仮面ライダーレディオ (テレンデルー)
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0話

ども、テレンデルーと申すものです。今回初投稿です。温かい目でどうかみてください。


 突然のことだった。男の体が30m位投げ飛ばされた。やはり化物というのは凶暴だ。

 私は2体くらい化物を追跡してきて、実際にそいつの力を見るのは初めてだった。男は落下し、私は男の方を見た瞬間、化物を見失っていた。

 本部から撤退命令が出され、私は悔しながら本部に向かった。

 

 本部に行くのは嫌だった。本部といってもただの薄汚い部屋だ。置いてあるものもど真ん中に机が一つと椅子が4つ、部屋の左端には食器や本など無残に押し込まれている棚、右端には全く使っていない冷蔵庫がある。窓は一応あるが、日差しははいってこない。そのため、中はすごく変なにおいがする。なんでこんな小屋にしたんだよとつっこみたくなる。

「佐野塚速目、ただいま帰還しました。」

と私は嫌な顔をしながら本部に戻ったことを伝えた。

「遅いぞ速目。」

と私から見て右側に座っているメガネのやつが言った。

 彼の名は「井下晋平」。特殊部隊「MEB」の副リーダー的な存在。そういうのは隊長くらいしか決まってない。完璧主義で、何かやると何かしらのいちゃもんをつけてくる。

「男性に気をひかれてる間にMEを逃すとは・・・貴様はなにをしている!!」

「いや、あんたに援軍要請したのに、わかった~とかいいながら私の話を完全に無視して変なアニメを見ていたってことは無線でバレバレなんだよ!」

そう晋平に言い返してやった。

 自分には関係無さそうにガラケーをいじくってるJKが「金田鷹音」という名前。彼女はネットにかなり詳しく、ある程度の情報は彼女の方に入ってくる。しかしこの子は生意気で、何もしてないときにもばーかばーかいってくる。まさにぐれっこというやつだな。

「鷹音も何か言ってよー。」

「なぜおまえらの口喧嘩に入らなきゃいけないんだこの阿保面どもが。」

 むかっ!こいつにはお仕置きが必要だな。

「あれ、そういえば父さんは?」

「ああ、隊長なら用事があるといって出かけた。」

 なぜ撤退命令を出した本人がいないんだ。

 私の自慢の父さん「佐野塚勇」は特殊部隊「MEB」の隊長である。私たちをいつもまとめてくれたのが父さんだった。すごく強くてたくましくて、優しい人だ。私も父さんみたいなかっこいいヒーローになりたいなぁとずっと小さい頃から思っている。無論、今も・・・。

「隊長から伝言があるんだが・・・」

「それを早く言え。」と言わんばかりの目で睨みつけた。

晋平が私にある白衣を着た男の写真を見せた。

「彼は瀬戸川十郎。性別男。佐多民乃学園の教師で科目は化学。」

「で、この人とMEになんの関係が?」

 どうやら十郎という男は、裏で何かの機械を製造しているという。どうやら私たちの部隊の研究チームに一時期いたらしい。そのいかにも怪しげな機械を見に調査してこいとのこと。

「がんばれくそやろー」

 ますますいらいらしながら私は、佐多民乃学園へ移動した。

 

 向かう途中で小腹がすいたので、近くのラーメン屋に寄った。「華流店」という名前で、噂によれば塩ラーメンがおいしいらしい。そういいつつも、私は噂に反して醤油ラーメンを頼む。ラーメン屋なんて大抵醤油を食べればおいしいかどうかわかるだろう。頼んで水を飲みながら待っているときに本部から連絡が入った。

「ME出現。場所は佐多民乃学園。急いで急行せよ。」

全く、人が腹を満たそうとしてるときに、鷹音ちゃんからのラブコール。こういうときはまじめなんだから。

 私はすぐさまに店を出て学園へと向かった。本部から徒歩で十分でいける距離だったので走って現場に急行した。

 

 ・・・そして、校門前についた私は、2体の化物を見かける。片方はMEだ。ちなみにさっきからMEMEといっているが、あの記憶を盗っている化物のことを言う。MEとは「memory eater」の略称だ。形は様々で、オオカミみたいなやつもいれば、いま見ている豚みたいなやつもいる。なぜわかるかというと、あいつら特有のノイズみたいのを出す。これは相手に攻撃を与えると、そのノイズが発生する。どんな特性かは不明。私たちはこれを目印にしている。だが、もう片方のやつだが見た感じノイズが出ていない。MEの攻撃をかわしながらパンチを連発して出した。それが見事MEの顔面をとらえクリーンヒットさせた。そいつは色が赤く、テープみたいのを体に巻き付けていている。黄色い目をしていて、腰には何かカセットテープみたいのがついている。そして私は気付いた!こいつがその・・・!




最後まで見て頂けて本当にありがとうございます!投稿は不定期となりますが、また見てください!


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1話

 どうも、テレンデルーと申すものです。今回からやっと1話です!ここまで長かった~!また説明不十分なところもありますので、どうか温かい目で見てください。それでは、本編スタートです!!


シイ・ウィキーVSバゼル・ヘロン。あるボクシングの有名な試合である。開始早々シイがバゼルに猛攻撃を仕掛けいきなりダウンをとる。しかし、ダウンから立ち上がったバゼルが負けじと反撃するが、シイはそれを難なくとかわしすかさずジャブを連発する。このような展開がラウンド6まで続き、変化があったのはラウンド7のときである。バゼルのボディーブローが偶然にもシイの脇腹を直撃したことで試合が一遍し、今度はシイが倒される。これはもうバゼルのペースだと思ったのもつかの間、シイも死に物狂いでペースを奪い返そうとする。すごいのはここからだ!ロックアウェイやガゼルパンチといった技のバーゲンセール!かつ、どちらも一歩も引かない根性坐った試合になった!

