XDS IF Another CrossOver (raphel)
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小説説明と設定(2022/1/4更新)


2021/11/7
フェルトの魔力ランク変更
アニューとルナマリアのファミリーネーム、設定変更

2022/1/4
ルナマリアのファミリーネーム、設定変更
カップリング追加
夜天の炎の設定を一部変更
女神の7³の守護者を追加


この小説は現在連載中の『X Dimensions SoldierS Re: Xros Rays』のIFストーリー、クロスオーバーする作品を一部変更したものになります。

 

アニメがリメイクされた影響で久しぶりにシャーマンキングにハマっていて、REBORNやリリカルなのは、シンフォギア等とコラボさせたくなってしまい、衝動的に新しい小説をアップしてしまいました(苦笑)

 

決して今やってるXDSをリメイクした訳でも更新を凍結した訳でもありませんので、XDSを愛読頂いているユーザーさんは安心してください(汗)

 

前置きが長くなりましたが、現時点で確定している設定について紹介させていただきます。

 

 

 

○参戦作品と時間軸について

※今後参戦作品が増えるかもしれませんし、増えないかもしれません(←どっちやねん!

 

■家庭教師ヒットマンREBORN!

⇒キャラのみ参戦。時間軸は虹の呪い編及び原作終了以降。

 

■シャーマンキング

⇒キャラのみ参戦。ストーリーは旧アニメ版(2001年)がベースだが、O.S(オーバーソウル)の形状やカラーリングは原作。時間軸は旧アニメ終了以降。原作に登場した白鵠等の甲縛式O.Sは本小説で登場させる予定。

 

■戦姫絶唱シンフォギアシリーズ

⇒GX→AXZ→XVが本小説の序盤〜中盤のストーリーとなり、時間軸はマリア(ガングニール)VSガリィ戦辺り。

 

原作で死亡した奏やセレナはある理由により生存している。

 

■魔法少女リリカルなのはシリーズ

⇒劇場版(Movie 1st・Movie 2nd A's・Reflection・Detonation)のなのはやフェイト等がStrikerSと同じ年齢まで成長したと言う設定で、ストーリー自体はシンフォギアに依存するので基本キャラのみ参戦。デバイスはReflectionとDetonationのものを使用。

 

またアインスは原作のMovie 2nd A'sでは儀式消滅したが、あるオリキャラの助力によりユニゾン能力の喪失と戦闘力の低下と引き換えに生存していると言う設定。

 

本小説ではStrikerSにあった機動六課は無く、なのは・フェイト・はやて、アインス、フェルト、アニュー、ルナマリア(※後述にて説明)を併せた計7名の魔導師がS.O.N.Gの協力者として派遣される形で響達と行動を共にしている。

※シグナムやヴィータ等のヴォルケンリッターや、スバルやティアナ等StrikerSのキャラ達はミッドチルダ、かつなのは達とは別の部隊にいると言う設定。

 

■機動戦士ガンダム00

⇒現時点では一部のキャラ、設定、能力のみ参戦。

 

■機動戦士ガンダムSEED Destiny

⇒現時点では一部のキャラ、設定、能力のみ参戦。

 

 

 

○主人公について

本小説の主人公は下記の3人になります。

 

 

沢田綱吉(ツナ)

(イメージCV:國分優香里)

 

『家庭教師ヒットマンREBORN!』の主人公で、イタリア最強のマフィア『ボンゴレファミリー』の次期ボス候補である14歳の少年。

 

性格・容姿・武器・装備・戦闘スタイル等は基本原作通りで、Xグローブの炎の推進力による高い機動力を活かしたヒット&アウェイでの肉弾戦と、『X BURNER』等の大空の炎を用いた技を武器に戦う。

 

そして虹の代理戦争以降もリボーンの厳しい修行により更なる戦闘力の向上は勿論、死ぬ気丸無しで超死ぬ気モードになることが可能になった。

 

さらに小説オリジナル設定でアインスとユニゾンすることにより、彼女の持つ夜天の炎(※後述にて説明)によってさらなる力が引き出され、死ぬ気の到達点と同等かつそれ以上の状態である『超(ハイパー)ユニゾンモード』へと変化する。

 

小説オリキャラの『海鳴沙耶』(※後述にて説明)とは、幼馴染かつ義姉弟の関係。

 

 

古里炎真

(イメージCV:内山昂輝)

 

『家庭教師ヒットマンREBORN!』の登場人物で、ボンゴレの同盟ファミリー『シモンファミリー』の10代目ボスである14歳の少年。

 

性格・容姿・武器・装備・戦闘スタイル等は基本原作通りで、大地のシモンリングから展開した黒い手甲の炎の推進力による高い機動力を活かしたヒット&アウェイでの肉弾戦と大地の炎の特性である重力操作を駆使して戦う。

 

虹の代理戦争以降のリボーンとの厳しい修行により戦闘力の向上は勿論、新たな力である匣兵器の『大地ユニコーンVer.X』の『ガイア』の形態変化により戦闘の幅が広がっている。

 

 

麻倉葉

(イメージCV:日笠陽子)

 

『シャーマンキング』の主人公で、侍の霊『阿弥陀丸』を持霊にしている14歳のシャーマンの少年。

 

性格は旧アニメ版の設定をベースにしているが、容姿・武器・装備・戦闘スタイル等は原作通りで、本小説の序盤は春雨とフツノミタマノツルギの二段媒介によるO.S『スピリット・オブ・ソード』で戦うが、後に原作に登場した甲縛式O.S『スピリット・オブ・ソード白鵠』を修得する。

 

 

 

○オリキャラについて

現時点で登場が確定している小説オリジナルキャラになります。

 

 

フェルト・G(グレイス)・ハラオウン

(イメージCV:高垣彩陽)

 

原作『機動戦士ガンダム00』(1stシーズン)とは違う展開で国連軍の戦闘にて仲間を失い、1人だけ生き残った後新暦世界に転移し、フェイトと同じようにリンディ・ハラオウンの養子となった並行世界の『フェルト・グレイス』。

 

性格や容姿は基本2ndシーズン時と同じだが、髪はポニテールにせず下ろしており、胸は原作より大きい設定(93cm)。19歳。

 

時空管理局の空戦A+ランクの魔導師(魔力保有量はSS+ランク並)となり、新暦世界の特異災害対策機動部二課(後にS.O.N.G)へ派遣された後はルナ・アタックやフロンティア事変等の死戦を潜り抜けている。

 

使用魔法はミッドチルダ式(魔力光は翡翠色)で、愛機である小説オリジナルの弓型インテリジェントデバイスの『フォトンアーチャー』による射撃魔法・狙撃魔法・砲撃魔法の多彩な遠距離攻撃と、広範囲で味方を回復する高度な治癒魔法を駆使して戦う。

 

 

アニュー・ランスター

(イメージCV:白石涼子)

 

原作『機動戦士ガンダム00』(2ndシーズン)の20話で戦死後、ミッドチルダのランスター家の長女(ティアナの姉)として転生した『アニュー・リターナー』。

 

性格や容姿は基本原作と同じだが、胸は原作より大きい設定(94cm)。20歳。

 

そして転生前の記憶は失っている為、同じ世界から転移して来たフェルトのことは覚えておらず、フェルトに至ってはアニューと出会う前の時間軸から転移した為、お互いに初対面(ただし、アニューはフェルトに懐かしさを感じてはいる)。

 

時空管理局の空戦A+ランクの魔導師(魔力保有量はS+ランク並)の魔導師で、新暦世界の特異災害対策機動部二課(後にS.O.N.G)へ派遣された後はルナ・アタックやフロンティア事変等の死戦を潜り抜けている。

 

使用魔法はミッドチルダ式(魔力光は水色)で、愛機である小説オリジナルの銃剣型インテリジェントデバイス『フォトンリターナー』と、炎熱と氷結の魔力変換資質による火傷や凍結等の様々な状態変化が付加された射撃魔法や斬撃魔法、フェルトのように複数を対象にできないが単体に対しての回復力に優れた高度な治癒魔法を駆使して戦う。

 

 

ルナマリア・ライトニング

(イメージCV:坂本真綾)

 

原作の『機動戦士ガンダムSEED Destiny』とは違う展開でメサイア攻防戦にて暴走したシンに誤って討たれて戦死後、アニューと同じように転生前の記憶を失った状態でミッドチルダに転生した並行世界の『ルナマリア・ホーク』。

 

性格や容姿はほとんど原作と同じだが、髪はセミロングの長さまで伸びており、バストサイズは原作より大きい設定(92cm)。19歳。

 

転生前と違って孤児で、本編より数年前は孤児院に住む民間人であったが、ある事件でフェイトに助けられたこと、そしてルナマリアが転生後に得た特異体質ーーランボと同じ『電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)』を持っていたことからフェイトにその才能を買われ、彼女の推薦で管理局に入局した経歴を持つ(因みにフェルトとアニューと同時期に入局したので、2人と同期である)。

 

時空管理局の陸戦A+ランク(魔力保有量はS+ランク並)の魔導師で、新暦世界の特異災害対策機動部二課(後にS.O.N.G)へ派遣された後はルナ・アタックやフロンティア事変等の死戦を潜り抜けている。

 

使用魔法は近代ベルカ式(魔力光は紅色)で、攻防一体のシールド型アームドデバイスーー『クリムゾンイージス』と、空中を滑走しながら飛翔できる特性を持つブーツ型インテリジェントデバイスーー『フォトンインパルス』の2つの小説オリジナルのデバイスを持ち、フォトンインパルスで戦場を素早く立ち回りつつ、クリムゾンイージスで味方を守りながら敵に打撃を仕掛ける近接戦型で、フェイトと同じ電気の魔力変換資質を持っていることから彼女に似た戦闘スタイルを持つが、転生後に得た特異体質……ランボと同じ『電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)』を持っており、どんなに電圧が高い電撃を受けてもほぼ無傷で、逆にその電撃を体内に帯電させて自身の武器や防具として利用することができる(管理局ではルナマリアの電撃皮膚をレアスキルとして扱われている)等、フェイト以上に電気や雷との相性が良い。

 

 

イーラ・ディストルツォーネ

(イメージCV:高垣彩陽)

 

私設武装組織『運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)』のリーダーで、XANXUSと同じ憤怒の炎を使う、何処か雰囲気がフェルトに似ている19歳の女性。

 

長く下ろした少しウェーブがかかったピンクの髪を1本結びにし、顔は黒いサングラス型ディスプレイで常に隠している。バストサイズはフェルトと同じ93cm。

 

基本は冷静沈着かつ聡明で、常に仲間や友人を大事にしている心優しい性格の持ち主であるが、憤怒の炎を使うだけあって本気で怒らせると滅茶苦茶恐ろしい一面がある。

 

戦闘スタイルは憤怒の炎を弾丸とした二丁拳銃『フレアガンナー』による射撃・狙撃・砲撃の中遠距離戦を得意とし、憤怒の炎の圧倒的な火力であらゆる敵を焼き尽くし破壊していく様から『憤怒の破壊者』の異名を持つ。

 

 

海鳴沙耶

(イメージCV:ゆかな)

 

私設武装組織『運命の戦乙女(デスティーノ・ヴァルキーリア)』のサブリーダーで、ツナの幼馴染にして義姉である19歳の女性。

 

長いストレートの黒髪と青色の澄んだ瞳、バストサイズ105cmの豊満な胸を持つ抜群のスタイルをした絶世の美女。普段は心優しく大らかで社交性が高い性格だが、戦闘時は他者を圧倒するような気迫を見せる。

 

幼少期に両親を亡くした彼女は沢田家に引き取られ、15歳で旅に出るまでは義弟のツナと一緒に暮らしていた過去があり、その時からツナのことを溺愛しており、彼を傷付けようとする良心の無い相手には情け容赦無く制裁する等、イーラ同様怒らせたら怖いタイプ。

 

山本と同じ剣術『時雨蒼燕流』の使い手で、愛刀である『時雨水蓮』から繰り出される洗練された剣技と、人間離れした脚力による走力は神速の領域に達しており、彼女のあまりに速すぎる太刀筋と圧倒的なスピードから『神速の剣聖』の異名を持つ。

 

 

 

○カップリングについて

現時点で確定しているカップリングは以下の通りです(※まだカップリングが未定のキャラが多いので、今後追加または変更する可能性あり)。

 

ツナ×フェルト・アインス・マリア・フェイト・アニュー・クリス・セレナ・イーラ・沙耶

 

炎真×なのは・奏・ルナマリア

 

葉×アンナ

 

獄寺×はやて

 

山本×翼

 

蓮×メイデン

 

ホロホロ×調

 

リゼルグ×切歌

 

響×未来(※GL)

 

 

 

○世界観について

本小説に登場する世界についての設定です。

 

 

《新暦世界》

 

【所属作品】

戦姫絶唱シンフォギアシリーズ

魔法少女リリカルなのはシリーズ

 

【概要】

なのはとはやての故郷で、響らシンフォギア装者達が住む地球の名称で、本小説のメイン舞台となる世界。

 

超常的な力を秘めた『聖遺物』や『ロストロギア』により、地球は疎か次元世界さえ揺るがすような下記の大きな事件が過去に勃発した。

 

○新暦2034年

『PT(プレシア・テスタロッサ)事件』(※Movie 1st)

『闇の書事件』(※Movie 2nd A's)

 

↓ 2年後

 

○新暦2036年

『PM(フィル・マクスウェル)事件』(※Reflection〜Detonation。小説オリジナル設定でそう呼称する)

 

↓ 7年後

 

○新暦2043年

『ルナ・アタック』(※シンフォギア無印)

『フロンティア事変』(※シンフォギアG)

 

いずれの事件も魔導師やシンフォギア装者達の活躍により解決。

 

その1年後の新暦2044年に響達が所属している『特異災害対策機動部二課』は国連の直轄下にて超常災害対策機動部タスクフォース『S.O.N.G』として再編成され、二課時代から共に戦ったなのは・フェイト・はやて・アインス・フェルト・アニュー・ルナマリアの計7名の時空管理局の魔導師達が派遣された。

 

響やなのは達は救助活動や聖遺物回収の任務をこなしながらも平和な日々を過ごしていたが、新たな敵である錬金術師の『キャロル・マールス・ディーンハイム』と『自動人形(オートスコアラー)』達との戦いに身を投じることになる。

 

【補足】

本小説の翼は私立聖祥大附属小学校に通っていた過去があり、なのは・フェイト・はやて・アリサ・すずかとは幼少期からの親友。

 

特になのはに至っては、叔父の弦十郎となのはの父の士郎が学生時代からの親友で、士郎がかつて翼の父である八紘のボディーガードを務めていた縁があることから、幼稚園の頃からの幼馴染み(因みに幼少期の翼はフェイトのようになのはに依存するようにくっついていた時期があった)。

 

シンフォギアシリーズの人類の意思疎通を妨げ、相互理解を阻む呪いである『バラルの呪詛』は新暦世界で生まれた生命体全てにバラルの呪詛が刻まれているが、『ある出来事』をきっかけに浄罪された響と未来、魔力の源であるリンカーコアを持って生まれたなのはとはやての4名はバラルの呪詛から除外されている。

 

さらにノイズの位相差障壁や人体の炭素転換効果、アルカ・ノイズの解剖機関による分解効果はなのはやはやて、ミッドチルダ等の異世界出身であるフェイト・アニュー・ルナマリア、そして異世界から転移して来たツナ・炎真・葉・フェルトと言った異世界の出身者やリンカーコアを持つ者達に対しては何故か効果が無いと言う設定の為、本小説ではツナや葉、なのは達でもノイズとアルカ・ノイズを倒すことが可能。

 

 

《7³(トゥリニセッテ)の世界》

 

【所属作品】

家庭教師ヒットマンREBORN!

 

【概要】

ツナや炎真達が住む地球の名称で、沙耶の故郷でもある世界。

 

『地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)』と呼ばれる『ボンゴレリング(ボンゴレギア)』、『マーレリング』、『アルコバレーノのおしゃぶり』の力により創造された世界で、マフィア達のリングや『死ぬ気の炎』を使った裏社会の抗争が多いが、その抗争も虹の代理戦争後少なくなり、他の世界に比べると平和な世界。

 

 

《G.S(グレートスピリッツ)の世界》

 

【所属作品】

シャーマンキング

 

【概要】

葉達が住む地球の名称で、全知全能の霊『G.S(グレートスピリッツ)』が存在する世界。

 

500年に1度の森羅万象を司る地球の王『シャーマンキング』を決める為の戦いーー『シャーマンファイト』が開催されていたが、参加者の1人である『ハオ』がルールを無視して星の聖地に赴き、G.Sを直接手に入れようとした事件が発生。

 

葉達が力を合わせてハオを倒したことで事なきを得たが、シャーマンファイト自体は一時中断され、元の日常に戻った葉達は平和な日々を送っている。

 

 

 

○小説オリジナルのリングと死ぬ気の炎について

本小説に登場するオリジナルのリングと死ぬ気の炎についての設定です。

 

 

《夜天の炎》

新暦世界で霧の炎の代わりに存在する、大空の炎とは光と影のような関係の死ぬ気の炎で、その属性の波動を持つ者は八神はやて、八神リインフォース・アインス、恐山アンナの3名のみであることから、大空の炎よりも稀少である。

 

炎の色は白銀色で、『融合』と『覚醒』の二つの性質を持つ。

 

他の属性の炎に比べると単体では出力が弱い炎ではあるが、他の属性の炎や魔力等と融合して使うことによって、その力を限界以上まで引き出し、強大な力を発揮する。

 

特に相性の良い大空の炎と融合することによって浄化の炎となり、負の感情や負のエネルギーに囚われた者達を浄化し、その者の心の荒ぶりを抑えて鎮める力を発揮する。

 

 

《女神の7³(デーア・トゥリニセッテ)》

ボンゴレリングやマーレリングと言った『地球の7³(オルベ・トゥリニセッテ)』とは別に存在する7³で、死ぬ気の炎の女神ーー『デーア・フィアンマ』自らの手で生み出した3種類のリングーー『ヴェルジネリング』、『コズモリング』、『デスティーノリング』の各7つ計21個のリングを総称して言い、精製度は地球の7³同様全てAランク以上。

 

女神であるデーア自らが管理しているので、生粋の地球人で地球の7³を管理している『チェッカーフェイス』は女神の7³に対して関与しておらず、マフィア界の掟である『沈黙の掟(オメルタ)』はある程度適用されているが、地球の7³と比較すると制限は緩い。

 

デーア自らが作ったリングなだけに女性しか身につけることができず、女性で波動の属性さえ一致していれば誰にでも身に付けられる。

 

ただし、女神の7³は地球の7³以上に所持者を選んでおり、各種類のリングの『条件』を満たせる『真の守護者』でないとリングに秘められた真の力は引き出せない(例え他のリングでAランクの出力の炎を灯せる人間であっても、女神の7³のリングの条件を満たせなければB〜Cランク程度の炎しか灯せない)。

