個性:催眠(ただしちんちん亭) (ボーア)
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1話


あるちんちん亭の小説に感銘を受けたので初投稿です。

広がれちんちん亭の輪…!



 

 

個性社会、それは人口の約8割が"個性"という名の超能力を持ち、その能力を活かしたヒーローが活躍する社会である。しかし光あるところに陰ありと言うように残り約2割は無個性と呼ばれ、落ちこぼれなどの蔑称をつけられていた。

 

そして同じように無個性だった少年はある事件をきっかけにオールマイトに認められ、ワンフォーオールを受け渡された。

 

さらに同時期にもうひとり、ある人物から個性を受け渡された少年がいたが、その事はあまり知られていない──

 

この小説の主人公である彼の名前は熊谷裕貴。彼はこのまま成長すれば美青年になるぐらいには顔が整っていて、頭も良く、後は個性が発現すれば確実に人気が出るであろう少年だった。そして更に彼は性格もよく、困っている人を見ればすぐ助けるような人柄の良さも持っていた。しかし今回はこの人柄の良さが仇となることになる。

 

今日も困っているおじさんがいて、助けてあげた所だった。それが後に取り返しのつかない事になるとは気づかないまま…

 

「あぁ、ありがとう。おかげで助かったよ…しかし、君は本当に良い子だねぇ、面構えもしっかりしてるし君なら…よしそうだ!お礼におじさんがいいものをあげよう!」

 

「いやそんな…お礼を貰うために助けた訳じゃありませんし…」

 

「いいのいいの!人の好意は素直に受け取った方が両方良い気持ちになれるんだからそんなこと気にしないで!」

 

「そうですか?じゃあ…」

 

「うん!決まりだね!因みに今から渡すのは強力な個性だからね!君ならしっかり受け継いでくれると信じてるよ!」

 

「え?」

 

「はぁッッッ!!」

 

「うわっ!!」

 

 

 

 

「君ならば将来立派なちんちん亭ヒーローになれる…私はそう信じているよ!」

 

 

催眠おじさんのちんちん亭魂及び催眠が少年に受け継がれた日であった。

…ちんちん亭ヒーローがどんなヒーローなのかは考えてはいけない。

 

そしてその日から少年の生活は一変する。

 

「僕の個性が皆に挨拶したいみたいですよ?」

 

個性は普通挨拶しない。

 

そして両親は大層驚いた。個性の発現の事もそうだが性格も変わっていたからだ。けれども個性が発現した喜びが上回っていたのであまり気にしなかった、根っこの善性は変わっていなかったようだし。ただ、個性の名前を聞いて少し複雑な顔をしていたが。

 

次の日、彼は学生であるので当然学校に行く。無個性が原因であまり友達はいなかったが、無個性であっても関係なく彼と親しくしていた人もいた。

 

「おはようございます、熊谷さん。今日もいい天気ですわね」

 

「あぁ、おはよう八百万。しかしだねキミこんな交尾専用ボディでお嬢様を名乗るなんて各方面に失礼だよね」

 

「………へ?」

 

失礼なのはお前だよ。




こんな小説書いちゃって多方面に申し訳ないと思わないのかよ、このモラルハラスメントがよ♡


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オラッ!2話ッッ!


まだまだちんちん亭初心者ですが頑張ります。


 

 

 

「遂に個性が発現したんだよ。今宵の月のように」

 

「まぁ!それはおめでとうございます!」

 

そんな性格が変わってしまった友達に対しても八百万は困惑したものの対応してついていった。

 

(個性の発現によって性格が変わるというのは度々あると聞きますが、だからといってそれだけで友達を辞めるなんて私の美学に反しますわ!)

 

凄い精神力の持ち主だな流石は日本の誇るお嬢様。

 

「個性が発現したという事は、熊谷さんほどの学力と身体能力の持ち主ならやっぱり進路は雄英になりますの?」

 

そして何気にこの男、学校で1、2を争うくらいには頭が良いのだ。

 

「そうだね、受けようかな。受けようかなじゃねえよ受けんだよ♡」

 

「なら、私も雄英を受けますので一緒に頑張りましょうね!」

 

「そうなんだ、ラブラブ共同作業だね♡」

 

「うるさいですわ」

 

慣れてきたのか対応が雑になる八百万。良い兆候なのかもしれない。

 

 

そして雄英受験に向けての勉強、個性強化、身体強化が始まった。

 

「知識が赤ちゃんの肌のように俺の脳に吸い付いてくるぜ…このまま全部覚えちまうのかな?」

 

「ネトネトとした催眠ならではの個性が身体にソリソリとなじみますな」

 

…始まった。

 

 

 

 

そして時は流れて2月26日、遂に実技試験の日がやって来た。(筆記試験は心の中で、「なんだこの破廉恥問題は!僕に答えを書かせる気満々じゃないか!」とか言いながらスラスラ解いていった)

 

ちなみに、八百万は...

 

「すいません熊谷さん...私だけ推薦で...」

 

推薦枠に選ばれていた。

 

雄英高校は全国から推薦希望者が来る。そしてその人数が毎年あまりにも多いので、推薦されるのは一つの学校につき一人までと決められている。そして最大の候補である八百万と熊谷なら、八百万の方が個性として有用なので選ばれたのである。

 

「いや、推薦で選ばれるなんて流石仕事のできる女だな」

 

催眠おじさん裕貴はその努力と個性の有用さを素直に称えていた。

 

「...そう言ってもらえるとありがたいですわ」

 

 

 

 

所戻って雄英高校。

そこに熊谷はいた。

そして

 

「おじゃまするよ」

 

「あぁ~夢にまでみた雄英高校絶景かな」

 

と言ったかと思えば、

 

「校舎の形がHとかとんでもないハラスメント高校だな。死ねよ♡」

 

とか

 

「しかし倍率300倍とかとんでもねぇ難易度設定だな対魔忍か?日本の未来を憂うわ」

 

などと愚痴ったりしていた。

 

 

 

 

 

『今日は俺のライヴにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!』

 

「場を読めよこの水差し野郎がよ」

 

 

そして実技試験が始まる──

 

 

 

熊谷は場所を移動して演習場に来て準備していた。

 

ちなみにルールは簡単。各々の個性を使い10分間の間に1p、2p、3p仮想ヴィランを行動不能にしてポイントを稼ぐだけ。

その中には0pのお邪魔ヴィランもいるらしいが。

 

誰かがおしゃべりをしている間にその時が来た。

 

『ハイ、スタートー!』

 

「さーてイギリスピストン行くよ白豚」

 

そう言って誰よりも早くスタートする熊谷。そして目についた仮想ヴィランのロボットに対して

 

 

「そんなボディで誘うなんてエッチだね♡死ねよ♡催眠!」

『標的捕捉!ブッ殺...オ" ッ" ッ"♡♡!?』

 

「だらしねぇ敵だシャキッとせい!催眠!」

『排徐ス...ン゛ン゛ッ゛♡♡♡』

 

「頑張れ♡頑張れ♡ ほらファイトだよ反撃しろ!催眠!」

 

「あっ俺が催眠かける前に勝手に攻撃しやがってふざけんなよお前殺すぞ催眠!」

 

「言わなくても反撃するあたり腐ってもロボットだな生意気だぞオイ 殺そうか?オラ!催眠!」

 

「かわいいね♡ロボットちゃん♡反省した?いや?このボディは反省してないな!催眠!」

 

 

『ァ゛ア゛ッッ!

 ォ゛オオオオ〜〜〜ッ♡♡♡♡♡♡』

 

 

などと次々に言葉責めと催眠を使って行動不能にさせていった。

ビジュアルは最悪だが、効率がいいのでどんどんポイントを稼いでいく。

 

 

すると順調に稼いでいた熊谷の目の前にクソデカロボット、通称お邪魔ヴィランが現れた。それを見た熊谷は

 

 

「クソ…なんだそのクソデカロボットどこで作ってきたんだかわいいね♡」

 

「制作者は紅茶の飲み過ぎでおかしくなっちゃったのかな?とんでもない名機ですね」

 

「ロボットがデカすぎて手に余るな。この大きさで0ポイント名乗ってるの?無理でしょ。驚きを通り越して呆れたよ」

 

と流石に驚きを隠せない。

 

しかしひるまずに立ち向かう熊谷。かっこいいぞ!(錯乱)

 

 

「催眠ッ!催眠解除ッ!催眠ッッ!催眠解除ッッ!催眠ッッッ!」

 

『ガ…ッ♡ウア゛…ッ♡オ゛ォッ♡ォ゛ッ♡ヒッ♡ア゛ァ〜ッ♡♡ンッ♡ンッ♡ンッ♡ンッ♡』

 

 ここにきて催眠と解除を交互に使って快感と正常の間を行ったり来たりさせて動きを弱くしていく。ついでに拳を使うのも忘れない。

 

「オラッ!ボディベッコベコで無様でございますね♡」

 

もうロボットは内も外もボロボロだ。かわいそう(小並感)

 

「ドドメだッ!オラッ!催眠!」

 

最後の催眠を叩き込んでロボットは爆発した。

 

「わーすごいすごい。クッソ下品に爆発してるね♡」

 

そして熊谷が、

 

「アボリジニったらタラバガニ!タボリジニったらアラバガニ!アボリジニ!タラバガニ!タボアボタボアボ懐中時計」

 

と勝利の勝鬨をあげて試験は終了した。

 

 

ちなみにこれを見ていた教師たちは全員無言だったそうだ。仕方ないね(レ)




一人くらい変なヤツがいてもバレへんか…


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まんじりともせず3話を受け入れろ…!