 

「ぅうおおおおおーーっしいいぃぃ!!」

 

 俺は声をあげながら立ち上がった。日付は四月の二十日、授業は4限の日本史、午前11時30分にちょうどなる頃の出来事である。それと同時に俺の目の前に黒い物体が近づいてくる。我ながらナイスな反射神経でその物体を白刃取りでとってみせた。物体の正体は出席簿であった。そして俺の目の前に、俺の机に右足をのっけて俺を指さしてきた女教師が俺にこう言った。

 

「廊下に立ちなさい、黒山創史!さもないとおまえにデンプシーロールをくらわせるぞ!」

 

 やだね!と俺は当然のように言い、反抗します。だが、こいつと戦うのはマジでごめんだ。だってこいつガチ強いんだもん。ちゃんと理由付きで、この女教師「力寿友江」はライト級のボクサーで13戦13勝0敗13KOという戦績から見ても負け知らずの選手だ。しかも、フィニッシュブローはすべてそのデンプシーロールで、相手を病院送りにしている。簡単に技の説明をすると、振り子の原理で左右に体を振りながらパンチをぶちかます技だ。一発でも神経すっ飛ぶくらいのパンチなのに、それを何発も食らわされると考えるだけでも恐怖を植え付けられそうだ。

 

 

 選択を迫られたとき、丁度いいタイミングで授業終了のチャイムがなる。すかさず俺は荷物をまとめて行きよいよく教室を飛び出した。力寿が何か言っていたようが、そこは聞かなかったことにするする。どうせ、まだ話が終わっていません!とかいったんだろ。お説教も十分です。

 

 

 俺はある場所に向かった。教室を出てから左の階段に行き3階から1階に降り、玄関を出てすぐ右側に物置倉庫がある。そこに入り、バスケットボールが入ったかごをどかすと下に蓋のないマンホールがでてきてその中に入る。入ったと同時に動かしたかごが穴をふさぐかのように戻ってくる。実は部屋自体が傾いているため、そのような現象が起きるのだ。マンホールの穴を通っていくとあら不思議!まるで秘密組織の研究室ではないでしょうか。いろいろ散らかっていて、なんだかわけのわからないへんちくりんの機械や、世にも奇妙な生物のサンプルが入ったカプセルなどが置かれている。その隣にちょうどパイプ椅子があったので、そこに腰かけ深くため息をついた。するとそこに白衣をきた爺さんがやってきた。

 

「お前さん、またここにきたんか・・・」

 

 俺を呆れたような顔でそういった。爺さんの名は「瀬戸川十郎」。担当は化学らしいが、いつもはこの部屋で色々な研究・開発を行っている。何を作っているかはトップシークレットだそうだ。

 

「いいだろ?どうせへるもんじゃあないんだし。」

 

「ここにいられると迷惑なんだよ。いるならまたわしの実験台にになってもらうぞ。」

 

「なりたかねーよ!」

 

 俺の断りを無視して勝手に話を進める。いつものパターンです。前は何か変な薬を飲まされて、体中アリが入っているかのような症状に見舞われることもあった。そのことをこの爺さんにいったら、あ、そうと阿保面した顔で言葉を返された。その時はマジでイラッときた。しかし、今日はそういう感じではなかった。いつもなら大声であははと笑っているのだが、今の爺さんは本気で心配しているかのような目で俺を見つめている。そして、あるものを俺に渡してきた。

 

「なんだよこれ。ラジカセ?こんなの今時の高校生が貰ったってうれしくない代物だぜ。」

 

「そうだな。だが、それはラジカセであってラジカセ以上のものだ。」

 

 何言ってんだこの爺さんは?と俺は馬鹿馬鹿しいと思った。だがラジカセ以上というものだから、奪い取るようにそれを持ってマンホールの穴を通って行った。上にあるかごをどかして地下室を出た。そしてそのラジカセを上に掲げ、目を光らせてニヤニヤしながらそれをまじまじ見た。すると、ふとなんとなく気づくことがあった。ドアが開いていたのだ。あれ、閉め忘れたのかな。そう思いながら外に出ようとした瞬間!

 

ガシャーンッ!!!!

 

 突然の出来事だった。部屋の周りを見ると、バスケットボールやガラスが飛び散っていて、かごは外へ放り出されている。誰か入り込んだのか?馬鹿な、全然気づかなかった。俺は動揺を隠しきれなかった。それはさておき、冷静に考えるんだ。なんでかごなんか吹っ飛ばしたんだ?そしてがら空きになったマンホール・・・まさか!!俺は手に持っていたラジカセをズボンのポッケにいれ、急いでマンホールの下を降りた。

 

「爺さん!大丈夫か!」

 

 周りを見た。そこには煙を上げている機械や投げ倒されて中身が飛び出てしまったカプセルがあった。ここはやばい。すかさず臨戦態勢をとる。そしていきなり左の方から誰かが爪をたてて襲い掛かってきた!その瞬間俺は相手の手首と首を掴み、背負い投げをしてみせた。相手は大の字に倒れる。気絶はしただろう。すると壊れた機械の後ろに隠れていた爺さんが出てきた。

 

「そいつを倒してはならない!今すぐにここを出るんだ!!」

 

「爺さん生きてたか!あんたの方こそ脱出しろよ。なんか色々やばいことになっているみたいだけど。助太刀するぜ爺さん!」

 

「違うんだ!そいつを倒してはならないのには理由が・・・!」

 

「クウウウウウゥゥゥゥオオオオオオオオオオオオォォォォーー!!」

 

 そいつはそう奇声をだしながら立ちあがった。よく見ると、顔や体に黒いテープを巻き付けていて、片目しか見えない目で俺を見つめてくる。そうすると奴は走って俺のところまで距離を詰めた。俺はボクシングのスタンダードな構えをとる。相手の乱舞攻撃をかわし、ジャブを連発した。相手の動きが一瞬止まったので、躊躇なく右ストレートをぶち込み、そいつは結構な距離まで吹っ飛んでいった。その隙に爺さんと一緒に外へ出た。

 

「なんなんだよあいつ。なんでこんなとこを。」

 

「奴らはmemory eater。通称ME。まさかもうわしの開発したものに気づくとは、抜け目のない奴ら目!」

 

「もの?もしかしてこれが!」

 

 ポケットに入れたラジカセを取り出す。そして爺さんが俺のラジカセを持っている手を掴んでこう言った。

 

「いいか創史!これは明日を創ることも出来れば、今日も終わらすことも出来る道具だ!これを使って奴らを・・・!!」

 

 話しの途中で爆発音が割り込んできた。そこに、さっきのMEが飛び出してきた。しかし、少し様子が変で、肩のあたりが膨れ上がったの見た。それが色々なところに膨れ上がって、ついに破裂した!すると中から豚の顔をした人型が出てきた。

 

「ついにおこってしまった・・・。」

 

「え?」

 

 爺さんの方を向いたとき、偶々倒れている男を見つけた。大の字に倒れていて、顔にも数か所殴られたあとがあるのを確認した。息が無さそうに見えるが・・・。そんなこと考えている間に、証拠にもなくさっきの豚野郎が雄叫びをあげながら突進してきた。俺はそいつの顔面に飛び膝蹴りを食らわせてやった。まさに、カウンター!だがその豚野郎はニヤリと笑った。

 

「う、うわあああああぁぁぁー!!」

 

といきなりさっきの男が声をあげた!

