やはり俺のSAOは間違っている…のか? (Krito )
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プロローグ

青春とは嘘であり、悪である。 青春を謳歌せし者たちは、常に自己と周囲を欺き、 自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。 彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げて見せる。 彼らにかかれば、嘘も秘密も罪咎も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。 仮に青春をすることが失敗の証とするならば、友達作りに失敗した人間もまた、 青春のど真ん中でなければおかしいではないか。 しかし、彼らはそれを認めないだろう。 すべては彼らのご都合主義でしかない。 結論を言おう。青春を楽しむ愚か者ども砕け散れ。

 

この物語は八幡が一色いろはの相談を解決して奉仕部のメンバーと仲直りしたあとのお話になる。

 

 

 

 

 

 

「とうとう届いた・・・これがナーヴギアか・・・そしてこれを使えばあの場所に戻れる!ソードアート・オンラインの世界に!」

 

この少年、比企谷八幡はベータテスターである。

 

「ちょっとお兄ちゃん!私もやってみたいんだから独り占めしないでよね!」

 

「わかってるよ小町。ある程度インしたら必ず交代するって。」

 

妹である小町は控えめに言ってブラコンだろう。それほどまでに兄を慕い懐いていた。

 

「それにしても材木座のやつは残念だったな。ベータテストにも抽選で外れて尚且つ通常販売の時も買えなかったなんてな」

 

「雪ノ下さんたちも買えなかったんでしょ?」

 

「らしいな、まぁそもそも雪ノ下はゲームなんてしないだろうがな。」

 

「でもVRで猫のゲームなんてものがあったらどんな手を使っても買いそうだけどね。」

 

「確かにな、ちょっと比企谷くん私のためにあなたのナーヴギアを貸しなさい。とか言いそうだもんな。」

 

「うわぁごみいちゃん二度と雪ノ下さんの真似なんてしないで、気持ち悪いから。でもそんなに気持ち悪いお兄ちゃんでも小町は大好きだよ!あっ!今の小町的にポイントたかーい!」

 

「最後のそれがなかったらな。でも確か一色のやつは買えたとか言ってたな。」

 

「へ〜そうなんだ!ゲームの中で会えるといいね!」

 

「え、やだよ?なんでゲームの中でまであいつのあざとさに付き合わなきゃならないんだ?」

 

「うっわお兄ちゃん今の小町的にポイントひく〜い。」

 

いつもと変わらない会話

 

「それじゃあそろそろ時間だから」

 

「うん!行ってらっしゃいお兄ちゃん」

 

この会話を境に2年以上も会話することが出来なくなることを2人はまだ知らなかった。

 

八幡は、ナーヴギアを被り布団に横になる。

 

「リンクスタート!」

 

 

 

 

 

 

 




初めての八幡とSAOのクロスオーバーです!暖かい目で見てみてください(´・ω・`)

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第1話 再会

「リンクスタート!」

 

するとベータテスト時にもあったカラフルなエフェクトを抜け八幡は再びアイン・クラッドへと降り立った。

 

(久々のこの感覚・・・戻ってきたんだ!ソードアート・オンラインの世界に!)

 

そしておもむろに自身のステータスを確認した。

 

(やっぱりベータテストのステータスは引き継いでないのか・・・ちょっと残念な気もするな。名前は・・・やっぱりあの時のままでハチってなってる。ってことはアバターもそのままか。)

 

「まぁいいか。どうせ息抜き程度しかやらないしそもそもの話小町と交代しなきゃいけないしな。」

 

そしてハチは装備をある程度整えるために商業区の裏道に足を進めた。

 

(ここには確かちょっと珍しい装備を売っている店があったはずなんだよな・・・)

 

入り組んだ路地に入ろうとしたその時不意にハチの後ろから声がかかった。

 

「せんぱいですよね?」

 

「にょえい!?」

 

急に声をかけられたハチは驚いて変な声が出てしまった。

 

「え、なんですか今の声キモすぎるんですけど・・・」

 

そこに居たのは明らかに男ウケしそうなとても可憐な美少女だった。

 

(誰だこいつ?それに俺の事をせんぱいと呼びやがった・・・)

 

「なに呆けた顔してるんですか?まさか私の可愛さに驚いて声も出なくなっちゃいましたか?すみません私ちゃんと声に出して言って欲しいので、いくら私でも無言アピールは分かりませんごめんなさい。」

 

「何言ってんだお前?ってその言い方まさか一色か?」

 

「そうですよ!なんですか!本当にわからなかったんですか!それにここで本名出すのはマナー違反ですよ!」

 

そうそこに居たのはハチの後輩であり生徒会長でもある一色いろはだった。

 

「いやまぁそれは悪かったが・・・ってなんでお前は俺のことがわかったんだ?リアルとアバターは見た目かなり違うだろ。」

 

「確かに見た目は違いますけど・・・1箇所だけ同じところありますよ?」

 

(どういうことだ?アバターはリアルとは全く違う・・・目の前にいる一色が証拠になっている)

 

「俺のどこがリアルと同じなんだ?あとこの世界では俺の事をハチって呼んでくれ。いくらせんぱいだけだとしても危険な可能性はあるからな。」

 

「え、なんですか?まさかせんぱいあだ名みたいに呼ばせて距離を縮め用途してるんですか?私からして先輩との距離感は既にゼロなのでそんな事しなくても心配ありませんよ!」

 

「なに言ってんだお前は・・・はぁ・・・いいから俺のどこがリアルと同じなんだ?」

 

「まぁいいです。せんぱいの鈍感さを甘く見た私のせいですからね。それなら私のことはイロハって呼んでください。あと同じところですよね?せんぱいがリアルと同じところは・・・・・・その濁った目ですよ。」

 

 

 

 

 

 




早めに2話が投稿出来ました!

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第2話 イロハはあくまでもいろはであった

「その濁った目ですよ」

 

「なん・・・・・・だと・・・・・・」

 

それを聞いて慌てて噴水に向かい自分の顔を水面に写しみた。

するとどうだろうか顔の形はリアルとは全く違うのにも関わらず目だけがリアルの八幡のものであった。

 

「何故だ・・・アバター作る時にこんな目の項目なんてなかったはずだ・・・そもそもどうやったらナーヴギアでこの目が再現できるだよ・・・」

 

「あの〜・・・せんぱい?辛いのは分かりますが・・・その目のおかげでせんぱいのこと見つけることが出来たので・・・私的には良かったと思っているのですが・・・」

 

「まぁ・・・・・・そうだな・・・まぁしょうがないか、とりあえず俺は武器屋に行くから」

 

そう言ってイロハを置いていこうとするハチ

 

「って何この状況で一人で行こうとしているんですか!そこは普通案内するものですよね!」

 

「え・・・なんで?」

 

「なんでって・・・私完全なビギナーですし・・・不安じゃないですか・・・」

 

そう言って俯くイロハ

 

「はぁ・・・わかったよ、一緒に行ってやるから・・・・・・」

 

「置いていくならおこめちゃんにせんぱいに放置された〜っていいつけますから」

 

「なにそれほんとやめて!わかったよ一緒に行けばいいんだろ?ほら行くぞ」

 

そう言い残し再び路地裏に入ろうとするハチ

 

「ちょっと待ってください!なんで武器屋に行くのにそんなところ通ろうとするんですか!

はっ!まさかせんぱい、くらいところに連れ込んでいやらしいことする気なんじゃ!

ごめんなさい私初めてはもっとロマンチックな所がいいので、その辺ちゃんと考えてからもう一度誘って貰ってもいいですか!」

 

「なんで俺はいちいち告白もしてないのに振られなきゃならないんだよ。

この道通るのは、この先にちょっと穴場の武器屋があるからだよ」

 

「なーんだ、そうなんですね。

でもなんでそんなこと知ってるんですか?」

 

不思議に思うのも無理はないイロハはハチが元ベータテスターであることを知らないのだ。

 

「そういや、言ってなかったか?

俺元ベータテスターなんだよ。だからある程度のことは覚えてるんだ。」

 

「へ〜初めて知りました!

ということはソードスキル?っていうのも知ってるんですね!」

 

「そりゃ当たり前だろ。スキルが使えなかったら戦闘なんてできたもんじゃない。」

 

ソードスキルとは武器スキルを習得したプレイヤーが所定の準備動作を行うことによって発動し、発動したあとは体が勝手に動いて攻撃動作を行う。

その速度および威力は、ふつうに武器を振るったときのものを上回る。

 

つまりソードスキルを使えた方が戦いをより有利にそして戦闘時間を大幅に減らすことができるのだ。

 

「そうなんですね・・・・・・ねぇせんぱい・・・せっかくこの世界来たんですし・・・私初めてなんでせんぱいに教えて欲しいな〜なんて思ってるんですけど・・・」

 

「教えるって何を?」

 

「そんなのもちろん!ソードスキルについてですよ!」

 

 

 

 




武器屋に行くだけなのになかなかたどり着かない・・・

これからはのんびり進めていこうと思います!

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第3話 武器屋にイクゾー

改めましてこんにちは、こんばんは、おはようございます!
昨日?からこの小説を投稿し始めてなんと1日でお気に入り登録が20人を超えました!
お気に入り登録してくださった方々本当にありがとうございます!
これからものんびりと続けていくのでよろしくお願いします!


「それはもちろん・・・ソードスキルについてですよ!」

 

「え・・・やだよめんどくさい・・・」

 

「じゃあ行きましょう・・・って・・・えー!!

この状況で断りますか!普通に考えて!」

 

「いやだって、そもそもの話俺はお前がどんな武器使うのか知らねーし・・・」

 

ソードスキルと一言にいっても種類がある

片手剣、大剣、短剣、曲刀、細剣、片手棍、槍

両手斧

使う武器によって発動条件、モーションが違うのだ。

 

「それなら今から行くお店でせんぱいが選んでくださいよ〜」

 

「いやなんで俺がお前の使うものを選ばなきゃならんのだ。

武器ってのはその人その人のスタイルってのがあってだな・・・」

 

「あ〜ハイハイそういうのいいんで早く行きましょ」

 

そう言って路地に入っていくイロハ

 

「なんだよ人がせっかく教えてやってるのに・・・泣くぞコノヤロウ」

 

「せんぱ〜い早くしてくださいよ〜」

 

「ハイハイわかったよ」

 

イロハは店までの道が分からないためハチが先頭になって路地を進んでいく。

 

「本当にこんなところにあるんですか?まさか本当にいやらしいことするつもりなんじゃ!

ごめんなさい無理やりってのも割と憧れではあるんですけど初めてはやっぱり家でしたいのでここでは遠慮してください!」

 

「本当に何を言ってるんだお前は・・・って言ってる間に着いたぞ」

 

「本当にここお店なんですか・・・なんと言うか・・・その・・・廃墟にしか見えないというか・・・」

 

ハチ達の目の前にある建物は窓が割れており柱は何本か折れその家?自体が若干曲がっているように見えるものだった。

 

「俺も初めて見た時はそう思ったんだがな・・・見かけによらないって言葉を忠実に再現したようなところなんだよここは」

 

「まるでせんぱいみたいなお店ですね・・・まぁせんぱいの場合中身もちょっとアレですけど・・・」

 

「え・・・何それちょっとまって俺ってこんなに見た目悪いのか目を除けばそれなりに整っていると思っていたのだが・・・」

 

「その目のせいで他のところに目がいかないんですよ」

 

「目だけにか」

 

「・・・」

 

「・・・・・・すまん」

 

「くだらないこと言ってないで早く入りましょう」

 

「おう」

 

ハチ達が店の中に入るとそこには既に2人の客がいた。

片方はバンダナに赤い髪の派手な男、もう1人は黒髪のベーシックアバターそのままの男。

 

「せんぱい、他にもお客さんいたんですね。」

 

「みたいだな、おそらく俺と同じベータテスターなんだろうな。

完全ビギナーがこの店を知っているとも思えんしたまたま見つけたとしてもここが店だとは思わないはずだからな。」

 

「なるほどです!じゃあとりあえず私達も買い物しましょう!せんぱい選んでください!」

 

すると先程の赤いバンダナをつけた男から視線を感じた

ハチは横目で軽くバンダナ男を視界に収めた。

 

「チッ、リア充かゲームの中までおアツいこって」

 

「どうやら誤解されちまったらしいな」

 

「せんぱいどうしたんですか?」

 

どうやらイロハはその視線に気が付かなかったようだ。

 

「いや・・・なんでもない。

そんなことよりも早く選んじまうぞ。」

 

「はーい!」

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございました!

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第4話 捻デレ

「はーい!」

 

武器屋にて装備を品定めしているハチとイロハの所に1人の男が話かけてきた。

 

「なぁ君たちも、もしかして元ベータテスターか?」

 

話しかけてきたのは先程のバンダナ男と共に居た

ベーシックアバターの男だ。

 

(なんだコイツ)

 

「こいつは違うが俺は元ベータテスターだ・・・

それがどうかしたのか?」

 

「急に話しかけて悪い、こんなところに武器を買いに来るやつが俺の他にいると思わなくて。

俺の名前はキリトそっちはなんて言うんだ?」

 

「・・・」

 

黙っているとさっきまで少し離れたところにいたイロハがいつの間にかすぐ近くにいた。

 

「せんぱいどうしたんですか?」

 

「あぁ・・・いやなんでもない・・・俺の名前はハチだ。

隣にいるこいつはイロハって名前だ」

 

「よろしくなハチ。

ちなみにあそこにいる趣味の悪いバンダナをつけてる男はクラインって言うんだ。」

 

ハチがキリトの目線の先に軽く視線を向けるとニカッと笑いながら手を振っている男が目に入った。

おそらくあの男がクラインというのだろう。

 

「せんぱい珍しいですね?名前を聞かれて素直に答えるなんて・・・皆さんが聞いたら驚きますよ?

そ・れ・に〜やっと私の事名前で呼んでくれたんですね♡じゃあ次はリアルで呼んでみましょうよ〜」

 

「別にゲームのアバター名くらいで一々気にするのもあれかと思ってな。それより武器と防具は選んだのか?」

 

「選びましたよ〜見て下さい!私の可愛い姿を!

あっ!可愛いからってお持ち帰りしちゃダメですよ?

ゲームの中じゃなくてリアルの方がいいので!」

 

イロハの姿を見てみると、確かに少し変わっていた。

鉄製の胸当てにブーツそれに若干黄色っぽい外套を羽織っていた。

 

「イロハはこういったゲームをやった事あるのか?

初心者にしてはなかなかいい防具を選んでいるみたいだけど」

 

(なんだこいつ、今日初めてあったであろう異性をいきなり呼び捨てにできるとか・・・コイツ・・・リア充か)

 

「確かにな普通にいい装備だと思うぞ、それで武器は何にしたんだ?」

 

「せんぱい・・・女の子が新しい服を紹介してるんですからもう少し言い方とか考えてくださいよ・・・はぁ

武器は短剣にしました。

大きいのはあまり使えそうにないので・・・

それで・・・えっとキリトさんでしたっけ?私はゲーム自体はあまりやった事ないですよ?」

 

イロハがキリトと話しているうちにハチはベータテスト時の初期に使っていた装備を迷いなく買っていった。

 

「さて、買い物も終わったし俺達はもう行く。

じゃあなキリト」

 

「おや?せんぱい自然に俺達なんて言っちゃって私がせんぱいについて行くことは確定なんですね〜

まぁ確かにこのまま放置されたらあることない事お米ちゃんや雪ノ下先輩に言いつけるつもりでしたけど」

 

「うっわお前何気にこの世でいちばん恐ろしいことしようとしてやがったな」

 

そう言いながらハチとイロハは店を出ようとする

 

「ちょっと待ってくれ!せっかく知り合ったんだこのまま4人で街の外のモンスターを軽く狩りに行かないか?

イロハもそうだけどあそこにいるクラインもビギナーなんだ・・・俺、人に物教えるの苦手なんだよ・・・」

 

(コイツ、言い方がまるで葉山みたいだな・・・よしこいつの事は葉山2号とでも呼んでやろう)

 

「悪いが俺は俺のやり方があるんだ、一緒にやる気は無い・・・勝手に付いてくるなら知らんがな」

 

すると目に見えてしょんぼりするキリト

 

「つまりせんぱいは、俺の邪魔をしなければ着いてくるなりなんなりしてもいいぞってことを言いたいんですね!」

 

「おいコラ、何言っちゃってんの?俺がそんなこと考えてるわけないだろ」

 

するとキリトは一瞬キョトンとした顔をしたあと笑いながら言った。

 

「なるほどな。ハチお前ってだいぶひねくれてるんだな!それじゃあ勝手に付いていくとするよ!」

 

 

 

 

 

 




ご覧頂きありがとうございました!

今回クラインが完全に空気になってしまった(´・ω・`)
次回こそは喋らせてあげたい!

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第5話 訓練開始!

「なるほどな。ハチお前ってだいぶひねくれてるんだな!それじゃあ勝手に付いていくとするよ!」

 

その後4人で街の外に移動することとなった。

その時に何故ハチはイロハに先輩と呼ばれているのか

キリトには妹がいること

ハチにも可愛い妹が居ることなど話しながら歩いていた

 

その姿は昔からの友人のようでまるで学校の帰りに話しながら歩いている。

そんなふうに見えたという。

 

「それじゃあまずは、クラインからやってみようか!」

 

しかしクラインはなかなかスキルを発動できずに青色のイノシシ型モンスター、フレンジーボアに吹っ飛ばされていた。

 

「適当にやってもスキルは発動しないぞー。

決められたモーションがあるんだ」

 

そういうとキリトは少し離れたところにいるフレンジーボアに向かって足元の小石を構える

 

「いいかクライン、スキルにはモーションがあって決まった発動条件があるんだ。

それを見極めて溜めを作る。

スキルが発動し始めたら一気に解放する!こんなふうにな!」

 

するとキリトの持っていた小石が青色のライトエフェクトを纏いフレンジーボアに向かって一直線に飛んでいく

 

「プギャ!」

 

小石が当たったフレンジーボアは小さく鳴いたあとキリトに向かって突進した。

 

それを片手剣で受け止めたキリトはボアがクラインに向かうように誘導した。

 

「ほら行ったぞクライン!」

 

誘導されたボアはクラインに向かって突進していく。

 

「そんなおめぇ!簡単に言ってくれるが・・・溜めてズガーンって・・・クソッやってやるよ!」

 

クラインは自分の武器である曲刀を肩に担ぐよう構えた。

するとクラインの構えた曲刀からオレンジ色のライトエフェクトが発生する。

 

「いっけー!!!」

 

キーーン、シュバーーーーン!

 

「プギャーーー!」

 

クラインは物凄い速度でボアに向かって切り込んで行った。

切られたボアは青いガラスが割れたようなエフェクトを発生させながら消えていった。

 

そう・・・クラインは曲刀スキルの基本技「リーパー」の発動に成功させたのだ。

 

「やったぜ!このモンスターって中ボスクラスのやつだよな!」

 

それまで静かに見ていたハチはその姿を見て口を開く

 

「そんなわけあるか、そのイノシシ某ゲームのスライムクラスだぞ?」

 

「そんな・・・まじかよぉ・・・」

 

その姿を見て苦笑いしながらキリトとイロハが近づいてくる

 

「まぁとにかくスキル発動おめでとう」

 

「スキルってすごいんですね!あんなに早く動けるなんて!せんぱい!私も早くやってみたいです!」

 

そう言いながらイロハはハチの袖を引っ張った

 

「わかったわかった、教えてやるから引っ張るな伸びちゃうだろ」

 

「いやハチ、ここはゲームの世界だから服は伸びないと思うぞ?」

 

「そうですよ!せんぱい、はやくはやく!」

 

「なぁ〜!もうわかったって!とりあえず空打ちでいいからスキルモーション取ってみろって!」

 

そういうとイロハは素直にスキルモーションを取る

すると水色のライトエフェクトがイロハの短剣を彩り始めた。

 

「いきますよ〜!えい!」

 

そういうとイロハは短剣スキル基本技「アーマーピアース」の発動に成功した

 

「やった!1回で発動出来ました!」

 

それを見たクラインは膝を地面に着けて項垂れていた

 

「俺はあんなに苦労したのに」

 




読んでいただきありがとうございます!

寝る瞬間とかに「あ!これかきたい!」ってなってしまうので最近寝不足&仕事が辛くなってきている作者です!

これからも出来るだけ面白く皆様を引きつけることの出来るような作品を書きたいと思っているので暖かい目で見守っていてください!

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第6話 見つからない

しょげているクラインを励ますキリト

その二人を横目に見ながらハチはイロハにスキルを教えている。

 

「スキルの発動はほぼ確実に出来た方がいい。

万が一の時に発動しませんでしたーじゃ笑いたくても笑えない結果になるからな。」

 

「せんぱい本当に詳しいですね・・・大体どの位の確率で発動できた方がいいんですか?」

 

そう言いながらもスキルの練習をするイロハ

 

初めてにしては筋がいいらしく、ほぼほぼ確定でスキルの発動ができた。

 

「そうだな・・・もしもソロで活動するなら大体ひくくても9割を目標にした方がいい。でもまぁお前ならすぐにパーティが見つかると思うがな。」

 

「なるほどです・・・所でせんぱいはこれから先パーティ組むんですか?と言うかそもそもパーティ組んだことあるんですか?」

 

「あると思うか?」

 

そう言うとイロハは申し訳なさそうな顔をした。

 

「あの・・・本当にすみません・・・そうですよね、せんぱいですもんね。

でも悲しまないでください!これからは私がせんぱいと組んであげますから!」

 

「あ〜ハイハイそりゃありがたいよ〜」

 

そう言ってイロハに背を向けるハチ

 

「なんですかせんぱい?後ろなんか向いちゃって

もしかして照れちゃってます?そりゃそうですよね!こんなに可愛い美少女に誘われて!いくらせんぱいでも照れちゃいますよね〜!」

 

「何を言っとるんだお前は・・・俺は今から自分のスキルの練習をしようと思っただけだ。」

 

そう言って片手剣を構えるハチ

 

その姿はいつものやる気のない気だるげなハチとは違い歴戦の戦士のようなピリピリとした空気を発していた。

 

「スキルってのはただ発動するだけじゃダメなんだ

システムアシストに任せてるだけだと意味が無い。

いいか?スキルが発動した瞬間に自分でもその剣筋を再現するんだ。」

 

そう言ってハチはスキルを発動させた。

 

するとどうだろう。ハチが発動させたスキルは明らかにイロハやクラインのものとは速度も距離も威力も段違いに見えた。

もちろん武器が違うからというのとあるのだろうが、そうだとしてもいくらなんでも違いすぎた。

 

「言ってしまえばこれが本当のソードスキルなんだろう、お前も出来るようになればかなり実力が上がるぞ。」

 

そう言ってハチは片手剣を腰の鞘に戻した。

 

するとクラインの所にいたキリトが走ってハチに近づいてきた。そしてハチの襟を掴むと至近距離で

 

「ハチ!今のってどうやったんだ!あのスキルって片手剣基本技のスラントだよな!俺のとはだいぶ違うように見えたんだけど!」

 

興奮しているキリトをなんとか宥めたあともう一度スキルについて説明した。

 

その後4人でスキルの練習兼、狩りをしているといつの間にか夕方になっていた。

 

「もうこんな時間か悪いが俺はここいらで落ちるぜ?

熱々のピザが待ってるんだ!」

 

そう言ってログアウトするためにメニューを開くクライン

 

「そうか、俺もそろそろ落ちるけどハチとイロハはどうする?」

 

「俺もそろそろ落ちるかな、これ以上遅くなると晩飯が無くなるかもしれないからな。」

 

「せんぱいが落ちるなら私も落ちます!」

 

「そうか、それじゃあお疲れ様!」

 

そう言ってハチはメニューを開いた、その時

 

「なぁキリト・・・ログアウトってどこでやるんだ?」

 

そうクラインが聞いてきた。

 

「え?メニュー画面の一番下に・・・・・・あれ?・・・無い?」

 

「ほらな?やっぱりないだろ?」

 

ハチもすぐにログアウトボタンを探した。

 

しかしログアウトのロの字も見つからない。

 

「せんぱい・・・本当にないです・・・」

 

「なんだ?バグか?コノヤロウせっかくの俺の熱々のピザが!」

 

「本当にバグなら運営からすぐに何かしらのお知らせがあると思うんだけど」

 

「いや・・・キリトそれはありえない・・・そもそもゲーム初日にログアウト出来ないとかいう致命的な問題・・・普通なら強制ログアウトされていてもおかしくない・・・それなのにされてないってことは・・・」

 

そこまで言うと急に足元から青い光が輝き出した。

 

その直後先程までいたはずの4人の姿は綺麗さっぱり無くなっていた。

 

 

 

 




読んでいただきありがとうございます!

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第7話 デスゲーム

 

目が痛くなるほどの青い光が収まるとハチの周りには先程とは違う景色が拡がっていた。

 

 

 

「どうなってんだ?・・・ここは一体・・・

 

はっ!他の奴らは!?一色!」

 

 

 

「そんな大きな声出さなくてもちゃんとここにいますよ。なんですか?そんなに私の事心配しちゃいました?」

 

 

 

「当たり前だろ」

 

 

 

「なぁ/////・・・でもせんぱいのことだからきっと深い意味は無いんですよね・・・はぁ・・・所でここはどこなんですか?」

 

 

 

するといつの間にか隣にいたキリトが答えてくれた。

 

 

 

「ここは確か始まりの町の中央広場・・・どうやら今ログインしているプレイヤー全員が集められてるっぽいな。」

 

 

 

「だからこんなに沢山の人がいるんですね〜せんぱい大丈夫ですか?こんなに沢山の人がいる中で気持ち悪くなったらちゃんと言ってくださいね〜」

 

 

 

「お前は俺の母ちゃんかよ・・・大丈夫だ気持ち悪くなる余裕なんてない・・・」

 

 

 

するとクラインはいきなり大きな声で叫び始めた

 

 

 

「なんだってんだよ!さっさとログアウトさせろ!そんで俺のピザを返せ!」

 

 

 

その刹那、何かの気配を感じたハチが空を見上げるとそこには、真紅に染め上げられていく第二層の底があった。

 

驚愕に包まれたハチだったが、これでやっと運営からのアナウンスがあるのかと思い直し

 

そのまま肩の力を抜きかけた。そして『ソレ』が、唐突に出現した。

 

出現したのは、真紅のフーデッドケープをつけた、巨人の姿だった。

 

 

 

するとその巨人はプレイヤーにむかった

 

 

 

  『 プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

 

 

 

 

 

 

 その後、その巨人――茅場晶彦から語られた内容はこうだった。ログアウトは出来ない事。

 

 

 

ゲーム内で死ぬか、外部の人間がナーヴギアを外そうとすると、

 

 

 

プレイヤーはナーヴギアの高出力マイクロウェーブによって死ぬ事。

 

 

 

電源切断は十分間、回線切断は二時間の猶予がある事。

 

 

 

そしてその後茅場晶彦はプレイヤー全員にストレージに入っている鏡を使わせた。するとどうだろうプレイヤーたちの姿が変わりリアルの世界の姿、形に変わってしまったていた。

 

もちろんハチもそして、イロハも

 

 

 

「そんな・・・せんぱい・・・嘘ですよね・・・死ぬなんて・・・」

 

 

 

そう言って膝から崩れ落ちるイロハ

 

 

 

その瞬間、茅場晶彦はまた口を開いた。

 

 

 

『 諸君は今何故・・・と思っているだろう。何故ゲーム開発者である茅場晶彦はこのようなことをしたのだろう。

 

私の目的は既に達成されている。

 

以上をもってソードアート・オンライン正式サービスのチュートリアルを終了する。

 

プレイヤー諸君・・・健闘を祈る』

 

 

 

すると等々群集の皆が爆発した。

 

 

 

すさまじい喧騒の中、ハチは咄嗟に隣にいるイロハのフードを深く被らせその手を引いて、全力で走り出した。

 

 

 

「キリト!クライン!路地の店!」

 

 

 

2人のいた方に向かって大声で叫ぶ。




という訳でとうとう始まってしまいました!

そしてお気に入り登録者が等々35人になりました!
ありがとうございます(*´ω`*)

これからも頑張っていくのでよろしくお願いします!

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第8話 次の町へ

その後4人は慌てふためく人波から抜け出し武器や防具を購入した店に集まることに成功した。

 

「よく聞け・・・俺は直ぐに次の街に向かう。

お前たちも一緒に来い、あいつの言葉が全て真実ならこの世界で生き残っていくために、自分自身を強化しなければならない・・・始まりの町周辺のモンスターは直ぐに狩り尽くされてしまうだろう・・・俺は道も危険なポイントも全て知っている。俺一人でここにいるみんなを守ることは出来ないけどハチもいる。」

 

キリトがそういうと次にクラインが口を開く

 

「でもよ・・・俺は他のゲームで知り合ったやつと徹夜で並んでこのソフトを買ったんだ・・・置いては行けない。

わりぃ・・・これ以上お前達に世話になる訳には行かねぇ」

 

「そうか・・・済まない・・・ハチとイロハはどうする?」

 

ハチがイロハの様子を伺うといまだに顔を伏せ、震えていた。

 

(俺は・・・どうしたらいい・・・)

 

するとハチのいや八幡の頭には、友人である戸塚彩加、奉仕部のメンバーである、

雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣、そして大切な妹である小町そして隣にいるあざとい後輩の顔が浮かんできた。ついでに材木座も。

 

(そうだ・・・俺は帰らなきゃならない。せっかく・・・«本物»を手に入れることが出来たんだ。

少なくとも・・・コイツだけは元の世界に戻してやらないと・・・たとえ俺が戻れなくても)

 

「キリト・・・俺は先に行く・・・必ず現実の世界に戻ってみせる。

だが・・・・・・イロハ・・・お前はこの街から出るな。」

 

その言葉を聞きイロハは慌てるようにしてハチの顔を見た。

 

「え?・・・・・・せんぱい?・・・何を言ってるんですか?・・・」

 

その声は若干震えている。

 

「そのままの意味だ・・・お前は足手まといなんだよ。」

 

顔を背けながら言葉を発する。

 

(今までと同じだ・・・俺が犠牲に・・・悪者になれば解決する・・・後はキリトかクラインが慰めてコイツが俺から離れるようにし向ければ・・・)

 

「せんぱい・・・・・・」

 

「おいハチ・・・そんなキツ言い方しなくても・・・少なくとも俺とお前がいれば1人くらいビギナーが居ても安全だと思うぞ?」

 

この場の空気を軽くしようとするキリト

 

「キリトさん・・・大丈夫です。せんぱい・・・それ本心からの言葉じゃないですよね・・・。」

 

「何言ってんだ・・・本心からだよ。俺がこういうこと言うやつだって事はよく知ってんだろ?」

 

(済まない・・・)

 

「せんぱい・・・あなたまた自分を犠牲にすれば・・・自分が悪役になれば私が離れていくと思ったんですよね!!!

