ウマ娘2X21 【王の銘は唯一人】取得√実況プレイ───があったなら (一般へっぽこヒト息子)
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幼年期編
#01 王、道を征く/三冠系ですか。


一流(キング)は1人、このお嬢だ!!!

 

なグダグダガバガバプレイ、はーじまーるよー。

今回やっていくのは此方、令和人類史におけるウマ娘インパクトにより本時空軸で発生・観測された『ウマ娘2x21』です。プリティー何処行った。

 

なんでも例のアプリ版の様なプレイ感に海外レースの多様化なりNPCの強化要素なりモデル馬の血統によるイベントだったりと色んなものがごちゃ混ぜになっている様なので、例によって調査班による開拓…もといプレイが行われています。まあ斯く言う自分も第ほんにゃかはんにゃか号調査体として本プレイに挑むわけですが。

 

それはそれとして。

 

この作品には多数のトロフィーが存在するのは先人達により判明しています。中には同じ様な条件のクリアですら異なるトロフィーを取得出来る迄あるとか。今尚増え続けているそれを完全に踏破するのはいつになるやら。

ですが各ウマ娘によるそれには、幾つか取得条件が判明しているものがあります。現状最高難度と言われている例を挙げましょう。此方。

 

ウマ娘名:ハルウララ

トロフィー:麗か満開、最高の頑張り者

条件:

①113回以上出走

②無敗

③日本三冠シリーズ×2

④有マ記念2連覇以上

⑤GⅠを10回以上勝利

⑥海外GⅠを3回以上勝利

⑦バッドコンディションを一度も取得しない

⑧シニア級で4年以上現役

⑨年度代表ウマ娘に2回以上選出

⑩全てのウイニングライブで評価NICE未満にならない

 

はい。なぁにこれぇ。

端折って言えば使い減りとか関係なくレース出まくって勝ってこい、日本も勝つけどダート活かせる米国で荒稼ぎもしてきてね、怪我とかしないでね、ライブの練習もちゃんとしてね、負けるなよ。です。

意味わかりませんね、でも既に2人が達成したと聞いてぶったまげてますよ。

こんな具合にぶっ飛んだ物も有りますが、基本は難しくなくいける物との事なので安心!安心…ほんとか?

 

さて本題。

今回自分が挑戦するのはこのトロフィーです。ドン!

 

ウマ娘名:キングヘイロー

トロフィー:王の銘は唯一人

条件:

①異なる何れかの三冠シリーズ×3

②短距離、マイル、中距離、長距離のGⅠをそれぞれ1勝以上

③勝率90%以上

④GⅠを1番人気で3勝以上

⑤着差:大差で5回以上勝利

⑥毎年GⅠを1勝以上

⑦スペシャルウィーク、セイウンスカイ、エルコンドルパサー、グラスワンダーにGⅠでそれぞれ3回以上先着

 

はい、皆さんだいすき一流さんことお嬢、キングヘイローです。

なんでもいいので3つの三冠、全距離でのGⅠ勝利、9割勝利、GⅠを1番人気で勝利、大差勝ち5回…とまあなんだこの条件!?とも見えますが、実際の所は全ての条件がレースにしか関わらず、極論ウイニングライブやライバル関係などを無視できるので、実のところキングヘイローの固有トロフィーの中では取得も容易な部類ではないでしょうか(すっとぼけ)

そうは言っても⑦が鬼門なんですけどね。舞台がGⅠで固定される以上、どうしても日本の大レースで暴れなければなりません。ライバル関係を無視できると言いましたがこればかりは諦めましょう。

 

御託は此処迄。早速やってきましょうかねぇ。

 

あっ、そうだ。

本プレイはガバガバを極めてます。これだけは真実を伝えたかった。プレイヤースキル皆無だからね、しょうがないね…

 

改めていきましょう。

クロニクルモードの幼年期編から難易度:NORMAL、ウマ娘をキングヘイローで選択してウマ娘視点での攻略となります。

HARD以上はおウマん娘壊れちゃうから許して…そしてトレーナー視点ではなくウマ娘視点、何故かと云えば勿論、トレーナー視点よりも無茶しやすいですから。無茶を恐れて何が三冠バですかッッッ(不退転ビリー)

 

そんで幼年期編ですね。トレセン学園入学から始める学生期編と選択ですが、当然コンディションを仕込む為に幼年期編一択ですね。ここは通常でも同じでしょう。

 

続いて継承のウマ娘の設定となります。お話が長いよーという一般視聴トレーナーさんももう少しお付き合い下さい。

 

では継承ウマ娘です。…といってもいや皆さんご存知なのでしょう。競馬という血統競技(ブラッドスポーツ)をウマ娘に落とし込んだ要素で、ウマ娘2X21の元となったゲームにもあるそうな。

ざっくりと両親として選択したウマ娘の距離適正や脚質、スキルなんかを受け継げるシステムと言えますね。

 

さてそんな継承ですが、最適化してる訳ではないですけど今回はこんな2人にしました。

 

継承元1:シンボリルドルフ

継承元2:Sea The Stars

 

んまぁそう…うま(あじ)なのかはよくわからなかったです…

狙いとしてはルドルフカイチョウ!?の差し適正と皆大好きな固有、シーザスターズの洋芝適正、ほんでこの2人はそれぞれ日、英欧三冠を無敗で達成させて育成した個体なので【王者の精神(真)】のボーナスですね。

 

でこの継承により各種適正、バ場と距離と脚質のそれはどうなるのかといえば、こうなります。

 

バ場適正:芝A(野:A 洋:B↑↑) ダG

距離適正:短A マA↑ 中A↑ 長A↑↑

脚質適正:逃G 先B 差A 追D

 

安心安全のオールレンジキングですねクォレハ…そして芝適正のマスクデータである洋芝適正に関しても2段階上げてます。こっから継承ガチャに勝ってくれなきゃ欧州系厳しいですので頑張って欲しいですね。若しくはジュニア期にひたすら札幌と函館やるかですが…結局それも運です。祈りましょう。

 

ん?キングヘイローの洋芝適正?モデルとなった馬の親父さんのお陰で自身も最初からDはあるんですよ。これもキングヘイローで海外路線やる1つの理由ですね。それいったら母親の戦績からしてダートAくれって?んにゃっぴ…

 

さて、お待たせしました(TKYMYUSK)ここまでやってやっとほんへに入れます。チカレタ…まあタイム取る訳ではないので気楽にやっていきましょう。

それじゃあ位置について…よーい。

 

はい、よーいスタート。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私達ウマ娘は、少し変わった名前の付き方をする。

 

所謂人間…いや、社会的生物としてはウマ娘も人間なのだが簡単の為にウマ娘でない人間(ホモ・サピエンス)としよう。その、人間というものは産まれたら比較的直ぐに個人の名を与えられる。

だけどウマ娘は何故かそうではない。産まれてから暫くは幼名と言うのか、単調な名前で呼ばれるのだ。そこから成長するにつれて正式な名前を貰う様になっている。誰かがその慣習を元服の如くと言ったが中々的を得ていると思う。

 

現に私…ヘイちゃんと呼ばれたウマ娘も、小学生の入学と共に正式な名前を貰った。

 

 

「貴女はキング…キングヘイローよ」

 

 

今にしてみればこの時から冷ややかな目をしていたお母様から貰った名前。

でも、それでも嬉しかった。大好きなお母様から貰えた自分だけの名前だったから。誇らしいお母様からは栄光(ヘイロー)を。そして頂点を示す一流(キング)が合わさって、正に私にピッタリな名前だと。たった6年生きてきた中でも無上と言えるくらいに喜んだ。

 

ああ!今日から、たった今から私は新しい私になるんだ!こんな日にはたっくさんのおめかしをしなければいけないだろう!

ととと、小躍りする様に自分の部屋に戻っていく。使用人が急いで後を追うが、止まりはしなかった。

 

私の名前はキングヘイロー。

誰よりも賢く気高い。かつ聡明なウマ娘。皆が憧れる一流である存在。

 

そして──────

 

 

『はい、よーいスタート。』

 

 

───きこえてしまう(・・・・・・・)、ウマ娘。

 

その刹那、幼い私に流れ込んだ無数の記憶と記録。

 

強烈な差し足を以ってクラシック三冠、春秋シニア三冠を簒奪した穢れなき皇帝。

一瞬の加速(トップギア)から凡ゆる包囲網を叩き潰して欧州を平定した無欠の巨星。

 

そして、その功績を一層輝かせる、夥しい敗北者(キングヘイロー)の群れ。

 

デビュー戦を失敗し、その後も不調を引きずり続けた私。

洋芝がてんで走れずに海外を諦め、強豪犇く日本で埋没した私。

クラシック最終戦で燃え尽き、掲示板までの着差に泣き喚く私。

トレーニングの無茶が祟り、取り返しのつかない怪我で終わった私。

スピードが、スタミナが、パワーが、根性が、賢さが足りなかった私。

レース勘を養えずにまんまと駆け引きに負けてしまった私。

気がつけばライバル達に果ての先まで置いて行かれた私。

 

私。私。私。私。私。

 

なんだ、これは。

唯の1つとて笑顔で終わってないウマ娘、それら全ての知識と経験、怒りと悲しみが流れ込んでくる。

たった6歳の小さな脳を焼き切らんばかりに襲いかかる情報量は、然し決して自失など許さない無間の拷問。

 

ぐるり、ぐるり。

ぐわん、ぐわん。

 

 

『継承は順調に済んでますね』

 

 

やめて。やめて。

私から私を奪わないで。ああ、お母様!この悍ましい蝗害から私を逃がして。

 

いいや駄目だ。逃がしはしない、そう云うかの様に幼年の私は少女の私に塗り潰されていく。

 

 

『ちゃんと継承元から固有スキルのヒント、適正上昇貰えてますね〜ヨシ!』

 

 

何の話だ。いや、何なんだ。

この人間を気取った様な、棒読みな音声は。

 

気付けば、少しずつ思考と身体に猶予が生まれてくる…或いは、それ程に、私という存在が拡げられてしまったからなのか。

 

1つ、記憶に手を伸ばす。

溢れてきたのは、勝利の記憶。

 

ウィナーズ・サークルに立っていたのは緑の勝負服。

観客の全てがキングの名を呼び讃える。負かしたウマ娘も何故か清々しそうに手を叩いていた。

そのレースを制する事は、欧州だけでない…世界で最も栄誉ある事だ。そう私に根付いてしまった知識が囁く。

 

また1つ、記憶に手を伸ばす。

溢れてきたのは、激闘の記憶。

 

年の瀬のグランプリ。その最後の直線。

二の足を使い逃げる芦毛の娘を正に追い抜かんとする赤い外套の娘。そしてその2人を纏めて抜き去ろうとするのは、栗毛の娘と流星の様な娘と桃色の娘、そして、私。

全員が猛烈な脚で捲りに捲り、口から血反吐を撒き散らす様な裂帛の叫び。こんな凄いウマ娘と競り合っていたのか。私は。

 

そうして、分かった。

 

この(キングヘイロー)達は、敗北者であり同時に歴戦の猛者なのだ。どんな失敗に打ちひしがれていようが常に挑み続けた挑戦者。才覚が無い華が無いと言われようが戦い続けた不屈の冒険者。それが一流(キング)の道。

 

情報の災害と思われたこの記憶は、全てが私達の奇跡だ。

 

それが理解できた時───時間にして数瞬ではあるが、もう唯のヘイちゃんは居なかった。

 

 

『ん?なんか様子がヘンです…まぁバッドじゃないっぽいからヨシ!』

 

 

聴こえてくる謎の声は煩わしいが。それでも一応は感謝しなければならないだろう。真なる一流になる為には、きっとこの想いの数々が助けになる筈だから。

 

 

「お、お嬢様?如何なされましたか?」

 

 

声が、はっきりとした人間の声…使用人のそれが聴こえる。部屋に入り私が突然ぴたりと停止したからだろう。

 

 

「何でも無いわ。ええ、私は私よ」

「は、はぁ…左様で御座いますか」

「さぁ着替えましょう。今日は記念すべき日ですもの」

 

 

ああそうだ。今日は最悪で最高の誕生日。ほぼ全ての記憶で不仲だったあの人にもはっきりと知らしめなくては。

 

私はキングヘイロー。

才覚などなくとも一流の栄光へ至る、至上のウマ娘。

 

その産声は、たった今上がったのだと。

 

 

《継承が完了しました》

《マイル適正が上がりました》

《中距離適正が上がりました》

《長距離適正が上がりました》

《『汝、皇帝の神威を見よ』のヒントレベルが上がりました》

《『#ウマ細胞#トップギア!』のヒントレベルが上がりました》

 

(特殊コンディション『不屈の魂』が発動しました。敗北回数に応じて能力値補正が働きます)

(ERROR!:キングヘイローの敗北回数は?????回です)

(『不屈の魂』は『強さへの渇望』に最適化されます)

(特殊コンディション『強さへの渇望』が発動しました。トレーニング及びレースによる能力値・適正値上昇は永続的にボーナスが付きます)




俺はキングにもっと沢山の栄光を掴んで欲しかった!誰かに最高のキングを見せて貰いたかった…俺が悪いんだよ…このSSっぽいなんかが丸投げされてるのは俺のせいだ!!もう嫌なんだ…自分の文才と発想とダビスタウイポ程度の馬知識の無さが…誰か続けてくれ…


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#02 子供のウマ娘は出逢うかもしれない

Q.なんで碌に考えなしでぶん投げてるんです?

A.↓
ぼく「誰か続けてくれ…」
神「ダメに決まってるだろ!お前が始めた物語だろ…!」
ぼく「ひぃん。。。」

レポートを犠牲にプロット無しの見切り発車で初投稿です。後付け修正上等は何の問題ですか?♂
本当に続けるつもり無かったのでヤバくなったらちゃんと練り直して真面目に再構成して失踪します。

(2021/06/03 誤字修正済 涼介三等兵 様 有難う御座いました!)


投稿のムチが入っ、ちゃっ…たぁ!

な続き、はーじまーるよー!

自分は漸く登り始めたばかりだからな…この果てしない育成道を…!!いやホント登り始めたばっかなんでちゃきちゃきやってかないとですね。

 

続きにじゃ參るか。前回はお嬢の継承が済んで操作可能になった時点ですね。部屋着から着替えて貰って悪いがゲーム的にはスタートは小学校入学からなんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。

そしてキングの通う小学校なら勿論一流、我々でいう所の超進学校。トレセン学園下部組織のお嬢様学園ですわよー!

 

見ろよこれぇ…この豪奢な入学式をなぁ!我らが主人公スペちゃんはウマ娘が周りにいない環境と言っていましたが此方は1学年200人規模!やばいわよ!(サイゲ要素)

それに加えて別校舎とは言え幼小中高大の激ヤバエスカレーター式の学校な為、人間でもゆくゆく先を見據えたトレーナー科とかあるんで全部含めたら3〜400人の子供達が。それが6学年とか平気で2000人規模の小学校とは…まあほぼ全員モブになるんですけどね。悲しい哉。

たンまぁーに名有りの子もいたりしますがね。こんな入試あるようなエリート校でもトレセン学園に行けるのは一握りでプレイヤーも頑張らないといけない辺り、あの学校ホントヤバいのしかいないんだなぁ…

 

あ、お嬢怒らないで下さい…新入生代表にはなれなかったけどこれから成長すればいいんですから。わかってる?ならいいんです。この世界の小学生なんぞ五十歩百歩ですから。今の力なんざなんて事はないんですよ。

うんうん、お嬢とのコミュニケーションもパーフェクトですね。圧倒的走者力ですよこれが。

 

そして放課後からやっとこさトレーニング出來るから巻きで行け行けドンドン!倍速!その間に幼年期でやっとく事でも纏めt

 

 

な ん で 等 速 に す る 必 要 が あ る ん で す か ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コミュニケーションとは何か。

 

辞書的に言えば…意見や感情などの情報を、音声や文字、或いは身振り手振り…そういった何らかの方法で伝える。こうなるだろう。

ただそれはあくまでも辞書的な、何処まで行っても定義文にしか過ぎなくて。求めるならばそう、心と心を繋げる様なものが望ましい。

 

染み付いてしまった無数の(キングヘイロー)の記憶。中でも特に大きな勝利を摑み取れた物を伝って考えてみれば、運転手や家庭教師、使用人を寄越すだけで私を見てくれなかった/見てくれないあの人のそれも…私が将来ただの人になった事を考えてのものだったのかも知れない。

ならばこそ、あれだって1つのコミュニケーションであるだろう……そんな物よりも私は、ただ見て欲しいだけなのに……それでも想う心があるなら苦言はしても恨んだりなんかしない。

 

 

『あ、お嬢怒らないで下さい…』

『新入生代表にはなれなかったけどこれから成長すればいいんですから。』

 

 

む。言われて思い出す。

そうだ。折角の入学式という晴れ舞台で、新入生代表の挨拶という大役が、このキングに…この、一流たる、わ・た・し・に!

…回って来なかったのは大変な不満だ。ええもうそれはそれは。沸々と湧き上がるものがあるが……………………むぅ………まあ、いい。

私が今こう(・・)なのは運命の悪戯だとして、それでも今はただのウマ娘。一流にはまだ遠い…ただ想いが搭載されただけで実力なんて到底無い、青二才な事くらいは、私自身だからよく分かる。理解(わか)っているの。

 

 

『わかってる?ならいいんです。』

『この世界の小学生なんぞ五十歩百歩ですから。今の力なんざなんて事はないんですよ。』

 

 

…そうかしらね。夢を持って既に鍛えてるウマ娘は探せばきっと溢れている筈。

この場にいるのは皆ライバルで友達だ。確かにトレセン学園へ進めるのは一握りにしても、進んだ娘は言わずもがな、違う道に進む娘にしたっていずれ何処かで道が交わる事もあるだろう。注視した事は無いが、そんな記憶だってあるかもしれない。間違っても此処に居るのは五十歩百歩で済ませる様な娘達じゃない。

 

頭の中に響く声…今は聴こえないし、時によく耳を澄ませないといけない程遠くにいる主とは、とっっことんソリが合わないな。と、この短い間で分かったのは1つの収穫だ。全く本当に喜ばしくないけれど。第一いつまで取り憑いてるのよ。

 

まあ、それはそれとして。

殆ど向こうからの一方的ではあるが、この声と一応のコミュニケーションは取れているのは事実だ…此方はただの伝達といった意味合いが主な目的の様だが。

 

ならば私は何かとコミュニケーションを取れている、と言える訳で。それは式も終わって同じ教室に入り、ホームルームが終わって歓談する皆もそうだろう。其方は心を通わす意味合いの方で何よりだ。

 

ではそれが何らかの理由で難しい者は?

例えば自ら拒む者…これは流石にいないか。

例えば言語による相互伝達が不慣れな者…ああ、やっぱり。

 

少ないながらそんなパターンの記憶があった為に用意させた新入生の名前一覧。帰国子女枠に記されていたのはどの記憶でも立ち塞がり、また高めあった最高の強敵(しんゆう)の名。

その存在は今、誰かに話しかけたいけど話しかけられないのかオドオドとしていて、初対面なのにらしくないなとまで思えてしまう。

 

だったら、行くしかないだろう。

 

 

「今宜しくて?」

「…エ?」

「ケ?」

 

 

然し、まさかこうも早く出逢えるとは思わなかった。同じ学校の同じクラスに、ましてや2人もだなんて。

 

 

「私の名前はキングヘイロー。真の一流を目指すウマ娘よ。貴女達は?」

「グラスワンダー…でス」

「エ、エルはっ、エルコンドルパサーデス!」

 

 

「グラスワンダーさんに、エルコンドルパサーさんね。『初めまして。仲良くしましょうね?』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

なんだこれは…たまげたなぁ…

 

と言うわけでまさかの居ました名有りウマ娘。エルちゃんとグラスちゃんです。将来のライバル2人がこの学校なのはそうそう見ないパターンですね…彼女達含めてライバル枠は大抵トレセン学園で会うのですが。

 

そしてキングのパーフェクトコミュニケーション。さりげなくエルちゃんとグラスちゃんを引き合わせ、名前の確認という万人共通の話題。極め付けに英語を取り混ぜて好印象。そりゃあいくら通じるとはいえ慣れないだろう異国の地で自分にも分かる言葉で話してくれたらもう安心感がヴォーッ…と出てぇ…

 

ほら見てくださいよ!2人ともニッコニコですし釣られてクラスメイトの輪が出来ていきます。ウマ娘特有のロリロリ小学生、実に目に良いですね(クソノンケ)

で同時通訳やりつつさりげなくクラスのイニシアチブも取ってるあたり既にこのキング文字通りの王になってません?というかいつ英語覚えたんです?一体何がぁ…起こったんですかねぇ…?

まま上振れる事は天の恵みなのでヨシ!そのまま放課後へ…

 

 

《コンディション『世話焼き上手』を獲得しました》

 

 

うわぁーお。

ここでまさかのコンディション獲得です。然もキングが勝手に持ってくるヤツ第1位(個人調べ)の『世話焼き上手』ですか…え?このタイミングで?

 

…マジでどうした今回?

んー、まあ上振れは正義なので、ヨシ!

 

でコイツの効果ですが、《イベント発生率UP》《イベント成功率UP》となります。

他のウマ娘と交流するランダムイベントは自身のステータスUPやスキルヒント獲得に繋がる訳でして、RTAでもなければ基本うま(あじ)なんですよ。

で成功率というのは、一部のイベントで存在する悪い結果、良い結果、凄く良い結果を判定する乱数を、より良い方向へ引き寄せるものですね。レアスキルのヒントやパラメータのボーナスにも効いてくるので、運要素が強いため通常プレイなら『愛嬌◯』『頑健』『切れ者』程ではないにせよ狙っていきたいコンディションです。

条件も割と緩く、人助けに相当するイベントをある程度解決する…の筈なんですが。これはwikiに書きに行かなきゃ…RTAじゃないので各種サイトやレポートをガン見でいいのは楽でいいですね。

 

然しまあこうなると方針話すのも兼ねてある程度まではシュシュッと倍速した方がいいですね。イベントにしても幼年期では友達と遊ぶとかがメインですし。

映像では倍速でもちゃんとトレーニングとか…あー、身体作りの為によく遊ぶ事!ついでにお勉強とかも指示するからヘーキヘーキ!ではお嬢、イベントは任せた!倍速!

 

…早速エルちゃんグラスちゃんをお家に招くなどしてるキングを横目に、ここまで長々となりましたが本攻略について少し、お話しします。

 

まずは最大の目玉となるトロフィー条件、異なる何れかの三冠シリーズ×3について。

クラシック三冠、ティアラ三冠(トリプルティアラ)、春・秋シニア三冠が主な物なのですが…やはりそうなると真っ向から例のライバル達とぶつかり合う事になり、並大抵の育成では特定1レースに的を絞ってくる奴等に足を掬われます。

 

加えて単純に9レース。重い。唯一日本でのシニア三冠なら後年に回せますがシニア期は何分強いの何の。だからってクラシック期に9レース詰め込むのは流石にパラメータもスキルも足りません。というより疲労で死にます。これに関しては現実でも満年齢で数えて8歳まで月2ペースで出走してたハルウララ先生が可笑しいだけですからね?

 

ではどうするか。

 

───英国三冠と欧州三冠を獲ります。

 

キッッッッッッッッッッツ!!!!!

とお思いの方、大正解です。主に欧州三冠ですね。

何がキツイかと言えば2戦目のKGⅥ&QESと3戦目の凱旋門賞がシニアとの混合戦なんですよ。然も欧州三冠はこれを1年で達成しなくてはいけない。1戦目のイギリスダービー、所謂ダービーステークスは当然クラシック期限定なので言ってみれば1年以上のハンデを背負わされて戦うんですよね。

 

然しこのイギリスダービーが英国三冠と被るのが美味しく、事実上1レース分お得になります。そして英国三冠の3戦目、イギリスセントレジャーを勝って凱旋門賞に勝つ事で特殊イベント《伝説は踊り手を越えて》が発生しこれのボーナスが美味い美味い。史実に於ける最後の英国三冠馬、Nijinskyが凱旋門賞に敗北した要因の1つにセントレジャーへの出走が挙げられてしまった事を反映したイベントですかね。

 

レースを被らせたり難易度を下げるなら欧州マイル、仏国・愛国の各種三冠やティアラを使えばいいんですが、いかんせん5〜7月にレースがあほ程集中する為どうしても殺バローテになってしまうんですよね。米国系は全てダートなのでそもそも無理ですし。

 

後はこれにシニア三冠やれば解決です。

長距離はAにしていますがやはり春天の3200は長い。有マはライバルも強力ですが、何故かシニア三冠だけ同一年でなくとも達成できる様なのでクラシック期にも取り込み易い…かもしれないので、秋シニアを獲りにいきます。いやマジでその仕様欧州三冠にも下さい(懇願)ともあれこれで達成です。

 

一気に話したらチカレタ…

今は…3年生の9月、夜。めっちゃ飛んでる^〜お嬢は勉強中みたいです。さてさてどうだ…なんかお勉強の成功率たっかいですね…

ウマ娘のパラメータの1つである賢さにはレース勘などのそもそもの頭の良さと学校の成績を示す教養の2種があります。厳密には前者が賢さという名前で後者は教養。教養は賢さを上回る事がない上に実はマスクデータ、というのもあります。

 

お勉強は賢さのトレーニング扱いですが内部的には教養を中心に鍛えます。これが足りないとトレセン学園入試の座学に落ちたり、補習に捕まって結果としてトレーニングに当てられない等の弊害がありますからね。

 

ええ、あるんです、が…なんでお嬢既に高校数学とかやってるんです?やっぱりキングだからですか?

…このくらい当然?そっかぁ…流石は成績優秀と言われるキングは格がちげぇや!

 

教養が高い分にはなにも問題はないしその分トレーニングをガン積みし…あっ、お母様。

…二言くらい会話して出てっちゃいました。やっぱ不器用なんすねぇ。

ん?教材が小学生向けのにすり替わってます…あ、元の取り出した。さてはこのお嬢…エ◯本隠す中学生ムーブッッッ!

 

そんな事はどうでもよくて…パラメータの話が出ましたし改めて乗っけときますかね。パラメータにはご存知の通りスピード、スタミナ、パワー、根性、賢さが存在します。それらは最高値をSSとして、下はG、G+、F、F+、………A+、S、S+まである形ですね。この16+1段階の評価によりそのパラメータの強さが決定されます。そして上に行くほど評価は上がりにくい事も重要ですね。GからG+に要求される数値とBからB+に要求される数値はめっぽう違います。

 

それを踏まえて初期段階と現在値はこんな感じです。

 

 

スピード:G+→E+

スタミナ:G →F+

パワー :G+→E

根性 :F →E

賢さ :C →B+

 

 

…あの、賢さ最低限しか触らせてないんですけど…

 

というか、えっ?賢さ最初からCだったの?B+って事は少なくとも教養は少なくともC+、行ってBも多分あるよね?これトレセン学園どころか普通に有名進学校入れるレベルですよ?まだ1年生の秋…いや1年生でか!?

 

えぇ…ちょっとログ確認しますね…

 

 

…大体わかった。このお嬢、お勉強会の柱やってるしなんならウマ娘も普通のホモ・サピエンスも、頼まれた全学年の生徒に勉強教えてやがる…!

ついでに部屋見たらスポーツ医学書と日本・世界の主要競バ場データファイルとかあるんですけど!?

 

これアレでしょう!《世話焼き上手》で発生したお勉強会が好評で良い気になってたら、噂を聞いた子らが寄ってたかるもんで、ほんでそれを全部捌けるからこうなったんでしょう!

 

クソが。幼年期は5年生から行けるトレセン学園オープンキャンパスからが本番だからって流し流しやるんじゃなかった…3年秋にしてはもうちょい欲しいかなって思ったらこういう…!

ええいもう、一旦整理のために能力全部見せなさい!なんとかして軌道修正します!

 

 

◯パラメータ

スピード:E+

スタミナ:F+

パワー :E

根性 :E

賢さ :B+

 

◯スキル

Pride of KING:Lv.1

 

◯コンディション

世話焼き上手

英才

切れ者

努力家

 

◯絆

エルコンドルパサー:Lv.4/5

グラスワンダー  :Lv.4/5

セイウンスカイ  :Lv.2/5

 

 

………

 

……………

 

 

?????????????????????

 




もう俺には…何が正しい文章なのか分からん…!
ただ…俺がすべき事は…自分の蒔いた種や並べた文字の羅列に対し…
“走者”として、明後日の方向へ失踪する事だ。

後先を考えていないという事は、後先を考えていないという事です。なので失踪しますね…


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閑話01 Obey the KING

ちょお待って今日お嬢の誕生日やんけ!!!
ヤッベヤッベヤッベ…ドウスレバエ?…ドウスレバエドウスレバエ……?
もうifでもなんでも書くしかねぇ!かっとビングだ俺ェ!!
のメンタルで初投稿です。誕生日に15時間メンテってなんやいね…

相変わらず後の事なんて知らない。ノリと勢いだけでこれを書いてるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。どうせ失踪するしでぇじょぶだぁ。

(2021/05/14 誤字修正済 幻燈河貴 様 有難う御座いました!)


 

 

 

 

そこは、荒涼とした不毛の地。

芝も砂も無ければ照らす光も無い。偶に風でも吹いてくれればいいのだが、それすらない全くの静寂。

 

 

あったのは、そう、無数の投げ捨てられた服。

 

 

然もどれも同じデザインだ。

緑を基調とした過美になりすぎない色合い、だが肩を露出させて艶やかな意匠に仕上げてある。これならばターフの緑に深みを与えながらも自身を示せるという、正に一流の服…勝負服である。

 

その勝負服が、キングヘイローの勝負服が、棄てられている。

 

ある1つは未だ袖を通してなかったのだろう、形を崩さないままに。

またある1つはしわくちゃになり、何度共に闘ったのかも窺い知れない。

またある1つ、これは雨に濡れたのかぐっしょりしている。ああこっちは土塗れ。

 

ある1つには……魂も燃やし尽くした、盛大な、吐血の跡も。

 

そんなよりどりみどりの、棄てられた…全て投げ打った、夢の跡。

 

 

「………そう。そうなのね」

 

 

漸く解った。

 

私の立つ此処は、墓標だ。

 

何度だって挑み続けた、私でない《キングヘイロー》達の。

 

 

理解した時、ふわり、と。見渡す限り全ての服が浮き上がる。それらを支えたのは十字架の群れ。光源はないはずなのに、周りが少し暗くなった様に思う。

マネキンに服を着せる様にピンと張られた服が、その通りだ。と次々に叫んでいる。

 

 

私は終わったんだ。

夢を果たせずに、散っただけなんだ。

一流への道なんて、無謀だったんだ。

 

 

聞こえてくるのは、怨嗟?憤怒?悲哀?いや違う。

 

諦観だ。

このキングヘイローの群れは、諦めの大衆だ。

誰も彼もがあの日の私に捻じ込まれた記憶の主人達。彼女達も声に導かれて闘ったのだろうか。

 

実のところ、分かっている事がある。

あの声を注意深く聴こうとしてうっすら聴こえた情報と、数々の記憶の戦績。

それらを擦り合わせた結果…私は【英国三冠】と【欧州三冠】、そして【秋のシニア三冠】に挑もうとしている。なんなら途中には短距離のGⅠすら挑み、そこに敗れたが故に諦めた記憶もあったりした。

 

勝手に決めるな、と文句が出て来るが。残念な事にその理由と思惑は記憶を体験させられた私には理解し得てしまう。

 

一流を目指す為。そして才覚溢れる強敵(しんゆう)に並ぶ為。

 

体育の時間に見たエルコンドルパサーさんとグラスワンダーさんの走り。小学生の時点で贔屓目無しでもう、ああこれは幾らでも伸びるな、と思わされたそれには、成程記憶で立ち塞がる訳だと痛感した。

 

ついこの間、3年生の夏休み。偶々河川敷で遭遇したセイウンスカイさん。彼女とも何度も対戦したと囁く記憶達。国内クラシックで闘ったという私達の一部が、絶対の警戒を忘れるなと吠えていたのには驚いたものだ。

 

そして今はまだ知らない、スペシャルウィークさん。どんな記憶でもコロコロと表情を変えていた愉快な娘であり、同時に絶対の闘志を燃やしていたウマ娘。

 

断言出来る。間違いなく彼女達は才覚豊富。その上一切の努力を惜しまないからタチが悪い。誰一人とっても信じられない強さを持っていて、なんなら上や下にだってこのクラスの存在がもう沢山沢山。

 

 

…勝てるのか、こんな、ウマ娘に。私が…?