 

地球の7³がツナ達の地球を創造した礎であるのに対し、女神の7³は死ぬ気の炎の女神の『愛』・『希望』・『運命』の3つの心の力によって、全ての次元世界を創造した礎であると言われており、各次元間のバランスを補正し、次元世界が死滅または崩壊しないように保つ役割を担っている。

 

もし何らかの障害で次元世界の死滅や崩壊の危機が訪れた際は、女神の7³のリングの力で修復することが可能。ただし、各リング毎に正式に選ばれた真の守護者でないとその力を発揮できない。

 

そして女神の7³の属性は大空・嵐・雨・雲・晴・雷・夜天の7つで、地球の7³とは違って霧の属性が存在しない。

 

さらに、リングの適合者によっては1人が2つの属性のリングを所持することがある。

 

 

《ヴェルジネリング》

【名前の由来】

イタリア語の「vergine(ヴェルジネ)」からで、「乙女」や「処女」、「純真な」、「純粋な」と言った意味を持つ。

 

【リング説明】

女神の7³の一つで、『愛』を象徴するリング。死ぬ気の炎の女神の力と意志を最も強く宿しており、聖母のような美しき肉体と誰よりも深い愛情を持つ者に惹かれる特性を持ち、その者達を適合者として選ぶ。

 

【外見】

中央に死ぬ気の炎の各属性の色に合わせた色をした円形の石が埋め込まれており、その石から赤子を抱き締める女性の絵が見える。

 

その石の周りには各属性の炎の色をした2枚の天使の羽のような金属の装飾がある。

 

大空属性と夜天属性のリングだけは羽の装飾が6枚あり、夜天属性は白銀色、大空属性は赤・青・紫・黄・緑・白銀色の6色である。

 

【適合者】

大空:フェルト・G・ハラオウン

夜天:八神リインフォース・アインス

晴:マリア・カデンツァヴナ・イヴ

雷:フェイト・T・ハラオウン

雨:アニュー・ランスター

嵐:雪音クリス

雲:セレナ・カデンツァヴナ・イヴ

 

 

《コズモリング》

【名前の由来】

イタリア語の「cosmo(コズモ)」からで、「宇宙」や「全世界」、「星」の意味を持つ。

 

【リング説明】

女神の7³の一つで、『希望』を象徴するリング。誰よりも強い『願い』を持つ女性に惹かれる特性を持ち、その者達を適合者として選ぶ。

 

【外見】

中央に死ぬ気の炎の各属性の色に合わせた星形の石が埋め込まれており、その石の周りを宇宙を思わせるような色をした星形の金属の装飾が施されている。

 

大空属性と夜天属性のリングだけは石の形が円形で、その円形の石の周りの金属の装飾は2つの星を合わせたような形をしていて、前側の金属は大空と夜天それぞれの炎の色に合わせた色をしており、もう1つの後側の金属は宇宙を思わせるような色をしている。

 

【適合者】

大空:高町なのは

夜天:八神はやて

嵐:天羽奏

雨:風鳴翼

雲:月読調

雷:暁切歌

晴:アイアンメイデン・ジャンヌ

 

 

《デスティーノリング》

【名前の由来】

イタリア語「destino(デスティーノ)」からで、「運命」や「定め」の意味を持つ。

 

【リング説明】

女神の7³の一つで、『運命』を象徴するリング。誰より過酷な運命を背負いながらもそれに立ち向かう強い意志を持つ女性、または過酷な運命を背負う者に対する愛情が強い女性に惹かれる特性を持ち、その者達を適合者として選ぶ。

 

【外見】

中央に死ぬ気の炎の各属性の色に合わせた六角形の石が埋め込まれており、その石に十字架のようなエンブレムが刻まれている。大空属性のリングだけは橙色の六角形の石の側面部に赤・青・紫・黄・緑・白銀色の石が埋め込まれている。

 

【守護者】

大空・嵐:イーラ・ディストルツォーネ

雨:海鳴沙耶

晴:立花響

雲:小日向未来

雷:ルナマリア・ライトニング

夜天:恐山アンナ



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第1章 魔法少女事変(戦姫絶唱シンフォギアGX)
プロローグ 3人の少年の始まり


ーーー 並盛町 ーーー

 

 

ツナ「つ、疲れた……り、リボーンのやつ、毎度毎度滅茶苦茶な修行させやがって……おかげでこっちはいつもボロボロだよ……」

 

炎真「つ、ツナ君、凄いね……いつもあんな修行させられてたんだ……」

 

ツナ「ごめん、炎真。俺の修行に巻き込んじゃって……」

 

炎真「ううん、気にしないで。僕が自らリボーンにお願いしたことだから。それでも、あんなにきついものだとは思わなかったよ」

 

ツナ「あはは……まあ、そうだろうね」

 

 

イタリア最強のマフィアーー『ボンゴレファミリー』の次期ボス候補、かつボスの証である『大空のボンゴレリング』(※現在は『ボンゴレギア』)の所有者であり、普段からは想像できない並外れた死ぬ気の強さで幾多の戦いを乗り越えてきた茶髪の少年--ツナこと『沢田綱吉』。

 

そのツナの親友で、『大地のシモンリング』を持つボンゴレファミリーの同盟ファミリーである『シモンファミリー』の10代目ボスである赤髪の少年ーー『古里炎真』。

 

2人は何処かボロボロに近い状態かつおぼつかない足取りで一人夕焼けに染まる並盛町のとある道を歩いていた。

 

『虹の代理戦争』から数週間が経ち、いつもの日常へ戻ったツナと炎真は仲間達や家庭教師兼元アルコバレーノの『リボーン』と共に平和な日々を過ごしていた……と言っても、相変わらずリボーンによるスパルタ教育でしごかれたり、個性豊かな仲間達の暴走に巻き込まれたりと、ハチャメチャな毎日を過ごしていることに変わりは無いが。

 

今日もリボーンのスパルタ指導による修行があり、彼に色々無茶させられたようだ……どんな修行だったかは読者の皆さんのご想像にお任せする。

 

2人は……特にツナ自身はリボーンと出会ってから色々無茶なことや死線を潜り抜けて来たことで、身体能力は勿論生命力や頑丈さが段々人外レベルに達して来ている気がするのは気の所為では無いだろう……リボーンが繰り出すハンマー(10t)やバズーカによるツッコミで何万回ブッ飛ばされたりとか、雷の守護者で沢田家の居候である『ランボ』が癇癪を起こして暴走した時に放つ彼の『ギアアニマル』による電撃攻撃で何万回黒焦げにされたりとか、戦闘狂である並盛風紀委員長かつ雲の守護者である『雲雀恭弥』に何万回襲撃されて噛み殺されかけたり等……etc

 

普通だったら間違いなく死んでいてもおかしく無いそれらを、彼は「痛い!!」だけで済ましてしまい、かつて不死身のスタントマンと呼ばれたある赤ん坊でさえも真っ青になるような不死身っぷりを発揮する程であった……家庭教師であるリボーンにとってはツナのそんな成長を見れて嬉しいことであろうが、何万回も死にそうな目に合っているツナ本人にとっては全然嬉しくないのは間違いないだろう。

 

何にせよ今日の修行を終えたツナと炎真は、それぞれの帰路に向かって途中まで一緒に帰っている最中である(リボーンは日本に来ている元アルコバレーノの『コロネロ』や『風(フォン)』らと会う約束があるとのことなので別行動中)。

 

 

ツナ「はあ……俺、いつかリボーンに修行でうっかり殺されそうな気がする……マジで」

 

炎真「いや、流石にそれは無いよ……たぶん」

 

 

ツナと炎真はそんな会話をしながら帰路を進んで行くと……

 

 

ツナ「ん?」

 

炎真「? どうしたの?」

 

ツナ「あ、いや……あそこら辺に何か光るものが落ちてるんだけど、何かなって思って……」

 

炎真「光るもの? うーん……あ、本当だ。あれ何だろう?」

 

 

ツナと炎真は目の前に何やら光る物が道端に落ちているのを見つけた。

 

2人は何故かそれが気になり、その光る物が落ちている場所へと近づくと、そこには種のような形をした青い宝石が落ちていた。

 

ツナと炎真はその宝石を拾い上げ、まじまじと見つめていた。

 

 

ツナ「うわぁ……凄い綺麗な宝石だなぁ」

 

炎真「だね……誰かの落とし物かな?」

 

ツナ「うーん、どうだろう……取り敢えず交番に届けた方が良いよね?」

 

炎真「そうだね、その方が良いと思う」

 

ツナ「よし、これを交番に届けてから帰ろう」

 

炎真「うん」

 

 

2人がそう行って交番に向かおうとした……その時、突如宝石から凄まじい光が放たれたのだ。

 

 

ツナ・炎真『えっ!?』

 

 

あまりに突然のことで驚きに目を見開くツナと炎真。

 

そして……

 

 

ツナ・炎真『うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!』

 

 

2人は逃げる間も無く、光に呑まれるのだった。

 

暫くして光が治ると、そこにツナと炎真の姿は無かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー ふんばりが丘 ーーー

 

 

アンナ「今日の修行はここまでにするわよ」

 

葉「うへぇ〜……やっと終わった〜……」

 

 

頭のオレンジ色のヘッドホン、首に掛けた熊のツメ、木製の便所サンダルがトレードマークの『シャーマン』である黒髪の少年ーー『麻倉葉』が激しく疲労した状態で、修行場所にしているふんばりが丘の墓地に倒れていた。

 

彼は500年に1度に開催される森羅万象を司る地球の王『シャーマンキング』を決める為の戦いーー『シャーマンファイト』につい最近まで参加していたのだが……参加者の1人である最強最悪のシャーマンにして葉の双子の兄である『ハオ』がルールを無視して星の聖地に赴き、全知全能の霊『G.S(グレートスピリッツ)』を直接手に入れようとしたことがきっかけでシャーマンファイトは一時中断となった。

 

仲間達と共に何とかハオを倒すことができた葉はシャーマンファイトが再開されるまでの間ふんばりが丘に戻り、彼の許嫁であるイタコの少女ーー『恐山アンナ』による地獄の修行でしごかれながらも平和な日常を送っていた。

 

 

アンナ「それじゃ私は先に戻るわ。夕飯の買い出し、よろしくね」

 

葉「りょ、りょ〜かい……」

 

 

アンナはそう言って、葉とアンナの住処である民宿『炎』へ先に戻るのだった。

 

 

葉「よっこいしょと……さてと、夕飯の買い出しに行くか」

 

 

それを見送った葉は疲労している体を何とか起こし、近くに落ちていた日本刀ーー『春雨』を鞘に納め、刀袋に仕舞うと肩に担ぐのだった。

 

 

阿弥陀丸『葉殿、大丈夫でござるか?』

 

葉「何とかな……伊達にアンナに毎日鍛えられていないさ」

 

阿弥陀丸『あはは、そうでござるな……しかし、最近のアンナ殿の修行がより一層厳しいものになっている気がするでござるよ』

 

 

葉の持霊である侍の霊ーー『阿弥陀丸』は苦笑しながらそう言う。

 

 

葉「シャーマンファイトがいつ再開されるかわからんからな。出来る限りオイラを目一杯強くしておきてえんだろう……」

 

阿弥陀丸『なるほど……シャーマンファイトはハオの所為でめちゃくちゃになってしまった上、G.SもS.O.F(スピリット・オブ・ファイア)に一部食われてしまったでござるからな。再開までに時間がかかるのは仕方ないでござるよ』

 

葉「だな……まあシルバ達パッチを急かしても仕方ないし、再開されるのを気長に待つさ♪」

 

阿弥陀丸『ふふふ、葉殿らしいでござるな。 あ、そう言えば夕飯の買い出しは急がなくて大丈夫でごさるか?』

 

葉「あ、そうだった! あんまり遅くなるとアンナにぶっ飛ばされる!」

 

阿弥陀丸『そ、それは一大事でござる! 急いで買い出しに行きましょう!』

 

 

葉と阿弥陀丸はそう言って夕飯の買い出しに急いで向かおうとするが……

 

 

葉「いでっ!?」

 

阿弥陀丸『葉殿!?』

 

 

葉が何かを踏んだ拍子に足を滑らせ、派手に地面へと転んだ。

 

 

阿弥陀丸『だ、大丈夫でござるか、葉殿!?』

 

葉「いてて、何とか……そういや、さっき何か踏んだような……これか?」

 

 

葉は自身の足元に落ちていた種のような形をした青い宝石を拾い上げる。

 

 

阿弥陀丸『それは宝石でござるか?』

 

葉「みたいだな。それにしても綺麗な宝石だなぁ〜♪」

 

阿弥陀丸『そうでござるな♪ ところで葉殿、その宝石はどうするでござるか?』

 

葉「誰かの落とし物かもしれないし、買い出しの前に交番へ届けるとするか♪」

 

阿弥陀丸『そうでござるな、その方が良いと思うでござるよ』

 

葉「うえっへっへっ♪ よし、交番へ行くとするか!」

 

 

葉がそう言って交番に向かおうとした……その時、突如宝石から凄まじい光が放たれたのだ。

 

 

葉「な、何だ!?」

 

阿弥陀丸『ほ、宝石から光が!?』

 

 

あまりに突然のことで驚きに目を見開く葉と阿弥陀丸。

 

そして……

 

 

葉「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 

阿弥陀丸『葉殿ーーーーーーーー!!!』

 

 

2人は逃げる間も無く、光に呑まれるのだった。

 

暫くして光が治ると、そこに葉と阿弥陀丸の姿は無かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球を創造した礎である秘宝の一つを命と引き換えに守る為の人柱として、その命を散らせつつあった小さな恩師を救う為に、強い意志……強い覚悟で仲間と共に死ぬ気で奔走し、見事その恩師の未来を切り開いて見せた『大空』の少年ーー沢田綱吉と、彼と共に戦った親友(とも)である『大地』の少年ーー古里炎真……

 

全知全能の霊を手に入れ、人類抹殺と共に優れたシャーマンだけの世界を作ろうとしていた歪んだ未来王の凶行を、揺るぎない不屈の心と仲間達との絆の力で阻止して見せた未来王の半身であるシャーマンの少年ーー麻倉葉……

 

3人の少年達が『装者』や『魔導師』と呼ばれる乙女達が活躍する異世界にて出会い、新たな戦いへ身を投じることになる……

 

果たして、彼らの行く先には何が待ち構えているのだろうか?

 

今、新たな物語が始まる……!

 

 

To Be Continue……



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第1話 3人の少年達の出会い

ツナ「……ん……んん……あれ? ここは…

…?」

 

 

偶然拾った宝石の光から放たれた光に飲まれ、気を失っていたツナは目を覚ますと、並盛町では無い見知らぬ公園らしき場所にいることに気付く。

 

 

ツナ「……! そうだ、炎真は!?」

 

 

自身と同じように光に飲まれた親友のことを思い出して辺りを見回すと、近くで気を失って倒れている炎真を見つけるのだった。

 

ツナは炎真の近くに駆け寄り、彼を起こそうとしていた。

 

 

ツナ「炎真、炎真! 起きて、炎真!」

 

炎真「ん……んん……ツナ君……?」

 

ツナ「ほっ……気が付いて良かった」

 

 

炎真が目を覚ましたことにツナは安堵する。

 

 

炎真「ええと、ここって並盛町じゃないよね? ここは、一体……?」

 

ツナ「わからない、気が付いた時には既にこうだったから……」

 

炎真「そっか……これからどうする?」

 

ツナ「近くに人がいないか探してみよう。ここが何処なのかわかるかもしれないし」

 

炎真「うん、わかったよ」

 

 

ツナと炎真は伊達に様々な厄介事に巻き込まれて来た訳では無いからか落ち着いており、自分達が何処にいるのかを知る為に行動を開始しようとした……その時。

 

 

?『葉殿、葉殿! 起きてくだされ、葉殿!』

 

ツナ・炎真『ん?』

 

 

近くから声が聞こえ、2人は声がした方へ移動すると……

 

 

阿弥陀丸『葉殿、葉殿! 暢気に寝てる場合では無いでござるよ! 起きてくだされ!』

 

葉「zzz……」

 

 

そこには鼻提灯を立てながら呑気に寝ているヘッドホンの少年ーー葉と、そんな葉を起こそうとする侍のような姿した男性ーー阿弥陀丸の姿があった。

 

 

炎真「ねえ、ツナ君……あれって、侍だよね……?」

 

ツナ「ええと、見た感じそうだけど……コスプレじゃないかな? 今の時代に本物の侍は存在しない筈だし……」

 

炎真「だよね……取り敢えず、話しかけてみる?」

 

ツナ「う、うん」

 

 

ツナと炎真はこの時世に存在しない筈の侍の姿をした阿弥陀丸に驚きつつも、話をするべく阿弥陀丸に近づく。

 

 

ツナ「あ、あの〜、すみません。ちょっと良いですか?」

 

阿弥陀丸『む? もしや……拙者に言っているござるか?』

 

炎真「は、はい、そうです。ちょっとお聞きしたいことが……」

 

阿弥陀丸『なんと! お二人は拙者の姿が見えるのでござるか!?』

 

ツナ「そりゃあ、侍の格好なんてしてたら目立……ん!?」

 

炎真「え!?」

 

 

阿弥陀丸の言葉に引っ掛かるものを感じたツナと炎真は冷や汗を浮かべ、さらに質問する。

 

 

ツナ「あ、あの……貴方の姿が見えてるのが可笑しいみたいな言い方ですけど……」

 

炎真「それって、一体どう言う……」

 

阿弥陀丸『拙者は『霊』でござるからな。普通の人には見えないものなんでござるよ♪』

 

 

あっさりとそう言う阿弥陀丸の衝撃的な言葉に、ツナと炎真は……

 

 

ツナ・炎真『れ、霊ってことは……幽霊?……ギ……ギャアアアアアアアアアアアアア!!?(パタッ)』

 

 

阿弥陀丸が幽霊であることを知ると悲鳴を上げ、そのまま2人仲良く気絶するのだった(笑)

 

 

阿弥陀丸『んなあっ!? 二人とも大丈夫でござるか!? しっかりしてくだされ!!』

 

 

阿弥陀丸は気絶したツナと炎真を心配し、必死に呼びかけていた。

 

そんな中、葉はと言うと……

 

 

葉「zzz……」

 

 

相変わらず呑気に寝ているのだった(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1時間後……

 

 

葉「ウェッヘッヘッ、阿弥陀丸が驚かせたみたいですまんかったな♪」

 

阿弥陀丸『誠に申し訳ないでござる!!』

 

ツナ「あ、いえ、気にしないでください! 何と言うか、その……」

 

炎真「僕達の方こそ、いきなり悲鳴を上げたりしてすみませんでした……」

 

 

