エーブリスのチラ裏短編集Z (エーブリス)
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【ナニカサレタ男シリーズ】支援会話アソート

記念すべき短編集第一回は案の定ナニカサレタ男シリーズからです。


 【1、ヴェニスの殺人狂共(×ピエリ支援C)】

 

マーシレス

「あー、暇…」

「でも面倒事起きるよかマシか…」

 

ピエリ

「やっと見つけたの!!」

 

マーシレス

「…だから面倒事はイラネっつってんだろ」

「何?何スカ?えっ、と…ピエ、ピエ…ピエトロだったっけ?」

 

ピエリ

「ちーがーうー!

ピエリはピエリなのぉ!」

「ちゃんと覚えてなの!」

 

マーシレス

「おう、そりゃ悪かったなピエール瀧」

 

ピエリ

「だから!ちがうのね!ピエリなんだから!」

 

マーシレス

「すまん間違えた、ライラ・ミラ・ライラ」

 

ピエリ

「最早一文字も掠ってないの!」

 

マーシレス

「はいはい、泣かない泣かない」

「それで?用件は何?

右手に隠し持った斧で斬らせろ以外なら承るかもしれないよ?お金次第で」

 

ピエリ

「よく分かったの!流石、暗夜の鴉頭なの!」

「もしかして…マーシレスって、にゅーたいぷ?ってやつなの?」

 

マーシレス

「そうそう、俺実はムラサメ研究所出身のフィフティーファイブ・ムラサメって奴で最近空が落ちてきそうで怖―――って、そうじゃねえよ」

「ちゅーか斧も本当に持ってたのかよ。

それ何処から持ってきた、返して来なさい危ないってば」

 

ピエリ

「ふぇ?これはラズワルドから借りて来た斧なの!」

 

マーシレス

「あのナンパバカ後で殴る…」

「―――って、オイ!!無言で(斧を)振り上げんじゃねえよ!」

 

ピエリ

「どうして?

マーシレスなら死なないからいいの!」

「仮に死にそうになったとしても苦しむ前に息の根を止めてやるの!」

 

マーシレス

「最近の子って空が落ちてくるよりこえーな!」

「というか何で俺を切り刻もうとするワケ!?

理由を話しなさいよ!」

「…もしやアレか!?

ミューズだか何だかで一回斬り合った時に「コイツなんか違うの!」とか言ってたアレか!?」

 

ピエリ

「よく覚えてたの!いい子いい子なの!」

「マーシレスの筋肉は人とは違うのね!あの時剣で斬った時からすごい気になってたの!」

「それに戦いの時はいつも攻撃を避けてないからマーシレスは絶対“どえむ”なの!」

 

マーシレス

「Mじゃないですぅ!メスイキにもM豚にも目覚める気はないですぅ!」

「というか攻撃避けないのはどうせ再生するからですぅ!

――――――――あ」

「おいピエドラちょっと斧貸せ、直ぐ返す」

 

ピエリ

「…?、なにするの?」

 

マーシレス

「フゥ…痛みは一瞬、痛みは一瞬、ふんッ!」

「ッ――――――ほら、もも肉大体5㎏だ。

これぐらいあれば十分遊べるだろ。もってけ…あと斧」

 

ピエリ

「わーい!ありがとうなの!」

 

マーシレス

「とっとと帰れ、もう帰りなさい」

「――――――――やべぇ、深く斬り過ぎた」

「丸一日は…荒事厳禁だな」

 

 

その後、事の顛末を(マーシレスの肉で遊んでいた)ピエリ本人から直接聞いたマークスが医療班と共に詫びを入れに来たのは損傷部の再生が9割終わった頃であった。

 

 

 

 

 【2、あのコは太陽でBukkorosu(×ラズワルド支援C)】

 

  ~武器庫~

 

マーシレス

「ったく、武器の手入れ番なんか引き受けるんじゃなかった…」

「…」

「…」

「…」

「―――どぅーん、ふーん、ふるるーん…ふるーんるーん……」

「~♪」

 

しばらくして―――――――

 

マーシレス

「♪~♪」

「~♪…――――――――ッ!!」

 

ラズワルド

「…」

 

マーシレス

「え、あ…」

 

ラズワルド

「や、やあ」

 

マーシレス

「…え、ど、どうも」

 

ラズワルド

「えっと…なんて言うか、意外と歌、上手だね…」

 

マーシレス

「何処から見てやがった」

 

ラズワルド

「え?」

 

マーシレス

「何処から見てたってんだ」

 

ラズワルド

「いや…確か、オーロラが~とか、煌く~とかそんな感じの歌詞の所から…」

「――――って!こ、粉!?

何だこれ!?」

 

マーシレス

「粉末の研磨剤」

 

ラズワルド

「いや、それは見れば分かるけど…」

「でも何で部屋中にばら撒く必要があるのさ!?

すごい粉が舞ってるんだけど!?」

 

マーシレス

「…この前、暗夜の小麦粉貯蔵庫が爆発したよな?」

 

ラズワルド

「え?あ、ああ…あの原因不明って言われているやつ…」

「それとこれが一体…?」

 

マーシレス

「火元があれば燃えこそすれ、爆発するような事は無かったハズ。

…世間はそう言っているようだが実際は違う」

「物質ってのは直で火を付けようとしても中々付くものじゃない…が、粉レベルまで細かく分散すれば話は別だ、粒一つ一つは容易に火が付く」

「そうやって狭い室内で充満した粉から粉へ…火が伝達することでやがて大火となり―――」

 

ラズワルド

「待って!ということは今のこれ爆発する奴だよね絶対!?」

 

マーシレス

「よく分かったな」

「ここで俺の羞恥をテメェごとブッ飛ばす」

「上手く行けば小さい太陽が生まれる事になるぜ」

 

ラズワルド

「そんな!?やり過ぎだよ!

確かに歌ったり踊ったりしてるところを見られて恥ずかしいのは分かるけどさ!」

 

マーシレス

「過去と言うのは塞ぐだけでは物陰のゴキブリの様にいずれは這い出てくる…」

「だからこそ恥ずべき“今”が“過去”になる前に。

―――――分かるだろ?」

 

ラズワルド

「分からないよ!

いくら恥ずかしくてもそこまでする事はないでしょ!!」

 

マーシレス

「この短編小説(はなし)の最後はこう結ぶことになる」

「…あばよ、ラズワルド」

 

ラズワルド

「だめぇええええええ!!!」

 

結局、粉塵爆発は未然に防がれた。

ちなみにばら撒いたのは刀の打ち粉だそうで…。

 

 

 

 【噂以上(×オボロ支援C)】

 

オボロ

「げっ…マーシレス…」

 

マーシレス

「人を見るなり「げぇっ」はねぇだろ、関羽じゃあるめーし」

「…というか何なのその顔!?

口に入った虫を嚙み潰したようなその顔は一体何!?」

 

オボロ

「これは、何と言うか…あんた、暗夜の気配が薄いというか…」

 

マーシレス

「いや、まあ…俺自身別に暗夜出身でもないってか…」

「というか、オボロの極端な暗夜嫌いと鬼の顔って本当だったんだな。

…いやぁ変な噂の付く奴ってやっぱなんかあるんだなぁーって」

 

オボロ

「あんたがそれ言う?」

 

マーシレス

「え…?」

「俺なんかしたかしら?なんかあったん?」

 

オボロ

「おおありよ!

“鴉頭の傭兵”なんて、暗夜どころか白夜や周辺諸国にまで伝わる今一番有名な都市伝説なの」

「それが、本当に出会ってみれば…500人の軍隊を一人で殲滅したとか、村一つを数分で無人にしたとか、バカみたいな伝説のどれも脚色無しですって!?

ここの人達どころか世界を探し回ってもアンタみたいに滅茶苦茶な人間は居ないわよ!」

 

マーシレス

「軍隊の下りは兎も角、村の下りって覚えがねぇなぁ」

「とは言え此処の奴ら全員何かとおかしいよな」

 

オボロ

「あんたねぇ…」

 

マーシレス

「うわっ、噂通りの魔王になった!」

 

 

 

 【噂以上…?(×ブノワ支援C)】

 

ブノワ

「……」

「……」

「…何だかよく分からないが…何か、とても嫌な予感がする」

「マズい、震えが止まらなくなってきた―――――」

 

マーシレス

「俺の後ろに立つな」

 

ブノワ

「のわぁああああああああああッ!?」

「ッ!…マーシレス、か。

急に後ろから声をかけないでくれ、よりにもよって見張り番の時に」

 

マーシレス

「ソイツは悪かった。

…とは言え1万の軍勢を滅ぼすブノワ様も案外ビビるもんだな、俺なんて五百人止まりだってのによ」

 

ブノワ

「いや、俺は実際に一万も相手にするのは…」

「…所でマーシレスの五百人斬りは本当だと風の噂で聞いたのだが」

 

マーシレス

「マジよ、なんか上手いことやれたんだわ。

人間やってみるもんだな」

 

ブノワ

「本当なのか…」

 

マーシレス

「つか、え?ブノワの一万斬りってガセなの!?」

 

ブノワ

「それはまぁ本当に――――――――」

 

マーシレス

「本当なのか!?

マジか!どうやったの!?もしかしてA-10サンダーボルトでも持ち出した!?」

 

ブノワ

「えー…てん…?、なんだそれは」

「だから俺の一万斬りは…」

 

マーシレス

「そうか分かったぞ!

実はお前んちの地下にゲッターロボが隠されてるんだな!そうに違いねぇ!」

 

ブノワ

「げっ…何?」

「それとだから俺の……」

 

マーシレス

「俺、実は夢だったんだよな…ゲッターチームになるの」

「なあ教えてくれよ。

ブノワの実家、早乙女研究所なんだろ?何処でゲッターチームの求人出してるんだよ!?もしやタウンページに載ってた?俺あの黄色い本読む気しねえんだよなぁ」

 

ブノワ

「俺の話を聞いてくれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




一応オリキャラ解説。

 ・マーシレス(ナニカサレタ男より)
強化人間手術を施して、ついでに人間関係とか自分自身とかの記憶を抜いた状態だ何処かの誰かさんにFEIf世界に蹴りだされ10年間よく分からん世界を彷徨った、なんか不幸な奴。
手術の後遺症による情緒不安定と元来のルーズな正確が合わさって周囲からクソ野郎認定を受ける…が、その周囲が案外いい人だらけなのでそこまで扱いは悪くはない(現在は)。

エーブリスにとって一番使い勝手の良いオリキャラ。
長年にわたる設定の後付けで初期設定の面影があんまりない。


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【ナニカサレタ男シリーズ】細切れアソート

限定公開のマーシィ提督で採用してる鍵括弧15個以内くらいの短い会話の詰め合わせみたいな感じの方式で書いていきます。




 、 、 、 

 

  【子世代の雑談】

 

グレイ

「じゃあ次は…自分の行動で「やっちまったなぁ…」って思った瞬間とかどうだ?」

 

スミカ

「あっそれ私覚えがあるわ」

 

ディーア

「へぇ、どんなの?」

 

スミカ

「デートスポットでね?そこら辺のカップルを両親と間違えちゃって「父さん」って呼んじゃって…。

そしたらもうカップルの女の人の方がすっごい男の人睨んでた」

 

グレイ

「うわぁ…」

 

マトイ

「残酷すぎるわ…」

 

スミカ

「あの後別れたりしてないかしら…あの二人」

 

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  【親世代の猥談】

 

ツバキ

「次の話題は…。

そうだ!、[最近家族の為に作ったもの]とか?」

 

フランネル

「あー、普通に豚の丸焼きしか…」

 

マーシレス

「窯作るの俺が手伝った奴ね」

 

ヒナタ

「窯から作ったのかよ…」

 

マーシレス

「因みに俺はその後その窯を使って張形*1作った」

 

ツバキ

「えっ…?(驚愕&戦慄)」

 

マーシレス

「自分のチ○コより小さく作ったのがこだわ―――――」

 

ヒナタ

「そこまで詳しくなくていいから」

 

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  【 修 羅 場 With暗夜祭】

 

ピエリ

「ベルカの寝言って、すっごく面白いの!

ピエリが「明日もお話する?」って聞くと「するするー!」って答えるの!」

 

ベルカ

「なんですって…!?」

 

ピエリ

「因みにこれはベルカがこの前の行軍で仮眠を取ってる時にマーシレスがやってたの!

それでピエリも知ったの!」

 

ベルカ

「 な ん で す っ て ? 」 

 

マーシレス

「…さ、サボテンが、は、花を…」

 

 、 、 、

 

  【せめて常人の身体で考えてくれ】

 

カムイ

「こんな事皆に相談するのも考え物なんだけれど…実は昔から瓶のフタが硬いと開けられなくて…」

 

エルフィ

「瓶の蓋って…紙と大差ないでしょ?カムイ様。

指を入れるだけで簡単に割れるわ」

 

カムイ

「うん…うん?え?」

 

マーシレス

「つーかガラスなんて歯で割れるだろ、丸ごと噛み砕いて…」

 

カムイ

「相談する相手を間違えたかもしれない…」

 

 

その後…。

 

マーシレス

「まあマジレスすると蓋をお湯であっためると蓋が緩くなって簡単に開く。

理屈は忘れたが」

 

カムイ

「(それを最初から言ってくれれば良かったのに)あ、ありがとう…」

 

 、 、 、

 

 【マーシレスの禁止リスト】

 

・マーシレスを厨房に立たせないでください。

何をどうやったら緑の光る粉みたいなのが出来るんだか…。

・「生け捕り」とは「死なない程度に殺傷」という意味ではありません、捕虜に使う杖の消費を考えてください。

・各々の戦い方に口を出したくはありませんが、敵兵の身体をバラバラに引き千切るのは止めてください。味方にも精神的被害が出ています。

 ↑だから止めろって言ったでしょ!(byカザハナ)

・マーシレスが小麦粉貯蔵庫に立ち寄ったら即刻追い返してください。

 ↑粉塵爆発というのは興味深いが何もそれを「現場検証」と称して本当にやらないでくれ…(byマークス)

 ↑危うく食堂が粉微塵になる所だったの(byピエリ)

・マーシレスに害獣・害虫駆除の依頼を出さないでください。

誰が山の生態系まで崩せといいましたか?

・敵味方の区別なく大剣を振らないでください。

 ↑「コンボが途切れる」というのはこの行為を正当化する理由ではありません。

・ハロルドの隣で爆発系の魔具を使う事は二度と!決して!金輪際!しないでください。

敵軍のど真ん中でもです。

 ↑私も長い事運の無い人生を送ってきたが、爆発物が突然無数に分裂するのは初めてだ。(byハロルド)

 ↑被害者がたまたま盗賊団だったからまだ良かったけど…(byオーディン) 

・ギターなる楽器を演奏するのは良いですが、エリーゼ様に変な歌を教えないで下さい。

・ブノワは“まじんがーぜっと”なるものではありません。

いくら彼とは言え、急に頭に乗られたら大けがを負う可能性もあります。

・「死ぬほど痛いだけ」と言って自爆を推奨しないでください。

誰もがあなたの様に大怪我が勝手に再生するわけではありません。

 ↑「奇策冷血を持って終わらせる」「必要な犠牲」はこの行為を正当化する理由として決して!認めません。

 ↑チンキューって誰よ…(byルーナ)

・やたらに武器を投げないでください、いくら何でも壊れます。

・ローリングバスターが何だとかは知りませんが、急にその大剣(グレートソード)を振り回すのは止めてください。

・暇だからっていきなり「俺は天空を舞う羽根!どんな達人にも以下省略!」と叫びながら跳び回らないでください。

・レオン様を「マスター靴下(裏)」とか「法衣がギャグ」とか言うのは止めなさい、普通に不敬罪です。

 ↑あいつ本当に塵にしてやろうか…(byレオン)

・調理場にしいたけが無いからと言ってゼロの眼帯は調達しないでください

 ↑いやいやアレどーみてもしいたけじゃん!なあ?しいたけ先生!(byマーシレス)

  ↑お前そろそろしょっ引かれろ…(byゼロ)

・ストレートに下ネタを言わないでください、まだ隠語を使うゼロの方が良心的です。

・酒の席での過度な悪乗りは絶対に!やめてください。また、「酔っぱらっていた」は貴方の場合、これを正当化する理由にはなりません。

 ↑彼、どれだけ飲んだら酔っぱらうんだろうねー(byツバキ)

  ↑口を付けた時点で酔っぱらってる気がしますがね(byアサマ)

   ↑普段から酔っぱらっているようなものだろう(byサイゾウ)

・偶には部屋の掃除をして。

 ↑ごめんベルカ、今度やるから(byマーシレス)

  ↑まさかコレ忘れたとは言わないわよね…?(byベルカ)

   ↑すみません今からやります(byマーシレス)

・人前でオーディンさんと変な事しないで、“げったーろぼ”が何なのか知らないけど。

 ↑この世界にゲッターロボサーガが一巻も無いのが悪い(byマーシレス)

・人前で爪噛むのやめて

・淫具に使うのは1か月で1000Gまで

 ↑なんで知ってるのよエロ親父!(byスミカ)

・部屋の鍵無くす度にお小遣い減額

・ここをキャンプ地とする

・二度と私の寝言と会話しないで

 ↑え…。(byマーシレス)

  ↑え、じゃない。やめて(byベルカ)

   ↑せめてプライベートでも(byマーシレス)

    ↑やめて(byベルカ)

・形態の電源はOFFに

・館内禁煙

・上映中はお静かに

・撮影禁止

・どんなに足が長くても

 ↑前の席を蹴らなーい(byマーシレス)

  ↑ルール表で遊ぶな(byスミカ、ベルカ)

・あ

 ↑い(byスミカ)

  ↑う(byマーシレス)

   ↑え(byスミカ)

    ↑お(byマーシレス)

・りんご

 ↑ゴマ

  ↑まんだらけ

   ↑毛虫

    ↑品川

     ↑輪投げ

      ↑減額

       ↑熊  

        ↑マントヒヒ

         ↑日出国

          ↑煮物

           ↑ノンマルト星人

 ↑父さんの負け(byスミカ)

  ↑今日の掃除当番決定(byベルカ)

   ↑ふざけてノンマルト人に喧嘩売らなきゃよかった(byマーシレス)

・ウッキー!今年は申年ィ!

 ↑寅年です(byスミカ)

  ↑これ恒例行事よ…(byベルカ)

   ↑あの…俺が悪かったから、その何もかも諦めたような感じのマジで止めてくれ…俺が悪かった、ほんとうに謝るから、あの(byマーシレス)

 『以下省略』

 

マーシレス

「コレみんな覚えてる?」

 

ヒナタ

「うわぁ、懐かしいな…」

 

ツバキ

「(マーシレスが)結婚してからどんどんマトモになったから誰も使わなくなって、後半はもうマーシレス一家のルール表になってるよねー」

 

マーシレス

「最終的に俺んちでも暗黙の了解なってきて使わなくなったし」

 

フランネル

「最後もう家族ぐるみで遊んでるだけじゃねーか」

 

 、 、 、

 

 

*1
要はディ○ド




いい加減ナニカサレタ男シリーズ以外の作品も出さないと…。


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【世紀末ダイバーズ】フォース内珍事2種詰め

今回は世紀末ダイバーズのお話です。
先ずは前々から設定等で名前等のみが出ていた「Lフィルムファイターズ」の話、そして次は外伝のディープズレッドにてチョイ役として出た「コルディスダイ」の「メネンデェス!」のお話です。


Q:Lフィルムファイターズとは?

A:世紀末ダイバーズに名前と設定だけ登場していたス○ーウォーズ系の大型フォース。

フォースリーダーはリアルでエクハザールと交流のある(リア友)「ろぼちき」、実はろぼちきは二代目リーダーで初代は別の人。

 

 

 

 【Lフィルムファイターズの事件簿】

 

ろぼちき

「それでさ、俺はエクハザールのうなじ削ぎ落してやったんだ。ビームサーベルで」

 

 

 キャラ説明【ろぼちき】

Lフィルムファイターズのリーダー。

ダイバールックはまんまパ○パティーン、使用ガンプラもパル○ティーン。

 

 

半分ソロ

「そいつはケッサクだwww」

 

バッカチューブ

「ヴァァーーーwwwwww(鼻からイエーガーwwww)」

 

 

 キャラ説明【半分ソロ】【バッカチューブ】

数合わせでたった今考え出されたキャラクター。

もう元ネタは察してほしい…因みにバッカチューブの方は最近GBN<トレーナーの割合で遊んでる。

 

 

 

ろぼちき

「wwww――――――あ、待って、コレクトコール入った。

はぁーい、ろぼちきでぇーす!」

 

アッキー

「…アッキーでーす」

 

 

 キャラ説明【アッキー】

某暗黒卿を安易に美少女化したようなダイバールックの女。

うるさい。後ものすごい紙メンタル。

 

 

ろぼちき

「ああ、多分大事な連絡だ…失礼。

――――――――よう!アッキー!!どうした?やけに声低いな…また母ちゃんに怒られたか?そろそろ学業ちゃんとやんないと――――うわっ!?き、急に泣き出すな!まて!ホント待って!ゆっくり!ゆっくり!落ち着いて!な?落ち着こう、おち、落ち着いて…ほらゆっくり喋れ――――――――うん、先ず要件を言おうか。ええ―――何?フォースネストの最北端が?―――――維持費の払い忘れで?―――――――他フォースに領地分捕られた?そうそう、そうやって一つずつ……は?待て、ソレ、ガチの話?」

 

半分ソロ

え、普通に大惨事じゃね?

 

バッカチューブ

ヴァァァ(また説教コースだコレ)

 

 

ろぼちき

「ハァアアアアアアア…(クソデカため息)。

この[放送禁止用語]ッッッ!![放送禁止用語]ッッッ!!お前それッッッだけッッッは前々から絶対にやらかすなよって言ったよな!?どうしてやっちゃうわけ!?ねえ!あ”あ”?というか何処のドイツに取られたんだ!?――――――――あ”!?アルミニウムジオン?????

??????何だよそのフォース!!何時出来たんだよ!?どうゆうネーミングセンスしてんだよ意味わかんないよ!?

――――――――――――――――いやさ、いくらお前でも流石に領地の維持費くらいどーにか出来ると思ってたんだ。某MMORPGのネタで散々笑い飛ばしてたお前ならばよ…しかもあの部分まだローンが残ってた。お陰で木戸さんの苦労が台無しだ」

 

 

 キャラ説明【木戸・フィスト―】

Lフィルムファイターズの代表的良心、いろいろやってくれる凄い人。本編にも名前だけ出てきた。

元ネタはジェ○イマスターの一人から。

 

 

ろぼちき

「全くこのアホメスガキが…っと、待ってろ別件の電話が入った。

――――――――何じゃい今取り込み中だァ!!あ、シン?どしたん?…え?ELダイバーのファッション?んなのダイバールックで…え?リアルの外歩き用?んなの何着せたっていいでしょ、どうせ武装神姫とどっこいどっこいのサイズやろ?というかほぼイコール?―――――――え?俺ん所に?いやウチはELダイバーはまだ居ないなぁ…半分ソロとか来ねえかなぁとかずっと言ってるけど…」

 

半分ソロ

俺そんな言ってたっけ?

 

バッカチューブ

ヴァァア(滅茶苦茶ゆうとるわ)

 

ろぼちき

「んー、気になるようだったらバカクソボケメスガキアキナの服とか参考に――――――――え?何かって?―――ああうん、よく分かったな……ああ、ボロクソいってやったよ。まあ案の定やらかしたんよアイツ…え?炎上?んな気にするこたねーって、シンもそうだけろうけどウチも身内の騒ぎで燃えるのは慣れっこ。まあちょっと今説教中だったから、じゃな。

――――――――お待たせ、アッキー。ハァアアアアアアア(クソデカため息)ハァ!?!?!?!?!?!?!?買われた分買い戻せだぁ!?

!?なんて[放送禁止用語]野郎だ!!!だぁれが金貸すんだよ!?木戸さんとか言うなよ!?まさかお前か!???あ”ぁ”!?、お前のダイバールックはATMだったのかぁ!?

ともかくさっさとココ来いや!ギャンギャンうるせぇんだよ!お前のカレのシに3日前お漏らしした事バラすぞ!名前なってったっけ??トリガワ!?トリッピー!????

は?え?―――――――――――コイツまだ告ってなかったわwwww」

 

半分ソロ

「あんなにデキてるのに?wwww」

 

バッカチューブ

「ヴァァアアアアwwwwwww(もう鼻から牛乳www)」

 

ろぼちき

「ハァ…おい、おい!そんな取り乱すなよ、な?な?こっちも色々あって大変なんだ(大嘘)、だからフォースネスト最北端が頭にアルミニウム軍団に買い取られたからって、別にお前を責めるつもりは…ごめん滅茶苦茶あったわ。まあええ、いいな?ともかく戻ってこいよ?な?うん、それと勉強もちゃんとやれよ?な?

――――――――――――――――ハァ、コイツほんと疲れる」

 

半分ソロ

「あんなのがご近所だなんて、ホント大変だよなぁ」

 

バッカチューブ

「ヴァァアア…(近所の幼馴染ってのも結局そんなもんか…)」

 

ろぼちき

「アイツ年下だもん…仮に幼馴染と呼べるとして夢もクソもねえよ。

…寝る」

 

半分ソロ

「いやいやGBNで寝れな…寝ちゃったよ」

 

 

 

 

 

 

  【ある日のメネンデェス!!!】

 

コルディスダイのフォースネストにて…。

 

 

メネンデェス

「ふぅ…(つかれた、この後何しよう。

もう予定も何も無いからなぁ…適当にフォースネストでも散策して…)」

 

 キャラ説明【メネンデェス】

強豪フォース「コルディスダイ」のリーダー。

ぶっちゃけダイバールックはBO2のメネンデスそのまんま、でも性格はどっちかというとオマケ映像みたいな感じ。

というかこの話自体大体BO2のオマケが元ネタだったりする。

 

 

シャンドゥズ

メネンデェェェェェェェェェェェェス!!!!!

 

メネンデェス

「うわ!しゃ、シャンドウズ!?

それにゲーツも!?」

 

Syゲーツ

「さっきの演説お前何してやがる!

テメェ何時から無駄に老けやがった!!」

 

 

 キャラ説明【シャンドウズ】【Syゲーツ】

今回初登場したキャラ、実は売れっ子バンドのボーカルとギター。

メネンデェスとは大学時代からの友人。今回はメネンデェスの余りにも酷かった演説(ディープズレッド記録4参照)にブチ切れて「ステージに立つとは何たるかをぶち込んでやる!」と凸を決行した。

元ネタはアヴェンジドセブンフォールドのM.シャドウズとシニスター・ゲイツから。

 

 

シャンドウズ

「いいか?ファンが求めてンのは最高のショーだ。

…それを何だ?誰がお前の道草食って失敗した話なんか聞きたがるか!バラエティー番組じゃねえんだぞ!!」

 

メネンデェス

「い、いや…結果的にウケたからいいかなって…」

 

Syゲーツ

「ありゃ笑いじゃねえ、てめえのトークレベルに対する苦笑いだ!

…ともかくついて来い!俺達が一から鍛え直してやる!!」

 

シャンドウズ

「どうせお前の事だ、土日にぁなんも予定入れてねぇだろ」

 

メネンデェス

「なんでわかったんだ!?」

 

シャンドウズ

「もう今年で付き合い10年目だぞ!?分かるもんも分かるだろうが!

だからこそ俺達はお前を一流のショーマンにして来週を迎えなきゃなんねぇ!行くぞ!!」

 

Syゲーツ

「覚悟しろよメネンデェス!」

 

メネンデェス

「め、滅茶苦茶だ…」

 

 

このお陰で翌週のコルディスダイの演説は同時接続をかなり稼げたという。

 

 

 




次はISダクソかなぁ…


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんにてふざけるやつ

今回は「成層圏にて燃えるもの」の短編でございます。
因みに彼方の本編後書きでも構想だけは書いてありますが…大体あんな感じです(どんな感じだよ!と思った方…探して♥)。

という訳で今作では本編で一切鍵括弧を与えられなかった【彼】こと不死人が滅茶苦茶喋ります、イメージCVは山路和弘さんあたりでよろ。


更に言うと…タイトルに「ふざける」って入れてる通り設定とか地の文とか話の展開とか無茶苦茶適当です、殆ど何も考えてません。そこの所注意して、そして受け付けない人はブラウザバック等で以下省略。


  オリキャラ解説:【彼】
ダクソの不死人、佐々木潤っていう偽名もあるし学園の皆さんからはそう呼ばれている、何だかんだあってIS学園に入学することになった。
在れちょっと待て?お前本当に……いや、やっぱいいや。そんぐらいの謎があったりなかったりするけど。
実は裏設定がエーブリス作品のオリキャラ一多い。
名前の元ネタは、仮面ライダーで2号ライダーを演じた俳優から(仮面ライダー2号の“佐々木”武氏と仮面ライダーG3・仮面ライダーG3-Xの要“潤”から)。


 2021/07/11:サブタイをもっと頭悪そうにしました。 


さてさて、明くる日の日曜日。

【彼】…通称:佐々木潤とも呼ばれる不死人は、数日前までの臨海学校での“おイタ”によって、ここんところ毎日特別トレーニングを課せられている。まあそんな事は彼にとって非常にどうでもいい事だ、何せ苦ですら無い運動を(鬼教官こと千冬女史と)数種類こなすだけの楽な仕事だ…寧ろ若干楽しいまである

 

いや、本当に今はそれどころではない。彼はここ数年の中で類を見ない程に焦っている。

自分の身体をあれこれ探りながら探すもの――――――それは“USB端子の挿入口”だった。

 

 

 

 

 

――――――多分皆、は?と思ったに違いない。

しかし彼は(ある意味)大真面目であった、何せ彼の学園生活を支えるツールの使用に今後関わって来るのだから…。というのも、実は彼のIS【アックスマン】…いや、今は【ロードオブシンダー】だったか?いやこの場合はアックスマンでいいとして…。

 

実はアックスマンの待機状態にはゲーム機(一応PS4)としての機能があったのだ。

 

 

 

 

――――――――今また、は?って思っただろ。

取り合えず話を、話だけでも聞いてほしい。

そもそもアックスマンは元々どっかの研究所で“外宇宙探索用の多目的IS”として、高重力下飛行能力や無重力空間移動能力そしてその両方での作業能力それと補給基地を必要としない持続力その他諸々を兼ね備えた第1世代ISとして開発される予定だったのが案の定技術力の問題でとん挫して中途半端な完成度で放置されていたものを何があったか束博士の手にわたって(片手間で)改造され、本来予定されていた多機能性を…えっと、なんか、こう…めちゃめちゃ凄いおまけ付き(語彙力ェ…)でようやく実装したのがアックスマンである。

 

そのオプションの中にゲーム機の機能があった、という話だ。

…納得がいかないだろうが、そもそも夜更かししてまでゲームしてて、千冬女史を始めとする高性能教師軍団にバレることもなく、なんのお咎めもないままで居られるほうが可笑しいのでこれくらい許してほしい。というかWi-Fiの利用状況でバレるっつーの、その点束博士はやっぱり天災だよね。

 

…天災設定の濫用?知らんな。

 

しかし今となってはアックスマン…もといロードオブシンダーは彼のソウルと同化してしまい、USBを通して待機状態のISにコントローラーとか画面とかを接続してゲームプレイ!とは行かなくなってる訳である。

 

 

 

 

「畜生、こんな事ならッ…一時のノリに任せて二次移行なんざしなけりゃ良かった…!

クソッタレが…!」

 

あ、今の【彼】の初鍵括弧(公式)ね。

まるで服の中に潜り込んだ羽虫でも追い出すようにゲームを追い求める様は、同級生や先輩から【1年最強の男】【最強の2番目】【1組の流竜馬】【1年次に潜んでたゲッターの使者】【トマホークブーメラン】と呼ばれ…たり、呼ばれなかったりしてそして幾多の試練を乗り越えてきた不死の巡礼者としての貫禄などどこにもありゃしなかった。

因みに↑の別名は今適当に考えた2つ名である。

 

そんなことは兎も角として、毎晩のゲームプレイで廃ゲーマーと化していた【彼】にとって死活問題だった。

不死人は長い暇を何もせず過ごす等…と思ったそこのあなた、慣れてるのと好きなのは別の話ですよ!

 

 

ともかく、兎も角、TOMOKAKU*1、彼は非常に焦った…表情にも出るくらい焦っていた。臨海学校の非常事態でもこんな顔はしなかっただろうと言うぐらいには顔に出ていた。ちょっと心配になった本編見返してみたけどやっぱりあの時も余裕じゃないだけで結構冷静だった。

 

 

 

 

 

――――ふと、彼の頭の中に、一つの妙案が浮かんだ。

 

「電脳ダイブ…これだ…」

 

えっと、電脳ダイブとは……って、そんなもんwikiやら他の人のIS二次やら見て調べろや!こちとらISアニメ勢やぞ!

というか電脳ダイブってタイピングするのめんどくさいねん!ダイブって打とうとすると絶対変換で「大分」ってなるんや!それと白式もだよ!「びゃくしき」って打つと「百式」になるんだよどうしても!白から金色になっちゃったよ!だからいっつも「しろしき」って打ってるんだよ!

