいとうビーム】やらなんやら【こおり】タイプの技を撃ちまくってた影響もあってかフィールドがカチンコチンでナマズンが泳ぐことは出来ない……そう思っているとニョロトノが【ねっとう】でフィールドの氷を溶かして水に戻してナマズンを泳げる様にした。

 

 ニョロトノはそこそこゲージが減っておりクリスタルのイワークの【すてみタックル】を真正面からくらっている。倒すならばニョロトノの方だが……う〜ん……。ナマズンが泳げる様になった頃には【あられ】も【オーロラベール】も消え去った。

 ここからが正念場だと思っているとニョロトノは【とびはねる】で高くジャンプしたかと思えばナマズンが【じしん】を撃ってくるのでクリスタルのイワークは【じしん】を撃って地震の衝撃波を相殺する。

 

【じしん】の衝撃波をくらわない為にクリスタルのイワークの上にユキメノコは乗っている。ニョロトノはそれを狙ってか【とびはねる】で突撃する……最初からユキメノコが狙いだった。クリスタルのイワークならば【じしん】で相殺してクリスタルのイワークの上にユキメノコは乗ると信じていたんだろう。コレは手痛い。

 

 ユキメノコは直ぐに体制を立て直す。

 ニョロトノに向かって【シャドーボール】を撃つのだがニョロトノは回避し【ねっとう】を浴びせる。流石はジムリーダーと言ったところだろうか、相性のお陰でなんとか上手く戦えているが試合はアダンさんのやや有利に動いている。

 

 もう一度【とびはねる】で高くジャンプするニョロトノ。ナマズンは【じしん】を撃ってくる。

 クリスタルのイワークは【じしん】で衝撃波を相殺しないといけない。さっきと同じ展開だからまずいなと思っている。セレナは当然ユキメノコの方に意識を向けるのだが今度の狙いはクリスタルのイワークだった。

 

 クリスタルのイワークに飛び蹴りをくらわせたと思ったらクリスタルのイワークに対して【さいみんじゅつ】を使ってきた。

 コレはヤバいとクリスタルのイワークは眠ってしまいニョロトノは【きあいだま】をナマズンは【じしん】を撃った。コレは対処できないとクリスタルのイワークは【きあいだま】と【じしん】が命中し、戦闘不能になった。

 

 やっぱりジムリーダーは強いなと思っているとセレナは次にフシギバナを出した。

 実戦経験皆無に等しいフシギバナをここで導入して大丈夫なのかと心配だが伊達にミュウツーのところのフシギバナじゃない。レベルが違う。

 フシギバナは【ねむりごな】と【どくのこな】を同時に撃った。粉系を同時に撃つとは器用だなと思っているとナマズンは【なみのり】を撃ってきて全ての粉を洗い流そうとするのでユキメノコは【れいとうビーム】で津波を凍らせる……【なみのり】を封じる事は出来たが粉系の技をナマズンにぶつける事が出来なかった。

 

 フシギバナは【にほんばれ】を使う。

 天候を今度は【はれ】にしたという事は勝負をしかけてくる。そう感じたのかアダンさんはニョロトノに【とびはねる】でジャンプし、フシギバナに向かって飛び蹴りをくらわせてくるのでフシギバナは花びらで受け止めると花を閉じて【ソーラービーム】を発射した。

 

 流石のニョロトノも【ソーラービーム】を直撃したら立つことが出来ずに戦闘不能に……2体目が倒された。いい感じの流れに乗れてる。

 次はなにが出てくると思っているとシザリガーが出てきた。もう一度【なみのり】を使うナマズン、ユキメノコは【れいとうビーム】で津波を凍らせるとシザリガーが【グラブハンマー】で凍った津波を砕きもう片方の腕でユキメノコに対して【つじぎり】を決めた。

 

 凍った津波を【グラブハンマー】でぶっ壊してキラキラと輝かせたと思ったら【つじぎり】、隙のない二段構えでコンテストゲージとダメージ、両方でノックアウト。セレナも2体目を倒される。ユキメノコとクリスタルのイワークを倒されたのは痛手である。残っているのはアダンさんのポケモンに弱い。

 

 セレナが4体目に出したのはドンカラス。

 空を飛ぶことが出来るポケモンでセレナの得意なバトルフィールドになるのかと考えつつもバトル再開、ドンカラスは【くろいきり】を撃ってフィールドを見えなくする。ここからどう出てくると思っているとナマズンが【じしん】を撃ってくる。見えなくても攻撃を当てる事が出来るタイプの技をぶつけに来たのか。シザリガーはどうしてるんだと思っていると地面に向かって【グラブハンマー】を撃って衝撃を減らしていた。

 

 フシギバナに【じしん】の衝撃波が命中する。

 コレは早いところ決着をつけないとまずいんじゃないかと思っているとナマズンは【なみのり】を撃ってくる。フシギバナは【ウェザーボール】で対抗してくるのだが津波を焼き切る事は出来なかった……が、【みず】タイプの技なので耐え切る事が出来た。

 

 ナマズンは色々と出来るから厄介だと思っているとナマズンは【たきのぼり】でドンカラスに攻撃する。

 ドンカラスはナマズンに激突されるが直ぐに体制を立て直した……のだが、ナマズンは追撃の一手だと【スパーク】を撃ってきてドンカラスにぶつかり、ドンカラスを地面に叩き落したかと思えばシザリガーが【ハサミギロチン】でドンカラスを撃墜した。

 

 ドンカラス、クリスタルのイワーク、ユキメノコがやられた。

 コレでダブルバトルは終了でセレナはフシギバナで続行、アダンさんはナマズンで戦うつもりだ。フシギバナはナマズンに対して【ねむりごな】を撃つと【なみのり】で掻き消すがセレナはナマズンが近付いてくれるのを待っていた様で【ギガドレイン】を使った……ナマズンは戦闘不能になって、フシギバナのコンテストゲージが0になった。

 

 セレナが追い詰められてしまっているな。

 フシギバナをボールに戻して1,2,3でポケモンを出すことになりセレナはラティオスを、アダンさんはキングドラを出した。ラティオスを見たアダンさんは「随分と珍しいポケモンをお持ちですね」とラティオスに対して驚くのだが直ぐに冷静になる。

 

 アダンさんのキングドラは【あまごい】を撃ってくる。セレナは「っ、【すいすい】」と直ぐにキングドラのコンボを口にする。

 伊達にオレと一緒に旅をしていないな。何をやってくるか見抜いたセレナはラティオスに【りゅうのはどう】を撃ってもらうのだがキングドラは回避する。【あまごい】で【あめ】状態にしたから【すいすい】が生きている。キングドラは素早い動きで撹乱している。ラティオスは何処だ何処だと高速で移動するキングドラの後を追おうとしている……まずいな。

 

 このままだとやられると感じたセレナは勝負を決めに行く。【りゅうせいぐん】を雨雲よりも高い位置に打ち上げた。

【すいすい】で素早さが上がっている状態での【りゅうせいぐん】はまずい。案の定というべきかラティオスの【りゅうせいぐん】はアダンさんのキングドラに当たることはなく全て回避されて【れいとうビーム】を真正面からぶつけられる。

 

【あまごい】で雨雲が掛かっている中で【りゅうせいぐん】を撃った。

 パフォーマンス的にあんまりよろしくない、それどころか全ての【りゅうせいぐん】が避けられてしまったのでラティオスのゲージは大きく削られていく。このままだとゲージが減って負ける可能性がある。

 

 セレナは攻撃ばかりになっていると思っていると【りゅうのまい】を舞う。

 それは出来れば【りゅうせいぐん】を撃つ前に使ってほしかったのだが、是非も無し。気付けばキングドラの使った【あまごい】の効果は切れて【すいすい】の素早さ倍加はどうにかなった。今度はこっちの番だと【ドラゴンクロー】で攻めに掛かるラティオス。キングドラは【みずのはどう】を連発して【ドラゴンクロー】の攻めを防いで……ラティオスのコンテストゲージが0になった。

 

 ラティオスをもっと活躍させる事が出来たのに、勝負を焦ってしまったな。

 セレナの残すところは1体、カメックス?いや、アダンさんは【みず】タイプのエキスパート、付け焼き刃に近いカメックスで挑んでも負ける……メガシンカというワイルドカードを考えればリザードン……と思っていたらテールナーだった。

 

 メガリザードンXで逆転を狙うんじゃないのかと思っていたが、ここで殻を破る、限界を越えるにはテールナーで挑まなければならない。

 キングドラは【あまごい】で雨を起こす。また【すいすい】かと思っているとテールナーは【でんげきは】を撃ってくる。回避不可な技で攻撃するのかと思っていると【ニトロチャージ】を積むのだが【みずのはどう】をぶつけられて【こんらん】に陥る。

 

【こんらん】状態のテールナー。【ニトロチャージ】を使ってもらおうとするのだがその前にキングドラが至近距離に迫り【ハイドロポンプ】を撃ち……テールナーは戦闘不能になった。

 

 テールナー、ラティオス、フシギバナ、クリスタルのイワーク、ユキメノコ、ドンカラス、全てが戦闘不能またはゲージ切れによる敗北をした。

 トップコーディネーターでジムリーダーはレベルが違う「ごめんなさい。先を譲ってもらったのに負けちゃったわ」と負けた事を悔しがるセレナ。序盤の方は優勢だったが、後半は不利……オレと一緒に旅をしてるからオレの影響を受けてコンテストバトルじゃなくてポケモンバトルの腕を磨いているな。

 

「珍しいだけでなく十二分に鍛え上げられたポケモン達、魅せる戦いも普通の戦いも一級品……しかしまだ青臭さがあります」と試合を総評してくれるアダンさん。「サトシくん、君はこのルネジムで何個目のバッジですかな?」と聞かれたので8個目だと教えれば「よければポケモンコンテストの指導を、グランドフェスティバルまでまだ時間がありますのでどうです?」と言ってくる。アダンさんといえばチャンピオンでトップコーディネーターのミクリの師匠でもある。またとない機会でセレナは「よろしくお願いします!」と頭を下げた。

 

「情けないところを見せてごめんね」と謝ってくるセレナ。「だったら今度はオレが勝つところを、オレのカッコいいところを見ててくれよ」とカッコつけてみるのだが、アダンさんのポケモンは傷ついたので直ぐにジム戦をする事は出来ず、明日にジム戦をしてくれと言われた……恥ずかしい。



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ルネジム 最後のジムバッジ

 

 ホウエンレポート64(ルネジム 変則ジムバトル)

 

 セレナは負けてしまったけれども得るものはあった……筈だと思いたい。

 アダンさんが直々に指導してくれる事になったのは良かったと思う。オレだとバトルの腕は磨けてもパフォーマンスの腕を磨く事は出来ないからな。今日は最後のバッジを賭けた戦いを挑む……アダンさん、ジムリーダーの中でも上位に食い込むレベルの実力者だろうな。

 

 ポケモンセンターでポケモンの体調を診てもらう。何処も問題はない健康体でジム戦に挑む。

 今回のジム戦は昨日と同じルール、先にダブルバトルで手持ちが3体やられたらシングルバトルに変更する変則的なジムバトルで……フルバトルでもある。フルバトルの経験はあるにはあるが、今回は色々と変則的だ。

 

 結局のところトクサネジムでダブルバトルはしなかったからコレが初のダブルバトルでの公式戦だ。

 気合いを入れないといけないなと両頬を叩いては気合いを注入した後に船に乗ってルネジムに向かえば「待っていましたよ」とアダンさんは迎えてくれる。「今日はよろしくお願いします」と言いルールの確認をした後にコータスが入ったモンスターボールをセレナに預ける。

 ルネジムは【みず】タイプのジム、どう頑張ってもコータスが活躍するのは不可能である。【ほえる】とかで手持ちを強制的に交代されてなにかの手違いでコータスが出てきたらいけないのでセレナに託しておく。

 

「これよりルネジムジム戦を行います!先ず最初にダブルバトルを、先に3体ポケモンが倒された時点でシングルバトルに、交代はチャレンジャーのみ可能とします!」と変則ジムバトルのルールを説明する。「では、私から」とアダンさんはモンスターボールを2個投げるとシザリガーとニョロトノだった。昨日も見た組み合わせだとオレはラグラージとピカチュウを出す。

 

「最初からピカチュウとは飛ばしてきますね」と言ってくるアダンさん「馴れないルールでのフルバトルですからね。ちょっとでも自分に有利になる様にはしたいんですよ」と言う。コレがケンタとのフルバトルならばもう少しじっくりコトコトしてた……いや、ケンタ相手ならば全力全開でいかないといけねえか。

 

 そんなこんなで試合開始の合図が鳴るのだがフィールドは雨に包まれている。

 ニョロトノのとくせいの【あめふらし】のお陰でフィールドが【あめ】状態になっている。コレを生かさない手は無いと開幕と同時にニョロトノ目掛けて【かみなり】を叩き落とす。必中の【かみなり】はとてつもない素早さなのでニョロトノに命中する……が、伊達にジムリーダーのポケモンをやっていない。ケンタのニョロトノ程とは言わないが中々に固い。

 

 ここでどう出てくるかと思っているとニョロトノが【ほろびのうた】を歌ってきた。シザリガーとか居るのに【ほろびのうた】とかマジか。

「君の絶対的なエースであるピカチュウは危険ですから……少々荒っぽいですが倒させていただきます」と髭を触るアダンさん。コレは色々とマズいなとポケモンの交代を考えたが【ほろびのうた】があるので下手なポケモンを出しても死ぬだけだ。

 

 ならばとラグラージに【かわらわり】をシザリガーを殴打しに行けばシザリガーは【グラブハンマー】で対抗してくる。

 コレは厳しい。ラグラージ、近距離戦主体だから同じく近距離戦主体のシザリガーとは相性が地味に悪い。【あめ】状態が続いている間に色々とやるしかないとラグラージにシザリガーを掴ませると【かみなり】を叩き落した。ラグラージは【じめん】タイプのポケモンでもあるからピカチュウの【かみなり】は通用しない。シザリガーにだけ【かみなり】のダメージを受ける。

 

 シザリガーもニョロトノも大ダメージを負ったがまだ倒すには至っていない。ジムリーダーのポケモンはレベルが違うな。

【ほろびのうた】のタイムリミットが迫っているのでさっさと倒しておかないといけない。1体も倒すことが出来ずに戦闘不能になるのはマズい。

 ピカチュウに【かみなり】を指示してシザリガーに集中砲火しているとニョロトノが【さいみんじゅつ】でピカチュウを眠らせた。

 

 主砲がやられてしまった。コレはと色々と考える。ポケモンの交代は無しでピカチュウは後少しで倒される。ラグラージもだ。

 ピカチュウに声を掛けては見るものの眠ったままだ。これは無理だと即座に判断してラグラージにピカチュウを投げ飛ばしてもらい【じしん】を撃ってもらうとニョロトノとシザリガーは【じしん】の衝撃波に弾き飛ばされて2体同時に戦闘不能になった……のだが、ラグラージとピカチュウも戦闘不能になった【ほろびのうた】の効果が発揮してしまった。

 

 主砲であるピカチュウがやられてしまったのは実に痛い。

 フィールドに向かってピカチュウを回収してラグラージをボールに戻す。ジム戦なのでアダンさんがポケモンを先に出すことになりアダンさんはトドゼルガとキングドラを出してきた。ニョロトノが起こした雨はまだ残っていてキングドラは【すいすい】の効果を発揮している。キングドラの素早さに対抗する事が出来るのはジュカインとオオスバメだ。

 

 ピカチュウはやられてしまったのはホントにマズいなと思いつつもバトル再開。

 狙いはキングドラだと【ドラゴンクロー】でキングドラを狙いに行くのだがキングドラはトドゼルガの背後に隠れていたトドゼルガは【れいとうビーム】を撃ってくるのでオオスバメに【ばくおんぱ】をぶつけさせる。

 

「サトシ、焦っちゃったらダメよ!自分のペースでバトルしないと!」とセレナは言ってきて熱くなって冷静さを欠いていた事に気付く。

 ニョロトノの【ほろびのうた】でペースを乱してしまっていた。自分のペースでバトルをしないといけないと頭をクールに切り替えてジュカインにキングドラの【りゅうのはどう】を【ドラゴンクロー】で受ける様に指示する。

 

 炎のような情熱、氷のような冷静さを持たないと倒すことは出来ない相手である。

 キングドラの攻撃を受け切るとニョロトノの【あめふらし】による【あめ】が無くなった。コレでキングドラの【すいすい】が無くなりジュカインの方が素早さが上回り【ドラゴンクロー】で攻撃をして動きを封じた後に【りゅうのはどう】をぶつけるのだが【りゅうのはどう】で相殺される。同じ技が使えるのは厄介で【りゅうのはどう】による攻撃でのダメージはあんまり期待する事は出来ない。

 

 使える手札が徐々に徐々に見えてきたがバトルは続く。

【あめ】状態じゃなくなったので【すいすい】じゃないキングドラとトドゼルガがいる。トドゼルガは……【ぜったいれいど】を覚えている。下手に【すてみタックル】や【ブレイブバード】の様な接触系の技とか使えば昨日のクリスタルのイワークと同じ道を辿る。

 クリスタルのイワークは【こおり】タイプだったから【ぜったいれいど】が効かなかったが【こおり】タイプじゃないオオスバメとジュカインには【ぜったいれいど】は効いてしまう。どうしようかと考えているとアダンさんが先に動いた。

 

 トドゼルガに【あられ】を使わせた。

 コレはマズいと思っているとトドゼルガは【ふぶき】を撃ってくるのでオオスバメに【ねっぷう】で対抗してもらうが、オオスバメの【ねっぷう】は焼け石に水に近い。コレは手厳しいがまだ勝負は終わっていない。ジュカインには【ねっぷう】を放つオオスバメを踏み台にしてもらい高く飛んでもらった後に【リーフブレード】をトドゼルガに叩き込む。

 

 ダメージを与える事が出来ているが決定打に欠ける。ピカチュウが居てくれればと頭に過る。

 やっぱりピカチュウは必要不可欠だと思いつつもジュカインに【りゅうのはどう】を撃ってもらうのだがキングドラの【りゅうのはどう】で相殺される。残ってるのはラティアスとメタグロス、このフィールドだと【ふぶき】必中なのでラティアスはまずいからメタグロスに交代するかと考えていると【ふぶき】が襲ってくる。

 

 回避不可な必中技は手厳しい。【あられ】が無くなるまで逃げ延びるのは難しそうである。

 少し賭けるかとオオスバメに【はがねのつばさ】を指示しトドゼルガに【はがねのつばさ】を叩き込んでトドゼルガを弾き飛ばすとジュカインに【ハードプラント】をトドゼルガにぶつける。【ハードプラント】を当てられたトドゼルガは目を渦巻く。トドゼルガを一発で倒すことが出来なければ【ハードプラント】の影響で身動きが取れなくなってしまい【ふぶき】が当てられる。オオスバメの【ねっぷう】で防ぎ切る事は出来ずにジュカインは倒されるという可能性があったが無事に倒すことが出来てホッとした。

 

 手持ちが3体やられたのでポケモンバトルはダブルバトルからシングルバトルに切り替わる。

 アダンさんはキングドラで続行するというのでここはお前に頼るとラティアスを出す。「ほぅほぅ、ラブラブカップルですか」とラティオスを持っているセレナとラティアスを持っているオレを見て笑うアダンさん。カップルの力、ナメるんじゃねえべ。

 

 相手はキングドラ、油断する事は出来ない。

 キングドラは【りゅうのはどう】を撃ってくるのでラティアスには【めいそう】で(とくぼう)を上げてもらう。ラティオスの武器は火力だがラティアスの武器は耐久力だと【りゅうのはどう】を耐え抜いてみせる。まだまだ行くぞと【めいそう】を積み上げるとアダンさんは勝負に出たのか【りゅうせいぐん】を指示する。

 

【りゅうせいぐん】を発射すると同時に【あられ】が止んだ。

 雹を降らせる雲は無くなったので【りゅうせいぐん】の起動は見える。【りゅうせいぐん】は雨の様に降り注ぐ技だ。下手にジグザグやS字に動いても逆に当たるだけだと弾けた【りゅうせいぐん】の軌道を読んで……【りゅうのはどう】を【りゅうせいぐん】にぶつけて相殺する。

 

 キングドラは大技を撃って息が乱れている。叩くならば今しかないと【りゅうのはどう】を指示して【りゅうのはどう】をぶつけるとキングドラは吹き飛ばされて戦闘不能になった。やっぱり準伝説のポケモンのパワーはぶっ壊れていやがるな。4体目を無事に倒して試合のペースを掴む事が出来ている。アダンさんは5体目にナマズンを出したのでコレはと【バトンタッチ】を指示しラティアスをボールに戻すとジュカインを出す。ジュカインはラティアスが【バトンタッチ】で残したバトンを受け取るとパワーアップをする。

 

 ナマズンは【じしん】を撃ってくるのでジュカインは高くジャンプする。

 コレはと思っているとナマズンは【たきのぼり】で急上昇してきてジュカインを弾き飛ばす。【じしん】をジャンプで回避すると予想していたか。倒れるジュカインに対してすかさず【じしん】を撃ってくるのだがジュカインは直ぐに立ち上がってもう一度ジャンプしてもらう。今度は同じ手は食わないと【たきのぼり】で急上昇してくるナマズンに対して【エナジーボール】を発射する。

 

 流石のナマズンも【たきのぼり】中には止まる事は出来ないと【エナジーボール】が命中し、そのまま滝から撃沈。

 5体目のポケモンを無事に倒すことが出来た……が、ここまでである。昨日のセレナのフルバトルでアダンさんは5体しかポケモンを使わなかった。6体目は……一応の予想はつくにはつくのだが万が一という事もあると思っていると出てきた……ミロカロスが。

 

 ミロカロスは中々に強敵……だが【バトンタッチ】で積んだジュカインがいるから大丈夫だろう。

 開幕ぶっぱだと【エナジーボール】を撃つのだが【ミラーコート】で跳ね返された。【ミラーコート】持ちのミロカロス……接近戦に持ち込めと言うことか。幸いにもジュカインは接近戦も出来るポケモン、間合いを一瞬で詰めて【リーフブレード】で攻撃しようとするのだが【れいとうビーム】をぶつけられるがジュカインは耐え抜いて【リーフブレード】を当てた。【めいそう】で積んでて良かった。

 

 しかし流石はミロカロスといったところだ。オレのジュカインの【リーフブレード】を耐えきった。

 近づけばゼロ距離に近い状態で【れいとうビーム】が飛んでくる。【エナジーボール】や【りゅうのはどう】を撃てば【ミラーコート】で弾き返される。手持ちにまだ余裕があるしとここは交代だとジュカインをボールに戻す……ピカチュウが残っててくれれば【あまごい】+【かみなり】のコンボを決める事が出来たんだがな……まぁ、無いものねだりはいけないことだ。

 

 ここまで温存していた6体目、メタグロスを出す。

 メタグロスならばと【しねんのずつき】を指示してメタグロスは一直線にミロカロスに向かって突撃する。ミロカロスは【ハイドロポンプ】を撃ってくるがメタグロスはやや速度を落とすだけで止まることはせず【しねんのずつき】をぶつける……だがまだ倒すことは出来ない。だがオレの勝ちだ。至近距離に近付いた時点でオレの勝ちだと【だいばくはつ】を指示してメタグロスに【だいばくはつ】を起こしてもらい、ミロカロスを爆破に飲み込んだ。

 

「まさかこんな大胆な手を使ってくるとは……」とアダンさんは驚く。

「最後の最後で余裕があるから確実に相手の息の根を止めにいった……ミロカロス、しぶといから確実に倒せる技にしたんです」と言っておく。最後の【だいばくはつ】に色々と思うところはあるかもしれないが勝ちには変わりはない。

 

 最初はアダンさんのペースに飲み込まれてしまったがなんとか自分のペースに持ち込む事に成功し、最後のジムを制して【レインバッジ】をゲットした。

 

 ホウエンレポート65(余裕を持って 準備期間)

 

 グランドフェスティバル開幕までまだ時間が残っている。ホウエンリーグが開幕するまでには更に時間がある。セレナはアダンさんに色々と指導を受けている。セレナの事だからきっと何かしらの成果を掴んで来るだろう。

 一方のオレはと言うとホウエンリーグに出場する権利を手にした事をケンタとユウキに知らせる。

 

「あちゃ〜先、越されちゃったか」と少しだけ残念な素振りを見せるユウキ。

 ハルカのコンテストリボン集めの旅を重視しているからどうしても遅れてしまうから仕方がない事だ。ケンタは「面白いバトルを見せてくれよ」とオレとユウキのバトルを期待する。因みにだがケンタの奴はシンオウリーグに出場する資格を得てマリナはグランドフェスティバルで優勝をしてた。マリナもシンオウリーグに出る準備をしてるが……ケンタが優勝する確率が高いな。

 

 ホウエンリーグはホウエンで捕まえたジュカイン達で挑む……なんて馬鹿な真似はしない。

 サトシくんは初心を忘れない様にホウエンで捕まえたポケモンだけで挑んだが、オレは真面目に優勝を狙っているので研究所で待機している組に、リザードンに、カビゴンに、スイクンと今まで鍛えてきたポケモンを使う。ユウキには悪いが今回のホウエンリーグの優勝は頂きだぜ。

 

 少しの間はルネに泊まるので今の内にとオーキド博士の研究所に連絡を取る。

 ピカチュウ以外の6体をオーキド博士の研究所に送り、フシギダネ、ヘルガー、ドードリオ、ゲンガー、スイクン、マニューラを送ってもらいどれくらい強くなったのかを確認する。オレの居ない間に新しい技を覚えて重要な技を忘れてたりしたらもう一回覚え直して貰わないといけないからな……最初に呼び出した6体は前よりもパワーアップしており、余計な技を覚えているという事はなかった。

 

 オーキド博士の研究所に連絡を入れるとミュウツーが出てきて『間もなく決戦の時か?』と聞いてくるので「そうだ」と頷く。

 今回もミュウツーには活躍はしてもらう……が、決勝戦に出すかどうかは話は別である。ミュウツー強いからミュウツーさえ居ればどうにでもなるって思うのはね……オーキド博士に追加でポケモンを送ってもらう。ホウエンリーグ開幕までまだまだ時間がある。余裕を持って優雅に過ごすか。



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オッス。オラ、マサムネ

 

 ホウエンレポート83(おっす、オラ、マサムネ)

 

 そろそろグランドフェスティバルが行われるカイナシティに向かわなければならない。

 不幸な事にルネシティからカイナシティに直通する船は無くて1つ島を経由して行かなければならない。さっさと会場入りして現場の空気に馴れておいた方がいいのでここでアダンさんに別れを告げる。約2週間程だったがセレナはパワーアップするのには充分な時間だった。今回のグランドフェスティバルは期待しているぞ。セレナがパワーアップを果たしたかどうかはグランドフェスティバルで見れる。オレがするべき事は応援あるのみだ。

 

 早いところカイナシティに向かう港に向かおうとしているとおにぎりが転がってきた。

 こんなところにおにぎりとはおむすびコロリンを思い出すなと思っていると野沢雅子ボイスの男が「待てぇえええい。オラのおにぎり!」とおにぎりを追いかけてた。何やってんだと思いつつもラティアスを出して【サイコキネシス】でおにぎりの動きを止める。しかしコレがまずかったのか田舎っぺ大将もといマサムネは転んでしまいゴロゴロと転がり、木に激突した。

 

 あちゃ〜余計なおせっかいを焼いてしまったかと思っているとあっさりと立ち上がる野沢雅子ボイスの男。

「いや〜すまねえ。オラのおにぎりを止めてくれたんだな!サンキュー」とお礼を言ってくる……田舎っぺ大将もといマサムネ。マサムネは宇宙一のポケモンマスターを目指しており、ホウエンリーグを目指しているそうだ。

 

「新しいライバル登場ね」とセレナは言う。「お前もホウエンリーグを目指してんか!」というので目指してる事を伝えれば「じゃあ、オラのライバルだな。サトシ、お前今バッジ何個持ってる?オラはラッキー7,7個だ!」と自慢気に7個のジムバッジを見せつけてくるのでこっちもとバッジケースを取り出して「後はホウエンリーグに出るだけだ」とドヤ顔になればマサムネは大きく口を開いてショックを受けた。

 

「ま、まだサイユウ大会にまで時間があるから落ち込まないで」とセレナが励ますとマサムネは「オラもさっさと8個目のバッジをゲットしてサイユウ大会の出場資格を手に入れてくんだ!」というが「この島にポケモンジムはねえぞ」と言えば膝をつく。リアクションの大きい奴だな。「こうなったらオラとポケモンバトルをしろ!」と言ってくるマサムネ。最早ヤケクソに近いがポケモンバトルを挑まれたのならば応えるのがトレーナーの流儀だ。

 

 使用ポケモン1体のポケモンバトル。1,2,3でお互いに同時に出すルールでセレナがカウントを取ってくれてオレはメタグロスを、マサムネはダンバルを出してきた。よっしゃおりゃあ。メタグロスを相手にダンバルが相手とはなにか運命の様な物を感じてしまうな。

「ヒャア、サトシ、おめえメタグロスなんて持ってたのか!?」とメタグロスに驚くマサムネ。勝負は圧倒的なまでにこちらが有利である。

 

 勝負が開始すると「気合いを見せろ!メタグロスに【とっしん】だぁ!」とダンバルに【とっしん】させてくるマサムネ。

 気合いを見せろとは中々に脳筋なところがあるのでここはあえての待ちの戦法だとメタグロスに「受け止めろ」とメタグロスに攻撃を指示せず、ダンバルの【とっしん】を受け止める様に言う。ダンバルはメタグロスに激突するが……メタグロスに殆どダメージは無い。

 

 マサムネもその事に気付いたのかダンバルに「連続で【とっしん】だ!」と連続の【とっしん】でメタグロスに攻撃するのだがあまり効果は無い。ダンバルの時点ではこんなものかと分かったのでメタグロスに【コメットパンチ】でダンバルを殴り飛ばしてもらう。メタグロスに殴り飛ばされたダンバルは戦闘不能になり、オレはマサムネとのポケモンバトルに勝利した。

 

「お、オラのダンバルが一撃で……」と震えるマサムネ。「ダンバルは進化してからが本番なポケモンだ。今の段階だとオレのメタグロスに手も足も出ない……悔しかったらさっさとレベルを上げて進化させて来るんだな」と冷酷に言えば「ち、ちっくしょぉおおおお!!」と本気で落ち込むマサムネ。ちょっと言い過ぎた感じもするが、コレぐらいでへこたれていたらそこまでのトレーナーだったという事になる。ここから這い上がって来るトレーナーがポケモンマスターになれるんだ……ポケモンマスターの定義あやふやだけども。

 

 ホウエンレポート84(敗残兵とリボンカップ)

 

 マサムネは上には上が居るという事を身に沁みて覚えたが「サトシ、ホウエンリーグではお前に勝ってやる!せいぜいそれまでオラに負けるなよ」と言ってくるので「オレが目指してるのは優勝だけだ。負けるなんて無いな」と返事をする。「いいや、オラが優勝すんだ!」と負けじと言い返してくるので「決着はホウエンリーグで……早いところ8個目のバッジをゲットして来いよ」とマサムネと別れを告げる。

 

 マサムネは最後のバッジを何が何でもゲットしてみせるとやる気の炎を燃やす。昨日は色々と言ったがあの程度でへこたれるトレーナーじゃなかったみたいでなによりだ。マサムネの事はさておいて港に辿り着いたのでカイナシティ行きの船は何処かと探してみると豪華客船セント・フラワー号という船があった。カイナシティ行きの豪華客船みたいでなんとグランドフェスティバル出場資格を得たコーディネーターとその連れは乗る事が出来るという。至れり尽くせりである。

 

「此処に乗っている人達が今回のライバルなのね」と静かだがメラメラと闘志を燃やすセレナ。

 空回りしなければいいんだけども、まぁ、それはそうとして今回のグランドフェスティバルで優勝したコーディネーターのみが貰えるというリボンカップが展示されているので見に行く。

 

「アレは重いぞ」と種類は違えども優勝トロフィーをゲットした事があるのでトロフィーの重さについて言っておく。

 物理的に重いんじゃなくて、こう、精神的に重い。トロフィーは何百人の中でたった1人しか持つことが出来ない物だからな……既にマリナはシンオウ地方のリボンカップを手にしているし、頑張らないといけない。

 

 優勝すれば色々と大変だぞと考えているとリボンカップが展示されている部屋が急に暗くなる。

 なにかのデモンストレーションかと思いつつも波動で探知してみるとリボンカップを盗もうとしている奴等が居るじゃありませんか。こいつら大事な大会前になんてことをしてくれるんだと飛び蹴りをかまして正体を暴くと……マグマ団の団員だった。

 

 どうやらマグマ団とアクア団が逮捕されて騒動が終わったのだと思っていたのだが、生き残りが居たようで泥棒に転向したみたいだ。

 マグマ団だけでなくアクア団も居るらしく、大事な大会前に余計な事はさせないと波動で探知。アクア団とマグマ団の残党を見つけ出す事に成功したのでピカチュウとともに【10まんボルト】を浴びせる。やっぱりピカチュウとの【10まんボルト】は痺れるぜ。

 

 ホウエンレポート85(グランドフェスティバル 会場入り)

 

 アクア団とマグマ団の残党をジュンサーさんに引き渡した。コレで余計な事は起きないと願いつつも、カイナシティに入った。

 グランドフェスティバルが開催するだけあって観客やコーディネーターが多い。前にカイナシティでコンテストが行われていたがそれと規模が違う、規模が。流石はコーディネーターのトップを決める大会である。

 

 色々と行きたいところがあったりするが一先ずはとグランドフェスティバルの会場に向かう。

 カイナシティにこんなところがあったんだな〜と感心しつつも、セレナは5つのコンテストリボンを受付の人に見せる。グランドフェスティバル参加登録完了である。

 

「やぁ、君達も来たのかい?」とキザ男もといシュウが現れる。

 シュウもこのグランドフェスティバルに出場するのかと聞けば「そうだよ」と答えてくれる。コイツもなんだかんだで強いコーディネーターなんだな。登録完了しているのでさてどうしようかと考えているとハルカを見つけた。ハルカも無事にコンテストリボンを5つ集める事が出来たらしい。ミナモシティとかハヂヅケタウンとかで見なかったがアニメに登場する街でコンテストリボンを集める事が出来たらしい。

 

 ハルカも頑張ってるんだなぁと思っていると「あらぁ、ハルカちゃんじゃない!」とノクタスを模した感じのオネェが、ハーリーさんが現れる。

 ハーリーさんと初対面なので「あら、可愛い坊やとガール」と背筋がゾクリとなる事を言ってくる。男は度胸女は愛嬌、2つ併せ持つオカマは最強だと教わった事があるので油断ならない。

 

 全員参加登録の手続きを済ませたので各々が行動する。オレ達はハルカとユウキと共に行動する。

 アレからハルカはどれくらいパワーアップをしたのだろう?ハルカは「私のポケモンを見て!」と手持ちを見せてくれる。ワカシャモ、エネコロロ、アゲハント、マリルリ、フシギソウ、ゴンベ……ゴンベは珍しいな。ゴンベを何処でゲットしたのか聞いてみればハルカデリシャスというポロックを作った結果、クソ不味いポロックを作ったのだがゴンベは美味しそうに食べる。ゴンベは基本的にはクソ不味い物でも腐った物でも食べる大食いのポケモンだからな……エンゲル係数上がってないのか聞いてみればユウキの奴がゴンベやカビゴンの様に大食いのポケモン専用のポロック作りを知っていたので問題はないとのこと。

 

 マリルリは持っていなかった筈だが、何処でゲットしたんだろう?

「ルリリを見て可愛いって言ってたから、ゲットさせた」とユウキは教えてくれた。フシギダネは密林で見つけた個体でゴンベ以外全部♀らしい。バランス良く育てられている……ユウキの奴がなにか色々と教え込んでいるだろうな。

 

「セレナの方はどうなの?」と聞いてくるのでセレナはモンスターボールを投げてユキメノコを見せる。「新しいポケモンを多くゲットしなかったのか?」とユウキは聞いてくるので「下手に多くゲットしても扱い切れない可能性が高いからな」とだけ言っておく。後、ティンと来なかったからな。ティンと来ないとポケモンはゲットしない……そういえばユウキの奴は6体ポケモンを持ってるんだろうか?

 

 気になったので聞いてみるとユウキは「ポケモンは9体ぐらい居るよ」と言ってくれる。

 どんなポケモンを持っているのか気になるが、今はセレナとハルカのポケモンコンテストが大事である。ジム巡りの方はどうなっているのか聞いてみるとバッジケースを見せてくれる。【レインバッジ】以外の7つのバッジが入ったバッジケースだ。

 

「カイナシティから別の港に行ってそこからルネシティに直通する船があるの知ってるから準備は出来てる」とジム巡りの方は大丈夫、ユウキが言うのならば問題はないだろう。ジムバッジが8個集まらなかったら色々と大変……いや、ホントにね、ケンタの奴が伝説厨から逃げる為にシンオウリーグに挑みやがったから張り合いがねえ。マサムネの力量がなんとなく分かっているので面白味に欠ける。勝つか負けるかのギリギリのクロスゲームをしたいんだよ、オレは。ユウキのバッジ集めがちょっと心配なものの、楽しく旅をする事が出来て何よりである。

 

 グランドフェスティバル開幕は明日からなので今日は遊ぶぞと頭のスイッチを切り替えるハルカ。

 ユウキは「最終調整をしたほうがいいんじゃないの?」と真面目な事を言う……明日からグランドフェスティバルで一次予選で200人以上居るコーディネーターの中から64名になるまで絞る……う〜ん、割と大事であるが……まぁ、遊ぶのも大事だったりする。

 

 グランドフェスティバルに便乗して色々と出店が出店している。

 グランドフェスティバル参加者および関係者はタダである。ポケモンリーグの時もそうだけども何処で利益を取ってるんだろう。観客が物凄く多いからそこで採算性を取ることが出来るだろうか?ハルカはガイドブックを開いていると「ハルカ!」とハルカのママさんがやって来た。

 

 グランドフェスティバルが開催し、出場すると知ったので応援にやってきたらしい。ユウキは「お久しぶりです」とペコリと頭を下げる。チャラい部分は見せないんだな。チャラ男なのは演技で礼儀正しいのが○○の素なのである……まぁ、どっちでもいいけども。それはそうとしてセンリさんやマサト、オダマキ博士も応援していると伝えてくれるハルカのママさん。

 

 セレナはそういうのは無いからなと考えていると今までセレナと戦ったコーディネーターから頑張れとのメッセージカードと花束がやってきた。今までの旅路は無駄じゃなかったな。セレナはなにがなんでも優勝しないといけないなと気を引き締め直し……ハルカと一緒に遊ぶことにした。

 アダンさんとの特訓で散々ポケモンのコンディションは確認して更には豪華客船のポケモンセンターでポケモンの健康診断は既に済んでいる。今日1日ぐらいはハメを外してもいいかとオレも頭のスイッチを切り替える。ユウキの奴もこうなった以上は遊ぶしか道は無いなと頭のスイッチを切り替える。

 

「ハルカちゃんを応援する為に色々とやった方がいいかな?」とユウキは聞いてくるので「知らん」とだけ言っておく……いや、実際のところどうしておけばいいのか分からないからな。どんな応援が正しいのかは分からないからな。

 遊びの1日に切り替えるとなんとセンリさんがやって来ているとの事だ……センリさん、ジムが忙しいからマサトと一緒にジムで観戦をするんじゃなかったのか?……もしかしたらサプライズかなにかだろうか。

 

「パパに会えるかも!」と喜ぶハルカ……こういう時って大抵ロクな事が起きないんだよな。

 ハルカ達と共にセンリさんが居るという場所に向かってみたのだが、偽のセンリさんがいた。というかロケット団だった。この野郎、大事な大会前になんて事をしてくれるんだよ。「よくもパパの名を騙ってくれたわね!」とプンプンと怒るハルカ。ここはハルカに花を持たせてやるかと思ったがユウキの奴が「サトシ、明日の事もあるから代わりにボコっといて」と頼んでくる。

 

 全くケンタといいお前といい、オレに厄介な爆弾を押し付けるなよな。いや、確かに主人公だけれども……主人公って世知辛いなと思いつつもメタグロスを出す。「ゲェ!ジャリボーイ!」と何時もの反応を見せつけるのでメタグロスに【しねんのずつき】で弾き飛ばす。「メタグロス、強いな」とウンウンと頷くユウキ……お前も見ているんだったらちょっとは力を貸せ……いやまぁ……うん。

 

 ハルカに花を持たせる事は出来ずにいてコレで良かったのかと考えてみるが……まぁ、良かったんじゃないかと思う。

 その後はユウキの奴が少しだけピリピリとしている。ロケット団が尾を引いている。「ロケット団が介入してきて妨害してくる可能性が高い……どうする?」と聞いてくるので「まぁ、オレがなんとかしておくよ」とだけ言っておく。ロケット団退治に困ったらオレが動けばいい、だからユウキは安心してグランドフェスティバルを観戦してくれればそれでいい。困ったら主人公に頼ればいい……原作知識的にも後1回ロケット団が横槍を入れてくると言っている……【しねんのずつき】でやなかんじーと吹き飛ばすんじゃなくてジュンサーさんに引き渡した方が良かったかも……まぁ、最悪殴り飛ばせばそれでいい……脳筋思考だなぁ、オレ。



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激戦 激闘 グランドフェスティバル!

 ホウエンレポート86(開幕ポケモンコンテスト・グランドフェスティバル)

 

 ロケット団の騒動から一夜明け、グランドフェスティバルが開幕する。

 先ずは1次予選、パフォーマンスの時間である。二次予選もパフォーマンスで本戦からコンテストバトルに入る。ハルカのポケモン達もセレナのポケモン達も全員健康診断はバッチリ、ハルカに至っては本人の食い意地を中々に見せてくれる。グランドフェスティバル限定のカレーパンをユウキをパシらせて買っていた。ユウキの奴、パシらされる事に対して不満は抱いてはいないのかと思ったが割と良好な関係性を築き上げているのかハルカが笑顔になればそれでいいと紳士的な対応をしている。

 

 それはさておき、予備選がはじまる。

 最初のコーディネーターが出したのはジグザグマ【シャドーボール】を放ったかと思えば【シャドーボール】の闇のエネルギー的なのを拡散させるという芸当を見せる。相変わらず面白い技の使い方をしているなとポケモンコンテストを見てて思う。まぁ、実戦もといポケモンバトルではあんま使えなさそうな芸当が多いから参考にはならない。

 

 今のところは目ぼしいのはミロカロス使いのロバートさん。

 やっぱりミロカロスが異常なまでに目立つ。ミロカロスってだけでも十二分に美しくその上で技を磨き上げているのだから嫌でも目立つ。審査員達もロバートさんとミロカロスに98点も与えた。100点満点じゃないのがやや気になるところだが本日最高得点である。

 

 ロバートさんが終わり名もなきモブ達がパフォーマンスを魅せてくれるのだが中々に面白い……が、ロバートさんのミロカロス超えが出来ない。

 グランドフェスティバルに勝ち進んだだけあって確かな実力者達が勢揃いだと言うのに……ロバートさん、マジで強い。シュウの番がやって来たかと思えばシュウはロゼリアを出して【はなびらのまい】を使って魅せてくる。【はなびらのまい】という技自体が魅せる技だが……ぶっちゃけた話、実戦ではそこまでである。

 

 シュウが終わればノクタス使いのオネエことハーリーが出てくる。

 ハーリーはノクタスを出したかと思えば開幕早々に【タネマシンガン】を放ちフィールドを爆発させて派手なアクションを魅せつける。美しさや華麗さだけがパフォーマンスじゃない。こういうカッコよさもパフォーマンスの1つであり、ロバートさんとはまた違った方向性でのパフォーマンスであった為に87点と高評価を得る。

 

 なにをしてくるのか分からないが王道的な魅せ方とは異なる魅せ方をしてくるハーリー……地味に恐ろしい存在だ。

 こんなのを相手に勝てるのかとヒヤヒヤとしているとハルカの番がやって来る。ハルカはなにで行くつもりなのかと思えばフシギソウを出した。アゲハントかワカシャモ辺りを出してくるのかと思ったが意外である。

 

 ハルカのフシギソウは【はなびらのまい】を使う……が、1回シュウがロゼリアで【はなびらのまい】を魅せたのであまり高評価を受けない。

「順番は大事だな」とハルカがパフォーマンスであまり高評価を得られない理由を直ぐに察するユウキ、さてここからどうするのかと見守るとフシギソウは【ソーラービーム】を打ち上げて花火の様に弾き飛ばす。オレのフシギダネも使える【ソーラービーム】を応用した技術だが、ハルカのフシギソウも使えるのは驚きだ。「【はなびらのまい】はシュウのロゼリアと被るからね。フシギソウならではの芸当を魅せないと勝てないって色々と仕込んだ」とユウキが自身が教えた事だと教えてくれる。

 

「ハルカに色々と技を仕込んだのか?」と聞いてみれば「勿論、ハルカには勝ってほしいからね」と頷くユウキ……コイツ、多分だけどポケモンコーディネーターの才能も持ってるな。ハルカを応援する方に回ってるけどもコーディネーターとトレーナーの二足の草鞋を履くことが出来る……○○だから出来てもおかしくはないか。

 

【はなびらのまい】の評価はそこまで高くはなかったものの【ソーラービーム】による打ち上げ花火の評価は高かった。

 84点とまぁまぁな点数を貰う……90点台に行ってないから確実に二次予選に駒を進める事が出来ると言えないのがなんともである。とはいえ高得点である事には変わりはない。あくまでもオレの予想だがシュウの前にパフォーマンスする事が出来ていれば90点台に到達する事が出来ていた……パフォーマンス系は順番も物を言うから一番最初と一番最後は精神的にキツいだろうな。

 

 ハルカのパフォーマンスも無事に終わり、幾つかのパフォーマンスを終えると遂にセレナの出番がやって来た。

 今日の為にセレナはアダンさんから色々と指導を受けて来た。特訓の成果を今こそ発揮するんだとセレナはカメックスを出した。「え、カメックスなんて持ってたの?」と驚くユウキ。一応はセレナのポケモンであると告げるとカメックスは【みずのはどう】を空中に打ち上げて空中で水の波紋を広げると【バブルこうせん】を放ち【れいとうビーム】で凍らせると氷の泡で出来た壁が出来上がりトドメだと【ハイドロカノン】を撃ち込みキラキラと【バブルこうせん】を破壊した。

 

 コレは中々だと拍手を受ける。セレナの特典は94点、ロバートさんには及ばないものの高得点であった。

 カメックスとセレナは両腕を上げて観客達を魅了し……その後もコーディネーターのパフォーマンスが続いていくがセレナが叩き出した94点を越えるコーディネーターは誰もおらず、そのまま一次審査が終わった。

 

 一次予選が無事に終わり、セントラルのポケモンセンターに向かう。

 セレナの得点は上から数えて直ぐの点数だったから心配は無いのだが問題はハルカである。ハルカの点数は高いが……微妙なところである。セントラルのポケモンセンターで1次審査を突破したコーディネーター達が映し出され、ハルカは無事に一次審査を突破した。

 

「やったかもぉ!」とガッツポーズを取るハルカ。「はい、喜ぶのはそこまで。次だ次、二次審査もパフォーマンスで一次審査に使ったポケモンとは異なるポケモンを使わないといけないんだ」とユウキは喜ぶハルカを一気に現実に引き戻す。もうちょっと喜びの時間を与えてあげても良かったんじゃないかと思ったが「優勝以外は意味は無いだろ」と割とドライな事を言う……チャラ男になったりコーディネーターとしてのセンスを見せたりするが根っこの部分は○○である事には変わりはないか。

 

 勝負に対する姿勢はいいことでハルカもユウキの言葉で浮かれていた意識を現実に戻した。

 そう、セレナもハルカも目指しているのはトップコーディネーターの道、すなわちグランドフェスティバル優勝である。ここから更に頑張らなければならないのである。

 

 ホウエンレポート87(休息!グランドフェスティバル!)

 

 一次予選を突破して64名まで絞った。

 次は二次予選だがその前に休日になる。ハルカは「グランドフェスティバル限定のお店を食べ尽くすわ!」とユウキを連れて行く。「大事な大会なのに割と大丈夫そうね」とセレナはハルカのその姿を見て逆に感心する。まぁ、確かに初の大舞台で美味しい物を食べに行くのは中々の食い意地、強メンタル……ある意味大物なのかもしれない。

 

 セレナに「グランドフェスティバル限定の店巡りをするか?」と尋ねてみれば「今日は休むこと集中して明日に備えるわ!」という。

 休む時に休む事が出来るのはいいことである。ハルカは遊び疲れる……なんてことはないよな?流石に翌日に疲れが残るまで食べ歩いたり遊んだりするのは良くない事……まぁ、ユウキの奴が側に居るからその辺は大丈夫か。

 

 セレナは完全休養でハルカはユウキを引き連れて食べ歩き、オレは絶賛フリーである。

 ポケモン達の調整もルネシティに居る間に色々とやってきたから割と暇である。オーキド博士にもう一度ポケモン達を送ってもらってポケモン達の最終調整をするべきかと思っていると野良のパフォーマンスをやっている。

 

 オレはポケモントレーナー一筋であるが偶には息抜きも必要である。

 飛び入り参加もありらしいので参加するとピカチュウを出して【ボルテッカー】で五芒星を描きど真ん中に【かみなり】を落として五芒星を大きく輝かせる。偶にはこういうのも悪くはないのである。

 

 パフォーマンスを終えたので、何処かに遊びに行こうかなと考えていると「誰か、二足歩行のニャースを見ませんでしたか!」と聞いてくるぽっちゃり系のコーディネーターがいた。マルノームを引き連れたぽっちゃり系のコーディネーターは見知らぬ3人組に激突した際にコンテストリボンを落としたらしい。コンテストリボンを落とすとは愚かなと思いつつも原作知識を探るとマルノーム使いのコーディネーターのコンテストリボンを取ったのはロケット団である。

 

 今回は厄介な出来事が起きてほしくないのでジュンサーさんを引き連れる。

 コンテストリボンを盗んだ泥棒だとロケット団が潜んでいる場所を見つけ出してそのままピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらうのだが何時もの様に高く吹き飛ばされると困るのでメタグロスを出して【サイコキネシス】で吹き飛ばされない様にする。

 

「やな感じーはさせないぞ」とロケット団が持っているマルノーム使いのコーディネーターのコンテストリボンを取り返してそのままジュンサーさんに引き渡した。コレで暫くは出てこない、具体的にはホウエンリーグに出てこないのである。ポケモンリーグはちゃんと勝ち上がりたいのでホウエンリーグで余計な邪魔が入らないようにする……コレで良しである。

 

 ユウキにロケット団を捕まえた事を報告しようとすると「食い過ぎた……」とハルカと一緒に食べ歩きをしてたので苦しそうだった。大食いに付き合うのは割と大変である。

 

 ホウエンレポート88(激闘!グランドフェスティバル!)

 

 休養日が終わり、予備選を勝ち抜いた64名のコーディネーターが駒を進める。

 ここからは全国中継だとカメラが回る。ポケモンリーグもそうだがグランドフェスティバルもこの世界でトップレベルのイベントだな。

 

 予備選の一次審査とは違い二次予選である審査は3人のジョーイさんとコンテスターとポケモンだいすきクラブ会長の5人が審査をする。

 相変わらずジョーイさんはジョーイさんであり見た目の違いが分からない……タケシはジョーイさんの違いを見抜く事が出来るから謎である。マジで違いが分かりやしない。

 

 予備選こと一次予選を勝ち抜いた64名のパフォーマンスが入る。

 ロバートさんはハピナスを使い、ハーリーはジュペッタを使い自らに【かみなり】を落として【おにび】でビビらせる。ジュペッタの怖さを魅せる……やっぱりトリッキーだが強いコーディネーターである。

 

 コレはコンテストバトルに勝ち抜いて来るなと思っているとハルカの番が来る。

 ハルカはエネコロロを出した。そういえばあのエネコロロはハルカが本来ゲットする筈のエネコが進化したポケモンなのかと聞いてみれば「そうだ……進化させた方が映えるから【つきのいし】を渡したんだ」とユウキは教えてくれる。

 

 ハルカのエネコロロは【ふぶき】を放つ。

 オレの原作知識が間違い無ければハルカはここでエネコを使って【ねこのて】を連打する……のだが、ハルカはそんな事をしようとしない。【ねこのて】は使わないのかとボソリと呟くと隣に座っていたユウキが「なにが飛び出てくるか分からない博打技をパフォーマンスの場で使えるわけないだろうが。行き当たりばったりじゃなくて色々とプランを組み立ててのパフォーマンスだろう」とぐうの音も出ない正論を語る。まぁ【ねこのて】は手持ちのポケモンの技をランダムに出す技で、なにが飛び出てくるか一切分からない技であり……自分の技じゃないとコンテスト向けの技じゃないな。

 

 エネコロロは【ふぶき】で氷山を作り上げた。

 おぉ!と驚いているとエネコロロは【アイアンテール】で氷山を砕いて氷の足場を作ったと思えば【うたう】を使った。氷のステージの上で【うたう】を使ってエネコロロの魅力をとことん引き出している。「上手く行ってるな」とユウキは微笑む……審査員達からもエネコロロの魅力をとことん引き出す事が出来ていると高評価を受けて……93点を叩き出す。

 

 90点台ならば問題は無い。次のコンテストバトルに駒を進める事が出来るなと次々と審査されていき遂にセレナの番がやって来た。

 セレナはなにを出すのかと思えばユキメノコを出した。ユキメノコをこの大事な局面で出したりするとは肝が座っている。

 

 ユキメノコは【あられ】を使いとくせいの【ゆきがくれ】を発動する。吹雪の中に隠れて静けさを見せるユキメノコ。

【おにび】と【あやしいひかり】を用いて独特の世界観をユキメノコは魅せる。審査員達からも高評価を得て96点を叩き出した。セレナもハルカも中々に魅せてくれた……90点台を叩き出したので大丈夫だろうと思っているとハルカ達は無事にコンテストバトルに駒を進める。

 

 今回のコンテストバトルはシングルバトルじゃない、ダブルバトルだ。特訓の成果が生きればいいのである。

 

 ホウエンレポート89(激戦!グランドフェスティバル!)

 

 本日でグランドフェスティバルが終了する。グランドフェスティバルが終了するということはトップコーディネーターが決まるという事だ。

 ハルカはアゲハントとフシギソウでハーリーのノクタス、ジュペッタを相手にし勝利する。ポケモンバトルの腕も鈍ってはいないな。一方のセレナは一昨日会ったマルノーム使いと当たる。

 

 マルノーム使いはマルノームとカイロスで挑んでくるのでセレナはユキメノコとクリスタルのイワークで挑む。

 ユキメノコはクリスタルのイワークの頭の上に乗ると【れいとうビーム】を放ちフィールドを凍らせるとクリスタルのイワークに【すてみタックル】で突撃する。氷の道を突き進むクリスタルのイワークはキラキラと輝いており相手のコンテストゲージを大きく削る。やっぱりクリスタルのイワークは動くだけでも映えるな。セレナも無事に1試合目を勝ち抜いた。

 

 2試合目のハルカの相手はシュウだった。

 シュウはフライゴンとアメモースを出し、ハルカはワカシャモとマリルリを出した。フライゴンは【すなあらし】を使いフィールドを砂の渦に飲み込んだ。開幕から飛ばすなとアメモースは【ぎんいろのかぜ】を放ち砂の渦の上に乗せた。コレは手厳しいなと思っているとワカシャモはマリルリの前に立って【まもる】を発動したかと思えばマリルリに【はらだいこ】を鳴らす……あ、これはマズい。

 

 ワカシャモはマリルリを守り切るとマリルリに向かって【ほのおのうず】を放つ。

 マリルリは【ほのおのうず】を身に纏わせたと思えば【アクアジェット】を使った。炎と水を交差させたイリュージョンの様な【アクアジェット】でフライゴンに激突して突き飛ばすとフライゴンを一撃で倒した。

 

「アレ【ちからもち】か?」と聞けば「もちのろんだ」とユウキは頷く……ヤベえ、ヤベえよ。【はらだいこ】+【アクアジェット】はホントに洒落にならないよ。耐久寄りのポケモンでもぶっ倒される可能性が大きい。あんなのコンテストバトルに出してくるとか無いだろうと思っていると今度はワカシャモが【ニトロチャージ】を使いアメモースに向かって突撃すると炎の道筋を作り出してアメモースに向かって【アクアジェット】でマリルリが突撃するとマリルリはアメモースを戦闘不能にし、ハルカはシュウに勝利した……TKOだけども。

 

 まさかハルカにやられるとは思ってもおらず開いた口が塞がらないシュウ。ユウキの奴が色々と教え込んでいる成果が出ている。シュウに勝ったハルカの次の対戦相手はセレナだった、ここからが本番である。

 

 ハルカはワカシャモとエネコロロを出す。セレナ出したのはドンカラスとリザードン。

 コレは名勝負が見られるかもと思っていると先に仕掛けたのはワカシャモで【ニトロチャージ】で突撃してくるのでドンカラスとリザードンは空を飛んで回避するがワカシャモはジャンプして、跳んできてドンカラスに激突する。

 

 ドンカラスは直ぐに体制を立て直すと【いばる】を使い今度はこっちの番だとリザードンはニトロチャージでワカシャモに向かって突撃する。ワカシャモはドンカラスの【いばる】によって【こんらん】状態になったので回避する事は出来ずリザードンの【ニトロチャージ】で突き飛ばされたがハルカは「エネコロロ【ねこのて】」と博打技を使えば【アクアジェット】が出てきてリザードンに真正面からぶつかる。

 

 ここに来ての【ねこのて】とは結構追い詰められてるんじゃないのか。隣でユウキが「バカ【いやしのすず】があるだろう」とハルカの使った手に呆れる。【ねこのて】は博打技でなにが飛び出してくるかマジで分かったもんじゃないからな。今回は【アクアジェット】だから良かったが【はっぱカッター】とかが飛び出ると2体にはこうかはいまひとつだ。

 

 ドンカラスは【こごえるかぜ】を使う。

 着実にエネコロロを倒す準備をしているなと思っているとハルカは「ワカシャモ!ワカシャモ、正気に戻って!」と【こんらん】状態のワカシャモの意識を取り戻させようとするのだがワカシャモの意識は戻らない。狙うならば今しかないとドンカラスは【ブレイブバード】でワカシャモ目掛けて激突するとワカシャモは突き飛ばされる……が、これがきっかけになったのかワカシャモは意識が元に戻った。

 

「ワカシャモ……ここから逆転するわよ!」と燃えるハルカ『シャアモ!』とワカシャモも燃え上がっていると……ワカシャモは眩い光に包まれた。このタイミングで来るとか主人公かよ。ハルカのワカシャモはバシャーモに進化した。

 ワカシャモはバシャーモに進化したがバシャーモは【もうか】を発動しており体力は少ない。どうするつもりだと見守っていると【フレアドライブ】でドンカラス目掛けて突撃してくるのでリザードンが前に立ち塞がり、バシャーモの【フレアドライブ】を受け止めてガッチリとバシャーモを掴んだ。

 

「ヤバい!」とセレナがなにをするのか分かったユウキは慌てるがもう遅い。リザードンは【ほのおのうず】を放ち炎を纏いながら空中でグルリグルリと旋回し……【ちきゅうなげ】をハルカのバシャーモに叩き込みバシャーモを戦闘不能にし、そこでタイムアップ。ハルカのコンテストゲージよりもセレナのコンテストゲージが多く残っておりセレナが勝利し……セレナは決勝に駒を進める。

 

 決勝戦の相手はロバートさん。何故か決勝戦だけはシングルバトルのコンテストバトルだった。

 絶対に負ける事が出来ないここ一番のバトル、ロバートさんはミロカロス……ではなくトドゼルガを出した。ミロカロスじゃないならと少しだけ喜ぶがトドゼルガも強力なポケモンである事には変わりはない。

 

 ミロカロスが美しさならばトドゼルガは逞しさを持っている。

 セレナはラティオスを出すのだろうか?確実に勝利するならばラティオスが1番だろうがと見守っているとテールナーを出した。トドゼルガ相手にテールナーはマズいがセレナの判断を信じるしかない。

 

 テールナーに【ほのおのうず】を指示しトドゼルガを炎の渦に包み込む。

 コレはまともに身動きが取れないと思ったが【なみのり】を発動し【ほのおのうず】を鎮火した。ならばとテールナーは【でんげきは】を放ちトドゼルガに当てるのだがトドゼルガは耐え抜いてみせる。

 

 中々に倒れないトドゼルガ。セレナはどうやって攻略するか考えている……あともう少しでトップコーディネーターの道が開く……そう思っていたが相手の方が上手だった。トドゼルガが【しおみず】を撃ってきたので避けれないと判断したセレナはテールナーに【ひかりのかべ】を貼らせるのだが「それを待っていたんだ」とロバートさんはトドゼルガに【アンコール】を使う……。

 

「「詰んだ……」」とオレとユウキは呟いた。「まだ試合は終わってないわ!逆転出来るかも!」とハルカは前向きになるのだが「いや、どう見ても詰んだんだよ」とオレは言う。「ハルカちゃん、ロバートさんのトドゼルガがセレナちゃんのテールナーに使った技は【アンコール】だ。使えば最後、最後に使った技しか少しの間使うことが出来なくなる」とユウキが横で解説してくれる。

 

 テールナーは【ひかりのかべ】しか使う事が出来ない。対してトドゼルガは色々と技を使うことが出来る。

 トドゼルガは【みずのはどう】をテールナーにぶつけて水の波紋を広げる。幸いにも【ひかりのかべ】のおかげかダメージは軽減する事が出来ているが【アンコール】のせいで【ひかりのかべ】しか使うことが出来ず……そのままタイムアップ。時間制限があるコンテストバトルで【アンコール】はマズい。

 

 テールナーは倒されはしなかったものの、コンテストゲージを大幅に減らしておりセレナは負けた。

 ロバートさんがトップコーディネーターになった……後少し、もう少しでトップコーディネーターになる事が出来たんだが……惜しかった。

 

「サトシ……負けちゃったわ。ロバートさんはやっぱり凄いコーディネーターね」とやせ我慢をするセレナを抱き締める。すると我慢していたものが溢れ出したセレナは「あと少し、もう少しだったのに……勝ちたかった……」と本気で泣く。その涙はセレナを大きく成長させるものだ。

 優勝は逃したが準優勝と前回のグランドフェスティバルよりもセレナは好成績を残した……だが、優勝じゃない。この手の大会は優勝しなけば意味が無い。【アンコール】さえ無ければ優勝出来たかもしれない。ギリギリの負けほど堪えるものはない。

 

 セレナを思いっきり泣かせるとセレナは疲れたのか眠りについた。

「惜しかったね」とユウキは励ましに来るが負けは負けである。こればっかりはどうやってもひっくり返す事が出来ない事実だ。

 

「私はお前に勝つつもりだ」と素の状態で語り掛けてくるユウキ。「ジョウトリーグの二の舞にはならねえよ」とだけ告げた……さて、セレナが頑張ったからな、次はオレが頑張らないとな。



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ただいま準備中

 

 ホウエンレポート90(ただいま準備中)

 

 グランドフェスティバルは閉幕した。セレナもだったがハルカも本気で悔しがっていたみたいで涙の後が残っていた。

 やっぱり負けるのは悔しい事だ。シロガネ大会で負けただけにその悔しさというものが痛いほどわかる……セレナは頑張ったんだから今度はオレが成果を叩き出さないといけない。

 

 目指すはホウエンリーグ・サイユウ大会だと港に向かえばサイユウシティに直通する船があった。というか豪華客船セント・フラワー号だった。

 今度はサイユウ大会に出場する人や観戦する観客達を乗せてサイユウ大会に向かっている。サイユウ大会の優勝トロフィーを乗せており「今回はオレ達が頂くぞ」とピカチュウに言う。ピカチュウはやる気満々だと両頬から電気をビリビリと出している。やる気に満ちている事はいいことだ。

 

「お前はマサラタウンのサトシ!」とトロフィーを眺めているとサイユウ大会に出場しようとしているトレーナーに絡まれる。

 トレーナーならば挑まれたポケモンバトルを受けて立つ!と言いたいところだけれども、サイユウ大会はもうすぐだ。ポケモン達も十二分に鍛え上げており、コンディションはバッチリだ。だからまぁ、断った。「サイユウ大会で相手をしてやる……お前が勝ち残れればな」と煽っておく。

 

 今回は割とマジで勝てると思っている。原作ではサトシくんが初心に帰るだなんだ言ってホウエンのポケモンしか使わなかった舐めプをしたがオレは違うのである。舐めプとかしない。本気で勝ちに行く……けどまぁ勝てるかなぁ……最低でも原作のサトシくんキラーを撃ち破る事をしないといけない。1番の強敵は……ユウキだろうな。トクサネジムのタッグバトルで彼奴のセンスと成長速度の恐ろしさを思い知ったからな、味方ならまだしも敵になれば怖いことこの上ない。

 

 ケンタの奴に連絡を取って「もうすぐサイユウ大会だから見ておけよ」と告げておく。

 オレかユウキのどちらかが優勝して勝った方がチャンピオンリーグでケンタと戦う。ケンタには辛酸を舐めさせられたからな、何がなんでも勝ってみせる……とまぁ、息巻くのは良いけれども先ずはサイユウ大会からだ。

 

 ホウエンレポート91(到着サイユウシティ!)

 

 ホウエンリーグ・サイユウ大会が開かれるサイユウシティに辿り着いた。

 今日から大会の申込みの受付が開始なので早速サイユウ大会に出場登録をしようとすると「マサラタウンのサトシだ」と昨日と似たような展開になる。残念ながら大会中は大会でしかバトルはしないつもりなのでバトルはしない。

 

 グランドフェスティバルもそうだったがサイユウ大会も一大イベントだなとサイユウシティを歩いているとタマランゼ会長に会う。子供達に風船を配っていた。ポケモンリーグの会長さんがこんなところで油を売ってていいのか?暇なのか?と思っているとタマランゼ会長が「サトシくん!君もサイユウ大会に出るのか?」とオレに気付いて距離を詰めてくる。

 

 そりゃあ出ますよとバッジケースを手にすれば「残念じゃのう。ケンタくんはシンオウリーグに挑戦してしまった、四天王やチャンピオン以外でサトシくんと張り合えるトレーナーと言えばケンタくんぐらいしかおらん。サイユウ大会はサトシくんの一強で終わってしまう」と少しだけ残念そうにするタマランゼ会長、なんだかんだでオレを強いトレーナーと認めてくれているんだな。

 

「大丈夫ですよ、今回のサイユウ大会には滅茶苦茶面白いのが出て来ますから」と言っておく。オレはなんだかんだで有名になりつつあるが、ユウキの奴はまだ無名である。無名ではあるが、実力は本物である。「サトシくんがそういうのならば期待出来そうじゃ。たまらんのぅ」とタマランゼ会長は楽しそうにしてくれる……ハードルは上げたんだから、成果は叩き出せよ。

 

「それはそうとしてサトシくん、ファイヤーの聖火を灯火する役を担ってくれんかの?」とタマランゼ会長は言ってくるが例によって断った。

 運とか験担ぎに縋るのは良くない、まぐれとかじゃなくて純粋な実力で勝ちたい……運とかに縋っていては何時までたっても二流だ。勝利ってのは授かるものじゃなくてもぎとるものである。

 

 オレがファイヤーの聖火を灯火しない事をタマランゼ会長は残念そうにするが前回の負けもあるので優勝しないと……いや、ホントにな。

 サイユウ大会開始までまだ数日の猶予があるので遊ばないかとセレナは提案をしてきたのだが、この意識を落としたくはないので遊ぶのは無しにするがせめてとサイユウ大会限定のアップルパイを食べないかとなりアップルパイの店に向かうのだが道を間違えてしまう。

 

 サイユウシティ地味に広くて何処に何があるのか完全に把握する事が出来ないな。

 道を間違えてしまった結果、ヤミカラスがゴミをつついているところに遭遇する。柄が悪いなと思っているとこちらを睨んでくるヤミカラス達。『クァー!』と泣けばヤミカラスが襲ってくるのでエレキパンチを撃とうとすると「ニャース、威嚇の【10まんボルト】だ!」と長靴を履いたニャースが現れて襲ってくるヤミカラス達を撃退してくれる。撃退というか威嚇で退散させてくれる。

 

「大丈夫か?」と聞いてくる長靴を履いたニャースのトレーナー……もといテツヤさん。

 来たよ、出てきたよサトシくんキラーの1人。この人、サイユウ大会を優勝するぐらいには強い凄腕のトレーナーである。この人を倒した上でユウキをぶっ倒さないと優勝することは出来ないのである。長靴を履いたニャースはロケット団のニャースとは比較にならない程に強い。いや、ロケット団のニャースは比較の対象にしたらダメか。彼奴は人間の言語を理解する色々ととち狂った性能を誇っているからな。

 

 テツヤさんも道を間違えていたらしくアップルパイが美味しいお店に一緒になって向かう。

 シナモン多めのアップルパイにアイスミルクティーは絶品だった……コレでタダだって言うんだからポケモンリーグはマジでチョロい。

 美味しいものを食べて英気を養う事が出来たので、選手村の自分の部屋に向かう。オーキド博士は流石というべきかホウエンリーグ・サイユウ大会出場おめでとうと花束が送ってきていた。今回は研究に忙しくて手が離せない為に直接応援には駆け付ける事は出来ないけれども、応援はしている。優勝を期待しているぞとメッセージカードがついてきてた。

 

 ママさんも忙しくて来れそうにない、ケンタの奴はチャンピオンリーグでオレかユウキかのどっちかを叩きのめす為の特訓に励んでる。つーか、シンオウのバトルフロンティアに挑戦しに行ってるとのことでちょっとだけだが寂しいが……オレにはセレナが居る。セレナが居なければ心が折れてたかもしれない。セレナ様、感謝します。

 

 ホウエンレポート92(激突フルバトル!6vs6)

 

 ……まず、何処から書けばいいのか。

 サイユウ大会のガイドブックを読み、今回のサイユウ大会の流れを確認しているとユウキが現れた。ユウキは【レインバッジ】を見せてくる。無事にアダンさんを倒すことが出来たようで何よりだったがあまり浮かない顔をしている。

 

【レインバッジ】を手にしているという事はアダンさんに勝利したんだろう。それともアレか?お情けのバッジでも貰ったのか?いやでもユウキの実力的にアダンさんに勝つことは出来る筈だ。じゃあなにに悩んでいるのかと思えばアダンさん相手に変則フルバトルを挑まれた。一応は余裕を持っての勝利を決めたのだがダブルバトルやフルバトルの経験はほぼ無いに等しい。

 

 ユウキの器用さからダブルバトルは問題無くこなせるだろうが問題はフルバトルである。

 現実世界にはフルバトルは無いに近い。6350とかが当たり前だからなと考えているとユウキが「私とフルバトルをしてくれないか?」と素の状態で言ってくる。大事な大会前にコイツはなにを言っているんだろうと思ったが、ユウキの今の実力がどれぐらいなのか知っておく必要はあるにはある。ユウキの奴が「フルバトルしてくれるならとっておきがなんなのか教える」と言ったので色々と考え、考えた結果、バトルを引き受ける事にした。

 

 ユウキの戦力はパソコンを見れば分かるには分かるけれども生で見れるのはいいことだ。

 先攻後攻を決めたりするのはめんどくさいので新無印のポケモンワールドチャンピオンシップス形式で321で同時に出すことに決定した。ハルカが「3,2,1,バトルスタート!」と合図を告げてくれるとオレはコータスを、ユウキの奴はボスゴドラ……う〜ん、微妙だ。

 

「ボスゴドラ【ステルスロック】だ!」と初っ端から絡めてを使ってくるユウキだが甘い。コータスにはこの技があるんだと【こうそくスピン】で飛び散った岩の破片を全て破壊する。流石にフルバトルで【ステルスロック】を放置するのはマズい。この選出は悪くはなかったのかもしれないと思いつつ【ステルスロック】を打ち返すとユウキは驚いた顔をする。オレのコータスは【ひでり】じゃないけれども色々と出来る様には鍛えてあるぞ。

 

【ステルスロック】をなにかの技で破壊しに行くのかなと思っているとボスゴドラは【もろはのずつき】で突撃してくるのでコータスに【てっぺき】を使わせて完全に受け切ると【あくび】を使いボスゴドラに眠気を誘わせて……眠らせる。

「くそっ……」と焦りを見せるユウキ……この世界の住人ってこの手の技をあまり使わないからこういう戦術を取ってくる相手との経験値が少ない。

 

「【もろはのずつき】だ!」と諦めずに【もろはのずつき】で突撃してくるので【てっぺき】を使って完全に耐え切る。

 サトシくんは重量級とか耐久系のポケモンの扱いは下手だがサトゥーシくんは違うのである。ボスゴドラは【あくび】にやられて眠ったのでコータスに【かえんほうしゃ】を撃ってもらう。

「起きてくれ、ボスゴドラ!」とボスゴドラに呼びかけるが反応がない。これは熟睡だなとコータスに【だいちのちから】を使ってもらい地面からエネルギーを噴出させ……ボスゴドラを戦闘不能に追い込む。

 

 先ずは1体目……ユウキの表情は優れないのだが頬を叩いて気を引き締め直した。

「コレだ……私が求めていたのはこういうのだ」と熱くなっている。熱くなってくれてなによりだと思っていると2体目にはミロカロスが出てきた。先ずはとコータスの放った【ステルスロック】が発動してミロカロスに岩の破片が突き刺さった。

 

 ミロカロスは苦しそうな表情を浮かびあげる……が、倒れるとかいう事は無い。

 アレは中々に鍛えているなと思っているとミロカロスは【あまごい】をうってくる。自分の得意なフィールドで戦うつもりだろう。コータスは【にほんばれ】を覚えているには覚えているが使えば隙が生まれるしやめておく。

 

 それよりも攻めようと【だいちのちから】で地面からエネルギー的なのを放射しようとするとミロカロスは【なみのり】を撃ってきて津波を巻き起こし、コータスを飲み込もうとする。ユウキのミロカロスは強い。【あまごい】で【あめ】状態のフィールドでの【なみのり】はマズいと色々と思考を張り巡らせた結果……【だいばくはつ】を使って津波に乗ってやって来るミロカロスを爆発に飲み込んだ。

 

 爆発の煙が晴れると【あめ】状態は続いているもののミロカロスを戦闘不能に追い込む事が出来ていた。

 コータスでミロカロスとボスゴドラ撃破はお釣りが来るなとコータスにいい仕事をしてくれた事を褒める。お前は良くやってくれた。互いに引き分けた状態なのでもう1回321でポケモンを出すことにし、ユウキはライボルト、オレはオオスバメを出した。

 

 ユウキの奴、ライボルトなんて持ってたんだな。ライボルトはコータスの【ステルスロック】を受ける。

 フィールドが【あめ】状態なのでコレはと思っていると【かみなり】を落としてきた。ミロカロスが倒された後の事もなんだかんだでちゃんと考えているんだなユウキは。必中光速の【かみなり】は避ける事が出来ない……が、オレのオオスバメをそんじょそこらのオオスバメじゃない。【かみなり】に耐えつつも【すてみタックル】で突撃するのだが……ミスった。

 

 ライボルトのとくせいは【せいでんき】触れれば最後【まひ】状態になってしまう。

 オオスバメは【まひ】状態になってしまった。これはまずい。オオスバメのとくせいは【こんじょう】でパワーが上がるがオオスバメの売りはパワーよりも素早さだ。なんとかしてもう一発【すてみタックル】か【からげんき】を当てる事は出来ないのかと思ったがそれよりも先にオオスバメに【かみなり】が当たり、オオスバメは倒れた……ライボルト、侮れないが【あめ】状態はこれで終わりである。

 

 オオスバメは【すてみタックル】で確かなダメージを与えてくれた。

 オレの記憶に間違いが無ければライボルトは【かえんほうしゃ】を覚えるので不用意に【くさ】タイプを出しても痛い目に合うだけだ。ここはセオリー通りとラグラージに任せるのだがライボルトは【でんじふゆう】で浮いてくる。

 

 その辺の対策はしっかりとしているがなにも【じしん】だけがラグラージじゃないと【れいとうビーム】を撃たせる。

 本音を言えば殴りたいけれども中々に素早いライボルトは【かえんほうしゃ】を撃ってきて対抗してくる。やっぱり覚えていたか【かえんほうしゃ】ジュカインを出さなくてよかった。

 

 ユウキの奴は【かそく】バシャーモとかいう夢も希望も無いポケモンを持っているので出来る限りラグラージは温存していたいが……ライボルトを倒さないといけないのもまた事実。【ほえる】とか使えればと思ったが無いものねだりは良くない事だと【ハイドロカノン】を決めるとライボルトに命中しライボルトは戦闘不能になる。

 

 おーし、順調にユウキを倒すことが出来ているぞと思っていると4体目に出てきたのはサーナイトだった。サーナイトは【ステルスロック】のダメージをくらう。しかしこの程度では倒れないサーナイトは【エナジーボール】を撃ってくるのでこれはまずいとラグラージをボールに戻し、コイツに対抗するにはお前しかいないとメタグロスを出す。

 

 メタグロスならばなんとかなるだろうと【コメットパンチ】で殴りにかかるが【テレポート】で避けられる。

【テレポート】でメタグロスの【コメットパンチ】を回避したかと思えばメタグロスの頭の上に乗っかるサーナイト。あ、これはまずい。メタグロスの頭の上は色々と弱点である。サーナイトは【おにび】をメタグロスにうちメタグロスを【やけど】状態にさせて苦しめたと思えば【マジカルフレイム】で焼いてくる。

 

 メタグロスは必死になって頭の上に居るサーナイトを落とそうとする。【こうそくいどう】を使って揺らすが落ちない。

【やけど】のダメージに苦しみそこに【マジカルフレイム】ととにかく大ダメージを受けておりひんし寸前……サーナイトはメタグロスの死角とも言うべき頭上から降りようとしない。だったら使うしかないと【だいばくはつ】を指示してサーナイトごと焼き払う。サーナイトもサーナイトで危険な存在……メタグロスをここで失うのは痛いが、こうでもしとかないと倒せなかった。許せ、メタグロス。

 

 ユウキの奴は残り2体、オレは3体内1体はラグラージ……まだユウキのエースが顔を出していないので油断はならない。

 321でもう一度ポケモンを出せばユウキはボーマンダを、オレはラティアスを出した。ボーマンダも持っているのか……ラストがバシャーモとなると実にバランスのいいパーティになっているな。

 

【りゅうのはどう】をラティアスが放つとボーマンダも【りゅうのはどう】を撃ってくる。

 ラティアスはパワータイプじゃないが準伝説のポケモンに相応しいパワーを秘めてはいるが……ラティアスと同格のパワーを持っているとは流石は600族である。

 

 こうなったら一発で倒しに行くしかない。

 ラティアスに【めいそう】を積ませるとボーマンダはそれに対抗するかの様に【りゅうのまい】を積んでくる。狙いは一撃に全てを賭ける感じかと互いに能力が最大値にまで高まる様に技を積み上げてラティアスは【りゅうせいぐん】をボーマンダは【げきりん】を撃ってきた。

 積み技として使ったのが【りゅうのまい】だけあって素早さも上がっている。ボーマンダはラティアスの【りゅうせいぐん】が降り注ぐまでにラティアスとの間合いを詰めて【げきりん】で激突するがラティアスはガッチリとボーマンダを掴み……【りゅうせいぐん】の雨に飲み込みフィールドに煙を巻き上げる。フィールドの煙が晴れると……ラティアスとボーマンダは戦闘不能になっていた。

 

「ボーマンダ1体でラティアスを倒せたのはデカい」と笑みを浮かべるユウキ。「でもお前は残り1体だろう」と言えば「コイツで逆転する」とエースであるバシャーモを出した。バシャーモは【ステルスロック】のダメージを受ける。バシャーモが来るのは分かっていたとラグラージを出す。

 

 開幕ぶっぱだと【じしん】を使うが予想通りというべきか【まもる】を使ってくる。

 コレで【かそく】の効果が発揮して一段階素早さが上昇し殆どのポケモンの素早さを上回るがバシャーモは手を抜かないと【ニトロチャージ】で突撃してくる。【ニトロチャージ】で更に素早さを増してくるバシャーモ……【ハイドロカノン】とか撃っても回避されるのがオチだろう。

 

 放っておけばバシャーモは追いつけない速度を叩き出す。

 広範囲に及ぶ技を使うしかないがと色々と考えて【じしん】を撃ってもらえばバシャーモは空中に跳んだ。バシャーモは跳ぶしか道は無いなと空中にいるバシャーモ目掛けてラグラージに【たきのぼり】を撃ってもらうのだがバシャーモはそれを読んでいたと【とびひざげり】で対抗してきて技と技がぶつかり合い……バシャーモがラグラージを倒した。

 ラグラージはバシャーモに確かなダメージを与える事が出来たが倒すことが出来なかった……だが、色々と見えてくるものはある。

 ラグラージによくやってくれたと褒めた後にボールに戻し、最後はお前だとジュカインを出す。ユウキの奴が「ピカチュウじゃない……」と色々と不満そうな声を漏らすのだが、このフルバトルにはピカチュウを参加させないと決めていたんだ。悪いな。

 

「バシャーモ【フレアドライブ】」と炎を身に纏わせて突撃してくるバシャーモ。コレは避ける事は出来ないとジュカインに両腕で【リーフブレード】を使用させて×印を作り上げて【フレアドライブ】を耐える……なんとか耐えるが割と危ない。たった一撃で【しんりょく】が発動する範囲内にまで届いている……正直、この手は使いたくはなかったがサイユウ大会のルール上は反則でもなんでもない。

 

 ジュカインナイトを取り出しジュカインに投げてジュカインをメガシンカさせ……メガジュカインにする。

「ジュカインナイトなんて持ってたっけ?」と驚くユウキ。コレは虎の子で正直あまり使いたくなかった……が、使わざる負えない状況だったので使った。

 

「バシャーモ【フレアドライブ】」と最速の【フレアドライブ】で突撃してくる。

 メガシンカをしても【かそく】バシャーモに勝つことが出来ない事ぐらいは理解している。だからこの一撃に賭けると跳んでくるバシャーモに【ドラゴンクロー】で対抗する。

 ぶつかり合う【ドラゴンクロー】と【フレアドライブ】……巨大な爆発を巻き起こし煙が晴れると背を向け合うバシャーモとメガジュカイン。

『ジュウ』とメガジュカインは膝をついた。コレはと思ったがメガジュカインはメガジュカインのままであり元のジュカインには戻らず、バシャーモが倒れた。

 

 メガジュカインでバシャーモを倒した。

 ボスゴドラ、ミロカロス、ライボルト、サーナイト、ボーマンダ、バシャーモ、6体全てを戦闘不能にし……ユウキとのフルバトルに勝利した。

 

 ユウキは自身が負けたと分かれば「だぁあああああっ!クソっクソっクソっ!!」と声を上げる。

「リザードンもスイクンも居ない。本気で挑んだのに届かなかった」と悔しがるユウキだが「お前まだ手の内を隠してるだろう」と言えば「……ま、メガシンカは最後までとっておきたいから」とバシャーモをメガバシャーモにしなかった事を悪びれもしない。もしバシャーモをメガバシャーモにしていたらメガジュカインでも勝つことが出来なかった。メガシンカ出来たから勝つことが出来た……が、勝ちは勝ちである。

 

「サトシ、このサイユウ大会にリザードンとか出すのか?」と聞いてくるので「当然出すぞ……オレはまだまだチャレンジャー、初心に帰るとか呑気な事を言ってられない。死物狂いで勝利を掴み取りたいからな」と答える。

「リザードンとか無しで負けたのはマズいな……うん、冗談抜きでマズいぞこれは」と焦りを見せる。まだユウキは全力を見せてはいないものの、負けは負けであり、このままだとサイユウ大会を勝てないと焦る。

 

 悪いな、ユウキ。こればっかりは先にポケモンを貰って旅立ったトレーナーとしてのアドバンテージだ。経験値が違う。

 まだオレにはリザードンやスイクン等が控えている……今回のサイユウ大会はなにがなんでも優勝してみせる……ところでユウキのとっておきとはなんなんだと聞いてみれば「色違いのラティオス……ここぞという時のエースだ」と教えてくれる。

 こいつ、ただでさえ何処にいるのか生息地不明なのにその上で色違いのラティオスをゲットするとかどんだけ幸運に恵まれてる。ていうかどうやって捕まえたんだ?

 

 色々と聞きたかった事はあるが、ユウキはオレに負けたことを気にしていた。

 

「全く、ポケモンを貰って旅立って1回目のポケモンリーグとは思えないぐらいに強くなってるな。オレがセキエイ大会に出た頃よりも強いぞ……でも、今日勝ったのはオレだ……勝因は経験、歴史、格、通常では埋め難い差だ。お前はまだ手の内を隠しているが、それはこちらも同じ。オレのポケモン達がドクターストップが掛からない限りは今の段階じゃ負ける事は無い……もしそれでも勝ちたいと思うなら1戦1戦を噛み締めて濃密なものにし……今の自分と強者を喰らえ」

 

 火ノ丸相撲の刃皇が言っていたことをややアレンジしてユウキと別れてポケモンセンターに向かいポケモン達を回復させる。

 

 ユウキの奴は本気で悔しがっているだろう……ここからだ。オレも1度負けを経験している。だからこそ分かる、ここまで追い詰められた奴程尋常じゃない速度で成長していくのを。ユウキには色違いのラティオスとメガバシャーモが残っている……○○がこの程度で折れる人間じゃない。化けるだろう……このフルバトルは中々に楽しめる事が出来た。大会開始前にいい汗をかくことが出来て良かったぞ。




ユウキのポケモンは

バシャーモ
ミロカロス
サーナイト
ボーマンダ
ボスゴドラ
ライボルト

です。


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開幕 ホウエンリーグ・サイユウ大会

 ホウエンレポート93(ぶち当たる壁)

 

 パソコンを起動してサイユウ大会に出場するトレーナーを確認する。

 ユウキやケンタ、それとプラターヌ博士の助手という一例があった以上は万が一という事がある。人事を尽くして天命を待つとは言わないが念には念を入れておく……が、今のところは特に目ぼしいのは居ない。居ないのならばそれに越したことは無い。セレナが「朝食に行きましょう」と言ってくるので朝食に向かうとハルカを見かけるのだが元気が無かった。

 

 原因はなんとなく分かりオレ達がどうこうする事が出来ないものだがあまりにも暗い顔だったのでセレナが「大丈夫?」と心配をする。

 ハルカが浮かない顔をしているのは元気が無かったのはユウキに元気が無くなったから……美味しいお店巡りをして気分を変えようと誘ったらしいが「悪いが1人で行ってくれないか?」とチャラ男じゃなくて素の状態で断ったそうだ。

 

 何時もならばお腹が苦しくなるぐらいに付き合ってくれるユウキが元気がない。

 どうにかして元気づけたいけれども自分はどうすればいいのか?元気で何時もの明るくチャラいユウキを見たいと言う……ユウキが元気が無い主な原因は昨日のフルバトルだろうな。

 

 メガシンカと色違いのラティオスという切り札を切らなかったものの、ユウキの奴は本気でオレを倒しにかかってきた。

 バシャーモ、ボスゴドラ、ミロカロス、サーナイト、ライボルト、ボーマンダとどれもこれもかなりのレベルのものであり、こっちは最強の6体じゃない状態で勝った。まだリザードンやスイクンが控えているとなると実に頭が痛い話だ。

 

「ユウキが負けるところなんて旅立った序盤ぐらいだったかも」とボソリと呟くハルカ。

 今までユウキは快進撃で順風満帆だったんだろう。【かそく】アチャモに色違いのラティオスと色々と持っていて、光るセンスも持っていて努力も惜しまず結果を出した……が、遂にオレという壁にぶち当たった。オレという壁を乗り越えないとこのサイユウ大会を優勝することは出来ない。チャンピオンリーグで待ち構えているケンタを相手にする事は出来ない。

 

 ユウキの奴は今、自問自答しているんだろう。

 オレという壁にぶち当たった……限界を超えるには、オレを喰らってより高い上のステージに行くしかない。オレを喰らうにはどうすればいいのか……うんうん、いい感じだ。

 

「ハルカ、ユウキの奴は答えを出すのに時間が掛かるかもしれない……けど、ユウキの奴は強い。触れ合う優しさもあれば見守る優しさもあるんだ」と今はユウキの奴をそっとしといてあげる事だけ伝えると「で、でも」とユウキを心配するハルカ。「彼奴が限界を越えてレベルアップしねえとオレには勝てねえ……ま、見守るんだ」とだけ伝える。

 

 ハルカに伝える事は伝え終えたのでセレナと一緒に朝食を頂く。

「大丈夫かしら?」とセレナもユウキの事を心配するがこの程度で音を上げていたらこのアニメのポケットモンスターの世界を生き残る事は出来ない。ケンタの奴なんてオレに負けたけどもシロガネ大会でリベンジしてきたからな……ミュウツー出したら結果が変わってた可能性は大きいけども。

 

 真面目になったユウキの奴は一気に化けるだろうな。

 次はメガバシャーモを使ってくるので全力で挑まないといけないと部屋に引きこもり、瞑想して心を鎮めつつも昂ぶらせる。

 

 ホウエンレポート94

 

 明日からホウエンリーグ・サイユウ大会が行われるのだが……野沢さんもといマサムネの奴がまだ来ていない。彼奴はホウエンリーグ・サイユウ大会を目指してバッジが7つだが……間に合うのか?間に合うよな?

