オールラウンダーは無気力です (ヤマアラシん)
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番外編
EXepisode 1 呼び方


どうも。
次の話をより良いものにしたいので、今日はこれで勘弁してください。

それではどうぞ


あ、どうも、作者です。

 

突然ですか?はい、突然ですね。ということで、本作の主人公、神島天夜さんに、いろんな人の普段の呼び方を聞いてみようと思います。

 

てことで、天夜さんを呼びましょう。パチンッ(指パッチン)

 

「うぉっ。なんだここ。」

 

こんにちは、天夜さん。貴方が普段、他の人をどう呼んでいるのか、それを全部言わない限りここから返しません。

 

「えっ?なにそれ帰って良い?」

 

話聞いてましたか?それではまず…。

 

 

三雲くん

 

「めガネ。めんどくせーメガネの略」

 

あんたそれ一回しか言ってないでしょーが(書いてんのテメーだよ)

 

じゃあ次、空閑くん

 

「遊真。ゆうまっち。」

 

●子っちパクってる?

 

千佳ちゃん

 

「千佳。」

 

 

「迅。エリート()」

 

その()なに?

 

次。リアクションすると長いからサクサク行きます。

 

嵐山隊から

 

木虎

 

「デコスケ」

 

嵐山

 

「じゅんじゅん」

 

時枝

 

「みっちー」

 

佐鳥

 

「ツインスナイプ(失笑)」

 

綾辻

 

「綾辻」

 

「なんでひねってくれないんですか!?」

 

「いや、女子だし。」

 

「私は女子じゃないみたいな言い方ですね…。」

 

「おまえはデコスケ」

 

「キイィィィイイッ!!」

 

…次行きまーす

 

玉狛第一

 

小南

 

「桐絵」

 

なんで下の名前?おっとぉ~?そういうことですかぁ~?

 

「うっざ。」

 

レイジ

 

「レイジ。筋肉。きん●君。」

 

やめれ

 

烏丸

 

「とりまる。禁止制限。」

 

それ八咫烏

 

次、三輪隊

 

三輪

 

「秀次。シュークリーム。」

 

…米屋

 

「槍バカ。思うジャン。」

 

…奈良坂

 

「変スナ2号」

 

略すな

 

古寺

 

「宇佐美キモヲタ」

 

普通に悪口言ってね

 

次、カゲ

 

「カゲ。怪獣。」

 

なんで怪獣?

 

「目付き。」

 

…次、二宮

 

「ニノ。スーツ着た魔王。…あらs(駄目です

 

次、風間隊

 

風間

 

「蒼也。くそ真面目。ドS。」

 

ちょっと分かる、歌川

 

「遼。イイヤツ。」

 

あだ名でも何でもねぇよ

 

菊地原

 

「ヒナギク。」

 

名前だけじゃねぇか

 

次、太刀川隊

 

太刀川

 

「タチウオ。」

 

出水

 

「弾バカ。一歩間違えれば下ネタ。」

 

それ言うから駄目なんすよ

 

唯我

 

「ボンボン。」

 

そのまんまにも程があるわ。

 

次、諏訪

 

「じゃんじゃん」

 

麻雀からとったなてめー

 

 

「つつみん」

 

次、村上

 

「仏頂面」

 

来馬

 

「菩薩」

 

別役

 

「絶対悪」

 

…納得。

 

次、那須

 

「病弱少女」

 

熊谷

 

「クマー」

 

日浦

 

「げんき少女」

 

女の子認定してる子にはちゃんとしたあだ名つけるんすね

 

「あたりめーだろ」

 

次、緑川

 

「いぬころ」

 

黒江

 

「フタバー」

 

加古

 

「殺人鬼」

 

おっと…。加古が来たようだ

 

最後、三上

 

「なんで?三上ちゃん。…歌歩ちゃん。」

 

思い浮かばなかった。なんで言い直したの?

 

「一番かわいくね?」

 

…以上!バイバイ~

 

「逃げた…。、なんだそれ。」

 

 

ということで以上です。




それでは、作者でした。それではバイバイ~。


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EXepisode 2 炒飯

どうも

本編と関係ないこと書くのって面白いですよね

それではどうぞ


おっす。天夜だよ。

 

防衛任務だけど近界民全然こねぇからのほほんとしてたんですよ。

 

加古からLINE来た瞬間震え上がりました

 

 

加古 天夜さん防衛任務終わったら隊室来てね♡新しい炒飯作れたの!もし良かったら誰か誘ってね♪

 

 

 

終わった

 

もう無理

 

奴の炒飯は次元が違う

 

さて、嘘ついて逃げたら絶対バレてすんごい怖いから行くことは確定しました

 

次は誰を道連れにするかだよ。

 

大概のやつより先輩だから。

 

俺、結構いろんな贄がいるから。

 

つつみんはなし。アイツは俺が喰らった時、一番優しかった。胃薬くれた

 

じゃんじゃん(諏訪)は大学行ってる

 

1人目…ニノ…ポチポチ

 

天夜 ニノー

 

ニノ 何ですか?

 

天夜 この後飯行こー

 

ニノ ( *・ω・)ノ

 

かわいい()

 

騙してごめんねでも後悔してない()

 

蒼也は当たりしか引かんから論外

 

…タチウオ…ポチポチ

 

天夜 タチウオ~この後ソロやろーぜ

 

タチウオ マジっすか!( ;∀;)

 

天夜 先に加古に頼まれてた書類あるからそれ渡すの着いてきて~

 

タチウオ p(^^)q

 

ちょろいねこいつらアホだな

 

後1人くらい誘うか…

 

東さんは当たり前のように外れを知らない

 

だからなし

 

菩薩(来馬)も当たりしか引かん

 

う~ん。

 

…あっ。

 

プルプル、プルプル(←防衛任務中)

 

ガチャッ

 

「もしもし、天夜さん?」

 

「おー。とりまる。今暇?」

 

「………これからバイトっすね。」

 

「…へぇ~~~?そうかぁ、バイトかぁ~~。」

 

「そっすよ……。」

 

「とりまる、最後にひとつ。」

 

「??」

 

「この世は残酷なんだぜ」ブツ…

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

※ここからの()内は眼で訴えかけてます。

回りには聞こえませんが、正確に理解しています。

 

 

 

 

「あ、天夜さん!いらっしゃいこっち座って~。」

 

「オジャマシマス…。」

 

「(騙したな身勝手)」

 

「(うっせぇヘンテコスーツ)」

 

「(なんで?なんか悪いことしました?)」

 

「(黙れ髭タチウオ。防衛任務終わりに来ると思うわけねぇだろ油断してたんだよくそが)」

 

「(それにしてもなぜ巻き込む)」

 

「(贄なら誰でも良かった。)」

 

「(外道)」

 

「(道連れじゃボケ)」

 

「(他にはいなかったんすか?)」

 

「(とりまる誘ったけどバイトって嘘ついてた)」

 

「(ふーん…)」

 

「(ほう…)」

 

「はい、炒飯よ!今日は野菜多め!たくさんあるから食べてね♡」

 

「アリガトウナ」

 

「イタダコウ」

 

「(ニノ…。この匂いは…。)」

 

「(ああ…、おそらく、ゴーヤと味噌とチーズ…。)」

 

「(ここが地獄だ。)」

 

「(終わった。)」

 

「(何をもって野菜多めと言ったんだコイツは。)」

 

ニコニコ…

 

「(ちくしょうっ!可愛く笑ってやがる!)」

 

「普通に可愛いのおもしれぇんだけど…。」

 

「(顔は悪くないから…って、天夜さん…あんた…。)」

 

「ん?…あっ。」

 

「普通に可愛いのおもしれぇんだけど。」

 

「普通に可愛い」

 

「可愛い」

 

♪~♪~♪

 

「照れてどこかに行ったぞ。」

 

「助かった。」

 

「けど…、残したままはやべぇな。」

 

「…ニヤリ。おい、お前ら耳貸せ。」

 

「……なるほど。」ニヤリ

 

「賛成…。」ニヤリ

 

 

 

 

プルプル、プルプル、

 

「…太刀川さん?なんで電話番号知ってるんだ?」

 

ガチャッ

 

「はい。」

 

「もしもし、今、ボーダーの本部を出たぞ。あ、あと…、嘘って良くないよな。」ブッ

 

ツーッ、ツーッ

 

 

 

「…まさか…。」

 

プルプル、プルプル

 

「二宮さん…?嫌な予感が…。」

 

ガチャッ

 

「はい。」

 

「もしもし。今お前の家の最寄りの駅に着いたぞ。あ、あと…、顔が良いってだけで、世界が変わる人間、いるみたいだぞ。」ブッ

 

ツーッ、ツーッ

 

なんだ?あの最後に言うやつなんなんだ?全然意味わかんないし。てか、着々と近付いてきてんのなんなん?

なんであの2人…。

 

共通点…、強い。No.1。…てことは、

 

プルプル、プルプル

 

天夜さん

 

あ、これ出たら詰むやつだ。

烏丸は感じる。

 

どうしよう…。今のうちに子供たちを逃がす?神島さんを緊急脱出させる?ガイスト使えばワンチャン…。

 

ピッ

 

「もしもし。」

 

なんで繋がってんの?バケモンかよ。

 

「今、お前の家の前にいるの。飯持ってきてやったから食おうぜ。」

 

「…いえ、今弟たちがいるの…で…。」

 

何故いない。弟たちよ。

 

えっ?どこに消えたの?

 

「あの、弟たちどこに連れてったんすか?おかしくないですか?さっきまでいたんすけど?」

 

「槍バカと犬ころとフタバーに任せた。全部韋駄天でかっさらわせた。」

 

「何やってんすか!てかなんで家の中入れてんすか!?」

 

「雷蔵に作らせた。(嘘)」

 

「なんで嘘ついてんですか?」

 

えっ?えっ?えっ?

 

ヤバイぞこの状況…。なんでこの3人なんだ…?他に共通点…!!

 

そうか…。

 

「さぁ、加古の炒飯食え(直球)」

 

「俺たちだけ食ってんのうぜぇ(正直)」

 

「加古殺す(喧嘩腰)」

 

あ、被害者の会だわこれ。

 

 

 

烏丸の意識はそこで途絶えた

 

 

 




はい、以上です

楽しい()



また次回


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EXepisode 3 リア充

はい、どうも。

ランク戦はまだまとまってないので先に息抜きでこっちあげます

総合評価が600越えておりまして、すげぇなぁってなってます。
更新頻度はのんびりになってますが、目を通して貰えるととても嬉しいです。

今回は、リア充爆発しろって話です。


ハイハイどうもどうも。天夜だよ

 

何してるかって?防衛任務中じゃないとこんな感じじゃないからね()

 

だって暇じゃん?

 

来るトリオン兵は雑魚ばっかだし、全然来ねぇし…。

 

まぁ平和が一番だよ。やっぱり。

 

「ひぃぃぃいっ!!か、神島さん!!敵めっちゃ来てますぅぅう!!」

 

…このボンボン(唯我)がいなけりゃ、もっと平和なんだがなぁ。

 

タチウオと弾バカは別方向だしよ~。

 

「お~頑張れボンボン。ほれ、あと4体。」

 

「ひぃぃぃい!?」

 

「天夜さ~ん。真面目に~。」

 

「えー。めんど。別にアイツが緊急脱出したらちゃんとやるって。くにちーよ。」

 

「あ~、それもそっか~。ファイト~唯我~。」

 

「ギャアアアア!!」ドンッ!!

 

弱すぎだろあいつ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はぁ。やーっと終わったよ。

 

作戦室戻ったらボンボンがギャアギャアうるさかったから模擬戦やってペチペチして出てきました。

くにちーは「またゲームしようね~。」って言ってたけどアイツ強すぎるからあんまやりたくねぇんだよな。

 

てなわけでランク戦のブースに入ってんだけども

 

申請一覧

 

木虎藍

 

香取葉子

 

加古望

 

緑川駿

 

 

…おおよそ戦闘狂と呼べる奴らからのラブコールが激しすぎる。

 

犬コロと炒飯は無し。

際限無く戦い続けだす戦闘民族だから。

 

デコスケと蚊取り線香(香取)は弱っちぃけどまぁ面白い。

…でもだるいな(←なんでブース入ったコイツ)

 

スッとブースから出て逃げよう()

 

「ちょっと!!なんで逃げんのよ!!」

 

「げっ!蚊取り線香。お前いつの間に。」

 

「何よそのアダ名!いいから10本やりなさいよ!!」

 

「うぜぇよ!!俺は帰るんだよ!!」

 

「来たばっかでしょ!?何ビビってんのよ!」

 

「めんどクセェ奴しかいないなぁってことで。デコスケとか。」

 

「誰がデコスケですかぁぁあ!!」

 

「うおっ!!なんでいんだよデコスケ。」

 

「神島さんがランク戦に応じないからでしょうが!!」

 

「だってめんどクセェ奴しかいねぇじゃん!!犬コロも炒飯も!!絶対40戦位やる羽目になるし!!」

 

「やろうよ天夜さん!!」

 

「ほら来た犬コロン!!」

 

 

 

「…天夜さん?」

 

ゾクッ

 

殺気

 

それは無自覚と気遣いが織り成す、彼女特有の

 

殺気

 

「炒飯食べたいならそう言ってくれればいいのに~。」

 

 

「逃げろお前らぁぁあ!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

はい、もう散々でした()

 

結局捕まってデスソースガトリング(?)炒飯食べました。

 

ガトリング要素は分からんかった。

 

デスガトリング(?)目指そうとしたの?

 

俺の胃はもうとっくの昔にDead or Arive だよ?

 

そんなこんなで約束の時間になったんで店に行こうと思います。

 

いや、蒼也とニノとタチウオが飲みに行こうって誘ってくれたんでね。

 

 

蒼也「お疲れ様です。天夜さん」

 

タチウオ「お、こっちっすよ~天夜さん。」

 

ニノ「どうも。」

 

遥「あ、こっちですよ~!」

 

歌歩ちゃん「あ、お疲れ様です!天夜さん!」

 

桐絵「遅いわよ、天夜!!」

 

東さん「おー天夜。遅かったな。」

 

なんか増えてる。

 

「…俺が聞いてたのは蒼也とタチウオとニノだけなんすけど。」

 

ニノ「東さんには俺が。」

 

蒼也「俺が三上に言いました。」

 

歌歩ちゃん「私が遥ちゃんに。」

 

遥「私が小南ちゃんに。」

 

なんだその連携()

 

まぁ楽しいからいいか。

 

「じゃあ未成年もいるから酒は控え…「何を言ってるんですか?」うぇ…?」

 

蒼也がこんなこと言うの珍しいな。

 

…てかタチウオとニノの目付きが若干鋭くなったのはなんで?

 

「「この前の飲み。」」

 

「あっ…。よし、アホほど飲もう。」

 

「「何をやったんですか!?天夜さん!?」」

 

「遥と歌歩ちゃんは知らなくていいことだ。東さん、潰れたらよろしこ。」

 

「…お前ら…。」

 

うん。あの時は完全に俺が悪い。

 

蒼也、タチウオ、ニノ、俺。

 

アホみたいに酒を飲んだ。

 

てか飲ませた。

 

もうそれはそれは飲ませた。

 

 

結果

 

蒼也はすんごいワガママな子供みたいになって「帰りたくなーいー!!天夜さん~!」とか言い出してた。当然動画で持ってる。

 

 

タチウオは電柱と戦ってた。

「電柱さん、電柱さん!!なんでそんなにでっけぇの!?俺が勝つには…、これしかねぇ!!トリガーオン!!」とか言いながらマジでトリガーオンしやがったので緊急脱出させました。当然動画で持ってる。

 

 

ニノはずっと笑ってた。

「天夜さん。…フフ。天夜さんか…。良いな。フフ…。」

とか言ってた。何が良いんだろう。純粋にそれしか思わなかった。当然動画で持ってる。

 

 

三人は記憶に残ってなかった。

動画見せたら記憶が蘇ったみたいで、すごい怒られた。

 

 

「絶対に他の人間に見せるな。」

 

「見せたら何をしてでも現実から緊急脱出させる。」

 

「消せ。それか冥土まで持っていけ。」

 

ただの脅迫は普通に怖かったので、忍田さんと迅にしか見せてない。

 

さぁ、つらつら喋ってるうちに3人は潰れましたね。

 

俺?俺は烏龍茶で誤魔化してたからね。

 

全然酔ってないや(ただの外道)

 

「あの3人…俺たちを置いて勝手に潰れたか…。全く。」

 

「申し訳ねぇ。東さん。今日は俺が出すから、桐絵も食べろよ。体重気にしてる場合じゃねぇぞ。」

 

「は!?はぁぁぁあ!!?べ、別に!ぜんっぜん!!気にしてないけどぉぉお!?」

 

「ハッハッハ。」

 

「何よ!その渇いた笑いは!!」

 

「う~。天夜さ~ん。」

 

「私たちは無視ですかぁ~?」

 

あっ…。マジか。

 

「wwwwww…。」

 

ニノが笑いながら歌歩ちゃんと遥のグラスに日本酒を混ぜていた。

 

とりあえずしばいた。

 

「お、おーい。歌歩ちゃん、遥?大丈夫か。水飲めるか?」

 

「「ちょっとトイレ。」」

 

東さんと桐絵が逃げた。

 

見捨てやがったあの2人。

 

ギュッ…。

 

「がッ…!か、歌歩ちゃん?」

 

「歌歩…。」

 

「えっ…?」

 

「歌歩って呼んで。ちゃん付けはやだ。負けてる感じがするからやだ。」

 

 

理性が緊急脱出する

 

死ぬ死ぬ死ぬ。萌え死ぬぞおい。

 

「ふふん。私はちゃんと遥って呼んでくれてるもんね~。」

 

「無い胸張ってんじゃねぇぞ…。」ボソッ

 

「はっ?」

 

「なに?なんか文句あるの?」

 

「お?」

 

「やるか?」

 

「チビが調子乗んな。」

 

「ホラーマンみてぇにガリガリの癖に私に勝てると思ってんの?」

 

 

怖すぎワロタ

 

 

金を置いて俺は緊急脱出した。

 

いや、出来なかった。

 

恐るべき腕力。

 

「「天夜さんはどっちがタイプ!?」」

 

急に何言い出してんだこの子ら

 

どっちがタイプとか…。「どっちも可愛いに決まってんだろが!!」

 

「「…えっ…。」」

 

「…あっ。」

 

「か、可愛い…?」カァァア

 

「や…、やった…。」カァァア

 

 

ね、寝てしまった…。

 

なんだったんだ一体…。

 

俺は金を置いて帰った。

 

東さんには連絡しといた。

 

桐絵は知らん。

 

 

作者 …リア充死すべし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、以上です。

なんか…、イメージと大分離れた感が凄いけど気にせずいきます。

次回はちゃんと本編です。

ではまた~


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EX episode4 神島天夜について知ろう


 はい、番外編です。
A級三バカ+αで天夜くんを尾行します。(ストーカー行為)

息抜きなので短めです。
どうぞー。


※大規模侵攻編が終わって、天夜が回復した後の、B級ランク戦初戦の手前位です。
なので天夜は復帰して少し休みを貰ったという設定になります。


 

 「天夜さんって普段何してるんすか?」

 

 ランク戦ブースの閲覧席で、モン●ンをしている天夜に出水は声を掛けた。いくら、退院した直後で休みを貰ってるとはいえ、見学に来てゲームをやりまくる姿をいつまでも曝け出すのは、何とも言えない。というか、こんな所でゲームするな。それを飲み込んだ出水の発言に天夜は、

 「んー。特に何も。…偶に何か。」

 

 毛ほども答えに行き着かない返答を頂戴した出水は、大げさに溜息を吐く。

 

 「つまり暇なんすね。」 

 

 「誰が暇だ。毎日充実しすぎてヤベーわ。」 

 

 「具体的には?」

 

 「…教えん。」

 

 そう残して天夜は怪異克服バル●ァルクの襲撃で三乙目を迎え、その場を去った。

 

 負けたんかい。んであんたそれ買ったの、退院して次の日でしょ確か。今3日目で何でMR160超えてんだよ。2日でやり過ぎだろ。

 

 出水は脳内で3つほど突っ込んだあと、米屋、緑川、木虎、綾辻、三上にLI●Eを送信した。

 

 LI●Eには、こう入れた。

 

 天夜さん尾行。明日朝9時に天夜さんの家の近くの喫茶店。

 

全員即既読がついた。

 

 米屋 「りょーかい。」

 

 緑川 「分かったよ ️」

 

 木虎 「承知しました。」

 

 綾辻 「香取ちゃんも行くって!」

 

 三上 「何着て行ったら良いと思う!?やっぱり清楚な感じかな!?」

 

 天夜さんにお熱な二人は、もはや行く行かないの次元を韋駄天の速度で超越していた。てか尾行だって言ってるんだけど、一名全く気にしてない人がいるのはそっとしておこう。

 

 出水の脳内は既に、言わなきゃ良かったの文字を表示することにリソースを割いていた。

 

 

 

 

 翌日

 

 集合時間の10分前に到着した出水は、香取、綾辻、三上にどちゃくそ詰められていた。

 

 「イヤ、なんで?」

 

 「30分前に来るのが常識で、定石ですが。」

 

 「誰に対して定石なんだよ。2徹目の人間でも、もう少しまともに話すぞ綾辻。」

 

 「そんなんだから、アンタの貞操は磐石なのよ。」

 

 「おいコラ香取。言って良いことと悪いことと、言って良い時間と悪い時間を考えろテメー。あと三上。あ、なるほど~みたいな顔すんな。んで韻を踏もうと頑張んな綾辻。」

 

 「出水くん。うるさい。」

 

 「しばくぞ三上。」

 

 天夜さんが絡むと頭がおかしくなるのかこの3人は?朝8時半の眼じゃねぇんだが。

 

 この後着いた米屋もどちゃくそ詰められていたが、コピペになるので割愛。緑川は言われなかった。

 

 

 「で?結局、なんで尾行なんか考えたわけ?趣味?変態。きっしょ。死ねば?」

 

 「●水エンジン決める●ュリかテメーは。画面端まで俺を持ってくな。ちげーよ。天夜さんのプライベート、マジでなんも知らんわって思ってよ。純粋に気になったから尾行すんだよ。」

 

 「出水センパイ。まるで常識人の様な振る舞いだけど、充分おかしいの分かる?」

 

 「緑川、まぁ聞け、そして後でしばく。普段何してるか、それこそがあの人の強さの秘訣を知るチャンスと俺は思っている。」

 

 「なるほど、一理ある。」 

 

 「てゆーかアイツの家、こんなとこにあるのね。ここって結構、高級住宅街よ。」

 

 そうなのである。実は天夜、実家が金持ちである。

彼の記憶は五歳頃からのものしかないが、父親が良く大きな買い物をしていた記憶がある。が、天夜自身、そこまで裕福な暮らしは望んでいない。父親と妹が共に住んでいるので、そこに給料の8割を振り込んでいる。

しかし、父親も自分の息子が心配だったので、色々送り付けたが、最終的にこの住居を父親が買うから住んでねお願い♥️という形で、天夜は折れた。

 

 「しかし出水先輩。天夜さんが外に出るという保証はあるんですか?」

 

 「ようやく喋ったな木虎。多分出るはずだ。あの人は普段ボーダーの本部にフル出勤してるからな。休日に用事とかを固めてるはずだ。」

 

 そんな話をしていると、天夜が出てきた。お熱な二人と香取、木虎は即座に首を降り、彼の動向を見守る。

 

 「うわっ。」

 

 「緑川、気持ちは分かるが次言うと緊急脱出することになるぞ。」

 

 呑気な顔であくびをしながら出てきた天夜は、着信がかかってきたのか、携帯を取り出し耳に当てる。

 

 「聞こえねぇな。」

 

 「ちっ。めんどくさいわね。」

 

 「三上ちゃん。菊地原くんは?」

 

 「すぐに連絡するね。」

 

 「早急にお願いします。」

 

 「なんで聞こうとしてるの?」

 

 人のプライベートガン無視な奴らの集まりに緑川はタメ息を吐いた。ていうかもう帰ろうかな。帰って宿題しようかな。

脳内はそれらに支配された。

 

米屋はモーニングを頼んで食べていた。

 

 

 

 「何やってんだ。アイツら‥。」

 

 電話してる最中に米屋ヘッドが見えていた天夜はタメ息ひとつ。

考えるのが めんどくさくなった天夜は、日課のランニングを始める。

 「おっと、おばちゃん、ご馳走さまー。」

 「目標、動きます。」

 「これから対象を点Pとします。」

 「点Pとするな。なんで?動くから?」

 「米屋先輩、ゲーセン行かない?」

 「まだちょっと時間がはやいなー。」

 「何逃げようとしてんだ。」

 

 朝9時半である。

 

 

 天夜の後方40m程で追跡している天夜バカたちは、ヒソヒソ喋りながら後を追う。その道中、彼等が目にしたのは、人々を助ける天夜であった。

 

 「おっす、おばちゃん。そんな重いもん、無理すんなって。どこまで持っていけば良いんだ?」

 

 「おー。どした、嬢ちゃん。お金足りねぇのか。おっちゃん、俺がこの子の分払うから、そのアイス三段であげて。」 

 

 「どーしたガキ共。ポ●カ買えねぇ?おい、おっさん。転●ヤーに売るくらいだったら俺に売れ。ほら、どのパックにする?2つやるよ。おおっ!No.151じゃねぇか!すげぇな、ガキんちょ!」

 

 

 「ヤバイくらい優しいわね。」

 「私、デコスケとしか呼ばれたことないのに。」

 「ふーん‥。」

 「へぇー‥。」

 「綾辻センパイ、三上センパイ、木虎ちゃん。目が死んでるよ?」

 「言ってやるな、緑川。」

 「お前はポ●カ開封すんな。米屋。」

 

 「んで?あの人はどこに向かってんだ?」

 「ここは‥、体育館ですね。」

 「あー、あの人今日はバスケするって言ってたもんな。」

 

 「は?」

 「ん?」

 「へ?」

 「あ?」

 「え?」

 

 「‥‥。」

 

 お前知ってんのかい米屋ボケこら。

 

 全員思いは同じだった。

 

 バスケすんの久々だわ。ツレ集めて試合もありだったけど、

たまには一人も面白い。ストレッチはしっかりとやる。トリオン体になったときに影響は無いけど、捻挫とか突き指とかしたくねぇ。いてぇし。

 ポジションはG、SGだった。部活には入らなかったが、昔から好きだったので、今でもちょくちょくやっている。

もちろん、プロレベルなんかには足元から数十キロ離れてる程の実力なので楽しくやってる感じだ。

でも、せっかくなら‥。

ポチポチ‥。

 

 天夜 弾バカ、バスケすんぞ。そこにいる全員連れてこい。 

 

 

 弾バカ はい了解です。

 

 

 呼び出されたストーカー御一行は、バスケをした。緑川は上手かった。そして、香取は疲れてた。

 

 

 

 

 

 

 




はい、オチもくそ弱いですが息抜きにはなりましたので、これで終わります。
本編の構想練れ次第、すぐに書きますので気長に待っていて貰えると嬉しいです。

それではまた。


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本編 入隊編
episode1 無気力な男


ヤマアラシんです。

今回から、ワールドトリガーの小説を書いていこうと思います。早速ですが、三雲くんと若干絡みます。

それでは、どうぞ~。


「ふぁぁぁあ…。ねっむ…。」

 

 

「神島さん!起きてください!トリオン兵ですよ!?」

 

 

「うっ?いつの間に?ちゃんと教えてくれよ~三上ちゃん~。」

 

 

「だから起きてくださいって言ったじゃないですか!?学校内にモールモッド2体…、ここからじゃ遠いですよ!?」

 

 

「あいあい、分かったぞい。頑張るぞい。グラスホッパー。」

 

 

 

 

ビュンッ!!

 

 

まっ…、嵐山の所もいるし…、大丈夫かな?

 

 

…っ?学校内にトリガー反応?しかもC級…。どういう事だってばよ?

 

まぁ急ぐかこれは。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

ボーダーはトリオン兵が基地近くに出現するよう、誘導装置を作動させている。よって基地の周りは警戒区域内なので、一般人は住んでないし、入ったら駄目だ。

 

ただ、ここ最近、基地の周りではなく遠く離れた所にゲートが発生しちゃってるもんだからてんやわんやだ。

 

 

まぁでも、今回は嵐山隊が向かってるし、俺行かなくていんじゃねって思ってんだけど…、

 

 

どうやら、行った方が良さそうだ。

 

 

何でかって?…直感ですよ奥さん。

 

 

 

ザッ!!

 

 

うぉ、なんだ…。俺の方が速いんかい。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

実力不足を恨む少年、三雲修。そんな彼に、凶刃が襲いかかる。

 

 

 

 

「くっ…!」(やっぱり…、僕じゃ無理なのか…?C級隊員の…、僕じゃ…!)

 

 

ビュンッ!!

 

 

 

 

 

 

「シールド」

 

 

 

 

ガキィンッ!!

 

 

「あ、貴方は…?」

 

 

「よっ。大丈夫?C級メガネくん。ちょっと待ってな。すぐに片付けるから。」

 

 

「さてさて、ゴキブリ野郎め、ぶったぎってやらぁ。」

 

 

 

「旋空弧月」

 

 

 

キィンッ!!

 

 

 

ズズゥンッ!!

 

 

「つ、強い…!あ、あの…!まだもう一体が、」

 

「んー?あー、そっちはあの白髪の少年に任せる。」

 

 

「えっ?」

 

 

「行くぞ!白髪の少年!!」

 

 

「うぉっ。投げるのか。」

 

 

パシィッ

 

 

 

ズドンッ!!

