まどマギ世界に転生したっぽいけど超平和だった (青い灰)
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平和な見滝原で


ほむら「まどかはウェヒヒヒなんて言わない」


まどマギの日常が見たかった。
どうしてこうなった。




 

 

─────陰鬱な世界観はどこ?

 

 

 

 

俺が最初に全てを知った時の感想がそれだった。

なんだこの超平和な世界は………。ここは魔境だと思ってたが、いや魔境なのだが、魔女いないだけでここまで平和な世界なのか………

 

 

「雨野くん?どうしたのボーッとして?

 もしかして先生に見惚れちゃった?

 ダメよ、そんなこと────」

 

「ないです」

 

「即答!?」

 

 

こちらの様子に気がついた早乙女先生に真顔で即答する。真面目な思考を巡らせているのだ。生徒にまで手を出そうと考えるならとっとと結婚して欲しい。

そんな苦い顔をしていると、背後から恐る恐る聞き慣れた声がかけられる。

 

 

「あ、雨野くん、可哀想だから

 もうちょっと優しくしてあげようよ………」

 

「そうは言ってもな鹿目、

 言う時は言わなきゃダメだと思うんだわ」

 

「そう!そうよね!」

 

「えぇ、先生は高望みしすぎなんですよ」

 

「ド直球!?」

 

 

俺の発言によって早乙女先生は撃沈、膝から崩れ落ちる。

そして見事なツッコミを入れたのも聞き慣れた声。隣の青髪の生徒………美樹さやかだ。

 

 

「まどかの言う通りだよー、ほら、銀紙に包んで」

 

「くばぁ」

 

「美樹、それを言うならオブラートだっての。

 おめーも先生の傷口に塩塗ってんじゃねーか」

 

「あ、そっか。てへへ」

 

 

銀紙があるからと手でシュークリームを掴んで食った、等と言うくだらね……しょうもな………仕方ない理由でフラれたという今朝の先生の話を思い出す。無理だわ弁護の仕様がねぇ。ほれ見ろ最前列の転校生も完全に困惑してるぞ。

 

と、その時。6時限目の授業を終えるチャイムが放送で鳴り響く。

 

 

「と、とにかく!

 今日の授業はここまでですね、お疲れ様でした」

 

 

こうして、今日も平和な()()()中学校での1日が終わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら、俺は知らぬ間に別世界に来ていたようだった。流行りの転生というのにも憧れていたが、いざ目覚めてみれば、近未来的な日本。ガッカリした。

 

だが、()()()だ。それを知ったのは、この住んでいた地が『三滝原』という土地を知った時、それに気がついた。三滝原という地域は日本にはない架空の土地。(字が違う気もするが)つまり、その三文字が意味するのは。

 

 

魔法少女まどか☆マギカ

 

 

通称、まどマギ。

 

CM詐欺だのOP詐欺だの言われていたが、神がかったテレビアニメ作品だ。その明るさが目立つCMや広告、OPからは想像出来ないような陰鬱な世界観はどうしてもハマるものがあった。(脚本担当様が沙○の唄と○ate/Zeroを手掛けているのなら納得だが)

 

まぁ簡単にいえば、魔法少女ものである。キュゥべぇという淫じゅ……マスコットに願いを叶えて貰う代わりに魔法少女として、敵である魔女と戦う………そんな物語である。

 

 

(ネタバレのためここから反転)

そして実はその魔女こそ、魔法少女の成れの果てであり、魔法少女になってしまえば必然的に魔女になる結末が確定されるのだが。これを知っても戦い続ける定めにある魔法少女たちの辛い物語だ。救いは………一応ありはするのだが。

 

 

 

どうやらそんな世界に転生してしまったようなのだ。(前世の記憶はまどマギのみだが)………主人公である鹿目まどかのクラスメイトで友人のモブ男子として。魔女の餌にでもなるのかと思っていたが、どうやらそれは違うようだった。

 

いや、『それは』というのすら、間違っていたようだった。この世界には、魔法少女も、魔女も、白いマスコットも、なんと()()()()()()()()()()()()()

 

これは平行世界云々ではなく、おそらくではあるが

【まどマギ世界によく似た超平和な別世界】だろう。

 

 

 

なんと言ったって、今日は【2日目】である。そして昨日は友人として鹿目まどか、美樹さやかの2人と共に放課後を迎えたが、学年、魔法少女としても先輩である巴マミとの出会いのイベントがなかった。まぁ先に『巴先輩に勉強を教えてほしい』という名目で話したりはしているのだが。

 

結局巴マミは現れず、ごく平和に放課後を終えた俺は息子を放ったらかして長旅行に行っている両親のいない、代わりにゲーム三昧の居候のいる農園脇の家に帰宅することになったのだった。ちなみに三滝原農園として俺も農作業をしている。野菜生活である。

 

 

 

 

