とある学園都市の市街狩猟(シティーハンター) (KBS滝原)
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第1話 突然転移!?新宿から学園都市へ

あらすじの通り、とある学園都市の掃除屋(スイーパー)リニューアル作品としてお送りします。

仕事を終えたシティーハンター冴羽リョウは、ある時、新宿から見覚えのない学園都市へ転移してしまう。リョウが見た光景は、1980年代の新宿、いや、東京とかなりかけ離れていたのだった!!


1987年、東京都新宿区。この街に、シティーハンターと呼ばれている男がいた。裏の世界で何人もの人物と幾度となく戦ってきてたと言う。

JR新宿駅。この新宿駅東口には、黒板がある。

1980年代当時は、携帯やPHSなどがあまりなかったため、グループの集合の際は、どこに何時集合か、先発したかどうかを記していた。そして、この黒板に、ある文字が書かれていた。

 

XYZ。このXYZは、もう後がないという意味だ。つまり、助けを必要としていることがうかがえる。そこには、集合場所の、新宿中央公園に、午前11時と書かれていた。

それをメモする女性。彼女は、槇村香(まきむらかおり)。だがこの女性は、シティーハンターではないが、シティーハンターの側近と言っても過言ではない。

 

シティーハンターの家。そこには、新聞を読んでいた男がいる。この男こそ、何を隠そう、シティーハンター、冴羽リョウ。新宿界隈ではかなり有名で、いつも、パイソン357マグナムを持っている。家に帰ってきた香。香は、リョウを呼ぶ。

 

「リョウ。このあと11時に、新宿中央公園に来てほしいと書いてあったわ。」

 

「それはもしかして、モッコリ美女か!?美女が助けを求めているのなら、それは早く向かわんと!待ってろよー!」

 

そういい、リョウは家を飛び出していった。実を言うと、リョウは美女に弱い。なので、美女を見ると暴走し、飛び込もうとすることがある。更に言えば、下着を見つけてしまうと、それを顔に装着してしまい、時には変態として警察に追われることもある。

すごいスピードで新宿中央公園に向かったリョウ。時刻は午前10時40分。

 

新宿中央公園。

この日は平日なのだが、その割には家族連れもいて、少しにぎわっている。

そこに、一人佇む女性がいた。ロングで後ろに髪を伸ばしている。眼鏡をかけ、水色のスカートに水色のブレザー。どこかOLのような感じがした。

 

すると、後ろからリョウが。

 

「いい脚してんじゃん!それにいいアクセサリー!お嬢さん。私と今から、ドライブに行きませんか?」

 

女性は戸惑いを見せる。すると後ろから、100tハンマーを落とされる!

 

「新宿の中の大きい公園で変態をすることしかできんのかお前は!!」

 

香が言い、女性に謝罪した。女性は大丈夫と言う。

 

「もしかして、依頼主さんですか?」

 

「はい。北 夢美です。」

 

3人は新宿中央公園を歩きながら話した。

 

「実は、私、訳の分からない人物たちから追われているんです。スーツの人たちが追ってきたり、最近では、いつも荒川線を使っているのですけど、電車が来るときに、ホームに落とされて、人身事故寸前まで行くところでした・・・。」

 

かなり厄介な事件だ。それを警察に相談したのかを話したが、警察は、怪しい人物はいなかったとして、捜査を打ち切ってしまったようだ。事の発端は、1カ月前、電車に乗っていた時だった。この日は電車が遅れていたため、いつもより混んでいた。電車が駅に入ろうとした瞬間、電車は非常ブレーキに投入したため、急停車した。その時、夢美はかなり小さいぬいぐるみをもっていた。落ちたぬいぐるみを拾ったのだが、そのぬいぐるみには、あるものが仕掛けられていたことを知らなかったのだった。

 

するとリョウは、何かを感じたのだった。誰かがツケているということだ。

 

「どうやらその追手と言うのが近くに来ているみたいだぜ。安全のため、俺の家に来るといい。」

 

そういった後、リョウたちは自分の家に、夢美を招き入れた。その裏では・・・

 

「ボス。あの女、男と女と一緒に家に入りました。」

 

「どういう奴らなんだ?」

 

「それが、新宿界隈ではシティーハンターと言われているあの男と一緒につるんでおりました。」

 

「まぁどうせあれだ。あのメモリースティックを奪還してしまえばいい。いや、ついでにあの3人を殺してしまえ。シティーハンターと呼ばれている男を葬り去ってやれば、俺らが新宿一のスイーパーになれるのだからな。」

 

そういうボス。

 

リョウの家では、夢美のぬいぐるみをリョウが回収した。すると、リョウはナイフと思われるものでぬいぐるみの首を切り取る。すると中に、メモリースティックが入っていた。気になり、コンピュータで調べる。すると、とんでもないことが分かった!

 

「これは、新宿を震撼させるかなり深刻なものだ。奴らは、裏でサリンを開発してたんだ。更に、計画がこのデータに入っている。それも、殺害計画だ。」

 

その中には、新宿区各地でサリンをまく、いわゆる化学テロを起こすという恐ろしい計画があった。つまり、夢美はこれを知らずにぬいぐるみを誤って拾ってしまったことからこうなってしまったのだ。

 

すると、リョウが察知をする!

 

「伏せろ!」

 

そういうと、マシンガンが何発か発砲されてしまう!家はかなり損壊してしまう。すると何人かの男たちが入ってくる。一階に入ってくるが、リョウたちの姿がない。

 

「家を壊した弁償、してもらおうか。」

 

そういい、パイソン357マグナムを発砲!逃げようとする奴らを倒す!すると奴らは、退散しようとする。そして、倒した1人に声をかける。

 

「聞くぞ。お前らがやろうとしているこの計画は本当か?」

 

そういうが、男は答えない。するとリョウは、銃弾を発砲する。

 

「次はないぞ。もう一度聞く。この計画は本当か?」

 

そういい、男は偽りないことを話す。そして、アジトも話す。

 

その頃、アジトでは、

 

「ボス!大変です!50数名が、あのシティーハンターによって倒されました!」

 

「焦るな。奴らは絶対に来るだろう。大いに歓迎してやれ。」

 

するとそこに、

 

「その奴と言うのは、俺の事かな?」

 

室内にいた3人が驚く!リョウはメモリースティックを出し、これを返却してほしいかと聞く。男の一人が取りに行こうとするが、リョウは足をひっかけ、倒す。

 

「新宿区を滅亡させるような化学テロを起こそうとしたのは事実だ。このことは、既に警察に通報済みだ。位置も知られているから、じきに到着するだろう。」

 

すると、ボスが銃を取り出す!リョウはかなりの手早さでマグナムを取り出し、銃を落とす!

 

「俺に刃向かったらどうなるか、教えてやろう。」

 

するとリョウは、室内にいた3人の周囲に輪状の銃弾の穴をあける!警察が到着し、3人は拘束された。リョウは家に帰ろうとしていたのだが、途中で下着を見つけてしまう。それを取ると、下着泥棒だと叫ばれる!リョウはとりあえず逃げる。すると、マンホールのふたが開いていることを知らず、落ちてしまう!

すると、目を開けた先は、先ほどまで夜だったのに明るくなった町だった。

 

一方、学園都市。広場前には4人の中学生がいた。学園都市の電撃姫、LEVEL5超能力者、御坂美琴、LEVEL4高能力者、ジャッジメント所属の白井黒子、LEVEL2で同じくジャッジメント所属の初春飾利、LEVEL0の佐天涙子の4人がいた。飾利が何か異変を感じる。そう、この白昼であるにも関わらず、銀行の非常シャッターが閉まっているのである。すると、大きい爆発音が!そこから出てきたのは、強盗の3人組の男!逃走しようとしたところを、黒子が塞ぎ、降参せよと警告。すると男3人は笑い出す。

 

「ジャッジメントも人手不足かよ」

 

黒子はなぜ笑ってるのか分からなかった。そして黒子は、テレポートの術を使い、1人を撃破!そして足に備え付けの針で1人を捕らえる。

 

「お嬢ちゃん。今更嘆いても遅いぜ。」

 

男が手から炎を出す!すると黒子は瞬間移動で避けようとする!逃がすものかと火を放出!だが黒子は背後に回り、また1人捕らえる。すると男1人は子供を人質にしようとしていた!涙子がなんとか必死に抑えようとするが、キックを喰らってしまう・・・かと思いきや、そこにリョウが立っていた。後ろから強いキックを浴びせる!

 

「大丈夫か?とにかく君は、その子を連れて逃げなさい。」

 

リョウは涙子に伝える。だがリョウは、未だに驚きを隠せていない。

 

(中学生のような制服の奴らが・・・強盗犯と戦っているだと!?)

 

それを見ていたリョウは、強盗犯が車を助走させて走ってくるところを、銃で撃ち抜くという作戦を立てる。するとそこには、茶色の髪をした、美琴が立っていた。

 

(とにかくこれは!!)

 

美琴は、コインを上空にはじきだした!リョウの目には、助走で走ってくる強盗犯の姿が!すると、リョウは道路に立ち、パイソン357マグナムを取り出した!

 

(ちょっ、誰よ!?急に前に立って!!)

 

右前輪を撃ち抜く!すると、車はふらつき、ガードレールに激しく衝突する!その現場を見たリョウは、現場から立ち去ろうとする。

 

(拳銃を取り出して、強盗犯の車を破壊させた!?こいつ一体何者!?)

 

「お待ちなさいまし。」

 

黒子がリョウの前に立つ。何者かと尋ねる黒子。だが・・・

 

「あいにく、俺は君たちみたいな未成年と話はしないのでね。俺はあくまで、条件反射的に仕留めたまでなのさ。」

 

「それにしても、あんた危なかったわよ?一歩タイミング間違ってたら、私のレールガン、あんたの体を貫通させてたかもよ?」

 

美琴が話す。

 

「悪いが、僕ちゃん時間ないんで。じゃ、後よろしく~!」

 

そういい、走って立ち去ってしまった。アンチスキルが到着すると、ある女性が来た。

 

「お疲れじゃん。それより話を聞いたんだが、銃を持った男がこいつらを倒したんだって?」

 

「そうなんですけど、こっちの話も聞かぬまま立ち去ってしまいましたの。」

 

女性は、黄泉川。体育教師もしていて、かつアンチスキルの隊を率いている。リョウのことについてかなり気になっているようだ。普通はジャッジメントが仕留めるのだが、リョウがジャッジメントの仕事を奪ったというのは過言であるかもしれないが、それと似たようなことをされたということだ。

 

突然現れた冴羽リョウ。彼はいったい何者なのか?それに対する追求が始まるのであった。




リニューアルできたかどうかは分かりませんが、これでもリニューアルさせた方です。崩壊はしていくと思いますが、今後も、どうぞよろしくお願いいたします。

突然現れた冴羽リョウに、驚きを隠せない美琴たち。リョウは路頭に迷い、シティーハンターの仕事がないという事態になった。だがリョウは、美琴たちにあるお願いをされるのだった。

次回 リョウを追い続ける中学生!ネットワークチェイス


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第2話 リョウを追い続ける中学生!ネットワークチェイス

美琴たちは、リョウの正体を追うため、ありとあらゆる手段を使いチェイスしていた。
そんな中、リョウは美琴たちからあるお願いをされるのであった。


ジャッジメント一七七支部。この支部には、常盤台中学の白井黒子、柵川中学の初春飾利が所属している。2人が調べているのは、リョウの正体だ。2人の見解によると、リョウが拳銃を持っているという事は、リョウはLEVEL0、いわゆる無能力者であるということだ。しかし、書庫を見てみても、LEVEL0でリョウの正体が見当たらない。

 

「見つかりませんわ。そもそも、お姉さまがあそこは仕留めるところでしたのに、あの男はその見せ場を奪ったのですから。」

 

「確かに、御坂さんは少し不機嫌でしたね。しかし、なんででしょうか?あの男性の、拳銃で右前輪をパンクさせるという荒技が、かっこよく感じました!」

 

「そうだよね!また会ってみたいな!」

 

黒子と飾利、涙子が会話していた。リョウのあの姿になぜかかっこいいと感じる飾利と涙子。だが黒子は、そんなことは思っていなかった。

 

その頃、リョウは、学園都市を回っていた。覚えているのは、新宿で下着をつけた瞬間、マンホールに落ちたところまでだ。どうしてこの学園都市に転移したか分からない。というかそもそも、ここはどこだか分からない。先ほどのツインテールの女子の瞬間移動と言い、その中学生が犯人を相手していると言い、なんか不思議になってくる。

 

「はぁ~、ここはどこだか分からないし、急に新宿がハイテクになったようなもんだし、でも、絶対にモッコリ美女がいるはず!」

 

先ほどまでの不思議さから開き直った。リョウは美女に弱く、女性を見かけてはナンパをよく大都会新宿でやっている。ほぼほぼぶっ飛ばされることが多いが。そして開き直った体で、ナンパを始めた。

 

「お嬢さ~ん!お茶しない~?」

 

「か~のじょ~!」

 

大体拒否されている。するとその近くに、美琴がいた!実は美琴、リョウの正体を確かめるために、学園都市中を回っていた。更に美琴は、見つけ次第戦う予定で探していた。美琴の性格上、負けず嫌いであるため、勝敗が着くまでは、粘着しやすいという性格だ。

 

「あの姿・・・まさか昨日の銀行強盗を仕留めた男!?」

 

リョウに近づこうとする。するとリョウは何かを察知したのか、美琴に銃を向ける!だが気のせいかと思いきや、見たことがある姿だと悟った。

 

「ようやく会えたわ。あんたね。昨日の強盗を倒したという男は。」

 

美琴が突き詰める。

 

「なんだ君か。なんか俺に用あるの?」

 

リョウが突き詰める。

 

「あんたに興味があるわ。私と勝負しなさい!」

 

「悪いけど、俺は18歳未満の子供とは付き合わないことにしてっから。勝負を申し込まれても勝負する気さらっさらないんで。」

 

「誰が子供ですって・・・?」

 

リョウの言い方に美琴の怒りのボルテージが上がっていく。その姿は電気を帯びた、まるで持ち運びできるモンスターみたいなものだった。

 

「ふざけんなー!!人を子供扱いするなんていい度胸ね。どうなっても知らないわよ?」

 

「だってその制服と背の高さから事実なことは事実でしょ?それにこれは、僕ちゃんが決めたことだし、関わっている暇はないから~!」

 

「さっきから黙って聞いてれば私を罵倒してからに!!絶対倒してやるわ。やられたらやり返す。倍返しよ。それが私の、流儀なんでね。」

 

「やれるもんなら、やってみな。」

 

その時、美琴の携帯に電話が入る。

 

「お姉さま?そちらはどうですの?」

 

「見つけたわ。場所は第七学区、学舎の園折返場にいるわ。って、あれ!?」

 

美琴が振り向くと、リョウの姿がない!急いで探すが、どこにもいない。探しに回る美琴。実はその時、リョウはそこに止まっていたバスの下に潜り込んでいた。いなくなったのを確認すると、リョウはバスの下から出てくる。

 

「大丈夫ですか?しかし、潜り込むってことは、何かあったんですか?」

 

運転士がリョウに聞く。

 

「まぁ、ちょっとめんどくさいのに絡まれたんでね。それより、今日の仕事終わったら、ぜひ私とお茶しませんか?」

 

運転士が女性だったことや、20代であることから、リョウはまたナンパする。

 

「ぜひそうしたいんですけど・・・今日は残念ながら深夜バス担当するので無理かと・・・。」

 

断られたリョウ。すると、携帯の連絡先が書かれた紙を渡す。

 

「もし何かあったら、私に連絡してください。」

 

声を低くするリョウ。戸惑いながらも女性は返事をした。リョウは何かないかと思い、バスに乗る。発車3分前になると、13人お客様が並んでいる。リョウは乗り込んで、考えるやいなや、何か異変に気づく。それは、最後のあたりに並んでいる3人だ。大きいバックにしては何か様子がおかしいと感じる。

 

(バッグにしてはかなり重いな・・・。あのサイズでか?)

 

様子を見るため、注意深く監視のもとに動く。バスが折返場を出てから1km経った次の瞬間!

 

「動くな!今から我々がバスを制圧した。下手なことをしようものなら命がどうなっても知らんぞ!!」

 

リョウはやはりとにらんでいた。

 

「今から言うとおりにしろ。操車場まで動かせ。お前ら死にたくなかったら言う事を聞け!」

 

「それはどういう命令なのかな?」

 

リョウは運賃箱の横から現れ、バスジャック犯はリョウの姿を確認すると、銃を向け始める!パイソン357マグナムを取り出し、銃を撃ち落とす!そしてバスジャック犯をキックで撃破!

 

「今すぐ警察に連絡しろ!皆は急いでバスから降りろ!」

 

だが、ここである事態が!倒されたバスジャックの一人が、ひそかに爆弾の起爆装置を起動させていた!

 

「これで俺が負けたとでもいうのか?爆弾はもう起動した。てめぇは終わりだ。バスごと滅びるんだな!」

 

「ほう。そんな口を利くとは随分余裕なんだな。とにかく近くの用水路まで動かしてくれ!」

 

リョウが女性の運転士にお願いし、バスを動かさせる。爆弾の入ったカバンを開けると、そこには残り55秒の文字が!早くしないと爆発させてしまう。運転士もリョウも、この事態はなんとか打開しないといけないと思い、頑張って近くの用水路まで動かさせようとする!

 

すぐに用水路に到着!その時の爆弾は、残り3秒になっていた!リョウは用水路に投げ、爆発させた!幸い死傷者はいなかった。だが問題はここから先になってしまう!

 

「だがこれで余裕こけると思ったか。今度こそ命をいただくぜ。」

 

「どうやら、地獄を見せなくてはいけないようだな。」

 

すると・・・

 

「地獄を見せる必要はないと思いますわ。ジャッジメントですの。威力業務妨害及び殺人未遂で、拘束しますわ。」

 

リョウは見覚えのある制服と、見覚えのある姿を見た。2人は降参した。

 

アンチスキルに拘束されるバスジャック犯。リョウはそれを見届けていこうとした、その時。

 

「ちょっとお待ちなさいな。あなたにはたっぷりとお聞きしたいことがありますの。指示の通りに動いてくださるのでしたら、特に何もしませんわ。さぁ行きますわよ。」

 

「えーっ!?ちょっと助けてー!運転士さーーーん!!」

 

リョウが黒子に連行されてしまう。向かった先は、ジャッジメント一七七支部。会議テーブルがセットされていて、椅子にかけるリョウ。すると涙子がリョウにお礼を言う。

 

「昨日は、ありがとうございました!」

 

リョウは気にしないでいいと話す。その後、黒子が切りこむ。

 

「まず、あなたのお名前を伺いたいのですけれど。」

 

「冴羽リョウ。スイーパーをやっている。」

 

全員がスイーパーということにはてなマークを浮かべる。

 

「ちょっと待って。スイーパーって言うけど、どういう仕事してるの?」

 

「悪いが、それは言えない。」

 

リョウはスイーパーの仕事内容を話すことを拒んだ。なぜならリョウは、裏の世界で仕事をしているうえに、人を殺しかねない、いわゆる危険な仕事をしているからだ。それを中学生に教えたところで、もしかしたら裏の世界に入ってしまう可能性があるからだ。だがリョウにはそれ以上の疑問があった。まずここはどこだというわけだ。

新宿ではないことは確かだ。

 

「あなた、銀行強盗を仕留めるときに、拳銃を出したようですけど、どういうことですの?」

 

「忘れたのか?俺は条件反射的にそうなっただけだ。」

 

「でもあんたさ、そもそも拳銃なんて常備してるの?」

 

リョウはさすがにしびれを切らしたのか、ついに・・・

 

「まず聞くけど、そもそもここはどこなんだ?新宿ではないみたいだが?」

 

「どこって、学園都市ですけど・・・?」

 

「学園都市ぃ?確かに新宿だったら、早稲田とかあの辺りは学校が多いからそれっぽいけど、東京で学園都市って言ったら、国分寺とかしか思い浮かばんけどな。急になんかここに移ったし。」

 

4人が何を話しているのかが分からなかった。新宿だの早稲田だの、国分寺だの、知らない地名が出てきている。だが、学園都市は東京にあることは間違いない。

 

「まさか自分がいるところも分からないんですか!?」

 

飾利が驚いて突っ込んでしまう。

 

「ちょっとお聞きしたいんですけど、今、急にここに移ってきたっておっしゃってたんですけど、何が起きたとかってありますか?」

 

「仕事を終えて、何か知らないけど、警察に追われて、マンホールに落ちたってところなんだよな。」

 

マンホールに落ちた?ここがおかしいと怪訝に思う4人。

 

「まぁいいですわ。とにかく冴羽さん。あなたの身分が証明できるものをお見せくださいまし。」

 

そういい、リョウは免許証を見せる。住所は、東京都新宿区になっている。だが、この世界には新宿区がない。そして黒子は、あることを話す。それは、リョウが元々ここの住人ではないことだ。確かに東京都があるのだが、新宿区という地名がない。リョウはどうすればいいかが分からなかった。更にバンクにも名前がないため、本来であれば、学園都市から追放されることになる。

 

「別に君たちの世話になるなんて考えてないし、一人でどっか暮らしてるさ。」

 

その発言に驚く一同。

 

「一人でどっか暮らすって、まさかホームレスみたいなことを!?」

 

「でしたら、私の家はどうでしょうか!?ほら、お礼の意味も込めて!」

 

涙子が突然話す。3人は涙子がリョウを好きであることを悟ったのだった。リョウは度重なる中学生たちの追求に疲れていた。リョウはやむなく了承。だがリョウは、4人にあることをお願いした。それは、

 

過度な干渉をしないこと。

 

美琴たちには分からないのだ。黒子や飾利はジャッジメントとして活動しているとはいえ、リョウは何人の、何グループという闇を見てきた。そしてその悪党を掃除してきた。ジャッジメントとは違う。そして黒子は、リョウにあるお願いをする。

 

「こちらに記入してくださいまし。これは、ジャッジメント入隊申請届ですわ。あなたのような方には入っていただきたくお願いしてますの。」

 

するとリョウは、この入隊申請届の用紙を、破棄した。

 

「悪いが、君たちみたいな中学生連中とは違う。それ以上この話をするなら、俺は帰るぞ。僕ちゃん時間がないんで。」

 

そういい、後にする。リョウの後を追う涙子。

 

「リョウさん待って!どうしてジャッジメントの入部しないの?」

 

「君は分からないだろ?俺は君たちとは違って、いろいろな悪党を掃除してきた。君たちとは違うんだ。君たち以上に危険な仕事だ。踏み入ってはいけない仕事だ。それを君たちは、俺からすればなめてかかっているように見える。だからそのジャッジメントとやらには入らないんだ。」

 

それを聞くと、涙子はリョウに言う。

 

「それは違うと思うよ。リョウさんはリョウさんで、いろいろ辛い経験をしてきただろうけど、私も初春たちも、リョウさんにこれからも活躍してほしいと思っているんだよ。」

 

涙子は、飾利たちの思い、自分の思いをリョウにぶつけた。




明らかに経験が違うリョウとジャッジメント。改めて呼び出しをされるリョウ。ジャッジメント入隊申請届に、リョウはどうするのか!?

次回 ぶつけられた思い、リョウの思い


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第3話 ぶつけられた思い、リョウの思い

リョウは強盗事件の犯人を成敗し、更にバスジャック犯を成敗した。だが黒子たちにジャッジメント入隊申請届を書かされると破棄。
そこにはリョウとジャッジメントたちの壮絶な経験差があったのだった。
双方の思いはどうなるのだろうか?


第3話 ぶつけられた思い、リョウの思い

 

涙子の家にいるリョウ。涙子はリョウに心を惹かれ、恩返ししたいという気持ちでリョウを泊めさせているようだ。リョウも一応、あれだけやられたハンマーから逃げられているという安堵感から、思わず気が緩んでいる。

 

「ねぇ、リョウさんって、運動か何かやってるの?」

 

涙子がリョウに聞く。外見から、どうやらいい体つきをしているように見えるからだ。リョウはいつも、ボディのトレーニングをやっては、射撃訓練までやっている。精度の高い射撃能力、並外れた察知能力、それはまさに、実力的なものでは超能力者、いわゆるLEVEL5に匹敵するほどであった。

 

「まぁ、運動はやっているけどな。」

 

「すごいな~。私って、リョウさんみたいに体つきはあまり良くないし、それに、あの射撃能力は私でも持てないからな~。」

 

リョウはそれを聞いて、涙子に教える。

 

「能力があろうとなかろうと、君は君自身で、身を守らなきゃいけない時がくる。学園都市では能力者たちが暴れまわっているし、俺がいた新宿でも、警察から漏れた悪党どもも暴れまわっている。その方法を、お教えしよう。」

 

涙子に厳しい教えをする。まずは、キックだ。キックの力が弱ければ、相手を成敗することはできないし、自分の命を守ることもできない。そんな訓練をさせて翌日。涙子の携帯に、一本の着信が入る。

 

「佐天さん?実はあなたにお願いがあるのですけれど、そこにいる冴羽リョウさんを連れてきてほしいんですの。もし来なかったら、得するものが得しなくなるということをお伝えくださいまし。」

 

黒子がお願いをする。リョウにそれを伝えると、リョウはやる気のない顔をしてジャッジメント一七七支部にむかう。リョウは読めていた。どうせ入隊申請届を書かされるのだろうと。しかし、リョウの考えたものよりは、かなり違っていた。

 

ジャッジメント一七七支部の事務室にはいると、そこにはなんと、あのバスジャック事件の時の運転士が。

 

「おぉー!運転士さんじゃないか!待ってたよ~!」

 

飛び込むリョウ!そこを黒子がキックで仕留める!

 

「あなたはかなりの変態のようですね!!」

 

だが、飾利たちは思った。黒子だってそれと同じことをしているのだから、人の事を言えないだろうと。

 

「実は、あなたにお願いがありまして、こちらに呼んだんですの。ただし条件がありますわ。あなたがジャッジメントに入隊申請届を出すというのでしたら、お願いしたい内容を話してもいいですのよ。」

 

「まったく汚い手を使うな。最近の中学生はそんな悪だくみまでするようになったのか。」

 

「よろしいですの?あなたがもし入隊申請届を出さなければ、お願いされている話も水の泡になりますし、何より、この運転士さんとお付き合いができなくなりますわよ。」

 

「わーったよ。書けばいいんでしょ書けば。」

 

リョウはやる気のない感じを出したまま、入隊申請書にサインする。書くのを確認した4人は、運転士から用件を話してもらう。

 

名前は、梶原 桜子(かじわら さくらこ)。学園都市交通自動車の社員で、入社して4年になる。

 

「実は最近、あることに悩まされているんです。通勤で使っている自動車が時々、ふらついてしまうことがあるんです。別に何もいじっているわけではないんですけど・・・。」

 

桜子は、リョウに経緯を話す。

 

事の発端は、1週間前。仕業終業後、帰ろうとしたとき、通勤で使っている車がふらつき、ぶつかりそうになったそうだ。更に自分の家のポストに、身に覚えのない請求書が送られ、どうにかしたいと思っていたところだが、更にこんな警告文が送られてきた。

 

「アンチスキルやジャッジメントに通報すると、お前の体がどうなっても知らないぞ。」

 

というメッセージがあり、それが単なる脅しではないという証拠にと、自分の乗務していたバスが空の爆発を起こすという事態に巻き込まれた。そしてこの相談した当日にも、身に覚えのない請求書がまた届いたという。

 

「RM-Eの請求書に、HR-1の領収書、桜子君は、何かここ最近でキャッシュレス類のものを使った覚えはないか?」

 

「そもそも私、カードは持たない方なんですよ。なのにこんな莫大な請求が来て、正直困っています。」

 

飾利がそれを見て、パソコンで調べている。2つの請求書類から会社を割り当ててみたが、どれも該当しない。これはジャッジメント以外にもリョウの手を借りた捜査が必要になってくる。

 

「分かった。君は俺の家に泊まりなさい。動き一つ違えば、相手も何かしらの動きに出るはずだ。」

 

「そうですわね。もしかしたら、自分の姿を消せる能力者の仕業かも知れないですからね。」

 

「というわけで、よろしく。私は常盤台中学2年、御坂美琴よ。」

 

「同じく常盤台中学の1年、白井黒子ですわ。」

 

「柵川中学1年、初春飾利です!」

 

「同じく柵川中学1年、佐天涙子だよ!よろしく!」

 

5人の連携プレイによる捜査が、幕を切って落とされた!まずは、今までの請求書類をすべて調べる。これを見ると、犯行の行われた初日は、ネックレスや、ピアス類などで、60万円の請求、乗務が妨害された日には、30万円の請求が届いている。ここまで調べると、すべて630万円の請求が来ている!だが、リョウは一つ気になることがある。

 

「もしかしたら、今、世界で問題となっている、サイバー犯罪の可能性があるな。おそらく犯人は、桜子君の所持している通信機器類に侵入して、あらゆるものを盗んだり、自分には身に覚えのない請求が届く可能性があるんだ。実際に俺が知っている事件では、差出人不明のメールが届いて、見てみたら、自分の顔が写っていた写真が送られてきていた事件もある。犯人はそれを利用したかもしれん。」

 

「確かに位置情報がかなり正確なのは厄介ですね。しかも今回、梶原さんがアパートに住んでいるのにその場所まで分かってしまうというのは、相当な犯人でしょう。」

 

飾利がその見解を話す。サイバー犯罪、いわゆるネットワークを使った犯罪がひどくなってきている昨今、執拗に追跡し、こういう迷惑行為を行うことが少なくない。特に今回の場合は悪質である。脅しではない証拠に、桜子の車がいじられていたり、乗務する予定のバスが空の爆発を起こされるなど、これは完全に犯罪行為だ。

 

夕方、桜子は、リョウとともに、涙子の家に泊まっていた。先述の通り、何が起きるか分からないので、安全上、どうしても必要不可欠なことである。夕食は、涙子特製のカレーライスだ。このカレーライスは、ただのカレーライスではない。かまぼこが入った、特殊なカレーライスである。3人はいただきますというあいさつをするが、桜子は何か浮かない様子だ。その様子に気づく2人。するとリョウが、

 

「心配は無用さ。いざと言うときには、俺が君を守ってみせる。ほら、浮かない顔をしないでくれたまえ。せっかくの涙子君の作ってくれた料理が冷めてしまうぞ?」

 

桜子をなだめる。だが歯止めが効かなくなっちゃったのか、

 

「今日は一緒に僕の部屋でどうですか~!?」

 

モッコリモードに切り替わってしまった。涙子が何か頬を膨らませている。どうやらあの3人の読みは当たっていたようだ。

 

「リョウさん?食べ終わったら話をお聞きしましょうか?」

 

笑っているようだが圧をかけている涙子!リョウはその姿に気づき、落ち着いてくれと諭す。ブレーキが半分効かない会話は夜が深くなるまで続いた。

 

翌朝。涙子は習慣的にポストを見ているため、確認すると、何か白い封筒が入っていた。するとそこには、脅迫文が書かれていた!