 

 

 

「おー。やっぱり筋いいなぁ…。さすがだな。」

 

「いえいえそんなことは…。それよりもさ、俺がやったってことじゃなく、オサムがやったってことにしてくんない?」

 

「いやー、そうしたいんだけどさ…、メガネくん、C級だから戦っちゃダメなんよ。おっさん連中に怒られちゃうから。」

 

「ふむ、ならどうしよう。」

 

「おいおい、何のために俺が君に剣ぶん投げたと思ってんだ?」

 

「あ、なるほど。アンタがやったってことになんのか。」

 

「そそ、…っと。そろそろめんどくせーのが来るから、メガネくんと一緒に外出よう。」

 

「ふむ、分かった。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「これは…、もう終わってる?」

 

「よーじゅんじゅん。おつかれー。」

 

「神島さん!?どうしてここに…。範囲は真逆じゃ…。」

 

「いやー、なんとなく、こっちに来た方が良さそうだったからよ。悪かったな。」

 

「いえ!僕達じゃ間に合ってなかったので…、本当にありがとうございました!」

 

「いーって。そんなの。困った時はお互い様だから。しかも、俺が来るまで持ちこたえてくれたメガネくんもいるからな。んじゃ、俺戻るわー。」

 

「待ってください、神島さん。」

 

「げっ…木虎。」

 

「げってなんですか。…ここに来る途中、C級のトリガーの反応が確認されました。神島さんも気づいてたと思いますが、その確認は?」

 

「あー、それがさっき言ってた、そこのメガネくんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

「よかったな。お手柄で誉められるぞ、オサム。」

 

「誉められないよ。…空閑には言ってなかったけど…、僕はまだ訓練生だ。基地の外でトリガーを使うことは許されてない。たぶん…、厳罰処分だ。」

 

「君か!」

 

「はい…。C級の三雲修です。他の隊員を待ってたら間に合わないと思い、自分の判断でトリガーを使用しました。」

 

「…そうだったのか!よくやってくれた!!」

 

「…えっ?」

 

「君がいなかったら間違いなく犠牲者が出ていた!」

 

 

 

じゅんじゅんは基本いいやつ。街の平和が守れたらモーマンタイなやつだからな。

 

 

 

「で、どーすんの?」

 

「彼と共に上層部へ行き、彼には然るべき処罰を。」

 

「なんでー?」

 

「…っ。C級がトリガーを使うことは隊務規定違反だからです。」

 

「彼がしたことは明確なルール違反。違反者を誉めるようなことはしないでください、嵐山先輩。他のC級隊員に示しをつけるためにも、ボーダーの規律を守るためにも、彼は規則に則り、処罰されるべきです。」

 

「おまえ…、遅れてきたのになんでそんなえらそうなんだ?」

 

「ぶっ!」

 

「なに?あなた。」

 

「オサムに助けられたもんだよ。」

 

「日本だと、いちいち人を助けるのに許可がいるのか?」

 

「…それはもちろん個人の自由よ。でも、トリガーを使って助けることには許可がいるの。当たり前でしょ?トリガーはボーダーのものなんだから。」

 

「なにいってんだ?トリガーはもともと近界民のもんだろ?おまえらはいちいち近界民に許可とってトリガー使ってんのか?」

 

「っ!」

 

「お!いいぞ!白髪の少年!」

 

「神島さんは黙っててください!」

 

「ていうかおまえ、オサムが誉められるのが気にくわないだけだろ。」

 

「なっ…!何を言ってるの!?わっ…私はただ、組織の規律の話を…。」

 

 

「おまえ…、つまんないウソつくね。」

 

「っ!!」

 

「ハイハイ…そこまでっ。現場調査は終わったから、回収班呼んで撤収するよ。」

 

「時枝先輩…!でも、」

 

「木虎の言い分も分かるけど、三雲くんの賞罰を決めるのは上の人だよ。オレたちじゃない。ですよね?嵐山さん、神島さん。」

 

「なるほど、充の言う通りだ!」

 

「その通りだし、ミッチーのヘアスタイルはいつ見ても良いマッシュルームだ。」

 

「今回の事は、ウチの隊と、神島さんで報告しておこう。三雲くんは今日中に本部へ出頭するように。」

 

「えっオレもかよ…。」

 

「処罰が重くならないように、力を尽くすよ!君には恩がある。本当にありがとう…!」

 

「そんな…こちらこそ…。」

 

「あー、じゅんじゅん。俺が三雲くん連れてくわ。色々聞きたいこともあるし。」

 

「神島さん?」

 

「オレの直感的には、迅に任せた方が良い気がする。」

 

「そうですか、分かりました!では、先に本部へ行ってきます!」

 

「おー、よろしこ~。」

 

「(…なんというかこの人は、掴み所がないな…。)」

 

「さーて、メガネくんと、白髪ボーイ。俺とちょっとおはなししよーぜ。」

 

「えっ?」

 

「ふむ?」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「よっしゃ。ほい、奢り。」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「お、ありがとう。カミジマさん。」

 

「んでよ、白髪ボーイ。おまえ、名前は?」

 

「空閑。空閑遊真。」

 

「遊真か。改めて、俺は神島天夜。ボーダーの隊員だ。」

 

「よろしくどうぞ。」

 

「ああ。よろしくな~。んで、メガネくん改め修。」

 

「おまえたち2人にはある奴にあってもらわんといかん。…そんな気がする。まぁ直感だ。」

 

「ある奴?」

 

「おう。迅って奴だ。ソイツに会っといた方がおまえらには色々お釣りが来る。てことで、とりあえず2人ともこれから、ボーダーに案内するわ。ついてこーい。」

 

「カミジマさんはボーダー長いの?」

 

「ん~まぁそうだな~。結成当初からいて…、今24だから…、14くらいからはいるかな?」

 

「修も災難だな~。人助けただけなのによ~。」

 

「いえ…、」

 

「ワリぃな。あのデコスケ、うるせぇからよ。」

 

「…でも、木虎は間違ったことは言ってなかったですよ。実際、僕はひとりで死にかけただけ…。皆を助けたのは、2人です。」

 

「はぁ~…。あのなぁ、」

 

「なにいってんだオサム?学校のやつらを助けたのはオサムだろ?」

 

「…えっ?」

 

「オサムが逃げ遅れたやつらをたすけて、そのあとやられそうになって、それをカミジマさんと俺が助けたんだろ?」

 

「そうだぞ。俺たちはおまえしか助けた覚えはねぇよ。」

 

「…!」

 

「まったく…、自分の手柄も他人に勘定してもらわなきゃダメなのか?めんどくさいやつだな、オサムは。」

 

「まったくだ。めんどくせーメガネ…。略してめガネだな。」

 

「何ですかそれ…。」

 

「んっ…?あれは…、」

 

「げっ…。あのデコスケ…。」

 

「おいこら木虎。何でテメーがこんなところにいる?」

 

「神島さん一人じゃ信用できないので。」

 

「張ったおすぞ。ソロで俺に全敗系女子が。」

 

「今それは関係ないでしょう!絶対に次は勝ちますから…!」

 

「ふむ、カミジマさんはキトラより強いのか?」

 

「まぁ一応。チームは組んでねぇけど。」

 

「それより三雲くん。随分嵐山先輩にチヤホヤされてたけど…、調子に乗らないことね。それと、私はあなたをエスコートしにきたわけじゃないわ。あなたが逃げないよう、見張りに来たのよ。」

 

「見張られなくたって逃げたりなんかしないよ。」

 

「簡単にルールを破る人間の言葉が信用できる?もう少し自分の立場を自覚した方が良いわね。」

 

「めっちゃ言うな、アイツ。」

 

「ふむ。なんであんなに突っかかるんだろう…。」

 

「多分あれだ。女の子のh「唇焼き切りますよ?」イハイチャイナ…。」

 

「三雲くんあなた…。ちょっと活躍してヒーロー扱いされたからって、調子に乗らないことね。」

 

「いや…、別に乗ってないよ、全然。」

 

「はっきり言って、あなたがいなくても私たちの部隊が事態を収拾してたわ。あなたはたまたま私より現場の近くにいただけよ!」

 

「いや、無理だから。」

 

「別に責めるつもりはないけど、おまえ全然間に合ってなかったから。」

 

「なっ…!」

 

「なんなの!?あなたいきなり!」

 

「いきなりじゃないよ、ずっといたよ。」

 

「なんであなたがついてきてるわけ!?」

 

「ついてきたのはおまえだろ?おれの方が先にいたんだよ。」

 

「オレはネイバーが出たとき学校にいたけど、おまえらを待ってたら確実に何人か死んでたぞ?もっとオサムに感謝してもいいんじゃないの?」

 

「部外者は黙っててくれる?さっきも言ったけど彼のやったことはルール違反。きちんと評価されたいなら、ルールを守ることね。」

 

「ルール違反なのはオサムだって知ってたわけじゃん。戦っても誉められるどころか、怒られるのをわかってて、それでもやっぱり助けに行ったんだから逆にエラいんじゃないの?」

 

「それとこれとは…、」

 

「なんか、オサムに対抗心燃やしてるみたいだけど、おまえとオサムじゃ勝負になんないよ。」

 

「ば、ばか言わないで!私がC級に対抗心なんて…!」

 

「おい空閑!相手はA級隊員だぞ!」

 

「おれA級とかよく知らんもん。」

 

「じゃあ覚えておきなさい!A級隊員はボーダー全隊員の上位5%のみ…、精鋭中の精鋭なの!!」

 

「精…鋭…?」

 

「何よその疑いの目は!?」

 

「ふむ…なら、カミジマさんはA級の中でもすごいのか?キトラが一回も勝てて無いんだろ?」

 

「まぁ、木虎の20倍は強い。」

 

「うっ…!神島さんは、本当に強いのよ…。腹立つ事に。」

 

「てへ~ごめんちゃ~い。」

 

「ぶっ飛ばしますよぉ!!さっきからぁ!!」

 

「めっちゃ切れた。」

 

「そ、そうだ!木虎。今日学校にネイバーが来たけど、何でなんだ?ボーダーには誘導装置があって基地付近にゲーとが開くよう、誘導してる筈じゃないのか?」

 

「そうね。C級には知り得ない情報だものね。教えてあげる。最近、誘導装置が効かないゲート…、イレギュラーゲートが発生してるの。」

 

「そんな…!速く対応しないと!」

 

「それは上層部がやってるわ。私達は防衛隊員。市民を守るだけよ。」

 

「ふむ。…キトラの言うとおりのようだ。」

 

「ほぉ?」

 

 

ブウゥゥゥンッ

 

 

 

 

「おいおい、忙しい日だな。」

 

「えー。またくんの?」

 

 

緊急警報

 

 

 

ゲートが市街地に発生します

 

 

 

 

市民の皆様は直ちに避難してください

 

 

 

 

「おー、でっけぇいるかだなぁ。」

 

「空閑…。コイツは?」

 

「イルガー…!珍しいな…。」

 

「イルガーは、爆撃用のトリオン兵だ。」

 

 

ゴゴゴゴゴッ

 

 

 

 

「街が…!」

 

「他の部隊は待ってられない…。私が行くわ!」

 

「僕も行く!」

 

「あなた…またでしゃばるつもり?そもそもあなた、空の相手になにができるの?」

 

「それは行ってから考える!」

 

「「トリガーオン!!」」

 

 

 

 

パキッ!

 

 

 

 

 

「っ!武器が…。」

 

「やっぱりC級ね。そこでおとなしくしていなさい。」

 

「キトラ。おまえ一人で大丈夫なのか?はじめて見る敵だろ?それに2体いるぞ。」

 

「愚問ね。私はA級隊員よ。あのネイバーは、私が始末するわ。」

 

「おー、がんばれがんばれ~。」

 

「カミジマさんは行かないのか?」

 

「…俺の直感だと、一体は俺がやらなきゃいけないんだけど…、もう一体は、なんでか知らんが片付けられるみたいだからな。木虎がやらない方に行くわ。」

 

「…なるほど。」

 

「修は…、言うまでもなく、市民の避難誘導行ってんな。流石だわ。」

 

「まっ、遊真も何か()()()()()()手伝ってやってくれ。そこの炊飯器みたいなヤツとな。」

 

「っ!!カミジマさん、気づいてたの?」

 

「俺自身はおまえがどういうヤツなのかは知らんよ。でも、俺のサイド・エフェクトがそう言ってる。」

 

「んじゃ、よろしく~。」

 

「…あの人、すごいな。」

 

「ああ、あの男。中々に読めん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「んじゃ、くそ生意気な後輩を応援するか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トリガー・オン」

 

 

 

 

 

 




以上でepisode1になります。

ちょっとどころじゃないくらい本編にづかづか入り込んでますこの主人公。


主人公のプロフィールをここで書こうと思います(唐突)



神島天夜

ポジション: オールラウンダー

年齢: 24歳 誕生日: 5月28日
身長: 186cm 血液型:AB型
星座: ねこ座 職業:大学院生
好きなもの:バスケ、ゲーム、カラオケ、ラーメン、酒

FAMILY
父、妹

PARAMETER

トリオン…8

攻撃…12

防御・援護…12

機動…8

技術…10

射程…6

指揮…7

特殊戦術…3

TOTAL 66




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episode2 期待しとけ

どうも。

ワートリ二期絶賛放送中ですが、ザキさんの声に若干の違和感を抱きながら、やはり面白いな~と思ってます。

それではどうぞ~。


あのネイバー…下にボンボン爆撃していってやがんな…。

 

デコスケは…、まあ上に乗るよね。

でも、う~ん、なんか色々起きて、最終的には大丈夫な気がすんな。

オレはもう一体の方やるけど…、木虎は間に合わねぇな。

 

倒すと同時に倒す?

 

どんぐらい硬ぇのかはわかんねぇけど…、まぁ気合いだなぁ。

フルパワーの旋空弧月で切れるんならいいんだけど…。

 

なるようになれの精神で行くしか無いね。仕方無いね。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「下が脅威なだけあって、上はがら空きね。」

 

 

「とか…、考えてたらヤバイなぁ。」

 

「ああ、そうだな。」

 

デロンッ

 

「っ!」

 

 

ドドドドドッ!!

 

 

「あっ。大丈夫か?」

 

シュウウウウッ

 

「…その程度?」

 

ズババババンッ!!

 

おお…、上から出た触手みてーなやつ斬って、穴空けて

銃でバンバン撃ってる…。ちょっとSっ気あると思ってたけど…。

 

あ、このまま落ちんのか…。そうなると…、市街地の方に突っ込んでくか。こりゃやべぇ。…でも、なんとなく大丈夫だなぁ。

 

「オサムとカミジマさんの頼みだ。行くぞ、レプリカ!」

 

「心得た。」

 

ギュゥゥゥウンッ!

 

「「鎖印(チェイン)」」

 

おお…、やっぱり遊真…。トリガー使いか。

 

てことは近界民?

 

強印・七重 (ブースト・セプタ)

 

「せぇっ!!のっ!!!」

 

 

グワンッ!!

 

「止まって!!っ!?」

 

 

ザバァァアンッ!!

 

 

 

おおすっげぇ。あのクソでかいイルカぶん投げたぞ。

 

おっと、俺の方もやんねぇとな。

 

「旋空…」

 

 

「弧月!!」

 

 

キインッ!!!

 

 

「おお、すごいな。通常状態とはいえ、真っ二つにするとは…。」

 

「ふぅ…しんど。修の方に行ってやんねぇとな。」

 

あいつもちゃんと仕事はできるタイプだけど、住民の被害とかに関してはまだ分かんないことが多いからね。

まぁ木虎に任せてもいいんだけども…、って、アイツもう行ってるわ。

 

それは好都合。遊真の所に行こー。

 

「よう、おつかれー。遊真。」

 

「カミジマさん。」

 

「すげぇな、そのトリガー。そこの炊飯器さんもトリオン兵?」

 

「どうする?レプリカ。」

 

「この男からは悪意は感じ取れない。よって、少々賭けだが…。」

 

「オッケー。ごめんよ、カミジマさん。隠してて。コイツはレプリカ。俺の相棒だよ。」

 

「お初にお目にかかる。私はレプリカ。自立式トリオン兵だ。」

 

「おお、すっげぇ。これはどうも。神島天夜です。」

 

「カミジマさんは俺を捕まえないの?」

 

「ボーダー的には捕まえたいと思うけど…、俺、ボーダーの意思とは無関係に動くからね。心配ないよ。」

 

「それに多分、俺じゃあ捕まえらんないよ。黒トリガーでしょ?遊真のそれ。」

 

「うん。これは親父が作ってくれたんだ。」

 

「そうか…。こっちに来た目的、聞こうと思ったけど、やめとく。けっこうきついだろうしな。それは、これから会うヤツに言ってくれ。」

 

「さっき言ってた…、ジンって人?」

 

「そーそ。遊真は今日は、ボーダーの敷地には入れねぇけど、いつか絶対にソイツと巡り会う。多分明日とか。」

 

「何でもわかんだね。カミジマさん。」

 

「そんなことねぇよ。マジで気まぐれに分かるからな。わかんねぇときもあるから、あんまアテにしてほしくねぇんだよ。お、あんま話してる場合じゃねぇな。デコスケと修が戻ってくるわ。」

 

「ふむ…。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「神島さん!さっきの戦闘ではどこにいたんですか!?」

 

「もう一体のイルカもどきをぶったぎってた。」

 

「あ…、そうでしたか。お疲れ様です。」

 

このデコスケ、いちいちうるせぇけど、素直なんだよな。まぁそれがなかったら貰い手は一生期待出来ない。」

 

「声に出てるんですが…。」

 

「あっ。とぅいまてん。」

 

「コロス。」

 

ギャアギャアギャアギャア

 

 

「…カミジマさんは賑やかだな。」

 

「でも、あの人が強い理由が…、なんとなく分かった気がするよ。」

 

「オサム…。」

 

「遊真、修。行くぞ。」

 

「あれ、キトラは?」

 

「ワイヤーで縛った。」

 

「何してるんですか!?神島さん!!外してください!!」

 

「頑張れ、A級(笑)」

 

「キイィィィィイッ!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ここがボーダーの本部だ。こっから悪いけど、遊真は入れん。部外者になっちゃうからな。」

 

「ふむ。分かった。じゃあなオサム。()()()()()()連絡くれ。」

 

「あ、ああ。分かった。」

 

「んっ…。やっぱり。迅がいる。」

 

「えっ?分かるんですか?」

 

「おう。それに、オサムも知ってる筈だ。」

 

 

 

 

「よっしゃ、入ろうぜ。」

 

「は、はい!」

 

プシュ

 

「ちーっす、お疲れっすー。」

 

「神島…。」

 

「ども、城戸さん。」

 

「来たか。」

 

「悪いねー。忍田さん。遅くなっちゃって。」

 

「木虎隊員はどうした?」

 

「うるせぇから縛ってきた。多分ベイルアウトしてこっちに向かってると思うぜ。」

 

「まったく貴様は!!」

 

「ごめんってたぬきちさん。」

 

「それで?この修をどうするんです?」

 

「決まっておろう!!クビだクビ!!一日に2回も規則を破って…。良いわけなかろう!!そもそもこういうヤツを炙り出す為にトリガーを持たせてるんだ!!」

 

「おーおーすげぇ言われてるね。メガネくん。」

 

「おー、迅。おひさ~。」

 

「どーもどーも、神島さん。ご無沙汰で。」

 

「私は三雲くんの処罰には反対だ。聞けば…、イレギュラーゲート発生時、一般人の避難に大きく貢献している。嵐山隊、神島からはそう聞いている。」

 

「まぁ実際事実っすよ。修が持ちこたえてくれなきゃ、間に合ってなかった。死人だって出てたと思うぜ。」

 

「ふむ…、なるほど。よく分かった。…だが、ボーダーの規則を守れんものは、ボーダーには必要ない。」

 

「…城戸指令。メガネくんの処罰、俺に預けてくれませんか?」

 

「何が見えている。」

 

「神島さんも同じのが見えてると思いますよ。」

 

「神島隊員。」

 

「言う言わないは俺の自由でしょ?」

 

「…そうだったな。」

 

「分かった。処罰は迅。おまえに任せる。」

 

「了解。さーて、行くか、メガネくん。」

 

「は、はい!」

 

「迅、任せたわ。」

 

「あれ、来てくれないんですか?神島さん。」

 

「うっせぇ。なんとなくそっちの方が良いんだよ。」

 

「はいはい。じゃあ行きましょ。神島さんとメガネくんは、俺が浮かんだヤツ、知ってるみたいだし。」

 

「あー、まぁ明日の朝にならんと分からんだろ。俺はランク戦行ってくる。」

 

「あ、また地獄のポイント稼ぎっすか?」

 

「アホ、見に行くだけだ。」

 

「またまた~。」

 

「うっせぇわ。あ、また玉狛行くわ。」

 

「お、あざっすあざっす。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ランク戦ブース

 

 

さてさて、誰かいるかな…。

 

黒江と緑川のお子ちゃまコンビは見つかるとめんどくさいから無視で、っと。

 

お、カゲいんじゃん。強い後輩探してんなぁ…。

 

「おーい。なにしてんの~。」

 

「天夜さん…。ソロ10本やろーぜ。」

 

「はえーよ。誘うのが。どんだけ戦闘狂なんだよテメー。」

 

「そう言わずに、やってくれや。暇なんだよこちとら。」

 

「今日は見に来ただけだ。またお好み焼き食いに行くから勘弁してくれ。」

 

「ちっ。しゃあねぇなぁ。」

 

「で?骨のありそうなヤツはいるか?あそこのお子ちゃま以外で。」

 

「はっ。あんたも分かってんだろ?雑魚ばっかだ。」

 

「まぁまぁ、しばらくしたらおもしれぇヤツが入ってくるから、期待しとけ。」

 

「あんたがそんなん言うの珍しいな。」

 

「まぁな。俺強いからな。」

 

「…やっぱり10本やろうぜ。」

 

「やりませーん。」

 

イラッ

 

「彼女いない=年齢が…。」

 

イラッ

 

「「…」」

 

 

「「トリガー」」

 

「なにやってんの2人とも。」

 

「「あっ!?」」

 

「ちっ、チビかよ。」

 

「お子ちゃまは帰れ~。」

 

「なにさ~!せっかく珍しい2人に会えたんだよ?ランク戦してほしいよ~!」

 

「はいはい。また今度。」

 

「それ96回目!!」

 

「他のボキャブラリーはねぇのかあんた。」

 

「うっせぇめんどくせぇんだよ。ほら、緑川、あれだ。オレンジジュース奢ってやるから。」

 

「そんなガキじゃないよ!」

 

「まぁもうちょいしたらおまえより強いヤツが入ってくるから、せいぜい犬っころでいとけ。」

 

「…ふーん。期待しとく。」

 

「あ、駿!…どうも、神島さん、影浦さん。すいません、駿が…。」

 

「よ~双葉。良いって良いって。気にすんなよ。元気してた?」

 

「はい、…でも、今回のスカウトでも、人材は見つかりませんでしたね…。加古さんも、タメ息吐いてました。」

 

「まぁそれはしょうがねぇな。でも…、しばらくしたら、強いヤツ入ってくるから、期待しとけ。」

 

「さっきからおんなじことしかいってねぇぞあんた。」

 

「うっせ。ボキャが無いんだよ。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

翌日。

 

本部でのほほんとしてましたわたくしに、連絡が…。

 

「迅から?」

 

ピッ

 

「おう、どした?」

 

「あ、神島さん?今時間あります?」

 

「ああ、大丈夫。なんだ?」

 

「遊真って子がイレギュラーゲートの原因を突き止めたから、駆除命令。」

 

「…それは頑張ったらお金貰えるヤツ?」

 

「うん、貰えるヤツ。」

 

「よっしゃ米屋捕まえて稼がす。」

 

「自分でやりましょうよ…。」

 

「あ、なるほど。それで修に功績移してB級昇格させるハラか。」

 

「ご名答。」

 

「しゃあねえ、修のためだ。しっかりやるわ。」

 

「お、ありがとうございます!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「よ~修。お疲れー。」

 

「あ、神島さん。この前はありがとうございました!!」

 

「良いって。よかったな。これでクビは無くなるし、B級昇格だ。」

 

「…でも、今回の原因を突き止めたのは空閑だし…、なんだか、モヤモヤします。」

 

「良いんだよ。強くなれるときは強くなっとけ。そうやって強くなるのは悪いことじゃない。」

 

「そうだぞ~メガネくん。…それにメガネくんは、守りたい子がいるから、ボーダーに入ったんじゃ無かったっけ?」

 

 

 

 

 

 

タッタッタッ…

 

 

 

 

 

To be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




以上です。

仕事で怪我をしまして、手首の皮の一部分がゴリッと捲れてしまいました。
すんごい痛い。

スマホ弄ってるとすんごいヒリヒリしてます。

皆さんも気を付けてください。


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episode3 神島天夜という男

どうもどうも。
尾ノ神龍は邪魔したくないという、ISの小説(駄作)も書いております。

お時間あれば目を通して頂けると幸いです。

それではどうぞ~。



翌日ですよ。

 

前、修の処分やらイレギュラーゲートのなんやらで集まったときに三輪がいたから、…多分尻尾つかんでる。遊真が近界民ってことに気づいた城戸派の面々は、遊真を始末しようとする。

 

でも、三輪隊だけなら遊真だけで大丈夫なんだけどな~。

 

…なんか、+1部隊来そう。でも、隊でじゃなくて、個人で。

こういう時の直感ってけっこう当たるからめんどくせぇなぁ。

 

ま、今は流れに任せよう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

晴れ渡る太陽のもと、ある人物を待つ少女。雨取千佳

 

彼女の目に写ったものは

 

 

 

キコキコ…ガシャンッ!

 

 

「ふーむ…。難しい。」

 

チャリ乗れない遊真()

 

「あの…、自転車の練習してるの?」

 

「うん、この乗り物が何でまっすぐに走るかまったく理解できん。日本人はすごいな。」

 

「(外国の子かな?)」

 

 

キコキコ…

 

雨取千佳は優しい子である。それこそ、初対面の白髪の少年の手助けをすることなど、全く気にしていない。

 

 

「お、おお!?走ってる!走ってるぞ!」←押してる

 

「これはだんだん掴めてきたぞ!掴めてきた…」

 

 

ドボンッ!!

 

…悪い方向に行くことはしょうがない

 

「あっ!」

 

「いやーすまんね。ありがと。ビショビショだな。」

 

「そっちもビショビショだよ?」

 

「俺、空閑遊真。よろしく」

 

「雨取…。雨取千佳。よろしくね。」

 

「人を待ってるんだ。オサムってやつ」

 

「私も…待ってるの。…オサム?…っ!」バッ!

 

 

 

ウーウー

 

「お、警報。」

 

「私…、行くね!」ダッ!

 

「おいおい、そっちは警戒区域…。」

 

ニュッ「彼女…。警報がなる前に気づいていたような…。」

 

「?」

 

 

 

ズズゥゥウンッ

 

彼女は潜む。警戒区域内だろうとお構い無し。

 

自分が近くにいれば、必ず近界民はこちらに向かってくる。そう確信しているからだ。

 

 

「(ここまで来れば…、街の方には向かわない…。…大丈夫。心を…、空っぽに…。)」

 

 

 

 

ある人物。それにあたる三雲修は雨取千佳との約束の場所に着く。…しかし、

 

 

「…アイツ…。どこ行ったんだ?」

 

ドーンッ!

 

「ネイバー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピロピロピロピロ!

 

「っ!!あっ…。」

 

 

ドゴォォォオンッ!!

 

「あ…。」

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん。」

 

「レプリカ、トリガー使って大丈夫?」

 

「待て。ボーダーと他のトリオン兵が交戦中だ。迂闊に使ってはバレる。」

 

「ふむ。じゃあどうする?」

 

「オサムが向かってきている。」

 

「お、オサムか。なら安心だな。」

 

「…オサム?」

 

 

「っ!あれは…。」

 

「捕獲用兼砲撃用トリオン兵、バンダーだ。砲撃直後の目を狙え。」

 

「分かった!」

 

「トリガー・オン!!」

 

ビュウゥゥウン!

 

「こっちだ!ネイバー!」

 

ウォォォオ!!

 

「アステロイド!」

 

ドドドドドッ!

 

三雲のアステロイド。トリオン量が少なく、数も疎らだが、バンダーの目玉を的確に撃ち抜く。

 

カッ!ボンッ!

 

「スラスターオン!!」

 

ボォッ!!

 

 

「うわっ!?はぁぁぁぁぁあ!!」

 

 

ザンッ!!

 

レイガストの専用オプション、スラスターを使い、バンダーを一刀両断する。その手際から、C級ではないと、容易に判断が可能だ。

 

「おー、見事な手際。やるなぁ修。」

 

「うーっ…。」

 

「お疲れオサム。大分板に付いてきたな。」

 

「千佳!なにやってるんだ!こんなところで!!」

 

「…ごめんなさい。街の方に行くと思ったから…。」

 

「空閑、今日呼んだのは千佳にあって貰うためだ。」

 

「ふむ。」

 

「コイツは、ネイバーを引き寄せるんだ。」

 

 

 

 

 

「な~るほど。直感で見た感じ、大分ぼんやりしてたけど、あの子と遊真がボーダーに入るんだな。…でも、遊真の方は…、もしかしたら入らねぇかもな。まだわかんねぇけど。」

 

不確定な要素に関わることはしない。

 

なぜなら、関わり、悪化することがあったからだ。

…仲間を失った時のように。

 

「…ま、今は様子見だな。どっちにしろ関わることになるだろうしな。」

 

 

 

 

「うーん。ネイバーに狙われる理由としたら、トリオン量ぐらいしか思い浮かばん。」

 

「トリオン?それとなんの関係が…。」

 

「大アリだよ。ネイバーの目的ってトリオンだからさ。」

 

「トリオン量が高い人間は、あっちの世界で軍隊として連れ去られて、少ない人間はトリオン器官だけとっていくんだ。とられた人間は死んじゃうけど。」

 

「…でも、千佳のトリオン量が高いって決まった訳じゃないだろ?」

 

「それは調べれるんだ。レプリカ」

 

ニュッ「はじめまして、チカ。私はレプリカ。遊真のお目付け役だ。」

 

「大丈夫。噛んだりしないよ。」

 

「早速だが、この測定器でトリオンを測ることができる。この取っ手を掴むだけでいい。」

 

「う、うん。でも、やっぱりちょっと怖いかも。」

 

「レプリカ、僕が先に測っていいか?」

 

「構わない。測定には少し時間がかかる。」

 

 

キイイインッ

 

「測定完了だ。」

 

「…この大きさは、どうなんだ…?」

 

「う~ん。近界民に狙われるならこの三倍は欲しい。」

 

「狙われたくないんだけど。…千佳、大丈夫だ。測ってみろ。」

 

「うん。修くんがそう言うなら。」

 

「少し時間がかかる。」

 

「ほぉ~。すげぇなレプリカ先生。自立式のトリオン兵って…。親父さんが作ったのか…?てか…、空閑…。!!そうか…、そういうことか…。」

 

 

 

 

 

 

 

キイィィィィインッ

 

「測定完了」

 

 

「おおー、すごいな。めちゃくちゃでかい。」

 

 

「私が今まで測った中でも、このクラスのは数える程しかない。」

 

「オサムが霞んで見えるな。」

 

「うるさい。」

 

 

 

「やはりそうか…。」

 

ザッ…。

 

 

「!!」

 

「動くな。ボーダーだ。」

 

「…ふむ。めんどくさいことになったな。」

 

「さーて、どれが近界民だ?」

 

「トリガーを使っていたのはあの女だ。」

 

「えっ…!」

 

「うわー。初めての人型近界民は女の子かー。滅入るわー。」

 

「気を抜くな。なにをしてくるか分からんぞ。」

 

「ちがうちがう。俺だよ、近界民は。」

 

 

「…そうか。それは事実だな?」

 

「うん、そうだよ。」

 

 

 

 

 

 

ドンッ!ドンッ!

 

 

 

ドサッ!!

 

「な…、なにやってるんですか!?」

 

「近界民は始末する。これはボーダーの意思だ。」

 

「おいおい…。俺が一般人だったらどうするんだ?」

 

「ひぇー。あれ防ぐか。」

 

「やはり、近界民。侮れないな。」

 

「あのさ、ボーダーにジンっていう人と、カミジマっていう人がいるんだけど、話してくんない?一応知り合いなんだけど。」

 

「迅…。神島さん…。ちっ…。やはり噛んでいたか。裏切り者の玉狛と。身勝手な最強が…。」

 

「最強…?」

 

「…おまえには関係ない。退け。三雲。俺たちは城戸指令の命で動いている。隊員同士の戦闘は隊務規定違反。だが、邪魔するようなら、実力で排除する。」

 

「…退きません!」

 

「…そうか。なら、近界民。貴様を2人がかりだが…、排除させて貰う。」

 

「2人…?へぇ…。おまえ…、おもしろいウソつくね。」

 

 

「勘づかれた…!?嘘だ…。」

 

「落ち着け。ヤツは一度もこちらを見ていないし、感知を受けた形跡もない。ハッタリでカマをかけているだけだ。」

 

 

「だが、確証は無いぞ。」

 

「…!二宮、さん。貴方も…?」

 

「ああ、おまえたちがしくじるようなら、俺がヤツを始末する段取りだ。」

 

「させねぇよ。」

 

「…!神島さん。それはあんたの意思か?」

 

「もちろん。邪魔するなら、ボコるぜ?」

 

「…。俺は、あんたに負けるつもりはない。No.1シューター。舐めないで貰おうか。」

 

「おお。久しぶりにやるなぁ。ニノとは。エスクード持ってきといて良かったわ。」

 

「アステロ…。」

 

「あ、悪い。」

 

 

 

 

 

「そっちにメテオラおいてんの、言ってなかったな。」

 

「!!」

 

 

 

 

ボゴォンッ!

 

 

「相変わらず、鋭い手だ…。」

 

「相変わらずシールドかってぇなおまえ。その暑苦しそうなスーツ、いつまで着続けんの?」

 

「俺の勝手だ。自由人。」

 

「でもまぁ、確かにニノとやんのは久々だからな。タチウオにも、たまには相手してやれよ?喜ぶぞ。」

 

「それはアンタにも言えることだろう。風間さんも言っていたが?」

 

「げっ。マジ?蒼也はクソ真面目だからめんどくせぇんだよ。遠征から帰ってくんなマジで。」

 

「…おしゃべりが過ぎたな。アンタをしっかり排除するとしよう。」

 

「俺は勝負する気は無いぜ?あっちが勝てばそれで良いからな。」

 

「…アステロイド+アステロイド」

 

「おっと…。エスクード」

 

「ギムレット」

 

魔王の糾弾。

 

それは無慈悲にもエスクードを貫く。

その威力には、並のトリオン量では歯が立たない。

 

 

だが、彼はNo.1オールラウンダー。

 

弧月22000ポイント

 

スコーピオン20000ポイント

 

シュータートリガー合計15000ポイント

 

締めて57000ポイントを持つ彼の頭には

 

 

 

 

既に終わりは見えている。

 

 

「旋空弧月」

 

 

ガキィンッ!