 

まあそんな事はどうでもいいとして、この電脳ダイブという手段自体、彼はほぼ未体験のようなものだし博士からの説明も(クロエの援護も空しく)殆ど理解できず頭に入らなかったので正直よく分からぬ!って感じだが…まあ要は身体若しくは意識を別の所に転送させるわけである。

 

「白霊とか侵入霊の要領で…」

 

まあ【彼】にとって馴染み深い転移と言えばここら辺である。

そんなわけで、善は急げと早速こう…なんかこう…今から転移される!見たいな気持ちで待ち構えた。

 

 

……まあ流石にこれで――――――――そう思った瞬間、意識がトイレに流される糞尿のような勢いで引き込まれた(例えが汚い)。

そしてつかの間の昏睡から目が覚めると、そこは黄昏れた空の…灰で出来た砂丘だった。

 

 

 

 

ここで「あっ」ってなった読者諸君、よく本編読んでるね!ありがとう!

 

 

「…?(ん?ここ確か福音に殺されて来たアレじゃないか?)」

 

解説を入れておくと、此処は本編最終話周辺で【彼】が一度福音によって殺され、なんやかんやあってやって来た謎の世界である。

最終回にてマー…じゃなくって“悔やみ続ける者”と名付けられた黒い外套の男と(結構久しぶりに生身対生身で)戦ったのもココである。

 

 

…で、【彼】が気配を感じて振り返ると、件の悔やみ続ける者がラスボス手前のボス的な雰囲気で立ち尽くしていた。

 

 

「…お前、確か消滅しなかったか?」

 

「俺の存在に時空間は関係ない、何なら同時に複数存在する。

………ちゅーかお前何しに来たん?今別に一大事ちゃいますよね?ここそんなホイホイ来るとこじゃないって」

 

いやお前喋るんかい…ってか結構口軽いなコイツ…そう心の中で(おまいう感たっぷりの言葉を)呟いた【彼】は、まあ取り合えずそんな事はどうでもいいので早速要件を切り出した。

 

「いや…アックスマンの中に入ってたゲーム機を探しにな…」

 

「あー、そういう事か。

…そこの家いってみ?機器は全部揃ってっから」

 

そう、悔やみ続ける者が親指で指したのは、今にも崩れそうな…って言うか、地盤が灰燼であるお陰で片隅が地中に沈み込みつつある一軒家だった。

余りにも心配すぎる家屋だが、こういうのに限って意外と安全だと長年の経験が告げてた不死人はさっさと入って行った。

 

…家の中は意外と綺麗だった。

内装が綺麗というか、そもそも外見の傾き具合が何なのかと言いたいくらいに普通に床が平面だし、何なら窓からの景色が違う上に内部が外見以上に広い。もう訳が分からない――――――――が、幸いにもPS4一式は十分にデカいモニターと、愛用の非正規コントローラーと愛用のヘッドフォンが(しかも滅茶苦茶リラックスできそうな椅子をセットで)用意してあったのでもうそれでよかった。

 

 

というかこれから先、電脳世界に飛んでまでゲームするのか?【彼】がそう考えた時、「なんか違うな…感」がそこはかとなく湧いてくる。しかしこれなら万が一ゲーム中に教師に入られても先ずバレないだろう。リアルの肉体は寝たふりでもすればいい。

 

 

 

 

という訳で今日も彼は1日の残りをBOCWで遊び倒したとさ。でめたしでめたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~一方その頃、リアルでは~

 

(【彼】と現在同室の)一夏

「おーい、佐々木ー!

起きてくれー!

―――――ダメだ、ぐっすり寝てる」

 

(また裸凸した)ラウラ

「(兄さんが、ぐっすり…?)余程、織斑教官のシゴキが堪えたのだろうか…?」

 

 

 

*1
急にローマ字を入れるのは、かの有名な宮沢賢治もやってた由緒正しい文章の技法である(言い訳)




次はまたナニカサレタ男シリーズかも…


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【ナニカサレタ男シリーズ】支援会話アソート2

最近すぐ思いつくのよね。
今回は強化人間の身体ネタ多めです。

というかどうしてもマーシレスの支援会話考えてると、C時点だと大体ギャグになっちゃうのよねぇ。


 

 【ポチっとな!(×ニュクス支援C)】

 

ニュクス

「ねえ、マーシレス…だったかしら?」

 

マーシレス

「何でしょうかおば様。

――――待て待て待て今のは悪かった、何だよニュクス()()

 

ニュクス

「………。

まあ、いいわ。少し後ろを向いてくれるかしら?身体ごと」

 

マーシレス

「おいおい別に爆弾も銃も無いぞ?」

 

ニュクス

「…やっぱり、呪いの痕も無い…」

 

マーシレス

「ああ、そういう事。

じゃあ好きにどうぞ?」

 

ニュクス

「そうさせてもらうわ…」

 

マーシレス

「へーい…」

 

ニュクス

「…」

 

マーシレス

「…」

 

ニュクス

「…!、これは…」

 

マーシレス

「あ、それ押すと俺が爆発して半径数十メートルを吹っ飛ばすから注意な?」

 

ニュクス

「ッ!?」

 

マーシレス

「嘘だよ…」

 

ニュクス

「っ…。

全く、幼稚な…」

 

マーシレス

「あーそこのは俺の身体が3秒以内に内部生成された強酸で自壊するやつだから――――」

 

ニュクス

「もう引っかからないわよ」

 

マーシレス

「あっそ。

…待てそこ押すと目からゲッタービ――――」

 

ニュクス

しつこい

 

マーシレス

「はーい。

…つうか、コレいつまで続くんだ?」

 

 

 

 【ステロイド不使用(×エルフィ支援C)】

 

エルフィ

「…」

 

マーシレス

「…」

 

エルフィ

「…」

 

マーシレス

「…いや空手部じゃないんだからまじまじと見てるんじゃないよ。

さっきから何なんだ?お前は俺の何が気になる?」

 

エルフィ

「あっ…」

 

マーシレス

「あ、じゃねえよ。んのすっとこどっこい」

 

エルフィ

「いや…あんな大剣を振り回す筋肉が何処にあるのか気になっちゃって…」

 

マーシレス

「え?俺そんな細い?

そんなガリ?」

 

エルフィ

「ええ、とても細い身体」

 

マーシレス

「なのにグレソを担ぐって?

それは不自然だなぁ?エルフィ殿?」

 

エルフィ

「何もそこまで言う訳じゃ…。

…でも、やっぱり見てるだけじゃ分からないわね」

 

マーシレス

「触るとか言うなよ」

 

エルフィ

「そうだと言ったら?」

 

マーシレス

「やだよ!

俺知ってるからな!?戦場のど真ん中でスッこけたバカ野郎を引っ張り上げるのに手の骨にヒビ入れたの!」

 

エルフィ

「う…」

 

マーシレス

「あ、いや…まあ、き、気を付けるなら…ちょっとくらいはな?いいけど?」

 

エルフィ

「!、本当に!?」

 

マーシレス

「ああもう好きにしろ…けど流石に肉を引きちぎるのは再生時間かかるし止してくれ――――痛”ぇ!

 

エルフィ

「あ、ご…ごめんなさい…力が入り過ぎて…」

 

マーシレス

「あなた、ねえ…!」

 

 

 

 

 【この空の下で最速なのは…(ルーナ支援C)】

 

マーシレス

「…」

「…流石に遠すぎたかな」

 

ルーナ

「――――ェ、ぜぇ、ぜぇ。や、やっと…出た…」

 

マーシレス

「30分23秒か…さっきよりタイム縮んだな。

けど俺の勝ちな?まだ続けんの?」

 

ルーナ

「うっさいわね…あんたズルいのよ!木から木へとぴょんぴょん跳んで、猿か何かなの!?」

 

マーシレス

「アレ出来ないの?お前は」

 

ルーナ

「ッッッ!

あんたね、そう言えば私が何でもやると思ってるわけ?」

 

マーシレス

「うん」

 

ルーナ

「こいつ…!!

――――いいわ、また別の勝負よ!」

 

マーシレス

「もういいのか?ええと、確か…『ドキッ!森の端っこから端っこまでシャトルラン往復レース!ウンメイノーもあるよ』だったっけ?」

 

ルーナ

「長い!無駄に長いって!

そして別にそんな催しみたいな名前も要らない!それと何なのよ“うんめいのー”って!」

 

マーシレス

「まあそうカッカすんなよ、カルシウム足りてないぞ?

ほらコレ食えよ」

 

ルーナ

「余計なお世話――――ッ!?何コレ!?」

 

マーシレス

「わっかんねーの?骨だよ?」

 

ルーナ

「見れば分かるわよ!

何の骨よ!?しかもかなり真新しいじゃないの!」

 

マーシレス

「いや、お前を待つ間クッソ暇だったもんで。

ちぃとばかし素手で鹿狩りしててな?」

 

ルーナ

「本当、本当にどこまでもッ…!」

 

 



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【IS×DARKSOUL】せーそーけんのネタ供養

思いついたけど本編での使い所さんが無くて泣く泣く没にしたネタの供養です。因みに本編でこれでもかと喋らない不死人はコッチだとバリバリ喋りますん。

更に言うとキャラ崩壊とか設定無視とか色々恐れずにやってます(そんなんばっかりだから没になったんだけどね)


 【「その1」ルイスガンを抱えて走らされるセシリア】

 

不死人

「しまったオブレズピストルとルイスガンしか無い…。

しょうがない…セシリア、ルイスガンで適当に援護射撃だ」

 

セシリア

「はい…って、え!?ちょ!?る、ルイスガン!?

なんでそんな骨董品を持ってますの!?」

 

不死人

「いいから行け!ほら、持て!そして走れ走れ!

一夏に間に合わんぞ!」

 

セシリア

「あ、あわわ…お、重い…!」

 

 

 題名:「セシリアがルイスガンを抱えて走る歌」

 

   ♪~汗水たらして1、2、3、4~♪

 

    ♪~涙を拭いて1、2、3、4~♪

 

      ♪~「無理!!」「ダメ!!!」「やめる!!!!」は禁止ですぅ~♪

 

       ♪~泣くな!、セシリア!、さっさとうーごーくー、ん!~♪

 

パクリ元・ゴールデン道画劇場

 

セシリア

「せ、せめてリーエンフィールドでも…」←そういう問題?

 

 

 

 

 【「その2」専用機持ち男子のみでマイクラ中に一夏を何が何でも穴に落とそうとする不死人】

 

……………1回目

 

不死人

「おーい一夏助けてくれ、匠が2匹湧いてる」

 

一夏

「分かった。

――――って、うわ!落とし穴!?」

 

不死人

「…チッ」

 

一夏

「え…佐々木?」

 

…………3回目

 

一夏

「しまった掘り過ぎた…何処から来たっけ…。

――――って、ぬぉおッ!?急に地面に穴が!?」

 

不死人

「早すぎた…」

 

一夏

「…えぇ?」

 

……………10回目

 

 看板  

 「おちだに」

 

一夏

「…」

 

不死人

「…」

 

一夏

「…」

 

不死人

「…なあ一夏」

 

一夏

「何、でしょう?」

 

不死人

「覚えてるか?一緒にSEKIROやった時の事…」

 

一夏

「え、あ、あぁ」

 

不死人

「ならわかるよな?

落ち谷は飛び降りるって…最初に落ち谷見つけたのお前だろ?」

 

一夏

「え、えぇ…(手口が杜撰になってきた…)」

 

 

 

 

 【「その3」せっしーサンドイッチを食べてソウルロストする不死人】

 

不死人

「つーかこれ実際どんな味が…」

 

一夏

「やめろ!

絶対にやめろ!」

 

不死人

「そういわれると食べたくなモグモグア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"…↓」

 

一夏

「倒れた!?」

 

不死人

「…」

 

一夏

「消えた!?

そして…なんか、火みたいのになった!?」

 

 

不死人

「…ただいま。

まさかサンドイッチでソウルロストするとは」

 

一夏

「何でドアから…?」

 

不死人

「そりゃ一回死んだら休憩した所からやり直しだろ」

 

一夏

「???、????????、?????????????」(理解不能)

 

 

 

 【「その4」なぜか学園祭の出し物で女装する方向性になってた不死人】

 

千冬

「おい起きろ大馬鹿者!

貴様の役割もとっくに決まったぞ佐々木!」

 

不死人

「んあ…え、何です?バウンサーか何か?」

 

千冬

「女装するそうだぞ」

 

不死人

「うーん…んんん??んんんんんん!?んんんんんんんん???」

 

千冬

「因みに詳しくは【ヴィジュアル系で病んでそうなゴス女装】だそうだ」

 

不死人

「…誰も止めようとしなかったのですか?」

 

千冬

「寝ていた貴様が悪い。

夜更かしは程々にしろ」

 

 

でも当日は超ノリノリで病みゴス女を演じたという。   ※イメージCV:ゲラルト

 

 

 

 

【「その5」IS/VSで自分らの専用機が追加されたものの碌な性能してなくってクソクソ言ってる男たち】

 

 ・白式

 

一夏

「…」

 

不死人

「…」

 

一夏

「なあ、多分これ気のせいじゃないと思うんだけどさ…」

 

不死人

「ロックオン、外れるよな。

瞬時加速すると」

 

「このゲーム近接はロックが生命線のハズなんだけど…」

 

不死人

「生当てするしかねえ!」

 

一夏

「無理だ!

この速さをコントロールできるわけがない!」

 

不死人

「お前のISだろうが!!」

「そうだそうだ!」

 

 

 ・アックスマン 

 

「え、何、これ…瞬時、加速…?」

 

不死人

「加速してないだろ」

 

一夏

「盾を使えって事じゃないのか?」

 

「アーリィ・テンペストの多段ヒット3発で捲られる盾なのに?」

 

一夏

「じゃ、じゃあマシンガン…」

 

不死人

「この弾速で、か?

相手が黄色回線とかだったらまず当たらないこのマシンガンで、か?」

 

一夏

「…グレネード、あるよな?」

 

弾、不死人

「「ノーロックでどうしろと?」」

 

一夏

「ビームバズーカ」

「撃つまで3秒」

一夏

「シールドバッシュ」

不死人

「地上限定」

 

「…あ、しかも見ろよこの近接攻撃」

 

不死人

「ロック不可ダッシュなし踏み込みすらしないの火力だけのカスがどうした」

 

「レンジがグラフィックより短い」

 

不死人

「至れり尽くせりだな。

BOCWのC58以来の衝撃を見た」

 

一夏

「もう勘弁してあげろよ…」

 

 

 

 

 

 

 ・その後

 

不死人

「普通に白式強いな」

 

「D格ロック外れるけど…案外どうにかなるよな」

 

一夏

「寧ろある程度ロックされてると跡は勘で命中できる」

 

 

「まあ問題は…アックスマン、というかこれはもうアックソマン…」

 

不死人

「本当にクソ過ぎる。

けどまぁ…もし斧を運よく当てれたら…ほら、ガードで振り切り後の硬直をキャンセルしてまた斧振って…」

 

「ガーキャンかぁ……」

 

一夏

「でもどうやって当てるまで持って行くんだ?」

 

不死人

「やっぱアックソマンだ」

 

 




本編終了後の外伝どーしよっかなー(鼻ホジ)


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【IS×DARKSOUL】成層圏にて没展開

思いついたのは良いけど演出や謎キャラの使い道の問題、それと必要以上に頭を使う展開等で没になった展開です。
成層圏がちゃんと漢字で書いてあるのは、おとぼけゼロのシリアスだから。


 

   ~某国某所、とあるビルの一角…会議室にて~

 

「――――では次に、今年度IS学園にて確認されている一年次の専用機持ちについてです。次のページを」

 

進行役の男が議題を移すのと同時に、会議の椅子に座る皆が資料を1ページ捲った。

そこに記されているプロフィールは全部で7名分、【織斑一夏】【篠ノ之箒】【セシリア・オルコット】【凰鈴音】【シャルロット・デュノア】【ラウラ・ボーデヴィッヒ】【佐々木潤】…男が言及したように現在IS学園に在籍している一年生の専用機持ちの面々だ。

 

男は一夏から順番に、パイロット本人の技能等や使用する専用機の性能の客観的な評価を淡々と述べ、そしてそれぞれの評価の締めには必ず“何かの計画”において「有用」か「有用でない」かを言い加えた。

 

 

終始、彼の表情と言動共に何かを小馬鹿にするようにヘラついた態度であった…が、佐々木潤―――つまり【彼】への評価を述べ始めた時、その顔と口は幾分か険しくなる。

 

「最後に、佐々木潤…彼はただ偶々現れた二人目の特殊ケースだとしてノーマークでしたが…正直、間違いでした。

彼は異常です――――」

 

…会議室中央のプロジェクターに映像が映し出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆ 

  

  【数日前…某国波止場にて】

 

深夜の哨戒を行っていた兵士の眉間に突如、黒く塗りつぶされた矢が突き刺さる。

一瞬のうちに絶命し、その場でバタリと倒れた兵士を、矢を放った張本人である【彼】が早急に人目の付かない場所へと運ぶ。

 

多少杜撰な行動であっても【静かに眠る竜印の指輪】の力で殆ど音は発生しない…更に【霧の指輪】【幻肢の指輪】の力によって姿が物理的に消えかかる事によってより大胆な作戦行動を可能としているのだ。

 

 

…この兵士を最後に(作戦領域内の)外周における見張りの兵士は全て片付いた。

彼はそれをオペレーターへと通信経由で報告する。

 

 

『こちらメルコール。

サウロン01よくやった…想像の2倍は早く終わったな、予定の前倒しだ。サウロン01~03、次のポイントに進め』

 

指輪の力で任務を遂行する様を、サウロン(指輪王)という暗号名で表すとは何とも粋な事か。

それは兎も角、【彼】はコンテナの上によじ登り、そしてコンテナからコンテナへと…忍びの者(ホビット)ように跳んで跳んで、しかし指輪の力で一切の痕跡をも発せずに。余りにも大胆すぎる行動とは裏腹に、誰にも気付かれる事無く所定の位置に到達した。

 

【彼】は積みコンテナの頂上から真下を覗き見る…そこにはラファールの改造機と思われる三機のISが、何かを警戒するようにそれぞれ三方を監視していた…間違いなく警戒しているのは【彼】のような侵入者に他ならないのだが。

何はともあれ指輪の力が想像以上にIS(と言うより現代的な索敵装置)に対して有効だった事に対して彼は僅かに不安を覚えざるを得なかった…普通、こんなに身体を傷害物から乗り出していれば第二世代とは言えセンサー類に引っかかりかねないハズだ…もしかすると、今は運が良いだけなのかもしれない。

 

 

とは言え運が良いならそれでいい、彼は再び本部への報告を行った。

それと同時に他のチームメンバーも次々に位置への到達を知らせて行く。

 

『こちらサウロン02、目標E(エレボール)を制圧した。

システムの乗っ取りも完了…いつでも落とせる』

 

『サウロン03、全部設置した。

即、ブッ飛ばせるぜ』

 

『メルコール了解。サウロン02・03は合図を待て。

サウロン01、行けるな…?』

 

勿論だ、と【彼】は答え、コンテナ上で助走をつけ…やがてそのコンテナの天井を蹴り、3機のISのうち後方の1機目掛けて跳び出した。

そして自らの専用機【ロードオブシンダー】を展開して能力を行使、右手に武器を生成した――――が、それは高所からのより強力な質量攻撃を与える事を重視した為に余りにも…いや、それすら言葉が足りない程巨大な“鉄塊”であった。

もし生身の規格にしたとしても、かの【熔鉄鎚(でかいウンコ)】ですら2,3本束ねてようやく同じサイズとなるだろう。

 

 

『サウロン02、今だっ!』

 

――――合図の瞬間、波止場全体の照明が落ち暗闇に包まれる。

同時に妨害電波が飛び交い、作戦領域全体が軽くネットワーク上の孤島と化した。

 

警護のIS三機は咄嗟に武器を構え、周囲を警戒する――――だが、その時には既に遅く…うち一人が例の超特大鉄塊による落下攻撃の犠牲となり「ぐぇ…っ」と、最早断末魔と呼べるのかギリギリなくらいの声を出して沈黙した。恐らく絶対防御のお陰で死んではいないだろうが…まあこの際【彼】に敵の生死は関係なかった。

 

 

凄まじい爆音と、僅かな仲間の呻く声に振り向く他二人。

しかし…いや、やはりと言うべきか?【彼】は鉄塊の大欠片を槌に変えて一人の頭部を強く叩き落として大地にキスさせて、もう一人の脚を掬って転ばした後に顔面を踏み付けフェイスキャップを砕く。

 

終いには一度高く飛び上がったかと思えば単一仕様【薪の王】を発動、自身を(燃えるもの)として悉くを焼き尽くす始まりの火で包み、先ほどのコンテナからのダイビングとは比較にならないような勢いで急速落下。

 

 

地面と【彼】が激突した瞬間、大火炎が吹き荒れる嵐のようにぶわっと炎上…………その場に居たISを全て沈黙させた。

これで今回の任務は全て完了…後はサウロン03が仕掛けた爆弾に巻き込まれる前に撤退するのみである。

 

『――――早ぇ、って。

ホントに16そこらのガキかよコイツ…』

 

『サウロン03、無駄口を叩くな。

メルコール応答せよ、こちらサウロン02。サウロン03と共に既に領域外へ脱出済みだ、直ぐにナズグル(回収班)と合流する』

 

『メルコール、了解。

サウロン01…お前は残りの指輪(目標物)を回収後、直ぐに上空のベースへ帰還しろ。火は消して上がれよ』

 

 

ブツの回収はこの時既に終わらせていた。

【彼】はロードオブシンダーの大きな翼を展開し、光の様な速さで火と共に飛翔した後その姿は闇夜に溶けて消えた。

 

 ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

「――――映像は以上です。

最早これ以上の言葉は必要無いかと…彼は既に“兵士”として完成されています。「有用」であると判断する他に――――」

 

「いや、保留だ」

 

口をはさんだのは、中央の席に座っている…恐らくはこの中で最も年齢も地位も高い人物であろう老人だった。

 

「議長、保留というのは…」

 

「こいつは“例の発掘現場”の事件との関係性がまだ洗い出せていない。

詳細が分かるまでは保留、という事だ」

 

ここで隣の、最高位の老人より一回り若いであろう男が「しかしな」と提言する。

 

「既に期限は迫っているのだ、ロードよ。

今、行動しなければ我々は――――」

 

「だからといって、ここで行動を早まって全てを失う訳にはいかん。

アーネスト、次の議題に映れ」

 

「は、はい――――」

 

 

ここで彼らの会議はまた別の話に移った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当に本編でコレ使ってたら余計物語に収集つかなくなるって…。まあ元から読者の考察に任せた伏線スープレックス方式だけど。


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんの4000

適当なネタの詰め合わせです。
本編は凝り過ぎてたりCoDやってたりで遅くなるのでコッチやります。




※キャラ崩壊注意


 ~食堂の一角にて雑談する者たち~

 

不死人

「…どうした?勢揃いして。

何かの記念日か?」

 

一夏

「佐々木か…そんなの俺が聞きてぇよ」

 

不死人

「そうか。確かにお前は一生分からんだろうが「どういう事だよ」気にすんな。

それよりもシャルとラウラまで居る理由が気になる」

 

シャルロット

「いや…特に深い理由も無くって、ただ何となくって感じかな?」

 

ラウラ

「私もだ。

特に理由はない」

 

 

「所で佐々木、その紙袋は?」

 

不死人

「そうだった。丁度街まで出かけたついでにホイールオブアンドロメダを買ってきたんだ。

皆で食べよう」

 

鈴音

「…え?今、なんて?」

 

不死人

「だから…ホイールオブアンドロメダだ」

 

セシリア

「何ですの、その…食べ物?

日本にはそんな料理がありまして?」

 

一夏

「いや知らねえ…聞いたことも無い」

 

「そんな厳つい名前の食べ物など知らん」

 

シャルロット

「第一ホイールオブアンドロメダって名前…」

 

不死人

「何だ?揃いも揃って知らないのか?

日本では昔からの定番焼き菓子だと聞いたがな…縁日の屋台でも出るとか何とか」

 

ラウラ

「本当か!?本当なのか!?」

 

一夏、箒、鈴音

「「「いやいやいやいやいやいやいや」」」

 

鈴音

「私久しく日本来てなかったけれど、少なくともお祭りでそんなの出してるお店なんか見なかったわよ!?」

 

一夏

「俺も見たことない」

 

ラウラ

「だ、そうだが!?兄さん!」

 

 

不死人

「むぅ…。

そういや博士言ってたな、他にも幾つか名前があると。確か…メダルオブオナーだとかリングオブクライムだとか。ウルボロス焼きなんて名前もあった」

 

「姉さん…」

 

一夏

「…まさか?」

 

セシリア

「一夏さん、何か聞き覚えが?」

 

一夏

「うん、何となくさっきから円形っぽい名前だし、それと最後に“焼き”って付いてるし…佐々木、一回見せてくれ」

 

不死人

「おう」つ箱

 

 

 

【彼】、箱オープン

 

 

 

不死人

「これなんだが」

不死人以外

「「「「「「…あぁ」」」」」」

 

一夏

今川焼きか」

大判焼きか…」

鈴音

まるまる焼きね」

セシリア

太鼓焼きですわね」

ラウラ

おやきの事だったのか」

シャルロット

回転焼きだね…」

 

不死人

「誰一人として呼び方一致していないじゃないか」

 

一夏

「え?箒、これ今川焼きだよな?」

 

「大判焼きじゃないのか?一夏」

 

鈴音

「私は適当にまるまる焼きって呼んでたけど」

 

セシリア

「他のクラスの方(関西弁)が太鼓焼きだと教えてくれましたわ」

 

ラウラ

「クラリッサはおやきだと言っていたが…」

 

シャルロット

「僕も回転焼きだって昔どこかで聞いたんだけれど…」

 

不死人

「…ホイールオブアンドロメダでも合ってるんじゃないのか?」

 

一夏

「いや、え…え?あ、あぁ。合ってる…のか?」

 

鈴音

「合ってない、合ってないから絶対」

 

「ウルボロス焼きが百歩譲ってあったとしても他のホイールなんたらだとか、なんたらオブオナーだとかはあり得ん。日本の食べ物なのに」

 

一夏

「メダルオブオナーはゲームの名前だしな」

 

不死人

「お前なんでゲームの名前なんか知ってるんだ」

 

一夏

「弾が持ってたから」

 

不死人

「ああ、ISVSの時のか」

 

ラウラ

「そもそも本当に日本食なのか?

マカロンでさえ元々イタリアが元だとかいう説もあるぞ?」

 

セシリア

「そもそもフランス料理自体、半分か6割程元がイタリアですわ」

 

シャルロット

「取り合えず…餡子が入ってるお菓子だから日本発祥じゃないかな?」

 

 

不死人

「話がややこしくなってきた。

…取り合えずコレの名称を統一しよう。平等に、誰も今まで呼ばなかった名前で、だ」

 

鈴音

「逆に混乱するでしょそれ」

 

不死人

「もう既に混乱している」

 

鈴音

「それもそうだけど」

 

シャルロット

「でも、潤…他に何か名前があるの?」

 

不死人

「…」

 

一夏

「…」

 

ヒロインズ

「「「「「…」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不死人

「…パンジャンドラム?」

セシリア

「ブフッ!?」

 

鈴音

「ちょ、セシリア大丈夫?」

 

セシリア

「も、問題ありませ…――――」

 

ラウラ

「なんかそんな名前の駄作兵器無かったか?」

セシリア

「ブバフッ!?」

 

不死人

「…本当に大丈夫か?」

 

一夏

「なんかプルプルしてるし」

 

不死人

「まあいいや。

何はともあれ、冷める前に食べるぞパンジャンドラム

 

一夏

「そうだな…ところでこのパンジャンドラムの中身なんだ?」

 

不死人

「全部カスタードだ、俺餡子嫌いなんだよ」

 

「…このパンジャンドラム、つぶあんだぞ?」

 

不死人

「何だと?

やりやがった、あの店主…。

 

シャルロット

「このパンジャンドラムも見るからに中身が緑色だし…抹茶?いや、この匂いは、ずんだかな…?」

 

ラウラ

「ちょろまかした、のか?」

 

不死人

「なんか適当な男だと思ったら…!」

 

 

 

 

 

セシリア

「――――ちょっと待ってくださいまし!もしかしてパンジャンドラム固定ですの!?」

 

 

 

 

 

 

 

のほほんさん

「なんだろー、あれ」

 

「…情報災害」

 

おわれ

 

 

 

 

 




結局アンドロメダ焼きって■■焼きなのかな?


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【世紀末ダイバーズ】Lフィルムファイターズの憂鬱

これを書く時は大概スターウォーズを見たと思ってください。


確かちょっと前、宇宙空間エリアのどっかのフォースネストで…

その2

【フォースネスト買い戻せました】

 

Lフィルムファイターズ三大良心の一人、木戸・フィストーは遂にフォースネストの最北端を買い戻した。

因みに事の発端になったフォース【アルミニウムジオン】とは木戸さん、くんぷろさん、それと交渉担当の毒茄子さんのお陰で同盟を結ぶことが出来た。

しかしアッキーはあんまり反省してなかった…というか、今回の件が自分の責任だという事を綺麗すっぱり忘れていたのだ。彼女の爆弾発言は今日もとどまることを知らない。

これにはフォースリーダーのろぼちき大激怒。スター○ォーズやその生みの親ジョージ・ルーカス氏にそれらのファンに対する、エピソード8すら凌駕しうる程に冒涜的なオープニングのアレのパロディを伴って、その説教第二段の一部始終が幕を開けたのだった…。

 

 

 

 

 【エピソード6の皇帝の第二デススター訪問シーン的な構図】

 

 

ろぼちき

「…コレ、週一でやってるけど飽きへんの?皆さぁ」

 

バッカチューブ

「ヴァァァァァ…(プレガスさんの時からの伝統じゃんか…)」

 

  キャラクター解説【プレガス】

 元Lフィルムファイターズのフォースリーダー、現在は別フォースでELダイバーの詳細を解き明かすのに大忙し。

 ダイバーネームの元ネタはパルパティーンのお師匠さんのダース・プレイガスからだよ☆

 

ろぼちき

「うん、まあ…そうだけど、こうも同じ格好が揃ってると眩暈がしてくらぁ。

ってかアッキーはどこよ?まだ暴れてる?」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア(あのバカは向こうにいるでよ)」

 

ろぼちき

「で、今度はどこの派閥とやらかした?」

 

  豆知識:【派閥】

 Lフィルムファイターズはその特性上、フォース内に様々な派閥が存在する。

 結構な頻度で内乱が起きているが、不思議とフォースの分裂は起きていない…何故?

 

バッカチューブ

「ヴァアアア…ウヴァアア(いや今回は派閥絡みじゃなくって…アレだ、前のアルミニウムジオン絡みで)」

 

ろぼちき

「あー分かった、当ててやるよ。

しでかしたこと忘れたんだろアイツ、もうほんと…何言ったの?」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア…(知らんけど…毒茄子さん曰く、危うく取引がご破算になる所だったって)」

 

ろぼちき

「誰が止めた?」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア(くんぷろさんと、木戸さん)」

 

   キャラクター解説【毒茄子】

 Lフィルムファイターズほぼほぼ最高齢のダイバー。

 年の功か、非常に交渉上手でフォースの空気を取り持ったり拗れそうな問題を平和に解決したりと多岐に活躍。

 元ネタはドゥークー伯爵。

 

   キャラクター解説【くんぷろ】

 Lフィルムファイターズの良心その2。

 この人と毒茄子さんさえいればアッキーの制御はできるって話…多分。

 それと可変機は任せとけ、な人。

 元ネタはジェダイマスターのプロ・クーン。

 

 

ろぼちき

「なんだろ…もー説教する気無くなってきた」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア!(そりゃ困るよ!あのバカ喋らせても黙らせても面倒くさいんだぞ!?アイツを丁度いい状態に留めておけるのは他でもない、シスの“説”卿ことリーダーだけなんだよ!)

 

ろぼちき

ちっきしょーーーーーー!!!

なんっで!どいつもこいつもどいつもこいつもッ!俺の事をシスの説卿って呼ぶんだ!こんな事ならアイツの説教なんかやめてやるッ!だあああもおおおいやああああああああ」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア!!!(なんてこった!シスの説卿まで暴れ出した!)

 

 

 

 

エクハザール

「ようヒッチ、相変わらずシスの説教か?またアキちゃんやらかしたってな」

 

ろぼちき

「あ、シン?来てたの?」

 

バッカチューブ

「ヴァア(切り替え早ッ!?)」

 

 

  キャラクター解説【エクハザール】

 もう正直説明不要の世紀末バカ、ろぼちきとは旧知の仲。

 こっちもこっちでトビの不始末で各地を飛び回る事がある。

 

 

ろぼちき

「つーか何さそのスーツ、似合わねぇって」

 

エクハザール

「さっきまでトビがやらかした所に謝りに行ってたんよ…菓子折りにレアな引換券3つ4つ引っ提げてさ」

 

ろぼちき

「なんだよその菓子折りw。

つーかお前もか…」

 

エクハザール

「そ、俺も」

 

ろぼちき

「大変だよなぁ互いに。

んでもって今日は何の用?」

 

エクハザール

「ああいや、この前の同窓会で送り迎えしてくれたお礼にそっちの説教の手伝いにでもって」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア(説教の手伝いってなんなんだ…)」

 

ろぼちき

「あー、あぁすまんなホント。

積もる話もあるだろうけど、この際だしキツく言ったってくれ。俺だけじゃもう収集つかんくなってきた」

 

エクハザール

「おけまる。

カナちゃんも呼んだ方がいいんじゃね?そろそr――――」

 

 

 

 

ストームトルーパー

「大変です!シスの説卿!