 

「本来であれば、君だけを攻撃して何食わぬ顔で事を終わらせる予定だったが、どうやら邪魔が入ったようだ。何があっても君の責任になる。不始末なことをした自分自身を呪うがいい。」

 

こう書かれていた。すると涙子の叫び声が!黒い準中型のワゴンに、黒ずくめの男たちが涙子を引きずり込む!リョウが拳銃を出そうとするが、

 

「その銃から弾丸を放ってみろ!こいつの命はないぞ!」

 

警告され、銃を引っ込めてしまう!誘拐される涙子。車は学園都市の大通りに逃げ込み、そのまま消えていった。

 

ジャッジメント一七七支部では····

 

「まったく何やってるのよ!あんたそれでもスイーパーなのかしら!?脅迫文の手紙に気を取られて、佐天さんを誘拐されるなんて、頼りないわね!」

 

美琴が激怒していた。黒子はとりあえず落ち着いてほしいと言い、リョウに話を聞く。

 

「冴羽さん。とりあえず、どういう脅迫文が来たのかお見せいただけますの?」

 

そう言われ、リョウはこの脅迫文を見せる。書かれている内容、そして筆跡がほぼ同じだ。そして分かったことは、犯人はただの愉快犯というわけではなく、脅しではない証拠にと、犯行を実行しているということだ。更に黒子は、どういう車だったかを聞く。

 

「黒の、TOYOTAの準中型ワゴンだった。ナンバープレートは、東京307 か 564だったな。」

 

そういい、黒子は検索をかける。すると車は、第6学区の、廃ビルにいる。

 

その頃、廃ビルでは、木製の椅子に腕を後ろに縛り付けられ、口にタオルを巻かれていた涙子の姿があった。犯人の1人が、タオルを外す。

 

「どうだ?誘拐された気分は。」

 

答えない涙子。

 

「誘拐されたのは誰のせいだと思う?君でもあの男でもない。君たちが匿ったあの女のせいだ。俺は女に警告をするために、君を誘拐した。まぁ心配するな。あの女を連れてくるよう言っておいたさ。女が来れば君は解放される。」

 

男の1人が言う。だが涙子は、

 

「それで私が納得すると思う?どうしてあの女性を狙ったの?」

 

と聞く。男は、桜子が同じワイヤレス接続にひっかかってくれたからだと話す。おかげで桜子に興味が湧いたそうだ。だが涙子は、

 

「そんなことであの桜子さんを狙ったの?卑怯よ。あなたたちがやったことは紛れもない犯罪よ。よーく理解しておいた方がいいよ。」

 

男は激高し、涙子の椅子を倒し、蹴り続ける。

 

「学生の分際で、分かったこと言ってんじゃねぇぞ!」

 

「しかし、あなたたちは分かっていないようだね。強い味方がいることを。もうそろそろ到着するんじゃない?」

 

涙子が突然話す。すると、後ろからリョウの声が!

 

「学園都市のジャッジメント事務所にあるコンピュータが語ってくれたよ。お前たちがここにいるとな。さぁそこの涙子君を解放してもらおうか。」

 

「わりぃが、そうはさせねぇ。あの女を連れてきてもらわねぇと解放する気はおきねぇな。」

 

するとリョウが、パイソン357マグナムの弾丸を一発発砲する!足元に一発着弾!

 

「あまり長引かせると、俺よりもっと痛い奴の参上になるぞ。」

 

弾丸を放ち続けるリョウ。男たちは焦ったのか、涙子を解放する。涙子がリョウに抱きつく。

 

「もう心配はない。あとはこいつらをどう料理するかだな。」

 

と言った、その時、背後からもう一人の男がリョウに襲いかかろうとしていた!リョウが銃を向けた次の瞬間、電撃が男に放たれる!そこに現れたのは、美琴だった!

 

「まったく、遅いじゃない。手こずってると思って来てみたらこの通りね。」

 

3人はその後、アンチスキルに連行された。すると、リョウの前に現れたのは、黄泉川だった。

 

「冴羽リョウというのは君か。私はアンチスキルの黄泉川じゃん。よろしく頼むじゃん。」

 

するとリョウは、黄泉川の姿を見て、モッコリ美女発見!と、黄泉川を誘う。

 

「終わったらお茶しないー?」

 

とその時、美琴の怒りのボルテージが上がり、電撃を放たれる!

 

「くたばれナンパエロ野郎!」

 

リョウは逃げるが、美琴は追い続ける。こんな無邪気な姿に、笑う3人だった。




最初の仕事が終わり、ようやくジャッジメントに入隊したリョウ。体の強さとその体の動きから、彼はミッションに抜擢されることが多くなる。だがジャッジメントでは、不思議なことが起きるのであった!

次回 ついにリョウが!認められた異世界のスイーパー


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第4話 ついにリョウが!認められた異世界のスイーパー

学園都市に来てから1週間、リョウは完全に学園都市の住人として溶け込んでいた。だがリョウの目の前で事件が発生する。5人の団結した事件への解決が、ついに幕を開ける!


リョウが学園都市に来てから1週間。この1週間でリョウは何件もの事件を解決してきた。リョウの働きぶりには黒子たちも絶賛しており、更に冴羽リョウという名前は学園都市にも広まっているのだ。まぁモッコリ美女だとなって豹変するのはこれはもう早くテンプレと化してきているのだが。

 

「モッコリ美女の里はっけ~ん!いやっほーーー!」

 

美琴がその姿を見て、またもや電撃を放つ。

 

「何回やっても懲りんのかあんたは!!」

 

ジャッジメント一七七支部には、リョウの姿があった。新聞を読んで、体制を崩していた。新聞を取り上げる一人の女性。

 

「新聞を読むくらいなら、もう少し勉強とかしたらどう?」

 

そういうのは、固法美偉。眼鏡をかけた黒髪のセミロング。能力はLEVEL3の透視能力(クレアボイアンス)だ。障害物や鞄などを透かして内側を見ることが出来る。

 

「それより、あなたいつも、左の脇腹に拳銃を持っているみたいだけど、誤発砲とかしないの?」

 

「それを聞くなら一つ。どうしてそこに拳銃があると分かるんだい?」

 

美偉はリョウが持っている拳銃まで見えてしまう。リョウは顔に出さないながらも内心かなり驚いているのだ。無理もない。逆にリョウは、能力のある学園都市が少し怖く感じてしまった。

 

そんなある日のこと。学園都市ではある事件が起きていた。それは、常盤台中学の生徒全員が狙われるという事件だ。通称常盤台狩り。写真を見てみると、それは大変なことになっていた。しかも事件が起きているのは、学舎の園にて起きている。更に犯人の姿が見えないため、誰が襲ったのかが分からない。

 

レストランでは、5人が食事をしていた。だが涙子は、なぜか常盤台の制服を着ている。一体なぜなのか?実は、常盤台の寮を見るために、バスから降りて歩いていた時だった。足を滑らせてしまい、スカートが濡れてしまった。代替として常盤台の制服に着替えていた。

 

「そういえばさ、リョウさんの言ってた新宿って、どういうところなの?」

 

美琴がリョウに新宿とはどういうところかを話す。

 

「まぁ一言で言うと、モッコリ美女たちが集まるところかな。かなり賑わってるし~!」

 

とかなり的外れな答えを出す。すると黒子がテーブルをたたき、お姉さまは真面目に質問してるんですのという。リョウははいはいと投げやりに返事し、改めて新宿について話す。

 

「新宿は、東京都の中でもかなり利用者数が多く、国鉄や小田急、営団地下鉄や都営地下鉄、それに京王まで走っているんだ。交通量が多く、特に隣の渋谷というところに通じる明治通りは、交通量が多く、平日毎朝は渋滞しているんだ。その近くには、都電荒川線と言う、東京都唯一の路面電車も走っている。更には早稲田大学もあるからな。たぶんこの学園都市とは、大きなけた違いだと思うぜ。」

 

更に言うと、新宿は場所によっては治安が悪いところもある。警察は悪党たちを捕まえているのだが、そこから漏れてしまっている悪党もいる。それを掃除するのが、スイーパーの役目だ。まさにリョウはその仕事を担っているというわけだ。その話のあと、涙子はお手洗いに行った。だがこの後、事件は起きてしまう!黒子の携帯に一報が入り、飾利とリョウは急行した。美琴だけが残ったのだが、涙子が戻らない。心配になった美琴がお手洗いに向かうと、そこには、涙子が倒れていた!

実は、涙子が手を洗っていた時の事だった。誰もいないはずなのに突然扉が開いた!そして、次の瞬間!涙子はスタンガンで気絶させられたのだった!

 

ジャッジメント一七七支部。濡れたタオルを顔に乗せられて未だ意識がない涙子。涙子は柵川中学なのだが、代替で着用していた常盤台中学の制服を着ていたことにより、事件が起きてしまったのだった。やはり見えない犯人の犯行だ。この事態をどうするのか、会議をしていた。

 

姿が消せる能力が使える者、バンクで調べると、ある一人の名前が浮上した。それは、重福省帆(じゅうふく みほ)。能力は視覚阻害(ダミーチェック)。対象物を見ている視覚そのものを阻害する能力だ。だが省帆はLEVEL2。犯行は不可能かと考えられていた。

 

そんな時、涙子が起きた。すると、4人が笑いをこらえていた。なぜか?涙子が鏡を見ると、なんと眉毛が書かれていた!爆笑する4人。涙子も何が起きているのか自分でも分からなかった。

 

そして涙子は、省帆の写真を見た次の瞬間、こいつだ!と話した。実は涙子が気絶する寸前、顔を見たのだった。そして涙子は復讐を考えていた。

 

「この恨み、晴らさないで置くべきか!やられたらやり返す。倍返ししてやるわ!」

 

(女って怖いな・・・やられたらやり返すだもんな・・・)

 

女性が怒るとこれだけやばいことになるというのを改めて実感したリョウだった。ん?だがリョウはあることに気が付いた。

 

「ちょっと気になったんだが、今、ダミーチェックと言ったよな?いわゆる視覚阻害。対象物を見ているものに干渉するということは、人の前から消せても、防犯カメラなどの類には隠すことはできないんじゃないかと思うんだが。」

 

つまり、人の視覚からは消せても、カメラには写ってしまうというわけだ。ということで、飾利は学舎の園にある監視カメラすべてにアクセスをしている。だが、一七七支部は学舎の園の管轄外である。通常管轄外のエリアには、原則として踏み込むことは禁じられているのだが、今回は緊急事態が緊急事態に、上からの許可ということにした・・・ようだ。

 

そして、2458台のカメラにアクセスが成功した。だが、美琴は監視カメラのアクセス数が多すぎるとした。次に黒子は、エリアE~Hと、J、Nはアクセスをやめる。なぜなら、あのエリアは常盤台から遠い場所。つまり、常盤台の生徒はいかないのだ。

 

「ということは、人通りの多い場所は後回しだ。なぜなら、俺があの学舎の園に行った時、たいていはみんな注目していた。つまり、人通りの多いところでは能力を使っているというわけだ。だが、能力のつかえる時間にも限界が来る。ということはだな。」

 

リョウが話した時、涙子は、人目のつかないところで息をひそめているのだと話すと、リョウはその通りだと話す。ということから、飾利はさらに、大通りの監視カメラのアクセスをやめる。

 

帰宅時間帯。常盤台中学の2人が分かれ、1人は路地裏に逃げる。そこには、スタンガンを持った省帆の姿が。そこを涙子が突き止めた!

 

「私の眉毛の敵、きっちり取らせてもらうわよ。」

 

と言った瞬間、姿を消した!人通りを逃げる省帆!涙子の姿を見たリョウも、合流し、追跡する!

 

「やはり俺の読みの通りだった!黒子君!その方向に奴が逃げて行ったぞ!」

 

「言われなくても分かってますわ。」

 

黒子の方向に逃げた省帆!そして黒子は勘でキックで停める!

 

「ジャッジメントですの。大人しくお縄についてくださいまし。」

 

だが逃げる。飾利にナビをお願いする。省帆は、折返場方面に逃げる。

 

「道に出て左。折返場方面に逃げました!」

 

各々が挟み撃ちする!そして公園に逃げた省帆。だが、そこには、ブランコに座っている美琴が。黒子も集まり、涙子も集まり、リョウも集まる。

 

「鬼ごっこは、終わりよ。」

 

どうしてダミーチェックが効かないのかが疑問になる。さぁと濁す!省帆はスタンガンを出し、美琴に攻撃しようとする!リョウはキックし、スタンガンを落とさせる!省帆はそれを取ろうとするが、リョウに357マグナムで破壊される。更に美琴に600Vの電流を流され気絶する。

 

「あまりこういうのはしたくないんだが、悪質だったものだからこうするしかなかったのさ。飾利君!容疑者拘束したと、アンチスキルに連絡だ!」

 

涙子は気絶している省帆に、マジックペンで眉毛を書こうとする。だがリョウに止められる。

 

「やめておくんだ。涙子君。おそらく彼女にも、何かあったのだろう。俺には、おそらくこの事件に直結したと思われるぐらい、何かの事態が起きたのだろう。」

 

そう感じるリョウ。すると省帆が起きる。そして、笑いたきゃ笑えと言わんばかりのことを話すのだが、あの人?そんなことに疑問を持つ3人。省帆にはもともと、彼氏がいたのだが、彼氏は眉毛が変と言ったのだ。それから常盤台中学の生徒が憎くなり、更にその彼氏にも憎くなってしまった。だから犯行を行ったと話す。それを聞いていたリョウは・・・

 

「君のそ気持ちは痛いほどよくわかる。だが犯したものは一生消えないものなんだぞ。未来のある中学生がそれをやってるんじゃ、君が思い描いている未来は遠くなってしまう。君のその傲慢さで常盤台中学の生徒が何人狙われたのか、それを深く反省してもらおう。」

 

一言を放つリョウ。リョウはこれまでに、幾度となく、数多の人間と付き合ってきた。リョウ自身も壮絶な過去を持っているため、痛い気持ちが感じる。それを聞いていた3人は、

 

「何よ、かっこいいこと言っちゃって。」

 

そして連行されるとき、省帆はリョウに、手紙を書いていいかと聞く。リョウはそれを承諾した。

 

「何か伝えたいことがあるなら、いつでも手紙待ってるぜ。」

 

そういい、護送車は去っていった。だが、リョウは未だに気になっていることがある。それは美琴も同じ疑問だった。

 

「そういえばさ、彼女、姿を消してたよね?」

 

「ああ。確かLEVEL2だったはずなんだが、どうなってるんだ?」

 

そんな疑問があった。だがそれは、大きな事件の第一の入口であった。涙子の家。飾利とリョウがいた。どうなっているのかを聞くと、美偉が電話越しに、第十学区の大学で作られたものだそうで、1週間は消えないそうだ。涙子の怒りのボルテージが上がる!

 

「なんであんとき落書き止めたのよ~!!リョウさんが止めなければ!!」

 

「だってあれは、俺も見ていてさすがに違うと思ったからぁ!」

 

涙子のリョウに対する怒りのぶつけ。飾利は落ち着いてほしいと思うが、これは止まりそうにない。諦める飾利であった。




シティーハンター冴羽リョウの名前が広まってからそこまで時間が経っていない学園都市。だがリョウを釣るために、学園都市ではあらゆる挑戦みたいなものが発生していた。

次回 受けて立とう!本当の力を思い知ったか学園都市!


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第5話 受けて立とう!本当の力を思い知ったか学園都市

リョウが学園都市に転移してから早2週間。学園都市では早くも有名人となっていた。だがそんなリョウが、無能力者でありながら実力ではLEVEL5であることを聞いて、リョウに挑戦をするものがでてくる。果たしてリョウの運命は?そして挑戦者は誰だ?


朝。リョウはリビングで新聞を読んでいる。早2週間であるにも関わらず、新聞の内容の違和感はもう払拭されていた。しかし、学園都市のエリアはあまり覚えられていない。だがリョウには、ある一つの事が分かったという。それは、以前いた世界の、あるエリアと道がそこまで変わっていないことだった。東京・多摩エリア。多摩エリアは、東京都多摩市の多摩センターや、立川、国立などのエリアとまったく似ているのだ。

更に、この学園都市には、2009年にいることから、リョウは、2009年の多摩エリアにおそらく転移した可能性が高いと判断。だがそんなことを他の人に話したところで、所詮は信じてくれないと判断。しかしリョウがもっと恐れていることは、この学園都市から二度と新宿に帰ることができない可能性があることだ。リョウは少しではあるが、SF系のテレビ番組を見てきた。だがリョウの身には、SFでしか見れないことが、リアルに起きている。

 

涙子が朝食を持ってくる。

 

「そういえば、リョウさんって、依頼を受けるときどうやって受けてたの?」

 

「それは、新宿駅東口の黒板に、XYZと、どこで何時に待ってるかを書けばいいのさ。まぁ、アシストとして1人が依頼を受けるんだけどね。あとは、どこかで突発的な事態が起きたら受けるって感じかな。」

 

「へぇー。この学園都市でも依頼を受ける予定はあるの?」

 

「どうすっか迷ってんだよな~。」

 

と次の瞬間、リョウが何か異変を感じる!それは、無数の宙に舞う鉄パイプ!ガラスを突き破り、入っていく!涙子の無事を確認したリョウ。だが涙子は、リョウに飛びつかれたことで顔を赤くしてしまう!

 

「大丈夫か?涙子君。」

 

「う、うん!しかし一体だれが?」

 

涙子は疑問に思う。リョウもこの周辺で工事をやっていないことは把握済みだ。しかし誰がどういう意図で鉄パイプを投げ込んだのか?

 

実はこの学園都市では、能力的にはLEVEL0の実力的にLEVEL5のリョウのことが広まっていた。それがあったからだろうか?だとしたら、リョウに対する挑戦という事だろう。実際リョウが新宿にいたときも、リョウを倒して新宿の頂点に立つということを考えて居る輩も少なくはなかった。それが早々に学園都市で起きているのだとしたら、学園都市はめちゃくちゃなことになる。

 

ジャッジメント一七七支部に出勤したリョウ。飾利が涙子の家で何か起きたことを知っていたのだろうか?それを心配していた。飾利はリョウの無事な姿を見てそっと胸をなでおろした。

 

「実際にこの学園都市では、ジャッジメントを狙う輩も少なくないから、気をつけてよね。特にリョウさん。あなたが無能力者の実力的超能力者レベルであることは学園都市で広まってるんだから。」

 

リョウはそれを言われなくても分かっていた。リョウはそれをこの学園都市に来る前に経験しているからだった。だがリョウはそれよりかなり気になることがあった。それは先日4人で逮捕した、あの常盤台狩りの事件だ。逮捕された重福省帆は、LEVEL2であったにも関わらず、能力はLEVEL2とは言い難かった。バンクのミスなのか、それとも本人が何かを使ったのかは分からない。

 

「どうしたんですか?そんなに考え込んでしまって。」

 

「先日、常盤台狩りで逮捕した事件があったよな?あの少女、LEVEL2のはずなのに、能力はLEVEL2を通り越していた。だがバンクのミスだとしたら、すぐに訂正されるはずだ。だがそれがなかったとしたら、おそらく何かレベルを上げるための特効薬に近いものが使われている可能性があるってことだ。」

 

飾利に先日起きた事件の疑問についての考察を話す。すると飾利が自分のパソコンを出す。開いたのは、学園都市の都市伝説だった。

 

「実はここに、能力を上げるレベルアッパーというのがあるんですけど、リョウさんの言っていることが本当だとしたら、この都市伝説と言うのに当てはまるはずなんですよ。ただ、その物証がない上、都市伝説に過ぎないので、確証はありません。」

 

「そうですわ。いくらレベルアッパーがあるにしても、物証が抑えられなくては意味がありませんわね。まぁそれはそうとして、お話を聞きましたわよ。鉄パイプが投げられたそうですわね。だが私がお聞きしたいのはそうではなく、佐天さんに飛びついたみたいですわね?いったいどういう神経してますの?」

 

黒子が出てくる。そしてリョウに突拍子もないことを聞きつける。

 

「あれは安全のためにしたことなんだ!ああでもしなかったら死んでたところなんだぞ!」

 

「だからといって、もうちょっと考えられたはずではありませんの!?」

 

「黒子君だって、美琴君といちゃいちゃしているじゃないか!」

 

「あ、あれは美しいお姉さまとスキンシップの一環としてですね・・・!」

 

「ほう、常盤台の変態が、美しいお姉さまとスキンシップの一環だぁ?よく言うぜ。とびっきりゲスい映像にしか見えないけどなぁ~。」

 

「ぶ、侮辱するとは・・・覚悟なさいまし!」

 

「いてぇ!バカ!やめろ!!」

 

2人の見苦しい争いに困惑する飾利と美偉。実を言うと黒子は、美琴のことが好きなようで、同じ部屋になろうと他の生徒とトレードさせてしまったり、突拍子もないところで美琴に抱き着いたりと、変態と言わざるを得ないようなことをしてしまっている。美琴は黒子の考えて居ることが大体分かっているため、スルーをしている。急にくっつかれるなどして、少しうんざりをしているのだが、まずいことをすると黒子を利用してなんとか誤魔化すなどの少しゲスいことはしているようなのだが・・・

 

「そこで見苦しい争いをするなら、各自巡回に行ったらどうかしら?」

 

美偉がそこで割って入る。

 

リョウは美偉に言われ、一人で巡回をしている。さっきの行為が正しいというのに、黒子が理解をしていない。いや、それより黒子はもっとひどいのではないかと思ったのだった。

そんな巡回をしている時だった。何かを聞きつけたのだろうか?リョウの前に、常盤台の制服を着た2人の女子がやってきた。

 

「あの、もしかして冴羽リョウさんですか?」

 

話しかけたのは、少しベージュカラーをした女の子だった。横には黒髪ロングの女の子がいる。

ベージュカラーをした女の子は、湾内絹保。中学1年で、水泳部所属。レベル3で、能力は水流操作(ハイドロハンド)。水を自在に制御する能力だ。黒髪ロングの女子は、泡浮万彬。同じく中学1年で、水泳部所属。レベル3で、能力は流体反発(フロートダイヤル)で、周囲の浮力を自在に増減させることができる能力だ。

 

「噂はかねがね、レベル0でも実力的にはレベル5に匹敵する力をお持ちなんですね!一体どうやってその能力を身に着けたんですか!?」

 

「まぁ基本的には、自分で訓練を積み重ねることだな。俺はそういう能力開発は受けないで育ってきた人間だから。」

 

リョウに憧れる2人。そして2人はリョウにプレゼントを渡す。

 

「お会いできたらと思い、用意しました!」

 

「ありがとう。喜んで受け取るよ。」

 

2人と別れたリョウ。巡回を続ける。すると、女性の下着が道路に落ちているのを見て、かぶりつくリョウ!なんと等間隔においてあって、最後に向かった先は、柵川三丁目操車場。するとそこに、55人がかりの不良連中と思われる人物たちが、リョウの方に集まってくる。

 

「よう冴羽さんよ、俺らはおめぇを倒したくてこうやって誘ってやったんだ。」

 

幹部の頂点と思われる男がそういう。

 

「ほう。まぁ僕ちゃんを誘ってくれたのはうれしいけど、動き次第では覚悟してもらおうか。」

 

「ごちゃごちゃ言うのはそこまでだ!」

 

後ろから7人が襲ってくる!だがリョウは瞬間移動したかのように身のこなしで回避!まずは7人を成敗!そしてもう1人が出てきて、なんと重量のあるバス1台をリョウに向けて投げる!バスは大破したが、リョウは回避!だが1人の男はそれを計算内だとして、次にリョウがいるところに空洞をつくり、道路を崩落させた!リョウは落ちた!・・・かに見えたが、そこから這い上がり、1人を成敗!すると埒が明かないと思ったか、総動員で倒そうとする!するとその集団は、感電して気絶する!そこには、なんとLEVEL5の超電磁砲の能力の持ち主、御坂美琴がいた!

 

「まったく何やってんのよ。集団に対して一人で立ち向かおうなんて。」

 

「美琴君か。なんでここにいた?」

 

「今の現状を見たときに、あんただったらなんとかできると思ったけど、埒が明かなそうだから、私が代わりに成敗してあげたわ。」

 

「余計なことはしなくていい。」

 

「何よそれ?助けてあげた人に対してとる態度かしら?まぁいいわ。私と勝負しなさい。」

 

「しつこいな~。俺は18歳未満の子供とは付き合わないと言っているだろ?」

 

美琴のしつこさにリョウも呆れ果てる。

 

「だ~か~ら~!私は子供じゃないって言ってんでしょ!!何度も言わせんなやごらぁ!」

 

美琴が激高し、電撃を放つ。

 

「あんたが勝負するまでいつまでもついていくわよ。」

 

「わ~ったよ。そこまで言うなら、戦ってやる。」

 

夜の河川敷。リョウがここなら安全だと話し、いつでも来なとスタンバイをしていることを話す。すると美琴は、最初に電撃を放つ!リョウは高くジャンプし、感電を回避する!美琴はこれがだめだとして、次の手を打つ。それは、砂鉄の剣だ。だがこれはただの砂鉄の剣ではない。チェーンソーのように細かく震えているため、触れたら出血する可能性が大きい。リョウは回避し続け、様子を見る。そして、パイソン357マグナムを取り出し、一発発射!すると銃弾は美琴の持っている砂鉄の剣の持ち手の部分を撃ち抜いた!すると砂鉄の剣は強制的に砂鉄に戻った!すると美琴は、風に乗った砂鉄を宙に舞いあげる!

 

(砂鉄で攻撃か・・・とりあえずここは避けるか!!)

 

砂鉄の中から出てきたリョウ。だがここで誤算が!美琴に後ろをつかれ、右手を握られる!電流を流される!と思った矢先、リョウはコンクリートで作った小さい輪のようなものを腕にはめていた!そのため、なんと電流は流されないで済んだ!そして手を外し、今度は美琴の後ろに回り込み、美琴の頭を鎖錠し、ヘッドロックをした!実は、頭蓋骨には継ぎ目の中心部分があり、そこに圧力をかけることで、ロックをさせられるのだ!美琴に強い痛みが走る!だがリョウはすぐに圧力をかけて離す。

 

「いくらなんでも、LEVEL5とはいえこの程度か。次はもうちょっと能力開発を受けるべきだな。」

 

そういい、リョウは去っていく。納得いかない美琴は、また電撃を放つ!リョウは危険を感じ、今度は走って逃げる!

 

「これで倒れたと思ったら大間違いよ!もう一度勝負しなさい!!」

 

「しつこいな~!かまってちゃんは嫌われるぞ!」

 

「うるさいわね!とにかく勝負しなさいと言われたらしなさい!」

 

逃走劇が続く。




まだまだリョウに挑戦を仕掛けてくる人物たちがいる。そんなことはもう分かっているリョウ。だがリョウは倒した人物たちから、あるものが次々と見つかってきた。これはもしかして・・・!

次回 都市伝説は誠か!?ついに発見したリョウ!


お待たせいたしました。かなり更新期間空いてしまって誠に申し訳ございません。かなり多忙な日々を送っている関係で、こちらにちょっとしか手をつけられない事態が起きてしまいました。
楽しみにしていた方、お待たせいたしまして、誠に申し訳ございませんでした。


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第6話 都市伝説は誠か!?ついに発見したリョウ!

飾利から都市伝説を教えてもらったリョウ。その中にはレベルアッパーという項目が入っていた。だがリョウは、都市伝説が本当ではないのかと疑うぐらいのものを見つけてしまうのだった!


第七学区のファミレス。そこにはリョウ、美琴、黒子、飾利、涙子の5人がいた。リョウは普通に座っているのだが、美琴たち4人は黒いシートの中に入っていた。中では、都市伝説と思われる話がされていた。

 

涙子が話を切り出す。

 

これは、先輩の友達の彼氏が、実際に見たという話だ。ある蒸し暑い夏の夜、その彼氏さんが、人気のない公園を通りかかった時のこと、ある女性に、駅までの道を尋ねられた。その彼氏が、快く道順を説明していると、どこかうつらな女性が、ふわーっと手を挙げ、突然がばーっと、

 

ブラウスを脱いだという話だ。

 

涙子がその話をしていたが、雰囲気が破壊された。

 

「って、全然怖くないじゃん!!」

 

起き上がったと同時に叫ぶ美琴。黒子もオチを聞いていて呆れてしまった。涙子は実際遭遇したら怖くないのかと言わんばかりに脱ぎ女の話をするが、美琴は怖くない上にそれはむしろ変質者ではないのかと指摘してしまう。涙子はリョウに聞くが、

 

「僕ちゃん都市伝説なんてのに興味ないからね~。そもそもそんな人物がいたら会ってみたいもんだな。」

 

と否定。だが学園都市では形を変えて噂になっている都市伝説もあるのだとか。風車の回り方が変わると町に異変が起きるとか、レベルを即上げるレベルアッパーだとか、聞いていても黒子は興味を示さない・・・のだが、美琴はあることに気が付いた。それは、どんな能力も効かない能力。美琴にはそれと一致しそうな、というか心当たりのありすぎる人が一人いたのだった。だがこの都市伝説には、リョウのことを書いていると思われる項目も見つかっている。

 

「東京都新宿区から転移してきた転移元のエリア一強い男」

 

リョウはそれに目が留まった。東京都新宿区から転移してきた転移元のエリア一強い男、つまりこれは、シティーハンター冴羽リョウのことを指しているようだ。

 

その時、

 

「リョウさんだって、あの常盤台狩りの事件のことを話した時、都市伝説を信じるようなことを言ってきたじゃないですか。」

 

飾利が言う。

 

「あれは何か使った可能性があるかもということで、飾利君に聞いたまでなんだけどな~。」

 

美琴はコンビニに寄った。雑誌を立ち読みしている。美琴は頭の中で以前に起きたことを思い出している。それは美琴が深夜、チンピラに絡まれている時だった。そこに頭がツンツンした高校生がやってくる。上条当麻。LEVEL0の高校生なのだが、実は右手には異能の力が込められている。それは、幻想殺し(イマジンブレイカー)だ。右手でどんな能力も打ち消してしまうという。だがそれが仇となり、不幸な人生しか遅れていないという事態も起こっている。

当麻が美琴を連れ出そうとしているが、美琴が誰だと言ってしまったため、兄妹のふりして助け出す作戦が破綻してしまったのだ。そこで当麻は、チンピラたちに説教をする作戦に出た。感心する美琴・・・だったが、当麻のある一言で、美琴の堪忍袋の緒が切れてしまう。

 

「見りゃ分かるだろ!まだガキじゃないか!」

 

なんと、ガキと言われてしまった。当麻がフォローするつもりが、逆に小馬鹿にしてしまうという事態に。怒りのボルテージが上がる美琴。体中に電気が帯びる!

