石ミコ妄想小説 (iron鉄)
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石上優と胸の痛み

初投稿です。
主が石ミコを好きすぎるあまりにつらつらと書いてしまった妄想です。ところどころ分かりづらい書き方や原作と話し方が違うところが出てくるとは思いますが、優しい目で見ていただけると幸いです。また、誤字脱字等あれば直していきますのでご指摘お願いします。

主に石上サイドを中心にしていきます



生徒会室

「石上、アンタ私のことどう思ってるの?」

「はぁ?」

いきなりどうしたんだこいつは。

「いきなりどうした」

「いや、特に理由はないんだけどどう思ってるのかなって」

「そ、そうか」

 

正直に言おう。僕は伊井野ミコの事が好きだ。

中等部の時から気に食わないと思っていたけど、今思えば照れ隠しに近かったのかもしれない。

風紀委員として活動している伊井野の信念がとても輝いて見えていた。

そりゃあ、ゲームを没収されたり、服装の注意も結構...いや、めちゃくちゃされたけど、それ以上に彼女の事を心の中では尊敬していた。

そんな中等部の時に、とある出来事が起こってしまう。

あまり取り上げたくはないが「例の事件」だ。

思い出したくないので割愛するが、結果を言うと、僕は停学処分になった。

僕が自分の家の部屋でずっと塞ぎ込んでしまい何も出来なかったのに対して、伊井野は色んな先生に直談判をし、直接的では無いものの、僕の高等部進学に大きく関わっていた。自分を立ち直らせてくれた会長の次か、もしくは同じくらい彼女に対して感謝していた。

今自分が高等部にいて、生徒会として活動できているのも伊井野のおかげだろう。

普通ならば、そこまでしてくれた相手に対しては感謝の言葉と敬意をたてるだろう。しかし自分はまだ伊井野に感謝を伝えれていない。

中等部の時にいがみ合っていた人にいきなり感謝されても困るだろうし、単純に今更伝えるのが恥ずかしかったからだ。

その事を思い出す度に、胸の奥にチクリと痛みを感じる。

 

話が逸れてしまった。

「どう思ってるか.......」

今この場には先輩たちはいない。教員の会議に参加しているのだ。

まあ、もし勘違いされるような発言をしても、伊井野1人なら何とかごまかせるだろう。

この場で直接好きと言って告白すればいいという考えがチラッと頭をよぎったが、無意識のうちにその選択肢を除外していた。また胸がチクリとする感覚に陥る。

「まあ、良い友人であり仲間かな」

当たり障りのない言葉を伝えた。

「そ、そう.......」

少し伊井野はしょんぼりしたように見えた。

「じゃ、じゃあさ、私のいい所言ってみてよ」

「いいところ?」

いいところか...まあ、急ぎの仕事も特にないから付き合うか。

「そうだなぁ....まず風紀委員として活動を頑張るところかな」

「なるほど。他には?」

「風紀委員と同じくらい生徒会を頑張るところ」

「他は?」

「あと風紀委員や生徒会として頑張っている時の顔がキレイ」

「え」

「他にも、ご飯を幸せそうな顔で頬張る姿が可愛い」

「え、ちょっと」

「藤原先輩に対してデレてるところもカワイイ」

「石上、ちょっと待っ「大仏とかと話してるときの無邪気な顔もカワイイ。抱きしめたくなる」

「..................」プルプル

「あとは.........ってあれ?伊井野どうして顔が赤いんだ?」

「アンタ、もしかして無意識で言ってたの...........?」

「?無意識ってなんのこと...........あ」

数十秒前の記憶がフラッシュバックする。

恥ずかし!僕めっちゃ恥ずかし!何言ってたんだ僕?!馬鹿じゃないのか?!

1歩間違えればセクハラだぞ?!

「............えっと、今のは...」

冷静を装うとするが動揺が隠せない。

(今言ったことドッキリだから。全部嘘だから。)

と伝えれば全て解決するのだ。でも、何故かその言葉が口から出てこない。どこからか声が聞こえる...

(マタニゲルノカ?)

胸がチクチク痛くなる。

これは...自分の声?

(マタタイセツナコトヲツタエナイノカ?)

