インフィニット・ドライブ (鉄壁拡散)
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ドライブ登場編
出会いと始まり


インフィニット・ストラトス。通称IS。本来宇宙進出を目指して制作されたものだが、「白騎士事件」により女性しか動かせないという欠点を残して兵器化されてしまった。

 

 

社会では女性が優位となり女尊男卑の社会になり、困り果てた世界となった。

 

 

そんなある日、二人の男がこの世界に降り立った。この世界に誕生する仮面の戦士を探すために。

 

 

???「ここが新しいドライブの変身者がいる世界か。」

 

???2「ああ、ISというくだらないものがある世界だ。全く面倒な世界だ。」

 

???「俺もあんまり好きになれそうにないな。」

 

???2「この世界に住んでいる変身者も苦労しているだろうな。」

 

???「早く見つけないといけないな。ところで呂布、レーダーに何か反応は?」

 

呂布「ドライブピットの反応がある。ここから近い。そこに奴も必ずいるだろうな劉備。」

 

劉備「ああ。久しぶりに会えるな、クリムに。」

 

 

そして二人はドライブピットにたどり着きどこか懐かしい感じがしていた。

 

劉備「やっと着いたか。」

 

呂布「途中で女ども襲ってくるとは思わなかったがな。本当に腐っている。」

 

???「やあ、君達。Long time no see。」

 

すると声が聞こえた。二人は声のした方を見ると1つのベルトがあった。そうそのベルトこそ彼らが探していたドライブのベルトであり、元人間だったクリム・スタインベルトである。

 

劉備「クリム!」

 

呂布「相変わらずだな。」

 

クリム「君達がこの世界に来たということは、ついに時が来たのだな。」

 

劉備「ああ。新たな戦いが始まる。」

 

呂布「そのためにもこの世界のドライブの変身者を見つけないとな。」

 

クリム「ふむ、では出発しよう!」

 


 

ドイツ

 

 劉備達がこの世界に来日した数日後、ここドイツではISの世界大会 第二回モンド・グロッソが開催されていた。だが、その裏で暗躍する謎の組織がいた。ある場所で一人の少年がその組織に囚われていた。少年の名は織斑一夏。優れた姉を持ち、世間から劣等品等と見られていることにコンプレックスがある。彼は大会に出場している姉の千冬の応援のために来たが会場に向かう途中に誘拐された。犯人の目的は千冬の決勝戦進出への棄権だった。しかし、日本政府に通達したにもかかわらず千冬は決勝に出場したがために組織の一人が用済みとなった一夏を始末しようとしていた。

 

組織の男1「最後に言い残すことはあるか、小僧?」

 

すると一夏が口を開いた。

 

一夏「好きにしろ。俺がいても邪魔になるだけだ。」

 

組織の男2「へぇ、命乞いしないんだ。」

 

組織の男3「まぁ、あんな姉貴を持っちまったらな。」

 

組織の男1「じゃあ、今楽にしてやるよ。」

 

 

一夏に銃を向け引き金を引こうとしたその時

 

 

ドドーン!!

 

 

謎の怪物達が現れたのである。そして男達は混乱する。

 

組織の男1「なっ、何だこいつら!?」

 

組織の男2「ば、化け物だぁーーっ!?」

 

組織の男3「助けてくれーーー!?」

 

その怪物達は男達を襲い殺した。

 

そして一夏を標的にした。

 

一夏「何なんだ、こいつら一体!?」

 

襲いかかろうとしたその時

 

 

???「俺達が相手だ!!」

 

???2「貴様らの好きにはさせないぞ!!」

 

 

鎧武者のような者と一本角の幽霊のような者が現れて一夏を助けた。

 

一夏「今度は何だ!?」

 

???2「行くぞ!!」

 

???「おう!!」

 


 

数分後、あっという間に片付いた。一夏も唖然としていた。二人は一夏に近づいた。

 

???「君、大丈夫かい?」

 

一夏「あっ、ああ。それであんた達は一体?」

 

???2「まずは変身を解かないとな。」

 

???「そうだった。」

 

そして二人は変身を解いた。一夏はその姿に驚いた。

 

一夏「がっ、ガンダム!?」

 

 

つづく

 



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初めての変身

一夏「が、ガンダム!?」

 

劉備「やっぱり驚くか。」

 

呂布「まあ慣れているがな。」

 

一夏「こっちはトールギス。な、何者なんだ?」

 

劉備「俺の名は劉備。」

 

呂布「俺は呂布だ。」

 

一夏「劉備と呂布!? 三国志のあの?」

 

劉備「簡単に言えば、別の世界の劉備と呂布だ。」

 

一夏「でも呂布は。」

 

呂布「確かに俺は劉備達と敵対していた。だが、何度かの戦いで互いを認め合い仲間となった。因縁がある奴もいたが。」

 

劉備「三璃紗という所で生涯を終えてこの姿のまま転生したんだ、仮面ライダーとして。」

 

 

一夏は驚愕した。

 

 

一夏「仮面ライダーってさっきの姿のことか!?」

 

劉備「ああ、俺は仮面ライダー鎧武。」

 

呂布「俺は仮面ライダーゴースト。」

 

劉備「俺達はいずれ復活するショッカーからさまざまな異世界を守るために戦っているんだ。」

 

呂布「そして俺達がこの世界にやって来たのはこの世界の仮面ライダーの変身者を見つけるためだ。」

 

劉備「ドイツにその変身者がいるのが分かってここまで来たんだけど。」

 

一夏「俺が怪物に襲われているところを遭遇したというわけか。」

 

呂布「そういうことだ。」

 

話を聞いて一夏が納得したその時

 

ドドーン!!!

 

 

「「「!?」」」

 

 

音がした方を振り向くと機械のような怪人がいた。

 

 

劉備「あれは、ロイミュード!?」

 

一夏「ロイミュード?」

 

呂布「普段は人間の姿に化け、戦闘ではあのような怪人態になる。そして、"重加速"という周囲の時間が遅延する怪現象を引き起こす機械生命体だ。」

 

一夏「機械生命体!?」

 

呂布「108体全て撲滅されたのだが。」

 

劉備「お前達、ショッカーの手先か!?」

 

ロイミュード042「その通りだ!!」

 

劉備「ショッカーがコアを復元させて復活させたか。」

 

ロイミュード088「ここで消えてもらうぞ、仮面ライダー共!」

 

 

2人「「変身!!!」」

 

戦極ドライバー<オレンジアームズ! 花道・オン・ステージ!>

 

ゴーストドライバー<カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!>

 

二人は再び変身してロイミュードと戦闘を開始する。はずだった。

 

???「待ちたまえ! 君達!」

 

2人「「おっとっと!?」」

 

謎の声が止めた

 

鎧武「急になんだクリム!?」

 

一夏「クリム?」

 

ゴースト「こいつのことだ。」

 

鎧武がバックルを一夏に差し向けると、バックルの中央にある円形のディスプレイに顔が映し出され、

 

バックル「やあ、Nice to meet you!」

 

笑顔で喋った。そして一夏は驚いた。

 

一夏「べ、ベルトが喋った!?」

 

バックル「私は《クリム・スタインベルト》。気軽に"ベルトさん"と呼んでくれて構わない。」

 

一夏「は、はあ。」

 

鎧武「それで何で急に止めたんだ?」

 

クリム「私をそこにいる彼に渡してほしい。」

 

ゴースト「なに?・・・・まさか!?」

 

クリム「そう! 彼こそ、この世界の仮面ライダー、仮面ライダードライブの変身者だ!!」

 

一夏「お、俺が!?」

 

クリム「彼に変身して戦ってもらう!」

 

鎧武「ま、待てよクリム!? もしそうだとしてもいきなりの実戦は彼には厳しいぞ!? それに彼に戦う意志があるのかも分からないのに。」

 

クリム「だがロイミュードに互角に対抗できるのは私と彼だけだ!!」

 

ゴースト「・・・お前はどうする?」

 

一夏「俺は・・・・」

 

鎧武「決めるのは君次第だ。」

 

一夏はしばらく考えて答えを決めた。

 

一夏「やるぞ。」

 

2人「!!」

 

一夏「こんな俺でも誰かの役に立てるのならそのショッカーとやらと戦ってやる!!」

 

ゴースト「気に入ったぞ、その覚悟。」

 

鎧武「それじゃ、受け取ってくれ。」

 

 

鎧武はベルトのクリムをゴーストは赤いボタンがついた謎の銀色のブレスを一夏に渡した。

 

 

一夏「このブレスは?」

 

ゴースト「シフトブレスだ。これも変身に必要だ。」

 

一夏はクリムとシフトブレスを受け取り、クリムを腰に、シフトブレスを左腕に装着した。

 

 

クリム「カモーン、シフトカーズ!」

 

クリムがそう叫ぶと突然細いハイウェイが伸び、ハイウェイに沿って色とりどりのミニカー達がやって来た。

 

一夏「何だあのミニカー?」

 

クリム「彼らは《シフトカー》。今の私達の心強い仲間だ。」

 

 

カチッ

 

 

いつの間にか一夏の腰に出現していたホルダーにオレンジと緑と紫の3台のスポーツカー型シフトカーがセットされた。

 

ロイミュード042「おのれ、・・・ハッ!!」

 

 

シュン!

 

 

シュン!

 

 

2体のロイミュードは重加速を発生させたが一夏だけは正常だった。

 

一夏「何で俺だけ大丈夫なんだ?」

 

クリム「シフトカーの力で重加速を無効化したのだ。ゴー! トライドロン!」

 

プップップー!

 

キキキーッ! ドーン!

 

ロイミュード「「どわああ!?」」

 

赤いマシンがドリフトで2体のロイミュードを突き飛ばした。

 

一夏「今度は何だ!?」

 

クリム「ドライブ専用のマシン、《トライドロン》だ。」

 

ブォーン!

 

そしてトライドロンは一夏達の右側に停車し、助手席のドアが開いた。さらにダッシュボードには先程現れたシフトカーには居なかった、赤いスポーツカーのシフトカーがあった。

 

クリム「そのシフトカーも変身に使うんだ。」

 

一夏「分かった。」

 

ダッシュボードから赤いシフトカー、《シフトスピード》を手に取った

 

一夏「・・・えっと、どうやって変身するんだ?」

 

クリム「イグニッションキーを起動させて私のエンジンをかけてくれたまえ!」

 

一夏「これか?」

 

一夏はクリムのセントラルフェイスの右にあるイグニッションキーを起動した。

 

一夏「次は?」

 

クリム「シフトカーを回転してレバーにして、シフトブレスにセットしてレバーを倒すのだ。」

 

一夏「分かった。」

 

一夏はシフトカーをレバーに回転させてシフトブレスにセットした。

 

一夏「行くぞ、脳細胞がトップギアだぜ!・・・変身!!」

 

そして勢いよくレバーを倒す。

 

クリム<DRIVE! Type-SPEED! >

 

ガコン!

 

 

仮面ライダードライブの誕生である。

 

ドライブ「これがドライブ。」

 

クリム「その通りだ。」

 

鎧武「本当に変身した。」

 

ゴースト「やるな。」

 

???「祝え!」

 

ドライブ「うわぁ! 誰!?」

 

鎧武「ウォズ!」

 

ゴースト「また貴様か。」

 

突然背後から謎の男=ウォズが現れた。

 

ウォズ「かつてロイミュード達と激戦を繰り広げた平成16番目の仮面ライダー。その名も仮面ライダードライブ! 高速の戦士の再臨である!・・・では失礼。」

 

ウォズはそう言うとどこかに消えた。

 

鎧武「何しに出てきたんだあいつ?」

 

ドライブ「な、なぁ。」

 

ゴースト「気にするな。いつものことだ。」

 

ドライブ「はぁ。まあ兎に角ベルトさん、ひとっ走り付き合えよ!」

 

クリム「OK! Start Your Engine!!」

 

ドライブは2体のロイミュードと戦闘を開始した。

 

ドライブ「ハッ、ハッ!」

 

042「どわぁ!」

 

088「だあぁ!」

 

ドライブ「まだまだ!」

 

ドライブはイグニッションキーを回し、レバーを3回倒す。

 

クリム<SP・SP・SPEED!!>

 

胸部のタイヤが高速で回転し、ドライブのスピードが上がる。

 

ドライブ「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ! 速い速い速い速い!!」

 

2体のロイミュードを外に出し上空に蹴り上げ目にも止まらない連続パンチを繰り出す。

 

ドライブ「おりゃぁ!」

 

 

ドーン!

 

ロイミュード「「どわああああ!?」」

 

ドライブ「凄いなこりゃ。」

 

088「調子に乗るな!」

 

ドライブ「うわっと!?」

 

ロイミュードも負けじと反撃する。

 

クリム「シフトカーを交換したまえ。それなら反撃できる!」

 

ドライブ「よし!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、腰のホルダーから炎をイメージとしたオレンジ色のスタントカー型のシフトカー、《マックスフレア》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ドライブ「タイヤ交換? 何それ?」

 

するとトライドロンから燃える炎のような形状をしたオレンジ色のタイヤが発射された。

 

ドライブ「うおっと!!」

 

ガコン!

 

そして胸部のタイヤが外れ、オレンジ色のタイヤがドライブの胸部に装着された。

 

クリム<MAX FLARE!>

 

ドライブ「うわぁっ! タイヤが変わった!」

 

クリム「シフトカーを交換したことでタイヤの能力が切り替わったのだ。」

 

ドライブ「なるほど。行くぜ!」

 

クリム<FLA・FLA・FLARE!>

 

ロイミュード042「どわあああぁ!?」

 

マックフレアタイヤになったドライブは再びレバーを3回倒し、炎を纏いながらロイミュード042に体当たりした。

 

ドライブ「凄いぜ! タイヤコウカン!」

 

クリム「次はファンキースパイクだ!」

 

ドライブ「これか! 分かった!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、腰のホルダーからトゲトゲが沢山ついた緑色の改造車型のシフトカーを手に取りシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから今度はトゲトゲした黄緑色のタイヤが発射され、胸部のマックスフレアタイヤと入れ替わった。

 

クリム<FUNKY SPIKE!>

 

ドライブ「トゲがいっぱいあるなこれ。」

 

ドライブはシフトレバーを3回倒す。

 

クリム<SP・SP・SPIKE!>

 

ガリガリガリガリッ!

 

ファンキースパイクタイヤが高速回転し042と088にダメージを与えていく。

 

ロイミュード「「アガガガガガガガ!」」

 

クリム「次はミッドナイトシャドーだ!」

 

ドライブ「こいつだな。」

 

ドライブはさらにイグニッションキーを回し、腰のホルダーから忍者のような紫色のスポーツカー型のシフトカーを手に取りシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから今度は紫色の手裏剣型タイヤが発射され、ファンキースパイクタイヤと入れ替わった。

 

クリム<MIDNIGHT SHADOW!>

 

ドライブ「手裏剣みたいなタイヤだなこれ。」

 

さらにレバーを3回倒す。

 

クリム<SHA・SHA・SHADOW!>

 

ドライブは拳に手裏剣型のエネルギー弾を出現させ、088に向けて投げた。

 

088「ぐわあああああ!」

 

088は倒された。

 

042「おのれ・・・よくも!」

 

クリム「よし、スピードタイヤに戻してスピードロップで止めだ。」

 

ドライブ「ああ!」

 

ドライブはブレスにシフトスピードをセットしてレバーを倒し、スピードタイヤに戻した。さらにイグニッションキーを回し、ブレスの赤いボタンを押す。

 

クリム<FINISHER(ヒッサーツ)!>

 

042の周りに4つの巨大なタイヤが出現し、トライドロンがドライブの周囲を高速で旋回し始める。そしてドライブはレバーを倒す。

 

クリム<FULL THROTTLE! SPEED!>

 

ドライブ「・・・ハアァァァァーーー! ハアッ!」

 

ドーン!

 

 

042「ぐわあああああ!!」

 

ドカーン!

 

クリム「Nice Drive!」

 

ドライブ「なんとか倒したぞ。」

 

鎧武「凄いじゃないか!」

 

ゴースト「初めての戦闘にしてはよくやったな。」

 

ドライブ「サンキュー!」

 

???「貴様達何者だ!」

 

3人「「「!?!?!?」」」

 

声のした方向を見るとそこにいたのは?

 

 

つづく

 



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逃走と真実

3人は声のした方向を向いた。そこにいたのは。

 

千冬「一体何者だ、貴様らは!?」

 

ISを纏った織斑千冬だった。

 

鎧武「織斑千冬。」

 

ゴースト「白騎士のご登場か。」

 

ドライブ「・・・」

 

ドライブは千冬を睨むように見ていた。

 

千冬「ここで何をしていた。言え!」

 

鎧武「断ると言ったら?」

 

千冬「力ずくで聞き出す!」

 

ゴースト「やるしかないようだな。」

 

鎧武「ああ。」

 

戦闘態勢をとる鎧武とゴースト。だがドライブだけは違った。

 

ドライブ「悪い、2人とも。」

 

2人「「?」」

 

鎧武とゴーストは後ろを振り向くとドライブが再びイグニッションキーを回し、レバーを3回倒した。

 

クリム<SP・SP・SPEED!!>

 

ドライブ「俺先に行ってるよ。」

 

そう言ってドライブは物凄いスピードで逃走した。

 

鎧武「あっ、オイ!?」

 

鎧武の静止も聞かずにそのまま走り去ってしまった。

 

鎧武「どうしたんだ、あいつ?」

 

ゴースト「分からん。だが織斑千冬が現れてから様子がおかしくなった。」

 

鎧武「それって彼女と関係しているということか?」

 

ゴースト「恐らくな。」

 

千冬「よく分からんが、まずは貴様らだ!」

 

鎧武「こっちは話を聞いてくてそうにないな。」

 

ゴースト「劉備、こいつの相手は俺がやる。お前はあいつを追え。」

 

鎧武「1人で大丈夫か?」

 

ゴースト「心配いらん。俺を誰だと思っている?」

 

鎧武「そうだったな。後で合流だ!」

 

ゴースト「ああ!」

 

千冬「そうはさせるか!」

 

ゴースト「こちらの台詞だ! ムサシ!」

 

カチッ!

 

ゴーストはムサシゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ムサシ! 決闘! ズバット! 超剣豪!>

 

ゴーストはムサシ魂になり千冬を迎え撃った。

 

千冬「赤い姿に変わって二刀流だと!?」

 

鎧武「今のうちに!」

 

鎧武は桜のロックシードを開けてロックビークル「サクラハリケーン」に変形させる。そしてサクラハリケーンに乗り走り出しドライブの後を追う。

 

ゴースト「ここを通りたければ俺をたおしてからにするんだな。」

 

千冬「いいだろう。相手になろう。」

 


 

鎧武はサクラハリケーンに乗り逃走したドライブを捜していた。

 

鎧武「どこに行ったんだ?」

 

すると。

 

ウ―――!

 

鎧武「ん?」

 

音のした方向を見てみるとそこには檻をイメージとしたパトカー型のシフトカー、《ジャスティスハンター》がいた。

 

鎧武「ハンター! 彼がどこにいるのか分かったのか!?」

 

《ジャスティスハンター》はクラクションを鳴らしながら頷いた。

 

鎧武「案内してくれ!」

 

十分後

 

鎧武「あ、いたいた。」

 

《ジャスティスハンター》の案内で街角で疲れた様に座っているドライブを見つけた。サクラハリケーンを停車してドライブに近づく。

 

戦極ドライバー<ロックオーフ!>

 

劉備「やっと見つけた。」

 

ドライブ「あ、あんたか。」

 

劉備「急に逃げ出してびっくりしたぞ。」

 

ドライブ「すまない。」

 

劉備「取りあえず俺達の拠点に来ないか? 何か事情があるみたいだけどそこで説明してもらうよ。」

 

ドライブ「分かった。」

 

そしてドライブも変身を解いた。

 


 

その頃、千冬と戦闘を行っているゴーストは。

 

千冬「はあ!」

 

ゴースト「ふん!」

 

剣がぶつかり合った後2人は一旦距離を置く。

 

ゴースト「なかなかやるな。」

 

千冬「貴様こそ。」

 

ゴースト「1つ聞きたい。モンド・グロッソに出場していたはずの貴様が何故この場にいる? 今の時間帯なら表彰式のはずだ。」

 

千冬「そんなものはどうでもいい! ここに誘拐されている私の弟がいると知って駆け付けたのだ。」

 

ゴースト「弟だと? (あの男のことか?)」

 

先ほど逃走したドライブの変身者である一夏の顔が頭に浮かぶ。

 

千冬「何か知っているのか?」

 

ゴースト「さあな、たとえ知っていたとしても貴様に教える義理はない!」

 

千冬「なに!?」

 

ゴースト「もしかしたら貴様が決勝に出ている間に死んだかもしれんな。」

 

千冬「そ、そんな。」

 

ゴースト「残念だが、これ以上貴様の戯言に付き合うつもりはない! ニュートン!」

 

カチッ!

 

ゴーストはニュートンゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ニュートン! リンゴが落下! 引き寄せまっか!>

 

ゴーストはニュートン魂になった。

 

千冬「今度は青い姿だと!?」

 

ゴースト「ハッ!」

 

ゴーストは左手の引力の力で千冬の動きを止める。

 

千冬「う、動けない!」

 

ゴースト「これで終わりだ!」

 

右手でゴーストドライバーのレバーを引く。

 

ゴーストドライバー<ダイカイガン! ニュートン・オメガドライブ!>

 

ゴースト「・・・ハアァァァァーー!ハアッ!」

 

千冬「うわあぁぁぁぁ!」

 

ゴーストはオメガドライブを発動させ右手の斥力の力で千冬を吹き飛ばした。千冬はそのまま気絶した。

 

ゴースト「さて、追手が来る前にさっさとこの場を離れて二人と合流しなければ。」

 

ゴーストは劉備達と合流すべくその場を走り去った。

 


 

しばらく走っているとゴーストの元にコンドルデンワーが飛んで来た。

 

ゴースト「劉備か?」

 

劉備『ああ呂布。彼は見つかったぞ。』

 

ゴースト「そうか、今どこにいる?」

 

劉備『今彼を連れて俺達の拠点に向かっているからそこで合流しよう。』

 

ゴースト「分かった。」

 

ゴーストはマシンゴーストライカーに乗り、拠点へとむかった。

 

十分後

 

拠点であるドライブピットに到着したゴーストは変身を解いた。劉備達は先に来ていた。

 

劉備「呂布!」

 

呂布「無事に合流できたな。」

 

劉備「織斑千冬は?」

 

呂布「気を失って倒れている。加減はした。」

 

劉備「お前が言うと少し不安だな(汗」

 

呂布「まあそれよりも。」

 

2人は一夏の方を振り向いた。

 

劉備「少しは落ち着いたか?」

 

一夏「ああ。さっきは本当にすまないいきなり逃げ出したりして。」

 

呂布「まあ過ぎたことだ。気にしても仕方がない。」

 

劉備「そう言えば君の名前まだ聞いていなかったな。」

 

一夏「そうだったな。俺の名前は一夏。織斑一夏だ。」

 

劉備「織斑!? まさか君は!?」

 

一夏「そう、俺は織斑千冬の弟だ。」

 

呂布「やはりな。織斑千冬が誘拐された弟がいると言ってまさかとは思っていたがお前のことだったか。」

 

一夏「俺は普段から『出来損ない』やら『劣等品』やら『恥さらし』やら言われて汚名を返上しようと努力もした。だが結局ダメだった。そんな矢先で俺は誘拐されてあの場所にいたんだ。俺を誘拐した犯人は千冬姉を大会から棄権させるつもりだったんだけど千冬姉が決勝に出場したことで俺は用済みになった。」

 

呂布「つまり見捨てられたということか。当の本人はそのようには見えなかったがな。」

 

一夏「そして犯人が俺を始末しようとしたときに2人に出会った。」

 

劉備「なるほどね。もしかして君、自分が織斑千冬の邪魔者だと思って逃げ出したのか?」

 

一夏「それもあるけど、プロジェクト・モザイカにも関係している。」

 

聞いたことがない単語に2人は首を傾げる。

 

劉備「プロジェクト・モザイカ?」

 

呂布「何だそれは?」

 

一夏「別名『織斑計画』。遺伝子操作によって意図的に『最高の人間』を造り出すためにある謎の組織が計画した一大プロジェクトだ。その中で1000体目で初めての成功体が千冬姉だ。そして、そのデータを基に量産に適して生み出されたのがこの俺だ。」

 

劉備「じゃあ、君達は作られた存在ということか!?」

 

一夏「そういうこと。」

 

あまりの事実に劉備は言葉を失う。

 

呂布「どうやってそれを知った?」

 

一夏「犯人が誘拐して大会を棄権することを政府に伝えている間に偶然聞いたんだ。」

 

呂布「そうか。」

 

クリム「そろそろ私も話に入っていいかい?」

 

クリムが喋ってきた。

 

劉備「ああ悪いクリム、忘れてた。」

 

クリム「ひどいねぇ(´・ω・`)」

 

一夏「ベルトさんもありがとう助けてくれて。」

 

クリム「礼には及ばない。」

 

呂布「言い忘れていたがこいつは元人間で精神をバックルに移行させたんだ。」

 

一夏「マジ!?」

 

クリム「Exactly!」

 

一夏「でも何で?」

 

劉備「ああ、実は」

 

劉備と呂布はかつてのドライブの戦いの話をした。

 

一夏「えっ? じゃあ、あのロイミュードのコアをベルトさんが作ったのか?」

 

クリム「私はその罪を償うためにも死ぬ訳にはいかなかった。」

 

一夏「でもそれは蛮野って奴が悪くてベルトさんは利用されただけじゃないか。」

 

クリム「そう言ってくれると嬉しい。」

 

呂布「おい、そろそろ最初の話に戻すぞ。」

 

クリム「おっとそうだった。一夏、確かに君と千冬は本当の家族ではないかもしれない。だが、今まで彼女と過ごした時間を思い出してごらん。」

 

一夏「今まで千冬姉と過ごした時間?」

 

クリムに言われた通り一夏は千冬と過ごした毎日を思い出していた。厳しいところもあるが自分を1人の弟として大切にしてくれていたことも。

 

一夏「そうだったな。千冬姉はいつも俺に自分の弟だって言ってくれた。俺を愛してくれていた。」

 

クリム「たとえ血の繫がりがなくとも君は彼女の一番大切なものだということは君も分かっているはずだ。」

 

一夏「そうだよな。ありがとうベルトさん。おかげで目が覚めたよ。今度千冬姉に会うことになったらちゃんと話し合ってみるよ。」

 

劉備「さてこちらの問題は解決したけど、どうするこれから?」

 

呂布「そうだな、織斑はまだライダーになりたてだから世界中で起こっている事件で鍛えながら日本に戻るしかないな。」

 

一夏「あはは、やっぱりそうなるんだ(汗」

 

クリム「焦らなくてもいい。ゆっくり強くなればいいんだ。」

 

一夏「そうだな、頑張るぞ!」

 

かくしてライダー達の旅が始まった。彼らに待ち受ける運命は。

 

つづく

 

 



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IS学園入学編
再会


幼馴染との再会です。


一夏がドライブとなって二年、3人は拠点を日本に移して鍛えながら某国の数々の事件を解決していた。彼らは今日夜ISに関する違法実験が行われている研究所を襲撃していた。

 

鎧武「ハッ! オラァッ!」

 

ゴースト「ハッ!」

 

ドライブ「ひとっ走りつきあえよ!」

 

敵IS隊員1「な、何なんだこいつらは!?」

 

敵IS隊員2「怯むな、迎え撃て!」

 

ドライブ「数が多いな。」

 

クリム「ならば《ジャスティスハンター》を使っておとなしくさせよう。」

 

ドライブ「分かった。来い、《ジャスティスハンター》!」

 

そう叫ぶと細いハイウェイに沿って《ジャスティスハンター》が来た。

 

ドライブ「いくぞ!」

 

ドライブはイグニッションキーを回し、《ジャスティスハンター》をレバーにしてシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから発射されたパトカーのランプを模した赤いタイヤがドライブの胸部に装着され、円形の柵の武器・ジャスティスケージが装備された。

 

クリム<JUSTICE HUNTER!>

 

ドライブ「少しおとなしくしてもらうぞ!」

 

クリム<HUN・HUN・HUNTER!>

 

ドライブはレバーを3回倒し、ジャスティスゲージで敵のIS部隊を閉じ込めた。

 

敵IS隊員1「何だこれは!?」

 

敵IS隊員2「こんなもの!」

 

ドライブ「あ、その柵に触れない方がいいぞ。」

 

「「えっ?」」

 

だが時すでに遅し

 

「「あばばばばば!」」

 

柵に武器の先端が触れ、感電してしまった。

 

暫くした後、敵IS部隊が研究所の首謀者を含めてぐるぐる巻きに縛られていた。

 

鎧武「漸く片付いたな。」

 

ゴースト「騒ぎになる前にさっさとここを立ち去った方が良さそうだ。」

 

ドライブ「そうだな。」

 

その時

 

???「悪いがそうはいかないぞ。」

 

1人のIS隊員がまだ残っていた。

 

ゴースト「まだ残っていたようだな。」

 

ドライブ「俺に任せろ、すぐに終わらせる。」

 

ドライブはイグニッションキーを回し、紫色のモンスタートラック型のシフトカー《マッシブモンスター》をレバーにしてシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから発射された怪物の顔が描かれたタイヤがドライブの胸部に装着され、両手にモンスターの頭部をイメージした緑色の武器・モンスターが装備された。

 

クリム<MASSIVE MONSTER!>

 

敵IS隊員「そんなものをつけたところで私に勝てると思っているのか?」

 

ドライブ「そういうのをフラグって言うんだよ。」

 

シフトブレスのボタンを押し、レバーを倒す。

 

クリムFINISHER(ヒッサーツ)! FULL THROTTLE! MONSTER!>

 

マッシブモンスタータイヤから顔部分のマッシブフェイスの口部分から長い舌が伸び、相手を拘束する。

 

敵IS隊員「な、動けん!?」

 

そしてドライブはマッシブモンスタータイヤの必殺技・モンスクランチで相手を噛み砕く。

 

敵IS隊員「ああああっ!?」

 

敵は倒された。

 

鎧武「一応固めた方がいいんじゃないか?」

 

ドライブ「そうするわ。」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、茶色のミキサー車型のシフトカー《スピンミキサー》をシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから発射された灰色のタイヤがドライブの胸部に装着された。

 

クリム<SPIN MIXER!>

 

ドライブ「ほんと重いなこのタイヤ。」

 

再びシフトブレスのボタンを押し、レバーを倒す。

 

クリムFINISHER(ヒッサーツ)! FULL THROTTLE! MIXER!>

 

スピンミキサータイヤが高速回転し、コンクリ弾が連続発射される。そして敵を固めた。ただし、命に別状はない。

 

ゴースト「よし、引き上げだ!」

 

ゴーストがそういうと三人はそれぞれのマシンに乗り、その場を去った。

 

3人は拠点のドライブピットに戻っていた。

 

クリム「Nice Driveだったぞ、みんな。」

 

呂布「今回も対した連中じゃなかったな。」

 

劉備「だがいつ強敵にぶつかるか分からない。鍛錬を怠らないようにしないといけないが暫く次の出動まで待機だ。」

 

一夏「だったら明日行きたい所があるんだけどいいかな?」

 

劉備「? 別にいいけど」

 

一夏「できればベルトさんや2人にも来てもらいたいんだが。」

 

劉備「どうする?」

 

呂布「俺は構わない。少し興味がある。」

 

劉備「じゃあ俺も行くよ。」

 

クリム「偶にそういう息抜きも良いな。」

 

一夏「ありがとう。」

 

 

そして翌日、

3人はある場所にいたそこは

 

 

劉備「ここって...」

 

呂布「神社...だな。」

 

一夏「ああ。ここは篠ノ之神社。」

 

劉備「篠ノ之!?」

 

呂布「まさかここは!?」

 

一夏「そっ、ISの生みの親、篠ノ之束さんの実家でもある場所。」

 

呂布「お前あの篠ノ之束(天災)と知り合いだったのか!?」

 

一夏「ああ、千冬姉と友達だったから偶に会うことがあったんだ。」

 

意外な関係に驚く2人。

 

劉備「それで、この神社に来た本当の目的は?」

 

一夏「実は、束さんの妹で俺の幼馴染がこの神社にいてな。」

 

劉備「君の幼馴染?」

 

呂布「篠ノ之束の妹だと?」

 

一夏「そいつも俺と同じ境遇なんだ。」

 

呂布「姉によるコンプレックスか?」

 

一夏「まあそんなとこ。」

 

劉備「どんな人物なんだ?」

 

一夏「よくここの神社の剣道の道場で一緒に稽古したことがあって、悪い奴じゃないんだけど暴力的なことがあっていじめられてたのを俺が助けて知り合ったんだ。稽古の時ボコスカやられたこともあるけど。」

 

呂布「なるほどな。つまりお前はその幼馴染の様子を見に来たということか」

 

腕を組んで呟く。

 

一夏「そんなところ。」

 

劉備「ところで一夏。」

 

一夏「なんだ?」

 

劉備「その幼馴染って、今君の後ろにいる彼女のことかい?」

 

一夏「え?」

 

一夏が後ろを振り向くと黒髪のポニテール少女がいた。

 

一夏「ほ、箒?」

 

箒「一夏、生きていたのか?」

 

一夏「あ、ああ。久しぶりだな。」

 

箒「今までどこで何をやっていたのだ!? それにそこのガンダムとトールギスは何だ!?」

 

一夏「そ、それは。」

 

劉備「一夏。」

 

一夏「何だよこんな時に?」

 

呂布「説明はどうやら後回しのようだ。」

 

そう言われて劉備と呂布の向いている方向を見ると

 

蜘蛛男「見つけたぞ貴様ら。」

 

箒「く、蜘蛛!?」

 

一夏「あいつは!?」

 

劉備「ショッカー怪人の蜘蛛男だ。」

 

蜘蛛男「その通りだ。」

 

一夏「あいつがショッカー。」

 

呂布「見つかった以上戦うしかないようだ。」

 

劉備「行けるか一夏?」

 

一夏「ああ、戦える。」

 

箒「待て一夏!? あんな怪物と戦うなんて無茶だ!?」

 

一夏「大丈夫、死ぬつもりで戦うつもりはないから....ん?」

 

箒は後ろから一夏に抱きつく。そして涙を流しながら言う。

 

箒「頼む、行かないでくれ。お前を失いたくない。」

 

一夏は微笑んで答える。

 

一夏「心配いらないよ、箒。」

 

クリム「今の彼には私やそこの2人がついている。」

 

箒「? 何だ今の声は?」

 

一夏「ああ、これだよ。」

 

一夏は腰に装着しているクリムを指差す。

 

クリム「だから安心したまえ。」

 

箒「な!? ベルトが喋っただと!?」

 

一夏「まあ、驚いて当然か。」

 

劉備「話はそこまでだ。」

 

呂布「早くしろ。」

 

一夏「ああ、じゃあ行ってくる。」

 

箒「一夏。」

 

一夏「お待たせ。」

 

劉備「よし、行くぞ!」

 

オレンジロックシード<オレンジ!>

 

呂布「ああ!」

 

カチッ!

 

3人「「「変身‼︎」」」

 

戦極ドライバー<オレンジアームズ! 花道・オン・ステージ!>

 

ゴーストドライバー<カイガン! オレ! レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!>

 

クリム<DRIVE! Type-SPEED! >

 

劉備は鎧武、呂布はゴースト、一夏はドライブに変身した。

 

箒「一夏が、変身した!?」

 

蜘蛛男「やれ、戦闘員ども!」

 

戦闘員達「イーーー!」

 

鎧武「ここからは、俺達のステージだ!」

 

ゴースト「命、燃やすぜ!」

 

ドライブ「ひとっ走り付き合えよ!」

 

3人は戦闘員達と戦い始める。

 

 

BGM : JUST LIVE MORE

 

鎧武は大橙丸と無双セイバーを駆使して戦闘員達を倒していく。さらに無双セイバーのブライトリガーを引きムソウマズルから弾丸を連射する。

 

鎧武「輪切りにしてやるぜ!」

 

さらに大橙丸と無双セイバーで戦闘員達を倒していき、パインロックシードを取り出す。

 

パインロックシード<パイン!>

 

オレンジロックシードを外し、パインロックシードを戦極ドライバーにセットする。

 

戦極ドライバー<ロックオーン! ソイヤ! パインアームズ! 粉砕! デストロイ!>

 

鎧武はパインアームズに換装する。

 

鎧武「オッラァア!」

 

鎧武はパインアイアンを振り回し戦闘員を倒すが中々減らない。

 

鎧武「数が多いな。ならこいつだ!」

 

イチゴロックシードを取り出す。

 

イチゴロックシード<イチゴ!>

 

パインロックシードを外し、イチゴロックシードを戦極ドライバーにセットする。

 

戦極ドライバー<ロックオーン! ソイヤ! イチゴアームズ! シュシュッとスパーク!>

 

鎧武「これで決める!」

 

イチゴロックシードを無双セイバーにセットする。

 

<ロックオーン!>

 

鎧武「ハアアアアア!」

 

無双セイバー<一! 十! 百! イチゴチャージ!>

 

鎧武「セイハァアアアア!」

 

鎧武は無双セイバーを真上に振りイチゴクナイを模した大量のエネルギー刃を一斉に発射する必殺技・クナイバーストを発動した。

 

ドドドドドドド! ドカーーン!

 

戦闘員達は倒された。

 

鎧武「よし、片付いた。」

 

 

BGM : 我ら思う、故に我ら在り

 

ゴーストはガンガンセイバー・ブレードモードで戦闘員を切り裂く。

 

ゴースト「ふんっ!」

 

ガンガンセイバー<ダイカイガン! オメガブレイク!>

 

ゴーストはオメガブレイクを発動して戦闘員を圧倒する。

 

ゴースト「ムサシ!」

 

カチッ!

 

ゴーストはムサシゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ムサシ! 決闘! ズバット! 超剣豪!>

 

ゴーストはムサシ魂になり、ガンガンセイバーを二刀流モードにして戦闘員をさらに追い詰める。

 

ゴースト「次はこれだ! エジソン!」

 

カチッ!

 

ゴーストはエジソンゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! エジソン! エレキ! ヒラメキ! 発明王!>

 

ゴーストはエジソン魂になった。

 

ゴースト「電撃を食らえ!」

 

戦闘員達に電撃を浴びさせ、痺れさせた。

 

ゴースト「最後はこれだ! ニュートン!」

 

カチッ!

 

ゴーストはニュートンゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ニュートン! リンゴが落下! 引き寄せまっか!>

 

ゴーストはニュートン魂になった。

 

ゴースト「ハッ!」

 

ゴーストは左手の引力の力で戦闘員達の動きを止める。

 

ゴースト「これで止めだ!」

 

右手でゴーストドライバーのレバーを引く。

 

ゴーストドライバー<ダイカイガン! ニュートン・オメガドライブ!>

 

ゴースト「・・・ハアァァァァーー!ハアッ!」

 

ゴーストはオメガドライブを発動させた。

 

ドカーーン!

 

戦闘員達は倒された。

 

ゴースト「ふん! 他愛もない!」

 

 

BGM : SURPRISE-DRIVE

 

ドライブはスピードで翻弄しながら戦闘員を倒していく。

 

ドライブ「ベルトさん、今使えるドライブの専用武器は?」

 

クリム「最終調整がまだ終わっていないため使用不可能だ!」

 

ドライブ「できれば早く使いたかったが、贅沢言ってられないな!」

 

そう言ってドライブはイグニッションキーを回し、腰のホルダーから《マックスフレア》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<MAX FLARE!>

 

マックスフレアタイヤがドライブの胸部に装着された。そしてレバーを3回倒す。

 

クリム<FLA・FLA・FLARE!>

 

炎を纏いながら戦闘員に体当たりした。

 

ドライブ「続けていくぞ!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、腰のホルダーから《ファンキースパイク》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<FUNKY SPIKE!>

 

マックスフレアタイヤと入れ替わりファンキースパイクタイヤが胸部に装着された。再びレバーを3回倒す。

 

クリム<SP・SP・SPIKE!>

 

ガリガリガリガリッ!

 

ファンキースパイクタイヤが高速回転し戦闘員にダメージを与えていく。

 

ドライブ「ハンター! 次はお前の番だ!」

 

ドライブがそう叫ぶと《ジャスティスハンター》がやって来た。ドライブはそれを掴むと再びイグニッションキーを回し、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<JUSTICE HUNTER!>

 

ファンキースパイクタイヤと入れ替わりジャスティスハンタータイヤが胸部に装着し、ジャスティスケージが装備された。

 

ドライブ「いくぞ!」

 

ドライブは再びレバーを3回倒す。

 

クリム<HUN・HUN・HUNTER!>

 

ドライブはジャスティスゲージを投げると、ジャスティスゲージは巨大化して戦闘員を閉じ込めた。

 

ドライブ「まだまだ!」

 

そしてドライブは再びイグニッションキーを回し、ブレスの赤いボタンを押してレバーを倒す。

 

クリムFINISHER(ヒッサーツ)! FULL THROTTLE! HUNTER!>

 

空中に複数のタイヤを出現させて自身を加速させ閉じ込めた戦闘員にライダーパンチを放つジャスティスマッシュを発動した。

 

ドライブ「こいつで決める!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、腰のホルダーから《ミッドナイトシャドー》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<MIDNIGHT SHADOW!>

 

ジャスティスハンタータイヤと入れ替わりミッドナイトシャドータイヤが胸部に装着された。再びレバーを3回倒す。

 

クリム<SHA・SHA・SHADOW!>

 

ドライブは拳に手裏剣型のエネルギー弾を出現させ、ドライブ自身も分身して残りの戦闘員に向けて投げた。

 

ドカーーン!

 

戦闘員達は倒された。

 

ドライブ「これで最後か。」

 

 

蜘蛛男「あれだけの数の戦闘員をたった3人で片付けただと!? こうなったら俺が相手をしてやる!」

 

ドライブ「後は俺に任せてくれ!」

 

鎧武「勿論!」

 

ゴースト「必ず勝て!」

 

ドライブ「ああ!」

 

蜘蛛男「くたばれ!」

 

蜘蛛男は毒針を飛ばす。

 

ドライブ「キャブ!」

 

ドライブがそう叫ぶと黄色のタクシー型のシフトカー《ディメンションキャブ》が現れた。《ディメンションキャブ》はタイヤ型のワームホールを発生させて毒針を吸収して蜘蛛男に吸収した毒針をぶつけた。

 

蜘蛛男「いてててて! 己!(怒)」

 

ドライブ「次はこっちからいくぞ!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、《ディメンションキャブ》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから発射された黒の四角模様が沢山ついたタイヤがドライブの胸部に装着された。

 

クリム<DIMENSION CAB!>

 

ドライブ「ハッ!」

 

蜘蛛男「ぐあっ!」

 

ドライブはディメンションキャブタイヤでタイヤ型のワームホールを発生させて上半身を転移させて蜘蛛男にダメージを与える。

 

ドライブ「まだまだ!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、白色のスロットマシーンをイメージとしたリムジン型のシフトカー《ドリームベガス》を手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

トライドロンから発射されたスロットのリールとカジノのチップ型タイヤがドライブの胸部に装着され、ディメンションキャブタイヤと入れ替わった。

 

クリム<DREAM VEGAS!>

 

入れ替わった直後、ドリームベガスタイヤはスロットのように回転し、7の絵柄が三つ揃った。

 

ドライブ「よし、大当たりだ!」

 

するとタイヤから大量のコインが射出して蜘蛛男にダメージを与える。

 

蜘蛛男「あががががっ!」

 

ドライブ「止めだ!」

 

ドライブはブレスにシフトスピードをセットしてレバーを倒し、スピードタイヤに戻した。さらにイグニッションキーを回し、ブレスの赤いボタンを押す。

 

クリム<FINISHER(ヒッサーツ)!>

 

蜘蛛男の周りに4つの巨大なタイヤが出現し、トライドロンがドライブの周囲を高速で旋回し始める。そしてドライブはレバーを回倒す。

 

クリム<FULL THROTTLE! SPEED!>

 

ドライブ「・・・ハアァァァァーーー!ハアッ!」

 

蜘蛛男「グオオオオオオオっ!!!!!」

 

ドカーーン!

 

蜘蛛男は爆死する。

 

箒「す、凄い。」

 

鎧武とゴーストはドライブに駆け寄る。

 

鎧武「お疲れ様。」

 

ゴースト「強くなったな。」

 

ドライブ「2人とベルトさんのおかげだ。」

 

???「やっと見つけたぞ!!」

 

「「「!?」」」

 

そこに織斑千冬が現れた。

 

ドライブ「千冬姉。」

 

つづく

 

 



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和解

鎧武、ゴースト、ドライブは千冬と再会した。

 

千冬「やっと見つけたぞ!」

 

ゴースト「また会ったな、白騎士。いや、今ではブリュンヒルデか。」

 

鎧武「一体何の用だ?」

 

箒「え、え?」

 

箒は混乱して分からなかった。

 

ドライブ(千冬姉)

 

今のドライブの心は複雑だった。今すぐ変身を解いて話をしたいがやりづらかった。

 

千冬「私の弟の織斑一夏のことで用がある! 一夏は本当に死んだのか?」

 

箒「!?」

 

千冬の言葉に箒は驚愕した。

 

箒(何を言っているんだ千冬さんは? 一夏が生きていることを知らないのか?)

 

ゴースト「確かに俺はあの時既に死んでいるかもしれないとは言った。だがそれは可能性の話だ。」

 

鎧武「生きてるよ。」

 

千冬「本当か!?」

 

ゴースト「だが、会えたとしても奴が貴様の元に戻るかどうかは分からんが。」

 

千冬「どういうことだ!?」

 

鎧武「彼は周りから『出来損ない』『劣等品』『恥さらし』と言われ続け、苦しい思いをしてきたと言っていた。彼にまた同じ苦しみを与えるつもりなのか?」

 

千冬「ち、違う!? 私はそんなつもりは!?」

 

箒「・・・・」

 

箒は心当たりがあったのか何も言えずにいた。

 

ドライブ(もしかして2人は。)

 

ドライブは何かを察した。

 

ゴースト「それに奴は自分の真実を知ったからな。」

 

千冬「何の話だ!?」

 

鎧武「プロジェクト・モザイカ。」

 

千冬「!?」

 

その言葉を聞いて千冬は硬直した。

 

箒(プロジェクト・モザイカ?)

 

ゴースト「織斑一夏から聞いた。別名『織斑計画』。遺伝子操作によって意図的に『最高の人間』を造り出すためにある謎の組織が計画した一大プロジェクト。その中で1000体目で初めての成功体が織斑千冬、貴様だと。」

 

鎧武「そして、そのデータを基に量産に適して生み出されたのが彼だと言うことも。」

 

箒(一夏が作られた存在!?)