分かりやすいようにタイトルにちんちん亭を付け加えました♡
勝手に足してんじゃねぇよ死ね♡あっちょっと逝


 

 

 

 

『私が投影されたッ!!!』BURRN!

 

「音がデカすぎる…モラルを弁えろよ」

 

 

結論から言うと彼は合格した。

 

 

『筆記は全体でも上位、実技も55p、そして救助活動pが35p!合計90pで圧倒の首席合格だ!ただちょっと(?)言葉遣いが悪いところは少し減点だけどネ』

 

「まんじりともせず入学を受け入れたか…やるね」

 

「俺みたいなクズに雄英の首席捧げてくれて有難うね♡」

 

やめなさい。

 

 

ちなみにレスキューポイントについては彼が、

 

「俺に任せろオラッ!無理しなくていいよ♡」

 

「安心して♡身を任せて♡僕は個性操作一級の資格を持っているんだ♡」

 

「なんだこの怪我した少年は!雄英にナースコールだ!」

 

といった具合にロボットを倒している合間に(掛ける言葉はアレだが)他の人を助けていたのでレスキューポイントも稼いでいたのだ。なんだかんだ根は善人たる所以だろう。

 

 

 

そして時は過ぎ、雄英高校入学式当日──

 

「我こそが戦国一の催眠おじさんである!来るべき激戦の下準備をせよ!」

 

ただの初登校に向けての準備である。

 

 

熊谷の家は雄英から少し離れているので電車で通学する。電車に乗って揺られていた熊谷は何となしに上にある広告を見てみた。そこには

『ジムで鍛えてキミもサーフ系ボディビルダー拓也さんみたいなガタイになろう! 中野GG店』という広告が本人写真と共に貼られていた。

 

(上半身に比べて下半身が貧弱すぎるだろ…)

(顔がね…)

(大昔に生息していた北○原○みたい)

 

珍しく至極真っ当な意見だ。

実際、彼の評判はネットではあまり良くない。

「哀れ」「きっしょ、もう貼るな。そして死ね」「乾燥途中の干し柿みたい」「叶○子」「南○也にそっくりよね」←「⚠南佳○には全く似ていません!⚠」など辛辣な言葉が数多く書かれているのである。

興味のある方は一度「タクヤの評判」で検索してみて欲しい。ちんちん亭にも劣らない語彙力から奏でられる罵倒の数々は必見だ。

 

 

 

そんなこんなで雄英についた熊谷はドアを、

 

「う〜むドアくんこんなに大きいデカい引き戸だと肩が凝るだろうオラッ」 

 

と言って開ける。すると

 

「おはよう!俺は私立聡明中学出身の飯田天哉だ、これからよろしく!」

 

と眼鏡をかけたマジメそうな男子生徒が声をかけてきた。

 

「おはよう。さすが真面目くん模範的だねレシプロエンジン 僕の名前は熊谷裕貴 よろしくね♡」

 

「?…っあぁ、こちらこそよろしく!」

 

その言葉に少しつっかかるもすぐさま返す飯田、流石はエリート。

それを見て満足したのか自分の席へ向かう熊谷。ちなみに熊谷の席は何故か八百万の後ろの一つ飛び出た席である。これはもう八百万に熊谷のストッパーを期待してるようにしか思えない。やったね百ちゃん気苦労が増えるよ!

 

「おはようございます、熊谷さん!」

 

「おはよう八百万。ボルネオの守護神」

 

合否結果はもう連絡してあるので普通に(?)挨拶する二人。

 

「それにしても一番後ろに一人っていうのも大変ですわね…」

 

「そうなんだよ、だから俺専用の話相手奥さんになれ…!」

 

「…嫌ですわ」

 

「これは手厳しい♡」

 

 

すでに仲良く(?)会話してる様を見て他の数人の男性陣はこのやり取りを羨ましがったとか。

 

だんだん登校して来る人数が増えていき、徐々にザワザワしだす教室。と、そこに待ったをかける声が。

 

「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは…ヒーロー科だぞ」

 

「「「(なんか!!!いるぅ!!!)」」」

 

「(さりげなく女子のスカートの中が見えそうな位置に居やがって…変態教師め マリーゴールド)」

 

そこには寝袋に入りゼリーを吸いながら寝そべっている浮浪者のおっさんみたいな人物がいた。

 

「ハイ静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」

 

「「「(先生!?)」」」

 

「(ガラムマサラ)」

 

「担任の相澤消太だよろしくね」

 

「「「(担任!!?)」」」

 

「(無骨な小兵)」

 

何とびっくり浮浪者のおっさんは担任の先生だったのである。

 

「早速だが体操服(コレ)着てグラウンドに出ろ」

 

そうメッセージを残して先生は去っていった。

そして場所は移動して運動場へ。

 

 

 

 

「「「個性把握…テストォ!?」」」

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

「雄英は"自由"な校風が売り文句。そしてそれは"先生側"もまた然り」

 

「……?」

 

いまいち先が見えない生徒達。それでも相澤は言葉を続ける。

 

「ソフトボール投げ、たち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横とび、上体起こし、長座体前屈」

 

「中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。

国は未だ画一的な記録をとって、平均を作り続けている。合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ」

 

 

「さて…今年の首席はお前だな、熊谷」

 

「勿論ですよマイティーチャー」

 

そう言ってソフトボールを渡された熊谷に一人の声がかかる。

 

「オイ、テメェが首席ってのは本当か?」

 

突然彼に突っ掛かって来たのはその個性に恥じぬ性格を持った男、名前を爆豪勝己という少年であった。しかし、熊谷は一切うろたえずに爆豪に言葉を返した。

 

「ホントだよ♡嘘じゃないよ俺噓つけないんだよ家訓で」

 

「「「家訓で!?」」」

 

「…チッ いつかその座を奪ってやるから待ってろよ」

 

「お気張りやす♡」

 

「(凄い…かっちゃんを目の前にしても一切動じずに対応している…これが首席…!!)」

 

勘違いしている一人の少年が内心で感心したところで会話は終わった。

 

「熊谷、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」

 

「69mです」

 

「じゃあ"個性"を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっきりな」

 

円の中に入る熊谷。

 

「しかしこのソフトボールの手触りまるで新玉ねぎ♡」

 

「…早くやれと言っただろ」

 

「はい」

 

そう言われて今度こそ投げようとする。

軽く腕を伸ばし、振りかぶる。

 

「NO 催眠 NO LIFE!!」

 

ふざけた掛け声と共に綺麗な山本○伸の投球フォームから放たれたボールは一直線に空へ飛んで行く。

そして更にそこに個性と言葉責めを熊谷は使う。

 

「もっと腰(?)使え!このナゲられボディがよ!

 ボールちゃんもっと飛んで♡飛べよ♡催眠ッ!」

 

『オ"ッッ♡(飛んで)イ"グッッ♡』

 

 

「………まず、自分の『最大限』を知る。それが、ヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

完全に無視した相澤の手にある機械に表示されていたのは"個性"禁止ではまず見る事はない数値である512.810mだった。過程はどうであれかなりの好成績だ。

 

「なんだこれ!?すげー面白そう(・・・・)!!」

 

これを見て?あんた正気か?(オルガ)

 

「512mってマジかよ!?」

 

「個性思いっきり使えるんだ!流石ヒーロー科!!」

 

「……面白そう…か。

ヒーローになるための三年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」

 

この瞬間に生徒たちは相澤の雰囲気が違うことに気づいたがもう後の祭り。相澤は次にとんでもないことを口にした。

 

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し……

 

 

除籍処分としよう」

 

 

 

「「「はあああ!?」」」

「謙虚に堅実に生きよ 決して諦めるな自分の感覚を信じろ」

 

生徒達は驚愕した。

熊谷は通常運転だった。

 

「生徒の如何は先生の"自由"。

ようこそ、これが──雄英高校ヒーロー科だ」

 

髪をかきあげながら笑みを浮かべる相澤。

 

とはいえそんな理不尽を到底受け入れられる筈もなく、生徒から反論が飛び出た。

 

「最下位除籍って……!入学初日ですよ!?

 

いや初日じゃなくても……理不尽すぎる!!」

 

「教師の風上にも置けないわ 教育の化身がよ」

 

麗日という名前の女の子となんかもう一人が反論するが、相澤には撤回する意志は見られない。

 

「自然災害……大事故……身勝手な敵達……。いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽に塗れてる。そういう理不尽を、覆していくのがヒーロー」

 

「放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける」

 

「幸い、ウチのクラスは同率で入った奴がいて21名。1人切り捨てれば例年の人数になるからな」

 

「"Plus Ultra"さ、全力で乗り越えて 来い」

 

 

 

「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ。まずは50メートル走。2人1組ずつ走れ」

 

 

 

 

 

 

第2種目の50m走。最後に走るは熊谷。

 

「突撃進撃疾風迅雷」

 

ピッ『5秒8』

 

第3種目は握力。

 

「モナリザ」

 

ピッ『70kgw(キロ)

 

第4種目立ち幅跳び

 

「赤足の仕事師」

 

ピッ『3m』

 

第5種目反復横跳び

 

「一生懸命足動かさんかい!」

 

ピッ『85回』

 

種目をこなしている中、途中最下位になりそうで青ざめていた男の子──名前は緑谷──がいたので熊谷は「がんばれ♡がんばれ♡」とエールを送っておいた。これで大丈夫だろう。

緑谷が好記録を出したのを見届けて次の種目へ向かった。

 

 

無事に残りの種目を終えて個性把握テストは終了。

さぁ除籍は…?と皆が固唾を呑む中相澤が出した言葉とは。

 

「ちなみに除籍は嘘な。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

まさかの嘘だった。

生徒達の「「「は──!!?」」」という声が響き渡る。なんだこれはたまげたなぁ。

 

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」

 

「そうだよ。当たり前じゃない何言ってんの常識知らずも大概にしときなよ」

 

「言い過ぎですわ」グッ

 

「ぬおっ……脇腹に集う抗議……!国家主義者の密会かな?亡国の姫君」

 

斯くして個性把握テストは無事終わりを告げた。




21人になるけど落としたくないし、今年だけ18番目が同率で2人いたってことで(適当)


アンチ・ヘイト(拓也さん)


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肉感マシマシボディの癖して4話のふりしてんじゃねえよ!ポッケの中で代々子孫繁栄してね♡滅びの鎮魂歌


決勝の智弁対智弁、面白かったですね。智弁が4点先制して智弁が智弁を追いかける展開になりましたが、すぐさま智弁が智弁の投手から2点返します。その後は落ち着き0行進してましたが6回表、智弁が智弁のミスをついて追加点を入れて5-2に!その後も着実に智弁打撃陣が智弁投手陣から得点を積み重ねて智弁が智弁を9-2で下して試合終了。優勝が智弁、準優勝が智弁となりました!