私を・・・・・・危険な目に合わせないように・・・」

 

そう言ってイロハはハチの前に立ち塞がった。

 

「何言ってんだ・・・自意識過剰なんじゃないのか?どうして俺がお前のために・・・」

 

「じゃあどうして!!!・・・どうしてせんぱいは泣いてるんですか・・・」

 

ハチの目から涙が零れていた。人前で・・・しかも後輩や今日初めてあった他人の前で・・・。

 

「な・・・どうして・・・」

 

慌てて顔を隠すハチ

 

「せんぱいは・・・優しすぎるんですよ・・・。

大丈夫ですよ・・・私は死にません・・・いつまでもせんぱいと一緒にいますからね」

 

そう言ってイロハはハチの背中にそっと手を触れた。

 

それを見ていたキリトとクライン

 

「なぁキリトよ・・・俺たちは一体何を見せられてるんだ?」

 

「さぁなクライン・・・でもまぁいいんじゃないか?」

 

「俺達もやるか?お前の顔結構可愛くて割と好みだぜ?」

 

「おいおい、冗談でもやめてくれよ。それにお前もその仏頂面の方が似合ってるよ。」

 

そんな話をしていると涙を拭き取ったハチが口を開いた。

 

「すまない、キリト!俺もイロハも次の街に行くことにした。」

 

「やっと決まったか。それじゃあ行こう、じゃあなクライン」

 

そしてクラインは3人に向かって軽く手を振った。

 

「じゃあな!お前ら!

キリト!お前の顔!可愛くて好みだぞ!

イロハちゃん!逃がすなよ!

ハチ!お前のその目!デフォだったんだな!イロハちゃんのことしっかり守ってやれよ!」

 

「もうそれはいいって!」

 

「もちろん!逃がしませんよ!」

 

「うるせー!余計なお世話だ!」

 

 

 

 

 




という訳で3人は次の街に向かうそうです!
いやぁこれからも頑張っていきたい!

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第9話 現実

今回はその頃現実世界では!的な感じのものを書いて見ました!


ある日の雪ノ下雪乃は学校から出された課題を終わらせ少しの間のんびりとしていた。

 

するとそこに1本の電話が来た。

 

(あら?誰かしら?メールではないし・・・由比ヶ浜さん?)

 

携帯の画面を見てみるとそこには比企谷八幡の妹である比企谷小町の名前が記されていた。

 

「もしもし小町さん?こんばんは、こんな時間にいきなりどうしたの?比企谷くんがまたなにかやらかしたのかしら?」

 

小町から来る電話は、主にとある男の人の事が多いので今回も同じかもと思う。

 

(あの人またなにかやらかしたのかしら。)

 

その表情は、とても優しく、柔らかかった。

 

「·····」

 

しかし返事が帰ってこない

 

「小町さん?」

 

(どうしたのかしら?まさか返事ができない状況に?)

 

すると

 

「雪乃さん…お兄ちゃんが起きなくて…テレビのナーヴギアが頭に…」

 

小町の説明は、よく分からなかった。

 

しかし雪乃は少ない情報を元に考えた。

 

(ナーヴギア?テレビ?)

 

すぐさまテレビをつける雪乃

すると、どのチャンネルを見ても内容はほぼ同じである事に気がついた。

世間ではとんでもない事が起こったらしいと思った雪乃は、ニュースに注目した。

 

 

 

(ナーヴギア?比企谷くんと一色さんが当てたって言っていた物?

どういうこと・・・亡くなっている人がいる?

まさか・・・比企谷くんと一色さんが?)

 

雪乃は慌てずゆっくり確認するように小町に聞いた

 

「小町さん・・・まさかとは思うけど・・・」

 

「お兄ちゃんが…起きないんです…もう晩御飯の時間なのに…」

 

小町の状態は普通ではなかった…

 

「すぐ行くから待っててちょうだい。場所はうちの運転手が知ってると思うから。

とにかく落ち着いて、ご両親と、出来れば平塚先生に連絡をお願い」

 

「へ?どうしてですか?…お兄ちゃん…寝てるだけなんですよね?…全くお寝坊さんなお兄ちゃん…」

 

「しっかりしなさい!!!!普通じゃないとわかっているから私に連絡したのでしょう!!」

 

それを聞いた小町は若干の冷静さを取り戻したのだろう

 

「雪乃さん、ごめんなさい。そしてありがとうございます。

今小町が頼れるのは雪乃さんだけなんです。」

 

「わかったわ。とりあえず貴方は今言った人達に連絡をして。

私も直ぐに向かうから。」

 

「はいっ!」

 

雪乃は電話を切ると、少し驚いた

確かに驚いてはいる・・・否定したい気持ちもある・・・しかしながらそれでいて頭の中は冷静に物事を組み立てている。

 

(あまり頼りたくはないけれども・・・そうも言っていられないわね)

 

すぐ決断し、アドレス帳から姉の番号を選び、通話ボタンを押す。

 

その後雪乃は雪ノ下陽乃に頼み病院の手配やその他諸々を手配してもらった。

 

そして後日一色いろはもソードアート・オンラインに囚われていることを知った。

 

 






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第10話 ホルンカの町

始まりの町を飛び出して次の町へと向かうハチ、イロハ、そしてキリト

あれから3回ほど戦闘を繰り返し

ハチとキリトはレベル3にイロハはレベル2に上がっていた。

 

「さて、それじゃあ2人とも次の町に行く前にある所によろうか!」

 

「ある所ってなんですか?」

 

「おいキリト・・・まさかと思うが森の秘薬のクエストか?俺とお前ならともかくイロハには関係の無いクエストだぞ?」

 

「おお!ハチよくわかったな!でも今のうちにやっといた方がいいと俺は思う・・・」

 

「なんですか?森の秘薬のクエストって!私分からないのにおふたりだけで話を進めないでくださいよ!」

 

そう言って膨れるイロハ

 

「ハイハイあざとい、あざとい。

簡単に言ってしまえば第1層最強の片手剣を入手できるクエストのことだ」

 

そう森の秘薬クエストとは、第1層最強の片手剣、アニールブレードを入手出来る唯一のクエストだ。

そしてキリトもハチも片手剣を使っている。もちろんやっておいた方が良いクエストだ。

 

「やはり今すぐやるって訳にも行かねーだろ?俺たちの事情にイロハを巻き込めない・・・せめてイロハを町に届けてからでも・・・」

 

「せんぱい・・・その剣が必要なんですよね?だったら私の事なんか気にしないでゲットしちゃいましょう!

私もせんぱいの力になりたいんです!それに・・・足を引っ張らないって約束したじゃないですか。」

 

「そうだぞハチ、森の秘薬クエはかなりの数モンスターを倒さなきゃならない・・・俺たちのには時間が無いんだよ

1人でも多い方が早く終わらせられるしその方が安全だ」

 

悩むハチ・・・確かに2人の意見は的を得ている・・・しかしハチは怖いのだ・・・もしもの事があったら・・・目の前でもし・・・

 

「せんぱい・・・大丈夫ですよ」

 

(これじゃあどっちが年上なのか分からないな・・・)

 

「わかった、受けよう森の秘薬クエ」

 

「そう来なくっちゃな!」

 

「やりましょう!」

 

そして3人は森の秘薬クエストを受けるために小さな小屋に向かった。

そこでは小さな女の子が病に伏しており、それを治すにはリトルネペントの胚珠が必要とのことだ。

 

「せんぱい・・・あのクエストの女の子って・・・」

 

「あぁクエストを受けようとする度に同じ病に罹る」

 

「・・・悲しいですね」

 

「あぁ・・・」

 

そして3人は見事リトルネペントの胚珠を入手することが出来た。

しかし3人の心にはポッカリと穴が空いたような・・・そんな気分がした。

 

ホルンカの町に着いた3人は宿屋に向かった

そこで部屋を取り各自自分の部屋に入った。

 

「しかし今日は本当に色々なことがあった」

 

「そうですね〜まさかゲームの中に誘拐されちゃうなんて」

 

「ほんとだよな・・・でもまぁ本格的に始まる前にお前を見つけられてよかったよ」

 

「な、ななな何言ってるんですか!そんな!私だけを探していただなんて!私もせんぱいの事探してましたし、本当に会えるだなんて運命かもとか思っちゃったりしましたけど!まだ気持ちの整理が済んでないのでまた改めて告白して欲しいですごめんなさい!」

 

「何言ってんだよ・・・って

はっ!えっ!?なんでお前が俺の部屋にいるんだよ!?」

 

「え〜だって〜ゲーム始めたばかりでお金あんまりありませんし?2人で1部屋にした方が良くないですか?」

 

そう・・・イロハはキリトを一人部屋にそして自分とハチを同じ部屋になるように借りたのだった。

 

「待て待て待て!だったら俺とキリトを同じ部屋にすればよかっただろ!」

 

そう言って扉に手をかけようとするハチの背中をイロハはそっと抱きしめた。

 

「ちょ!おま!?何して・・・」

 

そこまで言って止まってしまった。

イロハが泣いていたのだ・・・

 

「せんぱい・・・ごめんなさい・・・少しだけでいいんです・・・」

 

無理もない・・・イロハはまだ16歳なのだ。

16歳の女の子がいきなり知らない世界に飛ばされて 不安でないはずがない・・・

 

「気にするな・・・」

 

そう言って正面を向き直しそっとイロハの頭を撫でる

 

「大丈夫だ・・・お前の事は俺が必ず守ってみせる・・・

お前だけは必ず現実の世界に戻してやる」

 

 

 

 

 




ホルンカの森の戦闘飛ばしてしまって申し訳ないです(/;ω;\)

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第11話 黒歴史を刻む

(朝目が覚めたら、昨日みたいな日常はなくて・・・そんなアニソンがあった気がするな・・・)

 

「まぁ現実、今ここでそれが起きているんだがな・・・」

 

そう言ってベッドから身体を起こすハチ

するとどうだろう、ハチの隣にもう1人気持ちよさそうに寝息を立てている者がいた。

 

「おわっ!?なんでイロハがここに!?」

 

(あぁそういえば昨日あの後座るところがねぇからベッドに移動してそのまま寝ちまったのか)

 

昨日起きたことを思い出しながらハチはイロハのことを起こそうとする。

 

「おい。起きろもう朝だぞ」

 

するとイロハはゆっくりと瞼を開いた。

その様子はまだまだ眠いようで少しウトウトしている。

 

「はれぇ?しぇんぱい?にゃんで私のへやに?・・・」

 

「寝ぼけてんのか?ここはお前の部屋じゃないぞ」

 

ここでやっと目を覚ましたのかみるみるウチに顔が赤くなっていくイロハ

 

「な、なななんでせんぱいがここに!?あれ?!私あの後・・・せんぱい私が寝ている間にイタズラしました?」

 

「心配すんな、なんもしてねぇから」

 

「あぁ・・・せんぱいヘタレですもんね・・・そっか・・・

そういえばせんぱい昨日はちょっとだけかっこよかったですよ

なんでしたっけ?お前の事は俺が必ず守ってみせる

でしたっけ?」

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!やめろ!!!!」

 

今ここにハチの新しい黒歴史が刻まれた。

 

するとドアの方からノックする音が聞こえる

 

「ハチ、起きてるか?開けるぞ?」

 

ガチャ

 

「あ〜、ごめんハチ、イロハお邪魔だったかな?」

 

「気にするなキリト。

それで?こんなに朝早くからどうしたんだ?」

 

そのまま部屋を出ようとするキリトを呼び止めた

 

「あぁ・・・これから先の目標っていうかすべき事?をまとめておこうかと思ってな。」

 

「なるほどな・・・わかった。」

 

「私はせんぱいについて行きますよ!」

 

「わかった。じゃあ少なくとも俺とイロハは共に行動するとしてキリトはどうする?」

 

そう言って話合っていく3人

 

話はこの階層のボスの話にまで発展していく。

 

「なぁキリト、俺はボス攻略に参加したことがない。

色々教えてくれないか?」

 

「あぁ、確かにボス攻略でハチみたいなやつはいなかったな。

ベータテスト時と変わっていなければボスの名前は

イルファング・ザ・コボルトロード

この階層の迷宮区に出てくるコボルト達の親玉だな

使う武器は片手斧と盾、体力ゲージがラスイチになるとタルワールに変えてくるんだ。」

 

「なるほどな・・・って事は迷宮区にいるコボルト達で戦闘経験を積めばある程度動きが予想できそうだな・・・」

 

「って言うかせんぱい!ボス戦に参加するんですか!?」

 

驚きを隠せないイロハ、当然だろうこれまでのハチだったら自分からボス戦に行くなどとは決して言わないと思っていたから。

 

「まぁな・・・お前は参加するなよ?危険だからな」

 

「何言ってるんですか?せんぱいが行くなら私も行きますよ!ついて行くって言ったじゃないですか!」

 

「ハチ、俺もイロハが行くのには賛成だ。」

 

「・・・・・・はぁ・・・わかったよ。ただしボス戦に行く前までに戦い方をしっかりと覚えてもらう。合格レベルにならなかったら置いていく?

いいな」

 

「わかりました。約束します。」

 

そう言ってイロハは真っ直ぐにハチの顔を見た。

その顔は何かを決意したかのような凛々しくも儚いものだった。

 

「よし。それじゃあハチ、イロハ安全マージンだけど

おおよそで言うと最初は階層プラス10レベルくらいだと思う。

つまり今回はおおよそレベル11ってところだ」

 

「11か・・・先は長いな・・・まぁわかった。」

 

「私も頑張ります!」

 

その後キリトは行くところがあると言い2人と別れた。

 

ハチとイロハも強くなるために様々なクエスト、狩りに勤しんだ。

 

次に3人が集まったのは第1層攻略会議の場だった。

 

 

 

 

 




なんかよくわからない感じになってしまいました
(/;ω;\)

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第12話 第1層攻略会議Part1

《第1層攻略会議》はトールバーナにある中央広場で行われることになった。

広場と言ってもそこは客席がステージを囲むように配置されだけのところだ。

 

 現在時刻は午後四時前後。

ハチとイロハは攻略に参加するため広場に集まっていた。

 

そんな広場の端の方に、ひっそりと座るプレイヤーが二人。

 

片方はハチもイロハもよく知る全身黒ずくめの剣士

そしてもう1人、顔は見えないが深く被った赤っぽいフード、華奢に見える体つき、恐らく女性だろう。

 

キリトは俺たちに気付くと明らかに安心した表情を浮かべて手招きしてきた。

 

特に拒む理由もなく、また丁度いい具合に席も空いていたのでキリトの隣へ。

 

「よっ、キリト。久しぶりだな」

 

「久しぶり。ハチも来たんだな。イロハも、久しぶり」

 

「お久しぶりです!キリトさん!」

 

ホルンカの町を出て以来、俺たちは中々会う機会がなかった。

キリトはキリトで用事があったらしく、俺たちは俺たちでやらなければならないことが多すぎたのだ。

 

「キリトさん!隣にいる方はもしかして友達ですか?」

 

イロハが言っているのは、キリトから人一人分離れた位置に座るあの赤いフードの少女だ。

 

「ああ、お仲間というか、顔見知りかな」

 

「中々すみに置けませんね〜」

 

するとその少女?が口を開いた。

 

「別にそんなのじゃないわ」

 

(随分やさぐれた女だな・・・どっかの誰かさんを思い出す・・・)

 

するとイロハがハチにこっそりと耳打ちをしてきた。

 

「せんぱい、あの人雪ノ下先輩に似てませんか?」

 

「似ているが別人だろ?少なくともあいつはこの世界にはいない。」

 

そんなことを話していると誰かがステージにあがってきた。

 

「はーい! それじゃあ五分遅れたけど、そろそろ始めさせてもらいます!」

 

 声のした方へ振り向くと、そこには青い長髪のイケメンがいた。

 

(あいつも葉山みたいな感じだな・・・)

 

「今日は、俺の呼びかけに応じてくれてありがとう! 知ってる人もいると思うけど、改めて自己紹介しとくな! 俺はディアベル!職業は気持ち的にナイトやってます!」

 

男がそう言うと、近くの集団がどっと囃し立てた。

 

ディアベルは、集団を制すると真剣な表情になった。

 

「……今日、オレたちのパーティーが、あの塔の最上階へ続く扉を発見した。つまり、第1層の……ボス部屋に!」

 

ディアベルの言葉を聞いて広場にいるプレイヤーがざわめく。

 

ただやはり、「いよいよか」とは思う。

 

ここまで一か月かかってようやく第1層の終わりが見えてきた。今日に至るまで少なくない死者――犠牲者が出てるし、生きてるプレイヤーの大半もはじまりの街から出られずにいるらしい。

 

「一か月。ここまで、一か月もかかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。ボスを倒し、第2層に到達して、このデスゲームそのものもいつかきっとクリアできるんだってことを、はじまりの街で待ってるみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場所にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ! そうだろ、みんな!」

 

拍手喝采。広場にいるほとんどのプレイヤーからだ。手を叩いていないのは俺とイロハ、あとはキリトにその隣の女だけだ。

 

(義務か・・・)

 

ディアベルの演説に拍手が続く中、唐突にそれを遮るような声が響いた。

 

「ちょお待ってんか?」

 

すると歓声が止まり、全員が声の主へ視線を送る。広場の階段席中央やや左に立つ、トンガリ頭の少し小柄なプレイヤー。

そいつは全員の視線が集まったと見るや、あんまり軽やかとは言えない跳躍で段差を飛び降りていき、ディアベルの横に着地した。

 

「そん前に、こいつだけは言わしてもらわんと、仲間ごっこはでけへんな」

 

トンガリ頭の言に、ディアベルは気分を害した風もなく答えた。

 

「こいつっていうのはなんの事なのかな? まあ何にせよ、意見は大歓迎さ。でも、発言するならいちおう名乗ってもらいたいな」

 

「………………フン」

 

 

 

尊大に鼻を鳴らして、トンガリ頭が振り返った。

 

「わいはキバオウってもんや」

 

するとキバオウは会場の端から端まで届くほど大きな声で叫ぶようにして言った。

 

「こん中に、五人か十人、ワビぃ入れなあかん奴らがおるはずや」

 

 




今回はここまで!
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第13話 第1層攻略会議 Part2

前回の続きです!


「こん中に、五人か十人、ワビぃ入れなあかん奴らがおるはずや」

 

「詫び? 誰にだい?」

 

「はっ、決まっとるやろ。今までに死んでった千五百人に、や。奴らが何もかんも独り占めしたから、一か月で千五百人も死んでしもたんや! せやろが‼」

 

ディアベルの問いかけに対して糾弾の声を上げるキバオウ。

 

「キバオウさん。君の言う《奴ら》とはつまり……元ベータテスターの人たちのこと、かな?」

 

「決まっとるやろ」

 

キバオウは広場のプレイヤーを見回しながら話を続ける。

 

「ベータ上がりどもは、こんクソゲームが始まったその日にダッシュではじまりの街から消えよった。右も左も判らん九千何百人のビギナーを見捨ててな。奴らはウマい狩場やらボロいクエストを独り占めして、ジブンらだけぽんぽん強うなって、その後もずーっと知らんぷり」 

 

デスゲーム開始から一か月。アインクラッドにおける死者の数は2000人近くにも及んだ。このペースが続くようなら、全プレイヤーが消滅するのに半年もかからない。

 

だが亡くなった2000人のうち、少なくない割合を占める死因は自殺だった。

恐慌したプレイヤーが、逃げ出したい一心で安易な手段をとる。そうして自殺を図る者が、特に最初の数日間は後を絶たなかった。

 

そしてモンスターとの戦いで命を落とす者も確かに多かったが、彼らの多くはSAOでの戦闘経験がほとんどない初心者だった。

慣れない戦いを強行した結果、満足に技を繰り出すこともできず、リアルな敵の姿に竦んで動けず死んでいった者が多かった。

 

彼らの死は、誰かが責任を負うようなものじゃない。彼らが自分から行動して、その末の結果なのだから、誰かに責任があるとか言うのはおかしな話だ。

 

ましてや元ベータテスターに責任を押し付けるなんてのは全く以て筋が通ってない。

 

「こん中にもちょっとはおるはずやで。ベータ上がりっちゅうことを隠して、ボス攻略の仲間に入れてもらお考えてる小狡い奴らが。そいつらに土下座さして、貯め込んだ金やアイテムをこん作戦のために軒並み吐き出してもらわな、パーティーメンバーとして命は預けられんし預かれんと、わいはそう言うとるんや!」

 

 広場にいるプレイヤーたちは誰一人口を開くことができなかった。

今ここで中途半端な反論でもしようものなら、すぐさま元ベータテスターと疑われるだろうからだ。

 

「発言、いいか」

 

ふと、静寂を低く響く声が破った。

 

190cmはあるかという長身に盛り上がった筋肉、褐色肌で頭をスキンヘッドにしていて、背中側だけでもかなり迫力がある。

 

「オレの名前はエギルだ。キバオウさん、あんたの言いたいことはつまり、元ベータテスターが面倒を見なかったからビギナーがたくさん死んだ。その責任を取って謝罪・賠償しろ、ということだな?」

 

「そ・・・そうや!あいつらが見捨てへんかったら、死なずに済んだ千五百人や! しかもただの千五百ちゃうで、ほとんど全部が、他のMMOじゃトップ張ってたベテランやったんやぞ! アホテスター連中が、ちゃんと情報やらアイテムやら金やら分けおうとったら、今頃ここにはこの十倍の人数が……ちゃう、今頃は二層やら三層まで突破できとったに違いないんや‼」

 

「いい加減にしてください!」

 

隣のイロハが突然叫んだ。

 

「黙って聞いていれば!」

 

そこまで言うとイロハは止まった。

 

隣にいるハチがイロハの腕を引っ張ったのだ。

 

「せん・・・ぱい?」

 

するとハチは小さな声で

 

「あとは任せろ」

 

ハチはイロハの前に立ち塞がった

 

「な、なんやジブン、いきなりしゃしゃり出てきおってからに……」

 

「いやぁ俺の連れが失礼をした。

あまりにも訳の分からないことを言っているものだからついイラついちまってな」

 

「っなんやと?……」

 

「キバオウさん、あんたはああ言っていたが、金やアイテムはともかく情報はあったと思うぞ」

 

そう言って、ハチはポケットから一つの冊子を取り出した。羊皮紙を紐で綴っただけの簡易的な冊子で、表紙には丸い耳と三本の髭をあしらった《鼠マーク》が描かれている。

 

「このガイドブック、あんただって貰っただろう。ホルンカやメダイの道具屋で無料配布してるんだからな」

 

 

 ガイドブックと呼ばれるその小冊子を見た瞬間、チラリとイロハの視線がこちらへ向けられる。

 

「……む、無料配布だと?」

 

と、キリトが小さな声で驚きを露わにする。

 

当然だろう。なんせキリトはアレを金を払って購入したはずだからな。

 

「……わたしも貰った。すごく有難かったわ」

 

今までひっそりとしていたフード女子が言うのに続く。

 

キリトが戸惑いつつ「タダで?」と彼女に訊ねると、彼女はこくりと頷いた。

 

「道具屋さんに委託してたけど、値段が0コルだったから、みんな貰ってたわ。すごく役に立った」

 

「ど……どうなってんだ……」

 

キリトは驚きを隠せていなかった。

 

ベータテスターなら以前攻略した際の情報を知っているだろうし、先行する元ベータテスターから情報を集めて後続に還元すれば、その差も縮まって後々しこりが残るのを防ぐことができるかもしれない。

 

まあ実際はベータのときと違う部分が少なからずあったようで、アルゴ自身や彼女の仲間連中は文字通り駆けずり回って変更後の情報集めをしてくれた。その甲斐もあって、元ベータテスターが足下を掬われるってこともだいぶ減ってきたらしい。

 

それが証拠に、攻略本の裏表紙には文庫の帯よろしく鼠の一言が書かれている。

 

『ベータテスターのお墨付き! 大丈夫。ネズミ印の攻略本だよ!』

 

 

 

何をもって大丈夫なのかは甚だ疑問だが、ベータテスターのお墨付きという文句は他のプレイヤーに複雑な感想を抱かせた。 

 

「ベータテスターの情報なんて信じていいのか」と思う反面、見るからに有益な情報が並んでいれば心も揺れ動くというもの。

ましてやそこに書かれたことが悉く攻略の役に立ったとなれば嫌でも信用せざるを得ない。

 

人間、いつだって自分に都合よく解釈したがるもんだからな。

 

キバオウは痛いとこを突かれたと言わんばかりの表情を浮かべた。

 

「――――貰たで。せやけどこいつは……」

 

「信用ならないか?ならアンタは今まで1度もこの攻略本を見た事がないってことだな?

裏表紙の謳い文句を見ても判る通り、こいつに載ってるモンスターやマップのデータを情報屋に提供したのは、元ベータテスターたち以外には有り得ない」

 

広場にいるプレイヤーの多くが頷いた。キバオウはぐっと口を閉じ、その後ろではディアベルが少しだけ視線を落としていた。

 

「いいか、みんなも知っての通り、情報はあったんだ。なのにたくさんのプレイヤーが死んだ。その理由は、彼らがベテランのMMOプレイヤーだったからだと俺は考えている。このSAOを、他のタイトルと同じ物差しで計り、引くべきポイントを見誤った」

 

「そこに元ベータテスターが追うべき責任はない。少なくとも、彼らが面倒を見なくてはならないなんて義務はない。犠牲に対する責任を追及するのは、全く以て見当違いだ。

今必要なのは、俺たち自身がそうなってしまうのかどうかだ。それがこの会議で話し合われると、俺は思っているんだがな」

 

ハチとエギルに立て続けに言われて、キバオウは口籠ってしまう。

 

そもそもが少なからぬ言いがかりを含んだ主張だっただけに、理路整然と反論されてしまえば何も言えないのも仕方ない。エギルとハチがそれぞれ別種の迫力を持っていたってのもあるだろうが。

 

するとようやくディアベルが口を開いた。

 

「キバオウさん、君の気持ちも理解できるよ。俺だって苦労してここまで辿り着いたのに、そのときにはもう何人か先行して辿り着いてる人がいたからな。でも、そこのエギルさんの言う通り、今は前を見るべきときだろ? 元ベータテスターだからって……いや、元ベータテスターだからこそ、その戦力はボス攻略のために必要なものなんだ。彼らを排除して、結果攻略が失敗したら、何の意味もないじゃないか」

 

聴衆の中には深く頷いている者が何人もいるが、悪いな、俺はどうしても人の裏を読んじゃう性質なんだ。

 

「みんな、それぞれに思うところはあるだろうけど、今だけはこの第一層を突破するために力を合わせて欲しい。どうしても元ベータテスターとは一緒に戦えない、って人は、残念だけど抜けてくれて構わないよ。ボス戦では、チームワークが何より大事だからさ」

 

 ぐるりと一同を見渡したディアベルは、最後にキバオウを真顔でじっと見詰めた。キバオウはしばらくじっとその眼差しを受け止めていたが、やがてふんっと鼻を鳴らすと負け惜しみじみた声で言った。

 

「…………ええわ。ここはあんさんに従うといたる。でもな、ワイは認めんで。元ベータテスターに非があったのは間違いないんやからな」

 

そう言って、キバオウは鎧をジャラジャラ鳴らしながら取り巻きの方へ戻っていった。

 

それを見たエギルもゆっくりと自分のいたところに戻った。

 

「ふぅ・・・何とか落ち着いたな」

 

「・・・せんぱい・・・。ありがとうございます」

 

「なんの事だ?」

 

そういうとイロハはハチの顔を見て朗らかに微笑んだ

 

なんとも気恥ずかしくなって顔を背ける。と、ふと目についた先でキバオウがこちらを睨んでいることに気付いた。

 

(え、なに?俺が悪いの?)

 

 




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第14話 初のパーティー未来へ繋ぐ

「それじゃあパーティーを組んでくれ!」

 

ディアベルはみんなにそう声をかけた。

その声に焦る2人の声、そうハチとキリトだ。

 

「大丈夫ですよ、せんぱいにキリトさん

私たちが組めばいいんですから!」

 

「お、おう確かにそうだな」

 

「俺もいいのか?2人きりの方が・・・」

 

「いいんですよ!それとキリトさんあの方も誘ってきてください」

 

そう言ってイロハは赤いフードの女を目で見た。

 

「え・・・俺が行くのか?そこはイロハの方が・・・」

 

「いいから!早く行ってきてください!」

 

急かされたキリトは渋々赤いフードの女の子とところに歩いていった。

 

「おい、どうしてあいつを誘うんだ?しかもキリトに行かせるなんて」

 

「う〜ん・・・なんとなくですけどあの二人お似合いな様な気がするんですよ・・・」

 

そう言って考え込むような仕草をするイロハ

 

(コイツ可愛いな・・・)

 

「どうしたんですかせんぱい?私の顔じっと見て

まさか!私の可愛さに気がついちゃいました?

確かにボス戦前の雰囲気って中々オシャレだとは思うんですけどそれって基本的に死亡フラグなのでボス戦が終わってから改めてお願いしてもいいですか!」

 

「なんでもねぇよ!

それにお前よく噛まずにその長ったらしい言葉喋れるな逆に感心するわ」

 

そんなことを話していると赤いフードの女を連れたキリトが戻ってきた。

 

「おーい。誘ってきたぞ〜

それで?パーティーリーダーはどうする?」

 

その質問に対して3人は息を揃えたように

 

「キリトでいいんじゃないか?」

 

「キリトさんで!」

 

「君でいいと思うけど・・・」

 

「俺かよ!」

 

そんなこんなでパーティーを組み終わった4人

そこで初めて赤いフードの女の名前がわかった。

 

(アスナ?これがコイツの名前なのか)

 

「へ〜!アスナさんって言うんですね!私イロハです!

女の子同士仲良くしましょ!」

 

するとアスナは驚いたようにして口を開く

 

「ちょっと待って!なんであなた私の名前を?」

 

その様子を見てキリトが口を挟む

 

「まさか今までパーティーを組んだことがないのか?

ほら視界の左側に体力バーが3本あるだろ?」

 

するとアスナは視界を左に寄せようとしたが顔も一緒に動いてしまっている。

するとキリトが左手でアスナの頬を支えた

 

「ほら見えるだろ?」

 

「ハ・チ?これがあなたの名前?」

 

「違う違うそれじゃない」

 

「じゃあ・・・キ・リ・ト?」

 

「そうそれが俺の名前」

 

そうして見つめ合うふたり

 

「おいお前らいつまでそうしてるつもりなんだよ」

 

「私たちお邪魔ですかね?」

 

すると2人の顔がみるみるうちに赤くなっていく

 

「す、すまん!」

 

「ごめんなさい!」

 

そんなこんなあったが4人は自己紹介を終え帰路についた。

 

明日はとうとうボス戦・・・なんの被害もなく終わるといい。

 

(明日のボス戦でこの世界・・・ソードアート・オンラインがクリア可能なものなのかどうかがわかる・・・

必ず帰ってみせる!)