 

箒は言葉を失った。

 

千冬「一夏は何故それを!?」 

 

ゴースト「奴を誘拐した連中から話を聞いたそうだ。」

 

鎧武「今のアンタに姉として彼の傍にいる資格はあるのか?」

 

容赦ないゴーストと鎧武の言葉攻めに千冬は沈黙した。そして口を開いた。

 

千冬「確かに私は一夏には苦しみしか与えなかったかもしれない。私は姉失格だ。・・・だが私は一夏を・・・・・アイツを本当の家族として愛していたんだ! それには何の偽りもない!!」

 

千冬の心の叫びを聞いたゴーストと鎧武はもういいなと理解した。

 

ゴースト「それが貴様の気持ちか。」

 

鎧武「だと言ってるよ、一夏。」

 

そう言ってドライブの方を向いた。

 

千冬「何!?」

 

ドライブ「・・・。」

 

クリム<Nice Drive!>

 

ドライブは変身を解いて一夏に戻った。

 

一夏「千冬姉。」

 

千冬「い、一夏!?」

 

一夏「久しぶりだな、千冬姉。」

 

千冬「お前が赤い奴だったのか!?」

 

一夏「正直言って俺は千冬姉にとって邪魔な荷物にしかならないと思っていた。千冬姉の顔に泥を塗っているのかと。」

 

千冬「! だから、あの時逃げたのか?」

 

一夏は無言で頷いた。

 

一夏「誘拐されたあの時、俺なんかいなくなった方がいい、そう思っていた。」

 

これが一夏の本当の気持ちだった。それを聞いた千冬は一夏に近づいて抱きしめた。

 

千冬「バカ者。私はお前を邪魔だと思ったことなど一度もない。例え血の繫がりがなかろうとお前は私の大切な弟だ。寧ろあの時呑気に試合に出ていた私が悪い。本当にすまない。本当は棄権して助けに行くべきだった。」

 

一夏「千冬姉。」

 

千冬「寧ろ迷惑かけているのは私の方だ。」

 

一夏「こんな俺でも一緒にいていいのか?」

 

千冬「勿論だ。」

 

一夏に一筋の涙が流れる。

 

箒(よかったな、一夏。)

 

箒ももらい泣きした。

 

鎧武とゴーストも安心した。

 

鎧武「こっちは大丈夫そうだな。」

 

ゴースト「ああ。」

 

戦極ドライバー<ロックオーフ!>

 

ゴーストドライバー<オヤスミー!>

 

2人は変身を解いた。一夏は2人に振り向いた。

 

一夏「2人共ありがとな。」

 

呂布「? 何のことだ?」

 

一夏「俺と千冬姉のためにわざと芝居してくれて。」

 

劉備「って、気付いていたのか。」

 

一夏「まあな。」

 

千冬「芝居だと!?」

 

箒「あれ芝居だったのか。」

 

千冬「って、ガンダムとトールギスだと!?」

 

呂布「今頃か(汗」

 

劉備「取り敢えず、場所を変えないか? ここじゃ説明しづらい。」

 

千冬「そ、そうだな。」

 

呂布「篠ノ之束の妹、貴様も来い。」

 

箒「あ、ああ。」

 

クリム「では早速移動しよう。」

 

千冬「な!?ベルトが喋った!?」

 

全員は篠ノ之神社の道場に入った。

 

千冬「ところでお前達は一体?」

 

劉備「ああ、俺の名は劉備。」

 

呂布「俺は呂布だ。」

 

クリム「私はクリム・スタインベルトだ。」

 

箒「ガンダムの姿で三国志の人物って。」

 

千冬「一夏、2人とそのベルトは何者なんだ?」

 

一夏「2人とベルトさんは俺の命の恩人なんだ。」

 

一夏は自分が誘拐されたこと、劉備と呂布の2人に出会ったこと、仮面ライダードライブに選ばれたこと、今までの2年間のこと全てを話した。

 

箒「今世界中に現れている謎の3人組は一夏達だったのか。」

 

劉備「まあ、そういうこと。」

 

千冬「お前はそのショッカーと戦う者として選ばれたのか。」

 

一夏「今まで黙っててごめん。」

 

呂布「俺もすまなかったな。あんなことをして。」

 

千冬「いや、あれは私にも責任がある。本当にすまない。お詫びと言ってはなんだが私にもお前達の戦いに協力させてくれないか?」

 

劉備「な!? 急に何を!?」

 

一夏「そうだよ千冬姉! 奴らとの戦いは命懸けなんだぞ!?」

 

千冬「分かっている。せめてお前達のサポートぐらいだ。一夏、もうお前だけに辛い思いはさせない。せめてもの償いだ。」

 

一夏「千冬姉。・・・分かった。でも無茶だけはしないでほしい。大切な家族だから。」

 

千冬「分かった。」

 

呂布「いいのか?」

 

一夏「本当は嫌だけど失った家族の時間を取り戻したいんだ。」

 

劉備「そうか。なら俺達は何も言わない。」

 

一夏「ありがとう。」

 

呂布「それで篠ノ之束の妹、貴様はどうしたい?」

 

呂布は箒に尋ねた。

 

箒「その呼び方はやめてくれ。私は箒、篠ノ之箒だ。」

 

呂布「なら篠ノ之箒、貴様はどうしたい?」

 

箒「勿論、私も千冬さんと同じだ。私も一夏のサポートをしたい。できることは少ないかもしれないが、一夏を支えてやりたいんだ。」

 

一夏「箒。」

 

箒「どんなに辛くても私は一夏の傍にいる。」

 

一夏「ありがとう。」

 

すると

 

劉備・呂布「「ん?」」

 

劉備と呂布は外を見た。

 

一夏「どうしたんだ2人共?」

 

劉備「今誰かに見られてた気がして。」

 

呂布「俺もだ。」

 

箒「誰もいないが。」

 

千冬「気のせいではないか?」

 

劉備「おっかしいな。」

 

だが気付かれないように隠れている一人の存在が、ウサ耳のカチューシャをつけて、胸元を開いたデザインのエプロンドレスを着た女性がいた。そうその女性こそISの開発者・篠ノ之束だった。先程の一夏達の会話をこっそり聞いていた。

 

束「いっくん、そうだったんだ。束さんも償わないと。それにしてもあの2人、勘が鋭いな。」

 

そう言ってどこかに去っていった。

 


 

場面は一夏達に戻る。

 

千冬「ところでお前達、良かったら家に来ないか?」

 

劉備「え?」

 

千冬「弟を助けてくれた恩人だ。その礼をしたい。」

 

劉備「どうする?」

 

呂布に尋ねる。

 

呂布「ま、いいんじゃないか。織斑の家に居候するのも悪くない。」

 

劉備「まあ確かに、拠点ではちゃんとした生活できなかったからな。」

 

一夏「俺も2人なら歓迎だよ。」

 

箒「私も行こう。」

 

それから篠ノ之神社を出て、『織斑』と書かれた家にたどり着いた一行。一行は家に入ろうとしたが玄関を開けた時に問題が起きた。

 

劉備「え?」

 

呂布「何だ、これは?」

 

玄関に入るとあちこちにビール缶やコンビニ弁当のゴミがたくさん入ったゴミ袋が置いてあり、酒臭いゴミ屋敷が広がっていた。劉備と呂布は思わず鼻を腕で覆う。

 

一夏「またか千冬姉(汗」

 

千冬「すまん(汗」

 

まさかと思い、劉備は恐る恐る一夏に尋ねた。

 

劉備「一夏、まさか千冬って(汗」

 

一夏「そっ、家事が苦手なんだ。」

 

劉備「やっぱり(汗」

 

悪い予感が的中した。

 

呂布「ブリュンヒルデがまさかの片付けられない女だったとは。」

 

千冬「ウッ⁉︎」グサッ

 

箒「あ、千冬さんが気にしていることを。」

 

劉備「お前ストレートに言い過ぎだって言ってるだろ(汗」

 

呂布「事実だろ。」

 

一夏と箒は2人の会話を見て苦笑いをする。

 

劉備「まあとにかく掃除して綺麗にしないとな。」

 

呂布「こんなゴミ屋敷では住もうにも住めまい。」

 

一夏「いいのか?」

 

劉備「居候するならこれぐらいしないとな。」

 

一夏「助かるよ。」

 

箒「私も手伝おう。」

 

一夏「サンキュー。」

 

この時一夏は初めて千冬と家族になれたと思っていた。新たな仲間も加わり仮面ライダー達の戦いはまだまだ続く。

 

 

つづく



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古き友 新たな仲間

千冬と和解した一夏は今、仲間達と織斑家の掃除をしていた。

 

一夏「すまない2人共、手伝ってくれて。」

 

呂布「気にするな。」

 

劉備「俺達は仲間なんだしいいよ。」

 

劉備と呂布と一夏はゴミ出しをしていた。そして織斑家に戻ろうとした瞬間

 

???「一夏?」

 

???2「本当に一夏なのか?」

 

一夏にとって聞き覚えのある声がした。全員が声のした方向を向くと一夏の懐かしい友がいた。

 

一夏「弾、数馬?」

 

弾「やっぱり一夏じゃねぇか!」

 

確信した弾は一夏に駆け寄る。

 

一夏「ひ、久しぶりだな。」

 

弾「久しぶりじゃねえだろ! 心配させやがって!」

 

劉備「一夏、彼らは?」

 

一夏「ああ、2人は俺の友達だ。」

 

劉備「一夏の友達?」

 

数馬「アンタ達はもしかして、一夏と戦っている仮面ライダーの2人?」

 

一夏「え?」

 

呂布「き、貴様何故それを!?」

 

劉備「まさか!?」

 

呂布と劉備は警戒態勢を取る。

 

弾「安心してくれ、俺も知っているし、俺達は味方だ。」

 

数馬「その証拠を見せるよ。」

 

すると弾と数馬はポケットから白と黒のミニバイクを取り出した。

 

一夏「ミニバイク?」

 

劉備「それはシグナルバイク!?」

 

呂布「何故貴様らがそれを!? まさか!?」

 

弾「そっ、俺達もライダーとして戦うことになったんだ。」

 

一夏「弾達も!?」

 

数馬「説明は一夏の家でするよ。一夏、千冬さんにはお前のこと話したのか?」

 

一夏「ああ、さっき仲直りしたばかりで2人と家の片付けをしていたところだ。」

 

弾「そうか。良かったな。」

 

5人は織斑家に向かった。

 

 


 

弾と数馬が来た時千冬は少し不安がったが一夏が大丈夫だと言って励まされた。千冬も2人が仮面ライダーとして戦うことになったことは勿論驚いた。因みに家の中は完全に綺麗になった。

 

劉備「改めて俺は劉備、仮面ライダー鎧武だ。」

 

呂布「俺は呂布、仮面ライダーゴースト。」

 

クリム「私は一夏がドライブに変身する為のベルト、クリム・スタインベルトだ。呼びにくければベルトさんと呼んでくれ。」

 

箒「一夏の幼馴染の篠ノ之箒だ。」

 

弾「次は俺達だな。俺は五反田弾、一夏の中学時代の友達だ。」

 

数馬「俺は御手洗数馬、一夏と弾の旧友だ。」

 

クリム「ところで2人とも、そのシグナルバイクを何処で手に入れたのだ?」

 

弾「マッハっていう前の仮面ライダーの変身者から受け取ったんだ。」

 

劉備「前のマッハの変身者って!?」

 

呂布「詩島剛か!?」

 

弾と数馬は無言で頷く。

 

数馬「一夏がいなくなって千冬さんがドイツから帰国した後かなりショックを受けてさ、その時弾の奴が一夏を見捨てたと思って頭にきて千冬さんをぶん殴ったんだ。」

 

劉備「えっ!?」

 

一夏「マジ?」

 

弾「おい、数馬!」

 

千冬「気にするな、あれは私の罰でもある。」

 

箒「千冬さん。」

 

数馬「それから一夏がいなくなった数ヶ月が過ぎた後のことだ。」

 

 

回想

 

数馬「弾、ちょっとは落ち着いたか?」

 

弾「ああ。あんなことをしたとしても一夏は戻って来ない、それぐらいは分かっている。正直頭に血が昇ってた。」

 

すると

 

弾「うわあっ!?」

 

数馬「な、何だ!?」

 

2人が突然光に包まれた。光が晴れると不思議な場所にいた。

 

弾「何処だここ?」

 

???「よっ、よく来たな。」

 

白いジャケットを着た青年が現れた。

 

弾「アンタは?」

 

剛「俺は詩島剛、仮面ライダーーーーマッハだ!」

 

シ---ン  しばしの沈黙。

 

剛「なんだよ乗りが悪いな(汗」

 

弾「あ、すんません。」

 

数馬「って仮面ライダー!?」

 

剛「遅えよ(汗」

 

弾「何で俺達をここに?」

 

剛「これを見てくれ。」

 

一夏がドライブになる瞬間と自分の真実、劉備と呂布が一夏と一緒に戦う今までの映像が流れた。

 

弾「一夏の奴生きていたのか。」

 

数馬「しかも噂の謎の三人組の1人が一夏で三国志の人物の名前のガンダムとトールギスの仲間といたなんて。」

 

剛「俺がお前達の前に現れたのは俺と俺のダチの力を授けるためだ。だがお前達はダチとしてあいつと共に戦う覚悟はあるのか?」

 

弾「・・・・あるさ!」

 

剛「!」

 

弾「一夏が作られた奴だっていうのは驚いたけど、あいつはあいつだ。俺達の友達に変わりはねぇ!」

 

数馬「ああ、俺も同じ気持ちだ!」

 

剛「そうか。それならこいつを安心して渡せるな。」

 

剛は弾にシグナルマッハ、数馬にシグナルチェイサーを渡した。

 

剛「変身にはもう一つアイテムがいるがそっちはあいつらと合流した時に貰え。」

 

数馬「あ、はい(何で一緒に持っていないんだ。)(汗」

 

剛「だが一つ約束してほしい。」

 

数馬「約束?」

 

剛「俺は戦いでダチを救えなかった。お前らはちゃんと自分のダチを救え!」

 

弾「! ああ!」

 

数馬「勿論だ!」

 

2人再び光に包まれて元の場所に戻った。

 

弾「頑張らないとな。」

 

数馬「ああ。」

 

回想終了

 


 

千冬「そんなことが。」

 

劉備「つまり君達が俺達を知っていたのは(汗」

 

呂布「詩島の仕業ということか。」

 

呆れたように呟いた。だが一夏は複雑だった。

 

一夏「弾、数馬。・・・俺本当は2人を巻き込みたくなかった。箒の時も様子を見に来たらすぐに立ち去るつもりだった。」

 

箒「!? それで篠ノ之神社に。」

 

弾「一夏、俺達は迷惑だなんて思ってねぇよ。」

 

数馬「俺達は自分の意志で戦うって決めたんだ。今度こそ力になるよ。」

 

一夏「ありがとう、2人共。」

 

劉備「一夏はこんなにも友に恵まれていたんだな。」

 

呂布「ああ。」

 

劉備と呂布は静かに見守る。

 

千冬「すまない五反田、御手洗。私は」

 

弾「俺はもう怒ってないよ、千冬さん。」

 

数馬「血の繫がりがなくてもアンタは一夏を大切に思っているのは分かっているから。」

 

千冬「ありがとう。」

 

劉備「まあ兎に角、弾と数馬の変身アイテムは明日渡すとしよう。」

 

呂布「そうだな。今日はもう遅い。」

 

一夏「これからよろしくな。弾、数馬。」

 

弾「ああ。」

 

数馬「こっちこそ。」

 

それから一夏達はいろいろ雑談した後解散した。

 


 

翌日、一夏と劉備と呂布は弾と数馬、千冬と箒をドライブピットに連れて来ていた。

 

劉備「これが弾と数馬専用のドライバー、マッハドライバー炎だ。言いにくかったらマッハドライバーと呼んでくれ。」

 

劉備は弾と数馬にマッハドライバー炎を渡した。

 

呂布「実際に使って変身してみろ。」

 

弾と数馬が互いの顔を見て頷き合うとマッハドライバー炎を装着した。

 

マッハドライバー炎<Signal Bike! Rider!>

 

弾と数馬はシグナルライディングパネルにシグナルマッハとシグナルチェイサーを装填した。

 

弾「Let's!」

 

弾・数馬「「変身!」」

 

マッハドライバー炎<MACH! CHASER!

 

弾は仮面ライダーマッハ、数馬は仮面ライダーチェイサーになった。

 

チェイサー「すげー!」

 

マッハ「追跡! 撲滅! いずれも…マッハ! 仮面ライダー…マッハ! いい絵撮れたでしょう?♫」

 

シ---ン

 

千冬「五反田、何だ今の名乗りは?(汗」

 

マッハ「いや、何故か勝手に(汗」

 

箒「そういえば、一夏達が変身した時の『ここからは俺のステージだ!』や『命、燃やすぜ!』、『ひとっ走り付き合えよ!』は何なのだ?」

 

劉備「あれは前の変身者が言ってたやつなんだ。」

 

呂布「変身すると俺達は当時の奴の性格となってあの台詞を言ってしまうのだ。」

 

チェイサー「じゃあ、今弾が言ったのは(汗」

 

劉備「前の変身者、つまり剛の決め台詞だ。」

 

呂布「兎に角これからビシビシ鍛えていくから覚悟しておけ。」

 

マッハ「えーー(汗」

 

チェイサー「まあまあ。」

 

こうして一夏に新たな仲間が加わった。彼らの戦いはまだまだ続く。

 

 

つづく



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入学前のトラブルとIS学園入学

一夏と千冬が和解し、弾と数馬という頼もしい仲間ができて数日が過ぎた。ドライブとマッハとチェイサーの連携も上出来となった。千冬から高校受験はどうするかと言われ最初はやめようかと思っていたが学生という身分なら怪しまれることがないので都合がいいということで考え直した。なので一夏は近いうちに近くの高校を受験することを決めた。そして一夏は今劉備と呂布と買い物に出ていた。因みに劉備と呂布は腕輪型の擬人化マシンで擬人化している。

 

劉備「いい天気だな。」

 

呂布「ああ。」

 

一夏「空の眺めもいいし久しぶりの地元での買い物、平和だな。」

 

 

 

買い物を一通り済ませて3人は買い物袋を持って織斑家に帰ろうとしていた。

 

一夏「さて、帰ったら受験科目を確認し・・・・。」

 

一夏は突然立ち止まった。

 

劉備「一夏?」

 

呂布「どうした?」

 

劉備と呂布は一夏が向いている方向を見るとある物体があった。それは。

 

『IS打鉄』

 

展示用のISだった。3人は何故かは分からないがすぐにその場を離れようとした。その時足元を魚を咥えたどら猫が通り過ぎた。そして一夏達の背後からとんでもない殺気を感じ、3人は後ろを振り向いた。

 

おばさん「こら待てーーー‼︎ この泥棒猫‼︎」

 

どこかのおばさんが鬼の形相をして猛スピードで走って来た。

 

劉備「こ、怖⁉︎」

 

呂布「避けろ!!」

 

一夏「うわぁ!!」

 

3人は慌てて道を開ける。だが一夏はうっかり展示用の打鉄に手を触れてしまった。すると打鉄は光り輝く。

 

一夏「えっ?」

 

気がつくと一夏は打鉄を身に纏っていた。

 

呂布「なんだと⁉︎」

 

劉備「えーーーー⁉︎ 一夏がISを纏った⁉︎」

 

一夏にIS適性がないと思っていた劉備と呂布は当然驚いた。周りにいた通行人達も目を丸くしていた。

 

市民1「おい、あれを見ろ!」

 

市民2「男がISを起動させているぞ⁉︎」

 

市民3「こ、これってスゲエことじゃ⁉︎」

 

市民4「IS委員会に報告した方がいいよね⁉︎」

 

劉備「なぁ呂布、これって?」

 

呂布「ああ、まずいことになったな。」

 

一夏自身も自分にIS適性があるとは思わなかったので驚いている。

 

一夏『すっげー最悪だ。』

 


 

数日後織斑家

 

千冬「勉強は大丈夫か?」

 

千冬が分厚いIS参考書を呼んでいる一夏に聞いた。

 

一夏「ああ、劉備と呂布のおかげである程度の知識を理解してるよ。」

 

劉備「しかし一夏がISを起動させるとは思わなかったな。」

 

呂布「ああ。全くこのトラブルメーカーは。」

 

一夏「はい、表で騒ぎを起こしてすみません。」

 

千冬「まあまあ、そう落ち込むな。」

 

劉備「だが不本意だけどIS学園に入学した方が安全だろうな。」

 

呂布「確かにあそこに入学すればあらゆる国家も干渉できない。誘拐や人体実験もされることもない。」

 

千冬「強いて言えばお前達の正体がばれることもない。」

 

劉備「俺達もISの整備士か学園の清掃員として紛れ込めばいいし一夏の様子が見れる。」

 

呂布「交代交代で入れ替わり五反田と御手洗を鍛えさせるとしよう。」

 

一夏「頼むよ。もう考えるのはやめた。」

 

千冬「いや、やめるな!」

 


 

IS学園入学前日

 

入学前日となって一夏は自分の荷物をまとめて出発の準備を終えた。千冬はIS学園の教師になっていたので先に学園に行った。

 

彼らは今弾と数馬とドライブピットにいた。

 

弾「災難だなお前。」

 

数馬「まあ、あれは仕方ないだろな。」

 

劉備「兎に角2人のことは俺と呂布に任せてくれ。」

 

呂布「俺達が必ず立派な戦士にする。」

 

弾「いつか追いついてやるぜ!」

 

グッドサインを出す

 

一夏「ああ、楽しみにしているよ。」

 

クリムはその様子を静かに見守っていた。

 

クリム(いい仲間達だな(^_^))

 


 

翌日IS学園

 

一夏は学園の教室の前で待機していた。隣には学園の用務員を名乗る男、轡木十蔵がいる。

 

轡木「では織斑一夏君、しばらくここで待っていてください。」

 

一夏「わかりました。」

 

一夏は男性初のIS適合者で学園唯一の男子生徒であるため、混乱防止のため入学式には参列しなかった。因みに今日は劉備が来ていて、彼は清掃員に変装して別行動している。

 

 

一方教室では

 

山田「今から転校生が来ます。皆さん、あまり騒がないようにしてくださいね。」

 

副担任の山田真耶は生徒に注意を言う。

 

千冬(まさか一夏が私のクラスになるとは思わなかったな・・・・・。まあ、此処なら篠ノ之もいるから安全か。)

 

どういう偶然か運命のイタズラか千冬が担任で箒と同じクラスとなった。

 

箒「もうすぐ一夏が来る。」

 

箒は期待を寄せながら席に座っていた。

 

 

轡木「それでは入って来てください。」

 

一夏「はい。」

 

一夏が教室の扉を開けて入ってきた。

 

教室では女子生徒達が学園唯一の男子生徒にある者は好奇心、ある者はその男性の性格を予想しながら待っていた。

 

真耶「では自己紹介をお願いします。」

 

一夏「織斑一夏です。趣味は運動、主に走ること、家事。嫌いなのは女尊男卑などの人種差別です。・・・以上です。」

 

こうして一夏の2年ぶりの学園生活が始まった。だがこの時この学園であらゆる騒動が起こるということを誰も知る由もなかった。

 

つづく

 



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クラス代表とドライブピット

自己紹介を終えた一夏は自分の席に座った。

 

生徒1「織斑・・・・って、もしかしてあの千冬様の弟?」

 

生徒2「きゃああああ~!代わってもらいたい!」

 

生徒3「イケメン!それになんかすごく優しそう~!」

 

一夏の自己紹介に女子生徒のテンションは異常と言うほど高まっていた。

 

千冬「お前ら、静かにせんか!」

 

流石の煩さに千冬は女子生徒たちに一喝する。

 

生徒4「きゃあ~!本物の千冬様に怒られちゃった~!」

 

生徒5「もっと叱って!」

 

生徒6「でもたまには優しくしてください!」

 

千冬「黙れと言ってるだろうが馬鹿共が!」

 

生徒達「きゃああ~!!」

 

千冬「・・・・・・はあ。」

 

中々治りそうになくて千冬は心底呆れた。そんな中箒だけは静かに一夏のことを見つめていた。

 

箒(一夏。)

 

 

 

自己紹介後の休み時間

 

箒「一夏!」

 

箒は一夏の席にやって来た。教科書を読んでいた一夏は箒の事を見る。

 

一夏「箒! お前もこの学園に入学していたなんて。」

 

箒「ああ、しかもクラスメイトだ。」

 

一夏「箒、分かっていると思うけど。」

 

箒「勿論、秘密はちゃんと守る。」

 

2人は先日、篠ノ之神社で再会したためあまり長く感じなかった。その時丁度チャイムが鳴った。

 

箒「あ、もうこんな時間か。じゃあ一夏、また後で!」

 

箒は笑って席につく。

 


 

山田「え~ここまで分からない人はいませんか?」

 

教科書を読みながら副担任の山田真耶は生徒達を見渡して尋ねた。教え方も丁寧だったため一夏にとっても分かりやすかった。

 

真耶「織斑君、分からないところとかはありますか?」

 

一夏は劉備と呂布の助けもあり、ノートにある程度の説明を書き足しながら山田先生を見る。

 

一夏「はい、大丈夫です。」

 

山田「そ、そうですか。」

 

真耶は安心した顔をした。

 

一夏「(劉備と呂布のおかげで助かったよ。)あっ、でも先生の教え方も分かりやすくて助かってます。」

 

山田「え? そうなんですか?」

 

生徒1「うん、山田先生の教え方凄く上手!」

 

生徒2「それに丁寧!」

 

山田「あ、ありがとうございます~。」

 

一夏から始まった褒め言葉を切欠に全員が真耶を褒め称えた。真耶は授業が終わるまで恥ずかしそうに顔を赤くしていた。

 

 

 

二時間目の授業後の休み時間

 

???「ちょっと宜しくて?」

 

一夏「何の御用ですかな? イギリスの代表候補生のセシリア・オルコットさん。」

 

棘のある言葉で聞いてくる縦ロールの長い金髪の少女≪セシリア・オルコット≫に対し一夏は普通に答えた。

 

セシリア「まあ、男の分際でわたくしの事をご存知ですのね。」

 

一夏「まあな。俺を含めた極一部の奴にとっては有名だけど。」

 

セシリア「なんですって!」

 

一夏「自己紹介で言ったと思うけど、俺人種差別が嫌いなんだ。あっち行ってくれ。」

 

セシリア「あ、貴方って人は!」

 

するとタイミング良くチャイムが鳴る。

 

セシリア「ま、また来ますわよ! 逃げないことね!!」

 

一夏(ここでの生活が平和に終わりそうにないな。)

 

セシリアは怒りを露にしながら席についた。

 


 

次の授業

 

この時間は千冬がIS各種の武装を説明する授業であるが。

 

千冬「授業を始める前にクラス代表を決める。」

 

千冬の言葉に生徒全員が注目する。

 

千冬「クラス代表は普通に言えば学級委員のようなものだ。学校行事のまとめ役や再来週のクラス対抗戦の試合をする。他薦、自薦どちらでも構わないが誰かいないか?」

 

一夏(出来れば俺は避けたいな。ライダーとして戦ってるし。)

 

だが世の中そんなには甘くない。

 

生徒1「はーい! 織斑君を推薦しまーす!」

 

生徒2「私も!」

 

生徒3「同じく!」

 

周りから一夏への推薦の声が上がる。

 

一夏「あの~織斑先生、拒否権は?」

 

千冬「ない、潔く受け入れてくれ。(本当は私も反対したいがな。)」

 

一夏「ですよね~。(勘弁してくれよ。)」

 

それを聞いた一夏はため息をする。

 

箒(一夏、ドンマイ。)

 

箒は心の中で静かに合掌した。

 

セシリア「待ってください! 納得いきませんわ!」

 

するとセシリアが突然声を上げた。

 

セシリア「このような選出は認められませんわ! 下等な男がクラス代表なんて、このIS学園での良い恥じさらしですわ。わたくしにそんな屈辱を1年間味わえというのですか!?」

 

セシリアが立ち上がり抗議の声を上げる。

 

セシリア「実力からすればこの私がなるのが必然! それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこのような島国までIS技術の修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ! 大体! 文化として後進的な暮らさなければならないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛で・・・」

 

一夏「そこまでにしておけ!」

 

セシリア「なっ!?」

 

一夏の言葉でセシリアが話を止める。

 

一夏「お前がこの国のことが気に入らないことはよく分かった。だが、仮にも代表候補生なら自分の立場を考えろ。」

 

セシリア「なんですって!」

 

一夏「そもそも代表候補生たる者が他国の誹謗中傷していいのか? お前のその発言で日英戦争が始まると言ってもおかしくないんだぞ?」

 

セシリア「そ、それは・・・・。」

 

動揺するセシリアに次々と正論を言う一夏。

 

一夏「お前は日本を文化として後進的な国って言ったな。だけどこれから俺達が使うISを産み出したのは、この国の女だぞ。」

 

セシリア「うっ!」

 

一夏の指摘にセシリアが何も言えなくなる。

 

一夏「まあ、消極的な俺に比べたら積極的なオルコットさんの方がいいけど、自薦他薦を問わないなら何で自分から推薦しなかったんだ?」

 

その一言でとうとう彼女のプライドに火を付けてしまった。

 

セシリア「もう許せませんわ! わたくしをコケにして・・・決闘ですわ!」

 

セシリアは一夏に指を指して言う。

 

セシリア「負けたら貴方を私の奴隷にして差し上げますわ!」

 

一夏「・・・それ、覚悟を持って言っているのか?」

 

突然一夏が目つきを変えセシリアの方を見る。その目から発する殺気は本能的に彼女を震わせた。

 

一夏「俺の仲間の1人が言っていた。」

 

呂布『自分が敵と判断した者は、例え相手が女であろうと再起不能になるまで容赦なく叩き潰せ。』

 

一夏「ってな。」

 

箒(そ、それって!?(汗)

 

千冬(呂布の奴か!! (汗 一夏になんてことを吹き込んでくれたんだ!?(汗)

 

箒と千冬はそう言ったのが呂布だと察しがついた。以前劉備から『呂布は昔戦いを求めて戦場に出ていたから誰であろうと容赦はしなかったからな。まあ、今ではあいつをバカにするような奴がいればの話だけど、もしいるとしたらそいつの命はもうないな。』と聞いていた。

 

一夏「俺にそう言ってくるということは再起不能にされる覚悟があるのか?」

 

セシリア「っ......!」

 

一夏「まっ、勝負となったらとことんやるさ。」

 

その後一夏対セシリアの代表決定戦は一週間後に行うことが決まった。

 


 

放課後

 

一夏は職員室に呼び出されていた。清掃員の仕事を一通り終えた劉備も擬人化した状態で一緒にいた。

 

一夏「織斑先生ごめんなさい。流石にやり過ぎました。」

 

千冬「流石に再起不能はないだろ。まあ今回は早く注意を言わなかった私にも問題があったから仕方あるまい。」

 

劉備「全く呂布の奴余計なことを。」

 

千冬「後でこのIS学園の地下にあるドライブピットに集合して話をしないとな。」

 

この世界のドライブピットは好きな場所に転移することが可能。因みに弾と数馬は転移装置でドライブピットに来ることができる。

 

一夏「じゃあ俺一旦寮に行ってからドライブピットに行くよ。」

 

千冬「分かった。鍵は山田先生から受け取ってくれ。」

 

一夏「分かった。それじゃあまた後で。」

 

そして一夏は真耶から寮の鍵を受け取り自分の寮に向かった。

 

 

1020号室

 

一夏「お、結構いい部屋だな!」

 

部屋に入った一夏の感想はそれだ。するとシャワールームから誰かが出てきた。

 

???「相部屋の者か? こんな格好ですまない。」

 

一夏は声で誰か分かった。

 

一夏「ほ、箒か?」

 

箒「一夏。」

 

一夏「と、取り敢えず着替えてくれ。」

 

箒「そ、そうだな。」

 

5分後箒は着替え終わった。

 

一夏「まさか箒と同じ部屋になるとは思わなかった。」

 

箒「お前達の秘密を知っている者同士なら問題ないだろう。」

 

一夏「俺これから学園の地下のドライブピットに行くけど箒はどうする?」

 

箒「私も行こう。一応協力者だしな。」

 

一夏「よし。」

 

箒「それと一夏。」

 

一夏「ん?」

 

箒「お前が何者であろうと私はお前の味方だ。」

 

一夏「・・・ありがとう、箒。」

 

一夏と箒はシフトカーの案内で他の生徒に見つからないようにしながらドライブピットに着いた。

 

一夏「お待たせ。」

 

劉備「あ一夏、箒。」

 

呂布「やっと来たか。」

 

千冬「おい! まだ話は終わってないぞ!」

 

呂布「何度も言っているだろ! 織斑が強い男となるには必要なことだと!」

 

真耶「お、落ち着いてください(゚Д゚;≡;゚д゚)」

 

箒「オイオイ(^_^;)」

 

一夏「で、何で山田先生までいるんだ?」

 

一夏が何故か真耶もドライブピットに来ているという最もな質問をした。

 

劉備「クリムが密かに協力を申請していたらしい。」

 

真耶「これからよろしくね、織斑君。」

 

呂布「相変わらずこいつの秘密主義には参るものだ。」

 

クリム「ふふーん( ・`ω・´)」

 

クリムはどや顔をする。

 

一夏(この人意外に侮れない。)

 

呂布「因みにこの学園の生徒会長も呼んである。」

 

一夏「何で生徒会長も?」

 

劉備「簡単に言うとその生徒会長に嘘は通用しない。」

 

???「正解♪」

 

水色の髪をした2人の生徒が入って来た。1人は扇子を持っていてもう1人は眼鏡を掛けていた。

 

楯無「私は更識楯無、以後宜しく♪」

 

簪「その妹の更識簪です。貴方達のことが気になってお姉ちゃんと来ました。」

 

呂布「更識家は元々対暗部用暗部として有名だからな。スパイ活動が得意だ。」

 

劉備「秘密を守ることを交換条件に協力してもらうことになった。」

 

一夏「そうなんだ(汗」

 

楯無「安心して、貴方達の正体はバラさないから♪」

 

呂布「兎に角、政府から支給されるお前の専用機が来たらドライブの力を使えるように改造しないといけない。」

 

一夏「それって、ISでドライブのシステムを使えるようにするってことか?」

 

劉備「そういうこと。それならドライブの戦闘能力でなら戦いやすいだろ。」

 

楯無「ISの訓練の指導はお姉さんに任せてね♪」

 

一夏「よ、よろしくお願いします生徒会長。」

 

楯無「楯無って呼んで。」

 

一夏「は、はい楯無さん。」

 

楯無「よろしい。(ふふ、意外にかわいいかも♪)」

 

楯無は密かに一夏に興味を持っていた。

 

呂布「他にもやるべきことがあるがな。」

 

一夏「そっか、ドライブの武器はまだ。」

 

視線がケースに入っている2つの武器に向けられる。

 

劉備「あと3日調整すれば使えるようになる。」

 

一夏「早く使えるようになりたいな、このハンドル剣とドア銃。」

 

楯無「は、ハンドル剣(汗」

 

真耶「ドア銃(汗」

 

箒「何だ、そのセンスのないネーミングは?(汗」

 

一夏「前の変身者の特上課の警察、泊進ノ介さんがつけたらしい。」

 

千冬「ネーミングセンス悪いなそいつは(汗」

 

一夏「俺も最初聞いた時はそう思った(汗」

 

簪「そうですか? 私はいいと思いますけど。」

 

全員「え?(汗」

 

全員の視線が簪に向けられる。

 

劉備「君、本気で言ってる?(汗」

 

簪「はい、勿論です!」

 

簪は目を輝かせてキッパリ言った。

 

クリム「進ノ介と気が合う者が出てくるとは(汗」

 

さすがのクリムもドン引きしていた。

 

簪「ねぇ織斑君。」

 

一夏「気軽に一夏って呼んでくれ。」

 

簪「あ、じゃあ私も簪って呼んで。」

 

一夏「いいよ、簪。」

 

簪「一夏、この2つの武器の調整私にもやらせてくれない?」

 

一夏「いいのか?」

 

簪「こうやって正義のヒーローのサポートをするのをやってみたかったの。」

 

一夏「俺ヒーローって呼ばれる程じゃないんだけどな。」

 

簪「絶対に間に合わせてあげるから。」

 

一夏「ああ、その時を楽しみにしているよ。」

 

満面の笑みを簪に向ける。

 

簪「///」ボッ

 

クリム「一夏、セシリア・オルコットの専用機のデータが向こうのパソコンにある。だが今日はもう休むといい。」

 

一夏「分かった、そうするよ。箒は?」

 

箒「もう少し此処にいる。」

 

一夏「じゃあ先に戻るよ。」

 

箒「ああ。」

 

一夏はドライブピットを出て寮に戻った。そして劉備は簪に気になったことを聞いた。

 

劉備「簪。もしかして君、一夏に惚れた?」

 

簪「はい、恥ずかしながら///」

 

呂布「まさかの天然たらしだったか、織斑の奴。」

 

箒「い、一夏は渡さないぞ!」

 

簪「望むところです!」

 

楯無「私も混ぜてもらおっかな。」

 

簪「お姉ちゃんも⁉︎」

 

真耶「青春ですねぇ。」

 

千冬「大変だな、アイツも。」

 

一夏を巡る女達の戦いと一夏のIS操縦者としての戦いが遂に始まる。

 

つづく



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兎の登場! 一夏の武装!!

セシリアの宣戦布告から3日後の放課後、簪の協力のもと遂にハンドル剣とドア銃の調整が終了した。

 

一夏「ありがとう、簪。」

 

簪「ううん、私にできるのはこれくらいで。」

 

劉備「早速アリーナでテストをしよう。」

 

呂布「織斑が使いこなせるか楽しみだ。」

 

 

アリーナ

 

メンバーは一般生徒を除いて一夏、劉備、呂布、千冬、箒、真耶、楯無、簪が来ている。

 

楯無「いよいよ見られるのね、彼がドライブになるのを。」

 

千冬「私も初めて見るからな。私の知らないところで成長しおって。」

 

千冬の顔は弟の成長が嬉しくもあり、寂しい感じだった。

 

一夏「行くぜベルトさん!」

 

クリム「OK! Start Your Engine!!」

 

一夏はイグニッションキーを起動し、《シフトスピード》をレバーにしてシフトブレスにセットしレバーを勢いよく倒す。

 

一夏「変身!」

 

クリム<DRIVE! Type-SPEED! >

 

一夏はドライブに変身した。

 

簪「あれが、仮面ライダードライブ。」

 

真耶「カッコイイです!」

 

箒「車のような感じですね。」

 

楯無「正に高速の戦士ね。」

 

千冬「そうだな。」

 

それぞれ感想を述べていた。

 

劉備「一夏、まずはハンドル剣だ。」

 

ドライブ「よし! ハンドル剣!」

 

そう叫ぶとハンドル剣が飛んで来てドライブが見事掴んだ。

 

呂布「よし装置を起動する。」

 

呂布が何かの装置を起動するとショッカー戦闘員が現れた。

 

ショッカー戦闘員「イーーー!」

 

劉備「こいつらは訓練用の偽物だから大丈夫だ。」

 

楯無「こいつらがショッカーね。」

 

千冬「一夏はこいつらとこれから戦うことになるのか。」

 

ドライブはハンドル剣のハンドルを90度回転させる。

 

ハンドル剣<TURN!>

 

ドライブ「ひとっ走り付き合えよ!」

 

ドライブはそう言うと急に走り出し、地面に手を当てて回転しながら戦闘員を切り裂く。

 

ガキィン! ガキィン! ガキィン!

 

ハンドル剣<TURN! TURN! U-TURN!>

 

ドライブ「ハッ!」

 

ショッカー戦闘員「イーーー!」

 

ドライブは更に3回ハンドルを回転させてターンスラッシュを発動する。

 

ドライブ「まだまだ!」

 

ハンドル剣<TURN! DRIFT SPIN(ドリフトカイテーン)!>

 

ドライブはハンドルをもう一度90度回転させてクラクションを押してドリフトスラッシュで次々と倒した。

 

劉備「ハンドル剣は大丈夫そうだな。」

 

呂布「次はドア銃だ。」

 

ドライブ「ドア銃!」

 

ドライブはハンドル剣を戻してドア銃を装備した。

 

千冬「全くセンス0だな(汗」

 

箒「一夏に泊さんのネーミングセンスがうつらなければよいが(汗」

 

ドライブ「っ!」

 

バキュン! バキュン! バキュン!

 

ショッカー戦闘員「イーーー!」

 

ドア銃のトリガーを引き、戦闘員を射撃する。

 

ガシン! ガシン!

 

ドア銃<CHARGE!!>

 

ドア銃のSO-ドアパネルシールドを開閉し空気中のエネルギーを吸収して補充する。

 

真耶「どうしてドアを開け閉め?」

 

簪「ドア銃のエネルギーは空気みたいでそれを吸収しているんです。」

 

ドライブ「もう一度!」

 

ドライブは再び空気中のエネルギーを吸収してドア銃のトリガーを引こうとしたら、

 

ドア銃HALF DOOR(半ドア)...>

 

ドライブ「あ....。」

 

SO-ドアパネルシールドを閉め忘れてトリガーを引いてしまっていた。

 

千冬「半ドア?(汗」

 

楯無「今のは?(汗」

 

簪「ドア銃はSO-ドアパネルシールドをちゃんと閉めないと打てないみたい。」

 

箒「どんな拘りなんだあれを作った人は(汗」

 

ドライブ「おっと気をつけないと。」

 

ドライブはドア銃のエネルギーを最大までチャージし続けた。

 

ドア銃<CHARGE!!>

 

ドライブ「行けーーー!」

 

ビジューーン!!!!

 

ショッカー戦闘員「イーーー!」

 

エネルギー最大の砲弾を放ち、残りの戦闘員を倒した。

 

クリム「Nice Drive。」

 

ドライブ「ふう。」

 

ドライブは変身を解除した。

 

劉備「今日はここまでだな。」

 

呂布「随分使いこなしたな。」

 

一夏「2人が鍛えてくれたおかげさ。」

 

千冬「クリムは私に任せてくれ。お前達は早く寮に戻れ。」

 

一夏「サンキュー!」

 

そして解散した。

 


 

翌日 食堂

 

一夏、箒、簪、楯無の4人は食堂のテーブルで朝食を取っていた。

 

楯無「そう言えば今日一夏君のISが来るそうよ。」

 

一夏「今日?」

 

簪「うん、強力な助っ人と一緒に来るって。」

 

箒「どんなISなのだ?」

 

一夏「確か倉持技研からのだっけ?」

 

楯無「そうよ。第三世代型IS 機体名『白式』だそうよ。」

 

簪「今日の放課後来るみたい。」

 

一夏「白式か。箒、悪いけど剣の稽古時々でいいから頼めないか? その時の感覚が役に立つかと思うから。」

 

箒「分かった、任せてくれ。」

 

そんな楽しそうに会話をしている4人を見て羨ましがっていた。

 

 

アリーナ

 

そして時間が過ぎて放課後、ドライブピットのメンバー全員がアリーナ近くにある格納庫に集まっていた。

 

一夏「しかし強力な助っ人って誰だろうな。」

 

劉備「調子狂う人じゃなければいいけど。」

 

呂布「同感だ。」

 

真耶「まあまあ。」

 

一夏「あ、そうだ簪。」

 

簪「何?」

 

一夏「呂布や楯無さんから聞いたけど俺がISを起動させたせいで君の専用機がお蔵入りになったんだって? 何かごめんな。」

 

簪「ううん大丈夫。気にしてないよ。寧ろ戦士のサポートできる仲間になれたことが嬉しいし。」

 

一夏「なあ、君の専用機の製作手伝おうか?」

 

簪「本当?」

 

一夏「ああ、俺のお詫びだ。みんなも協力してくれるか?」

 

劉備「俺はいいけど。」

 

呂布「ま、やらなければバチが当たるだろうな。」

 

箒「私もできることをしよう。」

 

クリム「解析などは私に任せてくれ。」

 

楯無「よかったね簪ちゃん。」

 

簪「うん。」

 

千冬「そろそろ来るぞ。」

 

そうしていると格納庫のハッチが開き、そこから一台のトラックが入って来た。そしてトラックは止まり、荷台が開くと一機の白いISがあった。

 

劉備「これが一夏のIS...」

 

呂布「白式か。」

 

ドォオオオオオオオオン!

 

全員「!?」

 

すると突然ISアリーナのフィールドに轟音が鳴り響き、全員が振り向くと土煙が舞っていた。

 

劉備「な、何だ!?」

 

呂布「敵襲か!?」

 

劉備と呂布が警戒態勢をとる。土煙が晴れるとそこには謎の黒い物体があった。

 

劉備「な、何だこれ?」

 

呂布「ゴミの塊か?」

 

一夏「いや、違うと思う。」

 

劉備・呂布・真耶・楯無・簪「「「「「え?」」」」」

 

千冬「全くアイツは。」

 

箒「何かすみません。」

 

一夏と千冬、箒はため息をして何か確信していた。

 

劉備「何か知っているのか?」

 

一夏「まあな。」

 

すると黒い物体がパカッと開き中から何かが飛び出してきた。

 

束「ハロー♪みんなのアイドル、束さんだよー♪」

 

そうISの生みの親、篠ノ之束だった。

 

一夏「やっぱり。」

 

箒「相変わらず姉さんはハチャメチャなんだから。」

 

千冬「全く次々と問題を起こしてくれるな、束。」

 

束「あ、久しぶりだね、いっくん、箒ちゃん、ちーちゃん。」

 

劉備「束ってISの生みの親の?」

 

呂布「自称天才科学者か。」

 

束「ムッ! 自称は余計だよ!」

 

呂布「世界を滅茶苦茶にした奴が言えることか?」

 

劉備「それにアンタは一夏に苦しみを与えた一人なんだからな。」

 

束「うっ!」

 

そう言われて束は縮こまってしまった。

 

千冬「お前達それくらいしてやってくれ。」

 

一夏「っていうか強力な助っ人って束さんのことだったんだ。」

 

束「その通り!」

 

直ぐに立ち直った。

 

楯無「これは意外ね。」

 

束「さあ、早速いっくんのISの調整をするよ! いっくんの仮面ライダーの力も使えるようにしないとね♪」

 

一夏「何で知ってるんですか!?」

 

束「当然そこの2人も別世界の劉備と呂布で仮面ライダーの仲間だってこともね。」

 

呂布「!? 篠ノ之神社の道場で感じた気配は貴様だったのか!」

 

劉備「一体何が目的だ!?」

 

劉備と呂布は龍帝剣と破塵戟を構える。

 

束「そう身構えないで。束さんは何でもお見通しだし敵じゃないよ。」

 

劉備「信用できるか!」

 

千冬「待ってくれ。」

 

劉備「千冬。」

 

千冬「お前達の気持ちは分かる。だがここは私に免じて剣を納めてくれないか?」

 

箒「私からも頼む。これでも私の姉さんだから。」

 

劉備と呂布は互いを見て武器を納める。

 

劉備「しょうがないな。」

 

呂布「今回はこいつらに免じて見逃してやろう。」

 

束「ありがとう。さあいっくん始めるよ。」

 

一夏「あ、はい。」

 

束に言われて一夏は白式を体に装着した。白式は一夏の体にフィットしてデータを読み取り最適化する。

 

一夏「さて次は...」

 

楯無「改造してドライブの力のインストールね。」

 

簪「ここにデータがあります。」

 

束「この調子で行っちゃおう♪」

 

そう言うと束は助言を受けた簪と共にすらすらと作業を進める。

 

劉備「さすがは天才又は天災の科学者だな。」

 

呂布「俺にはただの阿保にしか見えないが。」

 

劉備「呂布、あんまり見た目で判断しない方がいいぞ。」

 

呂布「分かってはいるがどうもあの女は気に入らない。」

 

千冬「まあそう思うのも無理はない。束は昔からあんな感じだから何を考えているのやら私にも分からない。」

 

そんなこんなで一夏専用のISが完成した。

 

千冬「気分はどうだ?」

 

一夏「しっくりくるよ。」

 

真耶「凄いです。」

 

束「じゃあいっくん、武装を展開してみて!」

 

一夏は武装を展開する。すると両手にハンドル剣とドア銃が装備された。

 

一夏「すげえな。」

 

呂布「これでドライブの力を十分発揮できる。」

 

一夏「じゃあ早速!」

 

一夏は左腕から出てきた電子パネルの《シフトスピード》のボタンを押す。すると百式は白から赤に変わった。

 

一夏「白式! タイプスピード!」

 

箒「ドライブからもじり取ったな。」

 

簪「カッコイイ(☆∀☆)」キラキラ

 

楯無「簪ちゃん(^^;)」

 

一夏「行くぜ!」

 

一夏は白式を駆使してドライブのタイプスピードのスピードでアリーナを駆け巡る。

 

ハンドル剣<TURN!>

 

一夏「ハッ!」

 

ハンドル剣で空を斬る。

 

一夏「次はこれだ!」

 

ドア銃<CHARGE!!>

 

 

ドア銃を取りSO-ドアパネルシールドを開閉し空気中のエネルギーを吸収して補充してトリガーを引く。

 

 

バキュン! バキュン! バキュン!

 

空に射撃する。

 

一夏「次はタイヤ交換試してみるか。」

 

一夏は左腕の電子パネルを操作して《マックスフレア》のボタンを押す。すると百式は全身から炎を思わせる姿に変わった。

 

一夏「ギアチェンジ! マックスフレア!」

 

箒「タイヤ交換ではああなるのか。」

 

千冬「ふむ、織斑そろそろ降りて来い。」

 

一夏「はい。」

 

一夏は元の場所に戻った。

 

劉備「ワイルドやテクニックが使えるようになれば状況に応じて戦いやすくなるだろう。」

 

呂布「それより織斑。」

 

一夏「ん?」

 

呂布「必ずあの女にお前を敵に回したことを後悔させてやれ。負けることは許さん!」

 

一夏「...勿論、そのつもりさ!」

 

真耶「あ、あの~。」

 

千冬「あんまりやり過ぎるなよ。」

 

一夏「分かってるよ。」

 

その様子を箒と束が見ていた。

 

束「いっくん、行方不明になってから随分逞しくなったね。」

 

箒「ええ、私の知らないところで。ですが劉備や呂布には感謝しています。」

 

束「うん。いっくん良かったね。」

 

束も嬉しそうだった。

 

すると一夏はあることに気づいた。

 

一夏「あれ?」

 

劉備「どうした一夏?」

 

一夏「もう一つ武器が装備されてる。」

 

呂布「もう一つ?」

 

ウインドウにもう一つ武器が搭載されているの確認した一夏は量子変換して装備を出すとその武器は近接ブレードだった。

 

一夏「こ、これって.....『雪片』か!?」

 

楯無「織斑先生が現役時代に使っていたIS最強の剣!?」

 

簪「うそ!?」

 

千冬「束、これはどういうことだ?」

 

千冬は睨むように束を見る。

 

束「いや~実は束さんにも分からないんだよね。」

 

呂布「こいつ殺していいか?(^言^)」

 

束「ひぃ( ;゚Д゚)ガクガクブルブル」

 

劉備「まあまあ(汗」

 

呂布のあまりの殺気に流石の束も震えた。

 

束「ほ、本当に分からないんだよ~! ( ;゚Д゚)ガクガクブルブル」

 

千冬「全くこの話は一旦保留だな。」

 

呂布「仕方がない。」

 

呂布は殺気を鎮めた。

 

真耶「さ、さすがは三国の最強武将ですね(汗」

 

一夏「俺ももっと見習わないとな。」

 

箒「いや、見習わなくていい!?(汗」

 

千冬「兎に角、ISを解除して今日は解散だ。」

 

一夏「はい!」

 

一夏はISを解除して全員が自分の寮に戻って行った。さあ、セシリアとのクラス決定戦はもうすぐだ。

 

つづく



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激闘! 対決セシリア!!