ツナと炎真、そして葉は何とか目を覚まし、葉と阿弥陀丸はツナと炎真を驚かせてしまったこと(葉はいつも通りユルく笑っているが(笑))に、ツナと炎真は霊とは言え阿弥陀丸に対して悲鳴を上げてしまったことに、それぞれ謝罪するのだった。

 

 

葉「そういや自己紹介がまだだったな。オイラは麻倉葉、シャーマンなんよ♪」

 

ツナ・炎真『シャーマン?』

 

 

ツナと炎真は葉の口から出たシャーマンと言う単語に対して首を傾げる。

 

 

葉「あの世とこの世を結ぶ者……簡単に言うと霊能力を持った人間のことで、霊の力を借りられるんよ。んで、阿弥陀丸はオイラの持霊で友達なんだ♪」

 

阿弥陀丸『葉殿に仕える持霊の阿弥陀丸でごさる。改めてよろしくお頼み申す!』

 

 

葉はシャーマンについて簡単に説明すると同時に持霊の阿弥陀丸を紹介し、阿弥陀丸もツナと炎真に自己紹介をした。

 

 

ツナ「ええと、こっちも自己紹介しないとね。俺は沢田綱吉、並盛中の二年生で皆からはツナって呼ばれてるんだ」

 

炎真「僕は古里炎真、至門中の二年生だけど今は学校側の事情でツナ君と同じ並盛中に通ってるんだ」

 

 

ツナと炎真も葉達に自己紹介するのだった。

 

 

葉「よろしくな、ツナ、炎真♪」

 

阿弥陀丸『よろしくでござる、ツナ殿、炎真殿』

 

ツナ「こちらこそよろしくね、葉君、阿弥陀丸さん」

 

阿弥陀丸『拙者のことは阿弥陀丸で構わないでござるよ』

 

ツナ「うん、わかったよ阿弥陀丸」

 

炎真「霊って怖いイメージがあったけど、阿弥陀丸を見てるとそうでも無い気がするね」

 

葉「ウェッヘッヘッ、まあ確かに悪霊とかはいたりするけど、全ての霊がそう言う訳じゃないんよ。阿弥陀丸みたいな良い奴が多いぞ♪』

 

阿弥陀丸『いや〜そう言われると照れるでござるよ〜!///』

 

ツナ・炎真『あははは♪』

 

 

人当たりの良い葉と阿弥陀丸と打ち解けたツナと炎真は当初の目的を思い出し、彼らにある質問をする。

 

 

ツナ「葉君達に聞きたいことがあるんだけど、良いかな?」

 

葉「ん? 何だ?」

 

炎真「僕達は並盛町って言う町に住んでたんだけど、偶然拾った変な宝石から放たれた光の所為で意識を失っちゃって……」

 

ツナ「次に目を覚ました時には住んでた町とは違う場所に来ちゃったみたいなんだ。だから、ここが何処なのか教えて欲しいんだけど……」

 

 

ツナと炎真は葉と阿弥陀丸にここが何処なのか教えて貰おうとするが……

 

 

阿弥陀丸『申し訳ごさらん、ツナ殿、炎真殿……実は拙者達もお二人と同じ状況で、ここが何処なのかわからぬのでござるよ』

 

ツナ・炎真『えっ!?』

 

 

葉達も自分達と同じ状況であることに、ツナと炎真は驚きの声をあげる。

 

 

阿弥陀丸『拙者達はふんばりが丘と言う場所に住んでいたのでござるが、偶然拾った奇怪な宝石から放たれた光によって意識を失い、気が付いた時にはこの場所にいて……それからこの辺りを少しだけ散策してみたのでござるが、少なくともここはふんばりが丘では無いようでござる』

 

葉「えっ!? ここふんばりが丘じゃないんか!?」

 

ツナ・炎真『知らなかったの!?』

 

阿弥陀丸『あははは……葉殿は先程まで爆睡されていたでござるからな』

 

 

そう苦笑する阿弥陀丸を他所に、先程までのんびりな様子であった葉は急に慌て始める。

 

 

葉「よ、よく見たら空が明るい……と言うことは、今は朝か昼ってことか……やばい! 早くふんばりが丘に戻らないとアンナにお仕置きされる〜!!」

 

ツナ・炎真『お、お仕置き!?』

 

阿弥陀丸『はっ! そ、そう言えば、拙者達はアンナ殿から夕飯の買い出しを頼まれていたのでござった……まずいでござるよ、葉殿!! このままではアンナ殿にお仕置きされるか、更なる地獄の修行をさせられるでござるよ!!』

 

葉「だから焦ってんだろ!? アンナの奴、夕飯抜きになって滅茶苦茶怒ってるぞ、きっと!!」

 

阿弥陀丸『どどどどうするでござるか!?』

 

葉「どうすんだ〜!?」

 

ツナ「(葉君達が言ってるアンナって人、リボーンと同じタイプであるように感じるのは気の所為かな……?)」

 

 

ツナのその考えは間違いない……片や鬼教師、片や鬼嫁とどちらも鬼畜で、他者に地獄の修行をさせるところは似ていると言って良いだろう。

 

 

ツナ「(リボーンとアンナって人を絶対に会わせちゃいけない気がする……会ったら会ったで、絶対ロクな目に遭わない……!)」

 

 

ツナはリボーンとアンナが会った場合のことを想像したのか悪寒を感じ、絶対に2人を会わせたらいけないと心の中で思うが……彼の願いは叶うことなく、後に鬼教師と鬼嫁が邂逅し、ツナや炎真、葉達が今まで以上に過酷な地獄の修行をさせられることになるのを知る由もない(笑)

 

 

炎真「ええと……つまり葉君達も僕達と同じで、自分達が何処にいるかわからないってことで良いのかな……?」

 

葉「うう〜、すまん……」

 

阿弥陀丸『役に立てず申し訳ないでござる……』

 

ツナ「あ、謝ることじゃないから気にしないで。俺達はこの後他に人がいないか探すけど、葉君達も良かったら一緒に来ない?」

 

 

ツナは葉達も一緒に行動しないかと誘う。

 

 

葉「え? 一緒に来て良いんか?」

 

ツナ「うん。葉君達のことは他人事とは思えないし、一緒に行動した方が良いと思うんだ」

 

阿弥陀丸『確かに、拙者達だけで行動するのも限界があるでござるからな。葉殿、ここはツナ殿の提案に乗るべきかと……』

 

葉「そうだな……そんじゃあ、元の場所に帰るまでの間だけど、よろしくなツナに炎真♪」

 

炎真「こちらこそよろしく、葉君、阿弥陀丸」

 

阿弥陀丸『改めてよろしく頼むでござる』

 

ツナ「よし、それじゃあ早速行動を開始しよう」

 

炎真「うん」

 

葉「おう♪」

 

阿弥陀丸『承知したでござるよ』

 

 

葉と阿弥陀丸も一緒に行動することになり、ツナ・炎真・葉達は元いた場所へ帰る為に、情報収集を開始するのだった。

 

だが、彼らは自分達が今いる場所……否、世界が並盛町もふんばりが丘も存在しない『異世界』であることを後に知ることになる……

 

 

To Be Continue……



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第2話 新たな戦いの序章! ツナ VS ガリィ

ツナ・炎真・葉の3人は今いる場所が何処なのか、そして元の場所へ帰る為の手掛かりを得るべく近くに人がいないか散策していたが、自分達以外の人を中々見つけられずにいた。

 

 

ツナ「ここ公園みたいだから、必ず人がいると思ったけど……」

 

炎真「意外と人がいないね……あれ? 葉君、阿弥陀丸は?」

 

葉「今、空から人を探しに行って貰ってるんよ」

 

ツナ「そっか、阿弥陀丸は霊だから空を移動できるんだったね」

 

葉「ああ、知らない場所に来た時はいつも斥候を頼んでるんだ」

 

 

葉はアメリカでのパッチ村を探していた時、霊である阿弥陀丸達に斥候を頼んでいたことから、今回も阿弥陀丸に空から人を探して貰っていた。

 

 

炎真「でも、周りの人に阿弥陀丸が見えたら大騒ぎにならないかな?」

 

葉「ん〜、基本霊は人に見えんから大丈夫だと思いたいけど……ツナと炎真に阿弥陀丸が見えてるから、何とも言えんな」

 

ツナ「俺も炎真も葉君が見えてる阿弥陀丸以外の霊が見えてないから、今の阿弥陀丸は誰にでも見えちゃう可能性があるってこと?」

 

葉「まあな。何でそうなったかはまったくわからんけどな」

 

 

ツナと炎真が何故阿弥陀丸を見ることができるのかは今のところわかっておらず、最初はシャーマンである葉に触発されて霊が見えるようになったのではないかと考えられたが、2人が阿弥陀以外の霊が見えていないことから違うようだ。

 

今の阿弥陀丸が普通の人間に見えてしまい、大騒ぎになるのでは無いか心配していると……

 

 

阿弥陀丸『葉殿〜!!』

 

葉「お、阿弥陀丸が戻って来たぞ」

 

 

ヒトダマーー『ヒトダマモード』の姿をした阿弥陀丸が斥候から戻って来た。

 

 

ツナ「……阿弥陀丸の姿、さっきと違くない?」

 

葉「ああ、阿弥陀丸は今『ヒトダマモード』になってるんよ。ヒトダマなら誰かに見えても誤魔化せるしな♪」

 

炎真「ヒトダマでも十分大騒ぎになると思うけど……」

 

葉「まあ細かいことは気にすんな。それで阿弥陀丸、人は見つかったか?」

 

阿弥陀丸『見つけたには見つけたのでござるが、その人達が妙な姿をした怪物に襲われているでござるよ!』

 

ツナ・炎真・葉『か、怪物!?』

 

 

阿弥陀丸の言葉に3人は驚きの声を上げる。

 

 

葉「怪物って、どう言うことなんだ? それに妙な姿って……」

 

阿弥陀丸『申し訳ござらんが、詳しく話している時間が無いでござる! 早く助けに行かねば!』

 

葉「わかったわかった、一緒に行くから落ち着けって。ツナ、炎真、何か物騒なことになって来たみたいだから、2人はここで……」

 

 

葉はシャーマンである自身と違い、戦闘力が無いように見えるツナと炎真にここで待つように言おうとするが……

 

 

ツナ「俺達も一緒に行くよ、葉君」

 

葉・阿弥陀丸『え?』

 

炎真「大丈夫、僕達も一応戦えるよ。こんな風に……!」

 

ボウッ!!

 

 

2人は一緒に行くことを申し出て、最初に炎真が大地のシモンリングに朱色の炎ーー大地の炎を灯すと……

 

 

ボウッ!!

 

超炎真「よし……!」

 

 

額に角のような形をした大地の炎が灯され、大地のシモンリングから展開した輪っかにつながれた朱色のナイフと、手の甲に朱色のクリスタルがある黒い手甲を両腕に装備していた。

 

 

葉「え、炎真の額に炎が!?」

 

阿弥陀丸『そ、それだけではござらん! 炎真殿の指輪から炎らしきものが出た瞬間、両腕に黒い手甲が現れたござる!』

 

 

葉と阿弥陀丸が炎真の変化に驚く中……

 

 

ボウッ!!

 

 

今度はツナが彼自身の両手にある大空のリングVer.Xとは別の指輪ーー『X(イクス)リング』に対し、いつもリングに死ぬ気の炎を灯しているように意識を集中し、大空の炎を灯した。

 

Xリング……それは虹の代理戦争後、ツナが彫金師『タルボ』から貰ったものであり、『あるもの』を量子変換して収容かつ瞬時に展開できるようにする為に、特殊な石を使って彫金された指輪である。

 

そのXリングに収容されているのは……27と刺繍された手編みの手袋と、ある技の調整に必要なコンタクトディスプレイとヘッドホンである。

 

さらにツナは目を閉じて意識を集中すると……

 

 

ボウッ!!

 

 

彼の額に大空の炎が灯されたのと同時に、ツナは瞳を開ける……その瞳の色は全てを見透かすような橙色へと変わり、ツナの両手に装備していた手袋も手の甲にボンゴレの紋章が入ったクリスタル、そのクリスタルの上にオレンジ色のXの紋章が入った赤色のグローブ--『X(イクス)グローブ』へと変わり、そのXグローブから大空の炎が灯される。

 

 

超ツナ「……これが俺と炎真の戦闘形態ーー『超(ハイパー)死ぬ気モード』だ」

 

葉「つ、ツナも炎真みたいに額に炎が……!?」

 

阿弥陀丸『そ、それに雰囲気も変わったでござる! ツナ殿から感じるこの威圧感は、まさしく歴戦の猛者(もさ)……!』

 

 

ツナの雰囲気が先程の気弱で優しそうな少年だとは思えない、鋭い眼光で凄まじい威圧感を放つ歴戦の猛者(もさ)のような雰囲気に変わったことに、葉と阿弥陀丸はさらに驚く。

 

これがツナと炎真の戦闘形態ーー『超(ハイパー)死ぬ気モード』で、彼らの中に眠る潜在能力を引き出した状態である。

 

そして、ツナに至っては以前まで『死ぬ気丸』というアイテムを服用することで超死ぬ気モードになっていたが、虹の代理戦争の『あること』がきっかけでツナの中で変化が起き、それに加えてリボーンとの修行のおかげで完全に死ぬ気丸無しで超死ぬ気モードになることができるようになった。

 

 

超ツナ「阿弥陀丸、怪物に襲われている人達がどの辺りにいたか教えてくれるか?」

 

阿弥陀丸『は、はい! あちらの方でござる!』

 

 

阿弥陀丸はツナの問いに答えるように、自身が見つけた人達がいた方角を指差す。

 

 

超ツナ「わかった。俺は先にその人達の救助に向かう。炎真は後で葉と一緒に来てくれ」

 

超炎真「うん、わかったよ」

 

超ツナ「よし……行くぞ!」

 

ボオオッ!!

 

 

ツナは両手のXグローブの炎を逆噴射し、その推進力で空を猛スピードで飛翔するのだった。

 

 

葉「す、凄え! 飛んだ!」

 

阿弥陀丸『あの両手の炎で空を飛んでいる様でござる! それにしても、何という速さ!』

 

 

葉と阿弥陀丸が先行したツナの空を飛ぶ様子に驚いていると……

 

 

超炎真「それじゃあ僕達も行こうか、葉君」

 

葉「え?」

 

 

炎真が左手で葉の手を掴むと……

 

 

超炎真「しっかり掴まっててね……行くよ!」

 

ボオオッ!!

 

葉「えっ、ちょっ!? うわああああっ!?」

 

阿弥陀丸『よ、葉殿ーーーー!?』

 

 

炎真は空いている右手から炎を逆噴射し、葉と共に空を飛翔し始める。

 

葉はいきなり空へ移動したことに驚きの声を上げ、阿弥陀丸は慌てながら炎真と葉の後を追いかけるのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『新暦世界』

 

その世界は一見平和な世界に見えるが、過去に未知の力を持つ『聖遺物』や『ロストロギア』による超常的脅威から、地球は疎か次元世界さえ揺るがすような大きな事件が起きたことがあった。

 

新暦2034年に『PT(プレシア・テスタロッサ)事件』と『闇の書事件』……

 

新暦2036年に『PM(フィル・マクスウェル)事件』……

 

新暦2043年に『ルナ・アタック』と『フロンティア事変』……

 

新暦2034年〜2043年の間に起きた上記の事件は、『高町なのは』・『フェイト・T(テスタロッサ)・ハラオウン』・『八神はやて』を始めとした『魔導師』達と、『立花響』・『風鳴翼』・『雪音クリス』を始めとした『シンフォギア装者』達の活躍により解決され、新暦世界の脅威の1つであった『ノイズ』もフロンティア事変の際に『ソロモンの杖』で『バビロニアの宝物庫』を閉じたことで出現しなくなったのだ。

 

フロンティア事変より数ヶ月が経った新暦2044年、シンフォギア装者達が所属している『特異災害対策機動部二課』は国連の直轄下にて超常災害対策機動部タスクフォース『S.O.N.G』として再編成され、『時空管理局』からなのは・フェイト、はやてを始めとした計7名の魔導師もS.O.N.Gに派遣された。

 

響やなのは達は救助活動や聖遺物・ロストロギア回収の任務をこなしながらも平和な日々を過ごし、誰もがこんな日々が続くのだと思っていた……しかし、新暦世界に生きる者達に刻まれた相互理解を阻む呪いーー『バラルの呪詛』による影響なのか、新たな脅威ーー錬金術師『キャロル・マールス・ディーンハイム』と、彼女に付き従う『自動人形(オートスコアラー)』達が彼女達の前に立ちはだかる。

 

圧倒的な力を持つキャロルとオートスコアラー達、そして解剖機関による分解効果を持つ新たなノイズーー『アルカ・ノイズ』の前に、翼の『天羽々斬』とクリスの『イチイバル』がコアとなる聖遺物の欠片は無事であるものの、エネルギーをプロテクターとして固着させる機能を破壊されてしまい、翼とクリスはギアを纏えなくなってしまうのだった。

 

新たな脅威の前に劣勢に立たされたS.O.N.Gは打開策を思案していて、その中でなのは達派遣部隊はデバイスやバリアジャケットの強化の為、時空管理局の本部がある世界ーー『ミッドチルダ』へ一旦戻っていた。

 

そしてシンフォギアの方は響の『ガングニール』、『月読調』の『シュルシャガナ』、『暁切歌』の『イガリマ』の3機が残っているが、調と切歌はギアとの適合係数が低いことから戦闘に参加できないので、実質装者の中で戦えるのは響のみであった。

 

だが、最近の響は人助けの力として見ているシンフォギアを誰かを傷付ける力として用いることに否定的になり、敵であるキャロル達と話し合いで解決することに拘っていた。

 

そんな響の迷いが悪影響を及ぼしたのか、彼女はギアを纏えなくなってしまったのだ。

 

ギアを纏えなくなってしまった響にオートスコアラーの1体ーー『ガリィ・トゥーマーン』とアルカ・ノイズの凶刃が襲い掛かり、響は彼女の親友ーー『小日向未来』と、友人達ーー『安藤創世』・『寺島詩織』・『板場弓美』諸共絶体絶命の窮地に陥るが、救援に駆け付けた『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』が響のガングニールを纏い、ガリィとアルカ・ノイズとの交戦に入る。

 

調や切歌と同様ギアとの適合係数が低いマリアは、ギアからのバックファイアによるダメージを受けながらも善戦し、何とかアルカ・ノイズを殲滅した。

 

だが、その奥に控えていたオートスコアラーのガリィ相手に攻撃が通用せずにいた。

 

 

マリア「はあ、はあ、はあ……!」

 

ガリィ「想定外に次ぐ想定外、捨てておいたポンコツが意外なくらいにやってくれるなんて……決めた☆ ガリィの相手はアンタよッ!」

 

マリア「くっ!……うぐっ!?」

 

 

ガリィは凍らせた地面をスケートのように滑り、ジグザグに不規則な動きでマリアに接近する。

 

マリアはガングニールのアームドギアである槍で迎撃しようとするが、バックファイアによる激痛で反応できなかった。

 

 

ガリィ「いっただっきまーす☆」

 

 

ガリィの左手に纏った氷の剣がマリアを貫こうとした……その時。

 

 

ボオッ!!

