五等分の転生者 (疾風“はやて”)
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オリ主達のプロフィール(ネタバレ含む)

初めて書くので怖かったですw
五等分の花嫁とその小説が好きで僕も書いてみたいと思っちゃいました。


オリ主達のプロフィール

 

さなだ ゆうすけ

真田 優助

身長180cm

 

体重60キロ

 

部活動 〈中学校〉陸上部の長距離

〈 高校 〉帰宅部

 

趣味 ランニング、人助け

 

誕生日 2月27日

 

血液型 A型

 

容姿 中の上

 

得意科目 数学(高校ではいつも5位以内を維持していた)

 

苦手科目 社会

 

[前世の優助君の人生]

 

前世では、ランニング中に暴走したトラックが突っ込んできて、近くにいた女の子をかばって逃げ遅れてしまい、高校生で死んでしまった。

昔から人見知りで自分から友達を作るタイプではなく周りから話しかけられたり、友達の友達と仲良くなったりして、友達を作っていた。このような性格から彼女がおらず心の中では彼女が欲しいと願っていた。(友達が言うには密かにモテていたらしい。)

中学校では、真剣に部活動に打ち込み、1500mと3000mのベストが、4分15秒と9分10秒とそこそこ速かった。そのため、テストのほとんどがノー勉だったが、五教科のうち最低400点はとっていた。勉強することが嫌いで、自学の内容は、中3の前半まで月と曜日の英単語のみだったが、先生に注意されたため英単語の現在形、過去形、過去分詞形をかき写すようになった。高校の受検勉強は過去問を解いてマル付けするだけで終わっていた。

高校では、頭の良い友達が出来たため帰宅部となり、その友達と通話しながら勉強をしたり、クラスの友達とゲームをしたりして、日々を過ごしていた。人見知りな性格を変えようと人助けをよくして、勉強をおしえてあげたり、仕事を手伝ってあげたりと 困っている人を見つけては助け を繰り返していた。自分では気付いていないが、勉強が出来てスポーツもそこそこでき、周りから見たら優しい性格をしており、顔も悪くないためよくモテていたが

本人は自分に良いところはないと思い込んでいた。

転生特典

①お金に困らない生活

②可愛い妹が欲しい

③転生先の世界であるとありがたい能力

 

 

 

 

 

さなだ ゆうな

真田 優菜

 

身長 165cm

 

体重 50キロ

 

部活動 バスケットボール部

 

趣味 遊ぶに行くこと

 

誕生日 2月27日

 

血液型 A型

 

容姿 中の上

 

得意科目 社会、理科

 

苦手科目 数学、英語

 

優助とは双子の妹。人懐っこい性格で、誰とでも仲良くなれる。兄はライバルと思っているが、尊敬できる人物とも思っている。昔から優助と遊んでいて、すごく仲の良い兄妹である。見た目は髪の長さや身長以外は似ているところが多い。男子からの人気が高く、モテているため優助は「オレも女になりたかった」といっているらしい。兄の事を“ユウ”と呼ぶ。




投稿はなるべく早く出きるように頑張ります!
お気に入り数が100行ったら1日一本くらい頑張ります!!


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転生
なんか転生できるらしい


次回に原作キャラが登場するかは分かりません。初めて書いたから難しかったです(苦笑)


「んん~.......あれ?ここどこだ??こんなとこで寝たっけ?」

ぐ~っと体をのばしてから、周りをみてみる。

白い空間に閉じ込められてるんだけど?オレ?

何が起きたんだろ?

 

「オレ誰かに連れ去られたのかな??でも、手とか縛ってないし、普通に怖いわ~」

 

 

「そこの君」

 

 

「ん?」

 

 

呼ばれた方へ振り返ると、いかにもすごい人が座ってそうな椅子に座っている男性がいた。

 

「あの~、どちら様ですか?」

 

「死んでしまった君のことを救いに来たんだよ」

 

「あぁ~なるほど!ならはやく助けt......え?」

 

今なんかとんでもないこと言わなかった?この人。

 

 

 

 

 

「あの~....もう一回言ってもらえますか?」

 

「だーかーら~、死んだ君を救いに来たんだよ!」

 

うん。おかしいよね?矛盾生じちゃってるよね?オレ死んだの?いや体も意識もあるし、怪我もないし。それに、救いに来るの遅くね死んだ後に救いにきてもらってもねぇ.....

 

「そのようすだと、忘れてるっぽいね。じゃあ、みせてあげよう。」

 

 

 

男性がそういうと、目の前に映像が写し出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、やっぱ、走るの気持ちいいわ~。」

 

普段のことを忘れて、ハッピーになれる。長距離やってよかったぁ~!まぁ、普通の人からしたらこの考えって、ドMの人にしか思えないんだろうな~(笑)

 

すると前にある信号が赤になるのが見えた。

 

「ここの、信号長いんだよなぁ~」

 

 

周りを見ていたら女の子が泣いているのが見えた。

 

 

 

「君、どうしたの?お母さんや、お父さんは?」

 

 

 

やはり、見過ごすことはできないな。困っている人を見つけると反射的に体が動いちゃうんだよね。

 

 

「どこから来たの?」

 

 

 

「あっち」

女の子が指を指す。

 

「よし、あっちか。お兄ちゃんが見つかるまで一緒に探してあげるよ。」

 

 

 

「ほんとに?」

 

 

「うん」

 

2分ぐらい歩いていくと、あちこち見渡している人たちが見えた。

 

「あの人たちは?」

 

 

「あ!お父さんと、お母さんだ!」

 

 

「よし行k」ブーー!!

 

よし、行こうかと言おうと思ったら、車のクラクションの音が聞こえ振り返るとトラックがこちらに向かってきていた。咄嗟に女の子を突き飛ばしたが、オレは逃げ遅れてしまった。

 

 

 

 

キキーーッ、ドンッ!!!

 

 

 

 

衝撃にふっ飛ばされたオレは、女の子に大きな怪我がないのに安心し、そのまま意識を手放してしまった。

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

「....そうか...オレ、女の子を庇って....」

 

 

なるほど。理解できた、オレが死んだのは。

 

「でも、女の子を助けられたのは良かったな...」

 

「君、やっぱり心が綺麗だね。“女の子が助けられて良かった”なんて、普通は思わないよ。みんな、自分の命が大事だからね。だからだよ。だからこそ、君の今までの行いと、その心がけに免じて僕が君のことを救おうと思えた。」

 

 

「...あなたは、何者ですか?」

 

 

「私は、世の中を創り、築き上げた者。君らの世界で言う“神様”だよ。」

 

 

「僕をどうすくってくれるんですか?」

 

 

 

 

「君の人生は現実世界では終わった。でも、行いが良い人、世の中を変えるようなことをした人にのみに限って他の世界に転生することが出来るんだよ。」

 

 

 

 

困ったな。転生自体は知ってるけど、漫画とか、アニメとか見てこなかったからなぁ。友達が言ってたことくらいしか分からないな。

 

 

「でも、どの世界に転生できるかは、分からないんだよね~。」

 

 

 

「もう一回、人生を歩めるならどこでも良いです。」

 

「その言葉が聞けて良かった。じゃあ、転生するってことでいいね?」

 

 

「はい!」

 

「じゃあ、転生するにあたって転生特典って言って転生先で欲しいものとか、能力が手に入るんだよね。そして、それが3つ与えられるんだ。さあ、なんでも好きなこと言って良いよ?」

 

 

「じゃあ1つ目は、お金に困らない生活がいいです。」

 

「2つ目は?」

 

「2つ目は、可愛い妹が欲しいです。」

 

「そういえば君一人っ子だったもんね~」

 

「はい。兄弟とかいるのが羨ましくて。」

 

 

 

「了解!3つ目は?」

 

 

「じゃあ、3つ目は~.....転生先であるとありがたい能力とかって出来ますか?」

 

 

「うん。出来るよ。」

 

 

「じゃあ、それでお願いします!」

 

 

 

「よし!じゃあ転生先では楽しんでね~!」

 

 

「ありがとうございました!!」

 

そう言うと、周りが真っ白な光に包まれていき、意識が離れていった。




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転生するのは大変でふ

ちょっとはやく本編に入りたいのですごく雑になってしまった....ごめんなさい!次回辺りから本気だしますので、お許しを!


で、転生したは良いものの...赤ちゃんからやり直すのってなかなか大変なんだね~筋肉とかつくまで歩けないし、全然うまく喋れないし、反射的に泣いちゃうしね(苦笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後ね、神様に可愛い妹お願いっていったじゃん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかもう横に寝てるんだよね~。オレの妹実は双子なんだよ。ほんのちょっとお兄ちゃんなだけなんだけども?この先が不安だわー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時はとんで今は小学校1年生です

 

 

 

前世で人助け趣味にしてたからか、人見知りがなくなってた~!これで友達100人作るのも夢じゃない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思ってた時期が私にもありました。みんなに話しかけまくったら、友達が出来たのはいいんだけど多いとちょっと疲れるわ~。最近の子どもは無尽蔵にも程があるよ...

 

親友と呼べる友達だけつくって後はいろんなスポーツやってみよ~...

 

 

 

 

 

 

 

オレの妹いるじゃん?めちゃくちゃ可愛いわー!お兄ちゃん!お兄ちゃん!って。ちょっとはやく生まれただけなのにオレのことお兄ちゃんって呼んでくれるんだよ!?めちゃくちゃいい子だわ。撫でてあげると喜ぶし、オレ、スゲー幸せだわ、今。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小学校6年生になりました。

 

 

 

オレの能力多分だけど、勉強なんだよね。勉強内容がめちゃくちゃ頭に入ってくるんだよ。しかもオレの妹も中々頭いいし。スポーツもなんでも出来るようになったし。まあ、来月には修学旅行あるから楽しんでくるわ!あと、上杉風太郎くんと友達になりました!金髪であんまりいい子じゃないけどなんだかんだ一緒にいると楽しいから!修学旅行楽しみだな~!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

班の人と行動していたら、風太郎がいなくなっていた。

 

 

 

「オレ!さがしてくる!」

 

と一言班のみんなに言い残して、オレは走り出した。

 

 

 

オレは

 

 

 

そろそろ夕方になるという時間帯になっても、なおオレは風太郎を探していた。そして、一緒に探していた先生と会った。

 

 

 

「そろそろホテルに戻ろう。」

 

と、言われ、

 

 

 

「...分かりました。...」

 

と答え、ホテルに戻った。その後、風太郎は無事戻ってきて、オレは風太郎に少し怒った。反省しているようだし許すけど、オレはマジで心配したから(泣)

 

 

 

 

 

修学旅行では、この事がすげー印象に残ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の週の学校から風太郎がおかしくなっちゃった!なんか急に髪を黒くして、勉強に励むようになった。理由を聞いたが、教えてくれないし。どうしたんだろうか?

 

まあ、オレも教えてやれるし、こいつから教われるようにもなるから、嬉しいことだけど、やっぱり気持ち悪い。まぁ、いずれ慣れるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま時は過ぎて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレが高校2年生になったところから歯車は動き始めた......




ということで、今回は風太郎くんだけということで、次回から本編になります!

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五等分の花嫁Ⅰ
本編スタート!!


ついに、五月と一花が登場です!やっと原作ストーリーに入れた。本編に入って思いましたが、妹はあまり登場しなくなっちゃうかもしれないです。ごめんなさいm(_ _)m
※優菜ちゃんは優助くんのことを“ユウ”って呼ぶようにします。お兄ちゃんだと少し違和感があるので....


優菜「....ュゥ、ユウ!はやく起きてよー!!」

 

優助「んん~、分かったから。」

 

 

優菜「先に部屋に行ってるから、はやく来てね?」

 

 

優助「おっけ~」

 

 

眠い目をこすりながら、布団からでて着替え始める。そして洗面所へ行き、顔を洗う。寝癖は少しあるが、大丈夫だろう。妹が待っている部屋へ行き、ご飯をたべ始める。

 

優助「今日で母さん達が海外で働き始めて一年か~。」

 

 

優菜「うん。最初はびっくりしたよね?急に海外で仕事してくる~って言ってね?」

 

 

優助「うん」

 

 

オレたちは、そんな他愛もない話をしながらご飯を食べ終え、学校へ向かう。

 

優助「それじゃあ、オレこっちだから」

 

 

優菜「うん!ばいばーい!」

手を振る妹と別れ、自分の教室へと向かった。

 

 

(今日の授業はあんまり面白くないから寝ちゃおっと。おやすみ~zzz)

 

 

 

昼休み

 

 

風太郎「焼肉定食、焼肉抜きで」

 

優助「オレはかけうどんで」

 

 

おばちゃん「はいよ~」

 

 

 

(毎回思うけど、やっぱり焼肉抜きってヤバイよね?“味噌ラーメン、麺抜きで”とそんな変わらんよ?)

心のなかでそう思いながら、お盆を受け取りいつもの席へ向かう。

 

 

 

 

 

目的の席に着き、風太郎がお盆を置こうとすると、もう一人お盆を置こうとした子がいた。

 

 

 

 

「あの!」

 

「私の方が先でした。隣の席に移ってください。」

 

 

風太郎「ここは、毎日俺とツレが座ってる席だ。あんたが移れ。」

 

 

「早い者勝ちです!」

 

 

 

風太郎「“早い者勝ち”か。じゃ、オレの方がはやく座ったから、オレの席だな。優助も早く座って、っておい!?」

 

「席は空いていました。それにさっきも言った通り早い者勝ちです。」

 

優助「まぁ、いっか!オレはこっちで食うから。いただきまーす。」パクパク

 

 

風太郎「まぁ、いい。先に復習を済ませておこう。」

 

 

風太郎は食べながらテストの紙を取り出し復習を始めた。オレからしたら日常茶飯事のことだ。

 

女の子「行儀が悪いですよ。食事中に勉強ですか?」

この子からしたら気になるらしい。

 

風太郎「テストの復習をしてるんだ。ほっといてくれ。」

 

女の子「よほど、追い込まれているんですね~。何点だったんですか?」

 

風太郎「あ!?っおい!」

 

それみない方がいいと思うけど?

 

女の子「えぇ~、上杉風太郎くん。得点は...ひゃ、100点!?」

 

風太郎「あぁ~、めっちゃ恥ずかしい!」

 

女の子「わざと見せましたね!」

ほらね?言わんこっちゃないよ。

 

優助「風太郎、女子に対してそういうことしてると、一生彼女なんかできないぞ~」

 

 

風太郎「彼女だと?恋とは学業から最もかけ離れた最も愚かな行為だ!学力が下がり、人生のピークを向かえ、絶対後悔することとなる!」

 

 

女の子「彼は、かなり拗らせているようですね...」

 

優助「だね。」

 

こうなったら、コイツはてこでも動かないからなぁ~。

 

 

女の子「それにしても、羨ましいです。勉強はあまり得意ではないので。あ!良いことを思い付きました!せっかく相席になったんです。勉強おしえてくださいよ!」

 

風太郎「断る。ごちそうさまでした。」

 

 

女の子「ええ!?」

 

 

女の子「ご飯それだけで良いんですか?私の分を少し分けましょうか??」

 

風太郎「結構だね。むしろあんたが頼みすぎなんだよ。太るぞ。」

 

 

優助「風太郎それは、言っちゃアカンて。今のうちに謝っといた方が...」

 

風太郎「悪い。らいはから電話だ。先に戻ってるから。」

 

 

アイツ最後の最後にとんでもないこと原爆を落としていきやがった!!

 

 

女の子「なんですか、あの人は!無神経にも程があります!!」

 

 

優助「悪いな、風太郎はああいう性格なんだ。口は悪いが根はいいやつなんだ。許してやってくれ。」

 

女の子「そうは見えませんが.....」

 

 

prrrrrrr

優助「ん?なんだ電話か?知らない番号だな。悪い、オレ先に行くから。それじゃあね。」

 

 

女の子「あ、はい。さようなら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「...はい、もしもし。どちら様ですか?」

 

『はじめまして。君が真田優助君で間違いないかい?』

 

優助「えぇ、そうですが...ご用件は?」

 

『単刀直入に言うと、君には私の娘達の家庭教師を依頼したい。君の父親と少し付き合いがあってそこで君を紹介されてね。こちらでも調べさせてもらったが、君は中学校の頃からずっと学年一位だったらしいじゃないか。』

 

 

優助「え、えぇ。」

 

『その実力を見込んで、家庭教師の依頼をしたい。アットホームで楽しい職場。給料は相場の5倍だ』

 

オレの両親は、オレを大切に育ててきてくれた。親の期待に、こたえないわけない。

 

優助「父の顔に泥を塗るわけにはいきません。その依頼、お引き受けします!」

 

『では、任せるよ。それと、家庭教師は君と同じ学校に通っている、上杉風太郎君にもしてもらう。』

 

優助「風太郎と?」

 

『あぁ。では明日からおねがいしてもいいかい?』

 

「はい!わかりました。」

 

『では、失礼するよ。』

 

 

 

 

 

 

(電話越しなのに、すげぇ威圧感だったなぁ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生「えぇ~では。このクラスに転校生が来たので、軽く自己紹介してもらう。」

 

(転校生って、さっき風太郎と話してた子じゃね?)

 

 

一花「こんにちは~、中野一花です。みんなよろしくねー。」

 

ん?顔と制服は一緒だけど、どっか違うような...ジー

 

一花「?」

 

やべっ。ちょっと顔見すぎたか!?

 

先生「じゃ、真田の隣の席が空いてるからそこに座ってくれ。」

 

は?オレの隣だと。めちゃくちゃ気まずいやん。どうしよう?

 

一花「これから、よろしくねー」

 

 

優助「あ、あぁうん。よろしくね。」

 

髪の長さかな?でも一瞬で、しかも学校で髪切る人なんているのかなぁ?

 

うーん、わからん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後

 

風太郎「くそっ。昨日余計な一言を言ったせいでこうなるとは....」

 

優助「全くだ。口は災いの元だからな?オレは昨日謝れと言ったのに...」

 

オレたちは今なにをしているかって?

これから家庭教師をする生徒が昨日、風太郎と一悶着あった子でその子に謝るタイミングを見つけるためにあとをつけているわけなんですよ。勘違いしないで欲しいんだけどストーカーしてるわけではない!決して!

だが、風太郎は勉強の方では頭がキレるが、私生活ではポンコツなのだ。顔出しパネルに顔を突っ込んでいてもこいつは不審に思わないらしい。

こりゃコイツの将来が心配だ...

 

すると一人くびにヘッドホンをつけた女の子が歩いてきた。

 

女の子「それ...楽しい?」

 

すると風太郎は

風太郎「まぁな...こういうのが趣味なんだ....」

 

 

女の子「女子を眺める趣味....予備軍。」

 

 

風太郎「無言で通報するのやめてくれないか?あと、友達の五月ちゃんにも言わないでくれ。」

 

コイツ、マジで言ってんの?どう見ても姉妹だろ。まぁ、面白そうだから今は言わないけど。

 

優助「まぁ、コイツの好きにさせてやってくれ」

 

女の子「うん。でも五月とは友達じゃない....」

 

これで結論が出たね、うん。

 

風太郎「やっぱり人間関係というものは分からないな。」

 

優助「たぶんお前だけだぞ?」

 

風太郎「え?...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガンっ!

 

女の子「君たちストーカー?」

 

風太郎が、仮に“ヘッドホンちゃん”としよう。ヘッドホンちゃんの方をみるが

 

女の子「五月には言ってない」

 

 

でもおかしいなぁ。なんでこうも同じ顔がいっぱい出てくんだ?裏で変装とかしてるんじゃない?

 

風太郎「オレたちもここに住んでるんだ!」

 

オレがアホみたいなことを考えている間にこのポンコツはなにを言い出すんだ。

 

女の子「え?マジで?ごめん。」

 

 

女の子「“焼肉定食、焼肉抜き”。ダイエット中?」

 

 

風太郎「っ!?」ダッ

 

女の子「あっ逃げた!待ちなさーい!」

 

 

 

女の子「あなたは行かないの?」

 

優助「ん?まぁ、また後で会えるよ。」

 

女の子「??」

頭の上に?マークを浮かべているヘッドホンちゃん。そこに

 

一花「あっ!君は同じクラスのユースケくん!」

 

女の子「え!?一花と同じクラスなんですか!?」

 

次から次へと騒がしいのが来るねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んっ、待てよ?同じ顔が四人いるぞ。そして、風太郎はマンションに入っていった子を追いかけていった。どういうことだ?

 

どうやらオレの脳と目は限界をむかえているらしい....

 

優助「まさかな?.....そんなことってあり得るのか??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~風太郎視点~

 

はぁ、はぁ、全部あいつらのせいだ!全部!

 

風太郎「五月!」

 

五月「上杉くん!?」

 

風太郎「そっ、その、き、昨日は...」

 

五月「なんですか?今日は家庭教師の方が来るのではやくしてください!」

 

 

風太郎「それ、俺。家庭教師、俺。」

 

五月「ガーーンっ!!」

 

 

五月「だっ、断固拒否します!!」

 

 

風太郎「俺だって嫌だ!俺の方が嫌だね!だが、これが現実だ!そして今日から俺がお前の“パートナー”だ!」

 

 

五月「嘘...この人が私たちのパートナーなんて...」

 

 

 

 

 

 

優助「よう。風太郎、しっかり謝れたか?」

 

一花「あれ?優等生くん?」

 

女の子「いたっ!ストーカーよ!!」

 

 

女の子「上杉さんがストーカー!?」

 

 

女の子「二乃、早とちりしすぎ。」

 

 

 

優助「風太郎.....オレらはとんでもないこと仕事を引き受けてしまったらしい....」

 

 

 

 

 

 

 

 

((オレらが、コイツの....コイツらの家庭教師をするなんて.....))

 

 

 

 

 

 

 

優・風「「....悪夢だ.......」」




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優助くん預言者説?

今回は優助くんが少しやらかします....やっていいことと、悪いことはしっかり見定めようね?優助くん。


風太郎「えぇ、今日から家庭教師をさせていただく上杉風太郎と申します。じゃあこれから勉強を....って、だれもいねぇーー!!!」

 

 

四葉「はいはーい!私がいま~す!」

 

風太郎「えっと君は四葉だったか?」

 

四葉「はい!!」

 

風太郎の一人ボケ突っ込みに四葉が返事をしてくれていた。オレは少しだけ見分けがつくようになった。

 

 

風太郎「他の奴らはどうした?」

 

 

四葉「みんな自分のお部屋にいますよ~!!」

 

 

優助「よし!風太郎。全員よんでこい。」

 

風太郎「仕方ない、優助。お前も行くぞ!」グイッ

 

 

優助「いたたた!分かったから。手離して~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉「五月はすごく真面目でいい子なので、きっと勉強に参加してくれます!」

 

風太郎「そうか」コンコン

 

五月「はい?なんでしょうか?」

 

風太郎「これから勉強会をする。お前も来い....」

 

 

 

五月「どうして同じ学校のあなた達なんですか?この街にはもう少しマシな家庭教師はいないんですか?真田くんならまだしも、あなたのような無神経な人には勉強なんか教わりたくありません!」

 

 

風太郎「あのときは教えてくれって言ってたじゃないか!」

 

 

五月「忘れてください!気の迷いです!!」バタンッ

 

 

優助「あちゃ~これは先が思いやられるね?風太郎」

 

 

 

四葉「だ、大丈夫ですよ!次行きましょう!!」

 

 

 

 

 

四葉「三玖は、私たちのなかで一番頭が良いんですよ。三玖なら、上杉さん達と気が合うかも~....」

 

 

 

 

三玖「ヤダ、どうして同じ学校のあなた達なの?この街には.....」

 

 

風太郎「それは、さっきも聞いた!」

 

 

 

四葉「五人もいれば二人くらいこうなりますよ!二乃は話し上手で友達がいっぱいいるんですよ。「コンコン」なら、上杉さん達も.....」

 

 

 

風太郎「出てきてすらくれないな。どこかに出掛けたんじゃないか?」

 

 

優助「なんでこうなるんだ!?」

 

 

 

四葉「一花は~.......」

 

風太郎「なんだ?その間は」

 

 

 

四葉「驚かないでくださいね~」ガチャ

 

 

風太郎「こんなとこに人が住んでんのか??」

 

 

 

優助「これは中々だなぁ.....」

 

そこに広がっていたのは、The・汚部屋だった。

 

 

一花「人の部屋を未開の地扱いしないで欲しいなぁ。ふぁぁ~...」

 

 

 

優助「一花もはやく起きて勉強会するよ?」クイッ

 

 

一花「あぁ!?ダメダメ!服着てないから照れる。」

 

 

 

優助「全く君たち五つ子はどうなってるんだ?問題児ばっかりじゃん。」

 

 

風太郎「全くその通りだ!」

 

 

 

一花「君たちいいの?せっかく女の子の部屋に来たのになにもしなくていいの?」

 

一花は、俺たちを誘うように言う。

 

優助「いや、別にオレはいいかな…。」

 

 

 

 

一花「なにその反応~、つまんないのー。」

 

 

 

 

優助「じゃあ今すぐ襲ってやろうか?男の怖さっていうものを……」

 

 

 

四葉「そっ、それはダメですよーっ!!」

 

 

 

風太郎「とりあえず、はやく服を着て勉強するぞ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外へ出ると風太郎と三玖が体操着について話していた。下に目をやると二乃がクッキーの入った皿を机においていた。二乃のきている体育着...三玖ってかいてないか?

 

 

 

 

優助「なぁ、三玖。あれじゃないのか」

 

 

オレがたずねてみると

 

三玖「あっ、あれだ。ありがとうユースケ。」

 

 

 

優助「おう、見つかって良かったな。」

 

二乃「あっ、ちょうど良かった!クッキー作りすぎちゃったんだけどたべる??」

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「よし、これで四人集まったn....」

 

 

「「「「「いっただっきまーす!」」」」」

 

 

優助「って、優助まで!?」

 

 

優助「中々うまいなぁ~。」シャクシャク

 

 

一花「美味しい~!!モグモグ」

 

 

二乃「クッキー嫌い?」

 

 

風太郎「そういう気分じゃ....」

 

 

二乃「そんなに警戒しなくても、クッキーに毒なんか盛ってないから。たべてくれたら勉強してあげてもいいよ!」ニコッ

 

 

ん?なんか怪しい。普通“毒”なんていわないだろ...そして四葉を除く三人が勉強が嫌い...まさか、本当に盛ってるんじゃないか?だとしたら、やべぇ~な!

 

 

風太郎「ぱくっ」サクサク

 

二乃「わあ!モリモリ食べてる。そんなに美味しい?」

 

 

 

風太郎「あぁ!うまいな!」

 

風太郎には警戒心というものがないのか?

 

二乃「あっ!そうだ。私たちさ~ぶっちゃけ家庭教師なんて要らないんだよね~」

 

 

風太郎「!?」

 

 

優助「(やっぱりか....)」モグモグ

 

 

 

二乃「なーんてね!はい!お水。あなたにも!」

 

 

風太郎「サ、サンキュー」ゴクッ

 

 

優助「悪いな....(ん?この水、なんか変な匂いがする...まさか!?)」

 

 

優助「風太郎!飲むな!!」

 

 

風太郎「え、なん、、で」バタッ

 

 

優助「あちゃ~、やっぱりかぁ~....」

 

 

 

二乃「チッ、でも家庭教師が寝ちゃえば勉強なんかできないわよね?」

 

 

優助「分かった...今日のところは出直すとする。だが、睡眠薬を盛ったのは許されたことじゃないからな。量を間違えたら死に至る可能性もあるんだ...」

 

 

優助「こんなこと2度とするな....」

 

そう吐き捨てるとオレは風太郎を担いで玄関まで行くと...

 

五月「タクシーを呼びました。私が彼を送っていきます。」

 

 

優助「そうか...」

 

五月「二乃がしたことは謝ります...」

 

 

優助「後で二乃にもコイツに謝るようにいっておいてくれ。」

 

五月「はい。分かりました」

 

 

優助「じゃあ、また、明日ね」

 

 

 

 

 

オレは帰路につくが、これから先にどうするかについてで頭を悩ませるのであった。




優助くんはエグいくらいの精神力を持ってるわ...僕があんなふうに誘われたら、自分が顔真っ赤になっちゃうよー!
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2人の味方、GETだぜ!

しゃべる前に名前をつけてみました。これで前のやつと見やすさを比較できると思います。出来るだけ早くどっちかに決めたいのでたくさんの投票おねがいします!!
※優菜ちゃんの優助くんの呼び方を“ユウ”にします!お兄ちゃんだと、双子なのに違和感があったので...ご了承おねがいします!


風太郎「お前ら今日はよく集まってくれた。」

 

 

四葉「ここ、私たちの家ですし~......」

 

コイツらは相変わらず勉強をしたくないらしい。二乃はスマホをいじってるし、一花に関しては寝てやがる。

 

 

三玖「まだ諦めてなかったんだ...」

 

二乃「家庭教師は要らないっていわなかったっけ?」

 

酷い言われようだな~オレたち...

 

 

風太郎「だったらそれを証明してくれ!今からお前らにはテストを受けてもらう!合格ラインを越えたやつには、もう近づかないことを約束しよう。」

 

 

これがオレたちが出した案だ。まあ、言っても割と難易度は散らして置いたけど、ある程度勉強していれば100点はとれるテストにしておいた。

 

五月「分かりました....受けましょう。合格すればいいだけです。これであなたの顔をみなくてすみます。」

 

優助「じゃあ、合格ラインは50ってとこかな?」

 

 

二乃「あんまり私たちを侮らないでよね...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~1時間後~

 

 

風太郎「採点終わったぞ!!すげぇ!100点だ!全員、合わせてだけどな!」

 

優助「マジかよ....コイツら」

 

ありえなくね?全員合わせて100点もスゴいけど、大体1人20点だよ?

 

 

二乃「逃げろー!!」

 

 

風太郎「コイツら全員赤点候補かよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~真田家~

 

優助「た、ただいまぁ~、、」

 

 

優菜「あっ、ユウ!おかえりー、って凄く疲れているように見えるんだけど。」

 

 

優助「たぶん、凄く疲れてるんだと思う。」

 

 

優菜「私がぎゅーって抱き締めてあげようか??」

 

 

優助「お前力強いから無理。息できなくなっちゃう....」

 

 

優菜「そんなことないよ!私だってか弱い乙女なんだよ!」

 

 

優助「はいはい、そーでしたね~。オレは風呂はいってくるから。」

 

 

優菜「一緒に入ってあげようか??」ニヤニヤ

 

 

優助「優菜が八歳くらいまで若返れるなら入ってもいいぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べ終えて、部屋に戻り家庭教師用ノートを開く。そこには、今日行ったテストの結果が示してあった。

 

 

優助「ほんとに散々な結果だな~。」

 

 

優菜「ホントだねぇ。」

 

 

 

優助「うわ!、ビ、ビックリさせんなよ!このぉっ」

 

オレは優菜のほっぺを両手で引っ張る。

 

 

優菜「やめへよ、いひゃいから!」

 

全く昔はあんなに可愛かったのに、今可愛いのは顔だけだ。(だが、顔は優助とほぼ同じ顔である)

 

 

優菜「あれっ、ユウ。この、印の位置って....」

 

ん?おっ!こっ、これはすげぇ。

 

 

優助「優菜!よく見つけれたな!!これで明日、なんとかなるかもしれない!!」

 

 

優菜「えっ!?///ちょっとユウ!?」

 

オレは優菜の頭を勢いよく撫でてやり、洗面所へ、歯を磨きにいった。

 

優菜「やっぱり、ユウに撫でられるの、好きだな」

 

1人、部屋に取り残された優菜は、独り言をポツンと呟くと、自分の部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈翌日〉

 

風太郎「ぜぇ、はぁ、や、やはり家庭教師と勉強の両立は大変だな、」

 

 

校門を通りかかると風太郎がかけこんできた。

 

優助「おはよー、風太郎」

 

風太郎「お、おう。おはよう」

 

 

すると目の前の道路に黒で覆われた高級車が止まる。

 

風太郎「見たことない、外国の車だな。100万くらいはするだろう。」

 

風太郎のスキル発動!The ポンコツ !

 

この見た目の車がたった100万で、買えるわけがないだろ。

 

 

ガチャ

 

 

五月「何ですか?ジロジロと不躾な。」

 

二乃「またアンタたち~?」

 

一花「おっ!フータロー君とユースケ君だ」

 

タタタタっ

 

優助「あっ、逃げた。」

 

風太郎「よく見ろ!俺は手ぶらだ。害はない!」

 

 

二乃「騙されないわよー。」

 

三玖「油断させて勉強させてくるかも。」

 

 

オレたち彼女らになんかしたっけ??家庭教師ってだけでこんなに嫌われる??

 

 

風太郎「お前ら、俺をなんだと思って....」

 

 

 

五月「私たちの力不足は認めましょう。ですが、自分達の問題は自分達で解決します!」

 

三玖「勉強は1人でも出きる。」

 

二乃「そうそう。」

 

 

優助「そっか~....なら、昨日のテストの復習は勿論したよね??」

 

 

五つ子「「「「「!?」」」」」

 

まさかな?

 

優助「問一。厳島の戦いで毛利元就が破った武将を答えよ。」

 

 

すると、五月が勝ち誇ったようにこちらを振り向いた。

まっ、まさか!?

 

五月「む~~っ」プルプル

 

 

 

 

風太郎&優助「「む、無言!!」」

 

 

 

 

オレらは教室への道を前に五つ子、少し距離が離れて後ろにオレら家庭教師組が歩いている。

 

コイツらは極度な勉強嫌いなようだ。そして、ついでにオレたちのことも。

 

 

風太郎「ん?これって...」

 

優助「どうしたんだ?風太郎。」

 

風太郎「さっきの問題、三玖が正解しているんだ。」

 

 

優助「あれ?ホントだ。」

 

家庭教師組「「??」」

 

なんで、さっき答えなかったんだろ....後で聞いてみるか~...?

 

 

 

 

 

 

 

~昼休み~

 

最近、転校して来たばかりの隣の席の人は質問ぜめに合っている。この様子にも見慣れてきたなぁ。まぁいい、早く食堂に行って三玖に朝のことを聞かなきゃな。

 

 

 

 

 

食堂にて...

 

 

 

優助「おっすー、三玖。ん?なんだ?その飲み物....」

 

三玖「抹茶ソーダ」

 

優助「美味しいのか?それ。」

 

三玖「意地悪するユースケとフータローには飲ませてあげない。」

 

あんま美味しくなさそうだからいいんだけど...

 

優助「あっ、そうだ三玖。朝の問題の件なんだg..」

四葉「真田さーん!!」

 

優助「なんだなんだ??」

 

四葉「今日は英語の小テストがありました~!」

 

後ろからさらに、風太郎と一花も入ってきた。

 

優助「それでだ三玖、話なんだけd....」

 

四葉「しかもそのテスト全部間違えてましたー!!」

 

四葉よ、わざとやっているのでは?いや、無意識でやっているから余計にたちが悪いのか?

 

一花「こら四葉。邪魔しちゃダメでしょ~」

 

四葉「えぇー?一花も見てもらおうよー!」

 

一花「んー、パスかな?ほら、私たちってバカだし...」

 

 

風太郎「それ、自分で言うか...」

 

 

一花「そんなことよりさー」

 

他の皆「「「「??」」」」

 

一花「高校生活をもっとエンジョイしようよー!例えば~、恋とか?」

 

あっ。その単語は~....

 

風太郎「恋、あれはもっとも学業から離れた行為だ。恋をしたものはどんどん学力が下がり、人生のピークをそこで迎えてしまうだろう。」

 

一花「この拗らせかた、手遅れだわ....」

 

四葉「恋したくても、相手がいないんですけどね~...」

 

 

優助「おぉ四葉、奇遇だな。オレがお前と同じ意見になる日が来るなんて。」

 

 

四葉「あはは...三玖は好きな人できた?」

 

三玖「!?いっ、いないよ///」

 

 

優助「急にどうしたんだろ?」

 

 

四葉「今の反応!姉妹の私たちにはわかります!」

 

一花/四葉「「三玖は今、恋してます!!」」

 

 

 

 

 

食事を終え、教室に戻ってきたオレは次の授業の準備をしていた。

 

 

優助「(オレは別に恋を否定したりはしないが...むしろオレも恋愛というものをしてみたいんだが)」ガサゴソ

 

 

ん?なんだこの手紙。三玖から?

