ソードアート・ベリアル (競馬好き)
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アインクラッド
プロローグ


「んぐっ、うっ、うぐ」

俺様は瓦礫の中で目を覚ました。

「どこだ、ここ」

俺様は確か、アイツとの一騎討ちに負けて、消滅したはずじゃなかったか?

「あの、大丈夫ですか?」

「あ?」

声をかけられた。声の主を見ると、メガネをかけた短めの髪の人間の女がいた。

「なんだ人間、なんのようだ」

「なんだ人間って、あなたも人間じゃない」

「俺様が人間だと?お前らのような脆弱な生き物一緒にする、なっ!?」

俺様は体を見ると、人間になっていたのだ。

「どうなってやがる!?」

俺様は驚きの声を上げ、立ち上がる。

「おい!お前!ここはどこだ!!」

「どこって、東京の水道橋ですけど」

「どこだよそれ」

俺様は忌々しげに呟きながら、辺りを見回す。

「あの、あなた、空から落ちてきましたよね、それも大気圏から」

「空から落ちてきたぁ?」

だから俺様は瓦礫の中で起きたのか。

「どういう状況で落ちてきたんだ?」

「えっと、信じられないけど、急に空に穴が開いて、そこから紫の光と一緒にあなたが落ちてきたのよ、そこに」

瓦礫が積まれたところを指差す人間の女。穴って言うと、あのときの穴か、俺様との一騎討ちのためにアイツらが開けた次元の穴。あそこで魂が肉体から分離してこの世界にきちまったってことか。

「おい、お前らは信じねぇかもしれんが、俺様は宇宙人だ」

「いや、信じるしかないでしょ、あんな穴から出てきたんだから」

人間の女はさも当たり前かのように、俺様の話を信じた。

「そ、そうか、少し拍子抜けだが、まぁいい、おい、俺様が落ちてきた穴から他に落ちてきたものはないか?」

「え?あ、これのことかしら」

女はポケットからは二つのカプセルと、所々が壊れた、ライザーを肩にかけていたバッグから取り出した。

「チッ!使えねぇか」

俺様はカプセルとライザーをしまい、歩き出す。

「ねぇ、どこに行くの?」

「さぁな、俺様の居場所はここにはないからな」

「ねぇ、あなた名前は?」

「ベリアル、ウルトラマンベリアルだ」

「ベリアル、ねぇ、行く宛がないなら、私の家来る?」

「いいのか?」

「ええ、宇宙人が家に住んでるなんて、友達に自慢できるもの」

「何にもしてやれねぇぞ」

「いいわよ、ほら、こっち」

「へいへい」

俺様は女の後をついて、歩き出す。

「おい、ありゃなんだ?」

「おい、じゃなくて、朝田詩乃。詩乃って呼んで」

「なら詩乃、ありゃなんだ?」

「唐揚げよ、食べたことないの?」

「俺様は食べ物を食ったことはない、必要ないからな」

「そう、なら、食べてみる?」

「別にいい」

「食べたいんでしょ?ほら、意地張らないで」

「チッ!」

詩乃が唐揚げなるものを持って戻ってくる。

「はい」

「ありがとよ」

俺様は唐揚げを手でつかみ、口に運ぶ。

「うまい」

「そ、よかったわね、ほら、行くよ」

「俺様に命令するな」

「ならちゃんとついてきて」

この出会いから俺様と詩乃の生活が始まった。



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VRゲーム

今回、アミュスフィアが登場した理由はベリアル陛下がゲームをして遊んでいるところを早く書きたかったためです。ご了承ください。


詩乃サイド

ベリアルと出会って二日後のことだった。

「おい詩乃!いつもそれ被ってなにやってるんだ?」

「これ?アミュスフィアのこと?」

「ああ」

まさかベリアルがアミュスフィアに興味を持つとはねぇ。

「これは、VRゲームをする時に使うものなの、やってみる?」

「いや、別にいい、んなもんやって面白いのか?」

「面白いんじゃない?私はそうでもないけど」

「じゃあなんでやるんだ?」

「そ、それは・・・こ、今度教えるわ」

「そうかよ」

そう言うとベリアルはまた私が作った唐揚げを食べはじめた。

「あんた唐揚げ、好きね、飽きないの?」

「これしか食いもんを食ったことねぇからなぁ」

「あっそ、それじゃ、私はゲームするから邪魔しないでね」

「はいよ」

興味をなさげに返事をするベリアル。私はアミュスフィアを被り、ベッドに寝転がる。

「リンクスタート」

私はVPシューティングゲーム、GGOにダイブする。グロッケンに降り立ち、歩き出す。

「ここがお前がやってるゲームの中か?」

「ヒャアッ!?」

突如横からベリアルの声が聞こえてくる。変な声出しちゃった。

「なんとも可愛らしい声だなぁ」

「うるさい!!てかあんた、なんで入ってこれてるの?」

「こちとら宇宙人だぞ、こんなの楽勝だ」

「あっそ、もう、来るんなら先に言ってよ」

「そんなことより、ここはどんなことをするんだ?」

「えっとね」

私はベリアルにゲームの詳細と、世界観のことについて説明した。

「銃か、よく俺様のことを攻撃してきた奴が使ってたな」

「よく忘れがちになるけど、あんた、宇宙人なのよね」

ベリアルは無視しながらズカズカと行ってしまう。

「ちょっと、待ちなさいよ」

ベリアルの後を追いかけ、次は武器屋に連れていった。

「ここでは、武器となる銃を売ってるわ」

「ほう」

さまざまな銃を取り揃えているので、ベリアルにも使える銃があるかもしれない。すると、ベリアルが立ち止まり、ある武器を見る。

「それは光剣(フォトン・ソード)、誰もGGOでは誰使わない武器よ」

私はおすすめしないと、言って離れようとするが、ベリアルはその場にとどまっている。

「ちょっと、次に行くわよ」

手を引いて行こうとするが、ベリアルはてこでも動かない。

「俺様は銃を使ったことがない、使ったことがあるのは剣と棍棒くらいだ。だから俺様はこれにする」

そう言って光剣を買ってしまった。

「ちょっと!なに勝手に買ってるのよ!!こんなのよりももっといいのが」

「俺様はこれでいい、いや、これがいい」

今の彼に何を言っても意味ないようだ。

「はぁ、なら、サブウエポンは私が選んだのを使いなさい

よ」

私はベリアルの大きい手にあわせてできるだけ大きくて威力のある拳銃を探す。

「というか、私のと同じのでいいんじゃ」

大きさもあるし、使いやすいし、うん、そうしよう。私はいつも使っているグロック18Cを購入して持ってくる。

「はい、これもね」

「おう」

腰のホルダーにグロックを納め、光剣を帯刀する。

「それじゃあ、撃つ練習、してみましょうか」

私はベリアルを連れて射撃場へ向かった。

 

 

「はい、ここの安全装置を切って、あの的に向かって撃ってみて」

「こうか?」

片手をつきだし、狙いも定めずに引き金に指をかける。

ふふ、そんな撃ち方じゃ、反動で腕が持ってかれるわよ。

私が少し笑いながらそう思っていると引き金が引かれ、弾が撃ち出された。

バンッ!!

ベリアルの腕を見ると、反動を感じてないように、何事もないようにしていた。

「あの、反動とかないの?」

「反動?銃ってのはそんなもんがあるのか?」

「え、ええ」

「ほう、まぁ、俺様はそんなもの関係ないがな」

銃を腰のホルダーに戻しながらベリアルは当然かのように言う。

「ほんと、この人はむちゃくちゃよね」

私はベリアルのむちゃくちゃさにあきれながらベリアルと共に町を案内した。

 



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対決宇宙人

『次は、連続誘拐事件の新たな被害者の情報です。名前は桐ケ谷直葉、13歳が先日未明に誘拐されました』

「連続誘拐事件なんて、怖いねぇ、私も気を付けないと」

詩乃がテレビのニュースとやらを見て呟いた。俺様はそれを無視してドアへ向かった。

「あらどこかに行くの?」

「あ?ああ、ちょっとな」

「そう、行ってらっしゃい」

「おう」

 

 

GGOというゲームをやりはじめて6日。なかなか面白いが、実戦よりも迫力や緊迫感が足りん。俺様は今、町へ出向いている。詩乃からはおこづかいと称して地球での金銭をもらった。といっても、買うものなんてないんだがな。

「やはり家でGGOをやっていたほうがよかったか」

ぶらぶらと歩き回り、一通り町を散策した後、家へ帰ることにした。

「やはり家にいたほうがよさそうだ」

俺様は家に向かって歩き出した。すると、何かが高速で俺様の前を横切っていった。

「あ?」

なんだ?人間ではあんな動き出来ないしなぁ、この世界でも、宇宙人は地球で暗躍でもしてるのか?

「面白い、ちょっと見てみるか」

俺様は俺様の中にある力を使って、屋根づたいにそいつを追いかけはじめた。

 

 

 

どうやら、俺様が追いかけているのはスラン星人のようだ。このスピードが出せる宇宙人はそいつしかいねぇからなぁ。スラン星人は、港にある倉庫街へ入っていった。

ここが拠点って訳か。さて、どんなことをしているんだぁ?俺様は倉庫にある窓から中を覗く。

「んで、次のターゲットは?」

「こいつだ」

中に居たのはスラン星人の他に三面怪人、ダダがいた。三面怪人の特徴として人間の女をコレクションする癖があったな。今朝聞いた連続誘拐事件はこいつらが起こしていたのか。やり方としては、スラン星人が高速で動き周り、ターゲットにミクロ化機で人間標本にして、気づかれないうちにここに戻るってところか。

「ほう、地球人の女にしてはなかなかの美人じゃないか」

「こいつを頼む、宇宙闇市で高く売れそうだからなぁ」

ん?あの、顔、どこかで見たことあるなぁ。ああ、詩乃か、こいつら、次は詩乃を狙ってるのか。俺様的にはどうでもいいんだが、いつも世話になってるからなぁ、こいつら、潰しておくか。俺様は窓を蹴破り、中にはいる。

「だ、誰だ!?」

「なんだ、ただの人間じゃねぇか、驚かせやがって」

「しかし、見られちゃいけないものを見られたしな、始末しておくか」

スラン星人が腰に下げた銃でエネルギー弾を撃ってくるが、俺様は手にエネルギーを溜めて弾く。

「なっ!?貴様!人間ではないな!!!」

「一体何者だ!!」

「俺様か?俺様はなぁ・・・」

俺様は内に秘めている力を活性化させて、本来の姿へ戻る。

「なっ!?き、貴様は!!」

「何故こんなところに貴様がいるのだ!!!」

「俺様はウルトラマンベリアルだ!!」

俺様は手のひらにエネルギーを集中して、十字に腕を組み、星人二人に放つ。

「デスシウム光線!!」

「「ぐわぁあああああああああ!!!!!」」

星人二人は俺様の攻撃に耐え切れず、消滅していった。

「やっぱり大したことねぇなぁ」

俺様はがっかりしながらその場を離れようとしたが、ガラス瓶の中に人間が入っていることを思いだし、ガラス瓶のそばに行く。

「どうすりゃもとに戻るんだ?」

機械を弄くってみるが、どこがどうなってるかわからん。

「俺様が作るのは光の国由来のものだからなぁ、他の星人がどういう技術を使うか知らねぇしな。とりあえず壊しゃなんとかなるか」

俺様はそこらにある機械をすべて壊した。すると、ガラス瓶に入っていた女共が飛び出してきた。

「うっ」

「痛てて」

「こ、ここは?」

「ひっ!」

「あ?」

俺様を見て怖がっている女共。それもそうか、この見た目だもんなぁ。まぁいい、俺様は帰らせてもらう。俺様がエネルギーを全身に巡らせて飛び去ろうとした時。後ろから声がかかる。

「あの!あなたが助けてくれたんですか?」

「あ?」

そこには、ショートカットの女がいた。まだ中学生くらいか。

「なんだおメェ」

「わ、私は、桐ケ谷直葉です、あ、あなたは?」

「ベリアル、ウルトラマンベリアル」

「ベリアルさん、あの、ここどこですか?」

「さぁな、どっかの港なのはわかるがな」

俺様は地球の地理なんて知らん。

「あの、私、携帯持ってます」

一人の女が携帯を取り出し、地図アプリでこの場所がどこか見る。

「ここです!」

「そうか、だったらあっちに行きゃ、家に帰れるか」

「あの、私はどうすれば」

「チッ!俺様が送ってやる」

「あ、ありがとうございます!!」

「ほれ、掴まれ」

「え?あ、はい」

「行くぞ」

「行くぞってひゃああああああああああああ!!!!!」

俺様は倉庫から飛び上がり、この女の家に向かう。

「んで、どこだ」

「埼玉県川越市です」

「了解だ」

俺様はスピードを上げ、赤黒い光を残しながら飛んでいく。数十分飛んでいると、女が家を指差した。

「あそこだな」

俺様はその家に向かってて飛び、その家の庭に降り立った。

「ほれ、ついたぞ」

「ありがとうございました」

「じゃあな」

俺様は女を送った後、家に戻った。

「お帰りなさい、ちょっと、どうしたの?そんなに汚れて」

「あ?ちょっとな」

「まったくもう、ほら、脱いで、洗濯するから」

「わかった」

俺様はいつもの日常に戻った。

 

 

 



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原作開始

設定が変わっているところがあります。特に、GGOについてですが、陛下とシノンのほんわかした雰囲気を感じてほしく、先に出しました。発売日などの設定は忘れてしまっていて、もしかしたら、SAOの後に出ているかもしれませんが今回はSAOよりも先に発売していたってことになっています、ご了承ください。


詩乃サイド 

事件が起きた。1000人のベータテストを経て、世界初のVRMMORPG、ソードアート・オンラインにて、デスゲームが始まったのだ。私のクラスの人も巻き込まれている。そんな中一人、動揺もせず、呑気に唐揚げを食べている人物がいる。ベリアルだ。

「ちょっと、大事件が起きてるのに呑気に唐揚げなんか食べて、あんた少しは人のことも考えなさいよ」

「知るか、俺様は宇宙人だぞ?人間の命なんて紙くず同然なんだよ」

「まったく、はぁ」

私はいつもと変わらないベリアルにあきれながらも、少しだけ安心した。彼がSAOをやらなくて。

「なんだ?なに笑ってやがる」

「いーえ、なにも」

「そうかよ」

ベリアルは唐揚げを食べるのを再開する。ほんとに、マイペースよね。私はお風呂でも入ってこよう。

ピンポーン。

ん?誰だろう。ドアの穴から見ると、知らないメガネをかけた男の人がいた。

「はい、あの、なんでしょうか?」

「やぁ、私は、総務省通信ネットワーク内仮想空間管理課職員、菊岡誠二郎というものだ。ここにベリアルという人物はいるかい?」

「え、ええ、いますけど」

「それじゃあ呼んでくれるかな?」

「え?いいですけど」

政府の人がベリアルになんのようだろう。ベリアルが宇宙人であることはばれてないだろうし、どうしたんだろう。

「ベリアル、ちょっと」

「あ?なんだ、俺様に用なのか?」

「そうよ、ほら唐揚げ置いて」

「チッ!」

ベリアルはいやそうにしながらドアへ向かっていった。

「お前、俺様に何のようだ」

「やぁ、君がベリアル君だね、私は」

「さっき詩乃と話していたのを聞いた、言わなくてもいい」

「そうか、なら、話しは早い、単刀直入に言う、君は何者だい?どこから来た?君はどうやって仮想空間に生身で入っていけた?」

え?今すごいこと聞いたんだけど、仮想空間に生身で入る?それって、現実世界の体で仮想空間に入るってこと?

「ちょ、ちょっと!どういうこと?まさか、GGOにダイブした時、まさか現実世界の体であの中に居たって言うの!?」

「ああ、そうだよ、GGOの制作会社ザスカーからこんなデータが来たんだよ、サーバー内から妙な反応があり、調べてみると、生体反応だったってね、アカウント名はベリアル、そして調べてみた結果、彼を見つけたって訳さ」

「あんたそんなことしてたの!?」

「ああ、俺様は詩乃が持っているような機械はないからなぁ、だから体をサイバー状に変えて入らせてもらった」

「まさかそんなことまで出きるなんて・・・」

私はベリアルの異常さに驚きながらため息をついた。それが原因で見つかるって気づかなかったのかしら。

「それで、本題に戻ろうか、君は何者だい?」

「別世界から来た宇宙人だ、種族はウルトラマン。光の国出身、ある禁忌を犯して追放された後、悪行をして宇宙を回っていた。そして最後に、実験で作り出した俺様の息子に殺され、魂だけがこの世界に流れ着き、人形になって今 ここにいる」

「信じられない話だけどわかった、そもそも別の世界なんてものはあるのかい?」

「もちろんだ、マルチバースと呼ばれ、さまざまな可能性の世界が広がってやがる」

「それはそれで興味深いが、その話しはまた今度にしよう、さて、なぜ、私が君に会いに来たのか、それわね、君に、その能力でSAOにダイブしてもらいたい」

「なっ!?ダメですよ!!絶対にダメ!!!」

唯一一緒に居れる家族を見つけたのに、あんなところに行かせるなんて絶対ダメ!!

「しかし、ベリアル君の力ならば、ログアウトだって可能だろう?ナーブギアを使用しないダイブだ、電磁パルスなんてものはおろか、君の体なら電磁パルスなんて効かないだろう?」

「はっ!人間が作った兵器の攻撃なんて蚊に刺されたようなもんだ」

「なら、お願いできるかな?」

「ふむ、本物の命のやり取りか、ゲームなら、レベルつうのが上がれば、他の奴らも俺様に届くだろう、いいぜ、やってやる、なんだ詩乃?はぁ、わかった、飯と寝る時は戻ってきてやるよ」

「約束よ」

まぁ、そんな約束ベリアルなら破りそうだけど。

「それじゃあ、これとこれを渡しておこう」

「コイツがSAOのソフトと俺様のナーブギアか?」

「ああ、ギアはソフトの起動用だくれぐれも使わないでくれよ、それではベリアル君、頼む、彼らを救ってくれ」

「はっ!そいつは俺様の気分しだいだ」

「そうか、でも、気にはかけてやってくれ」

「俺様はゲームをクリアするだけだ」

ほんと、自己中心的な考えよね、でも、一様他の人のことは考えてるみたいね。ベリアルは部屋に戻っていき、すでにダイブする準備を始めた。

「それでは私はこれでダイブに関する電気代はこちらが払う、安心してくれ」

「わかりましたそれじゃあ」

菊岡という人は去っていき、ベリアルはすでに準備を完了したようだ。

「行くのね」

「おう、じゃあ、夕食でな」

「ええ、行ってらっしゃい」

ベリアルは紫の光になると、ソフトの中に入っていった。ギアから電子音が鳴り、起動したようだ。

「頑張ってね」

私はそう呟くと、彼が好きな唐揚げの準備にかかった。

 



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アインクラッド

「ほう、ここがSAOのサーバー内かぁ、これから面白くなりそうだ」

俺様はサーバー内に降り立ち、町を歩き出す。ここは始まりの町ってことか、にしても平和だなぁ。パニックになってるわけでもねぇ、平和すぎるんじゃねぇかぁ?

「お、初心者さんかい?」

「あ?」

「オイラはアルゴ、アインクラッドで情報屋をやってるものだ。ほれ、初心者さんのために配布されてるガイドブックだ、無料配布だから必ず貰っておくんだな」

「了解だ」

「それじゃっ!なんかいい情報手に入ったらご贔屓になぁ」

と言ってアルゴという女は行っちまった。

「んで、ここはどんな場所なんだ?」

ブックに書いてあったことでいくつかのことがわかった。まず、このゲームは100階層のステージがあり、一層一層にボスがいる。ここは始まりの町で、武器の種類は、片手長剣、メイス、ダガー、槍、棍、細剣があり、攻撃方法は二種類あり、通常攻撃とソードスキルでの攻撃。魔法はなく、ボス攻略はソードスキルがものをいうという内容だ。

「ソードスキルなぁ、俺様はそんなもんに頼らなくても戦えるがなぁ」

俺様はブックをしまい、とりあえず、モンスターが出るフィールドに向かった。

「コイツがモンスターか、テレビで見た猪じゃねぇか」

案の定、突進しかしてこない。

「攻撃手段が直ぐに読めて面白くねぇな」

俺様は手に闇のエネルギーを溜めて、猪を貫いた。猪は光となって消えていき、経験値というものが入る。

「レベル2か、ん?なんだコイツは?」

メールボックスになにやら変なものが入ってやがる。なんだ?

「んなっ!?コイツは!!ふふふ、いひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!コイツは必ず俺様のもとに戻ってくるようにできてるようだなぁ!!!」

俺様はそれをメールボックスから取り出し、手に持ち、と持ち手を伸ばす。

「なぁ、ギガバトルナイザー・・・」

それは、俺様が初めて手にした最強の武器。百体の怪獣を使役できる世界最強のバトルナイザーだ。

「さて、鈍ってねぇか試すとするか、ウリャッ!!」

俺様はバトルナイザーから電撃を放ち、周りのモンスターを一掃する。俺様のレベルが一気にレベル10まで上がる。

「やっぱりコイツが一番しっくり来るなぁ」

俺様はバトルナイザーを回転させながら頷く。

「さて、奥に行ってみるか」

俺様はバトルナイザーを片手に森に入っていく。現れた敵を三日月型の斬撃を飛ばし、まとめて倒す。どんどんレベルが上がっていき、気づけばレベル25。この階層では到達できないレベルに上がった。

「やはりつまらんなぁ、緊迫感がない、もっと面白れぇ敵はいないのか?」

俺様はため息を吐き、始まりの町に戻った。

 

 



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一ヶ月後、出会い

俺様がSAOに入り初めて一ヶ月。2000人の人間がその間に死んでいった。まぁ、俺様からしたら貧弱すぎると思うがな。電磁パルスなんかで死んじまうなんてなぁ。だからあいつらは人間を守るのか?俺様には理解できん。

「そういえば、今日は一層のボス攻略の作戦会議をやるとかなんとかだったなぁ、行ってみるか」

俺様はバトルナイザーを肩に担ぎ、会議が行われる場所へ向かう。

 

 

「はーい!!それじゃあ、始めさせてもらいまーす!!」

皆が水色の髪の男のほうを向く。

「今日は、俺の呼び掛けに答えてくれてありがとう。俺はティアベル、職業は、気持ち的にナイトやってます」

ティアベルの冗談を言い、場を和ませる。俺様が皇帝の時はそんなことやらなかったな。すると、ティアベルが真剣な顔に戻り、話を始める。

「今日、俺のパーティがあの塔の最上階でボスの部屋を発見した」

皆が驚き、息を飲む。

「俺たちは、ボスを倒し、第二層に到達してこのデスゲームをいつかきっとクリアできるってことを、始まりの町にいるみんなに伝えなくちゃならない!!」

いっぱくおき。

「今日、この場にいる俺達がやらなくちゃならない義務なんだ!!そうだろう!みんな!!」

皆が顔を見合わせ、頷く。そして拍手をティアベルに送った。

「オッケー、それじゃあ早速だけど、これからボス攻略会議を始めたいと思う。まずは、六人のパーティを組んでみてくれ」

ティアベルがそう指示すると、皆が各々の相手とパーティを組み始めた。俺様とある二人を除いて。すると、俺様に一人の青年が近づいてきた。

「おい、お前もあぐれたのか?」

「はっ!俺様は一人でやる、あんな弱っちい奴らと組むのはごめんだ」

「そ、そうか、おい!あんたもあぐれたのか?」

俺様が青年にそう言うと、青年は布を目深に被った奴に声をかけた。

「あぐれてない、周りがみんな、お仲間同士だったみたいだから遠慮しただけ」 

声的に女のようだな。

「ソロプレイヤーか、なら、俺と組まないか?あんたも」

「俺様がお前と?はっ!お前みたいな貧弱そうな奴と組む分けねぇだろうが」

「それはどうかな、俺、それなりに強いと思うんだが」

「言ったな?なら俺様にその力を見せてみろ、実践でなぁ」

おもしろい、コイツ気に入った。

「わかった」

布女は無口そうにそう言うと、青年のパーティ申請を承諾した。俺様も承諾し、青年とパーティになった。

「キリトっつうのか、よろしくなぁ」

「ああ、お前は~、ベリアルさんか、よろしく頼む」

「テメぇはアスナか、よろしくなぁ」

「どうやって名前を?」

なんだコイツ?HPの下に名前があるのを知らねぇのか?

「左上のHPの欄の下に名前書いてあるじゃねぇか」

「え?ほ、ほんとだ」

「まぁいい、俺様は少しモンスターでも狩りに行かせてもらう」

俺様が、モンスターを狩りに行こうとすると。

「ちょっと待ってもらえるかぁ!!」

威勢の良い男の声が響き、階段上のてっぺんから降りてきた。

「ワイはキバオウってもんや、ボスと戦う前に、言わせてもらいたいことがある」

はっ!輪を乱すアホが出てきた見てぇだなぁ。

「こんなかに!死んでいった2000人に詫び入れなアカン奴がおるはずや!!」

周りの奴らがざわめき始める。

「キバオウさん、君のいう奴らっていうのはつまり、元ベータテスターの人達のこと、かな?」

「決まっとるやないか!ベータ上がりのヤツは、こんクソゲームが始まったその日に、ビギナーを見捨てて消えよった。奴らはうまい狩り場やら、ボロいクエストやらを独り占めして、自分等だけポンポン強なって、その後もずーっと知らんぷりや、こんなかにもおるはずやで!!ベータ上がりの奴らが!!そいつらに土下座させて、溜め込んだ金やアイテムを吐き出さてもらわな、パーティメンバーとして命を預けられんし、預かれん!!」

隣にいる青年が苦しい顔をして震え始めた。チッ!胸くそ悪りぃからちょっと助けてやるかぁ。

「おい!キバオウってやつ!」

「な、なんや!!」

「お前、バカなんじゃねぇのかぁ?」

「はぁっ!?」

「ベータテスターの奴らが消えた理由は、一部はそういう理由かも知れねぇが、大体の奴らは違うんじゃねぇかぁ?

ベータテストの時と違う部分やら、どんな良い狩り場があるか探して、情報を集めるためじゃねぇのかぁ?それに、ベータテスター共はこんなものまで作ってたぜぇ!!」

俺様は懐にしまってあったブックを取り出す。

「コイツはいわゆる初心者さんへの案内ブックだ!テメぇも持ってんだろう?だったらテメぇの言い分は筋が通らねぇなぁ、ちゃんと、ベータ上がりはビギナーさんのためにいろいろと手助けしてるじゃねぇか、そもそも俺様もビギナーだ、このブックのお陰で、レベルも早く上がったからなぁ、あ、そうかぁ、お前、ただアイテムがほしいだけなんじゃねぇのかぁ?」

「なっ!?そんなわけあらへん!!」

「だったら今ここで発言することじゃねぇんだよバーカ!!」

俺様はギガバトルナイザーから電撃を飛ばし、キバオウの直ぐそばに落とす。

「はっ!欲望が見え見えなんだよ!!」

俺様はその場に座り直し、バトルナイザーを抱えるようにする。すると、肌が焼けた難いの良い男が前に出てきて、スピーチを始めた。

「そうだ、彼の言う通り、これはベータテスターが無料配布していた、情報は誰でも手に入ったんだ、それなのに2000人もの死者が出た、その失敗も踏まえて、俺たちはどうボスに挑むべきなのか、それを論議されると俺は思っていたんだがなぁ」

俺様の安堵の息をつく青年。コイツもベータ上がりっつうわけか。

「ありがとうベリアルさん」

「はっ!胸くそ悪りぃからやっただけだ」

俺様は前を向き、思ったことを言った。

「それじゃあ再開させてもらいます!ボスの情報だが、実は、例のブックの最新版が配布された」

皆が驚きの声をあげ、よく聞こえるように前に出る。

「それによると、ボスの名前は、イルファングザ・コボルトロード、それと、ルインコボルトセンチネルという取り巻きがいる。ボスの武器は斧とバックラーだ。四本ある、HPバーの最後の段が赤くなると、曲刀カテゴリーのタルアールに持ち変える。攻撃パターンも変わる、ということだ」

皆、各々の感想を言い合い、作戦を立て始める。俺様はその場で判断するからなぁ、作戦なんてもんは必要ねぇ。

「それでは、攻略会議を終了する。最後に、アイテム分配についてだが、金は自動均等割り、経験値はモンスターを倒したパーティのもの、アイテムはゲットした人のものとする。異存はないかな?」

みな、了承の声をあげる。俺様もそれで良い、といっても、俺様はアイテムなんてもんは必要ねぇからなぁ。

「よし!明日は朝10時に出発する、では解散!!」

ティアベルがそう言うと、また作戦会議に戻るもの、キバオウつう胸くそ悪りぃ野郎はティアベルに謝っていた。謝るくらいなら言うんじゃねぇよクソが!

俺様は立ち上がり、モンスターを狩りに行く。女はどこかへ行くようだ。青年はどうなのかは見ておらず知らん。俺様はその後、しばらくモンスターを狩った後、ログアウトした。

 

 

 

 

 



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ボス戦

町から出発して、森の中を歩く俺様達。すると、キリトが声をかけてきた。

「確認するぞ、あぶれ組の俺達の担当は、ルインコボルトセンチネルっていうボスの取り巻きだ」

「わかってる」

「知るか!俺様は俺様のやりたいようにやる」

「あ、あんたなぁ!はぁ、俺、選択間違ったな」

キリトがため息をつき、文句を言ってくる。俺様は人の命令なんて聞くか!