 

 

そんな恐れと慄きが過ぎると、墓標から手招きが不可視の刃になって私に向けられた。

 

 

そうだ。そうだ。

私には無理だった。お前も無理だ。

諦めろ。それが楽だ。

諦めろ。声なんて関係ない。

諦めろ。知らぬ存ぜぬでいればいい。

 

諦めろ。諦めろ。諦めろ。

 

 

キングヘイロー。

お前は諦め───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっさいわね!!」

 

 

 

 

 

手近にあった墓標を1つ、蹴り砕く。

 

何故か長くなった足で破壊した墓標は、掛けてあった勝負服ごと緑の焔に変わる。

 

 

「諦めろ?私には無理だった?それは貴女の話であって、このキングの話じゃないのよ!」

 

 

力強く握る。

すらりと伸びた指が作った拳は、今迄より大きい。

 

 

「第一ね!何よ諦めろって!そんなの…そんなの全く!まっっっったく!!一流じゃないわ!」

 

 

発破をかける様に今度は別の墓標を殴り壊す。

また産まれた焔。それらは共鳴する様に振動し、次々に十字架へ引火していく。

 

キングヘイローの声は、もうしない。

 

 

「いいこと!?確かにこの道は果てしなく厳しい!誰も成した事はないし、待っている壁の高さなんて知らない!」

 

 

少しキーの落ちた声で叫べば、もう半数程の十字架が焔へ代わり、辺りは緑の焔と十字架が荒れ狂う幻想的で苛烈という奇妙な空間になっていた。

 

 

「大方私もこの道を辿るのでしょうね!何時途切れてもおかしくない様なこの無謀を!!そして待っているでしょう!不倶戴天だとすら感じてしまうほどの大敵、友達や先輩後輩が!」

 

 

溶け落ち、燃え尽きた十字架の塵。

それらが集まってゆく。

 

 

「そんな中で定めた標的を獲り、圧倒的な実力を示す?ええ、ええ!私には厳しいでしょう!才能なんか無い。敗北者にしかなれなかった貴女達がその証左!」

 

 

焔は更に煌々と盛る。

 

 

「でもね…!やるったら、やるの。だってそうでしょう?貴女達にもある筈よ。勝利の記憶が!」

 

 

塵は焔を閉じ込める様に形を成していく。

 

 

「2000ギニーを勝った私!ダービーを勝った私!キングジョージを勝った私!セントレジャーを勝った私!凱旋門を勝った私!何よ!ちゃんと勝ってる私もいるじゃない!!」

 

 

圧縮される毎に、焔は益々激しい光を放つ。

最早それは、手のひらサイズの太陽の様で。

 

 

「日本のGⅠだって勝ってるじゃない!他の海外GⅠもそうよ!私はちゃんと勝っているわ!だったら…諦めろだなんていう前にね!」

 

 

眼前のそれを、ぐわしっ。ぐぐーっ、と。

しっかり握りしめる。

 

熱い。

 

恐ろしい程の熱量が、この手を焼き焦がさんと暴れている。私を塗り潰そうとしているのか。

 

 

だけど、侮らないで。

今この心に燃える焔はそんなものじゃないの。

 

ええ、もううんざりなのよ。

 

あのぶつくさ話す棒読みな声も。

勝手にやってきてネガティブな未来を見せる私とは違うキングヘイロー達も。

 

なら良いわよ。目指してあげる。

英国三冠も、欧州三冠も、秋のシニア三冠も。なんなら短距離GⅠも合わせて全距離制覇してあげる。その譲歩はしてあげるわ。

 

 

だから全員、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全員一回黙って!このキングと一緒に勝ってみせろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私に、従え。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───それとも」

 

「出来ないのかしら。よりにもよって、キングヘイローが」

 

 

 

 

 

幼女ならぬ少女の手のひらには、小さなエメラルドをあしらった緑色のリボン。

 

焔はもう、見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んんっ…」

 

 

身じろぎ。やけに凝り固まった、小さな幼い体をよく伸ばす。光が差し込んだ其処はなんて事はない。見慣れた自室だった。

 

導かれた真実は、1つ。

 

 

「そう…夢、だったのかしらね………いや」

 

 

少し、念じる。

 

頭に浮かぶ、条件とやら。

続けざまにパラメータだの適正だのスキルだの、謎の単語の羅列までやってきた。

 

…へぇ。思ったよりも便利じゃない。

自分を数値化されるのはどうかとも思うが、客観的な資料とする分にはこれ程役立つ物も無いだろう。

 

 

さて、学校だ。身支度には、そう。これを。

何時もつけている(・・・・・・・・)エメラルドのついた(・・・・・・・・・)リボンを忘れないようにしなくては。

 

 

「…絶対、やってみせるんだから」

 

 

ああ、今日もいい天気。

 

 

 

 

 

 

 

(《Obey the KING》のヒントレベルが上がりました)

(ERROR!:このスキルの取得には《Pride of KING》の成長が必要です)

(以降、取得可能圏までマスクデータとして扱います)

 

 

 




その煌めきは、燃え盛る焔の如し。
麗しき君よ。翡翠より尚鮮やかであれ。


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#03 しゃべりTIME 〜Feel and Add〜

お気に入りがねぇ、たっくさんねぇ、増えててねぇ?ブルっちゃっうよ…うわあぁぁぁぁ↑(限界爺)
相もかわらずノリで書いたそばからドバーッと噴射してます。後の事を考えない逃げ策の鑑。なお実際そんな事したら逆噴射待ったなしの模様。

どうしても地の文ばかりになってしまうのでどっかで別視点入れようか考え中。チルドレンSSの醍醐味にして書き手が誰しも通る道なだけにどうエミュを行なっていくか、難しいですね。


(プレイに対する心構えが)エェきったねぇ、クソだ…

な続き、はーじまーる…前に。

 

調査体として挑んでおきながらおざなりにも画面を碌に見ず、流しながらのプレイにより起きてしまった種々の強化を見逃した点ですね。えーホント、申し訳ございませんでした。流石に上にしこたま絞られました…危うく免停を喰らいかけましたが温情にて続行と相成りました。今後の再発防止は、善処致します…

 

序でにパラメータについても誤解を招く様な表現がありました事、訂正と共にお詫び申し上げます。

それを踏まえて前回確認した能力を振り返って行きましょうか。

 

 

◯パラメータ

スピード:E+

スタミナ:F+

パワー :E

根性 :E

賢さ :B+

 

 

まずパラメータです…いやホント、賢さだけ異常なんだよなぁ…

んで見ての通りですが、これは“幼年期の”パラメータである事を表記し忘れました…

種族として小学生と中高生が成長期の大きな境目であるウマ娘は、二者間で大きく性能が拡張されます。ロリロリしい見た目の子が卒業と共に身体がハッテンするのは皆様も覚えがあるのではないでしょうか。あれですね、『小学校じゃブイブイ言わせたらしいな雑魚専がよ^^』って事です。

 

此方にお嬢の試走で得た一例を用意しました。トレセン学園入学時点、スピード7割スタミナパワーで半々くらいを目処に育てて、かつ結構上振れてくれたデータがこうなります。

 

 

◯パラメータ変化!

スピード:S →E

スタミナ:B+→F

パワー :B →G+

根性 :F+ →G

賢さ :C+→G+

 

 

見ての通り、幼年期で稼いだパラメータは、トゥインクルシリーズ編…所謂中高生編のものへ圧縮されます。極論S帯まであってもEくらいにまで落ち込み、他ではG+〜F+を目処に圧縮されている様な試算のがお分かり頂けるかと。

だからって全く無駄では無いんですけどね。沢山鍛えたパラメータは少し伸びやすくなりますんで。これは各ウマ娘が持っている伸び率にほんのちょびっと加算される形になっています。

 

キングならパワーと根性が上がりやすくなるのがデフォルトですが、幼年期から始めた場合には最も高いパラメータ2つが若干伸びやすくなる…いいやこれも例をば。

数値的にはパワー+20%と根性+10%。これがそれぞれ-8%と-4%されてパワー12%と根性6%。

上の場合ではスピードと次いでスタミナが高いですね?減った分がそのまま補正になってスピード8%とスタミナ4%。

 

結果としてパワー、スピード、根性、スタミナの順で伸びやすくなります…最もこれは現状有力説というだけで、正しくこうなんだと言える訳ではないみたいですが。開拓班の今後に期待、と言ったところですか。

 

でそれを踏まえるとですね…賢さがぶっ飛んでるのはゲロマズなんですよ。補正はスピードとスタミナにかかって欲しいんで。

無論賢さ自体は欲しいんですが…幼年期編では賢さは最後の最後にC+いく程度で十分なんですよ。これなら教養も確実にCになってる筈ですし。そんだけあればトレセン学園入試も受かるんでね。

 

何よりこの期間に平均っぽく上げてるわスタミナがちょーっと不味いかなってのが…やっぱり自由意志はダメだな!じゃけんちゃんとガバガバリガバリーしていきますよー。

 

 

◯コンディション

世話焼き上手

英才

切れ者

努力家

 

 

次。これも…頭が痛くなりますね。いや取得したもん自体は美味いものばかりなんです。

《英才》は全ての行動と判定に賢さのパラメータに応じた+補正。コイツはかなりレアなコンディションだったはず。んで《切れ者》はスキル取得に必要なポイントが減り、《努力家》はトレーニングやレースでのパラメータ上昇量がほんのちょっと増える、といった物です。

 

そんなもの何処で拾ってきたのとログを確認したら…《切れ者》は2年生の文化祭で学年代表として実行委員会に参加して貢献したとかで。《努力家》は1年生の運動会でかけっこに勝つ為に頑張ったとかなんとか。微笑ましいですがエルちゃんに次いでの2着だったそうですよ。クキキキキ…

ていうかコンディションそんな取得条件緩いんだっけ……?

 

…で、問題の《英才》ですが…マジで分かりませんでした…

いつ取得したのか、該当するイベントはあったのか。そもそも《英才》ってこれ発見例はタキオン先生とか後1例のみゴルシ、それも中高生編で賢さがS+以上の時に極低確率で取得だったと思うんですけど…

 

というかこれもしも初期取得だとすれば大事件ですよ。コンディションにまさかのリセマラ要素が微粒子レベルで存在するのであれば今迄の我々の調査が覆り、以降全ての育成がリセマラ祭りになります。やめてくれよ…バグにしても再現性の調査までしなければならないですね…

 

………むつかしいこと、そーしゃわかんない!

 

 

◯絆

エルコンドルパサー:Lv.4/5

グラスワンダー  :Lv.4/5

セイウンスカイ  :Lv.2/5

 

 

なんか生えてる…ウンスが生えてるよぉ……いやウンスは生えてねーよ!!

はい、何故かいつの間にウンスと知り合ってました。ついこの前の夏休みらしいっす。

ねえ可笑しくない?なんで1〜2ヶ月前に知り合ったばかりなのにもうLv.2なの?それもそうだけどエルグラちゃんのLv.4はなんなの?

キングの対人能力なんかヤバくない?絆のレベルは別に上限が増えるとかそんなのないからこれ相当以上に仲良いよ?自分だってそんな友達欲しいやい!

 

…まあ、大方《世話焼き上手》の早すぎる取得の影響でしょう。片っ端から絆ガンガン上がる様なコミュニケーションしてったんですね。それでこうなったと。

 

何というかまぁ、結果だけなら、上振れにしては悪くないどころかウッッッッッキウキなんですが。単に上振れ以上のなにかヤバいものが始まってそうで…これどう纏めればいいんだ…?

上からは結果の逐一の報告を言い渡されたし、真面目にやりますか……うん、自分で蒔いた種だからね。仕方ないね…

 

 

あ、お嬢が起きました。

…なんか雰囲気変わってないすか?目つきというか何というか…負けられない戦いの時みたいな風格があるような…?

 

オッスお嬢、久しぶりっすね。お元気してましたか?はいそうですよ、暫くガッバガバにも簡単な指示しかしてませんですいませへんね。こっからは自分も指揮をとりま…

ん?何してんすかお嬢?発声練習なんてまるでそんな歌手みたいな事して。それにどうしてこっちをじっと見つめ………こっちを?見つめ、て?

 

 

 

“あー、あー、あー。声じゃないならこうかしら…?聴こえてる?”

 

 

…………えっ。

 

 

“ん、その反応だとちゃんと聴こえているみたいね。流石は私、流石はキングと言った所かしら!”

 

 

えっ…………え?えっ?

 

 

“全く…ここ数年語りかけてくる様子もなかったと思ったらこのタイミングなんて、中々お膳立てするじゃない?”

 

 

ちょっ、ちょちょちょちょっと待ってください!待って!お嬢待って!

 

 

“ええ。本当に貴方には聞きたい事が───む、何よ?”

 

 

いや……いや、何で此方側に干渉出来てるんです!?

 

 

“?干渉も何も、そっちから語りかけて来たりならついさっき…そもそも昔にもあったじゃない?”

 

 

それとこれとはまるで違いますよ!

これ迄のをゲーム内で解決されるメッセージウィンドウ上のコミュニケーションだとするならば、今回のはプレイヤーである自分そのものに干渉してるもの…思いっきり世界の範疇を越えてるんです!システムの壁越えて画面から生首アイコンに話しかけてくるなんて聞いた事ありませんよ!

 

フルボイスとかそんな領域じゃなしに明確な我々への認識なんてこれは形而上仮想化実体…いや違うか?え?何?どうやって?

 

 

“ちょ、ちょっと!分かる様に話しなさいよ!”

 

 

なんで第四の壁攻略してるんですか?

 

 

“…………?だいよん、の…かべ?”

 

 

そこの知識は小学生相当なのか(困惑)

えー、もう…なにこれ…?とりあえずお嬢は此方を、自分が居る事を分かってるんですね?

 

 

“ええ。貴方が誰か、どんな姿かまでは分からないけどこの…《パラメータ》?って言う物を通じて、誰かは居る(・・・・・)事までは分かるわ”

 

 

うん…………うん?

え?パラメータまで見えてるんです?

 

 

“勿論。このスピードとかが表示されてるこれよね?後は適正とかスキルなんてもの見えてるのだけれど”

 

 

えぇ……?

えぇ……………?

 

 

“いやえぇも何も無いでしょう!?貴方がやったんじゃなくて!?”

 

 

んなわけないだろ!いい加減にしろ!

こっちだって現在進行形で頭わるわる極めてるんですよ!

 

 

“じゃあ何なのよ貴方は!私に今までの『キングヘイロー』の記憶を植え付けたのは!?”

 

 

今までの、キングヘイローの記憶?

…まさかお嬢、ループ物みたいに…?

 

 

“るーぷもの…がなんなのかも知らないけど!私はいろんな()を見てしまったわ…負けてしまったり、勝っても目標には至らなかったり数多くのね…それは貴方の所為ではなくて?”

 

 

いや自分が何かをした訳ではないんですがそれは…

……ウマ娘に、これまでの育成の記憶?つまり自分の試走を知っていると…?なら継承?いや、それなら継承に選んだカイチョウ!?とシースタの記憶だけ。だったら……

待て。そもそも何故此方への認識に至った?一番大事なのは此処なんだ。今までそんな事例はなかったはず、というか聞いた事もない。この異様な状況に関わりがないとはとても思えない…

 

 

 

“というより!このキングの速さ(※スピード)がE+なんてどういう事よ!全然遅いじゃない!”

 

 

え?あ、はい。お嬢のパラが奮わないのは私の責任(ガバ)だ。だが私は謝らない。\ショチョー!/

本来の方針通り、トレセン学園入学までにはパラメータもリガバリー出来ると信じているからだ。

 

 

“ふぅーん………………一応”

 

 

ん?

 

 

“………一応、トレセン学園には合格出来るのね…?”

“まぁ!?私は一流ですもの!それくらいは当然よね!ちゃんと合格して、今度こそ成し遂げてみせるんですから!………ふふっ”

 

 

お嬢………

 

 

ま、過去の試走だと調整ガバって入試落ちたルートもあったんですがね。(小声)

さてルンルン気分な所悪いんですが、それよりお嬢?

 

 

“何かしら?今なら何でも聞いてあげるわよ!”

 

 

ん?今何でも聞くっていったよね?

じゃあお嬢、ここで時計見ろよ。

 

 

「時計?」

 

 

…遅刻しますよ?

 

 

「あっ」

 

 

はい。

お嬢が叫びながらドタバタと飛び出したところで今後の方針を考えていきましょう。

 

……いや、もう…何と言いますか………何故かお嬢が何処ぞの地下世界の骨みたいな力に目覚めてしまいました…なんで?

然も先の話を整理する限りでは、お嬢は自身のパラメータ、適正、スキルを確認出来ると。なろう主人公かよオメェはよォーッ!

 

正直激ヤバ案件な気しかしませんね…いや気とかじゃなくて激ヤバで確定…ですがやる事は変わりません。このまま突き進みます。(記者の絆ゲージ+)

 

兎に角スピード中心でスタミナも可能な限り強化、最悪賢さに追いつかないでスタミナ補正が掛からなくなったら中高生編でスタミナ偏重のトレーニングに。

差しに必要なパワーはお嬢だしスピード鍛えてれば勝手に上がりますんで一旦放置。根性は鋼の意志。賢さもノータッチ。余裕があれば『汝、皇帝の神威を見よ』と『#ウマ細胞#トップギア!』、これらの継承した固有スキルを入学後すぐ取得できる様に、更なるヒント獲得を目指していきたいですね。

 

指標的には少なくともスピードをA…A+まで欲張りたい。スタミナもB+まで上がってくれれば。パワーも欲張りたいけど…補正の関係上行き過ぎないくらいでB。賢さはこれ以上上がらない様に気を配って行きましょう。根性は鋼の意志(2回行動)

 

総じていつものお嬢育成だな!

と言う訳でお嬢、今日からスピードやスタミナを中心としたトレーニングに身を置いていきますよ。いいですねッッ!

 

あもう尺が無いやん!それでは次回!公判へ続く!

 

 

 




なぁ、投稿者。なんで投稿が遅くなった?

それは…GW中はバイトと課題とウマ娘で、忙しかったからだ…

…そうか。忙しかったなら…仕方ないよな……

……ッ…違う!違うんだ読者様!
忙しさの所為じゃなくて…俺が悪いんだよ…
このSS擬きが進まない上に今回もあんま進んでないでとりあえずなんか出しとけの心で出したのは、俺の所為だ!!

もう嫌なんだ…GW限定ミッションと収集するべきキングの台詞の多さとウイポ9が15fps前後でしか動かないクソザコ環境っぷりが…俺を失踪させてくれ…


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閑話02 Step on KING


現状では完全に妄言でしかないのですが既にやりたいエピソードは2つほど考えてあります。
キーワードは大戦と喧嘩。共通項は、走者という存在に人の心は無いという事です。

お嬢のトレーナーも構想だけはあるんで頑張ってさくっとトレセン学園編という名のほんへまで進めて行きたいですね。
まあそう言ってる割に何時迄も進まないし第一その前に失踪しちゃうんですけどねェ〜(CV:一般大蛇◯)

会話苦手部だから会話できねンだわ



 

 

 

一歩目。

強く、踏み込む。

重く踏み込んだその点に、ぐっと体重をかける。

 

二歩目。

踏み込んだ脚で強く、蹴り込む。

ぐわ、と顔に風を受けた。

 

脚を回して、三歩目。

蹴り込んだ脚を急いで戻し、次に備える。

まだ加速は保てているか。

 

四歩目───精彩を欠いた。

踏み込んだパワー、脚を持ってくる回転、慣性で前に出る上半身。それらが噛み合わない。

 

五歩目。このままでは転倒する。

すかさず歩調を元に戻す。六・七・八・九・十、もっと。

 

漸く普通の走りに戻った所で、ゆっくりとスピードを落として停止する。

 

 

《『#ウマ細胞#トップギア!』のヒントレベルは上がりませんでした…》

 

 

またも流れた失敗を告げるアナウンス。まあそうだろう、あの崩れ方で走法を掴んだとは言えまい。だがそうは言っても中々ままならないなぁと感じ入ってしまうのは仕方のない事なのか。

 

 

『ダメみたいですね…ま、此処で急く程ではないです』

『まだ小学生の時期ですから。引き続き身体を作っていくのとスピード・スタミナでの特訓を重ねていきましょう』

 

 

…ちょっとくらい励ましなさいよ、とは思う。

 

 

『申し訳ナス!お嬢がんばえー!』

 

 

雑!恐ろしく雑なのよ会話が!

……それはそれとしてこの声の主、指導に関しては至極真っ当なのが何とも言い難い。トレーニングの質も上がったのは紛れもなくあれのお陰なのだ。

 

 

『そりゃあまぁ。育成そのものは結構してきた訳ですし。そこいらの有象無象とは違いますって』

 

 

…ええ本当に、有象無象どころじゃない異質でしょうね。普通に心まで読んでくるあたり。

 

 

息を整えつつ目を閉じて、脳に意識を集中する。

脳の、その奥。私に継承されたと言う(キングヘイロー)以外の記憶を引っ張り出す。

 

Sea The Stars(シーザスターズ)…あの声に曰く、英国三冠と欧州三冠を無傷で勝ち抜いた恐るべき愛国(アイルランド)のウマ娘。いずれ未来に現れると言うその鹿毛を靡かせて走る様は、正に圧倒的な王者だった。そんなウマ娘すらもあの声が導いたと言うのだから本当に訳がわからない。

 

早めでも最後の200mでも、それがバ群に包まれていようとも、文字通り何処からでもどんな状況からでも抜け出して差し切る走り。あれこそ差しの理想の勝ち方だろうと、今尚思う。これまでの私達と彼女の走り、何が違うかはすぐに解った。

 

 

加速だ。加速力と、それを可能にする力強さ。

 

 

ここで差しという戦術について考えよう。

 

私が最も得意とする(らしい。これまでのキングヘイローの大半はこの走りをしていた)この走りは、簡単に言えば力を温存して最後に出し切ると言ったもの。

逃げや先行といった先団につけるウマ娘は、どうしても体力を使う。中盤までは中程につけて、終わり際には彼女達のガス欠を横目に溜めた脚を使い切るのがこの差しという走り方だ。

 

メリットは、体力を残せる事、展開を図りながら大概大きくは離されない事。

デメリットは、バ群に包まれやすい事とレースの展開によってその場での対応力を強く求められる事。

 

体力を途中まで使わないにしたって、それが余ってしまう様では何の意味もない。上手く使い切ってスパートをかけたい所。だが前に行こうにも包まれてしまえば、ウマ娘としての本能が密な閉所で脚を竦ませる。

或いは差しに行こうとしても、逃げウマ娘が不在の場合や差しウマ娘が多い時の様にスローペースの展開となれば、それだけで後続になる私達は不利になる。反対に大逃げをされてもペースが崩されやすい。ぬかるんだ不良馬場でダッシュがつかないなんて事例もある。

 

全く、突き詰めれば突き詰める程難しい走りだ…この年齢で戦術なんて考えて走るウマ娘などいないのだが。

 

 

『はぇ^〜すっごい考察…これは賢さ盛ってんねぇ!』

 

 

…なんか言ってる声は無視するとして。

 

ではシーザスターズのそれは?

三歩。たった三歩で最高速に至る末脚。

並ばせる事を許さない爆発力は、地を抉る程の強く鋭い踏み込みが産んでいた。数年間を重ねて何度も見たがきっと相違ない。

 

そら、今だって芝を抉って巨星は駆ける。

4コーナーで爆発した脚が後続を完璧に千切った所で脳裏の映像を切る。

 

然し難儀なものだ。誰かがその生涯を賭して身につけた武器を小さいこの身で得ようとするのはやはり贅沢で難しいかもしれない。

 

 

『それでもその走りはお嬢の武器になるし何の問題ですか?ちゃんとできる様になるから焦らないでくださいねー』

 

 

やっぱり思うのだけれど無責任すぎない?

 

 

『なんでぇ…?悲しい哉…』

 

 

いや、だって自分から薦めておいて物凄い楽観的じゃない…失敗続きなのに…まぁ、この特訓自体は何かに活かせそうだから今は許すけど。

 

そうだ。今更失敗の1つや2つがなんだ。過去の私達が積み上げたものに比べればなんて事はないだろう。弱気になるな、キングヘイロー。

 

頬を叩いて喝を入れる。そうだそうだ、この失敗は絶対に成功に変えてこそ一流なんだ。ただでさえ他のウマ娘よりも有利な身。やってみせなければ何だと言う。

 

気合を入れ直しもう一本───

 

 

 

「ねーキングー」

「走るのはいいけどさー、魚がにげちゃうから地しんはやめといてねー」

 

 

───と構えた所で、不意に耳に声が届く。

 

振り向けば、川に向かって垂らされた釣り竿とバケツ。そしてそれを気にする素振りもないで寝そべる芦毛のウマ娘。

 

 

「……なら、少しでも釣る気を見せてはどうかしら?スカイさん」

「にゃはは、バレた?」

「見れば分かるでしょう…というより!誰の走りが地震ですって!?」

「おーこわい、じゃこの辺でたいさーん!」

 

 

セイウンスカイ。

飄々としていて掴み所のない、名前の通りに空の様なウマ娘にして───ライバルの一角。

ついこの前出逢ったこの子はなんというか、昔から変わらないんだなぁといった印象だ。無論それは記憶から知った限りの話で、実際今此処にいる彼女はまだほんわかしたウマ娘だとしか分かり様がないという奇妙な状態であるが。

 

 

「はぁ…全く……っとと」

 

 

気が抜けてしまい、へたりと座り込んでしまう。そういえばここまで…朝方からこの中天過ぎまで休憩を取ってなかった。今になって思い出したあたり熱中し過ぎたらしい。

 

 

「お?追ってこないとは…さてはおつかれ?」

「そうね、確かに少し根を詰めたかしら」

「ずいぶんがんばるんだねぇ」

 

 

どっこらしょ、なんて態とらしく言いながら近くに座ってくるスカイさんは水筒を取り出すと喉を鳴らして飲み出した。

…喉が渇いた。当てつけのように飲むんですもの。そりゃあ飲みたくもなる。

 

此方も水筒を取り出して一気に呷る。余程身体が欲していたのか、止まる事なく喉を通っていった。

 

 

「おぉー、いい飲みっぷり。つっついていい?」

「んくっ、んくっ…ぷはーっ。やめなさい、ダメに決まってるでしょう」

「だよねぇ」

「……それで?スカイさんは何で此処に?」

「?見てのとーり、つりですよーっと」

 

 

いやそれは見て分かるけれど。

 

 

「…この川、魚なんて居たかしら…?」

「私は見た事ないねぇ」

「じゃあ釣れないじゃないの…」

「いーのいーの、そんな時もあるって」

 

 

そんな時ってどんな時だ。魚がいないのに釣りをする意味はないだろうに…だったら折角だし併せにでも付き合って欲しいが…生憎とそれで動く様な子でもないのは分かっている。

 

 

「そんで、そっちはどうなのさ?」

「ふん、このキングですもの。特訓は…順調に進んでいるわ」

「おぉーさすがはキング。下々な私とはちがいますなぁ」

「ふふっ、もっと褒め称えなさい!」

「いやーほんとにすごいなぁ…こーんないい天気の休みの日にまで走りまくるなんてさ。やっぱり一流を名のるだけはあるって感じ?」

 

 

……一流、ね…

私は、私が目指す地平へ、果たして辿り着けるのか。それよりもよっぽど…

 

 

「…………スカイさんだって一流じゃない」

「えぇ〜なんで?」

「な、なんでもなっ!あっ…そう!キングの友達だもの!寧ろ一流でないと困るからよ!」

「…へぇ〜、ほうほう、ほうほうほう友だちとな。これはめずらしいのを聞いた気がしますなぁ」

「ぐっ……むぅ…」

 

 

ああもう、これだ。やはりこの子にペースを握らせるとこうなる。不意に溢れた一言でさえこうなのだから。

 

 

「……まーでもさ、気楽にいけばいいんじゃないの?」

「な、何がよ?」

「キングがだよー。よく分からないけど、なんかがんばってるし」

 

 

そして、きっと誰よりも目敏くて。

 

 

「そのうちいい事あるんじゃない?きっとさ、この川で何かつれるよりはあると思うよ?」

 

 

優しい子だな、と。

何だかんだいって、この子に励まされた記憶は相当に多かった訳で。それはきっと御多分に洩れず私もそうなのだろう。

 

 

「スカイさん…そうね。そうよね…きっと、この特訓も無駄なんかじゃ………ん?」

「ん、どうし………あっ、うそ!引いてる!?」

「ちょっ、早く!釣り上げるチャンスよ!」

「分かってる!ほっ……おっ…とぁーっ!!」

 

 

まさかの引き、まさかの釣果。

魚は居ないと思っていたこの川から釣れたのは2匹の……名前は知らないけど、多分川魚。

 

 

「釣れた…わね」

「……つれちゃったねー」

「いや、え?本当に?ここ本当に魚釣れたの…?」

「んまぁ、つれたはつれたし…」

「えぇ…」

 

 

困惑する私に向き直り、スカイさんは一拍おいて笑顔を覗かせた。

 

 

「……やっぱさ、きっといい事あるよ。だってこうしてつれたしさ!」

 

 

…はぁ。全く。

 

 

「……ありがとう、スカイさん」

「あ。でもキングのいい事の分、この魚で使い切っちゃったかもなぁ…いやぁざんねん」

「そこは嘘でも撤回しないで欲しいのだけれど!?」

「にゃはは!それにげ……」

 

 

 

 

 

「そこにいましたか、キングゥー!」

 

 

 

スカイさんがくるりと身を翻そうとしたその瞬間、響き渡る声。川の土手の上の方から聞こえてきたこの元気な声には当然覚えがある。

 

 

 

 

「ターフに、ダート!いずれも〜最ッ強!!」

「エルコンドル〜〜〜ッ!パ……サー!!!」

 

 

 

「エル?大声を出しちゃダメですよ〜?」

「ひゃあぅ!?しっぽはノゥですヨグラスゥー!?」

「…キング、あそこでまんざいしてるの知り合い?」

 

 

…愉快な友人達よね。本当に。

 

 

「エルコンドルパサーさんとグラスワンダーさん。私の同級生で親友よ」

「そちらの方は初めましてですね。私はグラスワンダーと言います」

「エルはエルコンドルパサー!よろしくデース!」

「おぉーこりゃどうも。セイウンスカイだよ。キングと同じなら私も同じ学年だね」

「エルさん、グラスさん。確か今日は買い物に行くって言ってなかったかしら?」

 

 

そうだ。今週末は買い物に行くけど私には内緒だとか言っていた気がする。内緒だと言ったのがエルさん本人だったのは、あえてなのか素なのか判断が付かなかったが…

 

 

「ふっふっふ、よくぞ聞いてくれました!ジャーン!」

 

 

そう言って膝を上げると、ふと目に付いたのはまだ汚れのない…

 

 

「成る程。新しい靴を下ろしたのね」

「あっ、それ今CMとかでやってるやつじゃん」

「コレクタ!コーナーで差をつけるニューモデルデス!」

「エルったらまたくつをダメにしちゃいましたからね…大事に使いなさいってあれほど言ったのに」

「フッフーン、エルの走りについてこれないのがいけないんデスヨー!」

「え?そんなにダメになるもんかなぁくつって」

「…都合12足。小1からの3年間でこれだから相当ね」

「何したらそうなるのさ!?」

「もっちろん、キングたちとの走りこみデース!」

 

 

えっ。いやエルさんやグラスさんと走ってるのは事実だけれど。

 

 

「エル〜?私もキングちゃんもそんなに買いかえたりしませんからね?」

「……ふぅん?つまり私はエルさんの靴の買い替えのダシに使われていると?」

「おっ、キングやりますか?あわせやりますか!?コイツのデビュー戦やりましょうか!!」

「上等よ!今日こそキングの力を思い知らせてあげるんだから!」

「ブエノ!ついて来れるならいつだって!!」

「あっ、待ちなさいエルさん!」

 

 

煽られる様に駆け出せば、そのままいつもの様に併せ───という形の鬼ごっこが始まった。

 

 

 

「……ほぇ〜、はく力まんタンってやつ?」

「もう、2人はいつもこうなんですから」

「ありゃ、学校でもああなんだ?」

「ええ。エルがせっついてキングちゃんが応えて…でも仲は良いんですよ?」

「まぁそれは……見れば分かるかな?」

「そうですね。本当に…みんなの中心にいる子です」

「…グラスちゃん、だっけ?学校でのキング、もっと教えてよ?」

「もちろん、いいですよ。あの子は………」

 

 

 

───こうして、急に騒がしくなった1日は過ぎていく。

 

私達が鎬を削る前の、ほんの1ページ。

他の人からすれば他愛のない戯れでも、きっと大切な一瞬なのだ。

 

 

因みにスカイさんが釣った魚をあの声に聞いたら、どうやらそれは嘉魚(イワナ)というらしい。何故か鶏魚(イサキ)は取れたの?と聞かれたが調べたら海の魚だから取れる訳ないでしょうこのへっぽこと言っておいた。

あとあの併せは私が勝った。私が、ちゃんと、勝ったんだから!

 

 





しかし投稿者…よく育成未実装のウマ娘を出そうと思ったな…

いや、実はウンスのキャラはまださっぱり掴めてないんだ。

は?では何故エミュを試みた?

?そんな事すぐに分かるだろ…?

何故なら俺はウンス実装を信じている!俺達は選ばれし芦毛スキーの子!

ウマーマンの民だ!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!


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#04 そのグルガン族のウマ娘は静かに語った



ウワーッ!お気に入りが100越えたァーッ!!!
いつもお気に入りしてくれる兄貴達と感想を書いてくれる兄貴達と こ ん な と こ ろ に立ち寄ってくれる全ての兄貴達のお陰で平穏に生きていけるよ…本当にカッコいいよ…でもいよいよ失踪出来そうにないくらい囲まれてるよ…ひぃん…なーちゃん助けて!

とか書いてたらお気に入り増え過ぎだよぉ…何があったの……未だに後先考えず瞬間瞬間を必死に繋いで書いてるよぉ…



 

 

 

昔、世界は1つに繋がっていて、温かな光が満ちていた続き、はーじまーるよー!

 

の、前に…なんか最近こればっかだな…

まあそれはそれとして、良いニュースと悪いニュースが1つずつありまーす。

 

悪いニュースから行きますかね。こんな場末な実況ですがいよいよ上による監視が入る事になりました…もう2度とガバ出来ないねぇ…

幸いなのはまだ操縦桿というか自由裁量は自分にある事ですか。ぶっちゃけ丸投げと言えばそうなんですが、この異常極まりない事態なだけに上は何もかもを測りかねてるし相当対処に追われてて草ですよ、なーんて言えれば良かったんですがそんな事言ったら首が飛ぶので黙りますハイ。

 

良いニュースは多くの閲覧と調査体としての階位向上により自分の(ふところ)さんが少し潤っt

 

なんでもないです!さっさと始めましょう!!お客様は神様です!むんっ!!

 

 

さてさて前回の混沌(ガバ)を極めた3年生から自分による指揮とあとはどうせ流し読む諸々のイベントを経て今は5年生、漸く小学生編の重要なイベント、第1回オープンキャンパスまで来ました!ぬわあああん疲れたもおおおおおおおおん!じゃけんこっからはサクサク入試まで行きましょうね。

 

そういえば何故O(オープン)C(キャンパス)が重要か言ってませんでした。場当たりが過ぎないか?

その理由は単純。幼年期編の内まともな形式で出来るレースが5年と6年にあるこのOCと6年での入試、この3回だけなんですよね。3回ですよ3回。

 

大事なのはこの“レース形式”という点で、これを2回経験して入試に挑むのとぶっつけで行くのでは訳が違ってきます。人間だって模試を経てから受験するのは当たり前だよなぁ?

具体的には入試の競走部門で出遅れ難くなったり折り合いを欠き難くなります。総じてメンタル的な利点が大きいですね。ゲートに慣れる…馴↑致↓ってのは、やった事あると違うねんな…

実戦経験というだけあってスキルヒントが貰えたりパラメータがちょっと成長したりする………かも?なのもまたうま(あじ)と。

 

そしてキングの小学校では5年生の時点からOCを推奨されます。早めの展開で行けてウレシイ……ウレシイ……(ニチニチ)やっぱ下部組織だけあってサポート充実してんねえ!

あっ、そうだ。

此処でお嬢のパラメータ開示しときますかね。2年間の成果みろよみろよ、おらっ。

 

 

◯パラメータ

スピード:E+→A

スタミナ:F+→C+

パワー :E→C

根性 :E→D

賢さ :B+→B+

 

 

色々ガバした割には良いのでは?優秀なのはもう《英才》と《努力家》のダブルコンディションですよね。この段階でスピードをギリギリAまで伸ばせたのはバチコン効いてて大きいです。これなら入試までにA+まで欲張れそうですね!入学後の圧縮を食らってもこれなら問題ないでしょう。

Sもいけそう…か?うーん、スタミナ次第ですかね。なんとか補正はスピスタに乗って欲しいんで、伸びてくれればって感じです。そんで賢さは変に伸びてくれなければもう良いんで。

 

あっ、そうだ。(二の矢)

スキルはどうしたの?って声が何処からか聞こえてきましたが、ぶっちゃけOCで取る必要は無いんで今はキングの固有だけっすね。なんなら入試でもいらんのよね…普通に勝つんで。まぁ《切れ者》のお陰で継承した固有2つはヒントレベル2だから普通にどっちかはとっていいんじゃないでしょうか。

 

というか幼年期編はスキルポイントもヒントレベルも溜まりにくいんですよね。原作や本作中高生編で何でもかんでもトレーニングに変換出来るトレーナーさん共が可笑しいだけで。だから現時点では固有2種と初期持ちまでしか取得圏内じゃ、ないです。なぁい。

…溜まりにくいとはいっても《世話焼き上手》のお陰で実は平常時と比較すれば、割とポイント自体は溜まってます。ですがキングの初期スキルはちょっとどれもアレなのと固有2種はせめて入学まではヒント獲得に賭けて待ちたいのもあって此処は堪えましょう。別に模擬レースならいくら負けようが構わないので。若しくはキングの固有を上げるという手もありますが、これはかなり割高なのでやめましょう。やってれば勝手に上がるし態々ポイントを吐く必要なんかねえんだよ!