 

三玖『放課後、屋上に来て。どうしてもこの気持ちを抑えられないの。』

 

 

優助「・・・。は???」

 

 

一花「?どうしたの、ユースケくん?」

 

優助「いっ、一花!?べ、別になんでもないよ!!なんでも!」

 

 

 

 

 

 

 

屋上にて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三玖「来てくれたんだ。食堂で言っても良かったんだけど、誰にも聞かれたくなかったから....」

 

優助「おっ、おぉ。それで、話ってなんだ?」

 

ヤバイ!さっきの四葉たちの発言が脳にちらつく!

 

三玖「話って言うのは...す、す.....」

 

告白だとしたら、まだ会って三日目なのにはやくねぇか?マズイ、まだ心の準備が...

 

三玖「陶晴賢!」

 

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

優助「ん?すえ、はるかた???」

 

 

三玖「よし!言えた...すっきり!。それじゃあ」

 

三玖は、ヘッドホンをつけスマートフォンを取り出し帰ろうとする。

 

優助「まっ、待ってくれ!どういうことか説明してくれ!!」ガシッ

 

 

三玖「!?」ビクッ

 

 

カタンッ

 

手をつかんだのにびっくりして三玖が携帯を落としてしまった。

 

優助(ん?これは、武田菱。)

 

三玖「みっ、見た!?」

 

優助「あっ、あぁ、悪い.....」

 

三玖は真っ赤な顔を手でおおいながら、

 

三玖「誰にも言わないで...好きなの、戦国武将......」

 

 

優助「へぇ~、三玖って歴女だったんだ~。」

 

 

三玖「きっかけは四葉から借りたゲーム。野心溢れる武将たちに惹かれて、たくさん本を読んだ...。でも、クラスの人が好きなのは、イケメン俳優やモデルばかりで、私は髭のおじさん....変だよ。」

 

 

いや~思い出した!オレ、確か神様に転生特典であれば助かる能力とか物よろしくって言ってたんだ!だから家にめちゃめちゃ歴史とか武将の本あったのか!全部読んどいて良かった~...

 

優助「いや、変じゃないでしょ。」

 

三玖「えっ?」

 

 

優助「実はさ、オレも家にいっぱい歴史とか武将に関する本があってさ。小学校の頃に読み始めて、興味あったんだよね。」

 

三玖「ほっ、ほんとに!?」

 

優助「詳しく知ってる訳じゃないけどね?武将の名前とか、家系とか?参加してた戦いとかだけしか、知らないけど。」

 

三玖「じゃ、じゃあ問題ね!信長が秀吉を猿って呼んでたって話は有名だけど、この逸話は間違ってるの!本当はなんて呼ばれてたかわかる?」

 

優助「え~っと~...(日本史の先生...あっ!思い出したー!!!)禿げ鼠!」

 

三玖「正解!...」

 

その後は、三玖の口から逸話の話は止まらず、俺の知ってる逸話があったり無かったりしたけど、結構面白いもんだね!歴史って。

 

三玖「謙信が女だったって言う説もあって!」

 

優助「えっ?マジで!?」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

三玖「三成は柿を食べなかったんだ....」

 

優助「そんな逸話もあるんだね。」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

三玖「信長が頭蓋骨にお酒をいれたとか...」

 

優助「信長って少し怖いんだよね~。オレの勝手なイメージだけど...」

 

 

 

しばらく逸話トークは続き、

 

優助「中々、武将の逸話って面白いものもあるんだね。」

 

 

三玖「ユースケも結構逸話わかるんだね。」

 

優助「ほとんど知らないやつの方が多かったけどね...」

 

 

三玖「また今度、話してもいい??」

 

 

優助「当たり前だ。オレも勉強になるし!じゃあ、次の家庭教師の時は日本史にしよう。だったら三玖も一緒に勉強してくれるか?」

 

 

三玖「うーん...分かった。」

 

よし!1人仲間にすることができたぞ。神様マジでありがとう!

 

ピッ、ガシャン

 

三玖「はい、ユースケ。友好の印。飲んでみて?」

 

 

優助「あんがと。」

 

三玖「もちろん、鼻水なんて入ってないよ。」

 

 

優助「それならオレにも分かる。石田三成が大谷吉継の鼻水の入ったお茶を飲んだってやつだよね?」

 

三玖「せ、正解...」

 

 

優助「良かった。」ゴクゴク

 

三玖「どう?美味しい??」

 

 

優助「うん、絶妙に不味いわ。でも鼻を通る香りは悪くないかも。」

 

 

三玖「そう。」

 

 

優助「三玖の話を聞いて三玖が一番五つ子の中で頭がいいって言うのも頷ける。」

 

 

三玖「そんなことない。私は五つ子の中でも一番落ちこぼれだから...」

 

そうか。三玖は自分に自信が持てないのか。昔の俺を見ているみたいだな。

 

優助「でも、昨日のテスト一番点数が高かったじゃん。」

 

三玖「優助は優しいね。でも、わかるんだよ。私にできることくらい他の四人にも出来るんだよ。五つ子だもん。」

 

ん?ならその逆も言えるんじゃないか。

 

優助「それならさ、その逆で他の四人にも出来ることは三玖にも出来るってことじゃないのか?この前のテスト、お前たちは正解したところが1つも被っていなかったんだ。だから、お前たち全員には100点になれる才能があるんだよ!」

 

三玖「なにそれ?屁理屈。五つ子を過信しすぎ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

風太郎「ライスはLじゃなくてRだ!Liceはシラミだぞ!」

 

 

四葉「あわわわわ………」

 

お~やってるやってるー!

 

優助「おーっす。って、何で怒られてるのに笑ってんだ?まさか四葉!?ドM気質なの!?」

 

 

四葉「ちっ、ちがいますよ!!上杉さんが家庭教師の日でもないのに勉強を教えてくれるからです。」

 

なんだ。びっくりしちまったよ。

 

優助「風太郎も三玖に少しは認めてもらえたらしいな。」

 

風太郎「ふん!学年一位をなめてもらったら困るぜ!」

 

優助「まあ、やっぱり四葉以外来ないんだな...」

 

 

四葉「みんなに声はかけたんですけど...あっ

、でも4人じゃなくて3人ですよ?」

 

優助「おお、三玖!来てくれたんだな。」

 

三玖「優助のせいで少し考えちゃった...私にも出来るんじゃないかって。だから....責任とってよね!」

 

 

優助「おう!当たり前田のクラッカーよ!」

 

 

風太郎「チョイスが絶妙に古いな」

 

 

四葉が三玖になにか言っているようだが、これで二人は味方になった。これなら、ワンチャンなんとかなるかもしれないね。




無事に二人を味方にすることができた優助くんと風太郎くん。そして、優助くんは知らない内に三玖とのフラグが立ちました。これからどうなるんですかね?
そして、優助くんの転生特典ですが歴史グッズではなく、鼻水の逸話です。歴史グッズはたまたま両親がもっていただけです。
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オレらは嫌われている

遅くなってしまい、ホントに申し訳ないです!!平日は忙しすぎて全然投稿できなそうです。お気に入り数が100越えたら投稿ペースあげたいと思います。(そんなに見てくれる人はいません)


オレは今、目の前でオートロックと戦っている風太郎を眺めている。あいつやっぱり面白いな(笑)

 

三玖「何してるの?」

 

優助「おう、三玖か。今あそこにいる風太郎が面白くて見てたところ。」

 

三玖「今時、オートロックを知らない人っていたんだ...」

 

三玖も来たところだし、そろそろネタバラシといきますか!

 

優助「おっす!風太郎。」

 

風太郎「おう、優助と三玖か。聞いてくれ、このドア壊れてやがるんだ。」

 

三玖「オートロック、ホントに知らないんだね...」

 

そして三玖にいろいろ説明を受けている風太郎。やっぱりコイツの将来は少し心配である...

 

 

 

ピッ

 

 

 

三玖「行くよ、ユースケとフータロー。家庭教師するんでしょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ...。また一人一人の部屋を訪ねて回らなきゃ行かないのか~。

 

風太郎「きっと、お前の方が印象が良いはずだ。行ってきてくれ。」

 

優助「分かってるなら、もうちょっと好感度をあげる努力をしてくれ...」

 

そう風太郎に言うと、仕方なくオレはみんなの部屋に行くため階段をのぼる。

 

優助「お~い五月。勉強するから下に来てくれないか??」

 

ガチャ

 

五月「彼(風太郎)はどうしたんですか?」

 

優助「下にいるよ」

 

そういうと、見るからに嫌そうな表情を浮かべる五月。

 

優助「分からないところならオレも教えれるし、自分で頑張りたいって言うなら、近くで自習するだけでも良いから、来てくれない?」

 

五月「...分かりました。」

 

そう言い残すと五月は部屋に戻っていった。次は四葉だな。

 

優助「四葉~!勉強するよー」

 

四葉「分かりました!」

 

四葉は本当に良い子だとオレは思う。物分かりが良く居てもらえると凄く助かる。

 

優助「二乃ー」

 

ガチャ

 

 

優助「一緒に勉強s....」

 

バタン!

 

うん、知ってた。んで、次は~...

 

 

優助「.......。」

 

 

一花「四葉~そこら辺にある服取ってー」

 

前よりひどくなってない?一花と四葉がなにか話しているが、一花は来てくれるっぽいし、とっとと出ていこっと。

 

優助「足の踏み場もないな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「よし!お前ら、勉強始めるぞ。」

 

三玖「ユースケ、約束通り日本史の勉強しよ。」

 

優助「おう!」

 

一花「ん~、私は見てるだけにしよっかな」

 

五月「私はあっちで自習していますので。」

 

ん?二乃が二階から見てるな。まあ、ほっとくか。

 

風太郎「やぁ、二乃。君も一緒にどうだい??」

 

どんな誘い方だよ。いま、寒気がしたぞ?

 

二乃「死んでも嫌!」

 

そんなに言わなくても....

 

優助「まぁ、とりあえず始めよ?」

 

五月は自習、一花は見学、三玖にはオレが日本史を、四葉には風太郎が国語、というふうにようやく勉強が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のだが.......二乃が降りてくるなり

 

二乃「一花2時からバイトじゃなかったっけ?」

 

一花「あっ!ヤバッ...」

 

1人脱落...

 

二乃「あぁ~、バスケ部で欠員が出て試合が出れないみたい...今まで練習してきたのに可哀想...」

 

風太郎「よ、四葉....もちろん勉強を....」

 

四葉「上杉さん、真田さん、私やっぱり困っている人は放っておけません!!」

 

2人脱落...

 

二乃「五月もこんなうるさいところじゃなくて、図書館とかに行けば?」

 

五月「え?えぇ、たしかにそうですね。では、行ってきます。」

 

3人脱落...

 

残るは2人だが、二乃は勉強をしないため実質残るは家庭教師2人と五つ子では三玖が、たった1人いるだけになってしまった。

 

二乃「三玖は間違えて飲んだ、私の飲み物買ってきなさいよ。」

 

三玖「もう買ってきた。二人とも、早く勉強しよ。」

 

風太郎「あ、あぁ。分かった。」

 

優助「おっけ~」

 

二乃「ちょ!ちょっと待ちなさいよ!あんたらいつの間にそんなに仲良くなってたの!特にそっちの!」

 

え?俺っすか??

 

三玖「二乃には関係ない」

 

二乃「へぇ、こんな髪ボサボサで地味な男が好みなの?こっちの奴も中々だけど」

 

風太郎も巻き込まれたな....そういえばこっちの世界に来てから髪の毛セットしたことないな....最近じゃ自分で切ってるし。

 

三玖「ユースケは地味じゃない....あっ、あとフータローも。」

 

優助「いまオレら悪口言われたぁ」

 

風太郎「コイツら酷くないか?特に俺に....」

 

オレは大丈夫だが、風太郎には少し効いたかもね。

 

 

三玖「二乃はメンクイだから」

 

優助「三玖も中々言うねぇ....」

 

二乃「メンクイで悪いかしら?イケメンに越した事はないでしょ?なるほど、外見を気にしないからそんなダサい服で出掛けられるんだ~」

 

三玖「その尖った爪がおしゃれなの?」

 

二乃「あんたには一生わからないかな~」

 

三玖「分かりたくもない」

 

そろそろ止めなきゃな。

 

優助「今は中身とか関係ないだろ。姉妹なんだからもっと仲良くしなよ。」

 

三玖「そうだね....」

 

よしっ!これでおっk.....

 

二乃「あんた達、昼ごはんは食べた?」

 

ん?なんだなんだ??

 

優助「オレは食ったけど」

 

風太郎「俺はまだ食ってない.....」グゥー

 

なんのつもりだ?二乃のやつ。

 

二乃「なら三玖の言う通り中身で勝負しようじゃない。どっちが家庭的か料理勝負よ!私が勝ったら今日は勉強なし!」

 

はぁ~、ダメだこりゃ....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二乃「じゃーん!旬の野菜と生ハムのダッチベイビー!」

 

三玖「オ、オムライス....」

 

二乃のやつは聞いたことないなぁ、でも、美味しそうではある。三玖のは.....うん。俺もそうなったことはある。(小学生の頃)

 

三玖「や、やっぱり自分で食べる!...」

 

二乃「折角作ったんだから、食べてもらいなさいよ~」

 

二乃、知っててやったのか。まあ風太郎は嘘はつかないからな

 

優助「では、審査員の風太郎くん。お食べください。」

 

風太郎「いただきます」パク

 

二乃は自信満々の顔、三玖は不安そうな顔をしてるが、風太郎が出した答えは.......

 

 

風太郎「うん、どっちもうまいな。」

 

でしょうね。コイツはかなりの貧乏舌だからな~

 

二乃「はぁ!?そんなわけ、ならアンタも食べてみなさいよ!!」

 

優助「わかったわかった。一旦落ち着け、どーどー」

 

二乃「アンタねぇ!―」

 

よしっ、食べるか。二乃がなんか騒いでるが気にしない気にしない!

 

パクっ

 

優助「うん、正直に言うと二乃だ。」

 

二乃「ふんっ!当たり前よ!」

 

三玖「...」ションボリ

 

優助「だが、味は悪くない。三玖に足りないのは“慣れ”だ。」

 

三玖「慣れ?」

 

優助「ああ。まあ、新しく料理を開発するとかなら、センスとか才能が必要かもしれないけど?」

 

三玖「もう少し練習したら、美味しく作れるようになる?」

 

優助「もちろん」

 

二乃「なによそれ...つまんない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三玖「ごめんユースケ、手伝わせて。」

 

優助「いや、大丈夫だ。料理の練習をする時はオレのことよんでもいいから。」

 

三玖「うん、今日はありがとう。」

 

優助「よしっ!風太郎、帰るか!」

 

風太郎「あぁ。」

 

ウィーン

 

風太郎「今日は疲れたな。」

 

優助「だなー」

 

風太郎「あっ!単語帳忘れた...取ってくるから少し待っててくれ。」

 

優助「おう、分かったー。」

 

 

 

 

 

ん?あれは~....

 

五月「真田くん?どうしたんですか?」

 

優助「ああ、仕事は終わったんだが風太郎が単語帳を忘れてな。今待ってるところ~」

 

五月「そうですか、ではまた...」

 

優助「五月」

 

五月「はい、なんでしょう?」

 

優助「もう少しオレたちを頼ってくれても良いからな。あいつは言い方は悪いが、五月たちの事を思って行動してるハズだ。あいつも変わってきてる。」

 

五月「...はい、分かりました。考えてみます」

 

優助「おう!テストでも終わったらどっか行こうぜ」

 

五月「はい。それでは失礼します。」

 

 

 

 

 

数分後

 

一花「あれ、ユースケくん?こんなところで何してるの?」

 

優助「風太郎が単語帳を忘れたらしいんだが、遅くてな。」

 

一花「ふーん。そういえば、ユースケくんって髪長くない?それで前見えるの?」

 

優助「ああ。意外と見えるから髪を切りに行くのが遅くなってるんだよね~」

 

ピロン

 

ん?誰からだ....

 

風太郎《今すぐ上にきて、助けてくれ!》

 

一花「どうしたの?」ヒョコ

 

優助「いや、ほら。」

 

一花「とりあえず、行ってみよっか....」

 

 

 

 

 

 

一花「静粛に。」

 

五月「裁判長、これを見てください。被告は家庭教師であるにも関わらず、ピチピチの女子高生に欲望を爆発させ襲いかかった...この写真の男は上杉風太郎被告で間違いありませんね!」

 

なんか始まってるぞ?

 

風太郎「む、無実だ...」

 

二乃「裁判長」

 

一花「はい、原告の二乃くん。」

 

二乃「この男は一度マンションから出たと見せかけ、私のお風呂あがりを待っていた。この悪質極まりない犯行に、わたしはこいつの今後の出入り禁止を要求します」

 

風太郎「お、おい!いくらなんでもそれは!...」

 

これは困ったな、風太郎。

 

三玖「意義あり。フータローは悪人顔してるけど、これは無罪。」

 

風太郎「悪人顔って...」

 

やっぱり風太郎には当たり強いよなーコイツら。

 

三玖「私がインターホンで通した。録音もある。」

 

二乃「コイツはハッキリ言ったの!“撮りに来た”って。犯罪よ!」

 

三玖「忘れ物を“取りに来た”でしょ。」

 

三玖と二乃が言い合っているが、オレは風太郎がこんなことをするとは思えない。ので、五月の写真を見に行く。

 

優助「オレにも写真見せてみて」ヒョコ

 

五月「はい、どうぞ。」

 

優助「ん?なんか横に写ってないか?これは....本??」

 

五月「上から降ってきた本から二乃を庇った。そう見えなくもないですね...」

 

風太郎「そっ、その通りだ!ありがとな、五月!」

 

五月「わ、私はあくまで可能性の1つを提示したまでです。」

 

優助「まあ、これで一件落着ってことでオレは帰らせてもらうよ~」

 

立ち上がり、オレは外に出る。早くしないと優菜に怒られるわ。連絡してないし....

 

 

 

 

 

 

とか思ってたら、二乃がオレを追い越してマンションの外に出ていった。

 

優助「どうしたんだよ」

 

二乃「アンタになんか関係ないでしょ!部外者のクセに。」

 

優助「確かにオレは部外者だ。でも、やっぱりそんな顔されたら帰ろうにも帰れねーよ」

 

二乃「なに言ってんのよ...」

 

 

ウィーン

 

風太郎「優助と二乃、なにしてんだ?」

 

二乃「別になんもしてないわよ!」

 

優助「風太郎、二乃のことは任せた。オレじゃ、力になれなそうだ。」ボソッ

 

風太郎「あぁ、わかった....何とかしてみる...」

 

優助「じゃあな、二乃。オレはもう帰るとするよ」

 

そう言い残しオレはその場を去る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

ピンポーン

 

優助「ん?なんだ、宅急便かな?...はーい。」

 

ガチャ

 

五月「真田くん、あなたに渡したいものがあります。」

 

優助「五月か、とりあえず中に入りな。」

 

五月「それではお言葉に甘えて、お邪魔します...」

 

 

優助「それで渡したいものって?」

 

五月「では、これを」スッ

 

優助「なにこれ?」

 

五月「家庭教師の給料です。父から預かりました。」

 

優助「とんでもない額だけど...オレは家庭教師の仕事なんてほとんどしてないが?」

 

五月「あなた方が来てから五人は変わりはじめています。返金は受け付けません。」

 

優助「なら、これは風太郎にやってくれ。オレは勉強を教えていない。あいつの方がよっぽど苦労している。五月も知ってるんだろ?アイツの環境を...」

 

五月「えぇ....」

 

優助「なら、これはアイツにやってくれ。ただし、オレも家庭教師としての仕事がこなせるようになったら受けとることにするよ。」

 

五月「分かりました。では、上杉くんの家に行きます。失礼しますね。」

 

優助「おう。じゃあ、気を付けて行けよ~。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優菜「ユウ、誰か来てたみたいだけど...」

 

優助「あぁ、家庭教師してるとこの生徒が来てな。」

 

優菜「そう。あっ!そういえば今日は花火大会があるんだよ!一緒に行こう!」

 

優助「あ~、まあ、暇だし行ってみるかー。」

 

優菜「なら、浴衣も出さなきゃいけないね。」

 

優助「あぁ。」

 

優菜「それと....」

 

優助「それと?」

 

優菜「ユウも私の隣歩くんだから、かっこ良くしなきゃ!」

 

優助「はぁ?ちょっと待て!オレは良いから。」

 

優菜「とりあえず、美容院に行こう!そんだけ長ければきっとカッコ良くしてもらえるよ!」

 

優助「おっ、おい待て!引きずるな、離せこの手を。」

 

 

 

 

 

 

~美容室にて~

優菜「この人に似合う、カッコいい髪型にしてあげてください!」

 

店員「分かりました。顔は整っているのできっと大丈夫です!」

 

優助「マジかよ...」トホホ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後....

 

 

店員「終わりましたよ、お客様。」

 

優助「やべ、ほぼ寝てたわ。どうなってるか...な....」

 

 

優菜「ユウ、別人みたい!凄く似合ってる。」

 

優助「そうか?」

 

めちゃくちゃ通行人に見られるんだが?絶対に“なにあの髪型”とか、“陰キャのくせにあの髪型はないだろ”とか思われてそう。(※本人はカッコ良くて視線を引き付けていることに気付いていません。)

 

優助「はぁ~、これで花火大会歩き回るのか?」

 

優菜「実はさ!私と友達で屋台やろうと思ってさ、手伝って欲しいんだ!ユウって結構目立つからさ、人を呼び込んで欲しいんだよねー」

 

多分、客がいなくなると思うが...

 

優助「まあ、いいぞ。オレのカワイイ妹に恩を売っておこう。」

 

まだ、オレは知らなかった...この後アイツらと出会うことになるとは....

 

 

 

 

 

 

To be continued.....




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せわしない花火大会

優助くんにはリーダーとして人をまとめる素質があるようです。


ガヤガヤ....

 

人マジで混みすぎでしょ。陰キャのオレからしたら結構辛いんですけど....

 

通行人「あの~」

 

優助「あぁ、屋台ならあちらになります。」

 

通行人「そ、そうじゃないんだけど......」

 

こんな風に話しかけられるのもちょぴっと困る。しかも今日に限ってめちゃくちゃ話しかけられるんだが?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ~、スゲー疲れたな....ちょっと休憩もらってブラブラしてよっと。

 

優助「優菜ー、疲れたからちょっと休憩もらっていい?」

 

優菜「あ、うん。私達もちょうど休みたかったところだから」

 

優助「じゃあ、そこら辺ブラブラしてくるから。何かあったら電話ちょうだい」

 

優菜「分かった~。」

 

 

よし、どっか行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優菜side...

 

友達「優菜のお兄さんってすごいカッコいいねー!」

 

優菜「そーかなぁ?まあ、整ってるとは思うけど」

 

友達「いいなー。双子で美男美女で。やっぱりお兄さんってモテてるの?」

 

優菜「どうなんだろう...髪ボサボサで周りなんて気にしてなかったから、そんなにモテてないと思うけど。」

 

ユウは顔立ちは整ってるし髪もしっかりすればモテるとは思うけど。ユウって彼女いるのかな~...

 

 

優助side

 

えーっと、どっかに休めそうなところは....

それにしてもかなり混んできたな。人とめっちゃぶつかるんだけど...

 

すると目の前で浴衣を着た女の子が転びそうになっていたので慌てて手を掴んであげた。

 

優助「キミ、大丈夫??」

 

???「あ。はい、大丈夫です」

 

優助「なら、良かっt...え?」

 

女の子が振り返ると同時に声をあげてしまった。なぜかと言うと助けた女の子は五月だったからだ。

 

五月「た、助けてもらってありがとうございます///」

 

ん?もしかして、オレってきづいてない?あっ!そっか、髪のせいか...

 

それよりもコイツらも来てたのか...

 

優助「五月、オレだよ。優助だよ」

 

五月「えっ!?ほ、ホントですか!?」

 

そんなに変わったか?

 

二乃「五月なにしてんの?はやく行k...!」

 

すると、後ろから五つ子と風太郎、それにらいはちゃんも登場。どうやら二乃もオレに気付いたようだが五月を引っ張って行き、何か話している。

 

二乃「誰よアレ?」コソ

 

五月「真田くんですよ。どうやら髪を切ったようで、私も最初は全く分かりませんでした。」

 

三玖「全く気づかなかった...」

 

一花「髪切ると意外といい顔してるんだね~」

 

どうやら話がついたようでこちらに向かってきた。

 

二乃「へぇ~中々、マシになったじゃない?」

 

優助「オレは少し落ち着かないんだけど...」

 

一花「私は似合ってると思うよ?その髪型」

 

風太郎「バッサリいったな。これで前も見やすくなって勉強もしやすくなることだろう。」

 

優助「そうだな」(苦笑)

 

ん?電話だ。

 

優助「悪い、ちょっと電話。はい、もしもし。」

 

優菜『もしもし、ユウ?私達もう屋台で売れるもの全部売れたから花火見ることにするね。』

 

優助「おう、分かった。オレも友達と会ったから一緒に回ることにする。」

 

優菜『りょうかーい。』ブツ

 

優助「お待たせ、それで今はどこに向かってんの?」

 

二乃「建物貸しきってるから、そこから花火を見るのよ。」

 

優助「金持ちすぎないか?それは、」

 

お嬢様が過ぎると思うけどな。

 

二乃「さぁ、もうすぐで花火も始まっちゃうし、はやく行くわよ!」

 

優助「二乃のやつ、やけに楽しそうだけど...」

 

風太郎「それは、俺も思う。」

 

三玖「花火大会は死んだお母さんとの思い出なんだ。毎年見に来てたから。」

 

優助「なるほど~。」

 

すると、人が混み始めてきた。やばい!これじゃ離れ離れになっちまう。

 

優助「風太郎、二乃の方に行ってやれ!」

 

風太郎「おう、分かった。」

 

一言声をかけると、風太郎は二乃の方へ姿を消した。

 

 

三玖「(どうしよう、みんなが見えない。....!)」

 

人とぶつかった衝撃で態勢を崩してしまった。転んじゃう!

 

パシッ!

 

優助「大丈夫か?三玖」

 

三玖「ゆ、ユースケ!あ、ありがとう///」

 

優助「とりあえず、落ち着けるとこに行こう。」

 

近くにあった階段のところに行く

 

「あのー、すいません。今アンケートを取っているんですが、お二人はどのようなお関係で.....あっ、申し訳ございません。お二人はカップルですよね。」

 

ん?あっ、そういえば手をつないだままだったな。オレらはパッと手を離す。

 

優助「いや、オレたちは友人ですよ。」

 

「あっ、そうなんですね。失礼しました~。」

 

そういうとアンケート調査をしている人はどこかへ行った。

 

優助「それにしても、みんなとはぐれちゃったな。」

 

三玖「......。」ポー

 

優助「ん?三玖??どうした。」

 

三玖「えっ?あぁ、なんでもない....」

 

優助「なら、いいんだけど。それより建物の位置分かる?」

 

三玖が首を横にふる。あの女王様は何をやっているんだか。

 

優助「とりあえず、連絡してみよう。オレは風太郎に電話してみる」

 

三玖「じゃあ、私は二乃に...」

 

優助「もしもし、風太郎。今どこにいる?」

 

風太郎『さっきまで一花といたんだが、髭のおっさんと一花がどこかに行きやがった...二乃は建物の屋上にいる。』

 

髭のおっさんだと....大丈夫なのか?それは。心配だから探しに行こう。

 

優助「...とりあえず分かった、オレらはさっきまで居た階段のところに三玖と一緒にいる。オレは五月たちを探しに行くから、お前は三玖を回収しに来てほしい。」

 

風太郎『了解だ。』プツン

 

 

優助「三玖、電話は繋がったか?」

 

三玖「ううん、繋がらない。」

 

優助「そうか、今風太郎がここにくる。それまであまり動かないようにして。オレは五月達を探しに行ってくる。」

 

三玖「うん、わかった。」

 

 

返事を聞き、オレは屋台の方へと走り出す。

 

 

 

少し行くと食べ物の屋台が並んでいるところに出た。そして赤い着物を着た星の髪飾りをつけた女の子が目に入った。

 

優助「五月ー!!」

 

五月「!さ、真田くん!!」

 

優助「良かった、とりあえず三玖のところへ行こう。あっちの方に真っ直ぐ行けばきっと会えるから」

 

五月「さ、真田くんはどこに行くんですか?」

 

優助「オレは一花を探しに行こうと....」

 

オレがそう言うと、五月は不安そうな、少し寂しげな表情を見せた。

 

優助「分かったよ。途中まで一緒に行こう!」

 

五月「それなら良かったです!」パァ

 

やっぱり末っ子なんだろうな....オレも妹(双子)がいるから分かる。末っ子は甘えん坊なイメージが強いから。

 

五月「真田くんは私達との関係をどう思いますか?」

 

優助「急だねぇ...まあオレは勝手に友人だと思ってるけど。」

 

五月「そうですか。」

 

すると、後ろから手を掴まれ強く引っ張られた。

 

優助「なにするんだよ!?....一花!?」

 

一花「ちょっとこっちに来て。」

 

 

 

 

五月「...あれ!?さっ、真田くん!?(どこへ行ったのでしょう...)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドンッ!

 

一花「風太郎くんから聞いた?」

 

優助「あぁ、一花が髭のおっさんと歩いてたって。」

 

一花「そっか...優助くん、その事は秘密にしておいて。私はみんなと花火は見られない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三玖side

 

三玖は鏡を見ながらふと、花火会場に着いたときの一花の言葉を思い出す。

 

《“女の子が髪型を変えたらとりあえず誉めてあげなきゃ!”》

 

三玖「(私も...)」

 

そして髪を後ろの方で結ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助side

 

一花「急なお仕事頼まれちゃって、だから花火は見に行けない。じゃあ、私いくね。」

 

優助「ちょ、ちょっと!本当にそれで....」

 

一花「なんで?」

 

優助「えっ?」

 

一花「なんでそんなにお節介焼いてくれるの?」

 

優助「そ、それは」

 

た、確かにアイツらからしたらなんも関係ないオレらが何かするのはおかしいのかもしれない。

 

一花「...。っ!ヤバ!...仕事仲間がこっちに!」

 

優助「はっ?」

 

一花「まずい、こっちにくる!....」

 

すると、一花はオレに覆い被さるようにくっついてくる。

 

優助「おい、いつまでこうしてるの?」

 

一花「ごめん、もう少し....私達って周りから見たら恋人に見えるのかな?」

 

ん、一花どうしたんだ?

 

優助「...まあ、そう見えるんじゃないかな」

 

一花「なんか悪いことしてるみたいだね。」

 

 

???「すいません!撮影の方には必ず間に合わせますので!....」

 

優助「撮影?」

 

一花「あの人カメラマンの人なんだ。今はそこで働かせてもらってる。」

 

優助「そうか....」

 

 

???「一花ちゃん!!こんなところで何してるの!はやく行くよ!」

 

やばっ!バレたっ!...えっ?

 

???「はやく!」

 

三玖「あ、あの!....」

 

一花「み、三玖!?」

 

優助「はやく追いかけよう!!」

 

 

優助「(よしっ!大丈夫だ、追い付けないスピードじゃない!)」

 

ようやく追い付き、髭のおっさんから三玖の手を奪い取る。

 

三玖「!ゆ、ユースケ!?」

 

???「今度はなんだね!?」

 

優助「よく見てください!コイツは一花じゃない。」

 

???「その一花ちゃんの顔を見間違えるハズがないだろう!はやく、ウチの若手女優から手を離しなさい!」

 

優助/三玖「“わかてじょゆう”?」

 

一花は恥ずかしそうに手で顔を隠している。

 

???「あ、あれれ?一花ちゃんが二人!?」

 

優助「撮る仕事ってそっちのほう!?」

 

???「とりあえず間違えたことは謝る。だけど急いでいるんだ、失礼するよ!」

 

一花「ごめんね?ユースケくんみんなには後で説明するから。」

 

優助「おっ、おい!?いいのかよそれで!....行っちゃった...本当にそれでいいのかよ、一花。」

 

 

三玖「その、ありがとうユースケ。私はもう大丈夫だから、一花の方に行ってあげて。」

 

優助「...!分かった。このままじゃアイツのこと分からずじまいになっちゃうから...行ってくる!.......あっ、それと三玖。」

 

三玖「な、なに?(どうしたんだろう?)」

 

三玖を見たときに違和感を感じたけど、その正体にようやく気づいた。

 

優助「その髪型、最高に似合ってるよ。」

 

タッタッタッタッ

 

三玖「...///」カァァー//

 

そこには不意打ちをくらい、顔を耳まで真っ赤に染めた三玖が立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




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心からの笑顔

やっぱり投稿ペースが落ちますね...申し訳ないです!!私のこんな駄文を読んでくださる方々、よければお気に入り登録してもらえると頑張れます。


優助「一花!」

 

一花「ユースケくん...」

 

優助「本気なんだな?...」

 

一花「ユースケくん、もう一度聞くね。なんでただの家庭教師の君がそこまでお節介焼いてくれるの?」

 

優助「それがオレの性格だからな、困ってる人がいたら手を差し伸べるっていう。まぁ、風太郎とお前ら五つ子は付き合いが長くなる気がするし?」

 

一花「なにそれ、でもユースケくんらしいね。はいこれ」

 

優助「なにこれ、台本?」

 

一花「半年前、社長にスカウトされてそれからちょくちょく名前もない役をやらせてもらってた。結構大きな映画の代役オーディションがあるって教えてもらったのがついさっき。いよいよ本格的にデビューかもってところ」

 

優助「それが、一花のやりたいことか...」

 

一花「そう!折角だから練習付き合ってよ。」

 

優助「仕方ないなぁ~」

 

一花「じゃあ、お願い。」

 

優助「卒業おめでとう...」

 

一花「ありがとう先生...先生と出会ったあの日から私は...あなたが先生で良かった、あなたの生徒で良かった...!」

 

優助「一花の口からそんなことが聞けるなんて...」シクシク

 

一花「も~、私の演技力で泣いてよー!」

 

プップー!

 

一花「あ、社長だ。じゃあ、いってくるね。役勝ち取ってくるよ」

 

そう笑顔で言うと一花は車の方へ向かう。またか、何度も見てきた一花の笑顔。やっと感じてた違和感に気付いた。

 

優助「一花」

 

ぺしっ!

 

オレは一花のほっぺをペシッっと叩いてつまんだ。

 

一花「ふぇっ?」

 

優助「その作り笑いはやめろ。」

 

一花「えぇ?なんのこと?」

 

優助「とぼけても無駄だ。一花は大切なときに本心を隠すために笑ってごまかす。きっと風太郎でも気付けるよ。家庭教師としては、しっかり勉強してもらって赤点回避してもらいたい気持ちはある。でも、オレは皆のやりたいこととかは全否定したくはない。高校生の内にしかできないこともあるから。これが、オレの本心。」

 

オレは、心の内をすべて一花に話した。

 

優助「一花はどうなの?さっき、路地裏で余裕あるフリして、なんで震えてたの?」

 

一花「ユースケくんには全部お見通しだね...半年前からこの仕事を始めて、やっと長女として胸を張れると思ったの。一人前になるまでは皆には言わないって決めてたから。だから花火の約束があるのになにも言わずに来ちゃったんだ......これで、オーディションに落ちたら皆に合わす顔がないよ......もうすぐで花火も終わっちゃうね...」

 

一花もきっと花火はどうでもいいから仕事を優先した訳じゃないと思う。きっと五人で花火は見たかったはず。今の寂しそうな表情を見れば分かる

 

一花「それにしても、キミが私の細かな違いに気がつくと思わなかったよ。お姉さんびっくりだ」

 

優助「普段から周りのことは人一倍見てるから。それと、他の四人の笑顔とは違ったからなー。」

 

一花「ユースケくんすら騙せないなら、自信なくしちゃうよ」

 

優助「オレらに騙す笑顔なんていらないよ。」

 

一花「えっ?」

 

優助「もうオレらは友達だ。せめて、家族の前とかオレや風太郎の前では自然体でいてもいいから。無理だけはしないで。」

 

一花「!....ユースケくんにはかなわないよ」

 

社長「一花ちゃん!早く乗って!!」

 

一花「はーい!」

 

優助「一花」

 

一花「なに?」

 

優助「一番周りの人を惹き付けるのは、心からの笑顔だけだと思う。一花の心からの笑顔なら絶対に合格するよ。」

 

一花「!」

 

オレは一番の笑顔でそう伝えた。そして、一花は晴れやかな表情でオーディション会場に向かった。

 

優助「さて、オレもオーディション会場まで歩きますか!」

 

その後、風太郎達と電話をし近くの公園で待っててくれるように頼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一花side~

 

 

 

 

審査員「では最後の中野一花さん」

 

一花「はい、よろしくお願いします」

 

場所は変わってオーディション会場。一花の審査が始まった。 

 

審査員「卒業おめでとう」

 

審査員が台本を読み上げ、一花は台本通り答えていく。

 

一花「先生、今までありがとう」

 

 

上手く笑えてるかな。こんな時…………皆ならどうやって笑うんだろう

 

四葉なら。三玖なら。五月なら。二乃なら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時彼の言葉を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

『一番周りの人を惹き付けるのは、心からの笑顔だけだと思う。一花の心からの笑顔なら絶対に合格するよ。』

 

 

彼は笑顔でこう言ってくれた.....この言葉を聞いたとき、何とも言えない感情が込み上げてきた。

 

 

 

この言葉を思い出すだけで....私の表情筋は話すと同時に自然と動いていた........

