電脳植物系TS転生が行くVRMMORPG (火野ミライ)
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Continueした世界で

数字が漂う世界、そこに僕は浮いていた。 何をするでも無く、そこに存在していた。

ここは電脳世界。いわゆるコンピューターの中に存在する世界。

僕がここに居る理由それは、昨日の出来事が原因だった・・・

 

 

 

昨日の僕は確かに現実で生きていた。

 

「ふ~ん。この人が出るんだ。」

 

ジオウ以降、仮面ライダーを見てない僕だったが、知り合いから冬映画の話を聞いていた。

信号が変わるのを待っていたその時、男の子が横断歩道に飛び出すのが目に入った。

 

「っ!」

 

男の子が飛び出したことで周りが騒ぎ出す、さらに運悪く車が男の子に迫っていった。

車の運転手は車を当てないいように瀬いっぱいに努力をしていたと思う。

まぁ、それを確認する前に僕は男の子に向かって走っていった。

 

「・・・っ」

 

幼馴染の子が何かを叫ぶ声と、僕が男の子を突き飛ばし車とぶつかったのは同タイミングだった。

そこで僕の記憶は途切れている。 消えゆく意識の中思ったのは「怖い」「痛い」「寂しい」

 

「・・・!」

 

次に意識が戻ると歩道と思われる場所で、泣いている幼馴染と助けた男の子だった。

視線をずらせば、運転手の人が白と赤の車(救急車)を手招いてる姿だった。

 

「・・・!・・・?」

 

この時の僕は既に、音を聞くことが出来なくなっていたし声も出せなかった。

ただ幼馴染に泣いてほしく無くて、彼女の涙を拭い笑いかけていた。

そしてそのまま僕は、GAMEOVERしたのだった。

 

「ここは?」

 

次に目覚めた僕が居たのが、冒頭の電脳世界だった。

 

「っえ!?」

 

そして、混乱した。 周りの光景に驚いたのもそうだったけど・・・

 

「女の子になってるし! しかもこれって・・・」

 

転生系の物語の中には、前世と性別が変わる作品があった。でも知ってるのと体験するのは別だ。

そう、僕は女の子になってしまったのだった。

しかも見た目は、とある二次創作ゲームの主人公であり・・・おっと、ネタバレは駄目ですね。

取り合えず今、自分に起きている事を整理せていたら冒頭のシーンにつながります。

 

「まぁ、正確には何時間経ったか、知らないんですけどね。」

 

なんて思っていたら急に、辺りがぶれ始めた・・・まるで、バグが起きたみたいに。

 

 

 

ブレが収まると、辺りは真っ白の空間になっていた。

 

「うん、これは?」

 

なんか目の前に、メニューが出てきた。

 

「アバタークリエイト・・・なんかのゲームサーバーに巻き込まれちゃいましたかね?」

 

・・・適当に言いましたけどありえ無いですね。口調が体に引っ張られているのは

取り合えず無視することにして、気分が得がてら遊んでみますか。

 

「え~っと・・・」

 

取り合えず今のアバターって、僕が転生したキャラそのままだ。

う~ん。『僕』は問題ないけど『私』に問題がありますから、髪型をセミショート?に。

ついでに髪色と目の色を黒に変えて、「OK」っと! プレイヤーネームは・・・

 

「〈セイヴィリー〉っと。即興で考えた名前だけどそれっぽくなったかな?」

 

〈welcome to Sword Art Online〉

 

ようこそ、ソードアートオンラインか・・・ 英文が表示された後、青い光に包まれた。

 

「うぁ~!」

 

光が晴れた後見たのは、確かに異世界だった。

 

 

 

取り合えず、初期装備のままでフィールドに出る。草原の植物を見る。

・・・何も聞こえない。ここがゲームだからか、私じゃないからか。

しゃがんでいる私の前に、イノシシみたいなモンスターが寄ってくる。あ、目が合った・・・

 

「っ!」

 

次の瞬間、イノシシモンスターが攻撃を仕掛けてき。 僕は自然と回避できた。

まるで、今まで戦ってきたかのように攻撃を回避することができる。

モンスターの隙を見て、ゲーム開始時からある剣を抜刀する。

その後は、モンスターの突進に合わせて舞うように躱して斬るを繰り返した。

 

「・・・ノーダメで倒しちゃった。」

 

元々ゲームが得意じゃないんだけど、これも転生の影響なのだろうか?