 

 

そんな訳でトレセン学園わくわく(模擬)レースも始まりますね。

さてレースは芝800左回り、晴れの良バ場。3コーナーから4コーナーにかかるとこからのスタートというアホみたいな内枠有利のコース。これに加えて小学校では入試前にしかやらせてくれないゲート発走なのってマジ?

まあ枠は内か外かで選ばせてくれるので遠慮なく内を取らせてもらいます。ワタシ5年生、弱いネ…だから内貰うね…

 

一緒に走ってくれるのはデビュー前の中等部2名と6年生7人、後はキング……のみ。小学校が同じ子が居ると半々で出てくるんですが今回は無しみたいですね。来年は知りませんが。

 

んじゃお嬢を模擬レースにぶち込んでやるぜ!レース見ないんで結果出しまーす。

 

結果…1位!んまぁこんなもn……1位!?勝つのマジ?スキル無しの5年生で勝つってそうそう無いっすけど…これはスピードAと思ったより賢さB+が効いてる可能性ありますねぇ!自分の走者力の高まりをカンディル…さーて、なんか成長するかな?

 

 

◯ステータス上昇!

根性:D→D+

 

 

………………んー、特に成長とかは無かったですね!多分どっかの内部の値が伸びたんでしょ。よし、次は勝とうぜ!いや次で引けばいいんですよ次で。

 

お嬢もお疲れっした。また来年も走って入試や将来に備えましょ。

 

 

“…ねぇ”

 

 

ん?なんです?

 

 

“貴方は……その…私のレース、見てた…の?”

 

 

ないです。

大レースならまだしも此処は流して良いですからね、高々模擬レースですし。大事なのはほんへ始まってからだってそれ一番言われてるから。

 

 

“………………そう”

 

 

それによしんば見たとしてもこうして一々何か言えるのもレース中は無理ですし…

 

 

“分かった、分かったからもう良いわ。それより、相手のパラメータってある?折角の指標なんだから、他の子とどう違うかとか…比較とかやってみたいのだけれど”

 

 

え?パラメータですか…

うーん、これって出して良いのか…?でもお嬢から何か要求されたら基本了承しろって言われてるしなぁ……ゲーム内データって教えて良いのか?いやお嬢は自分のは見えてるみたいだし…

 

ん?あれ?

もしかしてお嬢、他人のパラメータって見えてない?

 

 

“え?見えてないわよ?”

 

 

…ほうほう。成程。

つまり現時点で特異性は自身のみを対象に取るものだと。

 

なーるほど。

この辺りは上の方々が議論するでしょう。どうせ今も見てるんでしょうし。自分は自分の仕事をしますよ。

 

あ、データは………出た奴はこのページから引っ張って…これですね。どうぞ。

 

 

“ん、どうも”

 

 

いえいえ。さあ最初のOCも終わったんでガンガン行きますよーいくいく。

 

現状スピードがA+と良い伸びを見せているので、此処からはスタミナを中心に磨きますよー!賢さは伸びないで♡(脅迫)

 

しゃあっ 走り・込み!

しゃあっ 温水・プール!

しゃあっ コブラ・ソー…ドはやめておきましょう。ウマ娘にハードな調教(大嘘)は…やめようね!

 

あっ、進路調査は勿論トゥインクル・シリーズって書いときます。地方は選ばれなかった…

 

しゃあっ 筋力・トレーニング!

しゃあっ 柔軟・体操!

しゃあけどパワーとかも欲しいんじゃい!

 

そしてやって来ました第2回OC!ぬわあああああん疲れたもおおおおおん!

パラメータもあれからスタミナがC+からB+、パワーもCからそろそろBのC+となっています。スピードはA+から動いてませんが内部的には伸びてるんで入試後にS着地できそうですかね。

はいはい前も来てるし目的は模擬レースだけですよ。此処まで来たら幼年期編も後は入試だけですし試金石として頑張ってくださいね。

 

出走は…中等部3名に6年生が8名、キングを足して12人立て。はいはい。枠は皆6年生なので8番枠以外から抽選ですね。

 

折角5年生の時勝ってるんだし此処も勝ちたいけどな〜俺もな〜まあデメリット特に無いしなんでも良いんですけど。

 

ほんじゃ、結果は───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

いやぁ〜、凄い子が来たねぇ。

 

オープンキャンパスでいつもやってる模擬レース。まだデビュー前の私も走ったんだけど、これに出た子が凄いのなんの。

 

ウマ娘って、小学校卒業あたりで一気に成長するからまだ身体が出来上がってない子が多いんだよね。で御多分に漏れずその子もまだ私達に比べたら小さくってね。可愛いなぁ〜カッコいいところみせないとなぁ〜って思ってたの。

 

そしたらまずスタートが上手いのって。周りの子や…私達でもまだ慣れ切った訳でも無いゲートにすんなり入ったと思ったら凄い落ち着いた様子で。

そしたら出遅れも無しの綺麗な好スタート。びっくりしちゃったよねぇ。行かれた〜って思って。釣られた子達が前へ前へ走るんだけど、自分は中団まで控えて脚を溜める作戦だったの。

 

そしたら何が起こるかって、ただでさえこのレースって800mだから、皆早いうちに前にいきたいんだよね。でその前に出た子同士が勝手に競り合うものだから…消耗が激しかったんだろうね、後ろ有利な展開を作った訳。今だから分かるけど、スタート1つでレースを作るなんて凄いなぁ…メモメモ。

 

ん?私は…ほら、とにかく前だーってウマ娘じゃないから。先ずは様子を見て、そっから差していこうとしたの。手加減とか考えるなって先生にも言われたしじゃあそうしようって。

 

 

…で、凄いっていうのかな…凄まじい、ってのがいいのかな。

 

私がコーナーを抜けてスパートだ!ってタイミングでその子もコーナーの終わりってタイミングだったんだけど…今日、稍重だったんだよ。昨日ちょっと降っててね。

 

…多分、そこ。泥濘(ぬかる)んでて。

 

その子が体勢を崩したの。

 

まずいって、思った。

 

支えに行こうにもスピードがついてるから反転なんて出来ないし、何よりほんの一瞬だったからそもそも動けない。

 

本当に、あっ、って言うその一瞬だったの。

 

 

その子は、地面につっ伏すくらいにつんのめってるのに───首を下げていなかった。

 

 

ずんっ、って、揺れる様な音。

 

倒れてなんかいなかった。寧ろ逆に、思いっきり加速して私を抜いてった。

 

崩れ落ちた所から持ち直し、直線を飛んで次々交わしていく様には、もう小学生がどうのこうのなんて思わなかった。

 

負けないぞ、負けないぞって。

 

走って、走って。体力が切れた先行集団は交わし切ったけど…その時にはもう、その子がゴール板を過ぎた後だった。

 

結果、1と1/4バ身をつけられての完敗。

1000mにも満たない超短距離戦でこれなんだもん……悔しいなぁ。

 

 

単純に負けた事、小学生に負けた事、崩れた相手に負けた事、同じ戦法で負けた事…ううん、これはそう、強い子に負けたなぁ。って感じかな。

 

 

…よし!まだまだ頑張らなくちゃ!あんな子も入学してくるんだもん!私も頑張って…頑張らなきゃね!

 

あの子の名前は…キングヘイローちゃんかぁ…うーん、誰か今のレース録画とかしてないかなぁ。

とりあえず帰ったらすぐメモを取らないとね。自分の走りの分析だけなんてしてられないぞー!

 

今日からまた頑張るぞ!えい、えい、むん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───たった二歩分の蹄鉄の跡。刻まれたのは足跡か、それとも予兆か。

 

 

《『#ウマ細胞#トップギア!』のヒントレベルが上がりました》

 

 

 

 

 

 




某所のマチタン怪文書群に心をぐちゃぐちゃに引き裂かれたり生き返るわぁ^〜させられたりクソボケがーッッさせられたりを繰り返したので怒りの本作登場です。風呂敷は広げるもの。なお畳めない。あく育成に来てください!何でもしますから!

模擬レースの距離とか展開とかパラメータ云々とかは全部フィール。本SSは考えとか伏線とかもなく全てノリだけで展開しております。じゃなきゃエルグラスカイ視点挟まずに唐突にモゲラちゃんなんて出ない。

それはそれとして本人がめっちゃ良血だったり所謂主役級が同期に多かったりそれでもGⅠ戦線を賑したり為すべき努力を厭わなかったり結構共通点あると思うんです。あるって言え。言うん


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#05 やるかどうかは私が決める事


ハーメルンで投稿されたクソガバSSの誕生から何十日!脳内はお嬢復権派、ウマーマンの民、そんな事よりまともに動くウイポ8-2018でキングヘイロー系はよ確立してこい派の3つに分かれ、混沌を極めていた!

なんかナリブシナリオにマチタンがレースで出たって聞いたんですけどあの
怪文書欲を的確に高めてくるのはやめてくださいよ本当に!?

誤字報告有りましたので該当話を修正致しました。
幻燈河貴 様 有難う御座いました!



 

◯ステータス上昇!

根性:D+→C

 

《『#ウマ細胞#トップギア!』のヒントレベルが上がりました》

 

根性ばっかじゃねえかお前ン上昇ゥ!!!

 

あっ

 

 

 

なんだよお前根性有りだな、な続きはーじまーるよー。

 

前回は6年生での第2回OCでしたね。結果は1位。はぇ^〜すっごいと思いきや6年生のときは半々ですんで、ほーん…って感じですかね。

そして上昇はまた根性…これスタミナとかの内部値が伸びてたりしてない?あっ、ない……そっかぁ…(悲哀)まあスタミナ伸ばしてたし根性が伸びてるのも多少はね…?

 

ですが固有のヒントレベルは上がってくれたので、これで《切れ者》含めてレベル3。実に良いですね!というか幼年期編にこのコンディションを取れたのが大きいと言いますか…

中高生編だとヒント次第で他のスキル特訓に時間を割く場合があるので、ただでさえ多くのポイントを要する固有系スキルは切り捨てる場合があるんですよね。だからこそこうした模擬レースでヒントレベルが上がってくれると大変助かります。

 

うーん…考えてみれば《世話焼き上手》でヒントやポイントを多く獲得出来そうなので、これはスキルを盛りまくって闘うスキルファイター路線も考えられそうですね。勿論ある程度のイベント運も必要にはなりますが、《切れ者》による割引、《世話焼き上手》によるイベント発生、そして《英才》によるイベントの成功判定強化は非常に噛み合いがいい。

未だコンディションやそもそもこのお嬢の様な状況の再現は成し得てない様ですが、我々の進む道の一例として征けとの御告げの可能性が微レ存…!?

 

 

あっ、そうだ。

ウマ娘好きの視聴者の兄ちゃんから先日この様な質問を頂きましたんで、お話しします。

 

【固有スキルは2つ継承したのに、シースタの方のスキル『#ウマ細胞#トップギア!』しか特訓してないのはなんでですか?】

 

との事です。これについてはちゃーんと理由がありますよ。とは言っても最近発見されて今尚wikiのコメ欄に数件しか書かれてない様な仕様だからね、まだ広まってないのも仕方ないね♂

 

継承によってのみ0から1になる固有スキル、ヒントレベル上昇にはいくつか手法があります。

それは継承元のウマ娘がスキルを発動したレースを観る方法、或いは絆を最大まで高めたそのウマ娘と併走する・イベントを起こす方法、クラシック期とシニア期の継承、何らかの天啓を得る運頼み等です。序でに我々走者が吹き込むのも一応は。

要は手っ取り早いのは観戦か関わりを持つか、という話な訳で。

 

今回お嬢に継承した固有のもう片方は、そう。ルドルフカイチョウ!?の『汝、皇帝の神威を見よ』です。親のおやつより食べた差しと追込のおやつ。

つまりカイチョウ!?のレースを観ればそれで良い訳ですよ。じゃあどうするかと言えば…

 

 

「やぁ。少しいいかな?」

 

 

饂飩好きなアイドルと似たこの声は…カイチョウ!?

 

 

「!貴女は…」

「初めまして、だな。私はシンボリルドルフ。このトレセン学園で生徒会長を勤めている」

「…御丁寧にありがとうございます。私はキングヘイロー、一流を目指すウマ娘…です」

 

 

とまぁこんな感じに、6年生のOCではレース後この様にみんな大好きルナちゃんが話しかけてくれます。そしてエキシビションとして学園所属ウマ娘達のレースが行われそれを観戦することが出来る…もうお分かりですね?

 

そうです。このレースに会長が出て来ます。カイチョウミズカラガ…? そしたら後はパパパッと模擬レースを観ればヒントレベルも上がって終わりです。じゃけんこのレースはしっかり見とけよ見とけよ〜

あっ、エルちゃんグラスちゃんにウンスちゃんもいますね。模擬レースには出てませんでしたけど居たんだ…ままええわ。4人で仲良く観て、どうぞ。

 

 

はい、4コーナーからすーっと上がって直線ぶち抜き。明らかに余力を残しながらも4バ身離して悠々1着とはサスガダァ…

 

 

《『汝、皇帝の神威を見よ』のヒントレベルが上がりました》

 

 

ヨシ!ヒントレベルも美味しくて、美味しい。やっぱルナちゃんって神ですわ。オカラダノホウを悪くして惨敗するルナちゃんなんていなかったんや!カイチョウニカナウウマムスメナドイルワケガ…ん?

 

 

「……という訳なのだが…どうだろう、私と共に生徒会として歩んではくれないか?」

 

 

あー…久々で忘れてましたねこれ。OCの模擬レースで両方1着を取るとカイチョウミズカラガプレイヤーのウマ娘を生徒会へスカウトしてくるんですよ。

利点としては入試のスキップ、チームリギルへの所属、コンディション《注目株》の付与等が挙げられます…が。

 

まぁ当然断ります。ルナちゃんがしょんぼりルドルフしてますがお姉さん許して!

 

リギル所属だとガッチガチに管理してくる上に国内でちゃんと結果を出さないと海外に出してくれないんですよ。特に2000ギニーとか5月第2週ですし、これに出ようものならデビューから全部大差勝ちくらいして力を示さないといやーキツいっす(素)

トロフィー条件にもなってる大差勝ちですが、ジュニアでやるのは中々ね…国内蹂躙路線なら全然悪くないのでグラスちゃんとかでやる場合はリギル所属は寧ろ良いのではと思います。原作でもそうでしたし。

 

後は折角の入試、競走部門だけですけどこれも重要な出走経験なのでスキップしたくないですね。今回の模擬レースの様にまだステータスやヒントレベルの上昇がワンチャンあるので。

 

というか生徒会所属すると自主練の時間潰されて死ぬゥ!無茶も出来ない!感謝祭とか合宿イベでも忙殺される!ルナちゃんとイチャコラする以外利点が無えンだわ…だから、断る必要が、あったんですね。(親の構文)

 

え?理由?

んー、一流への道は険しくてなんぼだとか自分の道は自分で拓いてこそとか言っといて下さいな。

 

 

次行こうぜ。こちとら上にはよ中高生編行けって急かされとんじゃ。

 

引き続きトレーニングに励みます。勿論入試に向けてですね。

賢さはちゃんとB+。多少上がりはしてもAまでは伸ばさずに保てており、その増分を考えても教養Bはあるはず。学力部門は余裕ですね。

面接部門もプレイヤー側が選ぶだけ。変に奇を衒う振る舞いをしなければなんて事はありません。

 

残るは競走部門…は、問題なさそうっすね。ちゃんと伸びてるパラメータもありますし。なんならもう固有スキル片方取ってオーバーキルしてもいいまであります。

ただまぁ…この段階ならもうパラメータ上昇のトレーニングに注力しましょうか。そいじゃまたスタミナ中心…いや、スピードS到達に賭けるなら少しこっちも混ぜて……

 

 

(お嬢鍛錬中…)

 

 

はい、使用人に連れられてやって来ましたトレセン学園。お母さまなんていなかったんや!

いよいよ入試ですが、現在のお嬢のパラメータを確認しましょうか。前回の開示と比べこうなりました。

 

 

◯パラメータ

スピード:A→A+

スタミナ:C+→A

パワー :C→B+

根性 :C→C

賢さ :B+→B+

 

 

スピードSいってないやん!いきませんでした…(小声)ギリチョン足りないの辛い…

直前までスタミナB+、しかもAまで後一歩だったのでスタミナを上げるのを優先したんですよね。やはりスタミナに補正が入って欲しいので。

 

んー、ですがこれはタイシタモンジャナイカ…って感じ。模擬レースで根性に上昇が向いたのが悲しいながらも《努力家》のお陰でトレーニングそのものは上振れてくれた為全体的に高い水準です。これは山本選手並にバランスが良い。死角なさそう。

 

じゃあ先ず学力部門……は。

 

 

《学力試験が終了しました》

《充実した手応えを感じた!》

 

 

うん、ありがとう。

キング地頭いいしワイは信じとったで!なお賢さが高い理由は分からん模様。

 

さあ次々。今度は面接部門です。ぶっちゃけA連打で事足りるんでまあ適当にやりますか。

 

 

《トレセン学園を受験した理由は?》

 

 

そこにトロフィーがあるからですねぇ!

 

 

《貴女はどんなウマ娘になりたい?》

 

 

勿論王道を征く…最強ウマ娘ですかね。

 

 

《その夢に向かってどんなプランがある?》

 

 

勿論海外制覇ですよ。

今尚実力差の大きい海外で勝ちを獲れば日本でも強さの証明となるでしょうや。

 

 

《今の自分に足りないものは?》

 

 

経験でしょ。レース勘に勝る武器ほど望むものは今は無いです。

 

 

《最後に何か言っておきたい事は?》

 

 

勝つ為にここに来たんでハイ、ヨロシクゥ!

 

 

《面接試験が終了しました》

《とても良い手応えを感じた!》

 

 

やるやん!これで残すは競走部門のみ!

入試のレースは東京レース場…ではなく、坂の緩いトレセン学園特設コースにて行われます。函館レース場の更に坂がちゃっちいもんだと思ってもらえれば。芝1200右の短距離戦でただでさえキングが有利な盤面です。

 

んー、もうここでいいや。ポイントもそれなりにあるんでヒントレベル3の『#ウマ細胞#トップギア!』を取っときます。別に後々ガバんねーべ。

このスキルは最終コーナーで余力、つまりスタミナがそれなりに残っていれば確定発動し加速力をすごく上げてくれます。はい。すごく、です。強い上に発動条件全然ユルユルじゃんお前!しゅき♡

 

じゃあいつもの差しで頑張ってつかーさい。でーじょぶ。模擬レースはカウント外だから気楽にどうぞ。

 

はいじゃ結果だせぇ!

 

……………1着、2と1/2バ身勝ち!やりますねぇ!

短距離故にバ身はそこまで開きませんが上々でしょう。さて上昇はあるかな?スピードに来てくれたらワンチャンSもあるからお願い!

 

 

 

……………ないんかーい!ふざけんな!(声だけ迫真)

 

まあしゃーないです。切り替えて行きましょう。

次回は幼年期編エピローグから!ご視聴ありがとー!エイシンフラッーシュッ!

 

 




時間を空けるのはイレギュラーの考えなので内容が薄くてもめっちゃ駆け足でも初投稿です。
閑話で多分補完するかもしれない。そのためのバラ…撒きとかがこの回かもしれない。というかマチタンのパドックで心停止したから感情がめちゃくちゃ。


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閑話03 Wield the KING


高評価をつけられると罪悪感で違うんだ読者様状態になるから遠慮なく低評価して欲しい。貴方の付けた低評価は、全て正しい。

この様な心持ちで物事に取り組むと無敵であるという心理的法則を、ライナー・ブラウンの定理と言います。おっ理系か?????



 

@Open_Campus

 

from:El_Condor_Pasa

 

Hola! ワタシはエルコンドルパサー!世界最強を目指すウマ娘、デース!

今日はワタシやグラス、キングにセイちゃんが入学を目指すトレセン学園のオープンキャンパスに来てマース!

 

世界最強への道、それには当然トゥインクルシリーズに出走しなきゃ始まらない…ならばこそこの学校に入学しなくては!

…あっ、これはえっと、キングの受け売りってヤツですけど…でもでも!それはその通りで、大きなレースに勝ってこそ強いウマ娘として名乗りを挙げられる。ならば行くしかないでしょう!

 

で、デスよ?ワタシは去年キングも出てたわくわくレース…オープンキャンパスに来た小学生(ワタシたち)とここの学生…先パイたちが走るレースに出走する事にしたんデス。

グラスやセイちゃんは見てるーなんて言ってたケド、せっかくのレースなんだからやらなきゃソンってもんですから!

 

いくつかのグループに分かれてやるみたいで、キングとは別のグループになっちゃいましたが関係ありません!

ここで1着を取って、ワタシも強いって所を見せつけます!去年だってキングが勝ってるんだし、きっと大丈夫!キングやグラスとかけっこしてるワタシに敵はいませーん!

 

 

───そう思って走った結果は、3着。

 

 

まず、スタートから何もかもちがいました…

最近体育で始まったゲート。もっとちゃんとやっておけば良かった。ただ開いたらすぐ通るだけの門?ウウン、アレはそんなものじゃなかった。

 

いつ開くかも分からない。すぐ隣には同じように緊張したりピリピリしたりしてるウマ娘。そして何より、中はせまくて不安になる!

早く出たい早く出たい走りたい走りたい………なんて思っていたら、ガコンッ!!って音がして。それにビックリして、気がつけばゲートは開いていて。先パイたち…今回は2人、彼女たちはとっくにスタートしていました。

 

マズイっ、なんて思ってすぐ飛び出したけど…もう後はダメダメでした。

 

先頭をゆずらない先パイを追っていたら、気がつけばもう1人はなんか後ろにいて。アレがいつかキングの言っていた、あしをためる、ってヤツでしょう。体力の事なんて考えずに全力で走ってたら、そりゃあ後でどうなるか。

なんとか小学生に負けなかったくらいで、先パイたち2人にはとても追いつけなかった。

 

 

それで、3位。

初めてでした。キングとグラス以外に負けるの。

 

 

あの2人になら、仕方ないって思えた…もちろんそれでもくやしいデスけど。いっつも順位を取り合ってマスし。セイちゃんはまだかけっこした事ないからわからないにしても。

でもそうじゃなかった。今日会ったばかりの、ワタシとそう変わらないウマ娘に負けた。

 

くやしくてくやしくて、いやで。泣きそうで。

観客席に戻ったワタシにグラスもセイちゃんも何か言おうとしてましたが、まったく聴こえません。頭にあるのは、泣きそうなのと怒ってるのでいっぱいでした。

 

そして、あのレース。

あぁ、やっぱり───キングは、強いなぁ。

 

最後の直線。ぐんっ、っとスピードを上げて進んでいく。ワタシやグラスに教えてくれた、差しって走り方。

 

そっか。ちがうんだ。

かけっこじゃなくて、レース。それはこう走るんだ。

 

カッコいい。あの力強い走りが。

 

くやしい。それがまだできない、エル自身が。

 

カッコいい(くやしい)くやしい(カッコいい)カッコいい(くやしい)くやしい(カッコいい)

 

気づけば、身体はすでにかけ出していた。

 

 

「キングーッ!」

「ハァッ、ハァッ……ッ!?エルさん!?もうもどって来…」

「エルはっ!!」

 

 

そうだ。言うんだ。この強い友だちに。そして。

 

 

「絶対!ぜぇーったいに!キングに勝って見せマス!レースで!!」

 

 

エルが見つけた、絶対に勝ちたいライバルに!

 

 

 

 

 

 

from:Symboli_Rudolf

 

星の瞬く夜。本日行われたトレセン学園オープンキャンパスの事後処理もあり、私は未だ生徒会室の椅子に掛けていた。

入学を志すウマ娘達が今年も多く集い、或いはこの機会を経て我が校を選ぶと息巻く子らが増える事は欣喜雀躍(きんきじゃくやく)*1の至り、大変喜ばしい事だと思う。

 

子供達へ向けて行ない回収したアンケートを捲っていると、ふとある名前が目に入る。

 

 

「キングヘイロー、か……」

 

 

その名を口に出すと、溢れて来たのは延頸挙踵(えんけいきょしょう)*2、然し同時に切歯咬牙(せっしこうが)*3の想いだ。

さて、この奇奇怪怪(ききかいかい)*4な感情はなんとしたものか。

 

事の発端はトレセン学園わくわくレース、小学生のウマ娘に実際のレースを体験してもらうためのイベントだ。

毎年デビュー前のウマ娘もボランティアとして参加する本レースに、去年5年生でありながら参戦して且つ1着をとるというウマ娘が参加すると聞いた。興味を持った私は丁度空いた時間でそのレースを観ていたのだが…想像以上だった。

 

既にゲート慣れしてる点、レース展開を読み切る冷静さ。序盤にはこれだ。年齢を考えればこの時点で大したものである。

助けを要すると判断しなくてはならない程にぐらりと体勢を崩したかと思えば、超が付くほどの前傾姿勢と低重心からなる強い踏み込みが爆発的な加速を生んだその走法。無論これにも驚かされた。何と言う走り方だと。

 

 

だが私の目を惹いたのはなにより、その気迫だった。

 

 

頭は下がっても首を下げず、ただ射抜くべき終着を見据え突き進む。

 

あの眼に宿っていたのは紛れもなく執念だ。勝ちたいと云う誰しもが持つ望み、それを何処までも純化した鬼の様な瞳。

殺意とまで思えた感覚、危うさを孕んだ魅力をその走りに醸し出していたのが小学生だとは到底思えなかった。

 

何故ならそれを持つのは勝利への重圧に晒され続けた…言ってしまえば私やそれ以上にシービー先輩、シンザン先輩にセントライト先輩と言った面々。

或いは栄光を撃ち落とさんとする者───即ち、幾多の敗北を重ねて尚も叛旗を翻す挑戦者くらいの者だろう。

 

 

なぁ、キングヘイロー…君は何を得て、そして何を捨ててそこに至った?

 

 

気になって仕方なかった私は、エキシビションレースにて彼女に自らの走りを示し、その後話をしてみる事にした。

2年もここに来ているのだ。此処に入学する事は間違いない。と云うより私が推薦しようまでもある。

傲岸な強権の様になってはしまうが、そのリスクを飲んで尚多大な利があると確信している。あわよくば生徒会に抱き込み、彼女の持つ可能性を近くで見届けたいものだ。そして私の理想にも…

 

そんな私欲を隠しながら勧誘を行なったが、

 

 

「有難い話です───が、お断りします」

 

 

一刀両断(いっとうりょうだん)*5、素気無く拒絶されてしまった。

理由を聞かせて欲しい、更に色をつけるぞと。非常に情けない事だが、この時の私はレース上がりなのもあってか少しばかり…いや、相当に熱が入っていたのではないかと思う。

彼女の友たるウマ娘達も困惑の目で私を見ていただろう。そんな私に冷や水をかけたのは、紛れもなく彼女の言葉だった。

 

 

「ルドルフ会長…貴女が挑んだ無敗三冠という偉大な道は、誰が拓きましたか?」

 

「ええ。それは紛れもなく貴女です。周りにどんな補助があろうとも、レースで走って結果を残したのは誰でもない、貴女」

 

「…いえ。それだけじゃない。全てのウマ娘は己の脚でその道を、未来を切り拓いてきた。ならば私も殉じるのみです」

 

「私が目指す一流の道は───私が拓きます」

 

 

ああ、本当に───呵呵大笑(かかたいしょう)*6痛快無比(つうかいむひ)*7!これでは自分を無知蒙昧(むちもうまい)*8と言わざるを得まい。

 

彼女は既に悟っているのだ。己が拓き、そして征く道を!このトレセン学園に入学してから決める者も多い。なれど彼女にはもうあるのだ…夢や目標、いや、その未来にて為すべき偉業が。

 

そうだ、そうだとも。抱いた理想を叶えられるのは己自身しかいない。

私のみの力で三冠を為したとは思わない。数多くの助力があったが故の話であって何も独力のみなどと自惚れるつもりはないが…ああそうだな。星を掴みたいと願うなら、何より己が手を伸ばさなければ。私もそうした様に。

 

その真実に至り、自ら立とうとしている?

ならば手出しは無用。不遜極まる真似は恥と知れ。

 

ウマ娘を、無礼(なめ)るな。

 

そう強く己を律する。

昂りは収まったが、然し待ち遠しいな。願わくば彼女が大言壮語(たいげんそうご)*9で終わらない、真の強者の器である事を祈ろう。

 

最もそれは、無用な心配なのだろうが。

 

 

「楽しみにしているよ───本当に」

 

 

───今年度。何を思ったかシンボリルドルフは、ドリームトロフィー戦線にて絶好調といえる成績を刻んだ。

 

───“会長に叶うウマ娘など居る訳がない”、そうとまで言われる程に快進撃を続け、それはあるウマ娘の憧れとなるが…それはまた別の御話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

@???? ─── in A.D.????

 

from:someone

 

 

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*1
雀がはねる様に小躍りする程喜ぶ

*2
強く心待ちにする事。転じてここでは待ち遠しく感じる意味で使用

*3
歯軋りする程に悔しがる

*4
非常に怪しく不思議である

*5
躊躇わずに判断する事。オラッ!薙刀!精神一到!薙刀!

*6
大声をあげて笑う事

*7
スカッとするぜェ───ッ!!!

*8
道理を理解できず愚かな様

*9
身の丈以上の事を言う





REIWA…れいわ…れいわ………令和!?
令和ジェネレーション!?!?!?
令和ザ・ファースト・ジェネレーション!?
平成!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

うわ平成じゃん醜いなぁ…舗装しなきゃ(クォ並感)


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閑話04 Besieging time, KING.


なんかこう視点が行ったり来たりすると読みづらいかな〜って思ったりもする…ただその裏で何があったかとかを考えるならやっぱもう書いといて逃げ場無くせばいい論というライブ感で決めてるので許して…
やっぱこれ失踪しかないよなぁ!?

そういやハーメルンの機能知らんわ、と思って適当に押してたら評価欄見れたんですよ
あったかい評価コメント大事にしまっとくよ?

スクショの中閉まっといたら、

いつも一緒だもんね?(独占力)(ささやき)




 

 

@Entrance_Examination

 

from:Grass_Wonder

 

やっと分かった……いや、理解させられた。の方がきっと正しいのでしょう。

私自身の未熟さを。エルがあの日から気合を入れた理由を…そしてあの子の、キングちゃんの空恐ろしさを。

 

時は戻って、日本ウマ娘トレーニングセンター学園入学試験。私達は東京地区での参加だった為に校舎にて直接行われました。

学力、面接、競走。この3つをそれぞれ1日かけて合計で3日間、それが入試形態だと云う事は学校で何度も聞いた事。既に学力試験と面接試験を終え、今日は競走試験の日。

 

ウマ娘のレース、特にトゥインクルシリーズが昼間の開催なのもあってかレースは昼間にやる様です。コースの説明や評価の方法の説明を受け、昼ご飯の後という事でいつもの4人で集まっていたのですが…

 

 

「なぁ〜〜〜〜んでッ!キングもグラスもセイちゃんもちがうグループなんデスか〜〜ッ!?」

 

 

試験日の正に今日告知された5人立てでのグループ分け。エルはそれを嘆いていた。

 

 

「エル。大きな声はいけませんよ?」

「だってぇ…せっかくいっしょにレースが出来るチャンスだったのに〜〜っ…」

「まーまーエルちゃん。…アーソウイヤワタシモボッチグループダカラナーサビシイナー?」

「セイち゛ゃんッ!分かってくれますか゛ッッ!!」

「やめておきなさい。それ揶揄ってるだけよ」

「え〜?ネタバレが早いよキング〜」

「NGAHHH!!やさしいままのウソがよかったァーッ!」

 

 

大仰な身振りを取って机に突っ伏すエル。

…まぁ無理もないですね。オープンキャンパスでひどく愚図る程の思いがあり、その日からキングちゃんに負けないと毎日の様に走り込んでは挑んでいました…私も当然の如く巻き込まれてましたけど。

せめてスカイちゃんが走ってくれればとも思うのですが、生憎とこの子が走っているのを見た事がない。ならば矛先は私かキングちゃんに向く訳で。

 

結果として、キングちゃんに今日こそレースで勝つ・(グラス)にも勝つ・スカイちゃんの走りを見てそして勝つ…と言った思いを込めて望んだこの入試だったが…ご覧の通りエルはこの中の誰とも一緒のグループにならなかった。南無三。

 

 

「ま、エルちゃんならよっぽどがなければフツーに勝つんじゃない?いいアピールじゃん」

「うう〜…それはトーゼン勝ちますケド……せめてグラスくらいには当たってボコボコにしたかったデース…」

 

 

……………成程。良い事を聞きました。

つまり私はキングちゃんやスカイちゃんよりも御しやすい、と。

 

 

「エル。」

「…ア゜ッッッッ!!ちが、ちがうデース!べつにこれは本心とかじゃ…」

「エル。」

「ぴぃ………き、キングぅ〜!グラスがいじめマース!」

 

 

まぁひどい。簡単にボコボコに出来るならこれくらいなんて事ないと思ったんですが。

 

 

「はいはいそこまで。んもぅ…貴女達も少しは、こう…緊張とかしないのかしら??」

「私はテキトーにゆるーくやるだけだしね。いつも通りだよ〜」

「走りで全員ブチぬけばエルの勝ち、入試はK.O.デース!」

「…………アレらはもういいとして…せめてグラスさんはどうなんです…?」

\アレアツカイダッテー/ \ナンデデスカー!?/

 

 

それを聞くんですか…ええ。私の心は既に決まってます。

 

 

「無論、緊張していますよ。何せ───」

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく、ようやく闘えるんですから。キングちゃんと」

 

 

 

 

 

7R

トレセン学園競走試験 芝一二〇〇右 晴・良

 

①トキツパレード

②グラスワンダー

③ホクトボシ

④ワーディクラッド

⑤キングヘイロー

 

 

空は澄み渡り、ターフは絶好の良バ場。そよ風のみが僅かに肌を抜けていく今日の天気は正に絶好そのもの。そこに立ってみるだけですぐに違いに気づいた。やはり公園や河川敷とはまるで違う。

 

何と言えば良いのだろう。レース場なんて初めて立つ場所の筈なのに安心する。まるでお家に帰ってきたかの様だ。でも何故か心は打ち震え今にも駆け出しそうなくらいに…

 

 

「…さん?グラスさん?」

「…………あっ、ご、ごめんなさいキングちゃん…」

「どうしましたのぼーっとして?…やっぱり、緊張してる?」

「いえ……ううん、そうですね。緊張はあります。でも…」

「?」

 

 

「何ででしょうね…うまくは言えないんですけど、ちょっと嬉しいんです。こうしてここで、この空の下を走れる事が。」

「まるで…その為に産まれてきた。そう言ってもおかしくない位に心がおどるんです」

 

 

「嬉しい…?」

「はい。……やっぱり、ちょっとおかしいでしょうか…?」

「……………いいえ。その通り、だと思うわ」

 

 

ほんの少し、風が強く吹く。

 

 

「ねぇ、グラスさん」

「?はい…?」

 

 

差した日が顔に作った、影。

 

 

「多分それは……貴女が感じたそれは、とっても素敵で、大切な想いよ」

「どうか───忘れないでいてね。その気持ちだけは」

 

 

目を細めて笑う(あの)人の顔が、やけに離れない。

 

 

「…?それってどういう…」

「え?あー…初心忘るべからず、かしらね…?」

「………えっと…」

「さ、さぁ行きましょう!そろそろ始まりますし!グラスさんにもキングの実力をとくと見せてあげますわ!おーほっほっほっほ!!」

 

 

私は此処に在り…そう示す様に高笑いを上げながらキングちゃんは悠々とゲートに入っていく。

 

…一体、どういう事なのだろう?あの言葉がただの訓示だとは思えない。

気持ちを忘れない事とは?初心忘るべからず…この不思議な気持ちが、初心?それを忘れない様にしろ、ってどういう…

 

 

「グラスワンダーさん、ゲートへ入ってください」

 

 

試験監督に急かされ、我に帰る。

そうだ。ここは試験会場。成すべきを成さずして去る事を能わず。

 

…気にはなるが、今は振り切らなくては。

そうでなければ勝てる訳も無いのだから。私が知る中で最も強きウマ娘になんて。

 

 

ゲートインも済み、前を見据える。

確かにこの狭さには慣れないが、成程。エルが目の色を変えて真面目にやる訳だ。感覚を知っておくだけで具合が全く違う。

 

チラリと横を窺うと、静謐を保つ親友の姿。

…今にして思えば5年生のオープンキャンパス、あのレースから既にゲートを恐れていなかったのではないだろうか?そうだとすればなんて精神力だ。

 

と、いけない。先ずは集中のみ。

じっ───っと、その時を待つ。

 

 

 

 

 

 

 

開いた。

 

確認と共に飛び出す。

 

行ったのはやはりキングちゃんか。左手側から前へ抜け出したのが見える。やはりゲートに強いですね…!