 

 

 

個性把握テストが終わり、翌日からは普通の授業が始まる。

 

 

「んじゃ次の英文のうち間違っているのは?

おらエヴィバディヘンズアップ盛り上がれー!!!」

 

「「「(普通だ…)」」」

 

「(先生のおかげでこの範囲の英語の弱点は全部網羅しましたよ)」

 

午前は必修科目や英語等の勉強を行い、 

 

「水道トラブル5000円 トイレのトラブル8000円 ランチラッシュの料理300円 安くて早くて安心ね♡」

 

「おお…ッこれぞランチラッシュの温もり…っ

愛を感じて嬉しすぎッ 弱点を探そう 無かった♡」

 

「っ!この絶品料理が…!ダメだこれ美味すぎる…!

あっ美味すぎてちょっとイく ちょっとイってんじゃねぇよ!」

 

 

「テメェも食えや(入学)記念だぞ!」

 

「え、マジで?サンキュー!」

 

昼は大食堂でランチラッシュの安価な値段と料理に感動したり、後から来た上鳴に奢ったりした。

 

そして午後はお待ちかねのヒーロー基礎学!

 

「わーたーしーが!!!普通にドアから来た!」HAHAHAHA!!!

 

 

 

「オールマイトだ!すげぇや、本当に先生やってるんだな…!!」

 

銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームだ……!画風違いすぎて鳥肌が……!」

 

「クソ、すげぇ歓声だ…鼓膜持って行かれる…!」

 

 

この授業はオールマイトが受け持っているので皆も今まで以上に盛り上がっている。

 

「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作る為様々な訓練を行う科目だ!早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」

 

「「「戦闘…訓練!」」」

 

「だんだん闘気が高まってまいりましたよ」

 

 

「そしてそいつに伴って…こちら!!」

 

オールマイトの言葉と共に壁から何かが入った棚がせり出して来た。その何かとは…

 

「入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた戦闘服(コスチューム)!!!」

 

「「「おおお!!」」」

 

「大和撫子の装い」

 

 

「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!」

 

「はーい!!!」

 

「さぁボーっとしてる場合じゃねぇぞダンシングビート」

 

そうして各々が自分のコスチュームを手に更衣室へ向かって行き、着替えた者から演習場に出て行った。

 

 

皆と同じく演習場に出て来る熊谷。

ちなみに熊谷のコスチュームは催眠術師っぽい和風な装いとなっている。

 

「興奮してきたな、プロの仕事に感動したよ。なめらかな着心地上質の証」

 

コスチュームの着心地を確かめていると向こうから八百万がやってくる。

 

「和服ですか。良く似合っていて良いと思いますわ!」

 

「ありがとう♡」

 

次は八百万のターンだ。セ○クスはターン制じゃねぇんだぞ!(意味不明)

 

「その…私のはどうでしょうか…?」

 

「可愛いなあ美しいなあだが下品だなあ」

「破廉恥な格好しやがって…ほんとはドスケベなんじゃないの?」

「なんだその格好戦闘したいなら戦闘したいなりの格好しろ!」

 

マシンガンのように出て来る批評。

こうなる事は火を見るより明らかだ。失礼すぎるが。

 

「なっ……悪い事を言うのはこの口ですか…?」

 

「あがっ 口元に集う痛み…!密です」

 

実際そう(ここまで直接的ではなくとも)言われてもおかしくはない格好だ。

果たして誰が制作したのか、真相は闇の中。

 

そうやって二人がじゃれあっていると、オールマイトから声がかかる。

 

「始めようか有精卵ども!!!戦闘訓練のお時間だ!!!」

 

その後は今回の戦闘訓練の説明をされる。

内容は、

・2人1組でヒーロー役とヴィラン役に別れての屋内戦闘訓練。制限時間は15分間。

・ヒーローは制限時間までに核兵器を回収するかヴィラン役の2人にテープを巻き付けて捕まえること。

・ヴィラン役はアジトのビル内に隠した核兵器を制限時間まで守るか、ヒーロー役の2人にテープを巻き付けて捕まえること。

・ヴィランチームが先に入ってセッティングを、5分後にヒーローチームが潜入でスタートとなる。

・チームと対戦相手はくじ引きで決める。

 

「学園はこんなもの隠し持ってたか...非核三原則」

 

ハリボテです。

 

「クラスに21人居ますが、どうするんですか?」

 

「3対2が一箇所出来る!その分、連携などチームワークの評価が厳しくなるぞ!」

 

それぞれくじを引いていき、チームを決めていく。熊谷はCチーム、八百万と峰田と3人チームだ。

 

そして始まる戦闘訓練。

第一戦目からビルが半壊したり、二戦目では丸ごと凍ったりするのを見て様々な反応を見せる生徒達。

 

「授業だぞこれ!」

 

「最強じゃねェか!」

 

「ヤりすぎにも限度あり しかしその戦闘力誉れ高い」

 

試合が終われば講評が行われる。

 

「今戦のベストは飯田少年だけどな!!」

 

「なな!?」

 

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

 

「何故だろうなぁ~?分かる人!!?」

 

「ハイ、オールマイト先生」

 

八百万が挙手をして、一人一人の理由を挙げていく。飯田は今回の状況設定に順応していたから。爆豪は私怨丸出しの独断専行や、屋内での大規模攻撃は愚策であると。緑谷も同様の理由。麗日は中盤の気の緩みと核兵器だと想定していない大雑把な攻撃がいけなかった。

 

結果ヒーローチームの勝利は反則のようなものだ、とすらすらと淀みなく講評した。オールマイトは言いたい事をほとんど言われてしょんぼりしていたが。

 

「常に下学上達!一意専心に励まねば、トップヒーローになどなれませんので!」

 

「ちゃんと講評が出来てお偉いよ♡勤勉な姿美しい」

 

 

そしてついに熊谷達の出番がやってきた。八百万らCチームはヴィランで、ヒーローである相手はJチームの切島・瀬呂コンビだ。3人は早速ビルの中に入って話し合う。

 

 

「自己紹介プリーズ♡」

 

「よし。オイラの名前は峰田実、よろしくな!」

 

「僕の名前は熊谷裕貴 よろしくね♡」

 

「八百万百ですわ」

 

「所で熊谷、早速だがおっぱいは好きか?」

 

「ちょっ、いきなりなんて事聞きますの!?」

 

「そこそこですね。(クソレビュー)しかしいきなりその話題とはおのが欲望に忠実で非常に猥褻」 

 

「なるほどなるほど、ならこれからもっと好き者にしてやるよ」

 

「精進します。コンクリートからでも生えてくる雑草のように」

 

「時間もないですし早く作戦会議に移りましょうっ!!!!」

 

「(よし、楽しく話せたな)」

 

 

 

今回の作戦は、まず八百万が創造で出した非殺傷地雷やブービートラップなどのお邪魔アイテムを熊谷の身体能力を使ってビル内に置けるだけ置きまくって攪乱させて疲れさせる。

 

次に突破して部屋に入って来た人には予め用意しておいたもぎもぎを峰田が適当に投げつけて、熊谷が催眠でもぎもぎをイかせて相手にぶつける。

 

それをも突破したものにはラスボスとして熊谷の催眠を相手の足だけにかけて足をイかせて動けなくする。(流石にクラスメートを快感で堕とすのは気が引けた)それで完全に動けなくなった所を捕縛するという作戦だ。

 

それを実行した結果がこちらだ。

 

 

「動くな!1mmも動かさず催眠を受け入れろ...!」

 

「頑張れ頑張れ!ヴィランに応援されてどうすんだ!イけっ!!ボケッ!死ねッ!ワンポイント催眠ッ!!」

 

 

「すげぇヴィランみたい」

 

「ですわね」

 

「めっちゃ足ガクガクして歩けねェ…」

 

「テープにもぎもぎが絡まってやべえ」

 

何とか核が置かれている所までは辿り着いたが、疲れともぎもぎと催眠で二人が動けなくなった所をテープで捕縛して終了。Cチームの勝利となった。

 

※この後熊谷がしっかり催眠を解除しました。もぎもぎはテープにくっついてる部分を切り落としました。

 

その後も戦闘訓練は続き、全チーム戦ったところで授業は終了となった。

 

「お疲れさん!!緑谷少年以外は大きな怪我もなし!しかし真摯に取り組んだ!!初めての訓練にしちゃ、皆上出来だったぜ!」

 

「相澤先生の後でこんな真っ当な授業……何か、拍子抜けというか……」

 

「絵画のようだよ」

 