 サイユウ大会は500人以上もトレーナーが参加している。

 それを大きく減らす為に今回予備選を行う。シロガネ大会の時とは異なり3試合するのでなく1試合だけで、使用ポケモンは1体のみのシングルバトルだ。なにを出そうかと色々と悩んだ結果、オレはヨルノズクを出すと決めた。

 

 ヨルノズクのトリッキーな空中戦はいけるなとヨルノズクをオーキド博士の研究所から呼び寄せる。

 久しぶりの実戦なのでヨルノズクはやる気を見せる。そのやる気をサイユウ大会の予備選で生かしてくれよと思っているとおにぎりが転がってくる。

 

「待てぇ!オイラのおにぎり!」とおにぎりを追いかける野沢雅子ボイスの少年……マサムネだ。

 とりあえずおにぎりを止めようとヨルノズクに【ねんりき】を使わせておにぎりを止めるのだがマサムネが急におにぎりが止まったので急ブレーキを掛けたのだが、そのせいで転んでしまい近くの池に落ちてしまう。なんか前もこんな感じの展開を見たな。

 

「おい、大丈夫か?」と池に落ちたマサムネを引き上げる。「おう、サトシ久しぶりだな!」とオレに気付くマサムネ。

 ここに来たという事はジムバッジを8つ集める事が出来たんだろうと聞けば「勿論だぁ!」と8個目のアニメオリジナルであろうジムバッジを見せてくる。なにタイプのジムだったんだろうな。

 

「あ、ヨルノズク。サトシのヨルノズクなんか?」とオレのヨルノズクに気付くマサムネ。

「オレのヨルノズクは特別なヨルノズクだ……とりあえずさっさと出場登録しろよ」と言っておく。サイユウ大会の出場登録は今日の4時までだかたな。マサムネにセントラルのポケモンセンターに向かって出場登録する様に言ったのだがマサムネの奴はセントラルのポケモンセンターとは逆の方向に走り出そうとするのでヨルノズクに【ねんりき】で止めてもらい「こっちだよ」とセントラルのポケモンセンターに連れて行く。

 

 もうすぐサイユウ大会出場登録の締切が迫っているだけあってか行列が出来ている。

「早くオラの番が来ねえかな」とワクワクするマサムネ。落ち着けよと思っていると「サトシくんじゃないか」とオダマキ博士が声を掛けてきた。

 

「オダマキ博士、どうしてここに」と驚くと「どうしてもなにも息子の晴れ舞台を生で見に来るのは当然じゃないか」と言ってくる……そういえばサトシくんになってから1回も父親に会ったことが無いんだけれど……うん。

「ユウキの奴は見なかったかい?」と聞いてくるオダマキ博士。「ユウキ?」とユウキと面識が無いマサムネは首を傾げる。「僕の自慢の息子だよ」とオダマキ博士は言ってくるが…………どうしようか。

 

 ユウキの奴が自らフルバトルをオレに挑み敗北してしまって色々と精神的に参っている、壁にぶち当たっている状況だ。

 原因を作ったオレがユウキの事を言えるのだろうかと考えていると「父さん」とユウキの奴が現れる。

 

「おぉ、ユウキ!もう出場登録は済ませたのか?」

 

「もう終わらせたよ……サトシ」

 

「なんだ?」

 

「次は全力で君に勝つよ」

 

「そうか」

 

 と軽く言葉を交わす。どうやらユウキの奴はぶち当たった壁を越える事を決めて、腹を括った。

 こうなったユウキは一気に化ける……此処で化けるが何処まで化けるのか実に楽しみである。

 

「ハルカちゃん、何時もユウキの事をありがとう」

 

「そんな……私の方がユウキに世話になりっぱなしかも」

 

 とハルカにもお礼を言う。なんだかんだで馴染んでいるな。

 マサムネが無事にサイユウ大会の出場登録を完了するとユウキの奴はポケナビを取り出す。

 ポケナビで今回の大会の色々な事が分かるらしく「ひゃあ、文明の利器ってやつか!」とマサムネの奴は驚いていたが、お前も文化人だろう……ガイドブックだけ見ていたオレもポケナビを取り出して今回の大会のアレコレを確認する……大会の選手情報も載ってるのは便利だ。

 

 全員で昼食を頂いた後に話題は予備選になる。

 オレは既にヨルノズクを出すことを決めており、ユウキの奴はなにを出すんだと聞けばゴージャスボールを見せてくる。ゴージャスボールなんて持ってた……ということは例の色違いのとっておきか。マサムネの奴はダンバルで挑むらしい……まだメタングに進化していなかったのか。

 

 ホウエンレポート95(予備選スタート)

 

 ホウエンリーグ・サイユウ大会が開催した……正確にはサイユウ大会の予備選が開始した。

 先ずはとトップバッターのユウキを見る。

 

「さぁ、頼んだよ!ラティオス!」

 

 と今の今まで温存していたラティオスを出す。

 色違いのラティオス……データでは知っていたが、生で見るのははじめてである。ホントにどうやってゲットしたんだろう?

 マサムネ達と応援するのでついでだからとオダマキ博士に聞いてみる。

 

「あのラティオスは傷付いていたところを偶然にユウキが見つけてね、最初は人間なんか信じるものかとユウキに対して【ラスターバージ】なんかを使ってきたんだがユウキは負けずにラティオスの看病を続けて……最終的にはラティオスがユウキに心を開いてユウキがゲットしたんだ」

 

 となんとも豪運に恵まれている事を教えてくれる。

 彼奴はホントに恵まれているな……と思いつつもバトルを見守る。ユウキの色違いのラティオスに対して相手のトレーナーが出してきたのはブーバー……相性では有利である。

 

 試合開始の合図が告げられるとラティオスに【ひかりのかべ】を貼らせる。

 のっけから防御寄りの技を使ってくるが相手のトレーナーは気にせずにブーバーに【かえんほうしゃ】を撃たせる……が、ラティオスには全然ダメージになっていない。伊達に準伝説のポケモンじゃないな。

 

 相手のトレーナーは【かわらわり】を指示してブーバーは攻めてくるがラティオスは空高く飛んだ。

 やっぱ空を飛ぶ事が出来るポケモンはコレがあるから強いなと思っていると「ラティオス【りゅうせいぐん】」とラティオスに【りゅうせいぐん】を指示する。【りゅうせいぐん】は【オーバーヒート】や【リーフストーム】と一緒で最初の1発目が鍵になる技、ここで使ってきたと言う事は一気に勝負を仕掛けにきたな。

 

 空に高密度なエネルギー弾を発射したと思えばエネルギー弾は弾けて無数の流星群になる。

「ブーバー、避けるんだ!」とブーバーに【りゅうせいぐん】を回避するように指示するがそれじゃあいけない。ラティオスの【りゅうせいぐん】は避けるんじゃなくて見極めて跳んでくる流星群を1つ【ドラゴン】タイプの技で相殺して回避するのが1番だ。

 

 ブーバーは【りゅうせいぐん】を回避しようと走り出すが【りゅうせいぐん】の雨が降り注ぎ、エネルギー弾が激突するとブーバーは倒れて更に【りゅうせいぐん】が降り注ぎフィールドは土煙が舞い……煙が晴れるとそこには倒れて目を回しているブーバー。ラティオスは見事なまでにブーバーを圧倒し、勝利。ユウキの奴は色違いのラティオスを用いて予備選を突破した。

 

「ユウキの奴、滅茶苦茶やんな!オラも負けらんねえ」

 

 と燃えるマサムネ。

 マサムネの予備選がはじまりマサムネが出したのはダンバル、相手のトレーナーが出したのはエレブーだ。コレは大丈夫かなと思いつつもバトルは開始した。

 

「気合いだ!気合いを見せるぞ!【とっしん】だ、ダンバル!」

 

 と【とっしん】を指示するマサムネ。

 まぁ、それしか無いよなと思っているとエレブーは【まもる】を使いダンバルの【とっしん】を防いだかと思えば【10まんボルト】を浴びせる。エレキブルじゃないから怖くはないと思ったが中々にやる。

 

「電気なんか気合いで吹きとばせ!連続で【とっしん】だ!」と【とっしん】で連打するダンバル。

 エレブーも【まもる】を使うが【まもる】は連発すれば効果が発揮しにくくなる技であり、エレブーは【まもる】の発動に失敗しダンバルは【とっしん】を当てる事に成功する……が、相手のトレーナーが笑みを浮かび上げた。やっぱり狙っていたな。

 

 エレブーのとくせいは【せいでんき】触れれば【まひ】状態になる可能性は大きくあんなに大きく乱打すれば【せいでんき】の効果が発揮するだろう。エレブーは【10まんボルト】を撃ってくる。「ダンバル、ここが正念場だ!気合いを入れろ!」と精神論を語るマサムネ。

 ダンバルは【まひ】と【10まんボルト】に苦しむがマサムネの呼び掛けに応じるかの様に気合いで跳ね除けて【とっしん】をくらわせに行くのだが【まもる】で防がれる。

 

 コレはもう無理かもしれない……が、マサムネは諦める事を知らず呼びかけるとダンバルは眩い光に身を包み、メタングに進化した。

 ここに来ての進化とかお前は主人公かよと思っていると「メタング【ねんりき】だぁ!」と進化した事で新しく覚えた技を使いエレブーを吹き飛ばし【メタルクロー】で引っ掻いてエレブーを戦闘不能に追い込んだ。

 

 最後まで諦める事をしなかったマサムネとメタングは強い……だが、負けないと次の試合ことテツヤさんの試合を観戦する。

「誰?」とハルカ達はテツヤさんと面識が無いので聞いてくるので「今回の優勝候補的なのだ」と言っておく。

 

 テツヤさんの対戦相手が出したのはペルシアン、対してテツヤさんが出したのはニャースだった。

 長靴を履いたニャースはペルシアンを見た途端に目の色を変える。審判が試合開始の合図をすると同時に【きりさく】攻撃をしようとしてくる。ギリギリのところだったけれども、普通だったら合図前に戦闘してしまったで失格になる事もありうるが……まぁ、あの長靴を履いたニャースも色々とあるか。

 

 突撃してくるニャースに対してペルシアンは【ねこだまし】を使った。

 ニャースは怯んでだと思えば【パワージェム】で宝石っぽいをニャースに向かって飛ばす。ニャースはフィールドの端に吹き飛ばされるが直ぐに立ち上がった。ニャースは【かげぶんしん】を使い円形にペルシアンを囲むがペルシアンは【みずのはどう】を地面に叩きつけて水の波紋を広げて一度に同時に【かげぶんしん】のニャースと本物のニャースに向かって攻撃をする。

 

 中々にやるがニャースは倒れない。ペルシアン相手に倒れてたまるものかと耐え切り【10まんボルト】を放つ。

【10まんボルト】は中々の威力で苦しむペルシアン。とくせいが【じゅうなん】なのか【まひ】状態にならないもののニャースは怒涛の攻めを見せる【きりさく】でペルシアンを引っ掻くとペルシアンは戦闘不能になる……が、ニャースは追撃の一手を入れようとする。

 戦闘不能になったポケモンを更に傷付ければ死ぬ可能性もあり既に戦闘不能になっているんだから攻撃するなとニャースの腕を掴むテツヤさん。ニャースはそれでも止まらず暴れようとするのでテツヤさんはモンスターボールを取り出してニャースをボールに戻した……やっぱ強いな、あのニャースは。進化後のペルシアンに勝つとか中々である。

 

「じゃ、行ってくるわ」と今度はオレの番がやって来る。「サトシ、頑張って!」とセレナから声援を受けるのでやる気を出す。頑張るぞい。

 

 

『「さぁ、予備選も終盤に差し迫った頃。次の対戦カードはなんとあのポケモンリーグ・セキエイ大会で優勝、ジョウトリーグ・シロガネ大会で準優勝の実績を持つサトシ選手!」』と実況も盛り上げてくれる。

 

 

 さて、頑張るかとヨルノズクを出す。

 ヨルノズクは色違いのヨルノズクなので大きく派手に目立つ。相手のトレーナーが出してきたのはサワムラー、こりゃラッキーだ。試合開始の合図が告げられるとサワムラーは【メガトンキック】で蹴りを入れてくる。サワムラーに足は伸びる足で距離感が掴みづらいので取り敢えずはと【リフレクター】を使ってもらい壁を貼り、ヨルノズクは空を飛んだ。

 

 ここからどう出てくる?と思っているとサワムラーは【ブレイズキック】を撃ってくる……やっぱり伸びる足が厄介だよ。

 距離感がイマイチ掴みづらいだけでなく回避するように指示したのだが途中で軌道が曲がるという予想外の動きを見せてくる。途中で機動を曲げるとかどうなっているんだサワムラーの足は。

 

【リフレクター】を展開していて良かったとヨルノズクは直ぐに体制を立て直すと【サイコキネシス】を発動しサワムラーを空中に浮かせる。

 空中に浮いたサワムラーは藻掻いてみようとするのだがどうすることも出来ず【サイコキネシス】に弾き飛ばされる……が倒すことは出来なかった。伊達にポケモンリーグに出てくるトレーナーのポケモンじゃないな。

 

【サイコキネシス】が解除されたサワムラーは【ストーンエッジ】を使うがヨルノズクは回避する。

 サワムラーの有効打は【ストーンエッジ】とキック系の技ぐらい……注意しておかないといけないのはキック系の技だと思っているとサワムラーは高くジャンプしてヨルノズクと同じ高さまで跳んだ。キックの鬼半端じゃないが、そこからどうする?

 

【メガトンキック】で蹴り込んでくるサワムラー。

 ヨルノズクはそれを回避する。今度は曲がる軌道も回避したと思えばサワムラーは【とびひざげり】を入れてくるがヨルノズクはそれも回避し、【とびひざげり】をミスったサワムラーは苦しんでおり、その隙をついて【さいみんじゅつ】を使ってサワムラーを眠らせて【エアスラッシュ】を放ち……サワムラーを戦闘不能にする。

 

 先ずは1勝だぜと良いバトルをしてくれたヨルノズクの頭を撫でる。ヨルノズクは『ホー』と嬉しそうな声を上げる

 

 その後も予備選は続いていき、1日かけて大会出場者を絞り出す。

 誰かヤバい奴は居ないかと思ったが特におらず、そのまま夜になってホウエンリーグ・サイユウ大会の開会式がはじまる。聖火ランナーは……ユウキ、験担ぎにやっているんだろうか?いや、そういうのは頼らないタイプか。

 

 ポケモンリーグの舞台に帰ってきた……今回のサイユウ大会は絶対に優勝してみせる。



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予選開幕 ダブルバトルで勝ち抜け

 

 ホウエンレポート96(予選開始)

 

 今日から256人居るトレーナーを決勝トーナメントの32名に削る予選が開幕する。

 マサムネ達と朝食を頂き「決勝トーナメントに駒を進める為の予選はダブルバトル、準備は出来てるか?」とマサムネに聞いてみると「ダブルバトルか。オラの腕を世界中に見せつけてやるぜ」と燃える……テレビの全国中継が入るのは本戦の決勝トーナメントからだっつうの。まぁ、予選だからって気を抜いていいというルールは何処にも無いけれども。

 

 最初の予選はマサムネだった。

 マサムネはガーディとグライガーを選出、対戦相手のトレーナーはカイリキーとガラガラを出す……相性の上ではやや微妙と言った感じか。

 先に動いたのはマサムネだった。ガーディに【かえんぐるま】を使わせて突撃させる。それに対して相手のガラガラが【ホネこんぼう】で真正面から迎え撃つ。力と力のぶつかり合いだ。

 

 やっぱりというか進化をしていない分、ガーディの方が不利だ。

【かえんぐるま】で激突する前に横薙ぎの【ホネこんぼう】をくらって飛ばされるガーディ。今度はグライガーが【ストーンエッジ】を使って地面から岩を出現させたかと思えばカイリキーが4本の腕を使って【ばくれつパンチ】で岩を破壊して岩の破片をグライガーに向けて飛ばす。

 勝負の序盤の流れはマサムネでなく対戦相手のトレーナーが持っていっている。ここから逆転しねえとヤバいと思っていると今度はガーディに【かえんほうしゃ】を指示する。

 

 カイリキーに【かえんほうしゃ】が命中する。

 ここから一気に巻き返しを見せるかと思ったらガラガラが【ホネブーメラン】をガーディ目掛けて使うがグライガーに飛んでくるガラガラの骨を掴ませる。ガラガラのメインウェポンである骨を奪ったのはデカい。相手のトレーナーもガラガラも骨が奪われてしまった事に動揺する。

 

 そこが隙だと言わんばかりにガーディに【かえんぐるま】でガラガラに突撃する。

 ガラガラ、骨が無いとなんにも出来ないな。ガラガラはガーディの【かえんぐるま】が命中するが倒れない。バトンタッチだとカイリキーが今度は立ち塞がったかと思えばマサムネの奴は「グライガー、骨を返してやれ」とグライガーが持っているガラガラの骨を返す。相手の武器を奪っての勝負は自分らしくない、自分の流儀に反するとのこと。

 

 折角いい感じに試合の流れが進んでいたのに敵に塩を送る様な真似をするとは、甘いと温いは違うんだぞ。

 ガラガラの骨が返されると試合は再開されてグライガーが【はがねのつばさ】を使いカイリキーを狙うがカイリキーはグライガーの腕と足を掴んだ。四本の腕はこういうところで便利かと思っていたが「グライガー、尻尾を使え!」と唯一開いている尻尾でカイリキーの顔を叩けばカイリキーは怯んでグライガーは解放される。なんかドラゴンボールで見たことあるぞ、この展開は。

 

「ガーディ【かえんほうしゃ】だ!」と【かえんほうしゃ】でカイリキーを狙いに行くのだが、ガラガラが立ち塞がり骨を回転させて【かえんほうしゃ】を防ぐ。やっぱりあの骨は脅威だと思っているとカイリキーが飛び出してきてガーディに【メガトンパンチ】を叩き込もうとするがグライガーがすかさず【はがねのつばさ】で飛んでくるカイリキーを抑える。

 

 序盤の方はマサムネが不利だったが徐々に徐々にマサムネのペースになっていく。

【かえんほうしゃ】を撃つことを止めたガーディは【かえんぐるま】で今度はカイリキー目掛けて突っ込んでいく。それと同時にグライガーが【ハサミギロチン】でカイリキーを潰しに行く。

 

 狙いをカイリキーに定めたのか?カイリキーは二本の腕で突撃してくるガーディを受け止めようとする。

 ガーディのパワーは中々だがカイリキーの剛力の方が上である。突撃してくるガーディは炎を纏っているので掴んだ瞬間苦しそうな顔を浮かびあげるのだが、それでも耐え切りガーディの動きを封じたかと思えばもう二本の腕で飛んでくるグライガーのハサミを掴んだ。

 あ、コレはまずいかとも思っているとガーディ目掛けてガラガラが【ホネブーメラン】を投げる。ガーディは【ホネブーメラン】を回避しようとするがカイリキーに動きが押さえられており、避ける事が出来ずに【ホネブーメラン】が命中し戦闘不能になった。

 

 一気に逆転を狙ったのが仇となったか。

 ガーディが倒されて残すはグライガーのみとなり追い詰められるマサムネ。グライガーのみになった事からグライガーにのみ指示を送ることに集中する事が出来るとグライガーに今まで使わなかった【じしん】を使う。【じしん】の衝撃波をガラガラは骨で地面を強く叩いて【じしん】を起こして相殺するがカイリキーは【じしん】を覚えていないのか【じしん】に弾き飛ばされ……戦闘不能になる。

 

 なんとかカイリキーを倒すことが出来たが……ここまでである。

 ガラガラも【じしん】を覚えているので【じしん】は相殺されてしまう。グライガーは【ストーンエッジ】を撃ってくるがガラガラは【ホネこんぼう】で【ストーンエッジ】の岩を破壊する。使う技が殆ど対処されているな。

 

 怒涛の攻めを見せるしかないのかマサムネは【はがねのつばさ】を指示してグライガーに攻めさせる。

 ガラガラは対抗してきて【ずつき】で攻撃してくる。ぶつかり合うガラガラの【ずつき】とグライガーの【はがねのつばさ】勝負を制したのはグライガーだったがガラガラを倒すには至らない。

 

「攻め手が欠けるな」と横で見ているユウキは呟く。

 ガラガラに対する有効打が無い。【ストーンエッジ】は【ホネこんぼう】で砕かれる。【じしん】は【じしん】で相殺されてしまう。【はがねのつばさ】は【はがね】タイプなのでガラガラにはこうかはいまひとつ……【こおりのキバ】的なのを覚えていれば…は、無いだろうな。あるんだったら最初から使っているだろうし。となると残された技は1つしかないとグライガーに【ハサミギロチン】を指示した。

 

 ガラガラ目掛けて突撃してくるグライガー。ガラガラは【ずつき】で対抗してきた。

【ずつき】でグライガーのハサミの動きを止めようとするガラガラ、グライガーは負けじと押していき……グライガーのパワーがガラガラに勝利を齎した。グライガーの【ハサミギロチン】がガラガラにヒットしてガラガラは戦闘不能になった。

 

「よっしゃあ!先ずは1回戦突破だぁ!」と大きく喜ぶマサムネ……なんともまぁ、ヒヤヒヤとさせる試合だった。

 一歩間違えればこっちが負けてしまう可能性も大きかった……だが、勝ったのはマサムネだ。やっぱりいいね、ポケモンリーグは。

 

「じゃあ、行ってくるね」とユウキは席を外す。

 次はユウキの番で別のスタジアムだから移動しなければと移動して最前列の席を確保する事に成功する。

 

 試合開始だと相手のトレーナーはカクレオンとドククラゲを出す。それに対してユウキはバシャーモとヌケニンを出す。

 ヌケニンを持っているのは分かっていたが、こんなところで出すのか?いやまぁ、ユウキの事だからなんか考えがあるんだろうけども。バトル開始の合図とともにカクレオンがドククラゲの頭に乗ったと思えばドククラゲは【なみのり】で津波を巻き起こして飛んでくる。

 

 その技はヌケニンには効かない技なのでユウキの奴はバシャーモにのみ高く跳んで回避する様に指示を出した。

【まもる】を覚えているのに使わないのか?と疑問を持ったがヌケニンを出しているのでメインの攻めを担当しなくちゃいけない。高く跳んで【なみのり】を回避したかと思えば一気に急降下し【とびひざげり】をカクレオン目掛けて入れようとするけれどもカクレオンはそれに対抗してきて【でんじは】を撃ってくる……この世界の住人って普通のバトルだとこの手の技を使ってこないんだが、やるな。

 

 流石のバシャーモも空中でしかも【とびひざげり】の体制に入っている状態では【でんじは】を回避する事が出来ない。

 カクレオンが放った【でんじは】を直撃するもののバシャーモはカクレオンに【とびひざげり】を叩き込む事に成功した。しかし伊達にホウエンリーグに出てくるポケモンじゃないのか息を大きく乱しながらもカクレオンは立ち上がる。

 

 バシャーモは【まひ】状態になってしまった。

 もう一度ドククラゲが【なみのり】を使うと跳んで回避しようとするのだが【まひ】により上手く跳ぶ事が出来ずに津波に飲み込まれる。この【まひ】は痛い。【かそく】があっても【まひ】だと色々と動きがな……そうなると頑張らないといけないのはヌケニンだ。

 ヌケニンは【ゴーストダイブ】を使い地面に、というか影の中にダイブしてドククラゲに向かって突撃する。中々に鍛えられているな、あのヌケニンも。

 

 しかしカクレオンという厄介な存在が居ることには変わりはない。

 カクレオンは色々と技を覚えるポケモンでもしカクレオンがヌケニンに攻撃してきたら……厄介だな。ユウキの奴、バシャーモでイケイケドンドンと行く作戦だったんだろうか?

 

 ヌケニンに今度は【おにび】を指示しカクレオンに当ててカクレオンを【やけど】状態にする。

【シザークロス】的なのが飛んでくるかと思ったがそうでもない。【でんじは】で【まひ】しているバシャーモは今度は【ブレイブバード】を使う。狙いは完全にカクレオンで今度は回避しようとするのだが、現在カクレオンはドククラゲの上に乗っている。回避してもドククラゲに【ブレイブバード】が当たるだけだ。

 

 それを気付かない相手のトレーナーではない。

 突っ込んでくることが分かっているのならば対抗すればいいと【バブルこうせん】でバシャーモが突っ込んでくる道を泡で防ぐのだがヌケニンが【おにび】を放ちバシャーモに纏わせる。【おにび】が先に【バブルこうせん】の泡に触れる……なんか、コンテストバトルみたいな技術だな。ユウキの奴、ハルカに色々とあれこれ教えているから意外性のある技が得意なんだろうか?

 

【おにび】で【バブルこうせん】の壁を破壊して【ブレイブバード】でカクレオンに激突するバシャーモ。

 激突されたカクレオンはフィールドの端にまで吹き飛んで戦闘不能になる。ギリギリのところを耐えていたからな……取り敢えず1体を倒すことが出来たが問題はドククラゲである。バシャーモ自慢の素早さも【でんじは】の影響で上手く生かす事が出来ない。

 

 幸いにもドククラゲは【はたきおとす】を覚えていない……この世界、アイテム持たせるっていう概念が無いから【はたきおとす】の需要がそんなに無いんだよな。ドククラゲは【なみのり】で攻めてくるのでバシャーモは【まもる】を使ったと思えばヌケニンが急接近し【おにび】をドククラゲに当てる。ドククラゲは特殊系の技しか使って来ないから【おにび】はと思ったが、少しでも体力を削りたいんだろうか。

 

 バシャーモは津波を【まもる】で防ぎきった。

 ヌケニンは【ゴーストダイブ】で影の中に潜り込み、ドククラゲの元に向かう。相手のトレーナーはヌケニンの異常さに気付きだしている……が、肝心な有効打を持っていない。【はたきおとす】を一発浴びせるだけでヌケニンは倒すことが出来るが、あのドククラゲは【はたきおとす】を覚えていない。実にめんどうだ。

 

 (とくぼう)が高いドククラゲ、バシャーモはどう攻めるのかと見守る【かみなりパンチ】を撃つ。一応は水系の対策はしているのね。

【かみなりパンチ】に苦しむドククラゲ。距離を取って【ハイドロポンプ】を撃つが軌道上にヌケニンが立ち塞がりヌケニンは意味は無いと思うが【こらえる】を使い攻撃を防ぎバシャーモは【ハイドロポンプ】を浴びずに済んだ。

 

「さっきからヌケニンが全然ダメージをくらってねえけどなんか秘密でもあんのか?」と疑問を抱くマサムネ。

 オダマキ博士が「ヌケニンは【ふしぎなまもり】というとくせいを持っていてね、【ほのお】【ひこう】【いわ】【ゴースト】【あく】タイプの技以外は一切効果が無いんだ」と解説をしてくれると「じゃあ、あのドククラゲは!」と察するマサムネ。

 

 先にカクレオンが倒されたのがホントに痛い。

 カクレオンは色々と技を覚えて【ほのお】【ひこう】【いわ】【あく】【ゴースト】タイプの技も当然覚える。それさえ使う事が出来ればヌケニンを瞬殺する事が出来たが……ユウキはそれを理解していたから真っ先にカクレオンを倒す事を優先した。

 

「仮にバシャーモを倒すことが出来てもあのドククラゲはヌケニンに有効な技を持っていない。ヌケニンは【おにび】でドククラゲを【やけど】状態にしているからドククラゲは徐々に体力が減らされている……時間の問題だな」

 

 オレの読みは的中しておりバシャーモは【かみなりパンチ】を連打する。

 至近距離で【ハイドロポンプ】を撃とうにもこの連打が酷くて撃つ体制に入ることは出来ない。間合いを取って【ハイドロポンプ】を撃てばヌケニンが軌道上に立って妨害する。徐々に徐々に【おにび】の【やけど】で体力が減らされていき……遂にはドククラゲは倒れた。

 

 最初の方は出鼻を挫かれたかと思ったが、蓋を開けてみればユウキの奴が圧倒的に有利な試合運びをしていた。ヌケニンという一種のバランスブレイカーが地味にいい仕事をしている。数日前にフルバトルをしたのが嘘の様に一気にレベルアップしている……やっぱり天才だなぁ。

 先ずは1回戦突破したので次はオレの番だ。オーキド博士に既にポケモンは転送してもらっている。

 

 相手のトレーナーが出してきたのはトロピウスとマルノームだった。

 対するオレはドサイドンとフシギダネを出す。超重量級と軽量級のコンビで色々とやってくれる事を期待する。試合開始の合図と共にフシギダネは【にほんばれ】を使いフィールド【はれ】状態に変えると「その【はれ】頂いた!トロピウス【ソーラービーム】」とトロピウスに【ソーラービーム】を指示、【はれ】状態なので一瞬で【ソーラービーム】を撃つ為の太陽光を吸収しドサイドン目掛けて発射しドサイドンに直撃するもののドサイドンは耐え抜いた。伊達に【ハードロック】じゃない。

 

 耐え抜いたもののダメージはあったのでそう何発も【ソーラービーム】を受けてはいられない。

 取り敢えずとフシギダネに【つるのムチ】でドサイドンにしがみついて貰い【じしん】を放つとトロピウスは空を飛んで回避するがマルノームは【じしん】の衝撃波をまともに受けたが倒れない。中々に鍛えているなと思いつつもこの展開を待っていたとドサイドンにフシギダネを投げてもらいフシギダネはトロピウスの上を取った。

 

【じしん】を使えば空を飛べるポケモンは嫌でも空を飛ばないといけない。空を飛んでいるポケモンの上を取って叩き潰す。

 フシギダネに【ウェザーボール】を指示するとフシギダネは炎の球を出現させてトロピウスに命中させ撃墜、トロピウスを戦闘不能に追い込んだ。

 

 なんも考えなしに【にほんばれ】を使ったわけじゃないんだぞ。トロピウスが一撃でやられた事にショックを受ける相手のトレーナーだがサトゥーシくんの進撃はここからだぞ。

 コレはマズいと思ったのかマルノームは【どくどく】を吐いてくるのでフシギダネが【どくどく】を浴びるがフシギダネは【どく】タイプのポケモンでもあるので効果は0、ならばと【ヘドロばくだん】を吐いてくるのでこちらも【ヘドロばくだん】で対抗して相殺する。

 

 オレのフシギダネは進化を拒んだ。その事については思うことはあれども進化をしないならそれはそれで別にいい。だがその分他よりも厳し目に育てておりレベルが無駄に高い。普通のフシギダネならば【ヘドロばくだん】の相殺に失敗していたがオレのフシギダネは特別なんだぜ。

 フシギダネの圧倒的な力は大分見せつける事が出来たのでそろそろ潮時だなと【ねむりごな】を放ちマルノームを眠らせると【つるのムチ】でマルノームを縛る。眠っているが万が一という事もある。予想外の逆転とかホントに洒落にならないからな。

 

【ねむり】状態で更には【つるのムチ】で身動きが取れないマルノーム。

 相手のトレーナーは「マルノーム、目を覚ましてくれ!」と呼びかけてはみるものの直ぐには起きず、この状況を想定していたとドサイドンに【つのドリル】で弾いてもらいマルノームを戦闘不能に追い込んだ。

 

 不慣れなダブルバトルだが勝ち星を得ることが出来た。

 試合が終わったのでセレナ達のところに向かいセレナ達とハイタッチをする。全員めでたく1回戦を突破したのは喜ばしい事だ……サトシくんキラーことテツヤさんの試合もチラリとは見るけれども中々のものだった。

 

「勝てるのか、私は……」とオレのバトルを見たユウキは弱音を吐くので「四天王はオレより強い。チャンピオンはもっともっと強いぞ」とだけ伝えると無言になる。世界は広い、オレより強い奴はまだいるしオレと互角に渡り合えるトレーナーもそれなりにいる。お前もオレと互角に渡り合えるトレーナーの筈……オレは待つつもりなんてない。上を目指して更に先に行くぞ。



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勝ち抜け サイユウ大会予選

 ホウエンレポート97(絶滅危惧種のヒスイ産)

 

 ホウエンリーグ・サイユウ大会2日目……いや、3日目なのかこの場合は。う〜ん……まぁ、どっちでもいいか。

 今日も今日とて予選は続く。オレはサトシくんキラーことテツヤさんの試合を見る。テツヤさんはハリテヤマとドンファンを出し、相手のトレーナーはゴルダックとノズパスを出していた。

 

 コレはどう出るのだろうと見守っていると試合開始の合図が告げられる。

 試合開始と同時にゴルダックはドンファンに向かって【ハイドロポンプ】を撃ってくる。ドンファンは【ころがる】を使い回転しながら【ハイドロポンプ】を受けた。【ころがる】を用いて【ハイドロポンプ】の無力化とは流石と思っているとゴルダックを突き飛ばす……が、ドンファンの回転は弱い。【ハイドロポンプ】を真正面から受け止めながら【ころがる】は流石に威力が軽減されるか。

 

 幸いにもダメージにはなってないみたいだが【ハイドロポンプ】を真正面から受けきる【ころがる】は危険だろう。

 何かしらの対策をしてくるかと思ったらノズパスが【がんせきふうじ】でドンファンの四方を囲み身動きを上手く取れない様にしてきたのだがハリテヤマが【つっぱり】で岩を破壊した。しかしそれを待っていたと言わんばかりにノズパスは【でんじほう】を放つ……が、ドンファンが直ぐに前に出て【でんじほう】を受ける。【じめん】タイプのドンファンには【でんき】タイプの【でんじほう】は通用しない……中々に一進一退の攻防を見せてくれる。

 

 攻めの方ではテツヤさんがやや不利かなと思っているとハリテヤマは【かわらわり】をノズパスに叩き込もうとする。

 真正面から攻めるのはいいけれどもノズパスは硬いので大丈夫かと思ったが心配無用だったようでノズパスを【かわらわり】で殴りつけるとノズパスは起き上がるので今度はとドンファンが【ころがる】でノズパスが向いている北とは別の南の方向に移動すると【こおりのつぶて】を放つ。

 

 基本的には北を向くノズパス。

 一度は振り向こうとするものの動きは途中で静止してしまい【こおりのつぶて】が命中し戦闘不能になるのだが今度はゴルダックが【ハイドロポンプ】を撃つ。真正面からならば【ころがる】で封じる事が出来たが側面からの【ハイドロポンプ】だったのでドンファンは防ぐ事が出来ずに戦闘不能になる。

 

 これでイーブン、互いに1体ずつになった。

 ハリテヤマは【つっぱり】で攻めるのだがゴルダックは距離を取って【サイコキネシス】でハリテヤマの巨体を持ち上げる。こんなところでやられてしまうのかと思ったが、ハリテヤマは気力1つで【サイコキネシス】を跳ね除けたと思えば【きあいパンチ】をゴルダックに叩き込んでゴルダックを戦闘不能にした。

 

 戦術だけじゃなく力技も可能なんだな。

 サトシくんキラーは伊達じゃないなと拍手を送りスタジアムを後にして、マサムネの試合を見に行く。試合は既に開始されてて、セレナから聞いた話だとマサムネはラグラージとハガネールを出していた。ハガネールが【すなあらし】を起こしてフィールドを【すなあらし】状態にしておりラグラージとハガネールに有利なフィールドを形成した。

 

 相手のトレーナーが出しているのはキュウコンとネイティオ。

 マサムネの奴は先にネイティオを倒そうとハガネールに【ストーンエッジ】ラグラージに【いわなだれ】を指示して上と下、両方から岩で攻めようとするのだがキュウコンが【エナジーボール】をラグラージに撃ってきて【いわなだれ】を阻止、ネイティオは空を飛んで回避して【ストーンエッジ】を回避する。

 

 危険なのはネイティオよりもキュウコン【エナジーボール】を覚えているのが特にヤバい。

 ラグラージが何発もくらっていたら戦闘不能になる可能性が高い、というかオレがやってきた頃にはネイティオを倒し終えたけれどもラグラージが戦闘不能になってしまっていた。

 

 どうやってネイティオを倒したかはさておいてフィールドは【すなあらし】に包まれている。

 マサムネはハガネールを、相手のトレーナーはキュウコンを残している。フィールドではハガネールの方が有利だが、負ける可能性の方が高かったりするわけで、このままだと原作通りにならないんじゃないかと心配になったがマサムネはなんとか乗り切った。【かえんほうしゃ】を撃ってくるキュウコンに対して【あなをほる】で地中に回避し、そこから一気にキュウコン目掛けて突撃して戦闘不能に追い込んだ。途中からしか見れてないがヒヤヒヤとさせるバトルをしてくれる。もうちょっと余裕ある勝利を見せてくれよ。

 

 テツヤさん、マサムネが終わり次はユウキの番だがハルカが居ない。

 何処に居るのだろうかと思っていると大量のカレーパンが入った袋をテツヤさんと一緒に持ってきた。サイユウ大会記念の限定のカレーパンを買いに行っていたらしい……1個貰ったけれども中々に美味しかった。

 

 そんなこんなでユウキの試合が始まる。

 ユウキはボーマンダとサーナイトを出す。対する対戦相手のトレーナーはサマヨールとナッシーを出す。「ふぁんふぁれー、ユウキ!」とカレーパンを口にしながらも応援するハルカ。行儀が悪いなと思いつつもユウキの試合を見守る。オダマキ博士も見守っているんだから情けない姿を見せるんじゃねえぞ?

 

 最初に動いたのはボーマンダだった。

【だいもんじ】をナッシーに向かって放ったのだがサマヨールが前に出て【おにび】を撃つ。流石に【おにび】では【だいもんじ】を掻き消す事は出来ないが、威力を弱める事には成功したのかサマヨールは【だいもんじ】を真正面から受けても耐え切る。サマヨール、硬いな。

 

 レベル的にはユウキの方が上だから問題は無いと思っていたのだが攻撃を受けなかったナッシーがまさかの【トリックルーム】を使う。

【トリックルーム】を覚える事は知っているが使ってくるのは流石に予想外だった。【トリックルーム】によって素早さが遅い程早く動けるフィールドで物凄い速さで動きをみせるサマヨール。【シャドーパンチ】をサーナイトに叩き込む。

 

【シャドーパンチ】は回避不可な技だが、それ以前に尋常じゃない程に早い技になっている。

 ボーマンダもサーナイトも本来であればナッシーやサマヨールよりも素早いポケモンなのだが【トリックルーム】が影響しており素早さが逆転している。コレはマズいんじゃないかと思っていると【シャドーボール】を撃つサーナイト。サマヨールとナッシーは簡単に回避するのだがユウキは慌てる事はしない。

 

 なにか狙っているのかと今度はボーマンダに【だいもんじ】を撃ってもらうのだがこれも2体に回避される。

 放つタイプの技は【トリックルーム】が貼られている以上は回避するのは不可能である。なにが狙いかと思っていると【トリックルーム】と思わしき結界っぽいのが揺れた……まさかと思っているとそのまさかであり、ユウキの奴は【トリックルーム】が解除されるよりも前に【トリックルーム】を物理的に破壊しようというとんでもない作戦、いや、原作でもサトシくんがやってのけた事をやろうとしていた。

 

【トリックルーム】を物理的に破壊しようという作戦は見事に成功しパリンと割れる【トリックルーム】。また【トリックルーム】が貼られると厄介だとボーマンダは【ダブルウィング】をサーナイトは【シャドーボール】をナッシーに命中させるとナッシーは戦闘不能になり、残すところはサマヨールだけになった。

 

 サマヨールだけになったので後は倒すだけだが、サマヨールはサーナイトに【シャドーパンチ】で殴ってくる。

 回避不可な技なのでサーナイトは受けるしかない。連打してくるのでサーナイトは耐える事に集中させてその間にボーマンダは【げきりん】を発動してサマヨールに【げきりん】の連打を叩き込み一気に追い詰めるが【こんらん】状態になるが、コレはダブルバトルだとサーナイトが【シャドーボール】をサマヨールに叩き込んで戦闘不能にした。

 

 トリックルームパは強いけれども肝心な【トリックルーム】が使えなければ死に近い。

【トリックルーム】破りは見事だと拍手を送り、そろそろ自分の番だとオレはスタジアムを後にして自分が試合を行うスタジアムに向かう。

 

 3人が勝ったのだから情けない姿を見せるわけにはいかない。

 スタジアム入りし、さぁやるぞとオレはケンタロスとドードリオを出す。それに対して相手はガルーラとビリリダマを出して来たのだが……よくよく見ればビリリダマ、ヒスイのビリリダマだった。ヒスイのビリリダマなんて絶滅危惧種に近いのによくゲットする事が出来たな。

 

 試合開始の合図が告げられると同時にケンタロスに【じしん】を指示しドードリオには跳んでもらって【じしん】の衝撃波を回避する。

 真っ先に倒さないといけないポケモンはビリリダマだと思ったがビリリダマは当然の如く【ジャイロボール】で回転したかと思えば空中を舞う。中々に面白い技の使い方だと思いつつのドードリオに【とびげり】でガルーラに攻めるのだがガルーラはドードリオの足をガッシリとキャッチ。そのまま【のしかかり】を仕掛けてくる。

 

 ガルーラに乗られるドードリオ。これは危ないとケンタロスに【すてみタックル】で突撃してもらいガルーラを突き飛ばす。

 ドードリオは体制を立て直す事が出来てこれで勝負はまた分からなくなったと思っているとビリリダマが【10まんボルト】を撃ってくるのでケンタロスに【ワイルドボルト】を指示して【10まんボルト】をドードリオに当たる前に防ぐ。

 

 ドードリオに当たる前に防いだが使った技が【ワイルドボルト】なのでさっきの【すてみタックル】と合わせてやや反動ダメージに苦しむ素振りを見せるケンタロス。このままジリジリとやっていたらケンタロスが倒されてしまうとドードリオに【ドリルくちばし】を指示してガルーラ目掛けて突っ込む。

 

 ガルーラはドードリオの細長い首を掴んだ……が、ドードリオの頭は全部で3つある。

 1つ掴まれても残りの2つで対処する事が出来るとドードリオは掴まれていない頭で【ドリルくちばし】をうちガルーラを攻撃し、追撃だとケンタロスに【いわなだれ】で岩を落としてもらい戦闘不能に追い込んだ。

 

 1体を倒すことが出来て少しだけ余裕が出来るのだが油断は出来ない。

 ドードリオに【ドリルくちばし】で攻めてもらおうとするとビリリダマは【10まんボルト】を撃ってくるのでケンタロスに【ワイルドボルト】で受け流してもらいつつもドードリオは【ドリルくちばし】をビリリダマに命中させて突き飛ばし、トドメだとケンタロスに【ギガインパクト】をで突撃してもらいビリリダマを戦闘不能にした。

 

 ヒスイのビリリダマが出てきたのは驚いたのだが相性的な意味で【くさ】タイプの技を使わなかった。違うポケモンで挑んでいたのならば結果が違ったかもしれない……が、今回はオレの勝ちである。ケンタロスとドードリオによくやってくれたと褒めの言葉を送れば2匹とも嬉しそうな顔をしている。ケンタロスには割と無茶をさせてしまったが勝つことが出来てなによりだ。

 

 ホウエンレポート97(炎のソナタ)

 

 予選も残すところは後1試合となった。後1試合、勝てば決勝トーナメントに駒を進める事が出来る。

 テツヤさんもマサムネもユウキもカッコよく3回戦を勝利して、決勝トーナメントに駒を進める事が出来た。残すはオレだけであり「頑張れよ、サトシ!」とマサムネから声援を貰う。こりゃ頑張らないといけないなと思っていると黄色い歓声が鳴り響く。

 

 オレの対戦相手のトレーナー……見た目がどう見てもペ・ヨンジュンを模している。

指揮者(コンダクター)】だかなんだか知らないが二つ名を持っている……二つ名ってどうやって手に入れるんだろうか?少なくともオレはマサラタウンのサトシでずっと通しているからその辺り分かんねえや。

 

 指揮棒を片手に持つペ・ヨンジュンもどき。

 ポケモンバトルを楽章かなにかと勘違いしているのならばお前に教えてやるとキングドラとラグラージを出す。

 

「おや、相性の上では不利……ですが、私のポケモン達の奏でる戦いのリズムは相性を凌駕します」

 

 とまぁ長い前説を言った後に出てきたのはリザードンとマグマラシだった。

 リザードンとマグマラシ、これは思わぬところでラッキーな2体を引いたなと喜ぶのだがマグマラシが試合開始と同時に【にほんばれ】を撃ってくる。流石にそれはマズいと【あまごい】で雨雲を呼び起こし【あめ】を降らせる。

「ふむ、困りましたね」と言うが焦っている素振りは特には見せないペ・ヨンジュンもどき。

 リザードンに【ソーラービーム】を撃たせるつもりだったのならば、甘い。リザードンのことならば大体知り尽くしているんだよ。

 

【あまごい】vs【にほんばれ】の合戦になるのかと思ったが【にほんばれ】の連発はしてこなかった。

 フィールドは【あめ】に包まれており、キングドラはとくせいの【すいすい】が発動して通常の倍の速度で動く事が出来る様になった。これでよしとキングドラとラグラージは【なみのり】で津波を巻き起こすのだが、リザードンがマグマラシを持ち上げて【なみのり】を回避した。

 

 う〜ん、堂々と真正面からの攻撃は意味は無いのだろうか?

 リザードンが居るので空を飛ぶことが出来る。マグマラシもそんなには重くはない。リザードンはマグマラシを持ち上げて回避する事が出来る……1つ搦手でも使ってみるかと考えているとマグマラシは【スピードスター】を撃って来てキングドラに命中するが大したダメージにはならない。

 

「第2楽章といきましょう」と指揮棒を持つペ・ヨンジュンもどき。

 まだまだオレのステージは、時間は終わっていないので勝手に第2楽章に行かれては困るのだとキングドラに【ハイドロポンプ】で飛んでいるリザードンを狙いに行くがリザードンはマグマラシを手放して華麗に回避するがお前ならば簡単に回避する事が出来ると読んでいたのでラグラージに【たきのぼり】で急上昇し、リザードンに激突して撃墜する……が、リザードンはこれでは倒せない。

 

 伊達に3回戦にまで駒を進めているポケモントレーナーじゃないな。

 だが、オレにだって負けられない意地というものがある。ラグラージにキングドラを空中へ投げ飛ばしてもらうとラグラージに【じしん】を指示する。ペ・ヨンジュンもどきはこれはマズいとリザードンにマグマラシを持ち上げてもらい空を飛んで回避するのだが回避した先にキングドラを配置、キングドラは【ハイドロポンプ】を撃つとリザードンはマグマラシを手放してしまい、そのままマグマラシに向かって【ハイドロポンプ】を撃てばマグマラシは戦闘不能になる。

 

 コレはマズいと思ったのかリザードンに【りゅうのいぶき】を指示してキングドラに当てる。しかしキングドラは倒れない。

 リザードンだけにしたからどうやって倒すかと考えていると【あめ】状態が終わる。もう一度【あまごい】をしようかと考えているとリザードンは空からキングドラに向かって【りゅうのいぶき】を吐いてくる。

 

 有効打があるから先にキングドラを倒そうという魂胆なんだろうか?

 それならばとキングドラに【りゅうのいぶき】を避ける事はせずに【あまごい】を使ってもう一度【あめ】状態にした。【りゅうのいぶき】が直撃するもののキングドラは倒れない……流石はオレのキングドラだ。とはいえ確かなダメージがあったので息は大きく乱れている。

 もう一発【りゅうのいぶき】をくらえば戦闘不能になるぐらいのところにまで追い詰められてる……だったら早急に決着をつけようとキングドラに【りゅうせいぐん】を指示する。

 

【りゅうせいぐん】を撃つために力を溜め込むキングドラ。させるかとリザードンは【ドラゴンクロー】で突撃してくるのでそれを待っていたとラグラージに【たきのぼり】で突っ込んでくるリザードンに向かって激突するとリザードンは撃墜し、そのまま【りゅうせいぐん】が発射。

【りゅうせいぐん】の雨嵐がリザードンに向かって降り注ぐ。リザードンは回避する事が出来ずに【りゅうせいぐん】が命中し……リザードンは戦闘不能になった。

 

「私のリザードンとマグマラシが……」と言葉が出ないペ・ヨンジュンもどき。

 ペ・ヨンジュンもどきが負けてオレの勝利が決まったら「え〜」という声が鳴り響く……オレ、勝ったんだよな?【どくどく】とか【すなあらし】とかの追加ダメージ狙いで逃げまくるとかいう戦法はしていないんだけどな……やはり男は人気、モテ力といったところなのだろうか?いやでも、モテモテになっても1人の女性が好きな事が大事な事じゃないかとオレは思う。

 

 これでオレも無事に3回戦を突破した。

 残り32名のトレーナーに入る事が出来た……決勝トーナメントはシングルバトルのフルバトルだ。馴れないダブルバトルから開放されたので一先ずはホッとする……いやさ、ホントにマジで疲れたよ。ダブルバトル全然しないしバトルだし、ポケモン1体に指示を集中する事が出来ない、フィールド全体を見渡しておかないといけない。思考も分割思考じゃないといけないし……本戦の決勝トーナメントもダブルバトルとか言うオチだったら泣いてたわ。



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開幕決勝トーナメント

アニポケの小説、もっと増えないかな……


 

 ホウエンレポート98(オフである)

 

 予選が全試合終わった。サトシくんキラーになり得る人物が居ないのか警戒してみたが今のところは変なのは居ない……筈だ。

 流石に全試合を見通す事が出来ない。パソコンで残っているトレーナーを確認してみてもおかしなところは無いのである。しいて言うならば今回もジョーイさんがサラリとホウエンリーグに出場していると言ったところだろう。セキエイ大会の時と言いシロガネ大会の時と言いジョーイさんって忙しいんじゃないだろうか?

 

 まぁ、それはさておき決勝トーナメントの32名のトレーナーが決まった。

 トーナメントと謳ってはいるもののトーナメント表の様な物は何処にも存在しない。誰に当たるか謎である。

 

「気合い入れて決勝トーナメントも勝ち抜くぞ!」と意気込むマサムネ。

 気合を入れることはいいことだけれども今日は完全なオフである。対戦相手が発表されるのが明日、明後日から決勝トーナメントだ。燃えていたマサムネは休みだと分かればずっこける。完全にバトルの為にあれこれしようと考えていたんだろうが今日は完全なオフである。

 

 対戦相手の発表も無い完全な休養日、ハルカがユウキに「デラックスジャンボパフェを食べましょう!」と誘うが断られていた。

 本気でオレを倒す為には余計な物を削ぎ落とす……○○は背負うでなく削ぎ落とすタイプの人間である。誘いを断られるとハルカがしょんぼりしていたが「優勝したら一緒に食べに行こう」と言っていた……言うねぇ、ユウキの奴。

 

 とにかく今日は完全な休養日である。

 フシギダネ、ドサイドン、ケンタロス、ドードリオ、キングドラ、ラグラージはドクターストップが掛かる程の大怪我は負っていない。

 明後日からのフルバトルで問題無く戦う事が出来る……対戦相手が原作通りならばいいんだけどもバタフライ・エフェクト的なのがあると怖いんだよな……今までバタフライ・エフェクト的なのがあった事は無かった気もするが。

 

 今日は完全にオフでありユウキの奴は精神統一的なのをしている。

 オレもうかうかしていられないと遊ぶことはせずに瞑想に耽る。ポケモン達のコンディションはバッチリで、オレが采配をミスしなければこのサイユウ大会を優勝する事が出来る。一番の強敵であるユウキを1回倒したのはいい経験値になった……が、ユウキの奴は色違いのラティオスを温存していて尚且つメガシンカを残している。ヌケニンとかいう油断する事が出来ない相手もいる。次勝負して勝つことが出来ると言った保証は何処にも無いのである。

 

 ユウキの持っているポケモンはそんなに多くないがバランスが良いのでベストな6体を用意しておかないといけない。

 ユウキの奴と何時ぶつかるか……出来れば決勝戦でぶつかりたい。決勝戦でユウキを叩きのめして勝利を勝ち取る。

 

 

 ホウエンレポート99(オフである その2)

 

 決勝トーナメント出場者はセントラルのポケモンセンターに集まる様にと通達があった。

 ユウキがマサムネがハヅキさんがジョーイさんがとここまで勝ち進んできた並み居る敵を倒してきた猛者が集まる。

 

 セントラルのポケモンセンターに努めているジョーイさんが「それでは今から対戦相手を発表いたします。モニターかポケナビをご覧ください」と言ってくるのでユウキの奴はポケナビを起動する。オレとマサムネはモニターを見る……オレの1回戦の対戦相手はカエデという女性のトレーナー。原作知識を確かめてみれば原作通りの相手である。

 

 対戦相手が分かったのならば早速データを研究だと直ぐに選手村に戻る。

 ポケナビにトレーナーの特徴が記載されてるらしくカエデはデータを分析して戦ってくるトレーナーである……データ系の相手は意外とバカに出来ない。タイプを少々偏らせるべきか?と考えてみるが下手な小細工を打って出てこっちのバランスを崩したら話にならない。

 

 チラリと持っているポケモンを確認してみてもタイプが偏っているわけでもない。だったら話は早いと早速6体のポケモンをエントリーする。

 ポケモンをエントリーし終えるとオーキド博士の研究所に連絡を取った。ケンジが出てきたので早速ポケモンを送ってもらう事にした。この6体で勝ち抜いてみせる。取り敢えずはイメージトレーニングをしておこう。

 

 ホウエンレポート100(開幕決勝トーナメント)

 

 遂に決勝トーナメントが開幕した。

 ここからは全国中継が入る。情けない姿を世間に晒すわけにはいかない……全国中継だが流石に3度目のポケモンリーグなのでアガるとかいう事は無い。

 

「甲子園とかアレで私達と同世代だと思っていたが、まさか思われる側になろうとはな」とクールな姿を見せるユウキ。

 ユウキの奴は緊張していないんだろうか?こういう場所でアガったり逆に調子に乗ったりするタイプ……じゃないな。オレを倒すとリベンジに燃えていて周りの物も削ぎ落とす形で極限の集中力を高めているから周りの事は気にしていなさそうだ。

 

「私が挑むまでは負けるなよ」と言うので「オレが勝つから問題ない」とだけ言っておく。

 いやぁ……ポケモンリーグには馴れてきたけども決勝トーナメントのフルバトルのトップバッターを飾るとは思いもしなかった……が、緊張は無い。今日も楽しみながら本気のバトルをするだけである。

 

『「さぁ、遂にはじまりましたホウエンリーグ・サイユウ大会決勝トーナメント!ここまでに駒を進めた32名の猛者の中から唯一人となるべく激闘が繰り広げらる!尚、決勝トーナメントからは全国中継となっております』」

 

 と実況が始まったのでスタジアムに姿を現す。

 決勝トーナメントからはサイユウスタジアムで戦う事になるがサイユウスタジアム、予選を行ったスタジアムよりも広くて観客からの視線が鋭い。伊達にメインスタジアムじゃないな。

 

『「先ずは第1試合!選手のデータを巧みに集めて纏め上げて相手の弱点を突いてここまで勝ち抜いてみせたカエデ選手!対するはポケモンリーグ・セキエイ大会優勝、ジョウトリーグ・シロガネ大会準優勝の実績を持つサトシ選手!」』

 

「実況盛り上げるのホント好きだな〜」と呟きつつもフィールドが展開されるのを待つ。

 決勝トーナメントのフルバトルは休憩無しだがどちらかが手持ちを3体やられたらフィールドチェンジのルール、インターバルが無いフルバトルは実に久々であるが積み技とか状態変化技の効果が切れないのでそれはそれで便利である。

 

 フィールドは岩のフィールド。先攻後攻を決めるルーレットが回転し、オレの先攻からで決まるので1番手はお前だとピカチュウを出陣させる。

 やっと待ちに待った出番が来たとピカチュウは両頬の電気をビリビリと垂れ流す。バトルしたいのにバトルが出来ない状況を作り上げてて正解だったな。ピカチュウの溜まったストレスが程良い形で発散される。

 

 今日のフルバトルのエースはお前である。

 初っ端から飛ばしていく……サトシくんは舐めプするがサトゥーシくんは舐めプはしない……まぁ、ピカチュウをライチュウにしない事を舐めプと呼ばれればそれまでなんだけども。

 

 オレのピカチュウに対してカエデはダグトリオを出してきた。

【でんき】タイプのピカチュウに対して【じめん】タイプのダグトリオ、セオリー通りだろうが甘いぞ。オレのピカチュウは【なみのり】を覚えているんだと試合開始の合図と同時に【なみのり】を使う。オレのポケモンのデータを見てきた筈なのにカエデは驚いた顔をしている。ピカチュウが【なみのり】を覚える事がそんなに予想外か?予想の範囲内だろう。

 

 サーフボードに乗って【なみのり】で突撃してくるピカチュウ。

 このまま行けばダグトリオに攻撃を当てる事が出来ると思ったのだが、流石に対策はしてきたようで【あなをほる】で地面に潜って回避する。【あなをほる】で地面に潜って回避した場合の対処法を用意していない程オレはバカじゃないとピカチュウに【アイアンテール】で地面を叩き付けてもらい地中深くに眠っているダグトリオを無理矢理引っ張り出す……引っ張り出すんだけどもダグトリオの頭から下が見えない。なんか都合良くダグトリオが潜んでいる岩盤が飛び出た感じだった。

 

 地面を掘り進んで移動するダグトリオにとって移動する地面が無くなったのは大変な事だがそんな事は知ったことじゃないと追撃の【アイアンテール】をくらわせる。【アイアンテール】でダグトリオを倒すことができるとは思っていない。コレは次の手に繋ぐ為の布石だとダグトリオを打ち上げる形で【アイアンテール】を叩き込み……【なみのり】を使ってダグトリオを津波に飲み込んだ。

 

 ダグトリオは【なみのり】にやられて戦闘不能。先ずは1体目、相性なんて軽く頭を捻ればひっくり返す事が出来るんだ。

 ダグトリオが戦闘不能になり次に出してきたのはハッサムだった。ハッサムは【かげぶんしん】を使って円形に囲んで来たので【10まんボルト】のカウンターシールドで近付く事が出来ない様にする。

 

 予想通りと言うべきかハッサム、近距離系の技しか覚えていない。

 どうにかしてピカチュウに近付かなければ技を当てる事が出来ないのだがピカチュウのカウンターシールドの【10まんボルト】がハッサムの【かげぶんしん】を倒していき遂にはハッサム本体に命中した。運が良いことに【10まんボルト】の追加効果で【まひ】状態になるハッサム。そこが狙い目だと【ボルテッカー】で突撃していきハッサムを突き飛ばし、ハッサムを戦闘不能追い込む。

 

 コレで2体目を突破したがまだまだ油断は出来ない、いや、そもそもで油断してはいけない。オレの攻め手が今のところは上回っているが何時ひっくり返されるか分かったもんじゃない。

 次に出てきたのはモルフォンだった。ピカチュウに【10まんボルト】で攻めさせようとすると【かなしばり】を使ってきた。ピカチュウは【10まんボルト】を暫くの間使えなくなったがまだまだ技は沢山あるので問題無い。

 

 羽を羽ばたかせて【ねむりごな】を撃ってくるモルフォン。

 ここはと【なみのり】で津波を巻き起こしてモルフォンの頭上を超えていき【ねむりごな】を洗い流すのだがそれを待っていたと言わんばかりにモルフォンは追撃の【サイケこうせん】を撃ってくる。

 

 ピカチュウをあえて前に出させる戦法を取ってきたか。

【なみのり】中は津波ごと移動する事は出来てもピカチュウ単体では移動する事は出来ないので【サイケこうせん】を直撃するがピカチュウは直ぐに起き上がる。

 

 この戦法が通じると思ったのかもう一度【ねむりごな】を撃ってくるモルフォン。

 そう何度も同じ手をくらってたまるかと【アイアンテール】で地面を叩き付けて土砂を巻き上げて【ねむりごな】を防ぎ、そのまま【ボルテッカー】で突撃させる。土砂を巻き上げて視界を遮ったがモルフォンの位置はちゃんとわかっているのでピカチュウは電撃を体に纏わせて【ボルテッカー】で突撃してモルフォンを突き飛ばしモルフォンを戦闘不能にする。

 

 カエデのポケモンが3体やられたのでフィールドがチェンジされる。

 岩のフィールドから水のフィールドにチェンジされた……水のフィールドは厄介なんだよな。ケンタに負けたって言う嫌な思い出もあるし。

 

 カエデが4体目に出してきたのはムウマだった。

 ピカチュウは【ボルテッカー】を連発してそこそこのダメージとスタミナを消費している。【10まんボルト】さえ使えれば倒すことが出来るだろうが生憎な事に【かなしばり】の効果はまだまだ続いている。ここらが潮時だなとピカチュウには一旦引いてもらい、ハッサムを出す。

 

「久しぶりのバトルだが勘は鈍ってないだろうな?」と聞けば笑みを浮かべるハッサム。

 オレのハッサムはオジイなので技の切れ味は抜群なのだが……スタミナが無い。出来る限りスタミナ消費を防ぐべく取り敢えずはと【つるぎのまい】を使うとムウマは【シャドーボール】を撃ってくる。一直線に飛んでくるだけの【シャドーボール】は怖くはないのだとハッサムは少しだけ体を移動して回避する……う〜ん、スタミナが無いが技術にキレがあるな。派手でも華麗でもなく綺麗に回避する事が出来てる。

 

 1回【つるぎのまい】を積むことが出来たのでこうげきに関しては問題は無い。

 問題はどうやってムウマに攻撃を当てるかだ。【バレットパンチ】と【テクニシャン】のコンボがあるのでムウマに当てさえすればそれなりのダメージがある。コレが岩のフィールドだったら一直線上に突っ込んで【バレットパンチ】を叩き込めばいいのだが、水のフィールドは実に厄介である。【バレットパンチ】を叩き込んだ後に何処かの浮島に向かわないといけない。一応ハッサムは飛ぶことが出来なくもないけれども、空中戦が得意なわけじゃないし、どうしようかと考えた結果、取り敢えず【バレットパンチ】でムウマを殴り倒せば全てが丸く収まるとハッサムに突撃してもらうのだが何かがおかしい。

 

 ムウマが攻撃を避ける様な素振りを見せない。

【バレットパンチ】をハッサムはムウマに叩き込もうとするとムウマは避けずに当たりに行ったのでなに狙いか直ぐにわかった。【みちづれ】狙いでムウマは【みちづれ】を使ってハッサムを倒した。いや、引き分けに持ち込んだと言うべきか。

 

 最初から【みちづれ】狙いはいいけれどもカエデの表情はあまり乏しくない。

 オレはやっとハッサムが倒されただけでピカチュウを含めて残り5体のポケモンを残しており、対するカエデのポケモンは2体。【みちづれ】で引き分けに持ち込んだとしても劣勢である状況には変わりはない。【みちづれ】は強力な技だが使い所が重要なんだよな。

 

 ハッサムが倒されたのは想定外だが、こっちにはまだ5体もポケモンが残っている。

 取り敢えずコレで【かなしばり】の効果は切れたともう一度ピカチュウに出てもらう。ハッサムが戦ってくれたおかげでスタミナが少し回復している。コレで少しはマシになったと思っているとカエデは5体目にゴルダックを出した。

 

 ゴルダックを出すと早々にゴルダックを水中に潜らせる。

 ピカチュウは何処にゴルダックが潜んでいるのか右を見ては左を見るので「一番端にある浮島に向かってから【なみのり】フィールド全体を包み込め!」と水中に潜っているゴルダックを引きずり出す方法を指示するとピカチュウは浮島を飛び移りフィールドの端にある浮島に辿り着くとサーフボードを出現させて津波を巻き起こして【なみのり】を使いフィールドの水を移動させてゴルダックを炙り出すのだがゴルダックも【かなしばり】を使ってきて今度はピカチュウの【なみのり】が封じられた。

 

【なみのり】が封じられたのは痛いには痛いが、対応する事は出来る。

 既にゴルダックは水の中から撃ち出されたんだと【10まんボルト】をゴルダックに浴びせるとゴルダックは戦闘不能になる。コレで5体と残すところは1体だけとなり、最後に出てきたのはトドゼルガだった。最後に強いのが出てきたなと思っているとトドゼルガは【れいとうビーム】をフィールドに向けて撃つ。

 

 水のフィールドはあっという間に凍りついて氷のフィールドに様変わりした。

 幸いにも浮島は凍らせられてない。ツルツル滑るフィールドでの戦闘は危険だと思っているとトドゼルガは【のしかかり】で攻撃してくるのだが凍りついたフィールドを滑って物凄い速さで突撃して【のしかかり】を撃ってくる。

 

 ちょ、コレは速すぎると【のしかかり】を受けるピカチュウ。

 耐える事が出来ているので【10まんボルト】を放ってトドゼルガに当てるのだが、トドゼルガは直ぐにピカチュウから離れて距離を置く。

 さっさと倒すぞと【10まんボルト】で攻めてみるのだがトドゼルガは華麗に氷の上を滑って回避する。氷のフィールドの上ではトドゼルガの方が有利だが、そのフィールドを壊しさえすればどうとでもなる。

 

【アイアンテール】を凍りついたフィールドに向かって叩きつける。

 氷塊が飛び交うかと思ったが中の部分はまだ完全に凍りついていないのか氷が浮かぶ水のフィールドが完成する。取り敢えずコレでトドゼルガの厄介な氷の上の高速移動を封じる事が出来たがトドゼルガは氷水の中に潜った。

 

 ピカチュウの【なみのり】はまだ使う事が出来ない。

 流石のピカチュウも氷水の中に飛び込めばダメージを負ってしまう。どうしたものかと考えてみるがいい案が浮かばない……ポケモンの交代を一瞬だけ視野を入れるのだが折角ここまで来たのならばピカチュウでトドゼルガを倒したい。

 

 トドゼルガが来るのを浮島で待っているとトドゼルガは【アイスボール】を水中から撃ってくる。

 1発、2発と浮島に向かって撃ってきておりピカチュウが立っている浮島は大きく揺れて4発目のアイスボールで浮島は飛び上がった。氷水のフィールドに落ちればトドゼルガのものになってしまうとピカチュウに落ちないように踏ん張ってもらうのだが浮島はひっくり返され、そこを狙ったかの様にトドゼルガは水中から顔を出して5発目の【アイスボール】を撃ってきたのでピカチュウに【ボルテッカー】で突撃してもらい【アイスボール】を撃ち抜いてトドゼルガに激突し、トドゼルガは氷水の中に沈んだ。

 

 コレはどっちかと思っているとピカチュウは氷水の中に漬かる。

 ピカチュウはここで限界を迎えて氷水の上に浮かび上がる。【ボルテッカー】の連発をし過ぎたが後悔は無い。審判がピカチュウに対して戦闘不能のジャッジをくだそうとするのだがトドゼルガが目を回した状態で浮いてきた。

 

「トドゼルガ、ピカチュウ、共に戦闘不能!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!」

 

 ピカチュウとトドゼルガが戦った結果、引き分けに終わった。

 華麗に勝ちたかったけどもコレが今のオレの限界かと一先ずは1回戦を突破したのでホッとする。氷水の上を走りピカチュウを抱き抱える。結構無茶な作戦を出したりもしたのにピカチュウは頑張ってくれた。この試合のMVPは紛れもなくお前だぞとピカチュウを褒める。

 

「……お前のピカチュウどうなってんの?」とピカチュウの圧倒的な強さに上手く言葉も出ないユウキ。

 当初の目的のポケモンとは違うがオレのピカチュウは最初のポケモンだけあって軟な鍛え方はしていないぞ。フルバトルでここまで余裕を残しての勝利は中々に無いものであり、もっと苦戦するものだと思っていたらしい。伊達にポケモンリーグ優勝経験者じゃないからな……フルバトルで余裕を持っての大勝出来るぐらいじゃないと何れは戦う四天王やチャンピオンには敵わない。

 

 オレが圧倒的な勝利を決めたので燃え上がるホウエンリーグ・サイユウ大会。

 その後もマサムネが、テツヤさんが、ユウキが試合を行い危なげなく勝ち進み夕方頃には全試合が終わりベスト16がセントラルのポケモンセンターに集まり対戦相手が発表される。オレの対戦相手はマサムネでマサムネは衝撃を隠せていなかった……青いな。



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マサムネのリベンジ

 

 ホウエンレポート101(マサムネのリベンジ)

 

 流石に3度目のポケモンリーグともなれば昨日のバトルの精神的疲労が残っていると言った事は無い。

 朝早くに目を覚ますとベッドから降りてマサムネの手持ちを確認する。マサムネの手持ちはグライガー、メタング、ハガネール、キリンリキ、ガーディ、ラグラージと【じめん】と【はがね】と【エスパー】に偏っている。

 取り敢えずこっちもラグラージは確定で他はどうしようかと考える。ベトベトンは無しだな、色々な意味でマサムネと相性が悪すぎる。ピカチュウは昨日の激闘で疲れているからピカチュウも無しでどうしようかと考える。

 

 悩みに悩み抜いた結果、6体のポケモンを選出する。

 早い内に6体のポケモンを登録する事が出来て良かったと思いつつ朝食を頂きに行けばマサムネと遭遇した。

 

「サ、サトシ……」と気まずそうにしているマサムネ。

 オレは気にせずにセレナと一緒になって朝食を頂くのだがセレナが「マサムネ、大丈夫かな?」とマサムネの心配をしている。今回がポケモンリーグ初出場なマサムネはオレとのバトルを躊躇っている……なにを躊躇う必要があるんだろうな?

 

 彼奴は自分で宇宙一のポケモンマスターになると言っている。ならばこの大会で勝たなければならない。

 ユウキだろうとテツヤさんだろうとオレだろうとジョーイさんだろうと倒さないといけないんだ。なのに仲良くなったオレに対して躊躇いを持っている……ヌルいとか甘いとかそういう次元じゃない。最終的に勝ち残るのは1人しか居ない大会なんだぞ。

 

 それはそれ、コレはこれと割り切る事が出来ていない時点で生温い。

 オレがセキエイ大会の決勝でケンタと本気のフルバトルをした時だって悲しむどころか楽しもうとしていたんだから。それともアレだろうか?オレと決勝戦で熱いバトルでも繰り広げる事が出来るとでも思っていたのか?甘い、甘いぞ。

 

 マサムネに対してかける言葉は一切無い。一度負ければそこで終わりな大会なんだからそんな情けは無用だ。

 サトシくんならば熱い説得をしていたのだろうがサトゥーシくんはそんな甘さは見せないのである。マサムネは1人で食事を取っており元気が無い。後から来たハルカやテツヤさんもマサムネの異変に気付くのだがユウキが「ほっとけ」と冷たい事を言う。コレばかりは自分で割り切る事が出来なければ意味は無い。対戦相手のオレがなんか言えるわけがない。

 

 マサムネは悩んでいるがオレは特に気にせず、決勝トーナメント2回戦が開始した。

 フィールドは草のフィールド、悪くはないフィールドでオレがマニューラを出せばマサムネはキリンリキを出してきた。よぉし、やるかとやる気を出して試合開始の合図が告げられた。

 

 開幕ぶっぱだとマニューラに【ねこだまし】を使わせてキリンリキを攻撃する……【ねこだまし】はあっさりとキリンリキに当たった。当たったには当たったのだがマサムネはなにも指示をして来ない。この野郎、この期に及んでもまだオレと戦う覚悟が出来ていないのか。マサムネに苛立ちつつもオレはマニューラに【つじぎり】を使わせる。【ねこだまし】で怯んでいるキリンリキは【つじぎり】を受けて大ダメージを受ける。

 

 キリンリキは起き上がったと思えばマサムネの指示を待つ。

 しかしマサムネはキリンリキに攻撃を回避する様に指示を出すのだがマニューラの素早さの方が上でキリンリキにあっという間に追い付いて【つじぎり】を叩き込んでキリンリキを戦闘不能にする。

 

「戻れ、キリンリキ」とキリンリキを戻したマサムネ。次に出したのはガーディだったのでマニューラをボールに戻してラグラージを出す。

 事前の情報が間違い無ければ大体はラグラージで突破する事が出来る。ガーディを交代するのかと思ったがマサムネはガーディのままで続行するので回避不可能な【じしん】を撃つ。【じしん】の衝撃波ならばマサムネのガーディも回避不可能で予想通りと言うべきか【じしん】の衝撃波でガーディは吹き飛ばされるがガーディは耐え抜いて起き上がりマサムネに指示を仰ぐのだが、マサムネは指示を出さない……見かねた審判が「やる気が無いのならば試合放棄と見做して失格にするぞ」と言う。

 

 やっぱりサトシくんらしく激の1つでも飛ばすべきかと考えているとマサムネは「オラの負けだ」とガーディをボールに戻した。

 おいおいおい、試合が始まったばかりでここからの逆転も十二分にありえるって言うのに負けを認めるのか?色々と言いたいことはあったがマサムネが負けを認めたので試合は終了した。

 

 折角色々と戦術を組み立てたのに幾らなんでもそれは無いだろう。

 サトシくんらしく激を飛ばせばよかったんじゃないかと後になって後悔しつつもフィールドを後にする。マニューラもラグラージも一切ダメージを受けていないからポケモンセンターには向かわない。折角面白いバトルが出来るんじゃないかと期待していたのに実につまらない終わりになってしまった。

 

 昼ごはんを食べに行こうとするとマサムネとユウキが対峙していた。

「君、ポケモンリーグをナメてるの?」と若干どころか結構キレているユウキ。「オ、オラは」と何かを言おうとしているマサムネだがユウキはそんなマサムネに対してビンタを叩き込んだ。暴力沙汰は流石にマズいんじゃないの?

 

 ユウキの奴は「ポケモンリーグは最後の1人になるまで戦い続ける大会だ。友達と当たったから戦えない?笑わせるな。友達だろうと敵である事には変わりないんだ。なにを躊躇う必要がある?お前のポケモン達はお前の指示を待っていた。お前と一緒に戦って勝つんだと意気込んでいた……お前はトレーナー失格だ!」と本気でキレている。

 

 マサムネは無言でモンスターボールからポケモン達を出した。

 ポケモン達はマサムネに寄り添う。マサムネが途中で試合を投げ出したがマサムネのポケモン達は本気で勝つつもりだった。その事が分かると「すまねえ、すまねえ皆……オラはトレーナー失格だ!お前達はオラと一緒に勝ちたかったんだよな」と涙を流すマサムネ。

 

 ったく、今頃になってポケモン達の気持ちが分かるのか……自分の不甲斐なさを悔やんでももう負けてしまったので後悔しても意味は無い。が……オレもオレで不完全燃焼なところがある。マサムネの前に姿を現せば「サトシ、すまなかった!」と謝ってくるマサムネ。

「本当に申し訳無いと思っているんだったらオレと真剣勝負をしろ……さっきのフルバトルの続きをするぞ」とモンスターボールを取り出せば「ああ、分かっただ!」

 

 開いているバトルフィールドに向かいさっきのバトルの続きをする。

 さっきのバトルの続きということなのでキリンリキは戦闘不能でガーディからオレはラグラージからで再開をする。

 マサムネはポケモンを戻すかと思ったがそのままで続行するマサムネ。「気合を見せつけっぞ!ガーディ【とっしん】だ!」とガーディで突撃して来るのでラグラージに【ストーンエッジ】で地面から岩を生やしてもらい突撃してくるガーディを吹き飛ばす。

 

「まだまだぁ!【かえんほうしゃ】」と攻め手を変えてくるマサムネ。

 コレは耐える事が出来る技なのでラグラージには真正面から受け止めてもらいつつもガーディとの間合いを詰めて【たきのぼり】をくらわせる。ガーディはコレにより戦闘不能、マサムネはガーディをボールに戻す。「ラグラージにはラグラージだ!いけぇ、ラグラージ!」とラグラージを出すのでラグラージをボールに戻す。

 

 マサムネ戦での1番の鬼門はラグラージだ。ラグラージを倒すことさえ出来ればどうにかする事が出来る、ラグラージ対策の為にコイツを入れてきたんだとジュカインを出す。

「相性がどうしたってんだ!オラ達の気合いで吹き飛ばすぞ!【きあいパンチ】」と間合いを詰めてきて【きあいパンチ】で殴りかかろうとするのでジュカインに【リーフブレード】で対抗してもらう。

 

 ぶつかり合う【リーフブレード】と【きあいパンチ】

 技の威力は互角、弾かれる【リーフブレード】と【きあいパンチ】だが勝負は見えた。【きあいパンチ】を撃つのにはタメがいる。対して【リーフブレード】はタメがいらず尚且つもう一つの腕でも繰り出す事が出来る。

 追撃の【リーフブレード】を叩き込もうとするとマサムネはもう片方の腕で【きあいパンチ】を入れようとするのだが気合いを溜める事が出来ずにジュカインの【リーフブレード】が叩き込まれる。

 

 流石は4倍のこうかはばつぐんだがラグラージは倒れる事は無かった。

 何時ぶっ倒れてもおかしくはないぐらいには追い詰める事が出来たけれどもここからが厄介だ。ラグラージはとくせいの【げきりゅう】が発動する範囲内にまで届いており、青いオーラを身に纏う。

 

「行くぞ、ラグラージ!【ハイドロカノン】だ!」と【ハイドロカノン】を撃ってくるのでジュカインに【リーフブレード】で【ハイドロカノン】を真っ二つに切り裂いてもらうと【ハイドロカノン】の水の玉が激しい水飛沫を上げてジュカインを後退させる……が、ジュカインを倒すまでには至らない。【ハイドロカノン】は撃てば少しの間動けなくなる技、向こうが【ハイドロカノン】を撃ってくるのならばこっちもだと【ハードプラント】を使い地面から巨大な根っこを生やしラグラージにぶつけると今度こそラグラージは戦闘不能になる。

 

 コレでマサムネの手持ちは3体になった。

 本来ならばここでフィールドチェンジだがこの野良試合ではフィールドチェンジと言う事は無い。少し残念だと思いつつもマサムネが4体目に出してきたのはグライガーだったのでジュカインを即座にボールに戻す。流石に【ハードプラント】を撃った後だとジュカインもまともに身動きを取ることが出来ない。【ハサミギロチン】とか飛んできたら普通に負ける。

 

 ジュカインをボールに戻したので出番だとマニューラを出す。

 ラグラージを出しても良かったのだが【ハサミギロチン】が命中した万が一が恐ろしいし、グライガーは【じめん】【ひこう】タイプのポケモンだ。マニューラでも充分に対応する事が出来る。

 

 グライガーの覚えている技は事前に情報収集済みだ。

 近距離接触技しか覚えていない。マサムネは交代するのかと思ったがここでも交代しない……猪突猛進なのは良いことだが気合いだ根性だの精神論を押し付けてポケモンに無理をさせるのはトレーナーとして失格じゃないだろうか。

 

 グライガーは【はがねのつばさ】で突っ込んでくるのでマニューラに【ねこだまし】を撃ってもらいグライガーを怯ませる。

 やはり開幕【ねこだまし】ぶっぱは強いなと怯んでいるグライガーに向かって【れいとうパンチ】を叩き込む。このコンボ、マジで役に立つ。

 

【れいとうパンチ】で殴り飛ばされたグライガーは立ち上がり飛ぼうとする……が、上手く空を飛ぶことが出来なかった。

 マニューラが【れいとうパンチ】で翼の一部をカチンコチンに凍らせる事に成功しており、凍った翼が飛行の邪魔をして空中を飛ぶことが出来ない。尻尾を地面に叩き付けてグライガーは飛び立とうとするが空中で体勢を維持する事が出来ない為にゆっくりと落下していく。

 

 空を飛ぶことが出来なくなったグライガーは怖くはない。マニューラに【れいとうパンチ】を指示し、グライガーを殴り飛ばす。

 4倍弱点の技を2度も受ければ流石のグライガーも立ち上がる事は出来ずに戦闘不能、コレでマサムネのポケモンは残すところは2体だ。マサムネが次に出してきたのはハガネール、オレは直ぐにマニューラをボールに戻してラグラージに入れ替える。

 

 ラグラージに入れ替えるとマサムネはハガネールに【すなあらし】を使わせる。

 フィールドが砂嵐で見えづらくなるがラグラージは【じめん】タイプのポケモンでもあるのでこの程度は造作でもない。取り敢えずラグラージに【じしん】を使わせればハガネールも【じしん】を使って相殺してくる。ですよね〜と思いつつも間合いを詰めて【たきのぼり】でハガネールを攻撃するのだが流石というべきか耐久力が凄まじい。こうかはばつぐんの技を受けてもピンピンとしている。【じしん】を覚えてるので他のポケモンに交代するのは無しだからどうしようかと悩んでいるとハガネールが【アイアンテール】で攻撃してくるので【アームハンマー】で対抗する。

 

 【リーフブレード】vs【きあいパンチ】の時と同じで技の威力は五分五分で引き分けに終わる。

 これはどうしようかともう片方の腕で【れいとうパンチ】を叩き込むのだが中々に攻略出来ない。物理防御力が高いから中々に攻め落とす事が出来ない。【じしん】でやられる可能性もあるが別のポケモンに交代するかと考えているとマサムネは【ストーンエッジ】を撃ってくるので【じしん】で岩から地面が生えるよりも先に岩を砕いた。【ストーンエッジ】を撃っていた為に【じしん】を防ぎ切る事が出来ずにハガネールはダメージを受けて……やっと息が乱れる。

 

 ホントに硬いな、ハガネール。物理近距離メインのラグラージじゃなくて特殊中遠距離のキングドラを登録した方が良かったのかもしれない。

 とはいえ徐々に徐々に牙城を崩すことが出来ている。マサムネもそれを感じたのか今まで使ってこなかった【りゅうのいぶき】をハガネールに使わせるのでラグラージに【れいとうパンチ】でガードをしてもらいながら前進し【アームハンマー】を叩き込んで遂にはハガネールを撃ち倒す事に成功した。倒すのに中々に苦労させる。

 

 コレでマサムネのポケモンは残すところは1体だけとなった。

 最後はお前だと「メタング、気合いを入れてこっから逆転すっぞ!」とメタングを出した。メタングが来たのでここまでだとラグラージをボールに戻し、温存していたヘルガーを出す。

 

「メタング【しねんのずつき】だ!」とメタングに【しねんのずつき】を使わせるが甘い。ヘルガーは【あく】タイプのポケモン【しねんのずつき】は効かない……が、普通にヘルガーに激突して突き飛ばした。大したダメージにはなっていないが【しねんのずつき】は【とっしん】になった。相変わらずアニポケのポケモンバトルはおかしいなと思う。

 

【しねんのずつき】自体は失敗しているのだが【とっしん】は成功している。

 手応えがありだとマサムネは【とっしん】を使わせてくるのでヘルガーに距離を取ってもらい【かえんほうしゃ】を撃ってもらう。ヘルガーの【かえんほうしゃ】はメタングに命中するのだがメタングは倒れない。しかしメタングは苦しんでいるので確かなダメージになっている。

 

 このまま勝負は頂いたと思っているとメタングの体から炎が噴出する。メタングは【やけど】状態になった。

 コレでますますオレに有利な展開になっていると思っているとマサムネが「メタング、気合いだ!【やけど】なんて気合いで跳ね除けろ!」と結構な無茶を言ってくる。流石に【やけど】は気合いで跳ね除ける事は出来ない。勝負はこっちのものだと思っているとメタングの体が眩く光を放つ。

 

 つい最近、ダンバルからメタングに進化したばかりなのにもう進化するのか。

 マサムネのメタングはメタグロスに進化を果たした……コレはマズイんじゃないかと思っているとマサムネが「メタグロス【アームハンマー】だ!」と渾身の一撃をくらわせに来る……この手はあまり使いたくはないのだがメタグロスの【アームハンマー】は回避不可能だと判断したので……【みちづれ】を使わせた。

 

 進化後のパワーは流石と言うかなんというかメタグロスの【アームハンマー】はヘルガーを一撃で倒すほどの威力を秘めていた。

 600族マジで半端じゃないと思っていると殴り飛ばされたヘルガーから黒い靄の様なものが出現し、メタグロスを包み込むとメタグロスは戦闘不能になった。

 

 キリンリキ、ガーディ、ラグラージ、グライガー、ハガネール、メタグロスの6体全てが戦闘不能になった。

 審判は居ないのだが全員を倒すことに無事に成功した……ラグラージがいい仕事をしてくれたおかげでポケモンを大半失わずに済んで良かった。

 

「だぁ〜負けだ!負けだ!オラの負けだ!」とマサムネは素直に負けを認める。今朝の暗い顔が嘘の様で清々しい晴れた表情を見せてくる。

 最初からやる気を出していればもっと結果が変わってかもしれない……が、タラレバの話はあまり良くない事なので直ぐに考える事をやめて「オレの勝ちだ」と言えば「ああ、オラの負けだ!だけどな、サトシ。次当たる時はオラがお前を倒す!」と宣戦布告してくる。

 

 次に当たる時があるかどうかは知らないが、仮に次に当たったとしてもオレは勝利してみせる。

「サトシ、オラに勝ったんだからぜってえに優勝しろよな!」と言ってくるので「見とけよ、オレの優勝する姿を!」と返す。

 

 マサムネを倒すことが出来ずにモヤモヤしていたのが解消する事が出来て良かった。

 しかしマサムネとバトルをしていた為にテツヤさんやユウキの試合を見ることが出来なかったのはちょっと残念だ……二人共無事に準々決勝に駒を進める事が出来たみたいだ。

 

 マサムネのモヤモヤしていたのが解消する事が出来たし、コレで一件落着だ。

 2回戦も無事に全部終えたのでセントラルのポケモンセンターに向かえば次の対戦相手が発表される。次の対戦相手はテツヤさん……さて、今回もサトシくんキラーを撃ち破らないとな。



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倒せ サトシくんキラー

 

 ホウエンレポート101(破れサトシくんキラー)

 

 準々決勝、なんだかんだでここまで来たのである。

 オレの対戦相手はテツヤさん。テツヤさんの情報を事前に集めてみればバランスは中々に悪くは無いから今回は明日の準決勝に出さないポケモンでパーティを構成しないといけない。幸いと言うべきかマサムネ戦でそんなにポケモン達が傷付かなかったし余裕を持ったパーティ構成を作れる。

 

 エースはニャースなので【かくとう】タイプのポケモンは確定だと色々とパーティをイメージして最終的に選出する6体を登録しオーキド博士の研究所に連絡を取ってポケモンを入れ替える。それと同時にロケット団が現れないか警戒しておく。万が一はホントに恐ろしいからな。

 警戒心を剥き出しにしつつも無事にサイユウスタジアムに辿り着く……ユウキの奴が先に試合だったのだがユウキの奴はボスゴドラとミロカロスとキノガッサの3体だけでフルバトルを突破した……オレにフルバトルで負けたのが嘘の様に思えるぐらいの速度で成長していっている。キノガッサの確定の【キノコのほうし】と【マッハパンチ】のコンボが地味に強いよ。

 

 ユウキの奴は無事に準決勝に駒を進めたので今度はオレの番だ。

 

『「さぁ、準々決勝も残り1試合!ここまで快勝に勝ち進んできたサトシ選手!対するテツヤ選手も危なげなく勝ち進んできた猛者!この試合、どちらに軍配が上がるのか!」』

 

 とハードルを上げてくる実況。

 あんまりハードルを上げられるとこっちもこっちで対応しづらくなる。まぁ、何時も通りのバトルをしておけば観客は喜んでくれるだろう。

 前半戦のフィールドは草のフィールド、ルーレットによりテツヤさんの先攻で決まりテツヤさんはジュカインを出してきた。ジュカインが相手ならばお前の出番だとコータスを出す。

 

 やっとポケモンリーグの場に出せたとコータスは鼻息を荒くして煙を発する。

 試合開始の合図が告げられるとテツヤさんはジュカインに【ソーラービーム】を撃つように指示する。【はれ】状態じゃない【ソーラービーム】は撃つのに溜める時間がいる。そこをどうするかと考えた結果コータスには【ステルスロック】をバラまいてもらう。

 

 フルバトルは長期戦だからな、最初の段階で相手のHPを削るこの技の指示に間違いは無いと思いたい。

 コータスが【ステルスロック】を撒き終えるとテツヤさんのジュカインが【ソーラービーム】の発射の準備が終わり【ソーラービーム】を撃ってきたので【オーバーヒート】で対抗する。

 ぶつかり合う【オーバーヒート】と【ソーラービーム】は爆発を巻き起こした。爆風が吹き荒れて煙が舞うのだが、煙は直ぐに晴れてジュカインとコータスは立っていた。

 

 ここからが勝負になるが、コータスは【オーバーヒート】を撃ってしまった。とくこうが二段階減少している。

 コータスの覚えている技的にもテツヤさんのジュカインのレベル的にもここらが潮時だなとコータスをボールに戻し、ベトベトンを出す。久しぶりの公式戦だが問題無くいけるだろう。

 

 テツヤさんのジュカインは【リーフブレード】で攻めてくる。

 ベトベトンはその形のないヘドロの体で【リーフブレード】を受け止めると【どくづき】をジュカインに叩き込む。【リーフブレード】じゃ効果が薄いと判断したテツヤさんはジュカインに【タネマシンガン】を連射させてくるがそもそもで【くさ】タイプの技自体が効果が薄い。

 

 今のうちに仕上げも行っとくかと【どくびし】を2回使う。

 その間にジュカインが【ソーラービーム】を撃ってくるのだがベトベトンは見事に耐え抜く事が出来た……が、ダメージを負っているのでボールに戻して再びコータスを出す。ボールに戻したので【オーバーヒート】のとくこう下降がコレで綺麗さっぱり消え去っている。

 

 ジュカインは【リーフブレード】で攻めてくるのでコータスに【かえんほうしゃ】を撃ってもらう。

 ジュカインは炎を切り裂いて突撃してくる。【リーフブレード】で切り裂いているがダメージにはなっている筈だ……がジュカインが止まらないので【てっぺき】を使ってガードする。

 

 持ち前の頑丈さと【てっぺき】が合わさり【リーフブレード】で倒せなくなった。

 甲羅に頭を引っ込めているコータスに【リーフブレード】で連打してくるが大したダメージになっていない。コレはと判断したのかテツヤさんはジュカインに距離を取らせて【ソーラービーム】を撃つように指示を出した。【ソーラービーム】を撃つのを待っていたんだ。

 

 コータスに【ソーラービーム】を撃つ為に太陽光を吸収してエネルギーを蓄えているジュカイン目掛けて【オーバーヒート】を放つ。

 さっきとは違うんだぞとコータスが放った【オーバーヒート】がテツヤさんのジュカインに命中し、テツヤさんのジュカインは戦闘不能になった。やっと1体目を倒すことが出来た……サトシくんキラーでサイユウ大会優勝の実績はマジである。油断も隙も無い。

 

 とはいえここからがオレのステージだ。ジュカインをボールに戻し、次にテツヤさんが出してきたのはハリテヤマだった。

 ハリテヤマは【あついしぼう】の特性なんだろうがそれよりもと尖った岩の破片がハリテヤマに向かい更にはフィールドに立ったハリテヤマは苦しそうな顔をして顔色を悪くする。

 

【ステルスロック】によりダメージを受けるだけでなく【どくびし】により毒を浴びる。しかもただの毒じゃない、【どくびし】を2発撃ったので【もうどく】状態になっている。テツヤさんのポケモンに【こうそくスピン】や【きりばらい】を覚えるポケモンは居ない筈だ。

 手持ちを交代しても意味は無いのだとハリテヤマに【つっぱり】を使って前進してくるので【かえんほうしゃ】を浴びせるのだが【オーバーヒート】を撃った後+【あついしぼう】で大したダメージになっておらずハリテヤマの【つっぱり】の張り手をくらうが事前に【てっぺき】を積んでいたおかげで倒れない……が、ここらが潮時だなと【だいばくはつ】を指示してコータスは【だいばくはつ】し、爆発の衝撃にハリテヤマを巻き込む。

 

 爆風と煙が晴れると倒れているコータスとハリテヤマ。

 コレでテツヤさんの2体目を倒すことが出来たとコータスをボールに戻した後に感謝する。試合を優勢に進める事がコレで出来るんだ。

 テツヤさんの3体目はドンファンならばとこちらはオオスバメを出す。

 

 ドンファンは尖った岩と【どくびし】の【もうどく】を受ける。テツヤさんは余裕を……見せない。

【どくびし】で【もうどく】になっているからなるべく早くに倒しておかなければ劣勢に立たされてしまう。ドンファンが相手ならばとこっちはオオスバメを出す。オオスバメはやる気に満ちている。

 

 先に仕掛けてきたのはテツヤさんのドンファンだった。

 体を丸くして【ころがる】で転がってきて突撃してくるのだがオオスバメは空を飛んで回避する。流石のドンファンも空をとんでいるオオスバメに【ころがる】を当てる事は出来ない。フィールドが岩のフィールドだったら岩を利用して高くにジャンプする事が出来たが今は草のフィールド、空高くにジャンプする事は出来ない。

 

 速度が徐々に徐々に上昇していっているドンファンの【ころがる】

 まともに受ければこっちが戦闘不能になっていたなとオオスバメに空中に留まる様に言う。流石のテツヤさんも【ころがる】が通じないと分かればドンファンに【ころがる】を中止させて【こおりのつぶて】を使ってくるがオオスバメは【ねっぷう】で【こおりのつぶて】を溶かす。

 特殊系の技も一応は覚えているんだと思いつつも試合は動く。向こうの攻め手を殺したのでこっちが攻める番だとオオスバメに【ブレイブバード】を指示して突撃させり。テツヤさんはそれを待っていたと言わんばかりに【ころがる】で突撃してくる。

 

 ぶつかり合うドンファンとオオスバメ。

 勝負を制したのはドンファンでオオスバメはフィールドの端に突き飛ばされるがまだ倒れないのだがドンファンが一気にギアを上げてきた。回転速度を最大にしてドンファンはオオスバメ目掛けて【ころがる】を使ってきてオオスバメが空に逃げる前に【ころがる】でオオスバメを跳ねた……コレでオレも2体目がやられてしまった。やっぱそう簡単に勝たせてはくれないかとオオスバメに良くやったと言い4体目のカビゴンを出す。

 

【ころがる】の回転は既に終わっている。

 ここからどう攻めてくると思っているとカビゴンに向かって【じしん】を撃ってくるドンファン。カビゴンは高くジャンプすると「カヒゴンにそんな跳躍力があるのか!?」と驚くテツヤさん。オレのカヒゴンは見た目以上に素早いんだよとそのままドンファンに向かって【のしかかり】をくらわせるとドンファンは戦闘不能になる。

 

 やっぱり【どくびし】の【もうどく】がジワジワと効いている。このままコレを生かせれば……と思っているとフィールドチェンジと来た。

【ステルスロック】は浮いている石なのでフィールドをチェンジしても意味は無いが、フィールドにバラまいている【どくびし】はフィールドチェンジによりリセットされてしまう。実に厄介なルールだ、フィールドチェンジは。

 

 草のフィールドから切り替わり、岩のフィールドになった。

 テツヤさんが4体目に出したのはダーテング、尖った岩の破片が食い込みバトルスタート。ダーテングに有効な技をカビゴンは覚えていると【れいとうパンチ】で攻めに行こうとするのだが、ダーテングは軽々と避ける。

 ダーテングを追い掛けてカビゴンに【れいとうパンチ】を入れてもらうのだがダーテングは軽々と避ける。ダーテング、カビゴンを余裕で上回る素早さを持っている。

 

 どうにかして倒さないといけないが……いっそのこと手持ちを切り替えるかと考えているとダーテングは【あくのはどう】を撃ってくる。

 カビゴンの耐久力を舐めるなよとカビゴンに受け切ってもらい【れいとうパンチ】を叩き込もうとするのだがダーテングは避ける。完全に追い付くことが出来ない……スピード系のポケモン、オオスバメがやられたのは地味に痛い。オオスバメが居てくれたら【ブレイブバード】で倒すことが出来たんだが……最初からカビゴンでドンファンを倒してたらよかった。

 

【ソーラービーム】か【ソーラーブレード】の様に溜めが必要な技を使ってくれないかと期待はするがそれを使えばやられると分かっているのでテツヤさんは攻めてこない。これ以上は攻めてもただカビゴンを疲れさせるだけだとカビゴンをボールに戻し、ベトベトンを再びフィールドに出す。

 

「ベトベトン……」と呟くテツヤさん。

 ついさっき予想外な一撃を受けただけにベトベトンに対して強く警戒をしているのだろうが、こっちは攻めさせてもらうともう一度【どくびし】を撃つと【シャドーボール】で攻撃してくるがベトベトンの耐久力を舐めたらいけねえ。ベトベトンは【シャドーボール】を耐え切り2発目の【どくびし】を撒くことに成功した。

 

 これで十分仕事を果たしてくれたが、まだ終わりじゃないと思っているとテツヤさんはダーテングをボールに戻した。

 この状況でポケモンを交換するのは悪手じゃないかと思っていると5体目のポケモンが、メタグロスが出て来た。メタグロスは【はがね】タイプのポケモン、【どくびし】の効果は無いのだが【ステルスロック】の効果はあると尖った岩の破片が食い込むがメタグロスには大したダメージにはなっていない。

 

 メタグロス……ホントにホウエンに来てからは結構な割合でメタグロスに遭遇しているな、うん。

【ほのお】タイプのポケモンはコータスしか登録していないのでメタグロスに対する有効打はほぼ無いとメタグロスに【ほのおのパンチ】で攻める。こうかはばつぐんの技でメタグロスは苦しむのだがメタグロスは痛みを振り切り【しねんのずつき】をくらわせるとベトベトンは吹き飛び一撃で戦闘不能に陥った……やはり600族は強いな。

 

 3体目が戦闘不能になり次に出したのはカビゴンだ。カビゴンならばやってくれると【はらだいこ】を使い極限まで物理攻撃力を高める。

 メタグロスは【コメットパンチ】を撃ってくるのでカビゴンに回避させる。メタグロスのタイプ一致のコメパンをくらうのは流石にマズい。一直線に高速で突っ込んでくるのでジャンプして回避し【ほのおのパンチ】を叩き込むのだがコレでもまだ倒れない。どんだけ強いんだテツヤさんのメタグロスは。

 

 とはいえ息は乱れてる。

【ほのおのパンチ】一撃で倒せないならば連撃だ。メタグロスの弱点は知っているとカビゴンにメタグロスの頭の上に乗ってもらい【ほのおのパンチ】を連打するとメタグロスは【やけど】状態になる。

【こうそくいどう】を使おうにも乗っているカビゴンが重すぎて使えない。となると残された技は1つだと【サイコキネシス】でカビゴンを浮かせて吹き飛ばしカビゴンは戦闘不能になった。

 

【はらだいこ】積んでる【ほのおのパンチ】の連打を受けても戦闘不能にならないとかどうなってるんだと思いつつもカビゴンをボールに戻す。

 こっちの残りの手持ちは2体、対するテツヤさんは3体で内1体のメタグロスは瀕死寸前、ダーテングは【ステルスロック】のダメージを受けている。最後に控えているのは長靴を履いたニャースだが、長靴を履いたニャース対策はしてきている。

 

 5体目はお前だとゲンガーを出す。

 瀕死寸前のメタグロスを入れ換えるかと思ったがそのまま続行するのでならばとゲンガーに【シャドーボール】を最速で撃って貰えばメタグロスに命中しメタグロスは戦闘不能になる。

 

 これでテツヤさんの手持ちも2体だ。

 ダーテングが出てきたので【ステルスロック】と【どくびし】を受けてもらう。一瞬にしてダーテングの息は乱れる。テツヤさんはチンタラしていられないとダーテングに【シャドーボール】を使わせるのでこちらも【シャドーボール】で対抗し……【アンコール】を使う。

 

 ダーテングの【シャドーボール】のぶつかり合いを見て確信した、ゲンガーならばダーテングの【シャドーボール】を撃ち破る事が出来ると。

【アンコール】で使う技を固定させて更には【どくびし】と【ステルスロック】で長靴を履いたニャースに交代するに出来ない状況にまで追い込んだ。テツヤさんは苦しい顔を見せるがここでその表情を見せるという事は詰みに近い。

 

 ゲンガーに【ヘドロばくだん】を吐いてもらいダーテングにぶつけるとダーテングは戦闘不能になった。

 残すところは1体、後1体倒せば今回も原作ブレイクをする事が出来る……だが、油断はしてはいけない。

 

 テツヤさんの6体目として出てきたのは長靴を履いたニャースだった。

 コイツを倒せばと先ずは【ステルスロック】と【どくびし】を受けるニャース。しかし負けるものかと踏ん張っている……が、【もうどく】が回っている。

 

 ニャースは【10まんボルト】を撃ってくる。

 ゲンガーに対して【きりさく】とかは効果が無いので【10まんボルト】ぐらいしか残っていない。その技ならば効くかと【ヘドロばくだん】を放つとぶつかり合って爆発を巻き起こす。

 

【10まんボルト】を【ヘドロばくだん】で相殺する事が出来たがどうすると見ていると【アイアンテール】で攻めてきたのでゲンガーは空中に飛んで回避して【アンコール】を撃つとニャースは聞こえるレベルの舌打ちをする。

 これで暫くの間はニャースは【アイアンテール】しか使えない。攻めてくる方法が分かりさえすれば怖くはないのだと【アイアンテール】で突撃してくるニャースに【サイコキネシス】を放ち突き飛ばして岩に激突させる。

 

 ニャースは負けてたまるかと立ち上がろうとする。

 だったら最後までこのバトルを付き合ってやろうじゃねえかと思っているとニャースは倒れた……【どくびし】と【ステルスロック】がここで上手い具合に仕事をしてくれてニャースは戦闘不能になった。

 

 やっぱり【どくびし】と【ステルスロック】のコンボは強い。ニャースが戦闘不能になったので審判が「ニャース、戦闘不能!ゲンガーの勝ち!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!」とオレの勝利を宣言すると観客達が大きく声援を上げる。

 

 破った、破ったぞサトシくんキラーを!

