強くて×ヒーローアカデミア (紫煙隊)
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コセイ×ト×ザセツ

思わず見切り発車してしまった・・・。

21/3/23追記
自分で読み返して酷かったので
編集しなおしました。
今後ちょくちょく手直しがあると思います。
生温かい目で見てください。

※たいして変わってないとか
 “個性”駄文とか言わんといてください
 自覚してますが言われると心が折れます。
 心が折れるとそこから腐ってしまいます。
 開封後は冷蔵庫で保存してください。


 

 

“人は生まれながらに平等じゃない”

 

人類の8割が[個性]と呼ばれる超常の力を手にした現代

生まれた地域、生まれた家庭環境、生まれもった才能、

生まれもった[個性]によって

人生がほぼ決定されるといっても過言ではない

 

[努力]なるほど、必要だろう。とても大事なことだ

[才能]なるほど、必要だろう。とても大事なことだ

[環境]なるほど、必要だろう。とても大事なことだ

とても大事なことだが・・・

 

天性の[個性]による壁は越えることはできない

 

単純なことだ

武器を持たずに人間が[ライオン]に勝てるのか?

勝てるわけない

 

そして俺は[ライオン]以上だ

[爆破]、俺の[個性]だ

兵器級の破壊力を生身で出せる[個性]

 

『素晴らしい[個性]だ。羨ましい』

 

『強そうな[個性]だ。将来有望だね』

 

よく言われてきたことだ

両親の[個性]が合わさり変異し強化された[個性]

超派手で、超強くて、超カッコいい

それが俺の[個性]

 

身体能力も高くて同い年の奴らや

年上にすら勝てた

ヒーローを目指して鍛え始めてからは

もう負け無しだった

 

勉強もできた

誰よりも早く教えられたことを理解した

俺がいつも一番だった

 

そして俺は気付いた

周りにいる奴らはマンガでいうモブなんだと

俺の為の踏み台

引き立たせる為の添え物なんだと

 

 

 

[個性]には強弱があり、その差は絶対である

 

 

 

━━━が最強の[個]の前では[個性]は無力である

 

“これが齢4歳にして知った社会の現実”

 

 

「ねぇ君、年いくつ?」

 

「アァ!?な、デカ、よ、4歳・・・です」

 

「へぇ同い年」

 

「ハァアァァァァ!?同い年!?」

 

声を掛けてきたのは

筋肉の鎧を纏った巨体に天を貫く緑の髪

絶望を濃縮したような男だった…

 

 

 

 

 

“そして・・・『俺』の最初で最後の挫折だ”

 

 

ーーーーーーーーー×××sideーーーーーーーーーーーーー

 

 

全一 「なんか特異点発生した気がする。備えねば・・・」

(無駄です。諦めてください)

 

一全 「なんか引き継いできたもの軽く越えられた気がする」

(申し訳ない・・・ッ)

 

癒婆 「なんか2択クイズ用意しなきゃいけない気がする」

(使命感ですね。やらなくていいです)

 

鼠長 「操作系の個性が使えそうな気が・・・気のせいか」

(気のせいです。)

 

信楽 「余・・・俺は一体、何の為に生まれて来た・・・?」

(ゲームのやりすぎです。適度に楽しみましょう)

 

予目 「ム・・・。猫系の個性持ちが危ない気が・・・」

(キュインキュキュキュイン 大 当 た り ィ ~ )

 

猫隊 「タスケテ・・・タスケテ・・・」

(・・・ごめんなさい)

 

山田 「触れた物を爆弾にできる気が・・・おいおいおいマジでできちまったぜ!?どーなってんだコイツはァ!?最高に(略)この歳になってから新しい個性に目覚めるなん(略)これはリスナーにも伝えな(略)おっと丁度いいところにヘイ!そこなイレイザーこれ見てみ「五月蝿い」Noooo!相変わらずシヴ「分を弁えろ痴れ者が・・・」(;゜Д゜)」




ノリと勢いだけで書いてしまった・・・。

この後、どうすれば良いのだろうか・・・。
大体勝っちゃうもんなぁ、あの人

戦闘シーンで
ボッ  相手は倒れた
になっちゃあ不味いべな


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ギセイ×ト×セイチョウ

見切り発車はいけない。
すぐネタにつまるもの。


緑谷 出久(7歳)

 

 

 

・個性 無個性

 

 

天賦の才を持つものが全てを投げ出してようやく得られる程の力をもつ少年。

巨体や反り立つ長髪、どす黒いオーラ、ハイライトの消えた目など、異形系を彷彿とさせるが[無個性]である。

 

瞬間移動したりエネルギー弾を撃てるが[無個性]である。

分身したり犬並みの嗅覚持っていても[無個性]なんだってば

 

医学的にみた場合[無個性]と診断されるが、診断した医師を含め誰も納得していない。

 

 

 

 

 

 

某小学校 とある児童の作文 一部抜粋

 

「僕の将来の夢はヒーローです。(中略)いつかきっとオールマイトみたいなヒーローになって敵を倒して倒して倒して、(中略)助けを求める人達を全員救いたいと思います」

(せめて早く引退して・・・これ以上、被害者が増えないうちに)

 

 

某小学校 給食の時間 余ったプリンに対応する児童達の会話 一部抜粋

 

「「「じゃーんけーん・・・ぽん」」」

「グーとチョキとパー全部出してるから無敵なんだぜ」

「ズリーぞカツキ」

「モブがモブらしくうっせーーーー」

(すごいやかっちゃん。グーとチョキとパーを一度になんて・・・まてよグーの力でチーの剣を作りパーみたいに放出すれば・・・ブツブツ)

 

ボッ

 

その一撃は 音を置き去りにした

 

なお小学校より数百キロ離れた地点にある廃ビルを掠めビルは半壊

偶然その場で戦闘を行っていたヒーローと敵が巻き込まれ

ヒーローは重症、敵は生死不明となったが

放った本人や学校関係者も距離が離れすぎていたため気付かず

また重症を負ったヒーローも戦闘が行われていたことを社会に対し秘匿した為、表にその情報が流れることはなかった。

・・・が教室の壁が半壊した為、児童Mは廊下に立たされた

 

 

某小学校 昼休み 校庭にて ドッジボールを楽しむ児童達の会話 一部抜粋

 

「くたばれっ!!!」 ボムッ

「イダッ」

「翼君アウトー」

「ん・・・?ボールどこ行った?」

「外野・・・じゃ・・・あ」

「This way・・・行くよかっちゃん 」

「いいぜ。こっからが本番だ」

 

「さいしょはROCK・・・」 ボッ

 

強・・・・!

速・・・!

避・・・・・・・・・・・・無理!

否 

死!

 

 

 

 

 

そして時は過ぎ彼等は中学生になった。

 

ーーーーーーーーー×××sideーーーーーーーーーーーーー

 

全一&一全「ぐわぁぁぁあぁぁ」

信楽 「先生先生先生先生先生先生」

予目「オールマイトオールマイトオールマイトォ」

 

 

 

 

 

小学校 教師G 「えげつねぇな 」

教師Z 「コイツは善悪に頓着がない」

教師W 「私はとんでもない化物を起こして・・・」

 

 

 

 

 

 

 





とんたん さん感想ありがとうございます。
エタらないよう頑張ります。

猫系でなくとも ボッ します。
デクさんの辞書に慈悲の二文字はありません。


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シケン×デ×ジケン

勢いだけで執筆してプロットが・・・ない(。´Д⊂)

追記 21/3/24
 文章を変更しました。
 ついでに、SSを追加しました。
 「僕の仮想敵」



 

 

そして、月日は流れ雄英高校 一般入試実技試験当日

 

 

ここまで色々ありました。

本当に色々ありました。主に少年Mがボッしたり

 

 

幼なじみBの胃が大破したり、少年Mがボッしたり

 

 

教師Nの毛根が壊滅したり、少年Mがボッしたり

 

 

猫耳Pがボッされたり

軍団長Pがボッされたり

ピ●ーがボッされたり

ネフェ●ピトーがボッされたり

 

ボッボッボッ

ボッボッ

ボッボッ

 

 

本当に色々ありました

なお被害者は確認はできておりません(0とは言っていない)

 

ーーーー雄英高校 試験会場前ーーーーーーーーーーーー

 

市街地を模した広大な会場前で受験生達は待機していた

緊張している者、自信に溢れた者、瞑想する者、

準備運動をしている者、友と話をする者…

それぞれの待機時間

これから始まる試験を待っていたが

 

 

『スタート!!』 ボッ

 

プレゼントマイクはカウントダウンもなしに

いきなり開始を宣言した

例年通り“予告無し、いきなりの試験開始”

 

━━━開始を宣言したプレゼントマイク

   だが彼は知らないのだろう

   

 

『どうした!?実戦にカウントダウンなんざねえんだよ!!

 走れ走れ、賽は投げられてんだよ!!』

 

━━━激を飛ばすプレゼントマイク

   だが彼は予想してなかったのだろう

 

わらわらと受験生達があわてて走って行く

仮想敵を探しだし、ポイントを得ようと走って行く

だが、1人だけスタート地点で動かない少年がいた

 

「・・・Mission complete」

 

否、1人だけスタート地点に動き終えた少年がいた

 

 

━━━すでに試験は終わっているなんて……

 

[賽は投げられた]

物事が進み始めており後退はできないことを指す言葉

しかし[賽はもう落ちた]のだ

結果は、すでに出てしまった

 

ならば結果が出ているのに後退できない受験達を

なんと呼べばいいのだろうか…

 

ーーーー雄英高校 試験会場内ーーーーーーーーーーーー

 

試験会場に入った受験生達が見たモノは、

潰され、ひしゃげ、へし折れ、蹂躙された、

あるいは()()()()()仮想敵の成れの果てだった

 

 

受験生達は思った

自分より先に誰かが倒したのだろう

ならば別の仮想敵を探さねばならない…

受験生達はそう思い駆けて行く

 

受験生達は焦った

探せども探せども無事な仮想敵がいない

きっと他の受験生と同じルートで来てしまったのだ

だから、この場所以外なら仮想敵はいるハズ

受験生達はそう願い駆けて行く

 

いない…仮想敵がいない…どこにもいない…

もう時間がない…アクシデントじゃないのか…

戦闘音すら聞こえない…ハヤク、サガサナキャ…

 

 

受験生達は困惑し、

嗚咽を抑えられず、

恐慌状態となり、ついに

 

 

・・・・・・考えることをやめた

 

 

ーーーー雄英高校 試験後モニター室ーーーーーーーーー

 

 

 

「今年は豊作だな!」

 

 

試験官達は()()実技試験の受験生達の映像を

大きなスクリーンに一人一人評価をしながら見ていた

 

 

「レスキューpt0で2位とはなあ…。

後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を引き寄せて

迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

「ヴィランPtが13ptでレスキューPtが20Pt。

[洗脳]の[個性]で相性が悪いのに

ここまで頑張ったのはすごいけど残念ね…」

 

 

「総合1位の彼ですが…」

 

━━━その言葉が出て一瞬、沈黙したが

 

「“アレ”ヲ大破サセルノガ他二居ナクテヨカッタ」

 

「思わずゲェェって叫んじまったYO」 

 

 

 

「この受験生は無個性とありますが、

・・・・・・・人間の枠組みに入れて良いのですか?」

 

 

ーーーー緑谷 出久ーーーー

 

 

ヴィランPtーーー1200

 

 

※備考 開始時から動かなかったと思われていた受験生なのさ。超高感度カメラにてスロー再生した結果、開始0.00025秒で全会場内の仮想敵ロボ(偽装隠蔽されていた0Pt仮想敵ロボも含めてなのさ)全てを大破させスタート地点に戻ってくる前代未聞の高成績、高、高成・・・sy、修、理代がぁ(ここで文は途切れてる)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

※デクさんが全部 ボッしたため急遽2次試験が決定

トラウマを負った受験者も多く居たため

受験者はかなり少なかったようです

 

また第2実技試験中に無事な仮想敵と

遭遇し感極まり仮想敵を抱き締めて泣く

受験生もいたとか・・・

 

またデクさんが諸々を

ボッしたため雄英の予SAN値がピンチです。

 

ーーーー第2実技試験会場にてーーーーーーーーーーーー

 

『ブッコロス!!ブッコロス!!』

 

「仮想敵!?おめェ生きていたんけ!?」ダキッ

 

『ブッコ……カエッテ、キタヨ…』

 

「ああ良かった!!もう君を離さないッ」ギュッ

 

『イキタ…イ、イキタイ、ヨ』ギュッ

 

『試験終ー了ー!!』

 

「嫌だ!!もう離さないと誓ったんだ!!」ヒシッ

 

『ダイ、ジョブ…』スッ

 

「仮想敵!?」プルプル

 

『マタ…アエル、ヨ………』ウィーンガシャン

 

「そんな!?嫌だよ!!いかないでよ!!」プルプル

 

『マタ…ネ、ボクノ…トモダ、チ』ガシャンガシャン

 

「仮想ヴィラァァァァン!!」

 

━━━モニター室にて

 

「これ見て落とせます?」

 

「…コレハ無理ダ」

 

「しかし、点数は取れてないのは事実…」

 

「思わず泣いちまったぜ」

 

「彼にあの機体を贈っては?」

 

「「「「それだ!!」」」」

 

 

━━━後日、某町でロボットと過ごす少年がいたとか

 



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テスト×ノ×ヒゲキ

 

 

「今から、個性把握テストを行う」

 

「「「 個性把握・・・テストォ!? 」」」

 

 

人類の8割が[個性]をもつ現代社会。

にもかかわらず体力テスト等は[個性]の使用が禁止されている。

異形型や常時発動型、それらの複合型の[個性]が存在しているのにも関わらずだ。

[個性]も含めての[個人]。その性能を測定すべきテストで[個性]を禁止するなんて実に[非合理的]だ。

 

1年A組担任 相澤は合理主義者である。

入学式?ガイダンス? ヒーローになるには非合理的すぎる。

 

 

「緑谷、中学の時、ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

「測定できなかった」

 

「・・・ん?」

 

「測定できなかった」

 

「中学の時に体力テストを受けてないのか?」

 

「受けた。投げたらボールが消滅した」

 

「・・・まぁいい、とりあえず全力で投げてみろ」

(((スルーした!?)))

 

「off course」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!

 

 

 

「(絶対に)駄目だ!!そんな(ソフトボール投げ程度で)!!もうこれ以上そんな(過剰な)力!!一体!!この先!!どれ程の(被害者を出すというのか)・・・!!」

 

過去の被害を思い出したのか胃痛で涙目になるも

爆豪が必死に叫ぶ。

そんなキャラじゃないと自覚してもなお叫ぶ。

 

思いが通じたのかデクさんが振り向いた。

 

「・・・大丈夫」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カッ

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

雄英高校1年A組 19名軽症、一部生徒に心的外傷有り

 

投げた本人を除き衝撃波に吹き飛ばされ地面や壁、樹木に身体を打ち付け軽症。頭を打つなどした生徒もリカバリーガールの診断により問題がないことを確認された。一部生徒が心的外傷をかかえるもミッドナイト教員によるセラピーにより回復傾向にある。

 

また生徒Mが吹き飛ばされた時に女子生徒Yの胸部に張り付いた為、女子生徒Jが[個性]を使用し攻撃するも事故後の混乱の為と判断し不問とする。生徒Mはセラピー中にもミッドナイト教員に対しセクハラ行為を行い事故による性格の変化が疑われたが両親に確認をすると先天性のものだと泣きながら説明してもらえた。

 

雄英高校1年A組 担任 相澤 消太 重症、心的外傷をかかえる

 

爆心地近くで被害を受けた為、最も重症。複数箇所骨折及び粉砕骨折及び解放骨折、全身打撲、腹部外傷、脳内出血・・・etc,etc。

リカバリーガールの治療を受けつつ数日入院。

その日の内に意識を取り戻すも混乱しているのか

「あのバスに乗るんだ・・・思い出してきた・・・そうだ!!もう行かなくては・・・オレは仲間の所に戻らなくては!!」、

「轟け、僕の小宇宙!!!」

等と支離滅裂な言動をしており安定剤と睡眠薬を強制的に使用された。

翌日、見舞いにきたプレゼントマイク教員を見て発狂、逆立てた髪に反応したらしい。

見かねた校長の判断と本人の希望により記憶操作系の[個性]をもつ医師の手によって一部の記憶を抹消。

後に当時の状況の説明が行われた。

本人の強い希望により猫によるアニマルセラピーを続けている。

辞表を出すも(誰も担任をやりたがらなかった為)拒否された。

 

 

 

 

 




相澤先生が嫌いな訳ではありません。
・・・ただ彼はやられるイメージが強すぎたッ・・・

しかし声優ネタは分かりにくいですかね?

ああ、エロブドウにかんしてはスルーでオナシャス


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ヒーロー×ノ×ジュギョウ

やめて!デクさんの念能力で、ビルごと焼き払われたら、爆豪と飯田君の精神まで燃え尽きちゃう!

お願い、死なないで二人共!あんた達が今ここで倒れたら、オールマイトやインゲニウムとの約束はどうなっちゃうの? 時間はまだ残ってる。ここを耐えれば、デクさんに勝てるんだから!

次回、「Dチーム死す」。デュエルスタンバイ!


1年A組個性把握テスト事件より数日

(主に担任の)治療の為の臨時休校が終わり日常を取り戻そうとしていた。

 

朝のチャイムと共に現れたのはミイラ男だった。

 

「おはよう」

 

「・・・先生・・・なのか?」

 

「相澤先生復帰早ええぇ!!」

 

「先生、無事だったのですね!!」

 

「どれほどの代償を払えばこれだけの回復を・・・!!」

 

「無事言うんかなぁアレ・・・」

 

「方法はわからないが、強制的に回復したんだ!!授業ができるレベルまで!!」

 

驚異的な回復には生徒達もビックリである。

 

「はい。静かになるまで8秒かかりました。キミ達は合理性に欠くね。・・・いい機会だ、教えてやる。本物の呪術というものを

 

なお、精神的にはまだ立ち直れてないようだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「わーたーしーが!!普通にドアから来た!!」

 

そう[ヒーロー基礎学]の授業である。

生ける伝説、No.1ヒーロー オールマイトの授業。

 

誰だって興奮するし浮足立つだろう。

画風?大分違うのが生徒にもいるし・・・。

教室内はお祭りモードである。

 

「今日はコレ!戦闘訓練!」

 

お通夜モードになった。

 

 

ーーーーーーーー(((;゜Д゜)))ーーーーーーーーーーー

 

「対戦カードはこれだ! ヒーローが緑谷少年! ヴィランチームが他の全員だ!」

 

「「「「ふざけるな!!!」」」」

 

 

「HAHAHA!!もちろん小粋なジョークさ!!コンビ及び対戦相手はくじで決める!!」

 

 

Aチーム:緑谷 出久&麗日 お茶子

VS

Dチーム:爆豪 勝己&飯田 天哉

 

「・・・come on」

 

「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ」

 

「セーフ・・・!!圧倒的セーフ・・・」

 

「キミ達のきらめき・・・忘れないよ☆」

 

「活躍・・・できへん」

 

「・・・ケロ。短い間だったけど あなた達のこと忘れないわ」

 

 

 

ーーーーーーーDチームsideーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・爆豪君なにか作戦はあるのかい?」

 

「うっせーわクソメガネ!!この戦いが終わったら母ちゃんが特製パインサラダを作って家で待っているんだ!!こんなところにいられるか!俺は先に行かせてもらうぜ!!」

 

「爆豪君!?それ以上は言ってはいけない!!」

「ハッこの俺が死ぬわけないだろ?俺が最強だ!負けるハズがねぇ!デクなんて俺1人で十分だ!!」

 

「爆豪君!?気が動転しすぎだ!!足が産まれたての小鹿みたいじゃないか!?」

 

「っせーわ!?メガネ、オメーは逃げねぇのかよ」

 

「・・・ふっ、ターボヒーローインゲニウムを知っているかい?」

 

「知ってるわ!」

 

「僕の自慢の兄だ。ヒーローは助けを求める人がいる限り逃げてはいけない・・・!!例え絶対に勝てないとわかっていても・・・!!今日も!これからも! 折れていても! 僕が挫けることは絶対にない!」

 

「飯d『5分経過 ヒーローチームスタート!!』

 

 

ボッ

 

 

 

「イワァァアァァァァアァァァァァク」

 

「ニィーーーーサァーーーン」

 

 

『ヒーローチームWin』



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ヴィラン×ノ×シュウゲキ

U『嘘だと思いたい』
S『最悪の』
J『人災タイム』

USJ編前です。



 

 

「訓練を始める前にお小言を一つ、二つ、三つ・・・四つ/(中略)/君たちの[個性]は、人を傷つけるためにあるのではない。助けるためにあるのだと、人を傷つけるためにあるのではない。助けるためにあるのだと心得てしっかり心得て帰ってくださいな!以上、ご清聴、ありがとうございました!」

 

 

(((二回言った!!)))

誰とは言わないが『人を傷つけやすい』人物がクラスメイトにいるため13号先生の言葉はA組の皆に(全員とは言ってない)響いたようだ。

 

「bravo!!bravo!!bravo!!」

実際に被害を受けた飯田など壊れた猿の玩具のように拍手しながら喝采している。

 

かっちゃん?彼は遠い目をしているよ?流石、幼なじみだね!

 

デクさん?彼は[無個性]だからね!![個性]を使用して人を傷つけるなんてとんでもない!!

 

 

その時であった。施設内に黒いモヤが現れ、モヤの中から男達が出てきたのは━━━

 

 

「ふむ、13号にイレイザーヘッドですか。先日いただいたカリキュラムによれば、オールマイトを加えての3人体制であったはずですが・・・」

 

黒いモヤ状の男

━━━黒霧の言葉に相澤は察した。 

「やはり先日のはクソどもの仕業だったかッ!」

 

(先日の・・・?)

(コイツ等の仕業・・・?)

(つまりデクさんの行動の原因・・・!?)

1年A組の19名は思わず殺気を溢した。

 

「違うッ!そうじゃない!あいつらは[ヴィラン]だ!!」

 

 

ざわめく生徒達・・・。

だが、心なしか安堵の表情を浮かばせる者もいた。

(((デクさん関係じゃないなら被害は少ない・・・ッ)))

 

生徒達から一斉に向けられた殺気、そこから一転して安堵感・・・?諦めた表情?可哀想なものを見る目・・・?

 

身体に幾つも[手]を着けた痩せた白髪の男

━━━ 死柄木 弔は混乱した。

混乱したが空気を建て直さんと咳払いをして、

 

 

「どこだよ、せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさぁ、オールマイト。平和の象徴。いないなんて、子供を殺s

 

 

ボッ

 

るいッ」

 

 

デクさんの餌食になった。

 

「死柄木!?大丈夫ですか!?しっかりして・・・

 

━━話は変わるが、熊と遭遇した場合に 大声を出す=突然大きな音をたてると熊も驚いて、逆に身を守ろうと襲いかかってくることがある。また、急いで逃げたり急な動きをすると本能的に襲いかかってくる場合もある。熊と遭遇した場合は刺激しないように、ゆっくり話かけながらゆっくり避難をするのが鉄則である。

 

つまり、何が言いたいかというと、黒霧は失敗した。

予想外の事態に慌て、大声を出して、死柄木に急いで近づいた。

 

 

ボッ

 

ティンババティッ」

 

現実です・・・・・・!

これが、現実・・・・・・!

 

黒霧もデクさんの餌食になった。

 

痛みに耐え、なんとか意識を取り戻した死柄木が聞いたのは

 

鋸で鋼の弦を

弾くかの様な

硬質の不協和音

 

━━━そして目にしたものは

 

自身が

知る者とは

全く違う生徒の

 

━━━ジャン・・・ケン・・・

 

幾度となく

振り下ろした

のであろう

血な塗れた拳が

 

ボッ

 

既に屑切れの

様に横たわる

黒霧の頭部を

砕く瞬間であった

 

 

 

(注※モヤです。生きてます。)

 



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カクセイ×ト×センセイ


マクロススキーさん
そこら辺にあるただの小石(笑)さん

感想ありがとうございます
励みになります
嬉しかったので、多めにボッときますね


ーーーーーーー死柄木sideーーーーーーーーーーーーーー

 

 

ズタボロになり倒れた黒霧。

されど殴ることを辞めない巨漢。

脳無もふっ飛んでいったきり戻ってこない。

 

アリエナイ、アリエナイ、アリエナイ、アリエナイ

対オールマイトだぞッ!こんなガキ?に・・・

 

ッ!!巨漢がこちらを見た。

 

「死柄木、投獄を賭けて俺と勝負だ。しないならコイツ(黒霧)を殺す」

 

コイツはナニをイッテいるんダ?

 

ヒーローを目指してるんだろ?

ヒーローがそんな・・・脅迫なんて・・・

 

「従えば手を出さない。信じてくれるだろ死柄木弔」

 

ふざけるな!それでもヒーローかよ!チート野郎が!

 

 

━━━逃げなさい、死柄木 弔

 

・・・先、生?

 

━━━確実に勝てない時は避け・・・逃・ゲ・ロ

 

逃げる?俺が? ちがう! 守るんだ!! 敵は未知数

黒霧を、どんなことをしても!!

 

ボッ

 

痛い、死ぬ、こっちを見るな!、イタイ、まずい、オールマイトは来ない?逃げないと、骨が折れた?、守らなきゃ、イタイ、血が、助けて、お父さん、痛、脳無はどこ?、休みたい、守る、余は一体何の為に生まれて来た・・・?

 

 

━━━早く逃げなさい、君では勝てない

 

 

 

いや・・・だ

 

オレが・・・・・・守る

 

だって 仲間だもん

 

オレの大事な 仲間だもん

 

 

 

 

この後めちゃくちゃボられた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オールマイトがデクさんを抑えている間に、

死柄木と黒霧は逃走しました。

 

 

ーーーーーーーー敵連合アジトにてーーーーーーーーーー

 

 

『手酷くやられたようだね』

 

「あんな化物がいるなんて聞いてねえぞ」

 

『化物・・・ね。そんなに強い[個性]もちがいたのかな』

 

「反り立ったやたら長い髪のデカブ・・・・先生?」

 

『死柄木 弔・・・今日は僕の仕事の話を聞かせよう。

[デクさん]という男がいる。なんというか[勝てる気がしない]と思わせるような奴だ。そいつを暗殺しろと何度も依頼を受けたし出したが達成できたことがない。今では裏社会で依頼を出すときは[デクさんお断り]、[デクさん本人と、デクさんの知人、デクさんの周辺で事件を起こさない、起こさせない]が暗黙の了解になっている始末だ。国家予算級の依頼料を提示されたこともある。だがその10倍でも割にあわん』

 

『そして表にも裏にも出してはいけない情報だが僕とオールマイト、ヒーロー公安委員会、警察、iアイランド、異能解放軍である協定が結ばれている。[デクさん]に[個性を与えない]、[個性を継がせない]、[利用しない]、[サポートアイテムを作らない]、[サポートアイテムを渡さない]、[有事の際は組織の垣根を越えて協力する]世界を滅ぼさない為にね』

 

「でも先生なら、個性を奪えば・・・ッ」

 

『ふふ、[彼]にそんな隙はないだろうし、なにより[彼]は[個性]をもっていない、[無個性]なんだよ・・・』

 

『理解できたかな?ところで・・・その[デクさん]がすごい勢いで此方に向かっているんだがどうしようか?』

 

 




菓子折り渡して謝ったら、そのまま帰ってくれました。


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ダンケツ×ケツダン



感想ありがとうございます。

クラスメイト回です。


 

 

その日、人類は思い出した

 

束の間の平和と安寧により失われた本能が起こされた

 

圧倒的強者による蹂躙が狼煙となった

 

阿鼻叫喚、四面楚歌、死屍累々

 

 

雄英高校 体育祭編開始

 

 

ーーーーーーー体育祭3日前ーーーーーーーーーーーーー

 

昼休み、デクさんが食堂に向かった後

それは始まった。

 

「み゛ん゛な゛ッ!!体育祭、生き残ろうねッッ!!!」

 

 

麗日の発言が発端だった。

 

全員、分かっていた。だが理解したくなかったのだ。

競技にもよるだろうが、間違いなくデクさんが

敵として立ち塞がるであろうことを・・・。

 

トーナメントの様な形式ならば勝ち進めば必ず当たる。

むしろ負け抜けの死刑宣告だ。

もし団体競技のような全員参加型だったら・・・?

唐突に、あるいは逃げている最中に

一切の慈悲なく死神は鎌を振るだろう。

 

ヒーロー科もサポート科も普通科も関係なく

死だけは平等に与えられるだろう。

 

 

「俺が守護(まも)らねばならぬ」

 

爆豪の言葉にクラスメイト達は驚愕した。

デクさんともっとも付き合いが長く

もっとも被害を受けてきた被害者オブ被害者

(デクさんを見た後なら)けっして強いとは言えない男

そんな男が決死の覚悟を決めていた。

 

 

ーーーーーーーーー飯田 天哉sideーーーーーーーーーー

 

 

本来ならば(委員長たる)僕の役目・・・!!

 

爆豪君・・・!!

 

この時、飯田の胸中に一つの感情が湧いていた

 

号泣し絶叫したい程の感動!!!!

 

爆豪クゥン!!!

 

できるなら世界中の人々に叫びたい!!

あれが爆豪 勝己だ!!

 

僕より5センチ以上背が小さい・・・

僕の恩人だ!!

 

言わねば、言わねばならない!!

感謝を伝えなければ・・・!!ありがとうと!!!

 

いや、違う!!感謝より先に・・・!!

もっと先に言わないといけない言葉があるだろう!!!

言ってしまえば、もう戻れない!!

けど・・・絶対に言わないと後悔する!!!

僕は・・・!!僕は・・・!! 俺は!!!

 

「戦おう・・・!!俺も!!命を賭ける!!!」

 

一瞬の静寂、そして沸き上がる熱気

 

この瞬間、1年A組(1名を除き)は1つになった。

 

━━━そして作戦会議は進み

たったひとつの冴えたやり方を実行することになった

 

 

ーーーーーー心操 人使sideーーーーーーーーーーーーー

 

犯罪者のような[個性]、敵向きの[個性]、

怖い[個性]・・・etc.etc.

散々言われてきた

そんなこと自分が一番わかってる

 

 

入試ではロボットが相手の為、俺の[個性]は役に立たず

普通科に入学せざるをえなかった

もし入試が対人戦だったならば・・・

もし他人を使って戦うことが許されてたなら・・・

俺は・・・!!

 

体育祭で、プロヒーローも見にくる体育祭で!!

俺は下克上を果たす!!!

 

ヒーロー科に編入したい!!

プロヒーローからの評価を得たい!!

 

俺はここから変わる!!!

 

━━━決意を胸に敵情視察と宣戦布告の為

ヒーロー科 A組に向かった心操だったが

彼は予測不可能の事態にあうことになる

 

「来てくれてありがとう!!」

「君を待っていた!」

「約束された英雄・・・!!」

「君は俺達のヒーローだ!!」

「助かったよ。本当にありがとう、ありがとう」

「信じてましたわ、助けに来てくれると!!」

「オイラ達にはオマエが必要なんだッ!!」

 

━━━意外 それは感謝の言葉ッ

 

それは心操が求め続けて貰えなかったモノ・・・!!

凍った心に暖かいモノが溢れてくる・・・

曇天の空は晴れわたり青空が広がっていく

俺はここに居ていいんだ・・・!!

俺は俺で・・・この[個性]でよかったんだ!!

 

暫しの逡巡の後、一度は言ってみたかった言葉

けども、一度も言えずにいて

自分には言う資格がないと諦めていた言葉・・・

今なら言える!!今!言おう!!

 

 

 

「もう大丈夫!!

なぜかって?俺が来た!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は まだ 地獄を知らない

 

 



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ミンナ×ノ×ヤサシサ

感想、評価、しおり
ありがとうございます。

なるべく感想は今のところ全員に返信します。


 

 

ーーーーーーー体育祭2日前ーーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後 雄英高校 訓練施設 グラウンドγ

 

 

迫りくる体育祭の惨劇を回避するために

勇士達は集まっていた

 

「まずは皆、集まってくれてありがとう。心操君が知らない人もいるだろうからまず自己紹介を「おや!?おやおやおやァ!?なんで優秀なハズのA組が、他のクラスに協力を求めてるのかなぁ?言っておくけど雄英高校の体育祭はプロヒーロー達に対するアピールの場でもあるんだよ?本来なら僕達は敵同士だろう!?それなのにヒーロー科ですらない普通科に協力を求めて君達は恥を知らないのかい!?」

 

なぜか呼ばれてない男まで来ていたが・・・

 

誰も何も言い返さない

あの地獄は味わった者にしかわからない

アレを避ける為ならば恥などドブに捨てるし

正直な話、他のクラスどころかプロヒーローに依頼したいくらいである

むしろ確実にヤれるならヴィランでも構わないとすら考える

 

高笑いをしながら去っていく物間の後ろ姿を見て

雄英一の策士 峰田に天啓が降りた

 

「なぁ、アイツを囮にしないか?」

 

僥倖・・・!! 甘美な囁き・・・!!

悪魔的アイディア・・・!!

 

「峰田君!それはいけない!!それはヒーローのやることじゃあない!!」

 

クラス一の真面目 飯田は吠えた

 

「・・・ヒーローのやることじゃあないが、うっかり彼に緑谷君の事を伝えるのを忘れてしまうかもしれないし、偶然 何も知らない彼が緑谷君を煽ってしまうかもしれないし、偶々 彼が緑谷君に襲われるかもしれないし、他意は無いが僕達はソレに気付かないかもしれないね」

 

吠えたが彼もまた被害者である

自分がボられないよう他のクラスの生徒くらい差し出す

 

 

この会話は誰も聞いてないだろうし

仮に聞いていたとしてもすぐに忘れるだろう

 

━━━少しだけ世界は優しくなった

 

ただし物間、テメーはダメだ

 

 

ーーーーーーー心操 人使sideーーーーーーーーーーーー

 

 

放課後、A組の奴等に訓練施設に呼び出された

 

昨日のは正直 嬉しかったけども

一晩たって冷静になると不安が押し寄せてきた

実はドッキリだったんじゃないか

普通科の俺を騙して遊んでいるんじゃないかと

疑うことばかり考えていた

俺がヒーロー?散々ヴィラン向きだと言われてきたのに

信じられないだろうよ

 

きっと呼び出されたのもそのネタばらしだろうな

 

 

グラウンドγに入るとA組のほとんどがいた

俺に気付くと皆、駆け寄ってきて

「来てくれてありがとう」と何度も感謝された

また心が暖かくなった

 

人数が揃ったらしくメガネの奴が話はじめると

話を遮ってB組の金髪がきた

嫌味ではあるが正論だった

煽てられてノった自分はなんなのだろうか

そう考えていると紅白髪の火傷跡のある奴が近付いてきて

 

「頼む。オマエは俺達の希望だ」

 

俺と違うだろう闇を抱えてそうなヤツだったが

じっと俺の目を見据えて言ってきた

思わず“任せとけ”とだけ応えた

人から期待されるのが今は嬉しい

違うな、ここにいる奴らは全員が俺に期待している

俺に希望を見ている

 

今、俺はすごい幸せだ

絶対、優勝して皆に報いるんだ

もう、負ける気がしない

もう、何も怖くない

 

 

 

 





新しく スキル を 手にいれた。

心操 人使 New 一級フラグ建築士


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キタイ×二×カンシャ

ーーーーーー体育祭 前日ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーー心操 人使sideーーーーーーーーーーーーー

 

全身が生傷だらけになっても俺はトレーニングを続けた

 

ヒーロー科1年A組の生徒19名が

普通科の生徒1人をサポートする前代未聞の訓練だ

 

トレーニングを受けながら俺はとても感謝していた

 

俺に期待してくれてありがとう

俺を信じてくれてありがとう

 

誰も、自分ですら、嫌ってきたこの[個性]

この[個性]のせいで孤立してきた

近所の奴も学校では教師すらこの[個性]に怯えられた

もっと別の[個性]がよかった

他の奴らが羨ましかった

ときには両親のことすら恨んだ

 

 

・・・けど、今はこの[洗脳]が誇らしい

 

 

 

 

ーーーーーー雄英高校 教師sideーーーーーーーーーーー

 

 

「ネズミなのか犬なのか熊なのか・・・

その正体は校長さ!」

 

「校長、お戯れは程々に・・・」

 

「いやいやいやコレは僕のアイデンティティなのさ!コレをやらないと表現力に乏しい作者の腕じゃ誰の台詞なのか伝えられないのさ!」

 

「校長、発言がメタいです」

 

「じゃあなにかい?わかりやすいように語尾に

“へけけっ”やら“ハハッ”やら中の人繋がりで

シャルナー「いけません。校長」冗談さ。さて明日の

体育祭の警備の件だけど皆に話して無いことがあるのだ」

 

「校長、語尾がハム●郎になってます」

 

「昨年までの警備に加えて、前日のUSJへの敵の

“侵入、即落ち事件”を踏まえて警備の数を約5倍にするのは皆、知っていると思うけど、それに加えてヒーロー科 1年A組の緑谷 出久くん対策として特別編成部隊を校内に

入れることになったのさ」

 

「特別編成部隊ですか」

 

「具体的にはヴィランで編成されたチームさ」

 

「校長、一体なにを!?」

 

黙れ、小僧!!・・・緑谷くんが暴走した場合、

止めるにはプロヒーローだけでは不可能との“上”の判断なのさ・・・」

 

「・・・そのチームのメンバーは・・・」

 

「ああ、そのメンバーはね・・・」

 

 

 

 

 

ヴィラン

 

面浪(もろう) 密化(ひそか) (連続殺人犯)

 

ヴィランネーム ヒソカ

[殺人、公務執行妨害、傷害、露出、他多数]

プロヒーロー、敵、問わずに[強個性]持ち等の強者に戦闘を仕掛け殺害してきた

[個性]は[ガム]と[ゴム]の複合型とされている

何度もボられても生存している実績あり

 

繰形(くりがた) 猫美(ねこみ)

 

ヴィランネーム ピトー

[万引き6件]

[死体を操る]と[外科治療]、[大山猫]の複合型で非常に

強力な身体能力と生命力を持っている

万引きの常習犯であり、もっともボられた人物でもある

数年前、警察に自首し本人の強い希望によりタルタロスに収監されている

現在はタルタロス内にてボられない生活を謳歌している

[デクさんの不条理が全て向かってくる]という[個性]を

もっている疑いがあり強制的に参加が決定した

 

 

 

 



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ヤサシイ×セカイ

 

ーーーーーー体育祭 当日 午前3時ーーーーーーーーーー

 

対[個性]最高警備特殊拘置所 通称タルタロスにて

とある目的の為、2名の囚人が移送されようとしていた

 

 

監獄長 黒縄(こくじょう) 禁縛(きんばく)は混乱の最中にいた

原因は言わずもがな移送する囚人達である

 

前代未聞 一時的とはいえ囚人を外に出す愚行・・・

あげく目的を達成せずとも恩赦を与えると聞いた・・・

本来ならば、言語道断であるが

目的を説明され移送される2名を見てナニカを察した

 

面浪(もろう) 密化(ひそか)は悽愴感溢れる顔をし

白目を剥いて微動だにしない

すわ[個性]による攻撃を受けたのかと肩を叩いてやると

虚空をみて「大丈夫、さぁ逝こうか♠️」などと嘯き

また白目を剥いた

 

大丈夫の意味は変わったのかしらん?

行こうのニュアンスが何か違う気がすると思いつつも

護送車に放り込んだ

 

次の囚人は繰形(くりがた) 猫美(ねこみ)

正直な話、なぜ収監されているのかわからない女性だ

誰か1人をタルタロスから解放するとしたら

全会一致でこの女性が選ばれるであろうと思われる

 

犯罪歴は窃盗それも万引きが6回のみ

盗んだのもカリカリや銀のスプーンである

罪は罪だがタルタロスに収監する意味がわからない

[強個性]で身体能力も凶悪だが理想的な模範囚であり

ここだけの話、職員の中でも人気が高い

なんというか尽くすタイプの女性で天然っぽい美少女だ

個人的にはボクっ娘と猫耳は正義だと思う

 

そんな彼女が今、土下座?をしていた

正座をして頭を地面に擦りつけていた

上に向けた手の平は害意がないのことを示す精一杯の

所作であり黒縄はそれを知っていた

 

「頼む 待ってくれ・・・」

「何でも!!何でも言うことを聞くから!!」

「だから待ってくれ ボクは どうしてもこの場所を出てはいけないんだ!!」

 

━━━極限まで張りつめた空気のなかで

繰形が選択した答は 駄々をこねることであった

 

 

これから外で何が起きるのかは私にはわからないが

この少女が傷付くのは間違いないだろう

 

「お願いだ!!もうボられるのはイヤなんだ!!」

「そうだパフパフ!!肉球パフパフしてあげるから!!」

「耳掻き!!耳掻きもしよう!!」

「望むならば・・・耳舐めも!!」

「必ず・・・!!約束する」

 

 

私は血がでるほど手を握りしめ

部下に「連れていけ」とだけ伝えた

そして部下も歯を食い縛りながら命令に従った

私は逃げたのだ

部下に役目を押し付けた・・・!!

私は人生で一番に己の弱さを呪った

 

 

囚人に対して便宜を図ったり物を渡す行為は勿論

囚人から物を受け取ったりするのは職務に反するだろう

 

 

何も出来ない私は・・・

災禍に飲まれる運命を持つ少女を助けられない私は・・・

 

護送車に収容される彼女に駆け寄り

懐から出したチュールを手渡した

部下達も駆け寄りモンプチやらシーバやら渡していた

 

馬鹿者共が・・・

私も含めこの場の全員、始末書だ!!!

 

 

 

━━━その日、タルタロスは優しい世界だった

 

 

 

 

 



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カンワ×ト×キョウカ

ーーーーーー敵連合USJ襲撃から数日後ーーーーーーー

 

とある池にて2人は出会った

 

それは偶然、

あるいは必然の出会いだったのかもしれない

 

「なんだお前は!?知っているぞ!!」

 

「俺、デク!!頑張れって感じのデクだ!!」

 

「イカすファッションじゃねぇか!!ダサいな!!

俺はトゥワイス!!よろしくなデクさん!!あばよ!」

 

天を貫くような髪にパツパツのシャツの男と

全身ラバースーツの男は意気投合し固い握手をしていた

 

「・・・俺、[無個性]なんだ」

 

「そうなのか!!しらねぇよ!!」

 

「ジンさんはどんな[個性]なの?」

 

「俺の[個性]は[二倍]なんでも増やせる!教えねぇよ!」

 

懇切丁寧に教えていただきました

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・「「できた!」」

 

「さすがだなデクさん!!いやできねぇよ!!」

 

 

 

━━━後世において歴史家達は口を揃えて言う

この時 歴史が動いた、と

暴力によって支配される時代が確定したと

トゥワイス(分倍河原 仁)は最凶を増やした男として

日本犯罪史に名を残した。

[余計な事をする]という意味の単語としてトゥワイス

[不幸、理不尽を受ける]という意味の単語としてピトー

新現代語として登録された

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ーーーーーマイク先生のパーフェクト爆破教室ーーーーー

 

「hey爆豪少年!俺に修行を着けて貰いたいって?」

 

「ああ、担任からアンタの新しい[個性]を聞いた」

 

プレゼントマイクはニヤニヤと笑いながら爆豪に肩を組み

「そうか!そうか!俺の新しい[個性]てーと[一握りの火薬]と[命の音]のだな!?OK,OK,俺はまとめて[ボマー]とよんでいる」

 

爆豪から離れ教壇で説明を続けるプレゼントマイク

「中、近距離戦で使える[一握りの火薬]と条件を満たすことで使える[命の音]。条件は対象者の爆破させたい箇所に触れながら[ボマー]と言うこと・・・ああ、気付いたか、俺が敵なら爆豪、お前は死んでるよ」

 

「・・・ッ!?」

 

「油断大敵、常時戦場の心構えだ・・・Are you OK?」

 

(コレが、プロクラス・・・!!)

 

「go next、解除方法は俺に触れながらボマー捕まえたと

「関係ねェ!!このままいく!!」

「heyheyheyheyこの[個性]は時限式放っておいても・・・」

「こんくれェの壁、越えねぇと、いつまでたっても!!俺は!!弱いままだ!!!」

 

(このリスナーの輝きはまさにアゲット 宝石言葉は勇気

行動力・・・そして成功!!けど危ういわさ)

 

 

 

 

 

 



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オレテ×ツナイデ

いつも感想をありがとうございます。
評価ありがとうございます。
体育祭編は3/25まで続く予定です。


 

ーーーーーー体育祭 入場15分前ーーーーーーーーーー

 

ーーーーーー心操 人使sideーーーーーーーーーーーーー

 

 

「嘘だ嘘だ嘘だ!あんな怪物が

彼が目標だったなんてそんなの嘘だ!」

 

俺が倒すべき目標

A組の皆(19名)との訓練の成果をぶつける相手

それはあまりに強大で

一目でわかる絶対的な格の差・・・!!

 

短い間だったが訓練で俺は強くなった

訓練する前の俺と今の俺とで戦ったら

間違いなく勝てる程に・・・!!

 

それでも 無理だ これ以上戦えない・・・!!

行けば 確実に 殺される

なんだあのオーラは!?

この世の有らゆる不吉を 孕んでいる様・・・!!

 

俺が[個性]を使う前に

俺をできるだけボろうとする

躊躇なく どんな残酷な手を 使おうとも

捕まれば それに あらがう術はない・・・!!

そう確信できるほど 濃い凶兆・・・!!

ここが俺の限界・・・!!

 

捕まったら おしまいだ!!

あんな・・・あんな狂暴な オーラ・・・!!

俺は・・・視ただけで 精神(こころ)が折れてしまった・・・!!

 

━━━勝己、天哉、焦凍、猿夫、優雅、電気、甲司、

お茶子、鋭児郎、力道、目蔵、踏影、三奈、実、梅雨、

百、透、範太……(ウチの名前は!?)

 

お前達も 奴のオーラを 視てんだよな

俺なんかより もっと近くで

直にあれに 触れた(ボられた)んだろ?

なのに なぜ 立ち向かえるんだ!?

奴に・・・・・・!!

なぜ 戦える!?

 

 

 

精神(こころ)が折れた俺はもう━━━

 

飯田が俺の肩を掴み

「ヒトシ君、俺は走って逃げる事しか出来ない。

だが君には、君しか出来ない、

君になら出来る事があるはずだ。

誰も君に強要はしない、

自分で考え、自分で決めろ…

自分が今、何をすべきなのか。

…ま、後悔のないようにな」

 

爆豪が反対側の肩を組んで

「おれ達の命くらい一緒に賭けてみろ!!!仲間だろうが!!!!」

 

芦戸が右手を握り

「もっと熱くなれよ・・・熱い血燃やしてけよ!!

人間熱くなった時が、本当の自分に出会えるんだ!

だからこそ!もっと!熱くなれよおおおおおおおお!!」

 

常闇が左手を握り

「止まるんじゃねぇぞ・・・」

 

轟が…

「鈍い 弱い 未熟 そんなものは男では無い」

 

砂藤が……

「笑わせるなッ!!

ここは戦場だ、殺し合いをするところだぜ!

男も女も関係ねェ、

強い奴が生き残り、弱い奴が死ぬんだよ!

傷つくのがイヤなら戦場に出てくるんじゃねえ!!」

 

 

 

みんな・・・

ありがとう

みんなが繋いでくれた・・・

 

 

俺の[個性]があの怪物に通用するかわからない

通用しないかも、負けるかもで 逃げていちゃ

ヒーローになれないよなぁ!!

ヒーローは!!いつだって命懸け!!!

 

 

「出来るかどうかじゃねえ なりたいからなるんだ!

ヒーローになるって俺が決めたんだから 

そのために戦って死ぬんなら別にいい!!!」

 

 

ドン

 

 

 

TO BE CONTINUED

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ねぇウチの名前は!?)



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キサマ×ヲ×コロス

いつも感想をありがとうございます。
本日は評価が嬉しかったので2話更新します。
こちらは1話目です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ichieva様、さちく様、foxtail様、
宮理貴様、herehere様 評価ありがとうございます。

追記 感想でSSをいくつか返信しております。
   興味のある方はよろしければご笑味ください。


なお最近はボれてなかったのでいつもより多く
ボッします。


ボッ ドッ ボッボッ ガッ ドゴッ ガンッ ズッ ゴンッ

ガガガッ ガシッ パンッ ドドド カッ ボッ ボッ

ヒャクコンボッ カッ カッ ドンッ ドドッ カッ ボッ

 

 

 

ーーーー雄英高校 体育祭 入場開始ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーシンリンカムイsideーーーーーーーーーーー

 

私は泣いていた。

私は涙が止められなった。

 

噂は聞いていた。

見るのは初めてだった。

 

━━━[ゴンデクさん]という少年がいる。

その少年は[無個性]らしい。

 

━━━[デクさん]という少年がいる。

その少年は敵を撃退したらしい。

 

[無個性]の少年が敵を倒す?

馬鹿馬鹿しい嘘かよっぽど弱い敵だったのだろう。

そう思っていた。

 

私は恥ずかしい。

[無個性]の少年があれだけ動けるようになるまで

どれだけの鍛練をしたのか。

その姿はまさしく益荒男。

 

人があんなに速く動くのを初めて見た。

人があんなに美しく動くのを初めて見た。

 

デモンストレーションだろうか?

黒い人型のなにかを蹴飛ばして

飛んでいったソレに追い付きまた蹴飛ばす。

ときおり叫んでいる「ふぃとぉぉぉ」とはなんだろう?

もしやPhyto(植物)だろうか?

自意識過剰かもしれないが私へのアピールかもしれない。

私も壮絶な体験をしてきた。

私が彼にシンパシーを感じているように

彼も私になにかを感じているのかもしれない。

 

思えば[デクさん]という名前も

[嶇(けわしい、ク)]から[出(いずる、デ)]から

きているのかもしれない。

 

きっとそうだ。

彼も苦労してきたのだろう。

体育祭が終わったら職場体験に彼を指名しよう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ボッ ドッ ボッボッ ガッ ドゴッ ガンッ ズッ ゴンッ

ガガガッ ガシッ パンッ ドドド カッ ボッ ボッ

テンショウヒャクケンッ ドドド ドドドッ カッ ボッ ボッ

 

ーーーーーーマンダレイsideーーーーーーーーーーーーー

 

私は泣いていた。

私は涙が止められなった。

 

噂は聞いていた。

見るのは初めてだった。

 

━━━繰形(くりがた) 猫美(ねこみ)という少女がいる。

その少女は[強個性]らしい。

 

━━━繰形(くりがた) 猫美(ねこみ)という少女がいる。

その少女は[デクさん]に耐えたらしい。

 

[強個性]程度の少女が[デクさん]に耐える?

馬鹿馬鹿しい嘘かよっぽど弱いボられかただったのだろう。

そう思っていた。

 

私は恥ずかしい。

[強個性]の少女があれだけ憔悴するまで

どれだけの蹂躙されたのか。

その姿はまさしくボロ屑。

 

人があんなに潔く散るのを初めて見た。

人があんなに醜く喚くのを初めて見た。

 

デーモンスレイヤーだろうか?

黒い人型のナニカが蹴飛ばして

飛んでいった彼女に追い付きまた蹴飛ばす。

ときおり叫んでいる「びぃとぉぉぉ」とはなんだろう?

もしやbeet-on(叩き始める)だろうか?

強迫観念かもしれないが私への警告かもしれない。

私も壮絶な体験をしてきた。

私が彼に脅威を感じているように

彼も私にナニカを感じているのかもしれない。

 

思えば[デクさん]という名前も

[毆(なぐる、ク)]って[奪(うばう、デ)]から

きているのかもしれない。

 

きっとそうだ。

彼も苦労してきたのだろう。

体育祭が終わったら職場体験は彼を拒否しよう。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ソッコウマホウハツドウ! バーサーカーソウル イクゼ ピトー

ドロー モンスターカード バシュッ ドローモンスターカード ドガァン

モンスターカード カッ モンスターカード ドンッ モンスターカード ボッ

 

ーーーーーー根津校長sideーーーーーーーーーーーーーー

 

僕は泣いていたのさ。

僕は涙が止められなったのさ。

 

噂は聞いていたのさ。

見るのは初めてだったのさ。

 

━━━心操 人使という少年がいる。

その少年は[敵のような個性]らしい。

 

━━━心操 人使という少年がいる。

その少年は[デクさん]に挑むらしい。

 

[普通科]の少年が[デクさん]に挑む?

馬鹿馬鹿しい嘘かよっぽど頭が弱かったのだろう。

そう思っていた。

 

僕は恥ずかしい。

[普通科]の少年があれだけ無表情になるまで

どれだけの決意を決めたのか。

その姿はまさしく挑戦者。

 

人があんなに熱く猛るのを初めて見た。

人があんなに強く嘆くのを初めて見た。

 

ブラックシャドウだろうか?

黒い人型の黒影が激励して

先んじて、行った彼に追い付きまた鼓舞する。

ときおり叫んでいる「びぃとぉぉ」とはなんだろう?

もしやbeen-to(~行ったこと)だろうか?

呑舟之魚かもしれないのさ 私への布告かもしれない。

僕も壮絶な体験をしてきた。

僕が彼に期待を感じているように

彼も私に編入を望んでいるのかもしれない。

 

思えば[人使]という名前も

[人(ジン、ひと)]の為に[使(つかう、シ]から

きているのかもしれない。

 

きっとそうだ。

彼も苦労してきたのだろう。

体育祭が終わったら職場体験で彼を優先しよう。

 

 

 

 

 




デクさんは、しばらくボらせたあとに
オールマイトが説得したら戻りました。

「ピィトォォォォォォ」ボッボッボッ
「もう辞めるんだ緑谷少年、早く席に戻りたまえ」
「HA☆NA☆SE敵は倒さなきゃ・・・」ガッガッガッ
「ほら君は選手宣誓があるだろう」
「あ!そうだねオールマイト、もういかなきゃ」ポイッ




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センセイ×ト×ヒトコト

いつも感想ありがとうございます。
本日は評価が嬉しかったので2話更新します。
こちらは2話目です。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ichieva様、さちく様、foxtail様、
宮理貴様、herehere様 評価ありがとうございます。

追記 感想でSSをいくつか返信しております。
   興味のある方はよろしければご笑味ください。


ーーーー雄英高校 体育祭 選手宣誓ーーーーーーーーー

 

天まで届きそうな緑色の髪

底が見えない暗闇のような眼

絶望を知っている表情

異常なまでに発達した筋肉と

筋肉によって張り裂けそうなシャツ

 

━━━はたして高校生なのか?

壇上に上がった男をみて

高校生だと、まだ子供だとはとても思えない

 

壇上に立ったのは[デクさん]

暴力と理不尽の権化である

 

会場のざわめきを無視して宣誓を始めた

 

「…俺はヒーローになりたかったわけじゃない」

 

投下されたのは爆弾だった

会場は静寂に包まれた

テレビでも放送されているこの体育祭

最高峰の高校の生徒代表となる少年の言葉だけが響く

皆、発言の意味を吟味し

少年の次の言葉を待っていた

 

「…仲間が欲しかった オレの有り余る力を知っても

そばに居てくれる仲間が…」

 

(デク)(デクさん)(緑谷少年)(緑谷ちゃん)(緑谷君)

 

それは、あまりにも細やかな願い

あまりにも傲慢な願い

純粋すぎる少年の言葉はクラスメイトに伝わっていく

 

「雄英でクラスの皆と出会い 仲間になれた…」

 

(あの[無個性]だった少年が…)(非合理的だが…)

(クソナードが…)(オイラ達は仲間だろ!!)(ポワポワ)

(…宿命られた出逢いか)(水臭ぇ!でも漢だな!)

(友情の煌めきさ☆)(大切な仲間ですわ)

 

伝わっていく言葉━━願い━━

クラスメイト達の、仲間達の思いは1つになt

 

 

「仲間達に応える為にオレは全力で体育祭に挑む!!」

 

((((((それは絶対に辞めて))))))))

 

 

━━━今、確実に1つになった

 

 

ーーーーーー障害物競争 開始直前ーーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーー心操 人使sideーーーーーーーーーーー

 

俺は・・・

俺はボられて死ぬ

 

およそ1秒先

死ぬ!生きたい!

 

 

━━━自身の未来を知った心操の精神は

一瞬にして百余年が過ぎたかのごとく変わり果てた

━━━その間 脳裏では

過去の一切が高速で雑然と流れ その直後弾け散り

現在と混ざりあった

 

 

一言

 

最初の 最後の

一言!!

応えたら俺の勝ち 俺は!!死ぬまで死なねェ

メッセージ 一言!! 生き延びる為の!!

一言!!  もう大丈夫、なぜかって俺が来た

絶対に返事をするような!間違ったら死ぬ

死にたくない 返事をしてくれ

洗脳する 死んでも 生きたい

ヒーロー科へ編入!!

画風が違う 皆との約束

一言だけでいい できるのか俺に

母さん もうどうなってもいい 誰か助けて

必ず返答するような一言

応援してくれた 期待が 一言!!

絶対 考えろ考えろ 間違えるな

一言 一言 一言!!

 

━━━生への執着と 不可避の死の境界で

かつてなく めまぐるしく働いた脳細胞が導き出したのは

通常であれば選択し得ないものだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソナード・・・?」

 

 

 

 

 

 

ああ、終わった

 

 

 

 

 

 

 

「え?かっちゃんの友達?」

 

━━━クソナード呼びで反応してくれました。

 

 

 

やった 俺はやった 俺、死んでないよな?

止めれた・・・ッ 化物を 勝てた 生きてる

まじか やればできるんだ 俺自身がヒーローになることだ

生きてる 生きて勝てた ありがとう、皆

助かった 死んでない・・・ 止めたんだ

俺がヒーローだ 勝ったんだ

 

 

━━━胸に込み上げて来たソレを

 

礼を 感謝を伝えないと ありがとうを

言わなくちゃ みんなに ヒーローになれたんだ

天哉に 勝己に 焦凍に 力道に 猿夫に 電気に

優雅に 踏影に 範太に 百に 実に 梅雨に

目蔵に 三奈に 甲司に 透に 鋭児朗に お茶子に

(ウチの名前は!?)

感謝を・・・伝えないと!!

 

 

 

 

━━━思いきり吐き出した

 

 

「みんな゛、あ゛り゛がオヴェェ」

 

ビチャビチャビチャビチャ

 

「な゛ん゛だごれ゛?」

 

 

俺はどうなったんだ・・・?

目の前が急に真っ赤になって

鉄の錆びた臭いがする?

濡れた感触?水溜まりなんてあったか?

誰かの[個性]か? まぁいいか

温かいな すごく眠い お風呂みたいだ 気持ちいい

ああ、そうだ お礼をしねぇと みんなは どこだ?

な で だれも ない んだ

なん こ な とに

 

 

 

寒い

 

 

 




常闇「心操の霊圧が消えた・・・!?」



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キズダラケ×ノ×ユウシャ

いつも感想、評価ありがとうございます。
先日、2話投稿したので予定を繰り上げて
体育祭編最終話です。


ーーーーーー障害物競争 開始ーーーーーーーーーーーー

 

『スタート!!っておい!1人 血ィ吐いて倒れたぞ!!』

 

プレゼントマイクの開始宣言と絶叫

そして血溜まりに沈む心操

状況の理解と同時に悲鳴をあげる観客達

 

━━━傷だらけの勇者に祝福を

 

━━━傷だらけの勇者に喝采を

 

 

ーーーーーー上鳴 電気sideーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺はその可能性に気付いていた

俺だけがその可能性に気付いていたのかもしれない

 

 

初めて会ったときは、なんか暗れぇヤツだと思ったし

あの[デクさん]に挑むなんてヤッベェヤツだと思ったし

[個性]を聞いてからはコエーヤツだと思ったわけよ

 

でもなんかさ

話してみっと おもしれぇヤツでさ

ガッコ帰りにカラオケ誘ったらすっげぇ歌うめぇのな

99点とか初めて見たわ

結構カラオケきてんのかと聞いたら

初めてだっつーから驚いて色々歌わせたのよ

アニソンも、ロックも演歌も店の最高得点だして

あんときゃ笑ったな

 

 

俺はその可能性に気付いていた

俺だけがその可能性に気付いていたのかもしれない

 

 

俺の[個性]はさ[帯電]で電気を貯めて放出できる

まぁやり過ぎっと頭がショートしてアホになるけどな

 

んでさ俺なりに[個性]について考えたわけ

八百万とか芦戸とか峰田とか物出すタイプは

出し過ぎると出せなくなったり血が出たりって

無理しないようストッパーがあんのな

 

で俺とか麗日とか相澤せんせーみたいな

エネルギー?とか、効果をおよぼすようなタイプって

デメリットが大きいのな

 

いや俺がアホになるのは置いとけよ

『ウェーイ』じゃねぇし!!

まぁソレに関してなんだけどよ

俺はまぁ[強個性]だって言われてたし

ちっさい頃から練習してたから

これ以上はヤベーなーって感覚でわかっから

アホになるくらいですんでんだけどよ

ろくに個性を使わないままだったら

わかんねぇで使っちまうんじゃねぇかな

キャパオーバーってやつ?

俺だったらアホになって止まるけど

アイツはどうなんのかなーって

1回見てみてぇけどなアイツがアホになったとこ

 

 

俺はその可能性に気付いていた

俺だけがその可能性に気付いていたのかもしれない

 

 

俺のせいだ

俺が!!やる前に聞いておきゃあよかった!!

アイツが血を吹いてぶっ倒れて

自分のマヌケっぷりが嫌になって

普通に考えりゃわかんだろうが!

[デクさん]に[洗脳]かけて無事でいられるわけないって

 

俺はアイツになんて言った!?

 

『頑張れ』『期待してる』『お前ならできる』

 

ああああああああああああ

そんなんアイツに死ねって言ってんのと同じじゃん!!

俺が!!アイツを殺したんじゃんよ!!

 

[デクさん]のことだ一瞬でも[洗脳]されたら

気付いて絶対にボッする!!

断言できる!!

 

[デクさん]は……動いてない?

あの[デクさん]だぞ!?

まさかまだ[洗脳]されてる?

 

あんなボロボロになってもまだ[個性]を使って!?

バカ野郎ッ それ以上はシャレになんないって

止めないと・・・

ヒトシが死んじまう!!

 

 

助けに行こうとして

俺は肩を掴まれた

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「離せよっ!!」

 

上鳴の肩を掴んだのは飯田だった

 

「上鳴君!!君は前に進め!!」

 

「ウェ!?なに言ってんだよ!?人使が死んじまう!!

見捨てたら俺はヒーローを目指せなくなっちまう!!」

 

ヒーローの本質は人を救うこと

 

「僕が行こう」

 

飯田は決意していた

圧倒的自己犠牲の精神━━━━━覚悟完了

 

「僕は委員長だ!それに僕の[エンジン]なら

彼を背負っても走りきれる!!」

 

「飯田・・・いや天哉ァ死ぬなよ」

 

「当たり前さ!兄さんの名に懸けて、走り抜くさ!」

 

飯田が[エンジン]を噴かそうとして

 

「ちょっと待って貰える!?」

 

事態はさらなる動きをみせる

 

 

ーーーーーーーー拳藤 一佳sideーーーーーーーーーーー

 

A組にヤバそうな奴がいるのは噂で知った

一度、遠目に見たけど勝てる気がしない

心が折れた

同じクラスでも敵同士になるなら別のクラスは…

体育祭が不安だった

 

B組最大の問題児が知ったら煽りに行って

大変なことになるから徹底して隠した

願いは届いて無事に今日を迎えられた 成功だ

成功はしたが、[デクさん]の攻略法がわからないまま

就職にも影響する体育祭だ なんとかせねば

 

ピンチのウチ達を救ったのは普通科の男子だった

トマトジュースみたいに血を吐いて倒れてしまった

~ッここで!見捨てられるか!!

貴方が!止めたから!皆まだ無事なんだ!!

様子が変だ A組の人達が助けに行くようだ でもウチは恩

を返せてない!!

殺されるかもしれないんだ もう手段は選べない!!

すまない 物間、キミに決めた!!

!?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ちょっと待って貰える!?」

声をかけたのはB組の拳藤だった

 

「君はB組の!?」

 

「急いでんだよ!人使が死んじまう!!」

 

「ウチらB組も協力する!借りは返さなきゃね」

 

━━━それは

 

「すまない!それは助かる!」

 

「B組に[デクさん]を抑えられるヤツが!?

なんで最初から抑えてくれなかった!?

そうすれば人使はあんな!!」

 

「上鳴君!!」

 

「いいの、ごめんなさい

ウチに覚悟が無かったから…

[抑える]ことは無理でも[反らす]ことならできる!」

手を巨大化させてソレを掴んだ

 

━━━━人として、

 

「ウェェ!?天哉、走れ!!」

 

「ウォォォォォ!!レシプロバーストォ!!」

 

「いっけぇぇぇぇ!!物間!!」

 

━━━━━アカンやつや

 

「ノォォォォォォオオオオゥゥゥ」

ーーーーーー物間 寧人sideーーーーーーーーーーーーー

 

スタートの合図とともに倒れた人がいたみたいだけど

いったいなにがしたかったんだろうねぇ

ヒーロー科でもないのに変に目立とうとするから

失敗するのさ

 

あらあらあら?