 

 

 

 

 

 

一花「先生。あなたが先生でよかった。あなたの生徒でよかった!」

 

 

 

そうして見せた私の笑顔は、嘘偽りのない、心からの笑顔だった。




今回からひとくちメモのような文章を作ろうと思います。気軽に見てってください!!





優助と優菜は一緒の学校に通っており、優菜は三玖と同じクラスらしい...優菜はまだ五つ子との接点はなし。優助はお兄ちゃん属性を持ち合わせているため、優菜は兄と思っている。周りの末っ子の人や動物に懐かれやすく、甘えられることもあったり、なかったり....?


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打ち上げ花火

前のアンケートもですが、かなり僅差のため数が多い方を優先させていただきます。なるべく早めの投稿を心がけます.....


オレは今、一花のいるオーディション会場の玄関にいる。

 

しばらくすると一花と社長が一緒に出てきた。一花は少し驚きの表情を浮かべる。

 

優助「よっ!一花。どうだった?」

 

一花「やれるだけのことはやってきたよ。」

 

社長「いやぁー、一花ちゃんにあんな表情が出せるなんて...それを引き出したのは恐らくキミだ!私も個人的にキミに興味が湧いてきたよ!」

 

優助「そ~っすか、なら一花もらってきますねー!」

 

オレは一花の手を握り風太郎達がいる公園へと向かう。

 

 

 

 

 

一花「どこに向かってるの?」

 

優助「皆のところだよ。」

 

一花「....みんな怒ってるよね...一緒に花火見られなくて」

 

優助「だろうね...でも、まだ諦めるにははやいんじゃないかな??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一花「...っ!」

 

優助「打ち上げ花火と比べるとちょっと見劣りするけどね。」

 

そこには公園で花火をしている四人の姿と、近くのベンチで寝ているらいはちゃんの面倒を見ている風太郎の姿があった。

 

すると四葉がこちらに気付いたようで...

 

四葉「あっ!一花に真田さーん、おかえりなさーい!!我慢できずに、おっ始めちゃいましたー!!」

 

優助「四葉が花火を買ってたお陰だ。ありがとう、四葉」

 

そう言って四葉の頭を手のひらでポンっとたたく。

 

四葉「えへへ~。」

 

すると二乃が急に立ち上がって、、

 

二乃「アンタ、五月のこと放ってどっか行ったらしいじゃない!この子半べそだったわよ!!」

 

五月「二乃!その事は内緒って....!」

 

優助「ごめんごめん、お詫びに今度お食事デートにでも行こ?」

 

五月「ホントですか!なら、許します!」

 

 

 

五月はチョロいな。食べ物出せば逆立ちでもなんでもするんじゃないか??ボク、少し心配である

 

二乃「アンタねぇ...もうついて行けないわ...あと、アンタには1つだけ言っておくことがあるわ」

 

なんだなんだ?オレなんかやらかしたっけ?

 

二乃「お!つ!か!れ!」

 

優助「紛らわしいわ!えいっ!」

 

オレは二乃の頭に軽くチョップしてやる

 

二乃「何すんのよ!痛いわねー!」

 

優助「紛らわしいことするから、お仕置きしてやっただけだよ。」

 

オレと二乃が言い合っていると、一花と五月の目が合う。

 

一花「五月ちゃん......」

 

五月「一花も一緒に花火しましょうよ。三玖、そこにある花火取ってください。」

 

三玖「うん...はい。」

 

二乃「じゃあ、本格的に始めよっか!」

 

 

 

一花「みんな!」

 

一同「「「「「??」」」」」

 

一花「ごめんっ!私の勝手でこんなことになっちゃって.....本当にごめんね。」

 

五月「そんなに謝らなくても...」

 

二乃「全くよ。何で連絡くれなかったのよ?今回の原因の一端はアンタにあるわ。」

 

二乃「あと、目的地を伝え忘れた私も悪い...」

 

五月「私は、自分の方向音痴に嫌気が差しました。」

 

三玖「私も今回は失敗ばかり...」

 

四葉「よく分かりませんが、私も悪かったという事で...屋台ばっか見てしまったので。」

 

優助「(ふっ、コイツらいい姉妹じゃんか。どうやらオレは邪魔物っぽいね)」

 

心の中でそう言うと、オレは風太郎のいるベンチの方へ足を運ぶ。

 

優助「おつー、風太郎」

 

風太郎に声をかけながら、隣に座る。

 

風太郎「おう。なぁ優助、アイツらは花火をしてる。らいはは満足して寝てる。俺帰ってもいいんじゃね?」

 

優助「そうか?オレはもう少しここにいるけど?」

 

すると向こうで、

 

四葉「行くよー!」

 

プシュ! パーン!

 

風太郎「ショボい花火...」

 

優助「でもアイツらは楽しそうだ。」

 

風太郎「もう少しここにいてもいいかもな。」

 

優助「そう、だ...な...」ポスッ

 

返事をして風太郎の肩でオレは眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~一花side~

 

二乃「残り五本」

 

五月「じゃあ、好きなのを選びましょう。」

 

五つ子「「「「「せーのっ!!」」」」」

 

四葉「お!やった~!」

 

五月「私はこれです!」

 

 

 

二乃「まさか、私達が被るなんてね。」

 

三玖「うん。」

 

一花「じゃあ、私はこっちにするよ。」

 

二乃「私もこっちのにするわ」

 

三玖「ありがとう、二人とも。」

 

一花「それは譲れないんでしょ?」

 

三玖「うん...」

 

 

 

私は優助くん達の方に向かう。

 

一花「二人にまだ、お礼言ってなかったね。二人とも今日はありがとう。私のせいで大変な思いさせちゃって....」

 

優助&風太郎「.....zzz」

 

一花「あはは...」

 

彼らは二人で寄り添いながら寝てる。

 

一花「二人とも今日はお疲れ様...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

優助「ふぁ~あ」

 

オレはいつもの通学路を歩いている。昨日は公園で寝てしまったため、家に帰ってから目がさえて中々寝付けなかったので、寝不足気味である

 

なので今はコンビニで買ったコーヒー牛乳を飲みながら登校中である。

 

 

すると前の方に見慣れた顔があった。

 

 

一花「やっ、おっはー!」

 

優助「おはよ、一花」

 

一花「私を見てなんか思わないの?」

 

優助「シャンプー変えた?」

 

一花「えっ!?ユースケくん、こわ!!」

 

優助「冗談だよ。冬服でしょ?オレは冬服の方が似合ってていいと思うよ。」

 

一花「えへへ、ありがと!」

 

オレはそのまま歩いていくと一花がその後ろをついてくる。

 

優助「何か用?」

 

一花「一緒に登校しようと思って。」

 

優助「ただでさえ髪型変えて視線感じるのに、お前と一緒だと二度見されちゃうだろ。」

 

一花はクスッと笑うと、話し始める

 

一花「昨日ね、みんなに仕事のこと打ち明けたんだ。みんなびっくりしてたな~」

 

優助「だろうねー。女優ってなれる人は限られてるしな」

 

一花「でも...スッキリした!」

 

一花はニコッと笑う

 

優助「...!」

 

一花「どうかした?私の顔になんかついてる?」

 

優助「...不覚にも見惚れてた。」

 

オレは素直にそう言う。コイツの笑顔も変わったな。

 

一花「えっ!....///」

 

すると一花は下を向いたまましゃべらなくなってしまった....どうしたんだろ?

 

そう疑問に思いながら学校へと足を進めた。




≪優助くんの日誌 part.1≫

後日、五月とのお食事デートに行ったのだが、男として全て奢ると言ってしまい、財布の中の諭吉さんがことごとくいなくなって財布の風通しが凄くよくなりました.....給料もらっとけばよかった...!!これからは五月と食事に行くときは気をつけなければならないし、風太郎にも教えてやろう。


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勉強会再スタート?

作り置きしようと思うんですが間に合わない......遅れても大目に見て下さい。お願いします。


オレと風太郎は今、図書室にいる。そこには、一花と三玖と四葉がいて、一緒に勉強をしている。

 

優助「はは...痛そうだな風太郎。その紅葉....」

 

四葉「そういう、真田さんは目に見えて疲れてるように見えますけど....」

 

一花「ユースケくん今日は大変そうだったね~?」

 

優助「髪型を変えただけで、こんな話しかけられるとは....」

 

一花「女の子にモテモテだったもんね~!」

 

三玖「っ...!?」ビクッ!ガタッ

 

風太郎「っ!いきなりどうしたんだ三玖?びっくりさせるな。」

 

三玖「ご、ごめん。なんでもない...」

 

優助「女子だけじゃないけどなー。『雰囲気変わったねー!』とか、いつも通り困ってる人を助けてたら、『お礼したいので連絡先交換しませんか』とか...家庭教師先の生徒と相手するぐらい疲れる~......」バタッ

 

オレは机の上に倒れる。

 

四葉「そんな真田さんと上杉さんに問題です!今日の私はいつもとどこが違うでしょうか!!」

 

優助「シャンプー....。」

 

オレは机に伏せながら言う

 

四葉「えっ!?真田さん怖いですよ!!もしかして私のお風呂を覗いて......」

 

優助「冗談だよ。」

 

四葉「なんだ。良かったです~。正解はー」

 

四葉も騙されやすそう。詐欺とかに

 

風太郎「お前ら!もうすぐ中間試験があることは知ってるな?」

 

風太郎のスルースキルには目を見張るものがあるようだな。

 

四葉「じゃーん!リボンの柄がいつもと違うでしたー!今はチェックが流行だって......」

 

風太郎「四葉、お前の答案用紙もチェックが流行中だ、良かったな!」

 

四葉「うわぁー!、最先端!」

 

優助「風太郎、上手いな、山○くん座布団五枚持ってきてー!」

 

どこぞの大喜利番組のような返事を返す

 

一花「ははははっ!」

 

風太郎「一花、お前も笑ってる場合じゃないぞ。四葉はやる気があるだけマシな方だ。中間試験まで一週間!徹底的に対策していくぞっ!!」

 

一花「えぇ~!」

 

オレも今はちょっとキツい...

 

風太郎「当然だ!だから三玖も日本史以外を...って、三玖が苦手な英語を勉強してる!?」

 

三玖「少し頑張ろうと思っただけ。」

 

優助「三玖は手がかからない良い子だな~(泣)それに比べてこっちの二人は....相手するだけで体力が....」

 

オレはそう呟く。

 

 

 

 

それから一時間ほど勉強をして、オレたちは校門を出る。

 

 

風太郎「なぁ、アイツらこのまま行くとどうなると思う?」

 

優助「うーん...二乃や五月のこともあるしな~。このままなら、正直まずいと思うな。」

 

風太郎「だよなー、どうしたらいいのか。」ウーン

 

一花「フゥー」

 

一花が風太郎の耳に息を吹きかける。

 

風太郎「ぅわぁあ~!!?」

 

どっから、その声だしてんねん。

 

一花「そんなに根詰めなくても良いんじゃない?

中間試験で退学になる訳じゃないんだし。私たちも頑張るからさ!まぁ、御褒美くれるんだったらもっと頑張れるんだけどね...」

 

四葉「私、駅前のフルーツパフェがいいです!」

 

三玖「私は、抹茶パフェ。」

 

一花「なんか食べたくなってきた」

 

三玖「みんな誘って今から行こうか!」

 

優助「御褒美を先に食べてどうするんだよ...」

 

風太郎「一刻も早く帰りたかったんじゃないのか....」

 

今日は頭が疲れたので早く帰らせてもらうことにしよう。

 

四葉「上杉さーん、真田さーん!置いてっちゃいますよ~!!」

 

優助「悪い四葉!今日は疲れたから帰らせてもらうわー!」

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

ブーッ、ブーッ

 

優助「ん?メール、風太郎からか。」

 

風太郎『とてもまずい状況になった....』

 

優助「は?」

 

風太郎から事情を聞いたオレは現実逃避のためベッドに飛び込み、意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時は過ぎて家庭教師の日.....

 

四葉「上杉さん!私、結婚しましたーー!!ご祝儀下さい!」

 

風太郎「あ、あぁ、ほらよ。って!遊んでる場合か~!」

 

オレが遠くから見守ってると、風太郎が叫び出した。

 

優助「そうだなぁー、そろそろ再開しようか。」

 

一花「えぇ~、今日はもういっぱい勉強したじゃん....」

 

四葉「もう頭がパンクしそうです。」

 

三玖「無理はよくない」

 

風太郎「それはそうだが....」

 

二乃「なんだー!勉強サボって遊んでるじゃなーい。私もやる。アンタ変わりなさいよ、ってお金すくな!」

 

二乃にだけは事情は知られてはならないな。知られたあかつきにはオレたちのクビは決定事項となってしまう。

 

二乃「アンタも混ざる?」

 

二乃が五月にたずねる。

 

風太郎「五月...昨日は、その...」

 

五月「私はこれから自習があるので....」

 

風太郎「あっ、おい!」

 

コイツら二人は不器用にも程があるだろう。全く....

 

優助「五月、よければ教えよっか?」

 

五月「いえ、今日は一人でやろうと思います...」

 

優助「そっか。」

 

そして、五月は部屋に戻っていった。

 

一花「ちょっとフータローくん!約束が違うじゃん。今日はユースケくんと泊まり込みで教えてくれるって話でしょ?」

 

ん?いま聞き捨てならないこと言わなかったか?

 

風太郎/二乃「「えぇーーーー!!!!?!?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「広いな...」

 

優助「お前と風呂にはいるなんて何年ぶりだ?」ワシャワシャ

 

風太郎「さぁな、小学生ぶりとかじゃないか?」

 

そんなに前だったか?てか、確かにこの風呂広すぎないか??

 

 

「上杉くん、五月です。」

 

風太郎「ん、なに!?」

 

五月?「あなたから私に話があると一花から聞いたのですが...何かご用でしょうか?」

 

風太郎「俺が?そんなこと言ってないが....」

 

五月?「そうですか、それでは...」

 

風太郎「あぁ!うそうそ!よく来てくれたな...」

 

ん?風太郎誰かと喋ってるのか?髪洗ってたから全く気づかなかったぜ。

 

風太郎「昨日は悪かった!焦って感情的になっちまった。俺に家庭教師をさせてくれ。」

 

五月?「何があったのですか?」

 

風太郎「お前達の誰かが赤点を取ったら俺は家庭教師を辞めさせられる」

 

五月?「そういうことでしたか、」

 

ガラガラッ!

 

風太郎「五月!?何開けてんだよ!」

 

二乃「前に私の裸を見たんだからこれでおあいこでしょ?」

 

優助「誰?入ってきたの、オレまだ髪洗ってるし寒いんだけど...」

 

二乃「アンタと五月の様子が変だったから来てみれば...“赤点をとればクビ”ね。良いこと聞いちゃった!」

 

優助「え、無視?ひどくないすか?てか、ホントに誰?」

 

オレが振り向こうとすると..

 

二乃「なに振り向こうとしてるのよ!?」

 

優助「なんだ二乃か、顔だけだから良いだろ。それに入ってくる方が...ってイッテー!目にシャンプー入ったぁ!イテェ!」

 

二乃「コイツはバカなのかしら...」

 

二乃が呆れたように言うと出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

髪を洗い終わり風太郎にいま起こったことを説明してもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うん。風太郎くん、キミ、やらかしてるね!オレは渾身のデコピンを風太郎に喰らわす。




≪優助くんの日誌 part.2≫
優菜に友達の家に泊まると伝えたら、『彼女出来たの!?』と、しつこく連絡されました。その理由を聞くと、最近学校でオレのことが噂されているらしいからとのこと。〈彼女が出来たらしい〉だの、〈転校してきた美人の五つ子の誰かと付き合ってる〉だの。確かにオレは学校では、風太郎とアイツらとたまに優菜としか話さないから、そうみえるかもしれないけど。優菜はオレがモテてるって言ってくれるけど、一回も告白されたことないし...(泣)噂されるほど有名人になった記憶がないんだが....


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好きな女子のタイプは...

優助くん結構ガチで答えてて草


四葉「上杉さん達遅いねー」

 

一花「きっと、美少女達の残り湯を堪能してるんだよ」

 

三玖「お風呂...」

 

一花「呼びに行く?」

 

三玖「!」ブンブン

 

三玖は勢いよく首を横に振る

 

一花「せっかくユースケくんがいるんだから積極的にアプローチしなよ。」

 

三玖「何のことだか分からない...」

 

四葉「あっ!上杉さん達お帰りなさーい!」

 

 

 

※ここから優助くん視点になります

 

 

 

優助「おう、中々いい湯でしたよ」

 

風太郎「あ、あぁ...待たせて悪かったな、早速試験対策を...」

 

風太郎が奥に座っている二乃を見つけ言葉をつまらせる。

 

風太郎「二乃も一緒にどうだ?(棒)」

 

二乃「私は必要ないからー」

 

これはオレら茨の道を進むことになったな~。

 

一花「ユースケ先生、ここが分からないんですけどー」

 

とりあえず今やれることをやるしかないなぁー

 

優助「どこが分からないの?」

 

オレは三玖の隣から一花のノートを覗き込もうとすると、、、

 

一花「はーい!詰めて詰めてー!」

 

三玖「っ!?」

 

優助「うわぁ!」

 

一花が三玖をこっちに押っつけて来たので少しバランスを崩してしまった

 

一花「あっ、三玖も分からないところがあるって!」

 

三玖「一花....!」

 

優助「え?そうなの?」

 

風太郎「ああ、答えてやるぞ!なんでも聞いてくれ!」

 

すると四葉が手を上げる。

 

四葉「はい!討論って英語でなんて言うんですか??」

 

風太郎「いい質問ですね!討論は英語で“debate”だ」

 

優助「“でばて”で覚えるといいよ」

 

風太郎「その通り。“debate”、“でばて”だ!!ここは確実に試験に出るぞ!」

 

優助「他に質問ある人は?」

 

三玖「教えてほしいこと....好きな女子のタイプは......」

 

全員「「「「えっ?」」」」

 

ん?どうしたんだ三玖のやつ。まさかそんな質問が来るとは思わなかった....

 

風太郎「それ、今関係ある?...」

 

四葉「はいはーい!!私は俄然、興味ありまーす!!」

 

風太郎「そんなに知りたければ教えてやる。俺の好きな女の子の要素Best3!」

 

風太郎「ただしノートを1ページ終わらせるごとに一枚ずつめくっていこう。」

 

どっから出したんだ?それ....まあいい、俺はこっそり五月の部屋の方に行こ~(汗)

 

 

 

ガシッ!

 

 

一花「ユースケくんも教えてくれるよね?」

 

優助「悪い、オレはこれから五月の部屋でー...」

 

一花「教えてくれるよね?(圧)」

 

優助「は、はい...」

 

女子、コワイ。

 

 

 

四葉「はい!出来ましたー!」

 

風太郎「では、第3位は....」

 

なんでコイツはそんなノリノリなんだ?

 

風太郎「“いつも元気!”」

 

四葉「真田さんは?」

 

優助「ん、オレはまだ考えてるからみんな終わってからにしてくれ~....」(汗)

 

 

どうしよう改めて聞かれると出てこない...

 

 

三玖「はい、出来た。」

 

風太郎「第2位は、“料理上手!”」

 

 

 

一花「私も終わったよ~!」

 

風太郎「第1位は....」

 

この場に緊張が流れる....

 

風太郎「“お兄ちゃん想い”だ!!」

 

二乃「それ、アンタの妹ちゃん!!」

 

風太郎「なんだ二乃、盗み聞きするんだったらお前も一緒に....」

 

二乃「聞きたくなくても耳にはいるわよ!」

 

 

ガヤガヤ

 

 

よしキミに決めた!!

 

 

一花「ユースケくんは?」

 

優助「ん?オレは~...」

 

 

優助「3位が~“スタイルの良い人!”」

 

一花「ふ~ん、私はどう?結構自信あるんだけど?」

 

優助「うん、いいと思う。まぁ、お前ら全員スタイルはいい方だと思うけど、一花は女優やってるだけのことはあるね。まぁ、第3位なんだけどね...」

 

三玖「2位は?」

 

優助「2位は、“ギャップのある人!”」

 

優助「まあ、これに関しては、普段はクールで完璧な感じだけど、たまに可愛い弱さとか見せられたらもう...オレは惚れちゃうね~」

 

一花、三玖、四葉「「「ふむふむ」」」

 

 

優助「で!第1位は、“一緒に居て落ち着く人!”」

 

優助「これは、話さなくても気まずくならない人がいいってこと。一緒に居てドキドキするのは良いと思うけど、冷めたら好きじゃないんじゃないか?って思っちゃうかもだから...」

 

 

四葉「へぇー、真田さんは誰かを好きになったことはあるんですか?」

 

優助「残念ながら無いです(泣)」

 

優助「オレはちょっとずつ好きになっていく感じだから出来れば相手から来て欲しいね。オレは性格重視で見た目のストライクゾーンは広めだから。」

 

 

一花「ふーん。ん?三玖すごい。もう課題終わらせてるー!ユースケくん、頑張った子は誉めてあげないと。」

 

一花が俺の手を掴んで三玖の頭に置く。

 

優助「確かにそうだね、よく頑張ったなー。」なでなで

 

三玖「...///」

 

 

一花「どう?ドキドキしない?」

 

優助「ん、(優菜で)慣れてるからなぁ」

 

三玖「むっ、タラシ...」

 

優助「えっ?」

 

なぜか三玖にジト目で見られた。解せぬ

 

風太郎「お前ら早く勉強を!」

 

五月「騒がしいですよ?勉強会とはもう少し静かなものだと思ってましたが...三玖、ヘッドホンを借りてもいいですか?一人で集中したいので...」

 

三玖「いいけど。」

 

風太郎「五月!信頼してもいいんだな?」

 

五月「足手まといにはなりたくありません。」

 

五月は部屋に戻っていったが、その顔は険しかった。

 

一花「フータローくん、今日は星が綺麗だね。少しそとに出ようよ。」

 

フータローのことは一花に任せるとしよう。

 

優助「オレは少し五月のところに行ってくる。」

 

階段を上がり五月の部屋のドアをノックする

 

 

ガチャ

 

五月「何でしょうか?」

 

優助「勉強の様子を見ようと思ってね。」

 

五月「...信用出来ないのですか?」

 

優助「いや、家庭教師として自習させるのはどうかと思ってね。」

 

五月「そうですか、ならどうぞ。」

 

優助「お邪魔します。」

 

部屋はキチッと整理整頓されており、必要最低限の家具しかない

 

優助「分からないところはある?」

 

 

 

 

 

30分ほど勉強し、休憩をとることにした。

 

優助「風太郎と喧嘩したんだって?」

 

五月「彼と話していると、すぐ頭に来てしまう自分がいます....」

 

優助「アイツの言い方が悪いんだよ。風太郎は悪いところが、いつも悪目立ちしてるから。」

 

五月「彼の言い方だと、教えてもらうのが癪にさわるんです。」

 

優助「だろうなー。でも、人と付き合っていく上では、良いところを探した方がいいと思うな。」

 

五月「良いところ...あるように見えませんが...」

 

優助「それは五月が悪いところしか見てないからだよ。アイツがただの悪いやつだったら、オレだって風太郎と一緒にはいないよ」

 

オレは続けて言う。

 

優助「小さなことでも細かいことでもいい。風太郎とたくさん話して少しずつ打ち解けて行けばいい。時間はまだあるんだ。」

 

オレは五月にそう助言をし、少し勉強を見てあげたあと、五月の部屋をあとにする。




オリジナルキャラクターについての質問やご要望などあれば感想のところに書き込んでいただけると後書きのところを書くときに助かります!!どんな質問でも要望でもいいです!
例)・優菜ちゃんの日常をかいてください!
・優助くんの人助けシーンみたい!
・優助くん運動は得意ですか? など。


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優助くんは強心臓?

あとがきに、少し物語を書いたので見ていってください!


オレが五月の部屋から戻ってくると、オレらがどこで寝るかについて話していた。

 

一人は三玖の部屋、もう一人はリビングのソファーということらしい。

 

風太郎「お前はどうする?」

 

優助「女子のベッドで寝るのはちょっと気が引けるかな~」

 

風太郎「それは俺も思う」

 

一花「ユースケくん達はお客さんなんだからそれくらいしなきゃね~」

 

三玖「うん。」

 

優助「そうか~、ならジャンケンで決めよう。勝ったら三玖の部屋、負けたらリビングのソファーってことで」

 

風太郎「いいだろう」

 

優助「いくぞ!最初はグー、ジャンケン...」

 

 

優助&風太郎「ぽん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「めちゃめちゃフカフカだな。」

 

 

 

三玖の部屋のベッドで寝転がる優助。

 

優助「くそ~、アイツはとことん運が味方してないな。」

 

優助「まあいいや。オレも最近疲れてたし、しっかり休もっと!」

 

 

そして、優助は夢の中へ.....

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

目が覚めると目の前に三玖の顔があった。

 

可愛い寝顔だな~....じゃなくてなぜ!?オレは飛び起きてしまった。

 

優助「何で三玖がここに...?」

 

まあいい、よくないけどいい。とりあえず起こそう。

 

優助「三玖?」

 

三玖「んぁ、ユースケ.....もうちょっとだけ...って、ユースケ!?ど、どうして...」

 

優助「朝起きたら、目の前に三玖がいて飛び起きたわ」

 

三玖「あっ、そういえば昨日トイレに起きてそのまま....」

 

優助「こっちに来ちゃったと...?」

 

三玖がうなずく。

 

優助「まぁ、仕方ないか。とりあえずオレに何もされてないよね?」

 

三玖「うん。されてたら多分起きるから....」

 

よかったー!!!何かしてたら、ただ事じゃないから安心!安心!

 

優助「とりあえずオレは部屋から出てくから、アイツらには図書館にでも行ったって言っとくね。」

 

三玖「う、うん。ごめん...」

 

優助「気にしなくていいよ。むしろ急に泊まったオレらが悪いんだから!」

 

そう言って優助は出ていく。部屋には残された三玖だけがいる。

 

三玖「っ!///」ボンッ

 

顔をリンゴよりも赤くした三玖はベッドで布団を抱き枕のように抱え、のたうち回る。

 

三玖「(どうしよう!ユースケと一緒の布団で寝ちゃった!!恥ずかしい///ユースケはどう思ってるんだろう?嫌、だったかな?...)」

 

 

一方、部屋を出た優助くん。

 

優助「あれ?誰もいない....」

 

五月「真田くん、起きたのですか?」

 

優助「うわ!ビックリした~、脅かすなよー」

 

五月「声をかけただけですが....」

 

優助「まあいいや、そんなことより皆は?」

 

五月「三玖が図書館で勉強しているかもと上杉くんが言っていたので皆図書館に行きました...」

 

優助「なるほど了解!」

 

スマホを見ると上杉からのメッセージがあった。

 

風太郎『お前らいつの間にそんな関係に??とりあえず適当に誤魔化しておいたから安心しろ。』

 

やっぱりアイツ見たのか!!はやく誤解を解かなければ!

 

優助『三玖が夜中に間違えて入ってきただけで、なにもしてないしそんな関係でもねえよ!今度ご飯でも奢ってやるから朝の事は忘れてくれ!』

 

そうメッセージを送り、スマホをポケットにしまう。

 

五月「私は部屋で勉強してるので....」

 

優助「わかった。オレも図書館に行ってくる。」

 

 

 

 

図書館に向かう優助くん。三玖ちゃんと一緒に寝ていたことは頭の片隅に収納されてしまった模様....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、テスト当日となった。

 

 

 

皆は勉強していた疲れからか机の回りでぐっすり寝てしまっている。その横で優助くんは起床。反省を生かし自分の布団を敷き一人で寝ていた。

 

優助「面白いな、コイツら」

 

皆が同じように机に向かって寝ているところを優助は写真を撮っていた。よくないぞ?優助くん。

 

 

優助「おっと、そろそろコイツらたたき起こさなきゃ。」

 

優助「起っきろーー!!!!」

 

 

 

 

オレたちは今、学校に向け走っている。

 

化粧がしたいだの、おばあちゃんを助けるだの、お腹が減っただの、途中で寝るだのいろいろあったがギリギリ間に合った....!!

 

 

優助「皆、今までやってきた成果をみせてくれよ!」

 

五つ子「「「「「はいっ!!」」」」」

 

そして、各々自分のクラスに向かう。

 

優助「一花、テスト出来そう?」

 

一花「分かんないけど全力は尽くすよ!」

 

優助「最後までしっかり見直ししろよ。お前は集中力が続かないからな。」

 

一花「バレてたか....」(苦笑)

 

優助「まっ、最後まで頑張れよ!」

 

一花「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試験開始のチャイムが学校に鳴り響いた...

 

 

 




優助くんの“夢”(記憶)

優助くんは風太郎くんを探している間ある、女の子と出会っていた。


名前も何処に住んでいるのかも分からない女の子。その子には姉妹がいて、姉妹を探しているとの事。オレらは一緒に探すことにした。その子の姉妹の特徴を聞くと“似ているからすぐ分かる”と言われた。

その子には一日中、引っ張られて行動した。『ここにいるかも』っと言った具合で色々なところを巡っていた。体力には自信があったが、子供の無尽蔵さには勝てなかった...


風太郎を探している気持ちもあったが、内心この子と歩き回ることを楽しんでいる自分もいた。


寺や神社などの観光名所を歩き回り探して歩いたが見当たらない。


そして、その子のホテルが近かったため、そこへと案内されそこで少し休ませてもらった。


オレは自分のホテルへの道筋を把握していたため、その子のホテルへと行った。


その後はトランプをして休ませてもらった。





その後、充分休憩させてもらったオレは自分のホテルへと帰っていった。




写真を撮ったがオレはその写真を貰うことを忘れてしまい、帰ってしまった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そして、現実にもどる

今でもあの子のことを思い出す。あの子からしたら、ただの道で出会った男の子なのだろうが、オレは何かしらの縁があって、出会ったのではないかと考えてしまうこともある。

その子の顔などは正直覚えていないが、もう一度会ってみたいと思っている。



なぜ、今思い出したんだろう?



この疑問が解決するのは、もっとずっと先の話である。


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五人で赤点回避!?

アンケートどっちも同じくらいの票数ですね...どうしましょう。まあ、どちらにしても投稿ペースをあげるのは厳しい気がします。申し訳ありません。


風太郎「よし、皆集まったな。」

 

今日はテスト返却があり、オレたちの運命が決まる日でもある。

 

優助「心の準備は出来てるから、お兄さん達に見せてごらんなさい?」

 

オレは笑顔を作って言う。

 

一花「ユースケくん、顔が笑えてないよ...?」

 

優助「これでも少しは期待してるんだからね?」

 

 

一花「少しって....まあいいや、じゃあ私から....」

 

 

五月「やはり見せたくありません!個人情報です、断固拒否します!」

 

風太郎「俺も心の準備は出来てる...さぁ、結果を見せてくれ。」

 

 

 

成績表 国 数 英 理 社 総合

 

一花→ 19 39 28 26 15 127

 

二乃→ 15 19 43 28 14 119

 

三玖→ 25 29 20 27 68 169

 

四葉→ 31 15 16 18 22 112

 

五月→ 27 28 26 56 25 162

 

 

 

風太郎「お前ら....改めてお前達の頭の悪さを実感して落ち込むぞ。」

 

優助「さすがに間に合わなかったか~。」

 

二乃「まあ、赤点回避した科目が全員違うなんて、私たちらしいけどね。」

 

四葉「そうかも!」

 

三玖「それに、最初の五人で100点から比べたら...」

 

優助「うん。確実に成長してるね!」

 

風太郎「三玖。今回の難易度で68点は大したもんだ、偏りはあるがな。今後は姉妹に教えられる箇所は自信を持って教えてやってくれ。」

 

三玖「えっ?」

 

風太郎「四葉、イージーミスが目立つぞ。もったいない。焦らず慎重にな?」

 

四葉「了解です!」

 

風太郎、よく見てるんだな。家庭教師、コイツと組んで正解だわ。

 

風太郎「一花、お前はひとつの問題にこだわらなすぎだ。最後まで諦めんなよ?」

 

一花「はーい。」

 

風太郎「二乃、結局最後まで言うことを聞かなかったな。俺がいないからって油断すんなよ?」

 

二乃「ふんっ」

 

三玖「...フータロー、もう来ないってどう言うこと?」

 

優助「三玖、今はコイツの話を聞いてやってくれ。」

 

風太郎「五月、お前は本当に....」

 

 

 

風太郎「バカ不器用だな!!」

 

 

五月「えぇ~!?」

 

風太郎「一問に時間かけすぎて最後まで解けてねぇじゃねぇか。」

 

五月「反省点ではあります...」

 

風太郎「...自分で理解してるならいい。次からは気を付けろよ?」

 

~~♪~~♪

 

すると五月の携帯から着信音がなる。

 

五月「父からです。」

 

そして、風太郎に携帯を渡す。

 

 

風太郎「もしもし。はい...分かっています。ただ、次からコイツらにはもっと良い家庭教師をつけてやってください。」

 

 

 

パシッ

 

 

風太郎がそう言い終わったとき、二乃が風太郎から携帯を奪った。

 

二乃「パパ?二乃だけど。パパは何でこんな条件を出したの?・・・要するに私たちのためってことね。いいわ、結果を教えてあげる!私たち“五人で赤点を回避”したわ!!」

 

そう言い会話が終わったのか、電話を切る二乃だがオレは正直、想定外だった。あの二乃がこんなことをするなんて....

 

風太郎「二乃!?五人で赤点回避って...」

 

二乃「四葉が国語、一花が数学、私が英語、三玖が社会、五月が理科」

 

優助「それってアリなの?」

 

二乃「次は通用しない。今度こそ実現させることね。」

 

風太郎「あぁ、やってやるさ!なぁ、優助?」

 

優助「そうだね、オレも頑張るよ。」

 

四葉「それじゃあ、このままテストの復習をしませんか?」

 

優助「あっ、ごめん!オレこの後予定あるからパス。そろそろ行かなきゃ」

 

一花「そうなんだー、残念。」

 

オレはリュックを持って玄関へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

~玄関~

 

??「ごめーん、おまたせ!」

 

優助「いや、そんなに待ってないよ。」

 

??「じゃあ、一緒に行こっか?」

 

優助「うん」




最後の子、一体誰なんでしょうかね~?
次回は五月視点で話を進めていこうと思います。
※追記
→次回は23日の9時、その次は26日...って感じになります。


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優助くんに彼女?

アンケート、皆さん確実に狙ってますよね?(笑)
同率って、ヤバイっすね~...苦笑(;^ω^)


真田くん、どうしたのでしょう?かなり急いでいましたが....

 

三玖「どうしたんだろう?ユースケ」

 

二乃「何だって良いわよ。」

 

四葉「誰かと帰る約束でもしてたのかな?」

 

 

ピコーン!

