アクセルワールド 闇の剣士 (reiz0)
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再開
霧崎 零途 きりさきレイズ 男
チユ、タクと幼なじみ。
黒雪姫、ニコ、パド、旧ネガ・ネビュラスのメンバーと面識あり。
二年前に行方不明になったが、黒雪姫、チユが通う中学に転校してきた。
アバター ダーク・セイバー
レベル8
名前に色の名前が入っていない。
ダーク・ウイング
漆黒の翼を出し、空を飛ぶ。
ヒール
対象の人物の体力を四割ほど回復する。
ディストラクト
自分のポイントを全損させる変わりに、自分が触れている相手のポイントを全損させる。
アクセル
自分の動きを加速する。
零途「転校生の霧崎零途だ。」
ある中学校のある教室の教卓の横で、俺を物珍しそうにみる生徒たちにそう告げた。
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現在、昼休み。
生徒たちが昼飯を食べる時間だ。
それは俺も例外ではなく、購買に飯を食いに来ていた。
零途「チョコクロワッサン一つ。」
それだけじゃ少ないって?チョコクロワッサンは正義だ。
俺は、チョコクロワッサンを受けとると、適当な席に座ろうとする。
???「ちょっとそこの君。待ってくれ。」
食堂に取り付けられている上級生専用のラウンジから、懐かしい声が聞こえてくる。
???「もしかして君は、零途君かい?」
その声の主は、俺の前まで歩いてきて俺に聞いてきた。
零途「ああ、そうだ。久し振りだな。黒雪姫。」
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黒雪姫「久し振りだね。零途君。二年ぶりかな?」
今、俺と黒雪姫はラウンジの中の席で向かい合って座っている。
零途「ああ。そうだ。相変わらず、その美貌は健在みたいだな。」
俺はチョコクロワッサンを口に運びながら言う。
黒雪姫「そうかい?君に言ってもらえると、嬉しいよ。」
彼女は笑顔を浮かべながら言う。
彼女は、黒雪姫。本名不明。
黒く艶のある髪を腰まで伸ばした美少女だ。
それに、副生徒会長なので、この学校でも人気は高い。
現に、今俺は生徒たちからかなりの視線を向けられている。
黒雪姫「零途君。これを。」
そういって、黒雪姫が差し出してきたのは、ケーブルの片方だった。
もう片方は、黒雪姫の首のニューロリンカーに付けられている。
零途「何のつもりだ?」
黒雪姫「このケーブルを出した時点でわかっているだろう?君と直結するんだよ。」
その黒雪姫の言葉に、回りはざわついた。
直結というのは、ニューロリンカーとニューロリンカーをケーブルで繋ぐ事だ。
ケーブルで繋ぐことによって、セキュリティの殆どが無効化され、テレパシーのように、口を動かす必要なく会話することができる。
セキュリティの殆どが無効化されるので、普通は家族や恋人しかやらない。
それを、黒雪姫は俺にしようと言っているのだ。
騒ぎになるのも無理はない。
零途「嫌だ。」
黒雪姫「二年前までは何度もやっていたじゃないか。」
零途「・・・わかった。」
観念した俺は、黒雪姫が差し出すケーブルを受け取り、首に繋いだ。
黒雪姫『聞こえるかい?』
零途『ああ。』
ケーブルを通して聞こえてくる、黒雪姫の声に俺は返事を返す。
黒雪姫「じゃあ、早速行こうか。」
零途「やるのは久し振りだな。」
黒雪姫、零途
『バーストリンク!!』
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零途「・・・この姿になるのは久しぶりだな。」
黒雪姫「そうなのかい?」
零途「ああ。しばらくやってなかった。腕が鈍ってなければいいが。」
黒雪姫「君の腕が鈍っているなんて、あまり考えられないけどね。」
零途「昔は強かったかもしれないけど、俺も人間だ。長い間やってなかったら腕も鈍る。
っていうか、お前の姿もなんだ。」
俺は、黒雪姫の姿を見て驚く。
黒雪姫の本来のアバターは、両手足が刃の、防御さえも攻撃になる、ブラックロータスというアバターだ。
だが、今の黒雪姫の姿は、ブラックロータスではなく、黒雪姫が黒いドレスを着て、背中から蝶の羽が生えているような姿だ。
零途「めっちゃかわいいな。」
黒雪姫「褒めても何も出ないよ?」
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黒雪姫「じゃあ、零途君。私が一番気になっていた事を聞こう。」
直結のケーブルを外しながら言う。
黒雪姫「今まで何処にいたんだい?」
零途「親の都合で大阪にいた。」
黒雪姫「嘘だな。大阪は皆で探した。」
黒雪姫が俺を睨みながら言う。
零途「皆?」
黒雪姫「私と、旧ネガ・ネビュラスのメンバー。それに、パド君と、ニコだ。」
零途「はあああああ!?」
零途がそう叫び立ち上がると、周りの生徒が零途へと視線を向ける。
耐えられなくなった零途は、早々に椅子に座った。
零途「俺を探すためだけに、他のレギオンの手を借りるって、どういう事だよ。」
黒雪姫「君は、私たちの大切な仲間だぞ?その仲間を探すのに、レギオンも何もあるか。」
零途「・・・わかった。もういい。」
零途は頭を抱えて、呆れたように言った。
