未来のカードは実質オリカ (エルシャドール・ユニコ)
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原作前
1話
最初に始めたのはバハムート降臨からだった。
動画を見ていた時にたまたま見つけた動画が面白かった。相手のフォロワーを除去し、守りを固め、回復し、最後にフィニッシャーを出して勝つ。盤面を支配してる感じがして好きだった。もともとカードゲームは好きでやっていたからルールはすぐに覚えられた。環境なんて知らなくて自分なりのデッキを作って、カードを集めて動画投稿者の真似をして楽しんだ。
春が来て新学期が来たと同時に新パックが来た。また新しいカードが来てまた楽しいゲームができると思ってた。実際は13/13が疾走する。1枚でバフ、展開、除去をこなす最高の将軍、そしてそれを超えても待っていたのは頭ワンドリだった。
そのあともなんだかんだやって、心が折れて初めてシャドバをやめて、復帰して、またやめてを繰り返した。グラマスになったこともあった。クソゲーと言いながらも通学途中や暇な時にやった。
そして今俺は近未来的で何故かシャドバが熱狂的な世界にいる。
前世の記憶と言うべきものを思い出したのは幼稚園の頃だった。突然思い出し、脳が耐え切れなかったのか気絶して病院に搬送されたが特に問題はなかった。突然気絶し、子供が目覚めれば急に雰囲気が変わって心配されたが今世の両親とは今では仲良くしている。(記憶が戻ったことはもちろん話してない)
小学校の頃俺は絶望していた。当たり前のことなのかもしれないが前世であった娯楽のほとんどがない。マリ○やポ○モンなんてない。○ンダムもない。カードゲームも
しかしカードゲームについて調べてる時俺は知った。Shadowverseだけはあることを。そして思った。
ここアニシャドの世界線かぁ
明らかにシャドバしかないならシャドバ関係の世界だと思うのでアニメを見てはいないが確定だと思う。存在は知っていた。どうせ面白くないと思って見なかったがこうなるなら見ておけばよかったと思ってしまう。しかしたとえクソゲーだとしても知ってるゲームがあるというのは嬉しかった。
小学6年生になり、母親からスマホを貰った。両親は共働きで母親がたまに夜遅いこと、そしてわがままも無くちゃんとしているということで買ってくれたのだ。早速シャドバを入れてデッキを作ろうと思った。バハムート降臨までのカードがあることは把握済み。昔出来なかった色んなデッキで遊び倒そうと思っていた。
前世でお世話になり明らかに今の時代にはないカードを見るまでは
夢の強くてニューゲームだそうです。
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2話
ブレイドライツ騎士団の戦士長として、
皆を支えて、国を守ると。
──だから俺は、為すべきことは必ず為す。
誓いを立てた。
正義のギルドの名に恥じぬ、誠実なる戦士でいると。
──だからお前は、俺が止める。
俺のこの手で、決着を。
天青学園
それが今世で通う俺の学校だ。家からもそこそこ近くて、しかも俺がよく行くシャドバスタジアムまで遠くない。
教室に入り自分の席に向かう途中で声をかけられる。
「ようシレン。おはよう」
「おはよう。シレンくん」
「うぃーす、カズキ、ミモリ」
進藤カズキと天宮ミモリ。中学に上がってたから友達になった2人だ。
「よし!今日も時間があるし、バトルするじゃんねぇ!」
「え〜来てそうそうにやんの?たまには俺以外ともやれよ...飽きないの?」
「いや!さっきミモリとやって負けたじゃんね!」
「負けたんかい...まあ俺も新しいデッキ作ってきたからそれの調整も含めてやりますかね」
「あ、ははは…2人とも頑張ってね。」
「「バトル!シャドウバース!!」」
「先行は俺じゃん!俺のターン、ドロー!俺はクイックブレーダー*1をプレイ!このフォロワーは疾走*2を持っているからそのままリーダーを攻撃!」
シレン 20/20→19/20
「へへ、どーよ。俺はこれでターン終了じゃん。」
カズキ 20/20 手札3 PP0/1 墓場0
クイックブレーダー
「うっし、俺のターンドロー。俺はウォーターフェアリー*3をプレイ。そのままターン終了」
「今日はエルフクラスじゃん」
「まあね、面白いもん見せてやるから見とけよ見とけよ〜」
ベビーエルフメイを引けなかったのは残念だがまぁしゃーない、5点は必要経費かな。
シレン 19/20 手札4 PP0/1 墓場0
ウォーターフェアリー
「俺のターンドロー!ヴァンガード*4を2枚プレイ!クイックブレーダーでリーダーを攻撃!」
シレン 19/20→18/20
1コストのフォロワーを2体並べてきた。こうなると処理が難しい。
「俺はこれでターン終了じゃん。」
カズキ 20/20 手札2 PP0/2 墓場0
クイックブレーダー ヴァンガード ヴァンガード
「俺のターンドロー。スペルカード森荒らしへの報いをプレイ。相手のフォロワーに2ダメージ、対象はヴァンガード」
ヴァンガード 1/2→1/0
「その後フェアリーを1枚手札に加える。そして、ウォーターフェアリーでクイックブレーダーを攻撃。」
クイックブレーダー 1/1→1/0
ウォーターフェアリー 1/1→1/0
「ウォーターフェアリーのラストワード*5能力を発動、フェアリーを1枚手札に加える。そのままターン終了。」
シレン 18/20 手札6 PP0/2 墓場2
「どんどんいくじゃんね。俺のターン、ドロー!よし、ノーヴィストルーパー*6をプレイ!ノーヴィストルーパーは疾走を持ってるから、ヴァンガードと一緒にリーダーを攻撃!」
シレン 18/20→15/20
「ちょっとその動きされるの辛いなぁ…」
「どうよ!俺はこれでターン終了じゃん。」
カズキ 20/20 手札2 PP0/3 墓場1
ヴァンガード ノーヴィストルーパー
「俺のターン、ドロー」
カズキは今アグロの理想の動きをしている。このままノッていかれると普通に負けてしまうんだが…
(引いたのはフェアリーサークル*7、ほかのカードですぐに相手を取れるカードはない。次のターンで一気に取れるカードはあるから今やらないといけないことは…)
手札を増やして選択肢を増やす。
「フェアリー*8をプレイしスペルカード、自然の導きをプレイ。自分の場のフォロワーかアミュレットを1枚手札に戻し、そしてカードを1枚引く。対象はフェアリー。」
引いたカードは…!
「よし!(現場猫)フェアリーをプレイしてターン終了。」
あとは生き残るのみ!
シレン 15/20 手札6 PP0/3 墓場3
フェアリー
「俺のターンドロー!よし、俺はホワイトジェネラル*9をプレイ!ホワイトジェネラルの能力でノーヴィストルーパーの攻撃力を2上げる!」
ノーヴィストルーパー 2/2→4/2
「おいおいおいおい!それはさすがに強すぎるだろ!」
「このまま一気にいくじゃんよ!ヴァンガード、ノーヴィストルーパーでリーダーを攻撃!」
シレン 15/20→10/20
「あかんこれじゃ轢かれて死ぬぅ!」
「へへ、どうよシレン!このまま勝ってやるじゃんね!」
カズキ 20/20 手札2 PP0/4 墓場1
ヴァンガード ノーヴィストルーパー ホワイトジェネラル
「悪いけどこのまま負けるつもりは無いよ!俺のターン、ドロー!フェアリーアサルト*10をプレイ!自分の場にフェアリーを4体場に出し、それらに突進*11を付与する!そして今出たフェアリーを進化*12!」
フェアリー 1/1→3/3
「ゲゲッ!それじゃあ俺らのフォロワーが!」
「特攻するんだ(黒アムロ)」
ホワイトジェネラル 3/3→3/0
フェアリー 3/3→3/0
ノーヴィストルーパー 2/2→2/0
フェアリー 1/1→1/0
フェアリー 1/1→1/0
「そして…もともと居たフェアリーでリーダーを攻撃。」
カズキ 20/20→19/20
「これでターン終了」
シレン 10/20 手札6 PP0/4 墓場7 EP2/3
フェアリー フェアリー
「フェアリーでヴァンガードを取らない?それなら一気に削りきって勝つ!俺のターンドロー!ノーヴィストルーパーをプレイ!」
「はぁ!?」
なんでまだ疾走フォロワー握ってんだよこいつは!
「ノーヴィストルーパーを進化!そしてこのままリーダーを攻撃!」
ノーヴィストルーパー 2/2→4/4
シレン 10/20→5/20
「あと少しでシレンに勝てるじゃんね!」
「グゥ!俺が、かずきに負ける!?」
ただひたすらに顔面殴るだけの奴に負けたくないんですけどぉ!
「すごいよカズキくん!このままシレンくんを倒せるかも!」
カズキ 19/20 手札2 PP2/5 墓場5 EP1/2
「ネタデッキとはいえ普通にボロくそに負けるのは嫌だよなぁ!俺のターンドロー!」
引いたカードはベビーエルフ・メイ*13!?遅いわバカ!
「でもこっからは俺の番だ!俺は獣戦士・セタス*14をプレイ!」
「うぉぉぉ!見たことないフォロワーじゃんね!」
「こいつは体力の多いい守護*15フォロワーだ。そう簡単にはやられはせんぞ。」
紺色の毛を纏い、ハルバードを構えた獣戦士の男が現れる
「セタス、進化しろ!そして進化したセタスでノーヴィストルーパーを攻撃、フェアリー2体でヴァンガードを攻撃!」
獣戦士・セタス 3/7→5/9
獣戦士・セタス 5/9→5/5
ノーヴィストルーパー 4/4→4/0
ヴァンガード 1/2→1/0
フェアリー 1/1→1/0
フェアリー 1/1→1/0
「やっとフォロワーを一掃できた...」
「くっ!でもそっちの体力は5、まだまだこっちの方が有利じゃんね!」
「お、そうだな(肯定)じゃあターン終了時、セタスの効果を発動。自分のフォロワーがこのターン中に破壊された時、仁義の発動*16を手札に加える」
シレン 5/20 手札7 PP0/5 墓場9 EP1/3
獣戦士・セタス
さて、この時代に5/5突破して5点削れるコンボあったっけな〜
「俺のターンドロー!俺は戦場の騎兵をプレイ。」
「えぇぇぇ!誰だよそのカード!」
俺の目の前には翼の生えた馬に乗った剣だか槍だかを持ってる騎士が現れた。
ええっとこいつの効果は...
「戦場の騎兵の能力を発動!こいつが場に出た時、ナイトを場に出す!」
戦場の騎兵 6コスト5/5 兵士 ファンファーレ ナイト*17を1体場に出す
は?
「戦場の騎兵を進化!そのままセタスを攻撃するじゃん!」
戦場の騎兵 5/5→7/7
獣戦士・セタス 5/5→5/0
戦場の騎兵 7/7→7/2
「どうだ、この新しいカードは!」
「ッハハ、びっくりしたよ。そんなカードがあるなんてね。」
他に使えるカードなかったのかね
カズキ 19/20 手札2 PP0/6 墓場7 EP0/2
戦場の騎兵 ナイト
「俺のターン、ドロー」
正直ここまで追い詰められたのは久しぶりかもしれない。
「さて、まずはフェアリーをプレイ、そして自然の導きをプレイ。」
とりあえずセタスをもう1枚引きたかったが、まあ引けなかったか
「手札からスペルカード、仁義の発動をプレイ。相手のフォロワー1体に3ダメージを与える。」
「えぇぇ!それじゃあ戦場の騎兵は」
「死んでしまいます(諸行無常)。そしてこのターン中に他にカードを2枚以上プレイしていた場合、自分のリーダーを2回復する。」
戦場の騎兵 7/2→7/0
シレン 5/20→7/20
「そんなー!フォロワーを倒した上に体力も回復しちゃったじゃん!」
「プレイすればするほど強くなるのがエルフの特徴だよ。フェアリーサークルをプレイ。フェアリーを2枚手札に加えそのまま2体場に出す。」
普通ならナイト1枚ぐらい無視してもいいんだが体力のないこの状況じゃ進化切ってでも取るのが正解かな。
「フェアリー進化、そしてナイトに攻撃。」
ナイト 1/1→1/0
フェアリー 3/3→3/2
シレン 手札6 PP0/6 墓場11 EP0/3
フェアリー(進化) フェアリー
「クッソーこのまま押し切れると思ったじゃん。」
「いやーカズキには負けられんよ。」
冷や汗ダラダラだけどね。
「それでもまだこっちの有利に変わりないじゃんね!手札からノーヴィストルーパーとクイックブレーダー2体をプレイ!」
あっぶね!下手したら本当に負けてたじゃん。
「ここは攻める!全員でリーダーを攻撃!」
シレン 7/20→3/20
「これでターン終了するじゃん。シレンの力を見せてみろじゃん!」
カズキ 手札0 PP2/7 墓場9
ノーヴィストルーパー クイックブレーダー クイックブレーダー
「俺のターン、進化したフェアリーでノーヴィストルーパーに攻撃。まずはベビーエルフ・メイを場に出しランダムの相手のフォロワー1体に1ダメージ。あとは場にあるフェアリーで残ったクイックブレーダーに攻撃。」
ノーヴィストルーパー 2/2→2/0
フェアリー(進化) 3/2→3/0
クイックブレーダー 1/1→1/0
クイックブレーダー 1/1→1/0
フェアリー 1/1→1/0
「それからフェアリーサークルをプレイ。フェアリーを3体場に出しエルフの少女・リザをプレイ。リザの能力で相手ターン終了時まで能力によるダメージを受けないよ。そのままターンエンド。」
シレン 手札3 PP0/7 墓場14
ベビーエルフ・メイ フェアリー フェアリー フェアリー エルフの少女・リザ
「フォロワーが一気に並んじゃったじゃん!」
「さあどうでる?カズキ。」
「このドローで倒すカードを引いてやるじゃんね!俺のターンドロー!」
持ってないだろうけどアルベール*18引かれたら死ぬな。
「俺は天剣の乙女*19をプレイ!ターン終了。」
「トドメのカードは引けなかったようだな。」
「確かに引けなかったじゃん。でもこのまま耐えて引けばいいだけじゃん。」
「ま、そりゃそうだ。俺が不利なのはまだ変わってない。」
カズキ 19/20 手札0 PP3/8 墓場12
天剣の乙女
「俺のターンドロー!いいカード引いたぜ!まずは全員で天剣の乙女を攻撃しろ!」
天剣の乙女 2/6→2/0
フェアリー 1/1→1/0
フェアリー 1/1→1/0
フェアリー 1/1→1/0
ベビーエルフ・メイ 1/1→1/0
エルフの少女・リザ 2/2→2/0
「そして俺はフェアリーナイト*20をプレイ。ついでにフェアリーもプレイしてターンエンドだよ。」
シレン 3/20 手札3 PP3/8 墓場19
フェアリーナイト フェアリー
「俺のターン、ミラージュディフェンサー*21をプレイしてターン終了。」
カズキ 19/20 手札0 PP5/9 墓場13
ミラージュディフェンサー
「俺のターン。フェアリーナイトとフェアリーでミラージュディフェンサーを攻撃。」
ミラージュディフェンサー 3/4→3/0
フェアリーナイト 3/2→3/0
フェアリー 1/1→1/0
「そして再び現れろ!セタス!」
今この時だけ守護持ちの3/7が頼もしい!
「うげ!てことはさっきのあのスペルがまた手札に加わるじゃん!?」
「そうゆうこと。ターン終了時に仁義の発動加えて終わり!」
シレン 3/20 手札4 PP4/9 墓場21
獣戦士・セタス
「俺のターン、ドロー!俺は戦場の騎兵をプレイし能力を発動。ナイトを場に出すじゃん!」
「それピン投じゃないのかよ!なんでだよ!」
カズキ 19/20 手札0 PP4/10 墓場14
戦場の騎兵 ナイト
「俺のターン、ドロー!!」
やっと来た!
「俺は瞬速の大狼をプレイ!そして現れよ!フェアリードラゴン!」
俺の目の前にはワンドリ産なのに弱いフォロワー自然の美しさを、怒りを体現したような竜が現れる
「新しいフォロワーが2体も並んだじゃんね!でも攻撃力が0のフォロワー?」
まあ意味わからんよな、レジェンドでありながら2コスト0/4の守護持ちフォロワーなんてさ。でもちゃんと効果はあるよ!
「俊足の大狼の能力が発動する。他のフォロワーをプレイした時、そのフォロワーに疾走を付与し、このカードを手札に戻す。その後にフェアリードラゴンの能力が発動する。このバトル中に破壊されたフォロワーの数だけ攻撃力が1上がるぜ!さぁ!お前の破壊したフェアリーの数を数えろ。」
「えぇ!えっとこのバトルで破壊されたフェアリーの数は1、2「答えは11だ!よってフェアリードラゴンの攻撃力は11!」攻撃力11の疾走フォロワーだって!?」
もうちょいフェアリーの補充手段が手札にあればぶつかって火力も上がっただろうけどなー
「一応仁義の発動をプレイ。ナイトに3ダメージ。2回プレイしていたので2回復。」
ナイト 1/1→1/0
シレン 3/20→5/20
「このままいくぞ!セタスとフェアリードラゴンでリーダーを攻撃!」
カズキ 19/20→5/20
「これは形勢逆転と言うべきかな?と言いつつも戦場の騎兵取ってないから2枚取られたら終わりだけど」
「その通りじゃん!まだまだこれからじゃんね!」
シレン 5/20 手札3 PP1/20 墓場22
獣戦士・セタス フェアリードラゴン
フェアリードラゴンは2コスト0/4という守護持ちとだけ考えれば優秀といえなくないスタッツだけどそれは序盤だけの話。今となってはただただ
(ここで逆転のカードを引かなきゃ負ける...)「俺のターン、ドロー!ッッシールドエンジェル*22をプレイ!戦場の騎兵でフェアリードラゴンを攻撃するじゃん!」
フェアリードラゴン 11/4→11/0
戦場の騎兵 5/5→5/0
体力も一緒にあげても良かったんじゃないかな…ま、それが後のリメイクカードなのかな
カズキ 5/20 手札0 PP7/10 墓場16
シールドエンジェル
(シールドエンジェルの体力は4。場にいるセタスではこのフォワーは突破できない。たとえ森荒らしへの報いを使ったとしてもまだ2残る。多分このターンは)
「このターンは生き残る。とか思っちゃいかんよ。」
「え…どういうことじゃん?」
「このターンでトドメってことよ!死の舞踏をプレイ!相手のフォロワー1体破壊して相手のリーダーに2ダメージ!ジャストキル成立だ!セタス、トドメを刺せ!」
「えぇぇぇそんなぁ!?」
カズキ 5/20→0/20
SHIREN WIN!
「だぁぁぁ!また負けたじゃんかぁ!」
「お疲れ様カズキくん!すごく惜しかったよ!」
「いやーほんっとうに危なかった。何も出来ずに負けると思っちゃったよ。」
「そうか!?なら俺も少しは成長したかもしれないじゃんね!」
「うーんいいポジティブ」
今回はもうアグロみたいな動きしてたからある意味取らないのが正解だったけどちゃんと取らないといけないフォロワーは取れるのかなこいつ。
「さて、そろそろ予鈴がなると思うけどヒイロは「セーフ!間に合ったぜ!」…今来たか」
「おうヒイロ、おはよう」
「ヒイロくんおはよう。」
「おはようカズキ、ミモリ、シレンも。」
「うぃっすヒイロ。予鈴なるから準備しとけよ。」
「おう!」
今来たのが竜ヶ崎ヒイロ。訳あってスマホがないけどシャドバが大好きで性格が主人公みたいな熱血ないいやつ。普段はこいつらと一緒に過ごしてる。
前書きにあったのはセタスのフレーバーテキストです。今回のデッキは本来セタスを活躍させたようとしました。その時に1番活躍するのは小型で相手フォロワーを処理するデッキがいいかなと思ってフェアリーを多く補充して特攻させようてなりました。そしたら4コスで展開もできて処理もできるフェアリーアサルトいいなって思い採用。旧リノは相性悪そうだし何故かわからないけど白銀の矢と相性が悪そうという理由でフィニッシャーで困りフェアリーを突撃させる構成上フェアリードラゴン強そうだったので瞬速と一緒に採用しました。今思えば白銀の中盤の動きでも強そうでしたね...
基本ドローカードはサイコロなんですけどカズキの出目が強すぎでガチのアグロっぽくなって笑いました
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3話
シャドバスタジアム
駅前にあり、たまに大会もやってる大型施設だ。シャドバをやりに色んな人が集まるため俺は暇な時はここに入り浸っている。
「さて、今日はどんな奴がいるかな〜」
ここにいて1番面白いのは見たことないフォロワーを使ってる人の観戦だ。この前面白かったのはペタルフェンサー*1を無限に出して勝ってる人がいた。乙姫コマンダーというクッソ懐かしいコンボをしてる人みたいな懐かしいコンボを見るのも面白い。
「うっはートレント*2なんていうクソザコカード使うやつ初めて見たよ...5ターン目に着地させたら強いのかな。」
5PPでもデッキによっては進化権無しでも8/8以上が出てくる世界で生きててしまった俺は進化込みで8/8だけじゃ強いと言えなくなってしまった。
「あっちではビショップとドラゴンの対決か。盤面はどうなってるかな〜」
ドラゴン側はPPブーストカードを引けずPPが全く進んでないな...結構きついぞ*3。
ビショップ側は疾走ビショップか。後攻4ターン目にして神鳥アミュ*4とハゲ*5が進化状態で置かれてるから結構いい感じに進んでるな。ドラゴン側が苦虫を噛み潰したような顔してるしまあきついんだろうな。
「うん!今日もいい試合が見れそうだ...で、さっきまでいなかったはずなのに君はなんで俺の横にいるの?」
「えーいいじゃん別に。おにーちゃんと私の仲でしょ?」
「あっそ、まあいいんだけどさ...」
俺の横にはさっきまで誰もいなかったはずなのに茶色の帽子をかぶり丸いフレームのサングラスをしたツインテールの少女がいる。
こいつとはシャドバスタジアムのロビーでネクロのデッキを作っている時に出会った。その時はネクロのダークアリス*6入りのネフティス*7ハイランダーで10連勝を目指し10連勝目でダークアリスを引いて腹が立ったため普通のダリスデッキを作ろうとデッキを作り直していた。
その時にいきなり後ろから覗き込んできたのがこいつだ。なんでもダークアリスが気になったらしい。そりゃ明らかに有利だった俺が突然死神引いて負けてるんだから気になるのもかもしれない(対戦相手もポカンとしてた)しかし知らない奴のスマホを見るのは良くないんじゃないだろうかと思っていたら口に出してしまったらしい。すぐに謝罪された。
その後にダリスについて質問された。能力について話したところ「なんで入れたの?」と当たり前の質問もされた。俺は「面白そうだから」と答えたがあまり納得したように見えない顔をされた。まあ勝ちをドブに捨てるのが確定するからな。そしてその後少し考えるような仕草をした後初対面なのに頭がおかしいみたいなことを2回言われそのあとも無理やり引っ張ってかれた。ボコボコにしてやった。
大人気なくボコボコにしてやった別の日シャドバスタジアムでいつも通り観戦してると再びこいつと会った。そしてバトルを申し込まれまたボコボコにした。そのあともまた別の日にシャドバスタジアムで会って...を繰り返している。こいつ自身色々あって忙しいらしいから俺と違って毎日いるわけじゃないが暇さえあれば俺を挑みに来ているらしい。友達いないのかな
そんなこんなで結局関係がズルズルと続いている。
「んで?また来たってことは俺にボコされに来たの?」
「そんなわけないでしょ。シレンおにーちゃんを倒しに来たんだよ。今日こそ倒してあげるんだから!」
「はいはい、それ前も言って俺に負けてたじゃんよ。」
ま、今回もサクッと勝ちますかね。
私がこの人と会ったのは忙しかった仕事が落ち着いてお休みを貰えた時の日だった。久しぶりの休みとはいえやりたいことがなかった私はシャドバスタジアムでバトルを観戦していた。シャドバは嫌いではなかったけど、大人が私に合わないからと自分の使いたいカードを使わせて貰えなかったから好きじゃなかった。
スタジアムに着いて観戦室に入ると室内にいる皆が同じ試合を見ていた。話を聞いた限りネクロマンサーで9連勝している人がいるらしい。
話を聞き終わり試合を見ているとネクロマンサーの人とヴァンパイアの人が戦っていた。ヴァンパイアの人は11でネクロマンサーの人は15、しかもネクロマンサーの人は場にフォロワーが2体並んでいた。ヴァンパイアの体力が11という復讐状態にギリギリ入れない状態だからなかなか厳しいのかもしれない。
そこから進み8ターン目、ヴァンパイアの人は復讐状態になれたにも関わらずネクロマンサーの人が徹底して展開や除去をしているからヴァンパイアの人は攻めることが出来ず防戦一方だ。このままネクロマンサーの人が勝っておしまいかな〜
『俺はネフティスをプレイ!さぁShadowverseしようぜ!出てくるフォロワーは...ア゛ッッッ!』
そこには骨の体の鳥、ボロボロの服を着たお盆を持っている骸骨、チェーンソーを持ったゾンビ、目を瞑り浮かんでいる動物、そして壊れた時計と現れた紫色のドレスを着た童話に出てきそうな女の子だった。そしてネフティスの能力で場に出たカードを全て破壊したあとスケルトンが手札に加わり、見たことないバイクのアミュレットが場に出てきて、ネクロマンサーの人の体力が回復したあと
ネフティスが消えて再び紫色のドレスの女の子が場に出てきた。
消滅の原因は分からないけど女の子が場に出たのは多分デュエリスト・モルディカイみたいなラストワードなんだろうと思う。そうなってしまうとヴァンパイアの人はあのカードを倒すことは難しい。ヴァンパイアの人も手札のカードでは倒すことができないのか苦しい顔をしながらカードをプレイしていた。本当にこのまま勝ってしまうだろうと誰もが思った。
『そんな顔しなくても大丈夫だよ。』
その言葉をネクロマンサーの人が言った時ネクロマンサーの人のデッキと手札が全て無くなった
そしてネクロマンサーの人が死神の鎌に切り裂かれバトルが終わった。
その時何が起きているのか理解が追いつかず私はその場に立ち尽くしていた。そして気づいた時にはそのネクロマンサーの人はロビーへ向かっていた。なぜ負けたのかが気になったて私はそれを追いかけた。
ロビーに着いてネクロマンサーの人を探していると先程まで見ていた背中がみえた。どうやら椅子に座ってスマホで何かをしているように見えた。そして近づいて後ろから見てみるとどうやらデッキを作っているようだった。よく見てみると見たことないカードが沢山あった。
『…人のスマホを覗き込むのはあまり良くないんじゃない?』
その言葉で私はドキッとして相手の顔を見た。少し不快そうな顔をしていた。
『ごめんなさい。さっきの戦い見てちょっと気になっちゃって。』
『さっきの戦い?あぁ、あの自爆した試合ね。』
『そうそう、あの紫色のドレスを着た女の子が気になっちゃって。』
『紫色のドレス...あぁダリスね。』
あの紫色のドレスを着た女の子はダークアリスっていう名前らしい。効果は破壊された時に場のネクロマンサーフォロワーを消滅させてダークアリスを出す能力。そして自分のターン開始時に手札、デッキからネクロマンサーフォロワーを全て消滅させてしまう能力らしい。それだけを聞くとモルディカイの方が強いと思ってしまう。
『ねぇおにーちゃん。さっきのデッキはどういうデッキなの?』
『ネフティスハイランダー。ネフティス以外を全て違うラストワード持ちのネクロマンサーフォロワーにしてダリスを引いたら負けのデッキだよ。』
私はその言葉を聞いた時言葉が出なかった。自分から負けを作るカードを入れようとするのかを理解できなかった。そしたらそれが顔に出ていたのかネクロマンサーの人が口を開いた。
『まぁ意味わからんだろうさ。自分から生きるか死ぬかの運ゲーを仕掛けるなんて。』
『じゃあなんでわかってて作ったの?おにーちゃんは頭のおかしい人なの?』
『お前初対面なのにもかかわらずよくそんなこと言えるな...理由なんて1つだよ。面白そうだったから。』
『面白そう?なんで?』
『なんでって、そりゃハイランダーっていう同じカードが1枚も出てこない状況で俺が数十分の一を引くか引かないかの確率を引いてしまうのか、勝つか負けるかの精神を削る戦いが面白いんじゃん!』
その話を聞いて私は気味が悪いと思った。普通は勝つためにデッキを考えて作るものだと思っていたからどうしても理解ができなかった
『…おにーちゃん、やっぱり変な人だよ』
『お前2回も言ったな、いい加減に『ねぇおにーちゃん。私とバトルしない?』人の話を聞けボゲ。』
『えぇー!ボケなんてひどーい!女の子にそんなこと言う男の人は嫌われちゃうぞ?』
『やかましいわ。』
『ねぇねぇ。早くやろうよシャドバ!』
『え、やだよ(即答)俺もう疲れたし帰りたいんですけど...おい引っ張るな!離せコラ!離せコラ!こいつ力強!』
『ほれ、さっさとやるぞ。』
『もう、乗り気じゃないな~おにーちゃん。たのしくやろーね!』
『うわ~腹立つ笑顔。その顔歪ませてやる。』
『『バトル!シャドウバース!!』』
たとえ相手が9連勝できるほど強い人でも私は勝てると思っていた。でも実際は一方的だった
『どうした!?俺はダークアリスと力比べ*8で耐久してダメージを受けてないだけじゃないか!!次の次のターンまでにトドメを刺されなければ俺のデッキアウトで負けだぞ!?諦めず展開し続けるんだ!頑張るんだ!!』
『ッッ!私はこれでターン終了...!』
『俺のターンドロー!ァハー↑すまねぇ↑〜サタン引いちまった!申し訳ね〜www』
『ッッ〜!!』
『今、300年の眠りから、北シレンのもとにアドラメレクはよみがえった!アドラメレクの効果でフォロワー以外をプレイした数と同じ分だけ攻撃力が上がり相手フォロワーにダメージを与える!上がった数は20!そしてコストが1下がったゼルをプレイし進化!自分のフォロワーに疾走を付与!飛翔しろアドラメレク!』
『さあ!お前の体力は残り6!お前のターン終了時に滅亡の予言の効果で7ダメージを受けるぞ!さあ高らかに宣言しな!』
破壊しても復活するフォロワーがいるにもかかわらず相手に攻撃できるフォロワーがいるならば相手リーダーを攻撃できないアミュレットを置かれて一方的にこっちのフォロワーを倒された。デッキが無くなったと思ったら追加された。
いきなり攻撃力20のフォロワーに攻撃されて負けた。
リーダーに能力を与えるというカードを使って私にずっと7ダメージを与え続けた。
何も出来ずに負けた
『はぁーやったやった。楽しかったよ。』
そういってとても楽しそうな顔をして帰っていった。
悔しかった。何もできなかった。そして何より
あんな楽しそうにシャドバをするのが羨ましかった。
あれから数日。暇があればシャドバスタジアムに行くようになった。ここにいればまたあの人に会える気がしたからだ。スタジアムに着くとあの人が観戦室に向かっているのが見えた。
それについていくとあの人は椅子に座って試合を観戦していた。わたしは声をかけてあの人の隣に座った。
『お前この前の奴やん。どうした?』
『えへへ、おにーちゃんが見えたから話しかけちゃった。』
『あっそ。まあいいや。』
そういった後私たちは試合観戦を始めた。その時もこの人は楽しそうだった。
『ねえおにーちゃん。おにーちゃんはシャドバ楽しい?』
『なんだいきなり?そりゃ楽しいさ。じゃなきゃ続けてない。』
『そっか、そうだよね...』
『?』
私はなんで続けてるんだろ?
