転生JKの戦闘力は53万で、あと4回の変身を残している (リーグロード)
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転生&チート能力ゲット!
チィ~ッス! ども、○○高校の現役JKの神崎 氷室って言います。
突然だけど私、なんと転生しちゃったみたいなの!? マジ驚きだよね。
切っ掛けとしては、赤信号でスマホをいじりながら待ってたら、後ろから猫ちゃんが車道に突っ走ってちゃったんだよね。
しかも、タイミング悪く法定速度越えのスピードで走る車が迫ってきて、これヤバくね! って思ったら体が勝手に動いちゃったんだよね。
そこからはまあお決まりの死んで神様の元に直行したんだよね。幸い死ぬ直前に見た景色じゃ猫ちゃんは普通に走ってどっか消えちゃったから怪我も無く命は助かったんだけど、車の運転手さんにはかなり迷惑を掛ちゃったから悪いな~って思ってる。
「ふむ、自分を殺した相手に同情か……。呆れるほどに善人というべきか、それとも自分を大切にせん阿呆のどっちかのう?」
今私のことを馬鹿にしてきているのは神様。それもテラ美しいって言葉が似合う程の超美人! 煌めく白髪に粉雪のような肌、なによりボンキュッボン! のナイスバディに引けを取らない顔面の黄金律の高さといえば、もし彼女が芸能界なんかに出れば伝説と謳われるのは間違いないっしょ!
「まったく、褒められるのは悪い気はせんが、いささか言葉の品位が下等なのが気に食わんの」
呆れ顔でこっちを見つめる女神様に、すみませんっと心の中で謝りながら、舌を出して(∀`*ゞ)テヘッと可愛くおどけて見せる。
「でも、死んだ後って地獄で閻魔様に裁判されて天国か地獄に行くんじゃないの? まあ、実際に死んで蘇った人がいる訳じゃないからただの妄想みたいな話だけど」
「そうじゃな。確かに閻魔は実際に存在するし、天国か地獄の裁判も存在はしている。貴様がここにいるのは単に我の気まぐれじゃ……」
いや、気まぐれなんか~い! っとツッコミを入れるも、女神様は「不敬」の一言であしらってしまう。
「はぁ~、てっきり漫画やアニメみたいにお前には秘めた力がある。その力を使って世界を守って欲しい。なんて展開があるのかと期待したのに……」
ガッカリと肩を落としていると、女神様から「ならば、今流行りの異世界転生でもしてみるかの?」っと提案してきた。
「!? ねぇ、それ本当なの女神様! それって、勿論チート能力とかプレゼント付きだよね?」
「はぁ……、人間はすぐラクをしたがる。苦労の末に手に入れられる幸福というものをまるでありがたらん」
「ええ……、そんなことないよ! 私だってみんなで練習した体育祭とかで優勝した日の盛り上がりとか今でもすっごく覚えてるし楽しかったのは知ってるよ。でも、何にも知らない異世界で、あの時もっと貪欲に力を選択していれば……、なんて後悔したくないんだもん」
「…………なるほど、そなたの理屈は理解した。良かろう、その愚直なまでの貪欲さと、恥も遠慮も知らんそなたの精神性を評価して何なりと申してみよ」
「あれ? それって褒められてるのバカにされてるの? まあいいや、それじゃ、チート能力は何にしようかな?」
神崎は取り敢えず何か今後の異世界で役立つものは……と考える。まず第一は単純な力だろう。
もし、行った世界が魔王やモンスターが蔓延るトンデモ魔境ならば、ただのJKがまともな生活を送れるとは考えられない。
次に必要なのは生活水準を下げないために生産系の能力が欲しい。便利や清潔といった環境に慣れてしまった現代人にとって中世ヨーロッパ基準の生活はストレスを貯めるものになるのは想像に難くない。
「あの~、つかぬ事をお聞きしますが、貰えるチート能力は「当然、1つだけじゃ。それ以上は文句をつけしだい魂ごと消滅させる」……ですよね」
仕方が無い、文句を言えば魂ごと消滅させるとかマジトーンで言ってくるし、大人しく従った方がいいだろう。
「なら、決まりました。私はフリーザ様の力が欲しいです!」
「フリーザ様?」
「ええっと、ドラゴンボールの悪役の名前なんですけど……」
「ふむ、暫し口を閉じよ」
なんか説明しようとしたら女神様に喋るなって言われた。逆らったら後が怖いので大人しく黙っていることにする。
「なるほど、貴様の記憶を読み取った。要するに、人間が妄想で描いた世界の住人の力が欲しいというわけじゃな……」
「いや、そうなんですけど。もっと、夢と希望が込められしもの! とか言い方が……」
「戯け、我は真実を口にしたまでの事……、そこまでの過大評価はつけん。じゃが、中々面白いものじゃったな。褒美として貴様のその馬鹿げた願いを叶えてやろう。それに、何故中途半端な強さを持つ者にしたのかと思えば……、貴様は見かけによらずに案外おっさん臭いのぉ」
「ぴちぴちのJKに向かっておっさん臭い言うな!!」
あまりにも看過できない言い分につい強めにツッコミを入れてしまったが、女神様は優しく微笑みを浮かべているだけだ。
これは不敬扱いにならなかったということだろう。それにしても、ただ微笑むだけで先程の私の中にあった怒りが完全に消えてしまった。これだから美人はズルいと言われるのだ。
「さて、これ以上の阿呆の相手は幾ら我の気まぐれによるものだとしてもいい加減に面倒じゃ、そろそろご退場願うとするかの」
「何たる傍若無人っぷり」
もうだんだん慣れてきたとはいえ、女神様の俺様気質に若干引いていると、神々しい光が私の周りを覆い囲んできた。
「暫しの相手じゃったが、ほんの少しは暇が潰れた。もう二度と会うことはないじゃろうが、精々その力を使って好きに生きよ」
その言葉を最後に、神崎は女神様にお礼の言葉も告げれずに異世界へ旅立った
久しぶりに短いやつ書いた気がする。
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