――――あ、エクハザールさんこんにちは」

 

エクハザール

「ども」

 

ろぼちき

「何があった?」

 

ストームトルーパー

「…その、アッキーさんが…ボールTIEで逃げました」

 

  キャラクター解説【ストームトルーパー】

 Lフィルムファイターズにいっぱいいる人達の総称その1。

 皆してエイムが悪い。

 

  機体解説【ボールTIE】

 ボールをTIEファイターっぽく見せかけた機体。

 機動性と火力は高いがジムのビームスプレーガンで1撃で沈む紙装甲。運動性も人型じゃないので割と低い。

 

 

ろぼちき

「」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア…(ああ、ご愁傷様…)」

 

エクハザール

「おいヒッチ、ヒッチ?

――こいつ死んでる」

 

ろぼちき

死んでなァあああああああああああああああい!!!

全TIE出撃!死んでも追いかけろ!!バッカチューブ、お前もソロとファルコン出せ!!」

 

バッカチューブ

「ヴァアアア!(了解!)」

 

ろぼちき

「…シン、お前今宙域機体持ってる?」

 

エクハザール

「あー、外道魔像ならワンチャン」

 

ろぼちき

「あああの須佐能乎ね」

 

エクハザール

「いや外道魔像」

 

ろぼちき

「あれどっちかっていうと須佐能乎だろ」

 

エクハザール

「外道魔像」

 

ろぼちき

「だから須佐能乎…だあああもお面倒くせぇ!!須佐能乎でいいだろ須佐能乎でぇ!

もう行くぞ!さっさと須佐能乎準備せい!」

 

エクハザール

「だから外道魔――――」

 

ろぼちき

うるさぁああい!!

 

 

 

 

おわれ




いつかLフィルムファイターズの戦闘とか書きたい。


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんのバカ野郎

Twitter見てたら思いつきました、例えそれが形だけの残骸と化してもその心に変わりは無いハズなので今回の話に解釈違いはないハズですしまあ…うん、大丈夫。

そして不死人は例の如く喋りまくります。そして本編との設定の繋がりはあんまりない物と考えてください。


 

 

 

それは、もしかするとあり得るかもしれない…ちょっとばかし先の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だかんだ無事にIS学園の1年目を終えて2年生となった一夏と【彼】は、今年度の一年生のIS実習を遠くから見学している。担当している教師は我らがショウ・オブ・マスト・ゴーオンこと山田真耶先生だ。

 

「今年の1年生も動きが良いなぁ…専用機持ちは」

 

「今なんつった、今年“も”?

俺達はここに来て2年目だったハズだがな」

 

なんだか随分遠回しな言い方をするようだが、用は「(初めて後輩の操るISを見るのに)何で何回も見た様な言い方をするんだ?」と言いたいだけである。あらゆる意味で面倒な男だ。

 

そういう【彼】は、携帯端末と実習風景をせわしなく見比べている。

 

「んな、言葉の綾ってもんだろ?気にすんなよ。

――――というか佐々木、何やってんだ?」

 

「算数のお勉強だ」

 

「…?」

 

彼の理解しかねる発言に、一夏は首を傾げて目を細くそして眉を寄せた。とは言え【彼】は生まれた時代の差もあってか少々、いや、かなり奇行が目立つ男だ。あんまり深く考えると疲れるだけなのは一夏も身をもって承知している。

 

そして急に【彼】はISを頭部のみ部分展開し、しばらく窓の先を見つめた後に直ぐ収納…この一連の行動は更なる謎を呼んだ。

 

「150~155…そんなものか」

 

「だから何やってんだよお前」

 

「気にするな。

…というよりお前、箒は大丈夫なのか?呼んでたぞ」

 

「ああ、それならさっき話した…また買い物に付き合ってくれってさ」

 

「…報われんな」

 

「ん?なんて?」「何も」

 

また朴念仁を炸裂させた一夏へのため息と、それによって長年の悲願を達成せずにいる彼の幼馴染の無念に対する同情をたった一言で済ませつつ、【彼】はまた携帯端末に情報を打ち込んだ。

 

そこからまた難しい事を要求されたのか、より難しそうに眉をひそめた顔を見せる彼に一夏はそろそろ無視を決め込むことにした。

 

 

「それよりも…佐々木こそ、シャルロットと大事な話がどうとかって言ってたけど。アレどうなったんだ?」

 

「随分プライベートへと踏み込むな。

まあ…将来の話さ、そろそろ考えたっておかしくもないだろう」

 

「将来、か…」

 

この年代にとって、それは一番敏感になる事柄である。

特に…過去から続く暗い枷に今まで囚われていた者や、昨日まで信じていた未来が狂わされた者にとっては一番悩ましいとも言えるのではないだろうか。

 

とはいえ【彼】の言うシャルロットの“将来”とは、通常のそれとは少々方向性が違うものである。何ならまだ解決さえしていない…何せ彼女の心に深く張り付いた鎖*1だからだ、時間がかかる。

もし早急な解決を望むのであれば、今【彼】が行っている事を一から説明すればほぼほぼ一瞬だろう…が、それによって失うもの(=信頼)が大きすぎる。というかもっと様々なものを失いかねない上に、想定する最悪のシナリオが2%以上の確率で起こるのだ。100回やって2回は捨てるには大きすぎる、飛行機が事故を起こすのでさえもっともっと低いのだから。

何はともあれ、友として…“火消し”として、そして何より“兄”として、彼女の可能性を何が何でも自由な状態にさせたい【彼】はこれが一番の悩みの種であった。

 

 

 

まあ、そんな難しい話は今は関係ない。

再びISを頭部のみ展開する。

 

「大体15か14に…10から12くらいか。

ポンコツめ、もっと詳しくやれ」

 

「…」

 

本当に何が何だか…まだやっているのかとため息をつく一夏は、ここでふと妙な事を思い出した。

確か【彼】はさっき150~155とか何とか言っていた。これは山田先生自身の身長と同じくらいだ…因みに一夏は172と彼女より二回りほど大きく、【彼】に至っては190オーバーとこの学園でもそうそう居ない程の巨漢だ。

 

…まあ彼曰く「自分が一番デカイというのは新鮮だ」との事。確かにロードランやドラングレイグにロスリックは巨人以外にも、やたら大きな人間が多かったが。

 

何はともあれ話を戻し、一夏はここで昔読んだ漫画を思い出した。その漫画では確かラスボスが自分の指の長さと主人公の身長を比較して両者の間の距離を測っていたのだが…今【彼】も同じことをしているのか?と僅かな疑問を抱いた。

 

 

 

 

 

しかし、それも全て、あらゆる計算を終えたのか満足した様子の【彼】の一言で吹っ飛んだ。

 

「…Iカップか」

 

「おい」

 

流石の一夏も察した、そしてすかさず彼の脇を小突いた。

何と言ったってこの男…なんと山田先生の胸のサイズを測っていたのだ。とんだ変態である。

 

因みに言うと、【彼】の計算はある時点で盛大なズレが生じていたというオチまで完備している…気が付く事は未来永劫ないのだが。

 

「入学以来の謎が解けた」

 

「何やってんだよお前」

 

「気になってたんじゃないのか?一夏も」

 

「んなわけ…いや、その…」

 

どうやらまんざらでもないようだ…箒と鈴音とセシリアに見せてやりたいとほくそ笑む【彼】はようやくベンチに腰を下ろしながら話を続ける。

 

「ふっ、これで朴念仁だと言うのだからな」

 

「え?何?僕人参?」

 

「あー忘れろ忘れろ、どーせ意味なんざ持つまい。

兎も角、これでゆっくり眠れる」

 

「寝ないだろ佐々木」

 

「そうだな…訂正するか。

これでゆったりとCoDが出来る」

 

「数学の課題、明日までだぞ?」

 

恐ろしくて残酷な事実を告げた一夏を【彼】はそれと同じくらい冷淡な目で睨みつける。そこには一切のシリアスは無く、存在するのはせいぜいシリアル程度であり、その彼の内心も「貴様なんて事を言うんだ!事実陳列罪だぞ!」くらいの下らないものである。

 

 

しかし年寄りとは何時の時代も頑固であるようだ。

 

「――――知らんな」

 

「おいおい…流石に留年するぞ?」

 

「知らん、知らん。

留年しようが退学させられようが問題な……うーん、無い」

 

「本当か?」

 

「まあ後1回ぐらい大丈夫だ、そうに違いが無い」

 

少しずつ、歴戦の不死人から自信が無くなっていく様はとても面白いものだ。

 

 

ともかく【彼】がくっだらない事をしている内に、一年生専用機組の放課後特訓が終わり、次にアリーナを使うのは【彼】らの番となった。きっとその時は今ISを解除した後輩たちが今の彼らのように見学をするのだろう。

 

「…どうする?今日は顔を立ててやろうか?」

 

「いいや要らない、全力で来い」

 

「そうか。

なら“かっこいい先輩”の名声は俺が頂くが…」

 

「それはどうかな?」

 

「言ってろ、青二才」

 

「見てろよ、じいさん」

 

 

 

この後【彼】が僅差で一夏から勝利を、予てから賭けていた【かつ丼超特盛券】と共にその手でもぎ取った。

 

 

 

 

*1
尚、味は甘酸っぱい模様




因みに「こんなスケベはダクソらしくない」と叫ぶ方、石を投げる場合はグウィネヴィアや砂の魔術師といったキャラクター若しくは敢えて自分と違う性別でメイクした自キャラを遠眼鏡等で観察した事が無い場合のみその資格がありますのでご了承ください。


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【ナニカサレタ男シリーズ】支援会話アソート3

俺の作品全部に言えるけど、もう誰か見てんのかも分からんナニカサレタ男シリーズの支援会話集いっくでー。

…と言うか、もう何年もナニカサレタ男シリーズ書いてて思った、というかもう連載当時から思ってたけどコレ何処にFE要素あるん?ちょっと誰か22世紀の青狸か究極生命体アブソリューティアンか時をかける少女が知り合いに居るって奴いないかな?高校時代の僕に説教したいんだけど…。


 

 

 【1、????「私はゼットンを持ってきた」(×ジョーカー支援C)】

 

マーシレス

「…この歩幅と速度、そして妙に端正されたような歩きのクセ」

「そしてついでに消去法的な特定。間違いないな」

「サイクっ!…アレ?なんか違うな、声が出ない、あー、あー…サイクロ…」

 

ジョーカー

「おいマーシレス、何ゴチャゴチャと騒いでやがる」

 

マーシレス

「ジョォオオオカアアアア!!」

「さあ、お前の罪を、数えろ」

 

ジョーカー

「ッるっせーな、殺すぞ」

 

マーシレス

「おぉ、こわっ。

…で?何か」

 

ジョーカー

「いや、特に…」

「…ああそうだ、仕事の依頼があった」

 

マーシレス

「ん?珍しいな…。

まあ、要件を聞こうか?」

 

ジョーカー

「…、まあいい。

どうせなら伝説の鴉頭にやらせるべきか」

 

マーシレス

「お?殺し?

いいねえ、俺に頼むくらいだから相当数いるんだろ?」

 

ジョーカー

「ああ、うじゃうじゃいるぞ」

「――――ネズミがな」

 

マーシレス

「ネズミィ!?」

 

ジョーカー

「あと鹿もだ」

 

マーシレス

「鹿ァ!?」

「オイオイオイオイオイオイただの害獣駆除じゃねえか!」

「つーか、それってYO!おめーが頼まれた仕事押し付けて来てんじゃねえだろうな?」

 

ジョーカー

「そうだが?」

 

マーシレス

「ハァ!?あり得ねぇ!コイツ、とうとうカムイの命令まで放棄しやがってんぜ!」

 

ジョーカー

「今回はカムイ様ではない。

分かったらさっさと駆除に行け」

 

マーシレス

「腹立つゥ!

…そもそもウチ、ネズミの巣なんかどこにもないだろ?不思議な事に」

 

ジョーカー

「それが山から下りて来た連中が居たようでな。

あの山には狼は愚か熊も居ない、地形的にも危険なお陰で狩人も入らない始末だ」

 

マーシレス

「へえ、そんな明治初期か末期以降の日本みたいになってんのね。

つうか山…ね、ふーん」

 

ジョーカー

「そうだ、山だ」

「…おい貴様、今ろくでもない事考えただろ」

 

マーシレス

「いや何も」

「まあ兎も角、ほれ契約書。

仕事なんだからコレ要るだろ…さっさと名前書きな」

 

ジョーカー

「チッ、妙な所で真面目な…」

「おい書いたぞ。

こんな事させたからには中途半端は許さんぞ…」

 

マーシレス

「わーってる、こっちも商売なんだ。

客が返金要求してくるようなマネしねえよ。じゃあな!」

「――――さて、カパ占カパ占っと」

 

この後、山が荒れ果てた。

 

 

 

 

 【2、幼き頃に憧れた巨光(×アクア支援C)】

 

 ~♪

 

アクア

「…?」

「誰か歌っているの?

随分と上手だけれど」

 

 ~♪…

 

アクア

「止まってしまったわ…。

近づき過ぎたかしら」

 

マーシレス

「あぁ、こっちか」

 

アクア

「!…マーシレス」

 

マーシレス

「これはこれは女王陛下…いや王女様か。

こんな危険地帯まで遥々と」

 

アクア

「ええ、そうね。

ここで足を滑らせでもたら大変よ」

「…所でマーシレス、ここらで誰か歌ってなかった?」

 

マーシレス

「歌?

アンタ以外に居るのかよ、こんな所で一人歌っているような人間が」

 

アクア

「………。」

「どうやらそうみたいなの。

少なくとも男の声だったわ」

 

マーシレス

「ふーん。

…どんな歌だった?歌詞次第で誰か分かるかもしれねぇ」

 

アクア

「歌詞…」

「よく聞こえなかったけれど、“勇気”とか“星”とか…」

「もう少しまとまった言葉だと…“悲しみに覆われている”とかだった気がするわ」

 

マーシレス

「ふーん、カムイとかが好きそうな歌だな。

まあ…誰でも光に成れるとか言うけどな――――」

 

アクア

「…?」

 

マーシレス

「ま、いいやどうでも。

じゃあの。歌い手見つかるといいな」

 

アクア

「…」

 

 

 

 【3、陰キャ仕草(×シャーロッテ支援C)】

 

マーシレス

「やべぇもん見ちまった…」

「近寄らんとこ」

 

 

シャーロッテ

「あのぉ、マーシレスさんですかぁ?」

 

マーシレス

「わっつッ!?」

「あ…は、はい…そうっすけど…」

 

シャーロッテ

「そうでしたかぁ」

「光栄ですぅ。

こんな所で、伝説の鴉頭さんに出会えるなんてぇ」

 

マーシレス

「あ…どうも」

 

シャーロッテ

「鴉頭さん、てぇ…仕事では一人で何千何万もの敵を倒しているんですよねぇ?」

「てことはぁ、やっぱりお金もいーっぱい貰えるんですかぁ?」

 

マーシレス

「あ…え、あ…は、い。

い、1度で…す、す数万数十万とかは、ハイ、もうザラで…モノによるっすけど…」

 

シャーロッテ

「え、ヤバッ…」

「…じゃなかった。

すごぉい!」

 

マーシレス

「あ、はい」

「えっと…そろそろ僕、親に電話で呼ばれてるので…それでは…」

 

シャーロッテ

「え、ちょっ!?」

「…クソ、逃げやがった」

「とは言えあんなに稼げる男だったとか…近づいて大正解よ」

「…というか、でんわ?って、何?」

 

 

 

 

 

 

 

 【幽体のささやき(時計の針が進むとき)(×ベルカ支援C)】

 

ベルカ

「…っ!」

「貴方は…」

 

マーシレス

「よう、アンタが暗夜きっての殺し屋か…意外と小さいもんだ」

「俺は…いや、もう噂は散々聞いているか」

 

ベルカ

「ええ。

某地方における反乱軍の殲滅から始まる、鴉頭伝説の正体…」

 

マーシレス

「ふんふん」

 

ベルカ

「各将軍の不可解な横領のほぼ直接的な原因…」

 

マーシレス

「微妙なの出してくるね…。

まあそりゃ俺一人に頼んだお陰で金浮いたとかあったけど」

 

ベルカ

「そして、此処では事あるごとに無駄な厄介を意味も無くふっかける狂人」

 

マーシレス

「おい、最後、おい」

「最後貶したよね!もっと持ち上げてくれよ!」

 

ベルカ

「というわけで、さようなら」

「私は無駄な事をする気はない」

 

マーシレス

「んー、そうはいかんのだよマスターアサシン」

「これ見な」

 

ベルカ

「何…!?」

「これっ…」

 

マーシレス

「そ、アンタの飼い主、つまりカミラ王女直々の命令だ…俺の立場じゃ雇われた、というか雇ってもらったってのが正しいけれど」

「一先ずベルカ、テメェは忠を尽くす上司のため、俺を四六時中監視しなければならなくなったって訳だ。

約数ヶ月間ね」

 

ベルカ

「…カミラ様の命令なら、仕方がない」

 

マーシレス

「え、意外と素直じゃん」

「チッ…煽り甲斐ねーなー」

 

ベルカ

「無駄なことしてないで…さっさと準備をして」

「任務開始は今からよ」

 

マーシレス

「へーへー…全く、調子狂うわコレ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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【ナニカサレタ男シリーズ】細切れアソート2

ほないきまっせ


 

 【1,隣の芝】

 

カムイ

「隣の芝生は青く見える…か」

 

マーシレス

「所謂、『自軍の9割は全く当たらないのに、敵軍の1割はよく当たる』って奴か」

 

カムイ

「いや多分それちょっと違う………………と、思う。

…気持ちは本当によく分かるけど」

 

マーシレス

「やっぱ世の中、1か0だな」

 

カムイ

「う、うん…(何の話だったっけ)」

 

 

 

 

 

 【2,思えば…】

 

マークス

「所でマーシレス、貴様の“鴉頭”の名は…鴉の仮面に由来するのだったな?」

 

マーシレス

「そだけど、それが?」

 

マークス

「いや…何故、鴉の面など被ったのかと思ってな」

 

マーシレス

「………あえ?」

 

マークス

「どうした?」

 

マーシレス

「いや、マジで何でだったけ?

本気で理由覚えてねぇわ」

 

マークス

「ふむ、そういうものか…」

 

マーシレス

「ああいや、別に「そんな昔の事忘れちまったよ」的なノリじゃなくって…妙に記憶が沢山あるんだよ。

普通に買った記憶とか、自分で作ったとか拾ったとか…そのうちどれが本当の記憶か分からないって話で…」

 

マークス

「???、?????」

 

色々ガバガバなナニカサレタ男シリーズの中でも一番ガバガバな所。

ゴルゴのルーツエピソード並みに訳分かんなくなってる。

 

 

 

 

 

 

 【3,些細な自問自答】

 

マーシレス

(そう言えば思った、俺の身体について)

(まあそんなの考えれば考えるだけ色々出てくるけど…正直目の部分ナゾだよな)

(なんで眼球型なんかにしたんだ?目ン玉動かすためだけに無駄な複雑化されてもなぁ)

(MGR雷電の右目?みたいな眼帯型カメラユニットでええやろ、眼球動かなくなって不都合出るよりか)

(…あ、いや、そんなメカメカしいの付けてたらこの世界目立ち過ぎか)

 

ニシキ

「どうしたんだい?

そんなにキョロキョロして」

 

マーシレス

「何でもないフォックスハウンド」 「フォックス…?ハウンド…?」

(でもよく考えたら固定のボール型ユニットを目玉っぽくデザインしてセットすればまあ…一応義眼っぽいのは出回ってる訳だしこの世界)

(いやまて、そもそも俺の目は機械化されてるのか?そもそも生体ユニットなのでは?)

(…多分、いや、間違いなく生体ユニットだったわ。今までの自問自答マジで意味ないじゃん)

(やっべ、左腕と両足が機械化したくらいで攻殻機動隊ぶってたわ)

(よく考えたらこんな中世レベルの技術力の世界観で全身機械化とかデメリットしかないじゃん)

(ただでさえ左腕両足でも微妙に不便なのに)

 

ニシキ

「どうしたんだい?今度は机に頭擦りつけて」

 

マーシレス

「無駄な時間を過ごした…」

 

ニシキ

「…?」

 

まあ、何と言うか…その世界でちゃんと動いてるならその世界では正解だよね、って事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 【4,過ぎたるは猶及ばざるが如し】

 

本作品のFEIF世界は本編終了後、数多くの他世界が介入したせいで妙な近代化が起きている設定。

 

 

マーシレス

「だからって無線技術はまだ早ぇだろ。

後俺に聞くな、専門家じゃねえんだよ」

 

カムイ

「え?そうだったのかい?

てっきり使ってるって聞いていたから…」

 

マーシレス

「使ってると詳しいのはまた別問題だろ。

お前の夜刀神、自分でイチから作れるの?」

 

カムイ

「そう言われてみれば…」

 

マーシレス

「ともかく有線式にしとけってホットラインくらい」

 

カムイ

「それも言われたんだけれど…透魔王国の立地が…」

 

マーシレス

「あ」

 

そもそも無線も繋がるのか怪しい所。

 

 

 

 

 

 

 

 【5,全部対魔忍が悪い】

 

アサマ×カゲロウの支援会話Cが前提になる話。

 

カゲロウ

「――――…という事でだな」

 

マーシレス

「成程それで妙に…。

でもそれ俺に聞く事か?」

 

カゲロウ

「いや、アサマと同じように人をからかうのを好みそうな者となると…」

 

マーシレス

「え、俺アレと一緒にされてるの?

ゼロでいいじゃんゼロで」

 

カゲロウ

「ヤツはダメだ、下品過ぎる」

 

マーシレス

「本当に俺なんだと思われてるんだ。

…そもそもくノ一がエロいの着てるとか常識だろ常識」

 

カゲロウ

「一体何の常識だ…」

 

マーシレス

「いやほら、感度3000倍とかもう使い古されて…まあいいやこれは。

それに服の露出度くらい、もっとやべぇのいるわ」

 

カゲロウ

「それはそうだが…」

 

マーシレス

「…でも気になんの?」

 

カゲロウ

「…」

 

マーシレス

「まあ正直ぃ?」

 

カゲロウ

「正直?」

 

マーシレス

「俺、ケツと胸のデカイ女って脳がデブと認識してそういう風どころか女として見ない――――痛”ぇ!

 

ボッキュッボンフェチの方、なんかゴメンナサイ。

 

 

 

 

 

 

 




正直、爆弾発言キャラってキャラ本人の適当さに反比例して書く方は慎重になりがちだよね。


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【ナニカサレタ男シリーズ】支援会話アソート4

そろそろB支援も取り扱います。


Bになると、そろそろマーシレスのイキりからボロが出始めて、どんどん弱い部分がさらけ出される感じになる…といいけど。


 

 【1,例えばそれは、7mm程度の鉄屑(×カザハナ支援C)】

 

カザハナ

「やぁあッ!」

「せぃッ!」

「でぇえええい!」

 

マーシレス

「…」

 

カザハナ

「…ふう、今日はこのくらいね」

「で、何時まで物陰から見ているつもり?」

 

マーシレス

「…?」

 

カザハナ

「いや、あんたよ!マーシレス!

何処見たって他に居ないでしょ!」

 

マーシレス

「んにゃ、もしかすると敵の密偵でもポイ捨てされてるのかと…」

 

カザハナ

「白々しいわね、どうせ私達以外誰も居ないの分かってるんでしょ!

何時もみたいに!」

 

マーシレス

「まあな。

今回は侍剣術のデータが欲しかっただけだ」

 

カザハナ

「でー、た…?

また訳の分からない事を言ってるわ…」

 

マーシレス

「それじゃ、一つその訳の分からない質問をしてもいいか?」

 

カザハナ

「…何?

場合によっては答えないけれど」

 

マーシレス

「何、質問そのものは簡単だよ」

「もしもの話だ。

ある日突然、戦場に剣や槍…刀や薙刀といった既存の武器が過去の遺物になるような超兵器が普及され始めたとしよう」

 

カザハナ

「え、超兵器?」

「ちょっとよく分からないよ…どういう事?」

 

マーシレス

「なーに、そこまで考える必要もないさ。

要するに“態々”刀や槍を持って行くのがバカらしくなるような代物だと思えばいい」

「そうなったら、お前…その日まで刀を持ち続けられるか?」

 

カザハナ

「…成程、そう言う事ね」

 

マーシレス

「…今やっと理解したな」

「で、どう?答え」

 

カザハナ

「質問の意味は理解できたけれど…すぐに答えが出るかと言われると別かな」

「正直、実感も湧かないわ。

戦の風景がガラリと変わったトコロなんて」

 

マーシレス

「…そうか、そんなものか」

「第二次世界大戦前の人類が戦艦を超える抑止力を想像出来なかったように、俺も核を超える抑止力なんて分からん」

「とりあえず…答えが出たら、そん時よろ」

 

 

カザハナ

「…」

「マーシレス、って…意外とマトモなのかな?」

「――――いや、十分可笑しいわね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【2,異(×ニュクス支援B)】

 

マーシレス

「…またっすか、ニュクス。

俺も幼い探求心をどうこうしようとは思わんけど、いい加減しつこいって」

 

ニュクス

「貴方こそ、いい加減その口をどうにかしないといつか刺されるわよ」

「それと今回は恐らく時間はかからないわ、私の考えが間違っていなければだけれど」

 

マーシレス

「ふーん、そりゃ楽しそうだ。

流石に椅子に座ったままでいいか?」

 

ニュクス

「大丈夫よ。

少し覗くだけだから」

 

マーシレス

「記憶を、か?」

 

ニュクス

「いいえ。生き物の身体が持つ情報…とも言うべきものよ」

 

マーシレス

「DNA、或いは単に細胞か…?

そういうのって何かの宗教じゃ冒涜に当たるんじゃね?」

 

ニュクス

「私は別に宗教家では無いわ、それにもしそれを禁忌と呼ぶのだとしても最早私には関係のない話よ」

「それじゃ、動かないで…」

 

マーシレス

「…」

 

ニュクス

「やはり、そうだったのね…」

 

マーシレス

「何が見えた?」

 

ニュクス

「…人の手が加えられた痕」

 

マーシレス

「へえ?

具体的には」

 

ニュクス

「ノスフェラトゥと違って、魔術や呪術に依らない…生命を生命の法則に則って作り変えた何か」

「そんなものは見た事も聞いた事も無いし、出来るとも思ってみなかったけれど…そうとしか思えないものが見えたわ」

 

マーシレス

「生き物じゃない部分は見えたか?」

 

ニュクス

「ええ、少しなら。深くは分からなかったけれど…」

「そもそも貴方、自分の身体について知っているの?」

 

マーシレス

「…具体的に何をされたのかは知らないし、誰がやったのかも全く知らない。

自分が今も自分であるかもな」

「だが、ソイツがどんなことをしたのかと言う想像は容易に付くよ…グロテスクなまでに」

 

ニュクス

「どうしてそんな予想が?」

 

マーシレス

「残されたモノからの推測、とだけは言っておく」

 

ニュクス

「そう…」

「ならば、それが何故魔術や呪術でないと?」

 

マーシレス

「魔法や呪術に、物理演算の数式ってあるのか?

俺にはそういう風に見えない…少なくとも魔法や呪術が」

「とりあえず俺もう行くわ。

身体の話をすると腹下すんだ…いつも」

 

ニュクス

「…」

 

 

 

 

 

 

 【3,笑い男(×ブノワ支援B)】

 

 

ブノワ

「……」

「………」

「マズイ、マズイぞ…」

「この震え方は…間違いない…!」

 

 

マーシレス

「私はカモメ…或いはヘルメスの鳥」

 

ブノワ

「うぉおおおおおおあああああああああああッ!?」

「…ま、マーシレス。

本当にやめてくれ、特に夜間の見回り中は…」

 

マーシレス

「ははっ、わり」

「シュワちゃんみてえな男が大声でビビッてんのはいつ見ても面白れぇってマジ」

 

ブノワ

「…その事なのだが、マーシレス」

「お前は…怖くないのか?俺が」

 

マーシレス

「………」

「んんんんん?」

「怖い??お前がか??

ハハッ、冗談言っちゃいけねぇ、顔にしたって割とアクション俳優顔じゃねえか!コマンド―やプレデターで見慣れたぜ?」

「流石にプライベートライアンは違うな…ハリウッドだと現代戦で起用される顔だ」

 

ブノワ

「相変わらず何を言ってるのか分からんな…」

「しかし何故だ…何故怖がらない?

もし恐怖を克服できる何かがあるのなら教えて欲しいが…」

 

マーシレス

「んー、それなー。

俺自身噂とかそう言うのが引っ付いて回るような人間だし、何となくそういう尾ひれ背びれの付くヤツが分かると言うか…」

「用は同じ匂いがするって奴、それが最初の理由だな」

 

ブノワ

「そ、そうか…」

「しかしマーシレスの噂は全て本当だと…」

 

マーシレス

「いいや、流石にちょっと脚色が付いてる。

本当の所は450辺りからサバを読み始めた。だましだまし、ってな感じで」

「一応死体から小指切り取って証拠集めてたが…500なんて態々数えるヤツもいなかろう。

数えるのも適当さ、でなきゃ嘘も付けん」

 

ブノワ

「小指を…結局恐ろしいな…」

 

マーシレス

「まあまあ。

それと…もう一つに、これはちょっと主観的な話が多くなるが…戦術的な話でもある」

 

ブノワ

「戦術…?」

 

マーシレス

「ああ、その恐怖を使って戦ってるのさ。俺は…いつも」

「何となくお前も分かるだろうが、恐怖ってのは人を危険から遠ざける重要な警告器官でもあると同時にあらゆる情報をシャットアウトする究極の目隠しでもある」

「結局は精神の強度の問題だ。

恐怖に振り回された人間ほど隙の多い生物はいない、そうして出来た意識の隙間に急襲をかけてるんだ」

 

ブノワ

「な、成程…」

 

マーシレス

「そんなことしてるから、どうも恐怖の“臭い”には人一倍敏感になる…のかもしれない」

「――――で、それで…そんな俺からの恐怖の克服法だ。どうせ聞きたいんだろ?」

 

ブノワ

「!…」

「あ、ああ…あるのならば是非とも――――待て、そのナイフは何だ?」

 

マーシレス

「恐怖を克服する方法…それはな、“わらう”事さ!」

「こう…して、なぁ…!!」

 

ブノワ

「や、やめろ!」

「く、口が…口が裂けてしまうぞ!」

 

マーシレス

「いいのさ!あらゆる全てから目と耳を閉じ、口をつぐみ…それで何も無く、わらえるんだからよ!」

「はは、はハハッ、ハハハハハハ!!」

 

ブノワ

「う、うわ…うわああああああああああああああ!!!!――――」

 

ある男が言った、恐怖だけが死から己を遠ざけてくれる。

しかし…死に望みをかけるもの、或いは死なぬ者にとって…己自身の恐怖とは邪魔なだけなのかもしれない。

 

それこそ感覚を誤魔化し、狂ってでも潰そうとするほどには。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





話は変わるけど、「一人」を「かずんど」って初見で読める人いるんかね?


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【ナニカサレタ男シリーズ】小ネタ集…?

初代ナニカサレタ男を連載してた時はなんかマイキャッスル内の話とかよく量産してたなーって思いつつ、そんな感じでやっていきます。まあマイキャッスルの中に限った話じゃ無いけど。

後、ナニカサレタ男は今完結編書いてるので、下のURLからどうぞ。
https://syosetu.org/novel/292076/



 

 【1,焼肉】

 

ヒナタ

「そういやぁよ、俺ら前に焚火囲んで肉焼いて食ったじゃねーか?」

 

マーシレス

「ん?

あ、ああ。俺ずっと茄子食ってた奴ね」

 

ヒナタ

「そうそう、茄子…ナス!?

お前茄子しか食ってなかったのか!?」

 

マーシレス

「ああ、うん…なんか知らんけど、別に茄子が美味かった訳でも無いのに…狂ったようにそればっかり食ってた」

 

ヒナタ

「通りで野菜無くなるの早ぇなって…。

おふざけでも無いのに訳分かんねぇ行動するのなんなんだよ…」

 

マーシレス

「なんか、そういう時って妙に天啓振って来るんだよね。

お前もなんかこう、あるだろ?そういうの」

 

ヒナタ

「いや、無い…な、い………うん、無いな。

――――と言うか俺、何言おうとしてたんだっけ?」

 

マーシレス

「いや、知らん。

あとやっぱり茄子美味かった希ガス」

 

肉の脂吸った茄子は実際美味しい。

 

 

 

 

 【2.子から見た親】

 

就寝前の子世代たちの会話(野宿中)。

 

グレイ

「なんか…寝れねえな」

 

シノノメ

「俺も。

…何か話そうぜ、例えば誰かの噂話とかさ」

 

ジークベルト

「あまり本人のいない所で話すのはどうかと思うけれど…」

 

マトイ

「いや、本人の前でその人の噂について話すのもどうかと思うけれど…」

 

キヌ

「だったらアタシ達の父さん母さんの話とかどう!?

アタシの母さんね、前にアタシの尻尾を枕にして寝てたんだよ!」

 

シノノメ

「お!いいねぇそういうの。

他もそんな感じで、何かないか?あ、自分の親じゃなくてもいいぞー」

 

スミカ

「そういうシノノメは何か無いの?」

 

シノノメ

「俺?