 

「頭が!頭が頭が頭が頭が頭が!!!頭がわれそうだああぁぁああーー!!!」

 

「いかん!創史!!生身でそいつを攻撃してはならない!!この男にもダメージがいくぞ!!!」

 

 あの豚に攻撃しただけなのになんでアイツにも食らうんだ!?俺はその理屈がどうしても信じられなかった。目の前に起きていても信じることができなかった。そして俺はどうやつに攻撃すればいいんだ。俺の居やすかった環境をぶち壊されているから、このまま引き下がるわけにもいかねえ。あの男にダメージがいかずに豚野郎に攻撃する方法・・・。あの男にダメージがいかずに豚野郎に攻撃する方法を!

 

「創史!危ない!」

 

 迂闊にも、アイツの突進攻撃を見事に俺の腹を直撃した。吹っ飛ばされ、体が宙を舞い、ゴロゴロと地面を転がっていった。どうすればいい・・・!

 

「創史よく聞け!ラジカセの側面に3つスイッチがある!それを全て左にスライドしたら、スイッチ側を上にしてへそより少し下のところにラジカセをあてろ!!早く!」

 

 俺はなんとか立ち上がり、爺さん言われたとおりにしてみた。なんということでしょう!イヤホンをつけるところかひもが出てきて、何十にも重なってベルトのようなものになったではないでしょうか!俺が驚いている間に豚野郎が何かを察知したかのように爪を生やして、今度はラジカセを狙ってきた。やはりこのラジカセには、この場を打開する力があるきがしてきた。ごめんよと思いながら、豚野郎の股間を蹴った。そしたら豚野郎は股間を抑えながら飛び跳ねた。当然、男も股間を抑えた。俺は豚野郎との距離を離し、爺さんに次の指示はと急いで聞いた。

 

「今、お前が一番記憶に残っているものをイメージしろ!あとはなんとなくわかるだろ!」

 

 言われたとおりにイメージをしてみた。すると、右手からカセットテープが出てきた。もうここまで来たら何も驚かない。あとはなんとなくわかるってことは・・・・・・・・・。

 

「これをこんなかにぶち込んで!!再生ボタンを押す!!!」

 

 レエェーーディオ!!格闘技マニア!レディーゴーーー!!

 

 なんだこれと言わんばかりの顔で爺さんを見た瞬間、下から2本のテープが交差しながら俺の周りを囲った。何も驚かないと言ったが、さすがにこれにはビックリした。俺が驚いている間、何か不思議なものに包まれている感覚がした。そして、俺を囲んでいたテープが俺の体にくっつき、空からヘルメットのようなものが俺の頭にかぶさった。そのヘルメットから顔面を保護するようなマスクが俺の顔を覆ったあと、体中から光が放出した。とりあえず無意識に顔を触ってみたら、顔がすごく硬かった!体をよく見ると、黒と赤のスーツにさっきの2本の交差したテープがくっついていて、手にはグローブがつけてあった。今俺が確認できたのはそれぐらいだった。

 

「ウゥ、ウギュオオアアアアーーー!!!」

 

 豚野郎が俺のこの姿を見たとき、俺を恐怖したかのように泣いた。

 

「創史!その体なら奴に攻撃を加えてもいい!理由は後で説明する。」

 

「うおし!じゃあはっちゃかめっちゃかにいくぜええぇえーー!!!」

 

 そう言って、俺は豚野郎の懐めがけてダッシュでむかった。豚野郎は生やした爪を大きく振りかぶるが、俺の方が一足も二足も速くそいつの懐に飛び込みボディーブローを脇腹に叩き込んだ!豚野郎はもだえ苦しんだが、男の方はなんともなさそうだ。今更だが、体が軽い!ものすごく軽い!!そして重い攻撃が打てる!そう思っていると豚野郎ががむしゃらに俺を攻撃してきたが、俺はそれを難なくとかわしながらジャブを出した。すると、あることに気づく。豚野郎が攻撃を受けるたびにノイズみたいなのがでていることがわかった。

 

「グヒイイイイィィィィィ!」

 

 相手が怯んだ一瞬を逃さなかった。俺は相手に近づきながら体を左右に振った。スピードは次第に速くなり、相手にパンチを食らわせられる射程距離内に入った。

 

「これがデンプシーロールだあああぁぁー!!」

 

 豚野郎の顔面にパンチを左右に食らわせた!これが見事に16発綺麗に決まった。豚野郎は倒れそうになったが、なんとかそれをこらえきった。俺はジャンプして両足を膝をまげた。そして体を捻りながら膝を伸ばし、相手の顔面に蹴りをかましてやった!ドロップキックである。蹴った後、反動で横に半回りしたらうつ伏せの状態で着地した。豚野郎はたまらず倒れ、そいつの体からはテープが出てきた。そのテープは俺の手のひらに集まり、カセットテープの形になる。そして豚野郎は、その姿を保っていられず消滅した。俺は立ち上がって手に入れたテープをラジカセに入れてみようと思い、ラジカセの停止ボタンを押す。オープンスイッチをスライドさせるとふたが横に開き、中に入っていたテープを取り出す。テープを取り出すと同時にさっきの姿から元の姿に戻る。手に入れたテープをラジカセに入れようとした瞬間・・・・・・。

 

ピシュンッ!!

 

 俺の首元に何か刺さった。意識がもうろうとしていく・・・・。

 

「危険人物確保。」

 

「了解。その人物を連れて本部まで・・・。」

 

 そう聞こえて俺は眠りについた・・・。

 




 ここまで読んでいただきありがとうございます!また続きを投稿するのは不定期になりますが、また暇があったら見に来てください!それでは、またの機会に!!