 

 

「甘い。」

 

 

ドドドドドッ!

 

 

「グラスホッパー」

 

 

ビュウンッ!

 

「(…向かってくる?だが、こちらの方が一手速い。)」

 

 

「残念。()()()()()()()()

 

ブンッ!

 

 

「(弧月を投げた?そんなもの当たる筈が…。)」

 

「はい、おまえの負け。」

 

 

「っ!?」

 

 

カッ

 

 

 

 

ドォンッ!!

 

 

 

シュウウウッ…

 

 

「…なるほど。()()()()()。」

 

()()()()()1つとは言ってないぜ?」

 

「確かにな…。相変わらず、将棋の様に詰めていくスタイルは目を見張るモノがある。」ピキピキ

 

「素直に称賛したら死ぬのかおまえは。」

 

「…次は勝つ。」

 

「次も勝つ。」

 

 

 

 

 

 

 

ドオンッ!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「しゃあ…、じゃあ行くぜ!幻踊!」

 

ビュンッ!

 

 

「…首狙いがミエミエだよ?」

 

 

「…と、思うじゃん?」

 

パクッ

 

ブシュゥゥウッ…

 

 

「っ!?(なんだ…?完全に避けた筈…。)」

 

「やっぱいきなり首はきついか~。いけると思ったんだけどな~!」

 

「陽介。俺もいく。」

 

「お、了解~!んじゃ、行くぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

「なんで空閑は反撃しないんだ?相手が相当強いのか?」

 

「…まず、第一にユーマが反撃しない理由として…、単純に相手の位置取りがうまい。1人に集中させず、即座に回避に移れる距離感。そして一方が攻撃に移っているとき、もう一方は、必ずユーマの死角にいる。…狙撃手もいる前提でユーマが動いているため、迂闊に反撃できない…。そして、もう1つ。オサム、お前が気がかりになっている」

 

 

「…!僕が…?」

 

「こうして来たボーダーに対して、バカ正直に撃退してしまえばオサムの立場がない。ユーマは今、いかに攻撃せず、相手を無力化するかを考えている。」

 

 

 

 

ドオンッ!!

 

 

 

「?なんの音だ?」

 

ドンドンッ!

 

「うおっと。(…上から攻撃するか。)」

 

ガシャアンッ!

 

 

ピュピュンッ!

 

 

ドッ!!

 

 

「…当たった!さすが奈良坂先輩…!」

 

「…今のは外れだ。(この距離で完全な死角からの狙撃でこの反応…。もうこの距離では当たらないな。)」

 

「古寺。俺はヤツが反応しても躱せない距離まで近づく。お前はここで牽制していろ。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

おーおー。さすが三輪隊だ。

 

けっこういい線いってんなー。

 

スナイパー組を不意打ちで獲っても良いんだけど…。

 

…へぇ!そういう能力か。

 

なら、別にやらなくて良いな。

 

迅も近くにいるし。

 

 

「いい加減観念したらどうだ?近界民。」

 

「いやいや、するわけないよ。」

 

「だろうな。…まぁ、降参しても始末するだけだ。」

 

ドンドンッ!

 

ブゥンッ…

 

 

ヒュッヒュッ!

 

 

「!?」

 

 

ドドドッ!

 

 

ガギィンッ!

 

 

「うおっ。なんだこれ、重た。」

 

 

お、鉛弾(レッドパレット)じゃん。…あーなるほど、それでやんのね。

 

 

「触れた物に重しを付ける仕組みだな。」

 

「なるほど…。こっちの世界のトリガー技術は中々だな。」

 

「ああ、かなり高度な技術だ。」

 

「な、何を呑気に言ってるんだ!来るぞ!」

 

「これで終わりだ、近界民。」

 

「解析完了。印は錨と射にした。」

 

「おっけ。(アンカー)+(ボルト)四重(クアドラ)

 

 

「!?」

 

ドドドドドッ!

 

 

「…くそ、なんだこれは!?(鉛弾と同じ…、いや、威力はそれ以上…!コイツのトリガーは…、他者のトリガーをコピーして数倍の威力で返す…。そんなトリガーがあり得るのか?)」

 

「…ヤッベー…。」

 

「さて、じゃあ…、お話しようか。」

 

「おー、けっこうやられたなー。油断したか?」

 

「ジンさん。いや、けっこう強かったよ。」

 

「先輩…。やられましたね。」

 

「ちょー恥ずかしい。」

 

「ちょうどレプリカ先生とばったり会ってね。」

 

「スナイパーは私が対処するつもりだったが、無駄な戦闘を省けた。」

 

「お前らがやられるのは無理もない。なんせ遊真は、黒トリガーだからな。」

 

「なっ…!」

 

「マジか…!」

 

「レプリカ…!黒トリガーって…?」

 

「黒トリガーとは、優れたトリガー使いが、全トリオンを注ぎ、命と引き換えに造るトリガーのことだ。そのトリガーはとても強力だが、トリガー自身が使用者を選ぶ。」

 

「そういうこと。だから、お前らが負けるのも無理はない。諦めろ。」

 

「諦めろ…?冗談じゃない…。近界民は…、1人残らず始末する…!!緊急脱出!!」

 

ドオンッ!

 

「うおっなんだ?」

 

緊急脱出(ベイルアウト)。任意、もしくはトリオン体が破壊された時、正隊員は本部へ帰還できる仕組みだ。」

 

「ふむ。やられても逃げれる仕組みか。…そういえば、さっきも同じ音がしたけど…。」

 

「それは俺がやっつけた奴が飛んでった音だ。」

 

「あ、カミジマさん。やっつけた奴って?」

 

「魔王。」

 

「?」

 

「スーツ着てる魔王。」

 

「???」

 

「まぁそれは置いとこう。遊真、お前も修のことあんまし言えねぇくらい他人のこと考えてただろ。」

 

「まぁ、オサムには借りがあるからね。」

 

「…まぁ、これからゆっくりちょっとずつ返していけ。言わなくてもわかってると思うけど。だからまぁ…、()()()()。」

 

「…どういう意味?」

 

「…。」

 

「レプリカ?」

 

「まぁまぁ、とりあえず秀次の隊だけじゃあ報告が偏るから、迅。お前も行け。んで、よーすけ。宇佐美ヲタ。変態スナイパー2号も帰れ。」

 

「了解っす。」

 

「またバトりましょーよ。天夜さん!」

 

「宇佐美さんヲタ…。」

 

「変態スナイパー…。貴方もオールラウンドなへんた…」

 

「蜂の巣にしてやろうかキノコ。」

 

 

 

 

 

To be contened

 

 




以上です。

ペースとしては不定期ですが、固まりしだい投稿していこうと思います。
戦闘描写がやっぱり難しい…。

まぁ主人公は結局マイペースなんで、二宮さんにもあんな感じです。
普段は仲良いです。
加古さん炒飯の被害者の会の両方幹部です。(会長、つつみん。)

それではまた次回


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episode4 理由

どうも。

最近寒くなったり暖かくなったり、体温調節がままなりません(変温動物)

仕事も休みが続いております。のんびりのんびりやっていこうと思います。
感想、評価、ご覧になってくださってる方々、本当にありがとうございます。感謝しかございません。

それではどうぞ。




「さてと…、修。お前もどっちにしろ、呼び出しはかかると思う。あれだったら迅と一緒に行ってこい。」

 

「分かりました。僕も行きます。空閑と千佳はどこかで待っててくれ。」

 

「うん。」

 

「OK。」

 

「千佳。空閑はまだ日本のことよく知らないから、面倒見てやってくれ。」

 

「うん。わかった。」

 

「じゃあ2人とも、またあとで。」

 

「神島さんはどうするんすか?」

 

「お前らが後々()()()()()()()先に行ってるわ。」

 

「おっ、了解っす!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

本部指令室

 

 

 

「…なるほど。報告ご苦労。」

 

「まったく…。またお前か…。いちいち面倒を持ってくる奴だ。」

 

「しかし黒トリガーとは…。そんな重要なことをなぜ隠していたのかね?ボーダーの信用に関わることだよ。」

 

「三雲くんなりの考えがあってのことだろう。迅の話によれば、結果的に三雲くんは、現在まで黒トリガーを抑えている。」

 

「そうだとしても!我々に報告する義務がある!一隊員の手に負えることじゃなかろう!」

 

「その通り。何せ相手は黒トリガーですからねぇ…。」

 

「(報告してたら大事になって、より面倒なことになっただろうな…。)」

 

「考え方を変えましょう」

 

「その黒トリガーが味方になるとしたらどうです?」

 

「メガネくんはその近界民の信頼を得てます。彼を通じてその近界民を味方につければ、争わずして大きな戦力を手に入れられますよ?」

 

「それはそうだが…。」

 

「そううまくいくものかねぇ?」

 

「…確かに黒トリガーは戦力になる。…よし分かった。」

 

 

 

「その近界民を始末して、黒トリガーを回収しろ。」

 

 

「なっ…!」

 

「ふむ…。それなら何も問題はありませんねぇ。貴重な黒トリガーだ。逃す手はない。」

 

「間の悪いことに、A級一位から三位までの隊は遠征中だが、正隊員をすべて使えばやれんことはなかろう。」

 

「馬鹿な…!それでは強盗と同じだ!それにその間の防衛任務はどうする気だ!?」

 

「部隊を動かす必要はない。黒トリガーには、黒トリガーをぶつければいいだろう。」

 

「!」

 

「えっ…!?(黒トリガーを?)」

 

 

「迅。黒トリガーの捕獲を命じる。」

 

 

 

 

 

…やっぱりか。ネイバー絶対許さないぞ系男子の城戸さんだからなぁ。玉狛とのパワーバランスがひっくり返るのは嫌だもんな。さてさて、場合によっちゃ、手を貸さないとな。

 

まぁ、アイツも頼るときは頼るだろ。

 

俺もそれを、支えてやれるなら支えてやりたい。

 

秀次に関してだってそうだ。

 

近界民を恨む理由も痛いほど分かる。姉ちゃん殺されてんだから。

家を壊された奴だってボーダーには死ぬほどいる。

迅だって母親を殺されている。

 

 

ダメだ…。大切に思いすぎたらダメだ。

 

失った時…、傷がでかすぎる。

 

もう…、失いたくねぇよ。

 

 

A級はチームでじゃないと上がれない。

 

でも、今チームは組んでねぇ。解散したわけでもねぇ。

 

今でも、「神島隊」はある。

 

 

 

…、話が脱線したわ。

 

とりあえず、玉狛に行くか!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おお~。いい感じの所だな。」

 

「そうかな。」

 

「人が来ないし、ときどき隠れ家に使わせてもらってるの。」

 

「ほほう。しぶいね。まぁ飯でも食ってオサムを待とうぜ。」

 

「うん。」

 

「…遊真くんって…、本当に近界民なんだよね?」

 

「ほうだよ。」モグモグ

 

「あ、でもこの街を襲ってるやつらとはカンケーないよ。」

 

「うん。修くんにそう聞いた。…あのね。遊真くんに訊きたいことがあるんだけど…。」

 

「ふむ?」

 

「近界民にさらわれた人は軍隊に使われるって言ってたでしょ?それって…、どんなふうに使われるの?」

 

「ふーむ。それは…、さらわれた国によるかな。」

 

「国…?」

 

「そう。あっちの世界にもたくさんの国があって、それぞれの国でスタイルが違うんだよ。こっちの世界に来てる近界民も、同じに見えて別々の国の近界民だったりする。」

 

「だから、さらわれてった国の状況とか…、いろんな事情で話は変わって来るけど、トリオン能力が高い人間は、向こうでも貴重だから、ほとんどの場合は戦力として、けっこう大事にされてると思うよ。チカとか超大事にされるかも。」

 

「じゃ、じゃあ…、さらわれた人がむこうで生きてるってことも…。」

 

「普通にあると思うよ。」

 

「そっか…。そうなんだ…。」

 

「なんだ?だれか知り合いがさらわれたのか?」

 

「…ううん。違うの。ちょっと気になっただけ…。」

 

「…おまえ、つまんないウソつくね。」

 

「えっ。」ギクリ

 

「こっちだけにしゃべらせて、そっちはヒミツかー。まぁいいや。あとでオサムに訊こう。」

 

「ええ!?わぁごめん!まってまって!!」

 

「…えっとね…。ほんとはそうなの。近界民にさらわれたの。」

 

「小学校のとき、なかよくしてくれた友達と、わたしの…お兄さん。2人がさらわれたのはわたしのせいなの。2人とも、わたしが相談なんかして巻き込んだから…。」

 

「なるほどね…。だからもう、他の人には頼りたくないって言ってたわけか。ボーダーとかにも。」

 

「うん…。だって、迷惑かけるだけだから。」

 

「まぁキモチは分からんでもないけどなー。おれも今回、オサムとチカを巻き込んだし…。おれと一緒にいたせいで、オサムの出世をふいにしたかもしれん。だとしたらもうしわけない。」

 

「それは大丈夫だよ。修くんはたぶんそんなこと気にしてない。」

 

「自分の意思でやったことだ。おまえが気にすることじゃない。」

 

「…って言うよ。たぶん。」

 

「うーむ。言いそう。」

 

「修くんはさっきも、自分じゃなくて、遊真くんの心配してたよ。」

 

「あいつは他人の心配と自分の心配のバランスがおかしいからな。そもそもおれを心配する理由なんかないのに。」

 

「え?でも、ボーダーの人が遊真くんを狙ってくるんでしょ?」

 

「ボーダーが何人で来ようと本気でやれば、おれとレプリカが負けるような相手はいないよ。」

 

「…いや、2人、いるか。」

 

「…あのおでこにサングラスの人と…、ちょっと気だるそうな人…?」

 

「迅さんは、たぶん相当強い。神島さんも、前に「おまえには勝てねぇ」って言ってたけど、まだ()が見えない。しょーじき相手にすると、一番しんどいと思う。」

 

「じゃあ、あの人たちが追手になったら…!」

 

 

「会議は終わりだ。速やかに任務を遂行しろ。」

 

「…いいや。そうはならないよ。」

 

 

「それはできません。」

 

「何ィ!?」

 

「どういうことかね?迅くん。最高司令官の命令に従えないと?」

 

「おれは玉狛支部の人間です。城戸司令に直接の指揮権はありません。おれを使いたいなら、林藤支部長を通してください。」

 

「何をまどろっこしいことを…。結局は同じことだろうが。」

 

「…林藤支部長。命令したまえ。」

 

「やれやれ…。支部長命令だ。迅、黒トリガーを捕まえてこい。」

 

「はい。」

 

「…!」

 

 

「ただし、やり方はおまえに任せる。」

 

「…!?」

 

「了解、支部長(ボス)。実力派エリート迅。支部長命令により、任務を遂行します!」

 

「(迅さん…!)」

 

「林藤…!」

 

「ご心配なく、城戸さん。ご存じの通り、ウチの隊員は優秀だから。」

 

「さぁて、行くかメガネくん。」

 

「…はい!(この人は…、やっぱり他の人と違う…!)」

 

「玉狛なんぞに任せてはおけん!忍田くん、本部からも部隊を出せ!」

 

「城戸司令が決めたことだ。迅に任せればいいだろう。」

 

「それはそうだが…!」

 

「三雲くん。ちょっといいかな。」

 

「…えっ?はい…!」

 

「君の友人の近界民が、こっちに来た目的は何なのか。君は聞いてないか?」

 

「目的…ですか?」

 

「そうだ。「相手が何を求めているか」それがわかれば交渉が可能だ。たとえ別世界の住人でも。」

 

「交渉…!?近界民相手に何を悠長な…。」

 

「排除するより利用できないかと考えてしまうんですよ。根が欲張りなもので。」

 

「目的…。そういえば、「父親の知り合いがボーダーにいる。その知り合いに会いに来た。」…たしか、そう言ってました。」

 

「ボーダーに知り合い…!?だれのことだ?」

 

「いや、名前は聞いてないんですが。」

 

「曖昧すぎて何の足しにもならん話だな!」

 

「キミの作り話じゃないだろうねぇ?」

 

「その「父親」の名前は?…いや、きみの友人の名前でもいい。」

 

「父親の名前は分かりませんが、ソイツの名前は…、空閑遊真です。」

 

「…空閑!?」

 

「空閑…!?」

 

「空閑…だと…!?」

 

「(…どうなってるんだ…!?空閑の親父さんって…、いったい何者…!?)」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そういえば、遊真くんはどうしてこっちの世界に来たの?」

 

「親父が死んだから。」

 

「えっ。ご…ごめん。」

 

「いいよ。そんなべつに。」

 

「たしか俺が11のときに親父が死んだ。「もしオレが死んだら日本に行け。知り合いがボーダーっていう組織にいる筈だ。」親父がそう言ってたから日本に来たんだ。」

 

「親父はボーダーのことを、こっちの世界と近界民を繋ぐ、橋になる組織だ。って言ってたけど、親父に聞いてた話とはだいぶ違うなって思った。」

 

「そうなんだ。お父さんはどんな人だったの?」

 

「変な人。…たとえば、俺が6歳の時に聞いた教えがあるんだけど…。」

 

「その1。「自分のことは自分で守れ。」」

 

「その2。「正解は1つじゃない。」」

 

「そしてその3。「親の言うことが正しいと思うな。」」

 

「…!?」

 

「…な?」

 

「まぁそういう親父だったから、こっちの世界が親父の話とちがってても、そんなにびっくりしなかったよ。…問題は、「親父の知り合い」が、まだボーダーにいるかどうか、だな。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「空閑の親父さんが上層部の人たちと知り合いなら、空閑ももう大丈夫ですよね?」

 

「うーん。どうかな。」

 

「えっ…。」

 

「メガネくんもなんとなく気づいてると思うけど、今、ボーダーは大きく分けて、4つの派閥に分かれてるんだよね。」

 

「派閥…?」

 

「近界民に恨みのある人間が多く集まった、「近界民は絶対に許さないぞ主義」の城戸さん派。」

 

「近界民に恨みはないけど、街を守るために戦う、「街の平和が第一だよね主義」の忍田さん派。」

 

「そして…、「近界民にもイイやついるからなかよくしようぜ主義」の我らが玉狛支部。」

 

「で、まぁ、城戸さんとウチの考えは真逆だから、大体対立するのはココなんだよね。」

 

「…なるほど。」

 

「今までは、城戸さん派が一番でかい派閥で、王者の余裕で見逃してもらってた所もあるけど、もし遊真とウチが手を組んだら、たぶんそのパワーバランスがひっくり返る。」

 

「…!空閑1人でそこまで…!?」

 

「黒トリガーってのはそれだけ強力なんだ。だから城戸さんも必死になってる。」

 

 

 

「問題はどうやって捕らえるかだ!迅より…、玉狛より早く黒トリガーを確保せにゃならん。やはり、正隊員を総動員するしかあるまい!」

 

「うーん…。それはどうでしょうかねぇ。あの三輪隊と、二宮くんがやられる相手ですよ?二宮くんは神島くんにやられましたが…。いくら人数がいたとしても、B級で歯が立ちますかねぇ?」

 

「それは…。しかし…!だからといって手を打たんわけにはいくまい!」

 

「大部隊を動かせば目立ちますし、私はリスクが大きいと思いますねぇ。」

 

「唐沢くん。きみの意見は?」

 

「私は兵隊の運用は専門外なので…。」

 

「かまわん。聞かせてくれ。」

 

「そうですね…。今は特に、何もしなくていいのでは?」

 

「何ィ!?」

 

「黒トリガーは玉狛に任せては問題ないでしょう。むしろ、居所がわかって好都合。「奪い取る」という方向で考えた場合、今はただ条件が整うのを待つべきでしょう。」

 

「条件が整う…?手をこまねいて何が整うというのかね?」

 

「…なるほど。あと数日待てば、遠征中のトップチームが帰還する。」

 

「!!」

 

「おお!」

 

「…いいだろう。遠征組の帰還を待ち、三輪隊、二宮隊員と合流させて、合同チームで黒トリガーを確保する。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「お、きたきた。オサムと迅さん。」

 

 

 

 

「オサム、えらいひとに叱られた?」

 

「いや…、まぁ叱られたけど、処分はひとまず保留になった。」

 

「おー、そりゃよかった。一安心だな。」

 

「まだ安心じゃない。ボーダーがおまえのトリガーを狙ってくる可能性があるんだ。」

 

「ほう。」

 

「…これからどうすればいいですか?迅さん。」

 

「うーん、そうだな。」

 

「…いろいろ考えたけど、やっぱシンプルなやり方が一番だな。」

 

「シンプルなやり方…?」

 

「うん。遊真…、おまえ」

 

 

 

 

「ボーダーに入んない?」

 

 

 

 

「…俺が…!?」

 

「空閑をボーダーに入れる…!?」

 

「おっと。別に本部に連れてくわけじゃない。ウチの支部に来ないかって話だよ。」

 

「ウチの隊員は、近界民の世界に行ったことがあるやつが多いから、おまえがむこう出身でも騒いだりはしないぞ。とりあえず、おためしで来てみたらどうだ?」

 

「ふむ…。オサムとチカも一緒ならいいよ。」

 

「「!」」

 

「よし、決まりだな。」

 

 

 

 

「…迅さん。」

 

「うん?」

 

「さっき言ってた派閥の話…。あと1つの派閥って?」

 

「あー。…その派閥は言うなれば、」

 

 

 

「自由人」

 

「身勝手」

 

「最強」

 

「仕事はやるし、近界民のことも理解してる。でも一番は」

 

 

 

「やりたいようにやる派閥。まぁ…1()()だけどね。」

 

「その人って…。」

 

「うん。()()()()()()()()。」

 

 

 

 

 

To be contened

 

 

 

 

 




以上でepisode4です。

…玉狛にいる主人公と会わせるまで書こうと思ったんですが、引っ張ったほうがスッキリ区切れると判断したのでここで終わりです。


それではまた次回。



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episode 5 面白そうだからな

どうも。

前回の駄作()と違い、かなりの高評価をいただいております。
大変恐縮でございます。
…先に言っとくと、主人公は遊真を守るために動きます。
それではどうぞ。


「さぁ着いた。ここが我らがボーダー玉狛支部だ。」

 

「川の真ん中に建物が…!」

 

「ここは元々何かの施設で、使わなくなったのを買い取って、基地を建てたらしい。いいだろ。隊員は出払ってるみたいだけど、何人かは基地にいるかな?」

 

「(玉狛支部の隊員…。やっぱりみんな腕利きなのか…?)」

 

「ただいま~。」ガチャッ

 

 

 

 

 

そこにいたのはカピバラに乗るお子さま…否、カピバラに乗れず、涙を浮かべている、林藤陽太郎。…なぜ乗れない?雷神丸が拒否?

 

 

 

24の大人が占領していた

 

 

 

「ずるいぞてんや!おれのらいじんまるだぞ!」

 

「ははははは!甘いんだよ陽太郎!見ろ、この雷神丸の華麗な足さばき!並みの操縦では不可能だぞ!」

 

「…!?」

 

「陽太郎…。神島さん。今、誰かいる?」

 

「…しんいりか。」ズビッ

 

「お。お疲れ、迅。」

 

「あの~…、流石に大人げないですよ?」

 

「うっせぇ。」

 

「迅さんおかえり~。あれ、もしかしてお客さん!?うわ~やっぱり天夜さんすごいなぁー!このためにお菓子持ってきてくれたんですね!」

 

「まぁ全部陽太郎と食ったけど。」

 

「それ意味ないじゃ無いですか!?うぇえ~!ちょっと待ってて!」

 

「ふっ…。オレに頼るからそうなる。」

 

「もう神島さんに頼るの控えようかな。」

 

「遊真?おじさんそれは悲しいよ?」

 

 

「どらやきしかなかったけど…、でもこのどらやきいいやつだから!たべてたべて!アタシ宇佐美栞。よろしくね!」

 

「これはこれは立派なものを…。」

 

「いただきます…。」

 

にゅっ

 

じー…

 

「あ、陽太郎!あんたもう自分のどら焼き食べたし、天夜さんと一緒にお菓子食べてたんでしょ!」

 

「あまいなしおりちゃん。そのていどでまんぞくするおれではない。」

 

どしっ!

 

「わるいなちびすけ。おれはこのどらやきというものに興味がある。」

 

「ぶぐぐ…。おれのどらやき…。」

 

「ははははは!!残念だなぁ陽太郎!俺はまだ食ってないからここにあるんだよなぁ!あぁぁ!!うめぇなぁ!!くそうめぇなぁ!!」

 

「むきぃぃぃっ!!てんやぁ~!」

 

「…こういう大人になったら駄目だよ?」

 

「は、はは…。」

 

「…良かったら、わたしのあげるよ?」

 

「…!きみかわいいね。けっこんしてあげてもいいよ。」

 

「あ、あはは…。」

 

「おれとけっこんしたら、らいじんまるのおなか、さわりほうだいだよ。こうすると…。」グイグイッ…

 

 

グイグイッ…

 

グイグイッ…

 

「…さわりほうだいだよ?」ぐすんっ

 

「(なんなんだ、このゆるい感じ…。本当にボーダーの基地なのか?)」

 

「…なんていうかここは、本部とは雰囲気が違いますね。」

 

「まぁウチは、スタッフ全員で10人しかいないちっちゃい基地だからねー。」

 

「でも、はっきり言って強いよ。」

 

「!」

 

「ウチの防衛隊員は、迅さん以外に3人しかいないけど、みんなA級レベルのデキる人だよ。玉狛支部は少数精鋭の実力派集団なのだ!」

 

「全員A級…!?」

 

「キミもウチに入る?メガネ人口増やそうぜ!」

 

「あの…、さっき迅さん…、が言ってたんですけど、宇佐美さんもむこうの世界に行ったことあるんですか?」

 

「うん、あるよ。一回だけだけど。」

 

「じゃあ…、そのむこうに行く人間って、どうやって決めてるんですか?」

 

「それはねー。A級隊員の中から、選抜試験で選ぶんだよね。()()()チーム単位で選ばれるから、アタシもくっついて行けたんだけどねー。」

 

「ふむ?大体?」

 

「俺とかは勝手に遠征に突っ込まれたりすることあんだよ。めんどくせぇ。」

 

「…勝手に。」

 

「それだけ実力があるってことだよ!天夜さん、大分前に1人で遠征行ったんでしょ?てか遠征艇はどうやって動かしてたの?私それずっと気になってたんだけど。」

 

「あほ。企業秘密に決まってんだろ。」

 

「A級隊員って…、やっぱりすごいんですよね…。」

 

「400人のC級、100人のB級の、さらに上だからね。そりゃツワモノ揃いだよ。」

 

「よう、3人とも。親御さんに連絡して、今日はウチに泊まってけ。ここなら本部の人たちも追ってこないし、空き部屋もたくさんある。宇佐美、面倒見てやって。」

 

「ラジャ。」

 

「遊真、メガネくん。来てくれ。ウチのボスが会いたいって。」

 

 

 

「失礼します。2人を連れてきました。」

 

「おっ、来たか。」

 

「おまえが、空閑さんの息子か。はじめまして。」

 

「どうも。」

 

「おまえのことは、迅と三雲くん、天夜から聞いてる。ウチはおまえを捕まえる気はない。ただ、ひとつだけ教えてくれ。おまえ、親父さんの知り合いに会いに来たんだろ?…その相手の名前を教えてくれないか?」

 

「…モガミソウイチ。親父が言ってた知り合いの名前は…、モガミソウイチだよ。」

 

 

「…そうか…。やっぱり最上さんか…。」

 

「最上宗一は、ボーダー創設メンバーの1人、天夜も創設メンバーだから、よく知ってた。おまえの親父さんのライバルでもあり、そして、迅の師匠…だった。」

 

「(だった…?)」

 

 

 

「この迅の黒トリガーが、最上さんだ。」

 

「…!?」

 

「じゃあその人は…。」

 

「最上さんは五年前に、黒トリガーを残して死んだ。」

 

「…そうか…。このトリガーが…。」

 

「最上さんが生きてたら、きっと本部からおまえのことを庇っただろう。おれは新人のころ、空閑さんに世話になった恩もある。その恩を返したい。天夜は自由にやれるから、個人的に良くはしてくれてると思うが、俺は俺の手の届く範囲じゃないと庇えねぇ。…どうだ?玉狛支部に入んないか?」

 

「…それは…。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「空閑にとってもいい話だと思ったのに…。どうして断ったんだろう…。」

 

「いろいろあんだよ。アイツにも。」

 

「神島さん…。」

 

「大方話は読めた。レプリカ先生…。アイツは、もう…、」

 

「…ああ…、」

 

 

 

 

「悪いね。迅さん。せっかく誘ってくれたのに。」

 

「別にいいさ。決めるのは本人だ。おまえが後悔しないようにやればいい。」

 

「…そうだ。それよりも、おまえの話、聞かせてくれよ。」

 

「今までの、おまえと親父さんの話。」

 

「カミジマは分かってるようだが…、オサムにも話しておこうと思う。」

 

「…?」

 

「ユーマが、こちらの世界に来た理由を。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

遊真がこっちに来た理由…、ざっくり言うと、こうだ。

 

 

四年ほど前、遊真とその親父さんは、近界民の戦争に参加していた。

 

だが、遊真は敵にやられ、瀕死だった。

 

その時、親父さんは、遊真を助けるため、黒トリガーを作った。

死にゆく遊真の肉体を、トリガーの内部に封印。新しい身体をトリオンで作り、遊真は命をつなぎとめた。

 

すべての力を使いきった親父さんは、遊真の目の前で、死んだ。

 

その時、黒トリガーと共に、遊真は親父さんの「嘘を見抜く」というサイド・エフェクトを受け継いだ。

 

そこから3年、親父さんの代わりに戦い続け、強くなった。

 

戦争は終結し、味方の勝利に終わったが、達成感はなかった。

その時、レプリカ先生が提案した。

親父さんの友人がいる、この世界に行ってみないか…と。

 

 

遊真の身体は、今も僅かずつだが、死へ向かっている。

レプリカ先生の目的は、こっちの世界に来て、遊真の身体を元に戻すことだった。

 

だが、遊真は違う。

親父さんが全てを注ぎ込んだ黒トリガーから、親父さんを蘇らせることができないかと考えていた。

 

でも、さっきの宗一さんの件で、ボーダーでも不可能だということが分かってしまった。

 

 

おれはさっき、言いかけた言葉…。それはやはり、的中していた。

 

 

「遊真にはもう、生きる上での目的はない。」

 

 

 

 

「おまえ、これからどうするつもりだ?」

 

「そうだな。こっちだと近界民は肩身が狭いし…、親父の故郷だけど、おれがいるところじゃないな。」

 

「おれは、むこうの世界に帰るよ。」

 

 

 

「願わくば、オサム。ユーマに目的を与えてやってほしい。ユーマには、それが必要だ。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おれがこっちに来た理由はもうなくなった。これ以上いても、ゴタゴタするだけだからな。…けど、この何日かは面白かったな。久々に楽しかった。」

 

「…そうか。これからもきっと、楽しいことはたくさんあるさ。おまえの人生には。」

 

 

 

「(空閑に目的を与える…?ぼくに、そんなことができるのか?)」

 

「…修。おれからもお願いするぜ。遊真に、目的を与えてやってくれ。」

 

「でも…、ぼくに、出来ますかね?」

 

「…おまえならできる。…()()()()()()()()。」

 

「…!」

 

「修くん。天夜さん。ちょっといいかな?」

 

 

 

「ボーダーに入りたい…!?おまえが…!?」

 

「…うん。」

 

「防衛隊員になるってことか!?危険だぞ!」

 

「うん…。」

 

「いや~ごめんね。てっきり千佳ちゃんも迅さんがスカウトしたのかと思って、あれこれしゃべってたら千佳ちゃん食いついちゃった。アタシ的には大歓迎なんだけど、一応修くんにも報告しとこうと思って。あと、天夜さんからも何か聞いた方がいいかなってサイド・エフェクトが。」

 

「…お前、ある意味俺よりすごいサイド・エフェクトだわ。」

 

「それほどでも♪」

 

 