 

パチパチパチパチ!!

 

拍手の音が聞こえ、視線を向ける。 そこには、二人の男性が居た。

 

「嬢ちゃん、強いな! ベーターテスターなのか?」

 

「ベータテスター?」

 

赤いバンダナを付けた男性の言葉に、首を掲げる僕。

 

「ベータテスト版をプレイした、プレイヤーの事さ。」

 

「なるほど。なら、僕は違いますね。 今日初めてプレイしますから。」

 

青い初期装備の服?を着ている男性が教えてくれました。

 

「それでノーダメかよ!すげな~ ・・・あ!俺は〈クライン〉、よろしくな!

 そんでこっちが・・・」

 

「〈キリト〉だ。よろしく。」

 

「僕は、セイヴィリーです。よろしくお願いします!」

 

 

 

あの後、クラインさんと一緒にキリトさんからこのゲームの使用について教えてもらいました。

今は、夕日を見ながら休憩中です。

 

「何度見ても信じられないよな、ここがゲームの世界なんてよ。 作った奴は、天才だぜ。

 すげぇ~よな・・・ まじ、この時代に生まれてよかったぜ。」

 

「大げさな奴だな~」

 

クラインさんとキリトさんの会話を聞きながら、先延ばしにしていた事を考え始めた。

多分、今の僕は電子生命って奴だと思う。 何でそんなことのなっているのかは、分かんない。

もしかしたら、神様の気まぐれって奴なのかもしれない・・・

あと気になる事が・・・どうして僕は戦えるのだろう?

喧嘩をしたことのない僕が、ゲームだからってあそこまで動けるのだろうか?

 

「・・ー。」

 

疑問と言えば、そもそも何でこのゲームのサーバーに入る・・・

いや、侵入出来たのだろうか? 色々と疑問だらけでどれから考えた方が

 

「セイヴィリーちゃん!」

 

「はい、なんですか?」

 

クラインさんに呼ばれて返事をする。

 

「いや、俺これから落ちるから、あいさつしようと思ってな。 今後も、よろしな!」

 

「はい! こちらこそ、よろしくお願いします。」

 

クラインさんが差し出した手を握り、握手をする。

キリトさんとこの場を離れようたその時・・・

 

「あれ? ログアウトボタンがねぇな~?」

 

「よく見てみろよ。」

 

「やっぱ、何処にもねぇよ・・・」

 

「メインメニューの一番下に・・・ っ!」

 

「無いだろ?」

 

「うん、無い。 セイヴィリーは?」

 

「・・・ありません。」

 

僕は少し、嘘をついた。 そもそも僕には、現実で暮らす体が無い。

雲行きが怪しくなる中、キリトさんがクラインさんに色々と解説をしているが、

僕の耳には入って来ませんでした。 何故だか、何とも言えない緊張感に何もできずに居ました。

まるで、強敵に立ち向かう戦士のような・・・そんな感じになっていました。

 

ゴ~ン!ゴ~ン!

 

カネの音が鳴り響く。 そして気が付いたら、最初の広場に居ました。

魔法が無い世界じゃなかったんですか?

周りを見れは、次々に人が召喚?転移?してきました。

 

「強制・・・テレポート?」

 

キリトさんが、呟きました。・・・テレポートは、魔法じゃないのか?