 

「私が一番うざいのは、お前だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

高電圧放電!周囲にいたチンピラたちは感電してしまい、全員気絶してしまう。だが当麻は右手のイマジンブレイカーにより感電を免れた。

それを美琴は、なんで当麻に効かないのかが疑問になっている。

 

一方、リョウは立体通路を歩いていた。今日は公休のため、定番のモッコリ美女探しにでかけたのだった。すると、高校生と女性が何かを話している。

 

「何か目印になるようなものはありませんでしたか?」

 

「確か、目の前に横断歩道があったな。」

 

「横断歩道じゃ、目印とは・・・」

 

女性に目が行ったリョウ。

 

「ひゃっほー!モッコリ美女発見!失礼ですが、私と一緒にドライブ行きませんか?」

 

「できればそうしたいのだが、あいにく自分の車を止めた場所が分からなくてな・・・。」

 

「なんと!それは緊急事態ですな。すぐ探しましょう!」

 

当麻はリョウの姿を見て、驚いた。

 

「あ!実力的LEVEL5の冴羽リョウだ!」

 

だがその時、美琴が付近にいた。当麻を呼ぶと、当麻が美琴をビリビリ中学生!と呼ぶ。

 

「ビリビリじゃない!御坂美琴!今日と言う今日は私と勝負してもらうわ!」

 

と当麻に挑戦をするのだが、その時女性はあまりの暑さにワイシャツを脱いでしまう。なんとブラウスだけだったのだ!そしてなんとそれを見たリョウは、飛び込んでしまう!それを見ていた美琴は怒りのボルテージが上がってしまう。

 

「いい歳した男が飛び込んでんじゃないぞゴラァ!!」

 

放電させてしまう。当麻は逃げた。そしてリョウが女性と一緒にいると、なんと周囲の視線がきつくなってしまう。

 

「きゃあ!変態よ!」

 

「女の人が襲われてるわ!」

 

そんな声が飛び交っている。とにかく場を移そうとする2人。

 

テーブルで待っているリョウと美琴。

 

「リョウさんさ、何よあの人?急に脱ぎだして。」

 

「俺だって知らないよ。突然すぎて俺も何も言えなかったし!」

 

「だからといって飛び込むあんたもあんたよ!反省しなさい。」

 

中学二年生に圧倒されるリョウ。だが脳裏を過ぎったのは、ファミレスで話していた都市伝説の事だった。何を隠そう、突然脱ぎだす脱ぎ女。だが美琴はそんなのはないないと否定する。その時、美琴の携帯に、一本の着信が入る。

 

「もしもし。」

 

「お姉さま?今どちらにいますの?これから初春とお茶しに行きますけど、お姉さまも来られますの?」

 

黒子からの誘いだった。だが美琴はそれが少し変わった事態に巻き込まれていると話す。黒子は耳を疑った。

 

「突然服を脱ぎだした!?」

 

黒子の驚愕した声に、涙子が便乗する。それはやはり都市伝説の脱ぎ女であったからだ。飾利も便乗する。黒子がやめよと話すが、興奮した2人は落ち着きそうにない。その声を聞いていたリョウと美琴。美琴の携帯を取り上げる。

 

「あのな、君たちは誤解していると思うが、いくら変わった人でも別にないとは思うが。」

 

と言ったその時だった!

 

「変わっているというのは、私の事かな?」

 

怖い表情で突然現れた女。2人はびっくりし、思わず電話を切ってしまう。

そんなことはないと否定する2人。美琴に携帯を返した時、また着信がなる。それを切る美琴。

 

「つながりませんの。というか、なんでリョウさんがお姉さまと一緒にいるんですの?」

 

黒子が疑問に思う。

 

「やばいんじゃないんですかぁ?」

 

涙子が話す。

 

「探しに行った方がいいんじゃないんですか?」

 

飾利も警鐘を鳴らす。だが、

 

「都市伝説を信じるなんて、おバカさんですわよ。それに、あの御方がいるのですから、何かあっても2人は自身で対処しますわよ。」

 

黒子は否定し、2人なら何とかするはず!そう信じていた。

 

そして美琴とリョウは、女性と一緒に座って雑談していた。持ってきたのは熱いカレースープだった。すると、女性はこう言った。

 

「熱い時には温かい飲み物がいいのだよ。それにカレーのスパイスには疲労回復を促進する効果がある。」

 

そう言う女性。だが美琴は賛同するも、暑い日にはやはり冷たい飲み物だろうと話す。すると、

 

「そういえば名前聞いてなかったな。」

 

リョウが言うと、女性は気づく。名前は木山春生。大脳生理学で主にAIM拡散力場を研究している。リョウには分からない名前だ。

 

「知らないのかい?」

 

「あ、実はリョウさんって、学園都市に来たばかりなんですよ。そりゃ知ってるはずがないですよ。」

 

そういう美琴。AIM拡散力場というのは、能力者が無自覚に発散している微弱な力であり、人間の視覚や味覚、嗅覚や触覚、聴覚の五感では感じ取れないため、それを計測する機械を使わないと観測できないほどの弱い力だ。ということは、ごくを数回言わないといけないくらいのかなりどころではない弱い力ということだろう。リョウは言う。

 

「僕ちゃん勉強苦手だからそういうのはさっぱり理解できな~い。」

 

リョウはそれを捨てるような発言をした。

 

「それにしても、さっき学園都市に来たばかりと言っていたな。元々はどこにいたんだ?」

 

ここでまさかの質問が来てしまった。この学園都市には、東京の大都会、新宿という地名がないのだ。それを忘れてしまっていたリョウ。どうするか?

 

「実は、埼玉県の山間部に住んでいました。」

 

なんとか誤魔化すリョウ。

 

「ほう。ということは、埼玉県の大河原町とかあのあたりに住んでたってことか。」

 

聞いたことがない街に困惑するリョウ。なんとか誤魔化そうと質問攻めをする。

 

「さっき、AIM拡散力場と言ったけど、それの研究をしているという事は、もしかして学者さんということかな?」

 

「そうだ。私はそれを応用する研究をしているんだよ。」

 

すると美琴はこれに気づいたのか、能力について詳しいと判断。それは気になっていた、都市伝説でも出ていたどんな能力も効かない能力なんて言うのがあるのかということだった。それについて当該人物といったら、やはり上条当麻だろう。それを質問すると、

 

「能力と言っても色々あるからなぁ。例えばどんな力が効かないんだい?」

 

春生が聞くと、美琴は、高レベルの電撃を発しても効かないというものを一例にあげた。それを聞き、春生は、避雷針のようなものを発生させ、電撃を逸らせる能力があるのではないかと一つ考察を立てた。しかし美琴はそれとは違ったものであると話す。すると逆に春生は、それは美琴の知り合いなのかと問う。美琴はそう聞かれ、都市伝説だといってその場を乗り切る。

 

「また都市伝説か?最近の若い者はそれに熱中し過ぎてばっかじゃないか。」

 

「いいじゃないの!いくら都市伝説を信じない私でも気になることは気になるの!」

 

リョウと美琴の口論が発生した。それをほほえましく見ている春生。仲がいいんだなと横から入る。

 

「別に仲がいいわけではないですよ!」

 

「そうそう、都市伝説を信じるなんてよっぽどお子ちゃまな人なんだからな~。」

 

リョウの発言にカチンと来た美琴。するとその時、春生の横をアイスクリームを持ちながら走っていた2人の子供。男の子がつまずき、アイスクリームがスカートについてしまった。あっ、これはやっちゃったなと気づく2人。男の子は謝る。春生は大丈夫だと言い、何とその場で脱いでしまう。それに興奮するリョウ。

 

「わーお!大チャーーンス!」

 

と言って飛びかかろうとした瞬間、美琴の電撃で落ちてしまうリョウ。

 

「本当に学習能力のない人ね!!」

 

リョウは黒焦げになってしまった。

 

一方、喫茶店では、黒子、飾利と、涙子がお茶をしていた。黒子が美琴に幾度も電話を掛けるが、つながらない。

 

「お姉さま、まだつながりませんの。」

 

すると涙子は、まだあの脱ぎ女の都市伝説を話している。黒子は聞き飽きてそんな与太話をするなと言う。それに、美琴は常盤台のエースである上に、リョウもいるから最強であること間違いなしだと断言する。

能力的なLEVEL5と、実力的なLEVEL5。この2人の力が互いに作用すれば、力はとんでもないものになるのだ。すると飾利は、脱ぎ女について書かれたサイトを見つけた。それを見ると涙子は、ぬあっ!と声をあげて驚いてしまう。

 

「白井さん。脱ぎ女に遭遇した人は、最後に叫び声を残して、連絡が取れなくなるって・・・(泣)」

 

しつこい都市伝説に黒子も呆れ果てる。だが涙子はもっと恐ろしいことが脳裏を過ぎる。なんと脱ぎ女は伝染してしまうとのことだ。正確に言うと、脱ぎ女に遭遇した人がその呪いで、なんと自らも脱ぎ女になってしまうということだ!飾利はまさかという考えが過ぎってしまう!そして美琴を尊敬している黒子までもが、まさかの都市伝説に引きずり降ろされてしまった!机上に頭を打ち付ける黒子!そして飾利にその呪いを解く方法を調べよと話す!涙子は都市伝説だからとなんと開き直った。自分が都市伝説信じておいてなんだその開きっぷりは。しかも黒子をも信じさせてしまってるじゃないか。

 

一方、公衆トイレでは、美琴が春生のスカートを乾かしていた。春生は美琴に悪いねと一言陳謝。美琴は乗り掛かった舟だから別に気に留めることではないと話す。スカートを乾いたことを認め、扉上からスカートを渡す。春生が思い出したのか、彼にもお礼を言っておいてくれと話す。誰の事かと話すと、当麻と、リョウのことだった。

 

「途方に暮れていた私に声をかけてくれたのだよ。」と話す。

だがそれはかっこつけだと話す。更にリョウについても。

 

「元々はスイーパーをやっていたみたいですよ。それで私たちジャッジメントとはけた違いの経験をしているみたいですよ。ちょっと女の人に弱く、飛びかかる癖がついてしまっているみたいですけどね。なんてったって、パイソン357マグナムを持って、相手を撃ち抜くみたいですけど。」

 

すると春生は、仲がいいんだな。と話す。すると女の子が本当は好きなのに素直になれない、ツンデレみたいなことを言おうとしているみたいだが、ツンダラ?言葉に詰まってしまう。美琴の怒りのボルテージが上がり、大電流を放電してしまう始末。すると警報音が鳴ってしまう。

 

「おせぇな。」

 

リョウが言う。だが美琴はリョウをも巻き込み、そそくさと逃げ込む。

 

ようやく自分の止めた駐車場に来れた3人。

 

「おたくは、結構いい車持ってるじゃないか。ランボルギーニガヤルド。それを忘れるなんてのは、いくら学者でもないぜ。」

 

そういうリョウ。春生はそれを聞いて少し笑う。何かあったらいつでも来なさいと言って去っていく。




明けましておめでとうございます。職業柄、多忙を極めてしまっているため、投稿できず誠に申し訳ございませんでした。でも完成させるまではあきらめませんので、どうか最後までよろしくお願いします。



学園都市を散歩していたリョウ。しかしその途中で上から女性がリョウの頭上に落下!すると背後から何か追ってきた人物が!果たして女性は何で逃げ出したのか!?そして女性が持っていたあるものとは何か!?

次回
危険物取扱いは慎重に!恐ろしい野望を断ち切れ!


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第7話 危険物取扱いは慎重に!恐ろしい野望を断ち切れ!

クラウンで出かけていたリョウたちは、その帰りの途中、緊急事態に遭遇した。上から降ってきたのはウエディングドレス姿の女性。すると背後から襲撃。
だが女性が持っていたのは、ある恐ろしいものだった。


「今日はちょうどいいし、皆でセブンスミストで買い物しようか!」

 

「そうですわね。リョウさんも学園都市に来てから1箇月ですし、研修ついでと言ってはなんですけど、みんなで教えあって楽しい一日にしたいですわ。」

 

美琴と黒子が話す。車内には、いつものメンバーが乗っていた。リョウは今までにスイーパーとして活躍をしてきたものの、ジャッジメントのように公共の風紀を守る団体との動きを行ったことがあまりないため、研修がてらということでみんなと出かけることになった。

 

17分後、セブンスミストに到着。色々な階を回って行く。そこで黒子があることをリョウに教える。

 

「実はこの中にある監視カメラですけれど、このセブンスミストを管理するところのみならず、ジャッジメントの支部でも拝見することができるんですの。初春!」

 

飾利は呼ばれると、中からパソコンを取り出し、監視カメラにアクセスする。打ち込むこと2分。すると、セブンスミストの監視カメラにアクセスが成功。パソコンにはリョウたちが写りこんでいる。

 

「ほら!あそこに私たちが写りこんでます!これで、例えば該当する犯人を追うときに、どこに行ったと連絡を取り合う事で、早期に捕まえることができるんです。ほら、以前の常盤台狩りの事件の時は、施設外のところをアクセスしていましたけど、施設内のところでもアクセスできるんですよ。」

 

飾利が説明する。

 

「なるほどな~。この学園都市ではこんなこともできてしまうのか。」

 

「ただ問題は、犯人を捜すときに、かなり周りの見える犯人だとしたら、追うのに時間がかかってしまうということですわ。実はジャッジメントでは過去に、類を見ない事件が起きたとき、犯人の情報を見るだけで今どこにいるかが分かる能力者がいたとのことですわ。その方のおかげで、素早く犯人を捕らえることができたとのことですわ。」

 

「それって、昔、一七七支部にいた、大曲さんでしたっけ?」

 

過去にいたジャッジメントの人物の話をしている黒子と飾利。実はリョウが来る7年前、ジャッジメントの中では最強の男と言われていた人物がいたらしい。その人物は、大曲 睦(おおまがり むつみ)。中学生の時からジャッジメントに所属していて、小学生の時から犯人の逮捕に貢献していて、かつ実力も強かったことから、LEVEL5を超える男と呼ばれていたようだ。現在はコミュニティバスの運転士として働いているようだが、時々ジャッジメント一七七支部にあいさつにくるようだ。能力名は、位置追跡(ロケーションチェイス)。これで犯人の逮捕に貢献していたようだ。

 

「大曲さんって確か、あの後どこか就職したんだっけ?」

 

「ええ。コートー東株式会社という会社ですわ。本業はカラオケで、バス事業は副業みたいですわ。元々交通機関が大好きな方でしたわ。でも大曲さんは、リョウさんと姿が瓜二つって感じでしたわ。」

 

リョウはそれを聞いて驚いた。自分と瓜二つな人間がいたとは。約15分ほど買い物をしてセブンスミストを後にした5人。リョウはある通りで信号待ちをしていた。すると葉っぱが異様に落ちてくる。すると上から人が!そして車内に落下!その姿は花嫁姿だ!落ちるやいなや、女性は突然、早く車を出してと指示!だがリョウは停止信号のため止まっていると言ったその時、後ろから銃弾が!進行信号になったので発進!車を運転するウエディングドレス姿の女性。

 

「ちょっと、どうなってるの!?」

 

涙子が聞くと、女性は悪い奴らに追われていると話す。するとリアガラスが全部破壊されてしまった!飾利はなんとかしてほしいと話す。リョウは任せろと言うが、その代わり、自分と結婚するならと話す。そんなことを言っている場合かと話す女性。だが銃弾の攻撃は猛威を増す!女性はもう結婚でも何でもするからとにかくどうにかしてくれと話す!リョウは了解し、立ち上がる!そしてパイソン357マグナムを取り出す!

 

(パイソン357マグナム!?まさか・・・!?)

 

全員が思う。そして銃弾を一発発射!銃弾は追ってきた車の右後輪に命中!ハンドルを取られ、ガードレールに衝突!!

 

「車を止めてくださいまし!」

 

言われるがままに停車。そして黒子は車から降り、テレポートして犯人に近づく。

 

「ジャッジメントですの。銃刀法違反および殺人未遂で拘束します。」

 

その頃、飾利がアンチスキルに連絡した。リョウは女性を保護。5分後、アンチスキルが到着した。

 

「お疲れじゃん。こいつらか。君たちが乗っていた車を襲撃したというのは。」

 

黄泉川が出てきた。すると黄泉川はリョウに近づいてくる。

 

「おっと、リョウさんじゃん。今日はモッコリしに来たのかい?」

 

この一言で足がずっこけたリョウ。

 

「あのねー・・・」

 

「まぁいい。後は私たちが処理するじゃん。」

 

「というか、語尾にじゃんとつけるのが気になるな・・・。」

 

「黄泉川さんはいつもそうですよ。まぁそれも黄泉川さんらしくていいと思います!」

 

飾利が言う。改めてクラウンを走りださせるリョウ。

 

「しかしあんた運がいいぜ。この車に落ちるなんて。」

 

なぜかと聞くと、シティーハンター冴羽リョウがいたからと話す。改めてジャッジメント一七七支部に行って話を聞く。この女性の名前は、海神 静江(かいじん しずえ)。免疫学者だ。以前は大東大学の研究員だったそうだ。

 

「しかし、木の上から落ちるほどのという事は、よほど何かあったんだろう。一体なんであんなところから逃げ出してきたんだい?」

 

「その理由は、これです。」

 

と出してきたのは、試験管だ。中には蜂がいる。だがこの蜂は、ただの蜂ではなかったのだ!それを知らずに開けてしまうリョウ!すると蜂が一匹出てきてリョウの鼻を刺す!事務室内に広がる叫び声!

 

「大変!あなた死んじゃうわ!」

 

「はぁ?たかが蜂ですよ?大げさな。」

 

「ただの蜂じゃないの!あるところで開発された殺人バチなのよ!刺されると全身が麻痺して心臓が!!」

 

それを聞いて驚く4人!これは、オオスズメバチ、いや、クマンバチよりひどい最大級の蜂だ!

 

「いやだ!僕ちゃん死にたくない!なんとかしてくれ!」

 

「そうよ!リョウさんにはまだやってもらうことがあるわ!」

 

「入って1箇月でご臨終はごめんですわ!」

 

「せっかく楽しくジャッジメントが務められると思ったのに!」

 

「さすがにどうにかして!!」

 

5人が死にたくない、死んでほしくない叫びをあげる!だが、

 

「そうだ!世界中の女性とモッコリするという偉大な野望が!!」

 

4人がずっこける。静江はとりあえず解毒剤は持っているとし、脛から解毒剤のセットを取り出し、注射針で注入する。だがこの解毒剤は未完成であり、副作用があると話す。副作用?何が起きるのか疑問に持つ5人。だがリョウは脱力し、うつぶせに倒れてしまった。静江は4人に、準備する材料の書かれたメモ用紙を渡す!なんとしても完全なものにしないといけない!その時だった。事務室に現れたのは、あの大曲睦だった!ちょうどいいところに来たと話し、訳の話す余裕がないまま、睦を巻き込んでいく。

 

2時間後に戻ってきた5人。だが5人が戻ってきたとき、リョウの姿が豹変していた!なんと糸を編んでいる。

 

「あぁ~や~ね~、あたし力仕事が出来なくてよぉ~。」

 

オネェと化してしまったリョウ。これは相当ひどい副作用だと見た。

 

「この蜂は、東山興業の生化学研究部が、恐るべき猛毒を持った蜂として品種改良を重ねてきたものなんです。」

 

殺人バチについて話す静江。美琴は、なぜ静江がこんな殺人バチを取り扱っているのかを尋ねる。それは、東山興業の会長、東山 三男の屋敷から盗んできたのだった。

 

「東山興業って、確か俺の働いている会社と同じ、本業はカラオケだった会社だぞ?そんな大手の会社がそんなことするってどんな会社じゃ?」

 

睦が言う。

 

「私は蜂を手に入れるために、東山の息子に近づき、蜂の研究所が、東山の屋敷の中にあることを突き止めました。ところが、女好きの彼は、すぐに私を見初め、事もあろうに結婚を申し込んできたんです。結婚式は屋敷内のチャペルで行うと聞き、私はそれを受け入れました。なぜなら、それが怪しまれずに屋敷に忍び込む、最高のチャンスだったの。」

 

静江が経緯を話す。だがなぜそうまでして蜂を手に入れたかったのかが不思議に思う5人。その理由は、なんと静江の婚約者が、蜂を生み出したからだという。生化学者だった静江の婚約者は、それが新兵器に使われる蜂だとは知らずに、研究に手を貸していたのだった。でもそれに気づき、開発を阻止しようと、研究データを持ち出し、ある新聞記者に会いに行く途中で、交通事故で亡くなってしまったのだった。婚約者は、静江に未開発の開発データを送ってきたのだった。静江はその意思を継いで、なんとか解毒剤を完成させねばと思ったのだが、蜂を盗むところを見つかってしまったのだった。

 

「相手は大企業だぞ?急いで君たちはアンチスキルに連絡をした方がいいんじゃないか?」

 

睦が言うが、静江は確固たる証拠がない限りはもみ消されると反論。だがそれだけじゃなかった。婚約者の名誉を守るためにも、人目に触れずに葬らなければならないと話した。

 

この話を聞いて重々しく感じる5人。すると睦が突然表情を変える!

 

「集団で拳銃を持った奴がこのジャッジメント一七七支部に近づいてきているぞ!」

 

「じゃあ一刻も早く捕えないと!」

 

「だが今言ったら、捕まえてくださいと言っているようなもんだぞ。」

 

美琴の考えに反論するリョウ。そして隠してあったバズーカを取り出す。

 

「バズーカ!?あなたいつそんなものを!?」

 

「まぁ見てろ。」

 

忍び込む手下たち。するとリョウが現れる。

 

「悪いがこっから先は、リョウちゃんが一歩も通さないわよ。」

 

するとバズーカを乱射!あちこちの物が破壊!そしてバズーカをもう一発放ち、こういう。

 

「帰ったらボスにお言い。この体にしたお礼は必ず返すからって。」

 

事務室内では、

 

「いつものリョウさんじゃないよ。」

 

「そうですね。あんなに暴れん坊将軍みたいでしたっけ?」

 

涙子と飾利が言う。

 

一夜明けた日。またジャッジメント一七七支部に全員が集合している。無論、睦もだ。

 

「君は、俺のために解毒剤を作ってくれた。今度は俺の番だ。君を守るだけでなく、連中の計画そのものをぶっ壊してくる。」

 

だが静江は、リョウに迷惑をかけるわけにはいかないというが、リョウは自分の花嫁を守るというのはこういうことだと話す。

 

「カッコつけたことを言っちゃって。」

 

「まったく何か出来すぎてますわ。」

 

美琴と黒子が言う。

 

その頃、東山の屋敷では、息子とその父、三男が話していた。息子が静江を殺すなと話す。三男も同意。だが三男は顔に笑みを浮かべている。息子が笑みを浮かべるのだが、父は

 

「なんてスケベだ。父として恥ずかしい。」

 

スケベ親子の様子を見ていたリョウ。その横には美琴がいた。

 

「まったく、なんてスケベな親子だ。声では分からなくても考えは筒抜けだぞ。ま、人間ああなりたくないものだな。」

 

「あんたが言うな。同じな癖してかっこつけて。」

 

「何回でも言え。ん?」

 

「何か見えたの?」

 

双眼鏡で覗く先には、怪我したあの手下3人がいた。手下は三男に、静江が解毒剤を研究していることを話した。つまりそれにより侵入したものと思われると話した。すると三男は、薬と蜂をセットで売れば高値になると見た。そして捕らえ、薬を作った方法を聞こうとした。その先の計画を考えようとした瞬間、まさかの息子に横入りされる。開き直り、頭数をそろえて攻撃せよと話す。

 

夜、涙子の家。

そこには6人がいた。

 

「リョウさん。静江さんはいつまで置いておけばいいの?危険だよ?」

 

「そうですよ?何せ連中はもうここを突き止めてますし、というかもうこっちに向かってますよ!」

 

涙子と睦が言う。

 

「その通りだ。今回はこの前のようにはいかんな。会長じきじきに子分を連れてくるだろう。」

 

リョウが言う。

 

「でも冴羽さん。あなた分かってるんだったら呑気にここでゆっくりしてる場合じゃないでしょう!?早く逃げないと!!」

 

「でも今逃げたら、捕まえてくれと言っているようなもんだぜ?」

 

リョウが言う。窓を覗いた先には、東山興業の手下たちがトラックから降りてくる姿が。そして車から出てきた三男は、手下に指示し、トラックで家に突っ込む!手下たちはくまなく部屋を調べる。だがモヌケの殻だ。その頃、リョウたちはというと、マンホールで地下に降り、逃走していた。

 

「ようし!マラソンやめ!ここまで来れば大丈夫だろう。」

 

「しかし、こんなところで駆けっこやって、何する気よ?」

 

美琴が言う。だがここを登った先には、東山の屋敷だ。そこから侵入して蜂そのものをぶっ壊す計画だ。つまりこれのために、涙子の家に引き寄せたわけだ。それに後で気づいた東山の手下。

東山の座敷に入るリョウたち。リョウは各所にバズーカを撃ち込む。警備の人物たちが静止をさせると、美琴がレールガンを撃ち込み、車を爆破させる!

 

「こういう屋敷にはね、こういう訪問の仕方が一番よ。」

 

美琴が言う。あまりの過激ぶりに一同驚く。そして研究室に入ると、殺人バチがいる。始末するためにいろいろなケーブルと、灯油を巻き、爆発させるためのリモートコントローラーを出す。静江に渡す。

 

そして爆破。三男たちが到着する頃には、研究室は爆破されていた。扉には静江がいる!急いで屋敷に入る。すると勢いよく扉が閉まる。鍵がかかり、閉じ込められた!すると上からミツバチが!

 

「ただのミツバチだって言うのに、笑えますわ。」

 

「だが殺人バチの恐怖は味わったはずだ。静江さん。あんたの恐怖もジ・エンドだ。」

 

するとリョウがエンジン全開になる!

 

「モッコリエネルギーが湧いてきたぁ!!静江さん、行きましょう!」

 

走るリョウ。そして涙子の家。静江曰く、副作用が収まるまでに12時間かかったと話す。リョウはガムテープで縛りつけられている。更に静江は・・・

 

「私、事件が終わったら、アメリカに行くつもりでした。」

 

と話す。だが心境が変化して、日本にいたいという気持ちがついたと話す。それはリョウから、生きている人のためにウエディングドレスを着たいからだった。だがもう少し時間が欲しい。さようならは言わないが、きっと今度会うときは、生まれ変わっていると思うと言い残し、家を後にした。

 

「いやー!お見事でしたよ。あなたが冴羽リョウさんですね。私は元ジャッジメント一七七支部の、現バス運転士、大曲 睦です。お話は聞いていますよ。今回は本当にお手柄でしたねー!今後も、何かあれば、サポートさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。」

 

「君か。大曲とかいう位置情報追跡の能力がある人物ってのは。まぁ、お宅の能力にはあまり興味がないがね。」

 

リョウは言う。

 

「ちょっとリョウさん!」

 

「いいんだよ。まぁ今後とも、何か機会があれば、よろしくお願いいたします。」

 

そういい、睦は去っていった。




リョウがジャッジメントに入って以来の大きい事件が次々と起きていく。これには死傷者が次々と出ていく!そしてターゲットはなんとリョウにも!?果たしてこの事件の結末は!?

次回
グラビトン事件!無能力者のリョウ、実力で解決なるか!?
(1st section)


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第8話 グラビトン事件!無能力者のリョウ、実力で解決なるか!?(1st section)

ある一件から起きた事件。しかしそれは、後々大きな事件になることを、リョウはしらなかった。そしてこの事件には、ターゲットがリョウにも向いていた!


学園都市のある通路。植え込みの中にぬいぐるみが置いてあった。それがしぼんで消え、突然、パン!という音を発した。

 

美琴と黒子は自販機の前で話していた。この事件は5件目で、すべて小規模な爆発だったのだが、愉快犯にしても、それはシャレにならない。黒子はこの前日、手掛かりがつかめた。この爆発は全て、重力子の急激な加速が衛星によって観測されていた。

つまり、アルミを起点に重力子の速度を爆発的に加速させ、一気に周囲にまき散らす方法だった。つまりアルミ爆弾である。だがなぜアルミを使ったのかは分からない。美琴は能力者の仕業であるなら、バンクで検索すればいいじゃないかと黒子に言ったのだ。

 

該当する能力は量子変速(シンクロトロン)。それもアルミを爆発させるほどの能力となれば、LEVEL4の生徒一人だけなのだが、アリバイがあった。その生徒は入院していたため、一連の事件を起こせるとは思えない。更にバンクのデータに不備があるとも思えない。それを聞いて美琴は手伝おうと思ったが、黒子に即拒否された。黒子はどうやら美琴の考えて居ることを見透かしていたようだ。

 

{お姉さま、今、「これってちょっと面白いかも!相手次第では腕試ししてやろうじゃない!」なんてお考えではありませんでした~?}

 

黒子は美琴の行動があまりにも先走り過ぎていたことを知っていた。

 

「お姉さまはあくまでも一般人。治安維持活動は・・・」

 

{「ジャッジメントに任せていただきたいんですの~」でしょ?分かってるって。}

 

美琴は分かっているようだが、黒子は生返事にしか聞こえなかったようで、更に注意を促すだけでなく、ここで美琴に誓約させる。それは、

 

一、むやみやたらに戯れに突っ込まないこと。

 

二、毎日事件に遭っても単独での立ち回りは禁物。くれぐれもジャッジメントの到着を待つこと。

 

三、スカートの下に短パンを履かないこと。

 

ん?3つ目はどういうこと?美琴はそれは関係ないだろと反論。だが黒子は美琴にこの際、服装や生活態度からご自身を見つめなおしてほしいと話す。

 

「そもそもお姉さまには常盤台のエースとしての自覚がいささか以上に欠落していると黒子は常々思いますの!」

 

「だからそれは・・・!!」

 

「どうか最後まで。多少なりとも自覚がおありなら、子供じみたご監修は・・・」

 

今度はプライベートの事まで踏み込まれた美琴。黒子に圧倒されている。

 

店の中で美琴は怒りが爆発!

