ウルトラマンティーズ (U.ティーズ)
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人物紹介
人物紹介 (随時更新)


増えます。

ネタバレ注意


マドカ ツバサ 17歳

 特撮オタクの転生者。学校帰りにトラックに轢かれそうになった子供を助けたが、自分が轢かれ死んでしまった。

それを見ていた神様が可哀想に思い、元いた世界と似た様な世界で転生させて別の世界でもう一度人生を歩む事になる。

転生する直前、神様が特別な力をくれようとしたらしいが失敗しティガダークへと変身する力を手に入れた。

イケメンなのだが、ツバサ自身大人しい性格な上、パッとしない雰囲気で前髪で目が隠れている為、陰キャ男子としての地位を確立する。

出席番号33番

 

イルマ マホロバ 17歳

 ツバサの幼なじみ。中性的な顔立ちをしており、性格も相まって学園の王子様の立ち位置にいる。

ティガの一族の末裔でティガに変身する力を持っているが、力を完全に制御出来ない為、スパークレンスをツバサへ託す。ツバサへの恋心を持っているがなかなか1歩が踏み出せない。学園内にファンクラブがある。

出席番号7番

 

ニシナ カレン 17歳

 隣町のレディースの総長でその肩書きには相応しくないほどの美貌の持ち主。銀髪にエメラルドグリーンの眼、そして誰もが目を引くダイナマイトボディの美少女。ツバサの幼なじみでマホロバと同じく13年間片思いしていた。今迄会えていなかった分グイグイ攻めていく。

 

イルマ アムイ 16歳

 マホロバの弟。彼も理論上ティガへ変身できる力はあるがマホロバより劣っており、力不足の為ウルトラマンティガへは変身出来ない。

 

イルマメグミ 37歳

 マホロバとアムイの母。先代ウルトラマンティガ。

 

サワイ ソウイチロウ 78歳

 マホロバとアムイの祖父。イルマ メグミの父。先々代ウルトラマンティガ。

 

ヒガシ ヒロキ/アイギス星人クドロギ

 珍しい時期に転校してきた。工藤 ヒロユキの生まれ変わり。

出席番号40番

 

ホリイ マサユキ

 中学の時に転校してきた生粋の関西人。発明家を父に持つホリイ財団の跡取り息子。彼自身も発明好きらしく彼の家の部屋には大量の発明品が置いてある。クラスのムードメーカー。

出席番号31番

 

ヤズミ ジュンイチ

 コンピューターに精通していて、趣味は気になったプログラムデータの解析。アルバイトでパソコンやスマホのバックアップや、デバックをしている。学校でもウイルスに犯されたパソコンを復旧したりと先生達も信頼を置く生徒。

出席番号34番

 

シンジョウ テッタ

 芸能活動をしているわけでもないのに学園内外どころか県外にまでファンクラブを持つ大湯学園1のイケメン。病気がちの妹がいる。

出席番号22番

 

ムナカタ セイジ

 高等部生徒会長。初等部から高等部、先生達からも信頼を得ている大湯学園の顔とも言える存在。アルコールテストで2分40秒で真っ赤になるという伝説を残した。

出席番号35番

 

 

クラスメイト

出席番号:性別:名前

1:男:アシダ ダイキ

   女装癖

2:男:アベ ユウキ

   髪フェチ

3:女:イケダ アイ

   身長差性癖

4:男:イシバシ ワタル

   人形偏愛症

5:女:イトウ マイ

   鼻フェチ

6:男:イヌカイ アツヒロ

   物理が得意

8:女:ウチダ ミイ

   女子サッカー部部長

9:男:オオクマ イツミ

   石採取が趣味

10:女:オカダ マイ

   コスプレイヤー

11:男:カタヤマ カケル

   動物好き

12:女:カツラ フミエ

   妖怪ハンター

13:女:カトウ ユウ

   カメラ好き

14:男:キヨハラ トモキ

   虫好き

15:男:クロダ ショウ

   巨大建造物オタク

16:女:コイソクニ ユア

   洞窟探検が趣味

17:男:ゴトウ マサト

   サッカー部副部長

18:女:コノエ ナナミ

   デブ専

19:男:サイオンジ ハルト

   四肢欠損性愛

20:女:サイトウ ヒナ

   クラス1のBL好き

21:女:シデハラ ハルナ

   ミリオタ

23:女:スズキ サクラ

   お魚博士

24:女:タカハシ アオイ

   アイドル候補生

25:女:テラウチ リン

   鈴集めが趣味

26:男:トウジョウ タクミ

   艦船オタ

27:男:ハトヤマ レン

   烏博士

28:女:ハマグチ ミサキ

   ソロキャンプが趣味

29:女:ハヤシ メグミ

   父は黒魔術結社のボス、母はSMの女王

30:男:ヒロタ ショウ

   ネクロフィリア

32:女:マツカタ モエ

   描く絵がどう頑張っても萌え絵にしかならない

36:女:ヤマモト ミヅキ

   書けば必ず大ヒットの小説家

37:女:ヨシダ アヤカ

   バカヤローが口癖

38:男:ヨナイ カイト

   冬でも半袖

39:女:ワカツキ マオ

   狙ってやってるんじゃないかレベルのアホの子(本人は至って真面目)



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第1期
♯1-1 闇を継ぐもの


突然だがこの俺、マドカ ツバサは転生者だ。当時高校3年生だった特撮オタクの俺は、学校帰りにトラックに轢かれそうになった子供を助けた。のは良かったが、自分が轢かれ死んでしまった訳だ。

で、それを見ていて可哀想に思ってくれた神様は元いた世界と似た様な世界で転生させて別の世界でもう一度人生を歩ませてくれた。

具体的に何処が違うのかと言われれば光の巨人(ウルトラマン)伝説が存在しているという所だろうか。

転生する直前、神様が特別な力をくれようとしたらしいんだけど失敗した事を教えてくれた。何やってんだ神様。ってか特別な力って何なんだ?考える間もなく転生し、気がつけば中学校3年生の時にこの世界の両親が他界し、高校2年生になった。時が過ぎるって早いなぁ。

…そろそろ現実逃避を止めようか。今僕の目の前に広がる光景、ビルは破壊され、あちこちから火の手が上がり、逃げ惑う人々。この地獄絵図は全て、この1時間前に現れ此方へ歩みを進めるジョーモノイドによるものだった。

 

【1時間前 9月7日 08:30 学校 HR教室】

?「朝から疲れた…。今日も朝から熱烈だったよ…。」

また朝から校内の女子生徒に追われていたのは幼なじみのイルマ マホロバ。身長約170cm、スタイル抜群、そして中性的な顔立ちをしたイケメン女子だ。

ツバサ「朝から大変だね、学園の王子様は。」

マホロバ「女の子には興味無いんだけどな。しかし、私の何処が良いんだろうか?」

ツバサ「顔と言動じゃない?」

マホロバ「顔、はまぁ自信あるけど言動?」

ツバサ「ほら、なんて言うか、少女漫画のヒーローが言いそうな事サラッと言うじゃん。男から見てもマホロバの容姿と相俟ってかっこいいと思うしね。」

実際、今僕はクラスの女子と彼女を狙っている男子からティガフリーザー並の冷たさとベリアルやトレギア並の怨念の籠った視線を浴びている。僕死ぬんじゃないか?

マホロバ「…かっこいい、か。」

ツバサ「? どうしたの?」

マホロバ「いや、なんでもない。」

そう言った時だった。

ドゴゴゴォォォォォン!

学校の少し遠くで爆発が起った。

ツバサ「何だ!?」

マホロバ「とうとう来たか、この日が。

マホロバが何か言ったようだがよく聞こえなかった。

窓から体を乗り出し外を見ると爆発が起ったであろう場所にはティラノサウルスの様な怪物が佇んでいた。

ツバサ「あれは…ジョーモノイド?」

実際に外伝を見た訳じゃ無いから確証は無い。しかもデカい。外伝の設定は30mだった。でも今目の前にいるジョーモノイドは50m位ありそうだ。まぁ、あれは作り話な訳だからあてにしてもしょうがないかもしれないが。

マホロバ「ツバサ…なんでその名前を…。」

ツバサ「え、あ、いや…そ、それより!早く逃げた方が良いんじゃないかな!?」

マホロバ「…後で聞くからね。みんな!あの怪獣の反対方向へ逃げよう!

その声に動かされ動き始める生徒達。先生も一緒に逃げ始める。避難誘導しろよ。

校門を出た時だった。

生徒「おい!こっち来たぞ!」

ジョーモノイドが動き出し、此方へ向かってきたのだ。

マホロバ「ツバサ、私は一旦家に戻る。お爺様達の避難を手伝ってくる。」

ツバサ「…分かった。僕も何処に逃げたら良いか分かんないけど、また後で。」

マホロバ「うん。気を付けて。」

ここでマホロバと別れ僕は逃げ続けた。その間ジョーモノイドは火を吐き、尻尾で、身体で、街を破壊してまわる。自衛隊とか来ないかなぁなんて考えながら逃げていると、ジョーモノイドの身体の側面が爆発した。見ると自衛隊の戦闘機が。おぉ、噂をすれば影がさすってこういう事か。

そして約30分。逃げ続け分かった事が2つ。1つ目、何故かは知らないがあのジョーモノイド、現代兵器に対して耐久性が高い。2つ目、何故かは知らないがあのジョーモノイドは僕を追いかけて来ている。僕なんかしたかな?まぁ、いいや(良くない)。

追いかけて来るのなら、と 僕は街を離れるように逃げる。それにしてもこの街広い。さっきからちょくちょく止まりながら走っているがまだ街の外に出られない。

その時だった。目の前に見覚えのあるシルエットを見つけた。マホロバだ。

ツバサ「マホロバ!?お前、何でここに!?」

マホロバ「説明は後だよ。ジョーモノイドは私に任せて。」

ツバサ「はぁ!?おま、何言って…っ!危ない!」

マホロバ「え?っ!」

ジョーモノイドの攻撃が航空自衛隊の戦闘機に当たり此方へ墜落してきた。僕は咄嗟にマホロバの手を引き後ろへ飛ぶ。

ツバサ「うぅ…ぐッ!」

顔を持ち上げ周りを見渡す。周りは炎が舐めるようにはしり、ビルも崩れ、自分たちが無事で居られたのが不思議な程だった。

ツバサ「っ!マホロバ!マホロバ!起きろ!マホ!!」

昔の渾名で呼ぶ程に俺は動揺しているらしい。息はしている様なので気絶しているだけらしい。兎に角逃げよう。

キラッ

何かが光った。光った方を見るとそこには見覚えのあるアイテムが。

ツバサ「これって…スパークレンス!?」

スパークレンスを手に取る。

ツバサ「っ!」

黒い光が一瞬光ったと思えば手の中にあったスパークレンスはブラックスパークレンスへと変化していた。

何で、変わったんだ?取り敢えずカバンへ入れ、取り敢えずビルの合間へマホロバをお姫様抱っこで移動させ壁に凭れ掛かせる。

カバンからブラックスパークレンスを取り出す。ダメ元でやってみるか…いやいや、そんな軽い気持ちでやっていいものじゃない。

大体何故ここにスパークレンスが?

そう言えばついさっきマホロバが「私に任せて」って言ったけど、もしかしてマホロバが伝説の『ティガの一族』?

ーティガの一族とは、太古から地球を護ってくれている光の巨人の1人、ティガへ変身出来る一族の事。あくまでも伝説として語られていたが…。

マホロバを寝かせた方を見やる。起きる気配は無い。どうしたらいいんだ?起こした方が良いのか?伝説じゃあ他にも光の巨人は居るらしいけれど。でも伝説な訳だから居るかも分からないし、居たとしても復活してくれるとは限らない。

疑問もある。何故僕が触った瞬間ブラックスパークレンスへ変わったのか。

…考えても仕方ないか、分かる訳ない。

大きく息を吸って吐く。やってみようか。僕が触れた時にブラックスパークレンスへ変わったと言うことは、僕にも何かしらあると言う事…だと思う。知らんけど。ティガダーク自体は闇の巨人。でも、人は、自分自身の力で光に成れるから!

ブラックスパークレンスを天に掲げる。

ツバサ「ティガー!」

スパークレンスのカバーが開き、白と紫の稲光がほど走り、レンズから放出された光に包まれた。

 

光が晴れると僕の目線はビルの15〜20階位の高さにあり、右腕を上へ突き上げ、左腕は肩の位置で折り曲げたウルトラマンの巨大化ポーズでジョーモノイドの前へ立っていた。

腕を下ろし下を向いてみる。高いなぁ。ってか本当にティガダークだ。変身したからにはやるしかない!

ティガダーク「ジュワッ!

俺はファイティングポーズをとった。



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♯1-2 闇を継ぐもの

あらすじ ティガダークになった。

 

【マホロバ side】

眩い光を感じて目を開ける。そこはさっきまで立っていた道路ではなく、ビルとビルの間。そっか、私 戦闘機の爆発に巻き込まれて…

ハッとなった。ツバサは!?周りを見回すと見慣れたツバサのカバンが。

マホロバ「ツバサ!何処!ツバサ!」

?「ジュワッ!

何かの声の様なものが聞こえ、其方を見る。そこには母達から伝えられてきたウルトラマンティガに酷似した黒い巨人が立っていた。

 

【ツバサ side】

先ずは…どうしたら良いんだ?兎に角街中で戦いたくは無い。と、思っていると僕を敵と認識したのかジョーモノイドは此方へ走り向かってくる。え、え、どうしよ、どうしよ!あーもう!よ、よっしゃ来いやぁ!

ガシィッ!

取り敢えず受け止め、これ以上進ませないよう踏ん張る。少し体を離し、

ティガダーク「ハッ!

パンチを1発。

怯み、距離が生まれたので前蹴りで吹っ飛ばす。

ティガダーク「ジュワッ!

やば、街中で吹っ飛ばした。ビルとか壊れてない?あ、壊れてたわ。さっきジョーモノイドが壊してたわ。

今のでキレたのかさっきよりも速いスピードで走ってくるジョーモノイド。ファイティングポーズをとりなおし構えると、目の前で急に止まった。なんだ?と思っていると顔を持ち上げ炎を吐いた。

あっっっっつ!

ブンッ!

うごっ!

熱さに怯んだ所へ、勢いをつけたしっぽの一撃を喰らった。

ティガダーク「ジュワァァ!

しっぽに吹き飛ばされ背中から落ちたその場所は市街地からは離れたがそれでもまだ郊外。もうちょっと離れたい。

立ち上がった所へジョーモノイドの突進を喰らいまた吹き飛ばされる。取り敢えず立ち上がる。

クソっ!ハンドスラッシュとか使えたらもうちょっと戦いやすいかもしれないのに!でもあれどうやって撃ってたんだろ?自分のイメージは手先に貯めたエネルギーを放出するってイメージだけどそんなので良いのかな?

【推奨BGM:Take Me Higher(insutwurumentaru)】

後ろに何も無いのを確認し、ジョーモノイドの突進を斜め前へ跳び前転で躱し、ジョーモノイドへ膝立ちで向き直る。左横腹で両手を軽く重ね先程のイメージでエネルギーを貯め、右腕をジョーモノイドの方へ思い切り伸ばし放つ。

伸ばした右手から紫がかった黒い光弾が発射される。出来たけど…ダークハンドスラッシュだなこれ。放たれた光弾はジョーモノイドの側面へ当たりダメージを与える。よし、このまま攻める!

怯んだ所へ後ろから飛びかかりしっぽを掴む。

ティガダーク「ハァァァァ!ハァッ!

ハンマー投げの要領でジョーモノイドを振り回し、郊外からまた少し遠くの山の方へ投げる。

2足で立ち上がったジョーモノイドへ助走をつけ、空中前転してキックポーズをとりそのまま蹴り飛ばす。お互い立ち上がると一気に詰め寄り連続パンチを叩き込み左足で真っ直ぐ蹴り吹っ飛ばす。今度は建物とか大丈夫。起き上がりにダークハンドスラッシュを2射する。

ピコン

カラータイマーがなり始める。そろそろ決めなきゃって事か。ハンドスラッシュが使えたから多分アレも使える筈。

両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを溜める。本来なら薄紫がかった白い光なのだがティガダークの為か黒い光だ。よし、これで決める!

両腕をL字に組む。

ゼペリオン光線ッ!

ティガダーク「ジャアァァ!

右腕から黒い光の束が発射されジョーモノイドへ直撃し、爆発四散する。

組んでいた両手を離す。

ふぅー…。まぁ、ゼペリオン光線ってよりかはダークゼペリオン光線って感じだけど。

 

アリガトー!

 

ふと声が聞こえた方へ向くと、そこには笑顔で手を振ってくれているこの街の人達が。

良かった、護れて。ピースしとこ。

そういえば僕ちゃんと戻れるよね?まぁ、後で考えよう。じゃ、ウルトラマンと言ったらやっぱり…

ティガダーク「ジュワッ!

飛んで帰るよね!おぉ、空飛ぶってこんな感じなんだ。

 

【同時刻 とある親子 side】

?「タロウさん。ティガさんってあんな色なんですか?」

??「いや、赤と銀に紫の筈だ。」

?「でも真っ黒でしたね。」

???『父さんが見間違えるとも思えないし。』

????『案外、旦那みたいな経歴だったりしてな。』

?????『有り得ない話では無いな。兎に角変身者にコンタクトをとるしか無いだろう。』

 

【同時刻 とある従兄弟 side】

?「何故ティガは真っ黒だったんだ?マホロバ姉さんが変身したとは思えない。こっちはこっちでやる事あるし、後で連絡とろう。」

そう言うと彼は白い大きな銃を目の前のこの地球で悪事を働こうとした宇宙人へ向け何かを装填する。

??「ブートアップ!ソニックブーム!」

 

【同時刻 ツバサ side】

ツバサ「っと。へぇー、成程。光の粒子になってまたこうやって再構築される訳か。」

マホロバ「やっぱり、さっきの巨人はツバサだったんだね。」

背筋が凍った。え、嘘。この娘こんなに冷たい声出せるの?

ツバサ「あ、ああ。そう、みたい。」

マホロバ「そう…。」

グスッ…

え?

マホロバ「うわぁぁん!よがった〜!負けちゃったらと思うと気が気じゃ無がったよー!」

ギュゥッと抱きついてきた。これは…抱き締め返した方が良いの?迷っていると泣き腫らした顔をガバッと上げた。

マホロバ「今か"ら家に" 来" て"。」

ツバサ「は?」

マホロバ「色々洗いざらい グスッ 吐いてもらうから。変身できた事とか、ジョーモノイドの事知ってた事とか。」

…言って信じてくれるのだろうか?

 

【次回予告】

何故ツバサは変身できたのか?

転生者だからか?それとも神様の言う失敗が関係しているのか?

また日常生活では学校へ入れないという事件が発生。強力なバリア前にティガダークは新たな姿を手に入れる。

次回 ウルトラマンティーズ

      「明日への飛翔」お楽しみに



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♯2-1 明日への飛翔

ウルトラマンティガ25周年おめでとうございます!


