新たな星たちと灰色の姫君 (水甲)
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一期
01 初めまして


と言うわけで前々から書こうかと思っていたスーパースターです!


私の名前は相花紗桜莉。この春から高校生だ。

高校は家からそれなりに離れてるため一人暮らしをするはずが…………

 

「知り合いの家?」

 

「そうなのよ。紗桜莉一人にするのは心配だし、話したら部屋が空いてるからって」

 

心配性だな~お母さんは……でも心配してくれるだけでもいいかもしれない

 

「でも本当にいいの?」

 

「何が?」

 

「あそこって音楽科あるのに……普通科で」

 

「悩んだけど……普通科でいいかなって」

 

私がやりたいことは音楽科でも出来るけど…………何となく音楽科だとやる意味があるのか?音楽科だから出来て当然とか思われたくない

 

「うん、普通科の方がいいってそう思ったから」

 

「そう、あなたが決めたならそれでいいわ」

 

そんなわけで私はお母さんの知り合いの家で居候することになった。家も結ヶ丘女子高等学校から近いしいいかも

 

 

 

 

 

 

引っ越し当日

 

「今日からお世話になります」

 

「紗桜莉ちゃん、よろしくね」

 

「はい、えっと……」

 

「そんなかしこまらなくていいわよ。普通におばさんって呼んでいいから」

 

優しい人だな~流石お母さんの知り合い!

 

「澁谷ありあです。よろしくお願いします」

 

眼鏡をかけたこの子が次女のありあちゃんだっけ?あれ?長女は?

 

「あの、同じ学校に通うって聞いてたんですけど……かのんさんは?」

 

「あー、えっと……色々とあってね」

 

「折角だからあってみれば?」

 

「?」

 

何かあったのかな?もしかして……いきなり見知らぬ人が居候することになって、嫌だからとか…………

 

何だかそれはそれで申し訳ない…………

 

ありあちゃんに案内されて、かのんちゃんの部屋の前に着いた私はノックをするが…………

 

「いないのかな?」

 

「多分無視してるのかも?お姉ちゃーん!今日から住むことになった紗桜莉さん来たよー」

 

『うるさーい、別に今挨拶しなくてもいいでしょ』

 

「全くこの姉は…………」

 

「あはは……嫌われてるのかな?」

 

会ってないのに嫌われると言うのは正直応えるけど…………

 

「いや、そういう訳じゃなく……」

 

「でもこんな風に拒絶されていると…………何がなんでも会いたくなるね…………よし!」

 

私はドアノブをガチャガチャならした

 

「すみません、挨拶したいんですけど……」

 

『後でいい!』

 

まだ拒絶してるけど……気にせずにドアを叩く

 

「今でも問題はないですよー」

 

『だから…………』

 

騒がしくしていたら出てくるかと思ったけど仕方ない。

私はヘアピンを取り出して、鍵穴に差し込んだ

 

「え?ピッキング?」

 

「ちょっと前に覚えたんだよね」

 

色々と興味が湧くとやってみたくなる性分だから、あ、開いた

 

「失礼します」

 

「いやいやいや、普通に開けてこないでよ!」

 

部屋にはオレンジの髪を纏めた眼鏡をかけた女の子がいた

 

「初めまして」

 

「いや、これが初めましてなのは嫌なんだけど…………」

 

「いや、私もこんな方法で挨拶はしたくなかったけど、ごめんね。急に住むことが嫌だろうけど……」

 

私のモットーは『押してダメなら押しまくる!』だし……

 

「別にえっと……」

 

「あ、紗桜莉です」

 

「紗桜莉の事が嫌って訳じゃなく……色々とね」

 

「色々?」

 

「…………その内話すよ」

 

 




キャラ紹介

相花紗桜莉(あいはなさおり)

髪色 灰色

長さ セミロング

身長はかのんと同じくらい

親の提案で知り合いの澁谷家に居候することになった。
興味を持ったことにたいして知ろうとしているため、ある程度のことは出来る(ドラマの影響でピッキングも覚えた)
モットーとして『押してダメなら推しまくる!引いてダメなら引きまくる!』のため、かなり強引な手を使う

スクールアイドルにはあるステージを見て、憧れ出すが…………




軽いキャラ紹介でした。まだまだ追加あります!

とりあえず今回はここまで!感想待ってます!


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02 互いの事情を

三話タノシミダナー


かのんちゃんとの顔合わせを済まし、私は用意された部屋に案内されたが…………

 

「物置?」

 

何だか色々とおかれていて寝る場所がないんだけど…………

 

「……お姉ちゃん?」

 

ありあちゃんはかのんちゃんのほうを睨むと、かのんちゃんは目をそらしていた。

 

「あー、いや、その……」

 

「お母さんに片付けるようにって言われなかったっけ?」

 

「えっと……忘れてました……」

 

かのんちゃんの発言の後にありあちゃんはお説教を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

片付け私がやろうとしたけど、申し訳ないし、そもそもの原因がいるのだから大丈夫とのことで、私は澁谷家のお店でコーヒーを飲んでいた

 

「悪かったわね。まさか片付け終わってなかったなんて」

 

「いえ、私も二人に任せて申し訳ないですよ」

 

「まぁかのんも色々とね……あったから……」

 

その色々って何なんだろう?まぁ後で話すって言ってたから待つけど……

 

「それにしても聞いてた以上に何でもできる子なのね」

 

「いえいえ、興味があることくらいですよ。何でもなんて…………」

 

「そう言えば入学したら初めてみたいことがあるって言ってたけど……」

 

「はい、まだハッキリとは言えないですけど…………少し前に見たのに……凄い惹かれて……」

 

あの日、何も出来なくなった私に……進む道を教えてくれたあの人…………あの人みたいではなく、私らしくやれれば…………

 

「本当に難しいですけどね」

 

「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから一時間後、ようやく片付けが終わったみたいで、部屋を見に行くと確かにきれいに片付いていた

 

「荷物は持ってきたものだけ?」

 

「うん、本とか持ってきたかったけど入りきらなそうだし……」

 

「入りきらないって……」

 

「まぁ色々とね……だから衣類とノートパソコン、後は制服くらい」

 

私は荷物から取り出した制服をかけると、かのんちゃんは安堵していた

 

「普通科の……」

 

「うん、普通科だよ?」

 

「そっか……そっか……」

 

どうしたんだろう?私が普通科で安堵してるけど…………聞き出すべきだよね?

 

「その内話そうとしてること、話してくれない?」

 

「え?今?」

 

「部屋の件はそれで許すから」

 

まぁそもそも怒ってないからいいのだけどね

 

「あー、私は下に行ってるね」

 

気を遣ってありあちゃんは出ていくと、かのんちゃんは淡々と話し出した

 

「私さ……本当は音楽科志望だったんだけど…………」

 

「うん」

 

「試験で歌えなかったの……」

 

「緊張してとか?」

 

「緊張なのかな?人の目とか気にして…………回りの音とか人の目とか気にしなければ歌えるんだけどね…………」

 

「もしかして私に対しての色々は私が音楽科だったらって思ってのこと?」

 

私がそう聞くとかのんちゃんは頷いた

 

「そっか……」

 

「何かごめんね。音楽科落ちてから色々と荒んでて……」

 

「しょうがないよ。誰だってそうなるよ」

 

「紗桜莉ちゃんは何で普通科に?」

 

「私?私は……やりたいことがあるから」

 

「やりたいこと?」

 

「うん、それは音楽科だと何だか縛られて嫌だし……私がやろうとしてることはもしかしたら認めてもらえないかもしれないから」

 

そもそも好きな人からしてみれば、批判的な意見が出るかもしれない

 

「それって……何?」

 

「入学式終わったら教える」

 

「それ、ずるくない?」

 

「ずるくないよ。ちゃんと話すから」

 

「まぁ待つよ」

 

私がやりたいことは入学式が終わってから、後は批判されるかもしれないことは……その内に……

 

「今日は色々とありがとうね。これからよろしく。かのんちゃん」

 

「うん、よろしく……そう言えば明日は時間ある?」

 

「明日?まぁ近くを見て回ろうとしてるけど……」

 

「それなら……案内する」

 

 

 




明日の三話タノシミダナー

感想待ってます!


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03 案内と貰ったもの

今回も短めです!


かのんちゃんに近くを案内してもらうことになったけど……

 

「はい、ここの公園で日向に当たると気持ちいいんだよ」

 

「そうなんだ。確かに自然も豊かだしね」

 

 

 

 

「ここの神社、人気がないから一人でボーとするのに打ってつけなんだよ」

 

「へ、へぇ」

 

 

 

 

 

 

 

「ここの喫茶店、静かでいいんだよ」

 

「いや、ちょっと待とうか」

 

いい加減ツッコミを入れたくなったよ。

 

「どうしたの?」

 

「あのさ、案内してくれるのはいいけど、何か色々と片寄ってない?」

 

なんというかお年寄りの人が行くような場所なんだけど…………

 

「もっとこう街とかの方で……」

 

「えっと……その……ね。なんというか人混みが苦手で」

 

「そうなの?」

 

「うん、何て言うか疲れちゃうんだよね」

 

人混みで疲れちゃうか。かのんちゃんのあの問題から来てるのかな?

 

「だからごめん!ちゃんと案内したいけど……」

 

「いいよ。無理にやらせたら悪いし……私は人が嫌がることはさせたくないし」

 

「紗桜莉ちゃん…………」

 

「まぁさせたくないだけだけどね」

 

「うん、それを言わなければ良かったよ…………お願いだから犯罪だけは起こさないでね」

 

「ひどいな~私は犯罪に手を染めたりはしないよ」

 

「……ピッキングは犯罪にならないのかな?」

 

かのんちゃんのぼやきを無視して、これからどうしたものか……特にやることない…………部屋の片付けも終わったし…………

 

「そう言えばやりたいことがあるんだよね?」

 

「うん、そうだよ」

 

「その紗桜莉ちゃんが憧れた人ってどんな人なの?」

 

「どんな人か…………」

 

会って話したことはないけど…………あくまで私の印象から言うとすれば…………

 

「天使みたいな人かな?」

 

「天使?」

 

「うん、あくまでそう思っただけなんだけど…………歌う姿は神秘的で…………白い翼が見えたかな?」

 

だから天使という訳じゃないんだろうけど……

 

「それに笑顔がすごい惹かれるの…………」

 

「そんな人が本当にいるの?」

 

「うん……でもその人はあんまり配信とかしないし、したとしても期間限定だから…………違法で動画をあげても直ぐに消されてるし…………」

 

「そんなに厳しいんだ……」

 

「厳しいんじゃなく……ただ正しいことをしてる感じかな?」

 

本当に私のイメージだけど…………でも本当にまた会いたい。ただ今度はスクールアイドルとして…………

 

「さて帰ろうか……」

 

「天使みたいな人か…………本当にどんな人なんだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

次の日が入学式ということで、私は早めに寝る。そんなときに見た夢は…………私だけじゃなく……かのんちゃんと一緒にあの人にあっている夢だった。あの人は……変わらない笑顔で私たちを出迎えてくれた…………

 

 

 

 

 

 

 

流石に夢だよね。あの人が前に見たときより変わってないって…………

 

夢から覚めて一人でため息をついた。

 

「明日から始まるんだ…………」

 

私にとって大きな一歩をようやく踏み出せる。困難はあるけど……それでも私は乗り越えていきたい…………

 

「それが私が貰ったものだから…………」

 

あの日、あの人から勇気をもらえた気がする。その勇気を生かさないと!




イマイチスーパースターの時系列が分かりませんが…………紗桜莉ちゃんの憧れの彼女は二十歳位かな?


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04 入学!

何か久しぶりに更新したような…………


かのんside

 

音楽科への試験で私は歌えなかった……それが春休み中ずっと頭の中にあって…………

 

「バーカ!歌えたら苦労しないっつうの!」

 

なんてやさぐれていたら……あれ?

 

「お姉ちゃん!もう!いるんだったら返事してよ!」

 

「あ~そう言えば紗桜莉ちゃんは?」

 

いつもなら自然に私の言葉にたいしてツッコミを入れるはずなのに…………今日は全然つっこみがない

 

「紗桜莉さん?先に学校に行ったよ。何か…………」

 

『ちょっと距離があっても声が聞こえる小型の機械を設置するために先に行くね』

 

「って言ってたけど」

 

………………先に行ったのか~何を設置しているのかは突っ込まない方がいいよね

 

「いってきま~す」

 

「おはようは?」

 

「おはよう」

 

「朝御飯いいの?」

 

「うん」

 

何か紗桜莉ちゃんがいないだけで前みたいに戻ったみたい…………なんて思ったり…………

 

「マンマルいってくるね」

 

看板コノハズクのマンマルに挨拶して、私は学校に行くのであった。行く間際にお母さんに制服似合ってるって言われたけど……似合ってなんかないよ

 

 

 

 

 

私はヘッドフォンをして、周りの音が聞こえないようにした。これなら……何も気にしなくて済む…………

 

それにしても紗桜莉ちゃん……とうちょ…………距離が離れていても声が聞こえる小型の機械を何のために設置しようとしてるのやら…………もしかしてヤバイことに?まさかね?

 

ふっと気がつくと中学の頃クラスメイトとばったり出くわした

 

「うわあああ!」

 

「かのんちゃん!」

 

「おはよ~。春休みあっという間だったね~」

 

「そう?私早く結ヶ丘に通いたくてずっとうずうずしてた~!」

 

「アハハハッ、やっぱり音楽科受かる子はすごいな~。それに制服も似合ってるぅ~」

 

はぁ……なんでこんなところで出くわすんだろう?と言うかあんまり会いたくなかった

 

「ありがと。かのんちゃんも」

 

「普通科の制服もかわいいよね」

 

「そ…そう?アハハハ…」

 

「あ、ごめんなさい!そういう意味で言ったわけじゃ…」

 

「いいのいいのいいの!しょうがないよ。もう気にしてないし。それに普通科の方が気楽だしね」

 

「まさかかのんちゃんが音楽科落ちちゃうなんて…。ずっとかのんちゃんの歌好きだったから…」

 

お願いだから……気を遣わないで……そっちの方がかなり辛い…………

私はたまたま見かけた子猫を理由にその場を離れるのであった

 

 

 

 

 

はぁこれだったら紗桜莉ちゃんと一緒にいけば良かったかな…………と言うか私はどんだけ紗桜莉ちゃんを信頼してるんだろう?

 

もう悩んでても仕方ない…………

私はヘッドフォンをつけ直して、歌いながら歩き出した。本当にこれならいくらでも歌えるのに…………

 

「ハァ…。何でもない時はいくらでも声が出るのに…」

 

ため息をついていると突然見知らぬ女の子が目の前に現れて……え?何?何語?と言うか顔が近い近い!?何かしら言ってごまかさないと…………

 

「ニーハオ!シェーシェー!ショーロンポー!サイチェーン!」

 

よし、このまま逃げ……って追ってくるし!?

 

「怖い怖い~!」

 

「待ってクダサ~イ!」

 

何とか車の影に隠れてやり過ごし…………

 

「留学生?もううっかり歌っちゃったばっかりに!」

 

「何やってんの?」

 

「うわぁっ!ちぃちゃん!?」

 

「うい~っす」

 

白い髪に両サイドにお団子の子…………幼馴染みの嵐 千砂都ちゃん。私はちいちゃんって呼んでる

 

「今向こうに変な子が…」

 

「誰もいないよ?」

 

「よかった…ちぃちゃん音楽科の制服かっこいいね!」

 

「えへへへ~」

 

「せっかく合格したんだから頑張らないとねダンス」

 

「うん。かのんちゃんも歌続けるんでしょ?」

 

「私?私は…」

 

どうしよう…………

 

「そう言えば居候の子は?会ってみたかったんだけど?」

 

「うーん、何か距離が離れていても声が聞こえる小型の機械を設置するために先に行ったみたいで……」

 

「それ、盗聴機って言わない?」

 

「…………うん」

 

「何か話聞く限りだと、すごい子なんだね」

 

すごいのベクトルは違うとは思うけど…………

 

とりあえずちぃちゃんと一緒に学校へと向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

「新しいこと始めるのもいいかなって。ほら受験前に言ったでしょ?合格しなかったら最後にするって諦めるって」

 

「でも私はかのんちゃんの歌聴いていたいけどな。ねぇ今日から私たこ焼き屋でバイトするんだ。よかったら遊びに来てよ!」

 

新しいことか…………ちぃちゃんと別れ、教室に入ると

 

「ふぅ~設置完了。あれ?かのんちゃん、遅かったね」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

何か朝だけで色々と合ったからすごい安心してしまう

 

「と言うか盗聴機設置してたの?」

 

「うん!まぁ設置だけだから使用するつもりはないけど」

 

「じゃあ何のために?」

 

「ここの防犯システムはどんな感じかなって」

 

「いや、知ってどうするのさ?」

 

「うーん、まぁ聞かない方がいいかな?」

 

怪しく笑ってるけど……本当に何をしたいんだろう?

 

「ほらほら、入学式始まるから行こう」

 

「う、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

体育館に入り、椅子に座り入学式が始まった

 

「このような形で第一回生を迎えることができたことを心よりうれしく思います。ご存じの方も多いと思いますがこの学校はもともとは神宮音楽学校でした。この地に根づく音楽の歴史を、特に音楽科の生徒は引き継ぎ大きく羽ばたいていってほしいと思います」

 

音楽か………………

 

 

 

 

 

教室に戻り、自己紹介をしていると今朝の子が…………同じクラスなの?

 

「平安名すみれです。よろしく」

 

「相花紗桜莉です。興味あることには全力です!」

 

興味があることが片寄ってるよって突っ込まない方がいいよね…………

 

「はじめまして。上海から来ました唐可可といいます。お母さんが日本人デス!ところで皆さんはスクールアイドルに興味ありませんか?可可は皆さんと一緒にスクールアイドルがしたいデス!」

 

「スクールアイドル!!」

 

紗桜莉ちゃんはすごい興味を…………そっかやりたいことって…………




見返したりしてると、かのんちゃんの心を抉りすぎでは?気のせい?
感想待ってます!


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05 ポニテとバチバチ

今回の話の前に……別に嫌いと言うわけで書いてませんが、今回の話は書いてて楽しかった


かのんside

 

HR終わった瞬間、急いで教室を出ていき隅の方で隠れた。すると……

 

「あれ?スバラシイコエノヒト?」

 

絶対にあれは私を誘う気満々だ。何とか見つからないように移動して…………

 

『スバラシイコエノヒト~!』

 

「あの子同じクラスか…大変そう…」

 

「そうかな?面白そうだよ」

 

「ひぃ!?紗桜莉ちゃん、いつのまに?」

 

「まぁ私の事は気にしない気にしない」

 

いや、気になるよ…………

 

「ほら、あそこに部活勧誘の張り紙あるよ」

 

「あ、うん」

 

二人で見てみると……

 

「え~っと…吹奏楽部にテニス部演劇部…」

 

「ピンと来ない?」

 

「うん……」

 

『皆さんはスクールアイドルに興味ありませんか?スクールアイドルに興味ありませんか~!?』

 

あれ?この声って……あの子だ…………何か看板持って……勧誘?

 

『可可は皆さんと一緒にスクールアイドルがしたいデス!一緒に始めてみませんか~?』

 

そう言いながら彼女は中に入ってきて……

 

「ひっ!」

 

「スバラシイコエノヒト~…」

 

また追いかけてきた!?私は急いでその場から逃げ出すのであった

 

「また逃げちゃった……はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

追いかけ回され、互いに疲れはてて…………

息を切らしていた。するとまた何か言いながら詰め寄られる私、

 

「何言ってるか分かんないよ~!」

 

「あっ。失礼しました。あまりに興奮してついいつもの言葉が…改めまして私 可可。唐可可といいます」

 

「澁谷かのんです…」

 

「相花紗桜莉です」

 

うん、私はつっこまない……いつのまにか私の隣にいたことに関して絶対に

 

「かのんさんの歌はすばらしいデス!なので可可とスクールアイドルを始めてみませんか~?」

 

「スクールアイドルって…学校でアイドルってやつでしょ?」

 

「スクールアイドルがやりたくて日本に来ました!かのんさんの歌はすばらしいデス!是非私と一緒にスクールアイドルを…」

 

スクールアイドル…………私なんかじゃ……

 

「ごめんね。やっぱり私は遠慮しておく」

 

「なぜデスカ?」

 

「こういうのやるタイプじゃないっていうか…」

 

「そんなことありません。スクールアイドルは誰だってなれマス。それにかのんさんかわいいデス」

 

「はっ!?」

 

「とってもかわいいデス」

 

「か、かわいくはないと思うけど…」

 

「歌がお好きなんでしょう?」

 

「嫌いじゃ…ないけど?」

 

「絶対好きデス!可可分かりマス!だからかのんさんと一緒に始めたい。そのすばらしい歌声を是非スクールアイドルに…」

 

「えっと……紗桜莉ちゃんは……」

 

「私?うーん、入るつもりだけど…………」

 

あれ?入るつもりなんだ?でも何か問題あるのかな?

 

「このチラシを配っているのはあなたですね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

何か黒髪ポニテの子がくぅちゃんのチラシを持ってやってきた。

 

「勝手にこんな勧誘を…。理事長の許可は取ったのですか?」

 

「あ…すみません。可可はただスクールアイドルを始めたいと思いまして」

 

「スクールアイドル…」

 

「いけませんでしたか?この学校は音楽に力を入れると聞きましたので可可はここに…」

 

「音楽に力を入れるからこそ勝手なことはやらないでほしいのです」

 

勝手なこと……ね……何言ってるの?この子は?

 

「ちょっといい?いきなりそんなこと言ったらかわいそうなんじゃないかな。海外から来たばかりなのに」

 

「あなたは?この生徒と関係があるのですか?」

 

「関係…まぁなくはないというか…」

 

「それならあなたにも言っておきます。この学校にとって音楽はとても大切なものです。生半可な気持ちで勝手に行動することは慎んで下さい」

 

「生半可かどうかなんて分からないでしょ!なんでスクールアイドルがダメかちゃんと説明してあげなよ!頭ごなしにダメだなんてかわいそうでしょ!」

 

かのんちゃんも負けじと言い返すけど、こういう相手は聞かなそうなんだよね

 

「ふさわしくないからです」

 

「ふさわしいって何?スクールアイドルのどこがふさわしくないっていうの?」

 

「少なくともこの学校にとっていいものとは言えない」

 

「どうしてそんなこと言い切れるの!?」

 

「あなたはどうなの?」

 

「え?」

 

「あなたもやりたいのですか?スクールアイドルを」

 

「私は…」

 

「とにかく今日は帰って下さい。音楽科の生徒の邪魔にならないよう」

 

そう言って去ろうとするポニテさん…………さて私も参加するかな?

 

「ねぇ、かのんちゃん、あの偉そうな子誰?」

 

「え?」

 

「何か自分はこの学校の生徒代表ですって言い方してけど、今日入学式なのになんであぁも偉そうなのかな?」

 

「貴方…………」

 

「もしかして、音楽科だからって、自分が一番偉いって思ってる痛い子?」

 

「………………喧嘩売ってるんですか?」

 

「あはは、売ってないですよ~買っているだけです」

 

「紗桜莉ちゃん…………」

 

「あ、あの……落ち着いてくだサイ」

 

「……先ほども言いましたが、音楽科の邪魔は…………」

 

「なるほど邪魔にならなければいいんですね。それと音楽科云々関係なければいいんですよね?それなら」

 

私は鞄からあるものを取り出そうとすると、間違えてちょっと重たいものを落した

 

「え?それってドラマとかでみる……」

 

「スタン…………」

 

「ビリビリペンだよ」

 

「…………それは校則い」

 

「えぇ~都会は怖いから護身用なんですけど~もしかしてこれで私が襲われたら貴方はどう責任とるんですか?ポニテさん」

 

「…………」

 

「まぁポニテさんも忙しいですからそろそろ戻った方がいいですよ。それとも…………まだ邪魔しますか?人に邪魔はするなと言っておいて、自分は邪魔していいのか?よく考えた方がいいですよ」

 

「…………わかりました……では」

 

私は軽く手を振ると……

 

「あの……紗桜莉ちゃん、怖すぎだよ」

 

「とは言え……何だか助かりました。ありがとうございます」

 

「いいよ。私もあの子にちょっとイラッてきたから…………こんな空気の中で申し訳ないけど……くぅちゃん」

 

「くぅちゃん!?」

 

「私はスクールアイドルやるつもりだよ」

 

「本当デスか!?」

 

「うん!でも……ソロとしてだけど」




マジで今回の話は書いてて楽しかった。全然話的には進んでないですが
本編二話辺りでもまた…………

因みに虹白主人公は正論を、こちらでは暴論+煽りを

感想待ってます!


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06 向き合って乗り越える

書いてて思った。可可ちゃんの口調は文字にするとちょっと違和感が感じる


「ソロアイドル……デスカ」

 

「うん、くぅちゃんはグループでやりたい感じだよね?」

 

「はい、ですがスクールアイドルは自由ですから無理にグループでやりましょうとは言いません。紗桜莉さん、共に頑張りましょう!」

 

「うん」

 

ソロでやることでもめるかと思ったけど、特に問題なく進めて良かった。

 

「それでね。くぅちゃんのパートナーだけどかのんちゃんでどうかな?」

 

「いやいやいや、私じゃ……」

 

「駄目デスカ?」

 

「私ね 音楽科の受験落ちたんだ。大好きなんだけどね。きっと才能ないんだよ。だからもう歌はおしまい」

 

かのんちゃんはそう言って、私たちのところから離れようとした。やっぱり……無理か…………

 

「かのんさ~ん!」

 

「ん?」

 

「おしまいなんてあるんデスカ!?」

 

「え?」

 

「好きなことを頑張ることにおしまいなんてあるんデスカ!?」

 

くぅちゃん……そうだよね。おしまいなんてないよね

 

私とくぅちゃんは顔を見合わせて、お互いにかのんちゃんを説得しようと思うのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

くぅちゃんを連れて、澁谷家の喫茶店で話し合うことに

 

「お待たせしました~」

 

「わぁ…!コ・コ・ア…!」

 

くぅちゃんはひと口ココアを飲むと……

 

「ああ…チョコわたるしみ…」

 

「逆……」

 

うん、逆だよね~

 

「いいからあっち行ってて」

 

「はーい」

 

改めて話し合いを進めることになり、

 

「あのねやっぱり私はアイドルには向いてないと思うんだ」

 

「そんなことないデス。スクールアイドルは誰だってなれマス」

 

「アイドル!?」

 

「あんたが!?」

 

「うるさいな!話聞かないで!」

 

何と言うか変に反対されている感じではないのかな?

 

「かのんさんの歌声はすばらしいデス。朝出会った時この人だ~!って思いました」

 

「私を見たら分かるでしょ?アイドルって柄じゃないんだから」

 

「そんなことないデス!かのんさんはすっごくかわいいデス!」

 

「かわいい!?」

 

「お姉ちゃんが!?」

 

「も~!聞かないでって言ってるでしょ!」

 

いやいや、かわいいでしょ。かのんちゃんは……

 

「ひとつ聞いてもいい?」

 

「ん?」

 

かのんちゃんが話し出そうとしたけど、ここだと色々と話すのはまずいと思い、かのんちゃんは自分の部屋に私たちを招き……

 

「歌わない?」

 

「ほらバンドとかだとボーカルの人以外歌わなかったりすることがあるでしょ?あれみたいに…」

 

「そういうグループもなくはないですが…。かのんさんは歌いたくないのデスカ?」

 

「歌いたくないというか…歌えない?」

 

「歌ってましたよ?すばらしい声で」

 

「あれはああいうところでなら大丈夫というか…」

 

「私さ いざって時になると歌えないの。声が出なくなっちゃって」

 

「そんな…」

 

「最初は小学生の時でね…」

 

かのんちゃんは小学生の頃に、緊張と不安で歌えなくなり、そのまま倒れてしまったことがあったらしい。

それは中学校の時も、受験の時も…………

 

「歌が好きなのに?」

 

「好きなのにね」

 

「…………」

 

何だかこのまま無理強いさせるのはいけないよね。

私はソッと立ちあがり、自分の部屋に戻るのであった

 

 

 

 

 

 

 

「かのんちゃん……」

 

何とかしようとか、そう言うことを声をかけるべきじゃない。かけても乗り越えるのはかのんちゃん本人なんだ。

かのんちゃんはまだその気持ちが…………

 

「……私も欠点があるよ……なんて言っても駄目だよね」

 

私はそっと左足を擦った。この事は今は話すべきじゃない……

 

 

 

 

 

 

暫くして、かのんちゃんがたこ焼きを持って私の部屋にやって来た

 

「どうしたの?たこ焼き?」

 

「ちぃちゃんの所に行ってきたの」

 

「そう言えばバイトしてるんだっけ?」

 

「うん、それにね。紗桜莉ちゃんの事が気になって」

 

「?」

 

「ほら、途中で出ていったから……」

 

「あー、あれはまぁ気にしないでいいよ。私なりにちょっとね」

 

「話せないこと?」

 

「今はね……」

 

本当に……今は話せないよ

 

「あの後、メンバー集めを手伝うことにしたの」

 

「そっか」

 

「あとね、あの葉月って子、学校を設立した人の娘なんだって」

 

「葉月?誰だっけ?」

 

「いや、昼間揉めたじゃん」

 

「あーポニテさんね」

 

名前とか覚える気にならなかったから

 

「……はぁ、とりあえず明日は私と一緒に勧誘してこよう」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、かのんちゃんと一緒にいろんな子に声をかけたけど……みんなに断られてしまった。

 

「そうデスカ…私もダメでした…」

 

「でもまだ他のクラス回れてないし音楽科にも興味持ってくれる子がいるかもしれない」

 

「ですが…」

 

「ん?」

 

「いえ……」

 

くぅちゃんは諦めてないのかな?

 

「もう少し頑張ろう……ほら、ちょうどあそこに」

 

渡り廊下を歩く一人の生徒。確か同じクラスの子だよね?

かのんちゃんは早速声をかけに行き

 

「あの!」

 

「何でしょう?」

 

「お…同じクラスの平安名すみれちゃんだよね?突然なんだけどスクールアイドルに興味あったりしない?もしよかったら…」

 

「私を誰だと思ってるの!?」

 

「ひぃ~!」

 

あ、何か駄目だったみたい。とりあえず続けて行くしかないか……

 

 

 

 

 

 

 

 

いつの間にか夕方になり、成果はなかった。途中ポニテさんの足止めをしたりしたけど……

 

「明日は他のクラスも回ってみよう?きっと何人かは興味持ってくれるよ」

 

「かのんさん…」

 

「途中まで道一緒でしょ?行こ」

 

「かのんさん!」

 

「やっぱり…やっぱりやってみませんか?スクールアイドル」

 

「え?」

 

「迷惑かと思って言うかどうか迷っていたのデスガ…可可どうしても…どうしてもかのんさんと一緒にスクールアイドルがしたい!」

 

「だからそれは…昨日言ったでしょ。私歌えないから。一緒に歌えないんじゃいるだけ迷惑になっちゃうよ」

 

「かのんさんは歌が好きデス!歌が好きな人を心から応援してくれマス!可可はそんな人とスクールアイドルをしたい!」

 

「無理だよ」

 

「お願いシマス!」

 

「無理だって…」

 

「そんなことありません!」

 

「そんなことあるよ!」

 

くぅちゃんがかのんちゃんの手を握りながら必死に説得するが、かのんちゃんは払いのけてしまい、持っていたチラシが地面にばらまかれた

 

「ご…ごめん…」

 

私はそっとチラシを拾い始めた。今は見守るべき……だよね?

 

「がっかりするんだよ。いざって時に歌えないと。周りのみんなもがっかりさせちゃうし何より自分にがっかりする!そういうのもう嫌なの!」

 

「応援シマス。かのんさんが歌えるようになるまで諦めないって約束シマス!だから試してくれませんか?可可ともう一度だけ始めてくれませんか?」

 

かのんちゃんは何も言わずに……私たちに背を向けた…………見守るべき……見守るべきじゃないよね

 

「本当に……これでいいの?今するべきことは逃げることじゃない!向き合うときだよ!」

 

「紗桜莉さん……」

 

届いたかは分からないけど…………届いてほしい……

そんなとき、白い羽がかのんちゃんの所に…………

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

(いいの?私の歌を大好きって言ってくれる人がいて、一緒に歌いたいって言ってくれる人がいて、向き合ってほしいって言ってくれる人がいて、なのに本当にいいの?)

 

「本当にこのままでいいの?」

 

私はこのままだと駄目だ……私は二人のところへと戻り……

 

「かのんさん…」

 

「かのんちゃん……」

 

小さな頃からずっと思っていた。私は歌が好き。ずっと歌っていたい。歌っていれば遠い空をどこまでも飛んでいける

暗い悩みもすさんだ気持ちも全部力に変えて前向きになれる

いつだって歌っていたい

 

「やっぱり私……歌が好きだ!」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

私とくぅちゃんは見とれていた。あれだけ歌えないと言っていたかのんちゃんが歌い始めた。そっか乗り越えたんだね……

 

「私……歌えた!?」

 

ここから始まるんだね。私たちは…………




これにて本編1話終わり、次回二話に突入します!

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07 この二人、仲悪すぎ byかのん

タイトル通り察してください。

個人的には書いてて楽しい…………(別に嫌いというわけではないですからね)


かのんちゃんが歌えるようになったからか、その日の朝……かのんちゃんの部屋から歌声が聞こえてきたけど…………

 

『カフェオレ 焼きりんご~♪大好きさルールールルー♪トマトも食べたい~♪ハンバーグもいい~♪ふぅ~!』

 

「何?」

 

「私が聞きたいわよ。紗桜莉ちゃん、なにか知らない?」

 

「なんと言いますか……嬉しさのあまりというべきですね」

 

まさかあそこまで上機嫌になるとは……それほど嬉しかった証拠なんだよね

 

「おっはよ~!」

 

するとテンションアゲアゲで下りてきたかのんちゃん。うん、ここに来てからこんなかのんちゃんを見るのは初めてだよ

 

「おっ!今日から2年生だね?」

 

本当にテンションが……

 

「いっただきまーす!」

 

うん、テンションが……

 

「まんまる、行ってくるね!紗桜莉ちゃん!行くよ!」

 

テンションが凄すぎて、ちょっと押されぎみなんだけど…………まぁ仕方ないよね

 

 

 

 

 

 

早速スクールアイドル活動を始めようとするが、申請書を出しに行ったくぅちゃんは落ち込んでいた

 

「ああ~…ダメだったですぅ~…」

 

「何?どうしたの?」

 

「くぅちゃん、申請書を出しにいってくれる話だったけど……」

 

「そうなの!?」

 

「はい……スクールアイドルはやはりこの学校には必要ないと葉月さんが…」

 

葉月?あーポニテさん

 

「あの怖い子…」

 

「聞いたところ部活に関しては暫定的にあの人を中心とした生徒会が管理するという話になっているみたいでして。そこに受理されないと…」

 

「私に任せて!」

 

お、かのんちゃ、ノリノリだ…それならここは任せてもいいよね?

 

 

 

 

 

 

早速ポニテさんに会いに行く私たち。かのんちゃんは申請書を受けとるように言うけど……

 

「答えは同じです」

 

「どうして?」

 

「同じ説明を2度したくないのですが」

 

そうだね。同じことを説明するのは面倒だよね

 

「分かんないよ!だって部活だよ?生徒が集まってやりたいことをやって何がいけないの!?」

 

「スクールアイドルにも音楽と言える要素があります」

 

「それが?」

 

「分からないのですか?音楽科があるこの結ヶ丘は少なくとも音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまいます」

 

「つまりレベルの高いものでないとダメってこと?」

 

「それなら大丈夫デス!可可とかのんさんなら…」

 

「本当にそう言えますか?スクールアイドルは今や多くの学校で活動が行われています。その状況の中であなたたちがこの結ヶ丘の代表として恥ずかしくない成績をあげられますか?」

 

「やってもないのにそこまで…」

 

「もう一度言います。音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまうのです。音楽活動に関しては他校に劣るわけにはいかない」

 

うんうん、言ってることは多分間違ってないけど…でもどうしてかな?

本当に気になるな~

 

「どうしてもやりたいのであれば他の学校に行くことですね」

 

「そんな…」

 

「黙って聞いていたけど、気になることがあるから言っていいかな?」

 

「何ですか?相花さん」

 

「学校の価値とか言ってるけど、ポニテさんは何様なのかなって」

 

「「あ……」」

 

何かしまったって感じの声が二人から聞こえたけど、気にしない気にしない

 

「何様?私は……」

 

「あー、天下の生徒会長さま(仮)でしたよね」

 

「仮とはなんですか?生徒会は厳選な…………」

 

「厳選ね~音楽科の子達の票を集めたの?それとも設立者の娘だから…………出来レース?」

 

私がそう言った瞬間、胸ぐらを掴んでくるポニテさん。へー意外だ

 

「その出鱈目しか言えない口を塞ぎなさい!」

 

「出鱈目?違うよ。想像で言ってるけど…………まさか怒るって言うことは…………図星?」

 

「つぅ!?」

 

腕をあげるが、それ以上は動かなかった。まぁ仕方ないか

 

「それにやってもないのにグダグダ出鱈目を並べたのあなたですよね?やってダメだったから言われるならまだしも、やってもないのに学校の価値が下がるとか…………よく言えるね」

 

「それは…………」

 

「ま、まぁ……紗桜莉ちゃん……落ち着いて」

 

「学校の価値が下がる心配なら……貴方もスクールアイドルやってみたら?」

 

「「「はぁ?」」」

 

私の言葉を聞いて驚く三人。いや、そりゃそうでしょ

 

「あれだけで偉そうな事を言ったんだから…………さぞや素晴らしいパフォーマンス出来るよね?それとも……口だけなのかな?生徒会長は…………」

 

「貴方は…………!!」

 

掴んでいた手が離れ、悔しそうにしている生徒会長。さて、後は……

 

「他の学校へ行くことを進めるというのは……酷い事を言っている自覚がありますか?生徒会長」

 

そう言い放ち、私たちはその場から去るのであった。

何となくだけど……あの子は…………嫌っている訳じゃなく、色々と縛られているのかな?

 

「何でこの二人……仲悪いのかな?」

 

 

 

 

 

 

放課後、かのんちゃんの家に集まった私たち。くぅちゃんは一枚の紙を見せながら…………

 

「あのこんちくしょ~許すまじ…!」

 

何か退学届けを持ちながらそんなことを言っていた。




因みに紗桜莉のメンバーの呼び名は、かのんはちゃん付け

可可はくぅちゃん

後三人は……どうしよう?

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08 喫茶店で作戦会議

ついに紗桜莉ちゃんとちぃちゃんが


「かのんさんも紗桜莉さんも書いてクダサイ!」

 

「これは…」

 

「退学届デス!」

 

まさかくぅちゃんの行きましょうは別の学校に行きましょうなんて…………

 

「退学!?」

 

「2日目にして!?」

 

「そりゃこうなるよ!」

 

うん、これが当たり前の反応だよね

 

「こんな学校にいてもしょうがありません。2人で別の学校に行ってスクールアイドルを始めましょう」

 

「いやいや無理でしょ…」

 

「大丈夫。編入試験で他の学校に行くこともできマス」

 

「お二人の家はどこら辺デスカ?」

 

「ここです」

 

「ここが居候先です」

 

「そうでした。ではここら辺の学校で…」

 

「待って待って!気持ちは分かるけどさすがにそれは親も許してくれないよ…」

 

「お姉ちゃん…」

 

「学校やめたいの?」

 

「やめない!大丈夫!」

 

まぁ心配されてるし、流石にそれはね。私も現状そうなったらどうにもできなそうだし

 

「ああ~!どうしてこうなるデスカ~?」

 

「ごめんね。私に任せてなんて言っておきながら…結局紗桜莉ちゃんにやな役目をやらせちゃったし……」

 

「違いマス!かのんさんは優しいデス。とっても優しい!この学校に来なければかのんさんとも出会えていませんでした!だからどうしても私はかのんさんと紗桜莉さんとスクールアイドルを始めたい!」

 

「それにやな役回りって、私が望んでやってることだし、気にしなくていいよ」

 

「紗桜莉ちゃん……可可ちゃん、ありがとう」

 

「こちらこそデス」

 

まぁ私はどうにもあのポニテさんが気になるけど……何を隠してるんだろう?

 

「ですがスクールアイドルのことをよく思わない人は結構います。可可の周りにもばかにして鼻で笑うような人もいて…でも可可はスクールアイドルはとっても素晴らしいものだと思ってマス」

 

「私も!」

 

「ほんとデスカ!?」

 

「可可ちゃんが夢中になるのも分かる。まだちゃんと知ってるわけじゃないからハッキリとは言えないけど…どうにかスクールアイドルを部にできないか私も頑張るよ!」

 

とりあえず今は認めさせるしかないね。私もあの人に会うために…………

 

 

 

 

 

 

 

それからくぅちゃんがどうにかできる方法を考えるといい、帰っていく。私はお店の前でも掃除してようかなと思い、箒をもって外に出ると何か歌が聞こえた

 

「ドゥンドゥンジャン!ドゥンドゥドゥンYO!ワタシマンマルスキスゴクスキ!マンゲツスキSo!マルガスキ!」

 

歌と言うよりラップ?

 

「あ、紗桜莉ちゃんだ」

 

「えっと、千砂都ちゃんだっけ?」

 

「そうだよ~聞いてたけど居候してるんだよね」

 

「うん、かのんちゃんなら中にいるよ」

 

「そっか、あ、そうだ。せっかく会ったんだから友達になろうよ」

 

いや、本当に色々と飛ばしてない?気のせいかな?

 

「うん、じゃあ……ちーちゃんで」

 

「うん、よろしくね」

 

ちーちゃんの話ではかのんちゃんに頼まれたことがあるらしく、それを伝えるために来たとか……私もいた方がいいかなと思い、一緒にお店に戻ると

 

「うぃっす~」

 

ちーちゃんは入ってやり始めたのは……

 

「マンマル~!ふわぁ~…君はやっぱり完璧な丸だねぇ…」

 

「丸が好きなの?」

 

「うん!」

 

何かこれだけでちーちゃんの事が知れたかもしれない

 

「どう?恋って子の弱点見つかった?」

 

「も~!来たばっかなのに!」

 

「何でもいいんだよ?恋って子が敵対してるグループとか実はお化けが大の苦手だとか!とにかく私たちが有利になるあの子の弱点を…」

 

「う~ん、弱点はひと言で言うと…」

 

「弱点は…」

 

「ないYO!」

 

「うぅ…」

 

まぁあぁいう子は隠すのがうまそうだよね

 

「音楽科の子にいろいろ聞いてみたんだけどね。頭もいいし、運動神経もいいし、リーダーシップもあるし、むしろ頼りにしている子も多いみたい。それに理事長は彼女のお母さん葉月花さんと知り合いらしいし、だからあの子がダメって言うことをひっくり返すのは相当難しいんじゃない?」

 

完璧ね……そういう風に思われている人ほど、崩れやすいかもしれないね。

 

「あのね、一旦他の部を作るか入ってみてそこで歌うのはダメ?」

 

「他の部で?」

 

「うん。他の部で怒られずに活動を続けてチャンスが来たらスクールアイドルも始めるとか…」

 

「それじゃダメ!」

 

「何で!?」

 

「この状況を許したらあの学校は全部葉月さんが好きにできるってことになる。それはダメ!」

 

「って言ったってスクールアイドル部は認めてもらえなかったんでしょ?」

 

「だったら別の方法を考える。可可ちゃんが困ってる」

 

「そうかもしれないけど…」

 

「そもそもそんな理由で他の部に行ったらその部に失礼だし、それに私、本気でちょっとスクールアイドルに興味があるの」

 

かのんちゃんらしいね……

 

「かのんちゃん……あ、ちなみに敵対してるって噂の子がいるよ」

 

「誰?」

 

「紗桜莉ちゃん」

 

あー確かにこれは言われても仕方ないね。うんうん




完璧なほど綻びが見つけやすい。個人的な持論です

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09 訴えることは大切

スクールアイドルを認めさせる方法を思いついたとくぅちゃんからメッセージをもらった。普通なら私も協力するべきなのだろうけど……

 

「我々に自由を!自由に部活動ができないなんて間違ってマス!部活動は常に皆に平等であるべきデス!そう思いますよね?さぁ皆さん!共に闘おうではありませんか!我々は若い!何だってできるんデス!」

 

何だろう?私はこの時ばかり他人でいたいと思い、二人のことを遠くから見ていた。いや、これは仕方ない。山車みたいなものに乗ったくぅちゃんが演説をし、それを引くかのんちゃん。

 

うん、関わりたくない……

 

「こういうことじゃないと思う…」

 

「かのんさん!私の作戦うまくいってますよね?」

 

「そだね~…」

 

「さぁ!紗桜理さんも!」

 

あー巻き込まれた……

 

「かのんちゃん!?」

 

「何してるの?」

 

「一応署名運動。自由に好きな部を設立できた方がいいよね…?」

 

「まぁ…」

 

「じゃあ署名して~」

 

「まずいよ!葉月さんにバレちゃったらどうするの!?」

 

「やるにしてももう少しこっそりやんないと…」

 

「へたすると音楽科に目をつけられちゃうよ!?」

 

クラスメイトの子が心配してくれているけど、まぁ間違ったことはしてない。

 

「別に間違ったことをやっているわけじゃ…」

 

「かのんちゃ~ん!」

 

するとちーちゃんがこっちに向かって走ってくる。どうしたんだろう?

 

「ちぃちゃん…」

 

「かのんさんのお友達デスカ?」

 

あぁくぅちゃんは初対面だっけ?というかあんなに慌ててどうしたんだろう?

 

「理事長が…理事長がぁ~!」

 

まさかの呼び出しって……こんなことある?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室に呼び出された私たち。そして理事長室にはポニテさんもいた。かのんちゃんがこうなったことを説明した。

 

「それで署名活動をしていたわけね?」

 

「はい。やりたいことがあるのに自由にできないのはおかしいと思いまして」

 

「葉月さん、設立の許可を出さなかったのは事実なの?」

 

「部活の自由を阻害したつもりはありません」

 

「しました!」

 

「スクールアイドルだけです」

 

「だからなんでそれだけダメだって言うのデス!?」

 

「理由は言ったはずです」

 

わー真っ当な意見言っているように思えて、全然自分の都合で動いてるように思えるよ。というか横目で私を見てるかのんちゃんとくぅちゃん……仕方ない。

私はポケットの中からあるものを取り出し、落とした。すると……

 

『本当にそう言えますか?スクールアイドルは今や多くの学校で活動が行われています。その状況の中であなたたちがこの結ヶ丘の代表として恥ずかしくない成績をあげられますか?音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまうのです。音楽活動に関しては他校に劣るわけにはいかない。どうしてもやりたいのであれば他の学校に行くことですね』

 

落とした拍子にうっかり再生ボタンが流れちゃった。いやーうっかりしてたな~ボイスレコーダー落とすなんて

 

「…………」

 

しばらく理事長室に沈黙が流れ………

 

「葉月さん、これは?」

 

「身に覚えが……」

 

「あ、声紋でしたら知り合いに鑑定してもらいますか?理事長」

 

「貴方は……」

 

「あれ?違うならしっかり鑑定してもらわないとだめじゃないですか。ねぇぽに……生徒会長(仮)さん」

 

「あなたはどこまで喧嘩を……」

 

「葉月さん、落ち着きなさい。貴方が一般生徒に対して退学を進めたことについては改めて話を聞くとしますが、あなた方のは話は分かりました。気持ちは分かりますが普通科の生徒がレベルがどうあれ音楽に興味を持つのを止める権限はありません」

 

「ですが母は…」

 

「お母さんはここでは関係ありません。分かりましたか?」

 

「はい…」

 

「本学の方針に沿ってスクールアイドルの活動を禁止はしませんただし葉月さんの言うとおり音楽はこの学校の大きな誇りです。課題を出します」

 

課題ね。まぁここまで話が進めたならいいかもしれない。

 

「澁谷さん、唐さんのお二人でヨヨギスクールアイドルフェスで一位を……取ってください」

 

「え?」

 

「あの、紗桜理さんは……」

 

「相花さんは怪我のことを考慮して今回は裏方に回ってください」

 

「怪我って……」

 

「え?」

 

かのんちゃんたち二人が私のことを見ている。後で後で話そうとしていたけど……

 

「もしかして話してなかったのですか?」

 

「はい、正直話そうと思っていましたが……このまま話さなくてもいいかと思っていました」

 

「そうですか……」

 

何とも言えない空気の中で私たちは理事長室を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中庭で私は二人に自分のことを話した

 

中学生のころ、事故にあい……大きなけがをしてしまった。今は普通に生活する分には困らないけど……激しい動きとかは出来ない

 

はっきりいって今の私には何の価値もない……そんなことを思っていた時に……あの人に会った。

 

「そうだったんだ……」

 

「知りませんデシタ」

 

「そんな顔をしないで……話す機会がなかったから……ただ私がソロにこだわるのは……グループのシンクロを見せられないからっていう気持ちがあるから……」

 

「シンクロ……」

 

「わかりマス。動きがシンクロした瞬間がどれ程すごいかを」

 

「ダンスとかできない……多分だけどスクールアイドルとしては邪道なのかもしれないけど……私は躍らずに……歌だけでスクールアイドルをしたい」

 

 

 




明かされた紗桜莉の秘密。次回もお楽しみに

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10 一位を目指すために

6話…えぇ話だった


ちーちゃんを呼んで、理事長室での出来事を話した

 

「1位!?」

 

「はい。この近くのスクールアイドルが集まって行われるフェスで」

 

「それがヨヨギスクールアイドルフェス?」

 

「その大会に出て1位になれば活動を許可するって」

 

「うわ~、いきなりのステージで1位だなんて…ドンマイ!」

 

「「まだ終わってない!」」

 

「ごめんごめん。それと……紗桜莉ちゃんは……怪我のこと」

 

「あー気にしないで……私としても落ち込んでた時があるけど、今は大丈夫だから」

 

「そっか、じゃあ私も気にしないね」

 

「うん、ありがとう」

 

本当にみんな優しいな……さてこれからの問題としては……

 

「でどうするの?」

 

「それでね私と可可ちゃんで曲を作って練習しようって話してたんだけど、私たち振り付けとかダンスとか全然だし最近スクールアイドルのレベルってすごく高いらしくて…」

 

「もしよかったら…」

 

「ちぃちゃんにダンスを教われたらと!」

 

「千砂都さんにダンスを教われたらと!」

 

「私?」

 

「お願い!」

 

「しょうがないなあ。ちぃちゃんの授業料は高いよ?」

 

「「いいの!」」

 

「うん!私でよかったら喜んで!」

 

ちーちゃんの協力も得られたし、私も今回はサポートに回ろう

 

「これでダンスは百人力だね!ちぃちゃんのダンスは小学生の時から評判だったんだ!」

 

「よかったら千砂都さんもスクールアイドル一緒にやりませんか?」

 

「私!?」

 

「はい!是非!」

 

「可可ちゃんそれは無理」

 

「え?」

 

「ちぃちゃんは音楽科。これ以上無茶は言えないよ」

 

「そうデスカ…」

 

うーん、気を使ってるのはわかるけど、何というかちーちゃんの表情を見ると……寂しそうというかやりたそうにしているというか……まぁ私の気のせいだよね

 

それからちーちゃんコーチによる練習が始まったけど……

 

「今日はこのぐらいにしておいてやるデス…」

 

くぅちゃん、まさかの体力なしだったの……

 

「ぐ…ぐるちぃ…」

 

「まさかの…」

 

「体力ゼロ!」

 

「どうしよう……私より足が遅い子がいるなんて……」

 

「紗桜莉ちゃん、それは言っちゃだめだよ」

 

「というか何か嬉しそうだし……」

 

いや、だってつい……

 

いったん休憩に入りつつ、くぅちゃんから話を聞くことに……

 

「も~全然ダメじゃん!なんでそれでアイドルやろうと思ったの!?」

 

「気持ちデス!スクールアイドルに一番大切なものは気持ちですので!」

 

「なるほど…」

 

「ちなみにリズムゲームでは完璧なダンスコンボを繰り出せマスヨ~ア、ソレ!シャンシャンシャン!」

 

「それは意味ない」

 

「でもリズム感はあるってことだね」

 

「ポジティブ!」

 

「シャン!シャン!シャン!」

 

「でもちょっとしか時間ないんだよ?」

 

「ぐっ!」

 

「あっという間だよ?」

 

ちーちゃんに怒られながら、練習再開するのであった。

 

それから練習が進んでいき、今日の分が終わるとかのんちゃんがあることを思い出した

 

「そうだ。曲作りも始めないと」

 

「そっか。それもこれからだもんね」

 

「流石にいまから一からだとね」

 

「ありマス…」

 

「ん?」

 

「一応…書きためた歌詞がありマス…」

 

くぅちゃんが倒れながらも歌詞を書き溜めたノートを見せてくれた。

 

「一部中国語ですが…」

 

「わぁ!」

 

「すご~い!」

 

「うわ~素敵!私これすごくいいと思う!」

 

確かにこれは凄い……本当にスクールアイドルをやりたいっていう気持ちが伝わる

 

「本当デスカ!?」

 

「うん!可可ちゃんからもらった言葉大事にして曲を作ってみるね!」

 

その日からかのんちゃんは家に帰ってから曲作りを始めた。中国語のところはお父さんの辞書を使って訳しているみたいだった。

 

「頑張ってるな~」

 

私も今回はサポートに回るんだからいろいろと頑張らないとね




今回はここまで!

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11 あきらめない気持ち

今回で本編二話終了!


フェスに向けての練習が続いた

 

「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…ハァ~!」

 

くぅちゃんも何とかランニングとかには付いていってる

 

「ぐ…ぐるちぃ…」

 

「偉い偉い!」

 

「よく頑張ったね!」

 

「パタリ…」

 

「よし!紗桜莉ちゃん!」

 

「よし来た!」

 

倒れ込むくぅちゃんの上に跨がり、足を揉み解す

 

「んんんん……紗桜莉さん、くすぐったいデス」

 

「はいはい、我慢我慢」

 

「紗桜莉ちゃん、何でも出来るね」

 

「色々と出来ることを増やしてるからね」

 

「まぁそれでちょっと危ないのも出来るのは……」

 

ちーちゃんが苦笑いをしてるけど、気にしない気にしない

 

それから練習を続けて行ったり、かのんちゃんは帰ってから作曲をしたり……本当に準備することが多い。そんなある日の昼休み

 

「すごいところで寝てるね」

 

「ちぃちゃんのメニュー毎日こなしてるから…」

 

「まぁ体力がない分、何とか休息はとらないとね」

 

「こんなんで授業大丈夫なの?」

 

「ああ、それは全然」

 

うん、くぅちゃんのあれは私も凄いと思った。何せ授業中に寝てるのにも関わらず、指名されたら……

 

『じゃあこの問題を…唐可可さん』

 

『X²+2X+5デス!』

 

『正解です』

 

『おやすみなさぁ~い』

 

って感じで、何か凄いものを授業中に見た気がする。

 

「運動以外は完璧なんだよね」

 

「普通は出来ないよね…………」

 

「そうだ、昨日少し曲作ってみたんだ」

 

「さすがかのんちゃん!」

 

「かのんちゃん、遅くまで頑張ってたもんね」

 

「可可ちゃんの言葉が素敵だったからきっとこんな歌にしたいんじゃないかなって思って作ってみたの。まだ完成してないんだけど」

 

ちーちゃんと二人で聞くと……これは本当にいい曲……

 

「すっごくいい!」

 

「ほんと!?」

 

「いいよ!可可ちゃんの気持ちが伝わってくるしかのんちゃんっぽさもちゃんとある!」

 

「嬉しい!じゃあもう少し頑張ってこの曲を完成させるから振り付け考え始めてもらってもいい?」

 

「OK!」

 

「でも2人の実力には合わせないよ?1位取らなきゃだもんね。覚悟できてる?」

 

「が……頑張る!」

 

「頑張りマス!」

 

あ、起きてたんだ

 

「起きてたんだ…」

 

「気合いデス!」

 

「それじゃ二人が疲れを残さないように……ちょっと行ってくるね!」

 

「何処に?」

 

私はある場所へと向かい…………

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になって、三人のところへと戻ると、

 

「お疲れみたいだね」

 

「あーうん」

 

「一応聞くけど、それ……何?」

 

かのんちゃんとくぅちゃんの二人は私が持ってきたものを見て苦笑いをしていた。

 

「生徒会からごう……拝借してきた椅子を改良したマッサージチェア!」

 

「いやいやいや、まずくないの?」

 

「大丈夫!適当に言って誤魔化してきたから」

 

「あの、葉月さんがこっち見てるデス」

 

「あれは怒ってるね~」

 

「あぁ、大丈夫。試運転するからって言っておいたから」

 

((一体どう言いくるめたんだろう?))

 

早速二人に使ってもらうのであった。え?元に戻したか?戻さなくても問題ないよね

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日の早朝、物音が聞こえて、起きるとかのんちゃんがランニングしに行くのが見えた。ちょっと気になった私は追いかけていくと、歩道橋の所でかのんちゃんとくぅちゃんが何か話していた

 

「私ね音楽科の受験に失敗した時に何もかも終わったって思った。卒業式があって春休みがあって高校の入学式があってもずっと終わったって思ってた。このまま終わりが続くんだなって思ってた。でも…やっと始まった!次の私が…始まった!」

 

二人を照らすように朝日が昇り始めた

 

「きれいデスネ」

 

「うん……そうだ、さっき曲完成したんだ」

 

「わぁ!聴きたいデス!」

 

「人がいるからここじゃ恥ずかしいよ。後でデータ送るね」

 

「歌ってくれませんか?」

 

「えっ?」

 

「ここで歌ってくれませんか?可可かのんさんの歌っているところが見たい。かのんさんの歌が聴きたいデス!」

 

「可可ちゃん…歌えるかな……」

 

「響かせましょう!この街にかのんさんの素晴らしい歌声を!」

 

くぅちゃんの一言で……かのんちゃんは歌おうとする

 




おまけ

紗桜莉「葉月さん、連日の疲れが溜まってるからマッサージチェアをプレゼントしたいの」

生徒A「そうなんですね!」

生徒B「私たちから伝えますね」




恋「生徒会長の椅子がないのですが…………」

生徒A「相花さんが持っていきました!」

恋「あの人に持っていかせちゃ…………」



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12 克服しよう

恋ちゃんの台詞の所々をこうしてみると、なるほどと思ってしまうけど、紗桜莉との言い争いは続けます


かのんちゃんが歌おうとするが……何故か中々歌えないでいた

 

「あっ…」

 

「かのんさん?」

 

「ご、ごめん。ちょっとびっくりしただけ。歌うよ!」

 

もう一度試そうとするけど、やっぱり歌えないみたいだ。なんだろう?克服したんじゃなかったのか?

 

「かのんちゃん、大丈夫?」

 

「うわっ!?紗桜莉ちゃん、いつの間に!?」

 

「いつからいたのデスカ?」

 

「私が何時からいたのかはそこら辺に置いといて、そろそろ帰ろうか」

 

「う、うん」

 

「ではお二人とも学校で」

 

くぅちゃんと別れて、家に帰る私たちであった。

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりダメ!?」

 

「うん…」

 

歌えなかったことを妹ちゃんに話すかのんちゃん。

 

「今まで大事な時以外は歌えてたのに…」

 

「朝だし人も少なかったから大丈夫だと思ったんだけど…」

 

「余計悪くなっちゃったのかなぁ」

 

「かもしれない…フェスで一位とらなきゃいけないのに……」

 

「お姉ちゃん……」

 

「紗桜莉ちゃん、いい方法ない?」

 

「うーん、難しいね。無理矢理どうにか出来るけど、下手すれば更に悪化するし」

 

「例えば?」

 

「かのんちゃんの部屋に人の目の写真を…………」

 

「うん、余計悪化する」

 

まぁ普通にホラーだしね。それにこういうのは何かしらに気がつければいい。と言うかもう答えは持ってるのに…………

 

 

 

 

学校でもポニテさんに出くわし、あることを言われる

 

「やめた方がいいのではないですか?フェスで醜態をさらせばこの学校の評判にも関わります」

 

「まだ歌えないと決まったわけじゃありません!」

 

「そうは思えませんが」

 

「とにかくやれることをやってみようと思う」

 

「まだ時間はあるし理事長先生は許可してくれているんだから別に問題はないでしょ?」

 

「嵐さんの練習の邪魔にならなければよいのですが」

 

この人は……また……とりあえず反撃しておこう

 

「それじゃちーちゃんの邪魔にならないように葉……ポニテさんが手伝ってくれるんですね」

 

「あなた……名前を呼ぼうとしませんでしたか?」

 

「気のせいですよ。それで学校の評価がどうとか言うなら…………手伝うくらいしたらどうなんですか?」

 

「私にはそんなことをしている時間はありません」

 

「私たちに嫌味を言う時間はあるのに?」

 

「…………貴方と話していると頭がいたくなります……では……それと椅子は直しておいてください」

 

「時間がないので、後でやっておきますね」

 

うーん、何か乗ってこない…………気のせいかな?

 

「ごめんね、ちぃちゃん」

 

「ううん謝らないで。バッチリダンスも練習してるから!」

 

「それにしても相変わらず仲悪いデスネ。紗央莉さんとあの方は」

 

「どうにもね。目の敵してるから……ついね」

 

 

「そうだ放課後時間ある?」

 

ちーちゃんは何かかのんちゃんが歌えるようにするための秘策があるのかな?

 

 

 

 

 

 

 

放課後、ちーちゃんのバイト先に来た私たちはたこ焼きをご馳走してもらった

 

「たこ焼き!?」

 

「わぁ~!おいしそうですぅ~!」

 

「これと歌えないことが?」

 

「かのんちゃんが歌えなくなるのって決まって人前とか大きなステージとかだったでしょ?」

 

「でも今回は…」

 

「その原因は絶対プレッシャー!”フェスで1位を取らなきゃ”って新たなプレッシャーがかのんちゃんの中に生まれているはず。だから!」

 

 

 

「いらっしゃいませー」

 

ちーちゃんの提案。それはたこ焼きの売り子をして、プレッシャーに慣れさせようだった

 

「ってなんで!?」

 

「レッツたこ焼き修業!喫茶店のお手伝いはしてるだろうけど不慣れな状況に対応できると変われるかも!」

 

「たこ焼きって作っている間見られていることが多いでしょ?つまりずっとお客さんの視線を感じながら作業することになるわけ」

 

「なるほど…」

 

「おいしそう!おいしそうですぅ~!」

 

「そのプレッシャーの中でちゃんとたこ焼きを作れるようになれば…」

 

「歌えるように……」

 

試しにやってみるかのんちゃんだけど、やっぱり無理だったみたいだ

 

 

 

 

 

 

 

次はくぅちゃんの提案だけど…………

 

「衣装!?」

 

「かのんさんならな~んでも似合いマス!かわいい衣装を着れば気分が上がって歌えるようになりマス!」

 

「だといいなぁ…」

 

「可可のオススメを試着してみましょう!」

 

「わくわく!」

 

「ん~!」

 

早速着替えようとするかのんちゃん。だけど中々出てこない

 

「ん?どうしマシタ?」

 

「いや衣装かわいいなあって…」

 

「でしょ?でしょ?」

 

「早く見たい!」

 

「…まだ着てない」

 

「あっ!アクセサリーとかも欲しいんだ!」

 

「なるほどデス」

 

「えっ!?」

 

「可可としてはこれが一番似合うかと思うのですが…」

 

「こっちの色も合うと思うんだ~」

 

「なるほど。ではこれをワンポイントに使いまして…」

 

「あの~もしもし?」

 

二人はアクセサリーを持っていき、笑顔で……

 

「「はい、どうぞ」」

 

「そういうことじゃなくて…」

 

「ん?」

 

「かわいい服すぎて私には無理だよぉ~!」

 

「突撃~!」

 

「たぁ~!」

 

「きゃああああ!」

 

おぉ、二人に脱がされていく……あ、意外とあるんだ

暫くして着替え終わったかのんちゃん。けっこう可愛い

 

「わぁ~!」

 

「よく似合うデス~!」

 

「あり…がと…」

 

「じゃあ撮るよ!」

 

「えぇ!?」

 

「目線クダサ~イ!」

 

「は…はい!」

 

「上目使いで~」

 

「こ…こう?」

 

ノリノリになってきた。私も何か言った方がいいかな?こう言うときは…………

 

「よし、次は脱いで……」

 

「なんで!?」

 

「はだけるくらいなら……」

 

「なるほど……それならネットに上げればバズルはず」

 

「消して」

 

怒られる私たちだった。

 

「紗桜莉ちゃんは何か案ないの?」

 

「私?まぁ答えになるけど……私が教えたらダメだと思う」

 

「どう言うこと?」

 

「答えデスカ?」

 

「何とかなるの?」

 

「うん、でもこれはかのんちゃんが自分で気づくことだからね。まぁヒントは…………私はソロアイドル。かのんちゃんとくぅちゃんは?」




8話が待ち遠しい……

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13 クーカーとお姫様

三話は三話で良い話!


くぅちゃんが私たちに見せたいものがあると言い、つれてきてもらった場所には大きな看板があった。

 

「ジャッジャーン!どうデスカ!?」

 

「何これ…」

 

「初ライブを行うにあたって用意したグループ名付きの看板とブレードですぅ!」

 

「ブレードってファンが持つものなんじゃ…」

 

「配りたいと思いマス!私たちを応援してくれそうな人たちに!」

 

と言うかこれを一人で準備したって言うの?それはそれで凄いのだけど…………この『クーカー』ってなんだろう?

 

「この”クーカー”っていうのは…?」

 

「可可が考えたグループ名デス!可可の”クー”とかのんさんの”カー”を合わせてクーカー!」

 

「どうだろう…」

 

「でもトレーニングの合間にこんなもの作るなんて!」

 

「好きですので」

 

好きでここまでか……強い気持ちだね

 

「因みに紗桜莉さんが入ったら、サー!クーカーです」

 

「それもどうかと…………」

 

まぁ現状はクーカーでいいかもね

かのんちゃんはと言うと……

 

「看板はちょっと考えようか…」

 

苦笑いをするのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

それから四人でライブ会場を見に行き、かのんちゃんと一緒に家に帰ろうとするが……

 

「私じゃなかったら可可ちゃんもっと楽だったろうな…」

 

「かのんちゃん……そんなことは……」

 

そんなことはないよと言いかけた瞬間、近くにいた子達の話が耳に入った。

 

『えっ!サニパが!?』

 

『うっそ!』

 

『ほんとだ!急遽参加だって!』

 

なんだろう?と二人で首をかしげてると、さっき別れたくぅちゃんとちーちゃんの二人が私たちのところへと急いで戻ってきた

 

「かのんさ~ん!紗桜莉さ~ん!」

 

「どうしたの?」

 

「大変デス!サニーデス!神津島が生んだスーパースクールアイドル サニーパッション!そのサニーパッションが私たちのフェスに!」

 

「えっ?」

 

これってつまり……ピンチじゃ……

 

 

 

 

 

 

私たちはくぅちゃんの家で少し話し合うことになったけど、大きなポスターを見て、嬉しそうにしていた

 

「はっふぅ~ん!尊い~!ははぁ~!」

 

「家にこんな大きなポスター…」

 

と言うか祀ってるのか…………

 

「当然デス。そもそも可可が日本に来ようと思ったのもこの方々のライブを見たからなのデス!ひまわりのような明るさで心までぽかぽかにしてくれるサニパの太陽 聖澤悠奈様!圧倒的美貌とあでやかな立ち居振る舞いサニパのナイトセクシー 柊摩央様!」

 

「そんなすごい人だったんだ…」

 

「このグループが2人の出るフェスに?」

 

「急遽参加デス!あぁ~サニパ様と一緒のステージに立てるなんて!」

 

「さすが去年の東京代表。レベルが違う」

 

「この人たちが参加しちゃったら1位はきっと…」

 

「当然デス!今回程度のフェスであれば1位は絶対にサニパ!ん?可可とかのんさんがスクールアイドルを続けるためには…」

 

「フェスで1位を取らなきゃだよ?」

 

「あぁぁああああ!」

 

うん、今気づいたんだ…………このサニパに勝たないとダメなのか…………もしもの事を考えて…………

 

「紗桜莉ちゃん、裏工作をしておくか、特に葉月さん辺りにって顔してるよ」

 

ちーちゃん、何で心の声を読むのかな?普通に驚いたけど…………

 

「どうしましょう…」

 

「ライブまであと5日。今から練習をハードにすればいいってわけでもないだろうし。それに可可ちゃんが全部歌うようにしないとだもんね」

 

「ごめん…」

 

「大丈夫デス!かのんさんのフォローはできマス!見ててクダサイ!ほら毎日やっていたら結構できるようになってきマシタ。この調子で続けていればライブの時にはきっと何もかも完璧になっています!」

 

うーん、本当に何とかなるか…………悩みどころだよね~

 

するとちーちゃんがそろそろ帰ると言い、くぅちゃんは電話をしてくるといい、私とかのんちゃんの二人になった

 

「かのんちゃん、背負い込みすぎ」

 

「え?」

 

「さっきから暗いよ」

 

「そりゃ……暗くなるよ…………」

 

うーん、私じゃ届かないか。するとくぅちゃんが戻ってきたので、私はソッと部屋を出て扉越しに二人の話を聞いた。

 

『あの、実はさっきまた千砂都さんを誘ってしまいました。でもやはりダンスがあるからと…でも誤解しないでクダサイ!私はかのんさんと同じステージに立ちたい!その気持ちは変わりません!』

 

『うん。すごく嬉しい。でもね私思ったんだ。このままじゃ1位を取ることってものすごく難しい。そしたら可可ちゃんの夢がここで終わってしまうかもしれない。私のせいで…せっかく上海から来てやりたいことがあってこんな夢に向かって始まったばかりの時に…私のせいで…私のせいで夢を諦めなきゃいけないなんてなったら申し訳なさすぎるよ!やっぱり私は足手まといにしかならない!それが分かってるのにステージに上がるなんてできないよ!ごめんなさい可可ちゃん…ごめんなさい…』

 

『自分のことを悪く言わないでクダサイ。かのんさんに心奪われた私もかわいそうになっちゃいマス。可可の家の人たちはすごく教育に熱心で今までずっと勉強ばっかりでした。可可も特にやりたいこともなくてこれでいいんだろうなこれで正しいことなんだって思ってマシタ。そんな時 出会ったのデス!見た瞬間にこれだって思いました。こんなふうに自分の気持ちや感じたことを自由に歌ってみたい。かのんさんの歌を初めて聴いた時それと同じぐらいワクワクしたんデス。だからもうかのんさんは私にとってのスターなんデス!夢なんデス!元気出してクダサイ。かのんさんと同じステージに立つことは可可にとって夢の一つなんですから』

 

『でも…』

 

『最高のライブにしましょう!』

 

『私…歌ってみる!可可ちゃんがこんなに頑張ってるんだもん!こんな私でも一緒にステージに立ちたいって言ってくれてるんだもん!ギリギリまで自分を信じてやれることを精いっぱい頑張る!』

 

『かのんさ~ん!』

 

『かのんでいい。かのんって呼んでよ』

 

二人の一歩が踏み出せたかな?さて、裏工作をするとか言ってないで……二人のサポートのために…………

 

 

 

 

 

 

もうまもなく本番に近づき、最後の練習

 

「偉い偉い!短期間でここまでできるなんて本当にすごい!」

 

「もうむりぃ~!」

 

「苦しいデス!」

 

「上出来!上出来!」

 

「さぁ二人とも!これに座って!」

 

私はマッサージチェアを二つ並べて見せた。

 

「もうひとつどこから?」

 

「理事長に交渉してね。借りてきた!」

 

肩こりに悩んでたみたいだったしね。

 

「何か紗桜莉ちゃん、学校を裏で牛耳ってる?」

 

「まさか~」

 

「裏で牛耳ってるというより、もっと別な感じが」

 

「裏世界のお姫様デスカネ?」

 

「それ、誉めてる?」

 

「さて、とりあえずいよいよ本番だね!」

 




いい感じに次回へ!

裏世界のお姫様…………後々の話でそこら辺の事を…………

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14 一人じゃない

サニパ、やはり某アイドル活動するアニメに出てきそうな…………

兄いわく恋ちゃんの評価は下がり、自分は…………早くそこら辺の話を書きたい


かのんside

 

そして本番の日、私と可可ちゃんは舞台袖の方から観客席を見ていた

 

「わぁ…!すごい人!」

 

「さすがスクールアイドル!夢みたステージデス!」

 

「どうしよう…緊張しちゃう…」

 

「もし歌えそうだったら始まりの時合図をクダサイ。歌えなかったとしても堂々としていてクダサイ。可可が歌いマス!」

 

「ありがとう」

 

そろそろ私たちの出番…………着替えないと

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

かのんちゃんたちの番が始まる。私はちーちゃんと一緒に二人を見守っていたけど……かなり不安で仕方ない

 

「うぅ……自分じゃないのに緊張する」

 

「あはは、二人なら大丈夫だよ」

 

「でも、あー足が痛く……」

 

「本当に大丈夫?」

 

ここまで緊張するなんて……ダメだよね。二人はきっともっと緊張してるはずだもん。

二人はステージの上に立ち、背中合わせでライブを始めようとしたけど…………

 

「どうしたんだろう?」

 

始まらない?もしかして…………くぅちゃんが私たちの中で一番緊張してる?

私は大声で叫ぼうとしたが、突然停電が起きた

 

「っ!?ちーちゃん、ちょっと行ってくる!」

 

「え?どこに?」

 

私は急いでステージの機具とかおいてある場所に向かった。停電かと思ったけど周りはついている。多分トラブルか何か起きたんだ。それなら直せばいい!

 

「って誰?」

 

何かクラスで見たことがある子が慌てて何かしてるけど…………もしかしてつまづいてプラグ抜いてしまった?

 

ふっと気がつくと観客席に光が……あれって…………そっか、くぅちゃんが準備してた……ブレードの光だ…………ちーちゃんがみんなに渡したんだ…………

今はライトを直すとかじゃない。

私は観客席に急いで戻り…………叫んだ!

 

 

 

 

 

かのんside

 

照らされたブレードの光。それと共に紗桜莉ちゃんの声が聞こえた

 

 

「かのんちゃん!くぅちゃん!一人じゃないよ!私たちもいるよ!」

 

紗桜莉ちゃん……そうか……一人じゃない。ステージには可可ちゃんも一緒だ。お互い不安でも……支えあえばいい!それに…………見てくれる人やちぃちゃん、紗桜莉ちゃんもいる…………

 

「一人じゃない」

 

私たちが歌い出そうとした瞬間、ライトがついた。でも今は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

二人のステージが終わった。本当に良かった…………

結果は……サニパが一位だけど二人は新人特別賞を貰った。約束は果たせないけど…………私が頑張ろう

 

「あれ?紗桜莉ちゃん、どこ行くの?」

 

「ん、電話」

 

色々とやるために理事長の連絡先を聞いておいた。交渉しないと

 

電話をかけようとした瞬間…………

 

「え?」

 

一瞬見覚えのある人が通りすぎた。私は直ぐにその人に声をかけようとしたけど…………人混みが凄く見つけられなかった。

 

「今の…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?どこ行ってたの?」

 

「さっきそこでスクールアイドルのフェスやってたから見てたの」

 

「そうだったの?」

 

「えー私も見たかった~」

 

「邪魔したら悪いと思って…………それにしても……あの子達……よかった。それに叫んでた子……懐かしいな~」

 

 

 

 

 

 

 

『もしもし』

 

「あ、理事長ですか?相花です」

 

私は結果を理事長に話し、ここから交渉を…………

 

『そうですか。部は認められませんが…………同好会としてなら認めると後日話すつもりですよ』

 

「はい?話が早くないですか?」

 

『きっとあなたなら電話をしてくると思っていたので

、それに結果を知らせた子もいたので』

 

誰だろう?まさか……つまづいていた子?

 

『彼女たちにはまだ話さないでおいてくださいね』

 

「分かりました」

 

結果的にはスクールアイドルを続けられるということだよね?

かのんちゃんとくぅちゃんの二人が頑張ったんだ。次は私が…………




登場したある三人。設定的には大学生かつ三人で住んでます

次回!ギャラクトロ……ギャラクシー回!
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15 遭遇のグソク……ギャラクシー

8話……うーん、まぁ良かったかな?
こちらでは多少変えますが


フェスから数日後のこと、私たちは理事長から呼ばれてある通達を受けた。まぁ私はそれが何なのかは知っていたけど…………

 

何故呼ばれたのかをちーちゃんに話すことになり……

 

「同好会?」

 

「そうなの!いきなり理事長室に呼び出されたからダメかなあって思ったんだけど…」

 

「初ステージにもかかわらずすっごく評価され特別賞をもらったことが効いたみたいでして」

 

「フォロワーもすっごく増えたんだ!ほら!」

 

「すご~い!2000人!?」

 

「しかも練習場所として屋上を使っていいって理事長が!」

 

「二人とも頑張ったからね~」

 

そんな話をしていると、ポニテさんが私たちの所へ来て、鍵を渡してきた

 

「あなたたち同好会用の部室の鍵です」

 

「ど…どうも…」

 

何で二本あるんだろう?予備の鍵とか?でもそれにしてはちょっと先が違うみたいだし…………

 

「私たち頑張るね。頑張ってこの学校の力になるような成績を収められるようにする。そしたら葉月さんも…」

 

「だったらスクールアイドル以外の活動にしてください」

 

「え?」

 

「スクールアイドルじゃなければいくらでも応援してあげられますから」

 

「それはできない。私ステージで歌ってスクールアイドルって本当にステキだなって思った。もっと練習してもっといいライブがしたい。いい歌を歌いたいって思ったの」

 

「残念ですが今のラブライブであなたたちが勝てるとはとても思えません」

 

相変わらず……敵視してるみたいだけど…………何度かやりあっていて分かったことがある。この人はただスクールアイドルを敵視してるんじゃなく、何かしらの想いがある感じがするけど…………

まだ私からは何も言えないし…………今回は黙っておこう

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「「「紗桜莉ちゃん(さん)が何も言わない!?」」」

 

「いや、待機してたの?」

 

「調子が悪いの?」

 

「保健室行く?」

 

「熱があるデス!」

 

「そんな私が何でもかんでも噛みつくなんて…………」

 

「では失礼します」

 

ポニテさんがそう言って去っていくのであった。

 

私たちは用意された部室へと向かうのであった。

 

「え~っと…四のB、四のB…」

 

「本当にこっちなの?部活動の部室はみんな新校舎の方だけど…」

 

「うん。さっき地図で見たらこっちって。でもなんで2本ついてるんだろう?」

 

やっぱり気になるな~後で借りて片っ端から扉に指してみよう

 

「ありマシタ!」

 

なんと言うか……学校の片隅って感じがするけど、まぁすぐに練習場所が近いって考えればいいか

 

「ん?」

 

「学校アイドル部?」

 

「理事長が付けてくれたのでしょうか?」

 

「それにしては古びている気がするけど…」

 

そう言えばここって新しく作ったんじゃなく、前の学校を改修したんだっけ?だとしたら残ってるのも…………

 

「なんかお化けとかいそうだね」

 

「かのん怖いのデスカ?」

 

「まさか~!」

 

「お化けか~流石に昼間にいないでしょ」

 

「開ける前にちょっとだけ…」

 

「見ぃ~たぁ~なぁ~!」

 

「ひっ!」

 

「冗談はやめてよ!」

 

「ごめんごめんあまりにも怖がるから」

 

「誰かいマス」

 

「まさか!」

 

もしかして幽霊?えっと掃除機あったかな?