その思いを胸に秘めたハチはイロハと共にゆっくりと宿屋に帰るのだった。

 

 

 

 

 

「所で・・・ハチ・・・くん?

その目の濁りってどうしたの?そんなデバフを掛けてくるようなモンスターっていたっけ?」

 

「やかましいわ!それにこの目はデフォルトだ!」

 

「え!デフォルトなのか!?てっきり俺はなんかのレアアイテムの結果だと・・・」

 

「お前もかキリト!」

 

 

 






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第15話 決戦前夜

宿屋のベッドに横になって、明日のボス戦について考える。

間違いなく、明日のボス戦は苦戦するだろう。

ディアベルはレベルがもうちょっと低くても勝てると言ったが、それは大きな間違いと言えるだろう。

現在レベル12の俺でさえ、コボルトなどの亜人型モンスターのソードスキルを直で喰らえばHPが半分無いくらい削られてしまうのだ。

 

敵が単発技しか使わないならまだいい。仮に一発喰らっても逃げて体勢を立て直すことはできる。

だが二連撃、三連撃もの技を持っていた場合は、下手をすればそれだけでHPが全損しかねない。

 

(もしもの時は・・・)

 

ふと、そこまで考えたとき――。

 

 

トントンっと、扉がノックされる音がした。

 

「・・・・・・なんだ?キリトか?」

 

こんな夜中に一体どうしたのか・・・不思議に思いドアを開けてみる。

だがそこにいたのはキリトではなかった。

 

「イロハ?」

 

「夜遅くにすみません・・・・・・今ちょっとだけいいですか?」

 

そこにいたのは、部屋着姿のイロハだった。

 

「お、おう……。別にいいけどよ」

 

「すみません・・・ありがとうございます」

 

しかしイロハの雰囲気はいつもとまるで違った。

 

いつものように明るく、あざとい感じがなく

下手をしたら折れてしまうような弱々しい姿・・・。

 

招き入れて扉を閉め、足を止めたイロハの背を見る。

 

 

「せんぱい・・・」

 

 

背中を向けたま話し始めるイロハ

 

 

「明日の戦い、勝てますよね?」

 

 

「……どうだろうな。正直言ってスムーズに勝てるとは思えない・・・だが少なくとも負けることは無いと思う。」

 

「そう・・・ですよね。せんぱいがそういうならかてますね!」

 

「なんでお前はそこまで俺を信頼出来る?」

 

「・・・だって・・・今までだってそうだったじゃないですか・・・

せんぱいが何かしらの行動を起こした時は必ずと言っていいほど物事が解決に進みました。

だから今回もきっと・・・せんぱいが攻略に参加しているって事で・・・なんとかなる・・・そう思わせてくれるんです。」

 

「俺は問題を解決したことは無い・・・解消してただけだ・・・それに俺はお前が思ってるほど立派なもんじゃ・・・」

 

そこまで言うとイロハに止められた。

 

「せんぱい」

 

窓から差す月明かりに横顔が浮かぶ。

 

薄桃色の唇が微かに動いて、隙間から小さく、けれど確かな音が紡がれる。

 

「・・・私はそういうせんぱいに救われたんですよ・・・

私だけじゃない・・・結衣先輩も雪ノ下先輩もお米ちゃんだって・・・」

 

そう言ってイロハはハチに微笑んだ。

 

「皆、せんぱいに救われたんです。」




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第16話 いざ!ボス戦へ!Part1

ついに訪れた一層の階層ボス攻略の朝ハチは、

残してきた大切な人々の事を思い浮かべていた。

 

(今日が本当の意味での最初の第一歩になる。みんな、守ってくれよな……必ず帰るから)

 

もし負けてしまったら…ハチはそれについては考えないようにした。

 

「お早う、二人とも」

 

「うっす」

 

「おはようございま〜す!」

 

「それじゃまあ、あいつらの後をのんびり付いて行くとしますか。

4人の俺達があんま出しゃばるのもあれだしな」

 

(まぁ確かにここで難癖つけられても堪らないしな)

 

ハチはそう考えイロハと共にアスナとキリトの後をついていった。

 

これだけの人数がいるだけあって、道中は何事もなく進み

途中何度かの戦闘を挟みつつも、ついに一行はボス部屋の前に辿り着いた。

 

作戦の概要の確認が成された後、ディアベルは何か質問はあるかなと皆に問いかけた。

 

それを受けて、ハチとキリトが手を上げた。

 

昨日の印象もあったのだろうか、まずハチが指名された。

 

「なんや?今更難癖でもつけに来たんか?」

 

そう言うキバオウをハチは無視して話を続けた。

 

「戦闘中のボスの挙動が、情報と大きく違った場合の対応を聞いておきたい。

場合によっては撤退も視野に入れるとして、

その判断と指示は、あんたがしてくれるって事でいいのか?」

 

「もちろん安全第一だ。シミュレーションは完璧だから

誰も危険な目にあわせるつもりは無いけどね」

 

(完璧ね…)

 

次にキリトが質問内容を尋ねられたが、内容は同じだった。

 

「合同演習にも参加せん奴らが偉そうに口出しすなや。

こいつらの事なんぞ相手にせんでええで、ディアベルはん。

あんさんの指揮ぶりを知っとったら、そないな心配あるわけあらへん」

 

二人はそのキバオウの言葉には反応せず、納得した旨を伝えて引き下がったが、

その後にハチとキリトは、今のキバオウの態度について、ひそひそと会話を交わしていた。

 

「ハチどう思った?」

 

「ああ、なんか昨日とちょっと違うな」

 

「言い方はあれだが、内容は随分と丸くなってるよな」

 

「まあこれで、戦闘中に仲間割れとかの危険は減ったと思っていいのかね」

 

「心配事が一つ減ったって感じか?」

 

「せ〜んぱい!なに2人だけで内緒話してるんですか?

はっ!まさか!…せんぱい…もしかしてキリトさんのことが!?

そんな!確かに戸塚先輩に対する態度が若干怪しいな〜とは思っていましたが!ダメですよせんぱい!いくらキリトさんが可愛い顔してるからって!男どうしはダメです!…まぁでも…ちょっと見たい気も…はっ!やっぱりダメです!」

 

「お前はホントに何を言ってんだ!?俺とキリトはそんな関係じゃねーし!

それに戸塚は男じゃねぇ!天使だ!トツカエルなんだよ!」

 

「うっわぁ…せんぱいきもちわるいです。」

 

 

「え…なにそれ俺泣いちゃうよ?」

 

そんなふうに話していたら

 

ディアベルが、そのキバオウの言葉を受けて全員に言った。

 

「信頼ありがとう。今回は初めての階層ボス戦に挑むわけだが、

現状考えうる最高のメンバーが集まってくれた。

みんなで勝とうぜ!………さあ、行こう!」

 

一同は雄叫びを上げ、ボス部屋へと突入を開始した。

 

エギルはちらっと後ろを振り向くと、4人人に向けて拳を突き出し、親指を立てた。

 

4人は同じように拳を突き出し、親指を立ててそれに応えた。

 

「おお、なんか本場の合図って感じだわ」

 

「そうだな、なんかあいつかっこいいぞ」

 

「ですね!」

 

「ええ!」

 

するとハチはいきなり真剣な顔つきになり3人に言った

 

「なあ。キリト、アスナ、イロハ。今回のボス戦、犠牲が出る確率が高い。

俺はまだ人が死んだとことか見た事ないから、

もしそれを目にしたらショックを受けてしまうかもしれん。

そしたら俺の頬を引っ叩いて目覚めさせてくれ。

もし4人ともがショックを受けたら、一番最初に気が付いた奴が、

他の3人を引っ叩く。絶対に4人で生き残って、そしてクリアしよう」

 

「ええ、わかったわ」

 

「あぁ」

 

「任せてください!せんぱいを叩くの慣れてますから!」

 

「え…なにそれ…俺そんなに叩かれた覚えないんだけど」

 

と、4人は言葉を交わしながら、若干していた緊張を解し合う。

 

扉が開き徐々に奥に進んでいく攻略組

 

やがて徐々にボスの姿が見え、誰かがそれを見て呟いた。

 

「あれが…第1層ボス…でけぇ…」

 

イルファング・ザ・コボルトロード

 

さすがは階層ボスとも言うべき威容である。

 

一同に緊張が走ったが、その緊張は、ディアベルの声によってかき消された。

 

「右手に骨斧、左手に湾刀。取り巻きは三体。全て情報通りだ、いけるぞ!

臆するな、声を上げろ!みんな、行くぞ!」

 

ディアベルの叫びを受け、皆は、応!!!と応じ、突撃を開始した。

 

編成はABのボス用タンク隊とC~Gの各攻撃隊。

 

そして4人パーティーの遊撃隊で構成されていた。

 

最初は4人の出番は無かったが、戦闘が進むに連れ、徐々に押される隊も出てきていた。

 

「A隊から、B隊にスイッチ!」

 

「C隊は後退準備を!F隊、スイッチの準備頼む!」

 

「G隊負傷者二名、一旦下がる!遊撃隊、しばらく支えてくれ!」

 

「遊撃隊、了解!」

 

4人は指示を受け、初戦闘に挑む事となった。

 

4人の戦闘はまだ誰も見た事が無く、やはり人数が少ない事もあって、

 

他の隊は皆、所詮その程度の部隊だと考えていた。

 

やがてHPも完全に回復し、その二人は同じ隊の仲間に呼びかけた。

 

「回復完了!」

 

「よし!遊撃隊と変わるぞ!」

 

ちょうどその時、遊撃隊の戦闘を見ていた他の仲間達が息を呑み、驚きの声を上げた。

 

最初は悲鳴かと思いとうとう犠牲者が…思ったがどうやら違ったらしい。

何かまずい事が起こったわけでは無さそうだと思いつつ、二人は仲間達に尋ねた。

 

「おい、何があったんだ??」

 

「あれ……」

 

仲間が指差す方を恐る恐る見た二人は、遊撃隊に任せた取り巻きの一体が

ガラスが砕けるようなエフェクトと共に消滅するのを目撃した。

 

「え…おいちょっと待て一体何が起きた?」

 

「遊撃隊が…倒した」

 

「はぁ?そんなわけないだろ!他の部隊はまだ戦ってるんだぞ?」

 

「わかってる!…でも本当なんだ…」

 

「G隊!そろそろ終わるぞ!!」

 

G隊のメンバーは放心していたが、ハチに視線を向けられると、慌てたように応えた。

 

「りょ、了解!こちらは他の隊の援護に入る!」

 

 

 

 

 

 

4人は当初からの予定通り、まずキリトとアスナが前衛に立った。

 

キリトの攻撃は速く、鋭く、そして重かった。

 

アスナの突きは、まるで閃光が走ったかのような速度で相手を突き続けた。

 

「キリト!スイッチ!」

 

「おう!任せたぞ!ハチ!」

 

「アスナさん!スイッチ!」

 

「うん!任せたよ!イロハちゃん!」

 

 

次にハチとイロハが前に出た。ハチの戦闘は一見地味に見えたが、

その実、ほとんどの攻撃発動前にパリィしていた。

 

そしてイロハはハチによって作られた相手の隙を的確に責め続けていた。

 

するとキリトとアスナからまた声が掛かる

 

「ハチ!スイッチ!」

 

「任せた!」

 

「イロハちゃん!スイッチ!」

 

「お願いします!」

 

その声を合図に、ハチとイロハが一旦後退した。

 

キリトとアスナは、恐ろしいほどのコンビネーション連撃を披露し、そしてほどなく、敵の撃破に成功した。

 

「G部隊!そろそろ終わるぞ!」

 

ハチはそう叫んだが、G隊からの反応は無かった。

 

ハチが疑問に思い、G隊の方を見ると、G隊から慌てたような返事があった。

 

それを確認した二人は、キリトの元へと集合した。

 

「どうだイロハ、大丈夫だったか?」

 

「はい!何も問題なしです!」

 

「よし…しっかしキリトよ、お前やっぱすげ~な……」

 

「それはこっちのセリフだよ、ハチ。なんで攻撃を攻撃する前に防げるんだ?」

 

「あ~…まぁ今までの人生の賜物かな…」

 

「どんな人生送ってきたんだよ…それにイロハもよくあんなめちゃくちゃなタイミングしかも的確に相手の弱いところつけるなんて…」

 

「あはは〜まぁ私もせんぱいと同じような感じですかね〜」

 

「あなた達本当にどんな人生送ってきたのよ…」

 

 




前回にも書いたものです!
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第17話 いざ!ボス戦へ! Part2

前回の続きです!


その姿をたまたま後方で見ていたエギルは、心に希望と余裕が生まれた。

目の前に明るい光が…道を照らす光が見えたように感じた。

 

同じようにそれを目撃していたキバオウも、最初は他の人と同じようにあっけに取られていたが、

すぐに我に返ると、4人を睨みつつ、再出撃に備えた。

 

そして再出撃の番が来ると、キバオウはわざわざ4人の横を通り

すれ違いざまに三人に言葉を投げかけた。

 

「あんま調子こくなよ。ええか、あんましゃしゃり出んと、大人しゅうしとけや」

 

その言葉に対し、ハチ、キリト、アスナは無視をしたがイロハだけがキバオウに対し満面の笑みを浮かべた

 

キバオウはその顔を見て少し赤くなりながら

 

「くそっ、なんやっちゅーねん」

 

と、吐き捨てて仲間の元へ走っていった。

 

(よし…今のところ目立った被害もない…このまま行ければいいが…)

 

要所要所での遊撃隊の活躍もあり、誰一人として死者が出ないまま、ついにボスのHPゲージは、残り一本となった。

 

そして最後の取り巻きと戦っていた4人が首尾よくとどめを刺し、後方へ下がる

するとそのタイミングで本隊の方から大歓声があがった。

 

「よし!ボスが武器を変えるぞ!」

 

「今がチャンスだ!皆!俺に任せろ!」

 

そんな叫びと共に、ディアベルがボスに突撃していった。

 

ディアベルがかなりボスに近づいた辺りで、それが何かはっきりと見えた。

 

ハチはあの武器を知っている…

 

(あれは…俺が中学の頃にめちゃくちゃ欲しいと思ってた…)

 

「なぁ…キリト…あの形…まさか刀じゃないよな?」

 

「なんだって!」

 

ハチにそう言われてボスの姿を観察したキリトは

慌ててディアベルの方に駆け出そうとしたが、それはキバオウに邪魔された。

 

「なんやワレェ!おとなしゅうしとけって言ったやろが!」

 

「馬鹿野郎!邪魔するな!あれは…あれは!」

 

それでキバオウも今何が起こっているのか悟り、慌てたように振り向いた。

 

「ディアベル!逃げろ!あれはタルワールじゃない!

あれは…刀!野太刀だ!」

 

ハチがそう叫び、ディアベルはハチの声に反応して顔を上げた。

見るとボスの手には、新たに刀が握られていた。

 

そして…一番前にいたディアベルは、ボスの追撃で飛ばされた。

後方で見ていた隊から悲鳴があがる。

 

「クソ!遅かったか!

……キリト!アスナ!少しだけ前線を支えててくれ!」

 

キリトとアスナはハチの声を受け、即座に答えた。

 

「わかった!」

 

「まかせて!」

 

「危険な目に遭わせてすまん!イロハは俺と来い!」

 

そして次にハチは、全員に向かって叫んだ。

 

「動ける奴は全員キリトとアスナのフォロー!

タンクのやつは絶対に1人で攻撃を防ぐな!必ず2人以上で防ぐんだ!」

 

すると吹き飛ばされたディアベル以外の全員が戸惑いながらも「お、おう!!」と叫んだ

 

「キリト!ディアベルの代わりに指揮を頼む!絶対に死ぬな!」

 

ハチに声をかけられ、キリトは弾かれたように各隊に指示を出しはじめた。

 

「A隊B隊はスタンしたD隊を運び出せ!C隊E隊はその援護!

F隊G隊はいつでもボスに攻撃できるように準備して側面待機!ボスは俺達が抑える!」

 

その指示を聞き、エギルが心配そうに声をかけてきた。

 

「おい!二人とも!そんなに軽装なのに本当に大丈夫なのか!?」

 

その声に答えたのはハチだった。

 

「エギル…だったか!キリトとアスナなら大丈夫だ!」

 

だがさすがにこのクラスの相手の攻撃を、今のキリトが全て封じる事は不可能だ。

 

何度も敵の攻撃がかすり、その積み重ねで、キリトは徐々にHPを削られていく。

 

「キリト!絶対に死ぬなよ!死んだら許さねぇからな!」

 

そしてハチとイロハはディアベルの元へと向かった

するとHPこそレッドゾーンに入っていたがギリギリのところで耐えていた。

 

「ディアベルは無事だ!」

 

丁度その時後方からそんな声が聞こえ、キリトは安堵し、あと少しの我慢だと思い、目の前の敵に集中した。

 

無難に敵の攻撃をさばいていたキリトだったが、

ソードスキル後の一瞬の硬直時に、敵のHPが丁度レッドゾーンに達した。

 

その為ボスの攻撃がいきなり激しさを増し、無防備なキリトに迫る。

 

「しまった!」

 

キリトは、死を覚悟をした。

 

(すまんハチ!)

 

その瞬間、先程までディアベルの近くに居たハチが飛び込んできて、ボスの攻撃を弾き飛ばし、アスナがキリトを後ろに引っ張った。

 

「すまん!遅くなった!まだ生きてるな!」

 

「…はっ!余裕だったよ!」

 

「あんなに焦った顔しといてよく言うな」

 

「見てたのかよ!」

 

そこにD隊を避難させ終わったエギル達タンク隊が駆けつけ、三人の前に出た。

 

「あとは俺達が支える!」

 

「頼んだ!下がるぞ!キリト!アスナ!」

 

その時突然ディアベルの回復を任せたハズのイロハの叫び声が聞こえた。

 

「待って下さい!貴方まだ回復終わってません!」

 

突然ディアベルが前線に飛び出してきたのだ。

 

「よし!俺がとどめを刺す!」

 

「は?」

 

「おい!何やってんだあのやろう!」

 

見るとディアベルが、丁度ソードスキルのモーションに入ったところだった。

 

そんな一同の目の前で、ボスがディアベルの声に反応したのか、そちらの方を向いた。

 

それを受けるディアベルのHPは……まだ三割ほどしか回復していなかった。

 

「やめろディアベル!ボスがそっちに行っちまう!」

 

だがハチの叫びも虚しく、ボスの刀が振り下ろされ、

無防備なディアベルに直撃したボスの攻撃は、あっさりとディアベルのHPを全損させ

ディアベルはそのままエフェクトと共に砕け散った。

 

誰も何もする事は出来ない、それは一瞬の出来事であった。

 

4人にとって、誰かが死ぬ所を見るのは、これが初めての経験だった。

 

ハチは、ここでは人はこんなに簡単に死ぬのかと、呆然としつつ怒りを覚えていた。

 

アスナは、その安っぽいエフェクトを見て

あんまりだ、こんなの人の死に方じゃない、と震えていた。

 

キリトは歯を食いしばり、ディアベルがいたはずの場所を見つめていた。

 

イロハは呆然としながらその目には涙を浮かべていた。

 

一時の楽観ムードは鳴りを潜め、全員が死というものを再認識させられていたのだ。

 

そんな時離れていて本来ならボスに狙われるはずのないイロハに向かってボスがスキルを発動しようとしていた。

 

それを見たハチは急速に意識が覚醒していくのを感じる。

 

ボスの攻撃はイロハに向かって繰り出された。

 

 




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第18話 終わりを告げる

イロハに攻撃が当たるその瞬間ハチは目にも止まらぬ速さでボスとイロハの間に入り込みボスのスキルをはじき飛ばした。

 

「全員目を覚ませ!ぼさっとしてる奴が周りにいたら引っぱたいてでも意識を戻させろ!」

 

それを聞き全員が意識を覚醒させる

 

アスナとキリトは互いに叩きあっていた。

 

そしてハチは全員に指示を出した

 

「攻撃隊は側面に回り込んで一斉攻撃!体力が減ってるやつは下がって回復しろ!」

 

ショックの大きさからまだ立ち直ってはいなかったが、

その声に弾かれるように全員が動き出し、そしてそのまま最後の総攻撃が開始された。

 

ハチは一安心しイロハに近づく

 

「大丈夫か?」

 

その姿を見たイロハは弾けたように泣き出した

 

「うわぁぁぁ!せんぱい!すみません!私のせいで…私がちゃんと止めていれば…うあぁぁぁ!」

 

「安心しろあれは俺でも止められなかった…危険な目に遭わせてすまん…」

 

「せん…ぱい…怖かった…怖かったです!

でも信じてました!きっと…きっとせんぱいが助けてくれるって…」

 

そんなイロハをハチはそっと抱きしめた。

 

ゆっくりと頭を撫でイロハを落ち着かせる。

 

「もう大丈夫だ…イロハは安全なところまで下がっていろ。終わらせてくる」

 

そう言ってハチはイロハから離れようとした…しかしイロハに止められてしまった。

 

「せんぱい…私も行きます。」

 

「大丈夫なのか?」

 

「はい!行きましょう!」

 

「わかった」

 

そう言って2人は未だ暴れているボスの元へと足を進めた。

 

 

 

 

キリトはハチに感謝していた。

 

(もしこの場にハチがいなかったら、確実にあと1人2人……下手したら全員死んでたな)

 

「あともう少しだ!皆がんばってくれ!」

 

しかし発狂状態になったボスは意外に手強く、中々HPを削りきる事は出来なかった。

 

そんな中、2人の影がキリトとアスナの隣に戻ってきた。

 

「またせたなキリト!アスナ!」

 

「おまたせしました!」

 

「ハチ!イロハ!待ってたぞ!」

 

「イロハちゃん!もう大丈夫なの?」

 

その言葉にイロハは元気よく答えた

 

「はい!大丈夫です!」

 

ボスの猛攻は止まらない…

 

「おいキリト…このままだとジリ貧だ」

 

「わかってる…でも皆まだちゃんと動けないんだ

人の死を真近くでみちゃったからな

ハチ…なんかいい作戦ないか?」

 

「……ないことも無いが……イロハ…できるか?」

 

「…大丈夫ですよ!ちゃんと合わせます!」

 

「わかった…キリト俺とイロハが突っ込むスキが出来たらトドメを頼む」

 

「わかった…信じてるぞ」

 

するとハチとイロハはボスに向かって真っ直ぐに走り出した。

キリトはその姿を見て全員に指示を出す

 

「皆!ハチとイロハの援護を頼む!」

 

 

 

 

ボスが武器を振り上げようとした瞬間にボスの肘を弾くハチ

武器を振りかぶっていたボスの体制がそのままわずかに崩れたその瞬間にイロハがボスの膝を後ろから攻撃

 

次の瞬間にハチが凄まじい速さで、ボスの刀めがけて突撃し刀を弾く

 

そしてまたイロハがその弾かれた方の手首を切り裂く

 

ボスの攻撃はたった2人のプレイヤーに完全に防がれてしまった。

 

そしてボスの正面にいたエギルに、キリトのこんな声が届いた。

 

「エギル!しゃがんでくれ!」

 

そう言われて反射的に伏せたエギルの背中を踏み台にし、キリトが高く跳んだ。

 

「これで最後だぁ!!!!」

 

そのままキリトは渾身の力を込め、ボスを頭から真っ二つにした。

 

一瞬の静寂の後にボスの体が光りだし、そのままエフェクトとなって弾け飛ぶ

 

CONGRATULATIONの文字を残して。

 

こうしてディアベルを失う事となったが

ついにプレイヤーの到達階層が、一つ更新される事となった。

 

 




という感じです!
読んでいただきありがとうございます!

UAが1万人を超えました!ありがとうございます!
お気に入り登録の方ももうすぐ100人になります。

本当に感謝しております!




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第19話 ハチの選択

ボスが消えた後、一瞬の静寂と共に全員の歓喜が爆発した。

皆手を取り合い、お互いの検討を称え合った。

その一時的なお祭り騒ぎが収まった後

皆ある程度の知り合い同士で適当に集まり、バラバラに休み始めていた。

 

ハチやイロハ、キリトにアスナも例に漏れず4人で固まってその場に腰を落としていた。

 

「最初の1歩だなハチ…お疲れ様」

 

「あぁ…本当に疲れた…」

 

「せんぱい、凄かったですもんね〜せんぱいのあんな大きな声聞いた事無いですよ」

 

「確かにいつものハチくんからしたら考えられないくらい大きな声だったね〜。

それに指揮も凄かったし!」

 

そんな話をしていたらキリトが急に神妙な面持ちになる。

 

「ハチ…このまま終わると思うか?」

 

「不可能だな、失ったものがデカすぎる。」

 

すると案の定キバオウ及び一部のプレイヤーと共に騒ぎ始めた。

 

「なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」

 

キバオウはまずその矛先を、キリトに向けた。

 

キリトが刀の事を知っていたのに隠していたのではないのかと。

そしてキリトがβテスターなのはもう間違いないと。

 

「見殺し?」

 

「そやろがァ!あんさんはボスが使っとる武器知っとったやないか!」

 

その姿を見てイロハとアスナはハチに近づく

 

「どうしましょう…せんぱい…このままだとキリトさんが…」

 

「キリトくんは何も悪くないのに…」

 

「手が無いわけでは無い…だが上手くいくかどうかわからん」

 

キバオウの話がまた会議の時のように、

やっぱりβテスターは汚い、という論調になった。

 

そしてその矛先がイロハやアスナそしてハチに向かいそうになったその瞬間

 

「はぁ…」

 

ハチの口から大きなため息が盛れた。

 

「なんや!なんか言い訳でもあるんか!」

 

そしてハチはイロハにこっそりと

 

「すまん」

 

と言うといつの間にか一緒にいたキリトとアスナの元へと向かう。

 

「イロハを頼む」

 

「え…ハチ、いったいどう言う…」

 

その言葉を遮るようにしてハチは大きな声でわざとらしく言葉を紡ぐ

 

「いやぁ?いつまでも終わったことでグチグチよく言えるなと思ってな!」

 

「終わったやと!?ディアベルはんは…ディアベルはんは…」

 

目に涙を浮かべるキバオウ

 

「終わっただろ?少なくともボス戦は

それにお前らなんなんだ?やれベータテスターが悪いだのそいつらのせいでディアベルが死んだだの

訳の分からんことをいつまでもよく言えるよな!」

 

ハチのその姿を見てその場にいるほぼ全員がハチに向かって憎しみの眼差しを見せる。

 

イロハは…どうして?と言いたふうにハチの事を見ていた。いや…見ていることしか出来なかった。

 

「いいか?よく考えろよ?

1、なぜディアベルは最後に1人でトドメをさそうとした?

2、なぜディアベルは攻撃を受けた後HPの回復を待たずに敵前に飛び出した?

3、ボスにはラストアタックボーナスと言われるものがある

それはボスに最後のトドメをさしたものだけが貰える激レアアイテムのことだ。

4、ラストアタックボーナスについてはネズミの攻略本にも載ってないものだ。」

 

そこまで説明するとキバオウはまた声を荒らげる。

 

「それがなんや!お前らベータ上がり共のせいでウチらみたいなもんが不幸になってる!それが現実やろが!」

 

「ここまで話してまだ分からないのか?

いいか?ディアベルは…」




今回はここまで!

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第20話 ビーター

「ここまで言ってまだわからないのか?

いいか?ディアベルは…元ベータテスターなんだよ」

 

その言葉を発すると今まで騒がしかった喧騒が嘘のように静かになった。

 

「なん……やと?ディアベルはんが?」

 

「お前ら…それでもベータテスターが嫌いか?憎いか?

ディアベルは…憎いか?」

 

それを聞いて周りは口々に

「立派な人だった」「リーダーにふさわしい人」

「優しくて強い」

などと言う声が多かった。

 

しかし1人だけ全く違う反応をした人物がいた。

 

「そんなこと言って!ディアベルさんが本当にベータテスターだった!って証拠でもあんのか!」

 

「そうだよな…証拠なんてないよな?」

 

「あんないい人がベータテスター?」

 

等と今までと全く違う…逆の空気に変わっていく。

 

「お前がベータテスターだからディアベルさんに罪を着せて逃れようとしたんだろ!」

 

その声を聞き群衆は大いに盛り上がった。

 

「ふざけんな!」「ディアベルさんに謝罪しろ!」

 

しかしそんなに中でもキバオウは一言も話さなかった。

1人考えるように俯いて微動だにしない。

 

キリトとアスナは信じられないものを見るような目をしてハチを見ている。

 

イロハは…泣いていた。

 

「いい加減黙れ…」

 

周りの温度が下がったように感じる。

 

ハチの目がいつもより恐ろしい程に冷たくそして暗いものになっていた。

 

群衆は一瞬にして静かになった。

 

「いいか?確かに俺はベータテスターだ。そこは否定しない。

だがな?たかがベータテスターと一緒にして欲しくないな!

いいか?俺はベータテスト時に誰も到達することのできない所まで到達した。

ちなみにそこに至るまでの情報も全て俺が持ってる……この意味がわかるか?

あぁそれとディアベルはベータテスターだ

俺はベータテスト時にディアベルに会ったことがあるからな」

 

その言葉を聞き一人の男がつぶやく。

 

「そんな…ディアベルさんが…いや!そんなのもう関係ない!そんな事よりもお前…ただのベーターじゃねぇ!チーターだ!」

 

「そうだ!チーターだ!」

 

「ベータテスターのチーター!略してビーターだ!」

 

その言葉を聞いてハチは笑い出す

 

「ははははは!ビーターか!いい名前だな!

その名前もらっていくぞ!」

 

そう言ってハチは次の階層に続く道を進んでいく。

 

「俺はこれから2層に向かう。着いて来たいやつは着いてきな…まぁ2層は、今までとは全く違うモンスターばかりだ。死にたくないやつは1層で転移門がアクティベートされんのを待っときな」

 

そう言い残しハチは第2層へ向かった。

 

キリトにアスナそしてイロハを置いて……




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第21話 意図を察する

(訳が分からない…どうしてせんぱいは…私を置いて行こうとしてるの?)

 

ハチが第2層へ続く道を進んでいく

 

(せんぱい!大切な後輩を忘れてますよ!)

 

ハチの足は止まらない

 

(どうしてこっち見てくれないんですか?まさか気を引いちゃおうなんて考えてるんですか?)

 

ハチは第2層への扉に手を掛けた

 

(どうして気付いてくれないんですか?)

 

扉の中に入っていくハチ

 

(あぁそっか…私…声が出てないんだ…)

 

扉が閉まる音がする。

 

「イロハちゃん!イロハちゃん!しっかりして!」

 

ふと気が付くとアスナさんとキリトさんが私の顔を覗き込むように見ていた。

 

「あれ?アスナさん?キリトさんも、どうしたんですか?