「はぁ、ならアスナさん、俺がポールアックスを、ソードスキルで跳ね上げさせるから、すかさずスイッチして飛び込んでくれ」

「スイッチって?」

「え?もしかして、パーティ組むのは、これが初めてなのか?」

すると、キリトが立ち止まり、心配そうな表情でこちらを見たあと、項垂れる。

「なにしてんだキリト?さっさと行くぞ!」

「はぁ、わかったよ」

キリトが追い付き、歩き出す。目指すは、俺を楽しませてくれそうな、ボスが待つ塔の頂上だ。

 

 

 

頂上につき、休憩に入る。俺様は隠れて詩乃が作って渡してくれたタッパーに入った唐揚げを食べる。すると、ティアベルが剣を地面につき、話を始めた。

「聞いてくれみんな、俺から言うことはたったひとつだ」

すると、他の連中が息を飲む。俺様は別に聞く必要がないので無視しておくか。

「勝とうぜ!」

ティアベルがボスのいる部屋のドアノブに手をかける。

「行くぞ!」

ゆっくりと開かれる。中は暗く、奥には、赤い光が二つある。あいつがボスかぁ、なかなか楽しめそうだなぁ。すると、急に部屋が明るくなり、イルファングザ・コボルトロードがこちらへ、跳んでやってくる。コボルトロードさ咆哮を上げ、そばに三体のコボルトセンチネルを召喚すると、こちらへ走ってくる。すると、ティアベルが剣を前に向ける。

「攻撃、開始ぃ!!!!」

ティアベルの合図と共に攻略隊が突撃していく。なら、俺様も行くとするか。俺様はギガバトルナイザーを取り出し、コボルトセンチネルを電撃で倒すと、コボルトロードへ向かって突貫していく。

「これ、俺達いるか?」

「い、要らないと思う」

一瞬でコボルトセンチネルを倒されてしまい、担当するはずだった奴らがそんな声を漏らす。

「いひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!おいおい、もうちっと気合い入れてくれやぁ!!」

俺様はギガバトルナイザーでロードの武器を弾き飛ばし、打撃やら光弾やらを浴びせ、どんどんどんどんHPを削る。おいおい、コイツも楽しませてくれそうにねぇとはなぁ、コイツがボスってのは嘘なんじゃねぇのかぁ?

「おい、なんだよあれ・・・」

「なんじゃ、あの戦いかたは」

「て、手慣れてやがる」

「アイツ、ビギナーなんだよなぁ?」

なにやら後ろでなにか言ってるみてぇだが、無視しとくか。俺様は攻撃の手を休めず、ちゃくちゃくとHPを削る。そして、ロードのHPバーの色が赤色になる。すると、ロードは持っていた武器を放り投げる。

「武器を変えるのかぁ?」

「ベリアルさん!下がれ!俺が出る」

「あ?知るか!!俺様に命令するなぁ!!」

「なっ!?」

俺様は構わず突貫していく。すると、ロードが後ろに手をまわし、一本の刀を取り出す。

「ベリアルさん!下がって回避しろ!!」

「だから!俺様に命令するなぁ!!!」

突如、ロードが飛び上がり、柱を踏み台にして高速で動き出す。

「ふひひひひ、おもしろくなってきたじゃねぇか!だったら俺様も本気を出してやる!!」

俺様は闇のエネルギー全身に巡らせ、元の姿に戻る。

「おい、ありゃなんだ?」

「なんだよアイツ!す、姿が変わって!!」

「ハッハッハッハッハッ!!!真の俺様降臨!!!」

俺様は、こちらに突撃して、刀を振るってきたロードの刀を闇のエネルギーを貯めた手でつかみ取り、へし折る。

「止めだクソ犬!!」

俺様はロードを蹴りで吹き飛ばし、左手の手のひらに闇エネルギーを貯め、十字に組む。

「デスシウム光線!!フアッ!!」

手のひらから赤黒い光線が飛び、ロードを貫く。光線を出し終わると、ロードは爆発していった。

「へっ!大したことなかったなぁ!!」

俺様は横に突き刺したバトルナイザーを抜きとり、ロードが座っていた椅子の後ろにある階段へ向かう。

「おい、ベリアルはん、いったいそれはなんや!!」

あのクソキバオウがなんか言ってきやがる。

「あ?これか?これは俺様の真の姿だ」

「んな嘘こくなや!!なんだよそれ!!チートじゃねぇのか!!!」

『いや違うよ、プレイヤー諸君』

「なっ!?茅場明彦!?」

なんかおっさんの声が聞こえてきやがる。すると、半透明なフードを被った男が現れた。

「おい!キリト!!コイツ誰だ?」

「茅場明彦、このゲームを作ったゲームマスターだ!!!」

「コイツが始めたってわけか」

『そうだベリアル君、私がこのゲームの製作者、茅場明彦だ、ようこそ、我が世界へ』

胡散臭ぇ野郎だなぁ。

「はっ!んで、なんのようだ」

『君についてだよ、ベリアル君』

「俺様について?」

『ああ、知っての通りプレイヤー諸君、彼はこの世界にない武器、技、それに人間ではない姿をしている。それには訳があるのだよ』

「ならコイツはなんなんだ!!説明してくれ!!」

『すぐにするさキリト君、彼、ベリアル君は、信んじられないかもしれないが、地球外生命体なのだよ』

「な、なんやて?」

「地球外生命体!?」

「う、宇宙人なのか?」

『到底信じられないかもしれないことだがね、しかしこれは本当のことだ、いま彼は、自分の能力で体をデジタル化し、現実世界の体でこの世界にダイブしている』

「「「「なっ!?」」」」 

皆一様に驚き、言葉を失っている。

『だからこそ、彼は先程の技などが使える、現実世界での力をそのままこの世界で使うことが出きるからねぇ。それと、彼の武器についてだが、それは私が君にプレゼントしたものだ』

「コイツをどこで見つけた?」

『何故か私のパソコン内にデータとして入っていてね、それを一度はSAOの武器やレア武器として出そうかと思ったのだが、それは私としても手に余る代物だったので、やめたのだよ。だが、君がこの世界にログインしてから、それがものすごい反応をし始めてね、もしかしたらと思い、君にあげたのさ』

「そうかよ、どこから来たかは謎って訳か」

俺様はバトルナイザーの持ち手を短くして、腰に下げる。

「んで、話は終わりか?」

「んな簡単に終われるわけないだろう!!おい!茅場明彦!彼が本当に地球外生命体なのか、本当に現実世界の体でこの世界に来ている証拠はないのか!!」

『あるともキリト君、これを見たまえ』

すると、俺様達の前にモニターが現れた。

『それは彼の生体反応を写し出しているものだよ』

「マジかよ、これ、心臓の鼓動と一緒だよ!俺、医者だからわかるんだ!!」

「ほ、ほんとか!!!」

「なら、本当にベリアルはんは、現実世界の体でこの世界にダイブしているっちゅうのかよ!」

まぁ、俺様はもう聞かなくても良いか、先に行くとするか。あ、そういえば、ティアベルってやつ、さっきでしゃばってきやがったが、何がしたかったんだ?

『私が伝えたかったことはこれで終わりだ、それではプレイヤー諸君、引き続き、SAOを楽しんでくれたまえ』

そう言って半透明の製作者は消えていった。さて、俺様は行くとするかね。ん?なんだ?これ?ラストアタックボーナス?レアアイテムか?コートオブミッドナイト。ほう、俺様にぴったりのアイテムだなぁ。俺様はそれを装備し、階段を歩いていき、第二層へ降り立った。

 

 

 



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赤鼻のトナカイ?そんな歌、俺様は知らん!そもそもクリスマスってなんだ?

俺様がダンジョンでギガバトルナイザーを振り回していると、どこからか数名の悲鳴が聞こえてきた。最初は知らんぷりしようかと思ったが、一様助けることにした。

 

 

「それでは、我ら、月夜の黒猫団に乾杯!!」

「「「「乾杯!!」」」」

なぜ俺様はコイツらと一緒に酒場に来ている?ことの発端はコイツらをダンジョンで俺様が助けてからだ。間一髪のところで俺様が現れ、襲っていたモンスターをすべて倒して見せたからだ。

「今回はありがとうございました、えっと、名前は~」

「ベリアルだ」

「ベリアルさん、あなたは俺達の命の恩人です」

「見てられなかっただけだ、気にすんな」

俺様の自己満足でやったことだ、コイツらに礼を言われることじゃない。そもそも、俺様が礼を言われるのはむず痒くてしょうがない。

「でも、すごく怖かったから、助けに来てくれた時、本当に嬉しかったから」

「そうかよ」

俺様は料理を食いながら適当に返事を返す。すると、一人の青年がこそっとあることを聞いてきた。

「あの、失礼なんですけど、レベルっていくつぐらいなんですか?」

「あ?そういや、40越えてから見るのやめてたな」

「よ、40越えて!?あの失礼ですけど、もしかして攻略組だったりしますか?」

「なんか知らんが勝手に攻略組扱いされてる、俺様はただ強いモンスターと戦いたいだけなんだがなぁ」

「やっぱり!!じゃあベリアルさんは、あのべリアルさんなんですね!!!」

「ケイタ、あのベリアルさんって?」

「攻略組最強と名高い、政府公認の地球外生命体!宇宙人のベリアルさんだよ!!」

「マジか!?俺達いまそんな人とご飯食べてるのかよ!!」

騒がしい奴らだな。飯の時くれぇ静かにできねぇのか?

「あの、一つお願いがあるんですけど」

「なんだ?」

「うちのギルドに入ってもらえませんか?」

「なんでだ?なんで俺様がギルドなんもんに入らなきゃいけない?」

「俺達に、戦い方を教えてくれないかなって、それとコイツサチって言うんだけど、コイツも前衛にしたくて、でも、前衛武器の勝手がよくわからないみたいで」

「なによぉ、人を味噌っかすみたいに」

俺様がギルドとやらに入る流れになっているが、俺様はアイツのようにめんどぉをみるつもりはねぇ。

「めんどくせぇ、自分達で覚えろ」

「そ、そうですよねぇ」

ギルドメンバー達が肩を落とし、見るからに残念がっている。

「はぁ、二週間だけだぞ」

「ほ、ほんとですか!!ありがとうございます!!」

「だが、あまり俺様の戦い方を参考にするな、俺様の使う武器は特注のオリジナル武器。剣やメイスなんかと違うでね」

「もちろんわかってます!!攻撃のタイミングや、攻略法などを教えてもらえるだけで結構です!!」

「俺様のやり方は厳しいからなぁ、ついてこれんならついてきな」

「「「「「はい!!!」」」」」 

これが、コイツらとの騒がしい二週間の始まりだ。

 

 

 

 




現在の陛下の強さ。レベルは53。ただし、生来の戦闘センスに経験、その他闇の力や能力により、70レベルと同等の強さ。文字通りアインクラッド最強のプレイヤー。そこらのボスなんかは秒で溶けていく。一言で言うとただの化け物。


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赤鼻のトナカイ?そんな歌、俺様は知らん!そもそもクリスマスってなんだ? 2

「そういえば、私の新しい装備買うお金あるの?」

「それが、あまりない」 

「それじゃあ、チェンジしようにもできないじゃない!!」

なんだ?装備のこと話してんのか?俺様のやつに余ってたのが、やるか。

「おい、俺様の中にあるやつをやるからそれで我慢しろ」

「え!良いんですか?」

「俺様が使うのはこのギガバトルナイザーだ、それ以外は必要ないからなぁ」

「そうですか、ならお言葉に甘えて」

「ほれ、送ったぞ」

「はい、え、これって、25階層のボスのラストアタックボーナスで手に入るレア武器の!!良いんですか!?」

「あ?それレアだったのか?そんなの、俺様のストレージボックスにゴロゴロあんぞ」

「す、すげぇ」

「さすが攻略組最強のプレイヤー」

「格が違うぜ」

なんか感動してるが、ただボコってたら貯まっただけだからなぁ。

「いいからそれ使っとけ、というかやる、要らねぇから」

「あ、ありがとうございます!!!」

「礼はいい、とっとと装備してついてこい」

「わかりました!」

俺様と騒がしいギルド連中は森に来ており、今、カマキリ型のモンスターと戦っている。

「おいサチ!!怖がってたらなにもできないぞ!!!」

「わ、わかってます!!」

「テツオ!!テメぇはスイッチが遅せぇ!!」

「は、はい!!」

「ササマル!!そこでスイッチだ!!」

「了解です!!」

「後衛はボーッと突っ立ってねぇでモンスターの動きを見て前衛のサポートをしろ!!」

「すごい、言葉は荒いけど、的確かつ迅速な指示でみんなを指揮している」

そりゃあ、一時は帝国を築いたことがあるんだ、このくれぇできねぇと銀河大皇帝なんかやってられっか。

「ケイタはこのくらい出きるようになれ!!」

「わ、わかりました!!」

すると、テツオが最後の一撃を当て、カマキリ型のモンスターは光となり消えていった。

「やったぁ!!」

「このくらいで喜んでんじゃねぇアホども!」

「「「「「「はい!!!」」」」」

「俺様が鍛えるんだ、一週間でレベルは30以上行ってもらわねぇとなぁ」

「そ、そんなぁ」

「無理ですよぉ」

「弱音吐いてねぇでさっさとそこのモンスターと戦え!!」

「「「「「ひぃ!!」」」」」

悲鳴をあげながらモンスターに向かっていく五人。けっ!まぁ、後はコイツらの努力しだいだな、俺様は俺様でモンスターを狩るか。俺様はギガバトルナイザーから三日月型の斬撃を放ってそこらにいるモンスターを一網打尽にする。

「これだから下層のモンスターは、手応えなくておもしろくねぇ」

俺様はギガバトルナイザーを腰に下げ、歩き出す。夕方までモンスターを狩って、町に戻った。俺様はまだやりたいことがあったため、フィールドに残った。

「あ?」

「ベリアルじゃねぇか、こんなところでレベル上げか?」

「テメぇはクラインか、なんのようだ」

「いや、見かけたからよぉ、それでお前ギルドに入ったのか?」

「二週間だけだ」

「そうかよ、それで、攻略組のほうはどうだ?」

「マウントを取り合ってるな、たぶんだがラストアタックボーナスが欲しいんじゃないか?」

「でも、それを全部お前がかっさらってんだろ?」

「俺様はただ強いモンスターと戦いたいだけだ、それ以外には興味ねぇ」

「そうか、まっ、頑張れよ!じゃあな!!」

と言ってクラインは仲間と共にモンスター狩りに戻っていった。すると、メッセージが届いた。

「あ?」

『あの、ベリアルさんだ、サチが戻ってなくて、みんなで探してるんですが、見つからなくて、手伝ってもらえませんか?』

「あの女は世話がかかりやがるな」

俺様は何故か手に入っていた追跡スキルを使い、足跡を見つけ、それが向かう場所へ向かった。そこには膝を抱えているサチが居やがった。

「おい、テメぇこんなところでなにしてる?」

「ベリアルさんですか、えっと、その」

「話したくねぇんなら別に構わねぇ、興味ないからなぁ」

「ふふふ、それ、フォローになってませんよ」

「フォローしたつもりはねぇ」

「そうですか」

そこで会話が止まり、しばらく無言だったが、サチが話し始めた。

「ねぇ、ベリアルさん、なんでこの世界から出れないの?なんでゲームなのに本当に死ななきゃならないの?私、死ぬのが怖い」

「そうかよ、まっ、それが普通のことだ、攻略組の奴らがちとおかしいだけだ」

「怖くても良いんですか?」

「いいんじゃねぇのか?俺様は何回か死んだことがあるからなぁ、別に死への恐怖なんてもんはとっくの昔に失くなった」

「何回か死んだことがある?でも、ベリアルさんは生きて」

「俺様はそのたびに強い憎しみと怒り、復讐心と共に復活した、そしてそのたびにまた倒された」

サチは驚きながらも、話を聞いていた。

「テメぇにはそういう感情はねぇだろ?だったら俺様みたいには死なねぇさ、というか、よっぽどのことがない限り死なねぇだろ、俺様がいるんだからなぁ」

俺様はそこで言葉を止め、一体の怪獣をバトルナイザーから召喚した。

「テメぇらは俺様がモンスターと戦う時に強くなるまで守られてりゃいい、ほれ、テメぇにコイツをやる」

「この子は?」

「リムエレキングだ、使い魔にできんだろ、そいつは電撃攻撃などが得意だ」

「私、ベリアルさんに貰ってばっかりですね」

「俺様は要らねぇもんをやってるだけだ、在庫処理みたいなもんだ気にするな」

「ふふふ、でも、気にしちゃうのが人間なんですよ」

「そうかよ、ほれ、テメぇは仲間んとこ戻れ」

「わかりました」

俺様はサチをメンバーのところへ送り、またモンスター狩りに行った。

 

 



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赤鼻のトナカイ?そんな歌、俺様は知らん!そもそもクリスマスってなんだ?3

来週から、YouTubeのウルトラマン公式チャンネルで、ウルトラ銀河伝説が5週に渡ってアップされます!!ベリアル陛下の勇姿楽しみだぁ。


今日はテツオがいねぇ。ギルドハウスなるものを買いに行ったらしい。俺様は明日でこのギルドを出ていく、今日でコイツらを鍛えるのは終わりだ。今日は27階層の迷宮区に来ている。

「言ったろう、俺達なら余裕だって」

「バカどもが、甘く見ていると痛い目見るぞ、そもそもこの世界で痛い目を見た場合、死に直結してるんだ、死への恐怖があるやつがそんなこと言ってんじゃねぇボケが!!」

「す、すみません」

「テメぇはもう少ししたら最前線でも戦えるとでも思ってるみたいだが、最前線を甘く見るな、最前線のやつでも、死ぬときゃ死ぬぞ」

「わかりました」

ササマルは素直にそれを聞き、反省する。全く、ゼロの野郎もこんな感じだったのか?

「お!」

ダッカーが何か見つけたようだ。

「油断するな」

「もちろんです」

妙な模様がある壁にダッカーが触ると、壁が動き始める。なかは部屋になっており、奥には宝箱が置いてあった。

「おおー!!トレジャーボックスだぁー!!うひょー!!」

サチと俺様以外の三人が入っていき、宝箱に駆け寄る。俺様とサチもなかに入る。ダッカーが宝箱を開けると。

ビー!!ビー!!ビー!!

警報が鳴り響き、大量のモンスターが現れた。

「チッ!テメぇらは俺様の後ろに隠れてろ」

「「「「「はい!!」」」」

俺様はギガバトルナイザーを取り出し、雷撃と三日月型の斬撃で一網打尽にする。

「チッ!きりがねぇ、こうなったらあれやるか、おい!テメぇら!」

「「「「は、はい!!」」」」

「伏せろ!!!」

俺様が指示すると、皆伏せる。俺様はそれを確認すると、うちに大量の闇のエネルギーを貯める。そして、一気に解放する。

「デスシウムダイナマイトォー!!!」

俺様を中心に、部屋を闇のエネルギーで満たす。それにより、モンスターがすべて消えていく。

「ケッ!こんなもんか」

俺様はギガバトルナイザーを腰に下げ、部屋を出る。

「ほれ、帰るぞ、帰って反省会だ、今回はしごくぞ」

「「「「ひ、ひぃ!!」」」」

四人は悲鳴を上げ、とぼとぼとついてくる。

 

 

 

「本当にありがとうごさまいました!!メンバーの命を救っていただき、本当にありがとうございましたぁ!!!」

「んで、ギルドハウスなるものは買えたのか?」

「はい!もちろんです」

「そうかよ、よかったな」

「あの、それよりもあれはいったい」

「アイツらが宝箱を見て油断しやがったから反省させてる」

「そ、そうですか」

俺様が居なかったらアイツらは死んでたからな、まぁ、いい薬にはなったか。

「あの、本当に出ていくんですか?」

「ああ、二週間の約束だからなぁ、俺様も忙しいんでね」

「そうですか、では、今日まで本当にありがとうございました、またご縁があれば」

「こんな騒がしいギルド、二度とごめんだ」

「ちょっと、ひどいじゃないですか、ベリアルさん」

「あなただって、二週間だけですけど、このギルドの一員だったですからね」

「まぁ、そうだな」

「どうでしたか?ギルドは」

サチがそう聞いてくる。

「まぁ、少しは楽しかったなぁ、これが仲間ってやつか、俺様には似合わんが、いいもんだな」

「そうでしょ」

「その仲間からこれを」

「なんだこりゃ?」 

「僕たちがお金を出しあって作った剣です、使わないかもしれませんけど、貰ってくれませんか?」

「ふっ、まぁいいだろう」

俺様は差し出された黒と赤色の模様に月の紋様がある剣を受けとる。名前は月夜の剣(シャドームーン)だった。俺様はそれを背中の鞘にしまい、歩き出す。後ろでは俺に向かってお辞儀をしている仲間達がいた。

 

 

 



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剣の強化

三人称サイド

黒の剣士キリトがリズベットと龍の巣に落ちたり、アスナとエッチな夜を過ごしたりしていた頃、陛下は一体のなにをしていたのでしょう?それは・・・。

 

 

「ハァッ!ジェアッ!!ウリャッ!!」

とにかくモンスターを狩りまくっていた。

「アイツらが作った剣、なかなか使えるなぁ」

今陛下が使っているのは月夜の黒猫団のメンバーが作った剣、月夜の剣を使っていた。ついに陛下も剣を使い始めました。

「さて、帰るとするか」

狩りをやめ、陛下は町へ戻るようだ。 

 

 

陛下サイド

この剣、なかなか使えるが、とうとう攻撃力の低さが裏目に出てきやがった。モンスターを倒すのにも時間もかかってきやがる。

「この剣強化とか出きるのか?」

俺様は剣を品定めするかのように見る。まぁ、俺様が見たところでそんなもんわからんがな。そういえば、閃光が鍛冶屋知ってるんだっけか?聞いてみるか。

「おい、閃光」

「え?わ、私?」

「ああテメぇだ、お前、鍛冶屋知ってるんだってな?」

「え、ええ、リズベットのところなら」

「そこにつれてけ」

「でも、べリアルさんにはギガバトルナイザーがあるから鍛冶屋とか行く必要ないんじゃ」

「この剣を二週間だけ所属してたギルドの奴らに別れの時に貰ってな、使ってたんだが、攻撃力が弱くてな、あと、何か知らねぇ力がついてるから見てほしくてなぁ」 

「へぇー、ベリアルさんがギルドに」

「何かわりぃか?」

「いえ、意外だなぁと思って、いつもソロでやってたからギルドなんて入らないと思ってました」

「そうかよ」

「現実世界でもソロで暮らしてそうなのに」

「いや、現実世界では詩乃って女と暮らしてる」

「ええ!?お、女の子と暮らしてるの!?」

「ああ、俺様が地球に来たときに会ってな、そこからそいつの家にいる」

「そ、そうなんですね」

「おい、そんなことよりも鍛冶屋はどこだ」

「えっと、第48層にあります」

「わかった」

俺様は転移結晶で48層の町へ移動し、閃光がくれた地図の通りに進むと、一軒の店が現れる。

「リズベット武具店、あれか」

俺様はドアを開け、中に入る。

「はーい、リズベット武具店へようこそ!今回はどんなご依頼ですか?」

「おい、この剣を強化しろ、金に糸目はつけん、素材が必要なら取りに行く、出来るか?」

「えっと、この剣の強化ですか?予算の糸目もないと、わかりました、えっと、この剣の強化に必要なのは、黒龍の鱗に牙、それと、何々、暗黒巨神の皇玉?こんなアイテムあったかな?」

「それだけか、なら行ってくるか」

「この剣は預かっときますね」

「わかった」

俺様は転移結晶で黒龍が出現する階層に転移し、出現場所まで駆け抜けた。周りのモンスターは眼もくれない。

「見つけた」

俺様はギガバトルナイザーを構え、戦闘を開始する。大体電撃攻撃と三日月型の斬撃、光弾、デスシウム光線で倒し、何故かついていたスキル、ドロップアイテムレア度アップやアイテムドロップ倍率上昇のスキルのお陰ですぐに集まり、だが。

「これだけあつまらん」

暗黒巨神の皇玉だけが集まらない。そもそもそんなアイテム存在しない。そもそも巨神なんてモンスターこのアインクラッドに存在しねぇしな。

「まさか俺様のことじゃねぇだろうなぁ」

暗黒の巨神、巨神ではないが巨人ではある俺様達ウルトラマン。どこかのウルトラマンは巨神とも言われてたらしいからなぁ。俺様は試しに闇のエネルギーを全身から集め、玉を作り出す。それを維持していると、アイテム名が書かれたタグが出てくる。

「やっぱりか」

俺様はそれを持って武具店に戻り強化を行って貰う。強化された剣は俺様のマークに月が被さるような紋章がついた剣へと変化した。名前は月夜の皇帝剣(巨神)である。

 



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陛下達の設定

 暗黒大皇帝ベリアル陛下について

 アインクラッド最強のプレイヤーにして元最凶のウルトラマン。息子であるジードに倒された後、魂だけの存在となり、次元の狭間をさ迷っていた。そこに突如ワームホールが現れ、SAO世界に流れ着いた。そこで朝田詩乃に拾われ今に至る。レイブラッドの怨念は抜けており、復讐心などはないが、戦闘が好き。特に命を懸けた戦いが好き。能力としては前世での能力はすべて使える。アトロシアスに変身するためのカプセルと、ライザーは持っているが、ライザーが世界渡りの影響で壊れてしまい変身できない状態である。この他にもゲーム世界へ現実世界の体でログインや人間体からベリアル本来の姿への変身など、様々な能力を持っている。使用武器はギガバトルナイザーと月夜の皇帝剣(巨神)(ベリアロク)という武器。このベリアロクはZが使う物とは性質が違い、宇宙の穴を埋める針ではない。しかし、威力はそれに劣ることはなく、むしろベリアル本人の力が入っているため凌駕している。この武器はSAO中には本来存在しない武器である。もしかしたら陛下の力が何か及ぼしたのかも。ウルトラマンとしての一体化能力も持ち合わせているため、いざとなれば誰かと一体化して戦うことが出きる。

 

 エクストラスキル

 怪獣召喚……ギガバトルナイザースキル。読んで字のごとく

 光弾……こちらも読んで字のごとく。

 

 雷撃……こちらも読んで字のごとく。

 

 三日月斬……ギガバトルナイザーから三日月型の斬撃を放つ。

 

 スキル

 怪獣使い(レイオニクス)……怪獣を操るスキル。

 

 闇の巨人(ウルトラマン)……闇の力を使うためのス

 キル。闇の力による攻撃力を戦闘時1.5倍にする。

 

 達人……戦闘時の攻撃力を2倍にする。 

 

 狙撃手……遠距離攻撃を確実に当てるスキル。相手が逃げようとすると、気絶のデバフをかける。いわゆるピヨルのだ。

 

 暗黒大皇帝(ベリアル)……すべての攻撃を常時3倍にするスキル

 

 ユニークスキル

 

 武器使い(ウエポンマスター)……すべての武器を併用できる。

 

 

 

 朝田詩乃/シノン

 ベリアルを保護した今作品のヒロインの一人。いつもベリアルに振り回されがち。銃のトラウマを原作同様持っている。しかしそのトラウマはベリアルが近くにいると何故か収まる。本人もベリアルが近くにいると落ち着くと、言っている。中学進学のために東京は来ている。

 

 桐ケ谷直葉/リーファ

 13歳の時に三面怪人ダダとスラン星人の策略により捕まっているところをベリアルに助けてもらう。その後はお礼をしたくてベリアルを探している。

 

 桐ケ谷和人/キリト

 原作の主人公。アスナとの一体化経験あり。

 

 結城明日菜/アスナ

 原作のヒロイン。キリトとの一体化経験あり。

 

 



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護衛

「俺様になんのようだ」

俺様は今、キリトに呼ばれてこの前剣を強化した鍛冶屋のところに来ている。

「いやぁ、俺さ今日用事があってね、リズの護衛をかわりにしてくれないかなぁって」

「用事つってもアスナとのデートだろうが」

「ちょっと、今のどういうことよ」

「い、いやぁ、そ、それじゃあ、あと頼んだベリアル!!」

「チッ!めんどくせぇ」

俺様は腰からギガバトルナイザーを取り出し、歩き出す。

「おい、行くんじゃねぇのか?」

「え?やってくれるの?」

「この前いいもん作ってくれたからなぁ、まぁやってやる」

「ありがとう!それじゃあ最初はここに行くわ」

「わかった」

俺様とリズベットは転移結晶で52階層へ向かった。

 

 

「んで、ここのどこへ向かうんだ?」

「ここの山岳地帯よ、ここには希少な鉱石が多いのよ、護衛、頼んだわよ」

「ハッ!」

何が護衛頼んだわよだ、俺様が52層のモンスターに負けるわけがねぇ。俺様はベリアロクを背中にセットし、リズベットの後を歩き出す。ギガバトルナイザーのなかでは怪獣どもが外に出せと騒いでやがる。

「うるせぇぞテメぇら!!」

「え?どうかしたの?」

「あ?この中に入ってやがる怪獣どもがうるせぇんだ」

「へぇーそれ怪獣っていうの入ってるんだ」

「ああ、別の宇宙でコイツで色々と悪さをやっていた」

「へぇー、どんなことしてたの?あたし気になる」

「胸糞わりぃ話ばかりだぞ」

「いいから、暇潰しにはなるでしょ?」

「わかったよ」

俺様はアイツと始めて対決した時のことを話し始めた。

「あれはまだ、俺様が光の国にしたときのことだ」

 

俺様は目的地につくまで俺様がやってきたことを話した。俺様がプラズマスパークを奪い、怪獣軍団を復活させて全宙を支配しようとしたことや、銀河皇帝となり一つの宇宙を支配したこと、怨念となり生き続け、ある鎧にとり憑き、ライバルの体を乗っ取り、俺様の中で仲間達を殺されていくところを見せたり。さらに、この世界とは違う別の世界にあるマルチバース世界の一つを一度破壊したり、その世界で息子を育て、最後は息子に俺様の悲しみと憎しみ、そして俺様の心の奥底にあった物を引き出してくれたあと、俺様を永遠の眠りにつかせようとしてくれたことなどを話した。

「あんたすごいことをやってきたのね、でも、息子はいい人みたいね」

「ああ、俺様の闇を受け入れ、それを己の信じる正義のために戦っている、俺様なんかよりよっぽどすごいやつだ」

「誇りに思ってるの?」

「いや、だが、アイツのことは信じられる。どんな困難にも立ち向かい、運命を変えてきたのだからなぁ」

「そっ、あ、もうそろそろよ」

俺様は話すのに夢中になっていたため、周りが岩に囲まれていることに気がついていなかったが、すでに山に入り、目的地についていたようだ。

「んで、なにをとるんだ?」

「オリハルコンよ、まさかこのゲームにファンタジー鉱石があったなんてねぇ、これでどんな武器が出きるか試してみたくてねぇ」

「そうかよ」

俺様はそういうのに興味ないんでね。さて、モンスターが出るまで寝てるとするか。

「おい、取り終わるかモンスター出たら起こせ」

「まさか寝るってんじゃないでしょうねぇ」

「あ?悪いか?」

「はぁ、まぁいいわ好きにしてて」

リズベットがそう言ったので好きにさせてもらうとするか。

 

リズベットサイド

今日はキリトの代わりにベリアルさんが私の護衛をしてくれている。まさかやってくれるとは思ってなかったけどね。そういえば、ベリアルさんって本当に宇宙人なのね~。過去にやってきたことが想像を越えてたわ。あ!見っけ。

「よいしょっと」

いい感じねぇ、さっすがマスタースミスねぇーって、あたしのことなんだけどね。よし!次々ぃ~。あたしはあちこち歩き回り、オリハルコンを取っていった。

「さぁーて、ここで終わりにしようかしらねぇ~」

あたしは最後のオリハルコンを取り始める。

「よしっ!さて、帰りますかねぇ~」

あたしがベリアルをお越しに行こうと振り返ろうとすると、黒い影があたしを包み込んだ。振り向くと、攻撃しようとしている。巨大なモンスターがいた。

「え?」

あたしは何が起きているのかわからず、その場に立ち尽くしてしまった。そのせいであたしは逃げることが出来なかった。モンスターは振り上げた爪をこちらへ振り下ろしてくる。あたしは眼をつむった。

あたし、死ぬのかな?