 

 

だが、1人だけ俺と同じく困惑してる奴がいた。

 

黒髪の美人転校生、暁美ほむら。ちなみに眼鏡なし。

おそらくループ中のほむほむだと思われるが…………

それこそ昨日転校して来て、昨日を完全に無事に終えてしまって今日はずっと困惑している。そりゃそうなるわ。早くもクールが祟ってぼっち化し始めているが………助け船を出した方がいいなこれは。

 

適当な設定つけて落ち着かせよう。というか見ているこっちがハラハラしてくる………暴走して何かやらかしそうで怖いし。絶対やらかすよあの娘。

 

学校終わりのHRも終え、鞄を手に取って真っ先に彼女の元へと直行する。

 

 

「なぁ、ちょっといいか?」

 

「…………………」

 

 

話しかけるが、反応がない。無視かな?

 

 

「おーい、暁美さん」

 

「…………………」

 

 

また無視か。いやこれは……気付いてないな?

顎に手を当て立ちつくすほむら。どうしたもんか、と悩んでいると、鹿目まどか、美樹さやかの2人がやって来る。

 

 

「ほ、ほむらちゃん?」

 

「おーい転校生、

 うちの堅物男子が珍しく話しかけてるぞー」

 

「話しかけてるぞー」

 

「ハッ………ごめんなさいまどか………じゃなくて、

 あなたは……雨野 礼司、だったかしら」

 

「おう。やっと気付いてくれたな。

 鹿目の印象が強いようだけど

 俺の名前覚えててくれて助かるわ」

 

 

グッドサインからの、握手の手を差し出す。

が、返されない。

 

 

「…………?」

 

「握手だけど………気を悪くしたならごめんな」

 

「ちょっとー、失礼じゃない?」

 

「い、いえ、ごめんなさい。分からなくて」

 

 

さやかの言葉に再びハッとしたほむらは、俺が戻そうとした手を慌てて掴み、雑に握手を交わす。それにさやかは呆れたように笑う。

 

 

「あ、ちょっと天然な感じ入ってんのかな?

 運動も勉強も出来るみたいだから親近感湧くね」

 

「あ、ははは………」

 

「……………ん、んっ。

 それで雨野くん、何の用かしら」

 

 

わざとらしく咳払いしたほむらは話題を変えようと普段の美人転校生へと雰囲気が一転。まぁ関係ないのだが………少し鹿目と美樹の方を見る。2人はいない方がいいな、魔法少女関連だし………ほむらを落ち着かせるのが大事だ。

 

 

「少し2人きりで話したいことがある」

 

「え、礼司もしかして告っちゃうの!?」

 

「え、えぇ!?」

 

「違う。脳内ピンク色かお前美樹

 お前目立つからやめて本当にお願いします」

 

 

クラス中がざわつくからその誤解やめろ。いや誤解みたいな言い方した俺も俺だけど。

 

 

「ごめんなさい、私そういうのは………」

 

「違うっつってんだろ!?

 告白とか出来ねぇよヘタレだし!」

 

「それ自分で言っちゃうんだ…………」

 

「はぁ………とにかく、校庭の倉庫裏でな」

 

 

鞄を持ち直し、ほむらとすれ違う瞬間に耳打ちする。ちょっとカッコいいから一度やってみたかった。

 

 

 

「魔女について、とかな」

 

「っ!?」

 

「ははは、じゃ後でな」

 

 

そう言って教室を後にし、倉庫裏へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっと、思ったより早く来てくれたな」

 

 

倉庫裏。もう背後から尾行されていたのはバレバレだが、そう言って振り向く。そこには思いっきり警戒しているほむらがいた。撃ち殺されそうだ。おぉ怖い怖い。

 

 

「あなた、何者?

 魔女の気配も全く感じない………

 なのに、2人きりで魔女の話だなんて」

 

「うーん、腹を割って話そうと思ってな」

 

 

さてさて、勝負の時間だ。

失敗、負けりゃ死ぬと思う対話の始まり始まり。

 

 

 

 



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ほむらさん、精神的に回復



ほむらさん「疲れたわ」

アニメ開始では何回目のループなんですかね。
慣れもあるだろうけど鋼メンタル凄い。
クソ遅投稿です。




 

 

 

「腹を割って話そうと思ってな」

 

「……………あなた、まさか………!!」

 

「おおっと待って?