その声は下を向いているのか、若干声がこもって聞こえてくる。

(コレイジョウニゲテドウスル?ニゲテモナニモカワラナイゾ)

胸がズキズキする

じゃあどうすればいいんだ...

(ワカッテイルダロウ?何をすれば良いのか。何を伝えれば良いのか)

前を向いたのか、声が聞こえやすくなった。

(君...いや、僕はもう。ひとりじゃないから。)

その声が微笑んでるように感じた。

(支えてくれる人がすぐそばにいるから。)

その瞬間、胸の痛みがスっと引いた。

 

「ぼ...........僕は!」

「......................!」ビクッ

「僕は!伊井野ミコが好きだ!さっき言ったのは全部ホントのことだ!必死に頑張るところも!美味しそうに食べるところも!無邪気に笑うところも!全部ひっくるめて好きだ!」

「.................................」ポロポロ

「ずっと照れくさくて伝えられなかったことがある。中等部の時、自分が停学中に先生達に直談判してくれてたって聞いた時、すごく嬉しかった。こんな自分でも気にしてくれる人がいるって分かって嬉しかった。けど、ずっと恥ずかしくて伝えれなかったことを今言いたい。ありがとう。伊井野。」

「....グスン....」

「それともうひとつ。僕は伊井野ミコの事が好きだ!大好きだ!こんな僕で良いのなら僕と付き合ってほしい。頼む」

言い切った。伊井野の前に手を差し出した。あとは返事を聞くだけだ。

でも、期待と不安、恐怖で目を閉じて下を向くことしかできなかった。

すると、伊井野が両手で顔をスっと持ち上げ、前を向かせた。

驚いた僕が目を開けるのと同時に、伊井野が僕にキスをしていた。

「?!?!」

驚いてしまい、何も出来ないまま4、5秒経った。

伊井野はゆっくりと唇を離した。

「その言葉を...ずっと待ってた...!」

その顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。

「中等部の頃から生意気で、恩を仇で返してばっかりだと思ってた。けど、本当に助けてくれてたのは私の方だった...」

「伊井野...........」

「それに気づいた時、感謝気持ちときつく当たっていたことに対しての罪悪感があった。でも、どうやって感謝を伝えれば良いのか分からなかった。それからその時のことを思い出す度に、胸が痛くなって...でも、やっと伝えれる。」

「石上。ありがとう。私も大好きよ!」

「僕も大好きだ!伊井野!」

伊井野は石上の胸に顔を押し付けながらな泣きじゃぐり、石上は涙目になりながら、2人はしばらくの間、ハグを続けていた.................................

 

 

 

生徒会室前

???「やっとですね。石上くんと伊井野さん」

???「ああ。全くだな」

???「えぇ?!会長とかぐやさんは知ってたんですか?!なんで教えてくれなかったんですか?!」

四宮「だって教えていたら絶対ちょっかいかけてましたよね?藤原さん」

白銀 「ラブ探偵が来て面倒事になるのは目に見えてたからな」

藤原「うわぁ〜ん!みんなが私を除け者扱いにする〜!」

 

 

 

 

エピローグ

〇年後

「......................なんてこともあったわねー」

「そろそろ忘れてくれませんかね?ミコさん」

「嫌よ。産まれてくる子にも絶対聞かせてあげるわ♡」

お腹をさすりながらミコは言う。

「勘弁してくれよ...」

「ねえ。優」

「どうした?」

「愛してるわ」....................................................fin




初めまして。最後まで読んで頂きありがとうございます。この作品は最初にもあるとおり、ただの1ファンが「こんな展開あったらいいなー」を自給自足のために書いた作品です。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。続きを書くつもりは特にないですが、一応案は思い浮かんでいるので、お声が多ければ考えてみようと思います。では、またどこかで。


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石上優と胸の痛み ミコside

伊井野サイド

 

ある日の生徒会室

 

 

私は石上と一緒に生徒会の雑務をしていた

この場に先輩たちはいない

会議で席を外している

 

この空間にはアイツ、もとい私の好きな石上と2人きり

私はこのどうしようもないバカで、無自覚な鈍感男のことが大好きだ

 