 

一花「もしかして、彼女じゃない!?」

 

全員「「「「「えぇっ!?」」」」」

 

 

風太郎「なんて事だ、アイツだけは仲間だと思っていたんだが...」←過去の誤解は解けてます

 

一花「最近、ユースケくん教室から帰るとき、急いでるんだよね~。」

 

五月「まさか、真田くんが...」

 

四葉「でも、もしかしたら...!」

 

二乃「黒かもしれないわね。」

 

一花「皆であとをつけようよ。」

 

風太郎「俺は帰って勉強するから...」

 

二乃「なに言ってんの?アンタも行くのよ!」

 

ですが、一花の言っていたことを聞くと確かにそう思えなくもないですが...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~廊下~

 

優助「」テクテク

 

 

一花「いたよ」

 

四葉「本当だ!」

 

風太郎「お前ら...歩くの早すぎ。」

 

すると、真田くんが女の子に話しかけられる。

 

三玖「何の話してるんだろう」

 

一花「ユースケくん、髪型変えてからモテるようになったんだよねー。」

 

五月「そうなのですか?」

 

一花「同じクラスの女の子が、『真田くんってイメージ変わったよね』『イケメンになったよねー』って話してたんだ。」

 

二乃「確かに他の男と比べると割と整ってるわね...」

 

三玖「....。」

 

そんなことを話していると真田くんが玄関に向かって歩き出した。

 

四葉「みんな、真田さんが動き始めたよ。」

 

 

 

 

 

 

 

~階段~

 

 

一花「ユースケくんって誰にでも優しいし、気が利くからモテるのも分かる気がする。」

 

二乃「でも、それって勘違いさせやすいんじゃない?」

 

そんなことを話していると、真田くんの前からたくさんノートを持った女生徒が階段を上がって来た。

 

 

優助「大丈夫?半分持ってあげるよ。」ヒョイッ

 

女生徒「あっ、ありがとうございます!///」

 

 

一花「ヒュー!カッコいいねぇ。フータローくんもあれくらい、出来るようにならなきゃ!」

 

風太郎「誰があんな面倒くさい仕事を手伝うか..」

 

三玖「タラシ...」

 

そんなこともあり、玄関で真田くんが来るのを待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

~玄関~

 

二乃「ようやく来たわね。」

 

五月「あれ?上杉くんはどこに....」

 

四葉「上杉さんは、待ちきれないからって帰っちゃいました...」

 

あれ?三玖の様子が少しおかしいですが...私の思い過ごしでしょうか?

 

 

 

 

 

 

一花「玄関の外で待ってるね。」

 

三玖「やっぱり彼女を待ってるのかな...?」

 

二乃「男友達を待ってるだけかもよー?」

 

すると真田くんの方へ1人の女の子が走っていく。

 

一花「あっ、女の子が来たよ!」

 

四葉「あのジャージ...」

 

五月「四葉、見覚えがあるのですか?」

 

四葉「うん、確かバスケ部のジャージだった気がする。」

 

一花「四葉は、あの子のこと知ってる?」

 

四葉「う~ん...見覚えはあるけど話したことはないかなー」

 

二乃「中々、可愛い子じゃない?遠目だけど」

 

三玖「私もあの子どこかで見たような気がするけど...う~ん、思い出せない。」

 

私たちがやり取りをしていると二人は一緒に帰っていってしまった。

 

五月「あの二人、距離が近いように見えましたが」

 

一花「それは私も思った。まさか、ユースケくんに彼女がいたなんて、お姉さん寂しくなっちゃうなー。」

 

一花は冗談交じりに言っているが、寂しいのはきっとみんな同じでしょう。

 

 

五月「帰りましょうか...?」

 

三玖「そうだね...」

 

そして、私たちも帰路につくのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

二乃「何なのよアイツ!全然動けるじゃない!!」

 

五月「本当です!」

 

朝、家に上杉くんが来ていたのですが、動くと死ぬ病気と四葉に言われ看病しようと思ったら、二乃が誤ってこぼしたお粥が上杉くんに、かかってしまいました。その時の彼は全然元気そうに動いていました。

何なんですかあの人は!

 

二乃「まったく!...それより昼のランチの場所ってここよね?」

 

五月「ええ、そうです。上杉くんなんかのことは忘れて、早速中へ入りましょう!!」

 

そう言って二人は中へ入った。

 

店員「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」

 

五月「はい。」

 

店員「では、あちらの席で注文が決まり次第、机にあるボタンを押して店員をお呼びください。」

 

五月「分かりました。」

 

二乃「行くわよ。」

 

私たちは席に着く。ここのランチは美味しいらしいのですごく楽しみです!

 

二乃「このランチで良いわよね?」

 

五月「はい」

 

ピンポーン

 

 

しばらくすると店員さんが来る。

 

店員「お待たせしました。では、ご注文の方を。」

 

二乃「このランチを2つお願いします。」

 

店員「ランチがお2つ...ライスとパンどちらになさいますか?」

 

二乃「私はパンで」

 

五月「私はご飯でお願いします」

 

店員「承知しました。スープの方はコーンスープとわかめスープがありますが、どちらになさいますか?」

 

二乃「コーンスープで」

 

五月「わかめスープでお願いします」

 

店員「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」

 

二乃「はい」

 

店員「では、少々お待ち下さい。」

 

 

二乃「それにしてもお洒落な店ね。」

 

五月「~~~♪」

 

二乃「...アンタ、そんなに楽しみなの?」

 

ば、ばれた!?

 

二乃「顔に楽しみですって書いてあるわよ?」

 

五月「えぇっ!?」

 

やはり二乃には敵いません...

 

 

 

店員『いらっしゃいませー』

 

やはり、ここのランチは人気なのですね。早めに来て正解でした。

 

優助『2名で』

 

店員『かしこまりました。あちらのテーブルで~~~。』

 

 

 

五月「えっ!真田くん!?」

 

二乃「ホントだ。昨日の子も一緒みたいね。」

 

二人っきりで、ででで、デート!?ふ、不純です!!

 

二乃「なんか、アイツに先越されてる感じがして、ムカつくわね。」

 

確かに私たち五人は男性の方とお付き合いしたことはありませんが...

 

 

店員「お待たせしました。こちらがランチになります。どうぞ、ごゆっくりしていってください。」

 

 

 

 

正直、真田くんとその彼女さんのことが気になり、ご飯の味は美味しかったことしか分かりませんでした。←とは言いつつしっかり味わってる

 

 

 

 

店員「ありがとうございましたー」

 

二乃「美味しかったわね?ここのランチ。」

 

五月「えぇ、そうですね。今度は皆で来ましょう。」

 

 

その後は何事もなく、家に帰りました。

 

 

あの二人、すごく仲が良さそうに見えました...私たち五つ子のように。

 

決して羨ましそうだなんて思ってないですからね!本当に本当ですからね!

 

学生の間での恋愛なんて不純です!!

 

 

 

高校を卒業して社会人となった時、私にも生涯を添い遂げる男性が見つかるのでしょうか...?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~中野家~

 

一花「そういえば明日って家庭教師の二人に給料を私にいく日じゃない?」

 

夕御飯を食べながら一花が話し始める。

 

あ、忘れていました。

 

四葉「誰が行こーか...」

 

三玖「私、ユースケに渡しに行きたい。」

 

五月「...では、私は上杉くんの家に行きましょうか。」

 

一花「分かった。二人ともよろしくねー。」

 

真田くんとは、少し顔があわせずらいので...




バスケ部で顔が整っている女子...あの子しかいませんよね?
それより五つ子視点難しいです。投稿ペースも大変ですね。猫の手も借りたいです。

三玖「明日はユースケにコロッケの差し入れしようかな...?」

四葉「やめた方がいいと思うよ...」


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彼女?の正体

自動保存って便利!消えたと思ってたやつめちゃくちゃ保存してあった(泣)
あとちょっとで失踪するところだったわー!
さらにお気に入り登録もうすぐで100人ですね!!ありがとうございますーー!!!


という事で今日は三玖視点で行きまーす!


今日はユースケに給料を渡しにユースケの家に来たんだけど、中々大きい....!

インターホンが横にあったのでボタンを押す。

 

ピンポーン

 

『はーい』

 

インターホンのところから声が聞こえる。

 

三玖「家庭教師の真田優助さんに用事があって来ました。」

 

『分かりました、では中へどうぞー』

 

誰の声だろう?女性の声だったけど....

 

お母さんかな?

 

そう思いながらも扉をあける。

 

三玖「お邪魔します」

 

優助「おはよう三玖。」

 

三玖「お、おはよう。」

 

さっきの人が出てくるかと思ったらユースケで少しビックリ...

 

優助「とりあえずリビングに行こっか。」

 

三玖「うん、お邪魔します」

 

リビングに入る前にユースケが振り向く。

 

優助「リビングにうるさいの居るけど気にしないでね?」

 

三玖「?」

 

うるさいの?どう言うことだろう...

 

ガチャッ

 

三玖「!?」

 

あの人は確かユースケと一緒に帰ってた....!

 

??「あれ、中野さん?」

 

三玖「どうして名前を...?」

 

なんで私の名前を知ってるんだろう?

 

??「同じクラスの中野三玖さんだよね?」

 

優助「お前ら同じクラスだったのか。」

 

あっ、どおりでこの前見覚えがあったはずだ

 

優助「あぁ、言うの忘れてたね。コイツ、オレの双子の妹の優菜。」

 

三玖「えっ!!」

 

双子!?妹!?

 

三玖「ユースケの彼女じゃないの...!?」

 

優助「ちげーよ!コイツが彼女とかないない。」

 

優菜「おーいー!ひどいじゃん!」

 

私達、てっきりユースケの彼女かと思ってた....

 

三玖「ビックリした...」

 

優助「なんで?」

 

三玖「いや実は...」カクカクシカジカ

 

そう勘違いしてしまった経緯を話す。

 

 

 

優助「何やってんのよ、君達は...」

 

優菜「私もてっきり三玖ちゃんがユウの彼女かと...」

 

優助「いや、違うからね?」

 

三玖「う、うん...(ユースケの彼女///)」

 

優助「これは課題を倍にしてやるしかないな...まあ、いいや。それで、用事って?」

 

課題が倍なんてよくないけど!

 

三玖「あぁ、忘れてた。」

 

バッグから封筒を取り出し、差し出す。

 

三玖「はい、今月分のお給料。」

 

優助「あぁ、オレも忘れてた(笑)ありがと!」

 

三玖「これからもよろしくね。」

 

優助「おう!あっそうだ三玖、授業とかでもし分かんない事があったら優菜に聞けばいいからね?コイツもオレほどじゃないけど頭いいから。優菜もよろしくな?」

 

優菜「いつでも頼っていいからね、三玖ちゃん!」

 

三玖「うん、分かった。よろしくね優菜。」

 

優菜「うん、任せてよ!」

 

三玖「じゃあ今日はもう、帰るね」

 

優助「うん。ありがとね。明日からまた、頑張ろうな!」

 

優菜「バイバイ、三玖ちゃーん!」

 

そして私は家に帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中野家

 

三玖が家に帰り事情を説明したところ...

 

五月「そうだったのですね。」

 

二乃「よく考えてみればあんな奴に彼女なんてあり得ないわ!」

 

一花「でも二乃、この前ユースケくんのこと、中々整ってるって言ってなかった?」

 

三玖「言ってた気がする。」

 

四葉「私もバスケの試合に一緒に出たの思い出した!」

 

安心した様子の人、謎が解けてスッキリしてる人がいる模様。

 

一花「でも兄妹っていいなぁー。」

 

二乃「そうかしら?」

 

五月「私も優しい兄が1人欲しかったですね。」

 

四葉「私も!一緒に遊んでくれるお兄ちゃんが欲しかった!!」

 

三玖「ユースケみたいな兄さんなら欲しかったかも...」

 

二乃「あんなのが兄なんて、絶対にイヤだわ!」

 

中野家は今日も賑やかだ。

 




次回から林間学校編へと突入です!
投稿間に合うように頑張ります!!!


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連絡先と写真...

これからのストーリーどうしようか悩んでます!次のストーリーの投稿少し遅れるかもしれないとだけ伝えておきます!申し訳ないです!!


放課後の図書室にて....

 

 

勉強をしている真面目な三玖に、なぜか鶴を折っている四葉、そして金髪のカツラに仮面を被ってる風太郎....

 

 

 

 

 

 

うん、どういう状況?

 

優助「なにやってん...?」

 

四葉「友達の友達が入院したらしいので!」

 

風太郎「とびきり怖い肝試しにしてやるぜ...!」

 

優助「何ひとつ理解できないんだけど?」

 

一花「だね...」

 

今日も今日とて放課後の勉強会に来てみたんだけど....三玖しか勉強してなくね?

 

 

風太郎「優助に一花か。一花、お前も勉強しろ。」

 

一花「わたし今日パス~。仕事入っちゃっててね?それで...」

 

 

一花は携帯を取り出す。

 

風太郎「なんだ、くれるのか?」

 

優助「なんでそうなる?」

 

一花「違うよ~、メアド交換!」

 

風太郎「メアドねぇ~...」

 

一花「これからも仕事で参加できない時もあるかもしれないじゃん?」

 

優助「まぁ確かに。」

 

一花「ユースケくんはLINEね?」

 

優助「分かったよ。」

 

オレはスマホを取り出し、LINEを開いて自分のQRコードを表示させる。

 

 

 

 

一花「よし、二人ともありがとー。」

 

優助「四葉、少し手伝おうk....。」

 

ピロン!

 

ん、なんだ?一花から....

 

 

一花『広められたくなければ他の四人のLINEをゲットすべし!』

 

そこにはオレと風太郎が、寄り添って寝ている写真が送られていた。

 

 

 

 

なるほど...そっちがそういう手を使うなら。

 

オレも写真を送る。

 

優助『オレを出し抜こうなんて10年早いね。』

 

オレが送った写真とは、一花達の家で勉強しているときに撮った、勉強会中に涎を垂らしながら寝ている一花の写真である。

 

一花『今すぐ消してよー!!』

 

優助『後で消しとくよ。まぁ、アイツらのLINEは聞いとくから、安心して仕事がんばりなよ。』

 

一花『全然安心できないんだけど?』

 

メッセージを見てオレはスマホをポケットにしまった。

 

てかさ....

 

優助「四葉はどこに行った?それに風太郎も。」

 

三玖「四葉は先生から仕事頼まれてどっか行った。フータローは、私とメアド交換して慌てて四葉を追いかけていった。」

 

 

優助「なにやってんだろうな、オレら。」

 

ったく、テスト終わって、すぐこれか~。

 

優助「まあいいや、三玖もオレのLINE追加しといて。」

 

オレはスマホの画面を見せる。

 

三玖「分かった。」

 

 

 

優助「よし、おっけい。五月達はどこにいるか分かる?」

 

三玖「多分だけど食堂にいると思う。」

 

優助「了解!オレは食堂に行ってくるから無理しない程度に勉強頑張ってね」

 

そう言葉を残しオレは食堂に向かった。

 

 

 

 

あ、二乃と五月いた。それに風太郎と四葉もいるな。

 

優助「おーい、オレとも連絡先交換してくれーい。」

 

五月「真田くん?」

 

優助「LINEの追加よろしく~。」

 

オレはもう一度QRコードの画面を映す。

 

五月「そういえばご飯の約束がまだだったので、丁度いいですね。」

 

優助「あっ、そうだったね。」

 

五月「忘れたとは言わせませんからね?」

 

優助「オレはいつでもいいから、暇なとき誘って?」

 

五月「分かりました。」

 

優助「で、二乃は?」

 

二乃「別に交換してやっても良いわよ?」

 

 

 

優助「ありがと」

 

風太郎「残るは...」

 

優助「あと1人。」

 

四葉「(・_・)??」

 

優助&風太郎「お前だけだ!」ピシッ!

 

四葉「私ですか!?そういえば交換してなかった気が...」

 

コイツのおバカには少し呆れてくるな~

 

四葉「ありがとうございます!真田さん!はい、次は上杉さんですよ!!」

 

優助「よし、コンプリートしたぜ!」

 

一花、二乃、三玖、四葉、五月、全員GETだぜ!

 

ん?四葉と風太郎がどっか行ったけど...まぁいいか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

うん、この光景2回目じゃない?

 

優助「今度は何をしたんだよ...」

 

二乃「コイツが寝ている私の部屋に勝手に入ってきたのよ!!!」

 

風太郎「俺は生徒手帳を返してもらおうと....!」

 

常識が通じないな、風太郎には....きっと手遅れだわ。

 

一花「二乃ー、頼まれてたもの置いておくね。1人で開けれる?」

 

二乃「それくらいどうってことないわ。」

 

すると風太郎と二乃は部屋に入っていった。

 

一花「ユースケくんは何をしに来たの?」

 

優助「オレは風太郎とこれからの計画を立てようと思ったんだけど....」

 

 

 

数分後

 

二乃「懐かしいもの合ったわよ~!」

 

一花「二乃結局開けなかったの?」

 

二乃「え、えぇ。そんな急ぐことじゃないものね、花嫁衣裳を着るときまででいいかと思って。それよりー....」

 

風太郎が上でボーッとしてるけど大丈夫か?

 

オレは階段を上がって風太郎の側による。ん、写真か....

 

優助「!?風太郎その写真....!」

 

風太郎「優助!?こ、これは....」

 

優助「修学旅行の時の写真か?」

 

オレが会っていた女の子と同じ顔...まさか、あの時オレと風太郎が会っていた女の子が姉妹だったのか?

 

風太郎「...そうだ。お前らとはぐれている間にこの女の子と出会って、一緒に観光していた。というか、振り回されていた...コイツが姉妹とはぐれたらしくてな。」

 

つまり風太郎と一緒に映っているこの女の子をあの時オレは探していたのか。

 

優助「なるほどな。」

 

オレの事は言わない方がいいだろう。

 

優助「それで、お前はその子が気になり続けていると?」

 

風太郎「ちっ、違うぞ!お、オレは...」

 

優助「それくらい分かるよ。お前と何年友達やってると思ってんだ」

 

風太郎「はぁ~お前には敵わない。」

 

優助「まぁ、誰にも言わないって。」

 

風太郎「お前が口を滑らせないことぐらい分かる。」

 

優助「相思相愛だもんな~」

 

風太郎「なにいってんだ?」

 

優助「とりあえずこれからの家庭教師の計画立てよ?」

 

風太郎「そうだな。」

 

 

 

こんな偶然があるなんてな~。

 




やべーどうしようかな.....スゲーこの先のストーリー悩むなぁ。じっくり考えなきゃなぁ!(冷や汗)



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なぜヒトは付き合うのか?

そろそろ考えながら書かなければなりませんね~!頑張らせていただきます!!!

そして、お気に入り登録100人突破~!!!本当に読者様の方々には感謝です!楽しみにしてくれている方がいてくれると勝手に実感出きるのでこれからも頑張らせていただきます!!!


四葉「うーえすーぎさーん!!」ドンッ

 

 

 

風太郎「ぐへぁ!なにすんだ四葉!」

 

 

 

四葉「いよいよ明日ですね!」

 

 

 

風太郎「なにがだ!?」

 

 

 

四葉「決まってるじゃありませんか!林間学校ですよ!!!しおり、ちゃんと読みましたかー?」

 

 

 

四葉「フィナーレのキャンプファイヤー!ダンスの伝説!それがきっかけで付き合い始めるカップルもおおいらしいですよ!!」

 

 

 

風太郎「前にも言ったが学生同士の恋愛など時間の無駄だ!」

 

 

 

四葉「でも、好きな人とはお付き合いしたいじゃありませんか?ね、三玖?」

 

 

 

三玖「....なんで好きな人と付き合うんだろう?」

 

 

 

 

 

一花「それはね、その人の事が好きで好きで堪らないからだよ!」

 

 

 

優助「一花も恋愛したことないだろー。」ワー

 

 

 

一花「もう!そういうことは言わないでよー!」

 

 

 

三玖「一花にユースケ...」

 

 

 

風太郎「よしっ、今日も図書室で勉強するぞ!」

 

 

 

一花「ごめん、私今日も撮影あるからパス...ってメールで送ったんだけどなー」

 

 

 

四葉「私も明日の準備をー...」タタタッ

 

 

 

あっ、逃げた。これじゃあ、振り出しに戻された気分だ。

 

 

 

一花「ごめん三玖、今日クラスで林間学校の打ち合わせがあるらしいからお願いできる?」

 

 

 

三玖「分かった。」

 

 

 

え、そんな話きいてないんだけど?怪しいから着いていこっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てくてく

 

 

 

ん、トイレに入っていったぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

 

 

 

 

あっ、出てきた...って一花!?

 

 

 

三玖はどこにって変装か!!お願いってそういうことか!

 

 

 

ガラガラ~

 

 

 

一花(三玖)「ごめーん、って他のみんなは?」

 

 

 

前田「ごめん中野さん、君に来てもらうために、嘘をついた。」

 

 

 

一花(三玖)「えっ?」

 

 

 

前田「中野さん、オレとキャンプファイヤー、一緒に踊ってください!!」

 

 

 

一花(三玖)「!?...私と?なんで...」

 

 

 

前田「それは...好き、だからです//」

 

 

 

やっべー、聞いちまったーー!!!どうしよぉーー!

 

 

 

一花(三玖)「そ、そうなんだ。返事はまた今度でー...」

 

 

 

前田「今、答えが聞きたい!」

 

 

 

 

 

これは大変だな...ドンマイ三玖。

 

 

 

 

 

前田「あれ?中野さん、雰囲気変わりました?」

 

 

 

 

 

え?三玖の変装に気づいた?中々やるやん。

 

 

 

 

 

はぁ、助けてやるかぁ~。

 

 

 

優助「一花、お前の姉妹が呼んでたよー。」

 

 

 

一花(三玖)「ユースケ...」

 

 

 

前田「なっ、なに急に入ってきてんだコラ~!」

 

 

 

優助「悪い、急いで来たもんだから。」

 

 

 

前田「早く出ていけよコラ~!」

 

 

 

優助「悪いが、それはできない。一花をつれていかなければならないんだ。」

 

 

 

パシッ

 

 

 

What?なにが起きてる?

 

 

 

 

 

一花(三玖)「私、ユースケくんと踊る約束してるから....!」

 

 

 

三玖....口は災いの元ってことわざ教えなかったっけ....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前田「やっぱりかぁー!」

 

 

 

優助「は?」

 

 

 

三玖「へ?」

 

 

 

予想外の反応なんだけど?

 

 

 

前田「クラスの奴らがお前と中野さんが出来てるって言ってたけど、それは噂だってきいてお願いしたんだが。」

 

 

 

優助「へ、へぇー。ソーダッタノカー。ハハハ....」

 

 

 

 

 

前田「中野さんの事、絶対に幸せにしろよ!」

 

 

 

優助「あ、あぁ。任せろー.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっちまったー!

 

 

 

優助「なぁ三玖、良かったのか?これで.....」

 

 

 

三玖「うん。」

 

 

 

優助「ったく、一花と踊るのか~。三玖、口は災いの元だから、これから気を付けろよ?」

 

 

 

あれ?あそこで風太郎が四葉たちに絡まれてる。

 

 

 

四葉「あっ!三玖に、真田さん!一緒に上杉さんの服を買いにいきましょー!!」

 

 

 

 

 

 

四葉の誘いもあり、行ったのだが.....

 

 

二乃以外のコーディネートはとんでもないものだったなぁ。てか、あんな服デパートで売ってるもんなんだな。

 

 

優助「よかったな。」

 

 

風太郎「あぁ。アイツらのセンスは少し疑ったが.....」

 

 

優助「そういえばさっき、携帯なってなかった?」

 

風太郎「そうだった.....!?悪い!らいはが、体調を崩したらしいから先帰る」

 

優助「分かった。お大事にって伝えておいて。」

 

風太郎「あぁ、分かった、それじゃ!」

 

 

 




〈優助くんの林間学校のお仕事〉

一花「ねぇユースケくん。」

優助「なんでしょうか?」

一花「さっきの時間寝てたよね?」

優助「まぁ、何をしてたかは覚えてないね。」

オレ達は荷物をしまいながらホームルームの時間のことを話している。

一花「やっぱり....さっきの時間に林間学校の係、決めてたんだよね。」

優助「え!?なんで起こさなかったの?」

一花「ぐっすり寝てたから~」

面倒くさい仕事になってたら最悪なんだけど!?

一花「そんなこの世の終わりみたいな顔をしている優助くんのために!一花お姉さんが優助くんの仕事を決めておきました!!」

優助「ほんと?」

一花「うん。一花お姉さんと同じ仕事を選んでおきました!!」

優助「その仕事って楽?」

一花「うん。まあまあ楽だと思うよ。キャンプファイヤーの丸太運びだけだから。」

優助「ありがとう“一花お姉さん”!一生ついていきます!」キラキラ✨

一花「!?(今、一花お姉さんって言われた!?///)」ドキッ

優助「どうした、一花?顔が赤いけれども....」

一花「な、なんでもないよ!(こういう時も平常心でいなきゃ...!)」

一花「あっ、あとカレーを作る班も私と一緒だから。」

優助「よし、とりあえず林間学校は一花の後ろをストーカーしてればいいんだよね?」

一花「できればストーカーはしないでもらいたいな?」ハハハ...


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思わぬハプニング

まずは、申し訳ありませんでした!忙しすぎて全く投稿できなかった。筆休めで鬼滅の刃の物語も書き始めちゃったし。もうダメかも知れないです(放心)。自分で蒔いた種なので頑張って最後までやり抜きたいと思いまーす!(苦笑)


今日は林間学校に出発する日である。

 

 

 

 

 

 

 

 

でもまだ、風太郎が来ていない。

 

 

優助「全く、何してんだろう?」

 

 

すると向こうから中野姉妹が走ってきた。

 

 

優助「そんな慌ててどうしt...」

 

 

四葉「真田さん!上杉さんを迎えに行きます!」

 

 

優助「あぁ、そうか。行ってらっs...」

 

 

二乃「アンタも行くわよ!」グイッ

 

すると二乃がオレの腕をがしっと掴むと、あり得ない力で引っ張られた。

 

優助「ちょ!いきなりなにすんの!?強引なのは好きじゃないんだけど!?」

 

 

一花「変なこと言ってないで行くよー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~上杉宅~

 

 

 

勇也「らいはー!!大丈夫か!!!??」

 

 

風太郎「父さん、らいははまだ寝てるんだ。静かにしてくれ」

 

 

勇也「看病...してくれてたのか?」

 

 

勇也「林間学校、まだ間に合うんじゃないのか?」

 

 

風太郎「もうバスは出発したよ....これで3日間、勉強に集中できる。」

 

 

 

勇也「風太郎、忘れ物だぞ。人生に一度のイベントだ。今からでもまだ間に合うんじゃないのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五月「もう、バスは出発しましたよ。」

 

 

風太郎「五月!?それに....!」

 

 

優助「あんまり手間かけさせるな?風太郎くん」

 

 

勇也「久しぶりだな、優助くん!イケメンになったんじゃないか?」

 

 

優助「お久しぶりです、ちょっと髪型変えただけですよ。とりあえず風太郎借りますね?」

 

 

勇也「おう!らいはとオレの事は気にしないで楽しんでこい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バスが出発してから時間は少し遅れて、秘書さんが運転する車の中....

 

 

 

五つ子「「「「「五つ子ゲーム!!」」」」」

 

 

五つ子ゲームとは、5本の指を五つ子に見立てて指を1本だけ見せてその指は誰なのか?を当てるゲームである。

 

 

二乃「私は誰でしょう?」

 

 

そう言いながら二乃は指を1本だけ差し出す。

 

 

三玖「二乃」

 

 

一花「三玖かな?」

 

 

四葉「四葉!」

 

 

五月「...二乃です!」

 

 

全く分からないが、一花と五月ではないのは分かる気がする。

 

 

優助「オレは三玖かな~?」

 

 

風太郎「くっ、二乃だ...!」

 

 

二乃「残念、三玖でした!」

 

 

そう言い、他の指を隠していた手を外し風太郎に見せる二乃。

 

 

風太郎「なぜ裏返っている....!?」

 

 

中指を爪が見えるように立てて見せるのはよしなさい、二乃くん....

 

 

優助「あと...やけにテンション高いな?風太郎。」

 

 

風太郎「当たり前だ、優助と五月たちの家と修学旅行以外、外泊などしないからな!!楽しみにするなというほうが無理な話だ!!もう、誰にも俺を止められないぜ!!!」

 

 

 

四葉「まぁ....もう一時間以上、足止め食らってるんですけどね~....」

 

優助「そうだな....」

 

四葉の言うとおり、オレらは吹雪のせいで酷い渋滞にハマっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎「おう!良い部屋だな!!!」

 

五月「でも、四人部屋ですよ?」

 

二乃「コイツらと同じ部屋なんて絶対に嫌!!!」

 

オレも少し気が引けるけども....

 

四葉「なんでも、団体のお客さんが急に入ったとかで....この部屋しか空いてなかったんだよ~。」

 

二乃「車があるでしょー。」

 

四葉「仕事があるって言って帰っちゃった。」

 

二乃「あっ、そうだ!旅館の前にもう1部屋合ったじゃない!」

 

旅館の前には犬小屋しか....って!!

 

優助「オレらを殺す気か!」

 

二乃「大丈夫よ、きっと。」

 

コイツはサイコパスか?ヤバすぎだろ....

 

まあいい、とりあえず荷物を置いてと。

 

風太郎「うん!良い旅館だ。文句言ってないで楽しもうぜ!!」

 

うん。お前がどうした?少し落ち着け?

 

二乃「女子集合~。」

 

アイツらは急に会議を始めるし、風太郎はリュックの中をあさりはじめるし....

 

 

優助「ん?風太郎、それってトランプか?」

 

風太郎「ああ、みんなでやろうと思ってな。」

 

優助「懐かしいな。小学生以来かな?オレは。」

 

風太郎が五つ子の方へ駆け寄っていく。

 

 

風太郎「やろうぜ!」

 

すると五つ子は驚いた様子で....

 

風太郎「トランプもってきた。やろうぜ!」

 

二乃「トランプ....」

 

一花「懐かしいなぁ...!」

 

五つ子は風太郎の様子に不安そうだが、特に問題なさそうだから気にしない事にしよう。

 

優助「とりあえず、七ならべしないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎて宿の休憩スペースでは....

 

一花「ん~!アツイ戦いだったね。」

 

三玖「うん。これ飲む?」

 

三玖は抹茶ソーダを差し出す。

 

一花「あー、今はいいかな?」

 

 

一花「...三玖、昨日言ってたキャンプファイヤーの話、本当に私でいいの?」

 

三玖「うん。その場しのぎで私が決めちゃったことだから」

 

一花「そっか...それなら、ユースケくんの相手をお姉さんがしてあげますか!」

 

三玖「(一人占めしたい。でも、そんなことはしない。だって私達は五等分だから....それに、一花なら、心配ない。)」

 

一花「(三玖が言うならいい、よね?)」

 

 

 

 

 

夕食を済ませたオレらは風呂へと入っていた。

 

 

 

優助「きもぢぃ~。溶けそう。」

 

 

風太郎「疲れが吹っ飛ぶな。」

 

 

優助「とっととオレは布団に入って寝たいよ。」

 

 

風太郎「あぁ、俺もだ。」

 

 

特に何事もなく風呂をあがり、オレらは布団へとはいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

 

 

 

一花「んん~....え?」

 

目を覚ますと、目の前にユースケくんがいた。

 

 

一花「なんで...?」

 

ふと、まわりを見渡すと....

 

 

一花「あはは、みんなめちゃくちゃ。」

 

ユースケくん、寝てる、よね?

 

 

寝顔を見るのは二回目かな?

 

これくらいは平常心でいられなくちゃ、友達じゃないよね?

 

 

少しずつ顔を近づけていく。

 

 

すると....

 

 

 

優助「だれ?」

 

 

一花「ゆ、ユースケくん...!おきてたの?」

 

 

優助「気配を感じた。」

 

 

グイッ!

 

 

一花「!?///」

 

 

ユースケくん!?ち、近いよ///このままじゃ....!

 

 

優助「なんだ一花か。」

 

 

一花「....ふぇ?」

 

 

優助「いや、コンタクトつけてないから誰か分かんなかった。」

 

 

優助「まぁいいや。顔洗ってくる。」

 

トタトタ、ぱたんっ。

 

 

 

私は、そっと胸に手を当てる。心臓がいつもよりも早く動いているのが分かる。これはビックリしたからだよね?そうに決まってる。

 

 

 

 

そう、自分に言い聞かせるのだった。




お気に入り登録、感想どんどんよろしくお願いします。改善点どんどんかいてくださいね!!

~追記~
Twitter始めました。そちらの方が改善点や感想など気軽に送ってもらえると思ったので!応援してくれる方、頑張って欲しいと思ってくれている方はフォローしていただけると励みになります!!
→“ユウスケ1052”と検索すると出てくるはずです…


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スパイスは程々に…

大変申し訳ない。ちょっとやる気が出なくてペースががた落ちしました。一旦アンケートとるのでこの先の事を考えつつゆっくり投稿していきます。首をながーくして待ってていただけるとありがたいです。


優助「んん~~。」

 

オレはぐーっと体を伸ばしてから座り直す。バスのなかはあんまり身動きとれないし、退屈だから好きじゃないんだよね~。

 

そして、疲れる原因は他にもあって…

 

 

 

 

 

 

 

 

一花「スゥ~、スゥ~zzz」

 

 

なんで、コイツ(一花)と隣なんだよ!後から一緒に乗ったけど、学校の席のみに留まらずバスの座席まで一緒だなんて。それに、コイツがこっちに寄っ掛かってくる度に頭押し戻すの疲れるんだよ!(起こさないのはユースケの優しさ)

オレはコイツの執事だったっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「勘弁してくれ~(泣)」

 

 

 

それから目的地に到着したオレ達はカレー作りを始めた。

 

 

 

 

 

一花「これもう使わないなら片付けておくね?」

 

 

男子生徒「は、はい!」

 

 

男子生徒「やっぱり中野さんって綺麗だよな~。俺の部屋もきれいにしてくれないかな~?」

 

 

優助「それはやめといた方が身のためだぞ?」

 

男子生徒「なんで?」

 

やべ、コイツの策にはまっちまった!このオレを策にはめるなんて、天下の軍師、諸葛亮でも難しいはずなのに…!(そんなわけない)

 

優助「アイツの妹達が言ってたんだよ」

 

 

 

 

 

オレはそう言い残し逃げるように飯盒炊飯へとむかう。後ろでなんか言ってるが無視無視…。まあ、アイツに部屋のことを頼めばきっと、倍以上の汚部屋になって返ってくるだろう…

 

 

前田「おいコラ~」

 

 

優助「ん?どうした前田?」

 

 

前田「あの後中野さんとは順調なんだろうな?」

 

 

優助「あ、あぁ、もちろん。」

 

 

前田「お前はダンスの相手が居ていいよな~オレなんか相手なんか見つからねぇし…真田、何かいい案ないか?」

 

 

いい案ないかって言われてもなぁ~。あっ、そういえば…

 

優助「風太郎、お前夜に肝試しをやるって言ってたな」

 

実は隣に風太郎もいたので聞いてみる。

 

風太郎「あぁ。本気で驚かして眠れない夜にしてやるぜ…!」

 

 

優助「わかった。前田、肝試しは自由参加だから誰か女子でも誘って行ってみたらどうだ?」

 

 

前田「おぉなるほど、吊り橋効果ってやつか!それはいい考えだな。お前に聞いてよかったぜ!」

 

そう言い前田は走ってどっかへ行ってしまった。

 

優助「頑張れよ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃…

 

 

女子生徒「やっぱり真田くん変わったよね~。」

 

 

女子生徒「だよね、何か前は髪で顔がよく見えなかったからね。」

 

 

女子生徒「髪切ってよく見たら結構イケメンで、私ビックリしちゃった。」

 

 

女子生徒「キャンプファイヤーの相手いるのかな?」

 

 

女子生徒「私いまから誘ってこようかな~?」

 

 

そんな話を私は耳にした。そういえば私とユースケくんはキャンプファイヤーのダンス踊ることになってるんだった。三玖もいいって言ってたし…ユースケくんはどう思ってるのかな…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「ったく、とんでもない目に遭ったわ…」

いや~、美味しいカレーが食えると思ってたんだけど、まさか班のやつがスパイスを間違ってとんでもない量いれたせいで、危うくファイヤーブレスを吐くとこだったわ。

 

オレが作ればよかった…少し後悔。

 

そんなオレはいま森の暗闇の中、ライトを持って突っ立っている。ん?なにをしているかって?風太郎が道を間違えたら崖に出るらしく間違えないようにと道案内を頼まれてしまった。

 

うん、寒いし暗いし早く帰らしてよ。一人じゃ寂しいしね?

 

 

 

 

ん?誰か来たかな?

 

 

前田「ったく、ビビったぜ~。大丈夫か?」

 

女子生徒「うん、大丈夫」ドキドキ

 

 

優助「おう、前田か。こっちの道を進めば宿舎の方に出るからな。」

 

 

前田「真田か、分かった。こっちに行けばいいんだな。」

 

 

 

前田、中々いい感じだったな。作戦成功かな?