A組はあんなに全力で[個性]を使ってバカじゃないのかな

今はいわば予選の段階

そんな状況で全力で[個性]を使うなんてね

観察して対策してくださ~いって

言っているようなものだね これだからA組は…

 

僕達B組は予選を突破できる程度に走って

他のクラスの[個性]を観察させてもらうよ

次の種目に備えてねぇ!!

 

 

ガシッ

 

 

あれ?急に暗くなった?

それに全身を締め付けるような……

この声は拳藤かい!?

あのゴリラ女いったいなにをするつも

ブンッ

 

 

 

「ノォォォォォォオオオオゥゥゥ」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

結論からいえば心操 人使は体育祭で優勝した

飯田 天哉が背負って救助して

[洗脳]が解けたタイミングで

拳藤 一佳が投げた飛ばした物間 寧人がデクさんに

超!エキサイティング! した結果

デクさんは物間 寧人をロックオン

数十分間 ボッした

その隙に他の生徒達は次々ゴールインでき

心操 人使、飯田 天哉、上鳴 電気、拳藤 一佳は

順位的に落選の予定だったが

第二種目出場者全員が出場を辞退し

心操 人使を推薦した結果

第二種目出場者が心操 人使のみになり優勝した

 

リカバリーガールによる懸命の治療活動によって

3日後に意識を取り戻した心操 人使は

病院のベッドにて自分が優勝したことを知って号泣

病室に入りきらない程の見舞品に驚愕した

 

退院後にヒーロー科に編入が決定しており

これをうけA組メンバーは歓迎会の開催を決定

歓迎会の予算はイレイザーへッドが全額支払うと宣言した

 

また体育祭翌日に雄英高校に届いた心操 人使宛の

ファンレターはダンプ1台分に及んだため

一時的保管場所としてセメントスが倉庫を造りだした

視聴者によるドラフト指名がヒーローだけでなく

あらゆる企業や団体、

ヴィランからも来るという前代未聞の珍事件が起きた

 

 

国立雄英高校体育祭

 

優勝者 心操 人使

 

 

第一種目 失格者

 

緑谷 出久

物間 寧人

 




   おめでとう おめでとう おめでとう おめでとう
おめでとう おめでとう おめでとう おめでとう おめでとう
   よくやったな お疲れさん かっこよかったよ
信じていたぜ めでてぇな オイラはわかってたぜ
  誰よりも輝いていたよ がん゛ばっだね゛ 漢だな
       合理的ではないがよくやった
           おめでとう
            仲間に
    ありがとう 皆がいたから 俺は 戦えた

        おめでとう おめでとう
           父と 母に
   ありがとう [洗脳]の[個性]に産んでくれて

おめでとう おめでとう おめでとう おめでとう おめでとう
         すべての 観客達に
           ありがとう
  俺は[洗脳]が嫌いだった でも[洗脳]を好きになれた
    俺は俺だ  俺でしかない  俺でいたい
      俺は[洗脳]の[個性]でよかったんだ!!
     俺はヒーローを目指してよかったんだ!!
       俺はここにいていいんだ!!

      雄英の中心でアイを叫んだけもの

        おめでとう 心操 人使

           次は 君だ


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ツヨクテ×ヨコク

感想、評価ありがとうございます。
日に日に増えていく感想と評価に小躍りしながら
更新しております。これからもお願いいたします。

職場体験編開始です。


ーーーーー東京都 保須市 とある廃ビルーーーーーーーー

 

「金は用意出来たんだろうな?」

 

「……ここにある、確認を」

 

━━━取り壊し予定のビルの中で密会する二人

 

「んじゃ確かに これが依頼の物だ」

 

「…10発だけか」

 

「おいおい贅沢言うんじゃねぇよ

持ち出したのがバレりゃ俺が殺されちまう」

 

「[個性]破壊弾…本物か?」

 

━━━二人は後ろ暗い取引をしていた

 

「金貰ってんだ…本物だよ ただし[個性]を消せるのは

3日だけ 弾も冷暗所でもって一ヶ月だがな」

 

「…効果が本物なら十分だ」

 

「・・・ハァ」

 

「!?誰だ!」

 

「テメェ尾行されたのか!?」

 

━━━そこに乱入者が現れる

 

「徒に社会を乱す敵も粛━━━

 

ボッ

 

 

━━清対象・・・貴様は!?」

 

「俺?俺はデク!!頑張れって感じのデクだ!!」

 

「・・・ハァ!!実にいい!」

 

ーーーーー同時刻 山梨県 甲府市 某所ーーーーーーーー

 

「おいおい、じーさん いい歳してヒーローごっこか?」

 

「俺等が相手じゃ ぎっくり腰ではすまねぇぞ」

 

「お年寄りは労んねぇとな 寝かしてやれ!!」

 

━━━三人組の敵、相対するは古参の強者

 

「やれやれ 腰が痛くなるから あんまり━━━

 

ボッ

 

━━━コリャたまげたな」

 

(俊典━━━お前の後継者か?なんちゅう奴を━━━)

 

 

ーーーー同時刻 ーー某アジトーーーーーーーーーーーー

 

 

「先生!なんでこいつがアジトに!?」

 

「弔・・・刺激してはいけないよ

黒霧、すぐに萩の月をダースで用意してくれ」

 

「~ッわかりました! すぐに買ってきます!」

 

「・・・give me」

 

(さて どうやって時間を稼ごうか)

 

 

ーーーーー同時刻ーータルタロスーーーーーーーーーーー

 

 

ボッ ボッ ドムッ ガンッ ダムッ

ズゴッ グッ ボルッ ボッ ガッ

カッ ボボボッ ボ ボッボボ ズッ

ダッ ボッ ドドド ゴンッ

「ぎにゃあぁぁぁぁぁぁ」

「「「「「「ピトー、

貴様を殺す!!!」」」」」」

ボッ ドンッ カッ ブンッ タンッ

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

 

「監獄長!!これ以上はもう!!」

 

「耐えねば・・・耐えねば、ならぬのだ」

 

━━━全職員がソレを見て涙していた

 

 

ーーーーーーー強くて×ヒーローアカデミアーーーーーー

ーーーーーーーーー職業体験編 開始ーーーーーーーーー



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メイメイ×ノ×メイメイ

感想、評価ありがとうございます。

何故か私が書くと心操くんが主人公ポジにおさまり
飯田くんがゲスになってしまいます。
このような症状に心当りのある方はいませんか…?


ーーーー東京都 保須市ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

━━━その日、飯田 天晴(いいだ てんせい)は調子に乗っていた

 

ターボヒーロー[インゲニウム]として人気はあるが

実際問題、彼女が居なかったのだ

…昨日までは

ファンに告白されて受理したのだ

苦節30年、初の[お付き合い]である

そりゃあ調子にも乗るだろう

[失敗しないデートスポット30選]とか買うだろう

 

━━━だから不運(ハードラック)踊っ(ダンス)ちまったのさ

 

 

「・・・ハァ世の中に蔓延るリア充は粛清対象だ」

 

「・・・Hasta la vista, baby(地獄で会おうぜ、ベイビー)

 

 

 

ボッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『prrrr-prrrr-prrrr』

 

━━━電話が鳴る

 

「どうしたんだい母さん?体育祭は終わったけど

まだ学校で」

 

『…天哉、落ち着いて聞いて欲しいの天晴が

[ヒーロー殺し]に襲われて……』

 

「兄さんが!?」

 

『お尻を出した状態で壁にめり込まされて…

その写真がSNSにアップされたの』

 

「そんな!?兄さんが(社会的に)死ん……」

 

『天晴は生きているわ でも彼女にもフラれて

ヒーローとしては(精神的に)復帰はできないって』

 

「兄さん……兄さんが…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

━━━ヒーロー殺し

ヴィランネーム ステイン

 

主にリア充ヒーローを標的にしている

[個性]を使用し動けなくしたあとに

刃物を使ってコスチュームを破壊して晒し者にする

多くのヒーローを(社会的に)殺害した凶悪敵

 

女性ヒーローを自分から襲うことはなく

戦闘になってもコスチュームを破壊しないように

気をつけており むしろ露出の多いコスチュームの

女性ヒーローには自分の上着をかけたりする

 

峰田いわく『背信者』、『強制♂ストリッパー』

『ヤローの裸とか誰得』とのこと

 

48歳にして未婚のオールマイトを

『本来あるべきヒーローの姿』として狂信している

 

ーーーー雄英高校 1年A組ーーーーーーーーーーーーー

 

編入してきた心操を加え21名になったA組

 

「今日の[ヒーロー情報学]は特別だぞ

[コードネーム]ヒーロー名の考案だ」

 

「「「「胸膨らむヤツ来たぁぁぁ!!」」」」

 

「・・・と言うのも先日話したプロからのドラフト指名に

[中略]で その指名の集計結果がこうだ」

 

(((((めちゃくちゃ略してきたぁぁぁ!!!)))))

 

「このほうが合理的だろうが・・・

例年はもっとバラけるんだが1人に注目が集まった」

 

心操   16976 C21633 V5149

飯田   596

轟    589

爆豪   390

常闇   360

上鳴   359

八百万  105

切島   68

麗日   20

瀬呂   14

尾白    1

緑谷           V101

峰田           V3

 

「「「「確かに桁がおかしい!!」」」」

 

「放送を見た国外からも指名が来てな

あと心操 お前早めにファンレターの山どうにかしろ」

 

「…うす」

 

「ファン」「レター」「の、」「山ぁぁ!?」

 

「心操お前だけモテやがってオイラにもよこせ!!」

 

「……まだダンプ2台分あんだ」

 

「「「ダンプで!?」」」

 

「心操…今朝、また届いたから増えてるぞ」

 

「「「まだ増えるの!?」」」

 

「保管所がないからせめてPDFとして保存すんだ」

 

「「「真面目だ!!!」」」

 

「当たり前だろ?」

 

「「「めっちゃいい子だ!!」」」

 

 

「先生!説明がありませんでしたが

CやVとは何でしょうか!!」

 

「あ~これね Cカンパニー 一般企業からの指名と

Vヴィランからの指名」

 

「「「ヴィラン!?」」」

 

「まったくヒーローの育成機関にヴィランからの

ドラフト指名があるなんて前代未聞だよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「輝きヒーローCan't stop twinkling.

(キラキラが止められないよ☆)」

「短文!!」

 

「じゃあ次アタシね!蟻の女王!!」

「産むの!?王を産むの!?却下!!」

 

「梅雨入りヒーローFROPPY」

「カワイイ!!まとも!!」

 

「・・・・・・!!」「・・・!」

「・・・・・・!!」「・・・・・・!?」

「・・・・・!?」「・・」「・・・・・・!!」

 

「残っているのは再考の爆豪くんと・・・飯田くんね」

 

 

ーーーー飯田 天哉sideーーーーーーーーーーーーーーー

 

[インゲ   ]

 

━━━飯田 天哉は思い出す

病室での兄との会話を……

 

「天哉・・・・・・昨日・・・

言おうか迷ってたん・・・だけどな」

 

ベッドに横たわる兄さんは思いの外、軽症だったが

目に涙を浮かべていた

 

「彼女にメールを送ると返信が

MAILER-DAEMONになってるんだよ・・・」

 

「そんな・・・嘘だ!!」

 

「電話もでないんだ・・・」

 

兄さんの精神(こころ)は限界だった

兄さんがヒーローを辞めてしまう!!

 

「ダメだ!これからもっと多くの人と付き合えるんだ

兄さんは!!嫌だよ!!」

 

「俺だって・・・嫌だよ・・・

でもなエゴサすると[インゲニウム 壁 尻]が

出てくるんだよ・・・

だからさ・・・おまえが良いなら

この名・・・受け取ってくんねえないか」

 

ごめんなさい兄さん、僕は・・・

 

僕は・・・

 

 

[インゲ 天哉]

 

 

僕はまだモテたい・・・!!

 

 

 

 

ーーーーifストーリー ーーーーーーーーーーーーー

 

~もしインゲニウムが原作通りの重症で

  なおかつ中身がゲスだったならば~

 

 

母からの連絡を受けて飯田 天哉は走っていた。

(兄さん、兄さん、兄さん)

 

 

下半身麻痺

 

漢字でたった五文字

位置を表す三文字と状態を表す二文字

…それだけの言葉だが

ヒーローとしての死

人として生きるのにも重すぎる障害

肉親にそれも尊敬する兄に降りかかったのだ

 

病院の廊下を看護士に注意されながらも走り抜けて

病室の前に立つ

病室の前に立つ

病室の前に立つ

・・・動けない

 

ここまで急いで来たのが嘘のように

飯田は動かなかった

病室のドアを開けることができなかった

 

━━━シュレーディンガーの猫を御存知だろうか?

1935年に発表された思考実験である

この実験の本質とは別だが

極限状態における人間の思考放棄に似ている━━━

 

 

このドアを開ければ兄がいる

下半身麻痺の重症の兄がいる

このドアを開けなければそれは確認できない

このドアの向こうには誰も居らず

兄は今も元気にヒーローをしている…

ドアを開けない限りその可能性もある

結果を観測するまでは可能性がある

逆説的に観測により可能性はなくなる

自分がドアを開ければ兄の怪我が確約してしまう

自らを追い詰める飯田であったが

彼を救うと同時に突き落としたのは兄だった

 

「天哉か・・・?」

 

いる

ドアの向こうに兄がいる

結果は確約された

もうドアを開けることしかできない

 

「兄さん・・・」

 

「天哉・・・・・・すまない、心配をかけた・・・

 言おうか迷ってたん・・・だけどな

 俺の、[インゲニウム]の[インゲニウム]が

 感覚ないんだよ・・・」

 

「すまない、兄さん。今、なんて?」

 

「自慢の[インゲニウム]が感覚ないんだよォォォ!!」

 

「すいません。病院を間違えました」

 

飯田は病室を去っていった

 

「待て、待ってくれ天哉!そしたら誰が俺の

 サイドキック達と捕縛ごっこするんだ!?

 やっとここまで来たんだ!!

 俺はハーレムエンドを迎えたいんだ!!

 2人くらいなら天哉にやるから、なっ?戻って…」

 

 

病院を後にし走り出した飯田は

雨も降ってないのに目元が濡れていた

 

 

 

 




    YAFOO!

  [インゲニウム   ][検索]
   インゲニウム 壁 尻  もしかしてインゲン豆?
   インゲニウム 壁尻
   インゲニウム 速い
   インゲニウム 尻 汚い
   インゲニウム ヒーロー


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イジョウ×ト×ニチジョウ

ーーーーーオールマイトsideーーーーーーーーーーー

 

『電話が~きた~電話が~きた~』

 

この番号ははははははは・・・!?ヤベ切ってしま

 

『電『俊典ィ・・・!!』

 

「ははははははい、すすいませんまちちちちちち」

 

『はぁ、まぁいい。 おめぇよぉ後継者を

俺ん所に送んなら、連絡とかよこさねぇか!!』

 

後継者!?なんのことだ?

 

「いや先生、私には何のことだかまったく」

 

『・・・っち。すっとぼけやがって

デクっつう緑色の頭したガキだよ』

 

馬鹿な!?緑谷少年は教室にいるハズ・・・

まさか、偽物じゃあ!?

 

「先生っその『ボッ

おう、もう終わったのか。ん?どうした俊典?』

 

本物だと!?では教室にいるほうが!

 

「先生、すいません 一旦切ります」

 

私は教室にいる相澤くんに連絡しようとして

『電話が~きた~電話が~きた~』

shit!こんな時に!?

すまないが切らせて・・・この番号は、ヤツからか!?

 

『やぁオールマイト』

 

「何の用だオール・フォー・ワン・・・!!」

 

『ははは 僕だって世間話くらいするさ

━━━君の所の生徒を預かっている』

 

この邪悪は・・・!!

人の命を、なんだと思『ボッボッボッ

ごるぱっ♠️黒霧っ新人がやられた!早く萩の月を!

・・・そういう訳でね。迎えにきてほしいんだ』

 

いったいなにが 起きているんだ・・・?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーー放課後 カラオケ店ーーーーーーーーーーー

 

「「「「「「「体育祭、お疲れ様でした」」」」」」」

 

「「「「「「「心操 優勝 おめでとう」」」」」」」

 

「何たのむ?」「テキトーに頼んで各自でいいべ」

 

「雄英生として規律をもたねば」「買い食い禁止じゃん」

 

「僕は、ルールを「いや相澤先生いるし大丈夫だって」

 

「初めてきましわ」「さっすがお嬢様」

 

「ガムシロ淹れすぎじゃね?」「喉にはいいんだよ」

 

「マイクってエロいよな」「・・・密室での狂宴」

 

「・・・(わからねぇ)」「轟、ドリンクバー初めてか?」

 

「俺、演歌歌う」「ちょっ待ちな主役の心操からだって」

 

「あ~、こんなとき何歌えばいいんだ?電気」

「うぇ!?お前すげぇ上手いしなんでも・・・

そうだ、こないだ行った時の歌えるか!?」「ああ」

 

「えー?なに?なんのはなしー?」「上手いん?心操」

「聞けよわかるよ」「お前らプレッシャーかけんな」

 

~♪  

[革命デュ●リズム(水樹●々×T.●.Revolution)]

 

「いや、1人でデュエット歌わせるってアンタ」

「聞いてろって」

 

「伝説の朝に~♪「誓った言葉~♪

「分かち合う声に~♪「奇跡よ照らせ~♪

「「革命をLet's shot!!「「革命をLet's shot!!」」

 

「「「「「「上手い!ってハァ!?」」」」」」

 

「どっから声出てんだアレ」「上手すぎんだろ」

「一度に二人分の声が聞こえるぞ」

「めちゃくちゃ上手いじゃん」「やべぇな」

「上手いって次元なのか?」「すごいね!」

「さすが人使ちゃんね」「煌めいてるね」

「どうだ?すげぇ上手いだろ?」

「アンタが自慢するな」ブスッ「うぇい!」

 

~♪     [99.86点]

 

「「「「「「点数ヤベぇ!?」」」」」」

(最悪だ)(次、誰歌う?)(無理無理この後で歌えないよ!)

(俺自信あったけど無理だ)(・・・ポテトうまいな)

(アタシも無理っ)(心操こっち見てんぞ!?)

(誰でも良いから早く)(ここは僕が、校歌は無いのか!?)

(こっからだ!!俺は・・・!!)(狂宴の支配者か・・・)

 

「ん?誰も入れてないのか?

時間は有限、合理的じゃ・・・

いや打ち上げくらいはいいか。じゃ俺が曲入れるぞ」

 

((((((相澤先生、マジ勇者))))))

 

~♪  

[ぐるぐ●クロちゃん(L●dyQ)]

 

((((((いや、古っ))))))

 

あっちもこっちもトラブルブルブル

 

((((((そして、下手っ))))))

 

~♪     [30.00点]

 

「っちセンスねぇ機械だ」

 

「「「「「「逆に点数ヤベぇ!?」」」」」」

 

~♪

(((((誰だ!?なにいれた!?)))))

 

「・・・俺だ」(((((轟!?)))))

 

「どんぐりころころ どんぶりこ♪お池にはまって」

 

(((((童謡!?普通に上手いし!?)))))

 

「バクゴー、歌上手いのか?」

「なんでも歌い殺すわ!!」

「えへへ言質とったよー」「うぇーい」ピッ

~♪

[ベ●ータ様のお料理地獄(堀●りょう)]

「ゴラァふざけ「さぁ、てめぇら覚悟しやがれー」

 

(((((歌うんだ!?)))))

 

「へへへ次はオイラの番だぜ」

 

~♪

[金太の大●険(つぼ●ノリオ)]

「ある日金ピッ[歌唱時間が短い為、採点できません]

「オイッふざけんな!オイラが歌ってなにが悪い!」

 

~♪

[誰でもいいから付き合いたい(卓●少年)]

 

「上鳴アンタ・・・」「ネタ…だよな?」

「いやオイラにはわかるね本気(マジ)だ」

 



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サンジョウ×ノ×ジョショウ

ーーーーー東京都 保須市ーーーーーーーーーーーーー

 

飯田 天哉がこの地を職場体験先に選んだのは

兄の敵討ち━━━

 

事件直後ならヒーローも多くいんべし

さすがに[ヒーロー殺し]もいねぇべ

東京なら美人の姉ちゃんも多ぐいんべよ

 

━━━ではなく安直で自分本位な理由からだった

 

この男は[デクさん]にボられてから

自分の身の安全しか考えておらず

同じ被害者なら救おうとするが

自分が助かる(モテる)為なら平気で人を蹴落とし

その行動に愉悦すら感じていた

 

━━━世間ではソレをゲスと言う

 

職場体験先のヒーローの話も聞いていない

なぜなら通りすがりのギャルを見つめるのに忙しいからだ

 

(すまないッ兄さん 僕は僕の覇道(モテモテライフ)を行く

兄さんのような敗北者(30歳童貞)にはなれない!!)

 

そんな飯田でも見過ごせないモノがあった

ビルの間から見えたソレは

 

━━━天を貫く緑色の髪の塔であった

 

「何でよりにもよって、君なんだ・・・!!

        あんまりじゃないか・・・」

 

ーーーーーおとうさんと いっしょーーーーーーーーーー

 

「焦凍、友人は選べ・・・マジで」

 

「・・・」

 

「焦凍、本当にあの子(デクさん)と仲良しなのか?」

 

「・・・多分?」

 

「焦凍ォォォ!お前は俺の最高傑作だ!!

 2番でいい!!命を大事に!!あの子(デクさん)に挑んだり

 超えようとなんて考えるな!!」

 

「・・・・・・場合による」

 

「焦凍ォォォ!?パパに心配をかけるな!!

 事務所から出ずに一緒に葛餅でも食べよう!」

 

 

━━━二人で葛餅を食べた

 

 

(・・・!!この葛餅うめぇ)

 

ーーーーー走れグレープーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

なぜだッ

 

━━━少年はこの世の不条理に喘いでいた

 

このルートで正解だったハズなのにッ

 

 

 

エロスは激怒した。

必ず、かの邪智暴虐のMt.レディの下着を

ノゾかなければならぬと決意した。

エロスには躊躇がわからぬ。

エロスは、性の求道者である。

エロ本を読み、AVを鑑賞して暮して来た。

けれども女性の悪意に対しては、人一倍に敏感であった。

今日未明エロスは事務所を出発し、

電車を乗り換え、デパ地下のスイーツ市場にやって来た。

エロスには女房も、彼女も無い。性欲しか無い。

      [中略]

 

「戻りました~!!」(やっぱケツがいいな)

 

「遅い。速く紅茶いれて」

 

「あの…交通費は」(この太もも、たまんネェな)

 

「時間掛かりすぎたから自腹」

 

「ケーキの領収書は……」(コスチュームもエロいな)

 

「ハァ!?アンタ、ヒーロー目指しているのに

 女性にカネ払わせる気!?アンタ男でしょ!?」

 

「巨大化マウントっぱいに挟まれたい」(わかりました)

 

この後めちゃくちゃ殴られた



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ゴウジョウ×ムジョウ

ーーーー東京都 保須市 とある裏路地ーーーーーーーーー

 

 

「・・・ハァ!!素晴らしい!!」

 

「・・・Some hero garbage.(ヒーローがゴミのようだ)

 

裏路地にて倒れ伏すヒーローだったモノ

ソレを見下ろす二人

 

 

「緑谷君ッ・・・!!

 キミは何をしたかわかっているのか!!

 キミのしていることは犯罪だぞ!?」

 

目撃してしまったヒーローの卵

 

「・・・ハァ 知り合いか?」

 

「俺の!!仲間だ!!」

 

「デクさん(C)の仲間なら期待できそうだ・・・ハァ

 素晴らしい提案をしよう・・・

 貴様もリア充を狩らないか?」

 

「断る!!緑谷君、コイツは敵[ヒーロー殺し]だぞ!!

 僕の兄[インゲニウム]を(社会的に)殺した奴だ!!」

 

「インゲニウム・・・ハァ あのリア充か 奴は偽物、

 モテたいが為にヒーローをするなぞ言語道断!!

 答えろ!!貴様も同類か!?」

 

━━━もっとも答え難いことを訊かれて黙りこむ飯田

   事態を動かしたのはデクさん(C)だった

 

「・・・ダメだよ、ステインさん

 飯田君は俺の仲間だけど()()の仲間にはなれない」

 

「ハァ・・・続けろ」

 

「飯田君、キミ 麗日さんと喋っていたよね?

 

「・・・は?」

 

━━━予想外の言葉に飯田は言葉を失った

 

芦戸さんとも蛙吹さんとも耳朗さんとも葉隠さんとも

八百万さんとも喋っていたよねぇぇぇ

 

 

(待て、待て待て待て緑谷君は何を言っている!?

 話くらい緑谷君も━━━

個性把握テストの時も、

USJ襲撃事件の時も、

体育祭の時も、

━━━まさか、嘘だろう?

緑谷君は入学初日から女子と話していない・・・だと?)

 

さて、リアルが充実している飯田君

俺抜きで行った先日の体育祭の打ち上げは

 た の し か っ た か い ?

 

「・・・・・・ハァァァァァァ偽物がぁぁぁぁぁ」

 

駄目だコイツら・・・早くなんとかしないと・・・

 

 

━━━その時、絶対絶命の飯田に救世主が現れる

 

「飯田!!」

 

「と、轟くん」

 

━━━我等の貴公子 轟 焦凍である

この登場、世の女性がみれば

白馬に乗った王子様のように見えたであろう

 

(僥倖・・・なんという僥倖

 我ながら素晴らしい・・・悪魔的発想だ!!)

「おい!!そこの非リア充共!!コイツを見ろ!!

 イケメンで親はナンバー2ヒーロー、高身長、

 高成績、[強個性]の勝ち組だぁ!!」

 

「飯田!?」

 

━━━飯田はクラスメイトを売った

彼にとって轟は白馬の王子様ではなく

丁度良い生け贄でしかなかったのだ

 

「・・・ハァ!!」

 

「・・・good night」

 

「グフ、グハハ、ハーハッハッハッ死ねぇいリア充め」

 

 

 

 

━━━突然の飯田の裏切りにより窮地に陥った轟

   高笑いを続ける飯田

   怒り心頭の敵達

   轟は生き残ることができるのか!?

   次回『ヒーロー死す』デュエルスタンバイッ

 

 

ーーーーーー今日の踏影ーーーーーーーーーーーーー

 

━━━某パチンコ店にて

 

 

Qなぜ 常闇 踏影を指名したのか?

 

A今週の俺のラッキーアイテムがカラスだったから

 

 

「お巫山戯で・・・?」

 

「いーや5割本音、半分は1年A組の人から

 話を聞きたくて 君らのクラスメイトのデクさんのね」

 

「ホークス、なぜパチンコ店に・・・?

 俺は高校生なのだが・・・?」

 

「んー 俺の趣味だな

 ほら千円やっからテキトーに打ってな」

 

「・・・・・・御意」

 

(ったくラッキーアイテムと来たのに全然こねぇし

 青保留すら『キュイーンキュキュキュキュイーン』おう!?)

 

~♪『荒れ狂う波にもまれ 今すぐ風になり~たい~』

[444]→[777]

「ホ!ホークス!我 風になっている!!」

 

「・・・・・・マジで?」

 

 

 

 

 



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サラバ×ヒーロー

ーーーーー前回のあらすじーーーーーーーーーーーー

 

 

飯田「お前たち!!やっておしまい!!」

 

ステ&デク「えらほらさっさ~」

 

轟「飯田!?」

 

飯田「飯田じゃない!!飯田さんだーッ」

 

轟「くっこの力は!?」

 

飯田「ヒャハハハハ!!い~い眺めだぜ轟ィ

   鮮血の果実(ブラッドオレンジ)を喰らい得ることができた

   これが俺様の新しい“力”

   [ダークエンジン]の力だァア!!」

 

 

━━━暗黒面に堕ちた飯田によって追い込まれる轟

   響く爆音、噴き出す黒煙、圧倒的な加速

 

   追い込まれた轟に勝機はあるのか!?

 

ーーーー東京都 保須市ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「どうした轟ィ?笑顔が消えているぞ?」

 

「飯田!!正気に戻れ!!」

 

「ゲハハハ!!俺はこのうえなく正気だ!!

 ほれほれほれ避けたら

 そこの倒れたヒーロー(ゴミクズ)に当たっちまうぞォ!!」

 

「くっ!!俺はここまでなのか!?」

 

━━━追い込まれた轟に駆けつける男がいた

 

「焦凍ォォ!!なんだその情けない背中は!?」

 

━━━エンデヴァー  

地獄の番人  炎の執行者  獄炎の支配者

━━━ナンバー2ヒーローである

 

 

「・・・ハァ 既婚者ヒーローは粛清対象だ・・・」

 

「・・・terminate(抹殺する)

 

「ヒャッハー汚物は消毒だー!!」

 

━━━もしくは永遠のかませ犬ともいう

 

 

父よ父よ

あなたは私を鍛えてくれました

 

父よ父よ

あなたは駆けつけてくれました

 

父よ父よ・・・・・・

 

 

「親父は母の親族を丸め込み 母を手に入れたクズ」

 

「焦凍ォォォォォ!?」

 

「俺をオールマイト以上のヒーローに育て上げることで、

 自身の欲求を満たそうとしたクズ」

 

「焦凍ォォォォォ!?」

 

「家では姉貴に1人だけ洗濯物を別に洗われてるクズ」

 

「・・・え?」

 

「親父が風呂入った後は一度洗わねぇと

 汚がって誰も入りたがらないクズ」

 

「冬美ィィィ!?」

 

「トイレの後に便座を上げっぱなしのクズ」

 

「夏雄もそうだろうがッ」

 

「初夜の時に緊張して使い物にならなかったクズ」

 

「冷か!?焦凍、母さんから聞いたのか!?」

 

「そんなクズの道具にはならねぇ」

 

 

 

━━━轟はヘイト管理した

   エンデヴァーにヘイトが移った

 

「ハァ、くぅクズがぁあああああああ!!」

 

「・・・Guilty(ギルティ)

 

「ヒャハハハお前の血は何色だァー!!」

 

「精々頑張れ 死ぬんじゃねぇぞ 轟 炎司!!」

 

 

大丈夫、

エンデヴァーは最強のヒーローなんだ

最後には絶対に勝つさ

 

 

 

━━━エンデヴァー、墜つ

 

 

ーーーー今日の踏影ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

━━━とあるヒーロー御用達の雀荘にて

 

 

常闇 「・・・・・・」スッ 南

 

ホークス「立直」タンッ 五萬

 

シンリン「(馬鹿なッまだ二巡目だぞ)」スッ五萬

 

ヨロイ「(速すぎる男・・・これほどとは)」スッ五萬

 

ホークス「“割れ目”のこの時に

     俺より点のとれてない人達が

     なァにを安パイ(現物)切ってンですか!

     もっとヒーローらしい牌(危険牌)

     切ってくださいよ ッチ」 タ-ンッ北

 

 

 

 

 

常闇「・・・ロン」パタタッ 白白白發發發中中中西西西北 

   

   字一色大三元四暗刻単騎(レジェンドドラゴンオブブラックアンク)

 

     親 常闇 踏影

   字一色(ツーイーソー)      48000

   大三元(だいさんげん)      48000

   四暗刻単騎(スーアンコウタンキ)    96000

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

            192000

   割れ目ホークス   ×2

            384000

 

 

黒影「フミカゲまズいヨ…」

 

常闇「言ってやるな!!」

 

黒影「ホークスの背中が・・・ススケテル・・・!」

 



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ハカイ×フンサイ×ハッサイカイ

ーーーー東京都 保須市ーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・これはひどい」

 

そこに()()()()()いたのは

ナンバー2ヒーローエンデヴァーだったモノ

 

身体は何処のパーツだったのかわからない程に破壊され

にもかかわらず顔は“きれいなまま”だった

“きれいなまま”という表現には語弊がある

正確には外傷はないが━━

“恐怖”と“痛み”に彩られた表情をしていた

 

恐ろしいことに、この徹底的な破壊は

[崩壊]や[分解]等の[個性]によるものではないことが

検査でわかった

“エンジンからでた廃棄ガスような物”

“ブラッドオレンジの成分”

“[個性]由来と思われる氷”

“唾液”

“肉片に残っていた刃物傷”

[個性]は使われた形跡はあるものの

肉体は“物理攻撃のみ”で破壊されたということだ

 

雄英高校の教師の1人に

[触れた物を爆弾にする個性]をもった教師がいるが

不謹慎だがその[個性]で殺害されたほうが

ずっと幸せな死を迎えるだろう

少なくとも身体を懇切丁寧に殴り潰されるよりはずっと

 

「警部、TDSの方が到着いたしました・・・ウプ」

 

「わかった・・・絶対に此処で吐くなよ」

 

ーーーーTDSーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

━━━説明しようTDSとは

 

   T 対特殊個性犯罪対策組織

   D デクさん対応課

   S 死穢八斎會(しえはっさいかい)

 

の略であり決して浦安方面にある鼠の王国とは

一切関係ないのだ!関係ないのだ!関係ないのだ!!

 

増え続ける[デクさん]被害を抑える為の組織であり

その中でも特殊な部署である

メンバーは[デクさん]に対策するため超法的処置により

 

・これまでの犯罪行為を不問にすること

・死穢八斎會の名前を残すこと

・歩合給の他に固定給を支払うこと

・週休2日制(土日祝 盆、正月休み リフレッシュ休暇有)

・交通費支給、保険各種完備

・産休、育休OK

 

これらを条件にして

元指定暴力団[死穢八斎會]の元構成員が所属している

 

━━━なお報酬額を聞いた若頭が小躍りしていたという

 

 

「最近の被害者は一段と病んでるな

 病気だよ コイツは 病気は治さなきゃあ」

 

 

ーーーーーー治療風景ーーーーーーーーーーーーーーー

CV津田 健次郎でお送りします

 

治崎「ふぅん・・・抜かったな緑谷!!

   魔法カード発動!!死者蘇生!!」

~♪

( クリテ●ウスの牙)

 

治崎「ふはははーー甦れエンデヴァーよ!!」

 

炎司「ぬぅ、ここは・・・」

 

治崎「ふぅん 凡骨に用は無いわ!!

   帰るぞ磯野!全速前進DA!!」

 

ーーーーーー煩悩の申し子ーーーーーーーーーーーーーー

 

━━━夜の帳に包まれた街にて蠢く影があった

 

影が建物を登っていた

階段や昇降機ではなく

建物の側面を只管に、闇雲に登っていた

 

稚児であろう、その小さな影は

矮駆にも関わらず、矮駆ゆえか

素早い蟲の如く建物を登っていった

 

目的の場所に着いたのか影は動きを止めた

そして悠々と小窓に手を伸ばし

曇硝子を開けんとしていた

 

影の名は峰田 実

矮駆に犇めく劣情を解き放たんと

岳山 優の事務所の浴室を覗きこみ

「うひょひょひょひょ━━ドガァッ━━

 

 

━━━普通に撃墜されました

 

 

 

 

 

 

 



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カンワ×ピエンデヴァー

いつも感想、評価ありがとうございます。
本日、2話更新です。こちらは2話目になります。

感想への返信で書いたSSを編集しなおして
書き下ろしを加えました。
これからも拙作をどうか読んだってください。

※作者はエンデヴァーが嫌いではありません。
 ありませんが酷い目にはあわせます。
 ほら暴力に理由って必要ないでしょう?


━━━━━10年前の轟家━━━━━━━━━━━━━

 

春の日差しが温かく感じられる日曜日の昼過ぎ

高級住宅街にある一件の日本家屋、

ナンバー2ヒーロー エンデヴァー 轟 炎司の邸宅

その庭で起きたある日のできごとである

 

焦「うんしょうんしょ」コネコネ

 

池の近くで髪が中心から紅白に別れた幼子がいた

幼子は手で泥を捏ねていた

 

夏「焦凍はなにしてるんだ?」

 

冬「庭の池でこの前、母さんに買ってもらった

 『泳ぐ!マイトくんフィギュア』

  で遊んでたんだけど…」

 

冷「一緒に泳がすのにあの人(エンデヴァー)を作ってるの

  ……泥人形で」

 

夏「ブフォww泥人形て」

 

幼子の兄や姉、母親が泥遊びをする幼子を

微笑ましく見守っていると一家の大黒柱が帰ってきた

 

炎「帰ったぞ!!」ドスドスドス

 

冷「あなた、焦凍があなたの人形を作ったのよ」プルプル

 

冬「上手に出来たから見てあげて」プルプル

 

夏「ああ、羨ましいぜ」プルプル

 

父の事を思う息子、それを父に教える兄姉達、

優しく勧める母親、喜ぶ父親…

 

炎「本当か!!さすが俺の最高傑作だ!!」ウキウキ

 

焦「いけーエンデヴァー」ポイッ(^Α^)ノ⌒・ドボン

 

冷、冬、夏「m9(^Д^) wwwwww」

 

炎「焦凍ォォォ!?」(膝をついて絶叫)

 

燈「ザ・自業自得だぜ!!」ゲラゲラ

 

今日も笑顔の絶えない轟家でした。 おしまい

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

~ヒーロー殺しはなぜ

   エンデヴァーを粛清しなかったのか!?~

 

━━━数年前

 

「……ハァ、ここがエンデヴァーの事務所か…」

 

[ヒーロー殺し]ステインは粛清対象として

ナンバー2ヒーロー、エンデヴァーを選び、

情報を得るために事務所にいた。

スケジュールを確認して襲撃する場所や時間を決めたり

施設内の造りを把握、サイドキックの情報も得たい。

通気孔より侵入し、天井裏を移動して内部を探っていく。

 

「……」 「………」

 

下から声が聞こえてくる。

どうやら給湯室でサイドキック達が話してるようだ。

情報を得るためステインは耳を澄ます…

 

「またあの火事オヤジにお茶頼まれたの?」

「そうなのよ…また雑巾の絞り汁でもいれようかしら」

「だったら良いモノがあるわ!」(´・ω・)っ目ペットボトル

「なにコレ?水?」

「便器から汲み上げたのww」

「ちょwさすがにバレるわよww」

「大丈夫だって!あの人、葛餅に消しゴム混ぜても

 旨い旨いって食べてたしw」

「消しゴムてww」

 

女性サイドキックの闇を見たステインは

何もせず事務所を去って行った……。

 

 

━━━別の日

 

「……ハァ、ここがエンデヴァーの自宅か…」

 

[ヒーロー殺し]ステインはエンデヴァーの情報を得るため

エンデヴァーの自宅へと侵入していた。

勝手口より侵入し、天井裏を移動して施設内の造りや

エンデヴァーのプライベートを確認するつもりだった。

 

「ここは…子供部屋…か?」

 

学習机や調度品から子供部屋と判断した。

部屋の角にある段ボールが目に入った。

目を凝らすとどうやら玩具箱のようだ。

だが中にあるのは一般的な玩具ではなかった。

無理矢理手で折られ、力いっぱい足で潰され、

カッターで切りつけられ、フォークで刺され、

ヤスリで削られ、マジックで顔を塗り潰され、

バラバラに分解されたエンデヴァーのフィギュアの山

その上に勝者であるとばかりに立たされている

オールマイトのフィギュア……。

 

子供の無邪気な狂気と心の闇を見たステインは

何もせず子供部屋を去って行った……。

 

 

次に潜入した部屋はおそらく女性の部屋

下げられた女性服や調度品から判断した。

机の上に紙が何枚もある……。

情報を得られるかもしれないとステインは目を凝らした。

 

『惨敗!!No.●ヒーロー モブレされる本』

『エ●デヴァー陵辱本』『敗北者~炎の堕落~』

『エ●デヴァーが壁尻されるだけの本』

 

「……オェ」

あったのは腐界の錬金術師が産み出した禁忌だった。

この部屋の主はこの劇物を量産しているらしい。

あまりのおぞましさにステインは

何もせず女性の部屋を去って行った……。

 

次に潜入したのはまた別の子供部屋

下げられた学生服からそう判断した。

部屋の一角にサンドバッグがある。

ステインは何となく察したが確認すると

案の定、サンドバッグにはエンデヴァーの写真が……。

 

「……ハァ」タメ息をひとつ残して

ステインは子供部屋を去って行った……。

 

 

次に潜入した部屋は女性、それも大人の女性の部屋

化粧品や調度品から判断した。

机の上のパソコンが目に入った。

今度こそ情報が手に入ると

ステインは天井裏から出てパソコンを起動させた。

 

『夫 暗殺 確実』、『旦那 殺し方 気付かれない』、

『ヒーロー 殺す 方法』、『毒 気付かれない』、

『夫 復讐 死』、『暗殺 代行 確実』、

『エンデヴァー 弱点』、『相続 ヒーロー 保険金』、

『遺体 処理 バレない』、『治療できない 毒』……

 

あんまりな検索履歴に若干、心を痛めて

ステインは部屋を去って行った……。

 

 

最後に潜入したのはエンデヴァー本人の部屋だった。

誇張するように飾られている感謝状やメダルや盾…

自己顕示欲の高さにヘドがでる。

奥に扉があることに気が付いた。

それも鍵付きである。

「……ハァ!!」

これこそ自分が求めていた秘密があると確信し

天井裏から侵入した。

見た限りでは小さめの和室で

ちゃぶ台と布団、あとは人形がいくつか…。

期待外れだと思い、

もう脱出しようとすると足音が聞こえてくる。

部屋の主エンデヴァーが帰ってきてしまったらしい。

天井裏で息を潜め下の様子を確認した。

 

「しょーとー、パパ今日もお仕事頑張ったんだよー」

「パパお疲れ様!パパ大好きッ!!」(裏声)

「おとーさん焦凍ばかりズルい~」(裏声)

「おとーさん俺も俺も」(裏声)

「そうよパパ!私達も~」(裏声)

「そうですよアナタ、焦凍一人占めしないの」(裏声)

「はっはっは、さぁ夕御飯を食べようじゃないか!」

 

そこにはエンデヴァーしか居ない。

ちゃぶ台の周りに人形を座らせ話しながら皿を並べ…

 

「さぁパパの特製ディナーだ!!」

「「「「わぁーい」」」」(裏声)

「あらあらアナタったら作り過ぎですよ」(裏声)

「ハハハなに育ち盛りだからな」

「パパにピーマンあげるー」(裏声)

「あっ俺もー」(裏声)

「ちょ、抜け駆けすんなよ」(裏声)

「野菜もちゃんと食べなさいよ!」(裏声)

「アナタも甘やかさないでください!」(裏声)

 

繰り返すがエンデヴァーしか居ない。

この茶番劇はエンデヴァーが、

人形達と一緒の布団に川の字で寝るまで続いた。

 

「……ハァァァァァァ」

おぞましいモノあるいは、かわいそうなモノを

見せつけられたステインは疲れ果て

大きくタメ息をついた。

エンデヴァーは寝ているので殺そうと思えば殺せるが

さすがに今 殺すのはダメだとステインの良心が咎めた。

殺すなら偽物のヒーローとしての粛清で。

かわいそうなおっさんを殺すのはアカン。

 

残念すぎるおっさんの願いを見て

ステインは何もせず轟邸から去って行った……。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━━四兄弟の“ピエン”デヴァー観察日記

 

○月✕日 燈矢

 

  朝、洗面所でクソ親父と出くわした。

  最悪な1日の始まりだ。

  顔を洗おうとすると俺の洗顔フォームがない。

  まだ結構残ってるハズなんだが…

  隣を見るとクソ親父が俺の洗顔フォームを持ってて

  反対の手には歯ブラシが…

  面白そうなので黙って見ていると

  普通に磨き始めたw気付けよww

  ネタばらしとして俺が洗顔フォームを使うと

  「何をしている!歯磨き粉だぞ!!」

  なんて真顔で言うので渡してやると

  すごい勢いで口をゆすぎ始めたwww

  そんなことしても

  洗顔フォームで歯を磨いたw過去は消えないww

  

*月♂日 冬美

 

  冬コミに向けて最近忙しい。

  睡眠時間を削って描いているが間に合うのか…

  夜中にトイレに行くと明かりがついている。

  扉も少し開いてて、お父さんまた忘れたな、と

  苦笑して、扉を開けると便座でお父さんが寝ていた。

  これは題材にするしかありませんなぁ♪

  とりまスマホで撮影したった。

  『便器』ね。いいじゃない。

  創作意欲の湧いた私は今夜も眠れない。

  考えすぎてイカれたわ。

 

□月△日 夏雄

 

  今日、俺が町で買い物していると

  パトロール中のクソ親父がいた。

  向こうは気付かなかったみたいで通りすぎて、

  ってオイ!尻のとこ破けてる!?

  よりによってハート柄のパンツかよ!

  取り敢えず写真撮ってツイートした。

  すぐにフォロワーのウィンター@美々さんから

  『ちょktkr至急kwsk』と返信がきた。

  いけねえ なんだか愉しくなってきた!!

 

◇月☆日 焦凍

 

  今日は父の日らしい。

  父親に日頃の思いを伝える日らしいが

  怨みを伝える日があるなんて初めて知った。

  調べてみたら贈り物で刃物は、

  『縁を切る』からいけないそうだ。

  なので髭剃りを贈ったら泣いて喜ばれた。

  ……なぜだ?

  また渡せる機会が来るだろうその時は…

  消火器でも贈ろうか?

  



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ホンモノ×ノ×ヒーロー

読んでいただきありがとうございます。
感想、評価ありがとうございます。

本日より別作でヒロアカ二次創作を連載開始しました。
今作と比べ別方向に突き抜けております。
オリ主物ですが興味があり、後悔してもよい方は
後悔してもよい方は、後悔してもよい方は、
是非、お読みください。
あらゆる意味で後悔させましょう。


追記: ルビの表示にミスがあった為、
   手直ししました。21/4/1 0:15


その映像が生放送にて全国に映され

動画投稿サイトにて何度も投稿され世界中に広まり

ヒーロー業界どころか社会が震撼した

 

「俺を殺して良いのは[本物のヒーロー]……ッ!!

 オールマイトだけだッッ!!」

 

ーーー東京都 保須市ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

某事件現場を生放送していたテレビクルー達の前に

ソイツ等は現れた

 

ボロ布をマントのように身に纏い

フードのように被っている為に顔は確認できない

テレビクルー達は敵が来たのかもしれないと

警戒するも“希少映像の独占配信”の欲に溺れて

カメラを止めなかった

 

━━━それを別の意味で後悔するとも知らず

 

不審者達の1人が前に出てきてボロ布を取り去った

無造作に伸びた髪、目元に巻いた薄汚れた布、

深紅のマフラーを巻いた猫背の男

 

━━━クルー達は気付いた[ヒーロー殺し]だと

突然の“ビックネーム”の登場にクルー達は臆する

だがもはやカメラを止めることはできない

 

「・・・ハァ」

 

 

タメ息を一つしてから[ヒーロー殺し]は

演説、いや宣戦布告だろうか

声を張り上げた

 

 

「正さねばならない!間違った社会を!!

 誰かが血に染まらねばならない!救う為には!!

 [英雄(ヒーロー)]を取り戻さねば!! 

 今の社会にはリア充が跋扈している!!

 悲劇が続いている!! バレンタインで!!

 2割のイケメンが8割のチョコを独占し!!

 残り2割をフツメンが奪い合い!!

 最後の6割は戦いにすら参加できない!!

 貴様等にわかるか!!いや、わかるまい!!

 モテな過ぎて二次元に走った同志(とも)の思いは!

 聞け!!金や名誉、モテたいという低俗な理由で

 ヒーローを名乗る偽物ども!!

 貴様等を1人残らず殺してやる!!

 来い・・・来てみろ、贋物共・・・ッ!! 

 俺を殺して良いのは、[本物のヒーロー(48歳 独身)]・・・!!

 オールマイトだけだッッ!! 」

 

 

至上の覚悟、至上の決意、至上の迫力、至上の…

底辺の嫉妬、底辺の葛藤、底辺の憤怒、底辺の…

 

━━━彼等はテレビクルー失格である

なぜならその“言葉”を表現する術をもたないのだから

彼等は表現し伝える仕事を放棄した

機械仕掛けのカメラだけが“言葉”を伝えていた

 

[ヒーロー殺し]は踵を返し去って行く

そして彼の同志だろうか?

他の3人も次々と言葉を紡いでいく

 

「俺はぁ…至極悪いぞぉお」

 

「リア充を超す!!ンでもって、

 おまいら全員にオレの存在を認めさせてやるんだ!!」

 

「リア充を駆逐してやる!!

 この世から…一匹…残らず!!」

 

 

ステイン一派が去ったら後には

あんまりな発言に動くことを忘れた

テレビクルーだけが残った

 

 

ーーーー事件直後 路地裏にてーーーーーーーーーーーー

 

飯「先程から中の人ネタを…!!物見遊山のつもりなら

  即刻ここから立ち去りたまえ!!」

 

デ「わかったてばよ…((CV竹内 順子`99年版))

 

飯「貴様ァ…!!」

 

轟「……やめて欲しけりゃ立て!!!((CV梶 裕貴))

  なりてぇもんちゃんと見ろ!!」

 

飯「…じ、じゃあ僕も聖闘士星((CV石川 界人))「「ヘッケラン(OVER LORD)で」」

 

ス「…………………………………………ハァ

 

  \宣/ありがとう!!そして、ありがとう!!((CV井上 剛))

 

「「「!?」」」

 

ス「ハァ……文句あるか?」

 

 

 

ーーーーーー今日の踏影ーーーーーーーーーーーー

 

━━━とある児童館にて

 

 

「すげーホンモノのホークスだ!!」

「カラスの人もいるー」

「羽のばしてー」

「なんか黒いのでてるー」

 

ホークスと常闇は児童達に囲まれていた

 

「ホークス…これは?」

 

「ん?ああ、地域とのふれあいも必要だろ

 ホレ、紙芝居あっから読んだれ」

 

「……承知」

 

「…マジかヨ」

 

         [ももたろう]

 

旧き時代(むかしむかし)某処に(あるところに)

 翁と嫗がいた・・・(おじいさんとおばあさんがいました)

 約束された日(ある日)

 嫗が流留る地へ纏いし衣を浄めに往くと(おばあさんが川に洗濯にいくと)

 始まりの地より(川上から)邪気を祓いし果実が(  桃が)

 此の世の物とは思えぬ響きを(どんぶらこどんぶらこと)

 轟かせ来た・・・(流れてきました)

 嫗は邪気を祓いし果実を(おばあさんは桃を)

 座すべき場所へと帰還し(家に持って帰って)

 理を料りし刃で斬り裂くと(包丁で切ってみると)

 中から力を秘めし赤子が這い出てきたのだ・・・(元気な赤ん坊が出てきました)

 赤子には(赤ん坊は)[桃太郎]の真名が与えられ(と名付けられ)

 力を蓄えていった(すくすくと育ちました)・・・

 預言されし日に(成長したある日)勇者は(桃太郎は)惡しき力の使者を屠る為(鬼を倒すため)

 忌まわしき彼の地へと旅立った(鬼ヶ島へ向かいました)

 猛し牙を持ちし肆足の獣()

 知恵と鋭き爪を持ちし深き山の獣()

 天を舞いし紅翠の鳥獣()

 豊穣を練り固めし宝玉を与え下僕とした(黍団子をあげてお供にしました)

 下僕を引き連れ墜ちし惡鬼を嬲り臥せ(お供達と一緒に悪い鬼をこらしめました)

 豊潤なる黄金を手に帰路についた(宝をもって帰りました)

 大団円なり (めでたしめでたし)     ・・・終焉(おしまい)

 

 

 

「常、闇くん・・・?」

 

「フミカゲ・・・」

 

「これで文句なかろう」ドヤッ 

 




[デクさん]の扱いですので

CV山下 大輝(緑谷出久)ではなく
CV竹内 順子(ゴン`99年版)を採用しました


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カンワ×イフ×ゲス


いつも私は飯田君をゲスにしておりますが

━━━もし飯田君が元々ゲスだったなら

━━━もしデクさんのような抑止力がいなかったら

そんなイメージで殴り書きした閑話です。
以下ダイジェストでお送りします。


━━━もしも、飯田 天哉が最初からゲスだったら

 

 

━ーーー雄英受験編ーーーーーーーーーーーーーーー

 

プレゼントマイク説明中~

 

飯(おやおや、説明にはなかったがシルエットは4つ…

  4種目の仮想敵がいると見たほうが吉かな?

  だが質問をすれば全員が警戒するだろうし

  ここは黙っていよう)

 

試験会場での待機中~

 

飯「待ちたまえ!!縮れ毛の君!!

  先ほどの説明中にブツブツと喋っていたり

  精神統一している彼女に近付いたり…

  君は妨害目的で参加しているのか!?」

 

緑「いや僕はそんなつもりじゃ」

 

飯「黙りたまえ!言い訳など訊きたくないわ!!

  さ、お嬢さん大丈夫ですか?」

 

麗(え?なんなんこの人…)

 

飯「よろしければ この飯田 天哉がアドバイスしましょう

  なにを隠そう僕の兄はあの[インゲニウム]でね…

  ヒーローに関しては詳しいのさ!」

 

緑「えええ!!あの[インゲニウム]の!?」

 

飯「君はシャラァァァァァップ!!

  お嬢さん良ければお名前をお訊きしても…」

 

麗(ほんまなんなん…)

 

ーーーー戦闘訓練編ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

爆豪奇襲中~

 

爆「デクこら避けてんじゃねぇよ」

 

緑「かっちゃ『バキッ』うわぁぁ」

 

かろうじて爆破を避けた緑谷だったが

姿勢を崩した所に飯田の蹴りが炸裂した!!

 

麗「デク君!?」

 

爆「ハァァァ!?」

 

飯「グフフフ…失敬、スキだらけでしたので」

 

爆「手ェ出してんじゃねぇぞクソメガネ!!」

 

飯「ハハハハハ!甘い!甘い!甘ぁ~い!!

  そんな激甘じゃあ僕の踏み台にもなれないよ君は!」

 

麗「ほんまなんなん…この人」

 

ーーーーUSJ襲撃編ーーーーーーーーーーーーーー

 

黒霧ワープゲートで登場中~

 

 

相「あれはヴィランだ!!」

 

峰「マジかよ…」

 

瀬「あれ?飯田はどうした?」

 

尾「いやそこに…あれ?いねぇ!?」

 

気が付くと飯田の姿がなかった

もしやすでにヴィランによって…

 

蛙「飯田ちゃんならスゴい速さで走っていったわ」

 

皆「「「野郎、一人で逃げやがった!!」」」

 

USJの外で一人爆走する飯田の姿があった

 

飯「フハハハハ足留めは任せたァ!!

  アディオス!墓参りには行ってやんよ!!」

 

ーーーー体育祭編ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

体育祭数日前~

 

生徒が近付かないであろう用具室にて

二人の男子生徒がいた

 

物「全員分の[個性]とその戦法、弱点、性格まで…

  いいのかい?クラスメイトだろう?」

 

飯「クハハ、なんのことやら…

  僕はただノートを落としただけで他意はないさ」

 

物「B組に他のクラスメイトの情報を売る代わりに

  八百長を持ち掛けた本人がよく言うよ…」

 

飯「だが勝てばよかろうよ?」

 

物「確かに!!」

 

飯&物「「ハーハッハッハッハッ」」

 

外道が二人、結託していた

果たしてこれがどう作用するのか…

 

体育祭当日~第三種目直前

 

順当に勝ち進んで行く飯田とB組のメンバーだが

第三種目直前にそれは起きた

 

飯「緑谷君、以前無くしたと言っていたノートなんだが

  B組の彼が持っているノートではないかい?」

 

緑「あれはっ僕のノートだ!返せっ」

 

物「ん?いったいなんだい!?急に言いがかりは…」

 

相「確かにこれは緑谷のノートだな…

  物間、なぜお前が持っている?」

 

物(は、嵌められた!?この僕が!?)

 

相「情報を得るには合理的だがヒーローの行動ではないな

  物間、お前は失格だ。頭を冷やせ」

 

捕縛布で拘束され退場させた物間

騒ぎを聞きつけた集まったB組も物間の行動に唖然とし

物間から情報を得ていたため自責感から出場を辞退した

 

飯(ククク、計画通り)

 

ーーートーナメント1回戦

 

飯「君が降参するならば君のベイビー達を紹介する時間を

  あげようじゃないか…どうする発目さん?」

 

発「本当ですか!!?是非お願いします!!」  

 

ミ「発目さんリタイア!飯田君の勝利!!」

 

ーーー二回戦

 

飯「遅い!!致命的に遅いわぁぁ!!」

 

上「うぇぇぇぇぇい!!」

 

ミ「上鳴君場外!飯田君の勝利!!」

 

ーーー三回戦

 

飯「轟君、君のお父さんにわざと負けるよう頼まれてね

  断るなら将来ヒーローになれないようにするとも」

 

轟「…!……あのクソ親父」

 

飯「だがそんな卑怯なことはしたくないんだ!!

  抗議の意味を込めて棄権しようと思う!

  それで轟君はどうする?」

 

轟「俺はアイツの人形じゃない……」

 

ミ「轟君が棄権した為、飯田君の不戦勝です!!」

 

轟「飯田ァァ!!」

 

飯「ああ、すまない。やっぱり正々堂々と戦おうと

  思い直してね…。君に伝えてなかったかな?」

 

ーーー決勝

 

決勝戦の大舞台に立つは飯田、爆豪の両雄

二人は舞台上で睨み合い

ミッドナイトの開始宣言を待っていた…

 

爆「決勝はお前とかよクソメガネが」

 

飯「戦う前に訊きたいのだが…緑谷君に

  [個性]を使用したイジメや自殺教唆をしたのは

  事実なのかい?」

 

プロヒーローや一般観客が集まり

全国放送されている場で飯田はソレを訊いた

これで爆豪は勝敗に関係なく

ヒーローとしての道は険しくなったどころか絶望的

下手をしたら逮捕される可能性すらある

そして爆豪もそれに気付いた

 

爆「ア゛ア゛ア゛ア゛クソメガネがァァァ」

 

[爆破]を使い瞬時に距離を詰め飯田の胸ぐらを掴んだ

 

爆「テメエは殺す!!絶対に殺じでや゛る゛!!」

 

ミ「ちょ、ちょっと待ちなさい試合はまだっ」

 

セ「取り押さえろ!!」

 

爆「離せやぁあ゛あ゛あ゛」

 

セメントス達によって取り押さえられた爆豪

当たり前だが失格となり

過去について警察の取り調べを受けることになった

今後、取り調べ結果によって除籍もありうる

 

飯「僕は!暴力には屈しない!!」(ニチャア)

 

 

ーーーー職場体験編ーーーーーーーーーーーーーーー

 

prrrr-prrrr

母『天哉!?大変なの天晴が……』

 

飯(ああ、やっとか。しかし[ヒーロー殺し]も甘い

  どうせならば…いやこれはこれでありか?)

 

この男はネットを通じて兄の情報をばら蒔き

[ヒーロー殺し]に対して間接的に情報を与えていた

人気ヒーローである兄が邪魔だったのだ

ヒーローになったときに兄のオマケにならぬように

そして兄の死を乗り越え、名を継いだヒーローとして

自分がデビューするために……

 

飯「僕がヒーロー界の神になる!!」

 

飯田のモテモテライフへの道はこれからだ!!

 

 

                 つづかない



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ソレゾレ×ノ×ショクバ

時を戻し職場体験期間初日

 

 

ーーーーー雄英高校 グラウンドーーーーーーーーーー

 

特別に許可を得て爆豪 勝己はプレゼントマイクの元へ

職場体験に来ていた

しかし、プレゼントマイクは教員でもあるため

授業の無い時に実戦形式での指導を行い

他の時間は自己鍛練に当てる予定である

その初日は質問から始まった

 

Qどんなヒーローになりたいのか?

 

「俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた

 ただ勝つんじゃねぇ…完膚なきまでの勝利だ

 そして!!あのオールマイトをも超えて俺は

 トップヒーローと成り!!

 高額納税者ランキングに名を刻むのだ!!」

 

Q(ヴィラン)に対して思うことは?

 

「社会不適合者の雑魚がなるもんだろ敵なんて

 モブだ、モブ!!俺の踏み台になれや!!」

 

━━━傲慢、あまりにも傲慢な

 

「んんーー…いまいち美しくない

 では貴方自身が人を殺すことに関してはどうです?」

 

「ハァ!?俺が目指しているのはヒーローだ!!

 ヒーローが人を殺しちゃあ「黙りなさい」

 

「貴方は美しくない

 殺さねば助けられない時が必ずやくる

 捕まえたら死刑になる敵もいる

 その時も貴方は逃げ出すのですか?

 自らの意思でヒーローを目指した時に

 すでに覚悟があったのではないか?」

 

「死から目を背けるな」

 

「前を見ろ」

 

「貴方が殺す敵のその姿を正面から見ろ」

 

「貴方が言うモブの死を忘れるな」

 

「忘れるな」

 

「倒された敵も貴方の事を忘れない」

 

 

それはプロヒーローが抱える覚悟

凄惨な現場、凶悪な敵…

ヒーローは敵でも人命救助をしなければならない

その前提を覆す言葉

正義を為すための狂気、手段を選ばない決意

助ける為に人を殺す覚悟…

 

「ーーッ!!俺は絶対に殺さねェ!!死なさねェ!!

 んでもって俺も死なねェ!!

 全員助けてやる!!それが俺の覚悟だ!!」

 

[守護らねばならぬ]

テメエで言ったことができなかった

心操に全部押し付けたッ

守護らていたッ!この俺が!

だから次はッ!!俺が守護る側に!!

 

「若いな…。殺さない覚悟…ふぅむ

 それも貫き通せば真理…なるほど」

 

(まだ未熟、されど期待アリ…ですかね…)

 

「OK,OK…そんな青春してるリスナーには

 スペシャルコースだ!!

 職場体験期間中にこの[紅蓮]の力を

 その身に受けてもらうZE!!Are you ok?」

 

「ハッ上等!!」

 

━━━グラウンドに爆発音が連続して響いていく

 

「待ってやがれデクゥ!!絶対に追い越してや

「それは無理DA」

 

ーーーー雄英高校 校長室ーーーーーーーーーーー

 

「悪いけど君には指名を全て断ってもらいたいのさ」

 

 

心操 人使()は悔しさのあまり泣きそうだった

 

 

体育祭での活躍、プロヒーローや社会からの評価

なによりA組の仲間達との絆……

 

苦労はあったし、挫折もした、本当につらかった

だが、それを踏まえても

“全てが上手く進み過ぎている”自覚はあった

 

どんでん返し、幸福の代償が

いつかくるのではないかと

今までの事が全部、夢幻(ゆめまぼろし)で本当は

 

あの後、病院のベッドでまだ眠っているのではないか

あの時に自分は死んでいたのではないか

そもそもあの体育祭は現実だったのか

 

悪い考えばかりがグルグルと巡り気分が悪くなる

校長先生に呼び出しを受けた時に嫌な予感がしたんだ

デジャヴのような妙に確信のある予感

ファンレターの件等で何度も呼び出しはうけているが

いつもとは違うナニカ

校長室に入ったときに感じたナニカ

例えるならプレッシャーだろうか

それもとてつもない圧力が俺を襲った

ああ、吐き気がするキモチワルイ

校長先生は、いつものセリフを言ってから━━━

 

 

「悪いけど君には指名を全て断ってもらいたいのさ」

 

 

何を言われた?

なんで?どうして?

理解できない、いや言葉を理解したからこそ

受け止められない

 

(ヴィラン)から指名があったから?

目の裏がチカチカする

耳鳴りがして鼻の奥がツンとして

「━━操君?心操君!?大丈夫かい!?顔が真っ青なのさ」

 

「大…丈夫です」

そうだ大丈夫だ、まだ大丈夫

アレを乗り越えたんだから大丈夫

でも今までの幸福の代償ってなると

いったいどれほどの……

 

「悲愴感溢れる顔をしているところ悪いけど

 話を進めさせてもらうのさ!

 心操君には僕達の指定するヒーロー達の元で

 職場体験をしてほしいのさ!!」

 

指定された…ヒーロー…達?

複数人?どうして?

[洗脳]だから見張りとして?

危険だと思われている?

 

「そのヒーロー達の1人を紹介するのさ!!」

 

「わーたーしーがー

   校長室に来た!!」

 

「オール…マイト」

オールマイトがなんで?

指定されたヒーローの1人?本当に?

 

「HAHAHAHAHA

   心操少年!!君の担当は私と!!

       かつて私の担任だった方だ!!

   

ん?最後のほうなんて?

それよりオールマイトが震えて!?

 

何が待ち構えているのか不安でしょうがないが

俺の“嘘みたいな幸福”はまだ続くようだ

 

 

 

ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー

 

 

「デクさん(B)よぉ、しばらくしたら俊典の奴が

 後継者連れてくっから二人でしごいてやるぞ!!」

 

「……full power」ゴゴゴゴ



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ソレゾレ×ノ×タイケン

ーーーー東京都 某レストランーーーーーーーーーーーー

 

ーーーー砂藤 力道sideーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここが[成功を呼ぶ]レストラン…」

 

俺は職業体験で自分の[個性]を活かす為に

[食]に関するヒーローの元へ来た

 

━━━美食ヒーロー[シュプリーム]

ヒーロー活動よりも副業のレストラン経営のほうが

有名なヒーローだ

むしろ副業としてヒーローをやっているのでは…?