 

ガリィ「ぐえっ!?」

 

 

マリアとガリィの間に突如『橙色の炎』が割って入り、その炎の中から拳が飛び出てはガリィの顔面を大きく殴り飛ばすのだった。

 

 

マリア「え……?」

 

 

マリアは何が起きたかわからずにいたが、彼女の目の前にある炎の中から1人の少年の背中が現れ、マリアの方へ振り向く。

 

マリアを救ったその少年は……

 

 

超ツナ「……怪我は無いか?」

 

 

ハイパー化したツナであり、空を移動していた彼はガリィと交戦していたマリアを見つけ、間一髪で助けに入ったのだ。

 

そんなツナを視認したマリアは……

 

 

マリア「っ! 貴方は、あの時『セレナ』を助けてくれた……!」

 

超ツナ「? あの時?」

 

 

驚きの表情を浮かべると同時に、過去にツナに会ったことがあるかのような言葉を口にするのだった。

 

だがツナからすればマリアとは初対面で、会った記憶すら無いので首を傾げるしかなかった。

 

そこへ……

 

 

ガリィ「〜〜〜ッ、このクソガキ! 良いところを邪魔してくれちゃって! 許さないんだから〜ッ!!」

 

超ツナ「っ!」

 

マリア「あ、危ない!」

 

 

先程ツナに殴り飛ばされたガリィが怒りを露わにしながら接近し、左手の氷の剣による刺突をツナに向けて繰り出すが……

 

 

超ツナ「ふんっ!」

 

ガリィ「うぎゃっ!?」

 

 

ツナはガリィの攻撃を容易く躱し、カウンターとばかりに拳撃を叩き込んだ。

 

攻撃を受けたガリィは大きく殴り飛ばされながらも何とか体勢を立て直すと……

 

 

ガリィ「く、くそっ! だったら、アルカ・ノイズならどうだ!?」

 

 

複数のアルカ・ノイズを出し、ツナに向かって突撃させる。

 

 

超ツナ「こいつらは……もしかして阿弥陀丸の言っていた怪物なのか? 確かに妙な姿をしてるな」

 

マリア「き、気をつけて! そいつらの発光する攻撃部位には解剖機関による分解効果を持つの! 一撃でも攻撃を受けたらただじゃ済まされないわ!」

 

超ツナ「なるほど、見た目の割に厄介な能力を持つ怪物の様だな……だが」

 

ボオオッ!!

 

 

ツナは襲い掛かるアルカ・ノイズの攻撃をXグローブの炎の推進力で躱し……

 

 

超ツナ「当たらなければどうと言うことは無い!」

 

 

超スピードで移動しながらアルカ・ノイズを炎を纏った拳撃で次々に倒して行く。

 

 

ガリィ「なっ!?」

 

マリア「す、凄い……!」

 

 

アルカ・ノイズを圧倒するツナの高い機動力と戦闘力に、マリアとガリィは驚きの表情を浮かべる。

 

そしてガリィの出したアルカ・ノイズは瞬く間に全て破壊され、ツナはガリィに猛スピードで接近する。

 

 

ガリィ「ちっ! 舐めるな!!」

 

 

ガリィは再び氷の剣を出し、接近して来るツナを迎撃するとばかりに突撃する。

 

 

超ツナ「っ!(この感じは……なるほど、そう言うことか!)」

 

 

突撃して来るガリィに違和感を感じ、何かに気付いたツナは……前方に炎を逆噴射し、マリアの方に向かって猛スピードで飛翔する。

 

 

マリア「えっ!?」

 

 

マリアは自身に向かってくるツナの行動の意味がわからず、驚きの声をあげる。

 

そして、ツナは猛スピードで飛翔しながら炎を纏った拳を構え……

 

 

超ツナ「本物は……そこだ!」

 

 

マリアの近くの何も無い空間に向かって拳を叩き込むと、大きな打撃音が何故か響き渡った。

 

すると……

 

 

ガリィ「ぐぎゃあっ!?」

 

マリア「なっ!?」

 

 

何も無かった筈の空間からガリィがツナに殴られた状態で突然現れたのだ。

 

 

超ツナ「Xカノン!!」

 

 

ツナは自身が殴ったガリィとは別の、氷の剣で自身を突き刺そうとしていたもう1人のガリィに向かってXグローブから大空の炎の弾丸ーー『X(イクス)カノン』を放つ。

 

Xカノンはそのままもう1人のガリィの胴体を撃ち抜くと……もう1人のガリィは水に変わって崩れ落ちた。

 

実はツナを攻撃しようとしていたガリィは空気中の水分を鏡に見立てて投影された幻像で、本物のガリィは錬金術を使って姿を隠しながらマリアに奇襲に仕掛けようとしていたのだった。

 

 

ガリィ「な、なんで……あっちのアタシが、偽物だと……それに、姿を消していたアタシの居場所まで……!?」

 

超ツナ「生憎だが、俺は人より直感が強いんだ。それに……お前のような相手を騙し、欺く能力に長けた奴らと戦った経験がある。そいつらに比べたら、お前のはまだわかり易い方だ」

 

 

ツナには彼の中に流れる『ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)』による『超直感』に加え、『六道骸』・『幻騎士』・『トリカブト』・『D(デイモン)・スペード』と言った強力な幻術を使う霧の術士達との戦闘経験があるので、ガリィの幻像を使った戦法を見破ることはツナにとって容易いものであった。

 

 

ガリィ「あ、アンタは、一体なんなのよ!?」

 

超ツナ「さあな。お前のような人に害を成すしか無い危険な『人形』に名乗るつもりは無い……このまま破壊させて貰う!」

 

ガリィ「っ!」

 

 

ツナは目の前のガリィが人間では無い存在であることに気が付いていた……同時にここでガリィを破壊しておかないと後々危険なことが起きるであろうことも直感したのだった。

 

 

超ツナ「獅子戦吼!!」

 

ガリィ「がああっ!?」

 

 

ツナはガリィに掌底を放つと同時に獅子の形をした闘気を叩きつけ、ガリィを空中へと大きく吹き飛ばす。

 

『獅子戦吼』……虹の代理戦争後の修行時に、修行の手伝いとして日本へ来ていたリボーンと同じ元嵐のアルコバレーノである『風(フォン)』との修行により、人間の体にある『気』と言うエネルギーをコントロールする術、そして気の一種である『闘気』を外へと放つ技術を身に付けたツナは、その修行の成果としてこの技を編み出したのである。

 

さらにツナは畳み掛けるように……

 

 

超ツナ「ナッツ!」

 

ボウッ!!

 

ナッツ「ガウッ!!」

 

 

右手にある大空のリングVer.Xに炎を灯し、そこからツナの相棒であるギアアニマルーー『天空ライオンVer.X(レオネ・ディ・チエーリ バージョン・イクス)』こと『ナッツ』を呼び出した。

 

 

マリア「か、可愛い……!///」

 

 

因みにマリアはナッツのあまりの愛くるしさの前に、戦闘中であることを忘れてメロメロになっていたとか(笑)

 

そして、ツナは……

 

 

超ツナ「形態変化・攻撃モード(カンビオ・フォルマ・モード・アタッコ)!!」

 

ナッツ「ガオオオオオオッ!!!」

 

 

ナッツにそう指示を出し、それを聞いたナッツは咆哮と共に体を輝かせ、ツナの右手のXグローブと合体するとその姿を変えていき……

 

 

超ツナ「I世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!!」

 

 

かつてボンゴレI世ことジョットが究極の一撃を放つ際にグローブを変形させた形態と言われたガントレットーー『I世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)』へと形態変化するのだった。

 

 

マリア「ら、ライオンさんがガントレットに変わった……!?」

 

 

ナッツがI世のガントレットに形態変化した光景に驚くマリアを他所に、I世のガントレットを装着したツナは猛スピードで空中にいるガリィに向かって行く。

 

 

ガリィ「くっ、この……クソガキがーーーー!!!」

 

 

そう簡単にやられないとばかりに、ガリィは高圧の水流をツナに向かって撃ち出す。

 

迫り来る水流に対して、ツナは……

 

 

超ツナ「うおおおおおっ!!」

 

 

まるで火の鳥を思わせるような形状をした大空の炎を全身に纏い、高圧の水流を物ともしない勢いで押し返しながら突き進んで行く。

 

 

ガリィ「な、なんでッ!? なんでアンタの炎は水で消えないのよッ!?」

 

超ツナ「死ぬ気の炎は炎の形をした生体エネルギーだ! 水で消すことはできない!」

 

ガリィ「そ、そんな……そんな馬鹿なあああああッ!?」

 

 

常識外れの力を持つツナに、ガリィは信じられないとばかりの声を荒げる中……ツナは遂にガリィの目と鼻の先まで接近していた。

 

 

ガリィ「畜生があああああああっ!!!」

 

 

ガリィは悪足掻きとばかりに、錬金術による障壁を展開するが……

 

 

超ツナ「終わりだ! X(イクス)フェニックス!!」

 

 

ツナは鳳凰の形をした大空の炎のバリアを形成して突撃する攻防一体の新技ーー『X(イクス)フェニックス』による突進と共に、I世のガントレットを装着した拳による一撃を放ち……

 

 

ガリィ「ギャアアアアアアアアアアッ!!?」

 

 

障壁と共にガリィの両腕を破壊し、地面へと大きく吹き飛ばすのだった……

 

 

To Be Continue……



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Extra Story 2.5 戦いの裏側①

新年あけましておめでとうございます^_^

本当なら第8話を投稿する予定でしたが、まだ未登場であるマリア以外のヒロイン達を先に登場させた方が第8話を書きやすいと思い、今年初の投稿として番外編(Extra Story)をアップしました。

内容は第2話〜第6話のツナや炎真、葉達がオートスコアラーやアルカ・ノイズと戦っていた時の裏側の話で、何話かに分けて投稿していきたいと思います。


ーー S.O.N.G本部 指令室 ーー

 

緒川がツナや葉達を連れてS.O.N.Gへ移動する前……正確にはマリアがガリィと交戦していた時へと時間を遡る。

 

S.O.N.G本部の指令室にいるメンバーは響から借りたガングニールを身に纏って戦うマリアの支援をしていた。

 

 

?「マリア君! アルカ・ノイズの発光する部位こそ解剖する機関! 気を付けて立ち回れ!」

 

マリア『了解!』

 

?「それと君自身理解していると思うが、ギアからのバックファイアを受けながらの戦闘は長くは持たない! 隙を見て何とか離脱するんだ!」

 

マリア『ええ、心得ているわ!』

 

 

S.O.N.Gの司令である筋肉質でガタイの良い赤髪の男性ーー『風鳴弦十郎』が通信でマリアにアルカ・ノイズの情報を伝えると同時に、シンフォギアからのバックファイアを受けながらの戦闘は長く持たないので隙を見て逃げるよう指示を出した。

 

 

弦十郎「響君達の避難状況は!?」

 

?「緒川さんが安全圏まで連れているので大丈夫です!」

 

 

弦十郎の質問にS.O.N.Gのオペレーターの1人である女性ーー『友里あおい』が答える。

 

そんな中、司令室に5人の少女達が入って来る。

 

 

?「司令! 状況はどうなっていますか!?」

 

?「あいつらは無事なのか!?」

 

 

長い青髪を髪飾りでサイドテールにした天羽々斬の装者である女性ーー風鳴翼と、ふんわりとした長い銀髪を後ろで細長く二つに分けたイチイバルの装者である少女ーー雪音クリスが弦十郎に状況について聞く。

 

 

弦十郎「響君達は緒川が安全圏へと避難させた! そして、アルカ・ノイズとオートスコアラーは現在マリア君がガングニールを纏って交戦している!」

 

?「マリアがデスか!?」

 

?「それって、前に私達がクリス先輩を助けた時のようにシンフォギアからのバックファイアを受けているんじゃ……!」

 

 

マリアがガングニールを纏って戦っていることに、短めの金髪にXの形をした髪留めを付けた少女ーー暁切歌と、長い黒髪をツインテールにした少女ーー月読調が驚きを露にし、マリアがシンフォギアからのバックファイアを受けていることを察する。

 

 

?「風鳴司令、マリア姉さんにすぐ退くよう伝えてください! このままじゃ……!」

 

弦十郎「わかっている! 既にマリア君には隙を見て逃げるよう伝えてはいる! だが、アルカ・ノイズとオートスコアラー相手にそう簡単に逃げられるかどうか……!」

 

?「マリア姉さん……」

 

 

ガリィとアルカ・ノイズ相手に戦うマリアの心配をする長い茶髪をポニテールにした女性の名は『セレナ・カデンツァヴナ・イヴ』、かつてのアガートラームの装者でマリアの実の妹である。

 

殆どの世界線のセレナは7年前のF.I.S内の起動実験で暴走した完全聖遺物『ネフィリム』の暴走を止めるべく、アガートラームのエネルギーベクトルを操作する特性を持った絶唱を放ち、暴走するエネルギーを操作しながらネフィリムを蛹状の基底状態にリセットするも、絶唱のバックファイアで重傷を負い、そのまま瓦礫の落下に巻き込まれて死亡。

 

または運良く瓦礫の落下を避けられても絶唱のバックファイアにより重傷を負っている為7年間のコールドスリープによる治療が必要となり、一命を取り留めた代償に成長期が遅れ、年齢は20歳であっても外見が13歳のままであるかのどちらかである。

 

だが、この世界のセレナは『ある人物』によって命の危機を救われ、その人物が絶唱のバックファイアで重傷を負った彼女の体に『未知の炎』を流し込んだことによって、セレナは6年間の療養生活を強いられたもののコールドスリープを必要とせずに完治し、今では年相応の外見をした大人の女性として成長したのだ。

 

そしてF.I.Sが起こした1年前のフロンティア事変後、セレナは贖罪で国連のエージェント兼アーティストとして活動する姉のマリアをマネージャーとして支えて来たのだったが、キャロルとオートスコアラー達の襲撃を転機に、マリアと共にS.O.N.Gへ編入したのだ。

 

本来ならマリアよりギアの適合係数が高いセレナ自身が戦場に立ちたいところだが、セレナのがかつて纏っていたアガートラームは7年前のネフィリム暴走時に使用した絶唱の影響でコンバータ部分がずっと破損したままになっており、それ以来アガートラームを纏うことができないのだ……フロンティア事変の最終局面であるネフィリム戦で、マリアが奇跡的に纏ったことを除いては。

 

さらにシンフォギアには装者とギアとの相性が存在し、適合係数は低いもののガングニールとアガートラームの2つのギアを纏える装者ーー『ダブルコントラクト』である姉のマリアと違い、セレナが纏えるのはアガートラームだけである。

 

ギアとの適合係数が高いセレナや翼、クリスがマリアに代わってガングニールを纏うことはできないし、当のガングニールの装者である響は精神的な問題で纏うことができない以上、セレナを含めた指令室にいる面々ができるのはマリアがガリィとアルカ・ノイズとの戦闘を無事に切り抜けてくれることを祈るだけである。

 

 

弦十郎「藤尭、ミッドチルダにいるはやて君達との連絡は取れたか!?」

 

?→藤尭「はい! ただ……対アルカ・ノイズ用のデバイスとバリアジャケットの改修作業がまだ終わっていないそうで、取り敢えずは急ごしらえの装備でこちらへ戻って来るそうです」

 

弦十郎「そうか……まだ万全の準備ができていないところに急な応援要請をしてしまった上、急ごしらえの装備ではやて君達に無理をさせてしまうことになるのは申し訳なく思うが、今は彼女達に頼るしかない!」

 

 

友里と同じS.O.N.Gのオペレーターである男性ーー『藤尭朔也』の報告を聞いた弦十郎は苦い顔を浮かべていた。

 

マリアがガリィとアルカ・ノイズと交戦するより前……正確には響や未来、彼女の友人達がガリィに襲撃された辺りから、弦十郎達は対アルカ・ノイズ用のデバイスとバリアジャケットの改修でミッドチルダに戻っていたなのは・フェイト・はやてを始めとした派遣部隊の魔導師達に応援要請をしていた。

 

応援要請を受けた魔導師達はまだ改修作業が終わってはいないものの、ひとまず急ごしらえの装備で地球に戻って来てはくれるとのことなのだが、弦十郎は魔導師の少女達に無理をさせてしまうことを申し訳なく思いつつも、こちらの戦力が現在0に近い以上魔導師達に頼るしかないと受け入れるしかなかった。

 

そうこうしている内にマリアが何とかアルカ・ノイズを殲滅し、ガリィに攻撃を仕掛ける。

 

しかしガリィはマリアの攻撃を容易く防ぎ、高圧の水流でマリアを吹き飛ばす。

 

 

セレナ「マリア姉さん!」

 

調・切歌『マリア!』

 

クリス「くそっ! やっぱオートスコアラー相手には一筋縄じゃいかねえか!」

 

友里「ギアからのバックファイア、さらに上昇! これ以上はマリアさんの体が持ちません!」

 

弦十郎「マリア君、限界だ! 撤退しろ!」

 

翼「退くんだ、マリア!」

 

 

指令室にいるメンバーはマリアの心配をし、彼女に撤退するよう言うが、肝心のマリアはギアからのバックファイアによるダメージが大きいのか満足に動けそうに無かった。

 

そんなマリアに左手に氷の剣を纏わせたガリィが接近し、ガリィの凶刃がマリアを貫こうとしていた。

 

 

翼・クリス・調・切歌『マリア!!』

 

セレナ「マリア姉さん!!(お願い、誰か……誰か、マリア姉さんを助けて!!)」

 

 

最愛の姉(マリア)の窮地に、セレナが涙を浮かべながらそう願った……その時。

 

 

藤尭「っ! 正体不明の高エネルギー反応を確認! マリアさんとオートスコアラーに向かって猛スピードで接近しています!」

 

翼・クリス・調・切歌『っ!』

 

弦十郎「何だと!?」

 

セレナ「え……?」

 

 

藤尭のその言葉に一同が驚き、視線をモニターへ戻すと……マリアとガリィの間に突如美しい橙色の炎が現れたと同時に炎の中から拳が飛び出し、その拳はガリィの顔面を大きく殴り飛ばすのだった。

 

 

セレナ「えええっ!?」

 

クリス「はああっ!?」

 

切歌「な、なんデスとーーーッ!?」

 

調「ほ、炎の中から拳が飛び出して……!?」

 

弦十郎「お、オートスコアラーを殴り飛ばしただと……!?」

 