そう思いながらにあたしは攻撃の衝撃が来るのを待った。しかし、一向に来なかった。その代わりにあたしを何かが包み込む感覚があった。眼を開けてみると、苦悶の声をあげるベリアルがあたしを庇うようにあたしに覆い被さっていた。

「ベリアルさんっ!?」

ベリアルさんのHPはわずかしか残ってなく、次の攻撃を受ければ死んでしまうくらいだった。すると、モンスターはまた爪を振り上げていた。

「ベリアルさん!!退いて!!あたしはいいから!!」

「はっ!護衛される側がなに言ってやがる」

「でも!!」

一向に退こうとせず、そのままあたしを庇うようにしているベリアルさん。すでにモンスターは爪を振り下ろしてきている。あたしはまた眼をつむり、ベリアルさんに掴まった。すると、ガギィン!!という何かがなにかを弾く音がした。

「よくやったゼットン」

すると、ベリアルさんはあたしから離れていく。モンスターの方を見ると黒い何かが立っており、バリアを放っていた。

「戻っておけ」

ベリアルさんがそう言うとそのモンスターは光となりギガバトルナイザーに戻っていった。

「さぁて、お前なら俺様を楽しませてくれそうだなぁ」

そう言ってベリアルさんはモンスターに飛び出していった。ベリアルさんは怒涛の攻撃でモンスターをあっという間に倒してしまった。

「なんだこんなもんか、おい!もう終わったのか?」

「え、ええ」

「なら戻るぞ」

「わ、わかったわ」

その背中は、とても頼もしく見えた。乱暴ながらも優しいベリアルさん。あたしの心はその時から彼を見ると暖かい気持ちで一杯になる。たぶんキリトとアスナの関係を見て、気持ちが沈んでいた時に彼と出会ったからでしょうね。

ガチャ。

今日も赤と黒の装備を着た彼が来た。

「おい、コイツを鍛えろ、金と素材はなんとかなる、頼んだぞ」

「ええ!もちろんよ!!」

今日もあたしは彼を思っている。言っておくけど、あたしは軽い女じゃないからね。

 

 




リズの仕打ちがかわいそうで結局ヒロインの一人にしました。アンケートのリズは消しておきます。


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青眼の悪魔 ベリアルルート

「今度は俺様になんのようだ」

「いや、ちょっと、一緒にパーティ組まないかなぁって」

「ええ、ベリアルさん、いつもソロだから」

「なんだ、俺様が寂しがってるとか思ってるのか?」

「い、いえ、そう言う訳じゃないんですけど」

「そうかよ」

 全く、まぁめんどくせぇがやってやるか。

「んで、どこに行くんだ?」

「74層のダンジョンに」

「いつ行くんだ?」

「明日です、行ってくれますか?」

「ああ、足手まといにだけはなるなよ」

「それはこっちの台詞だ」

 キリトと約束し、俺様はリズの鍛冶屋に行く。俺様が依頼したものがそろそろ出来そうだからなぁ。俺様は転移結晶を取り出し、48層に転移した。

 

 

「おい、出来てるか?」

「あ、ベリアルさん!! いらっしゃい!! もちろん、出来てるわよ!! でも、この武器達、あなたが使うの?」

「ああ、使うさ」

 俺様はリズに作ってもらったダガー、メイス、槍、棍、細剣、刀、曲刀、両手斧を受け取った。

「ふーん、まぁいいわ、そ、それよりさ、ちょっと、お願いがあるんだけど」

「なんだ? 残念ながら明日は手伝えねぇぞ」

「ううん、素材採取じゃないの、すぐ終わるわ、えっと~、お願いっていうのは……」

「早くしろ、こいつらの練習がしたいんだ」

「わ、わかってるわよ!! あのね」

 何故かもじもじしているリズ。なんだ? そんなにいいずれぇものなのか? 

「け、結婚してくれない?」

「あ? ケッコン? なんだそりゃ?」

 なんだケッコンって、そんなの聞いたことねぇぞ。

「え、えっと知らないの?」

「聞いたこともねぇ」

「そ、そうよね!! う、宇宙人だもんね!! はぁー、やっぱりダメか」

 何故かしょんぼりし始めるリズ。

「おい、そのケッコンとやら知らないが、やってやらんこともねぇぞ」

「ほ、ほんと!?」

「ああ、すぐにすむんならなぁ」

「やったぁ~!!!」

 なんだ? そんなにいいもんなのか? やはり人間の価値観は理解できん。

「それで、どうすんだ?」

「えっと、私が結婚の申し込みをするから、それを承諾してくれればいいだけよ」

 すると、モニターが現れる。俺様はそれを承諾すると、アイテムストレージ及び、所持コルの統合をしてもよいかと書かれていた。そうか、これが狙いか。

「おいリズ、これがしたかったのか?」

「え? え、ええ! そうよ!! あんた、いつも大量注文してくるから大変でね、それに素材の受け渡しもめんどくさいからねぇー」

 何故か焦った口調で話すリズ。なんなんだ。

「それじゃあ俺様は行くぞ」

「ええ、いってらっしゃい」

 俺様は鍛冶屋から出て、74層に転移した。

 

 リズサイド

 まさかベリアルが結婚を知らないとはねぇ、でも。

「やったぁー!!!」

 私は店の中をはしゃぎ回り、そのせいで自信作の一つを壊してしまった。

「なにやってんだろあたし」

 私はちょっと罪悪感に浸りながらも、ニヤニヤしながらアイテムストレージを見て、その日は寝た。




陛下は結婚の意味を知らなかったようです。


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青眼の悪魔 ベリアルルート2

翌日

俺様はキリトとアスナと合流し、ダンジョンへ向かった。

「スイッチ!」

「ジェアッ!!」

「すごい、手練れが二人もいるだけで戦闘が安定するなぁ」

「キリト君!スイッチ行くよ!!」

「お、おう!」

キリトがバーチカル・スクエアとメテオブレイクを骸骨兵士に当て、倒す。その後、俺様達はまだ未到達領域のマッピングを始めた。

「キリト君、ベリアルさん、あれ」

すると、アスナがなにか見つけたようだ。見ると大きな黒い扉を発見した。

「これってやっぱり」

「たぶんそうだろうなぁ」

「ボス部屋かぁ、楽しめる相手だといいなぁ」

俺様がそう言うとキリトとアスナは微妙な顔をしてこちらを見てきた。

「なんだ?」

「「なんでもない」」

沈黙が数秒あった後。

「どうする?覗くだけ覗いてみる?」

「ボスモンスターは、その守護する部屋からは絶対に出ない、ドアを開けるだけなら大丈夫だ」

「そ、そうだね」

「一様転移結晶を準備しといてくれ」

「なんだつまんねぇなぁ」

「そ、そんなこと言わないでくださいよ、まだどんなモンスターなのかわかってないんですし、偵察は普通のことでしょう?」

「まぁ、それもそうか」

俺様も転移結晶を取り出し、左手に持っておく。

「いいな?開けるぞ」

「うん」

「おう」

キリトとアスナが扉に手をかけ、押す開く。中に入り、周りを見渡す。暗くてよく見えんな。すると、急に青い火が着き始める。周りが明るくなり、ボスモンスターの全貌が見える。そいつは尻尾がコブラの牛のモンスターであった。そいつは〝きらめく眼〟という名前のモンスターだ。

「こいつは、あれを使うのにはもってこいのやつだなぁ」

俺様が嬉しがっていると、二人はすでに叫びながら逃げていた。

「チッ!デスシウム光線ぶち当てて追うか」

俺様は腕を十字に組んで赤黒い光線を当てたあと、二人を追った。

 

 

 

俺様が追い付くと、二人は柱に背中を預けていた。

「お前らビビリだなぁ」

「なに言ってるんだベリアル!!あんなやつに向かっていけってのか?」

「そう言う訳じゃねぇが叫ぶ必要ねぇだろう」

「だ、だってあんなにおっかないんですよ!?ベリアルさんは宇宙人だからわからないんです!!」

「そうかよ、おいアスナ、お前、そのさんってのやめろ、なんか気持ちわりぃ」

「わ、わかりました」

「敬語もいい」

「わかったわ」

俺様も柱に背中を預け、横にギガバトルナイザーを立て掛ける。

「あれは苦労しそうねぇ」

「ああ、そうだなぁ、パッと見、武装は大型剣だけだけど、特殊攻撃ありだよなぁ」

「前衛に硬い人をおいて、どんどんスイッチしていくしかないね」

「それか、ベリアルの光線で遠距離から攻撃するしかないよな」

「言っておくが、そんなずっとは出せねぇからな」

「わかってるさ、だから結局は盾を装備をした人が10人はいないとなぁ」

「盾装備ねぇ」

「なんだよ?」

「君、なにか隠してるでしょ、ベリアルも」

疑いの眼をこちらへ向けてくるアスナ。俺様が隠し事?別にねぇがなぁ。

「なにが?」

「だっておかしいもの、普通、片手剣の最大のメリットって、盾を装備出来ることじゃない?でも、キリト君が盾持ってるとこ見たことない、ベリアルも片手剣を使い始めたけど、盾装備してないしね」

「あんなもん俺様には必要ねぇ、邪魔なだけだ」

「ベリアルはそうね、私の場合はレイピアのスピードが落ちるからだし、スタイル優先って言って持たない人もいるけど」

「ん、うーん」

「リズに作らせた剣も使ってないみたいだし、それにベリアルも大量の武器を作らせたじゃない、それも全部違う種類、怪しいなぁ」

眼を細めてこちらを見てくるアスナ。チッ!これが女の勘ってやつか。キリトも動揺してやがる。そんなわかりやすい動揺のしかたすんなよ。

「まぁいいわ、スキルの詮索はマナー違反だもんね」

「はぁ」

なぜそこでため息を出す、バカタレが。

「さっ、遅くなっちゃったけど、お昼にしようか」

ボタンを操作して、バケットを取り出すアスナ。

「な、なに!て、手作りですか?」

ポカンとした顔をするアスナ。

「そっ、ちゃんと手袋外して食べるのよ」

「お、おう!」

「はいどうぞ」

俺様もアスナからパンに食べ物を挟んだものを受け取る。

「こりゃなんだ?」

「サンドイッチよ、ベリアルは知らないでしょうねぇ」

「ハムッ!」

「アグッ!」

キリトと俺様はサンドイッチにかぶりついた。詩乃が作ってくれる唐揚げに似た味がする。

「うまい!しかし、この味どうやって?」

「一年の修行と計算の成果よ、アインクラッドで手に入る、約百種類の調味料の味覚再生エンジンに与えるパラメーターを全部解析してこれを作ったの。こっちが、グログアの種とシュブルの葉とカリム水で」

キリトの手に、緑色の液体を垂らす。それを舐めると、キリトは驚いたような顔をした。

「マヨネーズだ!」

「でこっちがアビルパ豆とサグの葉とグーラフィッシュの骨」

次に、紫色の液体を垂らし、キリトはそれを舐める。舐めたキリトは衝撃を受けたような顔をする。

「こ、この懐かしい味は・・・醤油だ!」

「うふふ、サンドイッチのソースはこれで作ったのよ」

「すごい!完璧だ!これを売り出したらすっごく儲かるぞ!」

「そ、そうかな?」

「はっ!やっぱりダメだ」

「え!?ど、どうして?」

「俺の分がなくなったら困る」

なんだよそんなことかよ。

「はぁ、意地汚いかぁもう。気が向いたらまた作ってあげるわよ」

すると、誰かがこの空間に入ってくる音がした。二人は立ち上がり、身構える。

「あーあ~くたびれちまったぁ~」

「ようやくだなぁ」

「ん?おーうキリトー!久しぶりだなぁ!!ベリアルも!!」

クラインだったか。アイツは確かギルドを組んでるんだっけか?

「まだ生きてたかクライン」

「相変わらず愛想のねぇやつだなぁあれ?なんだよぉ!!ソロのお前が女ずれだなんだ・・・?うえ?」

「あっと、ボス戦で顔を会わせてると思うけど一様紹介するよ。こいつは、ギルド、風林火山のクライン。んで、こっちが血盟騎士団のアスナ。おい!なんとか言え、ラグってんのか?」

すると、クラインが急にお辞儀をして手を差し出した。

「こ、こんにちは!クライン、24歳独身!恋人募集中おお!」

キリトがクラインの腹にパンチをいれて黙らせる。なにしてんだか。

「ええ!?」

「「「「「「り、リーダー!!!」」」」」

五人の仲間がキリトを取り囲み、キリトを睨み付ける。キリトがアスナを庇うようにするが、そいつらは。

「「「「「あ、アスナさんじゃないですかぁー!!!」」」」」

皆アスナにお近づきになろうと殺到する。しかし、それをキリトが押さえる。

「ま、まぁ、悪い奴らじゃないから、リーダーの顔はともかく」

すると、クラインがキリトの足を踏みつけ仕返しをする。

「ウギぃ!?お、お前!」

「ハハハハハ!お返しだ!」

騒がしい奴らだ。

「う、うふふふふふふふ、ふふふふふ」

「おいどういうことだよキリト」

「こんにちは!しばらくこの人とパーティ組むのでよろしく、もちろんベリアルとも」

「なっ!?キリト!ベリアルテメぇ!!」

「俺様半ば強制的に組まされただけだ知らん!」

全く、男の嫉妬だっけか?マジで醜いな。ギャーギャー騒ぎ始めるキリト達。すると、ズカズカという足音が複数聞こえてきた。軍のやつか。

見ると、灰色の目が隠れた兜を着た男達が入ってきていた。

 

 

 

 

 



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青眼の悪魔 ベリアルルート最終

「キリト君!」

 身構える始めるキリト達。

「あれは、軍の奴らか?」

「第一層を支配してる巨大ギルドが何でこんなところに?」

「25層のボス戦で多大な被害が出てから、ボス攻略より組織強化ってなって、前線に来なくなっていたはず」

 軍の奴らはその場に止まり、リーダーの男から休憩の指示があり、倒れるように座り込んだ。リーダーの男がこちらへやってきて自己紹介を始めた。

「私は、アインクラッド解放軍、コーバッツ中佐だ」

「キリト、ソロだ」

「君らはこの先も攻略しているのか?」

「ああ、ボス部屋の前まではマッピングしてある」

「ふむ、ではそのマッピングデータを提供してもらいたい」

「「「なっ!?」」」

「ただで提供しろだと!? テメぇマッピングする苦労がわかっていってんのか!?」

「我々は一般プレイヤーに、情報や資源を平等に分配し! 秩序を維持すると共に! 一刻も早くこの世界からプレイヤー全員を解放するために戦っているのだ!! ゆえに! 諸君が我々に協力するのは当然の義務である!!」

「あなたねぇ!!」

「テメぇ!!」

「よせ」

「おい」

 俺様はリーダーの男に話しかける。

「なんだね、君は」

「俺様はウルトラマンベリアル、この世界最強のプレイヤーだ」

「ほう、それが私になんのようだ」

「一言いいたくてなぁ、お前、俺様達が協力するのは義務だっつったな」

「ああそうだ」

「なら俺様から一つ、そんなもん知るか!!」

「なっ!? なんだと!?」

「自分達を軍だとかなんとか言って傲るのはいいがなぁ、俺様達を巻き込むな、一層に引きこもったゴミ虫どもが!」

「貴様ぁ!!!」

「おいおいおいよせっ!! 俺たちが争っても意味がない! ベリアルも! 言うんじゃない!!」

「人間を罵ってなにが悪い! こちとら一度宇宙を破壊したことがある宇宙人だ!!」

「うるさい!! ベリアル!!」

「テメぇのほうがうるせぇ!!」

 俺様はギガバトルナイザーをふるい、電撃を撒き散らす。

「あっぶねぇなぁ! はぁ、ベリアル、落ち着いてくれ」

「ああ!?」

「こいつらの態度が目に余るのはわかるが、抑えてくれ」

「チッ!」

 俺様はギガバトルナイザーを立て掛け、背中を柱に預ける。

「で、地図の話だよな? いいぜ、どうせ町に戻ったら公開する予定のデータだ、かまわないぜ」

「おいおい、そりゃ人がよすぎるぜキリト」

「マップデータで商売する気はないよ」

 キリトはリーダーの男にマップデータを渡した。

「ふむ、協力感謝する」

 リーダーの男は仲間達のところに戻り、仲間達を立たせ、先に進み始める。キリトの言葉も聞かずに。

 

 しばらくし、キリト達が心配し始めると、ボス部屋のほうから悲鳴が聞こえ始めた。

「自業自得だ」

 俺様はボソッと言った。キリト達は走りだし、ボス部屋へ向かい始めた。俺様が着いた頃にはアスナが飛び出していっていた。

「あんのバカが!!」

 俺様は走りだし、ギガバトルナイザーを掴む。あわてて飛び出していったのか、アスナはボスの攻撃を喰らい、吹き飛ばされた。ボスが追い討ちをかけようとするが、アスナの前に立ちはだかったキリトがギリギリのところで攻撃の範囲をずらす。キリトは攻撃を受けながらも、ボスと切り結んでいく。しかし、このままだと負けると判断したのか、アスナとクラインに10秒間だけ任せ、スキルを選択し始める。俺様も行くか。

「おいキリト」

「な、なんだ?」

「俺様と一緒に行くぞ、面白そうなボスだしなぁ!」

 俺様も、スキル画面を開き、あるスキルを発動する。さらにギガバトルナイザーをしまい、リズが作った剣を取り出す。

「「よし! いいぞ(ぜ)!!」」

 アスナが戦線から離脱すると同時に俺様達はスイッチを繰り出す。

「「スイッチ!!!」」

 ボスモンスターに切りかかる俺たち、キリトの背中にはもう一本の剣が現れる。俺様の背中には黒と赤のメイスが現れる。

「「オラァッ!!!」」

 俺様達のWスイッチが決まり、ボスは吹き飛んでいく。俺様達はそこでソードスキルを発動する。

「スターバースト・ストリーム」

 キリトは呟くように。

「スターバースト・デスシウム!!!」

 俺様は叫ぶように言うと、キリトは二刀流で、俺様は一撃を与えるたびに、メイスからダガー、槍、曲刀、両手斧と武器を変え、恐ろしいスピードの連撃を加えていく。

「オラオラオラオラオラオラァ!!」

 ボスのHPバーはものすごいスピードで減っていく。HPバーが赤になったとき、俺様は一度離れ、右手にエネルギーを貯める。キリトが最後の一撃で隙を作る。

「ベリアル!!!」

「おう!!」

 俺様は腕を十字に組み、必殺の一撃を放つ。

「デスシウム光線!!! フアっ!!」

 赤黒い光線が放たれ、ボスモンスターに止めを刺す。光に包まれてボスモンスターは消えていき、クリアの文字が浮かぶ。そこで俺様達は意識を失った。

 

 

 目を覚ますと、皆は俺様達を取り囲んでいた。

「あ?」

「う、どのくらい意識を失っていた?」

「ほんの数秒よ、バカっ! 無茶して! ひくっ、ベリアルも!!」

「別に俺様の心配はしなくてもいい」

 吐き捨てるようにそう言う。すると、クラインが犠牲者の数を教えてくれた。

「コーバッツとあと二人死んだ」

「ボス攻略で、犠牲者が出たのは、67層以来だ」

「こんなのボス攻略って言えるかよ、コーバッツのバカ野郎が死んじまったら何にもなんねぇだろうが」

 いっぱくの沈黙。クラインは頭を降り、気持ちを切り替える。

「そんなことよりキリト、ベリアル! なんだよさっきのは!」

「言わなきゃダメか?」

「あったりめぇだ!! みたことねぇぞあんなの!!」

「はぁ、エクストラスキルだよ、二刀流」

「「「おお!」」」

「んでベリアル、お前のは」

「俺様のは武器使い(ウエポンマスター)あらゆる武器を併用することが出きるスキルだ、いわゆる、二刀流の上位互換だな」

「んで! 出現条件は?」

「わかってるよ、もう公開してる」

「俺様はしてねぇ、したところで器用貧乏が増えるだけだ」

「情報屋のスキルリストにも載ってねぇ、てことはお前ら専用! ユニークスキルじゃねぇか! たく水くせぇなぁキリト、ベリアルそんなすげぇ裏技黙ってるなんてよぉ!」

「半年くらい前、スキルウィンドウを見たらいつの間にか、二刀流の名前がそこにあったんだ」

「俺様もそんな感じだ、俺様はギガバトルナイザーと片手長剣しか使ってなかったからなぁ、すべての武器を使えるようにしてから使いたかったから隠していた」

「でも、こんなスキル持ってるなんて知られたら……」

「ネットゲーマーは嫉妬深いからなぁ、俺は人間が出来てるからいいが、妬み嫉みはそりぁーあるだろうなぁ、それに、まっ、苦労も修行のうちと思って頑張りたまえ若者よ」

「勝手なことを」

 なんだか知らねぇが女絡みなのはわかったな。

「転移門のアクティベート、お前が行くか?」

「いや、任せるよ、俺はもうへとへとだ。そういえばベリアル、ラストアタックボーナスはなんだった?」

「秘密だ」

「そうか」

「それじゃあキリト、気を付けて帰れよ」

 と言ってクラインは転移門へ歩き出す。数歩歩いたところで止まり、こちらに振り向いてきた。

「そういやキリト、お前が軍の奴らを助けにいったときなぁ」

「なんだよ?」

「まぁ、なんつうか、嬉しかったよ! そんだけだ、またなぁ!」

 と言ってクラインはまた転移門へ歩き出した。さて、俺様も帰るとするかねぇ。

「じゃなぁ、キリト」

「ああ、ベリアル」

 俺様はクラインが開けた転移門に登録したあと、リズの鍛冶屋がある町へ戻った。リズに顔を見せると、怒られた。何でだ? 

 

 

 

 

 

 

 



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ラフィンコフィン

俺様は今、キリトの後をつけている。なぜか胸騒ぎがしてなぁ、めんどくせぇが、やってやることにした。キリトは血盟騎士団に呼ばれたらしい。なにがあったんだか。とりあえず、剣とバトルナイザーは準備しておくか。俺様はストレージにしまっておいた剣とバトルナイザーを帯刀しておいた。

「おう!ベリアルのあんちゃん!!」

「あ?」

振り向くと、情報屋のアルゴがいた。

「なんのようだ?」

「いや、ちょっと見かけたからなぁ、そうだ!ちょっとおもしれぇネタあるんだよ」

アルゴはそう言うとアイテムストレージからある地図を取り出した。

「今日、ラフィンコフィンの一人が動くらしい、なんでもキリトを狙って」

「ほう」

胸騒ぎの正体はこれか。

「二刀流の妬みか、それとも誰かに依頼されてか、わからないが、キリトが狙われているのは確かだ、ベリアルのあんちゃんならアイツを守れるだろ?」

「まぁな、だがアイツなら別にどうってことねぇんじゃねぇか?」

「それが、ラフィンコフィンの常套手段は、麻痺毒で動けなくしてから殺しと、集団での襲撃なんだ、もし、前者の場合、キリトでも対応しきれないだろう」

「わかった、いけばいいんだろ?」

「まぁ、そういうことだ、キリ坊はうちのお得意様なんでね、頼んだよ」

そう言ってアルゴは行ってしまった。

「確か、血盟騎士団の本拠地は55層だよなぁ」

俺様は転移結晶で55層へ転移した。

 

 

キリトと血盟騎士団団長ヒースクリフのデュエルが始まった。果敢に攻めるキリトだが、ヒースクリフはすべて、盾でガードしてしまう。攻防は数分間続いたが、キリトが負けてしまった。

「ハッ!」

俺様は座っていた席から立ち上がり、決闘場を後にした。それにしてもあの盾の挙動はおかしい。それに。

「あの破壊不能オブジェクトマーク。大体わかってきたせぇ」

アイツが、茅場だ。まぁ、しばらく泳がしておくか。

 

 

ダセェかっこうになったなぁキリト。真っ黒だったお前が、今じゃ真っ白に赤のラインにワンポイントか。

「まぁ、とにかく、確かラフィンコフィンの襲撃は今日だったよなぁ」

確か、クラディールだったか?俺様達がパーティ組んだ時にキリトにつっかかったやつだな。どうせ、アスナをとられたとでも思ってるんだろう。犯罪者になったら即効で殺すか。血盟騎士団のホームに入っていくキリト。しばらくすると、毛深い男と、クラディールが出てきた。後にキリトが現れ、何かを意気込んだ後出発していった。

「行くか」

俺様はその後をつけていく。

 

 

迷宮区に入り、中腹まで進んだ時、キリト達は休憩に入った。俺様も休むとするか。なぜか出掛ける前にリズに渡された弁当を開けて食べ始める。

「詩乃には及ばんがなかなかいけるな」

俺様が弁当を食べていると、下で物音がし始めた。始まったか。見ると、毛深い男が死んでいった。もう犯罪者になったか。次に、キリトをじわじわと攻撃し始めた。俺様は水を飲んだ後、HPバーが赤になったキリトと融合した。

「なっ!?なぜだ!!なぜ急にHPが回復するんだ!!!」

「ハッ!俺様達ウルトラマンはなぁ、致命傷の傷を受けた奴と融合することによってそいつの傷をすべて回復させられんだよ!!」

俺様はギガバトルナイザーをふるい、グラディールを吹き飛ばす。すると、アスナがものすごいスピードで現れた。

「大丈夫!!キリト君!!」

「あ?」

「えっと、キリト君?」

「俺様はベリアルだ」

「えっと、」どういうこと?」

俺様は事の顛末を話した。

 

 

「そういうことだったのね、ベリアル、ありがとう」

「別に礼は要らねぇ」

アスナと話していると、グラディールが起き上がり、アスナに剣を振るってくる。

「死ねぇえええ!!!」

「くっ!」

「あなたが俺のものになってくれないからこんなことになってるんですよ!!わかってますかぁ!?」

「うるせぇぞ虫が」

俺様はギガバトルナイザーからベリアルジェノサンダーを放ち、グラディールを殺す。

「昔の俺様のように地獄に落ちろ」

俺様はキリトから離れる。

「ベリアル、本当にありがとう」

「別にかまわねぇよ」

俺様は二人を置いて歩き出す。

「じゃぁな」

俺様は飛び上がり、町へ戻ると、回復結晶やらなんやらを大量に買い込み、ダンジョンの奥深くに潜った。

「これ以上、クソみてぇな奴らの好きにさせてたまるか」

俺様はそう決意してモンスターを狩り続ける。



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殺人ギルドの壊滅

この日、特大ニュースがアインクラッドに流れた。

「なっ!?それは本当なのか!?」

「ああ、跡形もなくなくなってたらしいぞ」

クラインと話すキリト。クラインが持ってきた情報に衝撃を受け、目を見開いている。

「殺人ギルド、ラフィンコフィンが一夜にして壊滅したなんて信じがたいことなんだが」

「だが本当らしいぞ、ラフィンコフィンがホームにしていた場所はボロボロ、人っ子一人いなくなってたらしい」

そう、かの有名な殺人ギルド、ラフィンコフィンが一夜にして壊滅、解散となったらしい。しかし未だに残党や生き残りはおり、再結成を計画しているらしい。

「それで、その場所に、こんなマークがあったんだ、なぁキリト、これ、アイツの本当の姿の顔に似てねぇか?」

「ああ、アイツに似ているな」

二人は声を揃えていった。

「「ベリアルに」」

そう、ラフィンコフィンを壊滅させたのは、陛下なのだ。この前のキリトが襲われたことが、陛下の癪に触れたらしい。

 

