私の恋? (水甲)
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01 気づかない恋?

「今日も疲れたな~」

 

ある日の事、一人で帰っている私。歩夢は今日は用事があると言い、先に帰った。こういう日はかなり珍しいけど……

 

「あの……急いでるんで」

 

すると歩夢の声が聞こえたけど、何だか困った様子だった。駆けつけると歩夢がたちの悪いナンパに引っかかっていた。

 

「歩夢!」

 

私は急いで歩夢の腕を掴み、急いでその場から離れた。

 

 

 

 

 

「歩夢、大丈夫?」

 

「う、うん」

 

「変なこととかされてない?」

 

「うん、侑ちゃんが助けてくれたから大丈夫だよ」

 

「そっか……また変なのに絡まれたら嫌だから……一緒に帰ろう」

 

「侑ちゃん……優しいね」

 

「ん?そうかな?」

 

「だって子供の頃から私が困ってたときに助けてくれたもん」

 

「あはは、だって大好きな歩夢のためだもん」

 

「えっ?」

 

「ほら、早く帰ろう」

 

「う、うん」

 

何故かその後、歩夢は無言だったけど……どうしたんだろう?やっぱり怖かったからかな?

 

 

 

 

 

 

歩夢side

家に帰り、自分の部屋のベッドに横になりながら夕方の事を思い出していた。

ナンパされたときに侑ちゃんが助けてくれたけど……かっこ良かったな~

 

いつも侑ちゃんは明るく…優しい子なんだけど……あんな風に格好いいなんて……

 

あれ?何でだろう?いつも以上にドキドキしてる……

 

私は侑ちゃんの事が好き……でもそれは親愛としての好きなのに……今は何だか違う感じがする

 

「どうしたんだろう?私…………」

 

ちょっと変な感じがする……調子悪いのかな?

早めに寝た方がいいよね

 

 

 

 

 

 

 

朝になり、いつも通り侑ちゃんの好きな卵焼きを作っていたけど……

 

いつもより何だか楽しい……

どうしてだろう?料理するのは昔から好きなのに………何でいつも以上に楽しいのかな?

 

しばらく考え込んでいると、焦げ臭い臭いがしてきた。

 

「あー!?」

 

 

 

 

 

「おはよーって歩夢、どうしたの?元気ないけど?」

 

「その……卵焼き焦がしちゃって……」

 

「歩夢が!?珍しいね」

 

「うん、私もびっくりしてる」

 

心配そうにしている侑ちゃん……何だか侑ちゃんにそんな顔をさせたくない……

 

「大丈夫だよ!ちょっと考え事していただけだから……」

 

「そっか、てっきり調子悪いのかなって……歩夢が元気ないと私も元気なくなっちゃうからさ」

 

笑顔の侑ちゃんが……凄く愛おしい……あれ?どうしてだろう?いつもはそんなこと思わないのに……

 

「どうしたの?顔赤いよ?」

 

「えっと……何でもない」

 

「?」

 

本当に私……どうしちゃったんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

それから放課後まで何故か侑ちゃんの事を考えてしまっていた。本当にどうしたんだろう?

授業中も気がついたら、ノートに傘マークに私と侑ちゃんの名前を書きそうになっていたし……

 

「はぁ…私、どうしちゃったんだろう?」

 

この気持ちが本当に分からないでいる私であった。



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02 もやもや

「はぁ……」

 

ベッドに横になりながらぬいぐるみを抱き締めながらため息をついた。

本当に私、どうしちゃったんだろう?何で侑ちゃんのこと……あんなに……

 

「いつも通りにしないと……でも……」

 

少し寝ようとするけど、浮かぶのは侑ちゃんの笑顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

朝、侑ちゃんと待ち合わせをしていると、眠そうにしている侑ちゃんがやって来た。

 

「おはよう。侑ちゃん」

 

「ん……おはよう。歩夢」

 

挨拶を返してきた侑ちゃんだけど、そっと私の顔に触れた。

 

「ゆ、侑ちゃん!?」

 

「ん、いつもどおりの歩夢だ」

 