あれ?せんぱいはどこにいるんですか?さっきまで目の前に…」

 

その言葉を聞いて悲しそうな顔をするアスナ

 

そして苦しそうな顔をするキリト

 

(どうしてそんな顔するんだろう?またせんぱいがなんかしちゃったのかな?)

 

するといきなり大きな声がボスがいなくなったこの広い空間に響く

 

「一体なんだったんだあいつは!!!!」

 

「ふざけやがって!」

 

「キバオウさん!あのまま行かせてよかったんですか!」

 

その声を聞いてイロハは先程の光景を思い出す。

 

(なぜせんぱいはあんなことしたんでしょう…)

 

するとイロハは昔八幡と話したことを思い出した。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「一色、バラバラな集団を1つにまとめるにはどんな奴がいると思う?」

 

「なんですか?その質問」

 

突然された質問、しかし一色には質問の意図が分からなかった。

 

「いや…ある人に聞かれたんだよ。」

 

「そうですか…

まぁそうですね優れた指導者とかリーダーとかですか?」

 

「まぁ普通はそう考えるのか」

 

「せんぱいは違うんですか?」

 

「俺は違ったな」

 

「せんぱいは普通じゃないですからね〜」

 

「いやいや俺普通だから超普通」

 

「ハイハイ、それで?せんぱいはなんて答えたんですか?」

 

「あぁ俺が答えたのは…」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

(思い出した)

 

「すまん、イロハ…俺のせいで…」

 

そう言って本当に申し訳なさそうな表情をするキリト

 

「大丈夫ですよ。せんぱいですからね」

 

「イロハちゃん…」

 

「大丈夫ですよ!

ねぇアスナさんバラバラな集団を1つにまとめるにはどんな人がいればいいと思いますか?」

 

「え?うーん…

指導者…リーダーとかかな?キリトくんは?」

 

「俺もそう思う」

 

「普通はそう思いますよね」

 

「違うの?」「違うのか?」

 

そう言って笑うイロハ

 

「正しくはですね…」

 




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第22話 頑張れイロハちゃん

今回はイロハ視点からのストーリーになります!


3人は中央に立ち、声を張り上げた。

 

「みんなすまん!ちょっと俺達の話を聞いてくれ!」

 

それに続くようにアスナとイロハも声を張る

 

「お願いします!話を聞いてください!」

 

「お願いします!」

 

その声に対して他の群衆は

 

「なんだお前ら!どうせお前らもアイツの仲間なんだろ!」

「今更話なんか聞いて何になるんだよ!」

 

群衆は騒ぎ出す

 

するとそこでイロハが唐突にフードを外した。

 

キメ細やかなブラウンヘアー、ぱっちりとした目元

可愛いピンクの口元

 

周りの注目を集めるのは簡単だった。

 

年齢的にはまだまだ子供だろうと言われるものだが

見た目に関しては可愛らしく少しいじらしい小悪魔的な可愛さを秘めた美少女がそこにいた。

 

そして注目を集める事に成功した3人は、同時に頭を下げイロハが言葉を紡ぐ

 

「皆さんのお怒りも尤もだとおもいます。

ですがどうか!どうか私たちの話を聞いてください!

誤解したまませんぱいを悪者扱いしないでください!」

 

3人は深く頭を下げ続けた。

すると意外な人物が口を開いた。

 

「皆の衆…聞くだけならええんちゃうか?

こんな深く頭下げとんのやから」

 

キバオウが、そういうとさっきまで騒いでいた群衆が嘘のように静かに聞く体勢を取った。

 

「まぁキバオウさんが言うなら…」

「そうだな」「まぁキバさんが言うならしょうがない」

 

やっと話を聞いてもらえる事となった。

 

(これで聞いてもらえる…)

 

「それじゃあすみません、私…イロハから皆さんに先程のことを説明させていただきます。」

 

イロハは生徒会で培った話術を存分に発揮しながら話続けた。

 

「まずは皆さん先程の先輩の言葉。本人に変わりまして私が謝罪致します。誠に申し訳ございませんでした。

そして続きましてなぜせんぱいがあのような事を言ったのかそれについて説明させていただきます。」

 

イロハの説明はとても分かりやすく丁寧なものだった。

 

1つ、ディアベルさんは遺言を残していた。その内容は「ボスを頼む」と言うこと

 

1つ、あのままだとこれから先のボス戦が上手く機能しなくなる可能性があること。

 

1つ、ここにベータテスターが少なすぎること、それは亡くなった2000人の中にベータテスターが多く含まれているからと言うこと。

 

ちなみに最後のはキリトが教えてくれたことだ。こっそりネズミに依頼していたらしい。

 

そこまで説明すると先程ハチに対して罪だのなんだのを言っていたプレイヤーが口を挟んだ。

 

「そんなこと言って!信じられるわけないだろ!」

 

それに対してイロハはすぐさま言い返す。

 

「ならなぜ!なぜせんぱいはディアベルさんが飛ばされた後素早く皆さんに指示を出し尚且つ自分の回復ポーションをディアベルさんに飲ませたんですか?

そして亡くなったあとも!すぐさま皆さんに声を掛け!死地から救い出し最後は最も危険なボスを抑えるという仕事を私を含んだたった2人でやったんですか!」

 

そう言い返すとその男は

 

「そ、それは…最後に関してはあいつもラストアタックボーナスとやらが欲しかったんじゃないのか?」

 

「そんなわけないじゃないですか!せんぱいは抑えるだけ押えて…しかも命がけで…」

 

(こんなに言ってるのにどうして…)

 

すると

 

「なら…ならどうしてあの男はあんな言い方をしたんや?あんな言い方をせんでも、あの男なら他に言いようもあったやろ?」

 

そう質問されたイロハは軽く笑いながら

 

「キバオウさん…バラバラな集団を1つにまとめるにはどんな人がいればいいと思いますか?」

 

「なんや?いきなり…そうやな…

天才的な司令塔または…リーダーやな」

 

「普通はそうなりますよね」

 

「その質問になんの意味があったんかはよぅわからん。

せやけどワシの質問にも答えてや?」

 

「私がした質問の答えがそのまませんぱいの行動の理由なんですよ…

せんぱいは物凄くひねくれていて…でもとっても優しいんです。」

 

イロハはとても優しく、そして愛おしく思うように微笑みながら言葉を続けた。

 

「答えは…明確な敵の存在です。

今回の件に関してはせんぱいと言う明確な敵が現れたおかげで皆さん上手く纏まって次はアイツにやられないように強くならないと…そう思いましたよね?

つまりそういうことです」

 

すると周りの人々は戸惑ったようになりながらも

 

「あのハチってやつ…」「…」「良い奴なのか?」

「本当か?」

 

の様な反応を見せている。

 

するとキバオウが

 

「おたくらの言いたいことはようわかった。せやけど納得は出来へん」

 

するとイロハは笑顔で答えた

 

「はい!わかってます!誤解が解けただけでも良かったです!」

 

「あぁ、ある意味、俺のせいな所もあるしな」

 

「なるほどねぇ…ハチくんは誤解されやすいんだ!」

 

するとキバオウは少し笑いながら

 

「アイツのこと追うんか?」

 

「はい!せんぱいには私がついてないとダメですから!」

 

「おう!俺はあいつの事仲間だと思ってるからな。

1人にはさせないよ」

 

「皆が行くなら私も行くよ!」

 

キバオウは小さな声で「ええな…」と言ってから改めて

 

「アイツに伝えといて欲しいんやけど

第2層ボス戦も、こきつこうたるってな」

 

「任せてください!」

 

そう言うと3人は第2層に向かって足を進めた。

 

途中すれ違ったエギルから

 

「あいつによろしく伝えといてくれ」

 

と言われた。

 

「なぁイロハ…本当に良かったのか?」

 

「いいんですよ…」

 

「でももし本当のことなら私たちハチくんの頑張りを無駄にしたことになるんじゃ…」

 

「いいんです。それに…これからはあんなことしなくてもいいように…せんぱいには二度とあんな思いをさせたくないんです。」

 

あんな思いというのは恐らく奉仕部で仲違いしてしまった時のことを言っているのだろう。

しかしその事を知らないキリトとアスナは首を傾げていた。

 

「とりあえず今はせんぱいに追いつきましょう!」

 

「そうだな!」

 

「そうね!」

 

こうしてハチのいない所でハチの好感度が上がり

そしてイロハのような子に好かれているという事で若干攻略組の面子から恨まれる事となるハチだった。

 

 




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第23話 イロハは怒るそしてハチは唯一無二を手に入れる

第2層へ続く階段を昇っていると3人はハチの姿を見つけた。

 

その後ろ姿はいつもと変わらなかった。

しかしキリトとアスナはそのいつもと変わらない姿に違和感を感じた。

 

その違和感の正体を確認しようと思い階段を昇る速度を少し緩めた。

 

そんな2人を後にハチの姿を見つけたイロハは歩く速度を上げた。

いや…走っていると言った方が正しいだろう。

 

そんな足音が聞こえたのか、ハチが後ろを振り向いた。

 

3人の姿…特にイロハの姿を見て慌てて逃げようとしたハチは一瞬にしてイロハに追いつかれた。

 

次の瞬間

 

バチィーーン!!!!!!!

 

ハチはイロハに頬を叩かれ少し宙に浮いた。

 

「な、何すんだ…」

 

バチィーーーーン!!!!!!

 

「お、おい…」

 

バチィーーーーーーーーン!!!!!!

 

その姿を見たキリトとアスナは慌ててイロハをとめにかかった。

 

「イロハ!急にどうしたんだ!」

 

「落ち着いてイロハちゃん!ハチくんが凄いことになってるから!」

 

キリトとアスナ、二人がかりで止められたイロハは黙ったまま膝から崩れ落ちる。

 

「…」

 

「…」

 

一言も発さなくなってしまったハチとイロハ。

 

無言の空間が続く中ようやくイロハが口を開いた。

 

「なんで…なんで置いていったんですか…」

 

「…すまん…」

 

「なんであんなことしたんですか…」

 

「ああするしか方法が見つからなかった…」

 

今にも消えてしまいそうな…そんな儚い声でイロハはハチに訴え続けた。

 

「私…辛かったです…」

 

「すまん…」

 

その言葉を聞いてイロハは真っ直ぐにハチの顔を…目を見据えた。

 

「…どうして私がせんぱいの事叩いたか分かりますか?」

 

「分からない…」

 

「せんぱいが繰り返そうとしたからです…あの頃の奉仕部の時のように」

 

「っ!…それは…」

 

するとイロハはハチに掴みかかるようにして叫ぶ

 

「違うと言えますか!!!

貴方は…貴方はまた繰り返すつもりだったんですか!!

どうして……どうしてもっと…周りの人を…私を信じてくれないんですか!!!」

 

そして弾けるようにして泣き叫ぶイロハをアスナが優しく抱きしめた。

 

「ねぇ…ハチくん…私達は貴方のリアルの事…過去のことを知らないからあんまり偉そうなこと言えないし

適当なことも言えないけど…

イロハちゃんの事…真面目に考えてあげて?」

 

「…」

 

「ハチ…すまん…」

 

「なんでキリトが謝るんだ?」

 

「本来ならハチの役目は俺がやらなきゃ行けない事だったからだ…辛い思いさせてゴメン…」

 

そう言ってハチに頭を下げるキリト

 

「何言ってんだ?俺は別にお前のためにやったわけじゃない。

俺がしたくてやった事だ…気にしなくていい。」

 

そう話していると泣き止んだイロハが改めてハチの元へと向き直る。

 

「色々すみませんでした…

でも叩いたのは…雪ノ下先輩の分と由比ヶ浜先輩の分そして私の分です。

あの二人のどちらかがもしここに居たら私と同じことをしたと思います。」

 

それを聞いてハチは何かを思うように上を見上げた

 

「…だな…イロハ…改めてすまなかった。」

 

「いいえ、私こそすみません」

 

「そしてキリト、アスナ…お前らにも迷惑をかけた。」

 

そう言ってハチはキリトとアスナに頭を下げる。

 

「いいえ!」

 

「それは俺のセリフだ。」

 

するとイロハは立ち上がりとても可愛らしい笑顔で3人を見据えた。

 

「ねぇ皆さん!私達もう友達ですよね!」

 

「私はもうそのつもりだったけど…」

 

「あぁ俺も…」

 

「は?え?」

 

戸惑うのはハチ1人だけ

 

「せんぱい?と、も、だ、ち、ですよね?」

 

「お、おう」

 

イロハの圧に押されてつい返事をしてしまったハチ。

 

「それじゃあこれからよろしくね!」

 

「ハチ…困ったことがあったらいつでも言えよ?」

 

「良かったですね!せんぱい、友達がやっと2人になりましたよ!」

 

「いやいや、戸塚いるし…ってかお前は違うのかよ」

 

「え?なんですかせんぱい?私と友達になりたかったんですか?しょーがないですね!まぁこんなに可愛い後輩と友達とかポイント高いですもんね!でもまぁ?私的には、友達以上の関係をめざしているのでせんぱいとは友達になれないんですよ!ごめんなさい!」

 

「俺はなんも言ってないのにまた勝手にフラれてるのか」

 

それを聞いていたアスナとキリトは2人に聞こえないくらいの声で話しあっていた。

 

「ねぇキリト君…イロハちゃんのあれって一体何なの?ハチくんのこと好きすぎじゃない?」

 

「やっぱりアスナもそう思うよな?でもハチの奴全くもって理解してないんだよ。」

 

「え!?何それ!鈍感にも程があるんじゃ…むしろ耳が悪すぎるレベルじゃない!」

 

その姿をハチとイロハは見つける。

 

「おい2人ともイチャつくなら俺のいない所でやれよ、呪いたくなる」

 

「せんぱい私達おじゃまですかね?」

 

この時2人は心の底から思ったと言う…

お前ら2人にだけは、言われたくないと…

 

 

 




今回ちょっと無理やりすぎたかなぁ…反省しております。

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第24話 第2層の街 ウルバス

第二層の主街区ウルバス。

 

その街は山が火口のようになっておりその内部に街が作られている。

 

「うわぁ!せんぱい見てくださいよ!いい景色ですね〜!」

 

「あぁ…確かに絶景だな。」

 

「多分時間的にそろそろ鐘が鳴ると思うんだが…」

 

キリトがそう呟くと、その言葉を待っていたかのように、カラ~ンコロ~ンと鐘の音が響いた。

 

それはまるで4人の新たなる門出を歓迎しているかのようだった。

 

「なぁ…キリト」

 

「どうしたんだ、ハチ?」

 

「さっき俺にめっちゃ謝ってたよな?」

 

「あぁ…」

 

それを聞いたハチはキリトの方を向きニヤッと笑う

 

「なら謝罪として飯奢れ」

 

「せんぱいばっかりずるーい!私にも奢ってください!」

 

「もちろん私にも奢ってくれるわよね?」

 

ハチがそう言うと残りの2人も便乗してキリトに奢ってもらおうとする。

 

「なっ!待て待て!待ってくれ!

ハチに奢るのはまぁ分かるけどなんでイロハやアスナまで!」

 

キリトがそう言うとイロハはゆっくりキリトに近づいていく。

 

そしてイロハはキリトを見上げるような…上目遣いをしながら

 

「え〜、キリトさんって私達の事仲間外れにしちゃうんですかぁ〜?とっても悲しいですぅ〜」

 

そう言うとイロハはアスナの方をチラッと見た。

 

「ほら!アスナさんも!」

 

「え!私もそれやるの!?」

 

「やりましょーよー!」

 

するとアスナは顔を若干赤くしながらキリトの方に歩み寄る。

そして…

 

「キ、キリトく〜ん。私も奢って欲しいなぁ〜…なんて…」

 

「おー!アスナさん可愛い!!

ほらキリトさん!女の子にここまでさせたんですから!ご飯のひとつふたつくらい奢っても罰は当たりませんよ!寧ろお釣りが来るほどです!」

 

「ちょっと待て!俺は別に頼んでなんか…」

 

そしてキリトはアスナの方をチラッと見た。

 

「っ〜///」

 

「はぁ…わかったよ3人とも奢るから行こう…」

 

「やった〜!ありがとうございます!アスナさんやりましたね!」

 

「私二度とやらないわ!」

 

その姿を見てハチはキリトに近づき肩をポンッと叩く

 

「イロハにやられたな」

 

「あぁ…見事なまでにやられたよ」

 

そしてハチ、イロハ、アスナの3人はキリトの案内で牛のマークの看板がある建物の中に入っていく。

 

「おっ!キリト、牛肉食わせてくれるのか?流石金持ち」

 

「いや…俺多分この中で一番金ないと思うぞ…

まぁこの階層は基本的にモンスターが牛ばっかりなんだよ。だから自然に店もこういった牛系のものが多くなるんだ。」

 

「へ〜、でもキリトさん…女の子がいるのに焼肉ですか?」

 

それを聞いてハチとキリトは全く同じ反応をする。

 

「え…ダメなのか?」

 

「え…ダメなのか?」

 

「どうして男二人して同じ反応なんですか!?」

 

するとハチが答えた。

 

「いや、だって小町と外食べいく時、焼肉連れてくとめっちゃ喜ぶから…」

 

そしてキリトも

 

「俺の妹も焼肉って言うとめっちゃ喜ぶし…」

 

それを聞いてイロハは

 

「なんなんですか!?

せんぱいがシスコンなのは知ってましたけどキリトさんもなんですか!?」

 

「まぁまぁイロハちゃん落ちついて…」

 

「ちょっと待て!俺は別にシスコンじゃねぇ!ただ妹が大好きなだけだ!」

 

「ハチ…それを世の中ではシスコンって言うんだぞ…」

 

怒るイロハ、シスコンのハチ、ハチをなだめるキリト

そんな姿を見てアスナはとうとう、堪忍袋の緒が切れた。

 

「もー!皆ちょっと静かにしなさい!お店の中で騒がないの!」

 

すると先程までの喧騒が、嘘のように止んだ。

 

「あ〜すまん」

 

「悪かったよ」

 

「アスナさん…ごめんなさい!」

 

落ち着いた様子を見たアスナはホッと胸を撫で下ろした。

 

「そういえばせんぱい…私達4人ともリアルの事めちゃめちゃ話しちゃってましたけどいいんですか?」

 

それを聞いたハチ、キリト、アスナはハッとする

 

「いいんだよ…その…なんだ?せっかく友達になったんだから…隠し事とかはなしにしたいんだよ…」

 

照れながら言うハチそれを見てイロハは涙を流した。

 

「なんでお前が泣くんだよ」

 

「だって…嬉しいんです…」

 

「…ありがとな」

 

そう言ってハチはイロハの頭を撫でた。

 

その姿を見たキリトとアスナ

 

「ねぇキリト君…ハチくんも絶対にイロハちゃんのこと好きだよね?」

 

「やっぱりアスナもそう思うよな?」

 

コソコソ話していると

 

「おい、キリトにアスナさっきも言ったがイチャつくなら俺のいない所にしてくれ。」

 

(いやいや、イチャイチャしてないししてたとしてもハチとイロハにだけは言われたくないな。)

 

「いやいや、確かに隠し事は無しにしたいなって事を話してたんだよ!」

 

「そうそう!私達かなりリアルの事も話しちゃってるじゃない?だからこれ以上話しても特にダメなことないからって」

 

「そっか…ありがとな2人とも」

 

「それじゃあ落ち着いた所で注文しましょっか!

それに!食べながら色々な話をしましょう!」

 

そして4人は、ゆるい会話を楽しみつつ、食事を楽しんだ。

 

 




読んでいただきありがとうございます!
これからも頑張って行きますよぉ!!!

そして誤字報告ありがとうございました!

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第25話 キリトの思いとハチの話

食事を終えた4人はあの後、ハチが1人で第2層へ向かったあとの話をしていた。

 

「とまぁ大体はこんな感じだな。

それにしてもイロハ凄かったな〜、俺もアスナもなんも言えなかった。」

 

「そうか…ありがとなイロハ」

 

「いえいえ、私がやりたかっただけなんで!」

 

「でもホントに凄かったのよ!」

 

「そっか…」

 

ハチはその後何も言わずにただただ目の前の机を見ていた。

 

アスナとイロハはこの後寄りたいところがあるといい先に解散した。

 

2人残ったハチとキリトはもう少し話すことがあるからと店に残ることにした。

 

「ハチ…本当にありがとな」

 

「なんだよいきなり」

 

「何でもだよ…」

 

「そうか…」

 

二人の会話は少ない…言いたいことがあるのを我慢しているようだった。

 

「あ〜!!!やめだ!」

 

いきなり叫ぶキリト

 

「お、おいなんだよ急に。びっくりするだろ!」

 

するとキリトは意を決したように話す

 

「なぁハチ…イロハのこと…気づいてるんだろ?」

 

「なんの事だ…」

 

「イロハはお前の事…」

 

そこまで言うとハチは大きな声で

 

「やめろ!!!!!」

 

キリトは驚いた、長い付き合いではないにしろ初めて出会ってからキリトが知る限りハチはこんなに大きな声を街中で出したことがないからだ。

 

それはハチが目立つのを嫌うから、それだけでは無い

ハチは控えめに言っても常識ある人間だ、そんな人が街中しかも店の中で大声を出すなんてことはありえないと思っていたからだ。

 

「…なんでだ?そこまでわかっているなら」

 

「きっと気の所為なんだよ…もしくは一時の気の迷いだ。」

 

ハチはそのまま続けた

 

「いきなりこんな訳の分からない世界に飛ばされて命の危険がある世界でたまたま俺と会って

たまたま俺がこのゲームのテスターで

たまたまイロハに教えることが出来た。」

 

ハチは止まらない…まるで自分の中にある不安をぶつけるかのようにして

 

「たまたまその時近くにいたのが俺なだけだ。

そこに居たのが俺じゃなくてほかのやつだったらアイツの好意は俺じゃなくて別のやつに向いていたはずだ」

 

その言葉を聞いたキリトは自分の中に湧き上がるものを感じる

 

「…ふざけるなよ…」

 

「は?」

 

「ふざけるなって言ったんだよ!」

 

「ふざけてなんかねーよそれが事実だ」

 

キリトは耐えられなかった…

 

「それがふざけてんだろ!どこの世界に気の迷いで好きになったやつの事を自分を犠牲にしてまで救おうと思うんだよ!」

 

ハチの言葉にでは無い…

 

「いいか!イロハはなぁ!言ったんだよ!

誤解されたままは嫌だって!お前の事を考えて、理解して!」

 

今のハチの表情は…

 

「あんな事言ったお前のことを信じて!きっと先輩には考えがあるって!必死に考えて!」

 

とても辛く、悲しい

 

「自分よりも年上で!異性であるあの攻略組に臆することなく!」

 

全てを諦めてしまっているような…

 

「お前の事を心から信じて行動してる奴を!」

 

そんな表情をしていた。

 

「お前が否定するな!!!!」

 

大声を出したキリトは肩で息をしていた。

 

ハチはキリトの顔を見たまま動かない。

 

「なぁハチ…頼むから…もっと俺達を…イロハを信じてくれよ…」

 

キリトは泣きそうになりながらハチに訴えた…

 

するとハチはそんな表情のキリトを見て口を開いた。

 

「なぁ…キリト…少し話をしようか…そうだなとあるボッチの高校生の話だ…」

 




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第26話 アスナの話とイロハの思い

今回はアスナ、イロハサイドのお話です!


食事の後アスナはイロハと二人きりで話そうと思い

キリトとハチに二人で寄りたいところがあるからと言い席を外し外に出た。

 

「アスナさんどこに行くんですか?

正直私、この街の事全然知らないんですけど…」

 

歩きながら話すイロハ

 

「ごめんね?私も知らないの。

イロハちゃんと二人きりで話したいことがあったから」

 

そう言ってアスナは手頃なベンチへ腰を下ろした。

そしてイロハに、隣に座るように促した。

 

「そうなんですか…隣失礼しますね。」

 

アスナの隣に腰を下ろすイロハ

 

「うん…」

 

「それで話ってなんです?」

 

アスナは意を決したようにイロハに向き合い口を開く

 

「ねぇイロハちゃん…あなた…ハチくんのこと好きよね?」

 

それを聞いてイロハは一瞬で顔を赤くした

 

「えぇぇぇぇ!なんで…て言うかどうして!?」

 

「まさかアレでバレてないとでも思ってたの?」

 

無言で頷くイロハ

 

それにため息で返すアスナ

 

「アスナさん…もしかしてアスナさんも?」

 

「え?あぁそれは無いから安心してね?ハチくんは私の好みじゃないもの」

 

目に見えてホッとするイロハ

 

「それじゃあどうしてこの話を?」

 

心配そうにこちらを覗き見るイロハ

 

「ねぇイロハちゃん…ハチくんに告白しないの?」

 

目を見開くイロハ

 

戸惑ったように見えたがその影はすぐさまなりを潜めた

 

「しませんよ」

 

「どうして!?こんな事言うのはアレだけど…ハチくんきっとイロハちゃんのこと好きだと思うよ?」

 

それを聞いて軽く笑うイロハ

 

「どうでしょうね…もしそうだったら嬉しいんですけど…アスナさん覚えてますか?以前言った奉仕部のこと…」

 

「えぇ、確かハチくんが所属していた部活動だって。

でもそれが今の話に関係あるの?」

 

「大ありなんですよ…」

 

イロハはそのまま話を続けた

 

「その奉仕部ってせんぱいを入れて部員が3人しかいないんですよ。

雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩って言うんですけど…そのお二人はきっとせんぱいの事が大好きなんです。

雪ノ下先輩はクールで美人、由比ヶ浜先輩は胸が大きくて、可愛くて、とても明るい人…私なんかじゃ太刀打ち出来ないくらい…」

 

悲しそうに続けるイロハ

 

「確かに私はせんぱいの事が好きです…でも…」

 

「その2人の事を差し置いてってことは出来ないってこと?」

 

するとイロハは図星を突かれたように乾いた笑いを浮かべながらその言葉を肯定した。

 

「そっか…」

 

「それにきっと、今私がせんぱいに告白しても誤魔化されておしまいです。その気持ちは気のせいだ、一時の気の迷いだ…って」

 

「イロハちゃん…」

 

「いいんです…今この瞬間にせんぱいの隣に居れるだけで私は幸せですから…」

 

そう言ってイロハは顔を伏せた

 

「イロハちゃん!そんなのダメだよ!」

 

そう言ってアスナは立ち上がった

 

「ごめんね?今こんな事言うのはアレだけど

私達もしかしたら明日死んじゃうかもしれないんだよ?そしたらもうハチくんに気持ちを伝えるどころか二度と会うことが出来なくなっちゃうんだよ!」

 

それを聞いてイロハはハッとする。

 

そう…ここはソードアート・オンラインの世界…今までのように平和な世界ではない

いつ死んでもおかしくは無い…

 

「そう…ですね…わかりました!私せんぱいに言います!」

 

「うん!その意気だよ!」

 

「はい!…でも今は言いません!もっとせんぱいにアピールして私に夢中にさせてからにします!」

 

イロハの目には熱い思いが乗せられていた。

 

 




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第27話 過去

「なぁ…キリト…少し話をしようか…そうだなとあるボッチの高校生の話だ…」

 

するとハチはゆっくりと自分の過去を話し始めた。

 

「そいつはな…高校の入学式当日に事故にあったんだ

 

夢の高校生活でちょっと早く家を出て、ウキウキしながら自転車で学校に向かってたんだ。

 

でもな…その途中でとある犬が飼い主の制止を振り切って道路に飛び出したんだよ。

 

そしたらそこに車が来たんだ。

 

自転車に乗ってた奴は、特に深く考えもせずに見知らぬ犬を助けようと思って車の前に飛び出したんだ。

 

気がついた時には病院のベッドの上…大切な高校生活の最初の1歩から出遅れちまったんだよ。」

 

静かに聞いていたキリトは口を開いた。

 

「そいつは…カッコイイな…少なくとも俺にはそんな真似出来なかったと思う。」

 

そのままキリトは続けた

 

「でもその話がどうしてボッチに繋がるんだ?」

 

ハチは続けた…登校したころには既にグループができており…

 

元から人と話すのが得意ではない奴だったから次第に気にかけてくれるやつがいなくなる。

 

こうしてボッチが出来上がったのだと

 

「…でもそれは周りが悪いさ…ハチのせいじゃない…」

 

「おいおい、誰も俺の話だなんて言ってないだろ?」

 

「でもその、話とイロハの話は全く別物だろ?」

 

「まぁ…まだこの話には続きがあるんだよ」

 

そしてまたハチは話し始めた

 

キリトはそんなハチの姿を静かに…自分の事のように聞いていた。

 

「でもな…そんなボッチにも高校生活の変わり目がやってきた。

切っ掛けは現代文の授業であった、高校生活を振り返って…ていう作文だ。

 

ソイツはまぁ自分の中では真面目に書いたんだが担当の先生が…まぁ何だこの作文はいかんせんまずいと…

そういう訳で俺の性格を更生させる為に部活に入部しろと

まぁその部活が奉仕部だったんだ。」

 

「悪い…なぁハチたかが作文で性格を更生させるって

一体どんな作文書いたんだよ…」

 

「ちょっと待て、別に俺の話じゃない」

 

「いやいや、思いっきり俺の性格をって言ってただろ」

 

「…」

 

「…」

 

「まぁ話を続けよう」

 

「…そうだな…後で作文の内容教えてくれ」

 

そしてまた話し始める

 

雪ノ下雪乃との出会い、由比ヶ浜結衣との出会い

 

初めての依頼、由比ヶ浜があの犬の飼い主であったこと

 

由比ヶ浜との関係をリセットしたこと

 

戸塚彩加との出会い、戸塚がいかに天使かということ

 

戸塚と遊んだこと、テニスをした事、戸塚に呼び捨てで呼ばれたこと

 

戸塚は実は男ではない可能性を求めていること

 

戸塚は実は戸塚という性別なのではということ

 

妹がいる事、妹が自分に似ず可愛いという事

 

「…話を度々区切って悪い…その…今までの話のほとんどが戸塚って奴と妹の話なんだが…」

 

「あ?そうだったか?悪い、話を戻そう」

 

そして、文化祭のことを話した。

 

それを聞いたキリトは苦虫を噛み潰したような表情をしていた。

 

ハチはその様子を見て話を続けた。

 

そして修学旅行のこと、奉仕部がバラバラになってしまったこと

 

そして一色いろはとの出会い

 

生徒会長選挙のこと

 

そして最後に…

 

 

 

 

『 俺は本物が欲しい』

 

 

その一言を添えてハチの話は終わった。




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第28話 本物

ハチの話が終わったあと、少しの静寂が訪れた。

 

ハチの話は…ハチのことを理解していないとハチ自身が悪いと思う人もいるだろう。

 

しかしハチのことを理解している人物からしたらハチの話はとても残酷で…辛く…悲しく…そして苦しい

 

ハチ自身が犠牲となって物事を解決していた。

 

しかしそれではいくらなんでもハチ自身が辛すぎる。

 

キリトは…声を出すことが出来なかった。

 

そんな静寂を破った者は…ハチ自身だった

 

「まぁ…俺の話はこれで終わりだ…わかっただろ?」

 

何がわかったと言うのだろう…ハチが苦しんでいたこと?