 

 

陛下サイド

「もう!!この二週間、どこに行ってたのよ!!!」

久しぶりに訪れたリズの鍛冶屋で俺様はリズに怒鳴られていた。

「すごい、心配したんだからぁ」

そして泣き出した。なんなんだ。

「何で泣き始めるんだ」

「そんなの好きで心配だからに決まってるからでしょ!!」

「俺様のことが好きだと?お前本気で言ってるのか?」

「好きじゃなかったら結婚なんて申し込まないわよ!!」

「テメぇ!!俺様を騙したのか!!」

チッ!もういい、まぁ、俺様もこいつのことは気に入ってるから悪い気はしねぇがな。

「まぁいい、そんなことより、攻略はどうなった?」

「そんなことよりって、はぁ、進んではいるわよ、今はボス部屋が見つけられなくて立ち往生中」

「了解だ」

俺様は武器のメンテナンスのためにリズに渡し、すぐそばの椅子に座る。

「そういえばラフィンコフィンを壊滅させたのよね?どうやったの?」

「そのギガバトルナイザーのなかにいる百体の怪獣達をぶつけてやった。ちょっと、俺様の因子を入れた融合獣もいたがなぁ、映像もある」

俺様は映像記憶結晶を出して見せる。

「ほんとだ、どことなくあなたに似てる怪獣がちらほらいる、この怪獣に至っては顔があなたそのものね」

映像のなかで混乱しているラフィンコフィンの奴らを怪獣達は噛みつきやひっかき、ブレスや火球などで蹂躙していく様が見れる。最後にベリアル融合獣どもの光線やらブレスやらが炸裂し、ラフィンコフィンの奴らは死んでいった。

「こいつらを使ったのは久しぶりだったな」

「そう、はい、終わったわよ」

「おう、ありがとよ」

「もういくの?」

「ああ、攻略に戻るとするさ」

俺様はリズの鍛冶屋を後にして75層へ向かった。



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脱出

「ウリャッ!!」

「「「うおおおおおお!!!」」」

今、俺様達は75階層の骨で出来たムカデ型のボスモンスターと戦っている。確実にダメージを与えてはいるのだが、犠牲者が出てしまっている。

「ハァッ!!」

「うおおお!!!」

「どりゃああ!!!」

ボスモンスターのHPバーが赤になった。

「全員突撃ぃ!!!」

ヒースクリフの掛け声も共に、一斉にプレイヤー達が突撃していく。全員がソードスキルでダメージを与えていき、ついに骨ムカデは死亡エフェクトと共に消えていった。クリアだ。

 

 

 

さてと、俺様は転移門のアクティベートでもしておくか。他の奴らは疲れからその場に座り込んでいる。しかし、一人だけ、何食わぬ顔で立っている者が俺様の他にもう一人いる。ヒースクリフだ。すると、キリトがエリュシデータを持って、ヒースクリフに向かって駆け出した。アイツも気づいたか。気づくのが遅せぇんだよ。キリトからの攻撃を受けたヒースクリフから破壊不能オブジェクトを警告する文字が現れる。

「どうしたのキリト君!!っ!?」

アスナも気付き、驚愕の顔を浮かべる。

「システム的不侵、どういうことですか団長!!」

「この男のHPはどう足掻いてもイエローゲージにはならない、システムに保護されているのさ」

他のプレイヤーは、なぜという顔をするものと、驚愕の顔をする者と別れた。

「この世界に来てから、ずっと疑問に思ってたことがあった、アイツは、今どうやって俺たちを観察し、どうこの世界に挑戦しているんだろうと。でも俺は、単純な心理を忘れていたよ。どんな子供でも知っているものさ、他人のやっているRPGを傍らから見ていることほど、つまらないものはないって」

そこまで推理立てられたとは、さすがだなぁキリト。

「そうだろう?茅場明彦」

先ほどまでバラバラの表情を顔に浮かべていた他プレイヤー達の表情が驚愕の色に染まった。

「なぜ気づいたのか、参考までに教えてくれるかな?」

「最初におかしいと思ったのはデュエルの時だ、最後の一瞬だけ、あんたあまりにも速すぎたよ」

「やはりそうか、あれは私にも痛恨時だったよ、君の動き圧倒されてつい、システムのオーバーアシストを使ってしまった」

さらに驚愕の表情をするプレイヤー達。まぁ、そこまでではないが、俺様もこいつがなにかをやったことは気づいていたがなぁ。

「確かに私は茅場明彦だ、付け加えれば、このゲームの最上階で待つ、最終ボスでもあった」

「なっ!?」

「嘘だろ!?」

そうだったのか、だが、俺様からしたらコイツは弱すぎる、俺様からしたらボスにもならなかっただろう。

「趣味がいいとは言えないぞ、最強のプレイヤーが一転、最恐のラスボスか」

「なかなか良いシナリオだろう?最終的に私の前に立つのは君だと予想していた、二刀流スキルは、全プレイヤーの中でも最強の反応速度を持つものに与えられるものだ、そしてその者が、魔王に対する勇者の役割を担うはずだった。君は私の予想を超える役割を担ってくれた、まぁこれも、ネットワークRPGの醍醐味とも言うべきか」

「お、俺たちの忠誠をよくも、よくもぉ!!!」

一人の血盟騎士団団員が茅場に斬りかかろうとした。しかし、茅場はコマンドを使ってその団員を麻痺させた。さらに、キリト以外のプレイヤー達も麻痺にしていった。もちろん俺様も、しかし俺様には効かなかった。

「なぜ君には効かないのかな?ベリアル君」

「こういう想定して、ある力を手に入れた」

「ほう、どのような力だい?」

「システムプログラム破壊、あらゆるシステムとプログラムを破壊する力だ。闇の力の恩恵ってところか、俺様のレベルが上がることによって、俺様自身の力も上がってるだろうからなぁ」

「やはり、君はイレギュラーだよベリアル君」

「そうかよ」

「それはさておき、それではキリト君、私の正体を見破った報酬を与えよう。チャンスだ」

「チャンス?」

「今この場で、私と一対一で戦うチャンスだよ、もちろん、不死属性は解除する。もし私を倒すことが出来れば、アインクラッド内の全プレイヤーが解放され、この世界かはログアウトできる」

「ダメよキリト君、今は引いて」

キリトは決めかねているようだ。しかし、決意したようだ。

「ふざけるな」

「はっ!」

「いいだろう決着をつけよう」

「キリト君!」

「ごめんな、ここで逃げるわけには行かないんだ」

「死ぬつもりじゃ、ないんだよね?」

「ああ、必ず勝つ、勝ってこの世界を終わらせる」

「わかった、信じてるよ、キリト君」

キリトは立ち上がり、武器を抜いた。そして、会って仲良くなったプレイヤーが影でやっていた善行を話したり、クラインに謝った。そして、最後にヒースクリフに頼みごとをした後、デュエル、いや、殺しあいが始まった。

 

殺しあいは激しいものなった。素早い剣裁きで茅場を圧倒するキリト。しかし、茅場はそのすべての攻撃を盾で受け止めてしまう。そして、キリトは茅場の一撃を受けてしまった。しかし攻撃をやめず、向かっていくキリト。そのままやってても勝ち目はねぇぞキリト。そして、キリトが使っていた剣の一本が折れてしまう。茅場はそのチャンスを見逃さず、自身が持つ剣を振り上げた。

「さらばだキリト君」

そして振り下ろされた。死んだと思ったそのとき。

「っ!?あのやろう!!」

アスナがキリトの前に飛び出し、茅場からの攻撃からキリトを守った。俺様はそれを見てすぐに飛び出した。アスナが消えかかったそのときに、俺様はアスナの体の中に潜り込んだ。

 

 

「おい、アスナ」

「べ、ベリアル?」

「そうだ俺様だ、今からひとつ条件を出す、それを飲めば、お前は死なずにキリトと一緒にいられるぞ」

「ほ、ほんと!!!」

「ああ、条件は、これからお前の体の主導権を一時的に俺様が持つ、それを飲めれば助けてやる」

「わかった、いいよ、お願い、まだ私、キリト君と一緒にいたいから」

「その言葉を待ってたぜ」

俺様はアスナを眠らせ、闇の力をアスナの身体中に張り巡らせた。

「さて、今度は俺様の番だキリトぉ」

茅場を倒してやるぜ。

 

 

 

キリトサイド

アスナの体が、一向に消えない。なぜだ?ずっと俺の腕の中で、光続けている。

「ほう、この現象はいったい?」

茅場も見当がつかないようだ。すると、アスナの体がビクンッ!!と、跳ねると、人間にしては不自然な起き上がり方をした。

「ふぅー、まっ、うまくはいったか?にしてもちと動きずれぇなぁ、女の胸についてるこの肉のせいか?」

「え、えっと、アスナ?」

「おう、キリトぉ、俺様だぜ」

「ま、まさか、ベリアル!?」

「当たりだぁキリトぉ、ほれ、さっさと武器構えろ、俺様も手伝ってやる」

「っ!わかった!!」

俺はベリアルの言葉を聞くと、エリュシデータを構えた。

「お前は二刀流だろ?コイツ使っとけ、俺様はいつも通りの武器でいく」

ベリアルはアスナが使っていたレイピアを差し出してきた。俺はそれを受けとり、構え直す。ベリアルはギガバトルナイザーを構える。

「二人で来るのかね?まぁ良いがね」

俺とベリアルは飛び出していき、フォローしあいながら、攻撃を加えていく。

「うらぁっ!!」

「ハァッ!!」

「くっ!」

茅場も二人がかりではキツいようだ、苦悶の顔を浮かべている。どんどん茅場のHPバーが失くなっていき、そして遂に。

「「うおおお!!」」

二人の攻撃が同時に当たり、茅場のHPバーはゼロになった。そして茅場は死亡エフェクトと共に消えていった。すると、アナウンスが鳴った。

『11月7日、11時15分、ゲームはクリアされました』

「終わったのか?」

「そうだ、終わったんだ」

俺は、まだゲームが終わったということが理解出来なかった。

「さてキリト、アスナが今どうなってるか教えてやる」

「あ、ああ」

「アスナは今、眠っている、だからしばらくは覚醒が遅くなるかも知れねぇ、といってもせいぜい2時間ぐらいだ」

「ベリアル、本当にありがとう」

「別に礼には及ばねぇよ」

「そうか、行くのか?」

「ああ、俺様もリアルに戻るとするさ」

「それじゃあ、お別れだな」

「そうだなぁ、それじゃなあ」

ベリアルはアスナの中から出ていくと、紫と赤の光となって消えていった。

「終わったんだな」

そして俺も、このアイクラッドから出ていった。

 

 

 

 



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アルヴヘイム
リアル


「たでぇま」

「っ!?ベリアル!!」

俺様がアインクラッドから戻ると、詩乃が抱きついてきた。

「おかえり、ベリアル!!」

「おう、戻ったぜ」

「クリアしたの?」

「ああ、してきてやったぜ」

「そっか、楽しかった?」

「まぁな」

俺様はアインクラッドに行く前にいつも座っていた場所に座った。

「はい、大好きな唐揚げ」

「ありがとよ」

俺様は差し出された唐揚げを手に取り食べ始める。

「やはり、お前のが一番うめぇな」

「ありがとう」

少しずつだが、実感がわいてきた。

「終わったんだなぁ」

「ふふ、そうよ、終わったのよ、ベリアル、お疲れ様」

そして俺様はこの世界でのいつも通りの生活に戻った。

 

 

 

 

「つまらんなぁ」

「それがいいんでしょ、ほら、そこどいて」

「へいへい」

SAOをクリアしたらしたでつまらなくなった。

「久しぶりに散歩にでも行ってみるか」

「そう、ならこれ買ってきてくれない?」

「わかった」

俺様は詩乃からメモを受けとり、外出した。SAOをクリアしてから2ヶ月が立った。その間に俺様は、菊岡にSAOのクリアを報告し、キリトやアスナ、リズなどの顔見知りの奴らが入院しているところを聞いた。キリトやリズは、目を覚ましたらしいが、アスナだけが、未だに目を覚ましていなかった。俺様との融合のせいかと思ったが、別の理由があるらしい。調べてみるか。

「そういや、明日キリトに呼び出されてたな」

政府からの報酬で買ったスマホ。料金はちゃんと俺様が払ってる。働き口は科学特捜隊、通称科特隊だ。この世界にもウルトラマンは来ていたらしく、俺様が本物のウルトラマンと知ったときは質問の嵐に見舞われた。俺の役目は、犯罪行為に走る宇宙人の殲滅。報酬も高いので引き受けた。

「にしてもこんなもん送ってくるとはなぁ」

科特隊が作った特殊スーツ、ULTRAMAN。こんなもんつけなくても戦えるんだがなぁ。

「さて、買い物も済んでるし、帰るとするかね」

『ベリアル君!急で済まないが出てくれないか?』

「あ?なんだ井手のジジィ、こっちは夕食なんだよ」

『そうだったのか、すまない、だが緊急事態なんでね、頼めるかな?』

「チッ!報酬は弾んでもらうぞ」

『もちろんだ、それではここに行ってくれないか?諸星君では倒せなくてね』

「相手はなんだ?」

『ゼットンだよ、まさかこんなのまで持ち込まれているとは思わなかったよ』

「そうかよ、じゃ、行くとするかね、井手のジジィ、俺様は契約通り好きにやらせてもらう、諸星だかなんだか知らないが文句は言わせねぇぞ」

『わかってる、頼んだよ』

井手との通信が切れる。

「さて、着替えるか」

俺様は腕を真上に振り上げる。すると、体が光で包まれて、アーマーが装着されていく。

「ジェアッ!!」

俺様は指定された場所へ飛んでいく。詩乃には連絡を入れ、遅くなることを伝える。

お!あそこかぁ~。バチバチやってんなぁ。激しい光が漏れだしている場所へ降り立つと、スーツの所々がひしゃげた諸星、もとい、セブンがいた。

「よう、みっともねぇ格好だなぁ」

「うるさいぞベリアル、そんなこと言ってる暇があったら戦え」

クールに言ってくるセブン。

「お前が言ってんじゃねぇぞ、三下が」

俺様はこちらの世界で変異したゼットンに向かっていく。ん?コイツ、ゼットンはゼットンだが、なにかと混じってるなぁ。ところどころに赤い鱗が生えているゼットンは、顔の側頭部に生えた嘴のようなものから炎を吐いてきた。

「この感じ、お前、パンドンと混じってるな?言うなればゼッパンドンか?」

俺様はギガバトルナイザーをゼッパンドンにかざし、捕獲を試みる。こんな面白そうな怪獣、捕まえておかねぇとそんだろ。ゼッパンドンは光のカードとなり、ギガバトルナイザーに吸い込まれていった。レイブラッドの血の効果で捕まえることが出来たようだ。

「終わったから帰らせてもらうぞ」

「ああ、わかっているそういう契約だからな」

セブンと別れ、俺様は家に帰った。

「おかえり、ベリアル」

「たでぇま」

これが俺様の地球での生活だ。

 

 

 

 

 

_____________________

 

怪獣紹介

融合宇宙恐竜 ゼッパンドン

 

宇宙人の遺伝子操作で作られたハイブリッド怪獣。通常のゼットンよりも火球の火力も上がっており、現科特隊の戦力でベリアル以外のものがこの怪獣と戦うのは無謀だ。



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ALO

俺様は今、ある喫茶店に来ている。店主はSAO内でも店をやっていたエギルだ。

「よう」

「来たかベリアル」

「遅いぞ」

「うるせぇエギル、んで、ここに呼んだ用件はなんだ?」

エギルに聞くと、一個のゲームを取り出してきた。

「アルヴヘイム・オンライン、ナーブギアと同時発売されたアミュスフィアの新しいモデルのアミュスフィアNeoのMMOだ」

「SAOと同じ、VRMMOか」

「何でも、妖精の国って意味を持った名前らしいぞ」

「妖精の国ねぇ」

「まったり系か?」

「いや、そうでもないらしい」

コーヒーを俺様に出しながらゲームの性質を話し始める。

「スキル制、プレイヤースキル重視、PK推奨」

「スキル制?」

なんだそりゃ?

「いわゆるレベルがないらしい、各種スキルが反復仕様で上昇するだけで、戦闘はプレイヤーの運動能力に依存する」

「そりゃハードだ」

俺様がやれば無双もいいとこだな。

「ソードスキルなし、魔法ありのSAOってところだな」

「ベリアルは楽勝だな」

「そうだろうな、あれだろ、科特隊のバイト始めたんだよな?」

「まぁな」

正確には戦闘員の仕事を引き受けたんだけどな。

「んで、話を戻すが、今コイツが大人気なんだとよ、理由は飛べるからだそうだ」

「「飛べる?」」

「妖精だから羽根がある。フライトエンジンというものを搭載していて、慣れると自由に飛びまわれるそうだ」

「へぇー、どうやって制御するんだ?」

「さぁな、だが相当難しいらしい」

「そりゃそうさ、人間には存在しない羽根を操るんだ、背中の筋肉を動かすのかな?」

「んんっ!」

本題からずれてるぞキリト。

「んで、その大人気ゲームがアスナとどんな関係があるんだよ?」

すると、エギルが一枚の写真を出した。そこにはアスナに似た人が写っていた。そう来たか、こりゃ面白くなりそうだ。

「どう思う?」

「似ている、アスナに」

「やっぱりそう思うか」

「早く教えてくれ!これはどこなんだ!!」

「ゲームの中だよ、アルヴヘイム・オンラインの」

「なっ!?」

アイツはまだゲームの中に取り残されてるって訳か。

「世界樹というそうだ、この樹の上に城があってな、プレイヤーは九つの種族にわかれ、どの種族が先にたどりつけるか、勝負していると」

「飛んでいけばいいじゃないか」

そうだ、飛べんなら飛んでいきゃいい。

「何でも滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい。てだ、体格順に四人のプレイヤーが肩車してロケット式に飛んでみた」

「なるほどね、バカだけど頭いいな」

「それでも世界樹の最初の枝にも届かなかったが、何枚かの写真を撮った。その一枚に奇妙なものが写っていた」

「鳥かご?何でこんなもんが世界樹に引っ付いてんだ?」

「その鳥かごを、解像度ギリギリまで引き伸ばしたのが、これだ」

ということは、あの野郎は何らかの経路をたどってこのゲーム内に入れられ、監禁されてる可能性があるわけか。

「でも、何でこんなところにアスナが?っ!?レクト、プログレス!」

まためんどくさいことになりそうだな。

「エギル、このソフト、貰ってってもいいか?」

「構わんが、行く気なのか?」

「この目で確かめる」

「なら俺様もいってやる」

「ありがとうベリアル」

「身体能力重視のこのゲームなら俺様は最強だ、用心棒として扱え」

「了解だ」

キリトは、荷物をまとめた後、エギルに向かってこんなことをいった。

「死んでもいいゲームなんて、温すぎるぜ」

エギルはなんとも言えねぇ顔をした。

「テメぇは、SAOに毒されたな」

キリトはコーヒーを飲み干すと、鞄を肩にかけた。

「ハードを買わないとな」

「ナーブギアで動くぞ」

「アミュスフィアNeoは、アミュスフィアとナーブギアの強化型だ」

「そりゃありがたい」

「俺様はそんなの関係ねぇがな」

「ふっ、助け出せよ、アスナを、そうしなきゃ、俺達の戦いは終わらねぇ」

そう言って、エギルは拳をつきだしてきた。

「ああ、いつかここで、オフをやろう」

キリトも拳をつきだし、ぶつけあわせた。俺様も一応やっておく。

 

 

 

俺様はその後、キリトについていった。

「ただいま」

「お、お兄ちゃん!?」

すると、縁側にいた女が口の中にあるもんを詰まらせた。

「なにやってんだ?」

水を取ろうとして手を伸ばすが、届かず、キリトに取って貰っていた。

「し、死ぬかと思った」

「そそかっしいやつだな、もっと落ち着いて食えよ」

すると、キリトも縁側に座り、女と話し始めた。

「スグ、ゆうべのこのだけど」

「う、うん」

「サンキューな」

「え?」

「スグのお陰で元気出たよ、俺、諦めない。それに、協力してくれる友達をいるしな」

そう言ってこちらを向いてくるキリト。俺様が友達ねぇー、昔の俺様からしたら、ありえねぇことだったよなぁ。

「へぇー、お兄ちゃんに友達かぁー、あの、お兄ちゃんをよろしくお願いします」

「へいへい、ほれ、やるんだろ?」

「おう、じゃ、後でな」

「うん」

元気のない声で返事をするスグと呼ばれた女。アイツは、鈍感なのか?それともバカなのか?

 

 

 

 

次回、陛下、ALOへ

 

 

 



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妖精の国 ベリアルルート

「リンクスタート!!」

キリトがそう言うと、俺様も体をデータ状に変えて、ナーブギアからゲーム内に入った。

 

すると、アカウント設定の場所が現れた。アナウンスが流れ、俺様は指示通りアカウントを設定していく。

「種族は、この黒いやつでいいか」

俺様はスプリガンとかかれた黒い服の種族を選んだ。すると、回りが光輝き、俺様の姿が変わっていく。そして空に放り出された。

「よう、キリト」

「ベリアルか!」

俺様はすぐ横を落ちている人物に声をかけた。顔はキリトに似ていたし、返事もしたからコイツだろう。すると、突然黒い穴が開き、俺様達はその中に入っていった。

 

 

 

森の中に落ちた俺様達。俺様はうまく着地したが、キリトは頭から着地していた。

「お前なにやってんだ?」

「俺はお前にみたいな身体能力持ってねぇんだよ!」

キリトは起き上がり、回りを見渡す。

「また来ちゃったなぁ」

そんなことを呟き、拳を握るキリト。

「あんなことがあった後なのになぁ」

キリトはメニュー画面を開こうとして、指を空中でふるが出てこない。お前、反対の手でやってんぞ。

「反対だ」

「あっ」

俺様が教えると、メニュー画面を開き、ログアウトボタンを見つけてほっとするキリト。さらに、ステータス画面を見て驚愕の顔を浮かべる。

「これ、SAOのパラメーターと、同じ」

「俺様のもそうだな」

それに、ベリアロクや、他の武器も入ってやがる。俺様はギガバトルナイザーを腰に帯刀し、ベリアロクを背中の鞘に納める。これで、俺様は完了だ。キリトも、涙型のアイテムを出して、そいつを一なでした。すると、涙型のアイテムは光輝き、なんと、その中から女の子が現れた。

「はぁ?」

「俺だよ、ユイ、わかるか?」

女の子はユイ言うらしい。キリトはユイと抱き合い、再会を喜んでいる。すると、ユイがこちらを向き、警戒した顔をする。

「ユイ、コイツは大丈夫だ、前、話しただろ?ベリアルだよ」

「この人が、ベリアルさんなのですか?」

「まぁな」

「どことなく私と似てる気が」

「たぶんだが、お前と俺様の体はこちらの世界にあるからだと思うぞ」

「コイツは、現実世界の体でゲーム内に入れる宇宙人なんだ」

「そうなのですね」

その後、ユイと戯れ始めるキリト。俺様はそれが終わるまで、近くの木で暇を潰した。

 

 

 

「この世界は、SAOサーバーのコピーだと思います」

コピーねぇ。まぁ、あのサーバーは技術はすごいからなぁ。チッとばかしカーディナルシステムが弱いがなぁ。キリトのアイテムはほぼ全部が使えねぇようだなぁ、俺様は、ベリアロクとギガバトルナイザー以外がダメか。俺様も削除しておこう。ん?またあの女の子が光輝き、次は小さな妖精となった。はぁー、早くしてくれよなぁ。しばらく様子を見ていると、キリトが飛び始めた。不格好な飛び方だなぁ。俺様も飛び上がり、キリトの後を追う。何か見つけたのか?見ると、キリトが飛んでいる奥で、金髪の女が戦っていた。女に炎の玉が飛んでいき、直撃、金髪の女は落ちていった。キリトはその女を追って行ってしまった。めんどくせぇが行くか。俺様もキリトを追って女が落ちていった場所へ飛んでいく。

 

 

 

 

着いたときには、女は追い詰められていた。

「キリト、俺様が行く、このゲームでの初戦闘だ」

「ああ、行ってこい」

キリトが了承し、俺様が近くの木の枝に乗って様子を見る。

「こっちも任務なのでね、金とアイテムを置いていけば見逃してやる」

「なに紳士ぶってんだよ!影宗!」

「女相手なんてチョー久しぶりじゃん、殺しちまおうぜぇ!!」

任務かぁ、そいつを妨害してコイツら全員殺したらコイツらのお仲間はどういう反応するだろうなぁ?

女は刀を構え直し、こう言った。

「あと一人は確実に道連れにするわ!デスペナルティが惜しくない人からかかってきなさい!!」

言うじゃねぇか、あの女気に入った!俺様はギガバトルナイザーを展開し、光弾を打つ準備をする。

「ほう、気の強い子だ、仕方ない」

両者とも戦闘態勢に入る。

「うらぁっ!!」

光弾を両者の間に放ち、その場に降り立つ。

「よう、その戦い、俺様も混ぜてくれよ」

「す、スプリガン?」

「俺様は、まぁ、2対一だし、こっちにつくとするかねぇ、にしても、重戦士?だっけか?その男が女一人を三人か、ククク、フハハハハ!なんとも情けねぇことだ」

「な、なんだとぉ!!!」

俺様はギガバトルナイザーを赤い鎧を着た三人の男に構える。

「ちょ、ちょっと何してるの!?早く逃げて!!」

「俺様に命令するな」

「けっ!見ると初心者か、なら、望み通り、狩ってやるよ!!」

槍を持った男がこちらへ突っ込んでくる。ここでも楽しめそうにねぇなぁ。俺様は、槍をつかみ、投げ飛ばし、もう一人の男に当てる。

「けっ!コイツら、殺してもいいんだよなぁ?」

「い、いいんじゃないかしら?せんぽうはそのつもりだと思うけど」

「なら、徹底的にやらせてもらうとするか、フアッ!!」

俺様は二人にベリアルジェノサンダーを当てて殺す。

「次はテメぇか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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囚われの女王

「次はテメぇか?」

「やめとくよ、もうすぐで、魔法スキルが900なんだ、デスペナが惜しい」

「チッ!腰抜けが、そっちの女は?」

「私もやめとく、今度会ったときは、きっちり勝たせてもらうわよ!」

「君とも、タイマンでやるのは遠慮したいな」

男はそのまま飛んでいった。マジで腰抜けの野郎だな、ここはあんなのばっかなのか?そういえば、殺した奴らのいた場所に炎があるな?