 

 

 

 

 

 

 

 

お、誰か歩いてきた。

 

一花「あれ?ユースケくん?こんなとこでなにしてるの?」

 

優助「一花と三玖か。風太郎に道案内を頼まれてな。こっちの道を行けば宿舎に戻れるから、足元に気を付けて帰れよ?」

 

 

三玖「うん、行こう一花」

 

一花「あ、うん。」

 

どうしたんだろう三玖のやつ、ちょっと塩対応だったけど。オレ何かしたっけ?

 

 

 

 

 

「キャーッ!!もういやですー!!!」

 

「ちょっと待ちなさいよー!」

 

 

優助「ん?なんd……」

 

 

ピューン!

 

 

は?赤い彗星が目の前を通りすぎていったんだけど?

 

じゃなくて、今の五月か?その後ろは多分二乃?

 

 

風太郎「おい優助!アイツらどっちに行った!?」

 

 

優助「あっ…!早く追いかけるぞ風太郎!!」

 

 

 

 

 




アンケートの解答すすんで協力お願いします!このアンケートがこの小説の未来を左右するかも(言い過ぎ)しれないので!


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結びの伝説?

ごめんなさい遅れました。“カナヲの兄”書いてたらめちゃくちゃ時間が経ってしまっていました。


優助「おーい、二乃~、五月~!!」

 

 

暗闇のなかを、スマホのライトで照らしながら俺は二人を探す。正直言うと、俺は暗いところは得意じゃないだよね~。でも幽霊は見てみたいと思う。ここは幽霊が出るらしいけど、この前霊感の心理テストみたいなのやったんだよ。そしたら、霊感度0%を叩き出してしまった…。

 

たぶん俺は幽霊の気配みたいなのが感じられないだよね~(泣)

 

すると後ろから気配を感じた。そっちの方を向くと、茂みのところから赤いアホ毛がピョコっとはみ出ているのが見えた。

 

茂みからアホ毛が出てんの…、ちょっと可愛いな。

 

優助「五月?俺だ、優助だよ。そこから出てこい」

 

 

俺は驚かせないように優しく言う。

 

すると、

 

五月「さ、真田君…?」

 

茂みから顔を出す五月。

 

すると、突然風が吹き木々がザワザワと大きな音をたてて揺れる。それに驚いた五月は、俺の方へと駆け寄ってくる。

 

 

五月「さ、真田くん…!!」

 

“ギュウッ”

 

五月「す、すいません…!少しの間こうさせてください…」

 

 

五月は今にも泣きそうになりながら俺の腕をガシッと掴んできた。突然の事で驚いたが、五月も限界らしい…。足が生まれたての小鹿のようになっている。

 

 

優助「…しょうがないなぁ…。分かったよ」

 

 

俺は取り敢えず五月は見つけたと風太郎にメールを送り、順路の方へと向かう。

 

 

ていうか…、

 

 

 

 

 

 

こいつ掴む力強すぎ…!どんだけ怖いのかは分かるけど、腕がもげそうだから!女子の出して良い力じゃないと思うぞ!?

 

 

 

 

 

 

俺はそう思いながら元の道の方へ行く。

 

 

すると、遠くにキョロキョロしている二乃が見えた。

 

 

優助「なぁ五月、あれ二乃じゃないか?」

 

俺は五月にそう訪ねてみる。

 

 

五月「に、二乃ぉ~!!」

 

 

またも、五月が走り出してしまった。全く、忙しい奴だ。

 

俺も五月に続くように二乃の方へ駆け寄る。

 

 

二乃「…!?ちょっと五月!どこに行ってたのよ!!」

 

 

五月は泣きながら二乃にぎゅっとしがみついている。今回の件で五月はかなりビビりであることが分かった。

 

 

優助「取り敢えずもとの道までもどるぞ」

 

 

俺はそう言ってスマホを見る。すると風太郎から“先に戻る”と連絡が入っていた。

 

 

なんなんだコイツは……?

 

コイツらを探すことを放棄するなんて……!後で会ったら叱らなければな!(怒)

そう思いながら宿へと二乃と五月を見つけた俺はもどった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

宿に戻ると風太郎がいた…

 

 

それも顔を真っ青にして。

 

優助「ど、どうした?そんな顔して……。」

 

 

風太郎「まずいことになった…」

 

 

優助「いやそれは見れば分かるけど、今度はどうしたんだよ……。兄ちゃんに話してみい?」

 

 

風太郎は暗闇の中(二乃と五月探しの旅)で起きた出来事を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

優助「なるほどねぇ~(笑)」

 

 

風太郎「おい、こっちとしては笑い事じゃないんだ…」

 

 

皆に分かりやすく説明すると、二乃と五月を探しに行って二手に分かれたとき、金髪のカツラを被った風太郎が二乃と遭遇し惚れられてしまったとのこと………。

 

 

 

 

…“皆”って誰の事だ?よく考えると俺って今おかしいことしてる?(困惑)

 

 

 

優助「…まぁ、お前にもモテ期が来たって事よ…!喜べ風太郎!」

 

 

風太郎「いや、まずいのは俺だと気づいていないというところだ」

 

 

優助「大人しくダンス踊ってやったらどうだ?」

 

さらに、金髪の風太郎は二乃にキャンプファイヤーのダンスに誘われたらしい。

 

 

風太郎「いや、そういうわけには……」

 

 

全く、こいつの堅物ぶりには本当に驚かされる。

 

 

 

 

一花「あっ、いたいた!ユースケ君」

 

 

するとそこに一花が現れる。

 

優助「どうした一花?」

 

 

一花「言い忘れてたんだけど、私たち明日のキャンプファイヤーの準備で木を運ぶ仕事があるんだよね」

 

 

優助「そうだったのか、よし行くか!悪い風太郎、そう言うことで…!まぁ、頑張れよ」

 

 

俺はそう言い残し、一花と共に仕事に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し時は遡り、一花と三玖が肝試しで優助と会った後…

 

 

一花「どうしたの三玖?折角ならもう少し話せば良かったのに…」

 

 

三玖「……私、変かも」

 

 

一花「?」

 

 

三玖「ユースケは皆の家庭教師なのに…。一花は、ユースケの事をどう思ってる?」

 

突然の三玖の質問に一花は少し驚きつつも、バレないよう何とか平静を保ち答える

 

一花「ユースケくんはいい人だと思うよ。あっ、でもちょっと何考えてるのか読めないかな?私が一泡ふかせようとするといつも失敗してカウンターを喰らうんだよね~…」

 

一花はパッと思い付いたことを三玖に話す。三玖の方を見るとやはり浮かない表情をしている…。

 

 

一花「…ユースケくんとの最終日のダンス、やっぱり変わろうか?」

 

三玖の様子を見て一花は提案する。

 

 

三玖「……平等。一花が相手してあげて」

 

 

一花「三玖……。でも後悔しないようにね?今がいつまでも続く訳じゃないから」

 

 

 

 

 

 

 

そして時は今に至る…。

 

 

優助「……これを運べばいいのか?」

 

 

一花「うん、そうだよ」

 

木がでかすぎると思うけど、まあ頑張るか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後…

 

優助「よっと…、これでラストか?」

 

 

一花「うん」

 

俺達は二人で最後の丸太を持つ。すると一花が……

 

一花「…私たち踊るみたいだね」

 

優助「ん?あぁ、そういえばそうだったな」

 

気まずそうに一花が言ってくる。どうしたのだろう…やはり嫌だったのだろうか?

 

優助「…やっぱり止めとくか?」

 

俺は思わずそう言ってしまった。でも正直、無理に一花と踊るのも少し違うと思う。

 

一花「!」

 

俺の言葉に一花の動きが止まる。

 

優助「…元々三玖が勝手に言ったことだし……、一花も嫌々踊るならそっちの方がいいんじゃ…………!?」

 

話していて、ふと一花の方を見ると涙を浮かべていた。

 

女生徒「もう全部運んだよね?」

 

俺は一花が涙を流していることに動揺し、そしてそこに女生徒が来たことで驚きのあまり倉庫の影に持っていた丸太を置き、そこの影に一花と隠れる。

 

 

一花「あはは…前にもこんなことがあったよね…?」

 

 

その言葉に俺らは思わず苦笑いしてしまう。俺は着ていた上着を脱いで、一花に被せてやる。

 

 

優助「…取り敢えず泣き止むまでそれ着てろ。」

 

被せた上着で一花の表情は見えないが、まだ泣き止んではいないだろう。俺は外の様子を見ようとすると、服の裾を掴まれ妨げられる。

 

一花「待って…!今いったらバレちゃうよ」

 

優助「別に何も変なことはしてないし大丈夫だろ」

 

 

……キィー、バタン!ガチャッ

 

一・優「!?」

 

 

嫌な音がしたので俺達はすぐに扉のところに行く。

 

優助「ま、まぁ開いてるよな……?」

 

 

ガチャ…。ガチャガチャ…!ガチャガチャガチャ……!

 

 

一花「嘘だよね……?」

 

 

これは最悪なことになった。扉は締まり、開こうとしても鍵がかかっているのか開かないぞ…!

俺達は倉庫の中に閉じ込められてしまったのだった……。




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長女のセンサー

いつの間にかもう4月ですね。映画が放映されちゃいますやん。俺の駄文楽しみにしてる人いるのかなぁ?映画始まれば見る人増えると思って少し頑張りますね~!


俺と一花は鍵のかかった扉の前に立ち尽くしている。

 

まさか、こんなことになるなんて…。

 

優助「まさか鍵をかけられるなんてな」

 

 

一花「そうだね…」

 

 

優助「しょうがない、俺らがいないことに気付いたら助けに来てくれると思うし、それまでここで待ってるか」ゴソゴソ

 

そう言いながら、何か無いかとポケットに手を突っ込んでみる。

 

 

携帯はリュックに入れっぱなしだから無いし、何かないか…?

 

 

一花「ごめんね、私のせいで……。」

 

 

一花は申し訳なさそうに話す。

 

 

優助「気にしなくていいって、俺にも責任はあるから………。お、何かあった…!」

 

 

ポケットをあさっていくと、ズボンの右ポケットに何か入っていたので取り出してみる。

 

 

 

優助「おぉ~、ライターがあった!」

 

 

一花「何でライターなんか持ってるの?」

 

 

優助「俺、飯盒炊飯のご飯担当してたから…。よし、木はそこらじゅうにあるし火を起こして何とか寒さはしのげそうだな~」

 

 

俺は周りにある小さめの木を集める。

 

 

一花「ユースケくん」

 

 

優助「ん??」

 

 

俺が、集めてきた木をうまい具合に重ねていると一花が話しかけてきた。

 

 

一花は扉の右上の方を指差しながら……。

 

一花「あれって防犯センサーじゃない?」

 

 

一花の指差す方を見ると赤く点滅してる装置があった。

 

 

優助「おぉ本当だ!もしかしたら扉に衝撃を与えれば迎えがくるかも…」

 

 

一花「いや、多分警備員の人がくるんじゃないかな?」

 

 

優助「え~、それはちょっと嫌だな」

 

 

警報ならして警備員を呼べば、先生に怒られるに決まってる。それだけは勘弁だわ……。

 

 

 

 

 

 

ん、待てよ……?

 

 

優助「あれ解除して扉ぶっ壊せば抜け出せるんじゃないか?」

 

 

一花「えっ?」

 

 

よしっ、そうと分かれば……。やることは1つだけだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか、ユースケくんとこんなとこに閉じ込められるなんて…。

 

 

こんなこと、三玖にでも知られたら……。

 

 

 

優助「よし一花、センサー解除できるか見てくれ」

 

 

え?

 

いや明らかに高すぎない?

 

 

一花「あはは、身長が2メートルあったら見れるんだけどね~…。」

 

 

優助「いや、俺が肩車するから見てくれない?」

 

 

肩車……。センサー……。

 

 

私はそっと胸に手を当てる。

 

…平常心、平常心………。

 

こっちのセンサーも反応させちゃダメだから…。

 

 

 

 

 

 

一花「…うん、分かった…。けど、重いとか言わないでよ……?」

 

優助「りょーかい。……よいしょっと…!」

 

 

私は自分に平常心と言い聞かせながら、ゆっくりとユースケくんの肩に足をかける。

 

 

 

優助「どう?何とかなりそう???」

 

 

一花「ん~、鍵がないと、どうにもならなそうかな~」

 

 

そう言うと、ゆっくりと下ろしてくれた。

 

 

 

優助「しょうがない、火起こして暖とりながら待つか…。」

 

 

そう言って、ユースケくんは集めてきた木にライターで火をつける。

 

 

パチパチと音を立てて火があがる。

 

優助「よしっ、これでオッケー!」

 

 

そこにユースケくんは、ストンっと座る。

 

 

 

 

私も火を挟んで向かいに腰を下ろして、コートに手をかける。

 

これ以上着てたらユースケくんも風邪引くだろうし。

 

 

優助「あ、着てていいよ」

 

私がコートに手をかけるのとほぼ同時にユースケくんは、ボーッと火で暖をとりながらそう言ってきた。

 

 

一花「えっ…?まだ何も言ってないのに……。」

 

 

じっと火に向けていた視線を、私に向けて……。

 

優助「一花の言おうとしてることくらい、もう何となく分かるから。出会ってから結構経ってるし、色々とあったしね?」

 

 

そう言われると、確かにあっという間の期間に色々とあった気がする。ユースケくんとは隣の席で毎日顔を合わせていたわけだし……。

 

 

それから会話が途切れ少しの間が空く。

 

 

 

 

 

私は、さっき泣いてしまったことを思い出す。

 

 

ユースケくんに、“やっぱキャンプファイヤー踊るのやめる?”って言われたとき、何で泣いちゃったんだろう……。

 

 

自分には分からない感情が出てきて、涙が溢れてきてしまった。

 

 

 

 

 

 

一花「………私さ、学校やめるかも…。」

 

 

さっきのことを思い出していたら、ふと呟いてしまった。

 

 

優助「……えっ…!?」

 

 

驚いたようすでユースケくんがこっちを見る。

 

 

一花「休学って形だけどね。お陰様で映画の撮影とかしてるんだけどさ、新しい仕事の話も貰えるようになってきたの…。他の子達は留年覚悟で仕事したり、融通のきく学校に通ったりしてるんだ。私は学業の方は絶望的だからさ、高校に未練はないかなーって…」

 

 

それに、私がいなければ三玖も……。

 

 

優助「良かったな、やりたいことが見つかって」

 

 

一花「え?」

 

 

思ってもいない返事が返ってきたので少し驚いた。

 

 

優助「俺は応援するよ。多分風太郎もそう言うと思う」

 

 

一花「応援してくれるんだ…。正直止められるかと思ってた」

 

 

優助「他人(ひと)の本気でやりたいことを止める権利なんて誰にもない。……ただ…。」

 

 

 

一花「ただ…?」

 

 

優助「一花がいなくなったら、俺も学校の楽しみが少なくなるなって」

 

 

その言葉に心臓がバクンと鳴る。

 

 

 

優助「まあ、それは俺だけじゃなくて風太郎もだと思うし、あの四人はもっと寂しがるかもな」

 

 

私はただ、ジッと目の前の火を見つめる。

 

 

優助「俺たちは皆、お前が本気でやりたいと思ったことなら絶対に応援する」

 

 

 

火にあたっていたこともあると思うけど、ユースケくんの話を聞いて心も暖まって来た気がする。

 

 

 

 

 

 

また、少し間が空く。

 

 

 

 

よし、落ち着いてきたし私も決めた。

 

 

一花「いいよ。キャンプファイヤーのダンス…、あの約束は無かったってことで。その代わり……」

 

 

優助「…?」

 

私は途中で話を区切り、立ち上がる。

 

 

一花「今踊ろう…!今夜は二人だけのキャンプファイヤーだよ?」

 

 

優助「そうだな、ここで踊っても嘘にはならないしな…。」

 

 

 

一花「ホント!?やったー、やっぱ恥ずかしかったんだ~?」

 

 

優助「まあ、多少はね…?」

 

 

私はもう一度胸に手を当ててみる。

 

…センサーには問題なし。これなら大丈夫…!

 

 

優助「伝説なんてものもあるから周りの目も気になるし…」

 

 

一花「…?伝説って……??」

 

伝説?何のことだろう…。

 

 

優助「あれ?一花知らなかったのか?四葉が言ってたんだけど、キャンプファイヤーで踊った二人は、生涯結ばれるっていう…。」

 

 

一花「えっ……」

 

もしかして…、三玖は………。

 

 

一花「……それって三玖も知ってるの…?」

 

 

優助「知ってると思う。四葉から聞いたとき一緒に聞いたからな」

 

 

一花「そんなつもりじゃ……」

 

 

三玖にとってキャンプファイヤーは………、それなのに私は…。

 

 

 

一花「ユースケくん……!」

 

 

ガタッ!

 

 

優助「あっ、一花!危ないっ!!!」

 

 

 

後ろの丸太に足をぶつけてしまい、丸太がこちらに倒れてきた。

 

 

突然のことに驚き、私は目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

ギュッ…!

 

 

 

 

 

ガッシャーン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸太が倒れてくる直前に体を抱き寄せられ、何とか無事であったのだが……。

 

 

 

優助「…危なかった…!一花、お前ってさ」

 

 

 

『意外とドジなんだな』

 

 

 

ビーッ、ビーッ、ビー…

 

 

 

その時、私の心の中を表すかのように部屋中に警報が鳴り響きだした……。

 

 

突然のことに思考が停止してしまう。

 

 

 

優助「あっ、まずい……。」

 

 

『衝撃を感知しました。30秒以内にアンロックしてください。解除されない場合直ちに警備員が駆けつけます』

 

 

ユースケくんが、パッと手を離したとたん上から水が降りかかってきた。

 

 

優助「スプリンクラーあったのか…!?」

 

 

 

一花「どうしよう…!?鍵ないよ!?」

 

 

上から降ってくる水で私たちはすでにびしょ濡れになっていた。

 

 

優助「どうすれば…!」

 

 

 

 

 

 

 

五月「鍵ならここにありますよ」

 

 

その声とともに、ブザーとスプリンクラーが止まる。

 

 

 

 

扉が開き、そこには五月ちゃんと三玖がいた。

 

 

 

 




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優助くんはスキーが好き

手を頑張って動かして書きました。アドバイスなどありましたら、遠慮なく感想に書いていただけるとありがたいです。

〈追記〉今日は五つ子の誕生日でしたね!すっかり忘れてました…。不覚。五つ子の皆さんおめでとうございます!


優助「はあぁ〜…。」

 

目が覚めると同時に俺はため息を付く。

 

それもそのはず、昨日はとんでもない目にあった…。スプリンクラーでびしょびしょに濡れて寒かったし、その後は先生に長時間説教されるし…。

 

 

なんか体もだるくなってきた気がするわ。

 

 

 

 

 

でも、そんなことより一番まずいのは…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五月からの信頼を失ってしまったかもしれないと言うことだ。

 

 

まあ今日は選択コース、五月と同じやつを選んでどうにか弁解しなきゃな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、いうことでスキー場に到着。

 

朝に風太郎のところに会いに行こうと思ったら、四葉にからまれていた。そこでちょうどよく、皆スキーを選択するということで俺もそれに参加することとなった。

 

 

不幸中の幸いであったのは…、 

 

優助「よっしゃ〜、久々のスキーだー!」

 

俺はスキーが大好きであるということだ。

 

 

風太郎「寒いし、部屋で寝ていたいんだが…」

 

確かに少し冷えるけども…

 

四葉「もー、林間学校のときくらい勉強のことは忘れましょうよ!滑れないときは私が手を引いて滑ります!」

 

 

今日も四葉は絶好調のようだな。俺もスキーがやれるなら何でもできる気がするぜー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

てことで、リフトに乗って上まで来たんだけど…。

 

さっきの言葉訂正させてください。

 

 

 

 

 

今は絶賛、初心者である三玖と風太郎に滑り方を教えているところなんだけど…、

 

 

 

 

全く上手く行かーん!

 

 

優助「こんな感じでハの字にすればスピードが緩んで、板を平行にしていくとスピードが上がる。止まるときは、ハの字のまま横向けば止まれるから…って聞いてるか?風太郎」

 

 

俺は風太郎につきっきりで、俺が実践して見せながら教えてるんだけど。

 

 

風太郎「あ、あぁ…、大丈夫だ…。」

 

心ここにあらずと言った感じで…

 

 

優助「お前体調悪いのk「やっほー、フータローくんにユースケくん」ん?」

 

 

話していると横から誰か話しかけてきた。フード被ってて誰かわからないけど、話し方的に…。

 

 

優助「一花か?」

 

一花「あったりー」

 

 

風太郎「四葉から、お前は体調崩してるから休んでるって聞いてたんだが…。」

 

 

優助「体調はよくなったの?」

 

 

一花「万全とまでは行かないけどね。あ、あと五月ちゃんは顔を合わせづらいから一人で滑ってるってさ」

 

 

風太郎「お前五月と喧嘩でもしたのか?」

 

 

優助「まあ、ちょっとね…」

 

 

まあ、ここで滑ってればいつか出会うだろ。

 

 

四葉「一花、この二人全然言ったとおりに覚えてくれない〜!」

 

それは俺と風太郎がいっつも君たちに思ってることね。

 

 

一花「だったら、楽しく覚えようよ。追いかけっ子とか!上手な四葉が鬼ね」

 

 

それにあわせて風太郎と三玖も滑っていく。

 

 

優助「俺らも行くか〜。」

 

 

俺と一花も風太郎の後ろをついていくが…。

 

 

優助「ちょっと待て、なんで風太郎との距離が縮まらない?」

 

 

むしろ引き離されてる気がする。まさか…!

 

 

一花「上杉くん…!?」

 

 

優助「やっぱりさっきの聞いてなかったなー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズサー…。

 

 

優助「ったく、大丈夫か?」

 

 

風太郎「ああ、雪だるまがあったおかげでなんとかな。」

 

 

 

優助「お前体調悪いんだろ。もういいから休んでろ。」

 

 

そう言いながら俺は風太郎を起こしてやる。全く無理しやがって…。風太郎は目立っているのが嫌なのかフードを被っている。

 

風太郎「あぁ、そうさせてもらう…。」

 

 

すると後ろから聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

 

二乃「この絆創膏…。ねえ、真田の横にいるのって金太郎くん?」

 

 

まずい、二乃だ…。このままだと昨日の金髪の少年が風太郎だとバレてしまう。こいつは走れないし、どうする?

 

 

 

 

いや、いい機会だ…。ここでもう正体を明かそう。

 

 

風太郎「っおい…!?」

 

 

俺は風太郎のフードを取る。

 

 

二乃「って上杉じゃない!」

 

優助「二乃、昨日お前が出会った金髪の人は、肝試しで変装していた風太郎だ。」

 

 

二乃「う……!」

 

 

優助「う…?」

 

 

二乃「嘘よーー!!」

 

 

風太郎「騙すつもりはなかったんだ、本当にすまないと思っている」

 

 

二乃「許さない!」

 

するとこっちの方に二乃が迫ってきた。

 

風太郎を離し、背中を軽く押す。

 

 

優助「ちょっと待て二乃、あいつは意図してないって言っただろ…?」

 

 

俺は二乃の前にたちそう言う。その間に風太郎に目配せをし、先に行かせる。

 

二乃「あいつが悪いのよ!」

 

 

優助「いや、二乃たちが驚きすぎて順路から外れた道行くからだろ」

 

 

二乃「私は五月を追いかけてただけよ」

 

 

優助「途中に俺がいたのに真横駆け抜けていったやん…」

 

 

二乃「ん?アンタいたの?なら、なんで止めないのよ!」

 

 

優助「あっ…やべ……。」

 

くそっ、二乃の策略にハマっちまった!!

 

二乃「アンタなんのために立ってたのよ!」

 

 

優助「………逃げるが勝ちだ!」

 

ッピューン!!

 

二乃「あっ、ちょっと待ちなさいよー!!」

 

 

やばいやばい、どうしよう。逃げても隠れる場所がない!

 

 

俺はコテージの横を曲がる。

 

四葉「あー、真田さんみっけ!」

 

優助「四葉…!?」

 

俺はすぐさま回れ右をして逃げるが前からは二乃、後ろから四葉という絶体絶命という状態である。

 

 

グイッ!

 

 

優助「ぅお…!?」

 

 

後ろから服を引っ張られ俺はかまくらの中へと入り込んだ。

 

 

 

三玖「危ないところだった…」

 

 

優助「あ、ありがとな三玖。助かった」

 

 

三玖「うん……。」

 

 

 

 

 

 

やばい、沈黙が気まずい、昨日のことを話すか…。話しづらいことだが言わなければ誤解は解けない。

 

 

 

優助「…なあ、三玖昨日のことなんだが……―――」

 

 

俺は昨日ああなった経緯を話す。

 

 

 

 

優助「…とまあこんな感じで……。」

 

 

三玖「…要するに事故だったんでしょ?ユースケが悪いことするなんて思ってないし、怒ってないから気にしなくてもいいよ。」

 

 

優助「三玖…!」

 

 

今なら三玖が神様に見えるわ。いや、いつもか?まあいいや。

 

 

優助「ん?そういえばなんで三玖ってここにいるんだ?」

 

 

三玖「四葉から逃げてきた」

 

 

優助「なるほど、体力じゃ敵わないから立ち回ったってことね」

 

 

あの四葉の体力はやばいからな〜、小学生の低学年と遊んでるみたいだわ。

 

あ、悪い意味じゃないけどね…。

 

 

 

 

 

頭が悪いからとか、精神年齢が低いからとかじゃないからね!!けっして!!!

 

 

 

ワンチャン長距離走負けるかもしれないしな。

 

 

三玖「…わかった。四葉にはハンデをもらおうよ。荷物を持ってもらったりして足の速さを平等に……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「……平等もいいけどさ、ハンデをもらうのってずるくない?」

 

 

三玖「…え?」

 

 

優助「その人にハンデを課して、勝負で勝っても嬉しくないと思うし。なにより、相手が必死に努力して手に入れた力を否定しちゃうような気がするからさ」

 

 

三玖「…確かに」

 

 

優助「それに、今三玖はまだ四葉に捕まってないじゃん」

 

四葉の努力を否定したくはないし、平等よりも…

 

優助「平等じゃなくてもいいんだよ…」

 

 

 

 

 

 

 

優助「平等じゃなく、公平に行こうぜ」

 

 

優助「そのほうが皆がハッピーだろ!」

 

 

三玖「そうだね」

 

三玖はニコッと笑いながらそう返事をする。

 

 

優助「じゃあ俺は、外の空気吸ってくるから」

 

 

三玖「わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________

 

平等じゃなく、公平に…。

 

ユースケの言うとおりなのかもしれない。

 

 

三玖「よし…」

 

私は、スマートフォンを取り出し電話を掛ける。

 

三玖「………もしもし?」

 

 

一花『どうしたの三玖?』

 

 

三玖「話したいことがある」

 

 

 




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※優助くんと体力テスト…?

本編の間に小話的な話をいれますね。読まなくていいよって方は次に進んでもらっても構いません。自分も適当にかくので普段よりも、だらけた文になってるかもです。


普段は家庭教師として、親友の上杉風太郎くんと日々精進している真田優助くん。

 

今回はそんな優助くんの日常のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日の体育の授業…

 

 

 

教師「今日と明日の体育の授業は、体力テストを行う!各自準備体操をして次の種目の配置につくように!今日は、握力測定、反復横跳び、ボール投げ、50m走、明日は長座体前屈、上体起こし、立ち幅跳び、シャトルランだ!」

 

 

 

『えぇ~~…。』

 

 

教師がそう告げると、同級生は嫌そうな声をもらしながら準備体操に移る。

 

 

 

優助「めんどくさ~…。」

 

 

全然やる気でないわ~。適当に全部流して終わろっと…。

 

そんなことを考えながら、だらだらと俺も準備体操に行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~反復横跳び~

 

 

 

俺瞬発力ないから苦手なんだよな~。

 

実は人生2週目であるオレにとって10点をとるくらいはお茶のこさいさいである。でも目立つのは嫌だから、適当に5点くらいに留めておこう。

 

 

教師「よし、皆位置に着いたな。始めるぞ、よ~い……、始め!!」

 

 

たっ、たっ、たっ、たっ、たっ、……………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教師「しゅうりょーう!!」

 

 

優助「…ふぅ、まあいい感じかな?」

 

 

 

よし、多分47回くらいだったな。

 

そう思いながら、オレの記録を数えてくれていた“鈴木寛人(すずきひろと)”のところへと歩いていく。

 

ちなみにこいつは、去年の体力テストで全校の中で一位をとっている。運動神経が抜群にいいのだ。そして顔もいい…。

 

 

 

でも、オレはこいつがあまり好きではない。

 

 

 

 

 

寛人「おつかれさん、記録は47回だったよ。」

 

 

優助「了解」

 

 

寛人「まっ、お前は勉強の成績だけだな。オレは軽ーくお前の記録越してくるから、見逃さないようにしっかり数えろよ」

 

 

皆にはなにも言わなくても、オレがこいつのことを嫌いな理由が伝わったと思う。

 

 

 

 

 

 

こいつと話してるとなんか腹立つわ(笑)←全然顔は笑っていない

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……。

 

 

 

 

 

寛人「ふぅ~、オレの回数は何回だった?」

 

 

優助「64回だった」

 

 

寛人は、“まっ、当たり前だよな~”と自慢げに紙に記録を書きに行く。

 

 

一花「寛人くん、流石だよね~」

 

 

すると横から一花。急過ぎて少し驚いたんだけども。

 

 

優助「一花か…。流石は全校一位だよな。体力テストのコツでも教えてもらいたいわ」

 

 

とか、適当なことを言ってみる。

 

すると寛人にも聞こえていたようで…。

 

 

寛人「練習なんかしてねーよ。まぁ、いわゆる才能ってやつかな?まっ、お前にコツなんか教えたってオレには敵わねーよ」

 

 

 

ブチッ…!

 

 

 

一花「え…?」

 

 

一花が居るからか…?

 

分からないが、ちょっと言いすぎたなお前。

 

 

 

優助「ほーん、ならオレに負けたらお前坊主な。」

 

 

一花「(いや中学生みたいな賭けじゃん…)」

 

 

寛人「よゆーだわ、お前こそオレに負けたら坊主だからな。お前に負けるなんてあり得ねーけど」

 

 

一花「(いや乗るんか~い!)」

 

 

今ここに、学力成績全校一位(たぶん)vs体力テスト全校一位の戦いの幕が切られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「先生」

 

 

教師「どうしたんだ真田」

 

 

優助「ちょっと数え間違えちゃったみたいでもう一回やってもいいですか?」

 

 

教師「わかった。もう一回やりたいやつがいたら真田と一緒にやってもいいぞー!」

 

 

 

オレはフーッと息を吐く。

 

寛人は負けるはずがないと自信満々な顔をしている。

 

 

 

教師「いくぞー。よーい……、始め!!!」

 

 

シュタタタタタ!

 

 

 

寛人&一花『は?(えっ?)』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

教師「き、記録…、74回……!」

 

 

優助「まぁ、こんなもんかな」

 

 

 

周りからは、“えっ、嘘でしょ!”、“凄すぎない!”との声が漏れている。

 

 

 

優助「さぁ、次の種目に移ろうか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~握力測定~

 

 

 

寛人「(まあ反復横跳びだけだろ…)よし、まずは俺から!」

 

 

記録・右:57kg、左:59kg→平均58kg

 

寛人「よしっ、10点だ!去年より延びてるぜ!」

 

 

 

優助の記録

 

記録・右:67kg、左:63kg→平均65kg

 

 

 

寛人「はっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ボール投げ~

 

 

寛人「ボール投げは去年は8点だったから、今年こそは10点目指すぜ!」

 

 

 

ビュンッ!

 

 

 

 

記録・34m

 

 

 

 

優助「おりゃ!」

 

 

ブォンッ!!

 

 

 

バシーン!

 

 

 

優助「あ、やべ…。壁に当たっちった」

 

 

 

寛人「(こいつ人間じゃねぇ……!)」

 

 

寛人の顔はだんだん青白くなっていく…。

 

 

 

優助くんの記録は外で投げたところ、45mくらいだったらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50m走

 

 

寛人「これはオレの得意種目だ!負ける気がしねぇ」

 

 

よーい、ドンッ!

 

 

 

寛人の記録、6秒30ー!

 

 

周りからは歓声が上がる。

 

“流石は寛人だね”、“これは流石に真田でも無理だろ”などとあちこちから声が上がっている。

 

 

 

 

オレはゆっくりとスタート地点に立つ。

 

 

 

よーい、ドンッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助の記録、5秒89ー!

 

 

寛人「……嘘、だろ…!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の記録も…

 

 

 

 

~長座体前屈~

 

 

寛人→62cm

 

 

優助→68cm

 

 

 

 

 

 

~上体起こし~

 

 

寛人→37回

 

 

優助→43回

 

 

 

 

 

 

 

 

立ち幅跳び

 

 

寛人→273cm

 

 

優助→289cm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、最後の種目。

 

 

 

~シャトルラン~

 

 

 

 

 

寛人「(なにがなんでもこれだけは勝つ!こいつはずっと帰宅部で中学校もなにもやってなかったはず!これなら勝てる!)」

 

 

寛人はバスケ部であり、優助は帰宅部。これは誰がどうみても優助くんが負ける試合だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

はずなのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

157…

 

 

 

158…

 

 

 

159…

 

 

寛人「(こいつ、いつまで続けんだよ!?)」ゼエ、ハアー

 

 

優助「……ーー♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

181…

 

 

 

182…

 

 

 

183…

 

 

 

184…ーーーーーー

 

寛人「く、くそー、ぜえ、はぁ」

 

寛人の記録→184回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

201

 

 

201

 

 

203

 

 

204

 

 

20……キーン、コーン、カーン、コーン!

 

 

 

途中で授業が終わってしまった。

 

 

 

優助の記録→205回

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のとおり優助くんの圧勝で決着が着きました。

 

 

寛人の合計点→78点

 

 

優助の合計点→80点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝。

 

 

今までチヤホヤされていた寛人は勝負に負け坊主になり、今まで寛人の周りに集まっていた女子は…、体力テストでとんでもない結果を出し続け、長かった髪を切りに行きイメチェンした優助の方へと流れていた。

 

 

そして、優助は全校から……

 

 

 

 

“成績優秀、運動神経抜群のイケメン”として全校生徒に名前が知れわたる存在となるのであった……

 

 




一花「ユースケくん凄かったよ、体力テスト。その体のどこにあんな力が秘められてるの?」

優助「やっちまった…。目立ちたくなんてなかったのに、なんでこんなことになんだよー!!!?」


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五月の居場所

新しいアンケートと意見や感想よろしくお願いします。改善点どんどんお願いします!


時は少し遡り、風邪で寝込んでいる一花を五月が看病していたときのこと…。

 

 

一花「あーあ、最終日に体調崩すなんてついてないな〜…」

 

 

 

五月「不注意が招いた事故です、日中は大人しくしていてください。」

 

 

 

一花「はぁい……。あ、五月ちゃんは私に付き合ってないでスキーしてきなよ。私も体調が回復したら行くからさ」

 

 

 

五月「ですが……。」

 

 

 

一花「…ユースケくんと顔合わせづらい?」

 

 

 

五月「…。」

 

 

 

一花「あんなことがあったら無理もないよね…。もしかして旅館の時から警戒してた?」

 

 

 

五月「…あれは一花でしたか……。まだ出会って3ヶ月しか経っていないのにこんなことになるなんて思いもしませんでした」

 

 

 

一花「ユースケくんがそんなに悪い人に見える?」

 

 

 

五月「そういうわけでは………、ですが男女の仲となれば話は別です。私は彼のことを知らなさすぎる……。それは上杉くんにも当てはまります」

 

 

 

五月「男の人はもっと見極めて選ばないといけません」

 

 

 

一花「たしかにそうかもね……。でも大丈夫だよ五月ちゃん。ユースケくんたちは…、お父さんとは違うよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はかまくらの中で少し固まった体をほぐそうと腕を上にグーッと伸ばす。

 

 

 

優助「おっとと…」

 

 

 

久々に立ち上がったからか立ちくらみがした。成長期とか背が高いと起きやすいらしいんだけど。あとなんか肌寒いな…。

 

そう思いながら俺は周りを見渡す。どうやら周りに二乃や四葉もいないらしい。

 

 

 

 

すると、三玖もかまくらの中から出てきた。

 

スマホを片手に。

 

 

 

優助「ん?三玖、誰と電話してんの?」

 

 

 

三玖「一花と。はい、スピーカー」

 

 

 

一花『ユースケくん、きこえる?』

 

 

 

優助「うん、聞こえるよ。で、今どこにいんの?」

 

 

 

一花『私も滑ってたんだけど咳がひどくなっちゃって。』

 

 

 

優助「はは、お互いツイてないな~……。」

 

 

 

一花「そだね……。三玖と一緒ならちょっと安心かな…。

 

 

 

優助「ん、なんて?」

 

 

 

一花「ううん、なんでもないよ。あ、ユースケくんに一つ頼みたいことがあるんだ」

 

 

 

一花「一人でいる五月ちゃんを見つけてあげて。それじゃあね」

 

 

 

頼まれ事を一つされた。そういえば五月を見てない…。どこに行ったんだ?