 

「いかに俺が自分勝手なやつか…」

 

分からない

 

「…」

 

キリトは…泣いていた…

 

「おい、なんでお前がないてんだよ」

 

心配そうにキリトの顔を見つめるハチ

 

(あぁ、ハチはやっぱり優しすぎるんだ…本当に自分勝手で最低な奴なら泣いてるやつにそんな表情なんてしない)

 

「辛かったんだな…」

 

「……別に…辛いと思ったことは無い…最終的には元に戻ったんだからな…」

 

そう言ってハチは薄く笑う

 

「ハチは…本物が欲しいんだよな…ならどうしてハチはイロハの気持ちを受け取らないんだ?」

 

「……俺はこの世界が本物とは思えない…所詮はデジタルの世界だ…現実に戻ったらどうなるかなんて分からない。

それなら最初から希望なんていらない」

 

それを聞いてキリトは若干の苛立ちを覚える

 

確かにハチの今までのことを考えたらそう思ってしまうのも無理はない。

 

だがしかし…

 

「…ならハチは…俺やアスナの事も本物だとは思っていないのか?

…友達になろうって…それも…偽物なのか?

俺やアスナ、イロハの気持ちを偽物だと!まやかしだとでもいいたいのか!!」

 

キリトは堪らず大声を出してしまった。

 

「それは…」

 

黙って俯くハチ…

 

「ふざけるな!!!」

 

驚き目を見開くハチ

 

「ハチ、よく聞け!俺は俺だ!デジタルでも偽物でもない!ここにいる俺がキリト…桐ヶ谷和人、本人なんだよ!

俺が思ったこと、感じたこと全て本物なんだ!その気持ちは偽物なんかじゃない!本物だ!」

 

ハチは黙ってキリトの話を聞いている。

 

「ここがデジタルだろうがゲームの中だろうが関係ない!

俺がここにいる以上、俺の気持ちは本物の桐ヶ谷和人本人の気持ちだ!

ハチと友達に…相棒に、ライバルになりたい!その気持ちも全部本物なんだ!

俺の気持ちを否定するな!!!!!!」

 

その言葉を聴きハチは静かに涙を流す

 

「……本当に……信じていいのか?」

 

「あぁ」

 

「アスナの事も……イロハの事も…全部本物なのか?」

 

「あぁ!」

 

「俺はもう………1人じゃなくていいのか?」

 

キリトは叫ぶ

 

「あぁ、お前はひとりじゃない!俺達がいる!」

 

するとハチは涙を拭き立ち上がる

 

「信じるぞキリト、改めて俺と友達になって欲しい

いいか?」

 

キリトも立ち上がる

 

「あぁ、当たり前だろ?俺を信じろ」

 

そして2人は固い握手をした。

 

 

 

2人の絆は決して切れない、これから先どんな苦難が訪れようとも。

 

「所で作文の内容教えてくれね?」

 

「キリト…お前色々台無しだわ」




とゆう訳で!ハチとキリトは本当の意味で友達になりました!
いやぁ良かった良かった!

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第29話 ハチのイロハへの思い

本当の意味で友達になったキリトとハチ

 

そんな2人が1番最初に話すこととは

 

「なぁハチ…作文の内容教えてくれね?」

 

「キリト…お前色々台無しだわ」

 

「なんでだよ!いいだろ?さっきから気になってしょうがねぇんだよ!」

 

「はぁ…わかったよ…確か…

青春とは嘘であり、悪である…」

 

そう言ってハチは作文の内容をキリトに教えた

 

「…なんか…その担当の先生の気持ちよくわかったわ…確かに更生させた方がいい」

 

そう言ってキリトは項垂れた

 

「なんでだよ!自分的にはかなりいい出来だと思ったんだが」

 

「まぁ…うん、気持ちは分かるけども…って感じだな」

 

「マジか、お前この内容わかんのかよ」

 

「お前が書いたんだろ!?」

 

そう言って2人は笑い合う、ハチはゲームの中に囚われてから初めて心の底から笑っていた。

それはキリトも同じだった。

 

「あ、忘れてた!そんでハチ、イロハの事はどうするんだ?

さっきは途中で止められたけど…正直わかってるだろ?」

 

そういうとハチは若干照れながら

 

「俺の自意識過剰ってことじゃないならな」

 

「いやいや、それは無い。傍から見て呪いたくなるくらいお前に対してベッタリだからな。」

 

「うわぁ…そんなにかよ…」

 

「今まで良くそれでバレてないと思ってるなって思うくらいだからな」

 

「まぁ…そうだな…正直言ってまだ信じきれてないってのが本音だな。

人間そんな一瞬で今までの考えを変えることは出来ない。

まぁキリトは別にして

それに残してきたヤツらのこともある…まぁそれだけが理由じゃないけどな」

 

そういうとハチは若干目線を下に下げた

 

「他に理由があるのか?」

 

「今の俺じゃあ…アイツのことを守ってやることが出来ない…今の俺は…弱すぎる」

 

「…」

 

「これから先戦いももっと辛く厳しくなってくるだろう

今の俺だと…アイツにもしもの事があった時に対処出来ない…」

 

そう言ってハチは再び黙り込む

 

確かにここから先の戦いは更に激しさをましていくだろう…

 

「なぁ…ハチ…もっと俺の…俺達の事を頼ってくれよ

ハチ1人で守れないなら俺も一緒に守ってやるから」

 

「キリト…」

 

「だって俺達…友達じゃないか」

 

そう言われてハチは下げていた目線を上げキリトの方を向いた。

 

するとキリトはニッと笑いながらハチを見ていた。

 

「あぁ…そっか…すまないな…まだあんまり慣れてないんだ」

 

「気にするなよ相棒、少しずつ慣れていこう」

 

「あぁ!」

 

「それで?いつ告白するんだ?」

 

「その事だけどな…まだ俺の気持ちがハッキリしてないんだよな…正直イロハの事は可愛いと思うだけどな…」

 

「そんな事言ってるとそのうち誰かに横から取られちゃうぞ?」

 

「まぁそん時はそん時さ、イロハの気持ちを最優先に」

 

「まぁハチがそれでいいならいいけどな」

 

そうやって話している2人の少し後方に2つの人影があったことに2人は気がついていなかった。

 




いやぁ2つの人影って一体誰ナノカナー

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第30話 イロハはドジる

イロハのアピール宣言を聞いた後少し街中を歩く事にしたアスナとイロハ

 

「それにしても第1層とはかなり違いますね…」

 

「そうだね〜色んなお店が増えてショッピングとか捗りそう!」

 

「いいですね!今度一緒に行きましょうよ!」

 

そんなことを話しながら2人は街の中をのんびりと歩いていた。

 

「そういえばアスナさん」

 

「ん?どうしたの?イロハちゃん」

 

「キリトさんの事はどう思ってるんですか?」

 

「え?キリトくんの事?」

 

「はい!」

 

「うーんそうだなぁ〜」

 

そう言ってアスナはキリトのことを話始めた。

 

「最初の頃はよく分からない人だなって」

 

「よく分からない?」

 

「うん、私とキリトくんが初めて会ったのは私が迷宮区に泊まり込みでレベリングしてた時なんだけどね?

急にキリトくんが来てさっきのはオーバーキルだよって、その時の私かなり廃れててちょっとキツイ口調で何が悪いの?って言っちゃったの」

 

「アスナさんにもそんな時期があったんですね〜」

 

「うん、それでその後に私、気を失っちゃって気が付いたらキリトくんが迷宮区の外に助け出してくれていたの」

 

それを聞いてイロハは驚きの声を出す

 

「え!?大丈夫なんですかそれ!」

 

「まぁなんとかね。でその後私が、どうして助けたの?って聞いたら

君の持ってるマップの情報が欲しいからって

変でしょ?わざわざ危険をおかして助け出すんだよ?マップなんて時間を掛けてゆっくりやれば安全に手に入るのに」

 

「なるほど〜だからよく分からない人なんですね?」

 

妙に納得したようなイロハ

そして何かに気付いたように、うむうむと頷いた。

 

「よくわかりました!ありがとうございます!」

 

「いいよ〜こんな話でよかったらいつでもしてあげるからね!」

 

「ありがとうございます!」

 

そんなこんな話していると夜も深けてきた

 

「随分遅くなっちゃったね〜。

キリトくん達は多分まださっきの店にいると思うし戻ってみようか!」

 

「そうですね!」

 

2人は、先程まで4人で食事をしていた店に戻った。

するとハチとキリトはいまだに座って会話を楽しんでいた。

 

「まだ話してるみたいだね」

 

「ですね〜…せんぱい楽しそう」

 

ハチとキリトが楽しそうに話をしているのを見てイロハはとても嬉しそうに、それはもう自分の事のように喜んだ。

 

「良かったですね…本物が見つかったんですね…」

 

そう言って2人はハチとキリトに近づいた、

すると2人の話し声が聞こえてきた。

 

「正直イロハの事は可愛いと思う…だけどな…」

 

(へ?せんぱい今なんて?私のことが可愛いって?嘘…あのせんぱいが?ホントに?え?

せんぱいが……私のこと……可愛いって……)

 

イロハの顔が爆発的に赤くなっていく

 

「え!?なに!?イロハちゃん大丈夫!?」

 

「アスナさん…せんぱいが私のこと可愛いって…」

 

「イロハちゃん落ち着いて!ほら!吸って〜吐いて〜」

 

「すぅ〜はぁ〜…すみません取り乱しました。聞き間違いですよね!あのせんぱいが私の事可愛いだなんて言うはずがないですもんね!あ〜びっくりした!」

 

「イロハちゃん本当に大丈夫?」

 

「大丈夫ですよ!さぁ合流しましょう!」

 

そう言って改めて歩き出したイロハは……思いっきり近くの机の足の所に足をぶつけた。

 

ガン!!!!!!

 

「いったぁ〜〜い!」

 

しゃがみこむイロハ、ここは仮想世界なので痛みは無いはずだが反射で痛いと言ってしまった。

 

「イロハちゃん!?」

 

更にイロハは痛みで若干悶えた拍子に自分の頭が机のしたに、若干入り込んでしまっているのに気が付かず

 

「大丈夫です!」

 

思いっきり立ち上がった

 

ガン!!!!!!!!!!!

 

その拍子に机の角に頭をぶつけてしまう

 

「いったぁ!!!!」

 

「イロハちゃん!?本当に大丈夫!?」

 

こんなに騒いでいるとさすがに…

 

「おい、そんな所で何やってんだ?」

 

ハチに気づかれてしまった。

 

 




今回はちょっとドジなイロハを見れました(*´ω`*)

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第31話 あざとい後輩

後ろからものがぶつかる音と聞き覚えのある声がしてハチは振り返った。

 

するとそこには何故か頭を抱えて悶えているイロハとあわあわしているアスナがそこにいた。

 

「おい、そんな所で何やってんだ?」

 

「お!アスナにイロハお帰り!なんかいいものでもあったか?」

 

いまだ悶えているイロハの代わりにアスナが答えた。

 

「あ〜まぁ色々とね?

色んなお店があって楽しかったよ〜」

 

そう言ってアスナはキリトの元にハチはイロハの元に向かった。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「せんぱぁい…頭思いっきりぶつけましたぁ…」

 

「何やってんだよ…」

 

そう言いながらハチはイロハの頭を撫で始めた

 

「しぇ、しぇんぱい?一体何を…」

 

「おわ!?わりぃ…つい」

 

「い、いえ…別に嫌というわけでないので…むしろもっと撫でて欲しいというかむしろそこまで来たなら抱きしめて欲しいというかなんというか…」

 

「え?なんだって?なんていった?」

 

「〜っ!なんでもないです!」

 

そう言ってイロハはハチのことをポカポカ叩いた

 

「いきなりなんだよ。頭撫でた事なら謝るから許せって!」

 

「もう!もう!せんぱいのにぶちん!わからず屋!捻くれ者!はちまん!」

 

「おい!俺の名前を悪口に使うな!泣くぞ!」

 

その姿を見ていたアスナとキリト

 

「ねぇ、キリトくんはあの二人の事どう思う?」

 

「どう思うも何も…呪ってやろうかと」

 

「そうじゃなくて!!あんなに仲がいいのに今まであれ以上に発展しないなんて…」

 

するとキリトは少し気まずいような雰囲気を醸し出しつつ

 

「まぁ…ハチにも色々事情があるんだよ…」

 

「ふーん…そういうものなのかしらね?」

 

「だと思うぞ。

まぁもしアスナがもっと踏み込みたいと思うならハチにしっかりと話すことだな。

さてと…そろそろあの2人を止めないとな。」

 

「なによそれ…どういうこと?」

 

「2人がいない時にハチの過去の話を聞いた…正直言って俺がもしハチの立場だったらここにいないと思う。

それほどまでに辛くて壮大なものだった。」

 

「そんなに……そっか…でも今私がハチくんに聞いても多分答えてくれないと思う。

だからもう少しだけ待つことにするわ。

いつの日かハチくんの方から話してくれるまで」

 

「そう…だな…まぁその方がアスナ達のためだな」

 

「うん!

それじゃあそろそろあの2人を止めて宿屋にいきましょ?」

 

「だな!

おーい、2人ともそろそろ宿屋に行こうぜ〜」

 

すると2人はアスナとキリトの方を見ながら

 

「は〜い」

 

「もっと早く止めてくれよ…」

 

そして4人は食事処を出て宿屋に向かった。

 

その道中イロハはハチに質問した。

 

「せんぱい……せんぱいは私の事どう思ってますか?」

 

するとハチは少し考える素振りをした後口を開いた。

 

 

 

 

「あざとい後輩……だな」




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第32話 エクストラスキル

キリトと本当の意味で友人となったハチは次の日の朝から転移門広場の露店にイロハと共に買い物に来ていた。

 

すると前日に階層が更新されたというのに広場では未だにお祭り騒ぎになっていた。

 

のだが…

 

「おい、イロハあれ…」

 

「え?なんですか?」

 

イロハが露店のアイテムを物色中ぼんやりと見ていた広場にややイレギュラーな光景を見つけ、ハチは小さくイロハに声をかけた。

 

転移門からワープアウトしてきた1人の女性プレイヤーが、そのまま足を止めずに猛ダッシュで西の通りへ駆け込んで行ったのだ。

 

するとそこから更に2人の男性プレイヤーが飛び出してきた。

辺りを見回し先程飛び出してきたプレイヤーを見つけると追いかけるようにして同じ方向に走り出した。

 

「なぁイロハ、あれどう思う?」

 

「どうも何も…追われているのかと思いますが…まさかと思いますけど…追いますか?」

 

「悪いな」

 

「いいえ、せんぱいならそういうかなと思ったので」

 

そう言って2人は先程走り去っていったプレイヤーを追いかけて行った。

 

するとどうだろうか、女性プレイヤーを追いかけていた男2人組が街に向かって引き返していた。

 

2人の男は

 

「あんなモンスター勝てないでござる!」

 

「早く安全な所まで行かなければ!」

 

などと話していた。

 

「イロハ!急ぐぞ!モンスターに襲われてるかもしれない!」

 

「はい!」

 

速度を上げるハチとイロハ

 

すると平原に2人のプレイヤーの影が見えた。

 

「あれは…キリトか?」

 

「キリトさんが助けたんですかね?」

 

すると突然女性プレイヤーがキリトに抱きついた。

 

一言二言話したあとその女性プレイヤーはゆっくりとキリトの元を離れた。

 

こちらの気配に気が付いたのかキリトはこちらを向いて驚いた顔をしていた。

 

「ハチにイロハ!2人ともこんなところで何やってるんだ?」

 

「それはコッチのセリフだ」

 

「キリトさん…アスナさんが居ながらなんて事を…浮気ですか!見損ないました!」

 

「ちょっと待ってくれ!別にアルゴとはそんな関係じゃない!それになんでアスナが出てくるんだ!」

 

それからハチとイロハはキリトの話を聞いた。

 

どうやら追われていたのに気がついてキリトも後を追っていたらしい。

 

ハチとイロハがその事に気が付かなかったのはキリトが隠蔽スキルを使っていたそうだ。

 

「まぁ、大体の事情はわかった。で?そのアルゴってやつとお前の関係は?」

 

「アルゴは情報屋なんだよ」

 

「ホイホーイ、オイラの名前はアルゴってんダ

情報屋なんてものをやっていル

知りたいことがあればなんでも聞いてくれよナ!

ハー坊にイーちゃん」

 

2人は驚いた

当然だろう、2人は今までアルゴと会ったことが1度たりともないのにも関わらず自分たちの名前を知っていたからだ。

 

「ハー坊ってのは俺か」

 

「イーちゃんが私ですか…」

 

するとキリトは改めたように

 

「それじゃあアルゴ、エクストラスキルについて教えてくれ」

 

「はぁ…わかったヨ

約束だからナ」

 

ハチとイロハは聞いたことも無い言葉に反応した。

 

「なぁキリトエクストラスキルってなんだ?」

 

「あぁ、それは…」

 

エクストラスキルとは言ってしまえば通常では覚えることの出来ない特別なスキルのことを指す

ベータ版であった瞑想スキルがそれに当てはまる

 

ということを聞いた

 

「じゃあせんぱいのもエクストラスキル?って言うのですかね?」

 

「いや…俺のは体質だろ?」

 

「どういうことだ?」

 

「あれ?キリトさん知りませんか?せんぱいって消えることができるんですよ?」

 

それを聞いたキリトとアルゴは不思議に思った

隠蔽スキルというものがありそれは自分自身の姿を一時的に隠すことが出来る

それの事を言っているのではないだろうか?

 

「なァ、イーちゃん

それは隠蔽スキルの事じゃないのカ?」

 

「違いますよ?せんぱい隠蔽スキルなんて取ってませんもん」

 

「ちょ、おま!他人にスキル構成バラすなよ!」

 

「まぁまぁ!2人ならいいじゃないですか〜」

 

「つまりどういうことだ?隠蔽スキルを持ってないのに姿を隠すことが出来るって事なのか?」

 

「あ〜……まぁそういうことだな」

 

歯切れが悪く言うハチ

 

「丁度いいじゃないですか!見てもらいましょうよ!」

 

「ここでやるのか?」

 

「俺も見てみたいな」

 

「オレッチも興味あるナ!」

 

3人から詰め寄られ渋々といった様子で了承するハチ

 

「わかったよ…じゃあちゃんと見てろよ?」

 

「まて、見られたままでも隠れられるのか?」

 

「キリトさん、見てれば分かりますよ!

それじゃあせんぱい!お願いします」

 

「はぁ…」

 

 

 

〘 ステルスヒッキー発動〙

 

 

 

 

 

 




というわけでオリジナルスキルの1つ目が発覚しました!

沈利様 和博様 あつぽん様 ゆーーと様 renasuart様 藻屑 海太郎様 秀政様 焼き鳥丼様 KeiSIG様 tnake様 小型ミサイル様 シャチ大好き様 柿崎 紅葉様 ベルさん様 妖怪狐様 ヒリュウ様 ハヤセ様 こまつこ様 _ryo様

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第33話 ○○エモン

〘 ステルスヒッキー〙

 

ハチはそう言い残し3人の前から消えた

 

「なっ!どうなってんだ!?」

 

「あ、ありえなイ!」

 

「やっぱりお2人には見えてないんですね〜…」

 

どうやら3人の前から消えた様に見えたがイロハにだけはハチの姿が見えているらしい

 

「……アルゴ…あり得ると思うか?」

 

「いいヤ…普通ならありえなイ

普通の隠蔽スキルなラ、オレッチ達が見ている前で隠れるなんて事は不可能ダ」

 

「イロハは、見えているのか?」

 

そう言うとイロハはハッキリとした声で

 

「はい!私にはせんぱいの事しっかりと見えてますよ?」

 

「うーむ、コレは間違いなくエクストラスキル…いやもしかしたらハー坊にしか使えないユニークスキルかもしれないナ」

 

キリトとアルゴが悩んでいる中ハチは唐突に姿を現した

 

「で?結局2人には見えてなかったのか?」

 

「あぁ…まるっきり見えなかった」

 

「オイラの索敵にも全く引っかからなかったゾ」

 

「でもコレがスキルじゃないってのは本当なのか?」

 

するとハチはスキルウィンドウを視覚化して2人に見せた

 

「確かに…それっぽいスキルはないな…」

 

「確かに…全て普通のスキルだナ…」

 

「やっぱりせんぱいのはエクストラスキルってやつじゃないんですか?」

 

不思議そうに首を傾げるイロハ

 

「可能性は無くはないが…」

 

「まぁ…わからんならわからんでいいさ

それに俺のステルスヒッキーはリアルでも使えたものだしここで使えても不思議じゃねーだろ」

 

「オレッチはそのセリフを吐ける事が不思議だヨ

一体どんな人生送ったらこんなスキルをリアルでも使えるようになるんだヨ」

 

「まぁ気にすんな

それで?アルゴの方のエクストラスキルってなんだ?」

 

思い出したかのようにそう言うとアルゴは顔をしかめながら

 

「知ってもオイラのこと恨むなよ?」

 

「別に恨まねーよ」

 

「キー坊にイーちゃんもいいナ?」

 

「分かってる」

 

「なんか分かりませんがりょーかいです!」

 

するとアルゴは意を決したように

 

「体術スキルだヨ」

 

「体術スキル?」

 

「あァ、スキルの内容はおそらく、武器を使わずに発動できる物だとオイラはふんでる」

 

ハチはそれを聞いて不思議に思った

それだけなら恨むどころか寧ろ武器が無くなった時や壊れてしまった時に使えるような優れたものだと思ったからだ。

 

「そのスキルを知りたいってなら、教えてくれる所に案内するゾ」

 

「じゃあ頼む」

 

「後悔するなヨ」

 

そう言って3人はアルゴの案内のもと体術スキルを教えてくれるという、クエストNPCの元へと向かった。

 

道中は決して楽というものではなかった。普通に敵も出てくるし道のりは険しい

 

山をいくつか超えたところでとある山小屋を見つけた。

 

「ここがそのスキルを教えてくれるNPCだヨ」

 

「早速受けてみよう」

 

キリトにそう言われハチとイロハそしてキリトはクエストNPCの前に立った

 

クエストNPCは坐禅をしているオッサンだった。

 

ボロボロの道着を着たオッサンは3人を見ると言った。

 

「入門希望者か?」

 

「…そうだ」

 

「修行の道は長く厳しいぞ?」

 

「え…ならやめ…」

 

ハチが断るよりも早く

 

「望むところだ!」

 

キリトが言ってしまった

 

するとオッサンの頭上の「!」マークが「?」へと変化し、視界にクエスト受領ログが流れた。

 

「キリト…お前…」

 

「あ〜…なんかすまん」

 

「まぁまぁ、いいじゃないですか!頑張りましょ?」

 

するとオッサンは小屋の外に出て庭にある大岩を叩きながら言った。

 

「汝らにはこの岩を両の手のみで破壊してもらう」

 

それを聞いた3人は無理だと思い断ろうとするしかし

 

「汝らには修行を終えるまでこの山を降りることは許さん

よって誓いをたててもらう」

 

そう言ってオッサンは近くにあった壺と筆を手に取り3人の顔に何かを塗った。

 

「おいなんだこれ!」

 

「なんだ!?」

 

「きゃっ!」

 

そして3人はお互いに顔を見合せながら固まった

 

「よかったなキー坊!体術スキルだけじゃなくてオイラのヒゲの秘密まで知ることが出来たゾ!」

 

「なぁ…アルゴ俺達の顔どうなってる?」

 

キリトが尋ねる…するとアルゴは若干笑いながら

 

「そうだナ…ハチエモンにイロエモン、そしてキリエモンって感じだナ!」

 

そう…3人の顔にはそれは見事な三本のヒゲが書かれていた。




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第34話 鍛冶屋の謎

あの後無事にスキルを取り終えたハチとイロハは街に戻った後少し休息を得ようと第1層に向かっていた。

 

第1層への転移門へ向かおうと歩き出したハチの視界に人が密集しているところを見つけた。

 

どうやら武器強化を依頼しているであろうプレイヤーと鍛冶をしているプレイヤー、2人の姿が映った。

 

「なぁ、イロハあれってもしかしたら」

 

そう言ってハチはイロハに声をかけた

 

「なんですか?

あ〜あれって最近噂になってる生産系のプレイヤーの方ですかね?」

 

「だよな?ちょっと見ていこうぜ?

俺達もそろそろ武器の強化しないと辛いところあるからな」

 

「まぁ構いませんけど…」

(せっかく今日はせんぱいとのデートだと思ったのに…)

 

「どうした?」

 

「いーえ!なんにも」

 

そしてハチとイロハは目立たないようにベンチに腰を下ろし、2人ははその様子を見学する事にした。

 

そして次の瞬間、澄んだ金属音と共に武器が砕け散った。

 

「せんぱい…武器の強化って失敗すると壊れましたっけ?」

 

「いや…そんな事は無かった…少なくともベータ版ではそんな事は無かったと思うが…」

 

「ですよね…」

 

「イロハ、お前はアルゴに連絡して聞いてみてくれ、俺はキリトに聞いてみる」

 

「わかりました!」

 

そう言ってイロハはすぐさまアルゴに連絡した。

 

その後2人は当初の予定通り第1層に戻り休息日とした。

 

その時のイロハはたいそう喜んだという。

 

イロハとの休息日を終えハチは自分の借りている宿屋のベッドの上で考え事をしていた。

 

(武器の強化ってだけで壊れるものなのか?

悔しいがこのゲームは平等だ…使っている武器が壊れたらソイツは前線からかなり遅れをとるはずだ…)

 

するとキリトから連絡が来た。

 

内容はやはりキリトも武器が壊れてしまうという現象は今まで1度もなかったとの事だ。

 

キリトからの連絡を読み終えたところでイロハが部屋に入ってきた

 

ガチャ

 

「せんぱ〜い、今アルゴさんから連絡が来てですね

どうやら最近そういった相談?依頼?が多いみたいなんですって!

ですからアルゴさんも詳しく調べ直してくれるらしいです!」

 

「そうか…わかった

所でイロハ…俺って部屋に鍵かけて無かったっけ?」

 

「え?かけてありますよ?」

 

「じゃあなんで入ってこれたんだよ…」

 

「それは…まぁ女の秘密ってやつですよ」

 

「えぇ…女の秘密って怖いな」

 

その後ハチは疲れていたため深く追求せずにそのまま眠りについた

 

 

 

次の日ハチとイロハは、体術スキル取得のため中々行けなかった武器強化用の素材を取りに来ていた。

 

「せんぱ〜い…飽きました〜」

 

「しょーがねーだろ?コイツら倒さないと強化用の素材集まらないんだから…」

 

そんなこんなで何とか素材が集まった2人は街に戻ってきた

 

「はぁ〜やっと終わりましたね〜」

 

「つってもお前後半はほとんど休んでたじゃねーかよ」

 

「あはは〜」

 

そんなことを話していると2人の目の前に1人の大柄な男が近づいてきた。

 




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第35話 教え

2人に近づいて来た人物はとても大柄なスキンヘッド

 

そう…第1層ボス攻略の際に知り合ったエギルと言う男性プレイヤーだった。

 

「よう!お二人さん、久しぶりだな」

 

「お〜…イロハ…誰だ?」

 

「何言ってるんですか!エギルさんですよ!ほら!ボス戦の時にお世話になったあの大斧使ってた人です!」

 

「あ〜…」

 

「せんぱい…覚えてませんね?」

 

その会話を聞いていたエギルは笑いながら言った

 

「ハッハッハ!気にすんなよ、状況が状況だったんだ。

覚えて無くても無理はないさ」

 

「お、おう。わりぃな」

 

「はぁ…この人は全く…

それで、エギルさんどうしたんですか?」

 

「あぁなんだ?その…な、あの後のことを教えとこうと思って…」

 

するとエギルはハチがボス部屋から居なくなった後のことを全て話してくれた。

 

キバオウがこの先ギルドを作ろうと思っていること。

 

リンドというプレイヤーがディアベルの跡を継ぎ攻略組を引っ張ろうとしている事。

そしてリンドもキバオウと同じようにギルドを作ろうとしている事。

 

それに伴い攻略組がキバオウ派閥とリンド派閥そしてどこの派閥にもならない中立と言う派閥の3つで割れていること。

 

今日のお昼すぎからフィールドボスの討伐が行わられるという事。

 

そして…ハチがあの場を去った後イロハが起こした行動のこと。

 

それを聞いたハチはイロハの方をバッと振り向き言った。

 

「…イロハ、お前なんでそんなことしたんだ!」

 

「…」

 

「わざわざお前まで他のプレイヤーに狙われるようなことするなんて!どういうつもりだ!」

 

「…私は…私は、あのまませんぱいが誤解されたままなのが嫌だったんです…」

 

するとここで意外なことにエギルが口を挟んだ。

 

「…なぁハチ…あんまりイロハを怒ってやるなよ。

確かにイロハのした行為はお前の頑張りを無駄にしたのかもしれん。

だけどな?例え、お前が痛みに慣れているとしても…お前が傷つくのを見て、痛ましく思う人間も居るお前はその事に気付くべきだ。」

 

ハチはこの言葉をどこかで聞いたことがあった…

 

(懐かしく感じる…どこで聞いたんだ?……そうか…)

 

するとハチは2人に聞こえるか聞こえないか位の声で呟いた。

 

「すみません…平塚先生…」

 

そして改めてイロハに向き合った。

 

「イロハ…すまん…そしてありがとう」

 

ハチは深々と頭を下げた

 

「せんぱい…私の方こそすみませんでした…」

 

その様子を見守っていたエギルはとても優しくそして逞しい声で言った。

 

「良かったな2人とも、それじゃあ俺は行くぜ?