思うところはあっけど実力は素晴らしいと聞いてる

ヒーローとしては()()()()()怪力を活かした活動、

シェフとしても[食べれば成功を呼ぶ]と言われていて

多くのヒーロー達が常連にいるらしい…

 

 

 

「ご足労頂きましてすいません砂藤くん

 オーナーシェフの至郎田と申します」

 

礼儀の正しい人だと思う

ただの学生でしかない俺に丁寧に挨拶してくれた

だけどなんだろうか

腰は低いのだが自信があるというか

プライドの高さが滲みでていた

 

「砂藤くん、君はまだヒーローではないが

 一足早く君には

 俺の究極の料理の味見をしてもらおうか

 

身体が震えあがる程の気迫

俺が敵だったら躊躇なく撲殺されていたッ!!

恐々とする俺を気にすることなく

至郎田さんは1皿の料理を持ってきた

「……この料理!!

 『マガモ胸肉のグリエ 塩漬けレモンと

  ソースアンディーブ添え』!!」

 

━━━ピク

「詳しいね 私の料理を知っているのかい?」

 

「そりゃあもう!!知らない奴はモグリですよ!!」

 

━━━ピクピク

「フフフ 嬉しいことを言ってくれるね

 私の作る料理の中でも最も究極に近いもののひとつだ」

 

俺は緊張とこれから口内を蹂躙するであろう旨味の予感に

震える手でナイフとフォークをもち……

 

「う

 ┃

 ┃

 ま

 ┃

 ┃

 ぁ

 ぁ

 あ

 い

 い

 い

 い

 い

 ぞ

 お

 お

  !!」

 

身体中から沸き上がる力!!

細胞ひとつひとつがよろこんでいるのが実感できる!!

急速に肥大した筋肉によって服が弾け飛び

産まれたままの姿になってしまった!!

 

「こ、これは……ッ!?」

 

「私の料理を君専用にアレンジしたものだ…

 君の[個性]を聞いてね…

 未精製の糖蜜や、ゴールデンロッドハニー、

 ミツツボアリの蜜、煮詰めた日本酒、貴腐ワイン、

 ステビアのシロップや各種野菜…」

 

「それだけではありませんね…?

 この爽やかで野趣を感じる風味は桑の実だ!!」

 

━━━ピクピクピク

「さすがだね。

 少量しか使っていない桑の実に気付くとは…

 だが、その料理は最も究極に近いが

 近いだけで究極ではない!!」

 

この味ですら究極ではない・・・だと!?

至朗田さんの目指す先はどれほどの高みなのか!?

 

「驚いているようだね

 だが、考えてみたまえ

 一秒を争うヒーローが優雅に食事をしてから

 救助に行けるのか…」

 

言われてみれば確かにそうだ

それではこれだけ身体が強化されていても意味がない

こんなんだから俺は……

“弱い方のキ●肉マン”なんて呼ばれるんだ…

至朗田さんは奥から寸胴鍋を持ってきて

 

━━━ピクピクピク

「これは先程の料理に比べ数倍の効果がある

 “スープ”だ…」

 

“スープ”それだッ!!

時間がなくても食べることができる!!

なんという発想!!

“スープ”なら水筒で持ち運びも可能!!

だが、至朗田さんはあろうことか

その“スープ”を注射器で吸出した…

 

「血管から注入る(食べる)ことで効果はさらに数倍!!」

 

━━━メキメキメキメキ

 

「これが・・・俺の究極の料理!!

 DCS(ドーピングコンソメスープ)だ・・・!!」

 

 

ゴシカァン

 

ーーーーーー瀬呂&上鳴sideーーーーーーーーーーーー

 

 

ビルボードチャート4位ベストジーニスト…

ディフェンスに定評のあるベストジーニストさんだ…

 

俺達はベストジーニストさんの事務所の前にいた

 

「やっべ緊張してきた」

「扉開けっぞ…」

 

━━━ガチャ

 

扉をあけるとそこにいたのは石面を着けた男だった…

 

「おれは人間をやめるぞ!

  ウォシューーーッ!!」

 

「「すいません間違えました」」

 

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「俺達は ベストジーニストの事務所の扉を開いたと

思ったら いつのまにかDI○がいた」

 

何を言っているのか わからねーと思うが 

俺達も何をされたのか わからなかった…

頭がどうにかなりそうだった… 

[個性]だとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ

 

「どうするよ?」

「もう一度開けてみるか?」

 

━━━ガチャ

 

そこにいたのはピンクのうん「ソフトクリームだ」

 

「うぇい!?」

「マジか・・・」

 

「子供達に親しみをもってもらえないかと

 試行錯誤していたところでね…」

 

「だから被り物を…」

「それでうん「ソフトクリームだ!!」

 

来る場所を間違えたかもしれない

 

「バビロン神の教えで矯正してやろう……」

 

本当に来る場所を間違えたかもしれない



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ソレゾレ×ノ×ガクシュウ

━━━━尾白 猿夫side

 

━━━ありふれたヒーロー事務所 ○○支店━━━━━

 

 

「ここがそうか…」

 

俺は尾白 猿夫

 

雄英高校1年A組で[個性]は[尻尾]だ

 

よく二次創作で青山と同じくらい不在扱いにされていて

不在ではなくても、これといった特徴もないので

体育祭の時しか台詞がなかったり

[尻尾]ネタで弄られる程度の男さ

 

話し方にも特徴がないからって

悲しいことにハブられることも多いし

台詞だけじゃ誰だかわからないなんて言われる

俺も語尾に☆とか付ければもっとキャラが立つのか・・・

 

それはさておき今回、職場体験で俺は

サウスクラウドヒーロー事務所 ○○支店に来ている

ドラフト指名で唯一、俺を指名してくれたヒーロー・・・

[深淵卿(アビスゲート)]が所属している事務所だ

あまり聞かないヒーロー名だったので調べると

[魔王の右腕]とだけ黒地に赤い文字で書かれたページが

見つかっただけでそれ以上調べようとすると

突然パソコンがフリーズして暗転してしまい

[好奇心は猫をも殺す]と表示された「尾白君かな?」

怖くなった俺はそれ以降は検索していない

先生達に聞いても答を濁らせた

合理性の塊のような相澤先生ですら

『俺に訊くな、逝けばわかる』と教えてもらえなかった

「職場体験に来た尾白君だよね?」

 

指名と一緒に手紙も来ていて「尾白君?」

手紙はとても丁寧な内容で

俺の境遇に対する共感がところ狭しと書いてあった

フフ、ヒーローにも同情される俺・・・

そうか、そんなに地味か・・・「わざと無視してない?」

そんなに存在感が無いか俺は・・・「ねぇ尾白君?」

普通で何が悪い・・・

 

「俺だって人気だしてぇよぉぉぉ!!」

 

「フッ…あまり吠えるな…弱く見えるぞ………」

 

「なっ!」

 

気が付くといつの間にか

俺の隣に黒いワンレンズのサングラスを掛けた男が

壁に背を預け足を組み右手で顔を覆っていた

…なんて香ばしいポーズ!

 

男はサングラスを外すと両手で顔を隠して

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛やっちまったぁぁぁ!!!」

ゴロゴロと地面をのたうちまわった

ええええええ

 

「あの大丈夫ですか…?」

 

「…もう死にたい」

 