シャドバは好きだった。でも、大人に使うカードを選ばれて、勝っても負けても自分の望むバトルじゃないから、全然楽しくなんてなかった。
『なんか悩んでる?』
『!!』
『雰囲気に出てたよ...まあ今の質問からしてみてシャドバがつまんないとかだよな?』
『うん...』
『ふーん、じゃあやめちゃえば?』
『え...?』
『いや、だって飽きたら普通やめるでしょ?』
『うん...そうだね。それができたらよかったんだけどね。』
でも、私はそれが出来ない。大人がシャドバをやることを望んでいるから。
『ふーん。じゃ、なんか目標でも作ってみれば?』
『目標...?』
『そう。俺の場合なんか続けないといけない時はなんかテキトーに目標決めて頑張ってるよ。前回のネフティスハイランダーもその一環。』
『あのデッキが?』
『そう。最近少し飽き始めたからなんか面白いことできないかなーっとら思って。そんでネフティスハイランダーなんだかんだやってなかったからやろうと思ったんだ。ついでにそれで10連勝したら最高だろうなと思ったからガチめに作った。』
驚いた。あんなに楽しそうにバトルする人がシャドバを飽きる時が来るとは思えなかった。
『おにーさんもシャドバ飽きる時が来るんだね。』
『そりゃね。俺はしょっちゅう飽きるよ。』
『え!?そうなの!?』
『お前は俺をなんだと思ってるの...?』
『それは、あんなに楽しそうにシャドバをやってるから...』
『俺はたからみたらそんなふうに見えんの?まあいいや。多分それは基本使いたいカード使って勝ってるからね。本当に嫌いなカードを使わないと勝てなかったり、勝てるデッキを作るのに相当な労力が必要なら俺は絶対にやらない。そこまでしてこのゲームやりたくないし。』
『でもやっぱり、多少なりとも好きなカード使ってると愛着が湧いちゃって好きなカードになるんだよね。だから多少の我慢は必要にはなるよ。何事もね。もし使いたいけど使えないカードがあるなら友達と集まってネタデッキ持ってきて全力で遊んでるかな。』
『どんな目標でもいい。なんか目標立てて、それに向かって頑張るのってなんだかんだ楽しいからさ。』
それを聞いてる私は色々考えた。今私は何か目標があるだろうか?大人に言われてやっているだけで、何もかも中途半端なんじゃないだろうかと。
『…ま、頑張りなよ。さて、なんか話してたらシャドバやりたくなってきたわ。どっかに相手いないかな〜』
『…じゃあおにーちゃん、わたしとやろーよ。』
『え、お前と?またやんの?前ボコボコにされたばっかじゃん。』
『ムッ!いいよ、今回は私がおにーちゃんをボコボコにしてあげるんだからね!』
『はいはい、期待しないでやるからやるならさっさとやろ。』
その日もまた私はボコボコにされた。
そのあとも私たちは何回も私はシャドバスタジアムに行ってあの人とバトルした。そのあと何回も負けて、それが悔しくて、またバトルして、そんな日が続いた。
私がまたバトルに負けたあと、シレンおにーちゃんにひとつ聞きたいことが出来た。
『シレンおにーちゃんは、本気のデッキを使って負けたことはある?』
『うん?何だいきなり?』
『シレンおにーちゃんが負けてるところはなんだかんだ見たことあるけどそれでもそれは手を抜いてるデッキでしか見たことがないからね。』
『うーん、なんか手を抜いてるって言われると否定したくなるけどはたから見たらそうなのかね...あぁ、で本気のデッキで負けたことあるかって話だっけ?だとしたらそもそも使ったことがない。』
『使ったことがないの?』
『まあね。多分使ったら誰も俺に勝てないからね。たとえグラマスの人でも。』
『えぇ...その自信はどこから出るのシレンおにーちゃんは...』
でも、それが嘘だとはとても思えなかった。本気のデッキがどこまで強いか分からないけど、シレンおにーちゃんはとても強かったから
『実力的には多分俺と同等ぐらいだと思うよ。でも、たとえそれ以上だとしても俺の使ってるカードがその実力が埋めて超えるぐらいには強いからね。』
ま、たとえ本気じゃなくても俺は負けないからね
シレンおにーちゃんはそう言ってほんの少しだけ悲しそうな顔をしているように見えた。
そして、それを見た私はひとつ目標を決めた
『じゃあさ、いつか私がおにーちゃんの本気のデッキを使わないと勝てないって思わせるぐらい強くなってシレンおにーちゃんを倒してみせるよ。』
そう言ったらシレンおにーちゃんはとても驚いた顔をしていた。
『ふ、ははっ!まさか今でさえ勝ててないのに俺の本気を倒そうとしているのか!』
『むぅ!今すぐに越えようとしてるわけじゃないもん!絶対に倒してみせるから!』
『はは、いいなそれは。楽しみに待っているよ。』
まだこの人には遠く及ばない。それでも、私は、黒羽アリスはこの人を超えてみたいと思った。だからアリスは強くなるためにこの人に挑み続ける。
このアミュレットが場にある限り、お互いのフォロワーすべてと新たに場に出たフォロワーすべては、相手の場に攻撃できるフォロワーがいるならリーダーを攻撃できない ナーフ済み
アニメでルナとアリスが出会ったシーンめっちゃ重要なのにあたまに「ルナだよ」「ルナじゃないよ」が出てきて笑いが止まらんかった
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4話
その魔鎧が創り出された理由はただ一つ。
那由多の罪に……那由多の罰を
有象無象の区別なく、全ての罪に裁きが下る。
数多の断罪の果てに、世界は漂白され…
その輝ける姿を取り戻す
「「バトル!シャドウバース!!」」
「先攻は俺だ!俺のターンドロー!なんもなし!ターンエンド。」
シレン 20/20 手札4 PP1/1
「私のターンドロー。私もターンエンドだよ。」
アリス 20/20 手札5 PP1/1
「俺のターン、ドワーフアルケミスト*1をプレイ。ドワーフアルケミストの能力を発動。土の魔片*2を手札に加える。」
シレン 20/20 手札5 PP0/2
ドワーフアルケミスト
「今回はウィッチクラス、しかも秘術ウィッチだね。私のターン、手札からスペルカード、消えぬ怨恨*3をプレイ。相手のフォロワーを1体に2ダメージ。ドワーフアルケミストに2ダメージだよ。」
ドワーフアルケミスト 2/2→2/0
「これでターンエンドだよ。」
アリス 20/20 手札5 PP0/2 墓場1
「俺のターン、再びドワーフアルケミストをプレイ。そんでアミュレットカード、土の魔片をプレイ。」
シレン 20/20 手札5 PP0/3
ドワーフアルケミスト 土の魔片(土の印)
「私のターン、ミニゴブリンメイジ*4をプレイ。ミニゴブリンメイジの能力でコスト2以下のフォロワーを1枚手札に加えるよ。」
アリス 20/20 手札6 PP0/3 墓場1
ミニゴブリンメイジ
「俺のターン、アミュレット、炎熱の術式*5をプレイ。ミニゴブに2ダメージ。」
ミニゴブリンメイジ 2/2→2/0
「そっからドワーフでリーダーに攻撃。ターン終了。」
アリス 20/20→18/20
シレン 20/20 手札5 PP2/4
ドワーフアルケミスト 土の魔片(土の印) 炎熱の術式(土の印)
「私のターン、私は悪戯なネクロマンサー*6をプレイ。そして進化!」
悪戯なネクロマンサー 4/3→5/4
初期の進化時4/5が多いい中で珍しい5/4のおばあちゃん*7。初期は本当にお世話になりました...(この世界に来てからは使ってる)
「悪戯のネクロマンサーの進化能力。ゴースト*8を2体出すよ。そしてゴースト2体でリーダーを攻撃。悪戯なネクロマンサーでドワーフアルケミストを攻撃。」
シレン 20/20→18/20
ドワーフアルケミスト 2/2→2/0
悪戯のネクロマンサー 5/4→5/2
「ターンエンドだよ。」
アリス 18/20 手札6 PP0/4 墓場2 EP2/3
悪戯のネクロマンサー
「俺のターン、ドロー!俺は古き魔術師・レヴィ*9をプレイ。」
明らかに進化権込みだと2コスト性能じゃないのにナーフを免れたカード。若いほうも強いの何なの?
「レヴィを進化。紅蓮の魔術*10を手札に加える。そして魔女の雷撃をプレイ。相手のフォロワーに4ダメージ、そして自分の場に進化フォロワーがいればカードを1枚引く。ターン終了」
悪戯なネクロマンサー 5/2→5/0
シレン 18/20 手札6 PP0/5 EP1/2
土の魔片(土の印) 炎熱の術式(土の印) 古き魔術師・レヴィ
「私のターン、私はスペルカード、消えぬ怨恨をプレイ。ネクロマンス2 *11で相手フォロワーに4ダメージ。」
古き魔術師・レヴィ 4/4→4/0
「さらに私はミニゴブリンメイジをプレイ。効果でコスト2以下を手札に加えるよ。これでターンエンドだよ。」
アリス 18/20 手札6 PP0/5 墓場1 EP2/3
ミニゴブリンメイジ
「俺のターン。精神統一*12をプレイ。土の秘術*13で3枚引いて1回復。」
シレン 18/20→19/20
「そして炎熱の秘術をプレイ、ミニゴブに2ダメージ。そっから紅蓮の魔術をプレイ。相手リーダーに3ダメージ。あっそれ!」
ミニゴブリンメイジ 2/2→2/0
手をかざすと少し大きめの火球が出てき、それをあいつに投げつける。
アリス 18/20→15/20
「きゃっ、もう使ってよかったの?紅蓮の魔術。」
「まぁね、手札溢れそうだし。使えるときに使うよ。ターン終了だよ。」
シレン 19/20 PP0/6 EP1/2
炎熱の秘術(土の印) 炎熱の秘術(土の印)
「私のターン、ドロー!私はスパルトイソルジャー*14を2体プレイ。ターンエンドだよ。(多分シレンおにーちゃんは優秀な除去カードを持っている可能性がある。シレンおにーちゃんは汎用性が高く使い勝手のいいカードほど手札に持っておくことが多いい。手札があふれる可能性があったとはいえ優秀な除去カードにもなる紅蓮の魔術をここで使うのは同じぐらい優秀なカードがある可能性が高い。この除去しにくいスパルトイソルジャーで1枚でも使わせることができればいいな。)」
アリス 15/20 手札5 PP0/6 墓場2 EP2/3
スパルトイソルジャー スパルトイソルジャー
「俺のターン。」
さて、手札は8枚もあって何故かフォロワー0。破砕の禁呪*15で消し飛ばすのもありだが後々に出てくる可能性のあるモルディカイ*16を消す手段がなかった時のどうしようもない感すごいから取っておきたい。ならまずは手札でも増やすか。
「手札からスペルカード、虹の輝き*17をプレイ。場にある炎熱を戻し1ドローする...!炎熱を2枚プレイしスパルトイソルジャーを破壊。」
スパルトイソルジャー 1/4→1/0
アリス 墓場 2→5
「スパルトイソルジャーのラストワード能力を発動。墓場を2増やすよ。」
「ほんっと優秀だよそいつ。」
「えっへへ、本当だったら進化ポイントを使ってほしかったんだけどね。」
「相当切迫した状態じゃない限り進化は切らんよ。さ、そっちのターンだ。」
シレン 19/20 手札7 PP1/7 EP1/2
炎熱の術式(土の印) 炎熱の術式(土の印)
「私のターン、レッサーマミー*18をプレイ。レッサーマミーのネクロマンス能力発動。疾走を持つよ。そのままスパルトイソルジャーと一緒にリーダーを攻撃!」
シレン 19/20→16/20
「そしてユニコーンの踊り手・ユニコ*19を2体プレイ!ターンエンドだよ。」
「ユニコだ!2コスト最強のカード!」
「シレンおにーちゃんほんっとうにユニコ好きだよね...」
「当たり前だよなぁ?」
ユニコ好き、当時は全デッキに採用してた
アリス 15/20 手札3 PP1/7 墓場1 EP2/3
スパルトイソルジャー レッサーマミー ユニコーンの踊り手・ユニコ ユニコーンの踊り手・ユニコ
「俺のターン、さすがに使いますか。スペルカード、破砕の禁呪をプレイ。土の秘術で相手の体力5以下のフォロワーすべて消滅*20させる。」
スペルカードを唱えたとき、場がどんどん崩れていきユニコたちを飲み込んでいった。
「やっぱり持ってたね、破砕の禁呪。」
「へぇ、読んでたっていうの?」
「破砕の禁呪だとは完全には読めなかったけど、紅蓮の魔術を使ったときに何かいい除去カードがあると思ってたよ。それでも展開した方が破砕の禁呪がなかった時攻めるチャンスになるからみんな場に出しちゃったけどね。」
「・・・へぇ」
最近のこいつはプレイもデッキ構築も断然上手くなってる。元々下手じゃないしむしろ上手い方だったがどうしても知識不足などが理由で判断ミスがあったり、そもそも意味がわからないカードを採用していたりで良くなかった。
でも今やそれがどんどん無くなってる。今回もそうだがここ最近は少ない情報でも俺が持ってきたデッキタイプを見抜いて何が入っているかを予測し始めている。多分相当勉強したんだろう。最初はただただ俺が使うカードに驚いてばっかだったしな。
こいつは本気で俺を倒そうと思っているんだな
「いいな...やっぱり強さっていうのは。とっても心地がいい。」
だから、全力で叩きのめす。
「俺は虹の輝きをプレイ。炎熱を手札に戻して1ドロー。ターンエンド。」
シレン 16/20 手札8 PP0/8 EP2/3
「私のターン、ゾンビドッグ*21をプレイ。ターンエンドだよ。」
アリス 15/20 手札3 PP6/8 墓場1 EP2/3
ゾンビドッグ
「ソルコン*22は引けなかったのかな?」
「そうだね。引けなかったけど、この子でシレンおにーちゃんに圧はかけれるよ。」
「そりゃそうだ。リクルーターはとてもめんどくさい。俺のターン。悪いが無限リソースには帰ってもらおう。アミュレットカード、錬金術の代償*23をプレイ。体力2以下のフォロワーを消滅させる。さようならゾンビドッグ。」
「うわぁぁぁん!わんちゃん...!」
「さすがに握ってたんだなぁこれが!ドワーフアルケミストをプレイ。魔片を手札に。さらにデュアルウィッチ・レミラミ*24をプレイ。ターンエンド。」
シレン 16/20 手札7 PP0/9 EP1/2
錬金術の代償(土の印) ドワーフアルケミスト デュアルウィッチ・レミラミ
「うーん、さすがにちょっと辛くなってきちゃったな。ネクロマンサーじゃ秘術ウィッチは相性悪いのかな。」
「そりゃね。基本はネクロはカモだよ。」
「ふふ、じゃあ相性の悪いデッキでこっから私が勝てばそれってとっても凄いことだよね!ドロー!天弓の天使・リリエル*25をプレイ!そして手札からソウルコンバージョンをプレイ!リリエルを破壊して2枚引くよ!」
「ここで引いたかソルコン!(でもなんでさっきリリエルを出さなかったんだ...?)」
「諦めなければ何とかなったりするってシレンおにーちゃんはよく言うでしょ!ゾンビドッグを再びプレイ!そしてリリエルをプレイ!リリエルを進化!相手のリーダーに1ダメージを与えるよ!」
天弓の天使・リリエル 2/2→4/4
進化したリリエルが笑顔でこちらに弓を構える。いや怖いなこれ
シレン 16/20→15/20
「そして、リリエルでレミラミを攻撃!」
デュアルウィッチ・レミラミ 3/4→3/0
天弓の天使・リリエル 4/4→4/1
アリス 15/20 手札2 PP2/9 墓場3 EP1/3
「これでターンエンドだよ。」
「よし俺のターン、手札から魔女の雷撃をプレイ。リリエルを破壊、1枚引く。古き魔術師・レヴィをプレイ。進化。紅蓮の魔術を手札に。レヴィでゾンビドッグに攻撃。」
天弓の天使・リリエル 4/1→4/0
古き魔術師・レヴィ 2/2→4/4
ゾンビドッグ 2/1→2/0
古き魔術師・レヴィ 4/4→4/2
「ゾンビドッグのラストワード能力を発動!ゾンビドッグを手札に加えるよ。」
「構わん、アミュレットカードくず鉄の錬成*26をプレイ。ジャンクゴーレム*27を場に出す。紅蓮の魔術をプレイ。もういっこくらっとけ!」
アリス 12/20
「うぅ...躊躇なく使ってきたね。てことは。」
「さすがにもうとどめを刺せるかなって。回復札はお前のデッキなさそうだし、あってもその手札じゃあね。ターンエンド」
シレン 15/20 手札5 PP3/10
錬金術の代償(土の印) ドワーフアルケミスト 古き魔術師・レヴィ くず鉄の錬成(土の印) ジャンクゴーレム
「私のターン、ゾンビドッグをプレイ。そしてソウルコンバージョンをプレイしてゾンビドッグを破壊。2枚引くよ。ッッ!死の祝福をプレイ!ゾンビ*28を3体場に出し、ネクロマンス6でゾンビを+の体力を+1して守護を持つよ!ターンエンド。」
アリス 12/20 手札4 PP1/10 墓場2 EP1/3
ゾンビ ゾンビ ゾンビ
「俺のターン。レヴィでゾンビを攻撃。」
ゾンビ 2/3→2/0
レヴィ4/2→4/0
「さあいくぞ!白銀の剣を持つ鎧よ、創られた意味を成せ!那由多の罪に那由多の罰を!白銀剣のゴーレム!」
地面から白銀の剣を持ち内側から青白い光を放つ鎧を着たゴーレムが現れる。
「それが今回のシレンおにーちゃんの切り札だね...」
「あぁ。こいつは
アリス 12/20→9/20
シレン 15/20 手札6 PP0/10
ドワーフアルケミスト ジャンクゴーレム 白銀剣のゴーレム
「攻撃力と体力が6の守護を持つフォロワーか...」
「やばい、8コスト6/6が強そうに見られるの感動。」
「シレンおにーちゃん本当にどんなところで育ったの...?」
でも、本当に今はピンチだ。体力も残り9。1枚は確実に真理の術式がある。と考えると白銀剣のゴーレムは必ず破壊しないといけない。
「私のターン、ドロー!ッッ!このカードは...」
私のお気に入りで、使っちゃいけないって言われたカード。使えばこの場を凌げる。どうする...
ううん。多分今私は変装してるから多分アリスとはバレないだろうし、そして何よりも私はこの人に勝ちたい!この人を超えるために私は出し惜しみして勝てるほど強くない!だから!
「手札から消えぬ怨恨をプレイ!ネクロマンス2で白銀剣のゴーレムに4ダメージ!」
白銀剣のゴーレム 6/6→6/2
「お願い、力を貸して!いくよ、シレンおにーちゃん!冥界の底より現れろ、汝の名は スケルトンレイダー!」
冥界の底から青白い煙とともに骸骨の馬と騎士が現れた。
「ヘクター卿!めっちゃヘクター卿に似てる!」
「ヘクター卿が誰かはわからないけど、いくよ!スケルトンレイダーは疾走を持っているよ!ジャンクゴーレムを攻撃!」
ジャンクゴーレム 0/2→0/0
スケルトンレイダー 4/4→4/4
「スケルトンレイダーの能力を発動!自分のターン中相手のフォロワーが破壊された時、相手のリーダーとフォロワーに1ダメージを与えるよ!」
シレン 15/20→14/20
白銀剣のゴーレム 6/2→6/1
ドワーフアルケミスト 2/2→2/1
「グッ!地味に嫌な能力を持っていやがる!」
「まだ終わらないよ!ゾンビで白銀剣のゴーレムに攻撃!破壊したからもう一度1ダメージ!ドワーフアルケミストが破壊されたからもう1ダメージ!余ったゾンビでリーダーを攻撃!」
白銀剣のゴーレム 6/1→6/0
ゾンビ 2/3→2/0
ドワーフアルケミスト 2/1→2/0
シレン 14/20→10/20
「クッソ!盤面まっさらになったな。」
「えっへへ、本当だったらネクロマンス6で相手のフォロワーを1体破壊できたけど消滅されすぎて墓場が足りなかったからもっと追い詰められたんだけどね」
「そんな能力まで持ってんのか。いいなぁそれ。本当にいい。」
この世界に生まれた初めて見たこの世界オリジナルカード。それがあの時でたまたまあったやつが初めて見せてくれるとは
「さあ、私のターンはこれで終わりだよ。」
アリス 9/20 手札3 墓場3 EP1/3
ゾンビ スケルトンレイダー
「ま、凄かったよ。序盤にゾンビドッグ来てたらやばかったな。」
「?・・・あ!」
「なんか気づいたっぽいね。じゃあ答え合わせ。さっき手札に加えた真理の術式に土の魔片だったやつと炎熱だったやつの真理の術式でリーダーに合計9ダメージ!」
アリス 9/20→0/20
SHIREN WIN!
「はぁ、また勝てなかった。」
「ま、そもそも秘術ウィッチ相手じゃこうなることもしゃーない。」
「むぅ!それでもシレンおにーちゃんを倒すと決めた以上不利とか関係なしに勝てないとダメなんだよ!」
「おぉ、やる気があって本当にいいな。その調子で頑張りたまえ。」
多分、何となくだけど。
こいつは多分また1段階プレイヤーとして強くなった気がした。
ネクロマンス 2;2ダメージではなく4ダメージ
はい、アリスにはさっさとスケルトンレイダーを使ってもらいました。無理矢理感あったでしょうか?個人的に強いオリ主いるんだからそれに引っ張られるように色んなキャラの実力を1段階上げていきたいっていうのが目標ですね。
そんで今回の主役は白銀剣のゴーレム。強いね。そもそもこの世界で8コストとはいえ土だから除去も多くてリーサルもこいつの真理である程度稼げそうだからそこそこ強いんじゃないでしょうか。
あと主人公は目の前の少女を知りません。出会ってから1度も名前を聞いておりません。理由としては正体がなんだろうと興味が無いから聞くという考えがないからです。
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原作開始
5話
あいつがもう1段階強くなってから数日、特に何も無く学校行って、ヒイロ達とシャドバして、1人だったらスタジアム行って観戦しての日々を繰り返していた。
俺はいつも通り起きて準備して学校に向かいながら今日は何を使おうかと考えていた。考えているうちに教室の目の前に着いていた。教室に入り机に荷物を置くとカズキとミモリがシャドバをやっているところが見えた。
今はカズキのターンぽいな。場は...カズキはホワジェネ、クイブレ、ノーヴィストルーパーか。ミモリは大狼*1とメタルエルフメイジ*2か。まあ普通なら大狼を破壊すればカズキは負けないがってもう攻撃したあとじゃん。ミモリの体力があと少しなところを見る限りこいつ勝ちに目がくらんだな?
「よっしゃよっしゃ!どうだミモリ!参ったか!?」
「カズキくん。シャドバは最後まで油断しちゃだめだよ。」
「げっ!ミモリ、もしかして逆転できるのか?」
「うん、そうだね。」
そういってミモリはフェアリーを2体となんかよくわからんフォロワーを出した。・・・あいつ誰だ?
「マグナボタニストの能力が発動。このカード以外に2回以上プレイしたなら自分のフォロワーすべてに攻撃力と体力を+1するよ。そしてさらに大狼の能力で自分の場に他のフォロワーが出るたびに攻撃力を+1するよ。」
大狼 3/4→8/5
メタルエルフメイジ 2/1→3/2
「うげッ!」
「それから進化ポイントを使ってメタルエルフメイジを進化!」
メタルエルフメイジ 3/2→5/4
「うげげッ!」
「リーダーに攻撃だよ!いっけー!」
大狼とメタルエルフメイジが一斉に攻撃を始める。どうして狼残すのよ...
「げぇっへぇ~!」
MIMORI WIN!
「やったね!ミモリ!」
「すご~い!」
近くで見ていたミモリの友達がミモリを称賛する。
「くっそー!また負けたじゃんかー!」
「当たり前だよカズキ。なんで大狼残したのさ。」
「うへ!シレン!?それは...」
「シレンくん来てたんだね、おはよう。」
「うぃーす。ま、お前もことだからどうせ体力減らせたからこのまま押し切れるとでも思ったんでしょ。」
「ギクッ!」
「はぁ~相も変わらずその癖なおらないもんだね。」
「グッ!次はおんなじミスしないじゃんね!ミモリ、もっかいだけやろう!」
カズキがミモリに再戦をお願いしたと同時にチャイムが鳴る
「セーフ!間に合ったー!」
そしてチャイムギリギリでヒイロが来た。
「おう、ヒイロ。」
「ヒイロくんおはよう。」
「うぃーすヒイロ。」
「おはよう。なあなあこれ見てくれよ!これ!」
そう言ってヒイロはカバンから何かを取り出す。
「「スマホだー!(じゃんか!)」」
「やっと買って貰ったんか。もう俺のデッキは卒業だな。」
「あぁ!今までありがとうな!これで自分のデッキで戦えるぜ!」
そう、ヒイロはスマホを持っていなかったのだ。ヒイロはおじいちゃんと暮らしているらしいのだがおじいちゃんはシャドバが嫌いらしく、今まで買って貰えなかったのだ。
「おめでとう!ヒイロくん!」
「おっしゃヒイロ!さっそくバトルじゃんか!」
「おう!」
「おう!じゃないんだわ。さっさとチャイム鳴ったんだからシャドバをはじめようとすんな。席につけい。」
「「痛い!」」
落ち着かせるために軽くこいつらの頭を叩く。さっきチャイム鳴ったばっかなのになぜこいつらはシャドバをしようとしてるのか。シャドバ馬鹿かよ。
「よーし、ホームルーム始めるぞ~。」
「あ、ちょうど来た。ほら座れ。」
「いっててて...じゃあ昼休みだなカズキ。」
「そうだなヒイロ。」
「「いっただっきまーす!!」」
昼休み。授業の半分近くが終わり昼食を取れる時間。そして目の前に弁当をかきこむ2人。あ、喉同時に詰まらせた。馬鹿じゃねえの
「はいお茶」
それを予測していたミモリがすかさずお茶を渡しそれを2人が一気飲みする。
「ぷはぁ〜。助かった〜。」
「ありがとうな、ミモリ。」
「どういたしまして。」
もうミモリもこの2人の扱いは慣れてるな。わざわざ紙コップとお茶用意するとか優しすぎか?
「よーし!んじゃ始めるじゃんね!」
「望むところだ!」
「みんなシャドバ好きね〜」
「ほんとほんと」
「こいつらに関してはシャドバ好きで表せるほどの次元じゃないでしょ、多分毎日シャドバのこと考えてるでしょ絶対に。」
「「確かに」」
「あっははははは...」
ミモリの友達2人は俺の言葉に納得してしまい、ミモリは苦笑いしてしまう。
「「バトル!シャドウバー」」「おーい竜ヶ崎!進藤!明日の美術で使う教材運ぶの手伝ってくれ!」
「あーらら。またバトルはお預けっぽいね。じゃ、俺トイレ行ってついでに飲み物買いに行くわ。」
「あ、行ってらっしゃい。シレンくん。」
「さて、カル○スソーダかC○レモンかどちらにすべきか。」
ぶっちゃけどっちでもいいけどだからこそ迷ってしまう。まあ右にあるからC○レモンでいいや(脳死)
「キャーっ!」
「悲鳴?ミモリの声っぽいけど...」
「さて、戻ってきたけど、これどういう状況?」
「それが...」
なんかミモリが地面に座り込んでしまっていてそれを友達2人が慰めているように見えるが...
「ミモリ!」
さっきの悲鳴を聞いたのかヒイロ達も走ったきた。
「どうした、何があった!?」
「ミモリ、スマホ取られちゃったんだよ...」
「「え!?」」
「はい?」
話を聞く限り牙倉タクマってやつがスマホを賭けたバトルをしようとして暴れているのを止めようとしてバトルをした。結果負けて取られたと。
これどっから突っ込めばいいんだ?遊〇王みたいなカードゲームで全てが決まりそうな世界じゃあるまいし...
ミモリは大丈夫だと言っていたが冷静にスマホ取られて大丈夫なわけがない。・・・しゃーない、見つけたら俺も勝負仕掛けようかな。さすがに負けられないからちゃんとしたデッキ使っていけばそうそう負けないだろうし...