翼「な、なんと奇怪な! 一体、何が起きて……!?」

 

 

あまりに衝撃的な光景に指令室にいる面々が驚愕していると、炎の中から人らしき姿が現れる。

 

 

友里「あれは……!」

 

弦十郎「こ、子供だと!?」

 

 

炎の中から現れたのは、額に橙色の炎を灯し、両腕に赤い金属製のグローブを装着した、ツンツン頭の茶髪に橙色の瞳をした少年ーー超死ぬ気モードになっているツナこと沢田綱吉であった。

 

 

翼「あの少年がオートスコアラーを殴り飛ばしたと言うのか!?」

 

切歌「って言うか、頭が燃えてるデース!?」

 

調「いや切ちゃん、燃えてはいないと思うよ。それにしても、あの人は一体……?」

 

 

ツナの登場に指令室にいる面々が騒ぎ立てる中……

 

 

セレナ(似てる……うろ覚えで髪の色や背丈は違う気がするけど、7年前私の命を救ってくれた『あの人』に似てる……)

 

クリス(そっくりだ……9年前、バル・ベルデで捕虜にされそうになっていたあたしとママを助けてくれた『あの人』に……)

 

 

セレナとクリスだけはハイパー化しているツナの姿を見て別の意味で驚いていた。

 

セレナは7年前自身の命を救ってくれた人物に、クリスは9年前NGO活動で訪れた政情不安定な内戦地ーー『バル・ベルデ共和国』にて現地組織の捕虜にされそうになっていたところを助けてくれた人物にツナを重ねていた。

 

クリスについて補足すると、殆どの世界線では彼女は9年前のバル・ベルデ共和国のとある村にて荷物に仕掛けられた爆弾の爆発により両親ーー『雪音雅律』と『ソネット・M・ユキネ』を喪うのだが、この世界では雅律がソネットを爆発から庇ったことにより父親の雅律だけが死亡し、母親のソネットは爆発から逃れて生き延びたのだ。

 

その後、雅律を喪って悲しみに暮れるクリスとソネットに追い討ちをかけるように、バル・ベルデ共和国の現地組織に捕虜にされそうになったが、突如現れたツナにそっくりな『ある人物』によって助けられたのだ。

 

因みにクリスとソネットを助けたその人物は、無関係な人間を戦火に巻き込むバル・ベルデ共和国の現地組織や軍隊に対して怒り、その時一緒にいた2人の仲間と共にそれらを壊滅させて内戦を終結させてしまったことから、バル・ベルデ共和国内では『炎の悪魔』と畏怖の念を込めて今でも語り継がれているらしい。

 

捕虜を免れたクリスとソネットはその後日本に帰国し、母親のソネットは夫の雅律を喪った悲しみを乗り越え、声楽家としての仕事をしながら娘のクリスを育てて来た。

 

だが、クリスは自身から父親を奪った戦争というものに対して憎しみを募らせ、『戦争の火種を無くしたい』という想いを抱くようになり、『戦う意思と力を持つ者を滅ぼす』ことでその想いが遂げられると言う1年前のルナ・アタック時の元凶であるシンフォギアシステムの開発者である女性ーー『櫻井了子』……正確には了子の人格を支配した先史文明の巫女の亡霊ーー『フィーネ』に誘われ、ソネットの元から数年ほど離れて行動していた。

 

クリスはフィーネに利用される形で響や翼と敵対することになったが、紆余曲折の果てに自らの過ちに気付いて彼女達と和解し、数年離れていたソネットとも再会して現在は一緒に暮らしている。

 

話がだいぶ逸れてしまったが、セレナやクリスを始め指令室にいる面々がツナの登場に驚いている中……

 

 

藤尭「司令! あの少年の炎を解析してみましたがフォニックゲインや魔力とはまったく違う未知のエネルギーの様です!」

 

セレナ・クリス・翼・調・切歌『っ!?』

 

弦十郎「フォニックゲインでも魔力でも無いエネルギーだと!?」

 

 

ツナの炎ーー死ぬ気の炎を解析した藤尭の報告を聞いてさらに驚く。

 

一方戦場ではガリィが邪魔されたことに激昂し、標的をマリアからツナに変えて左手の氷の剣による刺突を繰り出すが、対するツナはガリィの攻撃を容易く躱すと同時にカウンターを叩き込み、ガリィを大きく殴り飛ばす。

 

 

セレナ「凄い……!」

 

弦十郎「見事なカウンターだ。あの少年、良い体術をしている」

 

 

ツナの動きを見た弦十郎がそう評価する中、攻撃を受けたガリィは何とか体勢を立て直し、アルカ・ノイズを展開してツナに突撃させる。

 

 

クリス「やばい! シンフォギアや魔法を使っていない奴がアルカ・ノイズを相手にするのは無理だ!」

 

翼「解剖機関による分解の特性を持つアルカ・ノイズの攻撃を一撃でも受ければ、ただでは済まされないぞ!」

 

 

翼とクリスはシンフォギア装者でも魔導師でも無いツナが、解剖機関による分解の特性を持つアルカ・ノイズを相手にするのは無理があると判断するが……ツナは襲い掛かるアルカ・ノイズの攻撃をXグローブの炎の推進力による超スピードで躱し、炎を纏わせた拳で瞬く間にガリィの展開してアルカ・ノイズを破壊した。

 

 

翼・クリス『なっ!?』

 

弦十郎「速い、なんてスピードだ! あの両腕の炎を逆噴射して高速移動しているのか……!」

 

調「アルカ・ノイズがあっという間に倒されちゃった……」

 

切歌「あ、あの人、とんでもなく強いデスよ!」

 

 

瞬く間にアルカ・ノイズを片付けたツナの高い機動力と戦闘力に指令室にいるメンバーが驚く中、ガリィは再び氷の剣を出し、猛スピードで接近して来るツナに向かって突撃する。

 

だが、ここである異変が起きる。

 

何とガリィの方へ向かっていたツナが突如前方に炎を逆噴射し、マリアの方に向かって猛スピードで飛翔して行く。

 

 

翼「何っ!?」

 

セレナ「どうしてマリア姉さんの方に!?」

 

クリス「まさか、味方じゃねえのか!?」

 

調「そんな!」

 

切歌「ここで裏切りは無いデスよ〜!!」

 

?(! あの人、もしかして……!)

 

 

一同がツナの行動に困惑する中、元はキャロルのところにいたが離反し、S.O.N.Gの協力者となったキャロルと瓜二つの顔をしているホムンクルスの少女ーー『エルフナイン』が遅れて指令室に入って来て、ツナの行動を見た瞬間あることに気付く。

 

そして、猛スピードで飛翔しながら炎を纏った拳を構えたツナは……マリアの近くの何も無い空間に向かって拳を叩き込み、何故か大きな打撃音が響き渡った。

 

 

クリス「はああっ!?」

 

切歌「ど、どう言うことデスか!?」

 

調「あの人が拳を叩き込んだところから凄い音がしたけど……」

 

エルフナイン「やっぱり……皆さん、あの人が殴ったところを見てください!」

 

翼・セレナ『え?』

 

 

エルフナインに言われて、ツナが殴ったところをよく見ると……何も無かった筈の空間からガリィがツナに殴られた状態で突然現れたのだ。

 

 

『ええええええっ!?』

 

切歌「さ、さっきのオートスコアラーが急に現れたデスよ!?」

 

クリス「ど、どうなってんだ!? なんで同じ奴がもう1体いやがるんだ!?」

 

 

そんな一同の疑問に答えるかのように、ツナが殴ったガリィとは別の、氷の剣で攻撃しようとして来たもう1人のガリィに向かってXグローブから炎の弾丸ーーXカノンを放ち、その胴体を撃ち抜いた。

 

すると、胴体を撃ち抜かれたもう1人のガリィは水に変わって崩れ落ちたのだった。

 

 

翼「なっ!? もう1体は水で作られた偽物だったのか!?」

 

エルフナイン「はい、ガリィは空気中の水分を鏡に見立てて投影された幻像を作ることができます。そして、本物のガリィは錬金術を使って姿を隠しながらマリアさんを攻撃しようとしていたみたいです」

 

 

エルフナインはガリィの能力と、実施しようとして行動について一同に説明する。

 

 

調「そっか、あの人がマリアの方に向かったのは攻撃を仕掛けて来ているのが偽物で、本物はマリアを攻撃していることに気付いたからなんだね」

 

エルフナイン「恐らくそうだと思います」

 

セレナ「凄い……ただでさえとんでも無く強いのに、そんなことまで見破れるなんて……」

 

弦十郎「あの少年、戦闘力だけでなく勘も優れていると思うが……恐らく相当な修羅場を潜り抜けて来ている上、敵を欺く力を持った敵との戦いに慣れているんだろうな。でなければ、即座にあんな判断はできんさ」

 

クリス「ま、マジかよ、凄すぎだろ……」

 

 

弦十郎のその予想は当たっており、ツナは超直感と強力な幻術を使う霧の術士達との戦闘経験がある為、ガリィの幻像を使った戦法を見破ることは容易いものであった。

 

そしてツナとガリィの戦闘は終盤へと動き出し、ツナはガリィに向けて掌底を放つと同時に獅子の形をした闘気ーー獅子戦吼を放ち、ガリィを空中へと大きく吹き飛ばす。

 

 

翼「あの少年の掌から獅子のようなものが!?」

 

弦十郎「体内の気を闘気として放出した攻撃か……やるな、是非教えて欲しいものだ」

 

クリス「いや、あんたはそれ以上強くなる必要ねえだろ」

 

 

クリスが弦十郎にそうツッコミをしていると、ツナは右手にある指輪ーー大空のリングVer.Xに炎を灯し、そこからツナの相棒である天空ライオンVer.Xのナッツを呼び出す。

 

 

エルフナイン「えええっ!?」

 

弦十郎「なっ!? 指輪からライオンが現れただと!?」

 

セレナ・クリス・翼・調・切歌『か、可愛い(デス)……!///』

 

 

エルフナインと弦十郎はリングから動物が現れたことに驚くが、セレナやクリス達は戦場にいるマリアと同じようにナッツのあまりの愛くるしさにメロメロになっていた(笑)

 

そんな一同を他所に、ツナはナッツにある指示を出すと、ナッツは咆哮と共に体を輝かせ、ツナの右手のXグローブと合体するとその姿を変えて行き……攻撃形態であるI世のガントレットへと形態変化するのだった。

 

 

『ええええええええっ!?』

 

セレナ「ら、ライオンさんが、ガントレットに変わっちゃった……!?」

 

翼「ゆ、雪音、一体何が起きたんだ……?」

 

クリス「何であたしに聞くんだよ!? あたしが知ってる訳ねえだろ!! って言うか、ぶっ飛び過ぎる展開が続き過ぎてツッコミが追いつかねえよ!!」

 

切歌「もう訳がわからないデスよ〜!?」

 

調「き、切ちゃん、落ち着いて……」

 

弦十郎「え、エルフナイン君、今目の前で起きた現象についてわかるか……?」

 

エルフナイン「ぼ、僕にもわかりません。あんなの初めて見ました……!」

 

 

ナッツがI世のガントレットへと形態変化した光景を目の当たりにした指令室のメンバーが驚愕している中、ツナはI世のガントレットを構えたまま猛スピードで空中にいるガリィに向かって行き、ガリィもそう簡単にやられないとばかりに高圧の水流をツナに向かって撃ち出す。

 

迫り来る高圧の水流に対し、ツナは全身に火の鳥を思わせるような形状をした炎を纏い、高圧の水流を物ともしない勢いで押し返しながら突き進んで行く。

 

 

クリス「あんな高圧の水流を真正面から受けてんのに消えないなんて、あの炎どんだけ火力が高いんだよ……」

 

調「炎は水に弱いのがお約束なのに……」

 

切歌「もう常識外れ過ぎて、何も言えないのデス……」

 

翼「それにしてもあの炎、まるで不死鳥の様だ……」

 

セレナ「はい、とても綺麗です……」

 

 

クリス・調・切歌はガリィの高圧の水流を受けても消えないツナの常識外れの炎に唖然とし、翼とセレナはツナの纏う不死鳥のような炎の美しさに見惚れている中、ツナはガリィの目と鼻の先まで接近していた。

 

ガリィは悪足掻きとばかりに錬金術による障壁を展開するが……I世のガントレットを装着したツナの鳳凰の形をした炎のバリアを形成して突撃する攻防一体の技ーーXフェニックスにより障壁は破壊され、ツナの強力な一撃はそのままガリィの両腕を破壊し、地面へと大きく吹き飛ばした。

 

 

セレナ・クリス・翼・調・切歌『お、オートスコアラーの両腕を、障壁ごと破壊した(デス)!?』

 

エルフナイン「が、ガリィをあそこまで追い詰めるなんて……!」

 

弦十郎「ああ、ここまで強いとはな……しかし、あの少年は一体何者なんだ……?」

 

 

ガリィを撃破寸前まで追い詰めたツナの強さに驚愕し、ツナが何者なのかを疑問に思う指令室のメンバーであった……

 

 

To Be Continue Extra Story 3.5……




本小説のセレナの外見はXDUに登場するAnotherセレナと同じで、彼女を助けた人物はもう想像がついていると思いますが、『あの人』です

そしてクリスママことソネットさんも生存していて、クリスとソネットさんを助けた3人の内の1人はセレナを助けた人物と同一人物です。

次回は第3話の戦いの裏側を描き、ヒロイン達をさらに登場させたいと思います。

今年もXDS IF Another CrossOverをよろしくお願いしますm(_ _)m


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第3話 シャーマンの力! 炸裂のO.S(オーバーソウル)

超ツナ「Xフェニックス!!」

 

ガリィ「ギャアアアアアアアアアアッ!!?」

 

 

ツナの攻撃により両腕を破壊されたガリィは地面へと大きく叩き付けられた。

 

 

ガリィ「う、ぐっ、ああ……」

 

 

両腕を破壊されて地面に倒れるガリィは戦う術を失っただけでなく、度重なるダメージにより体を動かすことさえままならぬ程満身創痍の状態であった。

 

 

超ツナ「(さっきの水流で威力が軽減されて破壊し切れなかったか……なら!)このままトドメを刺すまでだ!」

 

 

ツナはI世のガントレットを構えながら、猛スピードでガリィの元へ向かう。

 

 

ガリィ「くっ!(やばいやばいッ! このままじゃ、アタシ破壊されちゃう! でも、さっきの攻撃で体がイカれて動けない! 畜生ーーーーー!!)」

 

超ツナ「今度こそ終わりだ! バーニング……!!」

 

 

ガリィを今度こそ破壊すべく、ツナがI世のガントレットから究極の一撃を放とうとした……その時。

 

 

ゾクッ……!

 

超ツナ「っ! くっ!」

 

 

超直感で何かを察知したツナはガリィへの攻撃を中断し、その場から離れると……先程までツナがいた場所に複数のコインらしき物体が飛んで来る。

 

 

超ツナ「今のコインは一体……っ! そこか!」

 

 

ツナは気配の感じる方へI世のガントレットを向けると……激しい金属音が響き渡り、そこには大剣を持った女性……否、女性の姿をした人形がいた。

 

 

?「あらあら……気配は完全に消したつもりなのですが、まさか気付かれるとは思いもしませんでしたわ」

 

超ツナ「こう見えて直感は強い方だからな……それで、お前は何者だ?」

 

?→ファラ「申し遅れました、私はファラ・スユーフ。貴方が行動不能にしてくれたガリィと同じ自動人形(オートスコアラー)の1体です」

 

 

ガリィと同じオートスコアラーの1体である『ファラ・スユーフ』が礼儀正しい態度で自己紹介する。

 

 

マリア「っ! あれは、ロンドンで私や翼を襲って来たオートスコアラー!」

 

 

ロンドンでファラに襲撃されたことがあるマリアは、ファラの登場に大きく反応する。

 

 

超ツナ「オートスコアラー? それが何なのかは知らないが、お前達が人間じゃない……意志を宿した人形なのは確かだな」

 

ファラ「ええ、その通り。私はマスターである錬金術師ーーキャロル・マールス・ディーンハイムに仕える自動人形です。マスターの障害となる者……特にガリィを下した貴方は大変危険ですので、全力で排除させていただきますわ」

 

超ツナ「生憎だが、はいそうですかとやられてやる程……聞き分けは良くない! 獅子戦吼!!」

 

ファラ「くっ!」

 

 

ツナは鍔迫り合いの状態から放った闘気でファラを吹き飛ばした後、追撃を仕掛けようとするが……

 

 

超ツナ「っ! くっ!」

 

 

先程ツナを襲ったのと同じコインが妨害するように飛んで来て、ツナは間一髪それを回避する。

 

 

?「また躱されるとは……敵ながら良い反応だな」

 

超ツナ「誰だ!?」

 

?→レイア「レイア・ダラーヒム……ガリィやファラと同じ、マスター・キャロルに仕えるオートスコアラーだ」

 

 

声がした方へ視線を向けると、そこには複数のコインを指に挟んだ、クールな印象が強い女性の姿をしたオートスコアラー『レイア・ダラーヒム』がいた。

 

 

超ツナ「もう1体いたのか……!」

 

ファラ「レイア、ガリィは?」

 

レイア「心配いらない。ファラがそいつの注意を引き付けている間に、地味にマスターの元へ転送した」

 

超ツナ「なっ!?」

 

 

ツナは先程までガリィが倒れていた場所へ視線を向けると、そこにはガリィの姿が無かった。

 

レイアの言う通り、ファラがツナの注意を引きつけている間にマスターであるキャロルの元へ転送した様だ。

 

 

超ツナ「くっ、やられた!」

 

レイア「本来であれば我々も退散するところだが……マスターの計画の障害となりうる貴様を派手に散らせてくれる!」

 

 

そう言ってレイアはコインと錬金術を組み合わせてトンファーを作り出し、戦闘態勢に入る。

 

ファラも大剣を構え直し、レイアと一緒にツナを囲むように立つ。

 

 

ファラ「さあ、覚悟いただきましょうか」

 

超ツナ「……」

 

マリア「(彼がどれだけ強くても、オートスコアラー2体は流石に無理だわ! 私も……!)うぐっ!?」

 

 

マリアはツナに加勢しようとするが、ギアからのバックファイアを受け続けながら戦ったことで限界に達したのか、ギアが解除されてしまうのだった。

 

 

マリア「はあ、はあ、はあ……こ、こんな時に……!」

 

 

ギアが解除されてしまったマリアの目や口から血が流れ、立つことさえきついのか膝をついていた。

 

 

超ツナ「っ!? おい、大丈夫か!?」

 

 

マリアの異変に気付いたツナは彼女の元へ向かおうとするが……

 

 

ファラ「敵を前にして他者の心配とは……」

 

レイア「随分と余裕があるのだな!」

 

超ツナ「くっ!」

 