セシリアの宣戦布告から1週間の間、一夏はセシリアの専用機「ブルー・ティアーズ」のデータを見て対策を立てながら楯無からISの戦闘技術を学んで改造した白式を使いこなしていた。勿論、箒との剣の稽古もしていた。現在一夏はライダーのこともあるので部活には入っていない。

 

一夏「それじゃ行きますか。」

 

一夏は百式を展開した。

 

一夏「織斑一夏 白式・・・出撃!」

 

 

アリーナ

 

一夏がアリーナ上空に出ると専用機ブルー・ティアーズを纏ったセシリアが待機していた。

 

セシリア「遅かったですわね。・・・・・てっきり私に怖気づいて逃げたと思いました。」

 

一夏「あっそ。」

 

一夏は興味なさげに返した。

 

セシリア「な、何ですのその態度!?」

 

一夏「俺、そう言う戯言聞くの嫌いだから。」

 

セシリア「ざ、戯言!?」

 

 

観客席

 

箒「流石一夏、代表候補生相手にあのような口が利けるとは。」

 

楯無「劉備さんと呂布将軍に出会ったお陰で逞しくなったって聞いたけど。意外にカッコイイかも♪」

 

簪「うん。」

 

 

ドライブピット

 

劉備、呂布、クリムもドライブピットで試合を見ていた。

 

劉備「一夏、勝てるかな?」

 

呂布「心配はいらんだろ。彼奴が負ける筈がない。2年前より強くなったのだからな。」

 

劉備「そうだな。」

 

クリム「彼を信じよう。」

 

 

アリーナ

 

セシリア「まあいいでしょう。今からチャンスを与えますわ。この勝負の結果は私が勝つことは明白の理。ここで泣いて土下座をすれば許してさしあげますわ。」

 

一夏「ほう、そう言ってくるということは以前言った通り再起不能にされる覚悟ができてるということか?」

 

セシリア「なっ!?」

 

セシリアに初めて会った時に抱いた恐怖が蘇った。

 

 

管制室

 

真耶「お、織斑君(・・;)」

 

千冬「とんでもない方向に成長してしまったなアイツ(汗」

 

管制室にいる千冬と真耶もドン引きしていた。

 

 

 

アリーナ

 

セシリアは多少恐怖を抱きながらも直ぐに持ち直した。

 

セシリア「よくも私をコケにしてくれましたね。もう許しませんわ!」

 

すると試合開始ブザーが鳴った。

 

セシリア「徹底的に叩きのめします!」

 

一夏「だったらこっちもそれ相応の対応をさせてもらうぜ!」

 

一夏は左腕の電子パネルの《シフトスピード》のボタンを押す。

 

一夏「白式! タイプスピード!」

 

セシリア「ISの色が変わった!?」

 

セシリアは当然驚いた。

 

一夏「ひとっ走り行くぜ!」

 

 

観客席

 

箒「今、ひとっ走り付き合えよと言いかけたな。」

 

楯無「誤解を招くからあんな言い方したのね。」

 

簪「でもカッコイイ。」

 

観客席にいた箒達は一夏の各感想を述べていた。

 

アリーナ

 

セシリア「み、見かけ倒しですわ!」

 

一夏「どうかな?」

 

そして試合が始まり、セシリアはライフルを構え一夏に撃ち放った。だが一夏はタイプスピードのスピードで難無く躱す。

 

セシリア「な、何故当たらないのですの! しかも速すぎですわ!」

 

数分後セシリアのブルー・ティアーズのSEはじわりじわりと削られていった。

 

セシリア「くっ、こうなったら踊りなさい! 私とブルー・ティアーズが奏でるワルツで!」

 

セシリアは腰に装着されたBT兵器、『ブルー・ティアーズ』を起動させる。

 

一夏「そう来るか。だったらこれだ!」

 

一夏は左腕の電子パネルを操作して《ミッドナイトシャドー》のボタンを押す。すると百式は全身が手裏剣を思わせる姿に変わった。

 

一夏「ギアチェンジ! ミッドナイトシャドー!」

 

 

 

観客席

 

箒「あれがミッドナイトシャドーでの姿か。」

 

楯無「正に忍者ね。」

 

簪「凄い!」

 

 

アリーナ

 

セシリア「喰らいなさい!」

 

そう言って畳み掛けるように一夏に攻撃するが。

 

一夏「そう簡単に喰らうかよ!」

 

一夏はミッドナイトシャドーの力で自身の分身を作って躱す。

 

セシリア「ぶ、分身!?」

 

一夏「驚いている暇はないぜ!」

 

セシリア「この! この! この!」

 

セシリアは苛立ちからティアーズを打ちまくる。だが一夏は次々と躱す。

 

 

ドライブピット

 

劉備「見たところ偏向射撃(フレキシブル)は使わないようだな。」

 

呂布「所詮その程度の実力だった訳だな。」

 

クリム「容赦ない言い方だね(汗」

 

劉備達はセシリアの実力を見て各感想を述べ、クリムは呂布のセシリアに対する言い方に引いていた。

 

 

アリーナ

 

一夏「そろそろいいかな。ハンドル剣!」

 

一夏はハンドル剣を装備してティアーズを次々と撃墜していった。

 

セシリア「ティアーズが!?」

 

一夏「後はお前だけだ!」

 

一夏はそのままセシリアに迫った。

 

セシリア「ティアーズはまだ六機目がありましてよっ!」

 

一夏「悪いが使わせない!」

 

ハンドル剣<ターン!>

 

ガキィーーン!

 

セシリア「さ、最後のティアーズが!?」

 

一夏は最後のティアーズが使われる前にハンドル剣で使用不能にした。

 

一夏「これで止めだ!」

 

セシリアから一旦距離を置いて構える。

 

一夏「必殺! スピードロップ 白式バージョン!」

 

ドライブ・タイプスピードの必殺技スピードロップの白式バージョンでセシリアにドロップキックを決める。

 

セシリア「キャァァァァァ!!!」

 

諸に受けたセシリアは地面に叩き付けられた。

 

アナウンサー『勝者ーーーー織斑一夏。』

 

観客席から歓声の声が上がる。

 

一夏「しかしこれ本来俺がクラス代表になるけど、バランスが悪くなりそうだから辞退しようかな?」

 

そう言って一夏はピットに戻った。こうしてセシリアとのクラス決定戦は終了した。だがまだこれで終わりではなかった。

 

???「待ってなさいよ一夏。今まで心配された償いをさせるんだから!」

 

何やら一夏を知っている少女がIS学園前に現れた。これはまた波乱の予感。どうなる一夏?

 

つづく



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新たなドライブと中国からの刺客

1年1組の教室

 

クラス代表決定戦の次の日。

 

真耶「1年1組のクラス代表はオルコットさんに決まりました。」

 

真耶が朝一番生徒達にそう告げた。

 

生徒1「えーーっ!?」

 

生徒2「でも勝ったのは織斑君だよ!」

 

千冬「静かに!」

 

千冬が一喝し生徒達を静める。

 

千冬「これは織斑と相談したことだが織斑がクラス代表をやるとパワーバランスが釣り合わなくなり崩れる。それに織斑は生徒会に入っている。だからクラス代表と兼任できん。」

 

それを聞いた全員が一夏を見て代表候補生のセシリアを無傷な上、チートなスピードで圧倒したなら不公平だなと理解した。

 

因みにクラス代表戦の後ドライブの正体がばれないために楯無が一夏を生徒会に勧誘したのだ。勿論一夏もそれを承諾した。

 

セシリア「あの織斑先生、山田先生、少し宜しいでしょうか?」

 

セシリアが立ち上がった。

 

千冬「どうした、オルコット?」

 

セシリア「先日のことで謝罪させてください。」

 

千冬「良かろう。」

 

セシリアは教壇の前に立ち頭を下げた。

 

セシリア「皆さん先日は不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。」

 

生徒1「別にいいよそんなこと。」

 

生徒2「うん、もう過ぎたことだし。」

 

セシリア「ありがとうございます。それと一夏さん。」

 

一夏「ん? 一夏さん?」

 

セシリア「はいこれからそう呼ばせてもらいます。私もセシリアと呼んでください。先日は偉そうなことを言って申し訳ございませんでした。」

 

一夏「いいよ。セシリアも日本についてはまだ慣れていけばいいし。俺もやり過ぎた感もあるからな。」

 

それを締め括るように、

 

千冬「よし、これでSHRを終了する。」

 

千冬がそう言うと周りも賛成した。

 

 

ドライブピット

 

その様子を劉備と呂布がドライブピットから見ていた。

 

劉備「もう大丈夫そうだな。」

 

呂布「ああ。さて俺達も仕事だ。」

 

劉備「そうだな。じゃあクリム、後よろしく。」

 

クリム「ふむ。今日も頑張ろう。」

 

劉備と呂布は清掃員と整備士に擬人化してそれぞれの仕事に向かった。

 

余談だが束は学園からこっそり帰った。

 


 

一夏のクラスは実技授業のためにグラウンドに集合していた。

 

千冬「それではこの時間は実践授業に入る。」

 

白ジャージ姿の千冬がクラス全員にそう告げる。

 

千冬「それでは織斑とオルコット、前に出て専用機を展開しろ!」

 

一夏「白式!」

 

セシリア「ブルー・ティアーズ!」

 

それぞれ専用機を展開した。

 

千冬「よし。では飛べ!」

 

2人は指示通りに上空に向かって飛んだ。

 

セシリア「一夏さん速いですね。」

 

一夏「ちょっとスパルタな人に指導させてもらったからな。」

 

楯無のことである。

 

千冬「織斑、オルコットそこから急速降下で降りてこい。地上からの差は10cmだ。」

 

セシリア「はい。では一夏さん、お先に。」

 

そう言ってセシリアは地面に向かって降りて行った。

 

千冬「ふむ、12cmか。もう少しだな。」

 

セシリア「はい。」

 

一夏「さて俺も行くか。」

 

一夏も続くように急降下した。目標通りに停止した。

 

千冬「うむ、上出来だ。」

 

この後それぞれ武器を展開することになったがセシリアが武器の展開の仕方で駄目だしを受けた。

 

 

放課後、セシリアのクラス代表決定を祝って食堂でパーティーが開かれて一夏も参加した。パーティーがお開きなった後一夏はアリーナに向かっていた。

 

簪「あれ、一夏?」

 

途中で簪と出会った。

 

一夏「ああ、簪。」

 

簪「どうしたの?」

 

一夏「今のうちにワイルドとテクニックに慣れておこうかと思ってな。アリーナで特訓しに行くところさ。」

 

簪「あ、じゃあ私も同行するよ。」

 

一夏「ありがとう。」

 

一夏と簪は早速クリムを連れてアリーナに向かった。

 

一夏は簪とアリーナ着き準備した。

 

一夏「行くぜベルトさん!」

 

クリム「OK!」

 

一夏はイグニッションキーを回し黒いバギー型のシフトカー、《シフトワイルド》をレバーにしてシフトブレスにセットして勢いよく倒す。

 

一夏「変身!」

 

 

クリム<DRIVE! Type-WILD!>

 

 

『Go・Go・GOGO!(WA・WA・WA・WILD!)Don't Stop Your Beat!』

 

 

ガコン!

 

 

一夏は黒い4WD車のような姿となり右肩部にワイルドタイヤが装着された。

 

簪「黒いドライブ。」

 

ドライブ「まずは試し運転だ。」

 

クリム「ワイルドに決めよう。」

 

ドライブは早速訓練用の模型を攻撃した。タイプワイルドの戦闘はパワー系なため名前の通りワイルドである。

 

ドライブ「悪くないな。」

 

簪「次はテクニックだね。」

 

ドライブ「でも聞いた話だと、これを使うのに何でクールさがいるんだ?」

 

ドライブは緑色の建設車両型のシフトカー、《シフトテクニック》を出してクリムに問う。

 

クリム「そこは気にしないでくれ。」

 

ドライブ「あっそう。」

 

ドライブはそれ以上聞かず、再びイグニッションキーを回しシフトテクニックをレバーにしてシフトブレスにセットして倒す。

 

クリム<DRIVE! Type-TECHNIC!>

 

 

ガコン!

 

 

ドライブはタイプワイルドから黄緑の作業車のような姿となり胸部テックシステムカウル直上の首回りにテクニックタイヤが横向きに装着された。

 

簪「今度は緑色。」

 

ドライブ「それじゃやりますか。」

 

ドライブはドア銃を構え、数個ある的をタイプテクニックの解析能力で正確に命中させる。

 

ドライブ「ふぅ、今日はここまでかな。」

 

ドライブは変身を解除した。

 

簪「一夏、お疲れ様。」

 

一夏「サンキュ。」

 

簪「それにしても凄いね一夏。」

 

一夏「まあ今の俺がいるのはあの2人のお陰だしな。」

 

簪「あの2人って、劉備さんと呂布将軍?」

 

一夏「ああ。ドイツで誘拐された時劉備と呂布、それとベルトさんに助けてもらわなかったら俺はここにはいなかった。」

 

簪「そっか。」

 

一夏「千冬姉とも仲直りできなかったしな。そう言えば簪も最近楯無さんとはどうなんだ?」

 

簪「え?」

 

一夏「聞いた話だと俺と出会う前は仲が悪かったって。」

 

簪「うん。お姉ちゃんとは色々揉めていたけど劉備さんが一回話し合ってみたらどうだい?って言ってくれたお陰で憤りもなくなって喧嘩もなくなったの。でも一夏のお陰でもあるからお礼を言うわ、ありがとう。」

 

一夏「いや、俺は何も。」

 

簪「そんなことないよ。それに私の打鉄弐式の手伝いもしてもらっているし。」

 

一夏「じゃあ俺戻るよ。」

 

簪「うん。ベルトさんは任せて。」

 

一夏「ベルトさん、また。」

 

クリム「うむ。」

 

一夏「じゃあお休み。」

 

簪「う、うん。……はぅ///」

 

一夏はクリムを簪に渡し、去り際に頭を撫でて去っていった。簪はクリムをドライブピットに連れて行った。その時簪は顔を赤らめていた。クリムはその様子を少し呆れながらも微笑ましく見ていた。

 

 

部屋に向かい歩いていた一夏は、途中で立ち止まる。

 

一夏「そろそろ出てきたらどうですか楯無さん?」

 

物陰に向かってそう呟いた。

 

楯無「あ、ばれてたんだ。」

 

楯無が物陰から出てきた。

 

一夏「簪と上手くいってるみたいですね。」

 

楯無「うん、一夏君達のお陰でね♪」

 

口元を扇子で隠すように開いた。そこには『感謝』という文字が書かれていた。

 

一夏「良かったですね。」

 

楯無「うん。これから私達も一夏君の仲間として頑張るわ。」

 

そう言って扇子をまた開く。そこには『協力』と書かれていた。

 

一夏「それどういう仕組みなんですか?」

 

楯無「秘密よ♪」

 

一夏「際ですか。」

 

そう言って一夏は箒のいる自分の部屋に向かった。

 

楯無(いつかちゃんとしたお礼をしたいわ♪ でも簪ちゃん、一夏君に頭撫でられるなんて羨ましいわ。彼は無意識だけど。)

 

一夏の後ろ姿を見てそう考える楯無であった。

 


 

翌日

 

1年1組の教室ではある噂で持ちきりだった。

 

「ねえねえ聞いた転校生の話?」

 

「うん。何でも中国の代表候補生だって!」

 

転校生のことだった。

 

一夏「こんな時期に転校生?」

 

箒「そのようだな。」

 

セシリア「ですが私を危ぶんでの転校かしら?」

 

一夏「それはないだろ。」

 

箒「そうだな。」

 

セシリア「じょ、冗談ですわ。」

 

一夏「しかし中国か。(・・・そう言えば鈴はどうしているかな?)」

 

一夏は中国にいる知り合いを思い出していた。

 

「でも、専用機持ちは1組と4組だけだし余裕でしょ!」

 

1人がそう呟いた時、

 

 

 

???「その情報、古いよ。」

 

教室の出入り口から声がして全員がそちらに振り向く。そこにはそこには小柄でツインテールの女の子がいた。

 

一夏「えっ、鈴!?」

 

鈴「久しぶりね一夏! 自己紹介するわ。私の名は凰鈴音! 2組も専用機持ちが代表になったからそう簡単優勝はさせないから覚悟しなさい!」

 

小さな胸を張ってどや顔をする。

 

一夏「あ、あのさ鈴。」

 

鈴「何よ?」

 

一夏「再会できたのは嬉しいけどそろそろ自分の教室に戻った方がいいぞ。」

 

鈴「何でよ?」

 

???「ならば教えてやろうか?」

 

バシィンッ!!

 

突然鈴の頭に衝撃が走った。一夏はあちゃーと顔を押さえ、箒は苦笑いをする。

 

鈴「痛ったーー!? 誰よ!? って千冬さん!?」

 

千冬「織斑先生だ、馬鹿者。」

 

千冬は出席簿で鈴の頭を叩いたのだった。

 

千冬「もう授業が始まる。さっさと自分のクラスに戻れ。」

 

鈴「は、はいィィィィィィ!」

 

鈴はスタコラサッサと走って逃げていった。その様子を劉備は偶然見ていた。

 

劉備「何だ、あの子は?」

 


 

一夏「おーい、劉備。」

 

劉備「あ、来たか一夏。」

 

昼休み、一夏は劉備に呼ばれて屋上に来ていた。そこには箒もいた。

 

劉備「それで一夏。誰なんだい、今朝君に突っかかってきた女の子は?」

 

箒「私も気になる。」

 

一夏「ああ。彼女は凰鈴音、箒が引っ越してから入れ違いで知り合ったもう一人の幼馴染なんだ。」

 

劉備「君のもう一人の幼馴染?」

 

箒「私以外にもいたのか。」

 

一夏「ああ。弾と数馬も知ってる。」

 

劉備「兎に角、彼女には俺達のことは内緒だぞ。」

 

一夏「分かってる。」

 

一夏と箒はその後更識姉妹と合流し、食堂に向かった。食堂に着いた時、

 

鈴「待ってたわよ、一夏!」

 

鈴がラーメンを持って待っていた。

 

一夏「取り敢えず席を取っといてくれないか。」

 

鈴「分かったわよ。」

 

鈴はそう言って空いている席に座った。

 

一夏達も食券を買い、料理を受け取って鈴のいる席に座った。

 

鈴「久しぶりね、一夏! 生きていたなら連絡寄越しなさいよね!」

 

一夏「悪かったって。」

 

箒「一夏、そろそろ私達にも。」

 

一夏「分かった。改めて紹介するよ。凰鈴音だ。」

 

鈴「気軽に鈴って呼んで。一夏とは小4の頃からの付き合いよ。」

 

箒「私は一夏の幼馴染の1人、篠ノ之箒だ。」

 

楯無「私はロシアの国家代表にしてこの学園の生徒会長、更識楯無よ。困ったことがあったら相談してね♪」

 

簪「私はその妹で日本の代表候補生、更識簪です。」

 

鈴「それにしても一夏、アンタ見ない間に変わったわね。」

 

一夏「かもな。つーかよく生きてたって知ってたな。」

 

鈴「弾と数馬から聞いたのよ。」

 

一夏「そっか。けどクラス代表戦、俺は出ないぞ。」

 

鈴「分かってるわよ、そんなこと。」

 

箒「それより出席簿痛かったか?」

 

鈴「痛かったわよ! 頭が割れるかと思ったし!」

 

『『『『ハハハハハ!』』』』

 

鈴「笑うな!(怒」

 

その後一夏達はいろんな思い出話をして午後の授業も出て一日を過ごした。そしてクラス代表戦の日も着々と進んでいる。だがその時にひと騒動起こるのをまだ知る由もない。

 

つづく

 



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突然の乱入者 VS 仮面ライダー

鈴からの宣戦布告から数日後、とうとうクラス代表戦の日が訪れた。一夏は箒と一緒に観客席で試合を見ていた。

 

一夏の訓練にセシリアも参加したため、セシリアの実力は少し伸びた。

 

一夏「いよいよか。」

 

箒「セシリアは大丈夫だろうか?」

 

一夏「まあ一緒に訓練に付き合ってやったんだ。それなりにやれるだろ。」

 

箒「そうだな。」

 

その後セシリアは着々と試合を勝ち進んだ。そして決勝となり相手は鈴だった。

 

一夏「決勝は鈴か。」

 

箒「代表候補生同士の対決か。」

 

ブザーが鳴り試合が始まった。どちらも一進一退の攻防を繰り広げる。試合が進む中、遂に終盤に差し掛かろうとした時、

 

ズシィィィーーーン!

 

一夏「何だ!?」

 

箒「何事だ!?」

 

アリーナの方を見ると謎のISがいた。

 

 

ドライブピット

 

劉備「何だあれ!?」

 

呂布「分からん。だがこのままではまずいぞ!」

 

クリム「直ぐに解析して一夏の所に向かおう!」

 

ドライブピットで試合を見ていた劉備達も気づき、戦う準備をした。

 

 

一方、一夏達は、

 

一夏「駄目だ! ロックされてる!」

 

箒「これでは出られんぞ!」

 

何者かにアリーナの入り口及び客席の扉がロックされ出られない状態だった。

 

千冬『織斑、聞こえるか?』

 

一夏「千冬ね、じゃなくて織斑先生!?」

 

そこへ千冬から通信が来た。

 

千冬『直ぐに扉を破壊して生徒達の避難誘導をしろ! 学園長から許可ももらっている!』

 

一夏「了解!」

 

千冬『避難誘導が終わり次第、あの2人と合流して変身しろ。』

 

一夏「けど監視カメラがあるんじゃ・・・。」

 

簪『それなら大丈夫!』

 

一夏「簪!?」

 

割り込むように簪が通信してきた。

 

簪『監視カメラは私が抑えるから、安心して!』

 

一夏「なら遠慮なく!」

 

バコーン!

 

一夏はISを部分展開して扉を破壊した。

 

一夏「よし! ゆっくり1人ずつ避難するんだ!」

 

箒「慌てるな! ゆっくり出るんだ!」

 

一夏と箒が生徒達の避難を行っていると避難指示が終えた楯無が走ってきた。

 

楯無「一夏君、箒ちゃん無事でよかった!」

 

一夏「楯無さん、丁度良かった。箒、お前も楯無さんと避難しろ。」

 

箒「一夏は?」

 

一夏「アイツらと合流して戦う!」

 

箒「分かった。」

 

楯無「気を付けてね。」

 

楯無は箒を連れて避難した。一夏はアリーナの非常用のピットに向かった。

 

 

劉備「一夏!」

 

呂布「来たか。」

 

一夏「劉備! 呂布!」

 

アリーナの非常用のピットに着いた一夏は劉備と呂布と合流した。

 

余談だが誰にも見つかっていない。

 

劉備「一夏、これ。」

 

一夏「サンキュ。」

 

一夏は劉備からクリムを受け取った。

 

クリム「一夏、エンジンの調子はどうだい?」

 

一夏「・・・ああ、トップギアだ。ひとっ走り付き合えよ、ベルトさん。」

 

クリム「OK!」

 

呂布「織斑、解析した結果あの襲撃者からは生命反応がなかった。」

 

一夏「つまり無人機ってことか?」

 

呂布「そういう事になる。」

 

劉備「誰の仕業かは分からないが、兎に角倒すしかない!」

 

一夏「分かった!」

 

一夏がそう言うとピットの扉を開けた。

 

 

鈴「もう、何なのよこいつ!?」

 

セシリア「こっちが聞きたいくらいですわ!?」

 

一方の鈴とセシリアは驚異的な力を持つゴーレムによって防戦一方な戦いを強いられていた。そこへ千冬から通信が入った。

 

千冬『オルコットに凰、聞こえるか?』

 

鈴「千冬さん!?」

 

千冬『織斑先生だ。お前達は直ぐにピットに戻れ。』

 

セシリア「で、ですが!?」

 

千冬『これは命令だ! 後は今から出てくる連中に任せろ。お前達ではそいつらの足手纏いになる。』

 

セシリア「わ、分かりました。」

 

鈴「はい。」

 

2人は渋々承諾しながらアリーナを去ろうとするとゴーレムが2人に追撃しようとしていた。だがその時、

 

ブウウゥゥゥゥゥゥン! ドゴン!

 

トライドロンがゴーレムを突き飛ばした。

 

セシリア「あ、赤い車?」

 

疑問に思いながら2人はアリーナを去った。それと同時に劉備と呂布と一夏が出てきた。

 

呂布「漸く出番か。」

 

劉備「行けるか、一夏?」

 

一夏「勿論!」

 

鈴「一夏!?」

 

セシリア「あの2人は誰でしょう?」

 

アリーナの出入口で見ていたセシリアと鈴が驚き疑問に思うのにも関わらず、劉備と呂布、そして一夏はそれぞれ自分のドライバーを装着した。

 

劉備「お前は俺達が止める!」

 

オレンジロックシード<オレンジ!>

 

オレンジロックシードを取り出し解錠する。

 

呂布「誇り高き戦士の魂を未来に繋ぐ!」

 

カチッ!

 

オレゴースト眼魂を取り出し起動する。

 

一夏「みんなの生活を脅かす奴は・・・俺が許さない。」

 

クリムのセントラルフェイスの右にあるイグニッションキーを起動しシフトスピードをレバーにする。

 

劉備「変身!」

 

<ロックオーン! ソイヤ!>

 

ゴーストドライバー<アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!>

 

呂布「変身!」

 

ゴーストドライバーのレバーを引く。

 

一夏「変身!」

 

シフトスピードをシフトブレスにセットしてレバーを勢いよく倒す。

 

戦極ドライバー<オレンジアームズ! 花道・オン・ステージ!>

 

ゴーストドライバー<カイガン! オレ! レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト! Go! Go! Go! Go!>

 

クリム<DRIVE! Type-SPEED! >

 

セシリア・鈴「「!?」」

 

劉備は鎧武、呂布はゴースト、一夏はドライブに変身した。

 

鎧武「ここからは、俺達のステージだ!」

 

ゴースト「命、燃やすぜ!」

 

ドライブ「行くぜベルトさん!」

 

クリム「OK! Start Your Engine!!」

 

セシリア「あ、あれって・・・。」

 

鈴「噂の謎の3人組じゃない!?」

 

セシリアと鈴は一夏がその3人組の1人だということに驚愕した。

 

ゴースト「行くぞ!」

 

鎧武・ドライブ「おう!」

 

 

BGM : B.A.T.T.L.E G.A.M.E

 

ゴーレムと仮面ライダー達の戦闘が開始された。

 

鎧武は無双セイバーのブライトリガーを引きムソウマズルから弾丸を連射するもゴーレムは躱す。しかし鎧武が接近していたことには気付かず最後の一発を受けた。

 

鎧武「輪切りにしてやるぜ!」

 

更に大橙丸と無双セイバーで切り裂き追撃する。

 

ドライブ「俺達を忘れてもらっては困る!」

 

ドライブはゴーレムの足元を地面に手を当てて回転しながらハンドル剣で足を斬る。

 

ハンドル剣<TURN!>

 

ドライブ「ひとっ走り付き合えよ!」

 

ドライブは更に追い打ちをかけ、ゴーストも負けじとゴーレムを攻撃する。

 

ゴースト「無人機と言っても、所詮はこの程度か。」

 

ゴーレムはゴーストに向けてパンチをする。

 

ゴースト「ムサシ!」

 

カチッ!

 

ゴーストはムサシゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ムサシ! 決闘! ズバット! 超剣豪!>

 

 

ゴーストはムサシ魂になり、ガンガンセイバーを二刀流モードにしてゴーレムのパンチを防いだ。

 

ゴースト「喰らえ!」

 

ガンガンセイバーをゴーストドライバーとアイキャッチさせる。

 

ガンガンセイバー<ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー!>

 

ゴースト「ふっ! ふっ!」 ガキィン! ガキィン!

 

ガンガンセイバー<オメガスラッシュ!>

 

ゴースト「ハァ!」

 

ガキィーーン!  ドカーン!

 

ゴーレムの更なるパンチを防ぎながらオメガスラッシュを発動してゴーレムの両腕を破壊した。

 

鎧武「今度はこっちの番だ!」

 

パインロックシード<パイン!>

 

オレンジロックシードを外し、取り出したパインロックシードを戦極ドライバーにセットする。

 

戦極ドライバー<ロックオーン! ソイヤ! パインアームズ! 粉砕! デストロイ!>

 

鎧武はパインアームズに換装し、パインアイアンを振り回す。

 

鎧武「そーれ!」

 

パインアイアンを巨大化させてゴーレムの頭に被せ動きを封じる。

 

ドライブ「俺だって!」

 

イグニッションキーを回し、腰のホルダーからマックスフレアを手に取り、レバーにしてシフトブレスにセットし、レバーを倒す。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<MAX FLARE!>

 

ドライブ「ハッ! ハッ!」

 

マックスフレアタイヤとなり炎のエネルギー弾を飛ばす。その後直ぐにイグニッションキーを回し、シフトワイルドを取り出してレバーし、シフトブレスにセットして倒す。

 

クリム<DRIVE! Type-WILD!>

 

ドライブ「オーラァ!」

 

タイプワイルドになったドライブはそのままゴーレムに体当たりした。更にイグニッションキーを回し、クリアイエローのダンプカー型のシフトカー、《ランブルダンプ》を手に取りシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

クリム<RAMBLE DUMP!>

 

ドライブの右肩部にダンプの荷台のような形状の黄色いタイヤが装着され、ランブルスマッシャーも装備された。

 

ドライブ「ダンプなのに何でドリルなんだ?」

 

クリム「そこは気にしないでくれ。」

 

ドライブ「あっそう!」

 

ドライブはランブルスマッシャーを手に持ち、ゴーレムの右足を貫く。ゴーレムはバランスを崩し、仰向けに倒れる。

 

ゴースト「ロビンフッド!」

 

カチッ!

 

ゴーストはロビンゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ロビンフッド! ハロー! アロー! 森で会おう!>

 

ガンガンセイバーをアローモードにしてコンドルデンワーが連結した。

 

ガンガンセイバー<ダイカイガン! ガンガンミナー! ガンガンミナー!>

 

ゴースト「ふっ!」

 

ガンガンセイバーをゴーストドライバーとアイキャッチさせジャンプする。

 

ガンガンセイバー<オメガストライク!>

 

ゴースト「ハッ!」

 

オメガストライクでゴーレムを打ち抜く。ゴーレムはボロボロになりながらもなんとか体制を整える。

 

ドライブ「まだまだ!」

 

ドライブは再びイグニッションキーを回し、シフトテクニックをシフトブレスにセットした。

 

クリム<DRIVE! Type-TECHNIC!>

 

タイプテクニックになったドライブはドア銃でゴーレムを集中攻撃する。ゴーレムがひるんだ後クリアイエローとスモークグレーのロードローラー型のシフトカー、《ローリンググラビティ》をシフトブレスにセットした。

 

クリム<TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

ドライブ「うわぁ!?」

 

クリム<ROLLING GRAVITY!>

 

ドライブの胸部に黄土色の縁取りの黒いタイヤが装着され、錘型の武器10tオモーリが装備された。

 

ドライブ「重!?」

 

クリム「一夏! タイプテクニックは重労働な攻撃手段が苦手だから気を付けたまえ!」

 

ドライブ「それを先に言ってくれよ!」

 

ゴースト「文句を言うのは後にしろ! ニュートン!」

 

カチッ!

 

ゴーストがドライブにそう注意してニュートンゴースト眼魂を取り出し、ゴーストドライバーにセットした。

 

ゴーストドライバー<カイガン! ニュートン! リンゴが落下! 引き寄せまっか!>

 

ゴーストはニュートン魂になった。

 

ゴースト「ハッ!」

 

ドライブ「そーれ!」

 

ドライブは10tオモーリをゴーレムに投げつけて、ゴーストは左手の引力で重力を操作しゴーレムの動きを封じる。その間に鎧武がイチゴロックシードを取り出して戦極ドライバーにセットする。

 

イチゴロックシード<イチゴ!>

 

戦極ドライバー<ロックオーン! ソイヤ! イチゴアームズ! シュシュッとスパーク!>

 

鎧武「一気に決める!」

 

<ロックオーン!>

 

イチゴロックシードを無双セイバーにセットする。

 

鎧武「呂布! 一夏!」

 

ドライブ・ゴースト「おう!」

 

鎧武の掛け声と共にドライブとゴーストはゴーレムから離れる。

 

鎧武「ハアアアアア!」

 

無双セイバー<一! 十! 百! イチゴチャージ!>

 

鎧武「セイハァアアアア!」

 

クナイバーストを発動してゴーレムに浴びせる。

 

ドドドドドドド!

 

諸に受けたゴーレムは最早風前の灯火だった。仮面ライダー達は最初のフォームに戻る。

 

ドライブ「みんな! 止めだ!」

 

鎧武・ゴースト「おう!」

 

戦極ドライバー<ソイヤッ!>

 

カチッ! カチャ!

 

クリム<FINISHER(ヒッサーツ)!>

 

鎧武は戦極ドライバーの刀でロックシードを斬り、ゴーストはゴーストドライバーのレバーを引き、ドライブはイグニッションキーを回し、ブレスの赤いボタンを押してレバーを倒す。

 

戦極ドライバー<オレンジスカッシュ!>

 

鎧武「・・・ハアアアアア! セイハァアアアア!」

 

ドゴン!

 

ゴーストドライバー<ダイカイガン! オレ・オメガドライブ!>

 

ゴースト「・・・ハアァァァァーー!ハアッ!」

 

ドゴン!

 

クリム<FULL THROTTLE! SPEED!>

 

ドライブ「・・・ふっ! ハッ! ふっ! ハッ! ふっ! ハッ! ハアッ!」

 

ダダダダダダダ! ドゴン!

 

鎧武「ふっ!」

 

ドカーン!

 

ゴースト「ふん。」

 

ドカーン!

 

ドライブ「はっ!」

 

クリム「Nice Drive!」

 

ドカーン!

 

ドガガーン!!

 

鎧武が空中から無頼キック、ゴーストが左からオメガドライブ、ドライブが正面からスピードロップをゴーレムに喰らわせ、それらを受けたゴーレムはライダー達が背にして大爆発を起こし沈黙した。

 


 

学園長室

 

ゴーレム事件の後一夏は学園長に呼ばれ学園長室に来ていた。

 

一夏「失礼します。」

 

中に入ると入学の時に出会った轡木十蔵と劉備と呂布と千冬と真耶と楯無と箒とセシリアと鈴がいた。

 

一夏「何で轡木さんも?」

 

劉備「そう言えば言ってなかったな。」

 

千冬「実はこの人はIS学園の学園長なのだ。」

 

轡木「黙っていて申し訳ありません。」

 

何と学園長だったのだ。

 

轡木「因みに皆さんのことも全て知っています。」

 

それを聞いた一夏は服装を整える。

 

一夏「つながった。ベルトさん、またアンタだろ?」

 

クリム「Exactly!」

 

真耶「まさか学園長共秘密裏で協力していたなんて思いませんでした。」

 

セシリア「ですが一夏さん達が謎の3人組とは。」

 

鈴「しかも喋るベルトにガンダムの姿をした三国志の人物って驚くことが多すぎよ。行方不明になってた2年間のことも全部千冬さんから聞いたし。」

 

箒「まあ私も最初に聞いた時は驚いたがな。」

 

轡木「それでは更識会長、先程の事件の報告をお願いします。」

 

楯無「はい、アンノウンは一夏君達仮面ライダーの3人が何とか撃退しました。怪我人は出ておりません。」

 

轡木「そうですか。ありがとうございます。山田先生あのアンノウンについて何かわかったことがありますか?」

 

真耶「はい、あのアンノウンはにはISコアがありましたが未登録でした。」

 

呂布「後で調べたがあれは篠ノ之束が作ったゴーレムだと分かった。」

 

箒「姉さんが!?」

 

劉備「さっき束から聞いたんだけど廃棄処分する筈のゴーレムが無くなっていたって。」

 

一夏「つまり今回の事件は束さんじゃないってことか。」

 

一夏は顎に手を添えて言う。

 

真耶「それと・・・。」

 

真耶が何か言いにくそうだった。

 

轡木「どうかしましたか?」

 

真耶「じ、実はISコアともう一つ、人の脳と脊髄が見つかりました。」

 

全員「!?」

 

全員が驚愕した。

 

セシリア「人の脳と脊髄が!?」

 

真耶「はい。電気信号で指示を受けて動くもののようですが完全に壊れており送信先は特定できませんでした。それとこんな見たこともないマークが出てきたのです。」

 

モニターに地球の上に鷲のような鳥がいるマークが映し出された。

 

鈴「何、これ?」

 

劉備と呂布はこのマークを見て目を見開いた。

 

劉備「これって!?」

 

呂布「間違いない、ショッカーのマークだ!」

 

全員「!?」

 

千冬「これがショッカーのマークだと!?」

 

クリム「今回の犯人は奴らだったのか。」

 

箒「これが・・・。」

 

呂布「だとしたら人の脳と脊髄を利用できるのは1人しかいない。」

 

劉備「死神博士!」

 

呂布「ああ。」

 

楯無「死神博士。」

 

鈴「物騒な名前。」

 

一夏「今後こういったのが出てくる可能性が高いな。考えたくないけど。」

 

呂布「兎に角警戒した方がいいだろう。」

 

劉備「そうだな。」

 

轡木「ではここで何か質問等はありますか?」

 

声を上げる者はいなかった。

 

轡木「それでは皆さんこれで解散とします。あ、それと劉備さんと呂布将軍は後日この学園に入学することになりました。」

 

劉備・呂布「「はぁ!?」」

 

千冬「ま、待ってください学園長!? 何故そのようなことに!?」

 

轡木「篠ノ之束博士が2人にはIS適性があるのが分かったから入れて欲しいと依頼を受けました。」

 

呂布「あのアホ兎-----!(怒」

 

劉備「呂布落ち着けーーー!?(汗」

 

怒り狂う呂布を劉備が何とか抑えて一夏達は学園長室を後にした。だがIS学園を舞台にした戦いはまだ始まったばかりだ。

 

つづく

 



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金と銀の襲来

ドライブピット

 

突然のIS学園の編入に驚いた劉備と呂布は準備をしていた。現在2人は一夏とドライブピットにいて弾と数馬もいた。自己紹介は既に済ませた。そんな中呂布はこの間のこともあって不機嫌だった。

 

呂布「(怒」

 

弾「すごい怒ってるな(汗」

 

数馬「そりゃ本人の許可なく勝手に手続きされたからな(汗」

 

劉備「ああなった呂布は簡単に怒りが治らない。いつか束をボコボコにしてストレス発散するだろうな(汗」

 

一夏「あはは( ̄▽ ̄;)」

 

箒「うちの姉さんが申し訳ないm(__)m」

 

楯無「でもこれで簪ちゃんの専用機の開発も早めることもできるわね。」

 

千冬「一夏も2人がいれば心強いのではないか?」

 

一夏「それもそうだな。」

 

呂布「だが更識妹のISの製作に時間を作れなくなるかもしれん。」

 

劉備「うわぁ! 呂布!? (汗」

 

いつの間にか怒りが治った呂布が話に入った。

 

呂布「そこで更識簪。」

 

簪「はい。」

 

呂布「これをお前にこれを渡しておく。」

 

呂布はエジソンゴースト眼魂を簪に渡した。

 

劉備「エジソンの眼魂。」

 

真耶「エジソン!?」

 

千冬「アメリカで電気の法則を導いた発明家か。」

 

呂布「こいつが開発に興味を持ったから暫くお前に預けておく。大切に扱えよ。」

 

簪「はい、ありがとうございます!」

 

簪は頭を下げる。

 

千冬「しかしこの眼魂がエジソンだとするとしたらゴーストのあの二刀流の赤の姿は何だ?」

 

呂布「あれはムサシの力だ。」

 

箒「ムサシって、宮本武蔵か!?」

 

千冬「では私を倒した時の青い姿は?」

 

呂布「あれはニュートンの力だ。」

 

弾「ニュートンって確か・・・。」

 

数馬「重力の法則を導いた人だな。」

 

楯無「歴史上の人物ばかりね。」

 

簪「ゴーレムの時の緑の姿は何ですか?」

 

呂布「あれはロビン・フッドだ。」

 

真耶「中世イングランドの伝説上の人ですね。」

 

劉備「此れらは英雄の眼魂と呼ばれていて他にも後11個ある。」

 

一夏「英雄の眼魂か。」

 

千冬「残りがどんなのか楽しみだな。」

 

箒「私としてはムサシの力と手合わせしたいものだ。」

 

真耶「それよりお2人は必要な知識は覚えましたか?」

 

劉備「まあな。」

 

呂布「こんなもの余裕だ。」

 

真耶「そうですか。」

 

劉備「ま、ギリギリまで勉強はしておく。」

 

呂布「ふっ。」

 

こうして一行は解散し、夜は更けていった。

 

 


 

翌日

 

一年一組

 

真耶「今日は転校生を紹介します! 何と4人です!」

 

「「ええええ!!」」

 

翌日のHRで真耶から告げられた転校生の数にクラス中が驚いた。

 

千冬「静かにしろ! では入ってこい。」

 

千冬が一括したら教室が静かになり擬人化した劉備と呂布に加えて金髪で短髪の男性? と眼帯を付けた銀髪で長髪の軍人みたいな女性が入ってきた。

 

真耶「それではそれぞれ自己紹介をお願いします。」

 

リュウト(=劉備ガンダム)「俺の名は徳田リュウトだ。まあ、宜しく。」

 

リョウセン(=呂布トールギス)「風鳴リョウセン、こう見えて勝負好きだ。いつでも相手をしてやるから誰でもかかってこい。」

 

シャルル「シャルル・デュノアです。方に僕と同じ境遇の男子がいると聞いてやって来ました。よろしくお願いします。」

 

一夏「デュノア?」

 

箒「どうした一夏?」

 

一夏「いや、デュノアってどっかで聞いた様な気がして。」

 

セシリア「私もです。」

 

「「「きゃぁぁぁ!!」」」

 

リュウトとリョウセンとシャルルが自己紹介すると一瞬の沈黙が流れて歓声が爆発した。3人は当然耳を押さえる。

 

生徒1「男子よ! それも3人!」

 

生徒2「一組でホントによかったーー!」

 

千冬「静かにしろと言っている!」

 

千冬が再び一括したら教室が静かになった。だがリュウトとリョウセンはシャルルを疑いの目で見ていた。

 

リュウト「(このシャルルというの、本当に男なのか?)」

 

リョウセン「(確かに怪しさ満載だな。後で調べるか。)」

 

2人は小声でそう話していた。そしてもう一人。

 

真耶「えっとそれではラウラ・ボーデヴィッヒさん、自己紹介をお願いします。」

 

ラウラ「…。」

 

千冬「挨拶をしろ、ボーデヴィッヒ。」

 

ラウラ「はっ! 教官。」

 

千冬に言われてその女子生徒は敬礼をして答える。

 

箒「教官?」

 

一夏「そう言えば千冬姉俺が行方不明になった後現役を引退してドイツで1年間教官をしていたって。」

 

セシリア「その時の教え子というわけですか。」

 

千冬「ここではもう教官ではない。織斑先生と呼べ。」

 

ラウラ「分かりました。ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

 

前を向いてそれだけ言った。

 

真耶「えっと、以上ですか?」

 

ラウラ「以上だ。」

 

リュウト「(面倒くさそうなのが出てきた。)」

 

リョウセン「(全くだ。)」

 

するとラウラは一夏を見るなり、

 

ラウラ「貴様が!」

 

一夏「!?」

 

ビンタをしようとした。だが、

 

ガキィン!

 

ラウラ「!?」

 

リョウセン「何の真似だ貴様?」

 

リュウト「初対面の相手にいきなり暴力とは教育がなってないな。」

 

リュウトとリョウセンが素早く動き、無双セイバーとガンガンセイバーをラウラの首元に突き出してそれを止めた。真耶や周りの生徒達はその様子を見てオロオロとした。

 

千冬「お前達、そこまでにしておけ。」

 

千冬が注意すると2人は武器を下した。

 

ラウラ「くっ! 認めない、貴様が教官の弟など!」

 

一夏「は?」

 

ラウラはそう吐き捨て自分の席に座り、一夏本人はなんのこっちゃと分からないまま唖然としていた。

 

千冬「徳田、風鳴、デュノアお前達も席に座れ。」

 

そう言われて3人も席に座った。

 

千冬「それでは次の授業は実技訓練だ。グランドに集合しろ! 遅れた者は鉄拳制裁だ、いいな! それと織斑、転入生を案内してやれ。」

 

一夏「分かりました。」

 

シャルル「あ、君が織斑君? 初めまして、僕は・・・。」

 

一夏「挨拶は後回し! 急ぐぞ!」

 

シャルル「え!?」

 

シャルルの自己紹介を遮り、一夏はシャルルの手を強引に引っ張ってリュウトとリョウセンと共に更衣室に早足で向かうが女子生徒達に見つかってしまう。

 

「いた! 織斑君達よ!」

 

「転校生と一緒よ!」

 

「者共、出合え、出合え!」

 

どこぞの武家屋敷の如く追いかけまわされたが、何とか逃げ切り更衣室に到着した。

 


 

更衣室

 

シャルル「はあ・・・はあ・・・びっくりした。」

 

リュウト「何とか撒けたな。」

 

リョウセン「騒がしいったらありゃしない。」

 

一夏「ホントだな。」

 

シャルル「でも何でみんなあんなに騒いでるんだろう?」

 

一夏・リュウト「「え?」」

 

リョウセン「何を言っている?」

 

シャルル「え?」

 

一夏「俺達は男で、世界で4人しかいない男性IS操縦者なんだぞ?」

 

リュウト「それを見ようと群がってくるのは当然だと思うけど?」

 

シャルル「あ、そっか。そうだよね、あははは(苦笑)。」

 

苦笑いをするシャルルにリョウセンは確信する。

 

リョウセン「(コイツ、明らかに男ではなく女だな。それにデュノアとは、まさか。)」

 

リョウセンは改めてシャルルについて調べることにした。

 

一夏「まあ兎に角、俺は織斑一夏。好きに呼んでくれ。」

 

リュウト「俺は徳田リュウト。気軽にリュウトでいい。」

 

リョウセン「風鳴リョウセン、呼び方は何でも構わん。」

 

シャルル「じゃあ僕もシャルルでいいよ。一夏、リュウト、リョウセンこれから宜しくね。」

 

互いの自己紹介を終えてやっと着替え始めた。

 

シャルル「あれ? みんなISスーツを制服の下に着てたの?」

 

一夏「ああ、一々着替えるの面倒だし。」

 

リュウト「じゃあ俺達先に行ってるよ。」

 

リョウセン「お前も早く来いよ。」

 

シャルル「あっ! 待ってよー。」

 

3人はシャルルを置いてグランドに向かった。

 


 

グランド

 

更衣室から出てきた一夏達はグランドに到着した。その間に一夏は気になっていたことを言った。

 

一夏「それにしてもデュノアってどっかで聞いた気がするんだよな。」

 

リュウト「フランスのデュノア社のことじゃないか?」

 

一夏「あ、それそれ!」

 

リョウセン「となるとデータが狙いだな。何故かは分からないが調べてみよう。」

 

そして授業が始まった。

 

千冬「これより模擬戦を行う。オルコット、鳳前に出ろ!」

 

セシリア「は、はい!?」

 

鈴「はぁ、はーい。」

 

セシリアはやる気が出ていたが鈴は少し元気がなかった。理由は先日のゴーレム襲撃事件の後呂布に『お前は織斑の足を引っ張るからこれ以上関わるな。』と言われ、何でと突っかかっろうとしたが一夏や千冬にも念を押されて諦めたからだ。

 

セシリア「で、お相手は?」

 

鈴「別にセシリアでもいいけど。」

 

千冬「まあ待て、お前達の相手は・・・。」

 

真耶「ど、どいてください~~~~~っ!!」

 

一夏達の上から突然声が聞こえて全員が空を見上げる。ラファール・リヴァイヴを装着した真耶が落下してきた。しかも一夏とリュウトとリョウセン目掛けて・・・。

 

リュウト「や、山田先生!?」

 

一夏達の周りにいた生徒達は直ぐに離れる。

 

リョウセン「織斑!」

 

一夏「ああ! 白式!」

 

一夏はデータをアップデートした白式を展開して左腕の電子パネルの《シフトワイルド》のボタンを押す。百式は白から黒に変わった。

 

一夏「白式! タイプワイルド!」

 

セシリア「今度は黒色!?」

 

一夏は飛び上がり電子パネルを操作して深緑色のクレーン車型のシフトカー、《フッキングレッカー》のボタンを押す。すると白式の右肩部はクレーンのフックのようなものが出てきた。

 

一夏「ギアチェンジ! フッキングレッカー! それ!」

 

一夏はフックを投げて真耶の腹に巻き付けて落下の勢いを弱めぶら下げた状態で止めた。

 

一夏「ふぅ、危なかった。」

 

真耶「あ、ありがとう、ございます! ///(は、恥ずかしいです!)」

 

箒「流石一夏だ。」

 

リョウセン「もうちょっとで隕石になるところだったな。」

 

リュウト「だが、何故ああなったんだ?」

 

千冬「見事だ織斑。そのまま山田先生をゆっくり降せ。」

 

一夏「了解。」

 

一夏はそのまま真耶をゆっくり降ろして元の位置に戻った。

 

千冬「お前達の相手は山田先生だ。」

 

セシリア「え、でも・・・。」

 

鈴「流石に2対1じゃ・・・。」

 

千冬「安心しろ。今のお前達では到底勝てない。」

 

セシリア・鈴「「む!!」」

 

千冬の挑発にカチンときた2人は直ぐに上昇して真耶の到着を待った。

 

リュウト「単純というかなんというか。」

 

リョウセン「あれでは足元を掬われるな。」

 

千冬「それでは、始め!」

 

千冬の合図と共に相互が距離を取り、模擬戦が始まった。

 

千冬「丁度いい機会だ。デュノア、山田先生のラファールの説明をしろ。」

 

シャルル「あ、はい! ラファールは第二世代最後期の機体でありながら、その汎用性の高さから、第二世代でも第三世代に劣らないスペックを持っているデュノア社製のものです。現在配備されてる量産型ISの中でも世界第三位で、使い手を選ばす、各種戦闘スタイルに合わせて装備の換装が可能です。」

 

シャルルは戸惑うも冷静にラファールについて解説した。

 

千冬「よし、もういいだろう。・・・そろそろ決着がつく。」

 

千冬がそう言うとセシリアと鈴が上空から落下してきた。後に続いて真耶も降りてきた。

 

鈴「アンタねぇ! 何回避を読まれているのよ!!!」

 

セシリア「鈴さんだって、衝撃砲を無駄に撃ち過ぎですわ!!!」

 

鈴「なによっ!!!」

 

セシリア「なんですのっ!!!」

 

千冬「どっちもどっちだ、馬鹿者。山田先生はこれでも元日本代表候補生だったんだ。」

 

真耶「もう昔の話ですよ。///」テレテレ

 

千冬「これで諸君も教員の強さが分かっただろう。今後は、皆敬意をもって接するように。いいな?」

 

「「「はいっ!!!」」」

 

千冬が締め括り、授業に入る。だがこの授業でも一波乱起こる。

 

つづく



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シャルルの真実とデュノア社の闇

先程山田先生のトラブルもあり、セシリアと鈴との模擬戦も無事に終え授業に入ろうとした。

 

因みにリュウトとリョウセンは編入の準備をしている最中に束がゴーレム襲撃の際に取った鎧武とゴーストのデータをインストールした専用機を与えられていた。リュウトが『鎧武双』、リョウセンが『ゴーストバスター』という名前である。

 

 

リュウト「それにしても束の奴俺達の分まで作るだなんてな。俺達のデータを使って。」

 

リョウセン「全くだ。油断も隙もない。」

 

千冬「では今回は専用機持ちに動き方を学ぶため別れるように。」

 

だが、

 

「織斑君!! お願いしますっ!」

 

「じゃあ、徳田君!!」

 

「風鳴君!! 教えて!」

 

「デュノア君の操縦技術が見たい!」

 

一夏、リュウト、リョウセン、シャルルのところに集まり、リョウセン以外は戸惑っていた。

 

千冬「貴様らぁ、さっさと出席番号順に並べ! さもないとグラウンド100周させるぞ!(怒」

 

千冬の一喝できれいにばらけた。その後は、一様に専用機持ち達によるISの起動から歩行を行い、次の人にバトンタッチを繰り返した。それからは無事に終了した。

 

昼休み

 

午前の授業が終了して昼休み、一夏、リュウトとリョウセンは屋上に向かっていた。

 

シャルル「あ! 一夏、リュウト、リョウセン!」

 

一夏「あれ、シャルル?」

 

リュウト「どうしたんだ?」

 

リョウセン「これから昼飯なんだが?」

 

そこへシャルルが出てきて一夏達を呼び止めた。

 

シャルル「よ、良かったら放課後僕と模擬戦できない?」

 

一夏「どうする?」

 

リュウト「俺はパスしようかな。まだ自分の専用機使いこなせてないし。」

 

リョウセン「右に同じく。」

 

一夏「じゃあ俺が相手するよ。」

 

シャルル「ありがとう! じゃあ!!」

 

シャルルは嬉しそうにしながら去っていく。シャルルを見送った後3人は顔を険しくした。

 

リュウト「恐らく狙いは・・・。」

 

リョウセン「織斑のデータだな。油断するなよ。」

 

一夏「分かってる。」

 

リュウト「どういう事情があるかは分からないけど、本人から直接聞いた方がいいな。」

 

 

放課後 アリーナ

 

一夏「待たせたか?」

 

シャルル「ううん。僕も今来たところ。」

 

一夏は白式を展開してアリーナに飛び、シャルルは専用機「ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ」を纏って待っていた。

 

リュウトとリョウセンは観客席で見学していた。加えて、千冬、箒、真耶、更識姉妹、セシリアと鈴も来ていた。

 

リョウセン「何故貴様らも来た?」

 

鈴「いいじゃん別に!」

 

セシリア「わたくし達も興味がありましたし。」

 

真耶「私も白式を使った新しいドライブの力見てみたいですし。」

 

千冬「私は姉として成長した弟を見守なければならないからな。」

 

楯無「私も教えてきた者としてね♪」

 

簪「仲間外れは嫌だ。」

 

箒「心配はないと思うが一夏の勇姿が見たいのだ。」

 

リョウセン「全く、緊張感というものがない。」

 

リュウト「まあまあ。」

 

楯無「それにデュノア君のこと、私も気になっていたしね。」

 

リョウセン「そうか。」

 

 

アリーナ

 

シャルル「それじゃあ始めよっか。」

 

一夏「ああ。悪いが手加減はしないぞ!」

 

シャルル「望むところだよ!」

 

そう言ってシャルルはラファールのレイン・オブ・サタデイを発射する。

 

一夏「それっと!」

 

一夏はそれを躱したり雪片で防いだりしながらシャルルに近づく。

 

一夏「借り物に頼るのは気が引けるけど。」

 

そう言いながら一夏はイグニッション・ブーストでシャルルに接近する。

 

シャルル「簡単には近づけさせないよ!」

 

ガキィン!