「真っ当な授業もまた私たちの自由さ!それじゃあ私は緑谷少年に講評を聞かせねば!着替えて教室にお戻り!!」

 

オールマイトのこの言葉で今日はお開きとなった。

 

 

──

 

 

戦闘訓練の翌日。

 

オールマイトが雄英の教師に就任したというニュースは日本全国を驚かせ、連日マスコミが押し寄せる騒ぎになっていた。

 

もちろん登校してきた熊谷にも朝からマスコミが突撃。

 

『オールマイトについて聞かせてもらえませんか!?』

 

「あれは相当なマゾやね」

 

『へ?』

 

「おっと、早くイかねば。じゃあね ビロードの重戦車」

 

『ちょっ…』

 

そう言って熊谷は学校の中へそそくさと入って行った。

 

 

残念ながらこいつに聞いても参考にはならないだろう。ハズレだ。

 

 

 

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪。おまえもうガキみてぇなマネするな。能力あるんだから」

 

「……わかってる」

 

朝のSHRで相澤からの簡単な講評がされる。やはり色々やらかした爆豪が最初に注意された。

 

「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。"個性"の制御……いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通させねぇぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。"それ"さえクリアすればやれることは多い。焦れよ緑谷」

 

「っはい!」

 

そして緑谷にも個性を制御出来ないことを改善するようにと注意される。

 

ヒーローとしてどちらも問題しかないのだから、注意されても仕方がない事である。

 

 

「…………さて、HRの本題だ。急で悪いが、今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」

 

「「「学校っぽいの来たー!」」」

 

「ワインレッドファンタジスタ」

 

やっと学校っぽいイベントが来て沸き立つ教室。

 

「委員長!!やりたいですソレ俺!!」

 

「ウチもやりたいス」

 

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30センチ!!」

 

「ボクの為にあるヤツ☆」

 

「リーダー!!やるやるー!!」

 

「おっほっほっほ〜 皆元気だ( ^ω^)」

 

 

「静粛にしたまえ!!"多"を牽引する責任重大な仕事だぞ…!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!!周囲からの信頼あってこそ務まる聖務…!民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのなら…これは、投票で決めるべき議案!!!」

 

「そびえ立ってんじゃねーか!何故発案した!!!」

 

正論を言う飯田。だがその右手はまっすぐと伸びている。根が真面目だからなのか本心は隠しきれなかった。

 

「日も浅いのに、信頼もクソもないわ飯田ちゃん」

 

「そんなん皆自分に入れらぁ!」

 

「だからこそ、ここで複数票獲った者こそが、真にふさわしい人間という事にならないか!?どうでしょうか先生!!!」

 

「時間内に決めりゃ何でも良いよ」

 

寝袋に入って寝る態勢に入った相澤がテキトーに告げる。

 

すぐに投票となった。

 

投票(イれ)なければならない戦いがそこにはある…!」

 

熊谷は自分に入れた。

 

 

結果は、緑谷が3票、八百万が2票。以下1票と0票。

 

 

「僕3票ー!!?」

 

「なんでデクに……!!誰が……!!」

 

「0票……わかってはいた!流石に聖職といったところか……!」

 

結果、緑谷が委員長、八百万が副委員長になった。

 

「マママママジでか…」

 

 

「うーん悔しい…」

 

「その悔しさが後の自分の糧となる!精進せよ!」

 

「何で上から目線ですの…?」

 

 

 

 

午前の授業が終わり、食堂で八百万とご飯を食べていると、突然警報が鳴り響く。

 

「警報!?しかもセキュリティ3ですの!?」

 

「3!!(チソ訓練)」

 

「言ってる場合ですか!早く逃げないと...!」

 

「がっつくな!急がば回れという言葉を知らないのかよ」

 

「へ?それはどういう...」

 

そう言われて冷静に周りを見渡してみる八百万。すると、なんと窓の向こうにはこの前のマスコミ陣がたむろしていて、先生たちがそれを対処していた。

 

「なるほど...しかしよく分かりましたわね、熊谷さん」

 

「おじさんエスパーだからねマスコミエスパー♡」

 

「また訳の分からない事を…まぁ、でも今回はソレに助けられて人混みに巻き込まれずに済みましたから感謝させていただきますわ」

 

「どういたしまして♡錆色兜」

 

 

その後、警察が来た事によってマスコミは撤退。そして警報が鳴ったことに対する確認等により5限は授業取り消し。まだ決まっていなかった学級委員以外の委員会決めが行われた。ついでに委員長は緑谷から飯田に譲られた。

 

「私の立場は…!?」

 

「その身体で委員長はムリでしょ」

 

「は?」

 

「ヒェッ」




最後の方甲子園で近畿大会やってたの面白かった♡


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5話の所在を明らかにしろ なんか言え  絵画のようだよ


導入的な♡


 

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった」

 

「ハーイ!なにするんですか!?」

 

「災害水難何でもござれ、人命救助訓練だ!!」

 

 

その問いに対して相澤がRESCUEの文字の書かれたプレートを見せる。

 

 

「レスキュー……今回も大変そうだな」

 

「ねー!」

 

「バカおめー、これこそヒーローの本分だぜ!?鳴るぜ!!腕が!!」

 

「水難なら私の独壇場、ケロケロ」

 

「体温まってきたな」

 

「おい、まだ途中」

 

 

生徒達をたしなめながら相澤は手元のコントローラーで前と同じように壁からコスチュームが入っている棚をせり出した。

 

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には、活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるから、バスに乗っていく。以上、準備開始」

 

 

バスに乗って移動する際に飯田がスムーズに乗れるようにと提案して二列になったが、想定とは違ったタイプのバスだったので徒労に終わってしまった。

 

施設に着くまでは多少時間がかかるので、その間、バスの中ではワイワイとした話し声が聞こえる。

 

ちなみに熊谷は珍しく一番後ろでバスに揺られながらぐっすり眠っていた。力(意味深)を貯めているんだろうか。

 

「あなたの"個性"、オールマイトに似てる」

 

「そそそそ、そうかな!?いや、でも僕はその、え〜」

 

「待てよ梅雨ちゃん、オールマイトはケガしねぇぞ。似て非なるアレだぜ」

 

蛙吹と緑谷が話している所に隣に座っていた切島が口を挟む。

 

「……しかし緑谷もそうだけど、増強型のシンプルな"個性"はいいな!派手で出来ることが多い!俺の"硬化"は対人じゃ強ぇけど、いかんせん地味なんだよなー」

 

「僕は凄くかっこいいと思うよ、プロにも十分通用する"個性"だよ」

 

「プロなー!しかしやっぱヒーローも人気商売みてえなとこあるぜ!?」

 

「僕のネビルレーザーは派手さも強さもプロ並み」

 

「でもお腹壊しちゃうのはヨクナイね!」

 

 

 

派手さと強さという点から、個性で目立てるかどうかの話をする一行。

さりげなく入れた青山の自慢と受け取れる言葉にこちらもさりげなく容赦ないツッコミを入れた芦戸。反論出来なかったのか青山は押し黙る。

 

「派手で強ぇっつったら、やっぱ轟と爆豪だな」

 

前の戦闘訓練において、皆の記憶に特に残った轟と爆豪が話題に挙げられる。

 

それに対して爆豪は下らんと言わんばかりにケッと声を出す。

 

 

 

「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」

 

「んだとコラ出すわ!!!」

 

「ホラ」

 

 

 

蛙吹に噛みつく爆豪の様子が余計に人気でなさそうという言葉に説得力を持たせることとなる。

 

 

 

「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認識されるってすげぇよ」

 

「テメェのボキャブラリーは何だコラ殺すぞ!!!!」

 

「爆豪くん、君本当口悪いな」

 

「低俗な会話ですこと!...まあ後ろの誰かさんのせいで不本意ながら割と慣れてきてしまってますけど」

 

「でも、こういうの好き...って八百万さん、それってもしかして熊谷くんの事?」

 

「ええ、そうですわ」

 

今度は後ろで寝てる熊谷に話題が移る。

 

「熊谷かー、たしか個性はえーと…催眠だったな。なんか個性だけ見るとヴィランっぽいけど」

 

「そういえばあいつも時々言葉遣い悪くなるよな。後たまによく分からん事言ったり。前にメシ奢ってくれたし性格自体は悪くなさそうだから爆轟より遥かにマシだけど」

 

「テメェは俺にケンカ売ってんのか…?」

 

「アレでいて首席だしなんか我の道を行っている感じがするよねー」

 

「熊谷ちゃんは不思議ちゃんって言葉が似合うわね」

 

「まああれで性格というか、言葉遣いが良ければ...」

 

「良ければ...?」

 

「...っな、何でもありませんわ!」

 

「ちぇっざんねーん」

 

ワイワイと騒がしくもバスは目的地へと向かっていく。

 

「もう着くぞ、いい加減にしとけよ……」

 

「ハイ!!」

 

「うぉ...急に耳に凄い衝撃...」

 

相澤のその注意で一気に気を引き締める生徒達。ついでにその声で熊谷も起きたようだ。

 

 

「すっげー!!USJ(ユーエスジェー)かよ!!?」

 

「絶景かな」

 

施設の力の入れように驚愕するご一行。

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc。あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も……ウソ(U)災害(S)事故(J)ルーム!!」

 

「(USJ(ユーエスジェー)だった!!)」

 

「(その意識の高さ アンナブルナ)」

 

そう言って皆の前に現れたのは今日のヒーロー基礎学の指導に加わるスペースヒーロー、13号。大物の登場に、緑谷と麗日が歓声を上げる。

 

「スペースヒーロー『13号』だ!災害救助でめざましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」

 

「わー!私好きなの、13号!」

 

ちなみにオールマイトも来る予定だったが、活動のし過ぎで学園の仮眠室で休んでるので遅れて来るらしい。その事を聞いて相澤はため息をついた。そして13号からの話が始まる。

 

「えー始める前に、お小言を1つ2つ……3つ……4つ……」

 

話す事がどんどん増えていく13号。

 

「皆さんご存知だとは思いますが、僕の"個性"は"ブラックホール"。どんなものでも吸い込んでチリにしてしまいます」

 

「その"個性"で、どんな災害からも人を救い上げるんですよね」

 

「ええ……しかし、簡単に人を殺せる力です。皆の中にもそういう"個性"がいるでしょう」

 

そう言われて数人が考え込む。熊谷も殺せるような個性なので考え込む。

 

もっとも、殺すのは社会的にだが。

 

アへらされた時を撮られて全国に放送されたら流石にヴィランとはいえそうそう耐えられるものでは無いだろう...