 

レイアとファラが妨害するように攻撃を仕掛け、ツナは間一髪I世のガントレットとXグローブで防御する。

 

 

ファラ「ガリィを圧倒した貴方でも、私達2人を同時に相手にするのは流石に余裕が無いのでは?」

 

超ツナ「確かにそうだな……だが、お前達は1つ勘違いしている」

 

レイア「何?」

 

超ツナ「俺がここへ1人だけで来たと思ったら、大間違いだ!」

 

レイア・ファラ『っ!』

 

 

ツナのその言葉と同時に……

 

 

?「ツナ君、下がって!」

 

超ツナ「ああ!」

 

 

遠くから声が聞こえて来て、ツナはその声の指示を聞くようにレイアとファラから距離を取った直後……

 

 

葉「炎真、オイラをあいつらに向かって投げ飛ばしてくれ!」

 

超炎真「うん! 行くよ、葉君! それっ!!」

 

 

炎真と葉が遅れてやって来て、炎真は葉をレイアとファラに向けて思いっきり投げ飛ばす。

 

 

葉「阿弥陀丸!」

 

阿弥陀丸『ここに!』

 

 

葉は刀袋と鞘から春雨を抜刀し、腰のホルスターから赤い石の剣ーー『フツノミタマノツルギ』を取り出すと……

 

 

葉「行くぞ! 阿弥陀丸、憑依合体 IN 春雨! IN フツノミタマノツルギ!!」

 

 

ヒトダマモードになった阿弥陀丸を最初に春雨に憑依させ、さらにそれを丸ごとフツノミタマノツルギに憑依させる。

 

そして……

 

 

葉「O.S(オーバーソウル)……スピリット・オブ・ソード!!」

 

 

シャーマンの巫力によって本来物体に憑くことの出来ない霊を無理矢理憑依させ、具現化させる技術ーー『O.S(オーバーソウル)』。

 

葉は霊である阿弥陀丸を媒介である春雨とフツノミタマノツルギに憑依させ、巨大な刀の形をした二段媒介のO.Sーー『スピリット・オブ・ソード』を具現化するのだった。

 

 

レイア・ファラ『なっ!?』

 

超ツナ「凄い、あれが葉の……シャーマンの力か……!」

 

マリア「な、何なの、あの巨大な刀は……!?」

 

 

敵味方を含めたその場にいる全員が葉のスピリット・オブ・ソードに驚く中……

 

 

葉「阿弥陀流、真空仏陀斬り!!」

 

 

葉はスピリット・オブ・ソードから巨大な真空の刃をレイアとファラに目掛けて飛ばす。

 

 

レイア「地味に窮地……ッ!」

 

ファラ「させませんわ! はああッ!!」

 

 

ファラは迎撃とばかりに、大剣と錬金術を組み合わせて発生させた巨大な竜巻を飛ばす。

 

竜巻は葉の繰り出した真空仏陀斬りに激突し、そのまま相殺する。

 

 

ファラ「これで終わりでは無くてよ!」

 

 

攻めに転じたファラが無数の竜巻を葉に向けて放つ。

 

それに対して、葉は……

 

 

葉「!(あいつが出した竜巻から巫力に近い力を感じる……試してみるか)超・占事略決……巫門遁甲!!」

 

 

ファラの繰り出した無数の竜巻を受け流すかのように掻い潜り、『無傷』で竜巻の群れを突破した。

 

 

レイア「何だと!?」

 

ファラ「あの竜巻の群れを無傷で突破するなんて……!」

 

葉「ウェッヘッヘッ、案外やってみたらできるもんだな♪」

 

 

千年前のハオである大陰陽師『麻倉葉王』が開発した巫術を記した書物ーー『超・占事略決』……葉が先程見せたのはアンナによる地獄の修行で身に付けた超・占事略決に記された巫術の1つで、相手の巫力の波を見極めて受け流す技ーー『巫門遁甲』である。

 

巫門遁甲は相手の巫力を読む必要がある性質上、本来であればシャーマン相手にしか使えない技なのだが……ファラの錬金術によって生み出された竜巻から巫力に似たエネルギーを感じたことにより、葉は竜巻の流れを読んで最適な回避ルートを見い出し、竜巻が当たりそうになった際は自身の巫力やO.Sで受け流す等をして突破したのだ。

 

そして、葉はレイアとファラを射程圏内に捉えると……

 

 

葉「阿弥陀流……大後光刃!!」

 

 

スピリット・オブ・ソードからの無数の斬撃をレイアとファラに向けて放つ。

 

 

レイア「ちっ!」

 

ファラ「くっ!」

 

 

迫り来る無数の斬撃に対し、回避が間に合わないレイアとファラはそれぞれコインで生成したトンファーや大剣で防御して行くが……

 

 

葉「うおおおおおっ!!」

 

レイア「ぐあああああっ!?」

 

ファラ「ああああああっ!?」

 

 

葉のスピリット・オブ・ソードから繰り出された渾身の一閃の前に耐え切れず吹き飛ばされ、レイアとファラは大きく地面に倒れる。

 

 

ファラ「くっ……!」

 

レイア「派手に、やってくれる……!」

 

 

ダメージが大きいながらも、何とか起き上がろうとするレイアとファラに……

 

 

超炎真「はあああああっ!!」

 

レイア・ファラ『っ!』

 

 

追撃とばかりに2人の頭上から炎真が拳を構えた状態で現れると……

 

 

超炎真「大地の拳(プーニョ・デッラ・テラ)!!」

 

レイア・ファラ『くっ!』

 

 

炎真は大地の炎の特性ーー『重力操作』で強力な重力を付加した拳撃を繰り出し、レイアとファラは急いで体勢を立て直し、炎真の攻撃を後ろへ飛び退く形で回避する。

 

2人が先程までいた場所に炎真の拳が突き刺さると、地面に大きなクレーターが出来上がった……もしレイアとファラが炎真の攻撃を受けていたら、ただでは済まされなかったであろう。

 

レイアとファラへの攻撃後、炎真と葉はツナの元へ駆け寄る。

 

 

超炎真「ツナ君、遅くなってごめん」

 

葉「怪我は無いか?」

 

超ツナ「ああ、2人とも良いタイミングで来てくれて助かった。それにしても、さっきの葉の技は凄かったな」

 

超炎真「そうだね。巨大な刀と言い、竜巻の群れを突破した動きと言い、本当に凄いよ」

 

葉「ウェッヘッヘッ、よせよ2人とも。照れるじゃねえか♪///」

 

 

葉はツナと炎真からの賞賛の声に照れ臭そうに笑う。

 

 

超ツナ「あ、そうだ!」

 

超炎真・葉『?』

 

 

ツナは思い出したかのように、負傷しているマリアの元へ駆け寄る。

 

 

超ツナ「あんた、さっき血を吐いてたが大丈夫か!?」

 

マリア「はあ、はあ、はあ……だ、大丈夫よ、死に至るような怪我じゃないわ……」

 

超ツナ「そうか、良かった……」

 

 

マリアのその答えにツナは一安心する。

 

 

マリア「ごめんなさい……私が不甲斐ないばかりに、貴方達をこの戦いに巻き込んでしまって……」

 

超ツナ「そんなことは気にするな、俺達は俺達の意志でこの戦いに首を突っ込んだだけだからな。 兎に角、まずはあんたを安全な場所へ避難させないと……」

 

 

ツナが負傷しているマリアを休ませる為の安全な場所を探していると……

 

 

?「マリアさん!」

 

マリア「っ! 緒川さん!」

 

 

アーティストである翼のマネージャーにして、S.O.N.G.調査部に所属する敏腕エージェントでもある男性ーー『緒川慎次』がやって来る。

 

 

マリア「あの娘達、立花響達は……!」

 

緒川「響さん達なら既に本部へ送り届けましたので大丈夫です」

 

マリア「そう、良かった……」

 

緒川「マリアさんも本部へ移動しましょう。医療班に怪我の治療をして貰わないといけませんし……」

 

マリア「で、でも……」

 

超ツナ「そうした方が良い。あの人形達は俺達が何とかするから、あんたは自分の体を治すことに専念するんだ」

 

 

ツナ達を置いて避難することに抵抗を感じるマリアに、ツナはここを任せるように言う。

 

 

緒川「マリアさんがこの人達を置いて避難することに抵抗を感じるのは僕も同じ気持ちです……だけど、現状オートスコアラーやアルカ・ノイズに対抗できない僕やマリアさんがこの場に残っても、この人達の足を引っ張ってしまうだけです。今僕達にできるのは、彼らが安心して戦える状況を作ってあげることだと思います」

 

マリア「……そうね……わかったわ、オートスコアラーは貴方達に任せるわ……だけど、絶対に死んではダメよ?」

 

超ツナ「ああ、わかった」

 

緒川「後でこちらに応援が来ます。それまでの間申し訳ないのですが、オートスコアラー達の相手をお願いします」

 

超ツナ「ああ、任せてくれ」

 

緒川「ご武運を。それでは行きましょう、マリアさん」

 

マリア「ええ……」

 

 

マリアは緒川に肩を担がれる形でこの場から離れて行き、ツナは炎真と葉の元へ戻る。

 

 

超炎真「あのピンクの髪の人、口や目から血が出てたけど大丈夫?」

 

超ツナ「ああ。死に至るような怪我じゃないし、彼女の仲間が医療施設へ連れて行ってくれるからもう大丈夫だ」

 

葉「そっか、それなら安心して戦えるな♪ 向こうはまだやる気みたいだしな」

 

 

ツナ達3人の視線の先には、体勢を立て直して武器を構えるレイアとファラの姿があった。

 

 

ファラ「当初の目的は失敗に終わりましたが……マスターの計画の為にも、貴方達のような得体の知れない人達は何としても排除させていただきます!」

 

レイア「お前達を強敵と判断した……地味に姑息かもしれないが、派手に物量で攻めさせて貰う!」

 

 

レイアとファラはそう言って、大量のアルカ・ノイズを展開した。

 

 

阿弥陀丸『葉殿! あの人形達の近くにいる妙な姿をしたのが、拙者が見た怪物でござる!』

 

葉「へえ〜、確かに変な形してんなあ」

 

超ツナ「確かに見た目は変だが、あのアルカ・ノイズって言う怪物には攻撃した対象を分解させる能力があるらしい」

 

葉「うええっ!? そりゃあ、厄介だなぁ……」

 

超ツナ「ああ、だから油断はするな」

 

 

ツナは先程マリアから得たアルカ・ノイズの情報を葉達に伝え、油断しないよう警告すると……

 

 

超炎真「……ねえツナ君、そのアルカ・ノイズの相手は僕に任せてくれないかな?」

 

 

炎真が大量のアルカ・ノイズの相手を買って出た。

 

 

葉「炎真?」

 

超ツナ「……何か考えがあるんだな?」

 

超炎真「うん、上手くいけば数の差を覆せると思う。ツナ君と葉君には人形達の相手をお願いしたいんだけど……」

 

超ツナ「わかった、任せろ。葉もそれで良いな?」

 

葉「おう、よくわからんが構わんぞ♪ んじゃ、オイラと阿弥陀丸は大きい剣を使ってる奴を相手にするか」

 

阿弥陀丸『承知したでござる!』

 

超ツナ「それなら俺はコインを武器にしている奴を相手にする」

 

 

ツナはレイアと、葉はファラとそれぞれの相手を務めることになった。

 

 

ファラ「作戦会議は終わったかしら? それじゃあ……!」

 

レイア「先手必勝! 派手に仕掛ける!」

 

 

レイアとファラがアルカ・ノイズと共に攻撃を開始する。

 

 

超ツナ「行くぞ!」

 

超炎真「うん!」

 

葉「おう!」

 

 

ツナ・炎真・葉の3人も迫り来るレイアとファラ、アルカ・ノイズを迎え撃つべく動き出す。

 

3人の少年達と2体の自動人形(オートスコアラー)、大量のアルカ・ノイズが今、激突する……!

 

 

To Be Continue……




死ぬ気の零地点突破・改や巫門遁甲等は小説オリジナル設定で、世界を越えた影響により敵が死ぬ気の炎や巫力を持っていなくても、フォニックゲイン等のエネルギーを使っていれば使用可能にしています。


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Extra Story 3.5 戦いの裏側②

数週間ぶりの投稿です(^◇^;)

本当は第4話の裏側まで書く予定が予想以上に長くなってしまい、第3話の裏側までで投稿しました(^◇^;)

今回は魔導師組が登場します。


ーー S.O.N.G本部 指令室 ーー

 

 

ツナがガリィを撃破寸前まで追い詰めたの同じタイミングで、指令室に入って来る者達がいた。

 

 

?「風鳴司令! 遅うなってすみません!」

 

翼「はやて! 皆!」

 

弦十郎「おおっ、はやて君達! 急な応援要請でよく来てくれた!」

 

?→はやて「いえ、構いません! それよりも現在の状況はどうなってますか!?」

 

 

指令室に入って来たのはミッドチルダから戻って来た派遣部隊である7人の魔導師達で、その部隊の部隊長で古代ベルカの魔導書『夜天の書』の主でもある短い茶髪にXの形をした髪留めをした女性ーー八神はやてが弦十郎に現在の状況について確認する。

 

 

弦十郎「現在の状況を簡単に説明すると……正体不明の第三者がオートスコアラーを撃破寸前まで追い込んでいる」

 

はやて「……はい?」

 

?「え、ええと……マリアさんがオートスコアラーを撃破寸前まで追い込んでいるの間違いじゃなくてですか?」

 

?「マリアが響のガングニールを纏って戦っているのは、ここへ来る前に聞いていますけど……」

 

 

派遣部隊の副隊長である長い茶髪をサイドテールにした女性ーー高町なのはと、もう1人の副隊長である長い金髪の先端を黒いリボンで纏めている女性ーーフェイト・T・ハラオウンの2人がそう質問する。

 

 

弦十郎「実際に戦場の様子を見て貰った方が早いな。モニターを見てくれ」

 

 

弦十郎にそう言われ、なのはやフェイト達魔導師組はモニターへ視線を向けると……両腕を破壊されて地面に仰向けで倒れているオートスコアラーのガリィと、右腕にI世のガントレットを装着し、額と両手に炎を灯しながら空に滞空する茶髪の少年ーーツナの姿が映し出されていた。

 

 

?「こ、子供!?」

 

?「まさか、あの子がオートスコアラーをあそこまで追い込んだって言うんですか!?」

 

?「す、凄い……!」

 

 

1人目の少しウェーブがかかった長いピンクの髪に翡翠色の瞳を持つ女性の名は『フェルト・G(グレイス)・ハラオウン』、4年前異世界からこの世界へ転移されてやって来た『次元漂流者』で、訳あって元の世界に帰る場所が無い彼女はフェイトの義母である『リンディ・ハラオウン』の養子かつフェイトの義妹となり、魔力の源である『リンカーコア』を持っていたことから魔導師としての道を歩むことを決め、時空管理局の訓練校へ入校。

 

2人目のセミロングの長さがある薄菫色の髪に真紅の瞳を持つ女性の名は『アニュー・ランスター』、ミッドチルダ出身で幼い頃に両親が死別しており、時空管理局で執務官として働く兄の『ティーダ・ランスター』を妹の『ティアナ・ランスター 』と一緒に支えながら暮らしていた民間人であったが、4年前『ある任務』で大怪我を負った兄のティーダが暫く療養で執務官の仕事を休まなければならなくなったことをきっかけに、妹のティアナにティーダの看護を任せて時空管理局の訓練校へ入校。

 

3人目のセミロングの長さがある紅色の髪に濃い青紫色の瞳を持つ女性の名は『ルナマリア・ライトニング』、4年前まではミッドチルダの孤児院に住むただの民間人であったが、ミッドチルダで起きた事件に偶然巻き込まれた際にフェイトに助けられたこと、そしてリンカーコアやレアスキルと言って良い特異な『体質』を持っていたことをきっかけにフェイトにその才能を買われ、彼女の推薦もあって時空管理局の訓練校へ入校。

 

同時期に入校したフェルト・アニュー・ルナマリアの3人は親しくなり、訓練校を首席で卒業した後はS.O.N.Gに再編成される前の特異災害対策機動部二課へ派遣され、ルナ・アタックやフロンティア事変と言う二度の死線を潜り抜けたことで、フェルトとアニューは空戦A+ランク、ルナマリアは陸戦A+ランクと、なのは・フェイト・はやての先輩魔導師達と共に最前線で活躍する魔導師へと成長していた。

 

フェルト・アニュー・ルナマリアの3人もまたデバイスやバリアジャケットの改修で一旦ミッドチルダに戻っていたが、S.O.N.Gからの応援要請でなのは達と共に地球へ戻って来た……のだが、目の前の光景ーー子供であるツナがオートスコアラーのガリィを撃破寸前まで追い込んでいることに驚きを隠せないでいた。

 

一方で……

 

 

なのは「えっ!?」

 

フェイト「は、はやて、あの子……!」

 

はやて「似てる……髪の色や背丈は違うけど、10年前アインスの命を救ってくれた『あの人』にそっくりや……!」

 

?→アインス「ええ、確かに『彼』に似ています。それに、あの少年の額に灯されている美しい橙色の炎も……」

 

 

なのは・フェイト・はやての3人、そして夜天の書の元融合機で初代『祝福の風』である長い銀髪に真紅の瞳をした女性ーー『八神リインフォース・アインス』はツナの姿を見て、別の意味で驚いていた。

 

アインスは10年前の闇の書の事件の時、自身の体内にある夜天の書を呪われた魔導書と呼ばせる原因となった防衛プログラムーー『ナハトヴァール』の残滓が再び暴走するのを防ぐ為、そして彼女にとって最愛の人でにして夜天の書の主であるはやてをその脅威から守る為、儀式消滅する筈だった……が、そんな死期が迫るアインスの元に額に橙色の炎を灯した金髪の男性が突如現れ、その男性が灯した正体不明の橙色の炎がアインスの体内にあったナハトヴァールの残滓を1つ残らず消し去り、その結果アインスは生きることができ、はやてと永遠の別れをすることは無くなった。

 

しかし、それと引き換えにアインスは魔法戦能力が大幅に低下し、さらには融合騎として能力ーーユニゾン能力を喪失した。

 

そのことに対して、アインスを救った金髪の男性は……

 

 

『すまない、俺の炎では君の命を拾うだけで精一杯だ。だが、少し先の未来……いずれ君の元に現れる俺と同じ大空の炎……いや、俺さえも超える、穢れなき大空の炎を持つ子供が君を本当の意味で救うだろう……その時が来れば、君の失われた力は蘇る筈だ』

 

 

予言めいた言葉を残し、まるで幻だったかのようにその場から消えたのだった。

 

それからアインスは八神家の1人として、はやてと夜天の書の守護騎士ーー『ヴォルケンリッター』と共に幸せな日々を過ごしていた。

 