他の人達が、上を見ていたので僕も見ました。

 

「!?」

 

目にしたのは、赤い空でした。

空から液体に見える赤いものが垂れてきて、形を作っていきました。

それは、顔のない赤いフードを着た何かだった。

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。』

 

その後フードのを着た人物〈茅場晶彦(かやばあきひこ)〉さんが、このゲームの説明を始めました。

ログアウト出来ないのがこのゲームの仕様で、ゲームオーバーが現実の永久退場()で、

外部から無理やり〈ナーブギア〉と呼ばれる本体を取り外しても永眠()

既に213人の人間が死亡したという事、この世界(ゲーム)から出るにはラスボス撃破。

 

『それでは最後に、諸君のアイテムストレージに私からのプレゼントを用意してある。

 確認してくれたまえ。』

 

私は茅場さんを睨め付けながら、プレゼントを確認をする。

 

「〈手鏡〉?」

 

アイテムを実体化し見てみる。 すると、光に包まれる。何故か地球の紅き光を思い出した。

光が晴れてもう一度鏡を見る。 そこには、髪型はロングで髪色と瞳の色は緑色、

頭に葉っぱを二枚乗せた、140cmあるか無いかの少女・・・いや、植物妖怪が映っていた。

東方の二次創作RPGの主人公であり、本来被っている帽子がないが正しく〈瀬笈葉(せおいは)〉だった。

 

「「お前が、クライン!/お前がキリトか!」」

「「それに、セイヴィリー(ちゃん)!」」

 

「!? は、はい。」

 

キリトさんとクラインさんも顔が変わっていました。

 

 

 

その世界の鑑賞の為にこんな事をしたと説明すると、健闘を祈って崩れるように消えた。

その後空の色も元に戻る。でも、プレイヤーの皆さんがパニックになっています。

 

「ちょっと来い、クライン・セイヴィリー。」

 

キリトさんに引っ張られて、路地裏に来ました。

 

「よく聞け。俺はこれから次の村に向かう、お前たちも一緒に来い。」

 

その後、キリトさんが理由を説明してくれました。

何でもお金と経験値が限られているから、早めに拠点を移した方がいいみたいです。

クラインさんは、一緒に始めた仲間を置いていけないと言いました。

その言葉に、キリトさんは暗い顔をします。そんなキリトさんを見てクラインさんが、

遠回しに「気にするな。」と言ってます。

 

「そっか・・・セイヴィリーは、どうする?」

 

「・・・ついていきます、キリトさんに。」

 

僕は悩んだ末、キリトさんについていくことにしました。

 

「そっか~ セイヴィリーちゃんがうちのチームに入ってくれれば・・・いや、頑張れよ!」

 

「はい!クラインさんも、お元気で。」

 

「なにか、あったらメッセージを飛ばしてくれ。」

 

「おぅ!」

 

「じゃあな、クライン・・・」

 

「また、何処かで会いましょう。」

 

「キリト!セイヴィリーちゃん!」

 

クラインさんに呼ばれ、歩を止める。

 

「キリト、お前本当は案外、かわいい顔してやがんな!結構好みだぜ!

 セイヴィリーちゃんも、そっちん方が似合ってるよ!正直、鼻血・・・やっぱなんでもねぇ!」

 

「お前も、その野武士ヅラの方が十倍似合ってるよ!」

 

「っ! あ、あんまり言わないでください。恥ずかしんですから・・・」

 

 

 

 

次の村に向かって走る私達・・・

 

「キリトさん!」

 

「・・・・・・」

 

「上手く言えませんけど・・・ クラインさんならきっと!」

 

狼のモンスターがこっちに迫ってくるが、キリトさんが『ソードスキル』で切り裂きました。

キリトさんは、こっちを見て言いました。「生き残ろう、この世界を。」

その言葉に対して僕は、頷く事しかできませんでした。



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First bossを攻略せよ!

デスゲームが始まって、早くも一ヶ月が経った。いまだに第一層が攻略されていな。

そんな中、あるパーティーが第一層のボス部屋を見つけた。

そして今日、ボス攻略に向けて作戦会議が行われるのだが・・・

 

「あれ?此処、さっきも通りましたよね?」

 

絶賛私、迷宮区で迷子なのです。

今日が攻略会議だと知って昨日の朝から、迷宮区にレベリングに来たんですけど、

帰り道が分かんなくなったしまいました。 やっぱり、キリトさんと一緒に・・・

いや、キリトさんは人間なのでちゃんと寝ないいけないんですけどね。

 

「うわぁぁーーー!!」

 

「っ!」

 

悲鳴! 僕は自身の出せる最大速度で、悲鳴の元に向かう。

走る。曲る。飛び越える。走る!