 

 

「超人社会は"個性"の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立っているようには見えます。しかし、一歩間違えれば容易に人を殺せる、行き過ぎた"個性"を個々が持っていることを忘れないで下さい」

 

「相澤さんの体力テストで、自身の力が秘めている可能性を知り。オールマイトの対人戦闘で、それを人に向ける危うさを体験したかと思います。この授業では……心機一転!人命の為に"個性"をどう活用するかを学んでいきましょう」

 

「君たちの力は、人を傷付けるためにあるのではない。救けるためにあるのだと心得て帰って下さいな。

以上!ご清聴ありがとうございました!」

 

「ステキー!」

 

「ブラボー!!ブラーボー!」

 

「ชื่นชม!!」

 

話を終えて、13号は一礼した。13号の話に対して生徒達(主に飯田)からの拍手喝采が起きる。

 

「そんじゃあ、まずは……」

 

と、相澤が授業を始めようとした瞬間に"ソレ"は現れた。

 

「ひとかたまりになって動くな!!」

 

「え?」

 

「13号!生徒を守れ!」

 

生徒達や13号に指示を出しながら、相澤はゴーグルを装着。

噴水前を見ると、黒い闇が漂っている。そこからゾロゾロと出て来るのは…

 

「何だアリャ!?また入試ん時みたいなもう始まってんぞパターン?」

 

「違う!あれはヴィランだ!!!!」

 

さっきまでの厳しいながらも和やかだった雰囲気を侵していく。

 

「13号にイレイザーヘッドですか……。"先日頂いた"教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここに居るはずなのですが……」

 

「やはり先日のはクソ共の仕業だったか」

 

「どこだよ……せっかくこんなに、大衆引き連れてきたのにさ……。オールマイト……平和の象徴……居ないなんて……」

 

ヴィランらの中央にいる手のようなものを着け、顔から目だけを出している痩身の男が話す。ゾワゾワと鳥肌が立つような、気味の悪さ。

それらが自分達をおびやかすものだと本能が告げてくる。

 

「……子どもを殺せば来るのかな?」

 

斯くして、A組と(ヴィラン)連合との戦いが幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

「なんだその数の手!アクセサリーかな?似合ってるよかわいいね♡死んでくれ」

 

…開けた。




行くぞ敵連合ーーーー語録の貯蔵は十分か♡


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いやただの6話だからそんなに警戒しないで


敵連合の犯した過ちは、ちんちん亭ィーが粛清する!

やってみせろよ、ちんちん亭ィー!

ちんちん亭だと!?

(敵連合に反省を促すダンス)




 

 

逃げようとした生徒達の前に、闇ともいえるようなヴィランが立ちはだかる。そしてぽつぽつと敵連合の目的を話し始めた。

 

「初めまして。我々は敵連合」

 

「これはこれはご丁寧に シルブプレ」ボソ

 

「言ってる場合か!」ボソ

 

「僭越ながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは──平和の象徴オールマイトに、息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

「「「ッ!」」」

 

「オールマイトに対する殺戮願望が強すぎるだろ」

 

「本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃるハズ…ですが、何か変更あったのでしょうか?まぁ…それとは関係なく…私の役目はこれ」

 

「その前に俺たちにやられることは、考えてなかったか!?」

 

話し続けている敵に、爆豪と切島の攻撃が叩き込まれる。

 

しかし、全く堪えたような様子を見せずに話を続ける敵。

 

「危ない危ない…そう…生徒といえど、優秀な金の卵」

 

「(キン○マ温まってきたな)」

 

「駄目だ、どきなさい二人とも!」

 

「急がば回れという言葉を(ry」

 

13号と熊谷の声に切島と爆豪は振り返る。しかし、一歩遅かった。

 

「散らして」

 

A組全員を覆いつくすように広がる闇。

 

「嬲り」

 

闇に飲まれて分断されていく生徒達。

 

飯田や障子が黒い霧に包まれる前に助けられるクラスメイトを助けていく。しかしそれ以外(熊谷も含む)は敵の個性に巻き込まれてしまう。

 

「殺す」

 

「皆!」

 

「うぉ...急にすげぇ吸い付き...!掃除機かな?」

 

 

 

 

 

闇に巻き込まれてどこかに飛ばされた熊谷。大丈夫だろうか。

 

「ふふ、素晴らしき未知なる個性。下半身の震えがとまらんぞ。大地讃頌を奏でよ!」

 

大丈夫そうだ。

 

ちなみにここには他のクラスメイトはおらず、熊谷一人だけだ。

そんな熊谷の下にヴィランがやってくる。なぜか数が多い。誰かの私怨だろうか。

 

「ヘッヘッヘ...オメェ一人だけか。これは早く終わりそうだなァ!」

 

そんなヴィラン達に向けて話しかける熊谷。

 

「何分、この業界に転向してまだ日が浅いもので…まだまだ上手く扱えずにやり過ぎてしまうかもしれません。その場合は…まぁ、大目に見て下さいな♡」

 

周りを囲むヴィランに対して宣戦布告を行う。

 

「フン、ガキがお高く止まりやがって…」

 

「優等生のお坊ちゃまのお前にこの世の厳しさを教えてやるぜ!」

 

「ふむ、教えてくれるというのなら貴方達はさしずめコーチといったところかな?」

 

騒ぎ立てるヴィランに対して一切引かずに煽る熊谷。

 

「チッ、舐めやがって…オラ行くぞ!」

 

一斉に襲い掛かるヴィラン達。

しかし──

 

 

 

「「ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛ッッ♡イグッ♡イグッ♡」」ビクンビクン

 

「お~い鬼コーチ。俺に教えてくれるんじゃねぇのか? しょうがねぇなぁ、このままもう2、3回かけるか。催眠ッ!」

 

「ンヒィッッッ♡ ………」

 

「あーあ、気絶しとるやんけ。全く、公害を起こすしか脳のないヴィランがよ」

 

熊谷の催眠でほぼ全員のヴィランが快感でイかされた。酷い光景だ。しかしまだヴィランが一人残っている。

 

「あ...悪魔だ...人の心というのはねえのかよ!!」

 

「お、まだいたか。それとお前が言うな♡死んでください」

 

そりゃそうだ。

 

「さて…」

「今ここにいるのは俺とテメェだけだ。思う存分イっていいんだぜ?」

 

「ヒィィィッッ!!たす」

 

そして熊谷のラッシュが始まった。

 

「ほれほれほれほれほ~れほれ催眠っ!」

 

「ほらヴィランなんだから自分から責めにくる技術も向上させないと! モチベーションアップ」

 

「嬌声を上げるな!陰○が苛立つ」

 

「世の中の皆様方に謝りながらイけ!各方面に謝罪!」

 

「ガキに催眠でイかされる気分はどうだ?感想を述べよ!」

 

「おいおいあの威勢はどこ行った?そんなんじゃいつまで経っても俺を倒せへんよ 天地鳴動」

 

「今だけ赤ちゃん扱いしてあげまちゅね~ おい、園児はそんな下品な声で鳴かねぇだろ?殺すぞ」

 

 

「く゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛っっ♡♡♡♡」

 

 

「しかしこのまま堕としても面白くないな…そうだ!意識だけ戻そう!」

 

そう言って意識だけ催眠を解除する。

 

「オラッ意識戻せいつまでアヘってんだ」

 

「グッテメエ...ッッッ♡♡」

 

「身体は催眠状態だからよく効くだろ?」

 

「クソッッッ♡♡♡」

 

「ふむ、憤怒と興奮が入り混じった感情 中々興味がそそられる」

 

何とか仲間に助けてもらおうと周りを見渡すヴィラン。

 

「そんなにキョロキョロしてどうした?お仲間か?ははは呼んでみろよ来ねぇからよ」

 

「大人しくしろ どうせ誰も助けにこねぇよ」

 

その絶望の言葉でこと切れたのか失禁するヴィラン。

 

「うおっ...男が潮吹いてるのなんて見れたもんじゃねぇなシロナガスクジラ」

 

行くところまで行ったところで本来の目的を思い出す。

 

「あ、こんなことしてる場合じゃねえ!皆を探さないと。っとその前に...」

 

「さて、縛らなきゃ(使命感)。亀甲縛りでいいかな?え、イヤ?文句言わないの!我慢出来るでしょ?ヴィランなんだから」

 

 

 

ヴィランを縛った後は皆を見つけるために歩く熊谷。するとなにやら声が聞こえてくる。

 

「気づかれないとでも思ったか?」

 

上鳴と八百万と耳郎の三人だ。そのうちの上鳴は人質に取られており非常に危険な状態である。

 

「ウェイ!?」

 

「子供の浅知恵など馬鹿な大人しか通用しないさ」

 

「くっ!!」

 

「ヒーローの卵が人質を軽視するなよ。お前達が抵抗しなければこのアホは見逃してやるぜ?」

 