さて、それじゃあまずはっと
「よお、ちょっといい?2人とも。」
さて、スタジアムに来たわけだが、ヒイロはっと...お、いたいた
「ようヒイロ。ここに1人で来てどうしたの?」
「あ、シレンか!決まってんだろ。ミモリのスマホを取り戻しに来たんだ。」
「だろうね。おまえはそういう奴だ。」
「そういうお前は何をしに?」
「俺は保険だよ。仮にお前が負けたときとかに何とかするためにね。安心して負けてこい。」
「負けて来いって、負けたらスマホ取られるだろ...」
「確かに...とまあ冗談はさておき、油断だけはするなよ。ミモリは知ってるだろうけど弱くない。そのミモリが負けたとなると牙倉は手強いと思う。」
「ああ、わかってる。」
「なら良し。」
さて、スタジアムの中に入ったわけだがまずこの広い中から牙倉を探さないといけない。第一にそもそも牙倉がここにいるかも定かではない。
そんなことを考えていると
「うおっ!誰だよ危ないな〜。」
誰かが蹴った空き缶がヒイロに当たりそうになりゴミ箱に入る。今こいつ後ろ向きで蹴ってなかったか?そして行く前にミモリの友達に聞いた特徴と一致してるこいつは
「お前、牙倉タクマか?」
「ああ?んだよお前ら?」
へぇ...こいつが牙倉ねぇ...見た目通りヤンキーって訳か。
「俺は竜ヶ崎ヒイロ」
「北シレン」
「タクマ、お前今日学校でミモリのスマホ取っただろ。」
「だったらどうだってんだ?」
「俺とバトルしろタクマ!そんで俺が勝ったら、ミモリのスマホを返してくれ!」
「いいぜ。その代わり俺が勝ったらお前のスマホをいただく。」
「ッ!」
ヒイロが今少しだけ動揺したな。そりゃそうだ。負ければスマホを取られちまう。そんでもってヒイロは今日初めてスマホを貰ったから失いたくないだろうしね。
「で?そこのお前はどうするんだ?」
「?・・・あ、俺ね。俺はこいつが負けたら参加させてもらおうかな。もちろん賭け金は俺のスマホ。」
「ああいいぜ。それじゃあさっさと始めようか。」
「じゃ、俺観戦室で待ってるんで頑張れよ、ヒイロ。」
「ああ、勝ってくるぜ。」
さて、今ちょうど始まったところか。先行は牙倉か。
「まずは俺のターンだ!アックスパイレーツ*3をプレイ!」
「ロイヤルクラスのカードか!(しかも初めて見るカード!)」
タクマ 手札3 PP0/1
アックスパイレーツ
牙倉はロイヤル使いか。カズキもロイヤル使ってるからヒイロは何となくどんなカードがあるかは知ってるはず。それしてもさっそく新カードか。
「よーし!次は俺のターンだな!ドロー!アイボリードラゴン*4をプレイだ!」
ヒイロ 20/20 手札4 PP0/1
(今までシレンのスマホ借りてシャドバやらせてもらったことはあるけど、自分のデッキでシャドバやるのってやっぱり楽しいんだな!)
「へへ、ターン終了だ。」
「何がおかしい?」
「おかしいんじゃなくて楽しいんだよ!自分のデッキでバトルするの憧れてたから!」
「へ、お前なんだよ初心者かよ。」
「ああ!友達のを借りてシャドバやってたからあまりバトルしてないぜ。」
「ッフフフ、そうかよ。出ろ!サブリーダー・ゲルト*5!ぶっ潰せ!アックスパイレーツ!」
「グッ!」
ヒイロ 20/20→19/20
「舐めやがって。初心者が俺に勝つつもりかよ。ターンエンドだ。」
タクマ 20/20 手札3 PP0/2
アックスパイレーツ サブリーダー・ゲルト
「ああ!もちろん勝つぜ!いくぜ!竜の託宣!このスペルの効果で、俺のプレイポイント*6の最大値は+1される!」
竜の託宣を2ターン目にプレイした、ミッション成功だ(特殊部隊並感)
「さらに、アイボリードラゴンでリーダーを攻撃!」
タクマ 20/20→19/20
「ハハッ!やったぜ!これでターン終了。」
「この程度で喜んでいるとは、つくづく初心者だなぁおい。身の程を教えてやるよ!」
タクマ 10/20 手札2 PP7 EP1/2
スティールナイト
ヒイロ 5/20 手札0 PP7 EP0/3
プリズンドラゴン
さて、ここまで見てわかったのは牙倉のデッキはアグロよりのロイヤル。ミモリが負けたのは純粋に轢き殺されたって訳か。
そしてヒイロに関してはお世辞にもカードが揃ってるとは言えないな。マジで採用してる理由がわからないカードばっかだ。
「俺のターンだ!これで最後だ。行け!ヴァンガード・レイサム!」
ウッソだろお前なんでそいつが入ってる!?
前言撤回だわなんでお前も意味わからんカード入れてんの?大人しくフロフェン使え
「いくぜ!進化だぁ!」
ヴァンガード・レイサム 4/3→6/5
「さあ、切り裂け!」
レイサムが剣を振り下ろし衝撃波がプリズンドラゴンを襲う。お前そんな強そうな性能してないだろ
プリズンドラゴン 4/3→4/0
ヴァンガード・レイサム 6/5→6/1
「うぇ!」
「それだけじゃねぇ。こいつは攻撃する度に、ナイトを場に出すことが出来る。どうだ?まだ舐めたこと言えるかぁ?」
確かに、ヒイロのハンドは無い。進化権もないからすぐ場に干渉できるカードじゃなければ負け。ヒイロのこっからの勝ち筋は薄いが...
「ッハハ!」
「なっ!」
ヒイロはこの程度で諦めないよ
「やっぱ進化ってすげぇんだな!シレンもよく進化を使って色んなことをしてるからすげえことは何となくわかってたけど、今ここでちゃんとわかった!シャドバすっげぇ楽しい!」
「チッ、楽しいだと?ふざけるな!スティールナイトでリーダーを攻撃!」
ヒイロ 5/20→3/20
「そしてシーフ*7をプレイ、こいつでターンエンド。お前には進化ポイントもねえんだ、 逆転なんざ無理だろ。楽しいだけじゃ勝てねえってわかったかよ。ほら、最後のカードを引けよ。」
めっちゃ煽るやん。灼熱の嵐*8引かれたらどうすんのよこいつ。
「最後?いやまだだ、バトルはまだまだここからだ!俺のターン、ドロー!」
「吼えろ!イグニスドラゴン!」
ここに来て新カードか!
「ッッ!今更そんなカード出したところで、どうにも...!」
「こいつは、自分の手札が2枚以下なら進化ポイントを使わずに進化するんだ!進化しろ!イグニスドラゴン!」
「なッなんだと!」
「俺はイグニスドラゴンで、スティールナイトを攻撃!」
スティールナイト 2/2→2/0
イグニスドラゴン 5/7→5/5
「イグニスドラゴンの攻撃時能力を発動!このフォロワーが攻撃した時、相手のフォロワー全てに3ダメージを与える!」
7コス無料進化に3ダメージのAOEはこの環境ではぶっ壊れじゃないか?
イグニスドラゴンが出てから牙倉も決定打がないからか守護を展開し続けている。ヒイロもムシュフシュを出したがイグニスドラゴンも体力がどんどん削られてっているから本当にどうなるか分からない。
「いくぜ!俺のターン、ドロー!俺は竜の怒りをプレイ!ゴブリンマウントデーモンに6ダメージを与える!さらに、ムシュフシュでゴブリンマウントデーモンに攻撃!」
ゴブリンマウントデーモン 3/7→3/1→3/0
ムシュフシュ 2/2
「チッ!それがどうした!俺の体力は10!お前のフォロワーの攻撃力は5だ!」
あっそれ言ったらあかんやつだ
「それはどうかな?」
「なっ!」
「俺の場のイグニスドラゴンは、攻撃時に攻撃力が5上がる!」
ファーwww
「いくぜタクマァァァ!」
攻撃力が10になったイグニスドラゴンの炎が牙倉を襲う
「グッッ!グァァァァ!」
タクマ 10/20→0/20
HIIRO WIN!
いやーなんだあのイグニスドラゴンってカード。最高にシャドバしてるわ。ファフニールに謝って欲しいわ。さて、ヒイロはっと
「すっげぇ楽しかった!」
「ッッ!」
あそこか、それにしてもヒイロはいい笑顔するね。煽りに見えないわ。
「約束だ。ミモリのスマホ、返してくれ。」
「ねえよ。夜那月の野郎にくれちまった。」
「え?それってどうゆうこと「負けたんだよ!夜那月ルシアに。だからくれてやったんだ。クソ!」」
えぇ...賭け金こいつ持ってないんかよ。取ったものとはいえ他人のものよう賭けに使えるわ
「そのルシアって奴はどこだ?」
「この近くの公園にでもいんだろ。いつもと同じならな。」
「わかった。お前は何も取られてないよな?」
「なッッ!うるせぇ!取られる訳ねえだろうが!」
「そっか良かった!じゃあなタクマまたバトルしよう!」
「ようヒイロ、おつかれさん。」
「おおシレン!どうだ!勝ってきたぜ!」
「見てたよ。あの場面であんなカード引けるとは思わなかったわ。」
「ああ!シャドバは何が起きるかわかんねえからな!それで、ミモリのスマホについてなんだけど...」
「うん、それも聞いてた。夜那月ってやつが持ってるんでしょ?」
「ああ、だから今から夜那月に会いに行くんだ。」
「じゃ、俺も着いて行きますかね。」
夜那月は名前は聞いたことがある。多分今回は相当強いと思うが...まあこいつは止まらんだろう
「おい」
「ん?なんだ牙倉?」
「少し聞きてえことがある。お前、よくスタジアムでバトルしてるか?」
「まあそりゃあ...ヒイロ、先行っててくんね?ちょっとこいつと話してるわ」
「おうわかった。先行ってるぜ」
「よろしく〜。んで?」
「ああ、お前多分このスタジアムで1日で9連勝しただろ」
「おう、したな9連勝。なんで知ってんの?」
「お前知らないのか?相手を一方的に倒すやつがいるって話ここじゃ知らない奴はいないぞ。そして最後は何故か自爆したって話」
「え?それ噂になってんの?恥ずかしいなそれ」
しかもちゃんと連勝だけじゃなくて自爆までセットだし
「お前はなんでそこまで強い?」
「なんでって、それなんか似たようなこと聞いてきたやついる気がすんな...まあいいや。純粋にカードが強いってのは求めてる答えじゃなさそうだからいいや。理由はねぇ...知識と経験かな?」
「知識と経験?」
「おう。相手のカード見ればだいたい何がしたいかわかる。たまによくわかんないカードとか汎用性高すぎてどこにでも入るカードとかあるけど、それ以外ならどう動くかがわかる。だから相手が嫌なことをしてあげればだいたい勝てるかな。あとはこっちの動き押し付けるぐらいだし」
なんかゲームやってると2.3ターン目で感覚で分かるよね。こいつ早そうだなーとかこいつ遅そうだなーとか。
「ま、お前のデッキ見てて思ったのは中途半端だとは思ったよ」
「俺のデッキが中途半端だと?」
「うん、だってそもそもレイサムなんてカード普通入れないし。あとゴブリンマウントデーモンなんてお前のデッキと噛み合わないでしょ。お前のデッキに足りないのは...」
「ッッ!」
「コンセプトだな」
「なっ!コンセプトだと!?」
「そうそう。さっきの試合みたいに序盤で試合を決めるアグロにするとか。なんかとりあえず切り札用意してそれで決めるとか。」
「クソ!お前も言うのか!切り札が足りないって!」
うわ、なんか地雷踏んだっぽい。こいつが荒れてる理由でも踏んだか?
「だってしょうがないじゃん。おまえのデッキどっちつかずなんだもん。それに別に切り札用意したくなければアグロ使えアグロ」
「あぁ?どういうことだ?」
「アグロは基本的に小型やバーンカードで攻めるからみんながみんなフィニッシャーになるデッキだ。基本的に切り札なんてものは存在しない」
「切り札が存在しない?」
「なんか信じられないって顔してんな。まあ今度バトルする時が来れば見せてやるよ。そんじゃ、俺そろそろ行かねえと」
さて、さっさとヒイロと合流しますかね
で、来てみれば
「復讐の時だ、ダークエンペラー!」
「吼えろ、イグニスドラゴン!」
なんかもう終盤だった
多分いつか書き直しすると思います。それと活動報告にデッキについて載っけました。このカード使って欲しいやこのデッキ使って欲しいなどあれば書いてください。
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6話
さて、牙倉の質問に答えたあとに俺はヒイロが向かったであろう公園に行った。正直話し合いで解決してさっさと帰りたいなーっと思うけど多分シャドバやってるだろし、やだなー俺もう眠くなってきたわ(まだ夜になったばっか)
多分この辺の公園って言ったらここだと思うんだけど...
「シャドバは選択の連続だ。君は何を選択する?」
なんか知らない奴が難しいこと言ってる...あれが夜那月か。
「決まってる!たとえ罠だとわかっていても、チャンスなら攻める!レイジングエティンでリーダーを攻撃!」
ルシア 16/20→10/20
「よし、これでターン終了!次のターンでなにかされてもそのまま押し切ってみせる!」
ああなるほど。俺ヴァンパイアこいつの前で全然使ってないからヴァンパイアのクラスはよくわかってないのか。なんで残ってるかは知らないけど明らかに残しちゃいけない6点を残したことは罠だとはわかってる。それでも削るなら何か押し切れる算段でもあるのかな?でも未来なら10点なんて即死打点だがこと今の時代においては
「期待しすぎたかな。」
「え?」
「なんのためにシャドバをするのか、君は全くわかっていない」
そのセリフを言った途端夜那月の体からオーラが出る。またよくわかんないこと言ってる…
「これって...」
「どうやらここまでのようだ。見せてあげるよ。ヴァンパイアクラスの真の力を」
それにしても復讐がこんなに強そうなの久しぶりに見たわ。狂乱*1とか渇望*2のせいで運営あんまり復讐推さなくなっから復讐ケアすることがあの時はほとんどなかったな...あと10点はもう即死する体力だったし
「僕のターン、ドロー。復讐の時だ、ダークエンペラー!」
あ、また新カードだ
そう思っているとダークエンペラーが剣に闇の力を纏わせレイジングエティンとドラゴンガードを破壊する。
「嘘だろ...俺のフォロワーが!」
「ダークエンペラーの復讐状態、つまり自分のリーダーの体力が10以下の時、相手のフォロワーを2体破壊することが出来る。」
ユヅキさん!?何やってるんですか!?森羅咆哮へ帰ろう!
「失望したよ。少しは楽しめると思ってたんだけど。言ったよね、僕とバトルすると、みんなシャドバやめちゃう「やっぱ、シャドバってめちゃくちゃ楽しいな!」...楽しい?」
「ああ!どうやって逆転するか考えるだけでもワクワクするぜ!」
ああ、いいなぁ。その感覚は今の俺には
「それじゃあいくぜ!俺のターンだ!」
ヒイロが引いたのは竜の怒りか。これ1枚じゃ5/7のダークエンペラーは突破できないな。
「よし!これならあいつにダメージを「スペルでダメージを与えようとしても無駄だ」え?」
「ダークエンペラーはカードの能力によってダメージを受けず、破壊もされない。」
強いな、明らかにぶっ壊れに近いカードだ。そもそもBBだって耐性つけるのに少しだけ手間がかかるのにこいつはそもそもについてる。何かしらデメリットがあってもおかしくないがどうなるか
「ッッ!だったらこうだ!」
そう言って場に出したのはミノタウロスと古の飛竜。どちらも守護フォロワー。でもそれは明らかに
「守護で身を守るつもりか、悪あがきだよそれは。吸血鬼・ヴァイト、デモンハンドアサシンをプレイ。」
デモンハンドアサシンに不穏なオーラが滲み出る
「今のは?」
「すぐに分かる、デモンハンドアサシンを進化。古の飛竜を攻撃。」
デモンハンドアサシン 3/2→5/4→5/2
古の飛竜 2/3→2/0
紫色の粒子が夜那月に集まり体力が回復する。
ルシア 10/20→15/20
「な、なんだ!?」
「ドレインさ。この効果を持つフォロワーがダメージを与えた時、そのダメージと同じだけリーダーを回復する。これだけじゃない。僕は群れなす飢餓*3をプレイ」
ミノタウロス 2/1→2/0
「そんな...」
「君の手札にはおそらく、竜の怒りがあるよね。そのカードじゃ状況は覆せない。このバトルももう終わりだ」
あら、ちゃんと竜の怒りの効果知ってんのね。この世界では珍しい人だ。俺も効果知らなかったのに
「いいや、ここからだ!俺のターン!吼えろ、イグニスドラゴン!」
ここでまた奴を引くのか!
「こいつは自分の手札が2枚以下の時、進化ポイントを使わずに進化する。さあ攻撃だ!」
吸血鬼・ヴァイト 3/2→3/0
デモンハンドアサシン 5/2→5/0
いいなイグニスの効果。本来ならヴァイトは交戦時にフォレストバットが出てくるんだがイグニスの効果で3点AoEで先に破壊するから能力が発動しない。惜しむべきはヴァイトが守護を持ってたからダークエンペラーを破壊できないこと
「状況をここまで覆すとは...」
「言ったろ!負けるつもりはねえって!さあこいよ!もっともっと熱いバトルをしようぜ!」
「フ、ッハッハッハッハ!」
何わろとんねん
「何か俺、なんか変なこと言ったか?」
「取り消すよ、失望したって言ったの」
「え?」
「君、名前は?」「竜ヶ崎ヒイロだ!」
「そうか、ヒイロか。血の取引をプレイ。自分のリーダーに2ダメージを与え、カードを2枚引く。ダークエンペラーでリーダーを攻撃。」
ルシア 15/20→13/20
ヒイロ 8/20→3/20
一裂き*4ラインにのったな。あの2枚のうちどちらかが一裂きなら終わりだな
「まだ、まだだ!」
「君は諦めないんだね、ヒイロ」
「もちろんだ!だって、こんな楽しいのに勿体ないだろ!」
「そうか。…終わらせるのは勿体ないか。確かに君の言う通りだ。」
そう言うと今まで選ぼうとしていたカードから違うカードに移動させる。まさかこいつ!
「キャタラクトビースト*5をプレイ」
あ、キャタラクトビーストってネレイアのトークンじゃないのね
「絶望的な状況、もう一度超えられるかな?」
「ああ!やってやる!俺は竜の力をプレイする!」
ヒイロの手に火球ができる。そしてそれをイグニスドラゴンに投げつけそれを受けたイグニスドラゴンが真っ黒に染る
「このスペルは、覚醒状態なら自分のフォロワー1体の攻撃力と体力を3上げる!」
また新カードか!?(※昔からあるカードです)
イグニスドラゴン 5/7→8/10
「そうか。超えるか...!」
「いくぜルシアァァァ!」
ルシア 13/20→0/20
HIIRO WIN!
え?なんでイグニスドラゴンが顔面そのまま殴れてるの?キャタラクトビーストの守護は?
「ハァ、ハァ、か、勝ったのか?」
「おう、勝ったぞ。おめでとう」
「シレン!来てたのか!」
「遅くなってすまんね。来てたらもうシャドバしてたから静かに見てたわ」
「そうか!いやーすっげぇギリギリの戦いで楽しかった!」
まあ、夜那月が一裂き持ってた説はあるが余計な詮索はやめとか。こういうのは知らなければそれはそれでいい
「君はヒイロの友達かい?」
「ああ、北シレンっていうよ」
「北、シレン...」
「? 俺の名前なんか変?」
「いや、そうじゃないんだ。ただ少し思ったことがあってね」
「はぁ」
今日の牙倉のこともあるからこいつもそれ経由で聞いたことがあるのかね?俺もこいつの噂は聞いたことがあるからお互いそういうので知ってるみたいなこともあるし
「君にお願いしたいことがあるんだ、聞いてくれないか?」
「え?」
「僕とバトルして欲しい」
「えぇ...」
お前らさっきやってたじゃん。もう夜も遅いわ
彼、北シレンの噂は聞いたことがある
運が悪ければ負けるデッキで9連勝した
3ターン目に骸の王が出てきたと思ったら何故か場が5/10の疾走と守護を持ったフォロワーが2体出てきた
ダメージは1度も貰ってないのに体力がどんどん減っていき0になって負けた
フォロワーを1枚も出てないのにアミュレットが1枚出てきてからずっと相手のターンが続いて何故か負けた
こういった噂が後を絶たない
たまに何もせずに負けていたという報告もあるがこういった真逆の噂があるのは珍しくどちらも僕はあてにしてなかった
ただもし、彼の噂が本当なら...
僕は妹のために強くならなくちゃいけない
だから、僕が彼に勝つことが出来ればまたひとつ、強くなったということになる
「バトルしろって、そりゃまだ1試合ぐらいならできないことはないけど...」
「いいじゃねえかシレン!お前もバトルしてみようぜ!」
「え〜まあ、いいけど...」
「決まりだね、じゃあ始めようか」
「はいはい、それじゃ」
「「バトル!シャドウバース!!」」
活動報告に質問が来てましたのでどう答えればいいか分からないのとみんな疑問に思う可能性があるのでここで答えてしまいます。
基本的にナーフ前のカードを使います。なのでみんな全盛期の力を出させることが出来ます。
次回はシレンvsルシア
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7話
その背を押すは風に非ず……
勇壮を願った、私の歌声!
迷う必要はありません……総員、突撃!
「「バトル!シャドウバース!」」
「先攻は俺だ!クイックブレイダーをプレイしてリーダーを攻撃!」
ルシア 20/20→19/20
「ターン終了、これから毎ターンクイブレでチクチクしてやる。」
シレン 20/20 手札3 PP0/1
クイックブレイダー
「僕のターン、蠢く死霊をプレイ。お互いのリーダーに1ダメージ。」
ルシア 19/20→18/20
シレン 20/20→19/20
「反応無しかい。(それにしても死霊ね)」
ルシア 18/20 手札4 PP0/1
蠢く死霊
「俺はユニコーンの踊り手・ユニコをプレイ。そのままクイブレでリーダーを攻撃。」
ルシア 18/20→17/20
シレン 19/20 手札3 PP0/2
クイックブレーダー ユニコーンの踊り手・ユニコ
ユニコは自分ターン開始時にリーダーの体力を2回復する効果を持っている。それは序盤においては実質守護と同等の価値をもたらす。問題なのはそれをルシアが知っているかどうかだが...
「僕のターン、レヴィオンデューク・ユリウスをプレイ。」
「あれはシレンがヴァンパイアデッキでよく出てくるフォロワー!相手のフォロワーが出る度に相手のリーダーに1ダメージを与えるカード!」
「あら、ヒイロ覚えてるんだこのカード。」
「ああ!前ミモリとバトルした時そのカードだけで体力を半分にしただろ!」
「なるほど。なら覚え続けとけヒイロ、ユリウスはこれから長い間ずっと対面することになる。」
実際ユリウスは2コストでありながら破格の性能を持ったカード。1/3というスタッツはこの時代では2コストで除去できるカードは限られている。そして俺も今のハンドでは単品で除去できるカードは無い。
「蠢く死霊でクイックブレーダーを攻撃。」
クイックブレーダー 1/1→1/0
蠢く死霊 1/1→1/0
「なるほど、ちゃんと除去してくる感じ?」
「ああ、さっきの会話を聞く限り君はユリウスの強さを知っている。なら、君は次のターンその2体のフォロワーでユリウスを攻撃してくるだろう。なら、クイックブレーダーを破壊して場のカードだけでは破壊できないようにすればユリウスが場に残る可能性もある。」
「…マジか、そこまで考えてるんだ。」
こいつ、下手したら今までやりやったやつで1番強いかも。少なくとも強くなったあのガキと同等のプレイスキルがある。
ルシア 17/20 手札4 PP0/2
レヴィオンデューク・ユリウス
「俺のターン、ターン開始時にユニコの効果で体力を2回復、その後にノーヴィストルーパーをプレイ」
「ユリウスの効果が発動、相手のフォロワーが場に出た時にリーダーに1ダメージを与える。」
ユニコのケルベロス達に酷評されたヘッタクソな踊り効果によって俺の体力は20に戻るがノーヴィストルーパーを場に出したためユリウスの効果で1ダメージを受けてしまう。
「そのフォロワーは今回の俺のデッキコンセプト的に邪魔なんだよ、だから早々にリタイアしてもらう。ユニコとノーヴィストルーパーでユリウスに攻撃。」
レヴィオンデューク・ユリウス 1/3→1/0
ユニコーンの踊り手・ユニコ 2/2→2/1
ノーヴィストルーパー 2/2→2/1
「ターンエンド(出来ればブリッツランサー*1引いて1枚で取りつつ3/1が残る盤面盤面にしたかったけどそんな上手くいかないか)」
シレン 19/20 手札3 PP0/3
ユニコーンの踊り手・ユニコ ノーヴィストルーパー
「僕のターン、ナイトメアと呪剣の吸血鬼をプレイ。」
「ナ、ナイトメア...?」
呪剣の吸血鬼はまだわかるがナイトメアが入ってるのはなんだ?アグロのために入れた?でもアグロでもあっちでは入れてた記憶ないし...なんかあのガキもそうだけどこの世界のシャドバプレイヤー意味のわからないカード入れがちなんだよな。ナイトメアなんて普通入れる枠ないと思うんだけど...
ルシア 17/20 手札3 PP0/3
ナイトメア 呪剣の吸血鬼
「俺のターン、ユニコの能力で2回復。メイトリーダーをプレイ。メイトリーダーの能力により指揮官カードを1枚手札に加える。そしてスペルカード、渾身の一振をプレイ、相手フォロワーに2ダメージを与える。どっせーい!」
こっちに来て嬉しいことが1つある。それは武器を使ったりするスペルは自分自身で攻撃することが出来ること。スペルを唱えた同時に出てきた剣を使いその名通り一振し、その斬撃でナイトメアが破壊される。
「ユニコとノーヴィストルーパーでリーダーを攻撃、そのままターンエンド。」
ルシア 17/50→13/20
シレン 20/20 手札3 PP0/4
ユニコーンの踊り手・ユニコ ノーヴィストルーパー メイドリーダー
「すげぇぜシレン!相手の体力をもう13にまで減らしたぜ!」
「まだ喜べないよヒイロ、そもそも相手してわかってるでしょ?相手は体力が減ってからが勝負だって。」
相手はヴァンプ、体力が20の半分の10になると復讐状態になる。その状態はさすがにカードパワーはこっちが上とはいえ殴り合いしたら負ける可能性が高くなる。だからこっからは
「僕のターン、スペルカード夜の群れをプレイ。フォレストバットを2体場に出し、相手のフォロワー1体に自分の場のフォレストバットの数だけダメージを与える。」
「それめっちゃ嫌だわ。」
場に出たフォレストバット2体がユニコを襲い破壊する。ダメージと展開を進化できるターンに使えるのはさすがに強い。
「フォレストバットを進化。ノーヴィストルーパーを攻撃。」
ノーヴィストルーパー 2/1→2/0
フォレストバット(進化) 3/3→3/1
ルシア 13/20 手札3 PP0/4 EP2/3
フォレストバット(進化) フォレストバット
「俺のターン!さぁさぁこっからは楽しい時間だ!戦場の歌姫よ!凱歌を歌い英雄を束ねよ!戦場の歌姫・マグノリア!」
マグノリアは十禍絶傑のカード、5コスト1/5指揮官で進化時のスタッツが2/6というあまりにも使い勝手が悪いこのカードは
「へぇ、初めて見るカードだ。」
「安心しろ、別にそこまで強くないから。マグノリア進化!進化時能力発動!ランダムに2コストフォロワー1体と1コストフォロワーを1体場に出す!」
マグノリアの歌声により2体のフォロワーが招集される、1体は歴戦のランサー、2コスト2/2の守護フォロワー、もう1体はニンジャエッグ、1コスト1/1の潜伏*2を持つフォロワー。これだけだったら5コストレジェンドとしては弱いがこいつはこれだけじゃない
「マグノリアで進化したフォレストバットを攻撃!」
戦場の歌姫・マグノリア 2/6→2/3
フォレストバット 3/1→3/0
「ターン終了時、マグノリアの効果発動!自分の兵士フォロワー全てに+1/+1する!」
メイドリーダー 1/1→2/2
歴戦のランサー 2/2→3/3
ニンジャエッグ 1/1→2/2
マグノリアの真価は展開しつつターン終了時に強化できること。今の時代なら5PP前後で単品で全て破壊するカードはそうそうない。
「なるほど、面白い効果をしているね。最初はメイドリーダーで進化しているフォレストバットを攻撃したあとそのカードで余ったフォレストバットを攻撃すると思ったが、あえてメイドリーダーを残すことで攻撃力と体力が2にした状態で場に残せるのか。」
「その通り、残ったフォレストバット1枚だけでは進化無しで取れるのはせいぜい1枚。進化権切ってそれだけだったらかなり戦況は有利になる。」
「そうか、でも良かったのかい?君のメイドリーダー、フォレストバットを攻撃しないのならリーダーを攻撃すればまた1歩勝利に進んだかもしれないよ。」
「安心しろ、お前の体力は俺の勝ち確まで13だ。」
「...そうかい。」
個人的な考えだが、ヴァンプ相手の12と13は明確な違いがあると思う。それは汎用自傷カードで受けるダメージで復讐になれるかどうかだ。当時のヴァンプは血の取引、これは自分に2ダメージを与える2コストのカードだ。恐らく自分から復讐になるとしたら基本的にこのカードともうひとつの汎用自傷カード鋭利な一裂きがある。2コスト2ダメージで相手のリーダーがフォロワーに3ダメージととんでもスペックなカードだ。相手がヴァンプの場合は12の場合このどっちかで復讐になってしまうが13の場合はそこから+αになる。この差はPPが少ないほど大きい。
まあ復讐ケアは人それぞれだし、そもそも復讐ケアせず勝てるのならそれでいいのだけれど。
「さあルシア、楽しんでこうぜ!お前は俺の行動の対応に追われ続けて楽しくないかもしれんがな!」
黙示録*3 は勘弁な!