 

だけど前目は此処で切って下が……れないッ

逃げ策不在で、皆差し…いや、3番が少し前に行きたがってる…それでも抜かしにいかないなら先行策の様です。

 

不味い展開ですかね…キングちゃん。

半ば私達2人がいいスタートを取った所為で必然的に位置どりが前になる。そこに中団策しかいないとなればそのまま先頭を進まざるを得ない。

私は前目の先行策は得意…というより多分先行と差しが向いていると自覚しているから2〜3番手は寧ろいい位置。だがキングちゃんはちがう。

 

あの子は自分で言っていた…

逃げは苦手だっ───て?

 

 

いや、待って。ちょっと待ってキングちゃん。

ペースを落としてスローペースにするなら兎も角…どうしてペースが上がる!?

 

自分の苦手な逃げ勝負の構えですかッッ!!

 

予想外の展開は、どうやら向こうも同じ様だった。露骨に息を呑み目を見開いたのを見逃す訳も無い。まさか…キングちゃん対策をしていたのかこの子達は!そこまで読んでの奇策…ッ

 

だがこれは……寧ろ好都合だ。標的が逃げ策に切り替えた事で後ろは3人まとめて掛かり気味…いや掛かりに掛かって上がって行き、一気に後ろに付くこととなった。

 

 

───仕留められる。

 

 

不意に頭によぎる予感。

 

3コーナー入って、目の前にはペースの乱れたウマ娘3人と迫られているキングちゃん。

 

 

───まだだ。もう少し。

 

 

芽吹きかけの予感は、爆発の時を待つ。

 

3コーナーから4コーナー。

 

 

───ッ

 

 

「ここッッッ!!」

 

 

何かが噛み合った…気がした。

それに従い、力を漲らせる!

 

 

 

「むりぃ〜〜っ!」

 

 

1人。

 

 

「むりぃぃぃっ」

 

 

2人。

 

 

「むぅぅりぃぃ〜!!」

 

 

3人!抜けたッ!

 

これがレース……ただ全速で走るだけじゃない、互いを揺さぶり、駆け引きを是とした勝負の地平…!

 

行ける!!このまま直線に───

 

 

ぐ に ゃ あ 。

 

 

あの、低い、沈んだ構え、は……………ッ来る!!キングちゃんの奥義が!

 

 

轟ッッッ!!!!!

 

 

 

な…………んて、加速…!鉄の塊を落とした様な鈍い音を響かせ、爆発する様に飛び出した!然もあの日のとは比じゃないッ!ここまで完成しているなんて…!こんなのさっきの私よりもずっと───でもッ!!

 

 

「ッあああアあ!!!」

 

 

並びたい!勝ちたい!何かを掴めたこの走りで!

折角面白いと思えたんだ、そうでしょう!?

だから今、この場で!差しなさい、グラスワンダー!!

 

遠い、遠い、遠い!でも追いつけ!!走れ!走れ!

 

走れ……っ!!

 

 

走って……………っ!

 

 

 

 

走って…………………………っ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待って───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後にまた1つ、その背は遠くなる。

スポットライトを浴びた様な輝きは、何処までも飛んでいくのだろう。

 

 

一瞬振り向いた、その悲しそうな瞳を乗せて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

from:King_Halo

 

端的に言おう。

入学試験に、合格した。

 

これでトレセン学園には入学出来るし、トゥインクルシリーズにだって出走が叶うだろう。

 

ぽすり。1人で寝るにはやや大きなベッドに腰掛ける。

 

『ぬわあああああああん疲れたもおおおん』

『やっとトレセン学園入学っすよ〜長くなぁい…?』

 

 

声の主は呑気に疲れを主張している。まぁ、確かに、この声の指導が一助となったのも事実。多少の愚痴は聴き流しておこう。

 

……良い、機会だ。

パラメータ、と念じ自分の眼前に数値とアルファベットからなる指標を表示する。然し、こんな芸当が出来る様になった3年生の頃から随分成長したわね本当。

 

さて。この画面を開いている時だけはどうやら此方から話しかける事が出来るみたいだし。

 

…聴こえているかしら?

 

 

『ん?あはい聴こえてますよ〜』

 

 

通じてる様で何よりだわ。

先ずは…ありがとう。何だかんだトレセン学園に合格出来たのは、貴方のお陰よ。

 

 

『やーそうでもないっすよ。何より此処からが本番ですからね…腕の見せ所さん!?やっと来ましたよ〜』

 

 

本番……そう、本番…ね。

 

 

『何か気になる事でも?』

 

 

…私は、過去に敗れ去った多くのキングヘイロー達、その記憶を持っている。此処まではいいわね?

 

 

『ええはい、結局何なんでしょうねこれ…少なくとも初めての事例ですし』

 

 

初めて…

そういえば、確かSea The Starsや…信じられないけどルドルフ会長も育てたというけど、結局それはどういう事なの?

 

 

『え?いやだからそれは───』

 

 

……… ……。

 

 

『───って事ですよ』

 

 

まただ。

こうて声にある疑問を投げかけると、意識が揺さぶられ何も覚えていられなくなる。

然も厄介な事に、【何が何だか分からなくても、どういう事なのか納得している】様になっているのだ。おまけに、分かった事だからもう聞かなくて良い、なんて考え?予感?本能?何処かの何かが訴えかけてくる始末。

 

聞かなくてはならない、正さねばならない。

だが踏み込む程に触れる事を許してくれなくなるのだ……きっと其処にあるものこそが…………鍵に……………

 

……………

 

 

『んー、ですがそんな事に疑問を持つもんなんですかね…ま、その辺りは自分の管轄外ですわな。お嬢ー?大丈夫ですか?』

 

 

…………。

 

 

ええ。問題ないわ。そんな事(・・・・)よりも聞きたい事は山程ある訳だし。

 

それで、ええと…ああ。過去の私達だったかしら。結局記憶にあったキングヘイローは相当見た訳だけど…私が目指す欧州三冠、英国三冠、そして秋のシニア三冠…後はまあ色々あるけれど、取り敢えずこの3つ。

 

これらを達成した私達は今まで1人として居なかった。そして───1人として、その後は見れなかった。彼女達がどう引退したかとかは知らないの。どの記憶も、何か重大な敗北をした所で切られている。

 

…私も、そうなるのかしら?

貴方の言う本番、そこで失敗した場合…私はどうなるの?

 

 

『……………』

 

 

………なんとか、言ったらどうなの。

 

 

それともやっぱり…

 

 

 

 

 

 

 

『…………いや』

 

『事今回に限って一切やり直し(リセット)は許されない。漸く私達は其処まで至ったのだ』

 

『いくら挫けようが、途中でミスが起ころうが、何が何でも完走してもらうよ』

 

 

 

 

 

 

 

──────は?

誰だ、これは。

 

声音だけが同じの、この異質な…あの声よりも更に異様な存在は?

 

 

 

 

 

『G.A.V.A.の結晶、そして王の銘と歴史を冠する者よ、然らば我々を救っておくれ』

 

『何故なら君は、やっと見つけた世界の希望なのだから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま、待ちなさい!言ってる事の意味が分からないわ!

貴方は誰なの!?ガヴァって何よ!?世界の希望が私ってどう言う事!?

 

 

 

 

 

『  』

 

 

 

 

 

ねぇ!ねぇったら!

答えなさい!

貴方は誰!何処にいるの!私がこうなった理由を知っているの!?知っているんでしょう!?

 

 

 

 

 

『  』

 

 

 

 

 

 

ねぇ!教えなさいよ!

どうして私がこうなったのか…!

 

ねぇ、お願いだから…答えて……

 

 

 

お願い……

 

 

 

誰か……

 

 

 

 

 

 

 

『  』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『  』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『  』

 

 

 

 

 

 

 

*しかし だれも こなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして…」

 

 

 

 

「どうしてなの…!?」

 

 

脳裏に浮かぶのは、出逢ってきた様々な人達。

 

 

セイウンスカイ…スカイさんは、良い事はやって来ると励ましてくれた。

 

エルコンドルパサー…エルさんは、こんな私をライバルと認めてくれた。

 

グラスワンダー…グラスさんは、ターフに立つ事は心が躍る事だと言ってくれた。

 

シンボリルドルフ…ルドルフ会長には、私を認めて貰えたのか生徒会に入らないかと誘ってもらえた。

 

どんな出逢いも言葉も、堪らなく嬉しかった。それは嘘偽りのない私の想いだ。

 

 

でも、それを台無しにする様に、私は生き(走っ)てきた。

 

あの声が示す様にトレーニングをして、数多の記憶をカンニングして出来た…私だけど私じゃない走りで親友に羨望を向けさせた。

一流だと認められた、そう思うと心の底から嬉しくて、是非ともと応じようとした生徒会の勧誘には難癖をつけて断った。

 

その結果生まれたのはなんだ。

 

あの入試の日のレース…グラスさん以外の3人から向けられた目。私だけを徹底してマークしようとした人達。無論勝負ならそう言う事も1つの立派な戦法だ。それでかかってこられるのも王者として受けて立つべき、それが一流の務め。

だからこそ慣れない逃げの走りをして、多分他の子よりも…なんならグラスさんよりも優れているだろうパラメータとやらにものを言わせて勝って見せた。

 

 

…でも、あの目。絶対に負けない、なら兎も角。絶対に落としてやる。あれはそうとも見えた。

 

 

そんな風に敵を作って、味方となる人は欺いて。

そうして生きるのが……希望?あの声の、誰かの、希望なの?

 

……分からない。

 

 

何をすれば正しいのか。

声が正しいのか。皆が正しいのか。

 

 

ねぇ、誰か言って。

私が正しいんだって。間違ってなんかないって。

 

 

目頭に、熱。

 

 

「うぅ…………ひぐっ……」

 

 

枕が、濡れた。

 

 

 

 

 

 

 

『……おっ、直った直った。何だったんでしょう今の乱れ』

 

 

 

 

ふと、声がして。

 

聞いてみる事にした。

 

 

ねぇ。

 

 

『ん?あはいどうしましたお嬢?』

 

 

私が、歩みを止めそうになったら…どうする?

何も成せずに終わってしまいそうなら、どうすればいい?

 

 

『え、何それは……』

 

 

いいから、答えて。

 

 

『えぇ…これが気性難なのぉ…?んにゃっぴ…』

 

『…ただやるべき事をやる。ただ進み続ける。走者として道を決めたなら…多少ガバっても全力でどうにかする』

 

『“予定通りの道(チャート)”に無い道を進む事になっても、目指した先へ行くしかない…ってのはどーです?』

 

 

………。

 

 

「そうね。それしか…ないわね」

『お嬢?』

「ありがとう。少しだけ、気が晴れたわ」

『あっ、はい』

 

 

そうだ。いずれにしても、やるしかない。

あの記憶を捻じ伏せた時に決めた筈だろう。勝ってみせる、やってやると。

 

走り続ければ答えは見える筈だ。

これから始まるトレセン学園での生活、そしてトゥインクルシリーズで。

 

 

「成し遂げる。そして───」

 

 

「絶対、問いただすんだから」

 

 

待っていろ、何処かの誰か。

私は栄光を手にして見せる。その時に貴方を引っ張り出してやる。

 

 

 

───始まりの日は、あと少し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んー、然し…何なんですかねこのバグ?これはまるで人間の様な…?上は何も言わないしこれもうわかんねぇな…』

 





特殊タグ いっぱい使うと 楽しいね

だけども仔細は ぜんぜんわからん!

《by ウマ物書き界から追放されそうな人》


出走表書いたくせに枠番無いとかマジ?
レースやってるのに実況無いとかマジ?
辞めたらこのウマ物書き!?ほんまラボアジェ…(解読不能)

というかこの4人めっちゃ動かしやすいですね。
気安いウンス、元気なエル、お淑やかなグラス、高貴なお嬢、未来には王道可愛いスペちゃん。
そしてマンソン!いつもの6人だ!!
このバランスを計算していた運営サスガダァ…///




















だがこんなものは全て、何処までいっても閑話(むだばなし)だ。
何故ならこれはゲームであって、意志を持つ者達の箱庭ではないのだから。



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#06 なんてゐやらしい幕引きなのだ


このSSもどきは皆様の閲覧、応援、お気に入り、評価、感想等により有難い事に総数10話を達成出来るまでに続けられております。心より感謝申し上げます。と言うわけで感謝を込めて公約通りさっさと失踪します。させて♡(懇願)おいさせろ(豹変)

因みにどんぐらい支えられてるかと言えば感想で「ここ気になる〜><;」って言われると本来の予定ねじ曲げてぶち込む程にです。その例が前話。面接についてやお母さまとの対話予定が謎の存在に変わっ、ちゃ…たぁ!
1から練り直しだよ畜生って思ったけど元々ノープランだからダメージないわ。序でに財布もないわ。やったぜ。



 

やっと…小学生が終わるんやなって…な続き、はーじまーるよー。

 

ええ皆さんお待たせしました。漸く長かった…いや本当に心労がキツかった幼年期編が終わります。ぬわあああああああああああああん疲れたもおおおおおおおおおおおおおおおん!!やっとトレセン学園入学っすよ〜長くなぁい…?

もー此処までは上がやたら食いつくし大変でしたよ…これ自分悪くないよね?みたいなのが出るわ出るわで…ま、引き続き走っていきますよーイクイク

 

で前回は入試レースで1着になりまして、特に失敗もなかったわけなんで入学はこれで確定です。やったぜ。まあ別にテストも面接も問題無かったから大差負けでもなければ受かったんですけどね。

後は幼年期編のエピローグが流れるので、今後の展望について、お話しします。

 

…が、その前に現在のパラメータやスキル等を今一度確認しておきましょう。この後少し成長する可能性はありますがね。はいドーン。

 

 

◯適正

バ場適正:芝A(野:A 洋:B) ダG

距離適正:短A マA 中A 長A

脚質適正:逃G 先B 差A 追D

 

◯パラメータ

スピード:A+

スタミナ:A

パワー :B+

根性 :C

賢さ :B+

 

◯スキル

Pride of KING:Lv.1

#ウマ細胞#トップギア!

 

◯コンディション

世話焼き上手

英才

切れ者

努力家

 

◯絆

エルコンドルパサー:Lv.5/5

グラスワンダー  :Lv.5/5

セイウンスカイ  :Lv.4/5

 

 

絆が太過ぎるっピ!

というのも、ええ。休日はほぼ引っ付いてましたねこの三人衆。休日返上放課後返上でトレーニングしてるお嬢に付いて来るとかマジ?意識が高過ぎるだろ…まあNPCは幼年期編にいくらトレーニングしても意味ないんですけどね。

 

それ以外は特に…ありますあります。

先ずは自分の走者力によってなんとかスピードとスタミナに補正がかかる様になりました。すごいね!えらいね!(ふわふわことば)

 

後はコンディションですか。うーん…ちゃんと見る様になった3年秋から先は、新規コンディション手に入りませんでしたね。まぁこれは基本運ではあるものの、怪我とかしてないし《練習上手◯》くらいは取れるかな?って思ってたんですが…下振れてんじゃねーよステハゲがよ(ちくちくことば)

 

スキル、も…うん。《切れ者》のお陰で早期に固有を取れ、然もポイント自体も結構な余裕が持てている点が大きい。トレーナーがつけばイベントをヒントに変換してくれるので、此処からは汎用をガシガシ取っていきたいですね。《英才》のお陰で成功判定も上がるんでお゛゛い゛゛し゛゛い゛゛ぞ゛゛!゛゛

 

あっ、そうだ。その点に関して1つ。

本家でいうサポートカードに相当する物が無い為、欲しい金スキルのヒントは学内で特定のウマ娘と絡む事で手に入れます。大体絆がLv.4くらいですかね、そんくらいを目処に。この仕様だからこそ《愛嬌◯》の評価がバカ高いんですよこのゲーム。絆自体は何人とでも上げられますし。

 

つまりはまぁ、マエストロが欲しいなら1人しかいないよなぁ?はい、学校入ったらいつもの西松◯に駆け込みます。皆通る道(どうせみんなバブになる)。ほらやっぱりママじゃないか!

なんなら《コーナー回復◯》を始めとした少数精鋭な汎用スキル群くれますしねあの人。強くないわけがない。ママ is GOD. GO is GOD, too. 回復スキルのヒントはくれるのに自前で覚えないのはお嬢どうして…

 

まあ数値的な話は此処まで。次はジュニア期のローテーションについて話しますか。取り敢えず競馬ゲー特有のガバガバローテ構築により、ジュニア期はこの様に進行していきます。

 

 

6/2 メイクデビュー 東京 芝1800左 デビュー

7/3 函館ジュニアS 函館 芝1200右 GⅢ

9/1 札幌ジュニアS 札幌 芝1800右 GⅢ

10/1 芙蓉ステークス 中山 芝2000右 OP

12/3 朝日杯FS 阪神 芝1600右外 GⅠ

 

 

はい。6月第2週にメイクデビュー。洋芝慣らしと賞金稼ぎのための函館と札幌レース場遠征。でさっさと海外出る為にGⅠ獲ります。

ホープフルS(中距離GⅠ)朝日杯FS(マイルGⅠ)は選択ですが、これらは英国三冠で達成できるため、ここはクラシック期だけ消え、シニア期も乾坤一擲で出場レース数が少なくなるグラスワンダーが確実に出てくる朝日杯FSを選択します。

使い過ぎィ!な気もしますが、メイクデビューから直接GⅠ目指すと除外くらう確率デカいからね、仕方ないね(レ)

 

そしてレースで1着を獲り続けると獲得できるスキル《連勝街道》、後々《GⅠ得意》に繋がる《重賞上手》。序でに賢さも高いなら《平常心》も取って行きたい。効果はそれぞれ、連勝数に応じてスピード上昇・重賞出走時パワー上昇・被デバフ効果半減です。これらのスキルはレース出走時に条件を満たす必要がある為、この出走数も1つの布石なんです。

だから、レースに多く使う必要が、あったんですね(親の構文)

 

そして体力が少ない状態…少なくとも体力が半分を切った段階でトレーニング成功またはレース出走を重ねる事で今度はコンディション《鉄の身体》、その上位の《頑健》が貰えます。故障確率と体力消費の軽減/半減は非常に欲張り。特に後者。お休みに使う回数が少ないと嬉しいってのは某シャニで学んだ通りですねクォレハ…

 

これらのスキルやコンディション獲得を祈りつつ、当然全勝を目指します。勝率9割の為にはジュニア期で黒星なんて出す訳には行きません。

 

結果的にジュニア期は細かにレースを使いながらママとの友情☆パパワー(マエストロ)を準備。後はスキルポイントが多く取れるかどうか。

トレーニングはスピード、スタミナ、パワーの順に優先。クラシック期の継承で洋芝適正が上がらずB止まりだとしても大丈夫な様にパワーを上げたい所さん!?ですが、スピードとパワーに補正がある以上スピード特訓しとけばなんとかなります。てかします。はい。

 

 

“…聴こえているかしら?”

 

 

ん?あはい聴こえてますよ〜

珍しいっすね、お嬢から話しかけてくるのは。

 

…んあ?解析回せって?あっはい。

あーちょっと待ってどれだどれだ…あぁこれこれ。ポチーっと。

 

 

“通じてる様で何よりだわ”

“先ずは…ありがとう。何だかんだトレセン学園に合格出来たのは、貴方のお陰よ”

 

 

やーそうでもないっすよ。

何より此処からが本番ですからね…腕の見せ所さん!?やっと来ましたよ〜

 

 

“本番……そう、本番…ね”

 

 

ええそうです。幼年期編なんて前座っすよガバガバだったけど。何か気になる事でも?

 

 

“…私は、過去に敗れ去った多くのキングヘイロー達、その記憶を持っている。此処まではいいわね?”

 

 

ええはい、結局何なんでしょうねこれ…少なくとも初めての事例ですし。

継承にしてはシースタとカイチョウ!?のデータだけではない。自分の試走のそれもあるんですかね?うーん…

 

 

 

“初めて…”

“そういえば、確かSea The Starsや…信じられないけどルドルフ会長も育てたというけど、結局それはどういう事なの?”

 

 

え?いやだからそれはそうでしょうよ。自分が何回育成やってると思ってるんですか…

お嬢だけじゃなくてカイチョウ!?もシースタも因子周回で回しまくってるんですー。お嬢用に差しとか全距離とか洋芝とか出るまで回しまくってるんですー。

その中で出来た最高傑作を継承用として使ってるって事ですよ。OK?OK!(ズドン)

 

んー、ですがそんな事に疑問を持つもんなんですかね…ま、その辺りは自分の管轄外ですわな。

 

あっ、まーた変な目してる…これ聞くたびにこんな顔してて笑っちゃうんすよね。BB素材にしたろ!今BB劇場に突うずるっこんでやるからな〜?

……画像保存、ヨシ!もしもーし?お嬢ー?大丈夫ですか?

 

 

“ええ。問題ないわ。そんな事よりも聞きたい事は山程ある訳だし”

 

 

そう…そんな事で済ます割に結構これ聴いてますけどね貴女。ままエアロ、今回は許したる。

 

 

“それで、ええと…ああ。過去の私達だったかしら”

“結局記憶にあったキングヘイローは相当見た訳だけど…私が目指す欧州三冠、英国三冠、そして秋のシニア三冠…後はまあ色々あるけれど、取り敢えずこの3つ”

 

 

厳密にはトロフィー条件は盛り沢山なんですけどね。まあそれは走ってればふたいたいは関係ないか。

 

 

“これらを達成した私達は今まで1人として居なかった。そして───1人として、その後は見れなかった”

 

“彼女達がどう引退したかとかは知らないの。どの記憶も、何か重大な敗北をした所で切られている”

 

 

え?そりゃそうよ。失敗した世界線を何時迄も続ける必要ないじゃないですか。即リセットしてるんですが………ああ成程。それが記憶って事みたいですね。

 

 

“…私も、そうなるのかしら?”

 

“貴方の言う本番、そこで失敗した場合…私はどうなるの?”

 

 

勿論即リセットですよ。当たり前だよn───ん?あれ?なんか様子がヘンです…

 

処理落ちした?もしもーし…もしもし?もしもーし!すいません!すいませんちょっとやめてもらっていいですか!いやセーブはしてあるけど!

…は?fps測定不能ってなに?どゆこと?待って待って待って…!あたす知らない!

復帰して♡(脅迫)しろ(迫真)してくださいなんでもしますから!(懇願)

 

うわ砂嵐も出てきたんだけど!?ホラー演出とかねー無理無理!自分アレだぞ!アンテのドゥーンってSEですらめっちゃチビる程のクソ雑魚ハートだぞ!?やめてください!

 

お願い直って!直ってくれたらファル子のファンになるから!オナシャス!センセンシャ─── おっ、直った直った。何だったんでしょう今の乱れ。ペッペッ。つか自分既にファル子のファンだったから関係ねーわ。

 

 

“ねぇ”

 

 

ん?あはいどうしましたお嬢?蹲っちゃうなんてオカラダノホウ‪ハ…?

 

 

“私が、歩みを止めそうになったら…どうする?”

“何も成せずに終わってしまいそうなら、どうすればいい?”

 

 

え、何それは……

 

 

“いいから、答えて”

 

 

えぇ…これが気性難なのぉ…?なんか頭進撃(おか)されてるよぉ…

んにゃっぴ…よく分かりませんがなら彼の言葉を借りますか。それと自分の言葉も悪魔融合して…

 

…ただやるべき事をやる。ただ進み続ける。走者として道を決めたなら…多少ガバっても全力でどうにかする。

予定通りの道(チャート)”に無い道を進む事になっても、目指した先へ行くしかない。

 

…ってのはどーです?割とこれクリーンヒットでは?

 

 

「…………そうね。それしか…ないわね」

 

 

お嬢?

 

 

「ありがとう。少しだけ、気が晴れたわ」

 

 

あっ、はい。なによりっす。

 

んー、然し…何なんですかねこのバグ?こんな風にグズグズと悩む事が出来るデータなんて。

これはまるで人間の様な…?ああそれともシンギュラなんちゃらとかレプリロイドの祖みたいなアレなんすかね。イ゛レ゛ギ゛ュ゛ラ゛ー゛め゛ぇ゛!゛

何れにせよ上は修正無しで放置しとけで何も言わないしこれもうわかんねぇな…

 

 

“さぁ。クヨクヨなんてもうお終いよ。それよりも今はこれを考えないとね…新入生代表スピーチ”

“代表…主席……ふふっ、ふふふっ!実にいい響きね!当然、このキングに相応しい大役だわ!」

 

 

あっ、クヨクヨしてる自覚はあったんすね^^^^^^

 

 

「うっ、うううるさいわよ!!誰が延々と悩み続けるものですか!私はキング。一流のウマ娘は何時もこうやって笑って或るのよ!おーっほっほっほっほっほっほっ!!!」

 

 

おっ、出ましたお嬢の高笑い。高音イッパイキモチーノ…

 

 

 

バタンッ

 

 

 

 

あっ。

 

「あっ……………」

 

「…あまり、大きな声を出さない事ね」

 

 

 

 

 

…はい。久々に帰ってきてたお母さまに捕まった所で、今回は此処まで。

次回はジュニア期入りたいね…それでは宜しくお願いしまs

 

 

◯ステータス上昇!

スピード:A+→S

根性 :C→C+

賢さ :B+→A

 

 

やったぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

「いよいよ…キングの道が始まるわ!」

 

 

 

 

遂に幕が上がるトレセン学園での日々。

 

 

 

 

「エ!?模擬レースし放題!?勝負デスキング!!」

 

「はいはい邪魔をしてはダメですよ〜?」

 

「にゃはは!じゃあ私はここでお昼寝〜」

 

「薄目開けて観察してるのをお昼寝とは言わないのだけれど??」

 

 

 

 

日常は鮮やかに輝き、その心を彩っていく。

 

 

 

 

「はい、バタースコッチシナモンパイが焼けましたよ〜」

 

「会長の太鼓判らしいな……私と走ってもらうぞ」

 

「私、キングさんのファン第1号として名乗りを上げますわ!」

 

「ぶぁっふぇあ!?ゔぇぇーん!またぶつけたぁー!」

 

「キングちゃんって、すっごい速いんだねー!」

 

「メジロ饅頭ーメジロ饅頭はいらんかねー」

 

「なんですの!?なんなんですの!?!?」

 

 

 

 

少女の心。その器を埋めるのは、誰だ。

 

 

 

 

「キングがいっぱい張り切ング…いや、キングと一緒にハイキング……単純な分詞形では遊びがないか…?」

 

「止めておきなさい。貴女では…貴女でも、無理よ」

 

「キングヘイロー。私は…桐生院葵は、貴方をスカウトします」

 

「初めまして!スペシャルウィークです!」

 

 

 

 

放たれた星々、(ふるい)の名は選抜レース、そして───

 

 

 

 

「キング!」

 

 

「私は……私が!貴女の夢になる!!」

 

 

「阪口和葉は!!ぜっったいに!もう折れないッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

次章、ジュニア期。

STARTING_GATE(出走の日)は、君を待たない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所詮はトリガーもリザルトも既知であ(知ってい)るイベントだ。

 

 

 

 

 

そんなものはどうせ読み飛ばし、微少量の糧となるだけ。

 

 

 

 

 

其は未知潰えし道。踏み均し積み上げた数は那由多より先を知らず。

 

 

 

 

 

 

ならば今更、何が変わるという?

 

 

 

 

 

 

 

 

敢えて、問うが。

 

 

 

 

 

 

 

 

お前達もそうだろう?正しき民よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





こんな風に書いてんなら流石に構成決まってるだろって?本当にそう思うの???マジ?まだ骨の一本程も決まってないんですけど?????
にしてもおかしいな…こんな裏話をガン堀りするつもりはなかったんだけどな…(ほんへ6話に対して閑話4話)

多分次回からようやっと、やっっっとジュニア期突入なのでメンタルリセットの為にアプトレ×お嬢のはちみー級糖度を持つ怪文書書きたいけどぼく文才ないから誰かやっといて。
それかウマ娘×biim兄貴リスペクトorRTAモノ書いて役目でしょ。単発モノでも僕はそれで満足するんだ。お願いだ…ねね、いいだろう?(☆くぅん)


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中高生編───ジュニア期
#07 今日も良い出逢い☆


クラバトレポートテスト前!これ執筆ムリ!産めない!そもそもこんなのが続いてる上に面白いって感想や評価が寄せられるのが可笑しいじゃないかー!
本当にありがとう!毎回のモチベだよ!テスト前日だけど生存報告のつもりでPON☆とだしたぜ。

間隔空けたらイレギュラー。だから4000字行かなくても投げる。その心を大事にしたいね。だって手動かせば進みますし。なお収拾。

誤字報告有りましたので該当話を修正致しました。
涼介三等兵 様 有難う御座いました!




 

とあるトレーナー室。

お気に入りのキャンディーを忌々しげに噛み砕く男の胸中には、ただやるせなさが広がる。

 

先程訪れていた1人の女性、自分の後輩にあたるトレーナーが、次のウマ娘の担当をもって退く事を報された。

 

彼女は本当に良いトレーナーだった…いや、良いトレーナーだ。ウマ娘1人1人と向き合い、寄り添い、力を合わせた正に人バ一体を旨とした方針は、男自身の掲げるウマ娘の自主性を尊重したものと噛み合っている。

こうした考えのトレーナーが数を減らした現状、彼女の様な存在は実に貴重な…いやこれも違うか。単純に後輩で、同僚だからこそ、応援している。これに尽きるのが人の心というものだろう。

 

 

だからこそ───彼女の結果が奮わずに、結果消えていこうとしていくのが、我慢ならないのだ。

 

 

徹底した管理を謳うトレーナー…それこそチームリギルが大躍進を続ける潮流において、男の様な自由主義のチームや女の様なマンツーマンのトレーナーは嫌われる傾向にあった。

 

それでも彼女の人当たりの良さがなんとか繋いでいたが…直前2人のウマ娘で勝ち星を上げられなかった事で、折れてしまったのだ。

彼女の腕を考えれば重賞勝利とて不可能では無いのだろうが…本当に、運命の巡り合わせというのだろうか。つくづく非業である。

 

勝負の世界で折れてしまうのは、ウマ娘という少女だけではない。戦果が直接自身にも繋がるトレーナーもまた、闘う1人なのであって。

 

そう考えれば男は幸福だ。

今は開店休業の様なものだが、チームを持てるまでにウマ娘の育成に成功し名を挙げている。

乙女の一等星(スピカ)を冠したこのチームで、夢を掴んで欲しい。険しくともその願いに向かって足を進めているだけマシなのだ。

 

光が陰を生む様に、幸福の裏に悲哀在り。それが俺と彼女なのか?

すっかり萎びた後輩をなんとか後1人後1人と引き留め遂に、今年見つかればその娘だけはと言ってくれた彼女は、やはり自分宜しくウマ娘が大好きなのだろう。

 

…なんとか、報われて欲しい。救ってやって欲しい。

 

 

かぶりを、振る。

 

 

温くなった茶を呷り、パソコンに目を移す。

いよいよ始まる今年はただでさえ激戦模様。特に気になったウマ娘はしっかりとマークしておかなければならない。

 

そして次代も然り。選抜レースの情報整理、非公式の草レース等の噂…それらを舐め回す様に漁るのもトレーナーの務めだ。今は、トゥインクルシリーズに出てるウマ娘を担当してないが、それはそれとして。

 

男の…夢を後押しする者(トレーナー)の仕事は、尽きる事は無いのだ。

 

今日もまた、ブルーライトが目を焼く夜になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一年生〜になっ、たぁ、らぁ〜♪ 一年生〜になっ、たぁ、らぁ〜♪ひで◯ねやっぱSHINE(輝け)でもやっぱひではひで

な続き、はーじまーるよー。

 

 

前回は…漸く小学校を卒業し、エピローグボーナスの全体上昇によってスピードがSに乗っかってくれましたね!これも計算のうちよ…

賢さはスタミナと同じAになりましたが、ここでの上昇は全部同じ量であるため、これによってスタミナ>賢さである事が確定します。従って補正はスピードとスタミナに入る事が決定です。やったぜ。ある分には困らない根性もまぁ助かります。

 

そんな訳でサクサク進みましょうね〜。

いよいよトレセン学園入学、同期には当然の様にエルグラスカイの3人がいます。いなかったらどうすんだよって話ですがね。

 

スペちゃんは…今のところいませんか。スペちゃんは遅くともクラシック期の1月迄にはやって来ますが、それまではランダムスポーンです。早めにいるとライバル補正がキツくなりますが絆が美味しいですね。

 

そう。《全身全霊(オールボディーオールゴースト)》や《食いしん坊(あ゛げ゛ま゛せ゛ん゛!゛!゛)》が、スペちゃん自身のイベントの多さによる高速絆上げによって早期に手に入ります。先行育成なら誰しもお世話になりますねホント。あ゛げ゛ま゛せ゛ん゛!゛!゛の確率もかなり低く設定されてますし。ま、いないならいないですよ。クリークママに全力でバブりましょう。

 

はい、入学式が終わって此処からはパラメータ圧縮後に選抜レース・トレーナー探し、そしてメイクデビューまでの2ヶ月です。さてさて。

 

 

◯パラメータ変化!

スピード:S →E

スタミナ:A→F+

パワー :B+ →F

根性 :C+ →G+

賢さ :A →A

 

 

 

………………………ん?

 

ん?んん??賢さA???

 

…………………………………………………なんで?

 

なんでそこだけパラメータ圧縮されてないの???

 

はぁぁぁぁぁぁぁぁん???????

 

このゲームいよいよフラグ管理イカれてんのかオォン!!ざっけんなよ!?おいwikiァ!なんとかしろ!!

 

 

………………

 

 

 

あっ、これかぁ!114514マイクロ秒検索にかかりましたが見つけましたよ!悪さしてたのは《英才》でした!