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2話

 どうも、テレンデルーと申すものです。暑い、とにかく暑い!暑すぎて集中できない。まだまだ未熟者ですが、どうかよろしくお願いします。本編スタートです。


 ある奇妙な夢を見た・・・。よくありそうでない夢・・・。世界が終わる夢・・・。

 俺はいつも通る通学路で、いつも通りに通学していた。上を見上げたら、文字や写真、時計などがあったがよく覚えていない。覚えているのは次の出来事だ。前を見た瞬間、怖気づいて逃げまとう人たち、膝をがっくり落とし絶望する人たち、こんな世界変えてやるといいながらがむしゃらにどこかへ突っ込む主人公気取りの人たちが俺の目の前でいきなりでてきた。俺は何があったんだろうと思いながら、そのどこかへ突っ込む人たちの向かっているところに目をやった。だが、強い光を発していたため、形が全く見えなかった。そして、意識は薄れていく・・・。

 

 

 目が覚めた時、目の前が真っ暗だった。今目覚めてわかったことは、俺はなぜか机に大の字に縛られていたことと目隠しされてることだけ。俺は慌てて、早く出なければと思い、暴れてみた。しかし、手足はがっちり絞められているため、無意味な行動だった。俺は悟った。何を悟ったかって?そんなの決まっている!

 

「ああ、名の知らない父様、母様。どうやら俺は改造手術されるらしいです。この純粋な肉体で一生を終えたかったのに。運命とは辛いものです、そして儚いものです。どうか俺にご加護を。ご加護を!!マジで頼んます!マジで頼んます!まだ俺にはやるべきことがたくさんあるんです。女の子にモテたり、モテたり、モテたりしたんですよおおおーーーー!!」

 

「マジでキモイなこの尻の青い変人野郎め。ガキですか~?」

 

「誰がガキじゃー!」

 

 俺は声のする方見てみたが、そこには見た目中学生くらいの身長のショートヘアの女の子が立っていた。女の子はニヤニヤしながらガラケーのカメラをこちらに向けながらパシャパシャ撮ってくる。

俺はヤメロヤメロと言ったが、撮ることをやめようとしなかった。

 

「鷹音~。本人起きたんだから撮るのやめてあげたら?」

 

 今度はポニーテールの女の子。気絶する前に校門前にいた女と一瞬で気が付いた。

 

「まだまだ撮りたらねぇ~よ速目セ~ンパ~イ?」

 

「馬鹿にしてる・・!」

 

「そっちで楽しいお喋りをするのもいいですけど、とりあえず縄解いてくれません?」

 

 どういう状況かはわからないが、今はここを出ることを考えよう。爺さんがどこに行ったかも知りたいし、あのMEとかいう化物のことも知りたいし。知りたいこと多いなぁ俺。

 

「あ、それはダメ。無理無理。」

 

「なんで?」

 

 ポニーテールの女が理由を話そうとしたとき、玄関から爺さんが出てきた。・・・縄に縛られたまま。後ろには身長の高いクールなメガネ男子がそのヒモを掴んでいた。そして、俺の横に椅子を出し、そこに爺さんを座らせた。

 

「爺さん生きてたか、よかっ・・・。」

 

 爺さんは顔が青ざめた。すごい汗だ。こいつら、ヤバい奴らなの?そんなにヤバいの!?そう思っていると、爺さんは俺の方を向いてこういった。

 

「こ、こいつが犯人です!!!」

 

「ええええええぇぇぇーー!!」

 

 さすがに裏切ることはないだろ爺さん。この人は、何かいろいろ失ってきているように思えた。そしたらポニーテールの女が言った。

 

「だからダメだって!ダメダメ!」

 

 そういうと、今度はメガネ男子がその女にこういった。

 

「任務では瀬戸川十郎が作っている機械を調査しろとのことだったが・・・これは一体どういうことなんだ?」

 

「佐多民学園に入ろうとしたときに、そいつがなんかテープを纏った格好でMEと闘ってて、圧倒的な力で敵を倒した。そしてこいつの腹当たりについていたラジカセ。あれの中のカセットテープをとったら、元の人間の姿に戻った。つまり、そのラジカセに何等かの機能でこいつを強くした。だからこいつらを連れてきたんじゃない。」

 

「理由になってない・・・。」

 

 そうか、俺やっぱりなんかなってたんだ。てか、全然合理的な理由じゃない。そんなら早く家に帰らせて。

 

「あ、あの~、このラジカセ目的なら俺必要ないんじゃないですか?つーか、早く帰らせてくれませんかねぇ。家に婆ちゃんいるんで。」

 

 そう俺が言うと、ポニーテールの女が俺の方に顔を近寄せた。

 

「あんたねぇ!人を殺してるかもしれないんだよ!?MEに攻撃加えたら、どうなるかわかってるの!?」

 

「いや、たぶん死んでないと思いますよ。そのこのラジカセおかげで。」

 

 俺はまだ自分についているラジカセを見てそう言った。そういえば、さっきの男の子大丈夫かな?人の状態でボコボコにしてたもんな。

 

「無駄に熱くなるんじゃねえよ、体育系め。」

 

「全く同感だ。」

 

「鷹音!晋平!うっさいよ!」

 

 うるさいのはお前だ。そして俺はこの女の言い方を聞いて気になったことをストレートに聞いてみた。

 

「速目さん・・・だっけ?」

 

「あ?そうだけど?」

 

「もしかしてあんた、友達とかっていない?」

 

 そのことを言った瞬間、彼女の飛び膝蹴りをもろミズオチにくらった。これにはさすがの俺でも声をあげてしまった。速目は顔を赤くしながら、

 

「そそそそ、そんなわけないでしょ!?あははあ、体があつくなってきたなぁ~。あはは。」

 

 俺の予想は当たっていた。まあ、そういう性格してると思ったからな。そんな会話をしていたら、俺は速目の背後にデカい何かがいることに気づく。190cmもあるかのような高さで俺たちを見下ろす。速目はまだ気づいていないようで、何という顔で俺の顔を見つめてくる。そして、ばれないように速目の脇に手を入れて・・・。

 

「たかーい!たかーい!!」

 

「お父さん、帰ってたの!?ってか降ろして~!」

 