 

「あんたは私のママか!!どう思う初春さん、リョウさん!?」

 

ファミレスにいた美琴、飾利、リョウ。

 

「と、とりあえず・・・」

 

「す、座ろっか・・・!」

 

美琴は周囲の状況を見て冷や汗をかいてしまった。笑いでごまかし、一度座る。飾利は黒子が美琴を危険な目に遭わせたくないのだと推測。

 

「そうだな。むやみやたらに一般人が突っ込む問題ではない。スイーパーやっていたが、実際俺の目の前で、一般の関係ない奴が突っ込んで死んだ事案があるからな。まぁそのグラビトン事件にしたってね~。」

 

リョウは経験と同時に話す。実際に関係のない人物が巻き込まれ、死傷している姿をリョウは何度も見てきた。グラビトン事件では、最初はゴミ箱の空き缶で起きていたのが、最近ではぬいぐるみや子供の鞄みたいな警戒心を削ぐものに仕掛けられていることが多いという。それを踏まえて飾利は、黒子が美琴を危険に遭ってもらいたくないという考えだろうと話す。パフェが到着し、食べようとした次の瞬間、

 

「う~い~は~る~!!」

 

ギロッとした目で見つめる黒子。美琴を向くと、美琴は眼を逸らす。リョウも同様。

黒子は飾利を引っ張り出し、巡回に行くぞと言う。だがリョウは連れていかれない。なぜならリョウはこの日、非番だったからだ。すると美琴が、自分に付き合ってほしいから呼んだだけだ、文句があるなら自分に言いたまえと話す。

黒子は美琴に、ジャッジメントは美琴が思ってるより甘くはないと話す。

 

「何よ偉そうに!二言目にはジャッジメントジャッジメントって、だったら私がやっつける前に来てみろっつーの!!ねぇリョウさん?」

 

「まぁ落ち着こう。あっ、腕章が。俺が届けてくる。美琴君はパフェを食べていい。お題はここに置いておくから。」

 

と言い、3000円を置いていった。店外。リョウが腕章を持って出ようとする。すると、右横から、

 

「何を呑気にさぼってるの?」

 

横には、黒髪ロングに眼鏡をした、美偉がいた。

 

「俺か?」

 

「って、リョウさんか。その腕章はどうしたの?」

 

「飾利君が忘れて行ったんだ。俺が届けようと思ったんだが。」

 

美偉が話を聞き、まぁいいとして、暇かと聞く。リョウは特に予定はないと話す。

 

「一緒に仕事を手伝ってほしいの。」

 

「まぁいいが。」

 

コンビニ近くにやってきたリョウと美偉。箒を渡され、掃除する。このあたりを片付けてほしいとの要請だ。学生たちが散らかしたごみは、自分たちが片付ける。まぁ、研修の復習がてらということだ。もくもくと掃除する2人。するとリョウの前にゴミを捨てていく男子。これも頼むわという事で空き缶を捨てていく。

 

「あのな、今のうちに自分から片付けるということが出来ないんだったら、ダメな息子として育つぞ。」

 

リョウが言う。すると美偉が後ろからリョウを箒の持ち手の部分でたたく。

 

一方レストランでは、飾利が腕章を忘れていったという事で、飾利が探しに行ったのだが、預かっていないという。実はジャッジメントでは、腕章を紛失した場合は始末書を書くという制裁がある。支部に戻り予備の物を取りに行こうとした時だった。駐車場の入口に、泣いている小さい女の子が。飾利が迷子になったのかと聞く。

 

一方路地では、リョウが美偉に説教されていた。

 

「ダメじゃない!目に余ったからってあんなこと言うのは。」

 

更に美偉は、実力を行使することと、治安を維持することは別問題。実力行使は、やみくもに能力を使うのと同じだ。色々巡回していく2人。

 

木陰で休むリョウ。美偉がケーキを持ってくる。入ってから1カ月たったリョウに心境を聞く。自分も苦手だったと話す美偉。それもそのはず。座学で習ったのと実際の現場に出るというのは本当に訳が違う。その時、美偉の携帯に、一本の連絡が入る。

それは、捜索の要請だ。鞄だという。だがリョウはその前の話を聞いて思い出す。リョウは危機感を持ったように、それは子供用の鞄かと聞く!ピンクで花柄の鞄だ。ベンチに置いてあったのだが、犬が咥えて持って行ってしまったそうだ。

 

それはさっきの、警戒心を削ぐものに仕掛けられているというものだった。可能性を捨てきれないとし、急いで捜索に行く。

 

その頃、ジャッジメント一七七支部には、涙子が入ってきた。飾利のところに行くと、あの女の子が眠っていた。実はバッグを探してほしいとの依頼で、他の支部にもお願いしていた。学園都市は基本家族は別々だ。だからこういうことには積極的なのだという。涙子は御守を出す。

 

リョウが捜索をしていると、すれ違った学生がリョウの後ろにいた学生と衝突した喧嘩をしていた。

 

「何を寄ってたかってやってんだい?」

 

「ジャッジメントか。なんでもねぇよ。」

 

「何でもないわけがないだろ?」

 

と言ったが、去っていった。殴られていた男子高校生に近づくが、去って行ってしまった。その時、美偉が来て、状況はどうかと聞く。だが見つからなかった。

そしてもう一つの候補で、公園に来た。そこには子供たちが遊んでいる。

美偉とリョウは別々で捜索をしようとした、その時だった、リョウは子供たちに囲まれる。

 

「見ない顔のジャッジメントだね~!」

 

「普通は女の人がジャッジメントやってるんだけどな~」

 

いろいろな声が聞こえた。その時だった。犬がバッグを加えてやってきた。リョウが追う!捕らえようとした時だった!バッグがなかった。周りを見渡していると、噴水の方に!急いで取りに行き、水にダイブ!なんとか物はぬらさないで済んだ。

夕方、連絡が入った黒子と飾利は、公園に女の子を連れてやってきた。物は無事に渡された。見つけたのはずぶぬれのリョウだった。その姿に驚いた一同。

飾利は女の子をリョウの方に連れて行き、女の子はありがとうと言った。

 

その後、リョウは涙子の家に戻った。

 

「今日はお手柄だったって初春から聞いたよ。ずぶぬれになってでも守り抜くってかっこいいと思ったもん。」

 

「まぁでも、大切なものと言うのは、傷一つ付けちゃいかんものだろ?それは関係ないように見えて、関係のあるものだ。」

 

そういい放つリョウ。

 

「私ね、今までのリョウさんを見てきて思ったの。こんなに男気のある行動が出来ていて、能力は持ち合わせてないけど、いざとなったらすぐに行動を起こせるリョウさんが素敵に思えたの。それに引き換えて私は、能力がないのに動こうと思っても動けない。そんな自分がバカに見えてきた。」

 

「そんなことはない。自分が能力を持ってなくても、正しいと思ったことは動けばいい。正しいと思えることで動ける人は、おのずと自信がついてくるさ。涙子君も、自分に悲観することなく、前を向くんだ。」

 

「うん!」

 

涙子とリョウの少し深い話が終わった。リョウは涙子と一緒に買い物しようと出かけ、目の前のバス停で待っていたその時だった。異変を感じたリョウは涙子を急いで引っ張った!すると大きな爆発が発生した!

 

「爆発・・・まさかグラビトンか!?」

 

突如起きた爆発。自分を狙った犯行だろうとリョウは推測した。




グラビトン事件はどんどん派手なものになっていく。そんな中、この事件を聞きつけたのか、あの男がまた出てくる!ジャッジメントを狙った卑劣な犯行。あの男とリョウ、そしてジャッジメントのメンバーの連携はいかに!?

次回 グラビトン事件!無能力者のリョウ、実力で解決なるか!?
(2nd section 連携)


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第9話 グラビトン事件!無能力者のリョウ、実力で解決なるか!?(2nd section 連携)

事件の規模が大きくなっていくグラビトン事件。すでに死傷者が出ていて、リョウも巻き込まれていた。だが犯人がついに割れた!だが別の事態が起きてしまう!


ジャッジメントの第七学区重力子の対策会議に参加していたリョウ。

1週間前、事件によって犠牲者が出たのを皮切りに、連続グラビトン事件は威力、範囲を拡大させている。更にこの事件にはリョウも巻き込まれている。実際にバス停で待っていたところに爆発が起きてしまったのだ。

場所や時間の関連性も認められず、読心能力(サイコメトリー)で調べたが、以前手掛かりはつかめていない。スクリーンには事件で使われた遺留品が映されていた。

 

「次の犠牲者を出さないためにも、アンチスキルと協力して、一層の警戒強化と、事件の解決に全力を!」

 

美偉が言う。

 

その頃、橋の下では、高校生1人に不良が群がっていた。それはまたカツアゲというお金を巻き上げるものだった。

 

翌日、黒子と美琴が歩いていた。黒子は遅くまで事件を調べていたため、かなり眠そうにしていた。美琴が無理をしないようにと言うと、黒子は開き直ったかのように気を戻す。

 

その頃、バスの車内では、あの囲まれていた男子高校生が乗っていた。音楽を聴いている。だがその音楽プレーヤーは、恐ろしいものだった!

 

柵川中学では、AIM拡散力場の授業を行っていた。その時、涙子が飾利に、帰りにセブンスミストに寄っていかないかと誘う。飾利はジャッジメントの仕事があるからと断った。だが涙子はちょっとぐらいいいじゃないかと話すが、グラビトン事件がひどくなってきている以上、気を抜けなくなってしまった。

 

一方、ある高校では、あの高校生にまた群がっていた。またお金を貸してほしいというが、返してくれてないと話す。すると奴らはまた暴力を振り、またお金を取っていった。だがこの少年には、ジャッジメントの出動の遅さに怒りを覚えていた。一体何を起こすつもりか?

 

一七七支部では、飾利と黒子が事件の手掛かりをくまなく調べていた。分かっていることは、LEVEL4以上の能力者。だがバンクに該当者はなし。

 

「もしかしたら、短期間に能力を上げた能力者とか!?」

 

と黒子は話すが、飾利はそんなことはないと否定。一から遺留品に当たってみようと話す。

 

木陰の下では、美琴と涙子がお茶をしていた。黒子も飾利も大変だろうと涙子に聞く。リョウも忙しいと涙子は話す。涙子はなんだかなぁという気分になっていた。

 

「初春と白井さんはジャッジメントだし、御坂さんはすごいし、リョウさんも能力はないけど、実力はすごいし、私はなんだかなぁって。」

 

これを聞いて美琴は少し考え込む。涙子は美琴の様子を見てそんなに考え込むことではないが、能力があれば毎日が変わるかもなと話す。そしてレベルアッパーの話を出す。能力のレベルを簡単に引き上げてくれる道具だそうだ。だがあるわけがないと話す。

 

夜、涙子はリョウに、皆で買い物に行かないかと打診した。

 

待ち合わせ場所の学舎の園折返場。

 

「あれ?黒子君はどうしたんだい?」

 

「あ~、誘ったんだけど、今日は休むって。」

 

「なるほどね~。(本当は来られるとなんかされそうで怖いんだけど・・・!)」

 

腕章をしている飾利とリョウ。だがその姿を、あの少年が見ていた!

 

(僕を救わなかったジャッジメントを、ぶっ壊す!)

 

セブンスミスト内。涙子がはしゃぎ程度に先に行く。美琴が飾利に行きたいところはあるかと聞く。飾利は決めていない。涙子が飾利を呼ぶとそこは、女性の下着やブラウスを売っているところだった。涙子が飾利に露出度高めの下着を打診。履きたくないと飾利は拒否。

 

 

「あまり露出度が高いのは早いぞ。君たちの年齢には。」

 

「いいじゃん?これなら初春はスカートめくられても大丈夫だね!」

 

飾利は拒否。一方美琴はパジャマを探しに来た。色々回っているのだが、いいものがあまり売っていない。だが美琴の目に留まったのが、ピンク地に花柄のパジャマだった。それに憧れを示す。

 

「うわぁ見てよ初春とリョウさん!このパジャマ、今時着る人いないよね!」

 

「小学生の時まではこういうの着てましたけど、さすがに今は・・・」

 

と言われ、美琴は焦り、

 

「そ、そうよね!今時これはないない。」

 

「でも似合うんじゃないか?美琴君には。だって子供だから~!」

 

美琴がそれを聞いて怒りのボルテージを上げる。

 

「あんたはいつもいつも子供呼ばわりしかできんのかぁ!!待ちなさい!」

 

「だって事実だもん!超能力者でも真面目に子供に見えるんだからぁ!」

 

「黙りなさい!あんただってモッコリスケベなんだから!」

 

と、その時、美琴が当麻の姿を見て驚いた!なんでこんなところにいるのかと聞くが、当麻はいちゃいけないのかと聞く。と、そこに、小さい女の子がやってきた。

 

「あれ?あの時のおじさんだ!」

 

リョウはその姿を見るやいなや、思い出す。美琴は当麻の事をお兄ちゃんと呼んでいるのを見て妹がいたのかと尋ねる。だが当麻は、この子が洋服見に行きたいと言ったからここまで案内してきただけだと話す。女の子は今年もテレビの人みたいにおしゃれするんだと話す。美琴は今でもおしゃれだよと話す。当麻がその言いざまに、どっかの短パンの誰かさんとは違ってと聞こえてしまい、美琴はやる気かといい、ここで決着を着けようぞと話す。当麻は呆れた。まさか美琴にはそんなことしか頭にないとは。と、その時、またもや一人現れた。

 

「あっ、冴羽さんに御坂さんじゃないですか!」

 

「確か君は・・・」

 

「大曲です。あの時お世話になったでしょ?」

 

なんと睦が現れたのだった。美琴はなぜ今日来たのかと問う。すると睦は、今日は何かいやな予感がしていると直球に話す。とその時、一番後ろにぬいぐるみを抱えた、あの少年がいた。まさかここにいたとは、何をするつもりなのか!?

 

「そのぬいぐるみを持って何をする気かな?そこの少年。」

 

少年はすぐさまその場を離れた。そこに睦が現れる。

 

「なんか怪しいですね。あの少年。」

 

「何か分かったのか?」

 

「さっきなんか怪しいと思って、ちょっとつけてきてるんですけどね。さっきは女子トイレの近くで何か見てましたし、いろいろ怪しい雰囲気はします。」

 

睦とリョウが会話する。一方その頃、ジャッジメント一七七支部では、黒子と美偉が遺留品で何かもう一度手掛かりがつかめないか探していた。美偉は同一犯ではないかもという考察を出したのだが、あまりにも関連性がないため、その点はなしだ。いかんせん同僚が9人もやられているため、急がないといけない・・・とここで黒子が9人にひっかかる。いくらなんでも多すぎるのだと。するとアラートが鳴る!衛星が重力子の観測を確認!場所はなんと、セブンスミストだった!

リョウの携帯に電話が入る!リョウが電話に出ると、黒子が大きな声で、焦り気味に話していた!

 

「グラビトン事件の続報ですの!学園都市の監視衛星が、重力子の爆発的観測をしましたの!近くにアンチスキルを手配しましたから、リョウさんは今すぐ初春と一緒に戻ってきてください!」

 

「どこで観測した!?」

 

「第七学区の、セブンスミストですの!」

 

「なんだと!?今ここにいるぞ!すぐに避難誘導を開始するぞ!」

 

リョウがそれを聞いて、一度電話を切り、事情を説明する!

 

「落ち着いて聞いてくれ。犯人の次のターゲットは、このセブンスミストだ。申し訳ないが、皆、避難誘導に力を貸してくれ。」

 

全員が合点承知の意を示した。

 

「やはりそうだと思いましたよ!あの少年、ぬいぐるみを持って何か怪しい行動をしていると思ったらそうだったんですね!」

 

「俺も何か怪しいと思ったが、まさか本当にこうなるとはな!」

 

2人は散らばり、睦は避難に、リョウはインフォメーションに行った!

放送では、電気系統の故障のため、誠に勝手ながら、臨時閉店とする放送をした。外はパニック状態に、当麻はその時、美琴にあの女の子を見なかったかと聞く。一緒じゃなかったのかと美琴は言う。美琴と当麻は戻る!

黒子はセブンスミストに到着し、飾利にかける。飾利は避難が完了したことを報告すると、黒子は今すぐ退避せよと警告!過去の人的被害はジャッジメントのみだった!犯人の真の狙いは、観測地点にいる、ジャッジメント、つまり今回のターゲットは、飾利とリョウだった!と、その時、飾利にあの女の子がぬいぐるみを渡しに来た!するとぬいぐるみがしぼみ、飾利が女の子を守る!美琴はレールガンで爆弾を壊そうとした!だがコインを落としてしまった!とその時、後ろから銃声が!パイソン357マグナム!一発発砲した。

 

「離れろ!!」

 

そういい離れる。そして大爆発が起きた!それを笑って離れる少年。自画自賛する。路地裏に逃げる。とその時、美琴が回し蹴りを一発食らわせる!

 

「はぁ~い、用件は言わなくても、分かるわよね?爆弾魔さん?」

 

「な、なんのことだか・・・」

 

「まぁ、確かに威力は大したもんよね。でも残念、死傷者どころか、誰一人かすり傷一つ負ってないんだけど。」

 

最大出力のはずだと話した。ボロが出た。少年はスプーンを取り出し攻撃をしようとするが、その時、美琴の後ろから、銃弾がまた一発発射された!スプーンを直撃した一発の銃弾。

 

「銃弾一発、シティーハンターに、常盤台のエース様か。何をやっても、力で地面にねじ伏せられる。殺してやる!お前みたいなのが悪いんだよ!ジャッジメントだって同じだ!力のあるやつは、皆そうだろうがぁ!!」

 

美琴はそれを聞いて怒りが爆発!一発殴ろうとしたその時!手を止められる!

 

「リョウさん・・・何やってんのよ!」

 

「大した力ではあるが、それを悪用するものなのかね?高校生だろうが、俺はそんな力を望みのある君に使ってほしくないな。」

 

「ちょっと!こいつは大勢の人を殺したのよ!何呑気に・・・!?」

 

手を取り、立たせるリョウ。

 

「俺らジャッジメントに、不満を抱いていたんだろう。だが俺らも、偶然遭遇できたとしても、対応するにはできる限りのことをするが、限度がある。ジャッジメントも、アンチスキルも、何か起きないと動くことができないんだ。それは理解してくれ。それと、何かあったらこの番号に電話してくれ。何か相談したいことがあるのなら、いつでも電話くれればいい。以上だ。行くぞ美琴君。」

 

と、タブレットとイヤホンを押収するリョウ。

 

セブンスミストは立ち入り禁止になり、現場の検証が行われている。現場は荒れ果て、他のエリアも被害を喰らっていた。

 

飾利と涙子、そして女の子が戻ってきた。

 

その裏では、

 

「今回もけが人が出なかっただけ、幸いですね。」

 

「だが、この事件はまだ終わった気がしない。これが関係している。」

 

「なんですか?その音楽プレーヤーは?」

 

「おそらくこれがカギとなるだろう。」

 

グラビトン事件は終わったように見えたが、この音楽プレーヤーが元凶であることは誰も知らなかった。睦とリョウはそう警鐘を鳴らした。

 

翌日、美琴は自動販売機にいた。それは美琴が万札を飲まれてしまったというあの自販機だった。美琴があの事件を振り返った時、何か通過をした記憶がある。銃弾だった。そこにリョウが現れた。

 

「いいの?リョウさんが爆発を止めたんじゃなくて、私が爆発を阻止したことになってるけど、名乗り出ればヒーローよ?」

 

「悪いが、そんなことで手柄を立てるもんじゃない。あれで死傷者も出なかったことだし、誰が救おうが、その人の手柄ってもんだろ?」

 

そう言い捨てるリョウ。これを聞いて怒りのボルテージが上がる!かっこつけるなと怒り狂う。怒りの撒き散らしに自販機を蹴り続ける。




なんと隣に引っ越してきたのは探偵社だった!!だがその探偵社は、まさかあの人の妹だった!開業当初から乱雑な仕打ち。リョウのモッコリステージはどんどん進んでいく!

次回 隣の大曲(前編)


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第10話 隣の大曲(前編)

涙子の家の近くに探偵社が出来た。だがその探偵社の本人はなんとあのジャッジメント元所属の妹だった!開始早々の大荒れにどう動く!?


グラビトン事件がちょっとだけひと段落ついた、ジャッジメント一七七支部。リョウと黒子、飾利がいた。

 

「そういえばリョウさんは、あの犯人から押収したものがあるんでしたわね?それはなんですの?」

 

するとリョウは、音楽プレーヤーを出した。その音楽プレーヤーに鍵があると話す。捜査で疲れているので、捜査のスピードは落ちていた。

 

翌日、リョウは家の中にいた。涙子は買い物に出かけていたため、ベッドで寝ていたのだった。だが動いていないわけじゃない。この横に、あるものが出来たのだ。涙子は家に帰る前に、ある行列ができていたことに目を疑った。そこには、浅間探偵社という名前の探偵社が。すぐに家に帰り、リョウに、横に探偵社ができたことを知らせた。もちろんリョウは知っていた。

 

「あそこに並んでいるのはにやけた男性の客たち。俺が相手するのは女性。」

 

「確かに男性が並んでいるけど、なんでなの?」

 

「女探偵なんだよ。こまちさんって。年齢25歳。バスト87cm。ウエストヒップ不明、足は極めて細い。」

 

という。涙子はその詳しさからまさか行ったのではという。図星なのか、誤魔化し気味に話すリョウ。ちょっとだけ偵察にと誤魔化すと、涙子がリョウの顔を自分に向け、そのあざはなんなのか、詳細を聞かせよとせびる。

 

「じ、実は、今朝一番に行列に並びましてよ」

 

と、事情を話す。それは朝の事。

 

「浅間探偵社へようこそ。私が浅間探偵社の責任者、大曲こまちです。」

 

「実は、好きな女性がいるのですが、私は小心者ですので、それで相談を。」

 

そんなことで探偵など動くものか。断るこまち。それで飛び込もうとした瞬間、銃を向けられた。それでブラウスを取ったのだが、強烈なパンチを喰らった。涙子には、なんと285tハンマーを喰らった。

 

「これぐらいのパンチを喰らったってことね。」

 

と、その時!空き家の訓練場に誰かいると予感した。そして空き家に行くと、なんとそこには、こまちが!

 

「どうしてあなたがここに?」

 

「そりゃないよ!ここ、俺の訓練場だぜ?」

 

するとこまちは、リョウがすごい女好きであることを思い出した。信じられないことが出来る男、シティーハンター冴羽リョウしかいないというのも思い出した。やけに詳しいなとリョウは言う。探偵をやっているのだから当たり前だと話すこまち。射撃訓練場がどうやら気に入ったようで、これからもチョクチョク利用させてもらうと話す。つまり訓練場の共同持ち主だと話す。これを聞いて涙子は図々しいと非難!どこから入ったのかと話す。図々しいのは生まれつきと今度は開き直ったこまち。そして入った先には、穴が!

そしてこまちは、リョウにお近づきに事務所でお茶でもしないかと聞く。すると穴のところにスロープみたいな形で倒れている。だが魂胆は丸見えだ。

 

事務所に行くと、なんと荒らされていた!すると、こんなことをこまちは言う。

 

「まいったわ。もう嗅ぎつけられちゃったのかしら。」

 

嗅ぎつけられた?いったい何を?更に、何も取られちゃいないと話す。どうやら危ない橋を渡るのがお好きのようだ。こまちはお茶を入れるから、ここを片付けよと涙子とリョウに頼む。すると音がしたため、誰だと銃を向ける。と、銃はなんとリョウの銃だった!勝手に持ち出すなと警告。そして扉を開けると、なんと睦が!!これに驚愕した2人!

 

「聞いた今?兄さんだって!」

 

「ってことは、二人は兄妹!」

 

睦が、開業したと聞いてみてみたら、ご覧の有様。危険なことはやめて、アンチスキルに戻るべきだと促す。睦に相談もせずやめてしまった。無駄に近づかないほうがいいと話した。更に、メジャーを取り出し、首に巻き付け、こまちに変なことをしたらこれでは済まないぞと警告。危険なお仕事を任されてしまうからと話す。

 

翌日。涙子はリョウを呼びに行った。だが姿がない。リョウは実は、探偵社の中で受付をやっていた。

 

「はいはい!押さないで押さないで!プレゼントのない方は、こまちさんへお取次ぎできませんよ!」

 

すると紫色のスーツの男が来た。花を持って至急取り次げと言うが、横入りはみんなの迷惑だから、ちゃんと並べと注意。他の客もそうだと賛同。すると男はナイフを取り出した!それに驚いて逃げる!更にリョウに向けた。そして銃をあごにつける。

 

「ここ引き取る?それとも息を引き取る?」

 

ここを引き取るとした男。ぎやああああと叫んで逃げた。すると涙子が来て、怒りに任せて名前を書く。涙子がハンマーで飛ばし、リョウの顔が壁にめり込む。これから集金に行くそうだ。番犬としてなら連れていくと言った。

 

そして来たのは、学園都市超高速組だ。

 

組長からは、300万円をだされた。今月の分だと御納めするのだが、こまちは、指定金額より少ないんじゃないかと話す。組長は、円高差益に寄る貿易不均衡の影響で、低下してその金額しか出せないという。こまちは、その証拠品をアンチスキルやジャッジメントに提出していいという事かと聞く。

 

「そうすればどういうことになるか覚悟の上でしょうね?あなたどころか、超高速組そのものが壊滅することになるんじゃないかしら?」

 

そういわれ、組長は金庫から持って来いと手下に指示。

 

そして駐車場。集金したバッグをリョウのミニクーパーに置いた。リョウはこまちのやっていることが分かった。奴らの悪事を暴いて、そのネタで金をゆすっているということだ。

 

「昨日事務所を荒らした連中もゆすられている組織が、握られている証拠を奪おうと・・・」

 

「でしょうね。」

 

「分からんな。君の考えて居ることは。」

 

実はこの時、そのゆすられている連中の車だろうか?それが動いている。

リョウは、だがいつかは命を狙われる。自分ももしかしたら豹変するかもと話す。するとそれに気づいたのか、リョウは銃を向ける!そして車にいた人物の銃を狙った!車は逃げた。するとこまちの頬に傷が!言ったそばからこれが起きた。命をかけて金を漁る亡者との付き合いはこれっきりにさせてもらおうとした。

 

「お金なんて、自分のためだったら命は懸けはしない。」

 

と話す。その一言にリョウはまた耳を疑った。実はこのお金を巻き上げる行為には、ある理由があったのだ。すると開き直ったこまちは、女の顔に傷をつけて逃げる気かとリョウに言う。

 

車中では、こまちが慰謝料代わりに当分はアシスタントとしてタダ働きしてもらうと制裁を言う。そしてリョウの体を自由に使わせてもらうと話す。すると運転そっちのけでリョウがこまちに顔を近づける。

 

「いいでしょう。慰謝料は僕の体で払いましょう。早く言ってくれればお手伝いしたのに!」

 

だがグーパンチを喰らった。

 

探偵社に戻った2人。これからは社長に向かって邪な考えをすると承知しないと警告したこまち。事務所の扉の前に来ると、リョウが何かに気づいた!爆弾だ!ドアから離れろと抱え込んで避ける!すると大爆発した!どうやら、こまちを殺すために事務所ごと消そうと時限爆弾を使ったようだ。だがこれは時限爆弾ではなかった。なんとここでも、グラビトン事件が起きた!使われたのは空き缶の缶詰!リョウは奴らを脅すネタはすべて黒焦げだと話した。するとこまちが爆笑。証拠品をここに置くわけがないと話す。隠してあったのは、なんと涙子の家の、リョウのベッドだった!涙子とリョウはまた驚く。事務所が破壊されたので、しばらく部屋を借りたいとこまちは言う。涙子はこれにはさすがに認められないようで、図々しすぎると話す!リョウも、賃料としてモッコリするなら別だと話す。するとこまちは泣きそうな顔で、傷をつけておいてそんなことを言うのかと反論。涙子が想像する。リョウがやめなさいと言うが、足を縛り付けられ、つるされ、おまけには寺の鐘付きのように壁にやられる始末。

 

「黙って!この最低男!見損なったよ!」

 

するとそこにジャッジメントが到着した。黒子と飾利だ。

 

「お怪我はありませんの?」

 

「大丈夫ですよ白井さん!!」

 

飾利は大丈夫じゃないだろうと言う。衛星が爆発的加速の観測を探偵社エリアでしたようだ。

 

その頃、ホテルでは、組長たちが集まっていた。

 

「では、私と手を切るという事かな?」

 

「確かに俺はあんたに随分世話になった。しかし・・・」

 

手下は組長に上前はねられる上に、こまちにお金をかっさられた。このままでは、この組がつぶれてしまうと話す組長の側近。その女とは誰かとメンバーに聞く。

 

「大曲こまちとかいう凄腕の探偵だ。女一人なら俺でも片はつけられる。だがあいつは冴羽リョウと組んだんだ。更に冴羽リョウにはもう一人強い奴がいる。常盤台中学のLEVEL5、超電磁砲の持ち主、御坂美琴だ。あいつらには手が出せねぇ。」

 

メンバーの白いスーツの男が話す。だがこの男は、実はとんでもない人物だった!

 

リョウは運転して、団地に来た。なぜ来たかと問うたが、こまちはリョウに関係ないと話す。リョウはこれを切り出した。

 

「三月前だったかな?右原という刑事が飲酒運転で死亡したんだったな。二人ほど通行人を巻き添えにして、マスコミにも随分叩かれたって。君の元先輩刑事なんだろ?何しにいくんだ?」

 

これになぜそれを切り出したと尋ねるこまち。リョウは好きな人のことなんでも知ってるんだと話す。

 

右原の家。こまちは署からの支給金と偽って、組から巻き上げたお金を渡した。それを受け取った、右原の妻。妻は右原は殉職ではない上にご迷惑をおかけしているのではと話す。だがこまちは、そんなことはない。右原は優秀だったと話す。貢献度も抜群でこれぐらい当然だとも話す。家に戻ってきたのは、兄妹だった。服が汚れている。そう。いじめられたのだった。

皆が、右原は人殺しだと、警察の恥さらしだといじめたのだった!それは違うんだと話す。それを聞いて胸の内が痛むこまち。家を後にする。そこにはなんとリョウがいた。

 

リョウはそれから全容を理解した。だがそのためだけにお金を使うのなら、巻き上げる金額が多すぎると思ったのだった。暴力団からもらった汚いお金をもらって、右原は喜ぶのかと聞く。

 

「いいのよあのお金は!あいつらのお金は右原刑事の血で出来てるのよ!」

 

それを聞いてリョウは、右原はあいつらに殺されたように聞こえた。確かに証拠はない。だからこまちは法外な要求をしたようだ。黒幕を出すために。するとリョウは異変に気付いた!狙撃だ!こまちを抱えて銃弾を避ける!