「…千佳、おまえ。ボーダーに入ってどうする気だ?」

 

「…いろいろ考えたけど、やっぱりわたし、兄さんたちを捜しに行きたい。他の人に任せるだけじゃなく、自分でも捜しに行きたいの。」

 

「じっとしてられない。ちょっとでも可能性があるなら…。」

 

「いいんじゃねぇの?」

 

「神島さん…!」

 

「千佳。おまえが入りたいっていうなら止めねぇ。でも、守ってやる。でも、自分でも守るんだ。()()()()()()()。」

 

 

「…はい!」

 

「…言い返事だな。修。もうこの子は言っても聴かねぇぞ。…さぁ、どうする?」

 

「…!千佳。ちょっと相談がある。」

 

 

 

「ふーっ…。頼むぜ、修。あ、宇佐美。」

 

「ハイハイ。どしたの?」

 

「ちょっとトリガー弄るからよ。手伝ってくれ。」

 

 

 

「空閑。」

 

「おーオサム。どうした?」

 

「…千佳が、ボーダーに入るって言ってる。」

 

「ほう?」

 

「近界民にさらわれた、兄さんと友達を捜しに行きたいんだそうだ。」

 

「あーなるほど。オサムはどうすんの?」

 

「止めようかと思ったけど、止めても聞きそうになかったから、手伝うことにした。ぼくは千佳とチームを組んで、玉狛支部からA級を目指す。」

 

「おー。面白そうだな。」

 

「おまえも一緒にやんないか?」

 

「…!」

 

「おまえに嘘ついても仕方ないから言うけど、親父さんの話、おまえがこっちに来た理由。全部聞いた。」

 

「うん。…残念ながら、ムダ足だったけどね。」

 

「おれはもう、こっちでやることはなくなった。」

 

「…だったら、おまえの力を貸してくれ。千佳が兄さんたちを捜しに行けるように。今のぼくと千佳だけじゃ、A級まで上がるのは難しい。実力のあるリーダーが必要なんだ。」

 

「ふむ…。オサムは相変わらず面倒見の鬼だな。相手がチカだからとはいえ…。」

 

「なっ…!」

 

「いや、オサムは誰が相手でもそうか。そしてたまに死にかける。」

 

「ぐっ…。」

 

「…、親父がおれを助けて死んだとき、親父は笑ってた。その理由がおれには分かんなかった。なんであの時笑ってたのか、それを親父に、聞いてみたかった。」

 

「…。」

 

「けど、そのへんちょっとオサムは似てる気がする。…、オサムはなんで死にかけても人を助けるんだ?」

 

「…ぼくはただ、自分がそうするべきと思ったことから、一度でも逃げたら、きっと、本当に戦わなきゃいけない時にも逃げるようになる。…自分がそういう人間だって知ってるんだ。」

 

「だからぼくは人のためにやってるわけじゃない。自分のためにやってるんだ。」

 

「なるほど。カタブツのオサムっぽいな。…さて、」

 

 

「じゃあおれも手伝うか。」

 

「…!」

 

「ほっとくと、オサムとチカがすぐ死にそうだからな。あと、チームを組むのが楽しそうでもある。そして、カミジマさんとも一回でいいから戦ってみたい。」

 

「空閑…!」

 

 

 

 

ガチャッ

 

「修くん。遊真くん。」

 

「オサムに誘われたからいっしょにやる。ヒマだし。」

 

「ありがとう…!」

 

「…ただし、リーダーはオサムだ。」

 

「…!?」

 

「そうじゃなきゃチームは組まん。」

 

「な、なんでぼくがリーダーになるんだ!?」

 

「おれが、そうするべきだと思ってるからだ。」

 

「…!」

 

「わたしも、リーダーは修くんがいいと思う。」

 

「決まりだな。じゃあさっそく林藤さんのとこ行くか。さっき断ったばっかだからなんか恥ずかしいな。」

 

 

 

「おう。遅かったな。3人分の入隊・転属用の書類だ。」

 

「…!?」

 

「迅さん…。この未来が見えてたの?」

 

「言っただろ?楽しいことはたくさんあるって。」

 

「…よし。正式な入隊はまだ先だが、支部長として、ボーダー玉狛支部への参加を歓迎する。」

 

 

「たった今からおまえたちはチームだ。このチームでA級。そして、遠征部隊選抜を目指す!」

 

 

 

 

 

 

「さーて。どうなるかね。見えねぇのか?迅。」

 

「神島さん…。まだ不確かな要素が多いからね。分からないですよ。」

 

「そっか。…んで、いつ来るんだ?合同チーム。」

 

「…遠征から帰ってきて、すぐっすね。おれならそうする。」

 

「…タチウオもそうするよな…。遊真のトリガーの性能的に、早めに捕獲しようと考えるな。」

 

「…それで、神島さん。…いや、天夜さん。そのチーム。たぶん、遠征チームと三輪隊、それに二宮さんもくる。」

 

「ああ…、分かってるって。おれも行くよ。そのために、宇佐美にトリガー調整してもらったんだから。」

 

「…ありがとうございます。二宮さんがいなかったら、俺と嵐山隊だけで対応できるんですけどね…。ちなみに、なんでかって聞いても?」

 

「あー…。まぁ3つある。」

 

「3つ?」

 

「1つ目は、遊真が生きる目的を、こんなところで潰させたくねぇ。アイツは共に生きる仲間、これから立ちはだかる壁、すなわち、刺激ってもんを手に入れようとしてんだ。それを邪魔されたくねぇ。2つ目は、おまえを手伝ってやろう。たまにはかわいい後輩を助けてやらんといかんなってことで。最後は…、まぁ分かってると思うけど、」

 

「…あぁー。なるほど笑」

 

「笑ってんじゃねぇよ。…。」

 

 

 

 

「…面白そうだからな。」

 

 

 

To be contened

 

 

 




はい、以上です。

あの…、物語が全然進んでないんですけど(自問自答)


うっせぇわ(Ado)

それではまた次回。


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episode 6 失いたくねぇんだよ

えー。ヤマアラシんです。

今まで投稿させてもらったワートリの2次創作なんですけど、大分原作に寄りすぎてたみたいで、感想にも、「寄りすぎて運営に報告するレベル」っていうのを頂いてしまいました。

原作を読みながらやってるわけではないのですが、大分寄ってたみたいです。
言い回しとか、ですかね。

実際にそれを確かめるには、漫画買って確認しなきゃ駄目っていう状態になってます。

ですが、これまで主人公があまり関わらない部分を書いていたので、しょうがないと認識してほしいのが本音です。
ここから、大分介入してくるので、原作との区別化をとれると思います。
あと、地の文が少ない、戦闘描写が、擬音とセリフしかないため、薄いものになっているというのは、私自身、感じております。
なので、これから改善していけたらなぁと思っております。
何卒、よろしくお願いします。

それではどうぞ。


さてさて。

現在遊真たちはボーダーの仕組みを宇佐美に教えて貰ってる最中。

 

なんで、とりあえず俺は、迅と一緒に遊真を狙う、合同チームを攻略する方法考えてます。

 

迅の話によると、嵐山隊も加勢してくれるので、普通にやったら勝てる気がするんだけど…。

普通に勝ったら、悪い印象しか残らねんじゃね?

ってことで、チクチク削ってトリオン切れで撤退させるっていうプランA。それがばれたら、風刃の強さを見せびらかして、後に本部に風刃を渡すっていうプランB。

この2つを確立させた。

 

さて…、俺のトリガーの構成も大方決まった。

 

こんな感じです。

 

 

メイン

弧月

旋空

シールド

エスクード

 

サブ

スコーピオン

グラスホッパー

メテオラ

カメレオン

 

結構無難なんだよね。ニノと弾バカくるからエスクードは外せねぇ。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってのがミソ。

 

んでまぁタチウオと蒼也が来るから弧月とスコーピオンは絶対。

誰を相手取るかまではわかんねぇからな。あったほうがいい。

 

冬島さんが来たらもっとめんどくせぇんだけど、あの人船酔いしやすいからたぶんダウンだろ。

 

まぁこんな感じで誰来ても大丈夫って型には収まってる。

 

あとは…、いつものように流れに任せよーっと。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

玉狛支部では、A級に上がる仕組み。

千佳がどのポジションにしますぅ?ってなってる。

 

俺?話し半分で雷神丸の毛を梳かしてます。大事なことだからね。

 

バンッ!!

 

「わたしのどら焼きが無い!どこにやったの!?おまえか!?おまえなのか!?」

 

「むにゃむにゃ…。たしかなまんぞく…。」

 

「おまえだなー!?」

 

「うっせぇぞ桐絵。発情期か。」

 

「天夜!なんで玉狛にいんのよ!ソロ10本やりなさいよ!今すぐ!!」

 

「なんでおまえもカゲと一緒で戦闘狂なんだよ!?今雷神丸の毛を梳かしてんだよ!見りゃわかんだろ!」

 

「ごめーん小南。わたしがお客さん用に使っちゃった~。また新しいの買ってくるから。」

 

「わたしは今食べたいの!!」

 

「なんだ小南。騒がしいな。お、天夜さん。お久し振りです。」

 

「いつも通りじゃ無いっすか?あ、天夜さん。珍しいっすね。どうも。」

 

「おっすおっす~。おひさ~。」

 

「おっ。この3人。迅さんが言ってた新人すか?」

 

「新人?わたし聞いてないわよ!なんで新人なんか来るわけ!?迅!」

 

小南に問われた迅。天夜の目を見る。

 

…考えることは一緒のようだ。

 

「ふっ…聞いて驚け、桐絵。」

 

「な、何よ…!」

 

「まだいって無かったけど、実は…、この3人。俺の弟と、天夜さんの妹なんだ。」

 

「「「…!?」」」

 

 

「えっそうなの?」

 

…もうこの子、早く誰か貰ってあげて?

将来が1人だと怖すぎるんだけど。

 

「迅と天夜に兄弟なんかいたんだ!とりまる、あんた知ってた!?」

 

「もちろんですよ。小南先輩知らなかったんですか?」

 

このノリのいいイケメンは本当に出来た面白いやつだわ…。てか、桐絵。おまえ俺の本当の妹あったことあんだろーが。まぁ何年も前だけど。

 

「レイジさんも知ってた!?」

 

「よく知ってるよ。迅が一人っ子だってこと。てか小南。おまえ天夜さんの妹、あったことあんだろーが。」

 

「はぁあ~!!そうだったぁあ!騙されたぁあ!よくも騙したわね、迅~!!」

 

「はっはっは。相変わらず騙されんなぁ。」

 

「妹にあったことあんのに嘘に気づかないって普通に失礼なの分かってんのかアイツ。まぁ別にいいけど。」

 

「このすぐ騙されちゃう子が、小南 桐絵 17歳」

 

「詐欺とか絶対引っ掛かるよね。」

 

「うっさいわね、天夜!!」

 

「このもさもさした男前が、烏丸 京介 16歳」

 

「もさもさした男前です。よろしく。」

 

「こいつは基本ものすごいイイヤツだけど…、うん。」

 

「えっ?なんすか?めっちゃ気になるんすけど」

 

「この落ち着いた筋肉が、木崎レイジ 21歳」

 

「落ち着いた筋肉ってそれ人間か?」

 

「優しき怪物でいんじゃね?」

 

「別に怪物のつもり無いんですけど。」

 

「修。この三人はA級だ。実力も相当ある。桐絵は未だに俺に勝率3割超えねぇけど。てことで、これから正式入隊日まで、それぞれマンツーマンで指導を受けて貰う。」

 

「なんであんたはいちいち…!てか、なんでそんなこと…。「小南。」なによ…」

 

「これは、ボスの命令でもある。」

 

「ボスの命令なら仕方ないっすね。」

 

「ああ、仕方ないな。」

 

「うっ…。分かったわよ。わたし、コイツもらうからね。」

 

まぁ遊真を選ぶよな。アイツ強そうなやつとか捜すの上手いから。

 

「見たところ、あんたが一番強いでしょ?わたし、弱いやつ嫌いなの。」

 

「ほほう、お目が高い。」

 

「レイジ。いや、きんに君。千佳はスナイパー志望だ。玉狛のなかでスナイパー出来んのおまえだけだから、千佳を頼んだ。」

 

「了解、きんに君はやめて」

 

「となると、俺は必然的に…。」

 

「頼むぞ、イケメン。」

 

「よ、よろしくお願いします。」

 

「さて、入隊日までは一週間ちょい。気張れよ、若者。」

 

「あれ、迅さんと神島さんは手伝ってくんないの?」

 

「エリート達は色々忙しいんだよ。」

 

「まぁこんなやつでもS級だからな。不真面目だけど。」

 

天夜以外は皆思った。

 

あんたが人のことを言えねぇ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

城戸派は待ちわびる

 

遠征部隊の帰還に

 

ようやく帰ってきた。

 

A級3位、風間隊隊長、風間は、今回の遠征で手に入れた未知の世界のトリガーを納める。

 

そして、現在の状況を説明する三輪、二宮。

 

それを天夜は盗聴する。

 

「お、やっぱり今夜だな。タチウオが指揮とるみてぇだ。」

 

「なるほど、神島さん、こちらの指揮権、どうします?」

 

「誰でも良いぜ。基本、普通にやればこっちが勝てるからな。じゅんじゅんの隊はじゅんじゅんが。俺と迅は後手後手になっても負けることはあんまりねぇからよ。」

 

「なるほど…。なら、」

 

「嵐山さん」

 

「ん?どうした木虎」

 

「わたしは、神島さんに指揮をお願いしたいです。」

 

「えっ俺がやんの?」

 

「なるほど、面白そうだ!お願いします!神島さん!」

 

「はぁ。まぁ良いけどよ。んじゃ、とりあえず三方向に分かれるか。…なんとなく、迅の配置に寄りぎみで。」

 

「なんでですか?」

 

「直感だけど、最初に合同チームと遭遇すんの、たぶん迅なのよ。んでまぁ、絶対しゃべるじゃん?お前ら。だからその間に俺らは迅のほうに寄っていこーって。んで、俺はカメレオンで奇襲するわ。俺は単体で行くし、じゅんじゅんチームが全員いないってのより不自然じゃないと思う。それに、いきなりトリガーの構成変えんのも、めんどくせぇし、綾辻にも負担だからな。んで、誰か1人獲れたらラッキーって感じで。まぁその後は流れで。」

 

「了解!」

 

神島さんは不真面目だ。無気力だ。でも、いざというときには頼りになる。

今の作戦だって、B級のチームが入っていたなら、もう少し行動を決め、制限していたはず。

それぞれのチームの特徴。隊員の個性。この人はそれを一番重きに置いて、考えてくれてる。

…だからこそ、勿体無いと感じている。

 

 

 

 

もう、チームは組まないんですか?神島さん。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

冬の夜

 

太刀川率いる合同チームは走っていた

 

目標は玉狛にいる近界民

 

玉狛の隊員全員を相手取るのは厄介だ。

 

それ故の、夜

 

 

しかし…

 

「っ!止まれ!!」

 

ザザッ…

 

そこにいたのは迅悠一

 

「風刃」を携え、悠々と立つその姿には、余裕が見てとれる。

 

「…迅!」

 

「なるほど、そうくるか。」

 

「…ふん。」

 

「太刀川さん、風間さん、二宮さん。どーもどーも。皆お揃いでどちらまで?」

 

「うおっ。迅さんじゃん!なんでこんなとこいんの?」

 

「よお当真。冬島さんはどした?」

 

「ウチの隊長は船酔いでダウンしてるよ。」

 

「余計なことを言うな。」

 

「玉狛の黒トリガーを取りに行く。これは決定事項だ。」

 

「ふーん。まぁ知ってるけどね。でも、ここは通さないよ。」

 

「模擬戦以外での隊員同士の戦闘を固く禁ずる。処分を受ける覚悟はあるんだろうな。迅。」

 

「それを言うならそっちだってそうだよ。ましてや、遊真はもう、ウチの隊員だ。」

 

「隊員…だと!?ボーダーに近界民が入るなど、バカな話があるか!!」

 

「近界民をボーダーに入れちゃいけないってルールは無い。ちゃんとルールに則ってこっちは動いてるんだよ。」

 

「いや、迅。その近界民は、正式入隊日を向かえるまではただの野良近界民だ。なんの問題もないな。」

 

「へぇ、やっぱりそうくるか。…なら、可愛い後輩を守るため、きっちり仕事しなきゃ()()()。」

 

「…?(違和感があるな…)」

 

「一応、知ってると思うが、遠征部隊に選ばれるチームは黒トリガーに対抗できると認められた部隊のみだ。まさかおまえ1人で、この人数に勝てると?」

 

「そこまで自惚れちゃあいないよ。俺が風刃使ったとしても、A級トップチームと三輪隊、更に二宮さんまで来たら流石に勝てる気はしない。」

 

「俺1人ならね?」

 

ザザッ!

 

「嵐山隊、現着した!忍田本部長の命により、迅に加勢する!」

 

「忍田本部長派と手を組んだか…。だが、それでも勝てると?」

 

「さあねぇ、こればっかりはやってみなきゃ…、ってあれ?()()()()()()()()()()()

 

「!?」

 

カッ!

 

響き渡る刈った音。

 

そのスコーピオンの音は、見事に歌川遼。A級3位、風間隊隊員の首を獲った。

「なっ…!?」

 

戦闘体 活動限界 緊急脱出

 

緊急脱出の音は響き渡った。

一瞬の静寂のあと、二宮は口を開く。

 

「…先程の迅の会話で、違和感を感じた部分があった。迅は、名前呼びの時に、「さん」を付けるが、それ以外は敬語であまり話さん。…話すとしたら、1人だけ。」

 

「その推測はご名答。でも、行動に移さね~と。遼とかまだ分からんだろ。そんなこと。迅、気を付けろよ。」

 

「いや~流石二宮さん。色々鋭い。…でも、1人落とせたのはデカイよ?」

 

「ああ、まぁてことで、俺もこっち側なんだわ。タチウオ、ニノ、蒼也。」

 

「マジか…。天夜さんもそっちか…。」

 

「天夜さんと、嵐山隊がこっちにいるなら、正直ウチが勝つよ?」

 

「なぜだ、神島さん!貴方も近界民を恨んでるはずだ!仲間を殺され、チームを失った!そんなあなたがなぜ邪魔をす…る…!」

 

その瞬間、その場にいたものは固まる。いや、凍りついたというほうが正しい。

ただ1人、神島天夜を除いて。

 

 

 

 

「あのなぁ…。色々言いてぇけどよ。まずは城戸さんに言うけど、人様のトリガー。勝手に獲ろうとしてんじゃねぇよ。あんたらにとっちゃ、ただの黒トリガーかもしんねぇ。でも、持ち主本人にとっちゃあ命より大事なもんだ。

 

パワーバランスがどうとか、そんなてめぇのくだらねぇ都合押しつけてんじゃねぇよ。

それと、秀次。おまえが言わんとすることは分かる。確かに俺は仲間を殺された。でも、ただ復讐するだけがアイツらのためか?俺はそうは思わねぇ。いきなり立ち直れ、なんて誰も言わねぇよ。迅だって母親を殺されてる。でも、それでも俺は、アイツに、アイツらに、楽しい時間を過ごしてほしい。」

 

「これが、アイツらのためっていう理由だ。あと、」

 

「俺自身が、もう、失いたくねぇんだよ」

 

「…!」

 

「天夜さん…。」

 

「ふぅ…。さて、お前ら。こうやってベラベラ喋ったけどよぉ、結局はお互い戦わなきゃわかんねぇよな。めんどくせぇけど。」

 

「ああ…。そうだな。」

 

「久々に迅と天夜さんとやれんのかぁ。ワクワクすんなぁ!」

 

「気を抜くなよ。菊地原。」

 

「そんな強そうに見えないですけど…。了解」

 

「行くぜ、弾バカ。」

 

「うっせぇ槍バカ。」

 

「当真さん。狙撃位置に付いたか?」

 

「ふぃ~。おう、着いたぜ~。」

 

「んじゃまあ、行きますか。迅」

 

「了解」

 

 

 

 

「トリガー・オン」

 

 

 

 

 

 

「風刃・起動」

 

 

 

 

 

To be contened

 

 

 

 

 




以上で終わりです。

仕事がまた明日から始まるので、投稿ペース、遅れると思いますがよろしくです


それではまた次回


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episode 7 単体最強

どうも。
運営の方から閲覧できない状態にされたので、ある程度修正した上で閲覧可能に戻しました。また運営パワーを喰らったら直します。何度でも()

お気に入り登録、たくさんしていただき、本当にありがとうございます。
皆様の期待に答えれるよう、頑張ってまいります!
それではどうぞ。


さて、始まりました。遊真を頑張って守ろうぜ大作戦。

 

戦況的には奇襲で遼を落とせたのはでかい。

変態スナイパーどもは狙撃位置についてる。…場所は、当真の所だけ目安はついてる。ただまぁ、アイツは気まぐれボーイだから、しょーじき放っといてもいい。

 

今の位置的に一番取られやすいのは俺だ。

 

 

太刀川 米屋

迅 風間 三輪 神島 二宮

菊地原 出水

 

嵐山隊

 

 

あとどっかに変態スナイパーどもと宇佐美ヲタ。じゅんじゅんチームのすんげぇ後ろにツインスナイプ(失笑)

 

…うん。ニノが後ろにいんのが一番めんどくさい

 

でも、だからこそ、ニノとタイマンに持っていっても良い。理想はタチウオと蒼也を迅に引っ張ってもらう。

んで、嵐山隊に秀次、槍バカ、弾バカ変スナどもを相手してもらうのが良いんだが…。どうすっか…。

 

あ、ちげぇわ。とりあえずニノに吹っ掛けた方が良いか!

 

ダッ!

 

標的は二宮。直線上にいる、三輪の攻撃を警戒しつつ、二宮を狙う。

 

グラスホッパーを使わない理由としては、置き弾の警戒。

 

「やはり、こちらに来るな…。(この状況、なるほど…。)」

 

「くっ…!(この動き、攻撃はしやすいが…二宮さんに当たる可能性が…!)」

 

二宮、三輪は、迷ってしまう。直線上にいる敵に対して、攻撃を仕掛けるのは容易。しかし、今この場には味方のほうが多い。二宮が攻撃に移り、神島に回避された場合、攻撃に晒されるのは三輪。逆も然り。

 

「二宮さん!!」

 

「ああ…、アステロイド」

 

「!うおっと!」

 

しかし、二宮は攻撃に移る。

三輪は突入時、鉛弾を最初にセットしていた。それ故、二宮はシールドで防げない。回避という行動を選ばなければならない。そのため、二宮が攻撃する。三輪が声をかけた意味はそこにある。

 

「流石にそこまで甘くねぇか…!(このままニノとタイマンに持ち込む!迅、じゅんじゅん、頼むぜ。)」

 

「舐めないで貰おう…!(当真、奈良坂、まだ撃つな。)」

 

「さて、太刀川さん、風間さん。こっちも始めようか。」

 

「ああ、迅。おまえの予知。覆してみたくなった」

 

「(菊地原、行くぞ。)」

 

「(了解)」

 

迅、太刀川、風間、菊地原、戦闘開始

 

「やるんならさっさと始めようぜ。いい加減見合ってんのも飽きてきた。」

 

出水はそう言い、両手からキューブを出す。

 

「(おっ、両攻撃!もーらいっ!)」

 

「(まて、ツイン。撃つな。)」

 

「(天夜さん。なんでっすか?)」

 

「(直感でお前が撃った弾は防がれて、カバーに入ってミッチー墜ちるとこまで見えた。手を出さねぇ方が良い。)」

 

「(りょ、了解っす!)」

 

「(んー?佐鳥釣りだそうとしてんのバレてるか…。天夜さんだな、多分。悪い三輪、釣れねぇわ。)」

 

「(やはり厄介だ。だが、二宮さんが落としてくれれば、一気に有利になる。どちらにしろ、俺たちが嵐山隊を落とすのはかなり重要だ。)」

 

ゆっくりと、しかし、緊張感が漂う中、初撃を放ったのは木虎。

 

ドンッドンッドンッ

 

そこから自然と撃ち合いの流れに。3人がガンナーでもある

嵐山隊が若干押しつつあるが、

 

「ちっ。まだか弾バカ!」

 

「やってるよ、槍バカ。」

 

「バイパー+メテオラ」

 

「トマホーク」

 

A級一位。太刀川隊隊員、出水公平がその流れを引き戻すような合成弾。

豊富なトリオンから放たれるトマホークは鋭利な角度で木虎を襲う。

 

ドドドドドッ!

 

「くっ…!」

 

「(引き気味に戦いますか?)」

 

「(そうだな!俺たちは勝たなくても良い!下がるぞ!)」

 

轟音が鳴り響くなか、嵐山隊は牽制しつつ距離を取る。

 

ボッ!!

 

ドォンッ!

 

「目眩まし…。相手は引き気味だ。民家に沿って追え。嵐山さんは民家にメテオラを当てたがらない。」

 

「流石ボーダーの顔だな。」

 

「しかし…、この引き方…。俺たちを取りにこようとしていないな。」

 

「どうゆうことだ?」

 

「おそらく、目的が他にあるのだろう。引き気味にと言えば聞こえは良いが、正直、消極的すぎる。距離を一定以上保ち、たまに牽制する。勝つ気はないが、負けてやるつもりはない、とでも言いたそうだ。」

 

「どーする?バッと突っ込んでも良いぜ?陽動にはなるだろ。」

 

「陽動にはなる。しかし、佐鳥の位置が割れてない以上、飛び込むのは悪手だ。トリガー構成も分からないからな。」

 

考える。考える。考える。

 

思考を巡らせ、最適解を目指す。

誰よりも速く、答えに身を移す。

 

しかし、ひとりは、未来予知を持つ男。

ひとりは単体最強と呼ばれる男

 

この2人を前に、意を決して飛び込むのは愚策。

 

その考えが、次に起きた現象への理解を遅れさせた。

 

ガッ!!

 

「何!?」

 

「ワイヤー…!」

 

「取りました。」

 

木虎の持つスコーピオンの刃は

 

 

米屋の胸元に突き刺さる

 

「なるほど…。逃げながらワイヤーを張ってたのか。やるな、広報部隊。」

 

「広報だけじゃないって理解してくれました?」

 

「ああ…、でも、終わりじゃねぇよ。」グルンッ!

 

「(首を捻った?何の意味…「木虎!」

 

時枝は気づいた。米屋の行動の意味に。素晴らしい速度だった。

 

しかし、その速さを凌駕するイーグレットの狙撃。

 

No.1スナイパー当真勇は、一瞬を逃さない。

 

ドンッ!!

 

「…とっきー1人か。まぁまぁだな。」

 

「すいません、嵐山さん、先に落ちます。」

 

ドドンッ!

 

戦いは、収束する

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「2人落ちたか…。時枝と…、米屋か。悪くはないな」

 

「それで?そろそろ落ちるぞ。あんたも。」

 

単体最強と言われた神島天夜。

 

しかし、立ち塞がる魔王は、確実に天夜にダメージを与えている。

 

「うっせ。まだまだやれんぞ。」

 

左脚を失い、トリオンが漏れ出す。

 

「…何が狙いだ?」

 

「まあもうじき分かるぜ。それまでもうちょい遊んでくれや。」

 

「ハウンド+ハウンド」

 

「うげっ、きっしょいの使ってくんなぁ…」

 

「ホーネット」

 

「エスクード」

 

「アステロイド」

 

二宮は今回、アステロイド、ギムレットを撃つときに心がけていたことがある。

最初の3発程、弾を散らさずに撃つこと

 

防御の意識が中心に向くと読んだからだ

 

それ故、天夜は中心を警戒し、グラスホッパーで横にずれる

 

二宮は確信する。

この散らしたアステロイドは当たると

 

「やっべぇ!()()()()()

 

「防げんぞ…っ!?」

 

何故だ

 

奴は()()()()()()()()

 

なのに、自分の足元が急にせり上がり、後ろにバランスを崩した

 

「…エスクード…!(だが、この距離なら…!俺の方が速い)」

 

距離およそ30m。この距離から彼には攻撃を即座に当てることはできない。

 

当てれるとしたら…、

 

っ!まさか!

 

「はい、正解。なんちゃって生駒旋…グラスホッパー!!」

 

キィンッ!!

 

ドンッ!!

 

「うーん。右脚か。惜しいなぁ~…。げっ。」

 

「そこだな。メテオラ」

 

「(俺が撃つのを読んだ上でメテオラ待機かよ!)こりゃ避けれねぇか。」

 

ドンッ!

 

「なるほど、釣ったのか。」

 

「いーや。マジで普通にお前に攻撃するつもりだった。でも、気付いたからな。この状況。当真なら絶対に撃ってくるって。」

 

「見事だ。だが、トリオンがもうないはずだ。これで終わりだ。神島さん。」

 

二宮の、慈悲無きアステロイド

 

それは、フルアタックによる、多角的攻撃

 

二宮は確信した。

もう反撃の手はない。放っといても彼は緊急脱出する。

せめて、自らの手で終わらそう

 

しかし、その確信に、わずかな慢心が含まれている事に、天夜は気づいた。

 

「グラスホッパー」

 

飛び込む。直線的に。当たることはない。

中心に一切弾がないのだから

 

「何…!?」

 

カッ!

 

「獲った。」

 

「…最初から、油断を誘っていたのか。」

 

「油断っていうのはちげぇな。最初の3~4発、弾を散らさず撃ってたろ。あの時点で手は決まってた。散らして撃った瞬間、引っかけてやろって。」

 

「なるほど…。エスクードか。」

 

「コマさんとこの水上さまが、あの手をやるからな。パクった。んで、正直当真が撃ってくるって感付いたのは、東さんならそこで撃つと思ったからっていうのだけだ。」

 

「その後の展開は片足、もしくは土手っ腹に風穴空けてくれたらラッキー程度で逃げた。その後、油断すると思ったからな。近づいてスコーピオン伸ばしたら勝ちだ。」

 

「なぜ、油断すると思った?俺が離れ、トリオン切れを待つ、ということもあったはずだが?」

 

「それはねぇよ」

 

「…何故だ。」

 

「分かってんだろ、()()()()()

 

「っ…!流石だ。」ピキピキ

 

ドンッ!!

 

「ふーっ…。あ、しもしも~。じゅんじゅん?とりあえずニノと当真ぶっ飛ばした。」

 

「(さ、流石です!…こっち、来れますか?)」

 

「まぁ行けるっちゃ行けるかな。両足ねぇけど。トリオンカスカスだ。」

 

「(そ、そうですか…。)」

 

「(…!悪い、用事出来た!迅の方行くわ!)」

 

「(は、はい!了解!!)」

 

 

…出来ることあるねぇ~。

 

「グラスホッパー」

 

ビュンッ!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「…なるほど。このために、実力を隠していたか。」

 

迅の圧倒的な強さにより、菊地原は落とされ、風間、太刀川は撤退寸前

 

トリオン切れでの撤退が風間に感付かれ、プランBへと移行した迅は、未来予知、風刃をフルに活用し、着実に2人を削っていた。

 

「まあね。まぁでも良くここまで耐えたよ。悪いけど、風刃と俺の相性が良すぎる。」

 

「だが、今回はやられたとしても、正式入隊日までに、確実に黒トリガーを取りに行くぞ…。」

 

「残念だが、そりゃ無理だ。」

 

「…どうかな?まだ、負けてない。」

 

ドンッ!!

 

「ほいっ…。当たらないって…っ!?」

 

奈良坂だ。

今回のために彼はアイビスを手にとった。

なぜか?建物内の迅に、トリオンでないものを当てるため

 

「こりゃヤバイな(命あるものの未来しか見えない…。そこを突くとは思わなかったな~。)」

 

これは当たる。

 

誰しもがそう思った。

 

 

 

 

1人を除いて

 

 

 

 

「アホ。何感心してんだ。」

 

「旋空弧月」

 

 

キインッ!

 

「…おお、スッゲェ。」

 

 

「なっ…!?」

 

「マジか…。すげぇな天夜さん。」

 

「あーしんど…。もうガス欠だわ。俺の直感そろそろ自分でも怖いわ。」

 

「感心通り越して感動ですわ。」

 

「まぁな。褒めろ。緊急脱出する前に。」ピキピキ

 

「三上ちゃんに報告しときます。」

 

「神。今度焼き肉奢るわ。東さんの金で。あ、お前ら2人も来いよ!」

 

 

 

 

ドンッ!!