中等部の時は、お互い険悪ムードだった

私が何回注意しても、何回ゲームを没収しても、石上は直さなかった

その頃は、協調性のない悪い人だと思っていた

日ごろから私が”注意してあげている”と思っていた

それに加え”例の事件”が起こり、石上が停学処分になった

けど実際、石上は何も悪くなかった

私は不正を許さないという私の信念のために、石上の不当な扱いに対していろいろな先生たちに抗議してまわり、石上に高等部進学をさせることができた

このときも、私が”助けてやった”と思い込んでいた

高等部に上がってからも注意してたし、私の注意を全く聞いてくれなかった

そんな石上を私は「恩知らず」と内心で思っていた

 

けど、実際はその逆で、私は石上にたくさん助けてもらっていた

中等部の頃には私の信念を否定したり、バカにする人に対して噛みついてくれていたり、私の机の中にステラの花としおりを入れてこっそり励ましてくれた事を会長やこばちゃんが教えてくれた

高等部では言い寄ってくる男から私を守ってくれたり、生徒会選挙の時に会長に頼んで私が演説しやすくしてくれたり、他にもいろいろなことをしてくれていた

それに気がついた時、今までキツく当たっていたことに対しての罪悪感と、感謝を伝えたくなった

けど、余計な意地が張ってしまって伝えることができていない

その事を思い出す度に、胸が痛くなる

 

そんな罪悪感と一緒に、異性としての特別な感情も湧き始めた

教室の隅で静かに読書している姿も、生徒会での真面目な横顔も、偶然見てしまった鍛えている腹筋も、全て愛おしく、同時にカッコよく思えてしまった

それに加え、私に気付かないようにさりげなくサポートもしてくれている

そんなに気にかけてくれる異性を好きにならない女子は殆どいないだろう

 

けど、こいつは眼中にないとばかりに、私に関して無関心だった

私が匂わせぶりな態度をとったり、わざと身体を近付けたりしても、たまに顔を赤くするだけでそれ以外は全く反応を示さなかった

 

そんな日々が続く中、生徒会室で石上と2人きりになれた

普段は藤原先輩がいるから大胆なことは出来なかったけど、今日は違う

(今日こそはアイツの本心を聞いて、あわよくば告白してもらうわ!)

 

(とは言ったものの、何をすればいいかしら)

2人きりになれると内心ではしゃぎすぎて、何をするか、何を聞くか全く考えていなかった

 

(無難に好きなタイプかしら...でもそれだと気持ち悪がられないかしら...)

優秀な頭をフル回転させて思考にふける

 

だけど、この2人きりという状況で、私は冷静ではいられなかった

 

「石上、アンタ私のことどう思ってるの?」

気がつけば、こんなことを口走ってしまった

 

「はぁ?」

石上から気の抜けた返事が帰ってきた

「いきなりどうした」

こんな返事が帰ってくるのは当たり前だろう

 

「いや、特に理由はないけどどう思ってるのかなって」

「そ、そうか」

 

石上を見ればわかる

明らかに困惑している時の表情だ

 

「どう思ってるか...」

少し考え込んでいる

 

「まあ、良い友人であり仲間かな」

 

「そ、そう...」

少しショックを受けた

(石上にとって私はそれぐらいなのかな...)

でも、これで食い下がるほど私は諦めのいい女ではなかった

 

「じゃ、じゃあさ、私のいい所言ってみてよ」

またよく分からないことを私は口走っていた

 

「いいところ?」

そう言うと、石上はもう一度考え込んだ

 

(もしかして、無さすぎて探すのに時間かかっているのかな...)

(それとも、ありすぎて迷ってたりして...こっちだと良いな...)

期待と不安を入り交じりながら、

石上が言い出すのを待っていた

 

もう少しして、ゆっくりと話し始めた

 

「そうだなぁ...まず風紀委員として活動を頑張るところかな」

「なるほど..!他には?」

「風紀委員と同じくらい生徒会を頑張るところ」

やっぱり見ててくれてたんだ...嬉しい..

「あと、風紀委員や生徒会として頑張っている時の顔がキレイ」

「え」

(え?いきなり何を言い出したの?)