 

 

 

 

どっかで声を聞いた覚えがあるような…、ないような……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「手当たり次第、さがしに来たわけなんだけど…、ここにもいないなんてな」

 

 

 

三玖「ユースケ、それはちょっと失礼」

 

 

 

いま食堂にいるんだけど、ここにもいないなんて…。あと他にいそうなところなんてわからんよ。

 

 

 

 

俺たちは一旦外へ出る。

 

 

優助「確かにどっかで声を聞いたと思うんだけどな~…」

 

 

 

三玖「よく思い出してみて…」

 

 

 

うーんと唸りながら俺は今日を振り返ってみる……。

 

 

 

ボフン

 

思考を巡らしていると、横で音がしたのでそっちを見てみると三玖の上に覆い被さる四葉がいた。

 

 

 

四葉「三玖と真田さん見ーっけ!」

 

 

 

三玖「忘れてた…」

 

 

 

うん、俺も忘れてたわ。周りを見ると一花と二乃も一緒だった。

 

 

 

優助「四葉もまだ五月をみつけてないの…?」

 

 

 

四葉「はい、いろんな所を滑りながら探しましたが一度も見てません」

 

 

優助「もしものことがあるかもな……」

 

 

 

俺は、スキー場のマップをポケットから取り出す。

 

 

 

一花「もしかしたら上級者コースにいったのかも…」

 

 

 

二乃「そこは私がいったけどいなかったわ」

 

 

 

四葉「あっ、私ここには行ってないです」

 

 

 

そう言い、指差したところは今は整備されていない立ち入り禁止と言われたところだ。

 

 

 

二乃「ここって……」

 

 

 

優助「五月に限ってそんなことはないと思うけど…。」

 

 

 

二乃「……コテージにいないか見てくる…!」

 

 

 

四葉「私は先生に言ってくるよ!」

 

 

 

一花「ちょっと待って。もう少し捜してみようよ」

 

 

 

二乃「なんでよ。場合によってはレスキューも必要になるのよ…!?」

 

 

 

一花「えっと………五月ちゃんもあんまり大事にしたくないんじゃないかな、って」

 

 

 

二乃「大事って…、五月の命が掛かってるのよ!」

 

 

くそっ!頭が上手く回らない…!

 

 

どこで聞いたんだ?落ち着け。ここに来てからは、コイツらと風太郎しか話していない。

 

 

コイツらと集まっていた時間………。

 

 

風太郎が暴走して雪だるまに突っ込んでからは三玖と二乃としか話していないし…。

 

それよりも前…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『上杉くん…!?』

 

 

……思い出したわ!なんであのとき気づけなかったんだ…!

 

 

 

二乃「もういいわ、私が先生を呼んでくる」

 

 

 

優助「待て二乃、俺はどこかで五月の声を聞いたんだ。それを今思い出した。ここは俺に任せてくれないか」

 

 

 

二乃「………信じていいのよね?」

 

 

 

優助「…あぁ、任せろ。あと、一花についてきて欲しい」

 

 

 

一花「……うん、分かった…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一花「ユースケくん、心当たりってどこ?まさか、リフトからスキー場を見渡すこと?」

 

 

 

優助「まあ、そんなとこかな……」

 

 

 

本当の目的はそうではないが、適当に返事をする。

 

 

 

優助「あっ、あれ五月じゃないか?」

 

 

 

俺はそれとなく指差してみる。

 

 

 

一花「……多分、違うんじゃないかな?」

 

 

 

優助「そーだよな…。だってあれ、どうみてもおっさんだしな」

 

 

引っ掛かったな。これで確定した、俺の横に座っているこいつは……!

 

 

そして俺はフードをとってやる。

 

 

 

優助「やっぱりか……五月…」

 

 

 

俺の横にいたのは一花ではなく、一花に変装した五月だったのだ。

 

 

五月「いつから、気づいていたのですか?」

 

 

 

優助「気づいたのは、ついさっきだよ…。風太郎が滑ってった時に“上杉くん”って呼んだろ…?そこが頭のなかで引っ掛かってたからな」

 

 

 

五月「すいませんでした。でも、どうしても確かめたくって………」

 

 

 

優助「原因は俺にもあるよ。勘違いさせるようなことしちゃったから…………はぁ……」

 

 

 

ヤバイ、そろそろ限界が来たみたいだ。

 

 

朝から何となく体調が良くない気がしてた…。気づいてないフリして何とかここまでやってこれたけど……、頭がボーッとしてきた。

 

 

五月「?………だ、大丈夫ですか!?もしかして熱が…!?」

 

 

 

優助「……あ、あぁ。とりあえず戻ったらゆっくりさせてもらうわ……」

 

 

はぁ、はぁ……、昨日のスプリンクラーが決め手だったかな…?ハハハ、全くついてねーな俺って…。

 

 

 

 




アンケート新しくしたので回答お願いします。結果によってヒロインを決定するかもしれませんので、皆さんの回答おまちしております!今までの物語の内容も加味してどんどん投票してください!


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結びの伝説~最終日~

とりあえず原作通りに終わらせました!結構時間かかっちゃったなー!最後に特別な場面もあるので見てってください!ヒロインは皆の票か自分の思い通りにするか迷ってます!


はぁ、まさか体調崩すなんてな~…。

 

 

 

今はもう外が暗くなり始めている時間帯だ。少し寝たお陰で熱は少しひいたっぽい。そして、今日で林間学校最終日…。

 

 

 

色々あったけど、なんだかんだ忘れられない、いい思い出になったな…。

 

 

 

俺はふと横を見る。

 

 

 

そこにいるのは同じくベッドに入ってダウンしている風太郎がいる。

 

 

 

こいつは、きっとらいはちゃんから貰っていたのだろう。こいつは意外と体調崩しやすいし、風太郎のことだからつきっきりで看病して、あまり睡眠もとっていなかったのだろう。

 

 

 

俺も、こいつから貰ってたのかもな。ま、98パーセントくらいスプリンクラーに当たったせいだろうけど…。

 

 

 

優助「………俺も大人しく寝るか…………。」

 

 

 

そう呟いて、深い眠りへと誘われたのだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、林間学校最後にして最大のイベント……、キャンプファイヤーが行われていた。

 

 

 

キャンプファイヤーで盛り上がっている生徒達………。

 

 

 

一花は、そんな人たちを眺めていた。

 

 

 

そしてそこに、抹茶ソーダを手にした三玖がやってきた。

 

 

 

三玖「風邪は水分補給が大事」

 

 

 

一花「…ソーダなのにホットなんかあるんだ…。ありがとう三玖……。それと、ごめんね…」

 

 

 

一花は顔を俯かせながら言う。

 

 

 

一花「ユースケくんとのダンス…断るべきだった。もっと早く気づいてあげれればよかったのに。伝説のこと、三玖の思い……(そしてこの思いにも…)」

 

 

 

そう一花が言うと、三玖はそっと一花を抱き締めた。

 

 

 

三玖「ずっと気にしてた。一花や二乃、皆がユースケやフータローとどう接しているのか…」

 

 

 

一花「え…?」

 

 

 

三玖「私だけが特別なんて『平等』じゃないと思ってたから…」

 

 

 

一花「そんなこと……、」

 

 

 

三玖「でも、もうやめた。(“独り占めはしたい”、この感情に嘘はつけない。だけど、それは今じゃない…。)」

 

 

 

その時、三玖の頭に一つの言葉が浮かぶ。

 

 

『公平に行こうぜ』

 

 

 

三玖「私は、『公平』がいい……。その代わり、一花や二乃も………“お好きにどうぞ”…。負けないから」

 

 

 

三玖の言葉に、優しい笑みを浮かべた一花は、プシュっと抹茶ソーダを開けて一口飲む。

 

 

 

一花「……絶妙に不味い…、でも、効力は抜群だよ。ありがとね」

 

 

 

三玖「………うん…!」

 

 

 

三玖が返事をすると一花は立ち上がり……、

 

 

 

一花「じゃあ、行こっか!」

 

 

 

その言葉に三玖も立ち上がり二人は歩き始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉「…私、上杉さん達に悪いことしちゃったかな……?こんなに楽しみにしててくれたのに……」

 

 

 

しおりを眺めながら四葉が申し訳なさそうに言う。

 

 

そのしおりにはたくさんの付箋が付いており、名前の欄には“上杉風太郎”と書かれていた。

 

 

 

五月「……それは上杉くん達に聞いてみなければ分かりませんが………」

 

 

 

そう言いながら四葉からしおりを受けとる五月。

 

 

 

四葉「体調のわるい二人を連れ回して……。二人の林間学校、台無しにしちゃった……」

 

 

 

そんな四葉の声を聞きながら、五月はしおりを開く。

 

 

しおりを見た五月は、少し安心したような表情をして四葉に言った。

 

 

 

五月「そんなこともなかったようですよ」

 

 

 

四葉も一緒になって覗き込んでいるしおりには、らいはちゃんへの思い出話として、日記のようにその日の出来事が書かれていた。

 

 

 

それを見た四葉は……、

 

 

 

四葉「…三玖は残念な終わり方って言ってたけど、楽しんでくれたのかな……?私、上杉さん達に聞いてくる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてフィナーレが始まり、キャンプファイヤーの火が最大となった瞬間……

 

 

 

 

 

 

 

林間学校を締めくくる、最高に綺麗な光が辺りを照らしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光は、宿舎のとある部屋を照らし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、二人の手をそっと掴む五つ子の姿が映っていたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっベー、寝坊したっ…!!!」

 

 

息を切らしながら、タクシーの方へと走る青年。

 

 

バタンッ…

 

 

「ここの結婚式場までお願いします!なるべく早く…!」

 

 

タクシーの運転手さんは“あいよ”と言うと、車を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ、なにやってんのかしら…、もうすぐで式始まっちゃうって言うのに……」

 

 

 

「あの人は、ああいう人だからしょうがないんじゃない?」

 

 

 

「大事なときに限って何か忘れ物したり」

 

 

 

「しっかりしてるように見えて、どこか抜けてるところがあるんですよね…」

 

 

 

「でも、あのときの伝説が本当になるなんてね」

 

 

 

「キャンプファイヤーの伝説…だっけ?懐かしいね」

 

 

 

「今思えば、本当だったのかもしれませんね。あの二人もそうですし……」

 

 

 

 

 

そこに扉の開く音が聞こえた。

 

 

「危ねー…!遅れるところだった!」

 

 

 

「大分ギリギリだったわよ」

 

 

 

「マジでごめんっ…!寝坊しちゃって……!」

 

 

 

「もしかしたら明日の式にも遅刻するかも」

 

 

 

「いや流石に明日の式は余裕持って行くつもりだから!自分の式だし」

 

 

 

「なんか心配だけどね」

 

 

 

「てか、お前ら全員同じ髪型なんだな」

 

 

 

「確かにそうですね」

 

 

 

「じゃあ問題」

 

 

 

『明日キミと式をあげる人が分かるかな?』

 

 

 

四人が一斉にそう言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分かるに決まってるだろ」

 

 

自信満々にそう言った青年は、まっすぐ一人の女性の前に向かっていって…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おまえだよ」

 

 

 

 




アンケート投票お願いします!一応皆さんの意見で変えるかもしれないので沢山の票が欲しいです!!あとついでにお気に入り登録、感想もおねがいします!!!


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五等分の花嫁Ⅱ
あの頃の記憶


アンケートの投票お願いします!ストーリーにも関わってくるので皆さんなるべく早く回答してください!!!!オナシャス!


林間学校の次の日

 

 

 

 

 

優助「なんか1日寝たら治ったわ」

 

 

 

優菜「昔から思ってたけどどんな回復力してるの…?」

 

 

 

俺の回復力に驚く優菜。こいつも病気とかあんまりならないイメージなんだけどな…。

 

 

 

優助「某アニメみたいな悪○の実の能力者かもしんない…」

 

 

 

優菜「なら手が伸びたりするかもね~」

 

 

 

優助「おっと、それ以上は怒られるから静かに」

 

 

 

冗談はさておき、今日起きたときにはすっかり元気になってた。

 

 

でも、昨日の記憶は五月とリフトに乗った辺りから少し曖昧であるが…。

 

 

そして風太郎が入院しているとのことなので、あとでお見舞いにでも行っておこう……。

 

 

あいつは以外と体が弱いからな~…。

 

 

 

優助「それと、ありがと優菜。看病してくれて、大好きだわ…」

 

 

 

優菜「えっ!?///…え~と……あはは、全然気にしなくていいよ!//」

 

 

 

優助「うわ~、なんか優菜が照れてんだけど…」

 

 

 

コイツも可愛いとこあんな~。優しくて、かわいくて、いい妹持ったわ俺は…。

 

 

 

優菜「もう!からかわないでよー!」

 

 

 

優助「悪かったよ」

 

 

 

優菜「ったく!とりあえず私は学校に行ってくるから、今日は一応安静にしててね?」

 

 

 

優助「承知した」

 

 

 

そう言い残し、優菜は部屋を出ていった。

 

 

あんなに優しい妹がいていいのだろうか?(双子です)

 

 

 

優助「ま、今日は頭使うと熱上がるかもしれないし、優菜の言うとおり大人しくしてるか…」

 

 

 

布団の中に入り、林間学校のことを思い出す。

 

 

今思えば、ハプニング続きだったな…。

 

 

7人で部屋に泊まったり、カレーが辛すぎたり、五月と二乃が迷ったり、一花と小屋に閉じ込められてスプリンクラーにあたったり、風太郎と俺が体調崩したり………。

 

 

でも、めちゃくちゃ内容の濃い林間学校だったな…。

 

 

それに、俺が寝てるときにアイツらが来てくれてた気がしてた……。

 

 

……何となくだけど…。

 

 

まあいいや。とりあえず、ゆっくり寝させてもらおっと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、キミ一人?」

 

 

「うん、そうだけど…」

 

 

「なんか忙しそうだね」

 

 

「いま友達がはぐれてて探してるんだ」

 

 

「私と一緒だ。私も姉妹を探してるの」

 

 

「私と一緒に探さない?一人だと心細くて…」

 

 

「うーん……。うん、分かった、一緒に探そ!」

 

 

俺の返事に優しい笑顔で頷く少女………――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はパッと目が覚める。

 

 

優助「……なんで、またあの夢を…?」

 

 

 

一花「……あの夢って?」

 

 

 

聞こえた声の方を向くと一花がいた。

 

 

 

優助「っ…!…なんだ一花か、びっくりした…。」

 

 

 

いま一瞬コイツがあの子に見えたのは…夢を見てたから……だよな?

 

 

 

一花「ねぇ、あの夢ってどんな夢見てたのー?」

 

 

 

優助「いや…、お前には関係ない夢だよ」

 

 

 

一花「まさか、イヤらしい夢を…?」

 

 

 

優助「よし、お前だけ課題二倍な~…」

 

 

 

一花「ちょっ…!それだけは勘弁してよー」

 

 

 

コイツ年中、頭の中お花畑なんじゃないか?

 

 

 

優助「それは置いといて……、なんで俺の部屋いるの?」

 

 

 

一花「あぁ、忘れてた!はいコレ」

 

 

 

そう言い自分の鞄の中をあさってプリントを差し出してくる。

 

 

 

一花「今日貰ったプリントとか届けようと思ってさ」

 

 

 

俺はそれを受けとる。

 

 

 

優助「おぉ、ありがと一花」

 

 

 

一花「どういたしまして」

 

 

俺は一花から貰ったプリントを眺めながら言う。

 

 

優助「…学校、行ってるんだな」

 

 

 

一花「え?あ…、うん」

 

 

 

優助「まだ心残りでもあった?」

 

 

 

一花「そんなとこかな…?」

 

 

 

優助「そっか…、良かった」

 

 

 

こうやって過ごしているとコイツらが変わっていっているのが分かる。

 

 

 

優助「どんどん成長して変わっていくお前らを見てると、俺も頑張んなきゃってなるから」

 

 

 

一花「私たちが成長出来てるのは、ユースケくん達が来てくれたお陰だよ」

 

 

 

優助「そう言ってくれると嬉しいわ」

 

 

 

一花「改めて、これからもよろしくねっ!」

 

 

 

優助「おう」

 

 

 

そのあと少し話して一花は帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風太郎のお見舞い…。

 

 

コンコン…

 

 

風太郎「どうぞー」

 

 

 

優助「元気になったか?風太郎…」

 

 

 

風太郎「あぁ、大分マシになったよ」

 

 

 

優助「そうか…」

 

 

 

風太郎「アイツらは勉強してるのか?」

 

 

 

優助「分からん。俺はまだアイツらの家に行ってないからな~」

 

 

 

風太郎「あのバカどもが勉強するはずがないか…」

 

 

 

優助「そうだな…。ところで風太郎、俺さお前に隠してたことあるんだ」

 

 

 

風太郎「なんだそれ」

 

 

 

優助「お前が生徒手帳に隠してた写真あったろ?」

 

 

 

風太郎「あ、あぁ」

 

 

 

優助「五年前、俺がお前を探してたときに、俺もお前の写真に写ってる女の子と瓜二つの人と出会ったんだ」

 

 

 

風太郎「それホントなのか…?」

 

 

 

優助「最近あの頃の夢を見て、話さなきゃと思ってさ…」

 

 

 

風太郎「双子ってことか?」

 

 

 

優助「多分な」

 

 

 

風太郎「そんなことがあるなんてな…」

 

 

 

優助「やっぱり俺と風太郎は繋がってるんだろうな…。ともかく、この話が出来て良かった。」

 

 

 

風太郎「まぁ、あの子のことは特に気にしてないんだがな」

優助「ま、そう言うことにしとくよ」

 

 

 

それじゃあ、と別れの挨拶をし俺は病室を後にする。

 

 

 

まさかとは思うが…

 

 

 

いや、そんなことがあるわけないよな…。

 

 

 

アイツらがあの子なわけないよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういや、あの子との会話……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“もう一回出会うときがあったら、お互いが気づかないくらい変わってるかもね!”

 

 

 

 

 

俺は、あの頃から変わってんのかな…?




アンケート、感想よろしくお願いします。皆さんの回答が私のモチベーションです…!


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第二回!五つ子クイズ!!

アンケート結構、均衡してるのでぜひ見てくれた方みなさん答えてくれると嬉しいです!作者的には二乃エンドを見てみたいなと思いつつ、一花は闇堕ちしない予定なので一花エンドを考えたりしてます!感想で理想を書いて貰っても構いません!


優助「めちゃくちゃ久々に来る気がするわ」

 

 

 

風太郎「そうだな」

 

 

 

風太郎が退院して数日…、久々に高層マンションのエレベーターで五人の待つ家へと向かう俺らには、再び日常が戻ってこようとしていた。

 

 

 

優助「あの人たち勉強してるかな~?」

 

 

 

風太郎「アイツらも、気が変わって勉強していて欲しいが…」

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

そんな夢のようなことを考えながら、目的の階に到着したので俺らはエレベーターを下りる。

 

 

 

優助「小テストもあったらしいし…、流石にな?」

 

 

 

風太郎「それは初耳だが…?」

 

 

 

優助「ははは…。」

 

 

 

もう乾いた笑いしか出ないわ…。

 

 

 

“ピンポーン……ガチャ”

 

 

 

優/風『お邪魔しまーす…』

 

 

 

オレらはさっきの会話のせいで、勉強が始まる前から不安しかない。

 

 

 

風太郎「あ、悪い。靴紐ほどけてたから結んでから行く」

 

 

 

優助「分かった、先行ってるぞ」

 

 

 

俺は一足先にリビングへと行った…。そこには…

 

 

 

“へ…!変態!!”

 

 

 

バスタオル姿で誰かは分からなかったが、顔面に向かって紙袋を投げつけられた。

 

 

 

ふふふ、この時のために見聞色の○気というものを特訓しておいて良かった…。今こそ、その成果を見せるとき…!

 

 

 

バシンッ、バサッ

 

 

 

投げられた紙袋は見事に…………、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の顔面にクリーンヒット。そういえば特訓の時から一回も避けるの成功したことないわ。

 

 

 

危ない危ない、紙袋の中身が軽いもので助かった…。

 

 

 

正面には、もう誰も居らず足元には紙袋と、その中に入っていたであろうプリントが散らばっていた。

 

 

 

優助「ん、コレは……?」

 

 

 

風太郎「何か物音やらが聞こえたが何かあったのか?」

 

 

 

優助「あぁ風太郎…とりあえずコレ見てくんない?」

 

 

 

俺は拾い上げたプリントを風太郎に渡す。

 

 

 

それを見た風太郎はというと…………………

 

 

 

小刻みにプルプルと震え出したかと思ったら……

 

 

 

風太郎「俺らがいない間に何やってたんだー!!!!」

 

 

 

風太郎、大分ご立腹のようだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五月「退院早々何なのですか?」

 

 

 

風太郎と俺は、五つ子を全員同じ髪型にさせて、そいつらをじっくりと観察している

 

 

 

一花「急にどうしたの?」

 

 

 

三玖「同じ髪型にしろって…」

 

 

 

よし五つ子クイズ、何となく分かった気がする!

 

 

 

優助「風太郎から先に右から言ってみろ」

 

 

 

風太郎「五月、三玖、四葉、二乃、一花!」

 

 

 

優助「俺は一花、四葉、二乃、五月、三玖だ!」

 

 

 

二乃「一花、四葉、五月、三玖、二乃よ!」

 

 

 

合ってたの二人だけかよ。結構自信あったのに…。

 

 

 

三玖「今日は家庭教師の日じゃ無かったの?」

 

 

 

風太郎「なんだ、二乃らしくもなく前のめりじゃないか」

 

 

 

優助「いや、喋り方的にあれは三玖だろ」

 

 

 

二乃「二乃は私よ」

 

 

 

風太郎「…と、このように何のヒントもなければ誰が誰だか分からない、最近のアイドルのようにな!!」

 

 

 

一花「それは、フータロー君が無関心なだけでしょ…?」

 

 

 

優助「とりあえずコレを見てくれ」

 

 

 

俺はそう言いながら、五枚の名前のところが破られているプリントを机に広げる。

 

 

 

四葉「全教科0点……」

 

 

 

風太郎「そして、ご丁寧に名前は破られている」

 

 

 

優助「バスタオル姿で分かんなかったけど、この中に犯人がいるのは確かだ」

 

 

 

俺は容疑者の候補として、一人の肩に手を置く。

 

 

 

優助「四葉、正直に白状しろ」

 

 

 

四葉「当然のように疑われてる…!?」

 

 

 

三玖「それで同じ髪型にしたんだ」

 

 

 

風太郎「逆に、なんでお前らは顔だけで判別つくんだ?」

 

 

 

二乃「こんな薄い顔三玖しかいないわ」

 

 

 

三玖「こんなうるさい顔二乃しかいない」

 

 

 

コイツら何言ってんだ?薄い顔とか、うるさい顔って何…?

 

 

 

四葉「そんな上杉さん達に朗報です!」

 

 

 

風太郎「ん、なんだ?」

 

 

 

四葉「私たちの見分け方は、前にお母さんが言ってました。“愛さえあれば自然に分かる”って」

 

 

 

ほほう、四葉は俺達に愛を求めているということか…。

 

 

 

優助「なら、俺らに分かんなくて当然だわ…」

 

 

 

一花「あれ?でもユースケ君、私と四葉のこと見分けられたよね?」

 

 

 

一花は髪型をもとに戻しながらそう言ってくる。

 

 

 

優助「ん?あれは愛じゃない。髪の長さから二人には絞れるし四葉の服には428って書かれてたから…。カンニングしたようなもんでしょ」

 

 

 

そう話していると…

 

 

 

風太郎「ん?シャンプーの匂い…」

 

 

 

横で風太郎が必死に鼻を動かしている。

 

 

 

すると“コレだ!”と叫んで、何を思ったのか……

 

 

 

風太郎「お前たちに頼みがある!コイツを変態と罵ってくれ!」

 

 

 

あ、もう手遅れだわコイツ。五人もドン引きしてるし…

 

 

 

 

 

 

優助「………って俺!!??」

 

 

 

二乃「アンタ…、手の施しようも無い変態だわ……!」

 

 

 

優助「こ、怖いって…」

 

 

 

一花「そうだよ二乃。ユースケ君泣きそうじゃん…」

 

 

 

優助「いや泣いてねーよ!」

 

 

 

一花の冗談に俺はツッコミを入れる。

 

 

 

残念ながらポジティブ男である俺は、生まれてから凹んだことが一度もないのである。

 

 

 

風太郎「しょうがない……」

 

 

 

風太郎はポツリと呟くと、鞄からプリントを取り出した。

 

 

 

風太郎「このままじゃ、埒があかない。最終手段だ…!」

 

 

 

そして抜き打ちテストが始まった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「よし、全員の分見終わった!」

 

 

 

風太郎「あぁ、俺もだ…。」

 

 

 

優助「お前ら…、全員犯人じゃねーかっ!!!」

 

 

 

一花「なっ、なんで分かったの!?」

 

 

 

俺達は実際に点数は出さず、文字の書き方を見た。

 

 

 

 

風太郎「俺達を舐めるなよ。今までに嫌というほどお前らの答案は見てきているからな!」

 

 

 

二乃「一花、ちゃんと隠す約束だったでしょ!」

 

 

 

一花「ご、ごめ~ん…」

 

 

 

優助「やっぱりコイツら変わってねーわ」

 

 

 

すると五月がコチラの方に来て、風太郎に話す。

 

 

 

五月「今日、あなたが顔の判別にこだわったのは、昨日話してくれた五年前の女の子と関係があるのでしょう?」

 

 

 

優助「風太郎、五月に話したのか?」

 

 

 

風太郎「あぁ」

 

 

 

そうだったのか。それにコイツがこの五人だと思ったってことは、何かしら根拠があるに違いない。

 

 

 

そして、五月はその事について特に知らないような反応をしてるし、多分五月ではないのだろう。

 

 

 

すると風太郎はみんなの方へ行き………

 

 

 

風太郎「…この中で昔、俺にあったことがあるよって人ー?」

 

 

 

特に皆は反応無し。

 

コイツらではないのか、はたまたこの中に隠れているのか。

 

 

 

まぁ、俺らに分かりっこない。

 

 

 

二乃「…な、何よ急に……?」

 

 

 

三玖「どういうこと?」

 

 

 

風太郎「そりゃ、そうだよな…。お前らみたいなバカが、あの子のはずねーわ」

 

 

 

五月「ば、バカとはなんですか!」

 

 

 

風太郎「間違ってねーだろ」

 

 

 

優助「確かに。よくも0点のテストを隠してやがったな?」

 

 

 

風太郎「今日はみっちり復習するぞ…五月」

 

 

 

そう言いながら三玖の肩に手を置く風太郎。

 

 

コイツマジかよ、目ついてねーな多分…。

 

 

 

三玖「もしかして、わざと間違えてる…?フータローのことなんてもう知らない」

 

 

 

風太郎「すっ、すまん!」

 

 

 

四葉「あはは…、まずは上杉さんが勉強しなきゃいけませんね」

 

 

 

しかし、よく見てみれば五つ子も顔は一緒でも所々違うんだな…。

 

 

 

 

 

ま、俺らが文字以外で見分けられるようになるには、当分時間がかかるだろうな…………

 




アンケートと感想、改善点、リクエスト、たくさんお願いします!まだまだ未熟者ですし、アンケートの回答が増えればサクサク次の話も書けます!やる気も出るので、ぜひおねがいします!!!


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7つのさよなら…

久々の投稿でおかしなところが多いかもしれないので修正点や意見、感想などを教えていただけると助かります!


ガチャッ……。

 

 

優助「お、お邪魔します……」

 

 

五月「全く遅いですよ…って、どうしたんですか!?」

 

 

優助「いやー、昨日こいつ夜更かししたみたいでさ…」

 

 

五月「あなたも中々クマが凄いですが…?」

 

 

優助「まあ、気にしなくていいよ…」

 

 

五月「そうですか。では早く中へどうぞ、皆が待っています」

 

 

風太郎「…ん、ここはどこだ?」

 

 

優助「お、起きたか。五月たちの家だよ。お前を担いでここまで歩いてきたんだよ」

 

 

風太郎「悪い、昨夜のが結構体にきてるみたいだ…」

 

 

優助「俺もだよ…」

 

 

風太郎「そうだ五月」

 

 

五月「どうされました?」

 

 

風太郎「ほらよ、今回のテストの問題を予想した問題集だ」

 

 

五月「こんなに…」

 

 

五月「呆れました…。これのためにお2人とも夜更かしを?」

 

 

風太郎「お前たちだけやらせてもフェアじゃない…。俺がお手本にならなきゃな」

 

 

五月「お手本って…」

 

 

優助「そろそろ行かない?」

 

 

俺の一声でリビングへと3人で向かった。

 

 

風太郎「コイツら、また喧嘩してるのか……」

 

 

リビングに入ると二乃と三玖が言い合いをしていた。

 

 

どうやら2人とも見たい番組があり、お互いに譲れないらしい。

 

 

だがそんなこと、俺たちにとってはどうでもいい。なぜならこれから家庭教師の仕事でみんなにも勉強してもらうことになるからだ。

 

 

すると風太郎はテレビのところに行き主電源を切る。

 

 

風太郎「勉強中は消しまーす」

 

 

朝から二人ともご機嫌斜めのようだ……。

 

 

俺は一花のところにいく。

 

 

優助「前から思ってたんだけど、あの二人って仲悪いの…?」

 

 

一花「まあ、犬猿の仲ってやつなのかな?二乃はああ見えて繊細だから」

 

 

そう言うと、一花はみんなに勉強を始めるよう促す。

 

 

二乃が繊細というのは何となくわかる。五月が迷子になった時もかなり過敏になってたし。

 

 

すると一花はこちらの方を振り向いて……

 

 

一花「優助くんと風太郎くん、これから1週間よろしくね!」

 

 

風太郎「あぁ、リベンジマッチだ!」

 

 

優助「望むところよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリカリカリ……

 

 

意外と集中してやってくれてるな…。みんなも成長して変わってきたんだな〜。

 

 

二乃「ちょっとそれ私の消しゴム!」

 

 

三玖「借りただけ」

 

 

はあ、またか……

 

 

どうやら三玖が勝手に二乃の消しゴムを使ったらしい。

 

 

それに対して二乃は三玖の飲み物を手に取る。

 

 

三玖「それ私の飲み物」

 

 

二乃「借りるだけよ……ってマズ…!」

 

 

なんだ飲み物を借りるって…。

 

 

優助「てか五月、ここ間違ってるよ」

 

 

五月「そうなんですか?気づきませんでした…」

 

 

優助「ここは、この公式を使って…、ってなんだ?」

 

 

すると突然、風太郎が二乃と三玖を褒め始めた。

 

 

どうやら三玖と二乃の言い合いを止めるための作戦らしいのだが、見た感じ失敗したらしい。

 

 

二乃と三玖のことは風太郎に任せるか。

 

 

優助「それで五月、この公式と前に使った公式を応用することで答えを出せる」

 

 

五月「なるほどそうなのですね。ありがとうございます」

 

 

優助「うん。そして…」

 

 

俺は突然厳しく当たり始めた風太郎のとこに行く。

 

 

優助「そんなこと言うな風太郎。二乃もできてるみたいだし…、ってここテストの範囲外じゃん」

 

 

二乃「嘘っ!?」

 

 

三玖「二乃、真面目にやって…」

 

 

二乃「こんな退屈なこと真面目にやってられないわ!」

 

 

三玖の一言で、二乃のやる気が完全に切れてしまったらしい。

 

 

二乃「部屋でやるからほっといて!」

 

 

優助「あらら…」

 

 

風太郎「…ワンセット無駄になっちまった」

 

 

二乃が置いていった対策プリントの山を見ながら呟く風太郎。

 

 

五月「弱気にならないでください。お手本になるのでしょう?期待してますよ」

 

 

五月もなんだかんだ信用してくれてるんだな、風太郎のこと。

 

 

五月の一言で、風太郎は二乃の方を向く。

 

 

風太郎「待て二乃、もう少しだけ勉強していけよ。ただでさえお前は出遅れてるんだ、四人にしっかり追いつこうぜ」

 

 

二乃「うるさいわね…、何も知らないくせにとやかく言われる筋合いはないわ!アンタらなんかただの雇われ家庭教師、部外者だわ!」

 

 

三玖「これ、ユースケとフータローが私たちのために作ってくれた対策プリント……。受け取って」

 

 

そう言い、三玖は二乃にプリントを差し出す。

 

 

二乃「問題集作ったくらいで何だっていうのよ…、そんなもの要らないわ!」

 

 

二乃は三玖の差し出した手を払い除けると、三玖の持っていたプリントが床に落ちてしまった。

 

 

一花「ね、ねぇ、二人とも一旦落ち着こう?」

 

 

マズイと思ったのか、一花が二人を止めに入る。

 

 

風太郎「そうだ、お前たち一旦……」

 

 

三玖「二乃…、拾って」

 

 

この空気感ヤバいかも……。

 

 

二乃「こんな紙切れに騙されてんじゃないわよ!今日だって遅刻したじゃない…、いい加減なのよ!それで教えてるつもりなら大間違いだわ…!」

 

 

ビリビリッ…!

 

 

二乃はそのままプリントを破いてしまった。

 

 

すると横の五月が動き始めた。

 

 

優助「マズイ…、五月俺たちは大丈夫だから……!」

 

 

そう言い五月の手を掴もうとしたが間に合わなかった。

 

 

パシンッ!

 

 

五月「二乃、謝ってください」。

 

 

最悪の事態が起きてしまった…。

 

 

五月は二乃の頬を叩いてしまったのだ

 

 

パシンッ!

 

 

二乃も五月のことを叩き返す。

 

 

五月「彼らに、謝罪を…!」

 

 

俺は五月のところに駆け寄る。

 

 

優助「俺たちは気にしてないからお前たち一旦少し落ち着け…」

 

 

五月「ただのプリントではありません、彼らは私たち一人一人のプリントを手書きで作ってくれていたのです!だから私たちも真剣に取り組むべきです!彼らにも負けないように…」

 

 

二乃「そう…、アンタ達は私よりコイツらを選ぶってわけね…。いいわ、こんな家出てってやる!」

 

 

優助「ちょっ、ちょっと落ち着けって二乃…!」

 

 

二乃「前から考えてたことだわ!この家は私を腐らせる!」

 

 

五月「待ってください二乃!こんなのお母さんが悲しみます…」

 

 

二乃「未練がましく母親の代わりを演じるのはやめなさいよ!」

 

 

四葉「二乃、早まらないで!」

 

 

一花「そうだよ、一旦話し合おうよ!」

 

 

二乃「先に手を出してきたのはあっちよ!あんなドメスティックバイオレンス肉まんお化けとは一緒に居られないわ!」

 

 

五月「そ、そんなにお邪魔なようなら私が出ていきます!」

 

 

 

 

 

その後、一花から二人とも家を出ていってしまったことを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

 

三玖と風太郎と俺は、今出ていった二人を探そうと街に来ている。

 

 

あちこち回ってみたのだが手がかりなし。

 

 

三玖「つ、疲れた……」

 

 

風太郎「優助、少し…、休まないか……?」

 

 

全く、この体力無しコンビは…。

 

 

しかし、三玖から聞いたところ姉妹同士の衝突は今までもあったものの、出ていったのは初めてらしい。一花と四葉も用事があるようで今日は来てない。

 

 

まさかここまでの非常事態が起きるなんて…。

 

 

優助「ん?三玖はどこに?」

 

 

風太郎「三玖ならそこにいるぞ」

 

 

風太郎の指差す方を見る。

 

 

三玖「この顔に見覚えありませんか?」

 

 

風太郎「五つ子って意外と便利なんだな」

 

 

すると目撃情報があったようなので、その情報を頼りに俺たちは二乃のいるホテルへと向かった。

 

 

ガチャ

 

 

「「「お邪魔します」」」

 

 

二乃「なっ、なんでアンタ達…ってか鍵は!?」

 

 

三玖「部屋に鍵を忘れたって言ったら開けてくれた」

 

 

二乃「ここガバガバセキュリティすぎるわ!」

 

 

三玖「二乃、昨日のことは…」

 

 

二乃「出てって!アタシたちはもう、赤の他人よ!」

 

 

そう言い二乃は俺たちを押し出し、扉を閉めようとする。

 

 

俺は閉めようとする扉をなんとか止める。

 

 

風太郎「待てよ二乃!お前は誰よりも姉妹が好きで、あの家が好きだったはずだ!」

 

 

優助「そうだ!一旦冷静になって考え直してみろ」

 

 

二乃「だから知ったような口聞くんじゃないわよ!こうなったのも全部アンタらのせい…!アンタらなんか来なきゃ良かったのに!!」

 

 

ガシャン!