Q.お前約2年何やっとんねん
A.エクバとシージとAPEXずっとやってました...
はい、大変すみませんでした。自分もまさかここまで投稿が遅れるとは思いませんでした。
詳しい話は活動報告でしました。
この2年でまさかのアニオリカード参戦ということで想定してはいたけど想像よりはるかに早かったです。
ので、カードについてなのですが、基本的には暗黒のウェルサまでにしようと思います。バフドラとかはこの時代話になりませんがそこは何とかすると思うので頑張ります。
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8話
子らよ、我は此処に居る。風はいつでも共に在る。
震える恐れも、進めぬ弱気も、我が風にて吹き飛ばそう!
シレン 手札3 PP0/5 EP1/2
メイドリーダー 戦場の歌姫・マグノリア 歴戦のランサー ニンジャエッグ
「それが君の切り札かい?面白いカードだね。」
「そんなに面白いかこのカード?珍しさはあると思うけど。」
「群れなす飢餓をプレイ、相手フォロワーに3ダメージを与える。歴戦のランサーにら3ダメージ。」
歴戦のランサー 3/3→3/0
「俺の場に同名フォロワーはいないから追加効果は無しだな。」
「その通りだよ。眷属の召喚をプレイ。フォレストバットを2体場に出す。フォレストバットを進化させマグノリアを攻撃。」
戦場の歌姫・マグノリア 2/3→2/0
フォレストバット 3/3→3/1
「なんで3/3のフォロワーを進化権切って倒せねぇんだよこのカードは...」
3/7でよかったじゃんと思わなくもない
「僕はターンエンド。さあ、君の力を見せてくれ。」
ルシア 13/20 手札2 PP1/5 EP1/3
フォレストバット(進化) フォレストバット
「そういう上からの言葉はもっと強い盤面の時に言えよ。もう1度マグノリアをプレイ。進化、デッキから2コスと1コス兵士が出る。出たカードは...大当たりだぜ!不屈の兵士*1とクイブレが場に出る!クイブレで進化したフォレストバットを攻撃、マグノリアで残りのフォレストバットを攻撃!」
フォレストバット(進化) 3/1→3/0
クイックブレイダー 1/1→1/0
フォレストバット 1/1→1/0
戦場の歌姫・マグノリア 2/6→2/5
ルシア 15/20→13/20
「ターン終了時、マグノリアの効果で兵士を+1/+1する!英雄に癒しを!」
メイドリーダー 2/2→3/3
ニンジャエッグ 2/2→3/3
不屈の兵士 2/2→3/3
シレン 20/20 手札3 PP1/6 EP0/2
メイドリーダー ニンジャエッグ 戦場の歌姫・マグノリア 不屈の兵士
「さて、ルシアよ。俺の盤面はまあかなり強いと思うがこの盤面返せる?」
「どうかな?なかなか難しいと思うよ。」
「さっすがー。随分と余裕そうだな。なら1つ宣言しよう。次のターンで俺のフォロワーを全て破壊できなかった場合お前の敗北は確定する。」
「へえ、よほど自信があるみたいだね。どうしてそんな自信が?」
「そんなもん決まってるだろ。俺の方がどう考えても強い。」
「・・・それは、どういうことかな?」
「意味も何もそのまんま。デッキも、プレイヤーとしての実力も、俺の方が上なのよ。」
「・・・そうかい、なら自信を崩してあげるよ。スペルカード、デモンストームをプレイ。お互いのリーダーとフォロワーに3ダメージ。」
「おぉ、回答札ちゃんと握れてんのか!」
メイドリーダー 3/3→3/0
ニンジャエッグ 3/3→3/0
戦場の歌姫・マグノリア 2/5→2/2
不屈の兵士 3/3→3/0
シレン 20/20→17/20
ルシアを中心に炎の嵐が吹き荒れ、それによりマグノリアを除く全てのフォロワーが破壊され俺にも3ダメージが飛んでくる。これで俺の盤面がほぼ更地になり、そして1番の問題が
ルシア 13/20→10/20
「さあ、これで僕は復讐状態となった。君の宣言のようにフォロワーは全ては破壊できなかったが君の場はマグノリア1体だけ。もう進化ポイントも残ってないからもう1度マグノリアを出してフォロワーを展開することも出来ない。この状況で僕に勝つのは難しいんじゃないかな?」
「そうだなぁ、この場でデモンストームを握っていたことは予想外だったよ。正直黙示録さえどうにか出来れば勝ち確とまで思ってたからね、さすがに舐め過ぎだったようだな。でもね?俺の場に
ルシア 10/20 手札2 PP0/6 EP1/3
「今から見せてやるよ、このデッキの真価を!このバトル中に場に10体以上出た場合、このフォロワーはデッキから直接召喚される!天覇風神・フェイラン!」
このデッキを試作中どう頑張っても強く感じなかったが故にデッキパワーを底上げするために使ったこのカード。風神のリメイクカードで元々ゴールドの時からあった機械?は巨大なものとなりゴールドの時よりより強力となったように感じる。
「直接召喚...初めて聞いた効果だ。」
「直接召喚はそのカードの条件を満たした時デッキからカードを出す能力だ。この際ファンファーレは発動しないが場に出た時発動する効果は発動する。」
「ちょっと待ってくれシレン!ファンファーレと場に出た時発動する効果は同じなんじゃないのか!?」
「少し違うぞヒイロ。ファンファーレはPPを支払ってプレイしたカードが手札から場に出たとき働く効果だ、場にさえ出れば発動する効果とは違う。」
「そうなのか!シャドバってやっぱ面白いな!」
この召喚法の素晴らしいとこは手札に抱えずに済むこと。条件さえ揃えばあとは無条件で出てきてくれること。コスト通りに出せば雑魚のカードでもタダで出せば強いのはありとあらゆるカードが証明している。
「ドロー、まだ止まらんぞ!ロイヤルセイバー・オーレリア*2をプレイ!相手フォロワーの数によって攻撃力が上がるが今回は無しだ!メイドリーダーをプレイして指揮官をサーチする!マグノリアでリーダーを攻撃!」
ルシア 10/20→8/20
「すげぇ!シレンの場にレジェンドフォロワーが3体も並んだぜ!」
(いや、確かにレジェンドフォロワーが3体も並んだのも凄いがまだ1体、何もしていないレジェンドフォロワーがいる)
「これでターン終了、効果処理に入るよ。まずはマグノリア、自分の兵士を+1/+1する」
メイドリーダー 1/1→2/2
「そして次、フェイランの効果発動。自分のフォロワーを全て+1/+1する!風よ、導け!」
戦場の歌姫・マグノリア 2/2→3/3
天覇風神・フェイラン 1/1→2/2
ロイヤルセイバー・オーレリア 2/6→3/7
メイドリーダー 2/2→3/3
「なるほど、フォロワー全員を強化するカードだったのか。君の使っているマグノリアで展開をして倒しきれなかったフォロワーは直接召喚で強化され続けるということか。」
「その通り、あとはこのまますり潰していくだけだ。ターンエンド。」
シレン 17/20 手札3 PP0/7 EP0/2
戦場の歌姫・マグノリア 天覇風神・フェイラン ロイヤルセイバー・オーレリア メイドリーダー
「僕のターン、やはり期待通りのプレイヤーだ。シレン。まさかここまで追い詰められるとは思わなかったよ。」
「あっそう」
「だけど、それじゃあまだまだだよ。復讐の時だ、ダークエンペラー!」
目の前に現れたのは禍々しい鎧と剣を持った闇の皇帝。俺の知っていたこの時代ではなかったカード。
「あれはダークエンペラー!シレン気をつけろ!あのカードは!」
「わかってるよ、お前の試合を見てたんだ。効果はもう把握した。」
「ダークエンペラーの効果発動。復讐状態なら相手のフォロワー2体を破壊する。」
ダークエンペラーの持つオーラを剣に纏わせ一閃。オーレリアとマグノリアは何も出来ず破壊される。
それよりもやはりスタッツは5/7、ファンファーレで2体、その上意味わからん耐性付与。明らかにスペックを盛りすぎているこのカード。ぶっちゃけこのカードを単体で破壊できるカードを俺はもう持ち合わせてない。
「ダークエンペラーを進化、ダークエンペラーでメイドリーダーを攻撃!」
(メイドリーダーをだとぉ!?)
メイドリーダー 3/3→3/0
ダークエンペラー 7/9→7/6
メイドリーダーがダークエンペラーに破壊される中俺は内心驚愕した。相手はもうフェイランの効果を知っているはず、さすがに3/3だったメイドリーダーは残せないと判断したのか、リーサルが見えていたのか。ま、俺のハンドでは見えないしどっち破壊しても変わらないんですけどね
ルシア 8/20 手札2 PP0/7 EP0/3
ダークエンペラー (進化)
「俺のターンだ、ターン開始時デッキのフェイランの効果を発動!直接召喚される!ドロー・・・」
ここで引いたのは一振、ぶっちゃけもう使えるタイミングはないカード。やはり俺にはこいつらみたいな運は持ち合わせてないらしい。
でも、勝つのは俺だ
「いくぞ!迅雷が如く!俺はレヴィオンセイバー・アルベールをプレイ!」
落雷と共に1人の剣士が場に出る。この時代のロイヤル唯一のイカレカードと言わしめたカード全てが優秀だった。
「そのカードは...」
「安心しろ!ただの疾走フォロワーだ!フェイラン!アルベール!ルシアを攻撃しろ!」
ルシア 8/20→3/20
「俺はターン終了、フェイラン2体の効果で全フォロワーを+2/+2する!」
天覇風神・フェイラン(1) 2/2→4/4
天覇風神・フェイラン(2) 1/1→3/3
レヴィオンセイバー・アルベール 3/5→5/7
シレン 17/20 手札3 PP3/8 EP0/2
天覇風神・フェイラン(1) 天覇風神・フェイラン(2) レヴィオンセイバー・アルベール
「そんでルシア、俺はもう負けはないと思ってるがお前はこの盤面をひっくり返せるか?」
「ああ、できるさ。スペルカード、鮮血の口付けをプレイ、相手のフォロワー1体に2ダメージ、自分のリーダーを2回復。」
レヴィオンセイバー・アルベール 5/7→5/5
ルシア 3/20→5/20
「そしてスペルカード、黙示録をプレイ。お互いのフォロワー全てに8ダメージを与える。」
「やば!」
お互いのフォロワーは全て体力8以下。よって黙示録の効果により全て破壊される。だがしかし
「ダークエンペラーは自身の効果で、黙示録のダメージを受けない。」
「だよな!クソが!」
やっぱそのカードインチキだろ!*3
「ダークエンペラーでリーダーを攻撃!」
「イ゛ッテェ!!!」
シレン 17/20→10/20
「そんな!?あのシレンの場が一気に破壊されちまった!」
「いやーさっき使ってこなかったから握ってない読みだったんだけどなー。」
「ああ、今引くことが出来たからね。」
「・・・クソが」
ここで完全回答を引いてくるの死ぬほど腹立つ!どいつもこいつも土壇場で引きやがってよ!
「さあ、君の盤面はこれで全て無くなった。これで僕はターンを終了する。さあ、君はここからどうするんだい?」
「・・・そうだね」
それじゃあ
「俺の勝ちだ」
落雷、それと共に現れる雷迅卿。こいつはただの3/5の疾走だとしたらロイヤルのパワカ扱いはされなかった。そう、こいつの本領はここにある。
「アルベールの効果発動!エンハンス9により、このカードはダメージを受けず、2回攻撃となる!」
「そうか...まさかここまでとは...」
「さあアルベール!ルシアに攻撃しろぉ!」
ルシア 5/20→0/50
「これで満足した?」
「・・・ああ、バトルしてくれてありがとう。」
「そう、じゃあ俺は帰るよ。行こうぜヒイロ、さっさとミモリにスマホ渡しに行かないと。」
「うわぁ!ちょっと待てよシレン!?またなルシア!今度もバトルしようぜ!」
「ああ、君との戦いを楽しみにしてるよ。そして」
あのカードは未来の君に託したよ
「へ?それって」
「おいヒイロ、早くしろー。」
「おい!だから待てってばー!」
(さっきルシアが言っていたこと、どういう意味だったんだろう?)
「ヒイロくん?それによりシレンくんも。こんな時間にどうしたの?」
「ああ、これを」
「それ、わたしのスマホ...取り返してくれたの?」
「こいつが牙倉と戦って取り返しに行ったんだよ、危なっかしいよなぁ。」
「そうなの!?危ないよヒイロくん!?」
「ああごめんごめん、心配させちまって。でも、取り返してきたぜ!」
あの後、何事もなくミモリの家に着きヒイロはミモリに奪われたスマホを渡した。ミモリはヒイロに無理したことを注意していたがそれでもやはり取り返してくれたことは嬉しかったようだ。
「じゃあ、俺もう帰るわ。また明日、バトルでもしようぜ。」
「うん、ありがとうシレンくん!」
「俺は何もやってないよ。」
夜那月ルシア
あいつとヒイロとの戦い、明らかにリーサルを見逃してた。恐らく握っていたカードは一裂き、リーダーに3ダメージでそのままゲームエンド。だったはずなのに。
ルシアは強い。そして何故かヒイロに対する期待の視線が強かった。この先、ヒイロとどうなるかは分からないが
「この先面白いことが起こるのは確かだな。」
「北シレン...」
彼はやはり強かった。恐らく、僕よりも遥かに。あの時の僕より強いと言った自信は嘘でもなく事実。この先僕が強くなるためには、彼は必ず壁になる。
「ッッッ!」
握っていた手がさらに強くなる。僕は強くならなければならない。
「彼を超える。」
はい、遅れてすみませんでした。(3ヶ月半)
タイタンフォール2とブルアカやってました。コラボ小説誰かだして(懇願)
今回のルシア戦で使ったマグノリア、フェイランなしのマグノリア以外当時のカードで作った時実際に友達と当時の環境想定で使ったんですけど普通に弱かったです。相手が当時Tier1だったとはいえドロシーにボコボコにされるってどういうことよ...
デッキリクエストありがとうございました!投稿も恐らく遅いままですが今後ともよろしくお願いします!
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9話
今のプロットだと原作7話まで主人公解説役なんですよね
改めて見直すとカイってマジでクソガキですね、天才ですけど。シャドバやめてもっとより良い方向でその頭脳を使ってくれ。
牙倉タクマと夜那月ルシアとのバトルから次の日、俺はヒイロ達と昼食を食べていた。
「で、どうだったんだよ牙倉タクマとのバトル。」
「すげぇ強かったよ!ギリギリ勝ったって感じ!」
HR前、ヒイロが教室に着いた時にはミモリが昨日のことをカズキや他のクラスメイトに話していたらしく、牙倉タクマとのバトルを聞いてきた。その事についてヒイロが答えようとしたところでHRが始まり昨日の話は昼までおあずけとなった。
「その後のルシアとのバトルの方がもっと凄かった!」
「ルシア?」
「こいつ牙倉とのバトルの後、夜那月ルシアとも戦ってさ。こっちの方がだいぶ接戦してたね。」
「「えっ?」」
まあ、あれはキャタラクトビーストじゃない方のカードが
「そうなんだよ!ヴァンパイアクラスを使いこなしてて本当に強かった!あんなに使いこなせてるのシレン以外初めて見た!」
「初めて見たってお前、そもそもお前自身シャドバやってなかったんだから俺以外でヴァンプ使ってる奴見るの片手で数えられるぐらいだろ。」
「確かにそうだった!ってどうした?」
「ヴァンパイアクラスって、マジで夜那月ルシアじゃんかよ!」
「すごいよヒイロくん!」
カズキたちがすごい驚いている。やっぱ例の負けた奴はシャドバをやめるって話は本当なのかね?
「おぉ、なぁ2人とも。ルシアってそんなに...」
ヒイロが2人に質問しようとした時、昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
「やべ、チャイム鳴ったわ。さっさと戻ろうぜ。話はその後だな。」
「お、おう。」
「はぁー疲れたぁ。」
「お疲れ様ヒイロくん。」
「よっしゃヒイロ!帰りながらルシアとのバトルの話聞かせるじゃんね!」
「おうカズキ!いいぜ!」
「あ、悪ぃ。俺今日先生の手伝いあるから先帰ってくれ。」
「おう!またなシレン!」
「サイズはそうでも無いけどこの彫刻の数を1人で手伝わせないでくれよ...」
先生が次の授業で使う作品を別室に運ばないといけないため呼び出しがかかった訳だが、数が1つや2つじゃなく2桁もあった。こういうのはあともう1人ぐらい手伝わせろよ...
「全く...ん?あれは?」
溜息をつきながら歩いていると前からすごい勢いで走ってくる人がいた。先に帰っていたはずのヒイロだ。
「ヒイロじゃん、どうした?忘れもんか?」
「違う、シレンに聞きたいことがあって来たんだ!」
「おっおう、とりあえず落ち着いてくれ。」
だいぶ険しい顔をしているが何を聞きたいのだろうか?
「ルシアとのバトルの時!キャタラクトビーストをプレイしていた時のもう1枚の手札!あれがなんなのかシレンは分かるか!?」
「あー、なるほどね。」
さてはカズキ達に夜那月との戦いの話をしてる時に何か聞いたな?
「聞きたいのはあれでしょ?あのカードが鋭利な一裂きかデーモンストームかの話。」
「ああ、ルシアがそのカードのどっちかを持っていたか知ってるか!」
「多分持ってた。システム上観戦者はハンドが見れないから証拠は無いけどね。」
「ッッッ!やっぱり、持っていたのか...」
「うん。プレイする時の手の動き、ヒイロの言葉を聞いてから唐突に変えたからね。」
鋭利な一裂きは2コストのスペルカードで自分に2ダメージを与えたあと相手のリーダーかフォロワーに3ダメージを与えるカード。デーモンストームはコストの関係上入れないデッキもあったが一裂きに限っては入れないデッキはほぼなかったと言っても過言じゃなかったカードだ。
「ま、しゃーないな。カードゲームをやる上でああいう奴*1はいくらでもいる。そんで?お前はどうしたいの?」
「決まってる!次は本気のあいつに勝ちてぇ!」
「おう頑張れ。俺は応援してやるよ。」
「ああ!応援しててくれ!必ず勝ってみせるからな!」
あれから、数週間後
「これで決めるぜ!リヴァイアサンで攻撃!」
「うわぁァァァ!!」
上級生 5/20→0/20
HIIRO WIN!
「よっしィ!」
ヒイロは空いた時間、毎回シャドバをやっていた。
同じクラスのやつとバトルしバトルした全員に勝利。それを聞きつけた別のクラス、果ては上級生も相手取り勝利を掴んでいた。
「やるじゃんヒイロ!もうこの学園じゃ敵無しじゃんな!」
「そうかなぁ〜」
「うん!すっごく強くなったよヒイロくん!私もうヒイロくんに敵わないもん!」
「まだまだだよ、それにまだシレンとバトルしてないしな。」
「俺がどうかした?」
「あ!シレンくん!おかえり!」
「シレン!やっと帰ってきたな、いつ俺とバトルしてくれんだよ!」
「お前がもうちょい強くなったらな。」
あの日から数日経ってもヒイロとはシャドバをしていない。理由はヒイロがもっと強く、それこそ夜那月ルシアを超えるぐらいには強くなってからバトルしたいという願いからだ。
「わかったよシレン。お前が強くなったと思わせるぐらい強くなって、あいつに」
バァン!
ドアを大きな音を立てて開かれたことでクラスにいた皆が一同にそこを見た。そこには青い髪に眼鏡をかけた男子生徒が立っていた。そしてその男子生徒がクラスを見渡したあとこちらに寄ってきたあと、ヒイロを見つめた。
「あなたが竜ヶ崎ヒイロですか?」
「あ、ああ。そうだけど?」
そして男子生徒がヒイロをじっと観察したあと
「はぁ、どうやら偽物のようですね。本物はどこです?」
「いや本物だって!」
「えっと、ヒイロくんは本物だよ?」
「信じられませんね、あなたみたいな愉快な顔をした人が。」
「なかなか言うじゃんか、そういうお前はどこの誰なんだよ。」
「1年A組、伊集院カイ。超天才シャドバプレイヤーです。」
男子生徒、伊集院カイはミモリの言葉を聞いても目の前にいるのがヒイロだと信じられていないようだ。少なくともヒイロに用事があるようではあるが...
「天才ってそれ自分で言うか?てか年下じゃん!」
「天才ではありません。超天才です、あなたのような有象無象には興味がありませんので下がって貰えませんか?」
「お、お前!俺はゾウじゃない!どっからどう見ても人間じゃんか!」
「おい、中学生2年生。超天才様相手とはいえ1年下が知ってる四字熟語をお前が知らなくてどうするよ。」
「ッ!あなたは!」
「?」
伊集院カイがおそらく俺を初めて認識したのだろう。さっきまでの俺らを見下していた態度から一変、俺に対してとてつもない憎悪を込めた視線を向けた。
「えっと?シレンくんは彼とは知り合いなの?」
「
「ッ!まさか僕を覚えていないのですか!」
side ヒイロ
「まさか僕を覚えていないのですか!」
さっきまで俺たちを見下してたカイの様子がおかしくなった。まるで因縁の敵を見つけたような怒りをシレンに向けていた。
北シレン
こいつは俺たち、いや、この学園で1番強いであろうシャドバプレイヤーだ。シレンは暇な時はだいたいシャドバスタジアムいるらしいからその時にあったのかもしれないけどシレンは覚えていないのだろう。シレンは人に対する興味が薄い、それ故に顔と名前が一致しないなんてことはよくあった。
カイの怒りの言葉を聞いた時、シレンは口を歪めニヤついた顔で答えた。
「いやぁ?君のような
「ッ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、カイのシレンに対する怒りははたから見ても頂点に達しそうだった。
シレンは基本は面倒くさがりながらも俺たちのサポートをしてくれたりする優しいやつなんだが、シレンにとって気に食わないやつが相手だったりする時の性格の悪さは尋常じゃない。多分、カイの生意気な態度が気に食わなかったのだろう。
「僕とバトルしてください!今ここであなたに僕とのバトルを思い出させてあげます!」
カイはスマホを取り出し、シレンにバトルを申し込んだ。
「いいよ、と言いたいところなんだけどさ。まずヒイロに勝てば戦ってやるよ。」
「え!俺!?」
「おう、だってこいつが最初に用があったのはヒイロだろ?だとしたらまずはお前からだろ。」
「ええ、僕は問題はありません。元々は竜ヶ崎ヒイロにバトルを申し込む予定でしたし。」
まあ、確かに元々は俺を探していたようだけどこの流れで俺とバトルするのはちょっと...
「では改めて竜ヶ崎ヒイロ、あなたにバトルを申し込みます。あなたがもし本物の竜ヶ崎ヒイロで、あの夜那月ルシアに勝ったなら」
「ルシア?」
「それを証明してください。」
ここでなぜルシアの名前が出てくるのか、それは分からない。でも
「あぁ!バトルしようぜ!」
バトルを受けることに変わりはない!
「まっっった!ヒイロ!ここは俺にやらせてくれ!ここまで言われたんじゃ、収まりがつかないじゃんね!」
「あなたと僕では勝負になりませんよ。」
「ぐぬぬぅ、年下のくせに生意気な奴!俺の実力を思い知らせてやるじゃんねぇ!」
「・・・いいでしょう。もうシュミレーションは完了しました。」
そう言って離れて行き
「宣言します、
カイは自分が勝利するターンを宣言した。
「な!そんなのバトルする前に分かる訳ないじゃんね!」
「分かりますよ、超天才ですから。」
そう言って、カイとカズキはバトルの体制に入った。
「なあシレン、お前はああいう宣言できるのか?お前も頭いいしシャドバ強いから。」
「いや?理論上勝てるターンだったり平均キルターンだったりは言えるけど俺それ宣言してそれより短く倒せたり思ったよりカード引けなくて長引いたりで宣言通りならないことの方が多いいからやらないよ。外したら恥ずかしいし。」
「なるほどなぁ。」
side out
で、カズキのバトルの結果だが
「ま、負けた...」
「ぴったり7ターンです。」
「ぴったり7ターンだった...ヨヨヨ」
「ボロ負けもいいところだったな。」
「カズキくん!大丈夫?」
後輩にボコボコにされ宣言通りにやられてしまいカズキがふにゃふにゃと床に倒れてしまいミモリがそれを心配し寄り添った。見てて清々しいぐらいには完敗だった。
「それでは竜ヶ崎ヒイロ、いいですね?」
「おう!それじゃあ「待った2人とも」」
「そろそろ休み時間終わりだから、ね?」
心に傷を負ったカズキの介抱はミモリ任せて俺は次にいこうとした2人を止める。さすがに休み時間超えてのシャドバは止めないとな。
「そうですね、そろそろ出なければ授業の5分前に着席できなくなりますね。」
「おい!俺とのバトルはどうするんだよ!」
「・・・放課後、駅前のシャドバスタジアムでお会いしましょう。超天才の戦略、お見せしますよ。そして、北シレン。あなたも来てください。竜ヶ崎ヒイロを倒した後にあなたにもバトルを申し込みます。」
「いいよ、受けてやるよ。」
そう言って教室の外に出ると
では失礼します!
との声と同時に綺麗な90度のお辞儀をみせ、ドアを閉めて行った。
「か、変わったヤツじゃんな...」
「そ、そうだね...」
「真面目で生意気なやつだな。」
「けど、シャドバが強いのは間違いねぇ!放課後が楽しみだぜ!」
放課後 シャドバスタジアムにて
「っへへ。いよいよだな、カイ!」
「フッ、敗北する覚悟は出来ていますか?」
「負けるつもりはないぜ!それに、俺はまだまだ強くならなくちゃいけないんだ!」
「・・・それでは宣言しましょう、竜ヶ崎ヒイロ。あなたは8ターンで敗北する!」
「おもしれぇ!やれるもんならやってみろ!」
「「バトル!シャドウバース!」」
「おぉ、やっと始まるなぁ。さて、どっちが勝つか。」
「ヒイロ!俺の仇を取ってくれ!」
「カズキくん、シレンくん。カイくんってどんなデッキ使うの?」
「俺、気づいたら負けてたからわかんなかったじゃんね。」
「あぁすまん、俺も覚えてない。カズキのバトル途中からバトルの見所なくてカズキの表情だけ見てたし、何より俺あいつとのバトル覚えてないんよ。ウィッチ使うことしかわからん。」
「でも、カイくんには戦ったんだよね?あんなに敵視してたからカイくん勝ったからだと思うんだけど。」
「さあ?俺あいつのデッキのカードあんま見た記憶ないんだよね、使われたカードの数なんてほんと数枚だった気がするし。」
「「え?」」
「そら、試合始まるから見て。」
「俺のターン、ドロー!俺はジュエルドラゴンをプレイ!そんでターン終了だ!」
「では僕のターンですね。僕はスペルカード、知恵の光をプレイ。このカードの能力により、デッキからカードを1枚引くことが出来ます。ターンエンドです。」
「知恵の光ってことはウィッチクラスか!お前はどういうカードを使うんだ!」
「ウィッチクラスについては多少なりとも知っているようですね、ではあなたは知ることになるでしょう。スペルブーストの恐ろしさを。」
「スペルブーストか!おもしれぇ!俺のターン!」
「ヒイロくん、なんだかとっても楽しそう。」
「だな。ん?どうしたシレン?」
「今伊集院の話聞いてた?スペルブーストだってよ。」
「スペルブースト?」
「お前あいつと戦ったし俺とも何回かウィッチでやったやろ...いい?」
スペルブーストとは基本的にスペルブーストを持つカードが自分の手札にある場合、自分が他のスペルをプレイするたびにスペルブーストが1回働く。働くと、手札のスペルブーストを持つカードのコストが下がったり、与えるダメージが上がったりするなどの強化が施される。
「基本的にウィッチは土の印を消費して効果を発動させる土の秘術を軸にした秘術ウィッチ。スペルブーストをして一気に爆発させるタイプのスペブ軸のウィッチがある。それで、あいつはスペルブーストの恐ろしさって言ってたから十中八九後者があいつのデッキタイプだ。」
「へえーすごいなシレン、そこまで読み取れるのかぁ。」
「実際は戦わないと分からないけどね、そんでスペブを軸にしたデッキタイプは主に2つ。1つは次元の超越でEXターンを得たあとワンキルを狙う超越ウィッチ、もう1つは次元の魔女ドロシーを早期着地させて処理できないような盤面を作るドロシーウィッチがある。特にドロシーがぶん回ったたらもう手に負えない。」
「よくそこまで知ってるねシレンくん。やっぱり色んなクラスを使ってるとそこまで分かるの?」
「まあ覚えられるよ、使ってなくても強いカードはだいたい頭に入ってる。たまに知らないのもいるけどね。」
イグニスドラゴンみたいな
「それに...おっと2人とも、今から試合が動きそうだぞ。」
「俺のターン、いくぜ!古の飛龍!俺はこれでターン終了だ。」
「ドロー...それではそろそろお見せしましょうか。」
「?」
「手札から知恵の光をプレイ、知恵の光の能力によりデッキからカードを1枚引く。そしてサモンスノーをプレイ!」
「サモンスノーだと!?」
「どうしたシレン!あのカードそんなにすごいカードなのか!?」
「えっ、いやあのカードは」
サモンスノーをプレイしたカイの場に1体の雪だるまが場に出てくる。
「このカードをプレイした時、まずはスノーマンを場に1体場に出すことが出来ます。」
「なぁんだ、それだけかよ。」
「それだけではありません。場に出せるスノーマンの数はスペルブーストされるたびに、つまり僕がスペルを使うたびに増えていきます。」
「何!?」
「僕が使用したスペルは合計で3枚。よって、スノーマンはさらに3体場に出る!」
「マジかよ!」
2ターン目で出ていたクレイゴーレム1体の横に4体の雪だるまが場に並び一気に場のフォロワーを上限まで増やした。
「スノーマンを進化させ、古の飛龍を攻撃!」
スノーマン(進化) 3/3→3/1
古の飛龍 2/3→2/0
「さらに、クレイゴーレムでリーダーを攻撃!」
ヒイロ 20/20→18/20
「ターンエンドです、どうですか?スペルブーストの力、味わっていただけましたか?」
「ああ!すっげぇワクワクしてきたぜ!」
「すっげぇなスペルブースト!カイの場にいっきに4体と場に出たじゃんね!」
「うん!すごいよカイくん!...?どうかしたのシレンくん?」
「ああ、いや」
なぜサモンスノーなんだ?当時で使われたデッキって俺冥府ぐらいしかしらんぞ。もしかして俺の知らないだけで超越かドロシーに入ってた?もしくは代理?マジでわからん...代理だとしてももっといいのあったやろ...