なんなんだこの人は…

 

~~~~遠藤回復中~~~~~

 

「尾白君を指名した遠藤です」

 

「あなたが!?アビs「遠藤です」

 

「「・・・・・・」」

 

「アb「立ち話もあれだから事務所入ろっか」

 

アビスg「遠藤」さんの事務所はいたって普通というか

特徴らしい特徴のない事務所だった

ソファーを勧められ座ると対面にア…遠藤さんが座り

話をする準備ができた

 

「さて尾白君、キミは運命を信じるか?」

 

なんかイタイことを言い始めた

 

「イタイことじゃない。断じてイタくない!!

 いや真面目な話だよ…

 キミはこのままでは悲惨な運命を辿る…」

 

もしかしたら遠藤さんの[個性]で俺の未来を!?

だとしたら俺はいったい…

 

「これは俺の[勘]だから、違ったら謝るけど…

 キミ、地味で目立たない空気だって言われない?」

 

身体中の血液が沸騰するのだけがわかった

それでコイツハ、ナニヲ、イッタ?

 

「あーやっぱりかぁ…だよなぁ俺と同じ雰囲気だもん」

 

オナジ、オナジ、同じ?

まさか運命って…

 

「あぁ気が付いちゃった?このままだとさ

 キミ、俺と同じ位置まで来そうだからさ

 助けられないかなぁーって」

 

いやいやいや、プロヒーローが俺と同じって

ある意味光栄だけどもそうじゃなくて

 

「俺もさ…昔は地味だの影が薄いだの言われててさ…

 でも仲間と嫁さん達とで対策をしたから

 今はタッチペン使えばスマホも反応するんだ!!」

 

素手だとスマホにすら無視されると!?

さらっと流したけど嫁さん[達]!?

重婚?愛人?

 

「あ、やべ」

 

遠藤さんはポケットから銀色の小さな棒状の機械を

 

ピカッ

 

「……えと、すいません遠藤さん何の話でしたっけ?」

 

「…キミの助けになりたくてネ…」

 

遠藤さんがとても疲れてる気がする

そのポケットからはみ出てるニュー●ライザー的なのは

なんなんですかね……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 



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オカエリ×ニチジョウ

濃密すぎる職場体験の日々が終わり

またいつもの濃密な日常が戻ってきた

 

1年A組のメンバーは各々の職場体験先の話に

花を咲かせていた…

 

 

「私と障子ちゃんも基本トレーニングと

 パトロールばかりだったわ

 一度、某国からの密航者を捕らえたくらいね」

 

「それすごくない!?」

 

「それがね…手引きしていた黒幕がいたみたいなのよ」

 

「黒幕!?」

 

「ええ、残念ながら逃げられてしまったわ…

 変装でしょうけど警察官の格好をした

 凶悪な顔をした男だったわ…」

 

(井の頭あたりで見たような…?)

 

「密航の手引きだけでなくパンダやケシ、銃なんかも

 密輸していたみたいね…。早く捕まって欲しいわ」

 

「きっと捕まるよ!」 

 

「お茶子ちゃんはどうだったの? この1週間」

 

「うん、とても……有意義だったよ…

 まだ馴れていないけど身体能力を上昇させる呼吸法を

 教わってね…」ゴォォォォォ…

 

 

「たった1週間で変化すげぇな…」

 

「変化? 違うぜ瀬呂……女ってのは…

 元々悪魔のような本性を隠し持っていて

 男の事を奴隷兼財布としか見てないのさ!!」

 

「Mt.レディの事務所で何を見た……」

 

 

「でも一番大変だったのは、お前らだろ!」

 

 

そう、誰も触れなかったがステインとその配下に襲われ

エンデヴァーが重症となった事件(表向きのニュースでは)

クラスの注目が飯田と轟に集まっていく

 

 

「飯田は、体験先のヒーローとはぐれた時に

 エンデヴァーと敵の戦闘に居合せたんだろ?

 ホント、怪我が無くて良かったぜ。

 やっぱり、命あっての物種だよ」

 

「ニュースで見たけど、ヒーロー殺しはエンデヴァーが

 重症を負ったものの退けたんだよな!

 さすがナンバー2だぜ!」

 

「ん・・・アア、ソウダネ」

 

「イヤ、マッタクダー」

 

その発言に突如、固まりカタコトになり 

視線はバタフライになる飯田と轟

挙動不審を絵にしたらこうなるだろう

 

「ところでよ…学園都市最強みたいなってる爆豪と

 まだ来ていない心操はなにがあったんだ?」

 

「前からすぐキレる性格だったけど…

 今はすぐ殺しそうな感じだな…マジで」

 

「いやでもまだデクさんよりは「……what?」

 すいません、勘弁してつかぁさい」

 

そして、心操が来ることなくチャイムが鳴って

 

「おはよう」

 

相澤先生が教室に入ってきた

 

 

「1週間の職場体験、お疲れ

 多少の怪我はあったようだが、多くを学べたと思う」

 

そして気になっていたことを口に出した 

 

「心操だが職場体験で心を少し…いや酷く病んでな…

 今日は遅刻するかもしれないと連絡を受けてる」

 

「心操がッ!?」

「まさか敵に!?」

「心がって大丈夫なんですか!?」

 

「落ち着け お前ら……

 心操は体験先での拷も、トレーニングが原因だ」

 

(((((今、拷問って言いかけた!?)))))

 

「とにかくだ 心操が来ても…」

 

すいません 遅刻しました」ガラガラガラ

 

相澤先生の話を遮り教室の扉が開いた

全員の視線が扉に向かうと見知らぬ少年が居た

薄手の毛布を頭まで羽織っており

紫色の髪を降ろしているので目元は見えない

かろうじて見えている口元や首は血の滲んだ包帯が巻かれ

隙間から僅かに覗く皮膚は生傷と火傷、痣で覆われていた

その少年はフラフラと身体を揺らしながら歩き

心操の席へと着いた

席に着いたことにより確信した

この面影も残っていない少年が心操であると……

 

 



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タダイマ×ヒジョウ

「ほんまに心操君なん…?」

 

「マジかよ…」

 

「大丈夫かしら」

 

「心操君!?いったい何があったんだ!?」

 

 

各々が変わり果てた心操を心配するが

飯田の一言がいけなかった…

精神的に追い込まれている被害者に

『何があったか』と聞くのは当時を思いださせるからだ

相澤先生も頭を抱えている……

 

……ナニガ?ナニガナニガニガニガガガ

 アアア゛ア゛ア゛ア゛もう嫌ダアアア死にだぐない

 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

「ひっ」

「うわっ」

「ケロォ」

「ち、違う僕は何も」

 

対応が別れたのは経験の差だろう

 

「心操大丈夫だ。大丈夫だ心操。ここは安全だ」

 

「心操ほら、ネコのぬいぐるみだ。モフモフだぞ~」

 

対応できたのは同じ過去(ボられて精神崩壊)をもつ

元凶の幼なじみと元凶の担任だった

声をかけ背中を擦る爆豪

教卓から取り出したぬいぐるみを渡す相澤

 

「あ あ あ あ あ あ」

 

ぬいぐるみを抱き締め蹲る心操

いったい何が彼をここまで追い込んだのか

元凶はわかっているが事の経緯を語るならば

職場体験学習初日まで話は遡る

 

 

 

ーーーー心操side回想ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー

 

「聞いた住所、ここであってるよな…?」

 

緊張してるからかつい声にだしてしまった

まぁ無理もないよな

あのオールマイトの元担任で

オールマイトが未だに怖れる相手だからな

緊張くらいするさ

しかしボロいビルだな

本当にここであっているか不安になってきた

扉をあける

ガタがきているのか少し重いし軋む

内部は外観と比べたらキレイなほうだ

古くてボロいが埃っぽいとか汚れてるなんてことはない

妙に落ち着くような気も…

そんなことを考えながら中を進むと

床に黄色い布が落ちているのが目に入った

いや布じゃないマントだ!そうじゃなくて人!?

倒れて 病気? 赤、赤、赤 救急車呼ばないと

赤?血!? 腸がはみで 大丈夫か? 第一発見者?

おちつかないと、 落ち着く、 落ち着け、

正直、混乱、してるけどこれは事件だ!

なら犯人が近くにいるかもしれない

落ち着け、大丈夫だ、冷静に対応を、

対応をしようとして部屋の奥のソレと目があった

 

 

 

 

 

 

 

「・・・welcome to hell」

 

 

 

━━━ソレは緑色の髪を逆立て暗緑色の瞳で瞬きもせずに

心操をじっと見ていた

 

すぐに走って逃げ出さないのも

大声で叫ばなかったのも経験から来たもの

…ではなく恐怖による身体の硬直からだった

体育祭の時とは違うのは

心操が一人きりで仲間がいないこと、

最初から心操のことを見ていること、

一度使った手が通じるとは思えないこと、

なによりソレは血で真っ赤に染まっていたことだった

 

 



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イッテキマス×ムジョウ

「飯田、職員室まで走って俺の机から

 ニャン○先生特大ぬいぐるみをもってきてくれ」

 

「し、しかし」「早く[個性]使って走れ!!」

「わかりました!!」

 

「ニャンコ…ねこ ねこ 」

 

猫のぬいぐるみを抱いて震えている心操

追加のぬいぐるみを持ってこさせる相澤

 

「そうだぞー猫ちゃんだぞー」

 

「しんそー放課後に猫カフェ行こうなー」

 

1年A組の生徒達は驚いた

あの相澤先生があんなに優しい顔をすることに

あの爆豪がこんなに優しい声をかけることに

 

(((((この二人慣れてやがる!!)))))

(((((というか心操はマジでなにがあった!?)))))

 

ーーーーー心操 職場体験 回想ーーーーーーーーーー

 

ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー

 

デクさんを前に動けない心操だが

この状況を打破するため頭を最大限に動かしていた

 

逃げることはできない

被害者らしき人を置いてはいけないし

逃げきれるだけの速度がない

 

[洗脳]を使うことはできない

体育祭と違って動きを止めるだけでは解決しない

自分が倒れたら次に繋げる人がいない

 

戦闘をすることはできない

下手に動いたら当てるよりさきにボられる

当てたとしても倒せる程の威力もない

 

━━━ゆえに心操が選んだのは対話だった

[洗脳]を使わずに、ゆっくり間をあけながら時間を稼いで

事態が好転することを祈りながら

あわよくばデクさんが止まることを祈りながら

 

これは心操が可能な行動の中で最も良い選択だった

暴力性が目立つデクさんだが

授業は普通に受けている(実技を除く)

ならば対話をするのが最大限の戦法

 

 

ゆっくり喋り、長たらしい表現を使い、

不自然にならぬよう会話の内容をかえながら

時間を稼ぐことに徹した

 

相対してから3分…5分…10分…20分…

 

デクさんが動こうとするたびに

「そういえば」、「実は」、「話はかわるけど」…と

会話を続けさせ動きを止めて

 

相対してから20分…25分…30分…

 

30分が過ぎた時、倒れていた老人が起き上がった

 

「やれやれ会話だけで30分耐えるとわな…」

 

「え?生きて!?」

 

「コレ切ってないソーセージにケチャップかけたヤツ

 んでお前さんがデクさん(B)にどう対応するか

 見させてもらってた」

 

それは倒れていた老人…グラントリノのテストであった

オールマイトより送られてきた情報で

心操の[個性]が戦闘向けでないことは知っていた

そしてデクさんを[洗脳]するとダメージを受けることも…

相性が極めて悪い相手と戦わざるを得ない時に

どのような対応をするのかをテストしていたのだ

 

「全部、演技ですか…」

 

「そうさな、だが謝らんぞ?騙されるほうが悪い!!

 それもケチャップなんぞで騙されおってからに!」

 

口に出してしまうとなんとも情けない話である

ケチャップを血と間違えて怯えてしまい

必死になって対話で時間稼ぎをしていたのだから

 

━━━だが違和感があった

それに心操は気付いて、訊いた

 

「あのデクさんのほうのケチャップ、

 妙に赤黒いと言いますか、凄く鉄臭いのですが?」

 

「ああ、デクさん(B)のは敵の返り血だからな」

 

「返り血!?」(というかBとは?)

 

心操の反応を面白がりながらグラントリノが続ける

 

「いや殺しちゃいねぇよ、怪我だ怪我」

 

「そう…ですか」

 

しかしオールマイトが怖れるグラントリノが

普通の訳がなかった

 

「まぁ腕の2、3本や足の4、5本、首の6、7本は

 消し飛んでるだろうが」

 

(甲府市の敵はクラゲやムカデみたいに手足が多かったり

ヤマタノオロチやヒュドラみたいに首が多いのが

スタンダードなんだろうか?)

 

「さてと過ぎた事は置いといて

 これからお前さんを鍛えるわけだが…

 俊典から何か聞いてねえか?」

 

「俊典…?」

 

「八木だよ、八木 俊典!オールマイトの本名!!」

 

「マジか!?」

 

「チッまぁいい。おい!入って来てくれや!!」

 

(舌打ちした!?というか誰か来る…の…か?)

 

奥から出て来た人物達を見て心操は固まった

思考も身体も動きを止めてしまったのだ

硬直するのも仕方がない

なぜなら出て来た人物達は…

 

デクさんとデクさんとデクさんとデクさんデクさんと

デクさんとデクさんとデクさんとデクさんだったからだ



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イッテラッシャイ×サンジョウ

モフモフモフモフ…すまない取り乱した」

 

両手のぬいぐるみを抱き締めたまま心操が立ち直った?

うん、立ち直った

 

((((((本当になにがあった!?))))))

 

「あー、そうだな心操、リカバリーガールの所に行って

 昼まで休んでこい」

 

「いや大丈……そうします」

 

相澤の有無を言わせぬ指示で心操が教室を出たあと

A組のメンバーが気になっていたことを伝える

 

「気にするなといってもするだろうから

 お前らに伝えるが……後悔するなよ」

 

そして語られたのは

心操が職場体験に行った先で

主に実戦式のトレーニングが行われたこと、

そして見たほうが早いと

トレーニングの様子が録画してあるので

その映像を見ることになった

 

動画が再生される前に

配られたのはエチケット袋だった

嫌な予感しかしないがクラスメイトを心配して

少しでも共感を得るため視聴覚室に移動し

 

後悔した

 

 

ーーーー心操side回想ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー

 

 

なんで?

デクさんがこんなに?

俺の疑問にグラントリノはニヤニヤしながら答えた

 

「驚いたろう?俺も初めて見たときゃ驚いたが…

 デクさんは増えることができるつーから

 『なら増えて見ろ』つったらこんなに増えてな

 元々よ俺ん所に来たのも分裂体の1人で

 安易だがデクさん(B)って呼んでるんだが

 そこから増えたんはデクさん(B2)デクさん(B3)…

 てな具合で呼んどるわ」

 

デクさんが……増える……だと

これはオールマイト案件では…

むしろこのジジイをタルタロス送りしたほうが…

 

「んでデクさん(B)シリーズが町のパトロールとかは

 しとるから俺と残ったデクさん(B)シリーズで

 お前の修行をする」

 

ここ以外にもまだ居たの!?

いつから甲府市は修羅の国になったの!?

てか修行!?このメンバーで!?

 

「なに心配すんな難しい内容じゃねぇよ

 とりあえず俺らでお前を殺そうとするから

 お前は死ななけりゃええ」

 

それ内容は簡単ですけど実現は不可能なヤツですよね?

ハハハ、ナイスジョーク

オールマイトの先生だけあってジョークも冴えてる

 

 

「俊典の時は俺1人でやったんだが…

 俺も歳だからな…デクさんなら手加減しないから

 安心して任せられるってもんだ」

 

おいクソジジイ、手加減しないのは修行じゃなくて

命を奪うことに手加減できないだけじゃねぇか

「それに良い知らせがある!!

 デクさん相手に実戦式の修行するつったら

 TDSから回復役が送られて来てな…

 エリちゃーん!じぃじの所においでー!!」

 

「はーい(@・A・@)ノ」パタパタ

 

白い髪に小さな角の生えた女の子が来た

てか『じぃじ』って(笑)

さすがオールマイトの先生

俺の緊張をほぐすためにこんな小芝居を…

さてそろそろ本当の修行内容を教えてもらえないかな?

 

「こんにちは お兄さん!エリだよ!(@・A・@)ノ」

 

「こんにちはエリちゃん、今日はどうしたのかな?」

 

「うん!お兄ちゃんがボッされて

 グチャグチャになったときに

 私の[個性]で[巻き戻す]ために来たの!(@^A^@)」

 

 

 

え?今、なんて?

 

 

 

「でもねまだ[個性]にあんまり慣れてないから

 間違えて消滅させちゃったらごめんね(@>A<@)」

 

 

 

え?今、なんて?

 

 

 

 

「大丈夫だよエリちゃんが小僧を[消滅]させても

 じぃじがどうにかするからねー

 ・・・・・・さっさと表に出ろ」

 

 

 

嘘だと言ってよ じぃじ

 

 



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ゴメンクダサイ×ゼツボウ

 

 

「嫌だぁぁぁぁ死にだぐないぃいぃぃ」

 

ボッ

 

「誰が誰がだずげでぐだざぁぁぁ」

 

ボッ

 

「ごろじで 殺しじでぐれぇぇ」

 

「でぇじょぶだ!!死んでも生き還らすぞ」

 

ボッ

 

「お兄ちゃん頑張って!(@^A^@)ノシ あ、[巻き戻す]ね」

 

ボッ

 

「エ゛リ゛ぢゃん゛ん゛いっぞ消滅ざぜでぐれ゛よ゛ぉぉ」

 

ボッ

 

 

「うぷっ」

「おぇぇぇぇえぇぇおぷ」

「酷いなんてもんじゃねぇ」

「凶悪な・・・」

「そんな、心操君に救いはないのか…」

 

視聴覚室は嗚咽と酸っぱい胃液の臭いで満たされていく

確かにこれは精神(こころ)が壊れないほうがおかしい

見ているだけで精神(こころ)が壊れてしまう

 

想像してみてほしい

仲の良い、例え仲の良くなくてもよく知ったクラスメイト

そのクラスメイトが殴られてよく分からない液体となり

すぐに[巻き戻されて]元のクラスメイトに戻り

強力な一撃でポップコーンのように肉体が爆ぜて

また[巻き戻されて]元のクラスメイトに戻り

アスファルトで擦り下ろされてドロドロになり

それでも[巻き戻されて]元のクラスメイトに戻り

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度でも

白と赤とピンクの混ざったナニカにされる

それを笑顔で見ている老人と幼子

 

少年少女達の精神(こころ)を陵辱し汚す

酷く冒涜的なソレはなんと呼べばいいのだろう…

 

 

ーーーー心操side回想ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーー山梨県 甲府市 某所にてーーーーーーーー

 

 

クソジジイとエリちゃん

・・・そしてデクさんシリーズと一緒に

町から離れた場所にある廃棄された採石所跡地に来た

 

「ここならいくら暴れても構わんぞ!!」

 

おいクソジジイ今からでも考え直せくださいませボッ

熱っなんだ急に 肩が熱く?肩?手?手が?俺の手どこ?

痛い!!手手手 痛 腕 スゴく熱い 俺の腕が無い無い

なんで なにが 血が止まらな 腕落ちてきた 痛い

どうして腕が無い?ヤバい痛い痛い痛い痛い痛い痛い

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛俺の腕ぇぇぇぇ」

 

「バカタレ!敵がヨーイドンで攻撃するかよ?

 ほれ、叫んでないで避けんと死ぬぞーボッ

 ありゃ遅かったか」

 

「お゛お゛での゛ぶであ゛ぉぶぶ」

 

またっ 急 に?腹、熱、腕無い 血 腹腹腹 こぼれる

俺が こぼれる 熱い?サムイ?避けないと、痛くない?

息でなかやざむびたぼぼれでくりゅ?死みたぷなひひひひ

 

「ダメだなこりゃ……エリちゃん頼むわ」

「はーい(@・∀・@)ノ」[巻き戻し]

 

「俺俺俺まだ生きて?生きてる?腕ある?こぼれてない?」

「ほーれ、生き還ったらさっさと避けろー」ボッ

痛い痛い痛い 避けれるかよ!!今度は肘から先!!

止まるな止まるな止まるな動け動け動け

デクさんから目を離すボッ

「ごぼごぽぽひゅごひゅひゅひゅ」

 

「あー、喉抉られたか…血で溺れて息出来ねぇなありゃ」

 

「がんばれー(@・A・@)ノシ あ、死んだ」[巻き戻し]

 

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁひぃあ」

 

首首首、首だけは守らなボッ

今!!度は!足!かよ!りょあしがな

来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな

な で 急にゆっく り近づい ででで

足 足を高高高くく高振り上げ? 振りグチャ

 

 



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イラッシャイ×ガンボウ

「ずっと1人で戦い続けいたのか…」

 

「魂の煌めきが違うわけだね☆」

 

「こんなこと…あんまりですわ」

 

「ひでぇな」

 

「そうだぜ!こんなの人の限界を超えてんよ!」

 

「ひぐっひぐっ…心操君かわいそすぎるよ」

 

「治されるのがここまで恐ろしいとはな…」

 

 

「大変言いにくいのだがまだ初日分だからな」

 

既にSAN値直葬されたA組のメンバーは

担任の無慈悲な一言を理解できなかった

 

つまり残り6日分が残っているのだ

 

その言葉の意味を理解した生徒達は各々行動した

 

青山、芦戸、麗日、口田、葉隠、峰田は

新しいエチケット袋を受け取った

 

爆豪を中心として上鳴、切島、耳郎、瀬呂は

学校近くの猫カフェに1ヶ月分の予約を入れた

 

八百万が猫のぬいぐるみを量産して

蛙吹、尾白がラッピングしていく

 

障子はスマホで作り方を調べながら

複製腕を器用に使い猫のあみぐるみを作ろうとし

飯田はセラピー講座の予約をいれて

砂藤は見舞い用のスイーツを考案しはじめて

常闇は贈るシルバーアクセを見繕いだし

轟は蕎麦屋に予約を入れて

 

なぜこんな空気になっているのかわからないデクさんは

全部、繰形(ピトー)が悪いと思いタルタロスに向かった

 

 

一応、授業時間ではあるが勝手に行動する生徒を

相澤は叱れなかった

誰かの為に皆が協力する姿は美しい

 

……なにより自分より被害を受けた心操に同情的だった

 

ーーーーオールマイトside回想ーーーーーーーーーー

 

 

「わーたーしーがー

   校長室に来た!!」

 

「オール…マイト」

 

「HAHAHAHAHA

   心操少年!!君の担当は私と!!

       かつて私の担任だった方だ!!

 

やべ、つい反射的に…あ、足まで震え

いかんいかん……でもやっぱ怖ええよ

 

「え?怖い?」

 

「え?口にでてた?」

 

「あ、はいモロに」

 

「マジか・・・ゲフンゲフン

  さて心操少年!!

 キミに私の秘密を教えよう!!」

 

「え、えええ!?オールマイト!?縮んだ!?偽物!?」

やはりトゥルーフォームを見せたらそうなるよネ

 

「心操少年なら大丈夫だと思うが

 誰かに話したりネットに書き込まないようにね」

 

私はダボダボになった服を捲り腹を見せた

 

「な!?傷!?」

 

「6年前に敵との戦闘中に受けた傷だ

 呼吸器官半壊、胃袋全摘…度重なる手術と

 後遺症で憔悴してしまってね

 私がマッスルフォーム…ヒーローとして

 活動できるのは今や1日3時間程なのさ…」

 

オイオイそんな顔をするなよ心操少年

まぁそんな優しい子でありながら

緑谷少年に立ち向かえる勇気とガッツがあるから

私の後継者に相応しいと思ったんだがね

 

「そして、私の[個性]!![ワン・フォー・オール]!!

 この[個性]は元々は私のものじゃない…

 聖火の如く引き継がれてきたものなんだ!!」

 

「ワン・フォー・オール…1人は皆の為に…」

 

「そう!!先代から私が引き継いだ!!

 [個性]を譲渡する[個性]…

 力を培い渡し、また培い次へ…

 助けを求める声と義勇の心が紡いできた力の結晶!!」

 

「…でもなんでそんな大事な話を俺なんかに…」

 

「元々、私が雄英で教師をやるキッカケは

 私の後継者を探す為だった……

 そして見つけた!!体育祭第1種目で!!

 多くのヒーローですら諦めた緑谷少年に

 立ち向かう姿を見て!!私は確信した!!

   次は君の番だと!!!」

 

「…でも俺の[個性]は[洗脳]で…

 敵みたいな、犯罪者向けの[個性]だと言われてきて

 そんな…そんな俺でもヒーローになれますか!?」

 

フフフ、心操少年…心配するな……

 

あの場(体育祭)で!!

 けして戦闘向けではない[個性]で!!

 己が身を顧みず戦った!!

そんな君だからこそ私は動かされた!!

私が!!オールマイト(ナンバー1ヒーロー)が断言する!!

  君はヒーローになれる!!!」

 

「うぅぅ…オールマイト」

 

ああ、今は泣くがいいさ

今まで辛かっただろう

それでもよく諦めずにヒーローを目指してきた

 

「さて心操少年、君の職場体験だが

 私の学生時代の先生が修行をつけてもくださる

 私も後から合流するから先に向かっていてほしい」

 

「オールマイトの先生…ですか」

 

「ああ!場所はこのプリントに書いてあるのでね

 ……………心操少年、心を強く持てよ………

 

「オールマイト!?産まれたての小鹿みたいですよ!?」

 

 

……本当にあの先生は容赦ないからなぁ

 

 

━━━

 

━━━━━━

 

━━━━━━━━━

 

わーたーしーが山梨に来た!!なんてね

あれから半日、すっかり遅くなってしまった

先生からは採石所跡地で修行していると訊いたが

心操少年は無事だろうか

怪我などしなてければいいが……



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オトトイキヤガレ×ムボウ

 

「あははははは俺は無敵なんがぱっ」

ボッ

「だいじょーぶ死んでも死なねぇ!!ひゃははぐはっ」

ボッ

「こねぇなら[洗脳]するぞ!?くぺっ」

ボッ

「クソナード!!オロロロロロロロ」

ビチャビチャビチャビチャビチャビチャビチャ

「ハハハ今さら血ィ吐いたくれぇで止まぐぼっ」

ボッ

ボッ

「バァ~カ 頭と肺が無事なら喋れるんだよぉがッ」

ボッ

「カメラ?撮ってんの?いえ~い!俺が死ぬとこ見てる~?あべしッ」

 

ーーーー爆豪sideーーーーーーーーーーーーーーー

 

「なんで、そこまでできんだよ・・・」

 

俺は職場体験でプレゼントマイク…先生のとこで

何度も死線を潜り抜け鍛えてきた・・・

デク相手にしても数分なら戦えると思えるくらいに

 

絶対に勝つヒーロー、俺の原点(オリジン)

今ならプロ相手でもそこらの有象無象なら楽勝

トップレベルでも互角に持ち込める自信がある

けど、あそこまでやられて俺は立てるか?

俺は立ち向かえるのか?

なんで諦めねぇんだよ

 

[爆破]と違って攻撃力はねぇし

[洗脳]じゃ動きを止めるだけで精一杯

[爆破]みてぇに空中に避けたり高速移動はできねぇ

[洗脳]を使えば数分で自滅しちまう

 

そんな[弱個性]なのになんで

なんで笑いながら立ち向かえる!!

 

俺は死ぬ気で立ち向かう覚悟はあった

けど足りなかった

アイツ(心操)は死んでも立ち向かってる!!

 

・・・認めてやる

心操 人使!!お前がナンバー1だ!!

 

俺が!!超える時までは!!

絶対に折れるじゃねぇぞ!!

 

 

ーーーーオールマイトside回想ーーーーーーーーーー

 

ーーーー山梨県 甲府市 採石所跡地にてーーーーーー

 

「クソナード!!うぷっ耐えたぞクソジジイ!!」

「やるじゃねぇの…デクさん1人追加だ」

 

「………No problemo.」

「まてまてまて話し合おうきっとわかりあ たわば!」

ボッ

「調子ノってサーセンしたっひでぶ」

ボッ

「クソナード!!クソナード!!クソジジイ!!」

ビチャビチャビチャビチャビチャビチャビチャ

「はは、ざまぁみやが」

ボッ

ボッ

「ジェットクラッシュ!!」

「テメェクソジジイ!!どさくさに紛れて蹴ったろ!!がはっ」

ボッ

「誰だ君は!?」

「ボケたフリしてんじゃねーぞクソジジイ!!ぎゃー」

 

 

私が採石所跡地に着くとそこでは

心操少年が何度も殺されていた……

ほかでもない緑谷少年の手によってだ

 

白い髪の……確か壊理少女だったか?

壊理少女の[個性]によって死ぬ前まで[巻き戻されて]

また緑谷少年の手によって殺されていく…

 

先生の修行の恐ろしさはよく知っているが

先生と緑谷少年の組み合わせは想像すらしなかった

半日もこれに耐えていたのか…

私でもさすがに心が折れるぞこれは…

心操少年がこの蹂躙劇を繰り返している間

私は[ハイジの村]で薔薇を楽しんでいたッ…!!

私は恥ずかしい、もし過去に戻れるならば

自撮りしていた私を殴り飛ばしたい……!!

だが過去は変えられない

…ならばせめて、今からでも!!

 

 

「もう大丈夫!何故って?

  私が来た!!!」

 

 

「オールマイト……先、生?」

 

!!

遅れて来た私をまだ君は先生と呼んでくれるのか…

まだヒーローだと思ってくれるのか…

ならば応えないとね!!

 

「心操少年を返して貰うぞ!!

 先生…いやグラントリノ!!」

 

「また俺に吐かされに来たか?俊典ィ」

 

平和の象徴と恐怖の象徴

相対する両雄

「随分、遅かったじゃねえの。

駅から此処まで3㎞余り……

根津から聞いた新幹線の時間通りなら、

優に3時間は経過しての到着……

観光していたろう、俊典ィ」

 

「・・・・・・ヤベっ

 

 



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サヨナラ×キボウ

 

ーーーーリカバリーガールsideーーーーーーーーーーー

 

ーーーー雄英高校 保険室ーーーーーーーーーーーーー

 

 

「すんません、休ませてください」

 

「あんた……」

 

「相澤先生からの指示ッス

 昼まで休んでこいって」

 

「…奥のベッド使いな、ほらハリボーお食べ…」

 

 

あたしも長いことリカバリーガールとして活躍してきた

何百、何千人と[治癒]してきた

助けられなかった人も多い

[治癒]を使った結果、衰弱で死なせてしまったこともある

そんな経験を積んできたから

一目みれば患者の状態は大体わかっちまうのさ

 

[治癒]可能な怪我、[治癒]不可能な怪我

残りの体力の見極め……

 

けども、こんなのは初めて見る

 

これは『生きてるのが不思議』なんてものじゃない

 

『死んでいないとおかしい』状態だ

 

肉体だけの怪我じゃない

長いこと医者をやっていればわかる魂の存在

その魂までが深く傷ついている

 

あたしじゃあ治せない

 

いったい何をすればあんな……

 

 

 

 

ーーーーオールマイトside回想ーーーーーーーーーー

 

ーーーー山梨県 甲府市 採石所跡地にてーーーーーー

 

 

「大丈夫、私がいる

だから…ここは逃げろ心操少年!」

「先生は…」

 

「常に考えるんだ心操少年!

君はまだまだ成長できるんだ」

「でも先生…その身体じゃあ」

 

自分の状態より私の心配か…

ホント君はヒーローだよ!!

正直、緑谷少年1人でもしんどいのに

ここだけで緑谷少年が10人……

あげく先生までいるとなると時間を稼ぐだけでも…

いや時間稼ぎすら厳しいかもしれない

だが、だからこそ私は笑う

平和の象徴は決して悪に屈してはいけない!!

 

 

 

「師弟ごっこは終わりか?俊典?

ここからは

 楽しい楽しい修行の時間だぞ?」

 

━━━この時、私は想像すらしなかったんだ

   私が助けに来たつもりだったのに

   私のほうが助けられちゃうなんて

   『考えるより先に身体が動いていた』

   その言葉の重みを、意味を知っていたのに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グラントリノ!デクさん!!

おやつの時間ですよ!!」

 

 

 

「おうよ!」

「「「「「「「「「「わーい」」」」」」」」」」

 

心操少年の意味不明な発言に私が呆気にとられていると

先生も緑谷少年達も動きを止めていた

これは[洗脳]!?

まさか全員を一度に[洗脳]したってのかい!?

振り返ると変わり果てた心操少年が蹲っていた

 

口や鼻、目や耳からも血を流し

表情がわからないほど顔を真っ赤に染めて

肉体は骨と皮だけのように痩せ細り

皮膚は萎れてひび割れて割れ目からは骨すら覗いていた

 

限界突破(キャパオーバー)を超えた限界突破

重すぎる代償

高校生がしていい行動じゃない

『自己犠牲』はヒーローの本分だが

他のヒーローにここまで出来るのか!?

私はここまで出来たか!?

ズタボロになった心操少年にお師匠の姿が被る

 

 

 

 

「オ…マ ト はや も もたな…」

 

 

まだ意識が!?

[洗脳]を解いてないのか!?

ここまでされちゃ出来ませんでしたではすまないな

私も私の限界を突破する!!

 

 

 

 

UNITED

 

 

STATES

 

OF

 

SMASH

 

 

 

 

 

 

━━━1人の少年の犠牲によって悪は滅びた

 

   だが[デクさんシリーズ]はまだ残っている

 

   誰かがボられているとき

 

   きっと ヒーローが現れて助けてくれる

 

   そのヒーローは君かもしれない

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

これまで多く感想をありがとうございます。

読者様の期待になんとか応えようと書いてきました。

長かったような短かったような…

楽しい時間でした。

作者の次回作にご期待ください。(過剰な期待は辞めてね)

 

 

   強くて×ヒーローアカデミア

                 作 紫煙隊

 

 

   原作 僕のヒーローアカデミア

      強くてハンターハンター

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミ(@・A・@)ヒョコッ

 

 

 

 

(@・A・@)ジー

 

 

 

(@^A^@)ノシ  マキモドシー

 

 

「くそがぁぁぁまだ続くのかよ!!」

 

 

 

 

(@^A^@)ノシ  マキモドシー

 

 

「俊典ィィィやってくれたなぁぁぁぁぁ」

 

 

(@^A^@)ノシ  マキモドシー

 

 

「「「「「「「「「「おやつどこ?」」」」」」」」」」

 

 

「やっべ、力使い果たしちゃった」テヘペロ

 

 

つづく

 



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コンニチワ×ユウボウ

 

 

「「「「「「あれで終わらないかよ!!」」」」」」

 

「「「「「「どんでん返しきた!!」」」」」」

 

「先生は1日目といってましたけど…私もてっきり」

 

「心操……強く生きろよ…」

 

「いや、それは逆に辛いんじゃ……」

 

「死こそ安息……」

 

「常闇、それは言ったらマズいって」

 

「マジでシャレになんねぇヤツだよ」

 

「映像が止まったわ」

 

「え、これで終わり?」

 

確かに映像は止まっていた

そして数秒後チャイムが鳴り響く

 

 

「1限目は終わりだ。続きを見たい奴は放課後に…

 見たくないのはわかったからそんなに首を振るな」

 

 

阿鼻叫喚、死屍累々まさに地獄絵図

そんな映像から解放された理由は授業時間だった

だが映像は録画された物であり過去の出来事である

心操の身に起きた悲劇の7日間、

その半日分を見ただけだ

 

心操の受難はまだ始まったばかりに過ぎなかった…

 

 

ーーーーグラントリノside回想ーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて、日も暮れたし今日はこれまでにすっか」

 

「うっす」

 

「先生……いくらなんでもやりすぎでは?」

 

「あ゛あ゛?死んでも生き還れんだ

 死ぬ気で修行なんてなまっちょろい事せずに

 死んでも修行すんのが当たりめぇだろうが!!」

 

「じぃじ、もう眠いー( @・д⊂@)」

 

「おぉ、すまなかったなエリちゃん

 ほら家に着くまでじぃじがおんぶするからねぇ」

 

しかし、心操 人使か…

なまっちょろいモヤシが送られて来たと思ったら

精神力のバケモンだなありゃ

 

ワン・フォー・オールをこのガキが継ぐなら

確かに俊典(オールマイト)を超えるかもしれんな

返事をしたら動きを封じられて

そこにワン・フォー・オールの超パワー……

初見殺しにも程があるだろうが!

 

俺が死ぬまでには一人前にしねぇとな

まさか3人も継承者と関わるたぁ

長生きはするもんだぜ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「じぃじってマジか……」

 

「わかりますよオールマイト……」

 

「いや正直キモ……なんでもない

 そんなことより心操少年!!」

 

心操が振り向くとオールマイトが頭を下げていた

腰を90度に曲げ、深々と…

 

「なっ!!オールマイト!?」

 

慌てて頭を上げさせようとする心操

しかし━━

 

「謝らせてくれ、私は間に合わなかったんだ…

 それもただ遅れたのではない

 君が苦しんでいる間、私は…私は!

 [ハイジの村]で観光していた!!」

 

自分が苦しんでいるときに

ぬくぬくと観光している人がいたら

知らない人相手でも腹が立つだろう

それが知人ならなおさらだ

なのに先生でヒーローがそれをしていたのだから

 

辺りには街灯もなく日も落ちた時間帯ゆえ

心操の表情は暗くて見えない

オールマイトの肩に手を心操は置いた

 

「いいんです、オールマイト…

 それでも来てくれたじゃないですか…」

 

あらんかぎりの罵詈雑言をかけられると

思っていたオールマイトにかけた言葉は

優しいものだった

 

自分が苦しんでいるときに

ぬくぬくと観光している人がいたら

知らない人相手でも腹が立つだろう

それが知人ならなおさらだ

だが遅れても

自分のいる地獄にまで来てくれたのだ

ただ1人の生徒の為に地獄まで駆けつけたのだ

感謝しないわけがない……

 

 

 

だがそれは限界状況における共依存

もしくは被害者同士でのストックホルム症候群だと

言われる症状であることを2人はまだ知らない



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オハヨウ×トウボウ

 

ーーーーオールマイトside回想ーーーーーーーーーー

 

ーーーー山梨県 甲府市 グラントリノ事務所にてーー

 

 

……チュンチュン

 

む、朝か…昨日は濃い1日だったね…本当に

さて、頑張った心操少年の為に

私が特製の朝ご飯を作ろうじゃないか!!

 

 

…30分後

 

よし、私が愛情込めて作った朝ご飯

これを食べればきっと心操少年も元気になる…ハズ

ケチャップの赤はマズイかな?

いや、大丈夫…のハズ

やっぱ無理かな?

 

あんな事があったとはいえ

心操少年は起きるのがやけに遅いな?

様子を見に行こうか

 

ノックを3回

「わ~た~し~が朝からやって……心操少年!?」

 

心操少年に割当てられた部屋には誰もいなかった

まさか、先生がもう修行を始めて!?

 

最悪を想像した私だったが

最悪から電話が掛かってきた

 

『電話が来た~!!電話が…』

 

「もしもし?」

 

『やぁ僕だ』

 

オール・フォー・ワン!?

このタイミングで!?

まさか、心操少年を後継者にしようとしていることが!?

 

『どうした?オールマイト?電話越しでもわかるぞ?

 笑顔が消えている』

 

「HAHAHA,ちょっと小顔体操をしてただけさ

 貴様こそ朝から何の用だ?」

 

『オールマイト・・・君の後継者を預かっている』

 

やはりコイツの仕業か!!

邪悪の化身め!!

心操少年!無事でいてくれ!!

私がすぐに助けに行く!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『オールマイト!!

 後継者になんて修行をしている!?』

 

「へあっ!?」

 

『昨日の夜、泣きながらウチに来たぞ!!』

 

「いや、それは私は関係ないというか…」

 

『聞いたぞ!?人使君がボられてる時!!

 [ハイジの村]で観光していたらしいな!!』

 

「ぐぅ…」

 

『君に人の心はないのか!?オールマイト!!』

 

「いや、その話は心操少年とも…」

 

『謝っても許されないことがあるだろう!!』

 

「いや、その、申し訳ない」

 

『謝る相手が違うだろうオールマイト!?』

 

この後めちゃくちゃ説教された。

 

 

ーーーー心操side回想ーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーー某アジトにてーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「なるほど…辛い目にあったね…」

 

「アナタなら…

オールマイトに殴られデクさんにボられたアナタなら…

わかってくれると思いました…」

 

「もう大丈夫だ。僕がいる。ここは安全だよ」

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛もう死にたくないんです」

 

「辛かったね。…ちょっと電話を掛けてくる」

 

そう言って怒りながら

オール・フォー・ワンさんは奥に行ってしまった

ここは良い所だ

オール・フォー・ワンさんはもちろん

死柄木さんも黒霧さんも密化(ひそか)さんも

みんな、優しい

 

だってみんな、被害者だもん

 

 

☆月♠️日 はれ

 

みんなでトランプで遊んだり、

死柄木さんとゲームで協力プレイしたりしました。

たのしかったです。

ごはんは、黒霧さんがつくってくれました。

すごくおいしかったです。

黒霧さんが温泉につれていってくれたので

みんなではいりました。

おおきなお風呂できもちよかったです。

オール・フォー・ワンさんが ぼくに

[安眠]の[個性]をくれたのでよくねむれそうです。

 

 

 

ーーオール・フォー・ワンと愉快な仲間達side回想ー

 

ーーーー某アジトにてーーーーーーーーーーーーーー

 

「弔、ヒーロー科の生徒を泊めることになった」

 

「はぁ!?何を言っているだ先生!!

 ヒーロー科の生徒なんてクズの卵じゃねぇか!」

 

「弔、まずはこの映像を見て欲しい」

 

「面白そうな話をしているね

 ボクも混ぜてよ♠️」

 

密化(ひそか)!貴方には関係ないでしょう!」

 

「いいんだ黒霧。彼も、そして君にも見て欲しい」

 

~修行1日目の映像 再生中~

 

「「「これはひどい」」」

 

「彼を泊めることに異論はあるかい?」

 

「先生、俺が間違っていたよ…

 人には優しくしないとな……」

 

「せめて美味しい食事を用意してきます」

 

「……ボクも大概だけど彼も相当だな…♠️

 さすがにボクでも優しくするさ◆」

 

「黒霧、前に作った温泉に彼を招待しよう」

 

「わかりました。では準備を急がなくては…」

 

「アイツ、ゲームとかするかな?」

 

「トランプのほうが無難じゃないかい?♣️」

 

 

オールマイトが迎えに来るまでの間

心操は幸せな時間を過ごしました

 

 

「アイツ…大丈夫かな?」

 

「死柄木、私は無力です…」

 

「黒霧、君はよくやってくれたよ

 彼とは戦いたくない…いや戦えないね」

 

「同感♠️むしろ労りたくなってくる 」

 

「先生、俺、アイツを救えるだけの力が欲しい…」

 

「デクさんと戦うことになってもかい?」

 

「ああ、アイツはもう俺達の仲間(デクさん被害者の会)だ!!」

 

 

ツヨクーナレルーリユウヲシィッター ボクヲーツレテーススメェー

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・come on」



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ゴキゲヨウ×タイボウ

━━━━放課後 雄英高校近くの猫カフェ━━━━

 

 

「あはははは ねこちゃんだ!!ねこちゃんがいっぱい」

 

キャラが崩壊している男 心操 人使

 

連れてきたクラスメイト達が暖かく見守っている

キャラ崩壊について誰もツッコミをいれない

精神(こころ)肉体(からだ)があれだけ崩壊したのだ

今さらキャラが崩壊したところでなんでもない

 

「心操、強く生きろよ・・・」

 

「本当に幸せそうね」

 

「なぁ、猫と戯れているのを見てっとアレだがよ…」

 

「じゃあ言うなや」

 

「まぁまぁ、どしたよ?」

 

猫カフェの予約&カンパ組である

上鳴、耳郎、切島、爆豪、瀬呂は離れた席で

各々で飲み物を頼み談笑をしていた

 

 

「今日はさすがに見れなかったけどよ…

 残りの動画、見るべきじゃねぇか?」

 

切島の発言に空気が凍った

 

「テメェ…何を言っているかわかってんのか?」

 

(被害者)が拷問される様を見ようという発言に

爆豪がキレかけ、いやキレていた

 

「バクゴー ステイ ステイ」

 

「煽るなバカ、爆豪も落ち着け」

 

「切島、アンタ言っていいこと悪いことが…」

 

「っかてんだよ!!俺も!!

 けどよぉ、あんなになってまで修行したんだぜ?

 せめてよ…最後まで見届けねぇと…」

 

空気が重くなる

見て気持ちのいいものではない

だが、友の努力の跡を見届けるべきという意見は正しい

 

例えばスポーツ

スタート時の映像だけ見て結果だけを讃える

これは正しいのか?

もちろん、その場で応援するのが一番だが

内容をろくに見ずに『よく頑張った』等と言われても…

それも名前だけ知っているプロではなく

実の同級生、実のクラスメイト、実の友達なのだから

せめて内容を見るべきだ

これは正しい

例えそれが

━━どれほど凄惨で、残虐で、おぞましいモノだとしても

 

むしろ自分がボられたほうがマシ

そう思わずにはいられない映像

泣いても、叫んでも・・・意味がない

応援しても意味がない

助けに行くことも絶対にできない

 

なぜなら録画された映像だから

もう、起こってしまった過去だから

 

 

「おいでー!チュールをあげよう!!」

 

明るく振舞う心操の姿がかえって心を傷付ける

良心が責めてくる

 

『お前は、友達が傷付いてる時に何をしてた?』

 

━━━パトロールについてったり…正直、楽しんでた

 

『友達があんな目にあっていたのに楽しかった?』

 

━━━俺…最低だ 体育祭ん時に思い知ったのによぉ

 

『それでよく友達なんて言えたな?』

 

━━━私らだって頑張ってた!!

 

『だから赦されるの?』

 

━━━赦せとは言わねぇ…俺のケジメだ!!

 

『それで()はどうするの?』

 

━━━アイツを超える!!今度は俺が守ってやる!!

 

 

5人の心は1つになった!!

 

ーーーー翌日 昼休み 視聴覚室ーーーーーーーーーーーー

「「「「「「「「「「「「「「「「「「     

ピトー!!!!貴様を殺す!!!!!!

    」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

「ぎにゃぁぁぁぁぁ」

 

「繰形さぁぁぁぁぁぁん!!」

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

ボボボボボボボボボボボボボボボボボボ

 

「くっ殺せぇぇぇぇぇぇ」

 

「繰形さん実は余裕あります?」

 

 

 

「「「「「なんだこれ?」」」」」

 

5人の心は再び1つになった!!

 

「…繰形 猫美(くりがた ねこみ)、万引きしかしてないが

 緑谷の理不尽から逃げようとして為にタルタロスに

 自ら収監された敵だな」

 

「あ!体育祭の時の!!」

 

「そうだ!あの滅茶苦茶ボられてた!」

 

「…多い時で約15万回」

 

「んえ?」

 

「相澤先生、その数字って」

 

()()()()()()()()()()()()

 

「マジかよ・・・」

 

「てか、なんで心操と一緒に映ってんの?」

 

「なんでも心操の職場経験先のヒーローが

 精神力を鍛える為に呼び寄せたらしい…」

 

「えっぐ…」

 

「漢じゃねぇとかそんな問題じゃねぇな…」

 

「……うぇい」

 

「サンドバッグにする為にかよ…」

 

「これを見せ付けられるとか…」

 

「いや、違うぞお前ら」

 

 

「にゃあ・・・にゃ」

 

「繰…形さん」

 

「よし、準備運動は終わったな?

 心操!コイツを殴れ!!」

 

 

!?

 

「なぁ、今のって」

 

「ハハ、聞き間違えたかな?」

 

「さすがにねぇだろ…それは」

 

「・・・・・・」

 

「おい爆豪!なんか言ってくれよ!!」

 

「一応言っておくが合理的ではあるぞ

 敵の中には無抵抗のフリをして襲う奴もいるし

 精神力を鍛えるという意味ではベストだ」

 

「先生ッ」

 

「…だが、そうだな…

 なんでも合理的ならいいわけじゃない」

 

「「「「「当たり前だ!!」」」」」

 

それは合理的というのではなく

極論というのだと5人は叫んだ

 

 

「ほらほら順番待ちだよ♪

 チュールはいっぱいあるからね!」

 

猫カフェでの心操の様子が思い浮かんだ



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コンバンハ×ランボウ

 

 

「ニャニがニャンだか♪わかんニャー♪

 ダンス DE ニャンタラパー♪」

 

猫カフェの帰り道

2日続けて猫カフェに来れたのが嬉しかったのだろう

上機嫌で歌いながら歩く心操

 

 

「人って変わるんだな…」

 

「あれは変えられたって言うんじゃ…」

 

「俺は!アイツを超える!!」

 

「そうだな!俺も心操を超えてェ!」

 

「バクゴー、切島、“アレ”耐えれんのかよ?」

 

「「俺は!…いつかアイツを超えれればいいな!!」」

 

「「「やわらかくなった!?」」」

 

その後を歩いていく

上鳴、耳郎、爆豪、切島、瀬呂の5人組

 

日が落ちた街を歩いていく

最初に気付いたのは耳郎だった

 

「・・・!!・・・・・!!」

 

「…レカ…タスケ…」

 

耳郎は[個性]柄、音に敏感だ

しっかりと“その声”と“音”を聞き取っていた

 

「あのビルの裏!!」

 

「ああ?」

「どうしたよ?」

「ニャンダ?」

 

 

突撃の言葉に疑問をもつが卵といえどヒーロー

耳郎の真剣な表情を見て切り替えた

 

「何がある!?」

 

「今!!助けてって!!」

 

「「「「「!!」」」」」

 

 

そして最初に動いたのは心操だった

 

「んな!?」

 

「めっちゃ速え!!」

 

若干遅れながらもすぐに続く5人

 

ビルとビルの間

人が余り通らないような細い路地

 

学生服を着た4人が居た

ただし、1人は頭を抱え蹲っていた

 

「ああ?んだよ」

 

「天下のユーエー様が汚ねぇ路地裏にご用ですかぁ?」

 

「お?可愛い子連れてんじゃ…胸ねぇなチェンジで」

 

ろくでもない言葉

明らかに集団リンチの現場

それよりも…

 

「耳郎!!駄目だ!!殺しはマズイって!!」

 

「しっかり抑えねぇとヤベェぞ!!」

 

「離して!!アイツ等、殺せない!!」

 

━━ドォン━━

「うぇい!!」

 

「上鳴がやられた!!」

 

「雑魚が!いい加減に落ち着けや耳女!!」

 

 

暴走する耳郎

それよりも…

だがそれよりも…

抑える相手は別に居た

 

「あああああああああああああああああああああああああ」

 

震える心操

気付いた時には遅かった

あんな目にあったのだ

そんな彼に暴力的な場面を見せるなど…

 

「~ッ!心操!!」

 

ゆらりと前へ進む心操

 

━━パキャ━━

 

「痛ってえええええええ!」

 

「うわコイツ折りやがった」

 

 

「暴力、暴力、暴力・・・

 助けないと、悪いヤツは摘まないと・・・」

 

 

「心操…?」

 

「ヤベェって完全にキレてる!!」

 

「ねぇ?どこから壊されたい?」

 

「っふざけ…」

「テメェ…」

「ヒーローを目指…」

 

その“問い掛け”に応えた不良達は動かなくなった

いや、動けなくなっていた

 

バキッ ドスッ バキッ コキッ ガッ

 

そこから始まる蹂躙

虚ろな目で立ち竦む不良達を

まるで手慣れた作業のように壊していく心操

 

「心操!?やりすぎだって」

 

「ハハハ!いいぞもっとやれ!!」

 

「耳郎!?」

 

「根にもちすぎだ!!」

 

「アイツの[個性]・・・なんで解けねぇ」

 

冷静に見ていた爆豪は気付いた

[洗脳]は衝撃や痛みで解ける

体育祭前に本人が言っていたことだ

 

「ああ、なんだそんなことか

 簡単だよ勝己君・・・

 もう、俺にとって攻撃の単位がデクさんクラスなんだ」

 

爆豪の言葉に反応し顔だけ振り向き

ヘラヘラと笑いながら説明をする心操

 

「だから…ね、━━ゴキン━━ほら起きない」

 

「心操!もういいだろ!!」

 

「やりすぎなんだよ!!」

 

「殺せ殺せ殺せ巨乳派を殲滅せよ!!」

 

「耳郎もいい加減落ち着け!!」

 

 

「やりすぎ?・・・ヤリスギ、ヤりすぎ?」

 

虚無を写した瞳で繰り返す心操

 

「あ、そうか!ゴメン意味がわからなくて…

でも大丈夫だよ」

 

口元だけは裂けるように笑いながら

 

「HP」

 

「…は?」

 

「HPって知ってる?ゲームとかのヤツ」

 

「そりゃ知ってるけどよ」

 

 

「骨はね大人で200以上あるんだ

 骨をHPとするとまだ5%も削ってない」

 

ゾッとした

言葉は通じてるのに話がまるで通じない

 

「な、なぁ…もう辞めてやれよ

 それ以上はダメだって」

 

「ああ、俺達が目指してんのはヒーローだろ!!

 こんなん漢らしくねぇ!

 もう解放してやれよ!!」

 

説得が通じたのか

ヤレヤレといった具合に攻撃を辞めた

動きを止めた心操に安心した5人だったが

安心するにはまだ早かった

多く場合、攻撃とは手段であり目的ではない

例えばヒーローが戦うのは敵を倒す為ではなく

その先━━敵の捕縛、逮捕、法の元で裁き

最終的な目的は“平和を守ること”

……であるならば心操が次に取る行動は…

 

心操はスマホを取り出し電話を掛けた

警察への通報や学校への報告ではなく…

 

 

「…もしもし、先生?」

 

『やぁ人使君、今日はどうしたんだい?

 また、ウチに泊まりにくるのかい?』

 

「いえ、泊まりはまた今度で…

 先生、脳無の原料ってまだいります?

 実は生ゴミを処理してる途中でして…」

 

『人使君、大丈夫だ。それにはおよばないよ

 その…なんだ君の言う生ゴミは

 こちらで治療して家に返すから

 君はそのまま帰っても大丈夫だよ』

 

「…そうですか、まぁ確かにこんな生ゴミは

 いりませんよね

 先生の手を煩わせるのもアレなんで

 やっぱりこっちで処理を…」

 

『人使君!!大丈夫だ!!

 こちらですぐ回収するから!!

 君はすぐ帰りなさい!!

 ほらもう遅いだろう!?敵に襲われたら大変だ!!』

 

「わかりました、ではまた今度

 先生、おやすみなさい」

 

『ああ、おやすみ人使君』

 

 

・・・・・・

 

「心操、どこに電話掛けた?」

 

「敵連合の親玉」

 

「「「「「ハァ!?」」」」」

 

「いやいやいやマズいって」

 

「なにが?」

 

「いや敵じゃんよ!!」

 

「敵連合がなにかした?」

 

「なにかって…」

 

思い返す5人

 

USJでの授業中に襲撃してきた奴等だよな

 

いや襲撃…?来ただけだな

 

すぐデクさんにボられていたね

 

…それ、ただの被害者じゃね?

 

いやそれでも敵だろ

 

前に学校に侵入したマスコミと変わらねぇだろ

 

確かに…

 

むしろボらただけ悲惨だな

 

 

━━━結論

(((((敵連合は悪い奴らじゃなかった!?)))))

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

『prrrr-prrrr-prはい、もしもし?』

 

「やぁ僕だ」

 

『貴様!!…いやまた緑谷少年がなにか…』

 

「オールマイト、あんなに言ったのに

 人使君に修行つけたな」

 

『いやいやいや“私は”なにもしていない!!

 むしろできるだけ労っていたさ!!』

 

「ウチに材料として人間を贈ろうとしてきたぞ!?

 それも人を生ゴミ呼ばわりしてだ!!」

 

『…マジか。いや待てオール・フォー・ワン!!

 人間を材料ってどういうことだ!!』

 

「話を変えるなオールマイト!!

 今は人使君の話をしている!!

 いったい何をした!!あの純真な少年に!!」

 

『いや、私は何も…ただ先生がグラントリノがね』

 

「はぁ言い訳ばかりか、で何をした」

 

『敵を殴らせ…ました』

 

「敵を?」

 

『繰形という少女を知ってるかい?』

 

「ああ、知ってるとも。あのよくボられる」

 

『心操少年の前で散々ボッたあとで

 心操少年に殴ることを強要して…

 殴らなかったらボッて…』

 

「待て、もういい。オールマイト、

 君の先生の方を先にタルタロスに入れたほうが

 いいんじゃないかい?」

 

『…正直、私もそう思う』

 

「次の土日に人使君を拐わせてもらうよ」

 

『なぁ、もうそんな言い方しなくても

 いいんじゃないか?』

 

「フフフ、そうはいかないよオールマイト

 様式美って奴だ」

 

『HAHAHAいいだろう!!ノってやる!!

 オール・フォー・ワン!!

 貴様、心操少年をどうするつもりだ!!』

 

「彼には田代島、通称ネコの島で

 バカンスを楽しんで貰う!!

 すでにマンガアイランドに予約もしてある!!」

 

『…それ、私も』

 

「悪いなオールマイト、黒霧は5人乗りなんだ」

 

『ぐぬぬぬぬぬ』

 

「どうしたオールマイト笑顔が消えているぞ

 …その顔が見たかった」

 

『…楽しいかオール・フォー・ワン』

 

「ああ、楽しいねオールマイト」

 

『お土産、頼んでいいか?』

 

「フッ、置き場に困る置物を買ってこよう!!」

 

『な!?貴さプープープー』

 

 

 

 

 



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オヤスミ×シンボウ

 

 

ここで心操の職場体験を振り返ろう

 

初日

 

  デクさんにボられる

  オールマイト遅れて突入

  心操死亡、後に[巻き戻し]で蘇生

  深夜帯に心操逃亡、AFOに保護される

 

2日目

 

  AFOと愉快な仲間達と穏やかな1日を過ごす

  夕方に迎えに来たオールマイトに対して

  AFOが説教を数時間する

  涙の別れ、死柄木 心操を救うことを決意

 

3日目

 

  繰形(ピトー)参戦

  散々ボられる姿を見せた後に心操に殴る事を強要

  断ったため、繰形共々ボられる

  数時間後、繰形に諭され泣く泣く繰形を殴る

 

 

()()()()()()()()()()

ならば残りの時間は何をしていたのか?

 

 

 

ーーーー職場体験4日目夜ーーーーーーーーーー

 

━━この日も心操は繰形への攻撃を強要され

それを拒否してはボられていた

 

 

「もう嫌だぁぁぁぁぁ

 なんで繰形さんを傷付けないといけないんだぁぁぁぁ」

 

「黙れ 小僧!!」

 

ボッ

 

「ありゃ?死んじまったか…

 エリちゃ~ん、[巻き戻し]お願いねぇ!」

 

「はーい…( @・ω⊂@)ネム…」  ギュルン

 

「あっ!(@ ゚Д゚@)」

 

「ありゃ」

 

「人使君!?」

 

「心操少年…?」

 

 

━━◇月▽日

 

  心操 人使 [個性]事故により死亡

  文字通り消滅した為、遺体はない

 

 

 

ーーーー××××にて 心操sideーーーーーーーーーー

 

どこだ?ここは?

 

やたら暗いのに自分の姿はハッキリ見えてる

 

川原かな?よく見えないけどそう思う

 

気温は…あったかい?涼しい?よくわからない

 

石ころが積んであって歩くのに邪魔だ

川の向こうに人影が見える

女の人?凄い美人だ

ゴーグルを着けた厳つい男の人に

顔の左側に傷のあるデッカイ人に

黒髪のベストジーニストっぽい人…

ああ、おばあちゃんもいる

 

なんだろう?皆してバツ印を作ったり

俺の後ろを指指している

 

それにしてもこの川、深いし進み難い

まるで重油の中をおよいでるみたいだ

でも俺は知ってるんだ『Plus Ultra』

さらに向こうへ!!

すぐにそっちに行くからな!!

 

 

ーーーー同時刻 蛙吹 梅雨sideーーーーーーーーーー

 

 

「心操ちゃん!?」

 

 

…すごく嫌な夢を見たわ

心操ちゃんが遠くへ…

いいえ、アレは多分だけど“あの世”ね

 

どうしてこんな夢を見たのかしら?

確かに体育祭のアレはトラウマになったけれど

最近は夢にはでてこなかったのに…

 

何故かすごく良くないことが起きている気がするわ

ホント、理由はないんだけども…

虫の知らせってヤツかしらね?

 

 

ーーーー同時刻 上鳴 電気sideーーーーーーーーーーー

 

 

「そっちにいったらダメだ!!」

 

叫んでも届かない

いや、俺の声が出ていない…?

 

心操が行っちゃいけない所に行こうとしている

暗い空間で、でも心操の姿はハッキリ見えて

 

「ダメだ!!戻ってこい!!」

 

また叫んだ所で俺は目が醒めた

 

…夢?

 

俺は職場体験に来ていて?

飯田、轟、デクさんが事件に巻き込まれて?

今の夢はいったい?

 

冷や汗がひでぇな

シャワー借りっか…

 

 

 

ーーーー同時刻 ゲス組sideーーーーーーーーーーー

 

「……ハァ、貴様の父も大概だな…」

 

「!!…親父を知っているのか!?」

 

「それなりにな…以前、粛清しようと家に

 忍び込んだこともある…ハァ」

 

「俺の家に…!?」

 

「正直、その場で粛清するのが忍びなく思った程だ…」

 

「そんなにですかステさん…

 あ、すいませ~ん生追加お願いします!」

 

「待て貴様!俺はそんなに手持ちが…」

 

「いえいえいえ、ステさん今日は僕が出しますよ!!」

 

「いや、さすがに年下に奢らせるわけには…」

 

「轟君の件もお世話になりましたし、

 兄の件もありますし此処は僕が…」

 

「そこまでいうならば…」

 

「生ビールお待たせしましたー!」

 

「さささ、どうぞどうぞ」

 

「…ハァ、ングング プハァ~」

 

「さすがステさんいい飲みっぷり!

 それで轟君の家でなにが…?」

 

「…俺も知りたい」

 

「…ハァ、いいだろう

 貴様の父だがな…

 1人で人形相手に家族ごっこをしていてな…」

 

 

 

 

 

 

 



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『ハジメマシテ』×『キキュウソンボウ』

 

ーーーー職場体験5日目ーーーーーーーーーーーーーー

 

━━心操 人使 死亡

 

そのニュースは一般には伏せられ隠匿された

だが政界のトップや、トップヒーロー、

裏社会には蔓延し、激震をもたらした

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ああ心操少年すまない…

 私は…、私は……」

 

「オールマイト!!どういうことだ!!

 なぜ!人使君が死んだ!?」

 

「オール・フォー・ワン……

 すまない…私がそばにいながら……」

 

「……貴様!!ッ今日は帰らせてもらう」

 

「……すまない、許してくれなんて言わないから…

 お師匠……私は…!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「先生!人使が死んだってそんなの嘘だろう!?」

 

「弔…、残念だが事実だ…」

 

「嘘だ!!だってこのあいだも、あんな楽しそうに

 皆でトランプで遊んで…!」

 

「惜しい人を亡くしたね♠️

 まぁ、ある意味ここで死ねただけ幸せかもね♣️」

 

密化(ひそか)!!貴方はそれでも…!!

 …貴方、泣いているのですか?」

 

「おかしいね◆まだ涙なんて残ってたなんて♣️」

 

「先生ェ、俺ちょっと外に出てくる」

 

「ああ、わかった

 …黒霧、面浪(もろう)…しばらくの間

 私の部屋に入ってはいけないよ」

 

「…!!わかりました

 私も仕入れがあるのでしばらくは

 アジトに戻りません…」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「俺ァよ…、憎まれようが強くなってくれんなら

 それでいいと思ってたんだ…」

 

「じぃじ…。ごめんなさい…

 私が、私の[個性]のせいで…( ノД`@)…」

 

「エリちゃんは悪かねぇよ…

 俺が調子に乗りすぎだんだ…」

 

「じぃじ…(つд;@)」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「[個性]事故による死亡…

 次代のオールマイト…[平和の象徴]には

 敗北も、死亡も許されない」

 

「左様、ならば『彼』を動かすのも吝かではない」

 

「しかし大丈夫なのかね?

 『彼』はコチラに協力はすれども協調はせぬぞ」

 

「だが[次代]の為なら我々も代償を払うしかあるまい」

 

「ああ、忌々しい

 なぜ[次代]は死んだのだ!?

 『彼』に頼るしかないなど……」

 

「言葉を謹め!!

 滅多な事を言えば『彼』はともかく

 『彼女』が動きかねん…」

 

「すまない、感情的になった」

 

「構わぬさ…我々とてあの『異常者』(アブノーマル)共には…」

 

「さっきから随分と勝手な事を言うね」

 

「「「「!?」」」」

 

「ああ、僕の事は『彼女』ではなく

 親しみを込めて安心院さんと呼んで欲しいな」

 

「いつから此処に…!?」

 

「ん~?僕は何処にでもいて何処にもいないだぜ?」

 

「ッ!!だが盟約に乗っ取り『彼』を…」

 

「あははっ“盟約”なんて重苦しい

 ただの“約束”さ

 まぁでも二次創作(彼の人生)は見てて飽きないし

 もう少し見てもいいと思っているよ

 まぁ、結果は知ってるんだけどね(未来視、予知夢、超直感、ext.ext.ext.……)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「『まさか僕が出てくるなんて』

 『誰も思わなかっただろ?』」

 

「『まぁ』『僕としてはこんな駄作に出るより』

 『R-18のほうに出たかったんだけどね』」

 

「『けど仕方ないじゃないか』

 『政府から直々に説得されたんだから』

 『別に“水着パーカー”が学校指定にされたから』

 『なんて理由じゃないからね』」

 

「『お決まりの台詞?』

 『君達も好きだよね』

 『そこまで言うなら言ってあげるよ』」

 

 

 

「『大嘘憑き』」(オールフィクション)

 

 

 

「『心操 人使の絶命をなかったことにした』」

 

 

「『これで心操くんがこの後で』

 『どんな酷い目にあっても僕はしらないぜ?』」

 

「『だって君が頼んだんだから』

 『あはは』

 『君が悪くていい気味だ』」

 

「『おいおい泣くなよ』

 『泣いたって事実は変わらないんだぜ?』」

 

「『え?』『僕?』『僕は頼まれただけだし』」

 

 

 

「『僕は悪くない』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『だって』

『僕は悪くないんだから』」



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マタアッタネ×エンボウ

 

 

ーーー××××にて心操sideーーーーーーーーーーー

 

 

もう少し

 

もう少しなんだ

 

向こう岸にあと少しで…

 

向こう岸には人が沢山集まっていて何か叫んでいる

声は聴こえないけど多分、応援だろう

 

あと本当に少しでゴールなんだ

 

だから…

 

「残念だけど、まだ君はいけないよ?」

 

誰?

制服を着た美少女が…

 

なんで?俺、もうゴールし

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「心操少年ー!!!」

 

 

 

気が付くとオールマイトに抱き付かれていた

 

「オール…マイト?」

 

 

「本当にすまなかった!!!

 死ぬだけでなく消滅するなんて!!」

 

「あの…オー…ルマ…イ…ト?」

 

 

「いいんだ何も言わなくて!!!

 先生もさすがに反省した!!

 もう辛い修行は終ったんだ!!!

 

 

━━違うんです。オールマイト

マッスルフォームで思い切り抱き締めたら

俺が コボレチャウ

 

 

━━ゴキン━━

 

それは相撲で言う━━鯖折り━━

プロレスでいうところの━━ベアハッグ━━

 

高い身長、怪力を活かした技である

簡単にいえば抱き付くだけの技であるが

何人もの選手を引退に追い込んだ技である

 

 

数十分後、心操の反応がないので

なにかおかしいと感じて解放したオールマイトが見たのは

チアノーゼにより変色しきった心操であった

 

「Nooooo!!!

 

 

ーーーーグラントリノ事務所にてーーーーーーーーーー

 

 

「エリちゃん、もうすぐお兄ちゃんが還ってくるからね」

 

「うん!(@^A^@)じぃじもちゃんとごめんなさいしてね」

 

「・・・じぃじもさすがにやりすぎたと思っとる…」

 

「大丈夫だよ(@・A・@)ノシ

 お兄ちゃん、すごく壊れ難いし…気持ち悪いくらいに」

 

「…だよなぁ、やらせた俺が言うのもなんだが

 アレはちょっと引くわな」

 

「…やっぱり、じぃじもそう思う?(@-ω- @)?」

 

「さすがになぁ…アレは、 お!?還って来たか!」

 

「じぃじ、クラッカーとってクラッカー(@・∀・@)つ」

 

パーン

 

「「お帰りなさい!!心操君!!」」

 

 

「ふざけているのかな?グラントリノ」

 

 

舞う紙吹雪と紙テープを受けたのは

修羅の形相をしたオール・フォ・ーワンだった

 

「貴様は!?くっ俊典を、オールマイトをどうした!?」

 

「彼は帰ってこないよ」

 

 

━━━その頃、オールマイト

 

「ねぇ、なにあのガイコツみたいな人…」

 

「何かのバツゲームかしら?」

 

「“私は人間失格です”なんて…何したんだ?」

 

商店街の真ん中、トゥルーフォームの状態で

[私は人間失格です]と書かれた看板を首から下げた状態で

正座を強要されていた

 

暴行を受けたのかその痩せ細った身体には

いくつもの青アザや生傷がある

 

(くっこの程度の屈辱なんて…)

 

━━━その十数分後、警察官に不審者として職質された

 

 

 

「グラントリノ…覚悟はいいかな?」

 

「ま、まて話し合おう!きっとわかりあえるハズだ!」

 

 

「貴様の罪を数えろ!!!」

 

━━━数分後、グラントリノ事務所前

 

 

「ハハ、いい様だなグラントリノ!!」

 

 

パンツ一張でロープに縛られたグラントリノがいた

[私は少年に手を出したクソジジィです]

という看板まで付けられていた…

 

 

 

※心操君の遺体は黒霧により回収され

 壊理ちゃんによって蘇生されました。

 

 

☆月#日 はれ

 

きょうは、せんせいと、とむらにーちゃんと、

くろぎりさんと、まきあさんと ばーべきゅーをしました

おにくが おいしかったです

ぼくが、みんなのえをかいたら、とてもほめてくれました

でも、ぼくがぼくのえをかくと、

みんなかなしそうになります

みんなはあかくないけど

ぼくだけあかいからかもしれません

かわのむこうにいたおねえちゃんたちのはなしをしたら

せんせいがやさしくなでてくれました

とむらにーちゃんが ひかるひーろーぱじゃまを

ぷれぜんと してくれました ありがとうございます

 

 

 

 

「先生、人使の……」

 

「ドクターに見てもらったが一時的な幼児退行らしい」

 

「…治るんだよな」

 

「おそらくね、でも記憶もあやふやみたいだし

 思い出さないほうがいいような気もするんだ」

 

「…ところで、そこの脳無はなんだ?」

 

「試しに[記憶を読む個性]を入れてみて

 人使君の記憶を読ませたら自害してね」

 

「だろうな」

 

「おや死柄木、ここにいたのですか

 お風呂空きましたよ」ホカホカ

 

「せんせー!!おふろでたー!!」ホカホカ

 

「あコラ、髪がまだびちゃびちゃじゃないですか

 …すいません、乾かしてきます」

 

「弟っていいな…」ボソッ

 

「わかるよ…弔」

 

 



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カンワ×ミネタ×ゴウコン

 

 

夏休みを控えた初回の教室

じめじめとした空気が鬱陶しい

そんな中、雄英一の軍師にて参謀役 峰田は言った

 

「合コンを開こう」

 

大半のクラスメイトが

『ああ、また馬鹿言っとる…』

と無視する中で、すぐに反応したのが1人

 

「もちろん俺もメンバーに入っているよな!?」

 

モテたい男 上鳴 電気である

 

そして阿吽の呼吸で峰田は快く申し出を受けた

「あとは…砂藤こねぇか!?」

 

偶然、近くにいたていで誘っているが

全ては策略である

実は上鳴も既に話を通してありサクラとして

反応しただけに過ぎない

 

「そうだ!尾白も来いよ!!」

 

久しぶりに認識されたことに喜ぶ尾白だが

全て峰田の策略である

 

なぜこのラインナップなのか…?

女子受けを狙うならば轟を誘うべきだろう

だがこの峰田は賢く、自己分析ができていた

 

自分がモテないことを自覚し

良くてマスコットの位置であることを自覚していた

そんな自分の隣に轟が居たらどうなるか?

引き立て役どころか文字通り

『添え物のブドウ』になってしまう

 

故に顔面偏差値を下げつつも

会話スキルの高い砂藤をチョイス

さらに人数を稼ぎつつ

認識されない尾白をチョイスしたのだ

 

「いやワリィけど俺はパスで…」

単に興味がなかったのか

あるいは隠された悪意に気付いたのか砂藤は断った

 

「お、俺はその日は暇だし行ってもいいかな~って」

自慢の尻尾を弄りながらいそいそと来る尾白

だが尾白よ、まだいつやるかなんて言ってないぞ

 

「待ちたまえ!峰田君!

 ヒーロー目指す我々がそんな如何わしいことを

 してはいけない!!」

ここでアクシデントが…

いや、これすら予定調和だった

 

「いやいやいや委員長様…コレは違うんでゲス

 あくまで交友を広める為の集まり…

 疑うならば監督生として委員長様も参加しては

 どうゲスか?」

 

「なにー監督生だとー

 それじゃあしかないなぁー

 ハハハ、委員長だからなー」

 

覇道(モテモテライフ)を進みたい男

飯田 天哉━━━彼は最初に峰田に言いくるめられていた

前もって用意した台詞を言って

()()()()()()()()()()()()()()()()()を演じた

 

しかし砂藤が断ったことにより1人欠員がでてしまった

峰田の灰色の脳細胞が回転を始める…

 

青山…ナルシストすぎて引かれるアウト

切島…期待を込めた目でこちらを見ている保留

口田…トークが壊滅的アウト

障子…関わるなオーラを出してるアウト

瀬呂…三枚目はもういらないアウト

常闇…ソワソワしてるが厨二アウト

轟…イケメン死すべし慈悲は無いアウト

爆豪…容姿はともかく性格が呼べないアウト

緑谷…呼んだら合コンどころか人生が終るかもアウト

心操…メンタルケアのほうが先アウト

 

……一択か

 

「なぁ切「しゃあねぇな!俺が行ってやんよ!!」

さすが高校デビューマンは行動力があった

 

 

━━合コン当日、駅前にて

 

ーーーー切島sideーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

やっべー…緊張してきた

俺のカッコ大丈夫だよな?

 

待ち合わせ此処であってるよな?

さすが1時間前からスタンバるってのは

どうなのよ?

あと、30分もあっぞ…

 

「おーす、早えぇな切島!」

 

上鳴!!

私服やっぱチャラい!!

 

いやむしろこれくらい軽い方が

女子受けがいいのか!?

 

ーーーー上鳴sideーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あー1番乗りだと思ったけんど

切島、もう来てたわ

 

…しかし、プププ

鋭児郎ちゃん、気合い入りすぎっしょ

 

「鋭ちゃんや、ストールにタグ付いてっぞ」

 

「え!?マジだ!?サンキューな上鳴!」

 

峰田もよーやるよな

俺がチャラい系、切島が硬派系、飯田が真面目系…

んで自分はマスコット系でタイプ分けして

確実性をあげた布陣…

同志ながら恐ろしいぜ…

 

「よぉ!!待たせたな!!」

 

噂をすれば…って奴か

参謀殿はどんなファッションをおお!?

 

そこにいたのは…

ホルスタイン柄の全身タイツを着た峰田だった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ブフォwwww峰田、なんつー格好してんだ!!」

 

「へへへ、いいだろ愛しのラ○ボさんスタイルだぜ?」

 

「ラン○さんってマジか…」

 

「オイラはねぇ…わかってんスよ

 素のオイラじゃモテねぇって事を…」

 

「確かに似合ってるけどよぉ…必死過ぎんだろ」

 

「が・ま・ん~」

 

「ははははは、ちょ辞めれwww」

 

「さすが峰田!!想像も出来ないことをする!!」

 

「オイラにかかればこんなモンなんスよ…

 で?他のメンバーは?」

 

「いや、まだ来てねーけど…

 あれ?そこのコンビニで立ち読みしてんのって

 尾白じゃ…いや尾白か?」

 

ーーーー尾白sideーーーーーーーーーーーーーーーー

 

正直、俺の私服は面白味もないし、パッとしない

クローゼットから引っ張り出して

並べるも、どう見てもモブキャラのそれだ

 

困った俺は職場体験でお世話になった遠藤さんに

電話をかけて相談することにした

 

仕事中みたいで口調が変わっていたが

相談には乗ってくれた

 

あの人、結婚しているらしいし

写真見せてもらったけど

めっちゃ可愛い人達と写った写真が多かった

確実に場慣れしている

…そんな遠藤さんにコーディネートしてもらえば

きっと間違いはないな!

 

……

