種は芽吹くが咲きはしない (himajin774)
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腐った農夫

樋口のやる気のない目を見た瞬間好きだと気づいたので初投稿です


アイドル

 

どこかの言葉で偶像を意味するらしいが皆お分かりのとおり実際は実像だ

 

それが分かっていない者が多いからなにかとトラブルになるのではないか?と自分は思う

 

さて、なぜいきなりアイドルについての講釈を垂れ流しているかと言うとそれは勿論自分がその実像のプロデューサーだからだろう

 

とはいってもいつもそこらの女を捕まえてはW.I.N.G準決勝や決勝まで行かせはするものの誰も優勝はしていない…

 

これを無能Pと言わずしてなんと言えばよいのか

 

ま、所詮は自己評価なので人からはもっと貶されてるやもしれない。

いやきっとそうだろうな。

 

自分が育てたアイドル達は口をそろえて

『あなたには失望しました、さようなら…』

と他の事務所へ移籍してしまうからだ

 

まぁ正直W.I.N.Gに行くのは難しいことではない、アイドルのことを第一に考え、アイドルの体調を気遣い、アイドルの友情を促進する、これだけだ。

 

どうも自分は五角形グラフならば正五角形のような育て方をしてしまうようで誰も彼もが突出した能力の無い、面白味の無いアイドルになってしまった。

 

いや、…ほんとうは気づいてはいた、自分にプロデューサーの才能が無いことには…

 

種を植えるのは誰もが出きるだろう、苗を芽吹かせるのは豆な人ならば出きるだろう、大きく育てるなら栄養材を使えばいい、蕾を守るなら防虫ネットでもかえばいい。

 

だが…自分には収穫という概念がない…とでも言えばいいのだろうか?ここまで成長したのはひとえにアイドル達が自ら努力し、皆で努力し、事務所で尽力し、と自分は正直何もしていない。

 

そういうと皆

 

『あなたは少し自分に対しての評価を気にした方がいいですね』

 

と言われる

 

つまりは「何もしてねぇやつが邪魔なんだよボケ!」

と言うことだろうな…

 

結局優勝者を出せない自分にかなりの責があるとは思うが自分もそろそろ三十代…ここを辞めたらおそらく何処の事務所でも雇ってはくれないだろう。

 

いや、もう悪評が広まって再就職は無理だろうな…

 

死にたい…といえば本音にはなるがアイドルのプロデューサーという手前考えるだけに留めるしかない…

 

王さまの耳はロバの耳の様に言えたら少しは楽になれたのだろうか?

 

おそらくなれないだろうな…どうせアイドルに「じゃあさっさと死ねよこのクソ無能プロデューサーが!」

と言われるのが関の山か…

 

まぁともかく俺は無能なプロデューサーと言うことがよく分かったと思う。

 

現に他の事務所に移籍したアイドル達は自分にできなかった箱でのライブ、若者に大人気の雑誌モデル、一流のテレビ出演、ドラマでの活躍など素晴らしいものであったからだ

 

それに文句をつけれるはずがない

 

はぁ…結構くるなこれ…

 

死にたい…

なども死にたい死にたいと言っていれば構ってくれるだろうという子供のような思考の自分にそもそも一流のアイドルなど育てられるはずがなかったのだ

 

……田舎に帰って土でもいじっとくか…

 

自分はさっさと都落ちの準備をした




まぁ好きなのはこっちの一方通行でしょうけどね


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雑草の中の一輪の花

とある伝説のアイドルも乙女よ大志を抱けと言っているので初投稿です


つらたん……

 

と言えばなんか知らないけど気持ちがましになる感じがしたので言ってみたが結果は空しいだけだった…(当たり前)

 

さてそれでは現状を説明するが流石に都落ちは時期尚早かなと思いそのまま東京に留まることになった

 

だが責任はとらなければいけないので(止める理由がこれしかなかった)無理やり辞めた。

 

無論プロデューサー業に未練がないわけではないがまぁしたことがしたことなので妥当かなと

 

事務所側からはなぜか止められたが辞めたいという思いも確かにあったので押し通した

 

なんだか清々しい気持ちだ

 

なにもしなくてもいいというのは

 

と感じていたのは一週間ほどだけであった

それから二週間ほど自宅で好きなことや好きな場所で飲んだり食ったりしたがすぐに飽きてしまった

ニートをやるにも才能がいるものなのだなぁとなんだか感慨深いことを感じた

 

まぁこんな自分のことをつらつらと書き記していてもなんの意味もないのでアイドルをプロデュースしていた時の事でも話そうと思う(自分はほとんどの時間1人だが)

 

最初にプロデュースしたのは誰だったかな?

 

まぁ向こうのアイドルも俺のことを覚えてはいないと思うから別にいいか

 

たしかかなりクセというかなんか口説きグセ?のある宝塚とかに通ってた?と思うくらい個性の強い娘だったな

 

一言話した瞬間に

 

(あ、この娘には自分はいらないな、

この娘は自分で自分を高める手段を知ってる娘だ。)

 

と感じたのを憶えている

 

ただどこかで他人に繋がりを求めているようにも感じた

 

過去に身近な人でも亡くなったのかな?

