germania (gh0sttimes)
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プロローグ

1939年9月1日に起きた第二次世界大戦は世界全体に深い傷を残した。

1940年にドイツ軍はダンケルクで連合軍を全て殲滅。

イギリスは徹底抗戦を表明するが、既に主力は壊滅しており、本土防衛のため、ジブラルタルとスエズ運河のイギリス軍を本土に撤退させた。

結果、スエズ運河をイタリア、ジブラルタルをドイツに取られ、イギリスは痛手を負った。

その際に地中海艦隊が脱出に失敗し、イギリス海軍はほぼ壊滅した。

そして、1941年5月2日。

満を持してドイツ軍はソ連に侵攻。

スターリンを引きずり下ろしたブハーリンによって編成された赤軍は貧弱であり、冬が来るころにはウラル山脈まで撤退していた。

そして、1941年9月10日。

臨時首都であるエカテリンブルクが陥落したことにより、ソ連は降伏。

その3ヶ月後に極東では大日本帝国がパールハーバーを攻撃。

戦火はアメリカにまで及んだ。

しかし、アメリカは戦力を太平洋に回し、ミッドウェー海戦で勝利。

結果、1944年5月2日にアメリカ軍が占守島に上陸したことで、同日に大日本帝国は降伏。アジア方面では連合国が勝利をおさめた。

しかし、ヨーロッパではドイツ軍がイングランド南部を占領。

戦線は膠着した。

結果的に1946年5月6日に英独休戦協定が結ばれ、イギリスは分断されることとなった。

それから、20年後の1966年。

ロシアは大分裂し、イギリスと南フランスが赤化。

混乱の時代を迎えていた。

極東では1956年5月19日にアメリカ合衆国盟主の自由国家機構にアムール共和国が加盟。

ロシアの再統一を狙っている。

中国はドイツの東南アジア植民地であるマライーシュ国家弁務官区とノードボルネオ国家弁務官区を狙っている。

最早、第三次世界大戦は避けられないだろう。

 

 

国家紹介

 

統一協定

 

・大ゲルマン帝国

政治体制:国家社会主義

首都:ゲルマニア

経済が崩壊し、内部では親衛隊、アナキスト、民主主義者、カイザー復古主義者、共産主義者、国防軍、自由軍(奴隷からなる解放運動)、ヴァイマール体制派、シュペーア派、ゲーリング派、ボルマン派が入り乱れており、いつ内戦が起きてもおかしくない。

また、イタリアとの対立も激化しており、独伊戦争が起きるのも時間の問題である。

 

 

・デンマーク王国

政治体制:国家社会主義

首都:コペンハーゲン

ドイツの同盟国。北のデンマーク黒旗戦線と内戦中。

 

 

・ノルヴェーゲン国家弁務官区

首都:オスロ

 

 

・スウェーデン国民共和国

政治体制:国家社会主義

 

 

・オストランド国家弁務官区

首都:カウナス

 

 

・モスコーヴィエン国家弁務官区

首都:モスコー(モスクワ)

 

 

・カウカ―スーズ国家弁務官区

首都:バクー

 

 

・アナトーリエン国家弁務官区

首都:ヴィザンツ(イスタンブール)

シリア、パレスチナを含む。

 

 

・ウェステンウラル国家弁務官区

首都:サマハ(サマーラ)

 

 

・トルクシュタイン国家弁務官区

首都:ヌーズルタン(ヌルスルタン)

 

 

・ヅィベリエン国家弁務官区

首都:エカテリンブルグ

 

 

・ブルグント親衛隊騎士団国

政治体制:ブルグント体制

首都:パリ

指導者:ハインリッヒ=ヒムラー

 

 

・イングランド王国

首都:ロンドン

 

 

・大アフリカ国家弁務官区

首都:バングイ(バンギ)

 

・マレー国家弁務官区

首都:クアラルンプール

 

・ドイツ領極東地域

首都:香港

 

・マダガスカル帝国管区

首都:アンタナナリボ

 

・キュラソー国家弁務官区

首都:ウィレームシュタット

旧オランダ植民地。

 

第五インターナショナル

 

・スコットランド連合

政治体制:アナルコ・サンディカリスム

首都:エディンバラ

第五インターナショナル盟主。

南部のイングランド国家弁務官区に攻め込んだりとかなり強い。

 

 

・フランス=コミューン連邦

政治体制:アナルコ・サンディカリスム

首都:ヴィシー

第五インターナショナル加盟国。

北部のブルグント親衛隊騎士団国とは対立状態。

 

 

・カイ社会主義共和国

首都:カイ

政治体制:権威的社会主義

第五インターナショナル加盟国。

アフリカ最強の国家。

 

 

・ソニンケ族解放戦線

首都:ブレム

政治体制:権威的社会主義

第五インターナショナル加盟国。

 

 

自由国家機構

 

 

・アメリカ合衆国

政治体制:自由民主主義

首都:ワシントンD.C.

チート国家。

しかし、国内ではナチズムの勢力が強く、いつ崩壊してもおかしくない。

 

 

・カナダ自治領

政治体制:専制

首都:オタワ

イギリス王室の亡命先。

ブリテン島の奪還を目指している。

 

 

・南アフリカ連合

政治体制:社会民主主義

首都:プレトリア

 

 

・ガイアナ連邦共和国

政治体制:自由民主主義

首都:パラマリボ

第二次世界大戦終結直後にアメリカ軍とともにヴィシー・フランスが支配している仏領ギアナに侵攻。

これを併合し、ガイアナ連邦共和国を建国。

1953年に自由国家機構に加盟した。

 

・ブラジル連邦共和国

政治体制:自由民主主義

首都:ブラジリア

 

・日本国

政治体制:社会保守主義

首都:東京

敗戦後、ロシア領土に進軍し、アムール共和国を建国した。

また、1951年に日米基本条約によりOFN(自由国家機構)に加盟。

経済が停滞している列強諸国や急成長している中華民国を追い抜き、経済戦争の覇者になっている。

しかし、戦後になって復活してきた皇道派などにより内政は不安定である。

 

・インドネシア共和国

政治体制:専制

首都:ジャカルタ

 

・カムチャッカ共和国

政治体制:自由民主主義

首都:ペトロパブロフスク=カムチャツキー

 

 

・アムール共和国

政治体制:自由民主主義

首都:ウラジオストク

 

 

・中央シベリア共和国

政治体制:自由民主主義

 

 

・中華民国

政治体制:保守民主主義

首都:南京

与党:国民党(自由派)

国共内戦に勝利した後、1951年に日華終戦宣言と日華基本条約に調印。

1952年には米華基本条約により、中華民国はOFN(自由国家機構)に加盟。

日本と共にアジアの警察を担っている。

また、GDPも経済が停滞している列強諸国を追い抜き、日本に次ぐ第2位である。

 

・大韓民国

政治体制:専制

首都:ソウル

史実よりマシ。

 

地中海協定

 

 

・イタリア帝国

政治体制:権威的民主主義

首都:ローマ

1958年に国王による立憲君主制に移行。

 

 

・ハンガリー王国

政治体制:権威的民主主義

首都:ブダペスト

 

 

・イタリア領リビア

首都:トリポリ

 

 

・イタリア領東アルジェリア

首都:アルジェ

 

 

・レヴァンテ総督府

首都:エル=アラメイン

 

 

・イタリア領東アフリカ

首都:アディスアベバ

 

 

・イタリア領南アラブ

首都:サナア

 

・スペイン国

首都:バルセロナ

 

 

陣営非加盟

 

・ポルトガル王国

 

・北洋連邦

政治体制:ブルグント体制

首都:北京

 

・新疆自由地区

政治体制:リバタリアン社会主義

首都:烏魯木斉市

 