 

 

「ははは!負けた負けた!」

 

「そうだな…。あそこまで対処されては…。三輪。戦闘を中止。すぐに撤退だ。もうこちらの負けだ。」

 

 

 

 

 

 

 

報告 玉狛に滞在している近界民の黒トリガー捕獲は失敗。

ターゲットに向かっている最中、迅隊員、神島隊員、嵐山隊に行く手を阻まれる。歌川、米屋、菊地原、当真、二宮、風間、太刀川以下の隊員は緊急脱出。

すぐに作戦の再考案を提出した後、人員を追加し、任務を遂行に移す。

風間 蒼也

 

 

報告 遊真を頑張って守ろうぜ作戦成功。太刀川隊(ボンボン以外)、風間隊(歌歩ちゃんかわゆす)、当真、ニノ、三輪隊が攻めてきたよー。んで、俺と、迅とじゅんじゅんチームで対抗して、何とか勝ちました。迅は蒼也とタチウオ相手に風刃使ってボッコボコ。俺はニノと当真にボッロボロになって勝ちましたとさ。迅はワンチャン危なかったけど、神島様が助けてやりました。歌歩ちゃんに言っといてくれるって言ってたので、アイツには焼き肉奢ります。東さんの金で。あ、林藤さんが出してくれても良いのよ?

てか、歌歩ちゃんってなんであんなかわいいの?やばない(コマさん)。

                  神島 天夜

 

 

「報告書って知ってる?」

 

「これ、迅の仕事じゃね?」

 

「アイツ、本部行ったぞ。」

 

「あ、そっか。」

 

 

風刃、渡すんだもんな

 

 

 

 

 

 

To be contened

 

 




はい、以上です。

読んで貰って分かると思いますが、女子キャラの中で一番好きなのは歌歩ちゃんです。かわいい。そのつぎに、香取ちゃんとか。
良ければ皆さんの推しキャラも教えてほしいです!

(男キャラなら生駒さん、次点で、カゲ)

それではまた次回


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大規模侵攻編
episode 8 動き出す脅威



どうも、総合評価400超えいたしました。
全て皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。

それではどうぞ。


 

遊真を皆で守ろうぜ作戦から日がたちまして、いよいよ正式入隊日。

なんですけど~。あのさぁ、綾辻ちゃんから頼まれたことあってさぁ~。くそめんどいんよ。まぁこっちも条件で好きにやらせて貰えるからやるけどさぁ。

 

正式入隊式担当

 

嵐山隊・神島天夜

 

なんで?なんでなん?嵐山隊だけでええやん?いや、綾辻ちゃんに「お願いします♡」って言われたらゲイ以外やるでしょ。確変やん()

 

まぁ遊真たちを見ようとも思ってたから良いんだけどさぁ

 

あ、あの後は結局予定通り、迅は風刃を渡した。S級じゃ無くなったから、とりあえずソロでアタッカー1位目指すらしい。タチウオは嬉しそうにしてた。蒼也は苦い顔してた。俺は寝てた。

 

お、始まるわ。

 

「皆、正式入隊おめでとう。君たちはこれから、ボーダーの一員となり、市民を近界民から守って貰う。時には辛い時もあると思う。そんな時、我々が可能な限り力になる。君たちと共に戦える日を、心より待っている。街の平和は、君たちが守るんだ!」

 

忍田さんのありがたい言葉が聞けました。ていうことで、アタッカー組、スナイパー組に別れて訓練とランク戦のシステムを説明していく。

スナイパーの方はツインスナイプと東さん担当。メインはツインスナイプ。

アタッカーが残りのメンバーなんだけど…。

なんでメイン俺?広報部隊いるやん?なんで?

 

「神島さん、早く進めてください。」

 

「うっせぇデコスケ。」

 

「えー…。新人隊員の皆さん。こんにちはー。A級の神島って言います。こっちの嵐山隊はテレビで良く見ると思います。良かったねー。ほらーキトラサンダヨー。」

 

「マジメにやれ!」ゲシッ

 

「あーはいはい。…えっと、まず皆の手の甲に、それぞれポイントが振ってあると思う。大体の人間は、1000ポイントからスタートになる。仮入隊の間に、お、お前結構やるじゃんって思われてたら、1000より高いと思います。ここにいる木虎は…、入隊当時、3600ですよどうですかえっへん(`・∀・´)とか言っていた気がします。その後ボコボコにしましたが。」

 

「何が言いたいんですか貴方はぁ!」

 

「まぁ何が言いたいかって言うと、上には上がいます。せいぜい最初のポイントが高いってだけで、天狗にならんよーに。自分の為にもならねぇからな。んで、どうやってポイント貯めんの?って話だが、週2回の合同訓練やるのと、ソロでランク戦にぶっこんでいくって方法があります。訓練の方は行ったら説明してくれるんで、個人戦のブース行きまーす。ついてこ~い。」

 

「…ちょっと!神島さん!何企んでるんですか!」

 

「うっせぇぞ。サブのデコスケ、略してサブスケ。」

 

「なんですかそれはぁあ!!」

 

 

「はい、ここが個人戦のブースね。このモニターから対戦出来るぞい。やり方は簡単他のブースの番号押す。むこうが承認する。そしたら何本やるとか決める。場所決める。んで、スタート。…ま、実際にやった方が早いわ。あ、ちなみに、正隊員とC級やりたいってなったら下の黒のボタン押したらやれるからね。」

 

「ま、まさか…。」

 

「んじゃ今から俺と戦いたいやつ手ぇあげろー。あ、もちろん俺も武器一本だけな。」

 

 

…ざわざわ…ざわざわ…

 

えー、あの人すごい強いんじゃないの?ヒソヒソ

 

たしか、ランキングはずっと上位…てか、一位じゃなかった?ヒソヒソ

 

真の強者は危ない橋を渡らなゴニョゴニョ…サスガリーダー

 

「…おれ、やってもいい?」

 

「…!おう、良いぜ、()()()()()。5本でやるか?」

 

「そうだね。いつもそれでやってるし。」

 

「おい、デコスケ。」

 

「なんですか!!てか、何やってんですか!!」

 

「桜子を絶対に入れるな。」

 

「話を聞いて貰えませんかねぇ!!さっきから!!」

 

 

うるせー。ピーチクパーチク。ヤバイブツキメてんのか。

 

こんなめんどくせぇこと頼まれてやってんだ。

こんなわがままくらい、通るだろ。

 

「神島さんとやるのは初めてだね。」

 

「ああ、楽しみだ。俺もスコーピオンで行くわ。」

 

個人ランク戦 五本勝負 開始

 

 

さぁ、これがやりたいが為に引き受けたんだ。楽しむぜ!

 

 

 

 

…すごいな。

 

アイビスで試し撃ちをした少女が、基地の壁を破壊。

 

玉狛は気合いが入ってるな。

 

ん?忍田本部長から…。

 

「はい、東です。」

 

「すまない。今からアタッカーの方へ向かってくれ。問題発生だ。」

 

「…天夜ですね?」

 

「ああ、頼む。」

 

「了解。」

 

全くアイツは…何をしてるんだ?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

東の眼に入ってきたもの。

 

それは、C級隊員として、入隊してきた近界民と、天夜がスコーピオンを交えている光景。

5戦勝負で、現在2-2。A級トップの実力の持ち主に引けを取らない彼は、とても脅威だ。それ以上に、

 

「あんな楽しそうな天夜。久々に見たな…。」

 

見つけれたのか?

 

新しい仲間を

 

 

終了 スコア3-2 勝者 神島 天夜

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はい、こんな感じで戦って勝ったらポイント貰えるシステムですね。君たちはとりあえずポイント4000にしてくれ。そしたら防衛任務にも参加できるし、チームくんでランク戦やってA級目指すことも出来る。説明は以上。んじゃ、今度は一緒に戦えることを楽しみにしてるぞー。」

 

「こら。天夜。」ビシッ

 

「げっ。東さん…。いつの間に。」

 

「何C級隊員捕まえて楽しんでるんだ。」

 

「いやぁ。アイツとは一回やってみたかったんだよ。」

 

「はぁ…。まったく。で?どうだった?」

 

「俺の顔見てたでしょ。久々に楽しかった。」

 

「…そうか、良かったな。」

 

「…あざっす。」

 

「今日、焼き肉行くぞ。」

 

「マジ!?流石東さん!!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あ、あのですね。焼き肉きましたよ?東さん奢ってくれるって言ってくれてるし…。すげぇいい人。

 

なんだけどさぁ…。

 

  東 迅

 

三上 天夜 綾辻

 

 

なんで?いや、確かに迅には前言ってたよ?歌歩ちゃんに言っといてって。なんできてくれてんの?優しいかよ。

んで、綾辻ちゃんはなんで来てくれたん?あ、あれか。歌歩ちゃん1人だとあれだから付き添いか。優しいなぁホントに。

 

「久しぶりだな、迅。調子はどうだ?風刃を渡したって聞いたけど、あの白髪の子のためか。」

 

「そーそー。アイツは過去がしんどいからね。楽しんで貰いたいんだ。」

 

「なるほど。」

 

「それよか天夜さん。ちゃんと三上ちゃんに報告したら、すんごい笑顔でお疲れ様です、流石ですね!って。」

 

「じ、迅さん!!言わないで下さい!」

 

「恥ずかし過ぎ。まぁでもすげぇ嬉しいね。女の子にそれ言われるだけで元気出るもんね。」

 

「そ、そうですか?良かったです!」ニコッ

 

かわいいなにこの子。純情なの?1/3も失ってないねこれ。

 

ん?隣で綾辻が膨れっ面してる…。

 

「私もあの日、オペレーター頑張ってたんですけど…」プクー

 

あ、言うのすっかり忘れてたね。

 

「いやぁ悪い。当たり前のように難しいことやってたからな。いい意味で印象に残り辛かった。てか、あんなに距離はなれてたのに的確に状況伝えてくれんのマジ助かったわ。ありがとな。」

 

「え、えへへ…。それ程でも…♪」

 

めっちゃ嬉しそうにしてんな。かわいい(直球)

 

「「(惚けてんなぁ…)」」

 

ピーン!

 

その時、迅の頭に修羅場になる未来が見えた。

 

面白そうなので、自ら修羅場にしようと企んだ。

 

「そういえば天夜さん。なんで三上ちゃんは歌歩ちゃんで、綾辻は綾辻ちゃんなんすか?」

 

「「!!」」

 

なんでコイツここでそれ言うの?緊急脱出していいかな?コイツを緊急脱出させてから緊急脱出していいかな?

 

「天夜さん…。私は遥って呼んでくれないんですか?」

 

「あー…、いやぁ。事情があってね?あのー…、あれじゃん?」

 

「こんなに狼狽えるんだな。」

 

「そっすね。珍しすぎ。」

 

2人して楽しんでんのムカつくんだけど女子2人にすんごい見られてんのでそれどころじゃないね。

 

「た、確かに、なんで私は下の名前で呼んでくれるんですか?」

 

「いやぁ…。歌歩ちゃんはあれじゃん?下の名前で呼んだ方がなんか個性がある感じじゃない?綾辻ちゃんは遥ってのより綾辻って感じがするじゃん?なんか…。そうじゃん?」

 

「驚く程説明出来てないな。」

 

「語彙力が緊急脱出してるっすね。」

 

結局歌歩ちゃんは歌歩ちゃん。綾辻ちゃんは遥って呼ぶことになりました。

 

「遥…。ふふっ♪」

 

「むー…。私も呼び捨てがいい…。」

 

「帰ろう。俺と東さんが出すわ。」

 

「いや、俺が出すよ…。面白かったし…ww」

 

「俺も出しますよ…ww」

 

「めっちゃ笑われてんだけど。」

 

「「(いつ気付くんだろ…。)」」

 

「「(もっと積極的に…!)」」

 

※主人公は鈍感っていうか、そういうのに疎いだけです。

 

はぁ…。しんど。

 

あ、そうだ。アイツら3人にどんな感じか聞きに行くか。

 

明日の午後から本部に呼ばれてるから、午前中だな。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

本部

 

「よーっす。」

 

「あ、天夜さん!どうも。」

 

「よ、修。遊真と千佳ちゃんいる?」

 

「もうじき来ると思います。」

 

「そかそか。」

 

「どうだ?最近。」

 

「はい…、風間さんと勝負しまして…、30本近く負けてやっと一本引き分けに持ち込めまして…。」

 

「ほー。やるじゃん、修。」

 

「でも、その噂が一人歩きしてて…、」

 

「あー、それはしょうがないな。いつだって人は刺激を求めちゃうからなぁ。」

 

「でも、堂々と言う程のことでもないので、どうすればいいか…。」

 

「あーなるほど…。!大丈夫だ。直感だけど、これから緑川ってやつがお前にソロ吹っ掛けてくるわ。それ終わった後に遊真が来るからそれで解決する。まぁ頑張れよ。こっから色々起きるからよ。」

 

「…?それはどういう…。」

 

「まぁ頑張れよってのは変わらねぇよ。お前は考える力はある。弱いけどな。その頭で、色々助けてやれ。」

 

「は、はい…。わかり、ました。」

 

「おう、頑張れよ~。」

 

「あ、あの。空閑たちに会いに来たんじゃ…。」

 

「そのつもりだったけどやめとく。俺がいたらめんどくせーことになる。司令室に呼び出しかかってるから先行っとくわ。」

 

「りょ、了解です!」

 

さて、気合いれねぇと

 

全隊員に知らされた情報

 

第二次近界民大規模進攻

 

その被害をなるべく防ぐため、迅や俺、東さんなど、有用的なサイド・エフェクト持ち、頭脳の持ち主は会議に呼ばれた。

確率が高いのは、キオンか、アフトクラトル。

 

アフトには因縁あっからなぁ。しっかり対応しねぇと…。

 

 

 

 

さぁ、近界民を迎え撃つぞ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「指定惑星まで残り9600。およそ1時間後に到着予定です。」

 

「ハッ!やっとかよ!待ちくたびれたぜ!」

 

「騒がしい。口を閉じろ。エネドラ。」

 

「あ~?ボンボンが俺に指図してんじゃねぇよ。」

 

「なんだと?」

 

「ほっほっほ。元気があって良いことです。しかし、いまここで暴れられては艇が持たない。」

 

「その通りだ。エネドラ、ヒュース。落ち着け。」

 

「しかし兄…隊長。待ちくたびれているのは確かだ。今回の星に、求めるものはあるのか?」

 

「断定は出来ない。金の雛鳥がいるかは定かではない…。しかし、()()()がいるぞ。ウィザ爺。」

 

「…!ほぉ。それはそれは。楽しみですなぁ…。」

 

奴らは昂る。

 

期待を胸に。

 

ボーダーにとって

 

厳しい戦いが始まる。

 

 

 

「…おっ!マジか、早いな…。」

 

 

 

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴッ

 

 

 

 

 

大規模進攻、開幕

 

 

To be contened

 

 

 





以上です。

次回から進攻編始まります。

なるべく面白く書けるよう、頑張ります!

それでは。


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episode 9 実質黒トリガーなんだよこちとら

どうも。
また運営パワー来ました()

結構修正入れたんでもう大丈夫かと思います

それではどうぞ。


おっと…。思ってたより早かったな。さて、今のところ、街の中心部に門が開きまくってる。…多分四方向に拡がってくなこりゃ。

 

「忍田さん~。」

 

「どうした天夜。」

 

「敵、四方向に別れます。多分炙り出し目的っす。対処しねぇと住民が危ないんで、2ヶ所は迅、天羽で対処させてください。…全チーム合同か、半分くらいに分けて残りの2ヶ所、お願いします。」

 

「了解、既に、迅と天羽に西と南を対処させてる。お前はどうする?」

 

「…まだなんとなくしか見えてねぇんすけど…。C級を本部に避難させつつ対処しようかなと。」

 

「C級を?」

 

「なんとなく狙われる可能性があるやつがいる。そんな感じがするんすよ。」

 

「分かった…。現場の総指揮は東と天夜に任せる。頼んだ!」

 

「了解~。ふー。さてと…。今、三門市にいる全隊員、聞こえるか?神島だ。こっからの動きは、俺と東さんで出すって感じなんだけど、基本部隊で動けてるなら部隊ごとの判断。個人ならその場にいるやつの判断で動いてもらって構わねぇ。ただ…、恐らく狙いはC級隊員だと思う。なんで、C級のフォローに回りつつ、基本は俺も西、南以外の所に行く。西、南は迅と天羽が行ってるから置いといてくれて構わない。」

 

「んじゃ、全員気合いれろ!死者0、目指すぞお前らぁぁ!!」

 

「了解!!」

 

…全隊員、一丸となり、了解…。

 

 

 

耳痛い。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「気合入ってるな、神島さん。負けてらんないぞ?オサム。」

 

「ああ…、行くぞ、空閑!」

 

街にいるトリオン兵はかなりの量だ。

 

しかし、大打撃を与えるものの程ではない。

 

ラッドによる偵察ついでのイレギュラー門を発生させたあれは、恐らく今回、襲撃してきたものの仕業と見ていいだろう。

…ならばなぜ、一気に投入しない?

 

レプリカは考える。

先ほどのテンヤの通信にもあったが、C級狙いだとすれば捕獲用トリオン兵だけで事足りる。

しかし、B級以上がいる以上、すぐに撃破される。

 

…まだ見えない。

 

 

分からない。テンヤも分かっていない?

 

 

…想像以上に厳しい戦いになるようだ…。

 

「ユーマ。」

 

「どうした?レプリカ。」

 

「テンヤの所に私の一部を同行させていいか?」

 

「おう、任せる。神島さんを手伝ってあげてくれ。」

 

「心得た。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「テンヤ。」

 

「おー、レプリカ先生。どした?」

 

「考えを共有したい。今感じていることはあるか?」

 

「了解。…敵がショボすぎる。数だけって感じだな。ただ…、分散狙いならそれは達成されてる。一応本部にタチウオ置いてるから本部に攻めてくるとしても大丈夫だと思うが…、1つ不安がある。」

 

「…私も思ってることかもしれん。」

 

「ああ、あのデッケェいるかが本部に突っ込んだらやべぇかもな。」

 

「!…予想通りだ。」

 

「げっ、マジか。たぬきち切れるぞ。」

 

イルガーは突如本部頭上に現れる。

その数4体。

 

…1体目が本部に特攻する。

 

ドオンッ!!

 

凄まじい轟音

 

激しい爆発音は鬼怒田が補強した壁を突破することはなかった

 

「全く…、壁補強しといて正解じゃわい…。しかし、あと1発が限度だぞ!忍田本部長!!」

 

「うろたえないで頂こう。イルガーの対処は終わった。」

 

「ナイスたぬきち。こっからはタチウオと俺の仕事だな。タチウオ!左斬れ!!」

 

「了解!」

 

「「旋空弧月」」

 

キィンッ!!

 

2つの斬撃が宙を舞う

 

イルガー2体はなす術なく、力尽きる

 

「…前、通常状態で斬っててすごいって言ったけど、自爆モードのイルガーを斬るか。滅茶苦茶固いのにすごいな。」

 

「天夜さんあの距離から斬れるんすねめっちゃ遠いっすよ。」

 

「今のトリガーならそりゃぶったぎれるわ。生駒旋空の倍だぞ倍。」

 

「あ、ずるいトリガー使ってんすか?」

 

「なりふり構ってられねーからな。」

 

神島天夜の使うトリガーは、自分で制作したもの。

 

攻撃力、機動力、防御力が通常のトリガーに比べ、格段に上がるが、緊急脱出機能が付いていない。

 

死天境地

 

彼はそう名付けた。

 

だれしもが思う

 

中二病かよ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…なぜイルガーを4体しか投入しない…?

 

考えられることは…、

基地破壊が目的ではない

投入できるコストがなかった

 

…他のトリオン兵にコストを振っている?

 

だが、街にいるトリオン兵で、イルガーのコストを超えるトリオン兵はいない。

 

…だとすれば…。

 

「テンヤ。」

 

「どした?レプリカ先生。」

 

「…警戒しろ。ここからだ。」

 

「了解、ちょうど同じこと思ってた。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

東隊隊員、奥寺と小荒井はモールモッドを撃破した

 

「ふー…。とりあえずここはこんだけ?」

 

「みたいだな…。次のポイントに急ぐぞ。」

 

バキッ

 

「…?」

 

…モールモッドの腹部をこじ開け、人間サイズのトリオン兵が現れる。

 

「なんだコイツ。」

 

「わかんねーけど、やっといた方がいいだろ。」

 

「そうだな…よっと!」

 

ヒュンッ!

 

「えっ?」

 

ドゴッ!!

 

奥寺がトリオン兵に吹っ飛ばされた。

 

「奥寺!応答しろ!」

 

「だ、大丈夫です…!」

 

「こ、コイツ!!」

 

「待て!小荒井!」

 

小荒井が斬りかかるが、当然のようにその太刀を受け止める。

 

捕らえた。

 

そんな声が聞こえるかの状況。

 

トリオン兵の腹部が開き、中から触角のようなものが露になる。

 

「!!」

 

東が小荒井の頭部を撃ち抜き緊急脱出させた。

 

…恐らくあのまま捕まっては不味いな。

 

そう思った故の判断。

 

「こちら東!北方面に新型のトリオン兵が出現!隊員を捕らえようとする行動が見られる!相当強い!」ドンッ!

 

ガキンッ!

 

「…!アイビスを弾いたか…。」

 

「頭部の装甲はとても固い!アイビスを弾く強度!警戒されたし!!」

 

「…新型…!?了解、牽制しつつ脱出を試みてくれ!」

 

「シノダホンブチョウ。恐らくそのトリオン兵はラービット。バムスターと違い、トリガー使いを捕獲するためのトリオン兵だ。A級隊員でも、単独で挑めば喰われるぞ。」

 

「…了解。必ずB級もA級も複数で対処してくれ!」

 

「忍田さん…。俺が行くわ。俺なら多分斬れる。」

 

「天夜…?」

 

「C級が避難誘導してる場所をいくつかのB級部隊に知らせてくれ!残りのB級に駆除任せる!A級複数人と、俺で新型は対処する!」

 

「了解だ!任せる!!」

 

この判断…間違ってねぇよな?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ほう…。中々迅速に対応しているな。」

 

「やはり、彼でしょうか。」

 

「なんで残りのイルガー突っ込ませねぇんだ!?敵の基地落とせたっぽいぜ!?」

 

「爆撃は陽動と炙り出しだ。…だが、雛鳥達が出てこない。強そうなやつが1人とヤツか。」

 

「…恐らく、街のほうにいるのでは?このまま我々が出てもいいのですが…。」

 

「まだ明確な場所が掴めていない…。それに、金の雛鳥がいるかも断定出来ない。」

 

 

「…さぁ、確実に、効率良くいくとしよう。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…やべぇな。雑魚ばっかだけどC級にとっちゃ充分脅威…。千佳は大丈夫か?まぁいざとなったら頑張れるはずだ…。

アイツのトリオン量は滅茶苦茶やべぇから…な…。

 

 

 

しまったぁ!!

 

くっそがぁ!!何で気づかなかった!!

 

千佳の所に急がねぇと!!

 

狙いは…、アホみてぇなトリオン持ってるやつだ!

 

 

 

 

 

千佳の前には、既に新型が立ち塞がっていた。

 

何とか抵抗しようとアイビスを持ち出したのは友達の夏目出穂。

 

しかし、その弾は弾かれ、出穂は捕まった。

 

どうしよう…。私に…、助けれるの?

 

「守ってやるんだ。自分も、友達も。」

 

…そうだ。

 

 

友達は、私が守る!

 

 

ズドォンッ!!!

 

 

驚異的なトリオンを持つ千佳が放った砲撃。

 

新型の頭部を容易に打ち砕いた。

 

「チカ子~!!すげぇよ~!!」

 

 

 

「計測器エラー…!金の雛鳥です。」

 

「総員、出撃。ラービットと連携し、金の雛鳥を捕らえろ。ヴィザ爺。ヒュース。2人は…。」

 

「ほっほっ。ええ、遊ばせて貰いましょう。行きますよ、ヒュース君。」

 

「了解です。」

 

 

 

ゴゴゴゴゴッ…

 

 

 

「!!…やっぱりあんたか。ヴィザ。」

 

「お久しぶりですねぇ。テンヤ君。また、遊んで貰いましょうかね。」

 

「…せっかくの誘いだが、老いぼれに構ってる暇はねぇんだよ。」

 

「貴様…。誰に向かって口を利いている。」

 

「いいのですよ。ヒュース君。彼とは付き合いがある。」

 

「…そっちの若いのは、どうした?ヘルパーさんか?強そうに見えんが…。」

 

「減らず口を叩けるのは今のうちだ。ヴィザ爺様。先に自分が…。」

 

 

キィンッ!!

 

言葉が羅列するこの状況

 

文字通り切り裂いたのは、一筋の太刀。

 

それは、ヒュースの右足を刈り取っていた。

 

 

「なっ…!」

 

「うっせぇな…。ピーチクパーチク。喋らねぇと死ぬんかテメェは。おいじじい。急いでんだよ。退け。」

 

「ほう…!中々の気迫を持つようになった…。あの頃とは、違うようだ。」

 

「…ああ、ちげぇよ。あの頃の俺はくそだった。でも今は、仲間を頼れる!俺は、前に進んでんだよ!!」

 

「しかし…、結局死ぬのですから、同じことでしょう?ヒュース君、下がりなさい。貴方は金の雛鳥を。」

 

「…了解…!蝶の盾(ランビリス)

 

「…さて、見せて貰いましょう。5年前とは何が違うかを。」

 

「さっさとテメェぶっ飛ばして、千佳を逃がす。それができたら俺の勝ちだ。」

 

「…全力を尽くしましょう。星の杖(オルガノン)

 

「(見とけよ、香織、大翔、千奈。仇とってやらぁ…。)」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「千佳!無事か!?」

 

「うん。神島さんが逃げろって…。」

 

「逃げろ…?狙いは千佳…?何でだ…。」

 

「恐らく、膨大なトリオン量を持つチカを狙っているのだろう。」

 

「レプリカ!空閑は…?」

 

「私の本体が一緒だ。」

 

「オサム。そっちはどうだ?神島さんの方は応答無いんだけど…。」

 

「すごく強そうな人2人が神島さんと戦うから逃げろって…。」

 

「…なら、俺がそっちに行こう。非常時だし黒トリガーも使う。出し惜しみしてらんないしね。」

 

「…相手の老人は黒トリガー。アフトクラトルで国宝として扱われている星の杖の所持者だ。カミジマとは因縁があるようだ。」

 

「もう1人は…、今は見えない。」

 

「いや、レプリカ。こっちに来てる。」

 

「!!」

 

スタッ…。

 

「…排除する。」

 

「させないよ、エスクード」

 

ドゴンッ!!

 

「!迅さん!」

 

「メガネ君は千佳ちゃんの護衛してあげて。遊真は天夜さんの方に行ってくれ。」

 

「りょ、了解!」

 

「黒トリガー使わないと多分勝てないよ?大丈夫かな?」

 

「って言ってますよ、城戸さん。」

 

「…分かった。非常時故、許可する。ただし、神島と合流を優先し、判断を扇いでからだ。」

 

「…分かった。行くぞ、レプリカ。」

 

「心得た。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

星の杖

 

アフトクラトルの国宝

 

黒トリガー

 

現在、ヴィザ爺が継承

 

しかし…、

 

「やはり惜しい。この様な人材を潰してしまわねばならんことが…。」

 

「光栄だけどよ…。もうちょっと手を抜いてくれてもいんじゃねーの?」

 

「いえいえ、気を抜けば、すぐに飛ぶ斬撃が来る。これでも手一杯なのですよ?」

 

現在、ヴィザの中心を囲うように、ブレードが回るサークルが、かなりの範囲を埋めている。

 

天夜は距離を取りつつ、合成弾メインで牽制を取る。

 

くっそ…相変わらず間合いを気遣うのが死ぬほど辛ぇ。

 

あのジジイ…。前より動きは速ぇぞ。バカなんかアイツ。

 

「相変わらず多彩で鋭い。ですが…、いささか引き気味。…時間稼ぎですな。」

 

全部バレてるし…。マジだりぃ。

 

手の内は全部バレてんな…。加勢も来る気はしねぇ…。

 

このまま撤退まで持ち込む?

 

駄目だ、耐えれる気がしねぇ。

 

…どーすっか…。っ!おっとー?それは助かるなー。

 

立ち止まる

 

ヴィザも同様に少し距離を離し止まる

 

「降参ですか?それはそれで助かるのですがね…。」

 

「まぁな。そうしたいのは山々だよ。」

 

「ほう…?」

 

「ほんとによー。てめーらが攻めてくる前からドタバタして…。身内でも争って…、新しい奴らの為に頑張ってるけどよ…。いい加減疲れた…。」

 

「…そうですか。最後の提案です。我々のもとに来ませんかな?貴方なら…、この星の杖を継ぐにふさわしい。私がある程度の指導をすれば、すぐにでも私を追い抜き、歴代最強の使い手となれるでしょう。どうです?貴方に敬意を表して、これが最後です。」

 

「でもよ…。」

 

 

 

諦めてねーヤツが1人でもいるなら

 

 

俺は

 

 

その2人目になる

 

 

強印・七重(ブースト・セプタ)

 

 

 

ズドォンッ!!

 

「っ!?」

 

「遅かった?」

 

「いいや、ベストタイミングよ、遊真」

 

「…この威力。黒トリガーですか。」

 

「アホ。黒トリガーは2人だ。」

 

「…?」

 

「実質黒トリガーなんだよ、こちとら。行くぜ、遊真。」

 

 

 

「俺も全力で行く。ガイスト・オン」

 

 

 

 

 

 

トリオン全放出まで残り216秒

 

 

 

 

To be contened

 

 




以上です。

ちょっと間が空くと思いますがご了承ください。

それではまた次回


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episode 10 Breakthrough

どうも、リアルが忙しく結構空きました。
気づいたらすごい多くの人に見ていただいて、お気に入りにもしてもらって…すごい嬉しい。

感謝感激パッパラパーです

あと、前回の終わりに主人公が、ガイスト起動したんですけど、緊急脱出機能付いてないので「緊急脱出まで216秒」ってのを、「トリオン全放出」に修正しました。混乱させてすいません。

それではどうぞー。




天夜がガイストを起動する少し前

 

北方面に、ランバネイン

 

東方面に、エネドラが現れる

 

 

北方面

 

「んん…?ここは兵隊が少ないな…。だが、まぁいい。」

 

「…人型!遂に現れやがったな!」ドンドンッ!

 

茶野隊面々は、遭遇した近界民に銃撃を浴びせる。

 

「待て!迂闊に攻撃を…!」

 

「さて…、どの程度か見させて貰おう!」

 

ランバネインは自身の背中辺りから無数の小さな砲身の様な物を出す。そこから細長い…、ボーダーが使う変化弾に似たビームを発射させた。

 

キュパッ!!

 

夥しい数を前に、茶野隊の2人はシールドを展開する。

 

しかしそのシールドは容易に破られ2人を緊急脱出に陥らせた。

 

くっ…!

 

今この付近にいる面子で対応するしかないか…?

 

荒船隊

来馬

別役

 

…決して弱くはない…。

 

だが、決定的な攻撃力を持つアタッカーがいない…。

それこそ、天夜がこちらにいれば対応は出来るが…、どうする?

 

まだ手の内全てを見れていない。

相手のトリガーは…、シューターよりだ。

今のところ分かっているのは背中からの高出力ビーム。

ガトリング…もしくは固定砲台。

どちらかを使ってくるなら対策出来るが…、数を減らしたくない。

さて…、まずは通達だ。

 

「荒船隊、来馬、太一。今から指示を出す。準備はいいか?」

 

「了解。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

東方面

 

「あー?ここには何もいねぇのか?どうなってんだ!ハイレイン!!」

 

エネドラが現れ、既に5分が経過した。

 

しかし、ハイレインはこの遠征中、エネドラを処理する考えがあった。結果的に、浮いた駒として放置されている状態。

エネドラの性格上、苛立ちを隠せないままにいた。

 

「ちっ…!反応がねぇ…!なら、好き勝手やらせて貰うぜぇ…!」

 

エネドラは動きだす。

その瞬間、3つの刃がエネドラの内部を通過する。

 

キィンッ!