闇の書事件後ははやてと共に時空管理局の魔導師として活動し、一時期は魔法戦能力が総合Cランクと大幅に低下したが、10年間の鍛錬もあって今は総合AAA+ランクまで力を取り戻していた……だが、それでもやはりユニゾン能力は戻らず、腕利きのデバイスマスターに診て貰っても変わらずであった。

 

アインスは無いもの強請りはせずに今の自身が出来ることではやてを支え、闇の書事件以降のPM事件やルナ・アタック、フロンティア事変と言う死線を潜り抜けて来たのだ。

 

 

なのは「ねえ、10年前アインスさんの命を救ってくれたあの人が言ってた『アインスさんを本当の意味で救う子供』って、あの子のことなのかな?」

 

アインス「どうだろうね……単なる偶然で、あの人に似ているだけかもしれないから、そう決め付けるのは……」

 

はやて「いや、きっとそうや! あの子はあの人が遣わしてくれたアインスの救世主や! そう賭けてもええ!♪」

 

アインス「我が主……」

 

翼「何の話をしてるの? もしかして、10年前の闇の書事件に関わる話?」

 

フェイト「うん、そんなところ。後で説明するよ」

 

 

翼の問いに、フェイトはそう返す。

 

余談ではあるが、翼は幼少期なのは・フェイト・はやてと同じ『私立聖祥大附属小学校』に通っていたこともあって3人とは親友の間柄……特になのはとは彼女の父である『高町士郎』と翼の叔父である弦十郎が学生時代からの親友で、士郎がかつて翼の父である『風鳴八紘』のボディーガードを務めていた縁があることから幼馴染みの間柄である。

 

魔導師達を加えた指令室の面々が再びモニターに映るツナへ視線を向けると、ツナはガリィにトドメを刺すべく動き出す。

 

ガリィにある程度接近したツナが右腕のI世のガントレットから一撃を繰り出そうとした……その時、何かを察知したのかツナはガリィへの攻撃を中断して距離を取ると、先程までツナがいた場所に複数のコインらしき物体が飛んで来た。

 

 

フェルト「攻撃!?」

 

アニュー「何処から!?」

 

クリス「今のコイン、まさか……!」

 

 

クリスはツナに向かって飛んで来たコインに見覚えがあった。

 

そして地面へ着地したツナはまたもや何かを察知したのか、ある方向へとI世のガントレットを向けると……そこには右手に大剣を持つオートスコアラーのファラが立っていて、ファラはツナのI世のガントレットによる攻撃を大剣で受け止める。

 

 

エルフナイン「ファラ!」

 

翼「! あいつは、ロンドンで私とマリアを襲撃して来たオートスコアラー……!」

 

セレナ「あのオートスコアラーがマリア姉さんと翼さんを……!」

 

指令室の面々がファラの登場に驚く中、ファラと鍔迫り合いを繰り広げているツナはその状態から獅子戦吼を繰り出し、ファラを吹き飛ばすと追撃を仕掛ける……が、先程ツナを襲ったのと同じコインがまたもや飛んで来て、ファラに追撃しようとするツナを妨害したと同時に、複数のコインを指に挟んだオートスコアラーのレイアが現れる。

 

 

エルフナイン「レイアまで!?」

 

調「あのオートスコアラーって……!」

 

切歌「前にクリス先輩やあたし達が戦った奴デスよ!」

 

クリス「道理でさっさ飛んで来たコインに見覚えがあった訳だ!」

 

ルナマリア「オートスコアラーが2体も増援で現れるなんて……!」

 

アインス「窮地の仲間を助けに来たと言ったところか……」

 

 

ファラに続いてレイアまで現れたことにも一同が騒ぎ立つ中……

 

 

友里「! 司令、戦闘不能で倒れていたオートスコアラーの姿が何処にも見当たりません!」

 

弦十郎「何だと!?」

 

 

友里が戦闘不能で倒れていたガリィの姿が無いことに気付き、弦十郎達に報告する。

 

 

エルフナイン「恐らくファラがあの人の注意を引き付けている間に、レイアがガリィをキャロルの元へ転送したんだと思います」

 

はやて「向こうも転送魔法みたいなのが使えるんか……」

 

なのは「ファラとレイアって言うオートスコアラー2体の邪魔さえ無かったら、あの子がオートスコアラーの1体を倒せてたのに……!」

 

フェイト「それよりも今の状況はまずいよ、なのは! ガリィって言うオートスコアラーを撃破寸前まで追い詰めたあの子は強いのかもしれないけど、流石に新手のオートスコアラー2体を同時に相手にするのは……!」

 

切歌「あ! まだマリアがいるデスよ! あの子とマリアが一緒に戦えれば……!」

 

調「でも、マリアはこれ以上……あ!」

 

 

調の声に反応した一同がマリアの方へ視線を向けると、マリアはバックファイアの影響で限界に達したのか、ギアが解除されてしまい、彼女は目や口から血を流しながら膝をついていた。

 

 

セレナ「マリア姉さん!!」

 

切歌・調『マリア!!』

 

翼「流石にマリアも限界か……!」

 

弦十郎「緒川、負傷したマリア君の回収を頼めるか!?」

 

緒川『問題ありません! 現在急いで現場に向かっていますので!』

 

 

弦十郎は通信で現場に向かっている緒川にマリアの回収を指示したと同時に、戦場にいるツナもマリアの異変に気付き、彼女の元へ向かおうとするもレイアとファラの攻撃で妨害される。

 

 

はやて「私達も急いで現場に向かうよ!」

 

なのは・フェイト『うん!』

 

フェルト・アニュー・ルナマリア『はい!』

 

アインス「了解です、我が主」

 

 

魔導師達がツナに加勢すべく戦場へ向かおうとした……その時。

 

 

藤尭「司令! 新たな未確認の高エネルギー反応が検知されました!」

 

友里「マリアさん達がいる地点に接近しつつあります!」

 

『っ!?』

 

弦十郎「何だと!?」

 

友里「モニターに映します!」

 

 

藤尭と友里からのそのような報告が入り、驚いた一同がモニターへ視線を移すと……そこにはツナと同じように額と右手に朱色の炎を灯しながら飛翔する赤髪の少年ーー古里炎真と、飛翔する炎真の左手に掴まっている頭に橙色のヘッドホンを付けた黒髪の少年ーー麻倉葉の姿があった。

 

 

はやて「な、何なんあの子達!?」

 

調「! あの赤髪の人、茶髪の人みたいに額に炎が!」

 

なのは「と言うことは、あの茶髪の子の仲間なのかな?」

 

翼(あの赤髪の少年、奏を助けてくれた『あの人』に似ている……!)

 

 

翼は炎真の姿を見て、自身の記憶にある人物と重ね合わせる。

 

これは翼がかつてツインボーカルユニット『ツヴァイウィング』として、響より前のガングニールの装者で翼にとってかけがえのないパートナーでもある片翼ーー『天羽奏』と共に歌っていた頃の話になるが、3年前のツヴァイウィングのライブ中にノイズの大群に襲撃され、翼と奏はギアを纏って迎撃に当たっていた。

 

だが、ノイズの大群相手に観客を護りながらの戦いは厳しく、さらには戦闘中に破損した奏のガングニールの欠片が当時民間人でライブを観に来ていた響の胸に刺さると言う不測の事態が起きた。

 

奏は重傷を負った響を守る為に自身の命と引き換えに絶唱を唄おうとした……が、その絶唱は突如現れた額に朱色の炎を灯した赤髪の男性によって止められた。

 

そして赤髪の男性は奏の代わりにノイズの大群と戦い、炎を灯した拳撃でノイズを打ち砕くだけでなく、不思議な炎の力によるものなのか襲い掛かるノイズの動きを封じ、身動きの取れないノイズを別のノイズにぶつけて相殺させると言う驚くべき戦法で見事殲滅してみせたのだ。

 

赤髪の男性のおかげで奏は生き残ることできたが、彼女のガングニールはシンフォギアシステムの提唱者である『櫻井了子』でも修復できない程大破し、奏自身もマリア達のように適合率の低さを補う為にLinkerを使い続けて来たことによる無理が経ったのか肉体がボロボロになり、数年間の療養を余儀なくされた。

 

奏は現在なのは達の紹介で地球より文明が進んでいるミッドチルダの病院に入院しており、はやての家族で医者でもある守護騎士の1人ーー『シャマル』が治療した甲斐もあって順調に回復して行き、近い内に退院できるそうだ。

 

翼は奏の命を救ってくれた赤髪の男性に今でも感謝しており、3年前のノイズ戦が終わった直後は赤髪の男性がすぐに立ち去ってしまって礼を言うことさえ叶わなかった為、次に会えた時は必ず感謝の気持ちを伝えたいと心に秘めていた。

 

だからこそ、翼は戦場に現れた炎真が奏の命の恩人である赤髪の男性に似ていることに驚いていた。

 

一方、戦場ではツナがレイアとファラから距離を取ると同時に、炎真が自身の手に掴まっている葉をレイアとファラに向けて思いっきり投げ飛ばす。

 

そして葉が刀袋と鞘から日本刀ーー春雨を抜刀し、腰のホルスターから赤い石の剣ーーフツノミタマノツルギを取り出したと同時に、彼の傍に侍の霊ーー阿弥陀丸が姿を現す。

 

 

フェイト「! あれって、もしかして……!」

 

翼「あ、あの姿、間違いない! 侍だ!(キラキラ♪)」

 

クリス「いや、なに目をキラキラさせてるんですか先輩!?」

 

切歌「と言うか、あの侍何処から現れたデスか!?」

 

セレナ「き、気の所為でしょうか? あのお侍さん、浮いているような……」

 

ルナマリア「た、確かに浮いてますね。もしかして、ゆう……」

 

クリス「ばばばばばば馬鹿言うなよ!! 違う!! 絶対に違ーーーう!!」

 

切歌「そそそそそうデスよ! そんな訳ないのデス!!」

 

 

突然現れた阿弥陀丸に一同(約1名は目をキラキラさせ、約2名は顔を青くしているが)が驚く中、阿弥陀丸はヒトダマモードへと姿を変えたと同時に葉の持つ春雨に憑依し、葉は阿弥陀丸が憑依した春雨をそのままフツノミタマノツルギに憑依させ、巨大な刀の形をした二段媒介のO.Sーースピリット・オブ・ソードを具現化した。

 

 

『えええええええっ!?』

 

翼「さ、侍が姿を変えて刀に入り込んだと思ったら……!」

 

弦十郎「巨大な刀に変わっただと!?」

 

 

葉のスピリット・オブ・ソードを見た指令室の一同は当然驚くのだった。

 

 

はやて「もしかして、あのヘッドホンの子は魔導師で、お侍さんはユニゾンデバイスなんか……?」

 

アインス「いえ、何となくですが違うと思います。我が主」

 

フェルト「アインスさんの言う通りみたいです。ヘッドホンの子やさっきのお侍さんからは魔力反応を検知されませんでしたから、魔導師やユニゾンデバイスでは無いと思います」

 

アニュー「それじゃあ、あのヘッドホンの子とお侍さんは一体何者なんでしょうか……?」

 

 

葉と阿弥陀丸のことを知らない一同がその正体に疑問を持つ一方で、葉はスピリット・オブ・ソードから巨大な真空の刃ーー阿弥陀流・真空仏陀斬りをレイアとファラに向けて放つ。

 

対するファラは迎撃とばかりに大剣から巨大な竜巻を飛ばし、葉の真空仏陀斬りに激突させて相殺する。

 

そしてファラは続けて葉に向けて無数の竜巻を飛ばし、無数の竜巻は葉を飲み込もうとするが……葉は超・占事略決の巫術の1つである巫門遁甲で無数の竜巻の中を受け流すかのように掻い潜り、無傷で突破するのだった。

 

 

切歌「なんとーーー!?」

 

クリス「う、嘘だろ!? あいつ、竜巻の中を無傷で突破しやがったぞ!?」

 

翼「あのヘッドホンの少年の動き、まるで竜巻の流れを読んでいたかのような動きだ……!」

 

セレナ「た、竜巻の流れを読むなんて、そんなこと可能なんですか……?」

 

調「す、凄い……!」

 

 

一同が無数の竜巻の中を無傷で突破してみせた葉の巫門遁甲に驚愕する中、葉はレイアとファラに射程圏内に捉えると同時に、スピリット・オブ・ソードによる無数の斬撃ーー阿弥陀流・大後光刃を繰り出す。

 

回避が間に合わないレイアとファラは防御に徹するが、葉のスピリット・オブ・ソードによる渾身の一閃の前に耐え切れず吹き飛ばされ、地面へ大きく倒される。

 

ダメージが大きいながらも何とか起き上がろうとするレイアとファラに、すかさず炎真が2人の頭上に拳を構えた状態で現れ、右腕に大地の炎の特性で強力な重力を付加した拳撃ーー大地の拳(プーニョ・デッラ・テラ)を繰り出す。

 

炎真の繰り出した拳撃はレイアとファラに回避されてしまうものの、2人が先程までいた場所の地面に大きなクレーターを作り出す程までに強力であった。

 

 

ルナマリア「あ、あの赤髪の子、凄いパワーだわ!」

 

なのは「そうだね。でも、腕力だけであの破壊力を生み出している訳じゃないみたい」

 

はやて「せやね」

 

アニュー「? どう言うことですか?」

 

フェイト「あの赤髪の子が攻撃する時、右腕に炎と一緒に輪っかの形をしたエネルギーが集束されていたのが見えたでしょ?」

 

フェルト「! そう言われてみれば……」

 

アインス「恐らくそのエネルギーによって攻撃力が強化され、あの破壊力が生み出されたんだろうね」

 

 

一同が炎真の大地の拳の威力を分析しながら評価する中、炎真と葉はツナの元へと合流する。

 

 

調「あの2人、やっぱり茶髪の人の味方だったんだ」

 

切歌「やったデース! これで3vs2デスよ!♪」

 

翼「後から来た2人も茶髪の少年に劣らぬ実力者の様だな」

 

クリス「こいつはイケるぜ!♪」

 

フェイト「はやて、私達はどうする?」

 

なのは「私達もあの子達の加勢で出撃する?」

 

はやて「うーん……あの3人オートスコアラー相手に互角以上に戦えそうやし、準備が万全やない私らが行っても足手纏いになりかねないから、ここは様子見で待機しよっか?」

 

アインス「承知しました、我が主」

 

フェルト・アニュー・ルナマリア『了解です』

 

セレナ「ところで緒川さんはまだ到着してないですか? あそこにはまだマリア姉さんが……!」

 

弦十郎「大丈夫だ、セレナ君。緒川が良いタイミングで到着した様だ」

 

『え?』

 

 

弦十郎の言葉に一同がモニターへ視線を向けると緒川が現場に到着しており、彼は負傷しているマリアを肩に担ぎ、マリアの心配で駆け寄っていたツナと少し会話した後、すぐにその場を離脱する様子が映し出されていた。

 

 

セレナ「良かった……」

 

切歌「これで一安心デスね」

 

調「うん、そうだね」

 

 

マリアが緒川に回収されたのを見て、セレナ達は安堵するのだった。

 

その後レイアとファラは大量のアルカ・ノイズを展開と同時に攻撃を開始し、ツナ・炎真・葉の3人も迎え撃つべく動き出す。

 

装者と魔導師達が見守る中、3人の少年達と2体の自動人形(オートスコアラー)、大量のアルカ・ノイズの戦闘が激化していくのだった……

 

 

To Be Continue Extra Story 4.5……



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第4話 少年達 VS 自動人形(オートスコアラー)

ツナ・炎真・葉の3人の少年達と、レイアとファラの2体自動人形(オートスコアラー)、大量のアルカ・ノイズによる戦闘が開始された。

 

最初に何体かのアルカ・ノイズがツナ達に襲い掛かるが……

 

 

超ツナ「ナッツ!」

 

ナッツ「GAOOOOOッ!!!」

 

葉「阿弥陀流、真空仏陀斬り!!」

 

 

ツナが形態変化から戻したナッツに指示を出し、指示を聞いたナッツが調和の特性を持つ大空の炎の咆哮ーー『天空の雄叫び(ルッジート・ディ・チエーリ)』でアルカ・ノイズを石化させた後、すかさず葉がスピリット・オブ・ソードによる真空の刃で蹴散らし、そのまま真っ直ぐ突き進んで行くと……

 

 

レイア「派手に散れ!」

 

ファラ「受けなさい!」

 

 

レイアがコインでの投げ銭、ファラが大剣からの突風をツナと葉に目掛けて繰り出す。

 

 

超ツナ「当たるか!」

 

葉「巫門遁甲!!」

 

 

ツナは持ち前の機動力、葉は巫門遁甲でレイアとファラの攻撃を躱すと……

 

 

ツナ・葉『はああっ!!』

 

レイア「ぐっ!」

 

ファラ「くっ!」

 

 

ツナはレイアに向けてXグローブによる拳撃を、葉はファラに向けてスピリット・オブ・ソードによる剣戟をそれぞれ繰り出す。

 

レイアはコインで生成したトンファーでツナの拳撃を受け止め、ファラは大剣で葉の剣戟を受け流して回避する。

 

 

超ツナ「勝負だ、オートスコアラー!」

 

レイア「派手に受けて立つ!」

 

 

ツナとレイアが激しい近接戦闘を繰り広げる一方で……

 

 

葉「ふっ! はあっ! せやあっ!!」

 

 

葉はスピリット・オブ・ソードによる剣戟をファラに向けて連続で繰り出すが……スピリット・オブ・ソードが巨大な刀の形をしたO.Sである故か大振りな攻撃になってしまい、素早い動きをするファラに当たらずにいた。

 

 

ファラ「ふふふ……最初はその刀のあまりの巨大さに圧倒されてしまいましたが、慣れてしまえばそんな大振りな攻撃など怖くも何ともありませんわ。大きければ強いという訳でも無いのは、まさしくこのことね」

 

葉「……確かに、このままやっても巫力を無駄に消費して疲れるだけだ……なら!」

 

 

葉はスピリット・オブ・ソードを普通の刀のサイズまで凝縮する。

 

 

葉「うしっ、これで良いだろ♪」

 

ファラ「あらあら、リーチを犠牲にして取り回しの良さを重視したと言ったところかしら? 折角の巨大な刀もそんなに小さくなってしまえばショボイですわね」

 

葉「ウェッヘッヘッ、見た目で判断せん方が良いと思うぞ? デカけりゃ強い訳じゃねえってのは、お前自身がさっき言ったばかりじゃねえか♪」

 

ファラ「ふふふ、確かにそうですわね。では……貴方のその自慢の刀を、私の『剣殺し(ソードブレイカー)』で砕いてあげましょう!」

 

 

『剣殺し(ソードブレイカー)』……その名の通り刀剣類を破壊する為の装備で、概念そのものに干渉し、剣と分類・定義される物をその性能に関係無く確実に破壊する哲学兵装。