 まさかあの契約厨と一緒にしてない?」

 

 

構えるほむらに対して一歩下がって両手を上げる。流石に生身の女中学生に負ける気はないが、もし魔法少女化されたら確実に殺される。怖い怖い。

 

 

「俺は説明しようとしてるだけ…………

 知りたいだろ、この時間軸について」

 

「………………私の力まで………でも、

 そうね、貴方の顔は見たこともない。

 聞いてから始末することにするわ」

 

「………………………まぁいいか。いやよくねぇわ……

 説明するから耳かっぽじってよぉく聞けよ」

 

 

まだ半信半疑なのか、目を細めるほむらに溜め息をつく。そして、軽く息を吸って、吐く。

 

 

「この世界にゃ魔法少女も魔女も、

 ソウルジェムもきュゥべぇも存在しない」

 

「…………………根拠は」

 

()()()()()()()?」

 

「…………でも、もしかしたら」

 

()()()()()()()()()()?」

 

「……………っ」

 

 

歯噛みするほむらに畳み掛ける。当たり前だ、天野 礼司なんて人間は本来は存在しない。名もないただの生徒ばかりの三滝原中で、俺のような存在自体が異例なのだし。

 

 

「あなたは何者か、って聞いたな。

 簡単に言うと〝観測者〟って表現が正しい」

 

「観測者…………?」

 

「現在、過去、未来。

 この世界の事象を俺は見たことがある。

 お前のループも、魔法少女たちの末路もな」

 

「ま、待ちなさい、まどかは!?

 まどかは、この先どうなるの!?」

 

「落ち着かんかいな」

 

 

肩を掴まれ揺すられる。近い。

 

 

「この先は知らん。お前の最後のループでの

 鹿目まどかの末路は知ってるけど、

 観測してたハズの俺がこの世界にいる時点で

 おかしいんだよ。元々は別世界の人間だぞ、俺」

 

「教えて!!」

 

「うるせぇ。そもそもこっちに来てから

 観測が出来ねぇんだよ、観測装置もねぇし。

 けど必ずあった魔法少女も魔女もいない。

 俺もそんな時間軸は見たことねぇんだよ」

 

「っ…………でも、もし、そうなら………

 本当に………魔法少女が存在しないの………?

 そうだ、私の末路は………?」

 

「言う必要がないんだよ、それ」

 

 

流石にキレそう。脳震盪起こすわ。ハイライトが消えそう………最初から消えかけてたほむらに、また溜め息。そして少し距離を取ってから話を続ける。

 

 

「まず、この状況は俺も分からん。けど。

 お前にとって一番大切で間違いないのは………

 鹿目まどかは魔法少女になることはない。

 それは今のところ、確実だろうな」

 

「………そう、そうなの。

 良かっ、た………っ」

 

「えっ」

 

 

なんで泣く……いや泣くほど嬉しいんだろうけど。流石にここで泣かれると困るというか話終わらせて帰れないというか善意のせいで見捨てられないっていうか。

 

膝から土の上に崩れ落ちて泣き出すほむらにどうすればいいのか戸惑う。

 

 

「こういう時どうすれば………あー、良かったな?」

 

「う、っ……ぁ……っく……!見ないで……!」

 

「Oh……」

 

 

なんなのそのプライド?背中をさすろうとした手をはね除けられる。やっぱり男に触られるのはアレか………うーん、どうすればいいんだろうか。

 

と、悩んでいるとチリンチリン、と自転車のベルの音。不味い、そう思ってそちらを見げると、そこにいたのは、なんと家でサボってるハズの居候だった。そいつはガシャァン!と自転車を倒してこちらに駆け寄ってくる。

 

 

「礼司……お前やっぱサイテーだな?」

 

「人の自転車ァ!あとお前が言う!?」

 

「おーおー。悪ぃな、ウチの家主が」

 

「…………っ………あなた……!」

 

「ん?会ったことあるっけ?」

 

 

ほむらも居候を見上げて目を見開く。

 

 

目を引く、後ろで結われた長い赤髪。特徴的な八重歯に、そこに咥えている棒チョコ。ラフな動きやすい短パンにノースリーブの服。

 

 

「アタシは佐倉杏子ってんだ。

 見たことねぇ顔……ってことは転校生か?

 おいおい、転校初日で泣かされるとか災難だな」

 

「…………えぇそうね、この人、最低だわ」

 

「ファッ!?」

 

「冗談よ」

 

「回復早くない?

 冗談言えるキャラだったっけ?」

 

「…………あー、よく分かんねぇな。

 まぁいいや、食うかい?」

 

「いただくわ」

 

「…………解せぬ」

 

 

居候こと、杏子の差し出した棒チョコを貰って咥えるほむら。溜め息は何度目になるだろうか。

 

 

「ていうか杏子、学校は?」

 

「めんどくせ」

 

「だと思ったわ。自転車」

 

「めんどくせ」

「こ、わ、れ、て、ん、だ、よ!!!」

 

 

 

 



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増える居候



杏子「きちんとアタシも農場で働いてるぞ。
   ちなみに親父は慈善活動(ボランティア)、お袋はバイト。
   (モモ)は学校サボらずに行ってて偉い」


いつの間にかお気に入り沢山でウレシイ……ウレシイ……
三滝原と見滝原を間違えてました(真顔)。

あと主人公は潜在的なマゾだからほむほむにどれだけ悪口言われても挫けません。心の底では、ほむらが元気になって嬉しがってて、悪口言われても気付いてないだけでちょっとだけ喜んでます。

………ただのドMじゃねぇか!