銃弾より着弾が早かった。つまり1km以上離れた場所から狙撃しているという事だ。つまりその距離から狙えるのはプロしかいない。こまちが過度に刺激してしまったため、とんでもない人物が出てしまったのだ。




黒幕がやっと現れたこの事件!だがこの事件の前、こまちはアンチスキルで共に動いていた右原から情報を受け取っていた。黒幕は誰なのか!?そしてリョウとこまちは、右原の汚名を返上させることができるのか!?

次回 隣の大曲(後編)


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第11話 隣の大曲(後編)

黒幕を出すためにとったこまちの行動。だが刺激し過ぎたために、その大元が出てしまったようだ。信頼していた隊員の名誉を守るために動き続けるこまち。だがこの事件はもっと恐ろしい黒幕がいたのだった!


涙子の家。ここには珍しく全員がそろっていた。美琴、黒子、飾利、涙子、リョウ、そして兄の睦だ。こまちと右原は、ある麻薬事件の捜査をしていたのだった。そして三カ月前のあの日、右原は学園都市第七学区の交差点で、事故で亡くなったのだった。だがその前、こまちは右原に呼び出されたのだった。

 

「アンチスキルの人間が暴力団に内通しているですって!?」

 

驚きの情報を受け取ったこまち。右原は、その間違いがない証拠を握っていたのだった。

 

「間違いない。それと奴はアンチスキルやジャッジメントの情報だけでなく、我々が押収した麻薬をひそかに横流ししてるんだ。」

 

こまちは呆れていた。アンチスキルやジャッジメントが必死に取り締まっていたその苦労はどうなってしまうんだと話す。右原は、そいつはそれを高見であざけわらっているのだと話す。横流ししている人物は分からないが、2、3日で必ず尻尾を掴んでみせると誓う。そして、こまちにも手伝ってもらうと。これがこまちと右原の最後の会話だったのだ。こまちは、麻薬を横流しし、右原を殺し、のほほんと警察にいるそいつが許せない。そのためアンチスキルをやめ、関係のある暴力団を見つけ脅している。そうすれば奴が自分を消すために動き出すと推測した。

 

「でも危険すぎるわ!そんなことして本当に命狙われるわ!」

 

美琴が言うが、それを計算して自分たちに近づいたのだとした。学園都市に知れ渡ったシティーハンター冴羽リョウ。そしてそれにつながっている黒子や飾利、更にもっと行けば、学園都市7人中1人のLEVEL5、第三位かつ常盤台のエース、美琴がいる。

 

「身も心も一つになって守りたいのさ!ね~」

 

こまちは自分自身を守るより、リョウ自身を守った方がいいのではというと、美琴がまた電流を放った!せっかくシリアスな展開だったのだが、それをぶち壊してしまった。

 

「でも、もしそうなら、私たちに一言相談してくれればよかったんですわ。必要に応じて動いていたのですけれど。」

 

黒子が言うが、こまちはあまり男の人に頼ることが苦手なのだ。だがこまちは、昼間の狙撃で犯人が分かったのだ。飾利はそれを受けてパソコンでも調べていたのだ。画面を見せる。

 

「あれだけの腕前は、学園都市広しといえども、ただ一人。学園都市の大覇星祭で優勝した、オリンピック金メダル候補の、アンチスキルで薬物取締課の、柘植 一介(つげ いちすけ)警部です。」

 

その頃、柘植はスナイパーライフルを用意し、涙子の家から1km離れたところに向かっていた。

 

「金メダル候補って、世界一の腕ってことだぞ!?冴羽さん。勝つ自信あるんですか!?」

 

睦が言う。

 

「何が世界一だ。奴が世界一なら俺は!日本一か~るい男だ~!!」

 

軌道からまた逸脱してしまったリョウ。美琴はそれでまた放電してしまう。

 

「真面目にやりなさいよ!!」

 

その頃、ビルの屋上には、金メダル候補の柘植が、涙子の家に狙いを定めていた。狙う先には、こまちがいた。引き金に手をかけた次の瞬間!なんと仮想していたリョウだった!リョウはスナイパーライフルを柘植に向けた!

 

「やめておけ。動けば死ぬことになる。」

 

「馬鹿め、この距離で撃ち合って、俺に勝てるとでも・・・」

 

と柘植がおかしいことに気づいた。なぜ1km離れたリョウの声が聞こえるのか。すると黒子がトランシーバーを柘植に向けた。

 

「やっほー!柘植君!感度良好かな~!?だめだな~。周りの状況を確かめずに狙うなんて、まだまだ未熟よ~!」

 

すると後ろからこまちがやってきた。昼間の狙撃で柘植であると分かっていたと話す。柘植はなぜ自分がここから狙撃すると分かっていたのかと聞く。すると今度は美琴が出る。

 

「佐天さんもリョウさんも、考えなしにこのアパートに住んでいるわけではないの。あんたみたいな狙撃者が、ここを狙えるビルは、そこしかないのよ。」

 

すると柘植がそれがどうしたと話す。自分のターゲットはここにいるのだと話す。

 

「おいおい。俺と美琴君が狙っているのを忘れちゃ困るな。」

 

「ふん、俺以外の人間が、この距離で当てられるものか。死ね~!」

 

すると美琴がコインをはじき、レールガンを発射!ガラスを突き破る!速度は時速683km!そのレールガンは、柘植のスナイパーライフルの銃口に命中!

 

「馬鹿な、こんな細い銃身に、そんなはずがない!」

 

「それが出来るのさ。俺と美琴君は、不可能を可能にするのだよ。」

 

すると今度はリョウが発砲し、柘植のスナイパーライフルを思い切り跳ね飛ばした!ならびに制服のベルトやワイシャツのボタンを狙った!

 

「あんた、金メダル候補の大覇星祭優勝者かもしれないけど、所詮は素人ね。」

 

「悪いが、俺はプロの世界一なんだ。」

 

「ジャッジメントですの。殺人未遂の容疑で拘束しますわ。何もかもをお話ししていただきますわ。麻薬横流し、そして、右原隊員を殺したこともですわ。」

 

柘植はそれを聞いてはっきりした。そのためにアンチスキルをやめたのだと。だが自分はただの動いてやっただけだと話そうとした次の瞬間!誰も予期せぬところから、銃が発砲された!柘植は撃たれ、激しい出血が!自分を撃つのはひどいと話す。それはもっとこの後ろに、最大の黒幕がいたということになる!そして柘植は、その黒幕を話した!

 

マキノ ハンゾウだ!その頃、マキノの家では、暴力団と連絡していた。

 

「やはり無理だったようですな。柘植さんもやられたそうじゃないですか。なら、我々もそろそろ手を切る時期かと。」

 

「まぁ待てよ組長。まだまだ手はある。」

 

組長とマキノの電話だった。

 

「大曲こまちに冴羽リョウ、そしてLEVEL5の御坂美琴。この俺が、合法的に葬ってやろう。」

 

涙子の家。

リョウが寝ているところをこまちが見ていた。もうリョウたちには迷惑をかけられないと、家を出ようとしていた。すると少年が、こまちに封筒を渡した。中身を見ると、これはどういうことだと驚き、シエンタを走らせてどこかへ向かっていった。

リョウが起きると、誰もいなかった。紙が落ちていたため見てみると、中にはこう書かれていた。

 

「右原の子供2人は預かった。子供の命が惜しくば操車場横の第24倉庫に1人で来い。」

 

涙子が帰ってきたときに、リョウは、こまちがマキノの罠に引っかかったと話す。

 

第24倉庫。中に入るこまち。後ろから6人が。銃を向けていると、あの面子が来たのだった。

 

「どうやら私たち、マキノという男の仕掛けた罠にまんまとハマったみたいよ。」

 

どういうことかと説明するために、リョウが箱に穴を開け、白いものを口で確かめると、なんと覚せい剤だった!そしてアンチスキルの隊員が取り囲んだ!

 

「さすがアンチスキル。お早いこと。」

 

そしてアンチスキルの監獄に入れられた6人。

 

「大体早くこまちさんを押さえないからこういうことになったんですよ!」

 

飾利が怒る。だがリョウはそのおかげで、アンチスキルに潜入できたのがプラスだと話す。こまちの容疑は麻薬の密輸。つまり、アンチスキルでも薬物取締課の人間、マキノもその一人であるため、マキノが取り調べができるわけだ。だがリョウはそれを計算していた。取調室で何が起きるのかなと。

 

隊員に連行されていくこまち。その前には、黄泉川がいたのだった。

 

「どういうことじゃん?麻薬の密輸って。」

 

こまちはあの6人も監獄にいると伝える。

 

「黄泉川さん!私の取り調べ、マキノさんがやるんですって!」

 

取調室に入るこまち。そこには、窓から景色を眺めているマキノの姿が。着席するこまち。実はこの会話が、このあととんでもないことになるのは、あの6人以外誰も知る由がなかった。

 

「右原君は惜しいことをした。首を突っ込みすぎたんだよ彼は。私は嫌いなんだよ。そういうのは。あまり私と関係のあることには口を出してほしくない。現に暴力団をゆするなどということはね!」

 

この発言に怒りのボルテージがあがったこまち!やはり右原を殺したのは、マキノだった!

 

「困るんだよ。私の仕事がやりにくくなるんでね。」

 

黄泉川がその頃、収容されている監獄に入ると、警備がいないことにおかしいと感じる。すると中には、縄でしばられて気絶している警備の人間が!

 

「あら!黄泉川さん来てたんですか!準備完了しましたよ!冴羽さん!」

 

「よーし!じゃあさっそく開始してくれ!」

 

リョウが黄泉川に、おもしろいことが始まると話す。

 

取調室では、なぜ右原を殺したのかと聞くこまち。だがマキノは、それ以上知らないほうがいいと話す。このまま黙って手を引けば、長生きができる上に5000万つけようと話す。何人もの人を殺しておいてよくそんな台詞がはけるなと呆れ果てるこまち。だがマキノは、またとんでもないことを話す!

 

「他人がどうなろうと知ったことではない。私は自分のためだけに生きているんだ。」

 

その発言に堪忍袋の緒が切れたこまち!銃をマキノに向ける!するとマキノも銃をこまちに向ける!マキノは、正当防衛を成立させるという名目で、こまちを射殺するという、方法を取ろうとしたのだ!

 

「さようなら!アンチスキルの元敏腕隊員、大曲こまち!」

 

すると取調室に、黄泉川が入ってきた!するとマキノは開き直ったかのように、自分を被害者だとして、こまちが自分を殺そうとしたのだと主張する!

 

「下手な芝居はそれぐらいにしとくんだね。マキノさん。」

 

リョウと美琴、涙子が来た!マキノはリョウたちを逮捕せよと黄泉川に指示するが、捕まえられるのはマキノの方だと美琴が言う。

 

「右原隊員を殺し、柘植を殺し、そして麻薬の横流しをやっている。よくやってくれるものね。まったく。」

 

するとマキノは証拠を出せと話す。すると涙子が証拠を出す。

 

「これな~んだか分かりますか?小型マイクですよ。リョウさんが取り付けたんです。」

 

涙子が小型マイクを見せてマキノに話す。このマイクは、アンチスキルの署内どころか、なんと学園都市全体に流れているのだ!それはセブンスミストや地下鉄の駅だけではない、もっと広域のエリアに流れていた!

 

「ま、まさか、今までの会話は全て・・・!」

 

「そうそう。アンチスキルや学園都市すべての人間が聞いたってわけ。何千人になるかなぁ?」

 

「何千人じゃないでしょ?何万人でしょ?」

 

「失礼。まさしく史上最多の証人になるわ。どうする?マキノさん。拳銃捨てる?それとも証人やる?」

 

一方ネットではかなり荒れていた。麻薬の横流し、そして同じアンチスキルの仲間を殺したという音声のことでつぶやかれていた!

 

「おい!アンチスキルが麻薬横流しだってよ!」

 

「公共の機関としてまったく持って許せないわ。」

 

「しかも同じ人間を殺すなんてアンチスキルじゃない。偽アンチスキルだよ。」

 

「ジャッジメントにしてもアンチスキルにしても、結局ロクな機関はないんだな。」

 

取調室では、マキノが降参していた。黄泉川が手錠を出し、こまちに渡していた。それを受け取り、マキノの手首につける。翌日の新聞では、各社が大きく取り上げられていた。それには、右原の汚名が晴れた、名誉回復のことも。

テレビでは、謝罪会見が行われていた。

 

「この度、アンチスキルの内部の人間が、暴力団と内通しただけでなく、それに伴う同隊員を殺害、そして麻薬の横流しをしていたことに関して、学園都市の皆様、そして国民の皆様に、深くお詫び申し上げます。」

 

そこには黄泉川がでていた!

 

相次ぐ記者からの辛辣な質問。それはそうだ。そもそも非社会的組織につながっていること自体が問題だ。ましてや麻薬を横流しし、同じ隊員を殺すなどという事は御法度だ。

 

「右原刑事の汚名も晴れましたし、家族には恩給が出ることになりましたし、本当に良かったですわ。リョウさん。」

 

黒子が言う。だが命を落とした右原は、もう戻ってくることはない。だが家族の温かい絆が、あの3人をしっかり守ってくれると話す。

 

「愛穂さ~ん!約束の一発をくれ~!」

 

「まさかあんた一発って、どこまでけしからん男なのよ~!!」

 

放電した美琴!リョウを追いかける!

 

「お子様には関係ないでしょ~!?」

 

「お子様お子様うるさいわね!本当にむかつく~!!」

 

これはもはやテンプレなのか?なんでいつもこうなるのかと叫ぶリョウであった。




以前発生したグラビトン事件。だがなぜか破壊力だけは抜群だった。バンクに載っている人物のLEVELとその力が割に合わない。そんな中、また都市伝説が誠と思われるものがでてきたのだった。リョウの回収したものにもしかしたら鍵が!!

次回 割に合わない事件とデータ、鍵は押収物にあり!?


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第12話 割に合わない事件とデータ、鍵は押収物にあり!?

グラビトン事件が一時的に収束したと思われる学園都市。実は過去に調べていくと事件を起こした犯人のレベルと能力が割に合わないことが判明!果たして何を使ったのか!?


黒子と美琴は学園都市を散歩していた。だが黒子は考え込んでいる。どうしても腑に落ちないことがあるのだ。それは、あのグラビトン事件を起こした、介旅 初矢だった。介旅はLEVEL2だった。だが破壊力に関してはLEVEL4クラスだった。どう考えても何も分かってこない。そこで美琴は、息抜きにと、かき氷を食べることに。夏になるとやはり冷たいものを求めるのは人間だれしもそうなることだ。風鈴の音を聞けば涼しくなる気分になる。すると美琴は、共感覚性だと話した。共感覚?黒子はなんだそれはと疑問に思った。

 

共感覚とは、一つの刺激で複数の感覚を得ることだ。つまり赤系の色を見たら温かく感じたり、青系の色を見たら冷たく感じる、暖色寒色というものだ。そんな黒子と美琴がかき氷を食べているところに、リョウと涙子がきた。

 

涙子とリョウがかき氷を食べると、頭にキーンと来るような感覚が走る。もはやこれは夏のテンプレ。すると涙子は美琴にイチゴ味かと聞き、美琴が食べるかと誘う。するとそれを見た黒子が叫ぶ!お返しにとレモン味を美琴に渡す。涙子は食べ比べだと話す。すると黒子はイチゴ味を美琴に渡すが、美琴に同じイチゴ味だと言われる。

 

「まったくとんでもなくおかしい奴だな。」

 

リョウが辛辣な一言を言う。そういえば飾利がいない。美琴はどうしたのかと涙子に尋ねる。飾利は夏風邪をひいてしまったため、学校を休んでいる。涙子は薬を届けに行くという。

 

飾利の家。4人がお見舞いに行った。涙子はさっそく飾利の体温を測る。37.3。微熱だが今日一日安静にするよう指示。お腹を出して寝るのは禁物だと飾利に言う。すると飾利は、涙子がスカートをよくめくるから冷えたのだと主張。だが涙子のその理由はあまりにもくだらなすぎるものだった。

 

「それは、やはり親友として、初春が毎日パンツ履いてるか気になるじゃないですか。」

 

この一言にリョウは、

 

「涙子君も変態だね。スカートをめくってしかも理由がそれなんて。」

 

「リョウさんのモッコリとかそういう方がよっぽどやばいと思いますけど。」

 

美琴はとにかく安静にせよという。涙子は冷たいタオルを作りに行った。すると飾利は黒子に、グラビトン事件の進展についてを伺った。

黒子はあいまいな答えを言わざるを得なかった。何せ犯人の介旅はLEVEL2だったのだが、先述の通り、割に合わない。

 

「そういえばリョウさん。あの介旅って言う男から、何か持ってこなかったっけ?」

 

美琴がリョウに聞く。更に涙子にも、レベルアッパーがどうのこうのとかいう話をしてなかったかと聞く。

 

「能力のレベルを上げる!?」

 

「いや、あれは噂ですし、実体も分からない代物です。」

 

美琴はその実体が分からないことに疑問を持つ。涙子はそのレベルアッパーの噂を調べてみたが、中身もばらばらで、真面目に都市伝説みたいなものだ。それはそうだ。そんなに都合のいい話はないだろうと美琴が言う。するとリョウが、

 

「だがその都合のいい話があったとしたらどうする?」

 

どういうことかとリョウの切り出しに疑問を傾ける3人。

 

「あの音楽プレーヤー、実際に聞いてみたが、中身がとんでもないものになっていた。黒子君。前のグラビトン事件も、あの常盤台狩りの少女の事件も、何か食い違いはあっただろ?」

 

「ええ。私たちが担当した事件でも、かなり食い違いが発生していますわ。」

 

つまり、レベルアッパーは都市伝説ではなく、真面目に存在しているという事になる。何か知っていることはないかと美琴が聞く。すると、嘘か誠かは不明だが、レベルアッパー使用者がネットの掲示板に書き込みをしているとかないとかと、涙子が言う。すると飾利がパソコンを開いて当該と思われる掲示板を見せる。更にその中には、素性は分からないが、そのたまり場と思われる書き込みがあったのだ。すると美琴が先に出ていった。黒子はそれはジャッジメントの自分の仕事だというが、止まらない。リョウもあとを追う。

 

「大丈夫なんですかね?」

 

飾利が心配する。

 

「大丈夫だよ。学園都市が誇る、LEVEL5と、LEVEL4、そして実力ではLEVEL5のリョウさんだもん。」

 

涙子が言う。すると突然、もしレベルアッパーを使ったら、本当にレベルが上がるのかと疑問に思う。飾利はさぁというが、反則はだめだと断る。

 

そして涙子が食事を作る。学校で、パーソナルリアリティを勉強せよと言われたが、涙子にはよくわからなかった。自分だけの現実、それは何か?とすると、妄想の可能性を示唆。飾利は、妄想ではないが、思い込みとかそういう気持ちだと話す。涙子は自分も思い込めばレベル上がるのかと考える。飾利は大丈夫だと話す。涙子は思い込みが激しいからと話す。さりげなく毒を放つ。

 

一方、夜のジョナG。ここにレベルアッパー使用者が集まるそうだ。美琴、黒子、リョウが乗り込む。黒子とリョウの仕事だが、美琴は、この2人の面が割れている可能性があると話す。リョウならなおさらだ。美琴は自分に任せろと話す。不安なスタートだ。

 

「レベルアッパーについて知りてぇだぁ?」

 

フードを被ってる男が話す。

 

「うん!ネットで偶然、お兄さんたちの書き込みを見つけて、よかったら私にも教えてほしいなぁって。お願い!この通り!いいでしょう?」

 

ぶりっこになってお願いする美琴。

 

「本当にガキだな。まぁどうなるかお手並み拝見だな。」

 

リョウが話す。

 

とっとと帰れと男が話す。美琴はそんなことは言わずにというが、ガキはお眠の時間だろと突き放しの姿勢を崩さない。

 

「まずいですの。早くもとん挫の予感が・・・」

 

黒子は心配になった。すると美琴が、そんなに自分は子供ではないという。それに笑うリョウと黒子。するともう一人の男が美琴に興味を持ったのか、確かに子供じゃないし、美琴が好みだという。だがただというわけではない。お金もいいが、やはり体だとして、美琴を捕らえようとする。すると美琴はすり抜けて避ける。美琴のぶりっ子はまだ終わらない!すると今度は、泣く子作戦で行く!

 

「私、家に嘘ついてるの・・・。」

 

いきなりどうしたと疑問を抱く。

 

「私もう、レベルアッパーしか頼れるものが無いの・・・。だから・・・だめ・・・かな?」

 

すると後ろで男2人が話す。美琴が意外といい金づるになるかもしれないと話す。すると教えてやるよと言われて、情報の獲得に一歩近づいた。情報を受け取るため、場所を移す。やってきたのは、変電所だ。

最初にフード男が、有り金をすべて出してもらおうと話す。美琴の時間稼ぎにしびれを切らしたのか、フード男が美琴に近づくと、感電する!そしてレベルアッパーについて洗いざらい吐いてもらうと美琴が言う!するとレベルアップした力を見せつける自信があるのか、男たちは美琴を取り囲む!

 

「おやおや、寄ってたかって俺の相棒を取り囲む手に出たか。」

 

「お前は・・・まさか!!」

 

「シティーハンター、冴羽リョウだ。」

 

「ふっ、シティーハンターだ?所詮はレベル0だろ?俺の力を見せてやるぜ!」

 

するとリョウはパイソン357マグナムを取り出し、発砲する!

 

「まったくまた私の出番を奪って、別にあんたの相棒じゃないんだけどね。」

 

すると女の声が!

 

「随分と派手にやってくれたじゃねぇか。」

 

髪を結んだ女が!すると美琴の財布を狙って何やってやがんだと叱責!手下たちなのかと思った美琴とリョウ。男たちが2人に謝り、帰れと言う!男たちは去っていった。

 

「君はどうやら、あいつらのボスのようだが?ということは、レベルアッパーについても知ってるという事だな?」

 

リョウが聞く。すると女は、自分の舎弟をかわいがってやったのだから、覚悟はできてるのかと話す。謝罪は関係ないと話す!すると女は、コンクリートに力を込め、波動みたいなものを繰り出す!するとコンクリートが波打っている!能力名は、表層融解(フラックスコート)。コンクリートを自在に制御できる!美琴は女に電撃を放つが、コンクリートの壁で防御されてしまう!するとリョウと美琴はどっかに消えてしまった!すると美琴は壁にくっつき、リョウは窓のところに手をかけている!

 

「電流ってね、磁場を作るのよ。壁の中の鉄槌に向けると、便利でしょ!」

 

美琴が言い、電撃を放つ!するとリョウは銃弾を変え、一度壁に当てて、美琴の電撃と衝突させる!するとものすごい爆発が!そしてコンクリートに大穴が開いた!

 

「そろそろ話してもらおうか。地獄を見たくなければな。」

 

「なるほど。一撃目は本気じゃなかったってわけだ。電撃と、跳ね返る銃弾を使ってわざと外し、そして合流させたってわけだ。」

 

ご名答だと美琴。だが女は、

 

「ふざけんな!あたいはまだ負けちゃいないんだよ!あんたも能力者なら本気で来な!そこのシティーハンターも、本気で来い!あたいの黒鉄の意志、そんな鎮痙な電気と銃弾ごときで砕けるもんなら砕いてみな!」

 

挑発する女。美琴とリョウが地上に降りた。

 

「嫌いじゃないわ。じゃあお言葉に甘えて、やられたらやり返す、倍返しよ!これが私の、LEVEL5としての流儀だから!」

 

電圧を上げる!リョウは感電を防ぐための特殊な絶縁靴を履いていたため、感電していなかった。黒子が止めに入るが、大丈夫だと話す美琴。そしてリョウは火薬を最大限にした銃弾に交換!そして、女に銃弾を向け、結んでいる髪の部分を切断した!だが美琴の過大電流があまりにも流れ過ぎてしまったせいで、全部が停電してしまった!黒子が美琴にだから待ってと言ったのにと叱責。そして美琴は、変電設備があったことを知らなかったと話す。

 

「大体リョウさんも、近くにいたんだったら止めてくださいな!本当にこれだからモッコリスケベさんは・・・」

 

「お前だって人の事言えねぇだろ!?いっつも美琴君にくっついてばっかりじゃないか!」

 

翌日、ジャッジメントが交通整理していた。美琴とリョウが歩いていた道中に、黒子が瞬間移動してきた。深刻な事態が発生した。なんとグラビトン事件の介旅 初矢が意識不明になってしまったそうだ。アンチスキルの取り調べ中に突然倒れたそうだ。

病院に向かい、医療関係者に話を聞く。容体を聞くと、最善を尽くしているが、依然として意識を取り戻す様子がないという。だが不思議なことに、体に異常はないようだ。だが今度はまたとんでもないことに、今週に入って同じ患者が次々と搬送されてきたようだ。だがどうにもできないため、外部から大脳生理学の先生を呼んだようだ。すると来たのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかの木山春生だったのだ!

 

「また再会したねぇ!モッコリ美女先生!」

 

その頃涙子は、極秘裏にレベルアッパーを探していた。だが見つからない。すると何か隠しリンクが。そこには、レベルアッパーが!そしてこのレベルアッパーは、とんでもない事件に大きく発展してしまうのだった!




学園都市ではこの原因不明の事態に直面していた!大脳生理学の先生たち、そしてリョウたちも研究しているが、依然として原因が分からない!そんな中、涙子が怪しい行動をとっていた!レベルアッパーの正体は、あの音楽プレーヤーなのか!?

次回 佐天が怪しい動き!?レベルアッパーの正体をTSUKAME!!


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第13話 佐天が怪しい動き!?レベルアッパーの正体をTSUKAME!!

緊急事態に陥った学園都市。外傷もなく原因不明の意識不明に陥る患者が続出している!更に涙子は怪しい動きを取っていた!レベルアッパーの正体を掴むことができるのか!?


美琴が流した過大電流のせいで、病院は冷房がつかず、サウナ状態と化していた。こんな状態なのに美琴はよく寝れるなと感じるリョウ。

 

「あっちぃな~。大体美琴君があんな過大電流流すせいで停電が起きたんだからなぁ?」

 

これに対し黒子が大反論する。

 

「あなたがそもそも過大電流を流すことを分かっていて止めなかったのがいけないんですわ。大体あなたもお姉さまと行動を共にするなら、止める手立てを考えるべきですわ!お姉さまは常盤台のエースという意識が欠落しすぎていますの!」

 

「わーったよ。にしてもこんなあちぃのによく寝てられるなぁ。」

 

と、その時、春生が来る。黒子が起きろと言うが、美琴が起きない。すると黒子はこの状況を利用して、なんと接吻をしようとした!

 

「おーっとそこまでだ。この状況、撮られていいものなのかな?」

 

春生はリョウたちの姿を見て、まだ帰っていなかったのかと聞く。黒子は何か聞きたいことがあったのだ。院内が暑い。美琴の過大電流が流れてしまったため、復旧できていない。非常用電源は重篤用患者に使われているため、使う事ができない。とすると、ネクタイを緩み始めた。するとまたブラウス一枚になった!なぜ脱ぐのかと黒子。するとリョウは右のひもが外れていることに気が付き、また飛びかかろうとする!そこを黒子がテレポートで強烈なキックを食らわせる!

 

「不謹慎な行為は慎んでいただきたいですわ!」

 

「お前だって普通にさっき美琴君のこと起こせなかったじゃないか!」

 

黒子とリョウがまた言い合いしてる。美琴が春生に、専門家としての意見を伺いたいとして、場を移す。

 

その頃、駅前では、飾利が涙子と待ち合わせをしていた。すると毎度のごとくスカートめくりた。今日は青のストライプのようだ。涙子は飾利に見せたいものがあると言って待ち合わせさせたようだ。涙子が取り出したのは、噂のアイテムと称した、音楽プレーヤーだ。

 

ファミレス。

春生、リョウ、黒子、美琴がいた。

 

「さてさっきの続きだが、同程度の露出でもなぜ水着が良くて下着はだめなのか?」

 

黒子と美琴はそっちではなくと言うが、そこにリョウが突っ込んできて、

 

「下着はさすがに見せちゃいかんけど、水着だったら体のボディラインが出てて、そっちなら・・・」

 

とその時、美琴がリョウの手を掴み、大電流を流す。あーーーーっ!!という声を発して気絶する。

 

「そっちに話を盛り上げようとすな!!」

 

話を本題に戻して、レベルアッパーの話に入った。春生はそれはどういうシステムなのかを聞く。形状や使用方についても。

 

「まだ分かりませんの。ただ、リョウさんがグラビトン事件の時に、音楽プレーヤーと思われるものを押収しましたわ。」

 

黒子が話す。実際にその実物を見せる。春生はこれを見て、なぜこれだと思うのかとリョウに聞く。実はリョウ、押収した後に実際に聞いてみたのだ。するとそこには、unknownでLEVEL UPPERと書かれていた。それを聴いてみると、強烈な成分と思しきものを感じた。だが音楽プレーヤー1機を回収しただけでは、本当にレベルアッパーの正体がこれで合っているのかも分からない。そのため、とりあえず回収したという。

 

「しかし、そのレベルアッパーの話をなぜ私に?」

 

春生が聞く。

 

「能力を向上させるという事は、脳に干渉するシステムである可能性が高いと思われますの。ですから、もしレベルアッパーが見つかれば、専門家である先生にぜひ調べていただきたいんですの。」

 

黒子がその事情を話す。すると春生は協力をお願いしたいと話す。大脳生理学者として、興味があるそうだ。そして春生が窓を見てみると、飾利と涙子がいた。

ここで2人が合流。レベルアッパーの件について話していたと黒子が話す。涙子が取り出そうとした。その時、

 

「黒子が言うには、レベルアッパーの所有者を保護するんだって。」

 

飾利がどうしてかと聞く。黒子はその理由に続いて、まだ分からないが、使用者に副作用が出る可能性が指摘されているからだ。それに、容易に犯罪に走る傾向がみられるそう。するとリョウは、涙子の行動に何か不審な感じをしたようで、涙子に視線を向ける。飾利にどうしたのかと聞かれ、涙子はなんでもないと話す。と、その時、ジュースがこぼれてしまった。すると今度は、スカートを脱ぎ始めた!