・チベット王国

政治体制:専制

首都:ラサ

 

 

・ウイグル解放戦線

政治体制:超国家主義

首都:カラマイ市

 

・チタ

政治体制:軍事独裁

首都:データなし

ただの軍閥。

 

 

・極東シベリア社会主義共和国

政治体制:権威的社会主義

首都:ヤクート

ゲンリフ=ヤゴーダによる独裁が続いている。

 

 

・天命シベリア

政治体制:データなし

首都:データなし

キリスト教国家。

 

 

・自由飛行士団 

政治体制:無政府社会主義

首都:データなし

旧ソ連空軍が作った組織。

 

・アーリア同胞団

政治体制:国家社会主義

首都:ペルミ

 

・オモロン傭兵連盟

政治体制:無政府資本主義

 

・天命オモロン

政治体制:自由民主主義

 

・マガダン自由港

政治体制:軍事独裁

 

・ブリヤート自由軍

政治体制:無政府社会主義

 

・ヤクーツク社会主義共和国

政治体制:権威的社会主義

 

・極東ロシア国家連邦政府

政治体制:超国家主義

 

・ロシア民族極東政府

政治体制:ファシスト

 

・自由ロシア委員会

政治体制:自由民主主義

 

・アイヌ民族委員会

政治体制:保守民主主義

 

・ロシア再生委員会

政治体制:超国家主義

 

・アーリア帝国

政治体制:ブルグント体制

 

・ブラーツク労働地区

政治体制:無政府社会主義

 

・リカ=アンガラ政府

政治体制:ブルグント体制

 

・シベリア防空隊

政治体制:専制

 

 

年表

 

1939年

 

 

9月1日 ドイツがポーランドに侵攻。

 

9月17日 ソ連赤軍が東部ポーランドに侵攻。

 

 

1940年

 

 

9月28日 ポーランドがドイツおよびソ連に降伏。

 

2月17日 ソ連軍、マンネルヘイム線突破。

 

2月22日 ドイツ、ヴィーキンガ―作戦開始。

 

3月12日 冬戦争終結。

 

4月9日 ドイツがデンマーク及びノルウェーに侵攻。デンマークは無血占領。

 

5月10日 黄作戦。まやかし戦争終了。

 

5月24日 ダイナモ作戦失敗。

 

5月25日 イギリス軍が本土に撤退。

 

6月1日 イタリア軍がエジプトに侵攻。

 

6月2日 ドイツ軍がジブラルタル要塞を確保。

 

6月3日 ドイツ空軍がパリを空襲。

 

6月7日 フランス空軍、ドイツを爆撃。

 

6月8日 アルファベット作戦失敗。

 

6月10日 イタリア王国が英仏に宣戦布告。

 

6月11日 フランス政府、パリ無防備都市宣言。

 

6月14日 ドイツ軍がパリに無血入城。

 

6月15日 ソ連がリトアニアに侵攻。

 

6月16日 フィリップ=ペタンがフランス首相に就任。

 

6月17日 ソ連がラトビア及びエストニアに侵攻。

 

6月22日 独仏休戦協定締結。

 

6月26日 ソ連、ルーマニアに対してベッサラビアと北ブコビナの割譲を要求

 

7月3日 メルセルケビール海戦勃発。

 

7月4日 駐エチオピア帝国イタリア軍、スーダンへ侵攻

 

7月5日 イギリス軍、本土防衛のため本土に撤退。

 

7月7日 イタリア軍、エジプトに侵攻。

 

7月8日 ドイツ軍、ジブラルタル要塞に上陸。

 

7月10日 イタリア軍、イエメンを爆撃。

 

7月19日 ヒトラー、国会でイギリス政府に和平を提案。

 

7月22日 イギリス国会、ドイツの和平提案を拒否。

 

8月3日 ソ連、リトアニアを併合。

 

8月5日 ソ連、ラトビアを併合。

 

8月6日 ソ連、エストニアを併合。

 

8月13日 ドイツ空軍、イギリスへの航空攻撃作戦開始。

 

9月7日 ドイツ軍爆撃機隊がロンドンを爆撃。

 

9月17日 アウトワード作戦発動。

 

9月23日 大日本帝国が仏印北部へ進駐。

 

9月27日 日独伊三国同盟締結。

 

9月28日 MB5作戦発動。

 

9月29日 エジプト占領。

 

10月3日 ドイツ占領下のフランスで反ユダヤ法可決。

 

10月4日 ヒトラーとムッソリーニが会談。

 

10月5日 ドイツ空軍とイタリア空軍の爆撃機2000機がリヴァプールを爆撃。カイザー作戦。

 

10月6日 ドイツ空軍がプリマス、ロンドンを爆撃。イルワッシェン作戦。

 

10月7日 ジブラルタル海戦。イギリス海軍地中海艦隊が壊滅。

 

10月8日 ドイツ軍がルーマニアへの駐屯を開始。

 

10月9日 イギリス空軍、パリ爆撃作戦<ジェット作戦>失敗。

 

10月23日 アドルフ=ヒトラーとフランシスコ=フランコが会談。

 

10月27日 ドイツ軍、大西洋、インド洋にて通商破壊作戦を実施。

 

10月28日 ドイツ陸軍とイタリア陸軍が連合軍占領下のシリアに侵攻。シュドゥショーツ作戦。イタリア軍がギリシャに侵攻。

 

11月2日 シリア占領。

 

11月5日 ルーズヴェルトがアメリカ大統領に就任。

 

11月6日 イギリス海軍潜水艦隊が北海にてドイツ海軍と衝突。北海海戦。

 

11月8日 ギリシャ軍がイタリア軍に反撃。

 

11月14日 ドイツ空軍がコヴェントリーを空襲。

 

11月20日 ハンガリー王国が日独伊三国同盟に加盟。

 

11月21日 ドイツ海軍がシャンクリンへ艦砲射撃。

 

中略

 

1945年

 

5月4日 アメリカ合衆国とナチスドイツの間で講和条約が締結される。

 

5月6日 キュラソー国家弁務官区成立。

 

 

1946年

 

1月5日 武装親衛隊によるクーデター計画が発覚。

 

1月13日 ブルグント騎士団国建国。

 

1月14日 ドイツのアフリカ植民地群が成立。

 

1月19日 西ロシア革命戦線が動員を開始。

 

1月20日 ノヴォロシア蜂起が発生。親衛隊により鎮圧される。

 

1月21日 全ロシアアムール政府よりロシア自由国が反乱を起こす。マガダン戦争。

 

1月22日 極東シベリア社会主義共和国成立。

 

1月23日 犯罪者がユグラにて反乱を起こす。

 

1月25日 コミ共和国成立。

 

1月27日 日本国憲法公布。

 

2月2日 日本軍、沿海州を掌握。

 

2月3日 スコットランド革命。スコットランド連合成立。

 

2月5日 フランス革命。フランス・コミューン成立。

 

2月19日 黒連盟がオムスクを掌握。

 

2月23日 中央シベリア共和国成立。

 

2月24日 イギリス政府、カナダに亡命。

 

1947年

 

1月5日 マガダン戦争終結。ロシア自由国成立。

 

1月6日 インド独立。

 

1月20日 自由国家機構成立。

 

1948年

 

1月2日 カナダ、オーストラリア、ニュージランドがOFNに加盟。

 

1月6日 日本国、アムール共和国、カムチャッカ共和国がOFNに加盟。

 

1月7日 地中海協定成立。

 

1月9日 エジプト王国、トルコ共和国、スペイン王国が地中海協定に加盟。

 

1月10日 ガイアナ連邦共和国、ブラジル連邦共和国、南アフリカ連合がOFNに加盟。

 