 

そんな想像はともかくあの娘はほんとうにすごかったなぁ…、たまに自分を追い込みすぎてオーバーワーク気味になることがあるくらいでそれ以外は完璧だった。

 

あ、口説き癖をわすれていた

 

まぁそんな娘に自分がしたことと言えばほんとに無いに等しい

 

自分を追い込み過ぎるところ、ストイックなところを少々やわらげて、逆にこっちが口説いてやって口説かれた方がどんな気持ちになるかを感じさせたくらいか

 

どれが功を奏したかは分からないがW.I.N.G決勝に行く頃にはかなり懐いてくれていた。

 

おいおいこんなやつに懐いていたらいつか詐欺師とか結婚詐欺に合いそうだから気を付けろよなと軽口を言ったこともあったっけ

 

「もしアナタに騙されるならばそれもいいかもしれないね」

 

といわれ面食らったのも憶えているものだな

意外と。

 

まぁ前にも言ったように結局W.I.N.Gを優勝させることは出来なかったのだが…

 

そのごは舞台やドラマなどで頑張っているようでなによりだ、ていうかほんとに宝塚出身じゃないのがびっくりだよほんと

 

………今の自分と比較するとなんか鬱になりそうだからやめーた、

 

今日はもう寝よ(うぜ)。

 




大志を掴めるかどうかは別


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たまには自分の話を

かすかに希望の音が聞こえたので初投稿です


ふぅー、

 

なんだかんだ何もしない生活はストレスフリーで良いな、

たまになんかしないと、と思うこともあるがこれぞ自分の人生を自分で決めているという感覚がある、なんだか初めて自立出来たのではないかとも思う

 

しかしワンルームでも意外と快適なんだな、他の住人の音さえ気にしなければだが、住めば都というのもあながち間違ってはないらしい。

 

就職してからほとんど働きづめだったから貯蓄はそこそこある、まだ1年程なら切り詰めた生活をすれば自堕落にしても行けそうだ

 

別に行きつけの喫茶店や男友達、彼女もいた事がないので誰にも縛られずに自分として生活できてきるのは素直に嬉しい。

 

 

 

プロデュース

 

 

何時だったかな、それに興味を持ったのは…

 

アイドルと結婚したいとかそんな下卑た夢を叶えるためでは無かったはずなのだが、初心というのはどうも忘れやすく、思いだし難い。

 

 

日高舞

 

 

のようなアイドルをプロデュースしたかったのかどうなのかももう今の自分には分からない

 

だから誰も優勝させる事が出来なかったのだろうな…

 

自分に芯が何も無いのに他のアイドルを輝かせる事ができるはずがない。

 

やはり1人で生活していると独り言が多くなるな、そもそも仕事以外は何時でも1人でなのだが

 

自分はただ世界に流されるだけの歯車だったんだな

と再確認できた、

 

まぁ、その歯車も空回りしていたし、他の歯車とも噛み合わなかったのだろう。

 

人には人の良さがあるのに自分はプロデュースしたアイドルのそれを全く見つけることが出来なかった…そもそもアイドルに対して全く情熱の無い自分ができるはず無かったのだ

 

それを考えたらアイドル達には本当に申し訳ない事をしたな…

 

もっと自分の良さを分かってくれるプロデューサーを紹介すればよかった

 

 

ふと周りを見渡してみればワンルームアパートのなんの面白みもない小綺麗な部屋が目につく

 

別に好きなアイドルのポスターがあるわけでもなく、ゲーム機が並んでいるわけでもなく、本がズラリとあるわけでもなく、本当に空虚なのだなと、自虐心が湧いてくるだけだ

 

 

なんだか本当に自分はこの世界にいるのだろうか?別に要らないんじゃね?というかそもそもとして誰にも必要とされてなかったわwwww

 

はぁ…笑えるなw

 

ここはゆったり半日ほど布団で横になっていよう

 

たまにする自虐は自分のちっぽけさを改めて感じられていいな、1人の寂しさもほんの少しだけ和らぐし…

 

 

お金がいづれ尽きたら…この世界にいる理由もなくなるかな…家族はとっくにいないし

 

 

自分で言ってて本当にこの世界に未練が何も無いのだなと再確認する、なににも執着していない、仏教とかの思想みたいだ。

 

 

やはり自分は死んでいないだけで、

この世界で生きては居ないのだ

 

 

アイドルのように自らが輝けもしない、

アイドルを更に輝かせることもできない

 

 

一体何のためにプロデューサーをしていたのだろう…

 

 

全てが虚しくなってきた

 

 

死ぬなら誰の邪魔にもならない所でしないとな、

 

 

今は死ぬのすら面倒臭くてしたくない

 

 

まぁいいや、今は生きてはいなくとも死なずにはいよう

 

おやすみなさい。

 




聞こえただけで希望自体はないんですけどね


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楽しい思い出はほんの少しだけ

行けない場所なんてない自由自在の無二の存在なので初投稿です


…今日も空は綺麗だなぁー。

 

 

今日は川辺で空を見ながら黄昏ている

 

 

 

ジョギングする人や、釣りを楽しむ人、犬の散歩に来た小学生や昆虫採集を楽しむ子まで様々な人が来ていた

 

流石都会の川辺とでも言えばいいのだろうか

 

こんな時田舎だと一人で川辺を楽しめたのだか今はまぁ川に身を投げるとまでは行かなくとも鬱な気分ではあるので助かったな

 

 

こんな日は自分の中で1番上手く行ったのではないかなというアイドルについて思い出そうか

と言ってもほとんど彼女自身の力だったのだが

 