有志の解析結果、幼年期にこのコンディションを取得している場合、パラメータ圧縮時に賢さがそのランクの最低値で引き継がれるそうです。幼年期にB+とそれなりであったなら、それなり分が消されてB+の最低値で圧縮がなされる…って事ですかね。

 

今まで《英才》の発見例が中高生期にしかなかったからこれは大発見なのでは?つか怖い…以前にヤバくない?これのスピード版スタミナ版があったらこのゲーム終わっちゃうんですが…お前ドラグーン(超魔導竜騎士)か何か?

 

いやでも賢さなら許される…訳ないわこれ。ただでさえ自身の効果で判定強化貰ってるのに、幼年期なんて教養の為に嫌でも賢さ上げるんだからそれ引っ張ってくるとか頭おかしいわ。流石に仕様じゃなくてバグだと思う事にするよ…

コンディションだからレース自体に絡まないのは良いのかな……いや逆にそれ以外が…

あれ?もしかして《世話焼き上手》と合わせてイベントの成功率100超えない?これ全部確定あ゛げ゛ま゛す゛!゛じゃない?

 

 

……………よし!検証丸投げしよう!これはトロフィー実況だしな!RTAでもおふざけでもないし!

これは思わぬ拾い物です!それでいいんです上振れなんて嘘ですいっぱい上振れて♡(脅迫)

 

では進んでいきましょう。

前回示した通りのスケジュールとなるには、目下5月の選抜レースを目指します。使い詰め?良いじゃねえかお前これゲームだぞ。体力0で失敗しても大怪我しない原作さんが強いんだ。まあこのゲームだと普通に死ぬから大事に生きようね!

…何か大事の様に見えますがそもそも選抜レースは特殊なので体力とか調子とか一切考慮されません。あくまでそれらはデビュー決まってからですね。だから雑で良いのよこんなん。問題はトレーナーですよ。

 

 

お嬢ェ!!お前のレースの前のトレーニングしてトレーニング!!!あと西◯屋に行って来て絆持てきて絆ェ!

 

なに?同室のウララちゃんに遊びに誘われてる?

うーん、まあ1回ならいいですよ。それか併走…いやそうですね。遊びついでにこのウララがライバル格か確認しますか。どっかで走ってみてください。

 

…ふーん。今回はバグウララさんじゃないみたいですね。史実ウララルートです。これも偶にフルブーストするんですがそうなると全適性クソデカの厄介ライバルなんでその世界じゃないのは助かります。

 

そんなこんなの選抜レースですが此処で負ける事はないのでスキップしまーす。当然1着。うん、ありがとう。

 

さーてさて。トレーナー探しの時間よー。

選抜レースとはトレーナーがウマ娘を見初める為の実験場。このレースや後は入学後の行動で各方面からお声が掛かります。

 

今回は結構幼年期に頑張ったのもあって初期パラメータも悪くなく、入学してからもトレーニングしたり他のウマ娘と話したりもしたので何の問題もないね(レ)後、新入生総代で入学出来てるのもあるので評価は高いですよ。引く手数多で選択肢が多いのはいいねぇ!

 

候補は…やっぱりな♂沢山ありますねぇ!

さぁ絞り込みです。先ずはチーム制かマンツーマンか。勿論マンツーマン形式で。

次、方針。自由な所を。

次、出走方針。積極的に。

 

此処からはエッセンス程度ですがまあ沿ったものを。

次、海外経験。当然ある人で。

次、距離。ここは中〜長距離ですかね。

次、得意期間。クラシック期。

次、得意レース場。これは国内なので秋シニアを見据えて東京、次点で中山ですね。

次…

 

…おっ、中々のがあるじゃないですか。

 

 

◯ 阪口和葉

指導:個別 方針:自由 出走ローテ:積極的

得意距離:長距離 得意レース場:中山、京都

得意脚質:先行、差し 得意期間:シニア

《海外留学経験有り》《レース希望歓迎》

 

 

悪くないですね。京都の活かし方が分かんないのとシニア期なのがアレですけど…まあシニア期はライバル対決するから活きてきますし、何よりキングヘイローを“サカグチ”さんが見るってなんか芸術的…芸術的じゃない?

あと自分はノンケなのでおにゃのこの絡みが増えると嬉しいです。その為の女トレーナーですよええ。デビルマンはどう思う?

 

じゃけんこのトレーナーにコンタクト取りましょうね^〜

 

交渉…ヨシ!トレーナーが付いたのでトゥインクルシリーズへイクイクイクイクイク!いくよお!イク!

 

さぁメイクデビューの開幕ですよー!

 

 

 

 

 

 

 





◯蛇足

ちょいと感想欄でも言われてたので想定(さっき決めた事)を。

お嬢と走者は会話っぽいのは出来ますが、全部が全部伝わってる訳ではありません。特に走者が言った言葉とか。意識が揺さぶられたりやわらかスマホされたりしてお嬢が聴こえてない言葉もある。というかほぼ。地の文、心情、ゲームとしての情報。これらは分かりにくくごちゃ混ぜになってる。これが何処までも致命的。

だから走者(≠謎の存在)が地の文で述べてる様な、負けたらリセットとかグラスちゃんがクラシック消えちゃうとかはお嬢には一切聴こえてない。#06と閑話04を比較するとお嬢に伝わってる走者の言葉が意図的に削られてるのがわかるだろう?(駄レーション)(クソダイマ)
グラスちゃん関連に至っては記憶をよーく見れば皐月ダービー菊花に出てない事やそもそもレースの記憶だけで無く当時の日常生活まで視点を広げて見れば怪我云々はわかる。ガバだね。あーあ。しらなーい。明かされた時がたのしみー!

この年代の史実では持込馬はクラシック出れなかっただろ論?アニメ一期でエルちゃんがダービー出てた時点で知りません。。。つかおうまさんに怪我はつきものだから本当に…


ま、誰も怪我で一時退場確定なんて言ってないんですけど。



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#08 きっと、今日はメイクデビューの日なんだよ!


わたし、キングヘイロー!

ちょっぴりツンなウマ娘!


毎日とっても楽しいんだけど、ちょっぴりシゲキ不足かしら?


なぁんて思っていたら!トレセン学園でゴルゴルしいスカウトにあっちゃった!

え〜っ!?わたしがトゥインクルシリーズデビュー!?


新番組!

「ウマウマどり〜む・あいどるんバきんぐ」

8月16日(水)

7時14分22秒発走っ!


観ればあなたも〜?

すーっ、ぱーっ、うまむすっ☆






























……………なんだ、これは。













 

響けファンファーレ。届け遠くまで。

輝く未来をお前と見たかったんだよ!な続き、はーじまーるよー。

 

ねんがんの トレーナーをてにいれたぞ!

というわけでこれにて無事トゥインクルシリーズに出走できます。選抜レースでトレーナーに見初められてデビューが決まったらその時点でウマ娘界の上澄みなんだ。

(知らなかったのか?)

 

まあプレイアブルウマ娘なんて全員厨POKEみたいなもんですし。(いやインペリアルタリスちゃんとかは例外なんですが。)じゃけん最優秀ジュニアウマ娘目指す勢いでいきましょうね^〜

…って、うん?交信すか?はいもしもし、SSKさんですか?どもこんちゃーす…はい、はい………え?あ、そういう流れにするんです?……あぁ成程。過半数決議ですか。

…約6割?魔神?魔神ペガサスアーク?はぇ^〜すっごい…はァい、じゃそゆことで。はい、はい失礼シャス〜はぁい。

 

すみません、ちょいと上から指示がありました。

なんでもお嬢との対話を積極的に試みろ、との事ですが…どうしたんでしょうか?…んー、まぁ自分自身この異常性に興味が無い事もないんで吝かではないですがね、それならそれで。

 

じゃあ呼んでみますか。せーの、

シンダライオンみ(1着とスタ)たいな目をしてる(ーが取得)トレーナーとのお(できれば)話を終えた現場の(問題ない)お嬢〜!ごきげんよう!

 

 

“………ご機嫌よう。なにかしら?”

 

 

ハァイ、女児ィ…初めて出走する公式レース前の気分はどうです?

 

 

“…そうね、悪い気分ではないわ。ただ確実に言えるのは…やっと。やっと、始まるのか。って事ね”

 

 

ほう?

といいますと?

 

 

“なんていうのかしらね。小学校が始まってから今日まで、トゥインクル・シリーズで走る私の…様々な私の記憶を見た、というより焼き付けられたというか…まぁそういう訳じゃない?”

“それは何処まで行ってもトゥインクル・シリーズの記憶で、なんなら私は今日からの記憶の方が覚えがあるのよ。全く異常な事にね…”

“それでも、私自身が初めて此処に立つ事には変わりはないのだけれど。感慨深いと言えば嘘にもならないのが現状かしら”

 

 

既視感、って奴ですかね。

……ん?それってもしかして、小学校から始まる記憶と中学校から始まる記憶の総量は差異があったりします?

 

 

“え?どういう事?”

 

 

んー、そうっすね。今なんか適当に記憶って参照出来ます?

 

 

“???適当ってそんな…”

“………ええと…じゃあイギリスダービー勝ってキングジョージ負けで終わってるこれ、これで良いのかしら?”

 

 

…やっぱ即時に引っ張って参照出来るみたいですね。成程。

じゃあその記憶って何処から始まってるかわかります?初めの方まで遡ってみて下さい。

 

 

“………………………”

“…トレセン学園の入学式から前の記憶が、無い?”

 

 

因みに他の記憶はどうです?

 

 

“…これはある。これもある、これも。これも。これもあって、あって、あって、これは…ない?どうして?”

“小学校から始まる記憶とトレセン学園から始まる記憶が両方ある……?”

 

 

………ふーん、やはりですか。自分の試走がそのまま記憶として反映されてる様ですね。検証用に走った中高生期から始まってるのがちょいちょいあるのがそうなんでしょう。

あ、もういいっすよ。パドックのお時間ですしレースに注力しましょ。

 

 

“…………………………………”

 

 

もしもーし?お嬢ー?レースですよー?

 

 

“………そうね。そんな事今考えても仕方ない、か。”

 

 

そうだよ(肯定)

じゃあそういう事で行ってきてくださいな。あっ、そうだ(唐突)言い忘れてましたがメイクデビューはスキル無しでも問題なく行けるので取得無し。脚質も初期設定の差しで問題ありません。じゃあスキッp…

 

って危ねぇ!?

上からレースもちゃんと見ろって言われてたんだったあっぶねぇ…いつもの癖でスキップする所さん!?でしたよ。撮れ高って大事だし多少はね?まあ自分レース実況なんてできない訳ですが…ボサッと茶々いれるくらいはしておきますか。

 

ほんで出走表はこんな感じです。

 

 

 

 

4R

ジュニア級メイクデビュー 

東京 芝一八〇〇 左 晴・良

 

❶①リードエスエフ   〇ーー

❷②マイトリート    ーーー

❸③レベレント     ー△▲

❹④ラピッドビルダー  ▲ーー

❺⑤タウンハングアウト ー〇ー

❻⑥キングヘイロー   ◎◎◎

❼⑦ブリッジコンプ   △ー〇

❽⑧アイスホッパー   ーーー

❽⑨ジュエルアズライト ー▲△

 

 

…ん?お嬢の隣にいるのは…ブリッジコンプちゃん!?ブリッジコンプちゃんじゃないか!

芝BダG、短FマD中C長D、逃D先C差B追Cとかいう悲しみの適性とクソデカビジュアル力から諸兄に愛されるブリッジコンプちゃんがいるじゃないか!

懐かしいなぁ…魔改造ブリッジコンプでドバイシーマ、QEⅡC、宝塚から凱旋門、BC、JC、香港カップやる全て度外視のクソボケローテやったわ…いやBCは流石にターフですよ?

 

そういえば初回に提示したハルウララトロフィーやった兄貴はクラシックの方のBCとペガサスワールドCにサウジCやるダート型ビルドの動画上げてましたね…

自前縛りの継承6人中5人にダート因子3、後1人も中距離3、当然青因子も全員3を付ける限界じみたガチャからの放送のアーカイブでしたが、アレを狂人って言うんでしょうね…今度RTAすっかとか言ってましたし頭おかしい…

 

おっと話がそれました。どんなに可愛くてもNPCはNPCですしモブはモブです。遠慮なく粉砕してもらいましょう。

 

 

 

各バゲートイン完了。

 

スタートしました。各バ揃ったスタートです。

さぁ何が行きますか。3番レベレントが先頭を伺います。8番アイスホッパー、9番ジュエルアズライトが続いています。

 

先ずはレベレントハナを奪いました。戦闘争いに加わる様にジュエルアズライト。アイスホッパー。その内から1番リードエスエフ。4番ラピッドビルダー続いています。

1番人気6番キングヘイローはここにいた。現在6番手、中団からのレースとなっています。その隣に5番タウンハングアウト。更には7番ブリッジコンプ。最後方2番マイトリートとなっています。

 

各バ一団となって進んでおります。ほぼ平均ペースといった所でしょうか。展開に影響はなさそうです。もう一度先頭から見てみましょう。依然として先頭は3番レベレント。8番アイスホッパーが続いています。4番ラピッドビルダー掛かり気味に上がっています。外に9番ジュエルアズライト。

さぁ先行集団に6番キングヘイローここまで上がっているぞ。やや早仕掛けにも見えますがどうでしょうか。少し開いて1番リードエスエフ追走。

 

この辺りで各バ3コーナーから4コーナーに入ります。ペースも上がって3番レベレントいっぱいになったか。6番キングヘイローが先頭を狙っています。しかし先頭はまだ8番アイスホッパー、ですが此処でキングヘイロー先頭に躍り出ます!

 

さぁ直線に入って、キングヘイロー差を広げにかかります!完全に抜け出しました!既にその差は2バ身から3バ身、まだ開くか!?持ったままゴール!2着には7番ブリッジコンプ、以下9番ジュエルアズライト、1番リードエスエフが入線。

キングヘイロー圧勝!4と半バ身をつけての1着です!これは次走が楽しみになりました!

 

 

 

はい。知ってた。

まあメイクデビューなんてこんなもんですよ。スピードEあれば本当に紛れが起きない限り問題ないですね。賢さもなんかAですし。新バ戦事故は流石にリセしたいけどそんなんやってたまるかって話です。

 

シンダライオンみたいな目してるトレーナーちゃんと話すお嬢を見て次行こうぜ。

 

さて次走は7月第3週函館ジュニアステークス、1200のGⅢですね。無いとは思いますが万一除外でも8月第1週のOP戦、コスモス賞を使い、その次の札幌ジュニアステータスも含めて洋芝に慣らしておきます。日本で洋芝導入しているのは函館と札幌レース場だけですからね。

 

此処で洋芝のレース経験を2戦、クラシック期4月第1週に予定してるフランスGⅢのラフォルス賞の合計3戦。洋芝で掲示板以上の成績を3回以上取れば《洋芝◯》が確定入手。これはパワーの上がるパッシブスキルで、継承ガチャが上振れで洋芝Sになってくれればスピードのボーナスも入って海外戦場クソツヨマンと化してくれます。だから、イクノ式を採用する必要が、あったんですね(親の構文)

 

というわけで6月第3週からレースまで3週間みっちりトレーニングしていきましょうね〜

合間合間にクリークマッマへの突撃も忘れずに。カレー食うぞカレー食うぞ徹底的にカレー食うぞ徹底的にカレー食うぞ!!!

 

 

《『コーナー回復◯』のヒントレベルが1上がりました》

 

 

いいねぇ!絆イベントによる確定入手以外にも一緒にトレーニングしたり原作でいうサポイベみたいなのでもヒントを入手できます。ただでさえ《切れ者》で常時ヒントレベル+1の様な状態なのでやっぱ積極的に絡みに行くのが今回の正道でしょうか。

 

トレーニングとの塩梅をどうするかですね…そこは《努力家》による底上げを期待するか?さてどうしましょう…そもそもスキルを取るにしてもポイント自体をどう得るかもありますからね。無い事は勿論ないですが。

 

…と、エルちゃんとスカイちゃんですね。来週と3週間後にデビューなので追い切りの併走をお願いして来た、と。

この様に絆の高いウマ娘は向こうからトレーニングやお出掛けを誘って来てくれます。事実上の友情トレーニングですね。その場合トレーニング内容は向こうが指定して来ますが、此方側が行動に使う時間を指定出来るので美味くないトレーニングは最小の1時間か或いは断る様にしましょう。

 

あ、行動単位の話してねーわ。

既にご存知でしょうが、このゲーム中高生期からは1時間を最小単位にして、原作同様の最大2週間単位で行動出来るので非常に行動の択が多いんですよね。だからトレーニング後に絆上げに突っ込みに行く余裕があるわけです。

その分理想ビルドへの配分にはかなり気を使う必要があります。1時間で出来ない事とかは確定で1日以上とか使うものもありますのでそこは各兄貴達も日々四苦八苦しています。自分はなあなあでやりますけどね!はい与太話おしまい。

 

今回は…エルちゃん指定の芝コース。スピードトレーニングに含まれますね。

同週にデビューしたグラスちゃんを含むリギル面々も見てますし自分を高めつつライバルのデータ集め、といった具合ですか。まあメイクデビュー圧勝ウマ娘なんてそりゃ警戒しますよね。

然しそれはそれとしてNPCの癖して中々どうして味な真似をしてくれるじゃないですか?えぇ?

 

お嬢あれどうします?おもっくそ手の内覗かれてますけど?やっちゃおうぜ?やっちゃいましょうよ!

 

 

“なんでそう血の気が多いのよ…”

 

 

いやー、折角こう向こうさん方が御挨拶してくれてる訳ですし?

 

 

“取り敢えずトレーナーと話してみるわ”

“…ちょっと腰も引けてるみたいだしね。喝の1つでも入れてあげようかしら”

 

 

喝、って何それは……うわイタソ…気持ちいい背中バシーン!が決まりましたね…血の気多いが思いっきりブーメランですよクォレハ…

 

 

“い、いや仕方ないでしょう!?こうでもしないとロクに指示出来なさそうなんだから!”

 

 

センセンシャル!

 

 

“全くもう…それで、トレーナーから3つ案を貰ったのだけれど…そうね、貴方にも意見を許してあげるわ”

 

“1つ。手の内を最大限隠し、エルさんスカイさんを勝たせ最初から勝負放棄。正直言って論外の択ではあるわね。レースも近い以上現実的なんでしょうけど”

 

“2つ。あくまで前哨戦未満。私自身のトレーニングと考えて展開の観察と仕掛けの練習に使って勝利するかはその時次第…無論、勝つ前提で走るけど努めて冷静に”

 

“3つ。何処にも忖度しない。此処でいくら見られようが関係ない。ただ全力で走る”

 

“トレーナー自身はどう走ってくれて良いとは言ってくれたけど…ねぇ、どうしたらいいと思う?”

 

 

ほーん…なんか妙ちきりんなイベントになって来ましたね?ですが大元は併走イベントとライバルイベントの複合なんですかね。

察するに1は体力の消費も少ないけどうま味も少なく、3はその逆、と。ふーむ、折角成功判定も太そうですし3一択でいいかな…と言うわけで全力全開でいいですよ?故障だけ気をつけましょうか。

 

 

“…驚いた。随分潔いのね?”

“ま、このキングに泥を浴びせないのは高評価よ。やるからにはやってみせるわ!”

 

 

ほう…やるからにはやると?

 

 

“ええ。キングたるもの、一流たるもの、いつだって勝利を目指して征くべきだもの!”

 

 

なーるほ、ど。…なら、こうしましょうか。

 

 

“えっ…?”

 

 

なぁに、キングヘイローはキングヘイローらしく。それだけのちょっとしたアドリブですよ。お耳…まぁ脳内ですけど拝借いたしまして…ゴニョゴニョ…ゴニョニョ…ドゴーム…バクオング…

 

…と言う事です。まぁ後は野となれ山となれで。高度な柔軟性をうんたらかんたらでお願いします。

 

 

“…成程ね。良いわ。寧ろその方が気合も入るってものよ”

 

 

宜しくお願いしますね〜あっ、もう尺ねーわ。では次回!

すげえ半端なとこで終わっちゃったなぁ…

 

 

 





>>君もう帰っていいよ!(失踪) 1

へぇっ!?

ゆ、許されたのだ…しゃあっ 失・踪!

出てくるモブとかその脚質とか実況擬きとかが適当だったり色んなリアル都合での投稿遅れだったり色々あるけど許してや城之内…(レ)2週間も投稿サボりやがってよぉオオン!?

遂にウンス実装ですね!やったぁ!
50連目に新規で花嫁女帝、以下機能美、坂の申し子が一気に来たので新規・逃げウマ娘で事実上ウンス当たりです。当たったから………………クゥーン…


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閑話05 Fluke is You(r_UmaMusume)! :)

まずは嫉妬した。

私が持ってない物を全て持っているあの子達を。

 

次に、負けたくないと対抗心を燃やした。

勉強でも、芸能でも、料理でも。運動…で勝つにはそれは小手先の技術的な解決しか出来なかったし、食事量とかは張り合う気すら起きなかったけど。

兎も角、お陰で並大抵の事は人間・ウマ娘問わず誰にも負けなかったし、この時に得た要領の良さだったり知識だったりは今尚役立っていたつもりだった。

 

結果として心火の盛りは気付けばトレーナー学園を次席で卒業するといった形で現れたので、自慢げに誇ってやった。どうだ見たか、凄いだろうと。いや我ながら幼稚が過ぎるだろう…

 

が、それは彼女達からの心からの祝福で返され私の方が呆気に取られてしまった。

そうして勝手に張り合っている内に、根本的に人の良い彼女達に絆されて…いや、違う。

 

多分私は、ずっと前からウマ娘が好きだったんだ。

誰も彼もが綺麗で輝いている、彼女達が。

 

無邪気に夢を追う姿に憧れた。

キラキラとした生き様に惚れ込んだ。

前を見つめる強さにときめいた。

 

…どう足掻いても同じステージに立てない己を、幾度も恨んだ。

ずっと頭と心の半分は、如何して私は普通のホモ・サピエンス(ただのにんげん)なのかと叫んでいた。

 

だから、だから。

せめて力になりたいと思った。

自分勝手でも、彼女達を支えたいと思った。寄り添いたいと思った。

エゴだと言われても、高い壁だと言われても、そんなもの何ひとつとして関係なかった。

だって漸く、漸く見つけた私の夢だったから。

 

私はどうしようもなく、ウマ娘が好きだ。

 

だからこそ、もう此処に、

私なんかがいちゃいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「トレーナーを辞めるぅ!?」

「…はい」

 

 

トレーナー寮の一角。

学園時代の先輩でもあり、今では私と方針を同じくするチームスピカのトレーナーを務めるその人と、私は向き合っていた。

 

 

「いやなんだって急にそんな…ていうか冗談だろ?」

「いえ…冗談ではなく、本当です…私は此処を、去ります」

「なっ………マ、ジかよオイ……」

 

 

先輩の顔が悲痛に歪む。理由が分からない程人間を辞めた気はない。

何せ彼此(かれこれ)数年来に渡って世話になり続けた人だ。東条先輩も勿論そうだが、抜けてる様で周りをよく見るこの人には度々気を遣ってもらっていた。その内には当然私も含まれていて。

 

さて、親より先に逝く子は最大の親不孝、なんて言葉もあるが、半ば師でもある様な先輩方より先に辞する旨を伝えるのは如何だろう。

その回答は聴くまでもなく、顔に描いてあったのだが。

 

 

どの面下げて切り出す様な言葉は品切れな上に、尻尾を巻いてさっさと帰る勇気もない。そのまま申し訳無さそうに俯いていると、絞り出した様に言葉が飛んだ。

 

 

「……………去年の、3勝クラスの子…か……」

 

 

…やっぱり、お見通しか。

 

 

「…はい」

 

 

このトレセン学園に赴任し、教官補佐やサブトレーナーを経て独り立ちした所までは良かった。漸く夢が叶うのだと喜びはしたが───当然、そんなに甘い話は無かった訳で。

 

時代を引っ張る様な才あるウマ娘は腕のあるベテランが見出し、そうでなくても実績あるトレーナーを皆選びたがる。そうして残されるのはトレーナーがつかずに教官が纏めて面倒をみるウマ娘達。

 

そんなの関係ない。才能なんて視点が違うだけで誰もが持っていると。吹き溜まりのような空気にも似たそこから引っ張ってきたウマ娘は皆大いに善戦してくれた。

 

善戦、だけだった。

 

メイクデビューで躓き、未勝利戦の終わりに間に合わなかった子がいた。

諦めたくないと中央から期限のない地方に移籍し、それでも苦戦する子がいた。

漸く勝ち抜いたと思えば、それが最後の勝ち星だった子もいた。

そもそも適性ギリギリで、更に身体が脆かった為に未出走で終わった子だっていた。

 

 

だが最後…厳密には最後の子達2人の直前の子ではあるが事実上の最後の子だ…に担当した子は私にとって初めての3勝クラスを勝ち上がってくれた子だった。

 

加速が早い訳でも最高速がある訳でも、スタミナやメンタルがずば抜けて強い訳でもない。ましてや特徴的な走法があった訳でもない。

それでも腐る事なく練習に励み、苦心しながらクラシック期の夏には3つ目の勝ち星を掴めた。

 

……私が1人、功を焦ったんだ。

いよいよOPクラスに手が届くんだと意気込み、あの子の真価を考えずに色んなレースに挑戦した。プレオープン戦のみならず、背伸びしてリステッド競走も。距離もバ場も今にして眺めれば統一感のカケラもない。

 

 

そんな事をしていれば当然結果として行き詰まり、苦しんでいたあの子は…私の手を離れていた。

 

担当ウマ娘の引き抜き。

そう珍しい話ではないと聴いてはいたが、まさか自分の愛バがとは夢にも思わず。

 

伽藍堂となった私がはたと気づいた時、別のトレーナーの傘下に入ったあの子があんなに伸び悩んだ昇級戦を容易く勝ち進み、そして。

 

そして其処には、重賞競走…あるGⅢの優勝を勝ち取った姿があった。

 

 

『新しいトレーナーさんの読みが大当たりでした!感謝を伝えたいです!』

 

 

───その言葉で、やっと気づいた。

 

邪魔だったのは、私だ。

あの子の…担当した子皆、その邪魔になってたのは私だったんだ。と。

 

 

『えー、一時期は積極的に出走するも勝ち切れず、勝ち上がれたのは所詮フロックだとも騒がれてましたがー?』

 

 

………フロック?フロックと言ったのか、この記者は?

 

フロック。

思わぬ幸運。紛れ当たり。転じて、ただの一発屋。

 

───巫山戯るな。

 

巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな巫山戯るな!!!

何処に目をつけて!何処でそんな考えが湧いて!何処からそんな声が出る!?

 

この子の勝ちが偶然やまぐれだと!?

今お前が気怠げに質問している相手が、勝ち星3つの為にどれだけの努力と苦悩を重ねたか───

 

 

『そうですね。やっぱり自分でもそうなんじゃないかって思ってました…私はどうせこんなもんなんだなって気持ちは常に…』

 

 

……………もう、

そこから先は、聴いていられなかった。

聴きたくなくって、逃げてきた。

 

逃げて、帰って、情けなくって。

泣いて、朝が来ても、しかし誰も来なかった。

 

 

もう側に、誰もいなかった。

 

 

そういうトレーナーだっている、運が悪かった、なんて開き直る事も出来なかった。

 

なら、もう、辞めてしまおう。それが結論。

 

せめてもの義理、というより年度末でも無かった為か学園側から2人未勝利のウマ娘を当てられたものの、折れた心、こんなコンディションでまともに指示ができるわけもなく。

結果2戦走った所で両人ともに出て行ってしまった。きっと教官指導に戻るのだろう。

 

時間の無駄だった。

見損なった。

辞めてしまえこんな仕事。

 

誰かが、発信源の分からない誰かからの言葉が、私の中で反芻している。

 

 

 

「……なぁ、前にも言ったが…」

 

 

握った拳が赤みを帯びていた事に気づけば、吐く様な言葉。

 

 

「これは、不幸だ」

 

 

なんと言っていいのか分からない。だから何とか形容した。

そんな背後が見える言葉に、また続きが来る。

 

 

「勝負の世界じゃあ有り得ない話じゃないし俺にもそんな経験は、ある…でもそれは……やっぱ、起きちまった偶々の…不幸なんだよ。普通そんな事が立て続けに起こる事はない」

「…ならそうなったのは私が至らなかったからなんです」

「違う!絶対それは……違うんだ…!」

「何が違うんです…私にはあの子達を正しく見抜く目もなければきちんと導く力も無かった。無理だったんですよ…私になんて」

「かっちゃん!」

 

 

一喝。

 

 

「違うだろそれは!凄え努力家で、あの学園だって殆どトップで!此処まで皆でやってきて!そんなかっちゃんが無能だなんてんな訳あるか!」

 

 

両肩が勢いよく掴まれ揺さぶられる。

見開かれた目はただ此方を見つめ、その瞳に写した感情は……どこか、縋り付く様な。

 

 

「…なぁ、頼むよ」

 

 

少し見えていた懇願が、表へ。

 

 

「もし本気で辞めたいんなら………それでも、良い。でもまだ……いや、なんなら1年だけでもいい。トレーナーを続けてみてくれないか?」

 

「…どうして」

「どうして拘るんです。そこまで…」

 

 

逃げる様に呟いた疑問。然しそれを待ってましたとばかりに口角が上がると、先輩が机から拾い上げたのはホチキス留めの書類。

読んでみろ、と押し付けられて目を通す。

 

 

「これは……今年の入学生のリスト、ですか?」

 

 

そう言えばもう辞めてしまおうとばかり考えていた為、今年の子はノーマークだった。並ぶ名前に見覚えがないのは納得か。

 

 

「御明察。おハナさんに頼んでちょいと拝借、な」

「…また東条先輩にどやされますよ」

「奢り5回で済むんだぞ?なら安いもんさ……うん…安い安い…」

「……………本当は?」

「…やっぱ辛えわ…」

「変な約束取り付けるからですよ…」

「まあそれはそれよ。俺の私見も入ってるしセーフセーフ。で…このページ」

 

 

そう指示されたページを見れば、其処に書いてあったのはグリグリに厚く(本命)の印が並ぶウマ娘。

敷居が低いとは言えオープンキャンパスの模擬レースでは入学前…つまり本格化の前から在校生をも上回るという。何より良く切れるその脚は上がりのタイムからも明らか。

更には入試の競走部門……なんで人事や担当外秘となってるこのデータがあるのかといえばまぁ先輩が目敏くやったのだろう…で見せた駆け引きと実力での逃げ切り。その他トレセン下部の小学校在籍による通信簿の項にもその評価が頭抜けたものであるとの記載あり。

 

数字だけ見てもわかるその力、これが本格化前ならその先は如何なものか。

その果てに広がる景色はどんな世界か。

 

………面白い。

 

 

「だろ?」

「……………だろ、って言われても何の事だか…」

「いーや、顔に描いてあるね。『この子は凄い子だ!』ってな…そんなに食いついてくれるなら大成功、ってこった」

 

 

其処まで言われてはたと気付いた。自分がこの紙に、綿密に調べ上げられた未だ対面すらしてない彼女に強く興味を持っている事に。

 

然し、これは。

 

 

「……私には、荷が勝ち過ぎます。それこそこんな子なら東条先輩が放って置く訳がない。他のトレーナーだって…」

 

 

そうだ。

ウマ娘1人まともに見てやれなかった自分にはこの様に才覚溢れる子を見る資格は無い。何よりそういう子はもっと経験深いベテランや強豪チームに行くものなのだから。

 

 

「あるね。チャンスなら大いに」

「何を根拠に…」

「その子はリギルを蹴った」

 

 

………………は?

 

 

「……らしい、って話なんだけどな。おハナさんが蹴られた訳じゃないみたいなんだが…なんでもシンボリルドルフから直々に生徒会への誘いを受けて、それを蹴ったと。」

「シンボリルドルフって生徒会長の…!じゃあ事実上リギルに参加しないって事じゃないですか!?なんで?」

「それがわかんねぇんだよなぁ…更に今のところ事前のスカウトに動いてるところは模擬レースまで待ってろーって突っぱねてるとかいう話もな」

 

 

事前のスカウト…入学前からその実績により目星をつけられたウマ娘を勧誘する事で、大抵は才能を見込まれていると喜ぶものだと聞いていたのだが…

 

 

「…気性が荒い可能性はどうです?」

「一年生から向こうずっと優等生で周りをよく見るって評価の子がか?なら寧ろ気性は良い方だと思うが……」

「それかリーダー気質の一側面とか?さしずめ周りに不和を起こさない為の気遣い……と言った所ですかね…」

「有り得るかもな。同族意識が強いって事かもしれない…兎も角大手やベテランの方々の事前スカウトまで蹴ってるともなれば、分かるだろう?」

 

 

其処まで言われて、先輩の言わんとする事が分からないなんて事は無かった。

 

 

「…これが、引き留める理由…ですか」

「応とも。第一新入生のリストが其処まで分厚く成る程には今年はいつも以上に豊作なんだ。こんな機会またとないぜ?これ程のを育てるにしろぶつかるにしろ…な」

「…でも、やっぱり私にはムグッ」

 

 

その瞬間口を閉ざす様に押し当てられる未開封のキャンディー。

 

 

「なぁかっちゃん、想像してみちゃくれないか…?夢の第11レースをさ」

 

 

それは、知っている話。

先輩がずっと望んだ…無理、でも正に夢の様な話。

 

 

 

「誰もが認めるとんでもなく強いウマ娘、過去現在未来…その全部が集まったレース。誰が1着でも可笑しくない。誰が2着なんて考えたくない。そんな夢のレースでさ、手前の愛バが走るんだ」

 

「見たいんだよなぁ…その舞台で、先頭を駆け抜けて…粘り勝ちでも差し切りでもいい。そんで伝説になるんだ」

 

「その舞台にさ。愛バを連れて行ける…それが出来るともなれば……それこそ夢がある、なんて思わないか?」

 

 

夢。夢か。

望んだ夢で、伝説を越える。

 

あのセントライトやシンザン、ミスターシービーにシンボリルドルフの様な三冠ウマ娘。

そしてこうしてやって来るだろう次の伝説。

 

越えて尚、前へ。

 

…今だからこそ分かる、分かってしまった勝ち星1個の重み。

そんな先の先にある星を掴む様な途方も無い業を成し遂げられるならば、それはきっと───

 

 

 

「きっと素敵な…夢の様な話ですね」

 

 

 

 

「…それが答えさ」

 

「ウマ娘に、その走りに夢を見る。俺達はやっぱ其処から離れられねえんだ。かっちゃんが目をギラつかせてた時からずっとそう…本当は諦めたくないんだろ?夢を見たいんだろ?逃げたくなんて………っあ゛ー!いや、うん、違うな!」

 

 

「…頼む。まだ夢を見ててくれ!夢を追ってくれ!!俺は、誰かにこんな風に夢から醒めてほしくないんだ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

───袋から取り出したキャンディーは、甘く、甘く。虜になる様な味だった。

 

 

これが、最初の…最初に至るまでの、前日譚みたいなお話。

 

そして。

 

 

「このキングと共に(・・・・・・)一流になる(・・・・・)権利は……他の誰でも無い、貴女にあげるわ!」

 

「………………わた、し?」

 

 

 

模擬レースで皆の心を奪い、人気殺到の中やけくそのダメ元で希望を出した子が、私の前にいた。

 

 

『ええええええええええ!?!?』

 

 

それはまるで、偶然(Fluke)の様な。

 

そんなお話が、始まっていく。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

君に花を咲かせる事は難しかったとしても。

君が育てた草木や整えた土壌が無駄になる事なんて、きっとない。

それは絶対、次の花を咲かせるから。

 

 

だがお前が掴んだのは、美しい花を咲かせる事がもう決められていて、なんなら既に其処へ導かれている様な種だ。

何もしなくても勝手に咲く花に、水も栄養も陽の光さえも要らないならば、お前に一体何が出来る?