究極の選択を迫られる二人。と、その時

 

「他人の命か自分らの命か…!さぁ、動く……ん゛ほッッ♡なっなんだこれはッ♡」

 

 

 

「主役は後から登場。まごころの篭った接待を期待してるぞ」

 

「熊谷さん!!」「熊谷!」「ウェイ!」

 

上鳴らの窮地にやってきたのは熊谷だった。

 

 

双方の無事を確認してから広場へ戻る熊谷達。

 

「八百万達も無事だったか…!」

 

「えぇ、お蔭さまで」

「どーも」

「ウェ~イ…」

「お待ちかねタンホイザ」

 

八百万達の無事を喜ぶ生徒達。そして今の状況を伝える。

 

「今丁度先生達がヴィランを追いつめている所なんだ」

   

「そうでしたか…これでやっと終わりますのね」

「疲れた…」

「ウェイ」

「ふむ…有言実行」

 

熊谷、何かを思いついたのか行動を起こす。

 

「催眠」ボソ

 

 

「今回は失敗だったけど……今度は殺すぞ 平和の象徴オールマイグッッッ!?♡♡♡」

 

「大丈夫ですか死柄木!?」

 

そう言葉を残して敵連合は去って行った。台無しだ。

 

「「...」」

 

「おい、しまらねーじゃねーかどうすんだこれ…」

 

「…Sorry boy(ギブソン)」

 

「「「何故英語!?」」」

 

 

 

 

 

 

「クソ…俺をこんな状態にしやがって…今度絶対ぶっ殺ウ゛ッ♡♡」

 

「……うん、落ち着いてから話をしようか」

 

 

これにてUSJ襲撃事件終わり!閉廷!以上!皆解散!!!




敵連合のやり方、正しくないよ

やっちゃいなよ!そんな敵連合なんか!




悲鳴を上げるな、〇茎が苛立つってちんちん亭出身だと最初思ってました(小声)



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ここは7話に任せて下さいな トロットロにしてやりますから

遂にあの男達が登場…!!


 

 

 

「16……17……18……19……20……両足重傷の彼を除いて……ほぼ全員無事か」

 

襲撃事件が終わり、少しした後で警察が到着した。

 

USJの出入口からA組やヒーロー達に無力化された敵達が連行されていく。ちなみに熊谷が堕とした敵のアヘ顔を警察の人達が見せられるのは流石に警察の人がかわいそうだと思ったので催眠は解除しておいた。

 

その横でA組の面々は警察の指示で点呼を受けた後、しばらく待っているように言い渡されていた。

 

暇が出来たので話を始める生徒達。熊谷は八百万と喋っていた。

 

「まあ、とにかく無事で良かったですわ、熊谷さん」

 

「こんな俺でも心配してくれるの?お前はほんとに優しい子だね大和撫子の鑑」ナデナデ

 

「別に心配なんて...って撫でないで下さいまし!」

 

「お痒いところはございませんか♡」ワシャワシャ

 

「わしゃわしゃもしないで下さいまし~ッ!」

 

 

そんなこんなで警察の捜査が終わり、解放されたので帰宅する熊谷。

 

 

 

学校からの帰り道を歩いていると、前から5つの人影がやってくる。そしてその人影の内の一人が熊谷の正面にやってきて、口を開いた。

 

「そこな少年」

 

熊谷は見覚えがあったらしく、

 

「あなたは…!?あの時の…!」

 

と言う。果たして、熊谷に声をかけた人物とは… ?

 

 

 

 

「大河内 猛獣ですな」

 

「藤壺 棒吉です」

 

「マイネームイズ、ダグラス・ポートフォリオ」

 

「喜屋 翔っす」

 

「ふふ…安堂 龍」

 

 

「まさか…!」

 

「そう!我らは知る人ぞ知るちんちん亭ヒーロー!」

 

「ヴィラン蔓延る世の中に、平和の種を植えつける」

 

「人呼んで‥」

 

「「「タネツケオジサンファイブ!!」」」

 

「俺はおじさんじゃねーけどな」「ふひひ…僕も」

 

なんとタネツケオジサンファイブだった!

これには少年のテンションも上がる。

 

「精進してるかい?少年」

 

「はいっ!!あ、それで無事に雄英高校に入ることが出来ました!」

 

「おぉっ、そうか!それはおめでたい!やはり私の見込みは間違っていなかった!その調子で頑張りなさい」

 

「ありがとうございます!」

 

熊谷は大河内への挨拶が済むと次は年齢が近い喜屋らと話し始める。同類がいるからなのか割と素が出ている。

 

「熊谷クンだっけ、とりあえずLI○E交換しよーぜ」

 

「僕もお願いしていいかな…?」

 

「あ、良いですよ」

 

気が合ったのかワイワイ話す3人。

 

「友情ですなぁ」

 

「感動ですな」

 

「おじさんたちの乾いた心にも潤いが戻って来るようだよ 龍神雷神」

 

「それにしても、若者はすぐラインライン…」

 

「ついていけませんな」

 

「そもそもスマホ自体がよく分かりませんからなぁ」

 

「ガラケーでも十分ですわな」

 

「おっさんのデジタル弱者の話も大概にせよ邪馬台国」

 

「!閃きましたぞ。今の私たちにスマホとかけまして、発現したばかりの個性と解きます」

 

「そ、その心は?」

 

「どちらも操作が出来ないでしょう」

 

「うわっはっはっはは」

 

「これは傑作ですな 頼むから死んでくれ」

 

盛り上がっている3人を見ながら3人のおじさんは眩しいものを見るようにしみじみとしていた。世の中のデジタル化についていけない事も嘆いていたが。

熊谷は大層楽しんだようだ。

 

 

 

USJ襲撃事件の翌日は臨時休校となった。

 

そして次の日。

 

 

「皆ー!!朝のHRが始まる、席につけー!!」

 

「ついてるよ、ついてねーのおめーだけだ」

 

「灯台下暗し あるあるですよな」

 

襲撃事件の後だからなのか、委員長だからなのかそれともその両方なのかは知らないが声かけに熱が入る飯田。もっとも、その熱意は空回りしてしまったが。

 

「お早う」

 

本鈴のチャイムと同時にやって来たのは包帯で顔と腕をぐるぐる巻きにされた相澤だった。おかげで目しか見えなくて非常に怖い。

 

「相澤先生復帰早えええ!!!!」

 

「先生、無事だったのですね!!」

 

「無事言うんかなぁアレ……」

 

「目しか見えねえ!おい!そこで隠れて下品な顔してんの分かるぞ!かわいいね♡」

 

「俺の安否はどうでも良い。後うるさい。何より、まだ戦いは終わってねぇ」

 

そこで一旦言葉を切り、少し貯めてから相澤は話す。

 

「雄英体育祭が迫ってる!」

 

「くそ学校っぽいの来たぁぁ!!!」

 

「待って待って!敵に侵入されたばっかなのに大丈夫なんですか?」

 

途端に沸き上がるA組。しかし事件があったので心配の声も上がる。

 

「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だと示す…って考えらしい。警備は例年の五倍に強化するようだ」

 

「何より雄英の体育祭は…最大のチャンス。敵ごときで中止していい催しじゃねぇ」

 

「全てはチャンス!(レ)」

 

「いやそこは中止にしよう?」

 

「峰田くん…雄英体育祭見たことないの!?」

 

「あるに決まってんだろ、そういうことじゃなくてよー…」

 

まぁ時期が時期なので反対意見が挙がるのも仕方のないことだろう。それでも相澤は続ける。

 

「ウチの体育祭は日本のビッグイベントの一つ!かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂した」

 

「今は知っての通り規模も人口も縮小し形骸化した…」

 

「そして日本に於いて今、かつてのオリンピックに代わるのが雄英体育祭だ!」

 

雄英の体育祭がとても大きなイベントであることを語る相澤。

 

「当然全国のトップヒーローも観ますのよ。スカウト目的でね」

 

「第1巡選択希望選手…」

 

「それは野球のスカウトですわ」

 

他にも注目度の高さを示したり…

 

「資格取得後はプロ事務所にサイドキック入りが定石だもんな」

 

「そっから独立しそびれて、万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴あんたそーなりそう。アホだし」

 

「くっ!」

 

将来の事を考える人もいる。

 

「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ」

 

「年に1回…計3回のチャンス、ヒーローを志すなら絶対に外せないイベントだ!」

 

そう言って話を終える相澤。

 

 

ヒーロー基礎学が終わって、時間は放課後。

A組の教室前には多くの生徒が集まっていた。

なんでもB組や普通科の生徒達が敵情視察や宣戦布告しに来てるらしい。

そしてそれに対して爆豪もいつも通りのキツめな態度で対応している。

教室の中からその様子を見ていた八百万、熊谷、障子、瀬呂、耳郎、葉隠は思い思いの感想を言い合っていた。

 

「爆豪さんはなんていうか…強い、ですわね」

 

「性格はアレだけど誰相手でも一貫してんのはすげーなーって思うわ」

 

「ヒーロー社会を生きていくにはああいう強い気持ちも必要なのかもしれんな…」

 

「なるほど…痛み入るなぁ…」

 

「…まぁヒーローやるならあの性格を何とかするのは必須だろうけどね」

 

「あはは…私たちも頑張らなきゃ!」

 

 

 

そして、各々が思惑を持った体育祭が遂に開催されようとしていた…。

 

『群がれマスメディア!今年もおまえらが大好きな高校生たちの青春暴れ馬…雄英体育祭が始まディエビバディアァユウレディ!!??』

 

「死ぬほど耳に響いてくるんだけど シャレになってないよ」

 