 どうやらこのデカいのは速目のお父さんらしい。しかも、結構ガタイのいい漢だ。速目の方は足をバタバタしながら暴れている。だが残念なことに速目はスカートではなく、黒ズボンであった。スカートだったら見えたのに!この考えは男なら誰もが思いつくはずだ!鷹音という女の子も、カメラのレンズを速目の方に向けてシャッターを押す。速目のお父さんはガハハと笑いながらこちらの方を見てきた。

 

「あ!あなたは瀬戸川博士じゃないですか!?」

 

「そういう君は!佐野塚くんじゃないか!?」

 

 どうやら2人は知人らしい。そう言って二人は大声で高笑いし、そのあと縄をほどいた。・・・。

 

「お、おれは・・・。」

 

「お前はダメだよ。」

 

「フォッ!!」

 

 なぜ俺だけダメなんだ。あまりに不公平すぎる。

 

「俺はお前さんと同じ”力”をもっているらしいからな。そんな危なっかしいものを”絶対”に解くわけにはいかねえだろ?」

 

 俺はそのおっさんにいろいろ質問しようとしたが、一切聞く耳を持たなかった。そして、俺の服の襟を掴んでこう言った。

 

「まあ”力”を手に入れてしまったら仕方ない。お前、覚悟はあるんだろうな・・・。全てを救い、全てを葬り去る覚悟が!わかんねぇって言わせねえ!”はい”か”いいえ”で答えな!ああ!!」

 

 殺気がこもった目で俺を見てくる。何も知らねぇ、何も分からねぇ状態の俺に、そんな覚悟をどうやって決めればいい?だが何も言わなかったら言わないで絶対に殺される!このおっさんはそういう目をしている。選択を迫られたとき、爺さんがそのおっさんの肩を掴む。

 

「彼はまだ何も分からない。わしが無理矢理こやつを巻き込ませたんだ。状況ぐらい理解させたっていいじゃないか。」

 

 さっき俺を見捨てた男が言うセリフじゃねぇがな。俺はそう思いながら少し笑ってしまった。この集団から今の状況やあのMEとか言うやつのこと、奴らは何をしようとしているかなどを質問した。

 

 

~約30分後~

 

 

 さっきの質問の答えで大体分かった。

 

 今の状況。校内でMEと交戦しているところを大勢の民間人に見られてしまうといろいろ面倒なことになるため、パニックになる前に保護。さらに、俺の”力”がまだ未知数だったため、安全のため縛りつけ。このことを最初からちゃんと説明してもらいたかったです。速目さん。

 

 MEのこと。通称”メモリーイーター”。奴らは人の記憶を糧に生きる。人間みたいに自我を持っていて、前みたいにただただ暴れる奴もいれば、ほのぼのしている奴もいたらしい。それら全てに”記憶”が関連している。”記憶”は思い入れがあればあるほど、その力や精神は強さを増す。逆にどうでもいい記憶は、力を見出すことは出来ても精神までは得られないため、力が暴走してしまい、暴れ出してしまうこと。”思い入れのある記憶”を持つMEは兵を作ることが出来るその材料にも”記憶”が必要となる。この兵はどんな”記憶”でも力を得ることができ、さらにそいつを作り出したMEが操っているため暴走しない。ただし、同時に思い入れのある記憶を手に入れたとしても、その精神や自我を持つことが出来ない。さらに、記憶には絶対的に保持者がいて、その保持者が死亡などで消えた場合は全ての記憶がその記憶の一部を持っているMEに共有される。つまり、MEは確実に精神や力を得ることができ、自分自身で記憶を作成することが出来るようになる。また、そのMEにも変異体がいるという。

 

 最後にMEの目的。目的は様々だが、9割は支配を求めている。やはり人の記憶を糧にしてるだけあって欲求心がすごい。しかし、奴らにもグループがあり、そのグループ同士が己の支配のため争うこともあったらしい。

 

 しかも、ここまでの情報のほとんどが他の集団の情報である。お前らはいったいなんの成果を出したんだ。”佐野塚勇”が率いる”鉄鋼団は”最近作られた集団で、急ぎ足で定員を集めたため経験不足の人員が隊長抜かし全員。性格にも難ありだが、人員全員にそれぞれの特技を持っている。”佐野塚速目”は人間離れした運動神経。”井上晋平”はゲームで鍛えた反応速度と把握力。”金田鷹音”は情報収集と分析力、ハッキングも出来る。隊長”佐野塚勇”は唯一の戦闘経験者であり、勇敢な心と経験で培った勘の持ち主である。そして我らの教師”瀬戸川十郎”は昔”佐野塚勇”が所属していた試作武器実験部隊の研究チームのリーダーであり、その武器は今でも全てのその集団が使っている。

 

 

 説明が終わったあと、佐野塚勇は俺に改めて質問の答えを問われた。その答案はすでに決まっている。

 

「NO!」

 

「そうか、ならば・・・!」

 

「嘘です!!!」

 

 ダメ元で言ってみたがやはり無理だった。もうこの”力”を手に入れてしまった時点で、俺に決定権はないようです。うん。俺はため息を一回吐いた。そして俺は覚悟を決めた。

 

「俺は黒山創史!現役高校生の格闘技オタクだ!!格闘技のことなら一から十から百まで全部教えてやる!!宜しく!!」

 

 ・・・・・・・ティロンッ。

 

「あ、隊長。通信キタヨー。」

 

「じゃあ鷹音、通信を俺だけに繋げてくれ。」

 

「ラジャ。」

 

 完全に滑った。完全にスルーされた。俺はとんだ赤っ恥をかいたようだ。佐野塚勇は通信が切れたとき、ニヤッと笑みを浮かべた。

 

「お前ら、喜べ!俺たち鉄鋼団の初陣だ!!気を引き締めろよ!」

 

「初陣か~。燃えてくるわね!」

 

「いよいよ俺の実力を生かす時が来たか・・・。」

 

「私はここに引きこもっているから関係ない。さっさと片付けて来いよ暇人ども。」

 

 どうやら彼らにとってはこれが初陣だそうだ。彼らは俺を縄から解き、佐野塚勇が手を差し伸べた。

 

「どうせお前もくるだろ?ま、嫌と言っても無理矢理連れてくがな。」

 

「当然行く!俺にはその選択肢しかないんだろ?それにもう覚悟も決めたしな。」

 

 そして俺は彼の手を握った・・・。

 

 

 

 

 あの時のことは今でも後悔してる

 

 なんで彼らの手を握ってしまったんだろう

 

 俺があそこで逃げていれば、未来はかわったはず

 

 みんなも俺も傷つかない未来になったかもしれない

 

 なんで・・・俺は力と出会ってしまったんだろう・・・




 今回の戦闘シーンはなしの説明回です。少し急ぎ足で話を進めてみました。まだまだ序盤なので頑張って文字を打ち込んでいきたいです。ちなみに僕はタイピングが遅いです!物凄く遅いです!なので、投稿期間がまた遅れます。本当に申し訳ありません!今度は2週間以内に投稿したいです。それでは皆さん、またの機会に!!