 

「気にしなくていい。かかったのはストッキングだから、脱いでしまえば・・・」

 

この度2度目のリョウの飛び込み!

 

「2度目のモッコリチャーーーーンス!」

 

飾利が35.2tバッドを振り回す!

 

「ジャッジメントとしての意識が欠落しています!!」

 

夕方。店を後にする6人。

黒子がお礼を言う。春生も、教鞭を振るっていたころを思い出したようで楽しかったと話す。すると少し悲しげな表情になっていたのを、リョウは見逃さなかった。更に涙子が急に姿を消した。リョウもいない。黒子と飾利は一度支部へ戻ろうとしたのだ。涙子はコンクリート橋の桁下に逃げていた。そこには、レベルアッパーを使用したいという葛藤にあった。涙子が呼ばれた。そこには、リョウと美琴がいた。

 

「急にいなくなったんだぞ?みんな心配するじゃないか。」

 

と言うと、涙子は関係ないし、ジャッジメントじゃないからと話す。その時、御守を落とした。美琴が拾い、涙子に渡す。

 

「それ、いつも鞄に下げてる奴でしょ?」

 

美琴が聞くと、涙子はそうと答える。この御守は、母からもらったそうだが、御守は科学的根拠で、何もないのにと話す。涙子の頭の中には、過去の記憶が蘇っている。

弟に超能力者になるのかと言われ、かっこいいと言われる当時の涙子。母は学園都市に行くのを反対していた。

 

「頭の中をいじられるって怖いわ・・・。」

 

「全然そんなことないって。」

 

涙子がブランコに座っていた時に、母が出したのは御守だ。

 

母は迷信深いようで、御守でも守れるわけがないという。

 

「優しいお母さんじゃないか。涙子君を気遣ってくれたんじゃないか。」

 

リョウが言うと、涙子が分かっているが、その期待が重くのしかかっていると感じることがあるようだ。いつまでもLEVEL0であることを気にかけているようだ。

 

「レベルなんて、どうでもいいことじゃない。」

 

と話す美琴。夜、リョウは涙子が寝たのを見計らって、涙子の音楽プレーヤーを取る。調べていくと、そこにはレベルアッパーと書かれたものが。怪しいとにらんでいた通りだ。

 

翌日、ジャッジメント一七七支部。飾利がレベルアッパーの事について調べているが、仲間内の暗号が多いが、レベルアッパーの取引場所と思われるものがいくつか判明したそうだ。推測地点のリストを黒子とリョウが見ると、莫大な数だった。黒子とリョウは一つずつ潰していくことにした。

 

涙子は音楽プレーヤーを持って橋桁にいた。レベルアッパーを使用したいという気持ちの葛藤がまだ残っている。その後ろにリョウ。涙子の動きをマークしていた。

 

「レベルアッパーを譲ってくれるんじゃないのか!?」

 

叫び声が聞こえてきた。そこには、男の姿が。暴行現場を見ていた涙子。ジャッジメントかアンチスキルに連絡しようとしたが、まさかのバッテリー切れ!涙子はこの現場から立ち去ろうとしていた。だが・・・

 

「やめなさいよ!その人、怪我してるし、すぐにアンチスキルが来るんだから!」

 

すると茶髪の爆発頭の男が涙子のすぐ横にキックをくらわし、髪を掴む!

 

「何の力もない奴に、ごちゃごちゃ指図する権利はないんだよ。」

 

とその時!

 

「何の力もないんだったら、君たちの貰い物の力こそ何もないんじゃないかな?自分の力と勘違いしている君たちに、彼女をとやかく言う権利はないと思うがね。シティーハンター、いや、ジャッジメントの冴羽リョウだ。暴行傷害の現行犯で拘束してやる。」

 

リョウが現れた!するともう一人の男がリョウに向かってくる。

 

「何かと思えば、ただの男がもう一匹増えただけじゃねぇか。」

 

「気を付けたほうがいいぜ。無駄足を突いた挙句、レベルアッパーの取引現場で、俺の頼もしい相棒が被害を受けようとしていたのだから。」

 

とすると、リョウはパイソン357マグナムを取り出し、左胸に命中させた!

 

「今日の俺は、いつもより違っているんでな。多少なりのケガは覚悟してもらおう。」

 

すると男が鉄パイプなどをリョウに向けてくる!リョウは素早いその動きで、鉄パイプを軽々と回避!そして今度は髪の毛を切り裂くように命中!

 

「面白れぇ奴だな。まさかその銃は、パイソン357マグナムとか言う銃か?初めて見たぜ。」

 

「他人事のように言っているが、次はお前だ。」

 

とすると男は、こういう。

 

「俺たちはよぉ、レベルアッパー手に入れる前は、お前たちジャッジメントにびくびくしてたんだぁ。だから、でけぇ力が手に入ったら、お前らをギタギタにしてやりたいと思っていたんだぜ。」

 

と言う。向かってくる男にリョウは寸前で逃げた。だが振り向いたら男はいない。すると後ろから男の姿が!キックを食らわせようとした男の足に、右足でキックをまた入れる!男はまた立ち上がり、リョウに向かっていく!一発発砲するが、よけられた!

 

(外しただと!?まさか・・・いや、ここは攻撃を見極めよう。とりあえずここは・・・。)

 

すると男がリョウの左わき腹にキックを食らわせた!廃ビルの中に倒れこむリョウ。

 

(どうやら、予想とは違う方向から来たか。)

 

「ふぅ、いい感触だったぜ。あばらの2、3本は逝ったかな?はははははは!」

 

リョウはまた一発発砲する!すると銃弾がまた変な軌道に流れる!

 

「何やってんだ?まさかもうそのパイソン357マグナムは使えねぇってんじゃねぇだろうな?こっちはまだ遊び足りねぇんだ。」

 

男が言う。するとリョウは、男の力をもう一度確かめるために、今度は階段でランニングチェイスしようとする。男は鬼ごっこかと言い、引き受けた。そして、もし廃ビルの外に逃げたら、外のかっぷくのいい男と涙子を殺すという!

 

(取り壊し予定とだけあって、隠れ場所はどこにもなし・・・か。)

 

そして移動しようとした瞬間、男に膝蹴りを喰らった!

 

「ここの廃ビルは俺たちのたまり場で、中の事は全部知ってるんだよ。それに、よく響く。」

 

と言い、リョウはまた逃げる。最上階に逃げた。

 

「そろそろ鬼ごっこも飽きてきたからよ、いい加減ケリつけようぜ。かわいそうだなぁ。自分がどんな能力にやられたのかも知らないまま死んでいくんだからよ。」

 

「分かっているぜ。お前の能力はただの目くらましだ。自分の周囲の光を捻じ曲げるだけだな。足がありえない角度で曲がる上に、俺の銃弾が不自然な軌道を描く。つまり、光を曲げて誤った位置に像を結ばせる。本体の横に焦点を結ばせ、方向感覚を狂わせたのだな。だから俺の銃弾が不自然に曲がったわけだ。」

 

すると男は、トリックアートと話した。

 

「だがよ、てめぇに何ができる?自分の目しか頼ることは出来ねぇだろ?」

 

「確かにお前には当てることはできない。だが俺は数年、大都会新宿でスイーパーやってたのさ。お前ぐらいにおかしい奴もいたし、変な能力を持つ奴もいた。だが、俺の銃弾一発で、壁の向こうまで貫通すると言ったらどうする?」

 

「笑わせんな。そんなLEVEL0のてめぇがそんなもん持ってるはずがねぇだろ?」

 

男はまだ強気だ。リョウはそして・・・

 

「本当はやりたくなかったが、強気ならこうさせてもらうぜ。」

 

するとリョウは走り、銃弾を何弾か装填。そしてロケットランチャーを取り出した。

 

「この廃ビルにロケットランチャーを撃ち込んだ瞬間、廃ビルどころか爆発力が強くなるというのは、お分かりかな?」

 

するとリョウはロケットランチャーを各方面に打ち込んだ!あまりにも強い爆発力で、ビルが崩れてくる!ビルは全壊した。

そこには黒子がいた。

 

「少々手荒だったが、まぁ廃ビルで取り壊す予定だったみたいだが。さぁ、渡してもらおうか、レベルアッパーを。」

 

男が渡さなかったため、銃弾を髪の毛に発砲させた!髪の毛が切り裂かれる。

 

「もう一度喰らいたいか?パイソン357マグナムを。」

 

すると男が、音楽プレーヤーを渡した。

 

「やはりレベルアッパーは音楽プレーヤーだったのか。」

 

「なんですって!?」

 

すると、アンチスキルの車が到着した。ここからは我々が引き継ぐとリョウたちに話す。すると涙子が逃げた。能力者とLEVEL0では違うと感じた。すると涙子の友達が呼んでいた。涙子の友達でもレベルアッパーの話になっていた。すると涙子がこんなことを言った!

 

「私、それ・・・持ってるんだけど。」




レベルアッパーを回収するために動いていたリョウ、黒子、飾利。しかしそんな時、涙子も緊急事態に陥ってしまっていた!加速するレベルアッパーの使用者の異常反応。果たして犯人は誰なのか!?

次回 THE 回収!! レベルアッパー on MUSICPLAYER


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第14話 THE 回収!! レベルアッパー on MUSICPLAYER

レベルアッパーの正体が音楽プレーヤーであることが分かってきたリョウたち。情報を基にレベルアッパーの回収に向かう!だが涙子は、大変な事態に直面してしまう!


公園では、涙子の友達が能力の試しをしていた。すると涙子の友達、アケミが、もう一人の友達を持ち上げることに成功。すると涙子は、能力が使えることに驚いてしまっていた。だがこれは、緊急事態の序章に過ぎなかった!

 

一七七支部。いつものように、黒子、飾利、リョウがいた。

飾利はレベルアッパーのそのタイトルをダウンロードした。だがこれを聴くだけでレベルアップすることなどできるのだろうか?飾利は疑問に思っていた。黒子は、善意の提供者はそう言っていたと話す。すると飾利はこのレベルアッパーを使ってあんなことやこんなことの倍返しをしようと考えて居たが、黒子に駄々洩れだと指摘。すると、リョウの携帯に、一本の電話が入った。

 

「どうやらまた、学生たちが暴れてるらしいぜ。飾利君は、あの木山先生に連絡を頼む。黒子君は来てくれ。」

 

リョウが指示する。

 

AIMの研究所。春生は飾利からの連絡を受け、現物は届いていると話す。

 

「音楽ソフトでレベルを上げるなんてことできるんでしょうか?」

 

春生に尋ねる飾利。

 

「難しいね。テスタメントならいざ知らず。」

 

テスタメント?そういう装置があるのかと飾利は尋ねる。だが、やはり音楽ソフトなんて見当違いなのだろうか?飾利は涙子に連絡を取ろうとするが、つながらない。何があったのだろうか?

 

現場では、リョウが次々とレベルアッパーを回収していた。黒子も同様に。

 

「まったく、この年の若い者は、ずるをしようとすんだからなぁ。」

 

リョウが言う。支部に戻ると、黒子が手当てを受けていた。

 

「日に日に生傷が増えていきますね。」

 

「仕方ありませんわ。レベルアッパーの使用者が増えているんですもの。」

 

予想以上の多さに困惑するリョウたち。黒子は成すべきことは三つと話す。

 

レベルアッパーの拡散阻止。

昏睡した患者の回復。

レベルアッパーの開発者の検挙。

 

これを開発し、広めた何者かを捕まえるというのが狙いだ。

 

「本当は、御坂さんに応急処置をしてもらいたいんじゃないんですか?」

 

「お姉さまにこんな体を見せるのはごめんですわ。」

 

すると飾利のこの一言で、黒子の堪忍袋の緒が切れる!

 

「大丈夫ですよ。誰も見たくありませんから。」

 

その一言を聞いてキレた黒子は、飾利をテレポートさせて、頭から落とそうとした!だがその時、事務所に美琴と睦、そしてこまちが入ってきた!飾利が運の悪いことに、美琴の真上に落下!相当な激突により、気絶してしまった。

 

「それで、捜査は進んでるんですか?」

 

睦が尋ねる。

 

「それが、あの木山先生の話では、短期間に大量の電気的情報を脳に入力するための、テスタメントとかいう特殊な装置があるそうだが、それは人間の五感全てに働きかけるもので・・・」

 

「レベルアッパーはただの音楽ソフト・・・聴覚作用だけね。」

 

実際に患者の部屋を捜索しても、音楽ソフト以外何も見つからなかったそう。お湯が沸いたので、飾利が火を止めに行く。するとこまちが、あることを話す。

 

「仮の話になるんだけど、曲自体に五感に作用する可能性って言うのはないのかしら?」

 

どういう意味なのか?黒子が尋ねる。

 

「もしかしたら、かき氷の話かもしれないな。共感覚性というものだ。かき氷とか、昔のアイスは、食べると頭にキーンとくるんだよ。一つの作用で複数の感覚を得る

ってことだと思うな。」

 

すると、黒子と美琴が思い出したかのように声を上げた。

 

「ある種の方法で感覚を刺激することで、別の感覚も刺激することよ。」

 

美琴が話す。すると睦が・・・

 

「つまり、音楽ソフトの場合は、耳から五感を刺激させて、テスタメントと同じような効果を出しているってことか!」

 

その話を聞いて、睦もそうかと思い浮かべる!

 

「その可能性もあるな。なるほど、見落としていた。」

 

春生が言う。飾利は電話で、その線で調査をお願いしたいと話す。それならツリーダイアグラムの許可も下りるだろうと春生は話す。ツリーダイアグラムを使えることに期待を高める飾利。

 

「なんだそれ?ツリーダイアグラムとは。」

 

リョウは知らなかった。

 

「まぁ入って1箇月しか経ってないですからね。ツリーダイアグラムとは、学園都市最大のスーパーコンピュータなんですよ。正しいデータさえ入力すれば、完全な未来予測(シミュレーション)が可能です。」

 

「なるほど。つまりこれを使って、レベルアッパーの使用者で次誰に渡されるのかが分かるってわけか。」

 

その頃、公園では、アケミがレベルアッパーで得た能力で、無人の掃除ロボットを持ち上げていた。するとアケミが倒れた!

 

リョウの携帯に、涙子から電話が入る。

 

「涙子君か。心配したぞ。飾利君がいくら電話かけてもつながらないって。」

 

リョウが言うと、電話の奥から聞こえてきたのは、涙子の今にも泣きそうな声だった。

 

「アケミが・・・倒れたの。レベルアッパーを使ったら倒れるなんて、私知らなくて・・・私、そんなつもりじゃ・・・。」

 

涙子から話を聞いて、やはりと思ったリョウ。

 

「それじゃ、やはり君はレベルアッパーを使っていたのか・・・。」

 

「うん。所有者を保護するって聞いて、でも捨てられなくて…それで、アケミたちはレベルアッパーが欲しいって・・・いや違う。本当は一人で使うのが怖くて…。」

 

「とにかく今どこだ?自宅にいるのか?」

 

すると涙子が、自分も倒れてしまうのかと話す。もう二度と起きられないのかと話す。

 

「私、何の力もないのがいやで・・・でも、どうしても憧れは捨てられなくて・・・レベル0って、欠陥品なのかな・・・。それで、ずるして手に入れようとしたから罰が当たったのかな・・・危ないものに手を出して・・・」

 

「何を言ってるんだ!涙子君は欠陥品じゃない!能力が使えなかろうが、皆を引っ張って言ってくれるじゃないか!涙子君は涙子君だ!俺が最も大切にしたい、娘みたいなもんなんだ!そんな悲しいことを、俺に言わないでくれ!」

 

涙子がそれを聞いて、少し明るくする。

 

「ありがとね。リョウさん。迷惑ばっかかけてごめんね。」

 

リョウは急いで涙子の家へ向かった!そこには、倒れている涙子の姿が!

 

「涙子君!起きてくれ、涙子君!!」

 

声かけもむなしく、涙子は意識を失っていて、応答がない。

 

病院に搬送された涙子。そこには、リョウの姿が。

 

「佐天さんもレベルアッパーを使っていたのか・・・。」

 

「ええ。データを解析することによって、佐天さんを助けるんだって、初春は木山先生のところへ・・・。」

 

美琴と黒子が話していた。

 

「俺が様子がおかしいことに気づいていながら、何一つできなかった。うかつだった・・・。」

 

リョウが後悔の念を話す。

場を移して屋上へ。

 

「佐天さん、御守持ってたでしょう?リョウさんも知ってるよね?」

 

「ああ。あれは確か、お母さんから、学園都市に来る前にもらったそうだ。色々話したかったそうだ。」

 

美琴が、自分はLEVEL5なのにそういうところに気づけない自分はだめだと話す。美琴自身、目の前にハードルを置かれたらそれを飛び越えないと気が済まないタイプだ。LEVEL5もその結果なだけで、別にすごいとも思わなかったそうだ。だが、個人差があるため、ハードルに立ち止まってしまう人もいる。美琴自身はそういう人がいることを考えたこともなかった。

 

「レベルなんてどうでもいいじゃない。って・・・無神経な話だよね・・・。」

 

すると美琴は捜査に協力させてほしいと黒子とリョウにお願いする。

 

「ちょっと待った。今回ばかりは俺も協力させてもらうぞ。」

 

「私もよ。」

 

「佐天さんが倒れてしまった今、レベルアッパーの脅威は計り知れないほど深刻なものになっている。ここで食い止めなければ、若者の未来は・・・。」

 

睦とこまちも参加。これにより、少し多い人数で行うことになった!

 

5人が廊下を歩いていると、後ろからカエル顔の医者の先生が呼びかける。美琴がリアルゲコ太と勘違いしてしまった。

診断室に入ると、見せられたのは、患者の脳波パターンだった。

普通であれば、脳波は各々違うのだが、患者を診てみると、共通の脳波パターンがあることが分かった。

 

「誰かの脳波パターンで無理やり動かされているとしたら、人体に多大な影響が出るだろうね。」

 

医者が話す。

 

「つまり、同じ脳波パターンという事は、それを操っている人物。つまり、そいつがレベルアッパーの開発者でもあるということだ。急ごう。」

 

バスの車内。飾利がAIM研究所の、春生の元へ向かっていた。

 

「そうか。この間の彼女も・・・。」

 

春生がそれを聞いて、落胆してしまう。飾利は自分のせいだと話すと、春生は、気を落とすのではないと話し、コーヒーを入れると話す。あまり悠長なことを言っている場合ではないと飾利が話すが、まだ解析結果が出ていない。涙子が目覚めたときに、飾利が倒れていてはと話す。

 

出てくる涙を抑える飾利。と、その時、突き出ている紙のデスクに目が留まった。実はこの中に、とんでもない真実が隠されていたのであった!

 

一七七支部。

5人が犯人のデータを調べている。

 

「ったく、何を騒いでいるの?って、大曲先輩!」

 

そこにいたのは美偉だった。

脳波が同じパターンであるなら、バンクへのアクセスは可能だと話す。

大人の履歴データもある。だがなぜレベルアッパーの使用者で同じ脳波パターンが観測されたのかの理由が分からない。すると睦は、

 

「レベルアッパーの能力を使ってネットワークを使ったのではないかな?」

 

その話に疑問を向ける全員。

 

「コンピュータは、直列だと一つの回線でさばかなきゃいけないから、演算能力は上がらないけど、並列でさばけば、演算能力が上がるんだ。これは電車の技術でもつかわれていて、俺の友達が勤めている、HR平城電気鉄道は、旧型車両だと、TORSと呼ばれている装置を使っているんだ。だがこれは一つの回線でさばいていたから、何かあった際の情報収集に時間がかかっていたんだ。だがBYDIROSという装置を使う事で、複数の回線でさばけるから、時間がもっと早くなったのさ。」

 

「だけどどうやってネットワークをつなぐのかしら?各々が持っているにしても、繋がりづらいと思うんだけど?」

 

こまちが話す。すると美偉は、AIM拡散力場を使った可能性を話した。能力者は、無自覚に周囲に力を放出していることを話した。それを使った可能性があると話すが、美琴は、それはあくまでに無自覚に過ぎないと話す。能力者は、コンピュータで言えば、使っているOSはバラバラだ。繋がっても意味はないだろうと話す。言語も違う。

 

「だがネットワークがあるのは、プロトコルがあるからじゃないかい?脳波パターンがプロトコルの役割をしているというのなら、それを並列でつなげば、莫大な量の計算をすることができるわけだ。」

 

リョウが話す。

 

「そういうことか!単独では弱い能力しか持っていない人でも、ネットワークと一体化することで、処理能力が上がる。それに加えて、同系統の能力者の思考パターンが共有されることで、より効率的に能力を扱えるようになる!」

 

美琴が話す。

 

「おそらく患者は、脳をネットワークとして使われているんじゃないかしら?」

 

そして美偉が脳波を基に色々打ち込んでいくと、ヒットした!一致率99%、それは意外な人物だった!

 

そして研究所では、飾利がデスクを開けて調べていた。どれを調べても、共感覚性の論文。するとそこに、春生がやってきた!

 

「登録者名、木山春生!?」

 

美琴が言う。

 

「飾利君が危ないぞ!急いで向かうぞ!」

 

リョウが言う!

 

「アンチスキルに連絡!木山春生を確保!ただし人質がいる可能性あり!」

 

そして春生は、飾利に手錠をつけて、ランボルギーニガヤルドで、高速道路を走行していた。

 

「ところで、以前から気になっていたんだが、その頭の花はなんだ?君の能力と関係あるのか?」

 

飾利は聞かれると、答える義務はない!そんなことよりどうしてこんなことをしたのか!?レベルアッパーはなんだ!?倒れた患者はどうなるんだと聞く!

 

「やれやれ、矢継ぎ早だな。こっちの質問にも答えてくれないなんて。」

 

春生は言う。

 

「誰かの能力を上げてぬか喜びして、何がそんなに楽しいんですか!?佐天さんだって・・・」

 

すると春生は、他人の能力に興味はない、自分の目的はそんなことより大きい物だと話す!

 

その頃一七七支部では、美琴も行くと話す!本来一般人を巻き込むわけにはいかないが、LEVEL5の美琴が手伝うのならと同意。すると黒子は、飾利はジャッジメントの橋呉であり、いざとなれば自分でおそらくなんとかするのではと話す。美琴は苦い顔をする。

 

「それに、一科学者に過ぎない木山に、アンチスキルを退ける術はないかと!」

 

黒子が話す。美琴はそれを聞いて、何千人もの患者の命が握られているし、何か嫌な予感がすると話す!だったら黒子が行くと話すが、美琴には黒子のケガが分かっていた!

 

「そんな体で動こうっての?」

 

黒子が気づいていたのかと話すと、美琴は当たり前だと話す。黒子は美琴の後輩だから、こんなときぐらい私に頼れと話す!

 

「冴羽さん!奴は車に乗っています!初春さんを連れて乗っています!現在地は高速道路、42kmポスト付近!」

 

「分かった。行くぞ!」

 

ミニクーパーに乗り、リョウはこまちと睦を連れて、後を追った!




高速道路を走っていた春生の車。中には飾利が人質になっていた。そんな事態を能力を使ってチェイスしている睦たち!ついにアンチスキルが登場!いまだかつてない、脳を統べる科学者と、能力者、そしてシティーハンターの攻防戦が始まる!

次回 統治者VS能力者・リョウ!マグナムと能力をぶつけろ!


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第15話 統治者VS能力者・リョウ!マグナムと能力をぶつけろ!

このところ、仕事や精神的な面での疲れにより、投稿する気を失っていました。長い期間、読者様にお待たせしてしまい申し訳ございません。病み上がりからの復帰ですが、それでも読んでいただければ幸いでございます。

春生は飾利を誘拐し、高速道路上を走っていた。ジャッジメントが春生のことについて突き止めた今、レベルアッパーの正体を明かす。そして飾利たちは、春生の本性を知ることとなった!


「演算装置?」

 

飾利が春生から、レベルアッパーの正体を伺っていた。レベルアッパーは、AIM拡散力場を媒介として、ネットワークを構築し、複数の脳に割り振ることによって、高度な演算を可能とするもののようだ。春生は、あるシミュレーションを行うために、ツリーダイアグラムの使用申請をしたが、却下されたため、代替の演算装置が必要となったのだ。そんなことのために能力者を巻き込んだのかと少し怒りをにじませる飾利。使用者は1万人ほど集まったため、十分代用してくれるはずだと話す。そして春生は、ポケットから、白いメモリーカードを取り出した。レベルアッパーをアンインストールする治療用プログラムだ。それを飾利に渡す。

 

「後遺症はない。すべて元に戻り、誰も犠牲にならない。」

 

そういう春生に、飾利は反論する!

 

「信用できません!臨床研究が十分でないものを安全だと言われても、何の気休めにもならないじゃないですか!」

 

と、その時、警報音が鳴る。

 

その頃、春生の研究室には、アンチスキルの隊員が到着していた。データを押収しようとしていたのだった。するとパソコンには、謎の数字がずらりと並んでいた。そして、データは全て削除された!

 

「もう踏み込まれたのか。君との連絡が途絶えてから、動き出したにしては早すぎる。」

 

と話す。所定の手続きを踏まずにログインしようとすると、セキュリティが作動するようにプログラムしてあったようだ。

 

すると、ガヤルドの車内には・・・

 

「やっほー!春生く~ん!感度良好かな~!?」

 

リョウの声が!実はリョウ、春生に何かしらの違和感を感じていたため、春生が自分の車を探し、見つけたときに、小型マイクを仕込んでいたのだった。

 

「能力者の脳を操って、その上臨床試験も済んでいない治療プログラムを作るなんて、科学者がすることじゃないぜ。」

 

その頃、リョウの車は、春生の車より7km後にいたのだ。時速は、252km。S2000に匹敵するほどの速さ。すると、春生のガヤルドの車が急停車した!そこには、非常線を張っているアンチスキルの姿が。そして、愛穂が前に出てくる。

 

「木山春生だな!レベルアッパー頒布の被疑者として勾留する。ただちに降車せよ。」

 

車内では、春生が飾利に話す。

 

「レベルアッパーは、人間の脳を使った演算機器を作るためのプログラムだ。だが同時に、使用者にある副産物をもたらしてくれるんだよ。」

 

すると、面白いものを見せてやろうと、車から出てくる!

確保のために、隊員たちは、一歩ずつ、前に出てくる。すると、春生の左目が充血する!すると一人の隊員が、他の隊員に向け、一発発砲する!春生に操られたのだ!

 

その頃、高速道路高架下の側道には、タクシーが一台停車した!美琴が降車し、運転士に避難を促す!と、その時、トンネル内から、車の音が!赤のミニクーパーだ!252kmで突っ込んでくる!その現場に気づいたリョウ!急停車させるが、間に合わない!左にハンドルを切ると、車は右方向に3回転しながら、ようやくストップした!

 

ジャッジメント一七七支部では、上空から春生の姿を確認していた!美琴と連絡を取っていた黒子は、春生の姿に唖然とした。それは、能力を使っているからだ。

だが、書庫を確認すると、春生が能力開発を受けた記録がない。しかも春生は、多くの能力を使える、いわゆる多重能力(デュアルスキル)を持っていた!

 

美琴が道路上に到着すると、そこには、怪我した隊員と、めちゃくちゃになったアンチスキルの車両が。そしてガヤルドの車内には、意識がない飾利の姿が。

 

「大丈夫だ。戦闘の余波で気絶してるだけだ。御坂美琴、学園都市に7人しかいないLEVEL5。そして冴羽リョウ。東京都新宿区からやってきた、シティーハンター。君たちも、私のような相手と戦ったことはあるまい。君たちに、1万人の脳を統べる私を止められるかな?」

 

「止められるかな?ですって?当たり前でしょ!」

 

美琴が春生に向かおうとすると、道路に穴が開いた!リョウは、強化させた銃弾で一発発砲する!美琴も、電撃を放つが、なんと防御された!そして春生は、空振のようなものを使い、道路を崩落させた!

 

「拍子抜けだな。LEVEL5とシティーハンターと言うのは所詮このレベルか。」

 

「は~い。実は私、本当は名の知られていないまったくのデュアルスキルですけど、もし、私たちの能力が上だとしたら、どうします?」

 

と、出てきたのはこまちだった!こまちは、赤い煙幕のようなものを噴射!だが春生は何かを見透かしているのか、高速道路の支柱を操り、リョウたちの方に落とそうとする!何かの異変に気付いたリョウたちは、逃げろと退避を指示。がれきの直撃を喰らうことを避けることに成功した。

 

「やめにしないか。私はある事柄について調べたいだけだ。それが終われば全員気阿呆する。誰も犠牲にしない。」

 

「ふざけんな!誰も犠牲にしないだと?あれだけの人間を巻き込んで、人の心をもてあそんで、よくそんな台詞が吐けるな!」

 

睦が反論する!

 

「やれやれ、君たちは所詮世間知らずか。そこの2人さんはいい歳をしてるのに・・・君たちが受けている能力開発、あれは安全で人道的だと思っているのか?学園都市の上層部は能力に関する重大な何かを隠している。それを知らずにこの街の教師たちは、日々学生の脳を開発している。それがどんなに危険なのか。」

 

「随分とおもしろいこと言うじゃないか。だったら、君を捕まえた後で、ゆっくり調べさせてもらうか。」

 

と、リョウは、壁に直撃させて跳ね返る銃弾を使用!再び春生は、防御態勢をとるため、バリケードを作るが、それが跳ね返り、高速道路のコンクリート部分に跳ね返った!そして上から降ってきた銃弾を避ける!そのあと春生は、空き缶を操り、缶を上空から降らせる!

 

「空き缶、まさか!?グラビトン!!」

 

美琴たちが思い出す!リョウと美琴は空き缶を銃撃する!美琴は全部吹っ飛ばしたが、後ろに空き缶が来たことに気づかなかった!リョウは異変に気付き、美琴に飛びかかる!すると爆発した!

 

「大丈夫ですか!冴羽さん!御坂さん!」

 

こまちと睦が捜索する。

 

「所詮LEVEL5とシティーハンターはこんなものか。恨んでもらって構わんよ。」

 

と逃げようとした次の瞬間!