 

 

斑鳩ルカ

 

 

 

元々ネットに自分で作詞作曲した曲を上げており、ネット以外でもかなり高い評価を受けていたアーティストだ

 

自分の上司が彼女をスカウトしてこいと言われた時は人選ミスも甚だしいなと思いつつも彼女がかなりの才能の持ち主なのには変わりないので承った

 

 

自分の感じた彼女の第一印象は

 

 

『刺さしいだけのかわいい女性』

 

 

という感じだった

 

いわゆるツンデレに該当する娘だと直ぐに分かった

 

まぁ人によってはデレがないじゃんと思う事もあるだろうが…

 

最初に会った時彼女は

 

 

「別に1人でもやっていける時代だからそういうのは間に合ってる」

 

 

となかなか時勢を見た的確な言葉を残し玄関のドアを閉められた、とりあえず彼女の好みだという茶菓子だけ近くに置いておいた

 

次は自分から見た彼女の曲の印象だったり感想だったりをぶつけてみた、一応プロデューサーと言う職業に就いてはいるので曲を分析したりは得意な部類には入る、流石に曲自体を作ればしないが

彼女は無言で聞き入れてくれた

 

 

「そういう業界人の声はネットとかでしか見なかったしいきなりドア越しにぶつけられると思って無かった、あなたの私の曲に対する想いは伝わった…、ありがとう…」

 

 

結局2回目ではドアの向こうには行けなかった

 

 

3回目はほとんど日常会話だけで特に曲や仕事についての話はしなかった、あとようやくドアの向こうに行けた

 

 

「ここまでストーカーじみた事をされるとは思って無かった、まぁあなたの根気がいつまで続くか見させて。」

 

 

と薄々自分でも気付いてはいたが流石に高校を卒業して間もないうら若き女性をつけ回す?のは仕事とはいえ他の人に言うのは憚られるな…。

 

そしてやはり彼女は他のプロダクションの誘いをいくつか断っていたらしいが、根気よく半年ほど通い続ける(と言っても週1程度だが)ことによって

 

 

「辞めたい時に辞めさせてくれるなら」

 

 

という条件付きで入ってもらった

 

その後すぐにまたW.I.N.Gで結果を残すように上から言われたが正直自分がプロデュースしても優勝出来ないので別に出なくてもいいじゃん、そもそも彼女はその枠に収まらない位の評価を既に獲得しているので彼女の好きにやらせてあげてください

 

と上に具申した

 

自分でもここまで上に反抗するのは初めてで自分にもこんな面があったのかと意外に思ったことを覚えている

 

結局先の具申を聞き入れてくれたようで斑鳩さんはネットで活動していた時と変わらない活躍をすることができた

 

これが功を奏したのかプロダクションに所属しても今まで通りの活動なのは分かってるじゃんとまたファンを獲得することが出来た、

たとえネットで人気だったとしても公式タレントになった途端に人気が無くなるなんて事はザラなのでそこをネットの方々に愛想をつかされなくて本当に良かった

 

 

結局彼女からの刺さしい態度が変わることは無かったがそれで良かったのだろう…何処かそれを心地よく感じていた自分がいたのは事実だ

 

 

1年程自分が担当してアイドルとしてのレッスン、テレビ用のトーク力、曲に対する熱量(そもそもかなりあったが)はかなり育成出来たと思っていた矢先に

他のプロデューサーとの交替を命じられた

 

自分に出来るのは種を蕾まで育てるだけなので、そろそろ潮時かな…とは思ってはいたので彼女にプロデューサー交替を伝えた

 

 

「……正直あんたのことネットとかの評価で知ってたんだよね、毎回担当するアイドルがW.I.N.G決勝には行くけど誰も優勝させられない二流プロデューサーだって…、

でもあんたは私をW.I.N.Gに出すことはなかったしネットでの活動も制限しなかった…

これって期待されてないって事なのかとも思ったけどちゃんとあんたは私の活動の事を第一に考えてくれてたし、たまに働き過ぎで疲れて事務所で眠りこけてることもあったな…

まぁあんたが誘ってくれたんだから私が辞めたいと思わないならこのまま続けてやってもいい、

それでまた私のプロデューサーやってくれよ?

二流プロデューサー。」

 

 

彼女も交替に納得しているようでよかった

 

たまに納得いかないまま交替した事も無いわけでは無かったから安心して交替できる

 

おそらく自分がまたプロデューサーに戻ったとしても彼女に伝えられる事は無いだろう…

 

後は全て後任のプロデューサーに任せてあるから自分はもう斑鳩さんには要らないのだがな…

 

 

 

彼女と別れを告げて、結局それで燃え尽きたのか自分は会社を辞めていた、彼女が辞めるより先に自分が辞めるのは少々滑稽だな

 

 

 

その後の彼女は『カミサマ』とまで言われるアーティストに登りつめた、彼女の才能は本物だった、

自分の様な凡庸なプロデュースではここまでの評価は得られなかっただろう

 

これでよかったんだ…。

 

 

過去の栄光は自分のモチベーションを上げる位にしか役に立たないのでこんな使い方でいいだろう。

 

 

自分はさっさと低めの雑草の元へ行き、空を見上げながら惰眠を貪ることにした。

 

 

 