 

シャルルは一夏の雪片をブレッド・スライサーで受け止める。

 

一夏「やるな! それならこれだ!」

 

一夏は左腕の電子パネルを操作して白式をタイプワイルドにする。

 

一夏「白式! タイプワイルド!」

 

シャルル「今朝の姿だね。」

 

一夏「少しスピードが落ちる分パワーが上がる。」

 

シャルル「だからって負けないよ! (何か楽しくなってきちゃった。)」

 

シャルルは一夏との模擬戦を楽しく感じていた。

 

リュウト「何か楽しんでないか、シャルル?」

 

リョウセン「ああ。」

 

観客席で見ていたリュウトとリョウセンもそう感じていた。

 

 

アリーナ

 

一夏「そろそろいくか。」

 

一夏は電子パネルを操作してランブルダンプのボタンを押す。すると白式の右肩部はランブルダンプタイヤのようなものが出てランブルスマッシャーも装備された。

 

一夏「ギアチェンジ! ランブル、ええっと・・・ドリル!!」

 

箒「今何て言おうか迷ったな。」

 

リョウセン「分からくはないがな。」

 

 

アリーナ

 

シャルル「行け!」

 

シャルルは再びレイン・オブ・サタデイを発射する。

 

一夏「悪いけどそれは見切った! ハッ!」

 

一夏はランブルスマッシャーのドリルを回し、レイン・オブ・サタデイの光線を弾きながらシャルルに突っ込む。

 

シャルル「嘘!?」

 

一夏「オリャアアアッ!!!」

 

シャルル「うわああぁぁぁぁぁ!?」

 

一夏の攻撃が炸裂し、あっという間にシールドエネルギーが削られ、シャルルのラファールは限界値を迎え模擬戦は終了となった。一夏はやり過ぎたと思いシャルルに駆け寄った。

 

一夏「大丈夫か?」

 

シャルル「うん、平気。模擬戦ありがとう。」

 

一夏「こっちこそ。」

 

2人は握手しながら話し合っていた。その様子をリュウトとリョウセンや千冬達が見守っていた。

 

箒「流石一夏だ。」

 

鈴「あいつ、見ない間に強くなったわね。」

 

千冬「これもお前達2人やクリムのお蔭だ。」

 

リュウト「あれは一夏自身の強さだ。」

 

リョウセン「俺達は何もしていない。」

 

千冬「だがお前達がいなければ一夏と和解も出来なかった。改めて礼を言いたい。」

 

リュウト「俺達は切っ掛けを与えたに過ぎない。」

 

リョウセン「その通りだ。」

 

真耶「織斑先生! あれを!」

 

千冬「ん?」

 

真耶に言われてアリーナに視線を移す。そこには黒いISを纏ったラウラがいた。

 

鈴「あれって、あいつの専用機?」

 

リュウト「確かあれはシュヴァルツェア・レーゲンだったか?」

 

リョウセン「ああ。ドイツで開発中の第3世代型ISだ。」

 

セシリア「わたくしも聞いたことがあります。ですがもう完成していたなんて・・・・・・。」

 

簪「でも何をしに?」

 

楯無「さあ。」

 

 

アリーナ

 

アリーナのラウラは一夏を睨み付けていた。

 

一夏「何の用だ?」

 

ラウラ「織斑一夏、私と戦え!」

 

一夏「断る。俺には何の得にもならない。」

 

ラウラ「貴様になくても私にはあるんだ! 貴様の存在が気に食わない! 貴様さえいなければ教官が現役を引退せずに済んだんだ!」

 

一夏「・・・弱い奴程よく吠える。」

 

ラウラ「な!?」

 

シャルル「一夏!?」

 

鈴「え!?」

 

楯無「あらら。」

 

リュウト「呂布(汗」

 

リョウセン「ふふん( ・`ω・´)」

 

千冬「また一夏に余計なことを(汗」

 

箒「一夏も見習う相手を間違えている気がする(汗」

 

セシリア「わたくしの時の殺気も呂布さんから学習したのですね(汗」

 

簪「でも、カッコイイ。」

 

真耶「あわわわ!(汗」

 

 

アリーナ

 

ラウラ「私が弱いというのか!?」

 

一夏「それ以外にどう聞こえる? 千冬姉を尊敬するのは勝手だが他人にまで迷惑を掛けるな。」

 

そう吐き捨て一夏はアリーナを出ようとする。

 

ラウラ「おのれ許さんぞ!」

 

ラウラは激情して一夏に向かってレールカノンを放つ。

 

一夏「ふっ!」

 

だが一夏素早く躱し、電子パネルからフッキングレッカーのボタンを押す。

 

一夏「ギアチェンジ! フッキングレッカー! それ!」

 

ラウラ「な!? しまっ・・・うわぁ!?」

 

フックをラウラの足に引っ掛け、空中で振り回す。

 

一夏「それそれそれ!」

 

ラウラ「目、目が回る~~~!」

 

シャルル「え、えぐい!?」

 

一夏「オリャアァァァァァァ!」

 

ドーーーン!

 

ラウラをアリーナの地面に思い切り叩き付けた。

 

一夏「これに懲りたら二度と俺に関わらないことだな。」

 

一夏は白式を解除してアリーナを出ていった。

 

鈴「あいつやり過ぎよ(汗」

 

リュウト「あれでも手加減しているほうだ(汗」

 

箒「唯一気を付けなければならないのは(汗」

 

セシリア「一夏さんを怒らせてはいけないということですね(汗」

 

リョウセン「ん。見事だ、織斑。」

 

楯無「でももっと鍛えがいがあるわね。」

 

それぞれ感想を言い、アリーナを後にした。

 

 

一夏「全く何なんだあいつ? 今朝のことといい。」

 

自室に戻る途中一夏はラウラに対する愚痴を漏らしていた。

 

一夏「まあ気にしててもしょうがないし、いつも通りにいくか。」

 

角を曲がろうとした時、聞き覚えのある声がした。

 

ラウラ「何故ですか!? 何故こんな所で教師など!?」

 

一夏「ん?」

 

一夏はこっそり物陰に隠れてそこから見ると千冬とラウラがいた。

 

千冬「何度も言わせるな。私には私の役目がある、それだけだ。」

 

周りに誰もいないので場所は考えられている。

 

ラウラ「こんな極東の地で何の役目があるというのですか! お願いです教官、我がドイツで再びご指導を……ここではあなたの能力を半分も生かせません!」

 

一夏「(なるほど、そういうことか。)」

 

ラウラの望みは自身が崇拝する教官に国でもっと自分達を鍛えて貰いたいということだった。だが、その後に出たのは周りの生徒への侮辱的な感情であった。

 

ラウラ「この学園の生徒はISをファッションか何かと勘違いしている。教官が教うるに足りる人間ではありません! 危機感が全く出来てない。そのような者達に教官の時間を割かれるなど……。」

 

その言葉に遂に我慢ができなくなった千冬は口を開いた。

 

千冬「そこまでにしておけよ小娘。」

 

ラウラ「っ……!!」

 

千冬「少し見ない間に随分と偉くなったな。15歳でもう選ばれた人間気取りとは恐れ入る。」

 

ラウラ「わっ、わたしは……。」

 

千冬「寮に戻れ、私は忙しい。」

 

ラウラ「くっ……。」

 

ラウラは逃げ去るようにその場を離れる。それを見送った千冬は物陰に向かって告げた。

 

千冬「もう出てきていいぞ。」

 

どうやら一夏に気づいていたようだ。一夏も観念して出てきた。

 

一夏「気づいてたんだ。」

 

千冬「ああ。すまないな一夏、面倒なことをしてしまって。」

 

一夏「いいさ。それよりあいつ…。」

 

千冬「そうだ。お前が行方不明になって私が現役を引退した後ドイツで私が教え子として鍛えてやったんだ。その原因を作ったのがお前だということで憎んでいる。」

 

一夏「逆恨みかよ。いい迷惑だ。」

 

千冬「後2年前私を倒した奴もな。」

 

一夏「呂布にも?」

 

千冬「あいつは初めて私を負かした奴だからな。それが許せないのだろう。あの時の私は家族1人守れず何がブリュンヒルデだ! と苛立っていた。一夏、悪いがあいつのこと頼めるか?」

 

一夏「まあ決着はつけるつもりだしやってみるよ。」

 

千冬「すまない。あ、それと劉備と呂布から伝言がある。」

 

一夏「伝言?」

 

千冬「デュノアをドライブピットに連れて来てくれとのことだ。今篠ノ之と更識姉妹といる。」

 

一夏「何か分かったんだな、デュノア社のこととかで。」

 

千冬「そうだ。」

 

一夏「分かった。」

 

一夏は箒達と合流すべくその場を後にした。

 

一夏「おーい!」

 

箒「一夏!」

 

一夏は箒達と合流した。

 

楯無「来たわね一夏君。」

 

簪「早く行こ。」

 

シャルル「あ、あのこれは一体?」

 

一夏「直ぐに分かる。」

 

 

 

ドライブピット

 

一夏達はシャルルを連れてドライブピットに到着した。

 

シャルル「な、何ここ?」

 

リュウト「ここは俺達の秘密基地みたいな場所だ。」

 

リョウセン「その名もドライブピット。」

 

ドライブピットにはリュウトとリョウセンの他に千冬と真耶が既に来ていた。

 

シャルル「リュウトにリョウセン? それに織斑先生と山田先生も。」

 

リュウト「先ずは俺達の正体を明かそう。」

 

リョウセン「これが俺達の本当の姿だ。」

 

リュウトとリョウセンは擬人化を解く。

 

シャルル「が、ガンダム!?」

 

劉備「俺の本当の名は劉備。」

 

呂布「俺は呂布だ。」

 

シャルル「うそー。」

 

劉備「改めてよろしくな、シャルル・デュノア。」

 

呂布「いや、シャルロット・デュノアと呼んだ方がいいか?」

 

シャルル「ち、違うよ、僕は、」

 

楯無「残念だけど調べはついているから下手な噓はつかない方がいいわよ。」

 

シャルル「は、はい。」

 

シャルル改めシャルロットは諦めたように顔を下に向けた。

 

千冬「さて話してもらうぞデュノア。何故性別を偽って入学してきたのかを。」

 

真耶「正直に話して下さい。」

 

シャルロット「はい。僕が性別を偽ったのは男性操縦者の一夏達のデータを盗むためです。」

 

一夏「けどデュノア社と言えば、ISシェアだと世界の上位に食い込んでいる会社だろ。何でそんな必要があるんだ?」

 

劉備「それが、デュノア社は今倒産の危機にあるらしいんだ。」

 

一夏「倒産!?」

 

シャルロット「うん。第2世代型のラファールでのし上がって食い込んだけど、今はもう第3世代型のISの開発が主流になっているんだ。でもデュノア社にはそんな開発資金は残されていなんだ。」

 

呂布「そして俺達からデータを奪い、再び上位に立とうとしたという訳か。下らん。」

 

箒「しかし何故会社の為にそこまで?」

 

簪「断ってもよかったのに。」

 

シャルロット「僕は愛人の娘なんだ。だから従うしかないんだ。」

 

一夏「断りたくても断れなかったってことか。」

 

この場にいる全員がシャルロットに対するデュノア社のやり方に怒りを覚えた。

 

クリム「全く許せないな。腹ただしいものだ<(`^´)>」

 

シャルロット「ん? 今の声は?」

 

一夏「ああ、これだ。」

 

一夏はクリムをシャルロットに見せた。

 

クリム「やあ、Nice to meet you!」

 

クリムは笑顔でシャルロットと話す。

 

シャルロット「べ、ベルトが喋ってる!?」

 

クリム「私の名はクリム・スタインベルト。ベルトさんと呼んでくれ。」

 

楯無「噂の謎の3人組は知っているかしら?」

 

シャルロット「あ、はい。世界中に現れてISに関する違法実験が行われている研究所を襲ってる。」

 

一夏「実はその3人組、俺と劉備と呂布なんだ。」

 

シャルロット「え!? そうだったの!?」

 

劉備「俺達は仮面ライダーって存在なんだ。」

 

シャルロット「仮面ライダー。」

 

呂布「話が逸れたが貴様はどうする?」

 

シャルロット「強制送還されるけどもうこれで・・・。」

 

劉備「呂布が聞いているのはどうなるかじゃない。君自身がどうしたいかだ。」

 

シャルロット「え?」

 

呂布「貴様自身はどうしたいのだ? このまま上が命じるままにされていいのか?」

 

クリム「本当はどうしたいのだ?」

 

シャルロット「・・・たいよ。」

 

一夏「ん?」

 

シャルロット「自由に生きたいよ! 皆といろんなこと学んで楽しく過ごしたいよ!」

 

シャルロットは泣きながら叫んだ。

 

千冬「それが本心か。」

 

真耶「大丈夫ですよデュノアさん。」

 

シャルロット「え?」

 

楯無「このIS学園にいる間は他国の政府、企業からの干渉は受けないわ。」

 

簪「だからもう泣かないで。」

 

クリム「我々は味方だ。」

 

箒「私達はお前を見捨てたりしない。」

 

劉備「亡命したいなら俺達の仲間になるといいさ。」

 

呂布「それから先は知らないがな。」

 

一夏「お前が自由になれるよう俺達も協力するさ。」

 

一夏はそう言ってシャルロットの頭を撫でた。

 

シャルロット「皆、ありがとう。…ぅ…。」

 

一夏「ん?」

 

シャルロット「うあああああぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」

 

シャルロットは泣きながら一夏に抱きついた。箒達は少し羨ましそうだった。

 

劉備「ずっと溜めていたんだな。」

 

呂布「これもあのアホ兎の所為だな。」

 

箒「姉さんが申し訳ない。」

 

クリム「兎に角、これで彼女に居場所ができた。此処から新しい人生が始まる。」

 

劉備「けどこれでシャルロットのことは解決できた。」

 

呂布「ああ、後はボーデヴィッヒだな。」

 

劉備「早く全て終わるといいな。」

 

こうしてシャルロットは一夏達の新しい仲間になった。だがまだラウラが残っている。果たしてどうなるのか?

 

つづく



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タッグトーナメントの訓練

ラウラがフルボッコされます。


ドライブピット

 

シャルロットの真実を知った後、劉備はあることを思い出した。

 

劉備「そう言えば一夏、今度の学年別トーナメントについてのこと聴いたか?」

 

一夏「いや、聴いてないが。」

 

楯無「そっか、まだ言ってなかったわね。」

 

千冬「今年のトーナメントはタッグトーナメントに変わったのだ。」

 

一夏「タッグトーナメントに?」

 

真耶「男性操縦者が一気に増えましたからね。」

 

呂布「そこで織斑、お前はデュノアと組め。」

 

一夏「え? あ、そうか。シャルロットのことを知っているのは今のところ俺達で、もし知らない奴と組んだら女とばれてとんでもないことになる。」

 

劉備「男性操縦者同士なら怪しまれないからな。」

 

シャルロット「よろしくね、一夏。」

 

一夏「ああ。」

 

箒「まあ、今回は仕方ないか。」

 

簪「そうだね。」

 

一夏「劉備達はどうするんだ?」

 

劉備「俺達でタッグを組んで出ることにした。」

 

呂布「ISの力をどれだけ使いこなせるか確かめられるからな。」

 

一夏「そっか。」

 

劉備と呂布は嘗ては敵同士だったが、何度か共闘したことがある。その時息が合ったためタッグを組んだことが多い。

 

クリム「そういえば一夏の相部屋の者、シャルロットに変わったそうだな。」

 

真耶「はい、部屋の調整が終わったので篠ノ之さんは別の部屋になります。」

 

箒「分かりました。」

 

呂布「デュノアのことが終えればまたまたやり直しだがな。」

 

真耶「そうですね。・・・はぁ。」

 

どうやら真耶はまた部屋の調整をしなければならないことに落ち込んでいるようだ。因みに劉備と呂布は同部屋である。

 

シャルロット「ごめんなさい。」

 

真耶「大丈夫です、気にしないでください。」

 

千冬「さて、もう門限の時間だ。部屋に戻れ。」

 

一夏「もうそんな時間か。確かに今日は疲れた。」

 

劉備「今朝と昼間で大変だったもんな。」

 

一夏「じゃあ行こうかシャル。」

 

シャルロット「シャル?」

 

一夏「つい本名で呼んでしまうかもしれないからこっちの呼び方のほうがいいかなって思って。嫌だったか?」

 

シャルロット「あ、ううん大丈夫だよ///」

 

一夏「じゃあ行こうか。」

 

シャルロット「うん!」

 

その様子を箒、楯無、簪が羨ましそうにジト目で見ていた。

 

呂布「また織斑の天然たらしか。」

 

劉備「こりゃ大変だな、一夏も。(^^)」

 

この時の劉備は自身の婚約者が来て大変なことになろうとは思ってもいなかった。

 

クリム「さて、後はデュノア社をどうするかだが。」

 

呂布「既に手は打ってある。癪だがISの設計図を『この設計図に免じてシャルロット・デュノアにはこれ以上手を出すな。』というメッセージをデュノア社に送ってやった。暫くは大人しくしているだろう。」

 

楯無「いつの間に(汗」

 

千冬「仕事が早いな(汗」

 

 

 

廊下

 

シャルロット「ありがとう、一夏。僕のために。」

 

一夏「気にするなよ。何かほっとけなかったからな。」

 

シャルロット「それにしても驚いたよ。一夏達が噂の謎の3人組だったなんて。」

 

一夏「まあな。改めてよろしくな。」

 

シャルロット「うん!」

 

 

翌日

 

シャルロットはまだ男装して授業を受けていた。本人曰く、

 

シャルロット「亡命が受理されるまではこのままでいる。」

 

とのことだった。そして放課後、一夏達はトーナメントのためにアリーナに行こうとすると、

 

「織斑君!」

 

「徳田君!」

 

「風鳴君!」

 

「デュノア君!」

 

「「「「「私とペアを組んでくださいっ!!」」」」」

 

と女子達に申し込まれた。

 

一夏「悪い、俺はシャルと組む。」

 

シャルロット「ごめんね。」

 

リュウト「俺はリョウセンとだ。」

 

リョウセン「そういうことだ。」

 

「えーっ。」

 

「なんだ残念。」

 

「まあ知らない女子と組むよりは・・・。」

 

女子達は諦めて退いていった。

 

 

 

アリーナに着いた一夏達は早速トーナメントの訓練を開始した。

 

リュウト・リョウセンSide

 

リュウト「さてどうする?」

 

リョウセン「取り敢えずいつものようにやっとくぞ。俺達三璃紗の最強コンビの力を見せてやろうじゃないか!」

 

リュウト「ふっ、そうだな。」

 

 

一夏・シャルロットSide

 

一夏「劉備と呂布は絶対決勝まで突き進むと思うな。」

 

シャルロット「そうなの?」

 

一夏「ああ。あの2人は敵同士だったけどある戦いで共闘したことがあったらしいんだ。その時息が合ってよくコンビになることが多かったらしい。」

 

シャルロット「へぇー、劉備さんと呂布将軍そんなに凄いんだ。」

 

一夏「今の俺がどれぐらいあいつらに通用するか分からないけど、頑張るつもりさ!」

 

シャルロット「手伝うよ一夏。」

 

 

リュウト・リョウセンSide

 

リュウトとリョウセンは自身の専用機を纏いダミーを使って連携をとっていた。

 

リュウト「何とか形になってきたな。」

 

リョウセン「ああ。」

 

リュウト「そういえば一夏とは訓練以外で戦うことになるのは今回が初めてだったな。」

 

リョウセン「そうだったな。あいつが俺達相手にどこまでやれるか見ものだな。」

 

リュウト「ま、簡単にやられたりはしないけど。」

 

リョウセン「確かに。」

 

すると一発の砲弾が放たれた。

 

リュウト・リョウセン「「!?」」

 

2人は何とか躱し警戒する。

 

リュウト「誰だ!?」

 

ラウラ「ほう、今のを躱すとはな。」

 

リョウセン「ボーデヴィッヒ、何の真似だ?」

 

ラウラ「貴様らは織斑一夏と親しいからな。貴様らを潰させてもらう!」

 

リュウト「はぁ、呆れてものも言えない。(*´Д`)」

 

リョウセン「フフフ。」

 

リュウト「リョウセン?」

 

リョウセン「ハハハハハハ!」

 

ラウラ「な、何がおかしい!?」

 

リョウセン「俺達を痛めつければ織斑を叩き潰しやすいって低脳過ぎだな。」

 

ラウラ「な!?」

 

リョウセン「だから貴様はあの時も織斑に手も足も出せずに負けたのだろ?」

 

ラウラ「おのれ~、許さんぞ!」

 

リョウセン「リュウト、付き合え。」

 

リュウト「結局こうなるのか。」

 

 

一夏・シャルロットSide

 

同じ頃一夏とシャルロットもお互いの弱点を見極めながら訓練していた。

 

シャルロット「形になってきたね。」

 

一夏「ああ。後は当日を待って実戦するだけか。」

 

シャルロット「頑張ろうね!」

 

一夏「そうだな。」

 

 

ドーーーン!

 

 

シャルロット「ん?」

 

一夏「なんだ?」

 

後方に位置するアリーナの方から爆発音が起き、黒煙が立ち上がる。

 

シャルロット「なんだろう?」

 

一夏「あっちって確か、劉備達がいるところじゃないか!?」

 

シャルロット「行ってみよう!」

 

一夏とシャルロットは直ぐにISを解除してリュウトとリョウセンの元に向かう。

 

 

 

一夏達は途中で箒達と合流し、リュウトとリョウセンのいるアリーナへ入り、観客席で見ていた一年生に事情を聞いた。

 

一夏「何の騒ぎだ?」

 

「あ、織斑君! 大変なんだよ! 徳田君と風鳴君が訓練していたらボーデヴィッヒさんが乱入してきてそのままバトルに発展しちゃったんだ!」

 

簪「またなの。」

 

箒「大丈夫なのか?」

 

楯無「兎に角行きましょう。」

 

鈴「そう言えばあの2人の戦いってあんまり知らなかったわね。」

 

セシリア「じっくり見てみましょう。」

 

事情を聞いた一夏達は早速アリーナを覗いた。

 

リュウト「ハッ!!」

 

バンバンバンバン!

 

ラウラ「甘い!」

 

無双セイバーのムソウマズルから光弾を発射するが、ラウラに着弾する瞬間に見えない壁に阻まれた。

 

リュウト「なに!?」

 

ラウラ「喰らえ!」

 

リョウセン「させるか!」

 

スパーン!

 

リョウセンはガンガンセイバーで砲弾を両断する。

 

ラウラ「やるな。」

 

リョウセン「大丈夫か?」

 

リュウト「ああ。けどあれは一体?」

 

リョウセン「あれはAICというものだ。」

 

リュウト「AIC?」

 

リョウセン「通称アクティブ・イナーシャル・キャンセラー。一種の停止結界だ。」

 

リュウト「なるほど。」

 

リョウセン「だが欠点として多大な集中力がいる。」

 

リュウト「ならやることは一つだ。」

 

リョウセン「そういうことだ。行くぞ!」

 

リョウセンはラウラに突っ込む。

 

ラウラ「バカめ!」

 

ラウラはリョウセンに向けて手を翳し、AICで動きを止める。

 

ラウラ「これで貴様も身動きができまい。」

 

リョウセン「ふっ、俺が考えもなしに近づいたと思っているのか?」

 

ラウラ「なに?」

 

リョウセン「リュウト!」

 

リュウト「おう!」

 

<ロックオーン!>

 

イチゴロックシードを無双セイバーにセットする。

 

ラウラ「な、囮だったのか!?」

 

リョウセン「そういうことだ!」

 

無双セイバー<一! 十! 百! イチゴチャージ!>

 

リュウト「セイハー!」

 

ラウラ「くっ!」

 

ラウラはAICでクナイバーストを防ぐが、全て防ぎきれなかった。その隙に解放されたリョウセンが近づく。

 

リョウセン「オメガボンバー!」

 

ドカーン!

 

ラウラ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

ドーン!

 

ラウラはクモランタンが合体したハンマーモードになったガンガンセイバーのオメガボンバーをもろに受けアリーナの壁にぶつかった。

 

シャルロット「す、凄い。」

 

鈴「(゜ロ゜)」ポカーン

 

セシリア「(゜ロ゜)」ポカーン

 

一夏「流石だな。」

 

箒「いや、容赦なさすぎだろ!?(汗」

 

簪「お姉ちゃん! 私もあの2人みたいになりたい!」

 

楯無「簪ちゃん、それだけはダメーーー!?」

 

簪「冗談♪」

 

 

リュウトとリョウセンは地面に着地する。

 

リュウト「ふぅ。」

 

リョウセン「・・・。」

 

リュウト「リョウセン?」

 

リョウセンは無言のままガンガンセイバーをブレードモードにしてラウラに近づく。

 

ラウラ「!?」

 

ジャキィン!

 

ガンガンセイバーをラウラに構える。

 

リョウセン「終わりだ。」

 

ラウラ「や、やめ・・・」

 

リョウセン「ふん!」

 

ガキィン!

 

リョウセン「!?」

 

千冬「風鳴、そこまでにしておけ。殺す気か。」

 

ラウラ「教官!?」

 

リョウセン「織斑教諭か。」

 

千冬が訓練機・打鉄の装備である日本刀型ブレード『葵』でガンガンセイバーを受け止めていた。

 

千冬「来週のタッグマッチトーナメントがあるまで一切の私闘を禁止する! 良いな。」

 

リョウセン「了解した。」

 

リュウト「はあ~(*´Д`)」

 

ラウラは医療班の教師に連れられていく。そこでリョウセンが口を開く。

 

リョウセン「全く無様だな。」

 

ラウラ「っ!?」

 

リョウセン「この世には貴様よりも強い者は五万といる。それが分からないのでは貴様は強くなれん。」

 

リュウト「本当の強さとは何なのか、今一度考えるといい。」

 

リュウトとリョウセンはISを解除してアリーナを出ていった。ラウラは悔しさで何も言えなかった。

 

一夏「呂布の奴、千冬姉が助けると分かってわざとやったな。」

 

シャルロット「え!? そうなの!?」

 

一夏「ああ見えて不器用なんだよ。」

 

箒「以前は殺気を出しまくって戦いだけが生き甲斐だと聞いたぞ。」

 

簪「私も劉備さんから聞いたよ。世界の平和なんてどうでもよくて、力こそが正義って信じていたみたい。」

 

楯無「うわぁ、悪役そのものね。(-_-;)」

 

鈴「絶対敵に回したくないわ(汗」

 

セシリア「はい(汗」

 

その後、一夏達はそれぞれ着替えて部屋に帰って行った。ラウラの傷はそんなに深くはなく、機体のダメージも浅かった。リュウトとリョウセンは一応手加減していた様だ。

 

さあいよいよ、タッグトーナメントの開催だ。

 

つづく



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タッグトーナメント開催と突然の事件

リュウトとリョウセンがラウラをコテンパンして数日、タッグトーナメント当日となった。

 

 

シャルロット「いよいよだね。」

 

一夏「ああ。」

 

シャルロット「どうしたの?」

 

一夏「いや、ちょっとな。」

 

シャルロット「ボーデヴィッヒさんのこと?」

 

一夏「ああ。」

 

時は少し遡る。

 

 

ドライブピット

 

一夏「それにしても相変わらず凄いな2人は。」

 

クリム「だが少々やり過ぎたのではないか?」

 

劉備「俺もそう思ったけど仕方ないだろ、ああでもしないと引き下がってくれる相手じゃなかったんだしさ。」

 

呂布「話が変わるが、あの女の出生について調べた。」

 

一夏「え、そうなのか?」

 

劉備「ああ。」

 

呂布「奴はドイツの遺伝子強化試験体、つまり試験管ベビーだ。」

 

クリム「!? 人工生命体。」

 

一夏「俺と同じ。」

 

劉備「そしてそれはプロジェクト・モザイカの技術の一部を使われたらしい。」

 

一夏「なんだって!?」

 

呂布「つまりボーデヴィッヒはお前の遠い親戚のようなものだ。」

 

クリム「成程、親戚か。」

 

一夏「信じられない。」

 

劉備「これからどう向き合っていくかは君次第だ。」

 

一夏「分かった。」

 

再び現在

 

一夏「まあいいや、考えるのやめた。」

 

シャルロット「いいのそれ?(汗」

 

一夏「それよりシャル、準備はいいか?」

 

シャルロット「うん。対戦相手見に行こうか。」

 

待機室に着いた一夏とシャルロットはモニターから対戦表を見た。

 

一夏「一番最初に劉備と呂布の試合か。」

 

シャルロット「僕達はその後で対戦相手は、!?」

 

2人の相手はラウラと箒のペアだった。

 

シャルロット「箒、ボーデヴィッヒさんとペアになっちゃったんだ。」

 

一夏「恐らく抽選で当たったんだろう。シャル、悪いけど・・・。」

 

シャルロット「分かってる。箒は任せて。」

 

一夏「すまない。」

 

 

一方こちらはラウラと箒がいる待機室。

 

ラウラ「ほう、奴と当たるとは手間が省けたな。」

 

箒「・・・。」

 

ラウラ「邪魔だけはするなよ。」

 

箒「分かっている。(最もお前が一夏に勝てるとは思えんが。)」

 

 

 

薫子『さあお待たせしました! これよりタッグトーナメントを開始いたします! 実況は私、新聞部の黛薫子がお送りします! では早速始めていきましょう。先ずは世界初の男性操縦者織斑一夏に続いて登場した学園の最強ペアとも言われている徳田リュウト&風鳴リョウセンペアだ!』

 

 

アリーナ

 

Aピットから最初はリュウトとリョウセンが出てきた。

 

リュウト「さて、やりますか。」

 

リョウセン「余り大したことをしていないが誰がそんな設定にした?」

 

続けて実況がBピットの紹介をして対戦相手が出てきた。

 

薫子『それでは試合開始!』

 

ブザーが鳴り、試合が始まった。

 

「男の分際でISを気安く!」

 

「この下等生物が!」

 

ラファールを纏った相手2人が女尊男卑主義者であり、リュウトとリョウセンも呆れていた。

 

リョウセン「まだこんな奴がいたか。」

 

リュウト「一気に決めるか。」

 

リュウトとリョウセンはそれぞれナギナタモードにした無双セイバーとガンガンセイバーを構える。

 

リュウト「悪いけど手加減はしない!」

 

<ロックオーン!>

 

<一・十・百・千・万! >

 

リョウセン「覚悟しろ!」

 

リュウトとリョウセンは武器を振り回しながら突っ込む。

 

「「くるな!? くるなーーー!?」」

 

<オレンジチャージ!>

 

リュウト「ナギナタ無双スライサー!!」

 

リョウセン「オメガストリーム!!」

 

バシュン! バシュン!

 

「「うわあぁぁぁ!?」」

 

アサルトライフルで抵抗するが無意味に終わり、対戦相手の2人は地面に墜落した。

 

薫子『しゅ、瞬殺! 瞬殺です! 見事なコンビネーションが炸裂! 勝者徳田&風鳴ペア!』

 

一瞬の静寂の後歓声が響いた。

 

待機室にいる一夏達もその様子を見ていた。

 

一夏「やっぱ凄いなあの二人。」

 

シャルロット「相手何もできずに倒されちゃった。」

 

リュウトとリョウセンの試合が終わってからやっと一夏達の試合がきた。

 

一夏「じゃ、頼むぜ。」

 

シャルロット「任せて。」

 

一夏「来い、白式!」

 

シャルロット「行くよ、ラファール!」

 

それぞれの専用機を展開し、アリーナに飛び立つ。

 

 

アリーナ

 

一夏とシャルロットが出るとラウラと箒も出てきた。

 

ラウラ「今度こそ叩き潰してくれる!」

 

一夏「あっそ。」

 

箒「一夏、少しはやる気を出せ(汗」

 

シャルロット「あははは( ̄▽ ̄;)」

 

そうしている間に、試合開始のブザーが鳴った。

 

シャルロット「行くよ!」

 

一夏「おう!」

 

手筈通りシャルロットは箒と迎え撃った。

 

シャルロット「ごめんね箒。」

 

箒「いや大丈夫だ。一夏も決着をつけたいと思っているからな。」

 

シャルロットと箒が交戦し始めて同じ頃、一夏もラウラにドア銃を撃つ。

 

一夏「ハッ!」

 

バキュン! バキュン!

 

ラウラ「無駄だ!」

 

ラウラはプラズマブレードで弾き、レールカノンを一夏に向けて放つ。

 

一夏「おっと!」

 

反射神経を駆使して何とか躱す。

 

ラウラ「チッ! 躱したか。」

 

一夏「今度はこっちの番だ!」

 

一夏は左腕の電子パネルの《シフトテクニック》のボタンを押す。すると白式は白から緑へと変色した。

 

一夏「白式! タイプテクニック!」

 

シャルロット「緑色。」

 

箒「新たな力か!」

 

ラウラ「色が変わったくらいで!」

 

一夏「本番はここからだ!」

 

再び電子パネルを操作して白色の雪上車型のシフトカー、《ロードウィンター》のボタンを押す。すると白式の左右に雪の結晶が描かれた円盤が出現した。

 

一夏「ギアチェンジ! ロードウィンター! ハッ!」

 

バキュン! バキュン!

 

ドア銃で再びラウラに撃つ。

 

ラウラ「何度やっても同じだ!」

 

再びプラズマブレードで弾こうとするがロードウィンターの能力で凍ってしまい使い物にならなくなった。

 

ラウラ「な!? 氷だと!?」

 

一夏「驚いている暇はないぞ!」

 

ガチャ!

 

タイプテクニックの能力が備わったバイザーをかけ解析する。

 

一夏「ハッ!」

 

バキュン! バキュン!

 

ラウラ「同じ手が二度も通用するか!」

 

ラウラはそれをAICで止めようとするが光弾は軌道を変えて全てラウラの手に命中した。

 

ラウラ「がぁっ!……まさか、偏向射撃(フレキシブル)!?」

 

一夏「隙だらけだぜ!」

 

それを逃さずにタイプスピードとなってラウラの背後に回り、ハンドル剣で隙だらけの背中を斬った。

 

ガキィン!

 

ラウラ「ぐはぁ! おのれぇ! 許さんぞ!」

 

一夏「ギアチェンジ! ドリームベガス!」

 

スロットが沢山ついたドリームベガスにギアチェンジしてハンドル剣にベガスを装填する。

 

ハンドル剣<FINISHER(ヒッサーツ)DREAM VEGAS! FULL THROTTLE!

 

一夏「ハッ!」

 

ガキィン!

 

ラウラ「がはぁ!」

 

ハンドル剣<TURN!>

 

一夏「まだまだ!」

 

ガキィン!

 

ラウラ「ぐっ!」

 

ハンドル剣<TURN!>

 

ガキィン!

 

ラウラ「がっ!」

 

ハンドル剣<U-TURN!>

 

ガキィン!

 

ラウラ「ぐぁぁぁっ!!!」

 

お札やメダルの幻影を見せて連続で斬るドリームベガスのターンスマッシュをラウラに決める。

 

 

一夏の技を受けたラウラは地面に転げ落ちた。

 

ラウラ(負けるのか・・・・・・この私が?)

 

自分の敗北が認められないラウラは力を求めてしまった。

 

ラウラ(欲しい・・・・・・力が! 教官の汚点である奴を凌駕する力が!)

 

そしてラウラの頭に直接声が響いた。

 

『求めますか? 最強で最高の力を・・・?』

 

ラウラ(なんだと? 寄越せ! あの男に完膚なきまで叩き潰せる力を!)

 

『いいでしょう。まあ、命の保証はできませんけどね。』

 

 

 

『Valkyrie Trace System STANDBY・・・・・OK』

 

 

一夏「ふう。」

 

シャルロット「一夏、お疲れ様。」

 

シャルロットも箒と戦い終えて一夏の元に来た。

 

箒「私もまだまだだな。」

 

一夏「ん?」

 

箒「一夏?」

 

シャルロット「どうしたの?」

 

一夏「あいつの様子がおかしいぞ。」

 

箒・シャルロット「「え?」」

 

箒とシャルロットもラウラを見ると確かに様子が変だった。すると突然起き上がった。

 

ラウラ「くううっ! うわあぁぁぁ!」

 

ラウラが突然叫び出すとシュヴァルツェア・レーゲンは黒いどろどろとした泥のようになった。

 

一夏「な、なんだ!?」

 

シャルロット「なに!?」

 

箒「何が起こったのだ!?」

 

一夏達も突然のことで怯んだ。その直後信じられない光景を目にした。

 

一夏「ち、千冬姉?」

 

シャルロット「あれって暮桜!?」

 

箒「ど、どういうことだ!?」

 

千冬が嘗て使っていた暮桜がラウラを吞み込み姿を現した。果たしてどうなるのか?

 

そして緑の服を着て眼鏡を掛けた男がいることは誰も知らない。

 

???「さあ、見せてもらいますよ。新しい仮面ライダードライブ。」

 

つづく



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ラウラを救え! 零落白夜発動!

タッグマッチトーナメント当日、一夏&シャルロットVSラウラ&箒の試合が行われ一夏&シャルロットペアの勝利で終わろうとしていた。だが突然ラウラのISがラウラを吞み込み、嘗ての千冬の専用機・暮桜の姿となった。

 

シャルロット「あれって暮桜だよね?」

 

箒「何故千冬さんが!?」

 

一夏「・・・!?」カチャ!

 

一夏は慌てて再びタイプテクニックとなり、バイザーをかけて解析すると驚くべきものだった。

 

 

「解析結果・・・・・Valkyrie Trace System」

 

 

一夏「VTシステムだと!?」

 

箒「なに!?」

 

シャルロット「それってアラスカ条約で禁止されているヴァルキリー・トレース・システム!?」

 

その場にいる全員が驚かずにはいられなかった。ヴァルキリー・トレース・システム、通称VTシステム。過去のモンド・グロッソ優勝者等の戦闘データを基にして再現するが、パイロットの命を奪う危険性があるためアラスカ条約で開発・研究が禁止されているシステムである。

 

 

待機室

 

リュウト「何が起こったんだ!?」

 

リョウセン「マズイな、あれはVTシステムだ。」

 

リュウト「なんだって!?」

 

リョウセン「だが何故奴の機体に?」

 

 

アリーナ管制室

 

真耶「ど、どうなっているんですか!?」

 

千冬「まさかあれは!?」

 

ピピピピピ!

 

管制室にいる千冬達も突然のことで混乱していた。そこに通信がきた。

 

リュウト『千冬! 聞こえるか!?』

 

千冬「徳田か! 学園では織斑先生と『今はそんなことどうでもいいだろ!』っとそうだったな。」

 

リュウト『リョウセンによるとあれはVTシステムだ!』

 

千冬「やはりか!」

 

真耶「何故ボーデヴィッヒさんの機体にそんなものが!?」

 

千冬「分からん。だがこのままではボーデヴィッヒが危ない! 徳田、風鳴と一緒にアリーナに出て織斑達とボーデヴィッヒの救出を頼む! 責任は私が取る!」

 

リュウト『了解!』

 

真耶「織斑先生!?」

 

千冬「私は信じている。彼らなら。」

 

 

アリーナ

 

一方の一夏達も襲いくる偽暮桜と交戦していた。

 

一夏「ぐっ! 偽物って分かっていても強い!」

 

箒「流石は千冬さんの機体といったところか。」

 

シャルロット「でもこのままじゃ僕達も危ないよ!」

 

だが相手は偽物でも世界最強。苦戦を強いられ簡単にはいかなかった。

 

リュウト「一夏、皆!」

 

リョウセン「無事か!?」

 

一夏「リュウト! リョウセン!」

 

待機室にいたリュウトとリョウセンがISを纏ってアリーナに入ってきた。

 

リュウト「箒、シャル! 2人は戻れ!」

 

リョウセン「後は任せろ!」

 

シャルロット「助かった!」

 

箒「すまない!」

 

箒とシャルロットは機体が限界だったため待機室に戻った。

 

リュウト「さて、どうする?」

 

リョウセン「先ずは俺達が援護しつつ取り込まれているボーデヴィッヒを織斑のファイヤーブレイバーで引き摺り出してあれを何とかするしかないな。」

 

リュウト「一夏、いけるか?」

 

一夏「勿論!」

 

リョウセン「では行くぞ!」

 

第2ラウンドが始まった。

 

リュウト「ハッ!」

 

バン! バン! バン!

 

リュウトは無双セイバーのムソウマズルから光弾を発射するが偽暮桜は無駄のない動きで全て避ける。

 

リョウセン「それで躱したつもりか!」

 

ダダダダダダ!

 

その隙を見てリョウセンがガンガンセイバーとバットクロックをガンモードにして偽暮桜に撃つ。

 

一夏「今の内に!」

 

一夏は偽暮桜が一瞬怯んだ隙に接近してタイプテクニックの最大の特徴、メカ分析で解析を始める。そんな一夏にリュウトが援護しながら語りかける。

 

リュウト「なあ、一夏。本当に助けて大丈夫なのか?」

 

一夏「何が?」

 

リュウト「ラウラはいつも君に敵意を向けていた。俺は目の前の救える命があるから助ける理由があるけど、君にはない筈だが?」

 

一夏「確かにそうだけど俺は生徒会に所属している。例え敵意を向けていた相手でも助けないといけない。」

 

リュウト「そっか。」

 

一夏「それに俺こいつのこと千冬姉に任されていたからな。放っとく訳にもいかないのさ。」

 

リュウト「それを聞いて安心したよ。」

 

リョウセン「俺としてはこいつにはまだ可能性がありそうだからな、心を鍛えれば見所がある。」

 

リュウト「お前はそっちかよ(汗」

 

リョウセンの呟きに呆れながらも一夏を偽暮桜の攻撃から守る。

 

一夏「よし、解析完了!」

 

一夏は電子パネルを操作して消防車型のシフトカー、《ファイヤーブレイバー》のボタンを押し、伸縮自在のラダー装置が格納された「ラダーエキスパンダー」が白式の左右に出現した。

 

一夏「ギアチェンジ! ファイヤーブレイバー!」

 

一夏は早速ラダーエキスパンダーでラウラを救出した。

 

一夏「よし! 後は!」

 

ドア銃を取り出してファイヤーブレイバーを装填する。

 

ドア銃FINISHER(ヒッサーツ)!FIRE BRAVER! FULL THROTTLE!>

 

ギュイーーーン!

 

一夏「ハアッ!」

 

バーン!

 

ドカーン!

 

ラダー型の光弾を放ち、対象を離れさせた後、とどめの一撃を放つファイヤーブレイバーのパーフェクショットで偽暮桜を駆逐した。

 

リュウト「やったな。」

 

リョウセン「ああ。」

 

一夏「こいつも無事だ。」

 

ラダーエキスパンダーで掴んでいるラウラを見せる。これで終わった一同だったが。

 

ドゴーン!

 

3人「!?」

 

偽暮桜はまだ活動していた。

 

リョウセン「まだ動けるのか!?」

 

リュウト「一夏! ラウラを避難させろ! 俺達が足止めしている間に!」

 

一夏「分かった!」

 

一夏はラウラを連れて待機室に向かっていく。偽暮桜が追うとするがリュウトとリョウセンが足止めする。

 

リュウト「俺達が相手だ!」

 

リョウセン「来い!」

 

 

待機室

 

一夏「こいつをお願いします。」

 

「分かりました。」

 

シャルロット「ラウラ、大丈夫かな?」

 

待機室に戻った一夏はラウラを教師陣に預け、どうやって偽暮桜を倒すか模索していた。

 

一夏「さて、どうするか。」

 

箒「あの2人が力尽きるのも時間の問題だぞ。」

 

すると一夏はあることを思い出した。

 

一夏「そうだ! 白式には雪片があったんだった!」

 

箒「まさか、零落白夜を使うのか!?」

 

一夏「あいつを何とかするにはもうそれしか方法がない!」

 

箒「だが、お前に何かあったら。」

 

一夏「大丈夫だ。俺を信じろ。」

 

箒「一夏。」

 

箒は少し躊躇ったが、覚悟を決めた一夏を見て何も言えなかった。

 

箒「・・・分かった。無茶はするな。」

 

一夏「ああ!」

 

一夏は強い頷き、再びアリーナに飛び立った。

 

 

アリーナ

 

リュウト「こいつ、パイロットがいないのになんて強さだ!?」

 

リョウセン「核となるボーディッヒを失って暴走しているな。」

 

一方リュウトとリョウセンは凶暴化した偽暮桜と交戦し、沈静化しようとしていた。

 

一夏「リュウト! リョウセン!」

 

リュウト「一夏!」

 

リョウセン「来たか。」

 

ピットから出てきた一夏が合流してきた。

 

一夏「2人共、まだやれるか?」

 

リュウト「何とかな。」

 

リョウセン「何か策があるのか?」

 

一夏「ああ。零落白夜を使う。援護を頼みたい。」

 

リュウト「成程な。」

 

リョウセン「確かにあれなら何とかなるだろう。だがあれはSEの消費が激しい。一発で決めろ!」

 

一夏「分かってる!」

 

リュウト「よし、行くぞ!」

 

リュウトの号令で再び3人は偽暮桜と交戦する。

 

リュウト「ハッ! ハッ!」

 

リュウトがイチゴクナイを投げるが偽暮桜は躱す。だがリョウセンが追い討ちを掛ける。

 

リョウセン「オメガインパクト!」

 

バシューン!

 

ガンモードのガンガンセイバーとバットクロックを合体させてライフルモードにした必殺技「オメガインパクト」を放つ。

 

リュウト「そーれ!」

 

リュウトはパインアイアンを偽暮桜に被せて偽暮桜の動きを封じる。

 

リョウセン「今だ織斑!」

 

リュウト「いけーーーー!」

 

一夏「零落白夜、発動!」

 

一夏の体を金色の輝きが覆う。物理刀状態から前後に分裂し、その間からエネルギーで収束した刀身が形成される。

 

一夏「喰らえーーー!」

 

バシュン!

 

ドゴーン!

 

一夏の一閃を受けた偽暮桜はエネルギーを完全に消費して体が崩れ落ちシュバルツェア・レーゲンが待機状態で残っていた。

 

一夏「ふぅ。」

 

リュウト「やったな。」

 

リョウセン「見事だったぞ。」

 

一夏「2人のお陰さ。」

 

リュウト「ヘヘッ。」

 

リョウセン「ふっ。」

 

コン!