 

 

「あ"ークソがよ…………

 お前ら軽い荷物ばっか持ちやがって……」

 

「んー?女に重いもん持たせんのかよ?」

 

「最低ね」

 

「お前の荷物だからね!?

 病院からわざわざ荷物持ってくんのに

 自転車壊しやがって杏子ォ!」

 

「あーはいはい、明日直す」

 

「明日っていつの明日だよ………!」

 

「明日って今さ。

 んじゃ直してくる、じゃな!」

 

「逃げんなおらァ!」

 

 

なんとか家へと帰りつく。背負って抱えての大量の荷物を俺だけ持たされ、ほむらは多少の買い物と杏子は壊した自転車のみ。いつか見た漫画のやり取りを思わずしてしまったせいで杏子に逃げられた。飯抜きにしてやろうかなあいつ。

 

すると、それを見送ったほむらが頭を抱えて溜め息をつく。こっちも溜め息つきたいわ。

 

 

「はぁ………本当、なんの因果かしら」

 

「こっちのセリフだっつの………

 魔法で拡張空間作って家にするとか魔法少女か?

 魔法少女だったよちくしょう」

 

「1人芝居が好きなのね」

 

「悲しくなるからそのツッコミはマジでやめろ」

 

 

そう、ほむほむ、家がない。家族は知らん。病院に入院してたワケだから出稼ぎとかじゃない?しかも話を聞いてみればその辺に魔法で空間を拡張、家としていたらしく。しかも今は魔法を使えないらしい。

 

だからってさぁ…………

 

 

「俺ん家って………マミの方が金持ちだぞ?

 毎日紅茶飲んでるぞ、1人で」

 

「そう、巴マミが可哀想ね」

 

「まどかの所に泊まりにでも行けよ。

 鹿目さんLOVE!じゃないの?」

 

「蜂の巣にするわよ。違わないけど」

 

「ガチかぁ………ガチだよ色々と………」

 

「貴方の家も両親はいないんでしょう?

 なら好都合だわ、佐倉さんもいるし」

 

「生活費用管理、俺だからな。

 節電節水は絶対に心掛けろ?

 杏子に殴られたくなきゃあな」

 

「気をつけるわ。さて、新しい家ね」

 

「居候だからなお前」

 

 

 

二階建ての我が家は結構広め。寝室とかは二階で、一回はリビングとか風呂とかキッチンとか。

 

家の横には広大な〝三滝原農場〟があり、ウチの管理下。農薬未使用です(自慢)。親父とお袋の長期旅行こと両親赴任はネグレクトじゃない?まぁいいんだけど。そろそろイモとかレンコン辺りは収穫時期だし………あっそうだ、ほむらにやらせようかな?

 

杏子は普段は2階の元俺の部屋でゲーム三昧。

俺は基本的に親父の書斎が私室。

さて、お袋のベッドも使えなくなるなぁ………

 

 

「2階奥の部屋で寝てくれ、ベッドあるから。

 まずは飯、と……杏子を呼ぶか、風呂沸かさせる」

 

「ん、分かったわ。久しぶりのまともな食事ね」

 

「マジか………ってそうか。

 ソウルジェムはどうなったんだよ?」

 

「なくなってるわ」

 

「あるフリしてたのかよ」

 

 

話する時の構えは嘘だったんかい。ていうか無いってことは…………確か、ソウルジェムは肉体と魂を分離させた後の魂の入れ物になる、って設定だったか。ということはゾンビ化も解けたわけか。厳密には魂のない身体が動いてるってことでゾンビではないのだろうが。

 

いや、良かった良かった。まともな飯くらい食え。お米食べろ。野菜食べろ。肉食べろ。杏子さん即席ラーメンは栄養が……っつーか塩分の偏り凄いから勝手に作ろうとしてんじゃねぇ。菓子ばっか食うな。金が無くなる。

 

と、そんな居候への無くならない要望を考えながらキッチンに立つ。さて、何を作ろうか。ほむらへと声をかける。

 

 

「っし、晩飯は何がいい?」

 

「なんでも構わないわ。美味しければの話だけど」

 

「不味くはないと思うがね。

 期待しないで待って……遠慮を知らんのかお前は」

 

 

ソファにどっかりと座ってリモコンを手に取り、テレビの電源を入れるほむらに軽く驚く。居候の初日だからね?もはや清々しいほどの遠慮の無さに一周回って呆れてしまう。

 

 

「悪いかしら」

 

「悪いとは言わねぇけども………」

 

「ならいいわね」

 

「やっぱ悪いと思う。

 まぁいいや、カレーでいいよな?