「お気持ちは分からないでもありませんが、それは失礼ですわ…」

 

『一年ステージ、生徒の入場だ!!』

 

プレゼントマイクのその言葉で一年生が入場してくる。最初に出てくるのはもちろんA組だ。

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に1度の大バトル!!どうせてめーらアレだろ、こいつらだろ!!?ヴィランの襲撃を受けたにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!』

 

『ヒーロー科!!1年!!!A組だろぉぉ!!?』

 

プレゼントマイクの気合いの入れようというか、贔屓が凄い。生徒達もその注目度の高さに困惑しているようだ。中にはいつも通りの生徒もいるが…

 

 

そしてミッドナイトによる司会進行が始まり、選手宣誓の時間となる。

今年は首席である熊谷だ。

 

「選手宣誓!!」「選手代表!!1年A組、熊谷裕貴!!」

 

「さて、イきますか」

 

そう言って熊谷は台に上がって宣誓する。

 

「宣誓。我々選手一同はヒーローシップにのっとり、正々堂々戦う事を誓います」

 

ここまでは良かった。

 

 

 

 

「さて、えーところで、雄英高校の皆さん、最近は徐々に暑くなってきていますがいかがお過ごしでしょうか。私はですね近頃、花を育てるというのにハマってまして、まぁ暑さを凌ぐというか、どちらかといえば見て癒やされて暑さを忘れるっていうのが主な目的なんですがね、これがまたかわいいんですよ。今の時期なら丁度パンジーやビオラなどが旬ですかな。真赤なバラと白いパンジー小犬の横にはあなた。これらは初心者の方でも簡「さっさと終わらせろぶっ殺すぞ!」…あぁ、すいません。横道にそれてしまうのは私の癖でしてね。どうもいけない。で、さてえーと、何でしたかな。あぁ、体育祭の話でしたか。

えー、頑張って下さい♡獅子奮迅。プルスウルトラ」

 

校長先生によくある長話みたいになってしまった熊谷。

 

「体育祭の話短ァ!そして雑ゥ!」「ほぼ自分の趣味の話じゃねーか…」「パンジーかぁ…」

 

 

 

…体育祭の始まりだ──




ちんちん亭おじさん座談会はパワポケのリセット座談会みたいですき。

ちなみに次は掲示板回です。


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雄英生を愛でるわよ【熊谷裕貴編】


掲示板とホモ要素が苦手な人はスルーして下さい♡


 

 

1:陽気な名無しさん

間違ってたらごめんなさい。体育祭で宣誓してた人だわよね?下半身トレあり体型どんぴしゃなのよね〜大好きだわ!

 

2:陽気な名無しさん

熊谷裕貴って名前なのね。

顔見えるかしら。

体は出来るみたいだけど顔がね!って場合もあるしね。

どうなのかしら。

 

3:陽気な名無しさん

あの雄英高校の首席だって、すごいわね。

 

4:陽気な名無しさん

>>3

顔もね!

 

5:陽気な名無しさん

あの顔なら終始出てちょうだい。

 

6:陽気な名無しさん

お金で買ってみようかしら?あの体萌えだわ。

 

7:陽気な名無しさん

雄英の熊谷って、堀須磨中の熊谷?

 

8:陽気な名無しさん

>>7

そうよ。

 

9:陽気な名無しさん

1年A組熊谷裕貴

①顔 ☆☆☆☆☆ 輪郭もパーツもバランスが完璧。

②体 ☆☆☆☆ 大胸筋もそれなりに大きく、脚も太く、バランスが良い。

③態度☆☆☆☆ ひとなっつこいけどちょっと足りなそう。

④サービス☆☆☆☆ サービス精神は旺盛な方でかなり大抵の事は何でもしてくれる。

 

10:陽気な名無しさん

あたすの好みの体型だったら応援しようかなぁ〜

今日、確かめてみよっと。

 

11:陽気な名無しさん

雄英生になって大変そうなのに休みの日は街のゴミ拾いや奉仕活動をしている姿勢にビックリ。

 

12:陽気な名無しさん

まだ見てないけどなんか顔カッコよさそう。

 

13:陽気な名無しさん

ホモに襲われる恐れはないのかな?(心配)

 

14:陽気な名無しさん

私服が恐ろしくダサい。

 

15:陽気な名無しさん

体も顔もいいよな 攻めっぽいし。

髪型も最高。

 

16:陽気な名無しさん

ステキですばらしかね?あの首席は。

 

17:陽気な名無しさん

ってか、峰田の腹がブヨってた。あんなダルな体つきでヒーロー科なんて、冗談キツイ。

 

18:陽気な名無しさん

A○男優の育久にそっくりよね 

育久でイける人なら大満足じゃない?

体は熊谷よりマッチョだしね。

 

19:陽気な名無しさん

>>18

育久には全く似ていません!

育久はオネエマッチョにありがちな胸だけ鍛えてる肝い体です!

 

20:陽気な名無しさん

>>18

書き込みは本人じゃないか?

 

21:陽気な名無しさん

スンゲーイケメンだぜ!今日1日で5回抜いた!

 

22:陽気な名無しさん

この人は、掲示板でもよく名前を見かけたから、人気だよね、きっと。

 

23:陽気な名無しさん

体鍛えてるし、顔ヨシ。早く働くべきだよ。稼げるヒーローになるだろうね。

 

24:陽気な名無しさん

ほんとはバリ受け。女みたいにアンアン泣くのを想像したら最高。

 

25:陽気な名無しさん

マジで美観を保ってます。

 

26:陽気な名無しさん

興奮させるなよ。

 

27:陽気な名無しさん

熊さんかっこいいわあん。

 

28:陽気な名無しさん

声もエロくて好きなんだよな。

 

29:陽気な名無しさん

丁度いい感じにデカくて、カッコイイ体だな。

顔もイケメンっぽいし。

 

30:陽気な名無しさん

>>29

ぽいっていうか、イケメンそのものよw

 

31:陽気な名無しさん

このカラダがいいと思った時点で、中量級合格。

 

32:陽気な名無しさん

ありゃマグロだわ。

 

33:陽気な名無しさん

巨○内在証明

 

34:陽気な名無しさん

雄英は今すぐ熊谷のクローンを作る研究をするべきね

そして雄英生全員熊谷にするのよ

あたしはそれで熊谷の海の中を戯れながら泳ぎ切るんだわ・・・

 

35:陽気な名無しさん

普通に素敵なご馳走じゃん。

 

36:陽気な名無しさん

熊谷モフモフしたいわ。

 

37:陽気な名無しさん

>>36

熊谷は柔らかな毛に覆われた動物ではないのよ。

 

38:陽気な名無しさん

体は良いし顔もカッケェ!!!

マジイッケメンやな!!!

増えればいいのにこういう男は!!

 

39:陽気な名無しさん

俺は熊谷が好きだ。

 

40:陽気な名無しさん

『姿』を見せろ。

 

41:陽気な名無しさん

ダメ。裸にして海だね。

 

42:陽気な名無しさん

かわいい、食べちゃいたい。

 

43:陽気な名無しさん

また応援する選手が増えちまったよ…

 

44:陽気な名無しさん

熊谷はエンジェルだったんだ。

 

45:陽気な名無しさん

乾燥完了の干し柿みたい。

 

46:陽気な名無しさん

さわやかな子。

 

47:陽気な名無しさん

エロいぜ、裕貴!

 

48:陽気な名無しさん

ひゃだ… ひゃだ…!!

あの選手、熊谷……って 言うのねっ!!

かっこよすぎよっ!!

あの顔立ちに、あのガッシリしたカラダ!!

あんたたち、逝くわよっっっ !!!!!!!

 

49:陽気な名無しさん

>>48

行かないわよ!ブス!

帰るわよ!

 

50:陽気な名無しさん

私は熊谷、轟、爆豪くんたちに囲まれたいわ

一斉に迫ってこられたらドキドキするわねッw

 

51:陽気な名無しさん

>>50

轟くんもいいわね。あの冷たそうな目で見られただけで興奮するわ。

爆豪くんは…あぁいうキツめの性格が好きな人もやっぱりいるのね。人は選びそうだけど。私はまぁまぁね。

 

52:陽気な名無しさん

熊谷って太腿がぶっとくてイケるわ~

 

53:陽気な名無しさん

熊谷、10個も年下だけど甘えたくなってしまう

 

54:陽気な名無しさん

>>53

あたしなんて22年下だけど甘えたい!

 

55:陽気な名無しさん

でもウチからは遠すぎて見に行けないのよね。

あーん、お尻にポッカリと大きな穴が空いた気分よ。

 

56:陽気な名無しさん

>>55

以前から空いてるでしょw

 

57:陽気な名無しさん

顔がカッコよかった!興奮して○起した、オレのチ○コ

 

58:陽気な名無しさん

体育祭拝見しました。

実はバスタブに沈ませたい願望があります。

なるべく長く潜ってほしいなと思います。

もちろん息継ぎしますが、それも鼻呼吸だけですが…いかがなものでしょうか?