「おい、この炎なんだ?」

「しっ!リメインライト、まだ連中の意識はそこにあるわ」

しばらくすると、その炎は消えていった。

「んで、私はどうすればいいのかしら?お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも戦う?」

「テメぇごときが俺様に敵うと思ってるのか?」

「いいえ、絶対に敵わないでしょうね、でも、このまま殺されるくらいなら」

「ハッ!テメぇらのやってる勢力争いなんつうもんは俺様は興味ないんでね、勝手にやってろ、俺様を巻き込むな」

「えっと、クリアが目的じゃないの?」

「俺様は強いやつと戦えればいいだけだ」

「戦闘狂って訳ね」

「そこまでではないがな、食いもんにも興味はある」

「食べ物ねぇ、というより、そこに隠れてる人、出てきなさい」

「アッハハ、ばれてたか」

「はぁ、こんなところでスプリガンがうろうろしているのよ?」

「み、道に迷って」

「ぷっ、アッハハハハハ!!領地をずーっと東じゃない!方向音痴にもほどがあるよ、君達変すぎ!アッハハハハハ!!」

女は刀を納めて、笑うのをやめた。

「まぁとにかくお礼を言うわ、助けてくれてありがとう、私はリーファって言うわ」

「俺はキリト」

「俺様はベリアルだ」

「ベリアル?まさかあの人?いえ、あの人がゲームなんてやるわけないものね、人違い人違い」

「あ?どうした?」

「いえ、なんでもないわ、それより、あなた達、これからどうするの?お礼に一杯おごるけど?」

「それは嬉しいなぁ!いろいろ教えてくれる人を探してたとこなんだ!」

「いろいろ?」

「この世界のことさ、特に、あの樹のこと」

「あの樹?世界樹?いいわ、こう見えても私、結構古参なのよ。じゃあ、ちょっと遠いけど、北に中立の村があるから、そこまで飛びましょ」

「あれ?スイルベーンって町のほうが近いんじゃ?」

「ホントに何も知らないのね、あそこはシルフ領だよ?」

「え?」

「町の圏内じゃ、君達はシルフを攻撃できないけど、逆はありってこと」

「そうか、だが、俺様には関係無いな」

「え?どういうこと?」

「俺様のスキルで、システム、プログラム破壊っつう能力があってな、そいつは、どんなシステムだろうがプログラムだろうが、破壊して突き進む、こんなゲームのちゃちなプログラムじゃあ、コイツを越えることはできねぇよ」

「だけど、キリト君は無理でしょ?というか、そんなスキルあったらみんな欲しがるわよね、というか、古参の私でも聞いたことがない、信用ならないわ」

「でも、別にみんなすぐ襲ってくる訳じゃないんだろ?リーファさんもいるしさ」

「リーファでいいわよ、そう言うなら私は構わないけど、命の保証はできないわよ」

すると、リーファは後ろを向き、羽根を出した。

「それじゃ、飛ぼうか」

コントローラー無しで羽根を動かしてみせる。

「リーファは補助コントローラー無しでも飛べるのか?」

「まぁね、君は?」

「ちょっと前にこれの使い方を知ったばかりなんだ」

「随意飛行はコツがいるからね、ベリアルは?」

「俺様は羽根なんてもんは必要ねぇ」

俺様は闇の力で半重力空間を作り出して飛び上がる。

「似てる」

リーファがまた何か呟いた。

「なんだ?」

「う、ううん。まだわからない、あの人はあんな姿じゃなかったし」

ぶつぶつ言いやがって、まぁいい、そんなことより村へ行くか。

「それじゃ、キリト君、コントローラー無しで羽根を出してみて」

「わかった」

キリトは黒い羽根を出して後ろをむく。

「いま触ってるのわかる?」

「うん」

「ここから、仮想の骨と筋肉が延びてると想定して、それを動かすの」

「おい、準備が終わったら声かけろ」

「ああ、わかった」

俺様はキリト達の準備が終わるまでそばの木で眠ることにした。

 

 

 

 

いま、俺様達は空を飛んでいる。キリトも随意飛行が出来るようになり、高速で飛んでいる。

「やっぱり似てる」

「あ?」

もう、反応しなくていいか。お?あれがシルフ領か?

「着いたなぁ」

「真ん中の塔の根本に着陸するわよ、って、キリト君、君、ランディングのやり方わかる?」

「わかりません」

「べ、ベリアルは!?」

「俺様は垂直落下着陸だ」

塔の近くにきたとき、俺様は半重力空間を切り、落下して、着陸する。上ではキリトがなかなか鈍い音を立てて塔にぶつかっていた。

「なにやってんだテメぇ」

「ひ、ひどいよ、リーファ」

「まぁまぁ、ヒールしてあげるから」

すると、リーファが呪文を唱え始めた。唱え終わると、キリトを緑色の光が包み、体力を回復していた。

「ほう、魔法ってのはこういうことが出来んのか」

「高位の治癒魔法はウンディーネじゃないと使えないんだけど、必須スペルだから君達も覚えた方がいいよ」

「種族によって補正があるのか、スプリガンってのは何が得意なの?」

「トレジャーハント関連と幻惑魔法かなどっちも戦闘には不向きだけどね」

「はぁ」

俺様達の選択は失敗だったって訳か。まぁ、俺様的にはそんなもん関係無いと思うがなぁ。キリトは立ち上がり、伸びをしたあと、辺りを見渡した。

「ここがシルフの町かぁ、キレイなところだなぁ」

「でしょっ!」

あそこほどではねぇが、まぁキレイだな。

「リーファちゃーん!!!」

「あ?」

見ると、おかっぱ頭の男がこちらへ走ってきていた。リーファの知り合いか。

「無事だったのぉ?」

「ああレコン」

「さすがリーファちゃん、って、スプリガン!?二人も!?」

「ああいいのよ、この人達が助けてくれたの、コイツはレコン、あたしのフレなんだ」

「よろしく、俺はキリトだ」

「ベリアル」

「ああ!どうもどうもって!いやいやいや!!そうじゃなくて、大丈夫なの?スパイとかじゃないの?」

レコンと呼ばれた見るからに貧弱そうなやつがダガーをこちらに向けて抜こうとしていた。

「はぁ、このゲームはそこまでして縄張りを意識するのか?理解ができねぇ」

「えっとねレコン、彼、強そうな相手としか戦わない人だからあんたなんか目もくれてないわよ、そもそも、縄張り争い事態興味がないんだと思う、たぶん強そうな人だったら同種族の人にも向かってくわよ、それに、スパイにしては天然ボケ入りすぎてるし」

「うわひっで」

「シグルド達は、いつもの酒場で席取ってるよ」

「あ、そっか、うーん・・・ごめんあたし、今日はいいわ」

「え!?来ないの?」

「うん、お礼にキリト君とベリアルに一杯奢る約束してるんだ、じゃ、お疲れぇ」

そう言ってレコンを置き去りにするリーファ。

「まぁ、頑張れや」

俺様はレコンにそう言ってリーファ達についていった。

 

 

レコンと別れた後、俺様達はある酒場に来ている。移動中にユイのことも教えた。

「んで、さっきのはリーファの彼氏?」

「恋人さんなんですか?」

「はぁ!?ち、違うわよ!パーティメンバーよ!単なる」

「それにしては仲良さそうだったよ」

リアルでも知り合いって言うか、学校の同級生なの!でもそれだけよ!」

「ふーん」

「それじゃ、改めて、助けてくれてありがとう!」

と言って乾杯をする。

「えらい好戦的な奴らだったな、あんな集団PKってのはあるのか?」

「もともとサラマンダーとシルフは仲悪いんだけどね、でも、あんな組織的なPKが出始めたのは最近だよ、たぶん、近いうちに世界樹攻略を狙ってるんじゃないかな?」

世界樹攻略ねぇ、その奥でこのゲームの開発者達は何やってるんだろうなぁ。俺様がシステム、プログラム破壊で見に行っていいが、めんどくさいことになりそうだからやめておくか。

「それだ、その世界樹のことについて教えてほしいんだ」

「そういえばそんなこと言ってたね?なんで?」

「世界樹の上に行きたいんだよ」

真剣な顔をして言うキリト。まぁ、アスナが捕まってんだ、そりゃ真剣になるわな。

「それは、全プレイヤーがそう思ってるよ、それが、ALOのグランドクエストだから」

「どういうことだ?」

「滞空時間があるのは知ってるでしょ?どの種族でも、滞空出来るのは、せいぜい十分が限界なの、でも、世界樹の上にある空中都市に到達して、妖精王オベイロンに謁見すると、種族全員が、アルフっていう種族に生まれ変われるの、そうすれば、いつまでも自由に飛んでいられるようになる」

「なるほど、確かに魅力的な話だな、世界樹の上に行く方法ってのは?」

「根本が大きなドームになっていて、そこから空中都市に行けるんだけど、ドームを守ってるNPCのガーディアン軍団がすごい強さなのよ」

ほう、そいつは面白そうだ。

「へぇー、そんなに?」

「オープンしてから一年なのに、クリアできないクエストなんてありだと思う?」

「何かキークエストを見落としているか、単一の種族だけじゃ、攻略できない」

「へぇー、いい線してるじゃない、クエストの方は、いま躍起になって検証しているわ、でも、後者の方だとすると、絶対に無理ね」

「無理?」

「だって矛盾してるもの、最初に到達した種族しかクリアできないクエストを、他の種族と協力して攻略しようなんて」

「ということは、事実上クエストをクリアすることは不可能って訳か」

「私はそう思う、一度飛ぶことの楽しさを知っちゃうと、諦めきれないもの、たとえ何年かかっても」

俺様は日常で飛んでるから楽しいと感じたことは一度もねぇなぁ。

「それじゃあ遅すぎるんだ!」

急にどうした?キリト?

「パパ・・・」

「ごめん、でも、俺、世界樹の上に行かなきゃいけないんだ」

「なんでそこまで?」

「人を、探してるんだ」

「どういうこと?」

「それは俺様が話す、俺様がネットの海ならなんやらを探して見つけたおもしれぇ情報だ」

俺様は見つけた写真、記事、そしてこのALOの開発会社の極秘サーバーに保管されていた情報を見せる。

「ちょっと何これ!?どういうこと!?まさか、SAOの被害者達を使って人体実験を行ってるの!?」

「んで、その会場が」

「世界樹の上、だからクリアできないようになってるのね合点がいくわ」

「だが、それを俺様達なら突破できる」

「え?どういうこと?」

「俺様はベリアル、聞いたことないか?」

「っ!?まさかあなた、SAOをクリアした人物の一人、あのベリアルだって言うの!?」

「まぁそうだ」

「じゃあ彼は、キリト?黒の英雄の?」

「あ、ああ」

「さて、こっからが本番だ、リーファ、世界樹まで案内してくれ、その代わりに一度だけ、お前いうことを聞いてやる、どうだ?」

「・・・、わかった、いいよ、つれていってあげる」

「交渉成立だ」

俺様とリーファは硬い握手をしたあと、今日は休むことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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世界樹へ ベリアルルート

さて、3時まで暇潰すか。まず始めに、俺様は科特隊へ向かった。なんでも、俺様のスーツの整備だとよ。そういえば、スーツの性能はいったいなんなんだ?別に俺様には必要ないと思うが。まぁ、素顔を隠すためだろうがな。

「おお!ベリアル君!いいところに!!」

「井手のジジィか、俺様も用があったんだ、ほれ、スーツだ」

「ああ、整備だね?わかってるよ、それよりもだねベリアル君!これが直ったんだよ!!」

井手が少しデザインが変わったライザーを取り出した。俺様が科特隊に入るときに渡したライザーだった。修理が出来るかもしれないと言われたからなぁ。

「ほう、良くできてんじゃねぇか、よくここまで修理できたなぁ」

「ああ、私も驚いているよ、まさか地球の技術で完璧な状態に戻せるとわね、少し見た目は変わっているが、ベリアル君のカラーリングとしてはいいだろう?赤と黒で」

「まぁな、コイツはもらってってもいいのか?」

「もちろんだよ、これはもともと君のだろ?」

「それじゃ貰ってくぜ、あんがとなぁ」

ついに戻ってきたライザー。カラーリングが変わったし、ベリアライザーか?まぁいい、コイツは後々使えそうだ。

俺様は一通り町をぶらつき、異星人に絡まれてる奴らを助けたあと、家にもどった。

「あ?なんだテメぇ?」

家には変な男がいた。

「おお!!ベリアル様!!お久しぶりでございます!!私です!!フクイデケイでございます!!」

「あ?あー、どうした?なにか用か?」

「おお!!覚えていてくださりありがたき幸せ!!用件はこれでございます!!」

「コイツはなんだ?」

緑色の妙な丸薬を取り出すケイ。

「あの時、あの忌々しい人間とウルトラマンによって消されたストルム器官!それを私は隙をみて固形化しておいたのです!!」

「んで、それをもって何をしに来た?」

「これをあなた様に差し上げたく、さすれば、この力をもってこの宇宙を支配」

「もう支配はする気はねぇよ、今はおもしれぇもんをさがしてる、支配なんつうもんはとっくの昔に飽きたね」

「そ、そんな!そ、それでは私達の悲願は!」

「お前も探してみろ、お前はいつも俺様に尽くしてきたが、今度は自分のために生きてみろ」

「し、しかし」

「いいんだよ、もう俺様はな、ほれ、ここに行ってみろ、おもしれぇ職場だぞ」

俺様は科特隊の基地に繋がる地図を差し出す。

「で、ですが」

「ですがもくそもねぇ、俺様は、俺様の復讐心はあの時アイツに倒されてから失くなったんだよ、それが嫌ならとっとと新しい主でも見つけろ」

「わ、わかりました、最後のベリアル様のお恵み、ちょうだいいたします、しかし、この丸薬は置いていきます」

「なぜだ?これがなかったらお前はすぐに死んじまうんじゃないのか?」

「いえ、私はもうストルム星人ではありません、ベリアル様と同じく、私もワームホールに飲み込まれたのですが、そのときに、私の性質が変化してしまい、ストルム星人でもなければ、他の宇宙人でもないものへと変化してしまったのです、私も、私自身がどうなっているのか、理解できていません」

「そうか、わかった、じゃぁな」

「はい、それでは」

ケイは俺様が渡した地図を見ながら去っていった。

「知り合いだったの?」

「昔の配下だ」

「配下って、あなた、王様でもやってたの?」

「皇帝ならやってたな」

「ふーん、そうだ、このお饅頭、買ってきたんだけど、食べる?」

「いや、ちょっとALOで用がある」

「わかったわ、事件、解決してね」

「おう」

俺様は俺様専用に作られたVRW(ヴァーチャルワールド)ダイブ機を使ってALOにダイブした。

 

 

 

 

ログインすると、キリトも同時にログインしてきた。

「よう」

「おうベリアル」

カランカラン。

ドアが開き、リーファが現れる。

「やぁ、早いね」

「ううん、さっき来たとこ、ちょっと買い物してたの」

「あ、そっか、俺もいろいろ準備しないと、コイツじゃ頼りないし」

「うん、じゃあ武器屋へ行こうか、お金どのくらい持ってるの?」

すると、キリトはメニューを開き、残高を確認する。

「えっとぉ~、このユルドってやつがそうか?」

「うん」

「お、おい行くぞ、ユイ」

キリトがユイを呼び出した。

「はぁ~い」

あくびをしながらユイが出てくる。アイツ寝るんだな。

 

 

 

武器屋へ行き、キリトは黒い大剣を買っていた。

「ベリアルは?」

「俺様にはコイツがある」

俺様はギガバトルナイザーを取り出す。

「それって強いの?」

「コイツ、ゲーム序盤からずっとそれ使い続けてラスボスまで倒したよ」

「そ、そんなに強いの!?」

「ああ、遠距離攻撃に高速攻撃、他にも使い魔を百体使役できるんだっけ?」

「ついこの前一匹増えた」

「なら百一体だな」

「なにその武器、というか、別ゲーの武器使えるってどういうこと?」

「さぁ?」

「まぁ、武器は問題ないってことね、それじゃあ行きましょうか」

武器を買った後、俺様達はリーファにシルフ領を案内してもらった。その後、塔へ向かった。

「なんで塔に来たんだ?」

「遠くに行くときは、塔から飛んでいくの、高度が稼げるから」

「へぇー」

俺様は昨日のキリトの無様な姿を思いだし、花で笑った。

「おい、なに笑ってんだ」

「なんでもねぇよ」

「さ!行きましょ!夜までには森を抜けられるかも」

リーファに押され、塔へ入る。中は空港みたいだった。

「こっちこっち」

リーファに手を引かれていく。すると。

「リーファ!」

男三人がリーファに声をかけてきた。

「パーティから、抜ける気なのか?リーファ」

「うん、まぁね」

「残りのメンバーに迷惑がかかると思わないのか?」

「パーティに参加するのは都合がつくときだけで、いつでも抜けていいって約束だったでしょ?」

「だが、お前は、俺のパーティの一員として、すでに名が通っている、理由もなく抜けられては、こちらのメンツに関わる」

うるせぇ野郎だなぁ、この男は。

「仲間はアイテムじゃないんだぜ」

「なに?」

キリトが男に近づいていく。

「他のプレイヤーをあんたの大事な剣や鎧みたいに、装備にロックできないって言ったのさ」

「貴様ぁ」

三人の男は剣に手をかけた。

「屑あさりのスプリガン無勢が付け上がるな!」

俺様は地味にギガバトルナイザーの光弾が発射される部分を男どもに向ける。

「どうせ領地を追放されたレネゲイドだろうが!」

「ちょっと、そんなこと言わないで!キリトくんは私の新しいパーティメンバーよ!」

「なに?お前も、領地を捨てて、レネゲイドになるつもりなのか!」

「ええ、そうよ、私、この領地を抜けるわ!」

「小虫がはい回るぐらいは捨て置こうと思ったが、泥棒の真似事とは調子に乗りすぎたな!」

剣を抜いたので光弾を発射する。

「ぐはぁ!!」

「なっ!?」

「残念だったなぁ、俺様はシステムプログラム破壊っつうスキルを持ってるんでね、どの領地だろうがなんだろうが、どこでも攻撃できるんだわ」

発射部分から煙を出しながら説明する。

「そんなスキルがあるわけがないだろう!!」

「なら見せようか?」

俺様はメニューを開き、スキルの一覧を見せる。

「ほ、本当だ」

「しかも、ユニークスキル!?まさかお前だけしか使えないのか!?」

「まぁな」

「キザマァ!!」

激昂しながらこちらへ向かってくる男。

「はぁ」

俺様はギガバトルナイザーをふるい、男を吹き飛ばしkillする。

「三下が、いきがってんじゃねぇぞ!」

「ちょ、ちょっと!!逃げるわよ!!」

「大丈夫だ、見てろ」

「モンスロード」

ベムラー、ゴモラ、タイラント、グランドキング、エレキングを召喚して襲いかかってくる奴らを潰す。

「あ、あんな使い魔みたことないぞ!!」

「しかも複数使役!?」

「あれもアイツのユニークスキルなのか!?」

「おいテメぇら!!この強さの使い魔が、あと96体いる、これ以上手ぇ出してくんなら全部召喚して暴れさせっぞ!!」

そう言うと、武器を抜いていた奴らが大人しくなった。

「行くぞ」

「う、うん」

「そうだな」

俺様達は、そいつらを置いて、塔の頂上へ行った。

「うわぁ!すごいなぁ」

「でしょ?この空を見てると、ちっちゃく思えるよね、いろんなことが」

リーファは空に手を伸ばし、そしておろした。

「良いきっかけだった、いつか、ここを出ていこうと思っていたの」

「そうか、なんかケンカ別れみたいにさせちゃって」

「悪かったなぁ」

一応謝っておく。

「どっちにしろ穏便には抜けられなかったよ」

いっぱくの無言の間があり。

「なぁ、レネゲイドって?」

「領地を抜けたプレイヤーをレネゲイド、脱領者と、呼ばれて蔑まれてるの」

「よかったのか?」

「うん、それは良いの、でもなんであーやって縛ったり縛られたりしたがるのかな?せっかく羽があるのにね」

また間があり、それを壊すようにユイが話し始める。

「複雑ですね、人間は、人を求める心をあんなにややこしく表現するなんて理解できません」

「人を求める?」

「はい、私ならこうします」

そう言ってキリトの頬にキスをした。

「すごいAIね」

「おい、そんなことより早く行こうぜ、俺様も暇じゃねぇんだ」

「わ、わかったわ、さぁ、出発よ」

俺様達は空を飛び、世界樹へ向かって飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 



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世界樹へ ベリアルルート2

俺様達は途中で一つ目ワイバーンを倒し、二人の翼の回復のために森へ降りた。リーファが伸びをして、キリトが肩の調子を確かめる。

「つかれた?」

「いや、まだまだ」

「お!頑張るわねぇ、と、言いたいところだけど、空の旅はしばらくお預けよ」

「ええー、なんでぇ?」

「あの山見えるでしょ?あの山が飛行限界高度より高いせいで山越えには洞窟を抜けないといけないの。シルフ領からアルンへ向かう一番の難所、らしいわあたしもここからは初めてなのよ」

ほう、俺様はそんなの関係なしだがなぁ。

「なるほどねぇ、洞窟かぁ、長いのか?」

「かなり、途中で中立の鉱山都市があって休めるらしいけど、キリト君、時間大丈夫?」

「リアルだと夜七時か、俺はまだ大丈夫だけど」

「俺様もだ」

「そう!ならもうちょっと頑張ろう!ここで一回ローテアウトしようか」

「ろ、ローテ?」

「ああ、交代でログアウト休憩することだよ、中立地帯だから即落ちできないのだから、代わりばんこにログアウトして、空っぽのアバターを守るのよ」

「なるほど、了解、リーファからどうぞ」

「じゃあお言葉に甘えて、二十分ほどよろしく」

リーファがログアウトしていき、キリトと俺様二人だけになった。

「ベリアルはどうする?」

「俺様はいい、モンスターでも狩ってくるさ」

「了解」

俺様は飛び上がり、少し先の森へと向かう。

「久しぶりだが、使ってみるか」

俺様はライザーを取り出す。

「最初はコイツだ」

俺様はゴモラとレッドキングの怪獣カプセルを取り出して起動し、装填ナックルに装填し、スキャンする。

『ゴモラ!レッドキング!ウルトラマンベリアル!スカルゴモラ!!』

「グオオオオオ!!!」

久しぶりだからか?少し動きずらいな。

「まぁ、準備運動にはなるか?次はコイツでいくか」

俺様は近くにいたモンスターをわし掴みにして、握りつぶす。死亡エフェクトと共に消えていき、経験値が入る。その後、周りにいたモンスターをすべて倒したあと、場所を移動する。次に、エレキングカプセルとエースキラーカプセルを取り出して、スロットに装填し、スキャンする。

『エレキング!エースキラー!ウルトラマンベリアル!サンダーキラー!!』

「キィイイ!!」

『ハァ!!』

電撃と光線を周りに放ち、モンスターを一網打尽にしていく。

「次はコイツだぁ」

『ゼットン!キングジョー!ウルトラマンベリアル!ペダニウムゼットン!!』

レーザー光線を放ち、遠くいたサラマンダーのプレイヤーをkillする。射線上にいたのが悪い。その後も、キメラベロス、キングギャラクトロン、ストロング・ゴモラントなどにフィージョンライズして、体をならした。

「戻るか」

俺様はフィージョンライズを解除してキリト達のところに戻った。

 

 

 

「ベリアルも戻ってきたことだし、さっさと出発しましょう」

俺様が戻ると、すでに出発の準備が終わっといたようだ。羽を出して飛ぶところだったらしい。

「お、おう、じゃ、行こうか」

「あ?どうした?」

「いや、誰かに見られてる気がして、ユイ、近くにプレイヤーはいるか?」

「いえ、いません」

「そうか」

「もしかしたらトレーサーがついているのかも」

「そりゃなんだ?」

「追跡魔法よ、大概、小さい使い魔の姿で、術者に対象の場所を教えるの」

「解除とかはできないの?」

「トレーサーを見つければできるけど、術者の魔法スキルが高いと、対象との間にとれる距離も増えるから、このフィールドだと困難ね」

「ならこうすりゃいいな」

俺様は闇のエネルギーを内に貯めると。

「お前ら伏せろ」

「え?」

「ほら伏せろ」

リーファの頭をつかんで地面に伏せさせるキリト。

「デスシウムダイナマイト!!」

闇のエネルギーを放出して周りに、拡散する。

「破壊したか?」

「さぁ?」

「す、すごいわね」

「んなことよりも、ほれ、行くぞ」

俺様達は、世界樹に向けて飛び立った。

 

 

 

 

 



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ルグルー回廊 ベリアルルート

洞窟へ入った俺様達。キリトが呪文を唱え、周りを明るくする。

「おおー!周りが明るくなった!!暗視能力付加魔法かぁ~、スプリガンも捨てたもんじゃないわね」

「あ!その言い方、なんか傷つく」

「うふふ、でも使える魔法は暗記しておいた方がいいわよ得意なのは幻惑魔法だけど」

「幻惑?」

「幻を見せるの、実践ではあまり役に立たないけどね、まぁ、スプリガンのショボい魔法が生死を分ける状況がないとも限らないし♪うふふ」

「あの野郎バカにしてんのか?」

「してるだろ」

「後で絶対後悔させてやる」

俺様達はリーファの後をついて、洞窟を進んだ。

 

 

 

 

キリトが呪文の練習をしながら俺様達は洞窟を進む。

「機械的に覚えるんじゃなくて、力の言葉の意味を覚えて、魔法の効果と関連付けて覚えるのよ」

「ハァー、まさかゲームの世界で英語の勉強みたいなことをするとは」

「言っとくけど、上級スペルなんて、20ワードくらいあるんだからね」

「うわぁ・・・俺もうピュアファイターでいいよ」

「泣き言言わない!!ん?」

リーファの前にメールのアイコンが現れた。

「メッセージ入ったごめん、またレコンからだ、どうせ大したことじゃないだろうけど、えっと、やっぱり思った通りだった。気をつけて、s・・・なんだこりゃ?s?さ、し、す、ん?」

「どうしたの?」

「パパ!接近する反応があります!!」

「モンスターか?」

「いえ!プレイヤーです!多いです、12!」

「12!?んー?ちょっと嫌な予感がするの、隠れてやりすごそう」

「隠れるぅ?そん弱気でいくのかよ」

「しょうがないでしょ!相手は12人よ!三人だけじゃむりよ!!」

「で、でもどこに?」

「ま、そこはお任せよん!」

リーファがキリトを壁に押し付け、俺様もそこに引っ張り混み、呪文を唱える。すると、幻影の壁が現れた。

「しゃべるときは最低のボリュームでね、あんまり大きい声出すと、魔法が解けちゃうから」

「了解」

「もうすぐ視界に入ります」

幻影の奥から足音が聞こえくる。それとは別のものも聞こえてくる。

「これは・・・なんだ?」

「え?まだプレイヤーは見えてないでしょ?」

「プレイヤーじゃないけど、コウモリか?赤くてちっちゃい」

「ハッ!」

リーファが幻影の奥を凝視し始める。すると、急に幻影から飛び出していった。

「お、おい!ど、どうしたんだよ?」

「あれは高位魔法のトレーシングサーチャーよ!潰さないと!」

リーファが呪文を唱える始める。

「そんなんじゃ遅せぇ、俺様がやる」

「え?」

ギガバトルナイザーから光弾を発射し、そのコウモリを消し去る。

「それ遠距離もできるのね」

「そんなことよりも行くぞ!」

俺様はリーファとキリトを担ぎ上げて走り出す。

「ちょっ!ちょっと!」

「うるせぇ!黙ってろ」

「そうじゃなくてもっと早く走って!さっきのは火属性のトレーシングサーチャーよ!」

「ということは、サラマンダーが12人ってことか」

洞窟を抜けて、都市が見えてくる。あれが鉱山都市か。

「でもどうしてこんなところにサラマンダーの集団が?」

「お!湖だ!」

橋に到達し、都市の入り口へ走る。すると、後ろから2つの光が飛んできて、入り口を塞ぐように壁を作り出した。

「ちっ!」

「やばっ!」

「ドリャアアア!!!」

キリトは剣を抜き、その壁に斬りかかったが、壁はびくともせず、逆にキリトが吹き飛ばされた。

「ぐはぁ!!」

「無駄よ」

「それ早く言ってくれよ」

「君がせっかちすぎるんだよ、これは土魔法の障壁だから、物理攻撃じゃ破れない」

「湖に飛び込むのはあり?」

「なし。ここには超高レベルの水龍型モンスターが住んでるるらしいから、ウンディーネの援護無しで水中戦するのは自殺行為よ」

「じゃあ戦うしかないのか」

「それしかないけど、ちょっとヤバイかもよ、サラマンダーがこんな土魔法使えるってことは、相当手練れのメイジが混ざってるんだわ」

「リーファ、君の剣の腕を疑ってる訳じゃないんだが、ここはサポートに回ってくれないか?」

「え?」

「俺の後ろで、回復役に徹してほしいんだ、その方が俺も思いっきり戦えるし」

リーファはキリトの要求を飲み、後ろへ下がった。

「俺様はサポートに回る気はないからな」

「知ってるよそんなこと」

「それに、取り戻した力も使いたいからなぁ」

俺様はそう言うと、ライザーと怪獣カプセルを取り出した。

「それは?」

「まぁ見てろ」

『フィージョンライズ!キングジョー!ギャラクトロン!ウルトラマンベリアル!!キングギャラクトロン!!』

「うお!?」

「ええ!?」

『行くぞ!』

「お、おう!!」

キリトと俺様は飛び出していき、攻撃を仕掛ける。それにより、盾役が吹き飛んでいく。

『killは取れなかったか、ならコイツだ!』

俺様は片腕についているランチャーを連射して盾役をkillする。

『キリト!!』

「おう!!」

キリトは呪文を唱え、化け物へと変化して切り込んでいき、メイジを倒していく。

「あ!キリト君!ベリアル!そいつ生かしといて!」

キリトと俺様はそれぞれの武器を最後の一人に突きつけていたが、リーファの声を聞き、武器を下げた。リーファは刀を抜き、男に突きつけた。

「さぁ!誰の命令か説明してもらおうか!」

「こ、殺すなら殺しやがれ!」

「いやぁ!暴れた暴れた」

伸びをしながら剣を納めるキリト。俺様もフィージョンライズを解除して降りたつ。

「ナイスファイトだったよ!