1月11日 大韓民国、中華民国、中央シベリア共和国がOFNに加盟。

 

1月13日 北洋地域にてファシストが蜂起。北洋連邦成立。

 

1月14日 オランダ亡命政府に対し、スカルノ率いるインドネシア共和国が蜂起。インドネシア戦争勃発。大日本帝国陸軍残党がインドネシア共和国軍に参加。

 

1月15日 マレー国家弁務官区とノートボルネオ国家弁務官区がインドネシア戦争にオランダ側で参戦。

 

1月19日 日本国、オランダに宣戦。

 

1月25日 日本国海軍とオランダ海軍がマラッカ海峡にて衝突。マラッカ海峡海戦。

 

1月26日 マラッカ海峡海戦にて日本国海軍が勝利。

 

1月27日 OFNが日本国、オランダ王国、インドネシア共和国の即時停戦を要求。

 

2月2日 オランダ王国、日本国、インドネシア共和国の間で停戦協定が締結される。スマトラ島のみオランダ領となった。

 

2月6日 インドネシア共和国成立。

 

2月10日 オランダ海軍とインドネシア海軍の間で小規模な武力衝突が発生。ジャワ海危機。

 

2月12日 日印安全保障条約、米印安全保障条約締結。インドネシア共和国がOFNに加盟。

 

1949年

 

1月4日 オランダ王国がインドネシア共和国に侵攻。OFN諸国がオランダ王国に宣戦布告。第二次インドネシア戦争勃発。

 

1月5日 日本国海軍の艦砲射撃の支援の下、米軍機甲師団がスマトラ島に上陸。

 

2月2日 スマトラ島西部にて大規模な反乱。

 

2月6日 オランダ王国が降伏。これにより、オランダ王国は完全に滅亡した。

 

2月7日 インドネシア政府が国家統一宣言を発表。




ブルグント体制

自国民に対し、非常に質素で苦しい生活をさせることで自国民を成長させるというもの。
後にボマー・ブルグント体制という思想ができるが、こちらはハイドリヒ体制よりも過激である。


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混沌。そして流れる血。

1966年1月13日。

自由国家機構(OFN)加盟国である南アフリカ連合にてファシストによる暴動が発生。

やがて、暴動は拡大し、内戦に突入した。

これにハンス・ヒュティッヒ率いる大アフリカ国家弁務官区が介入。

南アフリカ戦争が勃発した。

これを受け、南アフリカ連合はアメリカ合衆国に救援を要請。

アメリカはこれに応え、機甲師団10個師団を中心とする義勇軍を派遣。

その頃、日本では・・・

 

日本国 東京

 

「南アフリカ戦争への介入・・・ ですか?」

「ああ。アメリカから要請があった。」

「ですが、北洋連邦との緊張が高まっている現状、遠方に軍隊を回すのはリスクがあります。」

「実は陸軍はインドがカバーしてくれるらしい。我々は海軍を派遣するだけで構わない。」

「となると、対独防衛計画の一環でインド洋に送っていた艦隊をそのまま南アフリカに向けるか・・」

司令官は書類に目を向けた。

「わかった。この作戦を承諾する。」

「了解!」

 

翌日、インド洋に展開していた艦隊は南アフリカへ向けて出発。

2日後に南アフリカに到着した。

それと同時にインド軍も政府軍が確保していたダーバン港に到着。

インド軍機甲師団は南ア・日・印の連合軍は西部に上陸した米軍と合流するため、西進を開始。

日本国海軍は駆逐艦3隻による沿岸部への艦砲射撃の後、艦載機<桜花3型>を30機ほど発進させ、反乱軍占領下のアマンジムトティを爆撃。

その頃、イングランド王国とスコットランド連合の間で国境紛争が発生。

この国境紛争を好機と見たイングランド王国内のパルチザンがロンドンなどで一斉に蜂起。

ドイツの傀儡に成り下がった国王を引きずり下ろし、イングランド自由国を宣言した。

本来ならば、ドイツ軍が介入するべきだが、ドイツは政情不安により軍を動かせない状況だ。

そのため、イングランド自由国はわずか3日でイングランド王国全土を制圧。

北部のスコットランド連合と統合し、イギリス連合が成立した。

中東ではイラクで大規模な内戦が勃発。

バアス党派イラク、民主イラク軍、ナチスラーム派イラク、イラク労働者戦線の4つ巴の内戦となった。

さらに、シリア、アフガニスタン、イラン、イエメンでも大規模な内戦が発生。

これにより、石油価格が大暴落を起こし、世界中で経済が破綻。

第二次世界恐慌に発展した。

この影響を最も強く受けたのがドイツであり、ドイツ国内の企業の3分の2が倒産。資本家は次々と自殺していった。

さらに、この段階でドイツ総統であるアドルフ・ヒトラーが心臓発作により倒れ、ドイツ国内はさらに混乱した。

 

 



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いざ子らよ 戦うなかれ 戦わば 勝つべきものぞ 夢な忘れそ

1966年9月11日。

南アフリカ戦争はドイツ本国とアメリカ本国の経済破綻により、南緯27.146369度線にて停戦協定が成立。

南アフリカにはかりそめの平和が訪れた。

しかし、停戦ラインではアメリカ軍とドイツ軍両軍がにらみ合い、小規模な武力衝突が頻繁に起きることとなる。

その頃、アジアでは、北洋連邦と中華民国の国境地帯にて大規模な軍事衝突が発生。

これを受け、日本国と奉天共和国が北洋連邦に宣戦布告。

北洋戦争が勃発した。

1966年9月11日午前5時13分。

日華奉連合軍と北洋連邦軍は中衛市にて衝突。

中衛の戦いが始まった。

 

日本国 東京

国防省ビル3階

 

「状況は?」

「はい。9月11日午前5時13分頃、北洋連邦内蒙古州中衛市にて北洋連邦軍機甲師団との間で大規模な戦闘が発生。現在、中国軍は南から。奉天軍は東から侵攻しています。」

「そうか。少なくとも今回の戦争は勝てそうだな。」

「はい。ですが、ドイツ国内で不審な動きが・・・」

「ナチスか・・・ 一応、アメリカに救援を要請しておこう。」

「了解!」

 

その後、日本の救援要請を受けたアメリカは北洋連邦に宣戦布告。

翌日にアメリカ軍が中華民国に到着した。

早速、アメリカ軍はB-52による北洋連邦の首都北京への爆撃を実施。

この爆撃では日本軍の新型ジェット戦闘機<桜花2型>が100機使用され、アメリカ軍の北京爆撃を支えた。

 

<死神とのグレートゲーム>

 

易 国顺はどんな悲惨な光景を見ても落ち着き払っていた。

彼の頭は雷雨でびしょ濡れになっていたが、彼も仲間の兵士も気にせず、ただ進軍していた。

遠くからまるで隕石が落ちたような音がしたが、誰も気にも留めなかった。

やがて、彼の部隊は街についた。

だが、そこにあるのは楽しそうに笑う子供達や行き交う大人たちはいなかった。

街のあちこちから銃声が聞こえている。

彼は銃を持ち直し、顔を上げた。

その途端、地揺れのような爆発音が彼の耳を劈いた。

彼が最後に見たのは赤い丸が描かれた戦闘機だった。

彼は自身の鮮血に囲まれても何も言おうとしなかった。

 

<ラグナロク>

 

フィンヴルヴェトが訪れた。

罪は増え、人々は戦う。

兄弟は兄弟同士で争う。

そして、親族の血を汚す。

風の冬、剣の冬、狼の冬が来た。

ヘイムダルは世界の終焉を告げるため、ミーミルの泉へ向かった。

全ての封印は解かれ、束縛されていたロキやフェンリル、ガルムの軍勢がアースガルズの地を侵す。

9つの世界は海中に没する。

世界は再び始まる。



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イベリア戦争

1966年11月13日。

アフリカでは大アフリカ国家弁務官区で大反乱が発生した。

 