 

とりあえず入って確かめてみると…………

 

「あの~」

 

「ひぃぃぃぃぃ!」

 

「誰デスカ?」

 

いや、クラスメイトの子じゃん…………

 

「大丈夫!足はついてる!」

 

「ほんと!?」

 

「平安名さん?」

 

先に入ってたみたいだけど……と言うか鍵かけてなかったのか…………

 

「ここスクールアイドル同好会の部室って聞いたんですけど…」

 

「何かご用でしょうか?」

 

「その…実はちょっと興味があって。スクールアイドルに」

 

まさかの入部希望?と言うかあのときの事は……聞かない方がいいか

 

「興味?もしかして…」

 

「入部希望デスカ!?」

 

「いや…入部というかとりあえず話を…」

 

「スクールアイドルはすばらしいデス!最高デス!青春の輝きと宇宙一の活動デス!さぁどうぞ!こことここに名前とクラスを書けば今日からあなたもスクールアイドルデス!」

 

「大丈夫。危なくないからね」

 

とりあえずくぅちゃんに合わせてみる私であったが……

 

「可可ちゃん…紗桜莉ちゃん……」

 

「ちょっと待とうか…」

 

苦笑いを浮かべるかのんちゃんとちーちゃんに止められるのであった

 




何気に部室が開けっ放しという事実

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16 固く蓋をされたものとセンター

固く蓋をされたもの……その人にとっては思い出したくないもの
特に子供の頃に見たものに対してそう言う風に封印されるのかも


そんなこんなですみれちゃんが入部することになり、私たちはパソコンでスクールアイドル関連について色々と見ていた

 

「わぁ!さっき見てたのよりもずっとすごい!こんな大きいステージで…」

 

「はい!ラブライブの決勝で立つステージデス。お客さんもいっぱい入りマス!」

 

「ここに立てばもちろん有名になれるわよね?」

 

「はいデス!去年決勝に出たSUNNY PASSIONさんは今…」

 

フォロワー凄いな……ここまで有名になるのは凄いと思う

 

「きゅうまんはっしぇん…ギャラクシー…!」

 

「やるわ!やるわったらやってやるわスクールアイドル!」

 

「いいの!?」

 

「えぇ!一緒に頑張りましょう!」

 

早速練習のために部室の近くにある屋上スペースに行き、

 

「広いデス~!」

 

「こんなところがあったなんて」

 

「これなら何人いても練習できマス!」

 

確かに屋上とかならスペース広いからいいよね。まぁ後は天気の問題だけど……すぐに避難できるからけっこういいかもしれない

 

「さぁ何をすればいいの?」

 

「そうね。じゃあステップから」

 

すみれちゃんがそう言うと、ちーちゃんが軽くステップを刻んだ。するとすみれちゃんが同じようにやって見せた。凄い……すぐに出来るなんて

 

「すごいデス!」

 

「上手!」

 

「本当だ。基礎はできてるみたいだね。じゃあこれは?」

 

更にちょっと難しいステップをやって見せると、すみれちゃんは難なくこなして見せた。と言うかこの子、何者なの?

 

「すごい!」

 

「これはもしかして即戦力というやつデスカ?」

 

「そうかも」

 

ちょっとすみれちゃんに色々と話を聞くために、休憩がてら部室に戻る私たち。

 

「まさか元々スクールアイドルを?」

 

「そういうわけじゃないけど昔ショービジネスの世界に…」

 

「ショービジネス…」

 

「もしかしてテレビとか?」

 

「うん。何回か…」

 

テレビに出てた子なんだ……あれ?私、昔から色々と見てたけど、すみれちゃんみたいな可愛い子は…………

 

「うそ!」

 

「うわ~!」

 

「運命デス!これは運命デスよ!可可たちがラブライブで優勝するという!」

 

「まぁ確かにラブライブ優勝チームの動画も見たけどこれなら勝てるかもって」

 

「本当に!?私なんてこんなの絶対無理って思ったのに…」

 

みんなが話している中、私は必死に記憶を思い出そうとするけど……だめだ……何か厳重に蓋がされていて思い出せない…………何となくトラウマになってるのかな?でも子役とかドラマで見たならそんなことしないはずだけど…………

 

「それでセンターなのだけれど」

 

「センター?」

 

「えぇ。グループなのだからセンターがいるわけでしょ?」

 

「そっか…。この前まで2人だったからあまり考えなかったけど…」

 

「確かに3人になったら決める必要がありマスね」

 

「三人?紗桜莉は?」

 

「私はソロだから二人とは違うの」

 

「グループとソロで分かれてやってるのね……なるほど……これなら……まぁ色々考え方はあるとは思うのだけれど…」

 

「かのんがいいデス」

 

「やっぱり一番ダンスや歌がうまい人が担当するのが…へ?」

 

「かのんがいいデス」

 

「そうだね。私もかのんちゃんでいいと思う」

 

「えぇ~!?」

 

「私もかのんちゃんかな?しっかり者だし」

 

「やっぱりかのんちゃんしかいないよ~。このグループを最初に作ったのは…」

 

「そうデスかのんですし」

 

「ちょっと待ったぁ~!」

 

突然すみれちゃんが大声を出した。いったいどうしたんだろ?

 

「ん?」

 

「そ…そういうんで決めていいのかな…?」

 

「といいますと?」

 

「先とか後とか関係ないでしょ?勝つためには実力がある人が中心に立つ。それが当然なんじゃない?」

 

「だよねぇ…」

 

「ですがセンターというのはそれだけではありません。カリスマ性のような見えない力も必要デス」

 

「確かにそうかもしれませんがそんなものどうやって計るのです?」

 

と言うことで始まったのは、センター選挙だった。教室にいた子達に入れてもらって投票で決めてもらうことに…………え?私はソロだし

 

そして結果は……かのんちゃんの圧勝で34票。くぅちゃんは2票。すみれちゃんは0票。

 

「うそ……」

 

「ほらやっぱりかのんちゃんだ!」

 

「可可もそう思ったのデス!」

 

「どうせなら部長も一緒にやっちゃったら?」

 

「えぇ!?ちょっと待って!そんななし崩し的に…」

 

「ううう…。納得できないわ」

 

「え?」

 

「納得できないったらできないの!どうして!?歌だってダンスだって私全然負けてないでしょう?」

 

「それも全部アピールタイムでみんなに見てもらっての結果だよ」

 

「恐らくオーラとか華とか、かのんの方が可可やあなたよりセンターっぽいのデスよ」

 

「…やめる」

 

「ええっ!?」

 

「ふん!センターになれないんだったらこんなところいる意味ないもの!」

 

「えっ!?ちょっ…すみれちゃん!」

 

すみれちゃんはそう言って部室から出ていくのであった。それにしてもすみれちゃん……一体どこで見たんだろう?

 




4話に関しては本当に何回も見返してる

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17 トラウマとグソクムシ

お待たせしました。ガンプラ虹仕様作っていて、ちょっと止まってました


かのんside

 

「ん…?ここは…」

 

目を覚ますと木造の部屋にいた私。というか動けないけど……縛られてる!?

 

「え?ちょっと何なの!?」

 

確かやめるって言いだしたすみれちゃんのことが心配で話を聞こうと探していたら、何度も同じ道を往復するすみれちゃんの姿を見つけて……後をつけていったら……

 

「おはよう」

 

すると奥から巫女装束姿のすみれちゃんが……本当にこれ……何なの?というか床の魔法陣は何?

 

「すみれ…ちゃん…?」

 

「あなたは見てはいけないものを見てしまったの。だから忘れてもらうわ」

 

「その格好…まさかすみれちゃんって神社の…」

 

「大丈夫。じっとしていればすぐに終わるわ。え~っと…ここまで準備したら対象の頭を忘れさせたいことを念じながら100回たたきます」

 

「今学んでる!?」

 

「そのあと清めの水2リットルをかけ全身を縛りつけ…」

 

「待って…」

 

このままだとえらい目にあってしまう。何とかしないと……

 

「静かに!」

 

「な、何が起きたの?私記憶なくって…へっ…へへへ…」

 

そういうとすみれちゃんは黙り込み……ある歌を歌いだした(踊り付きで)

 

「グソクムシ~グソクムシ~♪グソクソクソクグソクムシ~グソクムシ~グソクムシ~♪グソクソクソクグソクムシ~♪」

 

「ごめんなさい。割と記憶あります」

 

「でしょうね。大丈夫すぐに楽にしてあげる」

 

「待って待って待って!言わない!誰にも言わないから!」

 

「ここまでつけてきたくせに信用できるわけないでしょ!」

 

「つけてきたわけじゃないよ。ただ気になって…。どうしてセンターにこだわるのかって」

 

「……」

 

そうだよ。私は話を聞きに来たんだ。

 

「私も話聞きたいな」

 

突然すみれちゃんの後ろから声が聞こえ、見てみると紗桜莉ちゃんがいた

 

「あなたどうやってここに……」

 

「私には魔法の鍵があるからね」

 

魔法の鍵……かなり危ない道具だよね。

 

「というかかのんがここにいることを何でわかったのかしら?」

 

「あぁかのんちゃんがすみれちゃんと話をするって言ってたから、こっそり後をつけてたんだよね。私も気になることがあったし」

 

「気になること?」

 

こういう時の紗桜莉ちゃんは本当に頼りがいがあるけど……何だろう?きになることって

 

「その……すみれちゃんのことを何処かで見たことがあると思ってたら……私のトラウマの原因の子だったよ」

 

「トラウマ?私はあなたと会うの今回が初めてだけど……」

 

「子供のころに……好きで聞いてた曲があるの……だけどある日……ある曲を聴きながら寝ていたら……大量のグソクムシが体中に」

 

怖い怖い…もしかしてあの曲だよね……

 

「そ、それは何かごめん」

 

「ううん、すみれちゃんが悪いんじゃないってことはわかってるから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何とか拘束を解いてもらい、紗桜莉ちゃんと一緒にすみれちゃんのことを待っていると、私たちにジュースを渡して……

 

「見た通りよ」

 

「えっ?」

 

「私ね小さい頃からずっといろんなオーディション受けてたの。主役に憧れて…子役の頃から一生懸命頑張って…でもどんなに頑張ってもいつも最後はどうでもいい脇役」

 

「それでスクールアイドルのセンターに…」

 

「まぁね。アマチュアだし何とかなるんじゃないかって思ったけどやっぱり無理みたい」

 

「それはまだ分からないと思うけど…」

 

「いいえ。今回のことで分かった。私はそういう星のもとに生まれているの。どんなに頑張っても真ん中で輝くことはできない。2人にも伝えておいて。悪かったわねって」

 

すみれちゃん……

 

「かのんちゃんはどうする?」

 

「え?」

 

「かのんちゃんはすみれちゃんの事をどうしたい?」

 

「私は……」

 

「私はすみれちゃんがいた方がいいって思うよ。あの子は……かのんちゃんとくぅちゃんに足りないものを持ってるからね」

 

「足りないもの?」

 

「まぁ私にはそれが何かわからないけど……でも必要だってわかるよ」

 

そっか、そうだよね。まずは可可ちゃんたちに話さないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




珍しくすみれちゃんに対して友好的な紗桜莉ちゃんでした
感想待ってます

因みにリエラガンプラ作るとしたら…かのんちゃんのZ感はなんだろう?


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18 晴れる心

今回書いてて、そう言えばこの回は出番なかったな


昨日の事をくぅちゃんたちに話すと、くぅちゃんは怒っていた

 

「なんですと…!?」

 

「可可ちゃん?」

 

「それはスクールアイドルに対する侮辱デス!冒涜デス!」

 

まぁスクールアイドルが大好きなくぅちゃんからしてみれば、こんな反応するよね

 

「まぁすみれちゃんも悪かったって言ってるし…」

 

「真剣なのかと思っていたのにだまされマシタ!可可が厳罰に処しマス!」

 

「厳罰って…」

 

「まず背中に氷の刑から始まり…10分間のくすぐりの刑に…」

 

厳罰に関して話していると、タイミングいいのか悪いのか……すみれちゃんが通りがかったけど、私たちの事を無視して去ろうとするが……

 

「待つデス!お昼休みに屋上に来やがれ!デス!」

 

屋上に来やがれって……くぅちゃん、何処でそんな言葉を覚えたんだろうか?私からしてみればそこが一番気になる。

 

「聞いてないの?私はもうスクールアイドルは…」

 

「いいから来やがれデス!」

 

「どうするの?」

 

「う~ん…」

 

とりあえず私は一緒に付き合うことになり、屋上に来ていた。

 

「おっそいデス!」

 

「話って何?」

 

「あなたはスクールアイドルを侮辱しマシタ!全スクールアイドルに代わって可可が罰を与えマス!」

 

「はぁ?だから悪かったって言ってるでしょ」

 

「スクールアイドルがどれだけ真剣にステージに挑んでいると思っているのデスカ!それをスクールアイドルなら何とかなるなどと…!」

 

突然すみれちゃんはダンスをしだした。あれってくぅちゃんが必死に練習したダンス……

するとかのんちゃんとちーちゃんの二人も心配になりやって来た。

 

「いた!」

 

「すみれちゃん」

 

「可可があれだけ練習したダンスを…」

 

「ショービジネスの世界を甘く見ないで。これくらいはできるの。ただそれでも私にスポットは当たらない。こんなアマチュアな世界でもね」

 

「アマチュアではないデス!」

 

「また…」

 

それだけを言って、すみれちゃんは帰ろうとするのであった

 

「どいて」

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局止まないか…」

 

雨降る中、すみれちゃんの事を気にしていた私たち。

 

「どうするの?すみれちゃん」

 

「うん…気持ちは分かるんだよね。私も歌えなかったとき思ってたもん。そういう運命なんだって。続けても無駄だって」

 

「でもそうじゃなかったんでしょ?」

 

「うん…」

 

「じゃあ伝えないといけないんじゃない?」

 

「それなら一番いい方法があるよ」

 

「「「えっ!?」」」

 

いや、何?その反応は……

 

「弱味を握ってどうこうするんデスカ?」

 

「流石に可哀想だよ」

 

「もっといい方法が……」

 

「私がそんな闇深いことすると思ってるの?こう言うときは……」

 

私はあるものを三人に見せた。それは…………

 

 

 

 

 

 

すみれside

 

「雨だとさすがに人も少ないわね」

 

『続いては特別賞を受賞したクーカーの歌です!』

 

あの二人がライブする姿…………私がずっと憧れていた姿……

 

「やっぱり私じゃ…」

 

一人、そう呟いた瞬間だった。

 

「み~ちゃった~!ここにいると思ったんだ」

 

何で……また……それに全員いるし……

 

「しつこいわよ」

 

「実は話があって、平安名すみれさん。ワタクシこういう者です」

 

かのんが見せてきたのは……名刺?何で名刺なんて……

 

「は?」

 

「すみれさん。あなたをスカウトに来ました!私たちはスクールアイドルを続けるために結果を出さなくてはいけません。ショービジネスの世界でのあなたの知識と技術で協力してほしいんです」

 

「だから言ったでしょ!私は…」

 

「センターが欲しかったら奪いにきてよ」

 

「えっ?」

 

「すみれちゃんを見て私思った。センターやってみようって。だから奪いにきてよ。競い合えばグループもきっと良くなると思うから」

 

本当に言ってるの?私の事を見てきたのに……

 

「バカにしないで。見たでしょ。これでもショービジネスの世界にいたのよ?アマチュアの駆け出しに負けるわけない…」

 

「じゃあ試してみてよ」

 

「ん~!」

 

あぁ言えばこう言う……なんなのよ

 

「…いくら出すのよ」

 

「えっ?」

 

「いくら出すったら出すのよ!スカウトって言うなら当然契約金は必要よ!」

 

「なんでそんなことを!」

 

「あるよ」

 

かのんが見せてきたのは家のお守り……これが契約金?

 

「あ…うちの神社の…」

 

「これでどう?」

 

「これ全然効かないわよ?」

 

「そう?」

 

「だって…」

 

私も持ってるもの……だからよくわかってる……効果がないことなんて

 

「あっ同じデスね」

 

「でもまだ分からないよ諦めないかぎり夢が待っているのはまだずっと先かもしれないんだから」

 

いつの間にか雨が止み、晴れてきた。こんなこと……口に出すのは嫌だけど…………まるで今の私の心みたい

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

次の日、長く降っていた雨も止み、ようやく練習も出来るようになった。

そして今日から……

 

「今日から私が教えてあげる。本物のショービジネスの世界を!ギャラクシー!」

 

すみれちゃんも加わるのであった。そう言えば…………今回、あの人は何の話とかもしなかったけど……まぁいいか。




すみれちゃんは個人的には万能型だと思う。どれか1つに特化してる訳ではなく、何でもこなすからこそ輝けるのでは?
次回はオリストになります!
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19 お姫様を探ろう

恋ちゃん……新しい世界を……と言うかあれは誰が元々見ていたのか……


かのんside

 

「あれ?かのんだけ?」

 

「うん、そうだよ」

 

まだ私しか来ていない部室にすみれちゃんがそんなことを聞いてきた

 

「可可ちゃんはもう少ししたら来るって、ちぃちゃんは音楽科の用事が終わったらで」

 

「紗桜莉は?」

 

「紗桜莉ちゃんは……何か頼まれ事されてたから、今日は来ないかも」

 

「頼まれ事?」

 

「クラスではお姫様だって言われてるけど、学校中では便利屋さんみたいな感じで」

 

「そう言えばあの子……変に何でもできるわね……未だに生徒会長の椅子がマッサージチェアらしいし」

 

「あ、あはは……まだ直してなかったんだ」

 

「そもそもあの子って……どんな感じなのよ?」

 

「え?いい子だよ」

 

「いや、そうじゃなくって……あんまり過去とか話さないし……私も後々聞いたのは事故の件と足の件とソロアイドル目指してるくらいだし」

 

そう言えば確かに……紗桜莉ちゃんって一人でいるときって何してるんだろう?

 

「ねぇ、かのん」

 

「すみれちゃん、分かってるよ……」

 

「「紗桜莉ちゃんについて調べよう!」」

 

こうして今日の活動は紗桜莉ちゃんのことを探ることになった

 

 

 

 

 

 

可可ちゃんに事情を話して、三人で紗桜莉ちゃんを探すと、中庭で何かしていた

 

「何をしてるデスカ?」

 

「あそこの木って、毛虫とか多かったよね?」

 

「あの子のことだから…………伐採?」

 

いやいや、そんな……でも『毛虫が出る→なら木を切ろう』ってやりそうな感じがするのはなんでだろう?

 

「…………」

 

紗桜莉ちゃんは木を蹴ると、上から毛虫が落ちてくる。その毛虫を丁寧に拾うと…………

 

「えい」

 

「瓶に入れた?」

 

「何処かに捨てるのかしら?」

 

「毛虫でも殺したりせずにか……やっぱり優しいね」

 

「そうね。ほら、他の害虫とかも…………」

 

「害虫……集めて……まさか……いやいやまさかそんなことあり得るわけないデス」

 

何で可可ちゃん、怯えてるのかな?

 

「まさかと思いますが……紗桜莉は……あの生徒会長を」

 

「なんでそうなるの!?」

 

「あんた、考えすぎじゃないの?」

 

「知らないのデスカ!中国に伝わる恐ろしい……いえ、口に出すのも恐いデス」

 

一体……なんなんだろう?

 

「ほら、移動するわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の場所は……生徒会室?

 

「中に……入れないか」

 

「仕方ないわね」

 

「まさか……毒をもりに」

 

可可ちゃん、その発想から離れようよ

 

「何をしてるんですか?」

 

不意に声をかけられ、振り向くと葉月さん!?

 

「えっと……」

 

「ちょっと……」

 

「今すぐ逃げるデス!じゃないと……紗桜莉に毒を……」

 

「はぁ?」

 

「どうかしたの?」

 

すると生徒会室から紗桜莉ちゃんが出てきた。可可ちゃんは紗桜莉ちゃんの両肩を掴み……

 

「ダメです!毒殺なんて」

 

「はい?まぁいいか、生徒会長、毛虫とかとりあえず集め終えたよ」

 

「ありがとうございます。それで回収したのは……」

 

「とりあえず殺虫剤で……まぁ可哀想だけど毒性が強いから」

 

「「「どういうこと?」」」

 

「中庭に毛虫が多く、調べたら毒性が強い毛虫みたいで、業者に頼もうとしたのですが、彼女がそういうことが得意らしいので」

 

「まぁあそこは色々とね。人が集まりやすいし、虫が多いと大変だからね。今回は利害が一致したの」

 

「本当にあなたに頼むのは……」

 

「はいはい、いいよ。こっちもこっちで許可をもらった上でやれたんだし」

 

えっと、普通に良いことをしていたと言うことでいいのかな?

 

「と言うか何でもできるわね。紗桜莉って」

 

「いやいや、苦手なこともあるよ。ハッキ…………人のパソコンに侵入したりとか…………」

 

「「「「………………」」」」

 

紗桜莉ちゃん……何か優しいけど恐いんだけど…………

 

後々、紗桜莉ちゃんのお姫様の呼ばれ方に……灰色のお姫様とつくのであった




因みに可可ちゃんが怯えていたのは、中国に伝わるあるものです

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20 暑さの問題

本編、5話と6話結構悩み処な話だったり……かのんちゃんたちについていくか、ちーちゃんと一緒に残るか


「大会?」

 

そう。夏休みに行われる都大会に本校から一人選手を出してほしいという話がきているの。うちとしては嵐さんがいいんじゃないかって」

 

「今月か…」

 

「どう?」

 

「少し考えさせてください」

 

そう返事をするちーちゃん。てっきり二つ返事でOKするかと思ったんだけどな~

 

「……こっそり聞くのは趣味悪いんじゃないの?」

 

「っと、聞くつもりはなかったんだけどね」

 

茂みから私は出てきた。まさか気づかれていたとは

 

「また何か頼まれごと?」

 

「そんなところ、それにしても……」

 

「大会の話は私が決めることだから……」

 

何か言う前に言われてしまったか……仕方ない。この話には触れないでおこう

 

「所でさっき葉月さんが探してたけど……何したの?」

 

「何って……ただ冷房の修理をしただけだよ」

 

みんなが過ごしやすいようにね。設定温度をちょいちょいと

 

「まぁやり過ぎて電気代が偉いことになりそうだけど」

 

「それ、早く直したら?」

 

「何か言われる前に言ってくるか」

 

私はちーちゃんと別れて、冷房を直しに行くのであった

 

 

 

 

 

 

 

生徒会長の小言を聞き流して、部室に行くとみんながドアの裏から屋上を眺めてた

 

「どうしたの?」

 

「いや、すごい暑さだから」

 

あぁ、夏だからね~流石に日当たり良好の屋上で練習なんてしたら倒れちゃうよね

 

「なにこの熱気は…」

 

「やっと試験が終わって今日から練習だというのに…」

 

「猛暑日だねえ…」

 

「水分をこまめにとって屋外での運動は控えましょうって」

 

「さすがにそうよね。こんな外で練習は無茶でしょ」

 

「なにを言ってるのデスカ!もうすぐラブライブのエントリーも始まるのデスよ!」

 

「あ~?ラブライブ?」

 

「そんなことも知らないのデスカ!」

 

「知るわけないでしょ。そんなアマチュアの大会のことなんか」

 

「アマチュアではありません!スクールアイドルにとってラブライブは国民的行事!今年は史上最多の出場が確実視されている最大の大会なのデスよ!」

 

「ふん。私から見たらアマチュアはアマチュア。こっちはショービジネスの世界で生きてきたんだから」

 

「グソクムシがですか~?」

 

あれ?何でくぅちゃんがそれを知ってるんだろう?私は教えたつもりはないし……知ってるのって……

私とすみれちゃんはかのんちゃんの方を見て、すみれちゃんはかのんちゃんに詰め寄る

 

「かのん~!」

 

「いやどうしても教えてほしいって可可ちゃんが…」

 

「でもすみれちゃんがこんなすぐに溶け込むとはね。可可ちゃんも大好きみたいだしね」

 

「どこがデスカ!可可はそもそもこんな不真面目な人が入るのに反対なのデス!」

 

「不真面目じゃなく現実的に練習は無理だって言ってるの!」

 

「そんなことありませ~ん!うわぁ」

 

屋上に飛び出すくぅちゃんだけど、何か一瞬変な声が聞こえたの気のせいかな?

 

「ん?」

 

「大丈夫~?」

 

「はいデス!立ってみればぜ~んぜん平気デスよ~!むしろ風がある分ここにいる方が涼しいくら~…」

 

あ、くぅちゃん倒れた。私たちは急いでくぅちゃんを助け出すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…死ぬかと思いました…」

 

「やっぱり無理だよね~」

 

「ここも冷房は効いてないしどこかないの?涼しい場所」

 

「う~ん…音楽科のレッスン室なら…」

 

「ほんとデスカ!?」

 

「でも使わせてもらえないよ普通科は」

 

「ですよね~」

 

「ましてや今は冷房そこまで効かないようにしてるし」

 

「何……したの?」

 

「え?快適な温度にしかならないようにしたけど?」

 

今のご時世、節電とか五月蝿いからね~それに最初に言ったのは仮長さんだし~

 

「まぁとりあえずこの部室に取り付けるのもちょっと時間がかかるし」

 

一応冷房を修理する代わりにつけてもらうように交渉はしたからね

 




とりあえずどうするかは悩みながら書いていきます
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21 サニパ襲来

「まったり…」

 

色々と話し合った結果、一旦涼しいところでと言うことでかのんちゃんの喫茶店に来ていた

 

「やっぱりクーラーがあると違いマスね」

 

「といってもここで練習するわけにはいかないでしょ」

 

「かのんの部屋を片づけたら何とかなりませんか?」

 

「お父さん仕事してるからなぁ…」

 

「可可のおうちも騒音は厳禁とありましたし」

 

「紗桜莉ちゃんの部屋も……同じ理由だしね」

 

「と言うより下手すると物とか落ちたら大変だから」

 

「危険なものがあるのデスカ?」

 

「うーん、薬品とかじゃないよ。工具類がね~」

 

あれとかあれとかあれとか危ないからね~

 

「そうだすみれちゃんちは?神社でしょ?」

 

「木陰とかあるんじゃないデスカ?」

 

「まぁ…でもそんなに広くはないわよ?」

 

「大丈夫!この4人が練習できればいいんだから!」

 

「そうデス。たとえ狭っ苦しい猫の額ほどの広さであっても」

 

「言い方!」

 

相変わらず仲が良いのか悪いのか分からない二人だな~

するとお客さんが来たみたいで、私とかのんちゃんが対応すると……

 

「いらっしゃいま…」

 

あれ?この二人って……

 

「こんにちは」

 

「パー!やっぱりここにいた!」

 

「サニーパッション…!?」

 

「えへっ」

 

何でここに?

と言うか私の方を見て、何か微笑んでるし……

 

「△※◎*▽☆#!」

 

「はぁ?」

 

「可可のほっぺをつねってクダサイって言ってるデス!」

 

くぅちゃんの言う通りに頬をつねてあげるすみれちゃん

 

「痛くない!」

 

「アンタ氷で感覚なくなってるだけでしょ」

 

「一応はじめましてって言っといた方がいいかな。サニーパッションの悠奈と」

 

「摩央です」

 

「はじめまして。私は唐可可といいマス。あなたたちに憧れてスクールアイドルを始めるために上海から来ました!以前からお二人のパフォーマンスには感激していて常にお手本に…あいや~!可可変な人だと思われてマス!これはまずい!かき氷食べてクールダウンして…う!」

 

「だから落ち着けって」

 

「はい…」

 

すみれちゃんのお陰でくぅちゃんが落ち着いたみたい。まぁ憧れの人がいるとそうなるよね~

 

一旦落ち着き、改めてサニパがここに来た理由を聞くことに……

 

「ライブ?」

 

「そうなんだ。毎年夏休みに私たちの故郷の島でライブを開催していて」

 

「今年のゲストに是非かのんさんたちをお招きしたいと」

 

 

「お二人のライブに…!」

 

「いいんですか!?」

 

「そんなにかしこまらないでよ。ラブライブと違って順位を決めたりするライブじゃないから」

 

「とはいっても島を盛り上げるという目的はありますけどね」

 

「出たいです!出演させてください!」

 

「よかった~!ほら言ったでしょ?やっぱり直談判が一番だって!」

 

「それはこんなところまで押しかけてきたら誰も断れませんよ」

 

「本当にいいの?」

 

「はい是非!私たち今歌える場所があったらどんどん歌いたいと思ってるところなので!」

 

「根っからのスクールアイドルって感じだね。そういう顔してる!」

 

「そ…そうですか?」

 

まぁ今回はかのんちゃんたちだけメインだし、私は関係ないから……部室のクーラー取り付けでも……

 

「もちろん、貴方もね」

 

「はい?」

 

「聞いたわ。あの天使に憧れてるって」

 

聞いたって……そんな私はまだ活動してないのに?

 

「純粋無垢の天使……無慈悲の天使……様々な呼び名があり、本当に有名な方で……」

 

「なんてわざわざ話す必要ないよね。君が一番理解してるしね」

 

ま、まぁそうだけど……うん

 

「まぁ考えておいてね」

 

 

 

 

 

 

とりあえず私が参加するかは考えることに……

サニパの見送りをすることになり……

 

「じゃ細かいことはまた連絡するから」

 

「うぅ~さみしいですぅ!」

 

「練習の時間だからね」

 

「日課なの」

 

「そうだ。よかったら一緒にどう?」

 

「えっ?」

 

「そうだね。ここら辺で練習できそうな場所あったら教えてほしいし」

 

「ありマス!」

 

「ん?」

 

「すぐに案内するのデス!あなたの神社に!」

 

「うぅ…分かったわよ」

 

何か今日は本当に押しが強いな~くぅちゃん

 




気づいたけど、この話も……恋ちゃんの出番……
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22 やるべきこと

今回で本編五話終わりです


すみれちゃんの実家でサニパの練習を見ることになった私達。本当に凄い……

 

「すごい…」

 

「スクールアイドルってこんなにレベル高いの?」

 

「東京代表だからね」

 

「幸せすぎマス…。もう思い残すことはありませぇ~ん!」

 

「よく持ってきたわねそれ」

 

と言うかいつの間にそのパネルを持ってきたんだろう?と言うかくぅちゃんが本当にいつもと違うから戸惑うよ

 

「いつもはどんな練習しているの?」

 

「えっ?どんなって…大したことはやってないですけど基本はちぃちゃんにコーチしてもらってて」

 

「メニューは?始めたばかりなのにあんなパフォーマンスできるなんてすごい」

 

「どんな練習してるんだろうって摩央と話してたんだ」

 

「もちろん秘密ならそれでもかまいませんよ」

 

「いえ。秘密とかそんなことはないんですけど…」

 

練習メニューを二人に見せると二人は驚いていた。

 

「これ…考えたのは?」

 

「あ、私です…」

 

「よく考えられているわ。あなたはスクールアイドルではないの?」

 

「はい。私はお手伝いで…」

 

「ちぃちゃんは小さい頃からダンスやっていて学校でも音楽科でダンスを専門的に勉強しているんです」

 

確かにちーちゃんは凄い。かのんちゃんたちのメニュー、私にも足に負担が少ないメニューを考えてくれてるし、それに振り付けも……本当に頭が下がるけど……

 

「そうなんだ。それで…」

 

「なるほどね」

 

サニパの二人は何だか意味深にちーちゃんを見たけど、何か気になることがあるのかな?

 

「じゃあランニングしよっか!」

 

「えっ?」

 

「まだ太陽出てますけど…」

 

「このぐらいなら全然平気でしょ?さぁいこう!」

 

サニパの二人はそう言って走り出す。本当に凄いな……

 

「さすが南の島出身…」

 

「いくの?」

 

「当たり前デス!お二人が誘ってくれたのデスよ!」

 

「いくですぅ~!」

 

「仕方ないか…」

 

かのんちゃんは行こうとするけど、ちーちゃんと私の事を見て……

 

「ちぃちゃんはここで待ってて」

 

「うん…」

 

何か変な空気が流れてるんだけど……と言うかこうしてちーちゃんと二人でいることないしな~

 

「ちーちゃんは……いいの?」

 

「へ?何が?」

 

「……何でもない」

 

正直島へと行くつもりだったけど、私には私の出来ることをやるべきだ。それが何となく見つかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は本当にありがとうございました!」

 

ランニングから戻ってきたかのんちゃんたち。くぅちゃん、あれ……大丈夫?普段より頑張りすぎなような……まぁ仕方ないか

 

「ううん。お礼を言うのは私の方」

 

「ライブよろしくね」

 

「この命に代えましてもやり遂げマス!」

 

「いいからアンタは水飲みなさい!」

 

本当に大丈夫なのかな?くぅちゃん……まぁいいや、私は……

 

「あのライブの件ですが……私は行きません」

 

『えっ?』

 

「どうして?」

 

「まだ自分はステージに立つ資格がないとか?私達から見たらじゅうぶ……」

 

「いえ、ただ……」

 

私はちーちゃんの方を見て……ちゃんと答えを出した

 

「私にはライブよりもやるべきことがあるんで」

 

「なるほどね……」

 

「本当にすみません」

 

改めて謝ると、二人は特に怒っている感じではなく……

 

「謝らなくていいわ。それに何となく貴方にはそうする必要があるみたいだしね」

 

「もしライブする気になったらいつでも言ってね」

 

二人はそう言って帰っていくのであった。するとちーちゃんは用事があると言って二人の後を追う

 

「紗桜莉ちゃん、良かったの?」

 

「いい機会デスのに」

 

「……まさか私達がいない間に学校を支配!?」

 

「いや、違うから……まぁ理由のひとつとしては部室のエアコンの取り付けがあるけどね」

 

もうひとつはちーちゃんの事だけど……正直今のままでいいのかと思ってる。

かのんちゃんに相談するべきだけど、かのんちゃんにはライブに集中してもらわないとね

だから私には私のやるべきことをしないとね

 




紗桜莉がかのんたちと別行動を取るため、本編五話はここで終わる感じです
次回からは6話……

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23 見てしまったもの

ちょい短めです



私とちーちゃんの二人は居残ることになった。さて……とりあえず私は頼まれたことをしっかりと果たしておくか

 

「ふぅこれで終了と」

 

「相花さん、ありがとうございました」

 

音楽科の子がお礼を言うけど……いやお礼を言われるようなことじゃないんだけどな~

 

「一応頼まれてたからね。学校内のエアコンの調整をしてくれれば同好会の部室にエアコン付けてくれるってね」

 

「いやいや、そちらではなく……その……相花さんって葉月さんと仲が悪いから……」

 

「仲が悪いと言うより……馬が合わないだけ……別に音楽科がどうとかはあんまりね」

 

「そうなんだ~」

 

「それにしても仲が悪いって話なのに良く手伝ってくれるね。えっと……生徒会(仮)の……」

 

「あ、会計の鳥坂です」

 

水色の髪の子……鳥坂さんか。

 

「えっと、私はその……葉月さんみたいにスクールアイドルが嫌いって訳じゃないので……むしろファンと言うべきか……」

 

なるほどね……全員が全員スクールアイドルに対して嫌いって訳じゃないのね

 

「そっか、因みにあの仮長さん……もとい葉月さんがスクールアイドルを嫌っている理由は知ってる?」

 

「いえ、分からないんです……」

 

うーん、情報を聞き出せないか……まぁ感じ的に本当に知らないって感じだよね

 

「さて、頼まれた分は終わったから、後は帰っていいよ」

 

「は、はい」

 

鳥坂さんを見送ると、さて後はちーちゃんの様子を見に行ってくるかな

 

 

 

 

 

 

 

 

ちーちゃんが練習している部屋にそっと入ると……

 

「また体が流れてる」

 

「はい」

 

「10分休憩。今のところからもう一度始めるわよ」

 

「はい」

 

頑張ってるみたいだね。

私がこっちに残ったのは何だかちーちゃんが本当に心配だったからだ。そう言った感じを見せてないけど、どうにも気になった。まぁ私の取り越し苦労ならいいんだけど……

 

私はそっとちーちゃんの鞄が置いてある所へと行くと、ちーちゃんの鞄が少し開いていてその隙間からあるものが目に入った

 

『退学届』

 

どういうこと?何か本当にあったの?止めるほど大変なことが……

 

「あれ?紗桜莉ちゃん、どうしたの?」

 

「様子を見に来たんだよ……それでその……ちょっと気になったことがあるの」

 

「気になったこと?」

 

正直この話を切り出して、どうにかできるか………下手に止めたりしない方がいいのか……うーん、どうしたものか……

 

「おや、嵐さんに相花さんも」

 

仮長さん、いいタイミングで!?ここは一旦離れてどう話を切り出すか考えないと!

 

「ちょっとジュース買ってくるね」

 

「うん」

 

「あ、相花さん」

 

いや、呼び止めないでよ……

 

「何ですか?」

 

「エアコンの件、ありがとうございます。こちらとしては助かりました」

 

「部室にエアコンつけて貰うためにしたことだから」

 

早く離れて考えたいのに……

 

「それでもお礼を言うべきなので……」

 

「まぁ学校からしたら取り付けやら調整はあんまりお金がかからないからね。私が動けば丁度いいからね。それじゃジュース買ってくるから」

 

「……どうしてその事を」

 

色々と考えないとな……ん?仮長さん、何か言ったかな?気のせいか

 

 

 

 

 

 

 

ちーちゃんがやめようとしている理由としては……

 

一つはダンスの方が上手くいかない。自分を追い詰めるために覚悟を表している?

 

二つ目は大会に優勝できないようじゃ、自分はかのんちゃんの力になれないと言うことを考えてる……

 

二つ目の理由だったら私じゃどうしようもない。かのんちゃんに相談するべきだろうけど、私から言うべき事じゃないし……本当にどうしたものか…………




紗桜莉からしてみれば何とか出来るかもですが、ちーちゃんの為にならないと言うことで動こうにも動けない感じです
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24 ちーちゃんの想い

新キャラの鳥坂の色々と分かりつつ、ある子の出番がなくなります


とりあえずちーちゃんに話した方がいいと思い、練習が終わるのを待っていると……

 

「誰かと待ち合わせですか?」

 

声をかけられ、振り向くと声をかけてきたのは鳥坂さんだった。

 

「まぁそうですね」

 

「そうなんですね。それでは」

 

あ、そうだ。少し気になったことがあったんだ

 

「鳥坂さん」

 

「はい?」

 

「鳥坂さんは葉月さんの事、嫌ってるんですか?」

 

本当にこれは私が何となく思ったことだけど……違っていたら謝らないといけないよね

 

「どうしてそう思うんですか?」

 

「手伝いをしてたときに、私が葉月さんの事を仮長さんと言ったら、特に気にせずに流していたので」

 

普通は注意やら苦笑いをするはずだけど……それをしなかったことを考えると……ね

 

「なるほどね……そんなところで気づくんだ。まぁ概ね当たりですよ」

 

「概ね?」

 

「えぇ、葉月さんの事を嫌っているようで嫌ってないです」

 

嫌っているようで嫌ってない……

 

「私はどちらかと言うと葉月さんの行動が気に入らないだけ」

 

行動ね……だから嫌ってる感じがするのかな?

 

「一応今のところは貴方の味方ですよ」

 

「今のところは……つまり私の行動次第で敵になると」

 

「えぇ、ただ葉月さんの味方になることはない。それだけです」

 

どっちに付くかは私次第だけど、葉月さんの味方にはならないか……

 

「分かった。今はその事だけを確認できたから」

 

「ふふ、貴方のそう言うところは気に入ってますよ。それでは何か気になることがあれば……聞いてくださいね」

 

鳥坂さんは笑みを浮かべて帰っていくのであった。本当に……面白い子だな~

 

「あれ?紗桜莉ちゃん?」

 

「あ、ちーちゃん、話したいことがあるからちょっといい?」

 

「え、うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

近くの公園で私はちーちゃんに退学届けを話そうとするが……かのんちゃんからメッセージが入ったみたいで、少し電話するとの事だった。

 

「ごめん」

 

「待ってるから大丈夫だよ」

 

ちーちゃんが電話終わるのをおとなしく待つことにした。

 

「うん。すごくいいと思うよ。かのんちゃんらしくて」

 

あっちは大丈夫かな?と言うか私にも連絡ほしいんだけど……

 

「うん帰り……うん……ありがとう……」

 

何か様子がおかしいけど……大丈夫かな?

 

「あのね……あっごめん。どうぞ……いや私は大したことじゃないから……ただ大会が終わったら………やっぱり何でもない。かのんちゃんは?うん……」

 

電話が終わったみたいだけど、やっぱり何だか寂しそうと言うかなんと言うか……

 

「ちーちゃん、退学するの?」

 

「……知ってたの?」

 

「鞄開いてて……目に入ってね……理由は?」

 

「大会で優勝できなかったらここをやめるつもり。決めたんだ。海外で修業するのも悪くないなって」

 

「何でまた……」

 

「かのんちゃんの力になれないから。それならここでダンスを続けてたって意味ないもん……」

 

「ちーちゃんにとっては……かのんちゃんは……」

 

「私ね小さい頃よくいじめられてたんだ……昔の私は気も弱くて体力もなくて。いつも何かに怯えてた……助けてくれたのがかのんちゃんだった……かのんちゃんは色んなことを教えてくれた。前に進む大切さだったり新しいことを見つける楽しさだったり……だからいつかかのんちゃんの横に立てる人になりたくて……」

 

「ちーちゃんがダンスを始めたきっかけは……かのんちゃんなんだね」

 

「うん……かのんちゃんの力になるには今の自分じゃダメだって。かのんちゃんのできないことを一人でできるようにならなきゃって……」

 

一人でか……それは……本当に……

 

「一人で結果を出して自分に自信を持てるようになりたい。それまではかのんちゃんと一緒に何かやるのはやめようって」

 

「ちーちゃんがスクールアイドルをやらないのは……」

 

「うん。自分で決めたことだからね。ダンスで結果を出してかのんちゃんの力になれるって自分で思えるまでは」

 

「…………」

 

私じゃどうしようもないな。今必要なのは……ちーちゃんな必要なのはかのんちゃんだよね

 

「ごめんね。変な話をして」

 

「ううん、大丈夫だよ。今の私にはこう言うしかできない……頑張って」

 

「うん……」

 

私とちーちゃんはそのまま別れた。今の私には本当に出来ることはない……

 

「お姫様でも……出来ないことがあるんですね」

 

いつの間にか……と言うか話を聞いてたのかな?

 

「暇なの?鳥坂さん」

 

「人聞きの悪い……それでこのまま放っておくなら私的にはがっかり……」

 

「放っておく?何言ってるの?」

 

私はスマホを取り出し……

 

「私じゃ出来ないことがあるけど、私は使える手はいくらでも使うし、手も抜かない!」

 

「……流石お姫様……」

 

「そう言う鳥坂さんは隠密かな?」

 

私は笑みを浮かべ、電話をした。ちーちゃんを助けられるのは……かのんちゃんしかいない!!




お姫様に隠密……割とえらいキャラに……そして恋ちゃん……出番が…………

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25 二人の繋がる想い

あれ?よくよく思ったら……出番が全くな……

可可「どういうことデスカ!」

すみれ「まぁ……あっちよりは……」

恋「出番が……奪われた……」




紗桜莉side

 

ちーちゃんの付き添いで大会会場に来ている私。やっぱりと言うかなんと言うか……少し不安そうなちーちゃん。

もうそろそろ来そうな感じがするんだけどな~

 

「かのんちゃん…」

 

ちーちゃんはスマホを見てかのんちゃんの名前を呟いていた。そっと覗き込むと……

 

『ごめんね……気がつかなくって』

 

とメッセージが送られていた。

フッと私はこっちに駆けてくる一人の姿を見つけ、そっと離れた。

 

「ちーちゃん!」

 

「かのんちゃん!?どうして…」

 

かのんちゃんは息を整えながら、ちーちゃんに話しだした

 

「来ちゃった。なんか電話で話してた時変だなって思って」

 

かのんちゃんは俯くちーちゃんの手を握り……

 

「なんかちぃちゃんすごい不安なんじゃないかって。勘違いかもしれないけど…あっ、私が伝えたかったのは一つだけ。私いつもちぃちゃんのこと尊敬してる。真面目に頑張って少しダメでもめげたり落ち込んだりしないし。だから…」

 

ちーちゃんはそっとかのんちゃんの手を振りほどき……かのんちゃんに背を向け……

 

「やっぱりダメだな…」

 

「えっ?」

 

「一人で頑張らなきゃいけないのに…自分で自分に自信持てるまでかのんちゃんがいないところで一人でやろうと思ったのに……かのんちゃんが来てくれた時やっぱりホッとしちゃった…」

 

やっぱりと言うべきか……ちーちゃんに必要なのは……かのんちゃんだった。まぁ私は今回は何もしてないけど……

 

「かのんちゃんは悪くないよ。悪いのは弱い私。かのんちゃんに頼らないって!今日ここでかのんちゃんのできないことをできる自分になるんだって!こう見えて私…負けず嫌いなんだ」

 

「だったら私も思ってた。ちぃちゃんに助けてもらってばっかりだって」

 

「えっ?」

 

「歌えなかった時、失敗した時いつもちぃちゃんが助けてくれた」

 

「それはかのんちゃんがいたから…」

 

「じゃあ2人一緒だね!二人とも頑張ってきた。お互いがお互いを見てお互いを大切に思って……私ねあの時本当に感激したの!全身が震えた!『私かのんちゃんのできないことをできるようになる!かのんちゃんの歌みたいに大好きで夢中になれるもの!私も持てるようにがんばる!』って……なんてかっこいいんだろうって。私もちぃちゃんのこと見習わなきゃって。真似できないくらい歌えるようにならなきゃって」

 

「あっ……」

 

さっきまで天気が悪かったのに……いつの間にか晴れてきた。まるでちーちゃんの心みたいな……

 

「ありがとう。あの言葉があったから私今こうして歌っていられる」

 

ちーちゃんも心が晴れ、二人でういっす~と掛け声をしていると……

 

「紗桜莉ちゃんもありがとうね……かのんちゃんを呼んでくれたんでしょ」

 

「そのつもりだったけど、電話したときにかのんちゃん、もう向かってるって行ってたからね」

 

「あはは、それでも紗桜莉ちゃん、ありがとう。ちぃちゃんのこと見守ってくれて」

 

「ま、こっちに残ったんだから……それぐらいはね」

 

何て言うか改まってお礼を言われるのはちょっと恥ずかしいんだけど……照れているのがバレないように……と顔を背けた

 

「紗桜莉ちゃん、照れてる~二人とも行ってくるね」

 

私とかのんちゃんはちーちゃんを見送り、ちーちゃんは見事優勝を果たすのであった

 

 

 

 

 

 

 

そして島でのライブはちーちゃんを入れて、四人で行い、素晴らしいステージを見せてくれた

 

「貴方も出ればいいのに」

 

「摩央さん、私はまだまだですよ」

 

「そのときが来たら楽しみにしてるわ」

 

「えぇ、その時はお呼びしますね」

 

お互いに微笑み合うのであった。




次回!生徒会選挙開幕!

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27 始まる選挙

今回はマジで色々と、考えた


真っ白な部屋……そこには病弱な母親と母親に甘える女の子と白い小犬…………そして私は母と一緒に笑顔でその光景を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

「う~…」

 

「お疲れだねぇ」

 

「島から戻ってすぐ新学期はこたえるデス…」

 

「まぁあっちで頑張ってたからね」

 

「そう言う紗桜莉さんもこっちの残って学校の整備頑張って聞いてイマス」

 

「まさか全ての教室にエアコンつけて、更には細かいところも整備するし……」

 

「まぁ好きでやってたからね」

 

それに手伝ってくれていた鳥坂さんもいたけど……本当にあの子の目的がよくわからない

 

「しゃきっとしなさい!」

 

すると前にちーちゃんがいたけど、何か違和感が…………

 

「ん?ちぃちゃん?」

 

「何か違和感が…」

 

「前髪切った?」

 

「いや、切ってない感じだよ?」

 

「これからは前よりもみっちりダンスの練習するんだから疲れてる場合じゃないよ!」

 

と言うかよく見ると……制服が…………普通科のになってる!?

 

「「あっ…!」」

 

「うい~っす!どう?普通科の服!」

 

躍りながら見せるちーちゃん。まさか普通科に来るとは……まぁ元々そのつもりだったみたいだから……そこまでは驚きはないけど…………

 

 

 

 

 

「本当は退学して普通科を受け直そうと思ったんだけど理事長先生が転科を許可してくれるって」

 

「でもどうして…」

 

「これからはかのんちゃんたちと同じ目標に向かって頑張りたいと思って」

 

「それで…」

 

「内緒にしててごめんね」

 

まぁかのんちゃん第一のちーちゃんらしいけどね

 

「愛デス……」

 

「「え?」」

 

「△※◎*▽☆#!可可感動しマシタ~!」

 

くぅちゃん、中国語出るくらいに感動してるし…………

 

「そんな大したことじゃないけど…」

 

「じゃあ授業始まる前にクラスのみんなに紹介しないとね」

 

校舎に入ると掲示板のところに人だかりが出来ていた。なんだろう?何かあったかな?

 

「わぁ…」

 

「何デスカ?」

 

「あっかのんちゃん。見てこれ」

 

「生徒会?」

 

「延期になっていた本校の初年度生徒会を発足~!?」

 

あーようやくなんだ……まぁ今までは仮のメンバーでやってたからね~

 

「そうなの。とりあえず生徒会長の希望者を募って複数いる場合は選挙をして…」

 

「えへへ。お…おはよ~」

 

「えっ!?」

 

「そうなんだ。今日からちぃちゃんが…」

 

「かのん生徒会デス!」

 

「そ、そうだね」

 

「千砂都ちゃん普通科に!?」

 

「そうだよ。えっと…」

 

「生徒会選挙デス!」

 

「なんでなんで!?」

 

「選挙ですぅ~!」

 

「う~!いろいろ渋滞してる~!」

 

頑張れ~かのんちゃん。それにしても選挙ね~まぁ私には関係ないか

 

『相花紗桜莉さん、理事長室まで来てください』

 

「紗桜莉ちゃん……何かしたの?」

 

「うーん」

 

「まさか見に覚えがないのデスカ!」

 

「ありすぎるな~音楽科のエアコンの設定温度を気を遣って+2度にしたことかな?それともパソコンを新しいのにしたことかな?」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「やりすぎだよ……」

 

「流石は紗桜莉さんデス……」

 

とりあえず行ってくるか…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室である話を聞き、私は引き受けた。まぁ釘を刺されたんだな……

するともうダッシュで逃げていくかのんちゃんの姿を見かけ、追いかけると…………

 

部室に閉じ籠るかのんちゃんと何か説得するちーちゃんとくぅちゃんの姿が…………

 

「何事?」

 

「紗桜莉さんからもお願いしてくだサイ!かのんを生徒会長に!」

 

「だから~ちぃちゃんでも可可ちゃんでもいいじゃん~」

 

なるほどね……かのんちゃんならいいかもしれないけど…………

 

「しょうがないわねったらしょうがないわね。フッフッフッフッ…」

 

すみれちゃん、何で襷を……もしかしてだけど……

 

「ショービジネスの世界に生きてきたこの私がその力を発揮して…」

 

「かのんお願いシマス!」

 

「かのんちゃん!」

 

「嫌だ~!」

 

「ギャラクシー!」

 

うん、いつもの流れだ……

 

「スクールアイドルを続ける身としてこの平安名すみれが…」

 

「かの~ん!」

 

「見なさい!」

 

「どちらしゃまデスカ?」

 

「知ってるでしょ!」

 

「あれ?え~っと…す…す…なんとかさん」

 

「すみれったらすみれよ!す・み・れ!メンバーの名前忘れてどうするの!」

 

「すみません新入りなもので~」

 

「まぁいいわ。生徒会長選挙と聞いて正直それほど気は進まないけれど…」

 

「なら結構デス間に合ってマス。おととい来やがれ。身の程わきまえろデス」

 

「なにさらっとひどいこと言って…」

 

すみれちゃんが出ると聞いて、立て籠っていたかのんちゃんが出てきて、すみれちゃんの手を握りながら……

 

「すみれちゃん!」

 

「えっ?」

 

「ありがとう!全力で応援するから!」

 

「ええっ…!」

 

「「え~」」

 

「”え~”って言うな!」

 

「まぁすみれちゃんが出るならこれ渡しておくね」

 

私は一枚の紙を渡した。みんなはそれを見てなぜか不思議そうに……

 

『生徒会長選挙規則?』

 

「理事長から任命されたの。平等で公平なルールで選挙行うように……まぁ釘を刺された感じね」

 

全く私なら不正所かルール内でギリギリな事をしそうな感じがするからなんて

 

「まぁ私が平等かつ公平なルールを作っていいなら…………ふふ、ふふふふふふ」

 

((((間違った人を管理委員にしたのでは?))))

 

「とりあえず規則をちゃんと見てね」

 

『生徒会長選挙規則』

 

一 立候補者が複数の場合は投票にて行う

 

二 立候補者の不正が判明した場合は票数をマイナスにする

 

三 立候補者演説の際に妨害行為また妨害していると判断した場合は妨害者を立候補者から外す(協力者でも適用)

 

四 立候補者は公約を必ず上げること

 

五 当選者は個人的な理由で部活動の廃止などを行わないように……

 

六 五に該当する行為が見られた場合は、やり直し選挙を行う。また違反した者も再度立候補してもいいが、その場合は圧倒的な票数ではないと認められない

 

裏に

 

「なるほどね……」

 

「と言うか当選後まで」

 

「一応はあげてみて、理事長にOKは貰ってるから」

 

さてさてどうなるかな?それに言わなかったけど、入りきらなかった規則があるけど……まぁこれはなくてもいいかな?

 

 




次回……色々と荒れますかも?

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28 一人の隠された想い

色々と秘密に触れていきます


恋side

 

「立候補?」

 

「何か普通科で1人いるんだって」

 

「選挙になっちゃうけど大丈夫かな?」

 

「普通科の方が多いし…ましてや選挙管理委員はあのお姫様だし……」

 

音楽科の子に心配されたが、私としては特に気には止めずそう言った。

 

「仕方ないです。それに必ずしも普通科の生徒が普通科の候補者を応援するとは限りません。頑張るしかないです」

 

「そうだね」

 

「うん頑張ってね」

 

「もし手伝うことあったら言ってね」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあね~!」

 

彼女たちを見送り、私は書いた立候補用紙を見つめた。全ては……母が残したこの学校のために……

 

「あ、葉月さん。こんにちわ」

 

すると一人の少女が声をかけてきたけど……確か……音楽科の…………

 

「鳥坂さん?」

 

「あ、知ってるんですね」

 

「ええ……同じ音楽科の方ですし……」

 

「…………そう」

 

「?」

 

何故か彼女は寂しそうな顔を一瞬し、すぐに笑顔で…………

 

「生徒会長に立候補なんですね」

 

「えぇ」

 

「私は葉月さんには入れないですから」

 

「え?」

 

「私は葉月さんのこと……嫌いなんで……特に今の貴方は……大嫌い」

 

彼女はそれだけを伝え、出ていくのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

早速すみれちゃんの動画を撮ることになった私たち。

 

 

「生徒会長候補 平安名すみれ!合言葉は結ヶ丘ギャラ『ああっ!待て~!』クシー!」

 

何か今、遮られたけど……大丈夫かな?

 

「OKデ~ス」

 

「いいわけないでしょ!」

 

何かくぅちゃんがやる気ないけど……そんなにかのんちゃんにやってもらいたかったのかな?

 

「なにそのテンションの低さは!もっと本気でやりなさいったらやりなさいよ!ショービジネスの世界で生きてきたこの私の力をもってすれば…」

 

「かのんちゃ~ん!」

 

「あっ、どうだった?」

 

「今立候補が締め切られて正式に葉月さんとすみれちゃんの2人で争うことになったよ!」

 

「つまり葉月恋を倒せばこの学校の頂点に立てるというわけね」

 

「まぁ選挙事態は公平にしてるからね。どれだけすみれちゃんをアピール出来るかだけど…………」

 

「とはいっても葉月さんこの学校の創立者の娘っていうし…」

 

「勝てるわけがないデス」

 

「味方が諦めてどうする!」

 

「あっでも葉月さんも盤石ってわけじゃないらしいよ。実際音楽科ではクラス委員でみんなをまとめてるし人気もあるんだけど普通科をちょっと下に見てるんじゃないかって噂もあって…」

 

「そうなんだ」

 

「そう言えば……ちょっと気になった事があるんだけど……紗桜莉ちゃん」

 

「ん?」

 

「規約の七……あれ大丈夫なの?」

 

「あー掲示板だと分かりづらいよね。まぁわざわざ書くことじゃなかったし……」

 

「何の話?」

 

「かのんちゃん、紗桜莉ちゃんはしっかりとその後の事も考えてるってことだよ」

 

「?」

 

「とりあえず私はそろそろ管理委員の仕事に入るから、すみれちゃん、頑張ってね」

 

私はそう言って、仕事に入るのであった

 

 

 

 

 

 

 

選挙のある程度の準備を終わらせ、そろそろかのんちゃんたちの所に戻ろうかと思っていたら……

 

「こんにちわ」

 

「鳥坂さん、どうしたの?」

 

「そうね……様子を見に?」

 

「へー敵情視察?」

 

「違うわ……私からしてみれば葉月さんに生徒会長になってほしくないの」

 

「それはどうして?」

 

「……今の彼女は……一人で全てを背負おうとしてる。だからよ」

 

鳥坂さんはそれだけを言って去っていった。本当に彼女の目的が分からないんだけど…………

 

そんなことを考えていると電話がなり、相手はかのんちゃん?

出てみると……

 

『えっと、ペナルティーつけられちゃった』

 

「はい?」

 

かのんちゃんの話を聞くと、すみれちゃんは音楽科の票を集めようとして、ギリギリのセーフを狙い、たこやき屋のキッチンカーを使って買収行為をしたらしいけど……騒ぎを聞き付けた理事長に注意を受け、私の作った規約違反に触れているため…………

 

「……規約守ろうよ」

 

『そんな淡々に言わないであげて……』

 

はぁ、まぁ仕方ないよね…………




次回はちょっと長めになるかもです

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29 反省会と規約

今回は結構書きたかった話


「第一回!大反省かーい!」

 

『………………』

 

テンション高めで言ったのに……反応が悪いな~

 

「どうしたの?みんな~テンション低いよ~」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「もうかのんちゃんは~別に怒ってないよ~ギリギリセーフ所か完全にアウトの事をしたことなんて~」

 

私はホワイトボードに書かれた-20票を見て微笑んだ。

 

「この人が悪いんデス」

 

「ちょっと!私一人だけに責任を押し付ける気!」

 

「だってそうじゃ……」

 

喧嘩する二人だけど、私は止めるようにと大きく手を叩いた

 

「はい、喧嘩しない。あとくぅちゃん」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

「気になってたけど、すみれちゃんに当たりが強すぎだよ…………すぐに直せとは言わないけど…………あまり酷いようだと怒るよ」

 

「……はいデス」

 

「全く……すみれちゃんも変なことを思い付かなくてもそのままやっていけば当選したのに」

 

「え?」

 

「紗桜莉ちゃんはすみれちゃんが当選すること分かってたの?」

 

「まぁすみれちゃん、可愛いし、真面目だし、案外生徒会長とか向いてると思ってたけど…………」

 

「紗央莉ちゃんはしっかり見てるんだね」

 

「とは言え真面目にやっていればの話デスネ」

 

「まぁ過ぎたことは…………ってすみれちゃん、顔赤いけど……」

 

「い、いや……ハッキリと言われると/////」

 

「そんな私が言ったくらいで照れちゃうなんて……かのんちゃんが言ったらもっとすごいことになるよ!」

 

「いや、そんなわけ…………」

 

「やらないの?」

 

「ちぃちゃんまで!?」

 

さて話を戻すとして、葉月さんが当選したわけだけど…………

 

「みんなはどう思う?葉月さんが当選したことについて」

 

「やっぱり葉月さんが生徒会長でよかったような気がする」

 

「私も」

 

「アンタたち…!」

 

「いやすみれちゃんがダメってわけじゃないんだよ?ただ学校全体のことを考えたり色々決めていったりしなきゃいけないことを考えると…」

 

「ですがスクールアイドルは…」

 

「そこだよね」

 

「話してみる」

 

「聞いてくれるでしょうか?」

 

「分からないけど…でもきっと何か理由がある気がするんだ」

 

葉月さんのことはかのんちゃんに任せるとして……なんというかみんな勘違いしてるけど…………

 

「話すのはいいけど、スクールアイドル云々は大丈夫だと思うよ」

 

「どう言う事?」

 

「あの人のしてきたことが…………」

 

「選挙規約で個人的な理由で廃部にすることはできないって書いたんだけど…………」

 

「そう言えば……まさかと思うけど……私がならなくても別に……」

 

「廃部になることも禁止にすることも出来ないよ……」

 

葉月さんの場合はそれをしっかり守りそうだしね

 

「と言うか思ったんだけど……紗桜莉ちゃんが生徒会長になっても……」

 

「それは…………」

 

「紗桜莉さんは生徒会長の器じゃ……」

 

「仕方ないわよ……普通科みんなが言ってることだしね」

 

「うん……紗桜莉ちゃんは……」

 

「え?みんな……ひど…………」

 

「「「生徒会長の器じゃ収まりきらないからね」」」

 

「はい?」

 

うん、みんなにけっこう言われてる……私が生徒会長になるよりもっと凄い役職に就いた方がいいって

 

「その……紗桜莉ちゃん、凄いね」

 

「ありがとう」

 

かのんちゃんは話に行くといい、私たちはかのんちゃんの頑張りに期待するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、集会が始まった。昨日の件は後でかのんちゃんに聞かないとな……

 

『ではここで初代生徒会長葉月恋さんからの挨拶です』

 

壇上に上がった葉月さんは原稿を読み上げた。

 

「改めましてこの学校の初代生徒会長に任命された葉月恋です。この名誉ある仕事につくことができ光栄であると同時に身の引き締まる思いです。わたくしはこの結ヶ丘女子を地域に根ざし途切れることなく続いていく学校にするために誠心誠意努力する所存です。そのために……………」

 

「ん?」

 

「どうしたのでしょう?」

 

唇を噛み締めてる?それに……何か様子がおかしいし…………

 

「そのために最初の学園祭は音楽科をメインに行うことと決定しました」

 

葉月さんの発言により、生徒全員がざわつき始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

鳥坂side

 

やっぱり……もう貴方は…………

ざわつく中、私は壇上に上がっている葉月さんを睨んだ…………

そんな中、一人だけ椅子から立ちあがり、壇上に近づく生徒がいた。それは……相花さん?

今更どうするつもり?私からしてみれば葉月さんが当選したことによって、相花さんにはもう……………………

 

「生徒会長選挙規約第七条『掲げた公約を破る場合は…………生徒会長を解任してもらう』」

 

相花さんの発言で更にざわつき始めた。

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

まさか念のために書いておいたことが発生するなんてね…………だけど私は管理委員の仕事を全うする

 

「なんですか……その規約は……」

 

「掲示板に貼ってある規約…………あれには裏にも規約が書かれていたの」

 

「っ……!」

 

「そして『第八条 七条を破ったものは、再度選挙を行うが……その場合全生徒から認められなければならない』更に『第九条 もしも他にも立候補する方がいれば、その場合解任された方には生徒会長になる資格はない』」

 

「なんですか……ふざけた規約は…………」

 

「ふざけた?ふざけているのは貴方よ。葉月さん」

 

「何を…………」

 

「私からしてみれば裏に書かれた規約は貴方やもう一人の立候補者は破らないだろうと思っていたけど…………期待外れよ」

 

「………………」

 

「それに貴方は本当に生徒の事を思ってる?貴方から感じるのは…………この学校を私物化しようとしている…………母親が設立者だからってやっていいことと悪いことを分かっていない」

 

「貴方に……貴方に私の気持ちが…………」

 

「知らないわよ!あんたが一人で抱え込んでいることなんてね!話そうとしないなら私は好き勝手言わせてもらうわよ!」

 

私は大声で……感情的に叫んだ。いい加減色々とムカついてる事が多いからね

 

「………………」

 

「話すつもりがない……と言うよりここでは話せないね……なら後でスクールアイドル同好会の部室に来なさい!」

 

「…………分かりました」




割とオリジナル展開になってます

メイドさんはしっかり登場させますよ~後チビも

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30 結んだ二つの思い 前編

今回はかのんちゃんsideでお送りします



かのんside

 

部室に集められた私たち。そして葉月さんの前には紗桜莉ちゃんが不機嫌そうに座っていた。

 

「今の私の家にはお金がありません」

 

私たちは葉月さんから全てを聞くことになったけど、初っ端から物凄いことを言ってない?

 

「神宮音楽学校の生徒だった母は同じ場所に再び学校をつくりたいと願い続けていました」

 

「それで結ヶ丘を…」

 

「しかし海外での仕事が決まっていた父はそれに反対し家を出ていったのです。それでも母は頑張って創立までこぎつけたのですが無理をしたこともあり2年前帰らぬ人に…」

 

「じゃあ一人っていうのは本当に…」

 

「はい」

 

「お金がないというのも…」

 

「恥ずかしながら本当です。父は海外で一緒に暮らそうと言ってくれましたが断りました」

 

そんな事情が……今まで悪者みたいにしていたけど……事情を聞いたら…………

 

「だからなに?」

 

「…………」

 

えっと、紗桜莉ちゃん?事情が物凄く重いんだけど…………

 

「お金がない?それはあなたの家庭の事情だよね?」

 

「い、いや、学校の経営がね……」

 

「そんなの援助してもらおうとか思わなかったの?」

 

「……そんなこと」

 

「葉月家から他の所に経営が移るかもしれないとか思ってる?援助金を出す条件としてそこら辺を付け加えればいい話だし、と言うか理事長に経営権を渡しても良かったよね?」

 

「その方法も理事長に言われて……ですが」

 

「家にはあなた一人……」

 

「いえ、チビが」

 

「知らないよ。犬か何か?と言うかそんなことを聞いてるんじゃない!たかが高校生の娘一人で学校をどうにか出来ると思ってるの?」

 

「…………いえ」

 

「経営云々はあなた一人の問題じゃないし、あの集会での発言も入学数が今のところ少ないからって話でしょ!そんな今の事を考えて学校を私物化しないでほしいんだけど!」

 

「一応……葉月さんのものじゃ」

 

「かのんちゃんは静かに!」

 

「はい!」

 

ほ、本当に今日の紗桜莉ちゃん、怖いよ~

 

「……あなたの言う通りですが……それでも…………」

 

「未来を想像することを放棄してない?」

 

「未来を?」

 

「今は無理……このままだと廃校になる。葉月さん、貴方は暗い未来しか見てない!明るい未来を見る!想像する!それを放棄してる!」

 

「…………」

 

多分だけど……この言葉は紗桜莉ちゃんが誰かに言われたのかな?

紗桜莉ちゃんも同じように未来に絶望していたから…………

 

「それに学校どうこうにスクールアイドルは関係ないよね?」

 

「それは…………」

 

「その子の母親がスクールアイドルだったからよ」

 

すると音楽科の子が部室に入ってきたけど…………えっと誰?

 

「鳥坂さん……どうしてそれを」

 

「……まだ思い出せないんだ…………一人で抱えてるから忘れたんだね」

 

「やっぱり知りあい……と言うより親友だったみたいね」

 

「流石は相花さんね。そうよ……私は彼女の家に働いていたメイドをしていた母の娘……」

 

「あ……さつきさん?」

 

「ようやく思い出したんだね……まぁ名字も母のものにしていたからね」

 

鳥坂さんって人が……葉月さんの家のメイドさんの娘?

 

「貴方は抱え込んでるから、私との約束を忘れた。まぁその約束はどうでもいい。私は貴方の力になりたかったけど……ここに来てから貴方には幻滅したよ…………」

 

「これは……私の……」

 

葉月さんと鳥坂さんの間にも深い溝が…………ふっと紗桜莉ちゃんを見ると物凄くどうでも良さそうにしていた

 

「二人の関係については今はいい。母親がスクールアイドルをやっていたなら、どうして私たちを認めなかったの?」

 

「スクールアイドルは……駄目なのです……スクールアイドルだけはやめてほしいのです!」

 

「えっ?」

 

「この学校で活動しないでほしい…」

 

「理由を教えてくれる?」

 

「かつてここには学校を廃校から救うためにアイドル活動をする生徒がいました。それがわたくしの母です」

 

「だからこの部屋には”学校アイドル部”のプレートが…」

 

「まだスクールアイドルという言葉が生まれるずっと前のこと。母たちの活動は評判になり注目を集めました。でも目標は叶わず学校は廃校に…」

 

「あんなに嫌がってましたですのに?」

 

「ですが……何も残っていないのです!いくら捜してもスクールアイドル活動の記録だけ残っていないのです。他の学校生活の記録は残っているのに、学校でアイドル活動をしたその記録だけがどこにもない。それで思ったのです。もしかしたら母は後悔していたのではないか。スクールアイドルでは学校を救えないと感じていたのではないかと」

 

そんな……私やちぃちゃん、可可ちゃん、すみれちゃんは何とか否定をしようとしたけど…………そんなことを言えるような状況じゃなかった

 

「それ、葉月さんが母親の事を侮辱してるよね?」

 

「何を!そんなこと!」

 

「ならどうして!スクールアイドルを禁止しようとしたの?母親が失敗したことをまた誰かが同じように失敗するから?貴方にとって母親は大切な存在じゃないの?だとしたら禁止するようなことはしないよね?」

 

「それなら……それならどうしてないのです?大切な思い出の写真一枚残っていないなんてあると思いますか!?」

 

「本当に探したの?」

 

「え?」

 

紗桜莉ちゃんは立ち上り、倉庫へと向かっていった。どうしたんだろう?

暫くして紗桜莉ちゃんはあるものを持ってきた。それは古い鍵のかかった箱?

 

「かのんちゃん、部室の鍵にもうひとつ鍵がついてるよね?」

 

「う、うん」

 

「貸して」

 

私は紗桜莉ちゃんに鍵を渡すと…………紗桜莉ちゃんは葉月さんと鳥坂さんを見て…………

 

「答えはここにある」

 




次回に続きます!

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31 結んだ二つの想い 後編

今回で色々と解決!


かのんside

 

同じ場所で想いがつながっていてほしい……この言葉の想いを知った時、二人はずっと…………

 

 

 

葉月さんの一件から数日後、再び集会にて葉月さんが登壇していた。

 

「先日の集会において、皆さんを大変不安に……そして不快に思わせてすみませんでした」

 

葉月さんは深々と頭を下げ……そして語った。

 

「私はこの学校をより良くするためにと言う思いの中で……一番こうした方がいいと……自分の考えを押し付けていましたが…………それは違うと叱ってくれた方がいました」

 

うん、あの日……紗桜莉ちゃんが開けた箱の中には……葉月さんがずっと探していたお母さんのスクールアイドルとしての記録が残されていた。

葉月さんのお母さんは後悔なんてしてなかった。廃校になってしまうけど、学校がひとつになれて、みんなの心が結ばれていった事を喜んでいたこと…………そして結と文字を冠した学校を必ずここにもう一度つくる。音楽で結ばれる学校をここにもう一度つくる。それが私の夢。どうしても叶えたい夢……そう書き残されていた。

 

「私は……大切なことを忘れていました…………だからこそ過ちを犯しました…………だから……許されなくてもいい、1つだけお願いしたいことがあります……文化祭は音楽科も普通科も一緒に心を結んでいけるように……作って貰えないでしょうか?それまでの間…………私が生徒会長でいさせてください……その後は再度…………」

 

「規則……まぁ何条でもいいか」

 

すると舞台袖から……紗桜莉ちゃん!?いや、大丈夫なの?

 

「相花さん……」

 

「『管理委員が解任させた人は、納得行く理由とこれから先の学校の未来を見据えた公約を掲げた場合…………解任をなかったことにする』まだ納得出来ない人がいるかもしれない……陰で何か言われても……この学校を良くしていける?」

 

「えぇ!勿論です」

 

「みんなもいいよね?」

 

紗桜莉ちゃんがそう聞くと生徒全員が拍手を贈った。

これで一つになれるんだね

 

「にしても……あの……大丈夫ですか?体調は?」

 

「うん、ちょっと立ってるだけで辛い…………」

 

フラフラしてる紗桜莉ちゃん……あぁもう……無茶して…………

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

保健室で横になる私……いやはや色々と重なって身体壊してしまうなんて……

 

「体力ついたつもりなんだけどな~」

 

「いや、体力云々じゃないでしょ……」

 

「うぅ、かのんちゃん……ひどい……私が一番頑張ったのに……」

 

「それは……そうだけど」

 

あの日……私はもう1つ大事なことを教えてあげた

 

 

 

 

 

 

 

「お母さんの想いはここに残されてるし……それに…………」

 

私はそっと立ち上り……屋上へと向かった。みんなも私の後をついていき…………

 

「最初の観客はここにいる六人だけど…………充分!」

 

私は全力で歌った。私にはダンスなどは出来ない……だけど歌とちょっとした振りで全てを表現していく

 

歌い終わり……かのんちゃんたちが拍手を贈る中、私は葉月さんを見つめ…………

 

「確かに葉月さんのお母さんたちは廃校を阻止できなかった。でも今は違う!スクールアイドルも今や有名になり、そして今!こうしてスクールアイドルをやっているかのんちゃんたちもいる!葉月さん!貴方はお母さんと同じように悲しい想いをしてけど、楽しい思い出にするつもり?今!貴方が出来ることは!結んだ想いを繋いで!最高で最高な思い出をこの学校に残すことじゃない!」

 

「最高で最高な…………」

 

「改めて言うよ!葉月さん…………スクールアイドルをやらない?」

 

「………………」

 

 

 

 

 

 

 

葉月さんの出した答えはかのんちゃんたちが納得いくものだったけど…………

 

「はぁ……」

 

「それにしても普段あそこまで怒らなかったからって……反動で一気に身体に影響するって……」

 

「普段は感情をセーブしてるから……それでも一回爆発させちゃうとね~厄介な身体だよ」

 

「もう……」

 

かのんちゃんはあきれた顔をしていたけど、私はこうして丸く収まったことに関して良かったと思う。まぁ不満は……

 

「鳥坂さん、スクールアイドルをやらずにサポートか~」

 

「仕方ないよ……葉月さんの家でメイドとして働きながらだから」

 

「まぁでも……結ばれたよね?」

 

「うん」

 

「それじゃ文化祭の準備頑張ってね~」

 

「いや、紗桜莉ちゃんも」

 

「私は今回ので疲れたよ~」

 

「もう……」

 

 

 

 

 

 

 

少し寝て、目を覚まし体力も回復し起きると……

 

「ここにいたのね」

 

「理事長……どうもです」

 

「……今回は私の依頼とは言えありがとう」

 

「いえ、私は私で色々と解決したかったので」

 

今回の管理委員の件……理事長に頼まれたときに1つだけお願いされたことがあった。

それは『葉月さんを助けてあげて』と……理事長も色々と思うところがあったみたいだったからね

 

「それにしても貴方は本当にあの子に似てるわね」

 

「まさか母もここにいて、理事長と葉月さんのお母さんと知り合いなんて……」

 

「苦労させられたわ……あの子は問題が起きたら力業で解決してたし、娘の貴方はありとあらゆる手段で解決する……似てるようで似てないと言うか……余計に苦労したわ」

 

「理事長もその砕けた感じ……いいですね!」

 

「私は普段からこんな感じよ……まぁ同じことをしてるって言うのは子供に引き継がれるのね」

 

「はい?」

 

「貴方の母親も……花を助けてくれていたのよ」

 

「そっか……えへへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして文化祭当日、私は舞台裏で結ばれた想いを結ばれた心の未来を見ていた。

かのんちゃんたちが五人で歌うステージ…………きっとこれは本当の始まりだよね?

ふっと観客席の所に……葉月さんのお母さんの姿が……あれ?見間違い?

 

「天国から見に来たのかな?なーんてね」

 




本当にここら辺の話は良かった……
因みにお金問題についても解決策を言われたら…………

競馬
葉月パパ、ちょっとおど……説得

どっちかにしていた

次回はオリストになります!感想待ってます!