そういや前に母さんと食料調達に行った時、熊と出くわしてな…それも滅茶苦茶気が立ってるやつ」

 

グレイ

「あぁ…熊による事故の定番だな」

 

イグニス

「そういう時は大体虫歯が出来てるか、冬眠し損ねたらしいぞ、熊」←親父から聞いた

 

シノノメ

「それで、母さん…丁度いいっつってよ。

なんか、剃刀みたいな剣(絵画守りの曲剣)で熊の首をサクッと」

 

ゾフィー

「もしかして、一昨日振る舞われた熊肉って」

 

シノノメ

「多分ソレだな」

 

ミドリコ

「モズメさん、かっこいいはなしが多いよね」

 

エポニーヌ

「何でも、投げた鋼の刀がノスフェラトゥの頭を貫通したとか」

 

ソレイユ

「あ、それ実際に現場見たよ」

 

スミカ

「私も」

 

マトイ

「凄いわね…私、投擲用じゃない武器を投げて敵を倒してる人なんてマーシレスさんしか知らないわ」

 

ディーア

「あの人すぐ色々と投げるじゃん。自分用の大剣とか」

 

スミカ

「前にゴミ箱にゴミ入れる時も投げてたわよ。

何回も外したけど」

 

シノノメ

「わかるぜ、そういうの。

ムキになって何度もやっちまうよな」

 

ゾフィー

「…あー!

マーシレスさんの事で思い出したんだけれど、聞いてよスミカ!」

 

スミカ

「え…。

何?セクハラされた?」

 

ゾフィー

「いや、そうじゃないけど…でも酷いのよ!

あたしの名前を聞くたびに「ゾフィー!?!?」って、まるで私がおかしな顔でもしてるみたいに聞き返してくるのよ!?」

 

スミカ

「え、何ソレ。私知らない…何かしたんじゃないの?ゾフィー」

 

ゾフィー

「いや、何も、して…ない…ハズ」

 

ジークベルト

「…もしかしてだけれど、彼の知り合いに別のゾフィーが居るんじゃないかな?」

 

マトイ

「成程…」

 

ルッツ

「あ、その話ならマーシレスさんから直接聞いたことある!」

 

ヒサメ

「どんな話ですか?」

 

ルッツ

「んっとね。

確か…マーシレスさんが子供の頃、よく読んでた物語の…主人公の、確かお兄さんがゾフィーって名前なんだって」

 

ゾフィー

「お兄さんって、お、男…?」

 

ミタマ

「それで…その、物語の主人公のお兄さんのゾフィーが先に浮かんで…話が拗れそうになる、って事ですの?」

 

ルッツ

「うん。

確かそんな事言ってた…と思う」

 

ミタマ

「あぁ…。

ややこしや 兄と妹 入り混じり…と」

 

スミカ

「所で、物語の詳細って聞けた?」

 

ルッツ

「いいや、全く。

確か「遠くの星から来た男が愛と勇気を教えてくれる物語」って言ってたけど」

 

マトイ

「なんだか壮大ね…」

 

ジークベルト

「でも、確かに…物語の登場人物と同じ名前の人と実際に会うと…何だか変な気持ちになってしまうよね」

 

フォレオ

「経験があるのですか?ジークベルト」

 

ジークベルト

「ああ…少し、ね」

 

グレイ

「そういう話なら俺も覚えがあるな」

 

ミドリコ

「それって、サイゾウさんの?」

 

グレイ

「ああ。

偶に爺さんの忍びの話を聞いたりするんだが…時折先代サイゾウ、つまり親父の前のサイゾウの話を何でもないかのようにしてな」

 

シノノメ

「つまり、話の中にサイゾウさんが2人3人も居るのか…それも同じ呼び方で」

 

グレイ

「そうなんだよなぁ。

頼むから先代とか先々代とか付けてくれって」

 

ソレイユ

「そう言えばマトイ、この前ルーナさんが物凄い買い物してたけど…アレ大丈夫なの?」

 

マトイ

「ううん…全く大丈夫じゃなかった。

あの後夫婦喧嘩に発展して…それで数日くらい…」

 

スミカ

「あ(察し)」

 

ディーア

「うわぁ…。

夫婦喧嘩って、正直俺らはどっちに行けばいいか困るよね」

 

ソレイユ

「それすっごい分かる」

 

キサラギ

「本当に大変だよね…」

 

シノノメ

「そうか?

夫婦喧嘩ってそんな激しくなるのか?ジークベルト」

 

ジークベルト

「いや…僕の親もそこまでは…」

 

スミカ

「こういう所でなんか…性格出ちゃうというか…」

 

ディーア

「そういうスミカんちの夫婦喧嘩も凄そうだけど…なんか人死にが出そうというか」

 

スミカ

「うん、まあ…そうなるわよね」

 

エポニーヌ

「マーシレスさんとベルカさんって、どっちも元裏社会の大物じゃない」

 

グレイ

「暗夜一の殺し屋と、五百人斬りの傭兵の夫婦喧嘩か…」

 

オフェリア

「まるで星々のぶつかり合いね…」

シノノメ

「どうなっちまうんだ…?」

 

スミカ

「あの、期待を膨らましてる所悪いんだけど…ウチの家族、序列的に母さんが一番強くて…」

 

ヒサメ

「あっ…」

 

スミカ

「その…母さんが怒ったら、父さん、ものすごく縮こまって…」

 

シノノメ

「母は強し、か…」

 

スミカ

「というか大げさよ皆。

皆の親も大体経歴も肩書も凄いじゃん」

 

ベロア

「私の所もそんな感じです。

ママが怒ったら、パパと一緒に震えて、こう…ぎゅーって」

 

キヌ

「ベロア、起きてたんだ」

 

ベロア

「今起きました」

 

(参考資料)ナニカサレタ男での親世代カップリング表

マーシレス――――ベルカ

ジョーカー――――フローラ

ツバキ――――ルーナ

カムイ――――フェリシア

フランネル――――カミラ

ラズワルド――――シャーロッテ

リョウマ――――モズメ

タクミ――――オボロ

マークス――――エルフィ

レオン――――ピエリ

ブノワ――――リンカ

ツクヨミ――――ニュクス

ゼロ――――セツナ

ニシキ――――サクラ

スズカゼ――――オロチ

ヒナタ――――カザハナ

オーディン――――エリーゼ

アサマ――――カゲロウ

サイゾウ――――ヒノカ

サイラス――――アクア

ハロルド――――アンナ

 

ハロルド忘れてたから緊急的に入れたけど…マーシレスのせいでズレてんな。お陰で打算的にアンナが…。

ナニカサレタ男完結編で祖父母ネタ出来そうだからいつかやってみたい…。

 

 

 

 







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【ナニカサレタ男シリーズ】支援会話アソート5

カフェインガンギマリで書いてるから多分ヤバくなる


 

 【1,わけがわからないよ(×フランネル支援C)】

 

マーシレス

「溺れ、魚…答え、濁り…。

陰、その姿…」

 

フランネル

「マーシレスか?

何ぶつぶつ言ってんだ?」

 

マーシレス

「…ワーウルフの、フランネルか。

何、またお宝(笑)(カッコワライ)探してんの?」

 

フランネル

(笑)(カッコワライ)って何だよ、(笑)(カッコワライ)って」

 

マーシレス

(笑)(カッコワライ)(笑)(カッコワライ)だろ」

「…と言うかさ、ちょっと聞いてくれよ。

もう訳分からねぇんだ」

 

フランネル

「コッチがワケ分からねぇよ…何だよ一体」

 

マーシレス

「あのさ、ほら。

“最後に信じれるのは自分自身”とかって言葉あるじゃんか?」

「アレ多分「自分の事は自分がよく分かっている」っていう普遍的なメカニズムなんだろうけど…結局その普遍性さえ崩れて、自分って要素が脳味噌の容器からこぼれ落ちて、プールいっぱいの水の中に溶けちまったら、そん時手前は何信じりゃいいんだ?」

「いや…そもそもジョハリの窓的には“自分の知らない自分”が居るわけで、そういった意味では別に自分が海の中に希釈されてなくても――――」

 

フランネル

だからワッケわかんねーよ!

お前キャラの割に難しい話するからマジでわかんねーよ!」

「もっと簡単にモノ言えねぇのか!」

 

マーシレス

「…」

「……」

「ガルーってさ、やっぱりメスの乳首が4個8個ないと欲情できねぇの?」

 

フランネル

「もっと他になかったのか!?」

 

何かと難しい話をしたがるようなヤツは、大体目に見えてバカな奴より頭悪いんだと思う。

そして根拠もなくこんな事言ってる俺もバカ。今更だけどもうバカでいいや

 

 

 

 

 【2,孤独の哀歌(×アクア支援B)】

 

 ~♪

 

アクア

「……」

 

 ~♪

 

アクア

「…やっぱり」

「マーシレス、そこにいるんでしょ?」

 

マーシレス

「ッ…!」

「……」

 

アクア

「ここいらで歌が聞こえる度に貴方を見かけるから、もしかしてと思ったのだけれど…」

「――――えっと、何、そのポーズ?」

 

マーシレス

「なにも…なかった」

 

アクア

「何も、って。

別に言いふらしたりはしないわ」

 

マーシレス

……なにも!!!な”かった……!!!

 

アクア

「意外としつこいわね…」

 

マーシレス

「……ハァ」

「何時から?聞いてたの」

 

アクア

「ずっと聞いてたわ…最初から」

「でも驚いたわ。貴方に歌の才能があったなんてね」

 

マーシレス

「お世辞はいいって…思い上がっちまうだろ」

 

アクア

「本気よ。完璧って訳じゃないけど…でも歌は初めて聞くような歌ね。故郷の歌?」

 

マーシレス

「あ、あぁ。

昔よく聞いてた…と思う歌だ。「Justiφ's」と、「RED ROCK」っていう」

 

アクア

「…思う?

もしかして、貴方も昔の記憶が無いの?」

 

マーシレス

「全部じゃない…自分が分からないだけだ」

「変な話だよな?ホントによ。

好きな作品とかの事は良ーく覚えてるってのに、自分が何処で生まれて何処から来たのか…全部忘却の彼方さ」

「マトモじゃねえのは自覚済みってワケよ」

 

アクア

「自分、だけが…珍しい記憶喪失ね」

 

マーシレス

「もう慣れちまったような話さ。

何だっていい…今は、ただ…

 

アクア

「1つ、提案があるのだけれど」

「良ければ、これからも覚えている歌を歌ってみるのはどう?」

「歌と結びついている記憶がきっとあるハズよ。

それを一つ一つ辿って行けば、もしかすると自分の事を思い出すかもしれないわ」

 

マーシレス

「…それが出来てたら何年も苦労してないんだけどなぁ」

「まあ、いいか。

今はお一人様ん時と違って、少々気を使う事も増えたし…気晴らしにゃ丁度いい」

「聞きたいなら勝手にどうぞ。人気にすると多分もっと下手くそになるけど」

 

アクア

「ええ…ぜひそうさせてもらうわ」

 

例えどんな状況にても…そのジレンマは続く。

運命が動かぬ限りは。

 

 

 

 

 

 【3,サイ&キョウ(×ニシキ支援C)】

 

マーシレス

「……」

 

ニシキ

「ええと…マーシレス?

なんで僕をじっと見てるんだい?」

「正直、キミが美しいモノ好きには思えないんだけど…」

 

マーシレス

「……」

 

ニシキ

「あの、それはもしかして“きつねうどん”かい?」

「一応言っておくけれど…妖狐だからって油揚げが好きとは限らないからね?」

 

マーシレス

「っ……」

 

ニシキ

「な、なんでそんな油揚げを齧り直しているんだい?」

 

マーシレス

「ッ…!」

 

ニシキ

「いやそんな一心不乱にカジカジしなくても…」

 

 

マーシレス

「可笑しい…。

油揚げと妖狐の痛覚はリンクしている筈なのに…」

 

ニシキ

何だいソレ!?

僕も初耳なんだけど!?それとしてないからね!?」

 

マーシレス

「もしやどん兵衛の油揚げじゃねーとダメなのか?

クソ、これも企業戦略かッ!おのれ日清食品!」

 

ニシキ

「…た、確かにこれは近寄りがたいね」

 

マーシレス

「はー、つっかえ…」

 

ニシキ

「あ、普通に油揚げ食べちゃった…」

 

マーシレス

「というかニシキ、何さっきから独り言言ってんの?」

 

ニシキ

「え、え?え…えぇ…」

 

マーシレス

「んまぁ、いいや。

これやるよ…今糖質カットしてっから麺食えんわ」

「じゃあの」

 

ニシキ

「え、えぇ…」

「…」

「…いいっか。

丁度お腹空いてたし」

 

不条理というか理不尽と言うか…。

 

 

 

 

 【4,彷徨う脳殻(×ベルカ支援B)】

 

ベルカ

「ここいら一体は…片付いたわね」

「でも肝心な目標への情報は見つからないまま…マーシレス?何やってるの?」

 

マーシレス

「ん?

いや、これ」

 

ベルカ

「…こぼしたの?」

 

マーシレス

「うん、溢しちゃった。なんか口付けてないコップがあってな」

「丁度喉乾いてたしって思って、持ち上げたらこの様さね。

全く何入ってたんだか」

 

ベルカ

「全く、不用心な男。

本当に伝説の鴉頭なのかしら」

 

マーシレス

「全くだ…マトモだったら、あのカオスの中で死ねてただろうな。

おそらくその方が悩みもクソも無い分ずっと楽だった」

「所でさ、もしこのボトルの中から一つ液体を選んでこのコップに次ぎ直したとするだろ?

その時、それが絶対に俺が溢した液体と全く一緒だと言えるかな?」

 

ベルカ

「それ何のつもり?

今聞く必要がある事なの?」

 

マーシレス

「実は答えてくれると、今後大いに助かる」

 

ベルカ

「…間違いなく確定はしないでしょうね。

特に全くの無味無臭なのだとしたら、私には特定する方法は分からないわ」

 

マーシレス

「おーう…模範解答ありがとナス」

 

ベルカ

「で、それがどう手掛かりになるの?」

 

マーシレス

「え?

俺手がかりの推理って一言でも言ったっけ?」

 

ベルカ

「…貴方まさか」

 

マーシレス

「まあ俺個人のライフデザインには役立ちますね、と」

 

ベルカ

「…時間返して」

 

マーシレス

「ホント、ソレだよな。

さっさと無駄にした時間、耳揃えて返せってんだ……………」

 

ベルカ

「…イカれてるわ、こいつ」

 

 

 

 

帰りたい 帰れない

 

 

 

 

 

 

 

 




酒入った時よりマシだった。


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんのきょーだいげんか

珍しく喧嘩した組み合わせ…と見せかけて、何をどうしてそうしたか見え見えなクソネタがオチ(予告)


片手間に作ったクオリティなので激しいキャラ崩壊が起きている可能性があるので、苦手な人はブラウザバック…というわけで私はブラウザバックしますね。


 

「待て待て待て待て待て。

ラウラお前な…シャウエッセンは焼いて食べるに限るだろ…」

 

「いいやッそれは違うッ!

シャウエッセンは茹でてこそシャウエッセンだッ!いくら兄さんとてそれは譲らんッ!」

 

あくる日の朝。

潤とラウラは元気に喧嘩してた。

 

 

内容はシャウエッセンの調理法である。

 

「あのな…シャウエッセンはちゃんと直火で火を通して皮をバリッバリに破いた状態で喰うのが美味いんだぞ」

 

「違う!シャウエッセンは皮が命だ!

皮を自分の刃でパリッと破くのが素晴らしいんだ!」

 

因みにこの二人に「別々の調理法を行う」という妥協は存在しない…特にドイツ人は妥協しない、だからG11とか時たま生まれる。

 

 

「兄さん、私は本当は人の家の朝食にとやかく言うつもりはない。

別に目玉焼きが片面焼きでしかも半熟でも、潰れた太陽みたいになっていてもケチャップがかかっていても、キャベツが生でしかもマヨネーズマシマシでも文句は言わない。パンに醤油ご飯を挟むという訳の分からない暴挙だって、兄さんが作ったのなら受け入れられる。

けど…シャウエッセンを焼くのを見ている事だけは無理なんだ、分かってくれ兄さん」

 

「…ダメだ、我が家ではシャウエッセンは焼く。

俺がそう決めた。これが掟だ」

 

この瞬間、二人の間の交渉が決裂した。

 

「ッ……この、分からず屋!!!」

 

ラウラがおたまを真っ直ぐ綺麗にぶん投げた。

それを潤はまるで幼子のビンタでも止めるかのように軽く容易く払いのけ、軌道を変えたお玉は壁にぶつかり、跳ね返ったそれがシャルロットにポンと直撃した。

 

 

  【BGM:An Out of Body State 〈体外離脱〉】

 

 

ラウラはとうとう(何処に隠し持っていたのか)サバイバルナイフを取り出し、構えて戦闘態勢に入った。

それに対し、潤もまたヴァローハートを引っ張り出して、しかし構える事無く、力を抜いた自然体のまま立ち尽くしている。

 

「兄さん、そのシャウエッセンをさっさと沸かした湯に入れて茹でろ」

 

「…謹んで、お断りする」

 

――――刃と刃が、ぶつかり合った。

 

「ラウラ…お前が常にナイフで用いる初段をフェイントとして2段目に機動力或いはバイタルそのものを射抜きにくるまでの手法は、互いにナイフ1本である事が前提の戦闘術だ。俺のような絶滅危惧種が使う、剣と盾を用いた戦術形態には全く通用しない。そもそも現代のマーシャルアーツには敵の盾を剥がす戦術は既に絶えている筈だろう。

そのような技術を使って…体力が尽きるまでに、ヴァローハートを使う俺を倒せるか?ラウラ」

 

「ぐっ、くう…ッ!」

 

さて、此処で二人の意図しない所で凄まじい異変が起こった。

 

 

…完全に置いてけぼりにされていたシャルロットの堪忍袋の緒が切れ、明らかに表情に怒りが浮かんでいた。

 

 

 

「ねえ、二人共…」

 

「「なんだ!

――――あっ」」

 

どかん、と。

シャルロットの心の中の火山が爆発した。

 

いい加減にしてッ!!

 

この瞬間、佐々木宅は荒れ果てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――そして今。

頭にバンダナを巻き、顔にフェイスペイントを施し、M60機関銃と給弾ベルトを担ぐシャルロットは、カウンターからほんの少し顔を出して外を確認する。

 

 

「でてこ~い、シャルロット~、お前は包囲されている~!」

 

包囲(二人だけ)。

彼女に降伏勧告を促すラウラの声に、誰も反応しない。

 

 

「俺がやる。

お前はもう休め」

 

…ここで、痺れを切らした(寝てた、とも言う)潤がしゃしゃり出て、なんか分かってる風を吹かして来た。

 

「に、兄さん?」

 

「あいつは嘗て俺と同室だった女だ…」

 

「何だソレは!?

初耳だぞ!?」

 

「彼女を止められるのは俺だけだ…それまで手を出さないでいただこう」

 

「ちょ…どういう事だ!待ってくれ!待って」

 

変な爆弾投下をして、潤は家の中にずけずけと入って行った…いや自分ん宅だけど。

 

 

「シャルロット…俺だ」

 

「…」

 

「武器を下ろせ、もう日が暮れている。

こっちの喧嘩は終わったんだ」

 

「…ない」

 

「え?」

 

「終わってない!まだ喧嘩は終わってない!」

ガシャンッ!と、シャルロットはM60を地面に叩きつけた。

 

「いや終わったって」

 

「だって、ラウラが後ろでシャウエッセンを茹でてるじゃないか!」

 

「は?

…うぉおおい!!何やってんじゃゴラァ!」

 

ラウンド2勃発…とはいかず、流石に潤も「もういいや」と凝りて、そのままシャルロットへの対処を継続した。

 

 

「ああ、うん…悪かった、悪かったって」

 

「今日こそはどこか、二人だけで出掛けに行けると思ってたんだ!

それなのに、それなのに…っ!う、ううぇ…」

 

とうとう泣き出すシャルロット。

それに対して「うんうんよしよし」と宥める潤。

 

「悪かった…俺が悪かった…」

 

「…最近、夢にも見るんだ。

僕と潤が本当に血のつながった兄弟だった夢を…」

 

「ああそうかいそうかい、よしよし。

もう夜遅いから、今日も泊ってっていいから…うんうんよしよし」

 

因みにこの時既に帰ってたラウラはこの事実を聞いて「帰るんじゃなかった」と心底後悔しましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――という夢を見た【彼】だった。

跳び起きた彼は、寝過ごす所だったと直ぐに着替えて外に出て、原付のエンジンを叩き起こして道を走らせた。

 

 

 

 



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【ナニカサレタ男シリーズ】続・帰郷

ナニカサレタ男本編の二周年記念で投稿した、本編終了後のどこか(時系列の詳細は考えて無い)でマーシレスが日本へと返る話…の続編みたいな感じです。




――――――――これで29枚目。

俺自身の目撃情報を求める張り紙はあちこちの電柱やらブロック塀等に張り付けられていて、その一つ一つの回収を親父と母方の祖父母以外の家族総出で行っている最中だ。

 

セナ姉の話によれば、全部で62枚…張り過ぎだろ、というか俺は猫か?猫探すようなノリで張り紙拡散されたのか?

因みにSNSは…どうやら個人情報の漏洩を恐れて行えなかったらしい。いくら何でもビビり過ぎだ、と言ったが事例があるとの事だ。

 

 

全く…分かってはいたが、日本に帰っても頭の痛くなる話ばっかりだ。

寧ろコッチの方が頭の痛い話が多い。何せ高校の退学手続きやら戸籍が何やらどうやらと思い出したくもない書類の山に追われてた訳だ…コレ全部、財団がやってくれたら話が早かったのにアイツら根回し済んでないだのと抜かしやがって――――まあ警察のお世話が無い当たりソッチに気を取られてんだろうな。

 

…だから俺は疲れたんだ。

なんで二十後半代にもなって姉に字の汚さを咎められにゃならんのだ。

 

 

もう半分は集めたんだ…休んでも良いだろう。

そう考えて、俺はこの辺の近くにいい感じの河川敷があった事を思い出した…よくバーベキューで騒いでるパリピが居て、休むに休めないかもしれないけど、そんな事より俺は何処か腰を下ろせる所に行きたかったのだ。

 

………そんな自分の目の前には、大手のコンビニエンスストアがホットスナックの香りを漂わせて店を構えている。

 

「………」

 

正直、腹も減っていた。

俺は今誰よりもきっと欲望に忠実だろう。

 

 

 ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆

 

 

ああ、クソ。

フライドチキンがこの上なく美味い…ジュワッとくる油(脂とも?)と塩気のアクセントがもう悪魔的だ。こういう健康に中指立てるような飯こそがこの世の真理なんだよ…なあにが健康志向だ、なあにがヘルシーメニューだ、なあにが低カロリーだ。どーせ添加物ばっかよ、それならこのフライドチキンと変わらねぇ。なのに薄味で油っ気のない料理が何になる?満たすのは見せかけのスマートさを実感する満足感だけだ、腹も心も満たせやしない。

どっかの自動車会社の社長だってエコカーを売ってながら趣味の車は「景気よく排気ガスを吐くようなゴツい車」だって言ってんだ。不健康は魅力なんだよ。

 

…何を言ってるんだ俺は。

やっぱり、かなり疲れてたらしい。それか強化ボディで相変わらず調子乗っているだけか。

 

何気なく、取り合えずのノリで新調したスマホ(もち某リンゴ社製…に見せかけた財団製)を取り出してアカウント作り立てのTwitterを見れば…何と言うか案の定と言うのか、やれ「どの政治家がどうこうでどうでナントカ発言」だの「どの芸能人がどこどこでどーで問題発言」だの…朝のニュースといいネットニュースといい言葉狩りと揚げ足取りしかやってない。

トレンド欄からホームに戻れば、フェミニストの皮を被って好き勝手やってる女性主義者共が調子のいい言葉でマンガ・アニメにケチをつけてやがる…テメェの出てくる幕じゃねえんだよ見たくねえなら見るなクソアマ!今すぐテメェの手足の指全部削ぎ落して口を溶接してやろうか!?

 

…落ち着け、俺。こんなヤツ相手にムキになってんじゃねえ。

見なければいいはこっちも同じだっつーの…ブロックブロック、やっぱり疲れてんだな。

 

やっぱりネットっていう素性隠せる場所は皆好き勝手やるからクソだ、クソだよクソ。

それに対してリアルってのはまあ穏やかなもんだ、皆それぞれ(とりわけ日本人は)“仮面”が大好きだからそれを付けて暮らしてるお陰で表面上は綺麗で大変よろしい。

最初に心配してたクソパリピ共のバーベキューの気配も無いもんだ…結局こういう自然の景色に落ち着いてしまうんだろうか。

 

 

――――ふいに、やや遠方からガチャガチャ音が響いてくる。

ランドセル特有のガチャガチャだ、うるさい小坊がやって来たと思ったがクソパリピに比べりゃまだいい方だ、自分も案外通って来た道だし。

 

そう思ったのだが…どうも様子がおかしい。

なぜランドセルを叩きつける音がして、人を叩くような音までするんだ?それと何を叫んでる?それだけが気になって、喧騒が響き渡ってくる方向を振り向けばその理由が一発で分かった。

 

 

自分の(メインカメラ)に映った光景は…橋の下の物陰で、大体5人くらいの小坊の集団が、1人の同年代くらいの奴を壁に寄せ付けて、取り囲んでいる。

その上で殴る蹴るだ、そして罵声だ、とどめに5人組の笑い声――――ああもう分かりやすいくらいに“いじめ”の光景だよ。いくら年月が経っても弱い者いじめの手法ってのは変わらないんだな。全く、認めたくない過去を思い出させてくれる…!

 

前言撤回、リアルもリアルでクソだ…ああそうだったよ、“向こう”じゃこんなの比べるまでも無いくらいクソッタレな事が全部リアルで起こってるんだった。

 

 

だから……多分、俺は世の中のシガラミだとか何だとかの外側に居る事が好きなんだろうか。

自分だけが世の理の外側に、常識の外側にいるような…そういう感覚を求めてた。強化人間の身体ってのはそういう時だけ都合が良かった。

 

 

こんなクソみたいなネット社会が、こんなクソみたいなリアルが…記憶を無くし(処理され)た頃に追い求めた故郷なのか。分かっていたとは言え…こんなんじゃ惨めにも程があるって話だよ。追い詰められた先も逃げた先も何もかもが。

 

…そのうち、いじめはエスカレートして遂にはいじめられっ子に出血さえ見受けられた…流石にあれで失血死するわけじゃないが、もう血まで出したらいかんよな?一線を超えちまった訳だ――――あ、骨折れ…てないか、軽いヒビが入っただけだ。

 

 

関わる気は無かった。

何せいじめってのは第三者がその場でやめろと下手人を追い払うだけじゃ普通に止まらないし、だからと言って安っぽい正義振り翳して下手に介入するといじめが悪化する。やるなら徹底的に…と言いたいが、徹底的にやると今度はそのいじめてる側がいじめられる側にシフトするだけでまあ後味が悪い。

 

しかしまあ…ここまでやらせてるとその内死に至る。流石に目の前で死なれては、そっちの方が数倍後味悪い。

こうなりゃ少しは干されて貰わなきゃいい加減俺の腹の虫も収まらん。

 

 

というわけでスマホにライトニングケーブルと専用機器経由でUSBメモリを直付けし、現場の撮影を開始した。

幸いクソガキ5人は俺に気付いてないし被害者は(防御こそ当然ままならない程だが)あと30分殴られ続けなければ命に別状はなさそうだ…寧ろ“多少”酷い傷なくらいがこの後役に立つ。他人様に自分の考えを押し付けるようで申し訳ないがこれは怪我の功名と言う奴だ、死ななきゃ安い…生きてりゃ“チャンス”が回ってくる(それ以上に受難というクソッタレが降りかかってきたりもするが)。

 

さて、時間にして2分半。丁度いいアングルの映像が取れた。もうこのクソガキ共に用は無い。

役目を終えたアクター達にはお帰り願おうか。

 

「おーい、何してんだー」

 

俺が間の抜けた様な声で呼びかけると、流石に“怒られるような事”をしている自覚はあるのか「やべっ」「逃げろっ」と蜘蛛の子を散らすように、という慣用句のお手本が如き逃げっぷりで5人とも逃げて行った…ただ一人、酷い傷で塗れたいじめられっ子を置いて。

 

 

 

「おい坊主、大丈夫か?」

 

まあ大丈夫な訳がない…が、多分この手の子供が言う言葉は決まっている。

 

「…はい」

 

声変わりもギリギリ来てないような声で彼は細々とそう言った。まあ、そう言うだろうな。

よく見ればランドセルに不用心にも名札があった…成程、俺と同じ都南小か。あそこは1年坊だけ名札の義務がある。その名札を今の今までお守り代わりに持っているたぁ…そりゃクソガキグループに目を付けられもする。

 

この時期の子供ほど、理解の超えるモノに対する不寛容の強い時期は無いだろうな。

取り合えず「立てるか?」と手を差し伸べて立たせてから…果たして手元のUSBが“余計なお世話”では無いかのインタビューを開始した。

 

 

「全くいつまで経ってもああいうヤツ居なくならんよなぁ?

仕返しとかしないのか?」

 

「…したら、あいつらと同じに…」

 

OK、反撃の意思はアリ。

そしてやり返さないのは、一緒に怒られたくないか?それとも子供ながらに、って奴でクソガキと同じ所まで落ちたくないか?まあどちらにしろ躊躇しているパターンだ、よく分かる。

 

「まあそうだよなー、5人相手じゃね。

センセーに言うのだって怖いよな?」

 

いじめられっ子は「うん」と言いたげに首を縦に振った。

 

 

さてここからだ。

USBメモリなんざただただ渡せばいいと考えるだろうが、ここで言っちゃいけないのは真実だ…仮に「今の所ちゃんと映像にしてコレに移してるから、お母さんかお父さんに見せなさい」と言ったって、こういう大人しい子供は親に迷惑をかけまいとするのか…もしくは現状の変化に恐怖心があるのか、どうも渡したがらなくなる。多分。

 

だから何気なく、寧ろ今回の件とは関係ないように思わせるのだ。

 

「ああそうだ。

…坊主、その名札都南小だろ?」

 

また彼は頷いた。

 

「じゃあ、ちょっとさ、今…アレだ、PTAの、あ!PTAって分かる――――よな。すまんすまん。まあ学校の活動の一環で今ちょっとお前らの父さん母さんに配りものがあるんだ…コレ何だけどさ」

 

こんな時に自分のガバガバな説明スキルが発動するとは思わなかった。

 

「え…USBメモリ?」

 

「お!よく分かるな」

 

「うん…お父さんが仕事で良く使ってるんです」

 

USBメモリを頻繁に使う仕事って…なんだ?普通の会社員ってそんなにUSBメモリ使うの?じゃなきゃ何だよ、産業スパイ?それとも動画編集業者か何か?

まあいいや何でも。

 

「…そっか。

まあちゃんと届けるんだぞ?じゃないと親御さん困っちゃうからなー」

 

親が困る、はちょっとした脅しである…が、強ち嘘でもない。

 

「うん…ありがとう、ございます」

 

彼はボロボロの身体を引きずって、恐らくは自分の家へと帰って行った。

…流石に随伴してやった方が良かったのか?いやいい。妻帯者の手前、事案だと思われたくもないし第一そこまでする義理ってのがない――――今更何が“義理がない”だと思うが、正直今の所「何やってんだろうな」って感じが強い。

 

どういう訳か、心のどこかで今の今までやってたのが“ただの八つ当たり”って感じがして…このままやってやっても、虚空を勢いよく殴りつけているような虚無感と羞恥心が止まらない。どうするんだ…USBメモリもあと2本、同じ内容のストックがある。本当に…本当に、何をやってるんだ。

 

 

俺は今、生まれ故郷のある世界に地に足付けて存在している……ハズなのに、何故かこの世界から切り離されたような…。

きっと“マツダ・トウヤ”じゃなくて“マーシレス”として動きすぎたせいだ。ここにいるのはマツダ・トウヤなんだよ…マーシレスに居場所なんかない。なのに俺は…。

 

その内、考えてるのも空しくなって、芝生に身を投げ出した。

 

 

 

 

 

 

 

「…あの、マツダくん?だよね?」

 

「んぁ…?」

 

頭の後ろから、自分の“最初の”名前を呼ぶ声が聞こえた。

…誰だと思って身体ごとそちらに振り返ると、あれ、ええと――――誰だっけ、この制服の眼鏡女。いや見覚えがある事にはあるんだが、というか俺が通ってた高校の女子用制服なんだけど…多分関わった事もないからか、名前も何も出てこない。

 

「ええと、あー…」

 

「お、覚えてるかな…?