「はぁ?」

「良い作戦だったよ、俺一人なら速攻やられてたな、まっ!ベリアルだったら怪獣軍団を出現させてタコ殴りだろうけどな」

「ちょ、ちょっと!キリト君!?」

「まぁまぁ、さて、物は相談なんだが君ぃ、これ、今の戦闘で手にいれたアイテムとユルドなんだけど、質問に答えてくれたら、君にあげちゃおうかなぁ?なんて」

「えっ!うええ・・・?マジ?」

「マジマジ」

二人は笑い始め、交渉は成立したらしい。

「なんか男って」

「身も蓋もないですね」

「俺様はあんなんじゃねぇ」

さて、話が終わるまで、俺様は湖のモンスターを倒すとするかね。

 

 

「んでなんだったんだ?」

「なんかの作戦だったみたい、別の作戦の邪魔になるからって」 

「ほう」

別の作戦ねぇ、まぁ俺様は興味ねぇがな。

俺様は都市に入り、散策をしながら先ほどの襲撃の原因を聞いていた。

「それにしても、ここがルグルーか~」

「あ、痛ってて」

「さっきのはパパが悪いです!」

「ほんとだよ!」

「殺伐とした空気をなごませようという、ウィットに満ちたジョークじゃないか」

「次やったらぶった切るからね」

「あ、あはい」

「お前なにやったんだ?」

「い、いやぁ~」

「まぁ良い、興味ねぇからな」

「はぁ、あ!」

なにか見つけたらしい。武器屋のようだ。ナイフなんかも置いてあるが。

「そう言えばさー、サラマンダーズに襲われる前、なんかメッセージ届いてなかった?」

「あ!忘れてた」

リーファはメニューを開き、メッセージボックスを開く。

「なによレコン、寝ちゃったのかな?」

「一回向こうで連絡とってみれば?」

「うーん、じゃあちょっとだけ落ちて確認してくるからさぁ、キリト君、ベリアル、ちょっと待ってて、ユイちゃん、あたしの体、よろしくね」

「はい?」

「キリト君が私の体イタズラしないように見張っててね」

「了解です!」

「あのなぁ、というかベリアルは良いのかよ!」

「ベリアルはそもそもあんまし体とかに興味なさそうだし、ねぇ!ベリアル!おっぱいとか好き?」

「あ?急になに言ってんだテメぇ」

コイツはバカなのか?

「ねぇ、好き?」

「興味ねぇ」

「ほらね」

「ナチュラルに聞くなぁおい」

その後リーファは、ベンチに座りログアウトしていった。

「俺はここにいるからベリアルは好きなところ行ってくれば?」

「別に行きてぇとこなんてねぇしここにいる」

俺様はリーファのアバターがあるベンチに座り、ギガバトルナイザーのなかにいる怪獣達を見る。

「なぁ、怪獣っていったいなんなんだ?」

「怪獣は、古代の地球にもいた、それも数体とかいうレベルじゃなく、ひとつの生態系を形成していた」

「マジかよ」

「今は情報が隠されてるからなぁ、科特隊の一部と、国の上層部しかこの事は知らねぇ」

「それで、そのナイザーに入ってる怪獣達も、その一部なのか?」

「いいや、こいつらは別世界の怪獣だ、まぁ、ゴモラやゴメスやらは居たらしいがなぁ」

「へぇー」

その後、この世界にいる怪獣達の一部の情報、そして、ある王についてをキリトに教えた。

 

 

「あーん」

「行かなきゃ!ってベリアル!?」

リーファが突然起き、立ち上がりながらそういった。

「あ?どうした?」

「え、えっとね、あたし、急いで行かなきゃいけない用事できちゃった、説明してる暇もないし、ここにも、帰ってこれないかもしれない」

ほう、コイツは。

「そいつは戦闘になるか?」

「え、ええ」

「なら俺様はついていく、こんなところにいてもつまんねえからな」

「そう、でも命の保証は」

「俺様の命は俺様が何とかする」

「わかった、キリト君は?」

「なら、俺も行くよ、事情は行きながら聞こう」

「え!」

「どっちにしろ、ここを抜けるには足出てなきゃいけないんだろ?」

「わかった」

俺様達は、来た道を戻り始める。橋に差し掛かり、大体の事情はわかった。

「それで、40分後の蝶の谷を抜けた辺りで、シルフとケットシーの領主の階段が始まるの」

「そこをサラマンダーの大群が襲うと」

「なるほど、いくつか聞いて良いかな?」

「どうぞ」

「シルフとケットシーの領主を襲うことで、サラマンダーにはどんなメリットがあるんだ?」

「まず、同盟を邪魔できるよね?シルフ側から漏れた情報で領主を討たれたらケットシー側は黙ってないでしょう?」

「そうだな!」

「下手したら、シルフとケットシーで戦争になるかもしれない」

そいつはそいつで面白そうだな。

「あと、領主を討つと、領主館に蓄積された資金の三割を入手できて、十日間町を占領できて、自由に税金をかけられる」

「そんなことが出きるのか」

「だからね、キリト君、ベリアル、これはシルフ族の問題だから、これ以上付き合ってくれる必要はないよ、たぶん、会談場からは生きて帰れないだろうし、またスイルベーンからやり直しだろうし」

「ハッ!テメぇ、誰にそんなこと言ってんだぁ?俺様は戦闘が好きなんだよ、そんな面白そうなところ、行くに決まってんだろうが」

「うええ!?」

「俺様は俺様のやりたいようにやる、ただそれだけだ」

「そうだ、俺は、リーファを助けたいからやるんだ、ベリアルだって本当はそうだろう?」

「んなわけねぇだろうが」

「照れちゃって」

「ぶっ殺すぞテメぇ」

「おおこわ、まっ、てなわけで行こうぜ」

「うん!」

俺様達は、その中立領域へと急いだ。

 

 



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猛炎の将 ベリアルルート

リーファ達を途中で担ぎ上げ、一気に走り出す。大量の猿型モンスターが現れたが、デスシウムクローで一気に突破した。

「うわぁああああああああああ!!!」

「きゃあああああああああああ!!!」

外に飛び出し、二人を放り投げる。二人は羽をだし、なんとか飛び始める。

「寿命が縮んだわよ!」

「知るか」

俺様は半重力空間を発生させて空を飛ぶ。

「全くもう!あっ!」

でけぇなぁ、世界樹ってのは。

「あっ!領主会談の場所ってのは?」

「えっとねぇ、北西のあの山の向こうよ」

「残り時間は?」

「あと20分」

「間に合ってくれよ」

俺様達はスピードを上げて、領主会談場を目指す。

 

 

 

アルブヘイム・中立域・蝶の谷

 

「サラマンダー達より早くつけるか微妙だな」

「そうね、警告が間に合っても、領主だけをなんとか逃がせるか、揃って討ち死にかだと思うよ」

「そんなこと考えてんじゃねぇ、助けに行くんなら最善の結果だけを考えておけ」

俺様を倒していったアイツらもそうだったからなぁ。

「そうよね!ネガティブ考えないでポジティブに行かないと」 

「プレイヤー反応です!前方に68人、これがおそらく、サラマンダーの強襲部隊です!」

ほう、そんなにいやがるのか、おもしれぇ、倒しがいがありそうだな。

「さらにその向こう側に14人、シルフ及びケットシーの会議出席者と思われます、双方が接触するまであと50秒です」

「間に合わなかったね」

「なに言ってんだ?諦めてんじゃねぇよ、諦めたらそこで終わっちまうだろうが」

「で、でも」

「諦めなければなんとかなる、それに俺様とキリトがいる」

「わかった、信じてるよ」

「任せておけ」

そうだ、アイツらは俺様がどんな力を使おうとも諦めなかった。だから俺様に勝てたんだからなぁ。見えてきたな。

 

 

 

 

 

 

「フアッ!!」

土煙をあげながら俺様とキリトはシルフ、ケットシー、サラマンダーの間に降り立つ。

「双方、剣を引け!!」

キリトがそう言い、槍を下げるサラマンダーの大軍。

「サクヤ」

「リーファ!?どうしてここに?」

「簡単には説明できないのよ、でも、ひとつ言えるのは、私たちの運命は彼ら次第ってことよ」

「なにがなにやら」

「指揮官に話がある」

キリトがそう言うと、難いの良い、髭が濃い男が現れた。キリトはそこに飛んでいく。

「おいキリト!戦闘になったらそいつは俺様が倒す!!」

「わかってるよ!」

はったりをかますキリト。よくやるぜ。リーファもなにを言ってるんだかわかってないようだ。

「護衛もいないやつが大使だというのか?」

「護衛ならあそこにいる」

俺様を差すキリト。まぁ、そう言う風に言ったしなぁ。

「たった二人、たいした装備も持たない貴様らを、にわかに信じるわけにはいかないなぁ」

剣を抜く男。俺様の出番か?

「俺の攻撃を30秒防げたら、貴様らを大使として認めてやろう」

「そんなんじゃ面白くねぇ!!」

「なに?」

「俺ら二人でお前ら全員叩きのめしてやるよ!ここ数日の戦闘は、歯応えがなくてなぁ」

「ほう、男に二言はないな?」

「当たり前だ三下が」

「よくしゃべる口だ」

俺様はライザーと、とある二つのカプセルを取り出しながら、キリトに話しかける。

「いけるよなぁ」

「もちろんだ」

「だよなぁ」

俺様は、アイテムストレージから剣を一本取り出す。

「お前、二刀流だったよなぁ、コイツ使っとけ」

「ありがとう」

さて、やるか。俺様はケイからもらったストムル丸薬を飲み、ストルム器官を俺様の体に取り付ける。

「行くぞ」

「ああ」

俺様はカプセルを起動させ、ホルスターにセットする。そしてライザーで読み込む。

『デモニックフュージョンアンリューシュ!』

ライザーから音声がなり、俺様の体が本来の姿へ変化する。

「え?あれって・・・」

「リーファ?」

「うそ、あの人が、あの人が二年前の・・・」

『ダークルギエル!エンペラ星人!ウルトラマンベリアル!!アトロシアス!!!』

「フアッ!!」

俺様は、一度、地球を絶望の縁に叩き落とした姿にフュージョンライズした。

「フハハハハハハハ」

「つ、強そうだなそれ」

「実際俺様のなかで最強の姿だ」

「アイツら、そんなにヤバイのか?」

「いいや、だが、ああいうやからは絶対なる力を見せてやったほうが大人しくなる」

「そうか、まぁ、行こうぜ!!」

「ああ」

俺様達はサラマンダーの大軍に突撃していき、剣とナイザーを振るう。

「オラオラオラ!!そんなもんかぁ!!!」

ベリアルジェノサンダーを放ち、大軍を一網打尽にしていく。

「す、すごい」

「当たり前です」

「え?」

「だってあの人は」

俺様はナイザーを一度しまい、腕を下でクロスし、頭上に上げた後、クロスを解き、顔の側面に持ってくる。両腕に闇のエネルギーが溜まり、それを十字に組む。

「アトロシアバースト!」

黒と赤の光線が放たれ、射線上のプレイヤーをすべてkillする。

「ウルトラマンなんですから」

光線を出し終わり、ナイザーを持つ。すると、先ほどの男がこちらに攻撃してきた。男が持っていた剣をナイザーで受け止めようとすると、それはナイザーをすり抜けてきた。

ガギィン!!

「ほう、いいもんもってんじゃねぇか」

「それを鎧で弾く貴様もなかなかやるな」

「フアッ!!」

ナイザーで吹き飛ばし、男に向き直る。吹き飛ばされた男も構え直し、にらみ会う。

「キリトなら、追い詰められただろうが」

コイツも、俺様の闘志を満たしてくれなさそうだ。

「相手が悪かったなぁ」

「なに?」

俺様は一瞬で男の目の前に移動し、吹き飛ばす。

「「「なっ!?」」」

「な、なんだあのスピードは!!」

速攻で潰してやる。

「オラオラオラオラオラオラ!!」

止まることのない連打を叩き込み、HPを削っていく。

「ぐっ!」

最後に、思いっきり吹き飛ばした後、ベリアルジェノサンダーの応用技で拘束し、動けなくする。

「終わりだ」

俺様は、先ほど撃った光線と同じ予備動作をして男に向けて光線を放った。男は赤い炎へと変化した。キリトも全軍倒し終わったようだなぁ。残ったのは数十人ってところか。

「見事!!」

「スゴーい!!Niceファイトだよー!!」

「やるじゃねぇか」

「スゲーなアイツ」

「俺も光線出せるかな?」

「無理だろ」

「だよなぁ」

俺様はフュージョンライズを解除して、通常のモードへと戻る。

「ベリアル!!」

「うおっ!?な、なんだテメぇ」

「ありがとう!!」

「ハッ!俺様は戦いたいやつと戦っただけだ、礼は要らねぇ」

俺様は人間態となり、椅子に座る。

「キリト君も、すごかったよ」

「ああ、ありがとう」

その後、サラマンダーとの抗争は回避され、丸く収まった。お次は、リーファの知り合いの問題か。

 

 

 

 

「なるほどな、シグルドの態度に苛立ちめいたものが潜んでいるのは、私も感じていた」

「苛立ち?なにに対して?」

「たぶん、彼には許せなかったんだろうなぁ、勢力的にサラマンダーの後塵を拝しているこの状況が」

「あ・・・」

「シグルドはパワー思考の男だからなぁ」

「いわゆる脳筋か」

「そうだ、キャラクターの数値、能力だけでなく、プレイヤーとしての権力も深く求めていた」

「でも、何でサラマンダーのスパイなんか」

「もうすぐ導入されるアップデート5.0の話は聞いているか?遂に転生システムが導入されるという噂の」

「あ!じゃあ」

「モーティマーに乗せられたんだろうなぁ、領主の首を出せば、サラマンダーに転生させてやると」

「それで、どうするの?サクヤ」

「うーん、ルー、確か闇魔法のスキル上げてたな?」

「うん」

「シグルドに月光鏡を頼む」

 

 

 

 

まぁ、自業自得だなぁ、そのシグルドってやつは。俺様にはもう関係ないがな。

「サクヤ」

「礼を言うよ、リーファ、君が救援に来てくれたことが嬉しい」

「私はなにもしてないもの、お礼ならこのキリト君とベリアルにお願い」

「そうだ、君たちは一体」

「ねぇ、君、スプリガンとウンディーネの大使ってほんとなの?」

「ん」

「あー・・・」

「んなもんはったりに決まってんじゃねぇか、んなもんねぇし、そもそも俺様達は昨日このゲームに初めてログインしたんからなぁ」

「「き、昨日!?」」

「うん、この二人、こう見えてバリバリの初心者なの」

「それにしても強すぎるんじゃないか?」

「まぁ、別ゲーでおんなじようなのやってたし」

「へぇー、なら君、ケットシー領で傭兵やらな~い?三食おやつに昼寝つきだよ~」

「うっ!」

「うえっ!」

「ならば、私はこちらを」

「テメぇ引っ付いてくんじゃねぇ気持ち悪い」

「あら、照れちゃって」

「照れてねぇ」

めんどくさい奴らだこいつらは。

「ちょちょっと!!ベリアルはあたしの、あ、あたしの・・・」

「なんだ?」

「え、えっと、あたしの・・・」

「おいキリト、行くぞ」

「お、おう」

「サクヤだったか?またどっかでなぁ」

「ああ、いずれまた会おう」

俺様はモゴモゴなにか言ってやがるリーファを担ぎ、飛ぼうとすると。

「キリト君、ベリアル」

「あ?」

「今日は本当にありがとう、私たちが討たれていたら、サラマンダーとの格差は決定的なものになっていただろう、なにか礼をしたいが」

「んなもん要らねぇよ、キリト要んねぇだろ?」

「ああ、お言葉は嬉しいが、気にしないでください」

「ねぇ、サクヤ、アリサさん、今度の同盟って、世界樹攻略のためなんでしょ?」

「ああ、まぁ究極的にはな」

「その攻略に、私たちも同行させてほしいの、それも、可能な限り早く」

「「ふむ」」

「同行は構わない、というより、こちらから頼みたいほどだよ、しかし、なぜそんなに急いでいる?」

「コイツを見たら、急ぐ理由もわかるだろ?」

俺様はサクヤとアリサにデータを送る。

「「なっ!?」」

「この会社はそんな非人道的なことをやっていたのか!!」

「これは急がないと不味いね」

「だからお願い!」

「ああ、もちろんだ」

「SAOの人達をこれ以上苦しませたくないからね」

「だが、攻略組全員の装備を整えるのに数週間はかかる」

「それに人も足りないよ」

「人なら俺様がなんとかできる」

「わかった、ならば、できるだけ人を集めて、攻略組を編成、よいわけだな」

「ああ」

「なら大丈夫だ、少しの間待っていてくれ」

「わかった、ありがとう、サクヤ」

「礼には及ばんよ、さぁ!領地に帰って準備をするぞ!!」

「決戦は明日だよぉ!!」

「あ、あと、これ、資金の足しにしてくれ」

「俺様もやる」

「あ、ああ、うお!?ん?っ!?さ、サクヤちゃん!これすごいよ」

「ん?なっ!?十万ユルドミスリル貨がこんなに!?いいのか?一等地に城が二軒立つぞ」

「いいんだ、俺にはもう必要ない」

「俺様も金には困っちゃいねぇからなぁ」

「これだけあればかなり目標金額に近づけると思うよ!!」

「準備ができしだい、連絡する」

「よろしく頼む」

 

 

その後、資金をもって、シルフとケットシーは領地に戻っていった。俺様達も、世界樹の根本にある街、アルンへ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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モナーク 

「すげぇもんだなぁ、街ってのは」

俺様達は、夜景が広がる街、世界樹の根本にある街、アルンへ到着した。

「間違いない!ここがアルンだよ!アルヴヘイムの中心、世界最大の都市!」

「ああ、ようやく着いたな」

「私、こんな大きな街に来たのははじめてです!」

「私も!鉱物灯の光が、まるで星みたい」

目をキラキラさせながら街を見る、リーファとユイ。女ってのはキレイなもんが好きなんだな。すると、急に警報が鳴り、アナウンスが始まった。

『本日、1月22日、午前4時から午後3時まで、定期メンテナンスのため、サーバーがcloseします。プレイヤーの皆様は、十分前までにログアウトをお願いします繰り返します・・・』

もうそんな時間か、長く居すぎたな。俺様の体が、このデジタル世界に定着する前に帰るとするか。

「今日は、ここまでだね、一応宿屋でログアウトしよう」

「ああ」

世界樹を見つめるキリト。ここまで来たからなぁ、早く会いてぇだろうなぁ。

「さっ!宿屋を探そうぜぇ!俺もう素寒貧だから、高いところじゃないのが良いなぁ」

「良いかっこして、サクヤ達に、全財産渡しちゃうからよぉ、宿代くらい残しておきなさいよねっ!」

「あはは」

「俺様はもう行くぜぇ」

「えっと、宿取らなくて良いの?」

「俺様は大丈夫だ、じゃあな」

俺様はアルヴヘイムのサーバーから出てネットを通じて、ある機関のパソコンから出た。その機関の名は・・・。

「来てやったぜぇ、地球怪獣調査機関、MONRCH」

MONRCH。コイツは、太古の昔から、人間と共存し、共に助け合って生きてきた、この地球の本来の頂点である怪獣達の調査、捜索、そして起源を探している極秘機関だ。

「あの、すみません、IDをご確認させてください」

「ウルトラマンベリアル、これでわかんだろ」

受付の女性はパソコンを動かし始め、IDを探し始める。

「ありました、どうぞ、中へ」

俺様はある博士から指定された場所へ向かい始める。ドアを開け、なかに入ると、その博士と、助手の女がいた。

「来たか、ベリアル」

「よう芹沢、なんのようだ」

「これを見てほしい、君の故郷の技術を使って衛星を作り、世界をスキャンしたところ、さまざまな怪獣が発見された」

助手の女がパッドで世界地図を出し、発見かれた怪獣達の一覧と、その休眠場所を示した画面を出し、説明してきた。

「モスラ、ラドン、スキュラ、メトシェラ、ベヒモス、ヤマタノオロチ、リヴァイアサン、ケツァルコアトルス、さらに新しい体色が違うMUTO、NEW MUTO、さらにモンスターゼロなどのゴジラ、MUTO、コング以外の15種の怪獣達を見つけました。どう思います?」

「どう思うって言われてもなぁ、俺様が知ってるのは、怪獣墓場に眠っている怪獣達のことだ、地球産、それも生態系の一部である怪獣のことなんぞ、わからんぞ」

「やっぱりか、君たちが戦ってきた怪獣達とは別種ということで良いんだな」

「ああ、それであってる、だが」

「だが?」

「コイツ」

俺様は南極にある怪獣を指差す。

「モンスターゼロですか?」

「ああ、そいつ、なぜだかわからんが、妙な気配を感じる」

「警戒を強めたほうが良さそうですね」

「ああ、彼の勘は当たるからな、すぐに始めよう」

芹沢と助手は、連絡を始める。

「俺様は少しこの施設を散策させてもらう」

「ああ、自由に見てくれ、そうだ、ああ」

忙しそうだな。俺様は芹沢の部屋から出て散策を始める。これからヤバイことが起こりそうだが、そんときゃそんときか。

 

 

__________________________

 

 

 

知らない人ようのための用語解説

 

モンスターバース

モンスターバースとは、東宝、ジュラシックワールドシリーズのレジェンダリーピクチャーズ、そしてワーナー・ブラザーズが展開する、シェアユニバース作品。これには、ゴジラとキングコングが同じ世界にいるという設定で製作されている映画郡のことを言います。映画はこれまでに2014年のGODZILLA、2017年のキングコング・髑髏島の巨神、2019年のGODZILLA キングオブモンスターズの三つの作品が作られており、来年には、ゴジラとキングコングが戦うゴジラVSコング(仮)が制作中です。

 

 

シェアユニバース

世界観を共有する作品のことで、SONYが制作したものと二十世紀フォックスが製作したX-MENシリーズ以外のMARVEL作品等がこれを採用しています。

 

 

MONRCH

モンスターバースの作品に共通して出てくる極秘機関。怪獣達の調査や捜索などのことを行う組織。

 

 

MUTO

GODZILLA2014の敵怪獣、キングオブモンスターズでは体色が違う白いものが現れた。

 

 

モンスターゼロ

ある怪獣の名前。金色の体色をしている。

 

 



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アルヴヘイムの真実 ベリアルルート

翌日

ゲームにログインすると、リーファがキリトの前で泣いていた。

「よう」

「あ、来た」

「おはようございます、ベリアルさん」

「遅いぞベリアル」

「しゃあねぇだろうが、俺様だって暇じゃねぇ」

怪獣の生態調査に毎回俺様を貸し出すのはどうかと思うぞ科特隊。

「それじゃあ行こっか」

「はいよ」

俺様達は、宿から出て、世界樹へ向かった。

 

 

 

「スッゴく賑やかだねぇ」

「さすがアルヴヘイムの中心」

「ここには、大陸全土の妖精がみんな集まっているみたいです」

リーファが楽しそうに話しているカップルを見て、顔をほんのり赤くし、俺様を見てくる。

「なんだ?」

「な、なんでもない」

「そうかよ」

なんなんだ?はぁ、やはり、人間は俺様には理解できん。俺様はそんなことを思いながら、道を進んで行った。階段を登ると、遂に世界樹が見えた。

「わぁ~!」

「こいつはすゲェな」

プラズマスパークタワー位はあるな。

「これが・・・世界樹」

「うん、こうして近くで見るとすごいね」

「確か、あの木ノ上にも町があってそこで」

「妖精王オベイロンと光の妖精アルフ住んでいて、そこで最初にオベイロンに謁見できた種族が、アルフに転生できるって言われてるわ」

「まぁ、世界樹に町なんてねぇんだけどな」

「そうね」

「そもそも、神話事態にもそんな設定ないしな」

「どういうことだ?」

「世界樹、ユグドラシルって言うんだから確実に北欧神話がモデルのはずだ、世界樹ユグドラシルは、ユグドラシル事態が宇宙という設定になっていてなぁ、そこには九つの世界が存在する」

「九つかぁ~、どんなのがあるの?」

「スヴァルトアルヴヘイム、ニダヴェール、ヘルヘイム、ニブルヘイム、ムスペルヘイム、アスガルド、ヴァナヘイム、ミッドカルドがある。アスガルドと同じ場所にはヨトゥンヘイムっつう巨人の国もあるしな」

「へぇー、アスガルドは聞いたことあるなぁ」

「確か神々の国なんだっけ、有名どころがオーディンとロキとかだっけ?」

「ああ、オーディンは北欧神話の主神、ロキはそのオーディンの義理の息子だ」

「そんな設定あったんだ、なんで知ってるの?」

「ちょっとな」

「ベリアルって以外と秘密多いよな」

「んなことどうでもいいだろうが、ほれ、根元まで行くぞ」

「はいはい」

俺様達は歩きだし、ユグドラシルへと向かう。

 

 

 

俺様達は雑談をしながら歩き、根元へ向かった。根元にある道を通り、アルン中央市街に着いた。すると、急にユイが顔をだし、ママもとい、アスナの反応がこの場所の上空に感じると言い出した。それを聞いてキリトは羽をだし、飛んでいった。

「キリトくん!!」

「騒ぐな、俺が行く」

俺はリーファをなだめ!キリトを追いかけて飛んでいった。

 

 




宣伝です。自作の小説を別サイトに書き始めました。名前はGuardiansNovelUniverseという異世界転生、転移にMARVEL等のようなシェアユニバースとマルチバースの要素を加えたものです、カクヨムというサイトです。よろしくお願いします。一応URL貼っておきます。
→https://kakuyomu.jp/works/1177354054917289222

追伸
アンケート終了します。結果はユウキが一位になりました。二位はアリスとなりました。この二人もヒロインにしたいと思います。ありがとうございました。


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グランドクエスト

システムの障壁にぶつかり、それでも先に行こうとするキリト。

「おい」

俺様はキリトの肩を掴み一発ぶん殴った。

「落ち着けボケなすが」

「でもっ!!」

「でももクソもあるか!この上に行けんのは、グランドクエストを達成したやつだけだ!ここからは行けねぇんだよ!!」

「うっ!くっ!」

キリトの体から力が抜ける。ユイは障壁に手をつきながらママと叫び続けている。すると、何かが、樹の上から落ちてくる。俺様はそれを掴み、キリトに見せる。

「こいつはなんだ?」

ユイがカードに触れ、説明してくれた。

「これは、システム管理用のアクセスコードです!」

「ほう」

カード型ってことは対応するコンソールが必要だが、使えるは使えるなぁ。いいもん持ってやがったなぁ、アスナ。

俺様達は、リーファのところへ降りていく。

「リーファ、世界樹のなかに続いているゲートはどこにあるんだ?」

ついて早々リーファにそう聞くキリト。

「えっと、樹の根元にあるドームのなかだけど、で、でも無理だよ!!あそこはガーディアンに守られてて、今まで、どんな大群でも勝てなかったんだよ!!」

「それでも、行かなきゃ行けないんだ」

リーファの手を取り、別れの挨拶をするキリト。

「ここからは、俺一人で行くよ」

「おい、俺様は一緒じゃねぇのかよ?」

「ベリアルも、ここまでありがとな、もう大丈夫だ」

「はぁ、まったく、これだからこういう奴らは」

俺様は正義の塊であるあいつらのことを思い浮かべながらため息をつく。

「言っとくけどな、そうやって一人で抱え込んだ結果バカを見た奴らがいるんだ、少しは人を頼れボケが」

「っ!?わかった、ありがとう、ベリアル」

「腐れ縁だ、最後まで付き合ってやるよ」

「私だって!!もう友達でしょ?」

「ああ!!なら、最後まで頼む!!」

キリトを踏み止めさせ、最後までこの事件に付き合うことを約束した。

「そういえば、キリト君が会いたがっている人って誰なの?」

「アスナだよ」

「っ!?」

リーファが目を見開き、キリトを見た。

「どうした?」

「お兄、ちゃん?」

「え!?」

「お兄ちゃんだよね?」

「ま、まさか、スグ!?」

「やっぱり!!お兄ちゃんだ!!!」

なんだこいつら、兄妹だったのか。

「すごい偶然だなぁ!!」

「うん!まさか案内している人がお兄ちゃんだったなんて!」

「おい、兄妹で和んでんのはいいが、サクヤってやつから連絡来たぞ、もう向かってるってなぁ」

「ほ、本当ぉ?」

「ああ」

俺様が嘘ついたことねぇだろうが。

「なら、あとは待ってればいいんだな」

「よし!なら腹ごしらえにしよう!」

俺様達は、サクヤとルーの共同戦線舞台が来るのを飯を食いながら待つことになった。

 

 



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いざ出陣

遅くなりました!!!!


「お、来たようだぜぇ」

遠くの方に緑と黄色の軍隊が現れ始めた。あれがサクヤとルーのシルフとケットシーの共同戦線軍隊。まぁまぁの量だな。だが、帝国時代の俺様の軍隊よりは劣るな。

「ほんとだ、おーい!サクヤー!ルー!」

「リーファ!無事に着いていたみたいだな!」

「うん!ルー達も大丈夫だったみたいだね!」

女子共がキャっキャっと騒ぎ始めた。一応これから世界樹攻略なんだぞ?