安堵している侑ちゃん。良かった……私はいつもどおりだ……でも……そんな風に触れてきたり、侑ちゃんの笑顔を見るとものすごくドキドキしてしまう……

 

「どうしたの?歩夢」

 

「な、何でもない……」

 

 

「そっか、それじゃ行こうか」

 

「う、うん」

 

どうしようドキドキが止まらない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業を受けているときには何とかドキドキは収まったけど、それでも侑ちゃんとお昼を食べていたら、またドキドキしてきた。

 

「本当に大丈夫?歩夢」

 

「えっ?」

 

「何か顔真っ赤にしたりとか……本当に大丈夫?」

 

「だ、だいじょ……」

 

「あー侑先輩、歩夢先輩、一緒にお昼食べてるんですか?」

 

するとかすみちゃんがコッペパンを持って、侑ちゃんに抱き着いた。それも見た瞬間、何だか胸がすごくもやもやした

 

「うん、かすみちゃんもどう?」

 

「いいんですか~」

 

「いいよね。歩夢……歩夢?」

 

「えっ?あ、うん、一緒に食べるのもいいよね」

 

もやもやが気になってしまっていた。本当に私どうしたんだろう?

 

 

三人でお昼を食べているうちにさっきまで感じたもやもやはなくなったけど……

 

「先輩、あ~ん」

 

「うん、かすみちゃんの作るコッペパンおいしいよ」

 

「えへへ、かすみんの愛場がたっぷりですからね」

 

何でかすみちゃんに対していやな気持がこみあげてくるんだろう……かすみちゃんはいい子なのに……何も悪いことしてないのに……

 

「歩夢?」

 

「えっ?」

 

「本当に大丈夫?もしかして調子悪いの?」

 

「あ、大丈夫だよ」

 

「だめですよ。歩夢先輩。大丈夫そうに見えませんよ」

 

「えっと、本当に……」

 

「そうだよ。保健室で少し休もうよ」

 

「で、でも…」

 

「ほら、早く」

 

侑ちゃんは私の手を引き、保健室へと連れて行くのであった

 

 

 

 

 

 

 

侑ちゃんは授業が始まるまでの間、ついていてくれた。私は本当に調子悪くないのに……でもすこし考える時間ができた。

 

私が感じたもやもやした気持ち……それにかすみちゃんに対して嫌な気持は何だったんだろう?

 

「はぁ…」

 

本当にどうしちゃったのかな?私……

 

ため息をつきながら、眠りにつこうとすると……

 

「あれ~歩夢ちゃんだ~」

 

「あ、彼方さん……」

 

「どうしたの~?どこか具合が悪いの~」

 

「えっと……私はそうじゃないって思ってるんですけど、侑ちゃんが」

 

「あぁ、あの子は歩夢ちゃんに対してすごく心配性だったりするもんね」

 

「うん……」

 

昔からそうだったもん。あの子はいつも私のことを気にかけて……

 

「それで何か悩み事でもあるの~?」

 

「えっ?」

 

「今の歩夢ちゃんは具合が悪いというより、悩みすぎて自分でも気づかないうちに顔とかに出てるのかもしれないよ」

 

「そう…かな?」

 

「ほら、話したら少し楽になるかもしれないよ」

 

私は彼方さんに自分が感じているものを話した。すると彼方さんは……

 

「それって侑ちゃんが誰かと話している感じちゃったりしてる?」

 

「は、はい」

 

「その子は何も悪いことしてないのに……どうしてもいやな気持になっちゃったりとか?」

 

「はい」

 

「侑ちゃんに対して何だか今まで感じていた気持ちが変わった感じがするんだよね」

 

「は、はい」

 

「それって歩夢ちゃんは侑ちゃんに恋しちゃってるんだよ」

 

「は……はい?」

 

「うんうん、それで嫌な気持ちとかもやもやは嫉妬しちゃってるんだと思う」

 

「え、えぇ!?」

 

「私もそういう似たようなことあったから分かるよ~」

 

「わ、私が……侑ちゃんに……でも私たち女の子……」

 