GOOD LUCK」

 

ハチはエギルの後ろ姿を見ながら思う

 

(エギル…ありがとな、そして平塚先生…すみませんでした…貴方の教え…忘れてました…

でももう二度と忘れません。必ず戻ります)

 

ハチは改めて現実世界に戻るということを認識し今以上に努力することを心に決めた。

 

 

 

 

 




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第36話平塚静

病院内の白く清潔感のある部屋にピッピッピと規則正しい機械音がなっている。

 

ベッドに横になり規則正しい呼吸を繰り返している少年の頭にはまるでレーサーのヘルメットの様な見た目をした機会が取り付けられている。

 

そしてその少年を見守っている1人の女性

 

その女性は黒く艶やかな黒髪を腰の辺りまで伸ばしており、病院の先生やナースという訳では無いのに白衣を来ている。

 

そう…その女性の名は平塚静

比企谷八幡が通学していた総武高校の教員である。

 

「やぁ比企谷、なかなか来れなくて申し訳ない

しかし、君はアレだな。本当に周りの人のことを考えない…」

 

口ではこういっているが静の表情はとても優しいものだ。

 

「まぁいい、そうだ土産を持ってきたんだ。」

 

そう言って静は白衣のポケットから黄色と黒色、2色の缶を1つ取り出した。

 

「君がよく飲んでいたものだ。」

 

そして同じ物をもう1つ取り出して蓋を開け

静は中身を少し飲んだ

 

「よくもまぁ君はこんな甘いものを好んで飲んでいたな…」

 

静は両手でその缶を包み込むように持ち比企谷八幡の反応を見た。

 

「やはりいくらお前でもこの程度では起きないか…」

 

比企谷八幡は静かに呼吸している

 

静は不安だった、いつの日か突然この呼吸が止まってしまうのではないかと…

 

そして二度と目覚めないかもしれない…と

 

静は缶の残りを全て飲みきる、そして空になった缶を握りしめながら言った。

 

「ばかもの!いつになったら帰ってくるのだ!一体君はどれ程の人間に心配を掛ければ気が済むんだ!早くしないとお前は私の花嫁衣裳の姿を見れないかもしれないんだぞ!」

 

比企谷八幡ならきっとこんな時相手は見つかったんですか?と軽口を叩く…そう願いを込めた最後の一言

 

しかし依然比企谷八幡は眠ったままだ

 

「…そして…頼む…一緒に囚われている一色いろはをどうか…守ってやってくれ…」

 

静は涙を流していた

 

本来頼むべきことでは無い…学生生活と違い今の比企谷八幡は命をかけて戦っているのだ

 

そんな相手に頼むしかない…静はそんな己の無力さと比企谷八幡への申し訳なさで涙を流したのだ。

 

しかしその言葉に反応したのか点滴のため一時的に布団の外に出していた比企谷八幡の左腕の指先がピクッと動いたような気がした。

 

それをみた静は軽く笑いながら

 

「ははっ、君はいつもそうだ…自分の事なら反応しない癖に他人の事…特に君が大切に思っている者の事となると直ぐに対処しようとする…まぁ方法は褒められたものでない事が多いがな。」

 

静は涙を拭き比企谷八幡の手を握りながら言った。

 

「比企谷、コレは奉仕部としての依頼だ。一色いろはと共に必ず戻ってこい。

だが絶対に自分を犠牲にするな、いいか2人で戻ってくるんだ。

君が傷付く所を見て痛ましく思うものがいるんだ。

そのことを決して忘れるな」

 

そう言って平塚静は比企谷八幡の病室を後にした。

 

その表情はとても晴れやかな顔をしていたという。

 

 

 

 

 

 




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第37話 作戦

エギルの後ろ姿は徐々に見えなくなった。

 

すると次はフードを被った小柄な女性が話掛けて来た。

 

「やあ、ハー坊それにイーちゃんも」

 

「今度はアルゴか」

 

「こんにちは!」

 

「む?なんだヨ、ハー坊その反応はいくらおねーさんでも傷つくゾ?」

 

するとアルゴはシクシクと泣いた振りをした

 

「あ〜あ、ダメじゃないですかせんぱい!」

 

それを見て若干慌てるハチ

 

「悪かったよ!」

 

するとアルゴはニカッと笑い言った

 

「別に構わないゾ」

 

若干イライラしながらもハチはあるのに聞いた

 

「それで?一体なんの用事なんだ?」

 

するとアルゴは少し神妙な顔つきになり言った

 

「例の鍛冶屋のことだヨ」

 

「なにかわかったのか?」

 

「あァ、調べてみたんだガ、どーもキナ臭い…」

 

するとイロハは頭に?マークを浮かべながら聞いた

 

「キナ臭いってどういうことですか?」

 

ハチは頭に?マークを浮かべているイロハに軽く説明をした

 

「う〜ん…せんぱいは武器強化で壊れるのは絶対におかしいって思ってる…だからアルゴさんに依頼した。

そしたらどうも裏に何かありそうだということですね?」

 

納得したようなイロハ

 

「ってかお前ずっと一緒にいたじゃねーかよ…なんでわかんなかったんだ…」

 

「てへ☆」

 

「はぁ…すまんアルゴ…話を戻そう」

 

「お、おウ…オレっちが調べたところによると、確定でロストするケースが一つだけ存在することがわかっタ」

 

「どんな時だ?」

 

「強化試行回数が残ってない武器を、更に強化しようとして失敗した時だナ」

 

「ん?という事は成功さえすればロストしないってことか?」

 

「そういうことだナ、強化もされないがロストもしない…つまり素材の無駄遣いが発生するってだけだナ」

 

「なるほどです…他の鍛冶屋でも強化後ロストってあったんですか?」

 

「いいヤ、オレっちの調べた限り、そんな事例が報告されたケースはない。

実際問題、あの職人以外には、そういった事はまったく起こっていないナ」

 

アルゴはさらにつけ加えた。

 

「まぁ、他人の依頼を受けるほどの腕の職人は、表に出てるのはまだあいつしかいないから、

失敗してもまあそういう事もあるんだろうなって事になっちまってるって感じだナ」

 

それを聞いたハチは静かに考え始めた

 

(何かがおかしい…強化依頼するやつがわざわざ強化試行回数が残っていないものをやるか?強化依頼も安くないまだ2層だってのに…しかし鍛冶屋が故意にやっているとしてもメリットは…それに方法も…)

 

「急に黙っテ…どうしたんダ?」

 

「あ〜、せんぱいのいつもの癖ですよ。考え込むと周りが見えなくなるんです」

 

「なるほどナ」

 

するとハチは未だに考えているような表情をしながらアルゴに質問した

 

「他に何か情報はあるか?」

 

「そうだナ…あの職人、Nezhaって書いて、ネズハって読むんだがナ。

レジェンドオブブレイブスってチームの一員なんだヨ」

 

「レジェンドオブブレイブス…伝説の英雄達…か?」

 

「あア、それでそいつラ最近かなり羽振りがいいって話だヨ」

 

「アルゴさん…それってもしかしたら…」

 

「ああ。なんらかの手段で武器を摩り替えて、その武器を売って稼いでいる可能性があル」

 

「それって詐欺じゃないですか!」

 

「アルゴ…それは確かな事なのか?」

 

「いいヤ、あくまで可能性の話しだヨ」

 

イロハは目に見えて怒っていた

 

もし万が一自分の武器や自分の大切な人の武器がそうなってしまっていたら…そう考えてしまったのだろう。

 

「まぁ待てイロハ、まだ可能性の話だ。それに…俺はアイツが自分の意思でそんな事やってるようには見えない」

 

「どういう事ですか?」

 

「やりたくないがやらなければいけない状況…つまり脅されている、もしくは他のレジェンドオブブレイブスのメンバーに何か負い目があるか…だな」

 

「ですが…だったとしても許せません…」

 

「分かってる…アルゴ、何か方法はあるか?」

 

「わかっタ、一つこっちから仕掛けてみたいと思うんだが、協力してくれないカ?」

 

「わかった」

 

するとアルゴは1本の片手剣を取り出して言った

 

「ハー坊にはこの剣を持ってあの鍛冶屋に強化依頼を出してほしイ」

 

「これ…どうしたんだ?アルゴが使うやつじゃないだろ?」

 

するとアルゴはニヤリと笑いながら言った。

 

「これは、検証のためにオレっちが自分でドロップさせた物だヨ」

 

「普通にすげぇな、でもいいのか?もしかしたらロストするかもなんだろ?」

 

「構わないヨ、それに強化を頼んでも、その後オレっちが別の武器を装備しない限り、所有権はまだオレっちにあるだロ?

だから、終わった後別の場所に移動して実体化させてみル。

失敗したら、武器破壊はありうるって事になル。成功したら、詐欺確定だナ」

 

「それなら私達が借りてる部屋にしましょう!そこならキリトさんやアスナさんも場所分かりますし!」

 

イロハがそう提案し、段取りが決まった所で、三人は計画を実行する事にした。

 




鳴無様 はぶり様 愉悦を求める自由人様 attaleia様 クライン・クラウン様 azu21様 shorin様 ken13954様 キキョウ様 楯無ソーマ様 明日のビリケン様 マルク911様 機械屋様 めらお様 シュワちゃん様 satokunn様 流使様

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第38話 強化詐欺

ハチは今、話題の鍛冶屋の前にいる

アルゴとイロハとの作戦を結構するためだ

 

「すまん、今いいか?」

 

「はい、大丈夫です。お買い物ですか?それともメンテナンスですか?」

 

(どういう事だ?なぜ武器強化を勧めない?)

 

ハチは不思議に思った…アルゴの考えが正しければ武器強化の依頼を受ければ受けるほど、この鍛冶屋は儲かるはず…

 

「…強化を頼む、素材は持ち込みだ」

 

「…分かりました…それでは武器の方をお預かりします。」

 

鍛冶屋の顔は暗かった…

 

その顔を見てハチは更に不思議に思った

 

(その顔…やはりなにか理由があるのか?)

 

「プロパティは…この素材だとスピードになりますがよろしいですか?」

 

「構わない」

 

すると鍛冶屋は素材を炉の中に入れた。

とても美しく幻想的な光を放ちながら素材は輝いていた。

 

次の瞬間ハチは鍛冶屋の手が若干ブレたの見た。

しかし何故なのか理由は分からなかった。

 

そして強化後に武器は砕け散った

 

ハチは自分の武器でないのに少し悲しくなった…

 

その後少し肩を落としながらイロハとアルゴが待つ宿屋に向かった

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあやってみるヨ」

 

すると壊れたはずの武器はあっさりとアルゴの手元に戻ってきた。

 

「はぁ…確定だな」

 

「そうだナ」

 

「どうでしたか?実際に見て、せんぱいなら何か気づいたんじゃないですか?」

 

「そうだな…表情はこんなことやりたくないって感じの顔してた。

それと左手が若干ブレて見えたな…」

 

「ブレてた?こんな感じカ?」

 

するとアルゴは素早くシステムウィンドウを操作して武器を持ち替えた。

 

「いや…そんな丸わかりな感じじゃ無かった…それに操作自体もっと簡略化されてた。」

 

「まさか…クイックチェンジカ?」

 

「せんぱい…クイックチェンジってなんですか?」

 

「そうだな…簡単に言うと武器を素早く持ち変える為のスキルだな。

戦闘中とかに武器を落としたり、壊したりした時に使えるオプションみたいな物だ。

だが…鍛冶屋に、クイックチェンジは必要ないだろ?」

 

「そうなんだよナー」

 

「せんぱい…もしかしたらあの人最初から鍛冶屋ってわけじゃなかったんじゃないですか?」

 

「どういう事だ?」

 

するとイロハは少し考えるような表情をしながら2人に言った。

 

「ほら、元々は剣士で何らかの理由で辞めざるを得なくなった。

でも、やめるにしても今までギルド?の人達と頑張ってきたのにいきなり辞めるってなったら今までレベリングとか手伝っていたメンバーは少し損するじゃないですか?

だからこそ強化詐欺をしてその損した分を補填しようとしてるんじゃないですか?」

 

イロハにしてはかなり筋を通っている…

 

「なるほどナ…イーちゃん中々いいカンしてるネ!

オレっちもその線で調べていこうと思う」

 

「了解した。なにか分かったら教えてくれ」

 

その後、アルゴは二人にお礼を言い、去っていった。

 

残された2人は、なんともいえない雰囲気に包まれていた。

 

「イロハ…キリトとアスナに連絡してくれ…ここに集まるように」

 

「分かりました」

 

そうしてイロハはキリトとアスナに連絡して後ほどその2人が宿屋に集まった。

 

「どうしたんだ?ハチが俺達を呼ぶなんて…余程のことがあったのか?」

 

「言われてみれば私達がハチくんに呼ばれるなんて初めての事じゃない?」

 

「突然悪いな…お前ら2人に話しとかなきゃいけないことがある」

 

そしてハチは2人に鍛冶屋の事について全て話した。

 

「なるほどな〜…でもその話を聞けてよかったよ

実は俺もアスナもその鍛冶屋に装備の強化をお願いしようと思っていたところだったんだ」

 

「信じらんない!どうしてそんなことするんだろ!」

 

キリトはホッと、アスナは激怒していた

 

「やっぱりそう思いますよね!」

 

ちなみにイロハも激怒していた

 

「まぁ…そうだな、何かしらの理由があるのはほぼ確定してる…最初あの鍛冶屋は買い物かそれともメンテかって聞いてきたんだ。

もしアイツが自分の意思で強化詐欺なんてやってるなら普通強化を勧めてくるだろ?」

 

「言われてみると確かにそうだな…」

 

「でも…何とかしないと…」

 

「あぁ、理由がなんにせよ

この行為は許されることじゃない…まぁ残りはアルゴとキリトにおまかせだな」

 

「なんで俺なんだよ!?」

 

「いやだって…俺もう顔バレしてるし?」

 

「せんぱい、こんな時位は素直になりましょうよ〜

こんなこと任せられるのはキリトさんくらいだって」

 

するとハチは若干顔を赤くしながら言った

 

「うるせぇ、そんなこと思ってねーよ!」

 

その光景を見ながらゆったりと笑うアスナ

 

「ハチくんにここまで言われたらやるしかないよねキリトくん!」

 

「ははっ!そうだな、やるしかない!」

 

先程までの重苦しかった空気は微塵も無くなりその空間には軽くほだやかな空気が広がった。

 

その後。次の日の予定を相談し、キリトとアスナは自分の宿屋に戻って行った。

 

 




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第39話 対決とケーキ

次の日ハチとイロハの2人は、競い合う様にして蜂型モンスターを狩っていた。

なぜ競うように狩っていたのか…それは少し前の時間に遡る

 

 

 

 

「せんぱい、この階層に物凄く大きなケーキがあるって知ってますか?」

 

「いや知らん」

 

「ネズミのマークの攻略本に書いてあったんですよ」

 

「そうか…そりゃ良かったな。今からでも行ってくればいいんじゃないか?」

 

「……せんぱい、私達は今から狩りをする訳ですね?」

 

「無視か?まぁそうだが?」

 

「勝負しましょう!

私が勝ったらせんぱいの奢りで、一緒にケーキ食べに行きましょう!

せんぱいが勝ったら仕方なく自分で払うので食べいきましょう」

 

「え?なにそれ?1人で行ってきなさいよ。それに勝ったとしても俺にメリットないし」

 

「いやいや、可愛い後輩とケーキ食べいけるんですよ?

普通ならお金払ってでも行きたいと思います!むしろ払うから一緒に行ってくださいと言ってきてもおかしくないです」

 

「え、なにそれ…宗教かなんか?怖!」

 

「まぁまぁ、細かいことは気にしない!それじゃあいきましょ!」

 

「はぁ…わかったよ」

 

 

 

 

結果は、驚いたことにイロハの圧勝だった。

 

イロハはわざと丈が少し短めのスカートに装備を変えわざと激し目に動きわざとハチの視野のギリギリのところに常に居るように戦っていたのだ。

 

ハチは視界の隅にチラチラと映るイロハの足やスカートなどに気を取られ本来の実力の半分も出すことが出来なかった。

 

それが勝敗の分かれ目だったのだ。

 

「それじゃあせんぱいの奢りってことで!よろしくお願いします!」

 

「いや、お前アレはズルいだろ…」

 

「勝つ為には手段を選ばないんですよ!」

 

ハチは昔の事を思い出した

 

「そいやあ、前にもこんな事があったな…お前と卓球やったりとかした時…あん時は俺が勝ったけどな」

 

「確かに…でも結局せんぱいは奢ってくれましたもんね…」

 

2人は思い出に浸りながらゆっくりと噛み締めるようにして街に戻るのであった。

 

「せんぱい、ケーキ忘れてませんからね」

 

「……アタリマエジャナイカー」

 

 

 

 

 

2人は噂の店に着き、ハチはメニューを見て驚愕した。

 

「なんだ…これ…めちゃくちゃたけーじゃねぇか…サイゼのケーキいくつ分だ?」

 

そして出てきたケーキを見て、さらに驚愕した。

 

「なんだコレ…マジでサイゼのケーキの何倍の大きさだよ…」

 

それはとても巨大なショートケーキだった。

 

「せんぱい…なんでもかんでもサイゼに例えるのやめましょうよ…」

 

そのショートケーキはカットされてはいるがとても1人では食べきることは出来ないだろうと思うほどの大きさをしていた。

 

「でも…確かにこのケーキは1人だととても食べきれませんね…せんぱい分けるんで半分くらい食べてください」

 

「お、おう…でもお前半分つってもなかなかの大きさだぞ?お前食べきれるのか?」

 

「大丈夫ですよ!甘いものは別腹なんです!」

 

そしてケーキを口にした二人は、顔をほころばせた。

 

「…うまいな」

 

「ん〜!すっごく美味しいです〜!」

 

「変に甘すぎない…ギリギリの所を狙ってるな」

 

「ですです!特にこのクリームがなんとも言えません!」

 

「っておい、クリーム頬っぺたに付いてるぞ」

 

「へ?どこですか?」

 

するとハチは物凄く自然にイロハの頬に付いたクリームを指ですくいそのまま自分の口へと運んだ。

 

「せせせせせ、せんぱい!?何やってるんですか!?」

 

「あ、わりぃつい小町の癖で」

 

「あぅ〜〜/////」

 

その後イロハは一言も話すこと無く黙々とケーキを食べ進めていった

ハチはそんなイロハのことを見ながら

(怒らせちまったかなぁ…悪いことした)

などと的外れなこと考えていた。

 

 

 

 

後にその姿を見ていた人は語った

 

「アレはどっからどう見てもイチャついてるようにしか見えなかった」

 

「イロハちゃんにはもう少し頑張ってもらいたかったけどあんな姿みたら私まで恥ずかしくなっちゃう」

 

「あんなんチートや!チーターや!」

 

との事だ。




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第40話 武器の継承

「そういえばせんぱいって甘い物大好きですよね」

 

「あぁ、まぁ人生は苦くて辛いんだ甘くて美味いもん食わないとやってらんないからな」

 

「うわぁ…まぁ私も甘い物好きですけど」

 

「まぁ女の子で甘いもの嫌いな奴はいないだろ?」

 

「そんなこともないと思いますけど…あ!せんぱい!見てください!幸運のバフがついてます!」

 

「お?ほんとだな…あのケーキを食べるとこんなバフが付くんだな」

 

「せんぱい!今のうちにもう一度狩りに行きませんか?」

 

「いや、流石に行かねーよ…残り時間的にもそんなに長いわけでもねーし」

 

「まぁ、そうですよね〜。次の機会に行きましょう」

 

「だな」

 

その後2人は宿屋に戻り同じ部屋で同じように持ち物の整理整頓をしていた。

 

するとイロハは自身の武器を大切に握りしめ一言

 

「今日もありがとう、お疲れ様、明日もよろしくね」

 

と声を掛けていた。

 

イロハが持っている武器はハチがイロハにとわざわざドロップさせた短剣だった。

 

イロハにとって初めてのハチからの贈り物…

 

それを見ていたハチは、少し考えつつ、イロハに話しかけた。

 

「なぁ…イロハちょっといいか?」

 

「?どうしたんですか?」

 

「その剣…大切にしている事は分かってる…言い難いことなんだが、その短剣はフル強化出来たとしても…恐らく3、4層位までしか使えないと思う。

その時お前…どうする?」

 

イロハは狼狽えた、ここに来て…いや比企谷八幡という人物に会ってから…比企谷八幡の事を好きだと認識してから初めての贈り物…

イロハはその贈り物を手放すということは考えられなかった

 

例えハチからしたらただ単に自分は使わないからイロハに使うように言った…だとしてもイロハにとってその瞬間は…贈り物をされた瞬間はとても幸せで幸福な瞬間だった。

 

この剣があるから頑張ってこれたと言っても過言ではないほど、イロハにとってこの短剣は心の支えとなっていた。

 

「…すまん、俺の言い方が分かりにくかったよな。

武器を新調するにも幾つか方法があるんだ、ドロップ品を狙う、又は宝箱などからの入手そして最後にもうひとつ」

 

「もうひとつ?もったいぶらずに教えて下さい!」

 

「その武器をインゴット化させてそのインゴットから武器を作る」

 

「この子を…インゴットに?」

 

「あぁ、お前が大切にしている武器の魂を新しい武器に継承させるんだ」

 

「武器の魂を継承させる……はい!私その方がいいです!」

 

「わかった」

 

ぶっきらぼうに言いつつも、ハチの目はとても優しかった。

 

こうして第2層解放からの1週間が過ぎ去っていった。

 




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第41話セクハラ

次の日は、エギルから聞いていたフィールドボス討伐の日だった。

 

二人は参加する気はなかったが、見学だけでもという話になり、現地へ向かう事となった。

 

途中タランの町に立ち寄った時、イロハがとある屋台を指差して、言った。

 

「せんぱい!タラン饅頭ですって!」

 

「ほう…聞いた事ないな…買ってみるか」

 

「奢りですか!」

 

「なわけねーだろ」

 

「デスヨネー」

 

2人はタラン饅頭を購入し、戦場予定地へと向かった。

 

聞いていた通りエギルはいなかった。そこには三つの集団がいた。

 

「キバオウだったか?あのモヤットボール」

 

「もう片方の青髪の人がリンドさんですかね?」

 

「だろうな…あともうひとつは…ソロの集まりか?」

 

「それにしては連携が取れてますよね」

 

「だよな…」

 

するとリンドと思わしきプレイヤーが集団に向かって話し始めた

 

「それじゃあ集まったみたいだしそろそろ始めようか

今回から新たにレジェンドオブブレイブスが攻略に参加する事になった。

皆、仲良くするように」

 

リンドがそう紹介するのを聞いて、ハチとイロハは顔を見合わせた。

 

「おい、イロハ今の聞いたか?」

 

「はい…あの人達がレジェンドオブブレイブスの人達だったんですね」

 

「とりあえず様子見だな」

 

「はい」

 

その後戦闘が始まったが、慎重に、かつ安全第一で進められたようで

若干時間はかかったが、フィールドボスはピンチというピンチもなく無く討伐された。

 

レジェンドオブブレイブスのメンバーは

レベルこそ若干足りていないようではあったが

要所要所できっちりと大事な働きをしていたようだった。

 

第1層の攻略では見かけなかった者ばかりだったので、

最近急速に力を伸ばしてきたのだろうと推測された。……おそらく装備の力で。

 

「やっぱり思った通りだ」

 

「ですね」

 

その後討伐隊のメンバーは、そのままに町に戻るようだった。

 

ハチとイロハは、牛人タイプの敵であるトーラス族相手の経験を積むために、

そのまま迷宮区へと向かう事にした。

 

「そういえば、饅頭買ったのに食べてないな…そろそろ耐久値が危ない」

 

「忘れてました!早く食べましょう!」

 

そして2人は、タラン饅頭を口にした。

そして、なんとも言えない表情になった。

 

「おい、イロハこれは…」

 

「う〜…クリームの中にいちご…それに暖かいです…」

 

「わかった上で食べるならまだしも…」

 

「私はちょっと苦手かもです…」

 

「…行くか」

 

「…はい」

 

迷宮区に一番乗りし、トーラスと初遭遇したイロハだったが、その姿を見て絶句した。

 

「せんぱい!!!!!!!」

 

「おわ!?なんだよいきなり!」

 

「セクハラです!!!」

 

「え、なに?俺なんかしたか?それとも俺の存在自体がセクハラだとでも言うのか?」

 

「違いますよ!今更せんぱいの事言わなくてもわかってるでしょ!アレですよ!アレ!」

 

イロハはトーラスを指差した。

 

トーラスは、言われてみれば確かに、上半身裸で腰ミノだけの姿だった。

 

「あ〜コレはなんとも…ってか今更なの?俺初めて知ったんだけど…泣いていい?」

 

「何とかしてくださいよ…」

 

「え?どっちを?俺を?トーラスを?」

 

そんなこんなで狩りが開始された。

 

主な目的は、トーラス族の使う特殊技への対処の練習をするためである。

 

その技、ナミング・インパクトは、一度くらうとスタンしてしまい

連続でくらうと麻痺してしまう範囲攻撃である。

 

「どうだ?対処出来そうか?」

 

「セクハラを除けばある程度は大丈夫です」

 

「第2層ボスは大体同じスキルを使う。

違うところがあるとすれば範囲が桁違いに広いって事位だ。

ここでしっかり予習するぞ」

 

「はい!」

 

その後きっちりと対処できるようになった2人は、今日の収穫を確認する事にした。

 

第2層迷宮区はまだ誰も入った事が無かったためか、

箱の数も多く、収穫はなかなか豊富なものとなった。

 

その中にハチは、珍しい物がいくつか入っているのを見つけた。

 

「これは…チャクラムか?」

 

「なんですか?それ?」

 

「そうだな…わかりやすく言うなら丸いブーメランみたいなやつ…かな?」

 

「へ〜…せんぱいは使えないんですか?」

 

「いや、体術スキルに加えて投擲スキルも持ってないと駄目だったと思う。

俺は一応両方持ってるが攻撃力がな…そう思うと

現状は誰もこれを装備して投げる奴はいないんじゃないか?」

 

「なるほどです」

 

「後はこれか。マイティ・ストラップ・オブ・レザー。

マジック効果つきのストラップ系鎧だな。防御が高く、筋力にボーナスがつくな」

 

「いい性能みたいですが、ストラップ系って?」

 

「あー、上半身が、帯を巻いた半裸姿になる……んだ……が」

 

そう言ってイロハを見たハチマンの顔が赤くそまり、それを見たイロハは、

 

「えっち」

 

「いえ……何も想像してないです……そ、そうだ。これ、エギルに似合うんじゃないか?」

 

「むぅ~。絶対ごまかしてますよね!まぁでも?せんぱいがどうしてもって言うなら部屋で2人っきりの時に着てあげなくもないって言うか?でもそんな事したら幾ら理性の化け物のせんぱいでも耐えられなくて私のこと襲っちゃうと思いますし?いきなり初めてでそんなハードなプレイとか心の準備ができてないので出来ることなら初めは優しくして欲しいと思っているのでごめんなさいまた今度にしてください!」

 

「悪かったって…それにお前よく噛まずにそんな罵倒文句言えるよな…」

 

「はぁ……エギルさんなら似合うと思いますよ」

 

その後ハチは、その話題が蒸し返されないうちに、そろそろ戻ろうと提案した




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第42話 この世は理不尽

街に戻った2人は、偶然キリトとアスナ遭遇した。

 

「おーい、ハチ〜!イロハ〜!」

 

「おう」

 

「キリトさんにアスナさん!お久しぶりです!」

 

「2人とも久しぶりだね!」

 

「キリト達はこれからどっか行くのか?」

 

「あぁ、ちょっと迷宮区に」

 

「なるほどな」

 

「ハチとイロハも行ってきたんだろ?次はいつ行くんだ?」

 

「早くても明日の朝だな。さすがに疲れたから、今日はもう休む

まぁ頑張ってるキリトにはプレゼントをやろう」

 

「くれるってんならもらうけど、何だ?」

 

ハチは何も言わずに、キリトにチャクラムを渡した。

 

「これかよ…正直いらないんだが…」

 

「さっきは貰うって言ってただろ?」

 

「やられた……はぁ、ありがとうな。ハチ」

 

「使えないじゃ無くていらないって事はお前も体術持ってるんだな、キリエモン」

 

「思い出させんなよハチエモン」

 

「あ、ハチ君も体術スキル取りにいってたんだね。って事はイロハちゃんも…」

 

「何も言わないで下さい……」

 

ハチは例のアイテムをキリトに見せながら言った。

 

「一応聞くけどキリト。こっちはいるか?」

 

「マイティ・ストラップ・オブ・レザーってあれかよ!

エギルにでもあげればいいんじゃないか?似合うし」

 

「やっぱりお前もそう思うか」

 

「ああ。むしろあいつ以外に似合う奴が思いつかない」

 

「やっぱりそうですよね…」

 

「ねぇどんな装備なの?」

 

アスナがアイテム表示画面を覗き込む

 

「うわぁ…確かにエギルさんに似合いそう…少なくともキリト君には似合わないね…」

 

「そういうアスナだって……あ」

 

するとアスナは顔を赤くしながら言った

 

「なに想像してるの!キリト君のえっち!」

 

「理不尽な…」

 

それを見たハチはキリトに同情の視線を向けながら言った

 

「この世は理不尽なんだよ…俺もさっきイロハに同じこと言われたばっかりだ」

 

「せんぱいもキリトさんもむっつりですよね…」

 

「ハチ程では無い」

 

「キリト程じゃ無い」

 

「キリト君もハチ君もドングリの背比べって言葉知ってる?」

 

「「理不尽すぎる」」

 

その後4人は笑いながら若干の雑談を挟んだあと改めてハチが切り出した。

 

「ところでキリト、アルゴからなんか情報は入ったか?」

 

「あ、忘れてた。アルゴに呼び出されて、ハチを呼んでから向かわなきゃ行けなかったのに」

 

「えー!キリト君!私そんな話聞いてないよ!」

 

「悪い、すっかり忘れてた」

 

「割と大事なことなんだから忘れるなよ…」

 

「せんぱい!でもそうなら早く行かないと!」

 

「間違いない、場所はさすがに覚えてるよな?行くぞ!」

 

4人は急いでアルゴの待つ酒場へと足を運んだ。

 

するとそこにアルゴの姿は無くハチにアルゴから連絡が入った

 

内容は、<キー坊がなかなか来ないしもう時間も遅いからオレッチは一旦帰るヨ。キー坊に伝えといてくレ

オネーサンを待たせるとはいい度胸だネって>

 

それをキリトに伝えるとキリトは膝から崩れ落ちた。

 




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第43話 可能性

キリトと別れた後二人はそのまま解散し、明日の事は明日決める事にした。

 

迷宮区に長くいたためか、さすがに二人とも早く休みたかったようだ。

 

「それじゃあお疲れ」

 

「はい!お疲れ様です!」

 

すると宿で休んでいたハチにアルゴから連絡が来た。

明日会って話がしたいのと、一つ頼みがあるらしい。

ハチは快諾し、そのまま眠りについた。

 

次の日の朝

ハチとアルゴそしてイロハは宿のハチの部屋に集合していた。

 

「で?どうしたんだ?」

 

ハチがアルゴに促すとアルゴはゆっくりと話し始めた。

 

「用件は二つ。まず、昨日の夜の話からだな。

ここまで関わった以上、二人に何も説明しないわけにもいかないと思ってナ」

 

ネズハはハチの事があった後も、他の町へ移動して依頼を受け続けていたらしい。

 

そしてその時にキリトに見つかりネズハが武器破壊をした後キリトは目の前で先程壊れたハズの武器を出現させ見事に現行犯として捕縛したとの事。

 

そしてなぜこのようなことをしたのか話を聞いた。

 

彼は最初は戦闘職だったが、ナーヴギアに視覚が完全にはマッチングせず、

遠近感が掴めなかったらしい。そのために出遅れ、仲間に迷惑をかけてしまったようだ。

 

仲間への負い目があったため、ある時出会ったポンチョを着た不思議なプレイヤーに

今回のやり方を教わり、話に乗ってしまった。

 

今はキリトのアドバイスに従い、新しい強さを身につけるべく

鍛治スキルを捨てて体術スキルを取りにいく事になり

今まさに、岩を殴っている最中のようだ。

 

「ポンチョの男…」

 

「オレっちの情報網でもそんな男は引っかからなかった…正直言ってなんにも分からなかったヨ」

 

そこでハチはふと不思議に思った

 

「遠近感が掴めないのに体術って、大丈夫なのか?」

 

「それがな彼、投擲スキルも上げてたみたいなんだヨ」

 

「確かに遠距離…投擲系の物なら遠近感が無くても問題無いとは思うが…まさかチャクラムか?」

 

「ハー坊は相変わらずいいカンしてるネ」

 

「まぁ俺がいらないからキリトに押し付けたからな…」

 

「なんか運命的な感じしますね!」

 

「そうだ、アルゴあの鍛冶屋の名前って本当にネズハなのか?