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3話

3話です。めちゃんこ投稿遅れました!!すんません!!言い訳がましいのですが、小説投稿するの久しぶりなので文章が前より雑になってます。ご了承を・・・。


 通信の内容はこうだ。鬼の姿をしたMEが商店街付近に出現!MEは刃物を多数所持している模様!以上!!とのこと。現在俺は隊長こと佐野塚勇のバイクに乗せてもらってで急いで現場に向かっている最中であるが・・・

 

「ってちょっとぉお!信号無視してますけど大丈夫なの!?」

 

「緊急事態!そんなときにルールなんか守ってられるかぁ!」

 

 そう、渋滞している車と車の間を120km/hくらいのスピードで駆け巡っていた!危ない危ない。そしてすぐ商店街についた。ぱっと見た感じ、シャッターやのぼり旗などに切り裂かれた跡が見られた。それも真っ直ぐ道を進んでいるようだった。

 

「おいソウ!この跡追えば目標のMEに会えそうだ!俺はこの辺に逃げ遅れた人がいないか探してみるから、お前は先行ってろ!」

 

 そう言われ俺は急いで向かうことにした。誰も死んでいなきゃいいけど・・・。

 おおっと!?20代半ばのサラリーマンが誰かに襲われそうになってる!その襲おうとしている奴は、頭に牛のような角、体には刀、ナイフ、なぎなた、ソードブレイカーが身につけてあり、右手には包丁を所持している。間違いない、通信にあったMEだ!

 

「は、早く助けに来てくれよおぉおう!!」

 

 仕方ない、思い切り飛び蹴りをカマすしかない!記憶の持ち主さん、ごめんよ!

 

げしっ!

 

 飛び蹴りは肩に直撃、MEは4メートルくらい吹っ飛んで地面に後頭部をモロに打ち付けた。っておいサラリーマン!?俺の服を掴むんじゃあない!

 

「なんでもっと早く助けに来ないんだ!ちゃんと通信は送っただろう?!」

 

「え?あんたが通信の主か。」

 

「と、とにかく後はよろしく頼むよ!」

 

 そういってサラリーマンはヨロヨロと逃げていった。助けたお礼は言わないのか、まあいいけど。そう考えて、俺はようやく例のラジカセを身に着けた。

 

「変ー身っ!!」

 

赤い姿に2本のマフラー!そして黄色い複眼!これぞ戦闘態勢の恰好である!などと思っとる間にMEは右手に持っている包丁を俺にめがけて振り回してきた。だが体の心から避ければかわすのは容易であった。

 

「見た感じの戦い方は2流3流だな!!」

 

 MEの包丁の突きに合わせて右手で相手の手の甲を掴み、右に捻った後相手の手を押し付けて左手で包丁をはじき落として見せた!そのあと相手の顔面めがけて前蹴りをかましてやった。

 

「よぉし!今回はちょっと早いが決めに行く・・」

 

・・・・ニクイ・・・

 

 なんだって?いま憎いって言ってなかった?

そういってMEは包丁をすかさず取り、空中に20mくらい飛んで逃げていった。

「おい!降りてこーーい!!逃げるなんて卑怯な・・・!」

追っかければいいって思うでしょ?残念。格闘技にはあんなジャンプ出来るものはない!!俺の調べた限りじゃ・・・。そうして俺はみすみすMEを逃したのだった。

 

 

 

午後10時丁度ーーー

 詳しいことはまた明日と言われ、俺は家まで送り届けられた。

 

「じゃ、また明日な。」

 

 その言葉に手を振って答え、俺は急いで玄関に向かった。

 石段を抜けてスライド扉を開けた瞬間、

 

ブゥオォン!

 

 豪快に薙刀が振り下ろされたのだった。

 俺は思わず後ろに倒れ込み、薙刀を構えたその人はこう言った。

 

「ソウ‼︎今何時だと思ってるんだ!もうとっくに門限は過ぎちまってるよ‼︎」

 

 俺の祖母だった。マジで怖いから、薙刀しまって!

 

「おばあちゃん、ごめん!後で色々説明するんでぇ!!」

 

そう言って俺は小一時間で説明した。玄関で正座させられて。

 

「なるほど。また変な宗教にとっつかまっちまったね〜、あんた。」

 

「宗教って言うかなんと言うか。でもバケモン見たのはホントなんだ。記憶の怪物〜ってらしいんだけど・・・」

 

「あーもう宗教に毒されちゃってる!アタシより先あんたがぼけちまってヤダねぇもう!!」

 

 信じてねぇー。まぁ無理もないか、今日起こった出来事は俺もまだ信じらんねぇんだからな。

 そんなこんなで自分の心の整理も祖母の説得も曖昧なまま、俺は布団を敷いてとっとと寝ることにした。これは夢だそう夢だ。明日になればいつも通りの朝が待ってる。

 

 

次の日

 

 

ピンポーン!

うちのチャイムだ。こんな朝早く誰だろう。急いで玄関を開けないと•••

 

「おはようございます。って、ちょっと!?無言で戸閉めないでよ‼︎」

 

そこには昨日見たポニーテールの女の子がいた。なんでこいつこんな朝早く家に来てるんだ。え、朝?時計を見たらもう8時!?完全に寝坊した。急いで制服に着替えないと!