 

3人は拳を突き出してグータッチをする。こうして事件は解決した。

 

 

???「流石ですね。出会える日が来るのを楽しみにしていますよ、仮面ライダードライブ・織斑一夏。」

 

謎の青年も意味深な言葉を残して去って行った。

 

つづく



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事件の後語り

タッグマッチトーナメントはVTシステムの事件で中止となった。一夏とリュウトとリョウセンの3人は検査を受けたが軽傷で済んだ。ラウラは医療班に任され保健室に運ばれた。

 

IS学園 保健室

 

ラウラ「こ、ここは?」

 

ラウラは目を覚ますと白い天井が見えた。

 

千冬「気がついたか。」

 

ラウラ「教官。」

 

リョウセン「俺もいるぞ。」

 

ラウラ「風鳴リョウセン。」

 

傍には千冬とリョウセンがいた。

 

ラウラ「・・・・教官、私はどうなったのですか?」

 

千冬「VTシステムは知っているな?」

 

ラウラ「ヴァルキリー・トレース・システム!?」

 

千冬「そうだ。お前の機体に搭載されていたのだ。」

 

リョウセン「全く醜い姿だったがな。」

 

千冬「余計なことを言うな。機体に一定のダメージ、操縦者の精神状態、そして操縦者の強い意志・・・いや、願望によって発動する。」

 

ラウラ「私が望んだから。」

 

千冬「そうだ。だがお前は私にはなれない。」

 

リョウセン「貴様がどんなに強くなろうも貴様自身だ。大切な友や仲間がいることで人は初めて強くなれる。」

 

ラウラ「仲間。」

 

千冬「お前にもいるだろ、大切な仲間が?」

 

ラウラ「は、はい。こんな私に付いて来てくれるシュヴァルツェ・ハーゼの部下達が。」

 

千冬「そうか。ならその部下達を守れるくらいの心と体を強くしろ。私の弟も徳田や風鳴のような大切な仲間がいるから強くなれたのだから。」

 

ラウラ「はい。ところで教官。」

 

千冬「何故風鳴もいるかだろ?」

 

ラウラ「そうです。」

 

千冬「その理由はな・・・風鳴、頼む。」

 

リョウセン「いいのか?」

 

千冬「いずれは話さないといけないからな。」

 

リョウセン「分かった。」

 

そう言われリョウセンは擬人化を解いた。

 

ラウラ「か、風鳴?」

 

呂布「俺の本当の名は呂布だ。」

 

ゴーストドライバーを装着しオレゴースト眼魂を取り出す。

 

ラウラ「ベルト?」

 

カチッ!

 

<アーイ! バッチリミナー! バッチリミナー!>

 

呂布「変身。」

 

<カイガン! オレ! レッツゴー! 覚悟! ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!>

 

呂布はゴーストに変身した。その姿を見てラウラも驚いた。

 

ラウラ「お、お前は2年前教官を倒した!? では徳田リュウトと織斑一夏も!?」

 

千冬「そう。そして私の弟の命の恩人でもある。」

 

ラウラ「え?」

 

ゴースト「織斑も昔は貴様と同じように出来損ないと言われ、周りから迫害を受けていたそうだ。」

 

ラウラは驚いた顔でゴーストを見た。

 

千冬「あの時はひと悶着あったがこいつと徳田のお陰で一夏は強くなった。返しきれない恩ができてしまったのだ。こいつを恨むことはもうやめてほしいのだ。」

 

ラウラ「・・・分かりました。」

 

ラウラは力なく頷いた。

 

<オヤスミー!>

 

呂布「話が逸れたが織斑やクラスメイトに謝罪するなら今のうちだぞ。」

 

ラウラ「ああ。」

 

千冬「では私達はこれで失礼する。」

 

千冬は再び擬人化した呂布と病室を出た。残されたラウラは先程言われたことを思い出し、これからは良き友人と接しようと心を入れ替え部下の1人に連絡した。

 


 

その頃一夏達は今回の事件のことを話し合っていた。

 

一夏「しかしまさかVTシステムが搭載されていたなんてな。」

 

リュウト「さっき束から連絡があったんだけどドイツ政府の連中はあのシステムを入れた者はいなかったって言ってたぞ。」

 

一夏「何者かが密かに搭載した可能性があるということか。」

 

シャルロット「束って篠ノ之束博士?」

 

楯無「そう、私達の最大の支援者よ。」

 

その後リョウセンと合流し夕食を摂り、それぞれの部屋に戻った。部屋に戻ったシャルロットは一夏にこれからのことを報告した。

 

シャルロット「ねえ一夏、僕正式に亡命が決まったよ。」

 

一夏「そっか、良かったな。」

 

シャルロット「うん。それとね、僕学園に残ることにしたよ。僕も一夏達のサポートしたいんだ。」

 

一夏「いいのか?」

 

シャルロット「うん。」

 

一夏「じゃあこれからもよろしく頼むよ。」

 

シャルロット「こちらこそ!」

 

シャルロットは嬉しそうに頷くのだった。その後一夏とリュウトとリョウセンは真耶に呼び出された。

 

リュウト「どうしたんですか山田先生?」

 

真耶「はい。実は朗報があるんです!」

 

一夏「朗報?」

 

真耶「織斑君達が大浴場が使えるようになりました!」

 

一夏「おお!」

 

リョウセン「そういえば暫く使えなかったな。」

 

真耶「時間制限と曜日制限がありますけど、その指定内の時間なら使っても大丈夫ですよ。では私は仕事がありますので楽しんでいってくださいね!」

 

一夏「仕事?」

 

リュウト「ああ、シャルロット。」

 

真耶「はい、ハア。」

 

真耶はそう言って溜息を吐くのだった。

 


 

真耶から朗報を受けた一夏達は早速大浴場で湯船を満喫していた。リュウトとリョウセンは擬人化を解いて劉備と呂布に戻っていた。

 

劉備「いい湯だぜ。」

 

呂布「久々に入る感じだ。」

 

一夏「そうだな。」

 

劉備「だがまたいつ今日のようなことが起こるかは分からない。鍛錬を怠らないようにしないとな。」

 

呂布「ああ。」

 

一夏「でも今日はゆっくり休もうぜ。」

 

劉備「そうだな。じゃあ俺十分入ったから先上がるよ。」

 

呂布「俺もそうしよう。織斑はどうする?」

 

一夏「もう暫く満喫してるよ。」

 

劉備「そっか。」

 

呂布「のぼせるなよ。」

 

そう言って2人は出ていくのだった。

 

一夏「いつか俺もあいつらを超える戦士なりたいな。」

 

一夏はこれまでの2年間のことを思い出していた。自分を助けてくれた劉備、呂布、そしてクリム。彼らから学び成長してきた一夏がいつか恩返しをしたいそう思うのだった。

 

ガラガラガラ

 

一夏「ん?」

 

暫く堪能していると扉を開ける音がした。

 

一夏「劉備達かな?」

 

劉備と呂布が戻ってきたと思った一夏だったが入ってきたのは予想外ものだった。

 

箒「ううう//」

 

シャルロット「お、お邪魔します///」

 

楯無「やっほ~一夏君♪」

 

簪「緊張してきた///」

 

なんと入ってきたのはバスタオルを巻いた箒、シャルロット、更識姉妹だった。

 

一夏「な、 箒!? 其れに、シャルに楯無さんに簪!?」

 

突然のことで混乱し絶句する一夏だった。

 

箒「あ、あんまりじろじろ見るな///」

 

シャルロット「一夏のエッチ///」

 

一夏「あ、わ、悪い。」

 

楯無「フフ、一夏君も男の子だもんね♪」

 

一夏「っていうか何で入ってきたんだよ!? 劉備と呂布とはすれ違わなかったのか!?」

 

簪「すれ違ったけど一夏が1人で入っているって聞いてお姉ちゃんが私達と無理矢理。」

 

楯無「会長権限を使いました♪」

 

一夏「簪さん、少しは抵抗しようよ。」

 

一夏は慌てて出ようとするが楯無に腕を捕まれる。

 

楯無「何で出るのよ?」

 

一夏「いや、流石にヤバイって! それに俺十分堪能したし!」

 

シャルロット「待って一夏!」

 

一夏「ん?」

 

シャルロット「折角だからみんなと一緒に入ろ。今は僕達しかいないし。」

 

箒「わ、私も問題ない///」

 

簪「私も大丈夫だよ///」

 

一夏「・・・。」

 

流石の一夏もこれ以上反論できなかった。一緒に風呂に浸かりながら、一夏は疑問をぶつけた。

 

一夏「で、どうしたんだ? 急に入ってきて。」

 

楯無「何か一夏君と入りたくなっちゃって。」

 

シャルロット「うん。・・・! 一夏、その背中の傷。」

 

箒「え? ・・・!?」

 

簪「な、何これ!?」

 

楯無「・・・。」

 

4人は一夏の背中の傷痕を見て絶句し顔を曇らせた。

 

一夏「俺が周りの連中に迫害を受けていたものさ。まあドライブとして戦ってきたのもあるけど。」

 

簪「ひ、酷い。」

 

箒「一夏。」

 

一夏「まあ、2年前のモンド・グロッソでもっと酷いことを知ったけどな。」

 

楯無「もっと酷いこと?」

 

一夏「それは・・・。」

 

一夏は自分の過去と出世を全て話した。

 

シャルロット「一夏と織斑先生が・・・・ホムンクルス。」

 

楯無「うそ。」

 

一夏「俺も最初は信じられなかったさ。今まで騙された感が半端なかった。」

 

簪「そんな。」

 

一夏「正直2年前のモンド・グロッソの時の時点でもう消えたいって思ってた。だけど劉備と呂布が助けてくれたお陰で生きる力を取り戻したし、ベルトさんが俺の止まっていたエンジンを動かしてくれた。」

 

箒「一夏。」

 

一夏「だから、あの2人に負けないくらいの戦士になる。それが俺なりのあいつらへの恩返しだ。」

 

楯無「そうなのね。」

 

シャルロット「・・・。」

 

一夏「っ!?」

 

箒・楯無・簪「!?」

 

するとシャルロットが突然一夏の背中に抱きついた。そのせいか、シャルロットの豊満な胸が押しつけられた。

 

一夏「シャ、シャル?」

 

シャルロット「もう1人で抱え込まなくていいよ。僕達がついてるから。」

 

一夏「・・・サンキュー。」

 

箒・簪「「むぅ。」」

 

今の状況が気に入らなかったのか箒と簪がそれぞれ一夏の右腕と左腕に抱きつく。勿論一夏の右腕には箒の柔らかい二つの双丘が当たっていた。

 

一夏「ほ、箒!? 簪!?」

 

箒「私達がいるのを忘れるな。」

 

簪「そうだよ。」

 

一夏「悪い。」

 

楯無「ねえ、一夏君。」

 

一夏「はい?」

 

楯無は突然一夏の正面に立ち、一夏の頬に手を添えた。

 

一夏「えっと・・・っ!?」

 

楯無「んっ・・・。」

 

困惑していると一夏は突然楯無に唇を奪われた。

 

楯無「・・・・ん。」

 

1分近くキスを終えると顔を離した。

 

楯無「ファーストキス、あげちゃった///」

 

一夏「た、楯無さん。」

 

楯無「これから私達だけの時は刀奈って呼んでね♪」

 

一夏「刀奈?」

 

簪「お姉ちゃんの本当の名前。」

 

箒「楯無というのは?」

 

刀奈「それは立場上。更識家の当主として襲名する名前なの。」

 

シャルロット「刀奈さんが今の当主なんですか?」

 

一夏の後ろから楯無改め刀奈にシャルロットが質問する。

 

刀奈「ええそうよ。それと一夏君。」

 

一夏「はい?」

 

刀奈「私、一夏君のことが、好きになっちゃったみたい///」

 

一夏「え!?///」

 

簪「一夏、私も。」

 

一夏「え?・・・っ!?」

 

簪「んっ・・・・。」

 

簪にもキスされ一瞬惚ける。

 

一夏「もしかして簪も?」

 

簪「うん、初めて会った時から///」

 

シャルロット「刀奈さんも簪も狡い! ん!」

 

一夏「っ!」

 

シャルロットに横を向かされキスをされた。

 

シャルロット「えへへ///」

 

一夏「まさかシャルも?」

 

シャルロット「うん///」

 

一夏「ということは箒も?」

 

箒「え、ええい! 勿論だ! んっ!///」

 

一夏「んっ!」

 

箒にもされて更に困惑するのだった。

 

一夏「いいのか、俺で?」

 

箒・シャルロット・刀奈・簪「「「「ああ(うん)(ええ)///」」」」

 

一夏「ありがとう。」

 

刀奈「返事はすぐ出さなくていいわ。」

 

シャルロット「でもアプローチを全力でするから。」

 

簪「覚悟してね。」

 

箒「絶対振り向かせるからな。」

 

一夏「分かった。」

 

そしてこの場は御開きとなった。

 


 

とある廃墟

 

一夏達が体を休めていた頃、誰もいない廃墟にIS学園にいた眼鏡を掛けた男が入ってきた。

 

???「今戻りましたよ、ハート。」

 

ハート「お帰りブレン。どうだった、新しい仮面ライダーは?」

 

ブレン「ええ。期待通り、いや、それ以上でしたよ。」

 

彼らは嘗ての仮面ライダードライブこと泊進ノ介と激闘を繰り広げたロイミュード、ハートとブレンである。

 

ハート「そうか。会うのが楽しみだ。」

 

ブレン「しかしショッカーに復元されても貴方は変わらないな。」

 

ハート「そう言うお前もな。」

 

彼らもまたショッカーの手によって復活したのだった。

 

ハート「今は奴らに従っているがいつかは行動を起こさねばな。」

 

ブレン「ですね。」

 

 

更に、とある場所では

 

FRONT WHEEL(ゼンリン)!>

 

マッハ「オラァ!」

 

「ぐはぁ!」

 

チェイサー「ハッ!」

 

「ぐっ!」

 

マッハとチェイサーになった弾と数馬が違法実験が行われている研究所のIS部隊と戦っていた。

 

マッハ「今度はこいつだ!」

 

<SIGNAL BIKE!SIGNAL CHANGE(シグナルコウカン)!マガール!>

 

ミサイルやダーツのような物がついた緑色のオフロードバイク型シグナルバイク『シグナルマガール』と入れ替えるとマッハの右肩のシグナルコウリンに標識をイメージしたアビリティクレストが指定方向外走行禁止(左折限定)の標識となった。

 

マッハ「それ!」

 

ダン!

 

「どこを撃っている?」

 

マッハ「油断したな。」

 

<急に!マガール!>

 

「何!? うわぁ!」

 

マッハドライバーのブーストイグナイターを押すと弾丸が曲がり敵に命中する。

 

チェイサー「今度は俺だ!」

 

チェイサーは専用武器である歩行者用信号機が付いた斧・シンゴウアックスを構えて振り下ろす。

 

チェイサー「それ!」

 

「がはぁ!」

 

マッハ「そろそろきめるか?」

 

チェイサー「ああ!」

 

FINISHER(ヒッサツ)! FULL THROTTLE!>

 

<MACH!>

 

<CHASER!>

 

マッハとチェイサーはマッハドライバーのフレームヴァンガードを上げ、ブーストイグナイターを押してフレームヴァンガードを下げる。

 

マッハ・チェイサー「「ハアアアアァァァァ・・・・・・オリャアーーー!」」

 

「「うわぁぁぁぁぁ!」」

 

必殺技のキックマッハーとチェイサーエンドで相手を倒すのだった。

 

マッハ「いい画だっただろ。」

 

チェイサー「それはいいよ。」

 

マッハ「ノリ悪いな。」

 

チェイサーの呟きに呆れながらもイノベイトバイザーを開きエネルギーを冷却する。

 

チェイサー「さて、引き上げるか。」

 

マッハ「そうだな。もうすぐ一緒に戦えるぜ、一夏。」

 

そう言ってマッハとチェイサーはその場をライドマッハーとライドチェイサーに乗って去っ行った。

 


 

タッグマッチトーナメントの騒動の翌日、朝のホームルームの時間がきた。だがシャルロットの姿だけなかった。事情を知っている一夏とリュウトとリョウセン、箒は予想がついていた。そう考えているとやつれた真耶が教室に入ってきた。

 

真耶「はいぃ、・・・・皆さん席について・・・・下さい。」

 

いつもと違う真耶の様子にクラスの皆が気付いた。

 

真耶「今日は転校生を紹介します。・・・というかこれは転校生と呼んでいいのでしょうか? ・・・では入って・・・きてください。」

 

そう言って入ってきたのはスカートをはいたシャルロットだった。

 

シャルロット「シャルロット・デュノアです。改めてよろしくお願いします。」

 

真耶「ええっと、デュノア君はデュノアさんということでした。はぁ~。」

 

シャルロットが男ではなく女であったということでクラスが騒然とした。

 

「え? デュノア君って女?」

 

「おかしいと思った!」

 

「美少年じゃなくて美少女だったのね!」

 

「って織斑君同居してて知らなかったわけじゃ!」

 

「ちょっと待って! 昨日男子が大浴場使ったわよね!?」

 

クラスの女子の一言で一夏とリュウトとリョウセン、特に一夏に視線が集まる。

 

リュウト「俺は一夏とリョウセンと堪能してたから知らないぜ。」

 

リョウセン「そういえばリュウトと上がった後、篠ノ之とデュノア、更識姉妹とすれ違ったが・・・・。」

 

リョウセンの一言で一夏は顔を逸らし、箒とシャルロットも顔を赤らめた。

 

リュウト「一夏。」

 

リョウセン「まさかお前・・・4人と。」

 

一夏に問い詰めようとすると一組の扉が粉砕された。

 

鈴「一夏あああ!!!」

 

一夏「り、鈴!?」

 

鈴が鬼の形相で専用機の甲龍を纏ってきたのだった。

 

鈴「アンタ! シャルルが男じゃないって知ってたわけ!?しかも箒やシャルロット達とお風呂に入るなんて!」

 

一夏「仕方ないだろ! 突然だったんだから!」

 

鈴「このバカ一夏あぁぁ!!」

 

鈴が衝撃砲を放とうとしたが、

 

ドカッ! バキッ! ボキッ!(忍たま乱太郎の殴られる時の音)

 

鈴「いったーー! (涙)」

 

リョウセン「無闇に武器を振り回すな! この貧乳お転婆娘が!(怒」

 

リョウセンが鈴を殴り鎮圧した。殴られた鈴は大きなタンコブができた頭を抑えていた。

 

リュウト「セシリア、君もライフルをしまおうな?」

 

リョウセン「織斑教諭の出席簿の餌食になるぞ。」

 

セシリア「っ!?」

 

リュウトとリョウセンに言われてセシリアは体をビクッと震える。すぐに納めた。

 

千冬「全く何の騒ぎかと思ったら、凰一体何をしている?」

 

鈴「ち、千冬さん!?」

 

パコーン!

 

さらに追い打ちをかけるように千冬の出席簿が炸裂する。

 

鈴「~~っ」

 

千冬「織斑先生だ。無断でISを展開しおって、早く教室に戻れ。」

 

鈴「はい~~~。」

 

力なく頷き鈴は自分の教室に戻っていった。

 

千冬「ではボーデヴィッヒ、入ってこい。」

 

ラウラ「はい。」

 

千冬が言うとラウラが入ってきた。

 

千冬「諸君、ボーデヴィッヒはお前達に言いたいことがあるそうだ。」

 

するとラウラはクラスメイトに向かって突然頭を下げた。

 

ラウラ「皆、今まですまなかった!」

 

一夏・リュウト「「え?」」

 

リョウセン「・・・。」

 

ラウラ「私は数々の許されないことをしてきた。だがせめて謝罪はさせてほしい! この通りだ!」

 

するとクラスメイト達から優しい声がかかる。

 

「勿論だよ!」

 

「仲良くしよ!」

 

「これからもよろしく!」

 

ラウラ「み、皆、ありがとう。それから織斑一夏、徳田リュウト、風鳴リョウセン。」

 

一夏「ん?」

 

リュウト「なんだ?」

 

ラウラ「お前達にも酷いことをした。本当にすまない。」

 

リョウセン「ふっ、よく謝罪できたな。」

 

リュウト「まあ、反省しているならいいよ。」

 

一夏「ああ。許すよ。」

 

ラウラ「ありがとう。それとリョウセン、頼みがある。」

 

リョウセン「なんだ?」

 

ラウラ「私をお前の弟子にしてほしい!」

 

リョウセン「な!?」

 

一夏・リュウト「「え!?」」

 

「「「えええーーーーーー!?」」」

 

リュウト「ラウラ、本気なのか?」

 

ラウラ「勿論です、兄上!」

 

リュウト「あ、兄上?」

 

ラウラ「そうだ、これからそう呼ばせてもらう。」

 

リュウト「というかリョウセンに師匠って似合わないぞ。」

 

リョウセン「そんなの俺が一番よく知っている。」

 

ラウラ「だからこそ私を鍛えてもらいたいのだ! このクラスの仲間として!」

 

シャルロット「ラウラ。」

 

リョウセン「・・・いいだろう。だが俺の鍛え方は厳しいぞ。」

 

ラウラ「師匠!」

 

リョウセン「リュウト、お前も手伝え。」

 

リュウト「俺もか!?」

 

一夏「あはは( ̄▽ ̄;)」

 

問題が全て解決し更に賑やかになったIS学園。今度はどんなトラブルが待ち受けているのか。

 

つづく

 

 



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臨海学校編
臨海学校の準備とハプニング


今回は山田先生が多少弄られます。


それと一部モブキャラが酷い扱いされるのでダメな方はブラウザバックしてください。


VTシステムによるラウラの暴走によりタッグマッチトーナメントは勿論中止となった。

 

その数日後、一夏はIS学園のドライブピットに来ていた。そこには弾と数馬の顔もあった。

 

一同「えええーーーーーー!?」

 

一夏は劉備達にある悩みを打ち明けていた。その内容は劉備達も驚くものだった。

 

劉備「箒達に告白された!?」

 

数馬「マジか。」

 

弾「この野郎め!」

 

一夏「痛いって弾。」

 

羨ましいのか、弾は一夏にちょっかいを出す。

 

呂布「だが、それを俺達に言うか?」

 

クリム「私に関してはベルトだし、生きていた頃は独身だったんだぞ。」

 

一夏「だって他に相談できる相手がいないんだもん!」

 

開き直って反論するのだった。

 

一夏「俺さ、自分が人工生命体だって知った時はショックだったけど劉備達のお陰でなんとか立ち直れた。でも何で箒達は俺のことを思ってくれるのかなってさ。」

 

劉備「成程な。だが箒達はそんなことは関係ないと思っているんじゃないか?」

 

一夏「え?」

 

呂布「以前に自分の正体を明かしたのだろ? そして篠ノ之達はそれを百も承知で貴様に告白した。」

 

クリム「彼女達の君に対する思いは本物だ。君が何者であろうとな。」

 

弾「俺達も同じだぜ。」

 

数馬「誰であろうとお前はお前だ。」

 

一夏「皆。」

 

一夏は改めて仲間達の大切さを実感するのだった。

 

一夏「あ、でもできれば皆を幸せにしたいけど誰か選ばなけばならないな。」

 

劉備・呂布「「・・・。」」

 

一夏の言葉を聞いて劉備と呂布は驚いたように目を見開いた。

 

一夏「ど、どうしたんだ2人共?」

 

劉備「一夏、もしかして・・・。」

 

呂布「自分が今無国籍だったことに気付いてなかったのか?」

 

一夏「え? (・_・; ええ!? Σ(; ゚Д゚)」

 

劉備「その様子だと知らなかったみたいだな。」

 

呂布「お前がIS学園に入学することになってから国籍は無くなったぞ。それにより法律には問題無くなった。」

 

クリム「つまり、君は晴れて箒達を受け入れられるという訳だ(^^)」

 

一夏「うっそー。」

 

未だに信じられないでいる一夏であった。

 

劉備「まあゆっくり考えるといいさ。」

 

呂布「決めるのはお前だ。」

 

一夏「あ、ああ。」

 

クリム「まあ私は、君には幸せな人生を送ってほしいとは思っているのだがな(^o^)」

 

一夏「ベルトさん。・・・ありがとう。」

 

 


 

 

翌日

 

劉備達に悩みを打ち明けた一夏は現在、IS学園に近い商業施設レゾナンスに来ていた。来週に始まる臨海学校の水着を買うためである。リュウトとリョウセンに擬人化した劉備と呂布も同行しているのだが、

 

リュウト「しかし箒達まで来るとはな。」

 

箒、シャル、刀奈、簪、クラスメイトの本音と本音に似たヘアバンドに眼鏡をかけた女性も一緒だった。

 

シャルロット「まあ僕達も臨海学校の準備が必要だったしね。」

 

箒「偶々お前達を見かけて同行させてもらった。」

 

簪「うん。」

 

眼鏡の女性「すみません皆さん、私まで同行させてもらって。」

 

一夏「いいんですよ虚さん、生徒会ではお世話になっていますし。」

 

彼女の名前は布仏虚、本音の姉にして生徒会の書記をしている。

 

刀奈「私と虚ちゃんは臨海学校に行かないけど、折角だから一夏君に選んでもらおうと思ってね♪」

 

一夏「何故俺?(汗」

 

本音「イッチー、ファイト~。」

 

リョウセン「しかし、まさか布仏本音が更識簪の直属のメイドだったとはな。」

 

リュウト「ああ、俺も信じられない。」

 

本音「ほへ?」

 

虚「申し訳ございません、本音はいつもこうなのでお恥ずかしい限りです。」

 

一夏「虚さんも大変なんですね。」

 

本音「でも~イッチー達には感謝しているんだよ~。」

 

リュウト「え?」

 

虚「はい、お嬢様と簪様の仲を修復してくださいましたから。」

 

リョウセン「俺達は切っ掛けを与えたに過ぎん。」

 

虚「それでもです。」

 

一夏「っていうか俺あまりセンスないんですけど。」

 

刀奈「一夏君が選んでくれるのなら気にしないわ♪」

 

簪「は、派手すぎないのにしよう///」

 

シャルロット「僕も///」

 

箒「一夏に選んでもらうならそうしようか///」

 

そうして一行は水着コーナーに向かうのだった。だが、そんな彼らを見つめる者達もいた。

 

セシリア・鈴「「・・・。」」

 

セシリアと鈴であった。

 

鈴「なんか一夏楽しそう。」

 

セシリア「ええ、そうですわね。」

 

セシリアは一夏達を見て微笑ましげにしながらも羨ましく感じていた。一方の鈴は輪に入れる空気ではないと感じ悔しく感じていた。

 

セシリア「仕方ありません。わたくし達はわたくし達でショッピングを楽しみましょうか。」

 

鈴「そうね。」

 

2人は2人でレゾナンスで買い物をするのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

水着コーナーに着いた一行は男性組と女性組に分かれて水着を選んでいた。男性組は少なかったため直ぐに終わった。

 

リュウト「しかし、女子って本当に買い物が好きだな。」

 

リョウセン「気にしたら負けだ。」

 

一夏「そうだな。」

 

ラウラ「おや、師匠に兄上、一夏ではないか。」

 

リュウト「あ、ラウラ。」

 

リョウセン「貴様も来てたか。」

 

ラウラ「はい。スクール水着でもよかったのだが周りが新しいのを買うと言って選んでみようと。」

 

一夏「だったら水着コーナーにいる箒達に手伝ってもらったらどうだ? きっと相談に乗ってくれるさ。」

 

ラウラ「ならそうしてみるか。」

 

一夏の提案を受け、ラウラは水着コーナーに入っていった。

 

リュウト「初めて会った時より成長したな。」

 

リョウセン「まだまだだがそうだな。」

 

一夏「世間知らずが玉に瑕だけど。」

 

ラウラが去った後暫く雑談し合っていた一夏達だが突然近くの水着コーナーにいた女性に声を掛けられる。

 

「ちょっとそこの男達! これを元の場所に戻しなさい!」

 

その女性は女尊男卑主義者のようで面倒くさいと思い、一夏達は無視して雑談を続けた。

 

「ちょっと無視するんじゃ・・・。」

 

ゴツン!

 

「ぐっ!」

 

リョウセンが女性の顔面を殴り倒した後、足でグリグリ踏みつける。

 

リョウセン「さっきからうるさいんだ、よっ!」ゴキッ!

 

止めとばかりに女性の顔面にサッカーボールの要領で思い切り蹴り飛ばした。その反動で何度もバウンドしながら転がった。

 

リュウト「あーあ。」

 

一夏「やっちゃった。」

 

その光景を見ていた周りのガヤが騒ぎ出し、近くの女性警備員が駆けつける。

 

「ちょっと警備室まで御同行願えますか?」

 

リョウセン「やる気か?」

 

殺気を出して戦闘態勢を取るリョウセン。だが、

 

???「待て風鳴。」

 

そこに千冬と真耶がやって来た。

 

リュウト「千冬!」

 

一夏「千冬姉!」

 

リョウセン「何だ?」

 

千冬「気に入らないのは分かるが、あまり問題を起こすな。」

 

真耶「そうですよ。」

 

「お、織斑千冬さん。」

 

千冬「さて、何故このような状況になった?」

 

リュウト「楽しく雑談していたところ・・・。」

 

一夏「あそこで倒れている女性がいきなり難癖をつけてきて・・・。」

 

リョウセン「俺が顔面を踏みつけてやった。」

 

リュウト「証拠もある。」

 

そこに赤みがかったオレンジ色の宣伝車型のシフトカー・《カラフルコマーシャル》が走ってきて先程のやり取りを映し出す。更にはその女性が女性警備員と闇取引をしているものもあった。それを見た女性警備員は顔を真っ青にして固まってしまった。

 

リュウト「つまりリョウセンは正当防衛しただけで。」

 

一夏「悪いのはこの2人ってことだ。」

 

千冬「そうか。だがやり過ぎはいかんぞ。」

 

真耶「そうですよ。今後は控えてください。」

 

リョウセン「フン、命拾いしたな。」

 

そこに他の警官が駆けつけて女性と女性警備員を連行していった。

 

箒「何の騒ぎかと思ったら・・・。」

 

刀奈「こんなことになっていたとはね。」

 

リュウト「あ、皆。」

 

いつの間にか箒達が戻って来ていた。そこには弾、数馬、セシリアと鈴の姿もあった。

 

シャルロット「流石に顔面を殴ったり、踏みつけるのはどうかと思うけど(汗」

 

リョウセン「フン。」

 

セシリア「容赦なさ過ぎですわ(汗」

 

鈴「殺気も駄々洩れだったし(汗」

 

弾「三国最強は伊達じゃないな。」

 

数馬「だな。」

 

ラウラ「流石は師匠だ!」

 

本音「そうだね~。」

 

簪「ラウラ、本音、感心している場合じゃないよ(汗」

 

一夏「それにしてもカラフルコマーシャル、よくあんな映像集められたな。」

 

シフトスピード(クリム)「私が事前に頼んで日頃のこれを録画してもらっていたのだ。」

 

リュウト「クリム。」

 

やって来たシフトスピードを通じてクリムが話しかける。

 

数馬「何でこのシフトカーからベルトさんの声が?」

 

リョウセン「ドライブの変身用シフトカーはクリムの端末の役割もしていて、これを通じて物を見たり声を出すことができるのだ。」

 

弾「へえ〜。」

 

虚「・・・。」

 

そんな中虚は弾のことをじっと見つめていた。

 

一夏「ところで千冬姉達も買い物か?」

 

千冬「ああ。」

 

真耶「私達も水着を。」

 

するとリュウトが真耶に気になることを尋ねる。

 

リュウト「あの〜山田先生、一つ質問いいですか?」

 

真耶「はい、何でしょう?」

 

リュウト「山田先生ってよく食べますか?」

 

真耶「いいえ、それがどうかしたんですか?」

 

リュウト「いや〜、山田先生って栄養が胸にいく体質なのかな〜と思って。」

 

一夏「ああ〜。」

 

リョウセン「言えてるな。」

 

真耶「違いますよ! 織斑君達も納得しないでください!」

 

心外と言わんばかりに真耶はリュウト達に叫ぶ。

 

千冬「まあ山田先生の胸はムダにデカイからな、そう思われても仕方がない。」

 

真耶「む、ムダにデカイって、ひどくないですか!?」

 

千冬の言葉にショックを受ける真耶。

 

千冬「実際そうだろう、この間もISスーツのサイズがきつくなり新しいのを購入もしていたそうじゃないか。」

 

真耶「そ、それは言わないでくださいよぉ~!」

 

千冬の一言で涙目になって慌てる真耶だが、自身も気にしている胸が上下にポヨンポヨンと揺れる。

 

鈴「相変わらず山田先生デカイわね。」

 

ラウラ「気にしたら負けだ。あれは脂肪の固まりだ。」

 

簪「そうだよね。」

 

一夏「簪、俺は特にスタイルがいい方が好みとは思ってないからな。」ナデナデ

 

簪「ありがとう一夏///」

 

シフトスピード(クリム)「これが胸囲の格差社会というものか。」

 

鈴、ラウラ、簪はこの世の非情を恨むが、クリムに関しては新しいことを知れて納得していた。簪は一夏に頭を撫でて慰められてその優しさに惚れ直すのだった。

 

真耶「皆さん羨ましがっているかもしれませんけど、良いことなんてありませんよ! 胸が大きいと肩が凝るし、重いし、足元も見え辛いし!」

 

箒「うん、分かるぞ山田先生。私も何故か大きくなってしまい剣道では邪魔になってしまったし。」

 

リョウセン「そう言いながらそれで織斑を誘惑しようとしているのではないのか?」

 

箒「なっ!?///」

 

一夏「リョウセン!」

 

リョウセン「冗談だ。」

 

リュウト「お前の冗談は冗談には聞こえないよ!」

 

リョウセンの冗談に箒も満更でもなさそうに顔を赤らめるのだった。その後一夏は箒達が選んだ水着で似合うものを選択し会計を済ませた。

 

簪「あ、そうだ。リョウセン。」

 

リョウセン「ん?」

 

簪「これ、ありがとうございました。」

 

水着を買い終えた後、簪がリョウセンにエジソンゴースト眼魂を渡した。

 

リョウセン「どうやら専用機は完成したようだな。」

 

簪「うん。エジソンさんと楽しい時間を過ごせました。」

 

リョウセン「そうか。」

 

簪「これからどんな戦いがあるか分からないけど覚悟はできてます。」

 

リョウセン「それだけで十分だ。」

 

千冬「さて山田先生、我々もそろそろ・・・。」

 

真耶「あ! 私買い忘れた物がありました。」

 

千冬「なんだと?」

 

真耶「荷物が多くなりそうなので、徳田君と風鳴君、手伝ってください。」

 

リョウセン「何故だ?」

 

リョウセンが疑問に思うとリュウトが真耶の含みのある笑顔を見て察した。

 

リュウト「成程。リョウセン、ゴニョゴニョ。」

 

リョウセン「そうか、なら行くか。」

 

リュウト「クリム。」

 

シフトスピード(クリム)「ふむ、私も失礼するとしよう。」

 

一夏「ちょ、ベルトさん?」

 

クリムも何かを察して走り去ってしまった。

 

弾「じゃあ俺達も。」

 

数馬「一夏、後でな。」

 

一夏「ちょ、お前らまで。」

 

それを見て刀奈も皆を誘導する。

 

刀奈「はぁーい、私達も行きましょ♪」

 

箒「な、何故!?」

 

刀奈「ほら早く。」

 

そして一夏と千冬だけが取り残された。

 

千冬「はぁ・・・、全く余計なことを。」

 

一夏「そうだな、気を利かせちゃったよ。」

 

千冬「それにしても、こうも2人でいるのは久しぶりだな。」

 

一夏「確かに餓鬼の頃以来だな。千冬姉が有名になってから俺は蔑ろされていたけど。」

 

千冬「だからそれはすまんと言ってるだろ(汗」

 

一夏「冗談だ。俺もちゃんと向き合わなきゃならないって思ったこともあったし。」

 

千冬「そうか。ところで一夏。」

 

一夏「なんだ?」

 

千冬「先程篠ノ之達の水着を選んでいただろ? お前はどちらがいい?」

 

そう言って黒と白のビキニ水着を見せる。

 

一夏「ん〜、黒かな。」

 

千冬「ほう、白を選ぶかと思ったが。」

 

一夏「白を選んだら白騎士になっちゃうだろ? 実際千冬姉が白騎士だけど。」

 

千冬「! お前、何故それを?」

 

一夏「ベルトさん達と世界中を飛び回っているうちに知ったよ。」

 

千冬「そうか。だがあれが私の罪であるなら受け入れるしかあるまい。」

 

一夏「千冬姉。」

 

千冬「ところでクリムから聞いたが、篠ノ之達に告白されたそうだな。」

 

一夏「ああ。正直俺自身もびっくりしてる。」

 

千冬「私は別に構わないぞ。お前には幸せになってほしいからな。」

 

一夏「いいのかよそれで。」

 

口ではそう言うが嬉しく思う一夏。

 

千冬「今のお前は無国籍だ。まあそうでなくとも束が何かするとは思うが。」

 

一夏「だよな。まあ俺は全員を幸せにする覚悟でいるけど。」

 

千冬「欲張りだな。私は会計してくる。お前は先にあいつらの所に戻っていろ。」

 

一夏「ああ。」

 

千冬「では、またな。」

 

千冬に応援されながらもリュウト達の所に戻っていく。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

一夏「あ、いたいた。」

 

千冬と別れた一夏はリュウト達と合流するべくあちこち探していたが何やらコソコソしている仲間達を見つけた。

 

一夏「おーいみんなー!」

 

一同「しーー!」

 

一夏「ど、どうした?」

 

リュウト「あれ。☞」

 

リュウトが指を差した方向を見ると、

 

弾・虚「「・・・・・。」」

 

弾と虚がベンチで重苦しい雰囲気で座っていた。

 

一夏「弾と虚さん?」

 

シャルロット「一夏と織斑先生が別れてから色々あったんだけどあの2人がいい雰囲気になってね。」

 

数馬「楯無さんに行き成り二人っきりにするって言い出して俺達は影から様子を見ることにしたんだけど・・・。」

 

一夏「今の状況になっているということか。」

 

箒「虚さん、気持ちは分かるぞ。」

 

 

そんな弾は話題を変えて緊張をほぐす。

 

弾「ところで一夏は学園では元気にやってますか?」

 

虚「あ、はい。生徒会では私もお世話になっております。」

 

弾「そうですか。あいつ、時々1人で抱え込む癖があるので力になってやってください。」

 

虚「分かりました。」

 

 

 

リョウセン「・・・気まずい雰囲気から脱出したようだな。」

 

リュウト「今後の2人が楽しみだ。」

 

一夏「だな。」

 

本音「良かったね、お姉ちゃん。」

 

鈴「悲しませたら許さないわよ、弾。」

 

ラウラ「ではそろそろ学園に戻るとするか。」

 

一夏「あっ!」

 

セシリア「どうしました一夏さん?」

 

一夏「俺まだ買ってない物があったんだった。」

 

簪「そうなの?」

 

一夏「ああ、悪いけど先に戻っていてくれ。」

 

箒「むぅ、それはしょうがないか。」

 

リュウト「なら俺が付き添うよ。」

 

刀奈「じゃあ私も付き添うわ。その場の対応は任せてね♪」

 

一夏「ありがとう。」

 

シャルロット「じゃあ僕達先に帰るね。」

 

鈴「道草すんじゃないわよ!」

 

 

 

一夏とリュウト、刀奈は箒達と別れた後お店を散策し、お目当ての店を見つけ、一夏が店に入って探していた物の買い物を済ませた。その品物が入った袋を片手に取り、リュウトと刀奈と合流した。

 

一夏「お待たせ。」

 

刀奈「そんなに待ってないわ。」

 

リュウト「何を買ったんだ?」

 

一夏「これさ。」

 

一夏はリュウトと刀奈に買った物を見せる。

 

リュウト「何でこれを買ったんだ?」

 

一夏「実は・・・。」

 

一夏は理由を話す。

 

刀奈「そうだったの。」

 

一夏「あんまり買いに行く時間がなくて。」

 

リュウト「確かに似合いそうだな。さて、そろそろ帰るか。」

 

刀奈「そうね。」

 

一夏「ああ。」

 

帰路に着きながら一夏は刀奈に話しかける。

 

一夏「あのか・・・楯無さん。」

 

刀奈「ん?」

 

一夏「楯無さんを含め、箒達も大切にします。」

 

刀奈「一夏君、それって///」

 

一夏「これからもよろしくお願いします。」

 

刀奈「うん、任せなさい!///」

 

リュウト「何の話してるんだ?」

 

一夏「なんでもない。」

 

刀奈「うん♪」

 

2人の返事に納得していないが、はぐらかされると思いそれ以上聞こうとしなかったリュウトであった。3人はモノレールに乗ってIS学園に戻って臨海学校に備えるのだった。

 

 


 

 

その日の夜、箒は1人でIS学園にあるアリーナの観客席にいた。

 

箒「・・・。」

 

彼女の手にはスマホを握っていた。

 

箒「長い間掛けてなかったが、出てくれるか?」

 

箒はある電話番号に掛ける。

 

 

プルル……プルルルル……プルルルルーー

 

 

束『もすもすひねもすぅ〜! ハァーイ! みんなのアイドル、篠ノ之 束だよぉ〜〜〜♪』

 

箒「やはり掛けるべきじゃなかった。」

 

束『ああ!? 待って待って箒ちゃ~ん!』

 

箒「姉さん。」

 

相手は箒の姉の篠ノ之束だった。

 

束『束さん嬉しいよ! 箒ちゃんから連絡してくれるなんてぇ!』

 

実は束は箒に対してシスコンなのだ。

 

箒「それで姉さん。」

 

束『何かな?』

 

箒「話し合いませんか? 久しぶりに。」

 

箒は以前簪と刀奈の仲直りを見て自分も前に進もうと考えていた。

 

束『・・・いいよ、束さんも家のことほったらかしにしてたからね。』

 

それから箒と束は色々話し合い、姉妹間の蟠りも無くなった。

 

箒「ふう、久しぶりに話したらスッキリしました。」

 

束『そうだね。』

 

箒「それと姉さん。」

 

束『ん?』

 

箒「呂布が相当怒っていましたから今度会う時には覚悟しておいてください。」

 

束『は、はーい(汗』

 

箒「それと、専用機はまだ後回しにしてください。」

 

束『分かってる。じゃあね~♪』

 

箒は束との電話を終え、一息ついた。

 

リョウセン「こんな所にいたか。」

 

箒「リョウセン、何故此処に?」

 

リョウセン「お前が中々戻って来ないと織斑が言っていたので探してしたのだ。」

 

箒「そうか。」

 

リョウセン「何をしていたのだ?」

 

箒「姉さんと話をしていたのだ。」

 

リョウセン「篠ノ之束だと。」

 

束の名前を聞いてリョウセンは顔をしかめる。

 

箒「ああすまん(汗」

 

リョウセン「いや気にするな。あのアホ兎、次に会った時は必ずしめる(^言^)」

 

黒い笑みを浮かべている当たり相当ご立腹のようだ。

 

リョウセン「それで何を話し合っていた?」

 

箒「ずっと溜めこんでいたものを言ったり、専用機は後回しにしてほしいことだ。一夏の隣に立つのは遠回りになるが。」

 

リョウセン「そうか。だが忠告だけはする。」

 

箒「忠告?」

 

リョウセン「お前はまだ力を得るということが何なのか理解していない。それに気付かない限りお前は織斑と共に戦うことができない。」

 

箒にそう言い残してリョウセンは去っていった。

 

箒「力を得るということが、何なのか・・・。」

 

リョウセンに言われたことに悩み始める箒。それに答えるのは誰もいなかった。

 

つづく




おまけ

一夏がタイプワイルドとタイプテクニックのテストを終えて寮に戻ろうとしたら楯無に気づき、軽い話をした後、楯無は一夏の後ろ姿を見送り廊下に残っていた。

楯無「さて、簪ちゃんの所に・・・。」

虚「此処にいましたかお嬢様。」

楯無「う、虚ちゃん!」

虚「全く油断も隙もありませんね! さ、早く今日の仕事を終わらせますよ!」

楯無「ふえぇぇ!」

一夏と別れた後こんなやり取りがありました。


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臨海学校開始

レゾナンスでショッピングをして数日後、一夏達IS学園の生徒達を乗せたバスは臨海学校でお世話になる旅館がある海を目指していた。

 

「海だ!」

 

1人の女子生徒が叫ぶと他の生徒も外を見る。そんな中、一夏は上機嫌だった。

 

鈴「アンタ何かいいことでもあった?」

 

一夏「まあな。」

 

それは前日の夜に遡る。

 

 

 

臨海学校前日の夜

 

アリーナにドライブピットのメンバーが集まっていた。

 

千冬「もう門限も近いのに何の用だ?」

 

クリム「ふむ、実は見てもらいたい物があってな。」

 

真耶「あれ?」

 

するとアリーナに赤と青のカートマシンが飛んできた。

 

シャルロット「なんか飛んできた!?」

 

劉備「これはライドブースターって言うんだ。」

 

呂布「マッハとチェイサーが使用する、飛行能力を備えた高性能のカートマシンだ。」

 

一夏「これらとトライドロンが合体すれば、空中戦もできるようになる。」

 

クリム「3人の仮面ライダーが同時に搭乗もできる。」

 

箒「新たな戦力か!」

 

簪「凄い!」

 

刀奈「これなら態々ISを使う手間が省けるわね。」

 

千冬「そういえば気になったのだが、一夏は免許を持っているのか?」

 

一夏「勿論、特別免許を持ってるぜ。」

 

劉備「俺達もな。」

 

呂布「五反田と御手洗の分も発行しておかんとな。」

 

一夏「これから5人揃って戦えるのか。」

 

劉備「楽しみかい?」

 

一夏「ああ。」

 

とこれが昨晩のことである。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

そしてバスの中、一夏は最後部座席、リュウトは最後から2番目、リョウセンは3番目の座席に座っていた。

 

リュウトに関してはずっと寝ており、リョウセンは外の景色をずっと見てボーっとしていた。そして一夏は。

 

一夏「なぁ、そろそろ・・・。」

 

シャルロット「だ~め。落ち着くんだもん。」

 

箒「ああ。」

 

右腕にシャルロット、左腕に箒がくっついて動けないでいた。簪は別のバスのため羨ましがっていた。刀奈は同行したかったが、学園の護衛もあるため待機ということになった。なので前日の夜、箒と変わってもらい一夏と一緒のベッドで寝たのだ。周りの女子は砂糖を吐きまくっていた。

 

千冬「そろそろ目的地だ。全員席に座れ。」

 

千冬の指示で全員が座り、間もなく宿泊先の旅館に到着した。

 

千冬「ここが今日から3日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように。」

 

「「「よろしくお願いしま―す。」」」

 

女将さんとの挨拶が終わった後、リュウトが気になることを言った。

 

リュウト「そういえば俺達の部屋、一覧に載ってなかったな。」

 

リョウセン「女子がわんさか来るのを防ぐためだろうな。」

 

一夏「問題はどの部屋になるかだけど。」

 

千冬「そこなんだ。」

 

リュウト・リョウセン「「どこなんだ?」」

 

ドテーン!

 

リュウトとリョウセンのボケに生徒達がずっこけた。

 

千冬「そうではなくてだな(汗」

 

一夏「あははは( ̄▽ ̄;)」

 

それから各自それぞれの部屋に向かい、荷物を置いて海水浴の準備をする。そんな中、一夏とリュウト、リョウセンの3人は千冬にある部屋へ連れて来られた。

 

千冬「ここだ。」

 

一夏「え?」

 

リュウト「ここって、教員用の?」

 

リョウセン「成程、織斑千冬となら就寝時間を無視して押し掛けて来ることはないということか。」

 

千冬「そういうことだ。」

 

そして部屋に入った一夏達は注意事項や入浴時間などを聞いた後水着を持って更衣室に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

着替え終えた一夏達は浜辺に出た。

 

「あ、織斑君達だ!」

 

「わ、私の水着変じゃないよね!?」

 

「ムッキムキだ~!」

 

それぞれ一夏達を見た感想を述べる。

 

簪「一夏~。」

 

一夏「簪。」

 

一夏の姿を見かけて簪が走ってきた。

 

一夏「簪、その水着・・・。」

 

簪の水着は髪と同じ水色のワンピース水着だった。

 

簪「うん、一夏が選んでくれたものだよ。」

 

一夏「結構似合ってるぜ。」

 

簪「えへへ、ありがとう///」

 

リュウト「青春だね~。」

 

リョウセン「ふっ。」

 

一夏「そういえば、ベルトさんは?」

 

リュウト「いつでも出動できるように近くの駐車場で待機している。」

 

簪「ライドブースターも一緒に持って来たって言ってたよ。」

 

一夏「そっか。」

 

シャルロット「お待たせ~。」

 

箒「遅れてすまない。」

 

一夏「箒、シャル。」

 

そこに白いビキニ姿の箒と黄色いビキニ姿のシャルロットがやって来た。

 

一夏「2人共似合ってるじゃん。」

 

シャルロット「ありがとう///」

 

箒「一夏が選んでくれたものだからな///」

 

その後、セシリア達専用機持ちが揃ったことで一夏達は海水浴を楽しむことにした。

 

リョウセン「ハアアアァァァァァーーー!」

 

ザブーン!