本来の自分は行けない場所なんかありまくるし自縄自縛の凡庸の存在なので初投稿です

斑鳩ルカの公式掘り下げまってます
多分公式掘り下げ来たら何回か改定すると思います
過食性アイドル症候群を聞きながらアイマスをやると精神がゴリゴリ削れていくのですき
歌詞に当てはまるようなアイドルがアイマスにいなくてよかったよかった


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花の近くに腐ったものは置かないでしょ普通

照準なら煙の向こう躊躇いなく気を穿って初投稿です


 

 

んーっ…、そろそろ何かしないとなー……。

 

 

 

伸びをしながらたった今片付いたワンルームの部屋をボケーッと眺める無職ほぼアラサー

 

流石にこのまま過去の栄光を脳内で流し続けてモチベーションが上がっても特にそれが活かされる仕事がある訳でもないしなー…

 

こういう時は特に何の目的もなく辺りをうろつくのが良いと何かで聞いた気がする、仕事でした雑談だったかな?

 

しかしほぼアラサーのオッサンが何をするでもなくただうろついてると不審者だと思われそうだ…髭とかの身だしなみとかはちゃんとしておこう髪の毛はその辺のハサミで何とかする、

前々から散髪代をケチってバリカンで坊主にしたり髪が苛立たしく感じたら自分で切ってはいたので慣れたものだ。

 

ちなみに担当していたアイドルからは毎回急に髪を変えると不評だった

 

 

兎に角、身だしなみを整えて何処かへ出掛けることにする。

 

 

 

 

 

結局またあの川辺で川を眺めていた、正確には中にいる魚だが

 

 

水族館の様に綺麗なガラスから眺めるのもいいが全く手の入っていない水から見る魚もいいものだ

 

いつもなら気付いていたであろうランニングする人にも気づかない程度には川魚に夢中になっていた

 

タッ、タッ、タッ、とリズム良く駆ける音が間近で聞こえる

 

 

 

「プ、プロデューサー…!?」

 

 

「……ん?……あ、………元でしょ白瀬さん…?」

 

 

「こんな所で何をしていたんだい?」

 

 

「別に何もー……、川の魚を見てただけだよ…

どうも白瀬さんは体力作りのランニングの途中?」

 

 

 

「うん、そうだよ…アナタの言いつけ通りね、

……そういえば事務所を辞めたと聞いたけど一体どうして?アナタ程のプロデューサーなら引く手数多だったろうに…」

 

 

「いや引く手全然なかったよw、まぁ自分のやる気がないってのもあるだろうけどさ…。

どうせ自分はアイドルを花咲せれない二流プロデューサーですよー……」

 

 

 

自分は手頃な石を川に投げ入れた

ポチャン…、と音を立てて魚が逃げていく

 

 

「またそうやって自分を卑下して…、そこはプロデューサーの少ない欠点だとしっかり言ったはずだよ」

 

 

「自分では美点だと思ってるんでねぇ……こればっかりは許してよ白瀬さん……、

白瀬さんの方は283に移籍してからかなり調子いいみたいだね、テレビとか見てたら今でも頑張ってるのが伝わってくるよ」

 

 

「…それはプロデューサーの…いや影浦さんのお陰だよ…私をあそこまで育ててくれたのはアナタだ」

 

 

「冗談w……人は花を買ったり見たとしても花となるまでの過程まで調べる人は数少ないだろう?

それこそオーディションのパフォーマンスの様に最後の最後で印象に残らなくてはダメだ……。

自分は結局何もしていないよ……ずっと…、

ただ蕾を卸売りしているだけだ……」

 

 

「それでも育ててくれたのは事実だ!」

 

 

「その事実をファンの人が知ったとして別に自分は嬉しくないし

『熱心な白瀬さんのファンなんだなぁ…』

くらいにしか思わないよw?

まぁ白瀬さんがアイドルとして成功してくれてホント良かったよ…自分では花咲かすことは出来なかったけど自分の剪定の目はまだ腐ってないことが分かってよかった……」

 

 

「アナタは……っ、…どれだけ……自分の事が嫌いなんだい………?」

 

 

「さぁ〜ねぇ〜?もしかしたらこの世で1番嫌いかもしれないねぇ〜www、

ゴメンゴメン、

今のはホントに思ってるよ、普通に言ったらドン引きされそうだったからああゆう風に言っただけ」

 

 

「そう…かい……。

……影浦さんは私をプロデュースしていた頃とあまり変わらないね、少し安心したよ、

あとまた自分で髪を整えたね?それも止めてほしいと何回も言ったのに…」

 

 

「まぁ自分に対してはブレないでいたいと思ってるからねぇ自分は……

まだそれ分かっちゃうんだ?すごいね…!、かなり自分で髪切るの上達したと思ったのに…」

 

 

「美容院の仕上がりにしては細部が雑すぎるからね、見る人が見れば丸わかりだよ?」

 

 

「流石に美容院と比べられたら弱いなぁ……、白瀬さんはちゃんと美容院で髪のケアしてるみたいで何よりだよ」

 

 

「『アイドル足るもの髪のケアは欠かせない』と教えてくれた人がいたからね、モデルの時もかなり気は使っていたけれど」

 

 

「そりゃまた当たり前の事をわざとらしく言うプロデューサーが居たもんで…」

 

 

「その『あたりまえ』が重要なんだよ、プロデューサー?」

 

 

「それ言った時の自分を再現しなくていいから…今更恥ずかしくなってきたよ……あと移籍しても変わらないようで何よりだよ白瀬さん…」

 