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32 ちょっとした秋の休日

今回はオリストです。何か……別の世界線の……
短めです


かのんside

 

「お邪魔します」

 

「あ、いらっしゃい」

 

今日は練習もお休み。なので喫茶店の手伝いをしていると、恋ちゃんが訪ねてきた。

 

「今日はどうしたの?」

 

「その……かのんさんと紗桜莉さんにお礼を言いに……」

 

お礼?私……お礼を言われるようなことしたっけ?

 

「私の事とか……母の残した想いとか……」

 

「あー、あれは紗桜莉ちゃんが頑張ってたから」

 

「それでもあの時……かのんさんが声をかけてくれたから……本当にありがとうございます」

 

深々とお礼を言うけど、なんと言うか……私は……

 

「恋ちゃんの事を支えたいって思ったから」

 

「かのんさん……その紗桜莉さんは……」

 

「あー今……」

 

「かのんちゃ~ん、ブラック……濃いめで……」

 

眠そうにしながら降りてきた紗桜莉ちゃん。遅くまで何かしてたから…………

 

「あれ、恋ちゃん。どうしたの?」

 

「その……お礼を……」

 

「お礼?」

 

「貴方のお陰で色々と……」

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「お礼だなんて……一時は恋ちゃんを生徒会長から下ろそうとしたけど?」

 

「それは……私が変な風に抱え込んだことを……紗桜莉さんがはっきりと言ってくれましたし…………私は救われました」

 

何か……お礼を言われるのが恥ずかしいんだけど…………

 

「そう言えばあの規約って……もしも他の規約に触れたりしたらどうなってたの?」

 

「んー?」

 

かのんちゃんも変なところを気にするな~まぁもしも触れた場合は…………

 

「例えば演説時に妨害した場合は…………妨害者の意見を最後まで聞いて……終わった瞬間にこう言っちゃうかな……『以上でお二方の演説は終わりです。このあと選挙を行うつもりですが…………Mさんは違反をしたので選挙は自動的にNさんの当選となります』って」

 

「いや、MさんとNさんって誰?」

 

「その……個人の理由で特定の部活動を廃部とは?」

 

「あー、それもそう言う考えの人がいたらの保険。まぁ恋ちゃんやすみれちゃんがそんなことする訳ないしね」

 

「ま、まぁそうですね」

 

「要するに保険をかけまくっていたのが……あの規約?」

 

「うん、そうなるね。後は……例えば理事長の娘さんが海外から来て、特定の部活動に対して自分のやり方を押し付けてきたら…………その子の弱味をピーしたり、ガーしたりして……後は下手すると理事長が変わったりとかも……」

 

「一応言っておきますが…………理事長はそんなことしたら許さないかと思いますよ」

 

「うん、そんなことしたら普通に叩かれるよね」

 

「いやいや、案外そう言う自由な学校とかで起きたりするかもね」

 

まぁ友達がその学校にいたら、他校でもそれを知ったら……全力でつぶ…………阻止するけどね

 

「紗桜莉ちゃん、顔怖いよ」

 

「正直……私は紗桜莉さんとよく言い合い出来たと思いますよ…………」

 

「でも今は違うでしょ。生徒会長」

 

「はい!」




次回からは本編に戻ります

感想待ってます(もしも紗桜莉がいたら、MさんとRさんはスクスタ以上に……)


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33 始まるエントリー 初歩的かつ重要な問題

久しぶりの更新になるのかな?


恋ちゃんがスクールアイドル同好会に入って数日後、私はある書類をまとめ終えて、教室に戻ろうとすると……

 

「キマシターー!!」

 

大慌てで走っているくぅちゃんとすれ違った。

 

「何事?」

 

とりあえず追ってみると屋上で何かの垂れ幕を出して、

 

「ついに始まりました!ラブライブ……ラブライブ!」

 

ラブライブ?あぁそんな時期か……

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず部室に集まって、くぅちゃんから改めて話を聞くことになった。

 

「ラブライブのエントリーが始まります!」

 

「ラブライブか~」

 

「部活で言う全国大会みたいなものだよね」

 

「そんな一言で済ませられる大会ではありマセン。ラブライブはかつていくつもの感動と奇跡を起こしてきたスクールアイドルたちの夢!魂!イノチノミナモトー!」

 

「確かに大会で有名になったことで入学する生徒が増えた高校があるとか」

 

「はいデス!廃校の危機から有名になった高校もいくつもありマス!」

 

私もそれは聞いたことはあるけど……とは言え私の憧れの人はラブライブに出場したことはないらしいけど……なんでだろう?

 

「たかがアマチュアの大会で?」

 

「あなたがそう言うのは想定済みデス」

 

くぅちゃんは電気を消して、パワポであるものを見せた

 

「これが今年の決勝の会場デス!」

 

「すごい……」

 

「こんな大きな所なの?」

 

「はい!ついついにこの神宮競技場で行われることになりマシタ!」

 

「ここで……」

 

あ、すみれちゃん、何か想像してる……特に突っ込まないようにして、えっと確か……あぁあったあった

 

「ん?あれ?恋ちゃん?」

 

するとかのんちゃんが恋ちゃんに何か違和感を覚え、じろじろ見ていた。

 

「な、なんです?」

 

「恋ちゃん、何か違和感が……」

 

「むむむ……あー!普通科の制服!」

 

「それだ!」

 

あ、そう言えば特に違和感なかったから今気づいた

 

「何?あんたまで普通科に移ってこようとして?」

 

「いえ、科によって制服の区別をするのではなく自由に選べるようにした方がいいと理事長から提案がありまして」

 

「そうなんだ!私も音楽科の服作ってもらおうかな?」

 

「今度みんなで着てみようっか」

 

「わーそれ絶対楽しい!」

 

「「ういーっす」」

 

「話が彼方に逸れてイマス。今年のラブライブは難関デス!スクールアイドル人気は留まることを知らず、毎年参加学校が史上最多を更新し続けているのデス!その中で夢のステージにたどり着けるのはほんの一握り」

 

「でも私たちのレベルってそんなに低くはないよ」

 

「確かに歌もダンスも経験値が高い二人もいるし、情熱も負けてないしね」

 

「決勝は分からないけど、予選くらいは……」

 

「甘すぎです!○×△○×△○×△△」

 

あ、途中から中国語になったから言ってる意味分からないけど、とりあえず甘すぎる考えってことかな?

 

「とりあえずエントリーしますが、突破するには素晴らしい曲と圧倒的なパフォーマンスが必要となりますからそのつもりで!」

 

まぁラブライブはかのんちゃんたちに任せてと……

するとくぅちゃんが何故か動揺していた。

私たちはどうかしたのかスマホを覗き込むと……あ、グループ名…………

 

「遅れました……って何事ですか?」

 

鳥坂さんが遅れてやってきて、私たちの状況を見て不思議そうにしていた

 

「初歩的かつ重要な問題が発覚したみたいだよ」

 

「はぁ……あ、頼まれていたもの持ってきたよ」

 

「ありがとう。とりあえず先にみんなに言っておくけど……私はラブライブには出れないから」

 

『えっ?えぇぇぇぇーーーー』

 

いや、驚くことかな?

 

「私はソロアイドル。ラブライブは基本的に二人以上のグループだからね。まぁそう言うソロアイドルのための大会は何年か前に開かれるようになったけど……」

 

その大会が開くことになったきっかけを作ったのは……憧れの人がいる学校とからしいけどね

 

「とりあえずエントリー……あ」

 

「紗桜莉ちゃん?」

 

「二つ名を入力してくださいって…………」

 

私もかなり重要な問題が発覚したのだった

 




グループ名と二つ名……とりあえず二つ名は決まってます
感想待ってます


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34 みんなで考えよう

切りどころがいまいち悩みました


「ぜんっぜん思いつかないよ~!」

 

「だよねぇ」

 

「ていうか決めてなかったの?」

 

「”結ヶ丘スクールアイドル”でどうにかなっちゃってたし最初の頃は可可ちゃんが”クーカー”とか付けてたんだけど」

 

「私も二つ名なんて考えてなかったよ……あれってファンの人とか決めてくれるものだと思ってたんだけど……」

 

「紗桜莉は学校内では付いてるんじゃないの?」

 

「例えば?」

 

「お姫様とか……」

 

「反逆の姫君とかデスネ」

 

「音楽科にいたときに聞いたのは…………灰色の王とか……」

 

「今ですと……裏生徒会長なども……」

 

それ、影で言われてるような通り名だよね?と言うかそんな風に言われてるのか…………

 

「今は私の二つ名はいいとして、みんなのを考えた方がいいよ。ほら、クーカーみたいに……」

 

「そのとおりデス!ですから5人になった今その発展形として全員の頭文字を取って…」

 

くぅちゃんが黒板に書いたのは……『チクレカス』?

 

「チクレカス…」

 

「なんかネットスラングみたい…」

 

「カス…」

 

「なんですと!?」

 

「書いてあるでしょ!ここに!」

 

喧嘩するすみれちゃんとくぅちゃんは放っておいて……まぁチクレカスは流石にないかな?何かバカにされてる感じだし……

 

「ちぃちゃんは何か思いついた?」

 

「私はやっぱり”まる”かなぁ」

 

「まる…?」

 

「例えば~」

 

ちーちゃんは黒板に大きな○を書き……

 

「まるまるサークル!サークルっていうのは円でしょ?まるとまるが集まって世界はまるであふれてるんだよ!幸せ~」

 

ちーちゃんらしいけど、これはかのんちゃんたちのと言われたら……悩み所だ

 

「まる…ですか…」

 

「そうだよ!まるは全ての基本!世界最大の謎であり全ての始まりなんだ!そう!マンホールも!ボールも!マンマルの目も!水滴も!月も!地球も!太陽も!全て!くるくるくるくる~!まるなんだYO!」

 

回りながら○を熱く語ってるけど、もうかのんちゃんたちスルーしてる…………

 

「恋ちゃんは?」

 

「わ…わたくしは特には…。その…あまり趣旨を理解していないもので…」

 

チラッと恋ちゃんが持っているメモ帳が見えたけど……滅茶苦茶書いてあるけど、恥ずかしいのか言えないみたいだった。

 

「そうです!このグループを一番理解しているのはかのんデス!」

 

「う~ん…それでいうとストレートに”結ヶ丘スクールアイドル”とか…」

 

「つまらん」

 

「しかたないでしょ。思いつかないんだもん」

 

まぁいきなり考えても……直ぐに思い付くものじゃないしね

 

「しょうがないわねぇ。じゃあショービズ界でセンスを磨き続けてきたこの私が…」

 

「思い付きました!」

 

 

 

 

 

 

 

くぅちゃんはある方法を思い付き、鳥坂さんに頼んで段ボールを持ってきてもらい、あるものを作った

 

「確かレジェンドスクールアイドルはかつて…こうして名前を募集したのデス!」

 

「確かに聞いたことがありますね。ある学校でそう言う風に募集をしたとか、後はある人物を模したBOXを作ってライブ会場を募集したとか……」

 

「そんなことあったんだ~」

 

きっと秋葉原とかお台場辺りの学校とかでありそうだな~

 

「本当に集まるかなぁ?」

 

「入ってもまともなのはなさそうだけど」

 

「大丈夫ですよ!こうしておけば週末には…」

 

 

 

 

 

 

週末になり確認するが…………

 

「ゼロ~…」

 

「すっからかんたらすっからかん」

 

「うるさいデス!」

 

「そんなにみんな興味ないのかなぁ…」

 

「もしかしたらわたくしがずっと反対していたからかもしれません」

 

「それはないと思う。学園祭で恋ちゃんがどういう気持ちでいたかは分かっただろうし」

 

何ともまぁ難航してきたな~




チクレカスになってたらどんな感じになっていたのだろうか?
感想待ってます


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35 みんなで配信!

色々とやってもらおうとする紗桜莉ちゃんにこうご期待!


『グループ名?』

 

一旦解散することになり、家でかのんちゃんがサニパの二人に相談をしていた

 

「はい…実はまだ決まってなくて…」

 

『そういえば確かに聞いたことなかったかも』

 

『私たちはファンの子が付けてくれたの』

 

『そっ。”こんなの考えてみたんですけど”って』

 

「やっぱりお二人は人気者ですからねぇ」

 

『いやその頃はそんなでもなかったよ?』

 

『ただ少しでも覚えてもらおうと思って動画を上げたりして』

 

「動画……」

 

なるほど、その手があったか。かのんちゃんも同じことを思ったのかやってみるといい、二人にお礼をいい、今度はくぅちゃんたちとリモートで話すことになった

 

「うん。スクールアイドルって歌とダンスだけじゃなくていろんなことやってるみたいで」

 

『私たち歌を上げているだけだもんね』

 

『迂闊でした…つい”ラブライブ”にばっかり目を奪われていて…』

 

『あの…つかぬことをお聞きしますが動画配信とは何なのですか?』

 

「えっ?」

 

『動画を配るのですか?どこかに?』

 

『まさか…』

 

「恋ちゃん知らないの?」

 

『はい…あまりそういうものには近づかないように言われていたこともあり…』

 

確かに……映ってるのも恋ちゃんじゃなくいちごだし……

というかすみれちゃんは背景がハワイみたいなのはつっこみたいけど、それよりも何よりも……何で制服のままなんだろう?

 

とりあえず明日から早速やってみようという話になった。

 

 

 

 

 

次の日になり、早速配信をやってみることに、因みに私は今回は撮影側に……

 

「これが動画配信?」

 

「これで撮影してネットで世界中の人に見てもらって結ヶ丘のスクールアイドルを覚えてもらうの。そしたらきっといい名前も集まるんじゃないかって」

 

「じゃあいくよ!」

 

「えっ!?あ、あの!わたくし結ヶ丘女子高等学校の生徒会長をしております葉月恋と申します。え~と…この度はスクールアイドルとしてラブライブ…」

 

おぉいいねが付いてる。恋ちゃんみたいな美少女なら当たり前か……

 

「恋ちゃん」

 

「はい?」

 

「ちょっとゆっくりと上着を脱いでみようか」

 

「はぁ……」

 

「いやいやいや、紗桜莉ちゃん!?」

 

「確かに一枚脱ぐというのはありデスネ」

 

「さぁ!」

 

「えっと……こう……え?」

 

脱ごうとしたが、何かに気がついた恋ちゃん。

 

「ふぁあああ!何ですか!これは!?」

 

えっとコメントは……『ふおおおおお!』『凄いいい感じの脱ぎ方!』『指示だした子は天才か!』

うん、いいコメントが付いてる

 

「恋ちゃんを見た人がメッセージくれてるんだよ。何か応えてみたら?」

 

「というか!脱ぐのは明らかにおかしいですよ!」

 

「気のせいだよ~みんなやってるよ~(一部の人が)」

 

「もう!こんなの断りもなく始めないでください!」

 

「お試しだよお試し」

 

「すぐ切って下さい!」

 

「ええっ!?」

 

恋ちゃんの言う通りに一旦切ることに……ちぇー

 

「紗桜莉さんは何をガッカリしているんですか?」

 

「ううん、してないよ~」

 

まぁ気を取り直して……

 

「じゃあ準備はいい?何言うかちゃんと決めた?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「最初からこうして準備させてくれればいいのです」

 

「は~い。じゃあいくよ~」

 

あれ?と言うかかのんちゃん、映る気ない?

 

「待ってください」

 

「えっ?」

 

「かのんさんあなたは?映らないのですか?」

 

「私は…撮影?」

 

「撮影?ずるいですよ。わたくしたちだけに押しつけて」

 

「そのとおりデス」

 

「うんうん」

 

「と言うか撮影は紗桜莉が引き受けたでしょ」

 

「ほ、ほら、手伝いが……」

 

「紗桜莉、手伝いいる?」

 

「うーん、いらないかな?生配信だからやることは限られてるし……と言うわけでかのんちゃん入って」

 

「えっと……」

 

「じゃないとかのんちゃん個人で……」

 

「分かりました……」

 

と言うわけで五人で……

 

『こんにちは~。私たち結ヶ丘女子スクールアイドルで~す』

 

「ではまず自己紹介から!」

 

「えっ!?わ…私たちは結ヶ丘でス…スクールアイドルの…恥ずかしいからやめよっか…」

 

『ええっ!?』

 

「どの口が言うのですか?この口が言うのですか~!?」

 

「痛い痛い痛い!」

 

「ああっ映ってるよ~!」

 

「千砂都~!」

 

「まる~!まる~まる~!」

 

「うぇっ!?」

 

「いくデス!」

 

「まる~まるまる~!」

 

「グソクムシ~」

 

「もっと隠すですぅ~!」

 

「う~にゃああ!」

 

「まる!まるまる~!」

 

「グソクムシ~」

 

「すごい!一気に”いいね”爆上げですぅ~!」

 

「ってこんなので”いいね”もらっても嬉しくな~い!」

 

途中からお説教を始める恋ちゃんと受けるかのんちゃん……まぁ頬をつねられながらだけど

それにともなってとりあえず誤魔化すためにくぅちゃんが指示を出して……

ちーちゃんは○で、すみれちゃんはグソクムシで誤魔化すと…………うん、滅茶苦茶…………

 

「とりあえず恋ちゃんはかのんちゃん押し倒していちゃいちゃしてて」

 

「「なんでそうなるの!(ですか!)」」

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず配信も終わると……

 

「とりあえず今回はこれで終わりで……」

 

「待ってください……紗桜莉さんがまだですよ」

 

「私は……」

 

「ソロでも必要ですよ」

 

う、あんまり慣れてないのに……仕方ない。やってみるか

 

「初めまして、相花紗桜莉です。私はかのんちゃんたちと違ってソロでの活動がメインです」

 

まぁこんな感じでいいか……おっとコメントが……えっと

 

『お姫様みたいで可愛い』

 

『お姫様みたい』

 

『可愛い』

 

『可愛いお姫様だ~』

 

か、可愛いって…………

 

「紗桜莉ちゃん?」

 

「何か顔赤いけど……」

 

「うぅ……てないの」

 

「てないの?なんデスカ?」

 

「可愛いとか言われるの慣れてないの!お姫様とかは色々とやってるぶん、わがままとか自由とかの意味で言われるのはいいけど……可愛いのは……こう……すみれちゃんみたいな子が」

 

「ってなんで私を巻き込むのよ!」

 

「すみれちゃんがまさにそうだから!ほら、見てる人!そう思わない?」

 

すみれちゃんを映して貰うと……

 

『お姫様が二人だ~』

 

『画面が可愛いお姫様しか映ってないから幸せ』

 

あぅ……

 

「い、意外な弱点が分かったね」

 

「う、うん、あれ?でもお姫様か」

 




紗桜莉は誉め言葉としてのお姫様は苦手と言う

感想待ってます!


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36 問題を指摘するのはいつ?

今回ようやくあの人が登場!


紗桜莉side

 

「結局何も進まなかったねぇ…」

 

まぁ何だかんだありすぎて、何も話が進まなかったからね

 

「そもそもの原因はあなたなんですよ?」

 

「えっ?私!?」

 

「今日も動画だとか名前だとかで全然練習できてませんし…」

 

「とりあえず名前のことは置いといて明日からは練習ちゃんとやらないと」

 

「で歌は出来たの?」

 

「歌?」

 

「それもそうですね。かのんさん詞を」

 

「曲が先でしょ?」

 

「わたくしは詞が出来たらと思ってましたけど…」

 

「うそ…私は曲が出来たらそれに合わせて書こうと…」

 

あー噛み合ってなかったみたいだったんだね…………

 

 

 

 

次の日

 

今日は練習をと言うことで、屋上でやることになった

 

「しっかり前を見て!ふらふらしない!あと5秒!3!2!1!」

 

「はい終わり!」

 

「ああ~!」

 

「うわあっ!」

 

くぅちゃん、バランス崩してかのんちゃん潰してるけど……大丈夫かな?

 

 

「足が棒ですぅ~…」

 

「次はジャズダンスを少しやってから今度は腹筋・スクワット3セットずつ!」

 

「そんなに!?」

 

「ほとんど運動部ですね…」

 

「しかたないよ。曲も振り付けも決まってないから基礎的なことをやるしかないし」

 

「こんなのでほんとに間に合うのデスカ~?」

 

「それは…」

 

みんながかのんちゃんの方を見てるけど、何だか……かのんちゃんに負担かけすぎてないかな?

 

「分かってる!分かってるよ!」

 

「でもこのグループと学校を代表するような曲って言われるとなかなか…」

 

「そんな難しく考えなくてもいいんじゃないかな」

 

「そうデス!この5人を見て感じたことをそのまま歌にすればよいのですよ!」

 

いやいや、作詞してない人からしてみれば簡単に言うけど……と言うかみんなこれ、無意識に言ってる?

 

「じゃあ聞くけど可可ちゃんはこの5人を見て何を感じる?」

 

「ん?そうですね…最強とか最高とかエクセレントとか…ではないかもしれません」

 

「ほら~」

 

「そんなのギャラクシーに決まってるったら決まってるでしょ?」

 

「えぇ~まるだと思うけどなぁ。名前もまるまるサークルなんだし」

 

「その名前は拒否されました」

 

「じゃあ何だというんですか!?」

 

「それは…」

 

「ほらみんなだってそうでしょ?難しいんだよ。この5人ってバラバラだし最初から何か目的を持って集まったわけでもないし」

 

まぁ確かに始まりはかのんちゃんとくぅちゃんだし、私なんてソロだし…………

 

「まぁそれは分かりますが…」

 

「でもエントリー期限まであと少ししかないんだよ?」

 

「まさか諦めるの?」

 

「そんなわけありますか!こうなったら……」

 

「なったら?」

 

「その前に……紗桜莉、顔怖いわよ」

 

「え?」

 

「「「「え?」」」」

 

そんな怖い顔してたかな?まぁ指摘されたのだからしていたのだろうけど…………

 

「何か言いたいことあるの?」

 

「まぁ……問題が大きくなってから言うのと今言うのどっちがいい?」

 

「「「「えっと……」」」」

 

「私としては今言ってほしいけど、私たち……と言うよりかのん以外の私たちに対して?」

 

「そんなところ。とりあえず今言えるのは無意識でやってるなら指摘はするけど、自覚してるなら叱るかな?」

 

「とりあえず大きくなってからでいいんじゃない?」

 

「そうする」

 

とりあえずすみれちゃんの言う通りにしておこう

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うことでくぅちゃんの提案でかのんちゃんが歌詞作りに集中してもらうために、広い部屋が必要と言うことで恋ちゃんの家に来た私たち。

 

「大きいね」

 

「この家……維持するのも大変なんですよ……」

 

恋ちゃんが普通に言うけど、結構重くない?

恋ちゃんの家……お屋敷に入るとメイドさんが二人……一人は鳥坂さんとこのお姉さんは?

 

「初めまして、サヤと申します。みなさんの事はお嬢様から聞いてます」

 

「サヤさんは恋お嬢様が幼い頃からこの屋敷にお仕えしていて、私の先輩なんです」

 

いやーこうしてメイドさんを見ると本当に恋ちゃんはお嬢様なんだって思う

 

 

 

 

 

 

恋ちゃんの部屋を借りて、かのんちゃんに……

 

「これは?」

 

「ジャパニーズ缶詰めデス。完成するまで帰れませんので」

 

うん……これは…………叱らないとだね




紗桜莉の場合は問題が大きくなってから叱るかは、信頼度によります

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37結んだ名前

何か久しぶりの更新の気が


「うう…ずるいよ私にばっかり押しつけて~…」

 

恋ちゃんの家で缶詰にされた私……もうみんな本当に押し付けすぎだよ

 

「う~ん」

 

思いつかない

 

「う~ん」

 

思いつかない

 

「う~ん」

 

全然思いつかない……ヨガをしながら考えてみるけど……ダメだ……全然思いつかない……

ふっとあるものを見つけた。これってベッド?凄い!?高級そうなベッド……寝てみようかな?

 

「ふわっふわだ~!こんなベッドに一度寝てみたかったんだ~!すやぁ~ふぅ……」

 

「かのんちゃん歌は出来た?」

 

寝返りを打つとちぃちゃんがいた!?いつの間に!?

 

「かのんさん~」

 

更には隣に可可ちゃん!?

 

「ちぃちゃん?可可ちゃん!?」

 

「どうやら…」

 

「監視が必要なようですね」

 

「あ、えっと……」

 

もしかしてみんなして様子を見に……うぅどうしたら……

 

「さて、そろそろいいかな?」

 

すると紗桜莉ちゃんがデカイ犬と一緒に部屋に入ってきた。

 

「紗桜莉ちゃん、その子は……」

 

「恋ちゃんの家のペットのチビちゃん。何かなつかれたんだけど……」

 

いや、なつかれたと言うか……服従してない?お腹見せてるし

 

「とりあえずそろそろ私が言いたいこと言っていいかな?くぅちゃん、ちーちゃん、すみれちゃん、恋ちゃん」

 

「「「「は、はい?」」」」

 

「四人ともかのんちゃんに押し付けすぎ!」

 

「えっと……それは……」

 

「確かに歌詞作りはかのんちゃんの担当だけど、少しは負担を減らそうとは思わないの?」

 

「そうデスガ……可可たちは……」

 

「何かしらアドバイスをしたりできるよね?何でしないのかな?」

 

「それは……」

 

「まぁ……確かに負担をかけすぎ……たわよね」

 

「私も……かのんさん申し訳ありません」

 

みんな反省してるみたいだし、とりあえず今日は終わりにした方がいいよね?

 

「というか紗桜莉……あんた途中から気がついてたでしょ?私たちが押し付けてたこと」

 

「まぁね。一応タイミング見てからの方がいいと思ってね……」

 

「紗桜莉さんはよく見て、問題点をしっかり見つけて私たちに注意をしてくれる事は本当に助かりマス……」

 

「紗桜莉ちゃん、お姫様なんて可愛い言葉じゃ表せないよね」

 

「確かに……」

 

いや、だから私はお姫様なんて呼ばれるの凄い恥ずかしいんだけど…………

 

「とりあえずみんなで考えてみたら?」

 

「うん」

 

「それよりも紗桜莉ちゃんは何かアドバイスないの?」

 

ちーちゃん、いきなりアドバイスなんて……うーん、みんなを表したもの…………

 

「難しいんだよね……みんなってこう……特徴がないというか…………何色でもないというか」

 

「何色でもない…………あ!」

 

するとかのんちゃんは何か思い付いたみたいだった。なんだろう?私……何かいいこと言った?

 

「明日私練習休む」

 

「急ですね」

 

「何かね今聞いてて浮かびそうな気がしたの」

 

「作詞デスカ?それともグループ名?」

 

「分からないけど…でも…ぜーんぶ!」

 

「全部!?」

 

「うん。何かこの5人が何なのか分かった気がした!」

 

かのんちゃんは早速思い付いたことを書きたいと言い出して、駆け出すのであった。

 

「かのんちゃんは何とかなったけど……」

 

「後は紗桜莉さんですね」

 

「私?」

 

「二つ名よ。何か思い付いたの?」

 

まだなんだよね~と言うか自分で考えるの大変なんだよね

 

「やはりお姫様でいいのでは?」

 

「それは恥ずかしいからやめて」

 

 

 

 

 

 

 

 

二日後、かのんちゃんは一昨日宣言した通り練習を休み、作詞をしていた。家でも色々と調べてたりしてたけど…………

 

部室にやって来たかのんちゃんは私たちに詞を見せ……

 

「ん~…」

 

「どうかな?」

 

「すっごくいいよ!」

 

「今のわたくしたちをとてもよく表している歌詞だと思います」

 

「ありがとう!それでねグループ名も思いついたんだ!」

 

かのんちゃんはグループ名をホワイトボードに書いた。

書かれていたのは…………『Liella』

 

「リエラ…ですか?」

 

「うん!フランス語で”結ぶ”って意味の言葉から作ってみたの!ほら恋ちゃんのお母さんって学校を通して一つに結ばれるって想いから”結ヶ丘”って名付けたでしょ?私たちもそれと同じでスクールアイドルを通していろんな色の光で結ばれていくといいなあって思ったんだ」

 

「光か……」

 

「赤だったり青だったり緑だったり…繋がったり結ばれていく中で私たち自身想像しないようないろんな色の光になっていく。それはまだ何色でもない私たちだからできること。始まったばかりのこの学校だからできること」

 

「私たちだから…」

 

「悪くないんじゃない?Liella!」

 

「Liella!」

 

「Liella!」

 

「Liella!」

 

「Liella!」

 

「さぁ!そうと決まれば!」

 

くぅちゃんは屋上に出て垂れ幕を下ろした。いや、いつの間に用意したの?

 

「結ヶ丘女子スクールアイドル!Liella!で~す!」

 

「だから大きすぎるっていうの!」

 

「このくらいでいいよ!どんどん有名になっていかなきゃだし!」

 

「勝たないといけませんね」

 

「うん!」

 

「それでは皆さんエントリーしますよ!私たちの名は?」

 

『Liella!』

 

こうしてかのんちゃんたちのグループ名が決まった。さて、私はいい加減自分のを……

 

「それと紗桜莉ちゃん。二つ名思い付いたよ」

 

「へっ?」

 

「紗桜莉ちゃんの二つ名……『灰色の姫君(シンデレラ)』だよ」

 

灰色の姫君……格好いいけど……でもうれしい

 

「かのんちゃん、ありがとう」




次回!紗桜莉ちゃんが池の水を抜く?

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38 ラップだYO!

チェケラ回!


「ついに発表デス!これが今年の地区予選エントリー校デス!」

 

ついに始まったラブライブ地区予選。私は私で手伝えるときは手伝うけど……

 

「なにこの数。これで地区予選?」

 

「こんなにたくさんの高校がエントリーしてるの?」

 

「今年は史上最多過去最大の大会と言われていまして」

 

「競争率が高いということですか?」

 

「あまりの数の多さから地区大会の前にふるい落としがあるという噂も…」

 

「地区大会にすら出られないの?」

 

それはかなり厳しいものになりそうだよね。

 

「分かりませんが去年までの形は難しいという話もありまして。例えば…」

 

「じゃんけんで勝ったグループだけにするとか?」

 

「最初はグー」

 

「じゃんけん…」

 

「さすがにそれはないんじゃ?」

 

「じゃあ何があるっていうのよ!」

 

「それは行ってみるしかないよ。地区予選の説明会に」

 

「紗桜莉ちゃんは手伝いだけど、説明会には……」

 

「まぁ私と鳥坂さんは留守番ね」

 

「どのような事になるかは待っています」

 

「ですが紗桜莉さんは大丈夫なのデスカ?」

 

「大丈夫って?」

 

「聞く限りではソロアイドルの大会は人数こそは少ないですが、その分レベルも高いデス」

 

あー、それならなんとかなってる。

 

「私の場合は予選地区参加まではしっかり決まってるから、本番までは練習になるし、それにね。私はみんなのために出来ることをやっておきたいから」

 

「そうデスカ……それでは紗桜莉さん、サポートお願いしますね」

 

「うん!みんなが練習に集中できるように……先ずは池の水を抜いてくるから!」

 

私は機材を持って、部室から出ていくのであった。

 

「池の水?」

 

「あぁ、理事長が中庭の池が汚れているから掃除できないかと話していましたから…………」

 

「要するに紗桜莉ちゃんにしか出来ないことをするのね」

 

「あはは、紗桜莉ちゃんは何でも出来るから…………」

 

 

 

 

 

かのんside

 

 

「ジャン!今年もついにラブライブが始まりま~す!

皆さん気になっているのは地区予選の方法かと思うので!ま~ずここで発表しちゃいま~す!」

 

「きたね」

 

「うん」

 

「さて毎年盛り上がる地区予選ですが~!今年は出場校が多く全てのグループに歌ってもらうのは困難と判断したためここでじゃんけんをして…」

 

「それ見なさい!見なさいったら見なさい!」

 

「勝ちます!勝ちますよ~!」

 

本当にじゃんけんとは……すると……

 

「…と思ったのですがやっぱりそれだと負けたグループが可哀想という話になりまして」

 

だよね~流石にじゃんけんだとね……

 

「なんですと!?」

 

「紛らわしいわね!」

 

「各地区ごと歌に課題をつけることになりました!」

 

「課題?」

 

「出された課題を歌に盛り込んで大会で披露してもらうことになりま~す!ここ東京南西地区は渋谷を含む流行の最先端地区!ということで課題は……こちら!」

 

画面に映し出されたものを見て、私たちは動揺するのであった

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「ラップ?」

 

色々と準備を終わらせて、休憩しに行くと、みんなが戻ってきていた。私は話を聞くと課題としてラップが出されたらしい

 

「そうなんです……だから」

 

「だからかのんちゃんがストリートスタイルなんだね……」

 

まぁ何かラップと言ったらこういう格好って感じがするけど…………

 

「それじゃかのんちゃん、早速」

 

「う、うん……Hey!Yo!私の名前は澁谷かのん!澁谷といっても渋谷は苦手!こ…言葉が…出てこない…」

 

まぁラップって慣れてないと難しからね……にしてもかのんちゃんの格好はけっこう似合ってる

 

「ではまさかそれが正式衣装…!?」

 

「やっぱりちぃちゃんやってよ~。歌と違って難しいよ~」

 

「分かった。ダンスの教室とかで何度か教えてもらったことあるからやってみるね」

 

今度はちーちゃんの番に……

 

「Hey!Yo!私千砂都 嵐千砂都!生まれはこの辺 特技はダンス!嵐を呼ぶっす ちぃちゃんダンス!ふっ!」

 

「ええっ!?」

 

おぉ、ラップだけど……何かダンスに集中していて、途中からラップを忘れてない?

 

「Hey!」

 

「あの~ラップは?」

 

「あっそうだった!いや~ダンス始まっちゃうとついそっちに夢中になっちゃうんだよね~」

 

「千砂都さんはやはりダンスで他のグループに差をつけてほしいのでこの役目は不向きではないかと」

 

「となると…」

 

「わ、わたくしは無理です!何も知らないのですから!」

 

「大丈夫!とりあえず韻を踏んで思ったことを歌にすればいいだけ!」

 

「Hey!まずは自己紹介とかやってみちゃおうYO!」

 

「じ、自己紹介…韻を踏んで…秋あかね 歌にいざよう 葉月恋 想いはいまだ 十六夜なり」

 

いや、それはラップじゃない……と言うかかのんちゃんとちーちゃんの見て、なぜそこに行き着くの?

 

「それは俳句」

 

「短歌です!韻を踏めと言ったではないですか!ちなみにこれは”躊躇する”という意味の”いざよう”と16歳であるわたくしの”十六夜”をかけて…」

 

「どうでもいいんだけど」

 

「鳥坂さん、今日から恋ちゃんの家ではラップを流すようにして」

 

「分かりました。恋お嬢様は……まぁ不勉強ですからね……」

 

とりあえず色んな音楽があることを知ってもらわないとね……え?流すだけでいいのかって?流石に私でも椅子に固定してヘッドホンに大音量で流したりしないよ~

 

「恋ちゃんもダメとなると…可可ちゃん!」

 

「Hey!Yo!△※◎*▽☆#!」

 

「は中国語になってしまうし…」

 

「そうなると残るはすみれちゃん?」

 

「無理デス!大切なラブライブの最初の課題ですよ!2人よりポテンシャルが低いのこの人に任せるわけには…」

 

「Hey!Yo!お見知りおきに自己紹介!でも結女のみんなにしとこうかい!私の名前はヘアンナスミレ!AB型の神社の娘!Hey!」

 

「マジデスカ…」

 

「すごい…」

 

「即興でそんなに歌えるなんて…」

 

まぁすみれちゃんならできそうな気はしていたけどね。何だかんだ努力家だし、何でもできちゃうし……

 

「これでも小さい頃からショービジネスの世界で場数は踏んでいるの。アドリブだったら負けないわ」

 

「これはいける!」

 

「それじゃ方針も固まったみたいだし、私は池の水を抜く準備をしておかないとね」

 

何かあったらよろしくと伝えて作業に戻るのであった

 




次回!池の中からあの外来種発見!

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39 すみれちゃんの良さ

今回合間に紗桜莉が……


とりあえず準備も終わらせて、かのんちゃんたちの練習を見に来た私。今回の課題に対応できるすみれちゃんがセンターか。それなら安心できるかな

 

「ん?あれ?これってもしかして…」

 

「どうしたの?」

 

「あなたが歌わなければ始まりませんよ」

 

いや、動揺しすぎな感じがするけど…………

 

「ちょ…ちょ…ちょっと待って!」

 

「どうしたの?」

 

「いやその…つかぬことをお聞きしますがこの位置というのはもしかして…」

 

「センターだよ」

 

「今回の課題のところだし一番目立つところで歌ってもらった方がいいと思って」

 

「可可は反対でしたが…」

 

「えっ?えぇぇええええ!?」

 

まぁすみれちゃんが驚くのも無理もないよね。今まで無縁だったし…………でも私的には何で?って思うけど…………

 

「今?」

 

「だ、だって私よ!?私がセンターでいいったらいいの!?」

 

「うん。だからさっき言ったでしょ」

 

「い、いや…でも…」

 

「やはり替えた方がいいのではないデスカ?」

 

「どうしてそう思うのです?」

 

相変わらず……くぅちゃんはもう少し当たりの強さをどうにかできないかな?とりあえず一回叱っておこう

 

「この人は今までも真ん中に立つことができずにここまで来たのデス。それはやはり向いてないからというか…」

 

「それ言ったら私だって歌えなかったよ?」

 

「わたくしはステージに立って歌うことも初めてに近いですし…」

 

「ですが…」

 

「今までは今まで。大切なのはこれからだよ」

 

「そうそう。Liellaと同じでこれからいろいろ始まっていいんじゃないかな」

 

「まぁお二人がそう言うのでしたら…とにかくセンターに立つ以上は真面目にやるのですよ!スクールアイドルを甘く見たら承知しません!」

 

「分かってるわよ!ショービジネスの世界で生きてきた私を何だと…」

 

「それが甘く見ているというのデス!今年のラブライブは特に難しい戦いデス!本気で頂点を目指すつもりでいてクダサ~イ!」

 

「わ、分かってるわよ……」

 

「はいはい、そこまで」

 

とりあえずくぅちゃんの頭を軽く小突いた

 

「紗桜莉さん……」

 

「くぅちゃん、すみれちゃんの実力は知ってるよね?」

 

「…………」

 

「ここ最近……というより前々から思っていたけど……当たりが強いのはどうしてなのかちゃんと話せる?」

 

「…………すみません」

 

理由は話せないと……まぁ注意だけしておけばいいかな?後で何かあったらどうなるかわからないけど…………

 

ちょっと揉めたけど、かのんちゃんたちは練習を再開するのであった。

 

 

 

 

 

 

練習が終わり、すみれちゃんは用事があると言って家に帰り、残った私たちでくぅちゃんから改めて話を聞くことにした

 

「そんなに心配?」

 

「いえ…そういうわけでは…」

 

「すみれさんはセンターを担当したことはないのですか?」

 

「いつも自分が前に出るみたいなことは言うけど実際に任せようとすると私とかちぃちゃんとか可可ちゃんに振ってくるし…」

 

「やりたくないのでしょうか?」

 

「多分自信がないんだろうな。今までのことがあるから……でもこの5人で本当に勝とうと思ったら全員が同じぐらい力を見せて全員がセンターだってくらいの気持ちがないとダメだと思う。だから可可ちゃんも応援してあげてよ。きっと本気になれば誰も敵わない力を発揮すると思うんだ、すみれちゃんって」

 

「応援デスカ?」

 

「うん。ああ見えて気にしていると思う。スクールアイドルのことで可可ちゃんを怒らせちゃったこと」

 

何だかんだ色々と気にしちゃう子だからね……すみれちゃんって…………それにしても何だかここ最近くぅちゃんがスマホを見つめていることが多いけど……どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

そして次の日、くぅちゃんは昨日までとは違って、何故かすみれちゃんに衣装を作ると言い出した。何か心境の変化?それともすごく努力しているすみれちゃんの姿を見たのかな?

 

一度動画を録って、みんなに見てもらうことになった。私もできる限り協力しつつ、池の掃除をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

教室で作詞をしつつ、パートを振り分けていた

 

「うん。やっぱりここもすみれちゃんが歌った方がいいよね」

 

「かのんちゃん」

 

「あっおはよ。どうだった?動画」

 

「うん…それがね…」

 

何故か歯切れの悪いちぃちゃん。何かあったのかな?

 

 

 

 

 

 

すみれちゃんに聞かれないようにと中庭のベンチで話を聞くことにした私。

 

「替えた方がいい?」

 

『あ、錦鯉!』

 

「うん。歌の内容はすごく評判良くてね、みんな”大好き”とか”これなら予選突破できるよ”とか言ってくれるんだけど…」

 

『流石にテレビみたいに外来種とかいないか……』

 

「センターは違う人がいいっていうの?」

 

「うん。かのんちゃんとか恋ちゃんとかの方がいいんじゃないかって」

 

『あれ?何か変な感触が……』

 

「それは今までがそうだったから何となくそう思うだけなんじゃないの?」

 

「私もそう言ったんだけど…」

 

『誰よ!カミツキガメを池の中に放流したのは!?』

 

「”友達に聞いてもみんな同じ意見”、”気負いすぎちゃっててちょっと”、”予選突破を考えたら替えるのも手かなあ”」

 

『と言うかよく見たら、大量にカエルの卵も……これ見たらタピオカなんて……』

 

「どうしたらいいと思う?」

 

「そんなの決まっているでしょ」

 

いつの間にかすみれちゃんが後ろにいた。もしかしなくても……聞かれていた?

 

「すみれちゃん…」

 

「この学校のスクールアイドルなんだからみんなの意見に従うのが当然でしょ。そもそもショービジネスの世界を歩いてきた私がラブライブなんていう素人の大会の予選くらいでセンターやるのはおかしいって思ってたの。私の出番は決勝に取っておくわ」

 

すみれちゃんは悲しそうな顔をして、その場から逃げ出す。

 

「すみれちゃん待って!」

 

逃げようとするすみれちゃんの前に可可ちゃんが道を塞いだ

 

「何逃げようとしてるデスカ!可可は反対デス。一度決めた以上あなたがセンターをやるべきデス!」

 

「はぁ?」

 

「聞こえなかったのデスカ!衣装も作ったのですよ!誰が何と言おうと関係ありません!センターをやるべきデス!」

 

「可可ちゃん……」

 

『何でこうザリガニとか普通にいるのよ……』

 

「無理よ…そんなこと言っても分かってるの!どうせ最後はいつも私じゃなくなるんだから!」

 

「すみれちゃん!」

 

『あ、何か金庫見つけた……』

 

すみれちゃん…………

 

 

 

 

 

 

 

屋上で練習をするけど、すみれちゃんの姿はなかった。

 

「来ないね。すみれちゃん」

 

「うん……」

 

「やはりセンターのことをはっきりすべきなのでしょうね」

 

「恋ちゃんはどう思う?」

 

「難しい問題ですね。すみれさんのレベルは歌もダンスも高いところにあります。ただグループの中で一番かと言われると…」

 

「歌はかのんちゃん」

 

「ダンスはちぃちゃん。優雅さは恋ちゃんが一番だし華やかなところは可可ちゃん」

 

「すみれちゃんにはどれも備わっているけど…」

 

「だからなのでしょうね。今まで希望が叶わなかったのは」

 

「うん。だからこそすみれちゃんがセンターやるべきだと思う。だって実力では全く引けを取ってないんだから」

 

「かのんちゃんが分かってるなら……大丈夫だと思うよ」

 

すると池の掃除を……と言うか気になってたけど何か大変だった紗桜莉ちゃんがそう言って屋上にやって来た

 

「確かにかのんちゃんたちはどれか一つに特化してるけど…………すみれちゃんはそんなかのんちゃんたちを越えるくらいの実力を持ってる」

 

「それって……」

 

「動画を見た人は……と言うより今まですみれちゃんの良さをわからなかった人たちは……気付けてなかった……ううん、悪い言葉に囚われていたんだよ」

 

「それって……」

 

「器用貧乏……悪い言葉に囚われてるけど…………でも別の言い方をすれば……万能型。全部備わっているからこそ実力が高いんだよ。それに気付けているかどうかだね」

 




すみれちゃんは本当に実力が高いと思う

なお、カエルの卵って本当に…………

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40 手にしたティアラ

紗桜莉side

 

いつの間にかいなくなっていたくぅちゃんが戻ってきた。何かあったのかな?

 

「お待たせしマシタ!」

 

「じゃあとりあえず4人で始めようか」

 

「すみれちゃんには後でもう一度連絡してみるね」

 

「あ、すみれちゃん」

 

練習を始めようとしているとすみれちゃんが姿を見せた。と言うか……隠れて様子見ていたのかな?

 

「遅くなったわね」

 

すみれちゃんは少し元気になった……と言うより無理してる感じだ

 

「まったくセンターがそれでどうするのデスカ!だから甘く見るなと言ってるのデス!」

 

「センター?」

 

「うん。私たちさっきまでそのこと話していたんだけど」

 

「やっぱりすみれちゃんセンターでいこうって」

 

「どうして?」

 

「どうしてって…」

 

「私が可哀想だから?頑張っているのにいつもセンターになれないから?」

 

「そうではありません!かのんさんは…」

 

「それ以外何があるっていうのよ!」

 

すみれちゃんの声が屋上に響いた………すみれちゃん自身……諦めかけてるんだね

 

「別に同情なんかでセンターになったって嬉しくない。学校のみんなは他の人がセンターの方がいいって言ってるんでしょ。だったら…!」

 

「同情なんかではありません!可可は同情なんかで衣装を作ったりはしません!」

 

「あの衣装は返すわ。それでも私にセンターやれって言うならスクールアイドルやめる」

 

「そんな……」

 

「あなたのスクールアイドルへの想いはそんなものなのデスカ!?ラブライブで光を手に入れるのではなかったのデスカ!?」

 

「勝たなきゃいけないんでしょ!あんた、絶対勝たなきゃいけないんでしょ」

 

「えっ?」

 

すみれちゃんはなにも言わず立ち去っていく……くぅちゃんも何か隠していたことをすみれちゃんがたまたま知った感じかな?

 

「待って……」

 

くぅちゃんがすみれちゃんを追いかけていく。さて、私はどうしたものか

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

かのんちゃん、その目はどうにかしてほしいって感じなんだろうけど……

 

「私がどうにかするのは簡単だけど……今回はあの二人が色々とね」

 

まぁ様子を見に行くくらいはするけど……

 

 

 

 

 

 

 

こっそり様子を見に行くと、何か言い争ってる?

 

「そのためにあなたがセンターがいいと言ってるのデス」

 

「何意地になってんのよ」

 

「意地になどなっていません」

 

「なってるでしょ!ほんとは嫌なのにかのんが勧めるからとか何だかんだで練習しているから仕方なくとか可哀想とか…練習しているところもこっそり見てたでしょ。全部分かってんのよアンタのことなんて!」

 

こっそり見ていたことを気がつくって普通にすごいと思うんだけど……

 

「何も分かってませんよ。そんなことで可可が神聖なラブライブのセンターを任せると思っているのデスカ?」

 

「任せたでしょ実際」

 

「可可があなたに任せたのはあなたが相応しいと思ったからデス!練習を見てその歌声を聴いてLiellaのセンターにふさわしいと思ったからデス。それだけの力があなたにはあると思ったからデス。だから受け取りなさい!私が想いの全てを込めてあなたのために作ったのですから!」

 

くぅちゃんはティアラを見せると様子が気になって追ってきたかのんちゃんたちもくぅちゃんの隣に並んだ。仕方ない……私も……出ておこう

 

「それは…」

 

「あなたのために作ってきました。センターのあなたのために」

 

「私の……」

 

すみれちゃんが触れようとするが突然突風が起きティアラが飛ばされるが、すみれちゃんは何とか追いかけ、草むらに突っ込みながらもキャッチするのであった

 

「すみれ!」

 

「あんた……今名前……」

 

「そんなことはどうでもいいデス。Liellaのセンターとして恥ずかしくないステージにしてクダサイ」

 

「当然でしょ。誰だと思ってるの」

 

「いよいよ結ヶ丘のスクールアイドルがラブライブのステージに立つのですね」

 

「楽しみだね」

 

「うん。私たちLiellaがたくさんのスクールアイドルとつながって歌を響かせるんだ!」

 

すみれちゃんも前を向き始めたし……これならみんなは大丈夫だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

予選会の日、みんなが準備し、私も手伝っていると……

 

「紗桜莉、あんた……」

 

「ん?」

 

「私のこと、万能型って思ってたのね」

 

「あぁ、うん、そうだよ。すみれちゃん自身……器用貧乏とか思ってるみたいだったけど……私的にはそうじゃないって思ってたよ」

 

「それ……いいわ。きっとあんたからしたら自分から気づけた方がいいって思ってたんでしょ」

 

「さぁてご想像に任せるよ」

 

「分かったわ……それと可可の事だけど」

 

「あー家族に結果が出せなければ帰ってこいって言われてるやつ?」

 

「いや、可可から聞いたの?」

 

「ううん、何となくそうかなって……」

 

「…………」

 

「大丈夫だよ。きっと勝てるから……何せ今回のセンターは幼い頃からショービジネスで培ってきたすみれちゃんなんだし」

 

「ふふ、そうね!行ってくるわ!」

 

こうして私はみんなを見送るのであった。さて、この掃除していたときに見つけた地図はどうしようかな?

 

 

 




因みに紗桜莉が可可の問題をどうにかするという話を考えましたが……二期でそこら辺やりそうなのでカットしました
次回はオリストです!
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41 二人で宝探し?

今回はオリスト!


かのんside

 

予選会出場をかけたライブが終わった次の日……

 

「今日は宝探しをしようと思うんだよね~」

 

ライブ後だから休息日のはずなのに、紗桜莉ちゃんがとんでもないことを言い出したよ

 

「紗桜莉ちゃん、徳川埋蔵金でも探すの?」

 

「いや、そんな眉唾探さないよ……ほら、私池の掃除してたじゃん。その時に見つけたんだよね。この地図を!」

 

そう言えば何か見つけたみたいだった感じはしたけど……

 

「これって恋ちゃんのお母さんが通っていた学校の……」

 

「そう、その時代のやつかなって思って、理事長に聞いたら……見つけられることを祈ってるわだって」

 

一体何が見つかるんだろう?ちょっと気になる

 

「と言うわけで学校に行ってくるね!」

 

あれ?てっきり私も一緒にって流れかと思ったけど…………一人で行くのか……でもな~心配だし…………

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

かのんちゃんも気になったのか一緒に宝探しをすることに……

 

「えっと昔の学校の位置と今の位置を確認すると…………ここだね」

 

最初についた場所は音楽科がよく使うレッスン室だ。さてと床を……

 

「いやいや、床剥がすのはどうかと思うよ」

 

「えーだって~」

 

「だってじゃないから……と言うか埋まってるものなの?」

 

「えっと……」

 

地図にはこの場所から東の木のところに埋めてあると…………

 

「ここはスタート地点だったのか」

 

「あのさ……よく読んでから行動に移ろうよ」

 

かのんちゃんに呆れられるのであった。

 

 

 

 

とりあえず指定された場所につくけど木なんて……

 

「もしかして改修工事の時に切られたとか?」

 

「まぁ予想はしていたから……」

 

私はノートパソコンを開いて、昔の写真から場所を特定しようとすると……うん、あそこら辺かな?

 

「ちょっと掘ってみるね」

 

シャベルを持って早速堀始めた

 

「と言うか紗桜莉ちゃんってこう言うの好きなんだっけ?」

 

「ん~昔はあんまり好きじゃなかったけど……事故に遭ってから色々と出来ることとか興味を持ったことをやろうと思ったからかな?」

 

「どういうこと?」

 

「いや、事故に遭ったときって……あ、死んだかもって思ったりしたんだけどね…………いざ助かってみると、自分は何も知らずにこのまま死んだらもったいないなって思ってね…………だから生きているうちにって思って……」

 

「紗桜莉……」

 

あれ?そんな重い話だった?

 

「いや、かのんちゃんがそんな顔をする必要はないよ……今はこうして……いやーあのときの事故は大変だったよ~って明るく話せるようになってるし」

 

「何だか今の紗桜莉ちゃんは昔の事がきっかけなんだなって」

 

「まぁね。おっと、何か埋まってる」

 

取り出してみると箱だった。中を開けると……手紙?

 

「何て書いてあるの?」

 

「えっと……『これを見つけた人へ、私たちが残した想いをどうか繋いでほしい……』だって、あと写真も入ってたよ」

 

「これ…………恋ちゃんのお母さん?」

 

「みたいだね。なんと言うか……愉快な人みたいだね」

 

「…………あのさちょっと思い付いたんだけど…………」

 

「ん?」

 

「その……」

 

かのんちゃんがやりたいことは何となくわかる。そうだね

 

「今日は私たち二人でやる?」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人で撮った写真を印刷し終えると、部室でネットで暗号文的なものを検索し終え…………

 

「とりあえず写真は見つけた箱の中に入れておこう」

 

「そうだね。地図は…………部室に隠しておいて……後はみんなの写真も撮って……」

 

「折角だから……ね」

 

二人で笑顔で部室を後にするのであった。あ、パソコン消し忘れたけど……まぁいいか

 

 

 

 

 

 

 

恋side

 

ちょっとした用事で部室によるとパソコンが付けっぱなしだった。誰かしら来たのか?それとも休みにはいる前から付けたままなのか……

 

「全く……ん?これは……」

 

何だか不思議と興味が惹かれてしまうような広告バーが…………今は誰もいない…………少しだけ見るだけなら…………

 

この……『禁断のセカイ』を…………




次回は本編に……恋ちゃん………………

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42 予選突破かどうか

ちょっと中途半端な所で終わります


紗桜莉side

 

今日は予選に出れるかどうかの発表日……私たちは部室で発表を待っていた

 

「あぁ神様…!」

 

「どうなのったらどうなの…!?」

 

「12時になったよ」

 

「いよいよ発表…!」

 

「じゃあいくよ。地区予選通過は8組……エントリーNo.1 ”サニーパッション”」

 

「ですよね」

 

「当然だよ」

 

「そしてエントリーNo.21 ”ネオミュータントガールズ”!エントリーNo.62 ”浅草スカイラブリー”!エントリーNo.70 ”神楽坂ダッシュ組”!エントリーNo.…」

 

「来い!」

 

「うぅ~」

 

突破してるかどうかのタイミングで……まさかの……

 

「あれ?パソコン固まっちゃった」

 

「もったいぶらないでったらぶらないで~!」

 

「もう!動け動け~!」

 

まぁ仕方ないか。いろんな人が同時に見てるから…………

 

「みんなが同時に接続しているからでしょうか?」

 

「スマホで見てみよう」

 

ちーちゃんがスマホで確認しようとすると、かのんちゃんのスマホに連絡が入った。相手は…………

 

「ん?サニーパッションさん?」

 

「ということは……」

 

送られてきたメッセージには……『おめでとう』と『いいステージにしましょう』とあった。と言うことは…………

 

「あ、動いた」

 

パソコンには無事予選突破したことが映されていた。

 

『やった~』

 

みんなが喜ぶ中、私は…………

 

「紗桜莉ちゃん?」

 

「もしかして……紗桜莉ちゃんは…………」

 

「いや、私は…………もう結果発表出てて、突破してるから……」

 

「いやいやいや、いつの間に出場とかしたの!?」

 

「こういうのは言ってくれれば応援とかしたのに!」

 

「紗桜莉さんの反応が変でしたから心配しましたデス!」

 

「あはは……いや、なんと言うか……こう言うときは一緒に喜んでいいのかなって……ちょっと思っただけ」

 

「全く今更ね」

 

「紗桜莉さんも同じメンバーなのですから……」

 

「そっか……えへへ、やった」

 

 

 

 

 

「おめでとう!」

 

教室で改めてクラスのみんなにお祝いをしてもらう私たち。なんと言うかこうやってお祝いされるのは結構恥ずかしいと言うか……

 

「絶対地区予選突破したってみんなで話してたんだよね!」

 

「すみれちゃんすっごいかっこよかったよ!近くで見ていた人もみんなファンになったって言ってたし!」

 

「当然でしょ?誰だと思ってるの?」

 

「まぁ直前までおじけづきのグソクムシだったのですけどね」

 

「うるさい!」

 

でも予選を突破出来たのはすみれちゃんが乗り越えたことが大きいと思う。自分の持っているものをはっきりと自覚したのが力になったみたいだしね

 

「かのんちゃんたちが頑張っているから私たちも元気もらえた!」

 

「かのちゃんたちはこの学校の希望だね!」

 

「何か力になれることがあったらいつでも言ってね!」

 

「ありがとう!」

 

お祝いムードの教室。すると放送がかかった

 

『スクールアイドル部の皆さんにお伝えします。スクールアイドル部の部員は放課後理事長室に来てください。繰り返します。スクールアイドル部の部員は放課後理事長室に来てください』

 

「ん?」

 

「もしかして表彰!?」

 

「だといいけど怒っていたような気も…」

 

「何だろう?」

 

何か問題が発生したとか?それとも誰かがやらかした?

 

「あのさ、何でみんな私の方を見るの?」

 

「いや~」

 

「なんと言うかね」

 

「ひどい!?ここ最近はなにもしてないのに……」

 

「まぁ紗桜莉がやらかしたら、私たちを呼び出す必要はないし……」

 

「ハッ!?」

 

すると恋ちゃんが何か思い当たる事があったみたいだ

 

 

 

 

 

 

 

「わたくしのせいです…」

 

「恋ちゃん…」

 

「恋が?何したの?」

 

恋ちゃんが何かしでかすなんて思えないけどな~

 

「実はこの前部室に入ったらパソコンがついていまして…興味本位でつい…生徒会長ともあろう者があんなものを…。あぁ…失格です停学です退学です…わたくしの人生終わりました…」

 

どうにも聞く限りでは見てはならないものを見てしまったらしい。まぁ年頃だから仕方ないことだけど……

 

「いやさすがにそれはバレてないんじゃ…」

 

とりあえず何のために呼び出されたのか分からないから、理事長室に向かうことに…………




紗桜莉→そもそもの原因だったり……

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43 過去と向き合う

私たちは理事長室に行くことになったけど、まさか恋ちゃんがちょっとやらかしたことが原因とは考えられないけどな~

 

「失礼します…」

 

「どうぞ」

 

特に怒っている感じではないけど……かのんちゃんたちは暗い顔をしてる。まぁ怒っているようには見えなくても、実はということもあるしね

 

「どうしたの?何か悪いものでも食べた?」

 

「い、いえ…ただ…」

 

「申し訳ありません!わたくし葉月恋生徒会長ともあろう者が興味本位であのようなものを見てしまいまして…」

 

「何言ってるの?」

 

「えっ?」

 

「来てもらったのはこれが来たからです。澁谷さんと嵐さんの母校の小学校からあなたたちに歌ってほしいって依頼」

 

あ、恋ちゃんの勘違いだったみたいだ。まぁ普通に考えて恋ちゃんが見たものがバレたりとかありえないしね。何せ……そういう履歴やら何やらはすぐに消えるようにしてあるし

 

「私とちぃちゃんの?」

 

「えぇ。母校の卒業生が始めたスクールアイドルの歌を生徒に聴かせたいって」

 

「そういうことでしたか~」

 

「すばらしいデス!是非参りましょう!」

 

「じゃあOKってことでいい?」

 

 

「えっ?」

 

「どうかした?」

 

「いえ…とても素敵なお話だと思います」

 

かのんちゃん……もしかして……

 

 

 

 

 

 

 

理事長室の後にして部室へと行こうとすると……ちーちゃんがあることを言い出した

 

「そうだー!ちょっと忘れ物したから…みんな先行ってて」

 

「ちぃちゃん?それなら待って……」

 

「あー私も忘れ物したから……かのんちゃんたちは先に行ってて」

 

「う、うん」

 

ちーちゃんと二人で忘れ物を取りに……行くふりをしつつ

 

「それで話したいことがあるんでしょ」

 

「あはは、流石だね」

 

「かのんちゃんの事だよね」

 

理事長室で小学校からの依頼について聞いた瞬間、一瞬だけどかのんちゃんの表情が曇った

 

「紗桜莉ちゃんは……かのんちゃんが……」

 

「知ってる。倒れたんだよね」

 

「うん……」

 

「それでかのんちゃんからしたらちょっとしたトラウマがよみがえるんじゃないかってことだよね」

 

「正直に言うとね……心配なのと乗り越えてほしいと思うの」

 

「乗り越えるか……トラウマは乗り越えるのは大変だよ」

 

「そうだけど……」

 

「私が一番よく知ってるから……怖いし忘れたい。でも忘れられない、逃げられない」

 

「……」

 

「でもかのんちゃんなら何とかできそうだと思うよ」

 

「へ?」

 

「これは昔のかのんちゃんを知らない私が信じてるかのんちゃんだけど……今は大丈夫だよ。だって……」

 

私は笑顔でちーちゃんのことを指をさした。だって今はかのんちゃんは一人じゃないからね

 

「そっか……そうだよね…因みに紗桜莉ちゃんもその一人だよ」

 

「そう言ってもらえると嬉しいな……」

 

「とりあえず可可ちゃんたちにも話してみるよ」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

練習が終わり、ちーちゃんはバイトがあるので先に着替え終わり……

 

「じゃあ今日は私バイトだから」

 

「そっか。頑張ってね!」

 

ちーちゃんが帰った後、すぐさまくぅちゃんたちはスマホを見ていた。さて私も先に出るかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちーちゃんのバイト先のたこ焼き屋でくぅちゃんたちが集まると、さっそくかのんちゃんについて話した。

 

「それで話というのは何なのですか?」

 

「しかもかのんには秘密なんて千砂都らしくもない」

 

「うん…」

 

「小学校のことですよね?」

 

ちーちゃんは改めてかのんちゃんが倒れたことをみんなに話した。まぁ誰が聞いても驚くよね

 

「倒れた!?」

 

「うん。それがかのんちゃんが歌えなくなった最初の事件で…」

 

「なるほどね。そのステージに立ったらまたぶり返すんじゃないかってこと?」

 

「大丈夫だとは思うんだけど…」

 

「そうですよ!かのんは可可とステージに立って歌いマシタ!あの時から一度だって歌えなくなったことはありません!」

 

「むしろ率先して歌っているというか」

 

「うん。それは分かってるんだけど…ただかのんちゃんすごく繊細なところあるから」

 

「でもさそれで歌えなくなっちゃうようだったらラブライブで歌っていくことなんてできないんじゃない?」

 

「同意するのは気に入りませんがすみれの言う通りデス」

 

「紗桜莉さんはどう思っているんですか?」

 

「私は……大丈夫だと思うよ。というかちーちゃんにも言ったけど、今のかのんちゃんにはみんながいるし」

 

「そうだよね」

 

「まぁ心配ならね…様子を見たりとか」

 

「様子を?」

 

「では一度下見に行ってみるのはどうでしょうか?そこでかのんさんの反応を見てみるというのは」

 

「下見か……」

 

過去と向き合ってどうなるかだけど……きっと大丈夫だよね

 

 

 




書いてる途中でちょっと思いついたので、一期最終回の展開はちょっと変えます

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44 過去の障壁

アルセウスやりまくっていたからかちょっと更新遅れました。


ちーちゃんの提案でかのんちゃんたちの母校の小学校を訪れた私たち。これで少しはかのんちゃんが前を向ければいいんだけどな~

 

「わざわざ来てくれるなんてありがとうね」

 

「家も近いので」

 

「スクールアイドルっていうの?この学校の生徒でも憧れている子は結構いてね」

 

「本当ですか?」

 

「嬉しい!」

 

意外と二人のことを覚えてる先生とかいるんだ…まぁ卒業生のことを応援してくれるっていうのもいいかもね

するとある教室を見るとかのんちゃんとちーちゃんの二人は懐かしそうにしていた

 

「ここ私とかのんちゃんがいた教室!」

 

「机ちっさ!」

 

「小学生ってこんなに小さかったんですね」

 

「それくらい私たちが成長してるってことだね」

 

まぁ私の場合は高学年あたりから学校に行かずに病院にいたけどね

 

「ちぃちゃんいつもここでダンスしてたよね!」

 

「かのんちゃんだっていつも歌ってたよ?」

 

「そうだっけ?」

 

かのんちゃんは教室に貼られていた『合唱コンクール!めざせ優勝!』を見つめ、懐かしそうにしていた

 

「行こうか」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

「当日はこの講堂のステージで歌ってもらうことになります」

 

次に移動した場所はかのんちゃんたちが歌うステージの講堂だった。結構広いんだ…というかここって普通の小学校だよね?いや、都会の小学校と考えれば……

 

「思ったより広い…」

 

「当たり前デス!生徒みんな集まるのですから」

 

「かのんちゃん。ちょっとステージ上がってみる?」

 

ちーちゃんの提案で試しにステージに上がることになり、舞台裏へと向かうとかのんちゃんは立ち止った。

 

「ここは…」

 

「どうかしたの?」

 

「ちょっと思い出深いところなんだ」

 

思い出深いところ?ちょっと気になるけど…あとで聞いてみよう

 

 

 

 

 

 

わたしたちはステージに上がり、観客席を見つめた。やっぱり広いな~

 

「かのんちゃんちょっとだけ歌ってみせてよ」

 

「えっ?」

 

「練習です。せっかく来たことですししておいた方がよいでしょう?」

 

「ごめん。ちょっと待って」

 

歌おうとしたけど、やっぱり一人では歌えないみたいだったけど……ちーちゃんがかのんちゃんの手を握るとみんなも握り始め、歌い始めた。

 

「心配してたけど……大丈夫みたいだね」

 

「何が?」

 

「何でもないよ」

 

「紗桜莉ちゃんが信じてた通りだね」

 

「まぁね……」

 

「というか紗桜莉もどうせなら一緒に歌いなさいよ」

 

「へ?」

 

「そうですね。今回はダンスなどないので一緒に歌うのであれば問題ないはずです」

 

「六人で歌いマショウ!」

 

六人か……それもいいかもね。私たちは六人で歌うことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日

 

次の大会も近いため、みんな頑張って練習をしていた。私も気合入れないと……

 

「はい!」

 

「ふぅ~!」

 

「今回も難しいダンスだねぇ!」

 

「東京大会でのライブだよ?引けを取らないようにって気合い入れて作ったんだ」

 

「勝てるかなぁ…」

 

「私は十分可能性はあると思う。このメンバーなら!」

 

確かにかのんちゃんたちなら十分過ぎるほど勝てる可能性がある。とはいえサニパもきっとすごい仕上がりなんだろうな~

 

「大変デス~!」

 

するとくぅちゃんが慌ててやってきた。というか練習に遅れてない?

 

「練習始まっているわよ!」

 

「東京大会の課題が発表されマシタ!」

 

「課題?」

 

また課題があるんだ……とりあえず見てみることにした

 

『東京大会の課題はこちら!独唱。歌を聴かせるソロパートを曲に取り入れてください!』

 

「また難しいお題ね」

 

「純粋な歌唱力が試されますね」

 

独唱……確かに難しいけど……でもこれ……

みんなも同じことを思っていたのかかのんちゃんのことを見ていた

 

「じ~っ」

 

「え?えっ?えっ!?」

 

「異論を唱える人はいませんよ~!」

 

「えぇ~!?」

 

「かのんさんで決まりですね」

 

「違う課題ならやってあげてもよかったんだけど」

 

「Liellaが始まったのはかのんちゃんがあの時歌ったから。可可ちゃんの想いに応えたから」

 

「ちぃちゃん…」

 

「かのんちゃん以外いないよ」

 

まぁだれも反対はしてないから大丈夫みたいだけど……いや反対云々じゃないみたいだね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かのんちゃん、このままでいいのかな?」

 

ちーちゃんに相談があるといわれて、ちょっと都合してもらった教室で話をすることになったけど

 

「歌えてはいたじゃない」

 

「そうだけど……」

 

「でもそれはみんなと一緒だったから…でしょ」

 

「うん……」

 

「私はこれ以上は口出すつもりはないよ」

 

「え?」

 

「ちーちゃんがそうしたいならそうするべきだよ」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「冷たいと思った?でもこのままでいいって思って止まるならそれまで大会も負けて終わると思うよ」

 

「……」

 

「もしもかのんちゃんが乗り越えたら、それはきっとLiellaが大きく変われるはずだから……」

 

「そうだよね……」

 

「あとでくぅちゃんにでも相談してみようか」

 

 

 




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45歌を全世界に響かせようとした……

今回で11話終了です


紗桜莉side

 

ちーちゃんはくぅちゃんにかのんちゃんのことを話すために、バイト先に呼び出した。私はというと一応見届けるために来ていた。

 

「可可たちがいたから?」

 

「うん。かのんちゃんが歌えているのはみんなと一緒だからだと思う」

 

「そうでしょうか…」

 

「可可ちゃんと2人でステージに立った時かのんちゃん何て言ってた?」

 

「確か ”歌える。一人じゃないから”と」

 

「やっぱり」

 

まぁ一人じゃないから歌えるのは良いことだけど、今回の問題はちょっと違う感じがするんだよね

 

「そのあとのライブもこの前の小学校の時もそう。かのんちゃんみんながいるから、一人じゃないって思えるから歌えるんだと思う」

 

「それはよくないことなのデスカ?仲間がいるから歌えるって素敵なことだと思いますけど」

 

「私もそう思ってた。でもね それって本当に歌えることになるのかな?ずっと今みたいな不安は消えないんじゃないかな?」

 

ちーちゃんはかのんちゃんのためなら優しくなるし、厳しくもなるよね。仕方ない

 

「ここで三人でどうこう話しているよりも、あと二人にも話をした方がいいんじゃない?」

 

「二人?」

 

すみれちゃんと恋ちゃんの二人にもさっき話していたことを伝え、どうするかを伝えた

 

「厳しいのですね」

 

「まぁ言ってることは分からなくはないけどね。それで?」

 

「うん。反対されるかもしれないけど…」

 

ちーちゃんの提案、それはみんなは反対半分賛成半分だった。

 

「まぁ……やるだけやってみた方がいいかもね」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「ちーちゃん、あんまり気にしないで、ちーちゃんがそうするべきだって思うならやるべきだし、私は余程の事でなければ止めないよ」

 

意見出して反対か賛成かは言うけどね

 

「うん、それじゃ」

 

次の日、ちーちゃんは理事長にある頼み事をして、その日の練習の時に…………

 

「えっ?ちぃちゃんが!?」

 

「うん。その日だけはどうしても行かなきゃダメだって家で言われちゃって」

 

「実は可可もやんごとなき事情がありまして」

 

「実はわたくしも」

 

「私もどうしても家族が神社を手伝えって」

 

「ええっ!?ちょっと待ってちょっと待って!さ、紗桜莉ちゃんは?」

 

「私?あーちょっと予選会の説明会あったの忘れてたよ~ごめんね」

 

と言うかこれで騙せるの?いや、かのんちゃんは素直だから信じちゃうか

 

「それじゃもうLiellaじゃないよ!一人しかいないなんて…」

 

「ですよね…」

 

「だからね小学校に連絡したんだけどそしたらかのんちゃん一人でもお願いできないかって」

 

「えっ!?」

 

「むしろ学校の子たちはかのんちゃん一人の歌聴きたいって。ダメかな?」

 

なんとか説得して、かのんちゃんは渋々納得するのであったが……

 

「やっぱりひどいデス。かわいそうデスこんなの」

 

「うん…」

 

「幼馴染みなのでしょう?」

 

「千砂都の言うことは確かに理想だけど…」

 

「私ね、私小さい頃は何をしてもうまくできないと思ってた。自分は何をやってもダメですぐ諦めてた」

 

幼い頃、そんなちーちゃんにかのんちゃんはある言葉を送り、支えてくれたらしい

 

『最初からできないなんてそんなことあるはずないよ!』

 

と……

 

「あの笑顔はね、元気になる笑顔。安心して勇気が出て見ている人が心から嬉しくなる笑顔。私の知ってるかのんちゃんはそんな笑顔を持っていたんだ……だから今あの時のかのんちゃんを取り戻すことができたら、辛いことやうまくいかないことをいっぱい経験したかのんちゃんがあの時の気持ちを取り戻せたら誰にも負けないって……ラブライブどころじゃない。飛び越えて世界一、いやすみれちゃんが言うみたいに銀河一にだってなれる!私は…嵐千砂都は信じてる。澁谷かのんを!」

 

信じてるか……にしても……

 

「何か告白みたいだね」

 

「へっ?」

 

あー無自覚だったか。まぁ無自覚出るほど、かのんちゃんを信じてるってことだね。

 

 

 

 

 

 

そして発表会当日、心配して私たちは様子を見に来ていた。まぁみんな、かのんちゃんが大好きってことだよね

みんなで隠れていると、ちーちゃんのスマホにかのんちゃんから電話が入った

 

「ちーちゃん」

 

「どうしたの?」

 

『ありがとね。私みんながいたから歌えてた。それでいいと思ってた。でもそれじゃダメなんだよね。誰かを支えたり力になるためにはちぃちゃんが頑張ったみたいに一人でやり遂げなきゃいけないんだよね』

 

「うん。それに一人じゃない」

 

『えっ?』

 

「いるはずだよ。あの頃のかのんちゃんが……歌を全世界に響かせようとしていたかのんちゃんが」

 

『私が?』

 

電話を切り、暫くしてからかのんちゃんがステージに上がり、一人で歌を歌った。やっと乗り越えたんだね…………かのんちゃん

 

歌い終わり、感動したちーちゃんが飛び出し、かのんちゃんに抱きつくのであった。本当に……良かったね

 

 

 

さて後は私が頑張る番だね…………

かのんちゃんたちより私の方が先に予選に出るからね…………

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

帰り道、可可ちゃんと楽しそうに話している紗桜莉ちゃんを見つめていた。

紗桜莉ちゃんは一人で歌い続けようとしているけど…………一度だけ、一度だけ一緒に歌いたい。みんなと一緒に…………

 




アルセウス終わったので、ここしばらくずっとガンヴォルトやってて更新が遅れました……
次回はオリストです
感想待ってます!


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46 天使と出会った日

今回からオリストとなります


人生において最大の不幸が誰しも訪れる。だけどそれがいつなのかは誰にもわからない。

だけど私からしてみればその最大の不幸がいつだったのか分かっていた。それは中学生のころだ。

車にひかれた私は、重傷であったけど傷とかはあまり残らないといわれたが……

 

「後遺症ですか」

 

「えぇ、両足にね。あまり激しい運動は控えるようにね」

 

それから正直色々と変わったのかもしれない。元々運動は好きではないから良かったかもしれないけど……どこか退屈になってしまった。

 

リハビリのを続ければ幾分かはマシになるとは言われたけど、はっきり言って元に戻らないのであればやる意味がない。それにただた辛いだけのリハビリなんて……

 

そんな病院生活が続く中、私はあの人と出会った。

 

 

 

 

それはある日、病院の中庭でボーとしているとどこからか歌声が聞こえた。優しい歌声……どんな人が歌っているのか気になり、見に行くと……私より少し年上の女の子が歌っていた。その人の周りには歌声に聞きいっている人たちがいる。

 

「ありがとうございました」

 

その人は歌い終わると、私に気が付いたのかこっちに来た。

 

「こんにちわ」

 

「こんにちわ……」

 

「歌聞いてくれてたの?」

 

「あの。ボランティアの人ですか?」

 

たまにボランティアの人たちが来ていろいろとやってくれたりしてるけど、この人を見るのは初めてだ

 

「うーん、ボランティアの人って言うか……今日は友達の手伝いでね」

 

「はぁ……」

 

わざわざ手伝うって……友達思いなのか暇なのか……

 

「歌うまいんですね」

 

「えへへ、こう見えてスクールアイドルだから」

 

「スクールアイドル?」

 

聞いたことはあったけど、そこまで興味はなかった。というかアイドルならテレビとか出ているんじゃ……

 

「まぁ人によってはアイドルの真似事とか言ってる人がいるけどね……それでもみんな一生懸命だったりするんだよ」

 

「……」

 

「まぁ私も始めたときは幼馴染がときめいちゃって……」

 

「ときめく?」

 

「うん、ときめいちゃってね……私も最初は興味本位でやっていったけど……徐々に…ね」

 

よくわからないけど……本気でやってるんだ……

 

「そのスクールアイドルって……」

 

「興味ある?」

 

「多少はですが……私みたいな子でもできますか?」

 

「どういうこと?」

 

私は何故かこの人に自分の状態を話していた。こんな今日あったばっかりの人に話すことでもないのに……

 

「こんな私でも歌えますか?」

 

「……分からない」

 

いや、そこは普通に出来るよとか言ってくれるところじゃないの?