………

 

「フッ待たせたな!」キリッ

 

尾白sファッションスタイル

深淵卿(アビスゲート)コーディネート~

 

・ラウンドタイプの黒のサングラス

・黒のレザージャケット

・黒の指ぬきグローブ

・腕に包帯&チェーン(包帯は劣化加工済み)

・髑髏モチーフのシルバーのバックル

・タイト目な黒のパンツ、チェーン付き

・黒のロングノーズタイプの革靴

 

 

「オオ、気合イハイッテルナ」

 

「カッコイイナー尾白クン」

 

「サスガダナー、オレニハデキナイヤ」

 

さすが遠藤さん!!

俺、注目されてる!!

…といけない、いけない

『いかなるときもCOOLに対応せよ』だったな

 

俺はサングラスをクイッして

軽やかにターンを決めた!!

 

「フッこの埋め合わせはいつかしよう!」

 

おお、上鳴達だけでなく

周りの人全員が注目している気がする!!

遠藤さん…俺、目立ってます!!



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カンワ×ミンナ×ゴウコン

 

 

「あとは飯田だけか…」

 

「いや、あと飯田の知り合いが1人来るってよ」

 

「マジか!誰よ?」

 

「なんでも女に飢えすぎた奴だってよ」

 

「あータイプ被んねぇといいけど」

 

「フッならば、予備のサングラスを貸そうか?」クイッ

 

「いや、大丈夫、ほんと大丈夫だから」

 

「お、俺も間に合ってるかな…ハハハ」

 

 

男4人、駅前にて待つ

なお、本来の待ち合わせまであと30分ある

※合コンは1時間後

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「………ハァ、貴様等は偽物だな…」

 

そこに現れたのは純白のタキシードに

身を包んだステイン……いや赤黒 血染だった

 

「合コンとは言わば聖戦……

 ならば正装にて挑むべきだ……

 貴様等はまるでわかっていない……」

 

まるで敵と相対したような

重苦しい空気が漂う

いや、敵には違いないのだが…

 

その空気の中、発言したのは尾白だった

 

「フッ確かに合コンとは聖戦…

 だが戦いである以上、見栄え(正装)だけではなく

 機能性(カジュアルさ)も取り入れるべきでは

 ないかな!?」クイックイッ

 

2人(痛い奴と痛い奴)の間に電流が走る

止められない(止めたくない)戦いが始まりそうになっていた…

 

 

「すまない!!待たせてしまったか!!」

 

 

痛くない3人にとって福音

救いの神が現れたとすら感じた

さすが委員長、さすが飯田…!!

そう思い声の方を向くと

 

黒のタキシードにシルクハットまで被った

飯田?がいた

 

(((服装コイツもヤベェ)))

 

「フッそのシルクハット…なかなか似合っているぞ」クイッ

 

(((センスヤベェ)))

 

「……ハァ、なるほど、貴様はわかっているな」

 

(((なに?俺達がおかしいの?)))

 

ここで各員のファッションチェックをしよう

 

上鳴 電気

 

 お気に入りのシャツにベスト、カーキ色のパンツ

 カジュアルだがチャラい感じが前面にでてるスタイル

 

切島 鋭児郎

 

 ファッション誌を参考に昨日アベ○ルで買い揃えた

 ストールのタグは切りとった

 

峰田 実

 

 ネタに走りつつも、似合っているコスプレ

 注目を集めつつ、女子受けはしそうである

 モテるかどうかは別である

 

尾白 猿夫

 

 痛々しい、とにかく痛々しい

 服装、言動、行動で…全てが痛い厨二ファッション

 

飯田 天哉

 

 タキシードにシルクハット…

 いったいどこで買ったのか…

 

赤黒 血染

 

 純白のタキシード…よく見ると若干くたびれている

 恐らく合コンの度に着ているのだろう

 

 

…終わった

 

かの軍師たる峰田ですら

ここから起死回生の一手を打つことは不可能だった

 

…が峰田はまだ知らない

心操がデクさんシリーズとの修行で知ったように

絶望に際限などないのだと…

 

 

ーーーー合コン予定の飲食店にてーーーーーーーー

 

『ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!』

(三人ver)

 

「ハハハ!!マジウケる!」

 

「ちょっと福門!笑いごとじゃないわよ!!

 あちき達の進退が賭かってるんだから!!」

 

「アンタ達…元気ねぇ

 私も本気だそうかしらん?」

 

「ちょ、引石!?」

 

「あらイヤだ、マグ姉って読んで♥️

 もう、幼慣染のあの子も誘えばよかったわ」

 

「ねこねこねこ、相手は十代男子でしょ?

 刺激が強すぎるんじゃない?」

 

「wwwwwwww」

 

「笑いすぎよ…

 それに早く着いたからって飲み過ぎじゃない?」

 

「緊張ほぐしてるんだって!それで相手の子の

 情報とかはないの!?」

 

「あ、気になるー」

 

「私も気になるわね」

 

「ネットで知り合ったんだけど…

 グレープボーイさんってハンネで低身長系男子だって」

 

「かわいい子だといいわね」

 

「フフ…今のうちにツバつけて…」

 

 

 



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シンソウ×ゴウコン

 

またしても夏休みを控えた初夏の教室

じめじめとした空気が鬱陶しい

そんな中、雄英一のボラレリスト心操は言った

 

「合コンを開こう」

 

大半のクラスメイトが

『ああ、ボられ過ぎて遂に頭が…』

と涙ぐむ中で、すぐに反応したのが1人

 

「もちろん俺もメンバーに入っているよな!?」

 

モテたい男 上鳴 電気である

 

そして心操は爽やかな笑顔で

「もちろんさ!クラス全員で逝こう!!」

 

なにかニュアンスが違う気がする

前回の峰田主宰の合コンで凄惨な事故を見た面々も

参加しなかった面々も

猜疑心と僅かな期待を込めた目で心操を見る

 

「な、なぁ心操、合コンって合コンだよな?」

 

率直に言って頭の悪い質問だが

これが上鳴のファインプレーであった

 

「ああ、そうだな合コン……

 合同コンバット・シミュレーションだな」

 

幻聴だろうがやけにザーっと血の気の引く音が聴こえる

 

コンバット・シミュレーション?

模擬戦?

心操が?

 

クラス全体にあの映像がフラッシュバックする

 

 

「誰か……だず、げで…」

ボッ

「ぼお、じにだぐない」

ボッ

「して…殺…して…」

ボッ

「俺が俺がこぼれれれれ」

ボチャボチャボチャボチャボチャボチャボチャ

「なぐな?俺、ながみ?無くなりゅ?」

ボッ

「あしあしあしあし…どこ?」

ボッ

「暗い!目が!?見えな!?目ェ熱い!?どこ?みんな助けて!!」

 

アレを?

クラス全員で?

 

例えば━━

辛いことは二人で分ければ半分

楽しいことは二人で倍になる

━━なんて臭い台詞もあるが

 

今から起きようとしているのは

辛いことは20人で20倍…じゃなくて20乗

楽しいこと?修行して強くなれるなら楽しいだろうが?

グラントリノ式の合コン(合同コンバット・シミュレーション)である

 

 

「正気か……?」

 

 

正気を疑うのも無理はない

ただの修行、ただの模擬戦ならばよい

期末試験も近いので合理的である

だが発言したのは心操である

 

━━ボラレリスト━━

 

あの動画を見てからというもの

もはや心操がまともな判断をできるとは

誰も思っていなかった

心操の言う模擬戦

つまりは対デクさんとなるであろうことは

容易に想像ができた

 

確かに強くなれるだろう

職場体験後の心操の実力を知る5人は思った

だがヒーローとして、人として大事なモノを失う

人格を、尊厳を、生命を冒涜するような戦闘…

いや蹂躙が行われる

 

誰が好き好んであんな惨めというのも生ぬるい

言葉では言い表せないような目にあいたいのか…

 

━━結果が全てとは言うが過程も大事である

 

社会人ならわかるであろう

最終的に問題なかったからいいじゃないですか

…なんて戯れ言は通用しないのだ

 

 

「いや、実はさ…期末試験も近いし

 クラス全体の実力の把握と底上げをしたほうが

 いいんじゃないかって…考えてさ

 サプライズになっちゃったけど

 デクさん達に頼んでいたんだよね

 ほら、俺達って同じクラスの仲間じゃん?

 やっぱり苦楽を共にして結束を高めたり…

 っての憧れてたんだよね」

 

心操の言葉は正しい

学生なら、あるいは社会人となっても

仲間との修行なんてシチュエーションは憧れるもの

週刊少年ジャ○プの読者なら1度は妄想しただろう

 

…が、実際に心操がやったことは

クラス全員の死刑執行のサインをしただけである

 

 

ただし執行者であるデクさんを除いて…



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メンバー×ゴウコン

時間設定をミスりました。ごめんなさい!

裏切り、抜け駆け、何でもアリだ~♪


「誰だ?君は」

 

 

白髪の背の小さな老人が言う

 

 

A組メンバーの行動は迅速なものだった

早い者は姿を見るなり

遅くとも話し掛けられた直後に逃げだした

心操1人を除いて…

 

「やべぇってやべぇって」

 

「アタシまだ死にたくないー!!」

 

「私も思わず逃げてしまいましたが

 もしやアレは心操さんなりのジョークだったのでは?」

 

全力疾走の中、八百万が言う

━━だが本人は走るのを辞めない

 

「いや絶対ちがうって八百万!

 見ろよあの爆豪の顔!!」

 

瀬呂の指差す方には

[爆破]しながら必死に逃げる爆豪がいた

若干、目が涙目になっている

━━デクさんと付き合って十数年…

爆豪は身の危険に敏感であった

そして、どう足掻いても逃れられないと察し

肉体は自然と涙を流していた

 

━━瀬呂、爆豪、芦戸、八百万、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「父さーーーーん!!」

 

「轟!?」

 

「いけない!轟君の発作だ!!

 砂藤君、手を貸してくれ!!」

 

「お、おう!?」

 

錯乱する轟

対応するため応援を求めた飯田

それに応えた砂藤

 

━━が、足を止めた砂藤を襲ったのは

飯田の蹴りと轟の凍結だった

 

「な!?」

 

「グハハ、すまんなぁ砂藤君

 僕達が逃げきるまで囮になってくれたまえ」

 

「…悪ィ、成仏しろよ」

 

「ふざけるな!飯田ァ!!轟ィ!!」

 

━━砂藤、参加確定

 

━━飯田、轟、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「そうだ!峰田の[もぎもぎ]なら

 時間稼ぎくらいには…へぶっ!」

 

上鳴が提案をしようと峰田に近付いた瞬間、

[もぎもぎ]によって拘束されていた

 

「うるさいスねぇ…わかってんスよ、

 そんなことしたらオイラがボられることくらい…」

 

「峰田、お前…上鳴は仲間じゃねぇか!!」

 

「だからなんスか?

 それに仲間ならオイラを助けてくれるんスよ」

 

「それが漢のやることか ふがっ!!」

 

そしてそれを咎めた切島も同じ運命を辿った

「せいぜい漢らしく散ってくだせぇ…

 ひょひょひょひょひょ」

 

「「お前が死ねや!クソブドウ!!」」

 

━━上鳴、切島、参加確定

 

━━峰田、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「黒影!!」

 

「イヤダ!!」

 

「「・・・・・・」」

 

「常闇、さすがに黒影も嫌がるだろうアレは…」

 

「・・・無念」

 

「フフフ、お困りのようだね☆

 ここは僕に…」

 

「任せた、黒影!」

 

「アイヨ!」

 

しゃしゃり出てきた青山は木に縛り付けられた

 

「…えげつねぇな」

 

━━青山、参加確定

 

━━障子、常闇、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ねぇ、梅雨ちゃん」

 

「なぁに麗日ちゃん」

 

「私ね皆と会えてほんまによかった」

 

「ケロケロ♪私もよ麗日ちゃん」

 

「いや!諦めないでよ!

 せめて私もいれて!?」

 

━━蛙吹、麗日、葉隠、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

…どうする、どうすればいいんだ俺!!

…遠藤さん、あなたならこんな時に…

 

尾白は葛藤していた

 

おそらくサングラス(存在感)を捨てれば

デクさんに認識されずボられないだろう

だがようやく手に入れた注目

誰からも認識され街を歩けば人が二度見する存在感

それを捨てることは16歳の少年には出来なかった

 

 

「フッ 我が体術の秘奥を見せてやろう・・・

 疾風迅雷のマーシー推して参る!!」クイッ&ターン&dash

 

「━━━━━━━え?」

 

「・・・うわぁ」

 

━━尾白、逆走開始

 

━━口田、耳郎、逃走中

 

 

 



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ショウネンバ×ゴウコン

 

 

ーーーーグラントリノsideー━ーーーーーーーー

 

 

この間は酷ぇ目にあったぜ…

まさか、敵に…

それもAFOに説教される日がくるたぁな

 

しかもあんな格好で放置しやがって

あれからご近所さんの目が冷てぇんだ……

 

 

しかし心操の坊主から呼び出されるたぁ

思わなかったぜ

てっきりAFOの罠でいったら今度は

全裸土下座でもさせられるかと思ってたんだが…

クラスメイトに修行つけてほしいとはな

 

ニコニコ笑っていたが目がマジだった

 

『みんなで一緒に逝こう!!』

 

━━無理心中…いや考えちゃいけねぇ

 

「坊主…そろそろ捕まえに行っても

 いいんじゃねぇか?」

 

「何を言ってるんですかグラントリノ?

 あなたも逃げる側ですよ?」

 

━━は?俺が、逃げる側?

 

 

ボッ

 

 

━━━━グラントリノ、確保(重症)

 

「さぁ、いこうかデクさんシリーズ」

 

「みんなが待ってる」

 

 

━━━━青山、上鳴、切島、砂藤、確保(無傷)

 

━━━━尾白、確保(重症)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「おやめくださいませっ!!」

 

「恨むならそのメロンを恨みなぁ」

 

「…うぅ、耳郎さんどうして…」

 

「…女って怖えぇ」

 

「━━━━━━」コクコク

 

「アンタ達も巨乳派か・・・」

 

「いやいやいやいやいや」

 

「━━━━━━━」ブンブンブン

 

「心音が変わった・・・嘘だね?」

 

「ま、待てって…」

 

「鎮まれ!鎮まりたまえ!!さぞかし名のあ…」

 

━━ドォン━━ドォン━━

 

━━━━口田、瀬呂、八百万、参加確定

 

━━━━耳郎、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ~もうっ!!せっかく合流できたのに、

 またバラバラじゃん!!」

 

「うるせー黒目!黙って走れや!!」

 

「芦戸だってば!!」

 

━━━爆豪、芦戸、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「いいぞいいぞ…逃げ惑え!!」

 

 

━━━━ 口田、瀬呂、八百万、確保

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「くそっ卑怯だぞお前ら!!」

 

「イケメン死すべき慈悲はない」

 

「我が覇道の礎となるがよい」

 

━━━━轟、参加確定

 

━━━飯田、峰田、逃走中

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「見て梅雨ちゃん、あの雲、犬みたい」

 

「そっくりだわ」

 

「花冠できたよー!」

 

 

━━━━蛙吹、麗日、葉隠、投了、参加確定

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(この状況は…)ハッ

 

「ここは俺に任せて先に行け!!」バッ

 

「常闇!?今はそれどころじゃ、」

 

「マズイヨ、フミカゲ…モウ、キテル」

 

━━━障子、常闇、確保(軽傷)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うんうん、いい流れだ」

 

満足そうに頷く心操

なお、彼が腰掛けているのはグラントリノである

━━さてと、

 

「今から、皆さんには人質になってもらいます」

 

 



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オウセノバ×ゴウコン

 

逃走中

    飯田、爆豪、峰田、芦戸、耳郎

 

 

クラスメイト同士での共闘、裏切り、抜け駆け…

残った5人は合流したものの疑心暗鬼の真っ只中であった

 

「…ねぇ」

 

「ああ」

 

「わかってるぜ」

 

「仕方ないわよね」

 

 

空気が質量を伴い襲う

 

「テメェら!!」

 

飯田の[エンジン]の加速が乗った蹴りが━━

峰田の殺意がこもった[もぎもぎ]が━━

耳郎の一撃必殺の[イヤホン]が━━

芦戸の逃げ場を奪う[酸]が━━

爆豪に向かっていった

 

「ふざけんじゃねぇ!どういうつもりだ!!」

 

激昂する爆豪、だが4人の返しは冷やかだった

 

 

「ぐへへ、悪いとは思わんよ」

 

「ひょひょひょ、人望のなさが仇となったなぁ」

 

━━それにしてもこの2人ノリノリである(飯田、峰田)

 

「ごめんね!バクゴー、私の為に死んで?」

 

━━軽いノリでクラスメイトを死に誘う芦戸

 

「貴様も、巨乳派かぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

 

━━なんか1人違う

 

 

事の発端は一件のメール……

元凶たる心操からのメールだった

 

 

ーーーー心操、人質sideーーーーーーーーーーーーーーー

 

「送信完了っと♪」

 

クラスメイトの大半を人質にした男、心操

彼はスマホ片手に上機嫌だった

 

「人使!!なんでこんなことを!?」

 

心操の親友たる上鳴が叫ぶ

その答は…?

 

「なんで?だってキミら、あの動画観たよね?

 俺が苦しんでいたのに職場体験楽しんでいたよね?

 俺達って仲間だろ?友達だろ?

 だったら苦しみも分かち合わなきゃ…ね?

 それとも、友達だと思っていたのは俺だけだった?

 ねぇ?教えてよ…電気くん?」

 

「それは…ッ」

 

親友の変貌(ヤンデレ化)に言葉を失う上鳴

 

「まぁ、いいや…さっき、生存者に送ったメールさ、

 今から5分おきに脱落者を出さないと人質をボるって

 送ったんだ♪あと、最後の生存者は帰っていいって」

 

それはコロシアイの開始宣告

残ったメンバーを考えれば話し合いや妥協はないだろう

 

「そんなこと!このクラスのメンバーは!

 誰一人として裏切ったりなどしません!!!

 きっと、全員がこちらに向かっています!!」

 

涙目で叫ぶ八百万

だが、他のメンバーは察していた

アイツらじゃ無理だと(主に飯田、爆豪、峰田、耳郎)

 

 

 

ーーーー生存者sideーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「もう、辞めようよ!!こんなこと!!」

 

芦戸が涙ながらに叫ぶ

少女の言葉は争いを止めた

 

「バクゴー、大丈夫?こんなに汚れて…」

 

パタパタと爆豪の制服の汚れをはたく芦戸

その姿は慈愛に満ちていた

 

誰とは言わないが

我欲の化身やら、煩悩の化身やら、嫉妬の化身すらも

おとなしくしていた…

 

「…オウ、問題ねぇ」

 

「よかった…無事で…」ダキッ

 

「んなッ!?」

 

爆豪を抱き締める芦戸

戸惑い、驚きながらも抱き締め返す爆豪

 

 

本人達ですら気付いていなかった恋心が、今……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

恋心?、ラブエンド?ハッピーエンド?

 

 

   ヘドがでるぜ

 

だってコレを書いてるのって“あの”作者だぜ?

 

 

 

爆豪が抱き締め返した瞬間、

芦戸の足が加速する

 

━━それは一撃必殺にして慈悲なき攻撃

 

━━それは内臓への直接攻撃

 

━━それは反則技にしてスポーツにおける禁忌

 

俗に金的とも言う

 

 

白目を剥いて倒れた爆豪

意識は…暫く戻らないだろう

 

 

━━爆豪、参加決定(心的、肉体的にも重症)

 

 

 

 



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シュラバ×ゴウコン

 

気絶した爆豪がデクさんによって運ばれきたとき

人質メンバー達はボられなくなったことより

クラスで裏切り者が出たことを嘆いていた…

 

 

「アッハッハ、そうだよねぇ

 誰だって、自分が可愛いよねぇ

 仲間なんていってもこんなもんさ!!」

 

狂ったように笑う心操

何も言い返せない人質メンバー

・・・が、1人立ち上がった

 

「心操ちゃん、もうやめて、あなたの方が辛そうよ」

 

以外、それは蛙吹だった

心操を優しく抱き締める

すわ、ベアバッグか!?金的か!?と硬直した心操

だが、ただ抱き締めただけだった

 

心操とて抱き締められたことはある

大体がデクさんの抱き締めで

背骨を折られたり、内臓が飛び出たり、

胴体が千切れたりした

 

あとは、敵連合のメンバーにも

抱き締められたこともあるが

同情からきたもので全員男だった

つまり、女子にはじめて抱き締められたのである

 

「そそそそうだね、梅雨(ちゅゆ)ちゃん…辞めよっか」

 

「けろっ♪」

 

心操は女子に耐性がなかった

顔を真っ赤にする心操

抱き締め返すべきかと手が宙をフラフラと彷徨う

ただの初心な少年がそこにいた

 

「私、思った事は何でも言っちゃうの、心操ちゃん、

 裏切り者には粛清が必要だと思うの」

 

「そうだね、梅雨ちゃん

 ……デクさんシリーズ出━━ピロリン━━ん?」

 

━━芦戸、自首

 

「これで残り3人か、じゃあデクさんシリーズ

 芦戸さんの保護を優先に、残りは殲滅で」

 

━━飯田、峰田、耳郎、死亡(遺体は回収済、蘇生なう)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「巨乳派死すべき死すべきすべきぃやぁぁ」

 

残像の残す程の速度で[イヤホン]を突き出す耳郎

もはやイヤホン百烈拳である

 

「大っぱいも、ちっぱいも皆おっぱいなんだよォォ!!

 大きいおっぱいには包まれたい!!

 小さなおっぱいは包んであげたい!!」

 

[もぎもぎ]を使い敵の足止めと

自分の加速ポイントを造りフィールドを

己の領域にせんとする峰田

 

「何を言っているんだ峰田同志!?

 太ももが大事だろう!?

 そしてモテモテなら何でもいいじゃないか!?」

 

[エンジン]から黒煙を噴かしながら

どこかの[ヒーロー殺し]直伝の立体的な移動をする飯田

 

 

「何コレ…?」

 

陽キャである芦戸をもってしても理解できなかった

我欲、煩悩、嫉妬……人は醜かった

 

その時、芦戸に天啓が━━

 

 コレもしかして、(人質組からしたら)

 私も(この最底辺の)同類だと思われてる!?

 

 

判断の早さはヒーローの必須スキルである

芦戸はスマホを取り出し自首メールを送った

奇しくもそれは心操が殲滅を宣言する寸前であった

まさに危機一髪、紙一重である



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ヨソウガイ×テスト

 

━━そして、試験当日の朝

 

「ホームルームはじめ・・・すまん、間違えた」

 

 

教室に入った相澤は教室を間違えたのだと思った

一度教室から出てクラスの札を確認して首を傾げる

…どういうことだと

ウチのクラスの生徒はいつから

戦場帰りの兵士の様になったのかと…

面影すら残っていない生徒もいるじゃないか

━━だがすぐに察した

 

1人(心操)、前もって変化があったなと、

1人(デクさん)、元凶がいたなと、

 

つまり、アレだ

全員、被害者になったのだ

一度は自分も通った道なのである

 

相澤、心の中で合掌する

 

━━━筆記試験~略

 

━━続いて実技試験

 

内容が急遽変更され2人1組で教師との模擬戦となった

 

 

心操&爆豪ペア VS オールマイト

 

耳郎&口田ペア VS プレゼント・マイク

 

瀬呂&峰田ペア VS ミッドナイト

 

常闇&蛙吹ペア VS エクトプラズ厶

 

轟&八百万ペア VS イレイザーヘッド

 

上鳴&芦戸ペア VS 根津校長

 

障子&葉隠ペア VS スナイプ

 

砂藤&切島ペア VS セメントス

 

飯田&尾白ペア VS パワーローダー

 

青山&麗日ペア VS 13号

 

緑谷 VS 補習

 

 

※デクさんは1学期の成績が酷かったので

 すでに補習となりました

 決して教員が試験を拒否したなどの理由ではありません

 

 

 

ーーーー心操&爆豪ペアーーーーーーーーーーーーー

 

 

「勝己くん、まずは観ていて欲しいんだ」

 

作戦会議…もし、ペアがどこぞのナードだったら

会話にならなかっただろうが

あの映像を見て、あの合コンを経験した爆豪は

クラスメイトに対して一定の敬意を持つようになり、

特に心操には一瞬の尊敬をしていた

 

だが、『ただ、観ていろ』と言われて

怒らない爆豪ではない

確かに心操は職場体験にてボられまくっただろう

しかし爆豪とてデクさんの幼なじみである

幼少より被害は受けてきている

ゆえに相手がオールマイトだとしても戦うつもりでいた

その瞬間までは

 

 

 

━━轟音

 

建造物が瓦礫へと変わり

その瓦礫が砲弾として大量に降ってくる

 

「HAHAHA!!私は敵!!

 街への被害などクソ喰らえだ!!

 ヒーロー共、脅威(ワタシ)が来たぞ!!」

 

「━━ッチィ」

 

なんとか直撃を避け、姿勢を直す爆豪

心操は━━?

オールマイトに対して無防備に近付いて、話しかけた

 

「オールマイト先生、1つ質問があるのですが…」

 

「・・・」

 

何も応えないオールマイト

それに対して、バツの悪そうな顔をして

 

「ああ、[洗脳]は使ってないので応えても大事にですよ」

 

「先生の所ではソレに何度も泣かされたからね…

 で、なんだい?質問は?」

 

敵役としてではなく、教師として応え

ヒーロー役ではなく、生徒として質問する

 

そんな2人に爆豪は気を削がれたが

心操の質問に、緊張を高めた

 

「今回、オールマイト先生が敵役ですが、

 有象無象の敵ではなく、オールマイト級の敵と

 考えてもいいんですよね?」

 

「んん?どういう意味かな?」

 

「簡単ですよ。オールマイトが敵になったと

 仮定して試験に挑んでいいのかって訊いてます」

 

当たり前の事を訊く

事実、対戦相手がオールマイトなのだ

 

━━が、オールマイトは察した

 

「そうだね、そのつもりでいい!!」

 

「じゃあ、重りも要りませんよね?」

 

「オイオイオイ、なめすぎじゃないかい?

 でもそういうの嫌いじゃないぜ」

 

重りを外していくオールマイト

インカムの向こうから注意されるが

インカムを握り潰す

 

「ウォームアップは必要ですか?」

 

「HAHAHA!!問題ないさ!」

 

 

空気が変わるのを爆豪は感じた

試験の緊迫感から

戦場のソレへと変わっていった

 

━━恐怖が迫る

相手はハンデなし、全力のオールマイト勝てるはずない

自分に『ただ、観ていろ』と言い、

訳のわからない質問をして、

余計なことをした心操の方を見て絶句した

 

皮膚という皮膚がひび割れソコから血が垂れ流れ、

赤黒い電気の様なモノを身体に纏った心操がいた

 

『ワン・フォー・オール250%』

 

 

「ンだよ…ソレ」

 

爆豪の声を無視して、オールマイトへと攻撃

━━轟音、噴き上がる砂塵

 

「俺の新しい[個性]だよ勝己くん」

 

「でも力が強すぎて自壊しちゃうのが難点なんだよね」

 

ヘラヘラと笑う心操

━━だが戦闘は継続し、衝撃波が飛ぶ

 

(自壊する程の力!?そんな力どうやって手に入れた?

いや、使えている以上、方法はわからないが

手に入れたんだ!!

オールマイトと戦えるレベルまで!!)

 

 

突如、咳き込み血を吐き出す心操

 

(血が!?見た目もそうだが内側もそうとうな負担が!?

止めねぇとやべぇ)

 

「駄目だ!!そんな!!もうこれ以上そんな力!!

 一体!!この先!!どれ程の・・・!」

 

大丈夫

痛くないよ

強がりじゃない

少しだけ嬉しい

やっと・・・

ヒーローらしい[個性]が使えた・・・

少しだけ 報われた

 

「人使……!!」

 

 

「うんうん、それで?」

 

いつの間にか爆豪の側にいるオールマイト

だがオールマイトも消耗したのだろう

コスチュームは所々破れ、

痣を造り、生傷が大量にある

 

動揺するとこなく左ストレートを繰り出す心操

それを軽く受け流すオールマイト

 

「HAHAHA!!どうした?

 こんなへなちょこパンチじゃ私は倒せんぞ?」

 

「そりゃア…腰が入ってなかったからな!!!」

 

 

━━心操の右腕に紅い光が集まっていく

「右腕はやるよ…オールマイトも

 もう、おやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本日未明、国立雄英高等学校にて

期末試験の実技中に事故があり

教員一名、生徒二名が重症となりました。

三名は事故当時、心肺停止状態でしたが、

回復系の[個性]を持つ人物を学校側が用意していた為

その場で回復しました。

また、雄英高校の近辺の建物の窓ガラスが

衝撃で割れる等の被害がでており

こちらは怪我人は確認出来ておりません。

この件に対して雄英高校は

『強力な[個性]に対する見通しが甘かった。

 近隣住民の方に御迷惑を御掛けして申し訳ない。

 重症となった三名(教員一名、生徒二名)にも

 学校側から充分な保証と今後のケアをする』

…とのことです。

いやぁ、強い[個性]って使い方によっては

怖いですね。では続いては明日の天気です。

 



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キカクガイ×テスト

 

 

ーーーー口田&耳郎ペア VS プレゼント・マイクーー

 

 

プレゼント・マイクは困惑していた

 

期末試験の実技、

職員会議にて対人戦へと決まり

『相性の悪い敵との遭遇』を前提として

プレゼント・マイクの相手は口田、耳郎のハズだった

 

プレゼント・マイクの[個性]は[ヴォイス]

耳郎の[イヤホン]と違い接触せずとも攻撃が可能

更に口田の[生き物ボイス]に対しても

プレゼント・マイクが[個性]を使用すれば

近辺の生き物は逃げるうえ、口田の[個性]を

掻き消すことが可能なのだ

いわば生徒2人にとって完全上位交換、天敵であった

 

鼻歌交じりに会場入りしたプレゼント・マイクであったが

前記したように困惑した

口田 甲司、耳郎 響香のハズだ

当然、2人とも知っている顔だ

何度も授業で会っている

少し気弱な優しい男子生徒と、

少しシャイでロックな女子生徒だ

 

 

…だったのだが、

目の前にいる黒髪ボブカットの少女はわかる

纏う雰囲気は変わっているが、まだいい

問題なのは少女の隣である

 

「hey!耳郎ガール!……その、なんだ、あのよ」

 

「どうかしました?先生」

 

「あ~ホレ、その隣にいる…黒グラビ●ス的なのって」

 

「口田くんです」

 

━━口田(こうだ) 甲司(こうじ) 身長186㎝(公式より)

 

どうみても身長が公式の数倍はあるし

どうみても身体が黒いし、岩みたいになってるし

しかも、口からオレンジの廃熱ガス吐いてるし

どうみてもグラ●モス亜種ですよね?

最小冠サイズのグ●ビモス亜種さんですよね

2Gでは泣かされましたよ

 

 

「先生、試験始めないんですか?」

 

耳郎の言葉にハッと我に帰ったプレゼント・マイク

 

「ok,ok…はい、スタート!」

 

開始と同時にグラビ…口田が口を開いた

すわ、開幕薙ぎ払いビームかと

緊急回避を試みるプレゼント・マイク

 

…だが、薙ぎ払いビームの方がましだったかもしれない

口から出たのは熱線ではなく、言葉だった

 

跪け(ヒザマズケ)

 

 

 

━━その声を聞いた瞬間、プレゼント・マイクは跪いていた

 

「な!?[生き物ボイス]は人間には!?」

 

そう、人間には使()()()()()()

あの心操主催の合コンに置いてそれは致命的、

見た目が変わるほどボられ続けた結果として

口田の[個性]は覚醒し広義通りの()()()を操る…

いや、支配することが可能となっていた

さらに魔改造された肉体により近接格闘も強化されている

 

 

しかしプレゼント・マイクとてプロヒーロー

意地で無理矢理、身体を動かそうとして気絶した

 

 

「音って目に見えない攻撃で

 聴こえた瞬間には攻撃を受けてるから質が悪いけど

 聴こえない音ならもっと効果的ね」

 

━━気絶の原因は耳郎の[個性]であった

可聴域外の音、いわゆる超音波による不可視の攻撃

見えないので確認できず、

聴こえないので攻撃を理解できず、

被弾すれば脳を揺らされ意識を飛ばす…

しかも、文字通り音速で飛んでくるのだ

最凶の攻撃であった

 

 

 

口田&耳郎ペア、条件達成



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モンダイガイ×テスト

 

 

 

ーーーー瀬呂&峰田ペア VS ミッドナイトーーー

 

 

 

    「こいやぁぁぁ!!」

 

ミッドナイトは困惑していた

 

自身の母校である雄英高校に教員として勤めて数年

こうしてテストや授業で生徒と模擬戦をするのも

初めてではない

 

[個性]を生かして行動する者がいた

[個性]に合わなくとも性格で行動する者もいた

 

だが、コレはなんだろう

[個性]を考えても性格を考えても

どう考えても正面から来るようなタイプではない

コレが戦闘向けの[個性]だったり

正々堂々とした性格だったらわかるのだが

ミッドナイトと相対しているのは峰田だった

 

━━峰田 実 [個性]、[もぎもぎ]

  性格は煩悩にまみれており臆病である

 

 

開始の宣言と共に相方である瀬呂は[テープ]を使い、

高速かつ、立体的な移動で離れていった

 

ミッドナイトの[個性]である[眠り香]

見えないうえに音も出ず、

耐性なり催眠成分を吹き飛ばす方法がなければ即、詰み

無呼吸の状態で速攻を仕掛けるという手もあるが

ミッドナイトもプロヒーロー、近接戦の心得はある

 

合理的に考えれば瀬呂のように一旦、場を離れてから

奇襲するなり、ゴールを目指すべきだろう

2人の[個性]を知っているミッドナイトは

対策に対する対策として、どちらかを倒すまでは

ゴール前から動かないつもりでいた

 

時間制限があるテストだ

ゴール前さえ守れば必ず来る

その時にどのような対応をしてくるかで

テストしようと思っていたのだが……

開始時から正面に堂々と峰田がいた

 

このケースは考えていなかった

 

何か策があるのか?

だとしたらそれは何か?

考えがまとまらないうちに峰田が攻撃を仕掛けた

 

飛んでくる複数の[もぎもぎ]

当たってもダメージはないが接着性が強く

何かとくっついたら動くのは厳しいだろう

鞭も装備しているが叩き落とすことは出来ない

[もぎもぎ]が鞭に着いたら使えなくなるからだ

 

ゆえに、回避一択

幸いにも[もぎもぎ]はそこまで速度がない

簡単に回避ができる

回避しつつ[眠り香]を発動して

少しずつ距離を詰める

[眠り香]が届けば勝ちである

 

 

━━相対して数分

 

峰田は眠ってなどいなかった

[眠り香]の特性からしてありえないことだった

だがミッドナイトは困惑よりも…

 

 

「うひょひょ、訳がわからないって顔スね」

 

 

この峰田のドヤ顔に腹が立っていた

 

 

「わかんないスかねぇ…、こんなことも」

 

 

このブドウ、潰してジュースにしようかしら

なんて考えてはいない聖職者でヒーローだからだ

額に青筋を浮かべながらミッドナイトは聞いた

 

「そうねぇ、教えてくれるかしら?」

 

まぁ、煽る為か時間稼ぎだろうと思いながら

答を待つミッドナイト

 

「ひょひょひょ、ミッドナイト…

 貴女は自身の[個性]をまるで理解していないんスよ」

 

 

やっぱり潰す、潰してミキサーに掛けたる

教師、それもプロヒーローに生徒が言う台詞ではない

ブチ切れそうになったミッドナイトだったが、

煽って怒らせ、視野を狭くさせる作戦だと察して堪えた

 

だが、峰田の次の一言で全てを察することになる

 

 

「ミッドナイトの[眠り香]…

 つまり、ミッドナイトの…女の子の香り!!

 そんなモン嗅いだら眠るどころか

 オイラのリトルミネタが起きちゃうんスよォ!!

 

 

そう、単に欲望に忠実で、煩悩の塊だった

悟ったミッドナイトの心から怒りは無くなり

代わりに『うわぁ』という思いでいっぱいになった

 

何事にも許容量がある

ミッドナイトからすれば今の峰田はアウトである

…峰田にも許容量があった

突然、倒れて寝息をたてる

 

ミッドナイトは思う

ある意味、敵以上に厄介だったと

そして、自己の能力を過信した峰田は不合格に、

あとは何処かに隠れている瀬呂を見つけるだけ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━果たして、

  欲望に忠実で煩悩の塊であり

  性欲の怪物、エロスの守護神である峰田が、

  眠った程度で止まるだろうか?

 

 

 

風切り音に対して反射的に鞭を振るうミッドナイト

だが鞭が当たったのは[もぎもぎ]だった

これで鞭はもう使えない

 

「ふへへへ、ふへ」

 

ユラユラと幽鬼の如く立ち上がる峰田

その意識は既に無かった

 

雄英一の策士 峰田の策は常に多重化してある

 

第1の策、自分が囮となり瀬呂をフリーにする

     これにより奇襲や直接ゴールを狙える

第2の策、自分の耐性を利用した直接戦闘

     瀬呂の姿が見えない為、そちらにも

     ミッドナイトは注意せねばならず勝機がある

第3の策、予想以上に戦闘が長引いた場合に

     敢えて[眠り香]を受けて眠る

 

━━人は、身体能力の極一部しか利用できていない

  理性がストッパーの役割をしているからだ

  峰田は睡眠により理性を捨てた

  そして、身体能力を数段上げたのだ

  今の峰田は本能でしか動かないが

  峰田の本能こそ煩悩である

  近くに女性(ミッドナイト)がいる

  襲い掛かるのに時間はいらなかった

 

 

 

━━ミッドナイト、敗北

全身[もぎもぎ]まみれになるも無傷

動けなくなった所を峰田に襲われそうになったが

皮肉にも[もぎもぎ]の反発により峰田は近付けず

そうこうしているうちに瀬呂がゴールして試験終了

 

後日、

ブドウを1粒1粒ハンマーで潰すミッドナイトが目撃された

 

 

━━瀬呂&峰田ペア、条件達成

 



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イガイ×テスト

 

 

ーーーー常闇&蛙吹ペア VS エクトプラズムーーー

 

 

「強制収容ジャイアントバイツ」

 

 

巨大な分身体が生徒を丸飲みにする

 

「不味イナ…ゲテモノハ、美味ト相場ガ

 決マッテルモンナンダガ…」

 

 

エクトプラズムは少し拍子抜けしていた

常闇、蛙吹の両生徒はバランスもよく

応用もできる[個性]と才能があった

ソレにしては呆気なさすぎた…

まぁ、一年生にしては…と品評をしようとしたところで

分身が破壊された

 

「バカナ…ナニヲシタ!?」

 

 

「バトラコトキシンよ、エクトプラズム先生」

 

崩壊していく分身の中から出てきた蛙吹は語る

 

「私の[個性]はカエルっぽいことなら大体できるの」

 

「ダガ、カエルニハ ソンナ毒ナド…」

 

「モウドクフキヤガエルって知っているかしら」

 

 

━━モウドクフキヤガエル

 

  両生綱無尾目ヤドクガエル科フキヤガエル属

  コロンビア固有種 体長5、6㎝になる

  漢字で書くと“猛毒吹矢蛙”

  文字通り“猛毒”バトラコトキシンを保有する

  致死量は約0.1㎎、青酸カリの約2000倍である

 

 

「マサカ…ソノヨウナ毒ヲ…フフフ、ハハハ、

 フハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

突如、笑い始めるエクトプラズム

何かが可笑しくて笑っているのではない

むしろ様子がおかしい

 

毒を持つカエルは一種類ではない

そしてカエルの持つ毒も一種類ではない

 

━━5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)

 

  種、個体差もあるがヒキガエルが持つ“毒”である

  幻覚薬として儀式などにも使用されていた

  この“毒”は5割以上の確率で人を幸せな気分にさせる

  そう脳に働きかけるのだ

  そして効果期間は1ヶ月にもおよぶ

 

 

「さ、行きましょうか常闇ちゃん」

 

「俺…何もしてない」

 

「ドンマイ、フミカゲ」

 

 

━━エクトプラズム、幸せな世界へ

 

 

━━常闇&蛙吹ペア、条件達成

 

 

 

 

ーーーー轟&八百万ペア VS イレイザーヘッドーーー

 

 

轟は捕縛布によって縛られ、吊るされていた

そしてイレイザーヘッドはそんな轟へと語る

 

「免許さえ取れれば誰でもヒーローにはなれる…」

 

そう心底不快そうに語る

 

「我々は共に“ヒーロー”という職業に分類される

 事になるな…」

 

轟が睨み付けるがにべもしゃりしゃりもない

 

「俺と(オマエ)がだぞ?」

 

もがく轟、だが捕縛布は緩まらず

口元すら猿轡のように捕縛布を噛まされているため

返事をする事すらできない

 

「オマエも八百万も[個性]のなんたるかを

 まるで分かっていないな」

 

動かない轟へ迫るイレイザーヘッド

 

「いい機会だ。教えてやる」

 

両手で印を組み

 

本物の[個性]というものを(CV諏●部順一(両面●儺))

 

 

━━領域展開━━

 

 

━━子子子子子子子子子(ここにねこ ここにこねこ)

子子子子子子子子子子子子子(ねこのこ こねこ ねこ ねこ こねこ)━━

 

 

そして、轟はネコの津波に飲まれていった

 

 

 

「轟さん!!」

 

一歩遅かった、八百万は引き返してきたが

轟は既にネコの中である

 

 

しっかりしろ!!(CV井上麻●奈(アル●ン))ここから出ないと私達皆死ぬぞ!!

 ネコなんかに負けるな!!とにかく早く!!

 このネコの塊から出てくるんだ!!」

 

八百万強み、それは引き出しの多さ!!(CV井上●里奈のキャラ)

 

 

忌々しい忌々しい(CV諏●部順一(響●))

 

 

しかしそれはイレイザーヘッド(CV諏訪部●一)も同じだった

……ゆえに勝つ為には、更なる力が、

イケメン役の多いCV梶●貴(轟 焦凍)の力が必要だった

 

そう、闇の●子(白猫プ●ジェクト)とか日向●宗(刀剣●舞)とか、

リ●ク(ゼ●ダ無双)とか黒●計(GAN●Z)とか●兎(鬼滅●刃)とかである

 

 

 

 

━━━そして、轟は選択した

 

 

 

 

「にゃん!!」(ば●にゃ バ●ナにひそむにゃんこ)

 

 

 

八百万、イレイザーヘッドは膝から崩れ落ちた(萌え死にした)

 

 

 

━━轟、八百万ペア、条件達成



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キソウテンガイ×テスト

 

 

上鳴&芦戸ペア VS 校長(根津)

 

 

根津は知らなかった

というよりも知らされてなかったのだ

1年A組のメンバーが合コンという名の苦行をしてたことを

学校の長である校長という役職に就いてはいるが

生徒のプライベートまでは知りえない

[ハイスペック]とて限度があるのだ

 

根津は知っていた

というよりも直感的なものだろう

DNAに刻まれた野生の本能

その本能が警鐘を鳴らしていた

今までの生徒と同じだと思っていたらマズイと…

 

本来ならば勝ち筋を残しつつ、

生徒を追い込み、どう打開するかを確認する

知能的な戦法を掘とる予定であった

 

だが、根津は本能に従い

確実に“詰む”ように建築物を倒壊させていった

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

━━上鳴 電気は成長していない

 

あの合コンにおいて上鳴 電気は成長していない

ボルト数も、アンペアも、蓄電量すらあがっていなかった

何故なら彼は、逃げ続けたからだ

 

 

「…!! 見つけた!!」

 

「ナイス!上鳴!!」

 

 

だが、考えて欲しい

()()デクさんから逃げ続けることは可能なのか?

上鳴 電気の[個性]は[帯電]

[電気]でも[発電]でもなく[帯電]

”電気を帯びる”[個性]である

 

故に、電気に対して敏感であった

 

━━生体電気

 

デンキナマズ等のソレを意味している言葉ではない

“生物”が生命活動に伴って発する電位である

ソレは人間は勿論のこと、動物、魚類、植物…

はては菌類や単細胞生物ですら持つ

 

上鳴 電気はソレを確認することができた

最大で半径50キロメートル

デクさんクラスの電位であれば見分けがつく

ならば高々半径10キロメートル内の

生物の位置、種類程度すぐにわかった

 

 

 

━━なぜ、2人は落ち着いて索敵ができたのか?

 

原因は芦戸にあった

芦戸 三奈の[個性]は[酸]

[酸]を霧状に散布し、周囲の電子機器を無力化

霧状故にスモークとして目隠しとしての機能もあり、

更に強酸をそこかしこにばら蒔き

酸特有の刺激臭で嗅覚を無効化、

溶解熱によるサーモグラフィー対策もしていた

 

この2人が合コンにて伸ばした

あるいは伸ばさざるをえなかったのが器用さである

 

デクさんを先に見つけ逃げ延びること

デクさんから見つからず逃げ延びること

 

ソレが2人の生存戦略であった

そして、その2人がチームを組むことで

ステルス索敵機となっていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

見えざる敵、しかし此方は見られている

失われたハズの野生の本能が教えてくれる

 

ここにきて、根津もまた成長していた

本能からくる否科学的だが確かな直感と、

[個性]からくる推理と予測

 

人を超えた頭脳と動物の野生が合わさってゆく

 

既にゴールまでのルートは全て塞いだ

と、なると生徒が取れる残る手段は1つ

自分への直接攻撃と捕縛

 

生徒達の居場所は何ヵ所かに絞れているが

いやな予感が止まらない

まるで遥か上空から猛禽類に狙われているような…

 

 

根津の不安はなくなった

 

『上鳴、芦戸ペア 条件達成!!』

 

その放送に耳を疑う

ルートは全て塞いだハズ

ゴールまでのルートにあるカメラには何も映っていない

というかゴールには誰もいないではないか

 

無線で本部に確認を取ろうとした瞬間、

ゴールの真下の地面が崩れた

 

━━ああ、そうか

 

根津の[個性]は[ハイスペック]、

人間を超えた頭脳は全てを悟った

 

道がないなら造る

酸で地面を溶かして進んだのだと

地中にはカメラなど無いし、此方の攻撃も届かない

単純なことだった

 

本来、野生のネズミは穴を掘り、身を潜め生活する

その手段を相手に使われて敗北するとは

なんという皮肉だろうか

 

 

━━━上鳴&芦戸ペア 条件達成

 

 

━━━根津 野生の本能を取り戻し始める

 



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ジンガイ×テスト

 

 

ーーーー障子&葉隠ペア VS スナイプーーーー

 

 

「狙い撃つぜ!!」

 

 

スナイプの放った弾丸が障子へ向かう

 

 

スナイプの[個性]は[ホーミング]

索敵能力と狙撃能力の強化をもつ

 

故に必ず当たる軌道であった

 

━━確かに弾丸は()()()()()()()()()()

 

 

正確には障子の複製腕によって掴み取られていた

そして、上から目線で障子は…

いや、障子の複製腕が語りかける

 

『もっと工夫しろ……

 人間は地球上でもっとも賢い動物のはずだろ』

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

かの合コンにて障子 目蔵は何度も死んだ

コレだけなら合コン参加者なら経験していることだ

 

他の参加者と違った点…

 

━━TDSの治崎の[個性]で蘇生されても

  飛び散った四肢や血はそのまま残る

  本来なら処分されるソレを障子は取り込んだ

  自分の遺体を食したのである

  そして、ソレにより[複製腕]は新たなステージへ…

 

 

 

[複製腕]は自我に目覚めた

障子の意識とは関係なく自動で防御、迎撃可能である

4本ある[複製腕]にはそれぞれ別の人格がある

 

右側の上が『ミギー』

━━とても知的で好奇心が強い性格である

右側の下が『三木』

━━よく笑うし喋る明るい性格である

単純に“右”だから…そう名付けた

同じように“左”も

左側の下が『ヒ・ダリ』

━━仕事しない、おいしい所だけもっていく性格である

そう名付けていったのだが…

何故か左側の上の[複製腕]は自ら『後藤』と名乗りだした

 

スナイプに語りかけたのも『後藤』である

“彼”は凶暴性と知性を兼ね備え

基本的に人間を見下している性格をしていた

 

進化した[複製腕]は攻撃や防御時は鉄以上の強度をもち

それでいて骨がないので柔軟性に富み、

尚且つ瞬間加速は音速を軽く超えていた

 

 

拳銃から放たれる弾丸の速度は凡そ秒速360m程度、

[複製腕]達からすれば“ちょっと速いね、掴めるけど”

程度の速さである

 

つまり銃による攻撃が無効化された時点で

スナイプは詰んでいた

 

━━だが、無慈悲にも追撃がスナイプを襲う

 

葉隠 透

[個性]は、[透明化]だった

 

合コンにて、姿が見えないだけでは

デクさんシリーズの嗅覚によって何度も発見され、

その度にボられ、匂いや気配を消そうとした結果

[個性]が進化し自らの“存在”すら消して攻撃を無力化し

更には意識上からも消しさることで

デクさんシリーズからの索敵から逃げきった

進化した[個性]の新しい名前は

━━[消尽点(ヴァニシング・ポイント)]

 

スナイプの後頭部に無慈悲の鉄拳が突き刺さる

 

 

━━━━障子&葉隠ペア 条件達成

 

 

━━━━スナイプ 頭蓋骨陥没により緊急治療中



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フンガイ×テスト

 

 

ーーーー砂藤&切島ペア VS セメントスーーーーー

 

 

「なにをした……!!」

 

セメントスがわなわなと震える

その理由は“[個性]が使えなくなったから”

 

AFOのように[個性]を奪ったわけでも

イレイザーヘッドのように[個性]を抹消したのではない

[個性]を使用している感覚はある

だが、コンクリートが動かないのだ

 

テスト開始時には普段通り使えた

セメントスがコンクリートを操り、

砂藤、切島を捕縛する

 

そして、砂藤と切島はコンクリートを砕き脱出する

その繰り返しであったのだが…

 

(なぜだ!?2人の[個性]にはこのような効果はない!

 消耗戦に引き込んで有利に持ち込めたハズ!?)

 

この状況を生み出したのは砂藤だった

砂藤は職場体験にて

“ドーピングコンソメスープ”と出逢い

“ものすごい力”を手にいれていた

 

だが、それでも合コンには、

デクさんには通用しなかった

パワー、スピード、テクニック…

そしてなによりも効果時間という制限

 

”必要は発明の母”という言葉がある

砂藤には今以上にパワーもスピードもテクニックも

効果時間も必要だったのだ

何故ならば動けなければボられ、遅ければボられ、

生半可な攻撃ではカウンターでボられ、

避けることも防御することもできずボられるのだ

 

何度も死に、そして何度も生き返った結果、

たった1つのシンプルな答を手に入れた

 

 

ドーピングコンソメスープを摂取する量が少ないから

パワーもスピードも足りないのだ

ドーピングコンソメスープが切れるから

眠気が襲ってくるのだ

ならば、どうするのか?

一般的な注射器ではなく点滴にする?

そんなんじゃあ、とてもじゃないが間に合わない

━━天啓

砂藤は職場体験でお世話になった至郎田の元へ向かった

そして、手に入れたのだ更なる力を

 

 

…砂藤が出した結論

 

「俺自身がドーピングコンソメスープになることだ……」

 

 

至郎田と共にドーピングコンソメスープを改良し

それを摂取…ではなく、全身の血液と入れ替え

正真正銘ドーピングコンソメスープ人間と化していた

 

更に、追いドーピングコンソメスープにより

体内ドーピングコンソメスープの濃度をあげ

細胞間にすらドーピングコンソメスープが染み渡り、

いっそ体内でドーピングコンソメスープが造れるように、

ドーピングコンソメスープがドーピングコンソメスープに

ドーピングコンソメスープして

ドーピングコンソメスープはドーピングコンソメスープで

ドーピングコンソメスープできるように

ドーピングコンソメスープした結果として

更なる力パワーと無尽蔵のタフネスを手に入れたのだ

 

だがいくらパワーがあっても、

コンクリートを砕くことができても、

[個性]を封じることなど出来ない

 

…相手がセメントスでなければ

 

━━セメントスが操るのはコンクリートである

 

コンクリートとは一般的にセメント、砂、砂利で作る

そして、セメントの主成分は珪酸三カルシウム、

珪酸二カルシウム、アルミン酸三カルシウム、

鉄アルミン酸四カルシウムである

 

そこに糖類が混入したらどうなるか?

カルシウムと非解離性のカルシウム

つまり“サッカライド”を生成し、

液中のアルミナの溶解度を高めた結果として、

アルミナシリカゲルをセメント粒子上に生成する

 

簡単に言えばコンクリートが固まらなくなるのだ

 

 

今の砂藤は糖類の塊のような身体である

そんな身体に触れ続ければ

そうなるのは自明の理である

 

そして、[個性]が使えなくなったセメントスの前に

切島が正面から堂々と歩を進めた

 

「せんせぇー、男らしくタイマン張ろうや♥️」

 

「ま、待て待て待て!!今は[個性]が使えな…」

 

「せんせぇー、言い訳は男らしくないッスよぉ♥️」

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ」

 

 

なお関係はないが、合コン中の部屋割りにて

飯田、切島、峰田は同室だったという

 

 

 

━━━砂藤&切島ペア 条件達成

 

 

━━セメントス 全身打撲、骨折多数、内臓破裂、

        身体に落書きられたうえ全裸にされて

        写真を撮られたショックでPTSD発症

 



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ココロノヒガイ×テスト

 

ーーーー飯田&尾白ペア VS パワーローダーーーー

 

 

パワーローダーは憐れんでいた

 

 

「フッ、我こそは新しきハウリアの次期首領

 夢幻泡影のマーシー・O・アビスゲートⅩⅢ世!!

 いざ、推して参る!!!」クイッ&ターン&ビシッ

 

 

━━ああ、なんて痛々しい

かつての、若かりし日の自分を見ているようだ

 

思えば、笑い方や口調、髪色、ヒーローコスチューム…

なんで、こんなんにしてしまったのだろう

当時はそれがカッコいいと思っただろうな…

いや、重機は今でもカッコいいと思うが、

もうちょっとこう…なんかあるだろう

今更キャラ変も厳しいし、

したらしたで同僚やら生徒からの目線が痛い気がする

もう、変人扱いされているから変わらないか?

でもなぁ俺、今年で40よ?

40歳で上半身半裸で茶髪、笑い方が『くけけ』って…

はぁ、もう血糖値やら血圧やらが気になるお年頃なのに

あー、早く結婚してぇー

嫁さん迎えて、家建てて、子育てして…

その前に誰か彼女くれよぉー

あ、やべ尾白…マーシーがこっち見てソワソワしてる

はぁ、この世界の先達として立ちはだかるとしますか

 

 

 

「くけけけっ!!よくぞ此処まで来たなマーシーよ!!

 だが、貴様の躍進もここまでだ!!

 我が腕の中で眠るがよい!!」シュタッ&ターン&ビシッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

だが、このような状態において

あの“真面目な性格”の“彼”は黙っているだろうか?

いや、いるハズがなかった

 

 

「ぐふふふ、悪の帝王は2人も入らぬ・・・

 老害にはここでリタイアしていただくとしよう

 響け爆音 鮮血駆動(ブラッドオレンジ エンジン)!!!」

 

 

そう、飯田もノってきたのである

男の美学(廚二病)にツッコミは不要…

何故なら他に必要なモノが沢山あるからである

 

登場と同時に後ろで起きる謎の爆発も、

やたらとコマを埋めるゴゴゴとかの文字も、

技を放ったあとの説明も、

やたらと『・・・』や『!?』を使う表現も必要なのだ

 

…意味?

浪漫に意味を求めたらおしまいだろう

男とは浪漫を求める生き物なのだ

かの『○NE PIECE』の『ル○ィ』だって

 

『海賊王に俺はなる!!』ドン!!

だからカッコいいのだ

…もし、

『いい大学出て一流商社マンに俺はなる!!』ドン!!

だったらどうか?

連載打ち切りどころか読み切りにすら

上げてもらえないだろう

 

バカでいいのだ

浪漫を求めるバカだからこそ人生は楽しく

何処かに浪漫を隠しているから世界は美しい

 

 

 

……端からみりゃイタイだけだがな!!ハッ

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

……結果として原作通りに飯田&尾白ペアは条件達成した

だが、中学二年生、もしくは廚二病の患者が見れば

喜びそうな台詞が飛び交うも、

内容としては面白味の無い模擬戦であった

 

だってさ、いちいちポーズとるは

説明シーン挟むはで全然すすまねぇんだもん

 

 

━━━飯田&尾白マーシー 条件達成

 

 

━━━パワーローダー 終始録画されていたことに気付き

           精神に大きな傷を負う

           飯田、マーシーとLINE交換した



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ナイスガイ×テスト

 

ーーーー青山&麗日ペア VS 13号ーーーーーーー

 

 

13号は被災地などで活躍するヒーローである

戦闘よりも救助の方が得意ではあるが

ヒーローを名乗る以上、

一定の戦闘能力と冷静な判断力が求められる

そして彼女はその水準を満たしていた

いたのだが……

 

「ブラァァァァァァァァァァ」

 

すでに彼女の(腹筋)は崩壊しそうになっていた

 

 

 

対戦相手である生徒達

青山 優雅と麗日 お茶子と相対した時はまだよかった

2人とも気合いに満ち、瞳は希望を写し、

必ず条件を達成してみせるという気概が感じられた

 

開幕と同時に麗日が青山の肩に触れる

麗日の[個性]は[無重力]である

そして、青山が浮いてゆく

 

なるほど、バフを掛けるような[個性]ではないが

コレはコレで空中での移動が可能となる

色々と作戦を考えたのだと分かる行動だった

 

なので麗日の次の行動は予想外だった

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁ!!!」

 

 

なんと石を両手に持ち、投げつけ始めたのだ、青山に

 

 

━━問)無重力状態で外から力を加えられ

    ソレが身体の端に当たった場合、

    どのような現象が起こると予測されるか?

 

━━答)当たった物の速度が身体に移り、

    当たった箇所が身体の端で

    尚且つ、当たった物が高速ならば

    対象は高速回転をする

 

青山は回っていた、廻っていた

縦に、横に、高速でスピンを始めたのだ

 

 

荘厳回転!!(グロリアスレヴォリューション!!)

    3・6・0!!」(スリー・シックス・オー!!)

 

 

青山の回転は止まらない

むしろ麗日の投石により加速していく

 

 

「加速!!加速!!加速!!」(アクセル!!アクセル!!アクセル!!)

 

 

そして、青山の腰が煌めき、光線は今、放たれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光も飲み込むぞ!」ヒュオッ

 

 

「・・・・・・」

 

 

「分子レベルで崩壊するぞ!」パキキッ

 

 

「・・・・・・ちょい、タンマで」

 

 

 

 

 

ーーーー※以下小声ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ちょっと青山くん、話が違うやない!?」

 

「吸引力が衰えないただ1つの[個性]☆」

 

「結局、それ言いたいだけ!?」

 

「ノンノン、僕だって色々と考えてるさ☆」

 

「じゃあ、なにかいいアイディアが!?」

 

「そうだね、僕の[ネビルレーザー]が通用しない

 場合は・・・」

 

「…通用しない場合は?」

 

「土下座して許してもらおう☆」

 

「馬鹿なん!?やっぱ馬鹿なん!?」

 

「そんな急にいいアイディアなんて出てこな…ハッ!?」

 

「出てこなければ…」

 

「出せばいい☆!!」

 

「って、流石に青山くんでもリスクが高過ぎへん!?」

 

「麗日殿の期末に懸ける思いはその程度でゴザルか☆」

 

「ゴザル!?辞めたほうがええって青山くん!!」

 

「フフフ、小生、雄英に入ればそれだけで

 ヒーローに成れると思っていたでゴザル☆」

 

「成れるよ!!だから、まずその口調を辞めて!?」

 

「期末テストはこの一度きり、なぁに簡単な事でゴザル

 出さずに落ちるか出して受かるか☆」

 

「馬鹿な事言わんといて!?

 ソレ、人として堕ちる奴だよ!?」

 

「勿論でゴザル☆」

 

「辞めて!考え直して!!小学生ならまだしも

 高校生にもなって……」

 

「麗日殿、・・・後は頼んでゴザル☆」

 

「青山くん!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

☆御★免☆

 

 

『(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)(自主規制)』

 

 

 

期末テストの会場に響き渡る排泄音不快音

そして、[ブラックホール]に…

[ブラックホール]を発動している13号に向けてくる

ズボン、パンツ、ベルト、そして謎の飛来物(意味深)

 

 

コレは[ブラックホール]を解除した13号を責めれない

こんな敵でもやらないような手段、

対応しようがないからだ

 

そして、青山は叫ぶ

「先生、トイレに行かせてください」

 

 

動揺した13号は許可を出そうとし、

死角から近付いて来た麗日の抜き手によって

強化ガラスごと頭を貫かれた

 

 

━━━青山&麗日ペア 条件達成

 

 

━━━13号 死亡(蘇生なう)

 

 

━━━━青山の尊厳 死亡(蘇生不可)



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モンダイガイ×テスト

 

 

ーーーー緑谷 VS 補習ーーーーーーーーーーーーー

 

 

緑谷 出久━━通称 デクさん

筋肉の鎧に包まれた巨体と天を貫く緑色の髪も持ち

なにより個性的すぎる[無個性]の少年である

ボッた人間は数知れず

近年では増殖し脅威度を上げていた

 

だが、そのデクさんが追い込まれていた

━━絶対絶命

死がその鎌首をもたげ、逃がさんと立ちはだかり

━━孤立無援

助けてくれる仲間も、増援も無く

 

生まれ落ちて十数年、最大の危機を迎えていた

敵はデクさんにとって理解出来ないモノであった

 

 

なぜ、この兄弟は池の周りを走るのだ?

       

 

            歩けよ

 

なぜ、この兄は弟を待ってやらないのか?

       

 

            優しくしろよ

 

 

なぜ、1個と6分の1のリンゴを分けるのか?

       

 

            俺、いらないから勝手に食えよ

 

━━━━緑谷 条件未達成

 

━━━━数学 6点(最初の掛け算のみ)

 

しかし、敵は1体だけではない

 

 

なぜ、何百年も前の人物の事を憶えないといけないのか

       

 

            俺なら全員倒せる

 

━━━緑谷 条件未達成

 

━━━歴史 0点

 

 

なぜメロスは王に捕まった挙げ句、

親友を身代わりにしているのか?

 

          問題がおかしいよ、俺なら倒せる

 

 

━━━緑谷 かろうじて条件達成

 

━━━国語 31点(漢字の読み書きのみ)

 

 

プレゼント・マイク……もう、おやすみ

 

 

━━━緑谷 条件未達成

 

━━━英語 6点(選択問題のみ)

 

━━━プレゼント・マイク ボられる予定ができました

 

 

俺、生き物は詳しいんだ!

 

            もう、どうなってもいい

 

━━━━緑谷 条件未達成

 

━━━━理科(化学) 12点(選択問題のみ)

 

 

ヒーロー!?俺、ヒーローには詳しいよ!

 

            全部、オールマイトだ

 

━━━━緑谷 条件未達成

 

━━━━ヒーロー学(法律) 2点(選択問題のみ)

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

答案用紙を見て教師陣は頭を抱えていた

『まさか、ここまでとは…』と

 

赤点を取る生徒は今までも何人もいた

その為の補習━━追加でのテストである

そして、そのテストで赤点を取った者の末路は3択

留年するか、除籍し学科を移すか、自主退学か……

 

だが今回、テストを受けたのは一般的な生徒ではない

逸般的なデクさんである

なので対応を誤ることはできず

また、参考にできる前列もなければ

結果がでるまで正解かすらわからない

 

例えば留年させたとしよう

その場合、在学期間が延長され

生徒、教師達に被害が及ぶであろう

雄英の教師は基本的にヒーローでもあるので

被害者がでる選択はできない

 

例えば除籍して学科を移したとしよう

ヒーロー科であの様なのに

普通科等では死人が…いやヒーロー科でもでている

とにかく他の学科ではとても

受け入れることはできない

 

では最後の自主退学させるのはどうだろうか?

それはデクさんから首輪を外す行為

だが、少なくとも学校内での被害は無くなる

教師とて人間なのだ

ボられるのも痛いのも死ぬのも嫌なのだ

 

 

「では、自主退学させる流れで…よろしいか?」

 

 

「「「「「異議なし!!」」」」」

 

こうしてデクさん…緑谷 出久の退学が決まり

 

「あら?」

 

「ドウシタノダ?ミッドナイト」

 

「自主退学させるとして、

 誰がソレを伝えるのかしら?」

 

職員室は通夜のようになってしまった

 

「ヤハリ担任ダロウ」

 

「クケケ、骨は拾ってやる」

 

エクトプラズムのキラーパスに

すかさずパワーローダーがフォローをいれる

流石、歴戦のヒーロー、連携が巧みである

 

「いや、ここは長である校長に」

 

「ハハハハ、僕ネズミだからわからないなぁ」

 

 

━━━醜い押し付け合いの末、とりあえず保留になった



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バンガイ×テスト


敵連合sideのストーリーです。
キャラが多くなるため
台本形式(「」の前に名前)にて進めます。




 

その日、黒霧はいつものバーテンダー姿ではなく

スーツに袖を通していた

 

「ああ、めんどくさい

 何で俺までスーツを着ねぇといけないんだ…」

 

そうぼやく死柄木に黒霧は感心していた

(少し前なら絶対に着なかったでしょうに

人使君の影響ですかね…)

 

2人がスーツを着ている理由

それは、敵連合の新メンバーの面接日だからであった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「では、番号札1番の方、どうぞ」

 

荼「今は荼毘で通してる」

 

黒、死「・・・」

 

荼「・・・」

 

死「いや、履歴書は?」

 

荼「は?」

 

死「募集要項に履歴書必須って書いてあったろ?」

 

荼「犯罪者の集まりに履歴書が必要なのか?」

 

死「はぁ…まぁいい、じゃあ自己PRしてくれ」

 

荼「ヒーロー殺しの意思は俺が全うする」

 

死「いや、年齢とか職歴とかだよ」

 

荼「出すべきときになったら出すさ」

 

死「面接の時に出せよ!!」

 

 

━━荼毘  密化(ひそか)の直属部隊へ(戦闘、ボられ役)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「では、次の方どうぞ」

 

ト「トガです!トガ ヒミコ」

 

死「ガキじゃねぇか」

 

ト「人使様になりたいです!人使様を殺したい!

  だから入れてよ弔くん!」

 

死「・・・」ピキピキ…スッ

 

黒(いけません死柄木)ガシッ

 

死「…チッ、次の希望者を呼べ」

 

━━トガ ヒミコ  黒霧の直属部隊へ(潜入、工作)

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方どうぞ」

 

ス「俺はステインに触発されてここにいる!」

 

死「また、ステインか…で?」

 

ス「俺はリア充を滅ぼし!そしてモテモテにな」

 

死「もういい、田舎に帰れ」

 

ス「え?ちょ、誰だってモテモテになりたいだろ?」

 

死「黒霧、送ってさしあげろ」

 

黒「はい、お疲れ様でした」ボッシュート

 

━━スピナー  面接落ち

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方、どうぞ」

 

ム「にく、断面、にくにく…」

 

死「…… 密化(ひそか)にでも付けとけ、次だ」

 

黒「はい」ボッシュート

 

ム「にくめんんんん」

 

━━ムーンフィッシュ 密化(ひそか)の直属部隊へ(戦闘、ボられ役)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方、どうぞ」

 

迫「はい、失礼します。

  迫 圧紘と申します。コチラ履歴書です」

 

黒「拝見します」

 

死「迫さんは何故、ウチの面接を受けようと?」

 

迫「はい、私はエンターテイメントが好きでして、

  貴社の募集を見て私の[個性]ならば…と」

 

死「幹部候補生として採用で」

 

━━迫 圧紘  死柄木直属 幹部候補生

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方、どうぞ」

 

マグ「お邪魔するわね、あら!イケメンじゃない!」チラチラ

 

死「黒霧、さっきの荼毘の所へ送れ」

 

黒「いや、しかし面接は」

 

死「今すぐに送れ!!」

 

黒「…かしこまりました」ボッシュート

 

 

マグ「あらあらコッチもイケメンじゃない」ポッ

 

荼「ひっ!」アトズサリー

 

 

━━マグ姉さん  密化(ひそか)の直属部隊へ(戦闘、ボられ役)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方、どうぞ」

 

マスキ「俺は好きに動けんならかまわねぇ!!」

 

死「はぁ、黒霧」

 

黒「密化(ひそか)の所ですね」ボッシュート

 

 

密「強そうだ♥️ボクと遊んでよ♣️」ズキュウウウン

 

マスキ「いいぜ!本気の義眼だ!!」ギュア

 

ム「にく、断面、見せて」ガギガギ

 

━━マスキュラー  密化(ひそか)の直属部隊へ(戦闘、ボられ役)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「次の方、どうぞ」

 

マスタ「失礼します」

 

死「ん?その声(CV古島 ●孝)、人使と同じクラスの瀬…」

 

マスタ「マスタードです!![個性]は[ガス]です!」

 

死「いやどう見ても、と言うか[個性]は[テープ]じゃ…」

 

マスタ「違います。どちらかといえばポケ●ン(CV古● 清孝)よりです」

 

死「弱虫ペ●ルでキモキモ言ってなかったけ?」

 

マスタ「それは完全に別人です」

 

━━マスタード  短期アルバイト

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「入社テスト代わりにとある映像を見てもらいます」

 

死「黒霧、エチケット袋を…」

 

黒「既に配っております」

 

死「ノーカット版だからな

  長丁場になるが途中で休憩入れるから安心しろ」

 

迫「なんの映像なんでしょうか?」

 

死「あー、迫さんは大丈夫です

  感性が普通の人は見ないほうがいい」

 

黒「質問の答としては“あるヒーロー候補生”の

  修行をつけられている映像ですね」

 

死「休憩は2時間後だな

  それまでは必ず見続けろよ?」

 

━━━2時間後

 

死「ステインの意思を全うするんだっけか?」

 

荼「ごめんなさい」

 

死「誰になりたいって?」

 

ト「ごめんなさい」

 

死「肉面見たいか?」

 

ム「ごめんなさい」

 

死「感想はあるか?」

 

マグ「ごめんなさい」

 

死「戦っていいぞ?」

 

マスキ「ごめんなさい」

 

死「・・・・・・」

 

マスタ「すまねぇ心操、すまねぇ…俺が弱かったから」

 

死「…後80時間はあるからしっかり見とけ」

 

 

━━なお、食事のメニュー

 

前菜   短角牛のユッケ

スープ  冷製トマトスープ クルトン入り

魚料理  カツオのカルパッチョ キンレンカを添えて

肉料理  ラムチョップとブラッディソーセージ

ソルベ  ダークチェリーのソルベ

肉料理  ローストビーフ 畑山葵のソース

生野菜  ビーツのサラダ コールスロー風

甘味   苺のピンク・ロゼジェリー寄せ

果物   ザクロと5種のベリー盛り合わせ

飲み物  シロメィ サン・ワイン(貴腐ワインの赤)or

     スタージャ 赤葡萄(未成年用に用意した)

 

黒「お味はいかがですか?」

 

迫「びゃあ゛ぁ゛ぁうまひぃ゛ぃぃ゛ぃ゛」

 

死「どうした?食えよ、旨いぞ?」

 

荼「…うぷ、ごめんなさい」

 

死「血とザクロが好物なんだってな?」

 

ト「ごめんなさい…赤とか本当に無理です」

 

死「ほら肉面だぞ?」

 

ム「ひっ、に、にく、ごめんなさい」

 

死「素敵なディナーだろ?」

 

マグ「ええ、…今は、ごめんなさい」

 

死「好きにやりたいんだっけか?」

 

マスキ「指示通りします、ごめんなさい」

 

死「今日はもう帰れ…人使によろしくな」

 

マスタ「…はい、ごめんなさい、帰ります」

 

黒「私が送って行きますよ」



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ドガイ×テスト


なんだか敵連合の日常を書くのが楽しくなってきました。



 

黒「では夜も遅いですし部屋へ案内いたします」

 

ーーーー迫 圧紘の場合ーーーーーーーーーーーーー

 

 

面接を終え、連合としての目的や業務内容の説明…

軽いガイダンスがあった後は

サポート相手は新しいコスチュームの為に

身体測定や希望等のアンケートがあった

 

私…いや、俺は犯罪者組織と侮っていたかもしれない

福利厚生もしっかりしていて

まさか、保険加入までできるとは思わなかった

 

何より施設が素晴らしい

食事も美味しく、

トレーニングルームやシャワー、娯楽室は

何時でも使えるのだ

 

他の面接を受けたメンバーは何故か

別行動だったが何故だろうか?

幹部候補生として迎えると言っていたのが原因だろうか

 

 

黒「和室と洋室とございますが、希望はありますか?」

 

迫「っいえ、どちらでも大丈夫です」

 

考え事をしていたので黒霧さんの質問に

思わず反射的に応えてしまった

と、いうより和室と洋室?

そんなに部屋があるのだろうか

 

黒「こちらになります

 鍵はオートロックとなりますのでカードキーを

 手放さないようにしてください」

 

案内された部屋はどこの旅館かと訊きたくなるような

豪勢な和室だった

 

畳の匂いがする

もう、何年も嗅いでなかった匂いだ

 

黒「寝具の方は用意されてますので、私はこれで」

 

迫「ありがとうございます、

  明日からよろしくお願いします」

 

黒「ええ、こちらこそよろしくお願いします」

 

ーーーー荼毘の場合ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

まだ、吐き気する

なんなんだ“アレ”は

“アレ”が人間のできることなのか?

“アレ”は人間に耐えられることなのか?

クレイジーだ…狂ってやがる

 

死「ココがお前の部屋だ」

 

 

リーダー…死柄木 弔…

こいつが1番 頭がおかしい

 

“アレ”を見せた後で肉料理を

それも血が滴るようなモン出すかよ普通

野菜物や果物、飲み物すら赤で揃えやがって

俺、パセリくらいしか食べてねぇぞ

いや、肉出されても食えねぇけどよ

 

━━━ガチャン、ピピ

 

ガチャン、ピピ?

何の音だ?

振り替えると死柄木の姿は無く

ドアノブのない扉が閉まっていた

 

…そうかよ

俺等みたいのを集めるんだ

こんくらいはするよなぁ

胸糞悪い

 

部屋の趣味も最悪だなコリャ

ピンクの照明に鏡張りの天井、丸いベッド

なんで壁に拘束器具があるんだ?

 

部屋の奥から音がするな

この音は…ドライヤーか?

もしかして、相部屋なのか?

 

━━━ヒタヒタ

 

足音が、近づいて、きた、

 

 

マグ「お・待・た・せ♥️」

 

荼「ま、待て待て待て…これは罠だ!

  死柄木が俺を陥れる為に仕組んだ罠だ!」

 

 

━━━扉の向こう

 

死「計画通り」ニヤァ

 

黒「よろしかったのですか?」

 

死「大丈夫だろう…知ってるか黒霧」

 

黒「何をでしょう?」

 

死「オネエは何時の時代も強いんだ」

 

黒「いえ、荼毘の精神が…ですよ」

 

死「どうせ、アイツもモテたいとか言うんだろ?

  ピアスとか着けてるオシャレさんだし…

  だから、くっつけてやろうかなって」

 