「他にも、ご飯を幸せそうな顔で頬張る姿が可愛い」

聞いてるこっちが恥ずかしくなってくる

「え、ちょっと」

「藤原先輩に対してデレてるところもカワイイ」

顔に熱を帯び始める

「石上、ちょっと待っ「大仏とかと話してる時の無邪気な顔もカワイイし、抱きしめたくなる」

(モウヤメテ........................)

私は耳まで赤くなった顔を石上に向けて、無言で懇願する

「.................................」プルプル

 

「あとは......ってあれ?伊井野なんで顔赤くなってるんだ?」

こんなことを言い出した

(え?こいつ無自覚で言ってたの?!私を堕とそうとしてるのじゃなくて無自覚なの?!)

「アンタ、もしかして無意識で言ってたの.........?」

「?無意識ってなんのこと.................あ」

私の言っている意味が分かったのか、石上の顔まで赤くなってきた

「.................えっと、今のは.................」

 

冗談だから

ドッキリだから

 

そう言われると思った

けど、石上はその言葉を言わなかった

 

「ぼ...........僕は!」

「......................!」ビクッ

いきなり大声を出すからビックリしてしまった

石上の顔が少し赤い

声も少し震えている気がする

 

「僕は!伊井野ミコが好きだ!さっき言ったのは全部ホントのことだ!必死に頑張るところも!美味しそうに食べるところも!無邪気に笑うところも!全部ひっくるめて好きだ!」

「......................」ポロポロ

まさか石上が私のことを好いてくれていたなんて...........

「ずっと照れくさくて伝えられなかったことがある。中等部の時、自分が停学中に先生達に直談判をしてくれたって聞いた時、すごく嬉しかった。こんな自分でも気にしてくれる人がいるって分かって嬉しかった。けど、恥ずかしくて伝えれなかったことを今言いたい。ありがとう。伊井野。」

びっくりした。まさか全部知っていたなんて...

「...........グスン...」

「それともうひとつ。僕は伊井野ミコのことが好きだ!大好きだ!こんな僕で良いのなら僕と付き合ってほしい。頼む。」

 

そう言って、石上は下を向きながら手を前に差し出した

まさか石上から言い出してくれるなんて...........!

(私も好きよ。石上。)

そう言い出そうとしたが、身体が先に動いた

私はそれを止めようとせずに、本能の動くままに石上の顔を優しく持ち上げ、私の方を見させた

 

一瞬困惑した表情の石上の顔の唇めがけて、私の唇を重ねた

「?!?!」

石上が驚いているのがわかる

そんな石上を気にせずに、私が満足するまでの4、5秒間唇を重ね続けた

「その言葉を...ずっと待ってた...!」

私は本心をさらけ出した

今の私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっているだろう

「中等部の頃から生意気で、恩を仇で返してばっかりだと思ってた。けど、本当に助けてくれてたのは私の方だった...........」

「伊井野......................」

「それに気づいた時、感謝の気持ちときつく当たっていたことに対しての罪悪感があった。でも、どうやって感謝を伝えれば良いのか分からなかった。それからその時のことを思い出す度に、胸が痛くなって...でも、やっと伝えれる。」

石上が勇気を出して伝えてくれた

私もその勇気に答える!

「石上。ありがとう。私も大好きよ!」

伝えきれた......顔が真っ赤になるが、今までの人生で1番の笑顔を見せる

それを聞いた瞬間、見たことがないくらいの笑顔をこっちに向けていた

「僕も大好きだ!伊井野!」

 

しばらくの間、私は石上の胸に顔を押し付けながらな嬉し泣きじゃぐり、石上はそれを受け入れてくれたギュッと抱きしめ続けてくれた...........

 

1時間後...........

 

今は家への帰路を石上と2人で手を繋ぎながら歩いている

泣きすぎて目が真っ赤に腫れていた

「泣きすぎて目が痛い...........」

「大丈夫か?ミコ?」

「大丈夫じゃないわよ...ごめんね。ずっと捕まえちゃって」

「大丈夫。泣いている所も可愛かったし...」////

「!...........バカ」////....................................続くかな?