 

「咲耶でいいと言ったのに全く…、影浦さんはその、前よりも覇気が無くなったようだね。」

 

 

「まぁ自分でわかる程度には覇気無くなったねー、もともとほんのちょっぴりしか無かったけど、いや才能という唯一無二のモノ(・・)は怖いよほんと…」

 

 

「それを言うならプロデューサーの才能もあったと思うけれど?」

 

 

「別に他の人からいくら言われようとも自分にプロデュースの才能は無いよ……、

それは誰1人としてW.I.N.Gを優勝させられないという実績にも基づいてる……。」

 

 

「…それでもきっと、プロデュースしてあげたアイドル達は感謝してるはずだよ、私もそうだ」

 

 

「そりゃ慰めどーもです……、自分には1番以外意味が無いもんでして、はい」

 

 

「正直プロデューサーは物事の順位を気にしているようには見えないのだけど…」

 

 

「必死でそう見せてるだけだ……それに自分が気にしなくとも周りはそうではないだろうし……、

結局同じ様なもんでしょ……、

どこもかしこも順位で決まる世界だよ、そりゃ当たり前だけどさ……。」

 

 

「私はプロデューサーとこんな話をしに来たのではないよ」

 

「じゃあどんな話がしたかったの?」

 

「スカウトだよ、あの日私にしてくれた様にね。」

 

 

「……………全然あの日と違うじゃん……、あの日白瀬さんはモデルの仕事終わりだったし自分もプロデューサーって肩書きがまだ(・・)あったし……自分は今無職のほぼアラサーだし………」

 

 

「変わらないよ、私がプロデューサーでアナタがアイドルに変わっただけさ」

 

 

 

 

「………流石にアイドルのこと馬鹿にしすぎじゃない?幾ら比喩でも言っちゃダメなことはあるでしょ……」

 

 

「1人のアイドルから見てもアナタにはプロデュースの才能があると言うことを伝えたかっただけさ」

 

 

「白瀬さんにそう言われるのは悪い気はしないけど……今の自分かなり役に立たないと思うよ?」

 

 

「アナタは仕事に手を抜かない、

抜いた所を見たことがない、

アナタは何時だって真剣にアイドルの事を考えていた、

だから私だってここまで成長出来た。」

 

 

 

「……そりゃ1人の人生を左右するかもしれない仕事なんだ、手は抜けないし抜かないよ、

ま、それが普通のプロデューサーだとも思うけど…」

 

 

 

「なら来て欲しい、また一緒に…!!『駄目だ』」

 

 

「っ……どうして…」

 

 

「自分の意志の問題でもあるしそもそも自分が白瀬さんに教えられる事も無い、

やる気も全く無い、

そちらの事務所に何のメリットも無い、

そりゃこっちから断るさ」

 

 

「別に私のプロデュースだけをして欲しいんじゃない…!」

「そんな事は分かってるさ、でも無理なものは無理だ、自分はもうとっくに燃え尽きた、いや…そもそも不完全燃焼だったし既にもうその燃えカスすら無くなったのさ……そんな存在がアイドルという綺麗にカットされた宝石の近くにいるのは正直辛い、

……それじゃあな…、もう会うこともないとは思うけど、…これからもアイドル頑張ってね、白瀬さん」

 

 

 

 

「っ………なんでっ……どうしてっ………どうしてそんなに自分の事が嫌いなんだっ!!!」

 

 

 

「だから、ほんとに(・・・・)自分の事が嫌いなんだよ」

 

 

 

そういう捨て台詞を吐いて自分は帰路に着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちゃんとリンクアピールの気を穿ってたらW.I.N.G優勝できるはずなんですけどねぇ


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小説本文がもじぴったんになるくらい文章を考えるのが下手なので初投稿です


あなたの~テレビに~時価ネットた○か~♪

み♪ん♪な♪の 欲の友♪

 

 

 

聞きなれたCMを見つつ見ないで何かをしつつ目を覚ます

 

 

テレビ消し忘れたっけ?

 

隣の人かな?

 

まあいいや全てがどうでもいいや

 

 

無気力だー、と自分で分かる程度には無気力だ

 

 

チカレタ…(何もしていないのでそんなはずはない)

 

 

 

生きている?うーん、まぁ死んでいないだけでも人間はエネルギーを使うものだ

 

 

そりゃまぁ死んでないんだから当たり前だよな

 

 

さて、どうやってこの暇な時間をつぶそうかなー

 

あー、あー、あー…、はぁー……

 

ほんとに自分には何も無いんだなと改めて思う

 

 

そうだ、逆に何があるか考えてみようか

 

 

むー、まずはワンルームの居住権かな?住居権だっけ?それすら分からねぇや

 

 

あーもうどうでもいいか、

 

 

とりあえずまたうろついてみよう。

 

 

 

 

さて、というわけでうろつきの定番バッティングセンターに来た訳だが、

まぁ運動は下手でも得意でもないから来た玉に対してしっかりとバットの芯を当てる、これでいい。

 

 

 

キィンと心地よい音が鳴る、自分以外誰も聞いていないが

 

 

 

貯金をつかって100球ほどバッティングをした、

 

 

 

 

 

……夢か……

 

 

自分にはそれがないからこうなったのだろうか?