黒「さすがにマズイのでは?」

 

死「それに俺は調べたんだ!

  人使の為に何かできないかって思ってな」

 

黒「死柄木 弔……立派になりましたね」

 

死「たまにはヒーローになんのも悪くないだろ?」

 

黒「ええ、ええ…ですが何故ココでヒーローが?」

 

死「え?だってヒーローって

  “人が嫌がることを率先して行う”奴のことだろ?」

 

黒「言葉は同じでも意味が真逆ですよ!?」



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ロンガイ×テスト

 

━━翌朝

 

ト「ふわぁーあ、おはようございます」

 

迫「おはようございます…トガさん、でしたよね?」

 

ト「ええ!そうです!トガ ヒミコです!」

 

迫「これはご丁寧に…、改めて迫 圧紘です」

 

ト「よろしくおねがいしま~す」

 

迫「ところで“アレ”は何があったんでしょう?」

 

ト「ん~。わかんないですけど

  幸せそうですしいいんじゃないですか?」

 

2人の視線の先には並んで朝食を取る

隈ができげっそりした荼毘と

妙にツヤツヤしたマグネの姿があった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

死「今から戦闘訓練を行う」

 

マスキ「訓練だぁ?んなもんしなくてもよォ」

 

ム「に、肉、にく、みれる?」

 

密「誰とヤるんだい?いっそ全員でも♠️」

 

死(バトルマニア共が…)

 

マグ「戦闘訓練ですって」

 

荼「大丈夫だ、マグ姉は俺が守るよ」キリッ

 

マグ「…トーヤちゃん」ポッ

 

死(すまない、俺が軽率だった)

 

黒「死柄木、もう連れてきても?」

 

死「ああ、頼む」

 

治「どうも、TDSのオーバーホールこと治崎です」

 

マスキ、ム、密、荼、マグ「「「「「!?」」」」」

 

デ「お前は…生きてちゃ駄目な奴だ…」

 

マスキ、ム、密、荼、マグ「「「「「!?」」」」」

 

黒「では、デクさんシリーズの皆さんお願いしますね

  約束の青森銘菓“たわわ”は帰りにお渡しします」

 

死「大丈夫、ヒーローの卵のガキでも耐えれたんだ

  お前らは大人だろ?平気だって」

 

マグ「絶対に無理よ!こんなの!」

 

死「“無理”というのはな、嘘吐きの言葉なんだよ

  途中で止めてしまうから無理になるんだ

  …途中で止めなければ無理じゃなくなる

  内臓を出そうが頭がぶっ飛ぼうが、全力でやれ」

 

治「大丈夫、死んでもからが本番だから」

 

黒「昨日、私の作った食事を残してましたし…

  昼休憩なくても構いませんよね?」

 

死「どうせ中身ごと吹っ飛ぶんだし

  トイレ休憩もいらんだろ?」

 

治「悪いね、これも仕事だからさ」

 

荼「……」ソローリ

 

マスキ「どこに行くんだい?色男」ガシッ

 

密「ボク達と一緒に逝こうよ♦️」

 

ム「に…くめん…めん…エイメエェェェェンン!!」

 

 

━━この後、全員めちゃくちゃボられた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒「今日は肉だけは嫌だとのリクエストがあったので

  魚…和食にしてみました」

 

 

主菜   マグロ尽くしの海鮮丼

副菜   鮎の苦うるか(内臓の塩辛)

汁物   あら汁

香の物  赤漬け

 

 

迫「うますぎる!!」ガツガツ

 

ト「すごく美味しいです!」モグモグ

 

迫「うるかが酒のアテに最高ですねぇ」チビチビ

 

ト「ごはんがもっと欲しくなりますねー」パクパク

 

 

荼、ム、マグ、マスキ「・・・・・・」

 

死「ほら食えよ……黒霧、醤油取って」

 

黒「刺身醤油ですね?どうぞ

  …貴方達のリクエストなんですがねぇ」スッ

 

マグ「山葵、貰えるかしら…」

 

黒「ええ、どうぞ おろしたてです」スッ

 

死(やっぱりオネエは強いな)モグモグ

 

ム「コ、コーレーグス」

 

黒「ほぅ、通ですね?どうぞ自家製です」スッ

 

死(やるな)「黒霧、お茶ちょうだい」ポリポリ

 

黒「どうぞ」スッ

 

マスキ「…豆板醤とうずらの卵を貰えねぇか?」

 

死(豆板醤……だと?)ズズッ

 

黒「…どうぞ」スッ

 

マスキ「…フッ」スウゥゥゥ(´・ω・)っ(((((■ピタッ

 

死(…コイツ、信じて跳べと?この俺に…!)

 「黒霧、お代わりだ…うずらの卵付きで」

  (ままよっ…!)

 

黒「…どうぞ、お代わりとうずらの卵です」スッ

 

死(う…うまっ!豆板醤の旨みと辛みが…

  卵とマグロにからんで…美味さ倍づけっ…!)バクバク

 

黒(なるほど…そういうのもアリですか…!)

 

荼「…………ず」

 

黒「え?すいません、なんですか?」

 

荼「ま、まよねーず」モジモジ

 

黒「どうぞ」スッ

 

荼「…ん」モグモグ…ニパァ

 

死、黒(ないわー)

 

 



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ソウテイガイ×テスト


轟ファミリーは多分、全員天然キャラだと思う。


 

━━━デクさんシリーズを用いた修行(蹂躙)を始め2週間

 

 

マスキ「だから、トーヤ坊は重さが足んねェんだって」

 

荼「俺はそもそも肉弾戦はしねぇっつの!」

 

密「それでも軽すぎるとすぐ吹っ飛ばされるよ♣️」

 

ム「加重…すべき」

 

マグ「もう!みんなしてトーヤちゃんを苛めないでよ

  冷たい麦茶 淹れたから飲みましょ」

 

 

 

 

死「アイツら、適応力高過ぎるだろ……」

 

黒「ええ、これは想定外でした」

 

ああ、仲間とは素晴らしきかな

1人では無理でも仲間がいれば耐えきれる

もしくは逃げようとしても連れ戻されるとも言う

 

心「こんちゃー!弔兄ちゃん遊びにって増えてる!?」

 

死「新入り達だ……ん?新しい鞄だよなソレ」

 

心「ああ、何故か瀬呂…同じクラスの奴が

  謝りながらくれたんだ」

 

死(やっぱり“アレ”見たら謝りたくなるよな)

 

黒(Daniel&B○b…いいところのですね)

 

死(高いのか?)

 

黒(今、人使君が持ってるのが10万ちょいです)

 

死(…黒霧)

 

黒(はい、半額くらいは瀬呂君に渡しときます)

 

心「どしたの?弔兄ちゃん?」

 

死「いや、なんでもない…大丈夫だ

  今日はサファリパークのネコの館に行こうか」

 

心「わーい!やったぁ!!

  あ、あと弔兄ちゃんに紹介したい人がいるんだ」

 

蛙「はじめまして…ではないけど、蛙吹 梅雨よ

  梅雨ちゃんって呼んでもらえたら嬉しいわ」

 

心「俺の…その、彼女なんだ」テレテレ

 

死「そうかそうか、人使の彼女さんか…

  うん、美人さんだな」(優しい目)

 

黒(あの時、ウチで保護した子がもう…

  幸せになってくださいね)

 

ト「あー!シンソー君だ!体育祭の!

  私、ファンなんですよ!」

 

 

━━トガ ヒミコは失敗した

  無警戒に彼女のテリトリーに入ったのだから

 

「スッと行ってドスン」(CV 悠●碧 (クレ●ンティーヌ役))[OSS マザーズ・○ザリオ](CV 悠木○ ユ○キ役)

 

11HIT!! トガ ヒミコ K.O

 

 

黒「治崎さーん、蘇生お願いしまーす」

 

治「はーい、今行きま~す」

 

死「さすが人使の彼女さんだ、ウチの阿呆がすまないね」

 

蛙「気にしていないから大丈夫よ

  人使ちゃんのお兄さん」

 

死「ああ、俺のことは死柄木でも

  弔でも、なんだったらフルネームでもいいぞ」

 

蛙「じゃあ弔ちゃんね」

 

死「ちゃん付けは辞めてくれ」

 

 

 

 

マスキ「おい、見たか?トガのこと滅多刺しにしたのに

  普通に会話続けてるぞアイツら」

 

密「ココじゃあ何時ものことさ♠️」

 

荼「何が問題なんだ?」

 

マスキ「いや、女の子だぞ?」

 

荼「だったらマグ姉だってボられてるだろ?」

 

マスキ、密「え?」

 

荼「え?マグ姉は女だろ?」

 

ム「いけめぇぇぇんんん」



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テスト×セッテイ1

1年A組の生徒達の設定になります。
出席番号順になりますのでご了承を。
今さらですが原作解離、設定捏造が多くあります。


 

━━青山 優雅 [ネビルレーザー]

 

デクさんシリーズとの修行によって

体力、攻撃力、防御力、素早さ、知能

…全てにダメ出しされた

 

しかし一朝一夕でどうこう出来るものではないため

彼は手段を選ばない事にした

その結果が脱糞である

 

“制約と誓約”により[レーザー]の威力は上がったが

デクさんシリーズからしたら

『ちょっと眩しい光線』から

『目に当たったら危ない』レベルになった程度

 

攻撃力の低い葉隠に、協力を要望

葉隠をレンズとして[レーザー]を充填、収束

葉隠が蓄熱により意識を失う寸前まで貯めた“ソレ”は

デクさんシリーズどころか直線上の全てを薙ぎ払った

 

弱点としては、1人では放てず

充填に時間がかかり、充填中は非常に目立つこと

渾名は脱糞王、A組の奇行士(きこうし)になったが

本人とクラスの名誉の為に期末テストまで秘匿されていた

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

芦戸 三奈 [酸]

 

デクさんシリーズによる理不尽から逃げる為に

[酸]によるスモークと嗅覚封じを会得した

 

強力な[酸]で地中に逃げることも可能

追い詰められた場合に備え

『フルオロアンチモン酸』を放てることは隠している

 

フルオロアンチモン酸━━HF6Sb

 

無色の液体、ほぼ全ての有機化合物をプロトン化する

100%硫酸よりも2×10^19(2000京)倍強い

pH-28(PHは1変わるごとに10倍に変化し胃液でpH1前後)

デクさんを殺傷可能な[酸]である

 

なお、デクさんシリーズ含め男子全員に

ゴールデン★クラッシュキックは特効持ちである

渾名が姉御になった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

蛙吹 梅雨 [カエル]

 

皆がデクさんシリーズをボられている間、

心操とイチャイチャしていた

 

主に峰田、上鳴、飯田(多かった順)が

ニヤニヤしながら覗きに来たので

[毒]を生成、迷わず使用して即死させた

蘇生後、心操に頼みデクさんシリーズにて追撃

 

クラス全員から畏れられ崇拝の対象になる

渾名は猛毒蛙吹、女帝

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

飯田 天哉 [エンジン]

 

 

ブラッドオレンジを使用した鮮血駆動(ブラッドオレンジエンジン)

いち早く開発していたがデクさんシリーズの速さには

対応できず、戦闘になった時点で詰んでいた

[個性]が頭打ちになったため

心操の紹介でAFOの元へ向かい

修行中にできた自らの遺体から[エンジン]機関を移植

自身の“容量(メモリ)”の上限まで[エンジン]を増やした

 

[エンジン]→[エンジンW16]

 

さらに防御力を上げるため強化骨格にしたり

回復力を上げるため医療用生体ナノマシンを注入

顔もプチ整形したらしい

 

彼はどこに向かっているのだろうか?

渾名はサイボーグ

 



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テスト×セッテイ2

前回に引き続き設定集です。



麗日 お茶子 [無重力]

 

デクさんシリーズに[個性]を使用する前に

ボられ続けた結果、麗らかではなくなった

 

地下闘技場に通いつめ徒手空拳を極め

必殺の拳を手に入れた

更に[個性]が[無重力]から[重力操作]に覚醒

接触した物のベクトルを変更させ

上下左右自由自在に落とすことが可能

耐久性に難があるが近接格闘戦では最強クラス

筋肉量も増え、背中に“鬼”が出現した

 

渾名が名称詐称、オーガになる

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マーシー・O・アビスゲートⅩⅢ世 [デッドテイル]

 

周りの制止を無視して、また遠藤さんの所へ

たまたま、サウスクラウドヒーロー事務所の社長がおり

“謎の技術”で“謎の世界”へ

社長さんは『個性の力ってすげー』と言っていたが

明らかに[個性]の枠からはみ出てる

 

“謎の世界”で迷宮攻略したり

遠藤さんの嫁さんの実家に泊まったりしていたら

“ステータス”に“アビスゲートⅩⅢ世”が生え、

100体くらいなら分身も可能になった

その事を社長さんに話したらドン引きされた

 

遠藤さんの嫁さんの親戚に一目惚れ

ハウリア族に婿入りを希望している

 

渾名は尾白 猿夫

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

上鳴 電気 [蓄電]

 

ボられるのが嫌で逃げては捕まりボられる

…それを繰り返す内に探知能力が上がっていった

 

デクさんシリーズ相手には使用できず、

使用したとしても効果もなかったが

接触時に相手の心臓に微弱な電流を流し

強制的に心臓を止めたり

脳に電流を流して脳死状態にすることも出来る

 

現在は相手の脳信号を読み取り

思考や記憶を覗き見る事を目標にしているが

そのせいで女子から白い目で見られている

 

渾名は覗き魔X

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

切島 鋭児郎 [硬化]

 

いくら硬くなっても砕かれ続けた結果

相部屋だった峰田と飯田の言葉に従い

騙し撃ちをしたら勝ててしまった

 

そのせいで性格が歪み、

()()()()()()()()()()()()()ようになった

今後、彼は『男らしく戦う為』にどんな方法でもとり

結果がどのようになっても無視するだろう

 

渾名は砕けたダイヤモンド

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

口田 甲司 [生き物ボイス]

 

見た目が1番変化した

というよりグラビ○ス亜種になった

吐こうと思えば熱線も吐ける

尻尾まで生えた

全高6㍍全長18㍍(尻尾含む)

 

デクさんシリーズとの修行中

周りに生き物はおらず1人[無個性]状態で

ボられ続けた結果、肉体が耐えれるように進化

さらに生き物がいない状態で使い続けた結果、

人間も含めた『生き物全般』に使えるように覚醒した

 

渾名は黒鎧竜G級

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

砂藤 力道 [シュガードープ]

 

『ドーピングコンソメスープ』を極めた

欠点らしい欠点がないバランス型になる

強いていえば遠距離攻撃が投擲しかないこと

ある程度の距離ならば近づいて殴るので

さして問題ではない

 

回避に重きを置いた一撃離脱型の戦闘なら

デクさんシリーズ数体を単独で倒せる

純粋な戦闘能力が1番上がった人

 

渾名はえげつない方のキ○肉マン

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

障子 目蔵 [複製腕]

 

[個性因子]を増やす為に自らの亡骸を補食した

[複製腕]が自我に目覚めてえらいことになっている

たまに、[複製器官]を[複製]して増えた“後藤”が

外に出たまま帰って来ないことがある

 

朝に目覚ましより先に“ヒ・ダリ”が歌い出すのに

困っている

 

渾名はヒュドラ、キメラ、人喰い目蔵

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

耳郎 響香 [イヤホン]

 

嫉妬の権化

無音攻撃が可能となった

また、接触時に限り防御無視の攻撃を

相手の脳や心臓に叩き込めるようになった

最近怪しげな豊胸サプリに手を出した

効果はまだでていないし今後も…

 

渾名はエンヴィー、メロンクラッシャー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

瀬呂 範太 [テープ]

 

全体に実力は上がったものの

一芸に秀でているわけでもなく

多いに悩んだ末に心操に相談したらAFOを紹介された

 

攻撃と煙幕にも使える[ガス]をもらえた

タダで貰うのも悪いので何か手伝える事はあるか

と訊いたら後継者が頑張っているので

そちらを手伝って欲しいと頼まれたので

変装してバイトの面接を受けるもすぐにバレた

 

その後見せられた“映像”は学校の物とは違い

無修正、ノーカット版であり酷くショックを受けた

貯金を卸して心操にバッグをプレゼントした

 

渾名はキレイな御●筋くん

 

 

 

 

 

 

 



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テスト×セッテイ3

続きます。


常闇 踏陰 [黒影]

 

デクさんシリーズとの修行では

ダークシャドウの奮戦空しく本体を狙われ続けた

本人は華奢な為、一撃で即死…

そんな修行が続いた為に肉体が進化

顔だけイャンガルルガになったがスルーされた

マーシーと休日は良く遊ぶようになった

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒影

 

目の前で何度も何度も何度も何度も常闇を殺された

常闇の死亡時には自身も消滅するが

タイムラグがあることに気付き

常闇の遺体を喰らい独立行動可能に

“意思と肉体を持つ個性”である

 

数多の遺体を取り込んだことにより

大量の[個性因子]があり、分裂体も出せる

通常時は分裂体(1㍍~5㍍)が対応する

本体は非常時にしか出てこない

というのも本体の大きさが日中でも

100㍍程度であり夜間や暗い場所では

数百㍍にまで巨大化するので場所を選ぶ

 

戦闘時には常闇のことを飲み込み安全を確保する

巨体由来の攻撃力と無尽蔵の体力、

何より不死性がえげつない

デクさんシリーズ数十体相手にしても耐える

 

 

渾名は黒竜 高龗神(タカオカミノカミ)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

轟 焦凍 [半冷半燃]

 

[個性]は確かに伸びたには伸びたが

それ以上に[中の人](CV 梶●貴)が強すぎた

主人公属性も強すぎた

唯一男子でデクさんシリーズにボられていない

そのせいで嫉妬と、妬みに狂った峰田に

ウス=異本(この世の真実)を見せつけられ重症

特にパッパとの濃厚な絡みを見て吐血

この件以来、爆豪やデクさんを見ると

反射的に尻を隠す癖が着いた

 

最近、女子からそういう目で見られてるような…

と、気にしているが事実

本人には秘密だが女子がつけた渾名は腐界のプリンス

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

葉隠 透 [透明化]

 

デクさんの嗅覚により見つけられ

ボられ続けた結果、覚醒した

姿ではなく存在を透明することによって

一切の探知、攻撃を無力化することに成功した

だが攻撃力がない為、青山と協力したら

えげつない威力になってしまった

他に芦戸の[酸]や蛙吹の[毒]を

分けてもらい攻撃もできるが

どうみても暗殺者なうえ

本人には耐性がない為、危険である

渾名は見えざる魔手

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

爆豪 勝己 [爆破]

 

やりすぎた才能マン

努力して努力して努力したらやりすぎた

本来の[爆破]は両親の[グリセリン]と[酸化汗]から

“ニトログリセリンのような物”に変化したものだが

努力しすぎて“ウラン235”が検出されてしまった為に

即座に封印された

現在は手加減を勉強中

渾名はA組の核弾頭(文字通り)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

峰田 実 [もぎもぎ]

 

なんやかんやでデクさんシリーズを無力した数でNo.2

本人に自覚はないが…

と、いうのも本人の意識が無い時の記録だからである

合コン2日目に溜まった性欲の為か

睡眠時、意識がないのにも関わらず

八百万の胸に飛び付き張り付いた

無理矢理引き離すも動き続け、

[もぎもぎ]自体が睡眠時の時の方が

回復率が高く、ほぼ無尽蔵に連射でき

デクさんシリーズを無力化して

今度は蛙吹の胸に張り付いた

コレに激怒した心操がデクさんシリーズ十体を投入

しかし、鮮やかに回避して芦戸に張り付いた

 

一種の才能では無いかと峰田に見張りを付け

一週間の禁欲生活を送らせた結果

男子相手でも脳内で女体化させ襲うようになった

危険過ぎる為に封印された

なお、この時に教われかけたのは轟である

[もぎもぎ]で拘束されたうえ服まで脱がされた

 

最大でデクさんシリーズ17体までなら掻い潜れ

10体以内なら無力化できる

本人の意識はないが素の能力である

 

渾名はエロブドウ、性欲魔神M、ガチホモブドウ

 

━ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

八百万 百 [創造]

 

デクさんシリーズの無力化最多にして

最初に無力化した人物である

初日は[創造]している最中にボられ続け

ナニカが吹っ切れた

 

前提条件として自身の蘇生があることを確認し

八百万グループの所持する孤島(本土からかなり遠い)

での戦闘を提案し、デクさんシリーズはそれを受諾

 

丸1日の準備期間が明けて、

デクさんシリーズが船で上陸するも

開幕と同時に八百万が自爆

 

なお、使用したのは

通称 ツァーリ・ボンバ(Царь-бомба)

正式名称 РДС-202

ソビエト連邦が作成した人類史上最大の水素爆弾である

ソレにより自分ごと…いや島ごと吹き飛ばし

デクさんシリーズ百体を即死させた

本土どころか世界的に被害は広がったが

某裸エプロン先輩に頼み『なかったことにした』

 

本人に反省点を訊いたら

時間をかけてでも衛星軌道上からの質量兼核攻撃で

全部滅ぼしたほうがよかったと発言

倫理観を捨て去ったようだ

 

渾名は破壊の創造者(ディストラクション クリエイター)(マーシー&常闇命名)

 

 



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テスト×セッテイ4

 

 

心操 人使

 

ストレスから一時期闇堕ちした主人公

彼女(蛙吹 梅雨)ができて大分落ち着いた

クラスの皆と憧れの修行パートが出来て満足

 

彼女を紹介しに敵連合アジトに行ったら

メンバーが増えててびっくりした

なぜか新メンバー達に謝られたり尊敬されたり

菓子やプレゼントを貰う

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

死柄木 弔

 

常識の無い新メンバー達にプンプン丸

 

弟のように思っている人使に彼女ができてほっこり

安心と同時に『兄ちゃんは彼女いないの?』

なんて訊かれたらどうしようかと悩む

相談しようにも相談できる相手がいない20歳

 

メンバーの中では長男ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

黒霧

 

ご飯を残す新メンバー達にプンプン丸

 

死柄木が少しずつ常識を覚えていき感動した

可能なら脱ニートしてほしいが

就職したらしたで不安でいっぱいになりそう

人使がクラスと馴染めいるようで安心した

 

メンバーの中ではお母さんポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

面浪 密化

 

新メンバーにバトルマニアがいて喜んでいる

黒霧に仕事するよう小言を言われて

駅前でマジックショーをして日銭を稼ぐ

アジトにいると黒霧に頼まれて

バンジーガムを粘着テープ代わりに掃除したりする

 

メンバーの中ではヤンチャな次男(双子)ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

荼毘

 

天然ぽやぽやが敵堕ちして大人になったような性格

某作者と死柄木の計略により

マグネと付き合うようになった

 

割と常識人で気が利くマグネに

満更でもなさそう

 

メンバーの中では弟ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

トガ ヒミコ

 

戦闘要員では無いためボられずに済んでいたのに

11連撃喰らうはめに…

心操、蛙吹には一定の距離を置くようになった

メンタルが強く、“映像”を見た翌日には復帰した

 

メンバーの中では妹ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

スピナー

 

モテモテになりたくて上京してきたが

面接に落ちて田舎に強制送還

今更、家にも帰えれず路頭に迷っている所を

大工の親方に拾われた

[ヤモリ]の特性を生かして高所作業を手伝ったら

歓迎され、そのまま入社

十数年後に独立、起業

『ヤモリマークの伊口建設』で有名になる

……かもしれない

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ムーンフィッシュ

 

拘束服を脱がない理由は

『バジリ○ク』の『地虫 ●兵衛』

に憧れて…といのは内緒

室内では床を傷付けないように

歯の先にカバーを着けさせられる

たまに黒霧に生ハムで餌付けされてる

 

メンバーの中ではペットの珍獣ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

迫 圧紘

 

新メンバーで唯一の常識人

待遇が良すぎて困っている

自分以外の新メンバーが見たという

“映像”が何なのか気になるが

怖いので訊けないでいる

 

メンバーの中ではマ●オさんポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マグネ

 

割と常識のあるオネエさん

初日はイケメン相手にハッスルしてしまったが

年下の彼氏(荼毘)が出来て落ち着いた

 

背伸びしてエスコートしようとするところや

天然っぽいところがドストライクだっりする

 

メンバーの中では姉ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マスキュラー

 

“映像”を見せつけられ自分の心の弱さを痛感

翌日、ボられ続けて肉体的にも弱いと思い一念発起

毎日修行に明け暮れた

心操のことは尊敬しており、会った際に握手を求めた

 

メンバーの中ではヤンチャな次男(双子)ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マスタード

 

AFOに言われて手伝いにきた

正体はバレてるけど一応秘密

平日昼間は学校があるので夕方以降や休日に

黒霧の家事を手伝っている

密化が居ない時は粘着テープ代わりにされる

AFOから給料が出ており時給1600円

メンバーの中では従兄弟ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オール・フォー・ワン

 

最近出番がない帝王

裏では色々と計画を立てている

オールマイトの事を

倒したい相手から叱るべき阿呆にタグを替えた

 

メンバーの中では単身赴任中のパパ的ポジション

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

オールマイト

 

最大の敵であるAFOからしこたま説教された

AFO最近まともだし、心操君も懐いてるし

もう、放置しといていいんじゃないか…なんて考えてる

 

敵連合から見て非常識暴力教師

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

グラントリノ

 

やっぱりAFOにしこたま説教された

心操からも復讐された

ヒーロー業界からも冷たい目で見られてる

 

敵連合から見て異常識暴力老害ジジィ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

治崎 廻

 

収入がうなぎ登りでウハウハの若頭

娘と遊園地に行く約束していたのに

某クソジジィに娘を指名依頼されプンプン

心操にジジィ狩りに誘われ

蘇生役として無料で参加した

 

心操、敵連合とはビジネスライクな付き合い

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

治崎 壊理

 

パパと一緒に色んな所に行けるので

今のポジションが割と好き

最近、食べかけのケーキを[巻き戻す]と

何回でも食べれることに気付き実践したら

やりすぎて材料の時点まで戻してしまって泣いた

 

心操お兄ちゃんの友達の蘇生はするが

ブドウみたいな頭の人はなんか嫌い

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

TDSのメンバー達

 

平和な日々と危険な仕事の両立をした

デクさんシリーズ被害者からはよく感謝される

 

約1名、バトルマニアがデクさんシリーズに

何度も挑むが毎回ボられている

 

給料は税金から支払われるので

『税金で飲む酒は最高だぜ!』が流行語になってる

 

 

 

 



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ヌケガケ×イケナイ

 

 

その日、朝のHRの時間になっても相澤は来なかった

 

合理主義の塊のような男で時間にきびしい

あの相澤が

 

重症を負って心も身体もボロボロでも

HRには来ていた相澤がその日は来なかったのだ

 

代わりに一本のビデオレターが教卓にあった

嫌な予感がする

だが現状、唯一の手掛かりである

ヤバいことはわかっていたが再生する

 

映ったのは案の定、相澤であった

 

『おはよう』

 

「「「「相澤先生!?」」」」

 

『この映像をお前らが見ているということは

 俺は既に国内にいないだろう』

 

「どういうことだ?」

 

「高飛びかしら?」

 

『まず、期末テストだが…』

 

「そんなことよりなんで外国に」

 

「しっ!聞こえない」

 

『よくやった、実技は全員合格だ』

 

「しゃあ!!」

 

「これで林間学校は…」

 

『ただし緑谷 出久、筆記試験不合格につき

 夏休み中は全日補習が決定した』

 

「…皆で…え?」

 

『繰り返すが緑谷 出久、筆記試験不合格につき

 夏休み中は全日補習が決定した』

 

全員の視線がデクさんに集まる

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

「踏陰!黒影を最大解放して全員飲み込め!!

 力道と俺が殿を務める!!

 電気は電波ジャックしてTDSに連絡!!

 焦凍、三奈、実は[個性]で防壁急げ!!」

 

心操が矢継ぎ早に指示を出して行く

全員で生き残る為に…

 

だか1人、指示を受けていないのにも関わらず

デクさんの前に立った少女がいた

 

「デクさんちゃん、ちょっといいかしら?」

 

「なに?梅雨ちゃん」

 

「私、思ったことはなんでも言っちゃうの

 合格出来たら林間学校に行けるって

 学校との約束でしょう?約束は守らないとダメよ」

 

「・・・そうだね」

 

「それに夏休み中、毎日学校で補習なら

 夏休み中でも皆に会えるわ」

 

「うん!!俺、頑張るよ」

 

「言葉が通じて嬉しいわ。(私達以外)で頑張ってね」

 

「うん!!ありがとう梅雨ちゃん!」

 

「ところで、デクさんちゃん

 お話もせずに逃げた相澤先生は悪い人だと思うの」

 

「うん!!そうだね・・・鏖殺だ

 

「ええ、じゃあ…

 人使ちゃん、百ちゃん提案があるの」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

日本から約5810キロ

飛行機で約8時間半

 

中央アジア、カザフスタン

━━━そこに相澤はいた

 

決してデクさんに説明してボられるが嫌だったから…

という理由で訪れたのではなく

偶々、職員会議の直後に発作的にスナネコを…

それも野生のスナネコを直接見なければいけないという

崇高ともいえる目的の為に出国したのだ

 

ちゃんと有給届も空港からメール便で送ったし

責められる謂われはないのだ

 

相澤はクミス(馬乳酒)をグビリと飲みバウルサク(揚げパン)を齧る

いっそこのまま全てを放り出して

この国に帰化するのも悪くないだろう

[個性](抹消)なら何処の国でも食うに困らないだろうし

 

人の少ない地方にでもユルト(テント式住居)を構え

ラクダに乗って移動してスナネコと戯れる日々……

ああ、素晴らしきカザフスタン!

 

 

……後頭部へ衝撃を受けて相澤はそこで意識を失った

 

「・・・もう、おやすみ」

 

 

 

━━蛙吹の提案を受けて

心操は先生(オール・フォー・ワン)に、八百万は両親(八百万グループ総裁)に相談し

とある()()()の使用を決定

 

その飛行機とは

SR―71[通称:ブラックバード]

最高時速 約3530キロ

半世紀もの間、最速の名を冠する空の王者である

 



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オモイツキ×イケナイ

 

━━雄英高校職員室

 

例年通りなら林間学校の予定を組む時期であるが

今年は違った

 

期末テストにて職員達は知ったのだ

A組の異常性を

 

このまま、例年通りの林間学校では

宿泊先がもたないのは確実

故に急遽、某ヒーローチームに協力を要請した

1度は断られたものの

デクさんをけしかけたら快く協力してくれた

これで暴れても被害は学校には無い

よかったよかった…で終わるハズなのだが

1つ心残りがあった

[デクさん]の存在である

A組の蛙吹が何とか丸め込んだものの

実際に1人だけ残されたら

何を仕出かすか予想が…いや、容易く予想できた

 

そのために林間学校とは別に

デクさんが参加出来るイベントを用意せねばならない

 

様々な意見が飛び交う中で

オールマイトがポツリと呟いた

 

「…笑顔が足りない」

 

なるほどヒーローは笑顔を守る仕事だ

そして笑顔を魅せる仕事でもある

だとすればA組はどうなのか

 

覚悟を決めた顔

悲壮感に溢れた顔

獲物を屠る時の残虐な笑顔

表情を捨て去ったような顔

通報待ったなしのヤラシイ笑顔

アホを極めたような顔

無理矢理作ったようなひきつった笑顔

 

…駄目だ

とてもヒーローには見えない

 

思い返せば

親御さんからよく苦情が来なかったものだ

子供達から笑顔が消えただけではなく

別人レベルで人格が…

いや、別種族になってしまった子もいることだし

 

生徒達が笑顔になれて

笑顔を与えられるようなイベントを開催せねば…

教員達は夜遅くまで話し合い

結果として深夜のテンションでイベントを決めた

 

 

第1回 1年生 クラス対抗

『笑ってはいけない雄英高校24時』開催決定

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

夏休み初日

 

1年A組のメンバー(デクさんを除く)は早朝から

呼び出されていた

 

 

「おーい!おーい!」

 

メンバーに手を振りながら近づく丸い影

 

「はじめましての人もおるし

 ファットガムです!よろしくね」

 

何も聞いていないメンバー達は怪訝な顔をする

 

「よっしゃ!ほな行こか」

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

いきなり現れた男に不信感を拭えず飯田は質問をした

 

「我々は此所に集合するように言われましたが

 何をするのかを説明されていません!

 円滑な行動をするためには説明をいただきたく!」

 

真面目な質問である

だがファットガムはそれを鼻で笑い

 

「なんや、ヒーローになってからも

 説明があらへんと動かん気かい

 ごっつ強いクラスて聞いてたんが違ったんか!?」

 

ファットガムが声を荒げるも全く動じないメンバー

 

「あかんわ、腹ァ座りすぎやろ

 どんな修羅場潜ってんねん

 ええか、今からお前等には雄英高校新名物

 『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』に

 参加してもらう」

 

「それってガ○の使いの…」

 

「ソレ以上はゆうたらアカン!

 ま、とにかく年末のアレとほぼ同じや

 名前出せんのは大人の事情やからな

 訊いたらアカンで~

 ほんならルールの説明しよか」

 

 

 

 



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ワラッテハ×イケナイ1

今回からしばらくキャラが多いので
また台本形式にいたします。


 

ルール1 笑ってはいけない

ルール2 [個性]の使用不使用に関わらず暴力を禁止する

ルール3 ヒーロー科A組B組 対抗で行う

ルール3 より多く笑わせたクラスの勝利である

ルール4 学校側から刺客を差し向ける

ルール5 審判は学校側が行う

ルール6 期間中の[個性]の使用は原則自由とする

ルール7 イベント時には強制参加とする

ルール8 許可のないアイテムの持ち込みを禁止する

ルール9 上記に違反した場合、デクさんにボられる

ルール10 みんななかよくプレイしましょう

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

峰「なるほど、ならば我々の出番だな」

 

上「参謀!頼りにしてるぜ!」

 

飯「フハハハハ!我々に任せておきたまえ!」

 

 

デデーン『飯田、アウトー!!』

 

飯「しまったァァ!よせ、辞め…」 ボッ

 

皆(うわぁ、アホだ・・・)

 

峰「では、“策”を話そう」

 

 

 

突如始まった『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』

最初の犠牲者は飯田だった

大丈夫なのかA組!?

最後までお尻は持つのか!?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そしてB組は別の場所で説明を受けていた

 

物「ハハハ、A組を笑い倒してB組がいるって

  ところを今度こそ証明してやろうじゃないか!」

 

拳「物間、アンタ・・・」

 

デデーン『物間、アウトー!!』 ボッ

 

皆(何か名前のある病気じゃないかな?)

 

物「お尻が…僕のお尻がァァ、ぐぅ・・・・・・

  フフ、大丈夫!心配かけたね」

 

デデーン『物間、アウトー!!』 

 

物「な、なんで2発目はさすがに…」ボッ

 

角「笑ったほうが勝ちなのデスか?」

 

拳「違うよポニー、笑ったらダメなの」

 

物「ぐ、ひっぐ、うぅ…」プルプル

 

骨「物間、もう喋るな」ポンポン

 

塩「神よ…哀れな頭を救いたまえ」

 

皆「ブフォwwww」

 

デデーン『泡瀬、回原、鎌切、拳藤、小森、宍田、庄田、

    円場、鉄哲、取蔭、吹出、骨抜、凡戸、鱗

    アウトー!!』

 

 ボッ

 

皆「ぎゃああああ」

 

物「みんなッ!しっかりしろ傷は浅いぞ!!」

 

塩「…なぜです」

 

柳「ウラメシい」

 

小「…ん」

 

黒「無様だな」

 

角「大丈夫デスか?」

 

物「よし皆!もう喋るのをよそう!」

 

クラスをまとめようとする物間

2回もボられているのに反省がない

 

まぁ、言っていることは正しい

また笑ったら酷い目にあうので

笑わないように、お互いを傷付け合わせないように

黙っているのは正しいのだが

 

人は[笑ってはいけない]状態になると

笑いの沸点が大幅に下がる

それも[喋ってはいけない]状態になると尚更だ

ちょっとした衝撃で爆発、決壊してしまうだろう

そして物間本人がその衝撃となってしまった

 

━━いくら手加減をしている一撃とはいえ

  デクさんシリーズの一撃である

  ソレを2発も喰らったのだ

  物間の尻は真っ赤に腫れ

  スラックスどころかパンツまで

  尻の部分が消し飛んでいた

  そんな状態で真面目な話をしていたのだ

  彼が席に戻ろうと振り向いた瞬間…

 

 

デデーン『物間以外、全員アウトー!!』

 

皆「ふざけるなァ物間ァァ!」 ボッ

 

 

B組の方はもう、駄目かもしれない

 



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ワラッテハ×イケナイ2

 

お互いに自爆し、

デクさんによる洗礼を受けたA組とB組

2つのクラスは今、一ヶ所に集められていた

 

 

フ「ほんなら、これから開始ちゅうことで

  お互いに宣誓しーや」

 

ファットガムはそう言ったが

軍師たる峰田は既に策を打っていた

 

峰「宣誓?違うンすよね…先制スよ

  …もう、戦いは始まってるンすよ……」

 

 

━━B組 宣誓 物間 寧人

 

「━━宣誓、僕達B組一同は正々堂々と

  A組を笑い倒し、勝利することをここに誓います」

 

言ってはなんだが普通の選手宣誓であった

それを聞き、峰田の策を聞いていたA組のメンバーは

内心ほくそ笑む

 

峰「ダボが…先手を譲ったというのに

  打てるのは無難な手ェのみ…

  だから貴様等は二流なのだ…」

 

続いてA組の宣誓に移る

宣誓をするのは爆豪でもなく

策を立てた峰田でもなく…

 

━━A組 宣誓 轟 焦凍

 

意外…それは轟!!

 

「━━宣誓…俺はよく薄い本やら二次絵で描かれる…

  けどな、作家共に言っておく…俺はもう15だぞ!!

  ツルツルに描いたり、薄く描くんじゃねぇ!!

  轟 焦凍の焦凍はボーボーなんだよ!!!」

 

 

デデーン『B組、全員アウトー!!』  ボッ

 

物「ぐうぅ、A組め…卑劣な手を、」

 

 

━━まだだ、まだ轟のターンは終わっていない

 

「それとなぁ!俺のチ✕コはあんな小さくねぇ!!

  もっとデカく描きやがれ!!」

 

デデーン『B組、全員アウトー!!』 ボッ

 

 

宣誓の場

…その場を使った先制攻撃こそ峰田の策であった

クラス1のイケメンで下ネタを撃ち込む

その意外性からくる破壊力ッ…!!

 

B組メンバー20名×2回、計40ポイントGET

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

宣誓が終わり、

各クラスで用意された部屋に移動した

そして、B組も作戦会議を始める…

 

 

鉄「ヤベェ、ヤベェよA組…!」

 

鎌「思いだしたら…ぶふっ」

 

デデーン『鎌切、アウトー!!』

 

鎌「クソがぁ!」 ボッ

 

物「まさか、宣誓の場から攻めてくるなんて…」

 

宍「まさに奇襲ですな…」

 

拳「クラス委員は真面目な感じだったから意外ね」

 

骨「吹出、何かいい案はないか!?」

 

吹「ボクの[個性]は[コミック]だけど

  笑わせるようなものじゃないよ!!」

 

物「ん?鉄哲、何処に行くんだい?」

 

鉄「わりィ、ちと小便行ってくるわ」

 

庄「あ、俺も」

 

物「まぁ、ここまで休憩もなかったし

  幸いイベントの予定時刻までまだある…

  ここら辺で一回休憩を挟もうか」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

男子トイレ

 

鉄「ふ~、それにしてもマジでヤベェなA組」

 

庄「そうだね、アレは普通出来ないって」

 

用を足す2人

そこに迫るは峰田の策

 

 

プ~~~~~

 

 

鉄「……」

 

庄「……」

 

さすがに高校生ともなれば

こんな音1つで笑ったりはしない

 

鉄哲、庄田 セーフ

 

…だが

 

プゥ!ブォッブビビ!!プゥ~ブビ

ガコン ジャ~    ガチャ

 

八「あら?ごめんあそばせ」

 

個室から出て来たのは八百万だった

そそくさと手を洗い出て行く八百万…

 

八百万でトイレから出て行って1秒2秒3秒…

鉄哲と庄田はどちらからともなく吹き出した

 

鉄、庄「なぁはっはっはっ」

 

デデーン『鉄哲、庄田、アウトー!!』ボッ

 

 

 

 



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ワラッテハ×イケナイ3

 

デデーン『鉄哲、庄田、アウトー!!』ボッ

 

 

物「何が起きた…!?」

 

拳「まさか…トイレで」

 

宍「なるほど、確かに用を足している時、

  人は無防備になりますな、しかし…」

 

 

放送により鉄哲と庄田の悲報を知るB組メンバー達

 

物「腹を括ろう」

 

拳「アンタ、いったい何をする気!?」

 

物「目には目を、歯には歯を…

  笑いには笑いを…」

 

そう言って物間は教師達にとあるアイテムを借りにいった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

上「なっはっは、轟の、焦凍がっ!なっは」

 

デデーン『上鳴、アウトー!!』ボッ

 

 

轟「……あれでよかったのか?」

 

峰「上出来スね、あとは…」

 

デデーン『鉄哲、庄田、アウトー!!』ボッ

 

八「戻りました」

 

峰「こっちも上手くいったみたいスね」

 

切「峰田、本当にお前スゲーよ、轟のブフォ」

 

デデーン『切島、アウトー!!』ボッ

 

飯「これで勝利は揺るがないな」

 

峰「グズが…その慢心が敗北を呼ぶと何故わからん!?

  おそらく、もうすぐヤツ等も攻めてくるぞ」

 

芦「…なんか峰田キャラ違くない?」

 

葉「まぁ、今さらだけどね」

 

 

割り当てられた部屋で寛ぐA組メンバー

…そこにB組からの刺客が現れる…

 

~♪~♪

 

耳「ギターの音?」

 

ギターを引きながら現れたのは宍田であった

さらに舞台演劇さながらに歌いながら物間が現れる

 

物「僕は貧しい農夫♪病の母を救う為♪

  薬を探しに森へやってきた♪ どこだどこなんだ」

 

宍「まっていたぞ私が♪悩める民を救う♪

  この森に住む宍神様(シシガミ様)だ♪母を思うオマエの♪

  優しさに胸打たれ♪オマエを助けにやってきた♪」

 

物「本当ですか、信じられない、ありがたき幸せ」

 

~♪

 

宍「オマエの望み、1つだけ叶えてやろう♪」

 

物「な~ら~ば♪大きなイチモツをください♪

  大きなイチモツをください♪

  拳藤の[大拳]にも負けない♪

  大きなイチモツを私にください♪」

 

宍「まってくれ、話が違う、病の母はどおした♪」

 

物「そうだ、そうだった、母の命が1番大事…

  だ~け~ど♪大きなイチモツをください♪

  大きなイチモツをください♪

  着替え中に凡戸と骨抜が二度見する♪

  大きなイチモツを私にください♪」

 

宍「そうか、そうなのか、そこまでいうなら、

  オマエに大きなイチモツを授けてやろう~♪」

 

吹  三『ムクムクッ

 

小「…ん」([サイズ])

 

物「大きなイチモツをありがとう♪

  大きなイチモツをありがとう♪」

 

~♪~♪

 

物間が必勝と信じ実行した作戦

…だがA組の反応は非常に冷ややかだった

 

葉「一応さ義理で笑ってあげたほうがいいのかな?」

 

八「[個性]まで使う意味はあったのでしょうか?」

 

飯「ハァ…論外!!」

 

切「轟ン時のほうが…あり、轟どしたよ?」

 

 

すたすたと物間と宍田の前に進み、語り始めた

 

轟「…母親を見捨てるのか」

 

物、宍「は?」

 

轟「俺の母は『おまえの左側が醜い』と

  俺に煮え湯を浴びせた…それでも俺は母さんを…」

 

もう[半冷半燃]を使ったのかというほど

場の空気は凍り付いた

 

 

デデーン『物間、宍田、(倫理的に)アウトー!!』

 

物「マジでゴメン!」ボッ

 

宍「私は知らなかったんですぞォォ!」ボッ

 

 

吹「((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル」

 

小「…ん………しね」



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ワラッテハ×イケナイ4

 

 

さて、時間は進み次のイベントが開催される

『対決 A組VSB組』

 

このイベントはお互いに『お題』を出し合い

その『お題』に沿って対決を行うものである

 

なお、イベントの最中は『お題』によっては

[暴力]ではなく[戦闘行為]とされるため

武力行使が可能となる

 

 

峰「策はすでに話した通りだ…」

 

物「この『お題』なら絶対にいける!だから…」

 

 

峰、物「「勝ちに行くぞ!!」」

 

 

 

━━B組提案『第1のお題』

  [腕相撲]

 

出場 回原 [旋回]

   宍田 [ビースト]

   拳藤 [大拳]

  

物「ハハハこの盤石の布陣ならば絶対に」

デデーン『物間、アウトー!!』ボッ

 

皆(アホだ…救いようのないアホだ)

 

 

一戦目 回原 VS 麗日

 

回「一戦目は俺が相手をする!…て女かよ!!」

 

麗「よろしく!回原君!」フンスフンス

 

 

物「何故だ?なぜ強化型を出さない…?

  ハッそうか!浮かせて体勢を崩すつもりか!

  回原!気を付けろ!その女、浮かせてくるぞ!」

 

物間のアドバイスを受け回原は机をしっかりと握る

身体が固定されてしまえば浮かそうとしても動かない

そして、回原の[個性]は[旋回]

━━身体のあらゆる部位を高速回転させられる

回転とはすなわち運動エネルギー

単純な強化型でもなければ止めることはできない!!

 

 

フ「じゃあ俺が審判するでー

  準備ええな?ファイッ!」

ゴキン

 

麗「え?弱すぎひん?」

 

回「腕、俺の腕がぁぁぁ」

 

 

━━回原✕

  (手根骨、中手骨、指節骨複雑骨折、橈骨、尺骨骨折)

 

━━麗日○

  (無傷)

 

峰「やっぱり油断したっスね

  でもこっちは本気も本気…

  潰しに行かせて貰うっスよ」

 

蛙「峰田ちゃん、正直そのキャラ気持ち悪いわ」

 

麗「みんな~勝ったよ~」

 

 

二戦目 宍田 VS 砂藤

 

宍「な、なにをしたんですかなァ」

 

砂「悪いな、お前達は決して弱くねぇけどよ

  俺等が強すぎたんだ…」

 

宍「戯れ言を…!!」

 

フ「二戦目も準備ええかー?」

 

物「待て宍田!この勝負何かがおかしい!!」

 

フ「ファイッ!」

ゴシカァン

 

物間の声は届かず始まった二戦目

勝負はまさに一瞬だった

だが宍田は開始前と同じ姿勢のままである

違うのは手首から先が無いというだけ

 

宍「な、え?わ、私の腕」

 

物「宍田ァ!!チクショウ!A組!!

  これがオマエらのやり方かぁ!!」

 

宍田の腕を抑えなんとか止血を施しながら

物間は叫ぶ

同じクラスの仲間を傷付けた奴は

絶対に許さないと睨み付けながら…

 

峰「はてはてはて?なんことスかねぇ?

  ”お互いに持ち得る力を存分に使って勝負をした”

  いったい何が気に食わないんスか?」

 

あのオールマイトですら怒り狂って

全力で殴りかかりそうな表情をして峰田は嘯く

 

フ「審判からも言わせてもらうと

  ルール上はなんも問題あらへんな」

 

物「クソっクソっクソがぁぁぁ!!」

 

峰「さて、次の試合に移りたいんスけど…

  物間殿、彼女にお別れは済ませましたかな?」

 

物「まさか、拳藤に…キ、貴様ァ!」

 

峰「暴力は禁止されてんスよね

  それよりいいんスか?始まるっスよ?」

 

物「拳藤、拳藤ー!!」ダッ

 

━━宍田✕ 

  (右手首より先を欠損)

━━砂藤○

  (大量の返り血により制服に大きな染み)

 

三戦目の試合はまだ始まっておらず

拳藤が(リング)に向かっているところだった

 

物「待った!その試合待った!!」

 

拳「物間!?アンタ何の用!?」

 

物「拳藤!この試合棄権しよう!」

 

拳「ハァ!?なに言ってるの!?

  真剣勝負から逃げ出せっての?」

 

物「キミは前の2人を見てなかったのかい!!

  もし、キミまで傷付いたら僕は…!」

 

拳「…はぁ、確かに2人は残念だけど

  全力を出したら事故くらい起きるって

  学校で回復系の[個性]の人を頼んでいるみたいだし

  きっと大丈夫だって!」

 

物「それでも、僕は!」

 

拳「それに、やるなら一回くらい見せつけないとね

  B組も負けてないってところ!」

 

物「な!それは僕の台詞…!

  わかった、でも気を付けてくれ…」

 

拳「大丈夫、大丈夫!

  それに[大拳]使えば体格差で勝てるって!」

 

 

 

 

 

 

 

三戦目 拳藤 VS 口田

 

拳藤 身長166センチ

 

口田 全高約6㍍ 全長約18㍍(角、尻尾含む)

 

 



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ワラッテハ×イケナイ5

 

“地面に叩き付けられたトマト”

その現場を言い表すなら的確な表現だろう

 

 

拳藤の亡骸をかき集めながら慟哭する物間

それを見下ろす峰田

 

峰「…あっけない、実にあっけない」

 

物「う、あ、あぁああああ」

 

峰「人の言葉で喋れよ、わからんぞ?」

 

 

 

B組━━『第1のお題』 [腕相撲]

 

出場 回原✕ VS 麗日○

   宍田✕ VS 砂藤○

   拳藤✕ VS 口田○

 

自らが出した『お題』でのストレート負け

その結果以上にそうなった過程がB組の心を傷付ける

 

~負傷者治療中&死亡者蘇生中~

 

回「治ったけど…俺はもう、」

 

宍「手の感覚が、ちゃんとありますぞ」

 

拳「え、?あ、生きて、なんで」

 

物「拳藤ー!!治っでよがっだー!!」

 

拳「え!?ちょ、物間、抱き付くな!」

 

A組のメンバーはそれを生暖かい目で見守る

皆(1回死んだくらいでこの騒ぎ…

  もう、なんか逆に新鮮だ!)

かつて自分達が通った道(死に戻り)

それをB組が今、経験しているのだ

 

 

 

フ「落ち着いたみたいやし『第2のお題』いくでー!!」

 

 

━━A組提案『第2のお題』

  [チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]

 

B皆「……はい?」

 

さっきまでの血の生臭さが香る凄惨さと

拳藤の蘇生で泣き叫んだりした状態からの落差が酷い

 

峰「ここはオイラが説明するっスよ

  オイラの[個性]は[もぎもぎ]…

  まぁ、単純に言えば”超くっつく玉”っスね」

 

峰田が困惑するB組メンバーの前に出て説明する

 

峰「んでもってこの[もぎもぎ]をお互いのチ●コに

  くっ付けて紐で繋いで引っ張り合って

  取れた方の負けっていうシンプルな勝負っスね」

 

“いやそうじゃない、どうしてそんな勝負を提案した?”

B組のメンバーは混乱の最中にあった

 

峰「まぁ、男気を試す勝負っスよ

  受けてくれるっスよね?」

 

鉄「おっしゃあ!男気を試すってんなら

  逃げるわけにはいかねぇ!!俺が受けるぜ!!」

 

拳「ちょっと!そんな勝手に決めないでよ鉄哲!

  そもそも…その、お●んちんにくっ付けるって…」

 

蘇生早々にツッコミの仕事をこなす拳藤

(…そこ!拳藤が”おち●ちん”言ったからって喜ばない!)

だがやはり、あの男が余計なことを言い始める

 

物「待て拳藤…、考えてみろ!

  出場するのが鉄哲ならこの勝負、負けはない!

  鉄哲の[スティール]でチ●コを硬くすれば

  チ●コに[もぎもぎ]をくっ付けて引っ張りあっても

  鉄哲の硬くなったチ●コならまず負けない!

  A組の切島あたりもチ●コを硬く出来るんだろうが

  チ●コの硬さでは鉄哲のチ●コのほうが上だ!!

  それにチ●コの安否を考えたとしてもだ!

  鉄哲のチ●コの硬さなら怪我はしないハズだ!!」

 

なるほど、物間の発言は理があるにはあるが……

 

拳「~~!!女子の前でおちん●ん連呼したうえ

  おちんち●が硬くなるとか言うなぁッ!!」トッ

 

物「ごるぱっ」

 

天の声『今のは暴力ではなくツッコミ扱いとしてセーフ』

 

鉄「安心しろっ!俺が勝ってくるぜ!!」

 

峰「ああ、公平を期すため[個性]は使用禁止っス」

 

鉄「俺はもうダメだ!!誰か代わりに出てくれ!!」

 

物「………大丈夫だ鉄哲、万が一取れちゃって

  もし徹子になっても僕らは仲間さ!」

 

鉄「ちっとも大丈夫じゃねぇ!!」

 

 

一戦目 後藤 VS 鉄哲

 

B皆「……誰!?」

 

後「おれの事だ…人間共」 

 

現れたのはスーツを着た長身の男

オールバックに整えた髪型、鋭い目付きも相まって

とても高校生には見えなかった

 

物「あれれれ?なんで部外者がでてくるのかなぁ?」

 

後「おれは元々は主の…1年A組 障子 目蔵…

  その[個性]から生まれた[個性生物]だ」

 

鉄「待てや![個性]は使用禁止のハズだろうが!!」

 

後「そうだな、だが[個性]は禁止でも

  [個性]そのものの参加はルール上では

  禁止されていないハズだが?」

 

フ「せやな、事前に申請されたルールには

  書いてあらへんな」

 

審判であるファットガムも参加を認めた

そして、試合のために両者に[もぎもぎ]が付けられる

 

後「なんだ………たった■cmか」

 

鉄「うるせぇっ!!戦闘モードになりゃ

  もっとデケェんだよ!!」

 

 

拳「あの2人…最低ね」

 

小大「……ね」

 

柳「ウラメシい」

 

塩「…穢らわしい」

 

小森「でも、シイタケくらいしかないノコ」

 

取「っ………!!」(ツボに入って耐えてる)

 

あんまりにもあんまりな試合前のやり取りに

B組女子は辛辣である

 

八「変態です!変態がいます!!」

 

芦「そーいいながらも、モモちゃん

  しっかり見てるじゃん!!」

 

麗「昔見た父ちゃんのよりかなり小っさい」

 

蛙「単3電池くらいかしら?」

 

耳「何でも大きさは重要じゃないけど…アレは…」

 

葉「透明だったらよかったのにね!」

 

またA組女子も辛辣であった

そして鉄哲は心までは[スティール]の対象にならない

容赦ない言葉のナイフが鉄哲の心を傷付けた

 

 

フ「ぶふ…お前ら!本当のことでも

  言ったらアカンこともあるやろが!…ちっさ」

 

鉄「俺は心も鉄、心も鉄…大丈夫だ、心も鉄なんだ

  折れない傷付かない…俺の心は鉄、鉄鉄鉄…」

 

 

フ「ほなら試合始めるで……ファイッ!!」

 

鉄「来いや死ようぜ真っ向勝…いでででで」

 

後「少し動かしただけでコレか…

  こういう場合…………

 『しゃらくせえ』とか言うのか?」

 

鉄「痛い痛い、動かすなって…」

 

油汗を滲ませる鉄哲

彼はその[個性]で多くの攻撃を防いできたが

その分、痛みを感じることも少なく耐性がなかった

ゆえに味わったことのない痛みに悶絶していた

 

後「…仕上げだ」

 

後藤はその身体能力を余すことなく使い跳躍した

するとどうなるか?

紐で繋いである[もぎもぎ]は鉄哲の鉄哲にくっ付けてある

反対側の後藤が跳躍したことで紐はピンと張り…

 

ブチン

 

 

……作者も男である、これ以上は語りたくはない

ただ、ファットガムも含めたA組B組の男子全員が

内股になり、自らのムスコを押さえた…とだけ伝えよう

 

 

 

 

━━後藤○

  (無傷)

 

━━鉄哲✕

  (さよなら鉄哲の鉄哲、いらっしゃい徹子ちゃん)



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ワラッテハ×イケナイ6

 

 

鉄「大きな星が点いたり消えたりしている

  アハハ、大きい…彗星かな。イヤ、違う、違うな

  彗星はもっとバーって動くもんな」

  

物「鉄哲ゥー!!頼む、しっかりしてくれ!!

  お前はこんな所で終わる男じゃないだろ!!」

 

鉄「お、と、こ?アラ嫌だ寧ちゃん!

  あちきは性別を超越した存外…ニューカマーよん!」

 

物「うわぁぁぁぁ!!鉄哲ゥ!!チクショウ!

  返せ!返せよ!!鉄哲の鉄哲を返せぇぇ!!」

 

敗北の代償として大きな…いや小さなナニカを失った鉄哲

その姿はあまりにも哀れだった

 

物「なんだよ!何者なんだよ!お前はァ!!」

 

後「見たとおりさ……単なる[個性生物]だよ」

 

物「生物…生物だと!?お前が!

  [個性]から生まれた存在が生物を名乗るのか!?」

 

後藤「……ちなみに役所に届け出を出して

   戸籍もあれば自動車の免許も持っている」サッ

 

フ「…確かにホンモンの免許やな」

 

障「いつ取ったんだ……?」

 

後「む、主すまない…

  車を買ってから驚かそうと思ったのだが」

 

上「いや自動車学校の学費とかどーしたんだよ!?」

 

後「いや普通にアルバイトで稼いだのだが…」

 

━━【悲報】後藤、コンビニでアルバイトしていた件

 

 

 

峰「さて、二戦目は誰が出るんスかねぇ?」

 

物「二戦目だと!?まだ殺したりないのか貴様はァ!!」

 

峰「いやいや、そっちの[腕相撲]も

  三戦だったじゃないっスか…とーぜんスよとーぜん」

 

フ「せやな、道理は峰田にあるなァ」

 

物「クソッあんな試合のあとで誰が……」

 

峰「しょうがないっスねぇ

  そっちのレベルに合わせてあげますよ…

  そっちは[個性]有りでこっちは[個性]無しで…

  それならいいっスよねぇ?」

 

━━峰田の挑発

それは本来ならありえないものだった

[個性]によっては下手な銃火器より強力である

それに対して生身で挑むという宣言

 

…だが先の試合を見た後では

[個性]を使えたところでどうにもならないと

B組のメンバーは考えていた…1人を除いて

 

黒「俺がいこう」

 

物「黒色!?正気か!?」

 

峰「いいっスねぇ、じゃあ二戦目は…」

 

黒「けひひ、だが相手を指名させてもらうぜ

  常闇!…の[個性]の[黒影]を指名する!!」

 

常「何!?」

 

黒「さっき確認していたルールじゃあ

  [個性]そのものの参加は問題ないんだよなァ」

 

常「……承知した」

 

物(考えたな黒色…黒影は全身が黒い!

  それならば黒色の[個性]で乗っ取れる!!)

 

黒「ひひ、同じ漆黒の宿命を背負いし者として…

  常闇!…貴様の[個性]を俺は穿つ!!」

 

常「なるほど…貴様も深淵の理解者か…」ソワッ

 

マ「フッ、我のことを忘れてもらっては困るな」クイッ

 

物(…考えての行動なんだよな?信じていいんだよな?

  そして尾白も中二だったのか!?)

 

黒色、常闇、マーシーの痛々しい茶番劇をはさんでから

試合の準備にとりかかる

 

 

上「なぁ、今 思ったんだけどよォ」

 

瀬「しっ!言ってやるなって」

 

上「いや黒色の黒色が黒色で黒塗りの黒色じゃん…プ」

 

瀬「ブフォ」

 

デデーン『上鳴、瀬呂、アウトー!!』ボッ

 

取「黒色の…く、黒色が…アハッアハハハハ!」

 

デデーン『取蔭、アウトー!!』ボッ

 

拳「あちゃーツボに入っちゃったか…」

 

柳「ウラメシい」

 

角「切奈サン、かわいそデス」

 

小大「………ん」

 

小森「あれは…エリンギ並ノコ!」

 

塩「穢らわしい…」

 

さすが黒色、一名はツボに入ったが

どこぞの[スティール]とはモノが違う

 

物「嘘……でしょ?」ガクッ

 

鉄「ちょっと冗談じゃないわよーん!!」

 

泡「あれで通常時……だと……」

 

回「俺とそんな身長変わらねぇのに…」

 

庄「俺だって背が伸びれば…きっと」

 

骨「大事なのは大きさじゃねえ!硬さだろ!」

 

宍「それは[柔化]が言っていいことじゃないですぞ」

 

鎌「タッパは俺のがあるのに……切り落とすか」

 

吹「ヤメテ((( ;゚Д゚)))ガクガク」

 

円「さっきの試合の後じゃ冗談に聞こえねぇよ」

 

凡「[セメダイン]で包めばサイズアップが…」

 

鱗「辞めておけ、かぶれるだろうが!」

 

なお、B組男子にはダメージが大きかったようだ

対するA組はというと通夜のような空気だった

別に黒色の黒色が原因ではない

……常闇だ

 

最初、常闇は嬉しかったのだ

マーシーに引き続き、クラスは違えども

黒色という同じ趣味をもつ同好の士がいて

もしかしたら友達になれるかもしれないと

密かに思っていたのだ

 

だが常闇は裏切られた

 

身長 158cm

だがその内の10cm程は逆立った頭部の羽毛である

平均と比べ(全国高校1年男子168.2cm)てかなり小柄だ

……つまり常闇の[個性]じゃないほうの

[黒影](ダークなシャドウくん)もそれなりであった

 

[個性]の方の[黒影](ダークシャドウ)の状態は

常闇の精神状態に大きく左右される

この場合、出てくるのはおそらく本体

それも、かつてなく凶暴化して出てくるだろう

 

ズズズズズズズズズズズズズズズズズ

 

顕現せしは漆黒の竜

圧倒的な大きさとデクさんでも倒せない強さを畏れ、

A組のメンバーは[黒影]の本体をこう呼んだ

 

       高龗神(タカオカミノカミ)

 

━━日本神話に登場する竜神で闇於加美神(クラヲカミノカミ)と対とされる

 

 

常「……俺は謝らんし、反省もせん

  …ひたすら己の無力を呪って死ね」

 

 

そして、二戦目が始まる…

 

 

 

 

 

フ「そん前にフツーに流したけど黒色、

  お前、笑っとったやろ?2回も」

 

黒「あっ」

 

デデーン『黒色、ツーアウトー!!』

 

黒「ま、待て、せめてズボンを履かせ」

ボッ

黒「おおおおぉうぉうおおう」

ボッ チッ

黒「辞め━━ッのうっ タマ、タマにかすっお゛お゛ん」

 

フ「それと鉄哲もやで、星がどーのこーの

  ゆうとった時に笑ったやろが

  あと、尾白もや!サングラスいじくっとる時に

  笑ろうてたなァ!」

 

デデーン『鉄哲、尾白、アウトー!!』ボッ

 

試合前にも関わらず黒色は瀕死

鉄哲も試合後のダメージが残る中、トドメをさされた

マーシーは…うん、痛そうだ



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ワラッテハ×イケナイ7

 

 

まるで脱ぎ捨てられたように床に散らばる

雄英の制服と上履き、下着や靴下……

それが雄英高校1年B組 黒色 支配が存在した証明だった

 

生涯の主人にして初めての友であり、

ある意味では親でもある常闇の心を傷付けられた黒影は

怒り狂い文字通り逆鱗に触れられた竜と化した

その黒影を乗っ取ろうとしたのが黒色の間違い

 

あの心操主催の合コン(合同コンバットシミュレーション)にて

黒影は幾度となく常闇の遺体を食べ取り込んだのだ

つまり、人を食べ慣れていた

 

戦闘開始直後、黒色は速攻を仕掛け黒影に溶け込んだ

溶け込んでしまったのだ

僅か15歳の精神は竜と化した黒影の前では

塵芥ほどの価値もなくそのまま消滅した

肉体は黒色の[個性]である[黒]の特性上、

黒影に同化しており細胞の1つも残っていない

 

怪我を治す[治癒]も、

分解し修復する[オーバーホール]も、

過去の状態に戻す[巻き戻し]も、

本人が生きているかもしくは

“本人”とよべるだけの遺体(パーツ)が残っていなければ

発動することができない

“遺品”からでは蘇生はできないのだ

 

そうしてB組は1人の級友を失った

それも『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』

というふざけた学校行事の

[チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]

などというふざけた種目で失ったのだ

もはや、言葉もでない

 

 

そして黒色の消滅を見ても一切取り乱さず

意味のある行動を取れる人物が1人A組 心操 人使である

心操はスマホを取り出すと電話を掛けた

 

 

心「あ、もしもし?お疲れ様です先輩

  ええ、その節は…、はい、楽しんでますよ

  それでですね、また消滅した人が…

  いや今回は俺じゃないですよ

  俺が消滅してたら電話掛けれないじゃないですか…

  いやいやいや、あの人外(安心院さん)

  一緒にしないでくださいよ!

  俺は死んだら死ぬ方の人間なんで!

  …で、いつ頃なら来れます?なるべくなら…

  え!?あ、そうですよね、まぁわかります

  ではその時にお願いします

  もしかしたら後何人か増えるかもなんで…

  はい、よろしくお願いします。それじゃあ、

  え?あーじゃあ“白い恋人”でお願いします」

 

級友を失ったB組からの刺さるような視線もなんのその

電話を掛け終わった心操はフゥと息をつき

 

心「黒色の蘇生の目処がたったぞ」

 

あっけらかんと言った

 

物「心操…キミ、ふざけているのかい?

  怪我でもなく、ただ死んだのでもなく

  黒色は消滅したんだぞ!!身体も残っていないのに

  どうやって治すっていうんだ!!」

 

黒色の物だった制服を抱き締めながら物間が叫ぶ

怪我ならリカバリーガールの前例があった

身体が残っていれば蘇生の実例も拳藤で見た

だが今回は消滅だ

身体が残っていないのだ

蘇生を諦めるのは当然だった

 

心「いや、肉体が消滅したくらいで

  解放されるならさ…そもそも俺ここにいないし…」

 

俗に言う“経験者は語る”である

 

物「本当に、本当に黒色が戻ってくるのかい!?

  ありがとう、本当にありがとう!

  僕に出来ることならなんでも言ってくれ!!

  いつでも協力しよう!!」

 

だが元を辿っていけば黒色が消滅した直接の理由は

黒影であるが、その黒影が竜神化したのは

心操が主催した合コン(合同コンバットシミュレーション)が原因でもある

さらに言えば心操の精神を追い込んだ某教師と某老害が

原因であるとも言えるだろうし

さらにさらに辿ればデクさんに行き着く

…この場合、元凶はデクさんなんだろうか?

 

心「ただな、言い難いんだけどさ

  黒色の蘇生、時間が掛かるんだよね」

 

物「いや、身体が残って無いんだからね

  時間が掛かるのは当たり前だろう?」

 

心「ごめん、違うんだ…蘇生自体は数秒で終わるんだ…

  消滅した事実を『なかったことに』できる先輩が

 『今のトレンドは山ガールだぜ』って言って

  夏休みを利用して北海道は大雪山まで行ってて…

  9月の始業式まで帰ってこないんだよね

  あ、お土産は“白い恋人”頼んであるから!」

 

 

━━【訃報】黒色、始業式まで彼岸で過ごすってよ

 

 



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ワラッテハ×イケナイ8

 

級友を失い、タマも失ったB組

”もう、これ以上はなにも失いたくない”というのが

B組メンバーの正直な思いである

…だがそうは峰田が卸さない

 

峰「じゃあ、最後の勝負っスし

  大将対決といくっスかね!!」

 

━━大将対決

B組で言えば物間が出るだろう

だがA組は…

クラス委員長たる飯田が出るのか

軍師であり参謀の峰田が出るのか

あるいは現メンバーのリーダー格である心操が出るのか

予測がつかない

 

峰田はまず出ないだろう

軍師にしろ参謀にしろ前線に出る存在ではない

飯田ならまだ希望の目はあるだろうが

A組は予想外の強化をしていることは身に染みている

予想がつかないので危険牌である

最後に心操、今の彼を見て彼が普通科出身だと

誰が思うだろうか?

肉体、精神、[個性]、全てが上位者のソレとなっていた

 

“棄権”…それしかないとB組メンバーは判断し

物間もそれを了承した

負けるのは悔しい

負けるのは辛い

それも“棄権”という負け方は

自分で今までの自分の努力を否定するということである

 

だが勝ち負けよりも失いたくないものが物間にはあった

仲間である

誰も傷付いてほしくないのだ

治療の有無に関わらず仲間の傷付いた姿を見たくないのだ

だから“棄権”

辛酸を、苦渋を舐めても仲間を生かす道を選ぶ

それがB組のキズナである

 

 

峰「ああ、さすがに最後っスから

  A組はオイラが出るっスよ

  それに[個性]も使わないっスね」

 

物「ハハハ、君が相手だって?

  いくらなんでもB組を舐めすぎだろう!?

  いいだろう!僕が…」

デデーン『物間、アウトー!!』

物「よくも卑怯な手を…はう!!」

ボッ

 

B皆(やっぱり頭か心の病気じゃねぇかな?)

 

A皆(どんな精神してんだアイツ…?)

 

物間がボられてできた隙に拳藤が滑り込み

巨大化させた拳で物間をかっ拐った

 

拳「ちょっと待ってくださいねー

  物間!!どういうつもり!?」

 

物「大丈夫さ…相手は峰田だよ?

  多少、頭は切れるかもしれないけど

  純粋な身体能力なら僕の方が上さ!

  …それに、僕は責任を取らないといけない」

 

普段の煽ることしか考えてなさそうなキャラから一転し

古い表現かもしれないがいわゆる“男の顔”をしていた

そもそもなぜ物間はA組を煽るのか?

A組がそんなに嫌いなのか?

その理由は物間の原点にまで遡る

 

物間 寧人は物覚えのいい子供だった

1度見れば大体のことがこなせた

そして、出来ないことは人に見られない所で努力して

できるようになるまで努力が続けられる子供であった

だが、彼は6歳になっても[個性]が発現しなかった

ゆえに苛められた

それでも物間は努力を続けた

[個性]をもっている奴よりテストでいい点数を…

[個性]をもっている奴より体育で活躍を…

だから疎まれた

小さな子供は時に大人以上に残虐だ

語彙が少ないからか、思った事をそのまま言うからか

あるいは躊躇がないからなのか…

物間は苛烈なイジメを受けた

そして子供は大人以上に傷付きやすい

心が純粋だからか、周りの影響を受けやすいからか

あるいは逃げ口がないからか…

転機が訪れたのはある日、小学校の授業で

隣にいた児童と手を繋いだ時である

物間は自分にもやっと[個性]が出たのだと喜んだ

だが、数分もしない内にその[個性]は使えなくなり

その後も使えないままだった

僅かな希望は、掴んだと思った瞬間に消えたのである

物間へのイジメはより酷くなった

自分は[無個性]じゃない

前にちゃんと[個性]が使えたと物間が言っても

同級生達は誰も信じてくれなかった

『嘘つき物間』…そう呼ばれた

それでも両親にはイジメの事実を隠し続けた

グラウンドで転んでできたんだよ(10針以上縫う刃物傷)

階段で転んで落ちちゃったんだ(表皮が炭化するほどの火傷)

飛んできた砂が目に入ったんだ(眼底骨折及び網膜剥離)

両親が不審に思っても

『僕はクラスの人気者だからイジメなんてないよ(”嘘つき”じゃない人気者のハズなんだ)

そして、またある日のこと

物間はまた別の[個性]が使えた

何度も[個性]が使えることを確認してから

同級生の元へ駆け寄る

どうだ、ちゃんと使えるだろう?(僕を見てくれ、ちゃんとできるんだ)

そう言って同級生の前で[個性]を使おうとした

だが[個性]は使えなかった…

ますます酷くなるイジメ

私物は何度も無くなり、机は落書きだらけ

身体は包帯と湿布、ギプスが絶えなかった

そうして物間は自身の[個性]が

[コピー]であるとわかった年まで…

10歳までの数年間もの間を、

それまでの人生の約半分の期間をイジメを受け続けた

いつも1人ぼっちでいて

同級生に呼ばれる時はイジメられる時だけ

シャツを脱げばアザや生傷、火傷跡、縫合跡で変色した肌

…その頃の物間を今の物間と比べると別人だと思うだろう

人と話すこともままならず、常に人の視線を気にして

ストレスからくる不眠症と

泣き跡でできた赤黒い隈がある少年

それが物間 寧人

そして、友が居なかったゆえに、

過剰なまでに仲間を大切に思い、守ろうとする

ずっと見下されていたゆえに、

自分と仲間達より上の存在(僕を見ない奴ら)を許せずにいる

それが…物間 寧人の原点(オリジン)

 

 

物「大丈夫、きっと勝てるさ(例え僕が死んでもね)

  B組の誇り(僕の存在価値)は守らないといけないんだよ」

 

拳「物間、アンタ最初っから棄権しないで

  自分が出る気だったでしょ?」

 

物「……参ったね、拳藤には…

  ”煽ってばかりで口先だけの馬鹿な男”

  完璧に演じていた(コピーしていた)と思ったんだけどね」

拳「死ぬわよ?」

 

物「今なら死んでも生きかえれるみたいだしね

  それに、仲間の誇りを守れる(僕が僕でいられる)ならそれで満足さ

 

拳「え?アンタ、最後なんて言って」

 

物「さてとこんな時は…いってきます(後は任せたよ)…かな?」

 

拳「ほんとアンタってバカ……いってらっしゃい(帰ってきてね)



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ワラッテハ×イケナイ9

デデーン『全員、アウトー!!』

 

 

物間と拳藤が造りあげたシリアスは霧散し、

シリアルが場を独占する

 

どんな重い過去があろうとも

どんな思いで覚悟を決めようとも

今、行っている競技は

[チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]である

 

そして、『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』

というイベントとしては

相手をより多く笑わせた方が有利であり

唯一無二の勝利手段でもある

そういう意味では物間のファインプレーである

なにしろ全員を笑わせたのだから

本人が望んでいるかは別として……

 

 

笑わせた理由は単純だ

[チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]

その競技の特質上、

まずチ●コに[もぎもぎ]をくっ付ける必要がある

そして[もぎもぎ]を相手の[もぎもぎ]と紐で繋げるのだが

[もぎもぎ]を付けるにはズボンもパンツも脱ぐのだ

 

 

揺るぎ無い覚悟を認め(したため)、真っ直ぐ前を見据え

チ●コ丸出しで挑む物間……

 

━━具体的には物間の物間に問題があった

 

 

 

 

拳「物間…あんな…格好つけて……ちっさ…ププ」

 

柳「ウラメ…シ、ブフ」

 

角「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」

 

小大「………ぷ」

 

小森「んふふ…マッシュ…ルーム並ノコ!ふはっ」

 

塩「穢…らわ…もう、無理アハハハハハ」

 

取「~~」(完全にツボに入った)

 

鉄「だーはっはっはっはっ」

 

泡「はははっちょ物間、辞めれ」

 

回「くっくっよせよ物間も真面目にやってん…ぶふふ」

 

庄「ははは身長あってもソレかよ!!」

 

骨「くくっマッシュルーム並だってよ」

 

宍「ふはっそれ以上はいけま…ふはは」

 

鎌「おまけにツルツルじゃねぇか!!」ゲラゲラ

 

吹「プギャーm9(^Д^)wwww」

 

円「なっはっはっはっはっ」

 

凡「ボンドのキャップくらいしかねぇのな」ケラケラ

 

鱗「哈哈哈!看啊! 物間就像垃圾一样!!(ハハハ!見ろ!物間がゴミのようだ!!)

 

 

人々を己が身一つで笑わせられるのであれば

ヒーローの本懐かも知れない