成立した勢力

 

・オヴァンボ政府

・マリ騎士軍

・カイ政府

・モロッコ守備隊

・ソンガイ共和国

・スス政府

・ベルベル軍政府

・セグー軍事政府

・トビア左翼戦線

・ビンゲ赤軍

・バカラ自由地区

・モバエ評議会

・バジア自治体

・ブーカ都市委員会

・ジモド解放戦線

・ガンボ傭兵団

・ワッダ最高司令部

・アイル人民連邦

・アンゴラ遠隔地統治委員会

・マダンバ評議会

・キヴ軍事委員会

・イジュヴィ島民族防衛軍

・ギカンビ民族連合地域

・タンガニーカ共和国

・ルワンダ陸軍戦線

・ムワンザ自治政府

・ルクワ湖畔委員会

・イワンダ飛行士団

・ムベヤ親衛隊騎士団国

・大アフリカアーリア化委員会

・ユダヤ・パルチザン連盟

・アフリカ抵抗軍

・トゥアレグ解放軍

・ヘレロ部族

・ダマラ共和国

 

これにより、ドイツのアフリカ植民地は崩壊。

これに対し、地中海協定やOFNはアフリカへの介入を開始。

中央アフリカ連合を成立させた。

これに対し、大ゲルマン帝国も軍備を増強。

イタリア帝国は将来的な植民地独立を約束し、日米との関係を改善。

冷戦は3極構造からドイツ対アメリカの2極構造に変化した。

その頃、アジアでは日本軍が北洋連邦の首都北京に原爆を投下。

これにより、北洋連邦は降伏した。

その後の講和条約により、北洋連邦は中華民国に併合された。

その頃、日本では・・・

 

日本国 東京

国防省ビル3階

 

「日本海軍のアフリカ派遣ですか?」

彼は渡された資料に目を通した。

「そうだ。第一艦隊を中央アフリカ連合に送る。」

「それにしても何故急に・・・」

「スペイン危機を覚えているか?」

「はい。1週間前にポルトガルで親ドイツ政権が成立し、アメリカの大西洋艦隊とポルトガル海軍が大西洋でにらみ合った事件ですよね?」

「そうだ。3日以内にアメリカはポルトガルに侵攻する予定らしい。そこで、アメリカ軍はアフリカをポルトガル侵攻の拠点として選んだらしい。」

「了解しました。」

 

その後、日本国海軍第一艦隊は中央アフリカ連合に移動。

アメリカ海軍と合流した。

その3日後にアメリカはポルトガルに宣戦布告。

日本海軍第一艦隊所属の空母<銀閣>から秋水2型を100機ほど出撃させ、アメリカ軍のB-52爆撃隊の護衛を行った。

そして、1967年2月6日にアメリカ軍機甲師団がコルヴォに上陸。

迅速にこの島を確保。

航空基地を建設した。

その後、アメリカ空軍はB-52航空隊によるリスボンへの爆撃を実施。

貧弱な空軍力しか持たないポルトガル空軍は焼かれていく街を眺めていることしかできなかった。

その後、コルヴォを確保した機甲師団がカシュカイシュに上陸。

第二次世界大戦時の兵器しか持っていないポルトガル軍は米軍機甲師団の前では無力であり、カシュカイシュのポルトガル軍は数日で壊滅した。

その頃、スペインではフランコが暗殺されたことで、大規模な内戦が勃発。

イベリア戦争が勃発した。

 

スペイン内戦の結果成立した勢力

 

・イベリア防衛委員会

・カタルーニャ傭兵連盟

・イベリア連邦政府

・イベリア連合評議会

・統一左翼

・UpyD委員会

・バスク軍事政府

・ガリシア民族統一戦線

・カルリスタ王政派スペイン

・スペイン自由地区

 

この内戦では全ての勢力が毒ガスや生物兵器を使用。

内戦が終わる頃にはスペインは荒れ地となった。



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大審判

ヤゾフは強い男だ。

だが、彼は強すぎる。

それはロシアのみならず、世界をも滅ぼすこととなるだろう。

ヤゾフは司令部にいた。

「諸君。我々は何者か。」

「我らはブラックリーグ! 我らはロシア!」

「どこまでゆくのだ。」

「ベルリンを行進するまで!」

彼はいつもの朝礼を終え、司令部の2階から通信員を見守っていた。

 

平均的なブラックリーグの兵士はドイツの兵士に劣ることはない。

だが、我々はある問題の答えを探している。

 

<原子爆弾>

 

それは悪魔の兵器だ。

だが、その悪魔はこちらが命令しない限りは絶対に周りの人を殺さない。

相互確証破壊を確立するのにちょうどいい。

そうすれば世界中から嫌われることもなく、また愛されることもない。

彼はただ自分の手でロシアを没落させた第三帝国を破滅させたいだけだ。

彼がこの世で最も憎むものは<第三帝国>なのだから。

それが彼の意思であり、使命でもある。

あの忌々しいものが存在する限り、自分は自由にはなれない。

自分が求めるのは完全なるロシアだけなのだ。

彼が見つめているのは通信室にいる通信手だった。

通信手とは無線を使って指令を伝える役目である。

ヤゾフはこの男が気に入っていた。

彼と同じ人種だからというわけでもなく、どこか放っておけないようなところがあるからだ。

まるで自分自身を見ているようだった。

彼もまた、自分と同じような悩みを抱えてきたからである。

しかし、そんなことはどうでもよかった。

重要ではない。

重要なのは自分の仕事を全うすることだ。

今日も今日とて、ヤゾフは無言のうちに自分に言い聞かせた。

ヤゾフは窓の外を見ながらこう考えていた。

今や彼は悪魔となった。

彼にはもう怖いものなどない。

彼の前には道が開かれている。

彼が望むなら、ロシアだけでなく西欧まで支配するだろう。

そして彼は言った。

「神は第一の審判により、正しい罰を下すだろう。我々は例え、全てが滅びてもベルリンを行進しなくてはならない。最後の審判はもうすぐだ。」

彼の使命。

それはドイツの存在自体の排除である。

しかし、第一の審判が終わりではない。

第二の審判。

日本への侵攻である。

彼の国はアムール地方とカムチャツカ地方を支配下に入れている。

ならば、ブラックリーグは東京まで進軍しなくてはならない。

西の次は東だ。

 

わたしはやがて死にます。神は必ずあなたがたを顧みて、この国から連れ出し、アブラハム、イサク、ヤコブに誓われた地に導き上られるでしょう

 

-ヨセフ(創世記第50章24節より)

 



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アムール戦争

中央シベリア戦争

1959年にボリス・パステルナーク率いる中央シベリア共和国とゲンリフ・ヤゴーダ率いる極東シベリア社会主義共和国との間で起きた戦争。
現在はエニセイ川で停戦状態にある。


1967年2月5日。

極東シベリア社会主義共和国が日本傀儡のアムール共和国に侵攻。

これに対し、中央シベリア共和国が極東シベリア社会主義共和国に宣戦布告。

第二次中央シベリア戦争が勃発した。

この戦争は1961年の停戦合意以降、エニセイ川で停戦状態となっていたが、極東シベリア軍による砲撃などが繰り返されており、停戦が破られるのは確実とされていた。

そして、今回の極東シベリア軍によるアムール共和国侵攻は中央シベリア共和国が極東シベリアに侵攻するのに十分な理由となった。

中央シベリア共和国のショスタコーヴィチ大統領は軍に対し、緊急待機を指示。

翌日に極東シベリア社会主義共和国に侵攻を開始したのである。

また、中央シベリア共和国と同盟関係にあった日本も極東シベリア社会主義共和国に宣戦布告した。

宣戦布告の後、現代改修された日本国海軍の空母<伊吹>からF-4ファントムが全力発進。

極東シベリア空軍の戦闘機と大規模なドッグファイトを繰り広げた。

その頃、アメリカでは・・・

 

アメリカ合衆国 ワシントンD.C.