 そろそろ賞味期限が切れそうなのがあるし」

 

「貴方はそんなものを身内に出すの?」

 

「なんでも構わないって言ったよね!?

 つーか切れてないからいいだろ!?」

 

「冗談よ」

 

「冗談大好きだな………」

 

 

溜め息をつきながら、食事の準備を始める。時計へと目をやると、もう6時半を回っている。7時には飯にしたい。

 

料理も手慣れたものだ。放任主義の両親にも困ったものだが、そのお陰で家事スキルはかなり上達した気がする。家事全般が特技みたいなところもある。掃除、洗濯、炊事、買い物と………我ながら『主婦かよ』とツッコミたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後。

 

食事と風呂を終わらせ、ほむらに家を案内。それからそれぞれ自室に戻ることになる。親父の書斎で課題をしながら、液晶端末でテレビ電話をする。その相手は、というと。

 

 

「ということで、ほむらのことも

 先輩の耳にも入れておこうと思いましてね」

 

『転校生ね……聞いてはいたけど、

 まさか礼司くんの知り合いだったのね。

 今は礼司くんの家にいるの?』

 

「えぇ、見事に部屋が1つ無くなりましたよ」

 

『ふふっ、仕方ないわ。

 それにしても随分と女の子から人気ね』

 

「いや……そりゃ俺も男ですし、

 悪い気はしないですけど………なんつーかなぁ。

 それよりもそっちはどうですか、()()()()

 

 

金髪に同色の眼そして目を引く巨乳。俺たちの1つ上の先輩である、巴マミ。

 

どうにもやりにくい話題なので無理矢理そらすが、すると彼女の方もどうやら芳しくないようで苦い顔をする。

 

 

『最近、試験の調子もよくなくて………

 気分が乗らないって言うか……』

 

「あー………それじゃ近いうちにカフェで

 ほむらの歓迎会でもどうですか?

 顔合わせにもなりますし」

 

『そ、そうね!楽しみにしてるわ!』

 

 

突然元気を出し始める彼女に少し引く。この人、勉強も運動もできる完璧な人なのだが………それが反って人を寄せ付け難いらしく、言いにくいが…友達がいないんじゃないか?と思われる。

 

この人の大抵の悩みの本音は『寂しいから構って』みたいなもので、少し話したりするとすぐに解決したりする。後輩たちの前ではカッコつけたいようで、まどかたちの前では憧れの先輩をやっている。こうして悩みを聞いたりしているが、本人が楽しそうなのは良いのだが、この人大丈夫だろうか。色々と。

 

人格的には全然問題はない気がするのだが…ちょっとネーミングが痛いくらいか。そこは中学生だから仕方ない。

 

 

「それじゃそろそろ寝ますか。

 お疲れ様でした、先輩」

 

『えぇ、お疲れ様。おやすみなさい』

 

 

電話を切る。

 

 

そして、これからのことに頭を悩ませ少し背伸びをしていたところ、部屋のノック音が聞こえてくる。

 

 

「ん?開いてるぞー」

 

 

そう返すと、入ってきたのは寝間着姿のほむらだった。眠そうな真顔をこちらに向けてくる。どうしたのだろうか。

 

 

「……………………………………」

 

「えっなに?その沈黙怖いんだけど」

 

 

そう返すと、ほむらは何か言おうと口を開いて、苦い顔をして閉じる。そして、こちらに背を向けて。

 

 

 

「色々と、助かったわ。

 ───────ありがとう」

 

 

そう言って、そそくさと部屋を出ていく。

 

文句でも言われるかと思ったが………………あまりにも意外だったので、呆然として彼女を見送る。それに少女らしい可愛らしさを感じて、思わず頬が緩んだ。

 

 

 

 

「…………これからもよろしく、だな」

 

 

聞こえたのかは、分からない。

だが、それだけ返して電気を消した。

 

 

 






ほむほむに養豚場の豚を見る眼でガハラさんばりの暴言吐かれて貶められたい(台無し)



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将来の話



さやか「助六!?」

もう大分前のネタだけど可哀想だと思った(小並)
寿司ネタは合うような名前無いし仕方ないですが……
「さやかちゃんは酢昆布に決定だね!」
さてはまどか先輩だなオメー




 

 

 

「えっと……それじゃあ、

 ほむらちゃんの歓迎ってことで……か、乾杯」

 

「「「「乾杯ー!」」」」

 

恥じらいながらのまどかの開始の言葉に、5人全員でコップを掲げる。横の黒いのからの吐息が凄くて怖くなってくるが、それはまぁ置いておくとして。

 

「なんで俺ん家なの?」

 

「リビング広いしゲームもあるし。

 正直ここ居心地いいんだよねー」

 

「なぁさやか、ゲームしねーか?