 

 

「・・・! いた。」

 

プレイヤーが、モンスターに襲われているのが視界に入って来た。

背中から剣を取り出し、すれ違いざまに斬る!

〈レイジスパイク〉では無いから倒しきれてないけど、それなりにダメージは入りました。

 

「大丈夫ですか? そこを動かないでくださいね。」

 

「は、はい!」

 

名も知らぬプレイヤーを背に、モンスターと対峙する。

正直、時間もかけられませんから一気に攻める!〈アニールブレード〉を手し、攻撃を仕掛ける。

モンスターが攻撃してきますけど、グレイズで回避して斬る。

相手のHPを削り切り、勝利する。

 

「ふぅ~・・ あ、これ良かったら。」

 

そう言いながら、プレイヤーさんに回復ポーションを渡します。

 

「あ、ありがとうございました。」

 

「ところで、お願いがあるんですけど。」

 

 

 

 

 

 

「お待たせしました、キリトさん。」

 

「セイヴィリー! 今までどこに!」

 

「ちょっと、人助けを・・・」

 

あの後、ノーチラス(助けたプレイヤー)のクエストの材料集めをした後(素材をあげただけ)

攻略会議が行われる村まで案内してもらいました。 ギブアンドテイクですね。

ちなみに会議には、遅れました。

 

「よし、それじゃぁ。 六人一組のパーティーを組んでくれ!

 ボスは一つのパーティーじゃ、戦えない。 パーティーを束ねたレイドを造るんだ!」

 

青髪のプレイヤーさんがパーティーを組むように指示してます。

僕はキリトさんと、近くにいた赤いフードの女性〈アスナ〉さんとパーティーを組みました。

 

「皆、組み終わったかな? それじゃ」

 

「ちょぉまってんか!!」

 

〈ディアベル〉さん(キリトさんか聞いた)が、会議を続けようとしたその時、

一人の男性プレイヤーが舞台に上がって来た。

 

「ワイは〈キバオウ〉ってもんや。ボス攻略ん前に、言わせてもらいたい事がある!」

 

特徴的なヘアスタイルのキバオウさんが、辺り(他プレイヤー)を睨め付けながら言う。

 

「こん中に、今まで死んでいった2000人に、詫びいれなアカン奴がおる筈や!!」

 

「キバオウさん。貴方の言う奴とは元ベーターテスターの事かな?」

 

「決まっとるやないか! ベーター上がり共はこん糞ゲームがはじまったその日に、

 ビギナーを見捨てて消えよった! 奴等はボロいクエストやウマイ狩り場を独占して、

 自分らだけポンポン強なってその後もずーっと知らんぷりや!!

 こん中にもおる筈やで、ベーター上がりの卑怯者が!! そいつらに土下座させて、

 溜めこんだ金やアイテムを全部吐き出してもらわんと、

 パーティーメンバーとして命は預けれんし、預かれん!!」

 

・・・極限状態の人間って怖い。

それにしても、こんなこと言った方がチームにならないのに・・・

 

「キリトさんは気にしなくていいですよ。」

 

アスナさんに聞こえないように、言葉を紡ぐ

 

「っえ?」

 

「僕はキリトさんのおかげで、ここにいますから。」

 

これは、本心です。 キリトさんがいなかったら、ゲームが苦手の僕はここに居ない。

会議は〈エギル〉さんと言う人が、キバオウさんに〈ガイドブック〉を配布したのは、

ベータテスターだという事を説明していた。

 

「いいか! 情報は誰にでも手に入れられた、なのに沢山のプレイヤーが死んだ。

 その失敗を踏まえて、この場で論議が行われると俺は思っていたんだがな?」

 

会議は、この後も続いた。

 

____________________________________________

 

翌日のボス攻略・・・

 

「皆! 今日は集まってくれて本当にありがとう!