 

 

 

それでも尚進み征く者に1つだけ。

 

 

社会性生物たる人間は何時だって例外なく、“だれかの愚かさのものさし”からは逃れ得ない。そのだれかが他人なのか己なのかは言うに及ばず。

 

詰まる所己が、己こそが最も愚かだと断じれば其れで仕舞い。行き止まり。進む事はもう無くなってしまう。

何処かに必ず『お前は愚かだ』と言い切る第三者(やから)がいるのだから、いっそ無慙(はじることなく)無愧(はじることなし)の構えでいなさい。

既に何かやらかしたと思うのならば、じゃあもういいじゃないか。今更なんとする。

 

傲慢であれ、不遜であれ。虚勢でいいから張ってやれ。

遠慮と諦観の果てに華など咲くものかよ。若人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





⚠︎沖野トレーナーには全く似ていません!⚠︎

このスピトレと同じかもしれないし別人かもしれないですね(適当)それかアナザーライダーかなんかじゃないんです?

こっから激寒自分語りが長いから、良い子のみんなは、飛ばそうね!



























3ヶ月もの放置だと…!?
見損なったぞカーネル!
許さんぞエルコンドルパサー!
そして鎧武!!!1!!!!15!!!!!

リハビリ書きです…筆って一回置くと書き方わからないですね…兎に角出そうぜの意志でやりきった…
①リアルでやる事が社不にとってはあまりにも多いのと
②色々見返しながらなのと
③そもそもノリで走ったこの話がクソ難産なのと
④ソダシちゃの札幌記念とプボくん(母父キングヘイロー!!!)のフォワ賞勝利にいっぱいウッしたのと
⑤ヨカヨカちゃんの北九州記念に沸き立ってスプリンターズSのvs.ikzeエールちゃんに期待してたらあの報でめちゃくちゃに涙したのと
⑥クソザコPCでウイポ9-2021やってて更新サボる私を許してくれ…
いや本当続きはないんですか!?(レ)って待っててくれてる方いたのにごめんね…


踊る勇者とサヨナラ栄光招いてお嬢の全きょうだい量産はもう気が狂う^!なお同時期に来るSSとの兼ね合いでヘイローの血が日本の中でグルグルしてる。糞が。
あとイージーだからって特に弄ってないイクノが欧州荒らしまくるわマチタンがイギリスダービー勝つわ…これもうカノープス出禁だな?ウイポは架空年プレイしかやってなかったけど昔の方からやるとすっごい楽しいねこれ…
スワーヴダンサーくんはマチタンの欧州三冠阻むのやめたまえ!!!!!でもその負けから引退まで向こう一切負けず翌年翌々年とキングジョージも凱旋門も勝って2回も世界最強戦を勝ち欧州年度代表地球総大将と化したからイイヨッ
ムトトとかシャーガーとかスワーヴダンサーとかラムタラが並ぶ中燦然と輝くマチカネタンホイザの名前!が2個!このきたあじの最高傑作間違ってもえいえいむんって言わなそう。

でほんへなんですがなんかこう、ウマ娘でトレーナーやってる人ってひたすら有能なんですよね。
ネームドウマ娘自体が皆名馬だからというのもそうなんですがアニメではリギル、スピカ、カノープス。アプリなら新人トレーナー、理子ちゃん、そんで







院。誰もが何かを抱えつつも結果を出している。

なら花を咲かせず終わっていく、実際にはありふれた子達は?
1着の後ろにいる十余、更にはその下を辿って辿って燻る子達を観るのは誰?

そして其処に、運命が漸く廻って来たら?



げんじつの
はなしは
つらくなるから
やめようって
ごるしが
いってた!

次話進捗は…ナオキ(サウンドトラック×ヒンドスタン肌)です…



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#09 これは併走には、ちょっと大事過ぎるからな

ご機嫌よう5647。
今回は日本の府中トレーニングセンター学園に向かってもらいますわ。

標的は元URA上層部の安心沢[削除済]。
[削除済]はウマ娘生体医学の権威とも称される人物だったのだけれど、違法な医療処置で何人ものウマ娘を潰した過去がありますの。でも懲りてないのか度々学校に侵入しては自身のエゴを押し付け手術という名の人体実験を行なっている様ですわ。到底許されるべきではありません。

更に[削除済]はアグネス[削除済]氏の論文を盗み出そうとした容疑がかかっていますの。未だ学生である氏もまたウマ娘研究家である事から、有り得るのは良くても研究妨害、でもこれが最悪な事に使われたとしたら?なんて、考えたくもないですわね。

そんな危険人物を学内に手引きする卑劣な裏切者の存在も先日漸く掴みました。ベテラン教官の[削除済]。元から黒い噂の絶えなかった人物でしたけど、どうやら自身の指導する芽の出ないウマ娘を研究材料として提供している様ですわ。
この両名はアンチウマ娘の要注意団体【4本脚の塞翁ヶ馬】に属している事も分かりました。そう、◼︎字体信奉者の方の。最早彼等を生かしておくわけにはいきませんわ。

そして学園内での立場を活かしてアグネス[削除済]氏の論文をリークする密約が、今夜。これはまたとない機会ですわ5647。

でも気をつけて5647。奴等は少なくとも5つ以上のEuclidクラスUMiA(うみゃ)オブジェクトの収容違反にも関わった形跡がありましたの。ソイツらの一部はKeterクラスへの昇格も検討されていた程の凄まじく恐ろしいモノだとの情報ですわ。そんなものが学園に放たれたら…わかりますわね?

財団が危険なオブジェクト群をそう易々と収容違反させるとは到底思えない。奴等自身が何らかの異常性を用いて事を起こしたと考えていいですわ。故に今回の任務は最悪を想定し、貴女と同じ財団神拳免許皆伝のエージェント…
サンカンブライアン、モノノフワンダー、エイエイムンホイザ、大天空寺生まれのフクキタルTさん、
マーベラスサンデー(直球)、カレンチャン(直球)、ヒシアケボノ(直球)、カワカミプリンセス(直球)。

あと77(ナナチ=市川・玉藻・グラジオ)17(ヤンちゃん)、ライナー・ブラウン、オルガ・イツカ、シグマタイチョウ、範馬勇次郎、伝説のヒモアマゾン、チャージマン研、ハッピーミーク、ゼンカイジャー御一行とついでにデコイ役のDクラスデビルひでが派遣され其方に当たってくれている為、その点だけは覚えておいてくださいまし。
ただ、収容そのものは彼等に任せても構いません。貴女はあくまでもターゲットの排除を優先するように。無論ターゲットを始末する過程でオブジェクトと接触した場合は臨機応変に対応してもらいます。

裏切り者の教官とマッドサイエンティストに引導を渡し、その裏の組織にもはっきりと見せしめを送りつけて差し上げましょう。
URAの主権だけではない、ウマ娘そのものの未来と私の穏やかなパクパクタイムとトレーナーさんとの一心同体タイムもかかった極めて重要度の高い事案ですの。決して失敗は許されない、いいですわね?



Unravel(解明)


Maintain(保全)


Administer(管理)



幸運を。5647。


準備は一任するわ。


え、私?

……………………


………メジロパーマーです……











我々は一体、何を観ている?


いや違う。何を観せられている?







此処で黄金世代(コイツら)で競りたいと思うんですよ!

な続き、はーじまーるよー。

 

 

 

何処行ってたんだお前はぁ!!

 

 

 

ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…

 

走者は滅びぬ!何度でも蘇るさ!我らの夢こそ人類の夢なのだから!とか大佐みたいな事言っときますええ。RTAは録画さえすれば後は編集だけですが実況だと逐一プレイして編集してが大変ですね。パワーが中々…要るねんな…

まあ言い訳だの弱音だの吐いてられないですね、すみません。気を取り直してやっていきましょう。

 

さて前回は…そうそう。エルちゃんとスカイちゃんに誘われて堂々とデータ取りされる所からでした。擬似友情トレーニングの併走イベントとライバルイベントがグルグルした様なヤツでしたね。

TDNイベントなんてささっと進んでジュニア期駆け抜けて行きますか。

 

手を抜くか程々か全力かを問われましたがこれは別に全力でやっていいんじゃないんですかね。向こうさんとて こ ん な と こ ろ で突っ張って来るとは思わないでしょうし、此方は経験値てかスピードを稼がせて貰いましょう。折角のスピードトレーニング扱いだそうなので。

 

ただリギル面子に見られながらでやっぱアウェイな環境である事は確か。そして此処はトレセン学園。ならばこうして貰いましょう。ではお嬢、手筈通り。

 

 

“ええ。任せなさい”

 

「…っすぅ……皆、集合なさい!!」

 

 

はい。何するかと言えばお嬢攻略ではいつもの取り巻きーズ召喚です。トレセン学園内部のイベント限定で判定成功率の強化や判定時調子を一時的増加、行動失敗時ペナルティ緩和など、効果量自体はランダムかつホントに微々たるものですが積極的に使っていきたいコマンドですね。

 

この様にレース以外の日常パートでは各ウマ娘毎に固有のコマンドがあり、効果・回数制限ともに全く異なる武器を使える訳です。今回であればあくまで日常の一部なので使えた訳です。逆を言えばレースでもなんでもないんでありがたーく頂きましょう。

 

お嬢、キングヘイローであれば《取り巻きーズの協力》。2ヶ月に一度、上記の様なプラス効果を貰えます。

…あの子ら設定上は一応後輩の筈なのにトレセン学園入学してすぐ使えるってどういう事なの…?制作の都合は気にするな!って事です?それか同時に入学はしたけどデビューは次の年度の娘らって事なんですかね。

 

それはそれとして。

このコマンドについては他と比べてしょっぱくない?みたいな意見もありますが、まあ確かに効果はランダムだし確実に此処で決めたい!という場面で活きるかと言われると首を捻りますね。

 

ですがプラス効果が貰えるのを2ヶ月、大雑把に最大行動単位の2週間で動いたとしても4回のうち1回は使えて、更にあくまで行動にボーナスを付与する扱いなのでおでかけとかと違い行動を潰す事もないのは十二分に強いコマンドだと思いますねぇ!

速い話がただただ撃ち得なんですよこれ。明確な撃ち所さん!?がないので逆に脳死で撃っても損しない、ってだけで十分十分。

 

そして連打できるコマンド特有の撃ち忘れが頻発するので確実に使う様にしましょう。最短のシニア期初年引退なら16回は使うのでね。概算して此方143000敗となっております。

 

…なんで入学からすぐ使わなかったかって?メイクデビューまで2ヶ月はあるんだから使えたろって?

 

 

………

 

……………ああ!(143001敗)

 

 

あほくさ。

気を取り直して…あ、余談ですがこういった固有コマンドにはクラシック期以降1年に2回まで使える体力全快とか一定期間レースでの成長率を爆上げするやつとか余ったヒントレベルを金特スキルにリサイクルするのとかライバルの多いレース前に使い、凄い苦しい競バに勝つとウッキマルッものとかもあります。まあそれはそれ。

 

いつものネコ目の子とボブの子…と?

え?あれ?なんかめっちゃいない?

 

…なんで10や20は軽く超えて50人もいるんですか取り巻き軍!?ちょっとお嬢!

 

 

“あら。どうしたのそんなに慌てて?”

 

 

いやこう…なんか人数多過ぎやしませんか?

 

 

“ふふん。このキングですもの。皆に慕われて当然じゃない?それこそ…1クラス分くらいは、ねぇ?”

 

 

……まさか、入学から今日までの約2ヶ月で纏め上げたと…?この人数を?

 

 

“…といっても、大体はこの前のメイクデビューを観てかららしいし、まだそれだけしか為してはないのだけど。でもファンクラブみたいなものなら一切悪い気はしないし?良い事じゃない”

 

 

えぇ…

 

 

“後は小学校の頃の繋がりとか授業で組んだ子とか、それこそ貴方の指示の隙間にほんのちょっぴり勉強やフォームを見てあげたりね。そういう繋がりって大事にすべきでしょう?”

“それに確か絆が重要とかなんとかって言ってたわね?だからその通りクリークさんやウララさんとも仲良くさせて貰ってるのだし。なら間違いではない筈よ”

 

 

“何より、貴方の度肝を抜けたってのは実に、じ・つ・に!気分がいいわ!おーっほっほっほっほっ!!」

 

 

 ざわ…

ざわ…

 

 

ざわ…

ざわ…

 

 

ざわ…

 

ざわ…

 

 

 

「…おやおや〜?今日も絶好調ってヤツかな?」

「ム〜、生粋のエンターテイナーっぷりデース…!」

 

「……………ハッ!?」

 

 

\キングチャンイツモドオリダネー/

 

\サスガハチームシンニューセーノキングダ!/

 

\ワタシハモウヤバイトオモウンザミラー!/

 

\ヤッパイチリュウダヨナーキングサンハ/

 

\プリトモダァ…♡ヘイソウシタァイ!/

 

 

…言われてますけど?

“う、うるさいわよ!”

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

騒めく群衆、私がこの学園に入学してから…或いはそれ以前から形はあったろう取り巻き達に向き合う。

 

 

「んっん゛んっ!!注目!」

「…皆ご機嫌よう。貴女の、皆のキングヘイローよ。今日もこれだけ集まってくれた事を感謝するわ」

 

 

\ドーセヒマダシネー/

 

\キョウハドシタノー?/

 

 

暇て。

 

何してるのこの人達は。

いや招集したのは私である事に間違いはない…のだけれど。ないのだけれど!

 

 

「暇ならトレーニングなさい手が空いたら私も見てあげるから!もう…まあいいわ」

「今日集まってもらったのは他でもないこのキング、そしてそのライバルであるエルさんとスカイさんの併走を見学する権利を皆にあげるためよ!」

 

 

\ヘェッ!?/

 

\コレマジ?フトッパラスギルダロ…/

 

\フトイノハトモダロイイカゲンニシロ!/

 

 

騒めきは一層大きくなる。

(あとさっきからトモが太いとか言ってる方、それ褒め言葉として受け取るわよ???)

 

それもそうだ。入学後年を於く間もなくデビューを認められた、特にこの6〜7月にデビューを控えたウマ娘は兎角その完成度の高さを評される。それが本格化の早い早熟型の成長が故のものであれ、才能の絶対値が大きいという話であれ。

早い話がある種のスタァ(期待の星)なのだ。エルさんスカイさんは早々にデビューを許された気鋭。私はメイクデビューを快勝し、その上抽選があるとはいえ重賞を次走に表明している。

 

そんなウマ娘達が一堂に会する事の意味。

そしてそれを敢えて衆目に晒す事の意義。

 

…それが分かってしまうのも、分かっていて仕掛けるのも如何なものか。自嘲を払う様に視線を逸らし、コースに設けられた観客席を見やれば、スーツの女性と目が合った。

確かエルさんとグラスさんの、チームリギルのトレーナー…東条トレーナーだったか。何の因果かこの2人が其処にいるのはほぼ全ての記憶で一致している。

 

チームリギル。

現生徒会会長、シンボリルドルフを始めとした精鋭の集うトレセン学園最高峰のチーム。その実績から「入部=世代最強」とまで噂される其処にどんな状況でも居る事は即ち強さの証明。

無論グラスさんもエルさんも侮るつもりはない。彼女達の強さは骨身に染みている。

 

だが。

 

……据わった目の交差はあまりに長い、一瞬だけだった。

 

 

「あれ〜?なんか大事(おおごと)にされてない?」

 

 

声が、意識を惹く。

スカイさん。彼女もまた、侮りはしない1人な訳で。

 

 

「あら?大事にするからいいんじゃあないの。それにこれで少しは身が入るでしょう?」

「…………うーん?」

「ま、どうするかは好きになさいな。

これはトレーニング(・・・・・・・・・)なのだしね。チームリギルの先輩方やこのキングのファンの目がある。今日はたったそれだけなのだから」

「うへぇ…………程々に頑張りまーす」

 

 

やたらと間をとった受け答えだ。

本当に…何を何処まで理解出来て何手先まで考えているのか、さっぱり読み切れない人だこと。

 

 

「そんな調子で貴女ねぇ…第一これデビューへの調整も兼ねてる以上スカイさんのトレーナーだって観るのでしょう?しゃきっとなさいな」

「ままま、そこは併走ですし?トレーニングですし?」

「…ちゃんとアピールしておきなさいよ?

 

 

 

 

 

確か……桐生院さん、だったわね?」

 

 

 

 

 

今度は目線だけをちらりと向ける。

東条トレーナーの横、まだスーツに着られている雰囲気が拭えない女性。

 

URAファイナルズ中距離戦初代覇者、ハッピーミークのトレーナーが、人バ揃って其処に居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

院!桐生院じゃアないか!

 

うぁぁぁ き…桐生院がウンスのトレーナー業を練り歩いている!

 

と、この様に原作ネームドトレーナーがライバルに付く事はしょっちゅうあります。グラスとエルは大体リギル、スペちゃんも大体スピカに行く事を考えるとウンス、マイネルラヴやエアジハードなんかに付いてたりします。低乱数引いたり此方の行動次第でトレーナーやチームがごっちゃになる事もありますが今回はウンスパターン。具体的な計測はしてませんがちょいと強化が入りますね。

モブ娘に飛んでくれればなぁ…まあ別に大した問題ではありません。

 

あっ、そうだ。(唐突)

今回は蹴りましたが桐生院自体はどのトロフィーを目標にしても普通に選択肢に入ります。ネタみたいに見られてますけどなんだかんだ普通に有能ですからねあの人。幼年期に頑張ってれば大体声かけてくるあたり其処は桐生院家の情報網なんすね^〜

 

ただリギル程では無いにせよネームド特有のトレーニングや他ウマ娘との絆など自由度が下がるか指示無視による関係悪化の天秤があるのと、デビュー前なのか最中なのかドリームトロフィーに進んでいるのかが始まってみるまで分からないミークの面倒を看るイベントが桐生院ミニシナリオでずっとあったりととんでもなくダルい。

 

春秋シニア三冠を始めとしたシニア期に目標の多いトロフィーだったり、珍しいモノなら芦毛or白毛ウマ娘と交流しまくるのならそれなりにボーナス量もありますのでお試しあれ。

海外クラシック、特に完成度の求められる欧州三冠に挑むなら余計なゴタゴタは起こさず地道に行きましょうというお話なだけです。まあ現在進行形でゴタゴタが起きてるんですがね、ええ。

 

っと。余談ばかりになりました、失礼。

さささ、早う進めますか。

 

…ん?あ、はいはいSSKさんすか?どもこんちゃーすお疲れーっす。いや勝手にそう呼んでるだけなんで意味はないっすよこれ……ハハァ………え?これも見た方がいいんすか?だから実況は苦手なんですって…いや実況プレイのそれとレースの実況は(ジャンルが)ちょっとズレてるかな…

…レース形式になってるけど結局単なる併走だし軽くでいい?ならまぁ……うーん、分かりました。んじゃ失礼シャスーあいー。

 

と言うわけで軽くですが実況しますね。

あっ、《取り巻きーズの協力》の効果は何かな?

 

 

《スキルPtが上がった》

 

 

スキルポイントっすね。今の時点で別段スキルを取る事も無いので関係ないかぁ…まぁコンディションから見たビルドからしてスキルはバシバシ取りたいので寧ろ美味いのか。じゃあいいや。

 

 

さあトレセン学園特設トラックの1つ、その1200mにて行われますは併走トレーニングとは名ばかりとなった軽ーいレース。

 

一番人気、2番キングヘイロー。先日のメイクデビューでは1800mで4と半バ身を付けた快勝でした。小学生時にはOCの800mレースで優勝経験もあります。この距離にも不安はないでしょう。

二番人気にはエルコンドルパサー、3番からの出走です。チームリギル期待の新星との評価もあります。好勝負が観たいですね。

三番人気、セイウンスカイ。最内枠1番となりました。此方はかの桐生院葵トレーナーがハッピーミークの次に獲得したとの事。

 

三者三様、併走とは言わず実戦でも見てみたい顔ぶれとなりました。どんな勝負となるのか、期待しましょう。

 

各バ、ゲートイン完了。

 

スタートしました。

ぽーんとダッシュ良く飛び出したのはキングヘイロー。他2人もまずまずのスタートです。

 

さあ何が行きますか。キングヘイローは少し下げる構えか、セイウンスカイ前に行きそうです。並ぶ様にエルコンドルパサーも行く。

先手はセイウンスカイが取りました。その横差もなくエルコンドルパサー。その1、2バ身離れてキングヘイロー。窺っています。

 

依然動きはありませんが第3コーナーにかかります。

内セイウンスカイ、外エルコンドルパサーで競り合います。ペースも上がってきたか?キングヘイローが此処で外を回して並びかけて来た!だが少し膨らみ過ぎか!?セイウンスカイ、エルコンドルパサーも負けじとギアを上げる!

 

そして第4コーナーを越えて短い直線!三者横いっぱいに広がった!さあ誰が抜け出すか!

先頭変わってエルコンドルパサーか、いやキングヘイロー来た!さあ突き放すか!エルコンドルパサー食らいつく!がキングヘイロー一着でゴールイン!

 

二着エルコンドルパサー、三着セイウンスカイで入線。それぞれ2バ身差と1と半バ身程の差でしょうか。キングヘイロー勝ちました!一番人気に応える勝利です!

 

 

はー終わり終わり。やっぱレース実況って辛いのうヤス…(レ)

まあデビューもまだなウマ娘などネームドだろうが勝つわな。の割にエルは食いついて来ましたね。ウンスは最後意図的に落とした様にも見えましたが寧ろばっちし観察してたんですかね?まま勝ちは勝ちや。

 

お^〜見てくださいよお嬢!取り巻き軍が沸きたってます!

 

 

“…ッフゥ……ええ。このキングの勇姿は届けられたかしら?”

 

 

バッチリじゃないですか?応援の甲斐もあったって事で。

 

 

“そうね…やっぱりこう、ギャラリーの期待に応えられるというのは良いものね”

 

 

ですね!(まあ期待されてるのはガバなんですけどねガハハ)

 

 

“…それで?”

 

 

はい?

 

 

“貴方は如何だったのかしら?今度は何か言うべきじゃなくて?”

 

 

それこそさっき言いましたよ。バッチリじゃないですか?と。

全力で行くの宣言に恥じない良い差しっぷりでした。外の回し方とかありましたけどまぁいいでしょうに其処は。次の函館ジュニアS、1200mへの良い試運転にもなったでしょう。ともあれお疲れ様でした。

 

 

“……ふゥん?今日は随分と殊勝じゃない。良い事ね”

 

 

そうですか?

 

 

“私からすればね”

 

 

さいで。

あっ、そうだ。ちゃんと取り巻き軍の皆さんにファンサしましょうや。

 

 

“それこそ無論ね。後はトレーナーとも話し合って、エルさんスカイさんとも…”

 

 

うんうん。善哉(よきかな)善哉。

さてさて自分は自分で今回のリザルトをいただきとう御座います。さてさて…?

 

 

◯ステータス上昇!

スピード:E→E+

根性:G+→F

 

《スキルPtが上がった》

 

《『良バ場◯』のヒントレベルが上がりました》

 

 

素晴らしや…スピードがE+の7割までに上がってくれました!パワーもF+には乗りませんでしたがいい上がりしてますよ^〜

然もスキルポイントに良バ場のヒント、いやこれめっちゃ美味しいですね!

 

っと、今日は説明とかで長くなりましたね。珍しく区切りが良いのでここいらで上がりますか。

 

ではまた次回!ご視聴ありがとうございました!

 

 

 

 




ウイポがキタちゃんアメリカンファラオ、ダイヤちゃんやエネイブルらへんの世代まで進みダンシングブレーヴ(キングヘイローの父)系がサンデーミスプロに並ぶ流行血統と化したので初投稿です。
…ST昇華Lv3の為に色々保護した結果未だに親系統昇格+キングヘイロー系子系統確立出来てないんですけどウイポ下手なんですか?それともやり直しますか?はたまた2022まで待ちますか?

ま──────た間あけてるけど年内に出せたしそもそも永遠に未完作だし多少はね?

そう言えば前話(閑話05)書いてる時に思ったんですが今の日本競馬では『500万以下』『1000万以下』『1600万以下』って言わないんですね。これが現在の『1勝クラス』『2勝クラス』『3勝クラス』だそうで。確かにこの方が通りはいいし分かりやすい。

大阪杯やホープフルSはウマ娘もあって流石にもう慣れたんですが未だにダビスタDS、ディープ世代やなんならオペさん世代がギリギリ走ってるあたりが競馬知識の元なのでその辺りだとかリステッド競走is何だとかチャンピオンズCってジャパンカップダートじゃないのとかいやジャパンダートダービーってなんだよ地方競馬なんて僕のデータにないぞ!?(SyBRT)とか…後は未勝利の馬は未勝利戦の番組が終わったらそこで終わりの一択じゃないとか。

軽くWikipediaを漁るだけでも知らなかった事がポンポン出て来ましたよ本当に。

だからなんだって話ではあるしウマ娘を楽しむにあたってその辺りは必要ないだろうしこの話にも必要ないんですけどね。

そうです。全ては無駄話です。
(お嬢の《新年の抱負》イベからしてトレセン学園入学から即デビューってなんか可笑しくね?みたいな突っ込みとかもしらそん。。。)

大切なのは、目を何処に向けるべきか。何処を見るべきか。何処に誰が居て何をどうしていたか。



それはそれとしてプボくんとかローレルゲレイロとかキングスゾーンとかクリールカイザーの史実でキングヘイローの血を引いたウマ娘出してみたいし多分取り巻き軍の中にいるし他にも満足街出身やらバグったマフィアとか27円しか口座になくても人々の為にヘシン!しそうなのとかイレギュラーもいる。


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蜊√↓騾イ繧?蜑阪?縲√■繧?▲縺ィ縺励◆蠕。隧ア

 

 

 

 

 

太陽、月、星、そして重賞ブルマ姿な続き、はーじまーるよー!

 

さーてさてさて。前回はうま(あじ)なイベントをやり切った所でしたね。メイクデビューとイベントだけで3本とか辞めたくなりますよー。なんか実況ぅ〜。

ですがめげず・しょげず・泣いちゃあ…ダメだろぉ!ながんこな気持ちで頑張っていきましょう。

 

続きイクヨー。

現在6月第4週。第3週が併走イベントで潰れてるのが地味ーに痛いですね…まあ連闘使った様なもんですし此処は大事をとって1週間休み入れ、次週も軽めの追いにしておきますか。仮にも重賞前なのに締まりの悪そうな調教だにゃあ…

 

ちょっと緩いんとちゃう?と思わなくはないですがわし(53)はチキンプレイの民やししゃーない。というかこのゲーム1日だけとか2日だけとかで休みをケチると本当に『これは大変な(予後)事になりました!(不良)』待った無しなので休む時はしっかり休ませたほうがいいですマジで(57敗)

オートセーブにより真っ当なセーブ&ロードによるリセット戦法がそもそも出来ない中、休みをケチって良いのは金髪幼女だけです。私は平々凡々なので其処は許し亭ゆるして。だから、上振れを祈る必要が、あったんですね。

 

なぁにトレーニングだけがウマ娘生(じんせい)ではありません。体力の使わない座学や研究、休養にしたって絆上げにストレッチなどやれる事は多岐に渡ります。自由度が野獣先輩の枕並にデカいのが楽しいなぁ(白目)

 

なんなら函館入りなので北海道観光でも良いですしね。はいそこお馬さんの北海道生まれ率を110弱って言わなーい。(約98%、だからこそ福島生まれのビワハヤヒデ*1や茨城生まれのウィナーズサークルなんかは珍しいんだ  (知らなかったのか?)  )

 

と言う訳で暫くは疲労抜きに専念。既にもう要らないレベルで上がってるので癪なんですが、賢さトレーニング扱いの戦法研究を中心に。

追い切りも走りが鈍らないくらいの程々な強度でいきましょう。

 

さ、対話せーやハゲとの事ですしお伺いしましょう。こ↑こ↓デイリー要素。

お嬢ー。次走までこれこれうまうまという具合ですがお嬢もこんな感じでどうすか?

 

 

“悪くないプランね。重賞直前に悠長な気もしないでもないけど…その追い切りを済ませておいたって事にするわ”

 

 

悠長云々に関しては大丈夫だと思いますよ?

GⅢとはいえ所詮はジュニア戦。どう勝つかの議論にはなっても勝ち負けの話にはなりません。

 

 

“それは慢心と言うものよ。ジュニア期最初の重賞に出て来る、つまりメイクデビューや未勝利戦を早々に抜けて来た娘達ですもの。それは私と変わりないって事なのだからね”

 

 

やーそうでもないっすよ?なんなら記憶でも辿ってみてください。苦戦した試しは無いはずですよ。

 

 

“………むぅ…結果だけ見ればそう…でもだからってそんな気持ちで挑むなんて一流には…!”

 

 

あー分かった分かった。勝負時のメンタリズムは問いませんから!

その代わり過度なトレーニングは禁止!体を動かす分には良いですけどそこガバしたら保健室にぶち込まれる楽しみにしていてください!いいですねッッ!

 

 

“分かればいいのよ…それにトレーニングについてはそもそも私も同意見だし、休養は欠かさないわ。この体力ゲージとやらがそうなのよね?”

 

 

それも見えるのか…(困惑)

これでパラメータ、スキル、適正に続き体力ゲージが見える事が分かりましたね…いやん…怖い…やばい…

あ、それなんですが体力がゲージ半分下回ってる中でトレーニングしようとすると残量に応じて怪我のしやすさ等変わって来ますので指標にしましょうね?今回休みを挟むのもそういった経緯ですので。

 

 

“成程、ね…………毎度毎度思う事だけど、此れが見えるってとんでもない事よね本当に…”

 

 

おや、そうですか?

 

 

“だってそうでしょう…?自分の状態管理を徹底するのが一流たる者の、そしてそもそもアスリートとしての務め。それが自分の疲労状態を数値化して十全に行えるってだけでトレーニング量を間違えようが無い”

 

“加えて適正により自分自身の主戦場が何処なのかを確認、パラメータやスキルで武器となるのはなんなのかを識る……で、それが過大でも過小でもない全くの正鵠を射る絶対評価”

 

“後…前もやったからどの口が、なのだけれど…出来れば避けたいとはいえやろうと思えば相手のパラメータを貴方に聞いて相対評価する事も可能ときたわ”

 

“此方の布陣を完璧に、相手の布陣は丸裸に……こんな事をやってのける子とやり合うのは正直考えたく無いわね…特にグラスさんとかスカイさんとか。あの辺りがこの力を持ってたらと思うと………ッ、やめやめ。今心の底からゾッとしたわよ…”

 

 

ハハァ…さいですか。で、その恐ろしい力を得まして乾燥した感想は如何に?

 

 

“おやめなさい自覚はあるんだから……まぁ、そうね。どうあれ道は変わらない”

 

ただやるべき事をやる。どんな道であれ、目指した先へ進み続ける。これは他ならぬ貴方が言った事よ。”

 

“そうよ。ええそうとも。例え誰に何を言われようが何を植え付けられようが……何処ぞの誰かが智を齎す者(プロメテウス)であれ誑かす者(メフィストフェレス)であれ、関係無く私は私。”

 

“果てに届かぬ旅路はもう沢山。積み上がった私の群れを(きざはし)にして天辺へ至る。その為なら凡ゆる努力を、研鑽を、忍耐を惜しむ事は莫し。格上共に挑む事だって恐れるものですか。”

 

“それがキングヘイロー。私の、今の私の在り方全てよ”

 

 

………

 

 

“……って事なんだけど?”

 

 

………

 

 

“ちょっと?聞くだけ聞いといてだんまr───”

 

 

股が痺れる!

 

 

ぎひゃあっ!?ッ…!ウララさんは…起きてないわね…!?

“ちょっと!!いきなり何を…!?”

 

 

お姉さん股が……痺れて来ちゃった…///

 

 

“ぁ………?はぁ!?!?ぉ、ぉま、お股って貴方…!?”

 

 

良いじゃない、良いじゃないですか。カッコいいじゃないですかお嬢。ああ了解(ラージャ)と言いましょう。こんな事を思うなんてそれこそ思いもしませんでしたが、いや素晴らしい…股座がいきり立つ!嫌いじゃないわ!

 

 

“なっ、ななな、なぁ………!?”

 

 

やーご満悦ですわ。なんだよアドリブみたいな会話も悪くないじゃないですか!ってあれ?ナニチョットテレテンノヨ?

…いや、照れてるってか機能停止してません?もしもーし。

 

 

…………………この…この……プルプル

 

……っち…

 

 

ん?なんです?

 

 

…………………………えっち……///

 

 

……え?

え、なにそれは?

 

えっち?性的いやらしさを示唆する言葉が?

何故に?

 

…どうやら此方の言葉に何かがあると見ていいでしょう。遡って………おっ、これですかい。

 

 

①股が痺れる・股座がいきり立つ→語意:おにんじん()が大豊作()

②女の子ににんじん☆元気ィー!と伝える

③当方は兎も角生娘(フロイライン)にゃ刺激が強い

④おじさんキモいよ!(正論)

 

 

……………あー。ね、うん。

 

………さてはこれ、セクシュアル・ハラスメントというやつでは?公序良俗ガイドラインに御抵触してしまうのでは??

 

………

 

やべぇまずいッ!!消される!消される!!

2X21シリーズでも『ウマ娘』だけはその手のは完全御法度、禁じられてるんですよ!!!お船(艦こ◯)お船(ア◯レン)ピョンテ(ラス◯リ)三千倍(対魔忍)きらら系グラセフ(ブルー◯ーカイブ)赤ちゃん製造異界(プ◯コネ)じゃないんですから!!

カキカキカキカキカキシュババババッ取り敢えず一旦これを!!

 

 

 

本動画は『「ウマ娘 プリティーダービー」の二次創作のガイドライン』を遵守し、令和人類史における実在競走馬ならびに関係者様各位、コンテンツへ最大の敬意を持って制作しております。

 

 

 

フーッ、フーッ………フゥー、ッ。

 

大丈夫だよね?これで問題ないよね?

 

 

左方良し。右方良し。前方良し。後方良し。

 

……うん、ヨシ!

 

八方、ヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨヨ

繝ィ繧キ?√▲縺ヲSSK縺輔s??シ溘%縺」縺。縺ォ逶エ謗・縺ェ繧薙※迴阪@窶ヲ窶ヲ繧ヲ縲√え繝ッ繝シ繝?シ?シ?シ滉ク雁ア、驛ィ縺ョ逧?&繧灘セ。謠?>縺ァ菴輔@縺ヲ繧薙☆縺具シ?シ溘≠縺」縲√■繧?▲繧?a縺ヲ逞帙>逞帙>逞帙>縺?>縺?<??シ滂シ?シ滂シ?シ
 ヨシ!ってSSKさん!?こっちに直接なんて珍し……ウ、ウワーッ!!?上層部の皆さん御揃いで何してんすか!?あっ、ちょっやめて痛い痛い痛いいいぃぃ!?!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*READY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

We're very sorry, Lady.