 ほれ、前に買った新作あるからさ」

 

「あなたが暁美さんね、私は巴マミ。よろしくね」

 

「マミさんは私たちの先輩なんだよ」

 

「えぇ、よろしく」

 

勝手か。誰も聞いてくれやしねぇ。女所帯で居心地悪い。すっごい気まずい。……まぁ孤独よかマシだけど。各自で勝手に家を集会所にされるのは何度目だろうか。女同士のお喋りに割り込むのは苦手なのでキッチンにでも向かう。

 

「………スコーンでも作るか」

 

調理スキルは高くて困ることはない。特に、女子が多い学校でやっていくにはある程度の評価点がなければ何があるか分からない。一部の女子は色々と怖いし。そんな前世の教訓を思いだし、まだ両親のいるうちから始めたのが家事だ。

 

ちなみに前世については、ほむらに聞かれようと答える気はない。正直、教訓ばかりの思い出したくない過去だ。戻れやしないし、戻る気もない。戻りたくないし。

 

「~♪」

 

前世でよく聞いた鼻歌を歌いながら冷蔵庫を漁り、冷やしてあるスコーンの作りかけを探して取り出す。薄力粉、ベーキングパウダー、グラニュー糖を混ぜてからバターを入れてパン粉状にし、そこに牛乳を混ぜたもの。こうして冷やしておけば、後は牛乳を薄くかけて型を取ってオーブンに入れるだけ。ちなみに紅茶に合うプレーン、チョコチップ入り、気分を変えたココア味の3種類がある。

 

「~♪」

 

「初めて聞く音楽だね」

 

「ん?まぁそら……そうだろーな」

 

牛乳を取り出して振り向くと、さやかが来ていた。さっきゲームをするとか言ってた気がするが、どうかしたのだろうか。

 

「杏子とゲームするんじゃなかったのか?」

 

「それが充電してなかったってさ。

 そっちは何作ってんの?」

 

「スコーン。マミ先輩が紅茶持って来てたし」

 

そういや昨日は寝落ちしてたな……音漏れが酷いから消しに行ったら目の前で電源落ちたがそういうことだったか。さやかの問いに答えると、さやかは天板の上に置かれた焼く前のスコーンを見て感嘆した。

 

「へぇー、やっぱ手作りって凄いね。

 あたしはさっぱりだよー」

 

「簡単だし今度作ってみたらどうよ?」

 

「いやいや、遠慮しとくかな。

 もし黒焦げが出来たらと思うとねー」

 

「料理なんて最初はそんなもんだよ。

 俺が初めて作った味噌汁、

 味噌が濃すぎてクソ不味かったし」

 

「やっぱ慣れですか」

 

「慣れだろうなぁ」

 

牛乳を取り出して答える。こういう時は『最初から出来るような人はいない』なんて話を聞くが、才能があれば最初から出来るような天才はいる。無論、俺はそんな天才じゃない。菓子作り用の刷毛を取り、牛乳に浸ける。

 

「これを軽く塗るだけ、手伝ってくれんかね」

 

「おっけー」

 

さやかに牛乳塗りを任せてオーブンの準備に入る。ずっとつっ立って俺と喋るだけなのも暇だろうし、どうせなら手伝ってもらう。

 

「いやー、家事万能の礼司はいい嫁になるよ」

 

「そこは婿って言って欲しいんだけど!?」

 

「あっははは、でも結婚は早そうだよね」

 

「結婚ねぇ………正直考えてねぇなー」

 

今を生きるのに手一杯だ。夢も考えていない。人生二週目(尚一週目は未到達)だが、正直、大人になる前にこっちに来てしまったし。

 

 

「私見だけどさ………別に考える

 必要なんてないと思うんだよ、将来なんて」

 

「へー……続けて?」

 

「人生なんて辛いことばかり……

 さやかも考えたことあると思うけど、どうよ?」

 

「……………まぁ、たまにね。

 時たま、燃え尽きるのはあるよ」

 

「だからだよ」

 

「………」

 

 

「人生、幸せなことよりも辛いことが多い。

 だから精一杯、()、楽しいことをやるんだよ。

 暇な時、時間がある時にな。

 

 時間は有限だ。人間、いつ死ぬかも分からない。

 だから思いっきり楽しめばいいんだよ。

 未来なんて、今考えても仕方ないんだしな。

 まぁ……ある程度の目標を考えときゃ良いんだよ。

 『幸せに暮らす!』って程度の目標だけ。

 そんな簡単な目標なら、人は頑張れるんだしな」

 

 

「…………………」

 

 

 

そう言って、なんだか恥ずかしくなる。

偉そうになってしまったし、さやかの返事がない。

照れ隠しで最後に〆を。

 

 

「と、俺の人生講座でした。なんてな」

 

 

「………人生何週目ですか?」

 

「………………二週目……なんて言ったらどうする?」

 

「やっばい、納得しそう」

 