 

「いや……ふつうは踊ったりしないといけないけど……でもどんなアイドルでも受け入れてくれるのスクールアイドルだから……やってみないとわからないかな」

 

やってみないとか……

 

「なんとなく参考になりました……」

 

「あはは、良かった。それじゃ私はそろそろ行くね」

 

「あ、はい」

 

「それとアドバイス。スクールアイドルをやるだけじゃなくって他にも興味があることを知っていったり、やっていったりしてもいいかもね。勿論できる限りのことをね」

 

「……はい!」

 

私はその天使みたいな人と出会ってから、変わったのかもしれない。リハビリを頑張りつつ、ボイストレーニングをしたり、興味があることを知っていこうとしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今……

 

「紗桜莉ちゃん!」

 

家でいろいろと作業をしているとかのんちゃんが私の部屋に来た。

 

「どうしたの?大声で」

 

「あの……って何してるの?」

 

「何って……前に頼まれ事して……超強力!長距離殺虫剤を作ったんだけど」

 

「それ……環境とか大丈夫なの?」

 

「…………さぁ?」

 

「さぁって……」

 

かのんちゃんはあきれた顔をしてるけど、いや、頼んできた人に文句言ってよね……と言うか今は冬だから普通に虫とかいないから来年用なのかもしれないし

 

「それで何か用?」

 

「そうだった……紗桜莉ちゃん!ソロアイドルの大会が忙しいのは分かってるけど……次の私たちの予選……一緒に出て!」

 

とんでもないことを言い出してない?いや、かのんちゃんはかのんちゃんの考えがあって言ってるのかもしれないけど…………

 

「ごめん……無理」

 




次回もオリストです!
何故紗桜莉が断ったのから……次回!
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47 誘いと苛立ち

今回は短めです


かのんside

 

紗桜莉ちゃんを誘ったけど断られてしまい、私はみんなに相談することにした。

 

『そっか……断られちゃったんだ』

 

『紗桜莉さんはソロアイドルに強い拘りがあるみたいデスから……仕方ないというしかないデスネ』

 

『ですが……それでも一回だけならという気持ちは……』

 

『そもそも紗桜莉の言う天使ってアイドルが気になるわね』

 

すみれちゃんの言う通り、天使ってアイドルはどんなアイドルなのか分からない。前に聞いたけど、あまりステージに立ったことがないらしく……動画とか探しても…………

 

「でも……それでも私は諦めたくない……紗桜莉ちゃんと一緒に歌いたい」

 

『かのん……分かりました!可可も協力します!』

 

『私も…いえ私たちも紗桜莉さんと一緒に歌いたいです』

 

『ま、何だかんだあの子と歌いたいと言うのは、みんなの想いみたいなものよ』

 

『だからみんなで説得しよう!』

 

みんなの想いが一つになり、紗桜莉ちゃんをもう一度誘うことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「……」

 

隣の部屋からめちゃくちゃ聞こえてるけど……はっきり言って私は何されても地区大会の舞台で歌うつもりはないのだけど……

 

「そもそも……まぁしつこかったら伝えるか」

 

私は私でやるべき事もあるしね。

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

次の日、起きてきた紗桜莉ちゃんを早速誘う私

 

「紗桜莉ちゃん!一緒に歌おう!」

 

「……遠慮するわ」

 

勢いで乗ってくれるかも思ったけど……まさかの冷たく断られた。

でも!まだまだ!

 

 

 

 

 

 

 

一緒に教室に入ると……

 

「紗桜莉、悪いのだけど……」

 

「遠慮するね」

 

すみれちゃんが誘おうとしたけど、先に断るなんて…………すると急いでやってきた可可ちゃんが……

 

「紗桜莉!一緒に……」

 

「ごめんね。遠慮する」

 

だから最後まで聴いてあげてよ…………

すると今度は恋ちゃんが積み重なった書類をもって……

 

「紗桜莉さん、すみませんが……少し手伝ってもらっていいですか?」

 

「手伝い?」

 

「はい、少し生徒会の仕事が滞ってしまって……」

 

「うん、分かったよ」

 

恋ちゃん、どう誘うのか気になるけど…………とりあえず待ってみよう……

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「うぅ……すみませんでした」

 

何故か項垂れる恋ちゃんと笑顔の紗桜莉ちゃんが戻ってきた。

 

「まさか書類の中に仕込むなんてね」

 

もしかして判子を押す勢いでって事?そして恋ちゃんの反応を見ると……うん、色々と言われたのかな?

 

「はぁ……あのさ、分かってないみたいだけど……」

 

紗桜莉ちゃんはいい加減呆れたのか私たちを睨んでいた。お、怒ってるよね……これ

 

「あ、紗桜莉ちゃん、うぃーす!」

 

「ちーちゃんも誘う気?」

 

「あーそのつもりだったんだけど…………色々と気がついちゃって……」

 

ちぃちゃんは紗桜莉ちゃんに耳打ちをすると……紗桜莉はさっきまで怒った感じからいつも通りに戻った

 

「ちーちゃんが分かってるなら、みんなに説明した方がいいんじゃない?」

 

「それは……紗桜莉ちゃんの方がいいよ」

 

「……それはそうだけど……まぁ私も分かってるつもりだったけどね」

 

「あはは、何かごめんね」

 

それから紗桜莉ちゃんは放課後にちゃんと話すから誘うのをやめてほしいといい、私たちは放課後まで待つことになったのだった。




次回!紗桜莉が断り続ける理由が明らかに!

感想待ってます!


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48 理由と大会

今回でオリスト終了です


放課後になり、かのんちゃんたちと私がソロアイドルをやらない理由を話すことになったけど……正直話すことなのか…………

 

「紗桜莉ちゃん、私は……ううん、私たちは紗桜莉ちゃんと一緒に歌いたい」

 

「一緒に歌いたいって言うのは分かる。私も一緒に歌いたいよ」

 

「それだったら!」

 

「でも私は地区大会では歌えない」

 

「それはどうしてデスカ?ソロの方との日程は被ってないデスよ!」

 

「だとしたら普通に出れるわよね?」

 

「もしかして事故の後遺症のことですか?それなら振り付けなどを考えれば…………」

 

「…………」

 

そういう問題ではないんだよね。ちーちゃんはちーちゃんで黙り込んでるけど……私が断り続けてる理由について気がついてるよね?

 

「教えて……紗桜莉ちゃんがどうしてそこまで断り続けてるのかを…………」

 

いい加減、話した方がいいよね。

私はスマホであるものを見せた。それは……

 

「ラブライブの規約?」

 

「これが理由」

 

「「「「へ?」」」」

 

「かのんちゃん、規約にはね。ライブに参加するのは事前登録したメンバーのみなんだよ。追加で参加するのはダメみたいだよ」

 

ちーちゃんもちーちゃんで調べてたみたいだね。

 

「一応事前登録メンバーが当日参加できなかった場合は特には問題はないみたいだけど……追加では無理みたいなんだよ」

 

「えーと……」

 

「それは……気がつきませんでした……」

 

「と言うか可可は規約とか把握してたんじゃないの!?」

 

「可可もその事については忘れてました…………すみません」

 

「うん、だから私はかのんちゃんたちにどう誘われても参加はできないの。まぁ当日は鳥坂さんと一緒に裏方に回るから」

 

「えっと……なんかごめんね」

 

「かのんちゃんが謝ることではないよ。でも一緒に歌いたい気持ちは本当だから……機会があったらね」

 

「うん」

 

こうして私の参加問題は終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そして数日後、私のソロアイドルの大会。地区大会を勝ち抜けば……

 

控え室にいる参加者たち同様、私も緊張している。

それにこうして大会に参加することで……何処かであの人が見てくれるかもしれない。

 

「相花さん、そろそろ」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

みんなで紗桜莉ちゃんのステージを見に来ていた。ソロアイドルって……こんなにレベルが高いんだ……それでも紗桜莉ちゃんは負けてない。

 

「凄い……」

 

「紗桜莉さんのステージは二回目ですが……以前よりレベルが上がってますね」

 

「少しずつだけど、私たちの練習に参加してるからね」

 

「紗桜莉ーーーーー!頑張ってくだサーーーーイ!!!」

 

「可可、声大きい!」

 

きっとこれなら…………ふっと隣の席に座る女性が目に入った。小柄だけど何処と無く神秘的……そんな女性だ。その人は何故か嬉しそうに見ていた。

 

「あの子……そっか」

 

そう呟いていたけど……知り合いなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

全ステージが終わり、結果発表になった。結果は…………二位か…………

 

「…………」

 

今の私のレベルだとこれぐらいだったのか……

正直思った以上にショックは大きい…………

 

「ふぅ……」

 

私はゆっくりと控え室を後にしようとすると…………

 

「あの……」

 

「…………」

 

声をかけられ、振り向くと……一位通過した人。正直話す気なれないし……無視しよう。

 

「あ……」

 

 

 

 

 

 

会場から出ると、かのんちゃんたちが待っていてくれた。

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「…………」

 

こう言うときは明るく……『負けちゃった』って言うべきだけど……ダメだ。

私はかのんちゃんに抱きつき……思いきり泣くのであった。




一応二期に向けて、新キャラ出しつつ、次回は本編最終回の話になります

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49 変わっていくこと

久しぶりの更新!


私の大会も終わり、次はかのんちゃんたちの番だけど……

 

「ワンツースリーフォー!可可ちゃん肩で息しない!」

 

「は~い!」

 

「すみれちゃんは止まる位置ちょっとだけずれちゃってる!」

 

「えっうそ!?」

 

「はいお疲れ~!今日はここまで~!」

 

今まで以上に気合いが入っていた。

 

「ハァハァ…」

 

「あれ?」

 

「手加減なさすぎ!」

 

「ありゃ?気合い入りすぎちゃった?」

 

「足が棒ですぅ~!」

 

まぁ気合いが入ってるのはいいけど、変に頑張りすぎないようにしてほしいとは思うけど……

 

「まだまだ!かなり良くなってきてる。この調子でランニングもう1セットいこう!」

 

「えぇ~!」

 

「あなた力みすぎじゃない?」

 

「だって東京大会が近いんだよ!?何か頑張った分だけできるようになっていくのって楽しいなって思って」

 

かのんちゃんが本当に気合いが入ってるな~

 

「それに紗桜莉ちゃんにあんな風に泣かれたら、頑張らないといけなくなっちゃうしね」

 

う///あれは忘れてほしいのだけど……

 

「確かにあの紗桜莉さんが泣くなんて」

 

「というより悔しいと言う気持ちがあったのデスネ」

 

「鬼の目にも涙と言うことですかね?」

 

恋ちゃん、くぅちゃん、後で覚えておいてほしいのだけど…………

 

「よしいこう!」

 

「また外苑?」

 

「5セットぐらいいっちゃおう!」

 

「ええっ!?」

 

「あ、恋ちゃんとくぅちゃんは10セットね」

 

「「えぇ!?」」

 

細やかな仕返しをするのであった。

それにしても私の事がどうとかではなく、かのんちゃんは変わった気がする。

 

「かのんさん以前よりだいぶ変わりましたね。前向きになったというか…」

 

「そんなことないよ。これがかのんちゃん」

 

ちーちゃんの言う通りなら、変わったというより素のかのんちゃんを見せ始めたってことかな?

すると鳥坂さんがやって来て、

 

「お嬢様、理事長がお呼びです」

 

理事長が?恋ちゃん……何をやらかしたんだろう?

 

「恋ちゃんまたパソコンで見ちゃいけないものを…」

 

「見てません!忘れてください!」

 

「いいんだよ。趣味は人それぞれなんだから」

 

「だから違うと言っているのです!」

 

「まぁ私の方でセキュリティ上げておいたから、学校では見れないようにしたし……」

 

「もう紗桜莉ちゃん、この学校のセキュリティ管理してる感じなの?」

 

「色々と頼まれてきたし、理事長からお願いされたから……因みにパスワードは一日で切り替わるようにしてるし、ミスするとばくは……ゲフンゲフン」

 

「今……ヤバイこと言わなかった?」

 

かのんちゃん、そこは聞き間違いにした方がいいと思うよ。うん、色々と……ね

 

「ほら、理事長を待たせたらまずいから行ってきたら?」

 

「はい、そうですね」

 

恋ちゃんを見送ると、かのんちゃんたちが何の話だろうと話していたけど、私は何となく予想がつく……と言うより確定してるようなものだしね

 

 

 

 

 

 

恋side

 

理事長室に入ると、理事長があるものを見せてきた。

それは入学希望者数が……増えている!?

 

「すごいでしょう?私もまさかと思って。あなたたちに感謝しなくちゃ」

 

「そんな…」

 

「あぁそうだ。これあなたのお父様から。必要なお金を学校に寄付したいですって。連絡してあげなさい」

 

「お父様……」

 

お父様……本当にありが……

 

「あと、これは聞いた話だけど……貴方のお父さんに電話してきた人がいたみたいよ」

 

「え?」

 

「どうにも『娘さんが一人で残していった想いを結んでいこうとしているのに、父親であり、旦那さんであるあなたは何もしないのはおかしいと思うけど……そこら辺どうなのか?』ってね」

 

「一体誰が……」

 

いや、こう言うことをする人物に心当たりが……ありすぎる

 

「名前は名乗らなかったけど……結ヶ丘の生徒の一人と名乗ったらしいわよ……まぁ彼女ね」

 

本当に紗桜莉さんは……

 




裏でしっかりと動いている紗桜莉という……
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50 Liellaと言えば……

何気に1ヶ月ぶりの更新……うん、申し訳ないです


部室で私たちはある報告を恋ちゃんから受けていた。

 

「入学希望者が増えた!?」

 

「はい!今の数ならば生徒が足りなくなることはないと!来年以降も結ヶ丘は続いていきます!」

 

「よかった~!」

 

「地区予選の評判が良かったからかな?」

 

「後は父からの資金も……そちらは」

 

恋ちゃんは私の方を見て、笑顔を向けた。

 

「私は何もしてないよ」

 

ただ単にちょっと文句を言っただけだから、感謝されることなんて

 

「どうしたの?恋ちゃん」

 

「いえ、ある足長女生徒が助けてくれたので」

 

「なるほど、紗桜莉ちゃんか」

 

「いや、ちーちゃん、私なわけ……」

 

「紗桜莉は素直ではないデスネ」

 

「そうね。しっかり私が言わない辺りが魅力だったりするわよね」

 

「うんうん、流石は紗桜莉ちゃん」

 

くっ、まだ半年くらいなのに分かられてしまっている。これは恥ずかしい

 

私は話を変えるためにアカウントのフォロワー数について触れた

 

「というか私がって言うより、みんなの頑張りが結果的に実を結んだんだからね!ほら、フォロワー数を見て!」

 

「52000…!」

 

「ギャラクシー!私がセンターの歌で…センターを務めた私の歌で…!」

 

「でも実際かなりの人たちが前のライブをきっかけに学校に興味を持ってくれたみたい」

 

「じゃあ本当にLiellaが入学希望者を…!」

 

「このまま一気に優勝まで駆け上がりましょう!」

 

「東京大会の概要は発表になったのですか?」

 

「今夜発表デス!」

 

 

 

 

 

 

 

皆でくぅちゃんの家に集り、今日の発表を見ることに……

東京大会の概要は…………

 

『ついにラブライブ東京大会です!日程はこちら!メリークリスマース!ウォッホッホ!今回はリモートでそれぞれの学校ゆかりの場所からの生中継!それをオンラインでリレーしていきます!』

 

凄いな…………まさかクリスマスになんて……私は皆を見て……まぁそう言うのはないか

 

「何か失礼なこと思わなかった?」

 

「何が?」

 

かのんちゃん、本当に鋭くなったな……

 

「クリスマス東京決戦デス!今回のルールはかなり特殊デス。自分たちのステージは自分たちで用意しないといけません」

 

「どこがいいんだろう?」

 

「派手なところなら神宮競技場?」

 

「それは決勝の会場です」

 

「じゃあ外苑球場?」

 

「いやいや。誰に頼めば貸してくれるの?」

 

「明日直接行って聞いてきます!」

 

「迷惑になっちゃうよ」

 

「東京大会ですよ!?何のんびりしてるのですか!」

 

「真面目に考えてるってば~!」

 

「今回は東京大会!どの地区も取って置きの場所を用意するはずデス。地味なステージではLiellaは埋もれてしまいます!」

 

うーん、でもけっこう難しいと思うなこれ……Liellaって言えばここって言うところがないからな~

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、かのんちゃんにLiellaと言えばここと言う場所はないと言う話をした。

 

「確かに……そう言われてみれば……」

 

「まぁ無難な所を上げるとしたら、学校としかあげられないかな」

 

「うーん、だよね~」

 

一緒に家に帰ると同時にクラッカーの出迎えがあった。

 

『おめでとう~!』

 

「地区予選突破したんだって?」

 

「もう何にも教えてくれないんだから」

 

「まさかそんなに興味持ってくれてたなんて」

 

「最近私の中学校でも話題になってるよ」

 

「この前1人で歌ったんでしょ?すごいじゃない!」

 

かのんちゃん、良かったね

 

「そうだ、紗桜莉ちゃんにお客さん」

 

「お客?」

 

カウンターの方を見ると見知らぬ子が……あれ?見覚えがあるような……でもないような……

 

「あ、あの初めまして……その私は…………」

 

彼女は名前を名乗ろうとしたけど、急に黙り込み……お金を置いてお店から出ていった

 

「知りあい?」

 

「うーん、会ったことがあるような……ないような……」

 

何だか最近会った気がするんだけど…………

 

 

 

 

 

 

 

???side

 

うぅ、頑張って調べて会いに来たのに……いざ話すとなるとやっぱり無理だ……緊張して……うまく話せなくなる

 

「ステージの上なら……歌えるのに……」

 

私の欠点だよね……はぁ……でも今度会ったときはちゃんと話そう!あの時話せなかったことを……でも『どっちが勝つか分からなかった。これからもお互い高めあっていきましょう』なんて言ったら……物凄く上から目線じゃない

うぅどうすれば……

 

 




オリキャラも登場しつつ、次回に続きます
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51 私が目指す意味

次の日の学校でも、クラスの子たちにステージは何処にするのかと聞かれ、体育館と答えたら欲がないと言われたかのんちゃん。

 

「どうしよ~?」

 

中庭で私、かのんちゃん、すみれちゃんの三人で話していた。まぁ欲がないのもしょうがないけど……

 

「だから言ったのよ。地味すぎだって」

 

「でもみんな冬休みだし外だといろいろ大変だと思って…」

 

「アンタは気を遣いすぎなのよ。もはやLiellaはこの学校の代表よ?ワガママ言うくらいでいいんじゃないの?」

 

「すみれちゃんはいいよね~そういう性格で」

 

「どういう意味?」

 

「まぁすみれちゃんの言う通り、遠慮しすぎと言うか……と言うかこの同好会は遠慮がちな人が多いんだよね」

 

かのんちゃんはもちろんのこと、ちーちゃん、恋ちゃんも割と遠慮がちだもんな~

 

「私は本当は歌えるだけで…」

 

「そこがかのんちゃんの良いところであり、悪いところでもあるよね」

 

そんなことを話していると、くぅちゃんが木の棒をついて疲れきった姿でやって来た。

 

「うぁ~…ダメだったですぅ~…ぱたり~…」

 

「可可ちゃん!?」

 

「どこ行ってきたの?」

 

「ありとあらゆるライブ施設をあたりましたがスクールアイドルには不向きだろうと皆さん申し訳なさそうに…」

 

「確かにこの周辺はもともとスクールアイドルになじみは薄いし」

 

「でもそろそろ決めないと」

 

「うん。家に帰って一晩考えてみるよ」

 

「仕方ない……私も思い当たるところ探してみるよ。とりあえずかのんちゃん、帰りが遅くなること言っておいて」

 

「分かった」

 

さて、とりあえず候補になるところを探してみるかな。

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず候補になるところを探すけど……うーん、どうにもピンと来ない。

 

渋谷の街を一時的にお借りすると言う手もあるけど……交渉がめんどそうだな……

 

「あの……」

 

ちゃんと明確な利益やらなんやらを上手く伝える必要があるし……

コネとかあれば楽だけどな…………

 

「すみません……」

 

「ん?」

 

あれ?さっきから声をかけられていた?振り向くとそこには……確か昨日お店に来ていた子?

 

「どちら様?」

 

「えっ?あの、覚えてないですか?」

 

うーん、昨日も思ったけど、見覚えはあるけど……名前とか出てこない。誰だっけかな?

 

「あ、すみません、自己紹介がまだでした。私は薊蓮花と言います」

 

「どうしよう……名前聞いてもピンと来ない」

 

「あぅ……そうですよね……相花さんからしてみたら……私なんて……あの時も私の偶然が重なっただけですし……

 

「えっと……」

 

「ふふ、全国でもどうせ初戦敗退……ふふ」

 

何だか面白い子だな……あれ?全国?何だか思い出してきた。この子は確か……

 

「ソロアイドルの大会で優勝した……」

 

「思い出したんですか!?」

 

「まぁ」

 

言えない……あの時はショックが強すぎて、周りが目に入らなかったことなんて……

 

「えっと……それで何か用があったんですよね?」

 

「いえ、今日はこれぐらいで……それでは!」

 

物凄く明るい笑顔で帰っていくけど……本当になにしに来たんだ?まぁいいか。帰ろう。

 

 

 

 

 

 

帰ろうとすると、かのんちゃんがサニパの二人と一緒にいるところを見掛けた私。気になり、影に隠れて聞き耳を立てた。

 

「意味?」

 

「はい。みんなは”優勝だ。勝ったら全国だ”とか言うんですけど私は歌で勝ったり負けたりってあんまり…」

 

「じゃあ私たちに負けても平気ってこと?」

 

「いえ。いい歌を歌いたいって気持ちはあるんです。みんなとたくさん練習して最高のライブを目指したい。でも私ずっと歌えないかもって不安があったから自由に表現できるだけでもう本当はそれだけで幸せで…」

 

「なるほどね」

 

「君の言うことは分かるよ。歌は競うものじゃないかもしれない。自分一人でも楽しめるしねだとしても競い合うことでより高め合うことができる。実際ラブライブが行われることによってスクールアイドルのレベルは格段に上がったと言われてるんだ」

 

「そうですか…」

 

「納得いかない?」

 

「いえまだそこまで気持ちが…」

 

「大丈夫。ラブライブで歌えばすぐ気付くはずよ。なぜみんな勝ちたいか」

 

うーん、やっぱりかのんちゃんの問題は……欲だよね~

 

「気持ちの強さか」

 

欲って言うのは悪い方向に考えてしまうけど、でも気持ちを強くするためには必要なものだし……だとしたら……

 

「様子を見て、考えるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、かのんちゃんからステージの構成について話が出た。

 

「今回のテーマは”星”でどうかな?」

 

「星?」

 

「うん!そのイルミネーション見ながら思ったんだ。満天の星を体育館いっぱいに作り出せたら素敵だなって」

 

「絶対きれいデス!」

 

「結ヶ丘スターってわけね」

 

「いいと思う!」

 

「でもこの規模だとすぐに準備に取りかからないといけませんね」

 

確かに今からなら間に合うはずだけど、すると突然部室のドアが開かれ……

 

「そこまで!」

 

「えっ?」

 

「ステージのことは私たちに任せてかのんちゃんたちは練習に集中!」

 

「でも…」

 

「準備に忙しくてちゃんと歌えなかったりしたら私たちが後悔するの」

 

「私たち1年生だけだからさ他の部活が大会に出たとしてもすぐ負けちゃうんだよね」

 

「その中でかのんちゃんたちはここまで頑張ってる」

 

「かのんちゃんたちはこの学校の希望なんだよ。だから応援させてほしいの」

 

「みんな…」

 

「紗桜莉ちゃんも手伝ってほしいけど……いいかな?」

 

「まぁ私も今回は裏方だからいいよ。と言うわけでかのんちゃんたちは練習頑張れ!」

 

「うん!」

 

かのんちゃんたちを見送り、早速準備をしようとすると……

 

「あ、ごめん。準備する場所は体育館じゃないんだ」

 

「へ?」

 

「実は……」

 

なるほどね……事情を聞く限り、私と同じ考えか

 

「交渉とかお願いできないかな?」

 

「まぁこうやって頼まれた以上はやらないとね……私も同好会の……」

 

一員だからと言おうとしたけど……あることを思い付いた。時間が足りるかわからないけど……やる価値はある!それに……これは……願いでもあったからね

 

「交渉を任されたけど、私からもお願いしたいことがあるの」

 

「え?」

 

「実は……」

 




ようやくオリキャラの名前判明……

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外伝 メタ発言多めの追加メンバーについて

今日発表された追加メンバー……その事について思いきり触れる外伝話です


かのんside

 

部室にて紗桜莉ちゃん抜きの元、私たちは紙袋を被って会議をしていた。議題は追加メンバーが来ることについてだ

 

「追加メンバーが来る?」

 

「うん、今日発表されたけど……」

 

「それが何か問題があるのデスか?」

 

「問題はないと思いますが……」

 

「まぁ色々と言われてるけど、心配することではないわね」

 

すみれちゃんの言う通りだけど、私が心配しているのは…………

 

「紗桜莉ちゃんと揉めない事を祈りたい」

 

『あー』

 

みんな、何となく想像がついてしまった。

基本的には良い子な紗桜莉ちゃんだけど……何かしら問題が起きた場合…………

 

「紗桜莉ちゃん……口喧嘩強いからね……」

 

「最初の頃は本当に……よく口喧嘩を出来たと思います」

 

「レンレン、圧倒的に負けてましたよ」

 

「そうね……一時期、対恋専用として活躍してたよね」

 

「ま、まぁ流石に苛めたりとかはしないから…………ただね」

 

紗桜莉ちゃんは……容赦ないから……絶対に泣かせそう……

 

「だ、大丈夫だよ。みんな、良い子だからね」

 

「そうだよね!うん」

 

「はい、きっと優しい紗桜莉さんの事ですから……しっかりと指導をして…………」

 

「…………変なものを渡さなければ良いけど…………」

 

「今日はビリビリペンは持ってなかったですよ。代わりにコーラとメントスを持ってました…………」

 

可可ちゃん、変な方向に想像してない?気のせいかな?

 

「あれは、絶対に無理矢理コーラを飲ませて……」

 

「可可ちゃん、落ち着こう。ね」

 

「は、はい」

 

信じたい……紗桜莉ちゃんが変な方向に揉めない事を…………

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「はぁ?追加メンバー……」

 

「みたいですね……あれ?私出番あるかな?」

 

「薊さん……大丈夫だよ」

 

流石にね……まぁどうなるか分からないけど……

 

「私としては心配なのは…………追加メンバーとの関わりがメインになって忘れられてしまうことがありそうなことかな?」

 

「と言いますと?」

 

「……くぅちゃん、帰国するかどうかの問題」

 

「あ……」

 

「流石にないよね。重要な事だし」

 

「で、ですよね。紗桜莉さんの天使の事も」

 

「そっちはこの話でのオリジナルだから……」

 

「とすると私との関わりと追加メンバーとの関わり、天使についての話がってことになりますね」

 

「もしかしたら五人目の追加メンバーが……出るとか出ないとか」

 

「あるのですか?」

 

「あるかもだけどね」

 

「そうですよね……(私が五人目だとしたら……どうなるのか?一応年齢について触れてないから……実は中3でスクールアイドルをやっているとか…………)」

 

まぁ本当にどうなるんだろうね?




二期始まってからになりますが、がちで考えてしまった。蓮花ちゃん、中3設定……
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52 みんなの想いを……

一期も佳境に!


紗桜莉side

 

ステージの準備もあともう少し、今日最終確認終わればOK。そんな朝、窓の外を見ると……雪か……凄いな~

 

「もう一頑張りしますか」

 

かのんちゃんたちには最高のステージで踊ってもらわないとね!

今ごろ、みんなも今日の事をしっかり気合いをいれてるんだろうな~

 

 

 

 

すみれside

 

今日と言う日に限って……なんで家の手伝いをしてるのかしら?

 

「なんでよりによって今日みたいな日に…」

 

「お姉ちゃんサボっちゃダメ!」

 

「は~い」

 

妹に注意をされながら、仕事をしていると見覚えのある人物が何かを背負ってこっちにやって来る。

 

「すみれ~!」

 

「こんな時間に何?本番は夜よ?」

 

「他に場所がないので仕方なく来マシタ。これを1日だけ預かってクダサイ!」

 

「アンタの宝物じゃないの?」

 

「しかし今日だけはライバルです。今日だけはファンをやめます!」

 

可可らしいわね……私はそんな可可にお守りを渡した。

 

「一応渡しておくわよ。これからも一緒に続けられるように」

 

「すみれ……」

 

 

 

 

 

恋side

 

「お待たせしました」

 

サヤさんが淹れてくれた紅茶を飲む私……サヤさんとは……ううん、サヤさんだけじゃない。鳥坂さんとも下手をすれば一緒にいられなかったかもしれない

 

「サヤさん、鳥坂さん、またあなたたちと暮らせて幸せです」

 

「こちらこそ。お母様のつくった学校を守ろうとする恋様を再びお手伝いできることを誇りに思います」

 

「こうしていられるのもあの子のお陰だね」

 

「そうですね……最初はいがみ合っていましたが……今はもう便りになる仲間です」

 

紗桜莉さんにちゃんと恩返しをしないとですね

 

 

 

 

 

かのんside

 

「おはよ~!」

 

「あら早起きね」

 

「朝御飯学校に持っていってもいい?」

 

「もちろん!」

 

「お姉ちゃん忘れてるよヘッドホン」

 

「もう大丈夫!」

 

もう大丈夫……私はもう大丈夫だよ

 

「そう言えば紗桜莉ちゃんは?」

 

「ステージの準備で早めに出てるわよ」

 

「うん、分かった」

 

同じ家に住んでるのに、何だかすれ違ってるけど……それだけ忙しいんだね。これは期待に応えないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

ちぃちゃんたちも練習をしながら、ステージについて話していた。

 

「ステージ進んでるのかなぁ?」

 

「どうでしょう?」

 

「楽しみデス!」

 

「誰か状況知らないの~?」

 

「驚かせたいから夜まで待って”って。出来たら呼びに行くからって」

 

「手伝った方がいいんじゃない?」

 

「同意デス!」

 

「この雪ですしね。体調を優先して練習も早めに切り上げましょう」

 

「じゃあ一通り振り付けおさらいしたら手伝いに行こうよ!」

 

「いいですね」

 

 

 

 

 

 

ステージを見に体育館に行くが……誰もいないと言うより、全然準備されてないこれって……

 

「ステージがない~!ひどいよひどすぎる!こんな仕打ち!」

 

「何してるの?」

 

すると紗桜莉ちゃんが顔を覗かせてきた。

 

「あんまりじゃないの!?」

 

「あー伝え忘れてたけど……ステージはここじゃないから」

 

『えっ?』

 

「かのんちゃんたちのステージは……もっと凄いところだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

かのんちゃんたちを引き連れながら、ステージがある場所まで案内する。その途中で学校のみんなの応援がかのんちゃんたちに届く

 

そして……

 

「ここは……」

 

渋谷の街の中心に……ステージが……

 

「すごい…!」

 

「学校のみんなで街の人に頼み込んだの。そしたらこの時間だけ自由に使ってもいいって」

 

「ここで歌えるの?」

 

「うん!街の人も協力してくれたんだ!」

 

「私たちだからできる私たちにしかできないステージ」

 

「一番頑張ったのは紗桜莉ちゃんだよ」

 

「偉い人を凄い話術で納得させてたもんね」

 

「まぁ……私は全力を尽くしただけだからね……」

 

勿論、報酬を貰ったけどね……

 

「さぁ見せて!Liella 5人の最高のライブを!」

 

「うん!」

 

「行ってらっしゃい」

 

「紗桜莉ちゃん……うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

私は袖の方でかのんちゃんたちのステージを見ていた。

いろんな人の力を借りたんだから……きっと今まで以上に光輝くはず!

 

「皆さんはじめまして!私たちは結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル!」

 

『Liella!です!』

 

「このステージに立ってこの景色を見て私は胸を張って言えます!結ヶ丘の生徒になれてよかったって!この学校が一番だって!私たちの歌を聴いてください!」

 

始まったライブ。かのちゃんたちのこれまでの全てを出しきっている。きっとこれなら……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして結果を待つ私達……かのんちゃんたちは…………

 

二位

 

そうスクリーンに映し出されていた

 

『コングラチュレーション!全国大会に出場する東京地区の代表はサニーパッションです!』

 

「もう!何なのよったら何なのよ!」

 

「ダメだった。ごめん…」

 

「ううん。ありがとう。最高のステージだったよ」

 

「私すごく誇らしくて感動した!」

 

「ごめんね…勝たせてあげられなくて…」

 

かのんちゃんたちは……期待に応えられず、落ち込んでいた。

そしてようやくかのんちゃんは気がついた

 

「そっか…こういうことなんだ…」

 

「かのんちゃん…?」

 

「ちぃちゃん…。私…悔しい…せっかくみんなが協力してくれたのに何もお返しできなかった。みんなが協力してくれたのに何も返せずおしまいになっちゃった!」

 

「かのん…」

 

「また全力で挑みましょう」

 

「そうです」

 

「勝ちたい……私勝ちたい!勝ってここにいるみんなを笑顔にしたい!”やった”ってみんなで喜びたい!私たちの歌で、Liellaの歌で、結ヶ丘の歌で優勝したい!いや、優勝しよう!」

 

「当たり前でしょ!」

 

「Liellaはこんなところで終わりません…!」

 

「私は最初からそのつもり…!」

 

「結ヶ丘は一番の学校です!」

 

「結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル Liella!これからもっともっとたくさんの人に歌を届けよう!」

 

『Song for Me!Song for You!Song for All!』

 

かのんちゃんたち五人は新たな誓いを胸に、次を目指すことになったけど……さてと……

 

「片付け手伝うよ」

 

「街の人たちにお礼を……」

 

「何言ってるの?」

 

私はもう終わったと思っているかのんちゃんたちには笑みを浮かべながら言う

 

「え?」

 

「エクストラステージ……始めるよ」

 

ここからはラブライブなんて関係ない!これは……私がどうしてもやりたいこと。私の我が儘だ

 

さぁ始めよう……6つの星を1つにしたライブを!

 




次回最終回!
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最終回(一期)天に輝く六星!

タイトルは某戦隊の名乗りです

今回で一期最終回!


かのんside

 

紗桜莉ちゃんの言うエクストラステージが何なのか分からず、私達は紗桜莉ちゃんの後をついていく。そこには……

 

「これって……」

 

「確か学園祭の……」

 

「まさかと思いますが……」

 

「うん、今この場でお願いしたいの……今年最初で最後になるかもしれないけど……六人で歌いたい」

 

「紗桜莉がそうしたいって言うならいいけど……時間は大丈夫なの?」

 

「確かに……」

 

「そこは大丈夫。多めに取ってあるから……みんな、お願い出来るかな?」

 

紗桜莉のお願い……私達の答えは決まっている。

 

「「「「「勿論!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

蓮花side

 

Liella!のライブを見に来た私……結果は残念だったけど……素晴らしかった。きっと次は……

そう思いながら帰ろうとすると……

 

「皆さん、ここからはラブライブなんて関係ない!私達六人Liella!のライブを見てください!」

 

六人?Liella!は五人じゃ……

私はステージを見るとそこには相花さんがLiella!に混ざっている姿が見えた。

 

「もしかして……」

 

「もしかしたら最初で最後になるかもしれない六人でのライブを見てください!これはLiella!が五人になった始まりの曲です!」

 

始まったライブ。相花さんは踊らず、中央で歌う。そういえば何で踊らないのだろうか?ソロアイドルならそういうアイドルがいてもおかしくないけど……でもそんなことなんて気にならないほど、この六人のステージは完成されている。本当に……これが今日だけなんて……

 

「凄いライブですね」

 

「え?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこには見知らぬ女性がいた。

 

「はい、あの中央の子が……他のメンバーと合わさっているからこそ出せる魅力があると思います」

 

「あの子……ソロアイドルの子だよね」

 

「はい、私の……ライバルで……憧れです」

 

初めて相花さんのライブを見て、私は魅了された。こんなソロアイドルがいるなんて…………大会は結果的には私が勝ったけど……それでもあの人は……私に強い憧れを抱かせてくれた。

 

「そっか、それにしても何処かであの子を見たことがあるんだよね」

 

「ライブ会場とかでは?」

 

「ううん、それよりもずっと前に……」

 

女性は必死に思い出そうとしていると、思い出したのか笑顔で相花さんを見詰めていた。

 

「そっか、あの子なんだね」

 

「お知り合いなんですか?」

 

「私の事を覚えてるか分からないけど……私は多分……あの子に希望と夢を与えたの」

 

女性は嬉しそうにしながら、去っていく。何だか天使みたいな人だな…………

 

「私も……輝けるかな?あの六人の星に触れられたら……」

 

出来るなら……私は…………今からでも間に合うよね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

ライブを終え、私は一息をついていた。流石に体力がもたないな~

 

「紗桜莉!」

 

かのんちゃんは私に抱きつき、私は転びそうになるのをなんとか堪えた。

 

「良かった……良かったよ~」

 

「くるし……苦しいよ……」

 

「まさか紗桜莉ちゃんが入るだけで、あんなにステージの印象が変わるなんて」

 

「流石です……流石です!紗桜莉~」

 

「本当に……紗桜莉の思い付き……と言うか最初に言い出したのはかのんだっけ?かのんの思い付きがこんな風にステージを変えるなんてね」

 

「これからは6人で……は無理ですね。紗桜莉さんの体力と見てくださる皆さんが慣れてしまいますから」

 

「うん、だから……6人で歌うのは……特別なときがいいなって思ってる……もしも来年、同好会に新しい子が入ってきても、六人で歌いたい」

 

「うん、分かった。でも最後に」

 

かのんちゃんは離れると、ピースサインを出した。これって……

 

「五人の星から六人の星に……」

 

「いいデスネ~」

 

「よぉし~」

 

「まぁやるしかないわね」

 

「はい!」

 

「今日この日を忘れないために……誓い合おう!6つの星に!」

 

『Liella!』

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと私達はこの日の事を忘れない。だって私達にとって大切な日なのだから……

 

そして月日は経ち…………4月……私達の新しい物語が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

蓮花side

 

ギリギリだった……ギリギリ入学先を結ヶ丘に決められて良かった…………

正直高校はどこでもいいと思っていたけど…………憧れでライバルのあの人と一緒の高校に通って高め合いたい!だから私はこの高校に進学を…………

 

「ねぇ、聞いた?」

 

「あ、もしかして生徒会長っすか~スクールアイドルだし、きれいな人っすよね」

 

「ううん、違う……裏の支配者について」

 

「裏の?」

 

「噂だと凄い人らしいよ」

 

「もしかして、理事長を脅して、備品を改造したとか人のこと?」

 

「うん、後は生徒会長を言い負かせて泣かせたとか」

 

「私が聞いたのは、池の中から埋蔵金を見つけて、この学校を救ったとか」

 

「えっ?何処かの貴族を救ったんじゃなかった?」

 

「何だか常にヤバイ代物を持ってるとか……」

 

…………どうしよう……今すぐ高校やめたい




最後の最後で二期に続く感じを……入学前から噂される紗桜莉…………
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二期
00 新しい始まりが始まる前


虹の方を書こうと思ったけど、先に思い付いたので


かのんside

 

春休み、あと二週間ほどで新学期も始まり新しい生徒も入学してくる。

そんな春休みのある日のこと、私たちは学校で練習をしていると恋ちゃんがあることを聞いてきた

 

「そう言えば紗桜莉さんは?」

 

「来てないみたいね。かのん、何か知らない?」

 

「紗桜莉ちゃんなら、今はこの街にはいないよ」

 

「「「「えっ?」」」」

 

あれ?そんなに驚くこと?

 

「もしかして事故の後遺症で検査入院?」

 

「もしくは裏で何か動いているとかデスね。恋、何か校内で変わったことは?」

 

「いえ、特には……」

 

「いや、普通に里帰りしてるだけだよ」

 

「そう言えば紗桜莉ちゃん、かのんちゃんの家に居候してるんだっけ?」

 

まぁちぃちゃんが忘れるのも無理もない。それほど紗桜莉ちゃんは馴染んでいるのだから……

 

「夏休みも冬休みも帰れなかったから、春休みになったみたいなんだよ」

 

まぁ里帰りって言って、二泊三日だけど……それ以前から……

 

「でも色々とあって基本的に外で何かしてるみたいだけど……」

 

「まさか……渋谷を制覇するために暗躍を?」

 

「もしかしたら関東を制覇するために何かしてるとか」

 

「いや、あんたら……でも紗桜莉だからあり得そうよね」

 

可可ちゃんもちぃちゃんも冗談で言ってるけど、すみれちゃんの言う通りあり得そうなんだよね

 

「かのんさんは事情を知ってるんですか?」

 

「うん、バイクの免許を取って、走り回ってるよ」

 

「「「「はぁ?」」」」

 

「多分今も走り回ってると思う」

 

買ってきた時は流石に驚いたけど……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

峠の頂上で缶コーヒーを飲む私。いや~バイクで走るの楽しいな~

 

「そろそろ帰らないとな」

 

とは言え遊びすぎた。理事長に新一年生が来る前に教室の細かい改修をするように頼まれたんだっけ?

 

「姐さん!帰るって……」

 

「うん、私には帰るべきところがあるからね」

 

「そんな……あんな走りをする人と出会えたって言うのに……」

 

「まぁまた走りに来るからね。あとは応援もしてくれるとうれしいな」

 

走り回っていたら知り合ったレディー…………女性のバイク乗りの面々。少し走っただけで仲良くなれたのは良かったかも

 

「うぅ姐さんみたいな走りをする人……前に会った髪が赤みがかったライダーくらいですよ」

 

「それに妹さんは姐さんと同じスクールアイドルだったらしいですし」

 

そんなことあるんだ……でも過去形だから今はどうしてるのか?気になるけど……

 

「それじゃまたね」

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

帰り道を走りながら思い出に更けていた。

もう一年が経つのか……かのんちゃんと出会って、可可ちゃんと出会い、恋ちゃんとちょっとした喧嘩になったり、すみれちゃんともちーちゃんとも仲良くなったり……それに蓮華ちゃんと出会い……と言うか後々聞いたらあの子……中三だったなんて……そう言えば結ヶ丘に入るって聞いたな~

 

とりあえず私の目標は……今年こそはソロアイドルとして……全国一位を目指す。そしてかのんちゃんたちの応援もしないとね!




因みに紗桜莉が乗っているのは、某ライダーの某ゴの人が乗っているバイクです。えっ?年齢制限?はて?
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01 姫がバイクに乗ってやってきた

速攻書き上げました!
個人的にはきな子ちゃんが可愛い


かのんside

 

春休み最終日、練習のため急いで朝御飯を食べていた

 

「毎日偉いわね~」

 

「入学式は明日でしょ?」

 

「休んでる暇ないの」

 

「そう言えば紗桜莉ちゃん、今日帰ってくるのよね?」

 

「うん、直接学校に向かうからって言ってたよ」

 

紗桜莉ちゃんは春休みの間、実家に帰りつつ峠を目指してるとか……それがようやく今日帰ってくる。

 

「いってきまーす。まんまるも……」

 

まんまるに挨拶をしようとしたけど、眠そうにしてるから小声で挨拶をして、私は学校へと向かう。

 

 

 

向かう途中にサニパの広告を見て……今年こそは……今年こそは!

 

ブルルルルルルン!ブルルルルルルン!ブルルルルルルン!ブルルルルルルン!

 

決意を新たに学校へと向かおうとすると、何だかバイクのエンジン音が聞こえた。

 

「何?レディース!?」

 

何人もの女性が乗ったバイクの集団に見覚えのある子が……うん、久し振りだけど……物凄く見覚えがある。

 

「やっほ~かのんちゃん」

 

「紗桜莉ちゃん!?とその人たちは?」

 

「帰る途中に絡まれちゃって~話したら仲良くなってね」

 

絡まれて仲良くなったって……と言うかそのバイク……

 

「姐さん!ここでお別れっすか!?」

 

「全国制覇目指しましょうよ!」

 

「姐さんなら負けなしっす!」

 

「ごめんね。私はスクールアイドルだから……応援してくれたら嬉しいな」

 

『はい!』

 

紗桜莉ちゃんは笑顔でレディースの一団を見送るけど……相変わらずだな~

 

「それじゃ行こうか?」

 

「あ、紗桜莉ちゃん、先に行ってて、バイクだとね」

 

「ん?これだとダメか……じゃあ……」

 

紗桜莉ちゃんは諦めて先に行くのであった。本当に……変わらないな~

 

 

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

明日から入学式のため、家へと向かうけど……道が分からない……それに……

 

「都会……怖いっす……」

 

さっきすれ違ったバイクの集団。東京はあんな人たちが闊歩してるっすか~

 

「それに家はどこっすか~」

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

こっちに戻ってきて最初の練習だったんだけど……

 

「うぅ……」

 

「あの、紗桜莉さん……お願いですからそんな目で……」

 

「仕方ないわよ。バイクでの登校は禁止なんだし」

 

「はぁ……仕方ないか。無理やり……無理に校則を変えるのもね」

 

「あ、あはは……本当に紗桜莉ちゃんが帰ってきたって感じだね」

 

ちーちゃんは苦笑いをしてるけど……そんなに私って変わってない?

 

「まぁ紗桜莉は紗桜莉ということデス!」

 

「まぁそれでいいか」

 

とりあえず納得する私であった。

 

「そう言えばさっき確認したらフォロワーが倍になりました~一部のファンからLiella!は次の優勝候補とも~」

 

「まっ!当然よね」

 

「違うよ。これは優勝したサニパさんが……」

 

聞いた話だとサニパがインタビューで一番心がときめいたのはLiella!と言ったらしい。まぁサニパのお陰と言うべきだよね……

 

「あぁ~アリガタキシアワセ~」

 

「でも私たち……まだ大会で何も結果を残せてませんよね?」

 

恋ちゃんの言いたいことは分かる。特別賞とは言え結果を残したのはLiella!ではなくクーカーの二人だし、私なんて地区大会二位だし……

 

「名前だけ一人歩きしてもね」

 

「だからこそ、次は結果を残すの!そして……この学校のみんなと一緒に喜びたい!」

 

「えぇ!」

 

「当然と言ったら当然よ!」

 

 

 

 

 

 

 

練習を続けていき、また休憩の時、くぅちゃんとすみれちゃんが内緒話をしているのが聞こえたけど、上海に帰るかどうかの話をしてるけど……未だにくぅちゃんはすみれちゃんに対して素直になってないな~

 

「くぅちゃんの強がりとどうにかしないとな~」

 

「どうしたの?紗桜莉ちゃん?」

 

「なんでもないよ~」

 

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

迷いに迷って気がついたら、結ヶ丘に来ていた私……ここが明日から通う学校……

 

「素敵な高校っすね~」

 

「ふふ、ふふふふふ」

 

何だか変な声が聞こえてきたっす……声が聞こえた方を見ると赤髪の子が木の影に隠れて笑ってる……

 

「しゅごい……あの屋上に今、Liella!が……Liella!がぁー」

 

「Liella?」

 

「はっ!?何見てんだ!」

 

睨まれて赤髪の子が去っていく。

 

どうしたら良いのか迷いつつもこのままだと家にたどり着けない……

そんなとき屋上から声が聞こえた。そうっす、こう言うときは人に聞けば……でも……

 

「勝手に入ったらまずいっすよね……」

 

「どうしたの?」

 

不意に声をかけられ、振り向くとそこには白い髪の女の子がいた。

 

「えっと、この学校の人っすか?」

 

「明日からだけどね」

 

「明日から……じゃあきな子と同じっすね」

 

「あ、そうなんだ。えっときな子ちゃんでいいの?」

 

「はいっす!」

 

「私は薊蓮華。よろしくね」

 

「こちらこそっす!あ、あの道を訪ねたいのですが……」

 

「あぁごめんね。私もこの街に来たばっかりだから……」

 

「そうっすか……じゃあやっぱり……」

 

屋上にいる人たちに聞くべきっすよね

 

「行ってみる?屋上」

 

「え、あ、はい……」

 

「私も改めて挨拶をしたいから………………」

 

「挨拶?」

 

「うん……いや、違うからね!宣戦布告とかじゃなく、普通にこれからよろしくお願いします的なあれだからね!」

 

慌てて否定してるけど……何のことっすか?でも何だか愉快な人っすね




きな子ちゃんたち2期生組の主人公は蓮華になります!

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02 先輩呼び

きな子side

 

校門の前で出会った少女、蓮華ちゃんと一緒に学校の屋上へと向かっていた。

 

「蓮華ちゃんはスクールアイドルなんすっか?」

 

「そだよ~ここに入学したのは私にとってライバルであり、憧れの人と高め合いたいなって思ったんだ」

 

「はぁ~」

 

凄い志っすね~

屋上へと向かうにつれて声が聞こえてきた

 

『じゃあここからフォーメーションの確認いくよ。かのんちゃんは0の位置。すみれちゃんは2の位置』

 

『は~い』

 

『よ~し!じゃあ頭から!』

 

『かのんちゃん、ちょっと遅れてるみたいだよ』

 

『うん!』

 

練習をしてるっすかね?ドアの窓から覗き込むとそこには一生懸命で青春をしている感じで……キラキラ眩しい……

 

『ん?視線?誰!』

 

すると一人の女の子が扉に向かって何かを投げつけ、驚きのあまり、扉を開いてしまいそのまま倒れ込んでしまった

 

「きな子ちゃん!?」

 

「は!しまった」

 

「あなたたちは?もしかして新入生!?」

 

「あ、え、え~っと…はい…」

 

「あれ?蓮華ちゃん」

 

「ど、どうも」

 

「わぁ~!」

 

「後輩?後輩デスよね!?」

 

練習をしていた先輩たちが詰め寄ってくる。そ、そんなに驚くことなんっすか~

 

「えっと、色々と話したいのですが……大丈夫でしょうか?」

 

「あ~うん、大丈夫かな」

 

蓮華ちゃんは普通に先輩と話してるし……

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

とりあえず蓮華ちゃんと新入生の子を部室へと招き話を聞くことに……と言うか勧誘していたけどちゃんと話を聞こうよみんな……

 

「道に迷った?」

 

「はい…」

 

「ごめんね。勝手に勘違いして」

 

「いえ…」

 

「もしかして東京初めて?」

 

「えっ!?んなわけねぇっす!東京は庭!庭っすよ!散々検索したっすし。あ~ヒルズ族っすよねヒルズ族。ヒルズ族…」

 

それ、分かってないよね?

 

「私も教えられたらいいんだけど、ここら辺の道とか分からないし」

 

「仕方ないよ。とりあえずかのんちゃんと私で送っていくよ」

 

「むむむ?」

 

するとくぅちゃんが蓮華ちゃんをジッー見つめていた。

 

「えっと、何か……」

 

「貴方……何処かで見たことがあるような……」

 

「前に紗桜莉ちゃんを訪ねにお店に来た子だよね?紗桜莉ちゃん、いつの間に仲良くなったの?」

 

「あ、いや、それだけじゃ……」

 

まさかみんな、覚えてないのかな?いやでも……よくよく考えればあの時は蓮華ちゃんよりも私の事を気にかけていたから仕方ないと言うか……

 

「はは……そうですよね……私……影薄いですよね……ソロアイドルで頑張っていても影が薄いんじゃ……」

 

何かマイナス思考になってるし……

 

「ねぇ、紗桜莉ちゃん。この子もしかして……ソロアイドルの大会で一位になった子?」

 

「そうだよ。ちーちゃん」

 

「あ、確かに見覚えがあるわね」

 

「去年辺りに会いに来て、色々と話しているうちに仲良く……」

 

「あれ?去年ソロアイドル大会を一位になって……今年結ヶ丘に入学ということは……」

 

そこに気がついちゃったか。そう、あの時の大会は蓮華ちゃんは中三だったんだよね

 

「ソロアイドルの大会の規定とか引っ掛からなかったの?」

 

「すみれちゃん、ソロアイドルの大会はそこら辺特に緩いからね~」

 

まぁ特に詳しい規定云々は分からないことが多いからね~某カードゲーム並の緩さというかなんというかだけど……

 

 

 

 

 

 

とりあえずかのんちゃんと一緒にきな子ちゃんを送ることになった。

 

「わぁ~綺麗っすねぇ」

 

きな子ちゃんは桜に見とれていた。そんなに珍しいものなのかな?

 

「どこから来たの?」

 

「きな子の実家は北海道の何もないような所で。家を出るときはまだ雪で真っ白でした」

 

「そうなんだ!でもそれも素敵!」

 

北海道の何もないところか……熊の被害とか凄そうだな~

 

「きな子ちゃん、○毛○の熊の話を……」

 

「あぁあれは……」

 

「えっ?何の話?」

 

かのんちゃんは知らないと……とりあえずかのんちゃんには後で検索してみてと言っておくことにした。

 

「あ、名前 きな子ちゃんっていうんだ?」

 

「はい!桜小路きな子と申します!都会に憧れてやってきました!」

 

「私かのん。澁谷かのんっていいます」

 

「私は相花紗桜莉」

 

「よろしくお願いします!かのん先輩!紗桜莉先輩!」

 

先輩か~何だかくすぐったいな~

だけど一番嬉しそうにしているのは……

 

「えっ!?かのん…先輩!?」

 

「はい先輩!」

 

「そっか~私先輩か~」

 

「はい!」

 

「そっかぁ~え~先輩?え~私が?」

 

「はい!先輩です!」

 

「え~!あの…もう一回…」

 

「はい?」

 

「もう一回呼んでくれる?」

 

どんだけ嬉しいの?かのんちゃん……

 

「かのん先輩!」

 

「くぅ~!なんかむず痒いけどいいよねその響き~!さぁ行こう!先輩の家も案内しちゃうぞ~!レッツゴー!あははっ!」

 

「変わった人っすね…」

 

「まぁいい人だから」

 

「そうなんっすね……あ、紗桜莉先輩、これ屋上で……」

 

そう言って渡してきたのは、あぁさっき投げたスタンガ……ビリビリペン

 

「変わった機械っすね~」

 

「これ、護身用のペンなんだよ」

 

「そうなんっすか~」

 

「きな子ちゃん!?少し疑問に思った方がいいよ!」

 

かのんちゃんにツッコミを入れられつつ、家に向かうのであった。え?バイク?明日取りに行けばいいか




きな子ちゃん可愛すぎて、えっな話を書くか悩む
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03 新入生!

一応きな子は一人暮らしなのかな?


紗桜莉side

 

きな子ちゃんの家まで送るついでにかのんちゃんのお店に連れてきた私たち

 

「お待たせしました」

 

きな子ちゃんは出されたセットを美味しそうに飲んでいる。

 

「なんとハイカラな。これが東京…」

 

これだけでハイカラって……本当にきな子ちゃんが暮らしていた場所が気になる…

 

「新入生の方?」

 

「私先輩だから」

 

「はぁ?紗桜莉さん、お姉ちゃん何を言ってるの?」

 

「うーん、後輩に先輩呼びされるのが癖になってるみたいだよ」

 

「あぁ、なるほど」

 

「と言うか中学時代は呼ばれなかったの?」

 

「うーん、どうだろうな~」

 

ありあちゃんと知らないか。本当にそこら辺がすごく気になる……

 

「飲み終わったら家まで送るよ」

 

「何から何まで…」

 

「いいえ」

 

「あの…さっきのスクールなんとかというのは…」

 

「スクールアイドル。すっごく楽しくてやりがいあるよ!って私も始めてまだ1年しか経ってないんだけど……けど私はスクールアイドルと出会って人生が変わった。頑張ろうって前向きな気持ちになれたの。紗桜莉ちゃんもそうだよね?」

 

「まぁね。私の場合は憧れの人ともう一度会うためにって感じだけど……でもスクールアイドルも色々と興味があることも触れていこうと思ったのはあの人に会ったからかな」

 

「はぁ……」

 

「紗桜莉ちゃんは色んな事が出来るんだよ。それに間違っていることは間違っているってはっきり言うし」

 

「お陰で『お姫様』とか『裏の支配者』とか呼ばれてるけどね」

 

「裏の……支配者?」

 

そこは気にしないでいいけど……

 

「興味があったら部室に来てよ」

 

かのんちゃんも分かってるみたいだね。無理に誘うよりも本人の気持ち次第だしね。こういうのは……

それに誘ったけど断られたとかで変な監視をつけたりもしないし……

 

 

 

 

 

きな子side

 

かのん先輩に送られ、家にようやくたどり着いた。

そう言えば隣の人に挨拶しないと……

 

荷物を置き、隣の家の呼び鈴を鳴らすと……

 

「はーい、どちら様ですか?」

 

返事が返ってきたので、直ぐに挨拶をした。

 

「えっと、今日から隣に住むことになった桜小路きな子っす!」

 

「えっ?きな子ちゃん?」

 

あれ?聞き覚えのある声が……顔をあげるとそこには蓮華ちゃんがいた

 

「れ、蓮華ちゃん!?」

 

「あはは、まさかお隣さんなんだね」

 

「びっくりしたっす……それだったら地図を見せた方が良かったみたいっすね」

 

とは言えそうしていたらかのん先輩たちに会えなかったっすよね

 

「これからよろしくね。きな子ちゃん」

 

「はいっす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

夜になり、リモートで話していた。因みに私はかのんちゃんの後ろで一緒に話す感じだけど

 

『自宅まで無事に送れましたか?』

 

「うん。すぐ近くだったから」

 

『もしかして7人目のLiella!の誕生?』

 

「気が早いよ。でもちょっと不思議な感じ。私この5人で優勝目指すのかと思っていたから……」

 

『私もです。大会終わった直後はこの5人で今度は勝ちたいって』

 

『じゃあ2人は入ってきてほしくないの?1年生』

 

『いえ』

 

「私、きな子ちゃんと話してるうちに思ったんだ。新入生と一緒に頑張りたいって」

 

「えぇ。そうやってひとつの紐と紐が結ばれてつながっていく。それが母の願いでもあると思いますから」

 

「じゃあ明日から新しい仲間を見つけられるよう改めて頑張っていこう!」

 

『オー!』

 

張り切ってるけど……ちょっと心配なことがあるんだけどな~

 

「どうしたの?紗桜莉ちゃん?」

 

「ん、心配なことがあるだけ」

 

「心配なこと?」

 

「新入生を入れるのは特に反対はしないよ。それはかのんちゃんたち5人が決めたことだからね」

 

「あ、もしかして……大丈夫だよ!紗桜莉ちゃんは六人目だから!」

 

いや、そっちの心配じゃないからね……

 

「かのんちゃんたち、Liella!がどう思われているかだよ」

 

「どういうこと?」

 

「多分その内分かると思うよ」

 

この件は私の想像でしかないからね。

 

 

 

 

 

 

次の日、かのんちゃんと一緒に学校につくと……

 

「一緒に写真いいですか!?」

 

「これにサインを!」

 

「応援してます!」

 

「あ…ありがとう…」

 

新入生に詰め寄られていた。流石だな~

 

「あの、相花さんですよね?」

 

「サインお願いします!」

 

「ファンなんです!」

 

「えっ?私にも?」

 

『はい!』

 

まさか私にまで来るとは……思ってもみなかった……くっ、本当ならちょっとノリでかのんちゃんにサインをねだろうとかしたのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

きな子ちゃんと一緒に学校に行くと、校門のすぐ近くで何かをしている子がいた。自撮り?

 

「にゃはっ!オニナッツー!あなたの心のオニサプリ鬼塚夏美ですの~!今日はぬわ~んと私ついに高校入学をガチ決めましたの!プライベート大公開!」

 

エルチューバーか。映り込んだりしたら悪いし、早く校舎に……ってきな子ちゃん、そんな興味深そうに見てたら……

 

「何か?」

 

「いや…もしやエルチューバーっすか?」

 

「芸能人っすね!ザ・都会って感じっす!」

 

「ん~まぁ?ともあれチャンネル登録よろしくですの!今の動画は明日公開!毎週日曜はライブ配信実施中。投げ銭追い銭プレゼント何でも結構ですの!では~!」

 

そう言って鬼塚さんは名刺を渡して去っていく。私はきな子ちゃんが貰った名刺を見ると……CEOって……

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

入学式も終わり、教室に入る私たち。

 

「素晴らしい席順ですこと~!」

 

「可可ちゃん、かのんちゃんの後ろ」

 

「最高です!」

 

「席順ぐらいで。子どもねぇ」

 

「ふふっ」

 

「と言うか私も後ろか」

 

みんな後ろの方に固まってるな~と言うか恋ちゃん、様子を見に来てるけど……寂しいのかな?




まだ始まったばかりだから、ヒマナッ……オニナッツがどんな風に絡んでくるのか……それ次第で紗桜莉はどう動くかはお楽しみに
そして公式は恋ちゃんいじめしているのか?
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04 きっかけを与える

きな子ちゃんの薄い本はまだですか?


紗桜莉side

 

部室で今の結ヶ丘についてかのんちゃん、ちーちゃん、恋ちゃんと話していた。

 

「普通科が3クラスに増えた分、今年は音楽科の設備を普通科に開放することにしました」

 

「新しい部活も増えるんでしょ?」

 

「えぇ。今までよりも多様な活動を行ってもらえたらと。とはいえ他の高校に比べたらまだまだこれから。部員集めはみんな苦労しているようです」

 

「紗桜莉ちゃんが教室とかの改修手伝ったんだよね?」

 

「そうだよ。って言ってもほんの少し手伝っただけだよ」

 

昨日帰る前に最終チェックをしたしね

 

「因みに紗桜莉ちゃん」

 

「何、ちーちゃん?」

 

「変な仕掛けとかは?」

 

「あはは、理事長に釘刺されていたからやれてないんだよね~」

 

「紗桜莉ちゃんらしい感じだよ……」

 

「未だに生徒会長の椅子が……椅子が……」

 

恋ちゃん、遠くを見つめてるけど……そんなにダメだったかな?

そう言えばくぅちゃんとすみれちゃんがいないけど……何処に行ったんだろう?ちょっと探してくるかな

 

 

 

 

 

 

二人を探しに行くと音楽科の校舎の前にいた。

 

「どう?逸材はいそう?」

 

「全員すみれよりは上デス。そもそも音楽科なのデスよ」

 

「音楽科だからって上とは限らないでしょ。私はショウビジネスで…」

 

「グソクムシ」

 

「言うな~!」

 

「うわっ!危ないですぅ~!」

 

「アンタが怒らせたんでしょうが!」

 

「あの人たちLiella?」

 

「だよね?」

 

揉めてるし、一年生たちに注目されてるし……とりあえず私は二人を回収しつつ、一年生たちに謝るのであった。

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

きな子ちゃんと一緒に廊下を歩きながらある話をしていた。

 

「蓮華ちゃんはもう入部届け出したっすか!?」

 

「うん、元々入るつもりだったからね」

 

「はぁ~流石はソロアイドルっすね~」

 

届けを出すのとアイドルは関係あるのかな?と思っていると、スクールアイドル同好会のポスターを見る米女さんがいた。何だか目を煌めかせているけど……好きなのかな?

 

「スクール」

 

「アイドル」

 

「うわっ!」

 

うん、そりゃ驚くよね……

 

「これってかのん先輩がやっている部活っすよね?」

 

「澁谷さんと知り合いなのか!?」

 

「はい。家まで送ってくれてスクールアイドル部にも誘ってくれたっす」

 

「スクールアイドルに誘われた!?」

 

「ええっ!?」

 

「うそ!」

 

「すごい…」

 

「あの子スクールアイドルに…」

 

何だか周りの反応が思っていた感じと違うけど……もしかして……色々と変なことになってる?

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

中庭で勧誘の受け付けをしているけど、誰も来なかった。

 

「えっ!?ええっ!?どうして!?どうして!?」

 

「すみれが音楽科の校舎で騒ぐからです」

 

「はぁ?アンタもでしょ!」

 

「ひえぇぇぇ…そうだ!蓮華ちゃんは!?」

 

「あの子なら朝のうちに入部届け出したよ」

 

「まぁまぁ落ち込むのは早いよ」

 

「でも他の部はそれなりに新入生が集まっているようです。不思議ですね」

 

何となく理由は分かってる。それだけかのんちゃんたちは凄いということだ。それをみんなが分かっているけど、かのんちゃんたちはそう思えてないからね

 

「ここで考えていてもしょうがないデス!気を取り直して!」

 

くぅちゃんは勧誘しに行くが成果ゼロだった。まぁくぅちゃんの勧誘の仕方にも問題はあるけど……

 

 

 

 

 

 

「やはり原因はすみれですか」

 

「だからなんで!」

 

「くぅちゃん、あまり人のせいにしていると……」

 

「ですが……」

 

「前にも言ったけど……すみれちゃんに対しての当たりが強いと……少し考えるよ」

 

「うっ……はい……」

 

くぅちゃんを軽く注意をして……さぁて入部希望がいないか~

 

「いくら何でもおかしいですよね」

 

「1年生の間で変な噂が流れてるとか?」

 

「もしかしたら変な噂よりも……」

 

理由を告げようとするとクラスメイトの子達がやって来た。どうやら一年生の子達から理由を聞き出したらしい

思った通りLiellaは優勝候補としての名が広まっていて、更には結ヶ丘の象徴になっている

 

「かのんちゃんは音楽科に入ったとしても一番と言われるくらいとても歌が上手いって評判でしょ?」

 

「恋ちゃんは生徒会長。子どもこの頃からフィギュアスケートにピアノ」

 

「千砂都ちゃんはダンスの大会で優勝するくらいの才能の持ち主」

 

「それにもともと芸能の仕事をしていたすみれちゃんに」

 

「スクールアイドルのことを誰よりも愛し 衣装作りにも才能を発揮する可可ちゃん」

 

「結ヶ丘の裏の支配者と呼ばれるくらいのカリスマ性を持ちつつも、ソロアイドルとしての実力もあり、更にはLiellaの最終兵器として名高い紗桜莉ちゃん」

 

私……カリスマ性なんてあったのか……と言うか最終兵器って……

 

「一年生の中ではレベルが高すぎて、練習についていけないんじゃないかって」

 

「それに本気で優勝を目指しているから、足を引っ張ることなんて出来ないって」

 

 

 

 

 

 

 

屋上でかのんちゃんたちは寝そべっていた。

 

「レベルが高そう…か」

 

「とはいえ"練習きつくないです"と勧誘するのも…」

 

「優勝目指してるんだもんね」

 

「ですがそれでは新入部員は…」

 

「いっそのこと5人で頑張る?」

 

「えっ?」

 

「新入部員を諦めるってことですか?」

 

「寂しいけどラブライブ優勝を目指すならそういう考え方も…」

 

「でもそれって自己満足になっちゃうんじゃないの?私スクールアイドルってそういうんじゃないって聞いてたけど……」

 

みんな、悩んでるな~でも仕方ないよね。こういうのはかのんちゃんたちが答えを出すことはできないもの

 

「紗桜莉ちゃん、どうしたらいい?」

 

「答えは簡単だよ。かのんちゃんたちが答えを出す必要はない」

 

「え、でも……」

 

「きっかけを与えるくらいにしたら?」

 

私はそう言って屋上から去っていくのであった。

 

「きっかけを与える?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば科学室に用事があったのを思い出した。

改良したビリビリペン、置き忘れると色々と困るからな~

科学室に入るとそこには青髪の子がいた。

 

「誰?」

 

「あぁごめんね。ちょっと忘れ物を取りに来たの」

 

「忘れ物って……これ?」

 

彼女は私が置き忘れたビリビリペンを見せた。ふーん、驚いたりはしないのか

 

「そうそう、それそれ」

 

「これ、スタン……」

 

「ビリビリペンだよ」

 

「……なるほど」

 

理解してくれるのも早いな~

 

「部員の人?」

 

「ううん、違うよ。まぁ好きに使わせてもらってるけどね。貴方も興味があるなら自由に使っていいから」

 

「分かった」

 

何だか変わった子だな~まぁあぁいうのに興味があるなら大丈夫か。

 

 

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

夜、一人で街を歩きながら考えていた。

スクールアイドルに誘ってくれたのは嬉しかったけど、みんなが言うように足を引っ張ってしまうことになるのは……でも……

私は大画面に映し出されたかのん先輩たちのライブを見つめていた。あんな風に輝けるのか……

 

「きな子ちゃん」

 

「えっ?かのん先輩!」

 

「驚かせてごめん」

 

「夜も練習してるんっすね。やっぱりすごいっす」

 

「ねぇきな子ちゃん、先輩しかいなくて気後れしちゃうかもしれないけど私きな子ちゃんと一緒にスクールアイドルがしたいんだ。私だって最初は何もできなかった。でもみんながいてくれたから何とかここまで成長することができたの。だからこれから先の景色はきな子ちゃんと見られたらすごい幸せ……週末屋上で今度のライブのリハーサルをやるんだ。待ってるから。じゃあ」

 

かのん先輩はそう言って去っていく。

きな子と一緒に……でも……

 

 

 

 

 

 

 

帰って蓮華ちゃんに相談をするきな子……

 

「きな子ちゃんはどうしたいの?」

 

「きな子は……」

 

「まだ悩んでいるなら……ライブ見に行ってみたら?」

 

「でも……」

 

「何がきっかけになるか分からないからね」

 

「蓮華ちゃんは……どうしてスクールアイドルに?」

 

「私は……色々とね」

 

蓮華ちゃんは優しく微笑んでいたけど……何処か悲しそうにしていたっす……

 

 

 

 

 

 

 

次の日、ライブ告知のポスターを見詰めるきな子……行くべきか行かないべきか……

 

「オニナッツー!あなたの心のオニサプリ鬼塚夏美ですの~!にゃはっ!ってちょっと!」

 

「ひっ!」

 

「気が散ってしまったですの!撮り直しですのよ!リテ~イク!」

 

「すまねぇっす!」

 

うぅ……CEOに怒られたっす……

 

「ん?浮かない顔してますの」

 

「CEO…」

 

「夏美でいいですわ」

 

「興味はあるけど自分には向いてなさそうなときCEOなら…」

 

「だから夏美でいいって、いいですの?向いてないことをいくら頑張ったってダメなものはダメですの。でもやってもないのに向いているかどうかなんて分からないでしょ?」

 

やってもないの……か。確かにそうっすね

 

「自分に正直に」

 

気がつくと若菜さんが隣にいて、足に何か固定された?

 

「足関節神経ブロック。一部シンクロ完了」

 

強制的に走らされ、どこかに連れていかれるきな子。一体何処に……

すると屋上に上がる階段のところで拘束が解かれ、勢いで屋上へと入るとそこにはかのん先輩たちが待っていたっす

 

「きな子ちゃんに私たちのライブを見てほしい。今のLiellaのとっても楽しいライブを!」

 

そして始まるライブ……これが生のライブ……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「紗桜莉さんは交ざらないんですか?」

 

かのんちゃんたちのライブを見詰める私と蓮華ちゃん。まぁ交ざってもいいけど……

 

「かのんちゃんたちの方が向いてるから、こう言うのは」

 

「そうですか……」

 

「きな子ちゃん、入るみたいだね」

 

「はい、でも……」

 

「ここからはきな子ちゃんの気持ち次第だよ」

 

そう、きな子ちゃんの心が折れないかどうか次第だよね。




モンハンやりつつ、ライブアライブをやっていたら、更新遅れてしまった
感想待ってます!


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05 きな子初めての練習

思った以上にきな子ちゃんが可愛い


紗桜莉side

 

きな子ちゃんが入部することになった。今のところきな子ちゃんも頑張っていこうと思ってるみたいだ。

 

「いつもこんな感じで集まってます」

 

「お菓子もい~っぱいあるよ。あ、今度タコ焼きも持ってくるね!」

 

「チョコも~らい」

 

「コラ!きなきなが先に取るですぅ~!」

 

何だかのほほんとしてるけど……まぁきな子ちゃんの事を思ってのことなんだろうな~

 

「堅いこと言わないでよ」

 

「きなきなが先ですぅ~!」

 

「あ、お待たせ。きな子ちゃん」

 

すると遅れてやって来たかのんちゃんと恋ちゃん。これでメンバーは全員集合……ではなかったか。

 

「お待たせしました」

 

「さつきさん、今日は参加なんデスネ」

 

鳥坂さつき。恋ちゃんの幼馴染であり、恋ちゃんの家でメイドをしている。最近はメイドの仕事の方が忙しく、部室に顔を出すのは珍しいな~

 

「えっと、この人は?」

 

「鳥坂さんは部のマネージャーだよ」

 

「はぁ」

 

「初めまして、きな子ちゃんと蓮華ちゃんだよね?私は鳥坂です」

 

これでようやく全員集合か。

 

「こうやって全員揃ったら練習開始です」

 

「ラブライブに向けて?」

 

「そうデス。スクールアイドルの夢のステージ それがラブライブ!」

 

「わぁ…!ここに私も…!」

 

「うん!一緒に頑張ろ!」

 

「かのん先輩…はいっす!」

 

きな子ちゃんもやる気十分だし、特に心配するようなことはないかな?

 

「はわわわ~!」

 

と思っていたけど……大丈夫かな?バランス崩して転びそうになったところをかのんちゃんが支えた。

 

「大丈夫!?」

 

「しゅいません…」

 

「初めは誰でもそうなるよ」

 

「頑張ります!」

 

今度は腹筋をするけど、中々出来ないでいるし……

 

「紗桜莉さん」

 

「何?蓮華ちゃん」

 

「私たちは皆さんと同じ練習をしなくてもいいんですか?」

 

「あぁ、私たち……と言うよりかは私は基本的にみんなと違う感じにやってるし、たまにみんなに混ざってやってるときもあるよ」

 

同じ練習でもいいけど、私的に自分にあった練習をしている。

 

「だから蓮華ちゃんも今までやっていた自分用のやつをやるのもよし、みんなに混ざってもよしだよ」

 

「分かりました」

 

 

 

 

 

次はランニングだけど、私は走れないので、後ろから自転車で追いかけるけど……

 

「きな子ちゃん……大丈夫?」

 

「はふぃ~」

 

まさかここまで体力ないなんて……

 

「私の自転車に乗せたいけど……余計きついかもしれないけどな~」

 

「そ、そうなんですか……」

 

「この自転車……トレーニング用に改造していてね」

 

試しにきな子ちゃんに乗ってもらうと……

 

「お、重い~なんなんっすか?これ~」

 

「脚力増強自転車。ペダルに重りをつけてるから……」

 

「紗桜莉さん……凄いっす……」

 

「とりあえず辛くなったら言ってね」

 

「は、はい……」

 

ランニングが終わり、今度は振り付けを合わせるけど、きな子ちゃんはまぁ始めたばかりだからな~

 

「やっぱりダメっす…」

 

「まだ初日だよ?」

 

「そうですよ」

 

「昔から運動は苦手で…いつも一人で置いてかれてたっす…」

 

「そんなこと心配ないデス」

 

「そうそう。この子なんて入った時 腹筋一回もできなかったんだから」

 

「それはもう過去のこと!可可も必死で…」

 

「この子を安心させるためでしょ!話し合わせなさいよ!」

 

「そうです!きなきなの方が昔の可可よりもずっとすごいです!」

 

「そうなんっすか?」

 

「うん。だから前向きに」

 

「そうだね。きな子ちゃん、運動できないって言ってるけど、最後までついていけてるじゃない」

 

「紗桜莉先輩……」

 

リタイアするかと思っていたけど、諦めずにゴールした。それは凄いことだと思う。

 

「そうだ。センター立ってみて」

 

「きな子がっすか?」

 

「うん」

 

かのんちゃんたちは並び、きな子ちゃんはセンターに立つ。

 

「わぁ~!」

 

「気持ちいいでしょ?」

 

「はい!」

 

「これがラブライブのステージになったら応援してくれる人がたくさん集まってくれて私たちに力をくれるんだ」

 

「素敵っす」

 

「だから元気出して」

 

「頑張ります!」

 

これで少し気持ちが前向きになってくれたらいいな。

 

「そう言えば蓮華ちゃんからは声をかけてあげないの?」

 

「あ、私は……もしかしたら傷つけちゃうかと……」

 

気にすることなのかな?




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06 きな子頑張る

そう言えば謎の新キャラがドンムラサメって言われてるけど……あれ?そう言えばかのんちゃんのお母さんって……


紗桜莉side

 

練習も終わり、みんなが帰る準備をしていると……

 

「どうぞ」

 

「強化メニュー?」

 

「可可が体力ゼロだったときの秘密のメニューです。きなきなにあげます」

 

「午前5時起床。柔軟の後ランニング3km…すごく事細かに!ありがとうっす!」

 

「でも無理しなくていいよ。あくまで自分のペースで」

 

「はい!」

 

きな子ちゃん、気持ち的に前を向いてるみたいだし、一先ず一安心かな?

 

「もう何人か1年生が入ってくれるといいんだけどね」

 

「えぇ。やはり1人ではどうしても自分だけ遅れてるように感じてしまいますよね」

 

「気持ちは前向きでも今はってことだしね」

 

「連華ちゃんは……」

 

「私も合わせてもいいけど……ソロアイドルの練習が中心になって、一緒に練習って事が……」

 

「それに前々からスクールアイドルをしていたから、体力とかもあるし、差が出るからね」

 

だとしたらやっぱり……他の一年生をか……

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

練習は大変だったけど、それでもやっぱり楽しい。そんな気持ちがいっぱいの中……

 

「ちょっと」

 

不意に耳元で声をかけられ、思いきり驚くきな子。

 

「時間ある?」

 

えっと……若菜さんっすよね?なんだろう?

 

 

 

 

裏庭に移動したきな子たち。若菜さんはベンチに座り……

 

「座って」

 

「はい……」

 

言われるがまま座るきな子……話ってなんなんっすかね?

 

「どんな感じ?」

 

「と言いますと?」

 

「スクールアイドル部」

 

「もしかして興味あるんっすか?」

 

「うん。メイが」

 

「メイ?」

 

メイって確か……あの柄のわる……ちょっと怖い人っすよね?若菜さんとどんな関係なんだろう?

 

「それでスクールアイドル部は?怖い先輩とかいない?」

 

「先輩はみんな優しいっすよ!練習は確かにちょっと厳しいっすけど でもラブライブ目指すんなら仕方ないっす!」

 

「お願いがある」

 

お願い?

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

朝五時に目を覚ます。起きないと……

 

「んー」

 

いつもかのんちゃんたちは朝五時にランニングしている。私は怪我の事があるからするときとしないときがある。今日は調子がいいし、早歩きでやっていくかな?

 

練習着に着替え、かのんちゃんに声をかけようとするとしたが、もう起きているだろうし、下で待ってよう。

暫くしてかのんちゃんも着替え終えて下りてきた。

 

「おはよう。紗桜莉ちゃん、今日は調子がいいの?」

 

「うん、そんなところ」

 

「それじゃ公園で待ち合わせで……ってあれ?あれって……」

 

窓の外を見てかのんちゃんはあることに気がついた。あそこで走ってるのって……きな子ちゃん?

二人で一緒に声をかけてみることにした。

 

「きな子ちゃん!」

 

「かのん先輩!紗桜莉先輩!」

 

「えへへへっ見つけちゃった。一緒に走ろう」

 

「はいっす!」

 

「それじゃ紗桜莉ちゃん」

 

「うん、公園で待ち合わせね」

 

かのんちゃんときな子ちゃんと別れて、私は私なりのペースで始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

かのん先輩と一緒に走ることになったけど……

 

「あの、紗桜莉先輩は一緒じゃなくっていいんっすか?」

 

「うん、紗桜莉ちゃんは怪我の後遺症の事があるから、同じペースで走れないから……」

 

「そう言えばそうだったっすね……」

 

なのにあの人はそんなことを思わせないようにしている感じがするっす……それが紗桜莉先輩ってことっすかね?