「おい、軍はどのくらい集められたんだぁ?」

「ざっとシルフは五百、ケットシーは五百三十だ」

「そのくらいあれば十分だ」

あとは、俺様のコイツらに任せるとするか。

俺様はバトルナイザー内にいる怪獣軍団を見て頷いた。

「さあ、行くぞお前ら、これで、茅場の尻拭いはこれで仕舞いだ、絞まっていけよ」

「ああ、もちろんだ」

武器を構え、俺様達は世界樹の中に入っていった。

 

 

 

 

 

中に入ると、そこはプラズマスパークタワーの中のような空間だった。まぁ、あれほどではねぇがな。すると、壁のあちこちが開き、そこから無数のガーディアンが現れ、こちらに襲い掛かってきやがった。

「皆の者、かかれー!!!」

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

雄たけびを上げながら突撃していくシルフ、ケットシー同盟軍。そこに俺様達も加わえり、ガーディアン共を撃破していく。魔法が飛び、剣をぶつけ合う金属音が響く乱戦となった。

「鬱陶しいなぁ!ガーディアン共!!」

ジェノサンダーや光弾、三日月斬などで屠っていくが、無尽蔵に壁から出てきやがる。運営もとい、マッドサイエンティスト共はこの上には絶対に行かせたくないようだなぁ。まぁ。

「強引に突破するだけだがなぁ!!」

俺様はデスシウム光線にシステム、プログラム破壊の力を加えて壁にぶっ放した。壁は壊れ、バグり散らかす。だが、即座に修復され、また無尽蔵にガーディアン共が現れる。

「これではこちらが全滅してしまう!!」

「何か切り札はないの!!」

仕方ねえ、こいつらを出すか。俺様は地面に降り立つと、バトルナイザーを両手で持ち、レイブラッドの野郎から奪ったレイオニクスの力をフルで使う。

「百一体モンスロード!!」

バトルナイザーから無数の光が飛び出し、地面に降り立つと、百一体の怪獣が現れ咆哮上げた。

「野郎ども、行けぇ!!」

バトルナイザーを振り上げ、怪獣軍団に命令を出し俺様も攻撃を再開する。光線や熱戦火球、斬撃、様々な攻撃がガーディアン共に降り注ぎ、屠っていく。ガーディアン共は全滅していき、最後はリスキル状態となった。

「キリト、これで行けんだろ」

「ああ、だけど凄まじいな、お前の怪獣」

「いいからとっとと行きやがれ」

「わかった」

キリトはうなずき、羽を出して世界樹のてっぺんへと飛んで行った。




今回百体ではなく百一体だったのは、ゼッパンドンを捕まえていたからです。


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鍍金の勇者 ベリアルルート

「ぐっ!」

「ううっ!!」

アスナを助けた後、突如、重力場のようなものが発生し、俺達は身動きがとれなくなった。

「いやぁ―驚いたよ、小鳥ちゃんの籠の中に、ゴキブリが迷いこんでいるとはね」

「お前は、須郷か!」

そこには、妖精の王様のような格好をした須郷が立っていた。

「チッ!チッ!チッ!この世界でその名はやめてくれるかな、妖精王オベイロン陛下とそう呼べぇ!!」

「ぐうっ!」

「キリト君!!」

「どうだい?ろくに動けないだろう?次のアップデートで導入予定の重力魔法なんだけど、ちょっと強すぎるかな?」

頭を踏み、嬉しそうに言ってくる須郷。

「やめなさい!卑怯もの!」

「それにしても桐ケ谷くん、いや、キリト君と呼んだ方がいいかな?どうやってここまで上ってきたんだい?さっき、妙なプログラムが動いていたが」

「飛んできたのさ、この羽で」

俺は羽を出してみせる。

「まぁいい、君の頭の中に直接聞いてみればわかることさ」

剣を振りながらまるでそれが出来るかのように言う須郷。これも、ベリアルの言っていた実験で可能となったものか。

「君はまさか、僕が酔狂でこんな仕掛けを作ったと思ってるんじゃないだろうねぇ」

すると、醜悪な笑みを浮かべて言ってきた。

「三百人にも及ぶSAOプレイヤー、彼らの献身的な協力によって、思考、記憶操作技術の基礎研究が、既に八割がた終了している。かつて!誰もなし得なかった人の魂の直接制御と言う神の技を僕は後少しで我が物に出来る!全く仮想世界様々だよぉ!ひっひっひっひっひっ!ハッハッハッハッハッ!」

狂ったように高笑いをあげる須郷。何てやつだ!

「須郷!」

「あなたのしたことは許されないわよ!絶対に!」

「え~?誰が許さないのかな?残念ながらこの世界に神はいないよう!僕以外にはねっ!」

「いや、許さないやつが一人いるぞ」

「はぁ?一体誰だい?」

「ベリアルだ」

「あの宇宙人かい?そんなわけないだろう、彼は宇宙人なのだから人間がどれくらい被害をこうむっていようと関係ないじゃないか!」

「いや、アイツはウルトラマンだ、絶対に来る!」

「へぇー、じゃあベリアル君が来るまで、僕はアスナ君を堪能しようとしよう」

「なにっ!?」

パチンッ!

須郷が指をならすと、鎖が現れ、須郷はそれを使い、アスナの腕を縛り、つるし上げた。

「んー、いい香りだぁー、現実のアスナ君の香りを再現するのに苦労したんだよ。病室に解析機まで持ち込んでねぇー」

「やめろ!」

「ヴッ!」

「須郷!」

「やれやれ、観客は大人しく這いつくばっていろ!」

「ウグッ!」

「はいやっ!」

「うごっ!」

「キリト君!」

「システムコマンド!ペインアブソーバー、レベル10から8に変更」

「うがぁあ!?」

「くふふふふっ!痛いだろう?段階的に強くしてやるから楽しみにしていたまえ、もっとも、レベル3以下にすると現実の体にまで影響がでるようだが。さて」

「ひっ!」

「イッヒッヒッヒッヒッ、ヒャーハァハハハハハ!!」

「大丈夫だよキリト君、私はこんなことで傷つけられたりしないよ」

「ウヒヒヒヒヒ!そーでなくちゃねぇー、君がどこまで誇りを保てるか、30分?1時間?なるべく長引かせてくれたまえよ!」

ビリィッ!

「んふふふふ!今僕が考えていることを、教えてあげようか?ここでぇ、たっぷり楽しんだら、君の病室に行く。大型モニタ―で今日の録画を流しながら君ともう一度楽しむ、君の本当の体とね」

「ひぃっ!?」

「ふははは、アーヒァッヒァッヒァッ!」

ジュルッ!

「ああ!?甘い!甘い!」

須郷がアスナに襲いかかろうとしたそのとき。

ドゴンッ!

「あっ?」

何かが壊れる音と、地響きが鳴った。

バゴンッ!

また鳴り響き、それが徐々にこちらに近づいてくる。

「な、なんだ?」

ドゴンッ!バゴンッ!バギンッ!バゴっ!ガゴッ!ドゴッ!バゴンッ!!!

すると、俺のすぐ近くに、黒い爪の腕が現れた。

「楽しむだってぇ?だったらよう、俺様も楽しませてくれよぉ!!」

現れたのは、黒の体に赤い稲妻のようなラインがある最凶の戦士。

「なぁ、クソ野郎」

ウルトラマンベリアルだ。

 

 



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銀河皇帝

「「ベリアルっ!!」」

「なっ、なぜお前がここにぃ!?」

「なんかおかしいと思って来てみれば、なんだキリト、こんなクソザコに負けてんじゃねぇぞ」

俺様はナイザーを肩に担いでキリトにぶっ刺さってやがる剣を引き抜き、魔法をレジストした。

「んで、アイツをぶっ潰せば、終わりなんだな?」

「ああ」

「わかった、システムログイン、ID漆黒の勇者(ウルトラマンベリアル)

俺様がそう言うと、俺様の周りにゲーム管理モニターが現れた。

「なっ!なにっ!?なんだそのIDは!」

「はっ!茅場の野郎が言っていたことは本当だったようだなぁ、システムコマンド、管理者権限を俺様に変更」

「なっ!?茅場だと!なぜあの男がいまここで出てくる!」

「はっ!教えてやろうかクソ三下、俺様はSAOから強制ログアウトする直後に茅場明彦と会ったんだよ!」

「なにいっ!?」

「茅場が言うには、このサーバー、SAOのサーバー管理を俺様に任せたいと言ってきやがったのさ、そのために、自分のIDよりも高位のIDを作り、俺様に渡してきた。それがこのIDって訳だ」

「それがなんだ!!ここは、僕が創った世界!僕こそが神なんだぞ!!」

「いや違う、このサーバーは何をもとにして創られた?ああ?」

「SAO・・・まさか!」

「そういうことだぁ!このサーバーは元々はSAOサーバー、お前はそいつをコピーしてこの世界を使った、ということは、SAO時代の管理者IDは今も使えるって訳だ!システムコマンド!IDオベイロンをレベル0に!」

「ぬがっ!?」

膝を着き、情けねぇ声を出すクソ三下。

「くくくく、たかが王が、皇帝である俺様に勝てる分けねぇだろうが」

「この野郎、神である僕に向かってぇええ!システムコマンド!オブジェクトID、エクスキャリバーをジェネレート!」

バカじゃねぇのかコイツ、俺様に管理者権限が変更されてんだ、お前が出せる分けねぇだろうが。

「チッ!言うこと聞けぇ!!ポンコツがァ!!神の、神の命令だぞ!」

「神になりてぇんだったらノアの野郎を倒してからにしやがれ、おいアスナ、ちっと待ってろよコイツぶっ潰すからよぉ」

「うん、わかったわ」

「システムコマンド!オブジェクトID、エクスキャリバーをジェネレート!」

俺様がそう言うと、エクスキャリバーが現れ、俺様の手に収まった。やっぱりアイツらがくれた剣じゎねぇとしっくりこねぇ。

「ほれやるよ」

「うおっ!?」

俺様はアイテムボックスから月夜の皇帝剣(巨神)(ベリアロク)を取り出し、背中に担ぐ。

「ぶっ潰してやるよ、この銀河皇帝様がなぁ!ペインアブソーバーをレベル0に!イヤァッ!」

俺様は三下の胸を切り裂き、蹴り飛ばした。

「うがああああああああああああああああ!!!」

悲痛の声をあげ、子供みてぇに喚く三下。

「言っとくが、まだ一撃目だぜぇ?」

「や、やめろ!やめろぉおおお!!」

「うらうらうらうらうらうら!!!!」

俺様はナイザーで三下の顔を腹を腕を脚を至るところを殴り、吹き飛ばした。

「うごっ、ぐっ!」

もう痛みのせいでしゃべることも出来なくなったようだなぁ!いい気味だぜこりゃ!

俺様はまた殴るのを再開し、また吹き飛ばす。これを十回ほどやると、飽きてきた。

「はぁー、もう飽きたわ、じゃあな」

俺様はベリアロクを持つと、三下を放り上げ、細切れにしてやった。

「ほれ」

「ありがとう、ベリアル」

「はっ!ウジウジしてっからやっただけだ、それに、アイツをぼこすのは楽しかったからなぁ」

「でも、あれはいくらなんでもやりすぎじゃないのか?最後細切れにしたし、現実の体がどうなってることやら」

「あんなやつは俺様より達が悪いからなぁ、死んでるといいぜ、じゃあな俺様は帰る」

「ああ」

「うん、じゃあね」

俺様は二人に手を振り、さっきぶち開けた穴を通って地上に戻り、ログアウトした。

 

 

 

 



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サイバー怪獣

「お、おい!ベリアル!!」

「ああ?」

なんだ、まだなんかあんのか?

俺様はキリトからよびだしがあり、もう一度ALOにダイブした。

そして、その光景に、俺様は今世紀最大の笑みを浮かべた。

「お、おい!!ベリアル!!ありゃなんだ!!」

キリトがつかみかかり、目の前にいる超巨大怪獣を指差していた。

「ティターニアアアアアアアアアアアアア!!」

発言からして、須郷だろう。アスナが欲しすぎて、大方この世界の怪獣の怨念でもかき集めたのだろう。

「ありゃ須郷が怪獣の怨念を纏って変身した怪獣だ。名付けるなら、サイバー怨念怪獣、オベイロン」

「サイバー怨念怪獣・・・」

「ど、どうするのよ!あんなのに勝てるの?」

「無理だな、たかがゲームのプレイヤーじゃ、倒すことは不可能だ。だが」

「だが?」

「俺様ならいける」

俺様がそう言うと、キリト達の目が、恐怖から希望へと変わっていった。

「行ってくるぞ」

「ああ!頼む!」

俺様はベリアライザーとエンペラ星人カプセルとダークルギエルカプセルを取り出して起動する。

『ダークルギエル!エンペラ星人!ウルトラマンベリアル!アトロシアス!!』

「フアっ!」

俺様はバトルナイザーを構え、オベイロンに突っ込んでいく。強烈な一撃を叩き込むが、巨大すぎるのか、ダメージを負ってはいないようだ。

「チッ!だったらこれだ!」

俺様は爪に闇のエネルギーを纏わせ、デスシウムデストラクトを放つ。しかし。

「これでもダメか、やはり、怨念を纏ってるだけあるな」

俺様がどう倒すか、困っていると、バカなプレイヤーどもがオベイロンに突っ込んでいった。

「糞が!何してやがるバカどもが!」

「少しでも力になろうと・・・」

軍を指揮するサクヤがそう言ってくるが、今は大人しくしていて欲しかっただよ!なぜならなぁ!

「アイツはサイバー怪獣、もしアイツに倒されれば、ネットの海を渡ってテメぇらが使ってるアミュスフィアに到達して、脳に直接ダメージを与えちまう可能性があんだよ!そうすりゃ、お前らは速攻あの世行きだ!引け!今すぐ引け!」

「だ、だが!ベリアル殿は!」

「俺様はいいんだよ!なぜならな最強だからなぁ!」

俺様はアトロスバーストを放ちながらオベイロンに突っ込んでいく。俺様の全力の光線。だが、それでも、奴の執念の方が、俺様の力よりも上回っていた。

チッ!人間の闇の部分は俺様達なんかよりもはるかに強い。執念と恨み、嫉み、それは人間のある意味最強の力の源。

どうすりゃいい、どうすりゃあの野郎をぶっ殺せる!

俺様が悩んでいると、後ろからとある息子の声が聞こえてきた。

「父さん?」

「ああ?」

振り向くと、そこにはプリミティブのジードがいた。

「父さん、死んだはずじゃ?」

 

 

思わぬ再開をしてしまったベリアルとジード。さぁ、ここからどうなっていくのか・・・。

 

 



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親子の再開、新たなる力

「父さん?」

見ると、俺様の後ろに、見覚えのある姿があった。

俺と同じように鋭い目付きに、赤と黒の体。

俺の息子、ジードがそこにはいた。

「チッ!めんどくさいやつが来やがった」

「父さん!ここで何してるの!?」

俺様は無視して、オベイロンに向かっていく。だが、やはり力不足で吹き飛ばされてしまう。

「ぐっ!アアっ!!」

「父さん待って!」

「なんだ!!」

「どうして生きてるの!?どうやって生き延びたの!?」

「うるせぇ!!そんなことよりあいつをぶっ潰さねぇとここにいるユーザー全員に被害が及ぶんだよ!テメぇも手伝え!!」

しつこいジードを抑え、デスシウム光線をオベイロンにぶっ放つ。だが意味をなしちゃいねぇ。

「クソったれが!!」

「待って父さん、もしかしたら、外から攻撃をしても、意味がないのかも。僕たちの何倍もの大きさだから、皮が分厚いんだよ」

そんなことはわかってやがる。だが、さっさとぶっ潰さねぇと。このゲームは今大人気のゲーム。ユーザーもえげつないほどいやがる。どれだけの被害が及ぶのかわかンねぇんだ。はやく、はやくこいつを潰さねぇと!!!!

「なっ!?ベリアル!?」

「ゼロ!」

「まためんどくさいのが来やがった!!」

「ベリアル!まだ生きてやがったのか!!」

「生きてちゃわりぃーか!!!ゼロ、テメェもこいつ潰すのに手を貸せ!!」

「ハァッ!?何でお前が怪獣倒そうとしてんだよ!?お前が出した怪獣じゃねぇのかよ!!」

「こいつは、このゲームを創り出したいわゆるゲームマスターの男が、自分が婚約を結んでいた女子高生を、そいつの恋人にとられたせいでぶちぎれてああなった。いわゆる男の嫉妬の塊だ」

「嘘じゃねぇだろうな」

「嘘じゃねぇ、しかも、こいつがこのゲームの中で暴れまわったら、アミュスフィアNeoでログイン中のプレイヤー全員の脳がこいつの攻撃によって破壊されるかもしれねぇんだ。SAOの二の舞だけは避けてぇんだよ」

だが、巨大すぎる体のせいで俺様の攻撃が一切通用しねぇ。内部から攻撃するしかねぇが、俺様はそんな力持っちゃいねぇ。どうする?どうあいつをつぶす?

「ゼロ、お前確かルナなんちゃらって力持っていやがったな?そいつであいつの中に入って内部から、帝国時代の俺様を倒したやつであいつを倒せ。それしかあいつを倒す方法はねぇ」

「ルナミラクルゼロだ、それなら倒せそうだ」

「じゃあ、ゼロ、頼んだよ」

「んじゃ、行ってくるぜ!!」

ルナミラクルゼロに変化したゼロは、体を小さくさせながらオベイロンに向かって飛んで行った。ゼロがオベイロンを崩壊させる場所まで到達するまでの間、俺様とジードがこいつを引き付けておく。

「ウルティメイトファイナル!!ハアッ!」

「フアッ!!」

ジードとともに攻撃を仕掛け、こちらに注意を向ける。

「ジャマヲスルナァアアアアアアア!!!」

「グアッ!!」

「オハァッ!!」

「グッ、クレッセントファイナルジード!!」

「アトロスバースト!!」

まだか!!ゼロの野郎遅すぎるぞ!!

まだかまだかと待っていると、紫のオーラを纏いながらオベイロンから何か飛び出しきやがった。

「オアッ!!」

「ゼロ!!大丈夫!!」

「闇の力が強すぎて中に入れねぇ」

「人間が持つ闇が、それだけ深いってわけだ」

「人間が持つ闇・・・」

ちくしょー、どうすりゃいい。ゼロが入れねぇとなると、こいつを倒す手段はねぇ。

『ゼロ!ジード!』

するとどっかから声が聞こえてきやがった。誰だ?

「ヒカリか!!」

なんだあいつか、いつも発明品が盗まれてる科学者。そいつが何のようだ?

『これを、そこにいるベリアルに渡してくれ』

そう言って、ゼロの手元に送られてきたのは12本のウルトラカプセルだった。

「ヒカリ、本当に渡していいのか!?なぜ怪獣と戦ってるのかはわからねぇがベリアルだぞ!?」

『キング様が渡せと言っているのだ、従うしかあるまい』

「なっ!?キングの爺さんが!?仕方ねぇ、ベリアル!!受けとれ!!」

ゼロの手から12個のウルトラカプセルが放たれ、俺様の変色したカラータイマーの中に入る。

そのカプセルを手に取ってみると、ゼロとジードのそれぞれの形態が描かれたウルトラカプセルだった。

「こいつを使えってか、キング」

闇の力が強すぎて、中にはいれなかったゼロ。だが、闇に触れた俺様なら入れる確率は高い。

「いいぜ、やってやる。この世界は、あの世界よりも、ちっとは面白いからよぉ!!」

俺様はベリアライザーのトリガーを押し、インナースペースへ意識を飛ばした。

 

「フッハハハハ!!」

ジードプリミティブウルトラカプセルのスイッチを入れる。

「ハァアッ!!」

すると、ジードの幻影が現れ、手を高く上げ掛け声をあげる。そして装填ナックルにそれをセット。次にゼロウルトラカプセルのスイッチを入れる。

「フンッ!」

「ゼェエエエラァッ!!」

ジードカプセルと同じように幻影が現れ、手を高く上げ掛け声をあげる。先程と同じように装填ナックルセットし、ベリアライザーのトリガーをもう一度押し、ナックルにスライドさせカプセルをスキャンする。

「ぶっ潰すぞ。フッ!ハァアッ!!」

『ウルトラマンジードプリミティブ、ウルトラマンゼロ。ウルトラマンベリアル!!!レッキングスラッガー!!』

 

 

 

 

 

父さんのフュージョンが完了するまで、僕とゼロはなんとかオベイロンの足止めをしていた。

「グッ!ヌガァッ!!」

「ゼロ!アアッ!!」

だけど、オベイロンの巨体に僕たちは圧倒され、ウルティメイトファイナルは解除され、ゼロも通常の形態に戻ってしまった。

「ベリアルの野郎はまだか!!」

父さんは光に包まれたまま動かない。

「なんとか持ちこたえないと!!」

だが、オベイロンの足止めは愚か、こちらがやられそうになっている。

「ヤバッ!?」

オベイロンの巨大な手が、僕たちに迫っていた。しかし、その手は、どこからか飛んできたスラッガーによって切り裂かれ、僕たちに届くことはなかった。僕たちを助けたスラッガーは主の元に戻っていく。

「遅ぇぞベリアル」

そのスラッガーの主は、僕とゼロの特徴を持った姿をした父さんだった。

 

 



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新たな力

ゼロとジード、俺様はこいつらの力を手に入れたのか。

 

「ジード、行くぞ」

「え、あ、わかった、父さん!!」

 

俺様とジードはレッキングリッパーやレッキングバーストでログアウトが遅れたプレイヤーに伸びる触手を破壊する。その後、オベイロン本体に攻撃を仕掛ける。だが、やはり内部への道を作ることができねぇ。

 

「ゼロ!てめぇもだ!!」

「言われなくてもやってやるよ!!」

 

スラッガーを放ち、俺様達に迫り来る触手を切り落としながら弱点をもとい内部への入り口になりそうな部分を探す。

 

「フッ!見つけたぁ~」

 

そこには小さな綻びが生まれていた。

この怪獣化は不完全だったってことかぁ。ハッ!やっぱ、人間の闇じゃあこの程度ってことだなぁ!!

 

「ジード、ゼロ、俺様がこの中に入る。外は頼んだぞ」

「へッ!言われなくても!!」

「任せてよ、父さん!」

 

俺様は闇のオーラを纏うと、オベイロンにある綻びに飛び込んだ。

 

 

 

 

オベイロンのなかは、闇が渦巻き、到底光の戦士が入り、無事に出てこれる場所ではなかった。

さらに、アスナの顔が至るところにあり、そのどれもが苦しんでいる顔のみが闇に写し出されていやがった。気持ちのわりぃ。須郷はどこまで歪めば気がすみやがる?

それを無視し、ギガバトルナイザーを担ぎ、先へ進んでいると、突如闇による襲撃を受けた。闇が現れた方向を見ると、憤怒の顔に歪んだ須郷がいた。

 

「我が聖域にノコノコと、何様のつもりだ!!」

「俺様は俺様だ、どこに入ろうが俺様の勝手だ」

「ハッ!まぁいい!!貴様を倒す算段はすでについている!」

 

そう言って、須郷は懐から黒いジードライザーを取り出した。

 

「てめぇが何でそいつを持ってる?」

「私はねぇ、君が思ってるよりも価値がある人間なんだ。科学特捜隊が作ったあのスーツ。あの開発に、私やあの憎き茅場も参加していてねぇ。科特隊の極秘ファイルへのアクセス権限も有しているんだよ。ある日、ウルトラマンが作ったアイテムの情報が記載されたファイルを発見した。そして私は!貴様らのような下等な者共に邪魔されることを想定して、このライザーをオベイロン専用アイテムとしてこのゲームに実装した!!この力で、貴様らを叩き潰し、アスナも手にいれ、会社を手にいれ、茅場を越えたことを証明して見せる!!」

「なに言ってんだてめぇ」

「あ?」

 

俺様はギガバトルナイザーを須郷に向け、このゲームの仕組み、そして俺様の武器が使えることを考慮すると、このゲームはSAOのコピーでしかねぇ。クッハァッハァッハァ!こいつは傑作だぁ!!

 

「お前の研究はすげぇが、このゲームはただのSAOの模造品だろうが。てめぇの研究も、あのゲームがなかったら、できなかったよなぁ」

「何が言いたい」

「ハッ!簡単だ!お前は何一つ茅場明彦に勝てちゃいねぇ。むしろ負けまんまの弱者だ。お前は、SAOのサーバーデータをコピーし、新しい設定を作っただけ、他に何をした?金の儲けのために研究をした?ハッ!言っとくけどなぁ。あんな研究、場所と時間と基礎知識さえあれば誰でもできる!お前はただSAOのユーザーを誘拐し、サーバーデータとゲーム性を盗んだ泥棒の王なんだよ!!」

「貴様ぁああああ!!この私を侮辱するか!!」

「当たりめぇだ、言っとくけどなぁ、俺様は王なんてとっくの昔に越えてる」

「なに?王を越えているだと?GM権限もないお前がこの私を越えただと?」

「ああそうだ、俺様は、一度ひとつの宇宙を支配した銀河皇帝カイザーベリアルだ!こんなゲームひとつ支配したところで、お前じゃ俺様には勝てない。っと、いいところで、このサーバーのハッキングが終わった」

 

俺様の目の前にモニターが現れ、ゲームの設定を弄くれるようになった。

 

「それじゃあ、やりあおうぜ、ぶっ潰してやるからよぉ」

「いいだろう、お前が一度宇宙を支配したことがあったとしても、この世界でどれだけ無力なのかを教えてやろう。ヒャハハハハ!!」

 

須郷が取り出した未実装武器、エクスキャリバーと俺様が持つギガバトルナイザーがぶつかり合い、火花を散らす。最初のつばぜり合いはどちらも一歩も引かない互角のものであった。だが、戦闘経験の違いから、俺様が須郷を追い詰めていく。

 

「この世界でどれだけ無力なのかを教えてやるだぁ?お前の方が無力じゃねぇかよぉお!!」

「ブギゃッ!」

 

須郷を吹き飛ばし、馬乗りになると顔面に拳打をなん十発と叩き込む。そのうち、アバターのテクスチャに影響が出始め、ボコボコに歪んでいった。

 

「ぎゃめ、許して、ゆるじでぐだざぁい」

「研究対象とした元SAOユーザーが許しを請うたら研究をやめたか?ハッ!んなわけねぇよなぁ?だから、俺様もやめる気なんちゃねぇよ」

 

ある程度続け、俺様は満足し、闇の力で宙に浮かばせ身動きひとつとらなくさせると、俺様は両腕に闇の力を充填させると須郷に向かってこう言い、止めを差した。

 

「知ってたか?俺様達ウルトラマンっつうのは、どうやらてめぇみたいなやつにめっぽう強いらしいぞ?」

 

『ワイドレッキング光線』

 

腕をL字に組み、黄金の光線に赤黒い闇のエネルギーを纏わせたスペシウム光線を叩き込むと、気持ちの悪い悲鳴を上げて須郷はこの世界から追放された。

 

 

須郷が消えると、サイバー怪獣オベイロンはSAOと同じ光を出しながら消えていった。

 

「終わったぞ」

「ああ」

「お疲れ様、父さん」

「俺様は帰る、後始末はてめぇらがやれ」

 

そう言って俺様はゲームからログアウトした。



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世界の種子 ベリアルルート

何か違和感がある。

 

 

 

妙な胸騒ぎがなぁ。

 

 

「詩乃」

「なに?」

「少し出るぞ」

「わかったわ」

俺様はナイザーを手に持ち、アスナがいる病院へと向かった。そこで何か起きていると俺様の第六感が訴えている。闇の流れができていると。前の俺様に流れていた流れよりももっと強い闇の流れが。

紫色の光を出しながら空を飛び、大急ぎで向かう。

 

見えてきた。俺様の超視力で病院全体を見ると、誰かが倒れていた。倒れているやつの向かいには、ナイフを持った一人の男がいた。

「須郷か」

俺様はそう結論付け、スピードを上げた。

「死ねぇええええ小僧ぉおおおおおおお!!!」

「悪あがきはよせ、小僧」

「ごはぁっ!?」

須郷を吹き飛ばし、ナイフをへし折る。

「っ!?ベリアル!?」

倒れているやつはキリトだった。

「よう、まだ会えてなかったのか」

俺様はナイザーを構え、須郷の方を見る。

「ベリアル君か、うひひひ、君にも手酷くやられたよ。僕の最高傑作のアルブライザーで出したオベイロン。易々と破壊してくれちゃってさぁ、君も。君も殺してやる!!!」

予備にもう一本ナイフを持っていたらしく、それを構えてこちらへ走ってくる。こんなもの簡単に避けられるが、こういうやつは、絶望を教え込んでやらねぇといけねぇなぁ。

ドスッ!!!