 

 

 

ステージで輝きたい、上手く歌いたい、華麗なダンスをしたい、折れないメンタルを持ちたい、そんな夢が。

 

 

 

虚しいというのはこういうことなのだろう

 

 

借りたバットを元に戻し、帰宅する

 

 

結局自分はよくいる買い替えできる代替品だったのだろう

 

 

まぁ根回しとかコネとかゴマすりには自信あるが

 

 

ことこの世界ではかなり使えたので助かった

 

 

 

まぁ辞めたし意味無いけど。

 

 

昔のことを思い出してまたメンタルがやられてもいけない、適当にスキップを踏み楽しそうに見せかける。

 

 

 

人は第一印象で全てが決まるという、言ってしまえば髪、顔、服、靴などで決まるということだ

 

 

つまりそこを偽装してしまえば、陽気な人物の完成である

 

 

よし

 

意外と演技の才能があるのかもな、

 

 

まあ担当したアイドルに比べればなんでもないが。

 

 

……また思い出してるじゃん、やっぱ未練あんのかな…

 

 

後悔先に立たず

 

とは言うがそりゃそうだろうよ

 

 

 

んー、後悔というわけではないが担当したアイドル達はみな一流になっているのでよしとする

 

 

さて、今日は歩いて来たのだから歩いて帰ろうかな

 

 

下を向いてあるこおーおーおーうー♪

 

 

 

お、カエルだ、かわいい

 

 

アリが行列をつくっている、何に群がっているかはわからない

 

 

鳥のフン

 

視点を変えるだけで見る景色もちがうものだ

 

 

よし、今日は知り合いに合わなかった!これは自分で自分を褒めたい!

 

 

よし、お疲れ様ー

 

 

 




まぁ千早はむねぺったんなんですけどね。
(千早好きだから許して)


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私から見た彼

だから今1秒ごとに世界線を超えて君のその笑顔守りたいので初投稿です


最初に彼に会ったのは街でのモデル仕事終わりにスカウトされた時だった。

 

 

私の彼への第一印象は、とにかく低姿勢で人の事を第一に考えているのではと思うほどの丁寧な言葉で彼からアイドルにならないかと誘われた、

 

友人から聞いていた話では大抵こういうスカウトの方は押しがすごいらしいが彼は、

 

「本当にやりたくないならそれでいいので、どうか1度ご一考ください」

 

と、とても丁寧な口調で名刺を渡し、それでいてどこまでも人の事を慮っていた。

 

 

 

 

そして私がアイドルになると決めてからの彼はすごかった

 

 

彼は疲れると言うことを知らないのではと言うほど私の仕事現場に顔を出してはスタッフさんやメイクさんなどとよく談笑をしていた、彼曰くこういう会話の積み重ねが後々の仕事を作るといつも楽しそうに人と話していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、私はある事に気付いた、

 

 

 

 

彼は私の仕事や他のアイドルの事を見る時ほんの少しだけ表情が曇る、

 

それは中々言葉では言い表せないような複雑な顔を、

ほんの一瞬だけだがする事に。

 

 

これに私が気付いたのは私をプロデュースしてくれてから1年が経とうとしていたくらいだっただろうか…

 

 

彼は一体どんな気持ちで、どんな事があってこの仕事をしているのだろう

 

そう簡単に聞けてしまったらどんなによかっただろう

 

そう考える程には彼の少しだけ見せる複雑な表情は本当に愛憎入り乱れた複雑な顔だった。

 

 

 

そんな顔はしても仕事には一切手を抜かずに私を気遣って色んな差し入れをくれたり、ダンスやモデルの時の表情のアドバイスなど、

彼は今までに色んな人をプロデュースして来たんだな、と分かるくらいには的確なアドバイスをくれた。

 

「アドバイスありがとう、プロデューサー。

今までにも色んな人をプロデュースして来たんだね、プロデューサーは、ちょっと嫉妬していまいそうだよ」

 

そう褒めると彼は

 

 

「いや、すごいのは自分じゃない、自分よりもっとすごい先輩がいてその先輩に色々と教えて貰っただけだ、

今のアドバイスもほとんどその先輩の受け売りだよ……。」

 

彼はどこまでも謙虚だった

 

 

 

 

 

そしてまた私は気付いてしまった。

 

 

彼の考える彼のプロデュースにはどこまでも彼自信が含まれて居ないことに

 

私は彼が何時もどこか私やアイドルに対して1歩引いているように感じていた、つまりはそういう事なのかと私の中で合点がいった。

 

 

彼の考えるプロデュースとは、

アイドルが目指す道、目標、夢を第1に考えてその夢に向かうアイドルをどこまでもサポートするということらしい。

 

 

彼とかなり過ごしてきて、ある日にプロデューサーとしてのプロデュースはどういうものなのか聞いたことが有った、

 

彼は

 

「今までこの業界にいてやりたくない方向の仕事をやらされたり、やりたくないキャラクターを押し付けられた人を何人も見てきたから……、せめて自分のプロデュースするアイドルくらいはしっかりとその夢に向かって突き進んで欲しい…、から……ね…。」

と少し恥ずかしそうに頬を書きながら言った。

 

 

ああ、彼はどこまで行っても優しいんだな

 

私は彼が自分のプロデューサーでよかったと安堵した

 

それまでにW.I.N.G決勝で負けたり様々な事があったが全ては瑣末事だ…私をスカウトしてくれたの本当にアナタでよかったよ……。

 

 

そして、彼との別れの日がやってきた

 

そしてそれは突然だった

 

 

「えっ……!?アナタが私の担当を辞める!?」

 

 

「そ、まぁ自分としては分かりきってたことだけどね…」

 

 

「どうして…!?何か私に落ち度やミスでもあったのかい!?」

 

 

「いや…、咲耶さんは充分に頑張ってくれたよ!