 

「それに……前に紗桜莉ちゃんのペースに合わせようとしたら、怒られちゃってね」

 

「はぁ……」

 

あの基本的に優しそうな感じの人が怒るってことあるんっすね~

 

 

 

 

 

しばらく走っていき、紗桜莉先輩との待ち合わせ場所に着いたきな子たち。つ、疲れたっす~かのん先輩たちはいつもやってるんっすね

かのん先輩はそこの自販機で買ってきた水をきな子に渡し……

 

「はい。ゆっくり飲んで」

 

「ありがとうっす…」

 

「ちょっとオーバーペースだから注意して」

 

「すいません。どうしても力んじゃって」

 

「自分のペースで。無理が一番良くないよ」

 

「でもかのん先輩たち優勝目指しているんっすよね?きな子…足を引っ張りたくないです!」

 

「分かるよ。でもラブライブで優勝したい。それは大事な目標なんだ。それと同時にみんなにスクールアイドルは楽しいって知ってもらいたい」

 

「かのん先輩…」

 

「きな子ちゃんと連華ちゃん以外の1年生にも楽しいなって思ってもらえて一緒にやれたら最高だなって、でもそれにはどうしたらいいんだろう」

 

「すいません…」

 

「いやいや。きな子ちゃんを責めてるわけじゃないの。むしろ謝るのは私の方。負担かけちゃってごめんね。もうちょっと考えてみる」

 

かのん先輩……本当にこの人は優しい人っすね……

 

「お待たせ~」

 

すると紗桜莉先輩が合流してきたけど、けっこう疲れてる?

 

「大丈夫?紗桜莉ちゃん」

 

「何とかね……前に比べたら体力は付いたんだけど……やっぱり負担が大きいかな」

 

紗桜莉先輩も頑張ってる……きな子もできる限りやっていかないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きな子に出来ること……それは他の一年生を誘うって事が出来れば……でも思い当たる人物が……浮かばないっす……

 

「ナッツー!日経平均全面安!これは想定外ですの!このままでは今月の目標が…マニ~!マニ~!マニィ~!」

 

CEOも苦労してるっすね……フッと視線に気がつき振り向くと若菜さんがこっちを見つめている。

 

「本当に行くんっすか…?」

 

昨日、米女さんをスクールアイドルに誘ってほしいと頼まれたけど……正直怖い……っす

 

「メイあの子 話があるって」

 

って若菜さん!?もう少し心の準備を~米女さんも睨んでるし……

 

「いや…その…」

 

これもスクールアイドル部のため!きな子が頑張らないと!

きな子は意を決して立ち上り米女さんの前に立った。

 

「あ、あなたも…あなたもスクールアイドルやってみませんか!?」

 

大声で誘ってみることに……周りのクラスの子たちも……

 

「えっ米女さんがスクールアイドル!?」

 

「好きだったんだ」

 

米女さんはきな子が差し伸べた手を掴んだ。

 

「米女さん!」

 

「ちょっと来い!」

 

 

 

 

 

 

米女さんに体育館裏に連れ込まれたきな子。もしかしてこのまま締められるっすか~

 

「ひぃぃ!命だけはお許しを~!お金は今ないんっす!仕送りで暮らしており~!パン!パンならあるっすよ!カルボナーラパン!今マイブームで…」

 

「何も取らねぇよ。四季に言われたのか?私のことスクールアイドル部に誘えって」

 

「はい…」

 

「今後は無視しろ。あとみんなでいる時にスクールアイドルの話を私にしてくるな。私はスクールアイドルなんか興味ねぇんだ」

 

興味がない?でもそんな風には……

 

「きな子ちゃん、大丈夫?」

 

するといつの間にかきな子たちの前に紗桜莉先輩が来ていた。

 

「何だか体育館裏に連れ込まれていくの見えたけど……大丈夫そうだね?」

 

「はいっす」

 

「あ、あなたは……いや、あんたは……」

 

「あ、この人はソロアイドルの紗桜莉先輩っす。紗桜莉先輩、大丈夫っすよ」

 

「良かった。あんまりそういう子とかの対処が分からないから……このビリビリペンでなんとかできるかなって心配してたけど、大丈夫そうだね」

 

「ビリビリペン……いや、明らかに……まぁいいか」

 

「それじゃ二人とも。またね」

 

紗桜莉先輩を見送ると、米女さんはあることを聞いてきた。

 

「そういや、薊だっけ?ソロアイドルの」

 

「連華ちゃんがどうしたっすか?」

 

「あいつ、どっかで見たことがあるんだよな……」

 

「ソロアイドルとして活動していたからじゃないんっすか?中学時代からやっていたって聞いたっすけど」

 

「いや、そうじゃなくって……まぁいいや。次体育だから急ぐぞ」

 

「はいっす!」




あと告知的なもので、来週あたりきな子ちゃんといちゃいちゃする話を新しく投稿しますので、そちらも良ければ
感想待ってます!


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07 憐れみと見失ったもの

やはりきな子ちゃんは可愛すぎでは?


蓮華side

 

体育の授業、今日は学校周辺を走るのだったが、きな子ちゃんはみんなより遅れてゴールをした

 

「大丈夫かな?」

 

「桜小路さん最近スクールアイドル部に入ったんだよね?」

 

「大丈夫かよ?」

 

「申し訳ないっす」

 

「きな子ちゃん、まだ疲れ残ってるんじゃないの?」

 

「えっと……まぁ…その」

 

「大丈夫か?バテてんじゃねぇか。いきなり朝練とか無理するから」

 

米女さんも心配そうにしてる。後で疲れを残さないようにペース配分を教えてあげた方がいいかな?

 

「やっぱりスクールアイドル部って大変なのかな?」

 

「だろうね」

 

なんと言うか…周りの声がちょっとうるさいな~あ、ダメだ。あんまりそう言うことを思ったりしたら…またあのときみたいに……

 

「違うっすよ。練習が厳しいからじゃなくて きな子が全然体力ないんっす」

 

「朝も走ってるきな子ちゃん見たよ?」

 

「あれはきな子が自主的に…」

 

「昨日も夕方遅くまで屋上で練習してたって」

 

「それは先輩たちにステップを習っていて…」

 

きな子ちゃんは練習が厳しいからこうなっているのではないと誤解を解こうとしているけど、途中で先生の号令で遮られた

 

「なんか誤解されちゃってるんっすかね…」

 

「気にすんなよ。みんな何も知らないんだよ。って私もよく分かんねぇけど」

 

「きな子ちゃん……」

 

「蓮華ちゃんもありがとうっす」

 

「ううん、気にしないで……」

 

「…………」

 

「何?」

 

米女さん、何でそんなに見つめるのかな?顔に何かついてる?

 

「薊って、どっかで見たことがあるんだけど……」

 

「!?」

 

米女さん……知っているの?いや、違う。多分……

 

「ソロアイドルとして活動してるから……それでだよ」

 

「……そうかな?」

 

「そうだよ」

 

「?」

 

ダメ……あの事は……知られたくない……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

かのんちゃんと二人で部のポスターを見つめていた。やっぱりもう少し増やしたいよね

 

「1年生の入部状況を調べてみましたがスクールアイドル部希望の生徒はいないみたいです」

 

「そっか…」

 

恋ちゃんと気になって調べてくれたみたいだけど……難しいか……一度広がった噂をどうにかするのは……

そんなとき、一年生たちの声が聞こえてきた。

 

「私、吹奏楽部に入る」

 

「スクールアイドル部は?」

 

「そんな。私なんかじゃついていけないよ」

 

「優勝目指してるんだもんね」

 

「すごいよ。あの先輩たち」

 

「……紗桜莉ちゃん」

 

「無理だね」

 

「まだ何も言ってないよ……」

 

「私の力で噂を塗り替えられるのではって思ってるけど……この広まってる噂はいい噂だからね……悪い噂ならどうにか出来るけど……いい噂を塗り替えるのははっきり言って無駄だと思う」

 

「……ごめん」

 

「いいよ」

 

さて、どうしたものか……

 

 

 

 

 

 

 

放課後、部室の前で豪華な飾りつけをして、すみれちゃんとくぅちゃんが入部希望者を待っていた

 

「やはりすみれのせいで誰も来ません」

 

「なんで私?」

 

「それ以外考えられないデス」

 

「失礼な!」

 

相変わらずだな……くぅちゃんは本気で叱るべきか……

するときな子ちゃんがやって来た。

 

「どうもっす」

 

「あ、きなきな!」

 

「どう?1年生声かけられた?」

 

「すみません。何人か声はかけてみたんですけどみんな及び腰で」

 

「やっぱりすみれのせいですか」

 

「しつこい!」

 

「くぅちゃん……前にも言ったけど……本気で怒るよ」

 

「す、すみません……」

 

「多分きな子が悪いんです」

 

「えっ?」

 

「きな子がいるからきっと…」

 

どういうことだろう?きな子ちゃんのせいって……

 

 

 

 

 

 

 

部室に入り、改めて話を聞くことに……因みに蓮華ちゃんは調子が悪いから休むらしい

 

「練習が?」

 

「はい。クラスに練習中のきな子を見たって子が何人かいて それがすごい厳しそうに見えたらしくて」

 

「そういうことですか…」

 

「先輩たちが悪いわけじゃないんっす。それもこれもきな子が運動苦手なのがいけないんっす。だから余計…」

 

「平気デスよ。少し練習して慣れてくれば」

 

「でもその頃に勧誘しても遅いでしょ?」

 

「練習メニュー、少し簡単にしてみる?」

 

「そんな!それは違う気がするっす!」

 

きな子ちゃんは本気でかのんちゃんたちに追い付こうとして頑張ってる。その気持ちは変わってないみたいだ。

それに練習がきついって……どうにも楽な生き方を選ぼうとしているようにしか思えないな……まぁこれは私がそう思ってるだけだけど……

 

「その方が得策かもしれません。確かにラブライブで優勝したいという気持ちは私もあります。ただそれ以上にこの学校にスクールアイドルを根付かせたい。母が始めた想いをみんなで繋いでいきたいのです」

 

「お母さんが始めたんだものね」

 

「たくさんの1年生が入部できる環境を我々が作り、この学校のスクールアイドル活動を広げていくべきではないかと」

 

「どう思う?かのんちゃん」

 

「うん。実際何か変えていかなきゃだもんね。だったら…」

 

かのんちゃんたちが考えたの、ラブライブ優勝から出場へと目標を変え、練習も比較的簡単で一時間程度のものにした。さて、私は……

 

「かのんちゃん、悪いけど私は今回の件から下りるね」

 

「紗桜莉ちゃん……理由聞いてもいい?」

 

「恋ちゃんの気持ちはわかる。それにかのんちゃんたちはそのつもりはないだろうけど……私は一年生を……きな子ちゃんを憐れんでいるようにしか思えないの」

 

「…………ごめ」

 

「謝らないで、怒ってるわけじゃない。さっきも言ったように私がそう思ってるようにしか見えないって話だから……」

 

「……うん、分かった」

 

私は鞄を持ち、帰る準備をするのであった。

 

「とりあえずそっちは任せるから……私は今まで通りにやっていくだけ……それじゃ」

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

かのん先輩との帰り道、紗桜莉先輩のことを聞いた

 

「紗桜莉ちゃんは怪我の後遺症で走ったり、踊ったりするのが厳しいの」

 

「……」

 

「練習も大変だから……スクールアイドル部が出来たときに、私が提案したのは……紗桜莉ちゃんの身体に合わせた練習メニューをつくってもらった方がいいんじゃないかって……そしたらね」

 

『かのんちゃん……それは憐れみ?』

 

『ち、違うよ!これは紗桜莉ちゃんのことを思って……』

 

『私は本気で頑張るつもり……確かにこの身体だと練習とか大変だけど……それでも頑張りたい……だから……私の身体に合わせた練習メニューじゃなく、一人のソロアイドルとしての練習メニューでやりたいの!』

 

『紗桜莉ちゃん……ごめん。私……』

 

『いいよ。かのんちゃんは悪気があってやったことじゃないって分かってるから』

 

紗桜莉先輩とそんなことが…………

 

「だから……紗桜莉ちゃんは今回の事に関しては口を出さないのは……分かってるから……」

 

このまま本当でいいっすか?本当に……

 

 

 

 

 

次の日の練習。紗桜莉先輩は自分のメニューをいつも通りにこなして行くけど、きな子たちは簡単なメニューをやっていた……それでもやっぱり…………ふっと気がつくと米女さんにこっちに来いと呼ばれた

 

 

 

 

 

 

中庭で米女さんに呼ばれたきな子……

 

「座れ」

 

「えっ?」

 

「座れって言ってんだよ」

 

「は、はいっす!」

 

座るけど……もしかして……これは……

 

「申し訳ないっす!パンは食べてしまったので今はこれしか~!」

 

アメを出してなんとか見逃してもらえないかと懇願することにしたっす……

 

「ちげぇよ。何勘違いしてんだ」

 

「気にしちゃダメ。これがメイの普通」

 

「うわっ!」

 

若菜さん……またいつの間に……

 

「なんでお前がいるんだよ?」

 

「偶然。構わず話して。スクールアイドルの話」

 

「スクールアイドルの話?」

 

「べ、別に私はそんなこと話すつもりは…」

 

「違うの?」

 

「はぁ…」

 

この二人……本当に仲がいいっすね~

 

「桜小路はさ やってみたいって思ったんだろ?スクールアイドル。だから入ったんだろ?優勝目指してて練習も厳しいって知ってて入ったんだろ?」

 

「それは…そうっすけど…」

 

「だったらそのまま突き進んでくれよ」

 

「えっ?」

 

「自分がやりたい、目指したいって思ったことを信じてみろよ。周りの声なんて気にするな」

 

突き進む……そうっすよね……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

朝の練習。いつも通りに起きるとかのんちゃんも起きていた

 

「練習、しないんじゃなかったの?」

 

「何だか……落ち着かなくって……」

 

「そっか」

 

「紗桜莉ちゃんは……怒ってる?」

 

「怒ってないよ」

 

もしかして気にしてる?かのんちゃんらしいけど……

 

とりあえず二人で公園まで行き、私はベンチに座りかのんちゃんの練習を見守っていると……

 

「かのん先輩、紗桜莉先輩」

 

「きな子ちゃん…」

 

「やっぱりきな子は練習しなきゃと思って」

 

「実は私も全然落ち着かなくて」

 

すると他のみんなも集まってきた

 

「なぜここに?」

 

「あ、きな子ちゃんまで!」

 

「みんな自分だけ練習しようなんてズルいわよ」

 

「こんな所で鉢合わせるなんて」

 

「しかも同じ時間に」

 

「みんな!」

 

みんな、何だかんだやり足りないって思っていたみたいだね

 

「あの…やっぱり戻しませんか?」

 

「えっ?」

 

「きな子がこんなこと言うのは失礼かもしれないっすけど…きな子もやっぱりLiellaさんたちと優勝目指して頑張りたいんっす!きな子が憧れたのは、こんな風になりたいって思ったのは優勝目指して必死に頑張っている先輩たちなんです!大変でも前向きに頑張っている先輩たちなんです!」

 

「ですが…」

 

「分かってます。でも…でも…」

 

かのんちゃんはそっときな子ちゃんを抱き締めた。

 

「私もずっと思ってた。これが本当にいいことなのかなって」

 

「先輩…」

 

「メニューを戻したら1年生が入ってこなくなっちゃうかもしれない。きな子ちゃん1人ってことになってしまうかもしれない。それでも頑張ってくれる?」

 

「はい!」

 

「一緒に優勝目指してくれる?」

 

「はい!」

 

「いい?」

 

「私は賛成」

 

「きっと伝わると思うんです。大変でもやりたいことを続けていればその先にある楽しさは大きくなるって。みんなが一緒にやってみたいって思うものが作れるんじゃないかってそう思うんっす!」

 

「すいません。出過ぎた真似を…」

 

「いえその通りだと思います」

 

「恋ちゃん…」

 

「信じましょう。スクールアイドルの力を。私たちの思いはきっと届きます」

 

「危うく目標を見失うところだったね」

 

「不覚ったら不覚だわ」

 

「目の前のことに気を取られすぎました」

 

「目指すべきものは変わりません」

 

「うん!」

 

みんな、胸の中でモヤモヤしていたのが取れたみたいだね……

かのんちゃんたちは円陣を組み……

 

「きな子ちゃん!」

 

これできな子ちゃんも仲間に入ったんだね

 

「紗桜莉ちゃんも」

 

「私も?」

 

「紗桜莉ちゃんは……」

 

「そうだったね」

 

私も円陣に入ると……

 

「私たちはLiella!私たちが目指すのは…」

 

『ラブライブ!優勝!』

 

 

 

 

 

こうして自分達の目標に向かって改めて決意を固め、練習も元に戻した。きな子ちゃんと徐々に着いていけるようになってきてるみたいで良かった。

 

「蓮華ちゃん、調子は?」

 

「え、あ、はい!大丈夫です」

 

蓮華ちゃんも元気になって良かった。

 

「渋谷……かのん……」

 

すれ違った紫色の髪の少女がかのんちゃんの名前を呟いていたけど……誰だろう?

 




メイ「だったらそのまま突き進んでくれよ」

きな子「えっ?」

四季「止まるんじゃねぇぞだって」

メイ「いや、それ……」

きな子「フリージア?キボウノハナ?米女さん、撃たれるんっすか!?」

メイ「撃たれねぇよ!」

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08 Liella vs 紗桜莉 vs 蓮華

かのんママ『ウィーン、高いところに上り、かのんと話なさい』

ウィーン「分かりました。マザー」

かのん「お母さん……何言ってるの?と言うかあなた誰?」


今日も練習。私はみんなの後ろからトレーニング用の自転車でついていく

 

「溶ける~!」

 

きな子ちゃんも徐々に付いていけてるから安心だ。

 

「頑張れ~」

 

少し行った先の橋の下で一旦休憩をすることに……

 

「さすが東京…暑いっす~!」

 

「さぁひと休みしたら次のセットに入るよ!」

 

「お願いします!」

 

きな子ちゃんもやる気満々だ。するときな子ちゃんはある建物に気がついた

 

「ん?あれは…ステージっすか?」

 

「うん。きな子ちゃんは見るの初めて?」

 

「はい!」

 

あそこって、確か……そうだ。クーカーの……

 

「去年はこのステージで歌ったのよ」

 

「歌ったのは可可とかのんデス」

 

「ここでお二人が…!」

 

「もう1年か」

 

懐かしいな~あの時は本当に大変だったな~

 

「スクールアイドルが中々認められなくって、かのんちゃんと恋ちゃんがギスギスしてたからな~」

 

「い、いや、それ以上に紗桜莉ちゃんの方が……」

 

「本当に今思い返すと……私はよく紗桜莉さんにあんなことを……」

 

あの、恋ちゃん?恐怖に震えてない?

 

「紗桜莉先輩たち仲が悪かったんですか?」

 

「蓮華ちゃん、あの頃の恋ちゃんは色々とあってスクールアイドルをやること事態に否定的だったの」

 

「かのんや可可たちは揉めに揉めて……特に紗桜莉さんはあの手この手でレンレンを黙らせていました」

 

「くぅちゃん、言い方……」

 

「あぁあの噂は本当だったんっすね」

 

「嘘みたいだと思ってたけど……」

 

あれ?一年の間でどんな噂が流れてるの?

 

「でもこうして話していると紗桜莉先輩は優しい人っす」

 

「きな子ちゃん……後で何かご馳走するね」

 

「本当っすか!」

 

きな子ちゃんの頭を撫でる私。本当にいい子だな~

 

「そういえば今年はフェスあるんでしょうか?」

 

すると恋ちゃんのスマホに通知が届き、確認すると……

 

「来ました!Liella招待されました!それに……これは!」

 

スマホに映し出されたのは、Liellaとそして私と蓮華ちゃんの名前だった。これってつまり…………

 

 

 

 

 

 

 

学校に戻り、改めて今度のフェスについて話した。

 

「最後?」

 

「はい。Liellaには一番最後をお願いしたいと……そして紗桜莉さん、蓮華さんはその前にやってもらうようにと」

 

「それってつまりトリ!ズバリ私たち主役ったら主役よ!」

 

「うるさいデス」

 

「本当にいいの?私たちで?」

 

「今年Sunny Passion様が出演しませんので」

 

「そうなんだ」

 

「2人は最後の学園祭ライブに向けて全力で準備するそうデス!」

 

「もう神津島行きのチケット取ってあるんだ」

 

「もちろんデス!今年で最後ですのでこの目でしっかり焼き付けてきます!」

 

まぁどっちを優先するかならね。やっぱり思い入れのある学校の方を優先するよね

 

「その…サニーサイドとかいうのは…」

 

「Sunny Passionです!」

 

「去年のラブライブの優勝者!今最も素晴らしいスクールアイドルですよ!」

 

「そんなお方とはつゆ知らず~!」

 

いや、つい最近までスクールアイドルのことを知らないんだから……とは言ってもくぅちゃんを止めるのは無理そうだな~

 

「あとで動画送りマス!」

 

「ありがとうございます!」

 

「トリか」

 

「つまり優勝候補ってことだよね」

 

「えっ?でもフェスってラブライブの大会とは…」

 

「直接関係はないけど去年そこで1位を取れって言われて大変だったでしょ?」

 

そんなこともあったな~まぁ言い出したのは理事長だったけど

 

「そうなんっすか?結果は…」

 

「新人特別賞だった。1位はSunny Passionさん」

 

「ほえ~」

 

「そう考えてみると実は私たちってまだ勝ったことないんだよね」

 

「だからこそここでまずビシッと結果を出すのですよ!」

 

「その通り!ギャラクシーな優勝候補であることを見せつけるのよ!」

 

「リベンジです!」

 

「そうですね。息の合ってる2人を信じて頑張りましょう」

 

すみれちゃんとくぅちゃんは顔を見合わせ、お互いにふんっと顔を背けた。

本当に仲良くできないかな~

 

「それで紗桜莉さんと蓮華さんは今回は……」

 

「まぁ敵同士だね。おまけに私はみんなと同じように結果を残せてない……だからこそ今回はどんな手を使っても勝つよ」

 

『…………』

 

「いや、こう言うときこんなことを言った方がいいかなって思って……」

 

「あ、冗談か」

 

「でも私たちも負けないよ!」

 

「そうねったらそうね!」

 

「紗桜莉も蓮華も強敵ですが!可可たちも負けられません!」

 

「そうですね!本気でぶつかり合いましょう!」

 

みんな、やる気満々だけど……蓮華ちゃんは何だかボーとしてるけど……大丈夫かな?

 

 

 

 

 

その日の夜、かのんちゃんと二人でサニパの二人とリモートで話していた。

 

『久しぶり』

 

『がんばってる?』

 

「はい。摩央さんたちも学園祭のライブに向けて頑張っているって聞きました」

 

『今年が最後だからね』

 

『それで何?話って』

 

「いえ…大したことじゃないんですけど…」

 

『何々!?恋の話!?』

 

「かのんちゃん!いつの間に!」

 

「違います……Liellaのことなんですけど、どうして私たちのことを一番心躍るグループだとインタビューで答えてくれたのかなって」

 

『迷惑だった?』

 

「いえ。ただ私たちってスクールアイドル始めたばかりだし結果も何も出ていないのに」

 

『そんなことは関係ない』

 

『単純に素晴らしかったから。特にあのクリスマスのステージは……そしてあの時の六人でのステージもね』

 

「あのステージも見てくれたんですね」

 

『うんうん、あのステージだけじゃ勿体ないくらいだけどね』

 

『ただ私たちはそれでも負けないけどね』

 

『私たちね、もう一度優勝したいって思ってるの』

 

『知ってる?ラブライブの歴史上連覇を成し遂げた学校は一つもない。もし成し遂げればSunny Passionの名前はラブライブの歴史に深く残っていく』

 

『学校の名前も島の名前も』

 

『もちろんとても高い壁だというのは分かってるけどね』

 

サニパの二人の目標は高いな~それに高いからこそその情熱も凄い……

 

「そんなすごいことを目標にしていたんですね」

 

『えっ?』

 

「私応援します!」

 

いや、かのんちゃん……応援するって……

 

『あははははっ!』

 

「ん?」

 

『それはとても嬉しいけどいいの?』

 

『私たちが連覇するってことはあなたたちが負けるってことになるけど…』

 

「うえっ!?」

 

『ラブライブでまた会いましょう』

 

『待ってるよ』

 

改めて応援とか色々と受けた私たち。これはかのんちゃんたちも頑張らないとね

 

「紗桜莉ちゃんの目標って……天使に会うことだったよね?」

 

「うん、そうだけど……でも今はもうひとつあるよ」

 

「え?」

 

「天使に会うだけじゃなく、ソロアイドルとしてかのんちゃんたちLiellaと並び立つこと」

 

「並び立つ……」

 

「Liellaと私。みんなで優勝って結果を残してみたいから」

 

「そっか!」

 

 

 




ウィーンは次回辺り登場かな?
こちらは本編とちょっと変えるつもりです
感想待ってます


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09 厄介なファンの撃退法?

ついに登場。謎の少女……タイトル……


早朝、フェスまで時間もないしなるべくかのんちゃんに着いていこうと思い、一緒に朝練に出ることにしたけど……

 

「いってきま~す!」

 

「いってきま……ふわぁ~」

 

「無理せず寝てていいのに」

 

「私も頑張りたいから」

 

「そっか……それにしてもまだ寒いね~」

 

暖かくなってきたとはいえ、朝方は冷えるからな~

 

「かのん先輩、紗桜莉先輩」

 

「今日も早いね」

 

「可可先輩のメニューを継続中っす!」

 

「さすがきな子ちゃん!私も一緒にいい?」

 

「もちろんっす!」

 

「それじゃいつも通りに……」

 

「OK」

 

いつも通りにかのんちゃんたちには先に行かせて、私は私のペースで走るのであった。

 

 

 

 

 

それから三人で練習をして行き、屋上でかのんちゃんはきな子ちゃんが頑張っているねという話をしていた

 

「よくなったね!きな子ちゃんのダンス!」

 

 

「嬉しいです!」

 

「さては夜も練習してたでしょ」

 

「えへへへっ」

 

「でもあんまり無理しちゃダメだよ」

 

「実は最近クラスの子に言われたっす。スクールアイドルって素敵だねって」

 

「本当に?」

 

「はい。高校入って一つ大きなものを目指すっていいなって」

 

「嬉しい!すごく嬉しい!きな子ちゃんの言った通りだね。一生懸命やっていればその姿はちゃんと伝わる」

 

「それにその姿を見たら、自分もってなるからね」

 

「繋がっていくってことっすね」

 

「繋がっていく……うん、そうだよね」

 

「ういっす~三人とも早いね~」

 

するとちーちゃんが来たけど、手に持ってる袋なんだろう?

 

「差し入れっすか?」

 

「今来たら部室の前に置いてあって」

 

メッセージもついてる。応援してますか

 

「誰からだろう?」

 

「さぁ?」

 

「多分1年生っす!」

 

とりあえず一本もらい、確認すると…とりあえず毒物は入ってなさそうだ

 

「あの紗桜莉ちゃん……」

 

「つい……大丈夫そうだよ」

 

まぁ流石に変なのを入れるような子はいないだろうしね

するとすみれちゃんとくぅちゃんも一緒にやって来たけど……競争でもしていたのか息を切らしていた。

 

「どうしたんっすか!?」

 

「すみれが競争しようなんて言うから…」

 

「アンタがムキになるからでしょ…」

 

「相変わらずだなぁ。はい」

 

「な、何デス…?」

 

「心して飲んでね。後輩の思いがこもったジュースなんだから」

 

二人に差し入れのジュースを渡すちーちゃん。にしても誰だろう?もしかしたらここが見える位置は……科学室辺りかな?

 

遠いけど双眼鏡で見てる子がいるな

 

 

 

 

 

 

「届いた!やったやった!Liellaに届いた!」

 

「ちゃんと渡してくればいいのに」

 

「うるせぇな!これでいいんだよ!」

 

「それとメイ」

 

「なんだよ?」

 

「気付かれてる」

 

「はぁ?」

 

「屋上からこっちに向かって、手で撃ってるポーズしてる」

 

「!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方になり、公園でも練習を続ける私、かのんちゃん、ちーちゃん、きな子ちゃん。

 

「ワンツスリーフォー!ファイブシックスセブン!うん!基礎はバッチリ!よくここまで頑張ったね!ただし今日はもうちゃんと休むこと!ケガしないのも練習のうちだよ?」

 

「はい!」

 

「では失礼しますっす~!」

 

きな子ちゃんを見送る私たち。するとかのんちゃんはあることをちーちゃんに話した。

 

「ねぇ勝てるかな?私たち」

 

「不安?」

 

「ちょっと。やっぱりSunny Passionさんや学校のみんなの話を聞いてると結果出したいなって。期待に応えたいなって」

 

「分かるよ」

 

「私ねラブライブのステージは本当に素敵だったと思うんだ。全員で一つのステージを作り上げることができた。でも終わった後にあったのはもう少しだったとか、残念だけど仕方ないとかそういう思いばっかりで。だからみんなで喜ぶには勝つしかないんだって」

 

「そう考えると大変だよね。ラブライブって」

 

「でもそうやって色んなグループと競い合って一つのものを目指して高め合っていくのは楽しい。すごくワクワクする」

 

「それでこそかのんちゃんだ」

 

「それに今回は私と蓮華ちゃんもいるからね。楽しいフェスにしよう」

 

「うん!」

 

するとちーちゃんのスマホから呼び出し音がなった。

ちーちゃんは確認すると…

 

「家からだ。遅くなるって話してくるね」

 

ちーちゃんが電話してくるといい、どこかへ行く。

 

「いい時間だから私たちも」

 

「そうだね。そろそろ」

 

「渋谷かのん」

 

不意にかのんちゃんの名前を呼ばれ、振り向くと滑り台の上に一人の少女がいた。

 

「あなたは?」

 

「優勝候補なんでしょ?歌ってみてよ」

 

「えっ?」

 

「できないの?」

 

「あ、もしもし、警察ですか?すみません、今変な女の子に脅迫をされています」

 

よく分からないけど、厄介なファンの子かな?とりあえず軽めに……

 

「かのんちゃん?どうしたの?」

 

するとちーちゃんが戻ってきたけど、さっきの女の子はいなくなっていた

 

「今……紗桜莉ちゃんが脅してた」

 

「えっ?」

 

「失礼な。厄介なファンを撃退しただけだよ」

 

「なるほど」

 

「ファンの子なの?」

 

まぁいなくなったから脅しが聞いたのかな?

 

 

 

 

 

 

家に帰り、少し変な気配を感じ、外を見ると…夕方の子がいた。えっと写真撮影して……また見かけたら、注意してもらおう

 

 

 

 

 

 

次の日

 

「ガッデ~ム!たった1分遅れただけで低評価…ん?随分賑わっているんですの」

 

 

 

 

 

フェス会場に来た私たち。

 

「これがヨヨギスクールアイドルフェス…!スクールアイドルがたくさんいるんっすね」

 

「幸せデス!スクールアイドルまみれ~!」

 

「かのんちゃんこっち見て。ステージに向けた意気込みを」

 

ちーちゃんがスマホを向けながらそう言う。意気込みか~

 

「何これ!?」

 

「ライブの裏側を後でアップしようと思っています」

 

「じゃあみんな見るってこと!?」

 

「当たり前でしょ」

 

「すみれちゃんお願い!」

 

「まったくしょうがないわねぇ。いい?こういうときは…ギャラクシー!平安名すみれで~す!」

 

「バッテリー切れた」

 

「なんで!?」

 

すみれちゃん…まぁある意味おいしいよ

 

「かのんちゃん」

 

「来てくれたんだ!」

 

「今日のフェスすごい人気あるみたいでさ。うちの生徒でも入れなかった子たくさんいるみたい」

 

「そうなの?」

 

「みんなネットで応援してるって言ってたから頑張ってね」

 

「実は一番緊張してるのはかのんちゃんだったりして」

 

「えへへへ…」

 

「自分たちのやってきたこと信じよ」

 

なんというか去年と違って、みんなが応援してくれてるんだよね。さぁて私も頑張らないと!

 

 

 

 

 

かのんside

 

着替えが終わり、ステージ裏に行こうとすると

 

「澁谷かのん」

 

「あっ」

 

昨日の子……女の子は直ぐに去っていき、私は追うが見失った。だが1羽の蝶が見え、追っていくと……ステージにあの子が……

そのステージはその場にいたみんなを魅了していく。そして蝶が周りに舞っている。凄い…………

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

そろそろ出番。みんなは他のアイドルたちのステージを見ているけど……私は見ない。

 

「紗桜莉せんぱ……!?」

 

蓮華ちゃんに声をかけられているけど、今は返事をする気がない。今この場で全てを出すために…………

 

私はステージに上がり、歌い始める。私の全てをここに出す!




紗桜莉の結果は次回です!
感想待ってます!


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10 涙とみんながセンター

印象最悪なので、少しマイルドにしました


フェスが終わり、みんなで歩道橋に黄昏ていた。

 

「うぅ…」

 

「ここでいつまでたたずんでいるつもりよ」

 

「いいから黙っているデス!」

 

「優勝はできませんでしたけど…」

 

「そうだよ。2年続けて特別賞だって立派なことだと思うよ」

 

「すみません。きな子がうまくなかったせいですよね。先輩たちだけで歌っていればきっと…」

 

「そんなことない。何言ってるの」

 

「そうよ。みんなでステージに立っているんでしょ。誰のせいとか誰のおかげとかじゃない。みんなで作り上げるものでしょスクールアイドルって」

 

「すみれが言うと説得力ないですけどその通りデス」

 

「失敗は成功の準備運動!次はきっとうまくいきます!」

 

「可可先輩!はい!」

 

…………うん、物凄く居づらいんだけど…………

かのんちゃんたちは特別賞。蓮華ちゃんは二位。一位は私……うん、物凄く居づらいよ……

 

「紗桜莉さん、凄かったですね」

 

「えっと、何かごめんね」

 

「そんな紗桜莉ちゃんが謝ることじゃないよ」

 

「そうね。逆に謝られる方が辛いわよ」

 

「それだけ紗桜莉は会場にいたスクールアイドルたちよりも輝いていました」

 

「凄かったっす……あれが紗桜莉先輩の実力なんっすね」

 

「正直……私も本気でやりましたが……いえ、会場にいたアイドル全員本気でしたが……紗桜莉さんはそれを越えていました」

 

「うん、凄かった……」

 

「えっと……何と言うか……私も……」

 

あの時……私の中で物凄く集中していたからか、ただみんなを楽しませたい。そう言う気持ちが強かった。そして気がついたら、私のステージは終わっていた。あの時の感覚は……

 

「どうしたの?」

 

「ちーちゃん、何と言うか物凄く集中していて、世界がこう……変わる感じって……なんなんだろう?」

 

「うーん、もしかしてゾーンに入ったとか?」

 

ゾーンってあれだよね?スポーツとかでよく聞くやつだよね?スクールアイドルでゾーンって……

 

「それほど紗桜莉さんが集中していたと言うことですね」

 

「うーん……」

 

そうなのかな?

 

 

 

 

 

家に帰り、改めてフェスの順位を確認する。あの厄介なファンの子はスクールアイドルで、中学三年生だったのか。注目はされているけど……私や蓮華ちゃんの方が更に注目されてる……

 

「かのんちゃん、落ち込んでなきゃ良いけど……」

 

こう言うとき、一番気にしてそうなのはかのんちゃんだよね。心配だな~

そんなことを思っていると、外でかのんちゃんが誰かと話しているのが見えた。話してるのって…………

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

部屋でフェスについて記事を見ていた。紗桜莉ちゃん、蓮華ちゃんは勿論のこと、一番気になったのは三位の中学三年生のウィーン・マルガレーテ…………

 

「中学生……中学生に負けた……」

 

思った以上にショックを受けている自分がいる。ベッドに横たわるとカーテンの隙間からあるものが見え、私は急いで外に出ると、そこにはウィーンさんがいた。

 

「あなた…」

 

「ラブライブってすごい大会と聞いていたけどあなたたちが優勝候補ってことはそこまで大した大会じゃないみたいね。これなら問題なく勝てそう」

 

「違うよ!ラブライブはすごい大会!私たちは…優勝候補じゃない。私たちはたまたま優勝したすごい人の目に留まって褒められただけ。何も結果は残してない」

 

「じゃここに来たのは無駄足だったってわけね。少なくとも今日聴いた中ではあなたには才能があった。歌のね」

 

……何も言い返せない…………どうしたら……

 

「流石は3位入賞するだけはあるね。えっと……マルガリータさん」

 

不意に声が聞こえ、振り向くとそこには紗桜莉ちゃんが……と言うか……これやばいような……

 

「貴方は……」

 

「うんうん、すごいすごい。3位凄いねーえっ?私?優勝したけど?」

 

「えぇ、知っているわ。ダンスもなく、歌だけで……」

 

「所でこんな所で何してるの?かのんちゃんのストーカー?警察に連絡しておく?脅迫にストーカー行為してくる厄介なファンの……ドーン・マルガレーテさん」

 

「っ……」

 

わー夜空が綺麗だなー星って何であんなに綺麗なんだろー

 

「と言うか何かいつも高いところにいるけど、高いところが好きなの?日本の諺でこう言うのあるの知ってる?バカとなんとかは高いところが好きって?ドン・ムラサメ・マルガリータさんは要するにバカってことになるけど?反論はある?

 

「…………」

 

あの紗桜莉ちゃん、ウィーンさんが半泣きだけど…………

 

「あなたの事は覚えておくわ」

 

「こっちも覚えておくよ。いや、覚えておいて、かのんちゃんたちに害をなす存在なら……私は貴方を徹底的に追い詰めるって……よーく覚えておきなさい。ドン・マルガリータさん」

 

いや、もう泣きそうになりながらウィーンさん帰っていくけど……

 

 

 

 

 

 

次の日……

 

「ういっすーかのんちゃんって!?何か疲れてる顔してるけど……大丈夫?疲れ抜けてない?」

 

「いや、そうじゃなくって……紗桜莉ちゃんが……」

 

「紗桜莉ちゃんが?」

 

「物凄い煽りと言うか毒を……」

 

「あー」

 

ウィーンさん、大丈夫かな?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

放課後の部室にて、かのんちゃん以外のみんなが集まり、

 

「気合い入れていくですよ!あくび禁止!打倒ウィーンです!」

 

ウィーン……あぁ昨日の……あの後かのんちゃんに怒られたんだよな~中学生泣かせちゃダメだって……いやだってね~

年上への口の聞き方を教えないと~

 

「おまたせ」

 

「うぃっす~!」

 

すると遅れてかのんちゃんがやって来た。

 

「ちょっといいかな?練習前にみんなに話したいことがあるんだけど……私たちまた結果を残すことができなかった。そんな私たちが優勝を目指す。本当にそれでいいの…」

 

かのんちゃんらしい悩みだな~でもそれでも目指すべき事は……

私が話そうとした瞬間、突然クラスメイトたちがクラッカーを鳴らし

 

「おめでとう~」

 

「みんな!」

 

「特別賞とったんでしょ!紗桜莉ちゃんは優勝だし」

 

「よかったね!」

 

「さすが!」

 

「でも本当は……」

 

「いいんだよ」

 

「えっ?」

 

「それでもいい」

 

「それでもいいんだよ」

 

 

 

私たちはみんなに案内され、そこにはこれまで受賞した際のトロフィーなどが飾られていた。

 

「これは…」

 

「去年1年間のこの学校の部活の成果」

 

「全然ないでしょ。入賞もほとんどないし。そりゃそうだよね。1年生しかいなかったんだから」

 

「かのんちゃんたちは自分たちのことまだまだって思ってるかもしれないけど」

 

「この学校の生徒にとっては誇りなんだよ。自慢なんだよ」

 

「Liellaこの学校のスーパースターなんだよ」

 

「私たちが……」

 

「スーパースター」

 

「このことは忘れないで欲しい」

 

「私たちはいつも誇りに思ってる」

 

「いつか一番輝くって信じてる」

 

「だからこれからも優勝目指してほしい!」

 

かのんちゃんの悩み……すぐ解決したみたいだね。

 

「ライブしましょう」

 

「えっ?」

 

「場所は決まり!ですよね?」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

ライブ当日、今回のライヴは私と蓮華ちゃんも一緒に参加することになった。

 

「私も参加して良いんですか?」

 

「うん!いいんだよ。私もみんなとやるときは大切な時だって考えていたから……これは……」

 

「特別なライブ……そうですよね」

 

蓮華ちゃんも笑顔を向ける。さぁて今日も楽しむぞ!

 

「みんな、今日はセンターはなしでいきたい」

 

「えっ?」

 

「センターはここにいる全員!そして結ヶ丘の生徒全員!この最高に素敵な学校全部!そういう気持ちを込めたいの」

 

「それじゃ……行こう!みんな!」

 

そして始まる私たちのライブ。みんな楽しんでくれてる。これがかのんちゃんたちにとって本当の始まりかもしれない。




ウィーンはその後、一人で泣きながら帰ると言う……
感想待ってます!


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11 今更な話と科学室の会話

みんながシキメイにときめく中、やはりきな子ちゃんが1番だ


蓮華side

 

この間のライブ……みんなと一緒にやったけど……なんだろう?この気持ちは……あの頃感じた気持ちとは違う……

 

「くふっ…ぐふふふっ…がわいい…がわいいぃぃ!」

 

何か変な声が聞こえてくるけど、空耳なのかな?

 

「スクールアイドル!?」

 

「なんか歌っているの見てたら私感動しちゃって」

 

「やってみたら?まだ部員募集しているみたいだし」

 

「考えてみようかな」

 

この間のライブの事をクラスの子達が話してる。それほどにまで評判が良いみたいだけど……

 

「本当っすか!?すぐ入部届持ってくるっす!」

 

「え、いや…そういうわけじゃ…」

 

きな子ちゃん……まぁそうしたいのは何となく分かるけど……すると米女さんがきな子ちゃんたちを見つめていた。と言うより睨んでる?

きな子ちゃんも視線に気がつき、慌てて謝りだした

 

「う、うるさかったっすよね!?うっかりまた米女さんの前でスクールアイドルの話を…」

 

「別に興味ねぇつってんだろ!」

 

米女さん……あれって本当に興味がないのかな?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

練習中、ある話題が出た。それは今更だけどそう言えば的な話だった。

 

「部長?」

 

「えぇ。部活も多くなってきたので今度部長会を開こうと思いまして」

 

「そういえば決めていませんでしたね部長」

 

「そうだよね」

 

みんながかのんちゃんの事を見つめる。うん、これに関しては私も納得だし、変に仕事とかを押し付けなければ更によしだね

 

「えっ?ええっ?」

 

「決まりだね」

 

「待って!ちょっと待ってよ!」

 

「多数決取る?かのんちゃんが部長に…」

 

「待って!」

 

「きな子は入った時からかのん先輩が部長だと思ってたっす」

 

「当然の流れでしょ」

 

「可可もかのんがいいと思います」

 

「決定ですね」

 

「そんなに嫌なの?」

 

「嫌っていうか…」

 

「まぁこの場で直ぐに決めずに、改めて話し合う必要はあるね」

 

「紗桜莉さんらしい答えですね。因みに紗桜莉さんは誰がいいと思いますか?」

 

「え?かのんちゃん」

 

「紗桜莉ちゃん~」

 

「きな子も賛成っす。恋先輩生徒会がありますし残りの先輩だと部長の候補はだいぶ限られるかと」

 

「アンタ今さらっとひどいこと言わなかった?」

 

意外と毒のある事を言うね……この子は……

 

「紗桜莉先輩は……なんと言うか部長という器に収まりきらないと言うっすか……もっと大きな役職じゃないとダメかもしれないっす」

 

「ありがとう。よく言われる」

 

ふっと視線に気がついた。あぁ科学室の方か……そう言えば大丈夫かな?あれは……

ちょっと気になるし……

 

 

 

 

 

 

 

四季side

 

科学室でメイが双眼鏡でスクールアイドル部の練習を覗いていた

 

「何話してんだ?」

 

「聞く?」

 

「ありがと」

 

イヤホンを渡し、メイに屋上での会話を聞かせた。

 

『じゃ暫定部長も決まったところで昨日のステップから』

 

「部長!?そうか部長を決めて…誰になった!?やはり澁谷さん!?まさかの平安名さん!?ダンスの中心である嵐さんとか!?いやここは可可さんかも!葉月さんは生徒会がネックになりそう…ってこれは何だよ!?」

 

「聞こえづらかった?」

 

「そうじゃねぇよ!いつの間にこんなもん仕掛けてきたんだよ!」

 

「別に。たまたま実験で使う集音マイクが屋上に置いてあるだけ。聞きたくないの?」

 

「うっ…き、聞きたいわけないだろ…」

 

「じゃあどうして毎日見ているの?」

 

「それは…ほら ここじゃ特にすることないし単なる暇潰しだよ」

 

「そう。じゃあ…」

 

「あっ!」

 

この間のライブを見て感動するメイ。いい加減素直になれば良いのに

 

「すっかり夢中、号泣」

 

撮っておいた写真を見せていく。メイは言うと恥ずかしそうにしながら、

 

「何勝手に撮ってんだよ」

 

「すごく可愛かった」

 

「可愛いとかじゃない!ライブ見ている自分の顔は世界で一番見られたくない顔って万国共通で決まってんだ!」

 

「そうなの?」

 

「とにかくこれはたまたまだ!たまたまやっていたから見てただけで…」

 

意地をはってるけど、私は自撮り棒にくっ付けた鏡を使って、メイの顔を見てみた

 

「顔真っ赤」

 

「うるせぇなぁ!」

 

「このまま時間が経ったら入るタイミングを失う。ほんとにそれでいいの?」

 

「別に入るつもりなんてねぇよ。それに私がいなくなったらただでさえ薄暗いここがもっと暗くなっちまうだろ」

 

メイ…………

 

「あと集音マイク、後で回収しておけよ。下手したら相花さんに怒られるからな!あの人、噂では敵に回したらダメな人だって」

 

「噂?」

 

「知らねぇのか?葉月さんとの言い争いで負かしまくり!生徒会長の椅子と理事長の椅子を勝手に改造したり、数々の伝説を去年残し、スクールアイドルとしても実力者の……」

 

「それなら大丈夫」

 

「何が?」

 

「集音マイク設置するとき、相花さんに見つかって、事情を説明したら……」

 

『それならそれよりこの集音マイクの方がよく聞こえるよ』

 

「って笑顔で設置に協力してくれた」

 

「はぁ?」

 

「あと科学室に設置してあるから……多分聞いてるはず」

 

「へっ?」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「中々面白いね……」

 

それにしても事情を聞いていたけど、素直になれない子か……うーん、素直になれないのは一人だけなのかな?




紗桜莉は見逃さない!
感想待ってます!


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12 四季の頼み事

昨日の虹ヶ咲の生放送でかなりイラついて、モチベーションが下がりつつ、何とか更新


帰り道、ちーちゃんのバイト先に来ていた私とかのんちゃん。かのんちゃんは何か悩んでるみたいだけど……

 

「これは…完璧なマル!かのんちゃん見…かのんちゃん?」

 

たこ焼きが上手く焼けたみたいで嬉しそうにしているちーちゃんだけど、かのんちゃんの様子に気がついたみたいだった。

 

「まだ部長引き受ける気にならないの?」

 

「そういうわけじゃないけど…」

 

「かのんちゃんが始めたんだよスクールアイドル」

 

「違うよ。始めたのは可可ちゃん」

 

「でもみんなをまとめてきたのはかのんちゃんでしょ?」

 

「確かにまとめてきたと言うより、中心にいてくれたのがかのんちゃんだもんね」

 

「紗桜莉ちゃん……確かにそうかもしれないけどだからこそ新しくなろうとしているLiellaの部長は自分じゃない人の方がいいと思う」

 

かのんちゃんの言うことは分かる。確かに新しくなろうとする為にはって思うと……

 

「例えば、ちぃちゃんとか…」

 

「私!?私は無理だよ~!」

 

「どうして?」

 

「だってそういうの向いてないし…」

 

ちーちゃんか。私的にはいいかもしれない。でもちーちゃんが向いてないって思っているなら、無理に説得するのはな~

 

「あの…少しお話が…」

 

突然声をかけられ、振り向くと声をかけてきたのは四季ちゃんだった。

 

「あれ?四季ちゃん?」

 

「相花さんも一緒でしたか」

 

「知り合い?」

 

「一年生で、ちょっと話したら気があってね。それで話って?」

 

「お願いしたことが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

「蓮華ちゃ~ん、練習いこっす~」

 

「うん、行こう」

 

「きな子ちゃんと蓮華ちゃんは今日も部活?」

 

「もちろんっす!興味があったらいつでも来てくださいっす!屋上で待ってますっす!」

 

楽しそうにクラスメイトと話していると、視線に気がつく私たち。米女さんがまたこっちを見ている……

 

「あっ!また教室でスクールアイドルの話を…ごめんなさい…ごめんなさいっす~!」

 

「おい!別に怒っていな…」

 

逃げ出すきな子ちゃん。なんと言うか……睨んでいるって感じじゃないような……とりあえず私はきな子ちゃんを追いかけるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

メイside

 

いつの間にか教室からいなくなっていた四季。いつも通りなら科学室にいるはずだと思い、来てみるとやっぱりいた。

 

「おい四季 少しはクラスに馴染もうとしろよ。このままだと中学の時と同じになるぞ」

 

返事がない。なんだ?怒ってるのか?

 

「なんだよ怒ったのか?春休みに言ってただろ。高校入ったら少し頑張ってみるって」

 

更に話しかけるが返事がない。

 

「おい!聞いてるのか!」

 

肩を掴んだ瞬間、四季が崩れ落ちた。と言うか四季だと思っていたのがまさか……骨格標本!?

 

「ったく。なんだ?」

 

骨格標本が下げていた双眼鏡で屋上を覗き込むと……そこにはスクールアイドル部の面々に四季が……

 

「えっ!?」

 

 

 

 

紗桜莉side

 

四季ちゃんが体験入部することになった。とは言え何かしら思惑があるのかもしれないけど……

 

「では自己紹介をどうぞ」

 

「若菜四季です」

 

「四季ちゃんはこの前のライブを見て興味を持ってくれたみたいなんだ」

 

「ありがとうございます。今日はスクールアイドルを体験してみてください」

 

「1年生っす…!きな子と同じ1年生っす…!」

 

「うんうん!」

 

まぁきな子ちゃんが感激して泣いてるし……あまり深くは言わないでおこう。

 

早速練習を始める私たち。四季ちゃんも混ざってだから軽めにやる感じだ

 

「はい、 いいですよ…!可可くらい体は柔らかいみたいですね!」

 

「割と余裕」

 

うん、 まぁ始めたばかりだからね。固いのは仕方ない

 

「今日はせっかく来てもらったので軽いステップとフォーメーションを体験してもらおっか」

 

「いいですね」

 

「みんなと一緒に踊るのは本当に楽しいっすよ!」

 

歓迎ムードの中、不意に視線に気がつき、ドアの方を見ると赤髪の子が四季ちゃんに向かって、こっちに来いとやっていて、四季ちゃんもそっちが来たら?ってやっていた。二人は知り合い?

 

「ん?どうかした?」

 

ちーちゃんも四季ちゃんが何かをしていることに気がついた。

 

「何?」

 

「誰かいるの?」

 

んーこれは……知らない振りをしておいた方がいいかな?

 

かのんちゃんたちは並び、私と蓮華ちゃんはそれを見ていると、屋上の扉からさっきの赤髪の子が飛び出してきた。

 

「誰?なんかデジャブね」

 

「うっ」

 

「い、いやあの…あの…」

 

「メイ。1年生」

 

「友達?」

 

「もしかしてスクールアイドルにご興味が?」

 

「い、いや…そそそそそ…」

 

「ずっとそこで見てた」

 

「おい!」

 

「つまり興味津々ということですね?」

 

「ちょうどよかったです」

 

「もしよかったらちょっとだけ体験してみない?スクールアイドル」

 

「私が?スクールアイドル…」

 

「うん」

 

「私が…?」

 

「四季はどうするんだよ?本当にスクールアイドル始めるのか?」

 

「私はまだ決めてない」

 

「……嘘つくな。帰る」

 

なるほどね……四季ちゃんの狙いとメイちゃんが怒ってる理由が何となく分かったかな。

 

「そんな せっかく…」

 

「帰るって言ってんだよ!」

 

帰ろうとするメイちゃんだけど、屋上の扉が開けられないでいた。

 

「あ、ごめんね。オートロックシステムが誤作動したみたい。直ぐに開けるね」

 

私はこっそりメイちゃんに近寄り、あるものを取り付けるのであった。

メイちゃんは扉が開くとそのまま帰っていく

 

「メイちゃん……」

 

「あの~紗桜莉先輩……オートロックシステムってなんっすか?」

 

「え?あぁあれは……オートロックシステムは嘘だよ。ちょっと気になることがあるから、遠隔操作で鍵をかけただけだから」

 

「なるほどっす」

 

「あの、いつの間にそんな改造を……」

 

「え?去年くらいに」

 

恋ちゃんはそれを聞いてため息をつくのであった




キャストがあんなこと言うなよ……

やはり、シキメイにはあまりトキメカナイ
感想待ってます!


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13 素直になれない二人

オニナッツ……今のところマイナスだけど……まぁ……ね。この小説のオリ主がいるから……ね


紗桜莉side

 

練習終了後、四季ちゃんが一緒に来てほしいとある場所に連れられた私たち。四季ちゃんが連れてきた場所はとあるマンションだった

 

「ここ」

 

「ここって?」

 

「あの2階の端の部屋」

 

「何っすか?何かあるんっすか?」

 

「ここからだとよく見えないけど」

 

「待つデス。あそこに貼ってあるのは…」

 

ここからだと見辛いし……仕方ない。この間作った奴で私は見るとして、みんなのは……四季ちゃんが双眼鏡をくぅちゃんに渡した。

 

「あの、紗桜莉ちゃん、それって……」

 

「これ?小型のドローンだよ」

 

蝶蝶型のドローンだから怪しまれない

 

「紗桜莉先輩、流石っす」

 

「うん、もう紗桜莉ちゃんが何を作っても驚かない自分がいるんだけど……それで可可ちゃん、何が見えたの?」

 

私も確認して……部屋に貼られてるポスターは……あれって……

 

「やっぱりそうデス!Liellaのポスター!その下は3年前に限定で出た歴代スクールアイドル大全!さらにその横には…」

 

なるほど、部屋の主は結構なスクールアイドル好きなのかな?

 

「棚の上にも何かあるわよ」

 

すみれちゃんが棚の上のものに気がつき、私も見てみると……あれって……DVD?

 

「なぁぁぁぁ!」

 

くぅちゃんだけそのDVDの価値に気がついた。

 

「可可先輩?」

 

「伝説の…デン…デン…デ~ン」

 

「何泣いてんのよ」

 

「何言ってるデスカ!この目で初めて見たのですよ!あの伝説のDVDですよ!」

 

「はいはいはい」

 

興味がない人には興味ないみたいだけど…くぅちゃんみたいにスクールアイドル好きにはものすごい価値があるみたいで、くぅちゃん、中国語になってるし……

 

「一体誰の部屋なのですか!?」

 

「あ、見て」

 

と言うか四季ちゃんが連れてきたのだから、自ずとその部屋の主が誰なのか分かる。多分だけど……

 

「メイちゃん?」

 

やっぱりか……

 

「隠れて」

 

「えっ?」

 

四季ちゃんの言う通りに隠れる私……かのんちゃん、隠れるのはいいけど、ちーちゃんのお団子掴む必要ある?

 

「なんか視線を感じたような…」

 

メイちゃん、意外と勘がいいみたいだけど、するときな子ちゃんが……

 

「はくしゅん!ごめんなさい!」

 

恋ちゃんの髪の毛に鼻を擽られ、くしゃみをしてしまった

メイちゃんに気づかれたかと思ったけど……気づいてない?

 

「メイ視力そんなによくないから」

 

「じゃあもしかしていつも睨み付けているのも…」

 

「目が悪いだけ。メガネつけろって前から言ってるんだけど」

 

「それでクラスでちょっと怖がられているんですね…」

 

「ちゃんと言えばいいのに」

 

「口下手だから」

 

「四季ちゃんとメイちゃん昔から友達なんだ?」

 

「友達?」

 

「違うの?」

 

「友達…分からない。初めて会ったのは中学の頃。元々私はいつも一人。それで全然平気だった……最初は普通に声をかけてきただけ……

それで終わりのはずだった。でも…」

 

それでもメイちゃんは四季ちゃんと一緒にいてくれたみたいだね。と言うより四季ちゃんとメイちゃんの二人はお互い思いあってるみたいだ。

 

「本当はスクールアイドル好きなのに?」

 

「メイがこの学校を選んだのはスクールアイドルをやってみたいって思っていたから。Liellaがいたから」

 

「なのにいつまで経っても始めない」

 

「四季ちゃんは?スクールアイドル部に体験入部してくれたのはメイちゃんだけのため?」

 

「ごめんなさい」

 

「気にしないで」

 

「だとしたらメイちゃんきっと四季ちゃんを一人にしたくないんだと思う」

 

「なぜ?」

 

「だって科学部は四季ちゃんとメイちゃんしか…」

 

「訳分かんない。私はメイに何もしてあげてないのに」

 

なんと言うか……四季ちゃんも素直になれてないと言うか……まぁメイちゃんもだけど……この二人って似た者同士って事だよね

 

 

 

 

帰り道のこと……

 

「ひぃ~!腰が…夏美の腰が…!オニナッツですの~!帰ったら動画の撮影に編集もやらなきゃですの…あぁ忙しい…」

 

何か可愛らしい声の引っ越し業者さんだな~

 

「隠れて」

 

「えっ?」

 

四季ちゃんの言う通りに隠れると、曲がり角の所にメイちゃんがいた。

 

四季ちゃんはメイちゃんと向き合い……

 

「随分遅いな。どこ寄り道してたんだ」

 

「何?」

 

「どうするつもりなのか聞いておこうと思ってな」

 

「素直になった方がいい。スクールアイドル部の人みんないい人」

 

「私のことじゃねぇよ!お前のことだよ!」

 

「私は一人が好き。一緒にいてなんて頼んだことない」

 

「新設校だから部員が一人でも科学部はなくならない。心配しないで早くスクールアイドル部に行って」

 

「だから言ってるだろ!私は向いてないって!」

 

「じゃあ科学室にも来ないで」

 

「えっ?」

 

「興味もないのにいつもいられるとむしろ迷惑」

 

何だろうな~この二人の素直になれてないところと向いていないと思い込んでるところは……なんと言うか面倒くさい……

 

「向いていない……」

 

「ちーちゃん?」

 

ちーちゃんも昔向いてないとかで色々と思い悩んでいたのかな?

 

「とにかくあそこまでスクールアイドルに詳しいのデス!ゴールデンルーキーに違いないデス!何とかしましょう!」

 

「がっつくな」

 

「がっついてはいません!」

 

「はぁ…うまくいかないな…」

 

「向いてない…」

 

「えっ?」

 

「決めちゃってたよね、メイちゃん」

 

「できるって思えばできるかもしれないのに」

 

「ん?」

 

「かのんちゃん、あのね」

 

ちーちゃんのある決意を話した。ちーちゃんなりに向いていないからとかじゃなく、やってみると言う気持ちが強くなったのかな?

 

 

 

 

次の日、部長会が開かれていた。

 

「ではこれより結ヶ丘女子高等学校 第一回部長会を始めます」

 

「科学愛好会部長 若菜四季」

 

「スクールアイドル部部長 嵐千砂都です!」

 

ちーちゃんが部長か~確かに安心できる。

 

 

 

 

 

「千砂都さんが…」

 

「部長を!?」

 

「迷惑かけるかもしれないんだけど自分にもできるんじゃないかって。チャレンジしてみたいんだ」

 

「素敵です!」

 

「ついていきます先輩!」

 

「うん!」

 

さて後はメイちゃんと四季ちゃんの事だよね~

 

「紗桜莉ちゃん」

 

「何?」

 

「ちょっとお願いがあるの」

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

紗桜莉ちゃんと一緒に中庭でメイちゃんと会う私たち

 

「メイちゃん」

 

「はっ!なんだよ!?スクールアイドルなら始めるつもりはないぞ!」

 

「どうして?」

 

「分かるだろ。この顔だしこの性格だぞ。どう考えても向いてないだろ」

 

「やったこともないのに"向いてない"は禁止だよ」

 

「うるせぇ!」

 

「と言うよりスクールアイドルには向いてないとかないからね」

 

「……なんでそんなこと……」

 

「私が一番よくわかってるから」

 

「っ!?」

 

「紗桜莉ちゃん」

 

向いてないからとかを言い訳にしてるような感じがしていたんだよね。ちゃんと本音を話してほしいかな

 

「メイちゃんが迷っているのは四季ちゃんがいるからでしょ?一緒にいたいからでしょ?」

 

「そんなこと…大体アイツは一人の方がいいって言ってるんだ……私が邪魔だって…」

 

「そんなの嘘。メイちゃんだって気付いてる。だって2人はそっくりだもん」

 

「はぁ?私と四季が!?冗談言うなよ!全然違うだろ!」

 

「そうかな?恥ずかしがり屋で寂しがり屋で。そんな自分が嫌だからついついこれでいいんだって、私はこうしていたいんだって自分に言い聞かせて…」

 

「四季ちゃんも一緒だと思う」

 

「はぁ!?」

 

「屋上で二人を見たとき気付いたんだ。メイちゃんと一緒で 四季ちゃんもメイちゃんが好き」

 

「うっ!」

 

なんと言うか……かのんちゃん、口説いてない?いや、口説いてると言うより……イケメン発動してない?

 

「だからきっと四季ちゃんもスクールアイドルのこと…」

 

「…………ちょっと行ってくる」

 

メイちゃんは走り去っていく。多分行き先は科学室なんだろうな。

 

「紗桜莉ちゃん、行こっか」

 

「え?聞いてかないの?」

 

「聞くって何を?」

 

「二人の声を」

 

「え?」

 

この間、屋上でメイちゃんの制服のポケットに仕込んでおいたんだよね~小型集音機~

 

「紗桜莉ちゃん……でも気になるから」

 

「流石かのんちゃん、分かってる!」

 

早速二人でメイちゃんたちの会話を聞いてみることに

 

『そういうことか。まさかお前もとはな』

 

『別に好きじゃない。ただメイが興味あるみたいだから調べていただけ』

 

「何のことだろう?」

 

「声が聞こえる前に踊ってるような音がしたから……四季ちゃんが踊っていたのかもね」

 

「なるほど……」

 

『顔真っ赤だぞ』

 

『こんな笑顔一つ上手につくれない子にスクールアイドルなんて無理…』

 

「表情か~」

 

「私の憧れのアイドルの仲間の人がボード付けてたらしいよ」

 

「そんなまさか~」

 

『それ言ったら私はどうなる』

 

『それは平気。メイは可愛いから』

 

『お前の方が可愛いだろ』

 

『可愛くない!』

 

『ふっ』

 

『可愛い』

 

『い、言わないで…』

 

「これ、いちゃついてるね」

 

「え?え?」

 

面白いの聞けてるな~

 

『せっかく似たもの同士が出会えたんだ。少しだけ素直になってみないか?四季が近くにいてくれたら頑張れそうな気がするんだ』

 

「これ、告白してない?」

 

「してるね~」

 

『後、メイ……盗聴されてる』

 

『へっ?』

 

あ、バレたか。

 

『制服のポケットに集音機ある』

 

『マジか!?』

 

『なんて言ってみたけど、本当にあった』

 

『これ、紗桜莉さんのだよな?』

 

『きっとそう』

 

さて、音声はここまでにして……帰るか

 

「二人とも良かったね」

 

「そうだね」

 

そして次の日、新たなメンバーが加わった。

 

「今日から新たに2人が加わることになりました」

 

「うん」

 

「よ、よろしく…!」

 

「これは2人ともステップの前に笑顔の練習だね」

 

「仕方ないわね。お手本を見せてあげるわ。ギャラクシ…」

 

「結構デス」

 

「最後までやらせなさいよ~!」

 

「うぅ~!」

 

「部長」

 

「うん。部員も増えたしアレやってみない?」

 

「あれ?」

 

「私たちのライブ前のおまじない!」

 

「えっ!?恐れ多い!恐れ多い~!」

 

「大丈夫だよ」

 

「結ヶ丘女子スクールアイドル部 Liella!これからももっともっとたくさんの人に歌を届けよう!」

 

かのんちゃんたちは円陣を組み……そして……

 

「メイちゃん!」

 

「ソ、Song for me!」

 

「Song for you」

 

『Song for All!』

 

こうして8人になったLiella。さてどうなるのかな?これからは……まぁでもかのんちゃんたちなら大丈夫だよね

 




次回は……

夏美「ついにこのオニナッツのでば……」

劇的ビフォーアフターやります

夏美「え?」

オリストやります!感想待ってます!


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14 部室大改造

今回はオリストです!


理事長室にて……外は雷が鳴り響くなか、ある二人が話していた。

 

「それじゃ頼まれてくれるかしら?」

 

「えぇ、任せてください」

 

「本来なら専門家に任せるべきだけど、貴方なら専門家以上に信頼できるわ」

 

「予算ももらってる以上はしっかりやらせてもらいます」

 

「足りなかったら言ってね。追加分出すので」

 

「安心してください。資金は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

メイさんと四季さんの二人が入ってきてくれて嬉しいっす~

 

「ご機嫌だね。きな子ちゃん」

 

「えへへ、きな子と蓮華ちゃん以外に一年生が入ったから」

 

「確かに前までは二人だけだったし、私は一緒に練習すること少ないしね」

 

「本当に嬉しいっす~」

 

部室の扉を開ければ、もう二人とも来ていて楽しい活動が…………

 

「おっこいしょ~」

 

扉を開けた先には、ハンマーを持った紗桜莉さんが部室の壁を破壊している姿が…………

 

「へっ?」

 

「あれ?二人ともどうしたの?」

 

「いや、紗桜莉さん……何してるんですか?」

 

「え?見てわからない?」

 

見てわからないっすか?えっと、紗桜莉先輩がつなぎ服を着て、ハンマーで部室を…………

 

「すみれ先輩と可可先輩が何かやらかしたっすか……」

 

「なんでそうなるの!?」

 

「あれ?きな子ちゃんと蓮華ちゃん、どうしたの?」

 

「あ、千砂都先輩~紗桜莉先輩が~」

 

「あれ?あ、ごめん。一年生に連絡し忘れてた」

 

「「へ?」」

 

「ほら、部員が増えたから部室の増設をすることになってね。紗桜莉ちゃんがそういうの得意だからやってもらってるの」

 

「って言っても、一人だと大変だから、みんなに手伝ってもらってだけどね」

 

だからハンマーを……

 

「だから二人とも着替えてきて、四季ちゃんが科学室を更衣室として貸し出すって言ってたから」

 

「了解っす」

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

みんなが着替え終わり(恋ちゃんは生徒会で来れない)、改めてみんなに説明をする。

 

「さてととりあえず図面的にはスペースを広げるだけだから……」

 

「紗桜莉ちゃん、一応聞くけど……変な改造とかは……」

 

「あはは、するわけないじゃん。恋ちゃんに念を押されてるし」

 

全く恋ちゃんは信用がないんだから~

 

「それなら安心だけど……私たち、初心者だから出来ること限られてると思うけど……」

 

「とりあえず一年生には事前にちーちゃんに聞いておいた必要物品の買い物を頼んでいい?」

 

私はきな子ちゃんに買い出しリストを渡した。

 

「えっと、アコーディオンカーテンに……ソファー……え、これを買ってくるっすか?」

 

「一応言っておくと、買って配達してもらようにお願いしておいてね」

 

「了解っす」

 

「にしても……これ、お金とか足りるのか?」

 

「確かに……割と高いのとか多い……」

 

「お金は理事長が出してくれてるから大丈夫だよ」

 

「あぁ、その物品は私のお金から出してあるから大丈夫だよ」

 

「「「「「えっ?」」」」」

 

え?そんなに驚くことなのかな?とりあえず二手に分かれて作業開始するのであった。

 

 

 

 

「それにしても……紗桜莉が何でも出来るのには慣れたけど……本当に何でもできるわね」

 

「いやいや、流石に何でもは~」

 

「そんな謙遜するなんて……」

 

「逆に出来ないことはないのデスか?」

 

「流石に爆弾は作れないかな?」

 

「それ作る必要あるの?」

 

何があるか分からないからね~もしものために学んでおいた方がいいと思うし

 

「そう言えば紗桜莉ちゃんはお金とかあったんだね」

 

「確かに……仕送りとかかのんの家での手伝いでお金を持ってるとかデスか?」

 

「紗桜莉ちゃん、バイト代とか貰ってないよ」

 

「基本的には……宝くじとか買っていたら、いつの間にか……」

 

宝くじって案外当たるものなんだね~

 

「本当にこの子……凄いわ……」

 

 

 

 

 

 

 

きな子ちゃんたちも戻ってきて、作業を手伝ってもらい、後は買ってきてもらった物品を設置するだけになった。

 

「本当に普通に出来たわね」

 

「紗桜莉が何の仕掛けとか設置してないのは本当に驚きデスが……」

 

「あはは、そんな変な仕掛けとか設置しないよ~したとしても……バレないようにやるし」

 

「紗桜莉ちゃん……うん、まぁ何となく分かってたけど……」

 

こうして新しい部室が完成するのであった。それにしてもきな子ちゃんたち、けっこう遠慮して安いソファーとか買ってきたんだな~




次回、ついに……夏美回!

感想待ってます!


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15 自信とプロデュース

鬼塚は何も知らない……


蓮華side

 

ある日の教室にて、メイちゃんと四季ちゃんの二人がスクールアイドル部に入ったことでクラスの話題になっていた。

 

「スクールアイドル部へ入部!?」

 

「米女さんと若菜さんが!?」

 

「そうなんっすよ!そうなんっすよ!」

 

きな子ちゃんは喜びのあまり、二人の背中叩いてるけど……あれ、怒られたりしないよね?

 

「同じ学年の仲間が一度に2人も!」

 

「もっと応援しなきゃだね!」

 

「いつか3人の誰かがセンター取っちゃったりして!」

 

「いやいや~!まだまだ先輩には遠く及ばないっすよ~!」

 

「きな子ちゃん、少し落ち着こうか」

 

「はいっす、蓮華ちゃん」

 

「薊さんもソロアイドルとして、相花先輩と肩を並べるくらい凄いよね」

 

い、いや、私は……そんな……

クラスのみんながそんな風に話している中、隅の方で一人だけ何かを呟いているクラスメイトが……

 

「うぅ…まったく再生数が伸びない…いたた…引っ越しのバイトはオニですの…」

 

何だか腰を痛めてるみたいだけど……どうしたんだろう?

 

「見て!Liellaのフォロワーまた増えてるよ!」

 

「ほんとっす~!」

 

「Liella?なんと!いつの間にかこんなにフォロワー数が増えていたとは……そうですの。これを利用すれば…にゃは~マニーですの…マニーですの!あぎゃ!」

 

急に叫びだしたと思ったら……今度は変な悲鳴を……本当に大丈夫かな?

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

放課後、部室にて……

 

「じゃじゃ~ん!新たなメンバーを迎えるにあたり部室を拡大いたしました!」

 

「アンタ1人でやったわけじゃないでしょ」

 

「協力してくれた理事長と紗桜莉に感謝ですね」

 

「私たちやはり期待されているのね」

 

「まぁ私は頼まれたからね」

 

「因みに……変な改装とかは……」

 

「あはは、するわけないじゃん~」

 

そんなに信用ないかな?まぁバレないようにやってあるから大丈夫だけど……

 

「練習メニューも少しリニューアルしてみたよ。1年生も増えたしそれぞれに合ったところから始められたらいいかなって」

 

「さすがちぃちゃん!」

 

そう言えば……一年生は?

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

屋上できな子ちゃんたちと練習をしているけど……

 

「ひぃ~!さっきのステップ難しいっす!」

 

「私も…ってなんで四季は立ってられるんだよ!」

 

「私も結構ギリギリ」

 

「みんな、大丈夫?」

 

「蓮華ちゃんは本当にすごいっすね~」

 

「私は……まぁ前からやってたから……」

 

「……と言うか蓮華って、ソロアイドルの前は何処かのグループに所属してなかったか?」

 

「うっ!」

 

「そうなんっすか?」

 

メイちゃんが知っているのはまぁ当然だよね……うん、

 

「その…色々とあって…グループ抜けて…ソロアイドルに……」

 

「喧嘩とか?」

 

「喧嘩……だったらいいんだけど……」

 

あまりあの頃の事は思い出したくない……あんなこと……二度とごめんだ

 

「……わりぃな。嫌なこと聞いて」

 

「いや全然……いつか話せたら話すよ……」

 

私がなんて呼ばれていたとか……ね。

 

「何の話?」

 

すると急に千紗都さんが声をかけてきた。なんて答えれば……

 

「えっと、なんというっすか~」

 

「四季が割とダンスの練習で平気そうにしてるからって話ですよ」

 

「あ、そうなんだ。昔ダンスやってたの?」

 

「何も」

 

何とか話が逸れた。メイちゃん、ありがとう……

 

「ではもしかしてスクールアイドルの動画を見て家で練習したことが…」

 

「それは…」

 

「恥ずかしがらなくても大丈夫。ここにいるみんな全員やってるから」

 

「じゃあメイちゃんも?」

 

「嗜む程度に…」

 

「でもメイはそれだけじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

音楽室に移動して、メイちゃんの隠れた特技……ピアノ演奏を聞かせてもらっていた。

 

「まぁこのくらいなら……」

 

「メイちゃんすごい!」

 

「これは作曲の新たな力になりますね!」

 

「無理無理無理。勘弁してくれよ」

 

「うらやましいっす!」

 

「メイ、音楽とアイドルが大好きだから」

 

「だからちょっとだけだって!」

 

そんな謙遜するようなことではないと思うけどな~ピアノが弾けるって言うの本当にすごいと思うし……

 

「それに比べてきな子は…」

 

「そんなことないでしょ」

 

「歌詞ノートに書き溜めてるの知ってるわよ」

 

「あれはいい言葉が思い付いたら書き溜めてるだけで全然…」

 

「私のピアノだって恋先輩に比べたら…」

 

「私のダンスも…」

 

「いいんだよそれで」

 

「既にみんな上手だったら私たち先輩の立場がないでしょ」

 

「頑張って練習して少しずつ伸ばしていけばいいの」

 

「まだ始まったばかりなんですから」

 

うーん、これは……後でちーちゃんに話してみるかな?

 

 

 

 

練習が終わり、ちーちゃんに話があるといい、いつものバイト先で話すことになった。

 

「自信?」

 

「そっ、一年生の子達を見ていると、自信がない感じがするんだよね」

 

「あー、それだと私たちの励ましの言葉も……」

 

「ちょっと逆効果だったかな?でも悪いとは言わないよ」

 

「紗桜莉ちゃんって、本当にいい子だよね」

 

「あんまり褒めないでよ……」

 

そんな風に純粋な目で褒められるのは慣れてないんだけど……

 

「あれ?一年生って事は蓮華ちゃんも?」

 

「うん、あの子は……自信がないと言うか……自分が凄いって誇れない感じなんだよね……それも根深いものみたいでね」

 

「誇れないか~確かにそんな感じが……」

 

「とりあえずちーちゃんにはそこら辺注意して見てあげて、あと出来たらあの子達がやりたいってことを尊重してあげてほしい」

 

「分かった。紗桜莉ちゃん」

 

にしても本当にどうしたらいいものか……一回ライブとか企画してかのんちゃんたちを閉じ込めるか?あの改装した部室なら可能だし……

なんてね

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

公園のベンチにて、きな子ちゃんたちはため息をついていた。理由は練習の時にかのんさんたちに言われたことだ

 

「とは言ったもののやっぱり2年生はすごい人ばかり」

 

「っすね…」

 

「来年の今頃になれば先輩たちみたいになれてるのかな?」

 

四季ちゃんは端末を取り出し、一年間続けた場合の予想データを見せてきた。

 

「到底無理」

 

「ううっ」

 

「何とかしないと」

 

確かに追い付くにはかなり頑張らないと……でもオーバーワークはしないようにと注意されてるし……私からも……

 

『貴方みたいに出来ると思わないでよ!』

 

『薊さんって名前の通りだよね』

 

あんなことになってしまいそうだよ……

 

 

 

 

 

夏美side

 

見つけたですの。あのスクールアイドル四人……

 

「くっくっく。あの4人がスクールアイドル部に入ったことで1年生からの人気が急上昇中。私ともあろうものがさっさと利用すべきでしたの」

 

まさか近くにマニーを生み出すものがあったなんて……

 

「Liellaのフォロワー数と動画の再生回数、そこにオニナッツのプロデュースによって起きる効果を加えると…にゃは~マニーですの……この世は全てマニーですの~!」

 

それじゃ早速明日から……

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

次の日、新たな一年生が部室にやってきた

 

「新たな…」

 

「1年生?」

 

「急に次々と…」

 

「それだけ1年生にも浸透したということでしょう!」

 

「ついに来たデスカ…」

 

「ついに9人なんだな!」

 

「そりゃそうでしょ。8の次なんだから」

 

「だからすみれは何も分かってないというのデス!スクールアイドルにおける"9"は絶対数!」

 

「そう!数々のレジェンドスクールアイドルたちが作り上げた"9"の奇跡!」

 

「そうなんっすか?」

 

「みたい」

 

「まぁ私が憧れているスクールアイドルの場合は、13人+1人だけどね」

 

それに聞く限りだと……街中でライブしたり、5校合同ライブを成し遂げたとか……

 

と言うかくぅちゃんとメイちゃん……聞いてないし

 

「これでついに!」

 

「Liellaもレジェンドスクールアイドルの資格を得たのデス!」

 

「あの~…」

 

「はい!?」

 

「盛り上がってるところ…」

 

「はい!?」

 

「申し訳ないのですが…」

 

その子から改めて話を聞くと、どうにも入部希望ではないみたいだった。

 

「えぇ~!?入部希望じゃないの!?」

 

「ぬか喜びかよ!」

 

「アンタたちが早合点しただけでしょ」

 

「それではどういったご用件で?」

 

「ふふ~ん、私 鬼塚夏美と申しますの」

 

「CEO?」

 

「それきな子も昔貰ったっす」

 

「知らないの?代表取締役社長。ショウビジネスの世界では常識よ?」

 

高校生で社長なんて……まるで青い眼の竜をこよなく愛する社長みたいな……

 

「紗桜莉……何か変なこと考えてない?」

 

「気のせいだよ……」

 

たまにすみれちゃんに考えを読まれるのどうしてだろうか?とりあえず話を聞かないと……

 

「つまり?」

 

「はい。動画配信を中心にした株式会社オニナッツの代表を務めさせていただいておりますの」

 

「社長?高校生なのに?」

 

「別に最近では珍しいことではないですのよ~」

 

「ですからご用件は?」

 

「はい。今日来たのはご相談がありまして」

 

「相談?」

 

「はい、実は……我が社でLiellaさんのプロデュースを担当させていただきたいんですの~!」

 

「プロデュースってなんすか?」

 

「簡単に言うと企画と宣伝」

 

「イエス!はい!その通り!動画を配信したり、ネットを使ってLiellaの魅力を外に向けて広げたり」

 

「なんか大人の世界だね」

 

「そんなことありませんですの!今や高校生でも自分でプロデュースしている人はたくさんいる時代!」

 

「たしかにそういったことを誰かにお願いできれば練習に集中できますね」

 

「イエス!」

 

「悪い話じゃないっす」

 

「待って。言っとくけどお金はないわよ私たち」

 

「分かっておりますの。ご心配なく」

 

夏美ちゃんは契約書を見せてきたけど……さっきの動画の再生数を考えると……これは……

 

 

 

 

 

夏美side

 

これで上手く乗せられていれば、いける!