「俺のターン、リヴァイアサンをプレイ!こいつは覚醒状態じゃないから攻撃できない。でも次のターンなら!ターン終了。」
「馬鹿野郎ヒイロ、それは悪手だぞ。」
リヴァイアサンは4コスト6/5という破格のスタッツである代わりに覚醒状態になるまで動けないカード。盤面ロックをする訳でもないのであれば盤面を処理できる訳でもないのであればただの案山子、それに相手はウィッチクラス、破壊するスペルなんぞいくらでもある。
「なるほど、確かにリヴァイアサンは恐ろしいフォロワーです。しかし、スペルブーストの力には耐えられない!ウィンドブラストをプレイ!」
巨大な竜巻の前になすすべもなく打ちのめされるリヴァイアサン。風が止みヒイロは信じられないという顔をしていた。
「リヴァイアサンがたった1枚のスペルカードで!?」
「ウィンドブラストはスペルブーストする度にその威力を増します。」
「やるなぁ!」
「まだ終わりではありませんよ。全てのフォロワーでリーダーに総攻撃を仕掛けます!」
「なにぃ!」
3体のスノーマンとクレイゴーレムの体当たり、進化したスノーマンが吹雪がヒイロに襲いかかる。
「うわぁぁぁ!」
ヒイロ 18/20→10/20
「「ヒイロ!」くん!」
「ターンエンドです、この程度なんですか?」
ヒイロは膝に手を付き、肩で息をしている。今の8点が効いたのだろう。
「ッ!そんなわけねぇだろ!」
だがヒイロはカイの言葉を否定し、目を輝かせ立ち上がった。
「どんなピンチだって、乗り越えて見せる!はぁぁぁ!」
ヒイロを中心に衝撃波が放たれる。ヒイロのPPは7、つまり
「プレイポイント7、覚醒状態となったわけですか。」
「ああ、ドラゴンクラスはこっからが本番だ!いくぜ!龍の翼をプレイ!全てのフォロワーに1ダメージを与える!」
ヒイロの背中にドラゴンの翼が生えそのまわりに炎の衝撃波が放たれる。
スノーマン×3 1/1→1/0
クレイゴーレム 2/1→2/0
スノーマン(進化) 3/1→3/0
「グゥゥゥ!」
「さらに、手札から海剣竜をプレイ!このフォロワーは、覚醒時に疾走を持つ!」
「ッ!」
「そして進化だ!いっけぇ、海剣竜!」
「うわぁぁぁ!」
カイ 18/20→12/20
「これだから面白いよな、シャドバは!」
「認めましょう、確かにあなたは竜ヶ崎ヒイロのようだ。」
「それまだ疑ってたのかよ。」
「ですが、あの夜那月ルシアに勝てるとは思いません!魔力の蓄積をプレイ!」
「ヒイロあの場面で完全回答を引くか〜右手強いなぁ。しかも2コストという最低限のコストで全部消したからな。」
「やるじゃんヒイロ!」
「うん!カイくんに負けてないよ!」
「ま、相手はウィッチだ。このまま終わらせてくれるようなデッキでもなさそうだしな。あ、エミル*2と刃の魔術師*3出てきた。」
ということはドロシーウィッチの可能性が大きくなったか?でも魔力の蓄積があるってことは超越か?
カイは刃の魔術師を進化させヒイロを攻撃、残り体力は6。海剣竜も炎の握撃*4で破壊され再びヒイロの場はまっさらに。だいぶヒイロピンチな状況になった。
「どうです?もう降参した方がよいのではないですか?」
「へっ、まだまだ!やっと面白くなってきたところだぜ!」
「フンッ、諦めの悪さだけであの夜那月ルシアに勝てるはずがない。」
「ルシアルシアって、お前なんかあったのか?それにシレンに対してもすごい当たりしてたし。」
「・・・」
一呼吸、そして
「ありましたとも、彼らは僕を負かしたたった2人の人間なのですから...!」
「え?」
そして語られるカイのルシアに、そして
「へ?」
ここにいる自分は蚊帳の外だと思い込んでいたやつに対する執着を。
圧倒的力を持ったとして、ガキに死ぬほど舐められたら力を振りかざしたくなると思うんですよ。誰だってそうする、俺はそうする。
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10話
今回はカイとシレンの過去の話からです。
伊集院カイは天才であった、あらゆるテストで常にトップ。クイズ大会等の頭を使う大会では負け知らず、もちろんシャドバでも負けたことは無かったそうな。
夜那月ルシアに会うまでは。
「僕は負けました。悔しいと言うよりも、嫌になりました。それでも、諦める道を選べない。そう考え再びシャドバスタジアムでバトルしていた時に」
僕は北シレンに出会いました。
僕はシャドバをしにシャドバスタジアムに足を踏み入れた時、ある噂を聞きました。曰く、スタジアムでのバトルで無敗を誇るシャドバプレイヤーがいると。その人の名は北シレン。僕は夜那月ルシアに勝つため、彼にバトル申し込み自分の糧にしようとしていました。
『あなたが今噂になっている無敗のシャドバプレイヤーの北シレンですか?』
『何それ?北シレンは俺だよ。俺はそんな噂知らんし無敗でもないけどな。』
『なるほど、噂は所詮噂。このような人が無敗のはずもないか。』
『あ?何お前、初対面でよくもまあそんな失礼なことが言えるな。』
『いえ、失礼しました。噂では無敗なんて尾鰭がついているのでどんなプレイヤーかと思いましたが、このようなプレイヤーのはずもないと思っただけです。』
『お前なんなんだよ、てか名前は?』
『伊集院カイ、超天才シャドバプレイヤーです。』
『マジか、超天才って自分でつけて恥ずかしくないのかよ。』
『事実ですので、さてでは僕はそろそろ』
『待てよ、カイとやら。シャドバ、やろうぜ?』
『シャドバですか?』
『ああ、お前そんな噂で探してるってことは強いやつ探してんだろ?安心しろ、俺無敗ではないけど強いから。』
『そうですか、ではやりましょう。超天才の実力、お見せしましょう。』
『あのグラサンのガキといい最近のガキ共は躾がなっとらんな。ここは一度、心をへし折るために本気の一端をお見せしよう。』
『そうですか...では宣言しましょう。あなたは8ターン目で敗北する!』
『へえ、8ターン目が来ると思いで?足掻いて見せろよ。』
バトルが始まり、相手はウィッチクラスと分かり順調だったのは3ターン目まで。
5ターン目になった時彼の切り札が現れました。
『うっ、ああ』
『まったく、
『我こそ五行 『雑魚は消えろ』ってね』
負けたのはその次のターンですが、実際は5ターン目で勝負は決まってました。
あの時、僕は抵抗なんてしようとも起きませんでした。夜那月ルシアと同じぐらい、もしくはそれ以上の敗北です。
僕はそれからずっと続けていたシャドバをやめてしまいました。あの時の負けが脳にこびりついて苦しかったからです。やめた数日間はとても楽だった。あの時の苦しみを忘れられたから。でも僕はそれでも戻ってきました。
「僕にとって、あの日を思い出すことより楽しかったシャドウバースを忘れるほうが苦しかった。」
「なあシレン...」
「何?カズキ。」
「お前カイに対してどんなデッキ使ったんだよ...シャドバやめたくなるようなデッキって、どんなデッキじゃんね。」
「あぁ、まあ思い出したけどさぁ、あんなに綺麗に回ったのは久しぶりだったなー。」
あの時はそうとうイラついてお灸を据えてやろうと同じウィッチでクオンを軸に、さらにアンリミテッド*1で勝負したからな、相手にならんかった。
「ま、性格変わってないし意外と大したことないんじゃね?」
「そ、そういうものなのかな...」
「ああ、挫折は人を狂わせる。そして、それを乗り越えられ成長する人もいればそのまま何も出来ず終わる人もいる。そういうもんさ。」
「「・・・」」
「頼んだぜドラゴンウォーリア、進化だ!ドラゴンウォーリアは進化した時、相手のフォロワーに3ダメージを与える!」
ベビーウィッチ・エミル 2/2→2/0
「そして、鉄鱗の竜人をプレイ。鉄燐の竜人は自分の場に進化したフォロワーがいる時相手フォロワーに2ダメージを与える!」
クレイゴーレム 2/2→2/0
「そして燃やせ、ドラゴンウォーリア!」
刃の魔術師(進化) 4/4→4/0
ドラゴンウォーリア(進化) 4/5→4/1
「なあカイ。俺たち、同じだと思わないか?」
「僕とあなたが同じ、ですか?」
「ああ!シャドバが大好きで、夜那月ルシアに借りがあって、シレンとのバトルを望んでいる。だからさ、似てると思わないかって。」
「そうですね、僕たち案外似た者同士かもしれませんね。ですが!借りを返し、彼に再戦するのは僕の方です!見せてあげましょう、時の魔術を!いでよ、クロノウィッチ!」
出てきたのは大きな杖を持ち、白い髪、白い髭を生やしザ・魔法使いって感じの服を着た老人。恐らくはカイの切り札だ。
「なんだそのカードは!元のコストが13もある!」
「このカードはスペルブーストの数だけ自らのコストを下げることが出来るのですよ。」
「でもそれだけではありません。進化です、クロノウィッチ!さあ、時間を巻き戻れ!」
カイが進化権を切ったとき、クロノウィッチがみるみる若返っていく。そしてクロノウィッチの背後に時計が現れ針がどんどん巻き戻っていき時が戻ったように前のターンに破壊されたフォロワーが蘇生されていく。
「クロノウィッチが進化した時、直前の相手ターンに破壊されたニュートラル以外のフォロワー全てが場に出ます。」
「嘘だろ!?」
「全て計算通りですよ、いけ!クロノウィッチ!」
鉄鱗の竜人 2/3→2/0
クロノウィッチ 4/4→4/2
「さらに刃の魔術師でリーダーを攻撃!」
「ぐわぁぁぁ!」
ヒイロ 6/20→2/20
「そして最後にゲイザーをプレイ。これでターンエンドです。」
「ッ!やるなカイ!」
「そう簡単に諦められないのは僕も同じですからね。さあ竜ヶ崎ヒイロ、次が8ターン目。あなたは必ず敗北します!」
「負けねぇよ!勝つのは俺だ!」
「カイのやつ、俺に勝っただけあってやっぱりすっげぇつええじゃん!」
「ヒイロくん大丈夫かな...?」
「俺はヒイロを信じるじゃん!頑張れ!ヒイロ!」
「・・・」
カイの切り札のレジェンド...思ったより弱くね?
蘇生対象が進化状態を引き継ぎなのが面白いとこではあるけどデメリットが目立つな。
・進化権使わないとただのバニラ
・蘇生対象が前のターンのウィッチフォロワー
・素のコストが13のため序盤に引かないとほぼ機能しない
進化権さえあれば盤面展開が1枚で完結する点はいいけど相手ターンに破壊されないといけないから相手依存でもあるからこれは一長一短だな。
これドロシーで良くない?*2
まあ実際俺が使えるならドロシーのサブプランになるのかな。本当に使えない訳では無いし進化状態で蘇生されるからおもちゃにはなるでしょ。
まあこんだけクロノウィッチをバカにした訳だがヒイロは大ピンチ。残り体力2、ハンドも少ない。絶体絶命もいいところ。
「お前に勝てば俺はもっと強くなれる。そんな気がするぜ!俺のターン、ドロー!」
このピンチの状況での運命のドロー。普通なら負けを考え降参を選ぶ人も多いいだろう。だが残念、このゲームの
「吼えろ!イグニスドラゴン!」
1枚で簡単にひっくり返る
「イグニスドラゴンは手札が2枚以下なら進化する!さらに攻撃時攻撃力を5上げ、相手フォロワー全てに3ダメージを与える!」
「そんな!?」
「いっけぇぇぇ!」
クロノウィッチ 4/2→4/0
ベビーウィッチ・エミル 2/2→2/0
クレイゴーレム 2/2→2/0
ゲイザー 3/4→3/1→3/0
刃の魔術師(進化) 4/4→4/1
イグニスドラゴン(進化) 5/7→5/4
「まだまだ!手札から大嵐のドラゴンをプレイ。このフォロワーは覚醒状態の時疾走を持つ。大嵐のドラゴン、ドラゴンウォーリアと一緒に攻撃だ!」
刃の魔術師(進化) 4/1→4/0
大嵐のドラゴン 2/1→2/0
カイ 12/20→8/20
「俺は強くなりたいんだ、あいつを越えられるぐらい、そしてシレンに勝てるぐらいに!だから俺は負けない!」
「イッ、イグニスドラゴン!?そ、そんな馬鹿な!?この状況を打開できる確率は、ほとんどない!」
僕が、負ける?
その時、カイの中に流れたのは自身のトラウマ
『だって君、弱いし』
『超天才、ね。ま、その年じゃイキりたくもなるか。井の中の蛙もいいとこだったけど。』
ここで諦めたら、またあの時と同じ?
「いや、まだです!」
「ッ!」
「僕のターン、ドロー!」
カイの引いたカードは氷像の召喚、1ターンだけ5/5の守護フォロワーを場に出せる、いわばその場しのぎのカード。逆転の一手にはならない。しかし
「3度も負けてしまうほど、超天才は弱くない!燃やせ、フレイムウィッチ!続いて氷像の召喚プレイ!」
「フリーズゴーレムが場に出ます!フリーズゴーレムは次のターンに消えてしまいますが、このターンなら守護として僕の身を守ってくれます。」
「さらに、フレイムウィッチの能力が発動!自分がスペルカードを使う度相手のフォロワー全てに1ダメージを与える!」
ドラゴンウォーリア(進化) 4/1→4/0
イグニスドラゴン(進化) 5/4→5/3
「クッ!さすがだなカイ!」
「8ターン目はこれで終わりますが、僕はまだ諦めません!ターンエンド!」
「ああそうだな!シャドバは最後までわかんねぇ!」
「俺のターン、ドロー!だから俺も全力を出し尽くす!竜の咆哮をプレイ!相手フォロワー1体に自分のフォロワーの最大攻撃力分のダメージを与える!今俺の場にいるイグニスドラゴンの攻撃力は5!だから、フリーズゴーレムに5ダメージだ!」
イグニスドラゴンの咆哮と熱気によりフリーズゴーレムは溶けて砕けた。そして、カイを守るものはもうない
「そんな!」
「そして、イグニスドラゴンでリーダーを攻撃!イグニスドラゴンの効果でこいつの攻撃力は10になる!」
「あぁ...」
いつ見てもあいつの能力アホらしすぎる!
「これで俺の勝ちだァァァ!」
「ば、バカなァァァ!」
カイ 8/20→0/20
HIIRO WIN!
「ヒイロくんが勝った!」
「やったぜ!決まったじゃん!」
「ほー、あの場面でよくもまぁ。」
実際、ヒイロはイグニスドラゴンを引き盤面をひっくり返したが負け筋なんてカイよりも多かったはずだ。公開された情報の中でも刃の魔術師引かれるだけで負け、ルーンの貫き等の2ダメージ以上与えるスペルないしマジミサ*32枚でも負け。イグニス破壊されたらだいぶきついという負け筋のオンパレードだった。でも、勝者はヒイロだ。
「ぃよっしゃぁぁぁ!」
「やったなヒイロ、凄いハラハラしたじゃんよ!」
「私も!」
「なんなら俺負けたと思ったわ。」
「なんだよシレン!応援してくれよ!...?」
カイがこちらに歩いてきており、ヒイロが視線そちらに向ける。カイの顔を見てみれば、清々しい顔をしており
「完敗です、ヒイロさん。」
「ヒイロでいいって。強かったぜ、カイ。」
「! ありがとうございます。ヒイロさん。そしてシレンさん。」
「ん?」
「あの時はすみませんでした。僕はやはり、井の中の蛙だったようです。」
「ああいいよ別に。」
なんならカイのこと今日まで忘れてたし
「ヒイロさん、ピンチになった時のあの諦めない姿勢、感激致しました。あの姿勢、学ばせていただきます。」
「おお、なんか恥ずかしいな。」
「では、僕は失礼します。帰って今日のバトルの反省会をしなくてはなりません。」
「お、おお」
「反省会ってお前、ストイックだな。」
「当たり前です。超天才改め、天才ですから。ヒイロさん。」
「お?」
「次は負けませんよ。そしてシレンさん。」
「何?」
「僕がもっと強くなった時、あなたに再戦を申し込みます。そして、あなたを超えてみせます。」
「いいよ、待っててやる。」
「それにしても強かったなーカイのやつ。」
「そうだね〜、私すっごいドキドキしちゃったもん。」
「あの土壇場で右手光らせてイグニス引くんだからな、シャドバ上手い証拠だな。」
「右手光らせるってなんだよ。」
「概念。それよりもさ、ヒイロもそこそこ強くなったし出場してみない?」
「何に?」
「店舗大会だ。」
次話はヒイロとカズキの店舗大会です。主人公は出場させる予定ないです。無双して2人の成長の機会取っちゃうからね、しょうがないね。
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11話
まじで話数間違えてました。今回はミモリと謎の少女の話です。
1万字超えちゃった...まさかここまでになるとは思いませんでした。
「新メニュー新メニュー...チーズ!じゃあ、チーズはどうだ!間違えないだろう!」
「うーん分かるけどさ、ありきたりじゃんね。」
「まあなぁ。」
「まあなじゃないよ、どれだけゲテモノにするつもりよお前ら。さっきの激辛とかならまだしもチーズだってわりと変わり種の部類だろ、それを超えたらただのゲテモノ料理だって。」
「「確かに...」」
朝のHR前、カズキの実家である食堂で出される新メニューのラーメンを考えている...のだが唐揚げを入れるとこから始まりハンバーグを入れる、納豆を入れる、挙句の果てに燃えるという訳が分からない料理が出てくるのである。
「うーん...お、おはようミモリ。」
「よう!」
「うぃーす。」
「おはよう。あのね、今日私なんか違わないかな?」
そう言ってミモリくるっと回る。なにか髪型が変わった様子は見受けられないが、クローバーの髪飾りがつけられている。
「てかさ!ミモリならいいアイデアあるかも!」
「お!そうだな!カズキが母ちゃんにまるふじ食堂の新メニュー決めろって宿題出されてるんだって。」
「ミモリ、なんかいいアイデアない?」
「う、うーん...」
しかし残念ながら変わったところに気づいて欲しい気持ちに気づかないおバカ2人組。無視してミモリに新メニュー開拓についてのアドバイスを求めた。
「斬新で、美味しくて、パーッと派手なやつ!」
「特別メニュー!」
「特別、メニュー?」
「まあ、付き合ってやってくれ。2人とも進捗が今無いんだ。」
「うーん、えっと、じゃあ黒いラーメンとか!」
「黒い?」
「だ、ダメかな?」
「いや、いい!すげぇぇぇ!」
「天っ才!」
「そうかなぁ。」
どうやら黒いラーメンは2人の中でハマったようで目を輝かせながらミモリを褒め称える。
「あっで、あのね。今日私ね「イカスミ練り込んだ麺に、黒ゴマスープとか?」」
「黒い具って...」
「嘘だろお前ら...」
ミモリが変わった部分に気づいて欲しそうにしているが今2人は宿題のことしか頭に無く、ミモリの奮闘は虚しく終わる。
「まああの2人は熱中すると周りが見えないからさ、許してくれよ。」
「あ、ううん。別に大丈夫だよ。」
「そう?なんか申し訳ないな。あとその髪飾りはイメチェン?」
「あ、本当!これ新しく買ったものなんだ!」
「わぁ!可愛いなぁアリスちゃん。」
放課後、ミモリたちは基本シャドバスタジアムでシャドバをしているが今回はカズキの宿題でラーメン作りをするために3人とは別で帰ることになった。その帰り道、今日は人気アイドルの黒羽アリスの特集が街あたりに映っていた。
ミモリにとってアリスとは憧れの存在であった。可愛くて、キラキラしていて、特別な存在。
「私もアリスちゃんみたいになれたらなぁ、なんてね!ってうわぁ!ご、ごめんなさい!」
アリスのパネルから離れようとした時、歩いていた女の子に当たってしまう。茶色い帽子に丸いサングラスをかけたちょっと不思議な雰囲気を出している女の子だ。
「大丈夫だよおねーさん。でも気をつけなよ?歩く時はちゃんと周りを見ないとね?」
「あっはは...ごめんなさい。」
「うん、いいよ。それよりもさ、この子、好き?」
「え?う、うん!私は大好きだよ!」
「どうして?」
少女はミモリに黒羽アリスがなぜ好きなのかが気になるようだ。ミモリにとってはアリスが好かれていることは当たり前のこと。だから動揺しながらも答えた。
「どうしてって、可愛いし。」
「可愛いかなぁ?作ったみたいな笑顔だし。」
「ッ! アリスちゃんは可愛いよ!!!」
ミモリの反応は予想していなかったのか、少女は面食らったような反応をする。ミモリは自分が想像以上に熱くなっていることに気づき、慌てて謝罪する。
「ご、ごめんなさい。」
「いいよいいよ。でも、ほんとに好きなんだ?」
「う、うん!そうだね。」
「じゃあさ、会ってみたい?」
「…え?」
ミモリはこの少女が何を言ったのか一瞬理解できなかった。何故ならこの流れでその言葉を受け取ればこの子は黒羽アリスの知り合いということになる。
「私この子のことよーく知ってるんだよね〜。会いたい?」
「! うん!会いたい!」
「じゃあさ、会わせてあげるからちょーっとお願いがあるんだけど、いい?」
「う、うん。えっと、何をすればいいの?」
「それはねー、シャドバ!」
「私ちょうど暇してたからさ、シャドバする相手が欲しかったんだよね〜。」
ミモリはこの少女にホイホイ着いて行き黒羽アリスに会うため、シャドバをするためにシャドバスタジアムに来た。
「そうなんだ。でも、ここに来れば相手はいくらでもいるんじゃないかな?」
「うーん、そんなんだけどね。私ここで色んな人にシャドバ挑んでるから常連の人とは顔見知りなんだよね。」
「え、そうなの?」
「でも戦いすぎちゃって対戦してくれる人減っちゃったんだよね〜。今じゃ初対面以外戦ってくれる人いないんだよ。酷くない?」
「へ、へ〜。」
戦うのを拒否するぐらい挑んだというのかこの子はと思ったミモリであった。
「シャドバ好きなんだね。でもそんなにバトルするなんて、強くなりたいの?」
「…うん、私ね。1回も勝ててない人がいるんだ。」
「え?」
「その人はね、色んなデッキを使うの。だから色んな人とバトルすることでクラスの強み、弱点、デッキとカードの種類を覚えて「知らなかったから負けた」が無くなるようにしてるんだ。いつか必ず勝つために。」
「…」
さっきまではずっと楽しそうな顔をしていた子がその話をしてる間、ずっと真剣な顔をしていた。そこの子の目に映っていたのはただ勝ちたいという欲だけだった。ミモリはその目を見たときに怖いと思った同時に少し
羨ましいと思った。
「さてっと。なんかバトルする前に暗い雰囲気しちゃってごめんね?」
「う、ううん!でもすごいね、そこまで夢中になれることがあるなんてね。」
「そうかな〜。おねーさんはどうなの?」
「私?私は特にないかな?シャドバは好きだけど夢中って程じゃないかな。」
「ふーん、じゃあこのバトルで私が夢中になれるようにしてあげるよ。」
「え、えぇ!?」
「大丈夫!白熱するバトルはそれだけで夢中になれるもんなんだよ!それにね」
「私って強いからさ、強い人に勝てるかもってなったらすっごい熱くなれるよ。」
一方その頃。
「黒いラーメンを作るからっていくらなんでもチョコはダメだろお前ら!」
「でもさシレン!美味いものと美味いものが合わさったら美味いかもしれないじゃんか!」
「そうだぜシレン!まずはやってみなくちゃわかんねぇだろ!」
「ふざけんな!俺は絶対食わねえからな!」
シレンは試作ラーメンでチョコを入れようとする2人を止めようと必死であった。
「あ、そういえばあなたの名前は?」
「教えな〜い!それは私に勝ったらね。」
ミモリが少女の名前を知らないことに気づいて聞いてみたが、少女は自信満々に買ったら教えると言いはった。どうやら相当自信があるようだ。
「うん!わかった!じゃあ勝ってあなたの名前、聞かせてね!」
「わお!じゃあ始めよっか!」
「「バトル!シャドウバース!」」
「私から行くよ!ブレイブフェアリーをプレイ!これでターンエンドだよ。」
ミモリ 20/20 手札3 PP0/1
ブレイブフェアリー*1
「ブレイブフェアリーか〜。つまりおねーさんはエルフクラス使いだね。」
「うん、そうだよ。」
「へー、じゃあ私もいくよ。スカルビーストをプレイ。」
「うぅ...」
スカルビーストを見た瞬間顔を引き攣らせたミモリ。オバケのような怖いものが大の苦手なのか、スカルビーストのような比較的可愛らしいものもダメなようだ。
「ふふっ、ワンっワン!次のターンでおねーさんのフォロワーを食べちゃうぞ?ターンエンド!」
少女 20/20 手札4 PP0/1
スカルビースト
「ふふ、ネクロマンサークラスなんだ。私のターン、エルフの少女・リザをプレイ。リザの能力で私の場のフォロワーは次のターンまで効果によるダメージを受けないよ。」
リザの持つペンダントから光が溢れ自分の場のフォロワーが光に包まれる。このカードは初の攻撃以外のダメージカットさせるカード、素のスタッツも標準でありながら味方全体に付与できるため枠さえあれば入得レベルのカードであった。
「へぇ、ブレイブフェアリーといいリザといいおねーさん守るの好きなんだね。」
「そうでもないけど、性格かな。ブレイブフェアリーでリーダーを攻撃!」
少女 20/20→19/20
ミモリ 20/20 手札3 PP0/2
ブレイブフェアリー エルフの少女・リザ
「いったいな〜もう。それならこっちも!よろめく不死者をプレイ。それからわんわん!攻撃!」
ブレイブフェアリー 1/1→1/0
スカルビースト 1/2→1/1
「ふふっ、可愛い〜。」
「そ、そうかな?」
少女 19/20 手札4 PP0/2
スカルビースト よろめく不死者
「次は私のターンね!森荒らしへの報いで、ッはぁ!」
森荒らしへの報いをプレイすると同時に剣が現れミモリが剣を振りそこから斬撃が飛ぶ。そしてその斬撃はスカルビーストにあたり破壊される。
スカルビースト 1/1→1/0
「いやぁぁぁん!わんちゃん!」
「えっと、森荒らしの報いでフェアリーを手札に加えて、それをプレイ!それから...」
「…?どうしたのおねーさん。」
「ううん、ちょっと考えてただけだよ。リザで
少女 19/20→17/20
ミモリ 20/20 手札3 PP0/3
エルフの少女・リザ フェアリー
「あれ?よろめく不死者を攻撃しないの?」
「うん、大丈夫だよ、」
「ふーん、もしかしておねーさん、このカードのこと知ってるね?」
「あっはは、ちょっとネクロマンサークラスと戦う機会があったからね。」
「そっか、じゃあこのカードは知ってるかな?よろめく不死者でリーダーを攻撃。」
ミモリ 20/20→19/20
「そして、ソウルコンバージョンをプレイ!自分のフォロワーを1体破壊してデッキからカードを2枚引くよ。」
「そんな!それじゃあ」
「そう!よろめく不死者のラストワードが発動!ランダムな相手のフォロワーを1体を破壊するよ!」
よろめく不死者のラストワードに選ばれたのはリザだった、リザはよろめく不死者の怨嗟に呑まれるように消えていき破壊された。
「あ、そういえば言い忘れてた。スカルビーストのラストワードも発動。墓場を1増やすよ。」
「そんなぁ、やっぱりよろめく不死者を破壊しないのは失敗だったのかな?」
「そうだ!なんでよろめく不死者を攻撃しなかったの?」
少女は1つ気になっている部分があった。それはミモリがよろめく不死者を攻撃しなかったこと。彼女は少女から見ればまだ少ししか喋っていないが、相手のリーダーを積極的に攻撃するより丁寧に立ち回るような印象を持った。さらにはリザでリーダーを攻撃するか迷った節すらあった。
「えっと、よろめく不死者のラストワードの効果は知ってたんだけどよろめく不死者には守護を持たないフォロワーには攻撃できない能力があるから少しの間は無視してもいいって聞いたんだよね。そのカードだけじゃ自分の場のフォロワーは破壊できないからって。」
「…ふーん、その人シャドバ上手いね。」
「へ?」
「実際にそこまで考えてプレイする人、私数えられるぐらいしか見たことないからさ。」
「そうなんだね。確かに負けてるところ見たことないし、私その人にシャドバ教えてもらってからシャドバ上手くなってるから上手いのは間違いないと思うよ。」
でも練習でも勝たせてくれたことは無いけどとミモリは苦笑いしながら苦い記憶を思い出していた。
『はいダメ、不死者のラストワードで残った白狼破壊。これで勝ち筋ほぼないかな。』
『えぇ!あ〜やっちゃったぁ...』
『欲張ったね。森荒らしで不死者取ったあとフェアリーで打点をあげようとしたんでしょ?隣にフェアリーもいたからランダムではあったけどまずは森荒らし使ってから大狼を出すべきだった。』
『ネクロの特徴は豊富なラストワードと墓場を利用するネクロマンスだよ。どのデッキにも言えることだけどちゃんとフォロワーの効果は知っておかないと損するぜ?』
『うぅ、耳が痛い。』
『まぁミモリはまだ勤勉だし用心深いからまだマシな方だろ。さ、どうすんの?』
『! そうだ、まだバトルは終わってないよね。フェアリーをプレイしてターンエンドだよ。』
『はい、デスタイラントをプレイ。ネクロマンス20で攻撃力と体力を+10します。』
『+10!?それにネクロマンス20なんて』
『ちゃーんとためてんだよ。フォロワー、いっぱい破壊してくれたでしょ?これでトドメ!』
『いやぁぁぁ!』
ちょっとしたトラウマを思い出し少し泣きそうになったが堪え、再び少女とのバトルに集中する。
「さて、それじゃあ再開しよっかおねーさん。スパルトイサージェントをプレイ。スパルトイサージェントの能力で墓場がさらに1増えるよ。」
「また墓場が!」
「ふふん!まだまだ始まったばかり、どうなるかは最後までのお楽しみ。どちらが勝つか、楽しんでいこうね!」
「うぇぇぇ、気持ち悪。」
「チョコレートラーメンはさすがにやばかったな〜。」
「だからやめろって言ったのに...」
カズキの実家でラーメンの試食を終えたあと、3人はシャドバスタジアムに来ていた。黒いラーメンのアイデアを元にチョコラーメンという暴挙料理を作ったが、味はあまり美味しくなかったようだ。
「ヒイロさん!シレンさん!進藤カズキ。」
「ようカイ、お前も来てたのか。」
「おっす。」
「なんで俺だけ呼び捨てなんだよ!」
「それどころじゃありません!あれを見てください!」
カズキの抗議を無視しカイは慌てながらモニターを指さす。そこにはミモリと少女のバトルが映し出されていた。
「ミモリ?相手誰だ。」
「分かりません、初めて見るプレイヤーです。でもあの少女相当強いですよ。」
「へぇ、カイの目から見ても強いって思うか。そりゃあいつも強くなったもんだ。」
「知っているのかシレン?」
「もちろん、あいつとは結構バトルしてるし。勝ち越せはしないだろうけどルシア相手でも勝てるかもしれない実力者だ。」
「あのルシアに!?」
ヒイロは少女がルシアに勝てる可能性があることに驚いているようだ。あまり信じていないようだがシレンはそれだけの実力があると見込んでいる。
「これで8ターン目、天宮ミモリのターンですが状況はあまりよくありません。」
「そうか〜?そうでもなさそうだけど。」
「いや、だいぶ劣勢だね。盤面にボーンキマイラとシャドウリーパー、それにゾンビドックがいる。」
ボーンキマイラはラストワードでスケルトンを2体出すという能力を持ち、ゾンビドックは破壊されても手札に戻るためリソースが枯れない。そしていちばん厄介なのはシャドウリーパーというカードで、2コストという軽量コストでありながら自分のフォロワーが破壊される度+1/+1されるというカードだ。そう遠くない未来で盤面展開が容易になった時代で猛威を振るいナーフされるまでに至ったカードだ。
「放っておくとマズイフォロワーなのか。」
「だな、でもこの状況なら俺は潜伏状態のシャドウリーパーを除去できないのならフォロワーを全て無視するのが1番だと思っている。」
「ふむ、どうしてそうお考えになったのですか?シレンさん」
「幸いにして個々の攻撃力は高くないし、ここから体力15を削り切るのは厳しい。一気に盤面展開して全部破壊してシャドウリーパーを除去不可能なまでに攻撃力と体力をあげるなんて要求値が高すぎる。仮に自爆しても上がるのは1体につきいる予定だったスケルトン1体分だ。1ターンだけを見れば凌げるはず。」
「なるほどなぁ。時には無視をするってことも大事なのか。」
「でもピンチなのは変わりないじゃんね!?」
「へへっ、まあ大丈夫だろ。ミモリならさ。」
「さておねーさん、ここからどうするのかな?まさかもう終わりじゃないよね?」
「うん!まだ諦めないよ、だってアリスちゃんに会いたいもん!フェアリーウィスパラーをプレイ!能力でフェアリーを2枚手札に加えるよ。そして射抜いて!エルフトラッカー!」
「エルフトラッカーの能力でランダムなフォロワーに1ダメージ。これを2回行うよ!」
エルフトラッカーが放った弓矢はゾンビドックとシャドウリーパーを居抜き破壊した。シャドウリーパーは潜伏持ちなため、破壊するならこういった対象を取らない効果で破壊するしかない。
ゾンビドック 2/1→2/0
シャドウリーパー 1/1→1/0
「へ〜やるね!ゾンビドックのラストワードでゾンビドックを手札に加えるよ。」
「ワンダーエルフメイジでリーダーを攻撃!」
「あいたっ!」
少女 16/20→14/20
ミモリ 15/20 手札5 PP0/8 EP1/2
ワンダーエルフメイジ フェアリーウィスパラー エルフトラッカー
「ふぅ、これでターンエンド。」
「くふっ、いいねいいね!盛り上がってきたね!腐の嵐をプレイ!相手のフォロワー全てに1ダメージ、ネクロマンス6で1ダメージではなく3ダメージを与
えるよ!」
「腐の嵐...!」
ワンダーエルフメイジ 2/1→2/0
フェアリーウィスパラー 1/1→1/0
エルフトラッカー 4/5→4/2
「まだまだ!ボーンキマイラでリーダーを攻撃!」
ミモリ 15/20→14/20
「それからネクロアサシンをプレイ!自分のフォロワー1体と相手のフォロワーをランダムに1体破壊するよ!」
「そんな!?」
ボーンキマイラの魂と引き換えにエルフトラッカーを破壊するネクロアサシン。そして破壊されたはずのボーンキマイラの骨から新たにスケルトンが生み出される。
「ボーンキマイラのラストワードでスケルトン2体を場に出すよ。これでターンエンドだよ。」
少女 14/20 手札4 PP1/8 EP1/3 墓場8
ネクロアサシン スケルトン スケルトン
(強いなぁ、これだけ強いのになんでルシアくんみたいに有名じゃないんだろ?)