 これで原作ブレイクだと大きくガッツポーズを取る。テツヤさんが近付いてきて「負けたよ」とオレに握手を求めてくる……書いててなんだがマジでホウエンでゲットしたポケモンだけしか使わない舐めプをしないで正解だったと思う。過去に捕まえたポケモンを使っていなかったらもしかするとテツヤさんに負けていたかもしれない。

 

 コレでオレも無事に準決勝に進出だ。

 オレとテツヤさんの試合で準決勝が全て終わった。一先ずは頑張ってくれたポケモン達を回復させないといけないとセントラルのポケモンセンターに向かいポケモン達を治療させる。ドクターストップが掛かるポケモンは今回は居ない……6体目のコイツを出さなかったのは良かったことなのかそれとも……う〜ん、まぁ、いいか。

 

 ポケモン達の治療を終えた頃に準決勝の組み合わせが発表される。

 ユウキの準決勝の相手は名もなきモブでオレの対戦相手はジョーイさんだった……ジョーイさんかぁ……難敵だなと思っているとジョーイさんが現れて「前回のリベンジをさせてもらうわ」と言ってくる。もしかしてこのジョーイさんってシロガネ大会のあのジョーイさん?ジョーイさんの見分けがつかないから分からん。

 

 仮にこのジョーイさんがあの時のジョーイさんならば……サンダー出てくるんだろうか……準決勝も前途多難だなこりゃあ。



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激戦 vsジョーイさん

 

 ホウエンレポート102(激戦!vsジョーイさん)

 

 ユウキの奴が決勝戦に駒を進めた。

 ただ進めたんじゃない。サーナイトとバシャーモの2体だけで準決勝を勝ち抜いた。メガシンカを使わなくてだ。いい具合に決勝戦に駒を進めてレベルも爆上がりだ。少し前の敗北がホントに嘘かの様に思える。

 

 セントラルのポケモンセンターで出場するポケモンを登録しているとユウキが現れる。

 ジョーイさんにサーナイトとバシャーモを預けてこっちを振り向いたかと思えば「やっとだ……やっとここまで届いた」と言う……まだ地方リーグの決勝戦に駒を進めただけに過ぎないがユウキは強くオレを見つめてくる。ここまで来るのにユウキも一苦労しているのだが……うん。

 

「私……いや、僕はここまで来たよ」と言うユウキ。

「ああ……やっとこの領域にまで足を踏み入れる事が出来たが、ここからが本番だぞ」と告げる。ここからが本番、ここからがホントのポケモンバトルだ。決勝戦に駒を進めたユウキはジョーイさんにバシャーモとサーナイトはドクターストップが掛からないのかどうかを確認すると今日一日グッスリと休めば明日の決勝戦に間に合う様だ。

 

 万全の状態のユウキとバトル出来るならばそれでよし。

 出場するポケモンを6体を登録したので「僕がここまで来たんだからちゃんと勝ってよね」と言ってくる。ユウキとの決勝戦も大事だが、この準決勝も非常に大事である。モンスターボールを6個腰に添えてピカチュウをセレナに託す。

 

 今回はピカチュウを出さない……と言うよりは準決勝で出場するポケモンはドクターストップを想定していて明日の決勝戦には出さない様にしている。決勝戦前に休養日があればいいんだけども連日連夜行われるポケモンバトルの大会であるポケモンリーグでは致し方が無い事である。しかし、それでもオレの持っているポケモンだから強さは本物である。

 

 そんなこんなで準決勝第2試合がはじまる。

 相手はジョーイさん、前回のリベンジと言っていたのでシロガネ大会の時のジョーイさんだがなにが出てきてもおかしくはない。フィールドは水のフィールド……水のフィールドはホントに苦手である。早いところXYみたいな感じのバトルフィールドになってくれないかなと思う。

 

 先攻後攻を決めるルーレットはオレで止まった、オレはフシギダネを出す。

 フシギダネかジュカインにするか散々悩んだけれどもこの準決勝はフシギダネで行くことにした。フシギダネに対してジョーイさんが出したのはランターン、中々に渋いチョイスをしている。

 

 ランターンはフィールドに出ると水の中に潜る。

 試合開始の合図が告げられる……さて、どうやって攻めようか?ランターンは水の中に入って戦うポケモンだ。フシギダネは水の中に入ることは出来るけれども水の中に居るポケモンを相手にする事は出来ない。いきなりのポケモン交代を視野に入れるのだが、ジョーイさんは仕掛けてきた。ランターンに【なみのり】を使いフィールドを津波で飲み込もうとするのでフシギダネに【つるのムチ】で浮島を叩いてジャンプして津波を回避する。

 

【なみのり】の津波に乗っているランターンの姿を捉えた。

 フシギダネに【エナジーボール】を撃たせてランターンに命中するが、この程度では倒すことが出来ない。ランターンの【なみのり】が終わったので浮島に飛び乗って次はどうするかを考える。ジョーイさんとのポケモンの間に大きなレベルの壁の様な物は存在していない、互角と言ったところだろう。コレならば勝つことが出来る。

 

 取り敢えずランターンは水中に潜ってるが攻撃の際には姿を表に現さないといけない。

 狙うのは攻撃する時……水系のポケモンに切り替えると言う手もあるが、フシギダネならばこのシビアなタイミングでも当てる事が出来るだろうと信じつつも幾つかプランを組み立てる。

 

 その間にもランターンと思わしきポケモンの影がフシギダネに迫りくる。

 ランターンだなと思っているとランターンは顔を現して【れいとうビーム】を撃ってくるので【ねむりごな】を撃つ……勝負は引き分け、フシギダネは【こおり】状態になりランターンは【ねむり】状態になった。

 

「動け!動いてくれ!」とフシギダネを呼びかける。ジョーイさんも「ランターン、目を覚ますのよ!」とランターンに目覚める様に言う。

 どちらもポケモンを交代するという選択肢がある中でも交代はせずにポケモンに動くように言い……凍っているフシギダネの氷にヒビが入ったと思えばフシギダネは氷の中から脱出する。コレはイケるとフシギダネに【ハードプラント】を指示して地面から根っこを生やして眠っているランターンにぶつけてランターンを戦闘不能にする。

 

 先ずは1体目……危なかった、1歩間違えればこっちが戦闘不能になって負けていたかもしれない。

 2体目に出てきたのはカビゴンだった。カビゴンは【はらだいこ】を撃ってくる。フシギダネは【ハードプラント】の反動で動くことが出来ずに1手詰められる。カビゴンは最大にまでパワーを上げてきた……と言う事は交代はしてこない。

 

【はらだいこ】中にカビゴンを倒すことが出来れば良かったのだが流石にそんなに甘くはいかないか。

 カビゴンは最大にまで物理攻撃力を高めて来たので要注意だと思っているとカビゴンは【ねむる】を使って眠る。コレはと思っていると【ねごと】を使ってきた。飛び出た技は【ギガインパクト】

 

 フシギダネに【つるのムチ】で飛んで避ける様に言いカビゴンの【ギガインパクト】を飛んで避けようとするのだが、カビゴンは飛んでくるところが何処か分かっているかの様に【ギガインパクト】をフシギダネに叩き込んでフシギダネを戦闘不能にした。

 最大にまで物理攻撃力を高められたカビゴンは強い。フシギダネはよくやってくれたとボールに戻し、2体目のコノヨザルを出す。対テツヤさんのニャースに向けてオコリザルをコノヨザルに進化させていたのだが、まさかこんなところで使うとは思ってもみなかった。

 

 コノヨザルの登場にざわめく観客達。コノヨザルについてジョーイさんも知らなかった様で驚いている。

 なにせコノヨザルは第九世代のポケモン、知らない方が無理もない。チラリと観客席に見えるハルカ達がポケモン図鑑を開いてみるもののコノヨザルに関するデータは載っていない。ユウキは大して驚いていない。オレならばコノヨザルを持っていてもおかしくはないと思っているんだろう。

 

 カビゴンは【ギガインパクト】を撃ったので動くことは出来ないと【クロスチョップ】でカビゴンを攻撃する。

 カビゴンはまだ眠っており反動が終わったので【ねごと】を使ってくるのだがその前にコノヨザルに【いばる】を使ってもらう。既に【はらだいこ】で最大にまで物理攻撃力を高めているのだから【いばる】のデメリット部分である攻撃力2段階上昇は怖くはない。

 

 眠っているカビゴンだが【こんらん】状態に陥る。

 そこが狙い目だと【ばくれつパンチ】をカビゴンに叩き込むとカビゴンは目を覚ます。そして眠りにつく。起きて早々に【ねむる】とか本気過ぎないジョーイさん?再び眠りについたカビゴンに【ねごと】を使わせるとまた【ギガインパクト】が出てきたのだが、コノヨザルはゴーストタイプのポケモンでもあるのでカビゴンはコノヨザルを通過していく。

 

「もしかしてゴーストタイプのポケモンなの!?」と驚くジョーイさん。

「コノヨザルは【ゴースト】【かくとう】タイプのポケモンだ!コノヨザル【ばくれつパンチ】」と再び【ばくれつパンチ】を当てるとカビゴンは戦闘不能になった。中々に硬いカビゴンだったがコノヨザルにかかればこんなものだ。

 

 カビゴンをボールに戻すジョーイさん。

 3体目に出してきたのはサーナイトだったのでこのまま続投する。オコリザルの頃だったら即座に交代していたが、コイツはオコリザルでなくコノヨザル、こんな技も覚えているんだと【シャドーパンチ】をサーナイトに当てるのだがサーナイトは倒れない。

 

 サーナイトは【リフレクター】と【ひかりのかべ】を貼る。

 コレでダメージが軽減されるがコノヨザルにはこの技があるのだと【かわらわり】で2枚の壁を叩き割ろうとするのだが、コノヨザルがサーナイトに向かって近付いてくるのをジョーイさんは読んでおりサーナイトに【サイコキネシス】を使わせてコノヨザルを吹き飛ばしコノヨザルは戦闘不能になる。あのサーナイト、中々にやるなと思いつつもコノヨザルをボールに戻し次に出したのはゲンガーだ。

 

 ゲンガーならばサーナイト相手に上手く立ち回る事が出来る筈だと【シャドーボール】を撃てば向こうも対抗して【シャドーボール】を撃ってくる。パワーの方はこちらの方が上なので【シャドーボール】同士のぶつかり合いはゲンガーが制するのだが【ひかりのかべ】が貼られているのでサーナイトは倒れない。コレは手厳しいなと思っていると【リフレクター】と【ひかりのかべ】の効力が切れたのでもう一度【リフレクター】を使ったのでそこを逃すかと【アンコール】を使って【リフレクター】しか使えない状況にする。

 

 流石に【アンコール】で【リフレクター】しか使えない様にされればどうすることも出来ないとジョーイさんはサーナイトをボールに戻す。

 次に出てきたのはメタグロス、昨日と言い一昨日と言いホントにメタグロスとは縁があるなとメタグロスに向かって【シャドーボール】を撃つ。フィールドが水のフィールドだったのが幸運だった。メタグロスは巨体な為に浮島から浮島に移動する事は出来ても浮島の上から攻撃を回避する事は出来ずに【シャドーボール】が直撃する。しかし流石のメタグロスの耐久力と言うべきかメタグロスは【シャドーボール】を耐え抜いて【しねんのずつき】で突撃してくる。

 

 体を浮かせて【しねんのずつき】を回避しようとするがそれよりも先にメタグロスが【しねんのずつき】を当てに来た。

 中々に素早い、素早さに努力値でも振ってるのかと思いつつもどうするのかを考える。一応はとっておきを用意しているが、それは最後の最後まで温存しておきたいポケモンなので極力出さない様にしようと考え……もう一回【アンコール】を使う。今度は【しねんのずつき】固定でジョーイさんは交代するという選択を取らない。それどころか【しねんのずつき】の連打をしようとしているので【しねんのずつき】の連打をゲンガーに受けてもらい……【みちづれ】を発動してもらう。

 

 出来れば【シャドーボール】で撃退したかったのだがジョーイさんのメタグロスはテツヤさんのメタグロスやマサムネのメタグロスよりも強い。

 フィールドが水のフィールドというのもあってか倒すのが難しい……一応は【シャドーボール】で倒すことが出来ないのかと頑張ったのだが無理だった、残念。

 

 ゲンガーが【みちづれ】でメタグロスを倒した事により相討ちに終わり、互いに残すところは3体となった。フィールドは水のフィールドから砂のフィールドに切り替わる。

 先ずはオレからポケモンを出せというのでケンタロスを出せばジョーイさんはヘラクロスを出してくる。ヘラクロス……うん、ゲンガーとコノヨザルを失ったのは地味に痛いがまだまだイケる。

 

 先に行かせてもらうとケンタロスに【すてみタックル】で突撃していって貰えばヘラクロスは【いわなだれ】を使い岩の壁を作り上げる。

 しかし毎日毎日激走しているケンタロスに岩の壁なんて無駄だとケンタロスは岩を破壊してヘラクロスに向かって【すてみタックル】で激突して突き飛ばした……が、流石に無茶をさせていたみたいだ。【すてみタックル】の威力が弱くなっている。

 

 ヘラクロスは起き上がると【メガホーン】で突撃してくる。

 そっちがパワー勝負に持ち込むならば望むところだと【ギガインパクト】の体制に入り突撃する。ぶつかり合う【ギガインパクト】と【メガホーン】どちらも物理技のトップの技でこの勝負、どちらに軍配が上がるのかと思っているとケンタロスとヘラクロスが交差する。

 

 苦しそうな顔をするケンタロスに対してヘラクロスは膝をついた。

 コレは五分五分の相討ちで終わったと思っているとヘラクロスは立ち上がり【きしかいせい】をケンタロスに叩き込んでケンタロスを戦闘不能にした。【ギガインパクト】を撃った後で動くことが出来ないとは言えケンタロスを一撃で倒すとはヘラクロスの【きしかいせい】の威力は最高にまで高められている……ということは文字通り虫の息だ。

 

 ケンタロスをボールに戻し5体目だとヘルガーを出す。

 ヘラクロスは虫の息に等しいがこういう奴ほど無駄に粘るので距離を取る。ヘラクロス相手に近距離戦は不利でしかない。【かえんほうしゃ】を放とうとすると先にヘラクロスの方が動き【じしん】を放ってくるのでヘルガーは玉砕覚悟で【かえんほうしゃ】を放つ。

 

 ヘラクロスに【かえんほうしゃ】は命中する。ヘルガーにも【じしん】が命中する。

 ヘルガーは息を大きく乱しながらも起き上がる。ヘラクロスも起きるのだが直ぐに倒れる……コレでヘラクロスは戦闘不能になる。ジョーイさんの残りはサーナイトと後一体不明だがなにか控えている。前回の事を考えればサンダーが控えているんじゃないかと思ったが6体目に出てきたのはテッカニンだった。

 

 サンダーじゃないのかと一先ずはホッとする。流石にサンダーが相手だったらゲンガーの時みたいに【みちづれ】狙いで行くところだったぞ。

 テッカニンならば倒せるとヘルガーのまま続行、ヘルガーに【かえんほうしゃ】を撃ってもらうのだがテッカニンは【まもる】を使ってきてヤベえと焦る。

 

 テッカニンの特性は【かそく】でテッカニンのすばやさの種族値は160だった筈だ。

 元々尋常じゃない程に素早いのに【まもる】で攻撃を完全に防いだ後に一段階すばやさを上昇するとかホントに厄介であり、この時点でヘルガーの目で追い掛ける事が出来ないぐらいのすばやさを持っている。

 

 何処だ何処だとヘルガーはテッカニンを目で追おうとする。

 その間にも【かそく】でテッカニンのすばやさは徐々に徐々に上昇していっている。これはマズイと思っているとテッカニンは【かげぶんしん】を使ってきて円形にヘルガーを囲みヘルガーに向かって【どくどく】を放つ。

 この戦法はゲームで何度も受けてきたクソ害悪戦法だ。【どくどく】を放ったのは本物のテッカニンなので【かえんほうしゃ】を放てば【かえんほうしゃ】を回避するテッカニン。速すぎるので何処か1手妨害か何かをしないといけないと思っていると【みがわり】を使ってきた。コレで【たべのこし】を持ってたらマジの害悪である。

 

【みがわり】自身も【かげぶんしん】をしてくるので確かこの技があったとヘルガーに【かぎわける】を使わせてどれが本物なのか見抜かせて【かえんほうしゃ】で【みがわり】を焼き払い本体を表に引き摺り出すが再び【みがわり】を使われる。

【たべのこし】が無い以上は【みがわり】が使用できる回数には限度がある。ヘルガーに【かえんほうしゃ】を撃ってもらい【みがわり】を焼き払うのだがここでヘルガーの方に限界がやってきてヘルガーが倒れた……が、テッカニンはもう【みがわり】を使えない。

 

 残すところは1体になってしまった。追い詰められたがポケモンバトルはこうでないと面白味に欠ける。

「前回のリベンジを果たさせてもらうわ!」とジョーイさんは燃えるのだが6体目はコイツ……ミュウツーである。「出たわね、ミュウツー!」とミュウツーが来ることをジョーイさんは予想していた様で特に驚きはしない。2回目となれば新鮮味も欠けるか。

 

『なんだ虫の息じゃないか』とミュウツーはつまらなさそうにする。

 燃えるバトルを期待しているところ悪いんだがテッカニンはもうすぐ倒せるところまで追い詰めている。ミュウツーに【シャドーボール】を撃ってもらえばテッカニンに命中してテッカニンは戦闘不能になる。

 

 テッカニンは戦闘不能になり残すところはサーナイトだけになった。

 サーナイトが出てくると『全く、私を出し惜しみするのは構わないがつまらない場に呼び出すな』と言ってくるミュウツー。お前はそれだけ秘密兵器の価値があるんだよ。

 

 さっさとサーナイトを倒して決勝戦に駒を進めると思っているとジョーイさんはサーナイトに向かって石を……サーナイトナイトを投げる。

 お、コレはと思っているとサーナイトはメガサーナイトにメガシンカした。サイユウ大会、ルール上はメガシンカがアリなのだがやっぱり石の流通上の問題か使ってくる奴が居なかった。ユウキの奴しか使ってこないと思っていたのだが、ジョーイさんが使ってくるとはジョーイさん恐るべし。

 

「コレで貴方のミュウツーとは五分よ!」と【シャドーボール】をメガサーナイトに撃たせる。ミュウツーも【シャドーボール】で対抗するが五分五分とジョーイさんの言う通り【シャドーボール】同士がぶつかり合い爆発を巻き起こす。

『成る程、コレは確かに五分だ……現時点では』とミュウツーはオレに視線を向けてくる……まさかジョーイさん相手にコレを使うとは思ってもみなかったが仕方がない事だ、メガシンカはそれだけ恐ろしいというものだ。

 

 ミュウツーはミュウツナイトXを目の前にテレポートさせたのでオレはキーストーンをポケットから取り出す。

 さぁ、やるぞとミュウツーをメガシンカさせてメガミュウツーXにする。「ミュウツーもメガシンカをするの!?」と驚きを隠せていないジョーイさん。この世界、どのポケモンがメガシンカするとか情報が無いからな……うん。

 

「サーナイト【シャドーボール】」と【シャドーボール】を撃ってくるメガサーナイト。

 メガミュウツーXも対抗してきて【シャドーボール】を連発しメガサーナイトが放った【シャドーボール】を撃墜し一気にメガサーナイトの背後に【テレポート】しメガサーナイトの背後を取り【どくづき】をメガサーナイトに叩き込めばメガサーナイトは倒れて元のサーナイトに戻った。

 

 よっしゃ勝ったぞ!と喜ぶのだがサーナイトから黒い靄の様なものが出現する。

 え、コレってもしかしてと思っていると黒い靄はメガミュウツーXを包み込んでメガミュウツーXを戦闘不能にした……【みちづれ】か……そうか、確かにサーナイトには【みちづれ】があったよな。

 

 ルール上は最後に【みちづれ】で引き込んだ場合は負けとなる。

 ジョーイさん、テッカニンを戻さずに最初からサーナイトを出して【みちづれ】を使えばよかったんじゃないかと思ったが、ジョーイさんにはトレーナーとしてのプライドの様なものがある。そんなダサい真似はしたくなかったんだろう。

 

『っく、私が負けただと?』と元の姿に戻ったミュウツーは戦闘不能状態を受け入れるのに時間が掛かっていた。

 オレ以外には負け無しと言ってもいいミュウツーだったがここに来ての初敗北は応えるだろうが純粋な実力で負けたわけじゃないからまだまだミュウツーは強いんだ。

 

 しかしまぁ、追い詰められてしまったな。

 ジョーイさんにどうしてサンダーを使わなかったのか尋ねてみれば明日の決勝戦に向けて備えていてミュウツーをメガサーナイトで倒す算段だったらしい。まさかミュウツーがメガシンカするとは思ってもみなかったと「負けたわ」と素直に負けを認めて握手を求めてくるがその手は震えている。やっぱり負けたのは悔しいんだろうな。

 

 フルバトルが終わり、遂にここまで帰って来たぞと決勝戦の対戦カードが発表される。

 セキエイ大会優勝経験者で確かな実力を持って勝ち上がってきたオレと今回ポケモンリーグ初出場ながら破竹の勢いで決勝戦にまで駒を進めたユウキ……やっとだとユウキを見つめるとユウキは笑っていた。オレも無意識の内に笑っていた。この決勝戦をお互いに楽しみにしていた。

 

 セントラルのポケモンセンターに向かいポケモン達をジョーイさんに預ける。

 ゲンガーとヘルガーとケンタロスにドクターストップが掛かった。やっぱ無茶をさせすぎた……が、明日の試合には出さない。準決勝までご苦労さまだと包帯を巻いたヘルガー達に感謝する。

 

「明日はいよいよ決勝戦ね!」とセレナは興奮をする。バトルをするのはオレとオレのポケモン達なのだからゆっくりと試合を観戦しててくれ。

 ミュウツーとコノヨザルとフシギダネを返してもらう。お前達はよくやってくれた……コレで心置きなくユウキとのフルバトルを楽しむことが出来る。

 

「明日に出すポケモンはもう決めてるの?」とセレナは聞いてくる。「この準決勝に出すポケモンを決めた時から決勝戦で出す6体は決めてる……っと、来たな」と空を眺めているとリザードンがやって来た。最後の最後まで出し惜しみをしてきたリザードンをここで導入する。リザードンは久しぶりの再会に喜びの【かえんほうしゃ】を撃ってくるので回避して拳骨を叩き込む。挨拶は加減しろっての。

 

 ジークさんに頼んでリザードナイトは尻尾に巻き付けて貰っている。

 ユウキの奴はメガバシャーモで挑んでくるならばこちらはメガリザードンYだと意気込む……明日が待ち遠しいな。



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決勝戦 熱き激闘(前編)

 

 ホウエンレポート103(決勝戦 熱き闘い)

 

 目を覚ますと見知った天井だった、流石に見知らぬ天井だったら逆にビビるな。

 取り敢えず昨日の疲れはないかと確認をする。連日連夜行われるサイユウ大会、ポケモンもそうだがトレーナーであるオレの方も体力精神力を大きく消耗する。1日ぐらい休みはくれないかと思う時もあるがスポーツ系の部活動は1日2試合とかいう鬼畜な仕様だったりするわけで、まだ比較的に優しいものだと気持ちを切り替える。

 

 窓の外を眺めると快晴だった。仮にコレが『あめ』だったら『あめ』状態でバトルをしないといけない。普通の天候で良かったとホッとする。

 オレが目を覚まして窓を開けた事によりピカチュウが目を覚まし、更にはセレナが目を覚ました。快晴の青空を見て「最高のバトル日和ね」と言う。天候のコンディションは紛れもなく最高である。

 

 朝食を食べにレストランに向かうとマサムネとテツヤさんに遭遇する。

「いよいよ決勝戦だな!見てるこっちもワクワクすっぞ!」と燃えているマサムネ。「相手はここまで圧倒的な強さで勝ち上がったトレーナーだ、なんとしても勝ってくれ」と言ってくるテツヤさん。勝ってくれなんて言われなくても勝つつもりだっての。

 

 験担ぎとは言わないけれどもカツサンドを頂く。

 あんまり食べすぎると後々痛い目に遭うので程々に食べているとユウキの奴がハルカと一緒に現れる。「今日は応援を精一杯頑張るわ!ユウキ、絶対に優勝してね!」と熱々な姿を見せるハルカ。ユウキの奴は「ああ」と一言だけ告げて終わらせる。何時もだったらもっと口数が多かった筈なのだが口数が少ないと思っているとユウキの雰囲気が変わっている。

 

 オレとの決勝戦に備えて極限まで集中力を高めている。

 限界ギリギリにまで集中力を高める事で最高のコンディションに持っていくつもりだ。

 一度、ぶっ倒したが其処からの這い上がる力は凄まじい。人ってここまでパワーアップする事が出来るんだなとユウキの潜在能力を痛感する。下手したらこっちが負けるかもしれない……が、それでいい。そういうのをオレは待っているんだ。勝つか負けるか分からないギリギリのクロスゲーム、そのゲームをオレはしたいんだ。

 

 レストランで食事を終えるとセントラルのポケモンセンターに向かう。

 セントラルのポケモンセンターにはこの大会に出場していたトレーナー達が滞在しており「優勝期待してるぞ」とか「負けるんじゃない」とか声援を受ける。ここまで来て負けるなんて情けない姿を晒す事が出来るかよ。「お前等が出来なかった優勝をしてくる」と嫌味を言いつつも決勝戦に出す6体のポケモンを登録する。

 

 ドクターストップを掛かっているヘルガー達は出たそうな顔をしていたが残念だったな、決勝戦に出すポケモン6体は既に決めているんだ。

 コレばかりは仕方がない事なので文句は受け付けるが反映するつもりは無い。決勝戦に出すポケモン6体を登録するとユウキの奴もセントラルのポケモンセンターにやって来て決勝戦に出す6体のポケモンを登録する。

 

 ここでロケット団が現れる、と言ったトラブルは無い。

 こんな大事な場面でロケット団が現れたりマルマインが転がってきたりしてポケモンが使えなくなるとかいうアクシデントだけは冗談抜きで勘弁してほしい。仮にユウキ側にトラブルがあったら決勝戦を辞退しているところだったぞ。

 

「本気で……いや、全力でかかってくるよね?」とユウキは聞いてくる。「勿論だ、ここまで温存していたポケモン達を使う」と言い返す。

 対ユウキ戦に向けたパーティを用意しているのではなく今持っているポケモンの中で最もベストな6体のパーティを作り上げた。重量級だ軽量級だそんなの関係無い、ただ最高の6体を選出しただけだ。

 

「メガシンカってズルだと思う?」と唐突に聞いてくるユウキ。

 メガシンカかズルかどうか聞かれれば……ズルではない、公式が認めた進化の筈だがなにかあったのかと聞いてみればトウカジムのジム戦で追い詰められたから虎の子として隠し持っていたバシャーモナイトを使ってバシャーモをメガバシャーモにメガシンカさせたら「あんなのズルいよ」とマサトが言ったらしい。

 

 まぁ、確かにゲームだと皆がメガシンカを使う事が出来る。しかしここはゲームではなく現実だ。

 メガシンカに必要なキーストーンやメガストーンには限りがあり、皆が皆メガシンカをする事が出来るわけではない。自分だけメガシンカする事が出来る事に関して些かアンフェアじゃないのかとユウキは心の何処かで思っているのでオレはキーストーンを取り出す。

 

 オレもキーストーンは持っているんだ。

 メガシンカがズルいとは思っていない。確かにゲームだと皆が使えて現実(ここ)だと限られた人間しか使えない、使えないがオレは使う事が出来る。ジュカインナイトとリザードナイトYとミュウツーナイトXを持っている。Zワザを使って来ようがダイマックスを使って来ようが反則だズルだとは言わない。だから遠慮無くメガバシャーモで挑んで来い……ていうか冷静になって考えてみればユウキの奴、ミロカロス以外の5体メガシンカする事が出来るポケモンなんだよな。もしかしたらメガバシャーモ以外が飛んでくるかもしれないな。

 

 メガバシャーモが来るのを想定しているのでメガバシャーモ以外が来ない事を激しく祈る。

 ポケモン達の最後の健康診断も終えたのでモンスターボールを腰に添える。地方リーグとはいえ遂に決勝戦にまで駒を進める事が出来た……サトゥーシくんは3回目の決勝戦だがサトシくんならば充分すぎる快挙だろう。ただそこで満足するほどのトレーナーじゃないぞ。オレはもっともっと上を目指すつもりでいるんだからな。

 

 ユウキの奴もジョーイさんに健康診断の為に預けていた6体のポケモンを受け取った互いに準備万端だ。

「サイユウスタジアムで会おう」とだけ言い残してユウキと分かれる……カッコつけと言われても構わない、そう思えるぐらいには決まったと思う。選手村の与えられた部屋に戻れば座禅を組んで瞑想する。

 

 黒子のバスケの桃井さつきや火ノ丸相撲の天王寺獅童の様に相手のデータだけでなくそこから相手がどうやって成長していくのか予測するなんて事は出来ない。しかし、オレには1度ユウキとフルバトルをしたという経験がある。ユウキの奴はどうしてくるのか?どんな手を使ってくるのか?目を閉じてこの手を使ってくればあの手で対処しようと色々と作戦を練っていく……が、鬼門となるのは色違いのラティオスとメガバシャーモだ。

 

 この2体に関してはデータはあるものの、実際に戦ったという経験が無いのである。

 ユウキの奴は絶対に色違いのラティオスとバシャーモを登録していると。バシャーモは絶対にメガバシャーモに進化させるつもりだ。となるとキノガッサは抜いてくるだろうなと色々と考えていると昼になりセレナが「サトシ、そろそろよ」と言ってくる。

 

 泣いても笑ってもコレで最後だ。万が一が起きたら怖いので警戒心を強めつつもサイユウスタジアムに会場入りした。

 サイユウスタジアムに会場入りしたのでコレで問題はない筈。

 

『「さぁ、遂にホウエンリーグ・サイユウ大会も残り1試合のみとなりました!此処まで圧倒的な強さで勝ち抜いたユウキ選手、対するは破竹の勢いで此処まで上り詰めたサトシ選手!」』

 

 普通は逆じゃないだろうか実況者よ。

 互いにバトルフィールドに立った……邪魔をする奴等は何処にも居ない。楽しい楽しい時間がやっと始まると思ったのがある事に気付く。ユウキの応援団が居ることが。いや、なんで応援団が居るんだ?と思ったので聞いてみた

 

「ナンパの成果だ」

 

 とドヤ顔で言う……コイツ、真面目にやらずにナンパしてるのは知ってたけども……知ってたけどもさぁ。

 何処でナンパしてきた。容姿が群青早雲似の女性に水無月かれん似の女性に薙切アリス似の女性にゆんゆん似の女性にリーファ似の女性にミラ・マクスウェル似の女性……他にも他所様の作品に似ている容姿の美女ばっか。ホントに何処でナンパしたの?てか,ナンパ成功してたの?そっちの方が驚きなんだけども。ナンパ術を教えてもらいたい……いや、オレにはセレナが居るからそういうことをすれば刺される可能性がある。かーなーしーみのーだけは洒落にならないのである。

 

 オダマキ博士はユウキのナンパしてきた女性の集団には驚いていない。ハルカも驚いていない。

 おいおい、もしかして気付いてないのオレだけなのかと思っていると先攻後攻を決めるルーレットが止まりユウキの先攻から決まり、フィールドが出現する。フィールドは岩のフィールド……水とか氷とかの戦いにくいフィールドじゃなくて良かったとホッとする。

 

 ユウキが1体目に出したのはボスゴドラだった。

 1体目がボスゴドラならば狙いは1つしかない。オレに同じ戦法を取ってくるつもりかと先ずは1体目だと相性のいいヘラクロスを出す。やっとのバトルだとヘラクロスは翼を羽ばたかせてやる気を見せる。

 

 試合開始の合図が告げられると先に動いたのはボスゴドラだった。

 予想通りと言うべきかボスゴドラに【ステルスロック】を使わせてフィールドに尖った岩の破片を撒く。そっちがその手で来るのはもう知っているとヘラクロスに【きあいパンチ】を叩き込んでもらう。流石は耐久の鬼と言うべきかヘラクロスの【きあいパンチ】を真正面からくらってもボスゴドラは倒れない。ならば連撃だと【きあいパンチ】をもう一発入れようとするのだがボスゴドラは【まもる】を使って【きあいパンチ】を防いだ。

 

 流石にそう簡単には倒させてくれないか。

 だったらこちらにも手があるとヘラクロスに尖った岩の破片が何処にあるのか確認をして貰った後に【タネマシンガン】を撃ってもらう。尖った岩の破片は【タネマシンガン】を受けると全てが砕け散る。「嘘だろ」とユウキの奴が驚くが残念な事に嘘ではない、事実である。

 こういう予想外の一手を使う事が出来るのがアニポケのポケモンバトルだ。ともかくコレで厄介な【ステルスロック】を除去する事が出来たので倒すかと思っているとユウキの奴はボスゴドラをボールに戻した。頼みの【ステルスロック】が潰されたのが結構効いているみたいだな。

 

 2体目に出てきたのは色違いのラティオス……まだ試合は序盤の方なのに、ここで色違いのラティオスを導入してくるという事は先に試合の流れを掴むつもりだろう。ラティオスは【エアスラッシュ】を放ってくるのでこれはマズイとヘラクロスをボールに戻し、お前の出番だとラティアスを出す。ラティオスとラティアス、普通ならば見ることすら叶わないポケモンが並んでいる事実に観客達は驚きを隠せない。そして声援に包まれる。

 

 準がつくとはいえ伝説のポケモン同士のバトルなんて早々に見られるものじゃないからな。

 色違いのラティオスを交代させるかと思ったが交代はさせずにそのまま続行、ラティオスに【りゅうのはどう】を撃たせるので回避して【めいそう】を積む。如何にラティオスと言えども【めいそう】を積んだラティアスを相手にするのは厳しい……と思っているとラティオスも【めいそう】を使ってきた。こうなれば泥試合だと互いに【めいそう】を積み上げる。観客達が「【めいそう】ばっか使うなよ!攻撃しろよ!」といちゃもんをつけてくるが気にせずに互いに最大にまでとくこうととくぼうを高める。

 

 互いに最大にまで能力値を上げた。

 交代すれば全てがリセットされる事になるのでどうすると後の先の体制に入ろうとしているとユウキは仕掛ける。ラティオスに【りゅうせいぐん】を使わせるのだが空に打ち上げる事はせずに自分の周りに流星群を纏わせたサトシくんがやったカイリューセイグンをラティオスで再現してきた。コレは回避不能だから回避するのは無理と即座に判断したオレはラティアスに【ひかりのかべ】を貼ってもらう。

 

 形は違えどもアレは【りゅうせいぐん】である事には変わりはない。だったら【ひかりのかべ】で威力を減らす事が出来る。

 ラティアスに【ひかりのかべ】を貼らせれると【りゅうせいぐん】がラティアスに命中するがラティアスは倒れる事は無かった。耐久力ならばラティアスの方が上だと【りゅうのはどう】をラティオス目掛けて放てばラティオスに直撃する。

 

 しかし【めいそう】で積み上げたものは伊達じゃなく倒れないラティオス。

 ならば倒れるまで攻撃するまでだとラティアスに【りゅうのはどう】を撃たせるとラティオスは【りゅうのはどう】で対抗してくるのだがラティオスは一度【りゅうせいぐん】を撃った為にとくこうが二段階下がっている。【めいそう】を最大にまで積み上げたラティアスの【りゅうのはどう】は捌ききれないとラティアスの放った【りゅうのはどう】が押していき、ラティオスに命中するがコレでもまだ倒れないラティオス。

 

 ダメージは受けているが【めいそう】を積み上げているので無駄に硬くなっている。

 ラティアスを戻して他のポケモンで挑むのは無理……物理アタッカーにヘラクロスが居るがユウキのラティオスは【エアスラッシュ】を覚えている。下手に【メガホーン】で突撃したとしても【エアスラッシュ】の餌食になってしまう。ラティアスで倒しきらないといけないとこのラティオスは突破出来ない。

 

 手を変えてきたのかユウキはラティオスに【でんじは】を使わせる。

 流石にくらうわけにはいかないとラティアスに回避してもらい【りゅうのはどう】を放つと【ひかりのかべ】が貼られる……ラティアスで出来る事は大体ラティオスでも出来るからなぁ……ミラーマッチとはいわないがこの勝負、非常にやりづらいな。

 

 ラティオスに【りゅうのはどう】が命中するもののラティオスは倒れない。

 一撃で決着をつけに【りゅうせいぐん】を考えるがそれで突破する事が出来なければ【めいそう】で積み上げてきたものが台無しになってしまう。【ひかりのかべ】が貼られている現状、【りゅうせいぐん】を放つのは愚策に等しい。【ひかりのかべ】の効果が切れるまで【りゅうのはどう】で粘るかと【りゅうのはどう】を放つと玉砕覚悟なのかラティオスは避ける事はせずに【でんじは】を放ってラティアスを【まひ】状態にした。

 

【まひ】状態になって痺れているラティアス、隙が生まれたので攻撃してくるかと思ったがラティオスに【じこさいせい】を使わせてダメージを回復させる。今まで与えてきたダメージがコレでパァかと心で舌打ちをしつつラティアスに【りゅうのはどう】を撃ってもらうのだが【まひ】で体が痺れて上手く動くことが出来ない。ユウキは当然その隙を逃さずにラティオスに【りゅうせいぐん】を指示、今度は打ち上げるタイプの【りゅうせいぐん】だった。

 

 打ち上げるタイプの【りゅうせいぐん】の対処方法は知っている。

 降り注ぐ【りゅうせいぐん】ラティアスは動けるかどうか尋ねると根性を見せてくれて【まひ】状態を退けたので【りゅうのはどう】を降り注ぐ【りゅうせいぐん】の中で放ち落ちてくる流星にぶつけて当たらない様に対処した。

 

 準伝説のポケモン同士のバトルは中々に長引く。だが【まひ】状態を振り切ったのはデカい。

 コレでまだラティオスと戦う事が出来る。ラティオスは2発目の【りゅうせいぐん】を放ったので更に二段階とくこうがダウン、コレで真正面から攻撃を受けても耐え抜く事が出来る。その頃にはラティアスの【ひかりのかべ】が消えるのだが、今のラティオスならば攻撃を受けても大したダメージにはならない。【りゅうのはどう】で攻めるとラティオスは回避しようとするので追い掛ける。

 

 追い掛けるのだがラティオスは玉砕覚悟ではないだろうがもう一度【でんじは】を撃ってくる。

【りゅうのはどう】は命中しているがラティオスの【ひかりのかべ】でダメージは軽減されており再び【まひ】状態に陥るラティアス。勝負は焦ってはいけない。そう思っていると3度目の【りゅうせいぐん】を指示する。コレを撃てば【めいそう】で積み上げてきたとくこうが元の状態に戻ってしまう。コレでどうにかする事が出来なければ手持ちの交代を視野に入れている可能性がある。例えばボスゴドラとかの物理アタッカーに。

 

 ラティアスの方もそろそろ限界に近い。

【ひかりのかべ】も無くなっている……こうなったら一か八かに賭けるしか無いと使いたくなかったがこちらも【りゅうせいぐん】を指示する。この頃にはラティオスが展開していた【ひかりのかべ】が消え去っている。

 ユウキの奴はこの一発で無理だったらポケモンを交代してくる可能性が高い。ラティオスとラティアスは体内でエネルギーを溜めて【りゅうせいぐん】を空高くに発射し、流星の雨が降り注ぐ。

 

 ラティオスは流星の雨を避けようとする。ラティアスは動くに動けないので【りゅうのはどう】を撃ってもらって降り注ぐ流星を相殺する。

 ラティオスは流星の雨を回避しようとするが回避しきれずに【りゅうせいぐん】が命中する。ラティアスも【りゅうのはどう】で【りゅうせいぐん】を捌ききれずに【りゅうせいぐん】が命中する。

 

 巻き起こる土煙。コレはと思っていると煙が晴れて……ラティオスとラティアス、両者ともに戦闘不能になっていた。

 審判が両者ともに戦闘不能と告げる……ラティアス1体でラティオスを落とせたのはデカい……筈だと願いたいが嫌な予感がするんだよな。



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決勝戦 熱き激闘(後編)

長くなった。


 

 何はともあれ鬼門の1つである色違いのラティオスを倒せたのは大きい。

 ラティアス以外のポケモンだったらもっと泥沼試合になってたかもしれないし、下手したら負けていた可能性もある。今回のバトルの金星はラティアス……とはまだ断言する事は出来ない。

 

 先攻はユウキからだったのでオレからポケモンを出してくださいと言ってくる審判。

 オレが出すのはコイツだとピカチュウを出す。それならばとユウキの奴はもう一度ボスゴドラを出してくる。【ステルスロック】を撃ってくるならばカウンターシールドの【10まんボルト】とかで尖った岩の破片をぶっ潰すぞ。

 

 予想通りと言うべきか懲りずに【ステルスロック】を撃ってくる。

【ステルスロック】の尖った岩の破片は何時でも潰す事が出来るから先に潰さないといけないのはボスゴドラの方だと【でんじは】を浴びせると【まひ】状態になる。コイツ潰しておかないと後々厄介になるからな。

 

【まひ】状態になったのでコレで少しは身動きが取れないと【なみのり】で攻めるとボスゴドラは【ゆきなだれ】を使ってくる。

 厄介な技を覚えているな。ピカチュウはサーフボードと津波を軽快に操り右に左にと巨大な雪の塊を回避してボスゴドラに【なみのり】を入れるのだがボスゴドラはまだ倒れない。

 

 ヘラクロスから一発【きあいパンチ】をくらっていると言うのにまだ倒れないと言うのか。

 だったらと【あまごい】を使ってフィールドを【あめ】状態にして【かみなり】を叩き落とす。流石にこれにはボスゴドラは耐える事は出来ず、遂にボスゴドラは倒れる。2体目を撃破したぞと小さくガッツポーズを心で取る。

 

 ユウキが3体目に出してきたのはサーナイトだった。

 サーナイト……ピカチュウでは相性は普通で【ステルスロック】が撒かれている状態ならば変える事は出来ない。先ずは厄介な【ステルスロック】から除去しようと【ボルテッカー】で尖った岩の破片に向かって激突して全てを砕く。

 

 その間にサーナイトは攻撃してくるかと思ったが、攻撃はしてこず【リフレクター】と【ひかりのかべ】を貼る。

 また持久戦を狙ってきているのか?一先ずはコイツで様子見だと必中の【かみなり】を落とす。必中の【かみなり】を直撃するサーナイトだが【ひかりのかべ】の影響もあってか大したダメージを負っていない。

 

 コレは戦法を変えるかと【アイアンテール】を指示する。

 尻尾を硬質化させてサーナイト目掛けて叩きつけようとするのだがその前にサーナイトが【テレポート】して【サイコキネシス】を放ちピカチュウを吹き飛ばして岩にぶつける。この程度で音を上げるピカチュウじゃないとピカチュウは起き上がる。

 

 今ので学習する事は出来た。

 ピカチュウにもう一度【アイアンテール】を撃ってもらうとサーナイトは【テレポート】で回避するがそのまま地面の岩のフィールドに【アイアンテール】を叩きつける。すると尖った岩の破片が飛び交い……ピカチュウの背後に【テレポート】したサーナイトに岩の破片が飛んでくる。

「ヤバっ」と焦るユウキ、この手の戦法は気付かない内に単調になっている。予想通りと言うべきかピカチュウの背後に【テレポート】してきた。

 

 尖った岩の破片がぶつかり怯むサーナイト。

 そこだと追撃の【アイアンテール】を叩き込めばサーナイトは吹き飛ばされる……が直ぐに体制を立て直す。昨日のジョーイさんのサーナイトだったらここで倒すことが出来ていたんだがユウキのサーナイトはやっぱりレベルが高いな。

 

【10まんボルト】を撃ってくるので【10まんボルト】で相殺する。

 同じ技を使う事が出来るのならば特殊系の技ならば互いにぶつけ合えば相殺する事が出来る……ピカチュウの方がタイプ一致補正とか色々とあるがサーナイトの方が種族値とかが上なので【10まんボルト】は相殺で終わる。やっぱり種族値とかは大事である。

 

【10まんボルト】は【10まんボルト】で相殺される【テレポート】で背後に忍び寄る奇襲も【アイアンテール】で尖った岩の破片を吹き飛ばす戦法で止められる。さて、どう出てくるかと思っていると【サイコキネシス】を放ってくるので距離を取ってカウンターシールドの【10まんボルト】を放ちサーナイトの【サイコキネシス】を防ぐ。

 

「常識外れな強さのピカチュウめ……」とボソリと呟くユウキ。今の段階だと負け惜しみにしか聞こえない……だが、この均衡は何時まで保つのだろうか?一先ずは壁が切れるまで矢継早の怒涛の攻めで行くしかないと【アイアンテール】を使う。

【ボルテッカー】で攻めてもいいけど、まだまだユウキは本領を発揮していない。ピカチュウをこの段階で失うのは痛いと冒険に出るような真似はせずに【アイアンテール】で確実に倒しに行くのだがピカチュウの【アイアンテール】は【リフレクター】でダメージを半減される。

 

【ステルスロック】は既に破壊し終えている【ステルスロック】を放つボスゴドラも倒しているので後続の憂いなんかも無い。

 無理に攻めてピカチュウのスタミナを消費させるよりも交代させて他のポケモンに託すべきか?そう考えていると【アイアンテール】を耐え抜いたサーナイトが【サイコキネシス】をピカチュウに当ててピカチュウを弾き飛ばす。

 

 余計な事を考えている場合じゃない。

 交代はさせない方向で行くと決心するとピカチュウと共にサーナイトを見つめる。サーナイトは【リフレクター】と【ひかりのかべ】でダメージを軽減しているが決してダメージを受けていないというわけではない。僅かばかりだがサーナイトの息は乱れており、傷付いている。

 

 どうやってここから倒すかと一先ずは【かみなり】を落とす。

 避けるのは不可能と判断したユウキは少しでもダメージを軽減する為に【10まんボルト】で【かみなり】を極力相殺していくが【かみなり】の方が威力が上なのでサーナイトに【かみなり】のダメージを与える事に成功するが微々たるものだ。そして【あめ】が終わる。

 

 この頃には【リフレクター】と【ひかりのかべ】が消え去る。

 やっと厄介な壁が消えたかと思ったのだが直ぐに【リフレクター】と【ひかりのかべ】を貼り直す。しかしそこで隙が生まれたので【アイアンテール】をサーナイトに叩き込むが【リフレクター】が妨害して来る。手持ちの交代はしない。ピカチュウでサーナイトを倒す……だから、倒す手を考えなければならない。ここで無理に【ボルテッカー】を撃っても【テレポート】で回避される可能性が高いので【ボルテッカー】は撃たない。

 

 一方のユウキの奴は交代する気配は無い。

 ピカチュウの攻めを耐え抜く事は出来ても攻め切る事が出来ていない、なにか秘策でもあるのだろうか?色々と警戒しつつも【アイアンテール】で攻めると遂にユウキは別の技を【ムーンフォース】を使ってきた。だが【ムーンフォース】は【フェアリー】タイプの技、ピカチュウの【アイアンテール】は【はがね】タイプの技でありピカチュウは飛んでくる【ムーンフォース】を【アイアンテール】で切り裂きそのままサーナイトの頭に【アイアンテール】を叩き込むと遂にサーナイトを倒すことに成功した……そう思っているとサーナイトから黒い靄が出てくる。ヤベえ【みちづれ】があったんだ。

 

「最初からコレが狙いか?」と聞いてみる。

 オレのピカチュウはピカチュウとは思えない程の強さを持っているからな、早いうちに仕留めておかないと厄介な事になる。サーナイトの【みちづれ】は明らかに狙ってやったものだった。

 

「いや、ピカチュウを倒してスイクンを【みちづれ】で引きずり落とそうと思ってね……まさかピカチュウがここまで強いとは思ってもみなかった」

 

 と答える。

 ポケモンの交代をしなくてセーフだった。

 違うポケモンだったら【みちづれ】以前に別の技で叩きのめされてスイクンを出さないといけない状況になって【みちづれ】を使われてたらヤバかった。【みちづれ】でやられたピカチュウを戻しにフィールドに入って抱き抱える。

 

 ボスゴドラ、ラティオス、サーナイトとユウキのポケモンが3体やられたのでフィールドが入れ替わる。

 草のフィールド、決して悪くは無いフィールドだ。水のフィールドよりは何倍も増しなフィールドで今度はユウキがポケモンを出してくれと審判から指示がくだればユウキは4体目のポケモン、ミロカロスを出す。

 

 マズいな。ミロカロスに有利なポケモンを、ジュカインを今回は登録していない。

 ここは他でゴリ押すしかないなとメタグロスを出す。ミロカロスはどう出てくると思っているとミロカロスは【あまごい】を使ってくる。予想通りだとメタグロスに【かみなりパンチ】を使わせる。【かみなりパンチ】に苦しむミロカロスだがこの程度では倒れない。

 

 ミロカロスは【なみのり】を使う。

 攻撃に使うかと思ったのだが津波に乗ってメタグロスとの距離を取る。ミロカロスは近距離戦は得意じゃないのか。だったらこっちも翻弄させてもらおうと【こうそくいどう】を使いミロカロスの四方をグルリグルリと移動して撹乱し【かみなりパンチ】を叩き込む。

 

 すばやさが増していってノリに乗っている、試合の流れを掴むことが出来ている。

 追撃の【かみなりパンチ】を連打しようとすると【なみのり】でメタグロスを飲み込むが広範囲に及ぶタイプの技は強いな。しかしこの程度でやられるほどオレのメタグロスは軟じゃない。【あめ】状態の【なみのり】だったのでそこそこダメージを受けたがまだ戦う事は出来る。

 

【かみなりパンチ】ばっかりだと攻撃が単調になってしまうと【しねんのずつき】を指示してメタグロスはミロカロスに向かって突撃する。

 ミロカロスは迎え撃つかのように【ハイドロポンプ】を撃ってくる。メタグロスは【ハイドロポンプ】が直撃するが【しねんのずつき】を当てる事に成功する。しかし【ハイドロポンプ】が当てられた事により【しねんのずつき】の威力が弱まっている。全く、恐ろしいミロカロスだ。

 

 ミロカロスにダメージを与える事には成功している。とはいえこちらもそこそこダメージをくらっている。

【あめ】状態のフィールドで【みず】タイプの技を連打してくるのは中々にキツい……ピカチュウが落とされたのとジュカインが居ないのが地味に響いているな。メタグロスじゃなくてジュカインを入れときゃよかったかもしれない……この6体、悩みに悩み抜いた6体だからなぁ。

 

 ともあれ【あめ】の中での激闘は続く。

 メタグロスに【こうそくいどう】で撹乱すれば【なみのり】で全てを飲み込もうとする。メタグロスならば【なみのり】を耐え切る事が出来ると信じてあえて【なみのり】を受けてもらう。【なみのり】の弱点、それは津波を消し去った瞬間に無防備になることだ。そこが狙い目だと【かみなりパンチ】を叩き込もうとするのだがそれが読まれていたのかミロカロスはジャンプした。跳べたんか、お前は。

 

 オレの記憶に間違いが無ければミロカロスは【とびはねる】とかを覚えないので軽いジャンプだったのだが、メタグロスの頭の上に乗ってきた。

 

「重量級でありながらも軽量級並の速度で圧倒的なパワーを持つメタグロスだけど弱点が無いわけでもない。メタグロスは頭の上だけはどうすることも出来ないんだよね!」とミロカロスに【ねっとう】を撃たせるとメタグロスは【やけど】状態になる。

 ここに来ての【やけど】状態はマズいとミロカロスを振り落とすように【こうそくいどう】で動きまくるがミロカロスは巻き付いてきて落ちる気配はなく【ハイドロポンプ】を当てられてマズいと感じたのでメタグロスには【だいばくはつ】を使ってもらう。

 

 巻き付いていたミロカロスはメタグロスの【だいばくはつ】を直撃する。

 爆風が晴れると倒れているミロカロスとメタグロス、両者ともに戦闘不能になった……ユウキは2体、オレは3体内1体は殆ど無傷に近いヘラクロスだ。オレが【だいばくはつ】の指示を出したのでオレからポケモンを出すように言われたのでオレはヘラクロスを出す。

 

 オレが出したヘラクロスに対してユウキが出したのはテッカニンだった。

 ここに来てのテッカニン……エースのバシャーモは最後の最後まで温存するつもりなんだろうと【ストーンエッジ】を指示するが安定の初手【まもる】で【ストーンエッジ】を完璧に防ぎとくせいの【かそく】ですばやさを一段階上昇させる。コレで基本的にはテッカニンを抜くことが出来なくなった。

 

 物凄い速さで動き回るテッカニン。

 さて、どうやって倒そうかと考えていると【かげぶんしん】を使ってヘラクロスを円形に囲む。テッカニンが空を飛ぶことが出来るポケモンでなければ【じしん】を使って【かげぶんしん】ごと破壊出来るんだがややこしい。

 

 テッカニンはどうしてくるのかと思っていると円形に囲んでいる状態でグルリと一周する。

 まさかと思っていると【かそく】で極限まですばやさを高めるつもりなのかと【ストーンエッジ】で岩を地面から生やして【きあいパンチ】で殴って岩の破片を飛ばすがテッカニンは軽々と避ける……ヤバいと思っているとテッカニンは【みがわり】を使ってきた。

 

 昨日と似たような展開になっている。

 コレは色々とマズいぞと思っているとテッカニンが【どくどく】を放ちヘラクロスは【もうどく】状態になった……が、見えた。どの【みがわり】がテッカニンの本体なのか。余計なタメはいらないので【つばめがえし】で【みがわり】を破壊するがテッカニンは高速で逃げる。

 

 最後の最後でしぶとい……【もうどく】をくらっているのでチンタラしていられない。

 遥か上空を舞うテッカニン。ヘラクロスですばやさ勝負しても絶対に勝つことが出来ないと思っていると今度は【つるぎのまい】を使ってくる。草のフィールドなので生かすものは特に無い。岩のフィールドだったら岩とか砂埃を巻き上げる事が出来たんだけども致し方がない事だ。

 

 確実に攻撃を当てるしかないと【つばめがえし】で攻めるヘラクロスだがテッカニンは【みがわり】を使う……ピンチだが焦ってはいけない。まだポケモンは残っていると【つるぎのまい】を使うテッカニンに【つばめがえし】を使うが【みがわり】を使われる……が、コレでもうおしまいだ。【みがわり】は最大HPの4分の1を消費して作り出す技だ。【たべのこし】とかが使えないこの世界では最大で3回までしか使えない。【ギガドレイン】とかを使ってくるんじゃないかと警戒はしたがテッカニンは一切攻めてこない。コレで終わりだと【つるぎのまい】を使う【みがわり】に【つばめがえし】を叩き込むと【みがわり】が消え去り……テッカニンがバトンを置いてユウキのボールに戻っていった。

 

 やっば、それがあるのを忘れてた。嫌な予感はこのことだったのか

 

「お前のポケモンは並大抵のポケモンじゃ攻略する事は出来ない。だから限界ギリギリまでこっちは高めるしかない」と出てくるかユウキの6体目、バシャーモだ。バシャーモはバトンを掴めばテッカニンが高めていた物理攻撃と素早さを受け継いだ。

 

「お前を倒して、私が優勝する!バシャーモ、メガシンカだ!!」とバシャーモをメガバシャーモにメガシンカさせる。

 コレはマズい……と焦っているフリをする。テッカニンの【バトンタッチ】を忘れていたオレは阿呆だが馬鹿じゃないんだ。開幕ブッパだとメガバシャーモは【ブレイブバード】で攻めてくるのでヘラクロスに【こらえる】を使い堪えてもらうのだが【もうどく】の追加ダメージがあるのを素で忘れていた。ヘラクロスは【ブレイブバード】を耐えきったが毒にやられて戦闘不能になる。

 

 毒が無ければ【きしかいせい】を叩き込んだんだが、コレばかりは仕方がない。

 ヘラクロスにここまでよくやってくれたと言い5体目のポケモン、スイクンを出す。

 

「出てきたね、スイクン」と強くスイクンを見つめてくるユウキ。

 

 悪いが非情な決断をさせてもらう。

 スイクンにはこの技があると【ほえる】を使ってもらおうとするのだがそれよりも先にメガバシャーモが動きスイクンの喉に向かって【かみなりパンチ】を入れてきた。

 

「スイクンの【ほえる】を想定していないとでも思ったか?【かみなりパンチ】を喉元に撃つことにより【じごくづき】を擬似的に再現している……コレでスイクンは【ほえる】を使う事が出来ない」

 

 とオレの腹の内を見透かしたかの様に言ってくる……やっぱり狙いは分かるか。

 ゴホゲホと咳き込むスイクン。【ほえる】は撃つことは出来ないがこの技ならば使う事が出来ると【なみのり】を指示すると巨大な津波を巻き起こす。しかしメガバシャーモは軽々とスイクンの出した【なみのり】の津波を越えて【かみなりパンチ】を叩き込んでくる……まだだ、勝負は焦ってはいけない。相手は同格以上と思っておかなければならないんだ。

 

 最大限にまで高められた物理攻撃から繰り出される【かみなりパンチ】はスイクンに大ダメージを与えるがスイクンは耐え抜く。

【かえんほうしゃ】の1つでも使ってくれたら【ミラーコート】を撃てるのだが流石にそんな馬鹿な真似はしてこない。

 

 もう一度【なみのり】を使えば空を跳んで回避するメガバシャーモ。

 それは一度見たので学習済みだとスイクンに【かぜおこし】を使わせる。流石のメガバシャーモも空中では体制を変える事は出来ずに風に飲み込まれてそのまま津波に飲み込まれる……が、直ぐに立ち上がる。ユウキの最初のポケモンなだけあってレベルがとにかく高いな。

 

 とはいえ攻略法が見えなくもない。

 もう一度【なみのり】を撃って貰えばメガバシャーモは【ブレイブバード】で突っ込んできた。同じ手は通用しないのはお互い様かと突き飛ばされるスイクン、倒れてたまるかと意地を見せて起き上がるが息は大きく乱れている。

 

 スイクンをここまで追い詰めるとか流石は〇〇……いや、ユウキだ。

 だが、ここで終わらない。勝ってチャンピオンリーグでケンタにリベンジをするのはオレだ。スイクンにもう一度【なみのり】を使わせると【ブレイブバード】で突撃するので津波に乗った状態で【ねっとう】を浴びせる……が、メガバシャーモは止まることを知らずスイクンに激突してスイクンを倒す。

 

「テッカニンで限界ギリギリまで積んで正解だった。普通のメガバシャーモだったら今ので負けていた」と言うユウキ。

 

 いよいよ、こっちは残すところは1体となった。

 ここまで来たんだ、ここで負けてしまえば全てがパーになる。それだけはあってはならない事だと最後の思いを6体目に、リザードンに託す。

 

「するんでしょ?メガシンカ」とメガシンカをする時間をくれるユウキ。

 ならばお言葉に甘えさせてもらうとリザードンをメガリザードンYにメガシンカさせる。

 

『「おおっと!コレはメガシンカ同士のぶつかり合いだ!!」』と実況も燃え上がる。

 此処まで盛り上がっていると気持ちが昂ぶる。コレだからポケモンバトルはやめられないんだ。メガリザードンYを用いて初のポケモンバトルだが気負いはしない。勝つのはオレだ。

 

 先に動くのはメガバシャーモだ。

 四方に撹乱する動きを見せつつ徐々に徐々に間合いを詰めて【かみなりパンチ】を撃ってくる。メガシンカしたとはいえそう何発も【かみなりパンチ】を受けていたら負けてしまうとメガリザードンYには空高くに飛んでもらう。

 

 オレは分かっているぞ。

 スイクンから【なみのり】と【ねっとう】を受けただけでなく【ブレイブバード】の連発でスタミナが減っていてダメージを蓄積しているのを。そしてスイクンに2度目の【なみのり】を使わせた際にメガバシャーモの最高跳躍力がどれぐらいのものなのかを確認した。

 ギリギリだ、メガバシャーモがギリギリ届く高さにメガリザードンYは滞空してもらっている。そこからメガリザードンYは【りゅうのはどう】を撃ってもらう。

 

 メガバシャーモがギリギリ届く高さだとユウキは分かっているが、空を飛べるポケモン相手に空中戦を挑むのは危険だと【かえんほうしゃ】を撃ってくる。【りゅうのはどう】とぶつかり合うのだが【りゅうのはどう】の方が押す。メガリザードンYの特殊火力を舐めるなよ。

 今度はこっちの番だと【かえんほうしゃ】を撃てばメガバシャーモも【かえんほうしゃ】で応戦するがメガリザードンYの【かえんほうしゃ】の方が威力が高く、押されていく。

 

 テッカニンが使っていたのは【つるぎのまい】こうげきを上げる事は出来てもとくこうを上げる事は出来ない。

 特殊アタッカーのメガリザードンYに勝つことは出来ない。さぁ、どうすると追撃の【エアスラッシュ】を撃てば【フレアドライブ】で飛んでくる。それだ、それを待っていたとメガリザードンYはメガバシャーモをガッシリと掴み更に急上昇

 

「バシャーモ、タイミングを測れ!【ちきゅうなげ】で叩きつけられる瞬間に地面に向かって【かえんほうしゃ】だ」

 

 とオレのリザードンの十八番である【ちきゅうなげ】の対策は万全の様だったがオレのリザードンの【ちきゅうなげ】は日々進歩しているんだ。手首付近を掴んでの急上昇なので【かみなりパンチ】を撃てない様にしてある。今回は更にそれをパワーアップさせて【りゅうのいぶき】を回転しながら吐いて視界を防ぎ一気に急降下。

 

 メガバシャーモも【りゅうのいぶき】で視界が防がれた為にタイミングを測る事が出来ず【かえんほうしゃ】で【ちきゅうなげ】の威力を相殺する事が出来なかった。竜の【ちきゅうなげ】を叩きつけるとまだだと起き上がるメガバシャーモ。

 まだまだ熱いバトルを続けよう……もっとだ。もっともっともっともっと熱いバトルがしたい、そう思っていると頭の中が空っぽになった……と言う表現はおかしいか。頭の中が妙にスッキリとした状態になる。必要な情報だけが見えて世界が透き通って見えてくる。

 

 多分だけど入ったんだと思う。ゾーンと呼ばれる領域に。

 なんの本かは忘れたが体を動かすスポーツだけにゾーンがあるんじゃない。将棋とか囲碁とかにもゾーンと呼ぶに相応しい状態があるらしい。限界ギリギリにまで高まった為に至る事が出来た。ポケモンバトルのゾーンに。今までにない感覚だった。

 

 息が大きく乱れているメガバシャーモは【ニトロチャージ】を使ってぶつかりに来ずに四方に動いて撹乱するので空を飛んでもらい【エアスラッシュ】を放つ。【エアスラッシュ】の波を全て回避したと思えば【スカイアッパー】でメガリザードンYを攻撃して追撃の【かみなりパンチ】を入れるメガバシャーモ。

 

 一進一退の攻防が続いている。

 楽しい、楽しい時間だ。滅多な事じゃ訪れないこの時間は永遠に続いてくれればいい……そう思ったが、終わりは直ぐにやって来た。メガリザードンYの【ひでり】によって【はれ】状態になったフィールドが元に戻った。

 此処まで【ひでり】に助けられたところはないがこれで互いの【ほのお】タイプの技の威力は落ちる。ならばと【ブラストバーン】を指示するとメガバシャーモも【ブラストバーン】を撃ってくる。

 

 ぶつかり合う【ブラストバーン】

 爆炎が巻き起こると2体は大きく息を乱しており、メガリザードンYが倒れた……審判はメガリザードンYの戦闘不能を告げようとするとメガバシャーモも倒れてメガバシャーモは元のバシャーモに戻りメガリザードンYは立ち上がる。ユウキの絶対的エースであるメガバシャーモを倒すことが出来た。

 

「まだだ!まだ勝負は終わっていない!」とユウキは諦めずテッカニンを出す。

 

 テッカニンに【まもる】を使わせるがメガリザードンYが最後に使ったのは【ブラストバーン】使えば【はかいこうせん】の様に少しの間動けなくなる。最後の最後で甘いところを見せてしまったな。

 

 動けるようになったメガリザードンYは【かえんほうしゃ】を放つとテッカニンは回避するがメガリザードンYに回避した先に向かわせて【かえんほうしゃ】を浴びせる……そしてテッカニンは戦闘不能になった。

 

 

「テッカニン、戦闘不能!リザードンの勝ち!よって勝者、マサラタウンのサトシ選手!!」

 

 

 

 審判がそう告げると世界が止まったかの様に静まる。オレは直ぐ様、拳を掲げた。

 

 

 

 

 

 

優勝したぞぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

 

 

 

 

 

 

 2度目である。2度目であるがとにもかくにもホウエンリーグ・サイユウ大会を制した。

 オレが高くに拳を掲げると歓声が鳴り響く。拍手が鳴り響く。

 

『「激闘に継ぐ激闘を繰り広げたホウエンリーグ・サイユウ大会!遂に遂に優勝者が決まった!優勝はマサラタウンのサトシ選手!おめでとう!チャンピオンリーグに出場権を手に入れたぞぉおおお!!」』

 

 と実況は盛り上がり、オレはバトルフィールド内に足を踏み入れるとリザードンはメガリザードンYから元のリザードンに戻り膝をつく。

 ギリギリだった、ギリギリだったがユウキを相手に勝つことが出来た……。

 

「負けたのか……私は……」

 

 と負けたショックを受け入れるのに時間が掛かっているユウキ。

 

「オレの勝ちだ」

 

 と言えばユウキは

 

「そうか……私は負けたのか……負けたのか……っ」

 

 ボロボロと涙を流す。

 悔しいだろう。後もう少しと言うところにまでオレを追い詰める事に成功したが、最後の最後でオレは勝った。

 

「コレが負けると言う事か……悔しいな、悔しいな……」

 

 と負けた事を本気で悔しそうにするユウキ。

 オレはユウキに握手を求めるとユウキは応じてくれて手を伸ばしてくれる。

 

「最高のバトルをありがとう」

 

「こちらこそ最高のバトルだった……悔いは残っているけども、それでも私の全てを出し切る事が出来た気もする……」

 

「情けない姿を見せるなよ……オレだったら涙は1人で流すぞ」

 

「お前ほど強靭なメンタルを持ってねえよ……後でガールフレンド達に慰めてもらおう」

 

 羨ましいぞ、リア充かこら。ともあれオレは無事にホウエンリーグ・サイユウ大会を優勝する事が出来た。

 バトルフィールドを降りて真っ先に向かったのはセントラルのポケモンセンターだ。やっぱりというか無茶しすぎたと言うかリザードンとスイクンとラティアスは今日一日は絶対に安静にしておかなければならないと言われた。それだけ凄まじい激闘を繰り広げる事が出来た……楽しい楽しい時間だった。

 

「サトシ!」とセレナはオレを見つけると抱き着いてきた。

「スゴい、スゴいバトルだったわ!皆、感動していたわ!!」と言ってくる……セレナはいい匂いがしたとだけ言っておくか。あと、セレナっパイは柔らかかった……それはさておき、ドンファンには謝らないとな、出せなかった事を。

 

 ポケモン達をポケモンセンターに預けて一先ずはメタグロス、ピカチュウ、ヘラクロスを受け取る。

 無事に優勝する事が出来たのはお前達のおかげ……ケンタに破れたのをバネにして自分を追い込んで仲間を信じてさらなる高みを目指して跳んで正解だったな。最後の最後でゾーンと呼ばれる領域に足を踏み入れる事が出来たし文句無しのバトルだった。

 

 ヘルガー達はもう大丈夫だとドクターストップが掛かっていたポケモン達を返してもらい、ホウエンリーグ・サイユウ大会の表彰式に入る。

 オレは優勝したのでトロフィーを貰える……セキエイ大会以来のトロフィーだが相変わらず色々な意味で重い物だった。

 

 タマランゼ会長が「いいバトルを見せてくれてありがとう。チャンピオンリーグも期待しておるぞ」と言ってくる。

 チャンピオンリーグではケンタが待ち構えている……リベンジは果たさないといけない……が、その前に武者修行しないとな。




ユウキ

攻撃 4
防御 4
スピード 5
戦略 4
経験値 2
意外性 3

アラン

攻撃 5
防御 3
スピード 5
戦略 5
経験値 6
意外性 2


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新たなる挑戦 バトルフロンティア

 ホウエンレポート104(1つの終着点)

 

 目が覚めると昼だった。

 連日連夜行われるホウエンリーグ・サイユウ大会、気付かない内に心のスタミナを多く消費していたようで決勝戦が終わったら今まで溜め込んでいた疲れを癒やす為に熟睡していたみたいだ。やっぱりポケモンリーグは過酷だが……オレは見事に優勝したんだ。

 

「やっと起きたのね」とずっと眠りについてたオレを心配してくれるセレナ。

 シンプルに今まで溜め込んでいた疲れが最後の最後でドッとやって来ただけでなにかの病気とかそんなんじゃない。多分だけどユウキの奴も似たような事になってると思ったら案の定、昼まで眠りについていたみたいだ。オレと違って悔し泣きの疲れもあっただろうからな……と思っているとレストランでユウキと鉢合わせするのだがユウキの頬に真っ赤な紅葉が出来ていた。

 

 コイツ、何をやらかしたんだ?

 ハルカがプンプンと怒っており、ナンパに成功した結果のガールフレンド達は怖いものを見る目でハルカを見てる。オダマキ博士に何があったか聞けばガールフレンド達に慰めてもらい、「あ〜ん」とかやってもらったり頭ナデナデしてもらったりパフパフしたりと色々とやっててハルカが嫉妬したらしい……こいつ、なんだかんだでハルカとフラグ建ててるな。

 

 ナンパをするなとは言わないけれども、この世界は一夫多妻制度じゃないんだから最後は一人になるんだぞ。その辺りを分かってるのか?

 まぁ、ユウキが刺されようが知ったことじゃない。やはり一途に思うことが世の中は大事だと思う。

 

 オダマキ博士は「ポケモンリーグ初出場で準優勝だなんて、流石は僕の子だ」と胸を張り高らかに喜ぶが……ユウキは一瞬にして笑顔を失う。

 なにせ優勝を阻止したもとい自分を打ち負かした奴が直ぐ目の前に居るのだからはいそうですかと素直に喜べることじゃない。オレもこのレポートと試合内容を思い返しても1手間違えていたら負けていた可能性もある……ホントに強くなりすぎだろう、ユウキ。

 仮にケンタとぶつかり合ってたらどうなってたんだろ?

 ケンタにはライコウ、ユウキには色違いのラティオスがいる……メガシンカを出来る分、ユウキの方がやや有利か?いや、ケンタの事だからギャラドス辺りをメガシンカさせてくる可能性が高いな。ダイマックストゲキッスとか言う悪夢も普通にありえる。

 

「チャンピオンリーグまでかなりの時間が残されてるけど、どうするつもりなんだい?」とオダマキ博士は聞いてくるので「勿論、ポケモン達の育成に力を入れますよ」と答える。前回のチャンピオンリーグは素の実力で負けてベスト4だったけど今度は絶対に優勝して四天王への挑戦権を得て四天王を撃破して四天王になってチャンピオンに挑む。

 チャンピオンリーグに最初に出場した時よりも遥かにレベルは上がっている……が、油断は出来ない。

 なにせ前回は素の実力でベスト4,ジョウトリーグではミュウツーを使わなかったもののケンタに負けている。ケンタもアレから色々とパワーアップを果たしているので割と冗談抜きで油断は出来ない。

 

 けどまぁ、少しぐらいは浮かれてもいいだろう。

 優勝トロフィーはそこそこ大きいが鞄の謎の収納力のお陰で重さは特には感じない。オダマキ博士が「ミシロタウンを経由してカントーに帰るんだよね?送ってくよ」とミシロタウンまで送ってくれるどころか船の手配をしてくれた……けれども、セキエイ高原方面行きの船なんだよな。

 

 ミシロタウンに辿り着くとオダマキ博士の研究所には沢山のミシロタウンの住人が居た。

 優勝は出来なかったけども準優勝なだけでも充分すぎる功績だとミシロタウンの住人が褒めてパーティを開こうとしているので、オレとセレナはカントー行きの船に乗る。「いいの?」とセレナは聞いてくるので「オレが居たら邪魔でしかない……準優勝でも立派な功績だ」とだけ答えておく。

 

 本音を言えば優勝パレードをしたかったのだろうが、オレがユウキの優勝を阻止した。

 優勝を阻止したオレがユウキの奴のパーティを邪魔しちゃいけないと早々に船に乗り込む……ユウキはこれからどうするんだろうか……う〜ん。ま、○○の事だから此処で腐る様な奴じゃないだろう。

 

 ホウエンレポート105(エニシダとバトルフロンティア)

 

 セキエイ高原付近の港に辿り着いたのでさっさとマサラタウンに帰ろうとする。

「チャンピオンリーグまでかなりの時間があるけど、どうやって鍛えるの?」とセレナは聞いてくる。

 ホウエンで捕まえたポケモンは既にかなりのレベルになっている。

 ミュウツーにポケモン同士を戦わせたりさせて修行に励んでもらっているが、頭打ちに近い。時間を掛けてのパワーアップも大事だが実戦経験を積んでおかないと見えないものもある。

 

 修行については既に目星はついているとトキワシティに足を運べばセレナは「あ、トキワジムがリニューアルしてるわ!」とトキワジムが変わった事に気付く。そういえば原作ではサートシくんがトキワジムを木っ端微塵にしたけれども、この世界線ではトキワジムを破壊していない。サカキが相変わらずジムリーダーを継続しているんだろうかと気になっていると車が停まった。

 

「やぁ、君は見たところポケモントレーナーの様だね。今からトキワジムに挑戦するのかい?」

 

 と車の運転手もといエニシダさんが聞いてくる。

 既にトキワジムのジムバッジは持っている事を驚いた顔をするエニシダさん。

「トキワジムはカントーの中でも指折りのジムなのに、君は中々にやるねぇ」と褒めてくれると自転車が倒れる音が聞こえたので振り向いてみればお婆さんが荷物いっぱいの自転車を倒していた。

 

「大丈夫ですか?」と落ちている荷物を拾うオレとセレナ。

「すまないねぇ、バーゲンセールだから思わず買い込んじまったよ」とお婆さんが言い、セレナが「荷物を持っていきますよ」といえばトキワジムに案内をしてくれる。

 

「あんた、見たところポケモントレーナーだけれどジム戦に来たのかい?」と聞いてくるお婆さんもといキクコさん。

「既にトキワジムのジムバッジは持っています……て言うか前のジムリーダーはどうしたんですか?」と気になった事を聞いてみれば「前のジムリーダーはロケットコンツェルンの総帥でね、そっちの方が忙しいからジムリーダーを辞任したんだ。新しいジムリーダーが決まるまでは代理であたしがジムリーダーをやってるんだよ」と教えてくれる。サカキがロケット団の総帥だとバレていないのか……警備とか色々とザルだからな、この世界。

 

「前のジムリーダーは中々の腕だったけど、あんたは勝ったのかい」と聞いてくるので「メガシンカしたスピアーをなんとか倒すことが出来ました」と答えると「どうだいジム戦云々は置いておいてあたしと一戦しないかい?昨日は2人ほど挑戦者が来たけど、全然歯応えがなくてねぇ」と少しだけ愚痴を零すキクコさん。

 

 四天王と戦える機会は早々にないとバトルをすることにし、エニシダさんが審判を務めてくれる。

 使用ポケモン1体でZワザ、メガシンカ禁止のシングルバトル。キクコさんが出したのはゲンガー、コノヨザルを持ってくりゃ良かったなと後悔しつつも、1番レベルが高いピカチュウを出す。

 

 開幕ぶっぱだと【10まんボルト】で攻めるとゲンガーは【シャドーボール】相殺する。

「あたしゃのエースのゲンガーの【シャドーボール】を相殺とは中々にやるじゃないか」と言ってくるキクコさん。【10まんボルト】と【シャドーボール】の威力は同等……気付かない内にピカチュウ滅茶苦茶レベルが高くなったなぁ……。

 

【10まんボルト】を放てばゲンガーの【シャドーボール】で相殺される。

 少しだけ攻めてを変えてみるかと【なみのり】で突っ込むと「【なみのり】を使えるのかい!?」と驚くキクコさんとエニシダさん。ピカチュウは【なみのり】を覚えるんだよ。

 

 津波に飲み込まれてダメージを受けるゲンガー。

 四天王のポケモンなので中々に硬いが攻撃を受けてダメージとして通っている……大分成長している。ゲンガーは【さいみんじゅつ】や【どくどく】が使えるので要注意しておかないといけないと思っていると【かげぶんしん】を使ってきて円形に囲んでくるゲンガー。

【シャドーボール】を撃つ体制に入っているのでカウンターシールドの【10まんボルト】で広範囲に電撃を撒き散らして【かげぶんしん】を破壊していくと本物のゲンガーに命中した。

 

 勝負の流れを掴んできているが、まだまだ油断する事は出来ない。

 ゲンガーに【さいみんじゅつ】を使わせて状態異常を狙ってくるがピカチュウにカウンターシールドの【10まんボルト】で距離を取って【さいみんじゅつ】の範囲から抜け出て近付いて来れない様にする。

 

【さいみんじゅつ】を覚えているのが分かったのは中々にデカい。

 下手に【ボルテッカー】とかで突っ込めば【さいみんじゅつ】の餌食になってしまう。だったらと【あまごい】で雨雲を呼び寄せてフィールドを【あめ】状態に切り替える。

 

「ゲンガー【ヘドロばくだん】」と違う手を使ってくるので【アイアンテール】を地面に叩きつけて土砂を巻き上げて【ヘドロばくだん】を防ぐが狙いは【ヘドロばくだん】を防ぐだけじゃない。ゲンガーの視界を塞ぐ事が出来ると【かみなり】を雨雲から叩き落すとゲンガーに命中する。

【あまごい】からの【かみなり】のコンボは強力だが手の内を曝け出して、近距離戦には中々に持ち込む事が出来ないので【あめ】状態が続いている間に倒さないといけないが四天王のポケモンはレベルが違う。仮にオレのゲンガーだったらここで負けてた可能性がある。

 

 煙が晴れるとゲンガーは標的を決めるので【アイアンテール】で土砂を再び巻き上げて【かみなり】をゲンガーに落とす。

【さいみんじゅつ】があるから下手に近付けない。ダメージはあるからどうだと思っていると土煙が晴れる。ゲンガーはもう少しで倒れそうだと息を大きく乱しており、ボロボロだった。

 

 もう1手だと【かみなり】を撃とうとすると【うらみ】を使ってきてピカチュウのスタミナを奪う……アニメの【うらみ】の仕様は中々に鬼でありピカチュウには【かみなり】を落とすスタミナがPPが無くなる。後、1手だってのにと思っていると雨雲が消え去る。

 これはマズいと思っていると【ヘドロばくだん】を撃ってくるので【10まんボルト】で相殺する……ゲンガーは息が大きく乱れている。コレは一か八かに賭けるしかないなと【アイアンテール】を地面に叩きつけて土砂を巻き上げる。

 

「それはもう何度も見たよ!ゲンガー、頭上に気をつけるんだ!」とゲンガーに頭上を警戒させるが狙いはそこじゃないと【ボルテッカー】を指示してゲンガーに突撃してもらう。上から狙ってくると思っているので真正面からの攻撃に隙が生まれると土砂を利用して何処から突撃してくるか分からない様にし……ピカチュウは電撃を纏った状態で【ボルテッカー】でゲンガーに激突してフィールドの端に突き飛ばし……ゲンガーを戦闘不能にした。

 

 っしゃあ!!遂に、遂に此処まで来たぞ!非公式の場で本気かどうかは知らないけれども四天王を撃ち倒す事に成功した。大きくガッツポーズを取った。

 

「やるじゃないか!あたしの完敗だよ」とゲンガーをボールに戻すキクコさん。「サトシはホウエンリーグ・サイユウ大会で優勝したトレーナーなんです!」と自慢気に語るセレナ。エニシダさんは「通りで強い筈だ。キクコさんは四天王なんだけどね」といえばセレナは驚く。キクコさんが四天王だった事を気付いていなかったみたいだ。

 

「ポケモンリーグで優勝したって事はチャンピオンリーグに出るんだね?」と聞いてくるので「その間に修行をします」と言えばエニシダさんは「だったらバトルフロンティアに挑戦してみないかい?」とエニシダさんは勧めてくる。

 バトルフロンティア、ゲームだと廃人御用達の施設だがアニメの世界だと普通のバトル施設になってるんだよな……まぁ、廃人施設だと一部のポケモン使えなくなるからな。

 

 フロンティアブレーンは四天王と同等の強さを持っていると自慢気に語ってくるエニシダさん。

 ケンタの奴がフロンティアを完全制覇した事を知っているので聞いてみると「彼は凄まじかったよ。無敗でフロンティアを制覇したんだ」と一度も負け無しでフロンティアを制覇した事を教えてくれるだけでなくシンオウのバトルフロンティアも無敗で完全制覇した事を教えてくれた。

 

 四天王と同等の強さを持っているフロンティアブレーン……バトルフロンティアを制覇すれば、今以上の実力がつく。

 ジムリーダーですらまともに相手にならないのだからフロンティアブレーンを相手にしなければパワーアップは難しい。元々バトルフロンティアに挑むつもりだったが、四天王と同等の強さを持っている事を信じたいな。

 

 次はバトルフロンティアに挑む。チャンピオンリーグまで開催までの間にバトルフロンティアを全て制覇してやる。

 

 ホウエンレポート106(帰省 マサラタウン)

 

 次に挑むのはバトルフロンティアだと決意を新たにしつつマサラタウンに帰ったら特に仲良くない町民達が「優勝おめでとう」とおめでとうコールを受ける。ポケモンリーグを優勝して良かった……今回は優勝したのでパーティが開かれる。

 オーキド博士を始めとするマサラタウンの人達がオレのトロフィーが見たいと言ってくれており、オレはサイユウ大会を優勝した証であるトロフィーを見せれば皆が盛り上がる。

 

 優勝した証であるトロフィーを見てママさんが「またいい重さのダンベルが出来たわね」と割と呑気な事を言っている。

 ポケモン達に優勝した証であるトロフィーを見せる。オレ達が実力で勝ち取ったトロフィーだ。オレ達の1つの終着点だと喜ぶのだがドンファンは不機嫌だ。一応は決勝トーナメントに登録してたけれどもドンファンは出番が無かった事を不満そうにしている。まさか決勝トーナメント一回戦をピカチュウとハッサムだけで勝ち抜く事が出来るとは思いもしなかったんだよ。

 

「それでサトシ、チャンピオンリーグまで少し時間があるがどう修行をするんじゃ?」と聞いてくるので「次はバトルフロンティアに挑戦します」と答える。オーキド博士はバトルフロンティアの事を知っていたので「そうか。頑張るんじゃぞ」と応援をしてくれて餞別だと最新式のポケモン図鑑をくれたがコノヨザルは対応していなかった……コノヨザルはスマホロトムの図鑑じゃないと無理なんだろうか。

 

「シゲルの奴はどうしてますか?」とふと気になったので聞いてみるとシゲルはシンオウ地方に居るらしく、シンオウ地方でケンタに挑んだのだが惨敗したらしい。チャンピオンリーグでオレを倒そうって魂胆だったが甘かったみたいだな。ポケモン研究者としての道を歩むべく色々と猛勉強中で暫くは連絡を取り合っていない。最後にあったのがプテラを復元している化石研究所らしい。

 

 シゲルの奴と最近バトルをしていないから、少しだけ残念だな。

 ホウエンリーグ優勝の勢いに身を任せてシゲルを倒したいと思っていたんだが、甘い算段だったな。

 

「しかし、サトシが此処まで行くとはの」とちょっと困った素振りを見せてくるオーキド博士。

 なんか困ったことでもあるのか?まさかミュウツーが研究所に居るからロケット団が襲撃してきたかと思ったがオーキド博士がオレがピカチュウと共に滅茶苦茶活躍しているからピカチュウの人気が高まっているらしく、御三家でなくピカチュウが欲しいと言う新人トレーナーが多いらしい。

 

 御三家を貰える方がオレ的には羨ましいぞ。オレ、遅刻しないようにあの手この手を尽くしたって言うのに、ピカチュウになったんだから。

 今ではベストパートナーだけども初期の頃はそこそこギスギスしてたんだ……いやぁ、あの頃はキツかったよ。因みに次点はフシギダネで、次にリザードンもといヒトカゲ、最後にゼニガメの人気らしい……オレがゼニガメをゲットしていたらもっとゼニガメが人気になってたんだろうな。

 

 パーティは大きく盛り上がる。

 オレとバトルをしたいと言ってくる奴等が居るのでドンファンで叩きのめす。ポケモンリーグ優勝の実績は伊達じゃない……ただまぁ、記念受験みたいなノリでオレに挑むのはやめてほしいな。ポケモンリーグ優勝者と戦うことが出来て良かったなと言うノリはちょっとな。

 

「明日にでも出発するの?」とセレナは聞いてくる。

 明日は完全休養日、と言うかポケナビをアップデートしてバトルフロンティア1つ目の施設であるバトルファクトリーの位置を入れておかないといけない。激闘に次ぐ激闘を繰り広げていたので1日ちゃんとした休みは必要である。



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初陣!バトルファクトリー!