小中高で一緒だった…イワナミだけど…」

 

「え、イワ、ナミ…あ!あー、ハイハイ覚えてる覚えてる!思い出した。

そうそう、マツダだよ俺。マツダ・トウヤ」

 

ああそうだった、イワナミ…コイツあれだ、小学校の4年の頃にクラス一緒になった、(俺と同じく)影の薄くてどこのグループに馴染めて無い様な図書室入り浸り組の女で、中学でも1年の時に同じクラスになってその前期に気まぐれで入ったナントカ委員会で一緒のチームだかグループだかになった縁があったきり、そこから特に何のかかわりもなく奇妙な偶然で同じ高校に行くことになり――――入学から約1か月後に俺は白夜王国の森に、体を弄られて放り出されたんだった。

 

それくらいの関りだった男を覚えている辺り、彼女は余程記憶力がいいんだか…それか人間関係に乏しいんだか。

 

「行方不明に…なったって聞いてたんだけど」

 

「あぁそうそう、つい1週間前まで行方不明リストに入ってた」

 

「そうだったんだ…。

なんか、その」

 

「“よく帰ってこれた”ってか?」

 

「え?うん…そう、かな…」

 

「でしょうね…。行方不明者なんて大概ホントは死んでるか、そうそう帰ってこないってのにな」

 

「うん…。

マツダくんは…えっと、何処に…?」

 

「何処?何処に連れてかれたのかって事?」

 

「うん、そういう…事」

 

「あーそれは…アレだ、言えない事になっててさ」

 

「それって…まさか」

 

「いや別に売られて所有権が云々じゃ――――あー、うん。無いから、と言うか仮にイワナミが思ってるような人身売買だったとしても日本に国籍あるうちは日本に逃げきれてればもう勝ちだって」

 

「そう、なの…?」

 

「そうだよ。日本じゃ人身売買が違法だから主張もできやしないし無理やり連れて帰ろうにも流石に先進国の政府に直接モノ言って圧力かけられるシンジゲートなんざ無ぇよ。ヤクザ使って誘拐しようにも今時暴対法で好き勝手動けないハズだから表立っての誘拐ってのは――――無いってのは楽観的なんだろうけどまあ警察のお世話にさえなって保護してもらえりゃあんまり怖がる必要もないし。というかそこまでアングラ系のファンタジーじゃないっての」

 

「だよね、考えすぎかぁ……」

 

飛ばされた世界はテレビゲーム的ファンタジーのお手本みたいだったがな。

まあその気になれば財団の奴ら公にならずにそのまま俺一人連れ去れそうだけど。

 

「それに、言えないのは俺自身の都合なワケよ」

 

イワナミは俺の答えに対して少し訝しむような表情を見せた。

 

「え、どうして…」

 

「まあ、なんつうか…連れてかれた先で自分の生活がデキちゃった訳よ。開業までしたし」

 

「開業…」

 

「ああ。

最初は肉体労働(傭兵)だったけど…その時のノウハウで結局店構えるのに落ち着いてな」

 

今は果樹園で安さと大量生産を武器に(労働基準法以外)合法に稼ぐ傍ら、別名義で行く所まで行ったヤツ相手に金貸し(割合はトイチ)もやってる。ぶっちゃけ暗夜も白夜も日本ほどに民法も会社法(会社なんてないけど…)も商法も厳しくないから煩雑な手続きだとかは殆ど必要なかった。というか今は自分は責任皆無の会長職みたいなモンであるから勝手に金が入って来るような状態なワケ。

ああそうそう、ノウハウってのは“脅しのネタ”の隠語ね?昔、強化人間パワーにモノ言わせて黒い仕事引き受けてた甲斐があったよ。ノスフェラトゥの失敗作処理のとか…。

 

…親と姉には金利関係を含む経営者って伝えた。

 

 

しかしまあ…こんな面識が一枚の紙きれほどの薄さしかなかった女とよく会話が弾む。

いや…俺が一方的に話してるようなものか。

 

「……そういえば、ソッチはもう受験の時期か?」

 

「え?あ、う、うん…そう、だね」

 

一気にイワナミの顔が(元からどこか暗かったのに)暗くなっていく…地雷を踏んだらしい。

 

「…すまん、流石に無神経だったわ」

 

「い、いいよ!大丈夫、だから…」

 

「いやその声が大丈夫じゃ――――ああ、うん」

 

もうこれ以上踏み込むまい、我の弱い奴ほど内側にはとても抱えきれないような闇ばかりが籠ってる。

とりあえず話題を変えようとするがそんなホイホイと話題が――――と悩んだ末に、一つ思い出した事があった。

 

 

「というか…お前ここ通学路じゃなかったよね?引っ越した?」

 

「ううん、今日は都南小に行こうって」

 

「へえ。

そりゃどうして」

 

「特に理由はない、かな…ただちょっと、久しぶりにカシワギ先生に会いたくなっただけ」

 

「え、マジか…カシワギ先生まだ定年じゃなかったのか…」

 

カシワギ先生っていうのは丁度4年生の時、俺とイワナミが居たクラスの担任だった…明らかにカタギじゃなさそうな雰囲気を漂わせてた壮年って感じの先生だ。ぶっちゃけ俺の小学生時代はこの先生のお陰で結構救われたと言ってもいい、何せこの先生が頑張ってくれたお陰で当時のいじめが半分減った。残りの半分はもう…奴らは悪魔みたいなモンだったのだろう、いるよな?妙に賢しくて、立ち回りが上手いし運も良かったお陰であんまり怒られなかったけど一番の主犯だった奴とか。そういう奴らだった。

全部昔の話だ…あまり引きずっちゃいない。

 

そして件のカシワギ先生に話を戻すが…まあ、とにかくいい先生だったってのは確かだ。

きっとイワナミもお世話になってたのだろうな。それこそ俺以上に…。

 

「え?

まだ40代だよ?カシワギ先生」

 

「…は?」

 

そしてイワナミの口から結構衝撃的な事実が飛び出した。

嘘だろ?あの顔で当時30代後半だったってのか?滅茶苦茶老け顔じゃねえか…!

 

「…冗談はよしてよ」

 

「いや、本当に…」

 

「…」

 

「…本、当」

 

「さいですか…ずっと50代だと思ってた…」

 

「うん、それは分かる…私もずっと思ってたから…」

 

やっぱり俺だけの話じゃなかった。

思い返してみれば、当時の(数少ない)友人との会話でも割と定年ギリギリというのが定説だったんだからな…!因みにもう一つの通説が【左手の黒い革手袋は詰めたエンコを隠すため】なんてのがあった…が、これは実は(小学校教師として)グロ注意な火傷痕を隠すためであるのは俺達は知っている。

 

 

――――ふと、先ほどまでの疎外感と虚無感がさっぱり無くなっている事に気が付いた。

残りのUSBメモリ2本へと目を向ける…“マツダ・トウヤ”はそこまでして自分のトラウマにケリを付けたいのか?それともまた妙な正義感を振り翳そうとしているのか?もう自分の事なのに良く分からなくなってきた…が、別の事に気が付いてそんな事を考えるのをやめた。

 

そもそもが乗りかかった船なのだ、そうなったら最後どんなに沈もうが結局浮き上がるのが“マーシレス”だし“マツダ・トウヤ”もそうかもしれない。

最終的に、もう深くは考えない事にした。

 

一先ずイワナミと一緒に都南小に行く、そしてカシワギ先生に伝えれば何かアクションは起こしてくれるはずだ…あの先生ならば望む事が出来る。

 

「まあ、俺も顔合わせに行こうかな?なんか…行方不明の件が伝わってたら、あれだよ。ご迷惑をお掛けしましたと…ね」

 

「そっか。多分、それがいいかも…」

 

「かもな、後それと…船にも乗りかかったし」

 

「…?」

 

「ああ、なんでも無ぇ。

ともかく一緒に行くか?行き先は同じな訳だし」

 

「うん」

 

ずっと河川敷で立ち話をしていた俺達は同じ方向へと歩き出した。

こんな言い方すると…なんかスポ魂的な感じするけどなんてことない、行き先が同じなだけだっていうね。何を言ってるんだろうか。

 

「というか都南小って、コッチ?」

 

「うん……!、いや、違った…」

 

「おいおいおい…」

 

流石に僅かながらに都南小の方向は覚えていたので、違和感を問うたら案の定と言う感じだった。

そしてさっきのスポ魂の言い回しで歩んだ道をまた引き返して正反対の方向へ進んだ…よく見りゃ都南小は遥か向こうにデカデカと見えるわけで。

 

昔はあの学校に行くのが憂鬱だった…いじめもあるけど、何より学校が山の上にあるせいでか、単純に上りがきつかった。

俺は登校区画的に裏門から入っていたが、その裏門前の道路に――――あー、丸いポチポチみたいの…ええと、アレの正式名称が思い出せない。アレだよ、坂のキツイ車道とかにある車の滑り止め用の凹凸。とりあえずアレが裏門前にあるって事でどれだけキツイ道なのかを分かって欲しい。

50m走が9秒でやっとだった俺の身体能力であの坂道を上るのは地獄だった、一応正門に回り込めばそこそこ平らな道を行けるのだが、それだと今度はバカみたいに時間がかかる。朝学活には間に合うのだが、遅れてくると今度はクソ野郎共の下らないトラップに引っかかる訳だ…ほら、黒板消しのやつとかさ。中学は本当に目と鼻の先に正門があったから本当に楽だった…クソは相変わらずクソだったけどな。

 

まあ…本当に昔の話なんだがな、ごく一般的な年月からしても…肉体的、精神的年月からしても。

 

 

小中学校の思い出をこうして思い出す内、生活の循環にあったものを一つ一つ確認していった。

その中の一つがネット漫画とネット小説だ、中学時代にスマホを与えられて以来欠かさずに更新内容をチェックしていた。

 

当時面白くて見ていたやつが全部今も面白いと感じれるかと言われれば、正直そんな事は無い。今見て見れば「何が面白かったんだ」と頭傾げるような物もある。逆に昔はスルーしてた作品を拾ってみると、意外とイケる事に気が付いたりもする。理解力や知識が追い付いてきたんだな…って。

 

 

「…!。

ねえ、そのサイト…」

 

「えっ…あ」

 

しまった。

中学時代から自分のスマホ画面を見られないよう人一倍気を使ってた俺が…まあ仕方ない。

 

「マツダ君も見てたんだ」

 

「うん、まあ。

…やっぱりイワナミも見てたのねコレ」

 

「う、うん…今は他の小説サイトも使ってるけれど」

 

「マジかぁ…。

――――所でよ、実は自作を投稿しようとか、それかもうしてたりとかしてない?」

 

「え、えぇえ!?

し、してない、よ…」

 

あ、これしてるんだな…まあいいや。

 

「まあ、そりゃそうよな。

実はさ…俺、昔やろうとしててさ、でもやっぱり思いつかないんだよなぁって」

 

「うん…そうだよね。

難しいもん、物語を作るの」

 

「そそ…あ、でも一つ思いついたわ。

評価が大体スクロールした先の方に偏ってて、尚且つ自称評論家気取りの小説のなんたるかを分かってる風吹かして、ただただ他人に毒吐きたいだけな結局素人のよく分からん誰かにコメント欄で上から目線でボロクソに叩かれるくらいの奴」

 

「えらく具体的…」

 

「でもそんな奴いっぱい居たろ?

――――で、内容はというと、先ず主人公が突然ヤクザに敵対組織の構成員と間違われて後頭部から殴られて瀕死になるんだ」

 

一瞬、イワナミの表情からサーッと血の気が引いた。

…そりゃそうだ。俺が行方不明になったある程度の経緯は既にニュースで流れている。

 

「そしたら放置された半分死体のソイツをショッカーが拾ってカマドウマ怪人にしちまうんだ、そしたら実験の為にそんじょそこらの異世界にゲート繋いでポイ捨てするワケ。

…そしたら主人公、記憶喪失で化け物になって大暴れするってストーリー。

――――――――盛りすぎかな?」

 

「う…う、うん。

盛り過ぎなのもそうだけど…ネタもB級映画を意識し過ぎかなーって。書きたいだけならともかく、評価されたいってなると…あまり多くの人には刺さらない気がする」

まあ実際刺さらなかったがな!ガハハハ

「それもそうか…」

 

今のネタはリアルだったら色々驚きだろうが、創作としては三流もいい所だ…自称評論家じゃ無くたってこんなのツバ吐きたくなる。

 

 

「…なんか、想像以上に喋っちゃったな。

俺らそんな関わりあったっけ?」

 

「うん…委員会の時以来かな、こんなにマツダ君と話したの」

 

「あん時もあん時で事務連絡ばっかだったしよ。

――――あ、やべ、もう都南小。どうしようドキドキしてきた」

 

「やっぱり久しぶりだと緊張するの?」

 

「それもあっけど、さっき言えなかったけど…実は早めにソリティアしてワンタンエグゾディアしなきゃいけない事情を抱えてまして…」

 

「よく分からないけど…強欲の壺なら1枚、弟が持ってるよ」「いや本当に遊戯王するんじゃなくて…」

 

まさかネタの方に食いついてくる女だとは思わなかった…もしかしてコイツ、もうちょっと仲良く出来たんじゃねえだろうか?

 

 

 

まあそんな事はこの際どうでもいい。

運のいい事に、すぐ目の前をカシワギ先生が歩いていた。

 

「おーい、お久しぶりでーす!」

 




1年か2年かくらいかけて書いた…。


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【ナニカサレタ男シリーズ】マーシレスのMWⅡずんだもん実況

まさか世紀末ダイバーズの経験が生きるとはな…。

 ・一応解説
地の文→ずんだもんの実況 
【】→添付された画像や効果音・映像素材の説明(ミーム含)
()→動画内のテロップ・字幕等 
「」→その他登場人物のセリフ
『』→アニメ・ドラマ等の音声素材




あ、今回の話は本編の小ネタで使うための下準備みたいなものです。
内容は、まあ…マーシィがある並行世界での息抜き中に気まぐれで投稿した動画の文字起こしというかなんというか。



 

【立ち絵:ずんだもん】

 

始めまして、僕の名前はすんだもんなのだ。

 

…何?もうずんだもん実況者なんて腐る程いるから知っている?挨拶なんか要らない?うるせぇのだ、このチャンネルでは初のずんだもんなのだ、黙ってはじめましてを受け入れろなのだ。

【ずんだもん表情差分:笑(影)】

 

今日はこの僕がこの新作CoD、MWⅡをやっていくのだ。

FPSなんか今までバトルフィールドVとかR6Sとかしかやって来なかったけど、CoDなんてカジュアルなシューティング僕には楽勝すぎるのだ――――。

 

 

あッ。

(1デス)

【屁の音】

 

…まあ今のは何かの間違いでギャン!

(2デス)

【ファッキンミャーオ】

【HGモデルのギャン】

 

何なのだこのクソマップぅうううううううッ!?⤴

(3デス)

【ずんだもん立ち絵:↑に移動(画面外まで)、回転】

 

あぁあッ。

(4デス)

 

のわッ

(5デス)

 

うわぁああああああ!

(7デス)

 

 

 

…もう許さねぇのだ。

【ずんだもん表情差分:怒】

 

という訳で武器をLOOKWOOD MK2からBRYSON 800に換えて来たのだ。

おまけにシールドも背負い亀ショットもんになった僕に死角など無いのだ。

 

この高速道路マップは序盤のセムテックス雪合戦を生き残れば爆死の可能性はうんと低くなるから、そうなってからが本番のステージなのだ。おまけに中央道は入り組み過ぎる割に車の窓とかで思いのほか視界が通るので、立って走ったヤツが最初に馬鹿を見る設計なのだ。

だからある程度潜り込めたらしゃがんでスニーキングするのが安定コースなのだ。

 

…とか何とか言っていたら早速UAVが溜まったのだ、ぽちっと。

あ、このバスの上に二人いるのだ。

 

 

――――よく見りゃこいつ等、僕をスナイプしたヤツとJORKで吹っ飛ばしたクソ野郎なのだ。

僕はショットマンも暴言厨も煽り厨も大好きなのだ…でも相手チームでSRを使う奴と芋だけは絶対に許さないのだ、やつらは煽られて当然の野郎共なのだ。

 

とりあえず砂持ちはサクッと殺して…JORK使いはとどめの一撃で丁寧に殺してやるのだ。

 

 

――――天誅なのだ。

これに懲りたらJORK芋なんざ2度とするんじゃねぇのだ。因みに僕の目の前でワンショ系MRを持ち出す奴も同罪なのだ。

【SP-R 208】

【SA-B 50】

【ずんだもん表情差分:素(影)】

 

さて、用が済んだらこんな所に長居をする意味も無いのだ。

いくらライフルバレルにチョークを付けたBRYSON 800とは言え、ロングレンジでARと撃ち合うなんてまっぴらごめんなのだ。

 

どうやらまだリス地は反転していない様なので、このまま裏取りに映るのだ。

…あ、お前さっきの砂なのだ。死ねなのだ。よく見りゃコイツ、盾とストック付X12とかいう面白い組み合わせ使ってるのだ。僕も後で使ってみるのだ。

 

 

足音からして恐らく2人ぐらい来てるのだ。

実は僕、このゲームの貫通の仕様を把握していないタイプのずんだもんだから連キルできるか不安なのだ。

 

一先ず来る方向は限られているのだ。そうなればしゃがみ角町以外ありえないってキアヌ・リーヴスも言ってたのだ。さて先ずこの先頭のMX9持ちを見逃して…二人目が僕の目の前を通過して所で飛び出sあれ?これ足音的に後ろから3人目が来てグフッ!?

【HGグフカスタム】

 

(ドドドドドドドドド・・・)

【怒マーク(マーシィをキルしたプレイヤーに合わせて)】

【海外のガチギレキッズ音声】

 

 

…さっきのJORK野郎、とうとう死体撃ちまでしやがったのだ。

よし、戦争なのだ。

 

 

(1分後…)

【屁の音 連続】

【イェイッ! 連続】

 

 

 

 

 

…さて、バレンタインのお返しも済んだもん所で次の試合に入るのだ。

 

この試合からは念のため手元映像も付随しておくのだ。

【左上:手元映像のワイプ】

知り合いにさっきの動画を見せたら「なんかチーターくさい」とか言われたので心配になっただけなのだ。

 

ステージは皆大好き地獄のシップメント、武器はX12なのだ。

カスタムでストックを付けたからマズルジャンプで照準が見えなくなる問題を大体克服した最高最善のハンドガンなのだ。

ついでにメインに盾も装備したからこれは所謂亀ハンドもんなのだ。

 

…盾が金迷彩なのは気にしないでほしいのだ。

 

そして相変わらずJORKはいるけど、正直ここのJORK芋は掘りやすいから許すのだ。流石にキメ撃ちJORKとかされたら糞ウザイけど…見るからにそんな手練れの芋は居なさそうなので気にせず凸るのだ。

 

 

さて、ここから僕の超すぅぱぁぷれいが炸裂してヘリガンナーまでの連キルが続くのだ。

どうせ単独実況じゃクソデス以外実況し辛いから、何か別の話題にでも移るのだ。

 

――――なんも話題が思いつかないのだ

【ずんだもん表情差分:焦】

 

【ずんだもん表情差分:素】

【電球アイコン】

 

そういえば今殺した奴が背負ってたJORKみたいな名前のヤツとか鎧の巨人継承者みたいな名前のヤツとかがサムネ文通(笑)で、オブジェクトルールのマナーとかで議論というか吠え合ってたけど、そんなくっだらん事してるならこの僕の様にチーデス懲役を受けてる方がずーーーっと建設的なのだ。

【ずんだもん表情差分:ドヤ】

 

 

ん?なんか通知がやたら来ているのだ。

【いらすとや:スマホ(ずんだもんの手の近く)】

 

 

 

【背景:炎上】

【効果音:焚火】

【アイコン:燃えてる青い鳥】

【ずんだもん表情差分:泣(青褪)】

【立ち絵:振動】

 

 

 

 

キ、キヲトリナオシテジッキョウニモドルノダ。

丁度ヘリガンナーも出たのだ。シップメントは屋根のある場所がかなり限られるし、屋根のある場所も爆風が比較的届きやすいからヘリガンがよく通るのだ。

 

でも体感的にシップメントはストリーク撃墜率がやたら高いのでステージの四隅には注意なのだ。

ハイドラロケットも大体そこら辺に撃ち込むと対空意識の高い敵を狩り続けられるのだ。

 

 

というか他の真ん中とかはどうせ味方が対処しているから寧ろ狙う必要もないのだ。

…そう思ってたけど、今回見方がポンのコツ過ぎて大体撃ち負けてるし、真ん中にも居ないのだ。お陰で僕の頑張りも空しく点数差はたった5点なのだ。

【ずんだもん表情差分:素(影)】

 

…まあ実際の所は敵にバリクソ有能な猛者が2人もいたのが原因らしいのだ。特に敵のトップスコアは編集中にキルログを見返してみると高頻度でデザートイーグルのHSを量産していたのだ。

 

ぶっちゃけ僕よりチーターくさいけど、これCSでしかもクロスプレイもオフだからそうそうチーターなんて居ないのだ…とか思ってたけど、見返して見たら何故かバリバリにクロスプレイ設定になってたのだ。これだからアクティビジョンは。

【ずんだもん表情差分:苦笑】

 

 

とか何とか言ってたらヘリガン終了したのだ。

気が付けば僕たちは後2点――――今誰かが1キルして残り1点になったのだ。

 

ヘリガンで暴れておいて贅沢だけど、やはりファイナルキルは僕にこそ相応し――――あ、ちょ、いきなり出て来るななのだ!!!

【ずんだもん表情差分:焦】

 

 

…殺せたけど、最後の最後でクソエイム晒したのだ。

【ずんだもん表情差分:泣】

しかもファイナルキルだからマッチ中にこの醜態をバラされるとか本当にクソすぎるのだ。

ま、動画投稿してる時点でバラされるもクソも無いから正直そこまでって所なのだ。

 

 

最期は締まらなかったけど、ここまで見てくれてありがとうなのだ。

もしこの動画がそこそこ伸びたら…あ、あんまり伸びたら先の発言がご本人にバレそうなのでそこそこでいいのだ。という訳でまたね、なのだ。

 

 

 

 

 

 

 




マーシィ、絶対オブジェクトルールとか「ややこしい」とか言ってチーデスしかしない。



最近サムネ文通してんのかな、あの辺りのCoD実況者…もうJ氏かRush辺りしか見てないから分かんねーや。




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【ナニカサレタ男シリーズ】マンネリを迎えた男の悩み

ネタに新鮮さがないけど許して丁髷。
1日遅れも許すでごわす


 

  ~ある異なった時間軸の話…~

 

2の月24の日。

この日マーシレスは、呻きながら部屋の隅から隅を延々と歩き続けていた。

 

突然響いたノックにも気が付かずに。

 

「トウヤー、おーい、トウヤ?居るのか?

鍵…開いて――――うわっ!?居るなら返事しろ馬鹿!何やってんだお前」

 

「悩み過ぎて…家を右回りする以外にやる事がない」

 

「んな。

何そんな悩んでるんだよ」

 

別に悩まない男とかそういう訳でも無いし、何なら人生の半分以上を悩むのに費やしてる男だが、そんなマーシレスの――それも無意味にリビングを周回する程の――悩み、それは…。

 

 

「ベルカの誕生日」

 

かなり重大案件だった。

 

「あっ、そうだ…俺もどうしよう」

 

そしてシームレスに悩みに共鳴するジン。

 

「なんかもう、外食とかどうだ?」

 

「そういうのマンネリ過ぎてなんか…って感じがな」

 

「いやいやマンネリでいいんだよ、そう言うのは。

誰かの誕生日だけ、何処の店に行くー…とか、何を食べるー…とか。そういう習慣があってこその家族だろ」

 

「うん、そうだけどさ、親父。

…出来ればね?今年…いや、去年か。去年の俺の誕生日と同じくらいのインパクトにはしたいんよ」

 

「何、してくれたんだ?ベルカちゃん」

 

「一応発案と主導はスミカ。

むしろアレはアイツじゃねーと出来ん」

 

「いや本当に何をしたんだ?」

 

 

クソデカスリットのチャイナドレスで接待ディナー

 

…この一言の後、ジンは文字通りに目をぱちくりさせた。

 

「…悪い、耳がイカれたらしい。

もう一回」

 

クソデカスリットのチャイナドレスで接待ディナー

 

「…え?」

 

「クソデカスリ…――――」

 

もういい!もういい、もういい…

え?何、クソデカスリットって」

 

想像はついているものの、一応聞いておきたいジン…もしかするともう少し健全なものである可能性を…。

 

「鼠径部の線が見える程のスリットの。

更に言うと黒サイハイと黒長手袋のオプションまで付いてた」

 

「うん、しまった、想像通りだどうしよう」

 

そんな可能性など最初から存在しなかった。

 

 

「んで、スリットは…片側?」

 

「いや両側にスリット…もう前掛けみたいな感じになる奴」

 

「お、おう…」

 

「AI絵師が高確率でキャラクターに着させてるタイプのやつ」

 

「いやそれはしらん」

 

近年のSNS事情には当然だが詳しくない男、ジン。

 

「一瞬穿いてないかと思った」

 

「は…穿いてたのか?」

 

「見たけど、ベルカは履いてた…すごいのを。

スミカは知らん、見てない」

 

スミカちゃんもやったのか…いや、やるか

 

見てたら色々大問題である。

 

 

「…本当に、どうしような。

夢…叶っちゃったじゃんトウヤ」

 

「夢でもねぇよ…夢にも見て無かったから。

――――これで俺らは普通に誕生日パーティとか絶対許されないと思うんですよ親父」

 

「そうだな、そりゃ許されないな」

 

性癖ドストレートのお祝いをしてくれたのはそれで良い、とても良い。

しかしそれのお返し、ともなると途端に人生最大の試練と化す。

 

 

「…実を言うと俺、今でもアイツの性癖がよく分からん」

 

「待て待て、こっちも性癖で勝負する必要はない」

 

「ヤる時もいっつも俺の方に主導権持たせてくれるし…」

 

「お前さ、まさかだけど無意識的にベルカちゃん良い様に扱ってねぇよな?」

 

「やめろよマジで自分でも気にしてんだから。

…にしたってアイツ、今でも自分出すのが苦手ってのもある」

 

「だよなぁ…どうも人に合わせてる方が楽そうな子だもんなぁ…お前と一緒で」

 

マーシレスは自身の父親を睨みつけ、何か言いたげに口をもごもごと動かした。

 

 

まあそんな事は兎も角として二人は一刻も早くベルカへの誕生日パーティの案を出さねばならない。

…その時、ジンが「あっ」と、何かに気が付いたように顔を上げた。

 

「お前…どっちにしろベルカちゃんの誕生日はお前のより先に来るだろ?」

 

「ん、ああ…そうだけど」

 

「去年のベルカちゃん、誕生日に何してあげたんだ?

お前の事だ…何もしなかったってこたぁねえだろ」

 

「…当日、果物をさ、自前で経営してる農場からかき集めたんだよ。バリ新鮮なの。

それと加工済みフルーツをその場でカットしてフルーツパフェっぽくしてみたんよ」

 

それ初耳だけど、なんか8部東方家みたいな事してんのな。

んで、それはどうしてだ?」

 

「いや、王女様から昔、ベルカが甘いもの大好きって聞いたから。

――――あぁ」

 

マーシレスも漸く、彼の意図を理解したようだ。

 

「多分だけどな…お前がやったそれ、ベルカちゃんには凄く嬉しい事…だったんだと思うぞ。

だから…うん、その、提案したのはスミカちゃんらしいが…きっと彼女もそれだけの“お返し”をしたいと思ったんだろ。

ノーパンしゃぶしゃぶをさ…」

 

違うから。そこまで違いは無いけど違うから。

でも…そう、なのか?」

 

「いや俺もこの推測にそこまで自信ない。

トウヤこそどうなんだ、俺より長いだろ」

 

「…多分、そんな気がする。

それならそれで丁度いい、今丁度日本からちょろまかしたシャインマスカットが…――――すまん今の忘れて。兎も角シャインマスカットが育ってるんだよ」

 

「本当に丁度いいな。

――――それとあんまり責めないけどさ、程々にしろよそういう違法行為」

 

「まあ程々にしておく。

…ベルカ、盗品を食べるっての地雷っぽいし」

 

「あぁ…そうだったな。黙ってろよ?」

 

「うん。

じゃあ…ちょっと急ぐわ。ゲートあっても若干間に合わなそうだし」

 

「分かった。

俺も自分で何かそれっぽいの用意しておくぜ」

 

「七面鳥よろしく」

 

「売ってるのか?」「売ってる。んじゃ」

 

こうして後日、ベルカの誕生会は成功を収めたそうで。

 

 

 

 

 

「しっかし…結局の所はやっぱり、誕生日ってのはある意味マンネリが一番いい気がするな」

 

「何?親父、生足どころか尻までチラ見えするチャイナドレスでの接待をウチの文化にしようっての?」

 

「そうじゃねぇよ…。

こういう、さ。祝われる側が一番喜ぶような感じの…」

 

「やっぱりクソデカスリットチャイナドレス恒例化しようとしてんじゃん」

 

「だから違えって」

 

 

 

 おわれ

 

 




何?どうせクソデカスリットチャイナドレスがやりたかっただけだろ、って?
…全部N○sanが悪い。


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【オバ父】ナザリック第■階層・特殊領域「アイン寿司」

本当は本編終了後にやるネタだったけど、我慢できずにやりました。
一応半分くらい本編とはパラレルワールド設定です。






あと最初に言っとく。
――――深く考えるな、設定とか、キャラクター像とか、すべて忘れろ…無意味だ。


その日デミウルゴスは困惑していた。

至高の御方によって作られたナザリック地下大墳墓…そのとある階層にある、謎の扉と看板。

わたしはだれだったの?

どの領域守護者にもそれが何なのかを知らされず、ただ無地かつ白紙のそれらが何時もそこにあった。

だが――――今は様子が違う。

わからないの…ニモエルよりもずっと前のわたしが

「えっと…【アイン寿司】?

一体…」

でも少しだけ覚えてる…“声に出したその希望を、真実に変えようってんだ”そう言った誰かを

なんか、知らんけど、寿司屋さんに、なってました。

 

 

…いや本当に何故ナザリックに寿司屋が出来ているのか、別に異業種に食事はどうとかそもそもローフィッシュを食べる文化がどうとか、それ以前の問題として…何故あの謎の一角が、今になって“寿司屋”などになっているのか。

私の祈りは価値を作ったのかしら?

鬼才デミウルゴスにさえ何も分からなかったが…彼もまた守護者が一人、怪しいモノを見過ごすわけには行かなかった。

今も剣は吠えている?

「ッ…(確かめる必要が、ありますね…!)」

何言ってるのかしら、私

悪魔である彼ですら“魔の領域”と感じるその先へ、意を決して踏み込んだ。

 

 

――――中はやはり寿司屋だった。

最早何処をどう切り取っても寿司屋、もうあの木造建築的な感じの寿司屋。寿司屋オブ寿司屋だ…。

皆変わってしまった、※※※の皆…あの時の面影はあるけれど

いやまぁ、寿司屋と書いてあるのに中身が喫茶店だったらそれはそれで困る。しかし現状デミウルゴスを一番困らせているのは間違いなくアレだ。

どうしてそう感じるの?

誰も教えてくれない

「あ、あの…アインズ様?ランドナ様?」

お父さんへの淡い気持ちだってそう…まだ言葉には出来ないけれど、何かおかしいわ

板前姿で立ち尽くし、彼を見つめている我らがアインズ様及び4児のパパことランドナ。

二人は息を揃え、こう叫んだ。

 

 

「「寿司食いねぇ!」」

 

え、あの…え?」

 

流石のデミウルゴスも、これには大混乱…彼は普段から『至高の御方々は自分の考えが及ぶような領域になど居ない』と考えてはいた、が…これに至っては意味すら分からない。普段なら自分が思いもしなかった作戦(そんなものは実際ない)を遠巻きに示されては直ぐにその意味や有効性(そんなものも無い)を理解出来ていた。

 

 

――――だが、この…えぇと、この寿司屋は一体何なのだ?

 

「あの…アインズ様?ランドナ様?

私めの頭では考えが至らぬ故、無礼を承知ではありますが質問を――――」

 

「あーい質問一丁!」

 

「板長!質問一丁!」

 

え、え、えぇ…

 

質問一つでこの反応はオーバー過ぎる。

いくら(寿司ネタに非ず)アインズの種族がオーバーロードだからと言えども、限度があるのでは?別に彼がそんな事を考えていたわけではないが、正直私はそんな下らない事を思いついていた。今回全体的にこんなノリなのでブラウザバックは今の内だ。

 

 

…というか、板長とは?

そんな疑問を抱えたデミウルゴスの左鼓膜に「勝手にやっといて―」という声が囁いた。

 

「(この声は…ランドナ様のご息女の、デルモゲニー様?)あの、一体これはどういう…」

 

「あぁ、デミウルゴス…君が困惑するのも分かるよ。

だから…先ず大切な事を言わせてもらう」

あの人との試みは決して成功とは言えなかった

「ッ…はい」

それでも私達の“現実”を諦めるわけには行かなかった

やはり至高の方々が無駄な事をする等あり得なかった…と彼は自分の懐疑を恥じたその矢先――――

 

ぶっちゃけこれ突発的な思いつきが発端のトンチキだから、特に意味は無い

あの人は今までに見たことないくらい、泣きじゃくった顔で謝った

はい?