俺1「続きを書くつもりはないと言ったな」
俺2「そ、そうだ大佐。助けてくれ「あれは嘘だ」ウワァァァァ!!!

ハイ、スイマセン
対して人気ないけど続きが書きたくなりました。
気軽に感想と改善点をお願いします。


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石上優は看病したい

お久しぶりです。


伊井野ミコが学校を休んだ。

 

朝一番に担任から聞くなりすぐに連絡をしたが、ただの風邪だと聞いて一安心したが、同時にもうひとつの懸念点が浮かぶ。

 

伊井野ミコの両親は仕事が忙しくて家にほとんどおらず、週何回かお手伝いさんが来て掃除や洗濯、炊事などをしてくれるが、それ以外の日には大抵1人なのだ。

 

運悪く、今日はお手伝いさんが来ない日だった。

 

伊井野ミコの彼氏もとい、石上優は心配で授業にも身が入らず、一日中気が気ではなかった。

 

そんな日の生徒会で四宮先輩が

 

「石上君、伊井野さんのお見舞いに行ってくれませんか?」

 

と言い出した。

 

いきなりどうしたんだろうと思い、一瞬警戒したが、次の言葉で全てを納得した。

 

「今日は藤原さんも部活でいませんし、生徒会の仕事も”私と会長の2人”で大丈夫ですので、私たちの代表として行っていただきたいのですが。」

 

...なるほど、要するに四宮先輩は会長と2人きりになる口実が作りたいんだと分かった。

 

こちらとしてもその方がありがたいが、自分が代表で大丈夫なのだろうか。

 

「僕が代表で大丈夫なんですか?」

 

と聞いて見ると、白銀会長が

 

「そうだな。今回は石神の方が適任だ。頼めるか?」

 

と言った。会長が了承したのなら断る道理は無いな。

 

「分かりました。僕が代表として行ってきます。」

 

すると先輩達が

 

「悪いな。石上。」

 

「お願いしますね。石上君。」

 

と言った。会長達もイチャイチャしたくてウズウズしてるんだろう。

 

早めに出発するとするか。

 

ミコの家に行く前に薬局でスポーツドリンクやゼリーなどを買っていくことにした。

 

「これでいいかな。あとは...ん?」

商品を見てまわっていると、”ある商品”の前で固まってしまった。その商品とは...

 

(..........避妊具か...........)

 

その商品を手に取って見ながら考えていた。

 

(一応僕達も付き合ってるわけだし、お互い高校生だし、そういう空気になることもあるだろうし...........でも、こんなの持ってるって知られたら引かれないかな...........)

 

と頭をフル回転させて考えていると、後ろの方から

 

「何かお探しですか?」

 

と、従業員の人が話しかけてきた。

 

僕は慌てて”その箱”をカゴの中に隠し、

 

「え?い、いや、なんでもないです。大丈夫です。」

 

と、逃げるようにその場を離れた。

 

少し離れたところで自分が慌ててカゴに入れたことを思い出した。

 

戻しに行こうとも一瞬考えたが、タイミング悪く、ちょうど同級生数人がが薬局に入ってきた

こんなものを持っているところを見られるなんてあってはならない。

 

仕方が無いので、結局買うことにした。

 

(あくまでこれは俺の意思じゃない...........仕方が無いので買っただけだ...........)

 

と自分に言い聞かせたが、レジの店員にその商品を見られたに、自分の方を見ながらニヤついていたのを見て、顔が真っ赤になった。

 

 

「確か此処であってるよな...」

 

ミコの家のマンションには何度か来たことがあるが、大抵は2人で1緒に来たり、駅まで迎えに来てくれるので一人で来るのは案外初めてで迷いかけたが、何とか着くことが出来た。

 

しかし、ひとつの問題が発生してしまう。

 

(ミコの家の番号なんだっけ?)

 

普段は2人で一緒に来るから部屋の番号を覚えておらず、入口の前で立ち往生してしまった。

 

(このままだと不審者だと思われるよな...でも、部屋の番号分からないから入れないし...)