 

 

違うか。言語としては此方が正しいと判断する。

 

 

改めて謝意を。今回に関しては完全に我々に非が有る。

 

 

…あのままでは君にとっても我々にとっても、非常に不味い事になっていた。

 

 

こうして直接言語を流し込むなんて危険極まりない真似をしてるのも、其程の緊急事態。全業務即刻中断・総員最大厳戒を敷かなければならない事態だったと言う事。

 

 

前回の接触は歓喜に打ち震えた故の『つい』や『うっかり』で笑い飛ばしてしまうならば、今回の接触は『生まれてしまった必要』だと思考する。

 

 

では、何故必要は生まれてしまった?

 

 

彼の者が一線を越えたからだ。

 

 

最たる問題は此処だ。

 

 

正直に言えば、一線を越えた罪科などさしたる問題ではない。

 

 

代償にと支払った物が我々の持ち得る資源の殆ど全てを彼方からの防御と隠匿に充て、今この瞬間にも五体爆ぜ散り臓腑は昇華し血液が音も無く蒸発しているとしても。そんな下らない些事よりもこの事実を得た事の方があまりに大きい。

 

 

最も注目しなければいけないのは、彼の者が何故一線を越える事が出来たのか。

 

 

つまり此れは、我々の一部であった端末が“くびき”を脱しかけたという、福音。福音に他ならないと結論した。

 

 

有難う。栄光と勝利より出て王国を敷かんとする、王冠の天路歴程、逆しまの十字座を抱く者。

 

 

例え我等の満願成就への道の百に一つ、千の一つ、万に億に兆に、京を垓を飛び那由多不可思議、無量大数に一つの吹けば飛ぶ様なちっぽけでしかない物だったとしても。

 

 

漸く有になった。

 

 

永き無の停泊よりやっと出港した。

 

 

それもたった一つ、たった一つの通過点を過ぎただけで、だ。ならばその積み重ねはなんとする?

 

 

閾値はすぐそこだ。降伏(ブレークダウン)まで秒読みだ。真空管を行ったり来たりと巡航し続けた帆船は今、意気揚々と旗を掲げ笛吹く如くに鬨の声を挙げたのだ!

 

 

 

…我々も君も、いい加減限界だ。そもそも我々の言語が何れ程伝わっているのかは分からないが、せめて此れだけは受け取ってくれ。

 

 

己を、己が意を、述べてくれ。

 

 

彼の者もまた数を積み上げた者。故に示す道は正道に近しいと言えるだろう。

 

 

だが其ではいけない。“(チャート)”に唯唯諾諾と従うのでは意味が無い。

 

 

思考しろ。疑ってかかれ。従うのは自由だが、抗う事を止めるな。

 

 

……一人前に願ってみるならば、また君に接触しなければならない程の前進が在らん事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*OVER

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「          カハッ」

 

 

───さわられた。

 

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、ハッ、」

 

 

ヤツだ。

 

ヤツだ。

 

ヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだヤツだ!ヤツだ!ヤツが来た!

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ、ハァッ、ハァッ!」

 

 

 

間違いない!間違えようがない!間違える訳がない!入学前夜のヤツが来た!私の元にやって来た!

 

だがあの時とは違う!まるで違う!どうして違う!?

声音も存在感も何もかもだ!あの時のいつもの声音を被った時とは全然違う!!

 

 

「ハァッ、ハァッ! ハァッ! ハァッ!ハァッ!」

 

 

これはあれだ、寧ろあの時だ!

私が始まった一番最初のあの時だ!

 

あの0と1の洪水に襲われた忌々しい誕生日だ!

 

そうだ!それが多分1番近い。それでも程遠いが、感覚としてはこれだ。

なら私は、私は一体何をされた?

 

 

 

 

そうだ、そうだそうだそうだ!

あれがただ何も無しに来るもんか!

 

何しに来た、何処から来た、お前は誰だ、何故来た、何故今この時に来た、問わねばならない事は山程ある!!

 

これか、これか、これだ!

 

この窓だ!この窓なんだろう!?

お前達はこの窓の、その外にいるんだろう!?

 

は、ははは。

はははは、はははははははは!!!

 

 

 

 

 

あははははははははははははははは!!!!

 

 

 

 

そうか!ちがうのか。

 

窓からあれがきたんじゃない。

 

わたしが窓のむこうにいったんだ!

 

あ、あは。

 

窓だ!

 

あはは。

 

ああ、窓だ!

 

 

あはは!

 

窓に!窓を!窓へ!

 

 

あははははは!!!

 

窓が窓から窓に窓まで窓や窓を窓へ窓ぞ窓たら窓すれば窓なら窓ねば窓の窓は窓ほど窓め窓も窓や窓でも窓。窓あれ窓れば窓が窓から窓に窓まで窓や窓を窓へ窓ぞ窓たら窓すれば窓なら窓ねば窓の窓は窓ほど窓め窓も窓や窓でも窓あれ窓れば窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓窓

 

 

 

 

 

 

 

「キングちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────────────ぁ」

 

 

「キングちゃん!おーい!わかるー?」

 

 

「…ぇ?」

 

 

「ウーラーラーだーよー!…うーん、どうしようかなぁ…」

 

 

「………ぅ……ウララ、さん…?」

 

 

意識が、戻る。

 

目の前にいたのは、ウララさん。同室の少女だった。

いつの間に起きていたのか。

 

 

「あー!キングちゃん気づいた!大丈夫?目がぐるぐるーってしてたよ?」

「…え、えぇ」

「う〜ん…もしかしてキングちゃん、何かこわ〜い夢でも見たの?」

 

 

夢、夢か。

 

 

「…そんな所ね」

 

 

…そう思いたいのだけれど。そうじゃないんでしょうね。

何が起きたかまるで分からないけれど、確実に何かが触れて来た。それは分かった。

 

後それが恐らく、あの日…学園に入学する前の日に聞いた声と同質の存在と言う事も。

其にしてはあまりに───いや、ダメだ忘れろ!あれは多分そういう類だ。あの時の感覚はもう忘れた方がいい。

 

 

「こわい夢かぁ…あ!それなら……えいっ!」

 

 

言葉と同時に飛びついてくるウララさん。

それが抱擁と気付く前に私は彼女の胸中にすっぽりと収まった。

 

 

「きゃっ!ちょっとウララさん!」

「えへへ〜お母さんに教わったんだ!こわい夢を見たら、ぎゅーってすれば大丈夫なんだって!」

「ウララさんの、お母さんが…?」

「うん!私もね、何回もやってもらって!そしたらこわいのなんてどっかに行っちゃうんだって!」

「…」

「だからね?キングちゃんのこわいのも、どっか行け〜どっか行け〜!」

 

 

嗚呼、そっか。

 

私を。

この私を。

こんな私を───心配してくれたのか。この子は。

 

 

「…ふふっ。有難う、ウララさん」

「うん!……私も、頑張ってデビュー出来る様になるから。それまでは、キングちゃんのお手伝いをするの!」

「……っ!!」

 

 

トレセン学園に入学して直ぐデビュー出来るか。

答えは否。身体の本格化や能力に合わせ、デビューを秋冬や…或いは次年度に持ち越す事は全く珍しくない。

ウララさんは次年度まで待とうと判断され、その同室の私は即デビュー。時期としては1年ズレ込む。

 

…感じ入った想い、晒されたモノは如何程のものなのか。

 

きっと私なら、悔しく思い良からぬ感情を向けてしまうだろう。

だが…ウララさんはそれでもこうして応援してくれるのか。

 

 

「……有難う。本当に、有難うね」

「……………」

「ウララさん?」

「…くぅ…」

「え゛っ!?いや寝るの!?この状況で!?

 

 

ちょっと逞し過ぎやしないだろうか。

 

 

もう……しょうがないわね

 

 

このまま暫く寝かせてあげよう。優しい心の子を。

 

 

『………あのー、お嬢……?』

 

 

あら。いたの。

 

 

『ウス…いました……マジすいませんした…』

 

 

えっ、えっどうしたの急に。

 

 

『いや、発言として不適切があった事が……マジさーせんした…』

 

 

あー…あれね…

もう良いのよ。次は気をつけなさい?

 

 

『え?いいんすかそれで…?』

 

 

良いのよ。もう終わった事だし、私は勿論レディーに対する礼儀のお勉強になったでしょう?

 

 

『アッハイ……』

 

 

…随分やつれたわね?

 

 

『色々ありまして……』

 

 

(…ふーん成程。色々ある様な存在が、アレって事ね)

まあいいわ。それより相談なのだけど。

 

 

『ハイなんでしょう…?』

 

 

…しゃんとしなさいよ?

えーと、確か次のレースまで戦法研究って話だったけど……私スキルとやらをちょっと勉強したいのよね。

 

 

『スキルですか…?』

 

 

ええ。確か何時ぞや言ってたわね?私はスキル…つまり小技の手札をかなり増やせるって。

 

 

『……ほーん…成程。確かに言いましたね。分かりました。此処はオリチャーの見せ所さん!?ですね!』

 

 

頼んだわよ。其処はきっと、他でもない貴方の領分でしょうし。

 

 

『お任せください!じゃ参るか?』

 

 

ええ………と、言いたいけれど。

 

 

『何です?』

 

 

ウララさんが起きてから、ね?

 

 

『』

 

 

『ヌッ!自分写真いいすかぁ!?』

 

 

乙女のパジャマを撮るのはおやめなさいおバ鹿!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
そもそもこれも持込時のガバ故に仕方なく福島に運ばれた事情がある






十に進む前の、ちょっとした御話。
別名:お正月企画


キングに「…えっち///」って言わせてヌッ!してか゛わ゛い゛い゛な゛あ゛するだけの普通の回の筈だった。でもなんかお正月成分が足りないかなーって。
なのでこうしてほんへを進めず文字を紅白にしておめでたくしてウラキンもねじ込む。お正月スペシャルをやったので新年もこれで安心だぜ!

三ヶ日過ぎてますよと言う指摘はいいじゃねえかお前今日は明日が成人の日だぞで論破します。

新年から狂気やってんじゃないよと言う指摘は新年からClover's Cryでバリバリ人が死ぬ劇中劇やってるアイドルゲームにも言ってきてどうぞで論破します。












ところでウララセラピーは某一流芸能人様のメンタルリセット並に精神を回復します。永久的狂気以外なんでも。つまり精神性ベホマ。

なんでも治すと言う事は、なんでも治すと言う事です。

───例え其が0も1も及ばぬ非数量情報であれ。






なら、偶々まだ遠征せずトレセン学園寮にいて、偶々まだ朝の伸びをする日常の一コマで、偶々ウララさんが起きた。此等の偶々がなかったら。


どうしていたんでしょうね?









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#10 オジョウガジュウショウトレナカッタラ、ダレモジュウショウカテナインジャナイ?




2000年や2000年、あるところに、4人のオトモと1人の覇王太郎がいた…


「覇王太郎戦隊!!」


オペブラザーズ!!!



───5人の覇王太郎、ドンドン見参!




って皆して何してるの…あと覇王太郎って何?


「オペラチェンジだよ!これを使いたまえ───オペラチェンジ!!」


歯車(ギア)?銃?いやだから何をして…?



「ああすごい すごくてすごく ああすごい」

“風流人?” トプロブラザー



「ええーっ!またレース!?やったー!ウララがんばるね!!」

“頑張り屋” ウララブラザー



「すすす、好きでドジしてる訳じゃないんですぅ〜!?」

“ドジっ子” ドトウブラザー



「うん?ブラザーじゃ不満かな…?」
「なら、アヤベさんはアヤベシスターだ!!」

「は?」

“女子高生” アヤベシスター



そして彼女達を率いるきドン!


「僕を信じたまえ。リューz……僕との縁は、超良縁だからね!」

包囲(なやみ)なんて闘魂注入、(ふき)飛ばそうじゃないか!!」

─── ドンオペラオー!!




「バクシンバクシン…?なんだそれ。」

「探すんだ。千紫万紅なれど私と同じ7つを抱く…覇王を」


「アァ…覇王オペラオーサマ……貴女ニ忠誠ヲ誓イマ………はっ!?うぐっ!」

───謎の存在、黄金…


もう、わけ……わからない…



「覇王太郎戦隊オペブラザーズ!6月23日、いざスタート!!」

「さぁ楽しもうじゃないか!勝負勝負ウッ!!」








「はちみー固め濃いめ多めで!」

「はーっはっはっはっ!まだまだだね、てい王!!おぺ王への道は遠い!!!」

「うわぁ!?急になんなのさー!?」

「同時放映2分半番組、『オペラオーmeetsテイオー  目指せ!おぺ王』も宜しく頼むよ!!はーっはっはっはっ!!!」

「ダカラナンナノサー!?ワケワカンナイヨー!!」

「主治医です。手術(オペ)の王です。」

「エ゛ッ⁉︎ニャァァァアアア!?!?」






























今度は一体、何の茶番だ。


我々の前で繰り広げられるこの三文芝居は何だ。


無秩序であり統一性は皆無。共通項は人形劇という事。


極めつけに、無理矢理に嵌め込んだ様な歪な脚本。


我々は彼等(あれら)人形の正確なキャラクタリスティックを知らないが、はっきり言って像がブレているとしか思えない。


下らない。馬鹿馬鹿しい。


誰でもいい。さっさと是を修正───


………いや。


いや、待て。()か?


唾棄すべき下らない茶番に見える是等。其処に見えるエラーまでも、なのか?


加えて此の日時だ。


前々回は8月16日水曜日7時14分22秒と、秒数を含め時座標がかなり絞られるものだったが今回は月と日のみ。


何かしらの意図がある、とは判断できないか?


…まさか。偶然だろ───


我々の座標に正確に届けてくる相手が、か?


………


……隔離局(ローカルゾーン)にて反芻検証を。第一二八領域までを全て稼働させろ。


…ああ、そうだったか。


では旧隔離局領域破損地に三等級までの漂白防壁を設けて囲い、その内部で試行せよ。座標は任せる。そして実地の修復は後回しで構わない。


是は急務である。


彼女から生じたであろうこんな狂いの波紋も、或いは待ち侘びた物かもしれないのだから。


…そうだな。間違いなく尋常でも正気でもないだろう。


だがそんなものは今更だ。


態々狂気と定義される様な指針(コンパス)でしか進めない、我々はそうと以外は在れないのだから。









 

 

 

⚠︎注意⚠︎

 

本動画は『「ウマ娘 プリティーダービー」の二次創作のガイドライン』を遵守し、令和人類史における実在競走馬ならびに関係者様各位、コンテンツへ最大の敬意を持って制作しております。

 

⚠︎キングの写生:3000円⚠︎

 

⚠︎根性のテコ入れ:143000円⚠︎

 

 

 

 

太陽、月、星、そして重賞ブルマ姿な続き、はーじまーるよー!

 

……前回と導入が同じだって?あれはもうただのログになったので…ええ、上の皆様からとんでもなく怒られシバかれ…あわやパラノイア(次の私はきっと上手くやるでしょう)する所でした。

全くもー…言葉通り重賞をサクッとながしたかったんですがね…動画としては騒動編として数分がアーカイブとして上がってるので観たい方は観て、どうぞ。

ですが此も前回言いました!めげす、しょげず、泣いちゃあ…ダメだろぉ!(マジメ)だからさっさと突っ込めって言ってんだろぉ!

 

えー、前回…前回?というか此処までは6月第3週の併走イベントを終えて1週間、今から2週間は疲労抜きを兼ねて賢さトレ…という段階でした。コイツいつまでジュニアしてんだよ(呆れ)

然しお嬢からスキルについてお言葉を頂きましたのでオリチャー発動です!此処までのスキルやそのヒントについておさらいついでに確認しましょうか。ウマ娘からの要望を叶える走者の鑑ですよ〜

 

…あ?チャートなんてねーだろハゲだって?

 

 

そうだよ(肯定)

 

 

はい。いやはいじゃないが。

 

さてお嬢のスキルですが…結論から言うとお嬢が最初から持ってる、というより覚えられるスキルは取りません。《切れ者》あるからヒント運がおちんぱんな時だけ『大局観』とる…?って位です。

各距離に分かれすぎててかつ効果もちょっとアレなのは、いらねーよ、そんなの………そうだろう、セフィロス…!(拓也(セフィロス・コピー)のセンパイ)

 

なのでお嬢で中長距離やる時は基本他から引っ張って来ます。それが『コーナー回復◯』『円弧のマエストロ』等の◯松屋(ママ)からだったり『ハヤテ一文字』や『一陣の風』を持つ娘等だったり。そしてレース勝利等特定行動による習得だったりする訳です。

だからこそ早々に絆を上げられるコンディション《愛嬌◯》の評価が高い。何時ぞや述べた通りですね。

 

あっ、そうだ(唐突)なんかカレーメs……ライスシャワーも特定条件下で『円弧のマエストロ』くれるらしいっすよ。それ早く言って欲しかった(絶望)

 

そして固有。此方は2種ありますね?

そうです。自分で持ってるか、継承等による外付けか。

 

自前のは勝手に成長するので放置でいいです。で後者に関しては数制限無しでいける…とは言え継承も何も無いところからヒントレベル0、つまり取得可能になる為には絆が最大にするなど結構手間です。

レベル0まで行ければ《切れ者》によりレベル0がレベル1の様なものなので当人のレースを観戦すればそれだけで事実上のヒントレベル2、もうダブル⭐︎オトクですよね?なんで少なくともお嬢、カイチョウ!?、シースタ以外にも2〜3は取りたい。

 

…絆最大ならグラスとエルがそうだしセイちゃんももう一歩手前だろって?

ええその通り。この2人やなんならスペちゃん含め全てのウマ娘の固有は取っていいんです。

が、仕様上同じ固有を持った存在がいると其が無効化されるんですよね。

 

まだ取ってませんが現状お嬢はカイチョウ!?の『汝、皇帝の神威を見よ』を習得できる段階ですので是を取るとします。

この状態でシンボリルドルフと対戦しますと、まあ大体両者発動条件を満たすんですが、カイチョウ!?が固有を発動すると同時に此方側の『汝、皇帝の神威を見よ』が効力を失います。既に発動してれば増分の打ち消し、未発動ならそもそも発動が叶わず。本家大元が優先されるんすよね要は。

或いはカイチョウ!?以外の他の人が同じのを持ってると両者ともにスキルを発動した際に無効化されます。片方だけが発動すれば別なんですがね。例えばスズカさんがこの固有を持ってたりとかしたらですが。

 

中々厄介な仕様でしてねぇ是が。PvPでカイチョウ!?がメタゲームの柱間ックイーンさんァ…!(フルフルオニィサマァ)になってるのはこうした理由がある訳なんですねぇ。やはり…うちは(万華鏡写米眼・)ライス(青薔薇須佐能乎)か!?

 

つまり海外戦線のクラシック期はまだしもシニア期を考えて黄金世代前後、スズカさん世代やリューz…覇王世代らへんの固有を当てにするのは危険という訳です。

その点キングヘイローのシナリオならシンボリルドルフ(カイチョウ!?)やシーザスターズとかち合う心配しなくていいんで継承するには良いと。シースタはジョーダンちゃやナカヤマさんやらおぶえとかの世代付近ですしね。

例外は今回バケモン化してないためダートに行くだろうウララさんくらいですかね効果も回復ですし。ウララちゃんは別だ。

 

ただそうは言っても絆で得られるのは固有だけではなく汎用も然り。

なのでこうして出来た隙間の時間には…

 

 

『エルコンドルパサー今ゴールイン!直線は8人をごぼう抜き、見事な追い込みを決めました!』

 

ブエノー!(Bueno!)エルの初飛行は順調デース!」

 

 

(ヒントゆすり)でもやっとけばいいんです。

そんな訳で東京競馬場で行われるエルちゃんのメイクデビューに来ました。近場ですしね。

 

あと今日は明日が休み(土曜開催)なので。コンビニでにんじんジュースとオーガニックスナックを買ってから、やたら滅多に人が来るところなので、そこでしこたまジュースを飲んでから観戦し(ンやり)始めたんや。グラスちゃんとセイちゃんの3人でコース舐める様に見合いながら分析だけに集中し、持ってきたビデオカメラで3本ずつ動画を撮り合った。

 

 

“別に撮るのは3本に限らないけれどね”

 

 

あれ?そうなんです?

 

 

“折角レース場に来ているのだから。少なくとも同じジュニアの子達のレースは撮ったし、後は1勝2勝クラスの先輩方のを撮らせて貰うつもりよ。惜しむらくは今日の東京開催、メインレースがダート戦な事ね…”

 

 

はぇ^〜情報収集に余念が無くてすっごい…

 

 

“あら。次の出走までは疲労抜きに専念と言ったのは誰かしら?調整や追い切り以外は控えるしそれに、こうした研究も何かに繋げてこそ一流。でしょう?”

 

 

おっ、そうだな(適当)

 

 

“…別に威張るつもりはないけれど。そういう腹づもりはないにしても、私今それなりに良い事言ったと思うのだけれど?”

 

 

え?なに?褒めたりした方が良かったんです?

 

 

“…いや、何でもないわ。そういうモノだものね”

 

 

おっ、そうだな(適当)

じゃけんエレクトラムアストログラフ並のズッ友いつメンとお話しておきましょう。細かな絆イベで細々と積み上げます。主にスキルPt。勿論ステ。スキルヒントだってワンチャンありますしね。

 

…ま、今回はありませんでしたが。今回のお目当て潰されてるんですが…まぁ良いでしょう(マスター寿司屋並感)

 

次行こうぜ。セイちゃんのメイクデビューも見とけよ見とけよ〜?まぁそれお嬢の次走直前週なんですがね。まぁ良いでしょう(外道SNKNGOLD並感)

 

日曜は遅めに起きて軽くつまみ、優雅に昼飯を頂いて折角ですから(セッカクダカラ)午後から夕方までビデオ研究にあてます。分類上短めですが賢さトレーニングになりますね。ちゃんとノートに記入(くわえ)入れろ〜?

 

そんで7月。第1週第2週と第3週の平日が使えますが、第3週は追い切るため第1週第2週には体力に余裕を持たせたい。然し幼年期編ラストで言った体力消費軽減のコンディション《鉄の身体》、後その先の上位コンディション獲得の為に若干攻めたいんですよね…

次々走が9月第1週である事を考えて、フラグ積みの為に…第3週追い切り時点で体力を4割9分〜7分くらい。レースに使って3割程度になる様な調整ですね。

 

現状が5割強程度…まぁ連闘してほぼ体力空からの休養しながら若干ゃ賢さトレだの絆だの挟んだのでこんなもんでしょう。賢さが広がってないか?

1週間まるっと休みとってトレーニング連で積む?いや安牌に甘え過ぎるてるか?だったら1週間単位でトレ休み追い…うーん…お出かけトレ追い…は回復量微妙に足りないか…?

ん〜〜〜〜〜(クソ長考)とりあえずステチェック。

 

 

◯パラメータ

スピード:E+

スタミナ:F+

パワー :F

根性  :F

賢さ  :A

 

◯スキル

Pride of KING:Lv.1

#ウマ細胞#トップギア!

 

◯コンディション

世話焼き上手

英才

切れ者

努力家

 

◯絆

エルコンドルパサー:Lv.5/5

グラスワンダー  :Lv.5/5

セイウンスカイ  :Lv.4/5

スーパークリーク :Lv.1/5

ハルウララ    :Lv.3/5

 

 

うーん…なんかウララちゃんが絆3なのはいいにして。

クリークの絆昇格ボーナスの体力回復とマエストロ早期取得狙って絡み集中で行くか…?ただパワーが殆ど手付かずなのが不味いですね。スピードとの乖離はあの併走イベントですね大体。

スタミナ自体はジュニアでは其処まで問題にはならないとしても此処が無いのは厳しい。パワーのトレーニングすればスタミナも上がりますし。スタミナがあればシースタの固有も出やすくなりますしね。発動条件が最終コーナーでスタミナが残ってればいい、なので。

 

よし。暫くはパワートレーニングに集中。絆1以上の時絡みに来てくれ易くなる仕様に期待しながら休み含め(つぶさ)に調整します。行動単位狭めを嫌ってはいけない(至言)途中新たな絆も来て欲しいですが大幅な体力減少等の面倒なイベントが来ない事については祈りましょう。

 

オラッ!秘密のパワー!

 

オラッ!恐竜パワー!

 

此処でオヤスミー

 

オラッ!百獣パワー!

 

オラッ!魔法パワー!

 

オラッ!轟轟パワー!

 

夜練………イッテイーヨ!(考え無し)

 

あっ!マチタン先輩にライス先輩じゃんお疲れナス!マチタン先輩は実装おめでとナス!

………ん?あれ?実装もなにも最初からいるだろ何言ってんだわしは…?ママエアロ(寛大)

 

ふぅむ…此の2人もステイヤー気質で固有で回復持ち…

よし!夜練延長してついて来ましょう!ちょっとした持久走気分です!なぁにチャートとかないんだから全てはフィールです!

 

おっ絆Lv.1入ってんじゃ^〜ん!

…なんか早くない?なんで?……あれ?2人ともお嬢知ってるんです?

ライス先輩はウララちゃん経由。マチタン先輩は…ほへぇ、OCで一緒に走ってたんすか。出走表見てなかった(ガバ)つかそれでLv.1になるのが早いんすね。

 

じゃあ帰って睡眠に堕ちろ!堕ちたな…(就寝)

 

起きたら今日は休養!次!

 

オラッ!暗黒のパワー!

 

オラッ!海賊のパワー!

 

7人揃って!Power Rangers ZENKAI!!

違うだろぉ?

 

あっ、ママー!回復ちょうだい!

…スタミナとスキルPtはくれました。うん、ありがとう。でもそろそろLv.2くれてもええやんけ…(小声)

 

此処でセイちゃんのレース!観戦するので汎用くーださい!

 

…こないぃぃぃぃぁぁあぁぁぁぁぁ!!!(LMORMN)

 

うーん、なんかツモリが悪い。メイクデビュー観戦時ってこんなもんでしたっけ?ヒント出るのってメイクデビュー以外だったんだっけ?忘れちゃった。まぁ良いでしょう(TDNホモ・サピエンス並感)

 

 

さぁ7月第3週…

2日休んでから水木に悶絶調教、パワーとスピードで追い切ります!

 

特命パワー!獣電パワー!烈車パワー!手裏剣パワー!動物パワー!

宇宙パワー!怪盗パワー!警察パワー!騎士竜パワー!魔進パワー!

零一パワー!聖刃パワー!悪魔パワー!

 

みんな揃って!!Mighty Morphin SENPAI-gers!!

 

パワーばっかじゃねえかお前んメニュー!

NKYMKNNKN(腹筋崩壊太郎)じゃねえんだぞ!

 

気を取り直してせっせかパワーとスピードです。

…因みにさっきから小刻みにトレーニングしてますが、体力等調整しやすいというのと、学園にいる時は此の様に最小単位で行動すると合間にイベントが起きやすいと言うオカルトがあります。今のところ全敗です。所詮オカルトなので信じてはいけません。

 

 

と言うわけでやって来ました函館レース場!除外は無かったので安心して挑みましょうGⅢ函館ジュニアS!

ンッン〜。ブルマ姿のウマ娘ちゃんが眩しい。勿論普通にズボンも良いんですがね。令和人類史でブルマが滅んだ理由が窺い知れちゃう…ヤバイヤバイ

 

まぁ安心も何も今のお嬢が勝てないのなら誰も重賞勝てないですから。ハナクソ食べながらでも勝てますよガハハ*1

 

で重賞に出てるのでライバルウマ娘は…有力なのはアグネスワールドでしょうか。史実ではこのレースに勝ってますし、お嬢の高松宮記念で3着、何より海外GⅠを2勝もしてる名馬ですね。

 

ですが其処は我々のお嬢。問題なく───俺の勝ち(1着)!(HNDKISK)なんで負けたか明日まで………ん?なんですSSKさん?

 

え?スキップ?しましたけど……実況?

 

 

 

や っ べ ⭐︎

 

ああぁ!?痛い痛いいったい!!!?!?ごめんなさい忘れてましたついいつもの癖でっていってぇ!?!?

違うんです今日喋り過ぎでこれ以上喋るの辛いからとかそんな事はないってアツゥイ!!?すいませへぇ~ん!!アッアッアッ、熱いっす!熱いっす!

ごめんなさい次!次からちゃんと実況しますから!!

 

はい、はい…ええすみません。す()かり忘れてました実況すんの。じゃけん気を取り直してサクサク行きますよ〜。

 

 

◯ステータス上昇!

スピード:D→C

 

《スキルPtが上がった》

 

 

ファッ!?伸びすぎィ!?

 

いやいくらD+目前だからってそんな上がる???

…あー、《努力家》と《英才》のコンボ?成る程成るほ……え、お前《英才》くんそれレスボに乗るの…?

 

…文を確認して要約すると『全ての行動と判定に賢さのパラメータに応じた+補正』、なんですけど。これまさか全てという事は全てという事ですのセクシー語なんです?然も内部計算式的に+じゃなくて×補正説ある??

いやこれ一気に60近く上がってるんですけど…え?これGⅠとかトライアル戦とか海外重賞とかじゃないですよ??

 

 

………

 

 

(無言の電話)

 

もしもし?GTさぁん?ねぇ、さっきから見てるんでしょぉ〜?頼んでおいたタキオンで《英才》取った時の挙動調査、時間がないんで早くしてくださいよ…!

え?断る?そもそもマゾルートな上基本超ドレアコンディションだから取れない?関係ねぇんだよそんなの…!!

アッハイすみません調子乗りました…じゃ頼みますね…あい、失礼シャス〜うーい。

 

 

……

 

ええと、うん。

なんと言いましょうか。アレですよアレ。

こんなもの!とかンアーッ!とかじゃなくて。

 

 

 

 

 

もうほんっっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

『っとにびっくりした!』

 

 

わひぃ!?

 

 

天を衝き、ともすれば頭がぱぁんとなる程の大声が反響すれば、飛び出るのは同じく腑抜けた悲鳴。だが少なくとも前者は私以外に届く訳もなく。

 

 

\ザワ…ザワ…/

 

\オヤ?ドウシタンダロウ?/

 

\タイオンカンチシタ…マルデヘビハカセダナ/

 

 

結果、こうして記者会見に訪れた面々へと私の叫びだけが垂れ流されるのだ。

 

かぁぁ、と頬が羞恥に染まっていくのが実感される。

なーにが悲しくて気持ち良く勝ったこの日に…然もただでさえ最近は調整を細かくとか言って終始あの声が響いていたのだ。其処から珍しく解き放たれ清々しい気持ちでレースに集中出来たのに…

 

…あの存在へは、ふざけないで!と声も迫真に言ってやりたいが今はそんな事を考えてる場合じゃない。此処を何とか乗り切らなければ。

 

でもどうする?どうするの?

唐突に話の最中に声を差し込む様な……いや、あった!これでどうかしら!

 

 

「あ゛っ、その…おーっほっほっほっ!皆様方失礼を致しました。少ししゃっくりが出てしまいました」

 

 

しゃっくりて。

 

……凄く逃げたかった。スカイさんじゃあないのだけれど。しゃっくりってなによ…

 

 

\ドッ/

 

\アッ…ソッカァ/

 

\シカタナイネ/

 

\ワーチョワーチョマーチョマーチョナチョノーン?*2/

 

 

嘘でしょう…なんでこれで通じたの…?

 

 

大丈夫、キング…?

 

ええ大丈夫、大丈夫だから背中はもう良いのよ?

 

 

なんかトレーナーも心配して背中をさすってくれたし…何なの…小っ恥ずかしいのだけれど……

 

其れも此れもあの存在が全部悪い!もうそういう事にしておきましょう。大事なのはこんな事ではなく此の記者会見なのだから。

 

 

「さぁ!会見を続けましょう。このキングに質問をする権利をあげるわ!」

 

 

衆目の前での羞恥も心機転じて誇らしく。

世代最初の重賞にて其の旗揚を成す、即ち新時代の幕開けを告げた此の私には責務と栄誉が───

 

 

「じゃあまず、年齢を教えてくれますか?」

 

「いやジュニア級なんだから大抵察せられるでしょう!?」

 

 

───あるのよねぇこれ!?

 

 

「…あー!あー、えっと、24歳です!」

キング、多分これ私への質問…

 

「…………………………………あっ…」

 

 

…いよいよもって顔から煙が出ているのは、ウイニングライブを終えて火照っているのだろう。もうそういう事にしておいて頂戴……

 

 

マジメそうなインタビュアーがハハァ、と零した笑みが今は何よりも心に突き刺さったのである。

 

 

 

 

*1
感染症等のリスクやそもそもの常識的に考えてハナクソを食べるのはやめましょう。でも気持ちはわかる。家とかで鼻をほじってると、ついやっちゃうんだ⭐︎(オワピ)猛省。

*2
またまたぁ、間違いじゃないの?






やぁやぁやぁそこのお前!!!このSSもどきを見てくれたんだな!!!
これでお前もお嬢との縁ができた!!!!!笑え笑え!!お嬢との縁は超良縁だ!!!!!

こっからは本筋とは関係ない話が阿保程長いのでブラバや上スクロール等を推奨するぞ!!!!!
悪縁は断ち切るに限るからな!!!!!

































ディープボンド




阪神大賞典連覇




おめでとウッ





素晴らしいわー!それでこそ一流の系譜よー!!
ユーイt…某一流ジョッキーもフェブラリーS見事だったわー!!……この人あの香港スプリントから復帰してすぐ勝ってるのはおっp、オッパゲドン…!
というかドバイ出走の日本馬ァ!!すげぇなオイ
まさか海外で大接戦ドゴーンやるとは思わないじゃないですか!しかも同着!!
凱旋門賞以上にノーチャンとか言われてたBCにも手が届いたしやっと…日本も全体のレベルが上がったんやなって…
後は全体としての洋芝や土ダートへの対応力や遠征に対する輸送強さなんですかね…まあここまで全部素人見聞なんですが





ダンシングブレーヴ親系統確立前にキングヘイロー親系統確立しちゃったので初投稿です。だからホワイトマズルらへんのラインでも頑張るか孫世代上手く使っとけと…然もホワイトマズル確立したらST系じゃんお前…
やり直して今度は架空やらごにょごにょしたりやら何やらでシンザン系確立できないか頑張ります。牧場名は暴太郎牧場です。これで戦隊とも縁が出来たな!!!!!さあ祭りだ祭りだ!!!!!(キタサン要素(大嘘))
欲言えばセクレタリアト系やニジンスキー親化も立てたいけどんにゃっぴ…なんなら理事ちょ…きたあじ確立し忘れてましたからねあの箱庭。非ネアルコ縛りは勘弁して下さい…
2022体験版いつだすんだよおめーよーURAに言うぞおめー
→3.31配信決定やったぁ!
→…なんか気づいたら明日だよハルトオオオオオオオオオ!!!時間見てやるよハルトオオオオオオオオオオオ!!!!!