だが仲間であるクラスメイトから向けられたのは

『笑い』ではなく『嗤い』だった

 

羞恥心か怒りか失望か肩を震わせながらリングに上がり、

リトル物間に[もぎもぎ]が装着される

 

そして対戦相手である峰田にも[もぎもぎ]が装着され

 

━━━なかったのだ

 

[もぎもぎ]は本人にはくっ付かず反発する性質をもつ

ゆえに、装着しようとしても反発して床に落ちて

床にくっ付いてしまう

 

峰「おやおや、これは困ったスねぇ

  コレじゃあオイラは参戦出来ないっスね

  “仕方ないから”棄権するッスよ」

 

突然の棄権宣言

予期せぬ勝利を手にいれた物間だったが

内心は非常に複雑だった

 

あんな回想シーンで過去まで語って

拳藤とルビを振って格好着けた会話して

その結果が不戦勝

 

そりゃあ誰だってモヤモヤするだろう

 

 

 

…物間はまだ、その悪意に気付かない



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ワラッテハ×イケナイ10

 

 

物「いい加減コレを外してくれないかい?」

 

リトル物間に[もぎもぎ]をくっ付けたまま

物間が峰田に頼む

 

博識たる読者の皆様なら御存知だろうが

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『もぎもぎ』

頭から粘着力の高い部質を無限に生み出す。

もぎって投げるという単調な動きから対人戦闘に不向き。

 

粘着力は体調に左右され、

調子の良い時には一日中くっついたまま。

自身にはくっつかずプニプニ跳ねる。

もぎりすぎると出血する。髪の毛が変異しているらしい。

 

攻撃力は皆無だが、その性質上、

相手を傷つけずに無力化するのに適している。

他の人間などにくっつけた上で掴まって移動、

垂直な壁に使用して高速で登るなど、応用力も高く、

小柄な体とも噛み合っている。

しかし、一度峰田以外にくっつくと効力が切れるまで

峰田本人でも剥がせない。

 

(pixiv百科事典より抜粋)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

調子の良い時には一日中くっついたまま

 

くっつくと効力が切れるまで峰田本人でも剥がせない

 

そして、物間のリトル物間には[もぎもぎ]が…

 

物「このまま1日過ごせってのかい!?」

 

峰「なに、貴様のような道化にはお似合いだと思うがな」

 

物「ふざけるな!なんで僕がこんな…」

 

さすがにいつまでも下半身の装備が

[もぎもぎ]だけではマズイと思い

文句を言いながらパンツを穿く物間

 

その時、奇跡(悲劇)が起こった

普段通りにパンツを穿こうとした物間だが

[もぎもぎ]がくっ付いている分、大きいのだ

結果としてパンツが完全に上がる前に

[もぎもぎ]にくっ付いた

 

端からみれば露出している男の股関を

黒丸で隠しているようにしか見えない

 

デデーン『物間以外全員、アウトー!!』

 

そして、笑神様は辣腕をさらに振るう

 

先のパンツで学習して[もぎもぎ]を避けるように

スラックスを穿いた物間だが

直径十数センチもある[もぎもぎ]がくっ付いているのだ

当然、その分もっこりする

俗にテントを張った状態とも言い、

キャラクターに例えるなら“まり●っこり”である

 

ここに物もっこりが爆誕した

 

デデーン『物間以外全員、アウトー!!』

 

ある意味、物間はA組に対して復讐を遂げた…

味方も多いに巻き込んではいるが…

 

 

A組━━『第2のお題』

[チ●コに[もぎもぎ]くっ付けて引っ張り合う勝負]

 

出場 後藤◯ VS 鉄哲✕

   黒影◯ VS 黒色✕

   峰田✕ VS 物間○

 

結果として物間は確かに勝った

確かにA組に一矢報いたのだ

それが全て峰田の手のひらの上だったとしても

 

 

心「なァ実、なんで最後の勝負を捨てたんだ?」

 

イベントが終わり教室に戻る途中で心操が尋ねる

 

峰「オイラの[もぎもぎ]は基本的には

  時間経過でしか外せないんスよね…」

 

心「あぁ、よく知ってるよ」

 

峰「それで奴さんはスラックスを穿いたんスよ」

 

心「あぁ、もっこりしてたな」

 

心操の発言に何名かが吹き出しそうになる

 

峰「…でスラックスにも”くっ付いた”わけっス」

 

心「何がいいたいんだ?」

 

峰「この学校行事…

  『絶対に笑ってはいけない雄英高校24時』は

  文字通り24時間体制で行われるんスよ」

 

心「あの状態でマジで1日過ごすのか…

  ッ!つまりB組への常時攻撃か!?」

 

峰「それもあるんスけど特大の爆弾があるんスよ」

 

心「特大の爆弾…?」

 

峰「丸1日っスよ?……トイレに行きたくなったら…」

 

心「実…!!お前は悪魔か!?」

 

峰「そう!スラックスとチ●コがくっ付いてるから

  スラックスを脱ぐことが出来ないっスね」

 

教室に帰る途中、尿意を催してトイレに行った物間が

その事実に気付くまであと数秒



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ワラッテハ×イケナイ11

さて、教室に戻ったメンバー達であるが

教師には雄英の教師陣が仕掛けた悪意があった

 

 

『引き出しの中を確認せよ』

 

 

心「ついにきたか…」

 

葉「ガ◯使の定番のヤツだよね」

 

瀬「どーするよ?誰から開ける?」

 

確実に罠とわかっていても

進まないといけないのがルールである

 

爆「めんどくせー、さっさと開けろや」

 

そう言って爆豪が引き出しを開けると

中には一枚のDVDがあった

 

芦「これってアレだよね…」

 

峰「間違いないっス…

  誰かしら絶対に犠牲になるヤツっスね」

 

爆豪は黙り込み動けずにいた

中身がわからないDVD…確かに不安にもなろう

確実に誰かが犠牲になる行動…確かに躊躇するだろう

だが、爆豪にとってはそんなことはどうでもよかった

DVD…そのパッケージに書かれた一文

 

『爆豪の恥ずかしい秘密』

 

この一文に戦々恐々としていた

すでに“この作品”は“デクさんの理不尽な暴力オンリー”

…だけでなく“下ネタ”にまで手を伸ばしたのだ

つまり“ソッチ系”の映像が記録されている可能性がある

爆豪とて健全な男子高校生だ

するときはするのだ

もし、万が一、その時の映像でも入っていた日には…

しかし、思い直してみれば

どちらかといえば18禁というよりは

18禁Gな事が多い“この作品”を考えれば可能性は低い

さらにエロというより下品で済むような内容で

“読者の感想を恐る恐る見てる小心者の作者”だ

意を決してDVDを教室のパソコンに入れる

プロジェクターによって大画面で写しだされたソレは…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

爆「びっくりするほどユートピア!!」(ハイトーン)

      ペチペチ ペチペチ

 「びっくりするほどユートピア!!」(ハイトーン)

      ペチペチ ペチペチ

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

爆豪が全裸で尻を叩きながら白目を剥いて

異様な台詞を…しかもやたらとハイトーンで

連呼しながら昇降運動する姿だった…

 

 

デデーン「A組、爆豪以外アウトー!!」

 

外部から操作しているのか

ご丁寧に全員ボられるまで映像は静止していた

 

爆「~~っざけんな!!俺は!こんなっ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ああ、そうだ♪いつものヤらないとな…

 

  ホモソー●ージでも喰らうといい」ブスッ

 

 

「はうあっ!」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ソレは、爆豪の尻にホ◯ソーセージが

突き刺さる決定的瞬間であった

 

 

 

デデーン「A組、爆豪以外アウトー!!」

 

 

爆「ち、違う…俺じゃない…俺はやってない」

 

爆豪以外は物理的に(ボられることによって)肉体を責められたが

爆豪本人にとってはボられるよりよっぽど

いっそ死にたくなるほどに辛い精神的苦痛を受けていた

 

考えてもみて欲しい

学校や職場…知り合いや友人の集う場所で

自分の記憶にない自分が

“びっくりするほどユートピア”していたり

尻にホモ●ーセージをぶちこまれている映像を

一切モザイクを掛けずに流されたのだ

 

そりゃ誰だって精神崩壊する

俺だって静止崩壊するもん

 

 





※DVDに映っていた謎の人物の設定

高校生離れした筋骨粒々な肉体をもっており
ブリーフを無理矢理引き伸ばして
スリングスタイルで履きこなしている
なお、衣類はブリーフと頭に被ったパンティーのみ
まさしく絵に描いたような変態である

※恥ずかしい秘密のDVDの設定

遂にコッチの世界にまで侵食してきた変態
爆豪の精神を破壊しつくした
なお、アッチの世界の“仮っちゃん”も
別世界のA組で放送されたことを聞き
ショックのあまり“ワンチャンダイブ”した

※ワンチャンダイブの設定

来世に期待してワンチャンダイブ!!
…したが変態のブリーフに受け止められた
肉体は無事だが精神は死んだようだ


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ワラッテハ×イケナイ12

 

━━一方その頃B組

 

 

 

 

デデーン「A組、爆豪以外アウトー!!」

 

 

物「今の、聞いたかい…?」

 

拳「聞いたけどアンタ…その格好…プク、ク」

 

物間は依然として物もっこり状態であり

迫り来る尿意の波を抑えんと内股になっていた

軽く放送事故状態の物間の発言により

物間の方を向いてメンバーが犠牲となった

 

 

デデーン「拳藤、鉄哲、小森、取蔭アウトー!!」

 

物「もう、僕のことはいいじゃいか!!

  容姿のことは放っておいてくれ!!それより…」

 

鉄「引き出しが危ねぇってことだろ?」

 

宍「誰から開けますかな?」

 

物「やっぱりここは僕が…」

 

拳「アンタは絶対に駄目!!

  これ以上に変態ルックになったらどうすんの!?」

 

物「へ、変態ルック…」

 

鉄「じゃあここは俺が開けるぜ」ガラッ

 

拳「ちょ鉄哲!もっと慎重にしなさいよ!」

 

鉄「なんだ?鍵?」

 

鎌「ロッカーの鍵じゃねぇか?」

 

鉄「あー、後ろのヤツな」

 

鉄哲は躊躇なく鍵を差し込みロッカーの扉を開けた

 

キィィ

 

 

 

 

フォォォォォォォォォォォ!!!

 

うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?

 

 

バタン

 

 

鉄「え、ええ?え?」

 

物「鉄哲…凄い声が聞こえたし出してたけど…

  ロッカーの中に何が…?」

 

鉄「え?あ?変態?パンティー被った裸の男が?

  ロッカーで、いました?」

 

拳「落ち着いて」

 

物「も、もう一度開けてみたらどうだい?」

 

鉄「俺が?」

 

物「そう俺が…だね」

 

鉄「ロッカーを?」

 

物「ロッカーを、開けるんだ」

 

 

先程とは異なり、やや怯えながらロッカーを開ける鉄哲

 

キィィ

 

 

 

フォォォォォォォォォォォ!!!

 

今度はすぐに閉めなかった為に

中から変態が飛び足してきた

そして変態は釣り上げられた魚のように

床の上をビッタンビッタン…

 

B組(黒色を覗く)の心は1つになった

曰く…『なんだコレ?』

 

 

ようやく落ち着いたのか変態は立ち上がり…

 

「さて…泡瀬、回原、庄田、円場よ…

  俗に言うB組モブ男集団よ…目立ちたいか?」

 

いきなり失礼なことを抜かした

 

宍「な、なんなんですかな貴方は!?失礼ですぞ!?」

 

「黙れこのムック2Pカラーがっ!!」

 

物「宍田の言う通りだね…大体「あ!」

 

物間の言葉を遮り、物間のことをじっと見つめる変態

 

「物間よ…すまない、流石にアレはヤりすぎた…」

 

物「ぼ、僕にいったいなにをし…」

 

「ヤベっ、とりあえずB組モブ男集団よ!

  キュウリでも食らうがいい!!」ブスッ

 

泡、回、庄、円「はうあっ!」

 

物「なんてことを!?

  しっかりしろ傷は浅いぞっ!」

 

「そして鎌切、骨抜、凡戸、鱗よ…

  キャラが扱い難い!キャラを立たせてやる!

  ズッキーニでも食らうがいい!!」ズブッ

 

 

鎌、骨、凡、鱗「アッ━━━━━━━!!」

 

物「僕らが何をしたって言うんだ!

  ちくしょう…ちくしょう…」

 

「さて、物間よ…強く生きろよ」ポンポン

 

最後に物間に優しく声を掛け、肩を叩いてから

変態はロッカーの中へと帰っていった…

 

 

物「本当に僕に何をしたっ!?」

 

 





※謎の変態の設定

遂に本人がコッチに来た
知らない読者は
『僕のH☆EROアカデミア』を読んで欲しい!

※物間の悲劇の設定

アッチの世界線で未来に起こる悲劇
何度世界をやり直しても
書くのが“某作者”である限り救いはない

※キュウリの設定

ウリの眷属の尖兵
“某作者”は辛味噌で食べるのが好き
“VR夏すずみ”を育ててる

※ズッキーニの設定

ウリの眷属の尖兵2
さらにゴーヤ、ヘチマ等がいる
さすがにトウガン、スイカ、メロンは無理
多分ラスボスはカボチャで“ジャックアトランティス”


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ワラッテハ×イケナイ13

 

まさかの変態乱入により場を乱された生徒達…

しかし一息つけることもできずに

学校側から次の刺客が送られていた…

 

 

エ「久しぶり!エリだよ!(@ ^A^@)/」

 

それは幼女だった

 

麗「わ!どうしたんエリちゃん?」

 

エ「ん~とね、コレあげる(@´・ω・@)っ」

 

麗「なにかの…ボタン?」

 

壊理(エリ)が渡したのは

普段の生活では見ないようなスイッチの付いた箱…

いわゆる、お仕置き箱である

 

上「まさか、押さない…よな?」

 

麗「え、え?でもせっかくもらったんやし

  一回くらいは…」

 

エ「押してくれないの?(@´Д⊂)」ウルウル

 

麗「えーい!ままよ! 」ポチっ

 

 

デデーン「飯田、タイキック~」

 

飯「え、は、ま、まて」

 

ボッ

 

 

飯「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああっはぁーー」

 

心「なんか威力上がっているな…」

 

峰「この為の特別仕様…か?」

 

芦「よく身体が千切れなかったねー」

 

さすが修羅場をくぐったメンバーだ

暴力に慣れている

 

飯「う、うら、うらら、麗日ひゃん

  そ…れを捨てるんだ」

 

息も絶え絶えになりながら飯田が叫ぶ

 

麗「わ、わかった」ポイっ    カチッ

 

デデーン「飯田、タイキック~」

 

飯「投げ捨てるなんボッの゛お゛う゛!」

 

エ「あのねーもう1個あるの(@・ω・@)っ」

 

飯「エリ!!それをコッチに渡しなさい!!」

 

エ「えーやだ(@・∀・@)」ポチっ

 

デデーン「飯田、タイキック~」

 

「エリィィィボッ

 

エ「お兄ちゃんにコレあげるね(@・ω・@)っ

  じゃ、またねー☆」

 

心操にスイッチを渡して壊理は去っていったが…

心操の手元にはスイッチが…

 

 

心「マジか…」

 

飯「人使君!!君ならわかるだろう!!

  ボられることの痛みを!!苦しさを!!」

 

心「…そうだな

  イタズラにボられちゃたまったもんじゃないな」

 

飯「そうだろう!さぁ早くソレを…」

 

心「でも一回やってみたかったんだ」ポチっ

 

デデーン「飯田、タイキック~」

 

飯「人使君!!君はボッぁぁぁぁ!!」

 

押したらマズイとわかっていも

いや押したらマズイからこそ押すのが人の(さが)だろう

 

その後、A組内でスイッチを巡る戦いが勃発した

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

モニター室にて

 

 

オ「……」

 

校「……」

 

ミ「……あのオールマイト、校長…

  コレ、逆に生徒から笑顔を奪ってません?」

 

オ「……」

 

校「……」

 

ミ「笑わないようにして笑ったら厳罰って

  しかも生徒同士の対決の時は

  性能差がありすぎて……

  ブラドキング、ストレスで胃に穴空きましたよ」

 

 

オ、校(やっべぇぇえ!!やらかした!!)

 

ミ「それとあの変態はどこから呼んだんです?」

 

オ「え?校長先生が…というか学校で用意したんじゃ?」

 

校「え?君が用意したんじゃないのかい?」

 

オ「いえさすがにあのような変態を校舎には

  入れませんよ…と、なると侵入者!?」

 

変態はどこから現れどこへ消えたのだろうか…

 

 



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ワラッテハ×イケナイ14

 

 

刺客として壊理ちゃん参戦でA組が

引っ掻き回されていた頃B組は…

 

 

洸「……チッ」

 

拳「え?誰?」

 

ツノの付いた赤い帽子がトレードマークの

目付きの悪い5歳児…

出水 洸汰が刺客として送り込まれていた

 

物「どうしたのかなボク?迷子かい?」

 

そして無用心に近づいた物間がやはり犠牲になった

 

砕ィィィ(サイィィィ)!!」

 

物「んぉう!!」

 

物間の股関にはまだ[もぎもぎ]があった

ソレがクッションの役割を果たすことはなかった

…少し、考えみてほしい

例えば、柔らかな“綿”がついていれば

衝撃を吸収してダメージは少なくなるだろう

例えば、“ファウルカップ”を着けていれば

衝撃を通さなかっただろう…

だが物間はリトル物間に直接[もぎもぎ]がくっついていた

[もぎもぎ]はゴムのような物体だがある程度の固さもある

股関に中身が詰まったゴムボールをくっつけて

ソコを殴ったらどうなるか?

 

答え→今の物間の様にもんどり打つ

 

しかし、洸汰は止まらない

まるで親のカタキに対するように

物もっこりの“もっこり”部分を執拗に責め立てた

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ…オラァッ!!」

 

 

鉄「物間もう泡吹いてるぞ!?」

 

小森「物間君のマッシュルームが

   マッシュドマッシュルームになっちゃうノコ!!」

 

拳「小森なんで上手い事いった!?」

 

 

悲劇は終わらない

A組で言えば心操が嫌がっても、傷ついても、

なんだったら死んでも執拗にボられたように…

ただ悲劇のベクトルが物間は違っていた

 

 

説明すると最初の一行で読者は何が起きるか悟るだろう

 

まず物間は[もぎもぎ]によりトイレを我慢していた

そして執拗な打撃による衝撃は陰嚢に留まらず…

下腹部、主に膀胱を幾度となく襲っていた

さらに言えば物間は痛みにより気を失っており

尿道周辺の靭帯が弛緩し始めていた

たかが5歳児のパンチで気絶するなど情けないとは

男性であれば口が裂けても言えないだろう

理解できない女性の読者の為に解説をしよう

“痛み”を数値化する際に使う単位はdel(デル)という

一説によれば

『人が耐えられる痛みの限界値』がおよそ45delである

そして『出産時の痛み』が57delである

これは『骨が20本同時に折れた痛み』と同等だそうだ

人の限界を越えた痛みに耐えて

出産をする女性は偉いとは思う…思うのだが

『普通に金的をされた痛み』9000delである

これは気絶しても仕方がない

だから物間が黄色い水溜まりを作っても仕方がないのだ

 

洸「へっ!きたねえ水芸だ」

 

そして物間の人徳が成せる業だろう…

水溜まりに倒れる物間を助ける者はいなかった

だって、ばっちいし…

 

鉄「待てや!俺のダチにここまでされて

  大人しく返すと思ったか!?」

 

宍「まったくですぞ!親の顔が見て見たいですなァ!」

 

洸汰の前に立つ鉄哲と宍田…

 

洸「()()()()()()()パパとママは…(ヴィラン)との戦闘で…」

 

デデーン「宍田、鉄哲(倫理的に)アウトー」

 

宍「すいませんでしたぁぁ」  ボッ

 

鉄「なんで俺まで!?」  ボッ

 

洸「(ヴィラン)との戦闘で…」

 

拳「いやもう言わなくても大丈夫だから!」

 

拳藤が洸汰を止めようとするが

洸汰は止まらない…

なぜなら()()()()()()だからだ

 

洸「偶然近くにいたデクさん(当時中学生)が参戦して

  (ヴィラン)をボり続けたのを見て

  ヒーローの存在意義を疑問に思って引退…

  今は地元で水産業をやってます!

  出水水産をどうぞよろしく!!」

 

営業広告担当の店の看板息子 出水洸汰

彼は己の仕事をキッチリこなした

 

拳「広告!?」

 

洸「お昼にはママが食堂も開きます!

  新鮮な魚のメニューがいっぱいあります!!

  一番美味しいのはチキンカレーです!」

 

拳「カレーなの!?」

 

洸「お客さんが来てくれないと

  ボクの夕御飯が余り物だけになります!」

 

拳「切実!?」

 

洸「火ィ通せばイケるって

  パパが焼いた刺身が出てきます!」

 

拳「いやそれはそれで美味しそうだけど…」

 

洸「サラダ代わりにと言って

  大根のツマが大量に出てきます!」

 

拳「それはちょっと…やだな」

 

洸「おやつが煮干しか干しエビになります!」

 

拳「……」スッ(´・ω・)っ千円札

 

洸「同情するなら買ってくれ!

  同情するなら買ってくれ!」パシィッ

 

嵐のように言いたい事を言って洸汰は去っていった

残ったのはモヤモヤした心と痛み、

…そして黄色い水溜まりだった

 

 

 



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ワラッテハ×イケナイ15

両クラスともにボロボロになっていたが

試練はまだ続く…

 

フ「よし!今からお前らには“鬼ごっこ”をやってもらう!」

 

ファットガムの言葉に遂に来たかと

生徒達の顔が強張っていく

 

 

捕まってはいけない×鬼ごっこ ルール

 

1捕まってはいけない

2捕まった者は“鬼”ごとに罰ゲームを受ける

3終了時、捕まった回数により昼食のグレードが変わる

4ゲーム中は笑っても良い

 

フ「ほな始めるでー」

 

 

プァー

 

 

 

「わーたーしーがー」

 

 

「鬼役としてー」

 

 

「やってきた!!」

 

1人目の鬼 オールマイト

 

  罰   『UNITED STATES OF SMASH』

 

 

「死ぬわ!!」

 

皆がツッコミをするなか

迅速に動いたのはやはりというか峰田だった

 

峰田は[もぎもぎ]を迫り来るオールマイト

…の近くにいた拳藤に投げつけた

 

物「拳藤っ!!」

 

身体を広げ拳藤を守るように[もぎもぎ]との間に

割り込む物間に衝撃が走った

ソレは[もぎもぎ]が被弾した衝撃ではなかった

衝撃は後ろから来たのだ

そして後ろにいた人物は1人だけ…

巨大な手が物間の上半身を掴んでいた

 

拳「ごめんね物間…

  アンタが落ちれば皆、最下位は免れるの」

 

なお“皆”の中に物間は入っていないようだ

 

物「し、正気かい?」

 

拳「それにね……

  アンタが漏らしたおしっこ!!

  私が掃除する羽目になったんだよ、小便小僧!!」

 

ブンッ

 

「ノォォォォォォオオオオゥゥゥヘブッ」

 

ガシッ

 

一直線にオールマイトに投げつけられた物間は

無事?…多分、無事にオールマイトにキャッチされた

 

オ「HEY!準備はOK?」

 

物「嫌だぁぁぁぁぁああぁぁ!!」

 

 

UNITED

 

 

STATES

 

 

OF

 

 

SMASH!!!!!

 

 

物間、脱落(物理)

 

笑顔のまま生徒1人を文字通り血霧に変えた男を

生徒達は今後、ヒーローとして見れるのだろうか…

そして、クラスメイトを売った拳藤だが、

今後の不和に繋がらないのだろうか…

そんな心配もする間もなく次の鬼が現れる

 

 

プァー

 

 

「勝己ィィィ!!!」

 

 

薄=異本も出ている爆豪ママンである

 

 

 

1人目の鬼 爆豪 光己

 

  罰   『尻叩き』

 

 

爆「ひっ!」

 

思わず反射的に怯む爆豪

その様子を見て瀬呂が声を掛けた

 

瀬「爆豪……ドーンマイ♪」

 

爆「死ねやぁ!!」

 

光「勝己ィ!死ねなんて言っちゃいけないって

  何回も言ったでしょーがぁぁ!!」ガシッ

 

爆「うっせークソ…ババ…ア?」

 

爆豪を捕まえたのは何時も母ではなかった

とある人物が

『雄英でイベントやるんだって?人使君も喜ぶだろうし

 僕も協力しようじゃないか!』…とノリノリで参加し、

[個性]の貸し出しを行った結果

 

光「[空気を押し出す]+「筋骨発条化]+[瞬発力×4]+

  [膂力増強×3]…この組み合わせは楽しいわね

  覚悟しなさい勝己ィィィ!!!」

 

爆豪、脱落(下半身不随)

 

恐るべきことに学校側は生徒の肉親でさえも

尖兵として送り込んでいた

逃げ切ったら逃げ切ったで家で気まずくなる上、

捕まったら最大限に強化された[個性]で粉砕…

もう、どうしようもなかった

 



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ワラッテハ×イケナイ16

 

爆豪母の後も次々と鬼が投入され

生徒達を傷つけていった…

 

捕まってはいけない×鬼ごっこ

━━後半戦

 

 

プァー

 

迫「はじめまして、雄英の皆さん私はMr.コンプぐはっ」

 

8人目の鬼 迫 圧紘

 

罰   『スリッパ』

 

登場と同時に生徒からの[個性]の弾幕を受け退場

 

 

プァー

 

五、さ「姉ちゃん!遊びに来たよ!!」

 

蛙「五月雨!?さつき!?」

 

9、10人目の鬼 蛙吹 五月雨(弟)、蛙吹 さつき(妹)

 

罰   『???』

 

プァー

 

頑、鈴「梅雨、がんばってる?」

 

蛙「お父さん!?お母さん!?」

 

11、12人目の鬼 蛙吹 頑馬(父)、蛙吹 鈴(母)

 

罰   『???』

 

まさかの蛙吹ファミリー全員集合である

そして、そのターゲットは…

 

頑「梅雨、…こっちに来なさい」

 

蛙「け、けろぉ…」

 

鈴「梅雨ちゃん…?」

 

蛙「…はい」

 

両親から呼び出されたら向かうしかない

それが罰ゲーム付きの鬼ごっこの最中でも…

 

スタッフのデクさんシリーズによって

畳や座布団、ちゃぶ台や飲み物、茶菓子が用意され

グラウンドの真ん中にちょっとした団欒の間ができた

団欒できるかはわからないが…

 

他の生徒達も今までとは違う、一風変わった鬼に

興味があるようでちらほらと集まりだした

そして多数の視線の中で

蛙吹一家の家族会議(雄英高校出張ver)が始まる…

(※以下全員“蛙吹”の為、名字ではなく名前表記)

 

頑「…梅雨、学校は楽しいか?」

 

梅「つらいこともあったけど…とても楽しいわ」

 

鈴「大丈夫?無理はしていない?」

 

梅「大丈夫よ、無理は…いっぱいしたわね…

 

甦るデクさんシリーズとの修行の日々…

澄んでいた瞳がドンドン濁っていく…

 

頑、鈴「梅雨(ちゃん)!?」

 

頑「ゲロゲロ…まぁ楽しんでいるならいいんだ

  それで…だな、その…なんだ」

 

鈴「…あなた」

 

梅「?」

 

頑「その…担任の先生から聞いたのだが…

  アレだ、その梅雨に…彼氏がいると聞いたんだが」

 

梅「けろぉっ!?」

 

微笑ましい一家を見守っていた

周囲の生徒達の視線が一斉に心操に向いた

 

頑「丁度いい機会だから…その紹介とか…

  ご挨拶…的な、…なっ!」

 

鈴「もう、あなたったら“なっ!”じゃありませんよ

  梅雨ちゃん…私は応援しているわよ?」

 

梅「お母さん…」

 

頑「だがなァ…聞いた話だと、

  “敵”(ヴィラン)のような“紫色の髪”の少年だと

  聞いていたんだが…なるほど、なるほど

  父親として、男としては認められんな…」

 

梅「そんな…お父さん」

 

頑「だいたい、性格が悪すぎるだろう…

  容姿も…アレだしな…

  こんな男に娘が誑かされたかと思うと

  殴らずにはいられんよ」

 

梅「お父さんやめてっ!」

 

頑「デクさんシリーズくん、

  そこの娘を誑かしたチビを連れてきてくれ…」

 

梅「お父さ…チビ?」

 

峰「やめろォー!!オイラは何もしていないんだァァ

  ほんの9割くらいしか…そう!ホントにちょっとしか

  やらしい目で見ていないんだァァ」

 

デクさんシリーズに掴まれてもがいているのは峰田だった

確かに“紫色の髪”で“敵”(ヴィラン)のようであるし、

性格も悪ければ娘がこんなのと付き合っていたら

間違いなくブン殴るだろう

 

梅「お父さん…ソレは殴ってもいいけど

  私の彼氏じゃないわ」

 

頑「何っ!でも確かに“紫色の髪”の…」

 

梅「人使ちゃん来てもらえる?」

 

心「…うす、はじめまして…心操と言います」

 

峰田はデクさんシリーズによって処刑(物理)されたが

心操の公開処刑(精神)は今からだった

クラスメイトに囲まれ教員も監視している中で

彼女の家族にご挨拶とは心操にはハードルが高すぎる

 

頑「そうか…君が梅雨の…いい眼をしているな」

 

心「はぁ恐縮です…」

 

頑「……」

 

心「……」

 

頑「………」

心「………」

 

頑「…………やれ!!」

 

五、さ「えーい!!」

 

心「!?」

 

頑、鈴「そりゃ!」

 

いきなり心操は蛙吹一家に両手両足を掴まれ押し倒された

心操の今の膂力をもってすれば

この程度の拘束なら抜け出すことは簡単だが

彼女の両親と弟妹である

万が一にも傷つけてはいけない…

大人しく拘束させているしか心操に選択肢はなかった

 

9、10、11、12人目の鬼 蛙吹 ファミリー

 

罰   『???』→『チ●コマシーン』

 

大人しく拘束されているわけにいかなくなったが

もう、遅い

蛙吹一家の長女がその恐るべき兵器を持ってきたのだ

 

心「謀ったな!?梅雨ちゃん!謀ったなぁぁ!!」

 

 

パシィィンッ

 

心「お゛お゛っ」

 

チ●コマシーンを使用した梅雨は心操の右腕を押さえた

そして右腕を押さえていた父、頑馬が

心操の股の方へ進みチン●マシーンを…

 

心「え、え?なんで!?なんで二回!?」

 

パシィィンッ

 

心「んひっ!」

 

そして父、頑馬は心操の左腕を…

母、鈴がチ●コマシーンを…

パシィィンッ

 

そして弟、五月雨が…

 

パシィィンッ

 

最後に妹、さつきが…

 

心「も、もお、お腹痛くなって…」

 

バチィィンッ

 

心「ひゅぶっ」

 

ケロケロ家族「大成功~!!」

 

頑「ではお疲れ様です、娘をお願いしますね」

 

鈴「またねー梅雨ちゃん!」

 

五「姉ちゃんがんばってね」

 

さ「がんばって」

 

梅「次は連絡くらいしてほしいわ」

 

頑「……まぁ、なんだ次は…心操くんを

  ウチに連れて来なさい…ご飯でも…なっ!」

 

梅「!!……お父さん」

 

 

なお、その”心操くん”は白目剥いて痙攣しているが…

 

 

 



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ワラッテハ×イケナイ17

 

疲れ果てた生徒達にようやく休息の時が来た

すなわち昼食の時間である

 

多くの生徒達が普通の食事を出される中で

異色を放つメンバーがいた

 

物間、爆豪、峰田の3人である

彼等は鬼に捕まり罰を受けた為、

昼食がグレードダウンしていた

具体的には沢庵とご飯のみである

 

それよりも悲惨な人物がいる

心操 人使だ

彼は“蛙吹ファミリー”に捕まったのだ

ゆえに4回捕まったとカウントされぶっちぎりで最下位だった

昼食も煎った大豆3粒のみである

そんな物は食べ始めて数秒で消えてしまった

健全な男子高校生ならとてもじゃないが足りない

腹を鳴らしながら時折、

恨めしそうな目で黒色の席に供えられた昼食を見ている

これにはさすがの物間も煽ることが出来ずに

沢庵を大人しく食べるしかなかった

ランチラッシュの特製沢庵は

昔ながらの塩っ辛く固い沢庵で三枚もあれば

余裕で山盛りご飯が食べられる

…心操と目が合った

二枚の沢庵を口に含む

 

「ああっ」

 

確かな歯応えとボリボリとした音が響き、

強い塩気に堪らずご飯に箸を進める

 

「あ……」

 

皆(食べにくい……)

 

 

 

 

昼食が終わり教室に戻ってきた一同

 

『引き出しの中身はリセットしてあります』

 

切「マジか…」

 

葉「定番だけどね…やられる側だと腹立つね」

 

蛙「今度は私から開けるわね」ガラッ

スーパー人使くん人形

 

不意討ちにより数名が犠牲となった

そして、犠牲者を出しながらも引き出しを開け続け…

心操の番になった

 

…ガラッ

 

プッ●ンプリン

 

心「マジか!!ねぇ、これ食べていいかな?

  食べていいよね?スプーン付いているしいいよね」

 

峰「いや、『ガキ●使い』をベースに進めている場合…

  “エリート塩”が使われている可能性があるっスね」

 

心「うん、じゃあ食べるね」ペリペリ…パクっ

 

上「人使、大丈夫か?」

 

心「うん、普通に美味しいプリンだね」

 

峰「ビデオ的なのも流れないっスね」

 

教室内にほのぼのとした空気が流れだし…

 

フ「みんな!大変や!!大至急体育館に集合やで!」

 

ファットガムによって止められた

その言葉によって大多数の生徒が悟った

『あ、これビンタのパターンだ』…と

 

 

goddamn(ガッデム)!!」

 

生徒達が体育館に到着すると

デクさんがサングラスを着けて待機していた

 

フ「えー、残念な事にデクさんが楽しみにとっておいた

  プッチンプリンが何者かに盗まれました

  生徒を疑いたくはないのですが

  潔白を証明するために調査に協力してもらいます

  …ではお願いします」

 

音「よろしくね」

 

音本 真(ねもと しん) [個性] [真実吐き]

 

━━問い掛けた相手に強制的に本心を語らせる。

  複数人に質問したり、

  質問された本人すら知り得なかった本音を

  吐かせることも可能。(pixivより引用)

 

生徒達の視線が心操へと向いた

その心操は顔を青く…

倒れてもおかしくないほど青くしていた

 

そして無情にも取り調べが始まる

 

音「プリン食べた?」

 

瀬「食べてません」

 

音「ところで、同じクラスの尾白君をどう思う?」

 

瀬「痛い奴だと思ってます………あっゴメン」

 

デデーン「切島、上鳴、芦戸、アウトー」

 

 

音「プリン食べた?」

 

物「食べてません」

 

音「好きな子いる?」

 

物「はい、拳藤のことが…………うわぁぁぁ!!」

 

拳「こんな…こんなタイミングで……小便小僧の癖に」

 

 

色々と被害を出しながらも取り調べが進んでいく

そして、不自然にスルーされていた心操が最後に残った

 

音「プリン食べたね?」

 

心「食べました……………違う!!食べてないっ!!」

 

音「プリン食べたんだよね?」

 

心「美味しかったです…………ボられるのは嫌だぁぁ」

 

音「壇上へ上がれ」

 

心「なんで俺ばっかり!B組の奴でいいじゃん!!

  出番少ないから喜ぶだろ!?」ガシッ

 

決して壇上へは行くまいと

口田の足に抱き付いて抵抗する心操

 

音「見苦しいぞ!さっさと行かないと

  “彼女にしたいこと”をこの場で質問するぞ!?」

 

心「…ううっうっうう」

 

 

涙をこぼしながら壇上へと上がる心操は

まるで処刑を受けようとする死刑囚のようだった

いや処刑には違いないのだが

 

 

 



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ワラッテハ×イケナイ18

 

 

「またせたな!(CV 大塚 ●夫)」

 

心操へ刑が執行されようとした瞬間に

何者かが壇上へ降り立った

 

悪の象徴、悪の帝王、巨悪の根源、裏社会の支配者…

もしくは、強×アカ(強くて×ヒーローアカデミア)の良心チームのリーダー…

いくつもの通り名を持ち[個性]の名前で呼ばれる男

 

A・F・O(オール・フォー・ワン)その人である

 

A「もう大丈夫。人使君、僕がいる。」

 

オ「A・F・O(オール・フォー・ワン)!!何をしに来た!?」

 

宿敵の登場に声を荒げるオールマイト

 

A「何をしに…“何をしに”か…

  オールマイト、逆に聞くがね、

  君こそ何をしているだい?

 

黒いマスクの上からでもわかるほどに

A・F・O(オール・フォー・ワン)の頭にビキビキと血管が浮き出る

相当にお怒りである

そして、A・F・O(オール・フォー・ワン)が指をパチリと鳴らすと

壇上にモニターが降りて来た

 

A「まず、この映像を見てもらいたい」

 

映像に映っていたのは筋骨隆々な金髪全身タイツの男…

というかオールマイトであった

オールマイトは冷蔵庫の扉を開けて中で冷やしてあった

プッチ●プリン3連パックを取り出すと

その場で食べ始めたのである

舌で口の周りをペロリと舐める仕草が妙に腹立たしい

2個目のプ●チンプリンを食べ終えたところで

●ッチンプリン蓋の部分に

デクさんの名前が書いてあることに気付いたのか

顔を青くさせている

そして、周りに人が居ない事を確認し、

最後のプッチ●プリンを持って移動し始めた

向かった先はA組の教室…心操の机である

引き出しを開けるとその中にプッ●ンプリンを置き…

更に、“さすがに豆3粒じゃあ可哀想だから”と

ランチラッシュが良心から引き出しの中に仕込んだ

『特製ジャンボおにぎり』をパクパクと食べ始めたのだ

 

…ここで映像は終わった

沈黙が体育館を支配し、息をする音すら聞こえそうだ

そんな空気の中で発言が出きるのは

この状況を良くも悪くも作り出した2人

“象徴”の通り名をもつ2人だけだった

 

 

A「小便は済ませたか?

 

オ「ま、待て待て…違う、いやホント

  そうだ!暴力は良くないな!うん!

  平和的な解決をしたいな、私 平和の象徴だし!!」

 

A「神様にお祈りは?

 

オ「ホラ!私ってNo.1ヒーローだし、

  ケガとか不味いというか…なにか平和的な…平和、

  新しいプリンを買ってくるからさ!!」

 

A「安心しろ、“ケガ”で済ませるつもりはない

  一欠片の肉片も残ると思うなよ

 

 

オ「ヤベ…あ!そうだ君達!!

  君達はヒーローの卵だろう!

  ちょっと私を助けて欲しいな~なんて」

 

常「なんと無様な…」

 

八「観念なさいませ」

 

青「Va où tu peux, meurs où tu dois.」

(行ける所まで行き、然るべき場所で死ね(フランスの諺))

 

芦「ひどすぎるね」

 

瀬「屑すぎるだろ…」

 

葉「幻滅どころじゃないね」

 

口「………ペッ」

 

上「よくも人使をハメたな…」

 

尾「悪・即・斬……」

 

砂「救いようがねぇな」

 

障「確かに救いたくもないな」

 

飯「これが…これがヒーローのすることなのか!?」

 

耳「ヒーローってより人のすることじゃないわね」

 

峰「墜ちるとこまで墜ちたな」

 

轟「助けるって介錯しろって意味か?」

 

切「なら任せろや」

 

爆「処す」

 

麗「私も殴っとく!?」

 

蛙「人使ちゃんが()()()()()()みたいだしね」

 

有罪(ギルティ)

 

 

━━そして悪は悪の手によって滅びた

 



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ワラッテ×イイトモ

 

 

A「皆、辛い目にあったね。もう大丈夫。僕がいる。

  いくらでもやり直せる。もう笑ってもいいんだ。

  そのために僕がいるんだよ。

  全ては君達のためにある。」

 

 

━━━心操の日記━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

  ○月 △日  晴れ時々血の雨

 

今日は夏休みに入ったのに学校に呼び出されました。

そして、『笑ってはいけない雄英高校24時』という、

新しい校内行事をやりました。

“例のボタン”を押せたのは楽しかったです。

だけど、特定の生徒への当たりが強い気がしました。

僕がビンタされそうになった時は泣きそうになりました。

でも先生(A・F・O)が来てくれて、

かの邪知暴虐の暴力教師(オールマイト)を倒したあとに

A組の生徒もB組の生徒も辛い思いをしたのだからと

全員で某浦安の舞浜方面にある”ランド”に行きました。

運んで暮れた黒霧さんに皆でお礼を言いました。

昼過ぎからだったので遊べた時間は少なかったけど、

皆でいっぱい遊びました。

B組の人とも血生臭い敵対ではなくて、

笑顔がある穏やかな時間が過ごせたと思います。

先生(A・F・O)は急だったから、今日は無理だけど

今度は全員で“リゾート”で泊まろうと言ってくれました。

学校に帰ったあとは、空き教室で男女別で寝ます。

初めてやったけど、枕投げが楽しかったです。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

さて、生徒達は悪の帝王によって救われたが、

教師達には説教地獄が待っていた

 

A「さて、雄英の教師諸君……なにか弁明はあるかな?」

 

生徒達がお土産に買ってきてくれた

“甲高い声で笑うネズミ”の付け耳を装着しながらも

A・F・O(オール・フォー・ワン)は怒っていた

態度は大焦熱の獄炎のような灼熱を思わせ、

言葉は摩訶鉢特摩の極寒を思わせた

 

根「待って欲しいのさ!僕達はただ生徒達に笑顔を…」

 

A「黙れ齧歯類!![ハイスペック(笑)]が!

  僕が来なければあと何人被害者を出していた!?」

 

根「その件に対しては大変遺憾であり…」

 

A「はぁ、笑顔にさせる…笑顔を取り戻す為に

  このイベントを起こったのはいい。

  僕も毎年(目は見えないけど)年末に見るしね。

  …で、なんで笑顔にさせるハズのイベントで

  お仕置き係にデクさんシリーズを浸かった!?」

 

根「なんでって…オールマイトが…」

 

A「オールマイト!!オールマイト!!オールマイト!!

  そう!最近の理不尽は大体オールマイトのせいだ!

  全部、オールマイトだ!!」

 

根「さすがにそれは言い過ぎなのさ」

 

A「許可を出した根津校長…君にも責任はあるね。

  デクさんにボられた経験は?

  常人なら1回で心が折れて、

  10回もボられたら心が壊れるんだけどね。」

 

根「嫌なのさ!?それだけは…それだけは!?」

 

A「生徒達の痛みを知るといい…連れていけ!!」

 

相、山「えらほらさっさ~」

 

根「は、離して欲しいのさ!僕にはまだやることが…」

 

A「あとは…君達からは何かあるかな?」

 

ブ「私からはB組の生徒を助けていただいただけでなく、

  その“ランド”にまで…」

 

A「ブラドキング君、クラスで扱いに差をつけるのは、

  教師としてはやってはいけないよ。」

 

ブ「いや、その、恥じ入るばかりです…

  あ!それと、生徒達は帰さなくてよかったので?」

 

A「ふふ、修学旅行や林間学校みたいで

  いい思い出になると思ってね。

  学校に泊まるなんて、なかなか出来ないからね。

  夜の学校って青春っぽくて素敵だろう?

  実は僕も大昔にだけど、弟と夜の学校に忍び混んで

  窓ガラスを壊して回ったり、

  芝生の上に寝転んで星の数を数えたものだよ。」

 

雄英の夜は更けていく…

 

 



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ワラッテ×イイトモ2

 

 

生徒達は眠る

午前中から続いた正義の陣営による暴力と理不尽に、

もしくは悪の帝王からの受けた平穏で楽しい時間に、

疲れ果てて泥のように眠る

 

全て終わったのだ

“笑顔”の為にと嘯いて

生徒を血霧へと変え、大切な食糧を奪った偽善者は

しばらくは“お仕置き”の為に蘇生されないだろう

今は安眠が…

安らかで安全で安静にできる眠りがあった

 

 

だが、生徒達は忘れていた

自分達を救ったのは“悪”の帝王であることを…

“悪”はなにゆえ“悪”足りえるのか…

オール・フォー・ワン

 

プレゼンツ

 

笑っていいとも敵連合(ヴィランれんごう)

 

開幕

 

 

 

 

━━深夜遅く

生徒達が眠る教室に忍びこむ影が1つ

その男…いや、その漢女(おとめ)の名は引石 健磁(ひきいし けんじ)

敵ネーム(ヴィランネーム) マグネである

 

マグネは全身に黒装束を纏っていた

黒装束の表側、

胸から腹にかけて白字で大きく『マグネ』の文字が…

 

マグネは生徒達が全身寝ていることを確認すると

クネクネと奇怪な踊りをしながら歩を進める

ターゲットとなる美少年、轟 焦凍の元へと…

そして、その整った顔が穏やかな寝顔であることを

確認したあと、おもむろに両手で轟の顔を抑えつけ

ブチュ~~~~~

 

と、情熱的なヴェーゼ(接吻)をかましたのだ

 

轟「……ん?んむ!?んー!んー!んむぅぅぅ!!」

 

違和感に気付いた轟が目を覚まし目を開ける

寝起きでややボヤけた視界いっぱいに写るのはマグネ

 

そして、就寝の為に暗くなっていた教室に明かりが灯る

急に明るくなり、騒ぎに気付いた生徒達も起き出す

起きた生徒達が寝ぼけながら目を開けると

肩で息をしながら口元に大きく口紅の跡を残した轟と、

ぷっくりした唇とサングラスがトレードマークの漢女

 

引「はぁい、はじめまして!私はマグネ!

  アナタの新しい家族よ!よろしくね!」

 

焦「~っざっけんな!!」

 

口元を袖でゴシゴシと拭いながら轟が吼える

 

燈「いや、事実だ

  ……どうした焦凍?兄ちゃんの顔を忘れたか?

  こんな顔になっちまったが…

  身内なら気付いてくれると思ったんだけどなぁ…」

 

焦「俺の…兄、貴?」

 

冬「そうなのよ!燈兄ィったら

  急に連絡してきたといきなり…あっ

  クラスの皆さん、いつも焦凍がお世話になってます!

  姉の冬美です!!よろしくね!」

 

焦「冬姉ェ!?」

 

夏「コイツ、天然で世間知らずな所があっから

  なんかと問題おこすかもしんねーけど頼むわ!

  兄貴の夏雄です!よろしくね」

 

焦「夏兄ィ!?」

 

冷「あらあら2人に先越されちゃったわね…

  焦凍と仲良くしてくれてありがとうね

  母の冷です、よろしくね」

 

焦「お…母さん…!?」

 

炎「焦凍ォォォォォ!!毎日LINE送っているのに、

  なんでいつも既読スルーするんだ!?」

 

焦「なんで、お母さん達が学校に…」

 

炎「焦凍ォォォォォ!!せめてスタンプだけでも

  返信してくれ!!パパの心は限界なんだ!!」

 

燈「俺が呼んだ」

 

焦「その…兄さん?が?」

 

炎「焦凍ォォォォォ!!なんで無視をするんだ!

  反抗期、反抗期なのか!?焦凍ォォォォォ」

 

冷「あ・な・た?」

 

炎「ごめんなさい」

 

冬「そうそう!燈兄ィがね…」

 

燈「冬美ちゃん」

 

冬「あ、ごめんなさい…どうぞ」

 

燈「ったく、…俺、結婚します」

 

焦「!?」

 

燈「嫁(になる予定)です」グイッ

 

引「改めてよろしくね!義弟君!」

 

焦「!?」

 

冬「よかったね焦凍!家族が増えるよ!!」



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ワラッテモ×イイトモ3

 

 

その後、ダビダンス(轟家+1ver)を披露して

轟ファミリー+1は帰っていったが…

深夜の談話室、そこに心操達は轟に呼び出させていた

 

 

轟「……家族ってなんだろうな」

 

心「いや、マグ姉さんはいい人だから

  大丈夫じゃないかな…うん」

 

蛙「優しい人だから仲良くはなれると思うわ」

 

轟「…そこじゃねぇ」

 

あんまりな家族の姿に傷ついた轟のフォローの為である

別に新しい家族がオネエだろうが、

なんだったらガチムチアニキでも問題ではないのだ

問題なのは初対面で唇を奪われた件とか、

自分の知らない兄貴がいた件とか、

それを学校行事中に暴露した件とかである

 

蛙「それに家族の事を言ってしまったら、

  私の家族も相当だわ…

  初対面の彼氏にチ●コマシーン食らわせたのよ」

 

轟「…たしかにな」

 

日中の…、いや日付が代わってので前日の記憶が甦る

心操も思い出して若干、内股になっている

 

心「まぁ、でも楽しそうな家族じゃないか?」

 

轟「親父は…自分を超えた[強個性]で

  オールマイトを超える為に、お母さんと結婚した

  お母さんは…そんな親父に心を病んで

  俺に煮え湯を浴びせたり、親父に一服盛ったりして

  病院に入院させられた

  冬姉は、親父をモデルにした同人誌(※24話参照)書いている

  夏兄は親父の間抜けな姿を投稿してよく炎上している

  ……たしかに、他人から見たら楽しいだろうな」

 

心「すまん」

 

蛙「ごめんなさい」

 

轟「おまけに俺は…皆が強化されていくなかで

  元がそれなりだったからって“中の人”ネタだったし…」

 

心「それは俺よりはマシだと思う」

 

蛙「人使ちゃんは体育祭以降、主人公ポジにされたから

  扱いが物理的に酷かったわね」

 

轟「それもそうだな」

 

心「納得するなよ!なら代われよ!

  なんだったら今からでも代わるよ!?」

 

原作から闇を抱えて某作者によって闇(笑)が追加された轟、

主に某作者によって闇(物理)が追加された心操、

いったいどちらがマシなのか…

少なくとも“H☆ERO(被害者量産機)”よりはマシだろう…多分

 

 

心「扱いの酷さで言えば飯田の兄貴はどうなったんだ?」

 

蛙「たしか“壁尻”にされて入院していたわね」

 

轟「飯田に聞いたら峰田と組んで

  モテモテヒーローライフ?を目指すらしい」

 

心「あんだけやられたのに!?」

 

蛙「懲りてないわね」

 

轟「ステインもそう言ってキリがないし

  アレを見てヒーローだと思う奴はいないから

  もう襲撃はしないって言っていたな」

 

心「ヒーロー殺しと面識あんの!?」

 

轟「LINE交換したし、親父を狩るのに協力してもらった」

 

蛙「焦凍ちゃん、笑顔が黒いわ…」

 

心「敵連合と関わってる俺も相当だけど、

  焦凍も大概だな…大丈夫なのか?」

 

轟「最近、バイトの方でシフトリーダーになったから

  忙しいって言ってたな」

 

心「バイトしてたんだ…」

 

蛙「知りたくない裏事情ね」

 

憶えている読者は何人いるだろうか…

職場体験の頃に確かにステイン、飯田、轟は面識がある

なんだったら一緒に飲みに行っているのだ

そしてステインにも諦められた天晴ぇ……

 

 

雄英の夜は更けていく

 

 



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ワラッテ×イイトモ4

 

 

朝日が美しく雄英の校舎を照らす

夜明けである

もう一度言おう…夜明けである

若干1名、主に轟 焦凍の精神が犠牲になったものの、

他の生徒は無事に朝を迎えられたのだ

これはB組の生徒にはわからないかもしれないが

A組の生徒からしたら奇跡であった

あの合コン(合同コンバットシミュレーション)を行ったA組からしたら

夜には夜襲があるのが当然であり、

夜襲がないのは大規模な攻撃の前触れとすら思っていた

にも関わらず、無事に朝を迎えられたのだ

結局、あの後も悩んで眠れなかった轟は

酷い隈をつくっているが

他の生徒はよく眠れたのだろう

晴れやかな顔をしている

 

第1回 雄英高校 夏期長期休暇中行事

 

『笑ってはいけない×雄英』

 

死者 3名

 

・黒色 支配(蘇生待ち)

・拳藤 一佳(蘇生済)

・オールマイト(反省中)

 

重症者 40名(全員)

 

・全員(治療済)

 

軽症者 1名

 

・物間 寧人(もぎもぎ吸着中)

 

 

 

フ「それじゃあ閉幕すんのに先生達から挨拶があるんで

  皆、静聴するように!」

 

ファットガムの宣言

そして現れたのは見慣れない女性であった

その女性は生徒達の前に進み出て…

 

Ms「笑え

 

Ms.ジョーク (本名:福門 笑(ふくかど えみ))

  個性 [爆笑] 近くの人間を無差別に笑わせる

 

デデーン「全員、アウトー」

 

心「先生!?もうボられないんじゃ!?」

 

A「ごめんね、人使君。一回くらい生で見たかったんだ」

 

心「そんな、殺生な!!」

 

 

ボッ

 

 

実に締まらない閉幕であった

 

 

━━次章予告

 

強くて×ヒーローアカデミア

最終章

強くて林間合宿編

 

悩める生徒達

 

「優しさって、なんだろう?」

 

「必要な犠牲だ、割り切れ」

 

「生きるって残酷なことだと思うわ」

 

成長を見守る教師達

 

「大丈夫、デクさんに任せれば強くはなれる」

 

「ウチの生徒達はA組とは違う!!」

 

強襲する敵連合

 

「人使には悪いが林間合宿は終わりだ」

 

「弟にもコッチ側に来てもらおうか…」

 

「ショータイムだ!!」

 

牙を剥く悪意

 

「人使…人使なんだろ!?」

 

「関係ねぇ!ブッ殺す!!」

 

「…なんで、こんなことに…チクショウ」

 

翻弄されるプロヒーロー達

 

「違う!!私達はピトーとは違うんだ!!」

 

「虎ァァ!!アイツ、1人で逃げやがった!!」

 

「私、生きて帰れたら絶対彼氏作るんだ!」

 

暗躍する者達

 

「お前らには悪いけどよ、仕事なんだわ」

 

「すまない、金を受け取った以上は達成させてもらう」

 

暴走する峰田

 

「あの壁の向こうには理想郷(ユートピア)があるんだ!!」

 

「壁はとは越える為にある!!Plus Ultra!!」

 

「オイラは…仲間よりオッパイを…」

 

復活した象徴

 

「ヤベ…やりすぎた」

 

「生徒を返してもらおうか!!」

 

 

雄英の夏休みに林間合宿で起こる事件

 

ヒーローの卵達は生き残れるのか!?

 

そして…

 

さよなら、心操 人使

君は、僕達のヒーローだった

 

 

次回より連載開始

 

 

 

 

「俺、行くよ」

 

「ありがとな…皆、元気でな」

 

 

 

 

 



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リンカン×ガッシュク

 

 

 

蛇足極まりないガキ使ネタが終わり、

いよいよ最終章である

林間合宿編のスタートだ

 

 

 

デパートでの死柄木とのアレコレ?

ないよ?

だって考えてみ?

 

 

 

死柄木がデパートへ行った

 

→デクさんとエンカウント=完結

楽しい?RTAじゃんよ!?

 

 

では、主人公特性を手に入れた心操が

原作での緑谷ポジとして死柄木とエンカウントした

 

→普通にお茶して奢ってもらった

つまらないだろうよ!!

 

作者だって色々考えたよ!?

買い物袋中のエンデヴァー出して

『はじめてのおつかい~エンデヴァー編~』とかさ!

でもガチムチ火事親父を出して誰が喜ぶのさ!?

 

 

 

…だからデパートのやり取りは無しだ

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「コレは酷い…」

 

 

 

雄英の教師の1人が呟いた

酷かったのは成績ではない

生徒達の精神状態を確かめる為のアンケートの回答用紙だ

 

 

問) (ヴィラン)とはなにか?

 

答)逃げたヤツは敵

  逃げなかったヤツは訓練された敵

  立ち向かってきたヤツはよく訓練せれた敵

 

問) ヒーローに求められる役割とは?

 

答)1人でも多くの敵を道連れにすること

 

問)脱出できるは1人だけの場合、脱出させるのは?

 

答)1人分の量になるように全員の身体(パーツ)を詰め込み、

  後で蘇生してもらう

 

問)絶対に倒せない敵が現れた、どう対応すべきか?

 

答)人質にならないよう、その場で散華する

 

………

 

……

 

 

「林間合宿では常識と良識を学んでもらおう」

 

 

[個性]の強化?

A組は間に合っております

B組?ヒーロー科は実力主義である

強い方に合わせるのが当たり前、弱者は捨て置かれるのだ

 

そんなこんなでヒーロー科の生徒38名は

林間合宿先へとバスで移動をしていた

 

緑谷 出久 ※補習の為、欠席

黒色 支配 ※未蘇生の為、欠席

 

それぞれのバスの様子を見て見よう

まずはB組である

 

…なんだろう?言葉がでない

強いて例えるならば“お通夜”とか“囚人護送車”だろうか?

誰も何も喋らず、手は膝の上に置かれ動かさず、

かつて未来(アス)に夢を見ていた瞳は

ただ、じっと虚空を見つめていた

 

担任であるブラドキングも元気がない

目は泣き腫らしたのだろう赤くなり、

目元には深い隈があった

プロヒーローとはいえ、いや“ヒーロー”だからこそか

生徒思いの教師である彼には耐えられなかったのだろう

蘇生され、蘇生待ちだとしても既に2人の生徒を失い

そしてこれから彼の愛する生徒達を

“あのA組”と同じ施設に送るのだ……

 

一方でA組の生徒が乗るバスの車内は和気藹々としていた

トランプやウノで遊んだり、

車内設備のカラオケで盛り上がっていた

 

担任の相澤などハメを外しまくって、

缶ビール片手にチーカマをつまんでいる(※業務時間中です)

生徒達もソレに突っ込まずに

むしろ手持ちの菓子類の中でツマミになりそうな物を選び、

サラダ煎餅や柿ピーを渡している(※業務時間中です)

 

何故、こんなにはしゃいでいるのか?

理由は1つだけであった

“デクさん”が補習の為に参加しないからだ

向かう先には約束された平穏があるからだ

ビバ夏休み

ビバ林間合宿

ビバ雄英高校

 

さよなら、血生臭い日々よ

ウェルカム、夏の青春の日々よ

 

 

 

 

……彼らはまだ、裏で蠢く者達に気づいていない



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リンカン×ゲンシュク

 

 

悲壮感が溢れるB組を乗せたバスが到着したのは、

林間合宿の予定地……

ではなく、切り立った崖の上であった

 

「あれ?宿泊場所は?」

 

「休憩ではないですかな?」

 

「こんな場所でか?」

 

「でも先生は到着だって…」

 

状況が読めず、ざわめく生徒達…

その前に担任であるブラドキングが立つ

 

「…お前達は正直に言って、それなり以上の実力があると

 俺はそう思っている」

 

「もちろんですよ!B組は結束力もありますし、

 個人の能力だって相応です!」

 

ブラドキングの言葉に物間が反応する

だが、ブラドキングの態度は冷ややかであった

 

「物間…じゃあ聞くが、A組の生徒相手に勝てるか?

 俺はそうは思えない、

 むしろ戦ったら何人が勝てるかではなく、

 何人が生き残れるか…と考えてしまう」

 

「っ、それは!」

 

「ああ、B組は決して弱くはない…

 だが、A組が強すぎるんだ」

 

認めたくはない

同い年で同じ学校なのにも関わらず、

クラスが違うだけで実力に大きな開きがあった

B組の生徒とて努力はしてきた

だが、認めるしかない事実である

 

「そして、今回の林間合宿にはA組の緑谷…

 [デクさん]と言ったほうがいいか、

 [デクさん]は参加しない

 だからといって安全だとはいえないが、

 少なくとも死なずに修行ができるハズだ」

 

「先生、死んだら修行もなにも…」

 

ブラドキングの妙な言い方に拳藤が指摘をするも

 

「拳藤、お前も1度経験しているだろう?

 特定の[個性]ならば死人すら甦るんだ…

 そして、1056194回…この数字の意味がわかるか?」

 

「この流れで出すってことは…

 まさかA組の蘇生回数!?」

 

話の流れで思い付きはしたが拳藤は自分の考えが

間違っていることを祈った

自分と同い年、たった15、16年しか生きていないのに

あんな“死”をそれだけの回数迎えたとは思いたくない

1人あたり55000回以上も死んでいるなんて…

だが、拳藤の予想はハズレた

 

「違うな、この数字は……」

 

悪い意味で

 

「A組の心操、1人の蘇生回数だ」

 

「うそ…なんで正気でいられるの?」

 

「いやA組のことだ!きっと数字を盛って…」

 

「自分が死んだ回数をか?

 ちなみに本人は死んだ回数を数えてすらいないぞ

 蘇生が可能な[個性]も蘇生された人物も希少だからな…

 政府でデータを記録するんだが、

 そこで計測されたものだ」

 

 

━━B組、今更ながら心操に黙祷を捧げる

そして、厳粛なる空気の中でブラドキングの話は再開する

 

「確かに心操は強くなった!

 元々がヒーロー科の入学試験で落ちて、

 普通科に入学していた生徒がだ!!

 俺はお前達にも強くなっては欲しいが、

 そこまでして欲しくない!!

 誰も傷付かず、死なないように

 程々に修行してそれなりの実力でいいんだ!」

 

「先生…」

 

生徒を思うブラドキングの教師心…

愛する生徒達が傷付かないように…

 

「だから、落ちろ」

 

その瞬間、B組の生徒達は崖下へと地面ごと落とされた

 

程々に(死ぬ一歩手前まで)修行して

それなりの(A組相手に死なない程度の)実力を付けんが為に

 



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シンカン×ガッシュク

 

 

B組が崖から突き落とされている頃、

A組はどうしていたかというと…

こちらも同じように目的地へと到着していた

 

違ったのは目的地である

A組の生徒を乗せたバスが到着したのは

()()()()山荘であった

小綺麗でちょっとした保養地の別荘のような外見

そして、気になるのは…

 

 

『歓迎 雄英高校1年A組御一行様』

 

…という横断幕と

 

『熱烈歓迎 心操 人使陛下』

 

…という横断幕の2枚が掲げられていることであった

 

 

「人使ちゃん、人気者ね」

 

「ここまでのあんまり…」

 

「いや、経験あんのかよ!?」

 

「地元とか出身校でちょっと…」

 

「まじか」

 

「しかも、“陛下”呼びって…」

 

「…チッ」

 

「バクゴー、落ち着けや」

 

「王様だね!」

 

「でもよ、人使はわかっけどよ、

 なんでA組が歓迎されてんだ?」

 

「ふふ、僕らの輝きが評価されたのさ☆」

 

「それは無いから安心しろ」

 

「気にはなるよね」

 

「確かに…しかし!歓迎されているのだ!

 応えるのもヒーローとしての義務ではないか!?」

 

「心操さんならば、体育祭での活躍で有名ですから

 わかりますけど…私達はいったい…」

 

「なんでもいいじゃん!歓迎されんだし!」

 

バスの中でなぜ『歓迎』されているのかわからず

疑問に思う生徒達

心操はまだ理解できる

全国放送された体育祭であれだけ活躍したのだ

ファンレターがダンプで数台分届く男で

ヒーローはもちろん、一般企業や

本来ならば相容れないハズの(ヴィラン)からすら

是非、職場体験に!!とドラフト指名されたのだ

 

だが、A組としてはどうだろうか?

体育祭で活躍することなく終わり

公共の場での活躍もなく今に至る

確かに心操主催の合コン(合同コンバットシミュレーション)にて、

桁外れの戦闘能力は手に入れたが、

それは表には出ていない情報…

雄英高校内での期末テストの実技試験でしか

発揮されていない実力である

 

「てかB組のバス居なくね?」

 

「…遅れてるんじゃないか?」

 

「罠、じゃないスかね?」

 

「また『笑ってはいけない』みたいなヤツか!?」

 

B組のバスがいないことに気付き、

ますます不審がるA組の生徒達…

前例がある以上、疑心暗鬼になるのも当然であった

横断幕は『心操 人使』個人と、

『雄英高校 1年A組』しか『歓迎』していない

林間合宿にはB組も参加しているにも関わらずだ

一部の前向きに捉えている生徒を除き、

戦闘モードへ移行しつつある生徒達…

彼らを諫めたのは担任、一応担任である相澤であった

 

「あー、なんだ…アレだよ、アレなんだよ」

 

しかし、バスの中で散々ビールを飲んでいた為に

説明が覚束ない

この教師、1度国外逃走してからというものの

実にフリーダムである

授業中に「ネコが呼んでいる気がする…」

などとほざき出て行ってしまうのだ

 

「ほら、あのー…なんだっけか?」

 

酔っ払いを放置して生徒達はバスを降りて行く…

彼らを出迎えたのは

地に伏せた4人のプロヒーローであった……



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ビンカン×ガッシュク

 

“猫”に属する者達は“ソレ”を恐れていた

もし、“ソレ”にであったならば

助からないと本能が理解していたからだ

 

逃げようとしても逃げ切ることなどできない

“ソレ”は目にも止まらぬ速さでボりにくる

せめてもの抵抗として戦おうとしても

戦うことは絶対にできない

何故ならば“戦い”とは同じ次元にいる者同士ではないと、

起こり得ないからだ

…よく例え話で『ウサギとライオン』がでてきたり、

『アリとゾウ』が出てきたりする

だが一方では『窮鼠猫を噛む』などという言葉もある

だが、だが、だが、その例え話に出てくる生き物は

“弱い”とされる生き物も一定の強さをもっているのだ

頸動脈を噛み切れればウサギもライオンに勝てるし、

ゾウ一頭に対してグンタイアリが巨大な群れで襲えば…

それも寝ている時等なら楽々と勝てるだろう

そう考えれば実力差がそこまで開いているわけではない

 

では、次元が違う実力差とはなんなのか?

“戦い”にならないほどの実力差とは?

1つの指標としては“認識の違い”が挙げられる

“犬”と“猿”ならば敵であるとお互いが認識するだろう

では“お米”と“人間”ならばどうだろう?

“お米”は生物としての本能と本望として種を残そうとする

その為に実数を多くして硬い籾殻で身体を守り、

栄養を蓄えていくのだが、その努力を嘲笑いながら

親である稲を刈り取り、子である籾をむしり取り、

鎧である籾殻を吹き飛ばし、未来を託す胚芽を捨てさり、

蓄えた栄養である糠をこそぎ落とされ、

死に水と言わんばかりに水に漬けられ、

暗き場所(炊飯器)に閉じ込めて加熱…

身体を茹で揚げられ、蒸され、されど地獄は終わらず(保温機能)

ようやく外に出れたと思えば生前(生米)とは違う

かけ離れた姿(ごはん)になっており、

“人間”によって噛み潰され補食されるのだ

“お米”からすれば不倶戴天の敵であり、

多くの同胞達のカタキでもある“人間”

しかし逆はどうだろうか?

“お米”が敵だと考える“人間”がいるだろうか?

食後に『お米と戦った』と考える“人間”がいるだろうか?

“コレ”こそが次元の違いである

 

そして、一般人と“デクさん”の実力差でもある

プロヒーローならワンチャン?

勝てると思うならば眼科か精神科に通うことをお勧めする

抵抗できるとすればトップヒーローの一握りだけだろう

 

説明が長くなったが、その“デクさん”が倒されたのだ

(正確には動きを止めただけではあるが)

問題はソレを行ったのがヒーローでもなければ、

有名なヴィランでもない…ただの学生であったのだ

 

つまりは…新たな王が生まれたのだ

 

暴君に支配された民ならば、暴君を屠った者は英雄である

敬って当たり前だ

しかし、暴力で支配していた王を屠ったならば

屠られた王より力があるということである

新たな脅威とも言える

 

だから、畏れる

ゆえに、ひれ伏す

自分たちに対してその力が振るわれないように…

 

 

ワイプシの明日はどっちだ!?

 



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ミンカン×ガッシュク

 

 

心「…え?」

 

バスから降りた心操は予想できなかった事態に硬直した

具体的に言えばプロヒーロー4人の土下座である

 

ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ

…通称 ”ワイプシ”

 

4人の女性

マンダレイ、ピクシーボブ、虎、ラグドールにて

構成されたベテラン女性ヒーローチームである

 

そのヒーローチームのメンバーが

地に頭を付け、膝を屈して、手のひらを上に向け…

敵意が無いことを全力でアピールしていた

 

心「あの…」

 

マ「新たな王よ!!林間合宿の間、王のお世話…

  供回りの任は我々、

  ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツにお任せを!!

  …そして、願わくばこの地に王の守護を…」

  

心「ええ!?え?あ、はい」

 

プロヒーローとは思えぬへりくだった態度に

心操は思わず返事をしてしまった

やべぇ…この地に守護ってなにすりゃいいんだ!?

…と、言うのが心操の正直な今の心境である

守護、守る?場所をどうやって?

心操に守護を頼んだワイプシ達……

迷いに迷ったうえで心操は1つの言葉を送った

 

 

━━心操 人使の両親は一般人である

人使がヒーローを目指しているのも

“所詮は社会の現実を知らない子供の夢”だとして

応援団すらしていなかった

雄英高校に進学できたのも

“有名校だから就職に有利だろう”とその程度だった

 

━━心操 人使はヒーローに憧れていた

平和の象徴であるオールマイトに憧れ、

派手な[個性]と高い実力を持つエンデヴァーに憧れ、

あるいは自分より数年歳上なだけで

トップヒーロー入りしたホークスに憧れ……

しかし、テレビの中の(画面の向こうで)活躍するのは

けっしてヒーローだけではなかった

人使とて今年高校生になったばかりの子供である

当然、アニメも見るしマンガだって読むのだ

…おそらく男子なら誰しも経験があるだろう

小学校の帰り道で拾った木の枝は勇者の剣であり、

妖刀であり、魔槍であった

あの雨の日に使っていた黄色い傘は

自動小銃であり、狙撃銃でもあり、盾でもあった

好きなアニメやマンガへのリスペクト(憧れ)がそこにあった

そして、幼かった頃の人使も当然だが

好きなアニメやマンガのキャラの真似をしていた

特に好きだったのが“某忍ばない忍者”のマンガやアニメと

“某海賊の王を目指す冒険バトル物”である

幼き日に何度も練習したが何度印を組んでも何も起きず、

腕や足を伸ばそうとしては関節を痛めた

キャラの動作や言葉を練習していた

今となっては苦笑するしかない思い出だ

 

だが、その思い出の中に今の状況にピッチリな

言葉があったのだ

…思い出す……できるだけ鮮明に、

……堂々と…安心させるような…

 

「今日からココを俺の縄張りとする!!」

 

他の生徒から見て、心操の後ろには

“長いアゴで白い三日月型のヒゲを生やした男”を

幻視したという……



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オンカン×ガッシュク

 

 

━━━心操side

 

俺達は林間合宿先に着いたが…

こう、なんだろう…思っていたのと違う

 

 

「長時間のバスでの移動でお疲れでしょう!

 露天風呂を用意させていただきました!!」

 

…と1人だけ露天風呂、しかも貸し切り

一応は学校行事だし、訓練とかもあるだろうと

着替えにジャージを用意してたけど

脱衣所には浴衣が用意されていた

 

前に“先生”達と行った温泉と同じくらい広くて

1人で入るのも、なんかすごい贅沢だな~

って湯船に浸かっていると誰かが浴場に入ってきた

まさか、三助みたいなことまで!?と若干引いて、

さすがに断ろうとしたんだけど…

その声を聞いて硬直した

 

「広いお風呂ね…

 それにしてもなんで私だけ先に入浴なのかしら?」

 

え?え?梅雨ちゃん!?ナンデ!?

なんで梅雨ちゃん!?ここ男湯だけど!?

 

「あら?先客かし…ら…、ケロォォォォォ!?」

 

「ごめん!!見て無い!!見てないから!!」

 

そこにはバスタオル姿の梅雨ちゃんがいた

…じゃなくて、見たらダメだ!?

不味い早くここから出て行かないとっ

あ、出口は梅雨ちゃんの後ろじゃん……

俺が出るんじゃなくて梅雨ちゃんに

出て行ってもらうしかないか…

露天風呂に浸かりながら姿を見ないように

梅雨ちゃんに背をむけて目を瞑る

彼女が脱衣所に戻るまでは…と思ったけど

後ろから聞こえてきたのは、

シャワーの水音とシャカシャカと泡立てるような音

え?梅雨ちゃん、身体洗ってる?

…いや、罠だな

期待させて振り向いたら筋肉ダルマ(オールマイト)辺りが

身体を洗っていて『ヒトシさんのエッチー!』なんて

言いながらU.S.SMASHでもしてくるんだろう

だからコレは身の安全を守る為の確認作業だ

そろりと水音の音源に視線を向けると…

アワアワになった梅雨ちゃんがいた

 

「ケロォ…人使ちゃん…

 恥ずかしいからあんまり見ないでほしいわ」

 

チクショウ!!

ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツめ!!

余計な気を使いやがって!!

本当にクソありがとうございましたァァ!!

 

 

この後、めちゃくちゃ混浴を楽しんだ

 

 

 

━━━????side

 

 

????はトイレに行くと言って

他の生徒達と別れた後、━━━に連絡をしていた

林間合宿先を告げられずに向かったので

”目的“”の為に住所や日程を伝えること…

それが????の仕事である

 

 

「━━━です。無事に目的地に到着しました。

 住所は━━━━━━━ですね。

 山の中にポツンとあるので間違えることは━━」

 

「ええ、彼は今は露天風呂に入ってますね。

 管理人のワイプシがやたらと歓迎してましてね。

 大丈夫です。━━━━の敵にはなり得ませんよ」

 

 

「あれ?こんな所で何して…ワリィ電話中か!」

 

「いや、ちょうど切ったとこだったしな」

 

「そうだ!人使のヤツ見なかったか?いねぇんだよ」

 

「いや風呂に行ったろ…」

 

「えー!でも、もう1時間以上経つぜ?」

 

「長風呂派なんだろうよ…多分な」

 

 



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コンガン×ガッシュク

 

 

━━━A組side(心操、蛙吹を除く)

 

 

「ハッ!?不倶戴天の敵(リア充)が力を増した気が!?」

 

「峰田…お前、病気だよ」

 

「絶対、名前のある病気だな」

 

「入院したら、もう退院できない奴だね」

 

A組のメンバーは初夏の里山を楽しんでいたのだが、

やたらと勘のいい峰田がナニカに気付いた

(~心操、蛙吹混浴中~)

 

それはさておき、メンバー達は困惑していたのだ

なにせ、平和すぎる

飛翔音に対して、すわ狙撃系の[個性]かと警戒すれば、

山中を流れる沢にカワセミが飛んでいただけで、

ガサガサとした物音に、すわ敵襲かと警戒すれば、

タヌキや野うさぎだったりするのだ

 

「警戒してても敵が来ないって

 なんか、ストレス半端ないね」

 

芦戸が言った言葉は真理を突いていた

敵が、攻撃が来るのが当たり前だったのだ

…今までは

 

だが、今はそれがない

平和なのだが、それゆえ不安に駆られるのだ

敵が来れば倒せばいい

でも敵が来なかったら?

 

「私達…何をすればいいの…?」

「そりゃあ……あれ?日常って何だ?」

 

「ふっ、日常…それは戦いの日々…」ソワ…

 

「まさに修羅の如く…」ソワ…

 

常闇とマーシーは楽しめて?いるようだが

他のメンバーの顔色は暗い

 

「じゃあよ!高校入る前は夏休みって何してた!?」

 

ムードメーカーを買って出た上鳴のおかげで

会話が途切れることはなかった

 

「ウチは…楽器の練習したり、ライブに行ったり…」

 

「僕は夏休み中は勉強か鍛練ばかりだったが、

 たまに兄が息抜きにと一緒に外出をして…」

 

「オイラは…エロ動画のフォルダ分けとか…

 新しい動画を探したり…」

 

「楽しかったよな…あの頃は」

 

「…そうね」

 

「ヒーローを目指すとはこういう事だったのか…!!」

 

「オイラは…ただモテモテになりたかった…」

 

「なぁ、話のついでだけどさ…

 林間合宿のA組の目標って知ってるか?」

 

「え?[個性]の強化でしょ?」

 

「俺…聞いちまったんだけどさ、

 “優しさ”と“思いやり”を思い出させるのが

 A組の課題だってよ…」

 

「はぁ!?ウチらには“優しさ”も“思いやり”も

 ないってこと!?」

 

「俺も最初は耳を疑ったんだけどよ…

 じゃあさ、改めて聞くけど」

 

 

「優しさって、なんだろう?」

 

 

「そんなの……え?」

 

「思いやりがあること…だったな」

 

「なら“思いやり”ってなんだ?」

 

「…………」

 

「……すまない、僕にはわからない」

 

「そう、そうなんだよ!!もう“優しさ”が

 わからなくなっちまったんだよ俺達は!!」

 

「そんなのって…」

 

「例えばよ…ケガをして苦しんでいる人が

 いたとして…どうする?」

 

「そんなのトドメを指して楽にしてあげるに、

 決まっているじゃない!!」

 

「いや、生きているなら使い道があるんじゃないか?」

 

「オイラだったら生き餌として使うっスね」

 

「その考え方が異常らしいんだわ」

 

「そんな!?」

 

「まさか、ケガ人を戦線に立たせるのが正解なのか!?」

 

「もしや…非常食として…」

 

 

合コン(合同コンバットシミュレーション)の弊害がここにきて出始めた

倫理観と常識が抜け落ちるという弊害である

 

 

もう、ヒーローを夢見て

瞳を輝かせた少年少女達はいない



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コンセン×ガッシュク

 

 

━━B組side

 

 

……ヒュルルルルルルルル

 

間の抜けたような音を起ててソレは落ちてくる

そして視界が一瞬白く染まり、次に赤く、最後に黒く染まる

たんなる『音』と判断していいのかわからない轟音が響く

土と、石と、ナニカの破片が炎と共に身体に打ち付ける

 

B組のメンバーは[個性]の強化との名目で

深い山の中を行軍していた

慣れない山道に悪戦苦闘しながらも進む

進む…進む…進む

 

だが、『デクさん』に頼らずに『A組レベル』にまで

強化する為に雄英が取った手段は……

 

 

「物間、小森と柳が限界みたいで…」

 

「ちょっと無理に進み過ぎたかな?

 …うん、少し休憩にしようか」

 

深い山の中なので日は直接差さないものの、

風もあまり通らない為、非常に蒸し暑い

個人個人で持ってきていた飲み物は既に無い

残っているのはスナック菓子くらいだが、

喉が渇きすぎて食べる気にはなれなかった

 

「水か…氷とかの[個性]がいればな…」

 

「それな!」

 

「小森に頼めばキノコで水分補給はできるぜ?」

 

「生で食うのかよ!」

 

他愛ない会話で少し和んだ(なごんだ)

山の中に風が抜けた