黒雪姫「ところで、零途君。パド君やニコにはもう会ったのかい?」
零途「いや。昨日帰ってきたばっかりだから、まだ会ってない。」
黒雪姫「そうか。なら、明日会いに行ってはどうだい?」
零途「そうだな。明日辺りに会いに行くか。丁度、明日休みだし。」
零途は言った。
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偶然
黒雪姫「・・・・・遅い。」
黒雪姫は呟いた。
零途と再開した次の日。
今日は休みなので、ニコとパドに会いに行くであろう零途と、偶然を装ってニコとパドがいる店まで一緒に行こうと思ったのだが。
零途の家から店までの道で待ち始めて、1時間。
零途の姿はない。
帰ろうかと思ったが、二年ぶりに会ったのだ。
もう少し零途と一緒にいたいという、思いの方が強い。
黒雪姫は、もう少し待つことにした。
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その頃、零途は。
チユリ「いままで何処にいたのよ!!!」
零途「親の事情で大阪にいた。」
タクム「嘘だね。大阪は、チユと隅々まで探したよ。」
零途「あれ?これってデジャヴ?」
ファーストフード店で、ニコとパドに会おうと二人がいる店に行っている所を、偶然会った、チユリとタクムに黒雪姫と同じ質問を投げられていた。
タクム「で、何処にいたんだい?」
零途「秘密だ。」
チユリ「嘘を言っておいて、秘密だなんて、通用しないわよ。」
チユリが零途を睨む。
零途「まあまあ、そんなに睨むなって。久し振りに会ったんだ。積もる話をしようじゃないか。」
チユリ「・・・わかった。」
チユリは睨むのを止め、笑顔で零途に言った。
チユリ「お昼ご飯奢ってくれたらね。」
零途「・・・ここでだからな。」
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黒雪姫「・・・・・・・・。」
零途を待ち始めて一時間半。
黒雪姫は待つのを止め、零途に怒りを覚えながら、歩きだした。
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ピンポーン
黒雪姫が、家のインターホンを鳴らす。
黒雪姫の前にあるのは、零途の家だ。
まだ家を出ていないと思ったのか、零途の家まで零途を呼びに来ていたのだ。
インターホンを鳴らすが、応答はない。
寝ていても、何回も鳴らせば起きると思ったが、応答がない事から、零途はもう家を出ているらしい。
零途を待ち伏せしようと、黒雪姫はニコとパドがいる店へ向かった。
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チユリ、タクムと別れた零途は、ニコとパドに会うため、二人がいる店に向かった。
家を出たのは、11時。
今は3時なので、結構話し込んでしまった。
零途は、歩くスピードを早めた。
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零途は、今ニコとパド。
二人がいる店の前にいた。
店の中では、女子がいかにも好きそうなスイーツが並んでいる。
二人に会えば、確実に黒雪姫、チユリとタクムと同じ質問をされる事だろう。
零途は深呼吸をして冷静になり、覚悟を決めて、店に入った。
店に入ると、多くの女性客がスイーツを食べていた。
そこで零途は周りを見渡してある人物を探す。
その人物を見つけ、零途は声をかけた。
零途「おい、パド。」
零途の声に、メイド服のパドは振り返り、零途を見て驚いたように目を見開いた。
しかし、すぐに無表情に戻り零途の手を引いて店の奥へ向かった。
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ニコ「おい零途。お前何処にいた。」
予想していた質問がニコの口から出てくる。
その横には、パドが座っている。
零途「大阪にいた。」
パド「大阪は皆で探した。」
この返答も、予想通りである。
零途「秘密だ。」
ニコ「そんなのが通用するとでも思ってんのか?」
ニコがクリームの付いたフォークを向けながら零途を睨む。
零途「今は、まだ話せないけど、いつか必ず話す。」
ニコ「本当だろうな?」
零途「ああ。」
ニコ「・・・・・わかった。今は勘弁しといてやる。」
そういうと、ニコはフォークを皿に置き、零途に笑顔を向けた。
ニコ「パフェ奢ってくれたらな!!」
零途「またこのパターンか。」
零途は頭を抱えた。
その瞬間、部屋のドアが勢いよく開いた。
振り向くと、そこには明らかに不機嫌そうな黒雪姫が。
黒雪姫「・・・・おい。」
零途「な、なんですか?」
思わず敬語になってしまう。
黒雪姫「何故ここにいる。」
零途「な、何故って。ニコとパドに会いに来たんだよ。」
黒雪姫「・・・私が待っていたのも知らずに・・。」
黒雪姫が呟く。声が小さいため、零途には聞こえていない。
黒雪姫「零途君。パフェを奢ってくれ。」
零途「何故に!?」
黒雪姫「心配させた罰だ!!」
零途「理不尽だあああ!!!!」
零途は叫んだ。
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