 

 ホウエンレポート107(ホウエンからの来訪者)

 

 今日は完全に休むつもりであり目覚まし時計をオフにして完全に休むつもりでありピカチュウ以外のポケモンはオーキド博士の研究所に預けてある。今日はのんびりしようかと朝に一度目を覚ますけれども二度寝だと眠っていると顔に冷たい水が掛かって急に目を覚ます。

 何事かと意識を起こすとユウキとハルカとオダマキ博士が我が家にやって来た。この前別れたばかりなのに早い再会である。後、ミロカロスの【みずてっぽう】はやめろ。

 

 人が二度寝をしようとしているのに、邪魔をしやがってと眠気が吹っ飛んだので取り敢えずパジャマから何時もの服に着替える。

「急にやって来てごめんね。オーキド博士のところに行くのならばついでにとユウキが言うからね」と急な来訪を軽く謝るオダマキ博士。別にいいんだけども、無理矢理叩き起こすのだけは勘弁してほしい。

 

 ママさんがバリヤードと共に朝食を用意してくれたので頂く。久しぶりに食ったけれどもママさんの手料理は絶品である。

 それはさておきオダマキ博士はともかくユウキとハルカはどうしてカントー地方にやってきたのかを聞いてみるとユウキは次の挑戦はカントーのポケモンリーグだと燃えていた。セキエイ大会、この前終わってたから次のセキエイ大会を目指すのか。

 

 ハルカもカントー地方でポケモンコンテストが開かれるらしいので一緒になって付いてきたらしい。

 数日の間で気持ちを切り替えるのは早いなと思いつつもトキワジムのジムリーダーが代理で四天王のキクコさんがジムリーダーを務めている事を教えれば驚いた顔をするが直ぐに笑みを浮かび上げる。強敵の方が燃え上がると言ったところだろうな。

 

 朝食を食べ終えるとオダマキ博士がオーキド博士の研究所に向かうと言うのでオレ達も向かうことに。

 ピカチュウ以外のポケモン全てをオーキド博士の研究所に預けているから、オーキド博士の研究所に向かわないといけない。オーキド博士の研究所に向かえば唯一の助手であるケンジが「やぁ、待ってたよ」と出迎えてくれる。

 

 オーキド博士は何をしてるんだ?と尋ねてみれば新人トレーナー用のカントーの御三家の健康診断を行っているらしい。

 新人トレーナーにポケモンを渡さないといけないからオーキド博士もなにかと大変なんだなと思っているとハルカがカントーの御三家を見たいと言う。既にフシギダネは見ているがヒトカゲとゼニガメはまだ見ていなかったなとオーキド博士に見せてもらいに行けばオーキド博士は困り果てていた、と言うかゼニガメが大泣きしていた。

 

 何やってんだよと思っているとフシギダネとヒトカゲを先にボールに戻した為に急に1人になったゼニガメは怖くて泣いているらしい。

 おいおい、新人トレーナー用のポケモンがそれで大丈夫なのかと思ったがオレのピカチュウも初期の頃には似たようなものだったのでそんなものなのかもしれない。

 

 泣いているゼニガメを抱っこして「怖くはないわよ」と泣き止ませるハルカ。

 手馴れているなと思いつつもゼニガメが泣き止んだのでモンスターボールに入れて一件落着だが、此処でユウキがオレのポケモンを見てみたいと言い出す。オレのポケモンはホウエン地方で散々見ただろうと思ったが、全部纏めては見ていない。

 

 全員集合はいい機会だからと庭園に出ればフシギダネに全員集合の【ソーラービーム】の花火を打ち上げてもらいリザードン達を呼び寄せる。

 基本的には6体しか手元に置くことが出来ないけれども、いざこうやって全てのポケモンを集合させると圧巻だった。ケンタロスx29匹は色々と浮いている。ベトベトンがオダマキ博士に伸し掛かっていたがベトベトンなりの愛情表現なので気にしない。オレのベトベトンはゲットした時は洒落にならないぐらいに臭かったが今じゃ人に慣れて臭くなくなっているからな。

 

「いや〜9匹ぐらいで勝ち抜こうってのが甘い考えだったかもしれないね」とオレの鍛え上げたポケモン達を見て呟くユウキ。

 短期間の間にリザードンやスイクンとまともにやり合うことが出来るレベルに鍛え上げたユウキの腕は異常と言うか天才である。ポケモンを多くゲットしてればそれでいいというわけでもない、扱い切れない可能性がある。

 

「ホウエンでは見かけないカントーのポケモンは何体か捕まえたいな」とユウキは言う……なにを捕まえるつもりなんだろうな。

 因みにだがポケモンバトルはしない。今日は完全にオフな日なので余計な事は考えたくない、考えたくないのだがなんかマスコミから取材があった。どうせロケット団だろうと思ったら案の定ロケット団だった。

 

 オレの持っているポケモン達を根刮ぎ奪ってやると掃除機みたいな機械を使って吸ってくる。

 偶然にもボールから出していた新人用のフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメが吸い込まれそうになったのでフシギダネはオレのフシギダネが、ヒトカゲはリザードンがキャッチし、ゼニガメはハルカが掴んだ。

 

 全く悪事を働くだなんて懲りない奴等だとピカチュウと一緒に【10まんボルト】を使えば機械は爆発してロケット団は例によってやな感じーで吹き飛ばされる。オレ以外を狙えば順当に出世が出来ると言うのにロケット団と来たらアホと言うかマヌケと言うか。

 まぁ、何はともあれロケット団の撃退に成功した……のだが、オーキド博士がマスコミから取材があるから受けてくれんかの?と言ってくる。ついさっきロケット団に襲われたばかりなんだけども信じていいのかよ。

 

 オーキド博士とは昔からの付き合いだし断るわけにはいかないと今度こそ本当の取材を受ける。

 綺麗な受け答えが出来たかどうかは分からない……そもそもオレ、メディア向きじゃなかったりするしな。チャンピオンリーグで期待していると言われたのでやる気を出す……が、その前にバトルフロンティアである。

 

 最初の施設はバトルファクトリー、おつきみやまを抜けてちょっと歩いたところにある。

 原作知識を引っ張り出しどんなバトルをしようかと考えておく。今回はリーグ制覇を目指してのジムでなく修行なのでコロコロと手持ちは変えるつもりである。ポケナビにバトルファクトリーの位置をダウンロードしたので問題無いだろう。

 

 ユウキの奴は早速トキワジムを挑むんだとやる気を出していた。

 ハルカは何処のポケモンコンテストに出るつもりなんだろう……まぁ、ハルカならば上手くやれる筈だろう。なんかゼニガメがハルカに滅茶苦茶懐いてオーキド博士がハルカにゼニガメをあげた……なんだかんだでゼニガメをゲット出来ていないから羨ましい。

 

 キングドラが悪いとは言わないけれどもゼニガメが欲しいと心の何処かで思っているんだろうな。

 

 ホウエンレポート108(最初の鬼門)

 

 あっという間に辿り着いたトキワシティ。マサラからトキワシティを行き来するのは慣れたものだ。

 ポケモン達は元気なのでポケモンセンターに向かわずにそのままトキワの森を目指す。ユウキが「僕のジム戦は見てってくれないんだね」と言ってくるので「お前ならば四天王相手でもいいバトルを出来るだろ……期待はしておく」とだけ告げてユウキとハルカと別れておつきみやまを目指す。今回は歩くのメインだな。

 

 ホウエンレポート109(ピィとピッピとピクシーとつきのいし)

 

 おつきみやまに辿り着いた。最初にカントーを旅した頃よりもかなり早くに移動する事が出来ている。

 新しいポケモンは……ゲットしないでおこうかなと思う。原作知識を引っ張り出してもコンテストに興味があるエイパムしかゲットしないしカントーで出てくる新しいポケモンが欲しいとも思わない。

 

 おつきみやまを登っているとそういえば【つきのいし】をゲットしたもののなんだかんだで使っていない事を思い出す。

 このままだと宝の持ち腐れだと思っているとピッピが現れておつきみやまの上へと目指している。ピッピだけでなくピィもピクシーも上へと目指しており、何があるんだと向かえばそこには大きな【つきのいし】を囲んで怪しげ踊りを踊っているピィ達がいた。なんか旅に出た頃にもこんな事があったなと思いつつもピィがピッピに、ピッピがピクシーに進化する姿を見れたのでほっこりとした。

 

 ホウエンレポート110(到着バトルファクトリー)

 

 おつきみやまを下山して最寄りのポケモンセンターに向かうとエニシダさんに会った。

「やぁ、もうすぐ来ると思っていたよ」とバトルファクトリーから1番近い最寄りのポケモンセンターは此処だったのでオレを待ってくれていた様だった。わざわざ目を掛けてくれるとはありがたいと言えば「熱いバトルを期待しているよ」とエニシダさんは車に乗るように言ってくるのだがエニシダさんの運転めっちゃ荒い。まぁ、■■よりはマシだけども。

 

 荒いエニシダさんの運転で辿り着いたのは大きな工場。

 ファクトリーと言うだけあって工場か……ゲームだと滅茶苦茶難しいんだよな、バトルファクトリー。特に第3世代は特殊と物理が技の種類じゃなくて技のタイプの種類で分かれてたから鬼仕様だから金のシンボルゲットするのに滅茶苦茶疲れた思い出がある。

 

 それはさておき此処がバトルファクトリーかと思っていると暴走車が出てくる。

 危ないなと片手で受け止めると「すまねえ、調整をミスっちまった」と謝りながら降りてくるフロンティアブレーンの1人でファクトリーヘッドのダツラさん。オレだからどうにかなったけども他だったら危なかったぞ。

 

「久しぶりの挑戦者だよ。ホウエンリーグ・サイユウ大会で優勝したサトシくんだ」とエニシダさんはオレを紹介してくれる。

「ほぅ、ポケモンリーグ優勝者か!久々に骨のある相手が出てきたじゃねえか……スギオ」と審判兼助手のスギオを呼び出してモンスターボールを持ってきてもらいフシギバナ、ドサイドン、カイリキー、ボスゴドラと如何にも強そうなポケモンをボールから出す。

 

「使用ポケモンも使用するポケモンも指名していいぜ」と言うダツラさん。

 さて、どうしたものかと原作知識を引っ張り出す……最初のフロンティアブレーンから色々と飛ばしているんだよな、原作では。ダツラさんは一日やるから好きなポケモンを選べと一人乗りの飛行機に乗って飛んでいく。

 

「ケンタがやって来た時はなにに挑んだんですか?」とスギオに聞いてみると困った顔をする。

 もしかしてと思っていると冷たい風が吹いた。過去に何度か感じたことがある冷たい風で空を見上げればダツラさんが乗っている一人乗りの飛行機が雲の上に行くので波動による探知を行うとダツラさんと一緒にポケモンが飛んでいる事が分かる。

 

 アレこそがサトシくんがリザードンを用いて接戦を繰り広げてギリギリのところで勝利したというフリーザーだ。

「今ダツラさんと一緒に飛んでるポケモンと1対1のポケモンバトルにします」と告げるとエニシダさんは「いいね、いいね!やっぱりバトルするならば強いポケモンじゃないとね!」と興奮する。

 

「おっと、気付かれちまったか」と一人乗りの飛行機から降りてきたダツラさんはフリーザーがバレた事は特には驚かない。

 フリーザーとバトルをしたいと申し出れば「ケンタの野郎と同じ事を言ってるな」と笑うダツラさん。ケンタはバトルフロンティアを制覇したという事はフリーザーを倒した……あの頃はライコウを持っていなかったし、バクフーン辺りで倒したんだろうか?

 

 ともあれフリーザーとのバトルを引き受けてくれるダツラさん。

 相手は準伝説のポケモンで原作知識に間違いが無ければ【みずのはどう】を覚えている。コータスやヘルガーを出しても負けるのは目に見えている。フリーザーを撃退した実績を持つピカチュウで挑むべきかそれとも原作通りにリザードンで挑みべきか。あえてのスイクンもありかもしれない。

 

 悩みに悩んだ末に出した答えはリザードンだった。

 まだまだ序盤も序盤なのだがフロンティアブレーンは四天王と同格と思っておかなければならない。一応はメガシンカがありかどうか聞いてみれば使いたければ使ってこいとの事だ……原作のサトシくんはメガシンカ無しでフリーザーをリザードンで倒した、だったら極力メガシンカを使わずにフリーザーを倒してみたい。地力を基礎的な部分を叩き上げてチャンピオンリーグで勝ち残れる様にしておかないと。

 

 早速お前の出番だ、リザードン。

 ホウエンリーグでメガバシャーモと戦って燃え尽き症候群になってないかと思ったがフリーザーを見た途端にやる気を出して燃えていた。リザードンも相手が強ければ燃えるって事だな。

 

 ホウエンレポート111(初陣!バトルファクトリー)

 

 リザードンに乗って空を飛ぶ。セレナも自前のリザードンに乗って空を飛ぶ。

 昔は高所恐怖症だが、サトシくんになって鍛えに鍛えた結果高いところが怖くなくなった。サトシくんボディはチートだぜ。

 

 セレナのリザードンがオレのリザードンを追い越すと負けじと加速するオレのリザードン。

 馬鹿野郎、オレとセレナが乗ってる事を忘れるんじゃねえ。リザードン同士で燃え上がるのは分からなくもないけれどもその辺を忘れるな。空中歩行をやってセレナとオレのリザードンに軽く拳骨を落とす。どっちが強いのかとかは今やるんじゃねえ。

 

「中々のリザードンじゃねえか」とダツラさんはリザードンを褒めてくれる。

 リザードンで思い出したけどもプラターヌ博士の助手のリザードンはどうなってるんだろ?明日辺りにでもジークさんに尋ねてみるべきか?いやでも、プラターヌ博士の助手は嫌でも会うことになるしなぁ。

 

 プラターヌ博士の助手の事は色々と気にはなるが今はバトルフロンティアだ。

 バトルフィールドに立つと天井がウィーンと開いた。「コレで空のバトルも出来るぜ」と至れり尽くせりだ。「いくぜ、フリーザー!」と言えばフリーザーが出てくるのでリザードン、君に決めたとボールから出す。

 

 ユウキのメガバシャーモと同格と思っておかなければならない。

 先ずは開幕の【かえんほうしゃ】だと【かえんほうしゃ】を浴びせるが……ダメージになってるの?と疑問に思うぐらいにはフリーザーはピンピンしていた。マジでこの世界の準伝説のポケモンどうなってんだよ。

 

 だが、これでいい。こうでなければならない。既にオレの手持ちは並大抵のジムリーダーでは相手にならないところまで来ているんだ。

 四天王と同格と言われているフロンティアブレーンを倒して、強者を喰らってさらなる高みを目指す。

 

「あの【かえんほうしゃ】は受け切れるがそう何発もくらってられねえな。【バブルこうせん】で相殺しろ」と【かえんほうしゃ】に向かって【バブルこうせん】を撃ってきて炎を鎮火する。技の威力的に【かえんほうしゃ】の方が上だが流石は準伝説のポケモンと言ったらいいのか?

 水系の技を覚えているから油断は出来ないと思っていると【しろいきり】をフィールド内に撒き散らす。コレはマズいと思っているとフリーザーは【こころのめ】からの【みずのはどう】をぶつけてくる。

 

 リザードンに【みずのはどう】が命中するがリザードンは直ぐに体制を立て直す。

 幸いにも今回のバトルフィールドは広い、リザードンに急上昇してもらい【しろいきり】の中から出て行き【エアスラッシュ】を霧に向かって打つ。この【エアスラッシュ】は攻撃じゃない、【しろいきり】を拡散して消す為のものだ。

 

 無数の風の刃が【しろいきり】を拡散して掻き消す。

 これで【しろいきり】は突破したと思えばフリーザーは【しろいきり】の中から飛び出してきて【れいとうビーム】を撃ってくる。

「【ほのお】タイプのリザードンに【れいとうビーム】……?」と疑問に思うセレナ。リザードンは【ほのお】だけでなく【ひこう】タイプもあるので効果は普通である。【みずのはどう】や【バブルこうせん】があると言うのにどうして【れいとうビーム】を選んだと疑問に思っているとリザードンの翼の端っこが少しだけ凍る。

 

 完全な【こおり】状態でないとはいえコレでリザードンの機動力は低下する……とでも思ったら大間違いだ。

 リザードンに体を回転しながら【かえんほうしゃ】を使わせる。リザードンの凍った翼はコレにより溶けていく。X型じゃないので【フレアドライブ】は覚えさせていないが、その辺りのフォローは出来ているんだ。

 

「面白い【かえんほうしゃ】の使い方をするじゃねえか」と笑うダツラさん「カウンターシールドって技術を少し応用したんですよ」とドヤる。

 だったらコレはどうだと【みずのはどう】を撃ってきたかと思えば【みずのはどう】に【れいとうビーム】をぶつけて氷塊の破片をぶつけてくるダツラさん。

 

【みずのはどう】は【みず】タイプ技で【かえんほうしゃ】とかを当てても効果は薄い。

【みずのはどう】ならぬ【こおりのはもん】は突破するには圧倒的なまでの火力が必要だが、サトシくんはメガシンカ無しのリザードンでフリーザーを倒している。だったらオレも同じ事を出来るようになりたい。

 

 ダツラさんはもう一度【こおりのはもん】を使ってくる。

 氷塊が飛んでくるのは分かっているので【かえんほうしゃ】で対抗するが砕けた氷塊が飛んでくるので全てを捌ききれない。バクフーンならば体全体に炎を纏う【かえんぐるま】とか使えるんだけども……残念だ。【フレアドライブ】の特訓その内した方が、いやでもオレのリザードン、XじゃなくてY型なんだよな。

 

 取り敢えずは【かえんほうしゃ】で攻める。

 フリーザーに当たるが中々に倒れないと思っているとフリーザーが【はがねのつばさ】で攻めてきたので両翼をガッチリと掴んでフリーザーを抱き抱える。リザードンの十八番の【ちきゅうなげ】だが念には念をと【かえんほうしゃ】を放ちながら使う炎の【ちきゅうなげ】を使うが今回は更に急降下の際にも横の回転を加えて勢いをつけてフリーザーを地面に叩きつける。

 

 ケンタの時やユウキの時よりも遥かに決まったがフリーザーはまだだと起き上がる。

 頑丈にも程があるだろうと思ったがフリーザーには確かなダメージがあって息が乱れている。リザードンはそこそこダメージを受けているが息は乱れていない。まだまだ行けるが……ここらが限界だ。

 

 ダツラさんのフリーザーは尋常じゃない程に強い。

 ケンタの奴はどうやって倒したんだと言いたくなるぐらいには強い……だから切り札を使うしかないとキーストーンを取り出してリザードンをメガリザードンYにメガシンカさせる。

 

 メガリザードンYになれば急激に暑くなる。

 特性の【ひでり】が発動したのでこの一撃にかけると【ブラストバーン】を放てば【ふぶき】で対抗してくる。【ひでり】の影響を受けて尚且つメガシンカしたリザードンの火力は凄まじいものだと【ふぶき】をものともせずメガリザードンYは【ブラストバーン】をフリーザーに当てると遂にフリーザーは倒れた。

 

 流石は原作でサトシくんのリザードンを後一歩のところまで追い詰めたフリーザーだ。

 仮にメガシンカをしなければもっともっと泥沼試合になっていた可能性がある……メガシンカに救われたと喜ぶべきか、それともメガシンカを使わずに勝てなかったと悔やむべきか……サトシくんのリザードンよりは強い筈なんだ、オレのリザードンは。だったら、素の状態で倒すことが出来る筈なんだが……ケンタが挑んだことでバタフライエフェクト的な事でも起きているのか?

 

 色々と遺恨は残ってしまったものの勝ちは勝ちである。

 バトルフロンティアのバトルファクトリーを制した証であるノウレッジシンボルを受け取る。ついでだからとフロンティアパスも貰った。

 次の施設はバトルアリーナ、そこそこ距離があるが道中のヤマブキシティでポケモンコンテストが開催される情報を掴んだのでヤマブキシティでポケモンコンテストをした後にバトルアリーナを目指す事になった。




感想お待ちしております。
後、バトルフロンティア編もホウエンレポートで行くつもりなので


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調和の一皿

今回は短めです


 

 ホウエンレポート112(プリンとパパさん)

 

 ヤマブキシティを目指して旅を続けているときのみが置いてあった。

 みんな大好き【オボンのみ】なんでこんな所にあるのだろうかと思っているとガーディがやって来て……【オボンのみ】を食べたと思えば、トラバサミに引っかかっていた。

 

 コレはアレかな?ポケモンを捕まえる罠かな?

「引っかかった……ああ、違う!」とおっさんが出てきてガーディを見た途端に落胆している。ガーディに「お前じゃないんだ」と言いトラバサミから解放すると逃げていくガーディ。「何やってるんですか?」と気になったセレナが聞いてみれば娘の為にと言うか娘の誕生日にプリンを送ろうと思っており、プリンをゲットしようと挑戦していたらしい。

 

 娘さんを喜ばせる為にプリンをゲットしようとするのはいいけれどもトラバサミの罠は普通に危ないのでやめろ。

 ポケモンをゲットするならばポケモンバトルをして弱らせたりしないといけないと言えばおっさんは1体もポケモンを持っていない。だったらポケモンをレンタルさせてくれる業者か代理でゲットしてくれる業者に頼めよと言えば自分の力でゲットして娘を喜ばせたいと言う。

 

 やれやれ、頑固だなと思いつつもセレナが「手伝ってあげられないかな?」と優しい事を言う。

 自分の力でゲットしたいのに手伝ってゲットすれば本末転倒なのでは?と思ったが、このままおっさんを放置するわけにもいかない。仕方がないとコノヨザルをおっさんに貸した。コノヨザルに言うことを聞いてくれよと頼み込めばコノヨザルは頷く。

 

 何処にポケモンが潜んでいるのかは不明なのでポケモン図鑑を片手に頑張る。

 ガーディとかピジョンとか色々と見掛けるのだが中々にプリンを見かけない。おつきみやま付近じゃないと生息していないかと必死になって探しているが中々に見つからず日が暮れて諦めかけたその時、プリンを見つけるとおっさんはコノヨザルを出す。

 

 さぁ、バトルだと意気込んでるとプリンは【うたう】を使ってくるのだが、アニポケ独特の使用なのかは知らないがトレーナーまで眠らせに来る。オレは波動を体全体に纏わせ波紋の呼吸をする事で眠気を防ぐことが出来るがおっさんとセレナはそうは行かないと眠そうにするのでコノヨザルに叩き起こしてもらう。コノヨザル【やるき】だから眠らないんだよな。

 

 おっさんは叩き起こされたのでプリンを捕まえるぞと張り切る。

 コノヨザルに【メガトンパンチ】を指示してプリンを殴り飛ばす。プリンはダメージを受けて逃げるかと思ったが逃げるような真似はせずにコノヨザルに【はたく】を使ってくるのだがコノヨザルは【ゴースト】タイプなので【はたく】は通用しない。

 

 今度は【メガトンキック】をくらわせると結構なダメージを受けるプリン。

「今がチャンスですよ!」とセレナが言えばモンスターボールを取り出してプリンに投げて、モンスターボールがぶつかりプリンはゲットされた。

 

「やった!やったぞおおお!!」と物凄く喜ぶおっさん「コレで娘の誕生日にプリンを送れる。なんとお礼を言ったら」と言うので「自分のポケモンを用意しとけよ。その内ポケモンバトルかなにかにハマる筈だから」とだけ釘を刺す。

 娘にプリンをプレゼントする事が出来てなによりだ……しかし、頼めばポケモンをくれるのか。ユウキの奴は事前に【かそく】アチャモを用意していたし、オレもおねだりの1つでもしとけばよかったかもしれないな。

 

 ホウエンレポート113(ニューラとバリヤードのレストラン)

 

 お昼はなにを食べようかと考えていると、森の中からいい匂いがしてきた。

 芳しい匂いだなと匂いを辿ってみればレストランがあったので今日は此処でお昼にしようとなり、レストランに入ると今はお試しで店を開いているので料理の代金がタダと来た。コレはラッキーだとバリヤードがシェフを務めるレストランでシチューを注文したがコレがクソまずかった。

 

 なんでこんなに不味いの?と思えるぐらいにクソまずかった。

 オレの舌が肥えているとかそんなんじゃない、セレナも不味いとハッキリと言った。見た目は如何にも美味そうなのに、どうしてこんなに不味い。見た目が良くて味がクソ不味いって中々に無いぞと思っていると「料理は味が大事なのよ!」とバリヤードのレストランのウェイターそっくりの人が出てきた。つーか双子だった。

 

 ニューラがシェフを務めるレストランが同じ建物の中にあり「どうぞ」とハンバーグを出してくれた。

 このハンバーグがこれまた絶品だったのだが、なにかが物足りない。味は十二分だがなにかが物足りないと思っているとトリコのサニーを思い出す。原価何十円のパスタも高級な皿に乗せたりすれば云々を言っており、この料理は美味いが調和が取れていない、味は絶品だが見た目が素朴過ぎる。折角の味も見た目が悪ければ台無しだ。

 

「料理は味よ!」「いいえ、見た目よ!」と言い争う双子。

 一人暮らしや自宅で食う分には見た目はそこまで重要じゃないが、飲食店をする上ではある程度はインスタ映えする見た目じゃないといけない。かと言ってクソ不味いインスタ映えの為だけで実際に食べてもらえない料理も論外だ、どっちも大事で2人で手を取り合って店を開く事は出来ないのかと聞けば2人はどっちが美味くて綺麗な料理を作れるか勝負しようと言い出す。料理バトルに発展するな馬鹿野郎。

 

 そもそもで二人共欠点があるので何処が悪いのか指導する事になった。

 バリヤードは料理をする際に材料の切り方とかを注意しているが味付けの段階で【サイコキネシス】で調味料を浮かせて適当に入れており味見らしい味見をしていなかった。そりゃ不味い、味見は料理において絶対にしておかないといけない事なんだぞ。

 バリヤードに【サイコキネシス】で適当に調味料を突っ込んで調理させる事を止めさせて味見をさせた上で料理をさせると普通に美味しいシチューが出来た。やろうと思えば美味しい料理が作れるじゃねえか。

 

 今度はニューラの番だとニューラにハンバーグを作ってもらう。

 セレナがただ小判状にするんじゃなくてハートとか☆型にしてと色々とアドバイスをした結果、見栄えの良い料理が出来た。元々料理の腕は絶品だったので見た目と味がマッチして調和が取れている。コレだよコレ!となり、2人の料理はどっちも美味くて判定が難しい。そもそもでシチューとハンバーグを食べ比べろというのが無茶である。

 

 悩んだ末に2人で協力すればもっと美味しい料理が作れるんじゃないのか?と言えばニューラとバリヤードは協力して料理を作る。

 王道的なコロッケだったがジャガイモを茹でるのでなく蒸したりしてコンガリと狐色に揚がっている。見た目も最上級、味も最上級である。

「二人が手を取り合えばこんなにも素敵な料理が作れるのよ」とセレナが言えば双子は意地張ってた事を謝って互いに手を取り合い、ニューラとバリヤードのレストランとして営業する事になった。めでたしめでたし、オレは美味しい料理を食えて満足である。

 

 ホウエンレポート114(進化の神秘)

 

 ヤマブキシティを目指して歩いているとキャタピーが現れて【いとをはく】を撃ってくるので回避する。

 この野郎、オレ達に喧嘩を売るとはいい度胸だなと思いつつもモンスターボールを構えてカビゴンを出してカビゴンの【のしかかり】でダメージを与えるとキャタピーのトレーナーであるゼンキチが出てきて謝罪し、ドクターゴードンとかいう胡散臭い研究者が出てくる。

 

 発明品を見ていってくれと言ってくるのだが、発明品には興味無い。オーバーテクノロジーはモンスターボールだけで充分だ。

 さっさとヤマブキシティに向かいたいので無視しようとすると食い下がるので渋々ドクターゴードンの研究所に向かえば色々と怪しげな装置が置いてあり、中には技思い出し装置とかいうそこそこ便利な物もあった。

 

「この中でどれが1番の自信作なんですか?」とセレナが聞けば「この【かなりふしぎなアメ】が1番の自信作だ」と言ってくる。

【ふしぎなアメ】と言えばレベルを1上げてくれるゲームだとそこそこ優秀なアイテムだ。しかしこの世界では見かけた覚えはない、レベルの概念はあれども具体的な数値が分かっていないので当然と言えば当然か。

 

「どんな効果を持ってるんですか?」と聞いてみれば、ゼンキチと共に外に出てゼンキチのキャタピーに【かなりふしぎなアメ】を食べさせる。

 するとダイマックスをしたんじゃないかと思えるぐらいにキャタピーが巨大化をした。アニメの映画で強制的にメガシンカさせるメガウェーブなるものが出てきたがまさかこれはそれのダイマックス版かと思ったがダイマックスは少ししかもたない。

 

 コレはそれ以上に継続する、ていうか10時間は巨大化させる。

 なるほど、確かにコレは【かなりふしぎなアメ】だと思っていると「あの、キャタピーはどうやったら元に戻るんですか?」と聞いてくると黙りなドクターゴードン。おい、小さくするアメも用意しておけよ。

 

 巨大化したキャタピーは悪目立ちしておりジュンサーさんに通報された。

 夕方には元の大きさに戻った……【かなりふしぎなアメ】中々にスゴいアイテムだった。

 

 ホウエンレポート115(ポケモンコンテスト ヤマブキ大会)

 

 久しぶりにやって来たヤマブキシティ。

 前に来たときは超能力者が云々だったが、今はそんな事は無い。ナツメによる恐怖の統治が無くなっている。

 

 さぁ、ポケモンコンテストに参加だとヤマブキ大会の会場に向かえばノクタス使いのオネエであるハーリーさんに会う。

「あらぁ、久しぶりじゃない。貴女もカントーのポケモンコンテストに挑戦しに来たのね」と笑顔を見せるハーリーさんだがあの笑顔は偽りで内心色々と思っているんだろうな。

 

 それはさておき、ハーリーさんに勝たないとこのヤマブキ大会は制する事が出来ない。

 大丈夫かなと思いつつもヤマブキ大会が開かれ、ハーリーさんがパフォーマンスをする。伊達にホウエンでグランドフェスティバルに出場したコーディネーターじゃない、頭1つ抜けているな。

 

 セレナも伊達にジョウトやホウエンのグランドフェスティバルに出ていない。

 セレナも頭が幾つも抜け出ており、決勝戦はハーリーvsセレナになった。セレナはカメックスを、ハーリーさんはアリアドスを出してきた。

 

 アリアドスは【いとをはく】を使ってくる。

【いとをはく】はポケモンコンテスト的に色々とマズい。身動きが上手く取れなくなると思っているとカメックスは背中のハイドロキャノンから【ハイドロポンプ】を撃ったと思えば【れいとうビーム】でフィールドを凍らせる。

 

 フィールドを凍らせて氷の柱を作ったがカメックスは【いとをはく】をくらい、アリアドスは糸を操ってカメックスを操り人形の如く動かそうとするのだがカメックスは四肢と頭を引っ込めた。何をするんだと見守っているとカメックスは【こうそくスピン】を使って例えるならばピンボールの様に乱反射してアリアドスを翻弄する。フィールドを氷漬けにして凍らせたのはこの為だったのか、憎い演出をしてくれる。

 

 氷上を滑って加速するカメックスを捉える事が出来ず、アリアドスのゲージは大幅に削られて最終的にはセレナが勝利した。

 ハーリーさんも頭が幾つか抜け出ていたけれどもセレナの方がまだ上手である。後、単純にポケモンのレベルが高い。オレと一緒に居るから無駄にポケモンのレベルが高い。ヤマブキリボンをゲットだぜ。

 

 ホウエンレポート116(格闘道場の泥沼)

 

 ヤマブキリボンを手に入れてやることはやった。

 既にカントーのポケモンリーグは終えているのでこれ以上は用は無いが大きな街なので美味しい物を食べてから出て行こうとなりラーメン屋に向かえば行列が出来ていた。行列が出来ているという事はさぞ美味しいんだろうなと1時間ほど待った結果、なんか店主が女性に連れられて行った。

 

 1時間も待ったのにラーメンをお預けはねえだろう。

 こうなったらと追いかけてみれば格闘道場に辿り着いた。どうやら駆け落ちっぽい事をしていたらしい。道場の後継ぎ(候補)がラーメン屋をやっている事に大層不服なそうだ。コレは触れるべき案件じゃない、ラーメンは諦めた。

 

 ホウエンレポート117(エスパーvsゴースト)

 

 森を彷徨っていると廃村っぽいところに辿り着く。

 程良く日が暮れていたので今日は此処で休むかと思っていると急に何もないところから音楽が流れる。

 ハハァ、さては【ゴースト】タイプの仕業だなと思っていると【エスパー】タイプの仕業だった。五月蝿いから静かにしろといえば黙っていた

 

 コレで静かになったと思ったのだが、1時間後にはどんちゃん騒ぎする【エスパー】タイプのポケモン達。

 五月蝿いなと思っていると【ゴースト】タイプのポケモン達が現れて【エスパー】タイプのポケモン達と争っていた。フーディン達が五月蝿くしているので夜もまともに眠ることが出来ないと言う正論を振り翳す。

 

 流石に夜もまともに眠れないのは困るよなと思っているとケーシィが【リフレクター】と【ひかりのかべ】を貼って眠っていた。

 どうやら壁系の技を使えば音漏れすることが無いようなので防音の壁の中でどんちゃん騒ぎをしてもらう事になった。五月蝿いのが回避できてなによりだ。



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バトルアリーナ 格闘道場

 

 ホウエンレポート118(コジロウはお坊っちゃま)

 

 ピカチュウが急に元気が無くなった。例によって電気の溜め込み過ぎたのだろうか?それともその逆、電気を使いすぎたのだろうか?

 取り敢えずピカチュウの両頬に触れてみて電気の調子がおかしいかどうか確認をする。ピカチュウの電気は良好、溜め込み過ぎでも使い過ぎでも無い。何時かのツボツボの秘薬はとうの昔に尽きている。なにが原因で元気が無いのだろうか?

 

 ポケナビを起動して現在地を確認してみるものの近くにポケモンセンターが無い。

 コレはどうしようと困っていると一人のお爺さんが現れて「大丈夫かね?」と心配そうにピカチュウを診てくれる。どうやらピカチュウは長い間のバトルで積み上げてきた疲れとモンスターボールの中に入らずに外にずっと出ていた為に生まれた疲れが1度に押し寄せて来たらしい。

 

 近くにお爺さんが管理をしている屋敷があるからそこで今日一日休んでこの薬を飲めば元気になると薬を調合してくれるお爺さん。

 お婆さんと一緒に巨大な屋敷を管理しており、今日はゆっくりと泊まっていけばいいと親切にしてくれる。なんという善人だろうかと思っているとコジロウが現れた。

 

 例によって悪事を働くつもりかと思っていると「タ、タイム!」とオレ達に話し合いの場を設けるように言うので渋々話し合いの場を設ける。

 どうやらこの豪邸はコジロウの実家の別荘の1つであり、コジロウも何時の間にかゲットしていたチリーンが体調不良なので老夫婦に診てもらって居たらしい。

 

 コジロウはロケット団に入ったことを爺やと婆やに知られたくないので口裏を合わせてくれと言ってくる。

 貸し1個だからなと向こうが馬鹿をやらない限りはこっちからは攻撃をして来ないと言う一時的な協定を結んだ。旅をしている時に出会った知り合いだと言う設定で通すのだが、ムサシとニャースの馬鹿が「ジャリボーイのピカチュウをゲットするならば弱っている今がチャンスよ!」と襲ってきたのでコジロウがサボネアで【ニードルアーム】を使いムサシのハブネークを殴り飛ばしたのでカビゴンを出して【メガトンパンチ】で殴り飛ばして星にした。「すまん、ムサシ!」とコジロウは一応は謝ったがムサシとニャースの自業自得である。

 

 夜になり寝静まる頃にはピカチュウはすやすやと眠っていた。

 オフの日にバトルをせずに完全にオフにしているのだがポケモン達は思ったよりも疲れが溜まっている。特に常時手持ちに居るピカチュウは旅の疲れが溜まりやすいんだろうか。ピカチュウは今日一日休めば大丈夫だと言われたが老夫婦の表情は暗い。

 ピカチュウはまだいいんだがチリーンの方が長い旅で蓄積した疲労が原因で暫く療養しなければならない。コジロウは明日には出て行く為にこの事を伝えづらい。

 

 恩は返さないといけないと老夫婦に代わってコジロウにチリーンはもう無理な事を伝えると落ち込むコジロウ。

 思えば辛い旅をさせていたと反省する……原作と違ってたまにしか関わっていないけれども過酷な旅をしていたんだろうな。コジロウはチリーンの為になるならばとチリーンを老夫婦に預ける事を決意してチリーンのボールを老夫婦に渡そうとするのだが間違えて空のモンスターボールを出してしまい老夫婦と一緒にいるマネネがコジロウのモンスターボールに入り、コジロウのポケモンになった。

 

 ホウエンレポート119(モココの漢方薬)

 

 間もなくバトルアリーナに辿り着くのでポケモン達の最終調整を行う。

 バトルアリーナは原作知識が正しければ使用ポケモン2体のシングルバトルで、チャーレムとハリテヤマが出てくる。が、万が一という事もあるので調整はしておく。

 

 今回出すポケモンはもう決めてあるとコノヨザルを相手にスパーリングを行う。

 オコリザルからコノヨザルに進化した為に【ゴースト】タイプが追加された。コノヨザルを殴るには武装色の覇気的なのを纏わないと殴れない。コノヨザルを相手にスパーリングを行えるのはオレぐらいじゃないだろうか。

 

 回避不可能な【シャドーパンチ】を撃ってくるコノヨザル。

 予備動作から何処から飛んでくるかは見えているぞと回避不可能な【シャドーパンチ】を回避するのだが回避した【シャドーパンチ】は消えることはなく、モココに【シャドーパンチ】が当たった。

 

 ヤベえ、【シャドーパンチ】を野生のポケモンに当たっちまったと慌てているとモココのトレーナーが現れる。

 モココのトレーナーもといモモコさんに直ぐにすみませんでしたと頭を下げて謝るが「バトルの特訓をしているところに出てきた私達が悪いから」とあんまり気にしていない。オレのコノヨザルの【シャドーパンチ】の威力は中々のものなのでせめてキズぐすりの1つでもと思っていると大丈夫というのでなにが大丈夫なのか聞いてみればついてきてと言うのでバトルの特訓を中断してついていくと漢方薬の店に辿り着いた。

 

 こんな所に漢方薬の店があるのは珍しいな。モモコさんはこの漢方薬店の店主の孫で従業員らしくモココに漢方薬を飲ませていた。

 漢方薬作りを学んでいるとの事で漢方薬作りならばパラスとかが良いんじゃないかとセレナが疑問を持ったので尋ねてみればモココの電撃を漢方薬にぶつけるという中々にアグレッシブな事をやっていた。コレで漢方薬を作れると言うんだからこの世界は中々に謎である。

 

 ついでなので漢方薬をそこそこ購入した。

 疲労回復系の薬は割と大事である。オフの日はとことんオフにするスタイルにしているものの、なんだかんだで疲労は蓄積している。回復系の薬は苦いから気をつけて飲みすぎない様にと一応の注意は受ける。

 モモコさんのところの漢方薬は効果覿面らしい。こういう量産化出来ないけども確かな効果がある薬は割とバカには出来ない。

 

 ホウエンレポート120(バトルアリーナ 格闘バトル)

 

 バトルアリーナがもうすぐなのだがその前にとポケモンセンターに寄ればエニシダさんがいた。

 オレ達が来るのを待っていてくれたらしい。熱い激闘を繰り広げる事を期待してくれる……あんまりハードルを上げられるのもそれはそれで困る。ポケモンセンターでポケモン達を回復させているとセレナがエニシダさんにバトルアリーナってどんなところなんですか?と聞くのでエニシダさんは「それはついてのお楽しみ」と言う。

 

 まぁ、オレは原作知識があるから知ってるんだけど。

 ポケモン達の回復を終えるとエニシダさんの車に乗るが前回に引き続き荒っぽい運転をしてくれる▲▲の運転より荒いぞ。

 エニシダさんの車に乗って辿り着いたバトルアリーナ、アリーナだけあって道場だ。

 

 エニシダさんが「コゴミ、チャレンジャーを連れて来たよ」と言う。

「久しぶりのチャレンジャー!燃えてきたわ!!」と熱くなるバトルアリーナのアリーナキャプテンのコゴミさん。既にダツラさんを倒している事を知れば更に驚き「倒しがいがあるわね」と言ってくる。

 

 道場の奥へと案内してもらうと綺麗なバトルフィールドがあった。

 よっしゃバトルするかとなるのだが今回のルールは使用ポケモン2体なのだが勝ち抜き戦、ポケモンを交代したりボールに戻した時点で戦闘不能扱いになるルールでコゴミさんが最初に出したのはチャーレムだった。

 

 チャーレムは多彩な技を使える。

 コレはまずいなと当初の予定ではコノヨザルに先鋒を任せようと思っていたけれども、予定変更。カビゴンで行く。

 

「サトシくん、カビゴンなんて持ってたのか!?」と驚くエニシダさん。

 カビゴンってなんだかんだで珍しいポケモンなんだよな。「チャーレム相手にカビゴンだなんて、燃える事をしてくれるじゃない」と燃えているコゴミさん。試合開始の合図が告げられるとチャーレムは【とびひざげり】を使ってくるので【あくび】を使う。

 

 カビゴンならばチャーレムの【とびひざげり】を耐えることが出来る。

 予想通りと言うべきかカビゴンの自慢のお腹が【とびひざげり】のダメージを抑えてくれてカビゴンが欠伸と同時に吐いた泡にチャーレムは触れてチャーレムはウトウトする。「チャーレム【きあいパンチ】」と眠る前に決着をつけようとするコゴミさんだが眠たくなってて照準が上手く定まらない【きあいパンチ】ならばカビゴンで余裕で避ける事が出来るとカビゴンは【きあいパンチ】を回避するとチャーレムは眠りについた。

 

「チャーレム、起きて!起きて戦うのよ!」とチャーレムに呼びかけるコゴミさんだがチャーレムは熟睡している。

 その隙にこっちは色々とやらせてもらうとカビゴンに【はらだいこ】を使わせてこうげきを最大にまで上げて【のしかかり】を使えばチャーレムは一発で戦闘不能に追い込まれる。やはり【はらだいこ】は強いな。

 

「チャーレムを一撃で……やるじゃない、貴方のカビゴン!」と熱くなるコゴミさん。

 2番手に出てきたのはハリテヤマ、原作知識通り……サトシくんはカビゴンでこのハリテヤマを倒したからオレもカビゴン1体で攻略したい。

 そう思っていたが甘い夢だった。開幕の【ねこだまし】からの【つっぱり】の連打によってカビゴンを戦闘不能にする。【とびひざげり】のダメージと【はらだいこ】で体力を大きく消費していた。一撃でも攻撃を当てる事が出来ればハリテヤマを倒せた筈なんだが……オレもまだまだ未熟者というわけだ。

 

 チャーレムを撃退してくれたのでカビゴンはいい仕事をしてくれた。

 このバトルの要であるチャーレムは倒すことが出来たんだとカビゴンに「ご苦労だった」と言い、次のポケモンを、コノヨザルを出す。

 

「見たことがないポケモンね」と言うコゴミさん。

「オコリザルが進化したポケモンなんですよ」と言えば「オコリザル、まだ進化するの!!」と驚いていた。知識無双はたまにしか出来ないが実に楽しい事である。「オコリザルの進化系なら熱いバトルが出来るわね!ハリテヤマ【はっけい】」と【はっけい】を使ってくるが回避した。【ゴースト】タイプのコノヨザルには通じないがまだ【ゴースト】タイプのポケモンだと気付かれるわけにはいかないんだ。

 

 【はっけい】を避ける事で出来た隙を逃すわけにはいかない。

 つい最近覚えたばかりだと【アクロバット】を使う。立体的な動きになったので翻弄されるハリテヤマ。

 立体的に動いて上から強襲を仕掛けてくるコノヨザルの【アクロバット】

 ハリテヤマはコノヨザルの蹴りを何発か受けるがこの程度では倒れないと根性を見せる。テツヤさんのハリテヤマだったら今ので倒れたが、やはりフロンティアブレーンのポケモンは硬い……が、まだこちらの方が有利である。

 

 徐々に徐々にコノヨザルの【アクロバット】に目が慣れてきたのか動きに対応してくるハリテヤマ。

【きあいパンチ】を使ってくるのでそれを待っていたとコノヨザルは構えるとハリテヤマの【きあいパンチ】が命中する……と思いきやコノヨザルを通過していく。「まさか、コノヨザルって【ゴースト】タイプのポケモンなの!?」と驚くコゴミさん。「コノヨザルは【ゴースト】【かくとう】タイプのポケモン、【かくとう】タイプと【ノーマル】タイプの攻撃は全て無効です。コノヨザル【アクロバット】」と【きあいパンチ】を叩き込もうとしてすり抜けたハリテヤマの背後を取って【アクロバット】でダブルスレッジハンマー的なのを空中で叩き込むが倒れない。

 

 四天王と同格のフロンティアブレーンなだけあるな。

 まだまだ熱いバトルを繰り広げようと思っていると【ぶちかまし】を使ってくるハリテヤマ。コノヨザルに直撃してコノヨザルは吹き飛ばされるがコノヨザルはまだまだ倒れない。まだこちらの方が有利である。

 

 息を大きく乱しているハリテヤマに対してまだまだ元気なコノヨザル。

 勝負の流れはこちらが握っている。コゴミさんもコノヨザルが中々に倒れないからどうしようかと悩んでいる。【ぶちかまし】は使い続ければ自分が不利になる技、そう何発も連発していられない。ハリテヤマの体力やダメージ的にも早目に決着をつけたいが肝心のコノヨザルがハリテヤマの【かくとう】と【ノーマル】技を封じている。ゲームだったら殆ど詰みに近いがコゴミさんは諦めずに【ほのおのパンチ】で対抗してくるのでこちらは【かみなりパンチ】をぶつける。ハリテヤマはとくせいが【あついしぼう】の可能性があり下手したら【ほのおのパンチ】を相殺しきれない可能性があるので【かみなりパンチ】で対抗すると【まひ】状態になるハリテヤマ。

 

 今だトドメだと温存していた【ふんどのこぶし】を使ってハリテヤマを殴り飛ばす。

 前から思ってたんだけども【ノーマル】タイプのポケモンに【ゴースト】タイプの技が通じないのならば【かくとう】タイプのポケモンに【ゴースト】タイプの技が通じない仕様にならないのだろうか?【かくとう】は【ゴースト】に通じないならばその逆もありでいいんじゃないか。

 まぁ、今回はその恩恵を受けて勝つことが出来た。【ふんどのこぶし】でハリテヤマを殴り飛ばしてハリテヤマを戦闘不能にした。中々に骨のあるハリテヤマ、コノヨザル以外で挑んでいたら負けていたかもしれない。サンキュー、コノヨザル。

 

 バトルアリーナを制した証だとガッツシンボルを受け取る。

 2つ目のシンボルゲットだぜと喜び、次の施設であるバトルドームがある場所がポケナビに登録される。

 

 ホウエンレポート121(束の間の再会)

 

 次の施設であるバトルドームは原作知識が正しければダブルバトルだ。

 ダブルバトルは普通のバトルとは違うからなにで挑もうかと考えているとユウキ達と再会する。

 

 その後の進展はどうなっているのかと尋ねてみればユウキの奴はグリーン、グレー、見たことがない恐らくはアニメオリジナルのジムバッジを見せてくる。既に3つもジムバッジをゲットするとかどんだけ早くにバッジを集めているんだと思うが、オレが遅いだけなのかもしれない。

 

 トキワジムと言えばキクコさんに勝ったのか?と聞けばエースのゲンガーをサーナイトの【みちづれ】で倒したらしい。

 メガシンカ有りのルールだったら確実に勝つことが出来たけれども流石は四天王と言ったところだとユウキは自分がまだ四天王を倒せるところにまで手が届いていない事を悔しがる。オレがカントーを旅していた頃よりも遥かに強いぞ、お前は。因みにハルカもコンテストリボンをゲットしていた。この少しの間に成長する、成長速度が筍の様だな。

 

「折角だからバトルをしない?」とユウキは言うが断った。

 今はバトルフロンティアに集中したいからユウキとの真剣勝負はお預けだ。ユウキとバトルするならばガチの構成をしておかないと絶対に勝てない。ユウキはそれほどまでのトレーナーだ。だから戦うならば野良バトルはパス、極力ちゃんとした場所でのバトルをしたい。するんだったら公式の審判を呼んだりしてフルバトルをしたいな。

 

 ケンタも今頃はチャンピオンリーグに向けて猛特訓しているんだろうな。

 最近連絡取ってないけれどもどうしてるのだろうか?マリナとイチャイチャしているのだろうか?彼奴、転生者ライフを送る事が出来ているのかと心配する。オレは難しい事を考えない様にしている、ユウキは一周回ってハッチャケてる、プラターヌ博士の助手は謎、▲▲は居るのだろうか?

 

 ケンタとユウキのパターンからして▲▲はシンオウに居そうだ。

 シンオウに居たらじゃあプラターヌ博士の助手はどうなるんだ?そういえばプラターヌ博士の助手についてユウキに教えていなかったなと教えると意外そうな顔をする。プラターヌ博士の助手が▲▲じゃないのかと言うがそれならば何処かのポケモンリーグに……いやでも、滅茶苦茶マイペースなんだよな。この世界じゃポケモン貰ったらコーディネーターやトレーナーを目指すのは当たり前な事だけれども、仮に▲▲がプラターヌ博士の助手になったのならば……オレの直勘だとプラターヌ博士の助手は▲▲じゃない、シンオウに居ると思う。

 

 ▲▲は今頃はどうしてるんだろうな?

 マイペースなアイツの事だからケンタの様にグレる事は無いだろうし、ユウキの様に一周回ってハッチャケる事も無さそうだ。相変わらずマイペースに生きているんだろうか?う〜ん……読めないな。

 

 ユウキの奴はハッチャケて生きておかないとやってけないという。ケンタは色々と難しく考え過ぎだと言っていた。

 オレは難しい事を考えない様にしている。ここにいるオレはなんにせよ本物である事には変わりは無いのだから。▲▲は……現状をどう受け取るつもりなんだろう?ほげぇ~としている……いや、流石にそれは無いか。



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ミュウと外道の勇者サトゥーシ

 

 ホウエンレポート122(ロータの街のコスプレバトル大会)

 

 次の施設であるバトルドームを目指していると城下町に辿り着く。

 おかしいな?此処はカントー地方、地方ではあるが領主が居るとかいうシステムは無い。王族貴族の制度はとうの昔に滅んでいると言うのに何故にあるのかと疑問を抱いてきつつも原作知識を引っ張り出す。困った時には原作知識に頼っていた方がいい。なにかとオトクである。

 

 原作知識を引っ張り出した結果、ミュウと波導の勇者ルカリオの物語の舞台であるロータの街だという事が分かった。

 やれやれ今回も荒事に巻き込まれてしまったな。一先ずはポケモンセンターに寄ってミュウツーを送って来て貰い、ロータの街の大事な式典であるバトルの大会に出る。めんどうな事にこのバトルの大会はコスプレしないといけない。此処は原作通りにするべきかと勇者アーロンの格好をしてミュウツーで挑む。

 

 流石と言うかチートと言うか、決勝戦のマニューラ以外を全て【サイコキネシス】の一撃で倒すミュウツー。

『つまらんな』と退屈する……胸を熱くする程のポケモンバトルは早々に出来ない。ケンタやユウキ相手でもお前を出す事は躊躇っているんだぞ。

 圧倒的なまでの力でポケモンバトルの大会を勝ち抜いて優勝すればパーティに招待される。

 

 勇者アーロンが実際に使っていたと言う錫杖を手にして目を閉じる。

 杖の先端部分にある石からポケモンの気配を感じる。どうやったら中にいるポケモンを、ルカリオを出す事が出来るんだろうか?オレは優勝者なので社交ダンス的なのに参加しなくてもいい……代わりにごちそうにもありつけないけれども。

 

 なんとかしてルカリオを出す事が出来ないかと思っていると『アーロン様!』と脳内に声が響く。

 コレはと思い壁画に書かれている勇者アーロンと同じポーズを取ってみれば錫杖は眩い光を放ち、ルカリオが出現した。

 

『アーロン様!何故です、何故私を置いていったのですか!!』とオレをアーロンと勘違いして脳内通話をしてくるので「目を開けてみろ、オレはアーロンじゃない」と言えば驚いた顔をするルカリオ。

 そういえば目がやられたんだったなと目薬を取り出して目を洗えばルカリオは閉じていた瞳を開いて驚いた顔をする。『アーロン様じゃない!お前はいったい何者なんだ!』と聞いてくるのでむしろお前が何者だと聞きたいわ。

 

「まさか、伝説の波導の勇者アーロンの相棒であったルカリオ!?」と驚くアイリーン女王陛下。

『リーン様』とアイリーン女王陛下を見て勘違いする。原作知識で瓜二つなのは知っているけれども、1000年以上前の人間と瓜二つってどんだけDNAが濃いんだ……いや、ジョーイさんの時点で既にアレなんだけども。

 

 ともあれルカリオを解放する事が出来た。

 ここからが厄介な事、ピカチュウがミュウに拉致られてしまう。万が一を想定してのミュウツーをピカチュウの側に居るが……ダメだった。

 ミュウツーはミュウツーなりに頑張ってくれたんだろうが『すまない。ピカチュウがミュウに拐われてしまった』と言ってくる。困ったらお前頼りしてんのにこんなところで凡ミスしてんじゃねえぞと地獄卍固めを掛ける。

 

 お前レベルのポケモンが苦戦するって事はミュウは相当強かったのか?と聞いてみる。

 冷静になって考えてみればミュウツーゲットした時にミュウと遭遇してねえんだよな。ミュウツー自身もミュウとの遭遇はなんだかんだでコレが初であり『お前が私のオリジナルとなったポケモン……』とミュウを見て固まっていたらしい。

 ミュウツーもミュウに対して色々と思うところがあるのは分かるけれどもピカチュウが拐われてちゃ話にならない。まぁ、幸いと言うべきか行き先は分かっている。はじまりの樹だ。

 

 決勝戦で戦ったトレーナー、ベッキー、じゃなかった。キッドさんも色々と目星がついておりミュウがこの城に頻繁に出入りをしている事をアイリーン女王陛下も知っているのではじまりの樹に向かうことが決まる。

 全く、此処でピカチュウが拐われるのを阻止する事が出来ていたのならば、はじまりの樹に向かうと言う手間を取らなくて済んだのに……まぁ、今回は相手が悪かった事にしておく。マナフィの時には思う存分に活躍してもらうから覚悟しておけよ。

 

 ホウエンレポート123(ピカチュウが居ない日)

 

 はじまりの樹に向かうことが決まりキッドさんの車で行くことになった。

 通常だと歩きで行けば1週間ぐらいは掛かるが流石は車だ、1週間ぐらいは掛かる距離を1日で済ませる事が出来る……とはいえ逆に考えれば1日必要になる。劇場版案件はホントにめんどくさいのである。

 

 はじまりの樹に向かうことが決まりセレナと一緒に車に乗り込んでるとルカリオが『私も連れて行ってくれ』と頼み込んできた。

 確かめたいことがある……アーロンがどうして最後の最後で自分を封印したのか、最後まで側に居させて貰えなかった真実を知りたいのだがルカリオはアーロンの事を疑っている。1000年以上も放置されれば人間不信にもなるわな。

 

『アーロンとやらは結局戦争を止めたのか?』と疑問を投げかけるミュウツー。

 今こうして現代にまで人間やポケモンが生きているという事は逆説的にアーロンは戦争を止めることに成功している。じゃあ、アーロンはその後どうしたのか?その辺については文献が残っていないということ。

 

 一応は最後どうなったのかは原作知識で知っている……勇者らしい最後を迎えている。

 ドラクエの漫画だったけか?魔王を倒した奴は魔王以上の化け物が現れたと吹聴したら国が滅びただったけか?仮にアーロンが帰る事が出来たら国は歓迎出来ていたのだろうか?

 

 キッドさんは長距離の運転は危険なのでお昼も兼ねて一旦休憩する事になるが違和感を感じる。

 ピカチュウを貰ってから基本的にはピカチュウと一緒に居た。オーキド博士の研究所にフシギダネ達を預けたりしていたがピカチュウだけは1度も預ける事は無かった。ピカチュウが居ることが当たり前になっているのでピカチュウが居ない冒険は初である。

 

 ここから起きる事を考えれば備えておかなければならない。

 ミュウツーも無邪気=善ではない、時と場合によっては無邪気は邪悪よりも質が悪いことを自覚しており、もしかしたらミュウとの戦闘があるかもしれないと久しぶりにミュウツーと激突する。

 

 はじめて戦ったあの頃よりも【サイコキネシス】や【シャドーボール】の威力が上がっている。

 だがどうしたとオレの視界の死角から【シャドーボール】を連発してくるので波動で探知して回避すると『貴様、波動が使えるのか!?』とルカリオは驚いている。アーロンと同じ質の波動を持っているだけだと思っていたらしいが波動は数年掛けて覚えた……初期の頃はホントに辛かったが波動と言う物を認知、感覚で感知する事が出来るようになってからはスムーズに修行は進んだんだ。ただまぁ、あまりにも極め過ぎて他人の思考や感情を読み取る事が出来るようになってしまった……頭の中まで分かるのは色々と不快だ。

 

 ミュウツーと一戦を終えて勝利するとセレナがガラス細工かの様な花を見つける。

 ルカリオ曰く時間の花と呼ばれるもので波動使いの波動に触れると反応する花で、過去の出来事が投映されるらしい。コレって自然で出来た植物なんだよな?なんかオーパーツ並みに凄まじいテクノロジーを感じる。コレ使って一儲け出来ないだろうか?

 

 映し出されるのはついさっきのミュウツーとの戦闘だ。

 オレに【サイコキネシス】が通じず【シャドーボール】を簡単に弾くのでミュウツーは肉弾戦だと【アクアテール】を放ってくるので真剣白刃取りならぬ真剣尻尾取りを行いそのままジャイアントスイングを決める。

 投げ飛ばされたミュウツーは直ぐに体制を立て直すので残像拳を用いて分身しミュウツーは地面に向かって【みずのはどう】を放ち水を拡散させて1度に残像と本体のオレごと攻撃するがそれぐらいはしてくるだろうと読めていたので水の波紋を飛んで回避すると【どくづき】を叩き込んでくる。空中に浮いている隙を狙ってきた、やはり空を浮く事が出来ないのは厳しい……ヤマブキシティで超能力の使い方を会得した方が良かっただろうか?

 

 いい【どくづき】をくらったので波紋の呼吸で解毒と回復を行う。

 ミュウツー相手だと1手ミスると結構なダメージになるとミュウツーが目で追えない速度でミュウツーの周りをグルグルと周りミュウツーの背後目掛けてドロップキックからのキン肉族三大奥義の1つ、マッスル・インフェルノで壁に頭から激突させた。

 ミュウツーじゃないと使えないど派手な技でロデオスキップをされれはカウンターをくらうマッスル・インフェルノだが上手く決まって何よりだ。第三者視点で見ると中々に熱い激闘を繰り広げている。後、ミュウツーが【じこさいせい】が使えてよかった。この辺にポケモンセンターが無いからな。

 

『貴様、ホントに人間なのか!?』と改めて時間の花で見た記録を見てツッコミを入れてくるルカリオ。

 おいおい、何処をどう見てるんだ?オレは正真正銘のカントー地方のマサラタウン出身のサトシくんだぜ?……いや、正真正銘か?よくよく考えてみればオレ、サトシくんじゃないんだよな……まぁ、その辺については忘れよう。考えたくない事も時にはある。

 

 いい汗をかいたら温泉があったので入ることになるのだがルカリオは興味無さげだ。

 はじまりの樹がある方向をジッと見つめていて感傷に浸っている。アーロンの事を気にしているんだろう……人間不信になりかけつつもなんだかんだで主人の事は大好き、だからこそ困惑していると言ったところだろうか。

 

「ピカチュウ、大丈夫かしら?」とセレナがピカチュウを心配する。

 原作知識とアイリーン女王陛下の情報からミュウは無邪気で基本的には害意があるわけでは無いので酷い目に遭うと言う事はまず無い。

 問題はミュウがピカチュウを返してくれるかどうか、遊び相手が欲しいから返してくれないとかいうオチだけはないことを願う。でも原作があんな感じだったしなと思い出していると不安になってくる。今回は明確な悪が居ない劇場版だから暴力で解決する事が出来ねえんだよな。

 

『ピカチュウはお前に愛想を尽かしてミュウの元に行ってしまうかもしれないな』と人間不信になりかけているルカリオは言う。

 それはどうだろうな?ピカチュウを貰った際には色々と落胆してしまったけども今となっては最高の相棒である。『お前がピカチュウを都合が悪くなれば見捨てるという可能性だってある……人とポケモンは通じ合う事も分かり合う事も出来ないんだ』と心を閉まっているルカリオ。

 

 アーロンの一件がそんなに尾を引いているならばと「だったらアーロンは都合が悪くなったからお前を見捨てたクズ野郎だな」と言えば『貴様ァ!アーロン様を侮辱することは許さんぞ!』と【はどうだん】を撃ってきたので波動拳で対抗してそのままバトルスタート。

 先ずは軽く残像拳だと分身をするがルカリオは『無駄だ!私には波動がある!本物が何処にいるのか見分ける事など造作でもない事だ』と【はどうだん】をぶつけてくる。

 

 成る程、伊達に伝説の勇者の相棒だったわけじゃないか。

 このルカリオの実力は準伝説クラスと想定した方がいいなと地面を強く殴って尖った岩の破片を地面から飛ばす。ルカリオは目を閉じて波動で飛んでくる岩の破片を全て探知して回避するがコレでルカリオの視界を防ぐことに成功したのだと高速移動でルカリオに近付く。

『波動だけが私の力ではない!』と【バレットパンチ】を叩き込むルカリオ、ならばこちらは二重の極みだとルカリオをぶん殴り互いに両頬を殴る。今度はこうだと間合いを取って魔王の咆哮(ゼブルブラスト)を放つ。

 

『電撃を放っただと!?』と驚くルカリオ。

 ハッハッハ、それだけじゃねえぞ。ルネシティでアダンさんとセレナが特訓していた裏で密かに特訓していたこの技があるとデラックスボンバーを放てばルカリオにぶつかりとどめだと電撃を纏った波紋、黄金色の波紋疾走(ライジングイエローオーバードライブ)を叩き込みルカリオは戦闘不能になった。

 

『お前、ホントのホントに人間なのか?』と疑うルカリオ。人間でありマサラ人だ。そして耐久力だけならばオーキド博士の方が上だ。

 ルカリオとの激闘はオレの勝利で終わった……キッドさんは引き攣った顔をしていたがセレナが「大丈夫です、何時もの事なので」と言ってくれる。そうそう、何時もの事なんだよ……これを書いている今でもそうだがピカチュウが居ない事に関してスゲえ違和感を感じるな。

 

 ホウエンレポート124(ミュウと外道の勇者サトシ)

 

 はじまりの樹付近まで来たのだがここから先は車では行けない険しい道のりだ。

 車が使えないのは残念だけれどもそれは仕方がない事だと受け入れてはじまりの樹を目指していると時間の花を発見しルカリオは『ここは!』と声を荒げる。

 

 原作通りに進めてみるかと時間の花に波動を流し込めばルカリオが封印される直後が映し出される。

 ガチの戦争があった時代、ポケモン達は武装しておりアーロンはルカリオを封印してはじまりの樹に向かって行った。アーロンは何処か申し訳無さそうにしていたのだがルカリオはその事には気付かない。

 

「時間の花がこの辺に生息してるって事ははじまりの樹にも時間の花が存在しているかもしれねえ」と言えば歩き出すルカリオ。

 オレが出来ることはある程度は原作通りにすることだとはじまりの樹に向かうとレジロック、レジスチル、レジアイスのレジ3体が迫ってきた。そうだ、コイツラはじまりの樹に近付く害意がある奴を撃退するガードマン的な存在だったわ。

 

 立ち塞がる敵は倒すしかない……ゲットは……レジはエレキとドラゴ派なのでゲットしない。

 取り敢えずこいつらは倒すと二重の極みで顔と思わしき点字ブロックを破壊すると動かなくなった。3体のレジはその辺の岩や氷で破損した部位を修復するって図鑑に載ってたから命までは奪っていない。

 

『おい、私の出番はどうした?』と不満そうなミュウツー。

 本番はここからだと思っているとスライム的なのが出現するので今だとミュウツーをメガミュウツーXにメガシンカさせる。

 

『成る程、コレはお前以外では手に負えない……ミュウの力を感じるな』とスライム的なのからミュウの力を探知するミュウツー。

 そんな事が出来るとは流石はミュウツーだとミュウツーは【サイコキネシス】を放ってスライム的なのを蹴散らすが直ぐに復活する。根本を絶たなければ意味が無いと『ミュウよ!そしてピカチュウよ、お前達は何処に居るんだ!』とミュウとピカチュウを探す。

 

 流石にここまで異変が起きれば嫌でも出てくるミュウ。

「テメエ、よくも人様のピカチュウを攫ってくれたな?覚悟は出来てるんだろうな?」と腕をパキパキ鳴らして威嚇するのだがミュウツーが『ミュウの相手は私だ……ミュウよ、私とバトルをしろ。私が勝ったのならばピカチュウを返してもらうぞ』と勝手な事を言い出すミュウツー。オレが戦った方が確実に勝てるって言うのになに言ってるんだよ。

 

 ミュウはミュウツーが仕掛けてきた勝負に応じる。

 オレの記憶に間違いが無ければミュウの種族値はオール100の600族、対するメガミュウツーXは780,種族値はこちらの方が上だ。

 ミュウが勝負に応じたのでスライム的なのが一時的に止まる。

 

 ミュウvsメガミュウツーX、現実だと簡単に見れる対戦カードだがこの世界じゃ早々にお目にかかれない対戦カードだ。

 開幕ブッパだとミュウは【サイコキネシス】を放ってくるのでメガミュウツーXも【サイコキネシス】で対抗し……メガミュウツーXが勝つのだが「その姿の売りはそこじゃねえだろ?」とだけ言っておく。メガミュウツーXの武器は物理攻撃……残念な事にミュウに対して有効打になる物理攻撃を覚えないのだがメガシンカしているだけの事はあると高火力な技を見せて、最終的にはミュウツーは【サイコブレイク】を会得し、ミュウを倒した。『私の勝ちだ』と満足気なミュウツー、まぁ、勝つことが出来たから文句は無い。

 

 ピカチュウを返して貰うのだがスライム的なのが再び動き出す。

 この野郎、まだなんかする気かと思っていると辛そうな表情を浮かびあげるミュウ、ミュウツーとのバトルが過酷だったんだろう。それが原因でミュウと繋がっているらしいはじまりの樹が衰弱して栄養を欲してオレ達を取り込もうとしている。

 幻のポケモンは厄ネタだなこんちくしょうとメガミュウツーXにスライム的なのを撃退しつつもはじまりの樹の中心部的なところに出れば時間の花があり、記録を確認するとはじまりの樹に文字通り命を注ぎ込んだアーロンが映し出されてルカリオと共に居たかったがそれだとルカリオが犠牲になるから自分が犠牲になると呟いており、最後に「もう一度会いたかったよ、ルカリオ」と言えばルカリオは真実を全て知って涙を流す。

 

 感動的なところ悪いけれども問題を解決する事が出来ていない。

 スライム的なのをメガミュウツーXで撃退しているが何時まで保つか分かったもんじゃないと言えばはじまりの樹に波動を送り込むルカリオ。

『アーロン様に出来たんだ。私も成し遂げてみせる!』とはじまりの樹を復活させようとするがルカリオの波動が足りない。原作通りならばと近くにアーロンが実際に使っていたグローブがあり、それを装着してオレも波動とついでに波紋を流し込む。

 

 原作だと此処でルカリオが死ぬが流石にその終わり方は好みじゃない。

 ルカリオが致死量寸前にまで波動を流し込んだのでルカリオを殴って気絶させ、波動を流し込んだ末にはじまりの樹は復活した。

 

 はじまりの樹が復活したのでミュウも元気になった。

 コレで心置きなく拳骨を叩き落とせると拳骨を叩き落とした。幻のポケモンだからって調子に乗っていいわけじゃねえからな。オレはその辺は甘くねえぞ。

 

 ともあれルカリオは死なず、ピカチュウは手持ちに戻った……よかった。

 ついでにミュウとツーショットを撮っておく。将来GOくんに自慢したいから。

 

 ホウエンレポート125(ミュウと外道の勇者サトシのその後)

 

 1日かけて城に帰還した。

 ルカリオがどうしてアーロンと同じ最後を迎えさせてくれなかったんだと文句を言うがお前がアーロンと同じ理由で死んだら本末転倒、ルカリオの役目は生き抜くことじゃねえのか?と言えば黙る。

 

「お前の最後の使命は最後まで笑って生き抜くことだ。それが勇者アーロンの願いの筈だ」

 

 オレの口から語れる事はコレしかない。

 アーロンの最後の願いが分かり人間不信が治ったルカリオ、これからどうするんだ?と聞けばルカリオはアイリーン女王陛下に仕えて笑って最後を迎えると言う。アイリーン女王陛下に事の顛末を伝えれば「やはりアーロンは伝説通り波導の勇者だったのですね」とアーロンを持ち上げる。

 

 コレにて一件落着だがなにかお礼をしたいとアイリーン女王陛下は言う。

 今回はピカチュウを連れ戻すだけで明確な悪を倒す一件では無かったのでお礼を言われる事じゃないが、それでもと言うので勇者アーロンが実際に使っていたグローブとアーロンのコスプレ衣装を貰う事にした。

 

『アーロン様を模した衣装だ。くれぐれもその格好の際には無様な醜態を晒すなよ』と言ってくる。

 この衣装、仮に使ってもポケモンコンテストぐらいだろうなぁ……取り敢えず実家に郵送してもらうことにした。

 

 コレで劇場版は無事に解決だがもう一個残ってる……どうなるんだろうな?

 まぁ、次の劇場版は明確な悪を倒しさえすれば無事に解決する案件だから楽なんだけども……いやぁ、めっちゃ疲れた。



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ライバルはサラリーマン

アランの設定はとことん盛ることにしたんだ……


 ホウエンレポート126(ライバルはサラリーマン)

 

 バトルドームを目指していると道中立ち寄ったジルバタウンでポケモンコンテストが開催される事を知る。

 バトルドーム目当てだったので急なポケモンコンテストだがセレナは何時でもコンテストに出れる様にポケモンのコンディションを整えている。

 

 流石はセレナだとポケモンコンテストに登録する。

 公式な大会なのだが小さい町の為か参加する人数が十数名、強敵らしい強敵は居ないし今回は楽勝だなと思っているとなんかエントリーしているコーディネーターの数とその場にいるコーディネーターの数が合わないというトラブルが起きていた。

 おいおい、大丈夫か?と思っているとスーツ姿のサラリーマン、オガタさんが慌ててやって来た。コンテストがある日に急遽仕事が入っていたらしく、間もなく失格のところでやって来た。割とマジのギリギリのところで更にはホントにコンテストに出るコーディネーターなの?と思わせるぐらいの普通のサラリーマンだったので観客達から笑われたりするがオガタさんは気にしない。

 

 普通のサラリーマンが出てくるのは色々と意外性がある。

 それはさておきコンテストの一次審査が行われる。今回は大会参加者が少ないので4名しか二次審査に勝ち残る事が出来ない結構シビアな大会だ。セレナは一次審査をサクッと終わらせる。何度も何度も出場してたらグランドフェスティバルは緊張するかもしれないけど流石に普通の大会は緊張しないか。

 

 セレナが終わり最後の番だとオガタさんの番が来るのだがオガタさんは何処のロックシンガーだと思わせるかの様な衣装を身に纏い登場した。

 今はまだコンテストに衣装が必要とかそういうのは無いので別に私服とかでも問題無いんだが、サラリーマンからのロックシンガーって何処の荒岩一味だとツッコミを入れたかったのだが、それは気にせずにステージオン。

 

 オガタさんはバタフリーを出して【しびれごな】と【ねむりごな】を同時に出すと言う中々にと言うか物凄く高度な技をやっていた。

 オレのコノヨザルが右手で【ほのおのパンチ】を出して左手で【れいとうパンチ】か【かみなりパンチ】を出す訓練にニ週間以上費やしたのに、スーツ姿で飛び出して来た温厚なサラリーマン姿からは想像が出来ない。

 

 綺麗にパフォーマンスが出来てるなと思っていると奥さんと息子さんが乱入してきた。

 いい歳してポケモンコンテストに出るな、こんな遊び場に出て恥の上塗りをしないでと言ってくるがそれはコーディネーターやポケモントレーナーに対して喧嘩を売ってるも同然の発言だぞ。色々と揉めに揉めてたが最終的にはオガタさんが「どうせなら最後まで見ていってくれ」と言うので奥さんと息子さんは渋々座り、オガタさんはパフォーマンスを再開するのだが中々のものだった。

 

 見た目は極々普通のサラリーマンだが、腕は一級品だな。

 コレは決勝戦で激突するのはと予想していると予想通り決勝戦でセレナとぶつかる事になった。パフォーマンスだけでなくコンテストバトルの腕も確かなオガタさん、コレは強敵だ。

 

 セレナがフシギバナを出したと思えばオガタさんもフシギバナを出した。

 同種同士の対決、ゲームじゃ多々見るがこの世界じゃ中々に見ない、同種同士の対決……コレは色々とまずいんじゃないだろうか?セレナは常時フシギバナを手持ちに加えてるわけじゃない。対するオガタさんのフシギバナは相棒と言ってもいい関係性である。

 

 同種同士の対決で盛り上がるのはいいが、同種同士と言う事は使える手が被っているということ。

 予想通りと言うべきか【ねむりごな】と【どくのこな】の2種類の粉を同時に放つオガタさんのフシギバナ、対するセレナは【ヘドロばくだん】を飛んでくる粉付近まで飛ばして粉を爆散させるがオガタさんのフシギバナにはダメージは無くてセレナのコンテストゲージが少し削られる。

 

 使える手は限られていて相手の方が年季が上だ。

 絶対的なまでに格上ではないが格上に近しい存在……今のセレナには丁度いい壁なのかもしれない。オレだとポケモンバトルは出来てもちゃんとしたコンテストバトルは出来ないんだよな。

 

【はっぱカッター】や粉系のレベルアップで覚えるタイプの技はなるべく使わない方がいい。

 ど派手な魅せるタイプの技で使えて尚且つフシギバナにダメージを与える事が出来る技はなにかあったかと考えているとセレナはフシギバナに【だいちのちから】を使わせて地面からエネルギーを噴出させるがそれだけだとただ単にダメージを与えているだけになる。コンテストは魅せるバトルをしないといけない。KO(ノックアウト)勝ちは成長には繋がらない。

 

 どう出てくると思っているとオガタさんのフシギバナが【にほんばれ】からの【こうごうせい】を使ってくる。

 時間制限があるコンテストバトルで受け系の技はよろしく無いんじゃないかと思っていると草の最強技こと【ハードプラント】を使ってくる。【ハードプラント】を使えば少しの間動くことが出来なくなるのでその為に【こうごうせい】で完全に回復していたのかと思っているとセレナのフシギバナはまだ倒れていない。セレナのフシギバナはオレのフシギダネと同格のポケモン、4分の1にまでダメージを減らす【くさ】タイプの技じゃ限界がある。

 

 時間も残り僅かでフシギバナをどうにかする1手が必要だがセレナは思い浮かんでるのだろうか?

 フシギバナに花火の【ソーラービーム】を指示したかと思えばオガタさんのフシギバナの手前でゆっくりと減速、失敗かと思っていると【ウェザーボール】を使って【ソーラービーム】にぶつけると弾ける太陽光と炎の花火、オガタさんのフシギバナは大ダメージを受けるが【こうごうせい】が此処で生きて、倒されず【ハードプラント】を使ってきたのでこちらも対抗して【ハードプラント】で茨を相殺する……同種同士のポケモンバトルは手の内を知り尽くしていると言っても過言ではないからな。

 

 コレがポケモンバトルならばもっともっと見ていたかったのだが残念ながらコレはコンテストバトル、時間制限がある。

 タイムアップになりコンテストゲージはセレナの方が若干だが上回っている。【ソーラービーム】からの【ウェザーボール】のコンボが決まっていなかったらオガタさんに負けていた……平凡なサラリーマンにしか見えないがセレナにとって格上と言ってもいい相手を倒すことが出来た上に粉を混ぜて鮮やかにするというテクニックまで魅せてくれた。オガタさんはお仕事の都合上ポケモンコンテストにはもう出れないが、オガタさんの息子さんと奥さんは親父スゲえ!とテンションを上がりまくりだった。

 

 ホウエンレポート127(バトルドーム 炎と水のイリュージョン)

 

 例によってポケモンセンターでエニシダさんに遭遇して車で送ってもらいバトルドームに辿り着く。

 バトルドームというだけあってドーム状の建物でなんだか賑やかだなと思っているとポケモンバトルの大会が行われていた。

 もしかしてゲームみたいにトーナメントをしないといけない感じなのかと思ったがそうではなく、ただ純粋にバトルフロンティアへの挑戦者が来ないのでポケモンバトルの大会を定期的に開催しているらしい。優勝賞品はドームスターのヒースさんへの挑戦権でヒースさんは毎回勝っている。

 

 コレはオレも挑戦したほうがいいのかな?と思ったがエニシダさんが「チャレンジャーを連れて来たよ」と言えば普通にフロンティアブレーンとのバトルが出来るのだが報道陣滅茶苦茶多い。

 ヒースさんに意気込みを聞いたりしているのだがオレにコメントないの?こういうのってチャレンジャーに聞いてくるもんじゃないの?チャレンジャー、オレを無しでは今回のバトルは語れないんじゃないの?

 

 色々と言いたい事があったけれどもマスコミ陣はオレをガン無視。

 コレでもカントーとホウエンで殿堂入りし、次のチャンピオンリーグの出場権を手にしている実力派エリートなのだがまだまだスター性は皆無、こういうのは一周回ってハッチャケているユウキの方が向いているか。

 

 ヒースさんは完全に自分が勝つつもりっぽい事を言うのだがオレだってなにもしてないわけじゃねえんだ。

「使用ポケモンは2体のダブルバトル、ポケモンを研究所に預けていたりするのならば今なら転送する事が出来るぞ」とポケモン転送装置を出すが既に出場させるポケモンは決まっている。

 

 原作知識通り出てきたのはラグラージとウィンディ。

 そういえばバトルドームと言えば金シンボルのヒースさんはヌケニンさえいれば簡単に倒すことが出来るとか何処かで聞いたことがあるが、今回はそうやすやすと攻略させてくれないだろうな。

 ラグラージとウィンディならばお前だとフシギダネとヘルガーを出す……ダブルバトルを上手く出来るかどうか自信は無いが、なんとか勝ってみせる。

 

 試合開始の合図が告げられると先に動いたのはヒースさんのウィンディだった。

【かえんほうしゃ】をフシギダネ目掛けて撃ってくるのでヘルガーに盾になってもらう。ヘルガーのとくせいは【もらいび】なのでヘルガーに【かえんほうしゃ】は効果は無い。

 

 早速やってくれるなとフシギダネに【つるのムチ】で地面を叩いて高く跳んで貰うと【どくどく】を放ちウィンディに当てる。

 今回のバトルで厄介なのはラグラージだが、ウィンディもウィンディで色々とややこしい。【どくどく】を浴びせると【もうどく】状態になるウィンディ、ここからは時間との勝負になる。

 

 ラグラージは【うずしお】を使い巨大な渦を発生させたと思えばその渦に【かえんほうしゃ】を纏わせる、まるでコーディネーターの様な芸当を見せるヒースさん。【ほのお】タイプでもあり【みず】タイプでもある技なので回避するしかないが渦潮が無駄にデカいのでプラン変更だとヘルガーに【かえんほうしゃ】を撃ってもらい渦潮の水を蒸発させる。

 

【もらいび】で炎の威力が上がっているから【かえんほうしゃ】が生きる。

 ウィンディは時間との勝負になっているので怒涛の攻めを見せてくる。【しんそく】を使って来て目にも止まらぬ速さで怒涛の攻めをしてくると思っているとラグラージが【あまごい】を使ってくる。

 

 フィールド内を雨に変えてきた、ウィンディを切り捨てる方向で行くつもりなのだろう。

【あめ】状態なので【ソーラービーム】を撃つなんて馬鹿な真似は絶対にしない。さて、どうしたものかと色々と考えた結果、この技があるとフシギダネに【ウェザーボール】を指示すると【みず】タイプのウェザーボールを放つ。

 

【あめ】状態なフィールドでヘルガーとウィンディが不利になったがまだこっちはフシギダネが残っている。

 水の【ウェザーボール】が命中して大ダメージのウィンディ【もうどく】もあって倒すことが出来る範囲に来たのだがここでラグラージが【だくりゅう】を放ちフィールドを飲み込む。

 

 フシギダネはともかくヘルガーは完全に回避することが出来ずに【だくりゅう】に飲み込まれる。

 幸いにも一発で戦闘不能になるという事にはならなかったがコレはそう何発も受けることが出来ない。【だくりゅう】自体が撃つのにそこそこパワーが居るので連発はしてこないがどうするかと考える。ウィンディは息が大きく乱れていて後1手か2手で倒すことが出来る。ヘルガーが居るから【かえんほうしゃ】や【だいもんじ】等の【ほのお】タイプの技は早々に撃ってこない。使って来たとしても【フレアドライブ】とかの接触系の技だろう。しかしフィールドが【あめ】状態なので【ほのお】タイプの技の威力は弱まるのでサブウェポンで攻めてくる可能性が高いがウィンディは【もうどく】状態なので時間が限られている。となれば攻めのメインはラグラージだとウィンディを警戒しつつフシギダネに【エナジーボール】を撃って貰うとラグラージは【れいとうパンチ】で【エナジーボール】を殴る。

 

 攻撃系の技で防御するとは流石はフロンティアブレーン。

【エナジーボール】を【れいとうパンチ】で防ぐ事が出来るのを見れただけでかなりの成果があった。今度はコレだと【はっぱカッター】を放つ。

 ただの【はっぱカッター】じゃない、速度に緩急をつける事により捌くのが難しい【はっぱカッター】だ。予想通りかヒースさんのラグラージは【れいとうパンチ】で【はっぱカッター】を叩き落とすのだが速度に緩急があり、独特のリズムを形成しているので全てを捌く事が出来なかった。

 

 ラグラージに【はっぱカッター】を当てる事に成功したぞと小さくガッツポーズを取る。

 4倍弱点だから連発しておけば勝てると思っているとウィンディがラグラージの前に立って【かえんほうしゃ】を放ち葉っぱを全て焼き切る。中々にしぶといウィンディだが、そろそろ限界が来るはずだ。ここはいっそ持久戦でもしてみようかと考えていると雨が上がる。

 

 ここで雨が終了かと思っているとウィンディは【しんそく】でフシギダネに激突し、突き飛ばしたと思えば【しんそく】の速度を維持した状態で【フレアドライブ】を撃つというアニポケ独特のテクニックを見せてくるが最終的にフシギダネに激突してくるのが分かっている、目に追えないレベルで早くてもゴールさえ分かっていれば怖くはないとヘルガーにガードさせるのだがそれは読んでいたと炎を纏うのを中止して普通の【しんそく】でヘルガーを突き飛ばすのでならばとヘルガーに【みちづれ】を使わせてウィンディを戦闘不能にする。

 

 ウィンディもヘルガーも同時に戦闘不能、ヘルガーでラグラージを【みちづれ】する予定だったけれども流石にそう上手くは行かないか。

 コレが他のトレーナーだったら勝てていたが流石にフロンティアブレーン相手は厳しい……が、こっちが有利な状況である事には変わりは無い。

 ラグラージが【れいとうパンチ】を使ってきたのを見ているので下手に接近戦を持ち込めば負けるがフシギダネは中距離戦が得意だ。

 

 先ずはこうしようと【にほんばれ】を使わせる。

 ここからどう動くか?フシギダネに【ソーラービーム】を発射用意させるとヒースさんは【あまごい】をラグラージに指示するがそれは悪手、多少のリスクは背負うのを覚悟して【れいとうパンチ】でフシギダネを叩けば勝てていた可能性が高い。フィールドを雨雲が包み込む前に【ソーラービーム】の充電が溜まり雨雲を呼び寄せているラグラージに向かって【ソーラービーム】を発射してラグラージを飲み込むがラグラージは倒れなかった。

 

 マサムネのラグラージだったら確実に倒すことが出来てたのにフロンティアブレーンのラグラージは硬い。

 フィールドが【あめ】状態になっただけでなくラグラージのとくせいの【げきりゅう】が発動している。コレはどう来ると思っていると【ハイドロカノン】が飛んでくるので【つるのムチ】でジャンプして回避すると回避先にラグラージがいて【れいとうパンチ】をフシギダネに叩き込む。

 

 おいおい【ハイドロカノン】撃ったら少しの間動けなくなるデメリットは何処に行った?

【はかいこうせん】とか【ギガインパクト】とかは動けなくなるデメリットの描写があるって言うのに何故に【ハイドロカノン】は無いんだ?

 相変わらずアニポケの技の反動とかは謎だが、ラグラージの体力は殆ど残っていない。フシギダネも殆ど残っていない。だったら一撃に賭けてみる、ちょっとした冒険心も時には大事だとフシギダネに【ハードプラント】を使ってもらう。

 

「フシギダネが【ハードプラント】を!?」と驚くヒースさん。

 オレのフシギダネはちょっと普通の個体とは違うんだよと巨大な茨が出現するのでヒースさんは【だくりゅう】で全てを飲み込む様に言うがそれよりもフシギダネの【ハードプラント】の茨が上回っているおり【ハードプラント】はラグラージに命中し……ラグラージは戦闘不能になった。

 

 前回とは異なり割とギリギリのところで勝利する事が出来た。

 やっぱりフロンティアブレーンが四天王級なのは嘘じゃないんだろうな……そうなるとチャンピオンクラスは何処までなんだろう?ケンタの奴が1回ワタルさんに挑んで負けて、オレは多分ダイゴさんに、ダイゴさん的には本気で倒す相手じゃないメガシンカを試す程度のトレーナー感覚でバトルをした。ミュウツーを除いて1番レベルが高い筈のピカチュウで挑んで手傷を負わせる程度でこの前、ゲンジさんに引き分けでキクコさんに勝利した……オレって既に四天王クラスの実力者なのだろうか?でも、チャンピオンリーグでケンタ以外のトレーナー以外でも苦戦を強いられる……う〜ん、なにが原因でオレって勝てないんだろうな?【思いやり+優しさ+愛情+信じる心】のサトシくんお得意の友情パワーだけでなくサトシくんが皆無に等しいポケモンに対する知識も持っていて司令塔に必要な非情な判断能力と【疑う心】も持ち合わせている。

 信じる心と同じくらいには疑う心も大事だ。根性論も大事だが見方を変えれば無理強いをさせている。司令塔が頭脳が無茶をさせては意味が無い……まぁ、着実に強くなっていると実感する事が出来るだけまだいいか。ゴールの無い暗闇の中でマラソンをさせるよりかは何億倍もマシだ。

 

 ヒースさんに勝利すればマスコミどもは手のひらを返すかの様にオレにインタビューしてくる。

 このマスゴミどもめと思ったが取り敢えず当たり障りなく「このままバトルフロンティアを制覇します!」とだけコメントを残しておく。次のフロンティアはバトルチューブ……なに出そうかな。



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バック・トゥ・ザ・フューチャーハルカ

我ながらよくここまで続いたと思う


 ホウエンレポート128(轟け慄けエレキッド)

 

 次に目指すはバトルチューブ、バトルチューブも使用ポケモン2体のシングルバトルだ。

 胴体が細長いヘビ状のポケモンを使ってくると事前のデータでは分かっている。なにを出そうかと考えていると雷が落ちた。

 

 雨も降ってないのに雷が落ちてくるとはなんか厄介な事が起きているんじゃないだろうか?