 

「ほら、さっさと着替えて早く行くわよ。」

 

「行くってどこへ!?」

 

「決まってるでしょ。あんたの通ってる学校によ!」

 

えぇ〜、嘘だろオイ。聞くところによると、どうやら俺を監視するためだけに急遽転校してきたとのこと。ストーカーか!ストーカーか!まあいい、とにかく今は学校に遅刻しないことだけ考えていつものルートでは通らない裏道や屋根の上をばれないように走った。なんとか校門が閉まる前にはついた。

 

「じゃあ放課後に瀬戸川博士のところで待ち合わせということで」

 

「おい、ちょっと待った。名前まだ聞いてなかった。」

 

「・・・速目。佐野塚速目!」

 

 

 速目は別のクラスらしい。後で知ったのだが転校は出来たが肝心のクラスは決められなかったと言う本末転倒という展開になっていた。昼休みにも話をしたかったが自分のクラスメイトからの質問攻めがあると予想したからだろうか。そんなこんなで授業も昼休みも過ぎて約束していた放課後の時間になった。なったと言ったらなったの!!

 瀬戸川博士本人もいてこの前のようなことがあったんで一発正拳突きをお見舞いしてやりたいと思ったが、速目に止められてしまうのだった。

 

「それよりも話って何だ。お前たちに協力するってのはこの前ので話はついているはずだが。それとも何か?生命保険の手続きでも必要か?」

 

「んなはけないでしょ!今追っているMEについてと・・・」

 

それとなんだろ?速目は言葉を詰まるように言った。

 

「私たちの本当の目的を。」

 

 

 

 




ここまで見て頂きありがとうございます。また近いうちに続きを投稿したいと思いますので、続きが気になるという方は前の話を見て待って頂ければと思います。


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4話

Memory Eater

通称ME。

 

 「思い出や技術といった記憶を後世に残すために物質化したい」という考えが事の発端であり、研究する中でその記憶に意志があることが発覚、そこにある程度の行動原理を書き込ませたことで誕生した人工生命体である。そのため当初の考えからはかけ離れた目的で生まれてしまった。ある時はあらゆる過酷な環境の任務にあたる特殊部隊、または人一人が簡単に起業できるような人材確保、はたまた死者と同じ風貌をした新しい家族といった人類に革命を起こすには十分すぎるほどの発明が期待されていた。しかし何者かが何らかの方法でその製造方法を一部の民間人に情報不十分のまま流出してしまった。そこからME関連の事件が多発したため、その対処専門チーム"MEB" が編成されて事件の鎮静化を図っているというのが現状である。

 

「...というのが大まかな出来事ね。」

 

「なんでニュースとかで出さなかったんだろ?」

 

「混乱とか避けるため~とかかな。今までの話で何か質問は?」

 

 とりあえず納得。色々質問したいことはあるがまずは・・・。

 

「そういえば瀬戸内博士は何者?」

 

 と言って俺と速目は博士の法を向いた。

 

「わ、私も研究には参加していた。だが記憶に意志があるなんて思っていなかったんだ!!それに人間が新たな命を誕生させるなんてナンセンスにも程がある!命を弄んでるとしか思えん!」

 

 そこまでは聞いてないんだが・・・。

 

「瀬戸内博士は私たちの支援者よ。全面的協力は出来ないけど、MEの情報や発見装置を作ってくれたのも博士よ。」

 

 まじかこの爺さんほんとに事件に関与していたんだな。

 

「あともう一つ、このチームの本当の目的って何なんだ?」

 

「今の私たちの目的はMEが悪事を働くのをやめさせることだけど、最終的には新たな記憶の物質化方法を提唱し、あらゆる人類の記憶を使って全人類を全能にすることが本来の目的よ。」

 

 ちょっと待ってくれ。話がぶっ飛びすぎだ。

 

「いやいやいや、全人類を全能にする!?なんでそんなことする?!」

 

 そこに瀬戸内博士が割り込む形で話に入ってきた。

 

「我々人類は記憶したものを伝えることが下手なんだ、不器用なんだ。科学が進んだこの世界でさえ失った知恵を取り戻すことはできない。だからこそ人一人が得た知識や技術、経験を確実に伝える必要があるんだ!そしてそれこそが人類が新たに進化するための第一歩だと私は信じている!!」

 

 瀬戸内博士は両手を広げてワルツを踊っているかのように周りをぐるぐると回っていた。等と熱弁を聞いていると一本の電話が来た。

 

「MEが出現した!!場所は噴水公園!!今からだとお前たちのほうが近い!至急現場に急行!!!」

 

 その連絡を受けた俺たちは至急現場に向かおうとしたとき、瀬戸内が呼び止めてきた。

 

「待て!お前たち!そこにある私が改造したバイクに乗っていけ!名はOOトラベラー!!!」

 

「ダブルオゥ…なんだって?まあいいや、とにかくこれで現場に向かうぜぇ!!変身!!!」

 

 そう言って赤い強化服を身にまとい、バイクのエンジンを吹かした。

 

「速目ぇ!!乗れぇぇ!!!」

 

 速目を乗せ、急いで現場にバイクを走らせた!!!

 

 

 

 

 

 噴水公園に着いたころには、あたりは血の海になっていた。ある夫婦は二人手をつないで倒れ、ある家族は息子を庇って切られたといった悲惨な光景を目の当たりにしてしまう。そんな今まで見たことのない光景を見てしまい、思わず目を背けてしまう。そんな情けない姿を見た速目は叱咤した。

 

「いい!?あんたはこれからずっとこの光景を見続けるのよ!!私も戦いたいけど、今はまだ戦闘データをあなたから回収することしかできないの!!だから、戦って!今やれるのはあんたしかいないの!!!」

 

「分かってる...。わかってるよ!!!!」

 

 そう言って前を見るとようやくMEの姿を視認する。頭に牛のような角、体には刀。前に取り逃がしたMEか・・・。

 

・・・・・・・

 

「俺のせいだ・・・。俺がこいつを逃がしたせいで、こんな・・・・。」

 

 俺の心は絶望で満たされていった。自分の行動一つでこの惨劇になったという後悔、自分の格闘技の執着しすぎた結果取り逃がしたという失態、そんな負の感情で満たされてしまう・・・。だけど・・・それでも!!!

 

「こうなったのは俺のせいだ。なら、これ以上被害を出さないためにも、俺にはお前を止める責任がある!!!」

 

 俺はMEに真っ向から突っ込んだ。それを見越したMEは体からなぎなたを引っこ抜き、それで横払いした!!