これまでの推理が正しければナタクって読むと思うんだが…」

 

「これは驚いたヨ、ハー坊は中々頭がいい」

 

「なるほど……あいつもやっぱり、英雄たろうとした男ではあったんだな」

 

「せんぱい、ナタク?ってどういうことですか?」

 

「中国だかの話に出てくる昔の英雄の名前なんだよ」

 

「そうなんですね〜」

 

「聞いときながら興味なさげだな…」

 

「まぁとりあえず!後は壊れた武器が戻ってくれば解決ですか!」

 

「正直それが一番どうしようもなく難しい問題なんだよナ」

 

「デスヨネー」

 

「謝ればいいって問題じゃないからナ」

 

「今回は事が犯罪行為だけに、いくら本人達が謝って誠意を見せたとしても、

こればっかりは許してもらえるかどうか俺にもなんとも言えん」

 

「まぁそこは本人達の自業自得って事ですよ!」

 

「ああ。もうそれしかないって感じだな。それでアルゴ、もう一つの用件って何だ?」

 

ハチは頷きつつ、アルゴにもう一つの用件について尋ねた。

 

「実は、今回はボスの情報が前回よりも比較的順調に出てきてるんだけど、

順調すぎて少し怖いんだ」

 

「どういうことだ?」

 

「なんというか…見逃してるものがあるような…」

 

「…なぁアルゴベータテストの時に無くて正式版になってから追加されたクエスト…又はベータ時に情報が無かったクエストはあるか?」

 

「そうだナ……追加されたクエストは無い…だがハー坊達が受けた体術スキルのクエストに関してはオレっちがクリアしてなかったから情報は推測のまま終わったナ」

 

「せんぱい、どうしてそんなこと聞くんですか?」

 

「……いや…だが…しかし、そんなこと有り得るのか?…」

 

「ハー坊?」

 

「せんぱい?」

 

「アルゴ、キリトの居場所は分かるか?」

 

「キー坊は、今ネズハを体術クエストの場所まで案内してる。

その後は、もしクエストで有用な情報があった場合の繋ぎの役をしてもらうために

攻略会議の方に行ってもらおうと思ってるんだよ。

オレっちの情報だと、もう間もなくボス部屋まで到達すると思うんだよナ」

 

「ギリギリか…」

 

「せんぱい!説明してください!」

 

「…あくまでも俺の推測だが…もしかしたら体術スキル取得クエストには続きがあったのかもしれない…」

 

「え!?」

 

「なんだっテ!?」

 

「イロハ!キリトに連絡!どこにいるのか教えてくれ!」

 

「はい!」

 

「アルゴは俺と体術クエストの所に行くぞ!」

 

「わかっタ!」

 

「イロハもキリトに連絡したら一緒に行くぞ!」

 

「はい!」

 

「急げ!間に合わなくなる!」

 

「任せてください!」

 

「了解だヨ!」

 

こうして3人は急いで体術クエストの小屋まで向かった。

 




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最近仕事が忙しくなり今後若干更新頻度が遅くなるかもしれません!
ですが完結するまではどれだけ掛かっても書き続けます!


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第44話 クエストの続き

ハチ、イロハ、アルゴが小屋に向かって走っているとキリトから1本の連絡が入った。

 

内容は思ったよりも早くネズハのクエストが終わった為つい先程街に戻ってきたと言うこと。

そしてこれからボス攻略会議が始まるということ。

そして無謀にもその後ボスに挑戦しに行くとの事。

 

「っくそ!入れ違いになったのか!」

 

「せんぱいどうしましょう!」

 

「ハー坊!」

 

「ここから先は別行動だ!アルゴは俺に着いてこい!

イロハ!お前は街に戻って攻略組もしくはキリトに言ってボス討伐までの時間を稼いでくれ!」

 

「わかりました!」

 

「おウ!」

 

ハチとアルゴは走る速度を上げ、イロハは心身を翻し来た道を全力で戻って行った。

 

走りながらアルゴはハチに話しかけた。

 

「なぁハー坊、どうしてイーちゃんを行かせたんダ?

オレっちの方が足は早いゾ?」

 

「単純な問題だ、今の俺やアルゴに攻略組を止めることましてや攻略するための行動を止める又は遅らせることは不可能に近い。

その点イロハなら止めることは出来なくても多少の足止めはできるはずだ。」

 

「……会ったばかりなのにこんな事言うのもアレだと思うガ…

ハー坊が他人に期待するなんてことがあるんだナ

それほどまでにイーちゃんの事を信頼してるのカ?」

 

その言葉に対しハチは返すことが出来なかった。

 

自分に起きている変化と周りからの反応…今のハチには理解し難いものが多すぎた。

 

「…」

 

「…そうカ」

 

「余計な話はそこまでにしておこう、そろそろ着くぞ」

 

ハチの言葉通り体術スキルのクエストを受けた小屋まであと少しと言うところまで来ていた。

 

するとクエストNPCである老人がおもむろに小屋から出て来てそのまま小屋の横にある大岩…ハチやイロハが割った岩よりも大きな岩の上に上りそこで胡座をかき始めた。

 

「ハー坊…あれは一体どういう事ダ?オレっちはあのNPCがあの岩に座る所なんて見たことがないヨ…」

 

「だろうな…そもそもあそこにあんな大岩なんて無かった…おそらくアレがクエストの続きなんだと思う」

 

そして2人がその老人の近くに来ると老人はおもむろに口を開いた。

 

「体術を覚えし我が弟子よ、ワシは待ち望んでいたぞ、いつの日にか岩に封じられた歴史を解きに来ると…

天空の塔、永きに渡る戦いの証がこの岩に封じられている、その両の手でこの岩を砕き敗北の歴史に終わりを告げて欲しい。」

 

そう言うと老人は大岩の上から飛び降りハチの方をそっと叩いた。

 

するとハチの目の前にクエスト受注画面が開いた。

 

クエスト内容

終わり無き戦いの証

 

「ハー坊·····」

 

「マジか·····まぁやるしかない。アルゴはこの事をイロハやキリトに伝えてくれ。終わり次第俺も直ぐに行く」

 

「わかったヨ」

 

そしてアルゴはこの出来事を伝えるべく街まで走り去っていった。

 

「しかし···コレ割れるのか?」

 

そう言いながらハチは岩を殴り始めた。




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なかなか更新できなくて申し訳ありません!
時間が中々取れなくて(/;ω;\)

また次回も絶対よんでくれよな!(๑•̀ㅂ•́)و✧


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第45話 イロハの努力

ハチ達と別れたイロハは自身の出せる最高速度で街に戻ってきた。

 

「はぁ…はぁ…休んでる場合じゃない、早くキリトさんとアスナさんの所に行かなくちゃ…」

 

するとそこにキリトからメールが届いた。

 

内容は、街の中心にある広場で今からボス攻略会議をする。

と言うものだった。

 

「街の中心…転移門広場の所かな。急がなきゃ」

 

 

 

イロハが広場に着く頃にはボス攻略会議は終わりに近づいていた。

 

「おーい、イロハ!」

 

「イロハちゃーん!」

 

声のする方を見てみるとキリトとアスナが座っているのを見つけた。

 

「キリトさんにアスナさん…会議はまだ続きますよね!」

 

「いや、もう終わりかけだよ。それにどうしたんだ?居場所の確認とか…それにハチもいないようだし」

 

「珍しいね、イロハちゃんとハチ君が一緒にいないなんて」

 

「すみません…その事については今から話します…ここにいる皆さんにも」

 

そう言うとイロハは広場の中心に歩いて向かった。

そこには既にリンドとキバオウがいた。

 

「なんや?会議も終わりやっちゅーにこんな所までわざわざでしゃばってきおって?」

 

「イロハさん…だったかな?申し訳ないけど会議の内容はあの二人に聞いてくれないか?これからそのままボス攻略に行くつもりなんだ。」

 

そう言いながらリンドはキリトとアスナの方を指さした。

 

しかしイロハは見向きもせずに息を整えた。

 

そして口を開いた。

 

「すみません。少し話させてください、ボス攻略に必要なことなんです。」

 

それを聞いたリンドとキバオウは目を丸くした後互いに見合い広場の中心をイロハに渡した。

 

その姿に軽くお辞儀をしたイロハは未だ広場に居る攻略組に対して言葉を放った。

 

「いきなりすみません。皆さん私の話を聞いてください。

まず最初に今日ボス攻略に行くのはやめてください」

 

そう言うと周りは騒ぎ始める

 

「どういうことだ!」「あいつが居ないからか?」

「ふざけんな!アイツが居なくても俺たちだけで攻略出来る!」

 

ヒートアップしていく攻略組

 

「話を聞いてください!」

 

誰一人として止まらない…騒ぎが騒ぎを呼び広がっていく。

 

「話を…」

 

イロハの声はもう…誰の耳にも止まらない…

 

「さっさと行こうぜ!」「無駄な時間だったな」

「何考えてんだよ」「ふざけやがって」

 

唯一キリトとアスナ、そしていつの間にかいたエギルのパーティーだけは周りの人達をなだめようとしていた。

 

「お願い…話を…」

 

イロハの声は虚空に消えた。

 

攻略組は…もう止まらない…

 

「せんぱい…ごめんなさい…私には…」

 

1粒の涙がイロハの目からこぼれ落ちた。

 

 

 

 

 

「ええ加減にせえよ!!!オマエら!!!!!!」

 

 




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更新遅くなりまして申し訳ございません!
体調を少し壊してまして(/;ω;\)

仕事が忙しくなったりそのせいで体調壊したり…忙しいな┏( .-. ┏ ) ┓

まぁ…正直言って皆さんが満足出来るような作品が書けてるとは思ってません!

でも自分なりに頑張っていくので応援よろしくお願いします\(°∀° )/

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第46話 後悔

広場一帯が急激に静かになった。

 

口を開かないであろう人物が突然大きな声で叫んだのだ。

 

すると一人の男が小さく声を出した。

 

「キ…キバさん?」

 

するとキバオウは自身の武器を抜き思いっきり地面に刺した。

 

ガィーーーーーン!!!!!

 

「オマエらなぁ…いつまでもピィピィ鳴きよってからに

ホンマええ加減にせえよ?」

 

キバオウは群衆を睨みつけるかのようにして佇んだ。

 

「他人の意見を受け止めんと自分らの考えだけで行動する。そないの事やっとるからあの人はいなくなってしもうたん違うんか!!!」

 

イロハは感じた。

 

おそらくキバオウは過去の事を悔いているのだろう。

 

第1層ボス攻略の時…ディアベルを止めようとしたキリトをキバオウが止め、ハチの言葉を遮ろうとまでしてしまった事を…。

 

もしあの時キバオウ自身が、キリトとハチそしてイロハにアスナの4人のことを受け入れていれば…

 

あの4人のことを信じられるように自分が努力し歩み寄っていたら…

 

 

 

 

ディアベルは死ななかったかもしれない

 

 

 

キバオウは過去から学び次に活かそうとしている。

 

二度と間違えないように。

 

二度と大切なものを失わない為に。

 

 

 

 

 

 

「キバオウさん…」

 

「すまんかったな、嬢ちゃん。

さぁ教えてもろてもええか?あの男の考えとる事を」

 

そう言ってキバオウはイロハに優しく促した。

 

それを聞いたイロハは溢れていた涙を拭き取り今現在の状況を伝えた。

 

ボスの情報はまだ未発表のものがあるかもしれないという事

 

第1層の時、ベータからの変更点があったのだから第2層…それ以降にも変更点があってもおかしくはないということ。

 

そして、ハチがその情報を皆に知らせるために頑張っていること。

 

「コレが今私の知っていることの全てです。」

 

話し終えたイロハに近づいていく男性…それはリンドだった。

 

「情報提供感謝する。なるほどな確かに君の話には一理ある…そうなるとボス攻略の日にちはずらした方が…」

 

そこまで言うと今度は広場にいる男性から声が上がった。

 

「そんなこと信じられるか!どうせお前達ビーター共が情報を独占して勝手するつもりなんだろ!」

 

その言葉が切り口となり様々な罵詈雑言が放たれた。

 

「た、確かに…」「なんだ?じゃあアイツがここで話をしているのも時間稼ぎなのか?」「まさか攻略を邪魔するつもりだったのか?」「勝手なことばかりしやがって」

 

様々な憶測が飛び交う

 

「黙らんか!オマエら!」

 

「皆!静粛に!」

 

キバオウとリンドの言葉も届かない

 

するとフードを深く被ったおそらく男性であろうプレイヤが立ち上がり言った。

 

「おい皆!あんなやつの話なんか信じる価値なんてねぇ!俺たちだけでボス攻略に行こう!!!そして知らしめるんだ!ビーターなんか居なくても俺たちだけで十分だということをな!」

 

「「「「おー!!!」」」」

 

次の瞬間広場にいたプレイヤーのほとんどが一目散に第2層迷宮区に走り出した。

 

「嬢ちゃんすまん!ワシはあいつら止めてくるさかい!おい!リンドはよ行くで!」

 

「あ、あぁ」

 

そしてキバオウとリンドまでもが第2層迷宮区に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




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第47話 勘違い

いやぁ…遅くなってしまい申し訳ありませぬ(´・ω・`)
なかなか書く意欲がわかなくてこんなにも遅くなってしまいました(´Д`)ハァ…


「なんで…どうして…」

 

その場に座り込むイロハ

 

「先輩…ごめんなさい…私…止められませんでした…」

 

するとそこに近づいてくる二つの影。キリトとアスナだ。

 

「イロハちゃん、大丈夫?」

 

「しかし意外だったな、まさかキバオウが賛成してくれるなんて…まぁ結果は残念だったけどな。」

 

「ちょっとキリトくん!!」

 

確かにその通りだ…意外なことに1番反対すると思っていた人が賛成してくれていた。

しかし結果はこのザマ…

 

「悪かったって!でもアレだなハチも少し考えが甘かったのかもしれないな。今日攻略しないなんてこと普通は出来ないだろ?」

 

その言葉に疑問を持ったのかアスナはキリトに質問した。もちろんイロハも疑問に思った。

 

「へ?どうして?」

 

「だってどう考えてもそうだろ?皆は今日、攻略するつもりで集まったんだ。その為のアイテムやレベリング、武器の整備なんてこともしてるだろ?それなのにこの土壇場でいきなり延期ってなりゃ…普通はやだろ?じゃあ空いた今日1日どうすんだ!レベリングしに行ったらまたアイテムや武器整備をしなきゃならなくなる!ってな」

 

「あ〜まぁ確かに。修学旅行の前日にいきなり中止とかになったら私でも怒るかも」

 

その言葉を聞いてイロハは、ハッとした。

 

確かにそうだ、でもこんな事考えつかないなんてことは有り得るのか?でもあの先輩のことだきっと考えがあったに違いない。じゃあどうしてみんなを止めようとしたのだろうか。

 

そこまで考えた時イロハはハチの言葉を思い出した。

 

‘時間を稼いでくれ’

 

そうだ、先輩は止めてくれでは無く時間を稼いでくれと言ったのだ。つまり先輩は初めから止めれると思っていない。私は先輩が情報を入手するまでの時間を稼げばよかったのだ!

 

しかし今気がついても遅い攻略組の皆はもう迷宮区に向かってしまっている。

 

「違う…時間を稼ぐだけなら別にここで稼がなくてもいいハズ!」

 

イロハは急激に自分の頭が冴え渡っていくのを感じた。

 

「キリトさん!アスナさん!力を貸してください!」

 

その言葉を聴き2人はイロハの方を見るすると先程までの虚無顔と違いハッキリと意志を持った顔つきになったイロハがそこにいた。

 

「もちろん!私はいつでも貸すよ!」

 

「俺もだ!だがどうするんだ?」

 

その言葉を聞いたイロハはニヤリと笑って言った

 

「な〜に、簡単な時間稼ぎですよ!」

 

その時の顔つきはまるでハチがなにか思いついた時にする少し他人には見せられないようなそんな顔をしていた。

 

 



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第48話 岩砕き!

攻略組が迷宮区に向かっていってしまった一方

ハチは岩を殴り続けていた。

 

「なァ、本当にこのクエが攻略に関係あるのカ?」

 

アルゴの疑問はもっともだ、こんな誰もこないような辺境にボス攻略のヒントがあるなんて普通は思わない。

しかしそれはあくまでも普通のゲームならだ。

 

「俺はそう睨んでいる…考えてもみてくれ、このゲームはVRMMORPGだ。

俺が今までやってきたゲームは基本的にストーリークエストとサブクエストがあり、ボスの情報などは基本的にストーリークエストの合間に出てきたりしてた。」

 

「まァ、当たり前のことだよナ。ボスのことが分からないと攻略なんてできないからナ。」

 

「そう、当たり前なんだよ。だが第1層の時ボスの武器が途中で野太刀になるなんて情報はどこからも上がってきていなかった。

おかしくないか?このゲームは残酷的なまでに平等だ、なのにボスに対する情報がないなんて。」

 

その言葉を聞いてアルゴは不思議に思ったのだろう。

顔を伏せて考え込むような態度をとる。

 

「ウーム、確かにそれはおかしいかもしれないナ。

だがなぜそんな重要なクエストがこんな辺境にあるんダ?もっとわかりやすいようにしてもいいと思うんだがナ。」

 

それを聞いたハチはニヤリと笑いながらある後に向かいドヤ顔で言った。

 

「その答えは簡単だ。自分が作ったゲームで誰の目にも止まらない所があるなんてつまらないだろ?

どんなゲームの作成者でもこう思うはずだ。

このゲームの余すところなくプレイヤーに体験して欲しいってな」

 

その答えを聞いたアルゴは目を見開いたあとケタケタと笑いながら言った。

 

「なるほどナ…確かにその通りダ」

 

「だろ?」

 

「はぁ…しかしハー坊、今のニヤニヤとドヤ顔は人前ではやめた方がいいゾ?正直オネーサンドン引きだヨ。」

 

「おいやめろ、うっかり死にたくなるだろ。」

 

「はっはっはっ!」

 

そんな風にアルゴが爆笑していると

 

バッカァァァァァン!!!!!!!

 

とうとうあの大岩が割れて砕け散った。

 

「うぃひゃっはぁ!!ビックリした!?」

 

「オネーサンはその声に驚いたヨ。その声どこから出たんダ?」

 

「そのことは、忘れてくれたら助かる。それより見てみろよこの岩の下」

 

そう言ってハチが指を指すその先には確かに地下に続く階段が姿を現していた。

 

「ハー坊の推理は正しかったみたいだナ」

 

「あぁ…降りてみよう」

 

そう言って階段を降りていくハチとその後に続くアルゴ

少し階段を降りた先に明かりが見え少し広い空間が広がっていた。

 

「ここは一体…」

 

「ハー坊!見てみろヨ、この壁!」

 

アルゴが指を指す先には壁いっぱいに壁画のようなものが描かれていた。

 

「まさかコレがボス攻略の情報なのか?」

 

2人が壁画に夢中になっていると突然後ろから声がかかった

 

「よくきたのう」

 

 

 

 

 



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第49話 クエストクリア

「よくきたのう」

 

その声を聞いて慌てて振り返るハチとアルゴ、そこに居たのは体術クエストのクエストNPCである老人だった。

 

「ビックリさせんなよ。ってかなんでここにじいさんが?ってかどうやってここに?」

 

「ふぉっふぉっふぉここはワシの家の地下じゃよ。ココには岩を砕いて入る道とワシの家の中から入る道の二つがあるんじゃ」

 

「マジか…岩砕く必要なかったじゃねぇか…」

 

「まぁまぁ、そうガッカリするなヨ」

 

すると老人はおもむろに壁画に近づき話し始めた。

 

「ここにある壁画はとある国の王について書かれておる。その王は2人の従者を引き連れある場所に雲隠れしたとのこと。雲隠れの理由は書かれておらん。」

 

「なぁ…確かここのボスは2匹だけだったよな…」

 

「その通りだヨ、でもそれはあくまでもベータ時のものダ…つまり」

 

「「ここのボスはトータル三体!」」

 

「マズイな…急いでこのことを知らせないと!」

 

そう言って2人は入ってきた階段に向かい走り出そうとした。

 

「まて、この壁画の最後にこのようなことが書いておる。

その王、従者の窮地に立ち上がり皆に絶望を知らせるもの。

王の眼ひかりし時、皆その場に倒れ伏す。

 

王、止まりし時、王の黄金に迫る光のみぞ知る」

 

その言葉を聞き終えた時ハチの前にウィンドウが現れた。

 

クエスト終わり無き戦いの証CLEAR

 

You GET New EXTRAskill

 

憤怒の王

 

 

「どういうことだ?」

 

「どうしたんダ?なんかあったのカ?」

 

「いや…なんでもない。それよりも急いでイロハたちと合流しよう。このことを早く伝えないと」

 

「ダナ!謎ときについては走りながら考えるとするカ!」

 

そして2人は走り出す。

 

ハチは走りながらイロハやキリトに連絡を取ろうとしたがメッセージが送れない…

 

「っクソ!どうなってんだ!おいアルゴ!イロハやキリトにメッセージが送れない!」

 

「そうカ…恐らく2人はダンジョンに行っちゃってるんだろウ。2人に送れないならアーちゃんにも送れなさそうだナ。」

 

「クソ!時間を稼ぐだけって言ったはずだ!どうして!」

 

「落ち着けハー坊!今すべきことは暗号の謎を解くことと早くイーちゃんた達に追いつくことダロ!」

 

それを聞いたハチは無理やり頭を冷静にさせる。

 

「確かにその通りだ…悪かった」

 

「気にするなヨ、オイラとハー坊の仲じゃないカ」

 

「どんな仲だよ」

 

そして2人は今現在わかっていることをまとめていった。

 

一つ、ボスは2匹ではなく3匹であること

 

そして従者の窮地にという事は最初は王が居ない又はいたとしても動かないということ。

恐らく最初の2匹がラスト1ゲージ位になったら動き出す可能性があること。

 

「その場に倒れ伏す…倒れるって事はスタン…いや麻痺か?」

 

「多分そうなるだろウ。王の眼ひかりし時…つまりボスの目が光ったら何かしらの麻痺攻撃をしてくるって事ダナ」

 

「そして最後…止まりし時…麻痺攻撃を止めたかったら頭を殴れってことでいいのか?」

 

「だったら、矢の文がおかしくないカ?」

 

「だよな…遠距離…そうか!投擲だ!ひかるやはスローイングピックだ!」

 

「なるほどナ!確かに投擲スキルならスキルエフェクトで光ってるナ!」

 

「暗号は全部解けた!アイツらのところに早く合流しよう!このまま迷宮区に突入しよう」

 

「了解したヨ!」

 

そして2人は走る速度をさらにあげた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無事でいてくれ!イロハ!」

 

 

 



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第50話 信頼

ハチとアルゴが迷宮区に向かう時、イロハとキリトそしてアスナは攻略組に追いつくため迷宮区内へと入っていった。

 

「おい、イロハ。向かうのはいいが何か手はあるのか?」

 

走りながらイロハに向かい叫ぶキリト

 

「無かったらこんなに急いで行きませんよ!」

 

答えるイロハ

 

「一体どうするつもりなの?」

 

アジリティの関係で二人よりも若干前を走るアスナもイロハに問い掛ける。

 

「まぁ見てて下さい!それよりも前!」

 

イロハの言葉に促され前を見るキリトとアスナ

するとそこにはセーフゾーンがあり、なんと攻略組の全員がそこに集結していた。

 

「どういうことだ?ボスの所まではまだかなりの距離があるはずだ」

 

「分かりません…でも好機です!早く合流しちゃいましょう!」

 

そう言ってセーフゾーンに飛び込む3人するとセーフゾーン内ではどうやら言い争いが発生しているようだった。

 

 

 

「どういうことですか!」

「なんで進まないんですか!」

「ビーターなんてものに頼らなくても俺達なら余裕で勝てますよ!」

 

3人がこっそり集団の前まで行き様子を覗き込む

するとそこには2人のプレイヤーが残る全員を足止めしている姿が見て取れた

 

「アカンゆうとるやろがァ!!!

なんでそないなこともわからんのや!ホンマいい加減にしぃや!!!」

 

「皆落ち着いてくれ!なにも攻略をしないとは言ってないんだ!確実に攻略するための情報を待とうと言っているだけなんだ!」

 

そう…キバオウとリンドが攻略組の面々をなだめようとしているところだったのだ。

 

「キバさん!なんでビーターの肩なんて担ぐんですか!」

 

「リンドさんも!あいつが一層で言った言葉を忘れたんですか!アイツは意地汚いビーターなんですよ!」

 

その言葉を聞いて俯くイロハ

 

どうして伝わらないのだろうか…先輩は攻略組の為にわざと悪役になっているのに…

 

「じゃかしいわ!!いつ、誰が意地汚いビーターなんぞの肩を担いだっちゅーんや!言ってみいや!!」

 

「いや…だって…キバさんアイツらの言うことを信じて…」

 

「信じる?何を当たり前なことを言うとるんや!アホかお前らは!

ええか?ワイが信じらへんのは意地汚いビーターや。

それにな、いくらビーターが強いっていうても、1人でやる事には限界がある。考えてもみいや、もしホンマにアイツがボスを独り占めしよ思っとるんやったら、なぜ第1層でやらんかったんや?

答えは簡単や、いくらビーターと言えども1人でボス攻略なんぞ不可能だからや」

 

「で…でもアイツには仲間が…」

 

それを聞いてキバオウは大きなため息をつく

 

「はぁ…だから言っとるやろ?そないな事が出来るんやったら第1層攻略時にやっとるハズや

それに…、あの時…第1層ボス攻略の時アイツはお前らのこと見捨てたか?見捨てへんかったやろ?

だからワイはな…アイツのことをある意味では信用しとんのや…」

 

その言葉を聞いて攻略組の面々は静かに腰を落とした

キバオウの言葉に気圧されたのか、はたまた納得したのか

 

そしてその様子をこっそり見ていたイロハは静かに涙を流していた。

 

大切な先輩のことを理解してくれた人が…信じてくれた人が自分やキリト、アスナ以外にもいてくれたことを…

 

イロハの涙は、嬉しさそして若干の嫉妬が混ざっていた…



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第51話 キバオウの決意

遅くなってしまい申し訳ありませぬ(´・ω・`)


「おるんやろ?そこに」

 

キバオウはそう言いながらイロハ達3人が隠れているところを見た。

 

「どうしてですか?」

 

イロハがそう聞くとキバオウは

 

「簡単な話や、あんさん隠蔽のスキル取ってへんのやろ?そないなやつが隠れとっても簡単に看破出来るわ」

 

そう答えた

 

しかしイロハは

 

「その話じゃありません!どうして貴方は先輩の…ハチの事を信じてくれているんですか」

 

それを聞いてキリトやアスナも口を開く

 

「確かにその通りだ…正直に言って俺はキバオウがハチの事を信じれるような立場ではないと思っていた。」

 

「私もそう思う…正直、もし私があなた方の立場だったら…」

 

それを聞いたキバオウは改めて3人の方を向き真面目な顔をして言った。

 

「せやな…確かに普通やったら信じられへん…第1層でディアベルはんを見殺しにし…あまつさえラストアタックボーナスの獲得やアイツが立ち去る時に言ったキツい言葉はワシらからしたら信じられへん、考えられへんんことやったわ…」

 

「なら…どうして…」

 

「せやな…丁度ここには攻略組のほぼ全員がおるんや」

 

そう言うとキバオウは攻略組、全員の方に向きを変え大きな声で話し始めた。

 

「ワイはあの後…第1層攻略後に考えた。

イロハはんの言っとった事が本当のことなのか…だとしたらどうしてアイツは自分一人が悪者になるという選択肢を取ったのか…

なぜアイツはワシらのために自分を犠牲にしたのか…ってな。

ワシが思うにあのビーター…ハチはんには何がどうなっても…早くこのゲームを攻略しなければならない理由があるんやないか?

せやから効率を求め自分を犠牲に攻略の速度を上げようとした。

ちゃうか?」

 

イロハは驚いた。確かに自分達がハチのことを信じてくれるように言ったことだが、その事をしっかりと飲み込み尚且つ自分自身で考えてくれていたとは…

 

「このゲームを早く脱出したい。その気持ちはワイら全員と同じ考えや…だからワイは攻略に関係のあることならばアイツのことを信じるそう決めたんや」

 

それを聞いてイロハは瞳に涙をうかべた

 

この世界に来てからイロハはどれだけの回数涙を流したのだろうか…悲しいことが沢山あった。ハチの事でたくさんの涙を流した。

しかし今流している涙は悲しみの涙ではなく

安堵の涙だった。

 

「ありがとう……ございます……」

 

その光景を見ていた攻略組の人々は改めて自分の中で考えさせられた。

攻略後のイロハ達の言葉

自身で考えハチを受け入れる事を決意したキバオウ

そしてディアベルの最後の言葉

 

 

 

 

 

 

 

「おいおいなんでこんな所でみんな集まってんだ?」

 

 

 

 

 

 



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第52話 可能性

アルゴとハチが迷宮気に向かって走っている。

 

「なァハー坊」

 

走りながらアルゴはハチに尋ねた

 

「イーちゃんは本当に時間稼ぎ出来てると思うのカ?」

 

「どういうことだ?」

 

「正直に言って、イーちゃんはそういったことに向かないとオイラは思ってるんだヨ」

 

確かにその通りだ。

イロハは1体1…特に歳の近い異性に対してならば、あのあざとさ全開の態度で時間稼ぎ程度の事はいけるだろう。

しかし今回相手にするのは、異性ではあるが1体1では無くあくまでも多対一。

昔のいろはだったならば正直に言って時間稼ぎなんかできないだろう。

だが今のイロハなら出来るはずだとハチは考えていた。

 

「余計な心配するな。アイツなら何とかするだろ」

 

それを聞いたアルゴは目を丸くしながら笑った

 

「にゃはは!なるほどナ」

 

「何がなるほどなんだよ」

 

「ハー坊はイーちゃんの事を信じてるんだなナ」

 

それを聞いたハチは若干顔を赤くしながらアルゴの方を振り向いた。

 

「なっ!バッ…そういうんじゃねーよ

…信じるとか…信じないとかじゃねーんだよ。

そもそも他人の事を信じるなんてありえねぇよ」

 

そう言ってハチは顔を俯かせた

 

「そうカ」

 

それから2人は少しの間無言のまま走り続けた。

 

 

そして迷宮区が近くなって来た時またアルゴが口を開いた。

 

「なァハー坊、オイラ思うんだガ…攻略組に追いついたとしてソイツらがハー坊の話を素直に聴くとは思えないんだが…なにか考えでもあるのカ?」

 

「あ〜…まぁ考えがないという訳でもないんだが…正直に言って上手くいかは半々ってところだな」

 

「ハー坊にしてはやけに自信なさげだナ?」

 

「おいおい、俺の自信の無さは筋金入りだぞ?むしろ自信が無さすぎて、それが自信だと言えるまである」

 

「あ〜ハイハイ、わかったから考えってのを教えて貰ってもいいカ?」

 

「……おう

いいか?まず前提としてアイツらは攻略組だ、攻略組の目標はこのクソみたいなデスゲームを終わらせることだろ?