あらすじ マホロバに家に連れていかれた。

 

【イルマ邸 客間】

久々に上がらせてもらったマホロバの家は、相変わらず広く、時代劇の撮影とか出来そうだった。

マホロバ「ちょっと待ってて。もうすぐお母様達来るから。」

そう言って部屋を出ていった。

未だに信じられない。自分がティガダークに変身して戦ったなんて。胸の制服のブレザーの内ポケットからブラックスパークレンスを取り出す。

?「あのスパークレンスがそんな真っ黒になるなんて。」

??「長生きしていると面白いものが見れるな。」

声がした方をパッと見上げる。そこには7、80代の老人と30代位の女性とマホロバが立っていた。

??「顔見知りとはいえ、今の君は伝説の巨人だからな、改めて自己紹介させて頂こう。儂はサワイ ソウイチロウ。先々代ウルトラマンティガだった者だ。」

?「イルマ メグミよ。先代ティガだったわ。」

ツバサ「お久しぶりです。」

軽く頭を下げる。

マホロバ「ツバサ、スパークレンス貸してくれ。本来は私が変身する筈だったんだが…。」

ツバサ「やっぱりあそこに居たのはそういう事か。はい。」

ブラックスパークレンスを手渡す。マホロバの手に触れた瞬間だった。スパークレンスが一瞬光り、元のカラーリングへ戻ったのだ。

ツバサ「マジか。」

マホロバ「戻った…。ちょっともう1回持ってみて。」

渡されるスパークレンスを持つと、黒い光を放ちブラックスパークレンスへと戻った。

ツバサ「戻った。」

サワイ「後で過去の文献を漁ってみるとこにしよう。さて、君が変身できた理由を探っていきたいと思う。何か心当たりはあるかい?」

何事も無かったかのように話を続けるソウイチロウさんの言葉に言われて思い出すのは神様がくれた特別な力、と言うやつだ。失敗したらしいけど。ん?失敗した?じゃあ本来は?失敗して無かったら?その前に転生者である事をどうやって信じてもらおうか?取り敢えず正直に話してみよう。

と言う訳で死んだ理由、神様から特別な力を失敗しながら貰った事、次いでにティガダークについても説明した。

ツバサ「と言う訳なんです。要するに、神様が力をくれるのを失敗したから、今の僕にはティガに成れるだけの光が無い。でもティガに変身出来る能力は授かったまま。だから本来の姿では無く、ティガダークに変身出来たんだと思います。ご理解頂けましたか?」

サワイ「ふむ、先ず1つ。転生者と言うのはそんなに珍しい事ではない。と言うのも、過去の文献には何度か異世界から来た人間の話が出てくる。決まって光の巨人(ウルトラマン)伝説について詳しい者がな。」

イルマ「変身する事も時々あったみたいだから今の話を聞いて納得したわ。ただ…」

マホロバ「ティガダークについてか。」

サワイ「さっきも言ったが過去の文献を調べてみる。この世界のティガが君が語った物語と同じかは分からない。だが、ティガである事には変わりないだろう。何かしら記録がある筈だ。」

イルマ「それと、ツバサ君。貴方には申し訳ないのだけれど、これからもティガとして戦って欲しいの。」

ツバサ「それは、何故?」

マホロバ「ごめん。私がまだ力を完全に制御出来ないから。」

話を聞くと、どうやらマホロバは光の力自体は歴代(と言っても10代前迄しか記録が無いらしいが)トップクラスらしい。それ故に制御が難しく、変身しても思う様に動けなかったり変身すら出来なかったこともあるそうだ。

ここで疑問が生まれる。

ツバサ「ウルトラマンに変身してたらバレませんか?」

イルマ「一族に伝わる秘密の場所があるの。今のツバサ君は行く必要無いと思うわ。」

との事だった。

サワイ「まぁ、何時も君が戦う必要は無い。少なくとも今この地球にはウルトラマンが2人居る。全てを気負う必要は無い。」

それから雑談をしてスパークレンスを託されその日は帰った。そうか、他にもウルトラマンが。会えるかな?

勿論学校は休みだった。でも明日は通常通りにあるそうだ。なんでやねん。

 

【その日の夜 マホロバ side】

?「そっか、ツバサ兄ちゃん来てたんだ。久々に話したかったなぁ。」

そう話すのは私の弟、イルマ アムイ。中学3年生。彼もまたティガの一族だから多分変身出来る。

ツバサが帰った後アムイも含め家族会議が行われ、ツバサを一族総出で援護する事になった。本来なら私の役目だった事を代わってもらっている。私の中では、援護だけでは気が済まないが、この恩はおいおい返していこうと思う。ん?電話だ。

マホロバ「もしもし。」

?『マホロバ姉さん、お久しぶりです。ユウトです。』

電話をしてきたのは従兄弟のマナカ ユウト。アムイと同じ中学3年生。

マホロバ「どうした?もしかして、ティガの事?」

ユウト『はい。前に姉さんが変身した時と色が違ったので、何があったのかと思いまして。』

マホロバ「あぁ、それは…」

ツバサについて説明すると、

ユウト『成程、そういう事でしたか。マドカ ツバサ…何処かで…。』

マホロバ「聞いた事ある?」

ユウト『はい。それもマホロバ姉さんの口から聞いたような…。』

マホロバ「私から?まぁ、クラスメイトだし。話にで『それだ!』え?」

ユウト『思い出しました!姉さんが惚気けてた人ですね!』

マホロバ「は、はぁ!?」

惚気るぅ?

ユウト『確か…昔から好きなかっこいい幼なじみが居て、同じクラスで嬉しい、みたいな事を前言ってましたよね。』

マホロバ「なんで言ったのぉ!?」

は、恥ずかしい…死にたい…。

ユウト『頑張って告白するんだーみたいな事を言ってましたけど、告白したんですか?』

マホロバ「待って、それ以上言わないで。今アムイの前だから…。」

多分今の私の顔は真っ赤だろう。なんで私こんな事従兄弟に言ったんだろ…どうしよう、明日ツバサの顔まともに見られそうにない…。

してないよ とだけ伝え電話を切る。

窓を開け、

マホロバ「私の馬鹿ーー!

思いっきり叫んだ。

ガチャッ!

イルマ「近所迷惑よ!」

扉を開け入ってきたお母様に怒られた。



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♯2-2 明日への飛翔

あらすじ 好きな男子の事を従兄弟にバラしていた(無自覚で)。

 

【学校前 ツバサ side】

昨日怪獣騒ぎ(あんな事)があったのに学校はあるらしい。休みで良くない?そんな事を考えながら通学路を行くと学校の前が生徒で大渋滞になっていた。

僕の通っているこの高校、私立大湯学園は小中高一貫校。そう、とんでもないマンモス校だ。そんな学校の校門の前で生徒が大渋滞しているとなると、周りの歩道は全て封鎖されたような物だ。しかし、何でまたこんな事に?

マホロバ「あ、ツバサ…。」

アムイ「ツバサ兄ちゃんおはよー!」

ツバサ「ああ、マホロバ、アムイ。おはよう。」

マホロバ「う、うん。おはよう…。」

ツバサ「どうしたの?元気無さそうだけど。」

マホロバ「え?う、ううん!何でもない!何でもないから!」

ツバサ「そう?何かあったら言ってね?」

なんと言うか、何時ものクールさが無い。大丈夫だろうか?

アムイ「にしてもツバサ兄ちゃん転生者だったんだね。道理で大人びてるっていうか。」

ツバサ「ははは、そうでも無いと思うよ。」

?「おう、ツバサにイルマやないか。えっと君はイルマの弟君やったっけ?おはようさん。」

ツバサ「ああ、ホリイ。おはよう。」

彼はホリイ マサユキ。中学の時に転校してきた生粋の関西人。発明家を父に持つホリイ財団の跡取り息子。彼自身も発明好きらしく家にお邪魔した時は家の大きさと彼の部屋の発明品の数に驚いた。そんな彼だが普段はクラスのムードメーカーとして多くの人を笑顔にしている。

マホロバ「これ、何があったの?」

ホリイ「いや、それがな?門の前に居る小等部の子が言うには門の前にバリヤーがあるって言うらしいんや。」

ツバサ「バリヤー?」

ホリイ「せや。でな?こっからが面白いんやけど、ヤズミの作った解析プログラムとワイのこの物体視覚化装置を使ったんや。あ、この物体視覚化装置って言うんは、目に見えない状態にされた物質を認識、解析するための物なんや。」

因みにヤズミと言うのは同じクラスのヤズミ ジュンイチの事でコンピューターに精通していて、趣味は気になったプログラムデータの解析で、アルバイトでパソコンやスマホのバックアップをしているそう。この学校でもウイルスに犯されたパソコンを復旧したりと先生達も信頼を置く生徒だ。

ツバサ「それで、そのヤズミは?」

ホリイ「今別の場所から解析してる。話続けるで。で今解析が終わった所何やけど、なんとあのバリヤー、水素とよく似た物質を大量に含んどることが分かった。」

ツバサ「水素?」

ホリイ「せや。でも注意せなアカンのは、水素では無いと言うとこや。水素に限りなく似とるだけでこの地球上には存在せぇへん物質なんや。まぁ、あのバリアを水素と仮定した場合、急激な温度変化に弱いやろうから、せやな、液体窒素でもかければ壊れるんやないか?」

マホロバ「じゃあ液体窒素をかければ…!」

ホリイ「そんな簡単な話や無い。それこそ学校の実験に使う位の量じゃ足りひん。何せこの馬鹿デカい学園全体を覆っとるんやからな。」

そう、この大湯学園の敷地面積は約200万平米、甲子園球場200個分の広さがある。うーん、無理そうだ。

マホロバ「そうか。因みにホリイはこのバリヤーを破壊するのに有効な手を他に知らないか?」

ホリイ「あるにはある。物理や。」

アムイ「ぶ、物理?」

ホリイ「せや。結局の所、殴るなりなんなりして物理的に破壊した方がええとワイは思う。」

そこへ

?「ホリイさん。解析終わりました。あ、マドカさん、イルマさん、おはようございます。」

ヤズミが戻ってきた。

ホリイ「おお、どうやった?」

ヤズミ「学園の地中を調べていたんですが、これを見てください。」

ノートパソコンの画面を僕たちへ向ける。

ホリイ「これは…!」

ヤズミ「はい。地中に何らかの生物が潜んでいます。」

僕はここでとある怪獣を思い出した。

バリヤー怪獣ガギ。ほぼコイツとみて間違いないと思う。だとすると僕らは相当ヤバい。ティガ本編に出てきたガギは、遊園地から逃げられないようバリアで覆い、繁殖の為に攫った子供に卵を産み付けようとした。

分かりきった事ではあるが、バリヤーの前に居る小等部の子達が滅茶苦茶危ない。

ツバサ「ねぇ、今すぐにあのバリヤーから逃げた方が良いんじゃない?」

ヤズミ「そうですね。ですが、みんなすぐに動いてくれるかどうか…。」

ホリイ「せやったら、あの二人に声掛けてもらおか。勿論イルマ、アンタもや。」

マホロバ「私も?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

?「成程、確かに逃げた方が良さそうだ。」

??「で、顔の広い俺達に声掛けをして欲しいと。任せろ!」

ホリイ「頼むで!リーダー、シンジョウ!」

ホリイが呼んだのはリーダーことムナカタ セイジとシンジョウ テッタ。リーダーは高等部生徒会長で、シンジョウは学園内にファンクラブがある程のイケメンだ。因みにマホロバもファンクラブがあるぞ。

そんな訳で、近くにいた生徒達を学校から離れるように誘導していく。

その時だった。

小学生1「あ!バリヤーが消えたー!」

小学生2「やっと入れるよ〜。」

ゾッとした。

ツバサ「逃げろぉ!」

思わず叫んだ。

小学生達「え?」

2人が振り返る。

この時、2人はすぐ逃げていれば、未来はもう少し良い方へ変わっていたかもしれなかった。

ドギュルルッ!

地面から突き出た触手は、1人を絡め取り、もう1人は背中からランドセルごと突き刺し、絡め取った。

「「「「「ッーーーーーーーー!!!!」」」」」

もうどんな悲鳴か分からない程の絶叫を全員があげた。そしてその触手が地面に入り切ったのと同時に校門の前にいた生徒達は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。腰を抜かして動けなかった子も居たようだが、友達に担がれたり、肩を借りたりして逃げている。

そんな中僕は、自分でもよく分かる程の過呼吸になって、呆然と立ち尽くしていた。

マホロバ「ツバサ!大丈夫!大丈夫だから!ツバサのせいじゃないから!」

マホロバが何か言っている。僕の顔を見て何かを察したのだろう。結局、人間は自分で体験しないと分からない生物らしい。

分かっていた。テレビじゃない、現実なんだと。今、人より大きな力を持っている僕は、目の前で人が、命が消えていく瞬間をこの目で絶対見る事があるだろう、と。結局、分かっていたつもりだった。僕は、何も知らなかった。

ドゴーン!

と、地面を割り、大きな叫び声を上げながらガギはとうとう姿を現した。バリヤーの1部だけを解除し、そこから触手を伸ばして街を破壊する。まるで、獲物を誘き出すように。

2人じゃ足りないってのか。

ツバサ「…るな。」

アムイ「ツバサ兄ちゃん?」

ツバサ「巫山戯るなァ!」

周りにはツバサの事を知る人以外誰も居なかった。

ブラックスパークレンスを掲げるとスパークレンスのカバーが開き、レンズから放出された光に包まれティガダークへと変身した。

ティガダーク「ジュワッ!

ファイティングポーズをとる。

ガギは相変わらずバリヤーの中から出てこない。それがまた無性に腹が立つ。

触手を伸ばして攻撃を仕掛けてくるガギ。それを手で弾くしか出来ない自分にもまた腹が立つ。

だから気づかなかった。ガギの真正面顔の部分のバリヤーが空いている事に。気づいた時には、

ティガダーク「デュワァァ

ガギの角から放たれる赤い破壊光線によって吹っ飛ばされていた。倒れたティガダークの腕にガギは触手を伸ばし、空中へ持ち上げる。あの触手こんなパワーあるの!?

持ち上げたティガダークへ向かって破壊光線を浴びせるガギ。

ピコン

とうとうカラータイマーも鳴り始めた。

くっそぉ!どうすれば!

その時、

?『落ち着くんだ。怒りに飲まれてはいけない。』

その声と共に目の前が光ったかと思うと周りの景色は真っ白になり僕だけがいた。どう説明したら良いんだろう。ウルトラマンと話す時の精神世界みたいな所、といえばいいのか。

?「初めまして。マドカ ツバサ君、だね?」

後ろから声がした。振り返ると、

ツバサ「ウルトラマン、タロウ…。」

タロウ「ああ。改めて自己紹介をしよう。私はウルトラマンタロウ。この星ではヒガシ コウタロウと名乗っている。」

人間態へと変わる。すげぇ、本物だ。

タロウ「単刀直入に聞くが、私の言った怒りに飲まれてはいけない、という意味が分かるかな?」

ツバサ「…はい。」

タロウ「なら、そちらは大丈夫だろう。…あの2人の小学生については、気に病むなと言う方が難しいだろうが、」

ツバサ「でも!僕にはティガダーク(これだけ)の力があるのに、何も出来なかった!目の前にいたのに、人はいっぱいいたけど、動けた筈なのに!」

足から崩れ落ちる。

ツバサ「怖かった!あんなに怖いなんて思わなかった!」

タロウ「…君のその力は変身しなければ使えない。違うかい?」

ツバサ「…その通りですが…でも…!」

タロウ「人して出来る事、ウルトラマンとして出来る事。」

ツバサ「え…」

それって…

タロウ「何代前のティガの一族だったかな?そんな事を言っていたよ。その彼は出来るだけティガへ変身せず、出来るだけ人として戦おうとしていた。そして目の前で消えゆく命があれば、その命の分まで生きようとした。君も、そういった心持ちでいたら良いんじゃないか?」

…成程。スっと心が楽になったのが分かった。

ツバサ「有難うございます!もう大丈夫です!」

タロウ「うん。何かあれば呼んでくれ。君は1人じゃない。」

ツバサ「はい!」

タロウ「私の息子とその仲間達もこの世界に来ている。共闘することもあるだろう。」

ツバサ「はい!その時は、よろしくお願いします!」

そう言い切ると視界が元に戻った。

さて、どうするかな?先ずはこの触手を何とかしないと…アレ、出来るかな?よし!

腕に絡んでいた触手を握り、体中に力を篭めると体が赤く光る。その力を手先へ集め触手に流した。そう、

ウルトラヒートハッグ!

触手を介して、ガギの手の触手の根元へ攻撃をする。

両手から大きな火花が上がり、触手が落ちる。

これで触手は気にしなくてよくなった。次はあのバリヤーだ。そういえば、

ホリイ『あるにはある。物理や。』

アムイ『ぶ、物理?』

ホリイ『せや。結局の所、殴るなりなんなりして物理的に破壊した方がええとワイは思う。』

物理、か。ティガ・ライトパワーでどうにかなるバリヤーじゃないしな。パワータイプに成れれば…。

待てよ、僕のティガダークに変身する力は本来ティガに変身する筈だった力。と言う事は、ティガダークでも変われるんじゃないか?

その時、額が赤く光った気がした。よし。

額の前で手首を重ね合わせる。

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

【推奨BGM:蘇る巨人 後半部分】

上から赤いラインが入っていき、ティガ パワータイプの様に赤と黒銀(くろがね)だけになる。

ティガダーク パワータイプだ。

 

【挿絵表示】

 

ファイティングポーズを取り直し、構える。

腕を広げ手を頭の上を通す様に動かし腕へエネルギーを溜めながら胸の前で腕をクロスさせる。右腕に集約したエネルギーをパンチに載せてバリヤーを殴りつける。ティガ・パワーパンチだ。

ガラスの割れるような音をたて、バリヤーが割れる。よし、このまま一気に攻める!

助走をつけてジャンピングパンチ!そのままパンチに次ぐパンチを浴びせ、

思いっきり建物が無い方へ吹っ飛ばす。

ティガダーク「ハッ!

腕を大きく広げ、

ティガダーク「ハァァーーアッ!

ボールを掴むような形にした手の中に黒い稲光を発しながらオレンジ色のエネルギーを溜め、頭の上を通す様に大きく腕を動かし頭の上でエネルギーをひとつにして胸の前へ持ってくる。

黒い稲光を発するオレンジ色の光球をボールを投げるように後ろに引いた右腕から前へ押し出す!

ダークデラシウム光流!

ティガダーク「ハァッ!

ガギへと命中し、爆発四散した。

ティガダーク「シュワッ!

空へ飛び立った。

 

まさか、ティガダークでタイプチェンジ出来るとは。力を吸収した訳ではないからトルネードでは無いと思うんだけど。カラーリングも違うし。

マホロバ「ツバサーっ!」

アムイ「ツバサ兄ちゃーん!」

少し遠くに走ってくる2人を見つけた。

手を振って答える。

アムイ「ツバサ兄ちゃん凄いね!姉ちゃんでもタイプチェンジ出来なかったのに!」

マホロバ「ああ。流石ツバサだ。本当なら私のするべき事なんだが…。」

ツバサ「気にしないで。これが、今の僕に出来る事だから。」

亡くなった人達の分も、大切に生きていこう。

 

【次回予告】

マホロバの従兄弟のマナカ ユウトがやってきた。

『義兄さん』と呼び慕ってくれるユウトを前にタジタジなツバサ。

そんな中、ゴルザとメルバが現れツバサは迎撃に当たるが苦戦を強いられる。ツバサはユウトと共闘して立ち向かう。

ティガダークは高速戦闘へ対応する為、また新たな姿を手に入れる!

次回 ウルトラマンティーズ

      「超古代の光と闇」お楽しみに



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♯3-1 超古代の光と闇

あらすじ パワータイプへタイプチェンジ出来るようになった。

 

【9月16日 16:15】

ティガダーク「ジャッ!

ゴルザへダークハンドスラッシュを放ち、後ろから飛んできたメルバの体当たりを躱す為、左斜め前へ前転する。立ち上がった所へゴルザの超音波光線を食らい、光線で体を押し上げられ、空中をもがきながら吹っ飛ばされる。

ピコン

そこへメルバがのしかかり、嘴で顔を攻撃してくる。

右、左、右、右、と躱し、何とか横へ投げる。

立ち上がり、

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

パワータイプへタイプチェンジする。ゴルザの方へ駆けていき、尻尾を掴む。そのままハンマー投げの要領で投げ飛ばす。

ティガダーク「ハッ!

ダークデラシウム光流を放つ為、両手を広げた時だった。

ティガダーク「デュワッ!?

メルバに背中を蹴られ、失敗した。

そのままメルバは逃走し、ゴルザも地中へと逃げた。

 

アムイ「ツバサ兄ちゃん惜しかったね〜。」

マホロバ「しょうがない、2対1だったんだ。」

ツバサ「でもさ、またあの2体が出てくるんだよ。どっちか一体でも仕留めておければ…。」

下校中に会話する内容では無いが、愚痴らずにはいられなかった。

アムイ「そうだ!ツバサ兄ちゃん、話は変わるんだけとさ、ウチでゲームやろう!」

ツバサ「良いけど…」

マホロバを見やる。

マホロバ「ついでに夕飯も食べていけばいい。お母様も喜ぶし。」

ツバサ「そっか、じゃあお邪魔させてもらおうかな。」

 

【16:32 イルマ邸】

マホロバ、アムイ「ただいまー。」

ツバサ「お邪魔します。」

イルマ「あら、ツバサ君。いらっしゃい。」

マホロバ「ツバサ、夕飯食べていっても良いよね?お母様。」

イルマ「ええ、勿論。そうそうマホロバ。ちょっとリビングにいらっしゃい。この前言ってた奴、完成したみたいよ。」

マホロバ「ホント!これで…」

通販でも届いたのかな?