………単純にもう俺のレベルでは教える事は何も無いから、もっとすごいプロデューサーに変わってもらうだけだよ、安心して…」

 

 

「そんなのは関係ないよ!私はアナタと一緒にトップアイドルを目指したいんだ!」

 

「……じゃあなおさら僕と一緒じゃだめだよ…、自分の力量は自分が一番よく分かってるし……僕じゃ咲耶さんをトップアイドルにしてあげれないよ…残念だけどね、これが僕に出来る精一杯さ……。」

 

 

「……なんでっ!…私をさらに輝くアイドルにすると言ってくれたのはアナタじゃないか!?

あの言葉は嘘だったのかい!?」

 

 

「……嘘じゃないよ、実際モデルの時よりは輝いてたし、咲夜さんもアイドルをやってて楽しそうだった…、ただその更に上のトップ(・・・)アイドルを目指すなら自分と一緒じゃなれないってだけ……、

咲耶さんの方にはなんの問題もないよ、すごい才能の塊だから……、問題は僕の方だし…………」

 

 

「アナタは少し自分の実力を信じなさすぎる!!もう少しは自分の事を信じて欲しい!私が信じるアナタをアナタも信じて欲しい!!!」

 

私は今思い返すと少々恥ずかしいような事を言っていたなと少しあの時を懐かしむ

 

 

 

 

「…………自信…か……、そんなものはもうとっくに擦り切れて無くなっちゃったよ…………、

じゃあね…咲夜さん……、

引き継ぎの人にはちゃんと咲耶さんの目指す夢を尊重するように言っておいたから心配しないでね……。」

 

 

「なんでだい!!なんでそんなに自分の力をその程度だって決めつけるんだッ!!もっと自分を信じてみても…」

『自分を信じてもどうにもならなかったから今の自分があるんだよ………。

……………本当にゴメンね、咲夜さん……。

君の夢が叶うのを下の方から応援してるよ……』

 

 

彼は本当に残念そうに背中を見せて歩いて行く

 

 

「プロデューサー!影浦さん!!私はッ!……アナタだったからっ………!!!」

 

 

私はいつの間にか泣いていた。

 

 

それからのアイドル活動はあまり憶えていない。

 

そして私はいつの間にか283プロダクションに移籍していた、

 

もしかしたら無意識下で彼との思い出がある事務所を嫌に感じていたのかもしれない

 

 

それから私は素晴らしい283のアイドル仲間達と優しいプロデューサーと一緒にトップアイドルを目指している

 

 

それはとても充実した時間だった、だが何処かでここに影浦さんも居てくれれば…と考えていたのも事実だ。

 

 

そして風の噂で彼がプロデューサーを辞めたと言うのを耳にした…。

 

 

 

私のせいなのだろうか…、私がもっと頑張って会社に何も言われないくらいに売れていたら………たらればの話は止めよう……今は現実を受け止めよう。

 

 

 

別れが突然ならば再開も突然だった。

 

 

 

 

彼は少々やつれて痩せていたようだが元気で良かった

 

プロデューサーも流石に283のアイドルの皆を担当するのは大変だ、そろそろ新しい社員を雇おうかという話を社長としていたのを思い出した。

最初に会った彼の様に彼をスカウトしようと思ったが彼の意思は固く、失敗してしまった。

 

 

影浦さん…、私は信じているよ。

アナタがまたプロデューサーに戻ることを……

また一緒にトップアイドル目指して頑張ろうじゃないか!

 

 

 

 

 




まぁそもそも笑顔にもなってくれないし守れないんですけどね
誕生日おめでとう、樋口。(遅刻)


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徘徊する農夫

0が過去で1が未来、今はどこにもないので初投稿です


よーっす、未来のトップアイドル達ー、って誰に言ってるんだよ俺は……、はぁ………。

 

 

今日も今日とて自分は時間をつぶすどころか逆に時間に押しつぶされそうになっている。

 

暇すぎると言うのも考えものだな

 

 

今日も何もせずにただただ橋の上やビルの上で景色を見つつ、たそがれていただけの何も無い1日だった……

 

まぁ何も無い方がいいのかもしれないが、

 

そんな思考をしてるうちにもう夜になっている、何か熱中したり集中したりしている訳でもないのにだ。

 

 

 

はぁ〜………、んー……、…どうしよ?