だったらそれに必要な情報はいくらあっても足りないくらいなんだ。

道は違えどゴールは同じってな。

だからこそ攻略に必要であろう情報はどんなものだあろうと一考の余地はある。

これがまず成功のパターンだ。

 

だがアイツらは俺の事を意地汚いビーターだと思ってるはずだから、「ビーターが持ってきた情報なんて信じられない!嘘の情報で俺達のことを見殺しにして自分だけいい気になろうとしてるに違いない」とか思ってたら失敗だな」

 

そう言うとアルゴは事故死考えるような仕草をしたあと

 

「確かにその二通りの答えには行き着くだろうナ…

でももしオイラがベータ上がりじゃない攻略組だったら、ハー坊の話は聴かないと思うゾ?」

 

「だろうな…だが可能性にかけるしかないんだ」

 

そのようなことを話していると二人はいつの間にか迷宮区の入口に到着していた。

するとそこには1人のプレイヤーが立ち尽くしていた。

 

「そこにいるのは…」

 



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第53話 希望のネズハ

「お前は…確かナタクだったか?」

 

ハチにナタクと呼ばれた少年はいわゆる強化詐欺をしていたあの鍛冶屋だった。

 

「貴方は……すみません誰でしたっけ?」

 

ハチの顔を見るなり不思議そうな顔をしながら振り返るナタク

 

「あぁ…まぁ…なんだ?キリトの知り合いと言えばわかるだろ。それよりこんな所で何やってんだ?」

 

「キリトさんの?なるほど貴方がハチさんですね!チャクラムの件ありがとうございました!あれのおかげで僕でも戦うことが出来ることを知れました!」

 

そう言いながらナタクはハチに握手を求めた

 

「そのことなら気にしなくていい。それよりキリトやアスナ、イロハはどうした?」

 

「あ、はい…実はですね広場までは一緒にいたのですが…あの御三方の足の速さに追いつけなくて…

それでも何とかここまで来たんですが、迷宮区のモンスター相手では些か自分のレベルが頼りなくて…

それとハチさん僕のことはネズハでお願いします。」

 

「なるほどな、名前の事は了解した。…それなら一緒に来てくれないか?俺の予想が正しければお前の持つチャクラムがこの階層のボス攻略に必要かもしれない」

 

そう言うとネズハは驚いた顔をしながら言った。

 

「え…僕のチャクラムが?…本当ですか?」

 

それに対しハチは真面目な顔をしながら

 

「あぁ…だが正直に言って危険が付きまとう。無理にとは言わない」

 

するとネズハは勢いよく

 

「行きます!僕の武器が必要というのなら!」

 

「そうか…サンキューな」

 

そしてハチにアルゴそしてネズハの3人は迷宮区の中へと進んで行った。

 

迷宮区内はあまりモンスターがいない。恐らく先に進んでいるであろう攻略組又はイロハ達が殲滅しているのだろう。

しかしそれでも何匹かはリポップしているようだ。

それらはハチ、アルゴの索敵スキルを使い華麗に避けながら進んでいく。

 

そこで今までダンマリしていたアルゴがハチにだけ聞こえるくらいの声で質問してきた。

 

「なァハー坊、なんでネズ坊のチャクラムが必要なんダ?」

 

「あぁそのことか、思い出してみろよあの壁画に書いてあっただろ?王様を止めたかったら頭殴れよ的な事が」

 

「その事なら覚えてるヨ。…ってまさか!でもオイラたちの答えはスローイングピックだっただロ?」

 

「その考えは間違ってないだろ。でも引っかかるんだよ。

どうしてチャクラムなんて武器がこの2層で出てくるんだ?しかも使いにくいし攻撃力もそこまで高くないものがレアドロップとして。

しかもそれを扱うには体術スキルなんて特別なスキルが必要だ。

でもそれを会得するためのクエストもこの2層にある。

それら全てが偶然なのか?」

 

それを聞いたアルゴは少し考え込むような態度をとる

 

「確かにその通りダ…あまりにも上手く行き過ぎてるし、いくら特別な武器と言えどもこの2層で優遇されすぎてるナ…」

 

「つまりチャクラムは高確率で今回のボス戦に有利に働けるかもしれないって事だ」

 

「なるほどナ。流石だヨ、ハー坊」

 

二人の会話が終わると共に3人の目の前にセーフティエリアの入口が見えてきた。

 

するとそこには沢山の人々が集まっていた。

 

3人はそのままの流れでセーフティエリアに入る。

するとよく見るとそこにいるのは攻略組のメンバーだった。

そしてその群衆が見つめる先にはイロハ達3人とキバオウの姿があった。

 

 

「おいおいなんでこんな所でみんな集まってんだ?」

 

 




高評価、感想よろしくお願いします(*´ω`*)


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第54話 合流

「おいおいなんでこんな所でみんな集まってんだ?」

 

ハチがそう声を掛けるとその場にいた全員がハチの方を向いた。

 

「なんや?やっと来たんか。」

 

突然来たハチに対して一番初めに声を掛けたのはイロハやキリトでは無く、キバオウだった。

 

「質問に答えてくれどうしてこんな所で集まってるんだ?ボス攻略はどうした?」

 

するとキバオウはヤレヤレといった感じでその質問に答えた。

 

「なにをゆーとんのや、お前さんが攻略を止めるようにそこのお嬢さんに口添えしとったんやろ?

せやからワイらはあんさんが来んのを待っとったんや。

なんやボス攻略に必要な情報を仕入れとったらしいやんか。」

 

その答えにハチは少し驚いた。

まさかあのキバオウが文句も言わずにこの場で待っていたとは…確かにイロハに時間を稼ぐように言ったが、まさか待っていてくれるとは思ってもいなかったからだ。

 

「あぁ…とりあえず待っていてくれたことは感謝する」

 

「気にしなさんなや。あんさんやって攻略するためにここにきとんのやろ?せやったらワイらと目的は同じやからな」

 

そんな風にハチとキバオウが話していると少し気まずそうにしながらイロハがハチの隣にやってきた。

 

「センパイ…すみません時間稼ぎ出来ませんでした。」

 

それを聞いたハチは不思議に思う

 

「何言ってんだ?できてるじゃねーか」

 

その言葉にイロハは若干俯きながら答える

 

「違うんです…私が止めたわけじゃないんです…キバオウさんが止めてくれたんです…」

 

それを聞いたハチは若干考えるように斜め上に顔を向けた後イロハの目線に顔を合わせながら言った

 

「何言ってんだ。そのキバオウがこの場でみんなを止めてくれたのはお前が俺の言葉をしっかりと伝えてくれたからだろ?

もしお前が伝えてなかったらここにいる全員がボス攻略に行ってたかもしれないんだ。

だからお前はお前自身の役割を責任をもってやりきったんだよ。

だからそんなにしょげんなって」

 

そう言いながらハチはイロハの頭に手をやった

 

「……センパイ…セクハラです…」

 

「ハイハイ、そりゃあ悪うございました」

 

「でも…今日だけは許します」

 

「ありがとな」

 

「はい…どういたしましてです」

 

 

 

 

 

 

「ゴッホン!!さてそろそろええか?」

 

キバオウの言葉に驚いてハチは「じゅぉわ!」イロハは「ぴぇ!」という声を出しながらお互いに距離を取り合った。

 

「仲がええのはよぉわかったわ。とりあえずボス攻略に必要な情報を教えて貰ってもええか?」

 

「あ、あぁわかった。それじゃあ聴いてくれ」

 



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第55話 情報と絶望その中の光

「あ、あぁわかった。それじゃあ聴いてくれ」

 

ハチがそういうとキバオウを筆頭に攻略組全員がハチの方を向きながら静かにハチの口が開くのを待った。

 

その光景に若干後退るハチ

しかしその背中にはイロハやいつの間にか近くに来ていたキリトそしてアスナにアルゴの手が添えられていた。

 

その感触を確かめるようにハチが振り返ると全員が大丈夫と言っているように感じた。

 

「はぁ…よし、それじゃあ俺とアルゴが入手した情報について話す。

途中で質問が出るとは思うがそれは1番最後、話が全て終わってから聴く。」

 

そう言うとハチはボスの情報について話し始めた。

 

一つ、ネズミの攻略本にはボスが2匹だったが1匹増えて3匹になったこと

 

一つ、恐らく今回のボス戦は先に2体相手にしてその2体が瀕死になったら3体目のボスが出てくるであろうという事

 

一つ、3体目のボスは麻痺攻撃をしてくる可能性が高いということ

 

そしてその麻痺攻撃を止めるためには投擲スキル又はそれに準じた攻撃で3体目のボスの頭を攻撃しなければならないということ。

 

それらを聞いた攻略組の面々はザワザワとうろたえ始めた

 

「ボスが3匹だと?」「先にって事は否が応でも連続バトルになるんだろ?大丈夫なのか?」「投擲って…そんなの持ってるやついるのかよ…」

 

その様子を見ながら考える様にして顔をしかめるキバオウ

 

「センパイ…今回のボス攻略…大丈夫ですよね?誰も被害を受けずに終わりますよね?」

 

「…正直に言ってかなり不安だ。」

 

「そんな…」

 

「不安ではあるが不可能ではない」

 

そう言うとハチは攻略組全員に聴こえるような大きな声で話し始めた

 

「ここにいる全員が不安に思うのもわかる。こんな序盤に投擲スキルを上げてるやつなんているのか?ボス3匹なんて倒せるのか?

その気持ちはよくわかる!だが俺は不可能だとは思わない」

 

そう言うとハチはネズハの腕を引きながら

 

「コイツのことを知ってるやつはいると思う。

コイツ…ネズハは元鍛治屋だ!だがネズハは鍛え上げた鍛治スキルを捨てて投擲スキルととある特別なスキルを新しく取ってくれた!

そしてこのネズハのメイン武器はチャクラムだ!チャクラムは投擲武器で投げた後に自動で自分の手元に戻ってくる!つまり無限に投擲し続けることが出来るんだ!」

 

その言葉を聴いた攻略組の面々は

 

「アイツ見た事あるぞ?」「最前線、しかもこの世界で一番最初の鍛冶屋だろ?そんな奴がわざわざ鍛治スキルを捨ててまで…」「確かにそれなら他のやつが投擲しなくてもあいつ一人で十分じゃないか」

 

皆が口々に言う言葉を一通り聞いたハチはさらに口を開く

 

「そしてボスが3匹いるって所だが…皆冷静に考えてくれ、もしここのボスが倒せないと仮定するならそもそもこのゲームは攻略不可能なクソゲーなんだよ。だがあの日、茅場晶彦は言った…100層までクリアしろとつまり100層までは進むことが出来るってことだ!」

 

それを聞いた攻略組の面々は若干の絶望の中から光を見つけた

 

「そうだ…クリア出来るんだ」「ここで負けるわけに行かない」「必ず帰るんだ!」

 

盛り上がる攻略組

 

しかしその中で1人だけ

 

いやらしい笑みを浮かべながら

 

ハチを見据える人物がいた

 

 

 

 

 

 

「おいおい、みんなちょっと待ってくれよ」

 

 

 

 

 

 




感想、高評価よろしくお願いしますm(_ _)m


https://youtube.com/channel/UC73Oe2xxosEZUMd9FTFhwkA

人気が出始めた作者お気に入りの女性ゲーム実況者です!
主に7 Days To Dieの実況をしてますd(≧▽≦*)
是非皆さん1度は見に来てください!癖になる事請け合いです!


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第56話 フードの男

「おいおい、みんなちょっと待ってくれよ」

 

その声は攻略組の遥か後方から聞こえた

 

その声の主はフードを深く被っており顔をはっきりと見ることは出来ない

 

「そんなビーターの話なんかを信じるなんておかしいぜ?第一にその特別なスキルってなんなんだよ。つい先日まで鍛冶屋だった奴がいきなり戦闘用のしかもたまたまボス攻略に必要な武器や技術を会得するなんて…

偶然にしてもできすぎだよなぁ?」

 

それを聞いた攻略組はまたザワザワと騒ぎ始めた

 

「確かに?」「そうなのか?」「でも確かに鍛冶屋が戦闘用スキルをってのも…」

 

その空気は以前も感じた…あくまでもビーターであるハチを貶めようとする発言…空気

 

「せ…せんぱい」

 

不安そうにハチを見つめるイロハ

 

「不安そうな顔すんな」

 

そう言って改めてハチは口を開く

 

「まぁ確かに?最初から鍛冶屋をめざしていたのなら戦闘用のスキルを持っているのは不自然だその気持ちはわからんでもない。

だがそれはあくまでも最初から鍛冶屋をめざしていた場合だ。」

 

ハチは続けて言った

 

「ここにいるネズハは『不適合者』だったんだよ。しかも距離感が掴めないタイプのな。だが諦めきれなかったから距離感がつかめなくても影響が少ない投擲スキルを上げ始めた。

だがまぁピックを買うのには金がかかるし、すぐに弾切れになる、その辺に落ちてるいしなんかのダメージはたかが知れてる。

だからこれ以上仲間に迷惑はかけれないと思い鍛冶屋に転職した。

だからネズハは鍛冶屋なのに投擲スキルを持ってたんだよ」

 

その説明で再度ハチに風が吹き始めた

 

しかし納得いっていない人物が1人先程のフードの男だ

 

「…他がそれはお前の想像だろ?不適合は真実だとしてもそれ以外の事に証拠がない。証拠がない以上お前の説明は机上の空論だ。」

 

「安心しろよちゃんと証人ならここにいるからよ

なぁ?レジェンドブレイブスの皆様方?」

 

ハチがそう言うと全員がレジェンドブレイブスの方を向いた。

 

メンバーはバツが悪いのかオロオロとしている様子だがハチはそんなことお構い無しに質問した。

 

「ここにいるネズハはお前達の仲間だろ?何かを咎め用なんてことは思ってない。ただ真実を知りたいだけなんだ。」

 

ハチがそう言うと意を決したようにして1人のプレイヤーが前に出てきた。

そのプレイヤーを見たネズハは小さな声で「オルランドさん…」と言った。

 

「確かにネズハは俺達レジェンドブレイブスの仲間です!

そして先程ハチさんが言っていたことも全て真実です!」

 

それを聞いてハチは改めてフードを被った男に対して

 

「だそうだが?フードを被ったプレイヤーさん?」

 

するとそのプレイヤーは小さな声で

 

「shit…また失敗か」

 

と呟いたあと

 

「すまなかったな…つい疑っちまったよ」

 

「気にするな。ビーターの言葉なんか信じられないって言う方が正常だ」

 

するとそこでキバオウがハチの前に立ち頭を下げた

 

「ボスの情報ありがとうな、ほんでボス攻略の話なんやけどあんさんはそこにおるネズハっちゅーやつと、キリトはんそれとお嬢さん方二名のパーティーを組んでもらいたい。」

 

「…俺も攻略に参加していいのか?」

 

「当たり前や、正直気に食わんがあんさんらの実力はかなりのものや…せやから少しでも犠牲を出さずに終わらせられるように…頼む」

 

「わかった」

 

そして二人は手を握り合う

 

「この光景…出来れば見せてあげたいな」

 

イロハの独り言は薄暗い迷宮区に溶け出していった




https://youtube.com/channel/UC73Oe2xxosEZUMd9FTFhwkA

7 Days To Dieの女性実況者です!時折ライブ配信もしてるので皆さん1度は見てみてください!

ちなみにここにURLを載せる許可はご本人様より貰っておりますd(≧▽≦*)


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第57話 確認

ダイパリメイクにハマりきりになってしまい更新が遅れてしまいましたm(_ _)m


攻略組がボスがいる扉の前まで来た時先頭を歩いていたリンドが立ち止まりそして振り返りながら言った。

 

「第一層の過ちを繰り返すつもりは無い!初回の挑戦で、事前情報と異なる行動パターンが確認できたらその時点で1度退却、一度街に戻り戦略を練直す!」

 

その言葉に黙って頷く攻略組の全員

 

その次にネズミの攻略本を読みながらボスの攻撃パターンの確認と各部隊ごとの動きの最終確認が行われた。

 

ある程度話し終わるとリンドがサッと右手を上げ

 

「それじゃあそろそろ…」

 

と言いかけたその時

 

今まで意外な程に静かにしていたキバオウがお決まりのフレーズで割り込んできた。

 

「ちょお待ってんか!」

 

「…何かな、キバオウさん?」

 

「さっきまでの説明やと攻略本の中に書かれとることしか確認できてへんのとちゃうか?ゆうたら悪いけどそれだけやったら十分とは言わへんのとちゃうか?」

 

このセリフに、リンドはなんとも言えないような顔になる。

 

「せやから、キリトはんにハチはんボス攻略にあたって、なんぞ一言でも喋ってくれへんか?」

 

その言葉に対して一番に反応したのはハチだった。

 

「俺が話すのはわかるがなんでキリトもなんだ?」

 

「決まっとるやろ、恐らくあんさんら2人がこの攻略組の中で唯一ボスと戦ったことのあるプレイヤーだからや。

攻略本に書いてあることはあくまでも情報、実際に戦ったことのあるあんさんらの方が実際に戦っとる分知っとることもあるやろと思ったからや」

 

その言葉に納得する

 

「まぁ確かに百聞は一見にしかずとも言うしな…わかった」

 

そしてハチは攻略組の先頭に歩いていく。

 

そして振り返り言った

 

「じゃあキリト説明を頼むわ」

 

「俺かよ!?そこまで行ったならハチが話せばいいだろ!?」

 

「あ〜ハイハイ、俺は攻略本に載ってないボスについて改めて話すからキリトは攻略本に乗ってるボスについて話してくれ。」

 

「はぁ…わかったよ」

 

そう言ってキリトは話し始めた

 

自分が知ってるのは基本的に攻略本に載っていることが殆どであること。

 

しかし攻略本に載っている中ボスとボスの攻撃であるナミング・インパクトは絶対に躱さなければならないこと

 

1度目でスタン2度目で麻痺になってしまうため少なくとも2発目を喰らう前に何とかして逃げる事

 

「よし次は俺だな」

 

そして今度はハチが続く

 

3体目のボスがいる事

 

そのボスは恐らく一撃で麻痺らせることの出来る何かしらの攻撃手段を持っているということ

 

それを止めるためにはネズハのチャクラムが重要であること

 

そして…

 

「今回のボス攻略で3匹目が出た時、もし最初から居る2匹を倒せていなかったら、俺一人で3体目のボスの相手を務める。その間にお前らは全員で先の2体を倒してくれ」




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7 Days To Dieの女性実況者です!ライブ配信などもやっていてコメント等にはほぼ必ずと言っていいほど返答をくれます!

視聴者とともに成長していく未来の大物配信者!

是非皆様ご覧くださいませ!1度見たらハマること間違いなしですd(≧▽≦*)


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第58話 繰り返す

ハチの言葉にここにいる全員が固まった。

 

「それは一体どういう事や?」

 

キバオウが問いかける。

 

「まぁ落ち着けよ。何も俺一人で3体目を討伐するとは言ってないだろ?あくまでもお前らが先の2体を倒すまでの時間稼ぎをするって言ってるだけだ。」

 

その言葉に対してキリトは

 

「無茶だ!1人でボス相手に時間稼ぎをするなんて…

ハチ…死ぬ気か?」

 

「残念ながら死ぬ気は毛頭ない、現実世界に必ず戻らなきゃならないしな。」

 

「それを聞いて安心した。必ず間に合わせる」

 

キリトとハチが互いの顔を見合せニヤリと笑った時急にイロハが前に出てきた。

 

「私もやります!」

 

それに対してハチは

 

「ダメだ」

 

「どうしてですか!私も一緒に時間を稼ぎます!1人よりも2人のほうがいいです!」

 

するとハチはイロハに背を向けて

 

「足手纏いはいらない」

 

「足手纏い?…どういう事ですか…」

 

「そのままの意味だ。イロハお前は俺にとって足手纏いだ。お前はキリトやアスナに比べて弱すぎる。本来ならこのボス攻略に参加させるべきでは無い位にな」

 

「な…それは…」

 

確かにイロハは弱い。ハチやキリトそれにアスナと比べるとレベルはともかくプレイヤースキルが低い

 

「なぁハチ言い過ぎじゃないのか?」

 

「なにいってんだ?キリト、足手纏いがいる中でのボスとの戦闘はかなり危険だ、一人でやるよりもさらにな。それこそ命を落とす可能性が跳ね上がる。」

 

その言葉を聴いたのか

 

「ずっと…そう思っていたんですか?」

 

俯くイロハ

 

「…あぁ」

 

「そうですか…余計なこと言ってすみませんでした。」

 

するとイロハはまた来た道を戻り集団の後方へと移動して行った。

そこにはアスナが居りハチのことを睨みつけていた。

 

「こえーよ」

 

するとハチは軽く咳払いをして

 

「え〜それじゃあ他に言いたい事があるやつはいないな?」

 

当たりを見渡すと全員がなんとも言えないような顔をしている事がよく分かる。

 

「それじゃあリンド後は頼む」

 

「あ、あぁ」

 

そう言い残してハチは集団の外れの方に移動した。

 

リンドが再確認とここの役割についてもう一度話をして先程下がったであろう士気を高めていると、1人の男がハチにの横に近づいてきた。

 

「ハチはん、あれはちと言い過ぎだったんとちゃうか?」

 

「なんの事だ」

 

「あくまでも恍けるつもりなんやな。」

 

「だからなんの事だ」

 

「はぁ…あんさんはあのお嬢さんの事を余程大切に思っとるんとちゃうか?」

 

「何をふざけたことを」

 

「まぁ最後まで聞いてくれや。今回のボスはかなり強敵のハズや…まぁボスなんてどこもそんなもんなんやろうけどな。

あの場であのお嬢を自分から離しとかんと危険やと思ったんやろ?2人で時間を稼ぐとなるとあんさんも危険やしかしあのお嬢の方が危険度が高い。そう思ったんやろ?

せやから自分から離しこの攻略組の中で最も安全性の高いキリトはんとアスナはんの所へ追いやった。

アスナはんがあのお嬢のことを慰めることを見越して」

 

「………」

 

「そないなことしてホントにええと思っとんのか?」

 

「俺の近くは危険すぎる。これが正解なんだよ。」

 

そう話しているといつの間にかリンドの話が終わり攻略組の全員が先に、ボスの部屋に向けて歩き出していた。

 

「そろそろやな。先行くで?」

 

「あぁ…」

 

そして歩き出したキバオウは数歩歩いたところで止まり後ろ頭を掻きながら。

 

「あんさんのそのやり方…ホンマに誰かを助けたいと思った時、助けることは出来へんと思うで気をつけや」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボス攻略が始まる

 

 

 



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第59話第二層ボス攻略

だいぶ期間が空いてしまい申し訳ありません(´;ω;`)

1度休んでしまうとなかなか次の意欲が出てこなくて…

それにボス攻略の表現とかも…下手したら1層とほぼ同じになってしまうかもと思うとなかなか手をつけられませんでした(><)

お待ち頂いていた方には本当に申し訳ありませんでした!


 

隆々たる筋肉を包み込む、短い毛皮の色は深紅。

 

腰周りに豪華な金色の布を巻いているが、上半身は裸

 

肩からぶら下がる鎖も黄金。おまけに両手で握るハンマーも眩いゴールドに輝いている。

 

それらのカラーリングを除けば、俺たちが相手をしているナト大佐とよく似ている。

 

しかし大きな違いが1つ

 

サイズだ。第二層ボスモンスター«バラン・ザ・ジェネラルトーラス»通称バラン将軍は身の丈がナト大佐の二倍もあるのだ。

 

戦いが続くなかハチは本隊の方をチラリと見る。

 

すると壁際には既に七、八人のプレイヤーが倒れ、自由にならない腕で緑色のポーションを飲んでいた。

 

ハチ達がナト大佐を相手している間に早くもあれだけの人数が麻痺状態になってしまったらしい。

 

「本体はジリ貧だな…」

 

ハチが小声でつぶやくように言うとPOTローテを終えたキリトが答えた。

 

「ああ、でも、もう少し戦えばタイミングにもなれるはずだ。今のところベータとの違いもないし、なんとか…」

 

そこまで話すと突然イロハが張り詰めた声でキリトの言葉を遮った。

 

「ですが、あれ以上麻痺した人が増えると…一時撤退が難しくなりませんか?」

 

「……確かにその可能性はある」

 

万が一動けないプレイヤーが一定数以上増えて撤退する時動けないプレイヤーを運び出す必要がある…それにはかなりの筋力値が要求される…

 

ざっと見たところリンド隊、キバオウ隊共にSTR値が高そうなプレイヤーは少ない。

 

「今のうちに1度仕切り直して、麻痺攻撃対策を徹底した方がいいかもな」

 

それを聞いてイロハそしてキリトは頷く。

 

「俺もそう思う。だが、ここから本隊に向かって叫んだら指揮系統を混乱させる可能性がある。」

 

「ですね…気は進みませんが、まずはリンドさんに提案した方がいいかもです」

 

腐ったような目が素早く動きナト大佐とキリトたちのHPを確認した。

 

「センパイ、こっちは大丈夫です。早く行ってください。」

 

鋭い目付きでイロハは吐き捨てるように言う。

 

「…大丈夫なのか?」

 

「おう、こっちのことは任せろ!そっちは頼んだぞ」

 

キリトは笑顔でそう答えた。

 

「わかった、少し頼む!直ぐに戻るからな!」

 

行き掛けの駄賃とばかりに、ナト大佐の背中に『バーチカルアーク』を見舞ってから、ハチは全力でリンドの元へと向かった。

 

リンドはいきなり真横に現れた俺に対して一瞬だけ顔をしかめた。

 

「………あんたには取り巻きの相手を頼んだはずだが?」

 

低い声でそう呟いたリンドに対しハチは

 

「1回仕切り直した方がいい、これ以上麻痺する奴が出たら撤退が出来なくなる。」

 

するとリンドはチラリとバラン将軍のHPを確認した。

 

それに釣られるようにしてハチもHPを確認した。

 

すると早くも全体の五十パーセント程のHPが削られている。

 

「残り半分なんだぞ!?ここで引く必要があるのか!」

 

確かに惜しい…と思わなくもない。

 

ボスへの与ダメージのペースは予想以上だ。このまま押し切れる可能性も決して低くは無い。

 

そんな時、ハチの背後から声が響いた。

 

「あと一人麻痺したら引く…それでどうや?」

 



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第60話 第二層ボス攻略Part2

 

「あと一人麻痺したら引く…それでどうや?」

 

振り向いた先にあったのは、薄茶のモヤっとボール…改めキバオウの顔だった。

 

「«ナミング»の範囲とタイミングはもうみんな掴んだはずや。集中も出来とる、士気も高い。麻痺治療や回復もようけ使っとるし、ここで引いたら、次は明日以降になってまう」

 

それを聞いたハチは再び全力で思考した。

 

「…わかった、あと一人だな。それとゲージがラス1になった時ともしももう一体のボスが出た時は気をつけてくれ。」

 

ハチが早口にそういうとキバオウは「わーっとる!」と叫び自分の持ち場へと戻った。

 

リンドも、こちらは無言だったが頷き、指揮を再開する。

 

ハチは再びコロシアムを横断しキリト達の所へと合流した。

 

すかさずアスナが聞いてくる。

 

「どうなったの!?」

 

「あと一人麻痺ったら撤退だ」

 

「そう…」

 

アスナは一瞬浮かない顔をしたがすぐに頷く。

 

「せんぱい!もう一体のボスが出たらどうするんですか?」

 

「おそらく条件は変わらない…と思う。あと一人麻痺ったら撤退だな。」

 

「分かりました…」

 

そう言っていろはも浮かない顔をした後に頷く。

 

「なら、この青いのをとっとと片付けて、私達もあちらに合流しましょう!アスナさん!」

 

「OK!」

 

丁度大技をエギルたちにガードされたばかりのナト大佐。

 

HPは既に1本と少しを残すだけとなっている。

 

イロハとアスナは阿吽の呼吸で突進しキリトやハチが追いつく前に両脇腹にソードスキルを叩き込んだ。

 

その攻撃でついにラスト1本に突入した。

 

するとナト大佐は角の生えた頭を屈めると、グッと力を貯める。

 

それを見たキリトが叫ぶ

 

「突進来るぞ!頭じゃなくて尻尾をみろ!その対角線に来るぞ!」

 

直後、牛はギュンと左旋回してエギルへと突っ込んだ!

 

しかし先読みしていたエギルは危なげなく回避して突進終わりの牛のシリにソードスキルを叩き込んだ。

 

さすがの大佐も予想外のダメージに頭の周囲に黄色い光を回転させながらふらつく。

 

それを見逃さずハチは叫ぶ。

 

「チャンス!全員。全力攻撃!」

 

「うぉぉっしゃ!」

 

フルアタックを成功させたハチ達が距離を置くとナノ大佐は全身を膨らませそのまま爆散した。

 

その時、コロシアムの反対側でプレイヤーたちがいっせいに叫んだ。

 

バラン将軍のゲージも最後の1本が黄色くなったらしい。

 

それを見たアスナが

 

「よかった、ベータからの変更はなかったみたいね」

 

それを聞いたキリトが

 

「みたいだな。…だとしたらハチが持ってきてくれた情報は間違っていたってことなのか?」

 

そこまでキリトが言いかけたところで、ハチはイロハの顔が微かに翳ったのに気づいた。

 

「どうかしたのか?」

 

「いえ…少し気になったんです。…第一層が王なのに二層が…」

 

ゴゴォン!

 



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