 

などと考えていると、後ろから声をかけられた。

 

「あなた、もしかして秀知院学園の石上優さんですか?」

 

びっくりして後ろを振り返ると、40代頃の上品な女性がこちらを見ていた。

 

いきなり声をかけられて、しかも名前を知られてるとなると誰であろうと警戒してしまうだろう。

 

「...そうですがなんで名前を知ってるのですか。」

 

警戒心をむき出しにして聞いてみると、意外な方向で裏切られてしまう。

 

「申し遅れました。私は伊井野様御一家に使えています鏡野と申します。」

 

なんと、ミコの家のお手伝いさんだったのだ。

 

「お手伝いさんでしたか。怪しんでしてしまってすいません。」

 

警戒を解いて一応謝っておく。

 

「いえいえ。こちらがいきなり話しかけたので、警戒なさるのも無理はないでしょう。」

 

なるほど。ミコの両親に仕えるだけあってすごく丁寧な人だ。

 

少し安心すると、ふとした疑問が浮かび上がってくる。

 

「そういえば、何故自分のことが分かったんですか?」

 

このお手伝いさんとは初対面なはずなのに、外見と名前までこの人は知っていた。聞いてみると、

 

「伊井野様の家へお仕事をしに行った日のミコ様との話題のほとんどがあなた様の話題をされるからでございます。」

 

驚いた。家でも僕のことを話してるなんて...ちょっと照れるな...

 

「なるほど。今日はお手伝いさんが来ない日と聞いていたんですけど、どうしたんですか?」

 

と聞くと、

 

「ミコ様が風邪を引かれたと聞き、急いで来たのですが...この様子だと要らなかったみたいですね。」

 

「?」

 

「家の予備キーを渡しておきますので、鍵はミコ様にお返しください。家の番号は〇〇〇番です。冷蔵庫の中の物は自由に使って良いので。では、よろしくお願い致します。」

 

「は、はぁ...........」

 

鍵を渡すと、お手伝いさんは行ってしまった。

 

つまり、鍵貸してあげるから看病してあげてねってことだろう。

 

....................え?

 

 

「〇〇〇番はここだよな。」

 

こんなはずじゃなかったんだけどな...

 

まあ、ちゃんと食べれてるかも心配だし、ご飯くらいは作ってやるか。

 

渡された鍵を使い、家のドアを開ける。

 

何度か来たことがあるから家の構造は何となく分かる。

 

寝ているかどうかを確認しにミコの部屋へと向かう。

 

「ミコ...起きてるか?」

 

ゆっくりとドアを開けながら小さな声で聞いてみる。

 

「....................」

 

返事がない。

 

寝ているだけだと思うが、一応近くで確認しようと思い部屋へ入る。

 

近くで見てみると、ずっと布団に入っていたからだろうが、若干汗ばんでおり、顔もやや赤くなっていた。

 

「......................」

 

やばい、なんか色っぽい。

 

「...って、違うよな。」

 

危ない危ない。思考が別の方向に持っていかれるところだった。

 

とりあえず、このままだと汗が冷えてさらに悪化する恐れがあるので着替えてもらうためにミコを1度起こす。

 

「おーい。ミコ。大丈夫か?」

 

軽く肩を揺さぶる。

 

「...........うーん ...あれ、優?」

 

ミコが瞼を開いた。

 

「なんでこんなとこにいんの?」

 

と聞かれる。ここは正直に、

 

「なんでって、お見舞いに来た。」

 

と伝える。

 

「鍵はどうしたの?」

 

「それならお手伝いさんに半ば強制的に渡された。」

 

「そ、そう。」

 

と、少しびっくりしたようにしている。

まあ、目が覚めたら家の中に彼氏がいたらそりゃあ驚くよな。

 

「ほら。風邪薬とスポーツドリンクだ。」

 

「あ、ありがとう。」

 

この様子だと、ろくに食べれていないのだろう。

 

「なんか食べたいものあるか?あるなら僕の作れる範囲なんで作るけど。」

 

と提案してみる。すると、

 

「じゃ、じゃあ、雑炊作って欲しいかな。」

 

とリクエストされた。

 

「雑炊だな。わかった。冷蔵庫にあるもの使っても大丈夫か?」

 