 

「ところが、俺はマジックのような手腕で生き返るんだよな。」

 

目の前に現れたリョウ!後ろから美琴が捕まえた。そして高電圧を流し、春生を気絶させた。すると、リョウたちに、子供たちの声が聞こえてきた。まさか、春生の記憶が!そこには、春生が今に至るまでの記憶が見えてきた。

 

ある日突然、春生は木原から呼び出しを受け、教員免許をとっていたことを基に、教師になる打診をされた。庭には、遊んでいる子供たちがいる。子供たちは、チャイルドエラーと言い、何らかの事情で学園都市に捨てられてしまった身寄りのない子供だ。つまり、被験者としてのデータを取るということだった。

担任を受け持った春生は、子供たちかいじめたり、馴れ馴れしかったり、そういうところを見て、子供は嫌いになったそうだ。だが、大きい事件が起きてしまったのはその後だ。ある日、子供たち2人は、研究室に連れていかれた。それは、実験だった。

この実験を機に、春生は教師から退こうとしていた。だが、

 

「荒廃熱傷による併用両性ショックが!」

 

「乳酸カロリンゲル液、輸血急げ!」

 

病院に連絡しようとしたその時だった!

 

「いいからいいから、浮足立ってないで、実験データを集めなさい。この実験については署外に箝口令を敷く。実験はつつがなく終了した。君たちは見なかった。いいね?」

 

なんと木原は、子供たちの命をもろともせず、実験データを集めることしか考えて居なかった!それゆえ、この実験に対して、加わった人間に口封じをさせたのだ!

これを見て唖然とした4人。

 

「なんでこんなことをしたんだ!?」

 

春生は、あれは表向きで、AIM拡散力場を制御するための実験とされていた。だが、暴走能力の法則解析用誘爆実験だったと話す!AIM拡散力場を刺激して暴走の状況を知るのが本当の目的だったのだ。つまり、この実験は、意図的に仕組まれていたものだった!気づいたのは、それが後になってからだった!

 

「まさか、あの子たちは、人体実験に使われたという事なのか!?」

 

「あの子たちは、今も目覚めることなく眠り続けている!私たちはあの子たちを、使い捨てのモルモットにしたんだ!」

 

「だったら、アンチスキルに連絡を・・・!」

 

「春生君は、この事故の究明とあの子たちの回復のためにツリーダイアグラムの使用を申請した。ツリーダイアグラムの演算装置をもってすれば、子供たちを早く助けられるはずだったということか。」

 

リョウが話す。

 

「そうだ!だがそれも、全部却下された!統括理事会がグルになっていたんだ!アンチスキルが動くわけがない!」

 

「だからといって、こんなやり方をするのが、科学者なのか!?」

 

リョウが言うが、春生は、君たちに何が分かるのかと話す!あの子たちを回復させるためなら、どんな手段を使ってでも、皆を敵に回してでも、やめるわけにはいかないのだと話す!すると、春生に異変が!急に頭を抱え、倒れる!

 

すると、赤ん坊のような形をした何かが、春生の頭から出てくる!叫び声を出す得体のしれないもの!果たして、その正体はいかに!?




化け物が暴走し始めた!それはネットワークが暴走し始めた証拠のようだ。患者たちに異変が発生し、なにをしても攻撃が効かない、かつてない事態が!
果たしてリョウたちは、この化け物を仕留めることができるのか!?

次回
シティーハンター&能力者VSAIMバースト マグナムと電撃、デュアルスキルレッドガールの壮絶戦!!


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第16話 シティーハンター&能力者VSAIMバースト マグナムと電撃、デュアルスキルレッドガールの壮絶戦!!

レベルアッパーを頒布した容疑で春生を拘束しようとしたアンチスキル、リョウたち。
だが春生は多重能力者、通称デュアルスキルであり、アンチスキル全員がもろとも吹っ飛ばされてしまった。美琴たちが春生を捕まえたのだが、そこで見えてきたのは、春生の壮絶な過去だった。それを知ったリョウたちだが、それを上回る事態が発生した!
果たしてその正体とは!?そして、リョウたちは仕留めることができるのか!?


ジャッジメント一七七支部。黒子と美偉が上空のカメラを復活させようとしているが、どのカメラもアクセスできなくなってしまった。更に電話もつながらない事態に。いてもたってもいられなくなった黒子は、現場に向かおうとした。しかし黒子を止める美偉。

 

「その体で何ができるっていうの!?」

 

「お姉さまを放っておけませんわ!」

 

美偉は、美琴を信じよと黒子に諭す。美琴ならきっとどうにかしてくれると。

その頃、高速道路では、春生から出た謎の生物が出てきた。叫ぶ生物!リョウがパイソン357マグナムで一発発砲するが、通じない。美琴も電撃を一度食らわせるが、それでも通じない。しかしその貫通した部分から、手のようなものが!

 

「なんだと・・・大きくなってる・・・!?」

 

リョウが思わずその声を出す!すると、その生物は上から、尖ったものを美琴たちに投げようとする!それに気づいたリョウは、逃げろと叫び、各々尖ったものから逃げる!

美琴とリョウは、電撃とマグナムで上空から降ってくる尖ったものを破壊することに成功した!すると、逃げた先には、意識を戻した飾利の姿が!

 

「飾利君!大丈夫か!?」

 

「はい!なんとか・・・」

 

「だめじゃないか!高速道路の下に出てきちゃ!とにかくそこから動くな。」

 

「え、なんでですか?」

 

飾利に説明しようとするが、その生物が追ってこない。何かに苦しんでいるような姿が。その頃病院では、大変な事態が起きていた!患者たちが急に暴れ出した。各々の医者や看護師たちが、ベルトで二重三重にして患者をベッドに縛り付け、更に動きを抑えようとするが、動きが止まらない。

高速道路上では、謎の生物に隊員たちが驚いていた。愛穂が実弾の使用を許可し、発砲命令を出す!隊員たちが発砲していくが、効き目がない!それどころか大きくなっていっている。

高架下では、意識を取り戻した春生が、化け物が生まれたことに驚いている。学会に発表すれば表彰ものだと話す。もはやネットワークは春生を離れ、子供たちを回復させることも叶わなくなってしまったと諦める。

 

「あきらめるな!」

 

リョウの声が。そこには、飾利、美琴、リョウ、睦、こまちの姿が。

 

春生は、あの姿はAIM拡散力場の集合体であると話す。仮にAIMバーストとし、レベルアッパーのネットワークによって束ねられた、1万人のAIM拡散力場、それらが触媒となって生まれた潜在意識の怪物。言い換えれば、あれは1万人の子供たちの思念の塊だ。

その集合体の思念の声が、次々と聞こえてくる。その姿を見る一同。美琴が、どうすればあれを止められるのかと聞く。それを自分に聞くのかと話す春生。今の自分を信用できないだろうという理由だ。すると飾利が腕を差し出す。

 

「私の手錠、木山先生が外してくれたんですよね?」

 

春生は、ただの気まぐれだと話す。そんなことで信用するのかと話す。

 

「それに、子供たちを救うのに、木山さんが嘘をつくはずがありません。私は信じます。」

 

睦も言う。

 

AIMバーストは、レベルアッパーのネットワークが生み出した怪物だ。ネットワークを破壊すれば、止められる可能性があると話す。飾利に渡した治療プログラム。試してみる価値はあるはず。

 

「私とこまちさん、リョウさんであいつをどうにかするから、初春さんと睦さんは、それを持ってアンチスキルのところへ行って。」

 

各々が行動する!

高速道路上では、継続してアンチスキルの隊員たちが攻撃していた。するとAIMバーストが細長い腕で、愛穂を吹っ飛ばす!綴里が銃弾を放つが、全部使い切ってしまった!更に吹っ飛ばされてしまう!

 

「何をぼやっとしてるんだ!けがしても知らんぞ!」

 

リョウが話す。綴里は誰だと話す。とにかくここから避難しろと話すが、攻撃がまだ続いていた!リョウが綴里を連れて避けようとする!そこをこまちが、石を使った能力で攻撃をする!

 

「逃げるのはそっち!あいつは、こっちが攻撃しなければ寄ってこないんだから!」

 

こまちが話すが、

 

「それでも、撤退するわけにはいかないじゃん。」

 

と愛穂が言い、指を指したところには、原子力実験炉。つまり、実験炉を破壊するような事態が発生した場合、放射能が広がってしまう大惨事に。綴里が何をやっているのかと飾利と睦を指す!

 

「あれは、木山の人質になっていた、あ、まさか、もう一人は、大曲!?この混乱で逃げ遅れてるじゃん。」

 

「いや、違うんだな。飾利君や睦君は、人質でも逃げ遅れでもない。君たちに頼みがある。」

 

リョウが話す。

 

美琴たちがAIMバーストの前にやってきた。攻撃を避ける3人!するとAIMバーストは、3人を攻撃するばかりか、睦と飾利が上っている非常階段に光線を放つ!それに気づいた睦は、空から岩を落とす能力を使って、光線を封じた!だがすごい爆発を伴った。倒れる2人。プログラムは無事だ。

 

「久しぶりにジャッジメントの仕事をした気分だ。俺はやってやるよ。小さくてもいいから、奇跡よ起きてくれ!」

 

そう思う睦!一心不乱にアンチスキルの車へ走る!

 

3人が攻撃を開始した!こまちは、ピンクのとげとげを広げ、美琴は砂鉄で光線を放つ!

 

「キリがない。なんたってまさか原子炉に向かってくるとは、私はどうやら、品川に上陸してきた怪獣映画を見ているようね!1954年公開の映画!」

 

「そんなことはどうでもいいの!」

 

とその時、空中からクリスタル状のものが多く降ってくる。美琴が攻撃しようとするが、足元に巻き付かれてしまう!そこに、リョウがバズーカを放つ!爆発の衝撃で2人は吹き飛ばされてしまう!

 

「リョウさん!?」

 

「とにかく俺のパイソン357マグナムは効かない!このバズーカでどうにかするっきゃない・・・!」

 

その頃、高速道路では、愛穂が連絡を取っていた!

 

「時間がない!とにかくこれから転送する音声ファイルをあらゆる手段を使って学園都市に流す!」

 

治療プログラムを学園都市に流し、患者を回復させる狙いだ!準備が完了した飾利!

そして、学園都市に、このプログラムが流される。すると暴れていた患者が治まったのだ!

治療プログラムで、再生しなくなったAIMバースト。

 

「悪いね。これでゲームオーバーよ!」

 

美琴が言うと、美琴は高電圧を流す!AIMバーストは黒焦げになり倒れた・・・が、

 

「気を抜くな!まだ終わっていない!」

 

春生が話す!ネットワークの破壊には成功しても、あれはAIM拡散力場が生んだ1万人の思念の塊。普通の生物の常識は通用しないと話す!話が違うと呆れる3人!破壊するには、その力場を固定している核のようなものを破壊しなければならない。すると、そのレベルアッパーの使用者の声が聞こえてくる。

 

「下がれ。巻き込むぞ。春生君が良くても、君の教え子はどうするんだ?回復した時、あの子たちが見たいのは、春生君の顔じゃないのか?そう簡単にあきらめるな。」

 

「それに、あいつに巻き込まれるんじゃない。私が巻き込んじゃうって言ってんのよ!」

 

リョウと美琴が話す!

 

するとこまちが、鋼状の物を生み出し、AIMバーストに攻撃する!

そして、美琴がコインをはじき、リョウがマグナムを取り出し、こまちはレール状のものを出し、AIMバーストに攻撃する!そして各々の攻撃がつながり、核を破壊する!AIMバーストは散り、LEVEL5、デュアルスキル、シティーハンターの風が吹き荒れた。

 

だが、美琴に、リョウの壮絶な過去が流れてきた。リョウはかつて、戦場に出陣したことがある。だが、ある理由から、味方1人を殺さなければならない事態になった。更にリョウは、相棒だった槇村を亡くしてしまっていた。壮絶な過去に、戸惑いを隠せなくなってしまった美琴。

 

連行される前の春生。リョウがどうするのかと話す。

 

「もちろん諦めるつもりはない。もう一度やり直すさ。刑務所だろうと世界の果てだろうと。ただし、今後も手段を選ぶつもりはない。気に入らなければその時はまた、邪魔しに来たまえ。」

 

そういい、連行される。懲りない先生だと話す美琴。

 

「ところでリョウさん。ちょっと聞きたいんだけど、昔って・・・」

 

とその時、一台のタクシーが。黒子が飛び出してきて、美琴に抱き着く!すると黒子が飾利たちに伝える。

 

「先ほど病院から連絡ありましたの。レベルアッパーの使用者たちが、次々と意識を取り戻してますの。あなた方のおかげでしたわ。初春、大曲さん。」

 

病院。屋上には、涙子の姿が。駆け上がってきた飾利。起き上がって大丈夫なのかと話す。飾利のケガしてる姿を見て、涙子は飾利に抱き着く。そこには、飾利への申し訳ない気持ちがあった。すると、スカートをめくる!これにて一件落着。だが美琴には、疑問があった。レベルアッパーの使用者は間違っていたのか?この事件に能力者がどう見るべきかを。

 

「そういえばリョウさん。さっきから気になってたことあるんだけどさ、リョウさんって昔、戦場に・・・」

 

と、その時、涙子がリョウに抱き着いてくる。

 

「涙子君。心配したんだぞ。まぁ、二度と無茶しないことだな。能力のありなしなんて、別に関係ないだろ?」

 

リョウが言う。

 

「まったく、かっこつけたこと言っちゃって。」

 

壮絶な事件を起こしたレベルアッパー。学園都市中を激震させたこの瞬間的な能力装置は、幕を閉じた。




シティーハンターを報道しようとするカメラマンが出てきた!だがシティーハンターの仕事は裏の仕事である上に、報道されてしまえば世界に広まってしまう。
そんな中、ある仕事がジャッジメントに舞い込んできた。
果たしてその報道カメラマンの正体とは!?そして事件はどうなるのか!?

次回
テレビ取材がリョウに!?知られてはいけない仕事、実力的LEVEL5の行方!


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第17話 テレビ取材がリョウに!?知られてはいけない仕事、実力的LEVEL5の行方!(前編)

スイーパー。それは、警察から漏れた悪党を掃除することだ。その仕事は、シティーハンター冴羽リョウの仕事だ。だが裏の世界のことを暴こうとしていた人物がいたのだ。
それに気づいたリョウは、ある行動を取る・・・


学園都市第七学区立体交差。ここに、あるテレビ局の女性スタッフが、カメラを構えていた。どうやら人を探しているらしい。すると高架下の近くに、リョウの姿があった。リョウが左胸から何かを出した。それは通りがかった女性への花のプレゼントだ。

 

「ぱんぱかぱーん!おめでとうございます!あなたは最初の美女で~す!」

 

といい、お茶へと誘う。だが断られてしまう。追いかけようとしたその時だった。後ろから男たちに捕まれる。

 

「人にぶつかっておいてそのまま行こうってのかよ。」

 

男の一人が言う。

 

「いや、ごめんごめん急いでいたもんで!」

 

リョウが言うが、男の一人がとぼけんなと言う。と、リョウはカメラの方に目線を向けた。カメラに撮られているところを気づいたのだった。リョウはキックとパンチを男たちから喰らう。しかしそれは、シティーハンターであることを避けるためだった。

 

立体交差から離れて学舎の園折返場へ。

 

「だらしないわね~。男のくせに。あんたみたいなのを彼だと思うなんて、私もドジね。」

 

彼?リョウはそれを疑問に思った。すると女性は、シティーハンター冴羽リョウの名前を出してきた。法では裁けない悪に立ち向かう学園都市のハンターであると女性は言う。

女性の名前は、大原みさき。テレビ局のフリーカメラマンだ。リョウに完全密着取材して、姿を世間に知らしめてやろうと考えていた。これにリョウは焦ってしまう。

 

(冗談じゃねぇ。そんなことされたら、日本中に顔が知れ渡って、俺の仕事が出来なくなる。)

 

そう思ったリョウは、必死に逃げ出すが、みさきに捕まれ、傷の手当てをしたのだから名前くらい名乗れと言われる。リョウは身辺を隠すため、学園都市のリョウさんという、ケチな遊び人であると隠した。

 

みさきが所属する新聞社。ある一人の上司が話しかけてきた。不景気な様子だと感じ取る。

 

「ええ。毎日、街に出て探してるんですけど・・・・」

 

この言葉に上司は、あるアドバイスをかける。暗号が必要だという噂を吹き込む。

 

学園都市BRTターミナル。そこにはXYZという暗号が書かれていた。実はリョウ、ジャッジメントの協力者であると同時に、スイーパーとしての仕事をひそかに始めたのだった。かつての新宿駅では、東口の黒板に、XYZという暗号を書いて、そこに集合場所と時刻を記入していた。学園都市に転移してからも、BRTターミナルには案内板がある。そこに訪れていた美琴たち。

 

「なんだか女性のような文字が見て取れますわね。」

 

「ま、いつもの通りのことでしょう。リョウさんは今回も飛び込むんじゃないの?」

 

22時。約束の時間に学園都市ロータリーにて待ち合わせだ。4人がリョウを抑えようとする。壁から覗くと、そこには、あのフリーカメラマン、みさきの姿が!パスと言った一言に、4人がずっこける。

 

「もったいないけど、あれは昨日の危ない女カメラマンだ・・・!!」

 

この正体に4人が動揺する!

 

「え!?じゃあリョウさんをフォーカスしようとしているんですか!?」

 

と、その時、叫び声が!するとみさきが男たちに取り囲まれている。連れ去ろうとしたその時!美琴が一度、電撃を放つ!その隙に4人は、みさきを連れて逃げ去ろうとする!

 

「悪いが、ここから先は通行止めだ。」

 

リョウが進路妨害する。フォーカスカメラマンがいないというので、本気でやらせてもらうと話す。

 

逃げ出している4人とみさき。暗くて分からなかったあの時、誰が出たのか。そういい、戻る!と、現場に戻った先は、リョウたちによって成敗されていた。

 

「これは弁解のしようがないか。そういうことか。私は君が探しているシティーハンター冴羽リョウ。」

 

と話すが、きょとんとした顔をされた。みさきは推測した。

 

「あなたはこの状況で成す術もなく見ていた。そこにシティーハンターが来て、成敗していった。その手柄を自分のものにして、私をお茶にしようとたくらんだのね。」

 

リョウはそれを言われ、その通りだと開き直った。するとみさきは、顔を見たのかといい、アシスタントをせよと話す!

 

後日、みさきは美琴たちを率いて、シティーハンターの人相についてを知りたいと話す。最初にある男がシティーハンターのことについて話すと、後ろからリョウが、鋭い目で見る!姿をさらすなということで、帰らせた。

 

なぜシティーハンターと言っただけで逃げるのか不思議に思ったみさき。リョウがいることをまったく知る由もなかったからだ。だがリョウは不思議に思った。ただの取材にしては執着し過ぎる。他にも理由があるのかと聞く。

 

すると、みさきは、惚れているのだと話す。5人は驚愕する。

 

「彼だったら、上げてもいいな。」

 

そんな一言で、リョウが暴走する!

 

「み、みさきさん!実はあなたが探しているシティーハンターはこの・・・」

 

と言った瞬間、美琴が電撃を放つ!

 

「い、一種の発作なんです!いつものことなんで気にしないでください!」

 

と言った。するとみさきは、アシスタントにしたのが間違いだと話し、リョウと美琴たちとのアシスタントを切ると話した。

 

「冴羽さん!あなたここで何してるんですか!」

 

と、この一言に、みさきがまた戻ってきた。まさか怯えていたのは、リョウを見たから。やっとそれに気づいたみさき。

 

涙子の家。

リョウはどうしても、自分が冴羽リョウであることを隠すために、今度は、冴羽リョージという名前にした。通称リョウさんであるとも誤魔化した。というわけで、リョウは、みさきを早く帰らせようとする。すると、根気が第一だと話し、なんと泊まり込むと言った!リョージが弟なら、きっと帰ってくるはずだと話す。だがここに何日もいるというのは危険だと話す。リョージにはとっても恐ろしい発作が。

 

ということで、涙子は、リョウに、みさきさんを上げると話す。リョウはとぼけて、何を?と話す。大体そんな発作がないと話すみさき。すると、上げると聞いてしまったリョウは、飛び込もうとする!涙子は35.2tペットボトルで、リョウの顔面に直撃させる!

 

屋上、そこにはみさきが。リョウは何をしてるのかと話す。なぜ自分に取材をやめさせようとしているのかが不思議でならない。リョウは、シティーハンターは闇の中で活動している。みさきは闇の世界の事についてはド素人だ。もしシティーハンターの顔が明るみに出れば、仕事ができなくなってしまう。シティーハンターを思うならそっとせよと話す。だがみさきは、シティーハンター冴羽リョウを、単なる殺し屋か野獣のような男としか見ていない世間の人の声に耐えられない。リョウはやめとけと話すが、みさきは、話にならんとし、屋上を後にする。

 

夜、美琴たちが集まって会議をする。

 

「やはり遊び人のリョウさんじゃ説得力にかけるのかな?」

 

美琴が話す。

 

「いっそのこと正体明かして、取材を受ければいいんじゃないんですか?顔はNGとして。」

 

飾利が話す。

 

「だめですわ。そんなことしたら、リョウさんの顔だって見ているわけですし、リョウさんの命を狙う奴らが、今度はあのお方を襲うことになるのですわ。」

 

黒子が話す。

 

「どうやら、もう説得できるのは彼しかいないな。」

 

リョウが話す。入浴中のみさきのところに向かい、リョウは、第二のリョウの声を出す。浴室をノックする。

 

「誰?冴羽さん?」

 

「そうです。冴羽です。冴羽リョウ。あなたが探している彼です。」

 

出会えたことに一度感激を受けるみさき。今上がるから待っててと話すが、リョウは、そのままで聞いてほしいと告げる。会うわけにはいかない。

 

「弟のリョージからお聞きになった通りです。取材に応じることはできない。俺の住む裏の世界の事は、知らないほうがいいんだ。シティーハンターのことは。あなたの気持ちは、弟から聞きました。だが、残念ながら、俺にはすでに心に決めた人がいる。やはりこのまま別れた方がいいようだ。」

 

と、切り上げるが、みさきのブラウスを見た瞬間欲情してしまう!ハンマーを喰らった。騙し作戦は失敗。

 

車が到着し、お客様が来たと話す涙子。そこには、愛穂の姿が。

 

「あら?愛穂さん!何しに!?というか、美偉君までも。」

 

5人が驚愕した!それは、麻薬密輸組織の壊滅に協力するということだ。そんな約束をいつしたのかと聞く涙子。自分もそんな覚えはないと話すリョウ。

 

「しらばっくれるのもいいところじゃん。これを聴きな。」

 

といい、愛穂が出したのは、レコーダー。そこには、酔ったリョウの声が。

 

「簡単な仕事じゃんよ。千打貿易って会社の麻薬密輸の証拠を押さえる仕事を協力してほしいじゃん。

 

「情報によると、今夜、その麻薬を隠すために、別の場所に輸送するんですって。でも例によって証拠はつかめていないわ。そこで、リョウさんの出番と言うことよ。」

 

愛穂と美偉が話す。入手したルートの一部で、麻薬を積んだトラックが、アンチスキルの本部を通る。つまり、そこで横転事故を起こし、事故現場のトラックの積み荷から偶然麻薬を捜索するという事だ。

 

「でも、固法先輩の能力なら、どうにかできるはずではないですか?」

 

飾利が話すが、美偉の能力では、動いているものを瞬時に透視することができないのだ。

 

4人は協力して、リョウを静かに出そうとする。みさきは本を読んでいるため、その最中に出かけることにした!だが、扉を開けようとした次の瞬間、上からタライが落ちてきた!実はこれを仕掛けたのはみさきで、シティーハンターへの執着からだった。

 

「おや、どこへ行くの冴羽さん?私も連れて行ってもらおうかしら。」

 

みさきが言う。愛穂が言ったのは、リョウにお願いをしに来たからだと話す。それをリョウに話そうとしたと突きつける。違うと話すが、なぜこっそり出ていくのかと突きつける。

 

「か、彼はアルバイトしに行くからね!最近、彼もお金に苦しんでるから!」

 

と、苦し紛れに話す。こっそりと出かけるアルバイト?それもおもしろそうだと話す。ということで連れて行ったのは、ドライバー「トレイン」だ。

 

リョウは、鉄道乗務員の姿になって接客する。

 

「お待たせ~いたしました~みさきさ~ん!先ほどはごめんなさ~い。なりきりバイトなんて言えなかったから。たっぷりとサービスいたしま~す!」

 

みさきは戸惑う。まさかリョージがドライバーのバイトだとは。

 

「さぁパ~っと出発進行~!」

 

と言ったが、みさきは少し気分転換したいとトイレに駆け込む。小声で、ドライバーママに、無理言ってすまないと話す。その隙にリョウは逃げ出した。幸いにも店がアンチスキル本部前で助かった。もうすぐトラックが来る時間帯だ。そして予定のルートへ。だが時間になっても来ない。遅れている?とその時、みさきが後ろから声をかける。やはりリョウに会うつもりだったのか?と、トラックが交差点を右折してきた!ということで、

 

「みさきさん、俺はだな!ただこうやって、君を人気のないところに誘い出したかったのだ!」と話す!そして飛び込み、押されて路上に!計画通りだ。後ろに逃げ、マグナムで、前輪を一撃!後ろの荷台を一撃!トラックは横転し、麻薬が出てきた!アンチスキルが到着し、証拠の押収に成功。

 

リョウはみさきを連れ出し、逃げ出そうとした!




シティーハンターを追っているみさき。そんな中誘拐されてしまう!だが誘拐されていてもウキウキ。冴羽リョウに救ってもらわねばという意思が固く、本当にやりづらさを感じたリョウ。裏の世界を知らしめるために、リョウがとった行動は!?

次回、テレビ取材がリョウに!?知られてはいけない仕事、実力的LEVEL5の行方!(後編)


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第18話 テレビ取材がリョウに!?知られてはいけない仕事、実力的LEVEL5の行方!(後編)

シティーハンター冴羽リョウの取材に来てしまった大原みさき。だが裏の世界のことに踏み入れるのは危険すぎる。リョウは頑なに拒否するが、それでも帰ろうとしない。そんな中、愛穂からの依頼で、麻薬密輸組織の摘発に動こうとしていた。
しかしこのあと、リョウたちは信じられない光景を目にしてしまう!


涙子の家。リョウが寝ている時に、みさきが押しかけてくる。投げられた新聞紙には、リョウが起こした事故が載っていた。

 

「残念だったね~みさきちゃん。現場にいながら特ダネをつかみ損ねて。」

 

リョウが言うが、

 

「とぼけないで!あのトラックは何者かにタイヤを撃ち抜かれてるのよ!それも警察署の真ん前で!きっとこれは、あなたのお兄さん、冴羽リョウの仕業よ!彼はこの組織の壊滅を依頼され、偶然に麻薬が発見されるようにしたのよ!」

 

冴羽リョウらしいやり方だと言ったみさき。

 

そんな時だった。

 

「出ていった?ということは、取材を諦めたのかな?」

 

リョウはそう思ったのだ。だが、涙子曰く、トラックの事故現場に向かったそうだ。大丈夫なのか心配であると申す涙子だが、リョウは心配はないと話す。シティーハンターの仕事は、証拠となるものは残さず去っていくことだ。

 

アンチスキル本部前。トラックの事故現場には、パイロンとバーで塞がれていた。やはり無駄足だったのだろうか、トラックは押収され、目撃者もいない。

その頃、みさきの近くには、リョウに成敗された不良連中がいた。誘拐した奴らは、空き家にみさきを閉じ込めた。

 

「おとなしくしてろ!大事な人質だ。あいつをぶっ殺すまではな!」

 

男の一人が言う。あいつとは?みさきが問うと、一人の男は、鼻のガーゼを見せる。そして、シティーハンターの居場所を吐かせるつもりだ。みさきは、知らない、いや、知ってても誰が教えるものかと言う。だがここでみさきにあるチャンスが。シティーハンターはこんな奴らに負けるはずがない。つまり、シティーハンターに助けを求める、絶好のチャンスだと!すると開き直り、今から言うところに電話をすれば出てきてくれると話す。

 

涙子の家。リョウは女性同人誌を見ていた。涙子が突然大声で呼び、ソファから転げ落ちる。リョウはなんだと言うと、怯えた表情で、

 

「みさきさんを、こいつらが拐ったって···」

 

電話を代わるリョウ。不良連中は意外に思った。まさか出てきてくれるとは。

 

「これは手間が省けた。忘れたとは言わせねぇ。あの晩偉く世話になったな。」

 

声を聞いて、リョウは、

「あーあのボロ軍服しか着るものがないかわいそうな奴らか。」

 

侮辱された男は、これはポリシーだ。着るものがないとかじゃない。自分達は、学園都市では泣く子も黙る暴走族、モールストリートだと!

 

しかしリョウは、

「おめでとう!前回から出てるというのにやっと自己紹介できたね~!」

 

煽る。男はみさきがどうなってもいいのかと言う。通話を聞いていた4人。みさきが無事なのかと問うリョウに、男は別の部屋に監禁していると告げ、カセットテープを流そうとする。恐怖に震える声を。だが収録された声は、みんなが足元を滑らせるような声だった。

 

「やっほー!リョージさんお元気~?私、この連中に捕まっちゃった~。お兄さんがリョウさんに用があるんだって、この人たち。早く彼に連絡して、早く助けに来てもらってね~。んじゃ、ばはは~い!」

 

電話口で聞いていたリョウたちと、暴走族連中は足を滑らせた。

 

「なんだこれは!?」

 

「それが妙に浮かれた女でして・・・ww」

 

男が幹部の中の一人に聞く。

 

「と、とにかく、女を返して欲しくば、七福神商店街付近の空き家に来い!さびてボロボロだから分かるだろ!」

 

了承したリョウ。

 

連中では、これで大丈夫だと男が言う。だが幹部の一人が、呼び出したところで、リョウに勝ち目がないと懸念をした。だが連中では、もう一人助っ人がいた。

ジェイオー。どうやらモールストリートの一人のようだ。どうやら、このジェイオーは試合中に人を殺して、スポーツ界から追われた元プロレスラーのようだ。リョウがどういう人物か分からないが、ジェイオーがいればリョウなんて敵じゃない。更に先ほどまで電話していた男の父は、関東龍驤会(かんとうりゅうじょうかい)会長だったのだ!