 力を合わせて必ずボスを倒そう、もちろん、犠牲者無しでだ!!」

 

ディアベルさんがそう言うと、プレイヤーの皆さんが気合を入れた声で返す。

 

「よし、出発だ!」

 

ディアベルさんの号令の元、迷宮区に入っていく。

途中、戦闘がありましたけど、大した被害はなく順調に進んでいき、ボス部屋に到着しました。

 

「ついにここまで来た、俺から言える事はたった一つだ・・・勝とうぜ!!」

 

ディアベルが振り返り、プレイヤー全員に向けて言う。

その一言だけで、辺りの空気が変わった気がしました。

 

 

 

ボス部屋に入ると、薄暗い部屋の中、

大きな玉座に巨大な影が座っているのがうっすらと目視出来ました。

全員が入ると部屋が明るくなり、玉座に座っていたのがこっちに跳んできました。

 

こいつこそが、今日攻略するボス〈イルファング・ザ・コボルトロード〉

HPバー四本あるボスです。

 

まぁ、僕達あまり組のパーティーは、

取り巻きの〈ルイン・コボルト・センチネル〉を倒していくんですけどね。

 

「攻略、開始!!」

 

ディアベルさんの号令の元、プレイヤーが自分の役割を果たすために動き出す。

 

「グガァァァァ!!」

 

ボスが方向をあげ、取り巻きのセンチネルが動き出す。

こうして、第一層のボス攻略戦が始まった。

 



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難航するBoss battle

「スイッチ!!」

 

キリトさんがルインコボルトの持つ斧を弾き、

入れ替わるようにアスナさんが鎧の無い喉元に細剣を突き刺し、ルインコボルトを撃破している。

 

「っわ!」

 

ちょっと、よそ見をしていた僕に、ルインコボルトの武器が振り下ろされる。

まぁ、躱せたので問題は無い。現在、僕は2体のルインコボルトを同時に相手にしています。

こいつらの性質上二人で1体倒していく感じなので、3人パーティーだと、

残りの一人が他のルインコボルトを引き付ける必要がありまして・・・

 

「よっと。」

 

引付役は、このパーティの中で一番反応速度が速いキリトさんか、

レベルが一番高い僕のどちらかで悩んで末に、グレイズによる回避ができる僕になった。

 

「っふ!」

 

グレイズって言うのは、〈東方Project〉の原作におけるテクニック。

自機(プレイヤー)の当たり判定ギリギリでの回避こと。

 

「お待たせ、セイヴィリー!」

 

「っ!スイッチ。」

 

キリトさんがこっちに向かって走って来るが見え、ルインコボルトの武器を弾きスイッチする。

キリトさんの剣がルインコボルトの喉元を切り裂き、ポリゴンに変える。

 

「っく!」

 

「アスナさん!」

 

残りの1体を抑えててくれたアスナさんが、押され始めた為、

アスナさんとルインコボルトのあいだに入り込む。

 

「そこ!」

 

何度か武器をぶつけあい、一瞬出来た隙に喉元に向かって剣を突き刺す!

その一撃で、ルインコボルトを撃破する。

今ので、周辺にいたルインコボルトは全て撃破しました。

 

「ふぅ~」

 

「助かったわ、セイヴィリー。」

 

「いえいえ、気にしないでください。」

 

既にボス戦が始まってから、数十分が経過しています。

戦局としては、ボスの3本目のHPバーが半分ぐらい削れていまして、

プレイヤーの皆さんには、疲労が見え始めていました。

 

「それにしても俺達が1体倒すまでに、通常攻撃一撃で撃破出来るまで削るなんてな。」

 

「ははは・・・」

 

多分レベルの問題もあるんでしょうけど、電子生命体だけど体が覚えているって感じですかね?