「好きになる気持ちにはそういうの関係ないと思うよ~これも彼方ちゃんの経験からくるものだよ~」

 

私が侑ちゃんを……好き……前から好きだったけど……それは幼馴染としての好きだけど……これは……

 

「こういうときってどうするか分かる?」

 

「どうすれば……」

 

「ずっと嫌な気持ちを感じたままじゃだめだから……ちゃんと想いを告げないとね~それじゃ彼方ちゃんは別の場所に行くね」

 

彼方さんはそう言って保健室から出ていくと入れ替わりに侑ちゃんが入ってきた

 

「歩夢、体調は……よさそうだね。良かった」

 

侑ちゃんは私を見て安堵していた。

 

「あのね……侑ちゃん」

 

「何?歩夢……」

 

ちゃんと想いを告げないと……このまま我慢していたら駄目だよね

 

「あのね……私……侑ちゃんのことが好き……大好き」



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03 好きと侑の暴走?

深夜テンションかつゆうぽむテンションで書いてました


私は自分の思いをハッキリと伝えた。侑ちゃんはどんな顔をしているか怖くて見れない……

 

もしかして引かれてるかもしれない……

でもこれは私が決めたことだから……だからちゃんと向き合わないと……

 

私は顔をあげて侑ちゃんを見つめると……侑ちゃんは優しく微笑んでいた。

 

「歩夢……嬉しいよ。好きって言ってくれて……」

 

「あ……」

 

「でも……ごめん」

 

侑ちゃんのその言葉に私は……振られたんだって思った。仕方ないよね……

 

「歩夢の事が好き……でも私の好きと歩夢の好きは同じなのか分からない……」

 

それって……

 

「だからさ……まだ歩夢と同じ好きは言えない……言えるようになるまで……待っていてくれる?」

 

保留ってことでいいのかな?でもそれでも……

 

「私待つよ……侑ちゃんが好きって言ってくれるの……」

 

「ごめんね……歩夢」

 

「謝らないで……私も頑張るから……」

 

ここから始めるんだ……侑ちゃんが好きっていってくれるように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

侑side

 

歩夢の告白に私は驚いた。ずっと歩夢が悩んでいたのは……この事だったんだ……

 

歩夢は本当に可愛らしい子だって言うのは分かっている。そんな歩夢に告白なんてされたんだから……誰だってうれしいはずなのに……私は『私も好き』って言えなかった。

 

多分、歩夢を恋愛の対象として今までは見ていなかったから…………でも告白された今は?

 

「分からない……」

 

私はちゃんと答えを出せるのかな?

 

 

 

 

 

 

朝になり、歩夢との待ち合わせ場所にいくと…………

 

「おはよう。侑ちゃん」

 

いつも通りの歩夢が笑顔でいてくれた。

でも何でだろう?歩夢の笑顔を見ると……すごくドキドキする

 

「えっと……おはよう」

 

「どうかしたの?」

 

「えっ?何でもないよ」

 

笑ってごまかすけど……本当に私はどうしちゃったんだろう?

 

「学校行こう」

 

歩夢は私と手を繋いだ瞬間……何故かドキドキが止まらなくなった。

 

本当にどうしたんだろう?私…………

 

 

 

 

 

 

 

学校でも気がついたら、歩夢のことを考えていた。

 

部室でもボーっとしてしまっている

 

「侑ちゃん?どうしたの?」

 

「えっ?あ、何でもないよ」

 

「でも何だか……」

 

歩夢が心配そうに顔を覗かせているけど……どうしよう……歩夢ってこんなに可愛いんだっていう感情しか出てこない。

 

私……本当にどうしちゃったんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

歩夢に少し休んだ方がいいと言われて、みんなが練習をしているなか、私はソファーに横になっていた。

 

「歩夢って……本当に可愛いな……」

 

って私は何を呟いてるんだ!?

誰もいないよね?さっきの聞かれてないよね?