内心で少女の強さに苦笑いするしかないミモリ。ただまだ諦める様子は微塵もない。
「だけど、負けたくない!ドロー!」
ここで引いたのはミモリのお気に入りのカード。強力なカードではあるが力を発揮するにはまだカードが足りない。故にミモリは次のターンのためのカードを切った。
「フェアリーブリンガーをプレイ。フェアリーブリンガーの能力で手札にあるコスト1のフェアリーを1枚ランダムにコストを0にする!それからエルフプリンセスメイジをプレイ!」
「そのカードは!」
「エルフプリンセスメイジを進化、能力でコスト0のフェアリーを2枚手札に加えるよ!エルフプリンセスメイジでネクロアサシンを攻撃!」
ネクロアサシン 3/3→3/0
エルフプリンセスメイジ 4/5→4/2
「そして翅の輝きをプレイ。このターン中にプレイしたカードが2枚以上ならデッキからカードを2枚引くよ。そしてフラワーフォックス*2をプレイ。これでターンエンドだよ。」
ミモリ 14/20 手札6 PP0/9 EP0/2
フェアリーブリンガー エルフプリンセスメイジ フラワーフォックス
「さっすがー。エルフクラスお得意のコンボだったね。」
「うん、ありがとう。でもまだまだこれからでしょ?」
「さすがおねーさん、よくわかってんじゃん。わたしのターン、ドロー!」
涼しい顔をしているが実はこの少女めちゃくちゃ焦っていた。次のターンは10PP。前ターンでエルフプリンセスメイジが見えているこの状況、少女はある男とのバトル中のアドバイスを思い出していた。
『エルフクラスは単体でのパワーが強いカードってのは他クラスと比べても少なくてさ、基本コンボ前提なんだよね。でもコンボが決まると意味のわからない即死打点が出たりするから相手の手札に何があるかって予想しながらやらないと痛い目を見るんだ。特にエルフプリンセスメイジが見えたらマジで気をつけた方がいい。そのカードどんなコンボにも組み込めるし俺はそいつが見えたらもういつでも死を覚悟するね。』
『へぇ、そんな感じなんだね。ところでさ』
『うん?』
『目の前にいるフォロワーは?』
『効果ダメージカットに破壊耐性付きのクソデカフォロワーだね。』
『そんなさらって言われても意味わからないんだけど!?おにーちゃんが言った通りのコンボ要素見当たらなかったんだけど!?』
『デッキのカードをほとんどニュートラルにして手札にニュートラルを抱え込むというコンボが必要だったんだ。いやー苦労したよ。』
『そんな棒読みで苦労したように聞こえるわけないよね?なんでそんなお手軽に強いフォロワー出せるのさ!?』
『恋ではなく、これは愛だからだよ。』
『理由になってなぁぁぁい!』
あの時使われたカードのインパクトにいつも意識を持っていかれがちだがあの時のアドバイスはちゃんと意味がある。次のターン私が相手を倒すか凌げるカードがなければ確実に負ける。なぜなら相手は0コストのフェアリーが3枚、つまるところ0PPで3回カードをプレイできるのだ。そうなった場合あのフォロワーがいれば負けなのだ。しかし今この状況でトドメをさせるカードが1枚もない。ならやることは1つ。
「私は双翼の警護者とスパルトイサージェントをプレイ!」
どうにか凌ぎきってみせるしかない!
「そして消えぬ怨恨をプレイ、ネクロマンス2で相手のフォロワーに6ダメージ!」
エルフプリンセスメイジ 4/2→4/0
「さらにスケルトン1体でフラワーフォックスを攻撃!」
フラワーフォックス 1/1→1/0
スケルトン 1/1→1/0
「双翼の警護者を進化させてフェアリーブリンガーを攻撃!」
双翼の警護者 5/4→5/3
フェアリーブリンガー 1/2→1/0
「最後にスケルトン1体でリーダーを攻撃してターンエンドだよ。」
ミモリ 14/20→13/20
少女 15/20 手札1 PP1/9 EP0/3 墓場7
スケルトン 双翼の警護者 スパルトイサージェント
「やばいじゃんね!ミモリピンチじゃん!」
「そうですね、この状況を打開するにはまず守護を突破しなければなりません。」
「ああ。それに仮にお互いのリソースを潰しあったあと、泥沼になった時に強いのはネクロ側だ。」
「え?どうしてだシレン。」
「ネクロ側にはゾンビドックっていう無限リソース札がいることは確認済みだ。てことは、フォロワーがいないってことはネクロ側にはないんだ。必ず作れる打点っていうのはとてつもない強みだ。」
「おいおい、大丈夫なのかよミモリは!」
「天宮ミモリの手札にフェアリーが半分を占めています。普通なら1/1のフォロワーは頼りにはなりませんが、エルフクラスならあるいは。」
「守護が2体も、それに双翼の警護者は確か」
「そう、ラストワードにネクロマンス4でランダムのフォロワーに2ダメージを与えるよ。スパルトイサージェントは体力が4もあるから破壊されにくいし、ラストワードで墓場の数を増やしてくれるからこのターン凌げれば次の一手に繋がる。私はまだ諦めないよ、おねーさん。」
「すごい、そんなことまで考えてるんだね。」
「ふふん!そうでしょ?でもおねーさんはどうするの?手札のうち4枚がフェアリーな訳だからそのカードたちだけでは突破はできない。ドロー含めて他3枚で逆転できるかなぁ?」
「…そうだね、この手札じゃ逆転は難しいかな。」
「へぇ、じゃ諦めるのかな?」
「ううん、最後までバトルする!だってあなたの名前、知りたくなっちゃったから!」
「!」
この状況を打破するカードはミモリにはない。相手にゾンビドックがいる以上手札が枯れたあとの戦いで勝ち目は無い。全てはこのドローに懸かっている!
「私のターン、ドロー!...このカードは!」
「どうしたのおねーさん?逆転のカードは引けたかな?」
「…うん、引けたよ。あとひとつ、壁を越えればあなたを倒せる!」
「わぁお、じゃあ見せてよおねーさん!あなたのキリフダを!」
「うん!行くよ、私はフェアリーを4枚場に出す!」
「フェアリーを4体も場に...?」
少女は困惑した。小出しでフェアリーを出すならまだわかるしかし、一気に出してしまっては場を圧迫してしまう。そうなってはトドメをさすのは難しいはずなのだ。
ただしそれは、あくまで少女が知ってるカードプールでの話だ
「ブリリアントフェアリーをプレイ!」
妖精と森の加護を、お願い!ブリリアントフェアリー!
泉のなかからフェアリーが成長した美しい姿をしハープを持ったフォロワーが現れる。
「ブリリアントフェアリーの能力で他のフォロワー1体に攻撃力と体力を1上げる。」
「ッ!」
ブリリアントフェアリーの持つハープの音でフェアリーが強化される。そして少女は今までの戦いで得た経験*3、それで感じ取ったもの。それは
(絶対疾走持つやつだよこれ)
フェアリー 1/1→2/2
「そして、このターン中にカードを2枚以上プレイしていたなら自分の全てのフェアリーの攻撃力が1上がる!さらに、カードを4枚以上プレイしたなら全てのフェアリーの攻撃力を1上げて、疾走を与える!」
「やっぱり!でもどうするの?それじゃあ守護を突破しても私を倒せない!」
そう、今この盤面では少女の体力は削りきれない。どうにかして守護を突破しなければならない上に仮に突破しても双翼の警護者のラストワードがフェアリーに飛んでしまえば打点がさらに減る。
「そうだね、だから私は賭けに出るよ!」
「ッ!」
「攻撃力が4のフェアリーでスパルトイサージェントを攻撃!」
スパルトイサージェント 1/4→1/0
フェアリー 4/2→4/1
「そして...行って!フェアリーで双翼の警護者を攻撃!」
双翼の警護者 5/3→5/0
フェアリー 3/1→3/0
「双翼の警護者のラストワード、相手のフォロワーにランダムに2ダメージ!」
このダメージによってはミモリに勝ち筋はなくなる、そして運命は
フェアリー 4/1→4/0
ミモリに味方した。
「ッ!よし!私はフェアリーでリーダーを攻撃!」
少女 14/20→11/20
「そして自然の導きをプレイ!自分の場フォロワー1体手札に戻してデッキからカードを1枚引く!」
「まさかそのドローに全てを!?」
「ううん!もう必要なカードは揃ってるよ!今戻したフェアリーをプレイ!そして、リノセウスをプレイ!」
「…そっか」
場に現れたのは小さ頼りなさそうなゴキブリ虫。しかし別の世界では長年プレイヤーに嫌われ続けた化け物なのだ。
「リノセウスの能力が発動!このカードはこのターンに自分がプレイした数だけ攻撃力が上がるよ!このターン中プレイしたカードの数は7枚、リノセウスの攻撃力は8になるよ!」
「リノセウスは疾走を持っているよ!行って!私のフェアリー!リノセウス!」
「あーあ」
あの人以外に負ける予定はなかったんだけどな
MIMORI WIN!
「はぁ、はぁ...私、勝った?」
うぉぉぉ!
凄かったぞ2人とも!
最高だったよ!
「へあぁ!えぇっと」
ミモリはバトル中気づいていなかったが、観客は2人のバトルに釘付けになっておりかなりの観戦者がいた。2人の白熱したバトルに観戦者も2人を称える声が飛び交っていた。
そんなことも露知らず慌てるミモリ、しかしよく見るとその観戦者の中には見覚えのある人達がいた。
「ミモリ〜!」
「凄かったじゃん!」
「いいプレイングだったぞ〜!」
「わぁ!ヒイロくん!カズキくん!シレンくん!あ、カイくんまで!」
「あ〜あ、負けちゃった。おねーさん強いね。」
「ううん!あなたこそ強かった。もう負けちゃうかもって何回も思った!」
「ふふ、そうだね。今日は楽しかったな〜。じゃあ私そろそろ行くね。」
「あ、あの!約束」
「おおっと、そうだった。じゃあまず私の名前から。おねーさん耳貸して?」
「うん」
「私の名前はね」
黒羽アリス、だよ?
「ふぇ!」
その名前を聞いた瞬間ミモリの背がピンとした。自分が聞き間違えいなければこの少女は、そして今まで自分が戦ってた相手は
「みんなにはナ、イ、シ、ョ ね?」
サングラスを下ろした姿、それは紛れまない黒羽アリスだった。
「う、嘘ぉ!?」
「もう1個の約束はもういいよね?」
「うん!うん!」
「それじゃあバイバーイ!あ、あとおねーさんの髪飾り私好き!すっごい似合ってるよ!」
そう言って少女...黒羽アリスはシャドバスタジアムから出ていった。
「すんげえバトルだったなミモリ!」
「もうダメだと思ったじゃんよ!」
「あのプレイヤー誰だったんでしょうね。」
ヒイロ一同がミモリを見つけたようでミモリに声をかけた。
「…また会えるかな」
「そういやミモリ、お前いつからリノセウス入れたんだ?俺とやった時は入ってなかっただろ。」
「シレンくんとやった時に貰ったアドバイスを参考にしたんだ。」
「え?そんなこと言ったっけ?」
「ええ!?したよ!覚えてないの!?ほら!あの時!」
『ブリリアントフェアリー...ね。初めて見るカードだわ。』
『ええ!?シレンくんも見たことないの?』
『
『実はそのカードを使ったデッキを作りたいんだけどだいたいどんなデッキかは決まったんだけどまだ何枚か入れるカードで悩んでて。』
『なるほど。じゃあまずエルフプリンセスメイジとリノセウス入ってる?』
『ううん、どっちも入ってないよ。』
『マジ?だとしたらエルフプリンセスメイジはマストで入れた方がいいわ。持ってないならどうにかして手に入れて。予めどうにか7点削ってれば後攻6ターンキルも夢じゃない。遅くとも8ターン目には倒せるでしょ。』
『へぇ〜。でもリノセウスはなんで?私あのカード使える自信ないよ。あと見た目も...』
この世界でのリノセウスの扱いは強いけど難しすぎるカードだ。リノセウスはエルフらしいコンボで勝つカード。それ故に求められる計算が多くこっちでは敬遠されがちなカードなのだ。
『まあこれはただのアドバイスだからまあ入れなくてもいいよ。ただこのカードさえあればさっき言ったどうにかして与える7点を簡単に与えられる。それに』
リノ算できたらそれはもう立派なシャドバプレイヤーさ
「わり、覚えてない。」
「ええ!?覚えてないの!?」
「いやだって多分あんまり考えずに言ったと思うし。」
「酷いよ!?」
「あ、そうだ!味噌ラーメン試作品1号!完成したんだ!」
「ミモリとカイも食ってみてくれよ!」
「進藤カズキが作った料理...美味しいんでしょうか?」
「まあまあ、俺も手伝ったしよ。」
「ヒイロさんが手伝ってくださったなら大丈夫ですね!」
「お前...」
「行こ行こ!私ちょうどお腹空いてたんだ!」
「これがなかなか美味いんだよ。」
「ミモリもいいアイデア出してくれたじゃん!」
「そうかな〜。」
「そういやミモリ。髪に着けてるやつ、新しいやつ?似合ってるな!」
「え?本当!えへへ!」
「悪い先行っててくんね、すぐ追いつく。」
「お?わかった。先行ってるぜシレン。」
「おう!また後でなシレン!」
「ああ...で?いつまで隠れて着いてきてるのさ。」
そう言うと、物陰から1人。
「あれ?バレてた?いっけなーい。」
「よく言うぜ...で?なんの用?」
「…おにーさんはさ、あの試合のどこがダメだったと思う?」
「いや、お前の手札を知らないから一概には言えないが、割と最適解に近かったと思うぞ。結果論に近いが進化権はスパルトイサージェントに切るべきだったかもしれんがな。」
そう、アリスがシレンに近づいたのは反省会をするため。いつもは1人でするが今回はシレンとは違う人とやったため。それを見ていたシレンにも意見を聞いていた。
「そっか〜。でもちょっとショックだな〜。最近シレンおにーちゃん以外に負けてなかったし。」
「マジ?だとしたらめっちゃ強くなってるじゃん。やるなぁ。」
「そう?じゃあおにーさんを超えるまであとちょっとかな?」
「ハッハッハ、面白い冗談だ。」
「んもぉ!冗談じゃないよ!必ず勝っちゃうんだから!」
「まあ待っといてやるよ。」
シレンに褒められた事がちょっと照れくさくて、でもそれ以上に嬉しかった。そしてまだまだ強くあろうと決めるのであった。
いかがだったでしょうか?
アリスが割とキャラ崩壊起こしている気がしますがご容赦ください。
ミモリはカズキもそうですがシレンっていう爆弾がいるなら自然と強くなると思うんですよね。なのでデッキ強化にみんな使うと思ってたけど結局出なかったリノセウスくん入れてもらいました。いちばんびっくりなのは確認した限りではエルフプリンセスメイジすら入ってなさそうなことなんですよね。
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12話
普通に仕事が忙しかったです。あとオバブとアーマードコア。
シャドバも財宝ロイヤル復権でホクホクですがその前に機械ネメシスと進化ネメシスでグラマス取ってたのもあってモチベがありません。来シーズン頑張ります。早くシャドバFでバルバロス使いたい...
「行っけー!ナイトー!」
昼休み
生徒が各々昼食を取っている教室、そこではヒイロとカズキがシャドバをしていた。ナイトの攻撃で体力はカズキが有利となり盤面もカズキのフォロワーが3体、ヒイロのフォロワーが2体と
「俺はこれでターン終了。どうじゃんヒイロ?」
「ッヘヘ!やるなカズキ!」
有利になったと思っているカズキは上機嫌でヒイロに話しかける。だがその有利な状況は
「それならこっちのターンだ!ファイアーリザード!」
たった1枚で呆気なく覆る。
ファイアーリザード能力で勇猛たる騎士の体力が1になりサンドストームドラゴンに撃破される。
「まだまだいくぜカズキ!ここで進化「進化の前に席に着け〜」やべぇ!」
進化を切るタイミングで授業が始まりシャドバは中止となってしまう。ピンチだったカズキにとってはほっとするタイミングだったであろう。
「カズキ!あとで続きやろうぜ。」
「おう!俺まだ負けてないし。逆転のカードはなかったけどなぁ。」
「ないのかよ!?」
ほっとするどころかまだまだあの状況から勝つ予定だったカズキ。カッコつけた声で情けないことを言っている。
「アッハハ...だったらもう少し控えめに攻めた方が良かったかも。」
「うげ、確かに...」
「まあ、勢いでプレイしちゃうことあるよな。」
ミモリはさっきのバトルを見て思ったことをカズキにアドバイスをし、それは図星だったようでカズキは苦虫を噛み潰したような顔をした。ヒイロは擁護をするがカズキは考えこんでしまったようで顔を俯かせた。
「……」
シレンはカズキの様子は気づいているがバトル中からずっと批判も擁護もせず、何も言わず黙っていた。
「なあシレン。ちょっといいか?」
「うん?なんだカズキ。」
放課後、スタジアムに向かう途中シレンは後ろからカズキに話しかけられる。今日はヒイロとミモリは用事があるようでいない。カズキの顔はいつものような活発さはなくどこか真剣味を帯びている。
そして意を決したのかカズキはシレンに対して頭を下げてこう言った。
「俺に、シャドバを教えてくれ!」
後日
「よーし!今日もスタジアム行くぜ!」
「フフッここのところ毎日だよね。」
「強くなりてぇからな。ミモリはどうすんだ?」
「私は後で行くね。シレンくん達はどうするの?ここ最近2人ともスタジアム行ってないみたいだけど。」
そう、実はシレンとカズキは最近スタジアムに行っていない。最初こそ毎日行っていた2人が来ないことに動揺していたヒイロとミモリだったが今では慣れていった。
「いや、今日は行くよ。」
「おお!シレンは来るのか!カズキはどうするんだ?」
「…もち、行きたいじゃんね。けどちょこっとだけ家の手伝いがあるんだよ。」
「え?マジで言ってんの?タイミング最悪じゃん。」
「? 何か今日じゃないといけない理由でもあったのか?」
「まあ、ちょっとな。」
そう言ってため息を吐くカズキにヒイロ達は疑問ではあったがあまり深入りしようとはしなかった。
「結局、なんでカズキは今日にこだわってたんだ?」
「ん?ああ、そういや結局理由は言ってなかったっけ?まあそれはな」
『本日、駅前シャドバスタジアムでは店舗大会を開催いたします!』
「こういうこと。」
「おお〜!なるほどな!」
シャドバスタジアムでは今日開催される店舗大会の広告が辺り一面に映し出されており、ヒイロがそれに気づくのと同時にカズキがなぜ今日来たがっていたか納得したようだ。
「お目当ての賞品がこの中にあるらしくてさ、どうしても参加したいって言ってたんだよ。」
「優勝商品があるのか!?本気の奴らと全力バトルができてそれで勝ったら賞品もあるのか!」
優勝者の商品にはカードパック10パックと黒羽アリスグッズ、店舗大会限定のスリーブ&エンブレムがあり、この中にカズキの欲しかった賞品があったようだ。
「そんじゃ、大会の受付に行きますか。どうせ参加するんでしょ?」
「もちろんだ!強いやつとバトルできるんだ!やるしかないだろ!」
『大会に参加される方で受付の済んでいない方はいらっしゃいませんか〜!』
今回の大会のルールは予選は色分けがされておりその色のグループ内でバトルが行われる。グループの内上位数名が決勝トーナメント進出でき、グループ内であれば誰とでもバトルが可能ということだ。ヒイロは赤、シレンは緑だ。
『それでは受付を終了しま「ちょっちょっと待つじゃぁぁぁん!」?』
受付の人が受付を終了すると宣言する直前にそれに待ったをかける声が上がった。声の主は店の手伝いで参加出来ないと思われたカズキだった。
「さっ参加させてください!」
そう言って肩で息をしながら両手を合わせお願いするカズキ。今日のための気合いの入れ具合を知ってる人間からすれば参加を認めてあげて欲しいが...