 

一夏「リョウセンスゲー。」

 

セシリア「リョウセンさん、サーフィンできたんですね。」

 

リュウト「あいつは初めて使うもの一発で使いこなすことができるんだ。」

 

鈴「なんてチートなの。」

 

千冬「流石は私に勝っただけはある。」

 

一夏「千冬姉。」

 

千冬「織斑先生だ。」

 

リュウト「随分時間掛かったな。」

 

千冬「まあな。さ、お前達は遊んでこい。ただし、羽目を外し過ぎないように。」

 

「「「「はい。」」」」

 

それからは各自泳いで競争したりビーチバレーをしたりした。昼食の時、近くの焼きそばやかき氷を売っている屋台で弾と数馬がいた。何でもクリムの指示でアルバイトしているらしい。クリムもシフトスピードでその様子を微笑ましく見守る。そしてこの後も日が沈むまで遊んで、束の間の平和な自由時間を満喫するのだった。

 

つづく



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臨海学校の夜

一時の平穏です。


臨海学校初日、時間はあっという間に過ぎ夕食の時間となっていた。一夏達IS学園の生徒は大広間三つを繋げた大宴会場で夕食を摂っていた。

 

一夏「美味い。」

 

リュウト「流石は旅館なだけはあるな。」

 

リョウセン「贅沢だ。」

 

3人のライダー組はそれぞれ出された刺身を味わいながら感想を述べていた。

 

箒「言いたくなる気持ちは分かるが、お前達おっさんくさいぞ。」

 

シャルロット「まあ美味しいけどね。」

 

シャルロットが同意するとワサビの塊を口に放り込む。

 

簪「あ、シャルそれ!」

 

簪が止めようとしたが遅かった。

 

シャルロット「辛ーーーい!」

 

一夏「あーもう、ほらお茶。」

 

一夏がお茶が湯吞みをシャルロットに渡し飲ませる。

 

シャルロット「か、辛かった。」

 

リュウト「ワサビは個人差があるけど刺身に少しつけて食べるんだぞ。」

 

リョウセン「それをそのまま食べるバカがどこにいる?」

 

シャルロット「すみません。」

 

箒「そう言うな。シャルロットはまだ日本の文化に馴染んでいなくて仕方ないのだから。」

 

簪「うん。」

 

一夏「次からは気を付けろよ。」

 

シャルロット「は、はい~。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

食事を済ませた後、一夏達は温泉に入り今日の疲れを癒した。十分堪能した一夏達ライダー組は牛乳を飲みながら自分達に用意された部屋に戻った。

 

一夏「ふぅ。」

 

リュウト「ここの温泉もいい湯だったな。」

 

リョウセン「こういうのも悪くはない。」

 

部屋に入るとまだ千冬は戻っていなかった。

 

一夏「千冬姉はまだか。」

 

リュウト「ま、ゆっくりしようぜ。」

 

リョウセン「ふっ。」

 

一夏達は特にやることがないため今後の戦いのことについて話し合っていた。暫く喋っていると千冬が戻ってきた。

 

千冬「お前達、今日ぐらいその話はやめておけ。」

 

一夏「千冬姉。」

 

リュウト「そうしたいけど、いつ襲撃してくるか分からないからな。」

 

リョウセン「確かに偶には休むということも必要だがな。」

 

千冬「全く。」

 

シフトワイルド(クリム)「まあまあ千冬、よいではないか。」

 

一夏「ベルトさん。」

 

リュウト「旅館の周りとかどうだった?」

 

シフトワイルド(クリム)「シフトカー達にも捜索させたところ、どこも異常はなかった。」

 

リョウセン「ご苦労。」

 

千冬「では一夏、久しぶりに頼めるか?」

 

一夏「いいのか、俺で?」

 

千冬「お前のが一番気に入っている。」

 

一夏「分かった。じゃあ寝そべってくれ。」

 

千冬「ああ。」

 

リュウトとリョウセンは疑問を感じたが直ぐにその答えが分かった。

 

リュウト「何かと思ったらマッサージか。」

 

リョウセン「紛らわしい。」

 

千冬「すまんな。」

 

そう、千冬は今一夏にマッサージをしてもらっていた。

 

シフトワイルド(クリム)「というか、我々がここにいて良いのか?」

 

千冬「なに、気にするな。」

 

一夏「それより千冬姉、最近溜まってるか?」

 

千冬「そんな訳、んっ!おい、少しは加減しろ!」

 

一夏「はいはい。んじゃあ、ここは・・・と。」

 

千冬「くあっ!そ、そこは・・・やめっ、つぅっ!!」

 

一夏「早く楽になれよ!」

 

千冬「あぁぁっ!」

 

リュウト「千冬があんな声を出すなんて。」

 

リョウセン「余程効くのだろう。」

 

シフトワイルド(クリム)「久しぶりにされて嬉しいのだろう。」

 

リュウト「それより・・・。」

 

リョウセン「ああ・・・。」

 

リュウトとリョウセンは視線を襖に向ける。そして丁度千冬のマッサージを終えた一夏が声を掛ける。

 

一夏「どうした?」

 

リュウト「シー。」

 

千冬「全く。」

 

千冬がため息を吐きながら襖を開けると、

 

???「うわーーー!」

 

ドーン!

 

箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪がなだれ込んできた。

 

一夏「皆。」

 

シフトワイルド(クリム)「何をやっているんだね君達?」

 

シャルロット「えっとその・・・(汗」

 

セシリア「おほほほほほ(汗」

 

箒「これは、だな(汗」

 

簪「ごめんなさい、盗み聞きするつもりはなかったんだけど(汗」

 

ラウラ「ここは取り敢えず・・・。」

 

鈴「逃げる!」

 

千冬「逃がすかー!(怒」

 

数分後、箒達は千冬に捕らえられ正座させられていた。

 

リョウセン「全く、こうなるのならノックして入れば良かったのではないか?」

 

リュウト「あはは( ̄▽ ̄;)」

 

一夏「次からは気を付けてくれ。」

 

シフトワイルド(クリム)「下手をすれば犯罪だぞ。」

 

一同「はい。」

 

力なく返事をして6人を見て千冬は冷蔵庫から飲み物を出して渡すと自分はビール開けて飲む。

 

リョウセン「仕事中に飲んでいいのか?」

 

千冬「今日の分は終わらせてあるから大丈夫だ。」

 

シフトワイルド(クリム)「渡した飲み物はそのための口止め用か。」

 

リュウト「えげつないな。」

 

一夏「それが千冬姉だからな。」

 

一夏達が各感想を言うと箒達も渡された飲み物を手に取り、何も言わず口にした。

 

千冬「さて織斑、お前は劉備と呂布と一緒に散歩してこい。気分転換もいいだろ。」

 

一夏「それもそっか。」

 

リュウト「じゃあお言葉に甘えて。」

 

リョウセン「失礼する。」

 

シフトワイルド(クリム)「では私も。」

 

千冬に言われて一夏達が部屋を去り、シフトワイルド(クリム)もお暇した。千冬がそれを確認すると視線を箒達に向ける。

 

千冬「さて、篠ノ之、デュノア、更識妹。」

 

箒・シャルロット・簪「「「は、はい!」」」

 

千冬「お前達以前の大浴場騒動であいつに告白したそうだな。」

 

箒・シャルロット・簪「「「はい///」」」

 

千冬「何故あいつに惚れたというのだ?」

 

箒「わ、私は幼馴染であって///」

 

シャルロット「僕は手を差し伸べてくれて助けて///」

 

簪「お姉ちゃんとの仲を元に戻してくれたから///」

 

それぞれ顔を赤らめながら理由を話した。

 

千冬「そうか。」

 

鈴「相変わらずもてる男ね一夏は。」

 

セシリア「それが一夏さんの魅力なのかもしれませんわ。」

 

ラウラ「これが恋愛というものか。」

 

千冬「だが簡単には渡さんぞ。欲しければ私に一太刀でも入れることだ。」

 

箒・シャルロット・簪「「「そ、そんな~。」」」

 

千冬「ま、精々頑張ることだな。(ホントのところ、こいつらと更識姉に一夏のことを任せてもいいかもな。)」

 

 

千冬が箒達と話し合っている頃、一夏達は夜の砂浜に来ていた。

 

一夏「いい眺めだ。」

 

リョウセン「偶にはこういうのも悪くない。」

 

リュウト「・・・。」

 

そんな中、リュウトは目を鋭くして海を見つめていた。

 

一夏「どうした?」

 

リュウト「なんか胸騒ぎがする。」

 

リョウセン「胸騒ぎだと?」

 

リュウト「ああ。」

 

リョウセン「気のせいじゃないのか?」

 

リュウト「明日何もなければいいけど。」

 

一夏「心配しすぎだろ。」

 

だがリュウトの悪い予感が翌日的中するとはこの時は誰も思わなかった。

 

つづく

 

 



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臨海学校2日目とまたまた事件

夜が明けて2日目。この日はISの各種装備の試験運用とデータ取りが行われる。男性操縦者の3人は特にそういうものがないので他の専用機持ちの手伝いをすることになっている。

 

千冬「ではこれより各班に分かれてISの装備試験を行ってもらう。」

 

千冬が声を掛けると一年生は作業に取り掛かった。一通り作業が進んだ所で突然砂煙を上げて何かが近づいてきた。

 

束「ちーちゃーん!いっくん!リュウくん!リョウくん!」

 

その正体はお馴染みのISの開発者・篠ノ之束だった。

 

束「ちーちゃん久しぶり!束さんと再会のハグ――ぶへっ!」

 

千冬に抱き着こうとしたが、千冬がアイアンクローで容赦なく握りつぶす。

 

束「相変わらず容赦ないアイアンクローだね~。」

 

一夏「俺も久しぶりに見るな、千冬姉と束さんのこのやり取り。」

 

リュウト「え?」

 

リョウセン「これ、よくあるのか?」

 

箒「ああ。日常茶飯事となるくらいな。」

 

リュウトとリョウセンは目の前の2人のやり取りが常にあったことに驚くのだった。

 

千冬「束、そろそろ自己紹介しろ。」

 

束「そうだった。ヤッホー、篠ノ之束だよ。よろしくね~。」

 

シーーン

 

束が自己紹介すると沈黙が走る。そして数秒後、

 

『ええ~~~~~~!』

 

一夏、千冬、箒、簪、リュウトとリョウセン以外の者が驚愕の声を上げた。ISの開発者にして大天災科学者が目の前にいるのだから。

 

リュウト「それで、今日は何しに来たんだ?」

 

束「いっくんの様子を見に来たんだよ。」

 

一夏「俺の?」

 

束「そうだよ。いっくんが上手くやってるかどうかね。」

 

一夏「・・・確かに以前の俺だったら孤立していたかもしれない。だけど今は大切な仲間や友達がいてくれますから。」

 

束「そっか、それは良かったよ。」

 

リョウセン「それよりも。」

 

ガシッ!

 

リョウセンが突然束の肩に手を置く。

 

束「りょ、リョウくん?」

 

リョウセン「少し来てもらおうか?(^言^)」

 

ズルズルズルズル

 

黒い笑みを浮かべて束を近くの森に引きずりながら連れていく。

 

 

リョウセン「全く貴様は!(怒」

 

ボコ!

 

束「ほにゃー!」

 

リョウセン「人の許可なく勝手なことしおって!(怒」

 

ボコ!ボコ!

 

束「ほにゃ、ほにゃー!」

 

リョウセン「反省しろー!(怒」

 

ボコ!ボコ!ボコ!

 

束「ほにゃ、ほにゃ、ほにゃー!」

 

束の悲鳴が離れている一夏達の所まで響き、一同は不安になる。

 

鈴「と、止めなくていいの?(汗」

 

リュウト「まあ気が済むまでやらせればいいさ。」

 

一夏「今まで相当束さんに対するストレス溜めてたんだろうな。」

 

千冬「こうなるのも当然だ。」

 

セシリア「大丈夫でしょうか?(汗」

 

箒「心配ない。姉さんは簡単には死なん。」

 

簪「そうなの?(汗」

 

ラウラ「そういえば師匠が言っていたな。自分達の許可なく勝手に兄上と一緒に入学手続きしたと。」

 

シャルロット「それであんなに怒ってるんだ(汗」

 

簪「私もリョウセンみたいにお姉ちゃんを堂々としばけるようになろうかな?」

 

 

IS学園

 

刀奈「へっくしゅん!」

 

虚「お嬢様、どうしました?」

 

刀奈「今誰かが噂してた。」

 

 

リョウセン「戻ったぞ。」

 

数分が経ちリョウセンの束へのしごきが終わった。当の本人は四つん這いにされリョウセンが椅子のように座っていた。

 

千冬「風鳴、流石にそれは(汗」

 

束「ちーちゃん助けてーー!(ToT)」

 

千冬「まあ私の分も含めて罰を受けろ、束。」

 

束「そんなーー!(ToT)」

 

箒「姉さん、自業自得です。」

 

束「箒ちゃんまでーー(ToT)!」

 

???「束様が申し訳ありません。」

 

リュウト「まあそうだけどって、え!?」

 

突然ラウラに似た銀髪の少女が現れた。

 

一夏「ラウラ?」

 

シャルロット「似てるけど、なんか違う。」

 

ラウラ「・・・。」

 

当の本人も驚愕して開いた口が塞がらなかった。

 

リュウト「君は?」

 

クロエ「初めまして、私は束様の助手をしておりますクロエ・クロニクルと申します。」

 

リュウト「束の助手?」

 

一夏「信じられない。」

 

束「それはないよいっくん!(ToT)」

 

千冬「風鳴、そろそろ退いてやれ。」

 

リョウセン「そうだな。」

 

リョウセンは仕方なさそうな顔で腰を上げる。すると束は何事もなかったように起き上がった。

 

束「クーちゃんはね、そこのドイツのチビちゃんと同じなんだよ。」

 

ラウラ「ち、チビちゃん・・・。」

 

束の言葉に思わずショックを受けるラウラ。

 

リュウト「同じってまさか・・・。」

 

束「そうだよ。そこの子と同時期に造られたアドヴァンスド、失敗作として捨てられそうになったところを束さんが保護したわけ。」

 

一夏「そうだったのか。」

 

ラウラや自分と同じ境遇の人物がまた現れたことに一夏と千冬も呆然とするのだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

真耶「た、た、大変です!お、おお、織斑先生っ!」

 

束のことでひと騒ぎがあったが一先ず落ち着き、全員がパッケージをインストールし終えてテストしようとした時に真耶がタブレットを片手に血相を変えて慌てて走ってきた。その際真耶の大きな果実が大きく揺れ、全員がそこに思わず注目してしまった。

 

千冬「んん、どうした山田先生?」

 

真耶「こ、これを!!」

 

千冬が咳払いをして問うと真耶がタブレットを見せる。すると千冬が表情を曇らせ、束に視線を向けた。本人は首を傾げるだけだった。

 

千冬「全員注目!テスト稼働を中止し、現時刻よりIS学園教員は特殊任務行動へと移る。専用機持ちはこちらの指示に従って集合してもらう。一般生徒はISを片付けて自室に待機、許可なく出た者は処罰があると思え。以上だ!」

 

突然のことに女子一同はざわめくが、千冬の一喝で静まり一斉に旅館に戻っていった。

 

 

 

 

旅館の一室に集まった一夏達は集められた。

 

千冬「では説明する前にお前達、元に戻っていいぞ。」

 

そう言われてリュウトとリョウセンは擬人化を解く。現状2人の正体を知っているのはこの一室に集まった者だけだ。

 

劉備「やっぱりこれがしっくりくるよ。」

 

呂布「だが、同時にこうでもしなざるを得ない状況ということになるな。」

 

千冬「そうだ。」

 

シフトテクニック(クリム)「一体何があったというのだ?」

 

一夏「ベルトさん。」

 

千冬「いきなり出てくるな。現状を説明する。2時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ・イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』、これより福音と呼称するが、その最中に暴走し、監視空域より離脱したとの連絡があったそうだ。」

 

劉備「暴走って、何でまた?」

 

千冬「それは分からない。だがこのまま大変なことになる。」

 

呂布「今は原因よりもそのISを止めるの先決、という訳か。」

 

千冬「そうだ。そしてアメリカ政府は衛星の追跡の結果、福音はここから2キロ先の空域を通過するらしい。その対処を我々に申し込んできたのだ。」

 

それを聞いたライダー組は厳しい顔をした。

 

劉備「生徒にその対処をさせるなんて何を考えているんだ?」

 

呂布「ここにいるのは殆ど生半可な覚悟を持った者しかいないぞ。」

 

シフトテクニック(クリム)「全く、何を考えているんだ。」

 

一夏「政府も馬鹿だろ。」

 

言いたい放題である。

 

千冬「これは訓練ではなく実戦だ。まあ織斑達は経験済みだがな。身を引いても構わない。」

 

千冬がそう言うが退出する者はいなかった。

 

千冬「よし、ではこれより目標ISのスペックを出す。だが、このデータは2ヶ国の最重要機密データのため決して他言してはならんぞ。情報の流出が確認された場合、諸君らには最低で2年の監視が付く。」

 

そう警告して福音のスペックが表示された。

 

シャルロット「オールレンジ型だね。」

 

セシリア「わたくしのブルー・ティアーズと同じ射撃特化型ですか。」

 

鈴「しかも広域殲滅を目的にしてるみたい。」

 

ラウラ「厄介だな。」

 

箒「そんなにか?」

 

簪「1対多を前提としているから機動力も未知数。偵察も無理っぽい。」

 

一夏「チャンスは一度だけ、か。」

 

そんな中、劉備は顎に手を添えてスペックを見ていた。

 

一夏「どうした劉備?」

 

劉備「ここに表示されている無人機っていうのになんか引っかかるんだよな。」

 

呂布「確かにそうだな。」

 

呂布も腕を組んで同意する。

 

千冬「兎に角、何か案はあるか?」

 

真耶「一撃でSEを削り切れるのがあればいいですけど。」

 

一夏「それなら俺のドライブか零落白夜、劉備の鎧武、呂布のゴーストが適任だな。」

 

劉備「だが、下手に変身して出ると怪しまれる可能性がある。」

 

呂布「今回はなるべく使わずに済ませた方が良さそうだ。」

 

一夏「そっか。ベルトさん、一応確認するけどトライドロンに水上を走る機能は?」

 

シフトテクニック(クリム)「残念だがそれはない。ライドブースターがあれば空を飛べる。」

 

一夏「そっか。兎に角もう考えるのはやめた。今は事件を解決するのが先だ。でもエネルギー持つかな?」

 

セシリア「でしたらわたくしが一夏さんを運びます。ちょうどイギリスからのブルー・ティアーズのから強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られて来ていますし、超高感度センサーもついています。」

 

千冬「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間はどれくらいだ?」

 

セシリア「20時間です。」

 

千冬「ならばそれを前提に・・・。」

 

束「ちょっと待って。」

 

千冬「なんだ束。」

 

一夏・劉備・呂布・シフトテクニック(クリム)「「「「あ、忘れてた。」」」」

 

束「ちょっといっくん達!忘れるなんて酷いよ!」

 

実は束も作戦室にいたのだが存在をすっかり忘れられていたのだ。

 

束「実は紅椿っていう箒ちゃんのために作った機体があるんだ。」

 

箒「私の?」

 

束「うん、これを見て。」

 

そう言って数枚のディスプレイが出現する。

 

劉備「第4世代機だって?」

 

シフトテクニック(クリム)「攻撃・防御・機動と用途に応じて切り替えが可能とは。」

 

呂布「いつの間にこんなものを。」

 

束「紅椿の展開装甲を調整してスピードもバッチリだよ。後は箒ちゃんが決めて。」

 

箒「私は・・・。」

 

不安な顔をする箒。

 

一夏「箒?」

 

箒「実は少し複雑なのだ。」

 

一夏「複雑?」

 

箒「ああ。少し前に呂布に言われたのだ。『お前はまだ力を得るということが何なのか理解していない。それに気付かない限りお前は織斑と共に戦うことができない。』とな。」

 

千冬「そんなことを言っていたのか。確かに的を射ているが。」

 

劉備「お前らしいな。」

 

呂布「ふっ。」

 

箒「専用機のことはその答えを見つけてから考えたかったのだ。」

 

一夏「・・・なあ箒、アドバイスになるか分からないけど俺も前に劉備にこう言われたことがあるんだ。」

 

回想

 

それはまだ一夏がドライブになって半年が経った頃の出来事。

 

劉備「いいかい一夏?力と強さは同じじゃないってことだけは覚えておいてくれ。」

 

一夏「力と強さは同じじゃない?」

 

劉備「そうだ。たとえ力を手に入れたとしても使いこなせなければ意味がない。でなければ脅威になってしまい、自分の大切なものを失ってしまうことだってある。それを肝に銘じておいてくれ。」

 

一夏「・・・分かった。」

 

回想終了

 

箒「力と強さは同じじゃない。」

 

千冬「確かにその通りだ。私も力に拘り過ぎると自分を見失ってしまうこともあった。」

 

一夏「後はお前自身がどうしたいかだ。」

 

箒「・・・一夏のサポートができるなら私はやろう!・・・正直不安があるが役に立ってみせる!」

 

千冬「では直ぐに準備に取り掛かろう!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

作戦準備に取り掛かり、箒は束と一緒に紅椿の最適化と第一次移行を行っており、一夏は先に白式を纏って砂浜に来ていた。劉備と呂布は何かあった時のために待機となっている。そんな一夏にプライベート・チャンネルに簪の声が響いた。

 

簪『一夏。』

 

一夏「簪か、どうしたんだ?」

 

簪『今ベルトさんと”あれ”の最終チェックしているからもうすぐ使えるようになるよ。』

 

一夏「そうか、ありがとう。」

 

簪『気にしないで、私が好きでやってるから。』

 

一夏「今後の戦いに”あれ”の力も必要になってくる。気を引き締めていかないとな。」

 

簪『頑張ってね、一夏。』

 

一夏「ああ。」

 

簪との会話を終えるとISを纏った箒がやって来た。

 

箒「待たせてすまない。」

 

一夏「そんなに待ってないぞ。やれるか、箒?」

 

箒「私はお前のために私にできることをやる、それだけだ。お前こそ大丈夫なのか?」

 

一夏「なに、俺の脳細胞はいつでもトップギアだぜ。」

 

箒「ふふ、何だそれは?」

 

一夏「いいだろ別に。」

 

一夏が電子パネルを操作すると白式が緑色に変わる。

 

一夏「白式! タイプテクニック!」

 

箒「何故タイプテクニックなのだ?」

 

一夏「分析して相手の動きを先読みすればやりやすいと思って。」

 

箒「成程。」

 

一夏「さ、行くぞ!」

 

箒「ああ!」

 

果たして、彼らの運命は!?

 

つづく

 

 



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戦士集結!箒の覚悟!!

今回はいつもより長めです。

ではお楽しみ下さい!


箒「一夏、見えたぞ!」

 

一夏「ああ!」

 

一夏と箒が海岸を飛び立って数分後、2人は福音がハイパーセンサーで捉えられる位置まで来た。その姿は名前の通り銀色で、頭部から生えた一対の巨大な翼を有していた。

 

カチャ!

 

一夏「さーて、っ!?」

 

一夏は早速バイザーをかけて解析すると信じられない結果が出た。

 

箒「どうした一夏?」

 

一夏「せ、生命反応がある!?」

 

箒「なんだと!?」

 

なんと無人機ではなく有人機だったのだ。

 

劉備『無人機っていうのになんか引っかかるんだよな。』

 

一夏「劉備が感じていた違和感はこれか!」

 

箒「ど、どうする!?」

 

一夏「取り敢えず千冬姉に連絡する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬「なに!?人が乗っているだと!?」

 

一夏から届いた通信を受け待機していたメンバーは驚愕した。

 

劉備「何か引っかかっていると思っていたけどこういう事だったのか!」

 

呂布「政府の連中、偽の情報を送り込みおって!」

 

シフトテクニック(クリム)「だが何故無人機と報告してきたのだ?」

 

束「それが、アメリカ政府の奴らも有人機って送ったけどいつの間にか改竄されていたみたい。」

 

劉備「一体誰が?」

 

束「分からない。いっくん達を快く思っていない奴の仕業か、それとも他の誰か・・・。」

 

呂布「兎に角今は人命救助が優先だな。」

 

鈴「一夏大丈夫かしら?」

 

シフトテクニック(クリム)「彼はこれまでにも想定外の事態に遭遇しながらも対処してきた。心配はいらない。だが問題は・・・。」

 

セシリア「箒さんですね。」

 

シフトテクニック(クリム)「Yes.」

 

シャルロット「確かにまだ実戦経験がないからね。」

 

劉備「一夏が何とかしてくれるとは思うけど。」

 

ラウラ「信じるしかないということですね。」

 

呂布「そうだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

報告を終えた一夏は千冬から福音の操縦者の救出の指示を受け取った。

 

一夏「了解!箒、今から救出作戦を行うがやれるか?」

 

箒「任せろ!(正直やれるか分からないが、全力でサポートする!)」

 

 

 

 

一夏はタイプテクニックからタイプスピードにタイプチェンジした。

 

一夏「箒!援護は任せた!」

 

箒「分かった!」

 

二手に分かれ福音の左右から挟み撃ちにする。

 

『La……♪』

 

2人に気付いた福音は背中の銀色の翼を展開して、ウイングスラスターの砲門全てから光弾を発射する。

 

一夏「そう簡単に喰らうか!」

 

箒「私も訓練機で多少の訓練をしてきたのだ!」

 

2人は光弾を躱しながら福音に接近する。

 

箒「私が隙を作る!」

 

紅椿に装備された雨月と空裂を使って光波を放つが福音は難無く躱す。

 

箒「今だ一夏!」

 

一夏「おう!」

 

すかさず一夏がドア銃を取り出してシフトスピードを装填した。

 

ドア銃FINISHER(ヒッサーツ)! SPEED!FULL THROTTLE!>

 

一夏「いっけー!」

 

ドン!

 

ドライブのタイプスピードのドア銃を使った必殺技・タイヤドライブショットのようにタイプスピードタイヤのエネルギーを出現させて福音に向かって蹴り飛ばす。

 

『La……♪』

 

見事に福音に命中し怯んだ隙に一夏は雪片弐型を構える。

 

一夏「零落白夜!」

 

バシュン!

 

雪片弐型を振り下ろした瞬間、福音に突き刺さり停止した。アーマーが外され気を失っている操縦者を箒がキャッチした。

 

一夏「操縦者は?」

 

箒「気を失っているだけだ。命に別条はない。」

 

一夏「良かった。一度千冬姉に報告するため近くの島で休もう。」

 

箒「そうだな。」

 

こうして一夏と箒はパイロットを連れて一旦近くの島に後退した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬「うむ、ご苦労だった。気を付けて帰って来い。」

 

一夏達が近くの島に降り立った後、旅館にいる千冬達は任務完了の報告を受けていた。

 

真耶「良かったです、一時はどうなることかと。」

 

劉備「だがまだ全てが解決していない。」

 

呂布「ああ。誰が情報を改竄したのかという謎が残っている。」

 

シフトテクニック(クリム)「うむ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「さて、報告も済んだし戻るか。」

 

箒「そうだな。」

 

千冬への報告が終わった一夏と箒は旅館に戻ろうとした。がその時、

 

???「残念ですが、そうはいきませんよ。」

 

???「ごきげんよう。」

 

一夏・箒「「!?」」

 

突然声をかけられて振り向くと眼鏡を掛けた男性と黒いゴスロリ風のドレスを身に纏った女性がいた。

 

箒「何者だ!?」

 

ブレン「私はブレン。以後お見知りおきを。」

 

メディック「メディックと申します。」

 

一夏「ブレンとメディックって、ベルトさんが言っていたロイミュードの!?」

 

ブレン「クリムから我々のことは聞いているようですね。」

 

メディック「ですが、上手くこちらの策に嵌ってくれましたね。」

 

一夏「何!?」

 

箒「どういうことだ!?」

 

ブレン「銀の福音を暴走させたのは我々ロイミュードです。」

 

メディック「容易い作業でしたわ。」

 

一夏「そうか繋がった!これは俺達を、正確には俺を誘き寄せるための罠だったんだ!」

 

箒「なに!?」

 

ブレン「そう、我々が福音にウイルスを仕込んで暴走させたのです。」

 

メディック「そしてそれを止めようとあなた方はやって来る。」

 

箒「では、無人機と書き換えたのもお前達の仕業か!?」

 

ブレン「フフフ、その通り。」

 

メディック「そうすれば新しいドライブの貴方を潰すには持って来いの作戦でしたわ。」

 

ブレンとメディックは本来の姿であるロイミュード態へと変化する。

 

箒「あれがロイミュード、そして進化した姿。」

 

一夏「箒、ここは俺に任せてお前はパイロットを連れて先に戻れ。劉備達にこのことを知らせるんだ。」

 

箒「な、1人では無茶だ!それにSEももう残っていないのだぞ!」

 

一夏「それでも耐えきってみせる!」

 

箒「一夏。」

 

残って戦おうとする一夏を箒が一瞬戸惑うと紅椿の展開装甲から赤い光に混じって黄金の粒子が溢れ出す。そして機体のエネルギーが回復するのをハイパーセンサーの情報で確認した。

 

箒「!!・・・そうか!!」

 

箒は突然一夏の白式に手を触れる。すると白式のエネルギーも回復した。

 

一夏「これは・・・!?」

 

箒「紅椿の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)、『絢爛舞踏』だ!これならまだ戦える!」

 

一夏「すまないな箒。パイロットを頼む!」

 

箒「分かった。無茶はするな!」

 

ブレン「行かせると思っているのですか?」

 

ブレンが箒を攻撃しようとすると一夏がそれを防ぐ。その間にパイロットを連れて箒が離脱する。

 

一夏「俺が相手だ!」

 

ブレン「いいでしょう。」

 

メディック「行きますわ。」

 

 

 

 

 

 

箒は福音のパイロットを連れて砂浜に辿り着いた。そこに駆け付けた千冬達に何があったのか全て話した。

 

劉備「ブレンとメディックが!?」

 

呂布「今回の事件の黒幕は奴らだったのか。」

 

シフトテクニック(クリム)「兎に角早く一夏を助けに向かわねば!」

 

劉備「そうだな。千冬、出撃してもいいか?」

 

千冬「いいだろう。弟を、一夏を頼む。」

 

呂布「分かっている。」

 

千冬から許可をもらった劉備達は直ぐに準備を始めた。

 

箒「呂布。」

 

呂布「ん?」

 

そんな中、箒が呂布を呼び止める。

 

箒「私はまだお前に言われた答えを出していない。私なりに出そうとしているのだが、分からないのだ。」

 

千冬「そろそろ教えてやったらどうだ。」

 

呂布「・・・いいだろう、よく聞いておけ。」

 

箒「ああ。」

 

呂布「力を得るということは、それ相応の責任と覚悟を持つということだ。」

 

箒「責任と、覚悟。」

 

呂布「そうだ。戦う者として強大な力は時として手に余るものとなる。それを戦いでどう使い、命懸けの戦いに立ち向かえる覚悟を持たなければならない。貴様にはそれが足りないということだ。」

 

箒「・・・。」

 

呂布「ま、ゆっくり考えるといい。」

 

そう言って呂布は立ち去った。

 

箒「・・・。」

 

千冬「どうだ篠ノ之、少しは答えが出たか?」

 

箒「はい。私は彼らのように戦えない未熟者ですが、一夏を助けたいという覚悟はできています!」

 

シャルロット「僕も同じ。一夏や劉備さん達は僕を救ってくれた。今度は僕の番だよ!」

 

簪「怖いけど私も戦う覚悟はできてる!」

 

いつの間にかシャルロットと簪もやって来て自身の覚悟を伝えた。

 

千冬「・・・そうか。後で束と準備しておけ。但し、あいつらが出撃してからだ。」

 

箒・シャルロット・簪「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

出撃の準備ができた劉備達は砂浜に集まっていた。そこにはトライドロンの他に弾と数馬の姿もあった。

 

鈴「弾、それに数馬も!?何でアンタ達まで!?」

 

セシリア「確か一夏さんや鈴さんのお友達の・・・。」

 

弾「悪いな鈴。」

 

数馬「実は俺達も仮面ライダーとして戦ってたんだ。」

 

鈴「そうだったの!?」

 

劉備「さて、やるか。」

 

呂布「ああ。」

 

劉備達はそれぞれドライバーを装着する。

 

オレンジロックシード<オレンジ!>

 

<ロックオーン!ソイヤ!>

 

<アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

<Signal Bike!>

 

弾「Let's・・・。」

 

劉備・呂布・弾・数馬「「「「変身!」」」」

 

<オレンジアームズ!花道・オン・ステージ!>

 

<カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!>

 

<Rider!>

 

<MACH!>

 

<CHASER!>

 

劉備が鎧武、呂布がゴースト、弾がマッハ、数馬がチェイサーに変身する。

 

鎧武「それ!」

 

鎧武はタンポポ型の錠前を取り出してそれを解錠しダンデライナーに変形させる。

 

ゴースト「来い、キャプテンゴースト!」

 

ゴーストが叫ぶと目の紋章から2本脚が付いた巨大な幽霊船、キャプテンゴーストが現れた。

 

クリム「ライドブースター!」

 

トライドロンにいるクリムが叫ぶと二台のライドブースターがトライドロンと連結した。

 

クリム「弾、数馬、乗りたまえ!」

 

マッハ・チェイサー「「おう!」」

 

それぞれがマシンに乗り込む。

 

ゴースト「行くぞ!」

 

ゴーストの号令にライダー組は一斉に一夏の元に向かった。

 

千冬「・・・さて、こちらも取り掛かるか」

 

 

 

 

一方、一夏はブレンやメディックと交戦していた。だがISとの実力差は歴然で苦戦を強いられていた。

 

一夏「はあ・・・はあ・・・。」

 

ブレン「よく粘りますね。」

 

メディック「ですがもう限界のようですね。」

 

一夏「いや、ベルトさんや劉備達が来るまで諦めるわけにはいかない!」

 

ブレン「ほう、中々根性ありますね。」

 

メディック「ここまで頑張ったことは褒めますが、これで終わりですわ!」

 

ブレンとメディックが一夏に光線が放たれようとした。

 

 

 

鎧武「そうはさせるか!」

 

バンバンバン!

 

ブレン・メディック「「!?」」

 

そこにダンデライナーに乗った鎧武が無双セイバーから光弾を放ち、ブレンとメディックの攻撃を中断させた。

 

鎧武「一夏、大丈夫か!?」

 

一夏「劉備!」

 

そこに遅れてゴースト、マッハとチェイサーも駆け付けた。

 

ゴースト「間に合ったな!」

 

チェイサー「助けに来たぞ一夏!」

 

マッハ「援軍到着!」

 

一夏「呂布!弾に数馬も!おっと!?」

 

トライドロンからクリムが飛んできた。

 

一夏「ベルトさん!」

 

クリム「一夏、まだやれるか?」

 

一夏「勿論!」

 

一夏は早速ISを解除してクリムを装着し、イグニッションキーを起動させてシフトスピードをシフトブレスに装填した。

 

一夏「変身!」

 

<DRIVE! Type-SPEED! >

 

一夏もドライブとなり身構える。

 

鎧武「今のブレンとメディックは超進化態でないとはいえ油断は出来ないな。」

 

ゴースト「ああ。」

 

マッハ「けど、俺達が力を合わせれば!」

 

チェイサー「どんな危機も乗り越えられる!」

 

ドライブ「よし、行くぞ!」

 

ライダー組「おう!」

 

 

鎧武「オラァ!」

 

ゴースト「はぁ!」

 

メディック「っ!?」

 

鎧武とゴーストはメディックと交戦していた。

 

メディック「以前よりも腕を上げたようですわね。」

 

鎧武「いつまでも昔の俺達とは思うなメディック!」

 

ゴースト「俺達は貴様が思っている以上に強くなっているのだからな!」

 

ドライブ「ハンドル剣!ハァ!」

 

マッハ「それ!」

 

チェイサー「はっ!」

 

ブレン「ッ!?」

 

チームドライブの3人は自分達の武器を使いブレンを追い詰めていた。3人がブレンにダメージを与えながらマッハはあの台詞を叫ぶ。

 

マッハ「追跡! 撲滅! いずれも…マッハ!」

 

ブレン「ぐっ!?」

 

マッハ「 仮面ライダー…マッハ!」

 

ドライブ「それいちいち言う必要あるのか?(汗」

 

チェイサー「まあ剛さんがよく言ってたらしいからな(汗」

 

ブレン「流石は仮面ライダーですね。しっかりと受け継いでいる。」

 

クリム「Of course. 彼らも日々努力してきたのだからな。」

 

???「楽しそうだな。俺も混ぜてくれよ。」

 

ライダー組「!?」

 

するとそこに真紅のコートを着こなした男が現れた。

 

ゴースト「貴様は!?」

 

鎧武「ハート!?」

 

ドライブ「あいつが!?」

 

クリム「そう、ロイミュードの王にして最高幹部の1人だ!」

 

ハート「久しぶりだなクリム。そして会いたかったぞ織斑一夏。泊進ノ介の力を受け継いだお前の力、見せてもらうぞ!」

 

ハートが力を籠めると彼もロイミュードの姿となる。

 

ブレン「全く、相変わらず物好きですね。」

 

メディック「でも、それがハート様ですわ。」

 

ハートの登場で全員に緊張が走る。

 

鎧武「!!あれはっ!?」

 

ハートが加わり戦闘が再開しようとする中鎧武の目に映ったのは船だった。

 

鎧武「船!?」

 

マッハ「千冬さんの話じゃ海上封鎖されている筈なのに!?」

 

チェイサー「まさか密漁船か!?」

 

ゴースト「チッ!面倒なことになった。」

 

ドライブ「これじゃ戦いにくい!」

 

ライダー達がどうしようか模索していたその時、

 

箒「ここは私達に任せろ!」

 

ライダー組「!?」

 

ISを纏った箒、シャルロット、簪が現れた。

 

ドライブ「箒!シャルに簪も!」

 

鎧武「何故此処に!?」

 

シャルロット「皆を助けに来たよ!」

 

簪「織斑先生の許可はもらってるから!だから一夏達は戦いに集中して!」

 

箒「呂布!」

 

ゴースト「ん?」

 

箒「私にはお前の言う責任と覚悟が、まだ足りないかもしれない。だが、このまま黙って見ているのもいやだ!足手纏いにもならないように努める!」

 

ゴースト「・・・ならば見せてみろ、貴様の覚悟を!」

 

箒「ああ!」

 

シャルロット「良かったね、箒。」

 

簪「一夏、受け取って!」

 

ドライブ「・・・ッ!」

 

ドライブは簪が投げたシグナルバイクがサイドカーとして付いた赤いシフトカーを掴んだ。

 

ドライブ「デッドヒート!?」

 

簪「いつでも使えるよ!」

 

ドライブ「サンキュー簪!それじゃベルトさん、ひとっ走り付き合えよ!」

 

クリム「OK!」

 

ドライブはイグニッションキーを回してシフトデッドヒートをシフトブレスにセットした。

 

<DRIVE! Type-DEAD HEAT! >

 

ガコンッ!

 

シフトデッドヒートをシフトブレスに装填するとドライブは赤いエネルギーとタイヤエネルギーに包まれ、右肩にメーター付きのマッハのシグナルコウリンがある新たな姿となった。

 

ドライブ「うぉ!少しマッハっぽくなった!」

 

クリム「そう!シフトデッドヒートは、マッハと一つで兼用するのだ。」

 

シャルロット「凄い!」

 

マッハ「俺もいつか使ってみるか。」

 

鎧武「それなら俺も!」

 

鎧武は戦極ドライバーのフェイスプレートを外し、ゲネシスドライバーから外したゲネシスコアを装填した。

 

レモンエナジーロックシード<レモンエナジー!>

 

レモンエナジーロックシードを取り出して解錠するとクラックが開き、レモンエナジーアームズが出てくる。

 

箒「レモン?」

 

<ロックオーン!>

 

<ミックス!オレンジアームズ!花道 オンステージ!ジンバーレモン!ハハーッ!

 

オレンジロックシードとレモンエナジーロックシードをセットして斬ると、オレンジアームズとレモンエナジーアームズが一つになり、鎧武はジンバーレモンアームズに換装した。

 

シャルロット「オレンジとレモンが!?」

 

簪「混ざっちゃった!」

 

ゴースト「ふっ、なら俺も!」

 

カチッ!ボッ!

 

ゴーストは炎の意匠のパーツがついた赤い眼魂・闘魂ブーストゴースト眼魂を取り出して起動してゴーストドライバーに装填した。

 

<一発闘魂!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

ゴースト「変身!」

 

闘魂!カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!

 

オレ魂に似た赤い姿、闘魂ブースト魂に変身した。

 

シャルロット「こっちも燃えるような赤い姿になった!」

 

鎧武とゴーストはソニックアローとサングラスラッシャーを構えて叫ぶ。

 

鎧武「さっき迄の俺達とは、一味も二味も違うぜ!」

 

ゴースト「行くぞ!」

 

第2ラウンドの始まりだ。

 

つづく



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終結

タイプデッドヒートとなったドライブに呼応するように鎧武とゴーストもジンバーレモンアームズと闘魂ブースト魂になった。

 

鎧武「さっき迄の俺達とは、一味も二味も違うぜ!」

 

ゴースト「行くぞ!」

 

サングラスラッシャー!

 

ハート「面白い。」

 

ブレン「楽しませてもらいますよ。」

 

メディック「及ばずながら私も相手をさせていただきますわ。」

 

マッハ「おっと、俺達がいることも忘れてもらっちゃ困るぜ!」

 

チェイサー「そういうことだ!」

 

シャルロット「皆凄い!」

 

簪「私達も行くよ!」

 

箒「ああ、今こそ解放する時だ!」

 

箒達3人は一夏が白式でタイプチェンジするように電子パネルを操作する。するとそれぞれの専用機がドライブのフォームの特徴を持った姿となった。

 

箒「紅椿!タイプスピード!」

 

シャルロット「ラファール・リヴァイヴ・カスタムII!タイプワイルド!」

 

簪「打鉄弐式!タイプテクニック!」

 

ドライブ「え、これってまさか!?」

 

箒「ああ、お前の白式と同じ機能を私達のISにインストールしたのだ。」

 

シャルロット「一夏達の力になるためにね。」

 

簪「うん!」

 

ドライブ「皆。」

 

シャルロット「僕達は船の護衛をするよ!」

 

箒「ああ!」

 

簪「サポートは任せて!」

 

箒達は密漁船を避難させるべく直ぐに行動に移す。

 

鎧武「向こうは大丈夫みたいだな。」

 

ゴースト「これで遠慮なくやれるな。」

 

ハート「行くぞ!」

 

 

 

BGM:時の華

 

メディック「行きますわ!はっ!」

 

鎧武「ふっ!」

 

ゴースト「たあ!」

 

メディックが背中の触手を操って鎧武とゴーストを攻めるが、鎧武とゴーストはソニックアローとサングラスラッシャーでそれを弾く。

 

ハート「ブレン、俺は織斑一夏を殺る。お前は残りの2人の相手をしてくれ。」

 

ブレン「仕方ありませんね。」

 

マッハ「一夏、ブレンは俺と数馬に任せてくれ。」

 

チェイサー「お前はハートを頼んだぜ。」

 

ドライブ「ああ!」

 

ドライブはハートの元に走り、マッハとチェイサーもブレンと交戦を開始する。

 

ドライブ「はっ!」

 

ハート「ふん!」

 

ドライブはハートと互角の格闘戦を繰り広げており、ハート自身もドライブもデッドヒートに対抗するために怒りのデッドゾーンになっていた。

 

ハート「流石だな!お前もあの男のように大した人間だ!」

 

ドライブ「泊さんのことか!?」

 

ハート「そうだ!奴は俺が認めた唯一の人間だった!お前も奴同様に俺を満足させられるかな!?」

 

ドライブ「泊さんのようにはいかなくても、俺は俺のやり方で勝つ!」

 

ハート「ハハハ!それでいい!」

 

ブレン「喰らいなさい!」

 

バン!バン!

 

マッハ「おっと!」

 

チェイサー「危ね!」

 

ブレンは自身が得意とする火炎弾を手から発射するが、マッハとチェイサーは何とか躱す。

 

マッハ「聞いた話だとアイツ毒を操れるらしいぜ!」

 

チェイサー「当たらないように気を付けないとな!」

 

ブレン「それがいつまで持ちますかねぇ!?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方、密漁船の護衛に向かった箒達は仮面ライダー達の戦いで出た流れ弾を牽制しつつ避難誘導を行おうとしていた。

 

箒「さて、どうする?」

 

簪「私が援護するから2人はフッキングレッカーとミッドナイトシャドーで船を移動させて!」

 

シャルロット「それが手っ取り早いね!」

 

早速箒とシャルロットギアチェンジを行う。

 

箒「ギアチェンジ!ミッドナイトシャドー!」

 

シャルロット「ギアチェンジ!フッキングレッカー!」

 

シャルロットは船の甲板に移動して先端にフックを引っ掛けて安全な場所に移動させる。箒もミッドナイトシャドーの能力で分身を作り後ろから船を押す。

 

簪「それじゃ私も、ドア銃!」カチャ!

 

簪もドア銃を構えてタイプテクニックの解析機能のバイザーを装着した。そして直ぐにブレンが放った火炎弾が飛んできた。

 

簪「来た!」

 

ピコン!ピコン!ピコン!ピコン!

 

簪「はっ!」

 

バン!バン!バン!バン!

 

ドア銃で飛んできた火炎弾を次々と打ち消していき、船に被害が出ないようにした。

 

簪「牽制完了!一夏、皆、頑張ってね。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

BGM:Spinning Wheel

 

場所は戻って仮面ライダー達の戦いは激しさを増していた。

 

メディック「ハート様のためにも負けるわけにはいきませんわ!」

 

メディックはメスのような鋭い爪からレーザーメスを発射するが鎧武とゴーストは前転して躱す。

 

鎧武「それは・・・!」

 

ゴースト「こちらも同じだ!」

 

<ロック・オン!>

 

<ソイヤッ!オレンジスカッシュ!>

 

<ダイカイガン!>

 

<マブシー!マブシー!>

 

鎧武がレモンエナジーロックシードをソニックアローに装填してオレンジロックシードを斬ると鎧武の前にオレンジとレモンの断面が交互に並び、ゴーストがオレゴースト眼魂とロビンゴースト眼魂をサングラスラッシャーに装填すると炎の矢が形成される。

 

鎧武・ゴースト「「はあ!」」

 

<レモンエナジー!>

 

<オメガシャイン!>

 

メディック「ううう、うわぁ!?」

 

ソニックボレーとオメガシャインを放ち、メディックに命中した。メディックも耐えようとしたが、耐え切れず吹っ飛ばされてしまった。

 

 

 

ブレン「私特製の毒をプレゼントしましょう!」

 

ブレンが爪から常人ならば即死する緑色の毒を形成するとマッハとチェイサーに発射するが2人は難無く躱し、外れた毒は地面に着弾し砂埃を上げる。

 

マッハ「そんなのは!」

 

チェイサー「お断りだな!」

 

FINISHER(ヒッサツ)!>

 

ゼンリンシューターとシンゴウアックスのシグナルランディングパネルにシグナルマッハとシグナルチェイサーを装填した。チェイサーがシンゴウアックスのシンゴウプッシュボタンを押すと信号機を模したE-コンディションランプが赤く光ると、

 

MATTELLOYO(マッテローヨ)MATTELLOYO(マッテローヨ)!>

 

という音声と共にエネルギーがチャージされる。

 

マッハ「ホントこれを作った人のセンス半端ないな。」

 

チェイサー「だな。弾、悪いが時間稼ぎ頼むわ。」

 

マッハ「任せろ!」

 

<FULL THROTTLE!>

 

マッハ「オリャア!」

 

ブレン「ぐぉ!?」

 

チェイサーが動けないことでチャージが終わるまでマッハが時間稼ぎを買って出た。そのままゼンリンシューターのゼンリンストライカーを回転させた後ビートマッハーをブレンにぶつける。

 

ITTEIYO(イッテイーヨ)!>

 

チェイサー「チャージ完了!」

 

<FULL THROTTLE!>

 

エネルギーがチャージされたことでランプが緑色に光りシンゴウアックスを掲げ、フルスロットルトリガーを引いて必殺技のアクロスブレイカーをブレンに叩き込んだ。

 

チェイサー「喰らえ!」

 

バキィン!

 

ブレン「あ~~~~~れ~~~~!?」

 

何もできずに吹っ飛ばされるのだった。

 

 

ドライブ「はっ!」

 

ハート「ふん!」

 

一方でドライブとハートもお互いにデッドゾーンに入り激闘を繰り広げていた。

 

ハート「お前もデッドゾーンに入ったか!ハハハハハ!」

 

ドライブ「何が可笑しいんだよ!?」

 

ハート「可笑しいのではない!嬉しいのだ!お前も泊進ノ介のように自分の命も省みず仲間を信じ、立ち向かう覚悟を持つ戦士だ!」

 

クリム「ハートにここまで言わせるとは!」

 

ドライブ「だったらそれに応えないとな!」

 

アドバンスドイグニッションを起動させ赤い稲妻状エネルギーを放ち、ハートに高熱の連続パンチを叩き込んだ。

 

ドライブ「おらぁ!」

 

ハート「ぐっ!?」

 

ドライブ「行くぞハート!」

 

<DEAD HEAT!>

 

シフトブレスのイグナイターを押して先程のエネルギーを纏いながら強力なパンチをハートに叩き込んだ。

 

ドライブ「はぁ!」

 

ハート「ぐっ!?」

 

ドライブ「おりゃあ!」

 

ハート「のわぁ!?」

 

ハートは1度受け止めるも更に力を込めたパンチには耐え切れなかった。

 

ドライブ「まだまだ!」

 

再びアドバンスドイグニッションを起動すると今度は赤いタイヤ型エネルギー弾が出現した。

 

ドライブ「いっけぇ!」

 

ドーン!

 

ハート「うわぁ!?」

 

それをハートにぶつけるとイグナイターを押して構える。

 

<DEAD HEAT!>

 

ドライブ「んーーー、はあああ!」

 

ハート「のわぁーーーー!?」

 

必殺技のデッドヒートドロップがハートに炸裂した。

 

 

吹っ飛ばされた3人のロイミュードは一ヶ所に集まった。

 

ハート「ははは!最高にいいぞ!」

 

ブレン「まさか、ここまで成長していたとは。」

 

メディック「中々やりますわね。」

 

シャルロット「皆お待たせ!」

 

簪「船の避難は完了したよ!」

 

箒「後はこいつらだ!」

 

そこに箒達3人も合流した。

 

ハート「今日は十分楽しめたからここまでとしよう。」

 

ブレン「覚えておきなさい。」

 

メディック「ではごきげんよう。」

 

メディックがその場で踊るとハート達はいなくなっていた。

 

マッハ「逃げられたか。」

 

鎧武「いや、今回は俺達の力量を測るためだろう。」

 

ゴースト「若しくは楽しみを取っておこうという考えかもしれんな。」

 

ドライブ「どっちにしろ、油断はできないということか。」

 

チェイサー「そうなるな。」

 

ピロン!ピロン!ピロン!ピロン!