 

周りを見渡すけど誰もいない……ちょっと安心したけど…………

 

これって…………わたし……

 

「歩夢の事が……大好きになってる?」

 

まさかこんなに早く答えが出るなんて……歩夢に返事をしないと…………でも……

 

「歩夢に好きって……言うのが凄く恥ずかしい/////」

 

歩夢は勇気を出して言ったのに、私は何でへたれてるんだ……でも言わないと……歩夢を待たせたくないのに……

 

「侑ちゃん、具合どう?」

 

すると様子を見に来たのか歩夢がやって来た。

 

「うん、大丈夫」

 

「そっか、もし無理そうだったら……すぐに言ってね」

 

「う、うん……」

 

歩夢は本当に優しいな……

 

「それじゃ私はまた戻るから」

 

歩夢はそう言って練習に戻ろうとしていたけど……私は咄嗟に歩夢を抱き締めた

 

「えっ!?ゆ…うちゃん?」

 

あれ?何で歩夢を抱き締めてるんだろう?私…………



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04 二人の思い

今回で最終回です


「ゆ……侑ちゃん!?」

 

突然抱きついてしまった私。どうしてこんなことしてるんだろう?

でも……歩夢の体温…歩夢の匂い…凄く落ち着く。それに胸が凄くドキドキしてる……

 

「こ、怖い夢でも見たの?」

 

「そうかも……」

 

「それじゃ……落ち着くまでこうしてていいよ」

 

思わず嘘をついてしまった…………ハッキリと言わないとダメかな?

 

「あのね……歩夢」

 

「なぁに?侑ちゃん」

 

「歩夢の事が好き……大好き」

 

「えっ?」

 

「さっき……怖い夢を見たって言うのは嘘なの……ただ歩夢を抱き締めたくなったの」

 

「ゆ…うちゃん…」

 

「歩夢…………好き……」

 

私はそのまま歩夢をベッドに押し倒し、ぎゅっと抱き締めた。

 

「侑ちゃん……恥ずかしいよ」

 

「ごめんね……何だか思いが止まらないの」

 

歩夢をぎゅっとしていたい。耳元で……

 

「歩夢……好き……大好き……」

 

好きを囁き続けた。

 

「ん……侑ちゃん……くすぐったい……」

 

歩夢は恥ずかしそうにしていた。

 

「歩夢……歩夢は私のこと……好き?」

 

「侑ちゃん…………」

 

歩夢は頷くけど……ちゃんと歩夢の口から聞きたい。

 

「お願い……歩夢……言って……」

 

「ゆ…う…ちゃん…私も……好きだよ…………」

 

「歩夢~」

 

私は更に強く抱き締めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お二人とも!大丈夫ですか?」

 

不意にせつ菜ちゃんの呼び声に目を覚ました私と歩夢

 

「あれ?」

 

「歩夢さんが戻ってこないので心配で来てみれば……歩夢さんもお疲れだったんですね」

 

「あ……うん……」

 

あれ?歩夢が顔を背けてるけど…………えっと確か…………歩夢とベッドで抱き締めあっていて…………

 

「侑さんも顔色良くなったみたいですね」

 

「あ、うん」

 

せつ菜ちゃんは先に戻るといい、残された私と歩夢は……

 

「えっと……その……」

 

「あの……ぎゅっとされたり……耳元で囁かれたのびっくりしたけど……」

 

「あ、あれは……何というか暴走して……」

 

「侑ちゃんがそんな感じかなって思ってたけど……」

 

「うん……でも歩夢が好きなのは本当だよ」

 

「侑ちゃん……」

 

「これからもよろしくね。歩夢」

 

「うん」

 

私と歩夢はそっと顔を寄せ………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして私と侑ちゃんは恋人どうしになった。付き合い出してから、いつも通りかと思っていたけど…………

 

「歩夢……」

 

二人でいるとき、凄く侑ちゃんが甘えてくる。私はそんな侑ちゃんに優しく撫でたりするけど…………

 

気がつくと沢山キスをして来たり…………ちょっと恥ずかしい思いしてたけど、そんな侑ちゃんも凄く可愛らしかった。

 

 




元々短めの予定なのでこれで終わりです


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