『ふふっギリギリセーフね。』
「あ、ありがとうございます。」
「カーズキ!良かったな間に合って!」
「ヒイロ!お前も大会出るのか?」
「ああ!初めての大会だからな!ワクワクが止まらねぇよ!」
「だな!」
カズキに肩を組みながら大会に参加できたことを喜ぶヒイロ。ヒイロが大会に参加することに驚きはするカズキ。だが心浮き立つのを抑え直ぐに目の前の
「けどヒイロ、今日は絶対俺が勝つじゃんね。」
「カズキ?」
「弟達が欲しがってる賞品があるじゃんね。だから絶対優勝する!」
「賞品?」
「あれじゃん!」
そう言って賞品の欄を指さす。そこには今回の大会の賞品の映像が並んでおりこの中にお目当ての商品があるようだ。
(そっか、カズキも欲しいよな10パック。だったら)
「今日はライバルだなカズキ!」
「おう!今日のためにいっぱい練習しできたんだ、負けないじゃん!」
「2人で盛り上がるのもいいけど、俺の事忘れないでよね。」
2人が火花を散らしている間に割り込む男が1人。そう、ここまでほぼ空気だったシレンだ。
「シレン!お前も参加するのか!?」
「おう、カズキが参加できないと思ってな。ま、お前が参加した以上俺が参加する理由は無くなったがエントリーしたからにはやるさ。どっかのタイミングでマッチしたらそんときはまあよろしく頼むわ。」
そう言って離れていくシレン。その後ろ姿を見ながらカズキは引き攣った笑顔が止まらなかった。
「カズキは青か。それじゃあバトルするのは決勝トーナメントか。負けんなよカズキ!」
「ああ!」
そうして始まった予選トーナメント、ヒイロもカズキも順当に勝ち上がって行った。
その頃シレンは
「一旦展開された力比べモルディカイを破る方法などない!ふははははは!消えろ消えろぉぉぉ!」
めちゃくちゃシャドバを楽しんでいた。
そうして決勝トーナメント決勝戦。その舞台に立ったのはヒイロとカズキだった。
「ヒイロさん、また強くなってますね。進藤カズキは...まあそこそこ頑張ってますが。」
「わぁ〜すごいね!2人とも決勝行くなんて!カイくんは負けちゃったの?」
「違います、データ収集のためあ・え・て参加しなかったんです。」
観戦席ではデータ収集(と言い張ってはいる)のために参加しなかったカイと普通に観戦するつもりだったミモリがいた。
「うんうん、大丈夫大丈夫。次の大会は頑張って勝とうね。」
「そうだぞ〜。データ収集もいいけど結局やらんと勝てるもんも勝てないからねぇ。」
「負けてませんから!というかシレンさんはなんでここにいるんですか!」
「負けちった★」
「えぇ!?シレンくん負けちゃったの!?」
「普通に負けたね。」
そして予選トーナメント決勝で負けたシレンもそこにいた。彼はと言うと
『ふはははは!無限(有限)の力比べパワーを手に入れたモルディカイは無敵だァァァ!!』
『くっ僕のターン!ッ!』
『フォロワーはこのモルディカイ一体あればいい!』
『僕はスペルカード、エクスキューションをプレイ!相手のフォロワーかアミュレットを1枚破壊します!』
『は?まっ待ってくれ』
『これで力比べを破壊します!さあトドメです。フォロワーで一斉攻撃!』
『ふざけるなぁぁぁ!』
シレン 9/20→0/20
調子に乗った挙句普通にカウンタースペル使われて負けた。
『さぁ!皆さんお待ちかねの決勝戦で〜す!』
歓声があがりバトル前から盛り上がる観客達。フィールドに立つヒイロもカズキも燃えておりすぐにでも始めたいとワクワクしているようだ。
「ようやく会えたなヒイロ。」
「ああ、待ってたぜカズキ。」
「にいちゃーん!がんばるじゃん!」
「まけるなじゃーん!」
「ぜったいゆうしょうじゃーん!」
観客にはカズキの兄弟がカズキの応援のために駆けつけていた。兄弟のため戦うカズキにとってこの応援は何よりのパワーとなる。
「おう、任せろ!ヒイロ、今回はぜったい負けられないじゃん!」
「ああ、わかってる!俺だってそうだ!」
「「バトル!シャドウバース!!」」
「俺のターン、こいつで速攻やるじゃん!クイックブレーダー!クイックブレーダーは疾走を持ってるからすぐに攻撃できるじゃん!行っけー!」
ヒイロ 20/20→19/20
「ッ!いきなりだなカズキ!」
「へへっ何せ賞品がかかってるからな、マジのマジじゃん!ターン終了。」
カズキ 20/20 手札3 PP0/1
クイックブレーダー
「俺も負けらんねぇ!ドロー!俺はジュエルドラゴンをプレイ!ターン終了だ。」
ヒイロ 19/20 手札4 PP0/1
ジュエルドラゴン
「よっしゃ、ドンドン行くじゃん。オースレスナイトをプレイ!オースレスナイトの効果発動!ナイト1体を場に出す!クイックブレーダーでリーダーを攻撃!」
「うわぁ!」
ヒイロ 19/20→18/20
「ターン終了じゃん。」
カズキ 20/20 手札3 PP0/2
クイックブレーダー オースレスナイト ナイト
「なら俺のターン、ムシュフシュをプレイ!さらにジュエルドラゴンでクイックブレーダーを攻撃!」
クイックブレーダー 1/1→1/0
ジュエルドラゴン 1/1→1/0
「これでターン終了!」
ヒイロ 18/20 手札4 PP0/2
ムシュフシュ
「俺のターン、ブリッツランサーをプレイ!ブリッツランサーは突進を持つからすぐにフォロワーを攻撃できるじゃん!」
「なんだって!?」
「ブリッツランサー、ムシュフシュを攻撃しろ!」
ブリッツランサー 3/2→3/0
ムシュフシュ 2/2→2/0
「そしてさらにナイトとオースレスナイトでリーダーを攻撃じゃん!」
「ヴッ!」
ヒイロ 18/20→16/20
「これでターン終了じゃん。」
カズキ 20/20 手札3 PP0/3
オースレスナイト ナイト
「くっそ、やるなカズキ。ツインヘッドドラゴンをプレイ!これでターン終了。」
ヒイロ 16/20 手札4 PP0/3
ツインヘッドドラゴン
「ガンガン攻めるじゃん!指揮を頼む、パレスフェンサー!」
「ッ!」
「パレスフェンサーは指揮官フォロワーだ。自分の兵士フォロワーの攻撃力を1上げるじゃん。ナイトの攻撃力を1上げる!」
ナイト 1/1→2/1
「兵士と指揮官?」
「それだけじゃない。戦場を駆け抜けろ、アサルトナイト!」
「な、なんだ!?」
アサルトナイトが出るのと同時にアサルトナイトにバフのエフェクトが掛かる。ヒイロはそのエフェクトに気づき身構えるがカズキは止まらず続ける。
「アサルトナイトは自分の場に指揮官フォロワーがある時突進を持つ。」
「そいつも突進を持つのか!?」
「そのとおり!ナイトとアサルトナイトでツインヘッドドラゴンを攻撃!」
ツインヘッドドラゴン 1/4→1/0
ナイト 2/1→2/0
アサルトナイト 2/2→2/1
「それからオースレスナイトでリーダーを攻撃!」
ヒイロ 16/20→15/20
カズキ 20/20 手札2 PP0/4
オースレスナイト パレスフェンサー アサルトナイト
「くっそ、やるなカズキ。」
「前の俺ならツインヘッドドラゴンを攻撃してなかったかもしれなかったじゃんね。」
「へへ、特訓したんだなカズキは。」
「おう!次のことを考えて行動する。それをずっと叩き込まれたからな...」
そう言ったカズキの目は死んでいてどこか遠い所を見ているようだった。ヒイロは首を傾げながらもバトルを続けた。
「すごいねカズキくん!ヒイロくんを追い詰めてるよ!」
「そうですね。進藤カズキがここまでヒイロさんを追い詰めるとは...シレンさんはこうなることは予測できましたか?」
観客席では白熱した盤面の取り合いで盛り上がっており歓声が鳴り止まない。ミモリとカイはカズキがヒイロを追い詰めていることに驚愕しておりカイは分析しながらシレンに助言を求めようとしていた。
「ああ、まあ予測通りっちゃ予測通りだけど上手く行き過ぎだな。」
「本当ですか?前の進藤カズキならフォロワーを攻撃せずリーダーを攻撃していたと思うのですが。」
「そりゃね。ただこの数日間ずっとボコボコにされてきたんだから負け方が分かったんだろ。」
「負け方ですか?」
「ああ。負け続けたら嫌でもそうならないよう対応しようとはするだろ?あいつにとってはそれが盤面を取ることだっただけ。デッキによってはどうしようもない時があるけどね。」
「なるほど...というか随分と進藤カズキの成長について詳しいですね。もしかして進藤カズキの特訓に付き合っていたのですか?」
「その通り。なんだったらデッキについての助言もした。」
「なるほど...進藤カズキがここまで戦えてるのはシレンさんの手伝いがあったからなんですね。羨ましい...」
『じゃあこれからとりあえずはバトルだ。今のデッキでどれだけ戦えるか認識させたあと嫌という程負けさせるから、負けたくなかったら負けないプレイングとデッキ構築する時何入れるか考えろ。』
『おう!でも、別に負けると決まった訳じゃないじゃんね!もしかしたらシレンに勝っちゃうかも!』
『確かにそれもそうだな。じゃあ始めようか。』
『フルパワー承認!超燃焼ミサイルセット!これでトドメ!』
『どひゃァァァ!』
その日だけで10回はカズキをボコボコにした。盤面をあまり取ろうとしないからリーサル取り放題である。
『まあ今日はこの辺にしとくか。ローラもありがとな〜。』
『ぐふぅぅぅ。1回も勝てなかったじゃんね...』
ローラにお礼を言い小さく手を振るとノヴァに乗ったローラが笑顔で大きくブンブンと音が鳴るような勢いで手を振って消えていった。カズキの盤面を焼け野原にしたとは思えない可愛さであった。
『まあ最初は見てもられないぐらいだったけど、最後はちゃんとバイロン*1出たら早急に破壊しようとするのは良かったよ。まあ途中で先2バイロンして意地悪してやったけど。』
『あんなことされたら勝てないじゃん!』
『まあこれでわかったろ。取らないといけないフォロワーとそうじゃないフォロワーを見極めて、戦うんだよ。そうすればいつかこのデッキにも勝てるさ。』
「そう、あいつはこの日のためにひたすら努力したんだ。例え今ノリに乗ってるヒイロ相手でも勝てるさ。」
「さあ!ヒイロのターンじゃんね!」
「おう!(この状況から逆転するには...)あのカードしかない!ドロー!」
ヒイロにはこの状況を打開するカードが無いためこのドローにかかっている。そうして引いたカードは
「こいつで反撃だ、ドラゴンウォーリア!」
「げぇ!そのフォロワーって確か進化すると」
「あぁ、相手のフォロワー1体に3ダメージを与える!」
「やっぱり!」
ヒイロは逆転札のドラゴンウォーリアを引くことに成功。このカード1枚で2枚除去できるためカズキ的には出されたら嫌なカードの1枚だ。
「進化しろドラゴンウォーリア!そしてそのまま攻撃だ!」
パレスフェンサー 2/1→2/0
アサルトナイト 2/1→2/0
ドラゴンウォーリア 4/5→4/3
ドラゴンウォーリアの火球と鋭利な爪によりパレスフェンサーとアサルトナイトが破壊される。これでカズキの残るフォロワーはオースレスナイトのみとなった。
「一気にやられちゃったじゃんね!?」
「うし!これでターン終了だ。」
「このまま押し切れると思ったのに!流石はヒイロ...」
「ありがとなカズキ!」
「ありゃ、流石に対応されるか。」
「惜しかったねカズキくん。」
「えぇ、もしかしたらこのまま進藤カズキが押し切る可能性も少ないながらありましたから。」
「そもそも竜の翼1枚でひっくり返ったからまだマシな方かな。」
「確かにそれもそうですね。ロイヤルクラスはフォロワーの数が重要ですからね。」
ロイヤルは兵士と指揮官のシナジーで戦うのが一般的なデッキタイプだ。単品では活躍しない兵士でも指揮官によって厄介になる可能性がある。故に他のデッキより場のフォロワーの重要度が高くなっている。
「とは言ってもやはり残りフォロワー1体だけ、しかも攻撃力と体力が1のフォロワー1体だけならこの先有利になるのはドラゴンクラスを使うヒイロさんではないでしょうか?ドラゴンクラスは高コストのフォロワーが魅力のデッキですから。時間が経てば経つほどドラゴンクラスは強くなりますよ。」
「まあそうなるかもしれんな。進化ポイントのある状態なら盤面の取り合いになる以上6ターンまでは拮抗する可能性がある。そうなったら有利になるのはヒイロだ。」
自分の場に他の機械・フォロワーが出るたび、それを+0/+1する。
進化時 プロダクトマシーン1体を出す。
話全部書こうとしたら1万字超えたので一旦切りました。
すぐに出せるよう頑張ります。
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13話
しかし2ターン後、この予想は外れ
カズキ 17/20 手札3 PP0/6 EP1/2
ナイト ナイト
ヒイロ 13/20 手札2 PP0/6 EP0/3
サンドストームドラゴン
戦局はカズキ有利で進んでいた。カズキが組んだデッキは盤面を広げ手数で勝負するデッキ。ヒイロデッキにはその盤面を処理するカードの数が少なく対応が追いついていないのだ。しかし、まだまだカズキの展開は止まらない。
「頼んだ!フローラルフェンサー!進化、フローラルフェンサー!フローラルフェンサーの進化時能力でスティールナイトとナイトを場に出す!」
「マジかよ!?」
「フローラルフェンサーでサンドストームドラゴンを攻撃!ナイト2体でリーダーを攻撃!」
サンドストームドラゴン 1/4→1/0
フローラルフェンサー 4/5→4/4
ヒイロ 13/20→11/20
カズキ 17/20 手札3 PP3/7 EP0/2
ナイト ナイト フローラルフェンサー スティールナイト ナイト
「これでターン終了。さあヒイロ!どんどん行くじゃんよ!」
処理しきれていないナイトにじわじわ削られているヒイロ。手札も少ないためできる動きにも限界があり圧倒的に不利だ。だかしかし、ヒイロにはこの状況を完璧に打破するカードがあるのだ。手札が少ない時に有利に働き、なおかつ相手の場のフォロワーを殲滅できるカードが。
「あぁ、勝負はここからだ!吼えろ、イグニスドラゴン!」
「っあぁ!」
「いっけぇぇぇ!」
ナイト 1/1→1/0
ナイト 1/1→1/0
フローラルフェンサー 4/4→4/0
スティールナイト 2/2→2/0
ナイト 1/1→1/0
イグニスドラゴン 5/7→5/3
イグニスドラゴンにより放たれた炎は兵士たち全てを焼き尽くしたがフローラルフェンサーが一矢報いて攻撃をし、イグニスドラゴンの体力を減らすことに成功した。
「やっぱり出たじゃんそのカード!」
「あぁ、こいつが来るって信じてた!」
ヒイロ 11/20 手札2 PP0/7 EP0/3
イグニスドラゴン
「やるじゃんヒイロ。でも、諦めの悪さなら負けてないじゃん!ドロー!」
イグニスドラゴンは攻撃10、3点AoEと残しておけば負けは確実なカード。今の手札で逆転できるカードはない。ならばこのカズキのデスティニードロー。引くしかない。
引いたカードは
自分の背丈程の大剣を担ぎ、マントを翻しながらヒイロの前に立ふさがる歴戦の兵士。カズキのキリフダ。
「こいつは!?」
「俺の切り札、ビクトリーブレイダー。さぁ、その力を見せてやるじゃんねぇ!」
カズキの言葉に応じるように大剣を構えるビクトリーブレイダー。その瞬間ビクトリーブレイダーの周辺に落雷が発生しビクトリーブレイダーとカズキを囲むように展開される。
「な、なんだ!?」
「ビクトリーブレイダーは他のフォロワーやリーダーへのダメージを3減らすことができるじゃん。さらに次のヒイロのターンが終わるまでビクトリーブレイダーへのダメージも3減らすことができるじゃん!」
「マジかよ!?」
カズキがこの戦いのために手に入れたカード、ビクトリーブレイダー。5/8という高スタッツでありながら他へのダメージカット、さらに1ターンのみとはいえ自身もダメージカットできるというイグニスドラゴンのアンチカードになるカードだ。
「すげぇなカズキ。」
「まあな。でも、ヒイロのおかげじゃん。」
「え?」
「ヒイロとバトルしてると楽しいし強くなっていくヒイロを見ていると俺も強くなりたいって思えた。」
「カズキ...」
「さぁ!俺はターン終了じゃん!来るなら来いヒイロ!」
カズキ 17/20 手札3 PP0/8 EP0/2
ビクトリーブレイダー
リーダー付与 ビクトリーブレイダー
「あぁ、俺のターンだ!ドロー!」
ここで引いたカードはファイアーリザード、相手のフォロワー1体に1ダメージを与える2コストフォロワーだ。このターン中ダメージを3減らしているビクトリーブレイダーがいる以上はただの2コスト2/1のバニラになってしまうため、逆転の一手にならないカードだ。手札のカードでビクトリーブレイダーを除去するカードもないため、盤面を展開して次のターンに託すことにした。
「俺は2体のフォロワーをプレイ!ルフ鳥、クイーンサーペント!クイーンサーペントの覚醒時能力を発動!オルカ*11体を場に出す!イグニスドラゴンでリーダーを攻撃、これで10ダメージだ!」
イグニスドラゴンのブレスがカズキを襲う。しかしヒイロは忘れていた。ビクトリーブレイダーがどこまで影響を与えるかを。
カズキ 17/20→10/20
「なに!?」
「ビクトリーブレイダーの能力によって、ダメージを3減らすじゃん!そしてイグニスドラゴンの相手のフォロワーに3ダメージを与える効果もビクトリーブレイダーの能力で効かないじゃんね!」
「しまったそうだった!そのカード強ぇな...」
「すごい!ヒイロくんもカズキくんもどっちも負けてないよ!」
「ビクトリーブレイダー...手強いですね。」
「やっぱりあのカードイグニスドラゴンがイカレすぎてるからちょっと評価落ちてる気がするけど十分ぶっ壊れだろ...」
盤面の取り合いにミモリは素直な賞賛を、カイはビクトリーブレイダーの能力を冷静に分析していた。シレンはあのカードと戦った身、カードのレベルが今より高いカードを使ってたが故に今の人間よりは簡単に除去できたが、それでもできなかった時の詰ませる性能はこの時代ではありえない品物だ。
「正直な話をするとさ、俺カズキはもうちょい楽にヒイロ倒してると思ってたよ。」
「え、進藤カズキがですか!?」
「あぁ、ビクトリーブレイダーがある程度イグニスドラゴンのアンチカードになってくれるからそれでそのまま押し切れないかなって。でも思ったよ。あのカード、ガチでイカれてるって。」
シレンは特別イグニスドラゴンに対する評価は決して低くはなかった。効果は何を取っても強いが、有利になる訳でもないがすぐに除去さえしてしまえばいいものだと。
だかシレンは見誤った。この時代のカードプールとイグニスドラゴンの価値を。シレンの予見は外れ、カズキは追い詰められていた。このターン中にイグニスドラゴンを破壊することは可能だがそれでもビクトリーブレイダーの破壊は免れない。つまりこのターンの動きによっては呆気なくカズキは負けてしまうのだ。
ヒイロ 11/20 手札1 PP0/8 EP0/3
イグニスドラゴン ルフ鳥 クイーンサーペント オルカ
「ヒイロのターンが終わったから、ビクトリーブレイダー自身へのダメージを3減らす能力は無くなるじゃんね。俺のターン...」
カズキは未熟ながらもわかっていた。このドローによって未来が決まることを。今の手札でイグニスドラゴンに干渉できるカードは無いため、この状況ではビクトリーブレイダーでイグニスドラゴンを破壊するしかない。しかしそうなってしまえばビクトリーブレイダーは体力が減り取られやすくなってしまう。ビクトリーブレイダーを失えばその後はジリ貧。このままでは負けは必然だった。カズキは覚悟を決め、デッキからカードを引く。
「ドロー!...このカードは!」
そのカードはシレンのアドバイスで入れたカード。そしてこの状況を打破するカードでもあった。
「っへへ、ありがとなシレン。スペルカード、死の舞踏をプレイ!相手のフォロワーを1体破壊して、相手のリーダーに2ダメージを与える!」
「なんだって!?」
「イグニスドラゴンを破壊、ヒイロに2ダメージだ!」
ヒイロ 11/20→9/20
「イグニスドラゴンが破壊されるなんて...」
イグニスドラゴンが呪いにかかり破壊される。そしてその残りがヒイロにも襲いかかる。いつも支えてくれたキリフダが破壊されることはヒイロにとって初めての体験であり、少なからず精神的にもダメージを与えた。しかしまだ終わらない。
「レヴィオンヴァンガード・ジェノをプレイ!こいつは突進だからすぐに攻撃できるじゃん!クイーンサーペントを攻撃、ジェノへのダメージは3少なくなるじゃん!」
クイーンサーペント 4/4→4/0
レヴィオンヴァンガード・ジェノ 4/3→4/2
「最後にビクトリーブレイダーでリーダーを攻撃!」
「ッグァァァァァ!」
ヒイロ 9/20→4/20
カズキ 10/20 手札2 PP0/9 EP0/2
ビクトリーブレイダー レヴィオンヴァンガード・ジェノ
「ターン終了、これが俺の全力だ!」
「すげぇ、すげぇよカズキ!俺今すっげぇ楽しい!」
「あぁ、俺も今すっげぇ楽しい!」
観客席では盛り上がりが収まらない中、ミモリとカイは驚いていた。2人にとってはイグニスドラゴンとはヒイロの絶対的エース。それが破壊されるとは思ってもいなかった。しかもそれが、あのカズキとは。
「まさかあの進藤カズキがイグニスドラゴンを破壊するとは...」
「カズキくん、すごい成長しているよ!あんなに強いカズキくん見たことないよ!」
「それにしても死の舞踏、強力なカードではありますが使う人があまりいないカードです。まさか進藤カズキが入れてるとは思いもしませんでした。」
「あぁ、あいつも入れるの渋ってたしな。」
「ということはつまり入れたのはシレンさんでしたか。」
「イグニスドラゴンは速急で破壊しないといけないカードだ。そんじょそこらのフォロワーじゃAoEで焼かれるのがオチ。てことは単品で破壊できるカードを積まなきゃいけなかった。」
「結局、入れたんだな。死の舞踏。」
そう言ったシレンの顔は少しだけ微笑んでいるように見えた。
『死の舞踏?』
『それお前は何枚持ってる?』
『えっと...2枚あるじゃん。』
『よし、それじゃあまずそのカード入れれるだけ入れろ。あと出来ればこいつもあれば。』
『お、おう。なんで入れるじゃん?』
『お前のデッキ作るにあたって考えないといけないことは1つ、ヒイロ対策だ。』
『ヒイロ対策?』
『あぁ、まずイグニスドラゴン。あのカードは残したらダメなタイプのカードだ。火力は高い、盤面は常に焼け野原。間違えなく残したらやばい類のカードだ。ビクトリーブレイダーである程度は蓋できるとはいえそれでも引けなかった時が地獄だ。だからそれ以外のカードで対策する。それが確定破壊カードを入れることだ。別の人とやる時も切り札焼くのに重宝するしね。』
『う〜ん、分かるんだけどな〜。なんかそれ専用のカード入れてを勝つのってな〜。』
『?...あーなるほど、メタって勝つのってまあなんとなく申し訳なくなるよな。』
『そうそう!それなんだよ!俺はもっとこう、自分の力で乗り越えたいっていうかなんというか〜』
『まあ分かるわ、でもそれを込で言わせてもらうけどさ。お前、それを言えるぐらいの立場にいるの?』
『ッ!』
シレンがほんの少しだけだかカズキに対して明確にキレた。今までもキレたことはあれど本気でキレているところは見た事がなかった。
『現時点でまずお前よりヒイロほうが強い、それは結果に出てる。そして多分このままいけばお前はヒイロに負け続ける。そんなお前がただ自分の動きだけで勝とうとするのは無謀だよ。勝ちたいんだろ?』
『お、おう』
『だったらまずその恥を捨てろ。そしてプレイングを磨いてやっとお前はその対策を捨てて勝て。まあでも結局そのカードを入れるかどうかはお前次第になるがな。入れたくなきゃ入れなくていい。』
シレンにそう言われて俺は目が覚めた。勝つためにシレンに頭を下げて教えて貰っているのになんでプライドで少しでも勝てる確率を減らそうとしていたのか。そして死の舞踏を入れ始めて対戦してわかったこのカードのありがたみ。ヒイロやシレン以外とも戦って相手の切り札が出てきた時、どうしてもフォロワーだけで取れないようなカードもある。そういう時に今まで何枚も使って倒したのが1枚だけで倒せるようになるのだ。なるほど、これは確かに入れるべきだと。
「さぁヒイロ、そろそろクライマックスじゃん!」
「ああ!お前が本気を出したなら、俺だって本気でお前を倒すぜ!ドロー!」
そうして引いたカードはワイルドハント、ダメージを受けているフォロワーを1体破壊するカードだ。
(オルカでビクトリーブレイダーを攻撃してワイルドハントを使えば破壊できるけど、そうしたらルフ鳥でレヴィオンヴァンガード・ジェノを破壊しないといけないから逆転の可能性が無くなっちまう。考えろ、考えるんだ!)
今この盤面だけ打開してもその先で勝つ未来が見えない。その焦りがヒイロの視界を狭め勝ち筋を取りこぼしていく。だが、ヒイロはそこで活路を見出す。
(いや待て、あるじゃないか!手札がもう1枚、確かカードは...)
「! これだ!ファイアーリザードをプレイ!ファイアーリザードの能力でビクトリーブレイダーに1ダメージ!」
「へへっそのくらいのダメージ、どうってことないじゃん!」
「あぁ、それだけじゃそいつは倒せない。けど、これとのコンボなら!ワイルドハント!ダメージを受けてるフォロワー1体を破壊する。うぉぉぉ!」
嵐の中空からハンマーが降りヒイロの手に渡る。そしてそれをビクトリーブレイダーに向け振り下ろす。その衝撃波でビクトリーブレイダーが破壊された。
「ゲゲッ!」
「これでダメージを3減らす能力はなくなったな!オルカでレヴィオンヴァンガード・ジェノを攻撃、ルフ鳥でリーダーを攻撃だ!」
レヴィオンヴァンガード・ジェノ 4/2→4/0
オルカ 2/2→2/0
カズキ 10/20→6/20
「これでターン終了、どうだカズキ!これが俺の全力だ!」
ヒイロ 4/20 手札0 PP5/9 EP0/3
ルフ鳥 ファイアーリザード
「やるじゃんヒイロ。まさかビクトリーブレイダーがイグニスドラゴン以外で破壊されるとは思わなかったじゃん。」
「へへ、まだまだバトルはこれからだからな。」
「いいやヒイロ、俺はここで決めるじゃん。」
「え?」
「今、俺はヒイロのフォロワーを倒すカードは無い。もちろんヒイロにトドメを刺すカードも手札には無い。つまり、このドローで決まるってことじゃん。」
「なるほどな、じゃあこの戦いがどうなるかはそのドローで決まるってことだな。」
「あぁ、それに弟達が見てるんだ。」
そう言ってカズキが見た先には
「にいちゃぁぁぁん!」
「ぜったいかつじゃぁぁぁん!」
「ぜったいぜったいゆうしょうするじゃぁぁぁん!」
そう言って応援する弟と妹の姿が見えた。
カズキは今回弟達が優勝賞品を欲しがっているから参加し今ヒイロと戦っている。1人のプレイヤーとして、そして1人の兄として、カズキは負けられないのだ。
「だから絶対に勝つ!ドロー!」
一瞬の静寂。そして引いたカードを確認したカズキは
勝利を確信した。
「さぁヒイロ、いくじゃんよ!ファングスレイヤーをプレイ!このカードは突進を持ち、相手のフォロワーを攻撃した時このフォロワーの攻撃力分を相手リーダーに与える!」
「なに!?でもそのフォロワーは攻撃力3、1足りてないぜ!」
「あぁ、だから攻撃力を1プラスするじゃん!スペルカード、師の教え!こいつは自分か相手のフォロワー1体を、ターン終了まで+1/+0してカードを1枚引く!ファングスレイヤーの攻撃力を1あげるじゃん!」
「それじゃあ!」
「あぁ、こいつでトドメじゃん!ファングスレイヤーでルフ鳥を攻撃。能力でヒイロに4ダメージだ!いっけぇぇぇ!」
ヒイロ 4/20→0/20
KAZUKI WIN!