アムイ「ツバサ兄ちゃん、行こう!」

ツバサ「うん。そういえば何するの?」

アムイ「えっとねー…」

【マホロバ side】

リビングへ入るとそこには、

?「お久しぶりです、マホロバ姉さん。」

マホロバ「ユウト!持ってきてくれたのか。」

ユウト「はい。これです。」

そう言って、『GUTS SECRET』と書かれたジュラルミンケースを机の下から取り出した。鍵を開け、蓋を開けるとそこには、

ユウト「ガッツスパークレンス Tです。」

 

【挿絵表示】

 

白、赤、紫の3色のガッツスパークレンスと、紫、赤、青の3つのガッツハイパーキーが入っていた。

ユウト「光の力をセーブして変身に必要なだけの力を解放するためのハイパーキーです。」

マホロバ「ありがとう。これで、私もツバサと一緒に…」

ユウト「今すぐ戦えますが、1度変身しておいた方が良いと思います。」

イルマ「そうね。ツバサ君とユウト君にはもう少し待って貰うことになるけれど。」

ユウト「そういえばあれから1週間以上経ちましたけど、告白したんですか?」

マホロバ「ふぇっ!?」

イルマ「あら、もしかして?ツバs「わあああああああ!」」

マホロバ「ない!何にもない!」

ユウト「無いんですか!?俺に言ったの4月でしたよね!?もう5ヶ月経ってますよ!?」

マホロバ「なんで今言うのぉー!」

アムイ「姉ちゃんどうしたの…ってユウト!」

ユウト「アムイ!久しぶり!その後ろの方は?」

【ツバサside】

ツバサ「マドカ ツバサです。」

ユウト「ああ!貴方が!初めまして!マナカ ユウトと申します!お義兄さん!」

ツバサ「お、お義兄さん!?」

お兄さんじゃなくて?

イルマ「あらあら、ふふふ。」

マホロバを見ると顔を真っ赤にして全く此方を見てくれない。

ツバサ「マホロバ、何かあった?」

マホロバ「何にもない…何も無いのぉ…

絶対何かあったんだろうけどそんな事よりしおらし過ぎるマホロバ可愛いなぁおい。

ふとマナカ君を見ると、右腰に見た事ある大きな白い銃が。

ツバサ「マナカ君、それは?」

ユウト「ユウトで良いですよ。これはガッツスパークレンスと言いまして、スパークレンスを研究して現代科学で再現したものなんですよ。」

どやぁ という感じで語るユウト君。マホロバ達が僕の事を話したんだろう。それより、

ツバサ「これを?それとほぼ同じ形の石器があった訳じゃなくて?」

ブラックスパークレンスを取り出しながら尋ねる。

ユウト「わ、ホントに真っ黒だ。っていうかなんでその事を?」

ツバサ「あー、えっとね…」

自分が転生者で、ウルトラマン達や怪獣達についてある程度の知識がある事を話した。トリガーについても。

ユウト「成程、そういう事でしたか。はい。火星で発見された訳ではありませんが、お義兄さんの仰る通り地下遺跡にガッツスパークレンス(これ)の元になった石器があったそうです。その近くに、石化したトリガーと、」

そう言って右手を前に出すと、人が扱える大きさに縮小したとある武器が飛んできた。

ユウト「サークルアームズと言います。本来はこんなに小さくないですけど。これが石像の前に刺さっていたそうです。今から25年前の事ですね。」

アムイ「そう言えばさ、なんで名前分かったの?」

ユウト「近くにあった石版と、この家が保管してる太平風土記に載ってたんだ。」

太平風土記。正式名称は日本太平風土記。過去の予知能力者が記した予言書らしいけど、トリガーも視てたのか。ってかこの世界にもあったんだね。ん?待って、今…

ツバサ「この家にあるんですか!?」

イルマ「あれよ。」

そう言って指さした先にあったのは神棚。その隣に壁に立て掛けてあった。見せてもらうと、魔王獣については載っていなかったが、気になるページを見つけた。仰々しく書いてあるので要約すると、『触手を持った土塊(つちくれ)闇魔(あんま)に対抗する為、光が力を合わせる』との事だ。絵は無く、これだけ書かれている。触手を持った土塊って何?そんなウルトラ怪獣居たか?全ての怪獣を知ってる訳じゃないけど…もしかして、この世界の怪獣って事?有り得ない話じゃないけど…。今から来るであろうゴルザとメルバも対策しないといけないのに先の事まで考えらんないよ…。読まなきゃ良かったかも。それにしても光が力を合わせるって普通じゃない?あれか、一匹狼みたいな人が居たりするんだろうか?

アムイ「ツバサ義兄ちゃん?ツバサ義兄ちゃん!」

ツバサ「あ、ああ、ごめん。どうしたの?」

アムイの声にはっとした。考え込み過ぎていたらしい。ってかアムイ、君まで義兄呼びになってるぞ。

アムイ「ユウトが話があるってさ。」

ユウト「はい。ゴルザとメルバの事なんですが。」

ツバサ「ああ、あれね。」

ユウト「次来た時、2人で行きませんか?そうすれば1VS(たい)1に出来ますよ。」

成程、全然思いつかなかった。

ツバサ「分かった。次来た時、宜しくね。」

ユウト「はい!マナカ ユウト、お役にたってみせます!」

【19:37 夕食後】

ユウト「あ、明日から僕も転校生として大湯学園に行くのでよろしくお願いします。」

ツバサ、マホロバ、アムイ「はぁ!?」

なんでも、怪獣がこの1週間ちょっとで今日の2体含め5体出現したこっちに居た方が良いだろうというユウト君のご両親の判断でこっちに引っ越す事になったらしい。ご両親は前の家の方で仕事を片付けて来るそうなので先にユウト君だけがこっちへ来たそうだ。暫くはイルマ邸に泊まるらしい。

そういえば机の上に置いてあったジュラルミンケースに書かれてた『GUTS SECRET』ってなんなんだろうか?今度聞いてみよう。

 

【02:00頃 モンゴル平原 地下】

モンゴル平原の地下で傷を癒していたゴルザ。そこへ1人の男が近づく。その男が呪文の様なものを唱えると、ゴルザは闇に包まれ一瞬にして傷が癒えた。それでは終わらず、その闇はゴルザの中へ入っていく。最初は何とか闇から逃れようとして暴れていたゴルザだったが、次第に大人しくなっていき完全に動きを止めた。その時には、肩や肘 (など)の全身の関節にドス黒い棘が生え、目は血走り、肩の筋肉が異常に発達し、見事な逆三角形になっていた。皮膚は青黒く変色し、至る所に紫のラインがはしる。ダークゴルザ誕生の瞬間だった。

 

【同時刻 イースター島】

イースター島の岩山の中で傷を癒していたメルバ。そこへ先程とは別の男が近づく。その男も呪文の様なものを唱え、メルバを闇に包む。傷は一瞬にして癒え、その闇はメルバの中へ入っていく。完全に動きを止めるたその時には、全身の関節に刃の様なものが生え、目は青紫に光り、両腕の大爪も含め、腕やくちばしが異常に伸び、腕全体が鎌の様になっていた。皮膚は赤黒く変色し、至る所に紫のラインがはしる。ダークメルバ誕生の瞬間だった。

 

ゴルザを変えたのはオロッチという金棒を振り回して戦う怪力の男。

メルバを変えたのはダイダラという火遁の術や念動力を使う男。

2人は闇の超能力者、ドグラマグラに従う部下たちだった。



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♯3-2 超古代の光と闇

あらすじ ダークゴルザとダークメルバが誕生した。

 

【9月17日 05:43 マドカ家】

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

尋常ではない程の大きな地震だった。

朝食とお昼のお弁当を作っていた僕は、火を止め机の下に潜った。

ドゴーーン!

何処か近くで大きな爆発が起こった。それと同時に地震も収まった。けど…

ツバサ「えぇ…?」

山が1つ消えていた。何言ってんだこいつと思われるかもしれないけれど、確かに昨日まであった山が1つ消えていた。

取り敢えず地震が収まっているので、朝食を簡単な物に変え、お弁当をさっさと作り終える。何があったのか確認したいと思い、イルマ邸へ行こうと玄関を開けた瞬間だった。

ビュゴォォォォォ!

台風よりも酷そうな突風が吹き荒れ始めた。

ツバサ「どうなってるんだ…。」

取り敢えず家の中へ戻る。

ダークゴルザ「グルォアァァァア!

大きな咆哮と共に山が消えた場所の地下から現れたのは、肩や肘 等の全身の関節にドス黒い棘が生え、目は血走り、肩の筋肉が異常に発達したのか逆三角形で、皮膚は青黒く変色し、至る所に紫のラインが浮き出た血管の様に脈打っているゴルザらしき怪獣。

ダークメルバ「クルオワァァァオ!

ゴルザらしき怪獣と向かい合うように降り立ったのは全身の関節に刃の様なものが生え、目は青紫に光り、両腕の大爪も含め、腕やくちばしが異常に伸び、腕全体が鎌の様になっていて、皮膚は赤黒く変色し、至る所に紫のラインが浮き出た血管の様に脈打っているメルバらしき怪獣。

ツバサ「なんだ…あれ…。」

窓から見ていた僕は思わず声を漏らした。

2体の怪獣は打ち合わせでもしていたかの様に同時に破壊活動を始めた。見ている場合じゃない!兎も角、イルマ邸へ携帯から電話をかける。

ツバサ「おはようございます!ツバサです!」

サワイ『ああ、ツバサ君か!ちょっと待ってくれ!』

3秒位して、

ユウト『お電話変わりましたお義兄さん!ユウトです!』

ツバサ「今イルマ邸(そっち)に向かってる!太平風土記とかにあの2体について載ってない!?」

ユウト『この家のお手伝いさんたちも手伝って全員で探してるんですが、それっぽい記述は何処にも…。』

話している内にイルマ邸の門が見えたので電話を切る事を伝える。

【06:04 イルマ邸】

門を潜るとユウトが待っていた。

ユウト『お義兄さん!多分これ以上探しても出て来ないと思います。ですから先ずは変身して街から遠ざけましょう!』

ツバサ「分かった。そうしよう。」

頷き返すと、ユウトは腰にある紫のガッツハイパーキーを手に取る。右手にはハイパーガンモードのガッツスパークレンスが。

ガッツハイパーキー(以降GHK)「ウルトラマントリガー マルチタイプ」

ガッツスパークレンス(以降GS)「ブートアップ ゼペリオン」

ハイパーガンモードからスパークレンスモードへ変形させ、変身待機音が鳴り響く。

ユウト「未来を築く、希望の光!ウルトラマンッ!」

2人同時にスパークレンスを天へ掲げ、名を叫ぶ。

ツバサ「ティガー!」

ユウト「トリガー!」

 

2人して右腕を上へ突き上げ、左腕は肩の位置で折り曲げたウルトラマンの巨大化ポーズをして変身完了した。

GS「ウルトラマントリガー マルチタイプ」

さてと、

ツバサ『どっちやる?』

ユウト『目の前の奴にしましょう。だから、僕がゴルザっぽい奴ですね。』

ツバサ『分かった。それじゃあ、行くよ!』

ユウト『はい!』

ティガダーク「ジュワッ!

トリガー「トゥアッ!

それぞれファイティングポーズをとり、目標へ駆けて行く。

メルバっぽい奴…メルバって呼ぼう。メルバは近付くや否やその長い嘴で突いてくる。そのスピードと様子はまるで啄木鳥だ。

バックステップで距離を取ると今度は黒い稲光を纏った青紫色の光弾を目から放つ。多分メルバニックレイだと思う。

側転して横へ躱す。街中じゃなくて良かった。何処からかバカヤローって聞こえてきそうだ。

それは置いといて、近付こうにもあの身体中の刃と大爪と嘴、離れればメルバニックレイっぽい奴。どうしようか。それにしてもあの刃、刀みたいだな。…刀?やってみるか!

メルバに走って近づいて行くと、手の鎌のような大きな爪を振って攻撃してくる。それはもう予測済みなのでメルバの横を通り抜けるように走る。すれ違いざまにメルバの方を向き、スナップショットで肘の刃の刀でいうところの棟に攻撃すると、当たった所が折れた。刀は棟が弱いと聞いた事があったので、威力を上げてやってみた。よし!この調子でやってみよう。

 

【トリガー(ユウト)side】

殴って殴られてを繰り返し分かったのは、基本的はゴルザと変わらないという事。であれば!

GHK『ウルトラマントリガー パワータイプ』

ガッツハイパーキーをマルチからパワーへチェンジする。

GS『ブートアップ デラシウム』

ユウト『勝利を掴む、剛力の光!ウルトラマンッ!トリガー!』

赤と紫だったのが赤1色へ変わり、胸のプロテクターも変形する。トリガー パワータイプへとタイプチェンジする。

棘は痛そうだけどメルバみたく長い訳じゃない。放置でいいと思うけど…。にしても、さっきも思ったけど皮膚が硬すぎるような気がする。幾らマルチタイプとはいえ、ほぼダメージが入らなかった。その変わりとてつもなく遅い。であれば!

僕はサークルアームズを出現させ、クローモードにする。

上段から振り下ろし攻撃すると火花が散った。でも、よろめく事も無くその超怪力で攻撃してくる。早く決着をつけないと!

 

【ティガダーク(ツバサ)side】

両肘と左膝の刃を落とし終えた。流石に膝に向けてスラップショットは難しいので、両腕を胸のプロテクターの前でクロスさせ、前へ伸ばしながらエネルギーの刃を放つ、ティガスライサーで斬り落とした。

右膝も落とし終えると不利だと感じたのか、翼を広げ空へと飛び立つ。

ツバサ『嘘でしょ!?』

速過ぎる。メルバのスピードじゃ無い。ダークハンドスラッシュを放つも当たらない。いつの間にか目の前に来ていたメルバは残っていた肩の刃で体当たりをしてくる。その威力とスピードに吹っ飛ばされる。そこへメルバニックレイの追撃。

ヤバい、どうしよう。トリガーの方は大丈夫なのかと見てみるとタイプチェンジしていた。…そうだ!なんで早く気づかなかったんだ!パワータイプに成れたんだから!

ティガクリスタルが紫に光る。

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

上から黒だったところが紫に変わっていき、ティガ スカイタイプの様に紫と黒銀だけになる。

ティガダーク スカイタイプだ。

 

【挿絵表示】

 

ファイティングポーズ取るとすかさず空へ飛び上がり、メルバを追いかける。ダークハンドスラッシュを牽制として使い、右へ左へと動こうとするメルバを出来るだけ真っ直ぐ飛ばせる。すると、当たっても良いと思ったのか、大きく左へ降下する様に曲がった。僕は右へ上昇しながら曲がり、ある程度飛んで振り返ると相当な距離が出来ていた。此方へメルバニックレイを撃ちながら近付くメルバ。これを待ってたんだ!

メルバニックレイを最小限の動きで避けながら、手を手刀にして両腕を大きく真横へ広げながら胸の前で黒い稲光を纏った青みがかったエネルギーを溜める。両手を頭の上で重ね合わせるときに、溜めたエネルギーを両手に集める。両手を左腰に持ってきてハンドスラッシュを放つように右手を伸ばしながらエネルギーを放つ!

ダークランバルト光弾!

ティガダーク「ジャアッ!

黒い稲光を纏った青い光の矢はメルバへ当たり、爆発した。爆発の中から落ちていくメルバを発見したが溶けるように消えてしまった。

ピコン

カラータイマーが鳴り始めた。

 

【トリガー(ユウト)side】

サークルアームズ(以降SA)『マキシマム ブートアップ パワー デラシウム クローインパクト!』

二股に分かれた剣先を地面に突き刺し、赤いエネルギーの波の束をぶつける。大きなダメージを与える事は出来たけど一向に倒れる気配がない。

地面からサークルアームズを抜いた瞬間、黒い稲光を纏った超音波光線を食らい、空中をもがきながら吹っ飛ばされる。

ピコン

背中から落ちた僕へ走ってくるゴルザ。カラータイマーが鳴ってる今、のしかかられたらパワータイプとはいえ流石に…!そこへ、

【ティガダーク(ツバサ)side】

右手をグーにして突き上げながらその手にエネルギーを溜める。と同時にスカイタイプからティガダークへタイプチェンジ。走っているゴルザっぽい奴の前へエネルギーを発射する。

ウルトラピットフォール!

地面に穴を開ける技だ。その穴へ崩れるように落ちていくゴルザ。トリガーの隣に立ち、手を差し出す。

ツバサ『立てる?』

ユウト『はい。ありがとうございます!』

手を取り直ぐに立ち上がる。

ツバサ『ユウト、マルチタイプにチェンジだ。』

ユウト『え?でも。』

ツバサ『ハンドスラッシュは試した?物理じゃ通らないかもしれないけど、光線はまた違うかもしれない。それに、』

ユウト『それに?』

ツバサ『トリガーはどうか分からないけどティガは基本3タイプの主要必殺技の中でゼペリオン光線が1番威力が高い。多分トリガーもそうだと思う。』

ユウト『成程。分かりました!』

【推奨BGM:Trigger】

GHK『Ultraman Trigger Multi type.』

GS『Boot up Zeperion.』

ユウト『未来を築く、希望の光!ウルトラマンッ!トリガー!』

タイプチェンジしてマルチタイプへ戻る。

GS『Ultraman Trigger Multi type.』

穴から出てきたゴルザへ2人同時にハンドスラッシュを放つ。怯む様子を見せたゴルザへついでにドロップキックを食らわせる。そんなに吹っ飛ぶことも無く後ろへ下がっただけだった。直ぐに立ち上がり乱射する超音波光線をバク転、バク転、側転、側転で距離を取る。2人まとめて吹っ飛ばそうと思ったのか、ド真ん中に撃ってきた光線をそれぞれ左右に側転して躱す。

ツバサ『決めるよ!ユウト!』

ユウト『はい!』

手を手刀にして両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを溜める。トリガーは胸と両腕両足のプロテクターも光り輝く。

両腕をL字に組んで放つ!

ゼペリオン光線ッ!

ティガダーク「ジャアァ!

トリガー「ジュアッ!

白と黒の2色の光線がゴルザへぶつかる。

ツバサ、ユウト『はぁぁぁぁっ!』

光の束が一回り大きくなる。

ドゴーーン!

爆発して後ろへ倒れる。そのままメルバの様に溶けて消えてしまった。

ユウト『はぁ、はぁ、やりましたね!お義兄さん!』

ツバサ『うん。お疲れ様。』

グータッチしてそれぞれ飛び立った。

 

【06:08 イルマ邸】

ツバサ「すみません、朝ごはんご馳走になって。」

イルマ「良いのよ、人数多い方が楽しいわ。それにね、マホr」

マホロバ「ストップ!それ以上言ったらお母様とアムイのお皿からソーセージ一本づつ貰うから!」

アムイ「はぁ!?何で俺まで!?」

イルマ「あらあらふふふ。」

確かに楽しそうだ。それにしてもあれだけ戦って3分か、おかしくない?

結局、あの2体について何も手掛かりは無く、無駄に強くてゴルザっぽい、メルバっぽい怪獣というだけだった。光線や光弾がティガダークの様に黒い稲光を纏っていたのでダークゴルザ、ダークメルバと名前をつけた。

本当に何だったんだろ?そんな事を考えながら卵焼きを口に放り込む。

ツバサ「うん。美味しい(おいひい)。」

 

【次回予告】

もう少しで文化祭の準備が始まろうとする中突然転校生が現れる。

?「ヒガシ ヒロキです。宜しくお願いします。」

ツバサ達4人はヒロキを街案内しようと街に繰り出すが、そこへ大量の怪獣を引き連れた男が。

どうやらヒロキに恨みがあるらしい。

?「お願いします!僕『等』を手伝ってくれませんか!」

彼の正体とは?