「冗談に決まってんだろ」

 

 

かなり図星でした。はい。

 

「んー……でもなんか、確かにそうだね。

 今を楽しく、将来なんてその時、かぁ……」

 

「色んな考え方があるけどなぁ。

 俺は……ちょっと今で手一杯だし、そんな考え。

 将来まで考えるのも大切なんだろうけどな」

 

「私もそうだなぁ……はい、塗り終わったよ」

 

「共感してくれたようで良かったわ、サンキュー」

 

 

牛乳が塗られたスコーンの天板を貰い、型を取っていく。余った分も焼いて、俺が食べる。形の良いものは出しておく。型を取り終わって、オーブンに入れる。190℃で15~20分程度焼けば完成だ。

 

「よっし、手伝ってくれてありがとう」

 

「良いって、ためになる話も聞けたしね」

 

「そう言ってくれると嬉しいわ。

 さってと……ゲームの充電も終わった頃だろ」

 

 

奥の階段から杏子が顔を出す。

 

 

「丁度だね、行ってくる」

 

「行ってらー」

 

さやかを見送り、息をつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………将来、ねぇ。

 やっぱ………馬鹿なことしたんだろうな、俺」

 

 

前世を思い出して、呟く。

酷い頭痛に力が抜け、壁に背中を預ける。

 

 

「大切なものは失ってから気付く……ね」

 

 

楽しい日常。

それが、前世の日々を想起させる。

 

 

「…………い、づっ……」

 

 

割れた酒瓶。

 

絆創膏。

 

カッターナイフ。

 

机の傷。

 

黒い落書き。

 

濡れた制服。

 

動かない腕時計。

 

死んだ猫。

 

 

 

 

 

「………………──────」

 

「っ、大丈夫!?」

 

 

頭痛は、呼ばれた声に止まる。

薄れた朧気な視界、眼を擦って鮮明にする。そこにいたのは、焦る顔のほむらだった。

 

 

「酷い顔色……! どうしたの!?」

 

「来てくれたのか、ほむほむ……」

 

「冗談なんか言ってないで! どうしたの!?」

 

 

心配をかけるワケにはいかない。

この頭痛も、ちょっとした持病のようなものだ。

 

 

だから、嘘をついた。

 

 

 

「………トイレ我慢してた」

 

「………チッ!!」

 

 

 

舌打ちと共に放たれたローキックが、脛を捉えた。

 

 

 

 



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好きな味の話



ほむら「珍しく心配してあげたのに大損したわ」

主人公のシリアス話はまだ先で良いんじゃない?
他の投稿小説と比べても内容は考えてないですね。
だから他で駄作やら薄っぺらい言われっとよ(自省)

また今回も内容薄くなっちゃっ、たぁ!
日常系だからしゃーない、許して。




 

 

 

自分で言うのもなんだが、俺は演技派だと思う。

 

嘘をつくのは悪いことだが、さっきのあれは方便というものだ。代償にローキックを脛に貰ったが。

素直に言って心配をかけるより、適当に誤魔化した方がいい筈だ。悪いことをした気分になるが。いや悪いことしたけど。

 

トイレに座ってクールダウンする。

昔された胃洗浄の後のような気分で正直キツい。

だが胃が空になったからか、すぐ楽になってきた。

 

「あー……喉イガイガする。水でも飲もう……」

 

焼ける喉の痛みに呟き、立ち上がる。

水を流して、扉を開けて廊下を進む。リビングから遠くにあるトイレで助かった。かなりえずいたし。

 

リビングの扉を開けると、ほむら、まどか、マミ先輩の3人の視線がこちらに向いた。最初に問いかけてきたのは心配症のまどかだった。

 

「大丈夫? お腹痛かったって

 ほむらちゃんに聞いたけど………」

 

無問題(モーマンタイ)、ノープロブレム。

 ごめんごめん、お騒がせしましたよ」

 

「全くね。心配して損したわ」

 

「今、紅茶を淹れるから座って頂戴。

 スコーンも焼いてくれてるんでしょう?」

 

「あー、助かります先輩」

 

テーブルを囲んで空いていたほむら、まどかの隣に座る。向かいにはマミ先輩がいる場所である。慣れた手つきでポットからティーカップに紅茶を注ぐ先輩の姿は絵になると思う。

 

「……何度も聞くけど大丈夫?