 めんどうな事に雷が落ちた場所を通らなければバトルチューブに向かうことが出来ないので通ろうとすると行き道でボロボロになっているポケモン達を見つける。なんか厄介な事が起きているな。

 

 バタフリーが飛んで逃げてくるので何事かと思っていると電撃が飛んできた。

 こんなところに電撃かよと思っているとエレキッドがいた。エレブーの進化前だから別にエレキッドがカントーに居てもなんら違和感を覚える事は無いのだがエレキッドは両腕をブンブン回して電撃をそこかしこに放っていた。色々と危ないからドンファンを出せば【かみなりパンチ】で殴りかかってくるエレキッド。【じめん】タイプのドンファンには痛くも痒くもないのだがエレキッドは今度は【10まんボルト】を撃ってくる。

 

 ドンファンにはどう頑張っても【でんき】タイプの技が通じないのに何やってるんだと思っているとまた雷が落ちた。

 ただ落ちたのではなくエレキッド目掛けて落ちてエレキッドは苦しそうな顔をしている。天然の雷が命中すれば誰だって苦しむのは当然なのだが幸か不幸かエレキッドは【でんき】タイプのポケモン、雷の電気エネルギーを自分の物にしてしまっておりオーバーフローを起こしている。凄く簡単に言えば電気を溜め込み過ぎている。

 

 エレキッドはとにかく電気を消費したいのでポケモンバトルを挑んだりしている。

 このままだと生態系が荒れそうなのでエレキッドの【10まんボルト】を受けて尚且つエレキッドの溜め込み過ぎている電気を吸い取る。電気を吸い取るのはたまにピカチュウでやっている事だからコツを掴んでいるのでエレキッドが元気になる量の電気を残して電気を吸い取るとエレキッドは元気になったと喜ぶ姿を見せる。元気になってなによりだと思っていると三度雷が落ちてエレキッドを直撃する。

 

 このエレキッド呪われてるんじゃないかと思いつつも電気を吸い取るがゴロゴロと危険な音が鳴り響く。

 電気を吸い取ってもこの辺りに居れば雷がまた命中してエレキッドが電気を溜め込んでしまう。どうしようかと考えているとセレナは「こうなったらコレしかないわ!」とモンスターボールを取り出してエレキッドに投げた。

 

 おいおい、ここでゲットするのかよ。

 まぁ、チャンピオンリーグに向けて鍛え上げているオレはポケモンをゲットしたいとは思っていないしサトシくんがゲットしているエイパムはコンテストがしたいとかいうクソ個体だからゲットすることはしないんだけども。

 

 エレキッドをボールに入れて雷が落ちる場所を後にしてエレキッドをボールから出した。

 セレナが「私と一緒に旅をしない?」と誘うとエレキッドは割と乗り気だった為にそのままセレナの手持ちに加わった。

「前からちゃんとした【でんき】タイプのポケモンが欲しかったの……ピカチュウ系以外の【でんき】タイプのポケモンは中々に遭遇しないから」と言ってくるセレナ。まぁ、手持ちが増えたのはなによりだ。使わなくて放置していた【エレキブースター】もセレナの為ならば安いものである。

 

 図鑑を開いてエレキッドのデータを確認すると【かみなりパンチ】と【10まんボルト】の両方を覚えているだけでなく【れいとうパンチ】も覚えている中々に優秀な個体だった。

 しかしエレキッドか……近い将来例のあのトレーナーとバトルする運命にあるんだよな。サトシくんみたいな直感に任せてのゴリ押しのスタイルだけでは上に行くことが出来ないので今の内に出来る限り鍛え上げておこう。

 

 ホウエンレポート129(ポケモンレンジャーとセレビィ)

 

 第二サイクリングロードとかいうところを通らないといけないのだがオレとセレナは足もといチャリが無い。

 ポケモンの世界は自転車が無駄に高い。ポケモンに攻撃されても大丈夫な様に加工されてるから高い、ということはない。現実世界となんら対して変わりは無い自転車のくせに3桁行くとかいう畜生っぷり……まぁ、冷静に考えればポケモンライドというライバルが居るので自転車の需要が少なくて値上げしたのかもしれない。

 

 自転車はレンタルすればいいやと思いつつサイクリングロードに足を運んだのだがなんか通行止めをくらっていた。

 原因は崖崩れが起きたらしい……コレがサイクリングロードとかじゃなければ波動拳や二重の極みで瓦礫を粉砕して進んだのだが仕方がないとジュンサーさんに道を尋ねてルートを変更するのだがなんか森が焼けたような後がある感じの道だった。

 

 昨日の雷がなんか原因なのかと考えていると歪な茨の様なものが生えていた。

 なんだこりゃ?と思っているとピカチュウがなにかに気付いて走り出したので追いかけてみればセレビィが居た。ジョウト地方で出会ったセレビィとは別個体のセレビィだったのだが衰弱していた。コレはいかんとモココの漢方薬屋で貰った漢方薬を飲ませると少しだけ元気になる。

 

 元気になって何よりだと思っているとプラスルを連れたポケモンレンジャーのカナタが現れて「ここは立入禁止よ!」と言ってくるので「ジュンサーさんにここを通って行けって言われたんだよ」と言い返す。ジュンサーさんを出されればなにも言えない。立入禁止区域ならばそれを示す立て札の1つでも立てておけよ。

 

 昨日、雷が森に落ちて大火事になったらしくセレビィが火事を鎮火したのは良かったけれども力を使い果たしたらしい。

 雷で起きた火事を鎮火するってお前【くさ】【エスパー】のポケモンだよな?森の守り神的なのは知っているけれども……う〜ん、相変わらず謎だ。取り敢えず元気が無いので波紋を流し込めば徐々に徐々に回復していく。後は時間が解決する問題だと思いつつもツーショット写真を撮れないかと頼んでみる。将来的にGOくんとその友達を驚かせたいのである。セレビィは割とあっさりと承諾してくれてツーショットを撮った。

 

 しかし、今回はポケモンレンジャー全然活躍するところが無かったな。

 まぁ、第4世代、DS全盛期の頃にちょこっと登場しただけの存在だからそこまで気にする必要はないか。ポケモンレンジャーのゲームは面白かったが現実じゃ色々とダメなところがね……そもそもでこの世界、普通に知名度が高い悪の組織が居るからな。

 

 ホウエンレポート130(セキチクの忍者スクール)

 

 バトルチューブはセキチクシティ付近にある。

 取り敢えずはと最終調整を行っていると視線を感じる。アレかな?マサラタウンのサトシを倒せばトレーナーとしての箔が付いて腕が上がると狙っている奴かと思っていると案の定、オレを狙っているトレーナーだった。

 

 やれやれ、ポケモンリーグで優勝した実績は色々と自分に返ってくるものだな。

 オレにポケモンバトルを挑んで来たトレーナーことコロクはテッカニンを出してくるのでドンファンで挑む。コロクのテッカニンは【ギガドレイン】をドンファンに撃ってくる。普通の特殊アタッカー型のテッカニンか?生憎、脅威と感じる型のテッカニンではないので【こおりのつぶて】をぶつけて一撃で戦闘不能にした。

 

「っく、忍者スクールではトップだというのに」と負けた事を悔しがるコロク。

 忍者スクールってなんだよと思ったがこの世界では忍者は極々普通に居る。なんだったら超能力者も居るんだ。アカデミーでトップクラスだとしても井の中の蛙大海を知らず、外の世界には滅茶苦茶強い奴がいるんだ。

 

 それはさておき「忍者スクール?」と忍者スクールに関して興味津々のセレナ。

 そういえばジョウトでも忍者スクールに体験入学していたなと思い出しコロクに忍者スクールについて聞いてみると折角だから見て行かないかと誘われる。特段急いでいるわけではないので忍者スクールに足を運ぶとそこにはセキチクジムのジムリーダーのキョウがいた。

 

「む、お主達は確か!」とオレ達を見て思い出してくれるキョウ。

 覚えてくれて何よりだがこんなところで何をしているのかと聞いてみれば忍者スクールで教師を務めているとのことでジムはどうしたんだと聞けば娘のアンズに代を譲ったとのこと……ユウキの奴、ゲーム通りにジムバッジを集めるならばアンズと戦うのか。

 

「ここで会ったのもなにかの縁、どうだ1日体験入学してみないか?」と聞いてくるので体験入学をするが……まぁ、割と普通だった。

 忍者らしく木の枝を跳んで移動したり、水の上を水蜘蛛を使って歩いたりと色々とやっていたのだがそれぐらいならばトレーナーになる為に鍛えていた頃にやっていた。岩を持ち上げたりしたりするのはマサラ人にとって日常茶飯事な修行内容である。

 

 セレナは割と苦戦していてテールナーがセレナが落ちたら何時でも【サイコキネシス】で助けれる様にしており割とヒヤヒヤものだった。

 

 ホウエンレポート131(時を超えていたらしいハルカ)

 

 セキチクシティに辿り着いた。

 バトルチューブはもうすぐだと最終調整を行っているとユウキに出会う。ここにいるって事は目当てはセキチクジムかと聞けばその通りとバッジケースを見せる。ブルーバッジが入っていたがカスミと対決したのか?と尋ねてみればカスミと対決したらしい。

 

 どうやらカスミは完全にハナダジムのジムリーダーに就任していたらしい。

 ハナダジムのジムリーダーになるのか……まぁ、タダでジムバッジを貰うよりは幾分かはマシであるか。

 

「あれ?ハルカは?」とセレナがハルカが居ない事に気付く。ユウキの奴がなんかやらかして別れた的なのではない。

 今朝から見かけていないらしく何処にいるのか皆目見当もつかないようなので波動を使って探知してみればハルカを見つけるのだがハルカはへたり込んでいた。何があったんだと思っていると「嘘、あの人は」とブツブツとなにか呟いておりなんか原作と関わり合いがあるのかと原作知識を引っ張り出せばハルカはバック・トゥ・ザ・フューチャーよろしく過去に遡って歴史を改変したらしい。過去を都合良く変えていいものなのだろうか?……う〜ん、謎である。

 

 セレビィを使って時渡りしたみたいでセレビィが時渡りをしたら生まれる時の波紋が生まれていた。

 アレに触れれば未来を見ることが出来るのだろうが、未来は自分で勝ち取らないといけない……まぁ、原作が終わるまでサザエさん方式なんだけどね。

 

 ホウエンレポート132(バトルチューブ vsチューブクイーン アザミ)

 

 ハブネーク型の建物を発見したのだがバトルチューブはこちらですという立札が建てられていた。

 バトルチューブと言えばハブネーク型の建物じゃなかったっけ?と取り敢えず立札の通りに道を行けば何故かロケット団が待ち構えていた。

 

「あたしがチューブクイーンのアザミだよ!」とハブネークを出して演技をするムサシ。

 コジロウが「さぁさぁ、ポケモンバトルを。あ、使用しないポケモンはこちらで預からせていただきます」と如何にもオレ達からモンスターボールをパクろうと言うのが見え透いていた。取り敢えずリアルファイトに持ち込むかと思っていると「ちょっと待ったぁあああ!」とエニシダさんが本物のチューブクイーンのアザミさんを引き連れて偽のバトルチューブにやって来た。

 

「アザミさんが2人!?」と驚くセレナ。ああ、やっぱり気付いていなかったんだな。

 取り敢えずさっさと終わらせるかと思っているとアザミざんがムサシにバトルを挑んで圧勝していた。流石はフロンティアブレーン、四天王クラスのポケモンに1ロケット団が適うわけない。いいバトルを見せてもらったと思いつつもフロンティアシンボルを賭けた戦いを挑む。

 

 使用ポケモンは3体の交代禁止のバトル。

 勝ち抜き戦で原作通りではないのかと思いつつも誰をどの順番で出そうかと考えた末に最初はお前だとドンファンを出せばアザミさんはハブネークを出す。ハブネーク、ムサシのハブネークよりも遥かに強い個体だから相性の上で有利だが油断は出来ない。

 試合開始の合図が告げられると開幕ぶっぱだと【じしん】を放つのだがハブネークも【じしん】を覚えており相殺される。

 やっぱり【じしん】対策の1つはしていたかと思っていると【ポイズンテール】で攻めてくるので回避して【ステルスロック】をばら撒く。交代禁止のルールなのであまり効果は無いが念には念を入れておく。

 

【ポイズンテール】を避けられたハブネークは次の手だと【かみくだく】をドンファンに使ってくるので回避する。

 このハブネーク【へびにらみ】を使って来ないな。それさえ使われればドンファンはまともに動く事が出来なくなるのだが変化技を使って来ない。怒涛の攻めを見せてくれるのだが変化技こそポケモンバトルの醍醐味だったりするわけで、それを使わないとは中々に勿体無い事をする。

 

 だがそっちがその気ならばと思っていると使う手を変えてきて【タネばくだん】を使ってくる。

 一応は対策しているんだな。だったらコレならばどうだとドンファンに【ころがる】を使わせる。ドンファンは高速で転がっていき【タネばくだん】が命中するのだが、ダメージなんて全く無いんだと言わんばかりに回転速度を上げていきハブネークを撥ねてハブネークを戦闘不能にした。

 

 先ずは1体目だと喜ぶのも束の間、アザミさんが2体目に出したのはギャラドスだった。

 細長いポケモンを使ってきたなとバトルを再開して取り敢えずは【ころがる】だと【ころがる】で攻めれば真正面から【ハイドロポンプ】を撃ってくるがドンファンはこの程度では止まらないと回転速度を上げていきギャラドスを突き飛ばす。

 

 ギャラドスは直ぐに体制を立て直すがドンファンの回転速度は上がっていく。

 これはこの勝負もいただきかなと思いドンファンに突撃してもらえばギャラドスは地面を盛り上がらせて【たきのぼり】をぶつけてくる。あくまでも真っ向から叩きのめすつもりなのかとドンファンに回転速度を最大にまで上げてもらい【たきのぼり】をしてくるギャラドスとぶつかり……引き分けに終わった。流石にギャラドスの【たきのぼり】は受け切れないか。

 

 こっちが2体、向こうが1体と有利に試合が運んでいる。

 3体目に出てきたのはミロカロスだったのでこっちはピカチュウで挑む。ちゃんとした場でのバトルは久々だとピカチュウはやる気を出す。

 

 試合開始だと【ハイドロポンプ】を撃ってくるミロカロス。

 それは予想済みだと【10まんボルト】を浴びせるのだがミロカロスは倒れない。ユウキのミロカロスと同等と思っていたらいいか。【メロメロボディ】が特性じゃない筈だと【ふしぎなウロコ】だったら【まひ】状態にさせるのはマズい。

 

 さてどうやって倒すかと考えていると一先ずは【10まんボルト】で攻めていれば【たつまき】を使って電撃を拡散させて来る。

 攻撃系の技を防御に使うとは中々にやるなと感じつつもどうするか考える。普通に【10まんボルト】を撃っても【たつまき】で電撃が拡散される。【でんき】タイプの技は対策してきている……【ボルテッカー】を使って【たつまき】の中に飛び込むかと考えたがそれは最終手段、ピカチュウで勝つのが難しいと判断した時のみに使う手だ。

 

 少し攻め手を変えてみるかと【たたきつける】でミロカロスを叩きに行けば【アクアテール】で対抗される。

 近距離戦もちゃんと出来るか。だったらどうやって倒す?接触技を使ってもピカチュウは【メロメロ】状態にならないので【メロメロボディ】じゃない【ふしぎなウロコ】なんだろう。【でんじは】を使って【まひ】状態にしたらぼうぎょが高まるしどうしたものか?

 

 色々と考えてみた結果【あまごい】を使う。

 アザミさんは怒涛の攻めのバトルをしてくる。変化技を使って来ない感じなので【ミラーコート】を使って来ないと思う。フィールドが雨に包まれたので【かみなり】を叩き落とすと【たつまき】で【かみなり】を飲み込もうとするのだが【10まんボルト】とはわけが違う。完全に拡散させる事が出来ない、と言うよりは【かみなり】が落ちる速度が【たつまき】を起こす速度よりも早くて【たつまき】が失敗に終わる。

 

 コレはいい感じに試合が動いていると思っているとミロカロスが苦しそうな表情を浮かびあげる。

 まさかと思っていたらその通りでミロカロスは【まひ】状態になった。コレはまずいともう一度【かみなり】を落とすのだが、ミロカロスは完全に耐え抜いてみせるどころか【たつまき】で拡散して威力を軽減する。

 

 強いな、ミロカロス。

【ハイドロポンプ】を撃ってくるのでここは更に怒涛の攻めを見せてぶっ倒すしかないと【ボルテッカー】を指示して【ハイドロポンプ】の上を走らせてミロカロスに激突すると煙が巻き起こり背を向け合うピカチュウとミロカロス。ピカチュウは【ボルテッカー】の反動に苦しんで膝をついた。ミロカロスは笑みを浮かべて……ゆっくりと倒れた。

 

 コレで3体、倒すことに成功したぞ。3体目に入れていたポケモンには申し訳無いが、無事にバトルチューブも突破する事が出来た。

「今回もいいバトルだったよ」とエニシダさんは笑みを浮かび上げている。オレも中々に楽しいバトルが出来て最高だった……筈だが、なにか物足りない気もする。ケンタに勝ってオレンジ諸島を巡っていた時を思い出すがこの感覚は違う、燃え尽き症候群とも違う感覚だ。

 1度ゾーン的なのに入ることが出来た……あの時の感覚は忘れられない。多分だけどもそれが原因であの時の感覚を味わいたいと心の何処かで思っているんだろうな。オレもまだまだ精神面が未熟だ……さて、どうしたものか。ジンダイさん辺りでゾーンに入ることが出来ればいいんだけどな。

 

 次の施設はバトルパレス、ゲームだと難易度が鬼ムズイ施設だったが……まぁ、アニポケの世界じゃ違うわな。

 この調子でバトルフロンティアを制覇しよう。



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バトルパレス 密林の王者

 

 ホウエンレポート133(興味無いね)

 

 次のバトルフロンティア施設であるバトルパレスはメタリカ島と呼ばれるところにある。

 ゲームと違って1つの場所に集約してないんだよな、アニポケのバトルフロンティアは。

 

 メタリカ島に行くには幾つか島を経由しなければならなくてポプリ島でポケモンオリエンテーリングなるイベントが開催されていた。

 ポケモンオリエンテーリングはポケモンとの相性を確かめるイベントで平たく言えばスタンプラリーである……興味無いので無視した。

 

 ホウエンレポート134(ポケモンコンテスト モダマ大会)

 

 バトルパレスはなにを出そうかなと悩んでいるとポプリ島の反対側にあるモダマタウンでポケモンコンテストが開催すると予告があった。

 コレは参加しなければならないなとセレナは早速参加をするのだが、エレキッドが入ったモンスターボールをオレに預けてきた。

 

「エレキッドにポケモンコンテストがどんなものなのか見せてあげて」と言ってくる。

 まぁ、まだゲットして間もなく芸を仕込んでいないデビュー戦には早すぎるし丁度いいのかもしれないなと思っていると「あらぁ、セレナちゃんじゃない」とセレナに絡んでくるオカマもといハーリーさん。

 

「アレからコンテストリボンはどれくらい集まったかしら?」と聞いてくるのでコンテストリボンを見せると「ッシャア!」と野太い声を出したかと思えば直ぐに冷静になってハッとなり咳をした後に「まだ2つなのね。あたしはここを合わせて4つになるわ」と持っているリボンの数でマウントを取ってくる。リボンを最終的に5つ集めればそれでいいので早いものが勝ちのルールは無いんだがな。

 

「残念ですね。私がここのを合わせて3つになりますから」と対抗心剥き出しのセレナ。

 噛みつくと厄介な相手に噛みつくのは止めておいた方がいいのだがセレナにだってコーディネーターの意地と言うものがあるわけで闘志を剥き出しにする。張り合う事が出来るライバルが居てなによりだ。

 

 そんなこんなでポケモンコンテスト・モダマ大会が開催する。

 前の大会よりは参加人数が多いので大丈夫かなと心配しつつエレキッドをモンスターボールから出す。自分の出番がやってきたのかとエレキッドは電気をビリリとさせるが残念ながら今回はお前の出番は無いことを伝えるとショックを受ける。悪いが今回は見物、会場の空気に馴れたりライバルがどんなパフォーマンスを魅せてくれるのか学ぶ場である。

 

 1次予選、セレナが出したのはユキメノコだった。

 久しぶりのユキメノコだ、どう出てくると思っていると【ゆきげしき】を使ってフィールドに雪を降らせる。【あられ】じゃなくて【ゆきげしき】、まぁ、SVで【あられ】が取り上げられたから仕方がないか。

 

 雪が降っているフィールドでなにをするのかと思えば【ウェザーボール】を放つと巨大な雪玉が出来上がる。

 雪だるまでも作るのかと思っていると雪玉に【こおりのつぶて】を放ち氷の破片を突き刺したかと思えばなんと雪玉がオニゴーリの雪像に早変わりした。ポケモンの技を魅せる方法は色々とあるけれどもこういう一発芸もあるんだなと感心する。審査員も中々に見ない魅せ方だと高評価をして一次予選を突破した。

 

 ああいうのを魅せられるとオレってポケモンコンテストが向いていないんだとなる。

 エレキッドはあんな魅せ方があるのかと興奮するが電撃をビリビリするんじゃない、オレ以外だと怪我をしていたぞ。

 ハーリーさんもなんだかんだと突破して決勝戦がハーリーさんvsセレナになった。セレナはテールナーを、ハーリーさんはオクタンを出した。

 

 タイプの相性の上ではセレナが不利だがどう出てくる?

 オクタンは【オクタンほう】を撃ってくるのでテールナーは回避するのだがテールナーに飛んでくるオクタン。【からみつく】を使って来てテールナーに絡み付いてくる。この技、地味にやっかいだ。カメックスとかなら【こうそくスピン】で振り解く事が出来るがテールナーには振り解く技は無い。

 

【サイコキネシス】でオクタンを引っ剥がそうとするテールナーだがオクタンの【きゅうばん】が凄まじいのか中々に離れない。

 オクタンが自分の意思で離れない限りは【きゅうばん】が原因でオクタンを引き剥がす事は出来なさそうだがどうするつもりだ?コレがポケモンバトルだったらそれでいいけれどもコレはポケモンバトルでなくコンテストバトル、【からみつく】の一芸でテールナーを妨害する事は出来ても魅せる事は出来ないのである。

 

 ある程度テールナーを妨害すると【からみつく】を止めて距離を取るオクタン。

【バブルこうせん】を放ったと思えば【オクタンほう】も放ちプチプチと【バブルこうせん】の泡を破壊しつつ黒い弾をテールナーにぶつけようとするがセレナはそうはさせまいと【ほのおのうず】を放ったと思えば【でんげきは】を放ち炎の渦を纏った【でんげきは】になった。

 纏っている炎が【バブルこうせん】の泡を破壊していき最終的には【でんげきは】がオクタンに命中する。

 

 コレは中々に良いコンボが決まったとハーリーさんのコンテストゲージを大きく削る。

 しかしまだ油断することは出来ないとセレナはテールナーに【おにび】を使わせてオクタンが飛んでこない様に円形に【おにび】を囲わせる。コレじゃあ【からみつく】を使うことが出来ないと聞こえるレベルの舌打ちをするハーリーさん。

 

 コンテストゲージも似たりよったりで、時間も後少しと言ったところ。

 ここで一発決めた方が勝利するのだがオクタンは【おにび】を敷かれてて【からみつく】で飛んでくる事は出来ない。だがまだ他にも技があると【タネマシンガン】を撃ってくるので【かえんほうしゃ】で全てを焼き尽くす。

 

 勝負を焦ったな。

 ハーリーさんはセレナのコンテストゲージを削ることに失敗するどころか逆に自分のコンテストゲージを削ってしまいタイムアップ、コンテストゲージはセレナの方が上回っておりコンテストバトルを制してセレナは3つ目のコンテストリボンを手にする。

 

 いやぁ、今回も勝つことが出来てなによりだと思っていると司会の人ことリリアンさんが近くでポケモンコンテストが行われるから頑張ってねと次の施設であるバトルパレスがあるメタリカ島に向かう為に通過するユズリハ島でポケモンコンテストが行われる事を教えてもらい進路を変更、ポケモンコンテスト・ユズリハ大会に出ることにした。セレナのコンテストリボンは3つ、後2つでグランドフェスティバルだな。

 

 エレキッドは今回出れなかった事に当初は不満を抱いていたけれどもコンテストが終わればセレナスゴいとセレナを称えていた。

 やっぱりセレナはポケモンコンテストの才能があるんだよな。魅せるバトルはオレには向いていないからしないけども。

 

 ホウエンレポート135(ポケリア充のトロピウスとメガニウム)

 

 次のバトルパレスでなにを出そうかなと考える。

 取り敢えずヘラクロスは確定だが他はどうしようかと悩みつつポケモンセンターにポケモンを預けるとイチャイチャしているメガニウムとトロピウスがいた。仲が良くてなによりだが、そういえばコイツ等が原因でジュカインが技を出す事が出来なくなるイベントが起きていたんだっけか。

 まぁ、こっちは既にジュカインだし今回のバトルパレス戦ではジュカインを出すつもりは無いので呼び寄せていない。ジュカインがメガニウムに恋する事も無ければ女を賭けた戦いをするわけでもない、ジュカインにはもっといい出番があるのでその時を期待しよう。

 

 ホウエンレポート136(ポケモンコンテスト・ユズリハ大会)

 

 あっという間にやってきたぞユズリハ島

 早速エントリーだとセレナがエントリーの手続きを行っているとシュウが現れる。シュウもこの大会に出るのかと聞いてみれば今回はパスするらしい。ポケモンの調整に色々と忙しいそうだ。

 

 そういえばハルカはどうなってんだろ?と気になったのでユウキに電話してみれば4つ目のコンテストリボンをゲットしたらしい。

 早いな〜……成長速度も早い。ユウキの奴はジムバッジの数は変わってない。ポケモンリーグ・セキエイ大会開催までかなりの期間を有するからノンビリとハルカのペースに合わせている。今回のチャンピオンリーグにユウキは出場して来ないが次のチャンピオンリーグにはユウキが出場してくるな。チャンピオンリーグが終われば次はシンオウ地方だ。頑張らないとな。

 

 セレナは割とサクッとコンテストを終わらせて優勝した。目ぼしいライバルが居なければ勝ち抜くのは容易い事か。

 

 ホウエンレポート137(バトルパレス 森林の戦い)

 

 メタリカ島に辿り着いたのでポケモンセンターに立ち寄れば例によってエニシダさんが「待ってたよ」と待ってくれていた。

 コレで何度目かとエニシダさんの荒い運転でバトルパレスに向かえば宮殿っぽいところにやってきて「待ってたぞ」とフロンティアブレーン、パレスガーディアンのウコンさんが現れる。

 

 パレスガーディアンのウコンさんは「君がマサラタウンのサトシくんか……いい目をしておるな」と感心してくれる。

 じゃあ、早速フロンティアシンボルを賭けたバトルをしようかとなるのだが「どうせならばこのジャングル全てをバトルフィールドにせんか?」と提案してくるので乗った。ジャングル全てがバトルフィールドとは面白いのである。

 

 使用ポケモンは3体で交代はチャレンジャーのみありのシングルバトル。

 さぁ、戦うぞとウコンさんはダーテングを出してきたのでこっちはヘラクロスを出した。試合開始だと走り出すダーテング、中々に素早いなとヘラクロスと共に追いかけて行く。

 

 ジャングル全てがバトルフィールドになっている。ウコンさんにとってメタリカ島は庭みたいなもので何処になにがあるのか把握している。

 ピョンピョンと木の枝を伝ってジャングルを移動すると流れる滝がある川辺に出た。更に移動するのかと思ったがダーテングもウコンさんも此処で止まる。自分にとって最も得意なバトルフィールドで戦うつもりなんだろう。ならばその勝負、乗ってやる。

 

【シャドーボール】を放ってくるダーテング。

 そんな技は効かないとヘラクロスに【メガホーン】でダーテングを【シャドーボール】を貫いて突きに行くのだがダーテングを通過した。どうやら【かげぶんしん】を使っての回避をしたみたいでヘラクロスは驚くが直ぐに「焦るな【かげぶんしん】だ」とオレが声を掛ければ冷静になる。

 

 さて、ダーテングは【かげぶんしん】を使ったのだが分身体の姿が見当たらない。

 ポケモンバトルでは波動は絶対に使わないのがオレのポリシーなので何処に居るのかを考える。わざわざ滝がある場所まで移動したんだから滝の裏辺りか?色々と考えていると滝の裏から飛び出してくるダーテング。【リーフブレード】をくらわせにくるので【きあいパンチ】で対抗する。

 ヘラクロスとのパワー勝負は五分五分と言ったところ……パワー自慢のヘラクロスと五分とかマジで強いな。

 

【かげぶんしん】による撹乱は強力だが近距離接触技をぶつけてくる際に本体を見抜く事が出来る。

 ちょっとした冒険でもしてみるかとヘラクロスに【メガホーン】でダーテングを攻撃するのだがダーテングは【かげぶんしん】で回避する。それは読めていて次の一手がどう出てくる?聖闘士ではないがオレに同じ技は早々に通用しないと思っているとダーテングは滝の裏から【シャドーボール】を放ってきてヘラクロスに命中するがこの程度では倒れないヘラクロス。

 

 再び滝の裏から出てきたと思ったら【ソーラーブレード】の充電を完了していた。

 あえて滝の裏に隠れる事で【ソーラーブレード】の発動に必要な時間を稼いでいたのか。中々に面白いことをするが、ここで大技に出てくると言う事は本気で勝負を決めに来たんだな。パワーにはパワーで対抗しようとヘラクロスに【メガホーン】で突撃してもらいぶつかり合う【メガホーン】と【ソーラーブレード】

 

 瞬間的な威力だけならば【ソーラーブレード】の方が上だが【ソーラーブレード】は一撃必殺とは言わんが長時間持たない技だ。

 ヘラクロスは【メガホーン】で愚直なまでに突き進みダーテングの【ソーラーブレード】と拮抗し、遂にはダーテングの【ソーラーブレード】の時間が終了に迫ったところでヘラクロスは押し勝ちダーテングを突き飛ばした。

 

 伊達に4倍弱点じゃない。【むし】タイプ最強の技をくらったダーテングは戦闘不能になりロボットがジャッジをくだす。

 流石はフロンティアブレーン、一筋縄じゃいかないと思っていると2体目に出てきたのはフシギバナだったのだがロボットが試合開始の合図を告げる前にヘラクロスはフシギバナに向かって飛んでいきフシギバナの蜜を吸おうとしていた。

 

「おい、大事なバトル中だぞ!」と言うのだが気にせずにヘラクロスは蜜を吸おうとする。

「さっきのパワー勝負でお腹が減ったのだろう。ほれ、【オボンのみ】だ」とウコンさんはヘラクロスに【オボンのみ】を食べさせる。ヘラクロスは強いには強いんだけどこの食い意地が難点なんだよな。滅多な事じゃ見せようとしないけれども、オーキド博士に聞いた話じゃ定期的にフシギダネの蜜を吸おうと狙っている。食いしん坊は悪いとは言わないけどな……。

 

「こっちも休憩と行こうじゃないか」とモモンのみを投げてくるウコンさん。

 大事なバトルだってのになんだか気が抜けるがこういうバトルもありだろうとモグモグタイムを挟んだ後にバトルを再開する。ヘラクロスが食べたのが【オボンのみ】なのもあってかヘラクロスの体力は万全に近い状態に復活している。

 

 よっしゃやるかと【メガホーン】で突撃してもらうのだがそれは分かっていると言わんばかりに【つるのムチ】を複数出してヘラクロスに巻きつける。ヘラクロスは藻掻くのだがウコンさんのフシギバナの【つるのムチ】は強固で抜け出せず【ヘドロばくだん】を撃ってきて回避する事が出来ずにヘラクロスは直撃する。そう簡単には勝たせてくれない中々に厄介な相手だとヘラクロスに【ロックブラスト】をフシギバナに放てばヘラクロスを縛る【つるのムチ】から脱出する事が出来るのだが、それまでである。ヘラクロスは近距離戦をメインに鍛え上げててメインウェポンでもある【メガホーン】で突撃した結果【つるのムチ】で縛られた。コレはちょっと手厳しいとヘラクロスをボールに戻す。サトシくんならば根性論で突破しようとするがオレはそんな根性論はしたくはない。根性論って見る方向を変えれば無茶や無謀だからな。

 

 ヘラクロスを戻し、次に出したのはヨルノズクだ。

「なんと色違いとは珍しい」と色違いのヨルノズクに驚くがこの程度で驚いてもらっては困る。フシギバナは【つるのムチ】を使って迫ってくるのでヨルノズクにはフシギバナの【つるのムチ】が届かない範囲に回避してもらう。ここでフシギバナの【つるのムチ】の最大射程範囲を計測しておく。コレが時と場合によっては大事になる事なので忘れてはいけない。

 

 ヨルノズクがフシギバナの【つるのムチ】の射程範囲外に出れば【わるだくみ】を積み上げる。

 ヨルノズクは色々と小回りが効いたりするんだがなんだかんだで決定打とパワーに欠けるからな、取り敢えずはと3回【わるだくみ】を使うとウコンさんはフシギバナに【にほんばれ】を使わせて【ソーラービーム】を発射させる。速射する【ソーラービーム】は脅威的だが空を飛んでいるヨルノズクなので一直線に向かって【ソーラービーム】が飛んでくるので普通に回避する。いや、普通じゃなかったな。【ソーラービーム】を撃ったことでフシギバナ自身が無防備になるので前進しながら回避してフシギバナの真正面に立って【さいみんじゅつ】を仕掛ける。

 

 コレがサトシくんなら【ゴッドバード】辺りを使っていたがオレは違うのである。

【さいみんじゅつ】が命中したフシギバナはウトウトと眠りについたのでそこが狙い目だと【エアスラッシュ】を連打してトドメだと【サイコキネシス】で吹き飛ばして戦闘不能にする……う〜ん、アレだよな。アニメ的な映えの事情もあるとはいえこの世界の住人って補助技をあんまり使わない傾向にあるよな。ちょっと搦手として使えば簡単に引っかかる……まぁ、ガチの害悪戦法してくるよりは幾ばくかはマシか。

 

 ラスト1体にまで追い詰められたウコンさん。

 最後に出てきたのはネンドール、こっちは積み上げたヨルノズクが居るのでポケモンは入れ替えない。【シャドーボール】で攻めれば【ひかりのかべ】を貼ってダメージを軽減させてくる。ネンドールは攻撃力は低いが耐久力が無駄に高い。【わるだくみ】を3回積んだヨルノズクの【シャドーボール】をくらってもダメージらしいダメージを受けているとは思えないぐらいにはピンピンしていた。

 

 フィールドを移動するぞとジャングルを走り抜けると原っぱに辿り着く。

 ここがネンドールにとって戦いやすいバトルフィールドなのかと思いつつもどうするべきか考える。折角【わるだくみ】を積み上げたのだからヨルノズクをチェンジするのは勿体無い。ヨルノズクでどうにかして勝ちたい……そう思っているとウコンさんはネンドールに【ステルスロック】を使わせる。おいおいステロは試合の序盤に使うものだろうと思ったがウコンさんはこのネンドールで逆転を狙っている。後純粋にオレにポケモンを交代させない様に狙っているな。

 

 こっちがやれることは【エアスラッシュ】か【シャドーボール】だ。【わるだくみ】で積み上げたとくこうを無駄にするわけにはいかない。

 取り敢えずと【シャドーボール】を放つと【れいとうビーム】で対抗してくるネンドール。ネンドールの癖にスゴいパワーを持っており【シャドーボール】を相殺されて爆風と煙が舞う中で【サイコキネシス】を放ちヨルノズクを地面に叩きつけた。

 ヨルノズクは直ぐに体制を立て直そうとするがそれよりも先に【れいとうビーム】が放たれてヨルノズクは【こおり】状態になりカチンコチンに凍りついてしまい、トドメだと【サイコキネシス】が放たれてヨルノズクは倒される。くそ、滅茶苦茶強いなネンドールは。

 

 流石に1体も倒される事なくフロンティアブレーンを倒すのには無茶があったかとヨルノズクによくやったと健闘を称える。

 もう一度ヘラクロスを出す。ヘラクロスがフィールドに出れば【ステルスロック】が発動して尖った岩がヘラクロスに食い込むがこの瞬間を目に焼き付けておく。

 

 ヘラクロスに【ロックブラスト】で尖った岩の破片を破壊してもらう。

「【ステルスロック】の岩を破壊だと!?」と驚いていたが本家のサトシくん程のビックリ戦法じゃない。コレぐらいならば簡単に思いつく……筈だ。コレで【ステルスロック】が無くなったがヘラクロスはガラ空きで【サイコキネシス】で吹き飛ばすネンドール。ヘラクロスは倒れるかとなんとか堪えるのだが割と限界に近いので【かわらわり】を使うとダメージの軽減を狙って【リフレクター】を貼るがそれが狙いだと【リフレクター】と【ひかりのかべ】を叩き割った。が、ネンドールを倒すには至らなかった……硬すぎるぞウコンさんのネンドール。

 

 ヘラクロスは2発目の【サイコキネシス】に吹き飛ばされて戦闘不能になった。

 やっぱりバトルフロンティアは早々に攻略させてくれないかと3体目のポケモンを、スイクンを導入する。「スイクン!?サトシくん、スイクンなんて持ってたのか!?」と驚くエニシダさん。スイクンは早々に使わないが、使えば最後滅茶苦茶やってくれるぞ。

 

 開幕ぶっぱだと【ねっとう】を浴びせに行けば【ひかりのかべ】を貼ってくる。

 ヘラクロスの【かわらわり】で叩き割ったがやっぱり壁は脅威……が、問題は無い。ウコンさんはスイクンの攻撃をまともにくらえば幾らネンドールでも戦闘不能になると判断をしている。だったらこっちはと色々と考えた結果【めいそう】を積み上げる。

 ネンドールは【サイコキネシス】を撃ってくるので【めいそう】を更に積んで耐え抜くスイクン、【ねっとう】を浴びせるがネンドールは倒れない。【ひかりのかべ】が【ねっとう】のダメージを軽減するがこれでいい。

 

 もうすぐだと思っていると【ひかりのかべ】が消え去る。

 狙うのは1発だけ、1回だけしか使えない手だがこの手しかないと【ぜったいれいど】を放つ。【ひかりのかべ】で防ごうとするが【ひかりのかべ】ではダメージを軽減する事は出来るが一撃必殺の【ぜったいれいど】を防ぐことは出来ない。【ぜったいれいど】がネンドールに直撃するとネンドールはカチンコチンに凍りつき氷が砕け散るとネンドールが出て来てネンドールは倒れて戦闘不能になった。

 

 ウコンさんのネンドールは強敵だったものの流石はスイクンと言ったところだ。

 無事にウコンさんに勝利したのでバトルパレスを制した証であるスピリットシンボルを手に入れ、6つ目の施設であるバトルタワーがあるところをポケナビにインプットしてもらう。いや〜中々の激戦だった。



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バトルタワー 以心伝心バトル

 ホウエンレポート138(摩天楼の紅い稲妻)

 

 6つ目の施設であるバトルタワーを目指しているとコモダシティと言う街に辿り着いた。

 街に辿り着いたのならばポケモンの回復とか健康診断をしておこうとポケモンセンターに立ち寄る。ポケモン達は健康そのものでホッとしつつも、バトルタワーでなにを出そうかと考える。バトルフロンティアの中でもバトルタワーとバトルピラミッドはサトシくん負けてるんだよな。今までと別格だと思っていないといけないと思っているとニョロモを抱えた子供がポケモンセンターに大慌てで入って来た。

 

 急患かと思っているとニョロモの体に落書きがあった。

 おいおい、ポケモンに落書きをするとか正気かと思ったのだがジョーイさんが「またなのね」と呟く。コモダシティ出身のトレーナーもまたなのかと言った顔をしている。何やら訳ありだなとジョーイさんに聞いてみれば赤いイナズマと呼ばれる謎のポケモンがコモダシティで辻斬り紛いの事をしており、敗北したトレーナーのポケモンに落書きをしているらしい。

 

 なんか厄介な事だなと思いつつもポケモンセンターを後にしてポケモンを鍛えるのにちょうどいい広場に向かう。

 今度のコンテストでセレナはエレキッドを使うつもりでエレキッドのコンテストパフォーマンスについて考えていた。エレキッドは色々な技を覚えるし進化すれば更に技のレパートリーも増えるポケモンだ、コンテストにもポケモンバトルにも持って来いのポケモンである。

 

【れいとうパンチ】で地面を凍らせてその上に【10まんボルト】を流し込んで氷の破片をキラキラと輝かせるパフォーマンスを魅せる。

 成る程、こういうのもあるんだなと思っていると赤いイナズマが現れた。『バトルしろ』と言ってくるのでオレが代わりに受けて立つと前に出る。セレナに危険なバトルはさせたくないし、エレキッドのレベルはまだまだ低いので多分赤いイナズマに挑んでも普通に負ける。そうなればエレキッドに落書きをされるのでそれはそれで困る。

 

 あんまり使いたくはないけども仕方がないと波動を用いて赤いイナズマを見るとハッサムだった。

 色合いからしてハッサムなんだろうなとは思っていたけれどもなんか色々と小道具を装備しているハッサムだった。ポケモントレーナーが色々と小道具を装備させたんだなと思いつつもミュウツー導入【サイコキネシス】のワンパンKOである。

 

「流石にミュウツーはやりすぎじゃないの?」と言ってくる。ミュウツーもミュウツーで『つまらん。この程度なのか』と赤いイナズマの弱さに呆れる。単純にミュウツーが異常な迄に強いだけであって、赤いイナズマもといハッサム自身はそこまで弱くはないんだよな。

 取り敢えずしばき倒す事に成功した。身ぐるみを外すと案の定色々と装備していた。一発ガツンと言ってやらなきゃこの手のタイプは懲りないので原作知識を引っ張り出せば高層ビルの屋上にある豪邸が赤いイナズマの本拠地だと乗り込む。

 

 ボロボロになった赤いイナズマを引き連れて行けば驚いた声を上げる少女もといルナ。

「私のハッサムになんてことしてくれるの!」と言ってくるので「お前が相手を見ずに挑んで来た結果だ」とハッサムを放り投げる。

 

「どうしてこんなイタズラをしたの?」とセレナが聞けばルナの両親が仕事で忙しくて家に居らず、寂しくて出来心でつい赤いイナズマをやったと執事が語る。おい、執事。普通にやったらいけないことだって認識してるんだったら止めろよ。主と従者の関係云々以前に1人の人として蛮行を止めないといけない。この街で赤いイナズマ、結構有名になってたぞ。

 

 今までイタズラをしていた分、やり返される覚悟はあるんだろうなと油性ペンを構えるとボロボロのハッサムが立ち塞がる。

 お前ごときがオレに勝てるとでも思ったのかと睨み返すとハッサムは勝てないと悟り許してくれと頭を下げてきたので仕方がないと油性ペンでハッサムに落書きをするだけで終わらせた。また同じことをしたのならば今度はルナに油性ペンと水性ペンで落書きをするぞと赤いイナズマのコスチュームを破壊してポケモンセンターに行って今までの事を詫びる様に言う。

 

 いやぁ、気持ちのいい事が出来てなによりだ。

 

 ホウエンレポート139(オレはトレーナーである)

 

 5つ目のリボンを手に入れる為にポケモンコンテスト・アベリア大会の参加を申し込むセレナ。

 二次審査のコンテストバトルはまだまだ難しいけれどもバトルじゃない一次審査ならば大丈夫とエレキッドを出すつもりで調整を行っていく。オレもセレナの勤勉さに負けてられないしセレナには優勝してほしいとピカチュウと一緒に特訓に励むとピカチュウとエレキッドが【エレキネット】を覚える。

 

 ゲームの【エレキネット】は色々と微妙だったけどもアニメの【エレキネット】は中々に強力だ。

 一応の為に【ボルテッカー】を忘れたりしていないかの確認をする。アニメだと作画コストとかいう大人の事情でピカチュウのキメワザである【ボルテッカー】を取り上げられたからな。ピカチュウは【エレキネット】を覚えた代わりに【ボルテッカー】を忘れたりはしなかった……よかった。【ボルテッカー】会得するの割と冗談抜きで一苦労で、もう1回覚え直すのチャンピオンリーグまでに間に合うかどうか怪しかったんだよな。

 

 しかし【エレキネット】を覚えたのはいいことだ。【エレキボール】は基本的には使い道が無いが【エレキネット】は使えるぞと試しに【エレキネット】を複数展開してもらいピカチュウに【エレキネット】の上を飛び跳ねてもらう。

 ただの攻撃技に見えて防御にも補助にも使える技だ。セレナのエレキッドも【エレキネット】を覚えたので試しに使ってみるとコレは使えるとセレナは喜ぶのだが流石に一次審査で覚えたての【エレキネット】を使うわけにはいかないので【エレキネット】の活躍は今後を期待しよう。

 

【エレキネット】は中々に便利だなとピカチュウに貼ってもらった【エレキネット】をピョンピョンと跳んでもらい【10まんボルト】を弾けさせる。コンテスト映えする技で応用も効くので実に便利な技だと思っていると「ちょっといいかしら?」とポケモンブリーダーのユマさんと言う人に声を掛けられる。ピカチュウが【エレキネット】でピョンピョンと跳んで【10まんボルト】を弾き飛ばしている姿を見てティンと来たらしく今回のポケモンコンテストに出場してみないか?との誘いがあったので丁寧にお断りした。

 

 ポケモンコンテストに興味があるかないかで言えばあるにはあるのだがそれはあくまでも遊びの範囲内だ。

 非公式のコンテストとかなら出るけれども公式な大会には出ない、セレナが真剣にポケモンコンテストに取り組んでるのを見てそう決意した。オレの持っているポケモンもオレはポケモンバトルの頂点を目指しててコーディネーターにはならないのを知っている。何体かは出ても別に構わないと思っている奴等も居るが基本的にはオレはポケモントレーナー、バトルしかしない。

 

 コーディネーターとトレーナーの二足の草鞋を履くという道もあるにはあるがセレナのライバルになるのは嫌である。

 コーディネーターの道とトレーナーの道は被る事はあるかもしれないが、それでも何れは道を(たが)う。コーディネーターとトレーナーの二足の草鞋を履けばポケモン達にかなりの無茶を要求しなければならない。後、チャンピオンリーグまで特訓とかが出来なくなる。今みたいにバトルフロンティアに挑戦とかも出来なくなるのは非常に厳しい。

 

 オレはあくまでもポケモントレーナー一筋で居ることを伝えればユマさんは残念そうにする。

 オレにコーディネーターとしての才能があるかもしれないのだろうが、オレはポケモントレーナー一筋なんだ。遊びのコンテストはするがガチのコンテストはしない…………ユウキ辺りならば案外コンテストに挑んだり、いやでもアイツもなんだかんだでコンテスト挑んでないんだよな。ユウキの奴、一周回ってハッチャケてるだけであって根はストイックな○○である事には変わりは無いんだよな。

 

 ケンタは絶対にしない。アイツはポケモントレーナーである事を楽しもうとしていて他を見ようとしていない感じである。

 因みにセレナはエレキッドを使い一次審査を突破し、二次審査でリザードンを使って見事に優勝をしてコンテストリボンが5つ集まった。コレで後はグランドフェスティバルの開催を待てばいい。カントー地方のグランドフェスティバルの開催地はセキエイ高原だと決まっている。セキエイスタジアムとかを使いまわしているらしい。

 

 ホウエンレポート140(ムチュールに夢中にならない)

 

 バトルタワーを目指しているとムチュールに遭遇する。

 雪山とかじゃないのにムチュールがいるとは珍しいがポケモンをゲットするつもりは無いので無視しようとしていると【ふぶき】が放たれる。

 

 なんで急に【ふぶき】が飛んでくるんだよと思っていると数体のルージュラが居てこちらを睨んでくる。

 どうやらルージュラはオレ達がムチュールを勝手に連れて行こうとしていると勘違いしており、ルージュラは【サイコキネシス】でムチュールを回収すると何処かに行った。傍迷惑な奴等だなと思いバトルタワーを目指して突き進むとまたムチュールに遭遇する。

 

 おいおいなんでこんなにムチュールに遭遇するんだと思ってるとさっきのルージュラの集団が現れてオレ達を強く睨んでくるので無視した。

 ムチュールよ、お転婆なのは構わないけれどもオレやセレナを巻き込むのはやめてくれ。

 

 ホウエンレポート141(バトルタワー 以心伝心)

 

 バトルタワーから最も近いポケモンセンターに向かっているとスピアーの巣に遭遇するのでスピアーを殴り倒す。

 そっちが襲ってくるのならばこちらにだって考えがあるのである。「大丈夫かい?」とスピアーの群れを全員倒すと現れたのは1人の少女。

 スピアーの群れを撃退するぐらいは朝飯前なので問題無いと伝えてバトルタワーから最も近いポケモンセンターがどっちなのかを尋ねると意外そうな顔をしている。取り敢えず何処にポケモンセンターがあるのか教えてもらえば向かいポケモン達を回復と健康診断をする。

 

 そして例によって「やぁ、待っていたよ」と待ってくれていたエニシダさん。

 荒い運転でバトルタワーに向かえばさっきの少女と再会を果たす。やっぱりさっきの少女はタワータイクーンのリラだったか。「さっきぶりだな」と言っておき、フロンティアシンボルを賭けたバトルを申し込む。

 使用ポケモンは3体のシングルバトル、事前の情報もとい原作知識ではリラはエスパータイプのポケモンを使ってくるだけでなくポケモン達と以心伝心で技の指示をしてこないとの事だ……う〜ん、中々に強敵の予感。

 

 そんなこんなでバトルが開始してリラはフーディンを出した。

 オレの持っているポケモンでフーディンに対抗する事が出来るポケモンと言えばお前しか居ないとゲンガーを出す。久しぶりのバトルなのでゲンガーは燃えている。審判が試合開始の合図を告げると先に動いたのはリラのフーディンだったがリラはフーディンに技の指示を一切していない。

 成る程、こんな感じの以心伝心かと感心しつつもフーディンが撃ってくる【シャドーボール】を【シャドーボール】で相殺する。かなりのレベルに鍛え上げているゲンガーの【シャドーボール】を相殺するとは中々にやる……だが、こうじゃないと困る。

 

 今度は【サイコキネシス】を使ってくるフーディン。

 技の指示が無いのでどんな技が飛び出てくるのか分からないが、今のオレ達ならば対応する事は出来る。オレはサトシくんと違って勢いに身を任せてのイケイケドンドンはしない。ポケモンの事を考えてのバトルをする事が出来るのである。

【サイコキネシス】に対して【サイコキネシス】で対応すれば念動波が空中でぶつかり合う。フーディンもゲンガーも攻撃系の技は大体同じことが出来るから、この勝負の鍵を握るのは補助技だな。

 

 フーディンのとくせいが【シンクロ】だと困るので【おにび】や【でんじは】は下手に撃つことが出来ない。

【さいみんじゅつ】をどうにかしてぶつけたいがその為にはある程度はフーディンに近付かなければならないのだが、そうすればフーディンの射程範囲内に入ってしまう。

 

 どうしたものかと考えている間にフーディンは動いたと言うか表情が変わった。あ、【わるだくみ】だ。

 補助技で攻めてくるかと思ったのだがフーディンはパワーを上げてゲンガーに挑んで来る。だったらその前に叩くしかないと【シャドーボール】をぶつけるがフーディンは倒れない。この程度で倒れるほどやわじゃないって事か。

 

 リラが指示を出して来ないのでフーディンが覚える技からフーディンが何をしてくるのか考えないといけない。

 幸いにもオレはサトシくんと違ってポケモンに対する知識を持っている……この知識が無ければ今頃はゲンガーを戦闘不能にされたな。フーディンは1回【わるだくみ】を使えばもういいのだと【シャドーボール】を撃ってくるので【シャドーボール】をぶつけるのだが……相殺する事が出来なかった。

 

 やっぱ1回【わるだくみ】を積んだフーディンの方がパワーは上である。

 こうなったらとゲンガーに空中に浮いてもらい四方八方、フーディンを中心に飛び回ってもらう。フーディンは何処だ何処だとゲンガーを目で追うのだがリラは「大丈夫、落ち着いて」と言えばフーディンは直ぐに冷静になって落ち着いた。

 だったらと【シャドーボール】を放つとゲンガーは動きが止まり、そこだとフーディンは【サイコキネシス】でゲンガーを弾き飛ばす。ゲンガーは倒される事は無かったが大ダメージを負った……が、ここでとくせいの【のろわれボディ】が発動して【サイコキネシス】が使えなくなる。

 

【サイコキネシス】が使えなくなるのはいいことだがこっちが劣勢に立っているという状況には変わりはない。

 さて、どうやって攻略しようかと考えていると【シャドーボール】を撃ってくるので回避する。【わるだくみ】積まれてなければ【シャドーボール】で相殺する事が出来たんだが、残念である。ポケモンの交代を視野に入れつつも【こごえるかぜ】を撃ってすばやさを下げる。

 コレでどうだと色々と様子見してみるが中々に手厳しくフーディンは【こごえるかぜ】に耐えて【シャドーボール】を放ちゲンガーにぶつけるのでここが狙い目だとゲンガーに【みちづれ】を発動してもらいフーディンをみちづれにする。

 

 ゲンガーとフーディンの戦いは引き分けに、いや、こっちが【みちづれ】を使ったのだから引き分けでなく実質負けで終わる。

 やっぱフロンティアブレーンは強いがこういうのをお望みなので文句は無い。互いに2体目のポケモンを、オレはケンタロス、リラはメタグロスを出す。メタグロス……持っているから分かるが中々に鍛え上げられているな。オレのメタグロスより強いんだろうな。

 

 開幕ぶっぱだと【じしん】を放てば【じしん】で相殺してくるメタグロス。

【じしん】相殺は最早標準装備だが、ここからどう出てくると思っていると【こうそくいどう】で撹乱してくるが攻撃を一切して来ない。特殊アタッカーじゃなくて物理アタッカーになる様に育成しているんだなとメタグロスの【こうそくいどう】を目で追う事を止めさせればメタグロスは急にピタリと止まったと思えば【コメットパンチ】を撃ってくるので隙が生まれたと【じしん】を放ち突っ込んでくるメタグロスを【じしん】の衝撃波で吹き飛ばす。

 

 やっぱり【じしん】を【じしん】で相殺してくるポケモン相手にそのまま撃っても意味は無い、何かしらの1手が必要になるな。

【じしん】をくらったメタグロスだがまだ倒れない。またまた【こうそくいどう】をしてくるのだがコレだとさっきと同じだからなにか違う手が来ると思っていると【しねんのずつき】で突っ込んでくるメタグロス。激突するならばとコチラは【ギガインパクト】を指示して真正面からぶつかり合うメタグロスとケンタロス。

 

 勝負を制したのはケンタロスだったがケンタロスは苦しそうな表情を浮かび上げている。

【ギガインパクト】を撃った際に少しだけ動けなくなるデメリットが今発動しており、当然リラがそれを逃すわけもなく立ち上がったメタグロスが【アームハンマー】を叩き込むがケンタロスは根性を見せてくれて立ち上がる……が、息が大きく乱れており残り体力が後僅かと言ったところだろう。メタグロスの方も息が乱れている……コレは互いに1撃に賭けるしかないなとメタグロスは【コメットパンチ】を撃ってくるので【じしん】を放つと【じしん】の衝撃波を受けながらもメタグロスは突撃してきて【コメットパンチ】をケンタロスに叩き込み……メタグロスが倒れた。それと同時にケンタロスも倒れる。また引き分けに近い形での戦闘不能、残すところは互いに後1体となった。

 

 リラが最後に出してきたのはエーフィだった。

 エーフィとアイコンタクトを取るリラ、ここも技の指示をするつもりはない以心伝心なバトルをしてくれるのか……こんだけスゴいバトルを繰り広げてるって言うのにリラは1度も技の指示を出していない、リラの方がトレーナーとして格上だなぁ。だからといって負けていい理由にはならないとラティアスを出す。

 

「ラティアスなんて持ってたの!?」と驚くリラとエニシダさん。スイクンとラティアスはオレの持っているポケモンの中でも特段強いポケモンなんだぜ。

 ラティアスはムゥっとエーフィを睨めばエーフィもラティアスを睨み返す。最後のバトルだから盛り上げないとな。先ずはどう出てくると思っていると【でんこうせっか】で突撃してくるエーフィ。ならばとラティアスには空を飛んでもらいエーフィの【でんこうせっか】を回避して例によって【めいそう】を積む。

 

 コレで来るならばどう出てくると思っているとラティアスと距離を取るエーフィ。

 特殊系の技を使うのかと思ったが【でんこうせっか】の速さを維持した状態で高く跳んで【アイアンテール】を叩き込むという中々の技を使ってくる……コレを即座に指示無しでしたリラとエーフィマジでスゴいのである。

 高く飛んでもエーフィは攻撃を届かせる事が出来る。一応は【アイアンテール】しか使って来ない感じなので無理に降りる事はせずに【めいそう】を積み上げると今度は【でんじほう】を撃ってくるので回避させる。くらえば確定で【まひ】状態になる【でんじほう】はまずい。

 さて、どうしようか?【めいそう】は着実に積む事が出来ている。リラもそれを分かっているのでエーフィに【シャドーボール】等を使わせない。ラティアスは特殊アタッカーなのだが……よし、ここは少しだけ勝負に出るかと【りゅうせいぐん】を使う。

 

 ただの【りゅうせいぐん】だと避けられる可能性があるので最終無印でカイリューでやってのけた【りゅうせいぐん】と共に突撃する【りゅうせいぐん】を使う。流石にコレもリラは予想外だったのか驚いた顔をするが既に遅い。エーフィは【でんこうせっか】で【りゅうせいぐん】を回避するが回避した先にラティアスがいて【ドラゴンクロー】をエーフィの額に叩き込み、そのままエーフィは吹き飛ばされ、そこに無数の【りゅうせいぐん】が降り注ぎ……エーフィは戦闘不能になった。

 

 ッシャア!オラァ!オレの勝ちだ!!

 なんだかんだで決めてくれるラティアスはやっぱり超が付くほど優秀なポケモンである。勝ったことをラティアスは喜び褒めて褒めてと頬擦りしてくるのでお前のお陰で無事に勝利する事が出来たとラティアスの頭を撫でるとラティアスは嬉しそうにする。

 

「僕の負けだよ……楽しいポケモンバトルをありがとう」と握手を求めてくるリラ。

 こっちこそ熱くて燃えるバトルをすることが出来た……下手したらこっちが負けていた可能性があるギリギリのゲーム、本当に楽しかった。

 

「いやぁ、スゴいね。無敗で6つの施設を突破するとは流石はホウエンリーグ・サイユウ大会優勝者……でも、最後はそうは行かないよ」と最後の施設があるバトルピラミッドの場所をポケナビにインプットしてくれるエニシダさん。

 やっぱり最後のバトルピラミッドは脅威なんだろうな……サトシくんが3回挑んで3回目でやっと勝つことが出来た施設だからな。オレはサトシくんより上のサトゥーシくん、出来れば1回で勝ちたいな。




 どうでもいいキャラ紹介

 ユウキ

 説明

 劇場版のオープニングでのみチラリと出てくる第3世代の男主人公サトゥーシやケンタと同じくある日突然にユウキになっていた。
 学業は上の上で一人称が私になる色々と厄介な環境に居た。当初はケンタの様に深く考えていたのだが厳しい前世と比べて今生は楽な人生になったと気持ちを切り替えた末に一周回ってハジけた。サトゥーシ達4人の中では最も生真面目だったが奴はハジケたのである。
 サトシくんが前世の知り合いだと気付かなかったがサトシくんじゃないと気付いておりサトシvsケンタのフルバトルを見て自分以外にも転生者が居る事を知って救われた気分になる。オダマキ博士の一人息子として転生しており、前世の記憶と合わせてポケモンに関する知識は5人の転生者の中では2番である。
 1周回ってハッチャケ、ハジケまくった結果、綺麗系の女の子をナンパしておりナンパの成功率はそこそこ、根は生真面目な性格なのでポケモン達は基礎がしっかりとしており十二分に育てられている。ハルカも綺麗な女の子なのでナンパする。ハルカもハルカで満更じゃないのだがユウキは四方八方に口説きに行くので嫉妬の炎を燃やしたりしている。爆ぜろリア充。なんだかんだでケンタとはまだ顔を合わせていない。
 リアルファイトと女子力はそこそこであり、1番ではないものの多方面で才能を有している。一言で言えば器用貧乏である。


 サトゥーシは キャプテン翼の日向小次郎

 ケンタは アイシールド21の筧駿

 ユウキは 火ノ丸相撲の沙田美月

 4人目は 黒子のバスケの紫原敦

 アランは テニスの王子様の手塚国光


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デオキシスクライシス

 ホウエンレポート142(デオキシスクライシス)

 

 バトルピラミッドはニビシティを超えてちょっとしたところに現在あるらしい。

 あるらしいと言うのもバトルピラミッドは移動する施設で常に同じところにあるわけではないのとフロンティアブレーンの中でも頭1つ抜けて強いので6つの施設を制覇した者に現在バトルピラミッドが何処にあるのか教えるシステムになっているとのこと。

 

 ゲームみたいに一箇所に固まってくれていたら楽なんだけどな。

 まぁ、ゲームみたいな感じだったらそれはそれで色々とややこしくなりそうなのでアニメ版のバトルフロンティアはこれはこれで悪くはない。セレナのコンテストリボンが5つ揃っているのでコンテストリボンを集めるという事をしなくてもいい。さっさとバトルピラミッドに行こうかと先ずはニビシティ方面を目指しているとポケナビにノイズが走ったかと思えばピカチュウがビリビリと頬から漏電したりオーロラが発生したりとなんか1度に色々な事が起きていた。

 

 コレは厄介な事が起きている。

 取り敢えずポケナビもポケギアも使い物にならない状態だ。どうにかしないと先に進めず、モンスターボールを起動しようとするがうんともすんとも言わない。おいおい、モンスターボールも開かないとかどうなっているんだと思っていると1体のチルタリスが暴走しており、危ないので叩きのめすべきかと考えていると例のポケモンレンジャーのヒナタに出会う。

 

 ポケモンレンジャーがここに居るという事はなにか厄介な出来事でも起きているのかと聞いてみれば磁場が乱れて生態系がおかしくなっているので調査しに来たらしいのだ……コイツが調査しに来たのか。

 この人のレンジャーのランク的なのは3、ポケモンレンジャーのランク的なのは最高で10な筈。半人前を寄越されて無事に解決する事が出来るのだろうかと考えつつも原作知識を引っ張り出せば案の定原作で起きた出来事だった。

 

 バトルピラミッドが何時別の場所に変わるか分からないのでさっさとバトルピラミッドに向かいたいので事件解決を手伝うことにした。

 今回はポケモンに頼ることが出来ない……まぁ、困った時のミュウツーを手持ちに加えていないからモンスターボールが使えてもオレが戦った方が早くに解決するんだけども。

 

 それはさておき、事件解決の為に磁場の異変の原因を探れば昔、隕石が落下してきた事があるとの情報を掴む。

 隕石が磁場を乱す……隕石は色々と謎なので、そんな事が起こり得るならば起こり得るんだろうと隕石が落ちた場所に向かえばデオキシスが居た。磁場を狂わせて生態系を荒らしているのはデオキシスとデオキシスと共に飛来した隕石だった。

 

 デオキシスをどうにかしないといけないのだが磁場の影響かピカチュウはまともに戦えず、モンスターボールは開かない。

 ポケモンを言うことを聞かせる独楽みたいなので一時的にデオキシスを宥めないといけないのだが、あの独楽みたいなので何十回もデオキシスを囲わないといけないのだがデオキシスは危険を察知してスピードフォルムにフォルムチェンジして逃亡したと思えばアタックフォルムにチェンジして【サイコブースト】と思わしき技をばら撒くので独楽を回す事が出来ない。

 

 近場に居るポケモンを独楽で一時的に言うことを聞かせたとしても曲がりなりにも相手はデオキシスである。

 並大抵のポケモンではデオキシスの足止めすら出来ない、幻のポケモンとの戦闘経験をポケモン達に積ませたいのだがこんな時に限ってモンスターボールが開かない。こんちくしょう。

 

 デオキシスをどうにかしないとこの場を突破する事が出来ないのは事実なのでデオキシスをキャプチャする為にセレナにピカチュウを預ける。

 全く、オレだからいいんだけどもオレじゃなかったら色々と大変なんだぞ。ヒナタに独楽を出してグルグルとデオキシスを囲むがデオキシスはスピードフォルムにフォルムチェンジして移動するので追走して追いつき拳骨を叩き落とそうとするのだがディフェンスフォルムにフォルムチェンジして【リフレクター】的なのを貼る。

 

 フォルムチェンジを自由自在に扱う事が出来るのってズルくないか?

 デオキシスは何処か苦しそうにしており原作知識的にもデオキシスは色々と苦しんでいるのでぶっ倒すのは極力無しで頑張ってみるのだが幻のポケモン相手に倒さない方向で殴り合うのは中々に至難の業だ。

 

 特にデオキシスのフォルムチェンジが、スピードフォルムが厄介だった。

 シンプルにその場から逃げるという事をしてくるので追いかけないといけない。幸いにもオレの方が早かったので先回りをして蹴りを叩き込んで地面に叩き落とす事が出来た。スピードフォルムで撹乱してくるのでオレは波動とか全開にして戦うのだが、ポケモンレンジャーが遅い遅い。中々にデオキシスを捕まえる事が出来ない。単純にオレとデオキシスが早すぎるというのもあるんだけどな。

 

 こうなったらとデオキシスをガッチリとホールドする。

 動きを抑えている内にキャプチャするんだと頑張っているとアタックフォルムにフォルムチェンジしたと思えば腕の触手を思いっきり振り回してオレに叩きつける。的確に手を狙ってきたのでこれはもう仕方がないと九龍城落地(ガウロンセンドロップ)でデオキシスを頭から地面に叩きつけて大ダメージを与えると遂にはデオキシスは動かなくなり今がチャンスだと独楽をひたすらに回して回して回しまくったらデオキシスのキャプチャに成功しデオキシスに【じこさいせい】を使わせてダメージを回復させてアタックフォルムになって磁場を狂わせている隕石を【サイコブースト】で破壊すると言うことを聞かせられる時間が過ぎたが隕石を破壊したのと【じこさいせい】のおかげでデオキシスは元気を取り戻し、ありがとうと頭を下げてきた。オレはただ道を通りたかっただけなので礼を言われる事はしていない。

 

 ピカチュウの体調も戻り、モンスターボールも開き、ポケナビやポケギアも元に戻ったので旅を再開だ。

 ポケモンレンジャーにならないか?との誘いがあったけれどもオレはトレーナー一筋だってばよ。

 

 ホウエンレポート143(黄金のウソッキーは嘘つきー)

 

 ニビシティまでもう少しだと一息つこうと休憩していると黄金のウソッキーを見つけた。

 ウソッキーの色違いって何色だっけ?少なくともこんなコテコテとした金色じゃないなと思っているとウソッキーが逃げた。まさかクリスタルのイワークの様な突然変異種なのかと気になったので追いかけてみればなんか研究者っぽいのが水ポケモンでウソッキーを攻撃していたのだがウソッキーは全然ダメージが無かった。なんだと思ったので聞いてみればウソッキーの弱点である【みず】タイプを克服させる為にウソッキーを改造したと言うのでデコピンをくらわせる。ポケモンを人体実験みたいに扱うなよ馬鹿野郎。取り敢えずウソッキーを元に戻させた。

 

 ホウエンレポート144(久々のちゃんとしたロケット団)

 

 ニビシティはもうすぐだとサビシティに辿り着けばポケモンバトルの大会が開かれる。

 ポケモンリーグ優勝レベルの実力者は出ないかシードのどっちかになるので無視をしようとしたらロケット団が居た。

 

 なんかこのポケモンバトルの大会自体がポケモンを奪う為の作戦だったのでピカチュウを使ってロケット団達を倒しておいた。あのロケット団じゃないちゃんとしたロケット団は割と久々に見るのである。

 

 ホウエンレポート145(ニビジムを救え)

 

 ニビシティに辿り着いたので取り敢えずポケモンセンターに立ち寄る。

 久しぶりのニビシティだが大して変わったことはないがそういえばニビジムのジムリーダーがどうなっているんだろう?とふと疑問に思った。ユウキやケンタに聞いてなかったし気になるなと思っていると「お前はサトシじゃないのか!?」とタケシが声をかけてきた。

 

 もしかしてアレからずっとニビジムのジムリーダーを務めていたのかとあの後の出来事を聞いてみればムノーさんがジムリーダーを務めてくれて無事にポケモンブリーダーを目指して旅立つ事が出来る様になったらしく、カントー、ジョウト、ホウエンの3つの地方を巡って色々と学んでいるらしく、イワークが進化したハガネール、イシツブテが進化したゴローニャ、おつきみやまでゲットしたズバットが最終進化したクロバット、バンギラス、ジョウトでゲットしたクヌギダマが進化したフォレトス、ホウエンでゲットしたハスボーが進化したルンパッパとバランスはともかく実に鍛え上げられているポケモン達を見せてくれた。

 

 アレから色々と鍛え上げているんだなと思いつつも実家に帰ってきたのか?と尋ねてみれば弟のジロウからジムが大変な事になっているから帰ってきてくれとニビジムが一大事な事になっていると慌てて帰ってきたらしい。

 ジョウトを旅していた頃も父親であるムノーさんが母親にジムを乗っ取られかけて、危うく【みず】タイプのジムになるところを頑張ってイワークで【みず】タイプのマンタインを倒したらしい。

 

 ニビジムが一大事だと言い、2度目なので今度はなんだろう?

 色々と気になる事があったのでオレ達もついていき例の如何にも【いわ】タイプのポケモンを出してくるグレーな岩のジムの入口がスプラトゥーンよろしくペイントされており中に入れば中も色々とペンキでペイントされていた。

 ニビジム、リニューアル工事でもしたのか?と聞いてみればタケシはニビジムはああいうスタイルで変化させる事はさせないと主張し事情を尋ねにジロウに聞けばなんでもニビジムがカントーで1番イケてないジムに選ばれたらしく、ムノーさんとタケシのお母さんはそれはいけないとニビジムのリニューアル工事を頼んだらしく、ニビジムのリニューアル工事頼んだ特典として温泉旅行をプレゼントされたので温泉旅行に行こうとしていた。

 

 既に空港に居るので急いでテレビ電話を使ってムノーさんに連絡を取るタケシ。

「親父!お袋!なに勝手な事をやってるんだ!」と怒るタケシだが2人はニビジムがイケてない事が良くない事なのでコレを機にリニューアル工事してもらおうと企んでいるのだが……ニビジムってそんなにイケてないジムなのだろうか?

 カントー地方の端っこにあるとかジムリーダーが定期的に不在だとかそんなんじゃない何処にでもあるポケモンリーグ協会公認の公式なジムであり、カントー地方の中でも最もイケてないジムなわけない。現にジロウに聞けば最低でも3日に1度は挑戦者が現れる。

 

 なんかコレは裏があるなと思っているとリニューアル工事等を勧めてきた業者、つーかロケット団が現れる。

 おいおいおい、なんか怪しいなと思っていたらお前達かよと思っていると「ニビジムがカントーで1番イケてないジムなんて嘘をついて親父達をよくも騙してくれたな!」とキレるタケシ。

 

「契約書にサインは既にされてるんだよぉ!」とコジロウが言うので「ポケモンバトルで勝ったら白紙にしろ!」とまるで玩具販売促進アニメのお約束の様な展開になり、何故かタケシvsロケット団でなくオレも加わる事になったのだが……まぁ、サクッとね。タケシ、バンギラスを使ってきたからドサイドンを出して見事なチームプレイで勝った。「ポケモンリーグを優勝する腕は伊達じゃないな」と褒めてくれるタケシ。どんなもんだ。

 

 それはさておきニビジムで管理しているタケシのお母さんが持っている水系のポケモンやタケシがゲットしたポケモンをニャースが盗もうとしていたのでジロウがサイホーンを使って撃退している。中々に鍛えられているサイホーンだなと思っているとサイホーンが尊敬の眼差しでドサイドンを見てくる。

 タケシがジロウに「なに慌てるな。時間を掛ければお前のサイホーンだって何れはドサイドンになるさ」とアドバイスを送った。どうもジロウのサイホーンはムノーさんがジロウの最初のポケモンにと与えたポケモンらしい。

 

 ジロウはタケシに似てしっかり者でニビジムの事は任せてよとタケシに言うので餞別だとイシツブテをあげていたのでオレもコレからのジムリーダーに期待を込めて【プロテクター】を渡した。既にドサイドンはゲットしているので使う事は無いのだから使う事が出来るトレーナーが持っていて損は無い。ケンタもユウキも既にここのジムバッジを持っているので挑むことは無いが……きっとカントーでもトップレベルのジムリーダーになるぞ。

 

 ホウエンレポート146(バトルピラミッド vsレジロック)

 

 バトルピラミッドがあるところまではもうすぐだと思っていると急に足場が崩れたのでセレナをお姫様抱っこして落下の衝撃に備えていると古代の遺跡っぽいところに出た。ポケモン世界は古代の遺跡っぽいところには大抵ロクなものは待ち受けていない。古代のオーパーツでも眠ってるのかとちゃんとした出口を探す為に慎重になりながら突き進むとバトルピラミッドのピラミッドキングのジンダイさんと遭遇する。

 

「エニシダが言っていた挑戦者か?」と聞いてくるのでその通りだが今はバトルフロンティアよりもこの遺跡を脱出したい。

 ジンダイさんは出口を知っているが遺跡を調査しに来たので道を教えることは出来ても案内する事は出来ないので一先ずは遺跡の奥に突き進む。

 

「ここってなんの遺跡なんですか?」とセレナが感じた疑問を尋ねてみれば「古代のポケランティスの文明で、かつてホウオウで世界征服を企んでいた邪悪な王がいるらしい」と教えてくれる。ホウオウだけでこの世界を征服するのは難しいぞ、特にアルセウス辺りで詰みそうだ。ていうかこの手の世界では世界征服ってスゴい難しいだろう。人間よりも上位の存在が平然と生きている世界なんだから……そう考えればなんか恐ろしいなポケモンの世界。まぁでもクソ長い人類の歴史の中でも唯一出来ていないのが世界征服だったりするんだよな。

 

 下手にセレナと一緒に歩けば罠を作動させる可能性があるのでセレナをおんぶする。セレナもセレナで役得なのか抱きついて来るのでありがとうございます。久しぶりのセレナっぱいの感触を喜びつつも遺跡の奥を目指す。「少年、中々にやるじゃないか」と罠を掻い潜りつつも古代の石碑を見つけたオレに感心するジンダイさん。

 

 古代の石碑にはホウオウを古代のモンスターボールで閉じ込めたとか書かれていて遺跡の奥に突き進めば古代のモンスターボールがあった。

 あのさぁ、ぼんぐりで出来ているガンテツ印のモンスターボールの時点でコレを言うのもおかしいかもしれないけどさ。モンスターボールって何なんだよ。古代のモンスターボールとか時折出てくるけれどもモンスターボールって実際何時ぐらいから実装されてるの?古代にポケモンを封じる技術があったとしたらオーバーテクノロジー、オーパーツだ。あ、でも現代技術で再現出来るからオーパーツじゃねえか。それでもモンスターボールに色々とツッコミを入れたかったけれどもとにかく古代のモンスターボールを見つけた。石で出来ているモンスターボールだった。

 

「ふむ、コレが古代のモンスターボールか」とマジマジと古代のモンスターボールを観察した末に触れるジンダイさん。

 すると古代のモンスターボールから黒い靄の様なものが出たので波動の探知をしようとする前に邪悪な気配を感知したのでジンダイさんを突き飛ばして古代のモンスターボールを奪えば邪悪な黒い靄はオレの体を乗っ取ろうとする。

 

「まさかホウオウではなくポケランティス王の邪悪な魂が入っているのか!?」と驚くジンダイさん。

 邪悪な魂がオレを支配しようとするがそんなのは効くかと気力1つで振り切るとポケランティス王の魂が消滅して邪悪な力のみがオレの体に宿った……もしかしてと思い遺跡を出た後にその辺に落ちていた木の棒を使えば邪悪な闇を纏わせる事が出来たので例の闇の炎に抱かれて消えろな技を使ってみればなんか出来た……ジンダイさんが考察した限りではオレがポケランティス王の魂をくらって邪悪な闇の力を手にしたのかもしれないと言うのだがイマイチ実感が湧かない。邪悪な闇の力なんぞ無くても既に十二分な力は持ってるっての。

 オレの事を心配してくるジンダイさんだが、オレの方は特に異変は無いので表に出ると例のごとくエニシダさんが待ち構えていたが今回はバトルピラミッドが目と鼻の先だったので車による移動は無しである。

 

 早速フロンティアシンボルを賭けたバトルをしようとなり、使用ポケモン1体のシングルバトルでジンダイさんはレジロックを出してきた。

 この世界の準伝説は準伝説ってだけでもヤバいからな。だが、だからといって引いていては何時まで経っても1人前のトレーナーになる事は出来ないのだと準伝説のポケモンに食らいつく事が出来るポテンシャルを秘めているジュカインを出して審判に「メガシンカはアリですか?」と聞けば「Zワザだろうが1回だけならば構わんぞ」と言うのでジュカインをメガジュカインに進化させる。

 

「いきなりのメガジュカイン!?」とセレナは思わず声を上げるが横にいるエニシダさんが「相手は伝説のポケモン、レジロック。そしてそれを操るはチャンピオンと同格と言ってもいいジンダイだ。奥の手だと温存しては勝てないのだと判断したんだろう」と解説してくれる。

 ジンダイさんのレジロックはこの前のルカリオの一件で出会ったレジロックよりも遥かに格上だ……取り敢えず軽くジャブ代わりだと【エナジーボール】を撃たせると地面から【ストーンエッジ】を生やして【エナジーボール】を岩の壁で防いだ。

 メガシンカしてパワーが一段と増しているだけでなくタイプ相性の上で有利な技だってのに、レジロックの技の方がやや上回っている……ジンダイさんがフロンティアブレーンの中でも頭が1つ抜けているのが嫌でも分かる。だがここで引いていては勝つものも勝てないと【リーフブレード】で攻める。

 

 ただ攻めるんじゃない。

 レジロックはメガジュカインと比べれば鈍足なので【リーフブレード】を当てたら直ぐに距離を取るヒット&アウェイ作戦で行く。作戦自体は上手く成功しているのだがレジロックは全然ダメージを受けていない。どう出てくると思っていると【あなをほる】で地面に潜んだので【アイアンテール】を地面に叩きつければ地面に大きなヒビが入った。このヒビが大事だとジュカインに待ち構えてもらう。本来だったら地面の中に潜っているポケモンを叩き出すんだが流石にメガジュカインでも無理だったか。

 

 地面にヒビが入っており何処から出てくるか警戒しているジュカイン。

 ピシリと音が鳴ったのでジュカインはその場から移動すると足元からレジロックが飛び出してきた。「ヒビの音を利用して何処から出てくるか割り当てるつもりだが、それならば逆に利用させてもらう」とヒビのあるところをワザと鳴らした後にジュカインの足元から飛び出すとは中々にやる。

 

 しかしこの程度でやられるメガジュカインではないと【エナジーボール】を撃てばダメージが入るがレジロックは表情が読み取れないポケモンなのでどれぐらいのダメージを与えている事が出来たのか確認する事が出来ない。

【ロックオン】で照準を定めてくるレジロック、なにが狙いかと思えば【でんじほう】を撃ってくるのでコレはチャンスだとジュカインに【ハードプラント】を使わせればジュカインは【でんじほう】をくらうのだがジュカインはビクともしない。

 

「まさか【ひらいしん】か!」と驚くのでその通りだと巨大な木の根っこでレジロックを吹き飛ばす……のだが、コレでもまだ倒れる事を知らないレジロック。メガジュカインの【ハードプラント】を受けてもまだ倒れないとかどうなっているんだと思っていると動けなくなったメガジュカインに【ばかぢから】を使って殴り飛ばすとメガジュカインは大ダメージを受ける。

 

 こういう時にドレイン系の技で攻撃する事が出来ないのがジュカインの欠点だなと一先ずはジュカインが動ける様になるのを待ったのだがその前にもう一度【ロックオン】を使って照準を定めてきたと思えば【ボディプレス】でジュカインにのしかかる。ジュカインも回避しようとするが【ロックオン】を使われた後なので避ける事は出来なかった。

 

 くっそ、こりゃヤバいぞと【リーフブレード】で攻めるが異常なまでに硬いレジロック。

 幸いにもメガジュカインの素早さがレジロックを遥かに上回っているので普通にやってても攻撃を当てることが出来ない状態だ。ジュカインに高速で移動してもらい撹乱してヒット&アウェイで攻めるが決め手に欠ける。確実にダメージを与える事は出来ている筈なんだがマズいなと思っていると【ロックオン】を使ってくるレジロック。また【ボディプレス】を受けたらひとたまりもないと一か八かの【ソーラーブレード】で対抗しようと太陽光を腕の刃に集めた末に【ボディプレス】で上から覆い被さってくるレジロックに【ソーラーブレード】を叩き込むメガジュカイン。最初の方は【ソーラーブレード】でレジロックを押していくがレジロックがジュカインの【ソーラーブレード】を耐え切って【ソーラーブレード】発動の為に溜め込んだ太陽光を使い切ったところでレジロックはジュカインにのしかかり……メガジュカインから元のジュカインに戻った。

 

「サトシが負けた……」と滅多な事では見ない久しぶりに見たであろうオレの敗北を見てボソリと呟くセレナ。

 ジンダイさんは「中々の腕前、しかし少年よ今回勝ったのはこの私だ」と言う……サトシくんと違って何処がダメだったか指摘したりする事はしてきていないので既に自分の戦闘スタイルを見出す事は出来ているっぽい。

 

 フロンティアブレーンは四天王と同格で、その中でもジンダイさんは頭1つ抜けていてチャンピオンクラスだというのは頭に入っていた。

 過去にダイゴさんとバトルをした時とはまた異なる感覚だった……あの頃よりは強くなる事は出来ているのだが……くっそ、悔しいな。ジンダイさんは次に調べ物があるから挑戦したいのならばフェンネル谷に来てくれと言いバトルピラミッドを発進させた。

 

 エニシダさんは「バトルピラミッドの挑戦を諦めるかい?」と聞いてくるので「次こそ絶対に勝ってみせます」とだけ宣言しておく。

 今回は負けてしまったが次こそは勝ってみせる……が、その前にセレナのグランドフェスティバルがセキエイ高原で行われるのでセキエイ高原に向かわないといけない。チャンピオンリーグの事も考えれば結構ハードなスケジュールだが、取り敢えず勝てばいいのである。今回は負けてしまったが次こそは勝ってみせる……絶対にだ。



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間もなく グランドフェスティバル

 

 ホウエンレポート147(巨大ケッキングの山)

 

 いや〜やっぱりアレだな、負けるのって精神的に来るものがあるよ。

 メガジュカインという一種のワイルドカードを武器にしたものの、結果的には負けてしまった。コレはかなり精神的に来るものがある

 エニシダさんが言うには最低でも四天王クラスの実力者らしいが割とマジでジンダイさんはチャンピオンクラスの実力者だろう。

 

 色々とクヨクヨしているのをセレナに見抜かれたのか「大丈夫!次は私が頑張るから、サトシの力にして!」と言ってくるので「オレの為じゃない。自分が好きだからやりたいって思ってるからやるんだ」と後押ししておく。オレの為にポケモンコンテストに出るんじゃないのでその辺りは大事である。

 

 フロンティアシンボルを入れているパスケースを見つめる。

 ブレイブシンボルをここに入れる事が出来たらカッコがついていた……ケンタの野郎はなんだかんだで一発でブレイブシンボルを獲得してるんだよな。冷静になって考えてみれば滅茶苦茶恐ろしい……オレ、よくあいつに接戦の末とは言え勝つことが出来たよな。

 ケンタの奴はなんだかんだで凄まじいトレーナーだなと思っているとフロンティアシンボルが入ったパスケースをエイパムが奪おうとしてくるのでエイパムを撃退した。

 

 ジムバッジやフロンティアシンボルはオレが強くなったと言う証である。

 早々に誰かに譲るなんて事が出来るかよと尻尾を使って器用に強奪しようとしたエイパムに水平チョップを叩き込んではぶっとばしたら逃げていくエイパム。常習犯な雰囲気を醸し出しているが、気にせずにセキエイ高原を目指しているとエイパムを見なかったか?と尋ねてくる人達が居た。

 

 もしかしてエイパムのトレーナーなのか?

 とりあえずはフロンティアシンボルを入れているフロンティアパスを奪われそうになった事を伝えれば「遂に金品まで手を出したか」と物騒な事を言う。やっぱり常習犯だったか。

 

 エイパムになにか奪われたのか聞いてみる。

 どうもこの山に生息している猿もといエイパムやマンキーがきのみを集めたりしている。冬に備えて的なのじゃない、何故か急にきのみを集めたりしていて近くの村のきのみを盗んだりしているらしく、その村の人達は困っているらしい。

 

 今まで平穏だったのに急に変わるとは、もしかすると生態系の頂点に位置するポケモンが切り替わったかもしれない。

 他所から現れたポケモンが生態系を乱すのは割とよくあることで、人とポケモンが共存する為にはその辺りを上手く調整しないといけないとオーキド博士が言ってたよ。

 

 流石に放置するわけにはいかないのでボスが居る場所に向かうことにする。

 エイパムが逃げ去った方向から逆算してボスが居るであろうところに向かえばなんか関所があった。明らかな人工物じゃん。村の人達もよく分かっていない物で今までこんな物があったとかは知らないそうで、ここが自然保護区的なのかと聞けば違うという。

 

 コレは仕方がねえなと関所をぶん殴って壊す。

「失礼しまーす」と言いながらぶっ壊して進めばマンキーやオコリザルがこちらを睨んでくるので威圧感を放てば脅える。威圧感で勝てると思ったら大間違いだ。威圧感に怯えて萎縮してしまっている猿どもはモーセが海を割ったかの如く分かれた。

 

「ボスは何処だ?話し合い(意味深)をしにきた」と言えば1体のマンキーが道を教えてくれる。

 こいつらを統率しているこの山の生態系の頂点に位置するポケモンはなんだろうと案内してもらえば……無駄にデカいケッキングがいた。

 

 あれこれ、ダイマックスなケッキング?

 一瞬そう考えたオレは悪くはない。ダイマックスなスポットじゃない、ここはカントー地方だからダイマックスじゃないと直ぐに頭を切り替えるとケッキングはマンキー達が集めたきのみを豪快に一口で食おうとするのでカビゴン用のポロックを投げた。

 

 ポケモンの中で1番の大食いであるカビゴン用のポロックは効果は絶大だ。

 一瞬にして満腹にしてくれると思ったのだがケッキングは食べることを止めないのでこいつはホントにケッキングなのかと波動の探知をすればロボットだった。つーか、ロケット団だった。

 

 例によってアホな事をしている。全くさ、もうちょっとその能力を社会の役に立つ事に使えねえのか?

 ピカチュウに【10まんボルト】を指示したが「電気対策をはじめ水や炎も対策してるんだよ!」とコジロウが言うのでオレが直にぶん殴ってぶっ壊す。ピカチュウ達で無理ならばオレが動けばいい、ただそれだけの話だ。

 

「嘘だろ!?」と驚くロケット団。

 マサラ人には不可能はねえんだとロボットを破壊しつつ、ピカチュウに【10まんボルト】を撃ってもらう。外壁系は上手い具合に保護していたが内部はあっさりと壊すことが出来るんだと【10まんボルト】で爆発を起こしたと思えばロケット団は吹き飛んでいった。

 

 悪は栄えないな。

 運良くきのみを入れている格納庫的なのは破壊されず、ケッキングロボットが溜め込んでいたきのみを解放すれば喜ぶマンキー達。

 自由に食べてくれと言えば宴会が始まろうとするのだが、オレとセレナはセキエイ高原を目指さなければいけないのでパスした……コレを書いてる今だから思い出せるけれども、コレってエイパムゲットのイベントだったんだが……まぁ、コンテストにうつつを抜かす奴はゲットするつもりはねえ。遊びならいいけどガチのコンテストには興味はねえ。

 

 ホウエンレポート148(懐かしのセキエイ高原)

 

 エイパムが後をつけてこないか若干だが心配だったものの、心配だけで終わった。

 エイパムを殴り飛ばしたのが意外にも効果的だったようでエイパムは追いかけてこなかった。

 

 エイパム関係でややこしい事があったらめんどくせえからな。

 エイパムの事は頭の中でシャットアウトし、見えてきたのはセキエイ高原だ。久しぶりにやって来たぜセキエイ高原……懐かしいな。

 

「懐かしいな……ここでケンタに勝って優勝した……」と過去を振り返る。

 こうしてレポートを書いている今でもチラリとセキエイ大会の激闘を振り返る。バトルノートに何処がどう悪かったのかなんかを書いていたりするしホントに優勝出来て良かったなって思う。

 

「サトシはここで優勝した……だったら今度は私が優勝する番ね!」とセレナは気合いを入れる。

 とりあえずは会場入りして出場登録の手続きをしようとすると「おお、サトシくんじゃないか!」とタマランぜ会長が声を掛けてきた。

 タマランゼ会長、他の地方のポケモンリーグを観戦したりしなくていいのか?カロスリーグとかガラルリーグとかまだあるんじゃないかと思っていると既に他の地方のポケモンリーグのプログラムも終えて今回のチャンピオンリーグの調整期間に入っているらしく、タマランゼ会長はそれまでの間は遊ぶとの事だ。

 

 遊びのグランドフェスティバルってなんか酷くねえのかと思ってがポケモンコンテスト<ポケモンバトルの地位は変わらないらしい。

「サトシくんが出るのかの?」と聞いてくるのでセレナがコンテストケースを開けばそうかそうかと笑みを浮かび上げるタマランゼ会長。なんだかんだでこの人はエンジョイしているな。優勝する事を期待しているぞと言われればセレナは闘志を燃やす。

 

 大会の出場登録を済ませていると「マサラタウンのサトシだ」という呟きがチラホラ聞こえる。

 やはりポケモンリーグを優勝した事が大きい……特にポケモンリーグ初出場で初優勝はかなりの功績だろう……うん。

 オレはコンテストに出場する事は無いし出場する権利も持っていない……セレナの方は知名度はまだまだなので是非とも今回優勝して一流のコーディネーターになってほしい。

 

 出場登録を終えればガイドブックを貰える。

 1次審査で64名に絞り2次審査で32名に絞り、そこからコンテストバトルがあるというのが今回のグランドフェスティバルの大まかな流れだ。1次審査はシングルで2次審査がダブルだけど1次審査で出したポケモンの使用は禁止だ。中々にシビアなルールだが、セレナならばコレぐらいはへっちゃらだろう。シングルやダブルを想定して色々な特訓をしてきたからな。

 

 明後日からグランドフェスティバルが開催との事で今日は完全に休むことに。

 ポケモンの調整とかは明日に回すとセレナはオレと一緒に遊ぶことを決めたのでセキエイ高原でデートである。ポケモンリーグの時はそういう余計な雑念を捨てておこうと決めてたからセキエイ高原でショッピングとかそこまでしてなかったので新鮮である。

 

 ガス抜きする事に成功した……セレナ、オレが出来るのはここまでだ後は頑張れ。

 

 ホウエンレポート149(訪れたライバル達)

 

 明日からグランドフェスティバルなので大会に参加申し込みに来る人達が多い……が、ポケモンリーグよりは少ないな。

 ジムに挑んでジムバッジを8個集めるポケモンリーグと違ってコーディネーター同士が潰し合いで優勝した人にだけコンテストリボンを貰えるポケモンコンテストでは人が違う。

 

 タマランゼ会長にコンテストの開催数を聞けば理論上は300人出場する事が出来る様にはしているらしい。

 300×5だから、カントーのそこかしこで計1500回もやっている。カントーの広さは詳しくは知らねえけども、流石に無理あるんじゃと思えば同じ開催地で何度かする場合もあるらしく、そこで足りない部分を補っているらしい……司会の人とかジョーイさん、それに付き合ってるってかなり大変だな。

 

 セレナはどのポケモンを出そうか悩んでいる。

 出場登録はしたものの、自分がどれくらいの時に出場するのかが分かっていない。コレがポケモンバトルならば純粋に勝てば良いのだが、コレはコンテスト、バトルをするのでなく魅せなければならない。

 

 1番あってはならないのは自分のパフォーマンスが最後の場合だ。

 グランドフェスティバルに出場するだけあって皆なんだかんだでレベルは高い。故にコーディネーターにパフォーマンスのレベルは高くて、最後になった場合は今まで見てきたパフォーマンスと比較されやすい。

 

 トップバッター以降は今まで見てきたパフォーマンスと比較されやすい傾向にあるんじゃないかと思われるが、1番最後と比較されるよりはマシだ。トップバッターを引ければいいが200人以上は参戦するポケモンコンテストでトップバッターを引き当てるのは至難の業というか豪運だろう……まぁ、トップバッターもトップバッターでデメリットがあるけどよ。

 

「どれにすればいいのかしら?」とセレナはアドバイスを求めてくる。

 オレから見ればどのポケモンもパフォーマンスのクオリティが高い……問題があるとするならば審査の順番だ。例えばリザードンを用いてのパフォーマンスをするとして前の人が【ほのお】タイプのポケモンを使って炎系のパフォーマンスをされればその時点で審査のハードルが大幅に上がってしまう。前の人と比較されるのはパフォーマンスでは普通だが、前の人と内容が被っているのはかなりまずい。

 

 プランAだけじゃなくプランBも考えればいい。

 ポケモンバトルならば力技で解決すればそれでいいが、コンテストはな……ダメだな、こういう思考をしているから普通にポケモンコンテストには向いてねえよ。

 

 とりあえずはプランAと同等なプランBを用意しておけばいいとしかアドバイスを送れなかった。

 コレ以上になにを言えばいいのかがわからない。セレナのパフォーマンスは相手は要らない。オレが居れば余計な事をしてしまうとそっとする事にしてセレナを影から見守ろうと考えていれば「あらぁ、セレナちゃんじゃない!」とハーリーさんが現れた。

 

 ここに来たという事はとセレナが聞けばコンテストリボンを見せてくるハーリーさん。

 なんだかんだでこの人もトップコーディネータークラスなんだと思う……やはりオカマは最強だな。

 

 ハーリーさんが現れたということはと思っているとシュウも現れる。

 お前等かなり早くにコンテストリボン集めることが出来ているなと感心しているとハルカとユウキが現れた。

 

「いや〜間に合ってよかった」と安堵するユウキ。

「現れたわね!カモガールと猫被りチャラ男!」とハーリーさんは強く当たるがユウキは特に気にしておらずハルカも気にはしていなかった。猫被りチャラ男なんだな、ユウキ。

 

「登録は済ませたの?」とセレナがハルカに聞けば大会出場者にのみ渡されるガイドブックを見せる。

 ユウキの奴が居るからその辺りに関しては抜かりない……◯◯だから馬鹿をやってても基礎の部分はしっかりとしているからな……ただ……いや……。

 

 短期間の間に一気にコンテストリボンを集めたみたいだが、肝心のジムバッジの方はどうなんだ?と聞く。

 この前にセキエイ大会があったから暫くはセキエイ大会は無い……少なくとも今回のチャンピオンリーグが終わるまでは無いんだ。ユウキに聞けばバッジケースを取り出した。

 

 グレー、ブルー、オレンジ、レインボー、グリーン、ゴールドの6つのバッジが入っていた。

 残すところはピンクとクリムゾンバッジ……アニメオリジナルのジムバッジを手に入れるつもりなのかを聞いてみれば一応はゲーム通りにピンクとクリムゾンバッジをゲットして時間がかなり余ったのならば他のアニメオリジナルのジムに立ち寄ろうとは考えているらしい。

 

「で、バトルフロンティアはどうなの?ドーム戦を偶然テレビで見たけど物凄く強いよね、フロンティアブレーン」と聞いてくるユウキにオレは視線を合わせない。聞いてくると分かっていた……分かっていたんだ。バトルフロンティアが順調かどうかを……ユウキの奴が「え、もしかして」と意外そうな顔をしているのでブレイブシンボル以外が入ったフロンティアパスを見せれば驚く。

 

「ジンダイさん、尋常じゃない程に強い……メガジュカインで挑んだんだけど見事に負けたよ……」

 

 とだけ答えればユウキの奴は素の状態になって「そうか」とだけ呟く。

 ケンタの奴が倒したんだからオレも行けるって心の何処かで慢心していた……いや、自信に近い慢心だった。勝てないから自信じゃなくて慢心に切り替わった、ただそれだけの話だ。

 

「チャンピオンリーグまでまだ時間はあるけど……」と聞いてくるユウキ。

「勿論、次で勝つつもりだ……敗北は経験をしたら良いって言うけれどもそれは1回だけだ……次に負けたら憎悪に身を焦がすかもしれないな」と言えば「憎悪で勝てるほど勝負は甘くないぞ」と言う。「ちゃんとした指導者ならば憎悪なんかの感情で動かすのは二流だと言うが憎しみは時として最高の原動力だ……長持ちしねえのが欠点だけど」と言い返す。

 

 ユウキの奴はその辺りはバッサリとしてるけれどもケンタの奴なんかオレに負けた悔しさをバネにしてオレを倒すレベルにまで這い上がった。

 ホントに恐ろしいぞ、負の感情を動力にして動く人間の力は……少なくとも、オレはケンタに負けを味合わされたおかげでお前を倒すことが出来たと思っているぞ。ケンタとの負けを経験しておかなかったら物凄い速度で成長するお前を倒すことが出来なかった。

 

 ギリギリの勝ちは嬉しいがギリギリの負けは物凄く悔しい……「じゃ、リベンジしていい?」と聞くので「ちゃんとした舞台でやろう」と答える。野良試合でケンタやユウキを倒すよりも、ちゃんとした公式戦で倒すことが出来れば物凄く嬉しい……野良試合だと負けても悔しいけれどもと何処かで割り切る自分が居る気がする……。

 

「さぁ、明日からグランドフェスティバル!美味しい物を食べて力をつけるわよ!」と食い気を出すハルカはユウキの首ねっこを掴んで繁華街に向かった。ユウキの奴、大丈夫か?セキエイ高原には美味い店がかなりあるぞ。ハルカ、可憐な見た目と裏腹に滅茶苦茶大食いなんだから…………胃袋がキツいだろうな。

 

 ユウキの奴は拒もうと思えば拒めるのに拒まない。

 女の子のナンパに走るチャラ男に生まれ変わっているがなんだかんだでハルカの事が好きなんだな…………ハルカはどう思ってんだろ?