ペンタゴン

 

「中東での紛争か・・・」

「はい。数時間前にイラク軍がクウェートに侵攻。現在、クウェートは劣勢とのことです。さらに、イラク軍側にドイツの義勇軍も確認されています。」

「イラクは確か、フセインが政権を握っていたな。」

「はい。」

「・・・イラク近海にインド洋艦隊を派遣しろ。」

「戦争ですか?」

「そうだ。我々はイラクに侵攻する。」

「わかりました。」

 

その数日後、アメリカ合衆国は自由国家機構の理事会にて対イラク開戦の認可を求めた。

結果は全会一致で認可され、アメリカ軍、カナダ軍、オーストラリア軍を中心とする多国籍軍が結成された。

 

舞台は戻り、中央シベリアへ。

中央シベリア軍は日本軍の航空支援を受けつつ前進。

極東シベリアの首都であるヤクーツクに迫りつつあった。

この頃になると、中央シベリア軍も日本からレンドリースされたジェット戦闘機<桜花3型>を用いた作戦も実施。

極東シベリア軍は半壊状態となった。

その頃、東京では・・・

 

日本国 東京

国防省3階

 

「シベリアでの戦闘も優勢か。これならば、すぐに戦争は終わりそうだ。」

彼は資料を見てそう呟いた。

しかし、彼の余裕は突然入ってきた兵士の報告によって崩壊した。

「失礼します。数時間前にアメリカ合衆国、カナダ自治領、オーストラリア連邦がイラク共和国に宣戦を布告。また、シリアからイタリア軍の機甲師団もイラク国境を越え、侵攻を開始しているとのことです。」




主はラッパを轟かせ、決して退却せぬと告げた
主は審判の御座の前で、人々を心をふるいにかける
おお、速やかに応えよ、わが魂! 歓喜せよ、わが脚!
我らの神は進み続ける

-リパブリック賛歌より


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中東戦争

・サウジアラビア王国
首都:リヤド
政治体制:専制

どこの陣営にも属していないが、政権はOFN寄りである。


1967年3月1日。

アメリカ、カナダ、オーストラリアを始めとする多国籍軍はイラクへの侵攻を開始。

また、西部からはイタリア軍の機甲師団が一気に越境を開始しており、すでに西部地域での複数の主要な戦闘に勝利している。

また、南からはサウジアラビア軍が越境を開始。

OFN加盟の手続きを開始した。

周辺国にタコ殴りにされたイラクには継戦能力は残っておらず、バグダッドはアメリカ空軍、イタリア空軍の空爆を受け、ほぼ壊滅した。

その頃、ドイツ支配下のトルコにてトルコ自由戦線を名乗る反政府組織が蜂起。

トルコ大反乱が勃発した。

これを受け、イタリア軍はアナトーリエン国家弁務官区に侵攻。

アナトリア戦争に発展した。

 

<イタリア王国がトルコ大反乱に介入>

 

中東での紛争が拡大する中、現地のジャーナリストからの報告によるとドイツ支配下のトルコでの反乱に対し、イタリア帝国が介入を宣言。

レヴァンテ総督府所属の機甲師団はアナトーリエン国家弁務官区との国境を越え、北上を開始しており、反乱の鎮圧で手一杯のドイツ軍は北へ後退している。

さらに、イタリア政府はOFNとの交渉を開始。

リンドン・ジョンソン大統領は「5ヶ月以内に交渉の席を設ける」との回答をイタリア政府に提出した。

これに対し、大ゲルマン帝国はイタリアとの国境に軍隊を展開しており、いつドイツ軍がイタリアに侵攻を開始してもおかしくない状況である。

 

トルコでの反乱に介入したイタリア軍は政府軍が支配しているアンタキアを目指し、シリアから北上を開始。

この頃、アメリカではトルコ侵攻のための中東への米軍の追加派遣に関する法案が可決された。

その後、<B-52>100機、戦闘ヘリ200機、戦闘機400機、機甲師団4個師団が中東に派遣され、これらの部隊は政府軍が支配しているトルコ南部の都市カラタシュに上陸。

シリア戦線にほとんどの部隊を割いていたドイツ植民地軍は大混乱となった。

その頃、極東では日本軍がヤクートを占領したことにより、極東シベリアが降伏。

極東シベリアの国土はすべて中央シベリア共和国に併合されることとなった。

これにより、中東に戦力を回せるようになった日本は中東戦争に介入。

地中海に第三艦隊を派遣した。

地中海に到着した日本国海軍とドイツ植民地所属のドイツ植民地海軍が最初に衝突したのはエーゲ海であった。

日本国海軍は就役したばかりの原子力潜水艦<朝潮>などから海上のドイツ海軍艦隊に対して魚雷攻撃を開始。

また、イタリア空軍の戦闘機部隊も参戦し、ドイツ植民地海軍は最初の攻撃で半壊した。

しかし、戦艦<ドイッチュラント>からのミサイル攻撃により、日本国海軍のフリゲート艦<仁徳>が大破。

戦線を離脱した。

イタリア海軍ではドイツ植民地空軍の対艦攻撃機の攻撃により、駆逐艦<ジョヴァンニ>が撃沈された。

しかし、最終的には日本国海軍が勝利。

ドイツ植民地海軍に大打撃を与えた。

 




みんなも弱い者いじめはやめよう!(主にアメリカとかamericaとか世界の警察とか)


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火薬庫

1967年5月2日。

中東での激戦をよそに日本ではアムール共和国駐留の米軍部隊についての議論が行われていた。

「アメリカのアムール共和国駐留軍は極東最大規模であり、ドイツへの攻撃に最適でありました。しかし、米軍基地が集中しているハバロフスク市では米軍兵士による犯罪などが後を絶たず、住民は困り果てているようです。そこで日本政府はアメリカ政府や中国政府と交渉し、アムール駐留米軍を一部中国に移転させるべきと考えます。」

「中国への移転はいいが、どこに移転するのかは決まっているのかね?」

「はい。新疆に移転させます。」

「だが、あの地域は民族問題や経済不況などで非常に治安が悪い。そこに米軍兵士が入ったら、さらに治安が悪くなるのではないか?」

「はい。そこで、中東での戦闘が終わり次第、トルコ方面の日本軍を新疆に向かわせ、テロ組織の掃討を行います。」

「それについては了解した。だが、作戦中は民間人に十分に注意してくれよ。」

「了解です。」

 