 

ビビビビビッ!

 

ドライブ「ん?」

 

突然ドライブの右肩のDH-コウリンからアラーム音が鳴るとデッドヒートタイヤが高速回転し始め破裂した。

 

ビリビリ!ブーーーッ!

 

バーン!

 

ドライブ「ぐっ!?」

 

鎧武・ゴースト「「あっ(汗」」

 

簪「いけない!(汗」

 

箒・シャルロット「「ん?」」

 

マッハ「何だ?」

 

チェイサー「タイヤが破裂した?」

 

ドライブ「・・・。」

 

箒「い、一夏?」

 

シャルロット「大丈夫?」

 

ドライブ「や、ヤバい。止められない!」

 

ドライブはその場で無茶苦茶に暴れるように動き出す。

 

マッハ「ど、どうしたんだ!?(汗」

 

鎧武「デッドヒートを長時間使ったためだ!(汗」

 

チェイサー「どういうこと?」

 

ゴースト「デッドヒートはハートに対抗するために作られたものだが、使いすぎてレッドゾーンに入りタイヤがバーストすると自分の意志を無視して敵味方関係なく暴走してしまう!(汗」

 

簪「だから一夏は今、自分で自分を止められないの!(汗」

 

箒・シャルロット・マッハ・チェイサー「「「「えええええぇ〜〜〜〜〜Σ(; ゚Д゚)!?」」」」

 

今のドライブが暴走状態になっていることに驚愕する。

 

ドライブ「誰か止めて!誰か止めて!」

 

鎧武「ああ、もう!」

 

ゴースト「全く世話を焼かせる!」

 

<ソイヤッ!>

 

闘魂ダイカイガン!

 

愚痴りながらもロックシードを斬る鎧武とデトネイトリガーを引くゴースト。鎧武の前にオレンジとレモンの断面が現れ、ゴーストの右足にエネルギーが集まる。

 

<オレンジスカッシュ!>

 

<ジンバーレモンスカッシュ!>

 

ブースト!オメガドライブ!

 

鎧武・ゴースト「「セイハァアアアア!(ハアァァァァァ!)」」

 

ドライブ「ぐわぁ!?」

 

無頼キックとオメガドライブ ブーストをドライブに叩き込んだ。そしてドライブは地面に倒れ、漸く暴走が止まった。

 

ドライブ「やっと止まった。」

 

クリム「大丈夫かね?」

 

ドライブ「何とか。」

 

シフトブレスからシフトデッドヒートを外し変身を解除する。

 

鎧武「立てるか?」

 

一夏「ああ。」

 

鎧武に手を貸してもらい一夏は何とか立ち上がる。

 

チェイサー「もし、弾がつかっていたら・・・(汗」

 

ゴースト「使いすぎると間違いなく織斑のように暴走してしまうだろうな。」

 

マッハ「き、気をつけよ(汗」

 

簪「こちら更識簪、任務完了。これより帰還致します。」

 

千冬『了解、注意して帰って来い。』

 

簪が旅館で待機している千冬に報告し、仮面ライダー達は帰投した。因みに一夏はトライドロンの助手席に座って運転は簪がした。

 

余談だが、箒とシャルロットは羨ましそうにして簪は一夏とドライブしている感じがして顔を少し赤らめていた。

 

つづく

 



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帰還とロイミュード誕生秘話

ハート達ロイミュードと激闘を繰り広げた仮面ライダー達は宿泊先の旅館の浜辺に戻ってきた。そこには千冬や待機していた専用機持ち達が待っていた。

 

千冬「ご苦労だったお前達。」

 

真耶「本当に無事で良かったです~(涙)!」

 

真耶は涙ながら彼らを出迎えた。

 

鎧武「いや、泣く程?(汗」

 

ゴースト「大袈裟だな。」

 

マッハ「まあまあ。」

 

チェイサー「あの人なりに心配していたんだから。」

 

千冬「篠ノ之。」

 

箒「はい。」

 

千冬「少しは分かったか?戦う者として。」

 

箒「はい。私はまだまだ未熟ですが、一夏達と並べられるくらい強くなります。」

 

千冬「そうか。ところで、織斑は何故更識に肩を貸してもらっているのだ?」

 

トライドロンから降りた一夏と簪を見て疑問を投げる。

 

一夏「あはは(^_^;)」

 

簪「デッドヒートを使って暴走状態になったのを劉備さんと呂布さんに止めてもらったんです。」

 

シャルロット「それで今まともに動けない状況なんです。」

 

千冬「私もそのアイテムのことを聞いていたがフルパワーで使ったな?」

 

一夏「その通りです(汗」

 

ゴースト「全くこっちの身にもなれ。」

 

一夏「ごめんなさい(汗」

 

鎧武「兎に角、このままの状態にもできないから”彼”の治療を受けてもらうぞ。」

 

一夏「そ、それだけは勘弁してくれ!(汗」

 

ゴースト「いきなりフルパワーで使った貴様が悪い。甘んじて受けるのだな。」

 

一夏「そ、そんな〜(汗」

 

鎧武「マッドドクター!来てくれ!」

 

ピーポー!ピーポー!ピーポー!ピーポー!

 

鎧武が叫ぶと救急車型のシフトカー・《マッドドクター》がやって来た。

 

箒「救急車のシフトカー?」

 

シャルロット「今、マッドドクターって言わなかった?(汗」

 

鈴「救急車なのに何でそんなやばそうな名前なの?(汗」

 

ゴースト「ドクター、頼んだぞ。」

 

ピーポー、ピーポー

 

ゴーストの依頼を承諾すると簪は一夏を肩から降ろし、マッドドクターが一夏の肩に取りつく。すると、

 

ビビビビビビビビ!

 

一夏「いたたたたたたた!」

 

セシリア「い、一夏さん!?(汗」

 

マッハ「大丈夫なのかこれ!?(汗」

 

鎧武「大丈夫、大丈夫。」

 

ゴースト「マッドドクターは怪我やウイルスの治療の能力を持っていて、『トリートエナジー』というものを対象者に注ぐことで回復させるのだ。」

 

クリム「ただ、その治療は死ぬほど痛いのだ。」

 

チェイサー「だから一夏あんなに嫌がってたのか(汗」

 

しばらくするとマッドドクターの治療が終わり一夏の肩から離れる。

 

一夏「ああ、死ぬかと思った(汗」

 

ラウラ「大丈夫か?」

 

一夏「ああ。お陰で治ったけど。」

 

千冬「今後はマッドドクターの治療を受けないように無茶はしないことだな。」

 

一夏「肝に銘じておきます(汗」

 

鎧武「ドライブになって少し経った時も似たようなことがあったような?」

 

一夏「ギクッ( ̄O ̄;)」

 

ゴースト「確か2年前・・・。」

 

 

 

2年前

 

一夏がドライブとして戦うことになって少し経った時期、鎧武、ドライブ、ゴーストはとある違法実験研究所を襲撃したが、研究員の1人が研究所を爆破させたのだ。仮面ライダー達はなんとか脱出し、鎧武とゴーストは無事だったが、ドライブは反応が遅れて深手を負ってしまった。

 

鎧武「大丈夫か一夏?」

 

ドライブ「ああ。」

 

ゴースト「まだ仮面ライダーになって日が浅いのだ。こうなるのも仕方がない。」

 

クリム「兎に角、直ぐに手当てをしよう。」

 

ピーポー!ピーポー!ピーポー!

 

ドライブ「救急車のシフトカーか。」

 

ドライブはマッドドクターを手に取りシフトブレスに装填する。

 

TIRE Koukan(タイヤコウカーン)!>

 

ガコン!

 

<MAD DOCTOR!>

 

ドライブの胸部に白いタイヤが装着され、専用武器である『キュアクイッカー』が装備された。

 

ドライブ「マッドドクターって、ヤバそうな名前だな(汗」

 

名前に困惑しながらもドライブはフルスロットルを起動する。

 

HISSATSU(ヒッサーツ)!FULL THROTTLE!DOCOTR!>

 

ギュイーン!

 

ドライブ「痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!痛い!」

 

クリム「言い忘れていたが、マッドドクターの高速治療は死ぬほど痛いのだ。」

 

ドライブ「先に言ってくれーー!」

 

マッドドクターの治療で怪我は完治したがあまりの痛さで変身が解け気絶してしまい、鎧武とゴーストにドライブピットまで運んでもらった。

 

 

現在

 

鈴「そんなことがあったんだ(汗」

 

セシリア「お気の毒ですわ(汗」

 

マッハ「そりゃトラウマになるよ(汗」

 

千冬「さ、早く旅館に戻るぞ。軽めの検査もしてな。」

 

千冬の言葉に全員が頷き、仮面ライダー達も変身を解いたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

検査を終えた一夏達は旅館の広間に集まっていた。

 

一夏「今回は弾達のお陰で助かったぜ。サンキューな。」

 

弾「気にすんなよ。」

 

数馬「俺達は仲間なんだし。」

 

劉備「昼間に見た船だけど、後で聞いたら密漁してたんじゃなくて避難途中だったらしいぞ。」

 

呂布「不運なことに船が故障してしまって立ち往生していたようだ。」

 

一夏「なんだそうだったんだ。」

 

シャルロット「でも怪我がなくて良かった。」

 

するとそこに千冬と真耶が入ってきた。

 

千冬「お前達、今日はご苦労だった。」

 

真耶「福音が有人機と聞いた時はハラハラしました。」

 

鈴「まあ、アタシ達の出番はなかったけどね。」

 

千冬「さて、疲れているところすまないがお前達には色々聞きたいことがある。」

 

視線を劉備と呂布、一夏とクリムに向けて言葉を放つ。

 

呂布「ま、そうなるな。」

 

劉備「答えられる範囲でなら。」

 

真耶「今回の事件はロイミュードと呼ばれる存在が首謀者なんですよね?」

 

クリム「そうだ。」

 

千冬「そもそもロイミュードとは一体何なのだ?」

 

クリム「うむ、一夏にも以前話したが私はクリム・スタインベルトという人間の科学者だった。」

 

真耶「え?そうだったんですか?」

 

クリム「そうだ。」

 

劉備「そしてロイミュードは、クリムの嘗ての親友で弾と数馬にシグナルバイクを渡した剛の実の父である蛮野天十郎っていう科学者が生み出した全部で108体いる増殖強化型アンドロイドなんだ。」

 

シャルロット「べ、ベルトさんの親友!?」

 

数馬「剛さんの実の父親!?」

 

簪「本当なんですか!?」

 

クリム「本当だ。」

 

弾「マジかよ。」

 

呂布「開発が頓挫した際、蛮野はクリムからコア・ドライビアを懇願した。」

 

ラウラ「そのコア・ドライビアとは?」

 

一夏「シフトカーやトライドロン、シグナルバイクとかの動力源さ。」

 

一夏は以前劉備達から泊進ノ介達の活躍を聞いていたので話に加わる。

 

クリム「それを使用すれば危険な重加速を伴う、それを知っていたのに私は友情に負け提供してしまった。」

 

劉備「奴らの人間態の姿は素となった人間をコピーした姿なんだ。」

 

セシリア「人間をコピー?」

 

箒「そういうことだったのか。」

 

呂布「ハートがコピーしたのは広井 真蔵(ひろい しんぞう)と呼ばれる実業家で、蛮野の研究資金の援助の融資を断った人物だった。」

 

劉備「蛮野はその実業家への復讐のためにハートにコピーさせて、ハートは悲惨な拷問を受けていたそうだ。」

 

ラウラ「何と!?」

 

簪「ひ、酷い。」

 

呂布「それを見かねたクリムは蛮野との縁を切り、奴の元を去った。」

 

劉備「奴はロイミュードや自分の家族ですら実験材料としか見てなくて狂気に満ちていたからな。」

 

箒・セシリア・鈴・シャルロット「「「「・・・。」」」」

 

家族環境に事情を持つ四人は蛮野の卑劣さに顔には出していないが内心では怒りを隠せなかった。

 

クリム「だが、そこから事件の始まりだった。」

 

千冬「事件だと?」

 

一夏「聞いた話だとハートはベルトさんが去ったのを見て人間全てを見返してやるっていう復讐心が芽生えてしまったらしい。」

 

劉備「クリムが去ったことで焦りを感じた蛮野はロイミュードに人間の悪意の心を植え付けた。」

 

呂布「皮肉にもそれが奴らを進化させるのに繋げてしまったがな。」

 

真耶「人間の悪意の心を。」

 

簪「彼らのあの怪人態は進化した姿だったんだ。」

 

クリム「進ノ介と出会う15年前にロイミュードの《001》、《002》のハート、《003》のブレンが反逆を起こし、蛮野を処刑した。」

 

シャルロット「え?ハートが002?」

 

劉備「疑問に思うかもしれないがハートにはそれ程の器がある。」

 

数馬「そういえばメディックも様付けしてたな。」

 

弾「ブレンは003だったのか。」

 

クリム「その後私の元にも迫り、私も蛮野同様ハートに殺された。」

 

箒「ハートに殺された!?」

 

呂布「その時のトラウマがクリムに残っていて奴を見た瞬間恐れて逃げてしまったこともあった。」

 

クリム「まあ当時の私自身もハートに立ち向かえる勇気がなかった。」

 

劉備「クリムはハートに殺された時既に意識の全てをベルトにダウンロードする用意を完了していたんだ。」

 

真耶「意識の全てを・・・。」

 

クリム「ロイミュードが全世界規模で起こしたグローバルフリーズの直前、ドライブの初級タイプであるプロトドライブを完成させた。」

 

呂布「それに変身していたのは、チェイスというロイミュードでありながら人間を守る使命を持った奴だ。」

 

数馬「それって・・・。」

 

弾「剛さんのダチの。」

 

劉備「ああ。だけどさっき蛮野は殺されたって言ったけど、クリムと同じようにデータとして生きていたんだ。」

 

千冬「なに!?」

 

呂布「ロイミュードは108から増やすことができなかったからな。利用価値があるとしてブレンが所持していたタブレットに入っていた。」

 

クリム「そして私の技術でベルトに意識を移植しゴルドドライブとなった。」

 

劉備「そして蛮野の真の目的は、全人類をデータ化してナンバリングし支配することだったんだ。」

 

シャルロット「全人類をデータ化!?」

 

ラウラ「なんて恐ろしい。」

 

劉備「それに立ち向かったのが進ノ介と剛、チェイスの3人だ。」

 

呂布「だがその戦いでチェイスは詩島を庇い、蛮野によって破壊されてしまった。」

 

クリム「それを見た剛はチェイスから受け取ったシグナルチェイサーを使ってゴルドドライブを倒し、シンゴウアックスで蛮野の意識が入ったドライバーを破壊したことで蛮野は消滅した。」

 

千冬「自分の息子に。」

 

劉備「因果応報ってやつさ。」

 

呆気ない蛮野の最後に全員が安堵した。

 

呂布「大分話が逸れたが、プロトドライブとなったチェイスとクリムはグローバルフリーズの直前にロイミュードを撃退した。」

 

クリム「だがグローバルフリーズの後メディックの治癒能力で復活し、進化態となったハートはプロトドライブを倒した。」

 

劉備「その後チェイスは001ことフリーズというロイミュードに記憶改変されてロイミュードの番人、死神となった。」

 

鈴「記憶を書き換えるって怖ぁ。」

 

劉備「話を戻すけどブレンがコピーした人間は杵田 光晴(きねた みつはる)という中央情報局副所長の天才プログラマーだ。」

 

一夏「何故かメガネとハンカチが手放せない人だったらしいぞ。」

 

千冬「メガネとハンカチが手放せない?(汗」

 

真耶「変わった人ですね(汗」

 

クリム「そしてメディックがコピーした人間は、期待の新人バレリーナとして活動していた羽鳥 美鈴(はとり みすず)という女性だ。」

 

シャルロット「バレリーナ?」

 

簪「だから踊りながら・・・。」

 

先程の戦いでメディックが踊りながら撤退するのを思い出して納得する。

 

劉備「ロイミュードにも人間のように心を求めていた。」

 

クリム「その代表と言えるのが、ハートとブレン、そしてメディックとチェイスだ。」

 

呂布「それぞれ蛮野に利用されて犠牲となったが、奴らなりに信念があった。」

 

一夏「ロイミュードの心を理解できれば、解りあえたかもしれないって泊さんもそう思ってたらしい。」

 

劉備「今奴らがどういう思いで俺達と戦っているのかは分からないがな。」

 

弾「なんだかんだ言って、あいつらも人間の被害者なんだな。」

 

千冬「本当に悪いのは、この世の悪意なのだな。」

 

クリム「ああ。」

 

その場にいる全員がハート達ロイミュードに同情するのだった。

 

真耶「さ、皆さん。こんな暗い話はもう終わりにして食事にしましょう!」

 

真耶が空気を変えようと提案を出す。

 

一夏「それもそっか。」

 

劉備「確かに腹減ったかも。」

 

呂布「気分を変えるか。」

 

真耶の提案により一夏達は食堂に向かった。因みに弾と数馬は別の場所で食事を摂ることになった。

 

つづく



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それぞれの時間と束の決意

広間でロイミュードと蛮野の話を終えた一夏達は食堂に集まり夕食を堪能していた。

 

一夏「しかし今日もハードな1日だったな。」

 

リュウト「ああ。」

 

リョウセン「一般生徒には極秘情報だから知られれば監視がつくと注意した途端に昼間のことを質問することはなかったが、これはこれでありがたい。」

 

箒「質問攻めされればこっちの身が持たんからな。」

 

シャルロット「うん。」

 

簪「そうだね。」

 

鈴「今回のことを知ってるのはアタシ達だけってことね。」

 

セシリア「そうですね。」

 

ラウラ「・・・。」

 

リュウト「どうしたラウラ?」

 

ラウラ「先程の話を聞いて思ったのだ。もしかしたらハートは私のもう一つの可能性ではないかと。」

 

リョウセン「そうか、お前は・・・。」

 

ラウラ「はい。もし蛮野のような奴に生み出されていたらと思うと全てを恨んでいたかと・・・。」

 

一夏「だけどラウラは千冬姉や俺達と出会ったことで変わることができた。確かに人間には醜いところはあるけどいい部分もある。」

 

リュウト「少しずつ学んでいけばいいさ。」

 

ラウラ「はい。」

 

ラウラは様々なことを学び、前に進むことを決心した。

 

 

 

 

千冬「五反田、御手洗、疲れているところすまないが少しいいか?」

 

夕食が終わり暫くした後、千冬は弾と数馬を呼んで砂浜に来ていた。

 

千冬「今回はお前達の助けもあったお陰でなんとかできた。礼を言う。」

 

弾「気にしないでくれよ千冬さん。」

 

数馬「俺達は一夏のダチとして当たり前のことをしただけさ。」

 

千冬「そう言ってもらえると助かる。これからも一夏の大切な友としていてくれるか?」

 

弾「勿論!」

 

数馬「あいつが何者であろうと俺達の仲間さ!」

 

それを聞いた千冬は安心した表情を浮かべる。

 

 

 

 

一夏「ふぅ。」

 

弾と数馬が千冬と会話している頃、一夏は露天風呂で今回の戦いのことを反省しながら疲れを癒していた。

 

一夏「デッドヒートの暴走のことは聞いていたけど、まさかあそこまでとはな。」

 

改めてシフトデッドヒートのデメリットを思い知った一夏出会った。

 

一夏「これからは短期決着で決めたい時に使うとするか。」

 

シフトデッドヒートの今後の使い方を思考していると、

 

グイッ!

 

一夏「ぶはぁ!」

 

突然誰かに顔を引き寄せられ柔らかい何かにうずめられた。慌てて顔を上げると一夏は意外な人物が目の前にいることに驚いた。

 

刀奈「ふふ、ごめんね驚かせて。」

 

一夏「楯無さん!?」

 

刀奈「今は刀奈って呼んで。」

 

一夏「あ、はい刀奈さん。」

 

正体はIS学園にいるはずの楯無もとい刀奈だった。刀奈はタオルを巻いた状態で自身の胸に一夏の顔をうずめていた。

 

一夏「というかどうしてここに?」

 

刀奈「生徒会の仕事を終えて駆け付けてきたの。心配だったから。」

 

一夏「すみません。」

 

刀奈「ううん、一夏君が無事でよかったわ。でもデッドヒートはここぞという時にね。」

 

一夏「はい。」

 

刀奈「だから今日はゆっくり堪能しましょ♪」

 

一夏「え?」

 

簪「お、お姉ちゃん!?」

 

入口から声がして振り向くとタオルを巻いた箒、シャルロット、簪がいた。

 

一夏「箒!?シャルに簪も!?」

 

箒「何やってるんですか一体!?」

 

刀奈「一夏君とお風呂よ♪」

 

シャルロット「抜け駆けしないでください!」

 

簪「お姉ちゃんだけズルい!」

 

負けじと他の3人も便乗してしまい湯船にダイブして一夏に纏わりつき、ちょっとした一夏争奪戦が始まってしまった。

 

 

 

 

束「・・・。」

 

その頃、束は今回の事件の後始末を自分のできる範囲でまとめ上げながら1人黄昏ていた。実は先程の劉備達のロイミュードに関する会話を密かに聞いていたのだ。

 

一夏「束さん、お待たせしました。」

 

そこに一夏と箒、シャルロット、楯無、簪、千冬がやって来た。露天風呂での一夏争奪戦の後、束が一夏達を呼び出して一夏達は指定した場所に向かった。

 

千冬「こんな所に呼び出して何の用だ?」

 

束「ごめんねちーちゃん、どうしても人目が付かない場所で話したかったから。ねぇいっくん。」

 

一夏「?」

 

束「今のこの世界は楽しい?」

 

一夏「・・・。」

 

一夏は暫く無言を貫いていたが束の質問に答えた。

 

一夏「以前の俺だったらこんな世界なんて生きている意味なんてない、消えてしまいたいって思ってましたよ。」

 

全員「・・・。」

 

一夏の言葉にその場にいる全員が沈黙する。

 

一夏「だけど劉備や呂布、ベルトさんと出会えたことで未来に希望を持つことができた。そして箒達っていう大切で一緒にいてほしい人達とも出会えた。」

 

箒・シャルロット・楯無・簪「「「「///」」」」

 

一夏「だからその恩に報いるためにも俺は戦い続ける。」

 

束「そっか。」

 

束は目の前の少年が世界を変えるため、大切な人達を守るために生きていることに安心した。

 

束「実は束さん、さっきの蛮野天十郎の話こっそり聞いてたんだ。下手すれば束さんもそいつの同類だったかもって。」

 

千冬「確かにそうかもしれんな。」

 

箒「否定はできない。」

 

束「だから束さんもできる限りいっくんのサポートするよ。この世界を元に戻すために。」

 

一夏「分かりました。」

 

束「箒ちゃん達。」

 

箒・シャルロット・楯無・簪「「「「はい。」」」」

 

束「結婚は束さんが何とかするから、いっくんをこれからも支えてあげてね。」

 

箒・シャルロット・楯無・簪「「「「はい!」」」」

 

一夏「・・・。」

 

束「どうしたのいっくん?」

 

一夏「束さんがこんなに優しくなるなんて、明日嵐でも来るか?」

 

束「酷いよいっくん!」

 

箒「すまない姉さん、私も同じことを思っていました。」

 

束「箒ちゃんも酷い!」

 

シャルロット「よっぽど信用されてないんだ。」

 

千冬「それだけのことをしたからな。」

 

楯無「確かに。」

 

簪「うん。」

 

束「うえ~~~ん!みんなが苛める~~~~!!!(ToT)」

 

協力関係を持ったとしても一夏達の束に対する扱いは雑だった。

 

 

 

 

 

 

一夏「・・・。」

 

束との会話を終えた後一夏は夜の海辺にいた。本日は満月で雲一つない景色が広がっていた。束は復活した後やることがあると言って帰った。

 

箒「い、一夏、待たせてすまない。」

 

一夏「あ、箒、・・・!?」

 

そこに箒がやって来た。実は一夏は彼女をここに呼んでいた。だが今の箒の格好は白いビキニタイプの水着を着ていた。一夏は思わず見惚れてしまい凝視した。

 

箒「あ、あんまりじろじろ見るな///」

 

一夏「わ、悪い。」

 

一夏は箒は絶対着るはずがないと思っていたため少し緊張していた。

 

箒「きょ、今日はよく頑張ったな。」

 

一夏「サンキュ。でも俺1人の力だけじゃなくて箒や皆の力があってこそさ。」

 

箒「そうか。今回のことで私も力不足を感じたが・・・。」

 

一夏「その話はもう無しにしようぜ、後悔するよりも失敗をどう活かすかだ。」

 

箒「・・・そうだな。」

 

一夏「ところでどうしたんだそれ?」

 

箒「ああ、これか。お前に呼ばれた後楯無さんが折角ならおめかししていった方がいいと言って///」

 

一夏「そうか。(全く刀奈さんは・・・///)」

 

事情を知っている刀奈に呆れて内心心が熱くなる。それを最後に暫く沈黙が続いたが箒が本命を切り出す。

 

箒「それで、私に何の用だ?」

 

一夏「ああ、そうだったな。これを受け取ってほしくて。」

 

一夏が取り出したのは以前レゾナンスで最後に買ったもので、その正体は白いリボンだった。

 

一夏「誕生日おめでとう・・・箒。」

 

箒「覚えてくれていたのか。」

 

一夏「ああ。丁度思い出してレゾナンスで買ったんだ。」

 

箒「そうか。よ、良かったら一夏が結んでくれないか?」

 

一夏「ああ。」

 

一夏は箒の後ろに立ち、器用にプレゼントのリボンを結んでいつものポニーテールにした。

 

一夏「似合ってるぜ、箒。」

 

箒「あ、ありがとう///」

 

一夏「それとな・・・。」

 

スッ

 

箒「い、一夏?」

 

一夏は右手を箒の頬に手を添えるとゆっくり顔を近づける。そして・・・

 

チュッ

 

箒「っ!?///」

 

箒の唇に自身の唇を重ねるのだった。

 

一夏「此間のお礼だ。」

 

箒「い、一夏///」

 

一夏「嫌だったか?」

 

箒「何を言う!寧ろ嬉しい方だ。ありがとう///」

 

一夏「そうか。これからもよろしくな。」

 

箒「ああ!///」

 

2人が幸せな雰囲気に包まている頃、少し離れた場所で劉備と呂布、クリム、シャルロット、楯無、簪がその様子を見守っていた。クリムに関しては劉備の肩に乗ったシフトスピードで見ていた。

 

劉備「一夏も大胆だな。」

 

呂布「ふっ。」

 

シフトスピード(クリム)「彼のこれからの将来が楽しみだ。」

 

シャルロット「今日は箒に譲ったけど、僕も負けないから!」

 

簪「でもお姉ちゃん、あれはやり過ぎじゃない?」

 

楯無「いいの、いいの♪普通より大胆でいいじゃない♪」

 

簪「はぁ(*´Д`)」

 

簪は姉のやり方にため息をついて呆れてしまった。

 

劉備「これで一夏の悩みは晴れたな。」

 

呂布「守るものができれば戦士は更に強くなる。それが織斑の強さだ。」

 

シフトスピード(クリム)「これからの成長が楽しみだ(^^)」

 

シャルロット「僕達も居場所を作ってくれた一夏をしっかり支えないと!」

 

楯無「そうね。」

 

簪「どんな困難も乗り切ってみせる!」

 

その後彼らは旅館に戻り最後の夜を過ごした。

 

 

 

 

 

翌日

 

本日最終日のため彼らは帰る準備をしていた。一夏達が寝泊まりしている部屋に誰かが訪問してきた。

 

???「失礼するわね。」

 

一夏「えっと、誰ですか?」

 

リョウセン「銀の福音のパイロット、ナターシャ・ファイルスだな?」

 

ナターシャ「ええ。」

 

リュウト「俺達に何か?」

 

ナターシャ「お礼が言いたくて。私とこの子を助けてくれてありがとう。」

 

リュウト「殆ど一夏がやったことさ。」

 

リョウセン「俺達は何もしていない。」

 

一夏「寧ろ礼を言われる程じゃないし。」

 

ナターシャ「それでもよ。あ、それと私夏休み明けに特別顧問としてIS学園に赴任することになったの。」

 

一夏「え?」

 

リョウセン「ドクター束によると、先日の暴走事件で専用機が凍結処分される可能性があったらしい。」

 

リュウト「それを回避するために織斑先生と色々手続きしてIS学園で特別教師になれるようにしたんだってさ。」

 

一夏「知らない間にそんなことが。」

 

ナターシャ「だから次に会う時はIS学園でね♪」

 

ナターシャは最後にウインクしてその場を去った。

 

リュウト「何だかまたトラブルが起きそうな気がする。」

 

リョウセン「ま、試練だと思って乗り越えればいいだけだ。」

 

一夏「そう思っていいのかな?;」

 

そして帰る準備が整い、一夏達はバスに乗って学園へと帰還した。こうして臨海学校の事件は幕を閉じた。

 

つづく



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IS vs 仮面ライダー 前編

臨海学校が終了し、IS学園に帰還した一夏達は変わらず鍛錬に励んでいた。それと同時に期末テストという学業最強の地獄があった。赤点を取れば夏休み中補習があるため全員が必死に勉強した。結果全員赤点回避して有意義な夏休みを送れると歓喜した。

 

そんな夏休み前のある日の放課後、一夏を始めとした仮面ライダー達が千冬に呼ばれて生徒会室に集まっていた。

 

リュウト「仮面ライダーとの模擬戦?」

 

千冬「そうだ。今後どんな敵が現れるか分からない。そこでお前達とその正体を知っている専用機持ち達で練習試合を行うということだ。」

 

リョウセン「つまり、俺達が戦っている相手と互角に渡り合えるように俺達の戦力把握と同時に奴らも鍛えるということだな。」

 

千冬「話が早くて助かる。その時は手加減なしで構わない。」

 

一夏「俺はちょっと不安だな。」

 

刀奈「大丈夫よ一夏君。」

 

そう言って刀奈は扇子を開いた。そこには「心配無用」と書かれていた。

 

刀奈「私達はちょっとやそっとじゃくたばらないから。」

 

一夏「楯無さん。」

 

刀奈「だからね。」

 

一夏「!?」

 

一夏に近づいたと同時に首に腕を回して抱きしめる。

 

刀奈「手加減しなくていいからお願いね。」

 

一夏「・・・。」

 

一夏が刀奈の背中に腕を回して抱き返そうとしたら、

 

千冬「こっほん!」

 

一夏・刀奈「「!?」」

 

千冬がわざと咳払いして2人だけの世界から現実に戻す。

 

千冬「もういいか?」

 

リュウト「愛し合うのはいいけど・・・。」

 

リョウセン「時と場所を考えろ。」

 

一夏・刀奈「「ごめんなさい///」」

 

慌てて一夏と刀奈は離れて顔を赤くして平謝りする。それからは特に問題なく会議が進み、一同は専用機持ちを集めるためにアリーナに向かった。その際刀奈は一夏と腕を組んで歩いていた。

 

 

アリーナ

 

 

アリーナにやって来た一夏達はこれまで関わった仲間達に先程のことを説明した。

 

千冬「ではこれより専用機持ちと仮面ライダーの模擬戦を行う。手を抜かないように!」

 

千冬の号令に全員が力強く頷く。

 

千冬「最初に専用機持ちが篠ノ之、凰、デュノアで行う。」

 

シャルロット「最初は僕達か。」

 

鈴「やってやろうじゃん!」

 

箒「まだ専用機を持って日が浅いが、頑張るか。」

 

千冬「そして仮面ライダーは劉備だ。」

 

劉備「先ずは俺か。」

 

セシリア「1人を相手に3人ですか?」

 

千冬「何度も複数を相手にしたことがあるらしいからな、これぐらい余裕だ。それにお前達も連携能力を高めることができるかもしれんぞ?」

 

ラウラ「成程、まだ我々は互いのことをまだ完全に把握しきれていない。だからこの模擬戦で欠点などを見つけて今後に活かすということですね。」

 

千冬「そういうことだ。では今呼ばれた者以外はピットで待機するように。」

 

真耶「皆さん、こっちですよ。」

 

真耶の案内で移動していき、アリーナには劉備達が残った。

 

劉備「こうして戦うことになるのは初めてだな。」

 

シャルロット「そうですね。」

 

鈴「だからって負けるつもりはないわよ!」

 

箒「私もまだ未熟だが、全力で行くぞ!」

 

3人が光に包まれるとそれぞれ専用機を身に纏った。

 

劉備「それじゃあ俺も。」

 

劉備も戦極ドライバーを装着して戦闘態勢に入る。

 

劉備「変身!」

 

<オレンジ!>

 

オレンジロックシードを解錠すると劉備の上からクラックが開きオレンジアームズが出現する。

 

<ロックオーン!ソイヤ!>

 

<オレンジアームズ!花道・オン・ステージ!>

 

鎧武へと変身完了した。

 

鎧武「ここからは俺のステージだ!」

 

鈴「先手必勝!それ!」

 

鈴は甲龍の衝撃砲である龍咆を鎧武目掛けて放つ。

 

鎧武「ふっ!はっ!」

 

バンバンバン!

 

鎧武は前転して回避し、無双セイバーのバレットスライドをひいてエネルギーをチャージした後、ブライトリガーを引いてムズマソウルから光弾を発射する。その光弾は全て鈴に命中した。

 

鈴「くっ、やるわね!」

 

鎧武「輪切りにしてやるぜ!」

 

箒「二刀流でも負けないぞ!」

 

鎧武が無双セイバーと大橙丸を構えて叫ぶと箒が紅椿の武装である雨月を持って接近する。

 

鎧武「おりゃあ!」

 

箒「ハアアァァ!」

 

ガキィン!ガキィン!

 

鎧武「できるようになったじゃないか!」

 

箒「私とていつまでも弱いままではいられないからな!」

 

鎧武「いい心がけだ!」

 

<パイン!>

 

<パインアームズ!粉砕!デストロイ!>

 

鎧武「おりゃ!」

 

箒「しまった!」

 

シャルロット「させない!」

 

咄嗟にパインアームズに換装し、パインアイアンを投げる。反応に遅れた箒だが、即座にシャルロットが自身が得意とする技能、高速切替を用いて盾を展開して箒を守る。

 

シャルロット「大丈夫?」

 

箒「ああ、すまない。」

 

シャルロット「友達を助けるのは当たり前だから気にしないで。」

 

鈴「1人で戦ってる訳じゃないんだからもっとアタシ達を頼りなさい。」

 

箒「ふ、そうだったな。」

 

鎧武「まだまだ行くぞ!」

 

<イチゴ!>

 

<イチゴアームズ!シュシュッとスパーク!>

 

鎧武「それ!」

 

箒「っ!?・・・危ない!」

 

鈴・シャルロット「「おっと!」」

 

イチゴアームズに換装した鎧武がイチゴクナイを投げるのを見て3人は回避に成功した。

 

鎧武「例え1人では無理でも、仲間との信頼と絆が奇跡を起こすこともある。」

 

シャルロット「え?」

 

鎧武「ちょっとしたアドバイスさ。」

 

箒「仲間との信頼と絆か。」

 

鈴「だったら見せてやろうじゃん、アタシ達の絆を!」

 

ピット

 

 

ピットにいた一夏達も鎧武達の戦いを真剣に見ていた。

 

一夏「流石劉備だ。」

 

呂布「状況によってアームズを変える戦法は鎧武の専売特許だからな。」

 

クリム「完璧に使いこなしているな、葛葉紘汰の力を。」

 

刀奈「そして戦いながらアドバイスする。長いこと戦い続けてきただけのことはあるわね。」

 

簪「信頼と絆・・・。」

 

ラウラ「私もこの学園で少しずつだが友ができた。人としての楽しさも教えてくれた。その恩のためにも私もそれに応えたい。」

 

セシリア「わたくしももっと精進しますわ。」

 

真耶「皆さん最初の頃より変わりましたね。」

 

そして場面はアリーナに戻る。

 

 

アリーナ

 

 

現在鎧武はオレンジアームズに戻っていた。

 

鎧武「流石に対策しているか。」

 

シャルロット「当然です!」

 

箒「何度も見ているからな!」

 

鈴「甘く見ないでよね!」

 

鎧武「だったら次はこれだ!」

 

<バナナ!>

 

鎧武がバナナロックシードを取り出して解錠するとクラックが開き、バナナアームズが出現した。

 

箒「ば、バナナ?」

 

鎧武「行くぞ!」

 

<ロックオーン!ソイヤ!バナナアームズ!Night of Spear!

 

バナナアームズに換装し、アームズウェポンのバナスピアーを構える。

 

鈴「今度はバナナの鎧!?」

 

シャルロット「しかも武器もバナナの槍って・・・。」

 

箒「食べ物の武器ばかりだな。」

 

鎧武「実戦では何が起こるか分からない。それを臨機応変に対応するのが一番大切な事だ!」

 

<バナナスカッシュ!>

 

鎧武「はっ!」

 

スピアビクトリーを発動して箒達に放つが、一瞬戸惑っていた彼女達も気を取り直して回避した。

 

箒「確かに臨海学校の時も福音を沈静した後にブレンとメディックが突然現れた、一々戸惑っているようでは足を引っ張りかねない!」

 

シャルロット「そうだね!」

 

鎧武「次はこれだ!」

 

<ドングリ!>

 

<ロックオーン!ソイヤ!ドングリアームズ!Never give up!

 

今度はドングリロックシードを取り出すとドングリアームズに換装してアームズウェポンのドンカチを武装した。

 

鈴「ドングリ?;」

 

箒「木の実類なら何でもありか?;」

 

シャルロット「だったらこれでどう!?」

 

シャルロットがラファールのアサルトカノン「ガルム」を鎧武に向けて銃撃するが、鎧武は慌てずそのまま立ち尽くす。

 

シャルロット「え!?」

 

鈴「な、何で避けないの!?」

 

鎧武「ふ、そーれ!」

 

カキーン!

 

シャルロット「えーーー!?Σ(; ゚Д゚)」

 

鈴「うそでしょ!?Σ(; ゚Д゚)」

 

箒「そんなバカな!?Σ(; ゚Д゚)」

 

鎧武はドンカチをバットのように構えたら野球のバッティングの如く銃撃を打ち返したのだった。驚愕しながらも箒達は打ち返ってきた砲撃を躱した。

 

 

ピット

 

 

セシリア「ええ!?Σ(; ゚Д゚)」

 

千冬「な、何だと!?Σ(; ゚Д゚)」

 

ピットにいる一夏と呂布以外の面々も驚いていた。

 

簪「す、凄い;」

 

真耶「や、野球みたいに打つ返すなんて;」

 

一夏「そんなに驚くことかな?」

 

呂布「これくらい普通だと思うが?」

 

刀奈「私達にとっては普通じゃないわよ!?;;」

 

クリム「2人共、自分達の感覚を共用しない方がいいぞ。」

 

ラウラ「だが、流石兄上だ。」ウンウン

 

ラウラだけは感心したように頷いていた。

 

 

 

アリーナ

 

シャルロット「僕の攻撃を打ち返すなんて;」

 

鈴「なんてチートな;」

 

箒「だが今までの戦いを見て今更こんなことで驚くなという方が難しいな。」

 

鎧武「驚くのはまだこれからだ!」

 

<ドリアン!>

 

<ドリアンアームズ!Mr.Dangerous!>

 

鎧武「意外に馴染むなこれ。」

 

ドリアンロックシードを取り出すとドリアンアームズに換装し、2本の鋸剣・ドリノコを武装しながら呟く。

 

シャルロット「今度はドリアン;」

 

鈴「味は甘いけど・・・。;」

 

箒「匂いはきついな;」

 

鎧武「考えている時間はないぞ!」

 

鎧武がドリノコで斬りかかろうとすると鈴も甲龍の武装である青龍刀、双天牙月で迎え撃った。

 

鈴「確かに今は考えている暇はないわね!それにしても重いわね!」

 

鎧武「これは投擲武器でもあるぞ!それ!」

 

鈴「投擲ならこっちだって!」

 

ドカーン!

 

ドリノコを箒達に投げると鈴も双天牙月を投げた。2つの武器が中央でぶつかると爆発を起こした。

 

シャルロット「ば、爆発した?;」

 

鈴「言っとくけどアタシの双天牙月はあんな能力ないわよ!;;」

 

箒「ということはあの武器の特徴か。」

 

 

 

ピット

 

 

セシリア「本当に選り取り見取りなんですね、劉備さんの戦いは。」

 

一夏「まあな。」

 

呂布「だがまだまだこんなものではない。」

 

真耶「と言いますと?」

 

クリム「それは見てのお楽しみだ。」

 

 

 

アリーナ

 

鈴「はぁ・・・はぁ・・・強い。」

 

シャルロット「敵わないかもしれないけど、諦めないよ!」

 

鎧武「それじゃ、俺も少し本気を出すか。」

 

すると鎧武は懐からゲネシスコアを取り出す。

 

箒「それは臨海学校の時の!?」

 

鎧武「その通り!」

 

フェイスプレートを外しゲネシスコアを装填するとレモンエナジーロックシードをオレンジロックシードと共に戦極ドライバーに装填した。

 

<オレンジ!>

 

<レモンエナジー!>

 

<ミックス!ジンバーレモン!ハハーッ!

 

鎧武「さっきまでの俺とは、一味も二味も違うぜ!」

 

専用武器のソニックアローのノッキングドローワーを手前に引くとアローレストにエネルギーがチャージされ連続で矢が発射される。

 

鈴「ゆ、弓矢を連続で発射できるなんて!」

 

シャルロット「任せて!ラファール・リヴァイヴ・カスタムII!タイプワイルド!からの~!ギアチェンジ!ランブルドリル!」

 

タイプワイルドにチェンジしてランブルスマッシャーでエネルギーの矢を破壊する。

 

鎧武「やるな。だがこれはどうかな!?」

 

<チェリーエナジー!>

 

<ロックオーン!>

 

<ミックス!ジンバーチェリー!ハハーッ!

 

鎧武はレモンエナジーロックシードを一旦外し、チェリーエナジーロックシードを解錠して装填した。するとジンバーレモンアームズが消え、クラックからオレンジアームズとチェリーエナジーアームズが出現し融合した後ジンバーチェリーアームズとなった。

 

箒「今度はさくらんぼだと!?」

 

鎧武「行くぞ!」

 

鎧武は高速で移動しながらソニックアローのアークリムで3人を切り裂く。

 

シャルロット「は、速い!」

 

鈴「何てスピードなの!?」

 

箒「スピードにはスピードだ!紅椿!タイプスピード!」

 

箒がタイプスピードにタイプチェンジすると鎧武と互角のスピードで斬撃を繰り出す。

 

鎧武「いい判断じゃないか!」

 

箒「この力にはまだ慣れないがな!」

 

ソニックアローと雨月が中央でぶつかると2人は距離を取る。

 

ブーーーッ

 

ここで試合終了のブザーが鳴る。

 

鎧武「ここまでか。」

 

箒「だがいい経験になった。」

 

鈴「次にやる時は絶対負けないんだから!」

 

シャルロット「落ち着いて鈴。」

 

最初の模擬戦はここで終了。次の試合はどんな展開になるのか?

 

つづく



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IS vs 仮面ライダー 中編

突如始まった一夏達仮面ライダーとIS学園の専用機持ちの模擬戦。最初は箒、鈴、シャルロットの3人と劉備が変身した鎧武との試合となったが時間切れとなり引き分けという結果に終わった。

 

一夏「劉備!」

 

呂布「ご苦労だったな。」

 

劉備「まあな。だけど箒達も日に日に実力を上げている。油断はしない方がいいぞ。」

 

クリム「ふむ、そうだな。」

 

千冬「では今のうちに次の試合のメンバーを発表しておこう。」

 

全員の視線が千冬に集まる。

 

千冬「次の試合は専用機持ちがオルコット、ボーデヴィッヒ、更識姉妹だ。」

 

セシリア「わたくし達ですか。」

 

ラウラ「今の自分全てをぶつける!」

 

簪「私も頑張る!」

 

刀奈「いよいよ私の出番が回ってきたわね。」

 

千冬「そして仮面ライダーは呂布だ。」

 

呂布「ふ、相手にとって不足はない。」

 

千冬「今から数分後に行う。それまで英気を養っておくように。」

 

休憩時間を挟み、次の模擬戦の準備に入った。

 

 

 

そして数分後、休憩時間が終わり、呂布、セシリア、ラウラ、更識姉妹はアリーナに出ていた。

 

 

ピット

 

一夏「いよいよだな。」

 

劉備「ああ。ところで箒にシャルロット、何故一夏にくっついているんだ?」

 

劉備の言う通り、箒とシャルロットが一夏の両腕にくっついていた。正に両手に花だ。

 

シャルロット「だって楯無さんがさっき一夏にくっついていたんですよ。抜け駆けですよ!」

 

箒「だから私達もやっているのだ!」

 

劉備「楯無に対する対抗意識か。」

 

そのやり取りに半ば呆れながら劉備はアリーナに目を向けた。だが後に自分も同じことになろうとはこの時は思いもしなかっただろう。

 

一夏「あのさ、これじゃ見え辛いから離れて・・・。」

 

箒・シャルロット「「嫌(だ)!」」

 

一夏「そうですか。」

 

一夏は諦めて試合を見ることにした。

 

千冬「全く。」

 

真耶「あらあら。」

 

鈴「仲がよろしいことで。」

 

クリム「ははは。」

 

 

簪「もう、お姉ちゃんも箒達もずるい!後で私もやる!」

 

それをアリーナから様子を見ていた簪は1人だけ置いてけぼりにされたことに憤慨してした。

 

呂布「さっさと始めるぞ。」

 

セシリア「そうですわね。」

 

ラウラ「今まで師匠達に鍛えてもらった成果を発揮する!」

 

刀奈「生徒会長の力、見せてあげるわ!」

 

簪「私も頑張る!」

 

4人はそれぞれ自分の専用機を身に纏った。

 

呂布「それが貴様の専用機か、生徒会長。」

 

刀奈「そ、ロシア代表の更識楯無の専用機、霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)よ!」

 

呂布「では、こちらもいくぞ。」

 

呂布はゴーストドライバーを装着し、変身準備をする。

 

<アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

呂布「変身!」

 

<カイガン!オレ!レッツゴー!覚悟!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!>

 

ゴーストに変身完了した。

 

ゴースト「命、燃やすぜ!」

 

 

セシリア「先ずはわたくしが!はっ!」

 

ゴースト「ふっ!」

 

セシリアがスターライトを撃つがゴーストはバック転で躱した。そしてゴーストはガンガンセイバーをゴーストドライバーから取り出してすぐにゴーストドライバーとアイキャッチさせる。

 

<ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!>

 

ゴースト「はっ!」

 

セシリア「インターセプター!」

 

ガキィン!

 

<オメガブレイク!>

 

ゴースト「そんなものか!」

 

セシリア「きゃあ!?」

 

セシリアも近接武器・インターセプターを出して応戦するがオメガブレイクの威力でアリーナの壁ギリギリまで後退りした。

 

セシリア「くっ、やりますわね。」

 

ラウラ「今度は私だ!」

 

次にラウラがレールカノンを放つもこれもゴーストは躱す。

 

ラウラ「もらった!」

 

ゴースト「ッ!」

 

だがラウラはその瞬間を狙って手を翳してAICを起動させゴーストの動きを止めた。

 

ラウラ「簪、今だ!」

 

簪「山嵐・・・ファイヤー!」

 

そして簪が装甲を展開させてミサイルポッドを装着し、計48発のミサイルが追撃する。

 

ゴースト「前より連携できるようになったか。だが!」

 

ドカーン!

 

簪「命中!」

 

ラウラ「油断するな!師匠はこれくらいでやられはしない。」

 

簪「あ、そっか。」

 

そして徐々に煙がそこにはゴーストの姿はなかった。

 

簪「い、いない!?」

 

セシリア「消えた!?」

 

ゴースト「作戦としては良かったが、相手を選んで実行するべきだったな。」

 

別の場所にゴーストが無傷でいた。

 

セシリア「い、一体どうやって!?」

 

刀奈「きっと名前の通りゴーストだからよ。」

 

簪「そっか!幽霊みたいに消えて回避したんだ!」

 

ゴースト「そういうことだ。」

 

 

 

ピット

 

 

一夏「自分の特徴を活かして戦況を自分に傾かせる。」

 

劉備「どんな戦場でも必要なことだ。」

 

千冬「自分の力を過信せずに向上心を持つ、ということか。」

 

箒「私ももっと自分の力を把握しておかなくては。」

 

 

ゴースト「ではこちらも少し手の内を見せるか。ビリー・ザ・キッド!」

 

カチッ

 

<アーイ!カイガン!ビリー・ザ・キッド!百発!百中!ズキューン!バキューン!>

 

簪「ビリー・ザ・キッド!?」

 

刀奈「アメリカで有名な西部劇のガンマンじゃない!」

 

ゴースト「はっ!」

 

ババン!ババン!

 

ガンモードにしたガンガンセイバーとバットクロックの二丁拳銃を用いてセシリア達に銃撃した。

 

セシリア「きゃ!」

 

ラウラ「くっ!」

 

刀奈「危な!」

 

簪「流石はアメリカ開拓時代のガンマン!」

 

ゴースト「これを受けきれるか!?はっ!」

 

<ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!>

 

カチカチカチカチ

 

ゴーストはガンガンセイバーとバットクロックを合体させてライフルモードにするとゴーストドライバーとアイキャッチさせて複数の蝙蝠のエフェクトや時計の刻む音と共に目の紋章を模したスコープで狙いを定める。

 

<オメガインパクト!>

 

ゴースト「くらえ!」

 

刀奈「皆避けて!」

 

ドーン!