自信満々でやっておいて…って。相も変わらずクソみたいな人間だ…って。

デミウルゴス、再び…いや三度?困惑。

最早語るまい。

私は言った…“それでも、己で明日を切り開く未来があるなら…私達は幸福よ”と。

「その、だな…デミウルゴスよ。

私とランドナさんが宝物殿より引っ張り出した、この【召喚モンスター合成キット】なるアイテム(ガチャ限定)の運用試験を行っていた時の事だ」

 

「はい。確かそれは獣王メコン川様がご入手なされたアイテムでしたね?」

 

「ご名答。

よく覚えているね、デミウルゴス」

皆も頷いていた。

「その時近くにいたもので。

――――しかしそれが、今回の…この…寿司屋?と一体何の関係が」

皆で赦した…いいえ、そもそも彼を憎む気持ちなんて無かった。誰も

相変わらず困惑が解けない彼は主人たちの後方の壁…デミウルゴス視点で平面的に言えば彼らの頭上にある木製の札を眺めた。

右から順に【中とろ】【コハダ】【アジ】【アナゴ(CV:若本規夫)】【甘エビ】【しめさば】【スズキ】【ホタテ】【アワビ】【赤貝】【ミル貝】【カツオ】【カンパチ】【ウニ】【いくら】etcと並んでいる。

 

「あぁ、実はその運用試験で寿司を作れる事が判明したのだ…」

この世界は、護り斬れなかったモノばかり。

「????(何故…?)

それでも失うばかりじゃない。

これには今まで困惑させられる側のAoGリーダーと幻のナンバー42も一緒に困惑、誰が追い付けるってんだこんなもん!

 

「す、すみません…僭越ながら一度、私めにその【召喚モンスター合成キット】の実物を見せて頂いてよろしいでしょうか?」

 

「あ、あぁ…いいですよねランドナさん」

 

「そうっすね。

彼ならば何か分かるかもしれないですし」

 

ランドナはそのままデミウルゴスへと合成キットを手渡した、よく見ると彼の手は黒いゴム的な手袋をしており、YouTube shortの料理系YouTuberのような外見になっている。揚げ物の表面を包丁でザラザラしたらもう完璧である。

 

まあ疑惑があるとは言え腐乱死体が握ったスシなどもっての外であるし仕方がない。

 

 

手渡された直方体のそれをじっくり眺める彼は、しかし何処をどう見ても【合成】の悍ましい字以外に特徴的な部分は見当たらず、遂には苦し紛れの仮説しか思い浮かばずにいた。

 

「…やはり、どう見ても“なんの意味もなく、その場の悪ノリで寿司製造機能を付けた”としか。

ご期待に沿えず申し訳ございません、ランドナ様」

 

「いやいや、丁度僕らもその結論に達していたさ。

まぁ――――何はともあれ…だ」

 

ランドナパパは慣れた手つきでキットのアルコール消毒を済ませると、それを起動させて寿司を精製した。

 

「と言う訳で寿司食いねぇ!

「寿司食いねぇ!」

 

ネタは4つ…右から【いくら】【うに】【カンパチ】【カツオ】である。

つまり上の札を左から順に出していくつもりのようだ。

 

「因みにシャリは手前の桶で作った酢飯から出てるけど、ネタの方は裏で魚捌く練習してる板長が出してるよ」

 

この一言でデミウルゴスは悟った…多分この寿司屋の直接的な原因はデルモんであると。

 

「は、はぁ…本当に、こちらを食べてよろしいので?」

 

「「寿司食いねぇ!」」

 

「(成程、この調子で行かれるのですか)で、では…頂きます」

 

何はともあれ至高の御方より賜った物を粗末にするわけには行かないと、彼は先ず【いくら】から頂く事にした。

ぷち、ぷち…と、いくらの濃厚な中身が醤油と酢飯そして海苔と混じり、日本古来より存在する絶妙なハーモニーを――――え?生食の寿司は近代から?うるせぇ!細けぇ事ぁ気にすんじゃねぇ!そもそもそもワンチャン食事不可な種族が食事出来ている時点で無茶苦茶も良い所だろうが!

 

 

…まあ何はともあれ、寿司としてちゃんと美味しかった。

元貧困層暮らしだったアインズやランドナが知るような合成加工食の味ではない、ちゃんと天然もののいくらの味である。

 

だが一つ問題があった――――それは噛んだいくらが弾ける度に「ハーイ」とか「バーブー」とか明らかに人間の幼児のような声が響くのだ。

 

「こ、これは…」

 

現総理の検討のように困惑が加速するデミウルゴス…まさかと思い、板前二人の方を見る。

 

「え?何だこの音…」

 

「心なしかデミウルゴスの方から聞こえません?」

 

「…まさか、いくらが?」

 

いやお前らも分かってなかったんかい!………ごほん。

 

 

何はともあれ、この異常事態にランドナは疾風のような速さで厨房裏へと駆け込み、事情聴取を行っていた…そしてまた電撃のような俊足で表に戻ると、何か薄々と事実に気付いていそうな顔をしてデミウルゴスへと話しかけた。

 

「なあ、一度…カツオを食べてみてくれないか?」

 

「?、し、承知しました…」

 

ランドナに言われるまま、箸でカツオの寿司を口まで運び、そして咀嚼した。

味は確かにカツオそのもの――――いくらとは逆のフレッシュな味わいが濃ゆい醤油とよく合う、上品な味だ。

 

そしてカツオに秘められた異常とは…!

 

 

「…ノックバック強化Ⅳが付きました」

今も私達は自由と保護、どちらが愛なのかで迷っているけれど

「「何で?」」

…素晴らしいわ、明日があるって

謎のバフ効果に、やはり困惑する一同…だったが、咄嗟にアインズとランドナは“心当たり”へとたどり着いた。

 

「…ねえ、まさかこれって」

ねえ■■■■■、聞こえてるかしら?

「やはり…と言う奴です。

あの伝説の、2090年代から脚本がAIに切り替わった――――」

私達は今、ちゃんと幸せよ。

「ま、まさか…」

 

三人は出した結論は、奇しくも?すべて同一の物だった。

 

 

「「「伝説の、サ○エさん!?」」」

 

現実世界に疎い守護者にまで存在を知られる磯野一家とは一体。

――――それはともかく、このやり取りを皮切りに合成キット寿司の検証が始まった。

 

以下、そのダイジェストである。

何故ダイジェストか?それは主に私のやる気の限界が見えたから、文句あっかこの野郎。

 

 

 

「一先ず結果をこれにメモろう」

 

「えっと…何です?ランドナさん、この矢鱈大きな用紙は」

 

「あーそれ確か昔適当に紙に書いていたV2ロケットの設計図です」

 

「何てものを…」

 

 

 

 

 


 【うに】

 

「キャベツの味がします」

 

上記のデミウルゴスの発言で至高の二人は「あ、そう言う方向性もあるのか…」と苦笑いをした。


 

 

 

 

 


 【アナゴ】

 

「ぶるぁああああああッ!!」

 

「なんだこのモンスター!?」「なんか右手にエネルギーみたいなのチャージしてますよ!?」「二人とも危ないッ!【悪魔の諸相:豪魔の巨腕】!」

 

なんかドラ○ンボールの○ルみたいなモンスターが出現するや否や、暴れ始めたのでデミウルゴスが咄嗟に終了させた。

因みに後で再度このモンスターを召喚し、調査してみたらレベル1相当の糞モンスターだった…ごめんなさい鳥山先生。


 

 

 

 

 

 


 【スズキ】

 

「何、だと…!?」

 

「うわ、ものすごい懐かしさのあるモンゴロイド顔。

…というか何でスーパーキャリィの荷台にセニアカーが乗ってるのさ」

 

出て来たのは、上記の通り【スーパーキャリィの荷台に乗ったセニアカーに跨った20~30代の一般的モンゴロイドの男性』だった。

アインズは何か驚愕していたようだが、とりあえず実体は1分で消滅した。


 

 

 

 

 

 

 


 【アワビ】

 

[削除済み]

 

「忘れましょう…本当に忘れましょう」

 

「ゾンビ系モンスターだから腐ってる筈の脳味噌が余計腐りそうっした」

 

「…酷い惨劇でしたね」


 

 

 

 

 

 

 

 


 【タイ】

 

「何故か子持ちワカメまで付いてきたのですが…」

 

「ホレたんだね、きっと」


 

 

 

 

 

 

 

 


 【タクアン】

 

「歯に詰まりました…」

 

「「ヘイ!ようじ!」」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デミウルゴスお腹大丈夫か?」

 

「はい、何とも」

 

「…あ、そういえばマグロやって無かったな」

 

「そう言えばそうですねモモンガさん、マグロやりましょうか」

 

会話がどこか投げやりなのは二人もデミウルゴスも、そして執筆している私も若干疲れと飽きが見え始めている証拠である。

貴女に出会えてよかった…彼も、そう言っていたわ。彼である最後の瞬間に。

「はぁ…まさかこんなショボショボアイテムにぶん回されるハメになるとは」

 

「ネタ自体、もう誰も付いていけなさそうなのばっかりでしたね。

寿司だけに」

 

「(虚無感の強いシュールギャグを好むランドナ様は兎も角、アインズ様がしょうもないギャグを言い出すまでに疲弊しきっている…何と恐ろしいアイテムでしょうか…!)お二方、これを最後にしてはどうでしょう?これ以上の消耗は以降の職務に障ります」

 

「全くだ。

…それじゃマグロ、ご期待ください」「もう何も期待できません」

 

うなだれる3人はキットを動かした瞬間…まるでガチャの確定演出みたいな派手派手な光を放ち始めた。

あっやべぇ、これ絶対碌な事にならない――――そう誰もが確信した時、デミウルゴスの隣に3人分の眩い光を放つ人影が現れた。

 

 

 

…それはそれぞれイエロー、レッド、ブルーの服を着た謎のゾンビだった。

その3体は息を揃えて、大声で一言。

 

「「「寿司食いねぇ!!!!」」」

 

これだけ言い残して消滅した。

 

「解散」

 

最早げんなりし切っていたアインズの一言で「お疲れ様でしたー」と仕事あがりのリーマンのような挨拶をした後各自の持ち場へと颯爽と戻って行った。

…何を考えていたのかしら。

私までスキルの影響を受けるなんて。

不思議な事もあるのね。

その一部始終を見ていたニモエルは、ただくすりと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~翌日~

 

有る時アルベドがとある階層のとある一角を訪れると、妙な看板と扉があった。

 

「?、何かしら。

えぇっと…【ドナ田食堂】?」

 

そう書かれていた看板の横には、やたら下顎が強調され、三角巾を被ったランドナの顔面のデフォルメイラストがあった。

彼女はその一角の引力に誘われるように、扉の先へと足を運んだのだった。

 

 

…数時間後、アルベドの体重は2㎏増えた。

でも楽しいわね、コレ

 

 

 

 





言ったろ?深く考えない方がいいって。


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【DDLC全員救済ルート】閑話集

この前に投降したドキドキ文芸部の小説、その続きみたいな話です。
あちらでもそこはかとなく書いておりますが、このオリジナルルートではモニカとMC…にデジタル的憑依した謎のウザいプレイヤーが半タイムリープ物の物語を繰り広げる事になっております。

因みにプレイヤーの正体に何らかの察しがついてもコメント欄等で言及するのは禁止です(する人居るとも思えないが…)。
あのプレイヤーは、ただ無限の中の狭間で、ただ息抜きにDDLCの世界に立ち寄った、もう独り身の超絶暇人男…ただそれだけです。



それと完成度には相変わらず期待するな。


 

 【1、サヨリを待ちながら】

 

これは、ある時間軸での話。

 

この日のサヨリは、遅刻記録のレコード更新を果たしていた。

既に詩の交換は行われている…それでもまだ来ない。

 

 

…一応、過去の記憶がある“彼”とモニカはアイコンタクトで情報交換を行う。

主にどういったものかと言うと――――

 

(え、部長もうやっちゃった?スクリプト)

 

(いいえ…まだ何もしてないわ。恐らく只の寝坊…だと良いのだけれど)

 

――――といった感じのモノである。

 

 

「全く。朝寝坊は兎も角、部活にも来ないなんて…サヨリらしくも無いわね」

 

ナツキがやや苛立ち気味に愚痴を溢す。

…その直後に「そう言えば」と、跳ね上がる様に“彼”へと質問を投げかけた。

 

「あんた、いっつもサヨリと登校してるんでしょ?

何か知らないの?」

 

「いやぁ…今日ばっかりは俺も寝坊してなぁ。

――――前日、課題やって詩をどうにかヒリ出した後、徹夜でデッドスペースしてたんよ」

 

「あっそ。

…それとヒリ出す、って表現やめて。下品」

 

「俺から下品と攻撃性を抜き取ったらカスしか残らんぞ」

 

「アンタの場合そのカスで丁度良いくらいよ…一生友達出来ないわよ」

 

その一言で、突然「ひぃいッ…んぐうッ」と、彼が汚い泣き方を始める。

 

「小僧…それ以上は、何も言うな」

 

「はいはい再不斬再不斬」

 

「…ホントなんでジャンプ作品NARUTOだけ履修してんのよ貴公は」

 

「別に、人の自由でしょ?」「それもそうだ」

 

日常的に繰り返される、やや罵倒にも近いやり取りを終えた後“彼”は「ぬぁ”あ”~」と、また野太い………えっと、ため息と欠伸の混合物を吐き出す。

 

 

「本当に…【サヨリを待ちながら】ってか?

あーもーカフカじゃねぇんだからよ全く」

 

この一言に何か違和感を感じたのか、ユリが間髪入れずに「あの…」と、彼に問いかける。

 

「今の発言、もし【ゴドーを待ちながら】の事を言っているのならば、それはカフカでは無くベケットの作品です」

 

「…そマ?」

 

「はい。

戯曲【ゴドーを待ちながら】はアイルランドの劇作家サミュエル・ベケットが1952年に発行した作品で、当時はそのストーリー展開の異質さから悪評が目立ちましたが、公開から約5年後には20の言語に翻訳される程に――――」

 

しばらくユリの薀蓄が続くので中略させて頂く。

 

「――――それに、作品の結末は結局ゴドーが来ないというオチなので、少し不謹慎なようにも感じますが…。

[PlayerName]さん?」

 

「…ユリちー流石の知識量やんな…小説は兎も角、劇の知識もあるなんて」

 

「え、ええ…。

…実は私も、カフカの【変身】から不条理系にのめり込んでいた時期がありまして…」

 

「あー、やっぱり始めはカフカか。

…こんな事なら不条理なヤツは全部カフカって事でもいいだろ」

 

この男、さらっと色々インパクトの凄い発言を残したのだった。

 

「す、すごいこと言いますね…」

 

「んまぁ…これもモテるために重要な“隙”って奴ですよ。

すき、だけにね。ガハハ」

 

「…最早それ、隙というよりクレーターよ。

自分ではモテると思い込んでいて、その実一番嫌がられるタイプだわ」

 

「部長めちゃくちゃ刺すやんか…」

 

結局、サヨリの大遅刻は「体育館の用具入れでうたた寝しちゃった」のが原因だそうだ。

…因みに【ゴドーを待ちながら】は“自殺の失敗”で締めくくられる。

 

後半の元ネタ:【虐殺器官】より。

 

 

 

 

 

【2、文芸の優劣】

 

静寂を切り裂くように、突如“彼”が口を開いた。

 

「…『タイタンフォール2…全ロボット好き及びタイタンパイロットの聖典。それが何故素晴らしいのか、それは、5・15事件を日本の能に照らし合わせ、その本質を論じたところにある。能とは、戦国の武士たちがあらゆる芸能を蔑むなか、唯一認めてきた芸事だ。それは、幾多の芸能の本質が決定された物事を繰り返しうるという虚像にすぎないのに対し、能楽だけが、その公演をただ一度きりのも――――――――』」

 

「え、何何何?

[PlayerName]、どうしたの!?」

 

幼馴染の豹変ぶりに、サヨリがパニックを起こす。

 

「いや、攻殻機動隊のクゼってキャラいてな。

ソイツのセリフをプラットフォームにすれば、まるで特定の作品について造詣の深い話が出来ている様に見せかけられないか?って試みよ」

 

つまり、所謂「叙述トリック」と呼ばれるソレの、非常に単純かつ中身のない部類に位置する事を“彼”はやっていただけである。ある意味では「箇条書きマジック」にも通ずるが、彼のは最早共通点すら見出していない。

当然の話だが、FPSゲーム【タイタンフォール2】と犬養毅暗殺及びばら撒かれたビラで有名な【5・15事件】とは何の関係もないだろうし、特に深い繋がりも無い。

 

「また下らない事してるわねアンタ」

 

「なぁに言ってんだナツキィ、これも文章や言葉によって何かを成そうとしているから立派な文芸ゾ。

お前の「漫画だって文芸」だという意見を反映するとなれば、俺のこのネットスラング染みた言葉遊びも受け入れる事になるだろうよ…それに下る下らねぇを語るとすりゃ、そもそも小説も漫画も大した違いがねえだろ」

 

今のやや引っかかるような発言にムッとしたユリが“彼”を睨むが、それを承知の上だった彼は「ステイ、ユリ、ステイ」と彼女を宥める。

 

「そも、昭和初期…あたりだったか?いやもっと前…明治辺りだ。女子供がよむちゃんちゃらしたモンって認識が一般的だったようだ。国の将来を背負う男子が嗜む、或いは仕事とするような物じゃねえて…まあ、まあその前後の時期の日本じゃ、小説19世紀後期から20世紀初頭なんて日本含めてどこの国も男尊女卑だったからこんなもんだろ。

それがどうだ?今じゃその“小説は低俗だ”とされた時代の文学が、国語って学びの一環に取り入れられているわけなのよ。夏目漱石とか授業でも滅茶苦茶擦られたし、なんならセンター試験にも出たりするだろ?」

 

「どうしよう、妙に説得力があるのが腹立つわ…」

 

「一応聞いておくけれど、結局言いたいことは?」

 

「――――結局、時代ってワケさ。

時代がそうと決めれば三文芝居も高尚って事。今ロシアが何かと世間騒がせてんだろ?あの国も100年もしない程昔にゃ、なんとアメリカと一緒にチーム組んでたんだしよ。

ソレに選ばれなければ…また数十年待ちましょって。人間生きてりゃ最低6つの時代は経験するもんよ」

 

「何だか上手く纏められてしまったような…」

 

因みにこの時のモニカ、やはり元ディベート部として彼の言う事の欠点を見ぬふりは出来なかったが…ここは「今後の部活動の幅を広げてくれた(あるいはそのヒントを示してくれた)」と、一先ず穴だらけの男を見逃すことにした。

 

それに彼女らには…これからまだやる事がある。

 

 

 

 

 

 

【3、ギターソロ】

 

ある時彼はサヨリの前でギターの演奏をすることになった。

使用した楽器はフォークギター、曲名はメタルギアライジングより【RED SAN】だ。

 

尚、テンポの都合上全て演奏後の感想を綴らせていただく。

 

「――――ふぅ。

…これフォークで弾いたの初めてだわ」

 

「おー!

本当にギター弾けたんだねー!?」

 

「やっぱり信じて無かったのか…」

 

彼は拍手と共にかけられた賞賛の言葉に、しかし内容が内容なので溜息を吐きながら、とりあえず彼女の続く話を聞いた。

 

「うんうん、こんなに音楽が上手だなんて思わなかったんだ~。

もしかすると軽音部も行けたかもね、[PlayerName]

 

「かもな。

所で英語の歌だったが…歌詞の内容とか理解できたか?」

 

「いや、全く」

 

再び彼はため息を付く。

その歌詞の内容が肝心な活動だというのに。

 

「どういう歌詞だったの?」

 

「あ、あぁ…。

――――自然のままの空間に居る自分に幸せを感じて居る、みたいな内容さ。楽しい楽しい楽園の空には、真っ赤な太陽が昇り…」

 

「あ!だから【RED SAN】なんだね!」

 

「そう言う事だ。

そして歌詞の意訳の続きだが…その楽園にはあらゆる動物がいて、鷹や鷲は餌を求めて今日も飛び回り、蜥蜴が大地を駆け、そしてそれらの動物たちは鹿毛の動きに合わせて自らも移動する。

とはいえその楽園も何時かは機械の文明に飲み込まれて破壊されるかもしれないが、自分はこの楽園に吹く乾いた風を感じたまま戻りたくない…って感じだな。何あれ、自分の平和の中にいるんだ」

 

「へぇ~…いい歌だねー」

 

因みにこの意訳、そこまで嘘は言っていないが…語弊がたっぷり詰まっている。

そんな事実をサヨリはいざ知らず、譫言のように「いぃなぁ~」と言い放った…彼は歌詞の“本来の意味”と重ねて考えてしまい、一瞬ぎょっとした。

 

 

「な、何で…」

 

「それは、私もなりたいなぁって。

いつもいつも皆を照らせる【太陽】に…」

 

「今もそんなモンだろう」

 

彼の答えに…しかしサヨリは「うん…」と黙りこくって視線を落とし、表情を曇らせた。

 

「私の心にも、雨雲はあるよ…。

皆を幸せにしたいと思ってても、これじゃお日様とは無縁だよね」

 

「…。

俺はそうは思わん」

 

きっぱりと否定した彼の言葉に、信じられない事を聞いたようにサヨリが「え…?」と眼前の男を見つめ直す。

 

「知っているか?

雨雲が、自ら光を放つ方法を…」

 

「そんな事…」

 

できないよ、と言いかけた彼女の口を遮る様に…彼は上から下へと振り下ろすようなジェスチュアをして見せた。

 

「――――【雷】だよ」

 

「かみ、なり…?」

 

それはサヨリにとっては恐怖の象徴だった。

 

「ああ。

雷とは、雨の化身だ…あれは深い雨雲から生まれる」

 

「雨が…光に?」

 

「そうだ、どんなに地面見つめて歩いたって、お前はそのひた向きさで光を放つ事が出来て――――その光で輝ける“月”達がいる」

 

丁度ここにもな…と、彼は自分の身体(ボディ)を見た。

 

彼女と言う楽園が光を分かち(Heavens Divide)…例えそれが身を劫火で焼くような思いでも、その望みで各所から血潮が噴き出そうとも、全ての不和はたちまち癒えて行く。

 

それがまた、楽園(パラダイス)の上に昇る太陽(サン)ともなる…。

 

 

「…心配する事ぁない。

お前はどうであれ“光”――――【太陽】であり【雷】(ライジングサン)だ」

 

それが彼女へと手向けるのに適切であるかは分からなかった。

けれども、サヨリ自身の心を削った真心へと報いる何かは必要ではないのか…決して人の心への理解があるとは言えないこの男の、せめてもの“感謝”だった。

 

 

…ともあれ(彼が要因かは分からないが)サヨリの心は一応晴れたようだ。

 

「…まぁ、ライジングに雷の意味は無いがな」

 

「――――あ、そうだったんだ」

 

「うん。

昨日ググったら無かったんだわ、全くこんなんだからお互い英語の補修受けるんだわな」

 

「えっへへ…二人して20点下回っちゃったね」

 

「うるっせ。

俺にとって英語なんてFコードの発音が完璧だったらそれでいいんだって」

 

「それ絶対よくないよ~!」

 

「おう、そうだな。

全くもって不健康――――だがしかーし!ぶっちゃけ生きてくうえでそんな不健康などその場のノリでなんとか、ぬぁーる!」

 

「うわーん!

[PlayerName]がどんどんダメ人間になっていく~!」

 

「さっきの演説がダメ人間のするものと思えるかってんだ!」

 

散々“それ”らしい言葉を吐き出した()()()()()()()からか、彼の言葉は発言される度に砕けていく。

二人はこの男の言葉が砕け切り、砂はおろか霧のように重みの無いものになるまで喋り倒したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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【オバ父】41+1。魂のファニーモーメント

タイトル通りだよ。


 

 

 


 【1、ムカデ人間】

 

モモンガ

「何だこの洞窟、入り口小さッ!?

四つん這いにならなきゃ通れないだろ…」

 

たっち・みー

「しかもここ、パーティでの攻略時に【味方との距離が一定間隔空くと、3秒に1回「最大HPの100分の一」継続ダメージ】とか言う、訳の分からない制約がありますよ」

 

死獣天朱雀

「馬鹿なんじゃないですかね、運営」

 

ペロロンチーノ

「それはそう」

 

ランドナ

「運営のイカれは今に始まった話じゃありません。

ついでに【同じところに一定時間留まると、強制毒状態付与】もあるので、さっさと抜けましょう」

 

ウルベルト

「それもそうだ」

 

 ――ヨツンヴァイン隊列、編成!――

 

モモンガ

「…」

 

ウルベルト

「………」

 

ランドナ

「なんかこう、四つん這いで盾に密着すると【ムカデ人間】みたいですね」

 

たっち・みー

「あの、ランドナさん。

せっかく飲み込んだ言葉、吐き出すのやめてくれません?」

 

ペロロンチーノ

「まあ誰かが口にしなければ逆に気持ち悪かったですよ。

それよりモモンガさん?俺の後ろ――――ちょっとコレ使ってくれません?」

 

モモンガ

「?(音声記録アイテム?)。

一体何が――――」

 

 [でっかい屁のSE]ブッフォォォ!

 

全員

「「「「「「………wwwwwwwwwww」」」」」」

 

ウルベルト

「て、てめぇ……w」

 

死獣天朱雀

「最悪だ…www」

 

たっち・みー

「く、くるし……w」

 

モモンガ

「くっそ…w

なんでこんな時に茶釜さんいないんだ……w」

 

ランドナ

「モモンガさん、そこは「くっそ」ではなく「くっさ」では?ww」

 

ペロロンチーノ

「しゃらくせぇwwww」

 

次はエレベーターでやれ。


 

 

 

 

 

 


 【2、誤射】

 

アプデ追加の中レベルダンジョン攻略中。

正直、数多いだけで張り合いがなくて、クッソ作業。

手抜いても勝てる。

 

ぶくぶく茶釜

「うっわ…雑魚の追加来ちゃった…一応ランドナさん、援護射撃お願い」

 

ランドナ

ゴーッシャッシャッシャッシャ!

もう射線管理とか関係ねぇ!お前ら全員纏めて撃つでゴバク!ゴシャシャシャ!」

 

やまいこ

「あ、ランドナさん壊れた」

 

モモンガ

「“誤爆”を“ごわす”みたいに使う人、始めて見た」

 

弐式炎雷

「というかユグドラシル、FF無くないっすか?」

 

ランドナ

「………あ」

 

建御雷

「素で忘れてたっぽいぞコレ」

 

ランドナ

「………。

――――ジーバッバッバッバ!

 

ぶくぶく茶釜

誤射がダメなら自爆ってか!?

 

ランドナ

「何故バレた」

 

建御雷

「バレるわ!」

 

この後、ランドナ、敵集団に向かい自爆決行。

戦果上々…雑魚モブ全員を一網打尽にした。

本人はスキル【ラストスタンド】で若干命からがら生還した。


 

 

 

 


 【3、動物園】

 

ランドナ

「…昔話をしてあげる」

 

弐式炎雷

「唐突なマグノリア・カーチス」

 

ペロロンチーノ

「ちなみにどれくらい昔?」

 

ランドナ

「半年前」

 

ガーネット

「無茶苦茶最近じゃねーか!ww」

 

ランドナ

「あれは…バルダブで遊んでいた時の事だった」

 

ぶくぶく茶釜

「え、なんだっけそれ」

 

タブラ・スマラグディナ

「ベトナム戦争のシューティングですね。

ランドナさんが昔からやってる」

 

ランドナ

「そこでね、僕ぁね、いつもどぉぉぉり、ね?

ショットガンで荒らして訳ですよ…スラムフォレスト」

 

ペロロンチーノ

「そしてやはり唐突な稲川淳二風」※「風」なのがミソ

 

モモンガ

「あ、そのステージは知ってます。

ショットガンが滅茶苦茶強い所だ」

 

ガーネット

「所謂【地下鉄・ロッカー】の類です」

 

ランドナ

「そしたらね…聞こえてくるんですよ。

なにが?って、猿の声が…ウキョーwwwって、ッホッホッホwwwwって」

 

弐式炎雷

「あーやばい、オチ読めた」

 

[録音再生]

 『ナイス~ウキョーッホッホッホッホッホッホッホwwwwwwwイージーイージーwwwwwwシャッタンファッカッシャッタッファッカwwwwファアアアアアアッキュウーーーーwwwwwwユーアーエーイブ、ンキョーッホッホhッホッホwwwwwwファッキンスレーイブwwwwwwファーーーッキーーーーーンwwwwwンホォォォォォォイッチャウノォォォォォイクイクイクwwwwwwキモチェーーーーーーーーーwwwwwwアレ?wwwwwwwダマッチャッタ?wwwwwwクヤシーノークヤシーノーwwwwwwズゴォオオオオオンwwwwwwwプッシィwwwwwキャンチャンチュンチェンチョンチャンwwwwwwwビンチリンwwwwwwビンチリンwwwwwビンチリンwwwwwwwファッキューファッキュービッチwwwwwwwサノバビッチwwwwwwwイージーブロイージーブロイージーブロwwwwwwンホンホンホンホンホwwwwwwキョエーーーーwwwww』

 

タブラ・スマラグディナ

「…え?

それ、マジ?」

 

ランドナ

「マジです。

あのゲーム動物園です」

 

モモンガ

「う、うわぁ――――というか、そのマジックアイテムは一体」

 

ランドナ

「あぁこれ…俺が長話すると勝手に録音音声を流す自作アイテムです。

作成が予想外にも半年かかりました」

 

ガーネット

「なんでそんなのに半年かけちゃうんですか…(戦慄)」

 

半分作者の実体験(CoDで遭遇)。

滅茶苦茶シャッガンエイブ言われた。


 

 

 

 

 

 


 【4、模擬戦の裏側】

27話最初の「いつかの記憶」相手チーム側の視点

 

ペロロンチーノ

「なあ、姉貴。

俺気付いたんだけどさ…これ、下手したら俺達がコテンパンにされね?」

 

ぶくぶく茶釜

「今更気が付いたか、愚弟」

 

ウルベルト

「寧ろ何で余裕だと思ったし」

 

ペロロンチーノ

「いや、さあ。

ヘロヘロさん相手なら無茶苦茶アド取れてるし、モモンガさんも結構手の内が分かるから、そこに目が行っちゃって…」

 

ぶくぶく茶釜

「そこを差し引いたって、相手は弐式さんとドナさんの火力コンビぞ!?

私でも最悪消し飛ぶから!」

 

ウルベルト

「なんなら防御力の無い俺かペロロンチーノさんが【運命の絆(ドミノネクサス)】される事で更にどえらい事に…」

 

ペロロンチーノ

「そう言う事か…。

…もっと引かね?俺ら」

 

ぶくぶく茶釜

「機動力で勝てればな」

 

ペロロンチーノ

「んじゃ、距離アドある内に、俺が無差別爆撃」

 

ウルベルト

「バ火力コンビに潜り込まれて全滅するのがオチでしょ――――」

 

 

フラットフット

「あの、フラットフットですけど――――モモンガさんチーム、見つけました」

 

ぶくぶく茶釜、ウルベルト、ペロロンチーノ

「「「へ?」」」

 

フラットフット

「ダメ元の斥候、大当たりです。

今からスポッターをしますので、爆撃お願いします」

 

ぶくぶく茶釜

「いけぇ!愚弟!」

 

ペロロンチーノ

「キラ・ヤマト行きまーす!」


 

 

 

 

 

 

 

 


 【5、最終決戦…】

状況は全裸ナイフスパークリング。

タイトル通り最終決戦で、カードはランドナVSたっち・みー。

ある配布アイテムの効果により、両者ステータス等同一化。

 

ランドナ

「…」←相手の隙を突いて致命傷を与えるスタイル、中々隙が見つからない

 

たっち・みー

「…」←まずは相手を拘束し無力化するスタイル、こちらも隙見つからず

 

 ~数分後~

 

ランドナ

「…」←突然、棒立ち

 

たっち・みー

「…?」←訝しむ

 

ランドナ

「…ッ」←いきなりキレッキレのダンス

 

たっち・みー

「…」←外見無反応

 

ランドナ

「…ッ」←相変わらずキレッキレ

 

たっち・みー

「…ッ」←こっちも踊り出した、キレッキレ

 

 ~十数分後~

 

モモンガ(実況)

『あの、踊りっぱなしじゃないですか…ずっと』

 

弐式炎雷(一応解説)

『踊ってない夜を…って、流石に古いか』

 

ランドナ

「…」←キレッキレ

 

たっち・みー

「…」←キレッキレ

 

ランドナ

「ッ!」←突如走り出す!

 

たっち・みー

「ッ!」←こっちも走り出す!

 

ランドナ、たっち・みー

「「ッッッ!!!」」←交差するライダーキック!