「大丈夫。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

冷蔵庫にあった昨日余ったであろう白ご飯と卵、青ネギを使った簡単な雑炊を作った。

 

作った雑炊をミコの待っている寝室へと持っていく。

 

「ほら。出来たぞ。」

 

「ありがとう。」

 

雑炊の入っているお茶碗とスプーンを手渡す。

 

「......................」

 

受け取ったものの、何故か口に運ばない。どうしたのだろうか。

 

「どうした?もしかしてネギ苦手だったか?」

 

「え?い、いや、そういうわけじゃない...けど...」

 

「ならなんで食べないんだ?」

 

「えっと、その..............べ......せて.....しい。」

 

「ごめん聞こえない。なんて言った?」

 

「た、食べさせてほしい。」

 

「?!」

 

いきなりのことで驚いてしまった。

 

普段はあまり人に頼ろうとしないミコが、まさか僕に食べさせてほしいって言い出すなんて。

 

家で1人だと寂しいだろうし、彼女であるミコの頼みとあらば断る訳にも行かない。

 

「お、おう。分かった。」

 

「ありがとう。」

 

ミコが笑顔を見せる。

 

雑炊を1口サイズにすくってミコの口元へと運ぶ。

 

「ほら。あーん。」

 

「あ、あーん。」

 

ミコが雑炊を口に入れる。

 

「美味しいよ。優。」

 

ふにゃっとした笑みをこちらに見せてくる。

 

クソ、可愛い。

 

こんなに可愛い笑顔を僕だけが独占できるって考えてきたら気持ちが緩んでしまう。

 

「どうしたの?ニヤニヤなんかしちゃって。」

 

案の定、表情に出てしまっていたようだ。

 

「いや、なんでもないよ。」

 

悟られないように表情を元に戻す。

 

そのまま食べ進め、結局作った分を全てミコが食べ尽くしてしまった。

 

風邪なのに全部食べきるなんてやっぱりすげーな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふー。皿洗い終わりっと。」

 

雑炊で使っで鍋やお茶碗を洗い終わり、一息つく

「今日は何から何までありがとね。優。」

 

ミコが寝室から出てきた。

 

「いいよいいよ。こっちが勝手にしている事だし。明日は学校行けそうか?」

 

「うん。看病してくれたおかげでかなり良くなったから明日には行けそう。」

 

「そうか。良かった。.........っと、もうこんな時間か。そろそろ帰るわ。」

 

窓から外を見てみると外は薄暗くなり、街灯もつきはじめている。

 

「そうね。下まで送ろうか?」

 

「大丈夫だよ。しっかり休んどいて。」

 

「わかったわ。じゃあ、玄関まで送るね。」

 

「ありがとう。」

 

2人で一緒に玄関へと向かう

 

「じゃあ、帰るわ。買ってきたもの机に置いてるから自由に使ってくれ。」

 

「何から何までありがとね。じゃあ、明日学校で。おやすみ。優」

 

「おやすみ。ミコ」

 

僕はミコに別れを告げ、家への帰路へとつく。

 

「...あれ、何か忘れてるような...ま、いっか。」

 

何か大事なことを忘れている気がしたが、時間も遅いので考えることはせずに、急いで自宅へと向かった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「...........これね。優が買ってきてくれたものは。」

 

優が買ってきてくれた袋の中を確認してみる。

 

「スポーツドリンクと風邪薬と...........?これは何かしら...?」

 

袋から風邪薬とは違う四角い箱が出てきた。

 

ミコにはその箱の正体がわかってしまった。

 

「...........これはもしかして...........避妊具?」

 

 

これが後のいざこざやあんなことになるなんてこの時は2人とも思っていなかった...........

            続く?




改めまして、ironと申します。

前回から時間が空いてしまったのはネタが見つからなかったとかじゃなく、純粋にリアルが忙しすぎて書く時間を確保出来なかったからです。決してアンケート結果に頭を悩ませて挫折していたとかではないです。ハイ。

今回も前回と同様に石ミコ派の自分の妄想を書き連ねたただの駄作なので、それでも大丈夫という方は楽しんでくださると幸いです。

次回からはアンケート結果をもとに頑張って話を作っていこうと思います。


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