そして、舞台は日本から中東に移る。

トルコではドイツ軍の特殊部隊であるブランデンブルクがイスタンブールを占領した日本軍に対して大規模な毒ガス攻撃を実施。

この毒ガス攻撃により、日本軍は足止めを受けた。

これに対し、バグダッドを占領したイタリア軍は北進を開始。

イタリア軍機甲師団はトルコ南部のジュクルジャにおいてドイツ軍機甲師団と衝突。

最初は劣勢であったイタリア軍だったが、サウジアラビア軍とアメリカ軍のジュクルジャ到着により形勢は逆転。

1ヶ月後にジュクルジャのドイツ軍は降伏した。

その頃、アナトーリエン国家弁務官区のヴォルフガング・シェンク国家弁務官はトルコを脱出。

これを受け、アナトーリエン国家弁務官区は正式に降伏した。

その2時間後にイラクも降伏。

イラクはイタリア軍占領地域、トルコはトルコ共和国として独立を果たした。

その後、トルコに駐留していた日本軍は本国からの連絡を受け、新疆に急行。

テロ組織の掃討を開始した。

その頃、バルカン半島ではハンガリーとルーマニアの小規模な国境紛争が戦争に発展。

これに対し、地中海協定加盟国が次々とルーマニアに宣戦布告。

第五次バルカン戦争が勃発した。

地中海条約機構の第五次バルカン戦争介入を受け、統一協定もスロバキアとハンガリーの国境に展開。

ハンガリー危機に発展した。

この危機によって、ドイツとハンガリーの国境地帯では小規模な武力衝突が発生。

ドイツとの戦争は避けられないものとなった。



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秩序の崩壊

1967年5月5日。

大ゲルマン帝国総統であるアドルフ=ヒトラーが死去。

これにより、大ゲルマン帝国国内にて対立していたボルマン派、シュペーア派、ゲーリング派、ハイドリヒ派、自由ドイツ戦線が蜂起。

ドイツ内戦が始まった。

また、この内戦により、東方生存圏においても大規模な反乱や独立が発生。

新秩序は完全に崩壊した。

 

この内戦の結果、東方生存圏において成立した勢力

 

・モスクワ自治国

・オストラント親衛隊騎士団国

・リトアニア緊急国防政府

・ドイツ自治区

・モスクワ赤軍

・自由ロシア運動

・トゥーラーン民族委員会

・カフカース=ドイツ空軍地区

・チェチェン解放軍

・ツァーリ制ロシア帝国

・バクー労働者運動

・ドン=コサック赤軍

・アーミニエン国防軍

・アゼルバイジャン軍事政府

・クラスノヤルスク=ソビエト

・アチンスク国防軍地域

・ボゴドル軍

・正教会司祭領

 

ドイツ内戦の一報は遠く離れた日本にも入った。

 

日本国 東京

国防省ビル3階

会議室

 

「ヨーロッパか・・・」

「はい。数時間前にドイツ総統であるアドルフ=ヒトラーが死去。これに伴い、ドイツで大規模な内戦が発生したようです。」

「中国といい、欧州といい、なぜここまで混沌としているんだ・・・」

「それと、南アフリカ軍からの報告ですが、オレンジ州にて大規模な暴動が発生したとのことです。また、ズールー武装戦線を名乗る勢力も存在しており、第二次南アフリカ戦争の可能性があるとのことです。」

「わかった。そっちは米軍が対処してくれるだろう。問題はロシアだ。西ロシア地域をウラジミール三世率いるロシア帝国が統一。OFNとの接触を試みているようです。」

「わかった。ロシア帝国側はなんと言っている?」

「はい。ロシア帝国の存在の容認、ロシア帝国の中央シベリア共和国承認、ロシア帝国のOFN加盟を条件としています。」

「わかった。アメリカにも伝えておく。」

 

1967年6月5日。

ドイツでの内戦は大きな転換点を迎えた。

シュペーアが空襲によって死亡したことで残るはゲーリング、ボルマン、ハイドリヒ、自由ドイツ戦線の4つとなった。

しかし、ハイドリヒ派はライン川において大損害を負っていたため、ライン川が突破されるのも時間の問題である。

そのため、実際にはゲーリング、ボルマン、自由ドイツ戦線の3つの勢力がぶつかっていることとなる。

その頃、北部ポーランドにおいて攻勢を開始したゲーリング派は機甲師団を用いて、自由ドイツ戦線の前線を突破。

ドイツに平和をもたらすのは誰だろうか・・・



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アフリカの混沌

1967年7月9日。

南アフリカに再び死が訪れた。

オレンジ州においてテロ組織<アフリカーナー抵抗運動>がボーア共和国を名乗り蜂起。

第二次南アフリカ戦争に発展した。

さらに、トランスヴァールにおいてはズールー武装戦線が一斉に蜂起。

南アフリカ駐留の米軍は南アフリカの防衛を開始。

南アフリカ連合陸軍のエドモント・ケーリッド将軍は南アフリカ連合軍で最も有名な将軍である。

彼はオレンジ州西部の都市で自らが率いる機甲師団を率いていた。

「戦車部隊前進!」

彼の号令とともに、彼が乗る機甲師団の戦車が次々と戦場に姿を現した。

彼が搭乗しているのは日本製の65式高速戦車だった。

その数30両以上。

「戦車部隊、突撃せよ! 目標は敵拠点だ」

ケーリッド将軍の命令と同時に、戦車部隊は一斉に走り出した。

そして、敵の陣地へ突入する。

敵の抵抗も虚しく、ケーリッド将軍率いる機甲師団は次々と敵をなぎ倒していった。

その後、ズールー民兵の拠点の一つを制圧したケーリッド将軍の機甲師団は東進を開始。

米軍のM551シェリダン機甲師団もケーリッド将軍の機甲師団と合流し、連合軍の兵力は大幅に上がった。

さらに、アメリカ軍はXB-70ヴァルキリーによるヨハネスブルク空爆を実施。

ズールー民兵の戦力は大幅にダウンした。

そして、舞台はボーア共和国が支配している西部に移る。

ケープタウンから上陸したアメリカ軍と日本義勇軍はパールを目指し、東進を開始。

ドイツ軍の兵器を装備しているボーア民兵はパンツァーファウスト2型などを使い、米軍戦車を撃破したが、アメリカ軍からレンドリースされたF-4ファントムを装備した南アフリカ空軍の航空部隊がボーア民兵への攻撃を開始。

その頃、極東では中華民国がチベット王国に侵攻。

着実に中国を統一しつつあった。

そして、ついに中国軍はチベット王国の首都であるラサを制圧。

チベット王国は降伏し、中華民国に併合された。

結果、残る国家は奉天共和国のみとなった。

奉天共和国は中華民国に対して友好的な国家であったため、奉天共和国首相との会談の結果、中国は中華民国の下、統一されることとなった。

そして、中東ではイランがOFNに加盟。

これにより、OFNはイランを通り、ヨーロッパへ侵攻することが可能となった。

その頃、アメリカでは・・・

 

この日のダラスはいつもよりも騒がしかった。

比較的広い道路の中央には壊れた車があった。

ジョン・F・ケネディが暗殺されたのだ。

その後、暗殺事件の犯人として、リー・ハーヴェイ・オズワルドという男が逮捕されたが、「はめられた」と言うばかりで未だに真相は闇の中である。

 