 

 

優助「…!」

 

 

気が緩んだところで押し切られてしまった。

 

 

風太郎「しょうがない、今日のところは一旦帰るしかない…。また作戦を考えて……、って優助行くぞ」

 

 

優助「…あ、あぁ分かった……」

 

 

家に着いた時には風太郎からのメールが入っていた。何故かは分からないが五月は風太郎の家にいるらしい。

 

 

三玖も五月は財布を家に忘れてしまっていたようなので行く宛てもなく風太郎の家に行ったのだろう。

 

 

明日は学校か…。

とりあえず、風太郎が諦めない限り俺も諦める訳には行かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後

 

 

 

 

四葉は、また人助けで陸上部に行っているらしい。

 

 

一花と風太郎からは二乃と五月も学校に来ているということは聞いているので安心ではある。やはりお互い家に帰らないという意志は曲げないらしい。

 

 

そういえば今日の学校一瞬だったな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ〜…

 

俺は今、池を眺めながら思いにふけっている。

 

 

“アンタらなんか来なきゃ良かったのに!”

 

 

確かにそうなのかもしれないな。無駄にアイツらに関わりすぎたのかもしれない。家庭教師、友人として五つ子の家族の話にまで深入りしすぎたせいで、あんなことが起きてしまった。俺が、家庭教師にならなければ、あんなことには……

 

 

 

 

 

 

優助「!?」

 

 

ふと気配がしたので、横を見るとそこに居たのは、京都で風太郎を探している時に出会った、あの女の子がいた…………。




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悩みの種

前回と同じく、久々の投稿になります。変なところがあると思いますので意見、感想を書いていただけけると助かります!


優助「き、君は、確か京都で…」

 

 

俺の言葉であの子は振り返り、少し驚いた表情を見せる。

 

 

なんであの子がここに居るんだ?

 

 

優助「覚えてないかな…?5年前、京都で一緒に歩き回って…。あんまり変わってなくてビックリしたよ」

 

 

あの子の雰囲気は、あの頃のままだった。

白いワンピースに綺麗なピンクの長い髪の毛。

 

 

俺は少し変わっているかもしれないが、彼女は本当にあの頃から変わっていなかった。

 

 

優助「あの時に貰った言葉はずっと覚えてたけど、まさか本当に出会えるなんて思っても……」

 

 

少女「あ、あの、私とお会いしたことがあるのですか?」

 

 

優助「え…?」

 

 

少女「すいません、貴方の言っているその人は私ではないと思います」

 

 

優助「いや、見間違えるはずがない。君はあの頃から全く変わってない。5年前は、お互い変わってるかもって話してたけど……」

 

 

少女「申し訳ありませんが覚えていません…」

 

 

そう言い残し、俺は一人取り残されてしまった。

 

 

俺は信じ難い事実を受け、呆然としてしまった。

 

 

まさか覚えていないなんて…。

あの頃のことを記憶の引き出しに大切にしまって、舞い上がってたのは俺だけだったのか…。

 

 

確かにあの子からしたら、ただの通りすがりの少年という認知だったのかもしれないな…。でも少しも覚えていないなんて…。

 

 

それから数分経ったのだろうか、雨が降ってきた。

 

 

まるで、今の俺の心の中を表しているかのようだった…。

 

 

優助「…そっか、帰らなきゃな……。あ…、その前に二乃のところに行くか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「すいません…」

 

 

俺はホテルに入り、警備員らしき人に声をかける。

 

 

優助「ここのホテルに宿泊している、中野二乃に伝言をお願いします…」

 

 

俺が伝言を伝えようとすると、横からタオルが飛んできた。

 

 

二乃「そんな格好でウロチョロされると、他のお客さんにとってはいい迷惑だわ。着いてきなさい」

 

 

たまたま外へ出かけようとしていたのか、そこには二乃がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「シャワー貸してくれてありがと」

 

 

二乃「別にいいわ」

 

 

二乃の部屋でシャワーを借り、濡れた服は乾燥をしてもらっている。さすが高級ホテルといったところか、もう1着服があったようなので、今はそれを借りている。

 

 

優助「二乃が部屋にいれるなんて珍しいね。明日は雪でも降るんじゃない?」

 

 

二乃「そんなことよりもアンタがそんな暗い顔してる方が珍しいわよ。何があったの?」

 

 

二乃が俺に気を使ってくれるなんてな…。

 

 

優助「昔、女の子と会ったんだ。その女の子とは目的がほぼ一緒で、人を探してたからあちこち一緒に回ってた…。でも、人を探すことよりも、女の子と一緒にいる方が楽しかったんだ。女の子も最終的には俺と歩き回ることを楽しんでたらしいし…。そして、その子とはまた会えたらいいねみたいなことを話したんだ。で、さっきその子と会うことができた…」

 

 

二乃「そうなの?それは良かったじゃない」

 

 

優助「うん。でもその子にその話をしたら、覚えてないって言われたんだ。たしかに今考えれば、あの子からしたらただの通りすがりの男の子にすぎなかったんだと思うけど…。でも、すごいショックだったんだ。あの子との思い出は、俺にとって大切なものだったから」

 

 

横を見ると二乃は泣いていた。

 

 

優助「何で二乃が泣いてんのよ」

 

 

二乃「だって、ずっと想ってた女の子にそんなこと言われて…、悲しすぎるじゃない」

 

 

やっぱり本当は良い奴なんだな二乃は…。

 

 

優助「ありがとね、話聞いてくれて。少し楽になったよ」

 

 

涙を拭いている二乃に俺はそう言う。

 

 

二乃「別にいいわ。たまたま泣きたくて、そういう話を聞きたかったから」

 

 

優助「今なら四葉の言ってたことが分かるわ」

 

 

二乃「なんの話?」

 

 

優助「四葉が二乃は人付き合いが上手で友達も多いって」

 

 

二乃「あの子がそんなこと言ってたの?」

 

 

優助「うん。今日二乃に話を聞いてもらって、本当は優しくて思いやりがあるんだなって思った。友達もいっぱいいる理由が分かったわ」

 

 

二乃「別に褒めても何も出ないわよ」

 

 

優助「二乃さえ良ければだけど、またここに来てもいい?家庭教師としてじゃなく、友達として」

 

 

二乃「…好きにすれば」

 

 

そう返し二乃はそっぽを向いてしまった。

 

 

そしてふと俺の視界にあるプリントが映る。

 

 

優助「そのプリントやってくれてたんだ」

 

 

二乃「いや、これはその…!この前のことに関しては…、アンタらには悪いと思ってるわ…」

 

 

優助「別に気にしなくていいよ。俺らにも悪いところはあったしね?まぁ、やってくれてるなら良かったよ」

 

 

そして別れの挨拶をして、俺は二乃の部屋を後にした。

 

 

よし、二乃に話をして少し楽になった。今は女の子のことなんかどうでもいい。目の前にあることだけを考えよう。

 

 




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次女の思い

感想貰えると嬉しいですし、意見も貰えると励みにも参考にもなります!修正するところもあれば教えていただけると、助かります!


〜翌日〜

 

 

 

 

 

二乃「ルームサービス頼むけど、アンタも何かいる?」

 

 

優助「じゃあ適当に飲み物お願い」

 

 

二乃「ってかなんでアンタしれっとここにいんのよ!」

 

 

優助「それはまあ、来たかったからかな?」

 

 

二乃「っ…!そ、そう…」

 

 

二乃がこんなに潔いなんて珍しいな…。

いつもならなんでも噛み付いてくるのに。

 

 

優助「俺は、昨日のことで二乃への信頼度は爆上がりだからね〜」

 

 

二乃「アンタ意外と単純なのね」

 

 

優助「そうでもないよ?とりあえず昨日の事は記憶の隅に置いて後回し…。先に君たち五つ子の問題を解決しなきゃいけないから」

 

 

二乃と五月が仲直りして家に戻ること、そして四葉の陸上部への加入を防ぐこと。

 

 

なんでこんなに絶え間なく問題事を起こすんだこの姉妹は…。

 

 

とりあえず俺がしなければならないのは、二乃からの信頼を得ること。

 

 

ようやく打ち解けてきている気がするからなんとか頑張らなきゃな。

 

 

二乃がルームサービスを頼み終えたのか、こちらの方に戻ってくる。

 

 

二乃「とりあえずお茶頼んどいたから」

 

 

優助「うん、ありがと」

 

 

二乃「何かお菓子作るけど食べる?」

 

 

優助「毒、入れたりしない?」

 

 

二乃「失礼ね!そんなこともうしないわよ!」

 

 

優助「そっか。俺実は甘いもの好きだから作って欲しいな」

 

 

二乃「パンケーキでいい?」

 

 

優助「おっけー」

 

 

二乃は椅子から立ち上がりキッチンの方へと向かう。

 

 

てかホテルにキッチンてどゆこと?

マジでこの人達と過ごしてると感覚がバグってくるわ。

風太郎も中々だけど…。

 

 

優助「俺もなにか手伝うよ」

 

 

俺もそう言って立ち上がる。

 

 

二乃「アンタ料理できるの?」

 

 

優助「舐めてもらっちゃ困るな二乃くん。家には俺と優菜しかいないから二人でよく作ってるんだよ。まぁ優菜だけの時もあるけど…」

 

 

二乃「なら生クリーム混ぜといて」

 

 

優助「分かった」

 

 

カチャカチャ

 

 

優助「…二乃はなんか悩み事とかないの?」

 

 

二乃「どうしたのよ突然」

 

 

優助「二乃に俺の話を聞いてもらったし、俺も何かしてやりたいからさ。それに二乃って自分の弱みとか、人に見せないから一人で抱え込んでるんじゃないかな〜と思って」

 

 

二乃「意外と鋭いのねアンタは…。そうね、確かにないと言ったら嘘になるわ。これは独り言として聞いてほしんだけど、私たちは前まではもっと五つ子らしかったわ。みんな同じ見た目と性格で、思考が共有されてるみたいで居心地が良かった。でも5年前から変わった…。皆が少しづつ離れていった。まるで五つ子から巣立って行くように、私だけを取り残して…。だから私も無理にでも巣立たなきゃいけない」

 

 

二乃の料理する手は止まっていた。かなり悩んでたんだな。

 

 

優助「二乃はそれでいいの?」

 

 

二乃「いいのよ。私だけが取り残される前に過去を忘れて変わらなきゃ行けない」

 

 

優助「そっか。でも、二乃も変わってない訳では無いと思うよ?」

 

 

二乃「え?」

 

 

優助「こうして二乃と二人でいるなんて、出会ったばかりの頃なら考えられないじゃん」

 

 

二乃「まあ確かにそうだけど…」

 

 

優助「変わることは時に辛いことかもしれないし。でも、二乃が無理して変わろうとするなら俺は止めないよ」

 

 

優助「まあ、その…」

 

 

二乃「?」

 

 

優助「二乃が変わりたいって言うなら俺は背中は押してあげるよ」

 

 

俺は二乃の方を向いてそう告げる。

 

 

そして俺はカチャカチャとまたクリームを混ぜ始める。

 

 

二乃「…あの子たちがアンタに懐いてる理由わかった気がするわ……

 

 

優助「ん?なんか言った?」

 

 

一旦手を止め聞き返す。

ちょうどカチャカチャしてたから聞き取れなかったわ。

 

 

二乃「なんでもないわ!」

 

 

そう言って二乃はフライパンにパンケーキの素を流し込む。

 

 

二乃「…!…熱っ!!」

 

 

優助「大丈夫か二乃!」

 

 

俺はすぐにクリームを置き、二乃の手を掴んで水道水を当てさせる。

 

 

二乃「あっ、ありがと…」

 

 

優助「そのまま冷やしてなよ。火傷が痕にでもなったら大変だから」

 

 

そう言いパンケーキの焼き加減を確認する。

 

 

二乃の方を見ると少し顔を赤くして俯いている。

 

 

得意な料理で失敗して恥ずかしかったのかな?

 

 

まあいいや、二乃が冷やし終えるまで俺がパンケーキ見とかなきゃな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優助「美味ーい!!!」

 

 

二乃「うるっさいわね!急に大声なんか出すんじゃないわよ!」

 

 

優助「おっとこれは申し訳ない。でも、マジで美味しいわコレ」

 

 

美味すぎて思わず、炎を体現させる呼吸を使う剣士のようになってしまった。

 

 

二乃「当たり前じゃない、ほとんど私が作ったんだから」

 

 

優助「いや僕も手伝いましたよ、お嬢…」

 

 

二乃「誰がお嬢よ…、てかアンタはクリーム混ぜてココアパウダーふっただけじゃない!」

 

 

優助「確かに」モグモグ

 

 

甘党の俺からしたら、これ以上に幸せな時間はないわ。

 

 

二乃「でも本当に美味しそうに食べるわね、まるで五月みた…、あっ……」

 

 

優助「………二乃も意地張ってないで早く謝ればいいのに」

 

 

二乃「それはできないわ…。それに私が変わるタイミングは今しかない気がするの」

 

 

優助「そっか」パクッ

 

 

二乃にも思うところがあるのだろう。まあ、これも二乃が成長するきっかけになるのなら、俺が急かしたりするのはちょっと違うか……。

 

 

優助「ご馳走様でした!」

 

 

優助「よしっ!コレで明日からも頑張れるわ!」

 

 

二乃「ちょっとアンタ……、その…今日はありがと」

 

 

優助「お互い様だよ。俺も助けて貰ったし、恩返しが出来たのなら良かった」

 

 

そう言い残し、二乃の部屋を後にする。

 

 

二乃の気持ちも理解した。

 

 

二乃自身も自分を変えようとしているみたいだし、それに対する心の準備も終わったら、きっと五月とも仲直りしてくれるだろう。

 

 

二乃もいつまでも皆と離れ離れは嫌だろうし……。

 

 

てことで、明日からはもう一人の問題児のところに行くことになるな…。

 

 

風太郎が何とかしてくれているかもしれないが…、俺も協力して何とかするしかない。

 




とりあえず要望の多かった二乃派の意見も達成できるようにフラグ立てました。さて誰になるんでしょうねぇ?まあ僕次第ですが…。
一花派と二乃派は接戦で、僕自身も悩んでるかもしれないのでアンケートの回答ぜひよろしくお願い致します!(アンケート新しくしたので心の変化があった方もなかった方もご回答よろしくお願いします!)
※実は僕は三玖推しです。


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四女の思い

今回は少し長くなりました。原作通りに追って行ったら思った以上に文字数が…。途中で休憩しながらまったり呼んでくださいね。あと、最後にアンケートへの回答もご協力お願いします!


風太郎「ぜぇ…はぁ…、ぜぇ…はぁ…」

 

 

優助「何やってんだかあいつは…」

 

 

五月「本当です…」

 

 

四葉に勉強をさせるために必死に追いかけっこしているが、体力がないあいつに四葉を追いかけることは無理だろうな。

 

 

長距離やってた俺だったら何とかなるね。まぁ前世の話だけど…。

 

 

すると躓いた所を四葉に支えられ、こちらに連れてこられる風太郎。

 

 

風太郎「ぜぇ…はぁ…」

 

 

四葉「真田さん、上杉さんをお願いします」

 

 

優助「おっけー、任せときな。でも四葉…」

 

 

四葉「はい?」

 

 

優助「風太郎の気持ちも分かって欲しい。それに、四葉もいくら体力があるとはいえ、人間の体力は無限じゃないから無理しすぎないよう気をつけてね」

 

 

四葉「…はい、分かってます。でも私は大丈夫ですから…!」

 

 

そう言って練習に戻って行った。

 

 

優助「行っちゃった…。本当に大丈夫かな?」

 

 

一花にも聞いたけど相当無理してるっぽいから心配だな…。

 

 

それよりも………

 

 

優助「…風太郎、お前大丈夫か?」

 

 

風太郎「あ、あぁ。なんとかな…」

 

 

恐らく五月から飲み物を受け取ったのだろう。

 

 

半分くらいまで飲んだペットボトルを片手に返事をする風太郎。

 

 

優助「何か収穫はあった?」

 

 

風太郎「あぁ。思ったより勉強したことは覚えているようだが、全部微妙に間違えていた」

 

 

五月「四葉なりに頑張っていたのでしょう」

 

 

風太郎「優助は二乃の方はどうなんだ?」

 

 

優助「二乃なりに、この前のこと反省して勉強してたよ」

 

 

風太郎「なんだと…!それは本当なのか?」

 

 

優助「おん、本当」

 

 

風太郎「じゃあ後はアイツだけって事か…」

 

 

風太郎は四葉の方を見てそう言う。

 

 

優助「とりあえず今日のところは一旦帰ろう」

 

 

風太郎「そうだな。週末にどれだけ詰め込めるかにかかっている…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後……

 

 

俺たち、風太郎と一花と五月は朝早くから駅前に来ていた。

 

 

風太郎「ったく…、試験前だってのに。とことん勉強を疎かにしやがって…。三玖とは連絡がつかないのか?」

 

 

一花「あの子携帯の電源切ってるみたい…。けど任せて、居場所は分かってるから」

 

 

優助「頼むよ一花」

 

 

昨日、一花から電話が来たため出たところ、四葉の本心を聞きに行くらしいので、俺にも聞いて欲しかったとのことだった。

 

 

そこでは、四葉も無理はしてないと言っていたが、一花に対して“部活辞めちゃダメかな”と言っていた。

 

 

俺はそれを聞き、風太郎にも連絡。

 

 

更には、合宿まで行うという陸上部から、俺たち二人は四葉を解放してやるという方向に決定したのだ。

 

 

五月「…大丈夫でしょうか……?」

 

 

風太郎「四葉が断れないのなら、お前たちが断ればいい」

 

 

優助「入れ替わり作戦…。もうこれしか手段がない…」

 

 

五月「わ、私は少し苦手なんですが…」

 

 

風太郎「知ってるよ。だから三玖が来たらお前のジャージを着てもらって…」

 

 

優助「まずいぞ風太郎、あいつらもう出発するみたいだ…!」

 

 

五月「ど、どうするんですか?」

 

 

俺たち二人は五月の方を見る。

 

 

五月「…えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり二乃の宿泊しているホテル……

 

 

二乃「何を言われようと帰らないわよ」

 

 

二乃は紅茶に砂糖を入れながら三玖に言う。

 

 

三玖「そんなに入れると病気になる」

 

 

二乃「そんなのアタシの勝手よ。おばあちゃんみたいなお茶飲んでるアンタにはわかんないわ」

 

 

三玖はお茶をひと口すする。

 

 

ホッと一息ついて…

 

 

三玖「このお茶の渋みが分からないなんてお子様…」

 

 

二乃「今日はなんの用でここに来たのよ…」

 

 

三玖「もちろん二乃を連れ戻しに来た」

 

 

二乃「だから戻らないって言ってるでしょ!バラバラのアタシ達がそこまでして一緒にいる意味って何よ!」

 

 

三玖「家族だから…、だけじゃ変?」

 

 

三玖「二乃から見れば、私たちが変わったように見えるかもしれないけど、私から見たら二乃も十分変わってる」

 

 

二乃「…!」

 

 

その言葉で、優助のことを思い出す二乃。

 

 

“二乃も変わってない訳では無いと思うよ”

 

 

アイツも確かにそんなことを言っていた。

 

 

でも、やっぱり自分でも具体的には分からない。

 

 

二乃「どこが変わったのよ…」

 

 

三玖「コレ」

 

 

そう言い、三玖は紅茶を指さす。

 

 

三玖「前は紅茶なんか飲まなかった」

 

 

二乃「それだけ?」

 

 

三玖「私たちは一人20点の五分の一人前だから。例えばこの問題…」

 

 

三玖は近くにあった問題を取り出して…

 

 

三玖「この問題は長篠の戦い」

 

 

二乃「何よ、自分は勉強したって言いたいわけ?」

 

 

そう言うと三玖は首を横に振る。

 

 

三玖「元々好きだから…、戦国武将」

 

 

二乃「戦国武将って、あんな髭のおじさんが…?」

 

 

三玖「うん。これが私の20点。そして…」

 

 

三玖は飲みかけの紅茶のカップを手に取り一口。

 

 

三玖「…甘すぎる……」

 

 

二乃「なにやってんのよ…」

 

 

三玖「でもこの味は二乃がいなければ分からなかった。確かに昔は五人そっくりで、いさかいもなく平穏だったでもそれじゃ一人20点のまま。一人一人が違う経験をして、足りないところを補いあって、私たちは一人前になろう?」

 

 

三玖は二乃にそう呼びかける。

 

 

三玖「だから私たちは違っててもいいんだよ。それに、二乃がいないから家の食事はめちゃくちゃ…。栄養バランスもボロボロ…」

 

 

二乃「そこは自分たちで何とかしなさいよ!」

 

 

そう言って二乃は椅子に座り直して、三玖の飲んでいた緑茶を手に取って1口飲む。

 

 

二乃「苦っ!やっぱり緑茶なんか飲むんじゃなかったわ!紅茶の方が勝ってる!」

 

 

三玖「紅茶だって元は苦い」

 

 

二乃「こっちは気品のある苦味なのよ!きっと高級な茶葉から抽出されてるに違いないわ!」

 

 

三玖「緑茶は深みのある苦味、こっちのほうがいい葉を使ってる」

 

 

二乃「じゃあ調べるわよ…」

 

 

二乃「紅茶も緑茶も同じ葉…?」

 

 

三玖「発酵の度合いの違い…」

 

 

そのことで二人は笑い合う。

 

 

二乃「何それ、今度みんなにも…」

 

 

何か言いかけた二乃だったがそれ以上は言わなかった。

 

 

そして立ち上がって…

 

 

二乃「そろそろ過去を忘れて今を受け入れるべき…。いい加減覚悟を決めるべきなのかしらね…」

 

 

引き出しからハサミを取り出す二乃。

 

 

二乃「三玖…、アンタも覚悟しなさい…」

 

 

ハサミをみせられながらそう言われ、虎に睨まれた獲物のような恐怖を覚える三玖だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は戻り、元の駅前……

 

 

五月「部活を辞めさせていただきたく…」

 

 

風太郎「違う!もっとアホっぽく!」

 

 

五月「もう無理です!こんな役目もう辞めたいですー!」

 

 

風太郎「そう、それそれ!五月、今のお前は四葉だ!」

 

 

こいつ何言ってんだよ、さっきから…。

 

 

五月の方も中々に演技下手なんだな。

確か四葉も嘘つけなかったよな…。

 

 

一花が横にいるから俺もちょっと感覚がズレてきてるのか?

 

 

五月「本当に上手くいくのでしょうか…」

 

 

すると大きく息を吸う風太郎。

 

 

痴漢だー!!痴漢がでたぞー!!!

 

 

痛ッ!耳ぶっ壊れるかと思った…。てかアイツ自分を犠牲にして行くのか…。

 

 

そしてそのまま、四葉が風太郎のことを追いかけて行った。

 

 

優助「仕方ない五月。行ってくるしかない!」

 

 

五月「わ、分かりました!」

 

 

そう返事をして四葉のいたところに五月が行く。

 

 

今思ったけど…。

 

 

 

 

見た目全然違くね?

 

 

後ろ姿とかもう別人やん!

 

 

 

 

とりあえず風太郎のところに行くかって、階段登ってすぐのところで捕まってるーー!?

 

 

体力ないとかそういう次元じゃないぞ…。

 

 

そこまで駆け寄っていく。

 

 

四葉は戻ろうとするが、俺は止める。

 

 

優助「待って四葉。お前が無理してることは聞いてる」

 

 

四葉「でも急に断ったら迷惑かけてしまいます…」

 

 

ん?

下から声が下ので見てみる。

 

 

優助「ちょっと下見てみなよ…」

 

 

四葉と風太郎も五月のいる方を見る。

 

 

風太郎「ど、どういうことだ」

 

 

四葉「つ、ついに出た…」

 

 

そこに居たのは、顔、髪の長さが全く一緒で、四葉と同じリボンをつけた女の子がいた。

 

 

四葉「ドッペルゲンガーだー!死にたくありませーん!」

 

 

優助「いや五つ子のうちの誰かだって…。多分」

 

 

一花「良かった〜、間に合ったみたいだね」

 

 

風太郎「間一髪だったぜ…!お前が三玖を連れてきてくれなきゃ………」

 

 

そこに居たのは一花と三玖だった。

 

 

優助「ん!?どういうこと?頭ごちゃごちゃなんだけど?あそこにいるのは本当にドッペルゲンガー?」

 

 

四葉「どうしましょう真田さん…」

 

 

風太郎「一旦整理しよう。今いるのは、五、四、三、一…」

 

 

ってことは…

 

 

一花「ホテルに行った時、ハサミを持った三玖が立ち尽くしてたの…。何があったかは分からないけど、なにか気持ちの変化があったんだよね?二乃」

 

 

そこに居たのはいつも通りの髪飾りをつけた、ショートカットの二乃だった。

 

 

一花「そんなにバッサリいくなんて失恋ですか〜?」

 

 

二乃「別にそんなんじゃないわよ…」

 

 

そして二乃は四葉のところに歩いていく…。

 

 

二乃「四葉、私は言われた通りやったけど、このままでいいの?本音で話し合えば、きっと分かってもらえるわ。アンタも変わりなさい、辛いこともあるけど、きっと変われるわ…」

 

 

この前俺が二乃に言った言葉と似ていた。

 

 

変わる決意ができたんだな、二乃…。

 

 

四葉「私、行ってくる!」

 

 

そう言って四葉は陸上部の所へ行く。

 

 

みんな成長していく。

 

 

出会った時とは、もうまるで別人…だな。

これが成長を見守る親の気持ちか…。

 

 

五月「二乃、先日は……」

 

 

二乃「待って、謝らないで。アンタは間違ってないわ、悪いのはアタシ。ごめん…」

 

 

本当に凄いな…。あの二乃が…。

 

 

二乃「ひとつ間違ってるとすれば、力加減だわ。すごく痛かった…」

 

 

五月「二乃…。そうです、お詫びを兼ねてこれを渡そうと思ってたんです。この前二乃が見たがってた映画の前売り券です。今度一緒に見に行きましょう」

 

 

良かった…。コレで全ての問題が解決だな。

 

 

でも残された時間は少ない…。これからどこまで詰め込んで行けるかな〜…。

 

 

二乃「アンタ」

 

 

優助「ん?どうした二乃」

 

 

少し考え事をしていると二乃から話しかけられた。

 

 

周りを見ると、みんなはもう帰り始めてるみたいだった。

 

 

優助「あぁ、悪い。考え事してたわ。今行く」

 

 

二乃「そうじゃなくて、アンタがいなければ私は変われなかったかもしれない…。だから、ありがと」

 

 

優助「だから、気にしなくていいって。そこまでバッサリいくとは思わなかったけど」

 

 

二乃「そうかしら…。アンタはどう思う…?」

 

 

優助「俺はすげー似合ってると思うよ。ショートカットの方が俺は好きだよ」

 

 

俺はロングかショートかと聞かれたら、真っ先にショートと答えるくらいショートの方が好みである。

 

 

二乃「っ!///そっ、そう…」

 

 

優助「ほら、顔赤くしてないでさっさと行くよ?」

 

 

二乃「別に赤くなんてしてないわよ!」

 

 

そう言って、すぐにみんなのところに追いつく俺らであった。




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第二の家庭教師人生

屋上にて……。

 

 

風太郎は慣れないスマホを片手に持ち電話をかける。

 

 

ここまで長いようであっという間だった。

 

 

 

問題を起こしまくったあいつらも、あれから勉強を頑張った。

 

 

俺達はやれることはやった。

でも、少し時間をかけすぎた。

 

 

風太郎が持っているスマホは五月のものであり、何故借りたのかというと、、、。

 

 

『もしもし…?』

 

 

風太郎「もしもし、上杉です…」

 

 

『上杉くんか、、一体何の用だい?』

 

 

電話の相手は五月たちのお父さんである。

 

 

俺と風太郎はなんとなく分かっているのだ。

 

 

もちろんみんなのことを信頼していないわけではない。

 

 

実際、アイツらはよく頑張ってくれたほうだと思う…。

 

 

でも今回はきっと全教科赤点回避はかなり厳しいだろう。

 

 

よってオレらもそろそろ家庭教師としての能力を見限られてしまうだろうということも………。

 

 

でも、そんなことより俺達は心に引っかかっていたことがあった、、、。

 

 

 

 

アイツらの父親は何をやってるんだ、と。

 

 

 

 

 

母親は幼い頃に亡くしていることは聞いていたが、俺らなんかよりも一番身近にいるはずの父親が、子どもたちが家出しているというのに一切干渉してこないのはおかしい、、、。

 

 

どうせクビになるのなら、、、

 

 

風太郎「少しは父親らしいことしろよ!このバカ野郎が!!!」

 

 

珍しく声を荒らげてそう言い切り、風太郎は電話を切る。

 

 

優助「やっちまったな……」

 

 

風太郎「あぁ………。だが大丈夫だ、、、」

 

 

『お前たち五人が揃えば、無敵だ』

 

 

俺達は声を揃えて、空を見上げる。

 

 

そして教室へと戻り、テストが始まるのだった………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テストは無事に終わり、中野さんから連絡があった。

 

 

俺には引き続き家庭教師をお願いしたいとのことだったが、風太郎のいない俺には何もできないと断った。

 

 

そして風太郎と俺には、五つ子のマンションへの出入りを禁じられた。

 

 

親には申し訳ないと思っているが、仕方ない。

 

 

 

 

 

 

それからの一週間はあっという間だった。

 

 

そして週末、俺達はバイト募集をしていたお菓子屋で働くことになった。

 

 

店長「じゃ、こっちの方はいいから外にいる上杉くんを呼んできてもらえるかい?」

 

 

 

 

 

ある程度仕事が落ち着き、もうすぐでバイトも終わる時間なので店長にそう言われる。

 

 

 

 

 

優助「分かりましたー!」

 

 

 

 

 

俺は厨房を出て、店の正面の入口を出ていく。

 

 

 

 

 

優助「おーい、風太郎……!?」

 

 

 

 

 

呼ぼうと思って風太郎を見つけた時、俺は驚いて声が出なくなってしまった……。

 

 

 

そこに居たのは……。

 

 

 

 

 

一花「やっほー、ユースケくん」

 

 

 

三玖「ユースケもここで働いてたんだ」

 

 

 

二乃「アンタらどんだけ仲良しなのよ」

 

 

 

五つ子が五人揃って風太郎の周りに立っていた。

 

 

 

優助「なんでここに……?」

 

 

風太郎「俺にも分からん……」

 

 

予想外の事に風太郎もお手上げのようだ……。

 

 

五月「ケーキの配達をお願いします」

 

 

優助「で、でも……」

 

 

ここまで来といて、ケーキの配達て……。

 

そんなわけが無い。なにかもっと他の用事があってここに来てるはずだ。

  

 

店長「はい、真田くん」

 

 

すると後ろから店長が現れて、ケーキを手渡してくる。

 

 

風太郎「店長……」

 

 

店長「店はもう大丈夫だから、二人とも行っていいよ」

 

 

店長は言葉足らずな時があったり、たまに何考えてるか分からない時もあるけど……。

 

 

でも何となく気を利かせてくれてるのは分かる気がする。

 

 

風太郎も何となく感じ取ってるっぽいし。

 

 

優助「ありがとうございます、店長。では、お疲れ様でした」

 

 

風太郎「お先に失礼します」

 

 

俺と風太郎は店長に挨拶し、五つ子とともに歩き始める。

 

 

ていうか……。

 

 

優助「……みんなの家こっちじゃなくない?」

 

 

二乃「いいえ、こっちで合ってるわ」

 

 

俺たちは五人の後ろをついていく。

 

すると風太郎が口を開く。

 

 

風太郎「……あのさ、黙って辞めたことは謝る。だがもう家庭教師には戻れない……」

 

 

そうだ、俺たちはもう引き返すことは出来ない。

 

 

五月「コレを見てください」

 

 

そう言い俺たちの方に差し出してきたのは、新しい家庭教師の履歴書だった。

 

 

金髪で……、なんか、いかにもチャラそうな人だった。

 

 

でも、学歴はちゃんといい大学を卒業しているようだ。

 

 

優助「良かったな…、この人だったら教師の経験もあるし、安心でしょ……。」

 

 

俺がそう言うと、二乃がこちらに向かってきて……。

 

 

二乃「アンタらはそれでいいの?このままアタシたちを見捨てる気なの!?」

 

 

そんなの……!

 

 

風太郎「俺らは二度もチャンスを貰って結果を出せなかった……!次上手く行く保証は無い!」

 

 

優助「そうだ、俺たちは素人だ。だったらプロに任せるのが正解なんだよ」

 

 

風太郎「……これ以上、俺の身勝手にみんなを巻き込む訳には行かない…!」

 

 

やはり風太郎も責任を感じていたのだ。

 

 

二乃「確かにアンタは身勝手だった、勝手に家に上がり込んできて、したくもない勉強をさせられて……。でも、問題が解けるようになったら嬉しくて……!」

 

 

優助「二乃……。」

 

 

二乃「ここまで来られたのは、全部アンタらのせいよ!だったら最後まで見なさいよ!」

 

 

でも…。

 

 

風太郎「……悪い、だがもう戻れないんだ……。オレらはもう辞めちまったんだ。家にも入れない……」

 

 

一花「それが理由なの?」

 

 

一花が聞いてくる。

どんなに頑張ろうと、コイツらの家に入ることは出来ない。

 

 

優助「そうだよ…。だからもう、早く行こう……」

 

 

一花「ここまでで大丈夫だよ、配達ご苦労さま!」

 

 

突然そう言い、一花は俺からケーキの入った箱を受け取る。

 

 

風太郎「いや、でもまだ……?」

 

 

一花「ここだよ!ここが私たちの新しい家!!」

 

 

アパートを指さしながら得意げに言う一花。

 

 

優助「はぁ!?お前ら何考えてんだ……!?」

 

 

一花「これで障害は無くなったね」

 

 

一花はしてやったりという笑みでそう言う。

 

 

風太郎「それだけのために……!?」

 

 

四葉「前にも言いましたよね?大事なのは、どこにいるかではなく……」

 

 

『五人でいることなんです!!』

 

 

そういい、五人はマンションのカードキーをぶん投げる。

 

 

優助「ちょっ…!?ばかやろう!」

 

風太郎「マンションのカードキー……!?」

 

 

俺ら二人はマンションのカードキーをとろうと手を伸ばす。

 

 

ズルッ……!!!

 

 

あっ……。

 

 

俺は驚きのあまり、手を伸ばした時に体勢を崩して堤防から足を滑らせてしまった。

 

 

その時、風太郎とパチッ…と目が合った。

 

 

その瞬間、周りの景色がコマ送りのようになっていった……。

 

 

死ぬ直前とか死の間際ってスローモーションになって見えるっていうの…、本当だったんだな……。

 

 

それと同時に今までの記憶がよみがえってくる。

 

これが、走馬灯ってやつなのかな…。

 

二度目の人生の記憶が写真をパラパラめくっていくかのようによみがえってくる。

 

 

でもなんか……。

 

 

全部、直近のこと過ぎないか……?

 

 

 

 

 

 

バッシャーンッ…!!!