次回 ウルトラマンティーズ

      「スターリベンジャー」お楽しみに



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♯4-1  スターリベンジャー

あらすじ スカイタイプにタイプチェンジ出来るようになった。

 

【ツバサside】

僕等と大湯学園へ通う事になったユウト。明るい性格とイケメンな事に加え頭が良い事もあり、一気にクラスカースト頂点へと上り詰めた。そんな彼が1番仲良くなったのは…

ホリイ「いや〜、ユウトがトリガーなのは本人から聞いたけど、ツバサがあの黒いウルトラマンでマホロバと弟君がティガの一族やったんやな!今世紀最大でビックリしてるで!」

ヤズミ「ええ!ユウト君から聞いた時は本当に驚きましたよ!」

ホリイとヤズミだった。僕と喋っている時に知り合い、そのまま意気投合。今では隠していたウルトラマンについても語る程だ。そんな訳で僕等2人の事もバレた。

アムイ「何で話しちゃったのさ。」

ユウト「先輩達にも僕の研究を手伝ってもらおうと思って。」

どうやら、トリガーのまだ解明されてない部分について研究する為に自分の事、そして僕達の事を知ってもらおうと思ったらしい。ちょっとは相談してくれても良いだろうに…。

ホリイ「安心せぇ!絶対に誰にも言わへん。なぁヤズミ。」

ヤズミ「ええ!僕等は研究させてもらう立場ですから!」

まぁ、2人なら大丈夫だろう。

 

【9月27日 08:45 HR教室】

担任「さて、もう文化祭まで1ヶ月を切った。今日から学校へ申請すれば20(8)時まで作業が出来るようになるが、ウチ関係無いな。メイド執事喫茶だもんな。」

ド定番だなー。

担任「あー、でなんだが、今日、転校生が来た。入ってくれ。」

担任がそう言うと、前の扉が開かれ1人の生徒が入ってきた。

みんな口々に「この時期に?」「イケメン!」等々言っている。彼が教卓の隣に立った瞬間、僕はマホロバと顔を見合わせた。本能的に彼が『人間では無い事』を悟った。マホロバに小声で話しかける。

ツバサ「ねぇマホロバ、あの人…」

マホロバ「うん。人間じゃ無い。それに、あの赤黄青の光は何なの?それぞれ独立している様で強く結びついているし、強大な力を持っている感じがする。」

流石は本来のウルトラマンティガ。パッと見でそこまで感じ取れるのか。

担任「自己紹介を頼む。」

はい。と答え、1歩前に出る。

?「ヒガシ ヒロキです。宜しくお願いします。」

担任「まぁ分かると思うがこの時期には珍しい転校生だ。みんな仲良くするように。」

イトウ「先生!文化祭まで1ヶ月切ってますけど、えっと…」

イトウがちらとヒガシ君を見る。

ヒロキ「ヒガシ ヒロキです。」

イトウ「ヒガシ君もやるんですよね?」

担任「当たり前だろ。」

ウチダ「仕立て班、執事服もう1着追加よ!」

アシダ「まぁあの顔ならしょうがないか。えっと、ヒガシ君。後で採寸させて欲しい。」

ヒロキ「はい。分かりました。」

担任「1、2時間目の授業俺だし、アイスブレイクと文化祭準備に当てるか。」

クラスが歓声に包まれる。そんな中、ツバサとマホロバは放課後アムイとユウトと一緒にヒロキへ話を聞くことにした。

 

【16:00 体育館裏】

アムイ達に話すとアムイが「俺に書かせて!」と自信満々に言うので任せたのだが、

ツバサ「そういえば、どんな内容で手紙を書いたの?」

アムイ「『大事な話があるので、放課後に体育館裏で待ってます。』って丸文字で書いて下駄箱に入れたよ。」

マホロバ「ラブレターじゃないか…。」

ヒロキ「やっぱり君達2人だったね。なんだか2人多いけど。」

ツバサ「急に変な手紙が来て意味分かんなかったと思うけど来てくれてありがとう。それd」

マホロバ「人間じゃないでしょ?何者なの?それと貴方の周りの3色の光は何なの?」

そんな馬鹿正直に聞くぅ!?

ヒロキ「…この世界のウルトラマンに隠しても無駄だね。」

アムイ「この世界?」

ヒロキ「改めて自己紹介しよう。僕はヒガシ ヒロキ。アイギス星人 クドロギだ。」

 

【16:17 ファミレス】

アイギス星人…宇宙で自分の星を持つ宇宙人の中で最も数が少ないヒューマノイドタイプの宇宙人らしい。その特徴は何者にも破れないと謳われるアイギスバリアー。人間と同じ位の大きさしかないアイギスバリアーだが、アイギスバリアーの前には、複製ではあるがハイパーゼットンの火球ですら破れなかったという。

ヒロキ「それで、赤青黄の光というのは、」

彼が右腕を僕等の前に出すと、一瞬光りその腕には先程まで無かった装置が出現していた。

ヒロキ「これが関係してる。」

ツバサ「タイガスパーク…。」

ヒロキ「なんで知ってるの!?」

ツバサ「え、あ、いやー、アハハ…えっと、それで、それをつけてるって事は、君はトライスクワットの3人に変身出来るって事?」

マホロバ「トライスクワット?」

ユウト「前世の知識ですか?」

ヒロキ「前世?」

ツバサ「あー、えーと…。」

何から答えようか…?

 

?「要するにツバサは異世界転生してきたって事だな?」

ツバサ「そういう事。」

今喋ったのは赤い半透明の体のウルトラマンタイガ。

??「んで、そこの嬢ちゃんの代わりに闘ってるって訳だな。」

今喋ったのは青い半透明の体のウルトラマンフーマ。

ツバサ「それで、工藤 ヒロユキはどうしたの?」

???「寿命で亡くなった。そして、今は転生して君たちの前に居る。」

今喋ったのは黄色い半透明の体のウルトラマンタイタス。ん?目の前にいる?

ヒロキ「今タイタスが言ったように僕は前世の記憶を持ったままアイギス星人に転生したんだ。どういう理由かは分からないけど。」

ツバサ「じゃあ君が工藤 ヒロユキ本人?って事でOK?」

ヒロキ「そういう事。」

アムイ「ユウト、ツバサ義兄ちゃんなんの事言ってるか分かる?」

ユウト「…半分ぐらい。」

マホロバ「そういえば、ヒロキ達はどうしてこの世界に?」

ヒロキ「それはタイガのお父さんが関係してる。」

タイガ「ウルトラマンタロウ。ツバサはあったことあるよな?」

ツバサ「うん。ガギと戦った時にインナースペースでね。」

タイガ「でだ、地球人に換算すると大体半年前、俺達の世界のとある宙域で異常な数値のマイナスエネルギーと怪獣達を暴走させる闇の瘴気が観測されたんだ。」

アムイ「マイナスエネルギー?」

ツバサ「人間の妬みとか憎しみとか、所謂『負の感情』の事で、このエネルギーが高まったら怪獣が生まれたり、あるいは呼び寄せたりするヤバいエネルギー。」

アムイ「怖っ!」

タイガ「それで、俺達トライスクワットを含めて調査隊が編成されて調査に向かったんだ。そこで見つけたのは別の世界へ繋がるワープホールだったんだ。」

ツバサ「マイナスエネルギーってそんな事出来るの?」

タイタス「正確には、ワープホールを開き続ける、また開いた先の座標軸を設定する術式の様な物はマイナスエネルギーではなく、我々の世界では観測されたことの無い闇の力だった。マイナスエネルギーはその術式の様な物で形成されるワープホールを維持しておくための燃料みたいな物だ。因みにだが、闇の瘴気と闇の力は99%一致している。また、スペースビーストが発する波長にも似たところがあった。」

フーマ「それで、俺達はそのワープホールの先に何があるのかを確認する為に通る事になった。で、抜けた先はこの世界だったって訳だ。」

ヒロキ「通った後も消えずにそのままだったから色々調べて帰ってこの世界について報告したらタロウさんがが若い時、任務中に時空震に合い、飛ばされて数百年過ごしたこ世界だった事が解ってね。闇の瘴気の発生源を突き止めるためにこっちの世界について1番詳しいからタロウさん、そしてサポートに僕等トライスクワットが着く事になったんだ。」

ユウト「そのワープホールを何かしらの外的なエネルギーをぶつけて閉じる事は出来ないんですか?」

タイタス「惑星1つを飲み込める程大きな物を強大な力で形作っているから、ウルトラ戦士何百人の合体光線を1分照射し続けても5%縮まるかどうか…。」

マホロバ「そんなに大きいなら見えそうな物だけど?」

ヒロキ「マジックミラーの様な構造だから地球からは見えないんです。それに遠いし。」

アムイ「タロウさんは?」

ヒロキ「今は光の国に報告に戻ってる。1週間ぐらいしたら戻ってくると思うけど。」

それから30分ぐらい話をしていると、

アムイ「あれなんだろ?」

ユウト「隕石?」

窓の外を見ると光る何かがビル街へ落ちていった。

ヒロキ「行ってみましょう!」

【17:05 ビル街】

ビル街へ行く途中逃げて来る人達に出会った。事情を聞くと地面に落ちた光の中から杖を持った男が出てきて、その杖から光線を乱射し暴れているらしい。

その男の元へ行くと、もう誰も残って居なかった。

ヒロキ「それ以上の破壊を止めろ!」

?「来たか!憎きウルトラマン!」

憎き、か。侵略宇宙人か?

?「覚えてないという顔だな、ウルトラマンタイガ!」

アムイ「タイガ、何かしたの?」(小声)

タイガ「いやいやいや!してないしてない!少なくとも俺自身には覚えは無いって!」(小声)

?「ウルトラマンタイタス!ウルトラマンフーマ!」

全員じゃん。何したんだろう?

?「私の星を滅ぼした挙句、顔も忘れるか!ならば名乗ろう!私はヴルスト星人ウイセ!何度も救援要請をしたにも関わらず誰にも助けに来て貰えなかったヴルスト星の生き残りだ!」

ヒロキ「!」

ウイセ「思い出した様だな!」

ヒロキ「だからあれは!」

ウイセ「五月蝿い!貴様等に何が分かる!目の前で、目の前で!自分の星が消えていく瞬間を見る気持ちなどォ!」

ツバサ「何があったんだ?」(小声)

タイタス「彼の星、ヴルスト星はブラキウムという怪獣に滅ぼされたんだ。」(小声)

ブラックホール怪獣 ブラキウム。身長80m、体重 無限大。お腹にある口から小型のブラックホールを作り出し、あらゆるものを吸収することができるある意味チート級の能力を持つ宇宙怪獣。青と黄色のベムスターっぽい見た目をしている。

タイタス「ヴルスト星はM78星雲からは遠く、救援要請を受け最大速度で向かったのだが、着いた時にはすでに遅し、ブラキウムが吸収した後だったのだ。」(小声)

成程、説明しても納得してもらえてない訳か。

ウイセ「だがもう遅い!私のこの復讐心は止められない!いでよ!怪獣達よ!ウゥゥワアァァァァ"ァ"ァ"ァ"!」

体を発光させながら杖を上へ振り上げるとウイセの体は杖へと吸収され大きな光を放ち、9つの光に分裂。僕達5人の周りを1周すると9方向に離れて行きそれぞれ別の怪獣へと変化したのだった。

ウイセ「さぁ、我らの怒りをその身に刻め!ウルトラマン!」



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♯4-2 スターリベンジャー

今回から相当読み手を選ぶと思いますが宜しく御願い致します。


あらすじ 9体の怪獣が現れた。

 

ビ〜ルを砕き〜♪くーるま 蹴散らし♪光ととも〜にやってくる♪

怪獣〜♪怪獣〜♪だ〜い怪獣〜♪

ひび〜けビルの谷〜間〜に〜♪叫〜べ昼のハイ〜ウェ〜♪

9(体)〜♪9(体)〜♪9(体)〜♪ウ〜ル〜トラ(怪獣が)9(体)〜♪

 

なんて歌ってる場合じゃない!よし、状況を整理しよう。

今自分達を囲うように出現した怪獣は全部で9体。目の前に居る奴から時計回りに

右腕にブレードをつけた緑色のロボット、キングジョー(最新型)。

時空の歪みから発生する莫大なエネルギーを吸収することにより強力に進化し、通常よりも体色が暗く、発光器官がオレンジ色へと変化。ブラックホールを操り、角がヘラジカのような異様な形へ変化し、背中や腕に無数の棘が生えたゼットン(変異種)。

全身 赤と金色を基調とした体色に、戦国武者が装着しているような鎧を纏い、左手の蟹の様な鋏を使っての必殺技『クロー・スライサー』はあらゆるものを引き裂く。エースキラーシリーズの最新型にして、エースキラーの強化改造版。カブト・ザ・キラー。人語を話せるらしいけど目の前の個体はウイセの精神が動かしているだけらしく、カブト・ザ・キラーが喋っている訳じゃなさそう。

それでこのバランダーV、キングジャイグラス、アロザ…ウルトラマン関係無いんだけど…世界線は一緒なのか。

メカゴモラや恐竜戦車、パワードレッドキングなどの有名所の怪獣達を連れて来ていた。

このウイセって奴オタク?でもヒロキ達を見るとトライスクワットの3人は「数多いなぁ」位にしか思ってなさそうな雰囲気な所を見ると割と普通なのかもしれない。まぁ、星を滅ぼしたのがブラキウムって時点で今更なのかもしれない。

ヒロキ「彼は死ぬつもりなんです。」

ツバサ「え?」

思わずヒロキの顔を見る。

ヒロキ「ヴルスト星人の能力、それは『精神分割』と分けた精神を生物や物に入れて操る『精神操作』。戻る体を残したまま、それでいて30分以内に元に戻れば何ともないですが、彼は体ごとその技を使った。もう元に戻ることは出来ません。」

ウイセ「どうせヴルスト星人は私しか残っていないのだ!この憎しみをぶつけるまでは死んでも死にきれん!」

ヒロキ「これは僕等がつけるケジメです。でも流石に多過ぎる。」

ヒロキは顔を上げ僕等を見る。

ヒロキ「お願いします!僕等を手伝ってくれませんか!」

そう言って頭を下げた。

ユウト「やりましょうお義兄さん!僕等が住むこの地球をたった1人の憎しみで壊されるのはたまりませんからね!」

ツバサ「そうだね。えっとウイセ さん?今から貴方がどうなるかは分からないけどこれだけは覚えておいて。憎しみは憎しみを生むだけだって事を!」

ウイセ「分かったような口をォ!」

その言葉と共にメカゴモラは両手首を飛ばし、恐竜戦車は主砲を放ち、カブト・ザ・キラーは左手の鋏を此方へ突き刺した。

僕達は咄嗟に飛び退き回避した。

ツバサ「マホロバは援護が出来たらお願い。アムイは…」

アムイ「ごめん、俺は逃げとくよ…。」

ツバサ「何も謝ることじゃないよ。家の方見てきてくれる?」

アムイ「うん。分かった。」

ツバサ「ユウト、ヒロキ、行こう!」

ユウト「はい!」

ヒロキ「ああ!」

タイガスパーク(以降TS)「カモン!」

ヒロキは左腰につけているウルトラタイガアクセサリーを左手に取り、腕を真っ直ぐ伸ばし体の前に持ってくる。

ヒロキ「光の勇者、タイガ!」

伸ばした腕を胸の前に持ってきて右手に持ち替える。

タイガアクセサリーから3つの赤い光がタイガスパークの手の甲のクリスタル部分に注がれる。

タイガ「ハァァァァッ!ハアッ!」

GHK「ウルトラマントリガー マルチタイプ」

GS「ブートアップ ゼペリオン」

ハイパーガンモードからスパークレンスモードへ変形させる。

ユウト「未来を築く、希望の光!ウルトラマンッ!トリガー!」

ヒロキ「バディ、ゴー!」

TS「ウルトラマンタイガ!」

タイガ「シャアッ!」

スパークレンスを天に翳すとカバーが開き中のレンズから光が溢れ出した。

ツバサ「ティガー!」

 

僕達は背中合わせに降り立った。

タイガ「取り敢えず目の前に居る三体を相手にしよう。」

ユウト「了解!」

ツバサ「分かった。」

ティガダーク「ジュワッ!

トリガー「トゥワッ!

タイガ「シェアッ!

それぞれ目の前の怪獣へ駆けていく。僕の目の前にいるのはバランダーV、キングジャイグラス、アロザだ。

先ずキングジャイグラスへ飛び蹴り。立ち上がり此方へ駆けて来たアロザへ回し蹴り。目の前にいるバランダーVへパンチを叩き込みそれぞれ距離をとる。

1番面倒くさそうなのはアロザかな?よし。

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

スカイタイプへタイプチェンジする。アロザの口から発射する赤い光線はミラーマンのディフェンスミラーを貫通するほど威力が高い。それに1番厄介なのは「光物質ガラス」で構成された眼球。光エネルギーを吸収し、光線技を無効化してしまう。因みにこの光物質ガラスは光を極限まで凝縮させることで個体化させたものらしい。

アロザから光線が発射されるが側転で回避する。後ろからバランダーVのバランダー砲が発射されるが今度は背面跳びでバランダーVの後ろへ。そのまま背中をキックするとちょうどアロザの光線が発射されバランダーVへ直撃する。バランダーVの肩を踏み台にして飛び上がり空中前転からのスカイキックで目を破壊する。立ち上がった瞬間、キングジャイグラスの巨腕から放たれる連続パンチを前転で(くぐ)るように避け、アロザと挟まれるように立つ。大きく振りかぶったキングジャイグラスのパンチを空中前転で躱し、そのパンチはアロザへと放たれ、吹っ飛んだ。空中へ飛び上がった僕は両腕でエネルギーを溜めランバルト光弾を頭に放った。さて、次は…

 

【ヒロキside】

タイガ『くっ!ゼットンは勿論だけど、カブト・ザ・キラーの鋏は要注意だし、キングジョーは硬いし…。どれから倒す?ヒロキ。』

ヒロキ『うーん、どれも強敵だからなぁ。』

タイタス『タイガ、私と変わってくれ。キングジョーは私に任せろ。』

フーマ『確かに旦那なら適任だな。』

ヒロキ『分かった。行くぞ、タイタス!』

TS『カモン!』

左腰のウルトラタイタスアクセサリーを左手に取り、腕を真っ直ぐ伸ばし体の前に持ってくる。

ヒロキ『力の賢者、タイタス!』

伸ばした腕を胸の前に持ってきて右手に持ち替えるとタイタスアクセサリーから3つの黄色い光がタイガスパークの手の甲のクリスタル部分に注がれる。

タイタス『ウオォォォォッ! フンッ!

ヒロキ『バディィ、ゴー!』

TS『ウルトラマンタイタス!』

タイタス『フンッ!

タイタスへ変身を終えると真っ先にカブト・ザ・キラーが突っかかって来たが軽くいなす。キングジョーのアイビームくらうが、

タイタス「フンッ!

ラットスプレットバックをとり弾く。その後2回ポーズを変え、キングジョーの方へ向き、

タイタス『賢者の拳は全てを砕く!』

ファイティングポーズをとる。

自分に狙いを定められた事を悟ったのか。此方へ直進してくるキングジョー(最新型)。その右腕のブレードを振るった瞬間、

タイタス『私のウルトラマッスルを受けてみろッ!』

タイタスの拳で跡形もなく消え去った。

タイタス『もう1発!』

ゴガァァァン! と大きな音をたてキングジョーに炸裂した拳は装甲を歪ませていた。

フーマ『旦那が強過ぎるのかあのキングジョーが弱いのか分かんねぇな…。』

タイガ『キングジョーが弱い方に賭けよう…。』

タイタス『決めるぞ、ヒロキ!ジードレットだ!』

ヒロキ『お、おう!』

TS『カモン!』

左腕にジードレットが出現する。前に突き出した左腕に右手を重ねるとジードレットから紫の3つの光がタイガスパークのクリスタル部分に注がれた。

TS『ジードレット!コネクト オン!』

タイタスに紫色のジードが一瞬重なる。右腕、左腕と肩の方へ曲げる。その腕を腹の前で交差させ、また肩の近くへ持っていく。その過程でタイガスパークから出現した紫色のエネルギーが光球へと変化する。

タイタス『レッキングッ!!バスター!』

左手を真っ直ぐ前に突き出し後ろへ引き絞った右腕の拳で紫の光球を打ち出した。

装甲が歪んでいたからか分離して避ける事が出来なかったキングジョーは真正面からくらい、直立不動で後ろへ倒れ爆散したのだった。

 

【ユウトside】

SA『マキシマム!ブートアップ!スカイ ランバルト アローストライク!』

スカイタイプで戦っていた僕は、恐竜戦車の恐竜と戦車の間に向けて放ったアローストライクで先ず一体撃破。次は…パワードレッドキングかな。

GHK『ウルトラマントリガー パワータイプ』

GS『ブートアップ デラシウム』

ユウト『勝利を掴む、剛力の光!ウルトラマンッ!トリガー!』

パワータイプへタイプチェンジした僕はサークルアームズをクローモードへ変形させ、メカゴモラにも気を配りながらパワードレッドキングと対峙した。

真っ赤な体に大体70mぐらいの巨体。雄 だっけ?改めて前に立つとどう戦ったら良いのか分かんない。であれば!

トリガー『トゥワッ!

先手必勝!軽く飛び上がり上から切り裂くように攻撃をくわえるが火花が少し散っただけだった。

カラカラ、ジャララララッ!っと後ろからメカゴモラが手首を飛ばしてきた。それをサークルアームズで右手左手と弾kぐわあぁぁぁ!?

トリガー『トゥワァァァ"ァ"…』

レッドキングの勢いをつけてぶん回した尻尾に約1kmぐらい吹っ飛ばされた。どんなパワーしてるんだホントに!いったぁ…。ん?レッドキングの足元に転がっていた大きめの瓦礫を、持って、上へぶん投げた。なにやっt痛っ!ちっちゃい瓦礫投げられた!痛っ、痛い!なんで甲羅崩しみたいな攻撃なの!?

ヒュゥゥゥゥ…

ん?

上を見ると、

え!?

落ちてきていた。 さっき上へぶん投げた大きめの瓦礫が。

前転して何とか避ける。あっぶなぁ!