パンツァーファウスト2型

ドイツ軍の携帯型対戦車ランチャー。
非常に精度がよく、南アフリカ戦争では日本軍戦車や米軍戦車相手に大活躍した。
ヘリ相手なら対空砲としても利用できる。


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終わりの始まり

1967年8月4日。

ドイツ内戦はゲーリングの勝利で終わった。

これに対し、日本やアメリカ、イタリアは大軍拡を開始。

世界の緊張はさらに高まるのであった。

ヘルマン・ゲーリングはフォルクスハレの前に立った。

大ゲルマン帝国の帝都はほとんど戦火に巻き込まれていなかったため、ほぼ無傷だった。

彼は正門から中に入るとこういった。

「内戦はライヒを破壊した。だが、この美しい帝都は破壊されなかったようだ。」

「はい。しかしながら、他の地域は壊滅的な被害を負いました。ライヒのために一刻も早く復興しましょう!」

「そうだな。そういえば、内戦中だったからOFNやコミーの奴らについて全く知らなかったな。現在の状況は?」

「はい。OFNについての情報は現在は入っていませんが、北のイギリス連合がブルグントへの侵攻を準備しています。」

「ブルグントか。あの狂人はどうでもいい。だが、我々もブルグント=ドイツ国境に国防軍を展開させておけ。」

「了解!」

彼はしばらくして、フォルクスハレを離れ、近くの家屋に向かった。

家屋はツタで覆われており、玄関のドアにはドイツ語で『政府所有地 立入禁止』と書かれている。

鍵を開けて入るとそこは地下に続く階段があった。階段を下っていくと扉があり、そこを開けるとそこには近未来的な施設が広がっていた。

「君はこの場所を知っているね?」

「はい。ベルリン生体研究所です。確か、SSの施設でした。」

「ああそうだ。そして、ここでどんな研究が行われていた?」

「はい。人間から憎悪の感情を取り出し、それを兵器転用するという実験をしていました。」

「そうだ。そして、その研究員はどうなった?」

「はい。ほとんどが発狂して自殺しました。」

「そうだ。つまり実験は成功したかもしれないんだ。」

「それはどういうことです?まさか……」

「ああ、そのまさかだ。そして、完成した兵器をいつまでも使わない手はない。」

「しかし、そんなことをすれば大量の人間が死にます!しかも、あれはまだ試作段階です。」

「だからこそ使うのだ。これは国家のためなのだよ。君だって私のことが好きなわけではないだろう?」

「……」

「私に協力しろとは言わない。ただ見ていてくれればいい。それとも怖いのか?」

「……いえ、協力します。あなたのことは好きではありませんが、国を愛していることは同じなのでしょうから。」

「よし、なら早速取り掛かろうじゃないか。」

それから彼らは資料を探し出した。

 



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混沌の時代

・チャド=ゲラ国防軍

大アフリカ国家弁務官区時代にチャドにて大規模な攻撃を実施していたゲオルク・シュトゥンメ率いる装甲車部隊が立てた軍閥。


・ハジェル=ラミ親衛隊騎士団国

大アフリカ国家弁務官区時代にチャドにて原住民弾圧を行っていた武装親衛隊の部隊が立てた軍閥。


ヘルマン・ゲーリングは総統官邸のデスクで書類をまとめ、執務室から出た。

タペストリーには見事な鉤十字が描かれている。

大ゲルマン帝国は強い国ではあるが、今の状況を見ると大国のようには見えない。

一般家庭は1週間の食事を賄うほどの収入しかもらっていないし、新幹線なんて見たこともない。

日本では東京〜大阪間で新幹線が開通したらしい。

ドイツは遅れてしまっている。

「くそっ!」

彼は思わず壁を叩いた。

その音に廊下にいた衛兵が驚いて振り向く。

「驚かせてすまない」

そう言って謝ると、衛兵は再び直立不動の姿勢に戻った。

その後、彼は執務室に戻り、仕事を始めた。

「ドイツの科学は遅れてしまっている。優等人種であるはずのアーリア人に遅れがあってはならない。」

彼はそう呟いた。

 

その頃、中央アフリカではドイツ国防軍の軍閥であるチャド=ゲラ国防軍はハジェル=ラミ親衛隊騎士団国に侵攻。

中央アフリカ地域の統一に乗り出した。

武器が全く足りていなかったハジェル=ラミの親衛隊はわずか3日ほどで壊滅した。

その頃、アメリカでは・・・

 

「中央アフリカ共和国の建国・・・ ですか?」

「そうだ。大アフリカ国家弁務官区崩壊の後、大量の軍閥ができた。そこで我々は中央アフリカを統一。中央アフリカ共和国を建国する。」

「わかりました。ただちに米軍部隊を手配します。」

 

その頃、東京では・・・

 

東京では皇道派の将校に率いられた陸軍部隊が昭和維新を掲げ、一斉に蜂起。

佐藤首相が重傷を負うなどの被害はあったが、政府は神奈川県県庁に移転し、政府の陥落は免れた。

 

神奈川県横浜市中区日本大通

神奈川県庁

 

「現在の状況は?」

「はい。川崎市において陸軍の機甲師団と反乱軍部隊が交戦。川崎における反乱軍の拠点となっている三ツ池公園の奪還には成功しました。」

「東シナ海に展開中の艦隊を本土に戻すことは可能か?」

「東シナ海に大量の艦隊が展開しているところを見ると不可能です。ん? 合衆国より入電! 『鎮圧が不可能な場合は介入する用意がある』とのことです。」

「まずいな・・・ 絶対に東京に外国軍を入れてはならない。千葉市の陸戦隊に連絡。東京上陸作戦を開始せよ。」

「了解!」

千葉県習志野市:日本国陸軍駐屯地 木更津に上陸した陸上部隊に続き、空軍の協力のもと空挺降下した空挺部隊も習志野市の反乱軍基地を制圧した。

「こちら第5対戦車ヘリコプター隊。これより反乱軍基地内の捜索を開始する。」

「こちら司令部。捜索にあたり注意しろ。反乱分子がまだ残っている可能性がある。」

「こちら第6戦車小隊。敵兵を発見。拘束します。」

「よくやった。引き続き周辺の警戒にあたってくれ。」

「了解。通信終了。」

 

その5日後、日本軍は東京の奪還に成功。

反乱の首謀者であった中野正剛は即日逮捕、死刑判決が下された。

 




日本国家復興連盟

戦後になって勢力を取り戻してきた皇道派が立ち上げた政治団体。



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戦争計画第0号

1969年5月5日。

ドイツ軍は独立したポーランドに宣戦布告。

南部ではスロヴェニア独立共和国への侵攻を開始。

同時期にはスイスにて反乱が発生したが、こちらはまともな武器を持たない民兵が蜂起しただけだったため、3日ほどで鎮圧した。

ポーランド方面軍は戦車やヘリボーン部隊を用いて、ポーランド軍を包囲殲滅。

さらに、サリンやタブン、青酸ガスなど毒ガスを用いた攻撃も実施。

スイス反乱鎮圧の3日後にポーランドとスロヴェニアは降伏した。

その後、フリードリヒ・イェッケルン率いる親衛隊によって乗っ取られたオストラント親衛隊管区に侵攻。

この頃になると、世界情勢は収拾がつかないほど混沌としていた。

まず、アジアでは韓国で朴正煕が暗殺されたことで3つ巴の内戦が発生。

インドではインド革命戦線が蜂起。

インド内戦が勃発した。

ルーマニアはハンガリーとの領土問題をきっかけに地中海協定を離脱。

ドナウ戦争が勃発した。

この戦争は最終的にイタリア軍の介入により、ハンガリーの勝利に終わり、ハンガリーはルーマニア北部とモルドヴァを併合。

その翌日にはルーマニアで鉄衛団を名乗るファシスト政党が蜂起。

ルーマニア内戦が勃発した。

この内戦は王国側の勝利で終わった。

このように、世界情勢が混沌としている中、日本は朝鮮戦争に介入。

1968年に就役したばかりの日本空軍のジェット戦略爆撃機<富嶽3型>100機で釜山を爆撃。

その2日後に釜山に日本陸軍の戦車<29型高速戦車>1個師団が上陸。

速やかに展開し、釜山を攻略した。

その後、後続部隊として、68式7.68mm小銃を装備した歩兵3個師団と油圧ショベルなどの器材を装備した工兵部隊が上陸。

釜山に前線基地を構築した。

その後、日本軍は朝鮮半島での作戦を見事成功させ、朝鮮戦争は終結。

大韓民国が朝鮮半島を統一した。

その後、日韓安全保障条約により、韓国国内に日本軍が駐留することとなった。

日本は敗戦国ではあるが、混乱に乗じて、韓国を事実上の勢力圏に組み込み、アジアにおいて大きな影響力を持つことに成功した。

アフリカではアメリカ軍が中央アフリカを平定。

ウィリアム・ウェストモーランド将軍を国家元首とする中央アフリカ連邦を建国。

一方、イタリアも北アフリカ、中東における勢力圏を確立。

アフリカはイタリア、アメリカ、南アフリカの3勢力に分割された。

その頃、日本では・・・

日本では大学管理臨時措置法案を参議院本会議で与党である自民党の強行採決で可決し、成立した。

この法律は大学紛争の沈静化を目的としたものであり、大学自治との兼ね合いにより、それまで非常に困難であった構内への警察の立入りなどを認めさせるために当時の自民党幹事長である田中角栄による議員立法の形で成立したものである。