 

この後、普通にガチ白兵戦を開始した。


 

 

 

 

 

 

 

 




本編ね、ちょっと詰まってるから…だいぶ待って


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんのグループチャット

私の作品だとそこそこお馴染み、チャット形式のヤツです。
つまり台本だよ、台本。

名前はチャットアプリでの表示です。
正直セシリアがイニシャル使うかは微妙だけど…うん。


というかISヒロイン、6人も7人も居てこういうチャットで名前ボケしそうなのラウラと…それとワンチャン楯にゃんくらいしかいなさそうって事実、まあ皆エリートって感じよね…いや別にこの二人がノットエリートって訳じゃ無いけど。

まあアレだ、優等生って感じか?いや別にその二人が…いや、ラウラは普通に問題児気味だわ以下略。




 


どうせ忘れられてるからキャラクター解説

 

【佐々木潤(不死人)】

不死人とダクソ世界代表を止めて、IS世界の住人に転職した、二人目の男。

殺し合いとサバイバビリティは現IS学園随一だが、それ以外が大体ポンのコツ。

束博士は“元”保護者。

な○にぃの考察並みに酷いこじつけで、姉が一人、妹が二人出来た。

最近ちょっとずつ頭が良くなってきてる。

 

【シャルロット・デュノア】

本作のメインヒロイン…っていうか、妹二号。

ぶっちゃけこっちの方が付き合いが僅差で長いが、妹宣言はラウラに出遅れた。

しかも人前どころか二人の時も中々兄呼ばわり出来ない悲しみ。

でもKISSは先手を取れた。

 

【ラウラ・ボーデヴィッヒ】

メインヒロインもとい、妹一号。

原作の俺の嫁宣言…よりかは穏やかに“妹”宣言した。

しかも滅茶苦茶周囲にアピールする。

KISSも出来たけど、出遅れた事は知らない。

 

【クロエ・クロニクル】

本作では(地の文でしか言及ないけど)自称佐々木の姉。

理由は同じ研究所の出身で、クロエが完成した随分後に佐々木が来たから。

…というのは今初めて出た裏設定。

その話をそれとなくラウラにしたら、認知してない妹が出来た。

 

【織斑一夏】

一人目の“男”。

若くて気骨のいい奴、尚ちょっとポンコツ。

まあ、ポンコツ呼ばわりする佐々木の方が多方面でポンコツである。

実を言うと戦闘能力と女心くらいでしか佐々木に負けて無いし、後者に至っては僅差。

でもしょっちゅう矢面に誘導(たた)されるお陰で、メディア露出はこっちの方が大きい。

碌な事してない?若さゆえの過ちや。

 

【篠ノ之箒】

だいったい原作通りな平常運転ヒロインその1。

佐々木と自分の姉との関わりの割に、殆ど彼と喋ったことない。

…正直、キャラクターの使い勝手があんまり良くない。

なので本作での活躍はほぼカットされた。

 

【凰 鈴音】

こっちも原作通りヒロイン。

ツッコミ能力?的な側面でキャラの使い勝手はいい。

でも本作ではほぼほぼ活躍がカットされた。

多分箒ほどにも目立ってるところない。

 

【セシリア・オルコット】

佐々木に挑んでボッコボコにされて勝った人。

勝因:相手の反則負け。

いや勝負の終盤でボッコボコに仕返したけど。

でも割合的に、こっちの方がボッコボコ。

そして原作通り一夏ラバーズだし、厨房出禁。

 

【更識楯無】

本作ではDLC部分の白サイン出してくれるNPC的なの。

まあ意外と一瞬で活躍終わったけど。

 

【更識簪】

外伝のチョイ役。

佐々木とは牙狼の話で意気投合した。

本作での活躍は姉とどっこいどっこい。

白サインすら出せてないし、活躍する話も執筆停滞中。

 

【織斑千冬】

ご存じブリュンヒルデ。

本作では出来の悪い弟より、モノボケの酷い佐々木の方をよく殴ってる始末。

多分オマケの方で何かしら活躍する。

 

【山田先生】

我らがショウ・オブ・マスト・ゴーオン。

もっと出番増やしたかった。

 

【篠ノ之束】

元凶オブ元凶。

ぶっちゃけ佐々木を保護したのはクロエのオマケ。

本作では、ようわからん“イニシャルJ”他の知り合いがいる。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

兄さんの妹

「すまない、皆」

「私の留守中に」  

 

シャルロット

「大丈夫だよー」

 

C.A

「困ったときはお互い様ですわ」

 

織斑一夏

「残りは佐々木がやってくれるってさ」

「ところで、話が変わるんだが」

「みんなって、護身武器ってどうしてんだ?」

 

リンイン

「何?」

「あんた何も持ってないの!?」

 

織斑一夏

「うん」

「何も持ってない」

 

C.A

「一大事ですわ!ステンガンの一つさえ持っていないなんて!」

 

リンイン

「アンタそれ誤字なの?」

「それともジョークのつもり?」

 

C.A

「誤字ですわ」

「スタンガンの間違いですわ」

「それよりも一夏さんの護身武器ですわ!一刻も早く見繕わないと」

 

篠ノ之箒

「刀じゃだめか?」

 

織斑一夏

「持ち運びに困るって」

 

リンイン

「仮に脇差でもちょっとデカいし」

「そもそも刃物一本じゃどうにもならないでしょうに」

 

C.A

「そこらの安物で済ませては駄目ですわ!いざと言う時に壊れては意味がありませんもの」

「先ずは私のツテで最高級のガンスミスを当たりますわ」

 

 

兄さんの妹

「待て、素人に銃を持たせる方が返って危険だ」

「何の銃を持たせるかより、先ずはインストラクターでも雇ってレクチャーして貰え」

 

織斑一夏

「確かにそうだな」

「でも時間が…」

 

兄さんの妹

「じゃあ棍棒でも持っていろ」

 【画像:佐々木の強化クラブ】

「兄さんのだが、貸してやるぞ」

「着払いでな」

 

織斑一夏

「待て待て待て待て!」

「一体全体何処から突っ込めばいいんだよ!」

 

兄さんの妹

「いいだろ」

「下手に刃が無い分、扱いに癖が無くて良いと思うが」

 

シャルロット

「刃が、無い?」

「その釘は、えっと?」

 

C.A

「ツッコミ所を増やさないで下さいまし」

 

リンイン

「第一持ち運びできないでしょ、そのデカさ」

「もう大根レベルじゃない」

 

兄さんの妹

「大根?」

「じゃあ買い物で買った大根に偽装すれば…」

 

篠ノ之箒

「いや大根にも見えない」

 

シャルロット

「というかそれ、確か前に潤が一時的に貸してたやつだよね…」

 

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「くぎばっと」

「おれのやつ」

「さがしてた」

「かえせ」

「らうら」

「かえせ」

 

兄さんの妹

 【スタンプ:ショックを受けるデフォルメイラスト】

 

シャルロット

「やっぱり…」

 【スタンプ:汗をかいた苦笑いのデフォルメイラスト】

 

織斑一夏

「というか佐々木、まだチャット入力に慣れてないのかよ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「だまれ」

「ひさしぶりにさわった」

「あほ」

「バカ」

 

織斑一夏

「そこまで言われる筋合いあるか!?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「だまれ」

「おまえにさんがすくえるか」

 

リンイン

「コイツもののけ姫見たわね絶対」

「第一その名前、何?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「SN」

「S」

「みんな」

「おで」

「こうよぶ」

 

シャルロット

「その“おで”はワザとなの…?」

 

C.A

「日本のSNSトレンドで今凄く騒がれている渾名ですわね」

「この前のインフィニット・ストライプスで、表紙を飾った時の様子から来ているのですわ」

「恐らくあと数週間程度で皆忘れますわよ」

 

織斑一夏

「なんか前に嫌がって無かったか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「おもしろくなってき」

「た」

「それよりも」

「護身武器」

 

リンイン

「そういえばそうだった!」

「完全に洋ゲーパッケージ兄貴に持っていかれた!」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「洋ゲーパッケージ兄貴」

「です」

「が」

 

C.A

「また妙ちくりんな方向に話が行く前に決めますわよ」

「銃の扱いについては我々でインストラクトしますわ」

「丁度一夏さんがISの射撃兵装について学びたいと言っていましたし」

「その基礎も兼ねます」

 

兄さんの妹

「確かにそれはいいな」

「そもそもコイツの射撃能力の低さは、銃火器に一切触れたことが無い」

「というのも理由の一つだ」

 

篠ノ之箒

「だが教えている期間の護身武器はどうする?」

「そういう話では無かったか?」

 

シャルロット

「別に銃を持たせてもいいんじゃないかな?」

「一夏、射撃訓練を丁度明日やるって言ってたし」

 

兄さんの妹

「成程、その時にレクチャーして貰えばいいという事か」

「そして部屋に帰った後の自主練用兼実際の護身用としての1丁」

「しかしその1丁をどうする?」

 

C.A

「取り敢えず私のglock26をお貸ししますわ」

 

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「もってるぞ」

「拳銃」

 【画像:コリブリの超どアップ】

 【画像:CZ75の初期仕様のカスタム】

 【画像:古びたトカレフ拳銃】

 【画像:金&銀メッキのデザートイーグル(彫刻入り)】

 【画像:何故か銃身が1㎝ほど伸ばされたリベレーター】

「同室のよしみだ」

「すきなのえらべ」

 

兄さんの妹

「えぇ…」

 

シャルロット

「潤、あのね?」

 

リンイン

「最初と最後でどうせ全部ろくでもないのが分かるわよ…」

 

C.A

「ふざけるなら寝ててくださいまし」

 

 

織斑一夏

「なんでだ?」

「最後の二枚がヤバいのは俺でも分かるけど」

「それ以外普通そうだぞ」

 

C.A

「一夏さん、先ず一枚目はコリブリ拳銃といって、全長が40㎜ほどしかない世界最小の自動拳銃なのですわ」

 

兄さんの妹

「二枚目はCZ75といってな」

「モノはいいがスライドとフレームの結合部分がデリケートすぎる」

「最悪落としただけで動かなくなる」

 

リンイン

「三枚目のトカレフって、確か安全装置が無かったわよね」

「論外よ論外」

 

織斑一夏

「なんか二枚目のはまだマシな気もするけど…」

「やっぱり落としたらアウトは流石に」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「もう一つ」

 【画像:明らかに儀礼用っぽいコッテコテの1911】

「あった」

 

シャルロット

「う、うーん…うーん…」

 

兄さんの妹

「装飾は装飾で別にいいし、ガバメントも別にモノは良いと思うが」

「9㎜パラで練習するのに、実践は45ではなぁ…」

 

C.A

「私も45口径は撃った事ありませんわ」

「.500S&W弾は経験がありますけれども」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「どうでもいいが」

「あすのくんれん」

「織斑先生経由で許可もらったぞ」

「銃の」

 

織斑一夏

「ありがとう?」

「でいいのか?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「あたりまえ」

 

リンイン

「ここに来ていきなり有能ムーブかまして来たわね」

 

C.A

「いつもこの位に気が回って下さればいいですわね」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「それと」

「専用機持ちの護身用具携帯」

「申請がひつようらしい」

「やっとけ」

「いちか」

 

織斑一夏

「おう」

「というか佐々木、なんかどんどんチャットの扱い上手くなってねーか?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「当たり前だろ」

「こんなもん」

「すぐ慣れる」

「だが面倒臭い」

 

織斑一夏

「それ慣れたって言うのか?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「パソコンにきりかえる」

 

シャルロット

「結局パソコンか…」

 

兄さんの妹

「結局か…」

 

リンイン

「何よその分かってますよ感」

 

篠ノ之箒

「その三人はクラスでも1セットみたいなものだからな」

 

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「所で一夏、話が大分変るようだが、お前は企業から声が掛かったりしていないのか?」

 

織斑一夏

「急に流暢になると怖いな」

「いや、ない」

「一応機体は倉持技研の管轄だし」

 

C.A

「そういえば佐々木さんは今、というか前々からかなり宙ぶらりんな立ち位置でしたわね」

「お陰でIS関連の企業が男性操縦者獲得の為に争っているとか」

 

兄さんの妹

「確か教官が「あんまり事が複雑なので委員会も手を出しづらい」とか仰っていたアレだな」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「ま、決着は2年後だ」

「その面倒臭い状況も、結局は博士の仕込みだがな。

その下準備で結構な頻度、お使いに行かされたよ」

 

リンイン

「まるで呼吸でもするかの様に世間を軽く震わす事実投下しないで」

 

篠ノ之箒

「お使い?」

「具体的には何処に」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「すまん、ココには書けそうに無い」

「別の機会に語ってやろう」

 

篠ノ之箒

「わかった」

 

シャルロット

「それで?何処の企業から声掛けられたの?潤は」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「話がそれたな。俺に声をかける企業なんざザラにいるが、一際声が大きかったのはベイラム・インダストリーだ」

 

兄さんの妹

「あそこか」

「最近勢いを増しているという…」

 

リンイン

「ウチの所の大豊の宗主ね」

「でもそこ武器しか作ってないわよね?」

「それもデカくてゴツいやつ」

 

C.A

「最近ベイラムではアーキバスと並んで独自のISを開発する動きが見られますわ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「アーキバスも確か声が掛かったが、どうにも担当者の言い回しが一々癪に障ったんで、全部聞き流した」

「あの男、絶対社内でも空気読めんヤツで通ってるぞ」

「絶対友達が居ない」

 

シャルロット

「あー…」

「そういう役員、結構いるよね…」

 

リンイン

「男で、目に見えてヤバいヤツは今時珍しいわね」

「ここ10年で結構消えて、代わりに性別だけ取り替えたような人間が増えたけど」

 

C.A

「アーキバスの黒い噂は全てライバル企業のネガティブキャンペーンかと思っていましたが」

「この様な話を聞くと一概に切り捨てられませんわね」

 

織斑一夏

「まあ何処にでもそういう奴はいるだろうし」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「一夏にしては随分気が利いた事を言うもんだ」

「ともあれ組織の顔役としては大失敗もいい所だったな。きっと外面の良さに惑わされたのだろう」

「その点でベイラム側は個人的に好印象だった、年齢は皆に毛や羽の生えた程度だが、恐らく物凄い人物に育てられている」

 

兄さんの妹

「成程」

「すると噂のレッドガンが来たのだな」

 

織斑一夏

「レッドガン?」

「なんだそれ」

 

C.A

「ベイラムグループお抱えの実働部隊の事ですわ」

 

兄さんの妹

「グループ内のPMC産業部門兼製品評価部門だという話だが、実の所はベイラムの私兵だな」

「私も対テロで共同戦線を張った事があるが」

「恐らく歩兵・通常兵器からなる部隊としては現状最高峰だろう」

 

シャルロット

「一般的には訓練の厳しさで有名な部隊だね」

「それでも不思議と死者どころか重傷者も少ないだとか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「だろうな、そういう顔だった」

「尤も今時の若者らしいかと言われれば、正直随分とズレている感覚がある」

「ラウラの五倍堅いヤツを相手にしていた気分だ」

 

兄さんの妹

「それは」

「まあ」

「軍人だろうからな」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「それもそうか」

 

織斑一夏

「それじゃあ俺、一旦申請書類の事聞いて来る」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「いってら」

「鍵あけとけ」

 

シャルロット

「あ、スマホに戻った」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「そら」

「パソコン片付けたからな」

「部屋に戻ったら」

「一夏の護身武器でも」

 

C.A

「いいえ結構ですわ」

「どうせロクなモノを持っていないのでしょう」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「いや」

「ある」

「マグナム」

 

リンイン

「論外」

「どうせ熊撃つためのデカすぎる奴でしょ?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「せいぜい357」

「対してデカくない」

「22LR」

「もある」

「銃」

 

兄さんの妹

「いくら何でも小さいな」

「護身用には些か威力が足りない」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「だろうな」

「最悪、腕で弾ける」

「俺なら」

 

リンイン

「ちょっと」

「↑の発言を冗談で片付けられないのバグじゃない?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「仕様」

 

兄さんの妹

「だそうだ」

 

C.A

「年の差天然兄妹は一旦黙って貰えます?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「何て言い様だ」

「まるで人をペドフィリアのように」

「言いやがって」

 

シャルロット

「そうかな…?」

 

兄さんの妹

「絶対に違う」

「私と兄さんの関係は」

「そんなペド等と爛れているようなものでは」

「いや」

「まってくれ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「待たない」

「絶対待たない」

「やめろ」

「否定しる」

 

リンイン

「古のネットスラング出たわね」

「どうせ偶然の誤字でしょーけど」

 

篠ノ之箒

「何にせよ、一夏の護身武器は?」

 

C.A

「え!?」

「佐々木さんの武器に期待していますの!?」

「銃に関しては恐らくゲテモノ揃いですわよ!?」

 

シャルロット

「近接武器も意外とゲテモノっぽいの多いけどね」

 

篠ノ之箒

「まあ」

「確かにそうだな」

「斧の中に鐘が仕込まれているのは恐れ入った」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「あれ」

「たぶん儀礼用」

「それと銃」

 【画像:エイリアンピストル】

 

兄さんの妹

「また難儀なものを」

「そこそこ良質とは聞くが」

 

シャルロット

「あまり銃を使った事が無い人にそれはどうなの?」

 

兄さんの妹

「まだまだ試験的な武器を素人に持たせるのはどうなんだ?」

「シャルロットの言う通り」

 

リンイン

「何だっけソレ」

 

C.A

「ラウゴアームズのエイリアンピストルですわ」

「反動軽減のための、画期的な工夫が施されていると聞きますが」

「やはり構造が難しいモノを一夏さんには持たせられませんわ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「あいつバカだしな」

 【画像:Manurhin MR73】

「これ高かった」

 

C.A

「バカじゃないですわ!」

「少なくとも人のノート勝手に見る人よりは」

 

シャルロット

「MR73だね」

「うちでもコレを持ってる警備員がいたよ」

 

リンイン

「それは知ってる」

「シャルロットの地元のじゃん」

「虹六で見たわ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「そういえばこれも」

 【画像:Taurus JUDGE】

「こっちは割安だった」

 

兄さんの妹

「リボルバーか」

「操作や構造のシンプルさだけならアリだとは思うが」

「再装填がな」

「それとダブルアクションだと引き金が重いかもしれん」

「だからと言ってシングルアクションだと、撃鉄を起こすのを忘れそうだ」

 

リンイン

「そういえばグロックの小型モデルとかあったわよね」

「アレどうなの?」

 

シャルロット

「あれね」

「小さい分直感的な反動も大きくて、ちょっと扱いが大変なんだよね」

「なんだかパーツ一つ一つがやけに暴れる感じがあって」

 

C.A

「確かに」

「リボルバーは護身用に向くと古くから言いますわね」

 

兄さんの妹

「滅多に銃に触らないのなら」

「という注釈が付くとは思うがな」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「そんなもんだ」

「日本の治安」

 【画像:K31のオブレズピストル】

 【画像:ウェルロッド】

「これは俺の」

 

篠ノ之箒

「また面妖な」

「と思ったら自分用か」

 

リンイン

「じゃ、出さなくていいじゃない」

 

兄さんの妹

「夏休みの一悶着でも使っていた銃だな」

「そうか、日本国内だけならリボルバーが護身用でも事足りるか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

 【画像:ニューナンブ】

「これとかいいくないか?」

「訓練から実用まで」

 

C.A

「え」

「なんかこの流れで一番の最適解が出ましたわ」

「佐々木さんの銃なのに」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「おい」

「こら」

「人をゲテモノ喰いみたいに」

 

兄さんの妹

「エイリアンピストルが出た辺りから凡そまともだったがな」

「ジャッジも動作性と弾の調達がどうにか出来ればだったし」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「ま」

「最悪これでもいいだろうが」

 【画像:白鞘の長ドス】

「入手経路は聞くな」

 

篠ノ之箒

「ダメだな」

「白鞘は刀身を保管するためのものだ」

「実用には向いていない」

「恐らく握った勢いで割れる」

「それか手が滑る」

「後ドスは刃物としても安すぎる」

 

C.A

「ここに来て篠ノ之さん、怒涛の評論ですわ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「そうか?」

「すっぽぬけないだろ」

「ドス」

「そんな握り方するか?」

 

シャルロット

「多分一夏は潤ほど刃物は握ってないと思うよ」

「包丁以外は、かな?」

 

兄さんの妹

「近接武器に限れば、私ですら及ばないぞ」

「兄さんは」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「それもそうか」

「ちょっと近接武器の」

「ゲテモノ」

 

リンイン

「探さなくていいわよ」

 

C.A

「探さないでくださいまし」

 

篠ノ之箒

「探さなくていいぞ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

 【画像:ゲルムの大槌】

「あった」

 

C.A

「一足遅かったようですわね」

 

シャルロット

「なんで金床に柄を…」

 

リンイン

「思ったよりマトモ」

「いやそんな事ない」

「普通にバカよ」

「確かに金床重たそうだけど」

 

C.A

「一体何を倒すための武器なんですの?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「前のあいつ等」

「えっと」

「何て呼ばれてた?」

 

兄さんの妹

「イマージュ・オリジスか?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「そうそれ」

「ああいう感じのヤツら」

「?」

 

リンイン

「逆に足りるの?質量」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「足りた」

「ちゃんと鍛えてある」

 

篠ノ之箒

「鍛える…?」

「まさかその」

「何だ?それ」

「そのガラクタをか?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「当たり前だろ」

 

シャルロット

「職人さん、どんな顔したんだろう」

「これの修理とか任されて」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「一夏が帰ってきたから片付けに入る」

 

兄さんの妹

「大丈夫か?」

 

シャルロット

「片付けられる?」

 

リンイン

「佐々木の片付け能力、本当不安なのよね」

 

織斑一夏

「よかった」

「あんな黒くてでっかい物体を持たされる訳じゃなかったのか」

 

C.A

「なんかさっきの金床への冒涜以上のゲテモノを感じますわ」

「一夏さん、一体何が?」

 

織斑一夏

 【画像:2人部屋のベッドの間に鎮座する熔鉄槌】

「佐々木はこれを武器だと言い張ってる」

 

篠ノ之箒

「これは」

「確か昨日の放課後練習で持ち出していたな」

「IS用に、もっと大きかったが」

 

C.A

「出ましたわね」

「自称ワンオフアビリティ」

 

リンイン

「寧ろ人間用????サイズもあったの、って感じ」

 

兄さんの妹

「東京のどこかでコレの金色版を見た気がするぞ」

 

シャルロット

「潤、もしかして公共物を」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「流石にそこまで常識知らずじゃない」

「これも一応昔から持っているものだ」

「それと」

「ニューナンブについては一応話しておいた」

 

一夏

「って言っても、まだ講習だけらしいけども」

「実際に携帯するには、もう少し時間が掛かるって」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「だろうな」

「とは言えだな」

「銃とか何とかやる前に、槍持ちとの相手がまだお粗末なのをどうにかした方がいい気もするが」

 

リンイン

「この前、ひたっすらに長い槍でボッコボコにされてたアレね」

 

篠ノ之箒

「全く情けないぞ一夏」

「もっと深く踏み込まんか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「いや箒もあんま人の事言えんがな」

「しょっぱいフェイントと回避狩りにまんまと引っかかりおってからに」

 

篠ノ之箒

「槍が長すぎるんだ!」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「えぇ」

「あれ一番短いやつ」

 

C.A

「篠ノ之さん」

「先ず佐々木さんを相手する時は、1にも2にも飛ぶのが前提ですわ」

「三次元戦闘ならまだ勝算がありますわ」

 

兄さんの妹

「確かに教官にも言われていたな」

「まだ空戦が微妙だとか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「それなんだが」

「最近自機のPICを」

「バグらせる?でいいのか?」

「何あれ、不具合を起こさせる手法を見つけてな」

「コレを使って対処できそうだ」

 

シャルロット

「そういえば言ってたね」

「あれ結局何が起こるの?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「重力操作を暴走させて」

「半径数十m圏内に自分を中心とした引力」

「または斥力を発生させれる」

 

リンイン

「普通に厄介そう」

 

篠ノ之箒

「自分で発見したのか?」

「姉さんに教えて貰ったのではなく?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「ワンオフを無駄に重ね掛けしたら見つけた」

「まだ感覚的な話だが」

「雷を強めに、結晶を添える程度に」

「みたいな」

 

シャルロット

「分からない…」

 

兄さんの妹

「現状、兄さんのロードオブシンダーだけが持つ特性で引き起こしている様だからな」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「多分もうそろそろ実戦に持っていける」

「それと」

「目からビームも出る様になった」

 

リンイン

「良かったじゃない」

 

C.A

「どんどんと可能性が広がるのは良い事ですわ」

 

織斑一夏

「嘘だろ」

「なんでリアクション薄いんだよ」

 

篠ノ之箒

「目の前で死んで生き返られて、まだ驚く事があるのか一夏」

 

シャルロット

「もう最悪隕石を呼び寄せても驚かないというか」

 

兄さんの妹

「というか自分自身が隕石になってたというか」

 

C.A

「良くてイマージュ・オリジスの時がピークでしたわ」

「あの時は雰囲気で乗り切ってしまいましたけれども」

 

シャルロット

「よく考えたら普通に意味不明だよね」

「何で母体が消えたんだろう」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「何でだろうな」

 

リンイン

「何でアンタがなにも分かってないのよ!?」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「取り敢えずあの時は」

「経験則で」

「この行動でどうにかなる、みたいなのが分かってただけで」

 

C.A

「理論がまるで羽毛布団のようにフワッフワですわ!?」

 

織斑一夏

「そんなのに命運かけてたのか…」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「あの時の信頼は何だったんだ」

 

シャルロット

「だって、もう少し何か知っていると思うよね…」

「思うよね?」

 

リンイン

「大丈夫、私も思うから」

「私だって感覚で覚えるタイプだけど」

「もう少し理論が無いと」

「ねえ」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「何が」

「ねえ」

「だ」

「お前らに俺の半生追体験させてやりたい」

 

兄さんの妹

「それは凄く気になる」

 

シャルロット

「僕も」

 

リンイン

「確かにそれは気になるわ」

「どうせスラム暮らしとか嘘でしょ?」

 

C.A

「きっと時代も数世紀程ズレてますわ」

「一体何百年前の人間なんですの」

 

シャルロット

「数百年で足りるかな」

 

篠ノ之箒

「なんだか既存の考古学が色々ひっくり返りそうな気がしてきた」

 

兄さんの妹

「果たして考古学だけで済むのか」

 

洋ゲーパッケージ兄貴

「注目の結果は」

「CMの後」

「と言う事で」

「日課の時間だ」

「乙」

 

リンイン

「日課って何よ」

 

シャルロット

「多分ゲーム」

 

織斑一夏

「そうだぞ」

「アタッシュケース?に画面とゲーム機を隠してる」

「あ」

「ネットワークか何かがメンテナンス中だったらしい」

 

リンイン

「そういえば今日のSNSのトレンド【メンテ延長】だったわね」

「ゲームのトレンドだったのね」

 

 

 

 

終わり

 





想像以上に起伏の無い話になっちゃった。


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【IS×DARKSOULS】せーそーけんのネットの扱い

有名税って言葉を濫用したくはないけれど、名と存在と所業?が知れ渡った以上「まあそうなるな」は存在している。

特にYouTube shortでテキトーな1分解説とかされるのはザラである。



という訳で今回、片手間の脳半分クオリティなので。


 

ある日の夕べ、すっかり空が紅く染まった頃のIS学園。

その一角…通称【男部屋】と呼ばれる、織斑一夏と不死人――――もとい佐々木潤が住む一室で、今日も他愛ない会話が繰り広げられていた。

 

「…そういえば一夏。

お前、所謂“エゴサ”ってやったことあるか?」

 

「エゴサぁ?」

 

「あ、エゴサってのはだな「いやエゴサぐらい知ってるよ」あぁ、そう」

 

何かと無知の目立つ、IS学園男組も、流石にエゴサ程度の用語は知っていたらしい。

 

「で、やってるのか?」

 

「いや…別に。

まあ、あんまり話題になると耳に入るかもな。この前の【洋ゲーパッケージ兄貴】とか」

 

「まだ覚えていてくれたのか…。

お前だけだよ、ラウラにさえ忘れられて」

 

人の噂も七十五日…なんかオマケ本編では噂は中々消えないとは言ったが、ぶっちゃけそんな事なかったかもしれない。

誰も「戦犯ちゃん」とか覚えてないでしょ?ね?

 

 

「(いや、俺も今思い出したんだが…)それで、佐々木。

そんな話題出したのって…どうせ今週のインフィニット・ストライプスのインタビュー記事の事だろ?」

 

「良く分かっているじゃないか」

 

「流石になぁ。

…で、どんなこと書かれてたんだ?」

 

「何だ気になるのか、お前」

 

「それは…この話題で引き出されたら流石に」

 

確かにこの流れで、結局自分がどう世間から認識されているのか…結局語られないんじゃ少々気持ち悪い気もしてくる。

 

 

「何、悪い事はあまり見当たらない。

曰く「正統派主人公」だそうだ、全くネットの人間共も適当だな…たしかにえらい大層な事は言ってたが」

 

「ネットが適当なのは俺もそうだと思うけど、そんな大層な事も言ってないぞ?」

 

「そう言うと思ったぜ。

この朴念仁」

 

「何?僕人参?」

 

「便利な難聴よな…」

 

この難聴を前に、数多の一夏ラバーズが撃沈してきた。

もしも、こんな天然ジゴロっぷりが世間に広まれば、果たしてどんな反応が返ってくるのだろうか?

 

さしずめ「【悲報】一人目の男性IS操縦者、マジの天然ジゴロと判明www」みたいな所だろう。

 

「そもそもだ。

何をもって正統派だ…もしや俺か?いくらブリュンヒルデの弟ったってな」

 

「さあ。

…っていうか、佐々木こそエゴサするんだな」

 

「全くだ。

今まで興味も無かったが…自分のインタビューの反応が気になりだしてから、止まらなくなってな」

 

それと時代の違いからくる、ちょっとした流行遅れへのコンプレックスか。

 

「…まあ、にしてもインタビューだってのに、言ってる事の規模以外はなんだか無難に済ませようとしてるな。

エンタメなんだ、もっと派手に言え」

 

「そんな、インタビューって…その人の人となりとかを掘り下げるんだろ?

嘘とか虚勢とかはダメなんじゃないのか?」

 

「いいんだよ、週刊雑誌(こういうの)に人々は刺激と話題性を求めてる。

それらを前に、真実の何が解かるって?解からんよ、だぁれも」

 

「んな、ラウ・ル・クルーゼみたいな」

 

「そりゃちょっと意識して…おい、お前一夏か?

エゴサの事と言い妙だな、こいつにそんな知識がある筈がない」

 

佐々木はあからさまに、一夏を怪しんだ。

 

「いや解かるって!

流石にガンダムSEEDくらいは知ってるからな!?ちょっとだけだけども」

 

「知らぬさ!

所詮人は己の知る事しか知らぬ!」

 

「だからクルーゼで返すな!」

 

ちなみに一夏がガンダムSEED…というか、ラウ・ル・クルーゼを知っている理由が「弾………俺の友人がモノマネ得意だから」との事。

 

 

 

 

 

 

さて、あれから暫く時が過ぎた。

数日前に専用機持ち達による公開演習があったばかりであり、そこにはメディア関係者も多く訪れていた。

 

つまり、普段佐々木らが行っている戦闘が、世に広く知られたと言う訳である。

 

「…で、それで佐々木。

エゴサはいいのか?この前の演習で多分色々と噂があると思うけど」

 

「そうは思ったが…どうせ他の生徒が言伝で色々流しているだろうに。

真新しいような反応があるとも思えんがな」

 

「でも、反応集まとめ?みたいなのは作られてたっぽいぜ。今日、鈴に聞いたけど

 

「…んだと?

しまった、最近CoDの新作情報ばかり追ってたせいで見逃した

 

一夏の発言の真相を確かめるべく、彼は動画投稿サイトを開いた。

見れば、確かに我々の知る所で言う所の田○与作ちゃんねる的な所が反応集動画を投稿している。

 

 

「おー、一夏にしては良い情報を渡す。

さて、と…今日はどんな専門家様名人様に出会えるんだか」

 

そして再生開始すると、いの一番の反応が『今年の一年専用機持ち、平均レベルたっけーな』だった。

別に今の二年生、三年生のレベルが劣る訳では無いし、何より二年生にはあの生徒会長がいる。

 

多分この反応をした誰かの、錯覚を含んだ個人的主観なのだろう。

 

「…まあ、それでもシャルロットとラウラはかなり別格だと思うが。

――――ほらな」

 

「フランスとドイツの代表候補生…ああ、そっか」

 

「いや、いくら何でもクラスメイトの国籍ぐらい覚えとけ」

 

自分を差し引いてボケまで始まったかと、佐々木は一夏を白い目で見る。

 

「鈴の反応、どういう事だ?

すばしっこいって意味だろうけど…真流星胡蝶剣?」

 

「俺も知らん…が、添付されてる画像からしてガンダムだろうな」

 

実際、鈴音が「天に竹林!地に少林寺!目にもの見せるは最終秘伝!」とか言ってるトコはちょっと見たい。

 

「なんか、前のエゴサ話にもガンダム出て無かったか?」

 

「あー。

確か…俺がクルーゼの似てないモノマネしてたか…」

 

「そうだそうだ。

――――お、箒の反応でたぞ」

 

「…分かってはいたが、コイツは操縦者というより機体の反応がデカいな」

 

「第四世代だからな…今んところ唯一の」

 

二人の言う通り、箒の反応は紅椿の性能に関するものが多く占めている。

一応、補足の様に『パイロットも割といい動きしてる』的なコメントもある事にはあるが、最早それが慰め程度のフォローにしかならないレベルで紅椿への注目度が高いのだ。

 

後、箒の家族関係(無論、束博士について)が噂話程度に触れられる程度である。

 

 

このように、箒はちょっと可哀そうな反応だったが…逆にここで、あまり目立たなそうと思われていたセシリアが会心の反応を見せる。

 

「お、やっぱりセシリアのカウンターは良い反応多いな」

 

「俺が教えた」

 

「あぁ。

俺も喰らった時に思ったよ…これ佐々木の技だ、って」

 

何があったかと言うと、公開演習のワンシーンにおいて、突撃してきた白式に対してブルーティアーズが【死角からの一撃】を叩き込んだのだ。

これには叩き込まれた一夏はおろか、セシリア本人もカウンターの成功に驚いてはいた。

 

しかし、そこはイギリス代表候補生としての維持を握りしめ、すかさず射撃で追撃を加えている。

 

「正直、後の行動も結構完璧で『化けすぎだぞセシリア』って思ったな…今回のMVPどう考えてもアイツだろ」

 

「そうか?