ええい付き合ってられるか!とっととパワードレッドキングを片付ける!

SA『マキシマム ブートアップ パワー デラシウム クローインパクト!』

右胸のビームランプからクラッシャーメガを発射しようとしていたメカゴモラへクローインパクトをぶつけ、時間を稼ぐ。

腕を大きく広げ、ボールを掴むような形の手の中にオレンジ色のエネルギーを溜め、頭の上を通す様に大きく腕を動かし頭の上でエネルギーをひとつにして胸の前へ持ってくる。オレンジ色の光球をボールを投げるように後ろに引いた右腕から前へ押し出す!そう、

デラシウム光流!

飛んでいった光球はレッドキングに命中し、爆発四散した。

 

【ヒロキside】

フーマ『旦那!次は俺に変わってくれ!カブト・ザ・キラーをチャチャッと倒してきてやるぜ!』

タイガ『頼んだぜフーマ!』

フーマ『おうよ!』

TS『カモン!』

ウルトラフーマアクセサリーを左手に取り、腕を真っ直ぐ伸ばし体の前に持ってくる。

ヒロキ『風の覇者、フーマ!』

伸ばした腕を胸の前に持ってきて右手に持ち替えるとフーマアクセサリーから3つの青い光がタイガスパークの手の甲のクリスタル部分に注がれる。

フーマ『ハァァァァ、フッ!

ヒロキ『バディィ、ゴー!』

TS『ウルトラマンフーマ!』

フーマ『セイヤッ!

片膝を着き、

フーマ『俺の名はフーマ!銀河の風と共に参上!』

ヒロキ『フーマ、作戦ある?』

フーマ『ンなもん簡単だ。ゼットン置いといて、カブト・ザ・キラーだけに集中する!ブッ飛ばすぜェ!』

そう言って高速ですれ違い後ろから光の手裏剣を投げる。

フーマ『セイヤァァァァ!』

カンッ!カンッ!カキンッ!キンッ!カキンッ!

右前、左後ろ、真ん前、左前、右後ろ、と瞬間移動しながら光の手裏剣を投げ続ける。鎧に弾かれている様な音ではあるが確実にダメージを与えていた。

フーマ『そろそろ終わらせるぜ!ヒロキ!ギンガレットだ!』

ヒロキ『分かった!』

TS『カモン!』

左腕にギンガレットが出現する。前に突き出した左腕に右手を重ねるとギンガレットから白の3つの光がタイガスパークのクリスタル部分に注がれた。

TS『ギンガレット!コネクト オン!』

フーマに白色のギンガが一瞬重なる。すると急に3の指を立てる。

フーマ『これは三冠ピースじゃあねぇぞ。』

そう言うとカブト・ザ・キラーの後ろを取り、

フーマ『お前は後3秒で終わりって事だァッ!』

虹色の大きめの手裏剣3つを投げつけ、瞬間移動して距離をとる。

投げつけられた手裏剣をくらいカブト・ザ・キラーは爆散した。

ゼットン(ウイセ)「貴様らァァァァァ!殺す!貴様らだけはァァァァァァ!」

叫びながらブラックホールを作り出すゼットン。

フーマ『タイガ、あとは任せたぜ。』

ヒロキ『タイガ。相手はゼットン変異種だ。最低でも』

タイガ『分かってるって!フォトンアースでいこう!』

TS『カモン!』

【推奨BGM:Buddy, steady, go!】

ウルトラタイガアクセサリーがフォトンアースキーホルダーへ変化する。左手に取り、腕を真っ直ぐ伸ばし体の前に持ってくる。

TS『アース!シャイン!』

それぞれクリスタル部分に手をかざし青い3つの光と黄色い光がタイガスパークへ注がれる。

ヒロキ『輝きの力を手に!』

伸ばした腕を胸の前に持ってきて右手に持ち替えるとタイガアクセサリーの部分から3つの赤い光がタイガスパークの手の甲のクリスタル部分に注がれると同時にアースとシャインのクリスタル部分が開く。

すると、タイガに金色の鎧が装着されていく。

ヒロキ『バディィ、ゴー!』

TS『ウルトラマンタイガ!フォトンアース!』

タイガ『シュアァッ!

打ち出されたブラックホールを腕を振り払うように霧散させる。

ヒロキ『これ以上ブラックホールを打ち出されたらヤバい!速攻で片をつけよう。』

タイガ『ああ!』

ゼットンへ駆けていき先ずはパンチ3連発、からのキック。ゼットンの肩に右足を掛け、反対側の肩に左足を掛けて体を捻り投げ飛ばす。立ち上がったゼットンは反撃にと右腕で殴ってくるが左腕で止め、ゼットンの腹へ膝蹴りを入れ、そのまま投げる。

拳を作った両腕を横腹へ持ってくる時に身体中にエネルギーを溜める。

タイガ『これでトドメだ!オーラムッ ストリウーム!』

拳を解いた左手を前へ軽く突き出し、拳のまま手の甲を敵に見せた状態の右手に左手を載せオーラムストリウムを発射する。

ゼットン(ウイセ)「クソォォォォァァァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」

四散爆発した。

 

【ツバサside】

ツバサ『ユウト挟み込むよ!マホロバ援護射撃を!』

ユウト『了解!』

マホロバ「任せろ!」

僕等2人はそれぞれ残ったキングジャイグラス、メカゴモラを背中合わせにさせて、

GHK「ウルトラマンティガ!マルチタイプ!」

GS「ブートアップ!ゼペリオン!」

ツバサ、ユウト、マホロバ『(ダーク)ゼペリオン光線!』

三極からのトリプルゼペリオン光線で撃破した。

向こうも終わったみたいだ。

ツバサ『お疲れ様。』

ユウト『カラータイマーなる前に終わっちゃいましたね。』

ヒロキ『ハハハ。じゃあそろそろ戻ろうか?』

?『フフフ。宇宙人さん連れてきて正解でしたわね。』

急に声が聞こえてきた。

?『久しぶりですね。2人共。』

後ろを振り返ると禍々しいワープホールの様な中から銀の体に金のラインが入った女性タイプの宇宙人が現れた。

第一印象は、ウルトラウーマン。

?『あら、覚えていませんか?ティガ。私です。カルヤラですよ?』

…カル、ヤラ?まさか?

ふとユウトを見ると苦虫を噛み潰したような顔をしている。

ユウト『闇の…巨人…石版通りか…。』

闇の巨人。やっぱりか…。

カルヤラと名乗る宇宙人を見るととてつもなく困惑顔を浮かべている。

カルヤラ『あの、本当に覚えていませんか?ティガ。トリガーは覚えていてくれたようですけれど。』

ユウト『覚えているんじゃない。石版にお前の事が書かれていただけだ。』

カルヤラ『そう、ですの…。』

あからさまに落ち込むカルヤラ。

カルヤラ』そちらの金ピカさんは初めましてですわね?ん"ん"。あー、あー。言葉が通じてますか?』

ヒロキ『は、はい。』

カルヤラ「私、カルヤラと申しますわ。そちらにいるティガの元恋人でそこのトリガーの姉です。」

トライスクワット「なんだって(と)!?」

ユウトも絶句していた。そんな事は気にもせず話し続けるカルヤラ。

カルヤラ『それにしても金ピカさん。見るからに光の者ですわね。離れて下さいませんか?』

タイガ『え、あ、はい。』

スタスタと下がるタイガ。

堪らず声を掛ける。

ツバサ『ちょ、ちょっと待って、カルヤラ、さん?』

カルヤラ『昔の様にルヤって呼んで下さいませんの?』

ツバサ『僕そうやって呼んでたの!?』

カルヤラ『はい♡』

何故かは分からないが変身していない時のこの娘の笑顔が分かる。そこらの女性では太刀打ち出来ないほどの容姿の整った姿。えっとー、声優の小倉 唯に似てる。そういえば声もそんな感じ。

カルヤラ『本当に覚えていませんのね。』

ツバサ『なんと言うか…すみません。』

カルヤラ『そう、ですの…でしたら!』

一瞬で創り出した氷の輪を此方へ投げてきた。

カルヤラ『力ずくでも思い出して頂く迄ですわ!』

 

【次回予告】

ユウト「とうとう現れた闇の巨人、カルヤラ。ツバサ義兄さんは存在を知らなかったみたいだけど。元恋人かぁ。マホロバ姉さん大丈夫かな?それにしてもトリガーの姉って…。

 しかも石版にはまだ2人闇の巨人が居るらしいし!兎に角この状況を抜け出さないと!

 次回!ウルトラマンティーズ『光と闇の邂逅』。スマイルスマイル!」



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♯5 光と闇の邂逅

あらすじ 闇の巨人が現れた。

 

カルヤラ『力ずくでも思い出して頂く迄ですわ!』

体を捻り氷の輪を避ける。

ツバサ『ち、ちょっと待って!』

?『我が好敵手の言う通りだ、カルヤラ。』

??『そろそろお嬢は落ち着く事を覚えてはどうだですか?』

カルヤラの後ろに現れた黒く禍々しい色の孔から2人の巨人が出てきた。

カルヤラ『あら2人共。もう出てきてしまったのですか?』

?『目の前に懐かしい顔ぶれが居ると言うのに黙って見ているのはつまらん。』

??『我々も久々に話してみたいからな、です。』

ヒロキ『あの、どちら様?』

?『む、見たことの無い顔だな。ならば名乗ろう!我が名は空撃闘士 ダーゴルだ。そこのトリガーはマイフレンド、ティガは我の好敵手だ。覚えておくといい、光の者よ。』

??『であれば私も。私は撃滅策士 ヒュドリム。以後お見知りおきを。』

3人の闇の巨人が全員揃ってしまった。

カルヤラ『自己紹介している場合ではありませんことよ2人共。見るからに光の者でしょう?という事は。』

ダーゴル『我らがするべき事は1つ!』

ヒュドリム『光の殲滅!ついでに貴様も消してやるトリガー!お嬢の義弟の癖に光の者に成りやがって!』

トリガーも光堕ちしてたんだ…。

ユウト『お前等の事なんか知るか!今日初めて知ったわ!だいたい僕はお前等が知ってるトリガーじゃない!』

ヒュドリム『はぁ〜?光堕ちしようとトリガーはトリガーだろ!ダーゴル!お前も何か言ってやれ!…ダーゴル?』

ダーゴルは固まっていた。石化したように固まっていた。

ダーゴル『そんな…嘘だろう…?マイフレンドが我らの事を忘れるなど…。』

ガシッとトリガーの肩を掴むダーゴル。

ダーゴル『思い出せマイフレンド!我らと共に行ってきた思い出を!』

どんな思い出があるんだろう?

ダーゴル『人の姿をしていた時は一緒に山登りしただろう?カツアゲした金で飯を食いに行っただろう?巨人の姿では光の者をぶっ飛ばしに行ったよなぁ?まさかそんな楽しい思い出も忘れてしまったのか?!マイフレンドォ!』

何やってんだコイツら。

ダーゴル『お前もだ我が好敵手!』

あれ?こっちに飛び火が来た。

ダーゴル『人の姿の時は毎日1回は手合わせしてくれていただろう?巨人の姿では光の者同士の抗争に我ら5人で入って行って一人一人惨殺しただろう?!』

先代ティガは何をしてたんだ…

ダーゴル『何故だ…何故忘れてしまった…あんなに楽しかったのに…。』

惨殺って楽しいかなぁ?

カルヤラ『言ったでしょうダーゴル。思い出してもらうにはもう力ずくしかありませんわ…。さあ、覚悟なさい!そこの光の者はついでに殺して差し上げますわ!』

ヒュドリム『では私はそこの光の者を。お嬢に触らせる訳にはいかないからな、です。』

ダーゴル『とは言っているがカルヤラが最前線に立ってちぎっては投げていたよな、マイフレンド。』

ユウト『あーもう、ウザい!僕とお前は友達じゃない!』

その時、空気が凍った。

ダーゴル『友達では、無い、だと?』

ユウト『そうだ!だいt、ぐあっ!』

ダーゴルがトリガーの左頬を殴った。

ダーゴル『貴様!嘘でもそんな事を言っても良いと思っているのか!』

トリガーの首を締めながら持ち上げるダーゴル。

ユウト『ぐッ、あが、し、初対面の、奴、に、友、達、って、い、言う方、が、おかし、い、だろっ!』

パワータイプにタイプチェンジしたトリガーがダーゴルの左腕を膝で蹴りあげ拘束から逃れる。

ダーゴル『初対面だから友になれるのだろう!』

ダーゴル凄い正論言ってる。

ユウト『うるせぇ!』

ダーゴル『何だとぉ!?』

凄い勢いで殴りあってる。スカイタイプ並のスピードで殴りあってる。

ヒュドリム『はぁっ!』

タイガ『うわっ!』

タイガの腹に蹴りを入れ吹っ飛ばすヒュドリム。

ヒュドリム『ボケーッとしているからだ。そのまま寝そべっていろ。楽に首を撃ち抜ける。』

そう言って右腕にくっついているクロスボウの様な武器でタイガの首に狙いを定める。

ヒュドリム『死ね。』

そう一言言った瞬間右腕の武器から光弾が発射される。が、それを横へ転がって躱し、立ち上がる。

タイガ『ヒロキ!ヘルベロスリングだ!』

ヒロキ『使って大丈夫なの?』

タイガ『ヒカリ博士が作った物だから大丈夫だ!』

ヒロキ『分かった!』

TS『カモン!』

ヒロキの拳を作った左手の中指にヘルベロスリングが出現する。

TS『ヘルベロスリング、コネクト!』

ヒカリが作ったからか、エンゲージからコネクトに変わってる。

立てた両腕に赤黒いエネルギーが溜まっていく。

タイガ『ヘルスラッシャー!』

胸の前で手が下になるように腕をクロスさせ、勢いよく腕をヒュドリムへ伸ばし赤い鎌状の刃を飛ばす。

ヒュドリム『くあっ!チッ!あのまま寝ていれば直ぐに地獄へ落ちれたと言うのに!』

タイガ『誰がそんな所へ落ちるか!』

そのままお互い走って近づいていき殴り合いが始まる。

カルヤラ『さ、しっかり思い出して下さいましね?はぁっ!』

氷の輪を躱す。走り迫ってきたカルヤラの右手のチョップを左腕で防ぐ。左脚の膝蹴りを右手で押し返す。すると、上手く踏ん張れず左にバランスを崩す。左肩より高くなった右肩の下へ僕の右肩を入れ、両腕でカルヤラの右手を掴み投げ飛ばす。

背を伸ばしたその瞬間前から攻撃をくらう。

ツバサ『うわっ!いったぁ…何、今の?』

後ろを振り向くと先程カルヤラが投げた氷の輪だった。帰って来るのか!

カルヤラ『ふふふ、相変わらずの強さ。ですが長い事会っていないとやはり忘れてしまうのですね。ちゃんと思い出して下さいまし。』

ツバサ『だから!今の僕は確かにティガダークだ。でも変身している僕は君達が知っているティガダークじゃないんだ!』

カルヤラ『まだそんな事をおっしゃいますの?ならば、先ずは頭を冷やして頂きましょう!』

そう言うと氷の輪を3つ出現させる。そのうちの1つが僕目掛けて飛んでくる。右へ躱すと空中で止まり、僕を追いかけて来る。ホーミング機能付きなの!?

跳び前転、バク転、側転等々で躱すが遂に当たってしまった。立ち上がると先程まで追い回していた氷の輪の中に居た。

あ、これヤバい。

そう思った瞬間、氷の輪が収縮し拘束される。腕を開こうと力を入れるがビクともしない。

カルヤラ『ふふふ、そのまま動かないで下さいね?』

カルヤラの前で残りの2つの氷の輪が高速で時計回りに回転している。あれ、もしかして必殺技!?ヤバいヤバい!あれ絶対氷漬けにされる奴だ、多分、確証無いけど!

けど本当にどうする?動けはするけど全速力で走れない今、絶対に逃げきれない。

ふと僕を拘束している氷の輪を見ると、水が体を伝って下へ流れている。腕を開こうと力を入れるとミシッ!と音がした。イケるかも?

先程よりもっと腕に力を入れる。

カルヤラ『イースフリースルベゲランサ!

高速回転している氷の輪の間で出来た大きな円に手を入れた瞬間、その大きな円いっぱいに冷凍光線が発射される。

ツバサ『ティガ・ライトパワー!』

バキィッ!と音を立て氷の輪が割れる。左斜め前に跳び前転で間一髪避ける。後ろにあったビルが一瞬で氷の中に閉じ込められる。怖っ!

というか思わずライトパワーって言っちゃったけどもしかしてダークパワーだったりする?黒く光ってたし。

ピコン

そんな阿呆な事を考えているとカラータイマーが鳴り始める。

カルヤラ『まだいきますわ!』

さっきのまだ撃ってくるのか!?一か八かやってみよう!押し返せたら万々歳、氷漬けにされたら…2人が何とかしてくれるでしょ!

両腕を前に突き出し交差させ、大きく横に広げてエネルギーを溜める。

カルヤラ『イースフリースルベゲランサ!

ツバサ『ダークゼペリオン光線!

真っ向からぶつかり合う氷の束と黒い光の束。押して返してを2、3度繰り返し、真ん中で爆発が起こり、お互い吹き飛ぶ。起き上がると、トリガーもタイガもカラータイマーの点滅が早くなっていた。

カルヤラ『今日はこれくらいにしましょう。また会えますし。次こそは必ず思い出させて見せますわ!さぁ、帰りましょう?ダーゴル?ヒュドリム?』

ヒュドリム『お嬢の仰せのままに。』

ダーゴル『いいかマイフレンド!貴様とは必ず決着をつけてやる!友情が正義だ!』

そう言い残し出現させた赤黒い孔へ入っていった。

 

【18:03 イルマ邸】

アムイ「なるほど〜、色々考える事が増えたね…。」

マホロバ「私も、変身出来るようにならなければな。」

ヒロキ「そう言えばなんで変身出来ないんだっけ?」

マホロバ「ああ、それは…」

ー少女説明中ー

ヒロキ「成程、要するに光の制御が上手く出来ないって事?」

マホロバ「そういう事。」

ヒロキ「みんな、何か良い案無い?」

タイガ『うーん、生まれた時からこの姿だったから悩みがいまいち分からない…。フーマはどうだ?』

フーマ『確かに俺は力を貰ったタイプだけどこの姿に成る前と力の使い方変わんねぇしなぁ。旦那は?』

タイタス『うむ、私もその様な悩みは無いからな。だが、昔何処かでリブットが力の制御を教える為に踊ったとか聞いたが、定かではないな。すまない、我々では役に立てそうにない。』

マホロバ「いや、元は私の問題だ。頑張って解決してみるさ。」

ユウト「あの、リブットって誰ですか?」

ツバサ「ウルトラマンリブット。元々は文明監視員だったらしいけど、惑星ミカリトでゴーデスマガオロチを倒して、ギャラクシーレスキューフォースに入ったエリートなウルトラマン、じゃなかったっけ?」

タイガ『…異世界転生した人って知らない事無いんだな。』

ツバサ「いや、僕がマニアなだけ。」

マホロバ「じゃあそのギャラクシーレスキューフォースって?」

ツバサ「か弱き生命を守り、救助する 事が使命の組織で、様々な宇宙人の精鋭、というか生命体全般と言った方が正しいかな?まぁそんな感じで宇宙中の精鋭が所属していて、宇宙の平和のために活動してる。中には王族が居たりとかするから、組織の規模や影響力は相当な大きい組織。」

フーマ『ホントスゲーなアンタ…。』

アムイ「話は変わるんだけど、義兄ちゃん達のクラス、文化祭何やんの?」

ツバサ「執事メイド喫茶。僕は厨房担当だけど。」

タイタス『ヒロキは執事として出るみたいだな。』

フーマ『頑張れよー。』

ヒロキ「う、うん。頑張るよ…。」

ユウト「姉さんメイドですか?」

マホロバ「多分、執事…。」

ユウト「やっぱり…因みに僕等のクラスは街で見かけた面白いものです。展示ですね。」

ツバサ「どんなのが飾ってあるの?」

アムイ「それは見てからのお楽しみ!」

ツバサ「えー。まぁ楽しみにしておくよ。」

考える事はいっぱいあるけど、今は目の前の事に集中しよう。

 

【次回予告】

突如割れた空。その中から出てきたのは170cm位しかない超獣にしては有り得ない、心を持った優しいバキシムだった。

近くの商店街の人達はツバサ達の説得も有り仲良く暮らす事を決める。

しかし、悪辣なヤプールによりたまたま大湯市に棄てられた、新しく製造した超獣達のテスト相手だったのだ!

バキシムが危ない!

さぁ次回のウルトラマンティーズ「放たれた出来損ない(標的)」。みんなでみよう!