 

とりあえず帰るか…あの生活必需品以外がほぼないつまらないワンルームアパートへ…。

 

せっかく外に居るんだしテキトーなコンビニで小腹を満たすものとタバコとかでも買おうかな、久しぶりに。

 

タバコとか何時ぶりだろ?アイドルのプロデューサーという職業柄、アイドルに臭いが移ってはいけない、と自制して来たのが懐かしく思えた

 

しかし都会はコンビニ多いなー、そりゃ人も多いんだから当たり前だろうけども、お、もう見えてきた、あそこでいいか

 

 

帰路について数分ほどして、公園が見えて来た、

 

 

あれ?こんな所にあったっけ?まぁまた新しく出来たんだろうと勝手に自分で納得して、それに暇なので見ていくことにする

 

 

 

 

 

んー、パッと見た感じほんとに普通の公園だな…、何の面白みもない普通の公園だわほんと。

 

帰ろうと思い振り返り視線をずらすと、

そこでダンスの自主練をしてる娘が居た。

 

 

 

どうやら少し歌を口ずさみながら練習しているからダンサー志望じゃなくてアイドル志望の方かなと当たりをつける

 

 

 

……正直結構上手いな…、あの娘…、あの感じだと多分もうどこかのプロダクションに所属してるな、他のメンバーと入れ替わるような動きもあるし、アドバイスをするとしたらちょっとだけ細かい所の動きが固いくらいか。

 

……いかんいかん、プロデューサーはとっくに辞めたってのに……、職業病もなにも職に就いていないから無いというのにな……

 

…いけね、自分の服装と今のコンビニ帰りの事忘れてた……不審者がジロジロ見てるみたいになってるな…、ここはそそくさと練習の邪魔をしないように帰ろう……

 

 

「お、おねーちゃんダンスの自主練中?チョー偉いじゃーん!」

 

「そろそろダンスの練習も終わりじゃない?じゃあちょっとだけそこのカフェでお茶しない?」

 

「そーそー、俺たちを助けると思ってさー!」

 

 

 

「えっ…、な、なんですか……、い…、いきなり…」

 

 

なにやら急にガラの悪い3人組に絡まれているようだ…、こいういヤツらはどの時代にもいるんだな…、全く……。

しかもどうやら女の娘は少し内気な性格っぽいな……こいういヤツらの対応にも慣れて無さそうだし……、

……………、あーもう……はいはい、分かりましたよ、助ければいいんでしょ……!

スプレー式の制汗剤買っといてよかった、まぁこんなふうに使いたくはないけど仕方ないだろう。

 

 

「あの、こういうの止めてください…、…こ、困りますので……」

 

 

「いーじゃんいーじゃん、たくさんレンシューして疲れたでしょ?疲れが取れる場所にあんないするだけだからさぁ?」

 

「そーだよォー、ほんとほんとなんもしないから」

 

「ね?いーでしょこれくらいさァ?」

 

男の1人が女の娘の腕をいきなり掴む。

 

「……っ……や、止めてくださいっ……離して…」

 

抵抗しようとするが疲労が溜まっているのか腕を振り外せない

 

 

そろそろかな……制汗剤とライターを手に持ち男達の背後に回り込む、

 

 

ボボッ!

 

 

スプレー制汗剤の注意書きには火気厳禁という文がある、つまりは逆を言えば燃えるということだ

今回は一応当てずに威嚇にする、

それでも熱気は伝わるとは思うが、

あと熱気という単語をこっちの意味で使うのは久々な気がするな。

 

 

「アッチィ!!!!?」

 

 

「あちち!?、……なんだよお前急によォ!」

 

 

「いや、どう考えてもうるせぇナンパ野郎からアイドルの卵を守ってるだけだけど?」

 

 

「そんなのはどうでもいいんだよォ!とりま喰らえやァ!」

 

男達の1人が繰り出してきた右フックをかわしてそのまま右腕を取りアームロックをかける、いわゆるよくある手を後ろに回して極められた状態だ。

 

 

「イテテテェ!離せやコラァ!」

 

 

「はい、これで詰み、さて、どうする?この人別に燃やしちゃってもいいんだよ?まぁ判断は君たち2人に任せるよ、どうする?」

 

僕は男の腕を腹で押さえつつ、左手にスプレー、右手にライターを構えて男を燃やす体制を整える

 

「イテェつってんだろ!!!?離せよオイ!」

 

 

「うわ…、コイツガチで燃やす気だわ……、ここは引いときますか……」

 

「そだな……、分かったからとりまソイツ離してくんね?」

 

 

「おっけー、契約成立だね、良かったね、友達が優しくて、精々これからはナンパする時は周りの人に気をつけることだ。」

 

 

「ふざけんな!二度とこんな公園でナンパするかァ!覚えとけよコラァ!」

 

 

3人組はそそくさと帰って行った

 

 

「ふー、ま、こんなもんか………、ゴメンね、なんか荒っぽい助け方になって………」

 

 

「い、いえ、その…、助けて頂いてありがとうございます!」

 

 

「いやいや、こっちも流石に見過ごせなかったからね、それだけだよ、

じゃあね、多分ユニットのダンスの練習でしょ?

だったら少しだけ腕とか足とかの振り付けをもう少し柔らかくする感じで踊ってみて、……………あっ…………、もうこれだから自分は嫌われるんだよなぁ……、

ゴメンね勝手に色々と話しちゃって、

練習頑張ってねー。」

 

勝手に色々とアドバイスをしてそそくさと自分も逃げることにする、手を後ろに振り向かずにテキトーに振る

 

 

「あ、ありがとうございました!」

 

 

わざわざこんな奴にありがとうなんで言わなくていいのに…、律儀な娘だなぁ、……多分あの娘はこれからかなり成長しそうな気がするな。

 

 

まぁ今日は一人のアイドルを救えたから良しとしよう、今日は少しいい夢見れそうだ。

 

 

はー、今日も生きたなー。

 

 

 

 

 

 

 




今があったとしてもそれは辛い現実なんですけどね


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