「ベリアル!?」

ナイフが刺さるような音がした。だが。

「俺様にはそんなチンケな武器、効かねぇんだよ」

ナイフは半ばから折れ、地面に落ちていた。

「今度はこっちの番だ」

俺様は須郷の頭を持つと、闇の力を流し込んだ。

 

 

 

須郷サイド

なんだ、どうなっている。

 

「茅場君・・・」

神代凛子の声が聞こえ、振り替えると、そこではベッドの上で裸で抱き合う茅場と凛子の姿があった。

 

 

 

ベリアルサイド

「ぁあああああああああああ!!!」

発狂し、よだれや涙を流す須郷。俺様がいまやっているのは、須郷が思う最悪のことを闇の力で体験させている。実際にではないがなぁ。まぁとにかく、これで大人しくなんだろ。

俺様は須郷の頭から手を離す。

「あ・・・あ・・・」

須郷は光を失った顔をしながら気絶し、その場に倒れた。

「ほれ終わったぞ」

「え、えげつないことするな、ベリアル」

痛みをこらえながら声をかけてくるキリト。

「こういうやつはこれが一番効く。んで、腕切られたのか?」

「あぁ」

「仕方ねぇ」

俺様は光の力でその傷を治してやった。なぜだか知らねぇが、失っていたはずの光が俺様の中に戻ってきてやがるんだ。有効活用させてもらう。

「ありがとう」

「いいから行くぞ」

俺様とキリトは発狂する須郷を放置し、病院内に入っていった。

 

 

 

 

「貴様がゲーム内で怪獣を作り出した糞人間か」

 

眼鏡をかけ、スーツを着た男が、武装した部下を連れて須郷の前に現れた。

 

「お、お前、誰だ?」

 

虚ろな目の須郷は何とかその場の状況を理解し、眼鏡の男に問いかけた。

 

「貴様に名乗る名などない。連行しろ」

 

須郷は武装した部下に手錠をかけられ連行されていった。

 

「諸星だ、須郷を捕らえた、そちらに連行する」

 

基地に連絡を入れ、その場を去っていった。

 

 

 

 

病院内に入った俺様達は12階にあるアスナの病室に着き、うじうじするキリトにイラつきながらことが終わるのを待った。

 

「早く行け」

 

いい加減待つのに、飽き、キリトの背中を強く押した。

 

「ちょ、危な!」

「てめぇが早く行かねぇからだ」

「まったくベリアルは」

 

不満を破棄ながらも、決意が固まった顔をして、ベッドのカーテンを開けた。

 

そこには、夜景を見るアスナの姿があった。

 

「アスナ・・・」

「キリト君」

 

すぐに二人は抱擁を交わし、こちらに向き直った。

 

「ベリアル、ここまで、ありがとう」

「ありがとうございます」

 

俺様に言ってくるその言葉は、ゼロもジードも、ケンも、受けてきた言葉なんだろうよ。俺様は、はじめて受ける言葉だ。心の底からのありがとう。まぁ、いいもんじゃねぇか。

 

「気にすんな、俺様は帰らせてもらう。じゃあな」

 

アスナの病室を後にし、俺様は詩乃が待つ家へと帰った。

 

「腹へった」

「お帰りなさい、ベリアル」

「ただいま」

 

いつもの日常に戻るときが来た。



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ALOの行方

キリトside

 

あの後、須郷は怪獣を作り出した容疑により、ベリアルが所属する科学特捜隊に連行されていった。逮捕直後、須郷は事件を否定し、全てを茅場明彦に背負わせようとしていた須郷だったが、部下の一人が重要参考人の一人として引っ張られた直後から事件の全てを自白した。

幸いだったのは、300人の未帰還者達に、人体実験中の記憶がなかったことだ。脳や精神に異常をきたした人はおらず、全員が社会復帰可能だろうと言われている。

しかし、VRMMOというジャンルのゲームは、この事件で回復不可能なほどの打撃を受けた。最終的にレクト・プログレスは解散、レクト本社はかなりのダメージを負った。

もちろん、ALOも運営中止に追い込まれ、その他にも展開されていた5、6タイトルのVRMMOも提供中止は免れないだろうと言われていた。だが、それを覆したのが、ベリアルだった。

ベリアルは、新たにGalactic Empireというゲーム会社を設立。ALOを買い取ったのだ。その他のタイトルのVRMMOも買い取り、着々とサービス開始の準備を進めている。もちろん、ものすごい量の批判コメントがネット上に溢れた。だが、ベリアルは、自分がウルトラマンであること、このような事態になったのは大人がこのゲームを金儲けの道具、実験場としてしか見ていなかったことが原因だと言い、自分はそんなことはしないと宣言。もっと荒々しい言葉だったが。それでも批判してくる人達には、お前達の意見は聞いていないと、はねのけた。もちろん、これにも批判コメントが相次いだ。しかし、むしろ清々しいと擁護のコメントや、応援するコメントが批判コメントを上回る量だった。そして、すぐにALOの運営は再開された。攻略不可能だったダンジョンはバランス調整され、種族を問わず協力すればクリアできる仕様になった。クリア後は、樹の上に作られた新規都市。ベリアルの会社名と同じ名の、銀河帝国が待ち受けるている。新規フィールド、新規ボス、新規モンスターもどんどん作られ、ますますALOの人気に拍車がかかっていった。

 

「ベリアルは本当、すごいよなぁ。さすが、我らのウルトラマンだ」

 

キリトside終了

 

 

 

ベリアルside

 

「んじゃ行ってくんぞ」

「行ってらっしゃい」

 

俺様はアパートを出て、呼び出された場所へと向かっている。なにやら、オフカイなるものをやるらしい。なんだオフカイって。なにをやるんだか知らねぇが、美味い飯は出るらしい。

 

「ここか?」

 

木の扉に、本日貸切と書かれた張り紙がついている喫茶店、ダイシー・カフェに到着した。

扉を開け、中に入ると、キリトとアスナ、そして、昔助けたような気がする少女、そして、SAOの面々が集っていた。

 

「なんだ?俺様は遅刻か?」

「いひひー、本当の主役は遅れて登場するものですからねぇ。あんたには、キリト達よりも遅い時間を伝えたのよ!さぁ、入った入った!」

 

こいつは~、リズベットか。俺様を騙し、ケッコンというものをさせた奴。その他に、クラインや月夜の黒猫団の面々、SAOで俺様が関わった奴らが全員来ていた。

 

「えー、それでは、ご唱和ください!せーのっ」

 

 

「「キリト!ベリアル!SAOクリアおめでとう!!」」

 

クラッカーが鳴り、出てきたリボンが俺様達の頭や体に纏わりつく。

 

「かんぱーい!!」

「「かんぱーい!!」」

 

その後は飲んで食べて話してと各々の時間を過ごしていた。

 

「あ、あの!」

「あ?」

 

短いツインテールの背が低い少女が俺様に話しかけてきた。

 

「ひ、久しぶりです!ベリアルさん!」

「誰だてめぇ」

「お、覚えてないですか?ほら、ピナの蘇生を手伝ってくれたじゃないですか?」

「あー、あの弱そうな女か」

「お、覚えていてくれたんですね!!」

 

嬉しそうにピョンピョンと小さく跳ねるシリカ。

 

「ベリアルさんは本当にアバターのまんまですね」

「俺様は体を電子状に変えてダイブしていたからな」

「体を電子状に変えてダイブ?」

「この世界の体でSAOにダイブしていたって意味だ」

「えええ!?べ、ベリアルさんってそんなこと出きるんですか!?」

「そうよー、私も最初知った時驚いたんだから!」

 

リズベットが話しに割り込んできた。

 

 

(シリカ、あんたにベリアルは渡さないわよ?)

(リズさん、邪魔しないでください!)

 

「そういえば、ベリアル、あんたゲーム会社作ったんだってね?」

「ああ、Galactic Empireって会社だ。そこでは提供中止や運営中止になったVRMMOの権利を買い取って運営したり提供したり、オリジナルのアップデートを実装したりしている。ALOの次のアプデで重ね着や装飾品、チャームなどのオシャレや装備の拡張を作ってる最中だ」

 

まぁ、これは隠れ蓑だがな。本当は、VRワールドでしか出来ないことをやるために買い取っただけだ。

 

「重ね着って何ですか?」

「てめぇらの言う、かわいいとかカッコいいと思った装備を、別の装備の性能で見た目だけ変えられるってものだ。装飾品は新アイテムの特殊な鉱石とモンスターの素材から作れる。だが、その鉱石やらモンスターの素材は超希少アイテムだ。さらに作るのにも現実世界の時間で3日かかる。もちろん、ユーザーの声で不満やらなんやらが来やがったら修正していくつもりだがな。だが、作られる装飾品は一つ一つがレア度8の武器と同等の性能を誇る。だから作るのにも時間がかかるし、素材も超希少アイテムばかりってわけだ」

 

俺様は二人に今日の夜に公開予定のアプデ内容を説明し、ALOの更なる進化を示唆した。

 

「あの、ベリアルさんですよね?」

「あ、あー、お前リーファか」

「はい、本名は直葉です。二年前、私がまだ小学生の頃にも、助けてくれましたよね?」

「ダダとスラン星人の件か、あれは俺様が地球に落ちてきたときに拾ってもらった同居人が次のターゲットにされていたからなぁ。アイツが居なくなったら地球で生活ができなくなる。そのついでに助けてやっただけだ」

「でも、あの時、すごく怖かったんです。だけど、ベリアルさんが来てくれてとっても安心しました。だから、ありがとうございました」

「ハッ!気にすんな」

 

俺様は三人のもとから離れてキリトとエギル、クラインがしゃべっているカウンターについた。

 

「ベリアル、お前モテモテだなぁ」

「うるせぇ」

「だけど、好意を向けられるってことは、それなりのことしたんじゃないか?」

「ちっと昔助けてやっただけだ」

「昔って言っても、つい最近だったけどな」

 

SAOは悪魔のゲームと言われ、今じゃ教科書にも乗っているほどらしい。俺様にとっては短い出来事だが、人間のこいつらからしたら濃厚な時間だったんだろうよ。

 

「そういえば、今日ALOのアップデートだよな?どんな内容なんだよ?」

「重ね着や装飾品、チャームだ。ここでは話せねぇアップデート内容もあるがな」

「ほう、そいつは楽しみだ」

「んじゃ俺様は帰らせてもらう」

 

俺様は店を出て会社へと向かい、プロデューサーと打ち合わせをし、家へと戻った。

 

 

その頃、ALOでは

 

キリト達面々が夜空の星を楽しんでいた。すると、突如巨大な影が現れた。見上げると、そこには、隠しアプデコンテンツであるとある浮遊城があった。

 

「あれって」

「もしかして」

 

キリトとベリアルがクリアしたのは、SAOという名のデスゲーム。浮遊城アインクラッドは完全クリアはできていなかったのだ。キリトや他のゲーマー達は、一度攻略を始めたゲームをクリアするまでやめない。しかし、デスゲームクリアという形で攻略し始めたゲームを取り上げられたということになる。それは悔しいことこの上ない。それを逆手にとったのが、今回のこのアイクラッド導入なのだ。

 

「今度こそ、クリアしてやるぜ!」

 

そう意気込み、キリト達はアインクラッドへ飛んでいった。




今回でALO編は終了です。次回は間章を1話書いてGGOへ


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閑話:リクと詩乃

「へー、ここが今の父さんの家か。ペガと二人暮らしだったときを思い出すなぁ」

「ペガ、確かあのペガッサ星人のことか」

「うん、今は宇宙で待ってくれてるよ」

 

なぜかジードが俺様と詩乃の家に来てみたいと言ってついてきやがった。だが、目的はそれだけじゃねぇようだ。

 

「詩乃、帰ったぜ」 

「おかえりなさい、ベリアル。あれ?その人は?」

「どうも、父さんがお世話になっているみたいで」

「あー!ジードさんね、ベリアルの息子の!はじめまして、朝田詩乃っていいます」

「はじめまして、朝倉リクです。知ってるんですか?僕のこと」

「ベリアルにこの前昔のこと聞いたときにね少し」

「そうだったんですね!」

 

詩乃はジードに会えたことが嬉しいのか、俺様のことをジードに聞く。だが、コイツと過ごした時間は短いからな、俺様の知っていることとすれば、最低最悪のウルトラマンってことぐらいだろう。

 

「リクさんはベリアルの息子さんなのよね?てことは、ベリアルって奥さんとか・・・」

「いえ、僕に母親はいないんです。父さんの遺伝子から産まれたクローンみたいなものなんで」

「そうだったの。あなたの世界に居たときのベリアルはどうだったの?私はこっちの世界のベリアルしか知らないから」

「僕の世界に居たときの父さんは・・・」

 

俺様の話をして何がいいんだかわからねぇな。

 

「やっぱりそうだったんだ。本当に極悪ウルトラマンだったのね」

「でも、この世界では違うみたいですね」

「今は、怪獣を倒す側になってるからね、私が助けられたことはないけど、よく外で助けてるみたいよ。あ、あと、人間よりも古い時代からいる怪獣の監視もやってるみたい」

「倒すんじゃなくて、ですか?」

「うん、なんというか、この世界の地球は人間だけのものじゃないってこと・・・ですかね?確か怪獣の名前は、ゴジラ、だったかな?」

「あー、ゴジラですか。それなら問題ないですね」

「どういうことですか?」

「僕たちウルトラマンはゴジラ、ガメラ、キングコングっていう怪獣には不干渉になってるんです」

「あ、そうなんですね」

「ゴジラやガメラ達は、人間を襲いはしますけど、同時に人間を守るような行動を同時に行っているので、倒すべきかそれとも倒すべきでないか判断がつかないときが多いんです。それに、他の怪獣と格が違うので、おいそれと戦えないというか。事前の準備が必要なんですよ」

 

ウルトラマンがゴジラやコングなどの怪獣どもを攻撃しない理由はそういうことか。

 

「それにしても、なぜ家に?すぐにでも帰らないといけないんじゃ・・・」

「それが、まだ用事がありまして」

 

気まずそうにしながらこちらを見てくるジード。

 

「父さん、宇宙警備隊に戻ってこないですか?」

「なに?」

「一度追放したから言えることじゃないけど、ウルトラの父が、また一緒に戦いたいって言っていて」

「ケンの頼みか、アイツに、俺様を宇宙警備隊に戻せるほどの権力を持っているのか?」

「それは知らないけど、反対意見も出てるよ。でも、僕は父さんはもう戦わなくていいかなって思ってて」

「どういうことだ?」

「父さんは、今までずっと憎しみのなかで戦ってきたから、もう疲れちゃったかなって思ってて」

 

戦いに疲れたか・・・。一度はそう思った。だが、今はいろいろと戦わなきゃいけねぇことがたくさんあるからな。特に、いま一番警戒してるのはあのモンスターゼロ。なぜだかわからねぇが、俺様はアイツのことを気に食わねぇ。結局のところ、戦わなくちゃいけねぇ空気がプンプン匂うからなぁ。

 

「俺様は宇宙警備隊には戻らねぇ、今はいろいろと忙しいんでな」

「そうか、父さんにもやりたいことが出来たんだね」

「やりたいことはねぇ、おもしれぇもんは見つかったなぁ」

「そうか、なら僕は帰ります。おじゃましました」

「またこの世界に来たらよってください」

「はい、ありがとうございました」

 

そう言ってジードは帰っていった。

 

「いい息子さんじゃない。なんであなたからあんないい子が出来るんだか」

「ソイツは俺様も不思議で仕方がねぇもんだ」

 

まぁ、俺様が育ててないってのが一番の理由か。アイツは人間に育てられたからなぁ。

 

「まぁいい、俺様は呼び出しがあったからなぁ、出掛けるぜ」

「わかったわ、いってらっしゃい」

 

俺様は出ると、紫の光を発しながらアメリカへと向かった。どうやらモナークがいろいろ俺様に聞きたいらしい。

 

 

 

詩乃サイド

 

にしても、リクさんは本当にいい人ね。そういえば、もし、私とベリアルが結婚したらリクさんは私の義理の息子ってことになるのよね?

って、なに私は考えてるんだか。

 

「疲れてるのね、さっさと寝よ」

 

私はお風呂に入ったあと、すぐにベッドに横になった。その後、すぐに夢の中に入った。




そういえば、この世界の陛下って沢城さんボイスでおかえりなさいやらいってらっしゃいやら聞けるのか・・・。

うらやましい!!


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ガンゲイル・オンライン
銃の世界 


「ベリアル、それ取って」

「あいよ」

 

乱雑な投げられてくる調味料が入ったビン。それをキャッチして、調理中の料理に入れる朝田詩乃。

ベッドの上では、タブレットでなにかを見る漆黒に赤色のメッシュが入った髪を持つ男。

過去に、ウルトラマンの故郷。光の国を滅亡に追い詰めたり、別世界の宇宙を完全に支配したり、クライシス・インパクトという爆発を起こし、宇宙を一つ破壊しかけたりと、数々の悪行を行った最恐最悪のウルトラマン。その名も、ウルトラマンベリアル。

現在は、実験もとい、ウルトラカプセルを起動させるために作り出した、ベリアルの息子にして人口ウルトラマン。ウルトラマンジードに破れ、この世界の地球に流れ着き、朝田詩乃に拾われた後、ソードアート・オンラインというゲームで起こったデスゲームをクリア。そのデスゲームの被害者達を隔離し、人体実験を行っていた事件などのサイバー事件を解決。この世界に居る怪獣、ゴジラやコングなどを研究する機関に所属し、最近はGalactic Empireというゲーム会社を設立、人体実験場となっていたゲームの権利を買い、実験場を削除、とてもクリーンなゲームへと変え運営している。

 

「ゴジラとかの研究もいいけど、しっかり休んでるの?」

「言われなくても休んでる。というか、休むか休まないかは俺様の勝手だろうが」

「倒れられたらって心配なんだからちゃんと休みなさい」

「おいテメェ!!そいつを返せ!!」

 

タブレットを取り上げられ、怒るベリアル。電源を切られ、棚の上に置かれてしまう。

 

「ほら、ご飯できたから食べなさい」

「チッ!」

 

ベリアルは箸を持ち、料理に手をつけようとするが、手を叩かれる。

 

「なにか言うことあるでしょ?」

「チッ!いただきます」

「よろしい」

 

二人は食べ始め、さっさと朝食を済ませる。

 

「あたしは学校行くけど、ベリアルはなにか今日用事ある?」

「菊岡の野郎に呼び出されてやがる。めんどくせぇことこのうえねぇ。どうせ、GGO内で騒がれてやがる事件の調査を頼みたいとか何とか言ってくるんだろうよ。行くだけ無駄だ」

 

不満を言いながらも、菊岡が指定した店の場所をしらべ、向かうことにするベリアル。

 

「そ、なら戸締まりちゃんとしてね?行ってきます」

 

詩乃は学校へ向かい、ベリアルは昨日詩乃に渡された家の鍵を持ち、家を出た。

家の前の道路に出ると、ベリアルは飛び上がり、飛行を開始した。住宅街から都心に出て、科特隊の支部をすぎ、銀座の店の目の前に降り立つ。

ズカズカという足取りで店に入っていくと、菊岡が手を振り、こちらを向いていた。そこにはキリトもおり、確実に一連の事件の調査の話になることが見え見えであった。

 

「ベリアル、お前も呼び出されていたのか」

「キリトか、久しぶりだな、あの時以来か。まぁいい、菊岡、用件はわかってる、さっさと話を進めろ」

「ご足労悪かったねぇ、ベリアル君、キリト君」

「なら、銀座なんかに呼び出すな。俺様はタイタンの監視やら調査で手一杯なんだ」

「それは悪かったが、こういうところじゃないと話せないような内容でね、とにかく、これを見てくれ」

「誰だこいつ?」

 

そこには、長髪茶髪の痩せた男の写真があった。

 

「この前殺されたGGOトッププレイヤーか」

「ああ、先月の14日に、遺体が発見された。掃除をしていた大家が異臭に気付き、電子ロックを解除に踏み込んだら。この男、重村たもつが死んでいるのを発見した。死後5日半だった。部屋は散らかっていたが、荒らされた様子はなくベッドに横たわっていた。そして頭に」

「アミュスフィアか」

「アミュスフィアには電磁パルスを発生させる装置はねぇからなぁ、死亡原因はアミュスフィアではねぇ、確実にな」

「ああそのとおり、だから司法解剖が行われた。死因は、急性心不全とのことだ」

「心不全ってこと、心臓が止まったんだろ?なんで止まったんだ?」

「わからない」

 

事件の詳細が事細かに述べられ、不自然な死であることが如実にわかる。

そこに、キリトが頼んでいたようであるスイーツと飲み物が届けられた。

 

「死亡後、時間が立ちすぎていたし、犯罪性が薄いことからあまり精密な解剖を行わなかった」

「これのどこが犯罪性が薄いんだか俺様はそいつらの頭の中を解剖してぇところだ。その男は過去に心臓の病気とかしたことねぇんだろ?」

「その通りだベリアル君。この男は二日間なにも食べずにログインしていたが、この手の話は良くあることだ。この事件を捜査しようとしない警察が疑ってくるよ」

「この事件に何があるんだ菊岡」

「インストールされていたゲームは、ガンゲイル・オンライン。知っているかい?」

「ああ、日本で唯一プロが居るゲームだからな」

「彼は、GGO内であった最強者決定イベントに優勝していた。キャラクター名はゼクシード」

「じゃあ、死んだ時もGGOに?」

「いや、MMOストリームという番組に、ゼクシードの再現アバターで出演中だった。その時、GGO内で不自然なことがあったと、ブログに記載されていた」

「キメェ仮面にきたねぇマントを着た奴が、番組が放送されているモニターに写るゼクシードに向かって、直後、ゼクシードは苦しみ始め、通信が途切れた。そして発泡したユーザーは、発泡した銃と自分をデスガンとかいう中二くせぇ名を名乗ったって奴だな」

「そんなことがあったのか、だが偶然だろ?」

「もうひとつあるんだ」

「なにっ!?」

 

菊岡はタブレットを捜査し、また別の事件の資料を見せてきた。

 

「今度のは、11月28日。埼玉県さいたま市某所。やはり、二階建てアパートの一室で死体が発見された。新聞の勧誘員が中を覗くと、アミュスフィアを被った男がベッドの上に倒れていた。中から異臭が」

「ゴホッ!ゴホッ!!」

「はぁ」

 

後ろのばばぁどもが文句を言いたげな目で俺様達を見てきやがった。俺様はため息を吐き、闇の力で外界から隔絶した空間を作り出した。

 

「今回も、死因は心不全。彼も、GGOの有力プレイヤーだった。キャラネームは、薄塩たらこ。今度はゲームの中だね。彼はその時刻、グロッケン市の中央広場で、スコードローン、ギルドのことらしいんだけど、その集会に出ていたらしい。そこで乱入したプレイヤーに銃撃された」

「こっちでもその事件を調べたが、そいつを撃ったヤツは、ゼクシードの時と同じヤツだ。つてをたどってザスカーのスタッフに調べさせたが、撃った銃も同じものだったぞ」

 

すると、キリトがこんなことを言い出した。

 

「この二人の死因は本当に心不全なんだろうな?」

「というと?」

「脳に損傷はなかったのか?」

 

VRゲームの事件があると、考えられるのはまずそれなのは確かだ。SAOっつークソゲーがあったからな。

 

「僕もそれが気になってね。司法解剖した医師に問い合わせたところ、脳に損傷は見られなかったらしい」

「それにね、かのナーブギアの場合は、信号素子を焼ききるほどの高出力マイクロウェーブ脳の一部を破壊したわけだけど。アミュスフィアはベリアル君がさっき言ったとおり、そういう設計はされてない」

「ずいぶんと手回しが良いな菊岡さん。こんな偶然と噂だけで出来上がってるようなネタに」

「まぁ、心不全で殺すことはできなくはねぇからなぁ」

「なにっ!?それは本当なのか?」

「ああ、薬を使えばいくらでも出来るぞ」

「だが、どうやってゲームをプレイ中に薬を撃ち込むんだ?」

「二人でやりゃ出来んだろ」

「それもそうか、犯人が二人居れば、できなくはないのか」

「それじゃあ二人のどちらかにお願いなんだが、GGOにログインして、このデスガンなる男と接触してほしいんだ」

「なら俺様が行ってやる」

「本当かいベリアル君!!」

「おもしれぇ相手じゃねぇか、まぁ、死ねねぇのが少し残念だがな。というか、このゲームは、俺様の同居人がやってるゲームなんでな。めんどくさいことがあるとそいつに響くんでな」

 

詩乃の野郎はこの事件のこと知ってんのか?まぁどっちでも良いがな。だが、詩乃はスナイパーとしてGGOで少し有名だ。狙われる可能性がある。まぁ、デスガンが詩乃と俺様が一緒に住んでいることを知っているか知らんがな。

 

「それじゃあ俺はもう用はないな。帰らせてもらう」

「いや、キリト君はベリアル君がデスガンに正体がバレたときようのスペアプランとして協力してもらいたい」

「やだよ!!なにかあったらどうするんだ!!それに、GGOはプロがうようよいるゲームなんだ。ゲーム内通貨を現実の金に変換できるようになってる」

「あのゲームそんなことできんのか?だからアイツは生活費稼げてたのか」

「ベリアルは知らなかったらしいけど、俺みたいなヤツがノコノコ出ていったってぼこぼこにされるだけだ。それに、人間じゃあ出来ない動きとか、光線撃てたりするベリアルだけで十分だろ」

 

詩乃も一種のプロだったわけか。俺様のゲームコイン、いくらだったか?

まぁいい、おもしれぇ相手と戦えるんだ。俺様はそれでいい。

 

「んじゃ、この件は俺様が預かってやる。久しぶりのおもしれぇ相手だ。ぼこぼこにしてきてやる」

「さすが元GGOトップ。言うことが違うね」

「え!?ベリアルって元GGOトップなのか!?」

「俺様がゲームを始めたのはGGOだからな」

「マジか!?だからあんなに強いのか。いや、もともとウルトラマンなんだから、強くて当然なのか。俺たちとは場数が違うだろうし」 

「ベリアル君の話はまた今度にでもしよう。光の国についても聞いてみたいことがあるし。それじゃあ、頼んだよベリアル君」

 

そう言って菊岡は去っていった。キリトも、そのあとすぐに帰っていった。

俺様は菊岡が残していったタブレットの中身を余すところなく見たあと、詩乃が待つ家に帰った。



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氷の狙撃手 ベリアルルート

俺様は、久しぶりにGGOへログインした。度重なるアップデートや、仕様変更などで、俺様がやっていた頃のGGOの面影は残っちゃいない。

 

「さて、何をする?どうやればデスガンに会える?」

 

掲示板や雑談部屋などを見てみたが、おもしれぇ情報はねぇ。こりゃ、デスガンを見つけるだけでもめんどくせぇことになりそうだ。

 

「そういや、詩乃がログインしてたな。アイツのところに行きゃ、なんかいい情報持ってんだろ?」

 

俺様は反重力空間を作り出し、飛び上がる。詩乃がいる場所を地図で確認したあと、マッハにまで一瞬で加速し、アイツのもとに向かった。

 

 

 

どうやら、奇襲でも仕掛けてたみたいだなぁ。だが、ミニガン持ちがいて苦戦してんのか。仕方ねぇ。

俺様は反重力空間を切り、地上に降り立つ。

 

「よう、ちっとテメェが戦ってるヤツに用があんだ。さっさと倒させてもらうぞ」

 

俺様は光剣を取り出し起動すると、一瞬でミニガン野郎の首を切り落とす。

 

「ちょちょっとベリアル!?なんでここに!?」

「あ、ちっとお前に用があってなぁ」

「あ、あたしに?」

「シノッちー!そいつだれだ?光剣でアイツ一瞬でやっちまったけど・・・」

「えっと、あたしの同居人・・・」

「ど、同居人!?」

「も、もしかして、彼氏っすか!?」

「え!?ち、違うわよ!!」

「どこが違わないんすか!!」

 

うっせぇ奴らとパーティ組んでたなぁ詩乃。珍しい。まぁいい、俺様は詩乃に話を聞きに来ただけだ。

 

「詩乃、ちっと付き合え」

「え?付き合えってなにひゃああああああああ!!?!?」

 

俺様は詩乃を抱き上げると、誰も来ない場所に着地した。

 

「ちょっと!!いきなり何すんのよ!!」

「なに、ちっとアイツらには話を聞かれんのが不味かったんでな」

「話?一体なに?」

「デスガンについてだ」

「デスガン?あの噂の?たかが噂でしょ?」

「まぁな、だが、デスガンを名乗るヤツと接触する必要ができた」

「どういうことよ?まさか戦うなんて言うんじゃないでしょうねぇ!」

「必要があればやるしかねぇ」

 

まぁ、たかが人間の動体視力と反射神経だ。だが、甘く見てたらやられる可能性があるからなぁ。新しい装備でも買うか。

 

「ベリアル!一体どんな事情があるか知らないけど、デスガンに撃たれたら死ぬ可能性があるのよ!それもわかった上で言ってるの?」

「ああ、というか、デスガンが撃った相手を殺す方法の種は割れてる。その方法は、相手の住所、そして、現実世界に身体がないと出来ない方法だ。ましてや、俺様の身体は人間のものとは構造が違うんでねぇ。その方法が効くわけがない。俺様がデスガンに撃たれたところで、死ぬこともなけりゃ傷ひとつつくこともねぇ」

「死ななかったとしてもあたしは心配なの!!こっちの身にもなってみなさいよまったく!」

 

詩乃は俺様を睨みながらそう言ってくる。だが、詩乃。このデスガンと接触する必要があるのは、ただ俺様が戦いたいだけじゃねぇ。てめぇも守るって理由もあるんだ。てめぇが死んだら、俺様はこの地球で生活していけないんでね。

 

「止めたってやりに行くのはわかってる。はぁ・・・。BOB。それにデスガンは現れるかもしれないわ。有名プレイヤーもたくさん出る大会だし、人を殺すには絶好の機会だと思うわ。ベリアルも、初代に出て優勝してたでしょ?」

「そうだったか?もう忘れちまった」

「あんたねぇ、光剣でキルとりまくって伝説を作ったプレイヤーだと思えないわよねほんと」

 

まぁいい、そのBOBってのに出れば、デスガンに会えるってわけだな。なら、出てさっさとぼこぼこにしてやるか。

 

「あたしは、もうログアウトするわね。夕飯時にはログアウトしてきてよ」

「わかってる」

 

そう言って、詩乃はログアウトしていった。とりあえず、武器を新しくするか。光剣の古い型を使ってたら大会に出るプレイヤーとして示しがつかんってヤツだ。

俺様は初めてこのゲームにログインした日に行ったショップへ向かった。

 

「まぁ、二三個増えたぐらいか。まぁいい、この光剣にでもするか」

 

俺様は柄が太く、重さがある程度ある新型の光剣を購入した。さらに、サブ武器のハンドガンも新調した。

試し撃ちはしなくてもいいだろ。当たらなくても近づいてこいつで切っちまえばいい話だしな。

 

「もうやることはほぼねぇな。ログアウトするか」

 

俺様はやることを終えてしまったので、暇になり、ログアウトした。




キングオブモンスターズとゴジラVSコングをどこに持ってくるか、そこが問題だ。キングオブがアリシゼーション前だとして・・・。


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