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#6-1 放たれた出来損ない(標的)

あらすじ 文化祭を楽しみにする事にした。

 

【9月29日 16:25 商店街近く ツバサside】

ツバサ、アムイ、ユウトの3人は文化祭でのツバサのクラスで使う食材の発注に、商店街へ向かっていた。

ツバサ「2人共、着いてきてくれてありがとね。」

ユウト「いえ、気にしないでください!」

アムイ「そうそう。もっと頼ってよ!」

ツバサ「うん。じゃあアムイはこれね。で、ユウトはこっち。」

義弟's(仮)「了解!」

ツバサ「それにしてもアムイとこうやって商店街歩くの久々だね。」

アムイ「それな!どれくらいぶりだろ?」

ツバサ「どれくらいぶりだろうねぇ?あ、そう言えば。ねぇユウト。」

ユウト「はい?」

ツバサ「GUTS SECRETって何?」

アムイ「ユウト、説明してなかったの?」

ユウト「姉さんがしたと思ってたんだけど…。えっとですね、GUTS SECRETと言うのは、Global Unlimited Task Squad Secretの略でして。元は1996年にお爺様が科学省職員であったイルマ叔母様を擁して設立させた超常現象や怪事件の捜査を目的とするG機関という組織だったんですが2006年にお爺様が総監となってGUTS SECRETへと改称、正式に発足したんです。有り体に言うと地球防衛軍って奴です。それでいて国民には秘密にしているのでシークレットなんですよ。」

ツバサ「お爺様とかイルマ叔母様って…。」

アムイ「サワイ ソウイチロウ(お爺様)イルマ メグミ(お母様)の事だよ。」

ツバサ「やっぱりそうなんだ。それで2人はGUTS SECRETの一員なの?」

ユウト「はい。他にもホリイ先輩やヤズミ先輩のお父様も入ってらっしゃいますよ。だからお2人に話したんです。」

ツバサ「成程ねぇ。じゃあ知らなかったの僕だけかぁ。」

ユウト「なんと言うか、すみません。てっきりマホロバ姉さんが話してるものだと。」

ツバサ「まぁ気にしないで。」

アムイ「話は変わるんだけどさ。ツバサ義兄ちゃんは姉ちゃんのことどう思ってんの?」

ツバサ「え?」

ユウト「あ!それ気になります!どう思って、いや想ってるんですか!?」

アムイの一言にユウトが目をキラキラさせながら聞いてくる。

ツバサ「ど、どうって言われても…。」

アムイ「姉ちゃん結構な優良物件だと思うよ?家事全般得意だし。」

ユウト「イケメンだしね。後、低音ボイス。」

アムイ「そう言う所で女性らしさはほんのちょっっっっと欠けてるけどね。でも私服もスカートよりジーパンの方が多かったりするし、ツバサ義兄ちゃんそういうボーイッシュな方が良いでしょ?性癖刺さってるでしょ?ってか最近姉ちゃんのスカート姿って制服しか見たこと無いんだけど。」

ツバサ「ちょっと待って。なんで僕の性癖知ってんの?」←ボーイッシュな娘が好きな人

アムイ「この前義兄ちゃんの部屋に遊びに行った時義兄ちゃんが部屋を出た隙にお宝()を探そうとした時に、」

ツバサ「人ん家で何してんの!?」

アムイ「お宝は無かったけどラノベとか漫画とかのヒロインがボーイッシュな奴いっぱいあったの見つけた。」

ツバサ「ホント人ん家で何してんの…?」

ユウト「成程成程…姉さんピッタリだ!」

アムイ「でしょ!」

ユウト「それで、結構どうなんです?マホロバ姉さんの事どう想ってるんですか?」

何故こんなことになってしまったんだ。

ツバサ「…言わなきゃダメ?」

ユウト「はい。」

アムイ「勿論。」

ツバサ「絶対言わなきゃダメ?」

ユウト「まどろっこしいです!さっさと言っちゃってください!」

ツバサ「はぁ…。そりゃあマホロバの事は…」

義弟's「事は〜?」

ツバサ「やっぱ言わない。」

義弟's(仮)「えー!!」

アムイ「そこで言わないは無いでしょ!?」

ユウト「こんな事でヘタレててどうするんですか!?」

ツバサ「五月蝿いなぁ!」

パキンッ!

3人「ん?」

ツバサ「何か割れた?」

義弟's(仮)「さぁ?」

ガラスが割れた様な音がした。踏んだかな?と思い、下を見ても欠片も無かった。

ユウト「義兄さん!アムイ!あれ!」

空を指さすユウト。その指の先にはヒビ割れた空があった。何度もテレビで見たあの空のヒビ割れ。間違いないだろう。

ツバサ「超獣か…!」

アムイ「超獣って?」

ツバサ「異次元人ヤプールが侵略のために作った怪獣を超える存在の生物兵器だよ。」

ユウト「あのヒビ割れが、ですか?」

ツバサ「あのヒビ割れが完全に割れて中から出てくるの!」

パキパキと音を立て空が割れて…いかなかった。

ツバサ「え?」

目視だから正確には分からないが、約2m程度の割れ目から何かが商店街の方へ落ち、割れ目は閉じた。

ツバサ「行こう!」

アムイ「うん!」

ユウト「はい!」

いい感じに逃れられたな…今日ばかりは超獣に感謝だ。

【16:35 商店街】

ツバサ「商店街の真ん中の方に落ちていったよね?」

商店街の方からは人々が逃げて来ていた。

アムイ「そうみたい。あ、八百屋のおっちゃん!」

ユウト「ほかのお店の皆さんも!」

?「おぉ!ツバサくん!アムイの坊ちゃんも!早く逃げろ!」

そう言ったのは八百屋のおじさん、ヤザキ タケシさん。

ツバサ「何が落ちてきたんです?」

あくまで知らないていで聞いてみる。

ヤザキ「2mぐらいの青とオレンジの怪獣が落ちて来たんだよ!」

青とオレンジ、か。アイツだな。

ヤザキ「喋ってる場合じゃねぇ!早く逃げるぞ!」

ユウト「その怪獣は今何処に?」

ヤザキ「それが落ちてきた所がウチの前だったんだけどよ、立ち上がったまま動かねぇんだよ。害が出た訳じゃねぇけどそれはそれで気味が悪ぃし逃げてんだ。」

超獣なら破壊して回ってもおかしくなさそうなんだけどな。動かないなら、

ツバサ「見に行ってみようか。」

ヤザキ「な、何言ってるんだ!?」

ユウト「そうですね、行ってみましょう。」

アムイ「って訳でおっちゃん、ちょっと行ってくるわ!」

ヤザキ「ち、ちょっと待て!あ、おい!坊ちゃん達!」

ヤザキさんの声を無視し件の超獣の元へ行ってみる。

【八百屋前】

八百屋の前で突っ立っていた件の超獣は180cm程度しか無かった。

ツバサ「やっぱりバキシムだ。」

ユウト「ご存知で?」

ツバサ「一角超獣バキシム。異次元人ヤプールが芋虫と宇宙怪獣を合成して作った超獣だよ。」

アムイ「って事は生物兵器?」

ツバサ「そういう事だね。さて、なんでこの子はこんなちっちゃいんだ?」

ユウト「本来はどれくらい大きいんですか?」

ツバサ「えっと、65m位じゃなかったっけ?」

アムイ「ウルトラマンよりデカいのか。にしてもなんでコイツ突っ立ってんだろ?」

それも気になる。八百屋の方を見たまま全く動かない。何を見ているんだろうと思いバキシムの目線の先を見てみる。そこには、

ツバサ「キャベツ?」

ユウト「キャベツですか?今高いですよねぇ、野菜全般。」

アムイ「キャベツかぁ。今日の夕飯回鍋肉にしてもらおうかなぁ。」

何言ってんだ君ら。そこへ、

ヤザキ「おーい!坊ちゃん達!早く離れたほうが!

20m位先から小声で叫ぶヤザキさんが。

ツバサ「おじさん、1玉幾らですか?」

ヤザキ「キャベツ?190円だけど。

ツバサ「ここ置いときますね。」

アムイ「何すんの?」

ツバサ「んー、ちょっとね。」

そう言って1玉持つと、バキシムの目線の先が僕が持っているキャベツに変わった。横を通り過ぎると僕の方(多分キャベツ)を向いた。急にザワザワし始めヤザキさんの方を見ると人集りが出来ていた。そんな事は気にせず、僕は此方を向いたバキシムの前へ立つ。

あいもからわずキャベツを見続けるバキシム。僕はキャベツを体の右に出した。するとバキシムは体をキャベツのある方向へ向ける。今度は左にキャベツを出す。バキシムも体を(此方から見て)左に動かす。上へ動かせば仰け反るようにして見上げる。下へやると同じ様に着いてくる。右、左、右、上、左、下、右斜め上、と動かすとそのキャベツがある方へ体を向ける。アレだ、猫じゃらし捕まえようとする猫みたいだ。可愛い。

僕は1枚剥ぎ取るとバキシムの口の前へ持っていった。バキシムの顔は不思議そうな顔をしている様に見える。

ユウト「た、食べるんですか?」

ツバサ「さぁ?分かんない。おっ!」

バリバリと音をさせながら1枚全てを口に入れ、咀嚼するバキシム。なんだか嬉しそうな表情に見える。なんだかちょっと体が揺れてる。

ツバサ「美味しい?」

うん!といった感じで頷…いてるんだと思う。体全体が動いたら分かんないな。お辞儀しているみたいだ。

やがて1枚を食べ切ると今度はキャベツと僕の顔を交互に見始めた。

ツバサ「もう1枚いる?」

さっきよりもオーバー気味に頷くバキシム。そんな感じでキャベツをあげていると、

?「魚は食べるかな?」

ツバサ「サクマさん!」

サクマ リョウさん、魚屋さんだ。

ユウト「サクマさんは怖く無いんですか?」

サクマ「君達とこの怪獣を見ていたら親父の事を思い出してね。言ってたんだ、親父が。『怪獣にも宇宙人にも良い奴は絶対いる!人間から見た地球ですらこんなにデカいんだからもっとデカくて広い宇宙なら有り得る!ダメなら相手の事が解るまで戦うしかないだろうけど』って。今やっと分かった気がしたよ。」

アムイ「サクマのおっちゃんのお父様めっちゃ良い事言うじゃん。」

サクマ「はは。ありがとう。で、どうかな、食べるかな?」

ツバサ「あげてみましょう。」

サクマさんがバケツに入れて持ってきていたイワシを手に取る。

ツバサ「食べてみる?」

体を斜めに傾けるバキシム。多分これ首を傾げてるんだろうな。

あー、と口を開くので放り込んでみる。

ツバサ「美味しい?」

コクリと小さく頷くバキシム。その目線はキャベツにいっていた。

ツバサ「キャベツの方が良いみたいです。」

サクマ「ははは、怪獣も好き嫌いがあるんだなぁ!親近感湧いてきたぞ!」

?「パンはどう?」

そう聞いてきたのはサクマさんの妻、サクマ ヨウコさん。

ヨウコさんを皮切りに商店街の人々が色々な物を持ってきてくれた。でもやっぱりキャベツだった。

その時誰かが足を踏んだのか、痛がる素振りを見せたバキシム。本来超獣達は痛覚が無い。それなのに痛がった。このバキシムは普通ではない事はこの事だけで良く分かったがどうして異次元空間から出てきたのか全く分からない。殺処分されていてもおかしくなさそうなんだけどな。

その後、商店街の人達とたまたま来ていたサワイ ソウイチロウと話をつけ、イルマ家で面倒を見る事になったのだが…

ツバサ「ねぇバキシム。そろそろ離れて欲しいなぁ。」

このセリフ、5回目である。バキシムは僕の腰を掴んだまま離れない。どうやら懐かれたらしい。とりあえず頭を撫でる。

ツバサ「また明日も会えるから、ね?」

そう言うと渋々離してくれた。時計を見ると17:30を指していた。

ツバサ「そろそろ帰らなきゃ。また明日ね。2人共、サワイさん。バキシムを頼みます。」

義弟's(仮)「任せて(下さい)!」

サワイ「また明日様子を見に来なさい。何時でも良いぞ。」

ツバサ「はい!」

この時、翌日に死闘が起こるなど微塵も考えていなかった。

 

【同刻 宇宙空間】

タロウはワープホールを抜けツバサ達の地球へ急いでいた。

 

タロウ『兄さん達への報告は終わった。彼らの指導には私は勿論、彼にも頼んだ。準備をしてから後を追うと言っていたから数日遅れて来るだろう。ん?何だあれは?』

 

タロウの前には小さな空間の歪みがあった。地球へ急いでいるが見過ごす訳には行かない。タロウは空間の歪みへ飛び込んだ。



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♯6-2 放たれた出来損ない(標的)

あらすじ バキシムに懐かれた。

 

【10月1日 16:20 イルマ邸 マホロバside】

ツバサ「こんにちは、お邪魔します。来たよ、バキシム。」

こんにちは、の こ が聞こえた瞬間彼は部屋を出ていた。というかツバサが家に近づいてくるのが分かるらしくソワソワしていた。そのレーダー私に欲しい。キャベツあげるから頂戴。

にしてもバキシムには本当に感謝している。愚痴をうんうんって黙って聞いてくれるし、見ているだけで癒される。キャベツ食べてる時ホント可愛い。それに、

ツバサ「ははは、今日も元気だね。それと取り敢えずここ玄関だから上に乗っかってくるのやめようね。」

ツバサが毎日家に来てくれる事だ。

アムイ「姉ちゃん、バキシムみたいにツバサ義兄ちゃんに抱きついてみたら?」

マホロバ「出来るわけないだろう!?////」

全く、何を言い出すんだこの弟は!//// でも、ちょっとやってみ…何を考えているんだ私はァ!

ツバサ「マホロバ、大丈夫?」

マホロバ「だ、大丈夫!何も無い!」

ツバサ「そ、そう。」

へ、変に思われてないだろうか?

ユウト「あ、ツバサ義兄さん、丁度良かった。今イルマ叔母様にお使い頼まれたんで一緒に行きませんか?バキシムも一緒だよ。」

ツバサ「良いよ。行こっか?バキシム。」

やったー!と両手を上げ喜ぶバキシム。本当に可愛い。…もしかしてこれ、今からツバサ+‪αで買い物に一緒に行けるのでは?…買い物デート?////

※一瞬の内に+‪αの事を忘れてます。

マホロバ「じゃあ私も一緒に…」

ユウト「マホロバ姉さんとアムイは叔母様に呼ばれてましたよ。」

え?

マホロバ「え、それどう言う…」

イルマ「マホロバ、アムイ、早く来て頂戴。」

あ、本当に呼ばれてる。

ツバサ「じゃあ行ってきます。行こう。」

ユウト「はい。」

か、買い物デートが…

 

【ツバサside】

商店街へ向かっていると、

ヒロキ「本当にバキシムだ。」

ツバサ「ヒロキ、学校で言ってたけど改めて紹介するよ。バキシムだよ。」

ペコッとお辞儀をするバキシム。本当にいい子だなぁ。

ヒロキ「そっか、宜しくね。」

タイガ『なぁ、ヒロキ。ちょっと可哀想なんだが何処か抓ってみて欲しいんだ。』

ユウト「ダメですよ!可哀想じゃないですか!」

タイタス『ユウトの気持ちは良く分かるが、我々の仮説が正しければこの個体がどうして人を襲うことなく人間生活に馴染めているかが分かるかもしれないんだ。』

フーマ『まぁなんつーか、一種の安全確認みたいなもんだと思ってくれ。人間だって予防注射?だったか?やるんだろ?似たようなもんだよ。』

ユウト「な、成程?」

ヒロキ「と、言う訳だから、バキシム、ちょっと腕出してくれないかな?」

恐る恐る腕を出すバキシム。

ヒロキ「ごめんね、痛いかもしれないけど我慢してね?」

そう言うと親指と人差し指でギュッと摘んだ。するとバキシムは摘まれた所を痛そうにし、ヒロキが指を離すと僕の後ろに隠れるように抱きついてきた。

ヒロキ「ごめんね。痛かったね。でもこれで。」

タイタス『我々の仮説が信憑性を帯びて来たな。』

やっぱりそうなんだ。

ユウト「どんな仮説なんです?」

タイタス『このバキシムは痛みと恐怖を感じる、と言う事だ。』

ユウト「? それは生物としては当たり前の事では?」

ツバサ「普通の生物ならね。でも超獣は生物兵器。だから超獣を作る過程で痛みとか恐怖を感じないように作られるんだ。」

ユウト「じゃあこのバキシムは、」

ヒロキ「超獣としては失敗作、になるのかもしれない。」

ユウト「そんな…。」

バキシムを見ると、僕等の声が聞こえていたのか、落ち込んでいるように見えた。

 

【16:30 商店街】

ヤザキ「おっ!今日も来たか、ムーちゃん!ほらキャベツだ。」

さっきの落ち込みようは何処へ行ったのか、楽しそうに食べていた。バキシムの ム を取ってムーちゃんらしい。

サクマ「ツバサくん。ムーちゃん元気無さそうに見えたけど何かあったの?」

どう答えようか…?

ツバサ「多分大丈夫だと思います。考え事してただけだと思うので。」

取り敢えず誤魔化す。その時だった。空にヒビが入った。バキシムの時とは違う大きなヒビ。

バリーン!と大きな音と共に空が完全に割れ、中から三体の超獣が出てきた。

ツバサ「ベロクロン!?」

ユウト「あれも、超獣ですか!?」

ツバサ「ミサイル超獣ベロクロンだ。身体中の突起物はミサイルとかロケット弾の発射口になってる。」

なってるんだけど、僕の知ってるベロクロンとは少し違った。と言うのも体の突起が明らかに少ない。何かありそうだ。ヒロキを見ると訝しげにベロクロンを見ていた。やっぱり普通のベロクロンとは違うみたいだ。

ユウト「全身兵器のタイプですか。」

ヒロキ「多分あのベロクロンも使うと思うんだけど、手から放つテリブルハンドリングには気をつけてね。俗に言う金縛り光線だから。」

僕等が話している間もベロクロン達は何かを探すような仕草を見せていた。そして一体が此方を向いた。商店街の人達はもう逃げていた。僕等はそれぞれ変身アイテムを構える。

ツバサ「あれ、バキシムは?」

ユウト「そういえば、何処行ったんでしょうか?」

此方を見ていたベロクロンがゆっくりと体ごと見る方向を変えていた。その目線の先には、

ツバサ「バキシム?」

走って逃げていくバキシムが。その顔には恐怖を感じているように見えた。

他の2体もバキシムを捉えていた。

ツバサ「まさか!?」

フーマ『まさか…なんなんだ?』

ツバサ「バキシムを狙っているんじゃ?!」

ヒロキ達がハッとなった瞬間、バキシムへのベロクロン達のミサイル一斉掃射が始まった。

やっぱりだ!

ユウト「クッソォ!」

GHK「ウルトラマントリガー!マルチタイプ!」

ユウトがキーを起動させた時だった。僕等の後ろの空が割れ、大きな高笑いが聞こえてきた。

?『ハッハッハ!さぁ逃げろバキシム(出来損ない)!使い道の無い貴様を使ってやってるんだ!しっかりと役立て!』

割れた空の先の赤い世界に居たのは、ヤプール人だった。

ツバサ「ヤプール!」

ヤプール人『なんだ貴様。儂を知っておるのか。まぁ、関係無い。』

ヤプールって一人称儂だっけ?

ユウト「バキシムが出来損ないってどういう事だ!」

ヤプール人『そのままの意味だ。超獣製造機のバグで産み騙された余計な感情を持った出来損ない。処分する位なら逃げ回らせて新型の的にした方が無駄にならず効率的だろう?』

流石ヤプール人って感じだ。勿論悪い意味で。

ユウト「なんて奴なんだ…!」

タイガ『そう言う奴なんだよ、ヤプールは!』

その時だった。

ヤザキ「てめぇ自分が生み出した奴ぐらい責任持て!」

離れた場所から姿は見えないがヤザキさんの怒号が聞こえてきた。

「そうだそうだ!」「責任持てー!」「この外道が!」

等々聞こえてきた。みんな…!

ヤプール人『フン!実験場の虫が鳴いた所で何になる。ベロクロン共!とっとと出来損ないを片付けろ!』

ヤプールの命令と共にベロクロンが発射するミサイルの量が増えた。

商店街のある真っ直ぐな道を真っ直ぐに逃げていくバキシム。その近くにミサイルが落ち、バキシムは吹っ飛んだ。

ユウト「バキシムッ!」

吹っ飛び転がり立ち上がったバキシムの目の前20m先には真っ直ぐ飛んでくるミサイルが。

フーマ『間に合わねぇ!』

諦めるか!