 

 

 

優助「冷たーーーいっ!!!!」

 

 

俺は顔を出す。

 

 

風太郎「なんでお前らも飛び込んでくんだよ!?」

 

 

五月「みんなで飛び込んで、どうするのですか……!?」

 

 

そこで三玖がオレらの方に寄ってきて…

 

 

三玖「たった二回で諦めないで欲しい…!今度こそ、ユースケ達とならできるよ……!!」

 

 

オレたちは、必要とされているのか…。

 

こんなオレを必要としてくれている人がいるのに答えないのは男じゃないな……。

 

 

四葉「二乃!大丈夫!?」

 

 

四葉が二乃に声をかけ、俺は二乃の方を振り向く。

 

 

二乃「つ、冷たくて…!?」

 

 

優助「二乃……!」

 

 

咄嗟に俺は二乃の方へ泳いでいき、肩を掴ませる。

 

 

優助「しっかり掴んでろよ…」

 

 

岸の方へ行き、水から上がる。

 

 

風太郎「お前ら、後先考えなさすぎだ!もうちょっと考えてから行動しろよ…」

 

 

優助「二乃、大丈夫か?これ着とけ…」

 

 

そう言い、俺は二乃に服をかけてやる。

顔真っ赤だし、急に冷えてうまく体が動かなかったのだろう。

 

 

二乃「あ、ありがと……///」

 

 

優助「ったく、風太郎の言う通りだ。この時期の川に入るのはお笑い芸人だけで十分だ」

 

 

風太郎「なんかもうバカらしくなってきた……」

 

 

そう言い、風太郎は落ちていた新しい家庭教師の履歴書を引き裂く。

 

 

風太郎「俺もやりたいようにやらせてもらう…!オレの身勝手に付き合えよ、最後までな!」

 

 

ここにいる皆から、思わず笑みがこぼれる。

コイツらしいな…!

 

 

風太郎「優助、お前もついてきてくれるよな?」

 

 

優助「もちろんだよ…!また一緒に頑張るぞ、風太郎!」

 

 

風太郎「おうよ!」

 

 

苦難を乗り越え、俺たち二人の家庭教師人生が再スタートするのであった……。




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お正月は思わぬことが起きやすい

※真田優助くん大暴走……。


優菜「ほらっ、ユウ!起きてー!」

 

 

朝っぱらからなんでこんな元気なんだ?こいつは……。

 

 

優助「……んん〜…、あともうちょい…」

 

 

優菜「初詣いくよー!」

 

 

元旦の真田家は今日も賑やかである。

 

 

優菜「振袖の着付け手伝ってよー」ペシペシ

 

 

人が気持ちよく元旦に眠っているというのに……。

 

 

優助「ん〜、わかったよ〜…。あと、重くて動けないから腹の上に乗っかってくるな……」

 

 

優菜「こら、女の子に重いとか言っちゃダメでしょ!」ペシペシ

 

 

優助「わかった…、わかったからペシペシしてくんな…」

 

 

優菜「まったく〜…」

 

 

優菜は、なお不満げにしながら俺の上から下りる。

 

 

優助「俺が優菜のこと好きじゃなかったら粉々に吹き飛ばしてるからな」

 

 

優菜「やだなぁ〜、それって遠回しに好きって言ってるようなもんじゃん」

 

 

優助「優菜のことはもちろん好きよ」

 

 

優菜「うわ、シスコンだ…」

 

 

優助「寝てる双子の兄貴の腹の上に乗っかってくる妹もよっぽどだよ…」ゴシゴシ

 

 

俺は眠い目をこすりながら、優菜と支度を始める。

 

新年明けても、いつもと変わらずにどうでもいいような会話をしてる俺らは幸せなんだろうな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

優菜「よしっ…。どう!?」

 

 

優菜はこっちを振り返り、自分の姿を見せる。

 

 

優助「うん、綺麗」

 

 

優菜「えへへ〜、ありがとー!」

 

 

優助「母さんに似てよかったな」

 

 

俺らの母さんは結構綺麗な人であると思う。

 

親バカならぬ子バカなのかもしれないが、うちの両親は美男美女で結構恵まれている気がする。

 

 

優菜「脱ぐときもちょっと手伝ってね」

 

 

優助「俺、“あ〜れ〜”ってやつやってみたい。ぐるぐる回すやつ…」

 

 

俺は朝で回らない頭の中にポンっと浮かんだことをうっかり口に出してしまった。

 

 

優菜「……馬鹿じゃないの?」

 

 

優菜が若干引いた目でこっちを見てくる。

 

いや、お前もお前でおかしいやろ。

 

兄貴に脱ぐの手伝ってもおかしいよ……。

 

 

優助「てか、なんで俺やねん。少しは恥じらいを持って自分で頑張ろうとしてくれ…」

 

 

優菜「やだ、めんどくさい」

 

 

いやそれ俺もなんよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜神社〜

 

ガヤガヤ…

 

 

優助「結構賑わってるね」

 

 

俺らは人混みをかき分けながら進んでいく。

 

 

優菜「そうだね〜」

 

 

初詣に来る人で意外と神社は混んでいた

 

 

優助「足元気をつけて歩けよ?それ、歩き慣れてないだろうし」

 

 

俺は優菜の足元を指さしながら言う。

 

 

優菜「うん、大丈夫だよ」

 

 

そう言いながら俺達はお参りをしに行く。

 

 

 

 

カランコロン…

 

 

 

 

優助「よし、お参りも済ませたし帰るか?」

 

 

優菜「ちょっと待って…、帰る前におみくじ引いてから行こうよ」

 

 

優助「そうだな…って、あれは……」

 

 

おみくじ売り場の方を見ると、風太郎とらいはちゃんの姿が見えた。

 

俺達は風太郎のところに歩いていく。

 

 

優助「よう、風太郎にらいはちゃん。あけおめ!」

 

 

優菜「二人とも、あけましておめでとー!!」

 

 

風太郎「優助に優菜…、お前らも来てたんだな」

 

 

らいは「あけましておめでとうございます!」

 

 

風太郎の手を見ると、おみくじを持っていた。

 

 

優助「風太郎も買ったんだな、おみくじ」

 

 

風太郎「あぁ。まぁ、おみくじなんて買わなくても大体運勢の見当はついているんだがな…」

 

 

優助「それは俺もだわ…。俺達はあいつらと出会ってから……」

 

 

俺達は同時におみくじを開く。

 

風太郎→大凶、優助→大凶。

 

 

『(うん知ってた……)』

 

 

らいは「うわぁ、やったぁ!大吉だー!」

 

 

優菜「私も大吉だー!やったねーらいはちゃん!」

 

 

二人は大吉が出て喜んでいた。

 

すると、らいはちゃんの動きがピタッと一点を見つめ、止まる。

らいはちゃんの視線の先を見ると……。

 

 

四葉「あ!上杉さんにらいはちゃん!それに真田さん達も!」

 

 

どうやら四葉のリボンアンテナに察知されたらしい。

 

みんなこっちへと寄って来る……。

 

 

二乃「なんでいっつもあんた達がいるのよ」

 

 

いや、こっちのセリフでもあるんだけどね…。

 

 

四葉「良かったら、ウチに寄っていきませんかー?」

 

 

風太郎・優助「いや行かn…」

 

らいは・優菜『行きたーい!』

 

 

 

……なぜだ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『僕も君が好きだ…!』

 

テレビで流れているドラマ内でキスシーンが流れる。

 

 

五月「はわわわ……き、キスしちゃいました……///」

 

 

いや正月からなに見てんねん…。

 

するとらいはちゃんがどこか落ち着かない様子で……。

 

それに気がついた四葉が……。

 

 

四葉「あれ?どうしたのらいはちゃん?」

 

 

らいは「えぇ〜っと、中野さんのお宅ってお金持ちって聞いてたから……」

 

 

優菜「え?そうなの?」

 

 

ズバって言っちゃうらいはちゃんに、世間知らずのうちの妹…。

うん、カオスすぎ……。

 

 

四葉「あっはは〜……」

 

 

一花「何も無い部屋でごめんね〜…。とにかく、自分の部屋だと思ってくつろいでいいからね?」

 

 

らいは「うん!」

 

 

俺らも空いているところに腰を下ろす。

 

 

二乃「ちょっとどこ座ってんのよ。あんた達も入りなさい…」

 

 

そういいこたつの布団をあげる。

 

どうしたんだ急に……。

 

 

風太郎「…じゃあらいは」

 

 

優助「優菜も入れてもらえ」

 

 

一花「遠慮なんていらないのに…。あ、そうだ!」

 

 

すると一花が、なにか思いついたような顔をする。

 

 

一花「ユースケくんマッサージしてあげよっか?疲れてるでしょ?」

 

 

優助「は?どしたの急に……」

 

 

二乃「あ、アタシもしてあげるわ!」

 

 

三玖「私も……!」

 

 

次から次へと何なんだ……。

 

 

四葉「上杉さんにもマッサージしてあげますよ!」

 

 

五月「私もしますよ上杉くん…!」

 

 

 

 

 

……うん、怖い。

恐怖でしかないわ……。

 

 

優菜「うわお、二人ともモテモテだね〜!」

 

 

らいは「…お母さん…、ようやくお兄ちゃん達にも春が訪れました……」

 

 

全く……。

 

 

優助「一体どういう風の吹き回し?」

 

 

風太郎「全くもってその通りだ……」

 

 

すると満面の笑みで……。

 

 

二乃「いつもお疲れ様!」

 

 

バリバリ営業スマイルやないかい……。

 

 

五月「私のですが…良ければ食べてください……」

 

 

いや、そんな苦渋の決断をしたようにドーナツを渡されても…。

 

 

四葉「お正月らしく、福笑いなんてどうでしょう!?五つ子バージョンですよ!」

 

 

風太郎「いや難しすぎるだろ!」

 

 

一花「みんな、ちょっと一旦隣の部屋行こっか!」

 

 

バタンっ……

 

 

優助「なんなんだ一体……」

 

 

優菜「凄く賑やかだね…」

 

 

風太郎「一体何を考えてやがるんだ……」

 

 

するとらいはちゃんが、四葉の作ってきた福笑いを持ってきて……。

 

 

らいは「お兄ちゃん、これやってみようよ。福笑い」

 

 

優助「確かに、難しそうだけどやってみるか。俺と風太郎のチカラを見せようぜ」

 

 

風太郎「あ、あぁ。」

 

 

そして俺たちは福笑いを始めたのだが……。

 

 

優助「いやこっちの口は一花だろ」

 

 

風太郎「いや、これは二乃だ」

 

 

優菜「いや、私は三玖ちゃんだと思うよ?」

 

 

もちろん意見が別れる……。

 

 

優助「わかった、俺が見てくるから…」

 

 

そう言い、俺は立ち上がって五人が入って行った部屋の方に向かう。

 

するとちょうど中から一花がでてきた。

 

 

優助「ちょっと一花、動くな」

 

 

一花「えっ…!?ちょっと、ユースケくん……!?」

 

 

俺は一花のあごを掴み、ジーッと口元を眺める。

 

うーん。こいつとは五人の中の誰よりも多く顔を合わせてるから俺には分かるぞ。

 

てか、なんでこいつ口すぼめてんだ?

 

 

まあ、なんだっていいか。

 

 

優助「よし、もう動いていいよ」

 

 

俺はパッと手を離して一花を解放する。

 

 

一花「…えっ?」

 

 

俺はクルッと向きを変え、風太郎のところに行く。

 

 

優助「風太郎、やっぱりこれは一花の口で間違いないぞ」

 

 

四葉「あー!福笑いやっててくれたんですね!!」

 

 

優助「意外と面白いぞコレ…」

 

 

四葉「あ、上杉さん。ほっぺにクリームついてますよ」

 

パクっ……

 

 

ん?

 

 

らいは「お、お兄ちゃん!?四葉さん…!?」

 

 

優助「目の前でイチャつくなよー」

 

 

四葉「いまの、ほっぺにチューが家庭教師のお礼ということで……///」

 

 

こいつには毎回驚かされるな……。

 

 

優助「ん?家庭教師のお礼って?」

 

 

五月「報酬のことですが、今の私たちでは十分に差し上げられないので……」

 

 

風太郎「あ、あぁ。そういう事か。そんなのもちろん出世払いで結構だ」

 

 

うん。風太郎は今日も安全、平常運転だな。

 

 

風太郎「ちょうど五人揃ってることだし冬休みの課題を片付けるぞ!」

 

 

二乃「そんなのもちろん終わってるわよ」

 

 

へ?嘘だろ?

コイツらいつから真面目になったんだ?

 

 

らいは「お兄ちゃん、邪魔しちゃ悪いから帰るね!」

 

 

優菜「らいはちゃんは私が送っていくから安心して勉強してねー」

 

 

風太郎「あ、あぁ。気をつけろよ」

 

 

優菜とらいはちゃんがこの場を去る。

 

 

 

それにしても……。

 

 

優助「一花、いつの間に課題終わらせてたんだ?」

 

 

一花「えっ?あぁ……、私達も頑張らなきゃなと思ってね」

 

 

優助「そうか、偉いな……って一花、お前顔赤いけど大丈夫?」

 

 

一花「う、うん!だいじょぶだいじょぶ!」

 

 

優助「ならいいんだけど…」

 

 

一花「それよりさ、ユースケくんはほっぺにチューしなくてもいいの〜?私がしてあげよっか〜?」

 

 

いつもの調子に戻った一花は、ニヤニヤしながらまた馬鹿なことを言ってくる。

 

 

優助「…………ならお願いしよっかな…」

 

 

お願いしたらコイツどうするんだろう。

 

普段は余裕ぶっこいてるけど意外とドジだし、大事なとこでヘタレだからな………。 

 

 

一花「えっ!?//」

 

 

優助「してくれるんじゃないの?ほら…」

 

 

そう言いながら、俺はほっぺを差し出す。

 

さて、こいつはどうするんだろうな…。

 

 

一花「あ、え〜っと…、うん。わかった……///」

 

 

ん?ちょっと待てよ。

なんか思ってたのと違う。

 

なんでこいつ俺の肩に手置いて……。

 

 

二乃「ちょ…!ちょっとアンタ達なにやってんのよ!?」

 

 

優助「え……?」

 

 

ちゅっ……

 

 

 

 




アンケートのご回答よろしくお願いします。
そして感想と、これからの物語の意見やリクエストも書いていただいても構いません。


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仕事は大変…?

いや、推しの子のアニメ見てたんですけど、優助くんと星野アクアくんの立ち位置結構近くないですか……?
双子の兄妹の兄で、転生者。賢いし顔も結構いい……。
ほぼ一緒ですね(苦笑)
ワンチャン推しの子ルートありですかね?兄妹で一緒にみたいな?


ツルッ……!

 

 

一花「っ!?」

 

 

優助「うおっ…!?」

 

 

すてーんっ!!!

 

 

俺の肩に置いていた手が滑り、一花が倒れ込んできたのでバランスを崩してしまい、倒れてしまった。

 

 

五月「だ、大丈夫ですか!?」

 

 

焦った様子で五月が心配して声をかけてくる。

 

 

一花「う、うん!私がバランス崩して転んだだけだから…。ごめんねユースケくん」

 

 

三玖「大丈夫、ユースケ?」

 

 

三玖が心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。

 

 

優助「あ、うん…だいじょうぶ」

 

 

二乃「アンタ達、さっき何しようとしてたのよ!」

 

 

優助「え?いや、一花に……「あーっと!私がユースケくんの肩借りてストレッチしてたらバランス崩しちゃったの!」…」

 

 

俺の話を遮って、一花が理由を説明する。

 

 

二乃「ふーん、ストレッチねぇ……。まぁ、そういうことにしておいてあげるわ」

 

 

いや二乃、、………。

 

 

風太郎「二人とも大丈夫なら早く勉強だ。お前らは時間がいくらあっても足りないからな」

 

 

風太郎の言葉で、俺達は勉強会を始めたのだった。

 

 

 

 

三玖「フータロー、ここが分からないんだけど…」

 

 

風太郎「あぁ、ここか…。ここは目の和が()()うの時……」

 

 

ガタッ

 

 

優助「痛っ…!」

 

 

風太郎「おい優助、机揺らすなよ」

 

 

優助「ごめんごめん…、っておい!一花起きろー!」

 

 

一花「…んぁ?いや、ねて…、ない、よ…」カクン

 

 

風太郎「おい…」

 

 

二乃「寝かせといてあげなさい」

 

 

二乃が俺たちが一花を起こそうとするのを止めてくる。

 

 

二乃「一花、前より仕事増やしてるみたいなの」

 

 

五月「生活費などほとんど一花に頼りっきりなので」

 

 

風太郎「だからって無理して勉強に集中できないなら本末転倒だろ…」

 

 

優助「役者の仕事増やしたらそりゃ大変だろうな…」

 

 

五月「あの!私達もバイトしませんか?」

 

 

その場にいたみんなの動きが固まる。

 

 

優助「ちなみにバイトしたことは?」

 

 

五月「もちろんありません!」

 

 

そんなに胸を張って言えることでは無いと思うけどね…。

 

 

風太郎「勉強と両立出来るのか…、赤点回避に必死なお前らが?」

 

 

五月「ならば……、私もあなたのように家庭教師になります!教えながら学ぶことで自分の学力も向上し、一石二鳥です!」

 

 

優助「まぁ…、いいんじゃね……?」

 

 

五月「なんですかその“教えられる人が可哀想だな”みたいな目は!?」

 

 

優助「おー、よく分かってんじゃん」

 

 

四葉「なら、スーパーの店員とかはどうですか?」

 

 

風太郎「即クビだな…」

 

 

三玖「私、メイド喫茶やってみたい…!」

 

 

三玖がメイド喫茶か……。

 

 

うん、接客だけなら人気出るかもな。接客だけなら…。

 

 

二乃「そんなの却下よ」

 

 

三玖「二乃はやっぱり女王様?」

 

 

二乃「やっぱりって何よ!?」

 

 

優助「二乃が女王様やってるのは容易に想像できるな…。顔はいいし、一部の人から人気出そう」

 

 

二乃「顔がいい以外、ぜんぶ余計よ!」

 

 

四葉「二乃はやっぱりお料理関係だよね!自分のお店を出すのが夢なんだよねー!」

 

 

風太郎「へぇ、初めて聞いたな」

 

 

二乃「子供の頃の戯言よ……」

 

 

優助「まあ俺は、二乃なら飲食店系なら心配ないと思うけど?なんなら、この前来た俺らのバイト先の店長もあと一人くらいスタッフ欲しいって言ってたし…」

 

 

風太郎「何言ってんだっ!仕事舐めんな!仕事するだけでも大変なのにコイツらにバイトなんかやらせたら勉強どころじゃなくなるだろ。それよりとっとと勉強を……。」

 

 

一花「ん〜……」ガサゴソ

 

 

風太郎が勉強を再開するぞと言いかけたところで、一花が服を脱ぎ始める。

 

 

三玖「ユースケ…!?」

 

 

五月「ちょっと一花!?」

 

 

二乃「ちょっとあんたら何見てんのよ変態!」

 

 

ポポイっ!

 

 

俺らは外に放り出される。

 

 

優助「いや俺らなんも悪くなくね?」

 

 

風太郎「全くもってその通りだ」

 

 

ということで、俺らは帰路についたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日~

 

 

風太郎「どうですかこのパイ!店長が作ったのとそっくりだ!」

 

 

店長「…真田くん食べてみなよ」

 

 

優助「え〜……。じゃあ…」

 

 

パクっ…。

 

 

風太郎「どうだ?」

 

 

優助「…………調理工程は店長のとはだいぶ違うみたいだな…。」

 

 

風太郎「そんなに違わないと思うが……」

 

 

風太郎もそう言いつつ、一口食べる

 

 

風太郎「うぇっ…、なんか生っぽい……」

 

 

店長「真田くんのは結構上出来だったよ。真田くんはそろそろ調理場に入っても良さそうだね」

 

 

優助「あざーっす!」

 

 

風太郎「ちくしょう…」

 

 

店長「あ、そうだ上杉くん。もう帰って貰っていいよ」

 

 

風太郎「えっ!もしかして……」

 

 

店長「映画の撮影でこの店午後から休みにしてるから」

 

 

もしかしてクビかと青ざめた顔をしている風太郎に、店長はサムズアップしながらそう言う。

 

 

風太郎「それを先に行ってくださいよ……」

 

 

優助「店長、俺もですか…?」

 

 

店長「いや、真田くんには少し手伝ってもらいたいから残ってもらってもいいかな?」

 

 

優助「分かりました。じゃあな風太郎」

 

 

風太郎「おう、頑張れよ」

 

 

互いに手を振り、風太郎は帰宅する。

 

 

すると正面のドアが開く。

 

 

『すいませーん、映画の撮影しに来ましたー!今日はよろしくお願いしまーす!』

 

 

スタッフのような人が挨拶して入ってくる。

 

 

そして、演者であろう女の人が入ってくる。

 

 

“よろしくお願いしまーす”

 

 

優助「…ん?どっかで聞いたような声……」

 

 

一花「ゆ、ユースケくん!?」

 

 

優助「お前もいるんか……、てか前にもここに来たことあっただろ」

 

 

一花「来るまで場所は聞いてなかったから…。あとまさかいるとは思わなかったよ」

 

 

こいつも本当に頑張ってるんだな。妹たちのために……。

 

 

『こんにちはー、店長さん。今日はよろしくお願いします!』

 

 

スタッフの人が挨拶をしに来る。

 

 

店長「いえいえ、こちらこそこの店を選んでいただけて本当に光栄です」

 

 

俺はいない方がいいかなと思い、店の奥の方に入ろうとする。

 

 

『それで、店員の役の事なんですけど……』

 

 

店員役の人、体調でも崩したのか?

 

 

店長「あぁ、それなら心配ありません。彼に任せてありますので…」

 

 

急に肩を叩かれ振り向くと…、そこにはサムズアップした店長がいた。

 

 

優助「……は?」

 

 

 




正直、推しの子みたいな展開ありですよね~。
新しくアンケート取るので回答お願いします!(自分で自分の首を絞めていくスタイル…)
他にご意見あったら感想にどんどん書いていただけるとありがたいです!
一応、優助くん達の両親は美男美女であり、海外で役者をやっているという裏設定は元々ありました。


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優助、役者になる?

一旦、優助くんは役者に仕立てあげます。
とりあえずこの回だけは優助くんに演じてもらいます。これからどっち方向にするか決めたいと思うので、アンケートの回答よろしくお願いします!!


はぁ~~……。

なんで俺がこんなことになるんですかね……?

 

 

 

今、俺が何をしているかと言うと…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メイクされてます…。

 

 

何故か、店員役の人は決まっていたがその人が昨日だか一昨日にゴネて降板したらしい。

 

 

絶対に許すまじ…

 

 

 

 

 

ん?なんで断らなかったのかって?

 

 

俺のプロフィール忘れたの?

人助けが趣味とか書かれてなかったっけ?

 

 

趣味ってわけじゃないけど、人に迷惑かけたり困らせたりするのは嫌だから引き受けちゃったんだよね。

 

 

とりあえず、一花と同じ事務所の人ってことで映画出ることになったんだけど。

 

 

俺みたいな素人が出ていいのか?

 

 

一花は小声で俺に、B級映画だからこういうこともあるらしいとの事を教えてくれた……(実際のところは分からない)

 

 

まあ、数秒間だけ顔が映る程度で一言二言喋って俺の役は終わるらしいんだけど。

 

 

そのためのメイクがそりゃ長いのよ!

 

 

30分以上は椅子の上だし……。

 

 

メイク前には……

 

『真田くんは元々結構顔が整ってるからあまり時間はかかりませんよ~』

 

って、言われてたんだが!?

 

 

僕、嘘つかれるの好きくないでし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…真田くん!

 

 

 

 

 

ぅえ……?

 

 

やべ寝てた。

 

 

 

「メイク終わりましたよ」

 

 

優助「そうですか…、ありがとうございます……。」

 

 

お礼を告げて、俺は現場の方へと向かった。

 

 

「……真田くんのメイク、最高の仕上がりだったわ…………。」

 

 

メイクさんの、その言葉は優助の耳には届くことはなく独り言として消えていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ。全く店長ももうちょい早く言ってくれればな……。

 

 

「では、あそこでスタンバイお願いしまーす!一、二回予行練習してから本番行くので!」

 

 

優助「分かりました」

 

 

俺とスタッフさんは現場に向かいながら流れについて話す。

 

 

「それにしても結構仕上がってますねー」

 

 

優助「何がですか?」

 

 

何が仕上がってるんだ?俺の表情かなにかがか?

 

 

「元の容姿の良さとメイクでさらにそれが際立って、僕は真田さんそこらの役者よりずっとイケてると思いました~!」

 

 

優助「ははは……。お世辞はやめてくださいよ……」

 

 

急にやることになった俺に気を使ってくれてるな……。

 

 

ま、容姿がいいと言われることは嫌では無いし、両親も容姿は整ってるので俺も中の下を下回るような顔では無いと思うけど……。

 

 

セリフのチェックもしっかりやったし……。

 

 

よし、少し集中して頑張るか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「真田優助さん、準備終わりましたー!」

 

 

優助「よろしくお願いします」

 

 

現場の視線が俺に集まっているのが分かる。

 

 

でもなんだ?

空気が固まってる気がするけど……。

 

 

「真田くんは、ここのケーキを一花ちゃん達のいるテーブルに持っていって、セリフを話す。ただそれだけ!オーケー?」

 

 

優助「あ、はい!分かりました!」

 

 

とりあえず集中だ……。

どういう演技がいいのか俺には分からない。

 

 

けどとりあえず違和感だけは出さないように、大根役者なんてただの恥さらしにだけはならないようにしなきゃ。

 

 

 

 

 

よーい、アクション!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聞いたところによると、特に俺に対して要求はないらしい。自然な感じで話してくれればそれだけで及第点とのこと。

 

 

この映画に合った、自然な立ち振る舞い。

 

 

きっと、テーブルにケーキを運んだ時に映る表情は、完璧な笑顔ではなく微笑んでいる表情…。でも、心から笑みがこぼれるような表情ではなく、笑みの奥に何かが隠されているような微笑み……。

 

 

そして、声色はクールに淡々と話していくように意識する。

 

 

そうすることで、不気味さを演出できてホラー映画であるというイメージを見る人に与えることが出来る……。

 

 

俺は、この映画で起こる怪奇的な現象について、少し意味深な発言をする役。

 

 

こんな感じのイメージで演じれば自然だろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カーットっ!!!

 

 

監督「いいねぇ真田くん!バッチリだったよ!まさに僕の思い描いていた役を演じてくれた!」

 

 

優助「そ、そうですか…?」

 

 

何が良かったのかは分からないけど、喜んでくれているのなら良かったのか……?

 

 

監督「君、きっと才能があるよ!容姿はそこらの役者よりはずーっと良いと思うし、有名俳優と比べても引けを取らないレベルだ。初めてであそこまでの演技ができて、あそこまで役に没頭できるのは才能と呼ぶしかないだろうね……」

 

 

優助「そうなんですか…」

 

 

凄い熱意のある監督だな…。俺をおだててもそんなに意味ないと思うけど……。

 

 

一花「あ、ユースケくん!」

 

 

声のするほうを振り返るとそこには一花がいた。

 

 

優助「ん?あ、タマコちゃんだー」

 

 

一花「その呼び方はやめて!?結構恥ずかしかったんだから!」

 

 

優助「んで、どうしたの?」

 

 

一花「ユースケくんの演技凄かったよ!なんかこう…、セリフ聞いてる時にゾワッて来た!」

 

 

優助「何が合ってるのか俺にはわかんないんだけど……」

 

 

そんな事言われても俺の演技はこの映画に合ってたのかはわからんけどね?

 

 

一花「結構周りのスタッフとかにも好評だったよ」

 

 

優助「そっか。まあ俺としては頭で思い描いた役を演じてたから。」

 

 

監督「多分それが君の才能だね」

 

 

監督は随分と俺を気に入ってるんだな……。

 

 

監督「役に没頭する集中力、頭で思い描いた役の特徴を完璧に表現出来る演技力……。君はダイヤモンドの原石だよ」

 

 

優助「そんなことは無いですよ」

 

 

俺が原石なんて恐れ多すぎるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一花side

 

 

ユースケくんの演技、凄かったな~。

それに、普段と違う雰囲気でかっこよかったな///

 

 

あれで初めての演技とか私自信なくしちゃうんだけど…。緊張もしてるようには見えなかったし、凄いとしか言えないや。

 

 

「一花ちゃん!」

 

 

一花「ん?どうしたの?」

 

 

勉強をしながら考え事をしていると、さっき一緒に女子高生を演じてた子から話しかけられた。

 

 

どうしたんだろう。

 

 

「一花ちゃん、さっきの男の子と知り合いなんでしょ!?」

 

 

一花「え?あぁ、ユースケくんのこと?…うん、そうだよ」

 

 

「もし良かったらあの人と連絡先交換できないかなって!今回限りの助っ人って聞いたし、もう会えないかもと思って…」

 

 

モヤ……。

 

 

そっか……。確かにユースケくん、カッコよかったし演技も凄かったから目に止まって当然だよね……。

 

 

優助「あ、一花いた」

 

 

一花「ゆ、ユースケくん!?なんでここに?」

 

 

優助「いや、一花は今日現地解散って聞いたから。終わるまで待ってようかなと思って」

 

 

あ、そうなんだ。確かに私は現地解散だと助かるけど…。

 

 

「あの!」

 

 

優助「ん?なんですか?」

 

 

「連絡先きいてもいいですか…?」

 

 

ユースケくん、どうするんだろ……。

 

どうしよう、すごくモヤモヤする……。

 

 

優助「…なんで?」

 

 

「えと、今日演技すごかったので今度コツとか聞きたいなって……」

 

 

優助「あぁ、そゆことね」

 

 

私、邪魔かな?ちょっと席外した方が…………

 

 

優助「……俺なんかの演技より、一花の方がよっぽど凄いよ」

 

 

一花「え?」

 

 

優助「今日ケーキ食べるシーン、何回か撮り直してたでしょ?」

 

 

一花「う、うん…」

 

 

優助「その時にさ、店のピックが刺さってないパイ食ったろ?あれ風太郎が作った失敗作のパイだったんだけど、そのパイを食べた時の一花のセリフと表情は凄かった……。俺には真似できねーな」

 

 

あれバカまずかったし、と一言付け加えるユースケくん。

 

 

ドキッ……。

 

 

あぁ、まただ……。

ユースケくんは、やっぱりズルいよ……。

 

 

そんなに褒められたら…………。

 

 

「そう、ですか……。あ、私そろそろいかなきゃ、では失礼します……!」

 

 

優助「行っちゃった…。なんだったんだろ、あの人」

 

 

一花「ユースケくん、ありがとね」

 

 

優助「ん、何が?」

 

 

いまいちピンと来てない様子のユースケくん。

 

 

一花「ううん、なんでもない!それよりも、やっぱりあれ風太郎くんが作ったやつだったんだ。あれ食べた時このお店がすごく心配になったんだよねー」

 

 

優助「ごめんね、こっちの不手際で」

 

 

一花「あれ?でもピック刺さってなくても美味しいのあったよ?」

 

 

優助「あぁ、それは多分俺のかな?」

 

 

一花「えっ?ユースケくんが作ったのあれ!?」

 

 

優助「うん。店長に及第点は貰ったよ?まだまだだと思うけど」

 

 

そうだったんだ。

なんか嬉しいな……!

 

 

一花「ユースケくんのお客さんとして食べたの私が初めて?」

 

 

優助「え?まぁ、そうなるかもね」

 

 

一花「そっかー」

 

 

ユースケくんのやつ美味しかったな……。

 

 

優助「それよりもさ、……勉強してたんだな?」

 

 

ユースケくんが指を指した方向には私の勉強道具があった。

 

 

一花「あ〜、バレちゃったか…。」

 

 

私とユースケくんは椅子に腰をかける。

 

 

優助「今日役者やってみたけどやっぱり大変だった。凄いな一花は…。みんなから聞いたけど仕事頑張ってるんだろ?」

 

 

一花「うん、前よりは頑張ってるかな…」

 

 

優助「本当にすげーヤツだよお前は。お前の演技とか、みんなに見せてやりたいな……って、寝てる……」

 

 

はあ、こんな時まで寝てる演技なんてな~……。

 

 

優助「…花火大会の時には想像もできないような演技だったな。本当、大した嘘つきだな」

 

 

これじゃ、本当の嘘つきになっちゃうなぁ……。

 

 

 




アンケートの回答と感想のご協力よろしくお願いします!
なるべく多くの回答と意見聞きたいので!!


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※気になる人

これは、本編とは全く関係ありません……。

もしも、推しの子の世界線と五等分の転生者の世界線が一緒だった時のパラレルストーリーです。

もしも、続きが見たいという声が多ければ、続きを別小説として書く事があるかもしれませんので、是非感想欄に多くの声を寄せていただけるとありがたいです。


優助「ねぇ、一花」

 

一花「ん、どうしたのユースケくん?」

 

俺は、自分が見ていたスマートフォンの画面を一花に見せる。

 

優助「一花、これ見た事ある?」

 

一花「あ、これ知ってるよ!“今日あま”でしょ!」

 

“今日あま”……。少女漫画が原作となり、ネットテレビで放送された恋愛ドラマのことである。

 

優助「うん。もともと漫画見てて、実写化のやつも全部見たんだよね」

 

一花「あー、私も全部見たけどあんまり評判良くなかったよね…」

 

優助「途中で見なくなっちゃう人結構いたみたいだね…。まぁ実写化自体が意外と賭けみたいなもんだしね?」

 

一花「仕事仲間に聞いたんだけど色んな新人の人達…、例えば若手俳優とかモデルを多く使ってその人たちの人気を売り出そうとする目的があったらしいよ?」

 

役者の業界に入って分かったことは、意外と裏の顔が見えてくるということ。

 

ドラマやテレビ番組の制作を、ただただ良い作品を作る…、原作に限りなく近いレベルの実写化をする…、といった目的だけでなく、その他のプロデューサー等の私情などを挟んだりすることも全然あることなのだ。

 

優助「そうだったんだ…」

 

一花「急にどうしたの?」

 

優助「あぁ。実写化のやつに出てた人でちょっと気になる人がいてさ……」

 

そう、俺はどうしても気になる人がいた。

 

一花「主役の可愛い女の子?」

 

優助「確かにあの子も気になるけども……。でも違くて、最終回に出てたストーカー役の人……。言葉に表せないけど…、なんか俺と似たような雰囲気を感じたからさ」

 

どこか、俺に似た雰囲気を持つ彼の事が忘れられないのだ……。

 

一花「あぁ、あの子ね!あの子確か一個下で“今ガチ”って言う、恋愛リアリティーショーにも出てた子で、その後に東京ブレイブの舞台にも出て、結構人気出てきてる新人役者だよ!」

 

優助「なんか見てて、引っかかるんだよね」

 

一花「なにそれー……。てか、素通りしたけど主役の女の子の事気になってるの!?」

 

そこ、気になるところか……?

 

確か、10秒で泣ける天才子役だか、重曹を舐める天才子役とかって言われてる女の子だっけな?

 

最近アイドル始めて、JIFの動画見た時はその子が途中から1番輝いてるように見えた……。まあ、センターだからって言うのもあると思うけどね?

 

優助「だって可愛い人ではあるじゃん。同い年らしいし、演技もすげー上手いし……」

 

一花「へ、へー。ああいうのが好みなんだ…。まぁ私も!美人で演技の上手い女優だけどっ!」

 

優助「あの子今アイドルもやってるらしいしね。B小町っていう」

 

一花「私の話はスルーですか?お姉さん傷ついちゃうなぁ……。それより…、ユースケくんは童顔な子が好きなの?」

 

優助「いや、可愛いとは思うけどね……。でも俺は大人っぽい人が好きだから」

 

一花「ふーん、私みたいな?」

 

優助「あ?お前のどこが大人っぽいんだよ…?」

 

一花「え?」

 

優助「よくそんな頭の上にハテナマークが見えそうなくらいの顔できんな?さすが役者だわ。でも、俺からしたら一花も子供っぽいところはあると思うけど?」

 

一花「そんなことないもん!」

 

優助「ほら、そうやってすぐ膨れる所。」

 

一花「もう!」

 

一花がごちゃごちゃ言ってるが無視無視……。

 

それにしても、どうにも気になるんだよな……。

 

確か名前は、“星野アクア”……。

 

俺がこのまま役者として仕事していって、万が一売れていことになれば、いつかどこかで出会う日が来るかもしれないな~。




大事なことなのでもう一度言います!!!

これは、本編とは全く関係ありません!

もしも、推しの子の世界線と五等分の転生者の世界線が一緒だった時のパラレルストーリーです。

本編の五等分の転生者のストーリーには、推しの子の登場人物は存在していません!

もしも万が一、続きが見たいという声がかなり多ければ、続きを別小説として書く事があるかもしれませんので、是非感想欄に多くの声を寄せていただけるとありがたいです。


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