汗で張り付いたシャツがスッと冷える

とても心地好い

緑の濃い匂い、自身の汗の匂い

…まさに夏であった

 

そこに妙な音が響いた

甲高い…まるで風切り音のような……?

そして、視界は紅蓮に包まれた

 

 

━━B組メンバーの位置から数キロ先

 

そこには雄英高校の教師達+αが集まっていた

 

「様子はどうだい?プレゼント・マイク先生」

 

「ん~音からして休憩中かな?」

 

「丁度いいから行動開始するのさ!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

 

深い山の中には不釣り合いな建造物が…

…いやロボットがソコにいた

 

━━根津校長専用機

0ポイント仮想敵ロボ改『窮鼠』

主装:9連迫撃砲×2

 

「これ以降は出番もないから派手にかますのさ!!」

 

天に向け放たれたソレは放物線を描き、

ほぼ真上から落ちるようにB組のメンバーを襲った

 

「大丈夫!!ギャグ系二次創作だから

 死なないし、死んでも生き返るのさ!!」

 

━━スナイプ教員専用銃器

対特殊敵用超長距離型狙撃銃『PGM Hécate(ヘカート) II改』

 

「動かなきゃいい的だぜ?」

 

━━ソナー、観測手

プレゼント・マイク

 

「心臓が動いている限りは…逃げられねェぜ?」

 

━━爆撃、観測手

ホークス

 

「お前らには悪いけどよ、仕事なんだわ」

 

━━トーチカ作成、防衛担当

セメントス

 

「守ることこそ…ヒーローの本懐…」

 

━━塹壕作成、地雷設置担当

パワーローダー

 

「けけけ…やられ役のまんまじゃなぁ!」

 

━━遊撃白兵戦要員

イレイザーヘッド

 

「この爆撃の中へ行けと…?」

 

━━突撃白兵戦要員

エクトプラズム

 

「分身体ガ…戦闘前ニ爆撃当タッテ…消エテイク…」

 

━━撮影係

ミッドナイト

 

「戦場を駆ける少年達…いいわ!!」

 

 

爆煙で視界の確保は出来ず、耳はとっくに聴こえず

全方位から迫る衝撃波で方向感覚すらなくなり…

それでも彼らは生きていた

 

「皆ァ!、止まるな!!走れ!生き残るんだ!!」

 

聴こえているかはわからない

返事があっても確認はできない

だが、叫ばずにはいられなかった

 

爆煙が少し晴れた

木々が繁っているのが見える

向こうに行けば多少はマシになるか!?

全身が痛い

痛くないところを探す方が難しい

それでも這ってでも進む

 

視界の端にナニカを捉えた

倒れているナニカ…人?

雄英の制服じゃない…まさか、民間人!?

 

『ヒーローはいつだって命懸け』

 

まだ卵といえど物間もヒーローだった

 

「…くっ、だ…大、丈夫です…か?」

 

 

 

 

「誰だキミは!?」

 

 

 

━━卑劣爆弾要員(強制)

グラントリノ

 

 

視界が真っ白に染めあげられて、

物間の意識は

 

 

そこで途絶えた

 

 



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カンセン×ガッシュク

 

 

━━敵連合 観測隊side

 

 

「お~お~、派手にやっているねぇ

 おじさん、滾っちゃうよ?」

 

「迫さん…キャラ違くねぇ?」

 

「おじさんは仕事とプライベートは分けるからねぇ

 …にしても、最近の高校生は皆“こう”なのかい?」

 

「違ぇ…、雄英だけ…あの“デクさん”関係だけだ」

 

「ああ!それなら安心だね!

 まぁ、このあとにアレに突っ込むわけだけど」

 

「あ!迫さん!ママン(黒霧)からメールで

 今夜は『すき焼き』だそうですよ!!」

 

「前夜祭としては申し分ないね!!」

 

「俺…春菊、キライ」

 

「荼毘くんも好き嫌いしてたら大きくなれませんよ?」

 

「おじさんは春菊、好きだなぁ…

 こう、冷酒でキュっとね!熱燗も温燗もいいけど

 時期的(菊の節句前)には冷酒かなぁ…少しくらいなら日向燗でも…」

 

B組が悪戦苦闘する様を遠くで監視する者達がいた…

その者達は、翌日に行われる

“とある作戦”の為の下見であり、

真面目に生徒達の戦力、動向を観察していた

していたったらしていたのだ!!

『すき焼き』に気を取られてなんかいないのだ!

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

━━敵連合 本部隊side

 

「整備ヨシ、荷物ヨシ…問題はないな…」

 

「存在は知ってはいたが…

 この年になってはじめて初めて見たわい」

 

「ドクターなら知ってそうだと思ったんだが」

 

「儂は“生き物”専門じゃからな!

 この間の“■■ ■■”を使った時なぞ……!?」

 

“ドクター”と呼ばれた老人の頭を

全身に“手”を着けた青年が()()()()で掴む

…つまり、警告である

 

「黙れよ…俺は納得してねぇんだ…

 なぁ、知っているか?人にはな…

 越えちゃいけねぇ一線ってのがあんだよ…!!」

 

「ぐぅ…しかしA・F・O(オール・フォー>ワン)も…」

 

「………」

 

「わかった!!もう金輪際、手は出さぬから…」

 

「次は無い」

 

「しかし…そんなに”心■ ■■”が大事か…?」

 

「…ああ、“■使”は“家族”だからな」

 

「ならば…このような計画は…」

 

「まぁ、そう言われちゃあアレだが…」

 

暫し黙りこむ青年

だが決心をしたのか何度か頷き、応える

 

「人使には悪いが林間合宿は終わりだ」

 

ヒーローにはとても出来ないような

多く含む笑みを浮かべる青年

老人はソレに怯えたようで後退るが、

しかし老人は老人で全く懲りていなかった…

 

「のぅ…もし珍しい[個性]持ちがいたなら…」

 

「ドクター、…俺も相当だがドクターも大概だな…」

 

「そんな…照れるわい」

 

「誉めてねぇよ!!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━敵連合 黒霧side

 

「松阪牛と、九条ネギと…下仁田のコンニャク…

 大分のドンコ椎茸に…豆腐は絹濾しにすべきか…

 無難に木綿を選ぶべきか…迷いますね」

 

みんな(敵連合)のママン 黒霧は絶賛買い物中だった

無駄に器用に無駄なく[個性]を無駄に使用して

全国の特産品をご当地価格で購入しまくっていた…

 

「あっ、あと春菊は…好みが別れますかね?

 死柄木は苦手ですし…でも迫さんは好きそうな気が…」

 

「味変してトマトすき焼きもいいですね!

 確か…水神トマトは確か茨城でしたかね…?」

 

「“シメ”は無難にうどんにすべきか…

 しかし、トマトすき焼きならパスタや、リゾットも…」

 

「いや…あえて魚醤を使ってタイスキ(タイ風すき焼き)に…

 ならば寿喜焼(台湾式すき焼き)もありですかね?」

 

 

敵連合の明日(晩御飯)はどっちだ!?



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フンセン×ガッシュク

 

『オイラは…この瞬間の為に

 生まれて来たのだ…』

 

心操達が浴場を後にしてから数刻、

A組の生徒達に入浴の時間がやってきた

 

各々が髪や身体を洗う中で1人だけ

異なる行動をする男子が1匹……

 

峰田である

皆が大好きな峰田である

その峰田は屈伸運動や柔軟運動、ext、ext…

…いわゆる準備体操を彼は行っていた

なん為の準備か?

 

…入浴の為?

確かに入浴前の軽いストレッチは

心臓の負担を下げたり、疲労回復効果を高めたりと

様々なメリットがある

 

だが、峰田風に言うならば

『どうでもいいんスよ…そんなの』である

そんな峰田の行動を不審に思った(ある程度、察しているが)

飯田が声を掛けようとした時、峰田は吠えた

 

「あの壁の向こうには

  理想郷(ユートピア)があるんだ!!」

 

「待ちたまえ!!ソレは犯罪…」

 

「シャラァァァァップ!!

 黙れヘタレメガネが!!貴様は前期であれだけ

 モテモテになりたいと言っていた癖に

 なぜ行動を起こさんのだ!!」

 

「僕のことはどうでもいいだろう!?

 第一、覗きなどすればモテモテライフどころか

 嫌悪の目でしか見られないぞ!?」

 

「オイラはねぇ…ただ服の中身が見たいだけ…

 それだけ…それだけなんスよ…

 なのに!!100話越えてもスケベイベントがない!

 見えたのは服の中身じゃなくて

 身体の中身(血、骨、内臓)だけっ!!」

 

思うところがあったのか何名かがソワソワし始める

ある意味健全な男子高校生だ

 

「だが知ったからには僕達には止める義務がある!!

 止めなければ…女子達にどんな目に…」

 

「知らないんスよ…ソッチの都合なんか…

 オイラは…仲間よりオッパイを…」

 

そして、峰田は走り出す…約束された地に向けて…

[もぎもぎ]は放ちながら壁を…

 

「壁はとは越える為にある!!

 Plus Ultra!!」

 

 

「HEY!!峰田少年…校訓を汚すんじゃないよ?」

 

越えられない壁(オールマイト) が あらわれた

 

 ・たたかう ・どうぐ ・なかま ・にげる

 →にげる

オールマイトからは逃げられない!

峰田 は つかまってしまった

峰田 は 目の前にが まっくらになった

 

 

「離せぇぇぇ!!この偽善者がぁぁぁぁ!!満足か!?生徒の夢を壊して満足なのか!?」

 

 

「オールマイト…ありがとうございます

 クラスメイトが犯罪者になるところでした」

 

「HAHAHA!構わないさ!」

 

「ところで…その、お召し物の赤黒いシミは…?」

 

 

 

「ああ!なに、ついさっきまで

 B組の[個性]強化訓練をしていてね!

 私は夜襲係だったから

 ……ちょっとね!!」

 

 

ご安心ください

林間合宿に参加したB組の生徒は()()蘇生しました

ええ、()()ね?



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バンサン×ガッシュク

 

 

「え…俺達だけ?」

 

日も完全に落ちた頃に心操と蛙吹は別室に案内され、

そこで食事を摂ることとなった

 

「けろ…人使ちゃんの日頃の行いのおかげかしら?」

 

明らかに高級とわかる調度品の数々

真っ白なテーブルクロス

椅子すらワイプシ(ワイルド・ワイルドプッシ・ーキャッツ)が引き

まるでVIPのような扱いである

…もっとも、ワイプシ達は心操を“新たなる王”として

崇めているため、ある意味では正しいのだが…

 

「新たなる王たらせます心操様、お妃である蛙吹様の

 夕餉を用意させていただかせました至郎田と申します」

 

「そんな…!き、妃なんて…」

 

「あら?人使ちゃん、私じゃ駄目かしら?」

 

「いや、そうじゃなくて…まだ、早いというか…」

 

「けろけろ、私は構わないわよ?」

 

「…っ!」

 

余りに甘い空気に耐えかねたのだろうか、

至郎田は咳払いをして料理の説明を開始した

 

 

「…まずは前菜として、この山で摂れたばかりの

 『山菜のグリル』、『山菜のフリット』です

 最初は素材の味を楽しんで戴く為、

 塩のみでお召し上がりください」

 

「あっ、おいしい」

 

「純朴だけど…いえ、素材の味や鮮度を活かす為に

 火加減のみに調理が集約するからこそ

 至郎田さんの技術の高さがわかるわ!」

 

「…次はソースを試してみてください」ピク

 

「えっ!?すごい!同じ料理とは思えない!!」

 

「同じ料理なのに…さっきのが懐石料理なら

 ソースを使ったら豪華絢爛なフレンチだわ!!

 それに、このソースは……」

 

「お気づきになられましたか…

 [個性]の発現以降…人の味覚は大いに変化しました

 [個性]ゆえに食べれない食材も増えましたが…

 逆に[個性]ゆえに好ましく思える食材もあります

 今回はお妃様の[個性]が[蛙]とのことで

 ソースに裏漉しした蜂の子を使用しております

 味も究極を自負しておりますが

 ローヤルゼリーなど美容にも効く栄養が豊富です」

 

「それは嬉しいわね!」

 

「梅雨ちゃんはもう充分に可愛いよ!」

 

「人使ちゃん…」

 

「ん゛ん゛…続きましてスープですが

 『スッポンの甲羅のスープ』となります」

 

「俺…スッポン初めてだ…」

 

「甲羅って食べられるかしら…?」

 

「スッポンは余すことなく使える食材ですが

 特に甲羅は栄養が多く、コラーゲン等が接種でき

 美容に大変よいとされています」

 

「おかわりをいただけるかしら?」

 

「梅雨ちゃん…」

 

「次は魚料理ですが『鮎の塩焼き 野蕗のソース』です

 鮎も野蕗もこの山で摂れたものを使用しています」

 

「こんなおいしい魚初めてだ!」

 

「このソース…鮎の風味に合わせてあるのね…」

 

「口直しのシャーベットですが

 和のテイストを取り入れまして、

 『豆腐のシャーベットみたらし風ソース』です」

 

「甘いのにさっぱりしてる!」

 

「そのままでも大豆の甘味でおいしいわ!」

 

「メインとなる肉料理は…そうですね

 食べて“何の肉”か当てられますかね?

 使われている肉は2種類です」

 

「おいしい!けど、これは…」

 

「片方は…多分、さっき食べた“スッポン”かしら

 もう片方はラムに似ているような…」

 

「ええ!正解です、もう片方はトナカイの肉となります

 スッポンは『スッポンのポートワイン煮込み』、

 トナカイは『トナカイのグリル リンゴの塩漬け添え』

 …と、なっております」

 

「スッポンって和食だけだと思ってました」

 

「トナカイも癖が気にならないわ!」

 

「サラダですがこちらは“香の物”を使用しております」

 

「香の物って漬け物?」

 

「人参…みたいだけど普通の人参とは違うわね」

 

「ええ、朝鮮人参を沢庵風に拵えました」

 

「これも美容に良さそうね!」

 

(なんか…身体が温かいような…)

 

「最後にデザートですが趣向を凝らしまして

 『特製カクテル』となります」

 

「至郎田さん…俺達、高校生ですよ?」

 

「流石にお酒は飲めないわ…」

 

「ご安心ください

 こちらは()()()()()()含まれておりません

 心操様、蛙吹様にも楽しんで戴くべく、

 ノンアルコールでお酒の味を楽しめるように

 私が配合した『特製カクテル』です!!」ピクピク

 

「…うわっ!お酒っぽい!?」

 

「本当にお酒じゃないのかしら…?」

 

「ええ、ノンアルコールですから

 ……では、私はこれで失礼します」

 

「あ、ごちそうさまでした」

 

「とてもおいしかったわ!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

食後、寝室に案内された2人であったが

ココで問題が起きた

相部屋…というよりベッドが

キングサイズのベッドが1つあるだけなのだ

おまけに枕元には“輪状のナニカが入った小袋”まである

 

「…俺、床で…いや廊下で寝るよ」

 

「人使ちゃん…貴方は主賓なのよ?

 主賓を廊下で寝させたらホスト側から見たら

 面目丸つぶれになるわよ?」

 

「でもさ、その…」

 

「それとも私が廊下で寝ればいいかしら?」

 

「それは駄目っ!……ヨロシクオネガイシマス」

 

「けろっ♪」

 

ベッドに横になったものの心操(ヘタレ)である

手を出すことはできなかった

ゆえに心操(ヘタレ)、ゆえにヘタレ(心操)である

それと詳細の説明がなかったが

至郎田の『特製カクテル』の材料の一部を公開しよう

 

柚子、スダチ、赤葡萄、桑の実、ラズベリー、レーズン、生姜、すりおろしたまくわ瓜、唐辛子、黒胡麻、松の実、燕の巣、梅酒エキス、杏仁、ブドウ糖、シジミエキス、各種ビタミン、核酸、葉酸、亜鉛、ムチン、ブタプラセンタエキス、トンカットアリエキス、ノコギリヤシエキス、ダイオウサソリの粉末、マカの粉末、スッポンの生き●、赤蝮の粉末、トナカイの睾●、馬の●巣、オットセイの●ニ●、シトルリン、アルギニン、メチルテストステロン、ヨヒンビン、無水カフェイン、シネフェイン、アスピリン、エフェドリン、塩酸エフェドリン、シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル、タダラフィル等である

 

ベッドに入って30分が経過した

 

(眠れない…身体が…すごい火照って)

 

隣から聴こえる息づかいに妙に興奮してしまう

 

(それどころか…ダメなのに、ダメなのに!

なんで、こんな硬くっ!!治まれ(おさまれ)…治まれってば)

 

ゴソリ…と隣から音がする

寝返りなどではなくベッドから抜け出した音だ

 

(うわ…気付かれた!?最低だ……俺って)

 

そのままシュルシュルという音が聴こえる

布擦れの音…

薄暗い部屋の中、心操は音源の方を向いた

 

「恥ずかしいわ……余り、見ないで」

 

 

心操は“我慢”を投げ捨てた

 

 

 

 
















峰田「………心操滅殺」(血涙を流しながら)


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バンカン×ガッシュク

 

 

心操達よりやや遅れてA組メンバーも夕食の時間となり

一同は食堂に集まり、出されたカレーを食べていた

 

 

「めちゃくちゃ美味いな、このカレー!!」

 

「店でも食えないぞこんなん!!」

 

「おいしー!!」

 

「私!!! 生きててよかったァ!!!本当に!!

 生きててよかった!!!今日という日が!!

 やってきたから!!!」

 

「麗日、感極まりすぎ…確かに美味いけどさ…」

 

「ハッ!!カレーに気を取られていたけど、

 悪鬼(リア充)が次のステージに進んだ気が!!」

 

「悪鬼の気配…」ソワソワ

 

「闇に紛れて蠢く影…」クイッ

 

「峰田怖えぇよ…、常闇とマーシー多分違うから」

 

「嫉妬は醜いね☆」

 

「黙って食え!」

 

「この味…まさか、至郎田さんの!?」

 

「確か砂藤の職場体験先のヒーローだっけ?」

 

「間違いない!!この各種スパイスの的確な配合!!

 これは至郎田さんの技術だ!!

 そしてこの柔らかく煮込まれた牛肉だが、

 甘味と柔らかさとフルーティーな香りからして、

 おそらく梨とパイナップルで漬けこまれている!

 辛さは大衆向けに控えめにされているのにも関わらず

 確か存在感があるのは生、乾燥、焙煎の3種類の

 唐辛子を…それも数種類使っているハズだ!!」

 

「まるでグルメ漫画だな…」

 

「ふふっ、それだけじゃないよ砂藤くん…」

 

「至郎田さん!!」

 

「梨とパイナップルは使っているが…

 さらにキウイフルーツも一緒に漬けこむことで

 柔らかさはさらに数倍!!

 スパイスと7日7晩煮込むことによって

 キウイフルーツの酸味は隠されてしまうが

 それにより“知覚できない味覚”という

 新たな…そう第6の味覚を私は創りだした」ピク

 

「やべぇよ…コイツ達だけだとグルメ小説になっちまう」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

A組がカレーに舌鼓を打っている最中、

B組はというと、辛酸を舐めていた

 

 

「駄目ノコ…できないノコ…ノコは駄目な子…」

 

ウサギを抱き締めた小森 希乃子…

小柄な彼女が小動物といる姿は実に可愛らしい

だが…

 

「必要な犠牲だ、割り切れ」

 

「駄目ノコっ!この子は…!!」

 

「できねぇなら俺がヤってやる!!」

 

「イヤッ!なにも悪いことしてないノコ!!

 ころさないで…おねがい……しマッシュ」

 

「鉄哲!アンタ言い方ってもんがあるでしょ!

 小森…こっちで一緒にいましょ」

 

スタート地点から十数キロ

半日もの間でコレだけしか進めないのかと

思われるかもしれないが

激戦…いや一方的に攻撃を受け続け、

何度も仲間を失い、あるいは自らも死に蘇生され、

怪我を負い、光を失い、手足を無くしては回復され…

襲撃の度に撤退と戦死を繰り返していたのだ

むしろよくぞここまで進めたと思う

そんなB組の彼らは既に食糧は尽きていた

清涼飲料水(お茶やジュース)などはもちろん、水すらない

食べきったからではない

幾度とない爆撃に晒されて焼けてしまったのだ

もう、彼らには持ち込んだ荷物などない

身に纏っていた制服ですら焼け落ちてしまい、

蘇生や回復の時に支給された貫頭衣だけが彼らの持ち物だ

靴すら無く、足の裏は皮がベロベロに剥けていた

痛みと疲れで心身共にボロボロになった身体、

尽きない飢えと渇き……限界だった

そんな時に現れたのが1羽の野ウサギであった

人懐っこいのか危機感がないのか

そのウサギは小森の側へと近づき

小森が抱き上げても逃げようとすらしなかったのだ

戦場に疲れた小森にとっては癒しであったが、

鉄哲からすれば貴重な食糧源であった

 

…火は使わない

夜の山で焚き火をすると光源としても目立ち、

昇る煙は遠くからでもよく見える

深い山の木々に身を潜めるB組としては

リスクは避けねばならなかった

哀れウサギは鉄哲によって首を折られ

鎌切によって捌かれた

円場の[空気凝固]により血の一滴すら溢さずに集められ

皆でソレを回し飲みにする

 

「拳藤…知ってるかい?A組はこの林間合宿で

 “優しさ”と“常識”、“良識”を覚えるのが目標らしい」

 

「……“優しさ”?」

 

泣きじゃくる小森を抱きしめながら、拳藤が聞き返す

 

「優しさって、なんだろう?」

 

目を血走らせながら、口元を血で濡らして

ウサギだったモノに群がる級友達を見て物間は溢す

 

その目は希望に満ち溢れていたハズだ

その口元は笑みが浮かんでいたハズだ

 

 

「…なんで、こんなことに…チクショウ」



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タンニン×ガッシュク

 

 

辛い思いをしているのはB組の生徒だけではない

B組の担任であるブラドキングも辛いのだ

彼はB組への教育的指導(一方通行な虐殺)に参加しなかったのではない

内容を知られないように別室待機させられていたのだ

そして、相澤…イレイザーへッドから

録画された“戦場”の映像を見せられていた

 

「なんなんだ!!コレは!!話が違う!!」

 

声を荒げるブラドキング

それもそのハズだ

愛しい生徒達を鍛え上げる為には

“ある程度”の苦難が必要なのはわかっていた

そして、A組の生徒達が強くなったのは

心操が主宰したデクさんとの戦闘訓練(某合コン)があったからだと

そう聞いていたが心優しいブラドキングには

自分の生徒達をデクさんにボらせるわけにはいかないと

デクさんが参加しないことを条件にして

雄英高校教師陣による戦闘訓練を受諾した

 

だが、この結果である

いや終わってはいないので“過程”かもしれないが

死者が出た時点でブラドキングの中では結果だった

 

「落ち着け、ブラド…何をそんなに騒ぐ?」

 

「死んだんだぞ!?生徒が死んだんだぞ!?」

 

「はぁ…だから?」

 

それがどうした、死んだだけだろう?

意味がわからないとため息を吐くイレイザーへッド

 

「イレイザー!!貴様に人の心は無いのか!?」

 

「心外だな…そして、合理的じゃない

 そもそもブラド、お前が[デクさん]を断ったから

 こうなったんだろう?責任転嫁だろそれは」

 

「違う!!俺は生徒達のことを思って…!!」

 

「なら聞くが…今、死んでも生き返れる状況で

 “死ぬ気”どころか“死んでも”鍛え上げるのと、

 何もせずに社会に送り出して

 何時か何処かで野垂れ死にさせるのとでは

 どちらがいいか…答えろ!!」

 

「俺は…俺のやり方でB組を導いてみせる!!」

 

「はぁ~本当に合理的じゃないな…

 俺が手を回しておいてよかった」

 

「イレイザー!?一体何をした!?」

 

やれやれ、まったく手が掛かると言わんばかりに

またしてもため息を吐くイレイザーへッドに対して

噛みつかんばかりの勢いでブラドキングが問う

 

 

「[デクさん]を参加させない……

 あれは合理的虚偽(うそ)だ」

 

「相澤ァァァァ!!!!」

 

「大丈夫、デクさんに任せれば強くはなれる」

 

「ウチの生徒達はA組とは違う!!」

 

果たして、夜の山中のB組…

ウサギを解体して生で食べているその姿を見たら

生徒思いの強いブラドキングはどう思うのか…

ブラドキングの心は持つのか…神のみぞ知る

 

「安心しろ…[デクさん]の投下は最後の仕上げだ」

 

「そんな……俺の、俺の生徒達が…」

 

「それとなブラドキング、“俺の”生徒?

 妙な話だな…生徒達は誰のモノでもないぞ

 生徒達は生徒達のモノだろうが…エゴイストめ!」

 

「生徒達は俺が助けだす!!止めても無駄だぞ!」

 

「ああ、止めやしないさ

 だってコレで俺らの出番最後だからな」

 

「・・・え?」

 

「まぁ、助けたいと思うのは構わないが

 出番がもう無いのにどう助けるんだ?」

 

「・・・ぇ?」



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サンダン×ガッシュク

 

 

朝早くに目が覚めてしまった上鳴は寝汗を流すべく

露天風呂に向かった

 

「あら?皆まだ寝ていたけどな…」

 

籠に入れられていた衣類が先客の存在を示す

特に問題は無いだろうと服を脱ぎ、浴場に向かう

 

「あ!電気君おはよー!!」

 

「え?人使…か?」

 

「あはは!君の親友の心操 人使さ!」

 

「いや、マジで誰よ?」

 

キラリと歯を輝かせて爽やかに笑うような心操は

少なくとも上鳴は知らなかった

 

「電気君、見てごらんよ!世界が輝いてるよ!」

 

「人使…お前、もしかして『自分は爽やかボーイ』って

 自分のことを[洗脳]したとかなのか?」

 

「ははっ!ナイスジョーク!!」

 

「やっべぇ…すげェ気持ち悪い」

 

よく知っているハズの親友が突然知らない顔を見せたのだ

いっそ、何らかの生物に脳を乗っ取られたと

考えたほうが自然な程の変わりようだった

 

「…ん?人使…お前、その首…」

 

心操の首には寄生された時の傷痕が…

…ではなく小さな赤い痣が幾つもあった

上鳴の脳が高速で推理を始めた

 

1心操と蛙吹だけ別行動

2就寝時間になっても2人は帰ってこない

3朝風呂に入る理由

4首筋や胸に着いた小さな赤い痣(キスマーク)

5やけに自信に溢れた心操

 

そこから導き出される答えは……

 

「人使…さん、半端ねぇっス

 ………あのソレ(キスマーク)隠した方がいいっスよ」

 

「え?ソレ?」

 

「鏡見てください…!!」

 

「変な電気君だなぁ………

 あああああああああああああああ!!!!?

 

湯気で曇った鏡に水をかけ

今の自分の姿を確認した心操は絶叫した

 

「あああああ……電気、その…わかっちゃった?」

 

「…おう……蛙吹…だよな?」

 

「…………ぅん

 

「声ちっさ!?さっきまでの自信はどうしたよ!?」

 

「ああ…恥ずかしい」

 

「まぁ、俺は応援してるからよ」

 

「ああ」

 

 

一足先に大人の階段を登った同期生との談笑

実に青春的なイベントであろう

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一方で林間合宿の舞台裏

ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツside

 

 

ラ「大成功ね!!」

 

ピ「性交だけに?」

 

マ「ちょ!生々しいから!!」

 

虎「しかし、王と妃にとっては“この地”も

  “我等”も思い出深い場所になっただろう」

 

マ「ええ、また[デクさん]が投入されても

  今度は守ってもらえるわね…多分」

 

崇拝とは、ある程度の打算からくる物である

例えば、自分に害が来ないように

例えば、自分が益を得る為に

例えば、自分を守ってもらう為に

 

 

マ「ところで」

 

ピ「嫌」

ラ「無理」

虎「断る」

 

マ「まだ何も言ってないじゃない!!」

 

ピ「なぜか聞いたら逃げられない気が…」

ラ「同じく」

 

マ「せめて話を…虎は?」

 

ピ「え?さっきまで隣にいたけど」

 

ラ「虎ァァ!!アイツ、1人で逃げやがった!!」

 

マ「はぁ、忘れてるかもしれないけど

  林間合宿に参加しているのは、もう1クラスいるわ」

 

ピ「あ~いたね」

 

ラ「でも1日目は終わっちゃったよ?」

 

マ「山の中でね…昨日の午前中から戦闘訓練だって」

 

ピ、ラ「「ハードすぎない!?」」

 

マ「相手は雄英教師陣にホークス、オールマイト…

  そして、[デクさんシリーズ]って算段よ」

 

ピ、ラ「もはやルナティック!?」

 

マ「で、私達は…ピクシーボブどこに行くの?」ガシッ

 

ピ「お、お手洗いに少々」

 

マ「話が終わるまで待ちなさい」

 

ラ「あ、あちきも急にお腹が…」

 

マ「ラグドール?今、死にたいの?」

 

ラ「治りました!!」

 

マ「よろしい…

  私達は心が折れちゃった生徒の回収を任されたの」

 

ピ「折らないでよ…心」

 

ラ「で?問題あるんでしょ?」

 

マ「[デクさんシリーズ]に間違えて襲撃されるかも…」

 

ピ「違う!!私達はピトーとは違うんだ!!」

 

ラ「あちき…普通の女の子に戻ります!!」

 

マ「断ってもいいけど、そしたら[デクさんシリーズ]を

  けしかけるって言われたの」

 

ピ「結婚…したかった」

 

ラ「おわた」

 

マ「もう進むしか道はないの!

  ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ行くわよ!

  復唱しなさい!!」

 

マ「私、生きて帰れたら絶対彼氏作るんだ!」

 

ピ、ラ「「私、生きて帰れたら絶対彼氏作るんだ!」」

 

マ「とりあえず虎はブン殴る!」

 

ピ、ラ「とりあえず虎はブン殴る!」

 

 

ワイプシの明日はどっちだ!?

 

 

 

 

 



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モンモン×ガッシュク

林間合宿2日目

 

A組は午前中はワイプシ謹製のアスレチックを遊び尽くし

今は皆でBBQを楽しんでいた

 

「人使ちゃん、お肉焼けたわよ あーん」

 

「ちょ、人前では…」パク

 

そして、一線を越えたバカップルはというと、

盛大にイチャイチャしていた

甲斐甲斐しく肉や野菜を焼いては心操にあーんする蛙吹

普通のカップルですらしないような行為を平然と行い…

見せつけられているA組メンバーは砂糖を吐きそうである

 

「チクショウ・・・見せつけやがって・・・」

 

「峰田…血涙でてっぞ」

 

「嫉妬か」

 

「確かにあそこまでイチャつかれたらな」

 

「俺…今なら“砂糖”いらない気がする」

 

「甘過ぎる空間だね☆」

 

蜂蜜に砂糖とステビアとガムシロを足したような空間

そんな中で“奴ら”はやってきた

 

ザッザッザッザッザッ

 

いや、帰ってきたのだ

1日以上掛けて、昼夜問わずの行軍の末に…

 

「ふふふ、ずいぶん余裕だねぇ…A組ィィィ!!

 B組は地獄から帰ってきた!!

 ここから先は、ずっとB組のターンさ!」

 

「物間!?」

 

「そういえば見て無かったな」

 

「物間……ああ居たな!そんな奴も」

 

「えーと、[もぎもぎ]くっ付けられた人だ!!」

 

「私もう、出番無いんだど思ってた」

 

「一発屋じゃなかったのか…」

 

「てか、汚いな…」

 

「それに…なんか臭う」

 

「食事中に不衛生な状態で近づかないでもらいたい!」

 

「汚物は消毒されろ」

 

食事中に血や汗の他に泥や草木の汁等で身体中が

汚れた集団が来たら誰だって嫌がる

 

「……扱いがあんまりじゃないかい?

 そんなに臭うかな…あと僕達にもBBQを!!」

 

「だって…なぁ」

 

「あれ?また誰か来たな」

 

B組の後から凄い勢いで近づく影が3つ

 

「王よ!!失礼いたしました!!」

 

「B組はソッチじゃないの!!」

 

「コッチに来るのよ!!」

 

ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツである

そして、彼女達は3人がかりで手足を押さえつけ、

抵抗する物間を引き摺りながら山の中へと…

 

「離せ!!なんでA組ばっかり!!

 不公平じゃないか!!B組にも…B組にも少しくらい!!」

 

「ええい!暴れるんじゃない!!」

 

「アンタの行動次第でまた[デクさん]が…!」

 

「彼は“王”!!君は“道化”なの!!」

 

「嫌だぁぁぁ!!僕達もBBQするんだぁぁぁぁ!!

 クラスの皆と夏休みの思い出作るんだよぉぉぉ!!

 焼いた肉を食べさせてくれよ!!

 もう、もう…鉄の味がする生肉は嫌だぁぁぁ!!」

 

…山の中へと連れ戻されていった

木々の間から怨嗟の声が聴こえてくる

 

「本当に無様だわ  あーん」

 

「俺も気持ちは少しわかるけど…」パク

 

「人使さん……自重してください峰田が死んでしまいます」

 

 

 



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ダンダン×ガッシュク

 

 

林間合宿2日目 夕刻

 

A組のメンバー達はビュッフェ形式での夕食の後、

食休みを少々挟んでこれから行う

肝試しのペア決めをしていた

 

蛙「私と人使ちゃんは確定として…

  残りはクジでいいかしら?」

 

心「梅雨ちゃん…適当すぎない?」

 

蛙「私とペアを組むのは嫌なのかしら?」

 

心「そんな事ないよ!」

 

もはや定番となっている茶番劇を見せつけられながら、

クジでペアを決めて行くA組

 

上「もう尻に敷かれてるなぁ…人使の奴」

 

峰「オイラも…っ!オイラも蛙吹の尻に…!!」

 

「ミノル君?なにか言ったかな?」

 

峰「ひぃ」

 

切「人使…その顔は辞めてくれ…怖ええから」

 

障「デクさんに似ていたな…」

 

上「ほら峰田、諦めてクジ引け」

 

峰「チクショウ…チクショウ……オイラもオイラも…」

 

瀬「ほれ!コーヒー持ってきたから皆飲め!」

 

上「お、悪いな瀬呂」

 

心「あ!俺にも貰えるかな?」

 

瀬「あ~、人使と蛙吹の分はワイプシの人達が

  なにか用意してたから持ってきてねぇんだ」

 

心「別にコーヒーくらい普通でいいのに…」

 

蛙「けろけろ…心遣いだから受け取りましょ」

 

芦「私、夜にコーヒー飲むと眠れないからパス!」

 

瀬「いや大丈夫だ…カフェインレスの奴だから

  …よく眠れるよ」

 

芦「さっすが瀬呂!じゃあ貰うね!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

敵連合side

 

 

死「人使には悪いが林間合宿は終わりだ」

 

トガ「ふふ、人使君達にまた会えますねぇ」

 

迫「おじさん張り切っちゃうぞ!」

 

マス「思いっきり暴れられるぜ!!」

 

荼「弟にもコッチ側に来てもらおうか…」

マグ「あら、いいわね!義弟君も上手く馴染むと思うわ」

 

ム「にく、にくめん…いっぱい」

 

雌伏の時は終わり、ヴィラン達は動きだそうとしていた

綿密に立てられた計画、鍛えた[個性]と肉体

それらを持って雄英高校の林間合宿に襲撃を…

 

黒「出発前に、おにぎり作ったのでどうぞ」

 

死「…昆布ある?」

 

トガ「おかか貰いますね!」

 

迫「おじさんは…無難に塩にぎりで」

 

マス「鮭だな!」

 

燈「ツナマヨは…」

 

マグ「ツナマヨはコレよ、私は梅干しにしましょうか」

 

ム「にく、にく…」

 

黒「はいはい肉巻きおにぎりですね…

  皆さん、味噌汁もありますけど飲みます?」

 

死「具、なに?」

 

黒「ミョウガとワカメですね」

 

死「…もらう」

 

迫「おじさんも貰いたいな」

 

トガ「ミョウガの味噌汁なんて珍しいですね!」

 

マス「そうか?俺の地元じゃ普通だったぞ?

  俺の分もだ!ゴマ油垂らしてくれ!!」

 

マグ「はい、燈矢ちゃんの分」

 

燈「いや…俺はいい」

 

マグ「ダメよ!暑いんだから水分と塩分取らなきゃ!」

 

燈「ん~…あ、美味しい」

 

トガ「なんかホワホワしますねぇ」

 

迫「新婚さんだからね…

  おじさんも、そろそろ結婚したいな…」

 

マス「迫っさんなら大丈夫だろ!おかわりくれ!!」

 

死「黒霧~お茶くれ」

 

黒「はいはい」スッ

 

死「食休みしたら行くぞー」ズズッ

 

トガ「私はすぐでもいいですよ!」

 

死「食べてすぐ動くと身体に悪いんだよ」ズゾー

 

…襲撃は少し遅くなるかもしれない

 



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カンワ×ナカミ

 

 

ワン・フォー・オール

“力”を継承する[個性]ではあるが

もう、1つだけ“意思”あるいは“遺志”か…

もしくは残留思念とでも言うべきなのか

継がれていくモノがある

他人には聴こえないし、見えもしないが、

確かに[個性]の中に“彼等”はいた

 

 

個性黎明期頃

 

初代(弟)「頼む…兄を、あの邪悪を倒してくれ!!」

 

 

しばらくして…

 

二代目「くそが!!よくも仲間達を…」

 

三代目「功夫が足りなかった…」

 

 

さらに、しばらくして…

 

七代目「空彦…子供の事を頼んだよ…」

 

そして、オールマイトへ受け継がれ…

 

歴代「これなら勝てる!!」

 

 

ボッ

 

 

歴代「なぁに、これ?」

 

初代「ジェ、ジェネレーションギャップ…かな?」

 

二代目「いや、あんなんが普通だったら

    世界が滅んでますよ!」

 

五代目「おう七代目!おめェさんが一番若けぇんだから、

    何か知らねぇか!?」

 

七代目「知らない…あんな、あんな禍々しい力…

    私は知らない!!」

 

 

雄英高校体育祭の頃…

 

初代「あれは…無理だ」

 

二代目「初代様…心中お察しします」

 

七代目「ねぇ!そんなことよりUSJの時の子!

    私の旦那に似ていたんだけど!?

    まさか孫!?孫なの!?空彦ォォ!!」

 

心操が修行中の頃…

 

歴代「うわぁ…」

 

七代目「空彦…あんた、クズだね」

 

三代目「お、落ち着け七代目!」

 

七代目「大丈夫…ワタシハ、レイセイ」

 

歴代「なにしてんの!?八代目!?

   なにそんな理由で遅刻してくれてんの!?」

 

七代目「俊典ィィィィィィィィ!!!」

 

六代目「やばっ!早く抑えろ!」

 

二代目「無理無理無理!怖えぇもん!」

 

四代目「五代目!![黒鞭]で抑えつけ…」

 

五代目「任せろ!!」ヒュッ  ブチッ

 

四代目「まじか!?」

 

 

心操が逃亡した頃…

 

二代目「初代様…いい兄さんですやん」

 

三代目「それ!ほんとそれ!」

 

初代「え?兄さん?…兄さん?」

 

四代目「てか、八代目はなにしてんだ!?」

 

七代目「なんというか…申し訳ない」

 

五代目「アンタが謝らなくても…まぁわかるが」

 

 

オール・フォー・ワンによるお仕置きタイムの頃…

 

歴代「よっしゃあ!!やったれ!!」

 

七代目「空彦の阿呆をブン殴れ!!」

 

六台目「オール・フォー・ワン!!俺達がついてるぞ!」

 

 

心操に継承された頃…

 

八代目「あのーお師匠?」

 

七代目「歴代の皆様方…GUILTY?NOT GUILTY?」

 

歴代「GUILTY!!」

 

八代目「アッー!!」

 

 

その数分後…(心操修行再開)

 

九代目「あれ?ここどこ?」

 

歴代「もうコッチに来た!?」

 

九代目「あはは…恥ずかしながら死にまして…」

 

歴代「早くね!?死ぬの早くね!?」

 

八代目「初代様…、この場合は次の後継者は…」

 

初代「多分、この心操君のDNAを取り込んだ誰かが…」

 

心操蘇生完了→死亡

 

十代目「あれ?ここどこ?……て、俺がいる!?」

 

九代目「あ~、やっぱ死んだ?」

 

十代目「え、あ、はい…恥ずかしながら死にました」

 

歴代「!?」

 

心操蘇生完了→死亡

 

十一代目「あれ?ここどこ?……て、俺が3人いる!?」

 

九代目「お疲れー、しんどかったべ」

 

十代目「ま、座りなよ」

 

歴代「!?」

 

二代目「初代様…これはいったい」

 

初代「…わからない、もしかしたらだけど、

   一度死んでから蘇生されたことによって

   同じ肉体で継承され続けているのかもしれない…」

 

九代目~百六代目「なるほど!!」

 

歴代「増えすぎ!?」

 

百七代目「あれ?ここどこ?て、俺がいっぱいいる!?」

 

歴代心操「落ち着け、ニューフェイス」

 

八代目「あの、私の代であのパワーでしたよね…

    この場合だと…いったいどれ程の…」

 

初代「…しらね、ウノやろうぜ!」

 

二代目「初代様!?」

 

 

 

 

 



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カマセイヌ×ガッシュク

 

力、力、力━━━

 

圧倒的な力

 

その前に立つのは“僕のヒーロー”

 

「何でっ…そこまで……!!」

 

 

 

━━1時間前

 

少年、と言うにはあまりに幼すぎる子供━━出水 洸汰

彼は叔母にあたるマンダレイの元へ

夏休みを利用して遊びに来ていた

 

だが、叔母曰く“大切なお客様”が来ているらしく、

なかなか構ってもらえず若干拗ねていた

なので施設内をブラつている時に

偶然出会った物間の股関を強打したり

ばっちい格好をした物間の陰嚢を強襲したり

シリアスを決めている物間に腹がたって

睾丸に浸透拳を極めたりしても仕方がなかった

そして、殴りつける度に[個性]を使用して

物間のズボンを濡らしても仕方がなかったのだ

 

 

━━30分前

 

 

物間で遊ぶのも繰り返し過ぎて飽きたので

山中に作った秘密基地は洸汰は向かった

 

自分だけの秘密基地だ

その空間で1人でいる時

それが彼の唯一落ち着ける時間であった

少なくとも残り物の海産物のことを考えずにすむ

 

「……?」

 

しかし、洸汰の秘密基地の様子がいつもと違った

何か…そう、巨大なナニカが無理矢理入ったような…

 

 

━━20分前

 

しばらく待っても何の反応も無いので

恐らく中には誰もいないのだろうと思い

洸汰は秘密基地の中へと入った

そこで出会ってしまったのだ

 

「ねぇ君、年いくつ?」

 

デクさん……圧倒的デクさんと……!!

 

「ひっ!!」

 

筋肉に包まれた巨大な肉体からは暴力の香りが、

闇より深い瞳には絶望と虚無が映されており、

ともすれば自分等一瞬で屠るであろう存在

 

膝が…いや、全身が震える

涙も鼻水が混ざり酷い顔になる

冷や汗が絞れる程にシャツを濡らし、

ズボンには温かい液体が漏れだし染みを作った

 

死ぬ…間違いなくここで死ぬ

そう確信するには十分過ぎる程の存在がいた

両親がヒーローを辞めた元凶……デクさん

 

「お前が…パパとママを…」

 

ヒーローなんていない

彼はそう思っていた

彼の両親はデクさんの戦闘?

いや、一方的な蹂躙劇を目撃してしまい

己の力不足を実感してヒーローを辞めてしまっていた

それからは水産業を営んでいるのだが

幼い彼にとっては

コスチュームを身に纏ったヒーローが一転して

ショボくれた自営業者になったことが辛かったのだ

一種の幻滅である

テレビに出ているようなヒーローも

きっと自宅などカメラが無いところだと

普通のオッサンなのだと…そう、思っていた

 

そしてそれが間違いであると気付いた

目の前のデクさんを見てわかったのだ

これを前にしては、ヒーローはヒーローでなくなると

助けてくれる英雄から

ただの被害者へと変わってしまうのだと…

 

それでも彼は思ってしまった

 

「たす…けて、助けてよ!!ヒーロー!!」

 

「任せろ!!もう、大丈夫だ…

 なぜかって?俺が来た!!」

 

 

━━20分前、敵連合side

 

「ワリィが先に行っててくれ」

 

「どうしたマスキュラー?」

 

「野暮用だ、野暮用」

 

「え~、一緒に行かないんですか~?」

 

「単独行動は控えろと言われただろ」

 

「っせーな!ガキの事、ほっとけるかよ!!」

 

「っち、先に行く、追いつけよ?」

 

「待ってますからね~」

 

「…ああ、すぐに行くさ

 じゃ、ちょっとヒーローになってくっかね!!」

 

 

━━15分前

 

ボッ

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

「おじさーん!!」

 

━━10分前

 

「大丈夫だから……ガキィ、早く逃げろ」

 

「だって、おじさんが…」

 

ボッ

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「おじさーん!!」

 

━━5分前

 

超破壊拳(ビッグバンインパクト)!!…やったか!?」

 

ボッ

 

「ごふぅぅぅぅっ!!」

 

「おじさーん!!」

 

━━そして、現在

 

 

衝撃により抉れた地面がクレーターの様を見せ、

その中心でマスキュラーはうずくまっていた(ヤムチャ状態)

 

「何でっ…そこまで……!!」

 

 



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イジ×ガッシュク

 

「弔くん!!マスキュラーさんが!!」

 

「トガ…マスキュラーや荼毘は特攻だ、

 死ぬのも仕事の1つに含まれている

 お前ら、すすんで捨て石になることを

 選んだんじゃなかったか?」

 

「…その通りだトガ、これが俺達の仕事だ」

 

「でも、でもっ!仲良くなれたんですよ!?

 仲間なんです!!マスキュラーさんだってきっと」

 

「駄目よ?ヒミコちゃん…

 いい女はね、男の覚悟には口を出さないの…」

 

「っぐ、マグ姉ぇぇ…」

 

「ほら、泣くのは後にしなさい…

 弔ちゃん、もう少し言い方を変えなさいよ…」

 

「……黒霧、進捗は?」

 

「はい、[マスタード]の行動により

 大多数の生徒は眠っていますね」

 

「大多数…?全員じゃないのか?」

 

「ええ、残念ながら…起きているのは

 切島 尖児郎、轟 焦凍、爆豪 勝己、障子 目蔵、

 耳郎 響香…あとは目的の2人ですね」

 

「弟にもコッチ側に来てもらおうか…」

 

「荼毘…急な変更は失敗の元だ…諦めろ」

 

「弟…焦凍は元来コッチ向きだ…

 それに、■■にも挨拶はすませたしな」

 

「チッ!……回収はお前が担当しろ」

 

「ハハッ!ありがとよ…さてと、俺も行くかね」

 

「ああ、精々いたぶられてこい…黒霧!」

 

「はい、では送ります」

 

「燈矢ちゃん…」

 

「そんな顔すんなよマグネ…

 それじゃ行ってくるぜハニー」

 

「荼毘さん…私も、行きます」

 

「トガ!?お前は戦闘向きじゃねぇだろ!?」

 

「…行ってこい」

 

「死柄木!?なにを言って…」

 

「男の覚悟は認めてもらったんだ…

 女の決意を認めなきゃいけねぇだろ?」

 

「弔くん…可愛く(かあいく)はないですがカッコいいですよ!」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

一方でA組のメンバーの多くは眠っていた

夜が遅いわけではない

とある事情により多くのメンバーが眠っていた

しかし、()()()()()()()であり、全員ではない

 

数少ない起きているメンバーの1人、爆豪は

廊下やロビーにて倒れるて眠っているメンバーを見て、

異常を察知して行動を開始していた

そして、他の起きている人物…瀬呂と合流した

 

「爆豪か!!お前も起きていたのか」

 

「クソテープ!!どういう状況だ!!」

 

「ああ!実はな……眠れ!!」

 

瀬呂の肘から出る[テープ]による奇襲を

危なげなく避ける爆豪

そして反撃を…

 

「爆豪!?瀬呂!?お前ら何をしてんだ!!」

 

反撃をしようとしたところで切島が現れた

 

「切島か…思ったより起きている奴がいるな…」

 

「テープ野郎…どういうことか説明しろ!!」

 

「瀬呂…」

 

「すまない、金を受け取った以上は達成させてもらう」

 

「金なんかで俺達を売ったのかよ!?」

 

「関係ねぇ!ブッ殺す!!」

 

 

━━駄目だ!クラスメイト同士で戦ったら、

  死人が出ちゃう!!

  お願い、冷静でいて爆豪!

  冷静に対処すればきっと勝てるわ!!

 

次回、『爆豪、死す』

 



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ヒトサシ×ガッシュク

 

 

「切島ァ!ここは任せて外へ向かえや!」

 

「待てよ爆豪、んなことしたらお前が1人に

 なっちまうだろうが!?」

 

「瀬呂相手なら1人で十分だっつーの!!

 それよか他の奴等の確認しろ!」

 

「…っ!!わかった!!」

 

走りだす切島

それを見送る爆豪

そして、瀬呂もそれを止めなかった

 

「ハッ!ずいぶんと余裕じゃねぇか…」

 

「まぁ冷静な瀬呂君としてはね

 爆豪1人でも負けそうなのに切島までいたら

 さすがに勝機がなくなっちゃうからね」

 

「俺1人なら勝てる気でいたのか?

 ナメられたもんだなぁぁ!!」

 

激昂し手から連続で小爆発を出す爆豪

ニヤリと笑ったまま[テープ]の射出口を向ける瀬呂

まさに一触即発の雰囲気が2人の間に走る

 

「俺はよ、結構周りのこと見ていたんだぜ?」

 

「あ゛あ゛?」

 

「爆豪、お前はキレやすい性格だけど

 戦闘に限っては頭の中は冷静なのも知っている」

 

「それがなんだってんだ!?」

 

「まぁまぁ、喧嘩腰になるなよ…

 つまり、こうやって敵対していてもだ

 相手の話を聞いて情報を得ようとしたり、

 隙を探ったりする癖がお前にはあんだよな」

 

ゾプリ

 

「だから、それがなん…だ」

 

最初に感じたのは冷たさ

次に焼けるような熱と痛み

爆豪の視界に入ったのは己の胸から突き出た切っ先

 

「…てめ」

 

「瀬呂くん遅いと思ったら何を遊んでるんですか~」

 

「いやいやトガさん、俺1人じゃ勝てないってば」

 

もう1人いた

何故、気付かなかったのか

気配も足音もしなかったハズなのに

 

「もう終わりですけどね」

 

「じゃあな…爆豪」

 

おもむろに引き抜かれた凶刃

驚くほど遠くまで噴き出す鮮血

 

何かを言おうと、いや行動しようとしたが

爆豪はもう、それを思い出せず動けなかった

緩やかに暗転していく視界は床しか映らない

 

バチャ

 

「やっぱクラスメイトが死ぬとこは

 何度見ても慣れねぇな…」

 

「そうですか?可愛いくなったと思いません?

 あと、“マスタード”のカツラとコスチュームです」

 

「はぁ、すぐに着替えますって…

 爆豪、聞こえてないだろうけど

 全部終わったら蘇生されるだろうから

 それまでは死んでてくれよな」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

走る

切島は走る

走って走って建物の外にでると山が燃えていた

ただの山火事ではない

“青い炎”だ

[個性]が使われていることは明らかで

相手が複数犯だと推測された

 

「轟!障子!上鳴!無事だったか!!」

 

「切島!状況はわかるか!?」

 

「わかんねぇけど…爆豪が瀬呂と戦ってる!!」

 

「どういうことだよ!?」

 

「瀬呂の出したコーヒーに薬が入ってたんだ!

 だから飲んだ奴は皆眠っちまってる!!」

 

「なんで…瀬呂が…」

 

「それは瀬呂君…

 いや、マスタード君は我々の仲間だからだよ」

 

轟、障子、上鳴と話している時に乱入者が加わる

その男は派手な衣装に身を包み奇妙な仮面をつけていた

 

「お初にお目にかかる!!我々は敵連合 開闢行動隊!」

 

「…っ!!新手か」

 

そして、乱入者は1人ではなかった

もう()()いた

異形型だとしてもあまりに異常な外見

肉体にチェーンソーやドリルが埋め込まれたソレは…

 

 

「ネコチャンッ」

 

「え?」

 

「なぁ…今」

 

「…嘘だろ」

 

ソレの原料となっていたのは…

 

「人使…人使なんだろ!?」

 

「…上鳴、今は」

 

「今もクソもねぇよ!!友達なんだよ…

 俺の大事な友達なんだ!!」



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114話

 

 

 

 

「ネコチャンッネコチャンッ」

 

「ほら!やっぱり人使だってば!!」

 

「落ち着け上鳴!アレは人使じゃねぇって!」

 

「…いや、心操ならもしかすると…」

 

「轟、お前もか…」

 

「ネコニャンッ」

 

「なー!人使もそう思うよな~」

 

「何言ってるかわかんの!?」

 

「俺は、わからねぇ」

 

「安心しろ俺もだ」

 

「…ネコ」

 

「ひどいよなぁ~俺には通じてるから大丈夫だって」

 

「ニャー!ネコッネコ」

 

「へぇーそうなんだ」

 

「ネコニャーン!!」

 

「マジか!そりゃあ大変だったな」

 

 

「すげぇシュールな画だな」

 

「…あれは何語なんだ?」

 

「多分、独自言語じゃないか?」

 

 

「(=゚ω゚=)」

 

「やっぱりコイツ人使だってよ!」

 

「上鳴!!話通じてねぇよソレ!!」

 

「…アホだったのか」

 

「アホだな」

 

「いや人使が原料だから人使には間違いないって!」

 

「は?原料?」

 

「…コイツは何を言っているんだ?」

 

「わからん」

 

「ニャァァァァァァァァァン」

 

「なっ!人使もさっきからそう言ってるし!」

 

「上鳴、順を追って説明してくれ」

 

「ネコチャン?」

 

「あいあい…えーと、まず人使ってよく死ぬじゃん」

 

「前提がまず酷いな!!」

 

「で、蘇生されても吹っ飛んだ手足とか身体…

 若しくは丸ごと全身が残るわけよ」

 

「…俺達も経験あるしな」

 

「で、敵連合の先生に処分頼んだら

 こうなったんだって」

 

「肝心なとこ省略したな」

 

「ニャア!?」

 

「兄弟もいっぱいいるってさ!」

 

「嫌な兄弟の増え方だなオイ!」

 

「材料は本人だから…息子ではないか?」

 

「ネコ☆」

 

「約2万人の弟達(ブラザーズ)だってさ!」

 

「本当に多いな!!……あれ?轟どこいった?」

 

「その弟達に気を取られ過ぎていた…っ!」

 

「敵連合の奴もいねぇぞ!?」

 

━━轟 焦凍、コンプレスに捕獲される

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━その頃B組は…

 

「のこ!のこのこのこのこのこのこのこ!」

 

「めぇんめぇぇぇぇん、にくめん!めぇん!」

 

 

「小森…あんた、どこでソレ拾ってきたの…」

 

「のこぉ!のこ!」

 

「人語でOK?」

 

「山の中で寂しそうにしてたのこ!」

 

「なんでも拾ってきたら駄目よ」

 

「というか、人…?だよねソレ」

 

「違いマッシュ!!きっと山の妖精のこ!!」

 

「そんな拘束具着けた妖精なんていないわよ!!」

 

「でも、歯で移動してたのこ!!」

 

「そんな嘘を…本当だ!?」

 

「切奈ちゃん!来て欲しいのこ!」

 

「え?私?」

 

「のこ!」スポンッ

 

「ちょ、私の頭取らないでよ!?」

 

「めぇん!にくめぇぇぇぇん!!」

 

「のこ!のぉぉぉこぉ!のこ!!」

 

「なに?私の頭を挟んで何を話してるの!?」

 

「めぇん?」

 

「マッシュ!!」スポンッスポンッ

 

「私の身体バラバラにしないでよ!」

 

「にくめぇぇぇぇん!」スポンッスポンッ

 

「ちょっと!誰か止めて!!」

 

 

「シュールだね」

 

「…そうね」

 

 

━━ムーンフィッシュ(ペット枠)、小森に餌付け?される



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オムカエ×ガッシュク

 

上鳴が脳無(心操原料)と戯れ、

小森と取蔭がムーンフィッシュと戯れている頃…

 

━━コン、コン、コン

 

「瀬呂だけど人使、今大丈夫か?」

 

瀬呂とトガは心操の部屋を訪ねていた

他のクラスメイトとは違い1人だけ…いや、

心操と蛙吹だけの特別仕様の部屋である

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

「返事、ないですねぇ」

 

「…おかしいな」

 

「寝ちゃったんじゃないですかぁ?」

 

「いや、この後で“肝試し”をやる予定だったから

 起きているハズなんだけどな…」

 

「じゃあ、外に出て待っているんじゃないですか~?」

 

「ん~、もっかい呼んでみっかな」

 

━━コン、コン、コン

 

「瀬呂だけど、人使ー?」

 

 

 

「せ、瀬呂!?まだ時間には早くないか!?」

 

ガタガタと音がした後、扉の向こうから返事があった

どうやら起きてはいたらしい

 

「ほら、居たろ?…人使、ちょっと今いいか?」

 

「ち、ちょっと待って……

 ちょ、梅雨ちゃん、瀬呂来てるから!」

 

「どうかしたのか?声が少し変だぞ?」

 

「大…丈夫、いっ今…きが、着替えてっくっ」

 

「具合悪いのか!?」

 

「んっいや具合は……イイっよ…も、もうイクから」

 

「お、おう」

 

・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・・・・・

 

ガタンガタン

 

「梅雨ちゃん、服着て!服!!」

 

「……」

「……」

 

ガタッバサッ

 

「あれ?俺のパンツどこいった!?」

 

「…瀬呂くん」

「しっ……」

 

バサッバサッ

 

「梅雨ちゃん、窓開けて!あとファブ○ーズ!」

 

「……」

「……」

 

ガラガラ シュッ シュッ シュッ

 

・・・ガチャ

 

「悪い!待たせた!!」はぁはぁ

 

「…おう」

 

「ん~瀬呂くん、何か臭いません?」

 

「トガさん!シーっ!!」

 

「あれ?トガさん!?なんで!?」

 

「あ~あれだ、うん、俺達向こうの空き部屋で

 待っているから風呂でも入ってきたらどうだ?」

 

「え?あー、…はい、スミマセンデシタ」

 

━━30分後

 

「本当にスマン」ホカホカ

 

「いや…俺もアポ無しだったし…

 なんかこちらこそスミマセンデシタ」

 

「ずっと待ってましたよー!」

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「……それで瀬呂は何しに来たの?」

 

「あっああ、人使…さんを呼びに…かな?」

 

「さん付け!?…まだ“肝試し”の時間じゃ…」

 

「“迎え”の時間が近いんだ」

 

「“迎え”?」

 

「ああ、人使さんと蛙吹…さん、あとは轟もだな」

 

「皆、人使くんの為に頑張ったんですよ!」

 

「え?なに?話が読めないんだけども?」

 

「まぁ…アレは話すよか見たほうが早いかな…

 とりあえず…もう時間あまりないし、

 蛙吹さんと荷物をまとめて正面玄関に来てくれよ!

 なるはやでな!」

 

「いや、もうちょい説明が…」

「あんまし俺は説明できないんだけどな…

 アレだな…人使、お前愛されてるよ」

 

「だから、何の話!?」



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ショウチョウ×ガッシュク

 

━━象徴(しょうちょう)

 

日本語における「象徴」という言葉は、

使用法から細分した場合に、次の様なものがある。

 

1あるものを、その物とは別のものを

 代わりに示すことによって、

 間接的に表現し、知らしめるという方法。

 

2抽象的な概念、形のない事物に、より具体的な事物や

 形によって、表現すること。

 

3ある事物の側面、一点を、他の事物や形によって、

 強調表現すること。

 

(Wikipediaより抜粋)

 

象徴と呼ばれる男達がいる

 

かたや英雄(ヒーロー)、正義の味方、

平和の象徴オールマイト

 

かたや(ヴィラン)、裏社会の支配者

悪の象徴オール・フォー・ワン

 

その2人が対峙していた

 

「今回の襲撃…やはりお前が関係していたか!!

 オール・フォー・ワン!!」

 

「ふふ、生徒達を放っておいていいのかい?

 オールマイト!!」

 

「大丈夫さ!あの子達は十分に強い!!

 それに私の後継者もいるしね!!」

 

「じゃあ、すでに1人拐っているのは知っているかい?」

 

「なんだって!?いや貴様の言うことは信用できない!」

 

「いいのかい?もし嘘じゃなかったら…

 いや嘘だとしても生徒を見捨てても?」

 

「生徒を返してもらおうか!!」

 

「……オールマイト、…君、

 『手のひらドリル』って知っているかい?」

 

「ゴホンッ生徒を返してもらおうか!!」

 

「ところで、この間の『笑ってはいけない』だけど

 生徒達の感想を聞いたかい?」

 

「ああ!アレは評判がよかっただろう!?

 生徒達に笑顔を取り戻そうと私が提案したんだ!!」

 

「『提案したアホは死ね』だってさ」

 

「…oh」

 

「あと『クラスメイト(黒色)を返せぇぇ!!』とも」

 

「ヤベ…やりすぎた」

 

「僕はね、長く生きているから資格もいっぱいあるんだ」

 

「…何が言いたい?」

 

「実は教員免許も持っていてね、

 夏休み明けから雄英で教師をすることになっている」

 

「馬鹿な!?」

 

「ちなみに、ヒーロー科の生徒達に事前に

 アンケートを取ったんだよ。驚いたね。

 『歓迎』が8割だったよ」

 

「…マジで?」

 

「『オールマイト以外なら誰でも』が残り2割だ」

 

「嘘だ!!嘘に決まっている!!」

 

「それと、君はクビだってさ」

 

「…え?」

 

「校長に確認してごらん」

 

「ふん!貴様の言葉が嘘だと証明してやる!!」ピッ

『prrr…prrr、どうかしたのかい?オールマイト』

 

「根津校長!私がクビになるはずないですよね!?」

『ああ…机の上に解雇通知を置いといたのさ!

 その様子だと見てないようだけどね!』

 

「なぜです!?」

『いやだって…使えない方を切り捨てて、

 より良い方を取るのは社会の基本なのさ!』

 

「私がなにをしたというのですか!?」

『逆に聞くのさ!君、なにか仕事した?』

 

「えっ?」

『書類系は僕や相沢君に丸投げ、授業はカンペ頼り、

 ヒーロー活動で遅刻の常習犯』

 

「しかし、ヒーロー活動は…」

『うん、だからヒーロー活動に専念すればいいのさ!』

 

「校長!!根津校長!!」

『ツーツーツー』

 

「……ざまぁwwww」

 

「オール・フォー・ワン!!貴様の策略か!!」

 

「自業自得じゃないかな?」



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117話

 

 

「教師でなくなっても私が私であることには違いない!!

 ヒーローとして貴様を倒す!!」

 

「はぁ…回を跨いでまでやる必要があるのかい?

 キミ、もうお仕置きされるキャラ化してるし無理だよ」

 

「U.S.スマッシュならイケる!!」

 

「くどいな…『努力、友情、勝利』がモットーの週刊誌なら

 新たな力に主人公が目覚めて…なんてあるだろうけどね。

 キミみたいなオジサンには無理だよ」

 

「無理じゃないっ!!最近は中年が主人公の作品もある!!」

 

「やけに引っ張るじゃないか。

 そんなにもう出番がないことが嫌なのかい?」

 

「え?」

 

「ああ、本当に知らなかったのか。

 本来なら前話で最後の予定だったけど、

 君の絶望する顔が見たくてね」

 

「貴様…その為だけに私を…」

 

「君の師匠は1度だけ閑話で出ただけだし、

 君の元担任にいたっては最後は“卑劣爆弾”だったし…

 そういや、君の元サイドキックはどうした?」

 

「あっ…一応、最初の方に後書きには…」

 

「シールド博士は?」

 

「彼は…その劇場版の人だし…」

 

「それなのに自分だけは最終話にまで出たいと?」

 

「私は悪には屈しない!!…最終話?」

 

「うん、最終話」

 

「…いつだい?」

 

「明日だね」

 

「え?『神野区の悪夢』は?」

 

「ないよ」

 

「力を失った後の私の教師生活は?」

 

「君はもう教師じゃないし、ないよ?」

 

「こう、もっとこう…緑谷少年に…こう…」

 

「うん、それは原作の方だね。

 この二次創作では緑谷君は『デクさん』だし、ないよ?」

 

「わ、私の出番…」

 

「作者の別作の『クソナード』なら

 君のことも受け入れてくれるんじゃないかな?」

 

「彼は私でもイヤだ!!」

 

「なら諦めな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━その頃、轟

 

 

「ようこそ焦凍」

 

「また会ったわね義弟くん」

 

「…俺を拐ってどうするつもりだ」

 

コンプレスの[個性]によって拐われた轟は…

 

「遅かったな焦凍ォォ!!」

 

「親父!?」

 

「あなた、大声出さないで」

 

「母さん!?」

 

家族と再開していた

 

「俺もいるからな!」

 

「ちょっと!私もいるからね!」

 

「夏兄ぃ!?冬姉ぇ!?」

 

轟家全員+マグネここに集結

 

「まさか…俺のことも心操みたいにチン●マシーンで…」

 

「よっぽどトラウマになったみたいね」

 

「マグネ…アレは男ならしょうがない」

 

荼毘の言葉にウンウンと頷く男性陣

 

「チ●コマシーンじゃないなら…まさか、[もぎもぎ]…」

 

「焦凍、テンパっているのはわかったから

 落ち着け、下ネタから離れてくれ」

 

「…?俺はいたって冷静だ」

 

「酔っぱらいの『酔っていない』発言なみに説得力ないわね」

 

「…弟がすまねぇ…焦凍、お前にはある計画に参加してもらう」

 



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サイシュウワ×ガッシュク

 

━━敵連合side

 

「いよいよクライマックスだ…待っていろよ人使…」

 

「死柄木…カッコつけているところ悪いのですが」

 

「どうした」

 

「いえ…顔にご飯粒が」

 

「…なるべく早く言ってくれ……」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

━━B組side

 

 

「のこのこのこのこのこのこのこ」スポスポスポ

 

「めんめんめんめんめんめんめぇーん」スポスポスポ

 

「これ以上私をバラバラにしないでぇぇぇ!!」

 

 

「すげぇな取蔭…アレなん分割だ?」

 

「俺、アレ見て道化の●ギー思いだしたわ」

 

「いや、取蔭じゃ縦には無理だろww」

 

━━ppppppppppp

 

「何の音だ?」

 

「アラームみたいな…」

 

 

「めんめんめ……仕事しなきゃ」

 

「キャァァァ、シャベッタァァァァ」

 

「そりゃ喋るでしょ…一応人なんだから

 そろそろ私を元に戻してくれない?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━上鳴グループside

 

「ネコチャンッ」

 

「え?『もう行かなきゃ』って…どこ行くんだよ!!」

 

「上鳴…もういいから行くぞ」

 

「だって…人使が…」

 

「ソレは人使違うから!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━マスキュラーside

 

「おじさん!!しっかりして!」

 

「…坊主……とまるんじゃ………ねぇぞ」

 

「おじさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

「FIRST…COMES…ROCK…」   ボッ

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━轟ファミリーside

 

「いいか焦凍!!友達は選べ!!」

 

「…そもそもアンタ、友達いるのか?」

 

「それなww」

 

「結婚式にもサイドキックの人達しか来てなかったわ」

 

「ちょっとLINEの登録人数見て見ようぜ」

 

「ま、待て夏雄!人のスマホを…」

 

「まじか!家族しか登録されてねぇ!!」

 

「哀れね」

 

「しかも全員既読着いてねぇし!!」

 

「お、俺はチャラチャラした付き合いなど…」

 

「でたー友達いない奴の常套句!」

 

「騒がしくてごめんなさいね引石さん」

 

「いいえ大丈夫よ、それとマグネって呼んで」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

━━心操side

 

 

瀬呂とトガの案内により外へと出た心操達であったが

そこで目にしたモノは心操の予想外のモノであった

 

「うそ…だろ…」

 

「け、…けろ」

 

夜の帳が落ちた山を青い炎が照らす、

それは見ている分には幻想的な風景だろう

 

…が、心操達が目を奪われたのは()()()である

 

空に蒸気機関車が走っていた

 

 

「驚いたろ?」

 

「瀬呂……アレ…なに?」

 

「アレは“先生”がサプライズに用意していた

 『銀河無限列車“乙斗星”と愉快な仲間達』だ!!」

 

「混ぜすぎじゃねぇ!?」

 

「本当は“シンカリ●ン”とか“ヒカ●アン”みたいに

 変形機能も入れたかったらしいんだけど

 安全面で難しかったみたいでな……」

 

「変なところで現実的ね」

 

「…そうだね」

 

 

「人使君!!迎えに来たよ!!」

 

 

「弔兄ちゃん…ノリノリじゃないか…」

 

「楽しそうでなによりだわ♪

 人使ちゃん、乗りましょ?」

 

「えぇ…」

 

「切符を拝見……」

 

「黒霧さん…あなたまで…」

 

「とても、似合ってるわね♪」

 

「…俺も、何かやった方がいいのかな?」

 

「そうね…ハー○ックとかかしら?」

 

「俺は俺の旗の…アレは船だよ梅雨ちゃん!!

 というか、よく知ってたね!?」

 

「じゃあ、沖○十三とかかしら?」

 

「バカめと言ってやれ…アレは艦だよ!!

 梅雨ちゃん松本●士好きなの!?」

 

ネタを載せすぎてグダグダになりながらも

列車は発進し、空を駆けて行く

そして、地上からはその様子がよく見えていた

 

「人使!!お前…どこ行くんだよ!!」

 

地上から声を掛けるのは親友

 

「電気!俺、お前達のこと忘れねぇから!!」

 

 

「むげっんだいな夢のあとのー♪」

「やるせない世の中じゃ」

「「そおさ 常識外れも悪くはないかなァ!♪」」

 

「まだ混ぜるの!?」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

列車が見えなくなった頃、

一連の騒ぎも鳴りを潜めていた

 

生徒達は集まり情報を共有していたが、

1人、重要参考人がいた

 

瀬呂 範太である

 

「瀬呂ォ!!どういうことだ!!説明しろ!!」

 

「なんで…なんで人使が(ヴィラン)に!!」

 

瀬呂に詰め寄る生徒達

 

「あー…、サプライズだったから

 言えなかったんだけどよ」

 

 

「サプライズ!?あれだけの事をしてか!?」

 

「瀬呂、それで?」

 

 

「うん、まぁ人使と蛙吹って付き合っているだろ?」

 

え?なんでその話?…と生徒達は疑問に思う

 

「で、“先生”が『青春を1000%楽しませる』って…」

 

 

「まぁ、空を走る列車なんて浪漫だよな」

 

「それはわかるな」

 

 

「あと、轟の兄貴の新婚旅行も兼ねてあのまま

 バリ島行って夏休み中は向こうで過ごすってさ」

 

 

 

「「「「「ハァァァァァァ!?」」」」」

 

 

「愛され過ぎだろ!?」

 

「先生の1000%すげぇな!?」

 

「1ヶ月以上も!?」

 

「ズリぃ!!」

 

 

「で、残った俺等ヒーロー科の生徒には

 7泊8日間の沖縄旅行が…」

 

「“先生”マジハンパねぇッス!!」

 

 

 

━━完━━

 






これにて『強くて×ヒーローアカデミア』完結です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

もう、1話だけアフターがありますので
お楽しみいただせたら幸いです。


2021年7月3日   紫煙隊


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アフター×オカエリ

 

 

心操 人使

 

(ヴィラン)との歩み寄り』をモットーとした『次代の象徴』

雄英高校を卒業後すぐにプロデビュー

デビュー数ヶ月でNo.1に至る

基本的に会話による説得を心掛けているが

反抗する敵には容赦なく撲殺する

『無慈悲の象徴』の異名を得た

 

死柄木 弔

 

『ヒーローとの歩み寄り』をモットーとした

非営利自警団体『敵連合』の代表

[個性]の都合や家庭事情などで

犯罪者にならざるを得なかった人達の保護と支援を行う

一方で快楽目的等の犯罪者や堕落したヒーロー達の

粛清も秘密裏に行っている

『慈愛の象徴』の異名を得た

 

オール・フォー・ワン

 

夏休み明けから雄英高校の教師になった

『悪の帝王による(ヴィラン)学』、

『裏社会の支配者流 経営学』が大ウケした

教師として、性格と[個性]があってない生徒や、

向上心のある生徒達に[個性]を与えたり交換したりと

辣腕を振るった

 

黒霧

 

ランチラッシュに弟子入りし、料理の腕を磨いた

ランチラッシュの引退後、二代目として活躍中

敵連合だけでなく雄英の生徒達からも

『お母さん』と親しまれている

 

荼毘(轟 燈矢)

 

結婚を期に実家を継いだ

エンデヴァーをなじる日々を過ごす

他の家族とは良好な関係を築いている

 

脳無(心操原料)

 

敵連合のマスコット兼戦闘要員として全国に配置

地方によっては装飾され『ご当地脳無』として活躍する

唯一脳無の言葉が理解できる上鳴が直属の上司となった

 

デクさん

 

敵連合から『叙々苑とスイパラに毎週連れていく』

…という雇用内容で雇われた

その後も増殖を続け街を歩けば3人はいる

『理不尽の象徴』の異名を得た

 

A君の生徒達

 

オール・フォー・ワン先生から

『ヒーローなんて安定していない職業で

 君達の将来計画は大丈夫なのか?』と言われ、

安定した職を求めて警察や自衛隊、教師等の

公務員に大体が就職した

 

峰田 実

 

18歳の時に猥褻物陳列罪、痴漢や覗き等の

迷惑防止条令違反によって逮捕されタルタロスに収監

タルタロスにて繰形にセクハラを幾度となく働き

独房で拘束されている

なお、隣の房は飯田 天晴

正面の房は密化(ヒソカ)である

 

 

心操 梅雨 (旧姓 蛙吹)

 

夏休みが明けてしばらくして妊娠が発覚

本人は出産を希望して雄英を自主退学した

心操の18歳の誕生日に入籍、

その20年後9男8女の母となる

“先生”から結婚祝いにと、

[不老]の[個性]を夫婦ペアで貰ったので

まだまだ子供は増える予定である

 

 

 

 

━━数十年後、とある居酒屋にて

 

 

「しっかし飯田が国会議員になるとはなぁ!」

 

「私も…僕もまさか初出馬で当選するとは思わなかった」

 

「脳無達に選挙権できたのがデカいんじゃね?」

 

「それな!アイツ等も最近、性格に差がでてきてさ~」

 

 

かつての面影を残した大人達が集まっていた

 

 

「あしどん!…いや結婚したから爆どん?」

 

「どっちでもいーよ!どうしたの?」

 

旦那(爆豪)は今日来ないの?」

 

「ああ、子供の面倒見させてるよー!」

 

「やっぱり尻に敷かれたんだ…」

 

「私達はそんなことありませんよね?」

 

「…そうだな」

 

「轟君が百ちゃんに婿入りするって聞いた時は

 ほんと、驚いたよね!」

 

テーブルの上には料理や酒が並び

 

 

「俺も生涯の伴侶を…」そわ

 

「常闇、飲み過ぎだって!?誰か水持ってきて!」

 

好敵手(とも)よ…我等は闇に潜む者」ソワ

 

「黒色!!お前も飲み過ぎだ!!」

 

「俺達も焦らないといけない歳か…」

 

「ヾ(´・ω・`)それな」

 

 

騒がしい空気が懐かしく、心地好い

 

 

「…大体昔からA組は…B組だって」

 

「寧人、アンタ飲み過ぎ!!」

 

「相変わらず夫婦仲がいいのこ」

 

「まったくですなァ」

 

「…私は神に身を捧げてますので」

 

「俺は!!男らしく独り身でいい!!」

 

「アレ?鉄哲こないだの合コン来てたじゃん?」

 

「え?回原のとこも?こっちにも来てたぞ」

 

「…フッ我の元にも紹介してくれと来たな」クイッ

 

 

きっと時間が経っても変わらないモノもあるのだろう

 

 

「そーいや峰田は?そろそろ仮釈じゃね?」

 

「また捕まったってよ、だろ?障子」

 

「…俺が逮捕したんだが…アレはなんなんだ?」

 

「アレは…なん、だろうな」

 

「巨乳好きのブドウなんて一生出てこなくていい」ドォン

 

「怖っ!?上鳴の嫁、怖っ!?」

 

「………!!」

 

「あ、口田がシーザーサラダ取ってくれって」

 

「そもそもよく入れたな」

 

「座敷席、1人で占拠してるもんな」

 

そして、店の扉が開き また1人入店し…

 

 

「ねぇ…子供達がやっぱり心配だわ」

 

「大丈夫ですよ~、弔君も荼毘君もいますし!

 なにより黒霧ママンとマグ姉がついてますから!!」

 

「…そうね、みんな久しぶりね、会えて嬉しいわ」けろ

 

「梅雨ちゃ~ん!!久しぶりー!!」

 

「おーい!女帝陛下のお出ましだぞー!!」

 

「『象徴』の花嫁殿か…」

 

「マジで変わらねぇのな!」

 

「羨ましいのこ」

 

「梅雨ちゃんが来たってことは…」

 

 

最後のメンバーが…

 

 

「わりィ遅くなった!…でも大丈夫!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オイラが来た!!うひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょひょ蛙吹の永遠の十代人妻ボディ」

 

 

「峰田!?脱獄してきたのか!?」

 

「独房で性欲を持て余し過ぎたんだ!!」

 

「バカっ!!蛙吹に手ェ出したら…」

 

「全員、対衝撃体勢!!来るぞ!!」

 

 

 

「ブドウ死すべし慈悲はない」

 

 

「く、くそ…オイラはちょっと欲望に素直なボッ

 

「はぁ~、なんでこう締まらないんだろう…

 一応さ、最後だから言うけどさぁ……」

 

 

もう大丈夫!!なぜかって?

 

 

俺が来た!!

 

 

「「「「「「「おかえり、心操くん!!」」」」」」」



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