リアルがクソ忙しいのと色々と他にもネタが出てて浮気している自分が居るぜ


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激戦 コンテストフルバトル!

こんな猿が殴り書きした作品に4000人も見たいと言うとは……謎である


 

 ホウエンレポート150(開幕 ポケモンコンテストグランドフェスティバル)

 

 ポケモンコンテスト・グランドフェスティバルが開幕した。流石はポケモン世界の一大イベント、テレビカメラは当然の如く回っている。

 本日は64名に絞る予選を行う。234名……ホウエンでのグランドフェスティバルと似たような数だな。

 

「今日は応援する側!何があっても悔いが残らない様にしよう」とユウキは言ってくるが目が笑っていなかった。

 今度こそは絶対に勝てよと訴えかけており、ハルカもユウキが言いたいことを理解してくれているので直ぐに「私、負けないわ!」と言う。

 

 覚悟が違うな。セレナとハルカは真ん中ぐらいの順番だった、これはラッキーだなと思いつつも見守る。

 順番的に言えばシュウ、ハーリー、セレナ、ハルカでありシュウはこのグランドフェスティバルで絶対に優勝してみせると進化の石をロゼリアに投げた。たった一度しか出来ない進化のパフォーマンスをして、コンテスター、ジョーイさん、ポケモンだいすきクラブ会長、タマランゼ会長の4名から満点を頂き40点を叩き出す。

 

 ハーリーはジュペッタを使って自らに【かみなり】を叩き落とすと言う荒業を成し遂げた。

 実際のコンテストバトルでは使うことが出来ない系の技術、パフォーマンスの場だから出来る高度な諸刃の剣な魅せ方だが大受けした。

 伊達にコンテストリボンを5つ集めてセキエイ高原にやって来てねえな。どれもこれも、全体を通してみればレベルが高い。

 

 次がセレナの出番だなと思っていると、セレナの前のコーディネーターがルンパッパを出した。

 ルンパッパは色々とすることが出来るポケモンだから何をしてくるのだろうか?と思いつつも見守る。1つ前のパフォーマンスと内容が被ってしまったらどうあがいても絶望だからな。

 

 ルンパッパは【やどりぎのタネ】を撒いた。

 撒いたのだが発芽はしない、失敗に終わったのかと思えば【あまごい】で【あめ】状態にすれば種が発芽した。

 まさかコレはと思っていると【フラフラダンス】を踊るルンパッパ、種はグングンと成長していき今度は【にほんばれ】で天気を変える。

 なにするつもりだと思っていると頭の傘に溜まった水をルンパッパは発芽した【やどりぎのタネ】にかければ大きく成長していきそのまま【ソーラービーム】で打ち上げ花火を上げた。

 

「ここで一句!この演技、さんさん爽やか、受けルンパッパ」

 

 とポケモン川柳を読み上げた。

 どういうこと?とオレとユウキはキョトンとするけれども、周りの人達は大ウケであり大拍手を貰う。

 何故にポケモン川柳で受けるんだ?オレとユウキはそれが理解する事が出来なかったが、少なくとも周りにいる人達には大ウケであり、まさかの39,9点を叩き出した。ウッソだろおい、セレナのパフォーマンスのハードル爆上がりじゃねえか。

 

 フシギバナでのパフォーマンスはしにくいし、天気を弄くる系も受けが悪い。

 中々にハードルが爆上がりだけども、どういう風に出てくるのか?ヒヤヒヤしながらも見守り、セレナオンステージ。

 セレナが出したのはユキメノコだった。ユキメノコでなにをするつもりなんだろと思っていると【ゆきげしき】を使って雪を降らせる。

 

「さっきまで天候を弄ったパフォーマンスだったのに」と呟くユウキ。

 オレも同感だが【にほんばれ】と【あまごい】じゃないのでギリセーフなのだろうか?観客達は雪の中に居るユキメノコに夢中になっている。

 そんな中でユキメノコは……消えた……パフォーマンスをする身なのに、パフォーマンスをしなければならないのに姿をゆっくりと消した。

 

「なるほど……儚さか」

 

 と納得をする。

 さっきのパフォーマンスは生き生きしている生きているというのを現すかの様なパフォーマンスだった。

 対するユキメノコが使ったのは静かせや儚さ、雪の中にゆっくりと消えていくだけなのに皆が注目をしている。実体は確かにある筈なのに、まるで無いのかの様に見せつけており周りを釘付けにする。

 

 こういう感じの魅せ方が存在していたか。

 派手な技を使う以外での使い道があるとは思いもしなかったのだとタマランゼ会長達も絶賛しており39,7点をゲットする。

 こんなのもあるのを知らなかったのはまだまだオレも未熟者な証拠だと思いつつも次の人のパフォーマンスに移るが割とマジで可哀想である。セレナとルンパッパ使いのパフォーマンスを見たせいで物足りない感が出ている。唯一の20点台を叩き出しやがった。

 

 コレばかりは運要素が絡むところがあるから仕方がない事だ。

 セレナの記録を超えることが出来るコーディネーターが居ないままハルカの出番がやってきた。

 

 ハルカが出したのはゼニガメだった。

 何をするんだと思っているとゼニガメは【ハイドロカノン】を撃った。「ゼニガメが【ハイドロカノン】」と驚いていると「お前のフシギダネが【ハードプラント】を使えるならば理論上は不可能じゃない……実戦じゃまだ使えないが」と笑みを浮かびあげるユウキ。

 この野郎、普通に隠し玉を持っていやがったかと思いつつの打ち上げられた【ハイドロカノン】に向かって【れいとうビーム】を撃ってカチンコチンに氷漬けにしたと思えば【こうそくスピン】で叩き割った。

 

 花火の如く舞い散るあられの如き結晶は実に美しい。

 こういう感じのパフォーマンスもあるんだなと思っていると今度は【たきのぼる】で滝を作り上げたかと思えばそのまま【なみのり】をするというコンボを見せつけてくれて、ハルカは39,5点……セレナの方が勝っていると小さくガッツポーズを取るがそれをユウキは気付いており「ここから先が本番だ」と言ってくる……う〜ん、実にその通り。

 

 伊達にグランドフェスティバルじゃないので30点超えは極々当たり前だ。

 その後も凄まじいパフォーマンスを魅せてくれるのだが、流石に満点を叩き出す人はおらず予選が終了。

 得点がハッキリと出ているのは実にいいことでセレナとハルカは余裕で予選を突破するのだが、あくまでもこれは予選をする為の予選に過ぎない。

 

 64名から次に32名になるように絞る。

 次から全国中継であり、次の審査の順番が発表される。セレナ達は真ん中ぐらいだったが、次も大事だが、まぁ、セレナ達は無事に突破した。

 ポケモンバトルと違って相手を倒せばそれでいいとは異なるので一切の妥協はしてはいけない。とにかくやれることをやり尽くしてなんとか突破をする事に成功して明日にグランドフェスティバルのトーナメントが行われるがセレナとハルカはトーナメント表が対になっていた……決勝戦で戦わなくちゃいけない。

 

「いやぁ、スゴかったよ2人共。ハルカちゃんは特にフシギソウとバシャーモを活かしたパフォーマンスが」

 

 ととりあえず無事に終えたセレナとハルカをユウキは褒める。

 ハルカ推しなのでハルカを重点的に褒めておりハルカも満更でもない顔をしている。オレはと言えば拳を突き立てる。セレナも拳を突き立てて拳を合わせた……こういう感じのコミュニケーションしか取れないオレは情けない。

 

 ホウエンレポート151( グランドフェスティバル)

 

 色々とにくい演出してくれるな、グランドフェスティバル側も。

 セレナとハルカは余裕で決勝戦にまで駒を進めた。ハルカはシュウを、セレナはハーリーさんを倒した。

 割とあっさりと勝った……こう、アニメだったらギリッギリの勝ちとかそんな感じだろうけども、そんな感じは特に無くて余裕を持って勝利した。

 

 決勝戦にまで駒を進めたハルカとセレナ。

 これでどっちが勝ったとしても互いに美味しい展開になるなとユウキと無言でグータッチ、後は結果を待つのみで実況のリリアンさんが選手のプロフィールとかを読み上げており間もなく決勝戦が開幕すると思っていると「ちょっと待ってくれんかの?」とタマランゼ会長が待ったをかけた。

 折角の決勝戦なのに水を差すなよと思っていると「どうせじゃからフルバトルでのコンテストバトルにせんかの?」と言う。

 

 フルバトルでのコンテストバトルって……アダンさんの時にしかやっていない。

 セレナもハルカも手持ちは6体以上持ってて現在手元にあるので問題無いですと了承、ポケモンそれぞれにコンテストゲージがあり、制限時間は通常の6倍の30分、交代はありだが交代すればコンテストゲージは削るとタマランゼ会長は言う。

 

「中々ににくい演出してくれるね」とユウキは言うが「フルバトルでのコンテストバトルなんて聞いたことねえぞ」とだけ言っておく。

 冗談抜きでキツいぞ?フルバトルってだけでも精神的に来るし、その上でコンテストバトルをしなきゃならねえ。オレだったら無理だと音を上げている。セレナもハルカも一人前のコーディネーターになったって証拠だろうか?

 

 3,2,1の合図でポケモンを出した。

 ハルカはグレイシア、セレナはユキメノコ……コレは互いにタイプ被りだが、どうするつもりだと見ているとユキメノコは【ゆきげしき】で雪を振らせて【ゆきがくれ】で姿を眩ませる。

 

「「ミスったな」」とオレとユウキは同時に呟く。

 それもその筈、今回の相手はグレイシア……予想通りと言うべきか、グレイシアも当然の如く【ゆきがくれ】で消え去ってしまう。

 セレナの知識が若干だけども足りないボロが時々出てくるな……まぁ、1000体以上ものポケモンを覚えろってのも大分無茶な話だが。

 

 とにかく【ゆきがくれ】で互いに姿を消したユキメノコとグレイシア。

 流石に魅せるバトルを見に来たのに互いに姿を見ることが出来ないのはアウトなので「次の手使えよ!」等の野次が飛び交う。

 互いに姿が見えない状態、となれば使う技は1つしかない様に見えるのだが流石に自分が使っているポケモンと似た感じのポケモンなので次の手をどうすればいいのかを分かっている。

 

「【ふぶき】」「【オーロラベール】」

 

 何処にいようが確実に当たる状態の【ふぶき】に対してセレナは【オーロラベール】を使う。

 当然の如く【ふぶき】は命中してユキメノコが姿を現したがユキメノコは【オーロラベール】に包まれており神秘的な光を放っている。ダメージを受けたのはユキメノコだ、だがゲージを多く減らしたのはグレイシアだ……次にどう動くかと思っていれば【かなしばり】を使いグレイシアの【ふぶき】を封じ込めればハルカは直ぐにグレイシアをボールに戻した。

 

「なんだ、戻すのか……」

 

「この状況で戻さない方がどうかしてるでしょ……【ゆきがくれ】で互いに何処に居るのかが分からない状態でも確実に攻撃を当てる事が出来るのは【ふぶき】だけだけど、その【ふぶき】はユキメノコに対して大した効果を発揮しない。唯一の武器である【ふぶき】を封じ込められた以上は多分、なに使っても、それこそコンテストバトルじゃないポケモンバトルの時点でも詰んでる……今回は30分と長めなルールだけども時間制限があるから効果が切れるまで耐え切る事が出来ないし、仮に耐え切る事が出来たとしても直ぐに【ゆきげしき】使ってくるから攻撃を当てれるチャンスは1回だけ、しかし【オーロラベール】を使ってるのでユキメノコのダメージ半減だから【シャドーボール】当てても一撃で沈める事が出来ない」

 

 とご丁寧に解説してくれるユウキ。

 流石は分かっているのだが周りで聞いている連中は地味にこっちに近付いてくるんじゃねえよ。

 オレとユウキは純粋に語り合うだけであって、解説とか実況とかをしたいんじゃねえよ。成る程と頷くな。

 

「バシャーモ、ステージオン!」とバシャーモを出すハルカ。

 相性の上では有利だけれど、現在ユキメノコは隠れ潜んでいる……が、バシャーモを出したことは悪くはない。

【ふぶき】を簡単に耐えれるし【おにび】も通じない、じゃあどうするかと聞かれれば……【サイコキネシス】であるのだがハルカはそれを読んでいたのかメガバンクルを取り出した。

 

「ハーッハッハッハ!こんな事もあろうかと僕のを貸したのさ!」と用意周到なユウキ。

 バシャーモはメガバシャーモに進化するのだが、そこからどう動くと考えていれば直ぐにセレナがまずいと気付くがここではなにも出来ない。

 セレナはバシャーモを倒すために【サイコキネシス】を指示するのだがメガバシャーモは【かそく】で一気に素早さが増して【サイコキネシス】の念力がメガバシャーモに届く前にユキメノコは間合いを詰められて【フレアドライブ】で突き飛ばされた。

 

【オーロラベール】でダメージ半減しているが、コレは手厳しい。

 バシャーモに有効打である【サイコキネシス】を使うが【サイコキネシス】は相手を捉えてから発動するから、その発動までの一瞬のラグみたいなのがあれば【かそく】で素早さを上げてくるバシャーモならば余裕で抜くことが出来る。幸いにも使ってきた技が【フレアドライブ】だったのでダメージはそこまでないが、割と危ういとセレナも判断したのでユキメノコをボールに戻してドンカラスを出した。

 

 相性の上ではメガバシャーモの方がやや不利だがパワーなどではドンカラスの方が下だ。

 空を飛べると言っても【かそく】で素早さを増しているメガバシャーモの脚力は凄まじいので並大抵の高さでは回避出来ない……様に見えるが、一応の抜け穴は存在している。しかし……それを使えばセレナの方が痛手を負う。

 

 どうするんだと見守っていればドンカラスに【くろいきり】を使わせる。

 上昇下降したステータスを0に戻す効果がある【くろいきり】は【かそく】で増した速さなんかを元に戻すが……それでも素の素早さはドンカラスよりもメガバシャーモの方が上でメガバシャーモは【くろいきり】に触れる前に高くとんで【くろいきり】の中に突っ込んでいく。そしてセレナのゲージが減った。

 

「コレはポケモンバトルじゃなくて、コンテストバトル……魅せる試合でもあるから【くろいきり】みたいな周りの景色を妨害する技は受けねえな」

 

「普通のポケモンバトルだったら正しい答えなんだけどね」

 

 と少しだけ残念がるオレとユウキ。

 魅せる行為を妨害する技を意図的に使うのは良くない事、例えバシャーモがカッコいい事をしたとしても【くろいきり】の中なので誰も見えない。それは普通にアウト……実際のポケモンバトルならばありなんだけどもな。

 セレナはここでどう動くのかと思っていればドンカラスも【くろいきり】の中に入り……【ほろびのうた】を歌わせた。

 

「ヤバッ」とユウキは呟く。

 まだ6分しか経過してない試合でメガバシャーモが退場するのはかなりデカい。

 例えドンカラスが倒れようともメガバシャーモを1体ぶっ倒した事に関しては褒められるべき事だ【ほろびのうた】を【くろいきり】の中で歌い続けるドンカラス、メガバシャーモは声が聞こえるところに向かって【とびひざげり】を入れたのだがギリギリ【オーロラベール】が残っていたのでドンカラスは倒されなかった……が、虫の息に等しい。伊達にハルカが最初に貰ったポケモンじゃないなと思う……ハルカはメガバシャーモを引っ込めなかった。ユウキは呆れていた。

 

「メガバシャーモが生き残っていればメガバシャーモの分のコンテストゲージが生き残る……生かさないのか」とマジレスをしていた。

 それが1番正しい選択なのだろうがハルカは魅せるのはもう無理だと判断して1体でも多くポケモンを倒した方がいいと判断をした……結果、ドンカラスを倒すことに成功したのだがそれと同時にメガバシャーモは倒れた。

 

 時計の針は一旦止まって再びポケモンを出し合う。

 セレナはエレキッド、ハルカはマリルリ……あ〜ヤバいかもと思っているとマリルリは【はらだいこ】を使うのでエレキッドは【でんじは】を使い動きを封じるかなと思えば【バリアー】を使った。そんなのを覚えてるんだな。

 

「真正面からアレを受けきれる奴はそんなにいない!潔く【ワイルドボルト】辺りを使わなかったのがアウトだ!いけぇ!」

 

 と叫ぶユウキ。

 マリルリは【アクアジェット】で突っ込んでくるがエレキッドは更に【バリアー】を貼った……そして耐え切った。

 はらだいこマリルリが如何にヤバいポケモンなのかを熟知しているのでオレもユウキもアレを耐え切るとかマジかと驚いていると膝をついたマリルリ、なんだと思えば【せいでんき】にやられて【まひ】状態になったみたいだ。

 

 コレはチャンスだと【10まんボルト】をマリルリに浴びせる。

【はらだいこ】で体力を大きく減らしていたマリルリはこの【10まんボルト】を耐えたが死にかけで……【ほろびのうた】を歌った。

 お前もかよ!と思ったがある意味、正解だ。エレキッドは【バリアー】を2回使っているので【アクアジェット】で確実に沈める事が出来るという保証は何処にもない。だったら【ほろびのうた】に賭けるのが1番だろうとエレキッドの追撃の【10まんボルト】を浴びればそのまま倒れて戦闘不能になった。

 

 セレナがかなり勝っているが、まだ14分も残っている。

 これが仮に通常ルールだったらセレナが勝っていた可能性もあるのだが、まだまだ試合は終わらない。

 4番手に出したのはゴンベだったのでセレナはそのままバトルを続行……【ほろびのうた】の効果が発動する前に出来るだけダメージを負わせる、コンテストゲージを減らす感じだろう……普通にボールに戻しておけばいいのに。

 

 ゴンベに対して【10まんボルト】を浴びせるが【ドわすれ】を使って防ぐ。

「【ゆびをふる】的なのは?」と聞けば「あんななにが出るかどうか分からない博打打ちな技、使えるわけないだろう……ハルカは一時期依存したけど【だいばくはつ】と【いのちがけ】と【いやしのねがい】発動したから危険過ぎる技だと認識してる」

 

 そりゃまぁ【ねこのて】ならまだしもマジでなにが出るのか分からない【ゆびをふる】はな。

 この言い方だとユウキの奴はなに出るか分からないから使うなって言ってるけどもハルカはピンチの時の一か八かだと認識してる、そんなところで痛い目に遭ったんだろう。

 

「エレキッド夫婦手の【かみなりパンチ】」と両手を用いての【かみなりパンチ】を叩き込みに行くエレキッド。

 ゴンベは殴りかかってくるエレキッドの拳を華麗にいなす。え、マジで?と思わず呟くぐらいには器用にいなす。

 

「君のカビゴンみたいに意外性のある素早さは無いけど、コレぐらいの素早さなら簡単に会得出来る……ゴンベを殴りに掛かるならば簡単に往なせる」と【かみなりパンチ】をいなすゴンベ、ならば【10まんボルト】と思っていればエレキッドは電源が落ちたスマホの如くプツリと切れる。

【ほろびのうた】の効果が発揮した……ゴンベに対して大きなダメージを与える事が出来なかった、コンテストゲージも全く削れていない。

 

 残り9分

 セレナが4体目に出したのはラティオス、ラティオスならば逆転する事が出来るかなと思っていればハルカはゲージが減るのを覚悟の上でゴンベをボールに戻しグレイシアを出した。確実に倒すつもりかと思っていればセレナは【マジカルフレイム】で焼きにいく。グレイシアは【シャドーボール】で対抗するがラティオスの方がパワーが上なのでラティオスに焼かれるがそれでも倒れずに【ゆきげしき】を使い姿を晦ます。

 

 何処だと右見て左を見るラティオス

 セレナはどうするのかと思えば【ひかりのかべ】をはり【マジカルフレイム】をバラまくのだがグレイシアは避ける。パワーで勝負しても負けると判断したんだろう。必中の【ふぶき】を撃ってくるのでラティオスは【マジカルフレイム】を自身に当てて体を凍り付かせない様にする。

 ポケモンを入れ替えればチャンスが巡り合ったのだろうが、今ここでポケモンを入れ替えれば入れ替えたポケモンのゲージが大きく減る。普通のバトルならばそれでいいんだがな。

 

「ここを制した方が勝つのかな?」「いやいや……難しいだろう」

 

 グレイシアの【ふぶき】は必中になっている。そしてグレイシアを見つけることが出来ないと判断したセレナは【めいそう】を積ませる。

 確実に一撃を狙いにいく方向に変えた……グレイシアは徹底的に【ふぶき】を放つがラティオスは完全に耐え切り【ゆきげしき】の効果が切れたので【マジカルフレイム】をぶつけにいくのだがハルカはそれを読み切っており【ミラーコート】で弾き返した。

 

 使っていた技が【めいそう】で良かった。

 ラティオスは【ミラーコート】で倍返しされた【マジカルフレイム】を受けるのだが耐えきって追撃の【マジカルフレイム】をぶつけてグレイシアを倒す。

 

 残り5分、現状セレナが有利だ。

 ハルカは5体目だとエネコロロを出した、エネコロロでどうするつもりなんだと思っていれば【ねこだまし】を使って怯ませたが今のラティオスに物理攻撃は効いても特殊攻撃は全く効かない、どうするつもりかと思えば【メロメロ】を使ってきた。

 ここに来ての搦手かと焦る。ラティオスの残ってるゲージ的にもラティオスをボールに戻せばラティオスは敗北扱いになる、どうすればいいと思っていれば【じゃれつく】の連打でラティオスを倒した。

 

 ならばとテールナーを出す。

 テールナーならば【メロメロ】を防ぐことが出来るポケモンだが、上手くいくのかと思っていると……エネコロロは【はかいこうせん】を撃ってきた。ここに来ての【はかいこうせん】はと思ったが残りの時間が1分を切っている。確実に相手を仕留める為か、それとも……真偽は不明だが、残された時間に一撃を注ぎ込むしかねえのは事実だ。

 

 テールナーは【だいもんじ】で対抗し……エネコロロの【はかいこうせん】を相殺した。

 最後に物を言う種族値的なのがなぁ、エネコロロその辺はゴミだからな……タイムアップのブザーが鳴ったのでそこで終了だった。

 

 セレナはユキメノコ、テールナー、出していない1体

 ハルカはエネコロロ、ゴンベ、出していない1体

 どちらもまだ無傷の1体を残している。観客達はまだまだこの激闘を見たい、オレもユウキも見ていたいと熱を上げているが残念な事にポケモンコンテストのルールではここまでであるのだが…………タマランゼ会長達審査員が揉めている。

 

 まだ試合を続行してほしいという意見を飲み込むのか?と思ったが違った。

 なんか奇跡と言うか、ハルカとセレナのコンテストゲージも残っているポケモンの数も同じだったんだ。グランドフェスティバルというポケモンコンテストの頂点を決める大会で決着がつかない引き分けでいいのかと思っているが、タイムアップでセレナもハルカも限界を迎えている。

 普段なら5分間の試合のところが6倍の30分も試合をしていた。オレみたいにフルバトル経験が豊富ならまだ続行する事が出来るがセレナもハルカもまともにフルバトルの経験が無い……仮にここで続行したら、まだ残しているリザードンのメガシンカでセレナが優勝する事が出来ていたろうが、時間制限があったので是非も無し。

 

 これは仕方がねえなとユウキと顔を合わせれば相槌をうつ。

 ユウキがボーマンダを出してくれたので一緒に乗ってタマランゼ会長達の元に向かう。

 

「2人同時優勝……これ以上、2人にバトルさせられない……ただでさえ、通常の6倍で本来は存在しないフルバトルでのコンテストバトルなんて前代未聞なコンテストバトルなんだ…………準決勝までの疲労も蓄積してるしこれ以上やれば両方ともぶっ倒れる。流石にそれを見過ごすほど私は非情な人間ではない」

 

 とユウキはタマランゼ会長達に同時優勝を認めるように意見を述べる。

 大事な大会で同時優勝……記録を探せば、大きな大会で同時優勝の1つや2つ存在しているだろうがこのレベルの大会での同時優勝は早々に存在していない。優勝トロフィーとメダルを持ってきてもらえばオレはジュカインを出す

 

「ジュカイン【リーフブレード】だ」

 

 ジュカインに【リーフブレード】で優勝トロフィーとメダルを真っ二つにしてもらう。

 綺麗に真っ二つにしてもらえばトロフィーとメダルをセレナとハルカに渡せば2人は強い握手を交わした。

 

「いや〜……僕の時もこんな感じだったらよかったのにな」

 

「お前、オレをぶっ倒してやる!ぐらいの勢いを言えねえの?」

 

「ハーッハッハッハ……ま、それもそうだね」

 

 前代未聞なグランドフェスティバルの同時優勝が決まった。

 ハルカもセレナも同時優勝である事に関しては異議を唱えなかった。半分に割れたトロフィーとメダルを嬉しそうに掲げる。

 テレビの取材陣が色々とインタビューをしてくるのでここは立ち去るべきかと思っていればオレ達にもインタビューが来るので「今日の主役はオレ達じゃなくて、あの2人だろ?」とだけ言ってカメラの外からクールに去るにみせかけてインタビューを終えるのを待つ。

 

「アレは色々と大変だな……」と呟く。

 大きな大会で優勝者が決まったのならばインタビューの1つや2つあってもおかしくはない。

 現に甲子園球児達も勝利後のインタビューがある……全国放送でのインタビューだから下手な事は言えねえ……アレだよな、甲子園球児、自分達と同い年なのに色々と物を語る事が出来てるのスゲえよな。同い年なのにあんなにも違うのかって思ってて……オレ達はそちら側の住人になったってわけか。

 

 インタビューを終えたハルカとセレナはポケモンセンターに向かおうとするが足元がおぼつかない。

 

「ここは僕達の」「出番だな……」

 

 ユウキはハルカを、オレはセレナを背負う。

 2人共恥ずかしそうにしているが物凄く疲れているのが目に見えて分かっている。セレナ達だけじゃない、ポケモン達もだ。限界ギリギリのところを渡り歩いていたのだから、当然と言えば当然だ。

 

 ポケモンセンターに向かえば俺達が代理でポケモンを預ける。

 審査員を務めていたジョーイさんは「凄まじいそして素晴らしい激闘だったわ!」と拍手を送ってきてくれる……セレナも無事に頂点に至っただのだからオレも頑張らねえとな。



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次の王様、だーれだ!

 ホウエンレポート152(仲間を増やして次の街へ)

 

 セレナが涙の跡を残していた。ハルカが涙の跡を残していた。

 確かにセレナは優勝した。確かにハルカは優勝した……だが、1番になったわけじゃない。チャンピオンリーグみたいに地方の優勝者だけを集めての全国大会が行われない、かと言って昨日戦ったばかりなのに再戦をしても意味は無い。

 

 セレナはまだ優勝したと言えないと言い切った。

 本当の意味で、引き分けの様な形での優勝でない優勝を何時かはもぎ取ってみせると燃えている。燃えているのはいいことだ。

 

 旅支度をしていればユウキの奴が「バトルピラミッドを見てってもいいかな?」と言ってきた。

 お前、クリムゾンバッジとかまだゲットしてないんだからバトルフロンティアを見学してっていいのかよと聞けば「どうせ来シーズンまで暇なんだよ」とぶっちゃけやがった。確かに既にセキエイ大会は終わってて、次のセキエイ大会が行われる前に1度チャンピオンリーグが行われる。そこから新シーズンが開始してバッジ集めの旅が始まったりするがユウキは現段階で6つもジムバッジを持っている。こういう時こそ自己鍛錬を忘れるなと言いたいが、オレと互角の勝負を繰り広げたユウキが負ける姿は早々に存在しない。本気のキクコを相手にして勝利したとんでもねえ奴だからな……地方リーグに出てる事自体が詐欺だな。

 

 別に見られても困るものは何処にも無い。

 ただハルカにその辺の事を言っておかなくて大丈夫なのか?と聞けばハルカに許可を貰う。というかオレですら負ける相手が居ると言うイメージが全くと言って想像が出来ないらしい。オレもユウキも負ける時は普通に負けてるってば。

 

 最後の施設であるバトルピラミッドは移動する施設。

 何処にあるのか常にリアルタイムでインプットしておかなければならないが、現在バトルピラミッドはフェンネル谷にあるが思ったよりも遠い。バトルピラミッド、ここまで遠いか……谷だから飛行機とか船とか使えねえんだよな。思ったよりも長丁場になりそうだけども大丈夫かどうかを確認したが問題無いという、つーか逆に心配された。バトルピラミッド、勝てなきゃバトルフロンティア制覇出来ねえけど、なんだかんだでチャンピオンリーグのシーズンがやって来ようとしているので間に合うのかと。今度のチャンピオンリーグにはなにがなんでも間に合わせるつもりだ。

 

 そんなこんなでユウキ達と一緒に旅立つ事になった。4人での旅は久しぶりだが、気にすることはせずに一緒に旅立った。

 

 

 ホウエンレポート153(王様は誰だ?)

 

 フェンネル谷を目指していると神殿を見つける。

 神殿の前には大勢のギリシャっぽい格好をしている人達が居たのでこれはアレだな、ポケモン世界独特というか宗教関係している謎の祭りの一種だなと思っていればユウキの奴が村人になんの祭りかどうかを尋ねた。

 

 年に1度、王様を決める祭りらしい。

 王様ってそんなコロコロと変えていいものなの?政権がコロコロと変わってたら情勢はガタガタだぞとマジレスをすれば王様は称号みたいなものでホントに王様になるわけじゃない、ただ単に王様という名誉ある称号を手に入れることが出来る。

 おまけとして皆にチヤホヤされたりするわけで、綺麗なお姉さんにワーキャー言われてる事を知ればユウキの奴が目の色が変わった。お前、一応はハルカ居るだろうと思っているとハルカも面白そうだと笑う。似た者同士め。

 

 面白いか面白くないかで言えば面白いのは事実。

 こういう祭りって大抵は外部の人間は参加できないパターンだけども別に余所者でも参加しても構わないと言う。そうなれば目の色を変える……王様なんてロクでもねえ仕事なんだからさっさと天下りした方が人生楽しいぞ。門が開けられれば神殿の頂上にある王冠を日が沈んだ時に持っていた奴が王様になるらしく、女王様でもありらしい。

 

 セレナも面白そうだからと乗るのでオレも乗る事に。

 こういうのは勢いとかが大事だと開き直る方向性で行くことを決めて門が開くと同時に体から電撃を出してゴールまでの最短ルートを作り上げてロケットスタート、余裕でマッハを超える速度を出して王冠をゲットしており前回王様になってて大会の運営を行っている爺さんが嘘だろうと驚いたが、この手の競技に手加減とか手抜きとかはしねえんだべ。

 

 王冠をゲットしたぞと帽子を脱いで王冠を被ろうとすると村人が石を投げてきた。

 村人でもなんでもない奴が王様だなんて認められないというムラ・ハチブな事をしてきたと思えばポケモンを出してくる馬鹿野郎も居たのでそっちがその気ならばとこちらもポケモンを出して戦うのだが、掟破りのトレーナーにダイレクトアタックをしてきた。

 

 このやろう、そういう禁じ手を使ってくるならばと全力を出すと決める。

【ころがる】で転がってくるゴローニャを神殿の柱を用いて打ち返す。そっちが先にやりはじめた事なんだぞ。卑怯だ反則だなんて言わせねえ。

 リアルファイトならば絶対に負けることはないと思っているとユウキの奴が飛び蹴りを交わしてくる。中々にアグレッシブな事をしてくるのだが残像拳でそれを回避すれば全てを倒せばいいだけだとユウキの奴が何時の間にか会得していた脳のリミッター解放という謎の技を発動してオレに殴りかかってくるがオレは簡単にいなす。

 

「っ、お前が」と驚くユウキ。

 4人の中で1番のノロマだと思っていた、実際のところそうだがサトシくんになってから研鑽の日々を積んだ結果、色々と出来るんですよ。

 そちらがリミッター解放という技を使ってきたのならばこちらもと頭の中を空っぽにして無想状態に頭を切り替えて身勝手の極意を発動する。相手が殴りかかってくるならばと全ての攻撃に対応する。見える、いや、違う。体が感じ取ることが出来る!オレはニュータイプの領域に遂に足を踏み入れたのだと思っているとユウキの奴はペガサス流星拳を使ってきたがたかが時速300kmの速度ではペガサス流星拳とは言えないとライトニングプラズマで殴り倒すが不死鳥の如く蘇る。

 

 不死鳥の如く蘇るのならばこちらにも考えがあると盛大なまでに息を吸い込む。

 なにをするつもりだとユウキは思っていたのだが突如として苦しむ。そう、ユウキの周りの酸素を全て吸い取った。馬王ヘラクレスの呼吸を再現した。これで大丈夫だとユウキが死なないようにノッキングブレスで麻痺させて吸い込んだ息を吐き出して空気を循環させる。ユウキの奴は鼻血を出していたが、最後の最後まで闘志を消すことは無かった。既に1人前のトレーナーの証だ。

 

 ユウキにノッキングブレスをしたので周りの連中は勝てないと察した。

「貴方こそが王様だ!」と平伏してくれる。中々に気持ちいいのだが村のお姉さん達が俺をわちゃくちゃしてると「サトシ」と呟かれたので顔色を変える。笑顔のセレナが恐ろしく怖いので大会のルール説明をしてくれた村人に王冠を渡す。気付けば時刻は夕暮れだったのでそいつが王様になって終わった。

 

「っく、美人なお姉さん達からキャッキャウフフ言われたかったのに!」と新しい王様が決まったので称える祭りで本気で落ち込むユウキ。

 どんだけ煩悩に溢れているんだろうと思っていればハルカが自慢の胸でユウキを挟んで「大丈夫、大丈夫……元気出して」と頭を撫でる……ああ、こりゃアウトだな。ユウキの奴はなんだかんだで主導権を握られているな。

 

 しかしあんだけ悪ノリしてたのに、ハルカはユウキの奴に対してあんまり嫉妬してない。

 何故だろう?セレナなら高確率で十中八九、いや、絶対に何かしらのアクションを出してくるのにと思ったので聞いてみれば「ユウキは女の子と遊びたいだけで女の子と付き合いたいって思いは一切無いのよ」と中々にクズな事を語る。え、いいの?そういう方針で、嫉妬的な事はしないの?と聞けば「嫉妬してたけど最近になって無駄だってわかったかも……」と何処か遠い目をしていた。100tハンマー的なのを召喚せずに諦めの境地に至るとはどうなってるんだよ。

 

 因みにですけどユウキの事はどう思ってるの?と聞いてみれば「こういうこと!」となんの迷いもなくキスをしたのであった……いや〜ええもん見れた。

 

 ホウエンレポート154(すんのかいせんのかい)

 

 オレとユウキはポケモンに関しては知識は豊富だ。

 というかポケモンを真面目にやってれば知ることが出来る用語とかを普通に知っているのだが、生憎な事にセレナやハルカはその辺に疎い。特にハルカは酷いとの事でアチャモに【ひのこ】を指示しようとして【きのこ】と言ってしまうレベルらしい。

 

 酷いとか酷くないとかそういう次元を通り越してね?

 元々はポケモンを貰って色々なところを巡りたかったらしいから是非もなしだけども、もう少しポケモンに関して興味を抱こうぜと言えばポケモン図鑑を開いてポケモンは何処かとサーチをする。そういう勤勉な姿勢は大事だと思っているとデータに無いポケモンが出てきた。

 

 データに無いポケモンとは何事かと見ればペラップが居た。

「新種のポケモンかも」と笑みを浮かべるハルカだけどもアレはペラップと言ってシンオウ地方じゃメジャーなポケモンだと言えばガックリする。

 そう簡単に新種のポケモンが見つかる筈がないがペラップは珍しいなと思っているとペラップのトレーナーが現れる。

 

 ペラップが急に何処かに行ってしまう、という事が何度も何度も起きているらしい。

 具体的に言えばそのトレーナーの家でお昼ご飯を食べた後ぐらいに勝手に消えて暫くしたら戻ってくるらしくそのせいもあってかポケモン漫才師の旅に出ることが出来ないのだと愚痴を零す。

 

 ペラップはポケモン漫才師の旅に出たいのか?と聞いてみればうんともすんとも言わない。

 もしかしたら自分の夢に渋々、いや、いやいや付き合っているだけかもと顔色を青くするのでここは仕方がねえなと原作知識をほじくり出せばペラップが何処に行っているのかが分かった。ペラップは病院に行っている、ペラップが怪我しているんじゃなくてペラップがそこで芸を披露して入院している子供達を笑顔にさせている。

 

 また、どうすればいいのかが分からない問題が出てきた。

 ペラップは外に出たくても出れない子供達に芸を披露して笑顔にさせている。無償でそれをやっているのはとてもいいことなんだが、それが原因でペラップと一緒にポケモン漫才師の旅に出ることが出来ない。

 

 仕方がねえ事だがと病院側に事情を説明する。

 あのペラップは君のだったのかと驚くドクター、ペラップが患者を元気にしているがと中々に難しい事になっているが、それならばとハルカが特設ステージを用意してくれた。ペラップ漫才だけでは芸があれなので、ハルカとセレナがタッグを組んでパフォーマンスをして更にはオレとユウキが何処からどう見てもバットの使い方が強盗なコントと松葉杖を使ったドッキリでしたコントを見せて爆笑を掻っ攫った。

 

 1番爆笑を掻っ攫ったのがオレとユウキのコントだった。

 バイキングのコントの丸パクリだがこの世界には存在してねえんだよな。ペラップ漫才とはまた異なるコントの世界……お笑いは奥が深い。

 

 ホウエンレポート155(男一匹ニュラ大将)

 

 遠いな、遠いぞ……フェンネル谷かなり遠いぞ。

 幸いと言うべきかユウキが居てくれるからポケモンの調整は気楽に出来る。自分と同等かそれ以上のトレーナーを相手にすれば嫌でも経験値が積める。ユウキの奴は1人で自主練しても限界があるとか思ってるんだろうか?いや、まぁ、自主練しても限界は見えてるなって思える時が稀にあるけども。

 

 それはそうとしてマニューラと出会った。

 俺が旅した頃には全くと言ってカントーのポケモンしか見なかったってのに何故に今になってという思いはあるが、マニューラは挑発してくる。

 ユウキとジャンケンをして高速の後出しをしたが後出しは後出しなので反則負けだとユウキの主張が通ってユウキがバトルをする事になり、ユウキはキノガッサを出し【マッハパンチ】でワンパンKOで、ユウキは普通にゲットした。

 

 これ書いてる今だから言えることだけども、ユウキのマニューラは群れのリーダー的なのに近い存在のマニューラだった。

 おいおいおいおい……と思ったが別にどうでもいいことなので気にしないでおく。生態系?知らんな。

 

 ホウエンレポート156(海の皇子は知りません)

 

 遠い、結構どころかかなり遠いぞフェンネル谷。

 一直線に突き進んでいけばそれで構わない筈なのに中々に辿り着かない、それどころ水筒の水が底を尽きてしまった。

 何処かに飲むことが出来る水辺は無いのかと波動を用いて探知してみると近くに人が居るので歩いてみれば水を使った芸をしている大道芸人達が居た。飲水を分けてもらうだけでなく、次の街まで一緒に連れてってくれると一石二鳥な話が出てきた。

 

 水芸ってどんなの?とセレナとハルカは興味津々だ。

 セレナはそういえば水系のポケモン持ってねえな……水系のポケモンと空を飛べる系のポケモン居るか居ないかで色々とバリエーションが広がるんだがな。ただまぁ、水を使った芸であって水ポケモンを使った芸じゃない、チャーレムが水を泡の様にフワフワとさせているのでコレはユキメノコやラティオスが学んだ方がいい感じの芸じゃないのかと思う。

 

 それはそうとして今回のこの出来事はどうも劇場版案件だった。

 ハルカが急にピクリと反応した。目を閉じて波動の探知に切り替えればハルカに対して意識を向けているポケモンが、いや、ポケモンのタマゴがある。ハルカは無意識と言うか「私を呼ぶのは誰?」とニュータイプ的な事を言いだしたと思えば声が聞こえた方向に向かえばマナフィのタマゴがあった

 

「ハルカちゃん声が聞こえるの!?」と驚く大道芸人もといヒロミさん。

 どうやら大道芸人は水の民と呼ばれる一族の末裔らしく【みず】タイプのポケモンと心を通わせる事が出来るらしいのだが……ハルカって別に水の民の末裔じゃないよな?割と普通の出身なのに水の民と一緒の力を持っている事に水の民は驚きを隠せない。

 

「とりあえず、タマゴが呼んでるから答えたほうがいいんじゃないの?」と至極まともな事を言うユウキ。

 タマゴが呼んでるとマナフィのタマゴを抱き抱えればマナフィのタマゴは光り輝く。ハルカを求めていると言わんばかりに発光する。コレはアレだなと思っていると如何にも海賊な見た目の連中が現れて「海の皇子を寄越せぇ!」と言ってくる。

 

 いやぁ……………明確に見える悪ってホントに便利だよな。

 前回のルカリオの一件ではミュウに拳骨を叩き落とすだけで終わったけども、今回は非常に楽だ。そしてユウキの奴が「ハルカになにをするつもろだ?」と素面を出したので海賊達にリアルファイトで挑んで最終的にはオレがキン肉バスター、ユウキがOLAPのツープラトン、NIKU→LAPを決めた。

 

「さ、流石だ……」と山寺ヴォイスの男が言う。

 劇場版案件だったなと思い出しつつも、警察に通報した。困ったら警察に通報する一択であり、国際的な海賊のお頭だったらしい。全く、悪の組織のブラックリストに登録されている男を前に先走るからだ。

 

「君達に頼みたいことがあるんだが」と山ちゃんもといジャッキーがマナフィを家に帰すのを手伝ってほしいと言うので断った。

 曲がりなりにもランク9のポケモンレンジャーが民間人に協力を求めるなよ、オレも暇じゃねえんだよ。

「不必要に好き好んで地雷地帯に足を踏み入れる程に私は狂ってない」とユウキも丁寧に断り、ついでだからとジャッキーが民間人に協力を求めていたと上に通達しておいた。

 

 マナフィは明日辺りに生まれるだろうが、気にすることはなく先に進む。悪役を倒したんだからもう充分に働いただろう。

 上条さんと違って時と場合によってはオレは金を求めるぞ。無償の正義は時として絶対にやってはならない事なのだから。

 

 ホウエンレポート157(最後の準備)

 

 フェンネル谷に辿り着いた。セキエイ高原から近いって言ってたが思った以上に時間をくってしまった。

 とりあえずは隣接するポケモンセンターに行くかとポケモンセンターに向かえば「ま、マサラタウンのサトシくん!?」とジョーイさんが声をあげる。何事かと思えばサイン色紙を持ってきてサインをくださいと言ってきた。

 

「オレはまだまだなトレーナーですけど、サイン欲しいんですか?」と聞いてみれば「是非!」と答えるジョーイさん。

 サインとかはあまりしないけれども、ジョーイさんの頼みだしと思いつつもサインをしていると「ミシロタウンのユウキくんも一緒なの!?」と驚く。当然の如くジョーイさんはオレ達4人にサインを強請るのでサインを書けば「一生物の宝にするわ」と言う。何れは頂点に至る者のサインだからプレミアムがつくぜ。

 

 ここのジョーイさんは熱いんだな。

 エニシダさんが現れて「この前のグランドフェスティバルを見たよ。同時優勝だなんて素晴らしいじゃないか」と褒めてくれる。しかし同時優勝なのであまりいい顔はしない。エニシダさん、空気を読んでくれよと思いつつもエニシダさんがここに居るという事はバトルピラミッドがあるのかと燃えていれば「ごめんだけど、今日はジンダイの方が居なくて無理なんだ」と断ってきた。

 

 何だよと思うが焦っていては意味が無い。

 エニシダさんは「ジンダイはとってもスゴい【はがね】タイプのポケモンを用意しているんだ」と言ってくれる。絶対にレジスチルの事だ。

 

「相手が【はがね】タイプだったらコノヨザル、ヘラクロス……いえ、フロンティアブレーンが相手だしやっぱり【ほのお】タイプのエースであるリザードンかしら?」

 

 とセレナはポケモン図鑑を開いて図鑑に載っている【はがね】タイプを確認する。

 原作知識的にはレジスチルだろう。ゲーム的にもアニメ的にもレジスチルだろう。ユウキの奴も「レジスチルかぁ〜」と言っている。

 レジスチルであることは確実であり使用ポケモンは1体だけだから最高戦力であるリザードンの導入が1番に見えるだろうが、オレはそうしない。

 

「ジュカインで負けたんだからリザードンでも危ないでしょ?」と最もな意見を述べるユウキ。

 確かにそうだけど、バトルフロンティアに挑戦をした時からバトルフロンティアで同じポケモンは使用しないとずっと決めていたんだ。だからヘラクロスもコノヨザルもリザードンも出さない……メガリザードンYがいればきっと勝つことが出来るんだろうが、それじゃあ修行にならない。

 

 コノヨザル、ヘルガー、リザードン、ヘラクロス、ドンファンが使えない。

 ならば残すところはと色々と考えた末にオーキド博士の研究所に連絡を取ってポケモンを送ってもらう。コイツで勝てなくちゃ、いよいよ後がなくなっちまうからな……絶対に勝とう。



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決戦!バトルピラミッド!

 

 ホウエンレポート158(決戦!バトルピラミッド)

 

 ジンダイさんが戻ってきた。

 既にオレがフェンネル谷に来ている事は知っているのでポケモンセンターに足を運んでポケモンの回復を行っている中でオレもオーキド博士からポケモンを送ってもらう。出すポケモンはもう決まってる……2時間後にジンダイさんとバトルだ。

 セキエイ大会、シロガネ大会、サイユウ大会の激闘を繰り広げた。しかしまぁ……空気に馴れない。間もなくバトルが行われるとなると緊張感が走る。

 

「やっぱり緊張はするかも」とバトルをするわけじゃないハルカが緊張感が走る。

「戦うのは君じゃなくてサトシだけど、まぁ、言いたいことは分かるよ……ジムバトルとはまた異なる重いプレッシャー掛かってるよ。見るだけの僕達でこんなに緊張感が走るんだ……サトシにかかる負荷は最低でも2倍以上」とユウキも緊張感が走り考察する。

 実際のところ、オレに掛かっている圧はハルカやユウキが想像している何倍も大きい。エニシダさんが「過去にジンダイを突破する事が出来なかったトレーナーは何人も居る。過去にシンオウ地方のトバリシティ出身の子で順調に勝ち進んでいたけどもジンダイに敗れ去ってバトルフロンティアの挑戦を諦めた子も居るぐらいだ」とさらなるプレッシャーをオレに掛けてくる。

 

 コレを書いている今だから言えることだけども、その挑戦者はシンジの兄であるレイジさんだろう。

 中々に厳しい相手だなと気持ちを落ち着かせる為にフェンネル谷の滝に向かって滝行をする。精神統一をするんだったら滝行が1番だ。

 滝の水の冷たさにやられてプレッシャーを感じる感じないじゃなくなり、精神を統一するのに使える。困ったら滝に打たれるのは悪くはない。頭の中がスッキリとした。

 

 リフレッシュを終えたのでポケモンバトルを行う。

「ただいまよりバトルピラミッドフロンティアブレーン戦を行います!使用ポケモンは1体のシングルバトル!メガシンカはありです」と審判が言えば緊張感が走る。しかし頭の中がリフレッシュ出来てリラックスする事が出来ている。

 

「私は宣言通り【はがね】タイプのポケモンでいく!ゆけ、レジスチル!」

 

 ジンダイさんは宣言通りそして予想通りレジスチルを出してきた。

 ハルカ達は当然の様にポケモン図鑑でレジスチルを調べる。滅多な事じゃお目にかかれない稀少な順伝説級のポケモンだとユウキが解説すれば「それってラティオスやスイクンみたいなの!?サトシ、そんなのと相手するなんて……勝てないのも分かるかも」とハルカは言うが「まぁ、勝つだろう……いや、勝たないといけない。間もなくチャンピオンリーグが開催する。チンタラと時間を浪費してる場合じゃない……元々チャンピオンリーグに向けての修行でもある。ここで躓くという事はチャンピオンリーグを制覇する事が出来ない……まぁ、それ以前にサトシは……いや、コレは自力で気付いてもらうか」とユウキがなんか意味深な事を言っていた。

 

「コータス、君に決めた!」とコータスを出す。

 コノヨザル、リザードン、ヘルガー、ヘラクロスが使えない以上はコータスしか選択肢は無い。セレナとハルカはオレがコータスを選んだ事に驚く中でユウキは納得している。相手はレジスチル、圧倒的なまでの耐久力が売りのポケモンだ。先ずはと【あくび】を使って泡を作り出して飛ばす。レジスチルは図体がデカいので【あくび】は当てやすい……ただ、レジスチルは顔が無いポケモンだから起きてるんだか眠ってるんだか分からない。ピタリとレジスチルか動かなくなったので【てっぺき】と【ドわすれ】を使う。

 

 両方とも2回ずつ積んだらレジスチルが目を覚ました。

「準備は出来たようだな……レジスチル【アイアンヘッド】」とレジスチルが突撃してくるので3度目の【てっぺき】を使うがコータスはつきとばされる……が、殆どダメージは無い。【てっぺき】3積みして正解だ。もう一度【あくび】を使ってレジスチルを眠らせる。

 技の発動速度なんかは早いが、回避速度は逆に遅い。レジスチルのSの種族値は50だから……攻撃は当てやすいと【にほんばれ】を使う。

 

 フィールドを【はれ】状態に変えて【かえんほうしゃ】を放つ。

【かえんほうしゃ】が直撃しているレジスチル【にほんばれ】とのコンボで【かえんほうしゃ】の威力は上がっているけども…レジスチルにホントに効いているのかと疑いたくなるかのように攻撃が効いていない。準伝説は硬いが……決して倒すことが出来ない相手じゃないんだ。

 

 本音を言えばメガリザードンYに頼りたいが、リザードンにだけ負担をかけてたらダメだ。

 とにかくダメージを与えることは出来ているんだ。コータスは【かえんほうしゃ】を浴びせるがレジスチルはビクともしないので別の技を使った方がいいんじゃないのかと視線を向けてくる。別の技を使えというならばと何時の間にか覚えていた【ウェザーボール】を使う。

 

 技の威力的には【はれ】状態で【ほのお】タイプ扱いで威力が倍の100になっている【ウェザーボール】はタイプ一致補正等で実質威力が150だ……だが、それでもビクともしない。元々耐久力が売りのポケモンだから仕方がないが硬すぎる。

「嘘だろ、硬いポケモンなのは知ってるけどもここまで硬いのか……」とレジスチルの硬さを熟知しているユウキはボソリと呟く。

 

「アレだけ強力な技を浴びせているのにダメージが無いだなんて、他に技は無いの?」とハルカはセレナに聞く。

 セレナはオレのコータスのことをそこそこ理解してるけどもどう答えればいいのか困っているとユウキが「コータスはとくこう上げる技を覚えるには覚えるけども……相手が悪すぎる」と助け舟を出す。

 オレのコータスは確かに【からをやぶる】を覚えている。【からをやぶる】を使いさえすればとくこう2段階上昇だが、防御力が下がる。コータスはレジスチルの【アイアンヘッド】をくらってもケロッとしてるから気付きにくいがとくぼうは実はそこまでだ。【ドわすれ】積んでるから誤魔化す事は出来るには出来るが、相手は四天王クラスの実力者だ。

 

【ねむり】状態が解けたレジスチルは顔の点字を光らせる。

 一方的なゲームになる、見る人が見ればつまらないワンサイドゲームになるけども【あくび】を使わせてもらうと【あくび】を使ったんだが、レジスチルは【すなじごく】を巻き起こして【あくび】の泡を弾き飛ばす。それだけじゃない【すなじごく】で砂の竜巻を発生させてそれを盾にする。試しにと【かえんほうしゃ】を撃つが【すなじごく】の砂の竜巻がコータスの【かえんほうしゃ】を防ぐ。

 

「今度はこちらの番だ。レジスチル【ロックオン】からの【はかいこうせん】」

 

 レジスチルは【ロックオン】で攻撃の狙いを定め【はかいこうせん】を撃った。

【すなじごく】で砂の竜巻を発生させてるからそれが邪魔になって当たらないんじゃないかと思ったが、竜巻の唯一の死角である縦の動き、レジスチルは上向きに【はかいこうせん】を放ったと思えば【はかいこうせん】は直角に曲がってコータスに命中した。

 

【ロックオン】された以上は不可避だから仕方がない、問題はどれだけのダメージかだ。

 コータスは【はかいこうせん】を受けたけども直ぐに起き上がる。確かなダメージは受けているけども、倒されるまでには至っていない。

 

「【はかいこうせん】は使ったら反動で動けなくなる技、チャンスかも!」となるハルカだがチャンスなんて無いに等しい。

 レジスチルが【はかいこうせん】で動けなくなったけども【すなじごく】の効果は続いている。砂の竜巻のカーテンが【かえんほうしゃ】を拒む。【ウェザーボール】で挑んでも破ることは不可能だ。

 

「少年よ、石橋を叩いて渡る事はいいことだ。しかし、勝利をもぎ取る上では無傷な者など何処にも存在しない!例えそれが藁で出来ているとしても渡らなければならない!私から勝利をもぎ取るのではないのか!」

 

 色々と考えているとジンダイさんはそう言ってきた。

 ジンダイさんは物凄く強い、仮にリザードンで挑んでもかなり苦戦を強いる。だからこそ慎重になっていた、いや、慎重になりすぎていた。石橋を叩いて渡るスタイルは悪くはないが、それで格上相手から勝利をもぎ取れる程に世の中は甘くはない……一か八かに賭けるしか無い。

 泥沼試合になっている、長期戦なのは理解している。だが、それでもキッカケは必要だ……危険を承知して【からをやぶる】を使ってコータスのパワーを上げると同時に【にほんばれ】の効果と【はかいこうせん】の反動と【すなじごく】が切れる。

 

「フィールド、リセット……安牌狙いか大穴狙いか、トレーナーとしての力量が試される時だ」とエニシダさんはワクワクしている。

 こういう時にZワザがあれば一撃必殺の勝負に出ることが出来る。【ダイナミックフルフレイム】を使って勝負に出ることが出来るけども【ダイナミックフルフレイム】は使えない。ならばとここは賭けに出る。先ずはと【にほんばれ】を使ってフィールドを【はれ】状態に変えればレジスチルが【でんじほう】を撃ってくるが、コータスは回避する。【からをやぶる】で素早さが上がってなきゃやられていた。

 

「コータス【ねむる】」

 

 この技を使ったらもう後戻りは出来ない、それを覚悟の上でコータスに【ねむる】を使わせた。

 勝負を決めに行く……いや、決めに行くかと聞かれれば少しだけ違う。なにが出るか分からない一か八かに賭ける。

 

「その戦法はあまりにも危険過ぎるぞ!」や「寝てたらなにも出来ないわ!」とユウキとハルカは言う。

 

「ならばお前ならば安牌を狙いに行くか?それ自体は悪いことじゃないが、相手はあのレジスチル、そしてそれを従えし強者だ……使用ポケモンは1体、後に繋ぐことが出来ない試合で安牌ばかりを狙いに行って勝てないならば博打の1つだ。守るよりも怒涛の攻めで行くしかない!」

 

「攻めるって、寝ちゃったら動けないわよ!」とハルカは言うがユウキとセレナは知っている。

「コータスにはこの状態でも戦える技があるわ…………サトシが狙っているのは2つの技、その2つを順番通りに出せるか出せないか」とオレの狙いを見抜くセレナ「そんな、博打にも程がある!あのコータス、多彩な技を持ち合わせている!確かにそれに成功すればレジスチルを倒せる、だがその順番通りに出せるか出せないかだ!私ならば絶対にやらないぞ!」とユウキは否定的だがコレで無理ならばオレのバトルフロンティア挑戦はここで終わる……オレは所詮はそこまでの人間で終わる。

 

「甘いぞ!オレもケンタ、そしてユウキ!お前もなんだかんだで運には恵まれているんだ!!」

 

 忘れちゃいけない、オレ達は世に言うところの転生者だ。

 別に読者に興味を抱かせる魅力をもたせる為に悲しい中2的な過去があるわけでもない、何処にでもいる工業高校生(電気科)だ!

 オレの持ってる資格は600Vまでしか許されない電工2種だけども、極々普通の工業高校生だ!それなのに何故かアニポケの世界の住人になった!幸運か不幸か?それは分からない、だが運を持っていると言うのだけは確かだ!

 

「少年よ、君の狙いは分かった。ならば勝負と行こうではないか……レジスチル【ボディプレス】」

 

 やっぱり覚えていたか防御力を攻撃力換算で攻撃するを。

 その巨漢からは想像できない跳躍力で跳んだレジスチルはコータスの甲羅の上に飛び掛かる。

 

「先ずは1発目!【ねごと】」と博打に走る。「そうか、覚えている技をランダムに出す【ねごと】ならば」とエニシダさんはその手があったかと感心するが、勝負は最後まで分からない。コータスが【ねごと】を使えば背中の甲羅から炎が噴出する【ふんか】を発動して飛び掛かるレジスチルの【ボディプレス】を反らしてレジスチルを目の前に叩きつける。

 

 先ずは1発目、最大威力の【ふんか】をぶつける事に成功した。

 今までダメージが蓄積されたのもあったが【からをやぶる】の効果が特に大きいのかボロボロのレジスチル。

 

「次だ!次の手があの技じゃないとここで倒せない!」

 

「だったら出すだだけだ!!もうコレしか道が無い!コータス【ねごと】だ!」

 

「少年よ、君の力を真っ向から突破する!それこそがバトルフロンティアの最後の試練、バトルピラミッド、ピラミッドキングである私の仕事だ!レジスチル、最大パワーで【でんじほう】」

 

 最後の最後だと互いに勝負に出る。

 コータスは炎の様なオーラを纏ったと思えばコータスの体から熱気が発する。一か八かの賭けは成功したが、まだ勝つ事は決まっていない。

 オレは知っている、コレと似たような状況で、あいつに、ケンタに負けたのを。オレは負けない、負けたくない!このバトルフィールドはオレの物だという思い、そして生きるか死ぬかの真剣勝負をバチバチに楽しむ思い…………奇跡を巻き起こすんじゃない、掴み取るんだ。

 

 コータスは【オーバーヒート】を撃った。レジスチルは【でんじほう】を撃った。

 技の威力等はこっちの方が上で【でんじほう】を押し返してレジスチルにぶつけて【オーバーヒート】の炎をぶつける。【オーバーヒート】の炎に焼かれるレジスチル、コータスが【オーバーヒート】を撃ち終えてレジスチルが纏っていた炎を振り払った。

 

「少年よ……見事だ。石橋を叩いて渡る事は悪いことではない、しかし上を目指すのであれば相手を倒さなければならない。負ければそこで終わる真剣勝負を恐れている、恐怖する事は悪いことではない。悪いことは、恐怖を知った上で前進しない者だ…………見事な勇気(ブレイブ)だ」

 

 ジンダイさんは負けを認め、オレの石橋を叩いて渡るのでなく一か八かに賭ける覚悟と勇気を認めてくれ……レジスチルが背中から倒れた。

 満足が行くバトルをすることが出来たのだとジンダイさんは笑みを浮かび上げていた。それと同時に審判が旗を上げてオレの勝利をジャッジしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バトルフロンティア、制覇!!

 

 

 

 

 

 

【ねむる】を使って眠っているコータスが目を覚ました。

 オレの方を見てきたのでサムズアップすればコータスは自分達が勝利したのだと感激の涙と黒色の煙を吹き出す。

 ウェーイ、勝ったぞ、トロピカルヤッホーだ!7つ目のフロンティアシンボル、ブレイブシンボルを手に入れてフロンティアパスに7つのフロンティアシンボルを入れる。

 

「いや〜熱い、実に熱いバトルを繰り広げてくれたね。心が踊る……コレがあるからバトルフロンティアを作ったんだよ」

 

 とジンダイさんとのバトルに拍手を送ってくるエニシダさん。

 バトルフロンティアを制覇したらフロンティアブレーンになれるけどもオレはフロンティアブレーンになるつもりはない、エニシダさんは一応は聞いてくるけども断りを入れておく。

 

「いや〜……いい修行になったね……ますます倒すのが楽しみだよ」

 

 ユウキの奴はニヤリと笑みを浮かびあげる。

 伝説のポケモンとバチバチにバトルをする姿を見せられたのならば1人のトレーナーとして大きく燃えるというもの。まぁ、ユウキとバチバチにやり合うのはこの場じゃない、ポケモンリーグ。ユウキの奴は次のセキエイ大会を目指している、オレとバチバチの死闘を繰り広げることが出来たんだからユウキの奴はきっと優勝する……つまりは、ユウキの奴とはチャンピオンリーグで決戦だな。

 

 

 

 ホウエンレポート159(帰省、マサラタウン)

 

 バトルフロンティアを制覇したので、とっととマサラタウンに戻る。というかジンダイさんがバトルピラミッドで送ってくれた。

「我等フロンティアブレーンに勝ったのならば情けない姿を見せるなよ」と言ってくれた。ユウキはポケモンリーグ・セキエイ大会を目指してハルカと一緒にジム巡りの旅をするんだが、さっさとゲームのジム巡りを終わらせてアニオリのジムに挑みたいと言っていた。

 

 マサラタウンにバトルピラミッドが出現して騒ぎになるけども、直ぐにバトルピラミッドは飛び去った。

 どうもまだレジアイスをゲットすることが出来てないみたいで、レジアイスをゲットするために飛んでった……カントーでレジアイスって何処に居るのか皆目検討も付かないが、まぁ、なんとかなるだろう。

 

「サトシ、セレナちゃん、おかえり」

 

 家に帰ればママさんが出迎えてくれる。

 オーキド博士の研究所に向かえばオーキド博士にバトルフロンティアを制覇した証である7つのフロンティアシンボルを見せつければ我が事の様に喜んでいると「腕を上げたじゃないか、サトシ」と白衣を着たシゲルが現れる。

 ポケモン研究者の道とポケモントレーナーの道を選んだらしいが、ポケモン研究者の方に今は集中しているとかしていないとか……少なくとも、オレは2度目の優勝をして四天王と同格のフロンティアブレーンを倒したからパワーアップはした。「僕はガラルリーグを目指す……そしてチャンピオンリーグで君を倒す」とシゲルはそう言った。ガラルにはカントーで見ないポケモンが多いから旅をしながら研究のレポートを書いたりするらしい。シゲルの研究テーマは今のところはポケモンバトル関係らしい。

 

『結局、私の出番は無かったか』とミュウツーはバトルフロンティアに参戦できなかった事を恨めしそうに言う。

 ぶっちゃけた話、お前が居ればバトルフロンティア完全制覇簡単だけども、お前に頼りたくないんだってば。

『スイクンに頼ったくせに』と言いやがるのでチャンピオンリーグ、しかもケンタ戦で出すと宣言すれば満足してくれた……ケンタ、チャンピオンリーグでは覚悟しておけよ



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シンオウ地方!新たなるライバル!新たなる転生者!

 

 ホウエンレポートFINAL(今シーズン反省会)

 

 マサラタウンに帰ってきた。マサラタウンがクソ田舎なのは今に始まった事じゃないが、このクソ田舎は今は立派な故郷になっている。

 家に帰ればセレナがカフェモカとマカロンを用意してくれており一息つく。やっぱり何気ないこの一息を付けるまっさらな町マサラタウン、オーキド博士が研究地に選んだだけの事はあるよ。

 

「サトシ、パレードは」「するわけねえだろう」オーキド博士がチャンピオンリーグベスト3を祝ってパレードを開きたいと言う。

 そもそもでホウエンリーグ・サイユウ大会を優勝した時にパレードをやってなかったからやりたいという思いは分からなくも無いけれども、今回の成績はチャンピオンリーグベスト3,前回よりは成績が良くなっているが負けたと言う事実には変わりはない。

 

 綺麗に優勝して四天王に挑み権利を手に入れる事が出来たが、ベスト3じゃカッコがつかない。

 この日記帳形式のレポートとは異なるバトルの要点を纏めたりしたバトルノートを手にしてこのレポートと見比べてみる。

 最初にチャンピオンリーグに出場した時と違ってパーティを2体作ることが出来る。前回のチャンピオンリーグではドクターストップをくらって、リザードンとピカチュウが使えないという事になって負けた。そして今回もピカチュウとリザードンが使えないという事で負けた。

 

 準々決勝でケンタに当たった。

 土のフィールドでのフルバトルなんだけどな……あの野郎、いったいどんな手を使ったんだ?

 オレがミュウツーを持ってるのを知ってるから「今回は出せ、出したお前を真正面から倒す!」と言い切った。元からミュウツーは出すつもりだが、向こうも向こうでミュウツー対策をしている……あのさ、マジでさ……テツノブジンを何処で入手してきたんだ?

 コノヨザルの一例からこの世界にも第9世代のポケモンが存在しているのは理解してるけども、何処からパラドックスポケモンをもってきた。

 確かにこの世界は純粋な科学技術だけでタイムマシンを作り上げることが出来る世界観だ、科学技術だけでなくセレビィやディアルガの力を使えば時渡りは出来るだろうけども、そりゃねえだろう。

 

 まぁ、色々とツッコミを入れたかったが公式もとい大会運営はなにも言ってこない。

 なんかエルレイドのリージョンフォームかなにかかと考察をしてたけどもマジで何処から持ってきたんだと言いたいが、ともかくテツノブジンは凄まじかった。ヘラクロスの【メガホーン】を【サイコカッター】で迎え撃って勝つとか言うとんでもねえ事をしやがったよ。

 

 ヘラクロスがやられてこいつはミュウツーじゃないと勝てないと判断を下してミュウツーを出す。

【エレキフィールド】を展開して【クォークチャージ】で素早さがパワーアップしたテツノブジン、それを見たミュウツーは『やはり私の領域にまで至るトレーナーだったか』とミュウツーは燃え上がる。

 

 詳細は省くけども、とにかくテツノブジンの素早さがヤバかった。

【エレキフィールド】の【クォークチャージ】の影響もあるけども余裕でミュウツーの素早さの上を取っていた。【エレキフィールド】切れを狙ってダメージを与えるRPGというよりはアクションゲームみたいな事になったけどもなんとか倒すことが出来たがケンタにとってテツノブジンがミュウツーに倒される事すら想定内【みちづれ】を発動してミュウツーを問答無用で戦闘不能にする。

 

 1:1でミュウツーを落とせるのは強い。

 ともあれミュウツーが負けたのは痛かったが、メガシンカ枠を残している。メガリザードンYvsバクフーンの死闘を繰り広げて最終的にはケンタに対してリベンジを果たすことが出来たが、ミュウツー以外が全員ドクターストップ、リザードン、スイクン、ピカチュウ、ラティアス、ヘラクロスの5体が動けなくなるのは痛い、特にスイクンとリザードンとピカチュウはな。

 

 コノヨザル、ラグラージ、ケンタロス、メタグロス、ヨルノズク、ヘルガーで挑んだがギリギリのところで負けた。

 スイクンはまだいい、ピカチュウもまだいい……だが、リザードンが圧倒的なまでのエースになってしまっている。エースが居ることはいいことだ、だがエースにのみ依存してるのは悪い傾向だ。リザードンクラスの圧倒的なまでのインパクトを持っているエースを手に入れなければならない。【ほのお】タイプがリザードンとヘルガーだけなのは決して悪いことじゃないが、リザードンクラスのエースの爆発力を持っておかなければならない。サトシゲッコウガというイレギュラーがあるにはあるが、それはな。

 

 ともかくチャンピオンリーグはベスト3で終わった、一応はトロフィーが貰えたので自分の部屋に飾ってる。

 しかしトロフィーじゃなくて四天王への挑戦権がオレは欲しい。四天王のエースをピカチュウで撃退する事が出来たから、腕の方は徐々に徐々に成長しているんだ。本来のサトシくんじゃ絶対にチャンピオンリーグに出場する事なんて出来なかったんだ……頑張れ、オレ。

 

 とりあえず、明日からはシンオウ地方に向かう。

 シゲルの奴は既にガラルリーグ出場に必要なジムバッジは集まっているらしく、後はリーグで優勝するだけだと言い張る。シゲルならばなんとかするんじゃないかと思う。ユウキの奴はセキエイ大会に向けて猛特訓と言う名のカントージム巡りをしている。アニオリのジムを出来るだけ巡ってみる、実家に帰省してポケモンの育成に集中するとかはしないらしい。

 ケンタの奴はイッシュ地方に向かうと言っていた、イッシュリーグを勝ち抜いてチャンピオンリーグに出場するつもりで、あんまりポケモンをゲットするつもりはないらしい。

 

 

 シンオウレポート1(バチバチバースト!新たなる北の大地!その地名はシンオウ)

 

 船を経由し、シンオウ地方にやって来た。

 オーキド博士がおつかいでナナカマド博士に渡して欲しい物があるとおつかいを頼まれていたのでナナカマド博士の研究所は何処かと向かっていると激しい雷が落ちる。【かみなり】を誰かが使ったんだろうと歩いていけばそこにはサトシくん最大のライバルでアニポケのダイヤモンドパールが神作品と言われる要因であるシンジが居た。

 

「お前は……」とオレに気付くシンジ。

 オレに気にすることはせずにポケモンゲットに集中してくれと言えばエレキッドに【かみなり】を落とさせて木の上に居るムックル達を威嚇し、モンスターボールを複数投げる。「1度に3体も?」とセレナが疑問に思っているとシンジはゲットしたムックルの能力をポケモン図鑑で見て「使えないな」と言ってムックルを逃がした。

 

 出たな、ガチ勢行為。

 ムックルを逃がした事に関して物凄くセレナは驚いている。ムックルが欲しかったんじゃないのかと聞けば「俺が欲しいのは強いムックルだ、弱いムックルには興味無い」とハッキリと言い切った。ココをハッキリと言い切るのでセレナは唖然していると威嚇してきた事を怒っているムックルがオレを襲ってきたのでモンスターボールを投げてゲットしてポケモン図鑑を取り出す。♂のムックルで特性は【すてみ】だった。

 

 思わずオレは「っしゃあ!当たりの個体だ!」とガッツポーズを取った。

 いきなりのガッツポーズにシンジは驚くが直ぐに冷静になって舌打ちをする。群れのリーダーが捕まったと言ってたのでムックルを出せば群れのリーダーじゃなかった。

 

「群れているポケモンの社会は圧倒的なまでの実力世界、そんなムックルの何処がいいんだ?」と聞いてくる。

「そりゃやっぱり特性の【すてみ】だな、ムックルの最終進化系のムクホークの特性は2つ、1つは皆がよく知る【いかく】で物理アタッカーの攻撃を1段階下降させる。この特性も強いが【きもったま】とかには効果は無い。この【すてみ】は強い。ムクホークは【ブレイブバード】と【すてみタックル】を覚えることが出来る。この2つの技は威力が高いが、自分にもダメージを負うことになるが【すてみ】の特性と噛み合えば威力が1,2倍になる。タイプ一致で高火力で尚且つ特性で威力の増加、ムクホークは【インファイト】を覚えるからこれは大きい、ムクホークの弱点である【こおり】【いわ】そしてこうかはいまひとつな【はがね】タイプのポケモンに対して【インファイト】を叩き込める。【こおり】【いわ】【はがね】の3つのタイプに対して圧倒的なまでに有利で更には【とんぼがえり】も覚えるから相手を攻撃しつつ手持ちの入れ替えを、特に【くろいまなざし】みたいなのから逃げることも出来る、ただし欠点もある。高い素早さと攻撃力を持っているから即座に倒すのを前提とするポケモンで耐久力や弱い。それを補う為に別のポケモンに」と熱く説明をしていると「もういい黙れ」と言われた。

 

 ムックル関係のポケモンに関して教えてるけども、ムクホークと組み合わせれば相性がいいポケモンに関して説明をしようとしたから止めた。

 ムクホークを必要とするパーティ構築に関して色々と言うのは少しだけ筋が違うのでこれ以上は語らないでいればシンジはポケモン図鑑を取り出してムックルの特性を確認【すてみ】を覚えてるのを知る。「甘いな、全てのポケモンとは言わないがそのポケモンに適応した型を暗記するのはポケモントレーナーの基礎だぞ」と言っておく。基本じゃない、基礎だぞ。

 

「お前、そのムックルで行くつもりなのか?優秀な【すてみ】のムックルは他にも居るだろう」と言ってくるので「理想個体のガチ厳選は疲れるし、ポケモンは鍛えるから楽しいんだろ……最初から最強なポケモンを欲しいんだったらテンガン山にでも行ってディアルガやパルキアをゲットしたりクラウンシティでスイクン、エンテイ、ライコウでもゲットして来いよ。オレ達トレーナーは鍛えるのが仕事だ」と言い返せば「……ヌルいな」とオレのやり方に否定的だった。

 シンジの態度があんまりにも酷いから「サトシがヌルいってサトシの戦績を知ってるの!チャンピオンリーグに出場する事が出来る実力者なのよ!」とセレナが怒るので落ち着けとセレナを落ち着かせる。

 

「お前は本気で最強を目指して強くなる事に関して貪欲で、強いポケモンを求めるのは極々自然の事だ。上に行くための強いのを厳選するのも理解が行く」と言えばシンジは意外そうな顔をする。大方今まで自分のやり方に否定的な奴等が多かったんだろうがオレはシンジの流儀に関しては否定しないぞ。対人戦が出来る育成RPGにおいて厳選やガチ育成は極々普通の事だ。イナズマイレブン2と3なんかヒデナカタを持ってる事は極々普通の事、ヒデナカタをパーティに入れてないのはおかしいのが当たり前で全員がちょうわざを持ってるのが当たり前、育成RPGをガチで行くことは言い方を変えれば効率を極端と言われるまでに良くする事だ。

 

「だが、向き合う事だけは忘れるなよ?お前が使えると認めた。お前のやり方を否定せずに認めて強くなろうとしている。そんな奴等を見て使えないと言うんだったら…………使えないのはお前のポケモンじゃなくて、お前自身だ。負けを認める時があるならばポケモンじゃない、自分を責める……とまぁ、偉そうに言ったけども優秀な個体を見つけるのを頑張れよ。ポケモンバトルの道を行く個体はきっと居るってヤバい!」とムクホークが襲ってきた。ヤバイよ、アレは絶対にシンジのエレキッドが【かみなり】で威嚇したからと思っているとエレキッドは笑みを浮かべた。

 

「群れのボスか、都合がいい!ムクホーク、お前をゲットさせてもらうぞ!」とムクホークにバトルを挑もうとするシンジだがムクホークは飛び去った。なんだと思っていると……第四世代の男主人公が居た……そう、ユウキと同じで劇場版のオープニングにしか出番がない可哀想な第四世代の主人公だ。

 

「このムクホーク、ボクが育てたからゲットしないでよ……【すてみ】個体でここまで育成するの結構大変なんだから」とムクホークを手元に引き寄せる。既にゲットされているポケモンならばゲットする価値は無い、シンジはそう判断した。ここにはこのムクホーク以上のポケモンも存在しないしやる気が削がれただろうと思っていると「お前、名前は?」とシンジが第四世代の主人公に名を尋ねる「ハレタだよ……ん〜……今日からポケモントレーナーになるよ」と第四世代の主人公もといハレタは返事をすればシンジは驚いた顔をしていた。

 

 オレの目から見ても充分に強いムクホークを今日からポケモントレーナーになる男が育て上げた。

 幼少期の頃からポケモンを育成するのは稀にあることだけど、コレは中々に無い一例だろう。ハレタはのほほんとしてる……あ〜うん。

 

「85,120,70,50,60,100」

 

「ムクホークがどうかしたの?」

 

 オレはサトシになっていた。◯◯はケンタになっていた。□□はユウキになっていた。だったら、△△が居てもなんらおかしくはない。

 ムクホークの種族値について言えば驚いた顔をすることはなくサラリと流している。「あ〜やっぱり同じなんだね〜」とマイペースに言ってくるので◯◯と□□の名を出せば驚いた顔をするが直ぐに気怠げな感じになり「じゃあ、楽しいことが多いね」と言い切る……△△だったよ。オレ達と一緒である日突然に第四世代の男主人公、ハレタになっていた。

 オレの様に深く考えないようにするわけでもなく、ケンタの様に今までの自分を失った事を悲しむわけでもなく、ユウキの様に新しい自分になろうとはっちゃけるわけでもなく、ただそんなもんかと認識しつつもこの世界を楽しもうとしている。相変わらずマイペースな△△だ。らしいと言えばらしいな。

 

「今の数字とムクホークがどう繋がる?」と聞いてくるシンジ「ムクホークと言う種のステータスを数値化した1つの指標みたいなものだよ。100を超えればそれはとっても強いってこと、因みに最強のチャンピオンだって言われるシロナさんのガブリアスの素早さは102,仮にガブリアスという種族とムクホークという種族を素早さ限界まで鍛え上げて同レベルの場合、ほんのちょこっとだけガブリアスの方が上を取れるんだよ〜」とハレタは答える。種族値云々の知識はある意味転生者特権だが、その知識を惜しげもなく披露している。シンジもポケモンの能力の数値化に関して興味を抱いている。

 

「良い理想個体の厳選は難しいけど、頑張ってね〜ボク、今からナナカマド博士にポケモンを貰いに行くから」

 

 とハレタはナナカマド博士の研究所に向かおうとする。

 ナナカマド博士の研究所におつかいを頼まれていたのでポケモン論議に関しては置いておこう。ハレタにナナカマド博士の研究所に用事があるのを伝えれば一緒に向かう事にし、シンジはムックルの厳選の続きを行う。

 

「ナナカマド博士、父さん、ポケモン貰いに来たよ〜」と言うハレタ

 父さんってどういうことかと聞けば父親はナナカマド博士の助手をしているらしく、ナナカマド博士が出迎えてくれる。オレがおつかいでオーキド博士に渡してくれと頼まれた物を渡そうかと思ったが先にハレタの方を終わらせたらいいとハレタの方を優先する事にし、ナナカマド博士はオホン!と咳払いをし、今日からポケモン取扱免許を手に入れる事が出来る事を語り、くれぐれもポケモンで悪いことをするなと釘を刺す。

 

「ポケモンで悪いことはしないよ……最悪、ボクが殴り飛ばせばいいだけだし」

 

 おっと、リアルファイト出来る系男子かな。

 ハレタがそこそこ物騒な事を言えばナナカマド博士は青色のシンオウ図鑑とモンスターボールを渡し、一緒になってついてきてたムクホークをモンスターボールに入れる。そしてハレタの父親らしきナナカマド博士の助手はモンスターボールを取り出して「遂にこの日がやってきたんだ、ハレタを頼むぞ」とハレタに託す…………もしかしてだけども、ユウキみたいに御三家用意してたパターン?ナエトルとヒコザルしか居ないからヒカリが今日旅立ったのはなんとなくで予測出来るけど………マジかぁ……ユウキもそれぐらいやるのは普通だよね?感出してたけども、マジかぁ……。

 

 ハレタがモンスターボールを貰った。最初のポケモンはなにを貰ったんだろと思っているとハレタは「ボクとバトルして」と言ってくる。

 ユウキの時と同じパターンだが、やれと言われたバトルを受けないほどにオレは弱者じゃねえ。ナナカマド博士に研究所の庭を借りていいかと聞いて許可を貰えば研究所を出るのだがシンジがいた。シンジが「目当てのポケモンは居なかった……俺とバトルしろ」と言ってくる。

 シンジもハレタもバトルをしたいと言うのならば、喜んで引き受ける。先ずはハレタだ。

 

 使用ポケモンは1体のシングルバトル、ハレタが出したのはエンペルトだった。

 ヒコザルとナエトルを貰うことが出来るからポッチャマじゃないのかと薄々感じていたが、まさかのエンペルト……時間があったから事前に鍛えていたが相当なレベルだな。向こうがエースで挑んでいるならばとこっちはピカチュウを出す。

 

「来たね、ピカチュウ」とのほほんとした空気を出しつつも、真面目になる。こっちのエースはピカチュウだとナナカマド博士がバトル開始の合図を告げてくれるので「エンペルト【あくび】」と夢も希望も存在しない技を選んだ。「【かちきエンペルト】か?」「もちのろん」とガッチガチのエンペルトで挑んできた。【あくび】に触れるわけにはいかないのでカウンターシールドの【10まんボルト】で【あくび】の泡を破壊する。

 

【かちき】エンペルトということはステータス減少系の攻撃は下手に撃てない。元々Cの種族値も100を超えてるし【かちき】になった事で大きく化けたポケモンだ。「やっぱりそれが厄介だね〜フィールドに【れいとうビーム】」とフィールドをカチンコチンに凍らせてくる。ピカチュウ狙いじゃなくてフィールド狙いで【れいとうビーム】ということは狙っているということか。

 

 もう一度【あくび】を使ってくる。

【あくび】の泡はフワフワしているので【10まんボルト】のカウンターシールドで破壊したいところだが、フィールドがカチンコチンに凍らされてる。コレのせいでカウンターシールドが出来ない。ツルツルと滑る氷の上でブレイクダンスは出来ないが……対応策が無いと思ったら大間違いだ。【エレキネット】を飛ばして泡を1つずつ閉じ込める。全てを閉じ込めると【10まんボルト】を落としてエンペルトにダメージを与えるが伊達にエンペルトになるまで鍛え上げることは出来ていないのか強い。

 

【かちき】エンペルトだからステータス減少系はアウトだと考えているとハレタが動く。

【アクアジェット】を使ってきたかと思えば突っ込んでくることはせずにその場でくるりくるりと回転する。インテレオンの【アクアジェット】のカウンターシールドを真似た、ブレイクダンスをするピカチュウのカウンターシールドと違ってコレならば滑る事はなく【アクアジェット】の激流をぶつけてくる。

 

「強い、強いな…………ピカチュウ【エレキネット】で跳びこえろ!」

 

 だが、攻略法は既に見抜いた。

 このカウンターシールドは平面には強いが縦の動きには弱い。【エレキネット】を地面に出した後にトランポリンの様に跳びはねて【アクアジェット】を回避し【ボルテッカー】で突っ込めばエンペルトは戦闘不能になった。

 

「レベルは高い……けど、それだけだ」

 

 地方リーグに居てもおかしくないレベルのエンペルトだったが、実戦経験の薄さが露呈している。

 オレのピカチュウの【せいでんき】を警戒したか、それとも使用ポケモンは1体だけしかないから【ステルスロック】や【クイックターン】なんかが使えなかったのか、色々とあるだろうが実戦経験の薄さがよく見える。

 

「あ〜まぁ、こんなもんだよね…………今の段階じゃ」

 

 と将来的にオレに勝つ気満々のハレタ。

 なんだかんだで胸に熱い物を宿しているなと思いつつも今度はシンジと使用ポケモン2体のシングルバトルをすることになり、オレはラグラージを出せばシンジはヒコザルを出した。

 

「ヒコザル【ねこだまし】だ!」開幕早々に良い技を選んでくる。

【ねこだまし】で怯めば大きな隙が生まれたので直ぐに【かえんほうしゃ】【みだれひっかき】【とっしん】と技を連打してくる……が、ラグラージは倒れない。この程度でやられるほど軟じゃないと【たきのぼり】を使って一気にダメージを与えるがヒコザルは倒れない。

 

「流石にコレで倒せるとは思っていないよな?」と聞けば「この程度で倒せるならば俺は今頃世界最強だ、ヒコザル間合いを開け」とシンジはラグラージと距離を取る様に言う。距離を取ってどうするつもりだ?見た感じだが【かえんほうしゃ】ぐらいだが……明らかに攻撃を誘っている。

 ハレタとの一戦でなにも学習していないと思ったら大間違いだ。【あくび】を使ってヒコザルを眠らせれば至近距離に近づいて【たきのぼり】を使ってヒコザルを戦闘不能にした。

 

「使えないな」とシンジはヒコザルに対してそういう。

 コレを書いている今だから言えることだが、シンジが狙っていたのは恐らく【くさむすび】だ。ヒコザルに向かって突撃してくるラグラージに対して【くさむすび】を使うのが唯一の突破口だった。とりあえず先ずは1勝だと次のポケモン、エレキッド、こっちはベトベトンを出した。

 

「エレキッド【10まんボルト】」とエレキッドに【10まんボルト】を撃たせるがベトベトンは大して効かない。

「ベトベトンは特殊耐久高いポケモンだから【サイコキネシス】覚えてないなら物理で攻めるのがいいんじゃないの?」とハレタがアドバイスを送る。【10まんボルト】で大したダメージになっていないのでシンジも使う技は選ばなければと【かみなりパンチ】で攻めてくる。【10まんボルト】よりは手応えがあるが、それでもベトベトンは結構強いのでダメージがあるかどうかが疑わしい。

 

 そっちが至近距離で近付いて殴ってきてくれるのは実にありがたい。

 ベトベトンは【どくづき】でエレキッドに手刀で突けばエレキッドは【どく】状態になった。コレでタイムリミットが発生する、シンジの奴は聞こえるレベルの舌打ちをした。伊達に【どくしゅ】個体じゃないしコイツはこう見えても群れのリーダーでもある優秀なベトベトンだぞ。

 

「エレキッド【かみなりパンチ】」と【かみなりパンチ】の連打で行こうとするので【ちいさくなる】で回避する。

 的が小さくなったので拳を当てることが出来なくなるエレキッド、徐々に徐々に体力が奪われていき最終的に【ドレインパンチ】を叩き込んで戦闘不能にした。

 

「コイツもこの程度か」と落胆したかそれとも最初から期待していないかの素振りを見せるシンジ。

 自分が育てると決めたポケモンに対してそれはないだろう……まだ育てが足りないと言うのが筋だが、それだけシンジが強くなるという事に関して貪欲であること。その態度を見てセレナは色々と言いたそうだったが、ポケモンとの向き合い方は人それぞれだ。少なくともポケモンを仲間、友達、相棒、道具と見ているだろう。自分のスタイルを見出すのに死ぬ気でやっている……ただ、今のシンジは独りよがりのポケモンバトルになっている。ポケモンバトルはポケモンとの心を通わせてこそ意味がある。

 

 と偉そうに語れるほどの人間じゃない、死ぬよりも負けるのが怖い人間は多々いる。

 町中の人間が期待してくれている。お前ならばと思ってくれている。その重圧に応えようとする。1番になってくれるという期待と1番になりたいという思いがあり、死ぬ気になる…………シンジのは物凄い極端だけども修羅の道を歩もうとしているが、修羅の道自体は悪くはない。ただ……独りよがりになってしまってはいけない。ポケモンバトルはポケモンとトレーナーがするものであってポケモンだけじゃダメ、トレーナーだけじゃダメ。

 

「ポケモンと向き合う事を忘れてたら、サトシには一生勝つことが出来ないよ……氷の精神も強いけど」

 

 とハレタの奴がハッキリと勝てないと言い切った。

 正直な話、今のシンジならば何度相手にしても確実に勝つことが出来る。シンオウリーグの晴れ舞台のフルバトルでシンジが自分の思う最強のパーティを揃えたとしても確実に勝つことが出来る……今の段階ならばだ。

 ハレタの奴はそれを一瞬にして見抜いている。今の段階のシンジがどう頑張っても勝つことが出来ないと分かっているからシンジを鍛え上げる……全ては強くなったシンジや既に強いオレを喰ってさらなる高みを目指す自分がより強くなる為に……ただまぁ、今のシンジになにを言っても無駄だろう。「審判ありがとうございました。失礼します」とシンジはナナカマド博士に頭を下げた後にハレタの言葉になにも心を動かされなかったのか去った。

 

「ボクの言いたいことは伝わらないね〜……まぁ、今の段階じゃ無理かぁ……実績作らないとね」

 

 とハレタはナナカマド博士にシンオウリーグを目指して旅立った。

 オレも早いところポケモンセンターに向かってシンオウリーグの出場登録の手続きを済ませないとな。



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なんて素敵な文字の並び!