 

刀奈の掛け声に反応して咄嗟に4人は攻撃を回避した。攻撃が当たった場所はそれほど大きくないがクレーターができていた。

 

 

 

ピット

 

 

真耶「すごい威力です!」

 

千冬「嘗ての偉人の力がこれ程とは。」

 

箒「流石は一夏が目標としている1人なだけはあるな。」

 

一夏「ああ。」

 

劉備「そう簡単に追いつかれたりはしないぞ。」

 

一夏「望むところだ!」

 

シャルロット「頑張ってね一夏!」

 

 

 

ゴースト「次はこれだ。ベートーベン!」

 

カチッ

 

<アーイ!カイガン!ベートーベン!曲名!運命!ジャジャジャジャーン!>

 

ゴーストはベートーベン魂にゴーストチェンジした。

 

ラウラ「ベートーベンだと!?」

 

セシリア「有名な作曲家までいるんですか!?」

 

ゴースト「さあ、コンサートの開幕だ!」

 

するとベートーベンの代表曲:運命と共に指揮者のように手を動かしてエネルギー振動波をセシリア達にぶつけた。

 

セシリア「きゃあ!」

 

ラウラ「く!」

 

簪「なんて攻撃!」

 

刀奈「流石は有名な作曲家なだけはあるわね!」

 

ゴースト「まだまだ行くぞ!ベンケイ!」

 

カチッ

 

<アーイ!カイガン!ベンケイ!アニキ!ムキムキ!仁王立ち!>

 

ベンケイ魂にゴーストチェンジしてガンガンセイバーをナギナタモードにするとクモランタンが合体し、ハンマーモードにした。

 

簪「ベンケイって、武蔵坊弁慶!?」

 

刀奈「源義経に仕えた僧兵ね!」

 

ゴースト「ふっ!」

 

<ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!>

 

 

ゴースト「行くぞ!」

 

<ダイカイガン!ベンケイ!>

 

 

ゴースト「ハアアアアアアアアアアア!」

 

<オメガドライブ!オメガボンバー!>

 

ドーン!

 

セシリア「キャアアアアアアア!?」

 

ラウラ「うわああああああああ!?」

 

簪「セシリア!」

 

刀奈「ラウラちゃん!」

 

簪と刀奈はギリギリ回避できたがセシリアとラウラは直撃した。

 

『ブルー・ティアーズ及びシュヴァルツェア・レーゲン、シールドエネルギーエンプティ!』

 

ここでセシリアとラウラは戦線離脱となった。

 

 

 

ピット

 

 

劉備「相変わらず容赦ないな、呂布の奴は;」

 

一夏「だけどあれでも手加減しているんだろ?」

 

劉備「まあな;」

 

鈴「あ、あれでも本気じゃないっていうの!?」

 

劉備「ああ。下手をすればISも破壊されてる。」

 

箒「ISを破壊するほどの力、か。」

 

シャルロット「使い方を間違えれば取り返しのつかないことになるっていうのはこのことなんだね。」

 

真耶「よく気づけましたね。」

 

千冬「それが分かっただけでもいい前進だ。」

 

 

セシリア「ここまでですか。」

 

ラウラ「流石は師匠だ。」

 

簪「2人共大丈夫?」

 

セシリア「はい。」

 

ラウラ「何とかな。」

 

ゴースト「その2人を移動させる時間をやる。」

 

刀奈「感謝するわ。」

 

刀奈と簪はセシリアとラウラを安全な場所に移動させた。

 

刀奈「お待たせ。」

 

簪「でも勝負はこれから。」

 

ゴースト「では、そろそろクライマックスと行こうか!」

 

カチッ!ボッ!

 

<一発闘魂!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!>

 

ゴースト「変身!」

 

闘魂!カイガン!ブースト!俺がブースト!奮い立つゴースト!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!ゴー!ファイ!

 

闘魂ブースト魂へと変身した。

 

簪「臨海学校の時の!?」

 

刀奈「私も初めて見るわね。」

 

サングラスラッシャー!

 

ゴースト「手加減なしで来い!」

 

簪「だったらこっちも!打鉄弐式!タイプテクニック!」

 

簪は左手にドア銃、右手に超振動薙刀、『夢現』を構える。

 

ゴースト「ハアアァァ!」

 

簪「ヤアアアア!」

 

ガキィン!

 

ゴースト「はっ!」

 

バキュン!

 

簪「負けない!」

 

バン!

 

最初はサングラスラッシャーと夢現がぶつかり合い、ゴーストがサングラスラッシャーをソードモードからブラスターモードに変形させて射撃すると簪もドア銃で応戦して打ち消す。

 

刀奈「私も忘れないでね!」

 

ゴースト「忘れてはいないぞ!」

 

ガキィン!

 

すかさず刀奈が特殊ナノマシンによって超高周波振動する水を螺旋状に纏ったランス、『蒼流旋』を用いて突撃するもゴーストは直ぐにサングラスラッシャーをソードモードに変形させて鍔迫り合いをした。

 

 

 

ピット

 

 

千冬「学園最強と言われる更識姉と互角に戦えるとはな。」

 

一夏「生徒会長の肩書きは伊達じゃないってことか。」

 

劉備「だけど呂布のゴーストの力はまだまだこんなものじゃない。」

 

箒「というと?」

 

劉備「見てのお楽しみだ。」

 

 

アリーナでは刀奈とゴーストが一旦距離を取っていた。

 

刀奈「流石ね。でもまだまだこれからよ!」

 

ゴースト「ではこちらも見せるとしよう!ゴエモン!」

 

カチッ

 

<アーイ!カイガン!ゴエモン!歌舞伎!ウキウキ!乱れ咲き!>

 

 

 

ピット

 

 

シャルロット「ゴーストチェンジ!?」

 

鈴「あの姿でもできるの!?」

 

 

 

刀奈「ゴエモンってことは石川五右衛門ね。」

 

簪「安土桃山時代の大盗賊。」

 

ゴースト「大技行くぞ!」

 

カチッ

 

<メガマブシー!メガマブシー!>

 

<闘魂!ダイカイガン!>

 

刀奈「こっちも行くわよ!」

 

ゴーストがサングラスラッシャーにオレゴーストアイコンと闘魂ブーストゴーストアイコンを装填すると逆手に持って必殺技の体勢に入り、刀奈も蒼流旋を構えて迎え撃つ準備をする。

 

ゴースト「ハアアァァ!」

 

刀奈「ヤアアアア!」

 

<メガ!オメガシャイン!>

 

2人はすれ違うと背中合わせになる。

 

ゴースト「!?」

 

ドカーン!

 

すると突然ゴーストの周りに霧が立ち込めると爆発が起こった。幸いにもゴーストはギリギリ回避した。

 

ゴースト「これは、水蒸気爆発?」

 

刀奈「そ、ナノマシンで構成された水を霧状にして発熱させて水蒸気爆発させる清き熱情(クリア・パッション)よ。」

 

ゴースト「成程、気づかないうちに仕掛けていたか。」

 

刀奈「う!」

 

簪「お姉ちゃん!?」

 

ゴースト「どうやら先程のダメージが大きかったようだな。」

 

刀奈は先程のぶつかり合いでダメージを受けていたようでその場で片膝をついた。

 

刀奈「ごめん簪ちゃん、お姉ちゃんはここまでみたい。」

 

簪「分かった。後は任せて。」

 

残るは簪だけとなった。

 

 

ゴースト「では次はこれといこう。リョウマ!」

 

カチッ

 

<アーイ!ガイガン!リョウマ!目覚めよ日本!夜明けぜよ!>

 

簪「今度は坂本龍馬!?」

 

ゴースト「行くぞ!」

 

<メガマブシー!メガマブシー!>

 

<闘魂!ダイカイガン!>

 

ゴーストはサングラスラッシャーをブラスターモードにすると再びオレゴーストアイコンと闘魂ブーストゴーストアイコンを装填した。同時に銃口付近に目の照準が出現する。

 

簪「あの技を迎え撃つにはこれしかない!」

 

簪はドア銃にシフトテクニックを装填した。

 

FINISHER(ヒッサーツ)!TECHNIC!FULL THROTTLE!>

 

ゴースト「命、燃やすぜ!」

 

簪「いっけーーー!」

 

<メガ!オメガフラッシュ!>

 

ドカーン!

 

タイプテクニックのパーフェクショットとサングラスラッシャーから放たれた真っ赤なレーザービームのメガオメガフラッシュが中央でぶつかり爆発を起こす。

 

ピット

 

 

一夏「簪!」

 

箒「どうなったのだ?」

 

シャルロット「・・・!見て!」

 

シャルロットが指を刺した方向を見ると何事もなかったように立っているゴーストと息が絶え絶えになっている簪がいた。

 

 

簪「はぁ・・・はぁ・・・やっぱり強い。」

 

ゴースト「貴様も中々やるな。」

 

ブーーーッ

 

ゴースト「ここまでか。」

 

簪「模擬戦、ありがとうございました。」

 

ゴースト「こちらも良い経験をさせてもらった。感謝するぞ。」

 

第二試合は事実上ゴーストの勝利で幕を閉じた。次はいよいよドライブの出番だ。

 

つづく

 

 



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IS vs 仮面ライダー 後編

仮面ライダーとIS専用機持ちの模擬戦。2回戦はセシリア、ラウラ、更識姉妹の4人と呂布が変身するゴーストの対決となった。結果、セシリアとラウラが最初に戦闘不能になり、刀奈が途中で力尽き、簪が最後まで生き残った。そしてタイムアップとなりゴーストの事実上の勝利となった。

 

一夏「やっぱり強いな呂布は。」

 

呂布「ふ、俺とてあれで本気ではない。」

 

劉備「まあもし本気でやったら相手は死んでるからな。」

 

鈴「怖いこと言わないで!;」

 

一夏「楯無さん、簪、お疲れ様。」

 

刀奈「ありがとう一夏君。」

 

簪「でも何とか頑張ったけどギリギリだった。」

 

一夏「ああ、よく頑張ったな。」

 

簪「ふえっ!?///」

 

箒・シャルロット・刀奈「「「ああーーー!?」」」

 

呂布「ほぉ。」

 

劉備「大胆。」

 

クリム「やるねぇ。」

 

一夏は簪を抱きしめて労いの言葉をかける。簪は突然のことで顔を赤面させたがすぐに冷静になって嬉しくなって一夏を抱きしめ返した。

 

刀奈「簪ちゃん羨ましい!」

 

一夏「じゃあ楯無さんには・・・。」

 

刀奈「ふわっ!?・・・これはこれでいいかも///」

 

簪の様子を羨ましがった刀奈は妬いていたが一夏が頭を撫でたことで機嫌を直した。

 

箒「ずるいぞ2人共!」

 

シャルロット「僕だってまだ一夏にそこまでしてもらったことないのに!」

 

真耶「あらあら。」

 

千冬「早速これか。」

 

ラウラ「これが修羅場というのか。」

 

セシリア「ですが殿方がおられると必死になれるのは良いことですわ。」

 

千冬「では織斑、次でお前が最後だ。」

 

一夏「いよいよ俺か。」

 

千冬「そしてその相手は・・・この私だ。」

 

一夏「え!?」

 

劉備「千冬自ら!?」

 

呂布「珍しいな。どんな風の吹き回しだ?」

 

千冬「勿論私が戦ってみたいのもあるが、何より弟がどれだけ成長したか姉として確かめたいのだ。」

 

一夏「千冬姉。」

 

クリム「これは受けない理由はないな。」

 

一夏「ああ!」

 

呂布「全力でぶつかってこい。」

 

一夏「ああ。」

 

刀奈「頑張ってね一夏君。」

 

簪「応援してるよ。」

 

シャルロット「織斑先生は強いよ。」

 

箒「油断するな。」

 

一夏「分かってる。」

 

千冬「では、10分後に始める。しっかり準備するよくに。」

 

一夏「はい。」

 

最後の模擬戦はなんと一夏vs千冬の姉弟対決となった。

 

 


 

 

そして10分後、一夏と千冬はアリーナの真ん中にいた。

 

千冬「遠慮はいらない。思い切り来い!」

 

一夏「ああ!行くぜベルトさん!」

 

クリム「OK!Start Your Engine!!」

 

一夏はクリムのイグニッションキーを回し、シフトブレスにシフトスピードを装填して倒した。

 

一夏「変身!」

 

<DRIVE! Type-SPEED!>

 

ガコンッ!

 

ドライブ「ひとっ走り付き合えよ!」

 

千冬「では私も!」

 

千冬も訓練機の打鉄を身に纏った。

 

 

ピット

 

セシリア「いよいよですわね。」

 

真耶「先輩と織斑君。どんな戦いになるのでしょう。」

 

ラウラ「教官は強いことは知っている。だがライダーとして戦っている一夏も負けてはいない。」

 

簪「臨海学校の時はデッドヒートまでパワーアップできたけど・・・。」

 

シャルロット「デッドヒートは扱いが難しいからね。」

 

箒「そこは一夏も考えているだろう。」

 

劉備「これが最後の試合だな。」

 

呂布「ああ。・・・ところで生徒会長、何故ビデオカメラを構えているのだ?」

 

そう、刀奈はどこから取り出したのかビデオカメラを用意していた。

 

刀奈「だって一夏君の勇姿をちゃんと記録しておかないといけないでしょ?」

 

劉備「そんなことしなくてもシステムが記録しているはずだけど・・・。」

 

刀奈「それはそれ、これはこれよ。」

 

劉備「そうですか;」

 

劉備は刀奈のやり方に諦めることにした。

 

簪「お姉ちゃん、後で私にも見せて。」

 

刀奈「いいよ。」

 

箒「ならば私も。」

 

シャルロット「僕も!」

 

呂布「やれやれ。」

 

流石の呂布もその光景に呆れた。

 

ドライブ「行くぞ!」

 

千冬「来い!」

 

ドライブがハンドル剣を、千冬が葵を構えて中央で交えた。

 

<Turn!>

 

ドライブ「受けきれるかな!?」

 

DRIFT SPIN(ドリフトカイテーン)!>

 

ドライブ「ハアアアアアアアアアアア!」

 

千冬「真っ向勝負か。受けて立とう!ハァ!」

 

ガキィン!ギギギギギギギギギギギギ!

 

ドライブがドリフトスラッシュで回転しながら千冬に接近すると、千冬も葵で迎え撃つ。そして激しい火花が散った。

 

ドライブ「うわぁ!?」

 

千冬「くっ!?」

 

クリム「一夏、大丈夫か!?」

 

ドライブ「何とか。」

 

鍔迫り合いが続いていたがお互い後退した。

 

クリム「現役を引退したとはいえ、油断はできないな。」

 

ドライブ「ああ、流石千冬姉だ。だからこそ今の俺の全力をぶつける!」

 

TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)

 

ガコン!

 

<MIDNIGHT SHADOW!>

 

ドライブ「ここからがトップギアだ!」

 

<SHA・SHA・SHADOW!>

 

ドライブはミッドナイトシャドーにタイヤ交換した後、分身を作り出した。

 

ドライブ「「「「「行くぜ!ハッ!」」」」」

 

千冬「分身能力か、厄介だな!」

 

千冬は分身したドライブの手裏剣攻撃に翻弄されるが、直ぐに見切り1体のドライブ目掛けて突っ込んだ。

 

ドライブ「うおっと!?何で分かったんだ?」

 

千冬「勘だ!」

 

ドライブ「勘かよ!?」

 

 

 

ピット

 

 

劉備「やるな一夏。」

 

呂布「ああ、まだ甘いところがあるが強くなった。」

 

劉備「それにしても勘で本物の一夏を当てるなんて・・・。」

 

呂布「最強の肩書きは伊達ではないということだな。」

 

真耶「でも織斑君も先輩と互角に戦えてますね。」

 

劉備「ん?先輩?」

 

真耶「実は私、織斑先生の後輩なんです。」

 

呂布「初耳だな。」

 

真耶「言う機会があまりありませんでしたから。」

 

シャルロット「一夏、大丈夫かな?」

 

刀奈「彼を信じましょう。」

 

簪「うん。」

 

箒「負けるな、一夏。」

 

 

アリーナ

 

 

クリム「一夏、タイプワイルドで行くぞ!」

 

ドライブ「分かった!」

 

<DRIVE! Type-WILD!>

 

ガコン!

 

ドライブ「ここからはパワー勝負だ!」

 

千冬「そう来たか。」

 

タイプスピードでは不利と考えたクリムはタイプワイルドで立ち向かうことを提案し、ドライブは直ぐにタイプワイルドに変身した。

 

ドライブ「おりゃあ!」

 

千冬「ぐっ!?」

 

アメフト選手さながらのタックルで千冬にダメージを与えるが、千冬もただではやられず瞬時加速で最小限に抑えた。

 

千冬「やるな。」

 

千冬は上空に離脱する。

 

ドライブ「逃がさないぜ!」

 

TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)

 

ガコン!

 

<HOOKING WRECKER!>

 

 

ピット

 

 

ラウラ「あ、あれは・・・。」

 

ドライブがフッキングレッカーにタイヤ交換した途端、一番印象が残っているラウラが青ざめた。

 

真耶「ボーデヴィッヒさん?」

 

鈴「どうしたの?」

 

呂布「以前フッキングレッカーでひどい目に遭ったからな。」

 

セシリア「そういえばそうでしたね;」

 

劉備「一夏、トラウマ植え付けちゃったな。」

 

シャルロット「あの時の一夏えげつなかった。」

 

箒「まああれはラウラにも原因があるが。」

 

 

 

アリーナ

 

 

ドライブ「そーれ!」

 

千冬「ボーデヴィッヒのようになると思うな!」

 

ガキィン!

 

フッキングレッカーのフックを千冬に投げるが葵で弾く。

 

ドライブ「弾かれたか。」

 

千冬「後言っておくがボーデヴィッヒにやったことはトラウマを植え付けるみたいだからオススメしないぞ。」

 

クリム「私も同意見だ。」

 

ドライブ「分かった。」

 

2人に説得され今後の使い方を考えるのであった。

 

ドライブ「だったらこれで行くか!」

 

<DRIVE! Type-TECHNIC!>

 

ガコン!

 

千冬「今度はテクニックか。」

 

ドライブ「はっ!」

 

バン!バン!バン!

 

千冬「くっ!正確に狙ってくるか!」

 

千冬はこの時タイプテクニックの精密な射撃に厄介さを感じた。だが焦ることなく対処しながら回避していく。

 

ドライブ「先ずは動きを止めないといけないな。」

 

クリム「ウィンターを使え!」

 

ドライブ「おう!」

 

TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)

 

ガコン!

 

<ROAD WINTER!>

 

埒が明かないと判断したドライブはクリムの助言を受け、ロードウィンターにタイヤ交換し前方に雪の結晶が描かれた円盤をぶら下げたような姿になった。

 

 

ピット

 

シャルロット「あ、ロードウィンターだ。」

 

箒「ドライブではあんなタイヤか。」

 

刀奈「一瞬雪だるまが出たわね。」

 

簪「雪上車だからかな?」

 

真耶「なんか可愛いです///」

 

全員「「え?;」」

 

 

アリーナ

 

 

ドライブ「寒いぜ!」

 

<WIN・WIN・WINTER!>

 

レバーを3回倒すと千冬目掛けて円盤から冷気が発射された。するとたちまち地面が凍り付いた。

 

千冬「流石に氷漬けは御免だ!」

 

だが回避に間に合わなかったのか千冬の足の一部が凍ってしまった。

 

千冬「しまった!」

 

ドライブ「こいつで決めるぜ!来い、デッドヒート!」

 

ドライブがそう叫ぶと同時にシフトデッドヒートが飛んできてそれを掴んだ。

 

 

 

ピット

 

 

劉備「ここでデッドヒートか!」

 

呂布「タイヤが破裂する前に決着をつけるつもりだろう。」

 

刀奈「また暴走しないか不安だわ。」

 

劉備「まあその時は俺達で止めればいいさ。荒療治になるけど・・・。」

 

簪「確かに;」

 

 

アリーナ

 

ドライブ「ベルトさん、ひとっ走り付き合えよ!」

 

クリム「OK!」

 

<DRIVE! Type-DEAD HEAT!>

 

ドカーン!

 

タイプデッドヒートに変身すると同時にドライブの周りが爆破する。

 

千冬「くっ!これがデッドヒートか。」

 

爆破の余波で千冬も吹っ飛ばされ、凍っていた足も溶けていた。

 

ドライブ「更に熱くいくぜ!」

 

TIRE CHANGE(タイヤコウカーン)

 

ガコン!

 

<MAX FLARE!>

 

更にマックスフレアにタイヤ交換してパワーアップする。

 

ドライブ「この一撃に、俺の全てを賭ける!」

 

FINISHER(ヒッサーツ)FULL THROTTLE!FLARE!

 

千冬「ふ・・・嘗てはお前に何もしてやれなかった駄目な姉だが・・・無様に負けるわけにはいかないな!私も全力で迎え撃とう!」

 

千冬も葵を構えて瞬間加速でドライブとの距離を詰め、ドライブもフレアバージョンのデッドヒートドロップで千冬に突っ込んだ。そして中央でぶつかり合うと激しい爆風が起こった。

 

 

ピット

 

 

劉備「くっ!凄い爆風だ!」

 

呂布「これが今の奴らの全力か!見ているこっちも血が昂るぞ!」

 

セシリア「気を抜いたらこっちが精神を抉られますわ!」

 

箒「一夏!」

 

ラウラ「教官!」

 

鈴「どうなったの!?」

 

 

アリーナ

 

 

ドライブ「はぁ・・・はぁ・・・。」

 

千冬「はぁ・・・はぁ・・・。」

 

土煙が晴れるとそこには疲れ切ったのか肩で息をしているドライブと千冬の姿があった。そして・・・、

 

ブーーーッ

 

試合終了のブザーが鳴り響いた。

 

千冬「・・・強くなったな、一夏。」

 

ドライブ「ベルトさんや、劉備達のお陰さ。」

 

仮面越しで分からないが満足した感じだと千冬は思った。

 

クリム「Nice Driveだったぞ。」

 

 

ピット

 

 

呂布「全く、しょうがない姉弟だ。」

 

真耶「いいじゃないですか、2人共満足そうですし。」

 

セシリア「ですが、凄い戦いでしたね。」

 

ラウラ「ああ。」

 

劉備「一夏も頑張ったな。本当に強くなった。」

 

鈴「ええ。もう千冬さんと比べられた頃の一夏じゃないわね。」

 

箒「よく頑張ったな、一夏。」

 

シャルロット「かっこよかったよ。」

 

刀奈「流石私達が惚れた男ね♪」

 

簪「うん。」

 

その後戻ってきた一夏に箒達が駆け寄って労った。こうして仮面ライダーとIS専用機持ちの模擬戦は幕を閉じた。そしていよいよ夏休みへと突入する。

 

つづく



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夏休み編
織斑家の夏休み


夏の真っ只中、世間では夏休みに入っている。IS学園も例外ではない。IS学園の生徒は故郷に帰還する者や学園に残る者等様々だ。

 

そんな夏休みのある日曜日、ある家の前に1人の金髪少女が立っていた。シャルロット・デュノアだ。

 

シャルロット「・・・・。」

 

彼女は緊張した様子でその家の表札をまじまじと見つめていた。表札には『織斑』と書かれていた。そう一夏の家だ。

 

シャルロット「大丈夫!今日は家にいるって言ってたんだもん。」

 

そう自分に言い聞かせてシャルロットはインターフォンに手を伸ばそうとしたが、指先がボタンに近づくにつれて心臓の脈打ちが早くなる。

 

ドクン!ドクン!

 

シャルロット「ああもう!折角の一夏の家だっていうのに何やってるの僕!」

 

一旦手を引っ込めて頭をガシガシとかきまわし自分にイライラするシャルロット。いくら一夏と付き合っているとは言え彼氏の家に来ると誰だって緊張するのだ。

 

シャルロット「じゃあ改めて!」

 

???「あれ?もしかしてシャルか?」

 

シャルロット「え?」

 

意を決してもう一度インターフォンに手を伸ばそうとした時背後から突然声を掛けられた。それも男の声で聞き覚えがあり、即座に後ろを振り向いた。そこには買い物袋を下げて立っていた一夏がいた。

 

シャルロット「う、うわぁああッ!!? い、いい一夏!?」

 

一夏「いや、そこまで驚くことないだろ?」

 

シャルロット「ご、ごめん。いきなり後ろに立ってたからびっくりしちゃって。」

 

一夏「ああ、悪い。コンビニに寄っててさ、そしたらシャルが家の前で何かしてて・・・。」

 

シャルロット「あ、えっと・・・。」

 

一夏「?」

 

シャルロット「き、来ちゃった///」

 

一夏「そ、そうか。(一瞬可愛いって思ってしまった///)」

 

シャルロット(うわぁ~///僕の馬鹿!僕の馬鹿!恥ずかしがることないのに~///!)

 

一夏「じゃあ上がっていけよ。」

 

シャルロット「うん♪」

 

喜びを感じながらシャルロットは一夏に付いていった。

 

 

 

 

一夏が玄関の扉を開けて中に入ると、既に靴がいくつかあって奥で掃除機の音が鳴っていた。

 

シャルロット「え・・・?」

 

まさかと思い、慌てて一夏を追いかけ居間へ続く扉を開くと、

 

一夏「ただいま。」

 

劉備「あ、一夏おかえり。」

 

呂布「デュノアも一緒だったか。」

 

シャルロット「な、何で劉備さんと呂布さんがここにいるの!?」

 

台所で食器を洗っている劉備と掃除機をかけている呂布がいた。

 

一夏「ああシャルは知らなかったっけ?2人はここで居候してるんだ。」

 

シャルロット「な!?」

 

劉備「ただで暮らす訳にはいかないからな・・・。」

 

呂布「働かざる者食うべからずだ。」

 

シャルロット「そ、そっか。」

 

一夏「すまないな、家のことしてもらって。」

 

呂布「気にする必要はない。」

 

劉備「俺達は仲間だからな。それにしてもまさかシャルロットまでも来るなんてな。」

 

呂布「ああ。」

 

シャルロット「え、僕までも?」

 

???「あ、一夏君おかえりなさい。」

 

???「2階の掃除終わったよ。」

 

シャルロット「え?」

 

劉備達の言葉に疑問を感じていると誰かが居間に入ってきた。その人物はシャルロットも知っていた。

 

刀奈「あ、シャルロットちゃん。」

 

簪「いらっしゃい。」

 

シャルロット「な、何で楯無さんと簪まで!?」

 

玄関に靴が沢山あることは知っていたがまさか刀奈と簪だとは思いもしなかった。

 

一夏「2人は1時間くらい前にここに来たんだ。」

 

シャルロット「え!?」

 

劉備「それで一緒にこの家のことを手伝ってくれてたって訳だ。」

 

呂布「人手が欲しかったのもあるがな。」

 

シャルロット「そうなんだ。(;´д`)トホホ」

 

一夏「そう落ち込むなよ。今度埋め合わせしてやるから。」

 

シャルロット「本当!?」

 

一夏「約束するよ。」

 

シャルロット「絶対だよ!」

 

一夏「お、おう;」

 

ずいっと顔を近づけるシャルロットに一夏も困惑するのだった。

 

簪「一夏・・・。」

 

刀奈「私達のことも忘れないでよね。」

 

一夏「は、はい。」

 

更識姉妹に嫉妬の視線を向けられて一夏は気を付けようと心に誓った。

 

劉備「あのさ皆。」ジト目

 

呂布「俺達がいることを忘れてないか?」ジト目

 

全員「「はっ!」」

 

一夏「ご、ごめん。」

 

シャルロット「そういえば、ベルトさんは?」

 

一夏「学園のドライブピットだ。今後のこととかの準備で忙しいからそれが終わったら顔を出すってさ。」

 

劉備「これからの戦いは更に激しくなる可能性は高い。」

 

呂布「備えあれば患いなしだ。」

 

シャルロット「成程。」

 

一夏「皆、疲れただろうしソファーで寛いでくれ。冷たい麦茶入れるよ。」

 

シャルロット「分かった。」

 

劉備「すまない。」

 

刀奈「ありがとう。」

 

呂布「頂こう。」

 

簪「うん。」

 

一夏は台所に向かい、劉備達はリビングのソファーに腰掛けた。

 

 

 

一夏「ほい、麦茶。」

 

劉備「ありがとう。」

 

呂布「暑い日にはやはり冷たい茶だな。」

 

一夏「でも今朝作ったやつだから薄いかもしれないけど・・・。」

 

シャルロット「ううん、そんなことないよ。」

 

刀奈「ええ。」

 

簪「冷たくて美味しい。」

 

一夏「そっか、良かった。」

 

劉備「あとここにいないのは箒だけか。」

 

呂布「篠ノ之ならもう少しで到着すると先程連絡があったぞ。」

 

シャルロット「え、箒も来るの?」

 

刀奈「そうみたいよ。」

 

簪「もしかして知らなかったの?」

 

シャルロット「あ、あはは;(折角一夏と二人きりで話そうと思ってたのに想定外すぎるよ~。)」

 

シャルロットは一夏と過ごせる時間が無くなっていくことに心の中で落胆するのだった。

 

ピンポーン

 

劉備「お、噂をすれば。」

 

呂布「来たようだな。」

 

一夏「俺が出るよ。」

 

インターフォンが鳴り、玄関に向かった一夏は扉を開けた。そこには確かに箒がいた。

 

一夏「いらっしゃい箒。」

 

箒「お邪魔するぞ一夏。それにしても靴が多いがまさか・・・。」

 

一夏「ああ。劉備達だけじゃなく楯無さん達もいるぞ。」

 

箒「やはり考えることは同じか。」

 

一夏「まあ上がれよ。」

 

箒「ああ。」

 

一夏に招かれ箒もリビングに入った。

 

 

箒も交えてリビングでは一夏達が楽しく過ごしていた。すると箒が何か思い出したのか劉備達に質問してきた。

 

箒「そうだ。皆明日の夜時間があるか?」

 

劉備「特にはないけど?」

 

呂布「俺もだ。クリムも今夜には顔を出せると言っていた。」

 

簪「私も予定はない。」

 

シャルロット「僕もだよ。」

 

刀奈「私もよ。それがどうかしたの箒ちゃん?」

 

箒「実は私の実家に来れないかと思って。」

 

劉備「箒の実家って確か・・・。」

 

呂布「篠ノ之神社だったな。」

 

一夏「あ、そっか。明日は篠ノ之神社の夏祭りだったな。」

 

劉備「え?あそこ夏祭りやってたのか?」

 

箒「ああ。一夏にとっては久しぶりだが、皆にとっては初めてだからな。折角だから招待しようと思ったのだ。」

 

シャルロット「そうだったんだ。」

 

簪「ありがとう箒。」

 

箒「それに劉備やクリム達にも是非来てほしかったのだ。」

 

呂布「何故だ?」

 

箒「一夏を助けてくれたお礼がまだだったからだ。」

 

劉備「いやお礼だなんて・・・、俺達はただこの世界の仮面ライダーの仲間を捜していて偶々一夏を見つけただけだ。」

 

箒「それでも今こうして一夏がいるのも2人のお陰であるのも事実だ。だから楽しんでほしいのだ。」

 

劉備「そっか。なら、お言葉に甘えようかな。」

 

呂布「そういうのも悪くはないな。」

 

刀奈「なら明日は浴衣を着てこないとね♪」

 

簪「わ、私も着ようかな///」

 

シャルロット「僕は日本の祭りが初めてだから凄く楽しみ!」

 

一夏「久しぶりの祭りか。ゆっくり息抜きしようと。」

 

明日の予定が決まり一夏達はトランプなどで豪遊し、夕食の時間となった時一夏が料理を振る舞った。その時劉備と呂布を除くメンバーはあまりの美味しさに落ち込むという状況に一夏達は苦笑いを浮かべた。それからあっという間に時間が過ぎ箒達は織斑家を後にした。その後シフトスピードを通じて顔を出したクリムに明日の夏祭りのことを伝えると快く参加することを了承した。

 

つづく



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篠ノ之神社の夏祭り

箒達が織斑家に遊びに来た日の翌日、一夏達はクリムを交えて篠ノ之神社来ていた。因みに劉備と呂布は擬人化している。

 

リュウト「流石は神社、結構人がいるな。」

 

リョウセン「祭りなどのイベントでは混むからな。」

 

シフトスピード(クリム)「私もこういったところは初めてだな。」

 

シャルロット「楽しそう!」

 

刀奈「浴衣まで着た甲斐があったわ♪」

 

簪「ちょっと恥ずかしいな///」

 

そう、シャルロット、刀奈、簪の3人は浴衣姿だった。シャルロットに関しては刀奈が貸した物だ。

 

一夏「3人共、とても似合ってるぞ。」

 

シャルロット「本当?///」

 

刀奈「嬉しい///」

 

簪「一夏に喜んでもらえて良かった///」

 

リュウト「ところで箒はどこに?」

 

一夏「多分この先だと思う。」

 

リョウセン「しかし篠ノ之が神社の巫女だったとはな。」

 

シフトスピード(クリム)「確かに意外だね。」

 

リュウト「何で黙っていたんだろ?」

 

一夏「あいつにも事情があるのさ。」

 

 

 

その頃箒は神楽舞の準備をしていた。

 

箒「今日は皆が来る。一夏には女らしいことは似合わないと言われないか不安だが、頑張るしかない!///」

 

箒は内心不安だったが、この日のために来てくれた仲間達のために気合いを入れ直す。

 

 

篠ノ之神社には夏祭りであることもあり沢山の参拝客で賑わっていた。一夏達一行は最前列に座っていた。

 

リュウト「もうすぐか。」

 

シフトスピード(クリム)「楽しみだね。」

 

リョウセン「夏祭りということもあって客も賑わっているな。」

 

シャルロット「箒にこんな特技があることは知らなかったけど、来てよかった。」

 

刀奈「織斑先生も来ればよかったのに。」

 

簪「仕方ないよお姉ちゃん。先生は夏休みでも忙しいんだから。」

 

一夏「始まるぞ。」

 

一夏が声を掛けると神楽舞が始まり、純白の衣と袴の舞装束に身を包んで金の飾りを装った箒が出てきた。今の箒は普段より大人びており、思わず見惚れてしまう美しさを持っていた。

 

シフトスピード(クリム)「おお。」

 

リュウト「すげぇ。」

 

リョウセン「悪くないな。」

 

一夏「・・・。」

 

シャルロット「綺麗。」

 

簪「うん。」

 

刀奈「素敵。」

 

シャン!・・・シャン!

 

右手に刀、左手に扇を持ち、箒は神楽舞を踊った。最後の演舞が終わり、箒が深々と頭を下げると観客席から拍手喝采が響き渡った。

 


 

 

無事に神楽舞を終えた箒は控え室でゆっくりしていた。

 

箒「ふぅ、緊張した。」

 

雪子「お疲れ様箒ちゃん。」

 

箒「雪子叔母さん。」

 

そこに箒の叔母である雪子がやって来て労いの言葉を掛ける。

 

雪子「あ、そうそう。さっき一夏君がお友達と一緒に待っていたからシャワー浴びて汗を流してきてね。浴衣は用意しておくから。」

 

箒「分かりました。」

 

雪子に言われ汗を流した箒は浴衣に着替えた後一夏達と合流した。

 

箒「皆、お待たせ。」

 

刀奈「お疲れ様箒ちゃん。」

 

簪「凄く輝いてた。」

 

シャルロット「うん!」

 

箒「ありがとう。」

 

一夏「箒。」

 

箒「一夏。」

 

一夏「神楽舞している箒を見て目が離せなかった。凄く綺麗だった。」

 

箒「そうか。それは良かった///」

 

リュウト「俺も楽しめたぜ。」

 

リョウセン「暇があればまた見たいものだ。」

 

シフトスピード(クリム)「うむ。」

 

箒「今回は一夏を助けてくれたお礼も兼ねてのものだからな。」

 

一夏「さて、夏祭りまだまだ楽しまないとな。」

 

刀奈「そうね♪」

 

シャルロット「行こ行こ!」

 

一行はその後屋台を回ったり、クジ引きをしたりなど夏祭りを堪能するのだった。

 

 


 

 

一通り楽しんだ一夏達は篠ノ之神社の近くにある小高い丘へとやって来た。その唯一伸びた階段を上っていくと、やがて開けた場所へと出た。

 

リュウト「一夏、ここは?」

 

一夏「俺と箒の秘密の場所。」

 

箒「一夏が千冬さんと比べられて1人になろうとした時に偶然見つけたのだ。」

 

リョウセン「そうか。」

 

一夏「ここから見える花火は絶景なんだぜ。」

 

刀奈「へぇ!いいじゃん!」

 

シャルロット「早く始まらないかな~?」

 

シフトスピード(クリム)「開始までまだ時間があるみたいだな。」

 

簪「気長に待とうか。」

 

全員花火が始まるのを待っていたが唐突に一夏が口を開いた。

 

一夏「俺さ・・・。」

 

一同「?」

 

一夏「劉備達と出会わなかったらこの世界にいなかったと思う。誰も俺のことをちゃんと見てくれてなかったし。」

 

シャルロット「一夏。」

 

一夏「だけど、劉備と呂布、それにベルトさんがいてくれたからこそ俺はこうして生きている。生きる希望も持てた。」

 

リョウセン「俺達は切っ掛けを与えたにすぎん。」

 

リュウト「それからは君自身が強くなったからだ。」

 

一夏「それでも感謝しきれない程の恩ができた。改めてありがとう。」

 

シフトスピード(クリム)「礼を言われるものではない。我々は仲間ではないか。」

 

一夏「ああ。」

 

箒「一夏、生まれがどうであれ私はお前が好きだ。この気持ちは嘘ではない。」

 

一夏「箒。」

 

簪「私も一夏がいなかったらお姉ちゃんと仲直り出来なかった。」

 

刀奈「ありがとう一夏君。」

 

一夏「簪、刀奈さん。」

 

シャルロット「僕は一夏から居場所を貰った。だから今度は僕が一夏の居場所を守るよ。」

 

一夏「シャル。」

 

リュウト「君は1人じゃない。」

 

シフトスピード(クリム)「我々がついている。」

 

リョウセン「俺が言うのもなんだがもっと俺達を頼れ。」

 

一夏「・・・そうだな。俺にはこんなに仲間がいる。この先何が起こるか分からないけど、皆となら乗り越えられる気がする。」

 

リュウト「そうか。」

 

リョウセン「覚悟はできているようだな。」

 

一夏「皆、これからも頑張ろうぜ!」

 

シフトスピード(クリム)「うむ!」

 

リュウト「おう!」

 

箒・リョウセン「「ああ!」」

 

シャルロット・刀奈・簪「「「ええ!(うん!)」」」

 

一夏達が円になって拳を突き出して新たに決意を固めた。それに答えるかのように夜空に花火が上がった。

 

つづく



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更識家へ

篠ノ之神社で夏祭りが行われた日から3日後、弾と数馬、箒、シャルロットを含めた一夏達ライダー組は刀奈と簪に連れられて大きなお屋敷に来ていた。表札には『更識』と書かれていた。

 

一夏「ここが・・・。」

 

リュウト「楯無と簪の・・・家?」

 

弾「でかいな。」

 

数馬「流石お嬢様。」

 

リョウセン「ある程度予想はしていたが・・・。」

 

クリム「正にUnbelievableだ。」

 

箒「私もこういった建物に来るのは初めてだ。」

 

シャルロット「僕も。」

 

刀奈「さ、皆入って入って。」

 

簪「本音達や私達の両親が待ってるよ。」

 

更識姉妹が門を開いて中に入ると一夏達もそれに続いた。

 

 


 

 

刀奈・簪「「ただいま!」」

 

刀奈と簪が挨拶すると奥の方から先に帰っていた本音と虚、多くの更識に仕える従者達が出迎えた。

 

虚「お帰りなさいませ、お嬢様達。」

 

本音「お帰りなのだ~。」

 

従者達「「「お帰りなさいませ。」」」

 

虚「一夏さん達もいらっしゃいませ。」

 

一夏「あ、はい。」

 

弾「お邪魔します。」

 

数馬「どうも。」

 

一夏達が挨拶すると奥の方から別の男性がやってきた。

 

???「刀奈、簪お帰り。」

 

刀奈「ただいま、お父さん。」

 

一夏「楯無さんと簪のお父さん?」

 

簪「そう、お姉ちゃんの前の更識当主、更識浩二。」

 

浩二「やあ、君が織斑一夏だね。」

 

一夏「あ、はい。」

 

浩二「そして君達が・・・。」

 

弾「五反田弾です。」

 

数馬「御手洗数馬です。」

 

リュウト「徳田リュウトです。」

 

リョウセン「風鳴リョウセンだ。」

 

箒「篠ノ之箒です。」

 

シャルロット「シャルロット・デュノアです。」

 

浩二「更識浩二だ、よろしく。」

 

虚「浩二様、ここでお話しするのもなんですが・・・。」

 

浩二「おっとそうだった。付いてきたまえ。」

 

一夏達は浩二に案内されて奥の広い和室に入り、用意された腰掛けに座った。

 

浩二「さて、娘達から君達のことは全て聞いている。」

 

リュウト「それじゃあこの姿を解いてもいいな。」

 

リョウセン「ああ。」

 

2人は擬人化を解いて元の姿に戻った。

 

劉備「改めて俺は仮面ライダー鎧武の劉備だ。」

 

呂布「俺は仮面ライダーゴーストの呂布だ。」

 

クリム「そして私がクリム・スタインベルト、Nice to me too.」

 

浩二「こちらこそ。」

 

 


 

 

浩二「それと一夏君、君には礼を言わなければならない。」

 

一夏「え?」

 

浩二「うちの娘達は今の楯無である刀奈が当主になってから仲違いになってしまってね。君との出会いが切っ掛けで昔みたいに仲良くなったのだ。」

 

一夏「そうだったんですか。」

 

浩二「君達の戦いは、我々も陰ながらサポートさせてもらうよ。」

 

呂布「良いのか?」

 

浩二「ああ、せめてもの礼だ。それに2人は一夏君に好意を持っているらしいしね。」

 

刀奈・簪「「///」」

 

一夏「あの、俺でいいんですか?」

 

浩二「勿論だ。」

 

刀奈「やったね一夏君!」

 

簪「一緒に幸せになろ。」

 

一夏「お、おう。」

 

シャルロット「ちょっと2人共!」

 

箒「私達を除け者にするな!」

 

劉備「また始まった;」

 

呂布「全く。」

 

クリム「ふふふ。」

 

数馬「やれやれ。」

 

弾「羨ましい奴め。」

 

浩二「ふふ。そしてドクタークリム。」

 

クリム「?」

 

浩二「これは私の勝手な提案なのだが、貴方の発明を我々更識のために役に立ててはどうだろうか?」

 

クリム「なに?」

 

浩二の突然の提案にその場にいる全員が沈黙した。

 

クリム「何故私の発明を?」

 

浩二「突然で申し訳ない。しかし貴方の開発したドライブシステムは我々暗部にも大いに役立つ。」

 

クリム「・・・君の言いたいことは分かった。だが・・・。」

 

浩二「無論、コア・ドライビアが人の手に余ることも理解している。だがいつまでもそのままではいけない、未来に向かわなければならないと思うのだ。勿論、全てが終わってからでいいが。」

 

クリム「・・・。」

 

一夏「ベルトさん、浩二さんの言う通りだと思う。」

 

クリム「一夏。」

 

一夏「確かにコア・ドライビアは危険かもしれない。でも、俺はそれを正しく使い続けられるようにベルトさんの力になりたいんだ。俺を救ってくれたベルトさんのために。」

 

弾「俺も一夏と同意見だ。」

 

数馬「俺も。」

 

クリム「皆・・・。そうだな、君達の言う通りだ。全てが終わったら協力するとしよう。」

 

浩二「こちらも貴方の発明の悪用を防ぐのを約束しよう。」

 

劉備「これでクリムの悩みも少しは解決かな、これからが大変だけど。」

 

呂布「そうだな。」

 

劉備と呂布も安堵する。

 

 

その後、一夏達は色々話し合いながら更識家で時間を過ごした。そして日が暮れた時、一夏以外のメンバーは帰宅した。何故なら一夏は刀奈に泊まるように誘われたからだ。

 

一夏「箒とシャル残念そうにしていたけど、今度ちゃんと埋め合わせしておかないとな。」

 

夕食やお風呂を済ませた一夏が自分に用意された部屋に入ると、

 

一夏「おわっ!?」

 

誰かに引っ張られて部屋のベッドに押し倒された。

 

一夏「何なんだ一体!?」

 

???「ふふ、待ってたよ一夏君♪」

 

???「やっと来た。」

 

一夏「え?」

 

目の前には刀奈と簪がいた。

 

一夏「ふ、2人共何やってるの?」

 

刀奈「今日は寝かさないわ♪」

 

簪「一夏、いただきます♪」

 

一夏「ちょ、ちょっとーーーー!」

 

断末魔と共に一夏は刀奈と簪に襲われてしまった。その翌日、一夏はげっそりした顔で部屋から出てきて更識姉妹は肌がツヤツヤになっていたそうだ。

 

つづく

 

 



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夏休みデート(箒編)

一夏達が更識家へ訪れてクリムの発明の未来も決まり、それからは平和な時が過ぎた。そして一夏は太陽がギラギラ輝く夏休みの真っ只中のある日、とある人物と待ち合わせしていた。

 

箒「待たせたな、一夏。」

 

一夏「そんなに待ってないぜ、箒。」

 

それはIS学園でクラスメイトで幼馴染の篠ノ之箒だった。彼女は今赤色のミニスカートと黒色のシャツを着こなしていた。

 

一夏「その、似合ってるぞ。」

 

箒「そ、そうか///」

 

一夏「じゃあ行こうか。」

 

箒「ああ。」

 

そう言って2人は手をつないで歩き出した。向かった先は遊園地で、2人はそこで楽しむ予定なのだ。

 

 


 

 

遊園地の中に入った一夏と箒は最初に最大の目玉であるジェットコースターに乗ることにした。

 

一夏「やっぱ遊園地と言えばこれだよな。」

 

箒「一番のアトラクションだからな。」

 

一夏「今日は楽しもうな、箒。」

 

箒「ああ。」

 

一夏と箒は早速ジェットコースターの最前列に乗った。席が満席になるとジェットコースターは発進し、ゆっくり動き出した。そして頂上に達すると一気に急降下して加速していき、大回転など途中で気絶しそうになるコースもあったが一夏も箒も普段の戦いなどで鍛えているため平気だった。

 

一夏「大丈夫だったか箒?」

 

箒「少しクラクラするがな。それにこれくらいでへばっていてはお前に迷惑を掛けてしまう。」

 

一夏「箒。」

 

一夏は箒の言葉に思わず嬉しさを感じた。抱きしめたい気持ちを抑えながら2人は次のアトラクションのコーヒーカップに乗った。その際2人もお互い笑いながら楽しんだ。

 

一夏「そろそろお昼にするか。」

 

箒「もうそんな時間か。」

 

それから暫く楽しんだ2人だが気が付けばランチタイムになっていた。そこで園内にある飲食店でランチにすることにした。

 

一夏「何にする?」

 

箒「フードコートもいいが、レストランも捨てがたいな。」

 

箒の提案でこの日のランチはレストランで食べることにした。

 

 


 

 

ランチタイムを終えた2人は次にお化け屋敷にやって来た。

 

一夏「なあ箒。」

 

箒「な、なんだ?」

 

一夏「ちょっと歩きにくいんだが。」

 

中に入ったまではよかったが、箒は怖いと感じたのか一夏の腕に抱きついていた。その際箒は自身の大きいバストを押し付けていた。

 

箒「すまない。だがこういうのは慣れてなくてな。」

 

一夏「・・・分かったよ。(箒の柔らかいものが当たってるが耐えろ、俺!///)」

 

一夏は内心興奮していた。

 

「「「うらめしや~!」」」

 

箒「うわぁぁあああああ!?」

 

一夏「のわぁ!?」

 

そこにお化け役の職員が出てきて、脅かしてきた。突然のことでパニックになった箒は思わず一夏に首に手を回して抱き付いた。

 

一夏「おい!箒!」

 

箒「す、すまん。それと・・・一夏///」

 

一夏「ん?」

 

箒「み、右手///」

 

一夏「え?・・・あ!?」

 

箒に言われて視線を向けると一夏の右手は箒の胸を触っていた。

 

一夏「ご、ごめん!」

 

箒「い、いや、大丈夫だ///(一夏ならいいのだがな///)」

 

多少トラブルはあったが2人は無事にお化け屋敷を出た。

 

 


 

 

あっという間に時間は過ぎ日は傾き、一夏と箒は観覧車に乗っていた。だが先程のお化け屋敷の時のこともあり気まずい空気が流れていた。

 

一夏「えっと箒、さっきは本当にごめん。」

 

箒「もう気にしなくていい。あれは私の不注意でもある。お互い様だ。」

 

一夏「ありがとう。あ、そうだ。」

 

箒「ん?」

 

一夏「本当は臨海学校の時に渡したかったんだけど。」

 

一夏は懐から紙袋を出した。

 

箒「それは・・・。」

 

一夏「こないだのレゾナンスで買った箒の誕生日プレゼント。」

 

箒「覚えてくれていたのか。」

 

一夏「ああ。ごめんな渡し損ねて。」

 

箒「いや、覚えててくれて私は嬉しいぞ。」

 

一夏「サンキュー。受け取ってくれるか?」

 

箒「勿論だ。ありがとう一夏。開けてもいいか?」

 

一夏「ああ。」

 

箒は一夏から受け取った誕生日プレゼントを開けると中には白いリボンが入っていた。

 

箒「これは・・・。」

 

一夏「箒は白が似合うと思って買ったんだ。劉備と刀奈さんも賛同してくれた。」

 

箒「そうか。一夏、結んでくれないか?」

 

一夏「いいのか?」

 

箒「お前にやってほしいんだ。」

 

一夏「分かった。」

 

一夏は箒の隣に座り、丁寧にリボンを結んでいつものポニーテールにした。

 

箒「ど、どうだ?///」

 

一夏「ああ、似合ってるよ。」

 

箒「そうか///」

 

一夏「え!?」

 

突然箒は一夏の手を掴んで自分の胸に運んだ。

 

箒「一夏、私は世界で一番お前が好きだ。どんなことがあってもこの気持ちは変わらない。」

 

一夏「・・・俺もだよ、箒。」

 

嬉しさを感じた一夏はゴンドラが頂上に達した時に箒と唇を交わした。始めは驚いた箒だが徐々に受け入れ目を細めた。そして観覧車から降りた2人は満足した顔をして遊園地を後にして帰って行った。

 

つづく

 

 



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