 

「トリオン供給機関破壊。」

 

「がっ…!?」

 

「不意討ちで悪いな。だが、先を急いでいるのでな。」

 

風間蒼也は敵を見下ろす。

 

歌川亮は敵を見据える。

 

菊地原士郎は気だるそうに溜め息を吐いた。

 

油断は決して無かったとは言えない。

 

 

人型近界民。

 

遠征でも何度が討ち取った。

 

しかし、強者が多いという記憶はあった。

 

故に、風間隊のコンセプトでもある、ステルス。

 

それを使った攻撃には、一切の油断は無く、エネドラの供給機関を破壊した。

 

 

しかし、菊地原は感じた。感じてしまった。

 

 

 

 

「こんなもん?」

 

 

 

 

だからこそ、エネドラが、黒トリガーの性能上、供給機関のダミーを作れること。エネドラが攻撃を仕掛ける余裕があったこと。

 

この二つの事実に対して、

 

「甘ぇんだよ。猿が。」

 

「!!」

 

反応が追い付かなかった。

 

「液状化のブレード…!」

 

ドンッ!

 

「さぁ~て。猿が一匹飛んでったな。あれはお前らの本部に行くのか?」

 

「…教えるとでも?」

 

「ばぁ~か。イルガーでテメェらの巣は把握してんだよ。俺はテメェら捻って雑魚共いたぶり殺せりゃあそれでいいんだよ。」

 

「(歌川。菊地原と耳のリンクをした後、カメレオンを起動しろ。三上、頼む。)」

 

「(了解。…リンク完了。いつでも行けます。)」

 

「(了解。カメレオン…、起動します。)」

 

 

静かな熱をも彼は殺す。

 

ただ、任務を遂行するために

 

2人は黒トリガーに立ち向かう

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

中心部

 

天夜はガイストを起動

 

現在、射手強化状態

 

普段の三倍以上の威力、速さ、物量のハウンドは、ヴィザに対し、かなり有効であった。

 

ドドドドッ

 

「先程よりも、圧倒的な強さ…。しかし、トリオンのバランスが悪いですね。わざとバランスを崩している…と見て良いでしょうな。」

 

しかしヴィザは瞬時に攻撃の質が上がった理由を考察、理解、対応まで持っていく。

 

遊真の初撃で付与した鉛弾も削ぎ落とされ、ブレードは十分な脅威を放つ代物に戻っている。

 

「ヤバイな、神島さん。このままだとジリ貧だ。」

 

「ああ。…あのじじい。地味に間合いを詰め気味で、遊真の攻撃範囲外から適度に牽制いれてやがる。あのブレードが滅茶苦茶めんどくせぇ癖に、じじい自身は時間稼ぎでいいと思ってる。こりゃ時間切れで遊真に任せるオチになるかもな。」

 

「なら、他の所に回ってよ。俺とレプリカなら、敗けはしない。」

 

「…そうは言うけどよ。お前も修と千佳を守ろうと思ってるだろ?」

 

「でも、それは俺じゃなくてもいい。」

 

「…まぁ、な。」

 

天夜は悩んでいた。

 

ここで遊真が他の所に行けば、多分修と千佳は大丈夫だ。

 

でも、俺が行くと、最悪、修が死ぬ。そんな気がする。

 

「…分かった。俺は他の所に回る。ここ、頼んだぜ。」

 

「…神島さん、ウソ、つかないでよ。」

 

「…!!」

 

「過去、神島さんに何があったかは知らない。オサムも、チカも、今この場を切り抜けるのに必死だ。みんなを守りたい。それはウソじゃないよね。でも、神島さんはどうしたいの?」

 

見透かされている。

 

俺のワガママだ。

 

正直このじじいより強い奴はいないと思う。

 

だから、万全で、気負いせず、時間稼ぎに持っていける遊真とレプリカ先生ならこの場を巧く収めれると思う。

 

 

 

仇だ。

 

香織、大翔、千奈。

お前らを失った時、死ぬほど後悔した。

当時のじじいは圧倒的な強さで、手も足も出なかった。

香織と大翔は、俺が逃げるのに時間稼ぎとして立ち向かってくれた。

 

結果的に惨殺され、遠征艇にも襲撃。千奈はオペレーターとして支援してくれていたが、拉致された後、殺された。

信頼してしまった。

信じてしまった。

だから、俺がやるべき。

俺は、コイツを倒す。

 

これが本心だ。

 

この二つで揺らいでいた天夜は、遊真に任せるという選択を取ろうとしていた。いや、取りたかった。

 

もう彼が信じた人が死ぬのは嫌だから。

 

でも、違う。

 

今こそ、今こそこの想いを託し、自らで決断する時。

 

「遊真。俺がやる。他は任せた。」

 

「…うん、任せる!()()()()の頼みだ。行くぞ、レプリカ!」

 

「心得た!」

 

「おや、貴方1人で良いのですかな?」

 

「あたりめぇだろ?じじい。俺はよ…。前に仲間を信じて、仲間を失った。でもよ、遊真の言葉で気づいたわ。」

 

「ほう…?」

 

「誰かに頼りたいっていう、ただの逃げだ。自分でやりたい時はやっていいんだよ。ワガママなんかじゃねぇ。これは…、俺の意思だ!」

 

「先程より強い気迫ですね。…良いでしょう。全霊をもって貴方を打ち砕く。」

 

「ああ、ぶっ潰す。」

 

旋空弧月

 

キィンッ!!

 

「浅い。」

 

旋空弧月

 

「っ!」

 

旋空弧月

 

「おお…!」

 

旋空弧月

 

「っ…!!」

 

 

旋空弧月

 

旋空弧月

 

旋空弧月

 

旋空弧月

 

旋空弧月

 

旋空弧月

 

 

距離、威力、無制限の旋空弧月はヴィザの前で無数に舞った。

 

一太刀目

 

ヴィザは冷静に剣撃をいなし、次点に構える

 

間髪入れずに

 

二太刀目

 

三太刀目

 

四太刀目

 

ヴィザの対応が少し遅れる

 

剣撃をいなせず、防御一度、回避一度に移ってしまう

 

五太刀目

 

六太刀目

 

七太刀目

 

八太刀目

 

九太刀目

 

十太刀目

 

ヴィザが目に見えて追い付けずにいる

 

…ふと疑問に思ったこと

 

なぜ剣撃ばかり放ってくる?

 

弾幕をはる余裕がない?

 

分からないが、今この時を対応しなければ殺られる

 

即座に持ち直したヴィザは冷静に自身の廻りのブレードを

自身に最も近い位置に移動させ、五太刀目から九太刀目を相殺させる

 

残りの一太刀を跳ね返す

 

その腹積もりでヴィザは残す

 

その狙いは結果的に成功する

 

キィンッ!

 

ズバッ!!

 

「がっ…!」

 

天夜は左肩から右の腰部分までを袈裟斬りされた

 

大量のトリオンが漏れだし、緊急脱出する

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()

 

 

 

 

「(何っ!?何故斬れていない!内部に防御を固めた?)」

 

「ちげぇよ。」

 

「っ!」

 

「気合いと根性…って言いてぇけど、緊急脱出機能が付いてない状態でガイスト起動すると、何でか知んねぇけど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようになってんだよ。」

 

「…なるほど、先程の剣撃ばかりもそういうことですか。」

 

「それもあるけど、もう1つ。」

 

「…?」

 

「じじい。あんたが俺の仲間ぶっ殺した時、全部()()()()()()()()?だから、仇討ちって意味もあんだよ。」

 

「素晴らしいエゴ…ですな。」

 

「いいや、」

 

 

 

 

ただのワガママだ

 

 

 

 

旋空弧月!!

 

 

キィンッ!!

 

打ち砕いた強敵を前に、

 

天夜は一瞬、

 

空を見上げる

 

 

トリオン全放出まで、残り58秒

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ランバネインは思考を巡らせる

 

先程の兵隊…。恐らくレベル的に言えば低いものだろう。

 

何人潜伏しているかは把握できてないが、先程のレベルから2つ3つあがった所で、雷の羽(ケリードーン)なら十分な対応が出来る。

 

故に、警戒すべきは駆けつけてきた、もしくはこちらに向かってくる者だな。

 

…早めに処理したほうが良さそうだ。

 

「悪いが…、すぐに片付けよう。」

 

「…!空を飛んだ。上空から撃たれるとキツいな。」

 

「ご名答。まずは、貴様からだ。」

 

ランバネインの放つ砲撃を、東は回避しながら逃げる。

 

「…正確に撃っている…というわけではなさそうだな。」

 

彼は非常に冷静だった

 

逃げながら、悟られないよう、誘導していく

 

誘導先には、狙撃手3人組、荒船隊が待ち構えている

 

ドンドンドンッ!

 

「いい釣りだ。東さん。」

 

3つの狙撃はランバネインの頭部へと向かう

 

だが、

 

シュウウッ…

 

「やはり隠れていたか。あぶないあぶない。」

 

「(イーグレットを跳ね返すか…!)」

 

「そこだな。」キィィィンッ…

 

ランバネインはすぐさま3人へと反撃する

 

その反撃により、穂刈、半崎の2人は緊急脱出してしまう

 

荒船は何とか凶弾から逃れる

 

「強いな…。…!太一!!」

 

速い

 

ランバネインは一気に距離を詰め、別役へと砲撃

 

なす術無く、緊急脱出してしまう別役

 

一挙に3人落ちてしまう

 

「(誤算だったな…。シールドが固すぎる。それに、射撃が雑だと思った矢先のあの正確な砲撃。…機動力もかなりあるな…。これは骨が折れる。)」

 

「(東さん、加勢に来ました。どんな感じですか?)」

 

「出水か!助かる。穂刈、半崎、太一の3人がやられた。そっちにアタッカーはいるか?」

 

「槍バカと迅さんバカがいます。最悪弾よけにもなります。」

 

「「おい。」」

 

「ハハ。こっちの残りは、荒船と来馬だ。何か案はあるか?」

 

「建物内に誘導したいっすね。機動力あって上からアホみたいにバカバカ撃たれたら手を出せないんで。」

 

「そうだな。このあたりで大きな建物は…、旧三門大学だな。」

 

「その建物のMAP送っとくね~。」

 

「由宇さんナイス~。」

 

「とりあえず突撃しかないと思うけど?どーする?」

 

「どう突撃するかだな。」

 

「天夜さんだったらどーすっかな~。」

 

「俺たち3人くっつけたらあの人になれるって考えたら…、まず1発ぶっぱなすな。」

 

「間違いねぇ。方針はそれでいいな。」

 

「槍バカ。旋空弧月出せねぇの?」

 

「トリガーに入ってねぇよ!」

 

「アハハ!じゃあ、俺が行くよ。スコーピオン使ってんのこの中なら俺だけだし。建物内に誘導出来たら片足位は削れると思うよ。天夜さんなら倒しちゃうかもだけど。」

 

穏やかな感じだが…、A級3人組は強い。

本当に…、成長したよ。天夜。

お前のお陰だ。

 

「さぁ…、まずは誘導からだな。3人と、荒船、来馬。行くぞ。勝ったら焼き肉だ。天夜の金で。」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

 

To be contened

 

 

 

 

 




はい、以上です。

ちょっと歯切れが悪い終わり方になりました、すいません。

またちょっと空くかもですが、宜しくお願いします。

それではまた次回。


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episode11 東春秋と神島天夜

どうも、大分空きました()

総合評価がいつの間にか500を超えました。すげぇ()

たくさんの人に読んで貰えるよう、これからも頑張っていきますので宜しくお願い致します!

それではどうぞ


俺は、特別トリオンが高いわけではない。

歳も25。世間一般で見ればまだまだ若いと思うが、平均年齢がとても低いボーダーでは、かなりのおじさんだ。

 

トリオンがこれ以上増えることはない

だから、戦術を練って、相手を淘汰する。

そんな日にも、限界は来た。

天夜のチームに当たった時、何も出来ずに負けた。

何が足りなかった?

独りでは、導き出すことはなかった。

 

天夜がいたんだ。

ランク戦中の敵同士なのに。

 

そんな天夜に何故かと、問う。

 

 

「なんで?みんな強い方が良いにきまってるからですよ。だって、皆が滅茶苦茶強くなれば、前の進攻の時も、もっと死者を減らせた。そうでしょ?勝つっていうのは、その目的への最適解に成ることが多い。でも、俺たちが戦う理由ってのは、それが全てじゃない。本気のお遊び。そう思ってますよ。俺は。」

 

誰もが当然と理解していることだった

 

だが、誰もが忘れつつあるものでもあった

 

何のために戦うか

 

アイツは仲間を失った今でも、それを胸に戦っているんだ

 

…すごいやつだよ

 

「東さん~。天夜です。」

 

「天夜か!」

 

「そっちに三バカ諸々いるってのを把握してるんで、俺、ヒナギクがやられた黒トリの方行きます。ガイスト起動中なんで、あと50秒とかしかないっすけど。そっち、任せます。東さん。」

 

仲間を失ってから、天夜はなるべく関わりを持たないようにしていた。

でも、今は玉狛の子達や、本部の人間が、積極的に関係を持とうとしてくれている。

天夜自身の魅力からだ

 

アイツは結局、天性の人たらしだよ。

 

「ああ、任せろ。そっちも全放出前に負けるなよ?」

 

「誰に言ってんすか。ボコボコにしてやりますよ!」

 

さて…

 

奴を倒すか

 

「来馬、荒船。指示を出す。」

 

「「了解」」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

エネドラ方面

 

ゴポポポッ

 

液体となり移動するエネドラは本部の侵入を企む。

 

「…おぉ!?やっとこさ見つけたぜぇ~!」

 

「レイジさん…。コイツ…。」

 

「ああ、黒トリガーだ。しかも、方角的に…。」

 

「本部ですね。ここで足止めが良いかと。」

 

「小南には別方面のC級の援護にまわらせた。天夜さんがこちらに向かっているが…。」

 

「そろそろガイスト切れると思いますよ。あの人。」

 

「なら、言われていた通り、着いた瞬間にケリを着けよう。それまで、時間稼ぎだ。」

 

「了解。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「わりぃな。急に呼び出して。」

 

烏丸とレイジが天夜に呼び出されたのは、ラーメン屋。

 

「いえ、大丈夫です。」

 

「なんかあったんすか?」

 

「これから起きる大規模侵攻で、1つお願いがあってよ。」

 

「お願い…?」

 

「お前ら2人は玉狛のトリガーだから、大分強いんだろ?でも、消耗度外視で作られたトリガーだから、ゴリゴリトリオン喰っちまう。そこで、戦況にもよるが、ここぞってとき以外、ガイスト、全武装(フルアームズ)は使わないで欲しい。」

 

「…具体的には?」

 

「俺の勘だと、攻めてくる奴の中にくそ強ぇ黒トリのじじいがいる。ソイツをやるのには俺がガイスト起動させなきゃいけねぇ。んで、ソイツを倒せたあと、残り秒数にもよるがお前らの方に行く。多分お前らもめんどくせぇタイプの奴とやることになると思うからな。」

 

「そこで、全力を出さず時間稼ぎをする…と。」

 

「ああ、ものすごく強い、出涸らしになってる奴がいるのに、お前らが全力出す必要はねぇ。」

 

「でも、それで行けるんすかね?結構不確定要素多いっすけど。」

 

「まぁ、それが出来たら一番良いなって感じで良いぜ。てか、そうしねーと、最悪の場合…、修が死ぬ。」

 

「…!」

 

「…分かりました。絶対に修は殺させません。」

 

「ああ…、頼んだぜ、お前ら。」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

なんだコイツら…?

 

引き気味で戦ってるくせに闘志だけはギラギラした目に灯ってやがる

 

こーゆうのが一番ムカつくぜぇ…。

 

ただ、ここで無理やりいっても何かあるかもしんねぇ。

 

そう思わせられてる時点で今は分が悪いな…

 

「敵は思った以上に冷静だ。落ち着いて対処するぞ。」

 

「了解。まだ何か隠してるかもしんないんで、相手を見ながらっすね。」

 

サル共は大分冷静だな…。俺が黒トリガーって分かってる上で動いてる。

 

さっきのサル共に見せたのは液状化のみ。

 

…今ここで気体化して奇襲しても、恐らくやれて1人。

 

もう1人に情報を与えちまう。

 

ドドドドッ!

 

「チィッ!!」

 

くそが…!考えてる余裕も大してねぇ!やるしかねぇ!!

 

「おい、テメーら。」

 

「…?」

 

「なんだ…?」

 

「相当やるな…。俺じゃなきゃ、やられてるわ。」

 

「(陽動と見て良いかと。)」

 

「(天夜さんがもうじき着く。それまでの時間稼ぎには好都合だ。)」

 

「…なんでテメーらは、そんな必死こいて戦うんだ?トリオン能力の低い、低能な屑共の為に働いて、チヤホヤされてーのか?だったら底は知れてる…。そう思ってたんだがなぁ…。」

 

「…何が言いたい?」

 

「サル共は、サル共なりにねぇ頭振り絞って戦ってんのはすげぇと思うぜ?でもよ…、()()()みてぇにつえぇやつはいねぇよ。」

 

「…。」

 

「サルの癖して、正直すげぇと思っちまった。圧巻させられた。驚愕させられた。だからこそ、てめぇらみてぇに努力すればなんとかなるとか、さみぃこと言ってる奴を見ると吐き気がする。あのアズマとかいうおっさんもそうだ。無い頭使って必死こいてランバネインとやってるが、所詮はサル山の大将だ。お前らも、カミジマテンヤとは差がありすぎるんだよぉ!!だからこそ、ヴィザのジジイは黒トリガーを継承したかったんだと思うぜぇ?あまりにもテメーらが不甲斐ねぇからなぁ!」

 

「…!」

 

「…落ち着け。所詮煽ってるだけだ。」

 

「おいおい。テメーらの話してやってんのにシカトかぁ?死ぬ前に、せいぜいテメーらの不甲斐なさを振り返れって、言ってやってんのによぉ!!」

 

そう言った瞬間、エネドラは、気体にした自らのトリオンを、攻撃に転移させる。

 

 

「!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

来馬、荒船は東の指示通りに動き始めた。

 

まず、来馬が動き出す。しばらく逃げたあと、ランバネインの足元へと攻撃を仕掛ける。多角的に、なおかつ、一撃の威力を高めて。

 

「…遅い弾だが…、避けなければいかんな。」

 

それを察知したランバネインは、上空へ回避。

そこから砲撃を開始する。

 

間髪いれずに荒船の狙撃。

 

頭部ではなく、脚へと撃ったことにより、ランバネインは被弾する。

 

「先程と違い、機動力を削りに来たか…。」

 

しかし、すかさず反撃に出るランバネインは、ある違和感を覚えた。

 

「…あの建物…。狙撃手がもう1人いるなら絶好のスポットだな。」

 

そう思ったランバネインは、建物から自分を狙える場所、旧三門大学の三階に侵入する。

 

侵入した先にいたのは狙撃銃らしきものを持った1人の玄界民。

 

「やはりなっ!コチラの思考力が上回ったか!」

 

躍動する身体と共に、ランバネインの思考は1つに固まる。

 

 

 

まず1人

 

 

 

そう思った彼の右腕は

 

 

()()()()()()()()()()刈り取られていた

 

 

「何…っ!?」

 

「なるほどなるほど…。勝てると思ってるやつは隙だらけだ。」

 

「くっ…!」

 

思わず建物の外に出たランバネインを

 

出水の大量の変化弾が襲う。

 

「ほーら。ぶっ飛べぶっ飛べ。」

 

 

「なっ…!?…鋭い手だ…!」

 

驚愕した表情を浮かべつつも、警戒を怠らない。

 

その意識へと切り替えたランバネインの前では

 

 

米屋の幻踊は空を切る。

 

「なっ…!これ躱すのか…!」

 

「ふぅ…。やるな玄界民。だが、これでやっと、1人だな。」

 

一息ついたその瞬間。

 

 

 

アイビスがランバネインの腹部を貫く

 

 

「悪いな。やっと、1人だ。」

 

トリオン体が破壊されたランバネインは自分の運命を悟り、口を開く

 

「…どこからがお前のシナリオだ。」

 

「足元へ攻撃し、上空へと逃げた攻撃からだ。」

 

「ほう…?」

 

「その飛行能力には制限があるのだろう。使えない時間から使える時間になった時、選択肢が絞られると思ったんだ。貴様は豪快な性格だ。一気に片付けることを意識すると思った。故の考えだ。」

 

「…脚を狙った理由は?」

 

「頭部への狙撃は、コチラの準備してる弾では貴様が持つシールドにより、ほぼ無意味になるのでね。頭部を守るのが普通の発想。それを捻っただけだ。」

 

「…なぜ、あの建物に入ることを確信していた。」

 

「先程、豪快な性格と言ったが、自らがそれを認識していると踏んで、わざとスナイパーが狙いやすい建物近くに誘導させてもらった。そうすれば、先に中にいると思っているスナイパーがを狙うと思ったからだ。その時点でこちらの作戦の8割が成功した。」

 

「…そういえば、中の玄界民は銃を持っていたが、なぜ撃たなかった?あの距離なら一撃で仕留められたはずだ。」

 

「あれはブラフだ。スナイパーを想定した状態の貴様は、一撃でやられることを避けたいと思うと踏んだ。故に、俺の銃をアイツ(緑川)に持たせることにより、近接戦を選択肢から除外させた。」

 

「…!なるほど…!」

 

「その後の展開は完全な2人のアドリブだ。とにかく指示として、油断させてくれ。としか言わなかったからな。最後の攻撃もわざと貴様に見えるようにモーションを大きくしたんだろう。」

 

「一息ついた、その瞬間を狙っていたのか…。…見事だ。カミジマテンヤには気を付けろと言われていたが、ヤツのみではないということだな。」

 

「まぁ…、個人の力ではアイツに勝てるヤツはいないよ。でも、集めた力を、敵に匹敵させる事。それが俺の仕事だからな。」

 

「…いい心がけだ。」

 

「ちなみに…、」

 

「それを言ってくれたのも、天夜だがな。」

 

「…完敗だ。それに、実行メンバー全員を生かした上でのこの作戦、感嘆の域だ。」

 

「まぁ…、天夜も同じことを言うだろうがな…、」

 

「…?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ゴチャゴチャ話したが、これでシメーだ!てめーらがどう思ってようと、これで死ぬんだ!終わりだぁ!!」

 

エネドラは、気体にした自らのトリオンを、凶刃へと変貌させる。

 

それを防ぐ方法を、2人は持ち合わせていない。

 

エネドラにとっては嬉しい誤算だ。

 

よって、この攻撃は決まり、2人の緊急脱出も確定する

 

 

ズカッ!!

 

…?なんだ?ブレードが体外に出てねぇ。派手に出るんだが…。

 

「よっしゃあ!間に合った!」

 

「天夜さん…!」

 

「ナイスタイミングです。」

 

「悪い。待たせたな。」

 

「カミジマテンヤ…!」

 

「なんだ?前とは違うヤツが泥の王(ボルボロス)使ってんじゃねぇか。しかもその眼…。ま、てめぇも相当めんどくせぇやつみてぇだから、2人の内部にシールド張って正解だったわ。」

 

「なんで…、てめぇはそうやって助ける…?てめぇにとって、周りのやつらは枷みてぇなもんだろうが!!」

 

「あっ?」

 

「さっきだってそうだ!コイツらのことを気にせず俺をやれば、それでしまいだったじゃねぇか!!なんなんだ…!なんなんだよてめぇはよぉ!!」

 

「…何言ってるかわかんねぇけどよ…。大概にしろよ?」

 

「…!」

 

「通信聞いてたからよぉ…!てめぇが随分好き勝手言ってくれたのは嫌でも知ったよ。…1つだけ教えてやる。」

 

 

 

 

 

 

「「仲間がいなきゃ、俺達は何も出来ないんだよ。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!そんなぬるいこと言うやつに…、この俺が負けるかよぉぉぉお!!」

 

「旋空弧月」

 

 

ズバァンッ!!

 

 

「がっ…!!」

 

「まぁ…、東さんも同じこと言うだろうけどよ。」

 

 

 

 

 

それぞれの強さは全く違う

 

しかし、誰よりも強い、その2人は

 

 

同じ意志を胸に宿す

 

 

 

「んじゃ…、後は頼んだぜ。とりまる、レイジ。」

 

「はい。」

 

「きっちり本部まで届けますよ。」

 

「頼んまーす。」

 

 

トリオン、全放出

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…ブゥゥゥン…

 

 

 

「!!」

 

「何…!?」

 

「…マジか…。そう動くのか…。あの性悪。」

 

 

 

 

 

 

「さぁ、手負いの王が墜ちる時だ。」

 

 

 

 

ハイレイン、出撃

 

 

 

 

 

To be contened

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、以上です。

結構考えた上で書かせて貰いました。

次回もまたかなり空くかもですが、宜しくお願いします。

それではまた次回。


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episode12 神島天夜という男②

どうも、お元気ですか?最近やっと、お店とかで酒飲むことが増えてきたので幸せです。あとFGOが…楽しい()
それではどうぞ


トリオンが切れ、生身の状態となった天夜の眼前には、

かつての古き友。ハイレイン、ミラが立ち塞がる。

 

「マジか…。こっちに来るかてめぇ。」

 

「久しいな。テンヤ。」

 

くそっ…!予想外過ぎる。

この時点で、修が死ぬ未来。千佳がさらわれる未来は消えてるはずだ。迅と繋がらんからわかんねぇが…。

 

「…天夜さん、コイツは?」

 

「親玉だ。気を付けろ。アイツが出す動物さん達に触れたら、一発でトリオンキューブにされちまうぞ。」

 

「了解…。ヤバイ奴ってことで、とりあえず第一優先は天夜さんを逃がすことであってますね?」

 

「…どうだろうな。」

 

「…?」

 

「というと?」

 

「まぁ、ダメ元で聞いてみるわ。」

 

トリオンがスッカラカンになったタイミングを見て来てんだから、ブラフは通じねぇ。

バカ正直に聞いてみるしかねぇか…。

 

「おい、動物園。お前らの目的はアホみたいなトリオンを持った人間じゃなかったのか?」

 

「それもあるが、次点でお前だ。とりあえず、現在の状況では先程見つけた金の雛鳥を狙うのは困難。故に第2プランだ。」

 

「ここのトリガー角に侵食されちゃってるヤツ、返すからそれで許してくんね?」

 

「あら、それは悪いけど叶わないわね。だって…、」

 

ドッ!!

 

ミラが放った凶刃は

 

エネドラの胸部を貫いた

 

生身ゆえに耐えれる事はない

 

「がっ…!てめぇ…ミラ!なんで…!」

 

「あら、ごめんなさい。言われたのは、泥の王の回収だけなの。…昔は良い子だったのに…。さよなら。エネドラ。」

 

「ミラ…!ハイレイン…!!」

 

ドサッ…

 

息絶えたエネドラは哀しげに、絶望の表情を浮かべ、そして、泣いていた。

 

「さて、邪魔者は後一人だ。」

 

「おい…。何仲間殺してんだテメー。確かに角に侵食されてる眼だったけどよぉ…。殺す必要はねぇだろ。」

 

「貴様には関係のないことだ。どうせ死ぬのだから。」

 

「…ああそう…。てめぇの腐った性根は伝わったわ。ボコボコにしてやるって言いてぇけど、生憎戦えねぇからな…。逃げさせて貰うわ。」

 

「逃がすとでも思ってるのかしら?」

 

「ミラちゃん~…。駄目?」

 

「…っ。…そんな顔しても無駄よ。貴方は連れ…ここで殺す。」

 

「ちょっと効いてんじゃねぇか。レイジ、とりまる。逃げるぞ。相性が悪すぎる。」

 

「…了解。」

 

「(敵に人垂らし発動させてる…。)了解。」

 

「逃さん。」

 

さぁ…。こっからだな。

 

今の状況が知りてぇ…。

 

こっち側で空いてる奴は…、

 

蒼也、東さん、三バカ、位か?

 

桐絵はトリオン兵駆除に回ってくれてるから住民に被害が及ぶ感じはねぇな…。

 

相手の戦力、残りはヘルパー(ヒュース)と動物園(ハイレイン)とミラちゃんだけだ。

 

 

 

………。

 

 

 

 

あれ、これもう勝ちじゃね?

 

 

 

ヘルパーは迅が抑えてる。このまま撤退まで持ち込むことも出来る。

 

残りの戦力はこっちにいるから行動把握は完璧に済ませられる。

 

レイジかとりまるに連絡して貰って手の空いてるA級以上は全員こっち呼べば撤退するだろ。

もしくは()()()()()が東さん側に寄りつつ逃げれば勝ちだ。

 

「レイジ。」

 

「どうしますか?」

 

 

 

そう、簡単なことだ。

 

 

 

 

 

 

 

「俺置いて逃げろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

迅side

 

 

 

「!!!…マジか、天夜さん。そりゃないっすよ…。」

 

 

迅には見えた。

 

天夜の考えから繋がる未来により、既に

 

・雨取千佳が拐われる

 

・三雲修が死ぬ

 

・神島天夜が拐われる

 

この未来は見えない。

 

 

 

 

 

 

だが、

 

・神島天夜が死ぬ

 

 

 

 

 

 

 

この未来だけが

 

着々と色濃いモノへと変貌していく

 

 

 

「全隊員に告ぐ!!!」

 

迅は叫んだ

 

 

 

敵は困惑している

 

 

「…?」

 

 

かまうもんか

 

 

 

 

憧れの人間が生命を絶たれようとしている

 

 

そんな状況、そんな未来、

 

 

 

 

絶対に嫌だ。

 

 

「天夜さんを助けてくれぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

???side

 

 

「なぁ、ーー。」

 

「なんだよ、ーーー。」

 

「俺ーー。相当ーーくなったよなー。」

 

「ああ、ーーーも、やっとこさーーーーランーになれたし、もっとーーくなれると俺は思ってるぜ。」

 

「まぁ、所詮、ーーーって思ってるけど。」

 

「そりゃそうだろ!だって、あんなにーーいやつらがーーーになるんだぜ?心ーーいったらありゃしねぇ!」

 

「な~に?またー子2ーでないしょ話?デキてんの?」

 

「お、●●!いやぁ、お前がやっとこさーーーーランクになったからよ!それのー祝ーしようかってことで!」

 

 

「えー!?ーーーーー。でも、ーーーーだよ~。」

 

「まぁ、そう思っておいた方がーーにーーると思う。」

 

「ーーはそーいうとこだけーーーだよなぁ。」

 

 

この記憶は一体何だ?

 

誰の記憶だ?

 

何が起きた?

 

これは

 

 

なんだ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

三雲&遊真&千佳side

 

「…トリオン兵すら、全く追ってこなくなったな…。」

 

「テンヤさんがあのじいさんを倒してくれたから、周りがかなり楽になって、色々なところにまわってくれてるんだろ。…どーした?チカ?」

 

「…分からないけど、神島さんが危ない気がする…!」

 

「…!…。オサム…。」

 

「ああ…、空閑、神島さんを頼む。」

 

「行くぞ、レプリカ。」

 

 

 

 

助けないと

 

 

 

 

 

直感で感じたこの思い

 

 

 

 

 

…間に合うことはない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ハイレインside

 

 

 

連れてきた、エネドラ、ヒュースの処理は終わった。

 

一番の脅威であった、カミジマテンヤも、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…まぁ、あの傷なら、長くは持たないだろう。

 

 

しかし、玄界の民が集まり過ぎている。

 

 

…今回はここまでだな。

 

「ミラ、艇を。撤退だ。」

 

「…了解。サヨウナラ、テンヤ…。」

 

少し名残惜しそうな表情の2人は、ゆっくりと艇に戻る

 

 

 

 

 

脅威が消え去った後の空は

 

嫌に晴れていた

 

 

その日を浴びる()の灯火は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消え去る寸前なのだろう

 

 

 

 

 

「逃がすかぁ!!近界民!!」

 

 

 

 

 

ーー風刃ーー!!