 

「こんなもんきくかああぁ!!!」

 

 なぎなたの刃先を両手で掴み、透かさずそのまま拳で折って見せた。そのまま流れるように腹部に3発正拳突きを叩き込んでやった!!!よろけたMEは急いでジャンプしようとするが・・。ジャンプした瞬間、俺はMEの足首を掴んでやった!!!

 

「逃がすわけねえだろ!!一度やったことがまたやれると思うなよ!!!」

 

 そしてMEをそのまま地面に叩きつけた。MEはかろうじて立ちあがり、またこんなことを言ってきた。

 

・・・・ニクイ・・・憎い・・・・憎い!!!!

 

「憎いのはこっちも同じだ。てめーの一番得意な武器を出しな!!次で・・・ケリつけてやる。」

 

・・・オットガァ・・ニクイノ・・・アノオンナ憎いの・・・許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許さない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許さない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許さない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

フコーにスルノ、、、、、ゆるさないのおおおおおおおおおおおおおおぉおおぉっぉぉおお!!!!!!!!!

 

 左手で体にある刀を抜き、そのまま切りかかるが体の軸を左に少しずらしただけで避けれそうだった。しかしそのまま刀を手放し、右手に握っていた包丁を両手に持ち替えて突き刺してきた!!!!俺は体を左に大きくずらし、至近距離で打てるフックでカウンターを狙った!!!

 

 

 

 

 

 

ドスッ

 

 

 

 

 

 

 MEの包丁が脇腹を掠めた。そして、俺の拳は、見事に顔面をとらえた。カウンターは成功したのだ!!!

 

 

アナタアアアアアアアアアァァァァアァアアアアァアアアアアアアアア・・・・アアァ

 

 そのままMEはカセットテープになり、それを掴む。俺はそのまま握りつぶそうとした。

 

「ちょっと何してるの!?ちょ、やめなさいよ!!」

 

 速目が止めにかかるが、俺は彼女に叱咤した。

 

「うるせえ!!!こんなもんあっちゃいけないんだよ!!こんな人一人の感情が、てめえの身内だけじゃなく、他人をも簡単に巻き込んだんだ!こんなもの、存在しちゃいけないんだ!!」

 

「だからこそだ!!」

 

 そこに急いでやってきた勇隊長が割り込んできた。

 

「だからこそ、こんな悲劇起こす前に対応しなきゃいけないんだ。だが被害が出るまで俺たちは動けない。システムが確立していないこの状況で一般市民の声でしか俺たちは動けない!!こんな被害が出ても、瀬戸内博士が開発した記憶抹消装置できれいさっぱり無かったことになる!だがな、これは他人の記憶だ。平和な日々にあった出来事だ!これを、お前にどうこうする権利はない。俺たちのやってることは人の感情に土足で踏み込んでるんだ!!そのことを忘れるな。」

 

 それを聞いた俺は手が緩み、その隙に隊長にカセットテープを取り上げる。俺は膝をつけ、両手で拳を叩きつけた。

 

 

 

 こうして、黒崎創の壮絶の戦いは幕を開けた・・・・。

 

 

 



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5話

某姫条宅

「おとうさんはきっとかえってくるよ!」

少女は微笑みながら言う。昔貰った絵本を読みながら、今はいない父親の帰りを待っている。

 

「娘さん、記憶を盗られたんですか・・・。」

「えぇ、まぁ・・・。夫は2年前に亡くなったのですが、それ以来娘は完全に塞ぎこんでしまって手の施しようがありませんでした。そんな時、必要のない記憶を引き取ってくれるという嘘のような話が私のもとに飛び込んできました。娘が元気になればと思い、その話に乗ることにしました。」

「それで、父親の死という記憶だけがなくなり、今の状態になったと・・。」

「・・・その結果、娘は絵本を読み続けながら、夫の帰りを・・・・!」

彼女の一人娘である姫条夢佳はME計画に巻き込まれた被験者の一人だ。だがそれを良しとしたのは実の母親だ。だが日常生活に不都合がでたから出来れば記憶を取り戻してほしいと言う了見である。母親は綺麗事を述べているが事実はこれだ。加害者はどっちなのかねぇ。

「そろそろ本題に入らせてください。今回奥様が依頼した内容は娘さんを狙っているストーカーを退治してほしいというので間違いありませんか?」

「・・・はい、そうです。」

「そして、そのストーカーが異形な姿をしていたと。」

「はい。トカゲのような顔と尻尾があって、槍を持っていました。娘を保育園に送るときに襲われて・・・」

「襲われた?え、逃げ切れたんですか?」

「あ、あぁはい何とか。その時に何とか姿だけは見れたんです。」

この人の話には何か引っ掛かりがある。嘘は言っていないが状況を全部話していないように思える。何故だ?何を隠す必要があるって言うんだ!!

「おとうさんがたすけにきてくれたんだよ!」

「ちょっとユメ!何を言って・・・」

「おとうさんがわたしとおかあさんをバケモノからまもってくれたの!」

「・・・逃げるときに庇ってくれた方がいたのですが、それを夫と勘違いして・・・。」

そう母親が言うと娘の夢佳がある絵本を持ってきた。

「これは何だい?」

「これはね、おとうさんからもらったえほんなの!おとうさんがきしになってわたしをたすけてくれるの!」

お店で売っているような普通の絵本ではなく手作りだと思ったのは容易だった。誰から送られてきたのかはわからないのだが、夢佳はこれは父親が送ってきたプレゼントだと言う。根拠など無い。だけど人間の信じるって心は決して真実だけでは表せないものある。これもその類のものだ。母親は娘を部屋に返すとこう頼み込んできた。

「お願いします。どうかそのバケモノを一刻も早く退治してください。お金はいくらでも払います。何でもします!だからどうか!!!」

「わ、わかりましたから!どうか、頭を上げて・・。概ね敵の行動範囲は予測しております。今から行動を開始します。」

そう言って俺は家を出て変身を開始し、速やかに戦闘準備に入る。バイクに跨り、行動範囲の予測ポイント急ぐのであった。

 

 

 

「絵本みたいな物語が・・・・・現実には起こすわけにはいかないのよ。」

バイクが過ぎ去った後、彼女は誰にも理解できない独り言を言った。

 

 



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