ツバサ「バキシムーッ!」

僕はブラックスパークレンスをバキシムの方へ突き出した。

スパークレンスのカバーが開き、中のレンズから溢れ出た光が僕を包み、型を形成する前の光の靄の様な状態でバキシムの元へ駆け付け、抱き抱えて空へと飛び上がった。空中で巨大化し、ベロクロン達が居る反対側の商店街のおじさん達が逃げ込んだ場所の近くにしゃがんで変身完了した。軽く握った右手を開きバキシムを地上へ下ろす。

サクマ「ウルトラマン!ムーちゃんを護ってくれ!」

確り頷き、立ち上がってベロクロン達へ向き直る。

ティガダーク「ジュワッ!

ファイティングポーズをとる。

ヒロキ「僕らも!」

ユウト「ハイ!」

ヒロキはタイガアクセサリーを手に取り、ユウトはマルチタイプキーを挿入した。

ヒロキ「バディ、ゴー!」

ユウト「ウルトラマンッ!トリガー!」

2人は僕の両側に並び立ち、ファイティングポーズをとる。

ヤプール人『何!?ウルトラマンだと!?フン!丁度いい、ベロクロン共!ウルトラマンを殺れぇ!』

大きな咆哮をあげ此方へミサイルを飛ばして来るベロクロン達。

僕等はミサイルを手で払い除け、叩き落とし、接近する。接近して分かった事だが、僕が知っているベロクロンと同じく口の中にもミサイルがあった。

一旦離れ、牽制の為にハンドスラッシュを放った。ハンドスラッシュをくらったベロクロンはそのまま倒れ、四散爆発した。

全員『え!?』

ヤプール人『フン、所詮は簡易量産型か。耐久力も落ちるか。』

簡易量産型?見た目が違うのはそういう事か。って事は!

ヤプール人『次を出せ!』

その言葉通り空を割り、簡易量産型のベロクロンが2体出てきた。

僕の予想通り次が出てきた。このヤプール人は侵略に質より量を選んだ訳だ。

ヤプール人『殺れい!ベロクロン共!』

とは言うがハンドスラッシュで倒せるなら何とか格闘だけで倒せるかもしれない。

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

僕はパワータイプへタイプチェンジした。

ティガダーク『ハァァ〜〜〜アッ、ハァッ!

思い切り振りかぶって殴りつける。と吹っ飛び爆散した。殴っただけなんだけどなぁ。もしかして体内のミサイルが誘爆してるんじゃ?…欠陥じゃん。

ヤプール人『安心しろ、まだ居るぞ。』

空を割って2体出てきた。1体倒す事に2体増やすな。これ本当に倒せるか?

SA「ゼペリオン!ソードフィニッシュ!」

TS「ヘルベロスリング、コネクト」

気が付けば三体いたベロクロンは12体まで増えていた。

ユウト『これじゃ埒が明かない!』

ツバサ『どうする?』

フーマ『俺に考えがある。タイガ!交代だ!』

タイガ『分かった!ヒロキ!』

ヒロキ『ああ!』

TS『カモン!』

ヒロキ『風の覇者、フーマ!』

フーマ『ハァァァァ、フッ!

ヒロキ『バディィ、ゴー!』

TS『ウルトラマンフーマ!』

フーマ『セイヤッ!

ウルトラマンフーマ(風の覇者)が降り立った。

タイタス『して、考えと言うのは?』

フーマ『殴って蹴ってで倒せるなら、俺なら秒で行けると思ってな!』

何するんだろう?

フーマ『セイヤッ!』

目にも止まらぬスピードでベロクロン達へと突っ込み、急所に的確に攻撃を加えていき10秒掛からず倒してしまった。

ユウト『凄っ!』

フーマ『へへっ!どんなもんよ!』

ヤプール人『なかなかやる。ならばこいつならどうだ?』

そう言って空を割って出てきたのは普通のベロクロン2体と、

ツバサ『ザラガス!?』

ザラガス第2形態だった。

ユウト『知ってるんですか?』

ツバサ『ユウト、ザラガスには本当に気をつけて!目を潰されたらどうしようも無いから!』

ユウト『め、目ぇ!?わ、分かりました?』

忠告しておいてなんだけど結局戦ったのは僕だった。先ずはパンチ、キックで攻め立てる。少し離れハンドスラッシュを放つと、ザラガスの全身から大きな棘が生えてきた。第3形態だ。もう第3形態?僕はファイティングポーズを取り直し、攻撃に備える。すると、ザラガスは胸を開くように腕をバッと横に開いた。

ツバサ『えっ!?』

思わず声をあげた。なんと棘がミサイルの様に発射されたのだ。流石に避けるしか無かった。しかも腹や胸から無数のウルトラマンの指程の大きさの棘ミサイルが発射されていた。

ヤプール人『そのザラガスはミサイルを発射出来るように改造したものだ。ザラガスフラッシュは使えんがな。』

ザラガスの代名詞を消してまで改造する事か?口から火まで噴き始めた。火を噴いたり、腹や胸から棘を発射したりってSTORY0みたい。そういえばSTORY0の時のザージは…よし!

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

僕はスカイタイプへタイプチェンジした。やる事は1つ。

両手をカラータイマーの前でカラータイマーを囲うようにポーズをとった後水色の冷凍光線、ティガフリーザーをザラガスの頭上に放つ。放たれた光線はザラガスの頭上で弾けると真っ白な冷気に変わり、落ちてきた冷気でザラガスを凍らせた。

そのまま僕は、両腕を胸の前で交差させたて瞬時に左右に伸ばしてから上にあげてエネルギーを集約し、両手を左腰に置いてから手裏剣を投げるようにランバルト光弾を放った。放たれた光弾はザラガスに命中し爆発した。

トリガー(ユウト)はゼペリオン光線で、タイガに変身し直したヒロキ達はロッソレットを使いフレイムブラスターでそれぞれ撃破していた。

ピコン

カラータイマーが鳴り始める。

ヤプール人『鳴り始めたな?貴様らにはミサイルの雨で死んで貰おう!』

そう言うと大量の量産ベロクロンを送り込んでくる。その数はゆうに20体を越えていた。

ユウト『嘘だろ…?』

ヒロキ『流石に…この数は…』

空の割れ目が大きくなり出てくる量が増えた。幾ら弱いとはいえもう既に街がベロクロンで埋め尽くされそうな程の数が出てきていた。中には普通のベロクロンや先程の改造ザラガスが。

こんな数倒せるのか?流石に多過ぎる。…でも、僕等がやらなきゃ、僕等がこの街を、みんなを、護るんだ!

そんな気持ちを込めてグッと握り締めた両手を額の前で重ね合わせるとティガクリスタルが黒い輝きを一瞬放った。

ティガダーク『ン〜〜〜、ハッ!

ティガダークの姿へ戻る。

ツバサ『2人共、やろう!ウルトラマンが3人居るんだ、この数なら絶対勝てる!いや、勝たなきゃいけないんだ!』

ユウト『はい!』

ヒロキ『ああ!』

GHK『ウルトラマントリガー!マルチタイプ!』

GS「ブートアップ ゼペリオン」

ユウト「未来を築く、希望の光!ウルトラマンッ!トリガー!」

それぞれファイティングポーズを取り直す。

その時だった。空の割れ目の中で突如爆発が起き、ベロクロンが出てくるのが止まった。

タイタス『突然どうしたんだ?』

ヤプール人『何だ!何があった!お、お前は!』

誰か居るのか?そう思った時、空の割れ目から誰かが空へ飛び上がった。

フーマ『あれは!』

ヒロキ『まさか!』

シュビビッ、シュビビッ、シュビビッ、シュビビッ、と空中できりもみ回転をして量産ベロクロン達にお見舞されたのは正しくスワローキックだった。

ツバサ『ウルトラマンタロウだ!』

【推奨BGM:ウルトラの勇者達】

タイガ『父さん!?どうしてそんな所から?』

タロウ『ワープホールを抜けた先に小さな空間の歪みがあってな、そこに入るとこの大量のベロクロン達がいたという訳だ。ちょっと待っていろ。ふん、ジュワァァ!』

カラータイマーの前に両手を持ってきて、その腕を前にタイガとトリガーの方へ向けると緑色の光線が発射される。ウルトラチャージだ。2人に分け終えると僕にもしてくれた。カラータイマーが青に戻る。

ヤプール人『タロウと言えどこのミサイルの雨には敵うまい。やれぇ!』

タロウ『ゆくぞ!』

ティガダーク、トリガー、タイガ『はい!』

【推奨BGM:ウルトラマンタロウ(タロウの戦い)】

大きな咆哮を上げながらミサイルを放つベロクロン達。そのミサイルをハンドスラッシュやアロー光線で撃ち落としながら近づき、撃ち漏らしたミサイルを全員一斉に空中前転で躱し、その勢いを付けたパンチでベロクロンを倒した。

超獣達の中枢へ入ると背中合わせだったタロウとタイガが動いた。タロウは右手、左手と頭上へ上げ、重ねる。タイガは拳を作った右手を天へ突き上げ、タロウと同じように頭上で両手を重ねる。その後2人は、その両手を拳を作りながら前へ下ろし、両腰へ持ってくる。その間、全身でエネルギーを溜めながら技名を叫ぶ。

タロウ『ストリウーム こぉぉ線ッ!

タイガ『ストリウムッ ブラスター!

片手は拳のままもう片方の手を手刀にして、タロウは体の左側で、タイガは体の右側でT字を作り光線を放つ。

2人が光線を放つまでの間、スカイタイプへタイプチェンジしていた僕とユウトは空へと飛び上がりダブルストリウムを回避、タロウ親子の光線が終わると同時に2人同時にランバルト光弾を連射し量産型の数を減らす。

ダブルランバルト光弾が終わるとタロウはすかさず1番近くの普通のベロクロンに高速で連続パンチを叩き込み、アトミックパンチでベロクロンの横腹に大穴を開ける。少し距離を取ると両手をL字に組み、光線を放った。え、嘘、今のタロウショット!?

そんな僕の驚きなんか気にせず後ろを振り返り、体の左側で両手を十字にしてタロウカッターを放ち量産型を殲滅しつつ、今度は両手をX字にしてネオストリウム光線を放ち、改造ザラガスを一撃で倒してしまった。

分かっていた事だけど、

ツバサ『強い…!』

ユウト『もうタロウさん一人で良いんじゃないですか?』

気持ちは分かるけど…。

ヤプール『ええい!残っているベロクロン共を全て出せ!』

量産型が20体位増えた。余計な事を!でも量産型なら!

ツバサ『ユウト!僕等で決めるよ!』

ユウト『はい!』

ツバサ『タロウさん!タイガ!避けて下さい!』

タイガ『了解!』

タロウ『む?分かった。』

2人が飛び上がる。

僕とユウトは両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜め、両腕でL字を組み(ダーク)ゼペリオン光線を放つ。

ベロクロン達は中のミサイルが誘発し、派手に爆発して撃破されていった。

ヤプール『首を洗って待っていろ。』

それだけ言い残すと異次元と繋がっていた空の割れ目はガラスが割れた瞬間を逆再生する様に元に戻った。

 

ツバサ「本当に助かりました、ありがとうございました!」

コウタロウ「気にする事はないさ。これからは私もこの地球で戦うことになった。お互い助け合おう。」

変身解除した僕等は買い物を済ませ帰路に就いていた。

コウタロウ「それにしてもティガダークというのはティガの姿の1つなのだな。ギンガの時はダークライブされていたから黒い姿だったが。」

ツバサ「ああ、それはですね、」

この後僕は家に着くまでの間の30分間ずっと喋っていた。

 

【次回予告】

?「お久しぶりです、キョウです。」

そう言って現れたのはとある家族。56年前に地球侵略に来ていたメフィラス星人キョウと地球人の妻 エレナ、そして

ツバサ「ニシナ、カレンさん?」

カレン「んだよ。」

隣のクラスのヤンキーだった。

何だかんだ仲良くなったある日、ニシナ キョウに殺害予告が届く。それはメフィラス星からのものだった。

カレン「頼む!親父を、助けてくれ!」

次回 ウルトラマンティーズ

     「地球に降りてきた男」お楽しみに



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♯7-1 地球に降りてきた男

あらすじ タロウも一緒に戦うことになった。

 

この地球に宇宙人が密かに暮らしている事は余り知られていない…

 

【10月5日 火曜日 18:15 イルマ邸 ツバサside】

最近怪獣の出現率が多くなってきたのでローテーションを作る事を決めた僕等はイルマ邸で話し合っていた。

ツバサ「と、言う訳でジャンケンで勝った順にしましょう。」

ユウト「賛成です。」

ヒロキ「同じく。」

コウタロウ「うん。それで決めよう。」

アムイ「こういうのジャンケンで決めていいのかなぁ?」

マホロバ「さぁ?」

ジャンケンをしようとしたその瞬間、インターホンが鳴った。

イルマ「誰か出て〜。」

マホロバ「私が出る。」

ツバサ「誰ですかね?」

ヒロキ「宅配便じゃない?」

マホロバ「みんな、ちょっと来てくれ。全員に紹介しておきたい。」

直ぐに戻ってきた。紹介したい人?

マホロバについて行った玄関。そこに居たのは別の部屋から出迎えていたソウイチロウさんととある家族。

?「あ、イルマさんも。お久しぶりです、キョウです。」

イルマ「ニシナさん、エレナさん、ご無沙汰しております。」

エレナ「いえ、こちらこそ。ご無沙汰しております。」

最初に喋った男性がニシナ キョウと言うらしい。その隣でずっとニコニコしているのがエレナさん。その後ろにもう1人、娘さんだろうか?とてつもない美人だ。

?「っ!?何でマドカがここに居んだよ!」

ツバサ「何で僕の名前を?」

マホロバ「彼女はニシナ カレン。聞いた事ある筈だ。」

ニシナ カレン…その名前と共に噂を聞いた事がある。隣町のレディースの総長。なのだが、その肩書きには相応しくないほどの美貌の持ち主で銀髪にエメラルドグリーンの眼、そして誰もが目を引くダイナマイトボディ。噂通りの姿の美少女だ。

カレン「ジロジロ見んな。」

ツバサ「す、すいません。ニシナさん。」

本人らしい。ウルトラ怪獣擬人化計画の2代目メフィラス星人にとても良く似ている。

カレン「ニシナじゃ誰か分かんねぇだろ。カレンでいい。んで、何でマドカがここに居んだよ。」

ツバサ「え、あ、それは…」

マホロバ「ウルトラマンだからよ。後、私の幼馴染みでもあるし。」

そんなナチュラルにバラす?

ニシナ「君が…?あの黒いティガかな?」

ツバサ「え、はい、そう…です…。」

ニシナ「ティガってマホじゃなかったのかよ。」

イルマ「それについても説明するから先ずは上がって。」

リビングに移動した僕にニシナさんから衝撃の事実が明かされた。

ツバサ「えっ!?キョウさん宇宙人なんですか!?」

ニシナ「ああ、この姿を見てもらった方が早いだろう。」

そう言って人間体を解いた姿は

ツバサ「…メフィラス星人、です、よね?」

2代目寄りの姿をしたメフィラス星人だった。

ニシナ「ああ、正真正銘私はメフィラス星人だ。よく知っているね。」

ツバサ「ええまぁ、アハハ…。え、じゃあエレナさんも?」

エレナ「私はれっきとした人間よ。カレンはメフィラス星人と人間のハーフね。」

情報量が多すぎる。

話を聞いてみると、メフィラス星人キョウさんは元々地球征服の為に来たらしい。先ずはこの地球の情報収集の為ニシナ キョウという地球人として暮らしていたら夕焼けの美しさや人間の心の温かさを知ってしまい、地球征服を勝手に辞め、地球人として生きていくことを決意。1967年2月26日にこの星に降り立って以来約50年以上この地球で暮らしているのだそう。エレナさんとの出会いは怪獣に襲われそうになっていたところをキョウさんが助けた事で交流が始まったらしい。

今日はたまたま近くを通りかかったので挨拶に来ただけらしい。お茶して直ぐに帰って行った。

因みに戦うローテーションの順番は僕、ヒロキ、ユウト、コウタロウさんの順番だった。

 

【カレンside】

ツバサ、全然変わってなかった。アタシはすぐ気付いたんだがな。小さい時に引っ越したまま連絡取ってない奴なんか忘れてるか。クソっ!マホが羨ましい!

 

【10月6日 水曜日 16:50 商店街 ツバサside】

次の日から大忙しだった。何故か ?それは来週にある文化祭の準備があるからだ。僕はメイド喫茶で出す料理の材料の肉、野菜の発注を任されていた。出す料理は全て手作りする事が決まり、裏方全員で材料の発注にまわっていた。その為に商店街に発注しに来たのだが…

ヤザキ「おっ!きたきた、待ってたぞツバサくん!人参玉ねぎ等々はマホロバ(お嬢)から聞いてるぞ。他に仕入れとく野菜はあるかい?」

マホロバ仕事が早い。僕が歩いている間に学校で電話してくれていたみたいだ。肉屋でも同じ反応された。発注に間違いは無いので夕飯の材料を買って帰ることにした。

商店街を出て歩いて帰っているとカレンさんが立っていた。

カレン「よぉマドカ。ちょっと面貸せよ。」

僕なにかしたかな?

 

【17:12 河川敷】

僕とカレンさんは向かい合って立っていた。

カレン「お前、あの黒いウルトラマンなんだろ?」

ツバサ「まぁ、そうだけど。」

カレン「アタシに見せてくれ。ウルトラマンって奴の力を。」

ツバサ「え?いや、」

カレン「何も変身しろってんじゃねぇ。アタシと生身でタイマンしろって意味。」

ツバサ「いや、何でそんな急n「ごちゃごちゃ言ってんならこっちから行くぞ!」はぁ!?ちょっ!」

カレン「はぁッ!」

5mはあった筈の距離を一瞬で詰め顔面めがけ右拳が飛んでくる。寸での所で上半身事右に傾け左腕でカレンさんの右腕を外へ押し出す。その状態のままカレンさんは左足で股間を蹴ろうとしてくる。僕は左膝の少し上の辺りを右腕で押し返すと、そのままになっているカレンさんの右腕と襟元を掴み背負い投げた。が、カレンさんは確り両足で着地し、足の力だけで投げられる前の体制に戻り、逆に僕の右腕と襟元を掴み背負い投げる。何とか受け身をとりカレンさんを見上げると何処に持っていたのか鞭を取り出して振り下ろす寸前だった。

ツバサ「ちょっ!」

ゴロゴロと転がり鞭が届く範囲から逃れ、立ち上がる。

ツバサ「はぁ、はぁ、鞭は、卑怯でしょ…。」

っていうかそのシャツと膝上スカートの改造制服の何処に持っておくところがあったんだ?

カレン「卑怯もらっきょうもあるかよ!はぁッ!」

鞭を振るい続ける彼女に僕は防戦一方だった。大体これどうなったら勝負が着くんだ?

カレン「ホラホラ、どうするよウルトラマン?!」

このまま避け続けてもしょうがないしなぁ…どうしよ?

今頭に浮かんでいる方法はなかなかに痛みを伴う方法しかない。これでもいいか、上手く行けばいいけど。

カレンさんの鞭さばきを見ていると時々大振りに鞭を振るう時がある。そこで仕掛ける!

カレン「うぉらァっ!」

来た!

ツバサ「グッ!」

大きく振るわれた鞭を左腕にわざと当て巻き付ける。

カレン「は?」

左腕を思いっきり引き、自分の方に鞭の余裕を持たせ足で踏み鞭を使わせない。

カレン「チッ!」

鞭を引いた際に転けそうになったカレンさんは鞭を離した。一瞬でそれを確認すると一気に詰め寄り、お腹に掌底を叩き込み吹っ飛ばした。

ツバサ「はぁ、はぁ、あれ?」

カレンさんは倒れたまま起き上がってこない。ヤバい、やり過ぎたか!?

直ぐにカレンさんの元へ行き抱き抱える。

ツバサ「カレンさん!」

カレン「捕まえた!」

そう言って僕の首に抱きつくカレンさん。

カレン「ふふっ、やっぱ優しい所昔から全く変わってねぇな!眼ェ瞑って寝たまま居たら来るんじゃねぇかって思ったら案の定来てくれるし、しかも抱き抱えてくれるし!」

何だか昔会ったことあるような口ぶりだな。

ツバサ「もしかして昔会ったことある?」

カレン「あー、覚えてねぇか…幼稚園位の時マホと3人で遊んだ筈なんだがな?マドくん?」

マドくん、その呼び方で思い出した。前世の記憶が蘇る前の話だ。確か僕は

ツバサ「ニシナちゃんって呼んでなかった?」

カレン「そう!それがアタシ!やっと思い出してくれたー!」

さっきより強く抱き締めてくるカレンさん。

ツバサ「ち、ちょっと待ってカレンさん!痛い、後デカいのが当たってる!」

カレン「バーカ!当ててんだよ!それよりさん付けやめろ、カレンって呼べ。」

ツバサ「わ、分かった、分かったから取り敢えず腕を離してくれカレン。」

カレン「んだよ、ずっと片想いしてる相手に抱きついちゃ悪ぃのかよ。」

ツバサ「え、か、片想い!?」

カレン「そうだよ!13年分の想いをぶつけたって良いだろ?マホに自慢してやろ!」

何これ、夢?