 

 

 

 

 

神島天夜が危ない。

 

 

三輪秀次は放った

 

 

届くことはない

 

 

だが、その意思だけは…

 

 

 

「…安心しろ。今回はこちらの完敗だ。テンヤもまだ生きている。虫の息だがな。」

 

 

「…!!神島さん!!」

 

近界民には目もくれず、駆け出した三輪は、天夜の容態を目にし、絶句した。

 

 

全身穴だらけ…!

 

出血が多すぎる。

 

 

そこに駆け付けた

 

米屋、出水、緑川、東、空閑の5人に

 

「医療班を!早く!!」

 

「やべぇぞ…!血を出しすぎてる…。」

 

「東さん…!敵はもういません…。早く、早く神島さんを…!」

 

「落ち着け、秀次。(致命傷を避けてはいるが…。不味いな。)」

 

 

こうして第二次近界民大規模進攻は終結した。

 

 

 

 

 

被害総数

 

一般人…死者0名 軽傷者…265名 重傷者…39名

 

ボーダー関係者…死者0名(現在) 重傷者…1名(深刻)

 

近界民…死者1名 捕虜…1名

 

 

前回の2倍以上の総数で攻めてきた近界民を前に

被害を前回の1/4程に収めることが出来たが、

A級随一の実力者、神島天夜が、意識不明の重体。

 

全身に26箇所の()を確認。

奇跡的に致命傷は避けているが、出血が夥しく、未だ目を覚まさない。

…無事を祈る。

 

報告者 東 春秋 迅 悠一 風間 蒼也 太刀川 慶

 

 

 

To be contened…

 

 

 

 

 

 




はい、以上です。
次話からB級ランク戦編です。

宜しくお願いします!

それでは~。


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B級ランク戦編
episode13 城戸正宗と神島天夜


どうも、ヤマアラシんです。
番外編のEXepisode3は完全に妄想でかいてます。
三上ちゃんと綾辻ちゃんは絶対あんなキャラじゃないと思ってますが、酔ったらあんな感じっていう設定にしたかったので、やりました()

それではどうぞー。


アフトクラトルの進攻から3日経った。

 

特級戦功として、

 

太刀川 慶

 

新型トリオン兵を計15体撃破。

その後、東地区の人的被害をゼロに抑える。

 

空閑 遊真

 

新型トリオン兵を計14体撃破。

黒トリガーを神島天夜と連携し、一時期食い止める。

その後、狙われたC級隊員の援護にまわり、C級隊員への被害をゼロに抑える。

 

神島 天夜

 

黒トリガー持ちを2体撃破。新型トリオン兵を計11体撃破。

その後、意識不明の重体になるが、各隊員への連絡、指示をし、敵を撤退させる。

 

 

 

 

この三名が挙げられた。

 

 

三雲修は考えていた。

 

なぜ、生身の状態で黒トリガーに立ち向かったのか。

 

その答えを知りたい。

 

だが、彼は今も目覚めない。

 

容体は安定しているが、未だに意識が戻らない。

 

病院には毎日誰かがいる。

 

…僕も行かなきゃ。

 

ふとそう思い、彼が入院している病院へと足を伸ばす。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

2人は、責任を感じていた。

 

あの時、2人で戦っていれば。

 

なぜ、この人は俺たちを逃がした?

 

俺たち2人は緊急脱出機能が付いている。

 

仮にトリオンキューブ化の攻撃受けたとしても、トリオンキューブになる前に緊急脱出すれば良いだけ。

 

それぞれが答えを求める人間は、

 

尚も目覚めない。

 

「失礼します…。あ、どうも、お疲れ様です。」

 

「修か。」

 

「身体は大丈夫か?」

 

「あ、はい。ずっとトリオン体でいれたので、怪我はないです。…神島さんは…。」

 

「…まだ昏睡状態だが、医者が言うには、安定しているらしい。それと驚くことに、身体の()は塞がりつつあるみたいだ。失われた筋肉、骨、神経までもが何事も無かったかのように存在している。後遺症や目立った障害は残らないみたいだ。」

 

「…!そうですか…!良かった…。…ところで、神島さんの親族は…。」

 

「天夜さんの妹が、今こっちに向かってるらしい。次期に着くらしいが…。」

 

「兄さん!!」ガチャッ!!

 

「どうも、麻里さん。」

 

「あ、京介君に、レイジさん!…それと?」

 

「あ、三雲修です。お邪魔してます。」

 

「どうも、ご丁寧に。天夜の妹の麻里です。」

 

「麻里ちゃんが三門市に来るのは久しぶりだな。」

 

「ご挨拶に行けずすいません。いつも兄がお世話になっております。」

 

…そう言っている少女の眼は、少し赤かった。

 

神島 麻里

 

天夜の妹で、歳は15歳。

 

5歳の時に三門市から引っ越した。

 

ちょうど近界民が攻めてくる前で、天夜曰く「ここはもうじきやべぇことになるからお前は遠くの町で暮らせ。」

といった2週間後、近界民が攻めてきて、被害を逃れた。

 

「兄さんが重体だっていうのを聞いて、飛んできたんですが…、その、容態は?」

 

「今のところは問題ないみたいだ。身体の穴も塞がりつつあって後遺症も残らない。ただ…、ずっと昏睡状態なのは何故か分からないみたいだ。」

 

「…もしかして、ちょっと待っててください。」

 

「…?」

 

「あの…、もしも何かあった時、これを起動してくれと言われた物がありまして。」

 

「トリガー…!?」

 

「なんでも、一人で遠征?に行ったときに手に入れたトリガーで、これに触れた瞬間、意識が無くなったと。そして次に目覚めたときは、遠征艇の中で、その星は消えていたみたいです。残っていたのはこのトリガーだけだと。」

 

「…トリガーなのは間違いないが、用途としては、戦闘用では無いな。」

 

「とりあえず起動するしかないっすね。」

 

そう言うと、烏丸はトリガーに触れ、起動を試みる。

 

…何も起きない。

 

続き、レイジが触れるが、同様に何も起きなかった。

 

「…どういうことだ?トリオン量が足りない?」

 

「あ、あの…!僕、良いですか?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

???side

 

暗すぎ~。

 

なんじゃここは。

 

何も見えん。

 

身体は治りつつあるからもう起きれる筈なんだけどな~。

 

あのトリガーが起動すればなんで復活出来んのかは知らんが、やって貰わなきゃ困るって話よ。

 

トリオン量は関係ない筈だ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って言ってたな…。

 

あれ、

 

 

誰が言ってたんだっけ?

 

うおっ!身体がフワフワしてきた!!

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

僕は、自分が弱い人間だと自覚している

 

だからこそなのかは分からないけど、このトリガーを起動できる気がした。

 

それでも僕は、誰かを助けたい。

逃げたくない。

僕自身がそうすべきだと決めたことから、逃げたくない!

 

 

トリガーは、微かな光を灯した。

 

すると、

 

 

「おっ…。帰ってこれた…。」

 

「天夜さん!!「神島さん!!「兄さん!!」

 

「やぁやぁ諸君。心配かけたな。さてと…。」

 

「な、何立ち上がろうとしてるんですか!?」

 

「えっ?城戸さん所行かなきゃだから。あ、レイジ。唐沢さんに連絡して車用意して貰ってくれ。あと、麻里。ありがとな、見舞い。もう大丈夫だ。トリガー、修に渡しといてくれ。」

 

「…?」

 

「その()()()()は絶対にお前を助けてくれる。あと、遊真と千佳ちゃんとチーム組むんだろ?そっちに集中しとけ。楽しみにしてるぜ、隊長。」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ボーダー司令部

 

扉の先には城戸、忍田、林藤、唐沢。

 

()()を知るメンバー

 

「よく来た。神島隊員。身体の方はどうだ?」

 

「穴はほぼ塞がってる。トリガーも起動して貰ったし、じきに任務に戻れるぜ。」

 

「そうか…。では、契約通り、神島天夜。」

 

「君を今日付けでB級隊員へと降格処分に処す。」

 

「はい。了解です。」

 

「天夜…。その、本当に良いのか?」

 

「しょうがないんすよ。忍田さん。()()は、本来、起動させちゃ駄目なものだ。」

 

「…しかし、君は今、あのトリガーの内部のトリオン量全てが君のトリオン体に入っている。つまり…。」

 

「ま、確かにトリオン量は死天境地を使ってる時と変わらんぐらいに跳ね上がったわな。…なんせ、()()()()()()()だからな。アレ。」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

月日を経て、遂にB級ランク戦が始まる。

 

三雲隊

 

通称玉狛第二の初陣である今日。

 

彼らは…戦慄していた。

 

てゆーか、今日のB級ランク戦を知っているもの

 

てゆーかボーダー全体が震えた。

 

「今日の対戦メンバーは…、あー、そのー…。」

 

「オサム、しっかりしろ。」

 

「遊真くん、それは修くんじゃなくて宇佐美さん。」

 

「千佳ちゃん?顔が菩薩だよ?」

 

対戦表

 

吉里隊

 

間宮隊

 

玉狛第二

 

神島隊

 

 

「…動揺するのも無理はない。あとで色々神島さんに聞かなきゃ行けないけど。」

 

「要注意は天夜さんだな。一対一はまず勝てん。」

 

「私が人を撃てたら変わるのかな…。」

 

「多分、変わらないと思うよ。」

 

「…!」

 

「あの人は色んなトリガーがA級レベルで使えるからね。その上、あのサイド・エフェクトが強すぎる。狙撃したとしてもほぼほぼ避けられると考えて良いと思うよ。戦場でも、ああいう類いの人間が一番強い。」

 

「そうだな…。とりあえず、やれることはやってみよう!時間だ、行くぞ!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さぁさぁ!!B級ランク戦ROUND1!!実況は私、武富桜子!解説はこの方々!!東隊隊長、東隊長!」

 

「宜しく。」

 

「そして、玉狛第一所属、「ぼんち揚食う?」でお馴染みの迅隊員!」

 

「どうもどうも~。」

 

「以上のメンバーでお送りしたいと思いますが!!東隊長、皆さんが気になっている事をズバリお聞きします!」

 

「ええ。」

 

「あの、神島隊員が、何故!B級ランク戦に出ているのでしょうか!?私、対戦表をみた日から、ずっとそれが気になっておりました!!」

 

「…詳しくは言えませんが、本人が言うには、「B級に降格になったので、またA級になりたいと思います。」と言っていましたね。」

 

「大胆にも勝利宣言ですね!最初に当たる3チームは御愁傷様と言ったところでしょうか!?」

 

「いえ…、分かりませんよ。」

 

「ウチの後輩たちは、面白いものを見せてくれると思うよ。」

 

「なるほど!!…それでは、B級ランク戦ROUND1!スタートです!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さぁさぁ!転送位置的には…、吉里隊、玉狛第二が東方面!間宮隊、神島隊員が南方面と、綺麗に分かれました!」

 

「転送位置はランダムで各隊員一定の距離を保ってのスタートになりますが、玉狛第二は位置が非常に良い。狙撃手の雨取隊員はバックワームを装着しているので、レーダーには写りません。なので、吉里隊の近くにいますが、気づかれることはないでしょう。吉里隊は3人合流を優先しますね。」

 

「間宮隊がしんどいね~。天夜さんが近すぎる。3人合流は出来るけど…って感じですね。」

 

 

 

駆け出していったのは空閑。

 

吉里隊の3人に一番近く、三雲を待っても良かったのだが、実力差的に、先に3点取るべきだと感じた。

 

「いた。」

 

カッ

 

「えっ?」

 

脅威的なスピードで吉里隊3人の急所を刈っていく。

 

「おーっと!?空閑隊員!!速い!!速すぎる!!一挙に3得点です!!吉里隊は全員が緊急脱出!!」

 

空閑が一息着いた瞬間

 

 

ドンドンドンッ!!

 

緊急脱出の音が三回響く

 

 

「か、神島隊長…!強い!間宮隊のハウンドストームに意も介さず、旋空弧月で一閃!!間宮隊、全滅!!神島隊も一挙に3得点獲得です!!」

 

「…ふぅ、こっからだな。オサム。」

 

「ああ、挑戦だ。行くぞ、千佳。」

 

「うん!」

 

 

 

「よっし。とりあえずゴーグルトリオは撃破。…玉狛は一人撃破の時点で勝ちと考えて良いな。優先すべきは遊真だ。」

 

吉里隊が緊急脱出したところに行ってみるか?

 

千佳ちゃんが配置されてたら大砲で目眩ましになっちまう。

ゴチャゴチャしたところで遊真が強かった場合、かなりめんどクセェ。

 

どーすっか…おっ…。

 

「修か…。どうするつもりだ?」

 

「考えている策が3つ4つあるんですが…、通じる気がしません。」

 

「その策は悪くは無いと思うぜ?お前が考えてんだからよ。でも、大事なのは、その策を通すことが出来るかだ。それは、経験しないと分かり得ない事だからな。勉強しようぜ!」

 

「はい…!では、行きます…!」

 

三雲は駆け出す。

天夜とは逆方向に駆け出し、南方面に逸れる。

 

修はレイガストだからまぁ割れん。てゆーか撃ってこないのか…。千佳ちゃん。

 

しかもすぐに獲ろうと思えば獲れる、微妙な距離を保って逃げてる。

 

…足を止めたら撃ってくるな。迂闊に止まることが出来ん。

 

ハウンドで様子見だな。

 

「ハウンド」

 

「シールド!」

 

弧を描いて飛んで行くハウンドは

 

修に当たる事はない。

 

天夜の読みは正しい。

 

足を止めれば、千佳の砲台で地形を変える。

 

フィールドを破壊した環境下で遊真の攻撃力を上げれると見て、その作戦を選んだ。

 

だが、どうしても絞りきれない。

 

立ち止まり、シールドチャージを仕掛けるまでは決まっている。

 

天夜が()()()()()()()()()()分かれば獲る事が出来る筈。

 

だが、直感のサイド・エフェクトによる回避にはそれが期待できない。

 

「どうした?ここからだろ?修。」

 

「くっ…!(どうする…?賭けに出るか…?いや、それは愚策だと思う!考えろ!思考を止めるな…!…!そうか…!よし…!)」

 

 

 

「三雲隊長逃げる!それを追う神島隊長!!これは…、何かを狙っているか!」

 

「何かを狙っているのはそうでしょうが、絞りきれないのでしょう。」

 

「と、言いますと…。」

 

「神島隊長のサイド・エフェクトによる回避は()()()()()()()()()()()見て避けるというものです。」

 

「逆に、天夜さん自身も攻めあぐねてる。おさ…メガネ隊長に追い付くことは可能ですが、獲った瞬間を狙われるかもしれない。その危険と、足を止めた瞬間の攻撃の危険度が、()()()()()()()()()()。こうゆう場合は神島隊長の判断次第で、一気に試合は決まります。」

 

 

 

「うーん…。(情報が少なすぎるからなぁ…。もうちょっと詳しく見れれば良いんだが…。)」

 

「…神島さんが攻めあぐねてる…?どっちにしろ範囲外になる。勝負に出るぞ!空閑!」

 

ダッ!

 

「路地裏…?トラップの様子はねぇが…。(何かあるな…でも止まったらめんどくせぇから行くか!)」

 

「ここで三雲隊長!行き止まりの路地裏に駆け込む!腹を括ったか!?」

 

「空閑隊員の位置が良いですね。三雲隊長のヘルプにまわれる位置です。誘い込んだというか…。…なるほど…!」

 

「これは…?空閑隊員!バックワームを解除した!?何故このタイミングなのでしょう!?」

 

「…オペレーターへの嫌がらせですね。しかもこのタイミング…、神島隊長も面を喰らってるでしょうね。」

 

 

「天夜さん…!!空閑くんです!!バックワーム解除でレーダーに写りました!!」

 

「うおっ、マジか!!やらしいメガネだなぁ!おい!!」

 

このタイミング…!プラスに考えろ!!遊真が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、次に仕掛けるのは…!

 

 

「あ、迷った。」

 

 

「スラスターON!!」

 

ガガンッ!!

 

「がっ…!(シールドチャージ…!反応遅れた!やべぇ!)」

 

神島天夜が選択を迷うということはごく稀である

 

しかし、絶対的にあり得ないと言うわけではない

 

彼も人。それ故、ミスはある。

 

彼が強い理由のひとつとして、

 

相手の作戦にかかった時の、アドリブ力が唯一無二のカウンターとなるからだ。

 

シールドチャージにより吹き飛ばされ、対応が遅れると思われたが、すぐさま立て直す。

 

「グラスホッパー!」

 

吹き飛ばされた先に設置し、カウンターで修を刈ると想定。

 

 

 

ここだ

 

 

この判断だ

 

 

修と俺との()()遊真はいねぇ!

つまり俺を飛ばした先…、グラスホッパーが設置されてるより手前に遊真はいる!

 

「惜しいな、修。」

 

「!?(バレてる…!?なんで…?)」

 

「避ける方向が分からないのなら、当てれば良い。その考えに俺を乗せたまでは100点だ。でも、()()1()0()0()()()()、俺には勝てねぇよ!!シールド!」

 

ガキンッ!

 

「俺が首狙いと読んで…!」

 

シャキッ!

 

「背中にスコーピオン…!しまった…!」

 

「…次やるときは、正々堂々とな、遊真くんよぉ!!」

 

「ちっくしょ…。次は負けないよ?」

 

ドスッ!

 

「トリオン供給機関破壊。緊急脱出。」

 

ドオンッ!!

 

そして、設置したグラスホッパーを踏み、修へと迫る。

 

修に防ぐ術はなかった。

 

カッ!

 

「くっ…!」

 

「惜しいけど、()()()()()。気張れよ、隊長。」

 

「…貴方を倒して、A級に行きます…!」

 

「おう…!楽しみだ」

 

ドオンッ!!

 

 

「ふぅ…。さーて、千佳ちゃんはどうするんだ?」

 

 

「千佳ちゃん!緊急脱出!」

 

「はい!」

 

 

ドオンッ!

 

 

「おーっと!!ここで試合終了!!最終スコアは、5対3対0対0に神島隊に生存点2点が加算され、7対3対0対0!!神島隊の勝利です!!」

 

「最後は圧倒されましたね。結果だけ見れば、圧勝なんですが、内容としては非常に濃いものでした。」

 

「メガネ隊長の最後の作戦はしっかりハマったんですがね~。」

 

「最後の戦闘について、詳しく聞きたいのですが!迅隊員!どう見られますか!?」

 

「玉狛の作戦はかなりハマっていました。ですが、ハマりきった後の神島隊長のアドリブが強すぎたって感じですね。」

 

「空閑隊員はバックワーム解除の後、即座にカメレオンを発動させてましたね。そこでシールドチャージ後に後方に飛んだ神島隊長を刈るという作戦だったと思います。」

 

「順序的にはこうですね。シールドチャージを当てる→吹き飛んだ位置を読んでカメレオンで待機→一撃で緊急脱出させる。やってることは単純なんですが、神島隊長相手にこの作戦を通すのはかなり難しいことですよ。」

 

「なるほどなるほど!!…敗因としましては、どの点が悪かった等ありますかね?」

 

「敗因…ですか。いや、それを言うのはフェアでは無いので、ここまでにしときましょう。」

 

「ですね~。」

 

「うぅん…!!すごく聞きたいですが、ここまでということで、それではこれにてB級ランク戦ROUND1!終了です!」

 

 

 

 

To be contened

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、以上です。

思ったより長くなりました。

まぁでも楽しくかけたんでオッケーです()

それではまた次回~。


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episode 14 経緯

大変お久し振りでございます。
ヤマアラシんです。
かなり離れていましたが、また書いていこうと思います
それではどうぞ


時は、B級ランク戦前に遡る。

 

 

城戸司令へのトリガー起動報告を終え、天夜はA級、「神島隊」の隊室の荷物を引き上げていた。

 

「ふぅー。ちょい休憩。」シュボッ

 

タバコは喫煙ルーム。もしくは隊室で吸える。(と思って勝手に吸ってる)

 

あのトリガーについて、今思い出せるのは、

 

・マザートリガーであること

 

・アフトクラトルからパクったものではないこと

 

・遊真と似たようなもので、傷をトリオンで治した状態

 

位のものであるから、天夜自身、正直困っている。

 

あのトリガー内に蓄積されてたトリオンは全部俺の身体に入ったが、修に渡した理由としては、あのトリガーは自らトリオンを発生させているから。

 

「ま、今は置いといて…。どーすっかなぁ…、これから。」

 

~♪

 

「ん、東さん?」ピッ

 

「はい、お疲れっす。どうしました?」

 

「ああ、天夜。身体は異常無いか?」

 

「ええ。おかげさまで。」

 

「そうか…。お前、これからどうするんだ?なにも考えてないなら、忍田さんからの提案、やってみないか?」

 

「提案って?まさかB級戦出ろとかっすか?流石にいきなり言うはずは無いっすよn「おお、よく分かったな。」…うぇ?」

 

…えぇ…。忍田さぁん…。めんどくさいっちゃめんどくさいんすけど。

 

「隊員は今のところは募集しなくて良いらしい。チーム戦の意義を守るためにも後々募集をかけるようにとは言っていたがな。」

 

「はぁ…。そっすか…。」

 

「どうした?乗り気じゃないな。」

 

「いや、ソロでのらりくらりやってっても良いかなーって思ってた矢先なんでね…。」

 

「…。後、これは俺の推測でもあり、お願いだが、」

 

「?」

 

「今、しのぎを削って戦い、高めあっている皆に、教えてやって欲しい。」

 

「俺1人で教えれることなんて…、あんまねぇっすよ?」

 

「いいや、あるさ。」

 

東さんはそれだけ言って電話を切った。

 

…今の俺には正直分からん。

 

でも、なんか意味があんだろ。

 

とりあえず、B級からやり直しだ

 

目指せA級!ってガラじゃねぇけど、

 

久々に、チャレンジャーだぜ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

B級ランク戦ROUND1終了後

 

玉狛支部

 

「…えー。とりあえず、お疲れ…。…、その、よく頑張ったな、3人共。」

 

烏丸はなんとも言えない微妙な空気を打破するため、声を掛ける

 

「「「……。」」」

 

「お疲れ~3人とも~。」

 

「なんでいんのよ天夜!!」

 

「急にでかい声出すなよ。俺がビビるだろ。」

 

なんでコイツ玉狛来てんだ?タイミング考えろや。

 

千佳ちゃん以外全員そう思っていた。

 

「わりーな。微妙なタイミングに来たのは理解してる。でもまぁ、ちょっと話したいことあるからさ、聞いてくれるか?修。」

 

「!は、はい。」

 

「ちょっと長くなるけどまぁまずは、身体はもう完全に治ってる。修が起動させてくれたトリガー内のトリオンが傷を治してくれた。遊真が親父さんの黒トリガーで復活したのと似たような原理だ。んで、なんでランク戦に出てるのかって話だが…、正直、忍田さんに出てくれって言われたから出ただけで、理由は俺にも分からん。ただ、東さんのお願い…、今を頑張ってる奴らに教えて欲しいって言われたのもある。」

 

「教えるって何を?」

 

「それが俺にも分からんのだよ、遊真くんや。そこで電話は切れて、教えてくれなかった。」

 

「ふむ…。」

 

「まぁ、追々メンバーは募集掛けろって言われてるから、いつまでも1人で出るってことはねぇ。てことで俺の話は終わり。んじゃ、反省会すんぞ。」

 

「え?その…、天夜さんも参加するんですか?」

 

「ああ。まぁ、何が駄目だったとか、反省点だけ聞く感じだ。これからコイツ相手にはこうしようとかは一切聞かねぇよ。…まぁボロを出さないようにするっていう訓練にもなるぜ。ほれ、修。始めろ。」

 

「分かりました…。」

 

「アイツのあーいう所、ホント昔から変わってないわね。」

 

「ああ、当たったチームの反省会、祝勝会に参加するってヤツっすか?」

 

「天夜さん自身、自分を越えてくれるのが嬉しいって言ってたからな。だからこそあの人は…。」

 

「だからよ、修。あの時点で俺のサイド・エフェクト的には危険度が同じ位になっちまってたからよ。先に地形を破壊しちまってからシールドチャージもありだったと思うんだわ。なんせ、ボーダーのトリガーで建物や地形を破壊するっていうのは出来ても、直すってのが出来ねぇんだからさ。地形破壊=千佳ちゃんの場所がばれるってのはあるけど、遊真の攻撃力が上がるって考えてたんなら、そっちを上げてから最後の作戦をやる隙は作れたはずだ。」

 

「ふむ…。でもそうなると、チカの砲撃的に、巻き添え喰らうかもしれなくない?」

 

「一発撃ってそれ以降は別に撃たなくても良いんだよ。相手に撃つぞって思わせられればな。けどまぁ、話は変わるけど、この初戦で撃っとくのは大事だったな。次当たるチームとかにも千佳ちゃんの大砲やべーぞって植えつけられる。まぁ今回は別に撃っても撃たなくても、インパクト的にはどっちでもよかったとも思う。勝ちに行くんだったら撃った方が俺は正直ヤバかった。」

 

「あの…、すいません、ひとつ良いですか?」

 

「どした?修。」

 

「…なんで、ここまで言ってくれるんですか?その…ランク戦の間は敵同士…、なのに。」

 

「なんでって…、今答え言ったじゃねぇか、修。」

 

「…えっ?」

 

「ランク戦の間は敵同士…。そりゃそうだ。A級目指して皆頑張ってるからな。でも、近界民が攻めてきたら、皆仲間だろ。じゃあ、皆強い方が有り難いし、助かるじゃねぇか。なら、皆が強くなる手助けはやっちゃいけない訳ねーだろ。」

 

「…!」

 

「あくまで持論だけどな。城戸さんには見逃してもらってる。他にも聞きたいこととかあるんなら聞いてくれ。答えられるもんは全部答える。」

 

「テンヤさんはどのトリガーを一番使うの?」

 

「基本攻撃手では弧月、スコーピオンだな。とっさに出るのはスコーピオン。一対一の時は弧月一択だな。射手ではアステロイド、メテオラ、ハウンドだな。バイパーは使えんことはないけどムズい。リアルタイムで弾道引くのは時間がかかる。小手先のヤツで言えば、グラスホッパー、エスクードとかだな。多対一の時にはエスクードがめちゃくちゃ便利だからよく使うな。」

 

「エスクード…、壁のヤツか。あれってトリオン結構喰うんじゃないの?」

 

「タイミングさえ間違えなければ俺はそこまで気にならんよ。三対一とかの時にうまく使えば一対一に持ち込める。まぁ、マップにもよるけどな。」

 

「あ、あの…!1つ、聞いて良いですか?」

 

「お、千佳ちゃん。何でも聞いてくれ。」

 

「今まで、人を撃てない狙撃手っていたんですか?」

 

「あー…。いたぞ。1人だけ。」

 

「!そ、その人は、どんな人なんですか?」

 

「名前は鳩原ちゃんだ。二宮っていう、年中スーツ着た射手の隊員だった。鳩ちゃんが今どこにいるかは分からん。勝手にアッチの世界に行っちゃったからな。」

 

「そ、そうなんですね…。」

 

「アイツは人を撃てない代わりに、相手の武器だけ狙って破壊するっていう変態ぶりが凄かったぜ。」

 

「人に当ててしまったこととかは…?」

 

「一回だけ…、あったかな。その時は吐いて寝込んでたけど。…まあ、これを聞いてくるってことは千佳ちゃんは人を撃てないってことか。」

 

「いや~。分からないよ?散々聞いといて油断させてズドンッってことも…。」

 

「ハハッ。千佳ちゃんがそんなことできるならもっとやさぐれてるって。」

 

「今物凄い悪口言ったわよアイツ。」

 

「「…。」」

 

その日、天夜は玉狛に泊まった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふぅ~。さびぃ~。」

 

「あ、テンヤさん。」

 

「おー遊真。こっち来いよ。ちょっち喋ろーぜ。」

 

「うん。いいよ。」

 

「ほい。あったかいの。」

 

「…、来るって分かってた?」

 

「急に俺のサイド・エフェクトが働いた。」

 

「ふーん。」

 

静かな夜に波打つ月光。

 

遊真は徐に口を開いた。

 

「テンヤさん。あのトリガー…、どこのマザートリガー?」

 

一切探ろうともせず、シンプルに聞いた遊真に対し、天夜は、

 

「…それが全く覚えてねぇんだ。俺が持って帰ってきたのは確かなんだが。」

 

少し、気まずい雰囲気が流れ、

 

「…。どういう事情か分からないけど、その国のマザートリガーを持って帰ってきたってことは、その国はもう消滅してる。それは知ってるよね?」

 

「ああ、もちろん。…でも、何で持って帰ってきたのかも覚えてねぇ。」

 

「1つだけ、知ってることを教えるよ。」

 

「っ!知ってること…?」

 

「うん。マザートリガーは基本、近界民や、人間…。その人の命から創られてる。チカを拐おうとした奴らも、チカを捕まえてマザートリガーにしようと思っていた。それで、マザートリガーに成り立てのトリガーっていうのは基本、制御できない。」

 

「うん。」

 

「でも…マザートリガーにその感情が現れることもあるらしい。」

 

「…?どうゆうことだ?」

 

「例えば、マザートリガーになっちゃった人の意思が、『嬉しい』って場合だと、国は基本晴れが多い。逆だと、雨が多い、雪が降る、とかね。」

 

「それで…?」

 

「テンヤさんの持ってたマザートリガー…。相当天夜さんの事が好きだったんだと思うよ。普通、マザートリガーの中に、膨大なトリオンを残そうと思わない。多分、テンヤさんのために、残したんだろうね。」

 

「…そうか。俺は、あのマザートリガーに…。」

 

「うん…。多分、凄い強い人だったんじゃないかな。」

 

誰か分からない。

なのに、天夜は、

このマザートリガーが誰だったのかを直感で感じ取った。

 

それが本当なのかどうか、それは分からないけど、

そう思っている方がいい気がした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「たまにはソロでもやるかぁ~。」

 

そう思い天夜は個人戦ブースに足を運ぶ。

土曜の昼間なので三バカはいないと踏んで来た()

 

「んーと…。おっ…、タチウオいるなぁ…。」

 

「ふーっ。誰かいねぇかなぁ…っと、お、マジか!」

 

「入った瞬間にアイツ申し込んできやがった。変態だな。よータチウオ。」

 

「どーも天夜さん。後全部聞こえてますんで~。」

 

「おー悪い。わざとだ。」

 

「なおさらタチ悪いっすね。」

 

「んじゃまぁやるかぁ。5本先取な。」

 

「お、りょーっかいす…ってあれ?二宮?風間さん?迅?弓場?」

 

「えっ…ちょっまって。めんどくせぇ事になるぞ。俺抜けるわ…。」

 

「判断が遅い。」

 

「なんだテメーニノおい。鱗●さん?」

 

集まったのはランキング上位勢とタイマン最強勢。

 

やることは1つであって…。

 

「おい!今からランキング上位5人と弓場さんでエキシビションやるらしいぞ!」

 

「マジか!行くぞおい!」

 

 

 

「さぁさぁさぁさぁ!なんとなんと!たった今から始まりますは!ランキングトップクラスの5人とタイマン最強とも謳われる弓場隊長を交えた、エキシビションマッチ!!実況は私、海老名隊オペレーター、武富桜子です!解説にはこの方!嵐山隊隊長!嵐山さんと、加古隊隊長!加古さん!そしてたまたまそこで出会った、東隊隊長!東さんです!!」

 

始まった。いや勝手に始まってしまった。

 

東は皆を一瞥し、

 

「宜しく。」

 

加古は微笑みながら

 

「宜しくね。」

 

嵐山は真面目な表情で

 

「宜しくお願いします。」

 

天夜はやっぱり

 

「マジかだりぃぃぃ!」

 

「神島隊長が何か叫んでいますが…?」

 

「まぁ天夜のことですからだりぃとでも言っているのでしょう。構いません。始めましょう。」

 

「結構容赦ないわね、東さん。」

 

「まぁ、戦闘民族5人が集結してしまったのが彼の運のツキです。」

 

東も巻き込まれた天夜を見て、若干憐れんでいた。5秒後には切り替えたが。

 

「今回のルールは至ってシンプル!!バトル・ロイヤル方式で戦い、ランク戦と同じ、撃破点、生存点の合計が一番大きい隊員の勝利となります!ステージ選択権は『巻き込まれたんだからせめてMAPは選ばせろ』と駄々をこねた神島隊長に!MAPが決まった時点で転送が開始され、スタートします!」