 

 シンオウレポート2(お・ね・え・さ・ん)

 

 サトシくん最大のライバルと名高いシンジとの会合、4人目であり恐らくはこのシンオウリーグで例のあの男を除けば1番厄介なハレタ。

 他にもまだまだ強敵が居るのだが、とにもかくにもシンオウでの旅が始まったんだけどもシンオウリーグの出場登録をするのを忘れていた。昨日のインパクトがとにもかくにも大きいから素で忘れていた。

 

 この登録手続きをしないと一切のジム戦が行えない。

 新米トレーナーの場合は出場登録をポケモンを渡す仕事をやってるポケモン研究家がやってくれるパターンだが、オレは既に新米トレーナーじゃない。コレを済まさなきゃハレタやシンジとのバチバチのポケモンバトルをすることが出来ないのでポケモンセンターに向かおうとすればタケシを踏んだ。

 

 いきなりの事だけども、ホントにポケモンセンターの入口付近にタケシが倒れており気付くことなく踏みつけた。

 地面の感触がおかしかったのであれ?となって地面を見ればタケシが倒れていた。いきなりの事だったのでゴキブリを殺す勢いで踏みつけたセレナ、流石の威力で倒れていたタケシも起き上がる。

 

 こんなところでなにやってんだ?と聞けばポケモンブリーダーとしての腕を磨く旅をしていた。

 道中にトラッカーのお姉さんといい感じになったと思えば実は彼氏持ち、性愛でなく純粋な好意でトラックに乗せてもらっていたらしい。原作知識を引っ張り出せば、タケシはそんな感じで置いてかれてたな。

 

「出会いがあれば別れもあるんだから」とセレナが言えば「151戦151敗なんだ……1勝もしていないっ……」と悔しそうにする。

 ナンパの達人、というか女の子にキャッキャウフフしてほしいのならばユウキの奴でも紹介しようかと考えつつもポケモンセンターに入ってシンオウリーグの出場登録をしていると「ジョーイさーん!」とタケシはナンパをする。

 

 ユウキの奴でもオン・オフの切り替えはちゃんと出来てるのになぁ、と思っているとラッキーから手刀で気絶させられる。

 どうもタケシの奴、立ち寄るポケモンセンターでほぼ毎回ジョーイさんをナンパするからジョーイさん業界の中でブラックリストに登録されているらしい。ジョーイさんのブラックリストに登録されているのも大概だな……「サトシは悪の組織のブラックリストに登録されてるでしょ?」ともっともらしい事を言ってこないでくれ、セレナ。

 

 ともかくタケシの場合は1度叩けば暫くは納まるものだ。

 シンオウリーグの出場登録の手続きを済ませるとシンオウリーグの出場登録者限定のバッジケースを貰った。バッジケース代節約出来て良かったと喜ぶ。「やっぱりシンオウリーグに挑戦に来たんだな」と言うタケシ。そりゃわざわざこんな北の大地にまで来るにはポケモンリーグが無いとな。

 

「俺とバトルをしてくれないか?」と言ってくるタケシ。

 タケシとニビジムでタッグバトルをした際に分かったことだけども既にジムリーダーでもトップレベル、センリさんやイブキさんレベルの実力を持っており、ブリーダーとして腕を磨いているのならば今の手持ちじゃなくてベストメンバーじゃないと、特にバンギラスが居る時点でヘラクロス用意しなきゃ倒すの厳しい。

 

「いや、今手元に居るのはこいつだけなんだ」とウソッキーを出した。

 ウソッキーなんて持ってたのかと思えばオレと再会した後にゲットしたウソハチが進化したらしい。ウソハチから育てるとは流石だなとバトルをする事にし、ゲットしたてのムックルでバトルをする。

 

「セオリーを無視するバトルか……ウソッキー【いわおとし】」とウソッキーに攻撃技を指示するので【かげぶんしん】を使わせて回避する。

 一直線に並んでいれば攻撃が当てやすいので円形にウソッキーを囲む。何処だ何処だとウソッキーは慌てるがタケシは動じない。大抵のトレーナーはここで焦りを見せるが伊達にジムリーダーやってねえな。

 

「ムックルは【つばさでうつ】や【つばめがえし】を使ってくる。お前のその頑丈な肉体ならば確実に受け切れる」と【いわ】タイプ特有の防御力の高さを売りにした戦闘スタイルで行く。ゲットしたてじゃなければ【はがねのつばさ】で攻めることが出来るがな……やはりムックルはムクホークになってこそが本番だろう。

 

 攻撃が来るのを待っている。攻撃しか選択肢が無いので【つばさでうつ】で攻めればウソッキーは余裕で攻撃を受け切って【アームハンマー】を叩き落とす。こりゃ手厳しいがまだこんなところで倒れるムックルじゃない。闘志がメラメラと燃えてる……が、あまりいい流れじゃない。ゲットしたばかりで全く育っていない。タケシが相手なんだから潔くピカチュウとかラグラージ出せばよかったが……今更そういうのは無しか。

 

 とりあえず【すなかけ】を使う。

 ウソッキーに【すなかけ】で命中率を下げる。そして【かげぶんしん】を使い【つばさでうつ】を使って攻撃していると……ムックルが眩い光に身を包んだ。おい、早くねえか?まだゲットして1日しか経過してねえんだぞ?どうなってんだよ?と色々と言いたかったがムックルはムクバードに進化した。その勢いに身を任せてと言うか【つばめがえし】を会得してそれの乱打でウソッキーを撃退した。

 

【すなかけ】→【かげぶんしん】→【つばめがえし】を延々とループした。

 ウソッキーが硬いから倒すのには一苦労したものの、なんとか負けることはなかった。ムクバードになってくれてよかった……ハレタの奴がゲットするまでムクホークは野生のままだったからその際に連鎖的に鍛えてレベルが上がってたのか?

 

「ポケモンリーグ・セキエイ大会を優勝した腕は伊達じゃないな」と褒めてくれるタケシ。

 今のオレの目標はチャンピオンリーグ制覇して四天王への挑戦権を手に入れる事だ。だが、その前に立ちはだかる大きな3つの壁がある。

 

 1つはポケモン廃人ガチ勢のシンジ、コイツは今の段階では余裕で勝てるが本人の胸のうちにある思い等が振り切る事が出来れば知識の面で劣る以外は同格になる。

 

 1つは△△もといハレタ、【すてみ】ムクホークや【かちき】エンペルトなど一切の慈悲が無いが……ポケモン以前に△△が特にヤバい。彼奴は一般教養とかは中の下、電気工学関係も一応は合格点を貰えてオレと同じで電気工事士(2種)の資格を持っていたりするんだが……あいつ、めっちゃ頭の回転速度速えんだよ。ポーカーやバトスピみたいに手札と同時に腹の読み合いをして運に頼る系の勝負ならば勝てるんだけども、演算能力が高ければ自動的に強いオセロとかドンジャラとかやらせたら物凄く強い。学校の勉強以外の勉学とかなら4人の中で1番のぶっちぎり、□□もといユウキが「その頭をどうしてテストに使えないんだ」と呆れてた事もあった。横の知識と演算能力が高い△△が実戦経験を積めば確実に化ける、昨日のエンペルトであのレベルだったからなぁ……アレで新米トレーナーは詐欺だよ。

 

 最後は伝説厨……いやまぁ、うん。ユウキの奴もケンタの奴もハレタの奴もその辺に関しては深くは触れなかった。

 コレがさ、ゲームだったらどうにかなる。戦術次第で伝説のポケモンは余裕で撃退する事が出来るんだ。だが、アニポケ世界は伝説のポケモンだという理由だけで性能がおかしい。スイクンは元から物凄く強い。ラティアスは鍛えれば物凄く化けた。ミュウツーは理不尽過ぎて使うのを躊躇うレベル……伝説厨に負けても恥じることじゃないと3人なら言ってくれるかな……。

 

 とにもかくにもこの3人を倒せなければ負けることは確定だ。

 オレのシンオウ編、魔境過ぎない?これに加えて世界崩壊が何度かあるんだぞ?終わったら終わったでクソなベストウィッシュ編が始まる。そしてもう決めてるんだ、ベストウィッシュ編になったらああするのを。

 

「俺も一緒についていっていいか?」とタケシが聞いてくる。

「オレ達の旅は過酷だぞ」と言えば「伊達にジムリーダーをやっていない、むしろ過酷な旅でこそポケモン達は成長するんだ」とタケシはノリノリで握手を交わす……まさかタケシと一緒に旅に出るとは。しかしまぁ、コレもなにかの縁だろう。

 

 

 シンオウレポート3(この世界で両方はマジ難しい)

 

 タケシが仲間に加わったんだけども、タケシの女子力が天元突破だ。

 一緒に料理を、シチューを作ったんだけどもセレナやオレよりも絶品で年季が違うのを思い知らされる。女子力最高でポケモンにも愛情深いこの男が何故モテないのか、謎である。

 

 とりあえずムクバードに【はがねのつばさ】の練習をしてもらう。

 ムクホークになれば自動的に【インファイト】を覚えるが、それまでの間は【はがねのつばさ】で頑張らないといけない。オオスバメで【はがねのつばさ】を覚える練習をしてて正解だ。同じ要領で【はがねのつばさ】を覚えさせようと特訓する。

 

 とにかく使えそうな技は早目に覚えさせておかないといけない。

 多くの技を使えるポケモンが最強ではないが、多くの技を使えるという事はそれだけ戦術の幅が広い……まぁ、ムクホークって【ブレイブバード】【すてみタックル】【とんぼがえり】【インファイト】で固定なポケモンなんだけども。ムクホークの種族値と特性がもう完璧にベストマッチ過ぎるんだよな。

 

【はがねのつばさ】の特訓はシンプル、というかこの為にオーキド研究所からオオスバメを呼び寄せた。

 やはりお手本となるポケモンが居ることで通常よりも技を覚えるのが早い……が、直ぐに会得するのは難しいか。

 一瞬だけだがそれっぽいのは発動できる様になったからそれでいいんだと思っているとスボミーが現れたので図鑑登録していると何処の貴族だと言いたくなるような格好をしている男、ナオシさんと出会う。

 

 ナオシさんは詩を歌いながら世界中を旅してるのだが、現在悩んでることがある。

 ポケモンコンテストかポケモンリーグのどちらかを挑戦したいんだが、どっちにしようか悩んでいる。ポケモン達が熱く燃えるバトルをするポケモンバトル、ポケモン達が華麗に舞い踊るポケモンコンテスト、どちらも興味があるらしい。しかし決定打に欠けるとのこと。

 

 じゃあ、タケシとジム戦形式の実戦をした後にセレナとパフォーマンス対決すればいい。

 ポケモントレーナーにバトルの楽しさと厳しさを教えるのがジムリーダーの仕事だとタケシは承諾し、ナオシさんとバトル。スボミーがロゼリアに進化したがスボミーの頃に蓄積していたダメージが大きく【れいとうパンチ】に敗れた。

 敗れたけども、ナオシさんは悔しそうにしていない。むしろコレが本物のポケモンバトルですか!と喜んでおり【いいきずぐすり】で傷を治した後にセレナとパフォーマンス対決をし、セレナの圧勝だったがナオシさんは喜ぶ。

 

 ジムリーダーとのジムバトル、トップコーディネーターとのパフォーマンス対決。

 どの道を行こうかと悩んでる人にとって最高の場である。が、それが逆に良くない。どちらも心を踊らせる最高のものであり、ますますナオシさんは悩むので「両方やればいいんじゃないの?」と言えば空気が固まる。もしかしてだけどもかなりの爆弾発言なんだろうな。

 

「サトシ、それはあまりにも過酷な道だ!ポケモントレーナーとポケモンコーディネーターは似ているが異なる者、それを両立することなんて」とタケシが言うが「いや、ホウエンニ大チャンピオンのミクリさんとかルネジムのアダンさんとかトップコーディネーターでもありトップレベルのトレーナーじゃん」と言えばなにも言い返せない。あの2人が異常なのは理解しているが、絶対に出来ないと言うわけではないんだ。

 

「2つともこなす……」と呟くナオシさんだが「ナオシさん、無茶ですよ。それが出来てる人は」とセレナも止めに入る。

 それってそんなに難しいことなのかと思ったが、ゲームでもやりこみ要素であるポケモンコンテストとポケモンリーグ用のポケモンは異なる育成している……やっぱり無茶なのかと思っていると「1番になっている成功者というわけですか……決めましたよ、私はポケモントレーナーとポケモンコーディネーターの2つの道を歩みます」とノリノリだった。

 

 ナオシさんはそうと決まればと旅立った。

 セレナと一緒にコンテストリボンを集める旅をしながらジムバッジを集める事に成功したので、理論上は二刀流は可能だ。だが、問題点を上げるならば1度の負けがスケジュールに大きく響く。セキエイ大会を目指して旅をしていた頃はポケモンコンテストとかが無かったから余裕を持って育成期間を作れたがコンテストを間に挟めば1つのミスも許されない……自分で言っておいてなんだけども失言だったなと少しだけ反省するが、原作知識的にあの人はホントに両立するから恐ろしいんだ。オレには無理だな。

 

 シンオウレポート4(ナエトル、ゲットだぜ!)

 

 ロケット団(ムサシ、コジロウ、ニャース)が現れた。彼奴等、定期的に豚箱にぶち込んでるのになんで簡単に牢屋から出てこれるの?

 サカキのお気に入りじゃないんだろう。なんでなの?なんでロケット団あんなに簡単に出てこれるの?ロケットコンツェルンの力なのか?

 

「またなのね」とセレナは呆れている。

 忘れた頃にポンッと現れて割と迷惑な存在だが、とりあえずピカチュウを拉致ろうとするので【10まんボルト】で撃墜するんだがニャースの気球が破裂して明後日の方向に飛んでいった。幸いにも波動を会得しているのでピカチュウが何処に居るのかは簡単に分かる。ピカチュウを迎えに行けばなんかナエトルが居た。ナエトルがオレ達を敵だと勘違いし【はっぱカッター】で攻撃してくるので全て手刀で切断している間にナゾノクサが現れ【ねむりごな】で眠らせてきた。オレはその気になれば1時間ぐらいは呼吸を止めれるがタケシとセレナはそうはいかない。あっさりと【ねむりごな】を吸った。ピカチュウも吸ってナエトルがどこかに連れて行く。

 

 とりあえずセレナとタケシを起こすかと思っているとお婆さんが現れ「大丈夫?」と心配してくれる。

 眠っているだけで命に別状は無いのだと2人が目覚めればピカチュウを探す事になるのだがナエトルがピカチュウを引き連れてやって来た。ピカチュウが野生のピカチュウじゃないことを伝えてナエトルが自身が早とちりしたのだと頭を下げてくれる。

 

 別に誰だって些細なミスはある。

 それよりもとナエトルは野生なのかと聞けばお婆さんが昔、この近隣に傷ついて迷い込んで以来森の番人的なのを務めている。早とちりだが、決して悪人じゃないと教えてくれるのでナエトルにバトルを挑む。使うのは当然ムクバードである。

 

 ナエトルが欲しいんじゃい。第九世代で大きく化けたあの技を覚えさせて頑張りたいんじゃい。

 ムクバードの【かげぶんしん】と【つばめがえし】の連打の後に【すなかけ】をしてモンスターボールを投げれば割とあっさりとナエトルがゲットできた。お婆さんが「ナエトルを大事にしてね」と言ってきたのでナエトルを出してオレと一緒に最強を目指そうと誓い合う。

 

 シンオウレポート5(シンジ、ふたたび)

 

 ナエトルとムクバードを鍛えているとシンジと再会した。

「素早いナエトル……はん、使えないな」といきなりの発言に驚くタケシとセレナ。なにが言いたいのかは分かるのだが、少なくともオレのナエトルは使えないナエトルじゃない。その事を証明してやるとなりポケモンバトルになればシンジは相性の良いヒコザルで挑んでくる。

 

 セオリー通りで来るのは極々普通の事だ。

 ヒコザルは【かえんほうしゃ】を撃ってくるがそれぐらいならばとナエトルは回避すればシンジが「なに!?」と驚いている。予想以上にナエトルが素早いんだろう。こっちは【たいあたり】で攻めると【かえんほうしゃ】じゃ倒せないと判断したのか【かえんぐるま】を使ってくる。

 

【かえんぐるま】ならば【からにこもる】で防げると【からにこもる】で物理防御力を上げる。

 それを見てシンジは【ちょうはつ】を指示「コレで攻撃しかない……ヒコザル【かえんぐるま】」と執拗に【かえんぐるま】攻めされ敗北をし、ヒコザルは喜ぶが「今の段階でのこの程度の相手、勝てて当然だ!浮かれるな!」と厳しいことを言う。

 

 この野郎、オレに勝てて当然とか嫌味かと思っているとロケット団が現れたのだがシンジがロケット団の口上中にヒコザルに【かえんほうしゃ】で焼けばロケット団の気球が爆発してやな感じ〜と吹き飛んでいくのだがその際に巻き起こった突風にシンジとオレは吹き飛ばされて谷底に落ちていく。幸いにも空中を蹴って地面に激突を回避したが、ホントにめんどくさいなロケット団。

 

 セレナとタケシは心配するのでムクバードを出して待っててくれとだけ伝えて谷底から上がるルートを模索しているとシンジと被る。

 シンジはオドシシをゲットしてデータを見たら「使えないか」と言い張り即座に逃がしてそれを見たナエトルはあんまりじゃないかと吠えるので「弱いやつほどよく吠える」と言い切る。

 

「弱いやつはよく吠える……確かにそうだが強いやつは吠えて吠えて吠えまくる!」と言い返せば「それでさっき負けたんだろう」と言われたのでなにも言い返せない。負けたってのはこうも残酷なんだなと思っているとなんか物凄くキレてるリングマが現れたので殴り飛ばせばシンジが横からモンスターボールを投げてゲットした。

 

「まぁまぁだな……キープしておくか」とデータを確認して頷いたシンジ。

「どっちの意味でまぁまぁなんだ?リングマの進化系のガチグマは物理タイプの通常のガチグマと特殊アタッカーのアカツキガチグマがあるけども、どっちよりなんだ?」と聞けば「リングマが進化するのか?」と意外そうにするので「リングマを満月の晩に【ピートブロック】というアイテムを持たせてバトルをすれば通常個体、新月の晩にすればアカツキ個体になる」と教えるがここまでだ。コレ以降は、ガチグマをどういう感じに育てるかはシンジ次第で少なくともリングマよりも遥かに強いポケモンだ。

 

 とりあえず無事にセレナ達と再会できた。ナエトルに今回は素直に負けを認める事を言い、次に活かそうと言う。

「ヌルいな、だからお前はチャンピオンリーグで負けるんだ」と言い切るシンジ、そのチャンピオンリーグにすら出ることが出来ていないのは何処のどいつだと言い返せば「今回のシンオウリーグでお前を倒してチャンピオンリーグに進む……誰も指摘していないがお前には弱点がある。そこを見直さない限りはチャンピオンリーグで勝ち抜くことが出来ない」とシンジは色々と言うだけ言って他にポケモンは居ないのか探しに行った。

 

 オレに弱点があるってなんだ?

 確かに持っているポケモンはシゲルとかと比較すれば圧倒的なまでに少ないが…………謎だな。弱点があったとしてもそれ以上のメリットを用意する、欠点が無い奴よりも多少は尖ってて欠点がある方が使えるんだよ……と言いたいが負けは負けなので受け入れる。

 

 シンオウレポート6(謎のポケモンジム)

 

 謎のポケモンジムがあった。謎のポケモンジムというかロケット団が仕組んでいたポケモンジムだった。

【どく】タイプのポケモンジム、セレナとタケシがこんな所にポケモンジムがあるのはラッキーだなと言って挑戦する様に勧めれば案の定ロケット団がピカチュウを拉致ろうとするのでジュカインで撃退した。

 

 ミナエという美女がこのジムにポケモンを預けたらポケモンが強くなると言われてハッサムを預けてたらしい。

 育て屋が一応あってその存在について容認しているのとリザフィックバレーにリザードン預けてるからあんまり言いたくねえけども他所様に預けてポケモンを鍛えるのはな……ミナエという美女と一緒にロケット団の偽のポケモンジムに預けられたポケモン達を一緒に帰すんだ!とタケシが興奮しているとロケット団とつるんでいたグレッグルがタケシに【どくづき】をした。タケシは「痺れるぅ」と言って撃沈し、ポケットからモンスターボールが落ちたと思えばグレッグルは自らの意思でモンスターボールに触れてタケシのポケモンになった……タケシを【どくづき】で攻撃する事に快感を得たんだな。シティーハンターで言うところの100tハンマーの感覚が忘れられないんだな……ミナエという美女がポケモンを返すと言ってたけどもジュンサーさんに頼るのが早いぞとジュンサーさんに通報しといた。困った時はおまわりさんだぜ!



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ポケッチ ウォッチ 一大事

 

 シンオウレポート7(如何にして効率が良いのかだけ)

 

 ポケモン図鑑とにらめっこなセレナはシンオウのポケモンを学んでいる。1歩でもオレに追いつきたいと思っていて一生懸命なのはいいことだ。

「サトシは意外と知識が豊富なんだな」と意外そうにするタケシ、どうも昔ピカチュウで自身に挑んで来た事でタイプ相性を理解していないと思っているらしいが、タイプ相性はちゃんと熟知している。ポケモントレーナーに必要なポケモンに関する基礎的な知識は一応は身に付けている。

 

 ポケモンバトルは絶対的なまでに知識が物を言う。

 出てきたポケモンを見ればどういうことが出来るのか、型を2手3手、思い浮かぶ。如何にして相手を効率良く倒すことが出来るか出来ないかの世界で強さを極める=効率良く倒すことが出来ることだ。

 

 ということでナエトルには新しい技を覚えてもらう。

 ナエトルは重量級【くさ】アタッカーになってもらう。オレのナエトルはナエトルに似合わない素早さを持っているがハヤシガメになれば10倍ぐらいに重さが増加する。無論、それに関する対応策の1つは取っているもののそれはそうとして【くさ】タイプの技を覚えてもらう。

 

 今回覚えるのは【はっぱカッター】だ。

 タケシが「ナエトルは既に【はっぱカッター】を会得しているんじゃ」と言うが、オレの求めている【はっぱカッター】はそうじゃない。

 ものは試しにとナエトルに【はっぱカッター】を撃ってもらえば複数の葉っぱを飛ばす。この葉っぱを沢山ぶつける事で相手にダメージを与えるのだがコレじゃダメだ。ナエトルにとにかく1番威力が強い【はっぱカッター】を撃ってもらう。

 

 オレの狙っている【はっぱカッター】はコレじゃない。

 何度も何度も攻撃するんじゃなくて一撃に全てを込める。ポケスペのダイヤがドダイトスに覚えさせた【はっぱカッターダイヤスペシャル】を会得してもらう。葉っぱ1枚に【はっぱカッター】の力を全てを込める……【はっぱカッター】でしか出来ない技、【タネマシンガン】だと【タネばくだん】になってしまうから【はっぱカッターダイヤスペシャル】を覚えてもらう。

 

「【はっぱカッター】を1枚に収束するか、中々に面白い使い方をするな」と感心するタケシ。

 口で言うのは簡単だが、この技は割と難しい。【つららばり】みたいな連発する系の技を一撃に集束するのは難しい。ナエトル自身も【はっぱカッター】は複数の葉っぱを飛ばすもので1枚だけに集中すると言うのは中々に難しい。

 

 色々と試行錯誤を繰り返す。

 いきなりの葉っぱ1枚は難しい。先ずはと葉っぱの数を減らしていくことから始める……と言うか【はっぱカッター】で出せる葉っぱの数を制御する。今はナエトルだから15枚が限界だがドダイトスに進化すれば50枚ぐらいは余裕で飛ばせる。1〜15枚を自由自在に飛ばせる様にして最終的には【はっぱカッターダイヤスペシャル】的なのを会得する事が出来た。

 

【はっぱカッターダイヤスペシャル】……知識の上では分かっていたが、実際に目の当たりにすれば凄まじい。

 葉っぱの数を調整する事で威力が増した……様に見えるのだが実際のところ威力は一切変わっていない。威力55の【はっぱカッター】は複数放ちそれを全て合わせて威力55,だが【はっぱカッターダイヤスペシャル】は威力が55の葉っぱを1枚に凝縮して放つ……手数で攻めるか一撃を狙うのか、この技は中々に強力だな。

 

 シンオウレポート8(ポケットウォッチ一大事)

 

 コトブキシティに辿り着いた。この街ではポケッチと言う腕時計が売られており、シンオウの人達はそれを身につけるのがブームになっている。

 セレナもポケッチが欲しいと燃えている。中々の激レア物であり、入手困難だと思っているとピエロなお兄さんがポケッチを渡してきた。

 

 あまりにもあっさりとゲットすることが出来た。

 コレが憧れのポケッチかと喜んでいるとコリンクが吠えてくる。なんだと思えば「そのポケッチは見てくれだけの偽物だよ」と男の子が言ってくる。どういうことだと思えばポケッチを水に濡らせば故障した。「本物のポケッチはカビゴンに踏まれても壊れない耐久性だよ」と何処のGーSHOCKだと思ったのだが……コリンクを連れた男の子ことテルヒコはポケッチを作っている会社の息子らしい。

 

 どうもこの偽物のポケッチが配られてるせいで本物の最新機種が出せないらしい。

 最新機種が出せないって、GーSHOCKみたいにAからZまで全ての商標登録してないの?と思ったがしてないらしい。著作権は色々と厄介だよ。

 

「じゃあ、本物のポケッチは何処で買えるの?」と聞くセレナ。

 ついてきてと言ってくるテルヒコについていけばポケッチカンパニーに辿り着き、ポケッチカンパニーのテルヒコの父親こと社長に会ってポケッチの最新機種を見せてもらう。どの辺が前の機種と異なるのか聞けば今までのポケッチはポケッチに搭載されたアプリを進める事が出来たが戻る事が出来なかった。要するにダイパのポケッチからプラチナのポケッチにアップデートした……何故この時代の技術でプラチナのポケッチを先に出さなかった………謎だな。

 

「ポケッチには腕時計以外にどんな機能があるのですか?」とタケシはポケッチの機能を聞いた。

 電卓、メモ用紙、歩数カウンター、現在の手持ちリスト、ダウジングマシン、カウンター、アナログ時計、コイントス、技相性チェッカー、ストップウォッチと色々とあり今作っているのはなつき度チェックらしい。

 冷静に考えれば人間との間の信頼度を具体的な数値化をするのは凄まじい機能だ、試作段階だからデータが欲しいと言ってくるのでピカチュウとのなつき度チェックし、なつき度は最高値。セレナはテールナーでチェックすればなつき度は最高値、タケシはグレッグルでなつき度をチェックしたら最高値で驚いた。ゲットして間もないのに、予想以上に懐いている。なんだかんだでタケシの人柄もあるのだろうがグレッグルが心を開いている。タケシに対して【どくづき】でツッコミを入れることに快感を得ているんだな。

 

 しかしまぁ、1つの腕時計に色々な機能が搭載されているのは便利だ。

 オレもなんだか欲しくなってきたんだが、なつき度チェッカーが完成しないと最新機種が販売することが出来ない、そしてポケッチの偽物が配布されていることで現行機種が売れなくなっている。なんか大丈夫なのかと思いつつもなつき度チェッカーが完成すればきっと大丈夫だと言い切り、ポケモンセンターに向かって一夜を過ごすのだが物音に反応するピカチュウがオレ達を起こしてくる。

 

 なんだと思っていると同じくポケモンセンターに宿泊しているトレーナーのポケモン達が何処かに行こうとしている。

 なんなんだよと向かえばロケット団、ムサシ、コジロウ、ニャースでポケモンに催眠音声を聞かせて誘導していたので撃退したがやな感じ〜で逃げられた……分かっていた、分かっていた事だ。大体のオチがロケット団と言う事になるのは薄々察していた事だよ。

 

 ともあれ偽のポケッチはポケモンを誘惑する催眠音声が流れる物だと判明、直ぐに回収及び販売停止になった。

 ロケット団はロクな事をしねえなと思いつつもテルヒコの親父さんにお礼を言われて最新機種のポケッチをプレゼントしたいと言ってくるのでどうせならば黒色にしてくれと頼めば特注になるから時間が掛かると言われるがどうせクロガネシティ行って戻って来る際にコトブキシティを通るから大丈夫だと伝える。黒色の最新機種のポケッチ、ゲットだぜ。

 

 シンオウレポート9(燃え尽き症候群)

 

 テルヒコがポケッチのイメージアップをしたいからセレナをモデルにしたいと言ってきた。

 突然の事にセレナは驚くのだが、スタイル抜群で容姿端麗なセレナならば絵になるだろう。他にもモデルは居るのかどうか聞けば過去にマリナがモデルになったらしい。ポケモントレーナーとポケモンコーディネーターの両立してるから彼奴はなんだかんだでスゴい。

 

 じゃあまぁ、セレナにポケッチのPVやってもらうかと撮影を開始。

 あっという間に撮影は進んでいく。セレナは最初は恥ずかしくしていたが伊達にグランドフェスティバルに出場していない。直ぐに緊張の糸が解れて自然な笑顔を出すことが出来るようになり撮影は無事に終わる。

 

 セレナが欲しいピンク色のポケッチが完成したので受け取る。

 色々な機能が搭載されていると自慢気にテルヒコは教えてくれていると……ポケモンコンテストが開催されると言うポスターを見かける。

 シンオウでもポケモンコンテストが開幕される、コレは盛り上がるなと思っていたのだが…………セレナがポケモンコンテストの参加登録をしなかった。ポケモンコンテストに対して物凄く熱意を抱いていた筈なのに、どうしてポケモンコンテストの参加を諦めるんだと聞いたが「諦めるんじゃないの。サトシを本気で応援したいの……サトシ、シンオウに来てから何時も以上に強張ってるし……確かにシンジとハレタは強敵だから無理は無いわよね」と言ってくる。確かに普段以上に強張ってるかと聞かれればその通りだが、それを理由にセレナがポケモンコンテストに参加しないのはおかしい。

 

 コレはまさかと思いつつもポケギアでケンタとユウキと連絡を取る。

 ハルカとマリナも似たような状態になりかかっている……状態的に言えば燃え尽き症候群か……ハルカと引き分けだったが、トップコーディネーターになった。引き分けだったから、トップコーディネーターに、今度こそ1番になるんだと情熱の炎を燃やすのかと思ったが逆、燃え尽き症候群化してしまった……チャンピオンリーグみたいにトップコーディネーター同士が激突する大会があればいいんだが、ポケモンコンテストにはそれがない。セレナのやる気の炎を滾らせる方法は無いのかと考えたが、他人のやる気の炎を滾らせるよりも自分がどうにかしないといけない。特に今回はシンジとハレタがいる……ホントに厄介だ。

 

 ともあれセレナの撮影会は終わった。

 ポケモンと一緒に撮影しなくてもいい感じだった。ついでだからと何枚か写真を焼き回してもらおうかと思ったがセレナにバレて燃やされた。「本物の私が居るのになんで写真で妥協するの!!」と怒られた。

 

 え〜思い出の1枚とかダメなの?と聞き返せば「心に焼き付く思い出は今までも今からも築き上げる事が出来るじゃない!」と言ってくる。

 思い出の1枚よりも心に焼き付く思い出の方がセレナ的には嬉しいらしい。乙女心と言うのはイマイチ分からないものだな。

 

 しかしまぁ、セレナが燃え尽き症候群化してるの完全に予想外だ。

 いや、本人がやりたいと思ったことをやらせるのが1番だよ。オレもその辺に関してはなにも言わない、ポケモンコンテストに心を動かされて今は燃え尽きた。新しい火種や焚き木を用意しないといけない……それまでの間はオレを死ぬ気で支えると言ってくるが既に充分に支えられてるんだがな。

 

 タケシがブラックコーヒーを飲んでいるが気にしない。

 

 シンオウレポート10(ジム戦と言えば)

 

 クロガネシティを目指しつつも、クロガネジムの情報を集める。万が一ってホントに恐ろしいからな。

 クロガネジムは【いわ】タイプのエキスパートと分かれば視線はタケシに向いた。「成る程な……この近隣で手に入れる事が出来る【いわ】タイプのポケモンと言えばイワークとイシツブテだ」とデータと照らし合わせる。

 

 イシツブテとイワークに関しては色々とタケシの方が熟知している。

 とりあえずまぁピカチュウとナエトルは確定として、3体目のポケモンをなににするか。少なくともムックルは無しだ……流石に【はがねのつばさ】の一芸だけでどうにかする事が出来るほどにオレは甘い見積もりは取ってない。

 

 色々と考えた結果、3体目はキングドラにした。

 万が一を想定しておく。ピカチュウが居る時点でそれが起きる可能性は限りなく低いが、相手はジムリーダーなんだ。油断することは出来ない。【くさ】【みず】タイプの対策は充分に出来ている筈だろう。向こうが用いる対応手段、タケシの意見を聞いてみれば回転系の攻撃技【ころがる】や【ジャイロボール】なんかの技で【みず】系の特殊技は大抵は捌ききれるらしい。

 

 予想通りと言うか回転系の攻撃技で水の威力を減らす。

「【いわ】タイプのポケモンはなんと言ってもその硬さだ。物理攻撃に対しては滅法強い。その反面、特殊攻撃に弱いが大抵は何かしらの対策、例えば触れないで相手を倒す物理技を用いてくるとか……どうする?」と聞いてくるタケシ。

 まぁ、大まかな予想は出来る。大体は予想通りだ……今まで何度も何度も【いわ】タイプのジムに挑んでいるからか攻略方法は大体見えている。キングドラには【うずしお】を覚えてもらう。【ころがる】や【ジャイロボール】なんかの回転系の攻撃をどうにか対応するには同じく回転する【うずしお】か全てを飲み込む【なみのり】が1番だろうな。

 

 しかしまぁキングドラに依存するわけにはいかない。

 ナエトルを主軸にバトル構成をする。イワークとイシツブテはどうにでもなる。めんどくさいのはズガイトスだ。

 ズガイトスだけどうにかしないといけない、彼奴は序盤に出てきて良いポケモンじゃねえよ……現に原作だとサトシが1回負けてるしな。

 

 シンオウレポート11(たまにはこんな日もある)

 

 クロガネシティに辿り着いた。

 ポケモンセンターに向かえばハレタとシンジと鉢合わせる。3人共狙いはクロガネジムでハレタとシンジはジムに挑戦を申し込んでるらしい。

 順番的に言えばハレタ、シンジ、オレになる。早速ジム戦だと燃えていたが出鼻を挫かれてしまった感じがする……コンテストとかしてないとはいえシンジとハレタは物凄く早いな。

 

「お前等のジム戦を見て行っていいか?」と聞けばシンジは「勝手にしろ」とツンとしたもの言いでハレタは「いいよ〜」と呑気に言っている。

 順番的に言えばオレが最後だ、最後であるという事は情報収集が1番出来るのだが逆を言えば1番攻略法を知られてる状態になっている。攻略法を知られている状態ならばその手はもう見たんだと言われる。2人共既に準備は出来ている、じゃあジム戦を行うのだと思っていると本日はジム戦が出来ない、ジムリーダーのヒョウタさんが炭鉱で化石を発掘している。

 

 ……書いててなんだけどさ、化石を発掘ってサラリととんでもない事を言っているな。

 化石を発掘……ジムリーダーの中には副業やってる奴等多いけども、アレって大丈夫なのか?ジムリーダー業に支障をきたさないならば副業OKなのか?そうなればハナダジムは……いや、深く考えるのは止めよう。

 

 化石の発掘は非常に面白い。

 タケシもオレもセレナもハレタもクロガネ炭鉱に向かってフリーの何処でも掘れる炭鉱に向かった。意外な事にシンジもついてきた。

 シンジがこういうのに来るのは意外だなと思えば「化石ポケモンは稀少だからな、復元装置とセットでついてくるクロガネシティならば確実に化石ポケモンをゲットすることが出来る」とやる気を見せるが全てがポケモンバトルに繋がっている。ストイックだな。

 

 狙いは化石ポケモン一択、ハレタとか明日にポケモンバトルが控えているのに割と冷静だ。

 オレ達は楽しくポケモンを掘るかと頑張っているとタケシが【ずがいのカセキ】を掘り当てた。中々に化石が残っているのか、復元出来る……化石の復元は明らかなオーバーテクノロジー、まぁ、神様と言うなのポケモン存在する世界だからツッコミはいけない。

 

 中々に掘れないので波動を用いて探知してみる。ズルだと言われようが珍しいポケモンの1つでもと化石を探すのだが、意外と無い。

 炭鉱なだけあってか既に色々と掘り尽くされた感じがあるなと思っているとシンジがツルハシで岩を真っ二つにすれば笑みを浮かび上げた。なんだと思っていると【ひみつのコハク】を掘り当てた…………プテラは化石ポケモンの中でも比較的当たりのポケモンだ【もろはのずつき】と【ブレイブバード】が覚えてないのはアレだが……仮に覚えていたら化け物になるだろうな。

 

「こんなものか」と【ひみつのコハク】をゲットして満足げなシンジは去っていく。

 ハレタは化石を掘り当てることが出来なかったのだが【ひかりのいし】を掘り当てた。コレが欲しかったんだと嬉しそうにしている。

 

 オレは……………坊主だった…………………たまにはこんなこともあるか。

 

 タケシは嬉しそうに【ずがいのカセキ】をクロガネ博物館に持っていって復元装置にかける。

 しかしまぁ、シンジとか他にも復元しようとしてる人が多く色々と立て込んでるので復元に数日掛かる。明日はハレタ、明後日はシンジのジム戦でクロガネシティに滞在する時間が長いので割と時間は潰せるんだが…………【こうらのカセキ】マサラタウンに置いてきたんだよなぁ……セレナも【はねのカセキ】をマサラタウンに置いてきている……シンオウリーグを終えたら1回クロガネシティに立ち寄ってプロトーガ復元しよう。



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クロガネジム 三連戦

 

 シンオウレポート12(クロガネジム vsハレタ)

 

 クロガネ炭鉱での仕事を終えたのでヒョウタさんがジム戦がOKになった。

 じゃあ先ずはハレタから、使用ポケモンは3体のシングルバトルで交代はチャレンジャーのみ可能、事前に収集していた情報、原作知識通りだ。

 

 ヒョウタさんが1番手に出したのはイワークだ。

 イワークならば俺が1番詳しい、元々専門分野だからとタケシは自慢げになり一応はシンジも耳を傾ける。出来る限りの情報収集をしてやろうと言う腹だろう。強くなる事に関しては貪欲でいいことだ。

 

 ヒョウタさんのイワークに対してハレタはスボミーを出した。

 スボミーか、中々に無難なポケモンだ。タイプ相性の上では良い……が、まだスボミーだ。パワーが足りないという点があるが、そここそがトレーナーの腕の見せ所だ。試合開始の合図が告げられればイワークは【ステルスロック】をバラまいた。

 

 それを見てタケシとシンジとセレナは僅かだが顔の筋肉が動く。

【ステルスロック】は非常にメジャーな技…………現実世界じゃだ。この世界じゃあんまり補助技使わない傾向にあるからな。使ってる奴は頭良いまでの風潮があるぐらいだ。実際問題ステロは使いづらい。ステロ撃つぐらいならば殴った方がいいんじゃないのかという議論はある。

 

「スボミー【ギガドレイン】」ととりあえず定番の技で攻める。

 物理攻撃でなく特殊攻撃、体力吸収系の技ではかなり強い【ギガドレイン】イワークは大幅に体力を奪われるが、倒れない。【がんじょう】かと思っていれば【すなあらし】を発動させる……あ〜コレはと思っていると2度目の【ギガドレイン】でヒョウタさんのイワークを倒した……が、が……盤面を作り上げたな。

 

「先ずはハレタがリードしてるわね」とハレタの勝ちを喜ぶセレナだが「目先の欲に囚われるな……コレで向こうが有利だ」と言っておく。

【ステルスロック】と【すなあらし】で盤面を作り上げた。コレはまずいなと思いつつも2番手に出てきたのはズガイトス、未知のポケモンなのでセレナはポケモン図鑑を取り出して確認を行う。ズガイドスは強いポケモンだが、まだズガイドスだからあの技を覚えてないが油断は出来ない。

 

 スボミーに【ギガドレイン】で攻めさせる。それが定石だがあまりいい技じゃない、イワークよりもダメージは少ない。

 ズガイドスは【いわ】【じめん】タイプじゃなくて純粋な【いわ】タイプ、技の通り具合は2倍でこうかはばつぐんだが【すなあらし】だ。【すなあらし】のせいでダメージが減っている。当然の如くそれを狙っているのだとズガイドスに【しねんのずつき】で攻撃させ、スボミーを一撃で倒した。分かっていた事だがズガイドスの物理攻撃力はトップレベルの種族値だ。

 

「【ギガドレイン】で体力が万全なスボミーを一撃で倒すだなんて」と驚くタケシ。「ヌルいな、【しねんのずつき】は【かくとう】タイプのポケモンを対策してて覚えさせてる技だ。スボミーは【どく】タイプのポケモンでもある。相性の上で有利な技を使った」と横から言ってくる。

 確かにあの【しねんのずつき】は【かくとう】タイプのポケモンを想定して覚えさせている技だろう。伊達にジムリーダーのポケモンをやってないなと思いつつも2体目に出てきたのはコリンクだった。

 

 彼奴はエンペルトとムクホークを持っているが、出さないのか?

 いや、逆か。既に十二分な強さを持っているポケモンも大事だが他のポケモンの育成にもしっかりしないといけない。

「ここが分け目か」と呟く。事前に得ていた情報や原作知識通りならば最後はイシツブテ……とりあえずはと【ステルスロック】がコリンクにぶつかりダメージを受けるが大したダメージじゃない。

 

 ズガイドスのパワーは圧倒的、ならばどうするか?コリンクは【でんじは】をズガイドスに浴びせる。

 狙いはそれしかないか。【まひ】状態になったズガイドスは痺れて動けないのでコリンクは【でんげきは】を浴びせる。ダメージを受けている。【いわ】タイプ独特の物理攻撃は強いが特殊攻撃には弱いのが出ている……が、決定打に欠けている。元々コリンクは物理のポケモンだし【すなあらし】で特殊耐久が増しているからな。

 

 コレはと思っているとハレタはここでコリンクをボールに戻した。

 コリンクをボールに戻すと言う事は【ステルスロック】を受けるつもりでいくらしい。となると勝負を決めに来たんだなとエンペルトが出て【ステルスロック】のダメージを受けるがハレタはそれを覚悟の上で出している。あのエンペルトには要注意だが……今コレを書いているから言えるが少しだけ選択肢をミスしたんじゃないかと思う。エンペルトは【あくび】を覚えている、だから【でんじは】じゃなくて【あくび】で眠らせる事が出来る筈だが……いや、逆か?【あくび】を受けても即座に【ねむり】状態になるわけじゃない、ズガイドスのパワーは攻撃力が高いとか言うレベルじゃない、もしかしたらエンペルトを倒される可能性もあると石橋を叩いて渡る気持ちで行くのか?意外と安牌を狙うんだな。

 

 エンペルトはシンオウでは凄くメジャーなポケモン、ズガイドスが苦手な【はがね】と【みず】タイプを持っている。

 有効打は【じめん】タイプの技、【じめん】タイプの技の1つぐらいは持ち合わせているだろうが【でんじは】で動きが遅い、ほぼ確定で先手を取られる事になるだろう。【ハイドロポンプ】を撃ってくるエンペルト、ズガイドスは回避しようとするが回避することは出来ずに【ハイドロポンプ】が命中して一撃で戦闘不能になった。

 

 パワーは強いが耐久力に難がある。

 ヒョウタさんの3体目はイシツブテで【ころがる】で突撃してくるので【あくび】を使う。【ころがる】はいきなり止めることは出来ない【ころがる】中のイシツブテに【あくび】の泡が命中して徐々に徐々に【ころがる】の回転速度が弱まっていき、最終的にピタリと止まって熟睡し【ハイドロポンプ】をぶつけたが一撃で倒れない。【がんじょう】個体かと思いつつも【ハイドロポンプ】をもう一度浴びせれば戦闘不能になった。

 

 無駄が無い、いい感じの試合だった。

【でんじは】が上手い具合に仕事をしてくれている。やはり状態異常は強いし△△の理詰めは普通に上手い……心理戦よりも理詰めをやらせるのはな……ともあれハレタは1つ目のジムバッジ、コールバッジを手にした。

 

「う〜ん……パワー不足だなぁ……」とバッジをゲットしたが、ダメだった部分を言う。

 エンペルトのパワーのゴリ押し感があると言われればある……他のポケモンの育成がどう化けるか…………この時点で完成でなくこの時点で発展途上、まだまだ伸びるのは凄まじい。

 

 シンオウレポート13(クロガネジム vsシンジ)

 

 2日目、今度はシンジの番だ。

 既にコールバッジをゲットしたハレタはもうめんどくさいことを考えなくて済むのでニビシティ名物のニビあられを呑気に食べていた。やっぱり勝利しているのはデカい……まぁ、コレぐらいは出来てないとな。

 

 既に手札は見えたのでシンジには大きなアドバンテージがある。

 ヒョウタさんとのジム戦が行われ、1体目にイシツブテを出してきたのでマリルリを出した。「やはりセオリー通りで来るか」と言うタケシだが「セオリー通りも大事だけど型が出来てなきゃゴミだよ」とハレタは言い切る。

 

「型?」となにを言っているのかよくわかっていないタケシとセレナ。

 試合開始の合図が告げられればイシツブテは【ステルスロック】を使いマリルリは【ハイドロポンプ】を撃つのだがそれは想定内だと【ステルスロック】の岩の破片を【ハイドロポンプ】にぶつけてバラまく。

 

 伊達にジムリーダーのポケモンじゃない、対応策の1つや2つ持っているだろう。

 じゃあ、次はどう出てくるのか?マリルリに【ハイドロポンプ】をもう一度撃たせるがそれは予測済みだと【ころがる】を使って水を弾く。「なんだと!?」と驚くシンジ、予想する事は出来なかったのかと【ハイドロポンプ】を弾き【ころがる】でマリルリを吹っ飛ばす。

 

「あ〜あ〜……安易にドロポンに走るから」とハレタは呆れている。まぁ、マリルリで挑むと言う事はアレしか存在しないだろうな。

【ころがる】で回転速度が増していき徐々に徐々に威力が上がっていっている。最初の【ころがる】で【ハイドロポンプ】は弾かれた以上は威力が増している【ころがる】に【ハイドロポンプ】は通じない。じゃあ、どう出てくるか?【ほろびのうた】を歌わせた。

 

「こんな序盤に【ほろびのうた】だと!?」とまだまだ色々と出来る筈なのに【ほろびのうた】使ってきたことをタケシは驚く。

 マリルリの【ハイドロポンプ】が通じないと分かったから捨てに入ったな。マリルリをボールに戻すかと思ったが戻すことはせず、そのままイシツブテとマリルリは両者ともに戦闘不能。次に出てきたのはヒコザルとイワークだ。

 

 タイプ相性の上で圧倒的にヒコザルが不利だが、策の1つや2つ持ち合わせているだろう

 イワークは【すなあらし】を巻き起こした。コレで特殊耐久がと思っているとヒコザルに【ちょうはつ】を使わせて攻撃技しか使えない様にするが気にしないと【すなじごく】を使った……【ステルスロック】【すなじごく】【すなあらし】【まもる】があれば恐ろしいぐらいに硬いイワークの出来上がりだ。メタグロスを倒す可能性を孕んでるから恐ろしい。

 

 ヒコザルに【くさむすび】を使わせようとするが砂の嵐で【くさむすび】の標準が決められない。

 シンジは聞こえるレベルの舌打ちをしたらヒョウタさんは【ストーンエッジ】で攻める。ヒコザルに当たるが……まぁ、所詮は攻撃力ポッポだ、あんまりダメージにならない。次はどう出てくるかと思えば【ドリルライナー】で攻めてきた。中々に手厳しいがそれを待っていたとシンジはヒコザルに【かえんほうしゃ】を用いて空中に飛ばす。当然の如くイワークは【ドリルライナー】でヒコザルを追いかけるがそれだと【くさむすび】でイワークの動きを封じてダメージを与えるが……倒すのには至らない。

 

【くさむすび】そのものは悪くないし確かなダメージはある。

 千載一遇の好機があるにはあったがコレで下手に【ドリルライナー】で攻めてくる事は出来ない、どう来るかと思えばシンジはヒコザルを戻してエレキッドに変えた。「【じめん】タイプがあるのに!?」と驚いているセレナだが勝つことが出来ると思っているから選んだんだろう。

 

【いやなおと】を使うエレキッド。「え〜そうするの?」と真正面からイワークを殴り倒すつもりなのに気付いてハレタは呆れる。

 イワークを倒すことが出来るだろうが、そこまでしなくてもイワークは倒せるんだ。ヒコザルで【くさむすび】で粘るか【けたぐり】とかで粘ればどうにでもなったんだがな。とにかく【いやなおと】を3回撃った後に【かわらわり】を叩き込むがこれでもまだ落ちない、中々に頑強だがまだいけるともう片方の手で【れいとうパンチ】を叩き込んで戦闘不能にした。

 

 エレキッドとヒコザル、両方とも【ステルスロック】でダメージを受けているがまぁ、問題は無い。

 最後だとズガイドスが出てきたらシンジは迷いなくエレキッドとヒコザルを入れ替えて【ステルスロック】のダメージを与える。【ステルスロック】は攻撃力に全く関係無い技、ダメージ判定は異なるもので相性の悪いヒコザルだとかなりのダメージになる……が、それこそがシンジの狙いだろう。シンジのヒコザルの尻の炎が強く灯る。

 

「そうか【もうか】を狙っていたのか」とシンジの狙いに気付くが「いや〜【いわ】に【ほのお】ってね…………」とハレタは無いと言う。

 シンジは確かに【もうか】狙いでヒコザルを出したのだが聞こえるレベルの舌打ちをする。狙い通りの火力を出すことが出来ていないのが腹立たしいんだろう。だが、それが現実だと素直に受け入れて【かえんほうしゃ】を使ったと思えばヒョウタさんは【ロックカット】を使う。

 

「勝負を決めに来たな」とオレは言えばタケシもハレタも納得する。

【ロックカット】で素早さの上を取った。【もうか】狙いはいいが【すなあらし】のフィールドを忘れている【すなあらし】の盤面だから特防が上がっていてヒコザルの【かえんほうしゃ】を余裕で耐えて【しねんのずつき】を使った……ダメージ計算してるな、シンジがエレキッドを残しているのとヒコザルが【もうか】の発動範囲なのを考慮しての【しねんのずつき】だな。

 

 ヒコザルは戦闘不能になり「使えないな」と言い切る。狙い通りに行けば確実に倒せると確信していたんだろう。

 最後だとふたたびエレキッドが出てきたので【ステルスロック】の効果が発動、コレでエレキッドの4分の1の体力が減って更にズガイドスは【すなあらし】を巻き起こした。コレで特殊耐久を誤魔化すつもりだろう。

 

 しかしまぁ昨日の戦法と今日の戦いで【すなあらし】と【ステルスロック】は3体全員が覚えているのが予想出来る。

【10まんボルト】を放つが【すなあらし】が阻む、近距離攻撃しか使えないと分かりズガイドスは【いわ】単タイプ、つまり【れいとうパンチ】の効果は普通であり【かわらわり】一択だと【かわらわり】で攻めるがそれこそがヒョウタさんの狙い、真っ向から叩きのめすと【もろはのずつき】を使って突撃していけばぶつかり合う【かわらわり】と【もろはのずつき】……ここでヒョウタさんのズガイドスが眩い光に包まれて……ラムパルドに進化した。ラムパルドに進化したから更にパワーが……ラムパルドのパワーって攻撃の種族値高いポケモンのスカーフ持ちレベルじゃなかったけ?ともかく、この一撃で沈める予定だったので【もろはのずつき】は成功し……エレキッドを倒した。

 

 え?勝っちゃうの?

 シンジが色々と酷いけどもなんだかんだで勝利すると言う結果を見せつけて勝利すると言うライバルが胸熱な展開になるんじゃねえの?

 シンジは物凄く悔しそうな顔をして「ありがとうございました」と一礼をし、去っていく。シンジの事だから他のジムに挑んでバッジの数を稼ぐとか言うコスい手は使わない、この悔しさを憎悪を力に変えるだろう。

 

 そんでもってポケモンセンターに向かえばシンジが子供にマリルリを渡していた。

「彼奴は俺の望むレベルに至れない」と言う。「君のレベルが低いから、マリルリが可哀想だよね」とハレタは煽る。途中でマリルリじゃ勝てないからと【ほろびのうた】にシフトチェンジした事を指摘するかと思ったが「安易に【ハイドロポンプ】に頼ってる時点で2流だよ……【はらだいこ】+【アクアジェット】って【そうしょく】マリルリ?なんで【ちからもち】マリルリじゃないの?」とシンジのマリルリが【そうしょく】マリルリだった事に本気で呆れている。まぁ、ガチで行く以上は【ちからもち】マリルリだよな。

 

「【そうしょく】は【くさ】タイプの技が効かなく」と言うが「【ちからもち】は攻撃力が2倍で【はらだいこ】で最大値にまで攻撃力を上昇、そこからの【アクアジェット】だったら【かげぶんしん】や【すなかけ】とかを使ってきてない限りは【アクアジェット】で倒せる……例え物理耐久が売りの【いわ】タイプでも確実に倒せる。物理攻撃だから【すなあらし】の恩恵も受けないしね」とハレタは正論を言う。

 

 確か、グラードンぐらいに火力持ってるんだっけ?

 バトルだけでガチで行くと言うんだったら確実に【ちからもち】マリルリだよな……ともあれシンジは物凄く悔しそうにしている、知識の面でも知恵の面でもハレタの方が上だと思い知らされた……………そして、修行してくるとクロガネ炭鉱に向かった。

 

「この世代は特に大変だからな……焦ってポケモンに八つ当たりしなければいいが」とタケシはなんか意味深に言うがポケモンに対して非情であって外道じゃない、シンジのやり方になんだかんだでついてくることが出来るポケモンも居る。そのポケモン達が見限ると言う事はそう安々としないだろう。

 

 シンオウレポート14(クロガネジム vsヒョウタ)

 

 さぁ、オレの番だ。オレの番がやってきたが、若干だが戦術などを組み替えないといけない。ズガイドスでなくラムパルドになった。

 ラムパルドの攻撃種族値は伝説禁止準伝説を除けば最強だが穴はある……ハレタは攻撃力だけが高いと言う点を見抜いており、動きを封じる【でんじは】を使った。一撃でも物理攻撃を受ければ戦闘不能になるのを覚悟しなくちゃいけない……………………一番最初のジムにラムパルドって呪われてるんだろうか?

 

 シンジの奴がこの場に居ないのは少しだけ予想外だが、ハレタは最後まで見ていくつもりだ。

 △△を前にして情けない姿を見せるわけにはいかない。こりゃ頑張らねえとなと思いつつも試合開始で……開幕からラムパルドが出てきた。

 シンジの時はイシツブテ、ハレタの時はイワーク、オレの時はラムパルド、中々に予想出来ないがコレはある意味、チャンスだ。ラムパルドさえ倒しさえすればクロガネジムは攻略する事が出来る。

 

 ラムパルドにはお前だとピカチュウを出す。

「え?他にも色々と居るのにピカチュウにするの?」と聞いてくるが今回はピカチュウにすると決めている……試合開始の合図と共に【すなあらし】を巻き起こすラムパルド、ホントに対策は万全だなと【10まんボルト】を砂の竜巻で防いでフィールドを【すなあらし】で埋め尽くすが何度も何度も見てれば嫌でも対応策は思い浮かぶと【なみのり】でフィールドの端に津波を巻き起こして【すなあらし】状態を消す。

 

 フィールド変化技を無理矢理消すなんてありえないと驚くが、ありえないということこそありえないんだ。

 直ぐにピカチュウに【でんじは】を使わせて【まひ】状態にして【なみのり】を撃ち込めばラムパルドは追い詰められ【もろはのずつき】で賭けて来るので【アイアンテール】で迎え撃ち…………引き分けに終わった。【もろはのずつき】を【アイアンテール】で対抗した結果が引き分け、両者戦闘不能ってどんだけパワーがあるんだ…………極端な性能をしてるのは知ってるけども、ここまでか。

 

 ラムパルドを戦闘不能に追い詰めれば2番手にイワークが出てくる。

 コレはとピカチュウとナエトルを入れ替えれば【ステルスロック】を巻いてくる……危ない危ない。イワークは【ドリルライナー】で突撃してくるので【からにこもる】で攻撃を受ける……ダメージ的には問題は無い……攻撃種族値ポッポだなマジで。

 

【はっぱカッター】を撃ち込もうとすれば【あなをほる】で回避する。

 素早さはイワークの方が上、ならばともう一度【からにこもる】で防御力を高めればイワークは地面から出てきてナエトルを飛ばすが事前に【からにこもる】を使っているので大したダメージにならない。

 

 事前に練習したあの技を使う時が来たぞ!ナエトルに【はっぱカッター】を指示すれば1枚に全ての力を集束したマッハワン【はっぱカッター】を使ってイワークが動くよりも先に倒す。この技は思ったよりも使い勝手が良い技だな。

 イワークが戦闘不能になって3番手にイシツブテが出てきた。【ステルスロック】があるのでポケモンの交代はするべきかと悩んだが、どうせならばいけるところまで行くかとナエトルで続行、マッハワンの【はっぱカッター】を撃てばイシツブテはダメージを受けるが【がんじょう】個体なので耐えきり【ころがる】を開始しそこからは止めるに止めれず【からにこもる】で耐えてみせようとするが無理だった。

 

 ナエトルが戦闘不能になって、最後だとキングドラを出す。

 キングドラに【ステルスロック】の岩が当たり体力が削られるが気にせずに試合続行、【ハイドロポンプ】を使うのだが【ころがる】で弾かれる……が、コレは想定内【ころがる】はオレの予想の範囲内……この為にと対策していた【うずしお】を使い渦に飲み込み回転を無理矢理止めてダメージを与えて戦闘不能にする。

 

「最初のラムパルドが圧倒的に鬼門……最後がラムパルドだったシンジは不運というか幸運というか……」とオレが勝った事を祝福しつつシンジを憐れむハレタ。彼奴の事だから確実にパワーアップして帰って来る。具体的にはどんなパワーアップなのかは分からないが、少なくとも強いトレーナーなんだよ。

 

 オレとハレタは無事にコールバッジをゲットした。

 次に向かうジムはハクタイジムだがその前にポケッチを受け取りにコトブキシティに戻らないといけない。ハレタもハクタイジムに挑むのかと聞けばキッサキジムに行くと言う。何故にキッサキジム?と聞けば寒いの苦手だからさっさと処理しておきたいとのこと………………キッサキジムを挑まなければいい話だけなのでは?アニメオリジナルのジムに挑めばそれで済むのだが……相変わらず妙なところで抜けている。



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それはそれで被ってるし喧嘩を売ってる

 

 シンオウレポート15(悪は滅ぶべし)

 

 シンジは今頃はクロガネ炭鉱で猛特訓をしているだろうな。

 ナエトルのマッハワン【はっぱカッター】を見ていかなかったのは意外と痛いぞ…………クロガネジムの鬼門はラムパルドだがなんとかするだろう。

 

 オレ達はコトブキシティを目指しているとサーナイトが草むらから出てくる。

 人間に怯えているサーナイト、なにがあったんだと気になったのでセレナにラティオスを出してもらってテレパシーでサーナイトに起きた出来事を読み取ってもらえば…………密猟者に狙われていた。

 

 コイツは確かと原作知識を引っ張り出せば、ポケモンハンターJだった。

 中々に手厳しい連中が相手だと思っているとポケモンを銅像にする光線が飛んできたので華麗に回避「こんなところでラティオスを見かけるとは」とポケモンハンターJが現れた。この野郎、セレナのラティオスを狙う気満々だな。

 

 そっちがその気ならば、いや、オレと敵対した事を後悔させてやらなければならない。

 純粋なポケモンバトルじゃない、生きるか死ぬかの生存競争……と思っていたが「お、お前はマサラタウンの!」と驚くJ。そう言えば、オレは悪の組織のブラックリストに登録されていたな。向こうは慎重だったのでボーマンダに乗って即座に逃げようとするが、オレが敵だと認識し攻撃に移る段階に至ったんだ……あまりにも遅い。

 

 ユウキの奴のボーマンダと比較しても弱いボーマンダだ。

 即座に足を奪うとボーマンダに踵落としをくらわせれば走って逃げようとするがそうはさせない、銅像に変える光線を撃ってくるが素早く回避してマッハパルバライザーでJの首元を破壊してそのまま蹴り上げて一気に急降下していくJに向かってロビン・スペシャルを仕掛けた。

 

 確実に致命傷を与えた後にJのインカムでラティオスを捕獲したと言えば飛行機が現れるので一気に制圧。

 ついでだからと足の骨を砕いておいた。ただでさえギンガ団なんて厄介な存在がいるのに、ポケモンハンターなんて相手にしてられるか。タケシがジュンサーさんに通報し「有名なポケモン密猟者を一網打尽だなんて……流石ね!」と言われており、どうもオレのブラックリストは警察の方にも行ってるらしい。タケシが「このタケシにかかればポケモンハンターの1人お茶の子さいさい!ジュンサーさんと一緒にお茶をいっぱぁ!?」とグレッグルに【どくづき】くらっててグレッグルは割と満足気だった。

 

 シンオウレポート16(それはそれで被っているし喧嘩を売っている)

 

 コトブキシティに辿り着いた、数日ぶりのコトブキシティで偽のポケッチはちゃんと回収する事が出来ているらしい。

 テルヒコと再会すれば特注品の黒色のポケッチを貰う。一通りの機能は搭載しているから、余程のアプデが来ない限りは現行機種に負けない最新機種らしい。やっぱりこのポケッチは悪くないなと黒色のポケッチを装備してみる。うん、悪くない。

 

 ポケッチの回収を終えたので次のジムは何処にするのか聞かれるのでハクタイジムに挑むと言う。

 少しだけ北の方に行かなきゃいけないがまぁ、旅は道連れ世は情け……なんだけども、なんかテルヒコがジッとオレを見てくる。なんだ?と聞いてみればポケット騒動中に現行機種でいいからポケッチくださいと言ってきたトレーナー…………ハレタと似ているという。

 似ているってなにが似ているのか聞けば服装が似ている…………うん、うん、分かってたよ、ハレタと帽子以外は全て丸被りなのは。ママさんが用意してくれたダイパの衣装がハレタと丸被りなのは。

 

 コレは色々と由々しき事態なのでは?とタケシとセレナは真剣に考える。

 カントーとジョウトを旅していた頃の初期の衣装がなんだかんだで気に入っているんだが、アレは色々と回ったからボロボロなんだよな。

 ポケモンコンテストと違ってポケモンバトルは衣装とか気にしない、ゲームのタケシなんて上半身裸なんだ。しかしまぁ、丸被りなのは頂けないとママさんには申し訳ないけど……………最終的にはマジコスレッド(メガリザードンX)の衣装になった。

 

 何故にコレがあるんだと言いたいが、あるのだから仕方がない。

 ただなぁ……コレ、メガリザードンXを意識して作られたコスチュームでオレはメガリザードンY使いなんだよ。なんかまだ会っていない恐らくはオレ達と同類のプラターヌ博士の助手に申し訳なくなる……まぁ、XY編では衣装変わる…………。

 

 シンオウレポート17(しんかのきせきありきだよ)

 

 シンオウ・ナウというテレビ番組がポケット特集をしに取材に来ていた。

 マイクをぶつけることにアナウンサーキレてたけども生放送なんだぞ……テレビの闇は恐ろしい。

 

 セレナがポケッチのモデルをやっていたのとオレが最新機種の色違いの特注品を持っているので取材を受ける。

 コレで目指せ最強のポケモントレーナー!と何処かにありそうな昭和のありきたりなCMみたいな事を言っておいた、こういうのは奇をてらうよりも無難にこなすのが1番である。

 

 次の取材はBボタン同盟と言う団体らしい。

 どういう団体かと言えば、あえて進化をさせずに最強最高を目指している団体であり気になるので行ってみれば最強のコイキングと最高のヒンバスが居る。最強のコイキングにバトルを挑むが所詮はコイキング、他にも進化させてないけどもその種としては最強クラスのポケモンが多く居たので経験値を貰う。いやさ……【しんかのきせき】無しはな。

 

 進化してないポケモンには【しんかのきせき】必需品、進化してるポケモンだったら他がいる。

【しんかのきせき】持ちのポリゴン2とラッキーは尋常じゃない程に硬い、ポリゴン2は特攻も高いから倒すのに一苦労だ。しかしまぁ、この世界ではメガストーン以外にアイテムを持たせるという概念が無い……アイテムありだったらテラスタル風船ヌケニンとかやる馬鹿は絶対に居るだろうな。【すなあらし】が無いと詰むヌケニンとか冗談抜きでダメだと思うよ。

 

 シンオウレポート18(挑戦!ポケモンコンテスト!)

 

 道中立ち寄った村で非公式のポケモンコンテストが開かれた。

 タケシが「ポケモンバトルだけがブリーダーの腕の見せ所じゃない、ポケモンコンテストでもポケモンは輝くんだ」と出場を決意し、非公式の遊びのポケモンコンテストなのでオレも参加する。セレナは出ない、たまには自分が見る側に回ってみたいらしい。

 

 んじゃまぁ、ポケモンコンテストに挑戦である。

 タケシはこの前の【ずがいのカセキ】で復元したズガイドス、オレはフシギダネで一次審査を挑む。

 

 タケシはズガイドスに【ストーンエッジ】を使わせて岩を並べる。

 なにをするんだと思えばズガイドスは【ずつき】を使って【ストーンエッジ】の岩を全て打ち砕いた。ズガイドスの圧倒的なまでのパワー、そして【ずつき】の力強さを見せると言う美しさだけがポケモンコンテストじゃないと見せつけて高得点を得た。

 

 面白いことをやるなと思っているとオレの出番だ。

 フシギダネに【ソーラービーム】を撃ち上げてもらう。ただのソーラービームじゃなくてフシギダネがオーキド博士の研究所で会得した【ソーラービーム】の花火、【どくのこな】等を混ぜる事で色取り取りの【ソーラービーム】の花火を撃ち上げる事が出来た。

 

 1次予選は無事に通過し、2次予選コンテストバトル。

 セレナから「魅せるバトルから闘うバトルに途中から変わってた」と中々に手厳しい評価を受けたが、決勝に進出してタケシと当たる。非公式の場だが、もう一度タケシに勝ってやろうとピカチュウで挑めばハガネールが出てきた。

「コンテストバトルだが昔のリベンジをさせてもらう」と言ってくるタケシ、伊達に色々なところを旅しておらずポケモンに関する知識は豊富なだけあり……負けた。バトルで追い詰めている度合いで言えばオレが有利だったが「コレはジム戦じゃなくてコンテストバトルだ」と言われ気付けばタイムアップの判定負け……………………いや、冗談抜きでタケシが強かった。イワークというゴミをハガネールにしたらあそこまで化けるのかと思えるぐらいには強かったが……………ちゃんとした時間制限無しのバトルならばオレが勝っていたんだ…………コレを書いてて色々と振り返ってるけども、オレはポケモンコンテスト向いてないな……熱くなって時間を置き去りにする。

 

 シンオウレポート19(おばあさんは全てを見抜いていた)

 

 なんかピカチュウを貸してくれと綺麗なお姉さんに頼まれた。

 いきなりのことで戸惑うので事情を聞けば彼女のお婆さんが今度お菓子のコンテストに出るらしい。その為にピカチュウが必要らしいので細かく聞けば、どうもお婆さんが昔ピカチュウを持っていたんだけどもある日突然居なくなってお婆さんが落ち込んだらしい。

 

 ピカチュウが居ればお婆さんが元気になると言う。

 タケシは「お婆さんに元気を与える!不肖、このタケシ、貴方の為にもお菓子ぃ!?」とグレッグルに【どくづき】を受けてとりあえずの恒例行事を終えた。ピカチュウにどうするか聞いてみればお姉さんが土下座をしてくる。流石にそこまでされて断るわけにもいかないのでピカチュウにお婆さんのピカチュウのフリをしてもらうことにしたんだが……………お婆さんは最初から自分のピカチュウじゃない事を見抜いていた。

 

 お婆さんのピカチュウは【たたきつける】で硬いきのみを割っていたが、オレのピカチュウは【アイアンテール】で硬いきのみを真っ二つにした。この時点で大分ボロが出ていたみたいで最終的にはライチュウが現れてピカチュウに勝負を挑んだ……と言ってもポケモンバトルじゃない、お菓子作りに必要なきのみを割る勝負でお婆さんのピカチュウがライチュウになっていた。お婆さんのピカチュウはライチュウになる事でパワーアップして昔割ることが出来なかったきのみを割れる様にしたらしい。突然居なくなるのはアレだが、ライチュウはパワーアップして帰ってきた事を伝えればおばあさんは物凄く喜び、オレのピカチュウは無事に帰ってきた。後、おばあさんはクッキーを焼いてくれた。絶品だった。

 

 シンオウレポート20(お菓子作りの道は険しい)

 

 ソノオタウンに辿り着いた、ポケモンコンテストが開幕されるけどもスルースルー。

 いい匂いがするなと思えばポフィン教室があった。ポロック製造マシーンは持っているけどもポフィンは作ったことが無いから早速、ポフィンを作るのだが思ったよりも苦戦した。ポロックはきのみを切り刻んで最終的にポロックマシーンが色々としてくれるけどもポフィンは1から手作り、トバリシティの百貨店にはちょっとお高めのポフィンが置いてあるとかどうとか……ポフィン作りは厳しいが、セレナとタケシはあっさりとやっていた。熟練度がなぁ……………

 

 折角なので明日開催のポケモンコンテストを見て行くかと考えていると「あ!カントーのトップコーディネーターのセレナ!」と大会の為にポケモン達を調整していたコーディネーター達に気付かれる。セレナが居ればこの大会に出てくるかどうか聞くので今のところは出るつもりは無いと言えば安堵するのと舌打ちをするのと残念そうにするのの三者三様に分かれる……安堵するのはな。

 

 ポケモンコンテストを見たかったが、こういう感じの空気にはあまり居たくない。

 セレナもポケモンコンテストに対する熱が冷めていた事もあるので今回は無かったことに…………セレナが嫌ならば見ない!ここはキッパリしておかないと。

 

 シンオウレポート21(タケシ&セレナ 意外と悪くない)

 

 ハクタイジムを目指している道中にシンオウ・ナウが現れる。

 なにしてんだ?と思ったので聞けば、この先のキャンプ地はシンオウリーグを目指しているポケモントレーナー達が集いし場所らしく明日のポケモントレーナー!とインタビューしに来たらしい。

 

 ポケモンバトルの場ならば行くしかない、ハクタイシティの通り道だから尚更だ。

 キャンプ地に行けばバチバチにバトルをして競争している、この空気は割と嫌いじゃない。熱く闘争心を滾らせているのは大好きだ。

 オレもバチバチにムクバード、ナエトルの育成に励んでいるとナエトルがハヤシガメに進化した。アニメだと大分後なのに随分と早くないか?いや、重点的に鍛えてたけども。

 

 ナエトルはハヤシガメに進化した事で売りであった素早さを失った。

 突如のことに戸惑うハヤシガメ、ハヤシガメに合った戦術は既にオレは覚えている……だが、ここが正念場でもある。ナエトルの頃は素早さを売りにしている、ドダイトスになれば重量級のバトルをしないといけないが【じめん】タイプも加わり技のレパートリーが増える……ハヤシガメの間にどれだけドダイトスになった時を想定して鍛える事が出来るのか、まるで夏が本番の受験勉強みたいだが、まさにその通りだろう。

 ハヤシガメの段階で何処までいけるか、ドダイトスになれば更に重さが増すからな。

 

 ハヤシガメに進化するのは完全に予想外だ。

 色々とプランを組み立てていたがナエトルからハヤシガメになった事で戦闘スタイルを大幅に変えなければならない、その土台を1から作り上げないといけないから残念ながらオレは今回はポケモンバトルを止めようと思っていると「マサラタウンのサトシ!」「我等とバトルを申し込む!」とマグマラシとアリゲイツを引き連れた双子が現れるが今回は無理なので断ろうとすれば「ここは俺達に任せろ」とタケシとセレナがバトルをする。

 

 なんか妙な組み合わせになったが、とりあえずはタッグバトルだ。

 セレナはテールナー、タケシはウソッキーでアリゲイツとマグマラシコンビに挑む。最初に動いたのはアリゲイツ【みずてっぽう】をウソッキーに向かって撃ってきた。テールナーを見たことが無いポケモンだからウソッキーに照準を絞ったかと思えばテールナーが【かえんほうしゃ】を【みずてっぽう】にぶつけることで水蒸気が巻き起こる。フィールドが白い煙で包まれているが、コレは想定内だとウソッキーに【ウッドハンマー】でアリゲイツを殴り飛ばしテールナーが【でんげきは】でアリゲイツを倒す。

 

 見た感じだとテールナーのレベルが一番高い。

 カントーを旅していた頃からずっと一緒に居るのだが、中々にマフォクシーに進化しない……いったいなにが足りないんだ?マフォクシーに進化しないと使えない技が結構あるんだがな。キッカケが無いのがダメなのか?………オーキド博士にも見せて充分だって言われたしレベルも足りないわけじゃないし進化を拒んでるわけでもないし、謎だな。

 

 アリゲイツをあっさりと倒せば、もう後は楽だ。

 テールナーは【かえんほうしゃ】を放てばマグマラシは【かえんほうしゃ】で相殺しようとするが忘れてはいけない、コレはタッグバトルなのを。マグマラシは【かえんほうしゃ】で足止めをくらっている。テールナーの方がパワーが強くて徐々に徐々に【かえんほうしゃ】が押していくが狙いはそこじゃない。フリーなウソッキーが【いわなだれ】で攻撃してきて戦闘不能にした。

 

 初期の頃からオレと一緒に旅をしているのとジムリーダーの名は伊達じゃないな。

 かなりの余裕を持っての勝利、双子の連勝記録をストップしたのだと周りがざわめくが周りの声は気にしない、とにかくハヤシガメに重量級のバトルを学んでもらわないと。軽量級と重量級、2つのバトルをすることが出来るのがドダイトスだからな。



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特定の木や場所でしか出ない鬼畜仕様

 

 シンオウレポート22(ミノムッチ狩りじゃぁあああ!!)

 

 ハクタイジムを目指してハクタイの森にやってきた。

【くさ】タイプのポケモンは既に居る。どうにかしてハヤシガメに重量級のバトルを学んで貰う……動かないってのは意外と厳しいんだな。しかしまぁ……こうでもしなきゃな。ナエトルで軽量級の戦いを、ハヤシガメで重量級の戦いを学び、ドダイトスで全てを活かす。

 

 今の段階であの技を覚えさせてはいけない。

 とりあえずムクバードを相手に色々と試して一休憩していると甘い香りがする。いい匂いだなと匂いがする方向に向かえば【あまいミツ】が塗られた木を発見する。ピカチュウが甘いなと舐めているが、他所様のを取っちゃいけない。

 

【あまいミツ】をワザと木に塗っている。

 ポケモンが大好きな【あまいミツ】を塗ることでそれに釣られてポケモンがやって来て、それをゲットする…………このシステムじゃないとゴンベとヘラクロスをゲットする事が出来ないというね、ホントね、色違いの厳選ならばまだ粘るのは理解出来るけども、この手のシステム、運要素が絡んでるのは色々とクソである。ホントさ、ゴンベとヘラクロスの物凄いまでの厳選難易度の高さ、裏IDと表のIDを熟知しておかないといけないし塗った時点でどのポケモンが出るのか決まるから厳選難しいんだよ。ヒンバスもそうだけどマジで厳しいんだよ。なんでそんなクソみたいな仕様にするんだろうね。もうポケモンって図鑑を埋めるのをメインじゃなくて対人戦を想定したゲームじゃん、【でんこうせっか】と【ほえる】搭載したライコウもそうだけどももうちょっと優しさを見せてほしいよ。

 

【あまいミツ】が塗られているところにヘラクロス、アゲハントとポケモンが集う。

 誰が仕掛けたか分からないが、上手い具合に作用していると思っていれば【あまいミツ】を仕掛けた女性、トレジャーハンターのモミさんが現れてミノムッチをゲットしてデータの確認をするのだが、直ぐにミノムッチを逃がした。

 

「厳選してるんですか?」とガチ勢なのか聞いてみれば♂のミノムッチが欲しいらしい。

 何故に♂個体が欲しいのか詳細を聞けば、このハクタイの森の何処かに琥珀の城と呼ばれる場所があるらしくそこには【おそろしくあまいミツ】と呼ばれる蜂蜜があるらしく、それを狙っているらしい。

 

 そんな物があるのかと興味を抱いていると「俺達に【おそろしくあまいミツ】探しを手伝わせてください!そして俺は貴方のハートをトレジャーハントォ!?」とタケシが何時もの事をしたのでグレッグルに【どくづき】で制裁をくらった。

 別に嫌ではないけども余計な手間が増えたなと思ったが【おそろしくあまいミツ】がなんなのか気にならないと言えば嘘になるので、手に入れる事にした。

 

 先ずは♂のミノムッチを探さなければならない。

 波動の力を用いればミノムッチを探すことが出来るのだがミノムッチは見た目で♂と♀が区別がつくポケモンじゃない。1体1体虱潰しで探すしかないがタケシが煩悩を燃やしていたので、甘い香りがする木でなく海パン一丁なタケシに【あまいミツ】を塗りたくった。

「おぉい、これホントに大丈夫なのか!」とタケシは心配するが、マヨネーズを木に塗りたくるよりは効果はあるぞと言えば「確かに効果ある。ポケモンじゃなくて俺に」と言うので仕方がないとモミさんにタケシに塗りたくってる【あまいミツ】をペロリとさせればタケシはやる気を出した。人間の煩悩は凄まじい。グレッグルは無言でジッとタケシを見つめている、なんか怖い。

 

 しかしまぁ、思った以上に効果があったのかアゲハントやヘラクロス達が現れる。

 当然その中にはミノムッチもおり、モミさんはラッキーを使ってミノムッチにバトルを挑みゲット、次の個体は♂のミノムッチで進化するつもりがある個体だったので割とラッキーだがコレじゃあダメらしい。♂のミノムッチの進化系であるガーメイルが【おそろしくあまいミツ】がある琥珀の城の道というか匂いを知っているらしい。

 

 じゃあ、接待バトルするか。

 タケシは全身に蜂蜜塗りたくってるからまともにモンスターボールを持つことが出来ないから、オレがバトルをする。ハヤシガメで挑む、接待バトルだが一応はバトルしておかないといけない。【たいあたり】で攻めてくるミノムッチ、ハヤシガメは攻撃をガッチリと受け止める。

 そう、それでいいんだ。ハヤシガメになれば素早さは無くなるがより強い強靭な足腰を手に入れる事が出来る。高い防御力を活かしてハヤシガメは攻撃を受け止め……攻撃の隙を見つけるんだが今回は接待バトルなので、悪いんだけどな……ハヤシガメも八百長は分かっているとワザと負けてくれたが流石に直ぐには進化しない。道は険しい。後、タケシの【あまいミツ】が思ったよりも効果があったのか【あまいミツ】落としても甘い匂いがしててポケモンが寄ってきてる……効果はちゃんとあるな。

 

 シンオウレポート23(ナエトルvsハヤシガメ)

 

 今日も今日とて特訓中「申し訳ありません、バトルに付き合ってもらって」とモミさんが言うけどもハヤシガメの調整が出来るのがいい。

 ハヤシガメも少しずつだが重量級の戦いを覚えてきている。コレはいい傾向だと思っていれば「あ、ハヤシガメに森のミノムッチ!」とハクタイジムのジムリーダーのナタネさんが現れる。

 

 ジムリーダーがこんな所で油を売ってていいのかと聞けばこのハクタイの森に行けば確実に【くさ】タイプのポケモンを手に入れる事が出来るらしい。手持ちの増強か?と思ったが違うらしい。ただ純粋に【くさ】タイプのポケモンが大好きなだけである。稀に変わり者も居るか。

 しかしまぁ、こんなところでジムリーダーに会うのも奇妙な縁、いや、主人公補正最強だな。

 

 ハクタイジムのジムリーダーがどれくらいなのか、ムクバードで挑めばチェリンボで挑んでくる。

【つばめがえし】で攻めていくのだが…………明らかに手加減をしている。ジムリーダーはトレーナーの強さを測る為に居るのは分かっているが、ジム戦をするんじゃなくてどれくらいなのか見定めてやろうという視線になっている。割とムカつくのでチェリンボを軽く倒せば、ナエトルが出てきたのでハヤシガメに交代する。

 

「ハヤシガメは確かにナエトルの進化系でパワーが段違い……けど、勝てるかしら?」と言えばオレのハヤシガメがナエトルだった頃の速度以上の素早さで動く。スピード特化というのもあるが純粋にレベルが高い。伊達にジムリーダーのポケモンをやっていないなと思う。

 素早い敵なのでハヤシガメは戸惑う、オレは特にコレと言った指示はしない。ハヤシガメの方が鈍足だが、それが悪いと言うわけではない。

 

 ハヤシガメにああだこうだ言わないでいればハヤシガメは耐える事をしろと判断してくれる。

 そう、とにかく耐える事が大事でナタネさんのナエトルが【はっぱカッター】を撃ってきたがそれは悪手、こっちも【はっぱカッター】で対応する。何時ものマッハワンじゃなくて普通の【はっぱカッター】だ。だがコレで大きな違いが生まれる。ハヤシガメは鈍足だが、それは体が重いから鈍足であり技の発動速度が物凄く遅いとか言うのは無い。ハヤシガメが放った【はっぱカッター】とナエトルが放った【はっぱカッター】がぶつかり合えば、ハヤシガメの方がパワーが上、出せる葉っぱの数も上だ。

 

 純粋な力比べになれば、どうしても進化前のポケモンは進化後のポケモンに負ける。

 積み技の1つでも使えば良いんだが、どうもこの世界にはバフって殴る、デバフって殴るの概念が薄い。確かにバフるぐらいならば殴っていた方が効率が良いと言う意見もある。実際問題、そっちの方が効率が良い。オーバーキルを狙う理由は無い。オーバーキルは一種のロマン砲だからな。

 

【はっぱカッター】同士のぶつかり合いはオレのハヤシガメの勝ちだ。耐えて勝負時を待つと言う戦術は結構厳しいが、中々に悪いものではない。

 向こうはどう出てくるかと思えば素早さ勝負になったので【かみつく】でタイミングを合わせてナエトルに噛みついてそのまま地面に叩きつけた後に【じならし】で地面を揺さぶり衝撃波を発生させてナエトルにダメージを与えて戦闘不能にした。

 

「遊び感覚で挑めば痛い目に遭いますよ」とだけ言っておく。

 完全に遊ぶ感覚で挑んできているからな、痛い目に遭っても自業自得だとオレは思う。ハクタイジムに挑むことを知れば、ハクタイジムに戻って準備をしておくと言って去っていった。エースのロズレイドがまだ見れてないから、まだ油断は出来ないな。

 

 シンオウレポート24(恐ろしいとどう噛み合う)

 

 集中的に鍛えたお陰でミノムッチがガーメイルに進化した。

 いや〜猛特訓をした甲斐があったと思い「ガーメイル、オレ達を【恐ろしくあまいミツ】まで案内してくれ!」と目的の場所に向かおうとするんだけども…………甘い香りがする樹液が出ている樹を見つけた。

 

 ペロリとセレナは舐める。

「普通の樹液…………なんか違う気がしなくもないわね」と樹液の味に首を傾げる。タケシもペロリと舐めれば「あ、違う気がする」と言うのでオレも舐めるが…………違いがイマイチ分からない。馬鹿舌?いや、馬鹿舌じゃないんだよ。

 

 流石にコレが【おそろしくあまいミツ】なわけがない。

 サンプルだとモミさんは樹液を採取しているとなにかに気付いてオレ達に隠れるように言ってくる。なんだと隠れればミツハニーが樹液を採取していた。ミツハニーも別にシンオウでは特段珍しいわけではないしなんだろうと思っているとレポートを取り出すモミさん。

 

 お祖父さんが残したレポートによれば琥珀の城に住んでるミツハニーが居るらしい。

 問題はそのミツハニーが集める樹液の木は1本しかない……こんな広大な森の中から樹液の出る木を一本だけ探し当てると言うのは至難の業だろう。ミツハニーの後を気配を絶って追えばミツハニーが固まって蜂の巣みたいなのになっているミツハニーウォールを発見、アレこそが【おそろしくあまいミツ】の入口、つまりは琥珀の城だがどうやって入口に入るんだ?

 

 ミツハニーウォールを突破しなきゃ奥に入ることは出来ない。

 どうすればいいのかと思っていればラッキーを出して【うたう】で眠らせる。意外と力技、冷静になって考えればこの世界でトレジャーハンターするって事はポケモンの巣をつつくって事なんだよな。【にじいろのはね】とか【ぎんいろのはね】とか【あいいろのたま】とか【べにいろのたま】とか【こころのしずく】とかマニアックなアイテムは大抵は伝説に繋がってると言う事実……厄介だな。

 

 ともかく殆どというか力技で突破して奥に進めばなんかイッシュのとあるジムを彷彿とさせる場所だった。

 琥珀の城というだけあるな、ハクタイの森の中にこんな部分があるのかと感心しつつも奥に進んでいけばビークインが甘い蜜を啜っていた。比喩とかじゃなくて冗談抜きで啜っておりマジかと思いつつもムクバードでビークインに勝負を挑む。

 

 ビークインが欲しいからでなく【おそろしくあまいミツ】を手に入れるためだ。

 激闘に次ぐ激闘を繰り広げた結果、なんとかビークインを撃退することが出来た。ビークインに「この【おそろしくあまいミツ】を一部貰っていく。なにお前達の生態系を荒らすような真似はしない」と言ってモミさんが事前に用意していた瓶に【おそろしくあまいミツ】を入れる。

 

 とりあえず、どれくらいのものなのかパンに塗って食ったけども物凄く甘かった。

 甘かったからコレは使い所に悩む。タケシに塗りたくるわけにもいかないし、どうしようかなとは悩んでしまう。とりあえず、【にじいろのはね】を売った時と同じ様に【おそろしくあまいミツ】を売ろう。【おそろしくあまいミツ】ならばきっとマニアに売れるはずだ。

 

 モミさんはお祖父さんが手に入れる事が出来なかった【おそろしくあまいミツ】を手に入れる事が出来て満足気で次のお宝を探しに向かった。

 次のお宝はミカルゲの【かなめいし】……………呪われない事を祈ろう。

 

 シンオウレポート25(好きです!ポケモンなりきり大会!)

 

 ハクタイの森を出て、街に辿り着けばシンオウ・ナウがいた。

 今度はなんの取材かと聞いてみればポケモンなりきり大会と言う大会が今日開催……タケシが出場してグレッグルでニョロトノを演じさせたら優勝した。グレッグル、なんか特別なことをしたかしてないかで言えばなんもしてねえんだけどな。

 

 シンオウレポート26(ブイゼル!最強への道!)