人間の時に喧嘩とかした事無いですけど、あの人達と一緒に旅をしてる間は・・・

 

「セイヴィリーちゃん?」

 

「は、はい!何ですか?」

 

「ぼーっとしていたけど、何処か悪いの?」

 

「? “私”は全然、大丈夫ですよ。」

 

「それならいいんだけど・・・」

 

どうやら、ちょっと自分の世界に入りすぎたようです。

 

「あれ?キリトさんは?」

 

「彼なら、あそこで誰かと話してるわよ。」

 

アスナさんが指さす方向を視線で追うと、キリトさんがキバオウさんと何やら話していました。

お二人の話が一区切りしたところで、新たなルインコボルトが出現しました。

 

「アスナさん!」

 

「えぇ!」

 

キリトさんが何を話していたのか気になりますが、今は役割の方に集中しないと。

 

 

 

あの後、なんとかキリトさんと合流して、ルインコボルトを撃破しています。

 

「グォォォォォーーーー!!!」

 

「な、なんですか!」

 

雄叫びが聞こえ、視線を向ける。 どうやら、ボスのHPバーが4本目に突入したようだ。

ボスは手に持っていた斧と盾を捨てる。あ!ディアベルさんが一人で突っ込んでいってる。

確か、アルゴさんの情報によるとタルワールって言う武器に持ち替えた筈。

 

「ダメだ!後ろに、全力で跳べぇぇぇーーー!!」

 

「っ!」

 

キリトさんが、何かに気づき叫び声をあげる。

その言葉を聞いて、嫌な予感がしたからボスに向かって、全力で走る。

 

「っく!」

 

ディアベルさんがソードスキルを放とうとした瞬間、

ボスの攻撃がディアベルさんとC隊の皆さんを襲う。

ボスの手には、刀らしき武器が握られていた。

 

「っ!?」

 

ボスの追撃までにディアベルさん達の前に到着し、剣を構える。

 

「この人達には、もう指一本も触れさせません!」

 

身長が140センチ以下の私と、巨体のコボルトロード。

明らかに不利ですけど、心だけは強く持ちます。

 

「グォォォォォーーーー!!」

 

ボスの一撃を強化も何もしてないアニールブレードで防ぎながら、

少しづつスタンして動けないプレイヤーさん達から離れていきます。

 

「っく!」

 

対格差による違いはやはり大きく、受け流すの精一杯で反撃する余裕は、ありません。

それでも、()()()()()()()()()と比べれば!

 

「っあ!」

 

しかし現実は、非常。

ボスの攻撃を受け流した瞬間、アニールブレードは『パッリーン』っといい音を出しながら

ポリゴンとなって、電子の世界に帰っていきました(´・ω・`)

 

「あ!あの、ちょっと!待ってくださ・・・いぃぃぃーー!」

 

ボスがその隙を逃がしてくれるわけもなく、刀を振りかざして来ます。

後ろに下がらずに躱して、常に動くことを考えながら敵を見る。うん、大丈夫。

 

「・・・っ!?」

 

「セイヴィリー!」

 

たった一撃。されど一撃。

不意の蹴りに反応が遅れ、防御するもののもちろん吹き飛ばされ、

ボス部屋の壁に背中をぶつけ、床に落ちる。

 

「・・・・・・!」

 

「・・・・・・・・・!」

 

薄れゆく意識の中、心配するパーティメンバーの姿が、懐かしく見え・・・た・・・・・・・



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思い出したMemory

風に揺られ、地面を生い茂る植物が楽しそうに()()()()

空を見上げれば、雲が少しずつ動き、太陽が雲の隙間から顔をだす。

晴天とは言えない青空が、広がっている。目を瞑り、風の音を聞く。

このまま、寝てもいいかもしれない。そんな考えが浮かび上がったその時、

後ろから誰かかが近づいてくる足音が聞こえ、振り変える。

 

____________________________________________

 

「出口方向まで退け!囲めば範囲攻撃がくるぞ!!」

 

ディアベルやセイヴィリーの状態を見て、混乱するプレイヤー達に指示を出す。

俺自身はボルトロードに向けて駆ける。

コボルトロードのタゲが俺に向き、奴の武器が白く輝く。

奴の武器に向かってソードスキル〈レイジスパイク〉を放つことで弾く!