 

「とりあえずサインを~」

 

このスクールアイドル部の代表の方にサインしてもらえば……

 

「かのんちゃん、待った」

 

「え?どうかしたの?」

 

この人は……聞いたことがあるですの……噂では敵に回したらとんでもない目に遭うと……

 

「夏美ちゃん、この契約書……漢字間違えてる」

 

「へ?」

 

確認すると……確かに間違えていたけど……そんなのは……

 

「別にこれぐらい……」

 

「ダメだよ。こう言うのは漢字間違えると効力無くなるからね」

 

「そうなんですの?」

 

「ちょっと貸して」

 

相花さんは端末を奪い取り、直ぐに返してくれた

 

「修正しておいたから、はい、かのんちゃん、サインしておいて」

 

「うん」

 

全く私の計画がバレたかと思ったですの。まっ、噂はあくまで噂だから、案外この先輩はバカなんですの




オニナッツの未来は、今後の展開次第です。特にマニーに拘る理由がなんなのか次第で……某復讐代行業並の目に……

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16 Jは手の中に

今回あんまり話は進まないです


紗桜莉side

 

夏美ちゃんと契約したその日の夜、早速動画撮影をすることになった。

 

「皆さんにはゲームをしてもらいますの」

 

「ゲーム?」

 

「スクールアイドルの日常と言う事で…」

 

まぁそう言うのはいいかもしれない。かのんちゃんたちも納得して、くぅちゃんの家で大富豪をすることに……

 

「大富豪っても、この人数でやるの厳しくないか?」

 

「確かに…」

 

「それなら特殊なルールでデッキを2つ使ってやろう。それなら問題はないと思うよ」

 

「ふふふ、デッキを2つ使っても、可可には誰にも勝てませんよ」

 

くぅちゃん、すんごい自信満々だけど…得意なのかな?まぁとりあえず早速やってみることに……

 

第1ゲーム

 

ルール

 

手札は5枚

縛り、激縛、Jバック、8切り、ジョーカー、2での上がりは禁止

パスは何回でも可。ただし二回目はデッキから一枚引く。

 

 

 

可可「手始めに三!」

 

恋「えっと、ハートの5です」

 

千紗都「私はスペードの6で、縛りだよね」

 

かのん「えっと……ごめん、パス」

 

すみれ「私もパス」

 

きな子「スペードの7っす、確かこれで激縛っすよね?」

 

メイ「スペードの8で、8切り」

 

四季「じゃあ最初から……ハートの6」

 

蓮華「スペードの9」

 

紗桜莉「ジョーカー」

 

『えっ?』

 

普通に驚くよね。出せないからジョーカーは悪手だけど……私には関係ない!

 

紗桜莉「ジョーカー三枚!誰も出せないから流しての

ハートの4!」

 

第1ゲーム

 

1位 紗桜莉

2位 可可

3位 四季

 

 

 

「あり得ないのデス……何で紗桜莉の手札にジョーカーが4枚も……」

 

「たまたまだよ。それで貧民と大貧民のかのんちゃんとすみれちゃんは……何で外に?」

 

「動画を面白くするための処置ですの」

 

提案したの夏美ちゃんか……まぁいいや。貧民と大貧民は大富豪と富豪にカードを貰い、私たちもあげないと……

 

第2ゲーム

 

「ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!3」

 

第3ゲーム

 

「ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!1!」

 

第4ゲーム

 

「ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!9」

 

第5ゲーム

 

「ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!ジョーカー!6!」

 

 

 

 

「あ……あり得ないのデス…………デッキシャフルの不正かと思って、紗桜莉に触らせてないのに……」

 

「紗桜莉先輩、凄いっす~」

 

「まぁ切り札はいつだって私の手の中に来るからね」

 

そう言えば夏美ちゃん、一体何処に行ったんだろう?圧倒的な勝負過ぎて途中からいなくなったけど……

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

何だか紗桜莉ちゃんが圧倒的過ぎて、私たち全然中に入れてない。

 

「ねぇ、かのん。契約書見せてもらっていい?」

 

「うん、いいよ」

 

夏美ちゃんから送られた契約書をすみれちゃんに見せた。

 

「"報酬は受け取らない。ただし制作費の実費として動画収入を株式会社オニナッツが受け取ることとする"ってこれOKしたの!?」

 

「うん。別に私たちお金儲けしたいわけじゃないし」

 

「でも…」

 

「それに紗桜莉ちゃんも確認してるから大丈夫」

 

こう言うことに関しては、紗桜莉ちゃん頼りになるからね。

 

「配り終わりました~!始まりますよ~!大貧民と貧民はいいカードをここに~」

 

バゲットが下ろされてきた。それにしても本当に紗桜莉ちゃん強いな~

 

「そっちのカードもよこしなさいよ!」

 

「恵んでやるデス……え?紗桜莉?下りて渡して来いって……これは……はい……ワカリマシタ」

 

暫くして可可ちゃんが下りてきてカードを渡してきたけど……何で震えてるの?

 

「これで私たち5回連続貧民と大貧民だね」

 

「なにニコニコしてんのよ!少しは悔しがりなさい!」

 

「でも私こっちの方が落ち着くというか…」

 

「外でトランプしてたらおかしい人だと思われるでしょ!革命よ革命!反撃の狼煙を上げるわよ!今何持ってるの?カードを交換し合いましょう」

 

「ズルしちゃダメだよ」

 

それにしてもこんなことでいいのかな?私は改めて夏美ちゃんに質問をした。

 

「でも本当にこんなんで宣伝になるのかな?」

 

「ご心配なくですの。"Liellaの日常"というコンセプトですので皆さんは気にせず楽しんでくださいですの~。ではオープニング撮り始めま~す。オニナッツ~!あなたの心のオニサプリ!オニナッツこと鬼塚夏美ですの~!今日は何と夏美の通う高校のスクールアイドルが登場しちゃいますの~!エルチューバーとしてずっと思っていたLiellaに会いたい!その人気の秘密を探りたいんですの~!」

 

「すごいテンションだね……」

 

「ではLiellaの日常に潜入してみますの~!」

 

私にカメラを向けられた。そんな急には……

 

「私じゃなくてすみれちゃんの方 撮ってよ」

 

「ちょっと!」

 

「すみれ~順番ですよ~!」

 

「くぅ~!見てなさいったら見てなさいよ!」

 

それから暫くして、何故か全然順番が来ないのを不審に思った私たちは、可可ちゃんの部屋に行くと……みんな何故かパーティーゲームをしていたのだった。




紗桜莉が出した数字のカードは……3196。そしてジョーカー

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17 オニナッツの企み

オニナッツ次回加入かなと思うけど、もう一話かけそう……


結局、あの後みんなでパーティーゲームをやることになり、時間もいい時間なので解散となった。

 

「今日はお疲れ様でした~」

 

「案外ゲーム楽しかったね」

 

ゲームとかやったことない恋ちゃんが一番ハマってる。まぁこう言うのはやったことがないからだろうけど……

 

「恋ちゃんの意外な一面も見られたし」

 

「やりました!また1位です!」

 

「すっかり夢中だね」

 

まさか直ぐにゲームをダウンロードするなんて……本当にハマってるんだな~

 

「では失礼するっす」

 

「また明日デス~」

 

「夏美ちゃん今日は遊んでるだけだったけど大丈夫かな?」

 

「とんでもない。むしろそういう動画をファンは待っていたんですの。では後ほど編集して上げておきますの」

 

動画ね~まぁあの様子だと気付いてないみたいだから、今は放置しておこう。いや、今はと言うより……放置しておくことで罠が発動しやすくなるけどね

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

きな子ちゃんたちと一緒に帰りながら、自販機で少し話していた。

 

「楽しかったっすね~!」

 

「まぁな」

 

「普段は意外とみんな普通」

 

「そうっすよね。練習の時はどの先輩もすごいから近寄り難かったんっすけど」

 

「まぁ近寄りがたいのは年上だからって言うこともあると思うよ」

 

「そうっすね……」

 

「私たちが思ってるだけでそんなに差は…」

 

差を感じるのは本当に仕方ないけど……ちょっと気にしすぎだと思うけど……

 

 

 

 

 

 

次の日の朝練にて

 

「やっぱりある!」

 

「動けないっす…」

 

「ごめん。ちょっとハードだった?」

 

みんなに混じって練習をしているけど、やっぱりきな子ちゃんたちからしたら……練習も厳しいよね。私も割とキツいと思ったし……

 

「夏休み明けには地区予選が始まると思うとついつい力入っちゃって」

 

「気温も高くなってますから同じメニューでも負担は大きいですし」

 

「ペースは気にしていこう」

 

そう言えば……紗桜莉さんの姿はないけど……どうしたんだろう?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

私はある方法で夏美ちゃんの家にたどり着き、ある方法で家の中の様子を聞いていた。

 

『にゃは~!マニー!来ましたの!再生数が…再生数が…どんどんマニーになってゆく~!マニーは天下の回りもの。ついに私に回ってきたんですの~!』

 

楽しそうだな~さて、目的は分かった……と言うより分かりきっていた。後は理由かな。まぁどんな理由であれ、お灸を据えないといけないけどね

 

「まぁ今は楽しそうにしてていいよ」

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

放課後の練習で、また今日も夏美ちゃんが撮影をするみたいだった。

 

「オニナッツ~!あなたの心のオニサプリ!オニナッツこと鬼塚夏美ですの~!本日はLiellaの練習にいよいよ密着ですの。ラブライブ優勝候補 Liellaがどんな連取をしているか全国のファンそしてスクールアイドル注目の動画ですの~!気になるあなたはチャンネル登録&高評価お願いですの。それが夏美の心のサプリですの~!」

 

「相変わらずうっぜぇな」

 

「今日も暑いっすね」

 

「ちょっと心配」

 

「まぁ頑張ろう」

 

「ではLiellaに新たに加入した1年生とソロアイドルを紹介ですの~ん?何ですの?なんか暗いですの」

 

「いや別に…」

 

「今日も1日撮影するんっすか?」

 

「もちろんですの!この前のゲームの動画であれだけ稼げたんですのよ?練習となれば…」

 

「稼げた?」

 

ん?夏美ちゃん……薄々だけど……こうしてプロデュースする目的は……

 

「えっと……」

 

夏美ちゃん、焦ってるし……するとかのんさんたちがやって来た。

 

「遅れてごめ~ん」

 

「ちょっと話があるの」

 

「いや今はちょっと…」

 

「これからの練習をどうしていくかって」

 

「あ、そっちの話?」

 

「ん?」

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

部室に集まり、これからの練習について話し合うことになった。因みに朝練来なかったことをちーちゃんに聞かれたけど、ちょっと裏でコソコソしてると言ったら、「じゃあ気を付けてね」と心配された。

 

「では夏休みの練習予定を配ります」

 

練習メニュー見る限り、まぁ夏休み特別メニューって感じだよね

 

「うわっ…毎日…」

 

「本当にこんなにやるつもり?」

 

「当たり前です。サニパ様は今年も出場するのデスよ」

 

「ただオーバーワークにならないようバランスは考えたよ」

 

「サニパさんたちに勝たなければ全国には行けないからそれなりに厳しくはあるけど」

 

「そうっすよね。相手はサニパさんっすもんね…」

 

「そんなにすごいの?」

 

「そりゃ去年のラブライブの優勝者だからな。パー!うっ!」

 

あれ?サニパの事しか言ってないけど、誰か忘れてるような……えっと誰だっけ?あの泣きながら帰った……えーと……ドーン・ムラサメだっけ?サメ好きの?

 

「それに夏休み明けには学園祭もあります」

 

「そっか。そこでも歌いたいよね」

 

「ってことは別にもう1曲!?」

 

「Heavy…」

 

「1年生にそこまで求めるのはさすがに可哀想じゃないの?」

 

「確かに1年生は地区大会に備えて学園祭は2年生だけということも…」

 

「それはダメだと思う。だってこの8人でLiellaになったんでしょ?学校のみんなの前で歌うんでしょ?みんなそれを楽しみにしてると思うんだ」

 

「私もかのんちゃんに賛成かな。できる範囲でいいから頑張ってみない?」

 

「完璧じゃなくてもいいの。大切なのは8人で学校のみんなに歌を届けるってことだと思うから」

 

まぁかのんちゃんたちの練習とかには私は口を出さないようにしてる。何かしら間違っているときは口を出すとちーちゃん部長にも伝えてるしね。

 

「きな子はいいっすよ」

 

「Me too」

 

「分かったよ」

 

「なるほど。そういう構図になっているんですのね」

 

夏美ちゃんは何かしら企んでるのかな?まぁそっちは放置しておこう。

 

「どうかした?」

 

「いえ何も」

 

「あの……私は……」

 

蓮華ちゃんはこれからの練習について、何か気になったみたいで、手を挙げた。

 

「蓮華ちゃんは……ソロアイドルの大会もラブライブと近いから」

 

「同じ練習メニューの方がいいかもね。ちーちゃん、それでいい?」

 

「うん、ソロアイドル関係は紗桜莉ちゃんに任せるよ」

 

「と言うわけで蓮華ちゃん、それでいい?」

 

「はい……」

 

なんと言うか蓮華ちゃんは……私が口出すよりも同じ一年生のきな子ちゃん達に合わせて貰った方がいいかもね

 

「ではランニングいきましょう」

 

「夏美ちゃんはどうする?」

 

「あぁ…では撮影しながらついていきますの」

 

さてと私は私のメニューをやるから……今日はランニングないし……学校に保管してるバイクに乗って、先に向かってるかな。

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、待ち合わせ場所にあっさりたどり着いちゃったな~流石はバイク。

暫くしてみんなが来るのを待つと……

 

「ハァハァ…みんなどうかしてるんじゃない?」

 

まさか走って付いてくるなんて……ある意味根性あるな~夏美ちゃん

 

「お疲れ様。はいお水」

 

「ありがとうございます…」

 

「かたじけない…」

 

「同意…」

 

「ゆっくり休んでいいからね」

 

まぁ、この炎天下だと外で走るって言うのもキツいよね~

 

「ハァハァ…あんなに運動したのに全然息上がってないんですの…」

 

「そうなんっすよ」

 

「どんだけ鍛えてるんだ…」

 

「夏美ちゃん、今度から自転車貸そうか?」

 

「出来たらそうしますの……」

 

「改造してあるからちょっと大変だけど頑張ってね」

 

「改造?えっ?」

 

マニーの為ならあの自転車位ね

 

「今日は無理せずここまでにしましょう。歩いて学校に戻るデス」

 

「ハァ…頑張るんですの。全ては再生数、マニーのため…」

 

「ハ~イ!」

 

「ん?」

 

夏美ちゃんはスマホを構え始め

 

「では皆さんから一言ずつもらいますの~」

 

「えっ?今日は練習風景だけじゃ…」

 

「堅いこと言わず!LiellaのPRのためですの!カメラ目線で明るく画面の向こうの皆さんへ思いを込めて~!」

 

「うっ…。え、えっと…いや~…Liellaの澁谷かのんと言います。好きな食べ物は…」

 

「自己紹介ではないんですの。もっと自然に。笑顔ですの」

 

「え、えっと…ハ…ハハッ…ハハハッ…ハハハハハ~!」

 

かのんちゃんは逃げるように走っていくのであった。相変わらずだな~

 

「かのん!」

 

「後退していきました」

 

「っていうか逃げたね」

 

「まったく仕方ないんですの。では…」

 

夏美ちゃんは他のみんなの撮影をしようとすると、すみれちゃんがあるものを夏美ちゃんに見せた。あれって、オニナッツチャンネル……

 

「これについて話があるんだけど」

 

「エルチューブですか?」

 

「急に何の話です?」

 

「これこの前の動画とか確認したんだけど結構再生数稼いでるみたいね」

 

「それはよかったですの~」

 

「アンタ プロデュースとか何とか言いながら私たちを利用してお金儲けしようとしてるんじゃないの?」

 

流石に誰かしら気づくと思ったけど、すみれちゃんが気づくなんて……いや、当たり前か。そこら辺分かってそうだしね

 

「何を言い出すかと思ったら。すみれみたいな卑しい考えと一緒にするなデス」

 

「そうだよ。今日だって…」

 

「実は私も調べた。このままいくと将来的な収益は…」

 

四季ちゃんは収益の金額を見せた。かなり貰えるみたいだね。しかも……契約書通りなら総取りだしね

 

「こんなにですか!?」

 

「知らなかったデス!」

 

「私たちに内緒で…!」

 

まぁみんな怒るのも無理もないよね~

 

「うっ…いやえっとこれはですねぇ…」

 

「ちゃんと説明してもらえる?ショウビジネス的にはありえない話なんだけど」

 

夏美ちゃんに詰め寄るすみれちゃんたち。夏美ちゃんは苦し紛れに……

 

「あ、そこに伝説の神マニータイガー!」

 

そう言って逃げ出すのであった。

 

「紗桜莉!あんた、知ってたでしょ」

 

すみれちゃんは今度は私に詰め寄ってきた。普段の私なら知っていたから何かしら対策をしていたんだろうなと思っていたのだろうけど……

 

「知っていたけど、別にどうにかする気はないよ」

 

「どう言うことよ?」

 

「紗桜莉ちゃんが動かないなんて……具合悪いの?」

 

「直ぐに医者を……」

 

「いや、別におかしくなってないからね。ただ……泳がせてるだけだよ」

 

「泳がせる?」

 

「私は圧倒的に勝利するよりも相手が調子に乗れば乗るほど……勝つ誇っているほど……どん底に落とすのが好きなんだよね」

 

「あんた、笑顔が邪悪よ」

 

 

 

 

 

帰り道、かのんちゃんに夏美ちゃんのことを話した。

 

「夏美ちゃんが?」

 

「すみれさんの話が正しければですが」

 

「お金に関してはさすが勘が鋭いですね」

 

「言い方!」

 

「かのんちゃんはどう思う?」

 

「私は…」

 

「少し様子を見てみない?」

 

「えっ?」

 

「すみれちゃんの言うことが間違ってるって言ってるわけじゃないんだよ。でも何かある気がするんだよね。ダメ?」

 

「はぁ…ほんとお人好しなんだから」

 

「ここで私がダメって言ったら私が悪者みたいじゃない」

 

「ふふふっ。ごめん」

 

かのんちゃん……そう言うところがかのんちゃんの良いところだけど……正直……将来騙されそう……今度みんなに頼んで試してみよう……

 

 

 

 

 

 

「じゃあまた明日学校で」

 

「夏美ちゃんに会ったら気にしてないからって言っておいて」

 

「ラジャーです」

 

「メッセージも送っといた」

 

「それじゃ」

 

「お疲れ様です」

 

こうして今日の活動は終わるのであった。

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

帰り道、夏美ちゃんから返事がないことを気にする私たち

 

「夏美ちゃんどこに行っちゃったんっすかね。既読にはなるんっすけど」

 

「どう思う?」

 

「多分すみれ先輩が言ってることが真実。でもかのん先輩の言う通り夏美ちゃんには何かある気がする」

 

「きな子も夏美ちゃんのこと嫌いじゃないっすし」

 

みんな、かのんさんの事を信頼してるみたいだけど……本当に大丈夫なのか……もしかしたらって考えた方が……

 

「そこのあなたたち!」

 

すると何処からともなく夏美ちゃんの声が聞こえてきた。一体どこに……

 

「どこだ?」

 

「ここですの~」

 

「どこだ?」

 

「ナッツ~!」

 

歩道橋の影からサングラスをかけた夏美ちゃんが現れた。というか変装してたの?

 

「うわっ!うぅ…!」

 

メイちゃんは驚かされたことに怒るのであった。まぁ怒るよね……

 

「まぁまぁまぁ~」

 

私たちは場所を移動して、夏美ちゃんにかのんさんたちは怒ってないことを伝えた。

 

「では本当に怒っているわけではないんですのね?」

 

「はいっす。明日もよかったら来てほしいって」

 

「言ってた」

 

「ふぅ~。思ったよりチョロかったですの」

 

「ちょろ?」

 

今、ちょろいって言わなかった?この子!?

 

「では明日からも普段通りに」

 

「ってことはこれからも動画を公開するのか?」

 

「もちろん。それが私の仕事ですので。何かあるんですの?」

 

「いや事実だからしょうがないんだけどさ。もし日常だけじゃなくて歌やダンスの動画をLiellaのファンが見たら1年生と2年生で実力に差があるってハッキリ分かっちゃうよなって」

 

「それは…」

 

「きっと笑われるっす」

 

「間違いない」

 

三人とも……こんなとき……私が何かしら言えたら……でも言ったら……

 

「にゃは~思いつきましたの。私たちは全員1年生。皆さんにちょっとご相談がありますの」

 

 

 

 

 

 

 

そして次の日、昨日キメタことをかのんさんたちに話した。

 

『えぇ~』

 

「お願いするっす!」

 

「夏休み中 別行動したいって」

 

「何か気に障ることがありましたか?」

 

「言って。すぐに直すから」

 

「そうじゃないんっす。ただ先輩と一緒だとどうしてもきな子たち迷惑かけてるなって」

 

「だから1年生だけで自分たちを見つめてみたいって思ったんだ」

 

「分かった。部長として許可します」

 

「ちぃちゃん…」

 

「ごめんね。でも私この子たちの気持ち分かる。私もそうだったから」

 

「千砂都先輩…!」

 

「私たちも精一杯頑張るから夏休みの終わりに成長した姿見せて」

 

『はい!』

 

「蓮華ちゃんも?」

 

「はい、きな子ちゃんたちと一緒に……」

 

「そっか、頑張ってね」

 

紗桜莉さんも応援してくれている。頑張らないと……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

一年生たちの件……どうにも夏美ちゃんが関わってるみたいだね。屋上の集音機からの声を確認すると……

 

『クックックッ…うまくいきました~!うまくいきましたの~!分断成功。あとは夏美の思うがまま……マニーですの。マニーですの~!』

 

さて、私は……かのんちゃんたちがどんなに許そうとしても……あの子には本気で痛い目にあってもらわないとね。まぁ、今はまだだけど

 

 

 




一気に書きすぎた……
オニナッツの企みがどうなるか……
そして次回は北海道編か

感想待ってます


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18 心配する先輩

今回、紗桜莉の出番は……


蓮華side

 

科学室に集まる私、きな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃん。どうやら夏美ちゃんからある提案があるみたいで……

 

「グループ名っすか?」

 

「そうですの!せっかくLiellaの妹分として5人で始動するのですの。新たなグループ名が必要ですの」

 

五人って……私も入ってるんだ……

 

「例えばこれとか!」

 

ホワイトボードに書かれたのは……全力#?

 

「全力#?」

 

「た、例えば…」

 

次の候補にあげたのは……KIRARA……どこの漫画タイムなのかな?

 

「なんか雑誌みたいっす」

 

「そもそも私たちはLiellaの妹分じゃない」

 

「そ、それは分かってますの。え~っと…どちらかというとユニット!そうユニット名ですの!この夏だけの……」

 

「夏美ちゃん!」

 

「はい!」

 

「きな子たちが先輩と離れて練習を始めたのは先輩たちに追いつきたいからっす!優勝を目指すLiellaの力になりたいからっす!」

 

きな子ちゃんの言う通り、こうやって離れたのは、きな子ちゃんたちがかのんさんたちに追い付くために考え抜いた結果であり、別にユニットを作るためとかではないし……私も私で……

 

「はいはいですのですの。分かってますの」

 

「Liellaの力になれないならスクールアイドルやるつもりはない。少なくとも私はな」

 

「Me too」

 

「分かってますの。あくまで一案、一案ですの」

 

夏美ちゃんは一旦席を外すと良い、科学室から出ていく。私は気になることがあり、追いかけた。

 

「思ったより強情ですの。引き離せば思いのままにできると思いましたのに。ですが夏美は諦めませんの」

 

「諦めませんって?」

 

「ひぃ!?何だ。貴方ですの」

 

「あのね。夏美ちゃんは勘違いしてるかもしれないけど、私はソロアイドルだから……誰かとユニットとかは……」

 

「ソロアイドル……なるほどですの。貴方に違和感があると思ったら……」

 

違和感?違和感って何だろう?

 

「気がついていないですの?貴方はソロアイドルに逃げているようにしか思えないですの」

 

「えっ……」

 

逃げている……私が……

 

「確かに貴方は魅力があると思うですの。だけど何処か他人と一緒に組んだりしなくて済むと思っているように思えますの」

 

「…………」

 

反論が出来ないでいる。夏美ちゃんの言う通りかもしれない……私は何処か逃げているようにしか…………

 

「まぁ少し言い過ぎたですの……さて、気を取り直して今日は皆さんの日常を…あれ?」

 

科学室の扉を開ける夏美ちゃんだけど変な声をだしていた。そう言えば知らせてなかったっけ?

きな子ちゃんたちは荷物を持っている理由は、一年生だけで合宿をすることになったからだ。

 

 

 

 

 

 

千紗都side

 

「うい~っす!」

 

部室に入ると何だか雰囲気が暗かった。どうしたんだろう?

 

「…………」

 

「あれ?どうしたの?」

 

「隣が空気を重くしてるのよ」

 

見てみるとかのんちゃんが手で顔を覆い隠していた。本当に何があったんだろう?

 

「ここは幼馴染みの出番デス」

 

「う~ん…」

 

「どうしたの?」

 

部室だとみんながいるから話せない感じかな?とりあえず二人きりで話をするために屋上で話を聞くことに…………

 

「何が悪かったのかなって」

 

「悪い?」

 

「うん。せっかく1年生も入って夏休みはみんなで賑やかに練習だって思ってたのに」

 

「1年生言ってたでしょ。別に私たちが悪いわけじゃないって」

 

「でも……」

 

「とうっ」

 

うじうじ悩むかのんちゃんの頭に軽くチョップをする私。かのんちゃんは心配と不安で仕方ない感じなんだろうな~

 

「自分たちだけでやってみたいって言ったんだよ?私ね それはすごい素敵なことだと思う」

 

「その通りデス!」

 

すると可可ちゃんたちが屋上にやって来た。もしかして話を聞いていた感じかな?

 

「みんな!」

 

「何も言わずに待つのも上級生として必要なことです」

 

「私たちもさらにレベルを上げてギャラクシーな目標になるのよ!」

 

「それに夏休みが終わればいよいよ地区予選!その前には学園祭もあるのですよ!」

 

「うん!」

 

かのんちゃんも少しは元気になったかな?これで安心安心

 

「そう言えば紗桜莉は今日来てないのかしら?」

 

「確かに見てないデス」

 

「まさか……また変なことを……」

 

「あれ?かのんちゃん言って……ないか。あんなに悩んでいたんじゃ……紗桜莉ちゃんはね。実は春休みに会った知り合いの子達と一緒に出掛けてるよ。スクールアイドルの旅とかで」

 

「あの子……自由ね」

 

すみれちゃんが苦笑いしながらそう言うのであった……

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

「ようこそ!きな子の故郷へ!っす!」

 

一面ラベンダーが咲き誇る場所に私たちは来ていたけど……夏美ちゃんは……

 

「なんで?」

 

「しかしすごい所だなぁ」

 

「のどかで空気と食べ物おいしいっすよ~。ではまずきな子の家までランニングっす~」

 

「待つですの。なぜこんなことに?」

 

「なんだ?覚えてないのか?きな子の家で集中合宿するって決めただろ」

 

そう言えば夏美ちゃんは何かに夢中で聞いてなかったんだっけ?と言うか四季ちゃん、首大丈夫かな?

 

「戻らない……あのバスのせい…」

 

寝違いは辛いからね~って四季ちゃん、無理矢理首の位置を戻さなかった?

 

「それは分かっているんですの。なぜ私まで?」

 

「撮影するって言ったからっすよ」

 

「プロデュースのためならどんな所にでもついていって密着して記録残すって」

 

「言った」

 

『それが私の使命ですの!』

 

しっかり録音してたんだ……まぁこう言うのはしっかり記録として残しておいた方がいいって紗桜莉さんが言ってたもんね

 

「あれは言葉の綾というかそこまでというか…」

 

「立て替えていた交通費」

 

「え、それは…」

 

夏美ちゃんはしっかりと立て替えてもらった旅行費を四季ちゃんに渡すのであった。まぁ急だからお金持ってなかったって言うのもあるけど……

 

「マニーが…命の次に大切なマニーが…」

 

更に四季ちゃんは夏美ちゃんの身体に機械を取り付けると……

 

「ここまできな子ちゃんの家までランニング」

 

「なんですの?」

 

「ランニングマシーン」

 

リモコンを押した瞬間、走り出す夏美ちゃん。あれってもしかして自動的に走れる機械なのかな?

 

「ちょっ!ちょっと~!」

 

「きな子ちゃんの家どっち?」

 

「あっちっす」

 

「どうすんだよ」

 

「Reverse」

 

「止めて~!なんですの~!」

 

何と言うか……夏美ちゃん。頑張れ……




紗桜莉は果たしてどこに……
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19 薊の花

ちょこちょこ蓮華の過去に触れていきます


蓮華side

 

「よしよし、元気だったっす~」

 

四季ちゃんの強制ランニングマシーンで夏美ちゃんは疲れ果て、きな子ちゃんはペットの山羊(名前はクロミツ)を撫で回していた。

 

「死んだですの…」

 

「大丈夫か?」

 

「大丈夫なわけないですの。一体どれだけ練習すれば気が済むんですの~」

 

「仕方ないだろ。Liellaの力になるって決めたんだから」

 

「だからって…」

 

するとクロミツが夏美ちゃんを慰めようとしたのか、顔を近づけていた。

 

「うっ!」

 

「元気出せって言ってるっす」

 

「分かるのかよ…」

 

「もちろんっす!さぁ着替えたら練習っすよ!」

 

 

 

 

 

 

早速ランニングを始める私たち。夏美ちゃんも何とか付いていくけど……

 

「大丈夫?」

 

「これぐらい……まだまだ……」

 

そこまでしてやろうとするのって……何かあるのかな?もしかして大きな夢とか?

 

 

 

 

練習も終わり、きな子ちゃんの家に戻ると、凄いご馳走が待っていた。

 

「おかえりなさ~い!わざわざ遠くからありがとう。遠慮なく食べてね」

 

きな子ちゃんのお母さん……何と言うかきな子ちゃんに似てるな~

と言うか若すぎないかな?

 

「うまそう~!」

 

「大きな家…」

 

「ペンション経営してるっすからね」

 

「合宿にピッタリって感じだな」

 

「それにしても夏美ちゃん遅いっすね」

 

「なんか部屋にはいたみたいだけどな」

 

「それじゃきな子、呼んでくるっす!」

 

「それじゃ私も」

 

きな子ちゃんと一緒に夏美ちゃんを呼びに行くことになった。

 

「蓮華ちゃん、凄いっすね」

 

「えっ?何が?」

 

「だって、息を切らしたりもせず、練習についていってるっすから……今日は何とか頑張ってるっすが……」

 

「自信……ない感じ?」

 

「あはは、そんな感じっす」

 

だからこその合宿なんだろうけど……やっぱり……

 

「私は全然凄くないよ」

 

「へっ?」

 

「私はね……ソロアイドルをやり始めた理由は……逃げてきたからなんだ」

 

「逃げて来たっすか?」

 

「うん……夏美ちゃんにも逃げているようにしか思えないって言われたけど……本当にその通りだよ……」

 

「そんなこと……」

 

「…………私はね……薊の花なんだって……」

 

「薊?」

 

私はなるべく優しい表情で微笑んだ。そして…………

 

「夏美ちゃん、呼びに行こう」

 

 

 

 

 

 

夏美side

 

『オニナッツ~!今日はオニナッツ風 夏のスタミナスムージーをご紹介!』

 

この間の動画を確認するが……やはりと言うか……何と言うか……

 

「やっぱりスムージーネタでは全然稼げませんの」

 

たったの50再生……全然駄目ですの。やはり……

 

「ならば今日の練習動画をうまく加工して…」

 

『大人気スクールアイドル内紛!?』

 

これなら再生数を稼げますの!いや待て……もう少し……

 

「もう少し刺激的な方がいいかもれませんの」

 

『リエラ解散!?秒読み!?』

 

これなら見た瞬間、興味を持ち、みんな見始めますの!でも……

 

「う~ん…でも中身はただの練習風景ですの。まぁいっか。これで再生回数爆上がり~!マニーが転がり込んできますの~!」

 

「Liella解散…」

 

「うわぁ~!」

 

いつの間にきな子さんと蓮華さんが!?いや、動画の編集で気がつかなかったですの!?

 

「どうしたんっすか?」

 

「何でもないんですの。何でも…」

 

「もうご飯っすよ」

 

「今行きますの。すっかり編集に夢中で…」

 

「今日の練習風景っすか?」

 

「え、いえ。あの…大したものではないんですの。え~っと…あ、これですの」

 

「あっ!先輩たちのステージ!」

 

何とか誤魔化せた……ん?蓮華さん……何であんなに浮かない顔を?何か気になるですの……とは言え今は誤魔化している最中ですの!

 

「プロデュースに使えないかと思いまして」

 

確かこれは去年のライブ映像……街の人たちが協力したとか……

 

「このステージすごいっすよねぇ。メイちゃんたちとも話してたんっすけど きな子たちこれを超えるのが夢なんっす」

 

「夢?」

 

「きな子たちが入って1年生が増えたからこのステージを超えることができたって。Liellaはパワーアップしたって」

 

「それが夢?」

 

夢か……

 

「夏美ちゃんの夢は何なんっすか?」

 

「私?」

 

「CEOなんっすよね。何を目標にしてるんっすか?」

 

「別に特にないんですの」

 

「えっ?」

 

「強いて言えばお金をたくさん稼ぐことですの」

 

「なんで?」

 

「なんでって年を取った時に困らないようにですの」

 

夢なんて……何度も諦めた私には……

 

「さぁ今行きますの。先戻っててください」

 

「あ、うん」

 

「まったく。くだらないんですの」

 

夕食を食べようと庭に行こうと思ったけど、ちょっと気になる事があった。

蓮華さんに関して何かしら隠し事があるはずですの……

 

 

 

 

きな子side

 

 

 

 

かのんside

 

部室で夏美ちゃんが上げたばっかの動画を見ていた。これは……

 

「すご~い!」

 

「これ本気ったら本気!?」

 

「みたいです」

 

「こんなに人気があるんだ!」

 

「しかもコメントも高評価ばかり!」

 

「だから言ったのデス。恥ずかしがってないで積極的に動画もアップした方がいいって」

 

「よかった~!」

 

本当に良かった……きな子ちゃんたち、頑張ってるんだ……

 

「全く聞いてないデス…」

 

「1年生これなら自信つくかもしれないね」

 

「でもいいことばかりとは限らないわよ。逆に自信がつき過ぎちゃって…」

 

すみれちゃんはもしかしたらの話をしだした……

 

 

 

 

 

「アンタたちさ、そこ立たないでよ」

 

「今日からあなたたちはサポートメンバー」

 

「っす」

 

 

 

「なんてことに!」

 

いや、流石にそんなこと言い出さないでしょ……特にきな子ちゃん

 

「そんな曲がった性格しているのはすみれだけですよ」

 

「ツッコミ雑!」

 

「それよりもっと気になるのはあの夏美って子!あの子がわざわざ手伝うなんて何か企んでるとしか思えないんだけど!」

 

「私も気になっていました。一度ちゃんと夏美さんに話を聞くべきだと思います」

 

「でも北海道よ?」

 

「うーん、大丈夫だと思うよ」

 

「かのん、どうしてそう思うのデスか?」

 

「あんた、お人好しも……」

 

「えっと、お人好し……って言うのもあるけど……何となく大丈夫だと思う」

 

今はこの場にいないあの子を思い浮かべた。あの子ならきっと……

 

「ちぃちゃんはどう思う?」

 

「えっごめん。聞いてなかった」

 

「どうしたの?」

 

「あ、うん。ちょっとね。

これだけできるなら自信付けるためにハードルあげていいかもって」

 

ハードルを上げるって?どう言うことだろう?

すると紗桜莉ちゃんからメッセージが来た。今どこで何してるんだろう?と思いつつ、メッセージを見てみると……

 

「…………?」

 

何で紗桜莉ちゃん、強面の人たちと森に入っていくんだろう?あ、もしかしてこれは高地トレーニングとかそう言うのかな?それで周りにいる人たちが猟銃を持っているのは熊に対して用心しているからかな?うんうん




かのんちゃんはある意味信頼している主人公の紗桜莉は今回も出番がないという……
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20 夢を諦めない

今回ついに……主人公が帰ってきます


これは……私の幼い頃の記憶……

 

『私の夢は将来オリンピックで金メダルをとること!』

無邪気に夢を語るけど……

 

『夏美ちゃんまたビリだね』

 

運動会ではいつもビリ……だから次の夢を語る……

 

『私の夢はノーベル賞を取れるような科学者になること!』

 

次こそは……でも勉強は出来ず、結果は15点……

 

 

『私の夢はモデルさんになって世界を駆け回ること!』

 

今度こそは……

 

『全然伸びてない…』

 

やっぱりダメだった……どんなに夢を見ても、叶える事が出来ない。いつしか私は……

 

 

 

 

 

「はっ…嫌な夢…」

 

昨日、夢について話したから思わずあんな夢を……懐かしさなんて感じず、ただ虚しいだけだった。

 

 

 

 

 

もうみんな、起きているだろうと思い、外に出ると遅みんなが起きていたけど……

 

「えぇ~~!?」

 

「先輩たちと…」

 

「同じステップ?」

 

『うん。あとで振り付け送っておくから見て』

 

先輩たちと話してる?もしかして上げた動画を見てこんなことを言い出しですの?

 

「でも…」

 

『本当はプレッシャーになっちゃうから後で相談しようかと思ったんだけどあの動画見て思ったんだ。大丈夫だって』

 

「でも…」

 

『もちろん今のままじゃ難しいと思うよ?』

 

「はい…」

 

『夏休みの間がんばれば学園祭にはきっと間に合うよ』

 

『ファイトです。みんなが同じレベルに達すれば全員の自信になりますし ラブライブへの弾みになると思います』

 

「目標があった方が計画は立てやすい」

 

「まぁな。ラブライブで優勝目指しているんだもんな」

 

「分かったっす。やれるだけやってみるっす」

 

あの三人……口ではあぁ言ってますが……不安に思っているみたいですね

 

 

かのんside

 

きな子ちゃんたちとの回線を切ると、お父さんから電話がかかってきた

 

「お父さん?えっ!?忘れた!」

 

夏休みだし、今から行けば今日中には着くはずだよね。それに交通費も出してくれるみたいだし……

すると今度は紗桜莉ちゃんから電話がかかってきた。

 

「もしもし?」

 

『あ、繋がった。やっほ~久しぶり』

 

「紗桜莉ちゃん、何処にいるの?」

 

『んーちょっとね。今は北海道にいるけど』

 

北海道に……それなら……

 

「それだったら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

きな子ちゃんたちはかのんさんたちとの通話後……落ち込んでいた。

 

「動画が好評だったのはすごく嬉しいっすけどハードル上がっちゃったっすね…」

 

「千砂都先輩いきなりすぎるんだよ」

 

「まだ練習始めたばかりなのに」

 

こんなとき、何て声をかければ……それに声をかけたとして、私はきっと彼女たちを……傷つけてしまうかもしれない。

 

「オニナッツ~!あなたの心のオニサプリ!鬼塚夏美ですの~!今日も引き続きLiellaの練習をお届けしちゃいますの~!」

 

こんなときまで……夏美ちゃんはぶれないけど……

 

「へっ!?練習ってまだっすよ!」

 

「サボってるみたいだろ」

 

「実際サボってますの」

 

「いやこれは…」

 

「色々あったんだよ

 

「聞いてましたの。外から聞こえてきたので」

 

「じゃあ…」

 

「超えるのが夢なんでしょ?先輩たちのステージを超える。それが皆さんの夢だったはず!だったら責任は持つべきですの!」

 

責任を持つ……そうだよね……夢に対して……責任を持たないとダメだよね。

 

「それは……」

 

「諦めるくらいなら夢なんて語って欲しくない!動画撮影していて思いましたの。皆さんの夢は決して実現不可能な夢ではない」

 

それからみんなで練習をする中で、夏美ちゃんも少しだけ交ざる。何だか夏美ちゃんのお陰でみんな、一歩進めたのかもしれない。

 

「あなたはまだ悩んでるですの?」

 

休憩の時に夏美ちゃんが声をかけてきた。確かに私は……

 

「何があったかは知りませんが、貴方は逃げたのかもしれませんですの」

 

「うん……逃げたんだよね……」

 

「それなら……逃げた先で夢を叶えてもいいのでは?」

 

逃げた先で……でもそんなこと……

 

「それって……いいの?」

 

「それを決めるのは貴方ですの。ゆっくり考えるといいですの」

 

決めるのは……私……私は………

 

 

 

 

 

夏美side

 

「お湯加減大丈夫っすか?」

 

「ちょうどいいですの。ありがとうですの」

 

まさかこんなお風呂に入るなんて……それに場所が場所だから風情もあっていいですの

 

「ううん。お礼を言うのはこっちっす。昼間ありがとうっす」

 

「別に大したことは言ってないんですの」

 

「そんなことないっす。きな子思ったっすよ。夏美ちゃんすっごいなって。目標を持ってるってすごいっす」

 

「だからないって言いましたの」

 

「それは謙遜っす。目標を持ってなかったらCEOなんてやってないっす」

 

「だから目標なんてないんですの。本当にないからこうしているんですの。マニーを稼ぐくらいしかないんですの」

 

あんな風に夢を諦めることはしたくないですの……

 

「でも…」

 

「あとはひとりでできますので戻っててくださいですの」

 

「……」

 

「聞こえなかったんですの?」

 

「分かったっす」

 

夢なんて……もう……

考えていても仕方ないですの…一人でゆっくり浸かろうとすると、森の方から何か音が聞こえた。

 

「えっ?だ、誰?今度は誰ですの?四季さん?それとも…」

 

覗き?いや、こんな場所に来る人は………北海道……それに……まさか……

 

「クマ!?どどどどうするんですの!?このまま飛び出してペンションまで…いやダメですの!間に合うわけない!死んだふり?いやあれは通用しないって聞いたことが…いやぁぁああああ!」

 

茂みから何かが飛び出してきた。シルエットはまさに……クマ!?

 

「私、私」

 

茂みから出てきたのは……まさかのかのん先輩!?

 

「あれ?何か変な声がすると思ったら……かのんちゃんと夏美ちゃん、何してるの?」

 

すると別の方からマタギの格好をした紗桜莉先輩が……って何をしてるのって……こっちが聞きたいですの

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「実はお父さんの忘れ物を届けに…」

 

「クマの格好で?」

 

「これはその時にお父さんから。せっかくならみんなに差し入れだけでもしたくて。あ、東京のみんなには内緒ね」

 

「かのんちゃん、その格好だと、下手すると撃たれちゃうよ」

 

「あはは、気を付けるよ」

 

「それで紗桜莉先輩は何をしているですの?」

 

「私?トレーニングしながら、あちこち回っていたら、前にあったライダーの人たちと会って……一緒に回っていたら猟友会の人と知り合って……」

 

「猟師の真似事を……と言うか猟銃は持ってないみたいですの」

 

「流石にそれは年齢制限があるからね~あ、でも北海道だから鹿のお肉とかを……」

 

「ツッコミませんの……まったく。そんなにメンバーのことが気になるんですの?」

 

「そりゃそうだよ。同じくらい夏美ちゃんのことも」

 

「えっ?私?」

 

「きな子ちゃんと話してるのちょっと聞いちゃった。ごめんね」

 

「別に大したこと話していませんの。そうですの!ではここでかのん先輩にも動画に出演していただきますの!そうすれば…」

 

相変わらずだな~まぁ私も実はきな子ちゃんとの会話は聞こえてたけどね。

 

「それよりスクールアイドルやってみない?」

 

「は?」

 

「夏美ちゃんに9人目のLiellaになって欲しいんだ」

 

「話の脈絡が見えませんの」

 

「そうかな?夢がないならみんなと一緒に同じ夢追いかけてみない?」

 

「夢?」

 

「うん。もし夏美ちゃんに夢がないなら」

 

「……無理ですの」

 

「そうかな?」

 

「私はこれまでたくさんの夢を見てきて何も叶わないって分かったんですの。かのん先輩のような夢を見ていい人とは違うんですの」

 

「私も色々挫折してきたよ。結ヶ丘の音楽科に入るって夢を持ってたけどそれは失敗しちゃって…。でも可可ちゃんやみんなが教えてくれた。みんなとなら頑張れるよって!お互い欠けてるところや届かないところを補い合って一緒に夢を追いかけることはできるよって」

 

挫折を知っているからこそ、かのんちゃんは夏美ちゃんの気持ちが分かるんだね……まぁ私もだけどね。

 

近くの公園まで移動して、かのんちゃんはあることを提案した。

 

「私を真似して」

 

「なんで?」

 

「いいから」

 

かのんちゃんの動きを真似する夏美ちゃん。結構動けてる。

 

「じゃあ次!」

 

それを何度も続けていく。本当にかのんちゃんは……

 

「どう?気持ちいいでしょ?これをみんなで息を揃えて決める。応援してくれる人の前で!そうすると客席の人たちも心の中で一緒に踊ってくれるの。ステージ全てがひとつになる。それが最高の瞬間、そんなライブをすることが私たちの夢」

 

「夢…」

 

咲き誇る花たちが輝いて見え始める。きっとこれは……なんて臭いこと言うのもあれだよね。

 

 

 

 

 

そして夏休みが明け……

 

「オニナッツ~!あなたの心のオニサプリ 鬼塚夏美ですの~!今日はぬわ~んと結女の学園祭なのですの~!」

 

そう、今日は学園祭。そしてかのんちゃんたちにとっては大切な……

 

「い、いやだから私はいいよ…ほら恋ちゃん」

 

「はい。皆さん楽しんでくださいね」

 

「今年のライブは一段と気合い入っています!」

 

「ってそれよりオニナッツとの契約はどうなったの?」

 

「それは心配ないよ。だってもう夏美ちゃんもLiellaなんだから」

 

「ほんとにいいの?」

 

「まだそんなこと言ってるんっすか?」

 

「合宿中あんな練習してたのに」

 

「むしろ一番張り切っていた」

 

「いいよね?紗桜莉ちゃん」

 

「まぁあの契約書は夏美ちゃんが入ることで破棄されてる感じだしね」

 

「だってさ」

 

「それじゃみんな、頑張ってね。今日は何てたってみんなにとって大切な日なんだから」

 

「ではいきますよー!」

 

「これで9人!新しいLiella!」

 

新しい始まりだからこそね。私と蓮華ちゃんは裏方に回らないとね。

 

「今日は思いっきり…たのしんじゃおう!」

 

始まる9人の星たちの物語が……

 

 

ライブが終わり、夏美ちゃんは放心状態だった。初めてのライブだったからね。

 

「どうだった?」

 

「ですの…最高だった…ですの……見つけたかも!私の夢!」

 

こうしてLiellaは9人になったのだった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜

 

「実はあの契約書……ちょっとおかしなところがあったの知ってたんだ」

 

「そうなの?でもそれならどうしてサインなんか……」

 

「うん、夏美ちゃんの事が気になっていたと言うのもあるけど……もしも何かあったら……紗桜莉ちゃんがどうにかしてくれるって信じてたから」

 

「私がって……」

 

一応は制裁みたいなことを考えていたけど……

 

「紗桜莉ちゃんが私たちのことを大切に思っているくらい、紗桜莉ちゃんのことを信じてるから」

 

「////」

 

何て恥ずかしいことを……流石はイケメン状態のかのんちゃん

 

「あれ?紗桜莉ちゃん、顔赤いけどどうしたの?」

 

「何でもない///」

 




かのん「紗桜莉ちゃんは狩りをしていたの?」

紗桜莉「ううん、砂金を探していたんだよ」

かのん「砂金?」

紗桜莉「手がかりになる入れ墨を……」

夏美「危ないですの……」

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21 遠慮と必死

今回はオリストになります!


紗桜莉side

 

「何か御用ですの?紗桜莉先輩」

 

四季ちゃんに許可を貰って科学室で夏美ちゃんと話していた。

 

「ちょっとね。ほら、オニナッツの契約書の件でね」

 

「あれは契約破棄したのでは?」

 

「まぁそうだけどね……ちょっとやっぱり制裁が必要かと思ってね」

 

私がそう告げた瞬間、逃げ出そうとする夏美ちゃん。そんなことさせない!私は扉の鍵が勝手に閉まるリモコンのボタンを押した

 

「開きませんの!?」

 

「逃がさないよ~」

 

「な、何をするつもりですの?もしかして……マニーを!?それともエッチなことを!?」

 

「いや、しないから……夏美ちゃんにはお仕置きとして私企画の動画撮影をしてもらいます!」

 

「へっ?そんなことでいいですの?」

 

「うん、そんなことでいいんだよ」

 

「それなら楽勝ですの」

 

と豪語していた夏美ちゃんだけど……

 

 

 

 

 

「えっと、これはなんですの?」

 

「なんですのって、池の掃除だよ」

 

「だから動画撮影で池の掃除なんてするのですの!」

 

「え?『あのオニナッツが学校を綺麗にする』って企画だけど?」

 

「そんな企画あるですの?もっとこう……みんなが目を引くような……」

 

「これでも一応軽いやつを選んでるんだけどな~」

 

候補として『オニナッツ!バンジージャンプをしながら歌を歌う』とか『オニナッツ!深夜の廃墟に潜入!』とか考えたんだけどな~流石に色々とまずいから止めたんだけど……

 

「その顔……ヤバイものを考えていませんですの?」

 

「やりたい?」

 

「遠慮するですの」

 

「それじゃ池の掃除頑張ろう!」

 

 

 

 

 

 

夏美side

 

何とか綺麗にし終わったですの……でも……

 

「あんな数のカエルの卵……もうタピオカ見れませんの……」

 

「あぁ似てるからね~」

 

この先輩は……なんと言うか……本当に事故の後遺症で足を使ったことや体力に自信がないって本当ですの?明らかに嘘みたいだと思いますの……

 

「さて次は……」

 

「次なんてあるですの!?」

 

「もう疲れちゃった?」

 

この先輩……もしかして遠回しに仕返しをしているつもりですの?それだったら……

 

「先輩、もしかして……仕返しをしているですの?」

 

「はい?」

 

「私がかのん先輩たちを利用していたことに対して、怒っているからこんなことを……」

 

「まぁ…最初に言ったように、お仕置きは目的だけど…」

 

「それでも怒っているですの?」

 

「怒っている…けど。まぁそこはかのんちゃんに免じて私は許してるよ」

 

「…………」

 

「後は私としては遠慮とかしてほしくないからこんなことをしているだけ」

 

「遠慮ですの?」

 

遠慮って……そんなことした覚えがないですの

 

「なんと言うか……そこら辺をしっかりとね……確認したかったから……それに夏美ちゃん、そう言うことをして、反省して……つい遠慮とかしてほしくないから」

 

「……だからってこんな企画とかやらなくても」

 

「いや~そう言うのどう確認しようかと思ってね。掃除してて分かったよ。夏美ちゃんは反省もしてるし、仕出かしたことを罪の意識を感じて、距離を置こうとしているとかないからね」

 

「……紗桜莉先輩……」

 

「と言うわけでこれからもよろしくね。夏美ちゃん」

 

「はいですの!」

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

色々と反省しているのが分かったし、夏美ちゃんも遠慮とかしてないから良かった。

 

「そう言えば紗桜莉先輩の憧れのスクールアイドルについてちょっと調べてみたですの」

 

「そうなの?」

 

「天使と呼ばれたスクールアイドル……本当にそういう方がいるのか調べてみましたですの。そしたら……こんな動画が」

 

そこに映し出されたのは、私が病院で会ったあの人だった。投稿された日付を見ると、あの人が高校生の頃のライブ映像……

 

「普通に検索しても引っ掛からなかったですの。ただこの人が通っていた学校のスクールアイドルの動画の中に、関連動画としてあがっていたですの」

 

「…………そっか」

 

眩しいくらいの笑顔で、ステージを楽しむ姿……本当に私が憧れた天使だった

 

「あっていましたですの?」

 

「うん、この人だよ……」

 

いつか会える日を……私は……頑張らないと

 

「それと……ちょっと調べる過程で見つけたのが……」

 

夏美ちゃんが見つけた動画を見ると、それはあるグループのライブ映像……中学生たちが結成したグループみたいだけど……これって……

 

「この真ん中にいる子は……」

 

「うん……そうだよね」

 

そこには蓮華ちゃんが映し出されていたけど……何だか……

 

「必死だね」

 

「はいですの……今と違うですの」

 

この事は夏美ちゃんとの秘密にすることにした。もしかしたら蓮華ちゃんの触れてほしくない部分なのかもしれない。




最新話見て、思ったこと……恋ちゃんが一人で生徒会を回していたのなら……この作品内では…………紗桜莉ちゃんを一人で何とかしようとしていたのか……

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22 恋ちゃんのハマリゴト

今週の見て、思ったこと……役員決めてなかったのか……


恋side

 

上手くいかない……何度やっても失敗してしまう……もう少しなのに……もう少しで……もう少しで……

 

「クリアできますのに~」

 

「恋お嬢様……」

 

さつきさんに呆れられながらも、私はゲームに夢中になっていた…………

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

「こちらブレンドになります」

 

「ありがとうですの」

 

澁谷家の喫茶店で恋ちゃんと鳥坂さん以外のみんなが集まっていた。今夜は貸し切りにしている。

私はというと夏美ちゃんにブレンドコーヒーを待っていってあげた。

 

「ありがとうですの。因みにこちらは何とのブレンドですの?」

 

「ホットとアイスのブレンドです」

 

「それ、ただの温いコーヒーですの……」

 

「トッピングに山葵がありますがいかがですか?」

 

「嫌がらせですの!?」

 

「いや、紗桜莉ちゃん、何をしてるの?」

 

かのんちゃんはと言うと私と夏美ちゃんのやり取りを見て、苦笑いをしていた。

 

「いや、何となく」

 

「何となく乗っただけですの」

 

さて、今回こうして夜にみんなが集まったのは……ある発表があるからだ。その事についてくぅちゃんから話があるらしいけど、くぅちゃんは電気を消し、スマホのライトと自撮り棒を使い、スポットライトが当たっているような感じにして…………

 

「ついに……ついに……ラブライブの詳細が発表になりましたー!」

 

そう言いながらクラッカーを鳴らしたけど、これ、意味あるの?

 

「何やってんのよ。てか、何なのよこれは!?」

 

電気をつけたすみれちゃんはメロンとパンダの被り物をつけていた。あれって確か……

 

「お土産」

 

「メロン好きって聞いたのですの」

 

「にしてもこんな喫茶店貸し切りに出来るなんて」

 

「私の家だから」

 

「因みにこの子がまんまるだよ」

 

「丸い……」

 

そう言えばきな子ちゃん以外の一年生はここに来るの初めてだから、マンマルに会うのも初めてか

 

「だからってわざわざ貸しきらなくっても……」

 

「そうですの!マニーがもったいないですの!」

 

「相変わらずだね~」

 

「当然ですの!スクールアイドルを夢と定めた以上!私のマニーとインフルエンサーの知識を総動員して……Liellaをサポートするですの!」

 

「嬉しいような……」

 

「ちょっと怖いような……」

 

「まぁ私もサポートするから大丈夫だよ」

 

夏美ちゃん一人だと負担が大きいかもしれないしね。

 

「それはそれで不安になるんだけど……夏美ちゃんの色々が」

 

ちーちゃんは面白いことを言うな~そんな変なことをしないよ~

 

「そんなことよりも!ライブライブですよ!ラブライブ!」

 

「発表でしょ。去年もやったんだから今年もやるわよ」

 

「そう言う心構えだからすみれはダメなんデス!」

 

「はいはい、くぅちゃん、これでも飲んで落ち着いて」

 

くぅちゃんに特製ココアを渡し、飲ませると……

 

「うぐっ……甘甘です……」

 

「あ、うっかり砂糖を入れすぎちゃった」

 

もう少しは色々と落ち着いて欲しいからね

 

「それで今年の大会の内容は?」

 

「そうでした!ここで大会の詳細を……」

 

「何々、今年の予選はリモートで開催。歌は全て自由」

 

「わー先に言ってはダメです!」

 

「へぇーそれじゃ去年の独唱とラップみたいな課題はないってこと?」

 

「予選をリモートで開いて、東京大会に進出するチームを一気に絞りこむみたいだな」

 

「それだけ予選突破のハードルが上がった……」

 

「ただ自分達のやりたい曲で勝負は出来る!」

 

まぁ気合いが入ってるから大丈夫みたいだね。

 

「今回も私はサポートに入るけど、蓮華ちゃんはどうする?」

 

「私ですか?私は……」

 

「もしよかったら、蓮華ちゃんもLiellaに……」

 

「つぅ!?……止めておきます……私もサポートに……入ります……」

 

思った以上に大変みたいだな~本当にどうしたものか……

 

「紗桜莉はいいのデスか?申請もしておけば……」

 

「まぁ念のためにしておいてもいいけど、もしもの時のためにね」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

かのんちゃんは嬉しそうだけど……私は私で頑張らないとね!

 

「で曲はどうするの?」

 

曲に関しては明日練習で話し合うことになり、今日はこのまま解散となった。

 

私とかのんちゃんは一緒に片付けをしていると……

 

「蓮華ちゃん……何かあったの?」

 

「何かって?」

 

「その……Liellaに入ることを……と言うかチームで何かをするのを嫌がっているようにしか思えなくって……」

 

かのんちゃんも気がついたか……いや、多分みんなも薄々気がついている。蓮華ちゃんがグループに対して嫌がってることを……

 

「何があったかまでは分かってないよ。ただ……」

 

「ただ?」

 

「どうにも根深いみたいだからね……」

 

「そっか……」

 

 

 

 

 

 

次の日

 

準備運動をしながら、曲についてみんなで話していた。

 

「部長としてはやっぱりかのんちゃんが作詞、恋ちゃんが作曲がいいと思う」

 

「せっかく1年生が入ったのに?」

 

「でもきな子たちは初めてっす。ラブライブ出るの」

 

「Me too」

 

「むしろ私たちはいるだけで新鮮とも言えますの」

 

「確かに新鮮味があればあるほど、みんなの目に止まるからね」

 

とは言えやはり作曲の方を頑張ってもらわない……と?

 

「ん?」

 

何だか恋ちゃんが上の空とか言うか……寝ぼけてる?

 

「実績…あとひとつ…」

 

実績?なんだろう?学校関係じゃないみたいだし……

 

「あれ?寝てるんですの?」

 

「スヤスヤ~?」

 

「っすね」

 

「お~い恋ちゃん。恋ちゃ~ん?」

 

「ローリング…ローリング…後ろに回って一撃…ここでパリィ…落ち着いて回復…」

 

「何言ってんだ?」

 

「寝不足なのかもね。昨日も喫茶店来なかったし」

 

「うーん、鳥坂さん。何か知らない?」

 

メイドとして働いてるなら何か知ってるみたいだけど……

 

「えっと……言えないです」

 

明らかに何か隠してけど……なんだろうな?

 

「最近生徒会がかなり忙しいって言ってました」

 

「そうなんだ」

 

「と言うか未だに生徒会は恋ちゃんが回してるからね」

 

「紗桜莉……あんた、分かってるならあんまりあちこちいじり回すのやめたら?」

 

「えーこう見えて一応セーブしてるんだけどな~一年の頃に比べて」

 

昔は色々と改造はしたけど、今は頼まれた仕事の中でちょっと改造したくらいだし……にしてもやはり心配だな~

 




意外と紗桜莉とオニナッツはいいコンビ?
感想待ってます


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23 ひみつごと

オリストの内容を考えていますが……結末に悩みまくりです


かのんside

 

恋ちゃんの事で理事長に話を聞こうと思い、私は理事長室の前に来ていた。

 

「何か知ってるかな?」

 

ノックをするが、返事がない。どうしたんだろうと思い、ドアを開けると……

 

「あ゛ーーーー、効くわね~」

 

ソッと扉を閉めた。えっと、理事長は何をしてたんだろう?何だかマッサージチェアに座っていたような……うん、気のせいだよね?

私は気を取り直してノックをすると……

 

『どうぞ』

 

今度は返事が返ってきたので、中に入った。

 

「澁谷さん、どうかしたのかしら?」

 

「いえ、理事長もさっき……」

 

「さっき?」

 

「何でもないです」

 

気のせいだよね。うん、そう思うようにしよう……

私は恋ちゃんの様子について話すと……

 

「オーバーワーク?」

 

「はい」

 

「だからそろそろ書記や会計も入れて生徒会をちゃんと作った方がいいと忠告したのに、あの子まだ生徒も少ないからってずっと一人で…」

 

そっか……きっと恋ちゃんは去年の事も気にして一人で背負い込んでるのかな?

 

私は理事長室を後にすると……恋ちゃんが慌てて声をかけてきた。

 

「かのんさん!」

 

「ん?」

 

「すみません!気付いたらこんな時間で!」

 

「ううん。それより恋ちゃん忙しそうだね」

 

「いいえ心配ご無用です。あ、ラブライブ発表になったんですよね?」

 

「うん。だから曲作りを始めたいなって」

 

恋ちゃんからOKを貰うけど……本当に大丈夫かな?

 

 

 

 

 

メイside

 

部室に向かいながら、恋先輩のことを話す私たち。

 

「恋先輩 作曲引き受けたのか?」

 

「大丈夫なんですの?」

 

「かのん先輩何度も聞いたらしいけど」

 

「"心配ご無用です"と」

 

「責任感強いんだな」

 

って言っても、あの人……生徒会の仕事に作曲……更には紗桜莉先輩のぼうそ…………注意……本当に大丈夫なのか?

 

「あ、教室にノート忘れてきちゃった。先行ってて」

 

みんなと別れ、ノートを取りに戻ると……ピアノの音が聞こえてきた。何だろうと思い、ピアノの音が聞こえてきた音楽室を覗き込むと……あれって……

 

「ふぅ…うぅ…あ…もう一回…」

 

「やっぱり恋先輩だ。何やってるんだ?」

 

気になり、そっと近寄るが……恋先輩は気がつかず、何かを夢中でやっていた。

 

「いける…いける…くぅそこ!よしよしうわわっ!うわ~!あぁ…またしても…」

 

スマホゲーム?と言うか本当に何をやってるんだ?

 

「なんだそりゃ?」

 

「はい。深淵の王プニロードです。ここが全く進めなくて…」

 

「はぁ?」

 

「メイさん…?」

 

「あはは…」

 

ようやく私がいることに気がつくと、恋先輩は思いきり頭を下げまくった。

 

「お願いします!誰にも言わないでください!このことは誰にも!」

 

「い、いやちょっと…」

 

「そうだ!メイさんスクールアイドルが好きなのですよね!?分かりました。今すぐSunny Passionさんに連絡して一緒に写真の手配を…」

 

「いやちょっと…」

 

「違うというのですか!?」

 

こんな恋先輩、見たことないんだけど……

 

「分かりました。カルボナーラパンですね。購買部に行ってまいります」

 

「えぇ…ちょっと待て!待て待て!一体何があったんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

さつきside

 

恋お嬢様が帰ってきたので、出迎えると……

 

「あれ?メイさん」

 

「あ、鳥坂先輩……その、メイド服なんですね」

 

「ここではメイドなので……それで珍しい組み合わせですけど……お嬢様?」

 

「さつきさん……あの部屋にメイさんをお連れします」

 

まさか……メイさんにバレてしまったの……だがバレた以上は仕方ないですね

三人であの部屋に行くと…………

 

「うそだろ…」

 

その部屋にはありとあらゆるゲーム機が置かれていた。流石のメイさんも驚きを隠せないでいた。

 

「まさかこんなことになるとは…」

 

「こんなゲームマニアだったのか?」

 

「いえ。元を辿ればこの前…」

 

そう、それはこの間の事だった。

仕事中の私とサヤさんの二人にお嬢様があることを訪ねてきた。

 

「ゲーム?」

 

「はい。以前可可さんの家で遊んでからずっと気になっていまして」

 

そう言えば前に紗桜莉さんが言っていたような……はじめての事で楽しそうにしていたとか

 

「良いと思います。恋様は今まで少し頑張りすぎてきたように思います。羽を広げて少し趣味に興じてみてはいかがですか?」

 

「私の家にもゲーム機あるので持ってきますよ」

 

それから恋お嬢様は夢中でゲームをやり始め……

 

「いけません。こんな夜遅くまで。これでは勉学に支障が…」

 

支障が出ることに気がつき、止めようとしたが……私とサヤさんの二人がある届け物を渡した。

 

「恋様、お父様が今まで苦労させてしまったお詫びにご興味がおありならと」

 

「こちら有名な会社のゲームですよ」

 

「まぁ!」

 

次々と届くから、気がついたら今のような状態に……

 

「だからってやり過ぎだろ」

 

「お父様から送られてくるゲームがどれもこれもとても面白く…」

 

「私も止めるべきなのですが……恋お嬢様のあの楽しそうにしている姿を見ていると……」

 

「この家のメイドは大丈夫なのか?」

 

それから恋お嬢様がメイさんに色んなゲームをやらせ…………

 

「こうやって毎日充実したゲームライフを送っているうちに…」

 

「寝不足ってわけか」

 

「はい…」

 

恋お嬢様はポケットからある鍵を取り出した。あれって……

 

「あの…これを預かっていただけませんか?」

 

「はい?」

 

「この部屋の鍵です。作曲が終わるまででいいのです。ゲームがなければ作業に集中できると思うので」

 

「私が?かのん先輩にで持っておいてもらえばいいだろ?」

 

「そういうわけにはいかないのです!仮にも私は生徒会長。この学校をまとめる存在でなければ行けません。こんなことがバレた日には…」

 

 

 

 

「生徒会長がゲームに夢中の学校が?」

 

「ラブライブで勝てるわけないデス…」

 

「がっかりだわ」

 

「恋ちゃん嫌い」

 

 

 

 

「あぁ~!スクールアイドル部は終わりです~!」

 

「なんか千砂都先輩だけキャラが違う気がするけど……と言うか紗桜莉先輩も入れてあげろよ」

 

「あの人に知られたら……」

 

 

 

 

 

「そっか~恋ちゃん、ゲームに夢中なんだ~生徒会の仕事そっちのけで。罰としてゲーム機全部売り払うね。これで全部解決だよね」

 

 

 

 

 

「何てことに……」

 

「いや、あり得ないだろ……」

 

「とは言えメイさん。お願いできませんか?私だと……甘さを見せてしまいそうで……」

 

メイさんは渋々鍵を預かることを引き受けるのであった。




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24 みんなでやるからこそ

千砂都「かのんちゃん、私も禁断の恋をしてるの」

かのん「え?もしかして……わた」

千砂都「この星の○ービィってすごく丸いんだよ!」


蓮華side

 

きな子ちゃんと一緒に教室に入るとメイちゃんが何かを見つめていた

 

「困ったな…」

 

「ん?何っすか?その鍵」

 

「な、なんでもない!」

 

何だろう?普通の鍵みたいなのに、あの慌てようは……

 

「今日は恋先輩元気っすかねぇ?」

 

「まぁ見守るしかないんじゃないのか。恋先輩なら何とかするって」

 

「だといいんっすけど…」

 

「メイ何か隠してる」

 

四季ちゃんはゴーグルを付けて、メイちゃんを見つめた。四季ちゃんもメイちゃんが何かを隠している事に気がついてる……

 

「か、隠してなんか…」

 

「本当に?」

 

「やめろ~!」

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

ちーちゃんと二人で歩いていると、かのんちゃんが掲示板に貼られているあるものを見つめていた。あれって、生徒会役員募集の……

 

「恋ちゃんのこと?」

 

「うん。1年生が入ってきてから生徒会の仕事絶対増えてるよね」

 

「今年は他に立候補者もいないから恋ちゃんが会長のままだし。私たちに手伝えることがあればいいんだけど…」

 

「恋ちゃん……責任感強いからね~」

 

まぁ責任感と後は去年の事もあるから……

 

「ちぃちゃんは部長頑張ってるじゃない。紗桜莉ちゃんも色々と学校奉仕とかやってるし……」

 

私のはあれで奉仕にはいるのか微妙だと思うけど……

 

「気になるんだ?」

 

「去年 生徒会長選挙の時、私結局立候補しなかったし何か力になれないかな…」

 

「じゃあやってみたら?」

 

「私なんて…」

 

「私も部長にチャレンジしたよ。自分ができないって思い込んでるだけ。かのんちゃんの言葉だよ」

 

「とりあえずかのんちゃんがしたいようにすればいいと思うよ」

 

それにしても恋ちゃんは一体何に悩んでるんだろう?仕事量が多いから寝不足って訳じゃないし…………

すると夏美ちゃんから電話が来た

 

「もしもし?どうしたの?え?すぐに来てほしい?」

 

何が何だか分からず、とりあえず夏美ちゃんが指定した場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

指定された場所で私は夏美ちゃん、四季ちゃん、きな子ちゃん、すみれちゃん、くぅちゃんと隠れながらメイちゃんの動向を追っていた。

 

「来ました」

 

「部室に向かっていますね」

 

「ちょっと」

 

「引っ張るなデス」

 

「気付かれるっつ~の」

 

二人とも……静かにしないと気づかれるよ……

 

「で?」

 

「はい。四季ちゃんがメイちゃんには必ず何かあるって」

 

「見るですの」

 

メイちゃんに恋ちゃんが声をかけて、何処かへ行く……何だろう?あの二人があんな風に隠れて話す中だっけ?私たちは二人を追い、裏庭で隠れて動向を伺う……

 

「恋?」

 

「2人で密会!?」

 

「何デス?何の相談デス?」

 

「なんか深刻そうっすけど…」

 

とりあえずあそこのベンチに仕掛けた盗聴機で話を聞かないと……みんなには聞き終えたら話せばいいし……

 

 

 

 

『できない?』

 

『はい。曲を作らねばと考えれば考えるほどゲームが脳裏をよぎり…』

 

『思ったより重症だな』

 

『あぁ…私はどうすれば…』

 

『重く考えすぎだよ。そういうときは誰だってあるさ』

 

『そんな。許されないことです』

 

『私だってテスト勉強中にスクールアイドルの映像見たくなったりすることあるぞ』

 

『そういうときどうしているのです!?どうかご教示ください!』

 

 

 

 

 

 

なるほどね……恋ちゃんがゲームに夢中なのか……もしかしてこの間みんなでゲームをしたときから?だとしたら、恋ちゃんがあんな風に夢中になれる趣味が出来たのは嬉しい事だよね。

 

「見た感じあの目は…」

 

「恋?」

 

「……!」

 

「恋」

 

事情を説明する前に何か勘違いしてるけど……まぁいいか

 

 

 

 

 

部室に移動して、くぅちゃんたちはどうするか話し込んでいた。

 

「どうするんデス!?どうするんデス!?」

 

「決まってるでしょ!ショウビジネスの世界で恋愛は格好のスキャンダル!止めなさいったら止めなさい!」

 

「いえ これはむしろ一気に炎上してあえて注目を浴びる作戦ですの!え~っと"Liellaメンバーに熱愛の噂…"」

 

「やめなさい!」

 

四季ちゃんはマジックハンドで夏美ちゃんのスマホを奪った。四季ちゃんも思った以上に慌ててる……

 

「禁止」

 

「返すのです!」

 

「お待たせ~」

 

すると渦中のメイちゃんが部室に入ってきた。これは……面白いことに……

 

「お、おはようっす」

 

「練習始めないのか?」

 

「もちろん始めますよ。でもその前に…」

 

「ていやっ」

 

恋ちゃんとの仲を聞き出そうとするくぅちゃんにすみれちゃんはチョップを喰らわした。

 

「痛いデス。一体何デスカ?」

 

「何いきなり聞いてんのよ」

 

「ほっとけっていうのデスカ?」

 

「デリケートな問題よ。順番があるでしょ順番が」

 

「なんだ?」

 

「メイ、好きなら好きだって正直に言って」

 

「オニ直球!」

 

「どうするんっすか?」

 

「うぃ~っす!ん?どうしたの?」

 

そして何も知らないちーちゃんが今の状況に疑問を感じるのであった。うん、これは本当に面白そう……

 

 

 

 

「付き合ってる!?私と恋先輩が!?」

 

「禁断の世界!」

 

「正直に言って」

 

「なんでそんな話になるんだよ!」

 

「だって裏庭で熱く語り合ってたっす」

 

「手を取り合って!」

 

「見つめ合って!」

 

「抱きしめ合って!」

 

「勝手に盛るな!」

 

「やはり禁断の世界!」

 

「信じるな!」

 

「まぁまぁ、案外そう言う愛も認められてるから」

 

「あんた……悪ノリしてないか?」

 

まぁ今回の件は私が真実を告げるよりかはね。

すると四季ちゃんは不機嫌そうにしながらメイちゃんを問い詰めていた。

 

「じゃあ何を話していたの?」

 

「怒濤の追い込みデス」

 

「緊張感あるわね」

 

「恋先輩の相談に乗っていて…」

 

「相談?何?」

 

「ちょっとした…」

 

「ちょっとした何?言えないことなんだ?」

 

「そういうわけじゃないけど…」

 

「今話したくなる飲み物あげる」

 

「やめろ」

 

「……」

 

「四季……」

 

なんと言うか四季ちゃんも色々と言いたいことを言えないって言うのもあるけど、まぁ二人の関係だから見守る感じでいいかな?