 もう痛いところはない?」

 

「まどか、こいつをそう心配する必要はないわ」

 

「そうそう、もう全然大丈夫だから………

 ていうか遂に『こいつ』呼ばわり始めたね!?」

 

「でも……ほむらちゃんも心配してたよね?」

 

「へぇー?」

 

まどかの言葉にニヤつきながら、ほむらへと視線を移す。だが流石というべきか、その程度で狼狽えたりはしないらしいほむらは冷ややかな眼をこちらに向けてくる。

 

「戻して床にぶちまける可能性を考慮しただけよ。

 酷い顔色だったから。実際は違ったけど」

 

「流石に女子の前で戻したりしねぇわ……

 悪かったよ、心配かけて」

 

「何はともあれ良かったわ。はい、紅茶」

 

「ありがとうございます……」

 

差し出されたティーカップを受け取り、口に含む。心地好い香りと独特の渋みが気分を落ち着かせてくれる。酷い頭痛だった分、これが楽になる。

 

「…………はー……うま」

 

「あれ、雨野くんは砂糖とかは入れないの?」

 

「んー……気分かね。

 落ち着きたいときは大抵ストレートだわ」

 

「そうなんだ、私はどうしても甘くなるんだよね」

 

「鹿目さんはミルク多めが好きよね。

 暁美さんはどうかしら?」

 

「渋いのも甘いのも。

 私も正直なところは気分かしら。

 今は甘いのが飲みたいわ、ミルク貰えるかしら」

 

「えぇ、良いわよ」

 

「先輩はどちらかだと甘いの、でしたっけ?」

 

「…………実はそうなのよ、

 苦いのはあまり得意じゃないのよね……」

 

「へー、意外です……でも、

 なんだか親近感が湧いちゃいます、てへへ」

 

先輩が話の流れで自分に来るのは苦手なのは分かっているが、これも交流会でもっと仲良くなって貰うためだ。格好いい先輩は休業してもらい、話を先輩へと振った。申し訳ないが悪く思え、先輩。

 

無理をして格好いい先輩でいる必要ないのに、そのプライドが邪魔してしまうのは分かる。だが先輩にはもうちょっと自分に自信を持って欲しい。

 

「杏子のやつも甘いの好きですし。

 ていうかあいつ苦いの嫌いだからな……」

 

「あ……そうなの?」

 

「いっつも棒チョコやら飴やら咥えてるの

 先輩も知ってると思いますけど、

 あいつ、かなりの甘党っすよ?

 辛いのはいけるみたいですけど」

 

「そういえば杏子ちゃん

 いつもお菓子咥えてるもんね………」

 

「お陰でお菓子代が大変よ」

 

「それ家計やりくりしてる俺の台詞だよね!?」

 

「私も小遣いをせがまれたのよ。

 絶対にあげないけれど」

 

「…………………よく虫歯できねぇな、あいつ」

 

「現実逃避しないでどうにか解決なさい」

 

「ふふっ………そうなのね。

 鹿目さん、美樹さんの好きな味は知ってる?」

 

「さやかちゃんはどっちも大丈夫だけど

 甘い方が好きって聞いたことがあるような………」

 

こうして見るとやはり甘いもの好きが多いと思う。まぁそこは女子だし、当然………なのだろうか? まぁよく分からん。俺はどっちか選ぶなら苦味のある方が好きだが、ほむら、さやかも両方いける。まどか、杏子、先輩が甘い方が好き、と。

 

すると、先輩が言う。

 

「……………意外。甘いもの好きって多いのね」

 

「大抵はそんなものじゃないかしら。

 私はさやかが両方いけるのが意外だったけど」

 

「私、ほむらちゃんは

 渋いもの好きだと思ってたなー……

 あっ、ごめん、私そういうワケじゃ──」

 

「構わないわ。

 そんなことで気を落としたりしないから」

 

「全く……口下手だなお前。

 まどか、ほむらは結構口が悪いたい痛い痛い!

 悪かったから足踏まないで痛い痛いっ!?」

 

「まどか、正直に言ってもいいのよ。

 あなたは優しいから他人を傷つけるような

 意図がないのは分かってるから」

 

「あ、ありがとう」

 

「後、こいつも口が悪いから

 あなたも好きに言ってやりなさい」

 

「あはは………雨野くんも本当に人を

 傷つけることは言わない………よね?」

 

「気をつけてる。

 慣れたら冗談程度は言うけど」

 

「さっきのは刺さったわよ」

 

「ごめんごめんごめ痛ぁいっ!?」

 

 

ほむらに足で足を強く押さえつけられる。

まぁ笑える程度ではあるが、そこそこ痛い。

そんなことをしていると、2人がこちらをじっと見ていることに気がつく。

 

「いつつ……そう見られると恥ずかしい、2人とも」

 

「あっ、ごめんね?

 ほむらちゃんが容赦ないなぁ、って思って」

 

「えぇ、気を悪くしないで欲しいけど、

 姉弟みたいだと思うくらい仲良しだから」

 

「「……………………」」

 

 

移した視線がほむらの視線と交わる。

姉弟、兄妹、ねぇ……………

 

 

「アリだな」「絶対にないわね」

 

 

 

 

 

さいですか。

 

 

 

 

 





なんだこのお気に入り数!?(驚愕)
ありがたやぁ~、ありがたやぁ~………



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