 

「スイッチ!」

 

昨日から一緒に居るもう一人のパーティメンバー・アスナとスイッチをする。

アスナが懐に入る中、コボルトロードが両目を光らせ、弾かれた得物を振り下ろす。

 

「アスナ!」

 

「っ!」

 

何とか回避するアスナ。彼女のは追ってい居たフードは取れ、彼女の素顔が明らかになる。

金髪の長髪を靡かせながら、細剣を構える彼女にくぎ打ちになったのは秘密だ。

 

____________________________________________

 

「こんな所に居たなんてね。道理で見つからない訳ね。」

 

金髪ロングの髪の毛先をいくつか束にしてリボンで結んでいる、少女が話しかけてくる。

いや正確には、『人間の少女と変わりない容姿をしている存在が話しかけてきた』ですね。

 

「初めましてかしら?瀬笈葉。」

 

ワザとらしく微笑を浮かべる目の前の()()

 

「そう睨まないで、別に取って食おうって訳じゃないんですから。」

 

胡散臭いて、誰のも近寄せない力を持つ目の前の妖怪の名前は・・・

 

「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は〈八雲紫(やくもゆかり)〉。

 幻想郷(げんそうきょう)の管理者の一人です。」

 

幻想郷・・・・人や妖怪・妖精に怨霊。果てには神が暮らす失われた者たちの最後の楽園。

 

「・・・貴方記憶の方は?」

 

彼女の纏う雰囲気が、ガラっと変わる。

まるで僕を見定めるかのよう・・・・・いや、実際に見定めているのだろう。

 

「・・・ここに来た時に、全て思い出しました。幻想郷の事、お姉ちゃんの事、僕たちの事。

 ・・・・・・・全て、思い出しました。」

 

八雲さんに今の全てを素直に話す。

なぜ瀬笈葉の身体なのか、彼女の経験が自分のように感じるのか、彼女の力を使えるのか。

その疑問の答えを。そして今、僕の身に起きている事を。

 

「そう。・・・幻想郷(こっち)の時間で、一年。それまでに片付けときなさいと来なさい。」

 

「はい!」

 

八雲さんの言葉に驚きながらも、自分が思った以上にしっかりとした返事を返す。

 

「このスキマを通れば、今あなたがいる世界の身体モドキに戻れるわ。」

 

そう言いながら指を動かし、空間に文字道理に隙間ができる。

その隙間は人ひとりが通るには、十分な大きさだ。問題は、スキマの中にある大量の目だろう。

 

「あぁ、それと。あなた自身の能力をある程度、使えるようにしとくわ。」

 

「何から何まで、ありがとうございます。八雲さん。」

 

「ゆかりん☆でも良いのよ♪」

 

八雲さんの言葉を聞きながら、スキマの中に入って行く。

 

____________________________________________

 

「っ!しまっ!」

 

コボルトロードの動きを先読みしすぎてしまったキリトか、

切り上げによりアスナを巻き込みながら、吹き飛ばされる。

キリトの手に持つ剣は、セイヴィリーを抱えるディアベルの元へと転げる。

 

「グガァァァァァァ!」

 

「っ!」

 

コボルトロードが追撃しようしたその時!

 

「うぉぉぉぉ!」

 

エギル率いるB隊が攻撃をし、ボスの攻撃をキャンセルする。

 

「あんたらが回復するまで俺達が支えるぜ!

 ダメージディーラーにいつまでも壁役やられちゃ、立場ないからな!」

 

「すまない。」

 

エギル達、B隊のメンバーがボスと戦闘を繰り広げる。

次第にエギル達は押されていき・・・・・

 

「グガァァァァァァ!」

 

押し返される。一人が足をもつれさせる。

そのプレイヤーにソードスキル〈旋車〉が放たれようとしていた。

 

「っ!?」

 

気づいたキリトが動き出そうとして、自身の得物が無い事に気づく!

キリトがディアベルの方に視線を向けると、キリトの剣はそこには無かった。

次の瞬間、カキーン!と金属のぶつかり合う音が聞こえる。

キリトが視線を向けるとそこに居たのは、()()()をしたセイヴィリーだった。



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