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

あることを理事長から許可を貰い、私は音楽室に行くと……

 

「ゲームはもう……」

 

「ゲーム?」

 

「かのんさん!?」

 

「驚かせちゃってごめん」

 

「あぁいえ…何かあったのですか?……あ、もしかして練習…」

 

「ううん。ちょっと話があって。あの…急な話でビックリするかもなんだけど私に副会長やらせてほしい」

 

「副会長…?」

 

「力になりたいの。恋ちゃんがお母さんから受け継いだこの学校を私も一緒に盛り上げていきたい。頼りない私だけど恋ちゃんを助けることができたらなって。どうかな?理事長の許可はもらってきたよ。あとは恋ちゃんさえよければ…」

 

これが私に出来る精一杯の事だから……

 

「かのんさん……」

 

「じゃあ私 生徒会室で準備してるから後で仕事教えて」

 

「あの…」

 

「ん?」

 

「いえ。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

何とか誤魔化したメイちゃんを私はこっそりと後をつけると、音楽室からかのんちゃんが出ていき、メイちゃんは恋ちゃんに話しかけていた。

 

「いいのか?」

 

「えっ?」

 

「今の話全部聞いてた。正直に全部話した方がいい」

 

「ですが……」

 

「かのん先輩、本当に恋先輩のこと考えているんだぞ。恋先輩の力になりたいって」

 

「怒らないでしょうか?かのんさん」

 

「さぁ?もしかしたらすごい怒っちゃうかもな。"こんなに心配したのに!"って、でもそれでもいいと思う。友達ってそういう部分を互いに知ってたまには喧嘩もして仲良くなるもんだろ。私も昔 四季と…」

 

「まぁ気になるなら、生徒会室に行ってみたら?」

 

「「紗桜莉(先輩)さん!?」」

 

「ごめんね。恋ちゃんの寝不足についてはある方法で聞いたけど……」

 

「うぅ…怒ってますよね?」

 

「全然。私としては恋ちゃんがそんな風に夢中になれる趣味やそれに普通の子みたいな悩みが出来たことをちょっと嬉しく思えるけどね」

 

「紗桜莉さん……」

 

「と言うか……ある方法って……いや、何も言わない方がいいな」

 

恋ちゃんは直ぐ様生徒会室へと向かい、私とメイちゃんもそれを追った。

 

 

 

恋ちゃんは生徒会室に入ると……かのんちゃんだけじゃなく、みんなも集まっていた。

 

「恋ちゃんどうしたの?」

 

「みなさん……」

 

「かのんが整理手伝ってって言うから」

 

「動画で記録も一発管理!」

 

「何か忘れ物?」

 

「私はその…ちょっと様子を…あの!」

 

恋ちゃんはみんなに打ち明けた。今の自分がこうなっている理由を……

 

 

 

 

 

 

「ゲーム?」

 

「はい…」

 

「それで…」

 

「寝不足?」

 

「黙っていてすみませんでした!」

 

『あはははははっ!』

 

みんなが笑うけど、みんなからしてみれば、本当に対した理由で疲れているのではないことに安心してるからこそだね。

 

「えっ?」

 

「なんだそうだったのか~!よかったよ~!」

 

「それならそうと早く言いなさいよ」

 

「レンレンがそんなにゲームに夢中になってくれていたなんて」

 

「いや…その…でも…」

 

「恋ちゃんにもそういうことってあるんだね」

 

「なんだか嬉しいね!」

 

「ずっと遠い世界の人だと思ってたっすから」

 

「怒ってないのですか?」

 

「そうだね。じゃあ黙ってた罰として…」

 

かのんちゃんは邪悪な笑顔であることを提案した。

 

 

 

 

 

私たちは恋ちゃんの家に来て、ゲームをすることになった。これがかのんちゃんの提案だ。

 

「すごいっす~!」

 

「これはかなりレアなゲーム機デスよ!」

 

「マル~!」

 

「いいのですか?みんなでゲームだなんて」

 

「うん。みんなと思う存分やればスッキリするかなと思って」

 

「それにね。恋ちゃん。こう言うのはみんなでやった方が一番楽しいからね」

 

「紗桜莉さん……」

 

「そのメイが言ってた。進めないところがあるって」

 

「はい。実は…」

 

恋ちゃんが起動させたゲーム……これってPUNIPUNIhunter……これって割とソロプレイだと難しいボスもいたような……

 

「これか…」

 

「どうしても倒せないボスがおりまして」

 

「これソロプレイは苦行だって言われてるよ」

 

「えっ!?そうなのですか!?」

 

「協力プレイで打ち倒しましょう!可可はサポートを担当します!」

 

「私はオニハンマーでザコを蹴散らしますの!」

 

「私もやったことあるから一緒に頑張ろう」

 

そうしてみんなでゲームをプレイし、恋ちゃんが苦戦していたボスを何とか倒すこともできた。

恋ちゃんも満足そう……と言うよりもこれまでやって来た中で一番楽しかったんだろうなって思うくらいの笑顔を見せるのであった。

 

 

 

 

恋side

 

悩みも解決し……私は作曲を始めるのであった。

 

「お母様のつくってくれた学校は私にとても素敵な出会いを与えてくれました。これからもっともっと素敵な学校にしてみせます」

 

そう新たに誓うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「それにしても紗桜莉さんは禁断の恋についてはそこまで否定的ではなかったですの」

 

「んー?まぁ恋愛は自由だし~それにスクールアイドルの中にはそう言う関係になることもあるし」

 

「そうなのですか!?」

 

「例えば……幼馴染みの子の頼みを断れない真面目な子とふわふわした女の子との恋とか……転入生とスクールアイドル兼飛び込みの選手である子の恋とか……愛が大きい幼馴染み同士の恋愛とか……色々とね」

 

「はぁ~そんなに……因みに紗桜莉さんはそう言う関係になりたいとかは?」

 

「そうだね~夏美ちゃんとかいいかもって思えるけどね」

 

「////」

 

「ふふ、冗談だよ」




ナチュラルに関係が……

次回はスパスタ自体が休みなので……オリストになります!その内容は……蓮華関係です!

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25 アザミの花言葉 触れないで

今回からオリスト!シリアスめに書いてます


『ーーーーーーーー』

 

違う……私は……

 

『ーーーーーーーー』

 

私はそんなつもりは……

 

『あんたはアザミの花と同じね』

 

 

 

 

 

「はっ!?」

 

目を覚ます私……嫌な夢を見ていたからか、汗で気持ち悪い…………

私はシャワーを浴びながら、夢の事を思い出していた。

 

「ここ暫くは……見なかったのに……」

 

ソロアイドルになってから見なくなったのに……もしかしたら望み始めてしまったから?だとしたら……

 

「みんなはそんなことを言ったりしないけど……でも……私は…………」

 

私は…………

 

 

 

 

 

 

シャワー浴び終え、着替えようとすると呼び鈴がなった。きな子ちゃんかな?それならバスタオル姿でも別にいいかな?

 

「蓮華ちゃん、おは……って何て格好してるっすか!?」

 

「あぁ、ごめん。寝汗が凄くって……」

 

「だからって……きな子じゃなかったらどうしたっすか!」

 

「うーん、まぁしょうがないかって思うけど……」

 

「蓮華ちゃんと変わり者っすね……」

 

そんな変わり者って……そんなことないのに……

 

「それでどうしたの?朝から」

 

「あ、そうだったっす!一緒に朝御飯食べようと思って」

 

誘いにきたんだ……なんと言うかきな子ちゃんはいつも気にかけてくれて、少し心が楽になる……

 

「それじゃ一緒に食べようか」

 

「はいっす」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

喫茶店でコーヒーを飲みながらかのんちゃんからある話を聞かされていた。

 

「合同ライブ?」

 

「うん、ラブライブの前の前哨戦的なものとして……」

 

話を聞くとそんな重い感じのものではなく、軽いノリらしい。まぁ少しでも盛り上げようとしてる感じなのかな?

 

「どこの学校?」

 

「えっと、百花学園だって」

 

あー、何となく聞いた覚えがあるけど……確か中高一貫校だっけ?

 

「明日その学校と打合せするけど、紗桜莉ちゃん、来れる?」

 

「明日か~ちょっと用事があって無理かな」

 

「用事?」

 

「春休みに会った人たちに呼ばれてね。まぁ帰ったら詳細とか聞くよ」

 

「うん、分かった」

 

それにしても急に話したいことがあるって、一体なんだろう?もしかして夜の街を走ろうとかのお誘いかな?

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

百花学園に来た私たち……合同ライブの打ち合わせと顔をあわせをすると言うことでみんなで(紗桜莉さんは欠席)来たけど……

 

「…………」

 

正直……私は来たくなかった……この学校には……

 

「どうしたっすか?蓮華ちゃん」

 

「きな子ちゃん……」

 

「具合悪いなら帰った方が……」

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

大丈夫……きっと向こうも私の事を忘れてるはずだから……

 

「…………」

 

「メイ、どうしたの?」

 

「いや、後で話す……」

 

「百花学園……なるほどですの」

 

「それじゃ行こう」

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

百花学園の部室に案内され、部員の人たちは興味津々に私たちの事を見ていた。

 

「初めまして、百花学園のスクールアイドルの部長兼リーダーの桜花と言います」

 

なんと言うか優しそうな感じの女性だ…………桜花さんは蓮華ちゃんを見て、微笑んだ。知り合いなのかな?

 

「結ヶ丘のスクールアイドル部にはもう一人いると聞きましたが」

 

「えっと、どうにも外せない用事があって……」

 

「そうですか……とは言えその方とは後程挨拶するとしますね」

 

「それで……合同ライブの日程は…………」

 

「そうですね。予選が始まる前に…………」

 

「ねぇ、あの子、そうだよね」

 

「うん、結ヶ丘に行ったんだ」

 

「あれだけ掻き乱したのに、私たちの前に顔見せるなんてね」

 

何だろう?向こうの部員さんたちが何かを話してる?

 

「みんな、静かに……」

 

「でも桜花さん、蓮華のこと……」

 

「そうですよ。私たちは許してないですよ」

 

「あの子を辞めさせた原因なんだし」

 

蓮華ちゃんの知り合い?私は蓮華ちゃんの方をみると……蓮華ちゃんは俯き……そして震えていた。

 

「ちょっと、この子が何をしたって言うのよ」

 

「そうデス!知り合いみたいですが、そんな風に敵意を剥き出すのは」

 

「蓮華さん、大丈夫ですか?」

 

「あの、蓮華ちゃんと桜花さんたちは……」

 

ちぃちゃんがそう聞くと、桜花さんは黙りこんだ。話難い事なのかな?

 

「その子の事知らないんですか?」

 

「自分が出来るからって偉そうに教えようとして……」

 

「部員の一人を再起不能にするまで追い詰めた子だって」

 

「えっ?」

 

私たちは蓮華ちゃんの方を見た。蓮華ちゃんが……そんなことを…………

 

「…………すみません……かのんさん……私…帰ります」

 

蓮華ちゃんは逃げるように去っていく。するときな子ちゃんも立ち上り

 

「かのん先輩!きな子たちに任せて下さいっす」

 

「う、うん…」

 

蓮華ちゃんの事をきな子ちゃん達一年生に任せることにしたけど…………

 

「また逃げ出したね」

 

「あの時も逃げ出したしね」

 

「いい加減認めればいいのに、自分が人を傷つけることしか出来ないって」

 

「あんたたちね!」

 

「すみれ!落ち着くのです!」

 

周りの部員たちの言葉を聞いて、怒るすみれちゃん。可可ちゃんが止めるけど……でも……

 

「貴方たちは練習しに行きなさい」

 

桜花さんは部員たちにそう命じ……部員達は部室から出ていくと……

 

「ごめんなさい……部員達は蓮華さんがしたことを苛めたくせに、謝りもせずに逃げ出したと思っているみたいで……」

 

「あ、あの、蓮華ちゃんは……」

 

「…………この事は話しておくべきね……あの子が百花学園で何をして来たか……そして何をしたのか……」

 

 

 

 

 

 

きな子side

 

メイちゃんたちと蓮華ちゃんを探していると近くの公園のベンチにいた

 

「蓮華ちゃん、ここにいたっすか」

 

「全く急に帰るからかのん先輩たち心配してたぞ」

 

「戻れそうにないなら……結ヶ丘に戻る?」

 

「………………」

 

声をかけるが……蓮華ちゃんの返事がなかった……本当にどうしたっすか……

 

「その、きな子たちは蓮華ちゃんの昔の事なんて知らないっす、だから気にもならないっすから…………皆のところに」

 

きな子が蓮華ちゃんに触れようとした瞬間、弾かれた。

 

「触らないで……」

 

それは……蓮華ちゃんの明らかな拒絶だった。蓮華ちゃんはそのまま何も言わず何処かへ去っていくのであった…………

 

「蓮華ちゃん……」

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

指定された喫茶店に行くと、春休みに会ったぼうそ……ライダーたちがいた。

 

「話って何ですか?」

 

「あたしらがじゃなく、こいつだよ」

 

姐さんがそう言って指を指した子は……確か、私とよく話していた子だよね?

 

「お久しぶりです……あの話と言うのは薊蓮華についてです」

 

「知り合いなの?」

 

「……友達で……あの子がソロアイドルになった原因……それが私です」

 

これは……厄介そうだな~




紗桜莉が別行動させた理由……一緒に行かせたら1話で解決してしまうからです(特に部員たちの言動に対して)

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26 蓮華の過去

シリアス回!まだまだ続きます


蓮華side

 

「後はここのステップを覚えれば、いい感じになると思うよ」

 

「なるほどね。流石は蓮華ね」

 

桜花さんは笑顔でそう言うけど……

 

「またあの子、偉そうに」

 

「と言うか自分が出来るからって、何だか上から目線な感じがしない?」

 

心ない声が聞こえるけど、私は気にしないようにしている。前に桜花さんが……

 

「スクールアイドルと言うより、多人数で集まる活動だとあぁ言う声が聞こえるけど、気にしないでいいわよ」

 

と言ってくれた。確かにいちいち気にしていても仕方ないことだし……私は桜花さんの言う通りに気にしないようにしたのだった。

 

 

 

 

 

そんなある日の事……桜花さんにある頼まれ事をした。それは……ある子の練習を見てほしいだった。

 

「桃と言います。よろしくお願いします……」

 

「うん、よろしくね。とりあえず一通りやってみようか」

 

私は桃の練習を見ていく……

桃はそつなくこなしていく。最初の頃は少しだけ指摘したりしていたけど……ある日の事…………

 

「ダンス練習をやらないですか?」

 

「うん、見てて思ったけど、桃は暫くはダンスの練習はしない方がいいよ」

 

「ど、どうしてですか?」

 

「オーバーワーク気味だよね?」

 

「!?」

 

ここ数日の練習を見てて、私は彼女の動きの悪さに気がついた。なんと言うか……痛みを我慢しているような……桜花さんに確認すると居残り練習をしているらしいとのことだった。だとしたら……

 

「少し足を休めないとダメだよ」

 

「…………はい」

 

私はこの時、もう少し強めに言っておけばと後悔した。

それはある練習の時に桃が足を押さえて倒れていた。

病院に連れ添った桜花さん曰く……無理な練習で足に負荷が掛かりすぎてしまい…………桃は………………

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

「その後、桃はスクールアイドル部を止めたけど……周りの子は蓮華が苛めたからだって言い出したわ。勿論、私や蓮華は否定したけど…………こういう話は事実よりも……ね」

 

「…………そんな」

 

「ショービジネスの世界にもそう言う話は聞くけど……ちょっとムカつくわね」

 

「蓮華さんは……それがきっかけで……ソロアイドルに?」

 

「蓮華は……もしかしてずっと苦しんでいたデスか?」

 

「だとしても……これは酷すぎる」

 

みんな、蓮華ちゃんの過去を聞き、怒っている。私だって……

 

「だから嬉しかったのよ。結ヶ丘で貴方たちと一緒にライブをしていたのを見て……でも」

 

「今でも……」

 

桜花さんは改めて私たちに謝り、そして蓮華ちゃんをお願いと頼んできたのだった。

 

 

 

 

 

「きな子ちゃんたちから連絡は?」

 

「うん…蓮華ちゃんに拒絶されて……」

 

今どこにいるか分からないらしい……蓮華ちゃん……

 

「それでどうするの?」

 

「どうするって……」

 

「かのん、あんたの事だからどうにかしてあげたいって思ってるみたいだけど……どうにかできるものなの?」

 

「それは……」

 

昔の事なんて気にしないで……とか周りの声なんて気にしたらダメだよとかじゃないよね……どうしたら……

 

「放っておくのが一番じゃないの?」

 

「すみれ!放っておくなんて……」

 

「悪いけど、私たちにはどうしようもないじゃない!」

 

すみれちゃんは声をあらげた……みんなもどうにかしたいけど……何の方法も思い付かない……本当に……どうしたら…………

 

「ん?紗桜莉ちゃんからだ。もしもし」

 

ちぃちゃんのスマホに紗桜莉ちゃんから電話がかかってきて、ちぃちゃんは暫く話していると……

 

「分かった。蓮華ちゃんの事は任せるね」

 

「ちぃちゃん?任せるって……」

 

「紗桜莉ちゃんの方に夏美ちゃんが連絡したらしいよ。それで……」

 

紗桜莉ちゃんが…………

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

いつの間にかいつもみんなとランニングしているときに通る公園に来ていた…………

 

「私は…………」

 

過去の事が私を苦しめる……心配してくれたきな子ちゃん達を拒絶してしまった……私は…………

 

「もう……どうしたらいいのか……分からないよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「分からないんじゃなく、考えるのを止めてるだけじゃない?」

 

不意に声が聞こえ、振り向くとそこには紗桜莉さんがいた。どうしてここに…………

 




次回でオリスト終わりです!
感想待ってます!


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27 前を見つめて!

今回でオリスト終わりです!
うん、かなり悩んだ。


「紗桜莉さん……」

 

「まさか一発で見つけられると思ってなかったよ」

 

ちーちゃんから色々とあったことを聞いて、探しに来たけど……やっぱりと言うかなんと言うかだね。私は蓮華ちゃんの隣に座り、話し出した。

 

「昔のことを聞いたよ」

 

「…………」

 

「違うって否定しても周りがそれを認めない。蓮華ちゃんはもう否定することを止めて、誰とも関わらないで済むソロアイドルの道を選んだんだよね」

 

「選んだんじゃないです……逃げたんです」

 

逃げたか……そう言う考え方もあるけど…………

 

「私がどんなに言い続けても…………周りが言っていることが真実になってます……だから私は誰かと一緒にステージに立つことから逃げたんです……」

 

「でも逃げた先でも……関わろうとしてくる子たちが現れた。そうだよね」

 

「はい……」

 

かのんちゃんは勿論、みんな誰かを一人にするってことはしないからね。だからこそ……

 

「私はまたみんなと一緒にいることを……選ぼうとしたんです……でも……」

 

「過去がそれを許さなかったか…………」

 

「はい…………」

 

なんと言うか……こう言うことは言ってはいけないから我慢しておかないと…………

 

「私は桃ちゃんに会ってきたよ」

 

「え?」

 

「ちょっと知り合いのチームに一緒にいたらしくね。桃ちゃんも気にしていた。自分のせいで蓮華ちゃんは誰かとステージに立つことが出来なくなってしまったって、でもこの間のステージでみんなと立っているのを見て嬉しく思ったんだって」

 

「桃が……でも桃は……」

 

「桃ちゃんから聞いたの?蓮華ちゃんのことを恨んでるって?」

 

「いえ……ただ」

 

「みんながって事か…………実はね」

 

私は桃ちゃんから聞いた桃ちゃんの気持ち……それは蓮華の言う通りに練習をせず、逆らう形で蓮華ちゃんがいないところでダンスの練習をしていたこと、それによって足に負担が掛かり……

その事をずっと後悔していたことを…………桃ちゃんは謝りたいけど、怖くなって逃げていることを…………

 

「桃…………」

 

「と言うかやっぱり色々とムカついてきた。蓮華ちゃんは悪くはないし、桃ちゃんは正直自業自得だけど、後悔しているけど…………周りの子たちが一番ムカつく」

 

「え、えっと……紗桜莉さん?」

 

「マジでその子達を全力で追い詰めて追い詰めて追い詰めて!二度とアホみたいな事を言えないようにしてやりたい。もしくは残りの人生を後ろ指刺されて生きていけるようにしてあげたい」

 

「さ、紗桜莉さん!?」

 

「夏美ちゃんに協力してもらって、色々と暴露しまくってやろうかしら?ふふ、人はないことでも大いに盛り上がるからね。あぁそのグダグダ言ってる子達と同じことをしようとしてるって?大丈夫!こう言うときに便利な言葉があるから……因果応報ってね」

 

「紗桜莉さん!?」

 

「過去の事は確かにどこまでもついてくるし、忘れたら忘れたで色々と文句やらなんやら出てくるけどね……私を含めて、みんなはそんなの気にしないよ。と言うか逆に助けようと動こうとしてるくらいだし」

 

「…………」

 

「だから待ってる。蓮華ちゃんがみんなの前に戻ってくることを」

 

「…………紗桜莉さん……」

 

「それじゃまたね。あぁそうそう、良い言葉を教えてあげる」

 

私は蓮華ちゃんにある言葉を教え、そのまま別れたあと、桃ちゃんから聞いたある番号に電話をした。

 

「あ、もしもし、ちょっとした文句と覚悟を決めてもらいたいんですけど?」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして日が経ち、合同ライブの日。それまでの間蓮華ちゃんは学校を休んでいた。きな子ちゃんたちも心配していたけど…………

 

「あの……ステージ……私も立っていいですか?」

 

かのんちゃんたちのステージが始まる直前、衣装を纏った蓮華ちゃんがやって来た。

みんなが色々と言おうとしたけど、かのんちゃんがそれを止め……

 

「もう遅いよ。蓮華ちゃん」

 

「ごめんなさい……」

 

「謝らなくていいよ。ほら、楽しもう!」

 

「はい!」

 

それから始まった10人のステージ。私は裏でステージを見てて思った。きっとこのライブで一番輝いているのは……蓮華ちゃんだってことに!

 

 

 

 

 

 

合同ライブが終わり、みんなが蓮華ちゃんの前に集り……

 

「もう心配したんだよ」

 

「そうデスよ!すみれなんて落ち着かなかったくらいデス!」

 

「あんたもでしょ!可可」

 

「でも本当に良かったです……戻ってきて」

 

「おかえりなさい。蓮華ちゃん」

 

「と言うか学校も休んでたのは一人でずっと練習してたのか?」

 

「だとしたらいきなり合わせられるのは凄い…」

 

「本当に良かったっす!」

 

「きな子ちゃん…あの、手を…弾いたの…」

 

「気にしてないっすよ~」

 

本当にかのんちゃんたちは一人にしないからな~

そんな暖かい空気の中、空気を読まないと言うかやっぱりと言うか……

 

「ねぇ、何で平気そうに戻ってきてるの?」

 

「普通はあのまま辞めるよね」

 

「頭おかしいんじゃないの?」

 

「あの子達は……」

 

すみれちゃんも我慢の限界なのか言い返そうとするが、蓮華ちゃんがグダグダ言ってる子達の前に立ち、

 

「…………弱い犬ほど吠えるってよく言うけど……本当みたいだね」

 

『!?』

 

全員驚いてるな~まぁ私が教えたんだけどね~

 

「あなたたちが色々と言ってくるのも私のせいにしたことも…………ただの嫉妬だよね。私が出来て、あなたたちが出来ないことに対して…………ううん、醜い嫉妬だった」

 

「「「なっ!?」」」

 

「悪いけど、私はもう過去の事でグダグダ言われたくない……前を見てるから!だから!邪魔しないで!」

 

「何よ。あの子!」

 

「と言うかさっきの言葉をネットにあげて……」

 

「そしたらまたあの子のせいで…………」

 

「やめなさい。あなたたち!」

 

えっと、この声は……百花のスクールアイドル部のリーダーさんだよね?

 

「でも桜花さん」

 

「私も責任を取るべきね。ちゃんとこの子達を叱れなかったことを…………かのんさん」

 

「え、は、はい」

 

「私たち百花はラブライブの出場を止めるわ」

 

『えっ?』

 

「これが私なりの責任の取り方……良いですよね?これで……紗桜莉さん」

 

「うん、貴方がそうするべきだと思うならね」

 

ラブライブの出場をやめるか…………私はただ『貴方も責任を取るべき』と言っただけだけど……凄いことを思い付くな~

 

「と言うより百花のスクールアイドル部は永久的にラブライブ出場をしないようにしておくわ」

 

「あ、それだったらちゃんとみんなの名前も残しておかないとですね!」

 

「そうね!」

 

私と桜花さんは物凄く良い笑顔でそう告げると…………

 

「待ってくだ……」

 

「仕方ないわ。人を傷つける事しか出来ない子達を放置しておいたのだから……ちゃんと制裁をしないとね」

 

「そうですね!それにさっき彼女たちが言った言葉をしっかりと録音しておきましたからね!」

 

「あ……」

 

「えっと……」

 

「その……」

 

「分かる?ずっと永遠に言われる続ける苦しみが?分からないなら……これから知ることだね」

 

私は笑顔でそう告げ、グダグダ言ってる子達は……かなり落ち込んでいたのだった。

 

 

 

 

 

帰り道、かのんちゃんと一緒に歩いていると……

 

「ごめんね。紗桜莉ちゃん」

 

「何が?」

 

「何かやっぱり紗桜莉ちゃんに……」

 

「気にしないの。私は私にしか出来なかったことをしただけだから……」

 

「でも……」

 

「それにね。今回の事は上手く行くかどうか怪しかったんだよね」

 

「そうなの?」

 

「私は責任の取り方を考えた方がいいって言ったけど……あの展開は予想できなかった。あの人はかなり覚悟をしてたね」

 

「うん、本当に……」

 

「まぁ正直言うと、あれには抜け道があるけどね」

 

「へ?」

 

百花学園スクールアイドル部は永久的にラブライブ出場をしない。だけど名前を同好会にしたら出場できちゃうからね。帰り際にその事を教えておいたけどね。

 

「とりあえず蓮華ちゃんは乗り越えたんだから……後は私たちも頑張る番!」

 

「う、うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

桃side

合同ライブが終わり、私は蓮華さんに謝ろうとこっそり舞台裏に入り込んだ。蓮華ちゃんがいたから……声をかけようとすると……

 

『…………弱い犬ほど吠えるってよく言うけど……本当みたいだね』

 

え?蓮華ちゃん?

それから蓮華ちゃんの言葉を聞き、逃げ出す私であった……恐い、謝るのが本気で恐い……




モブたちの結末はこれで良いのか?って感じです。とは言え紗桜莉が言っていたことを実行した場合はかのんちゃんたちにかなりの迷惑がかかると言う……
とりあえず一番穏便かつかなりのあれかな?と思います
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28 新生徒会とステージ

きな子ちゃんが書記ってある意味凄い


ある日の全校集会。今日はある知らせがあった。それは……

 

「ではこれより新たな生徒会の結成式を始めます」

 

『生徒会書記 桜小路きな子』

 

「はいっす!」

 

まさかのきな子ちゃんが生徒会に選ばれるなんてね。でも確かにきな子ちゃんなら任せられる感じがする。

 

『続いて会計。七草ナナミ』

 

「はい!」

 

「今までにない新しい人選ですの」

 

「学校のために音楽科以外の人も入れた方がいいって恋先輩が」

 

「さすが」

 

まぁ去年から恋ちゃんが一人で頑張っていたからな~今年で結ヶ丘も二年目だし、新しさを求めるならね

 

「可可会計やりたかったデス…」

 

「まぁまぁ。その分 部の方で頑張って」

 

「また遠のく生徒会長…」

 

「まだこだわっていたのデスカ?」

 

『生徒会副会長 澁谷かのん』

 

「はい!」

 

「「わぁ~!」」

 

かのんちゃんも副会長だし、恋ちゃんが一人で無茶をするって言うことは無さそうだし、それに……

 

『生徒会庶務、相花紗桜莉』

 

「はい」

 

私も生徒会に入ることになったしね。

理由としては、恋ちゃんがと言うより理事長からこれまで以上に自由に動くなら

生徒会にいた方がいいとの事らしい。まぁ一応報連相をしっかりと行うようにと釘を刺されたけどね。

 

「結ヶ丘女子高等学校生徒会は新たなメンバーを加え活動を続けてまいります。来年はついに3学年が揃う大事な年、それに向けて今月はオープンキャンパスもあります。そこでこの学校の魅力を広く伝え、ここにいる全員が誇れるような素晴らしい学校を共に作っていきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

集会も終わり、私たちは部室である話のため、プロジェクターを使って色々と見ていた。

 

「全てラブライブです!去年使われた格好のスクールアイドルのステージなのデス!」

 

予選のステージを決めるための参考資料だけど……こうしてみると多いな~

 

「ま~たやってるの?」

 

プロジェクターを使ってたから、部屋を暗くしていたけど、すみれちゃんは呆れながら電気をつけた

 

「勝手につけるなデス~!」

 

「朝っすか~?」

 

「寝てたのかよ!」

 

「Me too…」

 

きな子ちゃんと四季ちゃん……なんと言うかよく眠れるな~

 

「つまりそれだけステージが重要ってこと?」

 

「そうデス。今年は地区予選がいきなりのリモート大会。去年よりもたくさんのグループが参加する中で目立つことが必要なのデス!」

 

「まぁ今回は私と蓮華ちゃんは手も空いてるから、手伝えるけど……結構ステージを決めるのも大変だよね」

 

「とりあえずランニングしながら話し合ってみようか」

 

 

 

 

 

 

 

と言うわけでランニングしながらステージについて話し合う私たち。

 

「去年以上か…」

 

「具体的にアイデアあるの?」

 

「どうせすみれがそういう身も蓋もないこと言うと思って可可は用意してましたよ~ズバリ外苑球場貸し切り計画!」

 

何か去年も言ってたような……ちーちゃんたちも聞き流して……

 

「いくよ~」

 

「あぁ!待つデス!この中央にステージを作って360度あらゆる角度からLiellaを生中継!」

 

「素敵~!」

 

「アンタ前に一度断られてなかった?」

 

「費用対効果もまったく釣り合いませんの」

 

「と言うか普通に貸しきることできるの?」

 

「大丈夫。地元の学校ですよ。しかも優勝候補!」

 

「そうだよな!スクールアイドルなら試してもみずに諦めるなんて言うな~!」

 

メイちゃんもノリノリだし……

 

「分かってくれますか?」

 

「当たり前だろ!!」

 

二人は熱い握手を交わし……

 

「頑張れば必ずできる!」

 

「はいデス!」

 

「諦めない気持ちこそスクールアイドルだ~!」

 

「ちょっと!」

 

「かのんちゃん、放っておこう……」

 

「因みに紗桜莉さんの話術で貸し切ることはできますの?」

 

「夏美ちゃん、流石に難しいよ……こう言うところはお金が必要だからね……結ヶ丘を担保にしてお金を借りてくる?」

 

「紗桜莉さん!それだけは……」

 

「冗談だよ。そこまでして借りるよりかは他にもいい場所はあるかもしれないしね」

 

とは言えそのいい場所が何処なのかは怪しいところだけどね

 

暫くしてくぅちゃんたちは戻ってきて……

 

「ダメ…でした…」

 

「すっげぇ怒られた…」

 

「当たり前でしょうが」

 

「無念っすね…」

 

「2人…意外と似てるねぇ…」

 

「でもそうなるとどこがいいのかな?」

 

「ここは無駄にマニーを使うより効果的な作戦を考えるべきですの」

 

「効果的?」

 

「何かあるんですか?」

 

「よ~く考えるんですの。勝者は視聴者の人気投票で決まる。つまりいかに視聴者の興味を引くかが重要ですの」

 

「それは分かってるっす」

 

「問題はその方法」

 

「簡単ですの。例えばLiellaに投票してくれた人全員にここにいるメンバーの秘蔵写真を配布。そしてさらにマニーを追加してくれた人にはぬわ~んと…」

 

夏美ちゃんが言いかけた瞬間、すみれちゃんが軽く手刀をしたのだった

 

「無理」

 

「まだ何かは言ってないですの」

 

「夏美ちゃん、協力してあげたいけど、私はかのんちゃんの秘蔵写真しか持ってないよ」

 

「それは残念ですの。紗桜莉さんなら全員の持ってそうなのに……」

 

「と言うか紗桜莉ちゃん……秘蔵写真って……」

 

秘蔵写真?もちろん、かのんちゃんの寝顔とかだけど?

 

「とにかくみんなで考えて見つけるしかないよ。Liellaと結ヶ丘、そして私たちのことがちゃんと伝わるシンボルになるような場所」

 

シンボルか……難しいよね~




何気に紗桜莉も生徒会に……
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29 オープンキャンパス

今回はあんまり話が進まないです


生徒会室で作業をしながら、シンボルについて話していた。

 

「とは言ったもののハッキリしないよねぇ」

 

「結ヶ丘のシンボルっすか?」

 

「うん。例えば雪国の学校なら雪のイメージだし、海の近くにある学校なら海だろうし」

 

「いざ、考えると難しいよね~」

 

「結ヶ丘も近くに有名なところがいっぱいあるっすよ。大きな通りにお店に…」

 

「でもそれが結ヶ丘を表してるかっていうと…」

 

「確かに。有名すぎて結ヶ丘を表してるって感じじゃないよね」

 

ナナミちゃんはそう言いながら、書類の山を持ってきた。

 

「これは?」

 

「オープンキャンパスの各部活の企画案だよ」

 

「こんなにあるの!?」

 

「それだけみんなこの学校のことを…」

 

「うん。みんなどんどん好きになってるんだと思う」

 

「スクールアイドル部はオープンキャンパスどうするんっすか?」

 

そう言えばオープンキャンパスも近かったよね……後で学校の整備とかしておかないと…………

 

「うっ…すっかり忘れてた…」

 

「やはりライブを行った方が…」

 

「それなんだけど…」

 

ナナミちゃんからある事を提案された。確かに……今の状況を考えれば…………

 

 

 

 

 

 

「やらないんですか?ライブ!」

 

「うん」

 

「生徒会で話したんだけど私たちは地区予選に集中しようって」

 

「いいの?」

 

「そうですよ!可可なら平気デス。1つくらいライブが増えたって」

 

「私もそう言ったんだけどね」

 

「何があったのよ?」

 

「ナナミちゃんから言われたのはライブをやるとLiellaだけに注目が集まり過ぎちゃうんじゃないかって」

 

「まぁあくまで学校を見てほしいからね。Liellaとなるとやっぱり変な感じになりそうだし」

 

そこら辺難しいところだよね~

 

「それは…」

 

「学園祭でもライブやれたし学校のことを考えたらここは他の色々な部で盛り上げるのも大切なんじゃないかって」

 

「となると私たちは?」

 

「ライブで歌わないとなると…」

 

そこら辺はまぁ皆に任せておこう……さて、私は……

 

「所で紗桜莉は何をしてるのよ?」

 

「私?整備してるんだけど?」

 

繋ぎ服を着ながら、教室の整備をしながら、話に入っていた私。作業をしながらでも話は出来るしね

 

「なんでまた……」

 

「一応生徒会の仕事として、安全面に気を付けておかないと……大変だからね」

 

「紗桜莉らしいデスね」

 

「手伝おうか?」

 

「大丈夫だよ。一応今日の分は終わったし」

 

後は外での仕事があるからね。

 

 

 

 

 

 

そしてオープンキャンパス当日……

 

「いらっしゃ~い!ちぃちゃんのネオレインボーたこ焼きが焼けたよ~!あれ?」

 

ちーちゃん提案のタコ焼き屋だけど……誰も来なかった。

 

「全然ね」

 

「おかしいな。こんなに丸いのに」

 

「そこじゃないと思うぞ」

 

「色…」

 

流石にこのレインボーだと……誰も食べたくはないよね……

 

「ピンチはチャ~ンス。流行を先読みせねばマニーはついてこないですの。ここはこのたこ焼き用に特別配合で作られた大人気スムージーとたこ焼きを合わせて…」

 

夏美ちゃんはスムージーにたこ焼きを入れると……余計毒々しいものに……

 

「レインボーたこ焼きスムージーですの!」

 

「パス」

 

「どうやって食べるんだよ…」

 

「それは簡単。まずはこの特製ストローをカップの中へ。そして一気に…くあああ!?の…喉が…喉に直接暑いのがぁ~!」

 

「大丈夫!?」

 

「何やってんのよ」

 

「あぁ~あっちぃ~!」

 

「愚かさん」

 

「うん、様子を見に来たけど、こっちは大丈夫そうだね……ちーちゃん、火事とかには気を付けてね」

 

「うん、分かったよ」

 

「って紗桜莉さん!スルーは……」

 

とりあえずかのんちゃんたちと合流しに行こう

 

 

 

 

 

 

かのんちゃんたちと合流し、チラシ配りも順調だ。

 

「こちらは問題ないようですね。きな子さん音楽科の演劇のお手伝いお願いできますか?」

 

「分かったっす!」

 

「オープンキャンパスたくさん来てくれてよかったね」

 

「生徒が少ない分、結束力があっていい学校だとこの前雑誌にも紹介されました」

 

「お母さんが願った通り学校になってきてるんだね」

 

本当に……恋ちゃんのお母さんが願った形になってきたかもしれない。多分これは学校のみんなとかのんちゃんたちのお陰なのかもしれないしね

 

「お姉ちゃん、紗桜莉さん」

 

するとありあちゃんが声をかけてきた。あ、来てたんだ

 

「ありあ!?今日来てたの?」

 

「えへへ~驚かせようと思って。私も進路決めなきゃだから」

 

「だったら私が学校案内してあげたのに…」

 

「来年ぜひスクールアイドル部どうですか!?」

 

くぅちゃん、いつの間に……

 

「ちょっと可可ちゃん!?」

 

「姉妹でスクールアイドル!熱い展開ですよ!」

 

勧誘するくぅちゃんだけど、ありあちゃんは苦笑いをしながら、

 

「いや~そもそもここ受験するかどうかも決めてないし…」

 

「アイヤ~…」

 

「あ、そうだ」

 

「ん?」

 

ありあちゃんは私たちに、ある場所まで連れていってほしいと頼むのであった。

 

 

 

 

 

 

ありあちゃんが行きたがっていたのは図書室だった。ありあちゃんはと言うと本の多さを見て……

 

「わぁ~!本がいっぱい!」

 

「妹さんは本に興味があるのですね」

 

「お父さんに似たんだね。休みの時はいつも本ばかり読んでるし」

 

「姉妹というのは色々なのですね」

 

「まぁそれでもかのんちゃんと似てるとこはあるけどね」

 

「え?そう?」

 

「なんと言うか……オフの時の格好と言うか……」

 

「うっ!?」

 

似たような格好をして寛いでるのを見て、やっぱり姉妹だなって思うしね。

 

「面白いよね」

 

「ん?」

 

「ここ元々は音楽学校だったんでしょ?どうしてこの場所に学校を作ろうって思ったんだろう?」

 

「どうして?」

 

「この場所に作った理由は私も…」

 

「ふ~ん」

 

確かにいざ聞かれると……なんでだろう?

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

かのんさんたちの手伝いをしながら、スクールアイドル部の屋台を見に行くと……すみれさんと夏美ちゃんが言い争いをしていた

 

「どうすんのよ!こんなに余らせて!やっぱりスムージーなんて…」

 

「何を言っているんですの!問題はたこ焼きですの!た・こ・や・き!」

 

と言うかそのテーブルに置かれた毒々しいのはなんなんだろう?

 

「違うよ!丸は最高だよ!」

 

「丸は関係ない!」

 

「話がややこしいですの」

 

本当に何があったんだろう?メイちゃんと四季ちゃんは関わらないように離れてるし……

 

「蓮華さん!丁度いいところに!」

 

「あんたからも何か言って!」

 

「丸は至高だよね!」

 

「えっと……その……」

 

何だか……巻き込まれる私であった。

 




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30 みんなを結ぶ道

問題 二期で新たなライバルキャラとして出てきたウィーン……何故出番が少ないのか?


かのんちゃんと一緒に音楽学校の歴史について調べていた。中々これと言うものが見つからない……

 

「音楽学校の歴史…」

 

「中々ないね」

 

「うん……」

 

二人で悩んでいるとちーちゃんが何かを持ってやってきた。これって……あれだよね?

 

「いた」

 

「ちぃちゃん。そうだ片付け…」

 

「もう終わったよ。はい」

 

「何これ…」

 

「えへへへ。売れ残り」

 

売れ残りと言うか……廃棄物と言うか……うん、何も言わないでおこう

 

「この町の歴史調べてるの?」

 

「うん。この学校がなんでここにあるのか。それがステージを決めるヒントになればって」

 

「見つかった?」

 

「残念ながらまだ…」

 

「こう言うのは根気だからね~」

 

そんなことを話いると、かのんちゃんのスマホにある人から連絡が来た。それは……

 

「ん?」

 

「サニパさん?」

 

 

 

 

 

 

みんなを部室に呼び、サニパの二人とリモートで話をすることに……それは……

 

「ステージ?」

 

『せっかくなら一番信頼してるスクールアイドルにまずはお披露目したいなって』

 

『自信作なの』

 

「サニパ様の…」

 

「ステージ!」

 

「これはバズりますの!一足先にネットに…」

 

夏美ちゃんがスマホで撮影しようとするが、四季ちゃんがたこ焼きスムージーで遮った。

 

「信頼関係」

 

「分かってますの」

 

『では本邦初公開!これが今年のSunny Passionのステージです!』

 

そこには素敵なステージがあった。これが……サニパの二人が見せたがっていたステージ……

 

「素敵なステージです!」

 

「リモートじゃなくて生で見てぇ~!」

 

『島のみんなが私たちをイメージして用意してくれたの。最後だからって』

 

「最後?」

 

『うん。この地区予選を仮に突破できたとしても次は東京大会。さらには決勝。会場は東京の大きなステージになる可能性が高いでしょ?』

 

『そしたら私たちがこの島でスクールアイドルとしてステージに立てるのは…』

 

だから最後なのか……

 

『この島と共に生きて仲間がいたからここまで来られた』

 

『この学校とこの島をもっと盛り上げたい!みんなに来てほしいって!』

 

『お互い素敵なライブをしようね!』

 

「はいデス!」

 

「ありがたきお言葉…!」

 

「私たちも見つけなきゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

「おはよー」

 

「日曜なのに今日も早いのねぇ。練習?」

 

「うん。その前にちょっと散歩……そう言えば紗桜莉ちゃんは?」

 

「あの子なら後輩の子と一緒に出掛けるって」

 

後輩の子……誰だろう?蓮華ちゃんかな?とりあえず私も出掛けないと……あ、そうだ

 

「あ、お母さんはこの街で一番好きな場所どこ?」

 

 

 

 

 

 

 

ステージのヒントになる場所を探していると、自主練中のきな子ちゃんを見つけて、声をかけた。

 

「きな子ちゃん」

 

「あれ?かのん先輩!どうしたんっすか?先輩も個別練習っすか?」

 

「ううん。今日はステージのヒントがどこかにないかなぁと思って、そうだ。きな子ちゃんは今年になってこの街に来たんだもんね。時間あったら一緒にぶらっと街を歩かない?」

 

「かのん先輩とっすか?行くっす!」

 

 

 

 

きな子ちゃんと一緒にいろんな所を回る私。とりあえず近くのクレープ屋さんで一緒にクレープを食べていた。

 

「あ~むっ!かのん先輩とお出かけっす~!ルンルンっす~!」

 

「ついてるよ」

 

「それにしても朝からすごい人っすねぇ」

 

「休日だから余計ね」

 

それから二人で回っていると、何だか見覚えのある二人がいた。

 

「はい、じゃあ今から街中で見つけた食べ物を全部食べる!やっていこうか」

 

「あの、紗桜莉さん……それは……」

 

「大丈夫!食べた分だけ動けば行けるから!」

 

「鬼畜ですの……」

 

「紗桜莉ちゃんに夏美ちゃん?」

 

「何してるっすか?」

 

「あれ?二人とも……」

 

「かのんさん、助けてくださいですの……紗桜莉さんの企画が全部鬼畜ですの~」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

なんと言うかこの二人も仲いい気がする……

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

かのんちゃんときな子ちゃんは街を歩きながらステージのヒントになる場所を探していたらしい。確かに色々と回った方が見つかるかもしれないしね。きな子ちゃんは色々と回れたことが本当に楽しかったみたいで……

 

「面白かったっすね~」

 

「よかった」

 

「どこにいっても賑やかでみんな笑顔で。きな子は人が少ないところで育ったからそれだけでワクワクしてくるっすん?かのん先輩?」

 

かのんちゃんは急に立ち止まった。何かいいヒントが見つかったのかな?

 

「どこも賑やか…人が集まる街…」

 

「かのん先輩?」

 

「あ~ごめん」

 

「何かヒント見つかったんっすか?」

 

「なんかこの辺までは…」

 

喉まできてるなら……

 

「紗桜莉ちゃん……パンチとかいらないからね」

 

「読まれた!?」

 

「やろうとしてたですの……」

 

「あはは……」

 

「あっ」

 

「かのんちゃん」

 

「ナイスタイミング!」

 

ななみちゃんたちと出くわしたけど、なんだろう?ナイスタイミングって?

 

 

 

 

 

 

 

一旦かのんちゃんの家に戻り、みんなを呼び出して、ナナミちゃんたちのある提案を聞く私たち

 

「あとは私たちに任せて」

 

「どういうことですか?」

 

「ラブライブが終わるまでかのんちゃんたちは練習に集中」

 

「その間 生徒会の仕事は私たちが頑張ります」

 

「去年もステージ作り手伝ったでしょ?」

 

「嬉しいけどもし全国大会まで行けたとしたら…」

 

「かなりの長期間頼ることになってしまいます。そこまで甘えるのは…」

 

「私たちもかのんちゃんたちと一緒に喜びたいの」

 

「だからできること手伝えることがあったら全部やりたい」

 

「悔いが残らないように」

 

みんな……そっか、そうだよね……こうして協力してくれるのも……学校のためでもあり、かのんちゃんたちのためでもあり、そして……みんなのためでもあるから……

 

「うぇ~…あぁ~!」

 

ナナミちゃんたちの話を聞いて、泣き出すくぅちゃん。いや、よく見たら……

 

「泣くのは早いよ」

 

「そういう千砂都も泣いてるですぅ~」

 

「泣き虫なんだから…」

 

「って言ってるすみれ先輩も泣いてますの」

 

「ありがたいです」

 

「私も協力するからね。蓮華ちゃんは?」

 

「私も!やります!」

 

「でも、二人は……」

 

かのんちゃんは私たちはソロの大会の方があることを気にかけているけど……でも大丈夫

 

「お知らせがあって、ソロ大会はラブライブが終わったあとに開催するようになったんです」

 

「だから私たちも結構自由なんだよね」

 

「そっか……それじゃお願いしたいいかな?」

 

「「任せて!」」

 

 

 

 

 

それから次の日、生徒会室で作業をしているけど、

 

「あれ?どうしても数字合わない」

 

「一から計算してみないよ」

 

「なんで合わないの!?」

 

「途中で数字を見間違えてるみたいだよ。こっちの書類で試してみて」

 

「あの、こちらの書類に判子もれがあるので、行ってきます」

 

慣れてないとはいえ、いざ始めるとみんな、苦戦してるみたいだけど、誰もやめるとかは言わないみたいだね。

 

 

 

 

 

それからかのんちゃんたちの練習に付き添ったり、ステージの案を出す会議に参加したりと忙しくなったけど……何とかステージの案がまとまり、かのんちゃんたちに見せた

 

「ステージの候補です。ナナミさんたちが学校のみんなからアンケートを取ってくれました」

 

「予想通り表参道が多いんだな」

 

「100年以上前からこの道あるからねぇ」

 

「やっぱり目立つんですの」

 

「でも去年歌った場所デス」

 

「あえて同じ所っていう選択肢もあるけど」

 

「インパクトとしては弱いわよねぇ」

 

「難題」

 

「っすね」

 

「去年ここにステージ作ってくれたの学校のみんなだったよね…」

 

「うん」

 

「きっとこの場所がいいってみんなが思ったんだよね」

 

「表参道…道…」

 

かのんちゃんは突然何かひらめき、走り出した。もしかしてステージのヒントが?

私たちはかのんちゃんを追いかけていくのだった……

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

見つけた。私たちのステージ……

 

「そうだ。賑やかでみんなが集まってずっと昔からここにあって…想いがつながる私たちの…!」

 

「かのんちゃ~ん」

 

するとみんなが追いかけてきたけど、あれ?どうしたんだろう?

 

「みんなどうしたの?」

 

「誰だってあんなに急に飛び出していったら気になります」

 

「何があったんだよ?」

 

「ううん分かった気がしたんだ。私たちのステージ」

 

「私たちの…」

 

「ステージ…」

 

「どこなんですの?」

 

「ここだよ」

 

「ここって?」

 

「道。道が集まる場所だったからなんじゃないかな。私たちの学校ができたのは」

 

「道…ですか」

 

「うん。道が集まり人が集まる場所だったから、それぞれの夢や希望が集まりそれぞれの夢や希望が集まりつながる場所だったから……」

 

ようやく見つけた……私たちのステージ……

 

「見つかったみたいだけど……あの、いきなり走り出すのは勘弁して……」

 

ふっと後ろを振り返ると紗桜莉ちゃんが息を切らしていた。あ……ごめん……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

ライブ当日……ステージにかのんちゃんたちが並び立ち

 

「誰かと誰かがつながり結ばれていく!結ヶ丘はそんな学校です!道と道が結ばれるこの場所で私たちは歌います!Liellaの道が、結ヶ丘の道が、あなたと交わりますように!」

 

道か……そうだよね……道が集まって……そして結ばれていく……これほどいいステージはないよね

 

 

 

 

 

 

そしてかのんちゃんたちLiellaは無事に……東京大会進出することが出来たのだった。

 

 

 

 

 

 

 




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31 衝撃の結果

果たしてサニパを敗退させた理由はあれで良かったのだろうか?


蓮華side

 

『お知らせします。我が結ヶ丘女子が誇るスクールアイドルLiellaの東京大会進出が決定しました!』

 

朝、校内でそんな放送が流れていた。学校のみんなはそれを聞いて、自分の事のように喜んでいた。

 

「お~やったか!」

 

「当然よ当然!」

 

「イエーイ!」

 

そして教室でも……

 

「おめでとう!」

 

「ありがとうっす!」

 

「夏美ちゃんも入ったばかりなのにすごいよね!」

 

「これバズってたよ!」

 

「なぁ~!?」

 

夏美ちゃんも今回のことで凄く有名になったからな~

 

「2万いいね!これはきた…きましたの~!」

 

そしてメイちゃん、四季ちゃんはというと……

 

「まだ地区予選だっていうのに」

 

「でもメイも人気」

 

「い~っ!?い…いつの間に…」

 

「いいね2万。やっとみんなメイのかわいさに気づき始めた」

 

「かわいい!?な、何言ってんだよ!そんなわけないだろ!」

 

あっちも相変わらず仲良しだな~

 

「あ、そう言えば蓮華ちゃんは……」

 

ふとクラスのみんなが私の方を見た。今回はきな子ちゃんたちのお祝いだけど……私の場合はね

 

「あ、あの、蓮華ちゃんの大会は年明けっすから!」

 

「そうですの!ラブライブが終わったあとに……」

 

「うん、だからそっちも応援をしてあげてほしい」

 

「だよな。うん、そうだよな!」

 

何か気を遣われてるけど……これ、言っておいた方がいいのかな?

 

「えっと、私も……と言うより私と紗桜莉先輩も出れるよ。ラブライブに」

 

『へっ?』

 

うん、やっぱり知られてなかったか……まぁ仕方ないよね。

 

「その、大会申請の時に紗桜莉さんとかのんさんが話し合って、私と紗桜莉さんの名前をメンバーとして登録してくれてたの……だからこの間の予選では欠員になってるけど……いつでも出れるよ」

 

ラブライブの大会規定違反になってないから……大丈夫みたいだしね。

 

「そうだったんっすか!?良かったっす!蓮華ちゃんと一緒にライブ出来るっすね!」

 

きな子ちゃんは嬉しそうにしていたけど、まぁあくまで登録しているだけだから…………

 

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

クラスのみんなが予選突破したことを祝福してくれていた。

 

「おめでとう!」

 

「うん!ありがとう!」

 

「でも大切なのは次だから」

 

「そう。今度こそは決勝戦に進んでみんなと喜ぶってかのんちゃん気合い入ってるんだ」

 

「まぁ既に感極まっちゃってる人もいるみたいだけど」

 

「本当に…本当にありがとうございました。生徒会長なのに皆さんに助けてもらうばかりで…」

 

「そんなことないって!」

 

「学校はみんなのものでしょ」

 

廊下で恋ちゃんは泣きながらクラスの子達と話していた。うん、なんと言うか……恋ちゃんらしいと言うかなんと言うか……

 

「それに今回はね」

 

かのんちゃんは私の方を見て微笑んだ。まぁちゃんと話し合って決めたことだしね。分かってるよ

 

 

「で東京大会の新しい情報は?」

 

「うるさいですね。ほぼグループは出揃ってますがライバルになるのは当然前年度優勝のサニパ様!んん~!?」

 

「何よ?」

 

「そんなバカな…いません!サニパ様がいません!東京大会進出グループの中にサニパ様がいません!」

 

「えっ?」

 

サニパがいないって……かなり衝撃な事なんだけど……一体何があったんだろう?

とりあえずみんなでくぅちゃんの席に集り確認することに……

 

「一体何が…」

 

「まさか予選で敗退したってこと?」

 

「なに失礼なこと言っているのデスカ。サニパ様に敗退はありえません」

 

「アンタが言ったんでしょ!」

 

「もしかしたら、ライブ事態出来ない状況だったとか?」

 

「出来ない状況って……」

 

「島だし、前に見せてもらったステージ……海の上だから天候の都合とか」

 

「それはあり得ますね……」

 

とは言え本当に何かあったのかな?するとかのんちゃんのスマホにメッセージが入り、相手は……サニパの二人からだった。

 

 

 

 

 

部室にみんなを集めて、サニパの二人と話すことに……

 

『お、全員集まってるね』

 

『東京大会進出おめでとう』

 

『コングラチュレイ…ぱ~!』

 

『あなたたちが気にするかと思って悠奈がこっちから連絡した方がいいって』

 

『ごめんね。東京大会で君たちと歌うの楽しみにしてたんだけどね』

 

気丈に振る舞ってる感じだけど……内心はって感じだね

 

「じゃあ本当に…」

 

「何があったのデスカ…!?」

 

「去年も一昨年も地区予選はぶっちぎりで突破していたはずなのに!」

 

『だよね…』

 

『慢心と言われても仕方ないかもしれないわね。手を抜いたわけじゃないんだけど少し油断していたのかもしれない』

 

『たった一人に負けちゃったんだよね』

 

「一人……」

 

『あなたたちも会ったことあるんじゃない?』

 

『そうそう。この子この子』

 

モニターに映ったのは……………………誰だっけ?この子?

 

「あ~!ヨヨギスクールアイドルフェスの!」

 

「マルガレーテちゃん…」

 

「マルガレーテ……みんな、知ってるの?」

 

私がそう聞くと、サニパの二人含めて全員があきれた顔をしていた。

 

「あの、ほら前に……」

 

「うーん、あぁ思い出した。かのんちゃんの厄介なファン!」

 

そう言えばそんな子いたね~確かかのんちゃんに歌えと強要してきて、更に自宅まで特定してくるストーカーの…………

 

『話を続けると私たちの後に歌ったんだけどね。聴いた瞬間しまったって思った』

 

『圧倒された』

 

「サニパ様が…」

 

「圧倒されるなんて…」

 

「そんなすごいんですの?」

 

「何なのよ!どうして次から次へと強敵ばかり来るのよ!」

 

『弱気になってる時間はないよ』

 

『今ラブライブは年に1回。つまり高校3年間でチャレンジできるのは3回だけ』

 

『一回一回をこれが最後ってつもりで挑んだ方がいいよ。じゃないと気付いた時には終わってる…』

 

「悠奈さん…」

 

『というのがお節介な先輩からのアドバイス!』

 

『優勝目指してね』

 

通話が切れ、部室がなんとも言えない空気に包まれるなか、すみれちゃんはくぅちゃんの事を見て、何か思い詰めていた。

 

 

 

 

 

 

かのんちゃんの家で再度集まり、話し合うことに……なったけど、かのんちゃんのお母さんとアリアちゃんの二人がお祝いをしてくれた。

 

 

「はいどうぞ~!」

 

「わぁ~」

 

まんまるのケーキを見て、嬉しそうにする恋ちゃん。

 

「東京大会進出おめでとう!」

 

「ありがとうございます!」

 

「じゃあ今ハンバーグ焼いてくるからね」

 

「うん…」

 

「あれ?嬉しくないの?」

 

「いや喜びたいのはやまやまなんだけどね」

 

「次の山が大きくてね。マンマルだったらどうする?」

 

山が大きいか……みんな、弱気だけど大丈夫かな?

するとアリアちゃんがパソコンを見て、ある事を言い出した。

 

「あれ?その子さっき店に来てたよ」

 

「げっ!」

 

「そこでお茶していった」

 

「えっ?」

 

「偵察?」

 

ストーカーもかなり厄介な…………

 

「もうそんなことまでしてんのかよ!」

 

「こうなったら強硬手段でいくしかないんですの!」

 

四季ちゃんは鞄から紫色の液体が入った瓶を取り出すと……

 

「大会当日この液体をあの子の飲み物に1滴垂らせばその瞬間私たちの決勝進出は決定ですの~」

 

「ブイ」

 

「ダメに決まってんだろ」

 

「どうしてそういう手しか思いつかないわけ?」

 

「すみれも似たようなもんですけどね~」

 

「全くそうだよ。やるならドーピング剤を混ぜて規定違反を狙わないと!」

 

「なるほどですの!」

 

「紗桜莉……あんたが関わると本気でやりかねないからやめなさい」

 

「リアクション薄い」

 

「では正攻法でネットにウィーン・マルガレーテの根も葉もないゴシップを流して炎上を狙うんですの」

 

「どこが正攻法なんだよ!」

 

「ネットの世界では十分正攻法ですが?」

 

「夏美ちゃん、それだとバレる可能性があるから、私が密かに入手した強要してきて所のボイスをネットに流そうか」

 

「それですの!」

 

「だから本当にやめなさい…………」

 

「千砂都先輩何か気になるところでもあったんっすか?」

 

「ううん何でもない」

 

ちーちゃんが見てる動画……この間の予選の?何か気になることがあるのかな?

それにかのんちゃんは何かに気がつくけど…………どうしたんだろう?




没案

ウィーンについて思い出す紗桜莉

「マルガレーテ……あぁあの紫で突然現れて『はい、マザー』って言うムラサメって子だね!」

次回、ウィーンガチ泣き
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32 ただ一人のために……

今回、多分一番平和なシーンは……ウィーンの所です


話し合いも終わり、そのまま解散となるのだが、ちーちゃんから2年生だけ残って話したいことがあるらしい。その話は……この間のライブでの1年生のパフォーマンスについてだ

 

「1年生が?」

 

「うん。動画見てはっきり分かったんだ。まだ私たちとかなり実力差がある」

 

「1年生頑張ってるよ?この前のステージだって私たちと一緒のステップできてたし」

 

「それはもちろん分かってる。でも…」

 

「できてるのと勝てるかどうかはまた別の話ってことでしょ」

 

「このままでは決勝進出は難しいデスカ?」

 

「多分……」

 

「で千砂都としては1年生に猛特訓させた方がいいってこと?」

 

「どうするのがいいのかみんなの意見聞きたくて」

 

「ですが話したら気にしますよね」

 

「そりゃあね。ただでさえ私たちと差を感じてるって言ってたし」

 

「話さなくていいと思います。1年生は頑張ってます。今話したらきっと頑張りすぎてしまう気がします。歌うのが辛くなってしまうと思います」

 

「でもさアンタ…」

 

「可可はみんなで楽しく歌いたいです!」

 

「うん。私も賛成」

 

「じゃあ1年生には言わずに練習メニューの方を少し考え直してみようか」

 

何も言わずにか……確かにその方が良いかもしれないときがあるけど…………

 

「私から言わせてもらえば、その事を気付かれたときはどうなるか考えてる?」

 

『あ……』

 

「辛いことだよ」

 

変に気を遣われてる……そう思い始めたら、余計にね。

 

「ただこの件に関しては一年生たちのことを信じてあげてほしいかな」

 

「…………分かった。とりあえずそこら辺も頭に入れてメニュー考えてみるよ」

 

ちーちゃんも分かっている感じだった。本当に気を遣われている時の気持ちを…………

 

 

 

 

 

 

すみれside

 

かのんの家から別れたあと、私は可可の後をついていく……可可の様子……もしかしたら……

 

「なんですみれがこっちに来るのデスカ。家は向こうでしょう?」

 

「寄るところがあるの」

 

「だったら一人で行くといいデス。可可はこっちから帰りますから」

 

「いいの?」

 

「何がデス?」

 

「ラブライブで結果を出さないと上海に連れ戻されるって話はまだ生きてるんでしょ?去年見逃してもらったってことは今年は絶対結果が必要ってことなんじゃないの?」

 

「すみれには関係ないデス」

 

関係ないって……何でそんなことを言えるのよ!

 

「関係なくない。少なくともLiellaにとっては大きなことでしょ?そんなにみんなのことが信用できないの?可可!」

 

「嫌いデス」

 

「みんなにちゃんと話した方がいい」

 

「できません。可可はみんなと楽しく歌っていたいのデス。それが可可が夢見たスクールアイドルなのです」

 

雨が降ってきた……可可の顔が見えないけど、雨で泣いてるのが分からない…………何で……こんなに言っているのに…………届かないの…………

 

可可はそのまま走り去っていく。私は慌てて呼び止める

 

「可可!待って可可!」

 

だけど可可はそのまま…………そして可可が落としていったぬいぐるみを私は拾い上げ…………

 

「どうしたら……いいのよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

お風呂から上がり、ラブライブの記事を見ていると、何かの物音が聞こえ、私は外に出ると……

 

「渋谷かのん」

 

階段の上にマルガレーテちゃんがいた。何でこんなところに…………

 

「どうしてこんなところで歌っているの?」

 

「えっ?」

 

「私が本当の歌を教えてあげる。あなたが歌っているステージがいかにちっぽけでくだらない場所か思い知らせてあげる」

 

「くだらなくなんかない!私たちが歌っているステージは、ラブライブは最高の場所!」

 

「そう。私の言葉を覚えておいて。当日その意味が分かるから」

 

意味って……そんなこと…………あ…………

 

「私の言葉を覚えておいてか…………貴方は私の言葉を覚えてないのかな?」

 

「!?」

 

マルガレーテちゃんの背後には紗桜莉ちゃんがいた。紗桜莉ちゃんはマルガレーテちゃんの肩をつかみ…………

 

「本当の歌ってなんなのかな?当日教えるんじゃなく、今ここで教えてほしいな~」

 

「ひ、ひぃ」

 

「それともただのハッタリ?面白いことを言うよね~たかが運良く予選突破出来たくせに調子に乗ってるみたいだけど…………」

 

「ち、ちが……」

 

「何が違うのかな?そこら辺ゆっくり話を聞こうか?」

 

「あ……いや…」

 

わぁ~雨が上がって良かったな~

マルガレーテちゃん、濡れてないみたいだけど、たまたま近くで雨宿りしてたのかな?

 

「あぁ本当の歌を教えるってことは……今から貴方に上げさせる……悲鳴のことかな?楽しみだな~いい声で鳴くんだよね?」

 

「ひ、ひいいいいいいいいい!!!!」

 

マルガレーテちゃんは泣きながら逃げていくのであった。

 

「くすくす、本当にいい声で泣いたね」

 

と言うか紗桜莉ちゃん……いつの間にマルガレーテちゃんの後ろに回り込んだんだろう?いや、気にしない方がいいかもしれない。うん

 

 

 

 

 

 

 

すみれside

 

部屋で私は可可から貰ったティアラを見つめた。あの子は一人で抱え込んでいる……私が出来ることは……あの子を帰らせないこと……その為には…………

 

「私が……悪役になるしかないわね」

 

一年生には嫌われる……ううん、きっとかのんたちにも…………だけど勝つためには…………

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

練習の時間になり、きな子ちゃんたちと一緒にストレッチをしているとかのんさんたちがやって来た。あれ?千砂都さんが持ってるのって……

 

「うぃ~っす!」

 

「ん?」

 

「今日から練習メニューが新しくなります」

 

「いよいよ東京大会に向けてか」

 

「気合い入るっす!」

 

「今から筋肉痛が心配ですの」

 

みんな、やる気満々だな~するとすみれさんがゆっくりと前に出て……

 

「ん?すみれ?」

 

「その前に私から話があるんだけど」

 

「何?」

 

「次のステージは2年生5人だけで立った方がいいと思うの」

 

すみれさんからの衝撃な一言が出た。何でまた……

 

「すみれちゃん…」

 

「本気なのですか?」

 

「えぇ。昨日一晩考えたの。あの子に勝つには…決勝に進むにはそれしかないって」

 

「すみれ……」

 

突然のすみれさんの発言にみんなが戸惑うけど、紗桜莉さんはベンチに座り、お茶を飲んでいた。

 

「どうして?そんなにあの子が怖いの?」

 

「Sunny Passionを倒したのよ?当たり前でしょ」

 

「ですよね……」

 

「だからって必ず負けると決まったわけじゃないでしょ?」

 

「でも5人だけで歌うなんて許されるのですか?」

 

「えぇ。予選に出ていないメンバーが加わるのは禁止だけどやむを得ず欠員が出るのは構わないって、更に事前に登録しているなら、予選に欠員としていた人物も出れる……紗桜莉と蓮華を入れてもいい。実力なら二人の方が一年生より上よ」

 

「そんなの!」

 

「私らが休めば…」

 

「2年生と蓮華ちゃんだけでより素晴らしいステージがつくれる」

 

「っていうことっすか…」

 

「バカなこと言わないで!」

 

かのんさんが怒るのも無理もない……かのんさんは誰よりもみんなのことを信じているから……

私は紗桜莉さんに助けを求めるが……紗桜莉さんはお菓子を食べている。

 

「そうだよ!7人だけで出場して勝っても何の意味もない!紗桜莉ちゃんたちを入れても同じだよ!」

 

「学校のみんなで勝って喜ぶのが目的です!」

 

「でもさ負けちゃったらどうするんだよ?」

 

「たくさんの人が悲しむ」

 

「それだったら少しでも勝てる可能性がある方を…」

 

「聞いたでしょ。1年生もこう言ってるのよ」

 

「すみれちゃん」

 

「勝たなきゃいけないの」

 

「私だってそう思ってる。でもLiella全員で挑まなきゃ意味がない。だってここにいる全員がLiellaなんだもん!」

 

「私はねショウビジネスの世界に返り咲きたいの。ここで結果を出して目立って目立って目立ちまくってあの世界に舞い戻らないといけないの。だからこんなところで負けてなんかいられない」

 

「本気で言ってるの?ねぇ答えて!」

 

かのんさんもすみれさんもお互いに涙を浮かべていた。かのんさんは信じていたすみれさんからそんなことを言われて、悲しいから分かるけど……どうしてすみれさんはかのんさんよりも……ううん、ここにいる誰よりも辛そうに……悲しそうにしているの?

 

「本気よ…」

 

すみれさんの言葉を聞き、かのんさんは怒り…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右手を振り上げ…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屋上に乾いた音が響いた。




かのんとすみれの言い争い……個人的にも結構辛いものでしたが……もっと辛いものがあった……結城友奈は勇者である 勇者の章の五話……あそこもかなり辛いものですよ

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33 大嫌いで……大好き

今回、ちょっと変えています!


蓮華side

 

屋上に乾いた音が響いた。それはかのんさんがすみれさんを叩いた音………………ではなく、紗桜莉さんが両手を叩いた音だった。

 

「とりあえずお互いの意見は言い終えたかな?」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「紗桜莉……悪いけどあんたがどう言おうと…………」

 

「まぁそうだろうね。自分から悪者になろうとしてるんだから、私がどう言っても仕方ないと思ってる」

 

「!?」

 

「悪者って……」

 

紗桜莉さんは……全部気がついてる?

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

すみれちゃんの突然の発言……どう考えてもおかしいと思っていた。だから色々と考えた結果……すみれちゃんはくぅちゃんのために自分から悪者になって、大会に勝とうとしている…………全くこう言うことでしか考え付かないんだから…………

 

「紗桜莉さんは……最初から分かっていたのですか?」

 

「すみれちゃんが本心からあんなことを言い出したんじゃないかって」

 

「うん、一応最後まで話を聞いたのは……かのんちゃんの思いとか聞きたかったって言うのもあったけど…………それでくぅちゃんから何かある?」

 

「!?」

 

「何言ってるのよ……私は…………」

 

「すみれちゃん、自分が悪者になろうとするなら、辛そうな顔をするのはやめた方がいいよ」

 

「…………」

 

「可可は…………」

 

「いい加減二人だけの問題にするのはやめた方がいいよ」

 

「……あんたは、全部分かってるのね……」

 

すみれちゃんは話すべきかまだ悩んでいた。どうしてこんなことを言い出したのか……それが誰の為なのかを……

 

「すみれちゃん……教えて……すみれちゃんは本当に一年生を抜いた状態で歌うべきだと思ってるの?」

 

「そんなの……そんなの……そんなのできるわけないでしょ!どれだけ練習頑張ってきたと思ってんのよ。朝から晩まで毎日毎日ラブライブのために…分かってるのよ……みんなで一緒に喜ぶために頑張ってきたことは…………でも……でも…」

 

「すみれ……9人でいいんですよ…」

 

ようやくくぅちゃんが口を開いた。このまま黙っていたら私の方で色々と言うか悩んでたけど……

くぅちゃんはすみれちゃんに近より、更に話を続けた。

 

「大切なのは全員で歌うことデス。みんなで最高のステージにすることなんデス」

 

「でも…でも!」

 

「可可は構わないって言ってるのにどうして余計なことばっかりするんデスカ?勝手に苦しんでるんデスカ?」

 

「嫌なの…アンタと一緒にいたいのよ…。3年間一緒にスクールアイドルやりきりたいの!」

 

すみれちゃんの想いは……かのんちゃんが言った言葉と同じ……みんなと一緒にやりたい。ううん、ここにいるみんなが望んでることだから…………

 

「私は……あんたがくれたあのティアラで救われたの…だからお礼がしたいの…私の力でアンタに最後までスクールアイドルを続けさせたいの…。上海に絶対帰らせたくないの…」

 

「上海?」

 

「どういう意味ですの?」

 

「帰っちゃうのよ…勝てないと…。結果残さないとこの子が…可可が連れ戻されちゃうの!いなくなっちゃうの!」

 

すみれちゃんは膝をつき……泣き出した。本当に大切だからこそ……どうにかしたいって思っていたから……すみれちゃんは……

くぅちゃんはそんなすみれちゃんの頬に触れ……

 

「ほんと…バカですね…」

 

「可可……」

 

「本当にすみれは余計なことばっかりするのですね。可可の嫌がることばっかり可可が決めたことに反対ばっかりして可可が言うことにいつもいつも口を挟んできて」

 

「うるさい!うるさい!うるさ…」

 

そっとすみれちゃんを抱き締めるくぅちゃん……驚くすみれちゃんにあることを呟いた。

 

「本当…大嫌いデス…大嫌いで…大好きデス…」

 

「う…う…あ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁん」

 

その日…夕日が屋上に差し込む中、すみれちゃんの泣き声が響いた。そしてくぅちゃんもまた泣き出すのであった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね……」

 

「私も……ごめん」

 

「へ?何が?」

 

帰り道、かのんちゃんとちーちゃんの二人が謝ってきた。別に謝ってもらうようなことされてないんだけど…………

 

「可可ちゃんの事とかすみれちゃんの事……」

 

「紗桜莉ちゃんはずっと前から気がついてたのに……私たちは……ね」

 

「あぁ気にしなくてもいいのに……別に」

 

「知らなかったとはいえ……私……すみれちゃんとあんな風に喧嘩しちゃったし……」

 

「仕方ないことだよ……誰だってそうするかも知れなかったし……それに……かのんちゃんが本当にみんなの事が大好きだって改めて分かったから」

 

「うん……」

 

「それとさ……あの時はかのんちゃんがあぁ言ったことを……私は嬉しいって思ったのと同時に……すみれちゃんが言ったことが許せないってちょっと思ったよ……」

 

「二人とも……気にしすぎ……あの後、すみれちゃんも謝ったんだしさ。もうこの話は解決!だよね」

 

「うん」

 

「そうだね!」

 

それにしてもすみれちゃんがあんな風に言い出すくらいまで追い詰められる程、くぅちゃんの家の件は進んでるのか~

他人が口を挟むことではないけど………………ちょっと私の方でも『オハナシ』しないとね。

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、改めて大会に向けての練習メニューが完成され、すみれちゃんとくぅちゃんの仲も少しだけど変わりつつあった。ううん、かのんちゃんたちの絆がより深まったと言うべきかな?

 

「あの、紗桜莉……」

 

「何?くぅちゃん」

 

「昨日家族から電話があって……何だか怯えていたのですが…………」

 

「何か怖いことでもあったんじゃないの?」

 

「その…可可の友達から電話があって……」

 

「あぁ『オハナシ』しただけだよ」

 

「深く聞かない方がいいデスネ……はい……」




本編では神社で、ティアラも出てきましたが、こちらでは紗桜莉がすでに知っているから、屋上での話となりました!
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34 再びの北海道

吹雪の中、私とすみれちゃんとメイちゃんの三人は夏美ちゃんを探していた。

 

「おい夏美!夏美~!」

 

「どこにいるの!?」

 

「まずいわね……このままだと……私たちも」

 

「それでもあの子を探さないと!」

 

「いた!夏美!」

 

メイちゃんが夏美ちゃんを見つけるけど、夏美ちゃんは返事がなかった。

 

「自撮りしたまま…」

 

「固まってる…」

 

「撮影…開始…」

 

「あんまり離れると迷子になるっすよ~!」

 

「早く戻って~!」

 

遠くできな子ちゃんたちが呼んでるけど……夏美ちゃんが……仕方ない

 

「このままでは撮れ高が~!」

 

「危ない!」

 

「お湯でもかける?」

 

「いや、そっちが危ないわよ!」

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでコテージにて無事避難できたけど……

 

「あんまり無茶すんなよ」

 

「せっかくの北海道ですのよ!日々新しい動画を出し続けることがいかに重要か…」

 

「はいはい。そこまで」

 

すみれちゃんが暖かい飲み物を夏美ちゃんに渡した。

 

「あったか~い……って聞いた話と違いますの!ぬぁ~んですの!?この状況は!?」

 

「それは…」

 

「すごい吹雪デス」

 

外はもう吹雪だった。まぁ冬だし……とは言えここまで吹雪くなんて……

 

「晴れていれば素敵な景色なのでしょうね。晴れていれば…」

 

「明日はすっかり晴れるみたいだよ?そしたらたくさん練習できるね~」

 

「もう!かのんちゃんのバカ!」

 

「うぇ!?」

 

「かのんちゃんがあの時…」

 

どうして私たちが北海道に来ているかと言うと……それは…………

 

 

 

 

合宿前の事、部室でちーちゃんからある提案があった。

 

「冬休みに強化合宿したいと思います。ぜひみんなの意見を」

 

「ここはぜひ私の故郷 上海に!」

 

「そんな時間はないでしょ!」

 

「きょ、京都!」

 

「行きたいだけ」

 

「うっ…」

 

「渋谷区でも合宿できる施設はあるみたいです」

 

「都内じゃ代わり映えしないですの」

 

こう人数が多いと、改めて合宿先を決めるのは難しいよね~

 

「困ったなぁ…」

 

「あるっすよ」

 

「えっ?」

 

「かのん先輩と紗桜莉先輩も来てくれたきな子のペンション。お母さんがいつでも来てって」

 

「本当に!?」

 

確かにあそこなら合宿に向いてるけど……あれ?かのんちゃん…………

すると恋ちゃん、すみれちゃん、くぅちゃんの三人がかのんちゃんに詰め寄った。

 

「説明してもらえる?私きな子のうちに行ったことないんだけど」

 

「ひとり内緒で行ったのデスカ?」

 

「いやそうじゃなくて…」

 

「無連絡…」

 

「ふ~ん…そうだったんだ…」

 

「ち、ちぃちゃん!ち、違うの!前にお父さんが忘れ物をして届けに行った時…」

 

「一言言ってくれなかったのがショック」

 

「ごめんなさい~!って紗桜莉ちゃんは?紗桜莉ちゃんも……」

 

「私?ちゃんとみんなに報告してたけど?」

 

さすがに北海道にいたなんて、隠すのもおかしいと思ったからね。

 

「ず、ずるい!?私の事も」

 

「かのんちゃんはしっかりしてるからいい忘れたりとかはないかなと思ったんだけど……」

 

「うぅ……きな子ちゃん助けて~」

 

 

 

 

 

 

 

 

と言うことで北海道で合宿をすることになったのだった。

 

「でもこういう周りに何もないところの方が集中して練習できると思ったんだ。1年生とももっと距離を縮めたいなって思ってたから」

 

「一体感」

 

「そうそれ!」

 

「ここなら自然に全員の距離が近くなると思うんだ」

 

「それは分かるけど…」

 

「でもそれだけで先輩に追いつけるとは…」

 

「ですの!」

 

「今回は1年生も一緒に!」

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、天気も回復したので、みんなそれぞれ分かれて色々とやることに、私と蓮華ちゃんはそんなみんなの様子を見に行くことに……

最初は外でちーちゃんと四季ちゃんが振り付けについて話していた。

 

「私が?」

 

「うん。一緒に振り付け考えてみない?東京大会は曲もダンスも全部1年生と2年生が共同で作る。それが一体感を高めるには一番いいって」

 

「それは理解。でも無理」

 

「どうして?ダンス1年生で一番得意でしょ?」

 

「分かりやすくいうと千砂都先輩がミヤマクワガタだとすると四季はダンゴムシ」

 

「全然分かりやすくない…」

 

「とにかく無理」

 

なんと言うか四季ちゃんはいざというときに自信がなくなるな~いや、これは一年生のみんなに言えることだけど……

 

「何か勘違いしてるよ四季ちゃん。別にダンスでは私と競争しようっていうんじゃないよ。一緒に振り付けを考える。力を貸してほしいんだ。そしたら私が最初に振り付けを考えてみるからそれを見て四季ちゃんから意見をもらう。そんな感じでやってみようよ!」

 

「こっちは大丈夫そうだね」

 

「はい!」

 

「そう言えば……二人はいつもどうしてるの?」

 

四季ちゃんからの突然の質問だけど……どうしてるって?

 

「あ、いや、曲とか振り付けとか……」

 

「私は自分で作って……かのんちゃんとちーちゃんに見てもらってるかな?」

 

「私は基本的に一人でやってましたけど……結ヶ丘に来てからは自然と声をかけてもらって」

 

「あはは、私たちの場合は放っておけないって気持ちが強いからね」

 

だから色々と気持ちとかも変わるしね。

 

 

 

 

 

 

 

次の場所に向かうけど……恋ちゃんとメイちゃんは何をしてるんだろう?