『決まりましたァァァ!勝者 カズキ選手!』
そして湧き上がる歓声。この戦いのプレイヤー両者を讃えるように賞賛が上がった。
「にいちゃんがかったじゃん!」
「やったじゃん!」
「ゆうしょうしたじゃん!」
「あいつやりやがった!マジでよう勝ったわ!ッハハ!」
「すごいよ、本当にカズキくんが勝った!」
「あの進藤カズキがヒイロさんを倒すなんて...」
「まあな!いやはや、本当にすげぇや!」
カイはカズキが勝ったことを信じられないものを見るような目で見ているがそれも無理は無い。カイが勝った時のカズキはお世辞にもヒイロに勝てる実力はなかった。それが短期間でここまで成長したのだ。信じられないのも無理は無い。
「くっそー!負けちまった!強かったなカズキ!」
「ヒイロこそ!本当にギリギリのバトルだったじゃん!またやろうぜヒイロ!」
「ああ!今度は勝つぜカズキ!」
そうして握手を交わす2人。そしてまたそれを讃えるよう万雷の拍手が上がった。
『それでは表彰式と賞品の授与式が行ないたいと思いまーす。』
「賞品?」
「そっか、そうだったよな。」
「俺忘れてた!」
「ハハッ俺も!」
バトルに夢中になりすぎて賞品のことを忘れるシャドババカ2人なのだった。
「そういやカズキはさ、何が欲しかったんだ?」
「ああ、言ってなかったじゃんね。俺は」
『それでは2位の方には国民的人気アイドル、黒羽アリスちゃんのグッズセットで〜す。1位にはカードパック10パックになります!後ほど転送致しますね〜。』
「あぁ、俺ファンじゃないからちょっと困るな...」
「えぇ!?それ優勝賞品じゃなかったのか!?」
「か、カズキ?まさか...」
「そう、そっちが欲しかったじゃんよ...」
「あ〜なるほどな。じゃあ俺ファンじゃないからこれ、お前にやるよ。」
「いや!それじゃあヒイロの賞品が無くなるじゃんね!だから後で店員さんに優勝賞品をヒイロに送って貰うようお願いしてくるじゃん!」
「えぇ!?いやいいよ別に!」
「いや!これはちゃんとしたケジメじゃんね!いくらヒイロとはいえタダで貰うことは出来ないじゃんね!」
「そ、そうか。まあでもありがとなカズキ!」
結局、店員さんも話を分かってくれて交換して貰えたとさ。めでたしめでたし。
「なあシレン。カズキはさ、今日勝つためにすげぇ特訓してたんだよな。」
「ん、そうだな。」
「そして俺は負けた。そんで今日、すっげぇ楽しかったんだ。それで...すげぇ悔しかった。これじゃまたルシアに負けちまう。だからもっとバトルしてバトルしてどんどん強くならなくちゃな!」
「…あぁ、頑張れよヒイロ。」
いかがだったでしょうか。ぶっちゃけヒイロ負かすならここしかないとまで思いましたし原作も始めはカズキが勝つと思ってました。負けたら成長ってわけでもないですけど1回ちゃんとした負けを味わってもらおうかなと思いました。
次回は久しぶりの主人公バトル回です。そして皆が望んだであろうあのデッキの登場です。お楽しみに。
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14話
「シャドバの全国大会?すっげぇ!そんなのやるのかよ!」
「マジかよ知らなかったのか?」
「みんな今その話で盛り上がってるよ。」
放課後
今日も授業が終わり帰る支度をしていたヒイロだが、今日はいつもより騒がしく何があったかをカズキに聞いてみると近々シャドバの全国大会があるそうだ。
「それで、その全国大会いつやるんだ?」
「何時って、明日じゃん。」
「なるほど明日か......明日ぁ!?」
「明日」「明日」「明日」
「明日...いや!明日だろうが明後日だろうがやるからには出るしかねぇ!出るからには優勝しかねぇ!」
「おおヒイロ出るのか!すげぇじゃん!」
「私たちの分まで頑張ってね!」
「おお頑張れ〜」
「おう!お前たちの分まで...って3人とも出ないのか?」
そうヒイロが問うと顔を曇らせる2人。この大会では店舗大会とは違い参加条件があるのだ。
「出たいんだけど...ほらここ。」
そう言ってミモリは大会ホームページを開きそこに記されてる参加資格はこう書かれていた。
「マスターランク?」
「私はAランクに上がったばかりで」
「俺はBランクだから出たくても出られないじゃんね。」
「お世辞抜きでも2人とも実力はマスターと戦える実力にはなってきたけど時間足りてなかったな。今回は仕方ない。」
「そっか〜、みんなとバトルできないのか...でも心配すんな!お前らの分まで燃えて、勝って、絶対優勝だぜ!ウォォォォォォ!」
「…で、ランクってなんだ?」
「嘘だろお前...」
「知らなかったのかよ!?」
「だって誰も教えてくれなかったじゃねぇか。」
「ちょっとくらい自分で調べなバカタレが。」
「あのねヒイロくん、ランクってのはね」
ヒイロがまさかのランクシステムを知らないことにずっこけるカズキとミモリ。呆れるシレン。そしてミモリがランクの説明に入る。
「まずシャドバを初めたら最初にDってランクを貰えるの。そこからバトルで勝った方にポイントが貰えてランクごとに決められたポイントを集めた場合ランクが1つ上がるの。ランクには下からDランク、C、B、A、AAがあってその1番上がマスターランク、つまり全国大会に参加出来るランクなの。」
「Dとマスター以外は1つのランクに3段階もある。C1、C2、C3見たいにな。そんで自分より強いランクに勝てば勝つほど多くポイントが貰えるようになって、逆に自分より下だと全然ポイントが貰えないって感じだ。」
ミモリもカズキもデッキの強さも個人の知識も上がってきているため実力的にはマスターランクと戦えるが、それはあくまで1戦だけの話。ランクをした時に必要な強さは勝ち続ける安定性のある強さだ。上のランクと当たる時もあれば下のランクと当たる時もある。特に今の環境は使用率の高いデッキとあたることもあれば意味不明のデッキとあたることもある。そういった環境の中で爆発力のあるデッキよりも安定して戦えるデッキの方がランクは上がりやすいのだ。
ミモリが使用しているのはブリリアントフェアリーを使ったコンボデッキでフィニッシュには何枚ものカードの準備が必要になる。そしてプレイ難易度も高いためプレミを誘発しやすく勝ち試合を負け試合にすることも多々ある。しかし爆発力は凄まじく、この環境では1ターンで削るダメージはトップクラス。さらにワンショットも不可能では無いデッキになっており初見殺し性能も相まって下にも負けることもよくあるが上に勝つこともよくあるというデッキになっている。その不安定の勝率からミモリのランクは昔と比べたら上がりやすくはなったがそれでも緩やかな上がり幅なのだ。
逆にカズキの今のデッキは低コストが豊富にあり高コストもパワーのあるカードもあるため安定性が高いデッキになっている。とにかく展開して数で勝負するデッキになっていてプレイ難易度も低くプレイによる事故も少ないためランク向きと言って良いデッキになっている。
しかし、事故は少ないが事故を起こした時のデッキ出力があまりにも低く、平均的なカードパワーは他デッキよりも低い傾向になっていて巻き返しが難しい。何より苦手なデッキにはその出力の低さでどうしても勝てない。仕方の無いことだがそのデッキが台頭した時カズキはどうするのか気になってはいる。そしてデッキ出力をあげるカズキの持っていないカードが1枚あり、そのカードが手に入った時カズキのデッキは完成する。
「フフッ、わかったかな?」
「なるほど、そういう事かぁ。」
「で、ヒイロランクは?」
「俺は...はい。」
そこに書かれていたランクはA。しかもその中の1番上のA3だ。しかもあと少し勝てばランクアップも狙えるポイントだ。
「Aじゃん!やるなぁ!」
「マジで...?」
「てことはAAランクを超えてマスターランクにならなきゃだね。」
「しかも今日中にか...」
ヒイロのランクを見てカズキは驚愕の声が上がったがシレンの顔は引きつっていた。理由はヒイロのランクの上がり方が異常なのだ。ヒイロがシャドバを始めたのがほんの数ヶ月前、それなのにも関わらずそれよりももっと前に始めていた2人を追い越しているのだ。
そして何よりヒイロのデッキの中身を考えたら上がれるのはおかしいとすら思っている。いくらイグニスドラゴンが強いとはいえ他のカードが終わっているレベルで弱いカードも積んでいるのにトントン拍子で勝てているのだ。感性が向こう側の人間からしてみればおかしいと思わないはずがない。
「ま、まぁそう落ち込むなよヒイロ。」
「そうだよ、きっと見るだけでも楽しいよ!」
「今日中にマスターランクになればいいんだろ?俺はやらないで諦めるより、やってから諦めたい。」
「よく言ったヒイロ!俺も協力するぜ!」
「カズキ!」
「私も協力する。ヒイロくんが全国大会出てるところ見たいもん。」
「ミモリ!」
「そのやってから諦めるって考えは賛同だな。倒れるなら前のめりにだな。」
「シレン!」
「そうと決まれば高いランクのプレイヤーとバトルじゃーん!」
「「「おー!」」」「おー」
友情を確かめるようにハイタッチをし、そのまま握手するヒイロとカズキ。そしてその上に手を乗せるミモリ。そしてその3人を見守るシレン。こうして4人はマスター耐久が始まった。
「そういえばシレンのランクはどうなんだ?」
「俺?マスターに決まってるでしょ。」
「「マスター!?」」
「大会出れるじゃねぇか!?なんで出ないんだ?」
「出る理由ないからな。別に1番になりたい訳じゃないしさ。それに...」
「?」
「いや、なんでもない。最悪俺倒しまくればランク上がるからやるか?」
「いや!そんな上がり方しても俺は納得いかないからな!ちゃんとランクをあげてみせる!」
そしてヒイロは校庭にいた生徒、担任の先生、部活中の野球部、仕事中のお姉さん、交番の警察官にもバトルを挑んだ。仕事しろ社会人。
そして夕方、日が沈みかけている頃
「もうちょいだ...!」
「すごいよヒイロくん!1日でここまでランク上げちゃうなんて!」
「あと少しじゃん!」
「なんでこの短期間でここまであげれるんだか。」
「ああ!3人のおかげだぜ!」
この短時間でヒイロはAA2までランクを上げた。正直ありえない速度だ。
「じゃああとは」
「いつものあそこで」
「おお、いくぜ!」
「スタジアム!」
そしてシャドバスタジアム前、ヒイロ達の前には
CLOSEDという無慈悲な文字が写し出されていた。
「参ったじゃんね。」
「参ったね。」
「こりゃ参ったな。」
「なんで、しまってんだよぉぉぉ!」
「事前告知はなかったと思ったんだけどなぁ。」
とはいえスタジアムは大会と運営が同じ。であるならばが今日が休館であっても理解も納得もいく。しかしヒイロにとっては希望が摘まれたに等しいため諦めるに諦めきれなくなってしまったのだ。
「あとちょっとでマスターランクなのにぃぃぃ!」
「いやぁ実に残念だ。」
そう言って建物の角から黒いスーツを着こなし、黄色い髪は腰まで伸びており、エメラルドの瞳をこちらに向ける青年が現れた。
「まあ、私には関係ないがね。」
そう言って指を鳴らすと入口のCLOSEDの文字が歪んで消え、そして自動扉が開放される。
「人の生涯とは不思議なものだ。因縁奇縁偶然で満ちているように見えて、その実全ては必然。」
「なんだこいつ頭おかしいのか?」
目の前にいる頭のおかしそうな男に警戒を強めるシレン。それを知らないか知っていて無視しているのか、男はスタジアムに入っていく。
「どうした少年たち、スタジアムに入りたかったのだろ?」
「い、いやまあ、そうだけど...」
「開いたところでプレイヤーがいないと...」
「じゃんね...」
「言っただろ?全ては偶然のようで実は必然なのだと。」
そう言って男はスマホを取りだし、何回かタップした後にこちらに画面を見せる。そこに映し出されたのは男のランク。そしてシャドバに置ける最高ランクの称号
「「グランドマスター!?」」
「…へぇ、グラマスね。」
「?」
その頂きの価値を知っているミモリとカズキは驚き、息を飲む。
シレンは静かに目を据わらせる。
しかしヒイロは先程ランクを知ったため、教えられてないランクに疑問を浮かべていた。
「なぁ?グランドマスターってなんだ?」
「マスターランクさらに上のランクだよ。世界でも数人しかいないって言われてるんだけど...」
「そっかぁ、なら!」
「へへっ、だな!」
「ちょっ、ちょっと待ってよ!」
そう言ってヒイロとカズキは駆け出しミモリとシレンはそれを追いかける。シャドババカ2人が考えることなど火を見るより明らかだ。
「待ってください!」
そう言ってヒイロは肩で息をしながら男に頼みこもうとする。しかし男は予想がついていたようだ。
「私とバトルするかね?」
「…はい!」
「私はグランドマスターランク。君のランクはなんであろうと私に勝てれば君はあっという間にマスターランクに到達できる。」
この世界のシャドバのランクのポイントは強いランクでもあればあるほどポイントが多く貰える。そもそも向こうのランクは大きく離れたランクの人間とランク争いはできないが故、そうなることは無かったがこちらではジャイアントキリングが起きた時、無法と言えるほどのポイントを支給された。ヒイロがAランクと高い理由はカイと戦ったからだろう。*1カイとのバトルに勝ったことにより、普通では到達できないランクポイントを手にしたことで普通ではありえない速度でランクが上昇したと予想される。
「じゃ、じゃあ!」
「だが、条件がある。条件がない人生が無いなんてつまらないからね。」
「条件って?」
「私に勝てば君はマスターランクだ、だが私に負ければDランクからやり直してもらおう。」
そう言ってヒイロを指さす男。そう、奴はこのバトルの条件にヒイロのランクを指定してきた。これには驚きを隠しきれないヒイロ達。
「な、なんだよそれ!」
「そ、そんな!そもそもランクのリセットなんて」
「できるさ、全ては私のものなのだから。さて、どうする少年。臆して逃げるか、勇んで進むか。」
相手は格上グランドマスター。勝率は低く、負ければ今まで積み上げてきたもの全てが無に帰してしまう。挑むにはあまりにも大きな代償。
しかし、ここはそれに当てはまらない例外が
「する、バトルする!」
「「ヒイロ!?」くん!?」
「あぁ、いいんじゃない?」
「シレンくんまで!?」
「こいつがここまでランクを上げた理由なんて大会出るためだろ?ここで負けたらさっき提示された条件なくても無理だろうしな。」
「ああ!それに勝てばいいんだろ!それにグランドマスターとバトルなんてめちゃくちゃ楽しそうだしな!」
そう言って笑うヒイロ、このシャドババカに後退という言葉は無いのだ。
「その勇気に敬意を。しかし、グランドマスターとのバトルなんて何度もやっていると思っていたがね。そこの彼とはバトルしたことが無いのかい?」
「…え?」
瞬間、空気が凍った。
マスターランクと違いグランドマスターは世界に数人、普通はバトルなど人生で1度あるか分からないものだ。それなのにこの男は何度も戦ったことがあると予想した。つまりヒイロ達の中に、グランドマスターに到達した者がいるということなのだ。
そしてそのグランドマスターに1番近いランクを持ち、皆に戦い方を教え、圧倒的な強さを持つ男が1人。
「そうだろう?北シレン。」
「…元だよ、グランドマスター?」
そう答えたシレンの目は、死んでいた。
マスターに昇格したあと、マスターはランクポイントとは違いマスターポイント、MPを集めランクをあげていく。MP自体はランクが下の人間からももらえるが、そのポイントは雀の涙だ。しかし、負けた時はとんでもない数値が持っていかれる。勝てば勝つほど自分より上はいなくなるためマスターランクは上がりにくく、そしてすぐに下ちる。
そしてその過酷な戦いを勝ち抜き、頂点に立つものに与えられる最強の称号。それがグランドマスターだ。
「Dランクからグランドマスターに到達するまで無敗、そして最年少で到達した男がいる。そんな噂を聞いた時は耳を疑ったが、調べてみればまさか噂が本当だとは思わなかったよ。」
「…なるほど。で?そこまで調べたのはすごいけど、何が目的?」
こいつが俺に対して何が調べていたのはわかったが、ぶっちゃけ何をしたいのかが分からない。何が目的なのか、ここで聞き出したい。
「ああすまない、警戒させてしまったか。私の目的はただ1つ。君の実力を見せてもらいたい。」
「…は?」
「私が調べたのは結果だけ。デッキやプレイについては知らないんだ。無敗のグランドマスターの実力を、私は知りたいんだ。」
…呆れた。わざわざそんなことのためにベラベラ喋ったのかこいつは?普通はそんなこと言われて受けるやついないだろ。
「一応聞くけど、俺がそれを受けたとして何かメリットはある?」
「いや、私から示せるものは無いな。彼と違って君はまたグランドマスターまでいけるだろう?」
「なるほどね。じゃあ本当に普通にバトルするだけか。」
「そうなるが、どうするかね?」
「いいよ、やろうよ。」
「シレン!?」
今までやる気のない雰囲気を出してたやつが即答でYESと答えたことに驚くヒイロ。シレンはこの男の正体の予測が着いていた。そしてその予測が合っていればシレンがこの世界でやってみたかったものができるということになる。
「俺以外のグラマスがどれだけ強いか知りたいしな。それにお前らに見せておきたいんだ。この先の過ちがどういったものかを見せてやるよ。」
「過ち、か。どういったものか興味が湧くね。」
「ま、その前にヒイロとのバトルだな。本題はそっちだろ?」
「それもそうだ。さて、少年。待たせてしまったね。始めようか。」
「あぁ!よくわかんねぇけど、バトルすることに変わりは無いからな!」
移動してスタジアム、ヒイロと男は既に準備を終えコートに立っていた。
「さあいくぜ!」
「来たまえ。」
「「バトル!シャドウバース!」」
「始まったな、ヒイロのバトル。」
「そうだね、頑張れヒイロくん。」
「って、シレンはどうした?もうヒイロのバトル始まったじゃんね。」
「それなんだけど...」
『デッキ、組んでくるわ。』
「って言って出てっちゃって...」
「えぇ!こんな時にか!?」
「なんかグランドマスターに上がる時に使ったデッキはもう崩しちゃったらしくて...終わったら呼びに来て欲しいって言われちゃったし。」
「うーん...まあでも俺たちは今やるべきことはヒイロを応援することだ!あいつの事だ!きっとどうにかなる!」
「あれはまだあの時には無い...これは使える...これはノイズになる...」
激闘の末、勝ったのはヒイロだった。相手の切り札に苦しめられるも、相手のカードを利用し、勝利を掴んだ。
「勝った、のか?」
「いかにも。」
そう言ってヒイロに近づき、手をかざす。そうするとヒイロのスマホが振動する。
「見たまえ、君が勝者だ。」
画面に映ったのは現在のランク。そこにはマスターランクになった証が写っていた。
「やったぁぁぁ!」
「やるじゃんヒイロ!」
「やったねヒイロくん!」
肩を組みながら喜ぶヒイロとカズキ。そしてハイタッチするミモリ。普通ではありえないジャイアントキリング。喜ばないはずもない。しかし今回のイベントはまだ終わらない。
「さて、喜んでいるところ悪いのだが、彼はどこにいるのかね?」
「え、あぁすみません!あいつデッキ組みに行ったみたいで」
「心配するな、来たよ。」
そう言ってドアの前に立つシレン。いつも無気力そうな雰囲気を纏うシレンがピリついている。
「準備は終わったのかね?」
「あぁ、組み終わったよ。とっとと始めよう。」
そう言ってスタジアムに上がるシレン、いつもと違う雰囲気に気圧されるがそれでもヒイロは声をかける。
「お、おいシレン。大丈夫なのか?」
「大丈夫ってなに?心配してくれてんの?」
「な、そりゃそうだろ!あいつ強かったんだから!」
「大丈夫だよ。仮にも元グラマスだった人間だぜ俺は。それに今の俺は世界で1番強いデッキを持ってきたからね。さ、始めよっか。」
「「バトル!シャドウバース!」」
「先攻は俺のようだな、ドロー。ターン終了。」
シレン 20/20 手札4 PP1/1
「では、私のターン。アミュレットカード、獅子の聖域をプレイ。」
「はい?」
男がアミュレットカードがプレイすると、男の背後から大きな獅子の顔が中央に飾られている聖域が現れる。シレンは驚いたような声を出すが、それは聖域が映し出されたことではなく、記憶にないカードが出てきたことだ。
「私はこれでターンエンドだ。」
青年 20/20 手札4 PP0/1
獅子の聖域(アミュ)
「(初めて見るカードだ、警戒しとこ)ドロー。俺はトーヴをプレイ。」
出てきたのはアリクイのような鼻が鞭のようにしなっており、目がおかしな位置にある動物のフォロワー。一見愛くるしいが、その外見に見合わずおぞましいフォロワーでもある。
「このカードは条件を満たすまで攻撃ができない。その代わりに2コス3/3の破格のフォロワーさ。」
「ほう、なかなか強力なフォロワーじゃないか。」
シレン 20/20 手札4 PP0/2
トーヴ
「ドロー。スペルカード、漆黒の法典をプレイ。相手の体力3以下のフォロワーを1体消滅させる。」
「あ、おい」
瘴気に飲まれ暗黒空間に涙目で消えるトーヴ。この時代だと数少ない体力3のフォロワーを取れる法典、1級品の除去札だ。
青年 20/20 手札4 PP0/2
獅子の聖域
「やってくれたな?ゴブリンリーダーをプレイ。ターン終了時、場にゴブリンを出す。出てこぉい!」
シレン 20/20 手札4 PP0/3
ゴブリンリーダー ゴブリン
「ターン終了時にゴブリンを出すカードか...厄介なフォロワーだな。」
「でもシレンが最強のデッキって言った後に出てくるカードとしてはなんか微妙に写るじゃん。厄介なのは間違いないけど、結局はゴブリンじゃんね。ゴブリンリーダーも攻撃力1のフォロワーだしゴブリンが何体も増えたところで変わらないじゃん。」
(まあ普通はそう見えるよな、俺も最初弱いと思ってたわ。)
でも使われた時にわかるこいつの厄介さ、一生フォロワーが増え続けるという事象はな。
「ドロー、邪悪なる預言者・ダムスをプレイ。この瞬間獅子の聖域の能力が発動。私のフォロワーは能力で選択できなくなる。」
「は?お前1コスアミュレットでやっていい事と悪いことがあるだろ!?選択できない攻撃後に破壊する3/2だと?ふざけやがって...!」
こっちのカードの1枚ただのゴリアテと化したわ!*2
「ターンエンド、さあ君のターンだ。」
青年 20/20 手札4 PP0/3
獅子の聖域 邪悪なる預言者・ダムス
「俺のターン、ドロー。...くっ」
「シレンどうしたんだ?」
「やっぱりグランドマスターに勝つのは厳しかったか?」
ドローした途端顔を俯かせるシレン。
「どうしたのかね?いいカードは引けなかったのかな?」
「うぅぅぅ。この手札、なんて素晴らしい
「「「「!?」」」」
俯かせたと思えばすぐに喜びを表したシレン。この変わりように他の人間は着いていけてない。
「まさかこんな上手く揃うとは!さあ行こう!不思議な世界、素敵な世界!不思議の探求者・アリス!」
神殿の前に現れたのは青いドレスに大きな懐中時計を肩にかけた金髪でティアラをつけた少女。可愛らしく、まさに不思議の国のアリスと言える少女だが剣を携えており、その実力は折り紙付きだ。
そしてある世界では3ヶ月間絶望を与え続けた最凶のカードだ。
「アリスの能力が発動、このカード以外の自分フィールドのニュートラルフォロワーを全て+1/1する!」
「ほう。」
ゴブリンリーダー 1/2→2/3
ゴブリン 1/2→2/3
アリスは剣を構えそれを天にかざすと不思議な光が降り注ぐ。その光を浴びたゴブリンたちは少しだけでかくなり力を増した。
これだけでも強いがアリスはまだ終わらない。
「さらに、自分の手札のニュートラルフォロワーは全て+1/1される!」
天からの光が手札にも降り注ぎカードに力を与える。アリスの強さは盤面のみならず後続にもその能力を適応してしまう。どう考えたって4コストに与えていい効果では無い。
「ゴブリンでダムスを攻撃!その後ゴブリンリーダーでリーダーを攻撃!」
邪悪なる預言者・ダムス 3/2→3/0
ゴブリン 2/3→2/0
青年 20/20→18/20
「これでターン終了、そしてゴブリンが場に出る。出てこぉい!」
シレン 20/20 手札4 PP0/4
ゴブリンリーダー 不思議の探求者・アリス ゴブリン
「素晴らしい!盤面を減らさずここまで揃えるとは、やはり君は強い。」
「世辞はいいよ、で?鉄槌の僧侶はある?」
「あぁあるとも。鉄槌の僧侶をプレイ、進化。ゴブリンリーダーを消滅させる。」
進化時に法典を内蔵したハゲによって消滅させられるゴブリンリーダー。ぶっちゃけわかっていたこととはいえ久しぶりに使われると腹が立つ。
「そして鉄槌の僧侶で不思議の探求者・アリスを攻撃。」
アリスは振り下ろされる鉄槌を前に抵抗するが剣は致命傷を与えることは出来ず破壊されてしまう。
不思議の探求者・アリス 3/4→3/0
鉄槌の僧侶 4/5→4/2
青年 18/20 手札4 PP0/4 EP2/3
鉄槌の僧侶
「これでターン終了。さあどうかね、君の盤面を打ち破って見せたが。」
「安心しろ、予定調和だ。バフォメットをプレイ。デッキから攻撃力5以上のフォロワーを手札に加える。そしてエンハンス5でプレイした場合そのコストを3下げる。」
バフォメットは2コスト2/1というコスト相応のフォロワー。エンハンス能力は強力だがいかんせんあと隙がでかいのが傷のカードだ。
「バフォメット進化、鉄槌の僧侶を攻撃。」
鉄槌の僧侶 4/2→4/0
バフォメット 4/3→4/0
「ゴブリンでリーダーを攻撃。」
青年 18/20→17/20
シレン 20/20 手札5 PP0/5 EP1/2
「仕込みは良し、あとはお前の手札次第だな。」
「なるほど、それで君の切り札を呼び込んだわけだね。ヒールプリーストをプレイ体力を1回復する。」
青年 17/20→18/20
「進化、そしてゴブリンを攻撃。」
ゴブリン 1/2
ヒールプリースト 6/6→6/5
ヒールプリーストにボコボコにされたゴブリン、これで俺の盤面は消え去った。
青年 18/20 手札4 PP0/5 EP1/3
ヒールプリースト
「さあ、これで君のフォロワーは0だ。見せてくれたまえ。君の力を。」
「いいよ、じゃあいこうか。さあ行け、昏き底よりい出るもの!」
瞬間、シレンの背後の床が割れ巨人が姿を現す。巨人の体には至る所に蛸のような触手が至る所に生えており、さらに背中には悪魔のような翼も生えている。
このデッキの切り札であり、ありとあらゆるプレイヤーを引退に追い込んだ怪物。最強のフィニッシャー。
「これがシレンの切り札!?」
「なんだか怖い...」
「なんか気持ち悪くなってきたじゃんね...」
若干1名SAN値が下がっているが問題なし、このフォロワーはすぐに消える。
「このフォロワーは潜伏持ちだ。あと一応ラスワもある。ほぼ使われないけどな。」
「それが君の切り札か。」
「ああそうだ、進化しろ昏き!」
昏きが進化するが潜伏の能力により姿は見えない、見えるのは赤く光瞳のみ。それでも分かるのはこのフォロワーはやばいということ。それを青年はひしひしと感じていた。
「さて、ゴブリンも一応出しとこ。ターン終了。」
「何?」
シレン 20/20 手札4 PP0/6 EP0/2
昏き底より出でる者 ゴブリン
しかしシレンは何もしなかった。相手には6/5のフォロワーがいるのだ。普通は無視はしない。
「なぜヒールプリーストを破壊しない?進化したフォロワーは攻撃力が8。破壊できるだろう?」
「そしたら潜伏が剥がれちゃうだろ?そういうことだ。それにそのカードを現在脅威と捉えてない。」
「なるほど、何か考えがあるようだね。ならば私もそれに答えよう!」
そう言って青年はカードを繰り出す。白く巨大な翼を生やし、鎖の口枷がついた獅子。シレンはこのカードを見た事がなかった。
「また知らないカードか!しかも0/6だと?」
「セイクリッドレオ、このカードは獅子の聖域が場にあるとき進化する。」
そうして成長するセイクリッドレオ。装飾もさらに神聖さがマシ青と黄色の球体が周りに浮かんでいる。
「進化しても0/6だとぉ?なんかヤバそうだな!」
「さぁ攻撃だ!」
青年の命令通りゴブリンを攻撃するセイクリッドレオ。ステータス通りならゴブリンには何も起きずセイクリッドレオは手傷を負う。
しかしゴブリンは呆気なく破壊されセイクリッドレオは傷一つなく青年の元に戻る。
「セイクリッドレオは必殺を持っている。セイクリッドレオは交戦によってダメージは受けず、セイクリッドレオが場にいる間獅子の聖域はさらなる力を得る。」
「おいコラそのチートアミュまだあんのかよ!」
そうしてる間にゴブリンを破壊したあと、その際にでてきたエネルギーは獅子の聖域の象徴の獅子に集まり、そしてその獅子からビームが発射される。
「いてっ」
シレン 20/20/→19/20
「君はこれから自分のフォロワーが破壊される度にそのフォロワーの攻撃力分のダメージを受ける。」
「…ゴブリン出したの失敗だったか。」
「さらにセイクリッドレオの能力によりお互いは獅子の聖域を手札に加える。そしてこのカードは直前にプレイしたフォロワーを手札に加えコストを0にする。」
「てことはつまり」
「そう、私はもう一度セイクリッドレオを場に出す。」
攻撃力は0だが必殺と交戦時のダメージカット。それに獅子の聖域のせいで選択出来ないと言うクソゲーメーカーが2体も場に出た。
「そしてヒールプリーストでリーダーを攻撃!」
「イッヅゥ!」
シレンは19/20→13/20
青年 18/20 手札4 PP0/6 EP1/3
ヒールプリースト セイクリッドレオ セイクリッドレオ
「ターンエンド。さぁ、君はこの試練をどうやって突破するのかな?」
「あぁ?試練だぁ?」
確かに、獅子の聖域にセイクリッドレオ。今まで使っていたデッキなら本当に負けてもおかしくないカードたちだ。でもね
「もう勝ちは決まってんのよ!緋色の剣士をプレイ!相手フォロワーかリーダーに2ダメージだ!」
青年 18/20→16/20
「そしてお待ちかね!昏きでリーダーを攻撃!昏きの攻撃時能力が発動!潜伏状態で攻撃したのなら相手のリーダーに6ダメージ、進化時なら8ダメージだ!奈落に飲まれろ!」
潜伏が剥がれ現れる昏き。登場時と比べ全体的に青くなり、触手も増え、翼もさらに巨大化しおぞましさが増した。そして昏きがトドメを刺すため纏っていた闇全てをエネルギーに変え、そのエネルギーは青年に向けられ闇に飲み込まれていった。
青年 16/20→0/20
SHIREN WIN!
「さ、俺の勝ちだよ。」
「あぁ、私の負けだ。見事なプレイだった。」
そう言って握手する2人。グランドマスター同士のバトル。少ない観客ではあったが3人の心を掴んだ。
「「シレーン!」」
「お前らイデッ!」
「やっぱお前すげぇな!」
「めっちゃ強かったじゃんよ!」
「本当にすごかったよシレンくん!」
「あぁ、ありがとって痛いわ!脇腹どつくな!」
ヒイロとカズキに脇腹をどつかれるシレン。そしてそれを見送ったあと、青年はスマホで誰かに連絡をしながら去っていく。そしてそれに気づいたヒイロは彼の後を追う。
「あ、あの!ありがとうございました!」
「礼は不要だ。君が勝ち取ったのだから。おっとそうだ、友の言葉があったからこそ、少年は最後まで戦い抜くことが出来た。君たち3人が今日の勝者だ。明日の勝者になりたまえ。期待しているよ。」
「「えっ!」」
そして2人に渡される紙、それは明日の全国大会の招待状だった。
「これってマジか!?」
「これなら4人で出られるぞ!」
「おぉ!ってシレンは出るのか?元々参加できたけどしてなかったんだろ?」
「うーんどうしよっかなー。」
「私としては参加して欲しいがね。それにここだけの話になるが、全国大会はあくまで序章に過ぎない。参加さえしてくれれば、もっと楽しいイベントが起きると約束しよう。」
「…へぇ、じゃあいいよ。やろっか。全国優勝。」
「あぁ、それじゃあ頑張りたまえよ。」
「ああ、それともうひとつ。君の使ったデッキはなぜ過ちと表したんだい?」
「ん?あぁ、何故かって?俺が使ったゴブリンリーダーとアリスはニュートラルフォロワーだよって言っておくよ。」
「…なるほどね。それは気をつけていかねばね。」
そう言って去っていった青年。ヒイロとカズキは明日の全国大会で盛り上がっているし。シレンは無言でデッキを組み始めた。そしてミモリは1つの疑問が浮かび上がった。
「でもあの人、誰だったんだろ?」
「世話をかけたねマルグリット。」
「えぇ、かけられましたとも。社内会議16件、外との打ち合わせ2件、会食1件はキャンセル。今日予定は丸つぶれです。本当に困ります。」
「本当に手厳しいよ。何をするにも代償は付き物さ。」
「その代償を払うのはあなたではなく、あなたの下にいる社員達であることをお忘れなきよう。」
「しかし、払うだけの価値はあったさ。」
『全国のシャドバプレイヤーの皆さん!遂に、遂にこの日がやってきました!全国各地から集まったプレイヤーが炎を燃やし、風を巻き上げ、稲光を走らせるバトルの宴!只今から、シャドウバース全国大会を開ッ催しまァァァす!!』
『まずは予選大会、予選のルールはたった1つ!勝って勝って勝ちまくること!決勝トーナメントに出場できるた16名に絞られるその瞬間までバトル&バトル!そしてその決勝16人の頂点、それが!全国の頂点!』
「いよいよだな!」
「みんな頑張ろうね!」
「みんなで決勝、行くじゃんね!」
「やることは至ってシンプル。」
「遮る全てを引き潰す。それだけだ。」
長ぇ!こんなに長くする予定無かったのに!
正直バトルの構想は決まってたのでもうちょい早く登校できる予定だったのがまさかのバトル前で詰まっちゃって遅くなりました。すみません。
今回は多分のこの作品書いてて絶対出したかったKMRvs最初の過ち。サイコロ振ったらゴブトーヴゴブリーアリスのうち3枚すぐに来て笑ってしまいました。ちょっと殺意高すぎんよ〜。
次回は話数通りヒイロvs謎の少女
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