 

59:陽気な名無しさん

>>57

殺すわよ。

 

 




雄英体育祭は夏の全国高校野球大会に似てるってのをどっかで見て、多分こういう目的で見てる人もヒロアカ世界にいるんじゃないかと思い書きました。
現実にも選手の尻とか見てる陽気な名無しさんがいるからね。


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下品な8話美しいですよ♡

 

 

「さーて、それじゃあ早速第一種目、行きましょう!いわゆる予選よ!毎年ここで多くの者が涙を飲むわ(ティアドリンク)!!さて、運命の第一種目!!今年は…コレ!!!」

 

そう言ってディスプレイに映し出されたのは、障害物競争の文字。

ミッドナイトから競技の説明が行われる。

 

「計11クラスでの総当たりレースよ!コースはこのスタジアムの外周約4キロ!」

 

「我が校は自由さが売り文句!コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」

 

「ん?今何でもするって…」

 

言ってない。

 

「さあさあ位置につきまくりなさい…」

 

その声で生徒達は位置につき、ランプによるカウントダウンが始まる。

 

「3…2…1…スタ────ト!!」

 

スタートの合図で一斉に生徒達が飛び出そうとする。が、同時に多くの人が飛び出そうとしたのでゲートが詰まってしまって中々前に行けない。一足早く抜け出したのは轟だ。

 

『さーて、実況してくぜ!解説アーユーレディ!?ミイラマン!!』

 

「無理矢理呼んだんだろが」

 

その轟が後続を個性で凍らせて先頭を確保...するかと思われたが、これをA組らは回避する。

 

「グっ…オラッ催眠ッ!」バキン

 

熊谷は除く。

 

『さぁいきなり障害物だ!!まずは手始め…第一関門!ロボ・インフェルノ!!』

 

入試の時の0、1、2、3pの仮想敵が再び立ちはだかる。しかし、先頭を進む轟はものともせずに凍らせてどんどん行動不能にしていく。そのおこぼれにあやかろうとした後続は崩壊する仮想敵に巻き込まれているが大丈夫なのだろうか。

 

『1-A、轟!!攻略と妨害を一度に!!こいつぁシヴィー!!!すげぇな!!いち抜けだ!!アレだな、もうなんか…ズリィな!!』

 

先頭から少し後ろを行く熊谷も入試の時みたいに催眠を使って仮想敵を行動不能にさせていく。

 

「オラッ!イけ!もっと大きくアク○しろ!」

 

『ンヒィィィッ♡♡♡♡』

 

「なんかロボットがビクンビクンしてる…」

 

他の生徒もロボットの挙動に困惑しながらついて行こうとすると、熊谷が通り抜けた瞬間に、

 

「ヒーロー候補が他人に甘えてる場合じゃねぇ!」

 

と言って催眠を解除させた。すると当然ロボットは元に戻り襲い始める。

 

『ブッ殺す!!』

「うわあああっ!!」

 

それを尻目に熊谷は第2種目へ進んで行った。

 

『オイオイ第一関門チョロいってよ!!んじゃ第二はどうさ!?落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォール!!』

 

下が真っ暗で、峡谷みたいになっていて恐怖心を煽られそうなそこには、たくさんの足場と足場を繋ぐロープが張り巡らされている。どうやらそのロープを伝って移動するらしい。

 

「催眠で綱渡りが上手くなるわけねぇだろ!」

 

流石にこれは個性を使ってもどうしようもないので普通に渡る熊谷。普通に渡った分先頭とは少し離されてしまう。

 

『先頭が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねぇから安心せずにつき進め!!そして早くも最終関門!かくしてその実態は──一面地雷原!!!怒りのアフガンだ!!!』

 

『地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!!目と脚酷使しろ!!ちなみに地雷!威力は大したことねぇが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

 

『人によるだろ』

 

「地雷エリアって体育祭にも限度ってものがあるだろ ちょっと引くわ」

 

日常生活ではまずお目にかかる事はないであろう地雷を見てついツッコミを入れてしまう熊谷。それでもすぐに気を取り直して処理をしていく。

 

「浅まし地雷が!イけッ!催眠!」

 

刺激を与えて目の前にある地雷を誘発させて、出来た道を順調に進んでいく熊谷。

 

が、流石に緑谷・轟・爆豪らに後れを取ってしまい、最終的に結果は9位に終わってしまった。

 

 

「ふむ、9位ですか。結構なお手前」

「個性のわりによくやった方じゃねーの?」

「そうだね…」

「19位ならイk…」

「言わせませんよ」

 

どうやらタネツケファイブの人たちも来てたらしく、熊谷の活躍を見ながら体育祭をユルく楽しんでいた。

 

そして舞台は次の種目へ移る。

 

「さーて第二種目よ!!私はもう知ってるけど~~~…何かしら!!?言ってるそばから…コレよ!!!!」

 

そう言ってディスプレイに表示されたのは騎馬戦の文字。

ルールは、42名が2~4名で騎馬を組み、第一種目の順位によって振り分けられたポイントを奪い合うものだ。

ポイントは42位の5ポイントが最小で、そこから5ずつ増えていく。

ただし1位はクイズ番組の最終問題みたいなノリで1000万ポイントが与えられる。

 

「上を行く者には、更なる受難を。雄英に在籍する以上、何度でも聞かされるよ。これぞPlus Ultra!予選通過1位の緑谷出久くん!!

──持ちポイント、1000万!!」

 

その言葉を聞いて多くの鋭い視線が緑谷に向けられる。

 

「めぐまれねえ村人に愛の手を!そのクソムチエロ1000万ポイントにむしゃぶりつかせてくんろ!」

 

と、他の選手同様に熊谷も緑谷に熱い視線を向ける。

 

「制限時間は15分。振り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイントが表示された"ハチマキ"を装着!終了までにハチマキを奪い合い保持ポイントを競うのよ。取ったハチマキは首から上に巻くこと。とりまくればとりまくる程、管理が大変になるわよ!」

 

例えば、5、10、15、20のポイントを持った4人が騎馬を組んだ場合、合計の50ポイントのハチマキとなる。

また、ハチマキはマジックテープ式になっている。

 

「そして重要なのは、ハチマキを取られても。また、騎馬が崩れても、アウトにはならないってところ!"個性"発動アリの残虐ファイト!でも…あくまで騎馬戦!!悪質な崩し目的での攻撃等はレッドカード!一発退場とします!それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムよ!」

 

その言葉を皮切りに各々が各自騎馬を組む相手を求めて探し出した。

 

熊谷も例に漏れずに組む相手を探していると、後ろから声をかけられる。

 

「なぁ、そこのアンタ。ちょっと良いか?」

 

そう言われて振り向くと、そこにはボサボサとした髪型で身長にしては少し痩せ目な、普通科の心操人使がいた。

 

「俺と騎馬を組んで欲しいんだけど」

 

「いいよ♡」

 

その問いに対して答える、いや、答えてしまう熊谷。その瞬間、心操は口元に笑みを浮かべながら指示を出す。

 

「『騎馬を三人で組み、そして俺を騎手として上に乗せろ』」

 

彼の個性は【洗脳】。呼びかけに応じた者の意識を自分の制御下に置いて命令を出す事ができる、というものだ。その個性を使って騎馬を組ませようとする。が、

 

「ははは なるほど、ご主人の個性は対したものですなぁ だが足りませんな」

 

熊谷は洗脳にかからず、さらに手拍子で操られていた尾白とB組の生徒を正気に戻してしまう。

 

「──は?」

 

それを見た心操は笑みを崩し、一瞬我を忘れてポカンとする。そりゃそうだ、今まで個性を使って操られなかった人間などいなかったのだから。

 

「助かったぜ熊谷!」

「ありがとう…!」

「恐縮です」

 

そんな心操を尻目に熊谷に感謝の言葉をかける二人。

 

そして我に返った心操が叫ぶ。

 

「オイ、何でだよ……何でかかんねぇんだよ……返事したならかかれよ……従えよ…なぁ!」

 

その問いに対して熊谷は

 

「おじさんマスターだからね 催眠マスター♡」

 

と返す。訳が分からない。が、そんな無茶苦茶な論法がまかり通ってしまうのがちんちん亭である。

まぁ、フグが自分の毒で死ぬか?というのが一番近いかもしれない。どっちにしろ理不尽だが。

 

「はは…なんだよそれ…そんなワケわかんねぇ理由で俺の洗脳が破られるのかよ……チッ、これだからヒーロー科は…」

 

拳を握りしめる心操。 

 

「まぁまぁ、時間もないですしここは同業者同士手を取って行きましょうやご主人」

 

熊谷のその言葉でこのままだと15分が過ぎてしまうと気づいた心操は仕方なく引き下がる。

 

「……ハァ、分かったよ。こうなりゃ俺はどうしようもない、さっさとやろう。後俺の事は心操と呼んでくれ」

 

着々と進んでいた所に尾白からの待ったがかかる。

 

「お、おい良いのか熊谷…俺達を洗脳しようとした奴を仲間にしても」

 

「良いんですよ。彼の個性は中々の業物でございますからね」

 

「……まぁ、助けてくれたお前がそう言うなら文句は無いけど…」

 

結局陣営は前方庄田、後方熊谷尾白、騎手が心操に決まった。

チーム内での個性の情報交換も終わり、いよいよ騎馬戦が始まる。

 

『さァ上げてけ鬨の声!!血で血を洗う雄英の合戦が今!!狼煙を上げる!!』

 

心操らの騎馬のポイントは合計で445。低すぎず高すぎずといったところだ。

 

『よォーし組み終わったな!!?準備はいいかなんて聞かねぇぞ!!いくぜ!!残虐バトルロイヤルカウントダウン!!』

 

「1千万は捨てておいて、取れる所から確実にコツコツとポイントを稼ごう!」

 

『3!!!』

 

「……まぁ、4位までに入ればいいからな。無理して狙う必要もない」

 

『2!!』

 

「後ろなら任せとけ!」

 

『1…!』 

 

「うお…今期一番気合出る…!」

 

『START!!』

 

 

今ここにイき残りを賭けた騎馬戦が始まった。

 




⚠今更ですが催眠には嫌なことを強制するほどの力は無いのでエッチな事には使えません!⚠
よってちんちん亭の催眠は洗脳の域に入っていると言えるでしょう。


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