 

「あぁ~!」

 

「ちきしょう!こんなの無理だろ!」

 

「難しすぎます!」

 

「さっきの鍵やっぱ必要だったんじゃ…」

 

「確かに!戻ってゲットしましょう!」

 

「あぁ!よしコンティニュー!ってこんなことしてる場合じゃねぇ!」

 

「息抜きじゃなかったの!?」

 

「私もてっきり……」

 

「すみません。久々の協力プレイ楽しすぎました」

 

「作曲するんだろ?紗桜莉先輩たちが心配してるだろ」

 

「えぇ」

 

「まぁ……去年比べたら考えられなかったことだけど……」

 

「そうなんですか?」

 

「うん、だから恋ちゃんの場合はこういう風にしてるのが一番いいかもね」

 

「だからってよ……私に期待すんなよ。ピアノっつっても小さい頃から親に言われて習ってるだけだぞ」

 

「この前聴かせていただきました。伸び代は無限大です」

 

「勘弁してくれよ…」

 

「続けてこられたということは嫌いじゃなかったはずです。さぁ!」

 

恋ちゃんが最初に弾き、次にメイちゃんも弾き始めた。何だか邪魔したら悪いし、私たちはそっと部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

次に訪れた場所は、かのんちゃんときな子ちゃんの作詞組だけど……何故かヨガをしていた。

 

「かのん先輩…」

 

「歌詞降りてきた?」

 

「今のところはまだ…ほんとにこんなので思いつくんっすか?」

 

「今日調子悪い…」

 

かのんちゃんなりの作詞方法だっけ?とは言えそんな直ぐには歌詞が出てくるわけないみたいだけど……

 

「かのん先輩」

 

「ん?」

 

「きな子の部屋に昔書き溜めた歌詞ノートがあるんっす。よかったら…やっぱり恥ずかしい!」

 

「無理しなくていいよ。きな子ちゃんの大切な気持ちが詰まったノートだもんね」

 

「そんな…きな子の言葉なんてとても…」

 

「私もね、すっごい恥ずかしいんだ」

 

「かのん先輩が?」

 

「最初みんなに見せるとき"うあぁぁぁ!って、ノート全部ビリビリにしたいくらい」

 

「信じられないっす」

 

「私なんて一人じゃてんでダメ。だからきな子ちゃんが恥ずかしいって思ってくれていてちょっとホッとしたんだ」

 

「それじゃあきな子が巻き添えみたいじゃないっすか」

 

「いいじゃ~ん!」

 

「わっ!」

 

かのんちゃんはきな子ちゃんに抱きつき、中々のキメ顔で……

 

「でもそのあと待っている嬉しさとか感動とかも巻き添えにできるからきな子ちゃんにやってほしいって思ったんだ。一緒に頑張ってみよ」

 

「は、はいっす!」

 

「見た?蓮華ちゃん」

 

「はい、あれが一年の間で言われている無自覚イケメンかのん先輩ですね!」

 

「無自覚だから余計にたちが悪いんだよ」

 

「そうですね……」

 

「って二人とも何の話してるの!」

 

「かのんちゃんが後輩を口説いてるって話を」

 

「やめてよ!」

 

 

 

 

 

 

 

かのんちゃんに怒られ、次の場所に、今回はリモートで会見を開くとの事で、その準備をしているすみれちゃん、くぅちゃん、夏美ちゃん……

 

「オニナッツ~!今日は合宿中のLiellaに密着ですの~!密着密着~!」

 

「ちょっと何なのこれ?」

 

「他校に負けてないと伝えるためです」

 

「またこんなもん作ってどうするのよ?」

 

「このあと開かれる出場者のリモート会見!そこから既に戦いは始まるのデス!」

 

「そんなの配信ならバーチャル背景で何とでもなるでしょ!」

 

「う、うるさいデス!だからLiellaは手作りの良さを見せるのデス!」

 

「あの~…」

 

「「何!?」」

 

「あ、いや~…お二人とも変ですの。抱き合って泣いてみたり喧嘩してみたり。それでいいんですの?」

 

「可可が強情なだけよ」

 

「何を!すみれがうるさいからデ~ス!」

 

二人の仲は相変わらずみたいだな~とは言え夏美ちゃんには誤解を解かないとね

 

「夏美ちゃん」

 

「はい?」

 

「あの二人のことはケンカップルって言うのよ。普段は反りが合わずに喧嘩ばっかりしてるけど、お互いに本音が言えるから……言うなればイチャイチャしてるってことよ」

 

「なるほどですの!」

 

「「違う!」」

 

「つまり…あれは……夏美ちゃんに見せつけているってことに……」

 

「なるほど……惚気ですの」

 

「「だから違う!」」

 

二人が否定していると、くぅちゃんが作っていた看板がこっちに落ち始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなでリモート会見の時間になった。今回はかのんちゃんの希望で私と蓮華ちゃんも参加することに……

 

『お待たせしました!ではこれよりリモート会見を行いま~す!それぞれの意気込みをモニターの前のみんなに伝えまくりましょう!』

 

「始まった!」

 

「なぜにガムテ?」

 

「聞かないで」

 

「すみれが余計なことを言うからです」

 

「静かに!そろそろ来ますの!」

 

『それではLiella!張り切ってどうぞ!』

 

「皆さんこんにちは!私たちは…」

 

「結ヶ丘女子スクールアイドル部!」

 

『Liellaです!』

 

「えっと…」

 

「私たちLiellaは去年決勝には進めませんでした。それから1年、今年こそは全員で決勝に進もうって頑張ってきました。叶うことなら優勝を目指してみんなを笑顔にできるライブをしたいと思っています!皆さんの応援!今回は予選では欠席となりましたが、この11人でステージにたちます!」

 

『よろしくお願いします!』

 

そう、私たちも立つからには……負けられないよね。

 

『ありがとう!以上"Liella"でした!』

 

「はぁ…いつまでたっても慣れないなぁ…」

 

「そんなことないよ。助けてありがと」

 

「ううん。思わず話しちゃった」

 

それにしても11人か……結構初めての試みだよね。

すると次のスクールアイドルの番になった。

 

『続いては今大会注目のウィーン・マルガレーテちゃんです!』

 

「あっ!」

 

「すごいっす!」

 

「相変わらず表情ない」

 

「お前が言うな」

 

『私がラブライブに出場するのはここがいかに低レベルであるかをスクールアイドルたちに知ってもらうため。私が本当の歌を教えてあげる。それだけ』

 

この子……大丈夫なのかな?

 

『わわわわわわ!これはとんでもないスクールアイドルの登場だ~!』

 

「ラブライブが低レベル!?」

 

「ふざけんな!いきなり出てきて好き勝手なことを!」

 

「でも最強と言われたサニパさんに勝った」

 

「それは…」

 

「はっ!紗桜莉ちゃん!ダメだよ!今から東京に戻って、あの子に色々と言ったら」

 

「いや、かのんちゃん、何を言ってるの?私がそんなことをするわけないじゃん」

 

「え……」

 

かのんちゃん、その反応……ちょっと困るんだけど……

 

「私はただこんな偉そうなことを言って……負けたときはどうするんだろうなって、思っただけだよ」

 

もしも負けたら、ネット上でさっきの会見の動画を拡散されて……『ねぇ、どんな気分?』って言われるんだろうな~

 

「私ならさっきの会見を耐久リピートさせるくらいだよ~あはは~」

 

「紗桜莉ちゃん……それだけは本当にやめてね……」




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35 本当の歌

ウィーンがビルド何て言うから……


「紗桜莉ちゃん、かのんちゃん呼びに行くの?」

 

「うん、あれから何だか様子が気になってね」

 

「そっか……」

 

ちーちゃんと二人でかのんちゃんの様子を見ると、かのんちゃんは会見でのウィーンって子の言葉を聞き返していた。

 

「マルガレーテちゃんのこと?」

 

「うんダメだね。ひとりでいると無駄に考えちゃう。お風呂そろそろだよね」

 

「1年生も頑張ってる。きっと大会までにみんなもっと上手になるよ」

 

「うん。みんなすごく頼もしいよ。それとは別に本当の歌って何なんだろう?」

 

「マルガレーテちゃんの…」

 

「言ってたでしょ。自分が本当の歌を教えるって。フェスでのデビューライブもSunny Passionさんを倒した地区予選もマルガレーテちゃんは歌・ダンスともに圧倒的だった」

 

「でもあれが本当の歌なのかな?」

 

「すごいと思うよ。自分の世界を完全に描けてる」

 

「マルガレーテちゃんもきっと歌が大好き。だからこそ歌で泣いたり笑顔になれたりする素晴らしさを知っているはず。なのにマルガレーテちゃんから伝わってくる気持ちは勝つ。ただそれだけが胸に刺さる。それがまるで氷みたいで…」

 

「かのんちゃん、ソロアイドルってどう言うものかわかる?」

 

「え?」

 

「ソロアイドルはユニットやグループとは違って、孤独なんだよ」

 

「孤独……それじゃマルガレーテちゃんがあんな風なのは……」

 

「孤独でも、楽しめてる人がいるのは確かだけど……あのウィーンっ子はただただ勝つためだけに全てを捧げてる感じだよ」

 

「勝つために……でもそれって……」

 

かのんちゃんが言いかけた瞬間、先にお風呂に入っていたくぅちゃんたちが声をかけてきた。

 

「お先~」

 

「さぁ行こう。1年生待たせちゃうよ」

 

ふっと恋ちゃんが何かに気がついた。私たちも見てみると……

 

「あら!」

 

「ん?」

 

窓の外を見ると、離れの電気がついていた。きっと一年生が……

 

「みんな…」

 

「さっきのマルガレーテちゃん見て練習しようって思ったんだね」

 

「なかなかやるじゃない」

 

「みんな素敵です」

 

「ねぇみんな」

 

「ん?」

 

「明日の練習メニュー、私が決めてもいい?」

 

かのんちゃんからの突然の申し出に私たちは特に反対することはなかった。

 

 

 

そして次の日、かのんちゃん提案の練習メニューは……

 

「今日は練習なし~!」

 

「え~!?」

 

「急にどうして!?」

 

「頑張るためには休みも大事」

 

「でも…」

 

「私たちは上手くなるために勝つためにと考えすぎていたのかもしれません」

 

「それを1回忘れたいんだ。歌も練習も全部忘れてみんなで楽しく遊ぼう!」

 

それから恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃんは凍った湖の上でスケートを楽しんでいたけど、何だかきな子ちゃんが凄く悪そうな顔をして、メイちゃんが座る椅子を押していた。何だかきな子ちゃんのちょっとした内面が見えたような…………

 

すみれちゃん、くぅちゃん、四季ちゃんはと言うとワカサギ釣りをしたり、

 

かのんちゃん、ちーちゃん、夏美ちゃんは雪だるま作りから雪合戦をしていた。

 

そして私と蓮華ちゃんはと言うと……

 

「暖かいですね」

 

「でしょ。かまくらって意外と暖かいものなんだよ」

 

「初めて知りました!はぁ~」

 

「後は餅とか焼けば完璧なんだけどね~」

 

のんびりと話していると、蓮華ちゃんは急に思い詰めた顔をした。

 

「あの、今回……私たちも出るじゃないですか」

 

「うん、そうだね」

 

「その…何て言うか……」

 

蓮華ちゃんは自信がないのかな?仕方ないよね。過去のことがあるし、乗り越えたとは言えやっぱり緊張してるのかな?

 

「凄くワクワクしてます!私!」

 

「へ?」

 

「その、グループでのステージには良い思い出はなく、逆にソロアイドルも……何だか孤独で……でもそれは仕方ないって思っていて……」

 

「ソロアイドルが孤独か……」

 

「違うんですか?」

 

「違うよ。実は違うんだよ」

 

「え?」

 

「私も初めてライブをしたときは……凄く一人で寂しかったんだけど……」

 

あの時は恋ちゃんと鳥坂さんに私の思いを知って欲しいと思ってやったけど……それでも孤独感を感じていた。だけど……

 

「そんなときにね。かのんちゃんたちの姿を見て思ったの……あぁそうだったんだ。一人じゃない……みんながいてくれるから……私はってね」

 

「みんながいるから……そうですよね!」

 

蓮華ちゃんも色々と解決してみたいだね。すると突然雪玉がこっちに投げつけられてきた。

 

「紗桜莉ちゃん~」

 

「蓮華ちゃ~ん、こっちでみんなと雪合戦やろうっす~」

 

いつの間にかみんなで雪合戦してるし……仕方ない。私は雪の下から雪合戦最終兵装『ガトリング砲』を取り出した。

 

「さぁ!楽しもうか!」

 

「紗桜莉さん……それ、いつの間に持ち出していたんですか……」

 

蓮華ちゃんにつっこまれながら、みんなと雪合戦を楽しむのであった。

 

 

 

 

 

 

 

雪合戦を楽しんだあと、みんなでコテージに戻ると……

 

「はぁ~!遊んだ~!」

 

「東京大会前に遊んでみたなんて動画上げられないんですの。時間を無駄にしてしまったですの」

 

「でも1日全然違うことをしていただけなのにもうレッスンしたいなって思っちゃってるっす」

 

みんな、遊んだから更に練習をしてみたくなったみたいだ。すると上の方からギターの音が聞こえてきた。

 

「新しい曲…」

 

「遊んでただけだと思っていたけど」

 

「違った…」

 

「かのんの生み出そうとしている曲をみんなで完成させましょう」

 

「はいっす!」

 

「ワクワクしてきた!」

 

「これはバズる話題ですの!」

 

「みんなで作る歌」

 

それからみんなで分かれて、曲作り、振付け、衣装作り、そして練習をしていき…………

 

 

 

 

 

夜、私たちは焚き火の前に集り……

 

「できたっす。歌詞」

 

「振り付け決まった」

 

「曲も完成したぞ」

 

「衣装も考えてみたわよ」

 

「一生懸命頑張ってみんなに応援してもらってみんなと一緒に成長できる。スクールアイドルって本当に素敵だと思う」

 

「すっごく楽しくって」

 

「すっごく大変で」

 

「でもここにしかない喜びがあって」

 

「その気持ちが歌になって溢れる」

 

「Liellaって思えばずっとそうだったよね」

 

「それが私たちにとっての本当の歌なんじゃないかな」

 

「その言葉マルガレーテさんの…」

 

「本当の歌…」

 

「そう。本当の…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして大会当日、私たち11人は衣装をまとい、舞台袖で出番を待っていた。

 

「いよいよ始まるね」

 

「うん」

 

「澁谷かのん」

 

「あっ!」

 

出番を待っている私たちの前に現れたのは……えっと、ウィーンという子だった。

 

「マルガレーテちゃん…」

 

「私が本当の歌を教えてあげる。歌は力。そして私は未来を私自身でビルドする。歌の力で」

 

「違う…違うよ。そんなの本当の歌じゃない」

 

始まるウィーンって子のステージ……それは彼女のステージを見た全員が圧倒されている。だけど私からしてみても彼女のステージは…………冷たく……そして孤独だった。

 

「なんっすか?これは…」

 

「鳥肌立った…」

 

「勝者のオーラ」

 

「この後に私たちが…」

 

みんなも圧倒される中、かのんちゃんだけは違った。

 

「さぁ行こう。学校のみんなも見に来てくれてる。Liellaの歌を渋谷の街に響かせようよ」

 

かのんちゃんは私たちの本当の歌を見つけたからこそ、圧倒されていないんだね

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「10!」

 

「11!」

 

「結ヶ丘スクールアイドル部 Liella!たくさんの人に歌を届けよう!Song for Me!Song for You!」

 

『Song for All!』

 

始まる私たちのステージ……たくさんの人にこの歌を届けたい!

 

 

 

 

 

 

ライブが終わり、結果発表になった。私たちは…………

 




戦隊界隈のウィーン……ドンムラサメ
ライダー界隈のウィーン……ナイトローグ
ウルトラ界隈のウィーンは一体……やはりトレギアか

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36 望んだこと

マルガレーテ一家とテイラー一家どっちが娘想いなのか?


参加グループのステージが終わり、結果が発表される。ウィーンと言う子は二位……横目で見ると驚きを隠せないでいた。

 

「と言うことは……」

 

「えっ?」

 

そして私たちは……Liellaは……一位

 

 

「勝った…」

 

「これで…」

 

「全国大会…」

 

「かのんちゃん!」

 

「ちぃちゃん!」

 

「嬉しいっす」

 

「11人で…」

 

「勝ちました!」

 

眩い歓声と眩しいくらいのサイリウムの光……これだけの人たちが祝福してくれている。

 

 

「見て!みんな喜んでくれてる!」

 

「やっと去年の記録を超えることができました!」

 

「私たちと学校のみんなの力で!」

 

「うん」

 

「やった!」

 

かのんちゃんたちが喜ぶ中、私は足の痛みにずっと耐えていた。限界が……近いのかな?

そんなときだった。

 

「ありえない!」

 

突然ウィーンは司会者からマイクを奪い取ると……

 

「私はこの結果を認めない!」

 

何でこう……負けを認めないのかな?と言うかこの場で言うことではないだろうし……

少し言ってやろうとすると、かのんちゃんが前に出て……

 

「マルガレーテちゃん。この結果は聴いてくれたみんなが出してくれた答えだよ。スクールアイドルは一人じゃない。みんなと一緒だから素敵なライブが生まれるんだと思うの。それが伝わらないならマルガレーテちゃんにはスクールアイドルのステージに立ってほしくない」

 

「くっ」

 

ウィーンは悔しそうな顔をしながら、ステージから降りた。なんと言うかあの子は……子供みたいな感じがする。いや、実際年下なんだけど…………

 

 

 

ライブを終え、かのんちゃんの喫茶店で祝勝会をあげていた。

 

『かんぱ~い!』

 

「くぅ~!幸せ…」

 

「こんなおいしいジュース初めてっす」

 

「マルガレーテのせいで一時はどうなるかと思ったけどな」

 

「1年生が頑張ってくれたから乗り越えられた!」

 

「頼もしかったですぅ~」

 

「本当に!?」

 

「ネットでも評判になってますの」

 

「今年から入った新メンバーがすごく頑張ったって」

 

「ほ、ほんとだ…!」

 

一年生も認められて、嬉しそうにしていた。多分だけどかのんちゃんたちの中で一番頑張っていたもんね。

 

「メイは泣き虫」

 

くぅちゃんもあまりの嬉しさに泣いていた。本当にみんな、嬉しいんだろうな……

 

「ついに次は全国大会…それにしてもムカつくのはあのウィーン・マルガレーテ!」

 

「そうだ!神聖なラブライブに泥を塗りやがって!」

 

「あの子にとってあの発言は最悪ですの。ものすごい勢いで批判されていますの」

 

みんなで批判内容を見てみると……確かにこれは……

 

「もうラブライブに出てほしくない」

 

「あんなにいい歌だったのに残念」

 

「不満があってもあんなところで言うのはどうかと思う」

 

確かにここまで言われるのは可哀想とは思えない。

 

「まぁ悪いけど自業自得ね」

 

「なんであんなこと言ったんだろう…」

 

かのんちゃんはなんと言うか……

 

「それは悔しかったからに決まってるでしょ?」

 

「それだけなのかな…」

 

どこまでもお人好しなんだから、あ、そうだ、かのんちゃんには話しておかないと…………きっと気にするだろうな~思い詰めるかもしれないな~

 

「ハッピーニューイヤー!イェ~イ!」

 

そんなことを思っていると、ありあちゃんが大きなクラッカーを鳴らしてそんなことを言ってきた。そう言えば

 

「ハッピー…」

 

「ニューイヤー?」

 

「そういえば今日は…」

 

「おしょうが…」

 

「……つ?あ、年明けた」

 

 

 

 

 

 

折角だからみんなで初詣しに行こうと言う話になり、準備をする中、私はかのんちゃんとちーちゃんの二人にある話をした。

 

「どうしたの?急に?」

 

「何かあった?」

 

「後でみんなには話すけど、先に二人に話しておきたくって……ソロ大会のこと」

 

「あ、そっか、紗桜莉ちゃんと蓮華ちゃんはソロ大会があるから」

 

「全国大会には出れないね」

 

「ううん、その事じゃないの」

 

「「え?」」

 

「今期のソロ大会……私は出ないよ」

 

「それ……どういうこと?」

 

「な、何かあったの?」

 

「これは二人のせいじゃないの……だから気にしたり、思い詰めないでほしいの…………2年生になってからかのんちゃんたちと一緒にステージに立つことが多かったけど……その分の負担が今になって出てきたみたい」

 

私は自分の足を見つめた。事故の後遺症で激しい運動は出来ないようになっている。スクールアイドルのライブも激しいものは激しいけど、私は自分の身体にあったライブパフォーマンスをしてきた。だけど今年はかのんちゃんたちと一緒にステージに立つことが多く、私自身も望んで立っていた。

 

「だから……私はソロ大会に辞退する」

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「その……」

 

「言ったでしょ。気にしたり、思い詰めないでほしいって…これは私が望んだことだから」

 




紗桜莉のまさかの辞退!
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37 ウィーンの理由

何となく思い付いたネタ

ウィーン「渋谷かのん、婚約者としての自覚はあるのかしら?」

きな子「かのん先輩、逃げたら一つ、進めば2つっす」

かのん「よろしくね。花婿さん」




みんなで初詣をしに来たけど、流石は元旦……結構混雑しているし……おまけに寒い……

 

「ううっ…さすがに夜中だけ会って冷えるわね」

 

「北海道に比べたらなんてことないっす。それにしてもすごい人っすね」

 

「毎年こうだよ」

 

「かのんは毎年来てるのデスカ?」

 

「まっさか~。人混み苦手だしコタツでゴロゴロしてる方がいいよ」

 

なんと言うか……かのんちゃんらしいと言うか……まぁゴロゴロしたい気持ちは良くわかる。

 

「コタツでゴロゴロ?」

 

「えっ知らないの?コタツ」

 

「はい。実は家にはコタツがなくて」

 

「恋ちゃん、炬燵は言うなれば人をダメにするものだよ」

 

「ダメに!?」

 

「一度入れば……その魔力に抗えないからね」

 

「それは……体験してみたいです」

 

今度恋ちゃんにこたつを体験させるとして、ここまで人混みが多いのも……

 

 

 

 

 

 

とりあえず混雑しているため、かのんちゃんの提案で場所を移動することに、その場所はすみれちゃんの家の神社だった。さっきの神社より割とすいてる

 

「ここの方が空いててよいです」

 

「いちいち言わなくていい」

 

「でも地元民としてはこっちの方が落ち着くかも」

 

「では改めて。今年1年みんな仲良くいい歌を歌っていいライブができるいい年でありますように」

 

『ありますように』

 

みんなでお参りも済ませ、そのまま解散しようとするが……

 

「みんな、こんなときに話すのは……悪いんだけど……」

 

「どうしたデスか?紗桜莉」

 

「改まって何よ?」

 

「何かあったのですか?」

 

「かのんちゃんとちーちゃんには話したけど……私は……」

 

私はみんなにソロ大会に出ないことを話した。みんなは

 

「……あんたはそれでいいの……って今更聞くのもあれね」

 

「そうデスね。紗桜莉が一度決めたことですからね」

 

「ですね。それに紗桜莉さんはそう言う風に諦めたことに理由がありますよね」

 

「うん、2年生になってからみんなとステージに立てる事が多かったから……なんと言うか凄く満足しちゃってるし、それに……」

 

私は蓮華ちゃんの方を見た。蓮華ちゃんは真剣な表情で……

 

「ソロ大会の方は……任せたよ。蓮華ちゃん」

 

「はい、紗桜莉さんの想いも一緒に……頑張ります」

 

「うん、それとかのんちゃんたちも!お願いね」

 

「え?あ、そっか」

 

ステージに立つことは出来ないけど、想いだけは一緒に……

 

「ここまで来たんだから……みんな、頑張って!」

 

『うん!』

 

私はしばらくステージに立てなくなったけど、想いはみんなが連れていってくれる。だから……任せたよ

 

 

 

 

かのんside

 

正月の三ヶ日、私はスマホでラブライブの情報を見ていた。

 

「いよいよ決勝か……マルガレーテちゃんまだ言われてる」

 

未だに色々と言われているけど、紗桜莉ちゃん曰く一度流れた悪評はどうあがいても簡単には消えない。落ち着いたとしても、ずっと言われ続ける。

らしいけど…………私はまるちゃんの名前を検索するとあるものを見つけた。

 

「あっ。マルガレーテちゃんのSNS…」

 

そこに書かれたこと……それは……

 

 

 

 

 

『音楽学校?』

 

SMSを見て、私は思わずちぃちゃんに連絡をした。ちぃちゃんは丁度トレーニング中だった。

 

「うん。マルガレーテちゃんお姉さんのいるウィーンの音楽学校に入ろうとしたみたいなんだけど不合格になって…」

 

『わぁ…』

 

「SNSの投降をお父さんにちゃんと翻訳してもらったらそう書いてあったの」

 

『そうなんだ。でもラブライブにはどうして出場を?』

 

「それは書いてないんだ。不思議だよね。見返すためとか?」

 

『でもウィーンにいたんでしょ?そのためだけにわざわざ日本に?』

 

「だよね…」

 

『気になる?』

 

「うん。不合格になったって聞いて気持ち分かる気がするんだ。こんなに歌頑張ってきたのにどうしてって」

 

『そうだよね』

 

「あ、トレーニング中ごめんね。また何か分かったら連絡する」

 

電話を切り、改めてSMSを見ると、知っている場所の写真を見つけた。

 

「あ、これ今…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここだ」

 

神宮球場に来た私……ここにマルガレーテちゃんが……辺りを見渡すとベンチに座るマルガレーテちゃんを見つけた。

 

「マルガレーテちゃんだよね?」

 

「人違いじゃない?」

 

「ウィーンの音楽学校入学できなかったんだよね?」

 

「えっ?」

 

「お姉さんと同じ学校に入りたかったのに入れなかったんでしょ?」

 

「どこで聞いたの?」

 

「書いてあった」

 

私はマルガレーテちゃんの隣に座り、自分のことを話した。

 

「私もね昔受験失敗したんだ。音楽科目指してたんだけど落ちちゃって」

 

「一緒にしないで!アンタなんかとはレベルが違うんだから!」

 

「でも夢が奪われたように思えたのはきっと同じ」

 

「……」

 

「私ね、小さい頃から夢があったの。世界に歌を響かせたい。自分の歌で世界中の人を笑顔にしたいって。だからいっぱい練習したけどそれが楽しくて何も苦じゃなかった。でも人前で急に歌えなくなった。そのときの私には音楽科なんて夢のまた夢…」

 

「同情してるっていうの?」

 

「違うよ。同情なんかじゃなくて…」

 

「ふざけないで!私に勝って人の夢をあなたは奪ったのよ!?」

 

「夢を奪った?」

 

「何でもない」

 

「どういうこと?」

 

「帰る」

 

「マルガレーテちゃん!私がマルガレーテちゃんの夢を奪ったってどういうこと?どういうこと!?教えて!」

 

私は必死にマルガレーテちゃんの腕をつかみ、理由を聞こうとしていると…………

 

「取り込み中?」

 

「ひぃ!?」

 

「あ、紗桜莉ちゃん」

 

いつの間にかマルガレーテちゃんの後ろにいた紗桜莉ちゃん。と言うかマルガレーテちゃん、怯えすぎじゃ…………

 

「安心して、丸腰だから」

 

「ほ、本当に?」

 

「本当、本当……あ」

 

紗桜莉ちゃんのビリビリペンが地面に落ちた。紗桜莉ちゃんは笑顔で……

 

「ごめんね。丸腰じゃなかった」

 

「ひぃ!?」

 

とりあえず怯えるマルガレーテちゃんを落ちつかせるとマルガレーテちゃんは事情を話してくれた。

 

「条件だったの」

 

「えっ?」

 

「向こうでもラブライブは少し知られた存在でね。受験に落ちた私がそこで優勝できたら推薦で編入を考えてもいいって」

 

「編入…」

 

「私の家は音楽一家なの。家族に推薦してもらえば学校に入れる可能性は上がる。お姉様たちと肩を並べることができるかもしれない」

 

「それでラブライブに…」

 

「当然でしょ。じゃなきゃ私があんなくだらない大会に出るはずない」

 

「くだらなくなんかないよラブライブは」

 

「くだらないわ。私よりあなたたちの方が上だなんて評価を下すステージも観客もみんなくだらない。あなたなら分かるでしょ。どっちの歌が上手かったか。何なら今から決勝を辞退してもいいのよ」

 

「それはできない。だって私たちの方が勝っていたと思うから、私たちは全員みんなに歌を届けたいと思って歌っていた。ひとつになれたらと、その想いはあなたより強かった」

 

「ふんっ。意味分かんない」

 

「…………本当にくだらないし、気に入らないね」

 

話を聞いて紗桜莉ちゃんはそう言ってきた。

 

「気に入らないって……あんたに何が!」

 

「ウィーン、あんたのことじゃない。貴方の家族の話よ」

 

「はぁ?」

 

「貴方がラブライブを……スクールアイドルを知らないからこそ、くだらないって言うのは仕方ないと思うし、ただの世間知らずの子供も戯れ言だと思うけど……一番気に入らないのはラブライブをそんな事のために利用している家族の方よ」

 

「……紗桜莉ちゃん」

 

「私がどう言っても貴方は子供だから意地を張り続けるかもしれないけど、これだけは言える。家族を見返すことしないの?」

 

「!?」

 

「それをしない貴方は……一生……意地を張り続けなさい」

 

紗桜莉ちゃんはそう言って、去っていく。私は紗桜莉ちゃんの後を追うのであった。

 

「紗桜莉ちゃん……」

 

「ごめんね。変なこと言って」

 

「ううん、紗桜莉らしかったよ」

 

「そう」

 

 

 

 

 

 

ウィーンside

 

あの紗桜莉と言う子……何なの……私が意地を張り続ける子供だって、家族を見返すことしない……

 

「見返すからこそ……私はラブライブに……」

 

「貴方もスクールアイドルなの?」

 

不意に声をかけられ、顔をあげるとそこには見知らぬ女性がいた。

 

「スクールアイドルなのかもしれないわね。まぁ今は……」

 

「何かあったか知らないけど……貴方は歌は好き?」

 

「はぁ?」

 

そんなの……

 

「好きだから歌う……その答えをちゃんと見つけた方がいいよ」

 

女性はそう言って去っていく。その後ろ姿は……天使を思わせるような…………

 

 

 

 

紗桜莉side

 

始業式……壇上に私たちは上り……

 

「皆さんのおかげで決勝に進出することができました。生徒会長としてLiellaのメンバーとして改めてお礼を言わせてください。ありがとうございます」

 

「その勢いで優勝だ~!」

 

「Liellaなら夢じゃない!」

 

「結ヶ丘全員の力を合わせて応援しよう!」

 

「皆さん…」

 

「ここまで来たんだもん。次も笑顔で終われるよう頑張ろ」

 

「うん!」

 

「1年生も2年生もいい人ばかりで可可幸せデス」

 

「きっと引き寄せるんだよ。恋ちゃんのお母さんが」

 

「そうね」

 

「その通りかもしれませんの」

 

「2人が言うと微妙に説得力が…」

 

「なんで!」

 

「はわわわわわっ!」

 

「ステージ上だよ」

 

なんと言うかいつも通りって感じだな~

 

 

 

集会を終えると、部室できな子ちゃんはすみれちゃんに頬を引っ張られていた。

 

「さっきの微妙ってどういう意味?」

 

「ふぃぃぃ…人徳というか何というか~!」

 

「そうですの。すみれ先輩の人徳のなさには納得ですが」

 

「待ちなさい!どいつもこいつも!私はあなたみたいにお金に意地汚くなんかないわ!」

 

「意地汚いとはなんですの!グソクムシ先輩でも言っていいことと悪いことがありますの!」

 

「誰に聞いた!?」

 

「既に結構有名ですの!」

 

夏美ちゃんはグソクムシの動画を流した。そう言えばすみれちゃんがそう言われるのも久しぶりだな~

 

「ああああ!やめてぇ~!」

 

「ほっといていいの?可可ちゃん」

 

「はい。遊び相手ができたみたいで清々するデス」

 

「遊び相手ではないんですの!」

 

「紗桜莉ちゃんは足大丈夫なの?」

 

ちーちゃんは私の両足に装着したサポーターを見て、心配そうにしていた

 

「痛みはあるけど、まぁ薬もあるし、本当に春までは無茶をしないようにって言われてる」

 

「そっか、困ったことがあったら、直ぐに言ってね」

 

「うん」

 

「はい。おしゃべりはそこまで!決勝に向けて今日から練習だよ!」

 

かのんちゃんの号令の元、練習が始まろうとしたとき、部室に理事長が訪ねてきた。

 




紗桜莉が段々と某ヘビクラさんに……

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38 千砂都の答え

ウィーンがウィーンの学校に……何でウィーンって名前にしたんだろうか?


かのんside

 

部室に理事長が来て、話があると言われて、理事長室を訪れるとある話を聞かされた。

 

「ウィーン国立音楽学校?」

 

「えぇ。指導も施設も全てが最高峰の世界で一番と言っていい音楽学校よ」

 

パソコンに映されたのは……マルガレーテちゃんの姿だった。

 

「マルガレーテちゃん!?」

 

「えっ?」

 

「あ…いえ…」

 

「そこから今朝メールが来たの。結ヶ丘女子高等学校に所属する澁谷かのんさんを当校に招きたい。留学生として」

 

「留学?」

 

「そこに詳しい資料があるわ。期間は今年の4月から。学費や生活費に関しては向こうが面倒を見ると言っているので心配ないわ。あ~それから…」

 

「待ってください。行くかどうかは…」

 

「もちろん自由よ。ただあなたがこの先も本気で歌の道を目指していきたいと思うのであれば大きなチャンスであることは確かよ」

 

「返事は今すぐでなくてもいいわ。ゆっくり考えなさい」

 

留学……どうしたら……

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

理事長室の前でみんなで聞き耳を立ててるけど、私はこっそり理事長のマッサージチェアに仕掛けたマイクで話を聞いていた。本当にどうしたものかだね。かのんちゃん……

 

「き、聞こえないっす」

 

「四季、中にマイクは?」

 

「こうなる事態は予測不可」

 

因みにマイクを設置してることは内緒にしてるから、みんなには会話の内容は伝えないようにしてある。多分だけどいずれ知ることになるかもしれないしね。

すると丁度かのんちゃんが理事長室から出てきて、みんなは掃除している振りをしていた。

 

「みんな?」

 

「か、かのん先輩どうかしたんっすか?」

 

「偶然ねぇ!」

 

「バレバレなんですけど?」

 

まぁ普通にバレバレだよね……

 

「何を話してたのデス?」

 

「まさか私らに隠れて悪いことを…」

 

「違うよ~」

 

かのんちゃんは必死に誤魔化してるけど……うん、持ってる資料から色々とバレそうだよね。

 

「ジーッ」

 

「これは…マルガレーテちゃんのことちょっと調べててさ」

 

『マルガレーテちゃん?』

 

 

中庭でかのんちゃんはみんなにウィーンについて話した。

 

「あの子、この音楽学校に入ろうとしていたらしくて」

 

「なんて書いてあるの?」

 

「ウィーン国立音楽学校」

 

「エリートじゃない!」

 

「そうなんだ。そしたら理事長先生が資料持ってるっていうから…あっ…」

 

「どうしたんっすか?」

 

「ううん何でもない。さぁ練習始めよう!よ~し!えいえいお~!」

 

「かのんがこんなこと調べてたの千砂都知ってた?」

 

「うん。ずっと気にしてる感じだったけど…」

 

 

 

みんなが貰った資料を読んでいる中、先に言ったかのんちゃんに私は問いかけた。

 

「留学の件、話さなくてもいいの?」

 

「紗桜莉ちゃん、何で……って今更だよね」

 

「良くわかってるじゃん」

 

「紗桜莉ちゃんはいろいろな方法で情報を得てそうだから……」

 

「それで留学の件……どうするの?」

 

「まだ……わからない。わからないけど……多分行かない」

 

「……それは良く考えた結果なの?」

 

「ううん、深くは考えてない……でもちゃんと考えるよ」

 

「そうした方がいいよ……」

 

私は無理に背中を押したりとかも引き留めたりもしない。かのんちゃんは誰かに流されたりして、物事を決めたりはしない。ちゃんと自分で考え抜いて答えを出すからね

 

 

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

その日の夜、私は貰った資料を読んでいた。

 

「専門的な指導のもと卒業生はそれぞれ希望した音楽の仕事に就き第一線で世界的な音楽活動を続けています」

 

『夢?それはもう小さい頃から決めているんだ』

 

昔、語った夢を今更思い返していた。私は…………

 

『痛い痛い!痛いですの~!』

 

不意に外から声が聞こえてきた。この声は……

 

「ん?」

 

『もっと高く上げて』

 

『無理無理!』

 

『かのん先輩に見つかった』

 

「みんな!」

 

窓の外を見るとみんながいたけど……何で組体操みたいな方法で覗き込んでたんだろう?

 

「かのんちゃん…」

 

「留学するって本当っすか?」

 

「えっ?」

 

「噂になってるのです」

 

「ラブライブが終わったらウィーンに留学するって」

 

広まるの……早くない?するとみんなが組んでいた矢倉がふらつき始めた。

 

「ちょっと!」

 

「危ない~!」

 

「えっ!?」

 

私は慌てて外に出て、皆のところへと駆け寄った。

 

「大丈夫!?心配してきてくれたんだね。ありがとう」

 

「かのん先輩……」

 

「心配しないで。行かないよ」

 

「それってつまり…」

 

「うん。話があったのは本当。でも留学はしない。結ヶ丘に入ってスクールアイドルになって歌が大好きってまた言えるようになった。だからこの学校にずっといたい。もっとたくさん歌って3年間スクールアイドルとして頑張ってこの学校のみんなと一緒にもっともっとハッピーな気持ちになりたい」

 

「かのんさん」

 

「あのね東京大会のステージでみんなで喜べたとき思ったんだ。私の選んできた道は何にも間違ってなかった。この喜びを重ねていくことが私の目標のひとつなんだって」

 

だから私はみんなと……

 

「どうやら意志は固そうね」

 

「じゃあこのまま残るんっすね?」

 

「来年も」

 

「卒業まで…」

 

「このままいるんですのね?」

 

「もちろん!」

 

「よかった~」

 

「そんなに心配だったの?」

 

「当たり前っすよ」

 

「かのん先輩がいなくなったら残りの先輩今ひとつ信頼感薄いんですの」

 

「なんか言った?」

 

「いえいえ~」

 

「千砂都さん?」

 

「ううん」

 

私はこの時、ちぃちゃんが真剣な表情で悩んでいたことに気が付かなかった。そして……この場にいない、紗桜莉ちゃんが何を調べているのかも…………

 

 

 

 

千砂都side

 

かのんちゃんがそう決めたなら……私は賛成するべきだけど……でも何で私は……それでいいのと思っているんだろう?

ふと物陰からある子がこっちを見ていたことに気がついた……

 

「あの子…」

 

「どうかしましたか?」

 

「いや…あっ!ちょっと飲み物買ってこよ~!」

 

 

 

 

私はマルガレーテちゃんを追いかけていく

 

「待って!待って!話があるの!待って!」

 

私は何とかマルガレーテちゃんを捕まえたけど、マルガレーテちゃんは……

 

「何よ!こっちは話なんてないわ!答えは聞いた!」

 

「答え?」

 

「かのんよ!留学はしない!ここに残るんでしょ!?」

 

「どうして留学のことを…」

 

「あなたには関係ない!」

 

「教えてくれるまで離さない!」

 

「なんで!?」

 

「教えて!」

 

何とか押しきって、マルガレーテちゃんから話を聞いた私……それは……

 

「今日家族から連絡があったの。かのんがウィーンに留学するなら私も一緒に戻ってきていい。かのんのもとで歌を学びなさいと」

 

「かのんちゃんのもとで?」

 

「かのんに連れられて戻るのはしゃくだけどそれで学校に入れるのならそれでも…」

 

「かのんちゃんそんなに評価されてるんだ…」

 

「えっ?」

 

「世界一の音楽学校に…」

 

かのんちゃんの為なら……私は……でもこれはきっとみんなに反対されるかもしれないけど……

 

「離してよ!言っとくけど私の考えは変わらない!かのんがダメなら自分の力だけで夢を叶えてみせる!」

 

マルガレーテちゃんはそう言い残して去っていった。私がするべきことは…………ちゃんと伝えるべきだ

 

「本当に気に入らないし、ムカつくね」

 

「え?紗桜莉ちゃん……いつの間に」

 

「調べ事してたら、話聞こえたけど……本当にどうなってるんだろうね?」

 

紗桜莉ちゃんは怒っていた。きっと私が何をしようとしているのか分かっているからだ……

 

「紗桜莉ちゃん……私はかのんちゃんは行くべきだと思うの……その事を伝えて……みんなに反対されても……紗桜莉ちゃんと言い争いになっても……」

 

「そこら辺はちーちゃんに任せるよ」

 

「え?」

 

「私が怒ってるのは………」

 

 

 

 

かのんside

 

次の日、理事長に自分の答えを伝えた。

 

「後悔しない?」

 

「はい。やっぱりピンとこなくて、せっかくのお話だというのは分かるんですけど…」

 

「決めるのはあなたよ。いいのね?」

 

「はい」

 

理事長室を出て、私は皆のところへと向かうのであった。

 

 

 

 

私が去ったあと、理事長室にある人が訪ねてきた。

 

「嵐さん?」

 

「あの…」

 

 

 

 

 

 

 

蓮華side

 

雪が降る屋上……すみれさんと私は震えていたけど……

 

「うぅ…寒っ…」

 

『はぁ~…』

 

私とすみれさん以外、みんな何処からか持ち出したこたつに入っていた。いいな~私も入りたいけど……スペースがない……

 

「なにコタツ持ち込んでんのよ!」

 

「コタツではなく体温回復機…」

 

「ぬくいっす…」

 

「ん~…」

 

「どう見てもコタツでしょ!」

 

「これがコタツなのですか~?」

 

「ほんとに知らないの!?」

 

恋さん……世間知らずな所があるけど、こたつを知らないのは……世間知らずと言うか……なんと言うか……

するとかのんさんが屋上にやって来て

 

「さぁ決勝はすぐそこだよ!練習練習!」

 

元気だな~と言うより気合がいつもより入ってる感じだ。

 

「ひぇ~…」

 

「見てるだけで寒いですの…」

 

「さすがの可可もややドン引きデス…」

 

「ダメだよそんなんじゃ!気合い入れてみんなで練習していればすぐにあったかくなるから」

 

「うぅ…」

 

「寒いっす~!」

 

かのんさんはこたつを剥ぎ取り、みんな震えていた。と言うか恋さん……一番スペースを……

 

「あの、そう言えば紗桜莉さんは?」

 

「あ、何だか用事があるって言ってたよ。多分遅れてくると思うけど……」

 

何かあったのかな?もしかして足の痛みが強いとか?

すると千砂都さんがやって来たけど、何故か真剣な表情だった。

 

「あっ。ちぃちゃんメニューできた?」

 

「かのんちゃん…ううん みんなも。話があるの」

 

「どうしたんですの?」

 

「反対されるのは分かってる。でも正直な気持ちだからハッキリ言うね……私、かのんちゃんに留学してほしい」

 

「ちぃちゃん……」

 




千砂都の真意は……そして紗桜莉は……
外伝の方で、ミアとウィーンの話を書き始めたのでその内更新します
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39 夢を叶えてほしい

三期決定したけど、あのガムを吐き捨てたやつ…じゃなかった。終わり方が……


蓮華side

 

「私……かのんちゃんには留学してほしい」

 

「ちぃちゃん……」

 

千砂都さんの突然の発言……私たちは驚きを隠さないでいた。そしてこう言うときにどうして……紗桜莉さんはいないのだろうか?

 

「かのんちゃんは世界に歌を響かせるんでしょ?小さい頃からの夢だったよね?今こそ夢を叶えるチャンスなんだよ!私はかのんちゃんに夢を叶えてほしい。かのんちゃんにしか叶えられない夢を……」

 

「そう思うのは、きな子も同じっす!」

 

「でもさ、今じゃないとダメなのか?」

 

「もし断って、この話がなくなっちゃったら…」

 

「しょうがないよ……その時はその時……」

 

「みんなもそれでいいの?」

 

みんなは黙り込んでいた。本当にこのまま残っていてほしいのか……それとも小さい頃の夢を叶えてほしいのか…………どっちが正しいのか分からないでいた

 

「もしそうなったら、私たちがかのんちゃんの夢を叶えるチャンスを奪ったんじゃないかって……みんな後悔するんじゃない?」

 

「でも決めたのは私……私はこの学校に……」

 

「世界に歌を響かせるんでしょ!」

 

千砂都さんは涙を流していた。だけど、それでも強くいようとしていた。

 

「今しかない……チャンスなんだよ……」

 

 

 

 

 

 

その後、練習は中止……と言うより練習できる状況じゃなかった。

かのんさんも千砂都さんも……ううん、みんなも何も話そうとしなかった。

そんな中、部室の外で私は紗桜莉さんに電話をした。

 

「と言うことで……」

 

『わざわざ電話ありがとうね……でも私はちーちゃんがやろうとしていることは知ってたから』

 

「知っていたって……」

 

『ちーちゃんは自分の考えを無理矢理押し付けようとしてないし、ただかのんちちゃんがこのまま小さい頃の……歌を歌う原点を失う事になるのはだけは嫌だったみたい』

 

「…………原点」

 

『だから私は今回のことをちーちゃんに任せてる。かのんちゃんがどんな風に答えを出すのか……私は口を出す気はないよ』

 

「そうなんですね……」

 

『蓮華ちゃんは夢ってある?』

 

「私の夢……」

 

小さい頃は色々となりたいものがあった。だけど幼い頃……スクールアイドルのステージを見て……私もあんな風に輝きたいって思った。

 

「あります……そして、今も目指しています」

 

『夢を叶えるのは何よりも大切なことだから…………今回はなりゆきを見守るしかないよ』

 

「分かりました……あの所で紗桜莉さんはどちらに?」

 

『ちょっと……色々と話をしないといけないからね…………かのんちゃんに伝えて……夢を叶えてほしいって……私もそう思ってるって』

 

電話が切られ、私は…………

 

「どうかしたんっすか?」

 

不意に声をかけられ、振り向くときな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃんがいた。

 

「えっと、ちょっとね……みんなは……」

 

「きな子たちは……少し練習しようと思って」

 

「なんつうか……落ち着かないと言うか……」

 

「身体を動かしてないと……」

 

「それに今回の件はかのんさんたちが話し合うべきことですの」

 

きな子ちゃんたちも迷ってるのか……自分達はかのんさんに夢を叶えてほしいのか。それとも夢を諦めて残ってほしいのか…………

 

「それにしても紗桜莉さんは何処で何をしているですの?」

 

「あの人なら何となく上手くまとめられる感じがする」

 

「色々と無茶をする人だけど……それでも大切な人のために動こうとしている人だから」

 

「そうっすね……きっとより良い未来に導いてくれそうっすね」

 

「うん……それにあの人は……きっかけをくれる人だから……」

 

私の時だってそうだったから…………本当にどこにいるんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

すみれside

 

可可の家に来て、かのんのことを話していた私たち

 

「かのんのことが大好きなんですよ……千砂都はかのんのことを第1に考えてましたから」

 

「幼馴染みだものね。子供の頃の夢にチャレンジできる。凄いわね。かのんって……だからこそ私たちが原因で留学の話がなくなるのは嫌。かのんがいくらこの学校にいたいとしてもね」

 

「すみれは留学に賛成?」

 

「どうだろう?いてほしいし、いてほしくない」

 

「なんですかそれ?」

 

「……相変わらず鈍感ね」

 

かのんのことが好きだからこそ、応援したいし……残ってほしい…………

 

「こう言うとき紗桜莉は何をしてるでしょうか?」

 

今日、練習に顔を見せないし……千砂都曰く紗桜莉には話してあるらしいけど…………

 

「自然とあの子に期待してるのかしらね」

 

「期待ですか?」

 

「あの子がいると、色々と助けてもらえる。今回だって解決策を見つけてくれそうだって思うわ」

 

「そうですね……紗桜莉は……そういう人ですから」

 

本当に……どこにいるのよ……馬鹿

 

 

 

 

 

 

恋side

 

夜、私はある人に会いに行こうとすると、チビに呼び止められた

 

「すぐ戻ります」

 

「恋様。こんな時間に……」

 

「どこへ?」

 

サヤさんと鳥坂さんに呼び止められた。

 

「友達に会いに行くだけですから」

 

 

 

 

 

公園へと向かうと千砂都さんが一人ストレッチしていた。

 

「千砂都さん」

 

「恋ちゃん!?吃驚!どうしたの?」

 

「遅くまで練習してるんですね?」

 

「今日はバイトもないし、じっとしてると逆にもやもやしちゃって……余計なこと言っちゃったのかなって……」

 

「とんでもないです。千砂都さんの言葉はみんなに響いてました。かのんさんとのお別れになるとまだ実感はわきませんが……」

 

「私も……かのんちゃんがいない毎日なんて想像できないよ」

 

「羨ましいです」

 

「え?」

 

「私はこの学校に入るまで深い絆を感じられるような友人は一人もいませんでした。みんな、どこか私を別世界の人のように見ていて……だから大好きな人にはっきりとぶつかっていける千砂都さんを尊敬します」

 

「恋ちゃん……ありがとう。私は勿論親友だって思ってるよ」

 

千砂都さんもまた悩みに悩んで……答えを出したんですね……

 

「それとさ……紗桜莉ちゃんにはもう話してあるの」

 

「そうなんですね……いえ、そうですね。あの人がいたら……真っ先に噛みついていたかもしれないですね」

 

「噛みつくって……あはは、そうかもね。でも……紗桜莉ちゃんはただ気に入らないからとか嫌いだからとかで噛みついたりはしない」

 

「えぇ、ちゃんと理由を聞いた上で……それで答えを出してくれる。導いてくれる」

 

私もあの人に……救われましたから……だからこそ

 

「紗桜莉さんはどこにいるのでしょうか?」

 

「何だか……今自分がするべきことがあるって……」

 

きっといてくれたら……

 

 

 

 

 

蓮華side

 

今の今まで練習をしていた私たち。少し休憩しながら……

 

「どうなりましたかね?先輩たちは……」

 

「私らがどうこう言える話じゃないだろ」

 

「それは分かっていますの……でも……」

 

「気にはなる……」

 

「Liellaの今後がかかってるっすし……」

 

「かのん先輩がもし本当に留学したら……Liellaはどうなるんだ?」

 

「それは……ラブライブの決勝に9人で出場して、もし優勝できたら……晴れてかのん先輩はウィーンへ……」

 

「8人のLiella……紗桜莉さんと蓮華ちゃんがいても……かのんさんがいないのは……」

 

「うぅ……」

 

本当にどう答えを出すのだろう?私は……私たちは……

 

「休憩終わりですの!今私たちが出来ることは練習ですの!」

 

「夏美ちゃん!」

 

「そうだな!今は先輩たちに食らいついて!優勝を目指さないと!」

 

「そうですの!」

 

「じゃあランニングもう1セット!」

 

「はいっす!」

 

そうだよね……私たちは今、できることをやらないと!

 

 

 

 

 

 

かのんside

 

ちぃちゃんに会いに来たけど……今日はバイトお休みみたいだ……

私は家に帰ろうとすると、可可ちゃんの家のベランダに可可ちゃんとすみれちゃんが……私は何故か逃げるように離れると、ランニングしているきな子ちゃんたちを見かけた。私はまた逃げるように走っていく…………

私はどうしたらいいのだろう?学校に残りたいのか……夢を叶えたいのか……分からなくなっていた。

ぐるぐる考えが巡る中、誰かとぶつかってしまった

 

「ご、ごめんなさい」

 

「あ、大丈夫だよ……あれ?貴方……Liellaの」

 

「え?」

 

ぶつかった相手……私がLiellaの渋谷かのんだって言うことを知っているのは分かるけど……私はこの人のことを知っている……ソロアイドルの大会の観客席で会ったことが……

 

「何かあったかは分からないけど……辛そうだよ」

 

「いえ、何でも……」

 

何故だか分からない……この人なら…………この人に話してもいいかもしれないと思ってしまった。

 

「あの……夢を叶えられるチャンスがあるけど……そうしたら学校の……みんなと離れ離れになってしまう……みんなと一緒にいることを選んだら……夢を叶えられない……どうしたらいいかわかりますか?」

 

「………………」

 

キョトンとした顔をしている。自分でも初対面の人にこんなことを聞くなんて…………

 

「それを決めるのは貴方じゃないの?」

 

「え?」

 

「ただ離れ離れになっても……それは永遠のお別れじゃないよね?」

 

「あ…………」

 

「だからこそ決めるのは貴方……」

 

「私が…………」

 

「親でもいいし、誰でもいいから話してみたら?話して考えて、考え抜いて……決断する。それに反対する人は誰もいない」

 

「お姉さんは……一体……」

 

「私の夢は……夢を与えられるそんな人になりたい……そう思えるようになったことが沢山あったから……そして今……その夢を与えられた子が頑張ってる……だから貴方も……頑張って」

 

「は…い」

 

「それじゃ」

 

お姉さんは優しく頬笑み、去っていく。その姿は何処か…天使みたいな優しい感じだった。

 

 




書いてて、某ライダーの夢に対する台詞を書こうとしてしまう
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40 かのんの答え

お姉さんと別れたあと、私は家に帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「おかえり~ん?どうしたの?落ち込んだ顔してるわよ?」

 

私はお母さんに心配かけないように無理矢理笑顔を作る。

 

「そんなことないよ。ほら」

 

でもダメだった……色々と頭の中がぐるぐるしていて、つい泣いてしまった。

 

「たこ焼き買ってきた…」

 

 

私はお母さんとありあにちぃちゃんに言われたこと……私自身どうしたらいいのか悩んでいることを話した。

 

「かのんよく聞いて。あなたが留学が断ったことお母さんは反対してない。だって心配だし寂しくなるものでもねちぃちゃんの言いたいことがもう分かっているから悩んでいるんでしょ?」

 

「世界に歌を響かせる」

 

「あなたに来たこの話は誰にでも来るものじゃない。お母さんなら喜んで行っちゃうかな」

 

「それはお母さんが脳天気だから」

 

「そうかも。お母さんはかのんがどの道を選んでも応援する。だから後悔だけはしないようにね」

 

「うん」

 

後悔だけはしないように…か。フッと気が付くといつの間にかマルガレーテちゃんがいた。

 

「ん?マルガレーテちゃん?」

 

「ちょっとお時間いいでしょうか」

 

 

 

 

マルガレーテちゃんに買ってきたたこ焼きを出してあげると……

 

「はふっはふっ!」

 

「ごめん。あっためすぎちゃった?」

 

「おいしい」

 

「よかった」

 

なんと言うかいつもクールな一面を見せてるのに、こう言う子供みたいな所を見れるとは……

 

「なんで喫茶店なのにたこ焼き?」

 

「さっきちぃちゃんのお店の近く通ったから」

 

「ちぃ?あぁ…あの子に留学の詳しい話をしたの私よ。あなたが留学すれば私もついて戻ることができるの。家族からはかのんのもとで歌を学びなさいって言われていてね」

 

「そんなことに…」

 

だからちぃちゃんは……留学の詳しいことを知ってたんだ……

 

「それだけ評価されてるんだ、すごいなぁってあの子言ってた」

 

「やっぱり自分の話じゃないみたい」

 

私がそんなに評価されてるなんて…………

 

「あなたに来た話よ。あなただけに来た話。自分の力だけでウィーンに戻ってみせる。私ってば口先ばっかり。あなたに連れられて戻るのは正直嫌だけど自分の夢のためだからどんな方法でも条件でも私は構わない」

 

「私にとってLiellaや学校のことが自分の夢くらい大切な存在なの。私 結ヶ丘に入学してなければ歌をやめていたと思う。そんな大切な場所と仲間を失ってしまうのが正直怖いんだ」

 

「贅沢な悩みね」

 

「ごめん…」

 

「それなら留学しても恩返しはできる。むしろ留学した方があなたの学校の力になれるわ」

 

「えっ?」

 

「言ったでしょ。ウィーン国立音楽学校は世界的に有名なの。あなたが留学すれば必ず学校も注目される。世界中から結ヶ丘に入学を希望する生徒も集まるかもしれない。って勘違いしないでね。私はウィーンに戻れたらそれでいいの。でも飛び込んでみたら?とても大切なことよ」

 

飛び込んでる……か。そうしてみてもいいかもしれない

 

「所であの……紗桜莉って人は?」

 

「紗桜莉ちゃん?」

 

何で紗桜莉ちゃんの事を聞くんだろう?あぁそう言えば苦手だったね……

 

「昨日の深夜に出掛けてから帰ってきてないけど……」

 

学校も休んでるから……本当にどうしたんだろう?

 

「やっぱり……」

 

「やっぱり?」

 

「いやいやいや、そんな……そんなことしたら普通に捕まるだろうし……」

 

「紗桜莉ちゃん、本当に何処で何をしてるの…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

マルガレーテちゃんが帰ったあと、部屋で改めて私はパンフレットを読み返していた。

 

「歌を目指す人の憧れの場所…」

 

私が……選ぶべき道は…………私はベッドに寝転がり……

 

「夢……」

 

こんなとき紗桜莉ちゃんと話したら……何か解決するのかな?もしかしたら…………

電話を掛ければいいんだけど、電源が入ってないみたいだし…………

そんなとき、ちぃちゃんからメッセージが入った。学校に行かない?って……今からだよね?

 

 

 

 

 

「ん?かのん?」

 

「ちょっとだけ。すぐ戻る」

 

「すぐじゃなくていいわよ」

 

「えっ?」

 

「ちゃんと考えて答えを出しなさい」

 

「マンマルいってくるね」

 

 

 

 

学校に向かうまで私はどうするべきなのかを考え続けていた。私は…………

 

学校に着くとちぃちゃんが門を開けてくれて、中に入った。

 

「夜の学校ってワクワクするねぇ」

 

「怖いよ~」

 

真っ暗な学校……誰もいないはずなのに、明かりがついてる……彼処って……

 

「ん?理事長?」

 

「待っててくれるって」

 

理事長が…………

私はちぃちゃんの後を着いていくと部室にたどり着いた。中へ入ると……

 

「あっ」

 

「遅いわよ」

 

「かのん先輩に会いたくて来ちゃったっす」

 

みんながいた。そっか……

 

「ワガママ言ってごめんね。かのんちゃんが考えて出した答えもう一度確かめたくて」

 

「ううん見透かされてるなって。留学しないって決めたはずなんだけど」

 

「私やっぱりかのんちゃんに留学してほしい」

 

「ちぃちゃん…」

 

「かのんちゃんはみんなを元気にできるみんなに勇気を与えられるLiellaで一番のスーパースターそれって才能だと思う。だからその声をもっと遠くまでもっともっと遠くまで響かせてほしい」

 

ちぃちゃん……私はちぃちゃんの想いを聞いて……ここに来るまでに考えていた事を……答えを告げた。

 

「私ここに来る前に決めてきた。留学しようと思う。留学して結ヶ丘の代表としてこの学校がもっと有名になるように、そして自分自身がもっともっと成長できるよう挑戦してみる。だからみんなとは…」

 

「かのんがいたからここまで頑張ってこられた」

 

「私もです」

 

「もちろん可可もデス」

 

「きな子もっす」

 

「私も」

 

「Me too」

 

「悔しいけど私もですの」

 

「私も……」

 

「みんな…」

 

ちぃちゃん、可可ちゃん、すみれちゃん、恋ちゃん、きな子ちゃん、メイちゃん、四季ちゃん、夏美ちゃん、蓮華ちゃん……ありがとう。

 

「かのんちゃんがいないLiellaはLiellaじゃない。それが私たちの出した答え」

 

「ラブライブ優勝しましょう」

 

「それで夢に向かって踏み出しなさい」

 

「かのんの夢はみんなの夢デス」

 

「かのん先輩には思いっきり歌を響かせて欲しいっす!」

 

「決まりだね」

 

「うん…でもひとつだけお願いがあるの」

 

「ん?」

 

「お願い?」

 

「Liellaは続けてほしい。一人でも欠けたらLiellaじゃない。この9人でLiellaだって気持ちは分かるよ。私だってそう思う。でもやめてほしくない。私にとってLiellaは青春。この結ヶ丘から私がいなくなることでLiellaがなくなるのは嫌なんだ」

 

それに……もしかしたら……ウィーンに行った私にも聞こえてくるかもしれない。みんなの……Liellaの歌声が……

 

「でも考えられないっす。かのん先輩のいないLiellaなんて…」

 

「そんなことない。みんなすごくキラキラしてる。すごく素敵…みんなが結ヶ丘で歌っているって思えれば離れていても勇気がもらえる。Liellaを感じていられる」

 

「ふむ~。全国大会が終わったらLiellaは解散かと思ってたのに」

 

「やめられなくなっちゃったよ」

 

「ちぃちゃん…!」

 

「せっかくなら夏美がセンター取っちゃいますの!」

 

「頼もしいですねぇ」

 

「私もセンター争いなら負けないわよ!」

 

「よく言うデス」

 

「できるかな…」

 

「でもかのん先輩が背中を押してくれた」

 

「きな子やるっす!やってみるっす!」

 

「分かった。約束する」

 

「ラブライブ必ず優勝しよう!」

 

「それしかないわね」

 

「この9人で!」

 

「なんか熱くなってきた!」

 

「Me too」

 

「みんなで全力で歌おう!」

 

円陣を作るけど、蓮華ちゃんは入ろうとしなかった。

 

「蓮華ちゃんも」

 

「え、でも私は今回……」

 

「一緒のステージじゃなくても……心は一つだから……ここにいない紗桜莉ちゃんも同じ…………」

 

「酷いな~私を仲間はずれにするなんて」

 

「え?」

 

振り向くと扉の所に紗桜莉ちゃんがいた。

 

「ちょっと色々と動いてて、ようやく帰ってこれたよ」

 

「紗桜莉ちゃん…………」

 

泣きそうになりながらも、私は堪えた。紗桜莉ちゃんは笑顔で円陣に入り…………

 

「答えが決まったら、後は大丈夫だね」

 

「うん!」

 

ステージで歌うのは9人だけど、心は11人!

 

「結ヶ丘のために!Liellaのために!Song for Me!Song for You!」

 

『Song for All!』

 




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41 紗桜莉の秘密を暴け!

今回で最終回ではなく、オリスト!


改めて気持ちを確かめた後、かのんちゃんにあることを聞かれた。

 

「そう言えば紗桜莉ちゃん」

 

「何?」

 

「今までどこにいたの?」

 

「うーん、まぁ文句を言いに行ってただけだよ」

 

「文句って……」

 

まぁ今回は私一人では無理だったから、色々と大変だったけどね。

 

「あの、何だか……屋上にパラシュートみたいなのがあるのですが……」

 

恋ちゃんは窓の外を見てそんなことを言っていた。あぁ後で片付けないと

 

「あの、部室の前によくテレビでパラシュートをする人が着ているものが……脱ぎ捨てられてるっす」

 

「…………この時期って寒いから大変だったよ」

 

『本当にどうやってここに?』

 

 

 

 

 

 

 

夏美side

 

紗桜莉さんは今まで何をしていたですの?本人いわく文句を言いに行っていたと言っていましたが……パラシュートが置いてあるなんて……明らかに不可思議過ぎますですの

 

「と言うわけで紗桜莉さんの謎を突き止めるですの!」

 

「お~……っす」

 

返事をしたのはきな子さんだけだったですの……他の皆は……

 

「いや、あの人の謎を突き止めるって……バレたときの事を考えたのかよ?」

 

「実験台。もしくはビリビリ」

 

「多分怒られるだけですまないと思うけど……」

 

「そんなのわかっていますですの!ですが今回は明らかに秘密で動きすぎですの!なら調べても問題がないですの!」

 

「でも確かに紗桜莉さんは今回の事以外にも謎が多いっすよね……親の都合とはいえかのん先輩の家で居候してるっすから」

 

「おまけに色々なことを出来る人だし……」

 

「今回はその全てを解き明かしますですの!」

 

私はきな子さんたちと協力して、紗桜莉さんの秘密を探ることにするですの!

 

 

 

 

 

 

次の日、紗桜莉さんが一人で歩いているのをこっそりつける私ときな子さん。他の皆は別行動をしている

 

「先ずは普段から何をしてるかを調べるですの!」

 

「あの、夏美ちゃん」

 

「なんですの?」

 

「紗桜莉先輩が何をしていたかを調べるって話じゃなかったっすか?」

 

「その前に普段の行動パターンを調べてからの方がいいですの」

 

「はぁ」

 

紗桜莉さんは休み時間は特に変なことをしているってわけではないですの……適当に歩いてるだけですの

 

「むむむ、変な機械を仕掛けたりしてると思ったですの」

 

「多分っすが……もう仕掛け終わってるんじゃないんっすかね?」

 

その可能性は大ですの……つまり今は……と言うより2年生になってからは大人しくなっているってことですの

 

「あ、理事長と話してるっす」

 

「どれどれですの」

 

確かに話してるですの……でもこの距離では聞き取れないですの

 

「一体何の話を……」

 

「夏美ちゃん、これどうぞっす」

 

「あぁ、どうも……って……」

 

きな子さんが渡してきたのはイヤホン……まさか……

 

「四季ちゃんから借りておいたっす」

 

「準備がいいですの」

 

なんと言うか、基本的にいい子のきな子さんが盗聴するなんて……染まってきたというべきかなんと言うかですの

 

「今は話を聞くことが大事ですの!」

 

早速会話を聞くと…………

 

『…………さか、パラシュートで戻ってくるなんて驚きよ』

 

『すみませんでした。理事長からみんなが集まってるって聞いていたので、空港から来るより早いと思ったので』

 

『そもそもそんな無茶をよくあなた一人で……いえ、あなたのお父さんが関わってるのかしら』

 

『よくご存じで……父も忙しいので直ぐに仕事に戻りましたが』

 

『それにしてもあなたのお父さんがまさか……』

 

急に音声が途切れた!?これは一体……まさか盗聴に気づかれたですの!?

 

「人の話を盗み聞きするのは誰かしら~」

 

気が付くといつの間にか背後には紗桜莉さんがいた

 

「「ひぃ!?」」

 

「話はゆっくり部室で聞こうか」

 

紗桜莉さんが笑顔でそう言うけど……笑顔が怖いですの…………

 

 

 

 

 

 

 

私ときな子さん……それにかのんさんたちみんなが部室に呼び出された。

 

「えっと、つまり夏美ちゃんたちは紗桜莉ちゃんの秘密を探ろうとしてたと」

 

「あんたら……命がいくつあっても足りないわよそれ……」

 

「あの、すみれちゃん、私をなんだと思ってるの?」

 

「冗談よ」

 

「うぅ、すみませんでしたですの」

 

「まぁ気になるのは仕方ないよね。紗桜莉ちゃん、今回の件色々と関わろうとしてなかったし」

 

「まぁあんまりみんなに話さなくてもいいかなって思ってたけど……気になってるなら仕方ないか……」

 

紗桜莉さんはため息をつきつつ、話した。今回何をしていたのかを…………




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42 紗桜莉のモットー

今回もオリスト!


それはちーちゃんと別れたあと、私はお母さんに電話をした。

 

「もしもし」

 

『珍しいわね。紗桜莉が電話なんて……何かあったの?』

 

「うん、ちょっと私じゃ無理な事があってね……お父さんの連絡先教えて」

 

『いいけど……ふふ、本当に結ヶ丘に入って変わったわね』

 

「変わった?変わったつもりはないよ」

 

『そう?』

 

「ただ誰かのために動くことが増えただけ」

 

『それを……まぁいいわ。お父さんの連絡先送っておくわ』

 

電話を切ると、暫くしてからお父さんの連絡先が送られてきた。私は早速連絡し…………説明をした。

 

「うん、だから……」

 

『分かった。近くの空港まですぐに来てくれ。直ぐに発つぞ』

 

話が早くて助かった。さて、後は…………

 

 

 

 

 

 

「それからウィーンの音楽学校まで行って、文句を言ってきたわけだよ」

 

『………………』

 

説明をし終えるとみんなが固まっていた。

 

「えっと紗桜莉ちゃんのお父さんって何者?」

 

「ん?まぁ世界中飛び回ってる人かな」

 

「あり得ないって言ったらあり得ないわね……」

 

「文句を言いにって……一般人が有名な音楽学校に……」

 

「紗桜莉さんのお父様は何か繋がりがある方なのですか?」

 

「まぁ世界中飛び回ってる人だから……繋がりはあるみたいだよ」

 

「なんと言うか……紗桜莉ちゃんのお父さんって……」

 

「本当に何者なんだろう…………」

 

「まぁ私も深くは知らないし、調べようとしても雲を掴むようなものだし」

 

私が笑顔でそう言うと、みんなはこれ以上は何も聞かなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

かのんちゃんたちは着替えて練習に向かい、私は部室に残ってあることを思い出していた。

私がしていたことは誤魔化せたけど、実際いろいろと話すなと口止めされてるからな~

ウィーンで私がしたことは…………

 

 

 

音楽学校にて、私は例のマルガレーテの姉と会っていた。

 

「誰だか知らないけど、あなたみたいな人がここに来ていいと思ってるのかしら?」

 

なんと言うか見た目も似てるけど、どうにも上から目線も似てるな~

 

「直ぐに帰りますよ。貴方と貴方の母親に文句を言ってからね」

 

まぁ母親の方はお父さんが話をしてくれてるみたいだけど……

 

「はん、ただの女子高生が文句ね……何?この学校の受験にでも失敗した?」

 

「こんな色々と利用しまくる学校なんて受験するわけないじゃないですか……」

 

「利用?」

 

「ラブライブに優勝したら、入学させてあげるとか……かのんちゃんをこの学校に来たら入れてあげるとか…………どんだけ利用すれば気がすむのかしらね」

 

「あぁウィーンの友達?まぁどうでもいいわ。貴方が誰でも……ただ言えるのは、貴方がどんなに文句を言ったところで…………」

 

「そうだね……私はただの女子高生でスクールアイドル……出来ることは限られているけど……」

 

これは私がずっと貫いてきたモットーだけど……

 

「私は出来ることは何をしてでもやり通す!だから……」

 

「だから何を…………」

 

「やめなさい」

 

するとマルガレーテちゃんに似てる女性……この人が母親かな?でもこの人は何かを恐れていた

 

「それ以上その子を敵に回さない方がいいわ」

 

「お母さん……何を言って……」

 

「いいから言う通りにしなさい。その子に喧嘩を売ると言うことはこの学校がなくなることよ」

 

「は?」

 

なるほどね……お父さんは何を言ったか知らないけど……話し合いは終わったみたいだね。それじゃ改めて私は言わせてもらうけど

 

「家族の問題にどうこう言うつもりはないけど、そのためにラブライブや私の親友を利用しないでくれない?ラブライブも私の親友も……あなたたちの道具じゃないから!」

 

私はそう言い残してその場を去ったのだった。

 

 

 

 

 

帰りの飛行機でお父さんにお礼を言った。

 

「ありがとうね。お父さん」

 

「何がだ?」

 

「音楽学校の人に話をつけてくれたんでしょ」

 

「俺はただお前の気持ちを組んだ上で言っただけだ」

 

「そっか」

 

「ただ今回の詳しいこととかはあまり話すなよ」

 

「分かってるよ」

 

「それにしても本当に母さんに似てきたな」

 

「そんなに?」

 

「母さんも出来ることは何をしてでもやり通す人だったからな」

 

お母さんに似てるか……ちょっと嬉しいかな

 

「帰りは空港でいいか?」

 

「うん、あれ?理事長から……あー学校で下ろしてって言うのは無理だよね」

 

「それなら……」

 

そのあとパラシュートの使い方を教えてもらい、足に負担がかからない五点着地を教えてくれたけど……それ、足に本当に負担がかからないの?

 

 

 

 

「とりあえず後は……かのんちゃんたちと一緒に頑張らないとね」

 




次回!二期最終回!
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最終回(二期)結んだ想い

今回で二期最終回……本気で終わらせ方を悩んだ


かのんside

 

ライブに向けてみんなが頑張っていた。学校のみんなも協力してくれている。そんな中、私は理事長室に来ていて留学の答えを伝えた。

 

「決めたのね」

 

「はい。みんなが背中を押してくれて だから決断できました。歌で世界を幸せにしたい。世界に歌を響かせられるよう精一杯頑張ります。それがLiellaの…結ヶ丘の未来にも繋がっていくと思いますから」

 

「いい顔してるわね。いってらっしゃい」

 

みんなが背中を押してくれている。その想いに答えないと!

 

「理事長に話したの?」

 

「紗桜莉ちゃん……うん」

 

理事長室から出ていくと、紗桜莉ちゃんが待ち構えていた。

 

「紗桜莉ちゃんには色々とお世話になりぱなっしだったな~」

 

「急になに?」

 

「改めてお礼を言ってなかったな~って思ってね」

 

「わざわざお礼なんて……私は大したことしてないよ」

 

「してくれたよ。紗桜莉ちゃんがいなかったら色々な問題が上手く解決しなかったかもしれない」

 

「私はただ……ううん、何でもない」

 

「え~気になるから言ってよ~」

 

「だーめ。言わないよ~」

 

紗桜莉ちゃんは笑顔でそう言っているけど、何となく紗桜莉ちゃんが言いかけたことは分かってる……でもこれはちゃんと紗桜莉ちゃんの口から聞かないとね。

 

 

 

 

 

 

 

紗桜莉side

 

大会当日、舞台袖でみんなが順番を待っていた。みんな、緊張しているかと思ったけど……

 

「本当にここで歌うんですね」

 

「こんな大きなステージで…」

 

「はわわわわわ!」

 

「落ち着いて」

 

「ん~!マニーの香りがしますの!」

 

「ギャラクシーな私に相応しい舞台と言えそうね」

 

「全部出し切らないとね」

 

「このステージを夢見てここまで頑張ってきたのデス」

 

「結ヶ丘が始まってから、Liellaを始めてからずっと……私たちの全てをこのステージで」

 

みんな、もう緊張なんて吹き飛ばしてるみたいだね。私も私で安心だ。みんな、円陣を組み……

 

「1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

かのんちゃんたちは私と蓮華ちゃんを見つめた。そうだよね……ステージに立つのは9人だけど……

 

「10!」

 

「11!」

 

想いは11人だもんね!

そして始まるLiellaのステージ。舞台袖からでも分かる。かのんちゃんたちは輝いている。

ステージが終わり、光輝く観客席に向けてかのんちゃんは……

 

「これが私たちのラブライブ!」

 

そして結果は…………

 

 

 

 

 

数日後、部室ではくぅちゃんは嬉しそうに優勝旗を振っていた。

 

「じゃじゃ~ん!とぁ~!Liella優勝しました~!」

 

「イェーイ!ってこうやって喜ぶの何回目よ!恥ずかしい!」

 

「恥ずかしいとは何デスカ。優勝ですよ!ラブライブ優勝ですよ!」

 

「分かってるわよ!何億回言うのよ!」

 

「何度見てもいいっすねぇ」

 

「あぁサイッコーだ」

 

「ま、私がいれば当然ですの……初めての一等賞…」

 

そっか、前に聞いたけど、一番になるってことはなかった夏美ちゃんからしてみればそうだよね。

 

「どうしたの?」

 

「何でもないですの!」

 

「みんな頑張った…」

 

「あれ?もしかして四季ちゃんも?」

 

「違う。これは汗」

 

「幸せです。お母様のつくった学校をみんなの力で大きく成長させることができました」

 

「もう、みんなはラブライブ優勝で喜んでるけど、蓮華ちゃんのこともお祝いしてあげないと」

 

「い、いえ、私は……その……」

 

「蓮華ちゃん、ソロ大会優勝っすもんね」

 

「蓮華はもう少し喜んだ方がいいデスよ!折角なんですから」

 

「うぅ……でもお祝いされるとなんと言うか恥ずかしいと言うか……」

 

「恥ずかしがらずに誇らしくしてもいいんだよ」

 

「紗桜莉さん……はい!でも次は!」

 

「うん!次は私が優勝してみせる!」

 

「負けませんよ!連覇を目指します!」

 

「紗桜莉ちゃんと蓮華ちゃん、仲間でライバルみたいだね。何だか羨ましいよ」

 

のほほんとかのんちゃんはそう言うけど……いや、かのんちゃん……

 

「ところでかのん先輩はいつまで学校に?」

 

「えぇ……」

 

「出発間近のはずでは?」

 

「あ、うん…」

 

「さっさと帰って準備しなさいよ」

 

「い、いいじゃん。家にいたって落ち着かないんだから」

 

「逆にこっちが心配で」

 

「落ち着きません」

 

なんと言うかいつまでもいられると、かのんちゃんが留学先で本当にやっていけるのな心配になるな~

そんなことを思っているとスマホにメッセージが入り、見てみると………………お父さんからだった。

 

「ほらのんびりしてるとかのんちゃんが帰りづらくなるよ。練習練習」

 

「そうデス!かのんの分まで可可はもっと頑張ります!だから大船に乗ったつもりで行ってくるのデス!」

 

「気を付けてね~!!」

 

みんなが練習に向かい、かのんちゃんも帰るけど……私はお父さんのメッセージを見て固まっていた。いや、かのんちゃんの様子とか理事長から何もないと言うことは……本当にあの学校は大事なことを伝えることをしないのかな?

私はため息をつくのであった。ウィーン音楽学校……あそこ本当に色々と大丈夫なのかな?

 

 

 

かのんside

 

「ハァ…つまみ出されちゃった…。荷造りは全部済ましちゃってるんだよなぁ…」

 

ため息をつきつつ、校門の前に行くと見覚えのある子がいた。

 

「ん?マルガレーテちゃん?」

 

何でここに?それに制服が結ヶ丘の……え?

 

「えっ?ええっ?なんで?」

 

「見ての通りよ。留学は中止」

 

「そ、そんな急にどうしたの?」

 

「あなたのもとへも手紙が届いてるはずよ」

 

「ええっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

物語は更に続く……そして…………

 

「ねぇ、苺ちゃんうらちゃん、あの子は?」

 

「あれ?学校見学に行くって」

 

「それにしても凄いよね~私はてっきり虹ヶ咲入学すると思ってたのに」

 

「まぁあの子らしいけどね。何せ未唯姉大好きだから」

 

「あはは、何だか嬉しいような恥ずかしいような」

 

「でも確か結ヶ丘ってソロアイドル二人いるんだっけ?」

 

「あの子、言ってたよ。私は結ヶ丘の天使になるって」

 

「まぁしっかり見守ろう……あの子を…………しあちゃんを」




何を悩んだって、留学中止に関して、紗桜莉が戦犯になりそうなところとか……本気で悩んだ……
とりあえず今回で二期最終回です!
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