 

「天夜さんが駄々をこねるって…。」

 

「それで良いのかしら最年長。」

 

「おっと!それではMAPも決まりましたので、間もなくスタートです!!」

 

こうして、天夜にとっては不本意…、いやめんどくさい

戦いが始まる。

 

 

To be continued…




はい、以上です。、

めっちゃ失踪してましたが何とか生きてます。

時間あるときにゆっくりマイペースに進めていきます。

それではまた次回。


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episode 15 しっかり見とけ

はい、どうも。

今回天夜くんは若干出番少なめです。


スタート直前

 

プルプル

 

ピッ

 

「おー修。いまどこだ?」

 

「ボーダーの作戦室で、次の対戦相手の対策を練ってましたけど…、」

 

「遊真も千佳ちゃんもいる?」

 

「は、はい。全員揃ってます。」

 

「んじゃ、ランク戦の第3ブースこいよ。今からバトルロイヤルすっから。」

 

「はい…?バトルロイヤル…?」

 

「おう。相手は迅とタチウオ、ニノに蒼也、んでもって弓場っち。」

 

「す、凄い面子じゃないですか!一体なんで…?」

 

「詳しい説明は後だ。もう始まるからな。んじゃ、しっかりみとけ。」

 

プッ

 

 

ふぅー。

 

…正直言うと負けるかも知らん。

 

オペレーターが付いてねぇ今回、基本的にカメレオンやらなんやらの奇襲系を警戒するやつが多い。

 

しかも一対一においてそれぞれが特化したやつが多すぎるのと、同じタイプのサイド・エフェクト持ち…。つまり迅がいる。

 

基本的な俺の攻め方としては相手が攻撃手なら攻撃手寄りの万能型で攻める。相手が射手なら射手寄りの万能型。ニノは例外だけども。

今回、一番めんどくせぇのは何を隠そう、迅と弓場っち。

なぜなら、この二人に()()()()()()()()()()()()()()()()で補いきれないからだ。

 

弓場っちに関しては乱戦で落とす、もしくは落とされるのを待つしかねぇ。タイマンでよーいドンになると()()勝てん。勝てる状況も今回のMAPならワンチャン…。それほどアイツは驚異になる。

 

迅に関しては、タイマンでやっても乱戦でやってもしょーじき変わらん。それほどあのサイド・エフェクトは驚異だ。てかそれ抜きにしてもアイツの()()()()はビビる時がある。

それほど駒としては、()()()()()()()

 

 

 

天夜が見る彼らへの評価は大衆の評価…、A級部隊が見る評価とさほど相違はない。

 

しかし、何を隠そう。この場で最も驚異なのは神島天夜。

自身は全く思っていない。が、周りの下馬評においては

 

『神島天夜の勝利』

 

この結果が揺るぎないものとなりつつある。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さぁ!始まりました。バトルロイヤル形式で行われる混合戦!!今回、MAPの選択権は神島隊長にありましたがって…、こ、これはっ!!」

 

「森林地帯…。しかも、環境状況…、濃霧ですね。」

 

「そんな環境状況あったのね。」

 

「神島隊長が昔からよく使うMAPの1つですね。環境状況濃霧とは初めて見ますが…。」

 

「しかしこのMAP…、なるほど!そういうことか。」

 

「気づいた?嵐山くん。」

 

「ええ…!これは中々にいやらしいというか…。」

 

「どういうことでしょう!東隊長!説明をお願いできますか!?」

 

解説陣3名は天夜の考えを大方読み取る。

 

「…基本的に森林地帯というMAPですが、最大の特徴として、()()()()()のと、生い茂る木々によって見通しが非常に悪い点になります。MAPは狭い部類ですが、それにしても中々相手と遭遇しづらい上に、一度逃がしてしまうと制限時間までに遭遇する可能性が低いというのも1つのポイントですね。」

 

「しかし…、今回のMAPですが…、環境状況が濃霧という理由から、神島隊長は、その遭遇しづらさを増幅させた…ということでしょうか?」

 

桜子の推測は正しい。元々癖のあるMAPがあまり選ばれないランク戦において、B級のオペレーターである彼女がその答えを見出だしたことは、彼女の普段の勤勉具合が見てとれる。

 

「考え方は合ってるわよ?桜子ちゃん。でも…、天夜さんは、ああ見えて、かなりの戦闘狂よ?ね?嵐山くん?」

 

「…あの人は凄いです。ほんとに…。はい。」

 

「それはどういう…?」

 

「ま、今は置いときましょ♪」

 

 

閑話休題

 

 

迅がかなり前に言っていた《地獄のポイント稼ぎ》というのは覚えているだろうか。

 

あれを説明させてもらうと、

天夜が個人戦ブースの一室を占領し、ネカフェ状態*1にした。それが忍田本部長にバレ、ペナルティとして一週間の防衛任務、ソロランク戦禁止と、5000点の罰点が課せられた。

 

その処分期間を終えた瞬間、正確には1時間と43分という驚異的な速さで、天夜は個人のポイントを罰点前まで戻した。

 

何を隠そう、嵐山准もその被害者である。

 

というか、ソロで上位の実力を持つ者たちは全員一回はポイントを貪られている。

 

今回、参加している天夜を除く五名もそれにあたる。

 

若干…、いやかなりそれを根に持っているのが二宮。

 

 

という裏話を知るのは被害を受けた者と東さんのみ。

 

 

 

「と、いうことは…、環境状況を濃霧にした理由は、遭遇しづらさの増幅ではない?」

 

「…半分正解…と言ったところですね。まぁ、見ていれば分かるでしょう。」

 

 

あの頃の天夜が帰ってきたのか?

 

そう思う東の表情は、少し微笑みを持っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ザッザッザッ

 

戦闘狂、太刀川慶は堂々と歩いている。

 

濃霧を意に介さず、いるであろうという直感のみで歩を進める。

 

「さーて、誰と最初に逢うかな~。」

 

「それは…、分かっていて言っているな?太刀川。」

 

彼の眼前には、二宮隊隊長、二宮匡貴。

 

彼もまた、戦闘狂である。

 

「お、二宮か~!お前とやんのも久々だな~!」

 

「…レーダーを見れば分かるはずだが?」

 

「いや~。あんまり普段見ねぇからよぉ。」

 

「…よくそれでA級一位の隊長を名乗れているな。」

 

「まぁな~。強いからな、俺。二宮よりもランキング上だから。」

 

「…あ?」

 

「…ん?」

 

「アステロイド」

 

「旋空弧月」

 

「あーっと!?ここで太刀川隊長、二宮隊長!戦闘開始!!唐突に始まってしまったぁー!!」

 

「完全に太刀川が変なこと言ったんでしょうね。」

 

「聞いてなくても分かるわ。」

 

犬猿…、と言うには些か語弊がある。

 

しかし、仲良しこよしではないというか、そもそもの相性があまり良くない2人は

 

目の前の強者に対し、笑みを浮かべる。

 

2人の戦いの肝はシンプル。

 

太刀川が二宮との距離を0にすることができれば太刀川の勝ち。

二宮が太刀川との距離を保てれば二宮の勝ち。

 

勝敗を決めるのはこの一点のみ。

 

「さぁさぁ!太刀川隊長の猛攻!時折、旋空弧月を交え、怒濤の猛攻!!これには二宮隊長、距離を取る!!これは二宮隊長、若干不利か!?」

 

「いえ、互角…、少し二宮に分がありますね。」

 

「ええ、そうですね。」

 

「今、攻めているのは太刀川さんですが、もう少し距離を取られてしまうと、二宮さんの攻撃に、一切手を出せない状況に陥ってしまいます。それに、一対一ではないこの状況、取られやすい駒なのは、継続的に攻撃しなければならない太刀川さんなので、二宮さんは、ただ回避に徹すれば良い。」

 

太刀川の戦法は基本的に攻めだ。

相手の初動を見て取り、迎撃するのも悪くはないが、自らが攻める方が己に合っている。そう考える。

 

対二宮においてそれが悪手では無いことは確かだが、あと他に4人、相手取るには骨が折れる相手がいる。

自分の攻撃の不意をつかれ、風間の奇襲を喰らう。

それは危惧はしている。

しかし、想定の範囲を越えることはない。

 

故に彼はひたすらに目の前の敵を追う。

 

二宮はそれを見て、()()()()()()()()()

理由は単純。

 

置き弾による擬似的な多対一を引き起こす。

 

「もう少しか…。ふん、やはり鋭い…がもう遅い。」

 

「うおっと!!置き弾か!!」

 

「あーっと!?ここで爆発!!二宮隊長の置き弾、メテオラが炸裂したかー!?」

 

「チッ!(発動が早かった…。致命傷には至らんか…。そもそも、当たっているのか…?)」

 

 

 

…?…なぜ疑問にした。

 

なぜ疑惑と感じた。

 

あの置き弾が当たっているのか当たっていないのか。

 

それを()()()()()()()()

 

 

なぜ確認出来ていない?

簡単だ。濃霧により、視界が悪い上にメテオラによる爆発。

 

このメテオラも1発目のメテオラに過ぎない。こんなものに当たるヤツではない…。

 

そう踏んでいた二宮とは裏腹に、

 

緊急脱出の光が1つと

 

聞こえてきた報告に驚きを隠せない。

 

「あーっと!!ここで太刀川隊長、緊急脱出!!撃破したのは…、えっ!?か、神島隊長!!」

 

「…!」

 

「うそっ!ほんとに!?故障じゃなくて!」

 

「…。」

 

嵐山、加古は驚きを隠せない。2人の戦いだったはずが突如別のベクトルからの攻撃に、1人が緊急脱出したからだ。

 

だが、東は、驚愕の表情を浮かべつつ、2人とは違う観点を考察する。

 

「まぁ、詳しい話は試合終了まで置いておきましょうか。」

 

 

 

「どういうことだ…?」

 

バカな!何故、あの人の名が出てくる?

 

二宮は、たった今起きた現象に驚きを隠せない。

しかし、すぐに切り替え、敵を捜索する。

 

 

「ふぅ…。きついなぁ…。けどまぁ、まだまだ行くぜ。」

 

神島天夜は不敵に微笑む。

 

 

 

 

 

*1
自前のPC、ドリンクサーバー(酒のみ)、ゲーム、漫画を死ぬ程持ち込んだ状態




はい、以上です。
ちょっと短めですが、区切り的にここでね…。

ということで、また次回ー。


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episode 16 神島天夜という男③

お久しぶりです。
ウマ娘の沼に全身浴してましたはい
新衣装ウンスが…てぇてぇ

あとTwitterでとらぺあさんという方が投稿されてるウマ娘とのLINEのタイシンのポエムでトレーナー卍解してんの草()


それではどうぞ~


「なっ…!」

 

二宮は動揺を隠せないままその場を離れる。

基本的にボーダーのトリガーでは姿を隠したまま攻撃することは出来ない。

 

だが、先程の天夜の攻撃の一切を見ることの出来なかった二宮は、判断を鈍らしながらもその場から離脱する。

 

 

「さぁ!太刀川隊員の緊急脱出が見えた二宮隊員は、大きく距離を取る!神島隊員はどこにいるのか!」

 

「でも、あの爆風の中、一撃で緊急脱出させるのなんて至難の技よ。どうやったのかしら?」

 

「それは…、まぁ試合中の彼等には聞こえないので解説しましょうか。どうだ?嵐山。」

 

「恐らくですが…、足跡…ですか?」

 

「ご名答。」

 

「先程のMAP解説時にも言いましたが、とても足元が悪い。よってどう動いたのかという痕跡が見える。それを辿るだけならばサイド・エフェクトを使うことも無しに、相手の行動を読めるということです。」

 

「でも、その足跡を辿るだけだと、誰と鉢合わせるかまでは読めないんじゃない?足跡で誰か分かるなら別だけど。」

 

「流石に神島隊員もそこまで把握してないでしょう。…だからこそ、初っ端に決めたことは大きなアドバンテージになる。」

 

「ちょっ、ちょっと良いですか!確かに足跡で把握したというのは分かりましたが、なぜ正確に攻撃を当てることが出来たのでしょうか!」

 

桜子の指摘は最もだ。

爆風の中での正確無比な攻撃。それによる太刀川の緊急脱出は今の解説の中に答えが見当たらない。

 

「…まぁ、それを言うと、フェアじゃない、ですね。」

 

 

 

 

 

 

「…いや、根本的な考えが違う…のか…?」

 

観覧している修は考える。

 

もしあの攻撃が正確無比ではないとするならば。

 

そもそも、姿が見えない敵に対して、一撃で緊急脱出させるほどの攻撃を正確に当てることは不可能だ。

 

つまり、()()()()()()()()()()に攻撃をした結果がこうなっている?

 

 

…なるほど!…確かにこれは…使える!

 

 

「…修は分かったのか?どうやって正確に攻撃を当てたか。」

 

遊真は修に問う。

 

「多分だけど…、()()()()()…!」

 

返ってきた返答に驚きを見せるが数秒後、その意図を理解する。

 

「…そういうことか!」

 

「ああ…、これを成功させたのは大きいぞ…!」

 

 

 

「ふぉぉお…!当たって良かった超ラッキー!!」

 

天夜は安堵していた。

 

今回の戦いで皆に伝えたいこと、それを表す全ての一撃を成功させたのだ。

 

「しかもタチウオ獲ったのはでかすぎる。タイマンでアイツへの勝率、6割届かねーもんな。」

 

あとはまぁ…、あの攻撃の意味を皆がどう捉えてくれるかだな。

 

それは終わってから修に聞くか。

 

今は…、一番近い足跡は…てか見えたな。

 

 

眼前に見据えるは風間蒼也。

 

ハウンドを仕掛ける。

 

 

それに気づいた風間は、距離を詰める。

 

「良い動きね、風間さん。ハウンドの軌道を読んでるわ。」

 

ガキィンッ!

 

距離を詰めてくることを予想していた天夜は、すぐさまスコーピオンに切り替える。

 

よって、風間のスコーピオンとの鍔迫り合い。

 

天夜にとってこの状況は望んでいない。

 

距離を潰され、近接戦に持ち込まれる。風間のスコーピオンの速さを鑑みると、天夜は弧月を振れない。よって、スコーピオンでの対処になるのだが。

 

ガキィンッ!!キィンッ!ギャリッ!!

 

「くっそ…!」

 

「おーっと!風間隊員!怒涛の猛攻!!神島隊員はどんどん後退していく!!」

 

やっぱつえぇ…!!

 

風間の身体の規格(サイズ)は小さい。故に太刀川や迅等と立ち合った時とは違う、低い角度からの攻撃は、天夜が苦手にしている部類である。

 

「どうした?天夜さん。甘いぞ!!」

 

風間がそれを把握していることが、天夜にとって不利な事実。

身体をねじ込み、多少の被弾は厭わない。そう思うほどの強引さ。

 

逆を言えば、天夜が離れられれば、天夜の有利。

 

「先程の、太刀川隊員、二宮隊員の戦闘と似ていて、神島隊員が距離を取れれば神島隊員。距離を詰めたまま削りきれれば風間隊員。といった所でしょう。」

 

嵐山が解説をする中、東は思う。

 

…果たして、そんな単純に、穏便に済むのだろうかと。

 

 

くっそ…!このチビやっぱめんどくせーな!!

 

すばしっこい動きは犬コロ(緑川)をボコボコにして返り討ちに出来るレベルまで上げたってのに、コイツは理論上、人体が出来る動きの限界を読んでそこからどんどんこっちを不利にしていきやがる…!

 

右足を軸足に使った瞬間、回避は左を選ぶやつが多いが、逆に跳ぼうとすると必ず急所にスコーピオン置いてきやがる!

左に回避することを誘導してるから次の手への対処が速い…!だからどんどん不利になる…!

 

しかも…、今回のトリガー構成的に、アステロイドとスコーピオン、んでもって()()()、グラスホッパーが同じトリガー。距離を離して倒すために、後一回切り替えが必要だ。

蒼也がグラスホッパーを持っていたなら離れてアステロイドに切り替える瞬間、やられて終わり。

 

なら…、賭けだが…、やるか。

 

天夜は大きく下がり木を障害物に距離を広める。

 

一瞬、風間が見失うと同時に、トリガーを起動する。

 

「ー…、グラスホッパー」

 

「!?」

 

天夜はグラスホッパーを風間に踏ませる。

 

急激な速度で持ち上がる身体は、

 

一本の太い木に左足をぶつけ、大きな衝撃の後、少し離れた場所に倒れる。

 

「神島隊員!グラスホッパーを風間隊員の足元に展開!踏んでしまった風間隊員の身体が木々にぶつかりバランスを崩す!」

 

()()()()()()()()()は完璧ですね。ですが、この後はどうするんでしょう…。」

 

天夜の考えを東は推測する。

 

1つ目は逃走。

離れた後、煙幕代わりのメテオラで視認を外し、逃走。シンプルな手であるが、風間に向かって撃つのでその対処をしなければならない風間は、意識をそちらに割いてしまう。よって、成功率は恐らく高い。

 

2つ目は戦闘継続。

継続といっても、次の追撃が決まらなければ負けに大きく傾く。無論、時間切れが無い今回、最終的にもう一度合間見える事もあり得るが、状況が変わる可能性は高い。

しかし、成功率は低いと踏んでいる。

 

3つ目は第三者介入。

レーダーで、敵を見てハウンドを撃つことによって、ハウンドが飛んでいく方向に向かって後退し続ければ、別の敵と接触できる可能性は高い。こちらが第一候補。

 

今回の状況なら、第三者介入一択だが…、

 

お前は違うんだろ?天夜。

 

 

東の天夜にかける期待は、大きい。

信頼している仲間だから。それもあるが、何より。

 

いつだって、万人の予想を裏切って、それ以上の成果を打ち出してきた。

 

それが、神島天夜という男なんだろ?

 

東は、そんな天夜のファンである。

 

 

分水嶺

グラスホッパーに飛ばされてしまった風間は、体勢を崩し、天夜との距離を少し空けた場所に不時着する。

が、すぐさま息を整え、突貫する。空いた距離、実に5m。

スコーピオンを繋げて伸ばす、マンティスの射程圏内まで残り僅か。そのために()()()()()()

 

「(おおよそ五歩…!攻撃は…無い!獲れる…!)」

 

その目論みは、

 

()()()()()()()()()()によって潰える。

 

「なっ!!(スパイダー…!このタイミングで…!)」

 

もちろん風間は対応できない。

倒れ、見上げた先には

2つの眩い光。

その光は、風間を緊急脱出へと誘う凶弾。

なす術はない。

 

「スパイダー!?…どのタイミングで…!?」

 

嵐山が声を上げる。

加古、桜子も同様に答えを探す。

観客も答えが分からない。

 

「…。はは…。」

 

ただ一人、東は笑う。

 

「あ…、東隊長…。今のスパイダー…、一体いつ仕掛けたものなのでしょうか?」

 

「恐らく…、グラスホッパーを踏んだ時点で()()()()()()()()()。先程の解説で我々は、グラスホッパーを踏ませた後に注目していましたが、その時点で仕掛けを終えていた。風間隊員の視認を一瞬外したあの木に、スパイダーを仕掛けた。そして、瞬く間にグラスホッパーを践ませ、仕掛けた木にぶつける。そうして着地し、自分に隙が出来たと見せる。そうすることで向かってくる風間隊員のスパイダーを発動させた。」

 

「…考える山場が、あの人とは一手ずれてるって感じね。絶対相手にしたくないわね。」

 

「強か…としか言えませんね。」

 

 

「あっぶね~!!もう2度と成功しねぇわこんなもん!!」

 

天夜は一息つき、レーダー頼りのメテオラ。

北添御用達の適当メテオラで喧嘩を売る。

 

その瞳は、嬉々としていた。

 

「さぁ、こっからだ。踏ん張れよ、俺!」

 

 

 

 

To be contened…




はい、以上です。

最近の仕事の暇具合がアンバランスで困ります。
平日休みの休日仕事、とか。GW中に仕事とか。
辞めてほしいです()

それではまた次回。


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episode17 俺の勝ちだ


ヤマアラシんです。
はい、失踪してました。すんませんでした。
他の人の小説はずっと読んでました。
面白いのばっかりですげぇなぁって思いながらモンストやってました。すんませんでした(2回目)
それではどうぞー。



 

 緊急脱出した風間は、少し微笑む。

 

()()、こんな手でやられた。その瞬間は、全くもって理解することのできない手で負けを押し付けられた。

 

「…まだ足りないか…。」

 

 負けた事に納得していないわけではない。だが、自分は少なくともA級3位の部隊を率い、個人の戦績もアタッカーの中では5本の指に入る評を受けている。

 …その話をすると相手は自分の評価よりも更に上。

言うなれば「格上」なので、大きな声では言えない。

 それを踏まえても、あの咄嗟の判断であそこまで敵に刺さる戦術を導き出せたのは何故か?それが分からない。

 

 

 風間は、天夜と個人戦をした時の事を思い出す。

 

「ダッハッハッハッ!!弱ぇっ!弱すぎるぞ!バカ真面目ぇぇえっ!!喰らえっ!なんちゃって魔貫●殺砲っ!!」

 

「な、何っ!!」

 

 リアルタイムパイパー*1による猛攻に耐えてみろという謎の訓練を受けた。…過去を思い出し、天夜に近づく材料はないかと考えたのにこんな思い出しか出ない。そんなクソみたいな思い出を風間はすぐさま消去し、意識を試合映像へと戻した。

 

 

 「お…、これは、天夜さんじゃねェか…。」

 いち早く適当メテオラに反応したのは弓場。すぐさま天夜の位置を予測し、その地点(ポイント)へと向かう。

 

「ン…。」

「お…。」

 

 相対するは弓場と迅。二人の距離は30m程。この距離で圧倒的に不利なのは迅悠一。すぐさま距離を広げる。

 

「やっべ…。この距離の弓場ちゃんはキツイなー。」

「逃がさねェぞ…。迅っ!」

 それを追うのは弓場琢磨。お互いの距離は少しずつ広がっていく。

「おーっと!!今度は迅隊員と弓場隊員の一騎打ちかぁ!?距離はジワジワ広がっていく!!」

 

「でも、弓場くんも上手にバイパーで牽制しつつ追いかけてるから、確実には逃げ切れてないわね。」

 

「弓場自身もこの状況は強く出れる場面ですからね。ここでしっかり獲りたい所ですが…。迅隊員の逃げる先には、二宮がいますね。」

 

 前門の虎、後門の狼とはこの事。そう言わんばかりの状況に気づいた迅は、すぐさま逃げる方向を逸らす。

 

誘導弾(ハウンド)誘導弾(ハウンド)…。強化誘導弾(ホーネット)。」

 

 それを狙う魔王。放たれた大量のホーネットは、弓場、迅へと向かい、場を乱れさすには充分な一撃へと成り立った。

 雨の様に降りゆくホーネットに、弓場はシールドを傘のように、迅はエスクードを倉庫の様にして各々対応する。

だが、その迅を狙い撃つ弓場はこの状況を好機と捉え一気に迅へと距離を詰める。

「(それは甘すぎるンじゃあねェか…迅!)」

 

その距離10m程度。ここから迅が俺を獲れる手段は無い()()

 

「あ、危ないですね。弓場が。」

 

「えっ?」

 

 

ビュカッ!!

 

 

 

「なっ…!アブねぇな…!」

 

「あちゃ~、外したかー。」

 

 

 「じ、迅隊員がマンティス!?隠し玉は惜しくも掠る程度で終わってしまいました!」

 

「珍しいですね。そして、その一発で決めたかったです。ここからは、弓場の距離です。」

 

「あ、東さん…!な、何故、今弓場隊員が危ないと…?」

 

 嵐山は驚きを隠せないでいる。

 

確実に迅がやられると思った矢先、普段はほぼ見ることのない、マンティスを繰り出した。()()()()()()、東には()()()()()()として処理出来る思考がある。

その事実に驚いた。

 

「…、まぁ、試合が終わった後に教えようか。」

 

マイクにも通らない、嵐山にしか聞こえない声。

 

自分と東、天夜との距離は、遠いものだと、嵐山は思う。

 

 

 

「良いチャレンジだなァ…!迅!」

 

 弓場は拳銃に手を掛ける。その撃ち出しはボーダー最速を誇る。通常の機関銃型アステロイドなどより、射程、弾数は劣るが、一発の威力、速度を上げている特製。

 だが、この瞬間に、二宮は、次の手を放つ準備を終えた。誘導弾(ハウンド)炸裂弾(メテオラ)誘導炸裂弾(サラマンダー)である。

地面、建物、もしくは相手のトリオン体に向かっていくその弾は、触れた瞬間炸裂する。非常に強力な合成弾であるが、それを確認した上で、弓場は撃つ行為を中断しない。

 

 二宮の合成弾が当たってしまえば間違いなく、弓場は落ちる。下手をすれば迅にも多大なるダメージが与えられてしまう。今ここで迅を仕留めなければ、自分は得点を獲れずにこんな楽しい戦いを終えてしまう。

 

 なんて勿体無い。

弓場の頭は、その思考で満たされる。その思考に順ずる様に、弓場は迅へと照準を合わせる。

 

()()をした。

 

「なっ!」

 

 狙いは迅ではなく二宮。合理的に考えれば迅との距離では自分が有利を取れる。つまり、ここで二宮を落とすことが出来れば、迅との追いかけっこを再開できる。二宮が参戦したことを逆に好機と捉える考え方である。

 

 二宮は、もう打つ判断を終えた状態。単純なスピード勝負。その勝負では、間違いなく弓場に軍配が上がる。 

 

筈だった。

 

 なにか忘れている…。そう思った弓場の眼前には、

 

 

 

 巨大なエスクードが立ちはだかった。

 

「はっ…?」

 

 なんっだっ!このデカさ!!

 

 ズドオォンッ!!

 

 凄まじい轟音が響いた次の瞬間、弓場の真後ろからハウンドが襲う。当然、弓場は為す術無く、その凶弾を受け入れた。

 

 その次の瞬間に、迅は天夜がいる方向へと、駆け出す。

姿は見えている、そして、天夜に()()()()()()()()()()()()()という認識で再度隠し玉を放つ。

 

 これなら獲れる!流石の天夜さんも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ビュカッッ!!

 

 天夜の首へと命中する。首は掻っ切られ、宙へ舞う。

その首の表情は、達成感を持っていた。

 

 …なぜ?

 

 まだ目の前には俺がいる。俺が見えてなかった?いや、

弓場ちゃんを捉えているなら、必然的に俺も視界に入るはず。

 

 迅は天夜の表情に困惑していた。対処が間に合わなかったから諦めた。…本当に諦めたのか?

 

…もし、対処が()()()()()()()()()

 

…っ!

 

 「もう遅ぇよ…。迅。」

 

 

 

 俺の勝ちだ

 

 

 ドンッッ!!

 

 緊急脱出した天夜は、ハウンドを()()()()()()()()。残りのハウンドは、時間差で迅へと降りかかる。

 

 「くっそ…。(そこまで全部、視えてたか…。)」

 

 ドンッッ!!

 

 続いた緊急脱出の音。

それのみしか聞こえない二宮は全体を把握する。

 「…チッ!」

 MAPに残るは二宮のみ。生存点の2点のみが記録される。

 それと同時に、試合終了のブザーがなる。

 

 

 

 

 「ここで試合終了!!最終生存点は、二宮隊員に入りました!最終スコア、4点、2点、1点、残り3名は0点で、神島隊員の勝利となります!!」

 

 桜子の解説が終了したと同時に湧き上がる歓声…。

などはなく、閲覧席は静まり返っていた。

 

 圧巻。それに尽きる。

 

 「圧倒的ですが…、非常に面白い試合でしたね。」

 

 口を開いたのは東。彼自身も驚きを隠せていない。しかし、この試合の意味を理解しているので、彼は感想を述べる。

 

 「最初から、振り返りましょうか。」

 

 嵐山、加古は、東の言葉を傾聴する。この二人は試合の意味を理解できていない状態である。だからこそ、あの試合を繰り広げた6人に近づき、追い抜く為に。

 

 「まず、最初の戦闘。二宮、太刀川ですが、この戦闘は、個人のストロングポイントを、()()()()()()()()戦いです。あのまま神島が乱入しなければ、恐らく、二宮が勝っていたでしょう。置き弾が当たらなくとも、場をリセット出来るため、距離を再度取ることができます。自分の来た道に置き弾。これは()()()()()()()()()()ですね。」

 

 東は、参考に出来る点。つまり、()()()()()()()()が介入しない点を上げていく。

 

 「次に、風間と神島の戦闘ですね。これは地力の差、アドリブが全てです。基本的に神島相手に勝てる人間は多くありません。しかし、今回の風間はかなり有利な状況に持ち込めていた。神島と風間が戦った場合、8:2で神島が勝利出来るでしょう。けれども今回は()()()()()()()()()()()()()()()()()()。嵐山、それはなぜだと思う?」

 

 「…。MAP、ですかね。」

 

 「正解に近い。形容しにくいですが、今回はMAPの関係上、非常に索敵しにくい。しかし、先程も言ったように、神島は足跡で場所を特定していた。風間の物と思われる足跡は見つけていたでしょう。実際、先に視認出来ていたなら、メテオラ、ハウンドなど、射手として風間に、奇襲をかけれたはずです。しかし今回は、先に視認されていてしまったので、後手に回らなければいけなかった。その結果が、あの近距離戦(インファイト)です。」

 

 「あそこでの近距離戦は正解と言うことね。」

 

 加古は少しずつ理解を深めていた。彼女も射手として戦線に出ている。オールラウンダーの彼の戦い方を知るのも成長の糧になる。

 

 「そうですね。風間のスピードは、神島の武器をいくつも潰すことが可能ですので。しかし、神島隊員の戦い方の中で、最も厄介な部分が垣間見えた戦闘でした。嵐山、それは何だと思う?」

 

 「厄介な部分…ですか?」  

 

 嵐山は考える。が、答えは出ない。なぜなら、相手取る上でこの上なく、面倒くさい人種に該当する天夜という存在。どこをとっても厄介なのでは…?その答えしか出ないからだ。

 

 「彼の厄介な部分…。あくまで私の考えですが、彼の戦闘時、どこから何処までが()()()()()()()()()()()()()()()()なのかが読めない所です。迅にもその傾向は見られますが、まだ青い部分があります。しかし、神島の()()は、完成されていると言っても過言ではないレベルです。」

 

 簡単に言うと、あの攻撃は、()()()()()()()

理屈で考えて攻撃したかが読み取れない、という事だ。

 

 理屈で動く人間を相手取るのが得意な人間にとっては、これ程厄介な相手はいない。テキトーに放った様な攻撃が、実は2,3手先を読んだ攻撃だったり、至極真っ当に、恐ろしく正確なタイミングで放った攻撃が、実はかなりテキトーに攻撃した結果だったりと、末恐ろしい当て感。これが、()()()()()()()()()恐ろしい程刺さる。

 

 「彼の天性と呼べるものかもしれません。しかし、常人には理解できない一撃や、我々が共通的に思考している山場のタイミングが、彼にとっては結果を確認するタイミングだったりと、いい意味でズレている。これが神島の強み、と私は考えます。」

 

 「で、では!!最後の迅隊員放ったハウンドも…テキトーの可能性があると!?」

 

 「…確証は勿論、本人にしか分かりません。傍から見れば、恐ろしく冷静…。しかし、本人からすれば、直感で放ったものの結果に過ぎないかもしれませんね。」

 

 それほど、天夜と俺達は、差がある。

 

 「…なるほど!!それでは、これにてバトルロイヤルを終了とさせて頂きます!!実況は私、武富桜子!解説は、嵐山隊長、加古隊長、東隊長でお送りしました!」

 

 

 

 ある程度の疑問は解消された。しかし、あの攻撃…。

あれを理解できた人間は、

 

 

 果たして何人いるだろうか?

 

 東は考えながら席をあとにした。

 

 

 

To be continued…

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
天夜はしっかりフザケてるのでめちゃくちゃ弾道引くのが遅かった




はい、終わりです。

…約一年程失踪してました。本当にすいません()

理由は仕事のいそがしさの荒波に揉まれていたのと、モチベーションの低下です。

自分のペースで、投稿を続けようと思いますが、「続きはよ」みたいなコメントは結構モチベあがるんで、ヨロシクです。

それではまた次回。


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