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アジア大戦

1970年1月7日。

中華民国では蒋介石が暗殺されたことで、専制的な政治に嫌気が指していた勢力が各地で蜂起。

さらに、インドやベトナム、ミャンマーでも内戦が勃発。

アジア大戦が勃発した。

この大戦争に対して、日本は介入を開始。

日本国陸軍は満州聯合政府と協力し、中国大陸を進撃するのであった。

 

アジア大戦の結果成立した勢力

 

中国

 

・雲南空挺旅団

・貴州国

・チベット解放戦線

・ウイグル解放軍

・八路軍

・中国革命軍

・内蒙古連合

・アチャン王国

・ウズベク解放軍

・香港赤軍

・東北抗日聯軍

・東北民主聯軍

・中国農民赤軍

・厳家淦派中国

・満州聯合政府

 

インド

 

・ムスリム連盟

・パキスタン解放軍

・バングラディッシュ解放軍

・インド赤軍

・マディヤプラデーシュ国

・マラータ共和国

・ディニア自由地区

 

ベトナム

 

・ベトナム革命戦線

・ベトナム共和国

 

ミャンマー

 

・ミャンマー赤軍

・ミャンマー連邦国軍

・ビルマ国民軍

 

ラオス

 

・ラカイン族解放軍

・シャン族解放軍

・ラオス人民独立軍

・ラオス人民解放軍

・ラオス民主戦線

 

カンボジア

 

・カンボジア救国民族統一戦線

・クメール・ルージュ(共産化)

・カンプチア人民共和国

・カンボジア共産党

・カンボジア愛国同盟

・カンボジア人民軍

・プノンペン政府

 

満州聯合政府軍と日本国陸軍は戦車による電撃侵攻で最初の3日ほどで金日成率いる東北抗日聯軍を降伏させた。

そのままの勢いで東北民主聯軍への攻撃を開始。

この頃になると日本国陸軍のヘリコプター部隊も前線に投入され、各地で東北民主聯軍は包囲殲滅されていった。

その後、2日ほどで東北民主聯軍を降伏させた日本国陸軍と満州聯合政府軍は南下を開始。

厳家淦派中国、八路軍を蹂躙し、ベトナム革命戦線への攻撃を開始。

日本国陸軍の一部はジャングルによって足止めされたが、火炎放射器を実戦投入し、ジャングルを焼き払いながら前進。

この頃、タイがカンボジア内戦とラオス内戦に介入

カンボジア救国民族統一戦線を蹂躙し、クメール・ルージュへの攻撃を開始。

ジャングルでの戦闘に慣れているタイ軍はカンボジアの険しい地形を突破。

3日ほどでクメール・ルージュを壊滅させた。

その後、タイが支援するプノンペン政府軍と合流し、そのまま北上を開始。

1ヶ月でカンボジアを再統一を果たし、ラオス民主戦線を支援するため、ラオスに侵攻。

一部の部隊は東へ進み、日本軍と合流した。

結果、ベトナム革命戦線は崩壊した。

西ではドイツ植民地所属のドイツ国防軍が内戦中のミャンマーに侵攻。

マレー戦争が勃発した。

これに対し、ベトナムを突破した日本軍とタイ軍もミャンマーへの介入を開始。

ミャンマーは日独の代理戦争の主戦場となった。



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正体

天の怒りか地の声か そもただならぬ響きあり

-昭和維新の歌より



今日の東京からの報道によると、東京の防衛を担う日本国陸軍首都戦車師団が蜂起し、東京23区全域に展開しているようだ。また、このクーデターにより、佐藤栄作総理大臣は死亡し、自由民主党(LDP)は崩壊の危機にある。

反乱軍は<第二の昭和維新>を目指しており、外国人特派員は自宅軟禁を強いられている。

そして、この24時間、東京で響くのは次のような音のみであった。

 

«サイレン、銃声▪▪▪ そしてすぐに・・・ 命令»

 

この事件は神奈川に駐留していた陸軍部隊が対処し、すぐに鎮圧されたが、この情報がアメリカ政府に伝わり、ペンタゴンはドイツの工作と断定。

アメリカ海軍大西洋艦隊が北大西洋に展開し、ドイツ海軍大西洋艦隊と対立。

大西洋危機が勃発した。

これを受け、ハイドリヒ総統はニクソン大統領との電話会談を実施。

緊迫した交渉の後、この危機は比較的アメリカに有利な形で終結した。

しかし、この危機はアメリカ合衆国と大ゲルマン帝国の対立をさらに深めるきっかけとなった。

 

ドイツ内戦の爪痕が深く残っているゲルマニア。

金髪の野獣は復旧のための資材を運んでくるヘリコプターが発着するヘリポートの近くで作業風景を眺めていた。

しかし、ヘリポートには予定にはないヘリコプターが着陸した。

ヘリコプターの乗組員はハイドリヒにナチス式敬礼をした。

「親衛隊全国指導者閣下より大ゲルマン帝国総統<ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ>へ。これが我々の計画であります。」

乗組員はハイドリヒにファイルを渡した。

ファイルの題名は<アーリア人の最終的勝利と向上のため>。

ハイドリヒはファイルを開いた。

ハイドリヒは一瞬吐き気がしたが、ファイルを読んだ。

<ユダヤ人の最終的解決とアーリア人の最終的勝利。そして、選別計画>

彼は顔を青くした。

しばらくして、ハイドリヒは自分のカバンにそのファイルをしまった。

『彼の計画は世界を滅ぼすことだ・・・』

ハイドリヒは戦慄した。

ハイドリヒを支援するブルグントとそれに対する返礼をする大ゲルマン帝国。

しかし、ハイドリヒは物事を単純に考えすぎていた。

ヒムラーは我々をも核の炎で焼き殺そうとしていたのだ。

そして、今までの支援と返礼の関係は恐ろしい計画を隠すための偽装であった。

しばらくして、彼は側近であるヘルベルト・オットー・ギレをフォルクスハレの総統執務室に呼んだ。

ギレが執務室に入ってきた時、ハイドリヒの顔は病人のように青かった。

「ギレ君か。君にいくらか質問がある。」

「はい。」

「お前の目にはヒムラーはどう写っている?」

「ヒムラー・・・ ブルグント騎士団総長でありますか?」

「そうだ。どう写っている? ここには私と君しかいない。正直に答えてもらってよろしい。」

ギレは少し躊躇いながらも話し始めた。

「私の目には・・・ 世界を滅ぼそうとしている悪魔のように見えます・・・」

「そうか。私も同感だ。」

ハイドリヒはファイルを取り出した。

「それはなんですか?」

「突然来たブルグントの使者から渡された資料だ。読んでみろ。」

「はい・・・」

ギレはファイルを受け取り、読み始めた。

ギレがファイルを読んでいる間、時間は緩慢に過ぎていき、時計の音が普段より大きく感じた。

やがて、ギレはファイルを閉じ、ハイドリヒに返した。

「これは・・・」

「そうだ。君のイメージ通りだよ。」

 



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