カレン「マホは何も言ってきてないんだろ?ま、ライバルがいる訳だし直ぐには答えを出せなんて言わねぇけど。」

ん?

ツバサ「ちょっと待って、その口ぶりだとマホロバも?」

カレン「ま、確り悩んでくれ?」

そう言うと僕の頬にキスをしてスっと立ち上がり、

カレン「またな。」

それだけ言うと帰っていってしまった。

ツバサ「え、ええ?え〜?」

僕は困惑したままキスされた頬に手を当て、暗くなり始めた河川敷に1人取り残された。



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♯7-2 地球に降りてきた男

仕事が忙しすぎる…


あらすじ カレンにキスされた。

 

【10月7日木曜日 07:45 校門前】

寝られないかなと思ってたらぐっすり寝てました。そんな事はどうでもいい。今すべき事は、僕の腕を掴んで滅茶苦茶睨んでくるマホロバを何とかしなければ。

そもそもなんでこんな状況に?助けを求めアムイに目を向けると『諦めて』みたいな目を向けてくる。詰んだな。どうしよう。

ツバサ「あのー、マホロバ=サン?どうして僕は睨まれているんでしょうか?そろそろ学校に近くなるし離して頂けると有難いんですが…。」

マホロバ「………くせに…。」

ツバサ「え?」

ボソボソ言ってよく聞こえない。

マホロバ「カレンとキスしたくせに…」

ツバサ「ど、どうして…それを?」

どうしよう、なんか変な汗出てきた。

マホロバ「…カレンが昨日電話してきた。」

なんであいつ電話したんだ!?

後輩女子「あっ!マホロバ先輩!」

後ろからそんな声が聞こえてきた。と思ったらいつの間にか腕を離し王子様モードへ変わっていた。

後輩女子達「おはようございます!マホロバ先輩!」

5人の後輩女子達だった。

マホロバ「ああ、おはよう。いい天気だね。」

後輩女子「え、今は曇りでは?」

マホロバ「何言ってるんだ、私の目の前にこんなにも可愛らしい笑顔の太陽があるじゃないか。」

それを聞き黄色い歓声をあげる後輩女子達。気づけば50mは離れていた。結局さっきのマホロバはなんだったんだろうか?それにしても、

ホリイ「凄いなぁ、あんな台詞吐いて堂々としとられんのアイツぐらいやろ。」

ツバサ「ああ、ホリイ。おはよう。」

ホリイ「おはようさん。それに比べて幼なじみくんはこれやからなぁ。」

ツバサ「良いじゃないか、気に入ってるんだよ、この髪型。」

ホリイ「そんなギャルゲーの主人公みたいな髪型の何がええんや。まぁ、ワイは知ってるで。」

ツバサ「ナニヲ、ナニヲダイ!?」

ホリイ「…なんや、その喋り方。まぁええ。何を知っとるか、それはな、お前が、イルマ、そしてあのシンジョウをも超える逸材であることをな!」

ツバサ「…何について?」

ホリイ「何をとぼけとんねん!顔の良さに決まっとるやろ!」

ツバサ「顔の、良さ?シンジョウレベル?」

ホリイ「せや。」

ツバサ「ははは、何言ってるんだか!そんな訳無いじゃないか!」

アムイ「いや、ホリイ先輩の言ってることはあってるよ。」

ツバサ「アムイまで…そんな僕をからかって楽しい?」

ホリイ「認めろツバサ。ワイら事実を言うとんねや。」

ツバサ「事実って、何処にでも居る高校生の顔してると思うんだけどなぁ。」

ホリイ「まぁええ。その顔を使う時が来るさかい。待っときや。」

僕は納得しなかったがそこで会話を終わらせた。

 

【16:05 校門前】

ホームルームが終わり、校門を出るとスマホに着信が入った。イルマ家からだった。

ツバサ「もしもし。」

ソウイチロウ『すまないツバサ君。至急ウチへ来てくれないか?緊急事態だ。』

ツバサ「何かあったんですか?」

イルマ邸へ走りながら会話を続ける。

ソウイチロウ『ニシナ君に母星から脅迫状が届いた。』

僕は走る速度を上げた。

 

【16:15 イルマ邸 第三者視点】

ツバサがインターホンを鳴らすとメイドさんが出迎える。応接間に通されるとそこには、ソウイチロウとメグミ、マホロ、そしてニシナ夫妻とカレンが椅子に座っていた。

挨拶もそこそこにツバサは早速本題に入った。

ツバサ「それで、脅迫状の内容は?」

キョウ「これだよ。」

日本語に翻訳されたその文章を要約すると、明日、10月8日12:30に新たにメフィラス星人と侵略用に調教された怪獣を派遣し、キョウ、そしてキョウに関わりのある現地生物を殺害する、との事だった。

ツバサ「脅迫状って言うより殺害予告ですね。」

キョウ「実は、それは1年前に来ていたんです。」

全員が驚く。

エレナ「貴方、どうして…?」

キョウ「私の問題だからだ。私がこの星を好きになってしまったが為に、この星に留まったが為に、この星に迷惑をかける事になってしまった。私に関わりがある現地生物なんて嘘に決まっている。元々私はこの星を侵略する為に来ていたのだから。そのまま侵略を開始するに違いない。みんなに迷惑をかけないよう私一人で何とかするつもりでしたが結局どうする事も出来なかった…。」

カレン「親父…。」

キョウ「元はと言えば私が地球で生きていくと決めてしまった事が原因です。今の私は人間に馴染みすぎてウルトラ戦士と互角に渡り合えた力はもうありません。ですが、私はこの星で死ぬまで生き続けたい!私の代わりに戦って貰えないだろうか!」

そう言って頭を下げるキョウ。

キョウ「虫がいいのは分かっています。でもっ!どう「大丈夫ですよ!」え?」

ツバサ「大丈夫です!僕が護りますから!」

ツバサは、安心して貰えるように出来る限りの笑顔でそう答えた。

キョウ「っ!宜しく頼む!」

一応念の為にイルマ邸に泊まることになったニシナ家。「明日の為に早く寝るよ。」と帰って行ったツバサ。彼を門の前まで見送ったマホロバとカレンは、ツバサの作り笑いを見抜いていた。

 

【10月8日金曜日 12:25】

書かれていた時間まで残り五分となった。昼休み中で良かったと思いながら屋上で1人予告時間を待つツバサ。

ガチャリ。屋上へ上がる扉が開いた。

マホロバ「ツバサ。」

ツバサ「マホロバ、と、えっ、カレン!?何で!?」

カレン「マホにこっそり入れてもらった。それより、」

マホロバ「昨日、『大丈夫ですよ』と言った時、明らかな作り笑顔だったね。」

カレン「本当に大丈夫なんだろうな?ユウトは勿論、他にもウルトラマン居んだろ?手伝って貰わなくて良いのかよ?」

そうなのだ。彼一人で戦う必要は無い。だがツバサは、

ツバサ「それは勿論、今からドキドキしてるよ。何せ相手はあのメフィラス星人。しかも怪獣付き。生半可な相手じゃない筈だからね。」

カレン「だったら!」

ツバサ「でもね?」

マホロバ「でも?」

ツバサ「僕等には守るべき人がいる筈。守るべき未来がある筈。なんて言うかうまく言えないけど、キョウさんが人として生きることに後悔してほしくないんだ。」

カレン「ツバサ…」

ツバサ「メフィラス星人の力を無くしてしまうほど地球を愛して、人を愛してくれた。一人で何とかしようと頑張ってくれたんだ。自分のせいで、なんて思って欲しくない。」

マホロバ「そう、だな。」

ツバサ「あんな大事な事を黙っていたのは、迷惑をかけない様にって考えだったんだよね?なら、キョウさんに遠慮なく相談して貰える様に、僕は、一人で戦う。そして勝って見せる。」

カレン「ちょっと待て!ツバサ、もしそれでお前が負けたら、親父は、どれだけ自分を責めるか分かってんだろうな!」

ツバサ「僕はね?キョウさんだけじゃないと思うんだ。」

マホロバ「何が?」

ツバサ「この地球に住んでる宇宙人。世界中に居ると思う。」

急にどうした?という2人の目を他所にそのまま喋り続ける。

ツバサ「多分、自分が宇宙人だってさらけ出して過ごしてる人、極限りしか居ないと思う。そんな人達にさ、頼れる人がいるよって、この星には僕等(ウルトラマン)がいるよって知って欲しいんだ。」

予告時間の12:30。空から突如現れたのは2体の怪獣。

ツバサ「ベムラーと、アーストロンか。メフィラス星人は?」

メフィラス星人の姿は見えないがベムラーとアーストロンは暴れ始める。

【ツバサside】

ツバサ「多分、何処かから操ってるか監視してるのかな。」

マホロバ「ツバサ…。」

心配そうに声をかけてくれるマホロバ。

ツバサ「今日勝っただけじゃ、さっき言った事は絶対に世界中に伝わりはしない。けどせめて、侵略者からは安心して過ごせる事だけは、分かって欲しいんだ。」

随分身勝手な考えだと思うけど、それが、地球から始める宇宙平和の1歩になると思うから!

そうだよね?

ツバサ「ティガー!」

ブラックスパークレンスを空へ掲げる。開いたカバーから露出するレンズから放たれた黒い光が僕を包み、巨人へと姿を変える。

【推奨BGM:ティガ!】

ティガダーク「ジュワッ!

2体の前へ立ちはだかり、ファイティングポーズをとる。先に突撃してきたアーストロンを左に躱し、右腕でネックロック。次に突撃してきたベムラーを左足で蹴飛ばす。アーストロンを解放しタックル、そして右足で蹴飛ばす。

ベムラーのペイル熱線をバク転で躱し、ハンドスラッシュでダメージを与える。

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

パワータイプへタイプチェンジした僕はファイティングポーズをとり直す。

【マホロバside】

カレン「よしっ!いけー!」

ツバサなら大丈夫だろう。そう思っていた数十倍善戦していた。

?「成程、私の想像以上にやる様ですね、あの黒いウルトラマンは。」

私は咄嗟にガッツスパークレンス(ガンモード)を構えた。そこに立っていたのは、

カレン「親父…じゃねぇみたいだな。何者だテメェ?」

?「おっと、名乗り忘れていたな。私はメフィラス星人ウカン。君達はキョウから話を聞いているだろう?」

こいつが今日送られてきたメフィラス星人か。私は銃を構えたまま聞く。

マホロバ「貴方、キョウさんと私達の殺害だけが目的じゃないだろう?元々侵略目的ではないのか?」

ウカン「ああ、確かに侵略目的ではあるが、今日は違う。先ずは裏切り者を消さなければ。不安材料がある状態で侵略など愚の骨頂。そうだろう?だから周りまで消すのだ。おっと、まだ君達は殺さない。殺すのはあの黒いウルトラマンからだ。それから君達を、彼の妻を。心を折ってしまえば抵抗すること無く殺せるだろう。それにしてもウルトラマンというのは我々からすれば邪魔で邪魔で仕方なくてだね。先に殺しておくに越したことはないのさ。」

カレン「テメェ、この星にウルトラマン何人居るのか知ってんのか?」

ウカン「知っているとも。調べたのだからな。ウルトラマンタロウにトライスクワット、今戦っている黒いウルトラマンにデータベースには無いウルトラマン。6人は居るのだろう。余裕さ。」

横目でチラリとティガダークを見る。相変わらず善戦中だ。

マホロバ「とてもそうには見えないが?」

ウカン「そうだろうね?調教したとはいえ知能の低い怪獣だ。」

カレン「勿体ぶらずとっとと話せ!」

ウカン「これでも我々メフィラス星人は宇宙の中でも知能が高いのだよ。あの怪獣2体を合体させて私の知能を足せば強くなるとは思わないかい?単純計算ではあるがね?」

そう言うとメフィラス星人は黒いカプセルの様な物を2つ取り出し、横に付いているスライドスイッチを上へ上げた。

【ツバサside】

アーストロンの角の先を左手で握り、右腕を振りかぶって根元から折る為殴り掛かったその瞬間、アーストロンは何処かへ吸い込まれるように消えた。突然の事に驚いていると、ベムラーも同じ様に吸い込まれていった。その方向を見るとメフィラス星人が、手には怪獣カプセルが。

ツバサ『メフィラス星人!』

初代っぽい見た目をしていた。

ウカン「やぁ黒いウルトラマン。おっと、彼女達はまだ殺さないよ。彼女達は君を殺してからだ。」

そう言うとメフィラス星人はもう片手に黄色い液体が入った針付きの瓶を取り出し、躊躇うことなく腕へ刺した。

ウカン「うおぉっ!ごォォ、あぁ、ガグッ!」

目が黄色く染まっていく。まるでベリアルの目の色の様だった。

ウカン「ハァ、ハァ、これがァ、かのウルトラマンベリアルの力かァ。ハハ、ハハハハハハハハハ!これは凄い!こんな力がデビルスプリンターから無限に取れるだなんて!」

い、今、こいつ、なんて言った?デビルスプリンター?ベリアルの力?嘘だろう?

メフィラス星人の発言に驚いていると今度は赤いメカを取り出した。

ツバサ『ジードライザー!?』

それにしては黒いラインが増え、禍々しい見た目に変わっていた。

装填ナックルにベムラー、アーストロンのカプセルを装填し、ライザーのトリガーを引きスキャンさせる。

ウカン「死に絶えろ…。」

もう一度トリガーを引いた。

ジードライザー「ベムラー!アーストロン!ウルトラマンベリアル!バーニング・ベムストラ!」

その音声と共に現れたのは青く、トゲトゲした体に真っ赤な角と爪。正しくベムラーとアーストロンを足したような見た目の怪獣。いや、ベリアル融合獣、バーニング・ベムストラ。

ツバサ『嘘でしょ…。』

ウカン『行くぞウルトラマン!』

突進してくるベムストラ。左へと躱すと、

ウカン『見切っているよ?』

通り過ぎた瞬間、尻尾を振って僕を吹っ飛ばした。

ティガダーク「ジャアッ!?

地面に突っ伏すように倒れる僕。腕で体を起こし片肘立ちで向き直る。もう一撃尻尾で叩き飛ばそうとしてきたので何とか掴む。引っ張ろうとすると、逆に向こうの尻尾の動きに右へ左へと動かされる始末。何とか尻尾を手繰るようにベムストラへ近付きパンチを叩き込む。そのままドロップキックで蹴っ飛ばす。これ、パワータイプの接近戦じゃない方が良いかも。ファイティングポーズをとり直す。

するとベムストラは大きく吠えた。ヤバい、あれが来る!僕は太陽の光を遮るような仕草でバリアを張る。大きく開いたベムストラの口からペイルサイクロンが放たれた。その名通り渦を巻いた光線だ。湖を一瞬で干上がらせ、山を消滅させる程の威力を持つその光線はバリアを破壊し、僕は空中をもがきながら吹っ飛ばされるのだった。

ティガダーク「ジュアァ…

ピコン

カラータイマーが鳴り始める。立ち上がりベムストラを見ると、拳をつくった右腕を真っ直ぐ此方へ突き出し左腕は右腕を支えるように掴んでいた。まさか!?僕は咄嗟に右前へ前転回避した。僕が立っていた場所には僕に当たらなかったグリップビームが炸裂していた。

ウカン「どうやら私の力も使えるらしいぞ。どうするウルトラマン!」

此方へ向き直るベムストラ。よし。

もう一度放たれたグリップビームを2回、3回とバク転で躱し、

ティガダーク「ン〜〜〜、ハッ!

ティガダークへと戻った。

【推奨BGM:Brave Love,TIGA INSTRUMENTAL】

ウカン『姿を戻した所で!』

グリップビームを放つベムストラ。バク転や側転を繰り返し、ベムストラの斜め後ろをとる。手刀をつくった両手をカラータイマーの横に水平になる様に構え、右手を頭の後ろへ持っていく。その際左手は相手へ向け、右手は手から放出した黒いエネルギーをチップソーの様な形へ形成する。そしてその右手の光輪をベムストラへ投げる。

ウカン『そ、その技はっ!ぐぁぁっ!』

そう、

ツバサ『八つ裂き光輪だよ。』

今はウルトラスラッシュと言うらしいが僕はこっちの方がしっくりくる。放った光輪は尻尾を斬り落とした。

ウカン『おのれ、よくもぉぉぉっ!』

ベムストラが大きく吠えた。来るんだろうな。僕はバク転して少し距離をとり放たれる瞬間を待った。初めて使うけど、八つ裂き光輪が出来た今、出来る筈!

ウカン『死に絶えろぉぉぉぉ!』

ウカンの叫びと共にベムストラから放たれたペイルサイクロン。僕はシンプルに両手で手刀をつくり、右腕を縦に、左腕を横に、両手首が重なるようにポーズをとり、黒い光線を発射した。ダークスペシウム光線だ。

真ん中位でぶつかったスペシウム光線はそのままペイルサイクロンを押し返し、

ウカン『なっ!ぬぁぁぁっ!うわぁぁぁぁ!』

ベムストラは四散爆発したのだった。

マホロバとカレンの方を見ると2人してピースを向けていた。頷き返し、

ティガダーク「ジュアッ!

飛び去るのだった。

 

変身解除して直ぐに行ったのは怪獣カプセルの回収だった。人に拾われたら大変だし、また別の宇宙人に拾われたら目も当てられない。案の定ベムストラが最後に立っていた場所に白煙を出しながら転がっていた。

ツバサ「あった!良かっtあっつ!熱い!ちょっと、え、どうやって持とう?そうだ!」

ブラックスパークレンスを取り出し、胸元でカバーを展開させる。すると等身大に変身する。なんだか不思議な感覚だ。早いことやってしまおう。両手を合わせ、ウルトラ水流で水をかける。30秒位水をかけ続け変身を解いて触ってみるとお風呂のお湯の温度ぐらいになっていた。ポケットに突っ込みさっさとその場を後にする。

誰にも見つからない様に裏門の通用口を開け屋上へと急ぐ。

屋上へ着くと2人はまだそこに居てくれた。

ツバサ「ただいま!」

マホロバ「おかえりツバサ。…カレン?どうしたの?」

俯いたまま何も言わない。

カレン「……だよ。」

ツバサ「え?」

カレン「何がただいまだよ!こっちはずっとハラハラしっぱなしだったってのによ!」

そのまま僕に抱きついてくるカレン。

ツバサ「ごめんね?心配かけたね。」

カレン「ホントだよ!…これは責任とってもらわねぇとな?」

ツバサ「へ?」

責任?何をさせられるんだ僕は。

カレン「よし、決めた。ツバサ。今度からお前をダーリンと呼ぶ。」

ツバサ「え?」

マホロバ「ち、ちょちょちょ、な、何言ってるんだカレン!?」

カレン「え?じゃねぇ。決定事項だ。」

ツバサ「け、決定事項って、「口答え禁止。」」

カレン「じゃ、アタシ家帰るわ。センコーに見つかったらどうなるか分かんねぇし。そもそも今日学校休んでるし。」

そう言うとカレンは僕の左頬にキスをして、

カレン「またなダーリン!愛してる。」

そう言い残し校舎に入っていった。

ツバサ「だ、ダーリンか…。あ、あはは、こ、困るなぁ、あ、あはは、はは…。」

なんだろう、後ろから圧かけるのやめてもらっていいですか?

マホロバ「つ、ツバサ!」

ツバサ「は、はい。」

マホロバ「わ、私も、その、つ、ツバサの事がその、好きぃ(裏声)だぞ!」

そう言うと僕の両肩を掴み、右頬へキスをした。

マホロバ「じ、じゃあ!き、教室で!」

そう言うと逃げるように走って校舎の中に入っていってしまった。

ツバサ「僕は、どうすれば…?」

案の定マホロバはその日1日喋る所か顔すら合わなかったし、僕は呆然としていたせいでお昼ご飯を食べ損ねた。

 

【次回予告】

文化祭当日。アムイのクラスのとある展示品を狙って地球人に化けた宇宙人達が迫り来る。

その展示品に隠された秘密とは!?

そしてツバサのクラスの執事メイド喫茶は上手くいくのか?

次回 ウルトラマンティーズ

      「それでも隕石に夢を見る」お楽しみに



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