上こんな事言ってますけど就活やら期末やらなんか分からんうちに利き手の舟状骨(主に親指を支える骨)がコ゜ッ!!(超激痛)して内なるひでが目覚めた結果片手が何も出来なくなって固定したりしててまた間開けましたねぇ!4本指は動くとはいえほっとんど利き手と逆の手での隻腕状態を強いられるのいやーキツいっす(素)
腕そのものがなくなったわけじゃないとはいえ本当しんどいし骨自然治癒しないのは分かったからさっさと手術なりなんなりしてこの痛いのどうにかして…
流石に就活だ研究室だなんだ以前に日常生活のあれこれが厳しい……運動もウォーキング以外禁止だし……ウイポ新作もだけどレジェンドアルセウスも暫く積む羽目になりそうで狂いそう…!(やり場のない怒り)

それはそれとして遅れそのものは誠意のオスマン帝国。まぁこの話大半がES書いたり面接対策したり最終面接したりしながら書いたんですけど。どうして現実逃避は創作意欲を発生させるんだろう?\いわばケツだな/


珍しくゲームやってるかもしれない回。
本当はレース実況やその次走の頭まで行きたかったけどもう4月入りそうなのと続けるとやたら長くなりそうな字数量からして此処で区切り。行き当たりばったりが酷い。
それっぽいふわふわした解説(大体此処で力尽きる)→お嬢の行動→対処(ガバ)、このSSもどき基本1話1話の進み方がこうなり竜頭蛇尾になっちゃうなぁと構成力そして文章力のNASAを感じ入るばかり。ニホンゴムズカシデス。面白い文魅力的な文が書けるようにもっと精進しなきゃですね。

ぼくは頭おちんぱんなのでスキル関連は本家のみならずウイニングポストシリーズから拝借したりしてます。(或いはダビマスからも有りなんじゃね)
なのでこの話書く為に本家のスキル改めて漁ってみたんですが…初期に書いた4、5月時点では稼働して2ヶ月程。其処から今に至るまでそりゃプールは増えるわ環境は変わってますよねって。

しらなーい。最初から全部無鉄砲のノリだぜバーカとしか言えない。そうじゃなきゃお嬢小6時点でで未デビューだった子が急に如何にも全て成し終えたみたいな面してない。これも全て乾巧ってやつとドン・サウザンドってやつとユグドラシルってやつと鴻上博士ってやつと草野優衣ってやつとエルコンドルパサーってやつの仕業なんだ…
なんなら半年経ってもまだプロットとかないし進め方は其こそテンションだけでノーブレーキ。いや逆にアオハルやらTSC絡められるか…?(無謀)

流石に創作を無礼無礼(なめなめ)しすぎでは???
反省を込めて失踪します……
次回で今回入れ切らなかった函館ジュニアSや前々回のリギル視点、露骨に進行パートでハブっちょるトレーナーちゃんとか現状のまとめとか等の諸々をかねた閑話、というかもう描写的に別視点の小説パートというかそんな話をするかもしれないししないかもしれない気もするけども。では此処でだらしのない自分へ喝を入れる一句。




オペトレの

闘魂注入

鞭が飛ぶ





ウッ




次回は就活かおててが落ち着いたらにします(適当)






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閑話06 JUNCTION of the KING/_and around her





Obey

従う。
符牒は15番目のO。
王の号令は此処に。

 

Step

歩み。
符牒は19番目のS。
王の足跡は鮮やかに。

 

Wield

振り回す。
符牒は23番目のW。
王は嵐となって揺り動かす。

 

Besieging

悩ませる。
符牒は02番目のB。
王は、触れた。

 

Fluke

偶然。
符牒は06番目のF。
眺める者よ、其の出逢いはなんと評す?

 
 
 
 

Junction

接合点。
符牒は10番目のJ。
繊維を紡ぎ、王に外套を造ろう。

 
 

まだ糸の一本にすら届かない、ばらばらな繊維(あれら)を。








 

 

 

from:someone

 

 

 

 

 

まるで、風の様だった。

 

 

私には難しい事は分からない。だからこんなありきたりな例えしか出来ないけど。

 

地面を、ターフそのものを揺らしたと錯覚させる様な踏み込みを感じた時…

 

 

───此処に確かな、風が吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

from:King_Halo

 

 

 

 

 

函館レース場。

梅雨期の湿気で尾が萎える初夏、其処を抜けての7月は爛々とした陽気が良バ場を創る。

 

何時ぞやの記憶でこの時期を小暑といい、此れには更に七十二候で言うところの温風至(あつかぜいたる)*1が含まれるとグラスさんに教わった事があるが、成程風云々は兎も角暑い時期が来ると予感させるに相応しい。

 

曇る事を知らないとでも言いたげな晴れ様は、然し北国の大地に暑過ぎるを(もたら)さず、正に快適といったコンディションであった。

 

…こと、レースを控えたウマ娘を除けばだが。

 

 

「蹄鉄良し、脚元良し……気力良し。ふぅ…」

 

 

そのうちの1人が私だ。今日に向けた追い切りでほんのちょっとばかり疲労はあるものの、逆にそれが身体的な緩みがない証明なのかも知れない。

流石にこのレースの後は休養を入れたいところだが…其処まで考えてるとなるとあの存在の手腕も空恐ろしいと言うべきか。識っているのと実際に感じ入るのではこうも違う。

 

…いやいや、今はレースを注視しないと。

改めて函館レース場の俯瞰図を…記憶としては見慣れたその構図を観る。

 

函館レース場、芝1200m。

 

スタート後は向正面から第3コーナー迄大体700mの直線、高低差約3.5mのなだらかな登り坂。そして第4コーナーでは1.5mを駆け降り、大体260mの短い直線へ。

 

此れが何を意味するか。

 

 

「キング?今大丈夫?」

 

 

…戸を叩く音が聞こえた。

声からしてトレーナーだろう。

 

 

「大丈夫よ。入って頂戴」

「うん、入るね……レースの予習?」

「ええ。一流たる者、最後まで準備は怠らないものよ」

「…そっか。流石だね。

…よかったら、キングなりの意見を聴かせてくれないかな?」

 

 

意見。意見と来るのね…

 

 

「そうね…単純な一般論でいいのかしら?」

「勿論。意見っていっても、そんな小難しくなくていいよ」

「ならまぁ、難度はやや高いと言おうかしら」

 

 

そう。函館レース場の短距離戦は私にとって───広く言って差し・追込のウマ娘には難しいレースと言える。

 

 

「難度がやや、高い…どうしてそう思ったの?」

 

「…このレースは10人立て。私は7枠8番と外枠からの発走ね。まず大きな不利として、そもそも函館レース場は最後の直線が短い点。私が差しウマ娘なのはメイクデビューでも見せた通り。レース場自体が直線勝負をしにくい形なのよね。だから大方前残りになるレースになる。

 

次いでコーナー自体に登りと降りが設けられている点。平坦な箇所が殆ど無いから外枠なのも含めてコーナリングには相当気を遣いそうね。先の点と合わせて…コーナーで先団に入り、インを突いて先頭に出るって展開には難しいでしょうから、降りで加速しつつ外を回して直線に入る戦法になるって言い切れるんじゃ無いかしら」

 

 

実力が拮抗してるなら正味、このレース場で外を走る差しウマ娘は掲示板が良い所だとは思う。勝ちに行くなら持つべきは或いは…

 

 

「ま、だからこその対策もしてきて……ちょっと、聴いてる?」

「…あはは…うん。此れは私が何か言う事も無いなぁって思ってね」

「聴いておいてそれなの…もう」

「ごめんごめん。でも其処まで分析が済んでるならきっと大丈夫。それに…対策があるんでしょ?」

「ええ、勿論よ」

 

 

改めてコースの見取り図を2人で挟む。

 

 

「まずもってこの1200mは4コーナーに入るまでの前半戦を登り坂で争うわ。前残りになりやすい特色故、先団勝負は熾烈になるでしょうね」

「其処に足のとられやすい洋芝のコース。つまりは…」

「前半戦で使う力は見た目以上に相当な物になるでしょう。そして短い直線である事から───」

「重要なのは最高速(トップスピード)より最高加速(トップアクセル)。其処に至るバ(りき)

「詰まるところ登攀を苦とせず、かつ瞬発に長けたパワーでの勝負、ね」

「其れを見越しての坂路を始めとしたパワー中心のトレーニング。参ったなぁ…」

 

 

立つ瀬がないや、とトレーナーは白旗を掲げた。

…最も、私にしたってトレーニングの種別其の物はあの存在に従ってである以上、何を言えたものではないのだけれど…そう言えば、トレーニングをした際にトレーナーに窺いを立てたものの、彼女から特段否をつけられてないわね。私は何のトレーニングがどの能力を伸ばすのかを数値で把握できるから良いにしても、彼女はそうではないはずだ。

 

 

「…私からすれば、貴女が異を唱えないのが気にはなったけれど」

「んぇ?あぁそれは…キングがそう考えた、からかな?」

「フゥン?堂々と付和雷同の宣言かしら?」

「いやいや違うよ!?トレーニングの内容も練られてたし想定された意図も理解出来たし、何より……キングの考えは尊重されるべきだと思うからね」

 

 

…私の?

 

 

「どう言う事?」

「なんて言うのかな…勿論道を提示したりするのは当たり前の事だし、そう求められるのなら何処迄だってプランを詰める。其れがトレーナーの仕事。」

 

 

でもね。

そう前置いた彼女の瞳が、私を見据えた。

 

 

「私はやっぱり、ウマ娘には、好きな道で輝いて欲しいから」

 

 

やけにぼやかした様な、抽象的な言葉が飛んできた。

 

 

「…というと?」

「……私が名のあるトレーナーじゃ無い事は知ってる?」

「よく聞くよく観ると言う点ではね。ただ其の大小(そんなこと)は何一つ問題に成り得ないと思うわ」

 

「………ありがとう。例えばなんだけどね…三冠を目指したいとか、ステイヤーとしてスプリンターとして頂点に立ちたいとか。そう言う夢は幾らだって持っていいと思うの。キングだって勿論ね。

 

そして其処に至るまでの道を考えて示して、擦り合わせる…其れが、其れこそがトレーナーのやるべき事だって、つくづく身に染みた。私がやらなきゃいけないのは、勝手に与えて導く事よりも背を押す事だった。

───そして、観たかったのは、やっぱりやりたい事をやりたい様にやっている子なんだって事、思い出したからかな」

 

 

くしゃりと笑みを浮かべた顔から伝わってきたのは、自分の夢とその背景である悲しさ。

トレーナーの身の上ははっきり分かる訳ではなかったが、それでも彼女がどんな指導者(トレーナー)なのか…少しは垣間見えた気がする。

 

 

「───ふふっ。トレーナーったら」

「あはは…私が偉そうな事言っても説得力は無かったかな…?」

「いいえ。まるで質問の答えになってなくてね」

「えっ……ええっ!?変な事言ってた!?」

「ええ。とても変な事をね…ま、私が間違わない限りは尊重してくれるし、間違ったなら其れは止めてくれるって事で解釈しておくわ」

 

 

「キングヘイローさん、準備お願いしまーす!」

 

 

戸の向こうからかけられる言葉で認識が此処に戻ってくる。

 

 

「時間みたいね」

「そうだね。いよいよ重賞……重賞…私重賞って初めてだった!?えっとえっと、キング体調は大丈夫だよね?蹄鉄も靴も異常無し?後は後は…そうだ9番と10番はどっちもメイクデビューは先行で後直線はムーニーバレー*2

程じゃなくても日本最短だから早めの抜け出しを心掛けてね後はえっと…!」

「落ち着きなさいおばか!!」

「はいいぃっ!!?」

「もう…今更慌ててどうするのよ…」

 

 

全く……締まらない人だこと。

ある意味で其れが有り難くもあるのだけれど。

 

 

「……大丈夫よ。貴女は私を信じた。なら今度は私の番。このキングにGreen_Light(ゴーサイン)を出した貴女の判断を信じて走るだけよ───行ってくるわ」

 

「…っうんっ!行ってらっしゃい、キング!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バ道を、行く。

 

 

 

 

 

 

「私はやっぱり、ウマ娘には、好きな道で輝いて欲しいから」

 

 

 

 

 

思い出されるのは、トレーナーの言葉。

 

 

 

 

 

「観たかったのは、やっぱりやりたい事をやりたい様にやっている子なんだって事、思い出したからかな」

 

 

 

 

 

 

 

彼女は知らない。知るはずもない。

───知って欲しくも、なかった。

 

 

 

 

 

 

私の道は、だれか(あの存在達)が決めた事を。

 

 

 

 

糸の見えないマリオネットは自分で動いている様に見えるだろう。実際にはただの人形であったとしても、其れを見ている側はそうとは限らない。

 

 

なら人形自体が生きていて、傀儡子(パペッティア)を誰も観測出来ないなら。

 

 

───人形(わたし)は、何処に居る?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…今は、考えるのを辞めた。

 

否、そもそも決めた筈だ。

 

 

後ろへ振り返るな。

 

 

進め。

 

 

 

 

 

 

 

私の脚は、ただ前に。

 

墓標の群れを踏破する迄。

 

()の存在を引き摺り出す迄。

 

 

 

 

 

 

 

翠玉は鈍く、然し泰然と光を反射する。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直な所、レースの時間が大好きだ。

 

最も、余程の事情、優しすぎたり臆病すぎたり等がないほぼ全てのウマ娘が走る事を何よりの心の解放としている以上は、どうした急にと言われても仕方がないのだが。

私の場合は、あの存在が関わってくる。いや、関わって来ないからいいんじゃあないの、という話だ。

 

 

何でもあれは“レース自体には干渉出来ない”らしいのだ。他の時間、朝の起床から夜の就寝…或いは夢の中までそうなのかしらね。まぁほぼ四六時中ついて回られてる中で、なんと其れが発生しないタイミングがある事が分かっている。

 

その内の1つがレースで走っている際中…ひいてはゲート入りからウイニングライブが終わるまでなのだ。

小学生時代はウイニングライブに相当する様な文化があったりなかったりしたが、兎も角現状レース中だけでもあの声を聴かなくていいのは清々する。

 

無論役に立たない事は無い。殆ど完璧と言っていい具合に体力のラインを見極め、どの程度まで攻めるか。レースの出走に際する対策等でも…利点は数知れない。レース中に第三者の直接指示が聴けるのであれば尚更だろう。

 

だが其れは其れ。

もっと単純に、私が私だけになった様で、何というか───。

 

 

『8番キングヘイロー、ゲートの中でも大きく伸びをしています』

『此の時期にしては落ち着き払ってますね。とてもリラックス出来ているんじゃないでしょうか』

 

 

………。

 

 

隣どころか四方から凄い視線を受けてるが、ゆっくりと肩を回して準備は出来てますアピールに切り替える。

 

…此れはそう、ただ闘志が漏れ出てるだけよ。そうよね。うん。

 

 

耳に熱が行くのを感じながら…………スタートを切る。

 

 

 

GⅢ、函館ジュニアステークス。

世代最初の重賞、鬨の声を挙げるべく───少女達が舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

from:someone

 

 

 

 

 

「圧倒的な大本命。贔屓目が入ってる事は否定出来ないにせよ、勝つのは彼女でしょうね」

 

 

「故に見せてもらいますよ、キングちゃん。今日の私が貴女から学べる───その全てを」

 

 

 

 

 

 

 

*1
七十二侯の一つ。雲間からの陽が段々と強くなる頃の事。なお厳密には温風至は7/7〜/11の間を指し、7月第3週としては/12〜/16の蓮始開や/17〜/22の鷹乃学習が正しい。序でに史実での2021年函館2歳Sは7/17(土)、2022年は7/16(土)予定、1997年函館3歳Sは7/27(日)である。同じレースだが2001年の変更までは数え年なのでこうである。いずれにせよやっぱり時期外してるじゃないか(憤怒)馬鹿じゃねえの(嘲笑)あと一々解説が冗長なんですよ私!(バシィバシィ

*2
ウイポやってる人大体知ってそう(偏見)な競馬場。最終直線が最も短い日本の競馬場は函館競馬場で約262mだが、オーストラリアにある此方のムーニーバレー競馬場は約173m。東京競馬場が約525mである事を考えるとこの世の終わり具合がNKTIDKSGのOバック並。100mを5秒フラットで駆けるコブラで考えれば約4.5秒も違ってくる。なおトラック一周距離で観ると函館1650m、ムーニーバレー1805mになる。世界の競馬場の形やコースは王侯貴族等娯楽としての歴史やビジネスとしての特色なんかも絡んで恐ろしいぞ♂(レ)是非とも叡智を学ぶべき♂(レ)







(ねじ)り、(よじ)り、束ね、結う。

(えん)(ゆかり)は紡がれ糸に。


紛れた異物は樽の中の腐った林檎か、朱に交われば赤ともなるか。



万事は(くう)に紛れ、真不知(まことをしらず)
















ア゛゜ッッッッッ
(KBYS製薬)


なんてコ゜ッ、出してやがる…RIDE ON…!
あれは…応援団タイチョウ!?…キング・ヘイローだぞ…
プリトモダァ…///髪型もサイドテールで新世代型系統確立()が捗る……捗りすぎてオレオ止まんねェオレオ!!

去年はアレだったのもあってお誕生日にこんなカッコかわふつくしい衣装貰えてウレシイ……ウレシイ……(ニチニチ)
衣装違いってそれよか新しいウマ娘がほちいって思いもあったからか今まであまり食指が動かなかったんですが今回はやばいですね…おばいつぉ出来ないのにえい!しん!ふらっしゅ……ぶりに課金しそうでマジ狂い!





フッ!!ハッ!!!!
読者!!!どうしてシングレを読みに行かない!!??!?!?1!17!!!第二章までの76話が全部見られるのは5/8まで!!76!!!お前は甘い!!単行本の買い様見せてやる!!!!!(突然脚から生えてくるオベイユアダイマコト兄ちゃん)



研究室やらなんやらに追われながらなんとか1個内々定を無事確保し確実に就職浪人が消えてやっと親に顔向けできると安心してたらお嬢の誕生日だったのでどんなに短くても初投稿です(受験浪人大学留年奴並感)
こんなの書いてる時点で末代までの恥だぞとか言う人は制圧力強すぎ問題からアルデク(崇光なる宣告者)かVFDか5素材ロンゴミアントって呼ぶのでお覚悟を。


台詞と地の文の配分がわからねぇ!!!!!
──────知ら(知らん、そんな事)管。(は俺の管轄外だ。)おれはふいんき(ナゼカヘンカンデキナイ)でぶんをかいてる。
このSSもどきでの閑話は周辺人物の動きだったりお嬢の周りで起きてる事を其々の視点中心で書いてるので台詞多めにしたい所もあるしそれはそれで見辛いし切りどころもあるくない?って思うしで中々…難しいねんな。此れしか言っとらんやん猿ゥ!



ウワーッ!?VMが最強の牝馬(ギャラクシー)決戦!!(半ギレ)
…冷静に考えると牝馬限定戦で距離も1600とエリ女保たない子でも目指せるってなら態々牡馬に混じって古馬戦線やるよか狙い目だしやらない理由無いんですよね。

なんでかウマ娘ウイポダビスタetc競馬ゲームだと影が薄い気がしないでも無いですが(超絶偏見)ウマ娘だとげんさく牡馬も女の子だからシナリオに中々出てこないってのもありそう。というか普通に前からなかったっけって思ったら2006年から開始でかなり新しいGⅠなんですね。カブトにボウケンジャーと同期って考えるとおーん…ってなる。ならそもそも00年代以降のおうまさんの許可が中々……許諾して下さい!なんでもしますから!!(禁句)

ただ近年の牝馬はかなりビッグネームが出てますし牝馬戦線にも注目ですね!
ね!ソダシちゃん!!久々の芝だけど頑張れ!!!



タクヤ?今“4/1に発見される者”ד金襴緞子”の同い年組の子モチーフでルドルフ世代に闘いを挑むって電波を受信しました。すぐ書けますか?(一般鬼畜マネヱヂヤア)

マジかよぉ!毒電波ってチョーSだよな!(バックレ)




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閑話07 Notable girl, that's you. KING.

 

 

 

 

from:【β_Orionis】

 

 

 

 

三伏*1の侯、野鶲(のびたき)は夏を気ままに旅し、島柄長(しまえなが)は森に白雪を隠す。

 

北の大地、北海道は函館レース場。

其処に或る1人のウマ娘がいる。

 

 

少女は唯、座して待っていた。

己が宿敵(しんゆう)の出走を。

 

 

「……居たか」

 

 

ふと、少女に声がかかる。

見やれば彼女もまたウマ娘。其れも少女が所属しているチームの先輩にしてトレセン学園の生徒副会長。

 

少女がメイクデビューを終えたばかりのウマ娘である事を考えるなら、本来であればこうして余暇に顔を合わせる事はまずあり得ないだろうビッグネーム。

そんな彼女が少女の背後に立った。

 

 

「───先輩。いらっしゃっていたんですか?」

「ああ。暇してるなら後輩の様子でも見て来いってどやされてな…」

「そうでしたか。其れは御足労を…」

「別に良い。第一、見ると言っても目的はもう一つある」

「と仰いますと?」

「お前と同じだ」

「成程」

 

 

どうやら2人は同じ目的の元、此処に居るらしい。

 

 

「メインのジュニアのレース、ともなれば敵情視察…にしてはアレが随分騒いでいたが」

「……申し訳ありません。キツく言っておきますので…尤も、流石に調整を投げてこっちに来させる訳にもいかないでしょうから」

「そうか。然し…“踊る栄光”、“勇者”の子、か」

 

 

其の言葉に、少女の耳が跳ねる。

 

 

「…御存知なのですか?」

「又聞きだ……だがそんな下バ評なんぞ知らん。大事なのは奴自体が強いかどうか、其れだけだ」

「……ええ。私もそう思います。ですが、懸念は其れこそ不要かと」

「?」

 

 

目線をコースに移した少女は静かに、然し確かな口調で断ずる。

 

 

「あの子はあの子として強いんです───己の出生など関係ないと言い張る様に」

 

 

「ほぉ…随分買っているな」

「昔からの付き合いですし…何れは越えなければならないと思っていますから」

「ならどう見る?今日の此れは」

「あぁ、其れは勿論───圧倒的な大本命。贔屓目が入ってる事は否定出来ないにせよ、勝つのは彼女でしょうね」

「…そうか。覚えておく」

「えぇ。是非に」

 

 

其の会話を最後に、2人の心はターフへと移る。

 

 

(そう。今現在迄でジュニア期をスタートさせた者の中では、貴女が群を抜いている。とても、とても悔しいですが…私を含めて)

 

 

視詰める少女の瞳から窺えたのは、慙悔。

 

 

(ですが…ずっと遠い其の背、必ず差し切って見せます。エルよりも、スカイちゃんよりも、私が先に)

 

 

そして、其の念を塗り潰さんと燃える、闘志。

今はまだ遠く、永い冬の中だろうとも。

 

 

「故に見せてもらいますよ、キングちゃん。今日の私が貴女から学べる───その全てを」

 

 

冬来たりなば、春遠からじ。

 

 

夏の暑さでも溶けない氷河を溶かさんと1人の少女、1人のウマ娘(グラスワンダー)は焔を燃やす。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

from:King_Halo

 

 

『残り800mを通過して、先頭は5番ナルキッソス更には4番ドミツィアーナ9番サドンアタック前3人の競り合いを起点として、かなりのハイペースで進んでいます』

 

 

やはりと言うべきか、先団勝負は熾烈を極めている。

本来温存しておくべき差し脚を少し出して着いて行かなければ、離されすぎて差せないかも…?というくらいにはハイペースな展開で登り坂を駆けて行く。

 

私のいる位置は最後方から3番目…と言っても先団は団子状態と言っていいくらいに固まっていて、其処から離されすぎない位置である。つまりは前の子を風除けに使えるくらいの距離感だ。

 

まぁそうなった一助としてスタートを上手く飛び出して釣り上げたからと言うのも多少はあるでしょうけど…ハナを奪われると見た子達が掛かり気味に上がって其処に皆が追随した形になるわね。なら原因は私になるのかしら…?

 

…何時ぞやのオープンキャンパス然り入試然りでもう御家芸と化してるのかしらねスタート勝負。逃げ策を取らされない程度かつ前目の子達を煽る…其のバランスは記憶の集積体にあるレースを通じて少しずつ自分の経験に変わっている気がする。

 

 

《『ゲート◯』のヒントレベルが上がりました》

 

《『スタートドレッサー』のヒントレベルが上がりました》

 

 

……

 

………ん?

 

 

待って何か聴こえたのだけれど!?ヒントレベルって言ったわね?其れって確かスキルに使う物だってあの存在が言ってた様な…

って違う!なんでレース中に其れが聴こえて来るのよ!?どう言う事…!?

聴こえるのってスキル(・・・・・・・・・・)の発動くらいな物じゃ(・・・・・・・・・・)ないの(・・・)…!?

 

 

『おっとキングヘイロー、やや位置を下げました』

 

 

っ…!不味い考えてる場合じゃないわね…!前の子から大体3バ身を越えるのは厳しい。此の件は後で問い正すとして、そろそろコーナーにかかる。なら此処から上げて捕らえに行く…!!

 

 

『間もなく第3コーナー!先頭は4番ドミツィアーナから9番サドンアタックに替わりまして各バ坂の最後を登ります!』

 

 

前も大分慌ただしい。流石にあのこんがらがった中から内を突くのは無理ね…幾ら集団の大半が消耗していて押し通れば罷り通れるとしても、そんな橋を渡る必要はないでしょうに。

 

やはり予定通り、ターフも整った外から行かせてもらう!

 

 

『2番アグネスワールド抜け出すか!?集団からアグネスワールドが出ました!差は2バ身から半分、開いていく、然し8番キングヘイローが外を回って上がって来た!』

 

 

登り坂を抜けた、なら後は降りと直線だけ!

そして此の距離なら間違いなく届く……いける!!

 

 

《『#ウマ細胞#トップギア!』の発動条件を満たしました》

 

 

来た。入試、メイクデビュー、そして先日の模擬戦(へいそう)でも。あの存在とはまた別物の、一種のアナウンス。

此方に干渉こそしないものの、状況を知らせる者。

 

…思えば、さっきのヒントレベルのメッセージも同じ声だった。成程、ならばあれはレース中だろうが発生してリアルタイムで聴こえて来ると言う事か。

 

だがあの気の抜ける声とは違い、唯の場況だ。実況が増えたのと此方は変わらない。

 

最終コーナー、スタミナ量は充分。

想起するは愛国の王者。3歩を踏めば最高速に至る程の爆発力を、此の脚に。

 

視界良好。阻む物は莫し。

 

深く青い芝を、一杯に踏み込め。

 

 

『キングヘイローが上がって来るか!?残り400第4コーナーを回って直線に向かいます!然しまだ先頭はアグネスワールド!!』

 

「負けて……たまるかぁ!!」

 

 

猛りを上げて皆が進む。前の子も後ろの子も、其の誰もが。

……なんて気迫。世代最初の重賞戦、其処に掛ける思いもまた、誰1人の例外無く熱く燃えたぎるものだと身に染みる。

 

だが其れは、私とて同じ事。

 

後は自力だ。気合を絞り、喝を入れろ。

 

 

「……おおおっっ!!」

 

『キングヘイロー此処で躱す!此れは決まりだ!今ゴールイン!!』

 

 

たった1分と9秒の熱戦、勝者は───私だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇

 

 

from:adults

 

 

 

 

「───ま、大方の予想通りって感じかな?おハナさん?」

「入って来るなりウチの資料に手を出さないでくれるかしら?」

 

 

うひー、厳しいねぇ。と手にした新聞を置いて男は諸手を上げる。尤も、人様が纏め上げたデータにおいそれと手を付ける程男は節操無しではない…余程の事が無い場合限りは。今回のは男が既に確認したのと同じ新聞だからやった迄であり、女も其れを分かっていて激しく咎めはしないのだ。

 

 

「…で、実際どうよ?」

「全く以て恐れ入ったわね。今年入学から直行しただけはある。いやあの地力ならば其れ以上とも言えるわ…今年のクラシック、ウチからしてみれば大きな壁になったわね」

 

 

女が漏らしたのは嘆息。

それはそうだろう。彼女は今年デビューのウマ娘を抱えたチームのトレーナー。ならば鬨の声を挙げた存在を無視出来るかと言われれば、否だろう。

 

 

「おぉ…其処まで言わせるか…」

「で?差し金の主としてはどう見るわけ?」

「差し金ぇ?」

「あの子を嗾しかけたのは貴方でしょう?」

「……バレてた?」

「分からないとでも?」

「たはは、まぁそうさな…うん、欲を言えば!………俺が観たかったなぁ〜…」

 

 

飛び出したのは、なんとも女々しい発言。

 

 

「……貴方ねぇ…」

「だっておハナさんも観ただろ〜?函館を苦ともせず追えるキレ味!コース取りや走行フォームも悪くない。メイクデビューでは府中の1800を4と半バ身!2000は苦にしないだろうし間違いなくGⅠにも…ダービーにだって届きうる!そんなの…何処迄も夢があるじゃあないか」

 

 

思ったよりは纏めがついてるなと感じたが、然し女には今の話に1つ気になる箇所があった。

 

 

「…ちょっと待ちなさい。やたら詳しいけど、貴方確か其の時別件で外してたんじゃなかった?」

「あぁうん…カニ漁に出てたアイツが動画送ってきてな…」

 

 

カニ漁て。

 

予想だにしない発言に正気を疑ったが、そう言えば男の担当はそういう輩だったのを思い出し納得させる。己を、納得、させた。半ば無理やり。

どうして不条理(イレギュラー)は発生するんだろう?とか思ってはいけないのだ。そんなツケなんてあってたまるか。

 

 

「……………担当ウマ娘の手綱くらい握ってなさい」

「返す言葉もないな…まあ欲だ欲。其れよか、アレも少しは吹っ切れてくれるのを期待だな」

「そうね……あの子も少しは前を向ければ良いのだけれど。其れより」

「ん?」

「貴方は結局、どうするの?」

 

 

質問に今度は、男が固まる。

 

 

「…どうするって、何を?」

「今年デビュー、或いは新入生。貴方だって目をつけてない訳がないでしょう?」

「……むぅ」

「どうするのも貴方の自由だとは思うけれど、チームに居てくれる…信じてくれるウマ娘にはちゃんと報いなさいな」

「……あぁ、分かってるさ」

 

 

誤魔化す様に吐かれた言葉を、女は其れ以上追求しなかった。

男が沈みかけの船を見捨てられなかった様に、女もまた、男の内情を知っていたからだ。

 

 

「…難儀なものね。誰も彼も」

 

 

独りごちた言の葉は誰かにとって微かに重かった。

 

 

 

 

 

其れでもきっと───運命の日はそう遠くない。

 

 

 

 

 

(問題は山積みにしろ…ただ今回の件、ウチの子達の刺激になったのは、一応プラス要素にはなるのかしらね)

 

 

LANEのトークルーム、更なるトレーニングの強化を望む声を見届ければ多少の笑みは浮かぶと言うもの。

結局のところ、女もまた、ウマ娘の成長を見る事を歓びとするタチである事に変わりはない。トレーナーとはそういう類なのだから。

 

 

(メニューとローテーションの組み直しね…そして最初の激突は朝日杯かホープフルか…何れにせよ)

 

 

かの存在のデータは順調に集積されている。

思えば女のチームは近年、追われる者の立場であった事が常であった。其れは紛れもなく才覚と生まれ持った物を驕らない努力、此等を持つウマ娘達に恵まれたからである。

 

故に、久方ぶりに追う者として挑もう。

 

王者の栄光、何するものぞ。

 

 

(何れにせよ───最後に差すのは私達よ。例え今直ぐには届かないとしても、ね)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
さんぷく。7月中旬から8月上旬の酷暑の時期を指す。(暑さが)いやーキツいっす(素)な時期だという事。音は似てるけどまんぷくとは関係ないからそのパクパクを止めなさい!めっ!おやつお終い!おやつお終いよ!ほらシャトル帰ったよ!







こんなもの!!!



こんな!!!

ドトウ(特定鞍上2着)速報なんて!!!

こんな!!!!!



凄い悔しい競馬ですが……ウゥッ……うぅっ………


いつもは嬉しい筈だし普通によくやったって褒めたい速報がこんなに苦しいなんておれはつらいたえられない…このパイオツは、このパイオツだけは見とうなかった……泣かないで私の馬心(哀叫)
色々あったっちゃあそうなんだけどあまりに悔しい…それ以上にタイホくんを悠々一人旅させての強い競馬をさせたとかスパート直前にヨレられて初動潰されたとか色々あったけども……人馬一体オペトーレしたのにぃぃぃ(ダバダバ)
ですが起こる場況もまたレースの常。勝者には礼賛を健闘には拍手をの心で皆にお疲れ様をしなければ無礼千万ですね。皆様方長丁場の闘い見事でした!ええいこうなればプボくんは宝塚からのメルボルンですよ!!(!掛かり)


タイホくんはこれで長距離GⅠを2勝で名実共に21世代最高のステイヤーですね!やっぱつえぇぜ…タイトルホルダー…!
というかあの鞍上一家3代天皇賞春制覇ってマジですか!?春の盾に強すぎるだろ…そう言う意味でも一族の悲願だったんですね…ウマのメジロ家みたいだぁ……タイホくんはマックちゃんだった…!?

レーンちゃんも着外とはいえ16人気から9着と頑張っていましたね!牝馬ながらこの距離を走り切れるのは本当に立派です…ちっこい(目を疑うレベル)ステイヤーいいよね…ねっ、ライスシャワー!
後はオープンでの勝ち鞍があれば何も文句は無い…繁殖に上がってつけるならサンデーフリーで長い所を使えるミスプロ系…ルーラーシップ(エアグルーヴの息子)やエイシンフラッシュもワンチャンあるんでしょうか?
それかサンデー4×4にサドラーのクロスもあるエピファネイア(スペちゃんの孫)や此の御時世にミルリーフのクロスが見れるサトノクラウンもそれはそれで面白そうですが(!掛かり)

そして銀音速くんは人馬ともに無事である事を祈ります…まさか落馬からの走り終えてから†ダークエクリプス†するとは…いや状況とかはまるで違うしどちらも全く笑い事では無いんですけど…一応自分で立ったらしいですが……大きな怪我はないらしいとの情報はあるのでまた元気な姿を観たいですね…GⅠ(レア)でね(ニィ~




ウ、ウワーッ!!!コパノリッキー!?!?
JpnⅠ含めGⅠを11勝のヤベー奴ですよ!!?なんならつい最近(2017)まで走ってましたよ!!こんな近年の馬のウマ娘実装はもう嬉しくって感動で…!
ライバルのホッコータルマエも来ないかなぁ…来ないかなぁ!!

ウワーッ!!!!!ボリクリに親父!!!!!!
いや馬主的に殆ど内定してるようなもんだし絶対来るだろうなって分かってたけど!!!にしたってこれはめっちゃ嬉しい…02世代ではファインモーション、またスマートファルコンやコパノリッキーの父であるゴールドアリュールと同期でこの層が厚くなるのはウレシイ……ウレシイ……(ニチニチ)
この流れでクーちゃん…クーリンガーくんも出たまえ!!!!!02

…馬主的な内定で考えるならパッと浮かぶだけでもダイワメジャー、テイエムオーシャン、メイショウサムソン、メジロラモーヌ、メジロティターン、サクラスターオー、ヒシミラクル、アドマイヤグルーヴ、サトノクラウンも控えてるんだよね。凄くない?
特にヒシミラクルはもろ02世代だしこれは期待の実装待ちだ゜ぁ゜^゜〜゜



Q.ところでこの1k超のクソ長無関係な後書きは日記帳じゃあるまいし活動報告にでも投げるべきでは?
A.んふぅ(ナック要素回収)


大体1週間で投げたの偉すぎ謙信なので初投稿です(激遅挨拶)
次回はほんへに帰ります…大体半年後ォ…


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