 

涙子の家では、リョウがみさきに呆れていた。

 

「一人で大丈夫なの?私も行こうか?」

 

美琴がリョウを心配する。だがリョウは、それは無用と話し、リョウは逆に待機指示を出した。空き家では、誘拐されたにも関わらず能天気なみさきの姿が。カメラを手入れしている。すると扉が開いた。後ろから手が!リョウの姿が。何しに来たのかと話すと、もちろん助けに来たのだとリョウは話す。

 

「余計なことをしないでよ。お兄さんはどうしたのよ!?」

 

「兄貴の手を煩わすことないから知らせてないんだよ!」

 

逃げることをリョウは言うが、頑なに拒否をする。それにリョウに助けられたら、恩を着せられて何を要求されることかと懸念する。

 

「あのね!今の自分の立場を分かってんのか!?」

 

リョウがキレる。するとみさきが叫ぶ。帰れと言うが帰らない。するとリョウは、みさきの頬に平手打ちを一発入れる。

 

「まだ分からんのか!彼に会おうとしただけでこんな目に遭ってるんだ!これ以上彼のことに突っ込むとどうなるか!」

 

リョウはまた厳しく言ったが、みさきはリョウをグーパンチしてしまう。こんな脅しは聞き飽きた。彼に助けてもらうためなら、命を懸けてでも残ると。リョウは呆れ、そこまで言うなら待つがいい。ただ後悔しても知らないぞと言って去る。

これは荒療治をするしかないとリョウは判断。

玄関近くでは、連中たちがリョウに一網打尽にされて倒れていた。更に美琴の電撃をも喰らっていた。

 

「どうだったの?」

 

「美琴君か。また君、余計なことしたな。」

 

総帥に忠告するリョウ。

 

「とんだ二度手間だぜ。いいか?1時間後に彼女をもう一度助けに来る。今度はこんな独活の大木ではなく、もっとましなお出迎えをしてもらいたいな!」

 

といい、美琴とリョウは去る。

 

会長が来て、叱責する。この場合は会長も手を出すしかないとしたのだが、総帥が、リョウをおびき寄せるエサを探してくれるだけでいいと話す。

監禁場所に行く総帥。

 

「お前を助けに来る男が殺されるかもしれんというのに、カメラの手入れたぁ、おめでたい女だ。」

 

みさきはそれを聞いて、そっちこそおめでたいな。リョウに勝つ気でいるとはと話す。総帥はみさきを連れ出し、会長の元へ押し出す。会長の姿を見て見覚えがあるという表情を出す。

 

空き家の前。大勢の連中が銃をもって待ち構えていた。

すると、奥から残像が。

 

「一つ!人の余の生き血をすすぎ、二つ!埒な悪行三昧、三つ醜い明陽に対峙してくれよう!」

 

と走りだすリョウ!桃太郎のマスクを出すと、全員がずっこける。気に入らなければ、眼鏡と鼻のマスクをつけた姿でどうかと問う。

 

「さてと、まずはその子を返してもらおうか。」

 

その数で勝てるのかと総帥が言う。だがリョウも、そんな大口叩いていいのかと言う。

 

一歩ずつ踏み出し、マグナムで銃をどんどんはじいていく!そして総帥の元に近づいていき、総帥の銃をはじく!そして、総帥に銃口を向ける。それを見ていた会長が、土下座し、総帥をも土下座させる。

 

「組長さん。息子の教育がなっていないようですな。」

 

一言を投げ、会長の乗った車は去っていった。それを追いかける連中。

 

「どうしたんだ?このカメラで俺を撮りたかったんだろ?いいぜ。振り向いて撮るがいい。」

 

リョウは言うが、みさきは、裏の世界を知らなさ過ぎたことを後悔していた。映画やテレビのような存在でしか見ていなかった自分を憎く感じていた。みさきを呼ぶリョウ。カメラを渡そうとしたが、記念に差し上げますと言われた。それを言われ飛び込みかけるリョウ!悪夢のようだとみさきが話す。すると電撃をリョウに放つ!

 

「あんたって人は・・・遅いからいやな予感がしてたけどぉ!?」

 

と美琴が言う。だがなぜみさきの姿が?これは気づかれてしまったと涙子たちが言う。なんとか、みさきの口をふさがないといけないと焦るリョウ。するとリョウは、キスをしようとしていた。

 

「なんのマネですの!?」

 

苦し紛れに言い訳するリョウ。だが記事に出してしまえば、みさきの命を狙う奴らが出てくる可能性がある。いっそ山奥に、自分も行ってしまいたいと言ったが、美琴に電撃をまた喰らってしまった。

 

「ジョークだってば。こうやって気分転換を・・・。」

 

「私もこうやって気分転換してるの。」

 

と、その時、みさきが目覚めた。気絶してたことを思い出した。リョウが逃げようとした。みさきに呼び止めた。シティーハンターの追跡取材はやめると宣言した。どういうことなのかが謎に感じた5人。

 

「あの、冴羽さん。迷惑ついでに一つ。明日の晩、私とデートしてください。」

 

驚愕する皆。リョウがそれを聞いて急に興奮しだしたリョウ!

翌日の夜。デートで集合したみさきとリョウ。いつものように街に遊びに出たと思って振舞ってほしいと話す。色々なところをはしごし、深夜まで続いた。リョウがどういう生活をしているのかがこれで分かったと話すみさき。そして最後に、みさきはリョウに、一緒に一枚だけ写真をお願いした。承諾するリョウ。

 

新聞社。

上司がみさきに話しかける。うれしそうな姿をしたみさきに何かを感じた。みさきは、胸の中に、シティーハンターはいると話し、気分を高揚させて去っていった。

 

公園。

届いた写真を5人で見ている。だがこの写真からは、冴羽リョージに向けて撮った写真とは思えない。なぜなら、これはシティーハンターに向かって話す顔であると感じたからだ。

 

「しかし、あれが、みさきさんの胸の中にいるシティーハンターの正体なんですよね。」

 

飾利が言う。

 

「それを知って、本人はどう思っているんだろうね?」

 

涙子が言う。するとリョウが、ナンパに行った。

謎な顔をする4人であった。




超能力者と実力的LEVEL5を狙う人物が出てきた!普通の奴らであればどうにかなる可能性があるが、なんと今回、殺戮兵器を使って2人に襲い掛かる!
誰が2人を狙い、その真の目的は!?

次回(終前話)
美琴とリョウ!能力を掛け合わせた学園都市追走反撃(前編)


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第19話(終前話)美琴とリョウ!能力を掛け合わせた学園都市追走反撃(前編)

いつもの日常を送っていた5人。そんな中、リョウと美琴を襲う奴らが出てきた!
愛車を狙い、更にジャッジメントメンバーを巻き込む、学園都市逃走反撃劇が幕を開ける!リョウと美琴の2人は、力を合わせて逃走反撃をすることができるのか!?


リョウたちは、BRT路線の道路を歩いていた。更に美琴は、学園都市BRTがゲコ太のラッピングをしていることや、コラボグッズを売っていることから、営業所に行く。

 

「まったくお姉さまったら、本当にゲコ太のことになるとブレーキが効かなくなるんですの。」

 

黒子が言う。

 

「まったくお子ちゃまかっつうの。見ててあきれるわ。」

 

「今なんて言った?」

 

リョウのある一言が美琴の気に障ったようで、少しキレ気味に話す。ゲコ太のグッズを買いに行こうとしていた客は、あまりおらず、すぐに買って戻ってきた。すると、リョウは何かを感じていた。後ろから誰かが近づいてくる。

 

「走れ。逃げるぞ。」

 

そういいリョウは、4人を先導する。背後には30人ぐらいのサングラスをかけた何かしらの部隊の格好をしている。実はこの30人ぐらいの部隊と思われる人物たちは、あるとんでもない組織の手下たちだった!

その頃、組織の集うアジトでは、ある計画が進められていた!手下の中でも位が少し高い、実質ボスである、芝原元雄(しばはら もとお)は、この計画の責任者だ。会議では、とんでもない発言をしていた。

 

「今回の、無人殺戮兵器を使用するにあたり、実験エリアが確定しました。それは、東京の、学園都市です。この学園都市で、殺戮兵器を使用し、同時に、学園都市では最強と詠われた、御坂美琴、冴羽リョウの2名を殺害する計画です。」

 

「その2名を殺害するのに、まずはどうするんだい?」

 

ボスが発言した。

 

「ご心配いりません。今、実質超能力の30人の手下に、追跡させています。」

 

映像には、30人の手下が戦闘態勢を整えている姿が。

 

その頃、学園都市第三学区では、折返場に30人の手下が集まっていた!だがリョウと美琴の姿が見えない…とその時、リョウが姿を見せた。

 

「俺らをどうするんだい?」

 

と、手下たちは能力を放つ!1人の手下が、バス停を吸い上げ、リョウに攻撃をしかける!だがリョウはものすごい身体能力で回避する!一方、美琴も、手をこまねいているわけではなかった。美琴は電撃で攻撃をするのだが、手下たちはなんと、自動で体をアルミで防御し、美琴の電撃を回避した!

 

「えっ!?」

 

心の声が漏れてしまった。美琴にとって、これはあまりにも計算外だからだ。

アルミホイルは電気を通さない。つまりそれを知っていての攻撃を回避だ。一筋縄ではいかない。電撃は効かない。なら次の手段だ!そう思った美琴は、電気を一度コンクリートに流し、例の、砂鉄の剣を取り出した!これで攻撃をしようというのだ!

早速攻撃を始める美琴。すると手下たちは、何かを唱える。

 

「ブレイクダウン!」

 

美琴が切りにかかった次の瞬間、砂鉄の剣が元に戻されてしまう!

 

「ちょっとリョウさん!これどうするのよ!?」

 

「砂鉄の剣も使えない、俺のパイソン357マグナムも使えない・・・何かいい手は・・・!!」

 

リョウも手をこまねいてしまう。事態があまりにも重すぎる!

 

「どうやらこれで2人に勝ったようなものだな。」

 

「ま、確かに2人にはここで死んでもらうことになるな。」

 

アジトでは2人の敗北宣言をさせようと目論む。

するとリョウは、落ちていたメガホンに目を向けた。

 

「ちょっと、スピーカーで何するのよ!?」

 

「やってみるしかないだろ!?」

 

といい、リョウは予め持っていた、歯を削るあの鋸の音を、スピーカーに近づけて、音量を大きくして放つ!すると30人近くの手下が、耳を抑える!高い周波数によって、耳がその許容量を超えているのだ。それを我慢しながら、2人はその隙に倒す!

 

「やっと片付いたわね。」

 

「まったく、手間かけさせやがって。」

 

と、リョウは手下たちについていた首の何かの物を取り出す。

 

15分後、アンチスキルが到着し、全員が拘束された。と、同時に、愛穂が到着した。すると黒子たちも到着する。

 

「随分厄介な連中じゃん。どういうことじゃん?」

 

リョウは事の経緯を話す。

 

「それにしても、今回、またお姉さまとリョウさんを襲う事件が起きたんですものね。まさかお二方は嵐を呼んでいるんじゃありませんの?」

 

黒子が言う。

 

「あのな、自分の身に危険が及んでいるんだ!そんなことを言っている場合じゃないだろ!」

 

リョウがキレる。

 

ジャッジメント一七七支部。

リョウたちがここにより、リョウが持っていた認識票と思しきものを調べる。

 

「認識票?」

 

飾利が言う。

 

「かつての戦時下で使用されていた、個人を英数字などで判別させるものの事ですわ。金属板に彫り込むのですけれど、まさかこの時代でもまだあったというのは不思議ですわ。」

 

黒子が認識票について説明する。大昔から現在にかけて、軍隊や自衛隊などの隊員に渡されていたもので、下の隊員たちはいつもこれをつけている。つまり、隊長の犬という意味でもある。現在でもこれを使用しており、この認識票によって、身元判明が容易になるケースもあるようだ。

 

と、黒子が認識票の検索をしていると、あるメーカーの名前が出てきた。

 

「ファイトメジオン」

 

色々検索をしていると、なんとこの会社のすさまじいものが見えてきた。

 

「ファイトメジオン。1992年に発足した戦闘用品メーカー。東京に本店を置いたのを皮切りに、名古屋、大阪に設立していった、まさしく日本の大都市を支配下に置いたと思われるメーカー。そのメーカーがまさかこの学園都市にやってきているということは、」

 

リョウが話す。

 

「つまり、学園都市に危機が迫っているという事ね!」

 

だがここで疑問が残る。なぜ超能力の美琴の能力を封じ込めることが出来たのか?美琴の脳裏には、幻想殺しの力を持つ上条当麻の姿が思い浮かぶ。だが幻想殺しにしては、なぜアルミで攻撃をかわすなどのことができたのか、それが逆に不思議でしかないのだ。

 

一方、アジトでは・・・

 

「冴羽リョウ、御坂美琴、とんでもない人物です。作戦に当たった全隊員が拘束されました。」

 

芝原がボスに伝える。

だがボスは笑う。学園都市に、最強殺戮兵器を駆り出す計画があるのだと。

 

「果たしてあの2人に、未来はあるのだろうかね?」

 

ワイン片手に外を眺めるボス。

 

常盤台中学の女子寮。

部屋では、美琴と黒子が会話していた。

 

「それにしても、お姉さまを狙うなんて、まさにチャレンジャーなことですわ。でもご心配いりませんのお姉さま。この私がお姉さまを全力で守って差し上げますわ~」

 

だがそんなスケベ笑いが美琴にはお見通しだ。

 

「あんたの考えて居ることはお見通しよ。まさか、私と添い寝するなんて言うんじゃないわよね?」

 

美琴のドストレートクエスチョンに冷や汗を垂らす黒子。図星のようだ。

 

 

翌日

美琴はなんとリョウを呼び出していた。なぜ呼び出すのか。

 

「別に・・・一緒にいてもらいたいというわけじゃないけど・・・守ってもらいたいから・・・。」

 

顔を赤くして話す美琴。

 

「分かったぜ。常盤台のエース、御坂美琴君。」

 

リョウはこれを快諾した。すると、無人のドローンを超越したようなものがリョウたちに近づいていく。それはまさに、150機だ。

 

学園都市の超高層ビル。

なんとこの日は、戦闘用具メーカーの代表者を集めていた。

 

「今回は、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。ついに完成いたしました、最強殺戮兵器、デッズダスト。それでは、イッツショーターイム!」

 

芝原が話す。そこには、あのボスの姿もあった。

 

そして無人のドローンは、リョウたちを目掛け、攻撃を開始した!リョウと美琴の、運命はいかに!?

 




かなり空いてしまってすいませんでした・・・。
自分なりに作った結果がこれです・・・。どうか最後まで・・・。


2人の能力と力が通用しないドローン!成す術がなく追い込まれた美琴とリョウ。
巻き込まれていく学園都市。もはやこれまでか・・・

次回 最終話
美琴とリョウ!能力を掛け合わせた学園都市追走反撃(後編)


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第20話(最終話)美琴とリョウ!能力を掛け合わせた学園都市追走反撃(後編)

突然、美琴とリョウを襲った30人の男たち。彼らの正体は、ファイトメジオンという、戦闘用品メーカーだった。奴らの計画は、美琴とリョウを殺害する計画以外に、学園都市を滅亡に追いやる計画が。
次々と迫る危機!果たして、美琴とリョウの運命は!?


美琴たち5人は、第七学区の七福神商店街を歩いていた。緊急事態が迫っているだけに、学園都市のジャッジメントたちによる警戒警備は、厳しくなっていた。

 

「それにしても、なぜリョウさんとお姉さまを狙うんでしょうか?」

 

黒子が話す。リョウと美琴を狙う奴らの気が知れない。それは涙子、飾利も疑問に思っている。

 

「何かやったんじゃないんですか?リョウさんのことですから。」

 

涙子が話す。だがそれならなぜ美琴も狙われるのか?その重要な部分を全員が考えるのだが、答えが出ない。ただの恨みを持つ人間の犯行か?そう思っていた。

しかしその危機は、美琴とリョウのすぐ近くに迫っていた。七福神商店街に突如入ってきた、謎の3万体近くのロボット。それは5人を囲んだ。するとロボットたちが、突如攻撃を開始した!超小型の銃弾で、かなり殺傷能力が高い!攻撃をされたため、商店街では大変な事態に!

 

美琴が電撃を放つが、ブロックされてしまう!すると、

 

「ロボットの上を走れ!商店街の外に出るぞ!」

 

リョウが言う!指示された通りに動く4人!事態を受けたジャッジメントが駆けつけ、各々能力を放つ!だが無効になっている。そんな中、止めてある路線バスに乗り、リョウが操縦する!黒いシートを被らせ、身を守らせる!あらかじめ忍び込ませていた、ショットガンを使い、頃合いを見計らいながら、電柱に当てて、その慣性で急所部分に狙う!ロボットの急所部分が分かり、そこを狙うと爆発することが分かったリョウは、そこから反撃する!

 

バスはジャッジメント一七七支部付近に止まり、安全のため、黒子、飾利、涙子を降ろす。

 

「君たちはアンチスキルに連絡してくれ!俺はその間、カーチェイスして時間を稼ぐ!」

 

そう言い、バスを走らせる。追ってくるロボットたち。それを蹴り飛ばそうとする黒子だが、あまりの頑丈さに足を痛める。

 

「とにかく皆さん、私におつかまりになって!」

 

そういうと2人は黒子の体に掴まり、事務所にテレポートする。そして黒子はアンチスキルに連絡する。

 

事態は悪化の一途を辿っていた。

 

急所の部分が分かったことで、美琴も攻撃を開始した。だがその時!超小型の飛行物体型戦闘機がリョウの前に出てきた!そして急ハンドルを切ろうとしたその時だった!バスが遠心力に耐えられなくなり、横転してしまった!万事休すの事態に!と、その時!ロボットが爆発した!

そこには、幻想殺しの異能の力を右手に秘める、高校生の上条当麻の姿が!

 

「あんた何してんのよ!?そこにいたらあんた死ぬわよ!?」

 

「別にそんなことは分かってますけど?随分と厄介な連中が出てきたもんだな。」

 

当麻が言う。しかし周囲は、増すごとの攻撃に、住民たちが逃げていく。

 

「当麻君。君にも協力してもらいたい。」

 

「ちょっ、リョウさん!?」

 

「美琴君。どうやら俺らだけでは、このうじゃうじゃしている連中は、倒せないようだ。能力を壊すことのできる当麻君なら、どうってことないだろ?」

 

リョウが言う。

 

「ああ。全面的に協力させてもらうぜ!」

 

当麻が快諾する!すると、美琴の携帯に一本の電話が入ってくる。

 

「お姉さま!?逃げながら聞いてくださいまし!今、アンチスキルに連絡しましたの!私が今言うところに、アンチスキルがいますから、そこに逃げてほしいんですの!リョウさんにも伝えてくださいまし!」

 

黒子が言う。指示した先は、学園都市サーキットビッグエリアだ。リョウがその指示を受けると、3人は、すぐ近くに止まっていた昭和の普通自動車で、サーキットへ向かった。しかし逃げている途中でも、ロボットは追跡してくる。リョウがパイソン357マグナムで、美琴は電撃で攻撃し、時間を稼ごうとするが、ロボットの追跡は止まらない。時速は180kmを越えていた。

 

その頃、学園都市サーキットビッグエリアでは、アンチスキル700人が周辺に待機していた。サーキットから3kmのエリア内の住人の避難はすでに完了している。

車のスキール音が。

 

「リョウさんが来たじゃん!バリケードを開け!」

 

愛穂が指示し、隊員たちはバリケードを開く。後ろから追尾してくるロボットも確認済み。

 

「全員射撃用意!車が通過したらすぐ発砲だ!」

 

そしてリョウの運転する車が通過した次の瞬間!

 

「撃て!」

 

指示の通り、隊員たちはマシンガンで銃撃!しかし、銃撃するものの、このロボットには、機動隊の防弾プラスチックのものが装備されており、何体かは撃ち落とせたものの銃弾のくる方向がロボットには計算されていたようで、何体かは撃ち落とせず。

 

「あいつら防弾ガラス装着してるわ!まさかこれを計算していて・・・」

 

美琴が驚きを隠せない。すると当麻は車の上に乗り、迎撃してくるロボットを右手でパンチする!ロボットは爆発した!

 

「イマジンブレイカーだ。どんな能力も効かない能力。つまり、イマジンブレイカーの力を使えば、追ってきている奴らを減らせるってわけだ!」

 

リョウが言う。25分後、サーキット内に到着。

その頃、プレゼンテーション会場では・・・

 

「追尾ロボットが爆発されているが、どういうことなんだ?」

 

ボスが言う。

 

「この追尾ロボットは、関係ありません。このあと、最強殺戮兵器が登場します。さぁ皆さん、ご注目ください!デッズダストの登場です!」

 

芝原が言うと、ロボットが始動し、サーキット方面へ向かう。

 

サーキット場では、各々が分散して逃走していた。

この学園都市サーキットビッグエリアは、サーキットを中心にした、東京ドーム55個分のテーマパークだ。湖もあり、更に遊具やホテル、スポーツ場もある、まさにジェネラルテーマパークだ。

 

美琴は何を考えたか、落雷でロボットを破壊する方法だ。実際に落雷をさせてみるが、なんとこのロボットには、避雷器があったため、雷が逸らされてしまう!驚きの音をあげてしまう美琴。

 

「美琴君!もう一度落雷させてみろ!」

 

リョウの指示を受け、美琴はもう一度落雷をさせる。すると、ロボットが完全破壊した!追尾ロボットは全壊した。しかし、ここからもっと恐ろしい殺戮兵器が登場する。そう。デッズダストの登場だ。

車体長は180m。電車の長さが1両20mとして、それを9両つないだ計算になる。

リョウが銃弾を1発放つが、効果がない。美琴も電撃を放つが、電撃が逸らされてしまう。当麻が幻想殺しを秘めた右手でパンチするか、まさかの効かない事態に!

 

ジャッジメント一七七支部では、状況を上空から監視していた。

 

美偉、黒子、飾利、涙子が様子を見ているが、固まってしまっている。そう、この3人の力を合わせても、無効にしてしまう殺戮兵器だからだ。

 

「まさか・・・こんな殺戮兵器があったとは・・・!」

 

黒子が驚きの声を隠せない。

飾利がその横で調べている。

 

「白井さん!大変です!これ、デッズダストと言って、小型の銃弾を700発ストックしてあるほか、特大の銃弾、つまり小型ミサイルが5発搭載されています!しかもこの小型ミサイル1発が放たれた場合、直撃地点から7km範囲が死滅してしまう、恐ろしい殺戮兵器です!」

 

飾利の調べに絶句する3人。もはや何も成す術はないのか・・・

 

サーキットでは、殺戮兵器のターゲットが美琴に転換された。美琴が必死に隠れるが、ロボットが分析していたため、背後に回り込まれ、銃撃されてしまう!その後も逃げ続けるが、攻撃が更にエスカレートしていく。

 

その頃、プレゼンテーション会場では、

 

「シティーハンターや常盤台のエースにこだわるな!殺戮兵器デッズダストの力を見せつけられればいいんだ!」

 

ボスが言う。芝原が言うと、イヤホン型のようなものを頭に取り付けた。これはマイクロコントローラーというもので、頭の神経を使って操るようなものだ。それを使って攻撃が可能となる。

 

一方、学園都市では、住民の避難が続いていた。普通なら学園都市の外へ行く交通機関はないが、緊急事態なだけに、臨時の措置として、貸切バスで避難をすることになった。

 

「学園都市にお住いの皆さんは、落ち着いて避難をしてください!電柱が倒れていたり、道路が沈んだりしているところは通らず、安全に避難をしてください!」

 

臨時ニュースも放送されていた。そう、学園都市では、緊急事態宣言が発令されていた。モノレールの駅前では、避難する人々でたくさん押し寄せていた。爆発音が一発響く。

 

「早くバス乗せろよ!」

 

「俺たち殺す気かよ!」

 

「もう安全に避難できるって言うレベルじゃねーぞ!」

 

「どうなってんだよ!」

 

学園都市にあるバス会社全車両を総動員させ、更に学園都市外からのバスも押し寄せていた。しかし学園都市の人口があまりにも多く、バス1台がすべて満車となってしまう。

 

サーキット場には、3人の姿が見えなかった。実はこの殺戮兵器は、サーモグラフィーが搭載されている。つまり、人の体温でどこにいるかも分析できるのだ。ロボットが反応しないことを確認した3人は、30秒沈んだ後、すぐに浮上。そして逃げ始める。ターゲットがリョウに向き、デッズダストはリョウを攻撃する。だがリョウもただ逃げているわけではない。銃を装填してから、発砲までの秒数をカウントしながら逃げていた。

 

そして5分経った後、デッズダストの姿がないことを確認したリョウは、美琴と当麻の元に向かう。

 

「ちょっと、大丈夫なの!?集まってきて。」

 

「それより分かったことがある。」

 

リョウは逃走をしながら、デッズダストの特徴を話す。

 

「OK!それで行こうか!」

 

「ああ。いつまでも逃げていてはだめだ。ここで俺らが反撃してしまえば、奴らの負けと言うわけだ!」

 

美琴と当麻が、リョウの指示を受諾。分散して逃げる方式から、まとまって逃げる方式に転換し、サーキット場の中へデッズダストを誘導した後、狭い空間で、全員で攻撃を仕掛けるという方法だ!いつまで逃げていても、奴らの思うつぼであると判断したが故のリョウの判断だ。危険だが、このまま野放しにするよりかはここで対処したほうがいいと踏んだ判断だ。

 

すると、逃げ始めようとした途端、デッズダストが3人の姿を確認!追尾しながら攻撃を再開!まずは1段階目の、まとまって逃げる方式を取る!

 

ジャッジメント一七七支部では・・・

 

「なんでまとまって逃げるの!?全員で攻撃されるかもしれないのに!?」

 

涙子が言う。

 

「そうではありませんの。おそらくリョウさんは、まとまって逃げた後の動きを取るための、1段階目の動きを取っているんですわ。リョウさんの得意技は、相手の銃口に銃弾を撃ち、そこで暴発させる方法ですわ。」

 

だが涙子には引っかかることがある。特大銃弾が爆発した場合、7km圏内が爆発するという事態が起きるという事だ。もし爆発が起きてしまった場合、3人は助かるのか。そして、街に被害は出るのか、それが引っかかっている。

 

一方、会場では、デッズダストがついに追い込んだことを受け、

 

「冴羽リョウ、御坂美琴。どうやらここまでのようだな。お前たちの墓場だ。この小型ミサイルで、お前らもろとも吹っ飛んでしまえ!」

 

芝原が叫ぶ!

 

リョウと美琴は、デッズダストの前に立った。場所は、サーキット場のパドックとテーマパークを結ぶ、狭い連絡通路だ。リョウと美琴、当麻がカウントする。

 

「10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・!」

 

「行けーー!!」

 

デッズダストから特大銃弾が発射された!

美琴はレールガンを放ち、リョウはパイソン357マグナムの、少し大きい銃弾を放った!2つの弾は、デッズダストの銃弾を直撃!次の瞬間、当麻が右手を出し、爆発を抑えたのだ!サーキット場が大きく爆発した!デッズダストとの通信が途絶えた。

 

ジャッジメント一七七支部。

この状況を見ていた4人。サーキット場が爆発した。まさかあの3人は死んだのか・・・?

 

「御坂さんーーーー!」

 

「リョウさんーーーー!」

 

各々が泣き叫ぶ。

 

サーキットは崩壊したのみならず、ビッグエリアそのものが崩壊してしまった。しかし、それ以外の学園都市の建物には、支障は出なかった。

 

がれきの中から、美琴とリョウ、当麻が出てきた。向こうから、アンチスキルの隊員たちが走ってきた。

 

「君たち!大丈夫か!?」

 

応答に返答する3人。幸い、軽傷を負ったのみで、そこまでのケガはなかった。

一方、超高層ビルでは、デッズダストが破壊されてしまったため、

 

「今回は失敗してしまいましたが、本当ならもっと力が発揮できます。それでは・・・」

 

するとボスが出てくる。

 

「次は俺が指揮を取ろう。感情なんかに左右されるような奴が、ウォーヘアメーカーになろうなんて甘い。」

 

とすると、

 

「いいえ。あなたたちが甘いんですのよ。」

 

黒子が入ってきた。

 

「ジャッジメントですの。冴羽リョウ、御坂美琴、ならびに上条当麻を殺害しようとした殺人未遂、および器物損壊、その他もろもろの罪で、拘束します。大人しくお縄についてくださいまし。」

 

すると、芝原たちが笑う。

 

「お嬢ちゃん。そんな一人でどうにかなると思うなんて、自殺行為だ。どうやら変なところに足を踏み入れてしまったようだね。君を殺してしまえば、俺たちはいくらでも逃げれるさ。」

 

芝原が言うと、

 

アンチスキルが後ろからやってきて、隊員たちが包囲した。ちなみに、この事件を起こした芝原たちは逮捕された。聞けば、この学園都市を破壊するという計画は、半年前から練っていたようで、更にファイトメジオン社にも捜索が入った。また、このプレゼンテーションに参加していた各国の戦闘メーカーにも、捜索が入った。学園都市で起きてしまったこの事件は、世を震撼させた。そして今回狙われた、冴羽リョウ、御坂美琴、上条当麻は、学園都市や日本のみならず、全世界で一躍時の人となった。

彼らの活躍は、今後、世界の歴史に残るのか、教科書に載るぐらいのレベルかは分からないが、全世界の人類の記憶には、深く刻み込まれるだろう。

 

モノレールの駅前。

リョウ、美琴、当麻が集まっていた。

 

「それにしても、大活躍だったわね。リョウさん。」

 

美琴が言う。

 

「何を言うんだい?協力してくれた、美琴君、それに当麻君のおかげさ。」

 

リョウが言う。

 

「まさかこれほどにない事態が起きるとは、俺も予想できてなかったぜ・・・。」

 

当麻が今でも驚いているという音を明かす。

 

「ねぇリョウさん。もし、新宿に戻って、また来れるんだったら、またどこかで会えるかな?」

 

美琴が突然、少し切り込んだ質問をした。

 

「どうなんだろうね~?」

 

誤魔化した答えを出した。1987年の東京都新宿区から突然現れた、シティーハンター冴羽リョウ。自分が元いたところでは、人のために、休むことなく仕事が続いていたが、この学園都市においても、元いたところと変わらず、今後も、休むことなく動き続ける。




ここまでとなります!長い間放置してしまっただけでなく、後半は少し中途半端となってしまい、申し訳ございませんでした。
しかし、私がこの小説を書いたきっかけは、前回書いた、シティーハンターととある科学の超電磁砲の作品があまりにも軌道が逸脱し過ぎていたため、その反省を生かして、少しリメイクという形で書かせていただいた所存です。

次書くのは、もしかしたら批判殺到してもおかしくない、いや、絶対に批判されるであろうクロスオーバー作品を作ろうと思います。

最後まで読んでくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!


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