 

 この川辺を超えてちょこっと歩いたらハクタイシティだ。

 ようやくだなと思っていると上流からポケモンを抱えてポケモンセンターに向かって走ってくるトレーナーが後を絶たない。何事かと聞いてみれば上に物凄く強いブイゼルが居て、トレーナーを相手に勝負に挑んでいるらしい。

 

 腕自慢でバトルするつもり満々のブイゼル、是非ともゲットしたい。

 原作知識を引っ張り出せばコイツは将来的にサトシのブイゼルになるヒカリのブイゼルだ、ならば先にゲットするしか道はねえ!ポケモンセンターに立ち寄った。腕自慢のブイゼルならば圧倒的なまでの力を思い知らせるのが1番である。

 

 ということでブイゼルが居るらしい場所に行って釣り竿を垂らす……ていうかなんか釣り竿が物凄く置いてあった。

 後でジョーイさんから聞いたけどもブイゼルがトレーナーを倒した記念的な感じで奪っている物らしい。数十本があるから相当な腕自慢のブイゼルなんだなと思っていると竿がヒット、釣り上げればブイゼルが出てきた。

 

『ブイブイ!』と掛かってこいと挑発してくるブイゼル。

 こっちはお前をゲットする為に本気で来ている、その証拠を見せてやろうとスイクンを出した。「ブイゼル相手にスイクンって、大人げないにも程があるぞ」とタケシは呆れていたが、これでいいんだよこれで。ブイゼルは強い相手を求めている、スイクンは見るだけで圧倒的なまでの強者感を漂わせている。今までの雑魚とは比べ物にならない格が違う圧倒的なまでの強者を、ブイゼルは【ソニックブーム】で攻撃してくればスイクンは無数の【エアスラッシュ】を放つ。

 

 この時点で圧倒的なまでの力の差が存在している。

 ブイゼルはコレで萎縮するのか、それともまだ実力を十二分に発揮することが出来ていないとなるのか……少なくとも、ここで折れるブイゼルには価値は無い。ブイゼルは【アクアジェット】で突撃してくるのでスイクンは【しんそく】で対応する。速さで勝負するならば【しんそく】があるんだ、ブイゼルの【アクアジェット】よりも早い【しんそく】で吹き飛ばされる。

 

「ゲットするなら今がチャンスだぞ!」とタケシは言ってくるがモンスターボールは手にかけない。

「サトシ、シンオウリーグの事を考えたら小難しい顔をしていたわ……きっとチャンピオンリーグで勝てない事とハレタ達の事で思い詰めてる。だから強くなろうとする意志を持っているポケモンを」とオレがモンスターボールに手をかけない理由をセレナが教えてくれる。

 

 強さを求めるのならば、折れないハートを持っていないといけない。

 相手はスイクン、負けても当然だと思う人が多い。ブイゼルでスイクンに勝つなんて不可能に等しい……そう、例え勝てても1%ぐらいと思う。

 だが、オレから言わせてみれば不可能じゃない、突破口は確かに存在している、ただそれだけで安心出来る。0はどれだけかけても0だが1以上ならば不可能じゃない、天文学的数値?奇跡ってのは求めるものじゃない、自力で巻き起こすものだ。

 

【みずてっぽう】を撃ってくるので【ねっとう】で蒸発させる。

「スイクンを持っているのは知っていたがいざ生で力を見せられると凄まじい……コレはトレーナーに毒でもあり薬でもあるポケモンだな」とスイクンの強さに感心するタケシ。【ソニックブーム】は【エアスラッシュ】で【みずてっぽう】は【ねっとう】で【アクアジェット】は【しんそく】で潰した。もう出せる手は残っていない……そう思っているとブイゼルは大声で叫び、尻尾に水を纏わせて【アクアテール】で攻撃した。

 

 ここに来ての【アクアテール】か。

 スイクンは余裕で耐えきりオレにどうするのか聞いてくるのでオレはモンスターボールを取り出しスイクンは【バブルこうせん】を放ちブイゼルに当ててダメージを与えた後にモンスターボールを投げ……ブイゼルをゲットした。

 

 よーし、物理水アタッカーゲットだぜ……と言いたいんだけども噂を聞きつけてやってきた連中にスイクンが目に止まる。

 スイクンが欲しいと言う馬鹿野郎は沢山いる。コレがあるからスイクンを手元に置きづらいんだと即座にポケモンセンターに向かってオーキド博士の研究所にスイクンを返す……タケシの言う通りスイクンは毒にも薬にもなるポケモン、当人もそれを自覚している為に試合に出せとかは言ってこない。



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まだ第三段階という事実

 

 シンオウレポート27(四天王の壁 ゴヨウ)

 

 ブイゼルが言うことを聞くかどうか若干の心配があったがオレが本気で最強を目指しているのと同時にスイクンと言う凄まじいポケモンを従えているので割と普通に言うことを聞いてくれる…………んだけども、割と血の気が多いっぽいな。

 ハクタイシティ前の最後のポケモンセンター、ハクタイジム目当てのトレーナーも割と多くてブイゼルは闘志を剥き出しにする。お前の出番は無いのだが、やる気に満ちている事はいいことだ……けどなぁ、所構わず挑むのはな。

 

 オレはサトシくんと違って猪突猛進じゃない、型破りって聞こえは良いけども考え方によっては自分のスタイルを持っていない証拠でもある。

 とにかく強くなりたいとバトルを望む。快勝して天狗にならなきゃいいととりあえずハクタイジムに向けて調整を行っているトレーナーをボコる。殆どが【くさ】対策として【ほのお】と【ひこう】ポケモン、稀に【こおり】タイプのポケモンがいるが【こおり】タイプのポケモンは【にほんばれ】+【ウェザーボール】のコンボにボコられるオチがあるのを言わないでおく。【ウェザーボール】が天候発揮時の威力100っておかしいと思うんだ。それを使えるロズレイドのC120以上とか言うやっぱり序盤に出てきて良い火力じゃない。

 

 手当たり次第に叩きのめした。

 ブイゼルに【ねっとう】を覚えさせる事が出来たのでここらが潮時だとポケモンセンターに戻ってブイゼルの回復をする。待ち時間にテレビを見ればチャンピオンリーグ、と言うかチャンピオン防衛戦が放送されていた。シンオウ地方なのでシンオウリーグのチャンピオン、現段階では世界最強のポケモンチャンピオン、シロナさん。対する相手はシンオウの四天王、ゴヨウだ。

 

「地方リーグ目指してるからあんまり上ばっか見てると痛い目遭うな〜」と呑気にアイスココアを飲む。

 サトシだったらどんな感じで攻めるのか?と聞いてくるが、今のオレには縁が無い話なんだ。セレナは勿論、タケシも当然知っているだろう。オレがチャンピオンリーグに優勝していないのを。

 

 

地方リーグ出場権を手に入れる為にバッジを集める

地方リーグに出場して優勝する

地方リーグ優勝者のみが集うチャンピオンリーグで優勝する

出場した地方の四天王への挑戦権を得る。誰と戦うか決めてバトルする

勝てば新しい四天王になれる権利を得て、他の四天王に挑む権利を得る

四天王全員撃破したらチャンピオンに挑む権利発生、勝てばチャンピオンになれる。負ければ四天王になるか聞かれる

チャンピオンのみが集うマスターズリーグに出て優勝すればチャンピオンマスター、最強のトレーナーの称号を与えられる

 

 基本的にはこんな感じだ。

 チャンピオンしかいないパルデアやガラルはチャンピオンリーグ優勝すればいきなりのチャンピオン防衛戦に入ることになるらしい。既に四天王になってる奴の場合は四天王防衛戦で防衛に成功するか定期的に行われるチャンピオン防衛戦でチャンピオンに挑む権利が与えられる。

 今のオレは3番目、地方リーグ優勝者のみが集うチャンピオンリーグで優勝するの所で躓いている。サトシくんは地方リーグ優勝で躓いている。一般トレーナーはジムバッジを8個集める段階で躓いているのも居る。

 

 サトシくんはポケモンワールドチャンピオンシップスと言う1つの裏技を使って世界最強のポケモントレーナーになった。

 ポケモンジムを巡り、ジムバッジを集めて地方リーグに出場して優勝してチャンピオンリーグに出場するという初期の頃の設定はある意味死に設定に近いがこの世界では割と生き残っている。因みに現段階ではダンデさんはいない、マスタードの爺さんだが現役引退を考えてるらしい。老害よ、若い世代に道を譲れ。

 

 ともあれ上を見すぎるのはあまりにも良くない事である。

「でも、サトシは四天王のポケモンを倒したことがあるわよね」と鋭い指摘をセレナはする。ゲンジさんの一件について言ってるんだろう……向こうはどうだったんだろうな?若い世代に喝を入れてやろう、彼奴は調子に乗ってるからその天狗の鼻を圧し折ってやろう……別に調子に乗ることは悪いことじゃない、ここは勝負の世界、過程もある程度は大事だが一番大事なのは結果なんだ。

 

「四天王のポケモンと互角に渡り合えるのか……チャンピオンリーグ出場者レベルになればワタルさんの様な頭一つ抜けた猛者も居れば、ギリギリ勝てたのもある……サトシはどれぐらいなんだろうな」とタケシは素朴な疑問をぶつける。

 レベルの数字が存在していないこの世界、技を標にポケモンを鍛えている。多くの技を使える=強いじゃねえのは分かってる、一芸だけ極めて最強の道も確かに存在しているからな。

 

 先ずは地方リーグの出場権を手に入れる為のジムバッジを集める為の旅だ。

 やる気を出していれば「おや、随分と熱く燃えていますね」と四天王のゴヨウさんが声を掛けてくれる。四天王のゴヨウさんがどうしてここにとテレビを見るが生放送じゃなくて再放送でポケモンバトル学をメインにしている博士が現れて解説している。ポケモンバトル講座である。

 

「君がマサラタウンのサトシくんだね」と聞いてくる。

 悪名として名が広まっているケースが多いのでこういう感じ、純粋にポケモントレーナーとしての技量が高まって知名度が高まるのは実にいいことだと思っているとブイゼル達の回復が終わった。ジョーイさんがブイゼルを引き連れており、ブイゼルは勘がいいのかゴヨウさんがこの場にいるトレーナーの中で誰よりも強いことに気付いてバトルを申し込む。

 

「闘争心の高いブイゼルだ……勝負をしよう」と言ってくるのでバトルをする。

 使用ポケモンは1体のみのシングルバトル、こっちはブイゼルが確定であり向こうはドータクンを出してきた……相性が色々と悪いが、頑張るしかない。【ねっとう】を浴びせれば一応はダメージがある。四天王クラスのポケモンになると攻撃が効いてるのか効いてないのかよくわからないが少なくとも効果はあるみたいだ。

 

 この程度で倒せれば今頃はオレはチャンピオンだろう。

 ブイゼルも【ねっとう】で沈まないドータクンを見てコイツは強いのだと笑みを浮かべている。そう、こういうバチバチなのが好きなんだ。

 ドータクンは【しねんのずつき】で攻撃してくるが、ブイゼルは軽々と回避する。「ドータクンよりもブイゼルの素早さが上、これなら」となるセレナだが「いや、ここからがゴヨウさんのドータクンの本領発揮だ」と【トリックルーム】を貼ってきた。

 

 素早いポケモンは遅くなり、遅いポケモンは素早くなる。

 かなり鈍足なドータクンは物凄い速度で動いてブイゼルの【ねっとう】を回避する。【トリックルーム】は恐ろしいが、この手の技の攻略方法を知らないと思っていたら大間違いだ。【アクアジェット】ならば素早さ逆転なんかは関係無いと【アクアジェット】による移動を用いてドータクンに追いつくが【ジャイロボール】で飛ばされる。

 

 ブイゼルでは厳しいが、まだまだ抜け道は存在している。

【アクアジェット】でフィールドの端に移動してもらうと見せかけてトリックルームの壁に触れる。【エレキフィールド】とは異なる【トリックルーム】は頑張れば【かわらわり】とかで破壊する事が出来る。【トリックルーム】は使うのに溜める時間が居るのでブイゼルは【アクアジェット】で【トリックルーム】の壁に激突する。「奇抜な戦法は幾つか存在しますがここまでとは」と言うがあくまでもサトシがやっていた事を模倣してるだけに過ぎないんだ。【アクアジェット】で【トリックルーム】を破壊して不思議なフィールドを元のフィールドに戻せば【アクアジェット】で近付いて【かみつく】攻撃をする。

 

 何時もならばここで勝てるが四天王のポケモンであり耐久鈍足トリル売りのドータクンは強いな。

 遊戯王とは言わないけども現代のポケモンバトルは如何にして効率良く素早く殴れるかの世界、それを意識してか一部のポケモンには火力を増強させるバフ系の技を覚えさせ、パラドックスポケモンの種族値は素早さが高いのが多い。

 

 なにかきっかけがあれば倒せると思っていたが、ドータクンを倒すにまでは至らなかった。

 流石にゲットして直ぐのブイゼルじゃ限界がある。ブイゼルは物凄く悔しそうにするのでこの悔しさをバネにして強くなろうと誓う。

「なるほど、若手No.1と言われるだけあるな」とゴヨウさんは割と満足げだった。

 

 シンオウレポート28(シンオウ時空伝説)

 

 ハクタイシティに辿り着いたのでハクタイジムに向かったが、ジムリーダーが不在だった。

 あの人はまた何処かで油を売ってるのかと思いハクタイシティ観光だと博物館に向かったのはいいけども、博物館に警察が来ていた。

 何事なんだと聞けば、ジュンサーさんが「【こんごうだま】がキマワリに盗まれたの!」と言う……聞いておいて何だけども簡単に答えていいの?

 

 タケシがジュンサーさんに「ジュンサーさーん!」とやってグレッグルが【どくづき】で倒す恒例行事を終えれば容疑者を連れてきたとジュンサーさんはナオシさんを連れてきた。久しぶりのナオシさんだなと挨拶をしつつ「盗んだ【こんごうだま】を返しなさい!」と問い詰めるジュンサーさん、しかしナオシさんはなんのことやらさっぱりなので「貴方がキマワリを持っていること、コレこそが動かぬ証拠よ!」と大分暴論を語る。

 

 キマワリを持っているだけで犯人扱いされるんだったら、ケンタの奴も犯人だよ。

 かなりの暴論を言っているのでナオシさんにアリバイはないのか聞いてみれば、バッジケースを取り出す。ついさっきまでハクタイジム戦をしていたのがなによりの証拠だ。コレでアリバイの証明をする事に成功したと思えばナタネさんが現れて「犯人は現場に戻るというわ!」となるジュンサーさん。迷探偵になりかけており、ナタネさんはジム戦をしていたと証言できるのでアリバイは証言できる。

 

 ナタネさんがキマワリが盗んだ映像を見せてほしいという。

 警察が早々に見せていいわけがないと思ったがあっさりと見せてくるジュンサーさん。「コレはキマワリじゃないわ!」とキマワリと思わしきポケモンがキマワリじゃない事が判明し最終的にはロケット団が盗んだ物だと判明した。

 彼奴等はなにをやっても懲りないと言うか本物の悪党と言うか、ともかくロケット団が原因ならば何処かに居るだろうと思っていると突如として博物館が停電した。それだけじゃなく【くろいきり】に博物館内が包まれる。

 

 ロケット団は既に【こんごうだま】を奪うことに成功している。

 盗んだのならばこの場にはもう用事は無い、近くに居ても現場に戻る事は早々に無いだろうと考えつつもムクバードで【きりばらい】をすれば……【こんごうだま】に続いて【しらたま】まで盗まれた。

 

 こりゃ仕方がねえなと原作知識を引っ張り出す。

 どうもギンガ団が金払うから盗んで来い的な感じの展開で……この場合だと【こんごうだま】だけでなく【しらたま】も目当てだった、だろうな。ギンガ団の狙いであるディアルガは【こんごうだま】だがパルキアには【しらたま】が盗れてない、そんなとこだな。

 

「【こんごうだま】以外にも別のお宝が盗まれたかも」といえば【しらたま】は盗まれていた。

 あ〜めんどくさい。そして確実にオレが居るからド派手に襲撃するという行為をしなかったな。悪の組織のブラックリストに登録されているだけあってか、そもそもで戦いをしないという選択肢を選んできやがった……最終的にはテンガン山で叩きのめすからそこで終わらせる。しかし【はっきんだま】は無かったな。

 

 シンオウレポート29(ハクタイジム vsナタネ)

 

 ナタネさんのポケモンもオレのポケモンも無事に回復をしたのでジム戦に挑む。

 さぁ、やってきたぞジム戦がと思っているとハクタイジムの天井がウィーンと開けばサンサンと日光に照らされる。要するに【ひでり】状態だ。

 

「ハクタイジムは天井が無いバトルよ!」と言ってくる。

 今まで色々なジム戦をしてきたけども、天候を既に固定してくるジム戦は……いや、落ち着け。まだグレンジム戦よりマシだ。あそこほどに露骨に【ほのお】タイプに特化したジムは存在しないんだ。常時【はれ】状態のフィールドとなれば考えようによってはこっちの方がお得である。

 

 使用ポケモン3体のシングルバトル、交代はチャレンジャーのみあり。

 ナタネさんが最初に出したのはチェリンボ、対するオレはブイゼルで挑む。「【くさ】タイプに【みず】タイプで挑む……ということは」となにをしてくるのかを見抜く。伊達にジムリーダーをやっていないか。

 

 試合開始の合図と共にチェリンボが動く。

 予想以上に素早いので【ようりょくそ】個体、天候を弄くる系の技はまだ覚えさせていない。

【あまごい】から【すいすい】で色々と出来たがまだまだ未熟だからなと思っていると【ソーラービーム】を使ってきた。

 

「【くさ】タイプの大技をいきなり!?」と驚くセレナ。「いや、このフィールドならな大技でありながら連射可能なんだ!」とタケシは推測する。予想通りと言うべきか【ソーラービーム】を直ぐに放ってくる。【アクアジェット】移動回避術を学ばせておいて正解だった。

【アクアジェット】で攻撃するのでなく攻撃に回避することにのみ専念し【ソーラービーム】を回避することに専念する…………が、が………ここからが問題だ。

 

 ブイゼルには【れいとうパンチ】を覚えさせている。オレの狙いは当然だがブイゼルの【れいとうパンチ】だ。

 この【れいとうパンチ】を当てることが出来ればチェリンボを確実に倒すことが出来ると確信しているが【ようりょくそ】で素早い上に速射出来る【ソーラービーム】持ちと来た。仮に【にほんばれ】とかで【はれ】状態になっているのならば【アクアジェット】で逃げ切り【はれ】状態が消えるまで忍んで待つのだが今回は上空が晴れている……ホントに露骨なまでのバトルフィールドだ。

 

【はれ】状態が絶対に消えないのは厳しい。【ソーラービーム】も速射出来る。

 流石にコレはと思ったのでポケモンをハッサムに入れ替える。念の為に呼び寄せておいて正解だったぞ、ハッサム。久しぶりのジム戦だが大丈夫かと聞けばコクリと頷く。

 

 相手が変わっても戦法は変わらないのだと高速で移動して撹乱したと思えば【ソーラービーム】を撃ってくる。

【ソーラービーム】は強力な技だが曲がることはない、これならば簡単だとハッサムは真横に軽く避けながら【つるぎのまい】を積んだ。1回だけ積めば大丈夫だが【ソーラービーム】を撃ったチェリンボは一瞬でハッサムの背後に回り込んでおり【ソーラービーム】を撃ってくるのだが、ハッサムに【とびつく】を使わせ一撃で倒す。

 

 攻撃を当てさえすればチェリンボは倒すことが出来る。

 オレの見立ては間違いじゃなく、チェリンボは【とびつく】の一撃で倒された……が、ナタネさんの余裕は消えない。ナタネさんはハッサムに対してロズレイドを出してきた。狙いは大体分かるが、ロズレイドがエースだ。ロズレイドを倒しさえすればこっちがある程度に試合を有利に運ぶことが出来るんだ。

 

 どう出てくるかと警戒していると【グラスフィールド】を使ってきた。

【くさ】タイプのポケモンはコレがあるんだから危険だがまだ間に合うと【ダブルウィング】で攻撃しようとするがそれよりも先に【グラススライダー】でスライディングキックからの【ウェザーボール】をくらい戦闘不能になった。

 ハッサムは【ほのお】タイプに対してはとことん弱いポケモンだからな、コレは想定内だとハッサムを戻してムクバードを出す……【グラスフィールド】状態だから要注意しないといけない。この戦闘は想定内だ。

 

 ムクバードは空にいるポケモン、スライディングする【グラススライダー】を当てることは出来ない。

【ウェザーボール】もぶつけるのが難しそうなのでどう出てくるかと思ったが【ソーラービーム】を撃ってくる。【グラスフィールド】状態での【ソーラービーム】は洒落にならない。ムクバードでも倒されない可能性はあるが……とりあえず【かげぶんしん】を使って接近して【つばめがえし】でダメージを与えるが、ナタネさんは笑みを浮かべる。【どくのトゲ】個体だった。

 

 中々に見かけない個体だが、これはまずい。

【どくのトゲ】で【どく】状態になったので時間との勝負になる。何度も何度も細かなダメージを与える戦法も【グラスフィールド】状態なので少しずつだが体力は回復する……となればアレしかない。【かげぶんしん】で四方八方に散らばる。ただ円形に並べたりする【かげぶんしん】じゃなくてそこかしこに分身を生み出す【かげぶんしん】、空にいるのでロズレイドは【ソーラービーム】で1体ずつ除去していくのでここがチャンス!まだ未完成だが一撃で倒すにはこれしかないんだと【ブレイブバード】を使ってムクバードはロズレイドに激突し、ロズレイドを倒す。

 

【すてみ】個体のムクバードだから威力が高いな。

 難所は抜けたと思えば【グラスフィールド】の効果が切れる。これでなんとか大丈夫、3体目にナエトルが出てきたがムクバードの方が素早さが上で体力が残り僅かだったので【ブレイブバード】を使う。【からにこもる】で対応してくるが【ブレイブバード】とぶつかり合い……引き分けに終わる。

 

 ブイゼルがあまり活躍することが出来なかったが、無事にハクタイジムも制覇した。

 フォレストバッジをゲットし、次のジムであるヨスガジムを目指すことになるが……原作知識的にもヨスガジムにメリッサさん居ねえんだな……。

 

 シンオウレポート30(剛力ピンプク)

 

 タケシがポケモンなりきり大会の優勝賞品としてもらったタマゴが孵化した。

 ピンプクで「進化すればラッキーになりますね!!」とジョーイさんを口説きグレッグルに【どくづき】を受けた後にピンプクが片手でタケシを持ち上げてベンチに座らせていた。見た目に似合わずスゲえ剛力だな。



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火ノ丸相撲の国宝世代的な扱い

 

 シンオウレポート31(チャンピオンマスター・シロナ)

 

 チャンピオンのみが出場することが出来るマスターズリーグが再放送されていた。

 決勝戦でシロナさんvsワタルさん、互いに一歩も譲らぬバトルで最後はカイリューvsガブリアスという燃える展開、そして【りゅうせいぐん】で決着がついた。シロナさんが勝利、世界最強のポケモンチャンピオンの称号を手にしている。

 

 最終無印ではダンデさんがポケモンワールドチャンピオンシップスで1位を取っていた。

 1位から8位までのマスタークラスのみで行われるマスターズエイトでシロナさんは2位、1位と2位じゃランキングが1つ違うという。

 しかしまぁ、相撲の世界では番付が1つ違えば家来同然で段位が1つ違えば虫けら同然なんて言われている。ポケモンバトルの世界ではどうなんだろ?そもそもでポケモンワールドチャンピオンシップスで優勝した場合のランキング変動がイマイチ分からねえんだよな。

 

 シロナさんのガブリアスは強い。BDSPでガチ育成の個体が出てきた時はビビったよ。最早、四天王はレベル上げの周回要素じゃないのだと思い知らされる。けどまぁ……決して届かないと言う高みじゃない。現にサトシくんはシロナさんのガブリアスを倒すことに成功している。それならばオレでも勝つことが出来る筈だ……とまぁ、天狗になってるのだが実際問題チャンピオンに対して挑戦権を得てないので今のオレは井の中の蛙状態だろう。

 

 一歩ずつ前進しておかないといけないなと気持ちを切り替えているとモブもといトレーナー達がざわめいている。

 チャンピオンマスターであるシロナさんがこの近くの古墳に居るとの情報だが、オレはそんな甘い誘惑には乗らないのだが「是非ともシロナさんに会おう!」と興奮気味のタケシ、おいおいお前の欲望メインかと思いつつも古墳に向かえばシロナさんがいたんだが……シンジの奴がバトルを申し込んだ。シンジ、あの後無事にヒョウタさんに勝つことが出来たんだろうな。

 

 チャンピオンマスターであるシロナさんにバトルを申し込むなんて無謀にも程があると周りは言うがシンジは気にしない。

 記念受験のノリではなく何かを狙っての事だろう。シロナさんはあっさりとバトルを承諾したと思えば「そこの君、審判をしてくれないかしら?」とオレに審判をしてくれと言ってくる。ここでシンジはオレ達の存在に気付いたがチャンピオンマスターのシロナさんとのバトルを優先したいのでオレが審判でも問題無いと言いシンジvsシロナさんが行われる。

 

「天空に舞え!ガブリアス!」と中2臭い事を言いながらガブリアスを出した。

 生で見るとガブリアスは半端じゃないな、格が違うと思い知らされる。流石は元600族最強だ。ガブリアスに対して出したのはヒコザルだった。狙いはアレかと開幕と同時に【ねこだまし】を使って怯ませれば【かえんほうしゃ】を撃ってくるが……が……ガブリアスに全然効いてない。

 

 タイプ相性もあるが圧倒的なまでにレベルの差がある。現段階のヒコザルじゃ出来ることに限界がある。

 シロナさんのガブリアスが【ドラゴンクロー】を使えば一撃でヒコザルは倒されて「使えないな」とシンジはヒコザルに暴言を吐きながらボールに戻す。それを見て真剣な顔をするシロナさん、シンジの内面について考えているんだろう。

 

 2番手に出てきたのはヤミカラス、なにをしてくるのかと思えば【ブレイブバード】で攻めてきた。

 いきなり勝負を仕掛けに来たのか?オレの経験上だが四天王以上の実力者は一撃で倒せるほどに甘くはない。予想通りと言うべきかヤミカラスの【ブレイブバード】を真正面から受け止める。ヤミカラスのパワーは決して弱いわけじゃないが、【ブレイブバード】を既に覚えさせてるならさっさとドンカラスに進化させればいい。【いたずらごころ】を活かしたヤミカラスも面白いがな。

 

 攻撃を完全に受け止めた。【ブレイブバード】を真正面から受け止めるポケモンとかはじめてみたよ。

 ガブリアスは交差して☓印を作っていた腕を戻して【ギガインパクト】を使ってヤミカラスを倒すのだがシンジは笑みを浮かべる。コイツは最初からシロナさんに勝つことを狙っていない、シロナさんのガブリアスに勝つことを狙っている。

 

 シロナさんのポケモンの中で最も脅威なのはガブリアス、今の段階でシンジはシロナさんに勝つことが出来ないと断定している。だからこそガブリアスだけを撃墜するのを狙っている。ヤミカラス居るんだから【くろいまなざし】の1つでも使えよと思ったが、狙うならば今だろう。シンジはマニューラを出した。

 

 まぁ、セオリー通りだろう。

 クチートとかクレッフィいないんだったら【フェアリー】で攻めても【どくづき】で倒されるだけだ……が、が、【れいとうビーム】はな。

【れいとうビーム】を使ってガブリアスに攻撃すれば確かなダメージがあった。今までと違ってちゃんと攻撃が通じているとシンジは笑みを浮かび上げるのだがシロナさんは真面目な顔をし……纏っていた雰囲気が変わる。コレが世に言うチャンピオンタイムか。

 

 シロナさんはガブリアスに【アイアンヘッド】で攻める。

 マニューラは颯爽と避けたと思えばシンジは直ぐにマニューラをボールに戻してドダイトスを出す。ドダイトスに【ドラゴンクロー】で攻めるが余裕で受け切る。伊達にシンジの最初のポケモンじゃない、レベルが段違いでチャンピオンマスターのエースの攻撃を受け切っている……が、何発も受けて良い技じゃないと思っていれば【ギガドレイン】を使い体力を奪う。

 

 これもこれでダメージを受けている。

 しかしそれでも倒れないのがチャンピオンのポケモンで【ギガドレイン】の緑色のオーラから脱出しようと【ギガインパクト】で攻めればそれを待っていたのだと【はかいこうせん】で迎え撃つのだが、ドダイトスに【はかいこうせん】はダメだってば。案の定ガブリアスはドダイトスの【はかいこうせん】を押し切ってドダイトスを倒して再び出てくるマニューラ。【れいとうビーム】を浴びせるがそれでもまだ倒れることはなく、ガブリアスは【アイアンヘッド】を叩き込んで戦闘不能にした。

 

 残りは2体だと思っているとシンジは「参りました。降参です」と言った。

 まだ2体残っているのだが、おそらくはどう頑張っても勝つことが出来ないのだと判断したんだろう。コレが最強、コレがチャンピオンマスター、コレが頂点…………いいね、いいね、燃えるね。

 

「急に審判を頼んでごめんなさいね」と謝ってくるシロナさん。

「一流のトレーナーが頂点に挑む姿を見れたのは勉強になりました」とだけ告げてシンジに視線を向ける。

 シンジが作戦を立てた。格上だと認めて1体だけ倒す、手傷を負わせるのを前提でバトルをし、それでもシロナさんに届かなかった……恐ろしい。スイクン、ミュウツー、ラティアスを除いたベストメンバーで仮に挑めば確実に負ける。手傷を負わせる事は出来るけども。

 

「あれ、貴方もしかしてマサラタウンのサトシくん?」と聞いてくるので頷く。

 オレもチャンピオンに名を知られるレベルで知名度が上がったのだと思えばシンジは聞こえるレベルの舌打ちをし、ポケモンセンターに向かった。「サトシの方が有名だからってあの態度はないんじゃないの!」とセレナはカンカンに怒っていたが「仕方がないわよ……サトシくんと比較されているのだから」と言うシロナさん。タケシもそりゃそうだなと頷いている。

 

 オレと比較されている事がどうしてシンジの苛立ちに繋がるんだ?

 確かにトレーナーとしての名声は徐々に徐々に高めているが、地方リーグ優勝経験はあれどもチャンピオンリーグでは決勝戦に駒を進める事は出来ていない、まだ絶妙に微妙な段階のトレーナーだぞ。地方リーグ優勝するだけでも凄まじいのかと聞いてみればタケシとシロナさんは知らないの?となっていた。

 

 老害もとい年寄りのチャンピオンのアデクさん、マスタードの爺さん。

 若手のチャンピオンのシロナさん、ワタルさん、カルネさん、ダイゴさん、ミクリさん

 四天王は大人はキクコさん、キクノさん、ゲンジさん、若いのはオーバさん、シバさん、カトレアさん

 

 代表的な人達は皆、オレよりも歳上だ。当然と言えば当然だ……だが、問題はここからだ。

 比較的に若い世代であるオーバさんですらオレと歳がそこそこ離れている。タケシよりも歳上だ。タケシよりも歳下でオレよりも歳上で誰か代表的なトレーナーが居るのか?……原作知識をフルに使うが、この段階で四天王やチャンピオンと呼ばれる領域に至るトレーナーはいない。タケシよりも若いので言えばスモモとかコルニとかだがあくまでもジムリーダーという括りで、四天王やチャンピオンレベルはいない。

 

 タケシが言うには自分達はハズレの世代らしい。

 スーパースターなトレーナーやコーディネーターがいない。居るのは新米ジムリーダーレベルで、四天王やチャンピオンクラスはいない。確かに言われてみればいないな…………だから、今の世代に注目が浴びているらしい。なんか火ノ丸相撲の国宝世代な扱いだな。

 

 ポケモンを貰って最初のポケモンリーグことポケモンリーグ・セキエイ大会で優勝したマサラタウンのサトシ

 そのマサラタウンのサトシを公式戦で純粋な実力でハンデ無しで倒して勝利した最強のバクフーン使いのワカバタウンのケンタ

 普段はチャラチャラしているが本気の時のオン・オフの切り替えが激しく別人かと思えるミシロタウンのユウキ

 

 現状、この3人が突出して強いトレーナーらしい。

 まぁ、確かにポケモンリーグ優勝実績のあるオレとケンタ、そしてオレが居なければ圧倒的なまでの強さで優勝していたユウキ、同世代のトレーナーの中で頭が抜けているかどうか聞かれれば抜けている……転生者だから知識面で色々とな、色々とな。

 とにかくジムリーダー、四天王、チャンピオン等を除いた若手の中で強いトレーナーの代表格と言えば、オレとケンタとユウキらしい。あんまりその辺のエゴサーチとかしねえからはじめて知った事実である。

 

 とにかくこの3人は下手な四天王よりも強いと言われればセレナは流石はサトシ!となる。

 だからだろうな……シンジの奴がオレに対して敵意を向けてきているのが丸わかり、負けたくないと言う思いがあるんだろう。

 知識か確かならばオレとシンジがポケモンを貰って旅をした時期は大体同じ感じだ。オレはポケモンリーグ優勝という確かな実績を作り上げた、対するシンジはまだなにも成し遂げていない。同世代の中でトップの奴が自分が挑戦しようとしているリーグに挑むとなれば…………焦るだろう、死ぬ気になって強さをより求めている。チャンピオンのエースであるガブリアスを撃退してやろうと躍起になるのも無理もない。

 

「死ぬよりも負けることが怖い……強さ、いえ、勝利を求めるが故の修羅の道を歩もうとしているわね」とシンジを評価を下す。

 シンジのトレーナーとしての強さでなくシンジのトレーナーとしての道を見て少しだけ心配をしていたのだが問題は無いと思う……その道は、修羅の道は強さを求める人間ならば誰しも通る道だ。シロナさんも一時期強さを追い求める頃があったらしく、その結果がチャンピオンマスターらしい。強さを追い求めるのは難しい。ポケモンに対する愛の形は人それぞれ……ただし、シンジは今の段階でポケモン達に向き合う事はしていない。シンジの過酷な特訓を抜けたポケモン達は既にシンジに心を開いているがシンジはそれを気付いておらず向き合おうとしていない……ただそこがオレ達との違いか。

 

 ともかく頂点のエースを見ることが出来た。ガブリアスがあそこまでとは思いもしなかったよ。

 今は3本の指に入る実力者だが何れはハレタの奴もその枠に入り、おそらくは同類のプラターヌ博士の助手も入って3本の指じゃなくて5本の指に入りそうだな。

 

 シンオウレポート32(最初からオルゴール鳴らせばそれで終わりだった)

 

 アラモスタウンに辿り着いた……辿り着いてしまったんだよ。

 いや、分かってるよ…………サトシくんになって原作通りに頑張らなきゃいけないってなった時から覚悟は決めてるよ。

 ここが有名なアラモスタウンかと観光気分のタケシとセレナ、とりあえずポケモンセンターに寄ってコッソリとミュウツーを呼び寄せる。

 

『わざわざ私を呼び出すとは、荒事か……旅をしているとはいえ荒事に巻き込まれ過ぎではないのか?』とミュウツーは呆れる。

 言うなよ、オレだって本音を言えばこんな事はしたくねえんだよ。でも、こうしないと世界が滅びるんだ。シンオウ地方関係は幻影の覇者ゾロアーク以外も色々と大変で、幻影の覇者ゾロアークもそれはそれで大変なんだよ。なにが大変かは今は書かないけども大変なんだよ。

 

 とりあえずアラモスタウンを観光する。

 少ししたらポケモンコンテストが開催されると言っているが、生憎な事にポケモンコンテストに用事は無い。目的はただ1つであると波動による探知を最大限にまで広める。日々精進してるから半径500mから650mまでならば大体で分かる……のだが、今回は違った。

 空間が歪んでいて微妙に探知出来ない。

 

 マジか〜と思いつつも呑気にしていればアラモスタウンが霧に包まれる。

 完全に時空間が歪んでアラモスタウンが独立した空間になっており、街の外に向かって霧を走るのだが抜け出す事が出来ない。

 アルベルトもとい今回の山ちゃんが「ダークライだ!ダークライの仕業に違いない!」と言い切り、ダークライを倒そうとするトレーナーを集う。

 

 アリスという女性が「ダークライはそんなことをしないわ!」と主張する。

 実際問題、この映画ではダークライは悪役ではない、むしろ悪役なのはディアルガとパルキアだ。あの2体が喧嘩しててその余波を飛ばさないように頑張っている。頑張っているのだが、シンオウ地方最強格のポケモンで神と呼ばれるポケモン2体同時に相手をするのは厳しい。

 

 とりあえずダークライを探さなきゃいけない。

 ダークライというかディアルガとパルキアをシバき倒せば今回は全て丸く収まる。ミュウツーにディアルガとパルキアが喧嘩をしているのが主な原因と言えば『神への挑戦か、面白い』と燃える。一応はオレ達が負ければアラモスタウンどころか世界が滅びる可能性があるから面白がるなよ……

 

「ダークライはきっとあそこに」とゴーディ?ゴーシュ?……ともかくアリスさんが心当たりがあるので庭園に向かう。

 庭園に向かう道中、街が光の粒子になっていく。ホントにさーマナフィの時と違ってさ〜明確な悪をぶちのめしておけばそれで終わりな話じゃないのめんどくせえよ。

 

 庭園に向かえば傷ついたダークライがいた。

 ダークライ討伐隊とかいうめんどうなのは連れてきていない。セレナがポケモン図鑑を取り出しデータを確認するが「ダークライがこんな現象を巻き起こすなんて図鑑に載ってないわ」という。ダークライは悪夢は見せるけども時空間に影響を及ぼす事はしねえんだべ。

 

 傷ついたダークライにタケシは【きずぐすり】をかける。

 ダークライは何処かに行こうと必死だったので何処に行くのか聞けばサクラダ・ファミリアもとい時空の塔で、そこに行けばディアルガとパルキアに会えるのでオレはミュウツーを出せば「サトシ、ミュウツー、頑張って!」とセレナが応援する。

 

「どっちをやる?」と聞けば『どちらもやるに決まっているだろう』とミュウツーは答える。

 ミュウツーの【テレポート】で時空の塔に向かえば時空の歪み的なので空間に穴が空いておりディアルガとパルキアが喧嘩をしている。

 すごく今更な話だけども、何故にお前等喧嘩するんだよ?お前等、時と空間でハブネークとザングースみたいに対立し合う関係性じゃないだろ。

 

 ミュウツーをメガミュウツーXにメガシンカさせる。

 パルキアに挑みに行ったのでオレはディアルガに挑む。相手は最強格のポケモン、しかしこちらには最強のポケモンであるミュウツーが存在しているんだ。メガミュウツーXは最近覚えたらしい【サイコフィールド】を使った。対するパルキアは手刀を振りかぶり【あくうせつだん】で攻撃してきた。コレは一撃でも受ければヤバいがこちらもヤバいと【ときのほうこう】を撃ってくるディアルガ、【ときのほうこう】は【あくうせつだん】と違って連発する事が出来ない技なのだがポンポン撃ってくる。なになんなの?なんか前にユウキが「センリさんのケッキング【なまけ】発動しないとかいうチートだったな」って言ってたけどもそれと同類なのか?

 

 ミュウツーと力を合わせて倒すというのはどうやら最初から不可能らしい。

 ディアルガはデカいし四足歩行だからキン肉バスターや風林火山が使えない、鋼のボディで高い物理防御力を持っている…………初っ端から厳しいが、ここで頑張らなきゃケンタとユウキとハレタに申し訳ねえ。久しぶりの二重の極みでディアルガの首のところにあるダイヤモンドを殴って破壊すればディアルガは戦闘不能、なんか【こんごうだま】を手に入れた。

 

「弱点は宝石みたいな部分だ!」とミュウツーにアドバイスを送る。

 メガミュウツーXは無敵と思っていたのだが、シンオウ地方の伝説のポケモンは次元が違うな。メガミュウツーXと互角どころかそれ以上の激闘を繰り広げている…………て言うかな、こんな事を言うのはメガミュウツーXにすごい失礼だと思うんだけど、メガミュウツーってXよりもYなんだよ。好みの問題じゃなくてミュウツーが覚える技的に特殊寄りなんだよ。【きあいパンチ】と【サイコカッター】が最高打点だっけ?

 

 メガミュウツーXに【れいとうパンチ】と【かみなりパンチ】主体で戦うように言う。

 パルキアに【エスパー】普通だしな……有効打の【フェアリー】【ドラゴン】覚えないんだよな…………メガミュウツーXが割とピンチだったのでオレが交代してパルキアの宝石みたいな部分を二重の極みと山吹色の波紋疾走で殴り【しらたま】をドロップ、コレでアラモスタウンに平和が訪れると思ったが、元には戻らなかった。諸悪の根源倒してるのにどうしてと思えば時空の塔からオルゴールが鳴り響き、ポケモン達が癒やされていき、ディアルガとパルキアは元の次元に帰っていきアラモスタウンは元に戻った……最初からオルゴール鳴らせばそれで終わりなのを無理にバトルして倒したオレとミュウツーってなんなんだろうな。しかしまぁ、ミュウツーは久しぶりの血沸き肉踊る戦いなので満足していた……次の劇場版はディアルガと悪役をボコればそれで終わり、なんて楽なんだろう。



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統一パは難しい

 

 シンオウレポート33(旅は道連れ、世は非情)

 

 テンガン山を越えた麓のポケモンセンターで一息つく。

 ヨスガジムの情報を一応は集めてみる……のだが、ジムリーダーがコロコロと不在なのが多い。

 ただのジムリーダーでなくコーディネーターとしても非常に優秀で武者修行をしているとの噂らしい。今から向かったとしてもなんだかんだでヨスガジムが開いていないんだろうな。

 

 しかしまぁ、タッグバトル大会が開かれると言っている。

 コレに出なければ、シンジのヒコザルを手に入れる事が出来ない。【もうか】云々は置いておいてヒコザルは純粋に欲しい。

 このタッグバトルの大会に賭ける事にしているとハレタの奴と再会する。テンガン山から降りてきたという事はキッサキシティを、キッサキジムを制覇したのかと聞けば「ん〜」と言いながらキッサキジムを制した証、グレイシャバッジを見せてくれるのだがなんか何時もと違う。

 

 なんかあったのか?と思えばポケモンセンターでお馴染みのポケモンの治療が終わった音が流れる。

「スズナさーん、スズナさーん、お預かりになったポケモンは元気になりました!」とジョーイさんが声を掛ける。え、もしかしてスズナってと思っているとジョーイさんの元にキッサキジムのジムリーダー、スズナが現れる。

 

「ハレタ、回復終わったよ!」とハレタに近付いてくるスズナ。

 ジムリーダーのスズナである………………とりあえず、ハレタと親しげにしているけどもと思えば「あ!貴方がマサラタウンのサトシくんね!」とオレの存在に気付き「うわぁ、最新式のポケッチ!?都会は流行ってるなぁ」と言うので「オレはカントーでもトップクラスのド田舎のマサラタウンの人間だよ」と言っておく……秋田県民兼マサラタウン出身なんだよ。

 

「あ、ごめん。自己紹介がまだだったね!私はスズナ!」と自己紹介をしてくるスズナ。

 セレナとオレとタケシは軽く自己紹介した後に「スズナ……もしかしてキッサキジムのジムリーダーのスズナなのか?」とタケシが気付けばそうだと頷く。ジムリーダーがジムを不在にしていいのか?いや、それ以前に何故にハレタと一緒に居るんだよ。

 

 色々と気になる事があるので1つずつ状況の整理を行うことにした。

 ハレタは宣言通りクロガネジム戦後、キッサキジムを目指してテンガン山を登頂してキッサキシティに向かった。

 キッサキジムはシンオウ地方で一番北にあるジムで豪雪地帯の為に滅多な事ではジムに挑戦に来るトレーナーが居ない。スズナはトレーナーズスクールを開校している。一般的なトレーナーズスクールじゃなくて大人になってからトレーナーの道を志す人とかをメインにしたトレーナーズスクールで久しぶりの挑戦者にスズナは燃えているが、たまたまポケモン達を健康診断で預けていたからキッサキジムに辿り着いた日はジム戦が出来なかった。

 

 だから、ハレタを講師として招いた。

 トレーナーズスクールでトレーナー希望の人達に序盤はどんな感じなのか等を教える感じだった……スズナの感覚ではだ。

 だがそれはいい意味でも悪い意味でも裏切った。ハレタは△△はめんどくさいと思った事にはあんまり真面目にやらないけども興味ある事に関しては真剣にやりその時の強さで言えばオレ達4人の中で1番だ。だからか…………天候パについて説明をしたらしい。

 

「天候パ?」とセレナは首を傾げる。

「天候パとはその名の通り天候を用いたコンボでバトルを展開していくパーティ構築。特性や技での発動だけじゃなく、一部のダイマックス技を使用することで多くのポケモンが天候を変える力を持っているため扱いやすくも崩されやすいパーティとなってる……けど、一度コンボさえ決まってしまえば自分の勝ちパターンへ向けて突き進むパーティで制圧力が高い。相手はこちらのコンボを防ごうとしてくるのでその対策をきっちりしておくことで勝率は高い。相手が対策をしてくることまでも対戦前から読めるから、常に先手先手で展開できるのも特徴的なパーティで【はれ】【あめ】【ゆき】【すなあらし】の4つの状態で戦うパーティの事」とハレタは語る。

 

「つまり自分が最も得意なフィールドで相手を一発で如何にして効率良く倒すのかを突き詰めたパーティの事だ……オレのメガリザードンYは【ひでり】があって【はれ】状態の【かえんほうしゃ】の威力の凄まじさを知ってるだろ?アレの他のタイプバージョンだ」とザックリと説明すればセレナもタケシも納得する。

 

「ジムリーダーはなにかしらのタイプをエキスパートにしているから天候パよりも役割論理な統一パの方がいいんじゃないのか?」と言えば「スズナのエキスパートは【こおり】だから実質雪パじゃん」と言う。まぁ、確かに【こおり】タイプだけが雪パだからな。

 だから【こおり】タイプ統一兼雪パに関する説明だけはしなかった。砂パ、晴れパ、雨パの3つだけ説明をしたらしく雪パは説明しない。ジムリーダーならば扱っているポケモンぐらい認識してるだろうと思ってると予想外な事にスズナはあまり熟知していなかった。

 

【こおり】タイプは【ほのお】【はがね】【いわ】【かくとう】とメジャーなタイプに弱い。

 弱いから……マジで【ゆき】状態とかは大事であるのだが、肝心のスズナはユキノオー、ユキカブリ、チャーレム、ニューラ。

 一応は【こおり】タイプのエキスパートなんだからチャーレムは無いだろう、ユキノオーとユキカブリがいるから【ゆき】状態での戦闘かと思ったのだが、スズナはそれを活かしきれていなかった。エンペルト、ポニータの2体だけでどうにかする事が出来たみたいで残り2体のポケモンは出さずに終わりジムバッジを手に入れた後に「なんで【オーロラベール】と【ふぶき】を使わないの?」と素朴な疑問をぶつけて、なんで使わないのかというよりはその発想には至ってなかったらしい。【ゆきふらし】+【オーロラベール】のコンボは強い、耐久力がエグくなってその上で確定必中の【ふぶき】……ユキノオーはなにかの種族値に特化しているわけじゃなく、バランスの良いポケモンだが弱点タイプが7つもあるという大きなデメリットを抱えている。【みずのはどう】を覚えさせるのもいいけども必中の【ふぶき】の方が恐ろしいんだな。

 

 一応は新米トレーナーのハレタにバトルでも知識の面でも負けた。

 バトルの方はまだいい、ジムリーダーは負けるのも仕事だからその事に関しては後悔していない。だが、知識的な面でハレタに負けたのはジムリーダーとして情けない。知らない間に天狗になっていたのだと深々と反省し、自らを1から鍛え直す為にハレタの旅に付き添っている。

 ジムリーダーの方はどうなんだ?と聞けばどうせ誰も来ないから大丈夫だと言うので7個目のバッジはキッサキジムにしようと思っていたことを伝えればハレタがポケギアの番号を渡してきた。ジム戦になればかけて来いとの事だ。

 

 どっちもヨスガシティ目当てなので一緒に向かうことになった。

 

 シンオウレポート34(統一パの役割論理は難しい)

 

 ポケモントレーナーとしての腕を強くする為にポケモンバトルの練習をする。

 ハヤシガメも重量級の戦い方を大分覚えてきた、ムクバードも【すてみタックル】を覚えてくれた。ブイゼルも【かみつく】が【かみくだく】にパワーアップしていて順調にパワーアップしている。目に見える成果が出ている事はいいことだ。

 

 だが、多くの技を使える=強いではない。

 如何にして効率良く戦うことが出来るのか、予想外の出来事があるとしてもポケモンバトルは演算力が物を言う時が多い。

 ハレタはスズナを鍛えると言っているけども、具体的にはなにをするのかと思えば歌を歌っていた。BWの方のポケモン言えるかなを応用した曲で「キュウコン、パルシェン、ラプラス、グレイシア、マニューラ」と【こおり】タイプのポケモンのみを歌い、メジャーな【こおり】タイプの名前を出したなと思えな「【れいとうビーム】【れいとうパンチ】【フリーズドライ】【ふぶき】【ゆきげしき】【オーロラベール】【こおりのつぶて】【こおりのいぶき】【こごえるかぜ】」とメジャーな【こおり】タイプの技等を歌詞に出す。

 

 とりあえず知識を蓄える上で大事なのは暗記だ。

 オレ達転生者は洒落にならないガチ廃人じゃないが一応廃人と呼ばれるレベルにまではポケモンの知識がある……が、どうもジムリーダーでも1000体以上のポケモンの数は把握しきれていない……元素記号とか電気の配線図を覚えるのが難しくても、ゲームの知識の方ならば割とあっさりと受け入れることが出来るって結局のところはなんなんだ?先ずは必要な知識を蓄えさせる為に【こおり】タイプのメジャーなポケモンと【こおり】タイプのポケモンを扱う上で覚えさせなければならない必須技を教えている。

 

 歌ならばとりあえず詰め込む事が出来る。歌ならばだ。

 それを実戦形式に活かす方法は持っているのか?その問いかけに対してハレタはメモ帳の1ページを破って十字を描き裏面にポケモンの名前、性別、特性を書いた。「書かれているかポケモンの覚える技の中で4つだけ技を選んで」と言う。

 

 コレは結構使える勉強方法だ。

 覚える技の中から4つだけを選ぶ、マニューラ、ユキノオー、フロストロトム、ラプラス(キョダイマックス)の4体だった。

 ハレタは自身のポケモン図鑑をスズナに貸して、その4体が覚える技を確認する時間を与えた…………その結果

 

 マニューラ♂【プレッシャー】 【ふぶき】【あくのはどう】【つばめがえし】【つるぎのまい】

 

 ユキノオー♀【ゆきふらし】 【ふぶき】【リーフストーム】【オーロラベール】【こうごうせい】

 

 フロストロトム【ふゆう】 【ふぶき】【10まんボルト】【シャドーボール】【あくのはどう】

 

 ラプラス(キョダイマックス)♀【ちょすい】 【ふぶき】【ほろびのうた】【ハイドロポンプ】【ドリルライナー】

 

 である……う〜ん、この技構成はありないですな!

 なんともまぁ、物凄く絶妙なまでに微妙な技構成になっている。ハレタは無言で5分ぐらい技構成を見つめてる。

 マジで空気が死んでたよ。タケシとセレナは悪くない技構成だと思っているけれども、ハレタが長時間の無言で見つめてる。実際のところは5分しか経過してないけどもマジで地獄だった。あまりにも無言だったので「え、あの」とハレタをガチギレさせたんじゃないのかと思うスズナ、コイツがガチギレしたのは一度しか見たことが無いから早々にキレない。

 

「仮にジム戦だとして誰をどの順番で出すの?」とハレタは聞いた。

 メモに書いてある順番通り、つまりはマニューラ、ユキノオー、フロストロトム、ラプラスであり……また5分ぐらい沈黙が続く。

「ね、ねぇ、悪いところがあったら言ってよ。直すから」と言う。流石に気まずいから助け舟を出そうかと思えばハレタはペンを持つ。

 

 マニューラの【ふぶき】【あくのはどう】ユキノオーの【こうごうせい】フロストロトムの【あくのはどう】【シャドーボール】を☓印、ラプラス(キョダイマックス)の【ふぶき】【ハイドロポンプ】【ほろびのうた】【ドリルライナー】全て△を付けた。「だよな〜」とオレは頷く。

 

「なんで全て【ふぶき】持ちなの?」と問い詰める。

「【ゆき】状態でのフィールドを活かして必中の【ふぶき】を当てれるようにって……ダメなの?」と可愛く首を傾げる。

「まず大前提に、ポケモンには特殊攻撃と物理攻撃の2つがある、特殊攻撃が強いポケモンもいれば物理攻撃が強いポケモンもいる。マニューラは物理攻撃と素早さが高いポケモンで技の威力だけを見ればトップクラスの【ふぶき】【あくのはどう】は強いように見えるけども、実はそこまで強くないの……マニューラは物理アタッカーで弱点はとにかく【かくとう】に弱いこと、だから【つばめがえし】は理解は出来るけども【つるぎのまい】はこの技構成じゃ【つばめがえし】しか生きないでしょ?」と正論を言い、☓印の上に◯印を書いて【つじぎり】【こおりのつぶて】と書いて「マニューラは……【こおり】タイプって言うよりも【あく】タイプって方が強いんだな」とオレは頷く。本音を言えば【ねこだまし】や【けたぐり】も必須だが、一応は【つばめがえし】は使えなくもない技なのでハレタは否定しない。

 

「当たらない可能性もある【ふぶき】よりも相手よりも先に動ける【こおりのつぶて】の方が良いよ。威力は弱いけども、相手よりも先に攻撃できる……【かくとう】タイプの技は【きあいだま】と【はどうだん】以外は大体は物理技で【ゆき】状態は物理防御が1、5倍になるからとにもかくにも相手を先に倒す、やられる前に倒すのに特化させた育成をした方がいいよ」

 

 素早さと攻撃が高くて耐久雑魚のポケモンは基本的には如何にして最速で殴るかだな。

 スズナは納得したので次はユキノオーを見る。ユキノオーは自身のエースだけあってか、1つだけ【こうごうせい】だけが☓印を付けられている。スズナは「ユキノオーは7個も弱点のタイプを持っているから回復技で耐久性を」と言うが「【ゆき】状態での【こうごうせい】は通常の半分しか体力回復しないよ」と言い切り【やどりぎのタネ】と【ギガドレイン】を教える。【やどりぎのタネ】は固定ダメージで相手から着実にダメージを与えつつ体力回復が出来る。【ギガドレイン】は攻撃しつつ体力回復が出来る。ただし【リーフストーム】搭載を認めているから徐々に徐々に威力が弱まるデメリットがあり長い目で見つめれば【やどりぎのタネ】がいいのでは?という感じもある。

 

【ゆきふらし】の効果で【ゆき】状態になれば物理防御が上がり更に【オーロラベール】でダメージ半減だ。

 そこから相手の弱点を突くというのならば無理に【みずのはどう】にせずに【だいちのちから】がいいな。【だいちのちから】を当てて特殊防御を下げて【ふぶき】で確実に仕留める。今回はあえて書いていないけどもメガユキノオーの扱いについては言っていない……メガユキノオーは地味に扱いが難しいんだよな。

 

 次にフロストロトム、ユキノオーが倒されたパターンで計算する。

【ふぶき】は必中になっているが時間制限がある、ただしフロストロトムの売りは【ふぶき】もあるので【ふぶき】は◯

 貴重な【でんき】タイプでもありダブルバトルメインじゃないので【ほうでん】じゃなくて【10まんボルト】採用も◯

 しかし【あくのはどう】と【シャドーボール】は☓印……マニューラがいて【つじぎり】を覚えさせているならば攻撃しつつジムリーダー側が交代出来ないと言う誓約を無視して交代出来る【ボルトチェンジ】そしてダメージを与えつつも物理攻撃力を半減する【おにび】辺りがいいと言う。

 

 まぁ、フロストロトムは【ふぶき】と【ボルトチェンジ】は確定で他に【10まんボルト】か【ほうでん】か【かみなり】の3つの内のどれか、4番目の技はその人の個性になる。【シャドーボール】【あくのはどう】搭載型が多いけどもマニューラ入れてるならば【あくのはどう】も【シャドーボール】も絶妙なまでに微妙になる。この世界じゃアイテム持たせないから【トリック】使い所無いんだがな……う〜ん、ロトムは決まった型+最後にトレーナーの個性が物を言うポケモンだから扱いが難しい。

 

 最後は全てに△印をつけたラプラス。「なにがやりたいの、このラプラスで?」とハレタは聞いた。

 スズナの主張は「ラプラスは【こおり】タイプのポケモンだけど水上や水中でバトル出来るだけじゃなく豊富な技を覚える、先ずは【ふぶき】は確定で次に【ハイドロポンプ】どうしても倒せない敵が居る時を想定しての【ほろびのうた】に【でんき】対策の【ドリルライナー】……ダメなの?」と最早ハレタに怯えている。

 

「【ドリルライナー】を覚えさせているラプラスもいる。【ふぶき】を覚えさせているラプラスもいる。【ほろびのうた】を覚えさせているラプラスもいる。【ハイドロポンプ】を覚えさせているラプラスもいる……でも、型がスタイルが違う。ただ純粋に豊富な技を覚えさせてる器用貧乏に納まってる。コレじゃあどう見ても中途半端なラプラスに終わってる……だから全部が△なの」と言い切る。

 

 マニューラ→ユキノオー→フロストロトム→ラプラスの順番で出すと言っている。

 フィールドを【ゆき】状態に変える【ゆきふらし】を使えるのはユキノオーだけで他のポケモンは【ゆきげしき】を覚えていない、ユキノオーが即座に倒されたを想定しても1度間にフロストロトムが入る。【オーロラベール】と【ゆき】状態で更には特殊防御が高いロトム、素早さが若干落ちるのが難点だけどもそれ以外は高い水準の耐久力を見せるから確実に【ゆき】状態が消える。

 

【ゆき】状態が消えた状態での【ふぶき】を撃つぐらいならば他の技を使う。

「れ、【れいとうビーム】」と聞いてくるけども「……【フリーズドライ】があるでしょ?あれならばキングドラをはじめとする厄介な水ポケモンに対応できる」と言い「でもラプラスは【ちょすい】だから【みず】タイプの技は通じないでしょ?それならいっそのこと【こおり】タイプの技を無しにして多彩な技で」と言い返そうとするが「【オーロラベール】をはれる【キョダイセンリツ】無しは無しでしょ……【ゆき】状態無くなってるんだよ?ラプラスは高水準の力や耐久力を持ってるけども何かが突出してるわけじゃない、器用に強力な技を覚えるけども、どれかに特化させておかないと器用貧乏で納まるよ……【れいとうビーム】もいいけど【フリーズドライ】にしておけばサブウェポン豊富な水系のポケモンに有利に取れる。ロトムがいるからって思うけどもヌオーとラグラージとキングドラが鬼門になる……ユキノオーで倒すことが出来ればそれでいいんだけど、最後なんでしょ?フロストロトム居るから【ボルトチェンジ】と組み合わせれば、状況に応じて交代出来るから【かみなり】とかはそこまで重要じゃない。【ほろびのうた】は……まぁ、よくも悪くもないよ。最後のポケモンで【ほろびのうた】だからしぶとく生き残るつもりなんだけども……【ハイドロポンプ】も威力は高いけども当たりにくいから威力は少し下がるけどもそれでも充分に強い高火力な技【うたかたのアリア】とか………【ドリルライナー】を採用したいんだったら【こおりのつぶて】【アクアブレイク】【りゅうのまい】とかがいいじゃん」と言い切った。

 

 ラプラスは型が豊富でキョダイマックスまで与えられている非常に読みづらいポケモンだ。

 物理も特殊も耐久もイケて豊富な技があり雨も雪もいける凄く読みにくい。唯一読むことが出来るのは特性が【ちょすい】であることぐらい。

 だが多彩な技を使える=強いではない。如何にして効率良く戦うことが出来るかどうかが重要であり、今回は氷雪パだから……ユキノオーの【ゆきふらし】依存じゃないからまだましか。やっぱアローラキュウコン必要だよなぁ……。

 

「呑気そうにしているが、とてつもない知者だなハレタは」とタケシがハレタのトレーナー力に頷く。

 しかしハレタは「むしろ逆」と言い切る……まぁ、そうだよな。色違い理想個体厳選するんじゃないガッチガチの廃人じゃない、基本的には努力値は極ぶりで細かな調整はしない。アレはよく分からない世界だからな。

 ハレタもオレもケンタもユウキもポケモン廃人と言うかポケモンと言うモンスター育成RPGで対人戦を想定した育成方法を知っているだけでホントに洒落にならないガチ廃人は20種類ぐらいのカイリュー用意してたりするからな。

 

「自分がなにが出来てなにが出来ないのかの把握は必須じゃん。限界や壁を超えろ、気合いなんて言う根性論なんて都合の良い言葉は使いたくないよ」

 

 とバッサリと言い切る。スズナが若干暗くなる……スズナは気合いの根性論が好きらしい。

 ハレタって言うか△△は根性論死ぬほど嫌いだからな。体育の授業でバスケとかサッカーで1on1やって負けたら腕立て伏せ10回とか言ってくる体育教師をガン無視してるからなぁ……アレは鬱陶しいのは分かるけども筋金入りの精神論嫌いでその反面色々と熱いものを胸に宿してる。まるで黒子のバスケの紫原だな。

 

 しかしまぁ、ガッチガチとは言い難いがある程度はガチ育成している。

 ハレタは一切の手加減はしない、スズナは精神的にボコられながらもハレタから氷統一パについて色々と聞いている……原作だと勝てていたキッサキジムだが相手は氷統一パのガチ構成で挑んでくるのを想定しておかなければならない……なにが飛び出てくるか……【ゆきふらし】と【ゆきげしき】と【オーロラベール】は絶対に出てくるから、リザードン呼ばないと勝てない対氷統一パ想定したパーティ構成で行かなきゃ勝てない感じか…………………場合によってはキッサキジムを最後にしなきゃダメだな。



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やっぱりいなかった

 

 シンオウレポート35(タテトプスを守れ)

 

 ヨスガシティを目指しているとシゲルと再会した。

 お前はガラルリーグがあるんじゃないのかと聞けばバッジは既に集まっていて最後はリーグ開催地であるシュートスタジアムにアーマーガア便で行けばそれで終わりで開催までの間はポケモン研究家としての腕を高めるらしく、現在はタテトプスの移送を行っている。

 

 化石ポケモンであるタテトプス、復元したのか聞けば復元していない野生で生息している天然のタテプトスらしい。

 化石でなく天然の野生のタテトプス、化石ポケモンは絶滅したって言うのはもう言わないほうがいいんじゃないの?と思わずツッコミを入れる。

 チラリと原作知識を掘ってみてもこれから先、結構な割合で絶滅したと言われるポケモン達と化石復元じゃなくて野生で生息してる個体を結構な割合で生息している。

 

 シゲルに絶滅したと言われているポケモン達は野生としてかなり生息している。

 その辺について言えば「ポケモンが絶滅したってのは一部の投資家が流したデマだよ。そんな事も知らないのかい?」と呆れられる。いや、知らねえよ。図鑑に載るレベルのデマってそれは詐欺罪に当たらないの?

 

 シンオウレポート36(トランプ競争)

 

 ハレタの奴がスズナに色々と教えている。

 ジムリーダーとしての戦い方を学ぶ為に【こおり】タイプのポケモンの扱い方を教えている。スズナとのジム戦がかなり厄介になる事は確かだ。

 タケシも博学なハレタからなにか学べるだろうとメモを片手に色々と教える。気になることや聞きたいことがあればハレタは嫌がる事なく教える。

 

「だ、大丈夫かしら」とセレナは強くなっていくスズナに勝てるかどうか心配をする。

 しかしまぁ、勝負は水物だし統一パだからまだ比較的に倒しやすい、天候パとかよりもマシなんだ。厨ポケ統一とか言うクソややこしいパーティで挑んでくるからマシなんだと言い聞かせるが、やっぱり少しだけ怖いとは思う。メガリザードンYで勝てないとなれば相当ヤバいからな。

 

「知識だけ鍛えても意味無いから、ちゃんと使える様に鍛えないとね」とハレタはトランプを取り出した。

 ああ、それをするんだなと思っているとトランプでなにをするのか分かっていないタケシとスズナ。セレナはオレがやっているのを見たことがあるのでハレタもそれをするんだと意外そうにする。別にそこまで特別で難しいことじゃない、トランプさえあればどうにでもなるものだからな。

 

「トランプがJOKERを除いたAからKまでの数字を合計すれば364になる、だから占いとかでよく使える……最初だから100でいいかな」とトランプをシャッフルする。△△は手先がSKET DANCEのボッスン並に器用だから、イカサマも普通に出来る。なのでオレ達全員でトランプをシャッフルして何処になにがあるのかが分からない状態にし、スズナにストップウォッチを渡した。

 

「よーい、ドン!」とスズナがストップウォッチを動かすと同時にハレタはトランプを1枚捲る。

「3,7,13,22,24,27、31,38,45,58,59,66,76,81,86,87,99,111」と34秒で100まで数えた。流石は△△と言うべきか、この手の事をやらせるとエグいぐらいに早い。色々と鍛えてる俺ですら53秒なのに、△△はカードを捲ると同時に答えを言って次のカードを引く。頭の中で算盤が出来ていてそれを弾いてる人と殆ど同じ感覚でやっている。

 

 使ったカードをスズナは確認する。ハレタは一切適当な事を言っていない、捲ったカードと合計した数字は一切の間違いは無い。

 スゴい技能だが「コレとポケモンバトルがどう繋がるの?」とスズナが聞いて空気が一瞬だけ凍る。タケシもイマイチ分かっていない、何かしらの意味があるんだろうが答えを聞いても即座に教えるのか?と思ったのだが割とあっさりと教える。

 

「思考速度の加速、即決即断能力を高めるため……この演算処理能力は物を言う。ポケモンバトルは極端な話、理詰めだから如何にして効率の良い最善手を使うことが出来るか。今蓄えている知識を本番に使う為には実戦的な経験値を得るのも大事だけどこういう地道な基礎が大事で……サトシもやってるんじゃないの?」

 

 とオレを話題に出すんじゃない。視線の先にはオレがいるので仕方がないなとオレは自前のトランプを出した。

 ハレタ以外にシャッフルしてもらい、ハレタと向かい合って……数を数えるのをやる。オレとハレタは既にベテランの域に達しているので100を越えたら終了だなんて甘えた事は言わない、364になってカードを全て引いたら終わりになるようにする。

 

 本格的な修行をしたりする時に演算処理能力を高める時によく使う手だ。

 □□の奴がなんかの漫画で見たのだとトランプの数字をとにかく足していく……△△の演算処理能力はとにかく高い、1分22秒で364まで辿り着いた。純粋な知識と言う点では□□、いや、ユウキの奴が1番だがこういう頭の回転速度に関しては△△がぶっちぎりで強い。久々にやったからオレも1分31秒と言うなんともまぁ、微妙な数字である……1分30秒の壁が厚いな。

 

「んじゃ、試しにやってみて」とハレタはスズナに100を越えたらそこで終わりだとトランプを渡す。

「8,14、22、28、31、39……47,53,55、67,73、74、79、91,99,105」とスズナは終わらせればハレタはストップウォッチを止める……そして無言だったので恐ろしい。△△が無言でなにかを考えるのは多々あることだけども、ハレタの容姿がポケスペのダイヤだから無言でなに考えてるのか腹の中が読みづらい。スズナもなにかやらかしたかとまた気まずそうになってるので「1分30秒切るのを目指そうね」と1分58秒と殆ど2分かかっている。

 

 今度はタケシがやってみるが1分53秒、引いたカードの数字がスズナと比べてもJQKの大きなカードを数枚引いたのが大きい。

 仮にタケシがスズナと同じカードを引いたとしても同じだったと言える……タケシもスズナもジムリーダーで実戦的な経験値は充分積んでいる。たゆまぬ努力はちゃんとしているのだが、それでもまだ足りない。ケンタやユウキならばこのトランプ競争は1分は余裕で切る。

 

 頭の中で算盤が出来ているからフラッシュ暗算みたいにパッと出来る……フラッシュ暗算能力とは若干だが異なる能力だ。

 頭の中で即座に様々な手を想定する、ムーンセル・オートマトン程とは言わないが様々な事を思考する事が出来るのであればそれは充分に強いだろう……この手の技量は△△がぶっちぎりで強い。

 

 コレ以外にもやれる方法はある。

 トランプの遊びの1つであるスピードだけども、ハレタは息を吐くかの如くイカサマをしていた。シャッフルしてるなと思っていたが上手い具合にA〜Kまで並べ目にも止まらぬ速さでスピードを終わらせる。トランプ勝負は絶対にダメだってば。スズナ涙目だったよ。

 

 シンオウレポート37(最強を目指して)

 

 立ち寄ったポケモンセンターで休んでるとポケモンリーグ・セキエイ大会の開幕式が行われていた。

 お〜そう言えばもうその時期なのかとテレビに釘付けだ。なにせこの世界での一大イベント、ポケモンリーグ(地方リーグ)でポケモンセンターに宿泊している奴等の目的は最強だからな。

 

「なんでカントーだけカントーリーグじゃないの?」と素朴な疑問を聞いてくるハレタ。

「カントー地方はポケモンリーグの本部があるからカントーリーグじゃなくてポケモンリーグなの!」とスズナが教えてくれる…………アニポケの初期構造は3年ぐらいで終わる予定でこんな長期なサザエさん方式な世界を一切想定していなかったんだ。だから初期の頃はカントーリーグじゃなくてポケモンリーグ・セキエイ大会扱いになっているが物語の長期化に進んで初期設定なんかが死にかけている、アニポケって割と死に設定多いんだ。チャンピオンリーグとか特にそうだよ。

 

 大人の事情を感じつつも、聖火を灯す役を担っているのがユウキなのに気付く。

 あいつ、オレに負けたのに聖火を灯すってまた験担ぎに頼っているのか?……いや、タマランゼ会長がやってくれと言ったんだろうな。オレが居なければユウキの奴がぶっちぎりでサイユウ大会を優勝していたからな。

 

 テレビ放送であり聖火を灯し終えればニュースキャスターに画面が切り替わる。

 なんと言っても優勝候補はミシロタウンのユウキ選手、サイユウ大会ではあのサトシ選手と激闘を繰り広げたと上げる上げる。

「最後の最後でテッカニンに【まもる】使って詰めが甘いのが優勝候補じゃ底が見えるよ」と平然と毒を放つ。あの時は最高の状態のバシャーモでオレを倒す算段でスイクンをメガシンカ込みとはいえ純粋な実力で倒したんだ。その上で第2の壁と言うか1番の脅威であるメガリザードンYを倒そうとしたんだからそれはもう焦って判断能力を間違える……と言えばただの言い訳にしかならないか。

 

「最高の状態のメガバシャーモを倒すサトシのメガリザードンYも異常だけど」と言う。

 まぁ、最大にまで高まったメガバシャーモを殴り倒すって普通に異常だよな。その前にスイクンと激闘を繰り広げていたってのもあるけども、今こうしてコレを書いててもよくまぁメガバシャーモをメガリザードンYで倒すことが出来たと思う。

 

 ポケモンリーグ・セキエイ大会は割と長い。

 なにせ1回戦から決勝戦まで8試合あるんだから精神的にガリガリと削られていく。準々決勝からフルバトル、セキエイスタジアムで行うものでオレは初出場の時は物凄く精神的に来るものがあった。なにせこういう感じの舞台は始めてだったからな。

 

「あの時は凄まじかったな。色々と下馬評を作られていってある程度は予想通りになったが最後に残ったのは優勝したのはサトシで誰もが予想していない。決勝戦のケンタとの名勝負は今でも語り草だ」と全力のケンタ相手に全力で迎え撃った時の事をタケシは思い出す。

 スズナは見ていなかったのでネットにその時のバトルの映像が上がってるとハレタが違法なのか合法なのかよく分からないギリギリのサイトを教えてその時のバトルを見せる。今でこそ注目株のトレーナーだけども初期の頃はシゲルが物凄く期待されてたからな……オレが優勝した時のマサラタウンの住人の掌返しのエグさよ……そういえばケンタの奴が優勝した時はどうだったんだろ?やっぱりウツギ博士が盛り上げた?いやでも、彼奴はなんだかんだでグレてるって言ってたよな……真面目な性格が故に……うん。

 

 シンオウレポート38(やっぱり居なかった)

 

 ヨスガシティに辿り着いた。

「ジム戦ね!」と言うセレナに対してどういう感じの反応をすればいいのかが分からない。「居ないの分かってるのに言えないのってキツいよね」とハレタは同情してくれる。同情するならばジムへの挑戦権をオレにくれよ。一応は期待しておくけども、ジムに向かう。もし居た場合はオレが先に挑戦するのだとジャンケンで決めている。

 

 ジムに向かったら案の定、メリッサさんは居なかった。

 ジムリーダーがジムを不在にするなよと思っていると「おや、サトシくんではありませんか」とナオシさんが現れる。ナオシさんは一昨日、ヨスガジムに挑んだらしく、その後直ぐにメリッサさんは旅に出た。何時ぐらいに帰ってくるかは未定らしく、ジムバッジを見せてくる。羨ましいぞ。

 

「ジムに挑めないのは誠に残念な事ですが、コレに出場しては如何でしょうか?」とナオシさんはタッグバトル大会を勧めてくる。

 とりあえず開催までに間に合った事をホッとしておく。タッグバトル大会、遊びの大会ではあるもののここにこそ意味があるんだと燃えつつ一先ずはとポケモンセンターに戻れば「先輩どうしてここに!?」とコーディネーターのノゾミと遭遇する。

 

 ノゾミにジムリーダーとしての腕が未熟だったからハレタと同行して鍛え直していると教えるスズナ。

「先輩を指導するのに相応しいかどうか見させてもらうよ!」と姑の様な事を言い出した。なんかもう色々とめんどくせえなと思いつつも、ノゾミvsハレタが行われる。言っておくがハレタもとい△△は彼女持ちでありスズナの事を一切そういった目で見ていないぞ。「上を目指したいとか強くなりたいとかよく分かんないけど、やりたいなら勝手にやれば?」って毒を吐いてるからな、彼奴は。

 

 ムウマを出したノゾミに対してルクシオを出すハレタ。

 最初はどう出てくるかと思えばハレタは【エレキフィールド】をルクシオに使わせる。ノゾミは若干だが表情が切り替わる。大方【さいみんじゅつ】でも狙っていたんだろうがこのヨスガシティのジムリーダーのメリッサは全てのポケモンに【さいみんじゅつ】か【あやしいひかり】のどちらかを覚えさせているとの情報がある。それ対策で一応の【エレキフィールド】を覚えさせているから【ねむり】対策は万全だ……そして実に厄介な事に……ムウマは特殊系のポケモン、物理攻撃が売りのルクシオで【こうそくいどう】を使って素早さを上げつつも【かいでんぱ】をぶつけて特攻を下げる。ムウマの売りである特殊攻撃が下げられるのは色々とまずく【シャドーボール】をぶつける事に成功したりするがルクシオは余裕で耐え抜いて【かみつく】の一撃で沈めた。

 

「試合だけを見れば一方的だ。だが、その中にハレタの様々な手が見える……」とタケシも頷く。

 

「先輩との関係を認めるよ……先輩を頼んだよ」と明らかに使い道が違う事を言う。

 ハレタに下心は一切無いんだから、そういう事はあんまり言っても特に心が靡かない、彼奴はドライな時は物凄くドライなんだぞ。ノゾミの何処が悪かったとかは特に言わない。コーディネーターとトレーナーでは分野が違うのだから。

 

 シンオウレポート39(大丈夫は悪魔の言葉)

 

 ポケモンコンテスト・ヨスガ大会が開催される。

 ナオシさんも当然の様に出場しているのだが、ナオシさんの事を聞いてノゾミの奴が中途半端な奴だと言っている。

 

 ポケモントレーナーの道を極めるならば、ポケモントレーナーの道を歩まなければならない。

 ポケモンコーディネーターの道を極めるならば、ポケモンコーディネーターの道を歩まなければならない。

 どっちつかずのナオシさんを認めないという。

 スズナ的には「ちょっと過激な思想だけど、言いたいことは分からなくもないんだけどね」とのことで、別に二刀流でも構わないらしい。

 

 二刀流を認めないと言うが世の中には二刀流を成功する化物が普通に存在している。

 この世界だとミクリさんとアダンさんが二刀流を成功している。他にもククイ博士はポケモン博士と教師とロイヤルマスクの三刀流だ……冷静になって考えればククイ博士滅茶苦茶万能なんだよな……恐ろしい。

 

 現実にも二刀流に成功している化物はマジで居る。

 わかりやすく言えば偏差値が高い所謂しっかりとしたお受験をしないと入る事が出来ない頭の良い学校でスポーツの全国大会の常連校と文字通りの文武両道をこなす。確か黒子のバスケの洛山高校のモデルになった学校はバスケの全国常連でありながらも偏差値が高い高校だった筈だ……まぁ、工業高校生のオレ達には関係無い話だな。

 

 ポケモンコンテストが始まるのだがやっぱりセレナに火が付いていない。

 セレナのパフォーマンスの方が確実に上なのは分かるのだが、やっぱり燃え尽きている……次の進路が見えないのに悩んでいる。世界や道は無数に存在しているんだからゆっくりとゆっくりと考えてくれればそれで構わないか。

 

 一次予選でヒカリを見かけた。

 冷静になって考えてみれば1度も会ってないが、どうなんだ?と思っているとパフォーマンスをするのだが、なんと言うか物足りない感じがする。ノゾミはヒカリと知り合いで「あれじゃダメだね」と言い切る。後でネットで見たけどもヒカリはポケモンコンテストで優勝経験がある一応の実力者みたいだが、行き詰っている。大丈夫!と自分に言い聞かせて騙し騙しで頑張ってるんだろうが、無理っぽい。予想通りか一次予選で落ちた。そして決勝戦はナオシさんvsノゾミでナオシさんが見事に勝利し、ノゾミはナオシさんの在り方を認めた。

 

「キッサキジムには何れ行ってみたいと思います」と言うナオシさんとスズナはポケギアの番号交換をしていた。

 ヨスガシティのタッグバトル大会には参加しないのか聞いてみたけども「参加したいのは山々ですがスケジュールが」と言っていた。やっぱり二刀流って難しいんだな……ユウキとかならこなせそうなイメージがある。□□なんだかんだで万能だからなぁ……



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開幕!ヨスガシティタッグバトル大会!

 

 シンオウレポート40(申請はお早めに)

 

 メリッサさんは帰ってこない。何時ぐらいに帰って来るのかすら分からないというクソ面倒な事である。

 ジムリーダーがジムを不在にするなよとはハレタ達の前では堂々と言えないけどもポケモン検査官とか大丈夫なのか?1回、ハナダジムが摘発されて滅茶苦茶揉めたってニュース見たぞ。現在じゃカスミが完全にジムリーダーに就任してるけども。因みにスズナはちゃんと休業申請はしており、タケシは代替わり、父親のムノーさんから弟のジロウになっている…………ムノーさんがその申請してなくて後日揉めるのが分かっている。流石にラティアスを相手にドサイドンで挑むと言う厳しい戦いはさせたくないので「あれ?ニビジムのジムリーダー、タケシのまんまだぞ」とだけ言っておけばタケシは慌てて実家に連絡を入れた。いい感じの石に見惚れていたが故にジムリーダー交代の申請用紙を川に流したの忘れてたは無いだろうな。

 

 それはそうと次の指針を決めなきゃいけない。

 原作通りに事を運ばせるのであればちゃんとメリッサさんと戦うことが出来る。ハレタの奴は次に挑むジムはノモセジムと言う。

 そういえばケンタの奴はイッシュリーグはあえて全てアニオリのジムを挑むだなんだ言ってたな。オレ達と被ると色々と厄介なので、オレは原作通りにトバリシティに挑むことにした。

 

 ヨスガシティのタッグバトル大会が終われば分かれ道、短い感じだったが割と楽しかった。

 △△……いや、ハレタの奴が真面目に本気を出した場合のエグさがよく分かる。スズナは恐らくはシンオウで上から数えて直ぐのジムリーダーになるな。もしくはジムリーダー兼四天王とか。ともかくジム戦の時とかに連絡は入れてくれと言っている。

 

 シンオウレポート41(開幕!ヨスガシティタッグバトル大会)

 

 ある意味、この街に来た1番の目的であるヨスガシティタッグバトル大会が開催される。

 オレだけでなくハレタ、スズナ、タケシ、セレナも参加する。タケシまでは分かるがセレナも参加するのは割と意外だが、祭り騒ぎの大会なので面白ければそれで良し。

 

 エントリーカードを渡されたのでコンビを探す。

 エントリーカードと同じ数字のトレーナーこそがコンビ……なんだけども、奇跡と言うかなんと言うかハレタとスズナがコンビだった。なにかが世界が祝福の時なんだろうか。そういえば結局ヒカリは居るんだろうかと目を閉じて波動で探知してみるがそれらしい姿は見当たらない……オレがサトシくんじゃなくてサトゥーシくんなせいでこうなったんだから受け入れるしかない。そもそも他人を気にするほどに余裕無いしセレナに浮気したって言われるのが恐ろしい。

 

「おい、聞こえてるのか?」とシンジが声をかけてきた。

 オレのコンビは原作通りシンジ、タケシは大人のお姉さんであるホノカさんでセレナのコンビは勝てるポケモン方程式の持ち主であるコウヘイ……キャラが濃いなぁ。しかしまぁ、それは別にいいことだ。

 

「優勝目指そうぜ」と握手を求めるのだがシンジは握手に応じない。

「俺はお前みたいな仲良し小好しのお祭り騒ぎで来たんじゃない。お前の力は借りない」と言い切るシンジ、やれやれまだまだ青い……青いな。うん。普通に青いから困ったもんだ。一応はタッグバトル大会なのが分かってるのか?シングルバトルの大会じゃねえんだぞ。

 

 そんなこんなで1回戦が開幕する。

 最初はスズナ&ハレタのコンビ、街の大会とは言えジムリーダーが負けるのは情けない姿で絶対に負けないんだから!と闘志を燃やしているスズナと大きくあくびをしているハレタ。対局的だがコレはもう見慣れた光景である。

 

 対戦相手のトレーナーが出したのはニョロトノとヘルガー。

 フィールドに出た途端に雨が降り注ぐので恐らくは【あめふらし】個体……空気が一瞬だけ凍りついた。このタッグバトル大会は事前にコンビが決まるんじゃなくて当日ぶっつけ本番、打ち合わせ無しだから……【あめふらし】ニョロトノとヘルガーの相性は普通に良くない。

 

 スズナはマニューラを出した。ハレタはロズレイドを出した。

 相性的にはやや対戦相手のトレーナーが有利に見えるが、作戦1つでひっくり返る事が出来る盤面だな。試合開始の合図が告げられると同時にスズナが動く。この状況における最もの最適解開幕【ねこだまし】でヘルガーに対して【ねこだまし】を使って怯ませるとニョロトノが【みずてっぽう】を撃ってくるのでロズレイドが盾になり攻撃を受けつつも【ウェザーボール】を使う。

 

 現在は【あめ】状態、天候によってタイプが切り替わる【ウェザーボール】は【みず】タイプになる。

 ただそれだけでなく【ウェザーボール】の威力は倍、威力50から威力100に切り替わる。【ウェザーボール(水)】で威力100でロズレイドの高い特殊攻撃能力に更にはヘルガーは怯んでいて回避や受け切る事は出来ない。【ウェザーボール】の一撃で戦闘不能になった。

 

 残ったのはニョロトノだけだ。いきなりヘルガーの戦闘不能に驚く観客達……レベルが違うのが思い知らされるな。

 ニョロトノは【きあいだま】をマニューラに向かって撃つのだがマニューラは軽々と回避する。マニューラに攻撃を当てるのは意外と難しい。しかし技の選択はミスったな、既に2対1の構図を作り出しておりその上でマニューラ狙いに走った……この状況下で倒さなきゃいけないのはロズレイド【れいとうビーム】とか色々とあったのに【きあいだま】をマニューラに向かって撃った。ロズレイドに大きなチャンスが現れる、ハレタは当然それは逃さないのだと【エナジーボール】をロズレイドに指示しニョロトノを戦闘不能にする。

 

「ノゾっち、皆!見てる!」とピースをするスズナ……田舎者感があるから止めといた方良いよ、マジで。

 

 次に出番が来たのはセレナとコウヘイだった。

 ヤンヤンマとタツベイに対してエレキッドとヤドキング、また変わったコンビで来たなと思いつつも試合開始の合図が告げられるとコウヘイはセレナに1手稼いでくれと言うのでエレキッドをヤドキングの前に立って一列にし【ソニックブーム】と【りゅうのいぶき】を撃ってくるヤンヤンマとタツベイに対して【まもる】で攻撃を完全に防ぐ。

 

 コレでどうするんだと思えば【トリックルーム】を使ってきたが……悪手だ。

 ヤンヤンマは素早いポケモン、タツベイは微妙で……エレキッドがこの中では1番早いポケモンなんだ。自分のポケモンじゃないから個性を上手く理解しきれていない。「この中で1番早いのはエレキッドなのよ!?」と言うセレナに対して問題無いと言う。独走するのかと思ったが、セレナにエレキッドが【れいとうパンチ】が使えるか聞くので3色パンチは可能だと言えばヤドキングに【れいとうパンチ】でタツベイを殴り飛ばす。

 

 この世界はあまり見ないけども【トリックルーム】は恐ろしいな。鈍足のポケモンが高速アタッカーになっている。

 殴り飛ばされたタツベイの飛んでいく先にエレキッドがいてエレキッドは【れいとうパンチ】で殴り飛ばし、ヤンヤンマに飛ばすんだが……出た時よりもヤンヤンマの速度が遅くなっている。【かそく】ヤンヤンマか?と思っているとコウヘイも「【かそく】ヤンヤンマですか、先に倒さなければならないのはヤンヤンマです!」とセレナにアドバイスを送る。

 

 で、どうするんだと見守る。

 一応は【かそく】で速度が上がっているから物理接触技で攻撃する事は出来なくもない、だが何時【トリックルーム】が切れるか分からない。

 徐々に徐々に遅くなっていくヤンヤンマに対して【10まんボルト】を放つがこれが遅いのだがコウヘイはそれは想定内だと【10まんボルト】をまき散らすように言って撒き散らして逃亡経路を防ぎ電撃を纏った【パワージェム】を使いヤンヤンマを倒す。

 

 ヤンヤンマの速度上昇的にそろそろかと思っていると【トリックルーム】が消える。

 もう一度【トリックルーム】狙いで来るかと思ったが既に盤面は詰んでいる、ヤドキングが地面に【れいとうパンチ】をぶつけて地面を凍らせエレキッドに地面を滑らせて【れいとうパンチ】を叩き込み戦闘不能にする。

 

 一時はどうなるかと心配したが、なんだかんだで上手くやれているな。

 

 次にタケシとホノカさんだ。

 タケシは上機嫌で鼻の下を伸ばしているのでグレッグルが【どくづき】でツッコミを入れて制裁を下し、そのままグレッグルがバトルに出るとフィールドに出ればホノカさんはパルシェンを出した。対戦相手が出したのはベイリーフとレアコイルだ……互いにいい感じだな。

 

 試合開始の合図が告げられるとレアコイルが【ほうでん】を放つ。

 ダブルバトルをする上では【ほうでん】が1番正しい選択肢だろうがその対策の1つや2つはしているとホノカさんはパルシェンに【ドリルライナー】を指示した。【ドリルライナー】で移動するのかと思ったが角を回転させて電撃を捌いている。特性の【ひらいしん】の真似事だがパルシェンにとっては悪くない技の使い方だが……グレッグルにはダメージがある。ベイリーフが【ギガドレイン】をパルシェンに向かって撃ってくる。

 

 パルシェンが【でんき】タイプの技を捌く事が出来ているが、それだけだ。

 グレッグルはどうする?このままだとパルシェンは戦闘不能になると思っているとパルシェンは動く。普通に【ドリルライナー】でレアコイルを突き飛ばすのだがそれが読まれていたのか攻撃をくらう少し前にベイリーフが【つるのムチ】を出してパルシェンを掴んで動きを若干だが遅くした。仮に【がんじょう】じゃないレアコイルだとしても確実に攻撃を耐えることが出来ていたなと思ったが、これでグレッグルが動けるようになったとベイリーフに向かって【どくづき】をくらわせる。

 

【ほうでん】と言う厄介な爆弾を持っているレアコイルがヤバいな。

 どういう風に対応するかと思ったが【つららばり】をレアコイルに向けて撃つ。一定のリズムでなく不規則なリズムで撃っており攻撃を撃つタイミングを作らせない。連続技にはこういう使い道があるのだと勉強になる。グレッグルは攻撃を避けようとするレアコイルに【かわらわり】を叩き込んでレアコイルを戦闘不能にすると【マジカルリーフ】が飛んでくる。ベイリーフがやっているが、この戦法が使えると分かったので【つららばり】を連発しておき動きを封じている間に【どくづき】をくらわせて戦闘不能にした。

 

 いや〜強いな……お祭り騒ぎだけども盛り上がるな。

 オレ達の出番が来たのでオレはピカチュウ、シンジはヒコザルを出した。相手のトレーナーはサイドンとブーバー……厄介なのはブーバーだから、先ずはブーバー優先で倒す。「スズナがやったみたいにヒコザルに」と言おうとしたらヒコザルに【あなをほる】を指示するシンジ。

 

 この野郎、あくまでも自分の腕だけで勝ち抜こうという魂胆か。

 だったらこっちも己の力のみで勝ち抜いてみせると【10まんボルト】を撃つのだがサイドンに電撃が向かっていった。「ヌルいな、サイドンが居るのに【10まんボルト】なんて。特性の1つぐらい理解してろ」と毒を吐くシンジ。【ひらいしん】サイドンなんて殆ど絶滅危惧種みたいなものだから分からねえよ。

 

 だがまぁ、コレで手札が全て無くなったとか言うわけじゃない。

 オレのピカチュウはこう見えても多彩なんだ。ブーバーが【かえんほうしゃ】を撃ってくるのでピカチュウは回避する。シンジにブーバーに触れたらアウトだしピカチュウの攻撃云々もあるからブーバー狙いで頼むと言うけども、シンジはガン無視し攻撃をしない。少しだけ期待したオレがバカだったと思い【なみのり】を使ってブーバーとサイドンを飲み込もうとすると「ヒコザル、ブーバーに向かって攻撃しろ!」と言う。

 

 このタイミングで地面から飛び出れば津波に飲み込まれる。

 ピカチュウは【なみのり】をキャンセルすることは出来ずヒコザルごとブーバーとサイドンを飲み込む。サイドンは倒す事に成功したがブーバーは倒せていない。変なタイミングで穴から地上に出てきて【なみのり】の盾になった。ブーバーのダメージは薄い。

 

「お前のピカチュウならば体力を大幅に削れると思ったが……使えない奴等め」

 

 狙いがなんなのか分かっているから余計にムカつく。

 とはいえ、一応のダメージは存在している…………まだ未完成だが使うしかない【でんこうせっか】をパワーアップさせた技、一応は公式が認めた【しんそく】を使えば「なんだと!?」と驚くシンジ、期間限定のピカチュウは【しんそく】を覚えるんだよ。【しんそく】でブーバーを突き飛ばし戦闘不能にする。

 

 コレでオレ達全員が一回戦を突破だ。

「お前がもう少し協力的ならばもっと早くに倒せたんだがな」と嫌味の1つを言ってみるが「お前のピカチュウの【なみのり】が予想以上に弱くて【もうか】の発動が出来なかった」と言い返す。嫌悪感剥き出しで睨み合うオレとシンジ、他のトレーナーの試合もあるからスタジアムを後にしてピカチュウを回復させておく。

 

「彼、全く協力する気が無かったわね」と試合の感想を言うスズナ。

 他の人達も即興のコンビを組んで協力をしようと頑張っている中でシンジだけが己の強さのみで勝ち抜こうとしていた。頑張ろうとしている事はいいことだが、タッグバトル大会で相手を信頼することも大事なのにとスズナやセレナ、タケシが困った顔をしているとハレタが外でシンジが特訓をしている事に気付く。

 

 ヒコザルにリングマの技をくらわせてる。受けを覚えさせるのでなくただ純粋にダメージを与えている。ヒコザルはシンジに怯えている。

「あ〜あ〜……追い込むのはいいことだけど、限度とかあるしガス抜き出来なきゃ破裂しちゃうのに。バカなの?」とハレタは呆れているが特に手を出すことはしない。それよりもとスズナ達がなにをしているの!?と驚いて声をかけてきて「このヒコザルは凄まじい【もうか】を宿している。【もうか】を発動するには体力を削らないといけない……【もうか】を使いこなす訓練だ」とヒコザルにわざとダメージを与えてる事を悪びれもしない。

 

「で、仮に【もうか】が発動したとしてなにをする気なの?」と聞けば「【フレアドライブ】を覚えさせる」と言うのでハレタは呆れる。

【もうか】の発動圏内に入っている状態で【フレアドライブ】とか死ねと言っているも同然のこと、使うならばせめて【ブラストバーン】だろ?いや、そもそもで【もうか】【しんりょく】【げきりゅう】に頼る戦法は諸刃の剣、この特性は追い詰められる前提での戦法だぞ……それするぐらいならばトリッキーに、今でこそ【かそく】バシャーモと言う化物がいるせいで目立ってないけどもゴウカザルもゴウカザルで割と強いんだぞ……【てつのこぶし】個体だけども。

 

 シンジはなにがなんでもヒコザルの【もうか】を引き出すつもりだ。

【もうか】を発動させたいなら低レベルのポケモンで【がむしゃら】使えば大幅に体力を削る事が出来るんだがな……シンジに対して色々と言おうとするスズナやセレナだったが「止めといた方がいいよ、この手のタイプは痛い目に遭わなきゃなにも変わらないし」とハレタはキッパリと言い切る。マジでこういうところはドライだなハレタは。

 

 しかしまぁ、言っていることに間違いは無い。

 シンジの奴は自分が思うポケモンバトルをしている。それで今までポケモンリーグ出場までに至っている。お前のやり方は間違いだ!と偉そうな言葉を言うよりも一発ガツンと言わなくちゃいけない……その辺の事をハレタが言い「アレを使う?」とスズナに言っている。アレってなんだよと気になったが、オレ達とぶつかった時を想定して教えてくれなかった。知りたければ決勝戦まで勝ち残れと言っている…………マジでなにを隠し持ってるんだろ?



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