俺はその後の、佐々木がやったフェンシングも大概だと思うが」

 

「リカールスペシャルか?

多分見逃されてると思うが」

 

そんな会話を他所に、動画は一夏及び白式に対する反応へと移っていく。

初っ端の反応が『男性操縦者の機体、近接オンリーってマ?』というものだったが、また別の反応が二次移行による射撃兵装追加を説明している。

 

「こういう情報、一体何処からながれてるんだろうな…」

 

「別に二次移行やら何やらは大きく宣伝してなかった筈だが…やっぱり生徒の言伝か?」

 

「うーん。

そういえば黛先輩が軍事ジャーナリストかアナリストがどうって話してたっけ」

 

「そっち経由か…?

まあ、分析の大好きな奴らも大多数いるだろうしな」

 

因みに一夏もまた、白式への反応や本人の家族関係が主となり、特にこれといって技量には触れられなかった。

後の佐々木曰く「まあ最近戦い始めたペーペーが技量で注目もされんだろう」とのこと。

 

 

「お、簪の反応もいいの多いな。

一夏と違って、期待も技量もラインナップがいい」

 

「一時期佐々木に付きっきりで教えられてたからな…」

 

ちょっと簪の活躍については、本編であんまり触れてないので、今後の為にここいらでカットである。

 

 

それで、ついに佐々木の反応ではあるが。

 

「洋ゲーパッケージ兄貴多いな。

良かったな、皆覚えてたぞ佐々木」

 

「…?

あ、俺のあだ名か」

 

「お前忘れてたのかよ!?」

 

「誰も…呼ばなかったし」

 

やはり人の噂も七十五日であるようだ。

ともあれ『久々の洋ゲーパッケージ兄貴』『俺達の洋ゲーパッケージ兄貴』『洋ゲーパッケージ兄貴やっぱり洋ゲーパッケージ』『なんか一人だけディアブロから引き抜いた感ある』などと、件のあだ名が存分に擦られてまくっていた。

 

「ディアブロ?

一体悪魔がなんだ?」

 

「確かそんなゲーム無かったっけ?」

 

「あ、あぁ…あー、そういえばCoDの情報集める間に見かけたような…」

 

因みに洋ゲーパッケージ兄貴が初トレンド入りした直後は『ウィッチャーみたい』とか言われていた。

 

 

――――そして、やはりリカールスペシャル…正式名称【リカールの連撃】はしっかり見られていた。

対する反応も、その連撃の非現実的な速さに『何何何の、何何の、何!?』とか『ポルナレフやんけ』とか、思う存分驚かれている。

 

これには潜在的な承認欲求がそこそこ高い佐々木も笑みを隠せない。

 

「これさ、客観的にみると…右手にでっかい斧担ぎながら、しかも左手でやってたんだな。

そりゃ違和感も大きい訳だ…」

 

「動画と同じ事いってらぁ」

 

更には大弓に、魔術、呪術、奇跡とファンタジー的な要素を多く含む攻撃をこれでもかと連発していた為、やはり『なんかそういうRPG?』みたいな反応が多かった。

 

 

「見た目が派手なだけとか言われてるぞ?

…むしろ、この見た目でどこから攻めればいいか一瞬で分かるようになりてぇよ」

 

「まあ、本当に結晶と炎は牽制だからな…雷が削りだ。

――――特別に教えてやるが、結晶と炎はもう飛び込め…お前の速度ならそれの方がいい。雷も2発3発までなら無視しろ…出が早いのはその分火力も無い」

 

「ってやったって、今度はその結晶の剣とか、さっきのリカール…?何とかってフェンシングですぐ迎撃するだろ」

 

「インファイトのやり方なら散々教えただろ、カウンターも弾きも。

お前には時間があるんだ、思いのほか気長に鍛えられる…今はダメでもいいから飛び込んで来い」

 

実際、懐に飛び込んだ時のポテンシャルに関して、佐々木は可能性を感じて居た。

以前のデーモン騒ぎで、周囲の強力や自身の暴走などがあったと言えども、自分の胸を切り裂いているのだ…一夏は。

 

それにしたって飲み込みの速い男だ…恐ろしいくらいに。

 

 

――――とまあ、本編のややシリアス展開でやるような話はさておき、今は反応集含むネットの扱いである。

この後も大小あらゆる規模の反応集投稿者の動画を閲覧したが、大概同じ反応であった。

 

どうも情報収集先は皆似たり寄ったりらしい。

 

「…これ、情報収集先に飛び込んだ方が早いかもしれん。

成程各種SNS…いや、いつものバッテン印だけか」

 

「ソレは良いけど…もういい時間だぜ?俺は寝るから」

 

「なっ…そうだった、課題溜め込んでた」

 

「佐々木お前…いい加減千冬姉にぶち殺されるって」

 

「もう冊子の角だからな。

だが最近は提出自体なら間に合ってる…執行猶予は溜まってるさ。最悪の場合も」

 

毎日コツコツやっておけば良かったのに。

そう思いながらも一夏は、部屋の電気を消して眠りについたのだった。

 

 






後書きで書く内容忘れた。


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【IS×DARKSOULS】成層圏の試作品

サブタイ通り、ちょっくら書いてみたネタです。
どれもこれも本編及びに原作時空の遥か先の話ですので、まあ…本当にそこら辺のバランス感覚が決まらず、結局試作品と言う形に、ね?

そして試作なので、正直未完成品ばかりです。


 


【1、IS学園卒業式編】

[概要]一夏及び佐々木(不死人)らの卒業式の話。

この話の前には、モンド・グロッソが行われており、そこで一夏と佐々木が戦った結果、一夏の超ギリギリ勝利。それに伴いまた新たに【シグルド】の称号も生まれた…という設定。それ以前にも色々事件があって、まあ色々あった…みたいな雰囲気。

そして佐々木は自身の力(=火の時代の総て)を人間社会から隔離する為、この式を最後に暫く消息を絶つというストーリー。


あの決勝戦の事は、今でも覚えていた。

一夏は今でも信じられていない…自分の前で、佐々木が力なく倒れている事に。

 

それを何より、己個人の手で成し得た事に。

 

「…佐々木。

生きてるか?」

 

「馬鹿野郎、流石にッ…死にかけだ」

 

戦う力など残っていないだろうが、それでも佐々木は余裕そうであった。

まあ…この男にとって、死など怖いものではない。

 

 

観客らは最早、大歓声等と言う次元を超えて感極まっていた。

故に静かなのだ…何せ、強大な戦士二人の前に、ISの安全神話さえ崩れ去ってしまった。

 

人で無くなった者と、人ですら無かった者。

敗者は天にその手を伸ばし…勝者は地へとその手を差し出す。

 

 

…佐々木は、差し出された手を払った。

 

「佐々木…?」

 

「もうじき、スタッフがたどり着く…今だけしか、言えん…」

 

そうして、仰向けに倒れたまま彼は語り出した。

 

「一夏、織斑…一夏…。

俺を下した、その力こそ…王の故、だ。お前が…導くんだ。お前の名を…新たな時代の風が、告げている…」

 

この言葉に、一夏は今更戸惑いもしなかった。

自身が時代の“楔”である事は、とうの昔に受け入れている…今は只、その戦旗を手に…時代の荒波へと立ち向かうのみだった。

 

そして、目の前の佐々木もまた…古い時代の楔である。

最早王では無く、覚悟の形さえ違えども、その重みは同じ。

 

 

「…お疲れ様、前の王様。

そして――――ありがとう、俺達の為に」

 

 

 

――――あの光景が、尚も脳裏に焼き付く。

卒業証書の授与が行われる、今の瞬間でさえ…燃えて消え、そして託された王座だけが意識に宿る。

 

その風格は、最早入学当初の幼い彼など…何処にも居やしなかった。

証書を手渡す山田の前には、険しく、されど落ち着いた…静かに燃ゆる目をした男一人がいたのだ。

 

奇しくも…その風格は、入学当初の【彼】(佐々木潤)とよく似ていた。

 

 

ならば…一個人としての織斑一夏は死んだのか?

彼もまた【王】となり、律の中の一部となってしまったのか?

 

それは違う。

何時までも古い価値観を語れはしないのだ…総ての在り方は、時代の風が止め処無く変えてくれる。

 

 

式が閉会した後、一夏は学友達に呼ばれた。

無論、集合写真のためだ…いつかまた、その思い出に触れる為に。

 

――――その時、彼は昔と変わらない…純粋な、満面の笑みを浮かべていた。

心からの笑顔こそ…新たなる“王”の象徴である。

 

 

 

そして、古き王の視点へと…場面が映る。

佐々木はこの集合写真の後、果ての無い海が見渡せる場所に独り立っていた。

 

別に特別な場所という訳では無いが…海自体には少し、この時代における思い入れがある。

 

 

…まあ、変な記憶が多いと言えば、否定が出来ない。

一年目でさえオサガメやらキツツキやら大変だったが、今年度と来たら…最早語るのも憚られる。

 

しかし同時に、この水平線を前にして生まれたものがある。

彼は、己が掌を見つめた…そこに宿った“懐かしい温もり”を決して忘れる事は無い。

 

 

――――今夜は、あの日の様に…月虹に見えるだろうか?

 

 

「潤…。

やっぱり、ここにいたんだね」

 

「!…シャルロット、お前」

 

どうして此処が分かった?とは言わなかった。

最早互いに、それだけの秘密など在りはしない。

 

「こういう時だと…やっぱり海の近くにいるよね。

それか海が広く見える場所」

 

「言う通りだ…自然と体が引き寄せられる」

 

「何でだろうね。

海難事故が、潤を引き寄せているみたい」

 

先の変な記憶について、彼女が言及した。

佐々木は「揶揄うな」と不機嫌そうな顔をするが…もう今更冷や冷やするような事もない。

 

「全く、そんなんだから俺はクラス全員から「学園の男は“シー”に呪われている」なんて言われるんだ…誰だよアレ最初に言ったの」

 

Sheか、Seaかの違い…と言う事である。

 

 

「それよりも…潤、あの話って本当?」

 

「ん?あぁ…。

何、本当に消える訳じゃあないんだ…只少し、今の世界を見て回りたくてなぁ」

 

全くの建前…と言う訳では無かった。

大本の理由は、自身の力を政治やら何やらの陰謀に使わせない為だが…そもそも彼自身、そういったややこしい組織や国のしがらみに組みつけられるつもりは無かった。

 

 

…そう、彼は本日を境に、その姿を眩ます事を決めていた。

 

人間として生きる以上、それは避けられないとは、担任である千冬の言葉だ。

それに対して「もう人間ではない」と冗談半分に返し、苦笑いをされたのは…比較的新しい記憶ではある。

 

何であれ、逃げる訳だ…無責任の様に思えるが、これ以上“古き時代の総て”が表に台頭するのは、何もかもにとってよろしくは無い。

 

 

「そう、か…。

でも逃げ切れるの?いつまでも」

 

「アテはある。

…実は束博士が作っていた【単独逃走演算プログラム】なるモノへのアクセス権を得ていてな。向こうにも相ッ変わらず思惑がある様で、すんなり了承してくれたよ」

 

「な、なんか思ってたよりも凄いモノが飛び出してきちゃった」

 

これにはシャルロットも苦笑い。

こういう時の佐々木は、いままで決まって「行き当たりばったりだ」で返って来るものだったので、意外だった様だ。

 

「それに、情報を取り扱う連中には仲間が多いからな…何気に、元会長ら【更識】もバックに付いていてくれる」

 

「後…潤には“サイン”もあるからね」

 

彼女の言う“サイン”とは、言わずもがな白サイン他…火の時代に使われた召喚術等である。

灰の丘と化した、輪の都にて奴隷騎士ゲールが用いて居たサインの裏技による瞬間移動…アレに似た手法で逃げ切る事も出来なくはない。

 

 

――――結論を纏めれば「準備は万端」という訳だ。

 

「あぁ。

…さて、そろそろだな」

 

「…また、会えるよね?」

 

「当たり前だろう、死ぬわけじゃあない。

何かあったらすぐ駆け付けるさ…裏から、こっそり。冠婚葬祭、全部だ」

 

「逆に、そんなに顔見せていいの?」

 

「いいさ、他に大事な事など在りゃしない。

――――それじゃあな、次に合う時まで………元気、していろよ」

 

瞬間、佐々木の身体から…徐々に白い輝きが放たれる。

本当はもう少し…語らうような事があったかもしれない、だが…一時の別れなど、そのようなものだ。

 

明日があるのなら…また会う日は、必ずやって来る。

 

 

 

――――そして、佐々木は消えた…遠い遠い、何処かの地へと。


【総評】

完成品として出すなら、もっと最後の描写を厚くするかも。

それと他のキャラクターとのやり取りもちゃんと追加する。

…え?王理の固有?んなモン効いたら不死人アカンことになるて。


 

 

 

 

 

 


【2、八年ぶりの再会編】

[概要]本編及び原作の時系列から八年後…白式と共に大きく成長した一夏の元に…な話。

ぶっちゃけ数年後の姿的なのを書きたくて書いただけ。

一夏の職は…IS学園教師でいいかな?って感じでフワフワ。


あれから数年の月日が経った。

当時の少年少女たちは逞しく、そして麗しく成長し…一人前の大人になっていた。

 

青春と戦いの中で培った経験を、今も活かし続けている者達も居れば…今や武器を置き、他に積み上げた知識と技能で生計を立てている者さえいる。

 

 

――――だが、時代の暗雲はいつか…必ず訪れる。

一度は去ったそれがまた姿を見せる時、後者は武器をまた手に――――前者は今持つ得物をより強く握りしめる。

 

そして…その時代が呼ぶのであれば、影はまた火となり、希望となる。

 

 

 

…ここは太平洋のど真ん中。

その上空50m地点にて、織斑一夏は…謎の無人機と対峙していた。

 

「ッ…(噂の対IS兵器か…そこそこの強さがある上に、数で…しかも高度な連携能力まであるのか)。

何処のだれか知らねぇがッ、まぁた厄介なブツこさえやがってッ…!」

 

そう文句は言うものの、的確に1機1機、即座に見抜いた弱点を破壊して潰している。

この淡々と戦う様は…まるで“どこかの誰かさん”そっくりである。

 

具体的には、卒業式の日にいきなり消えた馬鹿野郎の事だ。

 

 

…途中、今回のオペレーターからの通信が入った。

 

『こちらオペレーター。

聞こえますか?コードネーム【シバ】』

 

「ああ、聞こえてるッ…と、大分片付いた」

 

現在の一夏が用いる【シバ】という暗号名だが、由来はヒンドゥーのシバ神…ではなく(シバ)犬からである。

過去、このような犬を元にしたコードネームで統一した部隊に属した事があった。

 

…因みに彼の婚約者、篠ノ之箒は甲斐(カイ)犬より【カイ】だった。

 

『一段落ついた所申し訳ありませんが、現在地から東北東約200m先から敵の援軍です。

速やかな対処を』

 

「んな事だろうと思っ――――!?、オペレーター!?こちら【シバ】応答せよ!?

援軍は北東北どころの話じゃない!全方位から来てやがる!!」

 

『そんなッ…』

 

そのハズが無い…と、オペレーターはもう一度レーダーを確認した。

――――するとどうだ?続々と、レーダーの検地範囲のど真ん中に、突然夥しい数の適性反応が現れた!

 

 

『嘘でしょ…最新鋭の早期発見システムがッ…』

 

「そしたら相手は最新鋭のステルスシステムって事だろうな!

さてと…先ずはどっから取り掛かるか…ッ!」

 

『ダメです、【シバ】!

戦闘は極力避けて下さい!この数相手では、いくら貴方でも無謀です!』

 

オペレーターは必死に一時退却を進めた。

それもそうだ…今やISは、一夏が少年だった頃のような“無敵の戦神”ではないのだから…。

 

 

「どっちにしろ、囲まれている…逃げるったって、戦闘は避けられない。

それに――――ここで俺が逃げたら、こいつら次は誰を狙うんだ?」

 

『それは…』

 

「なあに、分の悪いとか…きつすぎるとか、そういう戦いはウンザリする程やってきた!

昔に比べたら、これっくらいッ!」

 

そうして一夏は…再び刀を構えた!

 

 

――――瞬間、遠くの空で“黄金”が爆ぜる。

 

「…は?」

 

これには歴戦の戦士となった彼も、思わず面食らった。

いや…確かアレは、過去に一度見たことがある。

 

 

『オペレーターから【シバ】へ報告!

たった今、南西方向の敵増援群が丸ごと“消滅”しました!』

 

「何ッ!?――――い、いや…。

アイツ…なら、やるか。その程度」

 

流石にもうそろそろ感付いていた…一夏も、いつまでも鈍感なままでは居なかったようだ。

そして一夏とオペレーターの二人に、息をつく間も無く――――出元不明の通信が割り込んで来た。

 

 

「こちら…あぁ、コードネーム…なんだったっけ、あっ…【トマークタス】、こちら【トマークタス】!

俺の知らん間に粋がっている小僧の活躍を取りに来た、今よりそちらの指揮下に回る」

 

『と、【トマークタス】!?

貴方は一体!?』

 

「あー、あの、なぁ…ソイツは…」

 

トマークタス…それは、大昔に存在したイヌ科動物の名である。

それを知っていた彼は…謎の無線が、知り合いのものである事を確信した。

 

そして尚も戸惑うオペレーターの元に、本作戦の総指揮官――――織斑千冬が声をかける。

 

 

『大丈夫だ。

その“男”は味方だ…見ない間に、命令に従うだけの常識を学んだとはな』

 

『え、え…?織斑、指令?』

 

『代わってくれ…。

こちら【ハンドラー】、コードネーム【トマークタス】応答せよ。

状況はひっ迫している…至急、【シバ】と協力し、作戦区域の敵を殲滅しろ…やり方は一任する』

 

『【トマークタス】了解。

――――だとよ、【シバ】…とっとこ取り掛かれ、俺より食えなかったら…高い酒奢って貰う』

 

「まったく、久しぶりに会ったってのに…【シバ】了解した、しっかり撃破数数えとけよッ!」

 

そして一夏は、コードネーム【トマークタス】――――否、佐々木潤との共闘を開始する!


【総評】

奥井雅美の【WOLF~FINAL,THE LAST GOLD~】が本ストーリーのモチーフ。

アニキな一夏と性能以外何も変わってない佐々木が並ぶと、キャラ性がごっちゃになるんで筆折った。

因みにワンワン隊のコードネームは、他にラウラが【ドーベルマン】って事以外何も考えてない。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【3、お墓参り編/佐々木潤の最後】

[概要]本編・原作から数百年後の時空での話

文字通りに、佐々木が家族や友人(=ISキャラ)の墓参りに行ったら…ってな感じ。

詳細は読んでのお楽しみだが、本作では本編とは逆に、佐々木(=不死人)のみに鍵括弧が使われる。

※この作品のみ佐々木の一人称視点


とても長い月日が経った。

人の世代・時代も2度や3度…いいやそれ以上に変わったものだろう。

 

ここまで言えば、態々説明するまでも無いが…嘗ての学友や恩師と言った知り合いは、全員この白い墓石の下に眠ってしまった。誰も生きていないと確信を持って言える…死ぬ間際に、皆の老けに老けた顔を拝みに行き、そして葬式も遠巻きに見ていたのだから。

 

 

…辛くは無かった、等と言えば嘘になる。

涙は流さなかったが心に穴が開くような感覚は、一人一人見送る度に痛い程に噛み締めていた。

 

そんな傷心を柄にもなく引きずって、俺は随分時代の波に乗り遅れてしまった。最後の知り合いが死んでから暫くは流行をそれとなしに追ってはいたのだが、何の意味があるのかと考えた時、ふとその意思がポッキリと折れてしまった。

 

…つまり、俺は結局この運命に負けたという訳だ。

 

 

まあ、何だかんだといえども、こうなる事はあの日の約束から覚悟していての事だった。

今日はその約束を結び直した日なのだが…どういう事だろう、地球がおかしくなったのだろうか?この時期はすっかり涼しくなってしまった、少なくともあの日の猛暑よりは。

 

何であれ、墓参りには丁度いいくらいだ…さて、先ずはあの青臭かった学友の墓標でも立ち寄るかと考えた直後――――嘘だろう?と、年甲斐もなく驚いてしまった。

 

 

あり得ない、何故だ?何故、今ここに…そう思った矢先、漸く目の前の“一夏”が単なる霊魂であることに気が付いた。

なんだ、驚かせやがって青臭坊主め。その類の妖など、貴様が生まれて来るうんと前から出会っている。

 

まあ、今のこの姿は…大体20代中盤から30代前半の頃の姿だ。この見た目になった時には、嘗ての青臭さは大分掻き消えて、俺の人生の中でも五本の指に入る程素晴らしい男に成長していた。

 

 

一夏はこちらに気が付くや否や、笑顔で手を振って来た。

 

「ったく、死んでも調子のいい…」

 

呆れ半分、しかし嬉しさ半分に呟くと、奴は最後の見舞い振りだと言って来た。どうやら死に際までの記憶があるらしい。

 

「良かったよ、会話がスムーズになりそうで。

…所で、あの時は大分耄碌としていたんで聞けなかったが…一夏、お前どうだ?年取ってみて」

 

聞きそびれた事を今こうして聞いてみて、返って来た言葉と言えば…悪くなかった、の一言だった。

何かもっとあるだろう、そう言いたいが…一夏はこういう男なのである。

 

「全くお前って野郎は。

何がどう悪くなかったってんだ、言ってみろ………まぁ、後悔は無さそうでほっとしたよ」

 

彼は、あぁ…そうだな、と晴れやかな表情で答えたので、実際後悔は無かったようだ。特に俺が“最後の評決”と呼んで、最後の最後まで茶化し続けた話についても。

 

ふと、一夏が俺に尋ねて来る。

あれからどう生きてたんだ?と…そんなもの決まっているだろうに。

 

「ちゃーんと道筋は考えてあったんだ、最初っから、お前と違ってな。

好きなように生き、時に理不尽に死に、そして好きなように――――まあ、やりたいようにやり続けたさ」

 

こう言ったらこの色ボケ野郎、つまり行き当たりばったりだったな?とか抜かしやがった。

全く、死んでもバカと生意気は治らん様で…それに実際行き当たりばったりに変わり無かった事もあって、適当に流してやったとも。

 

 

「死んで能天気に拍車が掛かったのか?

どうであれ…ほれ、貴様の墓に手向けるつもりだったが、本人が出て来てくれれば話が早い」

 

俺はどでかい花束の一部を一夏に手渡したが、どうやら霊体は現世のものに干渉する事は出来ないようで、墓の前にちゃんとお供えする事を要求された。まあ…霊魂になってしまっては、その程度なのも仕方がない。

 

 

そして奴の故国に習い、墓石の前で手を合わせていると…ふふっ、と笑いの漏れる声が聞こえた。

 

「何笑ってやがる」

 

一夏が言うには、俺が墓に手を合わせている様子がどうも可笑しいらしい。

まあ…自分自身に似つかない事をしているなとは思う。

 

と言っても、今や人がどんな行動を取ろうが…余程ルールから逸脱していない限り、何をしようが勝手だ。

 

今の人間は…かなり上手く溶け合ってくれた。

皆に言えば「夢物語も大概にしろ」と笑うだろうか?何処までも他者と競い、妬み、憎み合っていた時代を知る、死んだ友人たちは。

 

 

まあ、ひとえに人類が揺り籠を出て“自分達”以外を認識したからに過ぎないのだろうが。

寧ろそこに今の課題があるのだろう。

 

 

――――こんな事、終わった者にも…これから終わり行く者にも関係が無い。

丁度そんな事を想っていた時に尋ねられた、お前は今後どうするのかと。

 

「…一人、丁重に“葬って”やらなきゃならんヤツがいてな」

 

言葉こそ物騒だが、長年の付き合いである一夏は、本来の意味を汲み取ってくれた。

いつかは本来の自分に向き合わなければならないのだ…誰であろうと。

 

 

「それで、だ…重苦しい話で最期を迎えるのも癪だ。

楽しい楽しい昔話で締めを迎えんか?」

 

俺の提案に、こいつも賛成してくれた。

…いつの間にか、初めて会った時の――――あのバカタレ坊主の姿に戻っている。

 

「…ふっ」

 

あんまりにも懐かしい顔をしやがったもんで、思わず吹き出してしまった。

今度は一夏が何笑ってんだよと突っ込む。

 

「いやぁ、お前そういえばそんな阿保らしい顔してたなって。

――――まあ、初対面でどっちがバカだったかと言えば…クソ、俺だ」

 

もう遠い遠い昔の事を思い出す。

“お、き、ろ!”そんな口パクを目にしていながら、千冬女史が今にも必殺の冊子を振り上げていた事にも気が付かなかった自分が、正直今でも恥ずかしい。

 

…彼女の実力は、病に伏して尚も健在だった。

本来そんな状況にするべきでは無かったが…それを人が望み、人が夢見てしまった、人の業であった。

 

 

あの時、俺はもう一度英雄になってしまった。

 

我が決意よ、我が宿命よ、もう一度…己が身を薪とすることを許せ。

そんな事を口走ったか。

 

 

さて、またまた話が重くなりそうだった所で、一夏が初対面の直後の事を語ってくれた。

セシリアの事だ…あの時の尖りっぷりは、後年軽く弄っただけで参ってしまう程だった筈。

 

やめてくださいまし…と、そんな幻聴が聞こえた気がした。

まさか、彼女も来ているのか?

 

「本当に…録音していなかったのが悔やまれるよ。

アイツ、40のババァになった頃には“慈愛”の代名詞みたいな扱いで…まあ、そんな過ちがあったからこそ、だが」

 

俺に年寄り扱い等されたくないだろうが、ババァはババァだ仕方がない。

 

 

そうして俺は…旧友の亡霊と共に、墓場を練り歩く事となったのだ。


【総評】

今回は試作なので↑みたいな締め方をしたが、本来なら他のキャラの幽霊と語り合いながら墓参りをするプロット。そして最後には…。

そして本作でまたマーシレ…じゃなくて【悔やみ続ける者】が搭乗する予定。


 

 

 

 




他にも試作品が出来たら書くね。多分


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【IS×DARKSOUL】せーそーけんの三年目の三人

佐々木、一夏、シャルロットでなんか話す奴。


 

 

佐々木

「はぁ…疲れた」

 

一夏

「お前、3年になって漸くマトモに学園祭参加するって何だよ」

 

シャルロット

「そういえば1年生も2年生も途中でどっか行っちゃったからね」

 

佐々木

「別にな、サボりたくてサボった訳じゃないんだ。

一年目はこの前豚箱に漸く突っ込んだ蜘蛛女で…その次は、例の王国の件でさぁ…」

 

シャルロット

「意外と潤も振り回されてるんだね…」

 

一夏

「普段振り回す側なのにな」

 

佐々木

「人聞きが悪ぃなお前ら。

――――ってか、何で二人裏に居るんだ?この次シフトか?」

 

シャルロット

「うん。

だからこの、執事服」

 

一夏

「結局この執事服、三年間もお世話になったなぁ…」

 

佐々木

「おう、お前ら…メイドでも執事でもまともにやらせて貰っている事を感謝しろよ。

俺を見ろ――――なんでクルーゼのコスプレなんだ?未だに解からん」

 

一夏

「まあ…前々から妙に上手だからな。

クルーゼのモノマネ」

 

シャルロット

「僕もこの前の披露の後、ガンダムSEEDみたけれど…意外と似てたんだねアレ」

 

佐々木

「いや、まだワンピースのロブルッチの方が良かったわ…僅差で没った奴。

クルーゼのセリフで接客、無理!有名なやつで」

 

一夏

「何かあるだろ…ほら、君の歌はどうって」

 

佐々木

「それだとスイーツ出すだろ?

そして「このパフェは好きだったがね…だが世界はパフェのように甘くない!」っていきなり言い出す…訳分からんヤツが完成するわけだ」

 

シャルロット

「それでいいんじゃないかな…w」

 

一夏

「もうネタの方向性が察しの悪いアレの人だな…w」

 

佐々木

「お前、俺が言及しなかったところをッ。

――――もう頼む、お前達だけでも何かモノマネ乗ってくれ」

 

一夏、シャルロット

「「いや………ごめん、無理」」

 

佐々木

「後生だ。

この際三人でそれっぽい服着てTHE ALFEE!とかの方向性でもいいから!」

 

シャルロット

「…それはちょっと面白そう」

 

一夏

「正気か!?シャル!?」

 

佐々木

「俺がグラサン付けて…一夏がパーカッションで、それでシャルがクッソ派手なエレキギターと衣装でさ。

んでそれっぽいコスプレしながら教壇でいきなり「キャンユーヒアミー聞こえるかい~♪」ってやるんだ」

 

シャルロット

「選曲がちょっとマニアックかなぁ~?」

 

佐々木

「いや、一夏がグラサンで、俺がパーカッションの方がいいのか…?」

 

一夏

「何が何でもシャルに高見沢やらせる気かお前」

 

佐々木

「え…?

だって、この三人の中で誰が一番高見沢適性高いかって言うと、シャルだろう?俺達じゃ無理だぞ」

 

シャルロット

「そ、そう?

僕エレキギターは弾けないけど…」

 

佐々木

「あんまり関係ないだろ。

ALFEEはボーカルをスイッチ出来る事が一番の特徴なんだから」

 

一夏

「そもそも、この催し物の客層的に来るか?ALFFE知ってる様な人か、その世代の人」

 

佐々木

「いや…知らない。

あ、違うな――――知らぬさ!

 

一夏

「クルーゼのモノマネ気合入れ過ぎだろ」

 

シャルロット

「wwww…。

でも、今までのお客さん…僕らとプラスマイナスで2歳ぐらいしか変わら無さそうな人達ばかりだったから、ALFFE通じないかもね」

 

佐々木

「俺の上下二歳差だと、ALFFEどころか現代社会の常識すら怪しいが」

 

一夏

「そりゃ佐々木基準だったらな?

お前入れたらクラスも学園も平均値が何もかも可笑しくなるから除外に決まってるだろ」

 

佐々木

「そうか?

公の定説だと、俺は1000年弱ほど昔のヴァイキングって事になってるから大丈夫だと」

 

シャルロット

「何処に大丈夫要素が…?」

 

一夏

「大体どこの定説だ、自称スラム育ち」

 

佐々木

「5ちゃんねる。

――――で、俺達3人でALFFEのモノマネをやる件についてだが」

 

一夏、シャルロット

「「え、まだそれ引き延ばすの!?」」

 

佐々木

「当たり前だろ、情報音痴の一夏に通じたなら何とかなる。

そして、仮にシャルロットが桜井ポジに来るとして…」

 

一夏

「来るとして、何だよ」

 

佐々木

「…何だろうな。

ぶっちゃけ客に「なんでシャルロットが高見沢ポジじゃねえんだ!」ってツッコミさせるためだけの装置にしかならんな」

 

シャルロット

「そうは言うけど、今の潤も結構派手だよ恰好」

 

佐々木

クルーゼだもん。

 

一夏

「だwwwもwwwんwww」

 

シャルロット

「潤が、「もん」って…www」

 

佐々木

「何が違う!何が解釈違いだと言うのだね、一夏君、シャルロット君」

 

シャルロット

「もうモノマネの完成度も、どんどん高くなってるしwww」

 

一夏

「やっぱ正解だよwwwお前のクルーゼwww」

 

佐々木

「…納得行かん。

――――んで!、やっぱりこの3人でALFFEを」

 

一夏、シャルロット

「「もういい、もういいって!!!ALFFE!!!」」

 

佐々木

「待て待て待て、話は最後まで聞くがいい。

…宇宙戦艦ヤマトなら、意外と通じるんじゃないか?」

 

一夏

「ALFFEの時点で通じるか怪しいって話だろうが」

 

佐々木

「お前に通じてる時点で意外とどうにかなるって話にもなったろうが!

――――それともアレか?一夏、お前やっぱり高見沢ポジを」

 

一夏

「違う!

それは決してない!そういう話じゃないから!」

 

シャルロット

「あー…パーカッションならちょっと出来そう」

 

一夏

「シャル!?

あの、シャルロット・デュノアさん!?」

 

シャルロット

「えへへ…冗談冗談」

 

佐々木

「え…そんな」

 

一夏

「お前は何で真に受けてるんだ!?

いや俺も一瞬真に受けたが!」

 

佐々木

「お前のツッコミ力は年々上がっていくな」

 

一夏

「誰のせいだ?」

 

佐々木

「いう程俺のせいか?」

 

シャルロット

「そこは僕も否定できないかなぁ…僕もラウラも多分潤の相手をしてたら、何かしらツッコミしてる気がするし」

 

佐々木

「すいませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア

「お三方、出番ですわよ」

 

一夏

「おう!

サンキュー、セシリア」

 

シャルロット

「行こっか、潤」

 

佐々木

「スゥ…これが人の夢!人の望みィ!人の業ッ!

――――せっかくここまで来ていただいたのだ、君も知りたいだろう…」

 

シャルロット

「ら、落差が…」

 

一夏

「もう何でもアリじゃねえか?コイツ…」

 

 



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