 

ファラは彼女だけに与えられた哲学兵装の大剣を振り下ろし、葉のスピリット・オブ・ソードを破壊しようとするが……葉の凝縮されたスピリット・オブ・ソードは破壊されず、それどころかファラの斬撃を剣先で受け止めていた。

 

 

ファラ「なっ!?」

 

葉「どうした? ソードなんたらでオイラのO.Sを砕くって言ってたが、まったく砕けてねえぞ?」

 

ファラ「そ、そんな……私の剣殺しは刀剣類は疎か、剣と分類・定義された物全てをその性能に関係無く確実に破壊する哲学兵装! それなのに、何故貴方のその刀は砕けないのですか!?」

 

 

自身の哲学兵装に絶対の自信を持っていたファラは、剣と分類・定義されている筈の葉のスピリット・オブ・ソードが砕けないことに動揺し、取り乱していた。

 

 

葉「オメエの武器が何でオイラのO.Sを砕けないのかはわからねえ……でもな、オイラの『心』と阿弥陀丸の『魂』で作り上げたこのO.Sは精神の塊、哲学とかで砕かれるほどヤワじゃねえんよ」

 

ファラ「くっ! それなら、このまま貴方を斬り裂いて……っ!」

 

 

ファラは葉を斬り裂こうと大剣に力を込めるが、剣先だけで受け止めている葉のスピリット・オブ・ソードを押し返すことさえままならなかった。

 

 

ファラ「なっ!?(ビクともしないなんて……!)」

 

葉「言ったろ? 見た目で判断せん方が良いって……今度はこちらから行くぞ!」

 

ファラ「くっ!」

 

 

葉はスピリット・オブ・ソードを少し後ろへ引くと同時に、鋭く素早い刺突を放つ。

 

ファラは咄嗟に大剣を盾にして防御するが……

 

 

ファラ「っ!? あああああああっ!?」

 

 

葉の凝縮されたスピリット・オブ・ソードから想像できない程の威力を持った刺突の前に、ファラはガードした状態のまま吹き飛ばされる。

 

凝縮されたスピリット・オブ・ソードはリーチが短くなったのと引き換えに、巫力が無駄なく放出されていることから巫力の消費が小さく、凝縮されて密度が高くなった分パワーと強度も増していた。

 

これは葉の父ーー『麻倉幹久』による米粒を使った特訓を元に編み出したもので、星の聖地でのハオの手下である『花組』との戦い等でその威力を遺憾無く発揮した。

 

 

レイア「ファラ!?」

 

 

葉に吹き飛ばされたファラの姿を視認したレイアが驚いていると……

 

 

超ツナ「余所見している暇があるのか?」

 

レイア「っ! しまっ……!?」

 

超ツナ「獅子戦吼!!」

 

レイア「ぐあっ!?」

 

 

レイアの隙を突いたツナが闘気を放ち、その攻撃を受けたレイアは吹き飛ばされる……だが、ツナの攻撃はこれで終わりでは無い。

 

ツナは高速移動でレイアの吹き飛んだ先へ回り込むと……

 

 

超ツナ「獅子戦吼!!」

 

レイア「があああっ!?」

 

 

再び獅子戦吼を食らわせ、吹き飛ばす。

 

さらには……

 

 

超ツナ「X(イクス)レオドライブ!!」

 

レイア「ぐああああああああっ!!!」

 

 

高速移動で敵の吹き飛んだ先に回り込む→再度獅子戦吼を放つと言うモーションの繰り返しで、敵に獅子戦吼の連続攻撃を浴びせる技ーー『X(イクス)レオドライブ』を繰り出す。

 

反撃の隙も与えない程の猛攻を受けるレイアは今やピンボールの玉のようにあらゆる方向へ弾き飛ばされ、その身にダメージを蓄積させて行く。

 

 

ファラ「くっ、レイア!」

 

 

先程葉に吹き飛ばされたファラは何とか体勢を立て直し、ツナの猛攻を受けているレイアを助けに向かおうとするが……

 

 

葉「させるか!」

 

ファラ「うっ!?」

 

 

そうはさせないとばかりに葉が攻撃を仕掛け、ファラを妨害する。

 

 

葉「仲間を助けに行きてえんなら、オイラを倒してからにしろ」

 

ファラ「っ! ええ、そうさせて貰います!」

 

 

ファラは大剣から無数の竜巻を放つが……

 

 

葉「阿弥陀流……真空仏陀斬り!!」

 

 

葉の真空仏陀斬りが竜巻を斬り裂き、斬り裂かれた竜巻は霧散した。

 

 

ファラ「そんな!?」

 

葉「へへっ、悪いな♪」

 

阿弥陀丸『その技はもう見切ったでござる!』

 

ファラ「くっ!」

 

 

ファラは自身の技を葉と阿弥陀丸に見切られながらも大剣による剣戟を繰り出し、葉もまた応戦とばかりにスピリット・オブ・ソードによる剣戟を繰り出し、2人は激しい剣戟の応酬を繰り広げる。

 

一方、ツナの猛攻を受けているレイアは……

 

 

超ツナ「X(イクス)……レオバズーカ!!」

 

レイア「うああああああっ!!!」

 

 

ツナの両手の掌底から放つ獅子戦吼の時より強大な炎を纏った獅子の闘気で、敵を吹き飛ばすと同時に爆炎で焼き尽くす獅子戦吼の強化技ーー『X(イクス)レオバズーカ』を受け、地面へと叩き落とされる。

 

 

レイア「うっ……ぐっ……」

 

超ツナ「ナッツ! 形態変化・攻撃モード!!」

 

ナッツ「ガオオオオオオッ!!!」

 

 

ツナはナッツを再びI世のガントレットに形態変化させ、ボロボロでありながらも立ちあがろうとするレイアに向かって行く。

 

 

レイア「くっ……アルカ・ノイズ、私を守れ!」

 

超ツナ「っ! ちっ!」

 

 

レイアは近くにいたアルカ・ノイズ数体をツナに襲わせる。

 

ツナは襲い掛かるアルカ・ノイズの攻撃を避けつつ、反撃に転じようとした……その時。

 

 

超炎真「ツナ君、任せて!」

 

超ツナ「! 炎真!」

 

 

炎真の声が聞こえ、ツナの目の前にいたアルカ・ノイズの群れに……別のアルカ・ノイズ数体が勢いよく飛んで来て激突する。

 

そして、激突したアルカ・ノイズ達はその衝撃により消滅した。

 

 

レイア「な、何だと!?」

 

超ツナ「これは……!」

 

 

アルカ・ノイズがアルカ・ノイズを攻撃するというあり得ない光景に、レイアは信じられないとばかりの表情を浮かべる。

 

ツナも目の前の光景に驚くと同時に、あることに気付く。

 

それは……

 

 

超炎真「行け!」

 

フォンフォンッ!

 

 

炎真が大地の炎の重力操作で何体かのアルカ・ノイズの動きを封じ、そのまま捕らえたアルカ・ノイズを武器として射出し、別のアルカ・ノイズにぶつけて相殺していたのだ。

 

一度に全てのアルカ・ノイズを大地の炎で操作することはできなくも無いが実際にやると炎の消費が激しい為、炎真は数体ぐらいを捕らえて射出し、アルカ・ノイズの数を減らしながら戦っていた。

 

そのおかげでツナと葉はアルカ・ノイズの妨害を受けずに、レイアとファラとの戦闘に集中することができたのだ。

 

そんな炎真の影ながらの活躍により大量にいたアルカ・ノイズは残り僅かとなり、炎真は残っていたアルカ・ノイズ達も大地の炎で捕らえて武器にする。

 

 

超炎真「ツナ君、葉君! 僕がアルカ・ノイズを使って援護するから、そのまま攻め続けて!」

 

超ツナ「ありがとう、炎真! 流石だ!」

 

葉「ウェッヘッヘッ、凄えな炎真♪」

 

阿弥陀丸『あの怪物達を己の武器にするとは、お見事でござる!』

 

 

ツナと葉が炎真のアシストを賞賛する一方で……

 

 

ファラ「私達のアルカ・ノイズを、武器として利用するなんて……!」

 

レイア「くっ、派手にやってくれる……!」

 

 

レイアとファラは自分達の戦力であるアルカ・ノイズを、敵である炎真に武器として利用されていることに悔しげな表情を浮かべていた。

 

そんな2人に炎真の大地の炎によって武器と化したアルカ・ノイズ達が襲い掛かる。

 

 

レイア「ちっ! 邪魔だ!」

 

ファラ「使えないアルカ・ノイズは消えなさい!」

 

 

レイアとファラは迫り来るアルカ・ノイズ達に対して自身の武器で攻撃して破壊する。

 

それにより戦場にいたアルカ・ノイズは全ていなくなった。

 

 

ファラ「これでアルカ・ノイズを利用することはできなくてよ!」

 

超炎真「そうだね……でも、君達が残っていたアルカ・ノイズを自分の手で破壊してくれたおかげで僕も攻撃に専念できる!」

 

ファラ「っ!」

 

レイア「し、しまった!」

 

葉「これで3vs2だ!」

 

超ツナ「一気に畳み掛ける!」

 

 

アルカ・ノイズが全て破壊されたことで、炎真もレイアとファラへの攻撃に専念できるようになり、物量と言うアドバンテージを失ったレイアとファラは益々窮地に立たされるのだった。

 

 

超炎真「おいで、ガイア!」

 

ボウッ!!

 

 

炎真は大地のシモンリングとは別に、人差し指にある動物の顔の形をしたリングーーアニマルリングに大地の炎を灯すと……

 

 

ガイア「ヒヒーンッ!」

 

 

そのアニマルリングから、朱色の炎の鬣に長い角を持った馬ーーユニコーンを思わせるような、小さく愛らしい動物が現れるのだった。

 

これが炎真が新たに手にした、大地の7属性初のボックスアニマルーー『大地ユニコーンVer.X(リオコルノ・デッラ・テラ バージョン・イクス)』である。

 

虹の代理戦争以降、元雷のアルコバレーノーー『ヴェルデ』の手により開発され、その開発の協力をした炎真へのお礼として貰い、それ以降は『ガイア』と言う愛称を付けて可愛がっていた。

 

そんなガイアを呼び出した炎真は……

 

 

超炎真「形態変化・攻撃モード(カンビオ・フォルマ・モード・アタッコ)!!」

 

ガイア「ヒヒーーーーーンッ!!」

 

 

ガイアにそう指示を出し、それを聞いたガイアは大きな鳴き声と共に体を輝かせ、右腕の手甲と合体するとその姿を変えていく。

 

そして……

 

 

超炎真「大地の角(コルナ・デッラ・テラ)!!」

 

 

攻撃形態である黒い大型の槍のような武装ーー『大地の角(コルナ・デッラ・テラ)』へと形態変化(カンビオ・フォルマ)するのだった。

 

炎真は大地の角の先端部をレイアとファラに向けると……大地の角の先端部に大地の炎を集束し、圧縮していく。

 

ある程度炎を集束・圧縮したところで……

 

 

超炎真「グラビティマグナム!!」

 

 

大地の角の先端部から大地の炎のエネルギー弾をレイアとファラに向けて放つ。

 

放たれたエネルギー弾は前へ進むにつれて勢いとスピードが増して行く。

 

 

ファラ「っ! これは……まずい! レイア、避けて!」

 

レイア「くっ!」

 

 

炎真が放ったエネルギー弾の危険性を感じたレイアとファラは即座に回避行動を取り、直撃を避けるが……

 

 

レイア「っ! ぐああっ!?」

 

ファラ「きゃあっ!?」

 

 

エネルギー弾自体から放出される重力波によって吹き飛ばされ、2人は大きく体勢を崩す。

 

そこへ……

 

 

超炎真「ツナ君! 葉君! 今だ!!」

 

レイア・ファラ『っ!?』

 

超ツナ・葉『うおおおおおおおおっ!!』

 

 

大空の炎を一点に収束させたI世のガントレットを構えるツナがレイアに、巫力を刀身に集中させたスピリット・オブ・ソードを構える葉がファラにそれぞれ接近する。

 

 

 

レイア「させるか!」

 

ファラ「やらせませんわ!」

 

 

体勢が悪い状態でありながらも、レイアは錬金術で大型化させたコイン、ファラは大剣をそれぞれ盾にして、迫り来るツナと葉の攻撃を防ごうとするのに対し……

 

 

超ツナ「バーニング……アクセル!!」

 

葉「阿弥陀流……後光刃!!」

 

 

ツナはI世のガントレットから究極の一撃と化した球状の大空の炎を、葉はスピリット・オブ・ソードから居合斬りに近い鋭い斬撃をそれぞれ放つ。

 

そして……

 

 

レイア「ぐあああああああああああああああっ!!?」

 

ファラ「きゃああああああああああああああっ!!?」

 

 

ツナのバーニングアクセルが大型のコインを破壊しながらレイアの鳩尾に直撃し、葉の後光刃もファラの大剣の刀身を両断と共に彼女の胴体に大きな裂傷を刻むのだった……

 

 

To Be Continue……



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Extra Story 4.5 戦いの裏側③

装者や魔導師達が見守る中、ツナ・炎真・葉の3人の少年達と、レイアとファラの2体自動人形(オートスコアラー)、大量のアルカ・ノイズによる戦闘が開始された。

 

最初に何体かのアルカ・ノイズがツナ達に襲い掛かるが、ツナの相棒であるナッツが調和の特性を持つ大空の炎の咆哮ーー天空の雄叫び(ルッジート・ディ・チエーリ)でアルカ・ノイズを石化させた後、すかさず葉が真空仏陀斬りで蹴散らす。

 

 

切歌「い、今アルカ・ノイズが石になったデスよ!?」

 

翼「あの小さなライオンが咆えた直後に石化したようだが……」

 

クリス「あのライオン、ガントレットに変身するだけじゃなく、相手を石に変えることもできんのかよ!?」

 

調「す、凄い……!」

 

アインス「そ、それよりも、あの小さいライオン……///」

 

なのは・フェイト・はやて・アインス・フェルト・アニュー・ルナマリア『か、可愛い……!///』

 

セレナ「ふふふ、そうですね。本当に可愛いですよね♪」

 

 

アルカ・ノイズを石化させたナッツの力に驚く一同(魔導師組はナッツの愛くるしさにメロメロであるが)を他所に、レイアがコインでの投げ銭、ファラが大剣からの突風をツナと葉に目掛けて繰り出すが、ツナは持ち前の機動力、葉は巫門遁甲でその攻撃を回避する。

 

そしてツナはレイアに向けてXグローブによる拳撃を、葉はファラに向けてスピリット・オブ・ソードによる剣戟をそれぞれ繰り出す。

 

2人の攻撃に対し、レイアはコインで生成したトンファーでツナの拳撃を受け止め、ファラは大剣で葉の剣戟を受け流して回避した。

 

その後ツナとレイアが激しい近接戦闘を繰り広げる一方で、葉のスピリット・オブ・ソードから繰り出される連続斬りが巨大な刀の形をしたO.Sである故に大振りな攻撃になってしまい、素早い動きをするファラに当たらずにいる様子が映し出される。

 

 

フェイト「ヘッドホンの彼の攻撃がオートスコアラーに全然当たってない!」

 

翼「刀が巨大である分攻撃が大振りになってしまっている。あれではオートスコアラーの動きを捉えられないぞ」

 

 

一同がファラに攻撃を当てることができない葉の心配をしていると、戦っている葉自身もこのままでは不利だと判断したのか、スピリット・オブ・ソードを普通の刀のサイズまで凝縮した。

 

 

アニュー「あの刀、大きさを変えられるのね」

 

切歌「何か巨大な刀から一気にショボくなったデース……」

 

調「そんなこと言っちゃダメだよ、切ちゃん」

 

アインス「その通りだ。圧倒的なリーチの長さは犠牲になってしまったが、取り回しが良くなったことを思えばヘッドホンの少年の判断は正しい。これでオートスコアラーに対抗できる筈だ」

 

 

葉がスピリット・オブ・ソードのリーチを犠牲にして取り回しの良さを重視したことに、一同は葉がファラに対抗できるようになったと思ったところで……

 

 

エルフナイン「……いえ、まだ安心できません」

 

フェルト「え?」

 

セレナ「エルフナインちゃん?」

 

エルフナイン「ファラの持つ大剣ーー剣殺し(ソードブレイカー)はその名の通り刀剣類を破壊する為の装備で、概念そのものに干渉し、剣と分類・定義される物をその性能に関係無く確実に破壊する哲学兵装……あのヘッドホンの人の持つ不思議な刀が剣と定義されているのであれば、破壊されてしまう恐れがあります」

 

なのは「ええっ!?」

 

クリス「嘘だろ!?」

 

 

エルフナインがファラが哲学兵装ーー剣殺し(ソードブレイカー)を持っていることから、葉のスピリット・オブ・ソードが破壊されてしまう可能性がある旨を口にする。

 

 

ルナマリア「何よその反則的な武器は!? 翼さんみたいな刀剣類を使う人には圧倒的不利じゃない!」

 

はやて「そうやそうや! 剣Loveな翼ちゃん泣かせにも程があるやないか! ただでさえ剣みたいに研ぎ澄まされ過ぎて、シンフォギアシリーズを重ねる度に一部が薄くなって来てるちゅうのに!」

 

翼「はやて、それはどう言う意味だ……?」

 

 

はやての失礼な発言に翼が青筋を浮かべる一方で、戦場ではファラが葉に向かって哲学兵装の大剣を振り下ろし、葉のスピリット・オブ・ソードを破壊しようとする……が、驚くべきことにファラの大剣を受け止めた葉のスピリット・オブ・ソードは破壊されておらず、それどころかファラの斬撃を剣先で受け止めていた。

 

 

セレナ「ええっ!?」

 

エルフナイン「ふぁ、ファラの剣殺し(ソードブレイカー)が効いてない……!?」

 

なのは「と、刀剣類は性能関係無く破壊されるじゃなかったの!?」

 

調「もしかして、あのヘッドホンの人の刀は剣と定義されていないんじゃ……」

 

クリス「いや、どっからどう見ても剣にしか見えねえだろ!?」

 

アニュー「でも、実際に破壊されてないところを見るとそうとしか思えないわ」

 

ルナマリア「あれが剣じゃないなら、一体何なのよ……」

 

翼「哲学兵装で破壊されないことにも驚きだが、オートスコアラーの斬撃を剣先だけで受け止めるとは恐るべき神業だ」

 

 

目の前の光景に一同が驚く中、葉はスピリット・オブ・ソードによる鋭く素早い刺突を放つ。

 

ファラは咄嗟に大剣を盾にして迫り来る刺突を防御するが、巫力を凝縮して強化された葉のスピリット・オブ・ソードのパワーに耐え切れず、ガードした状態のまま吹き飛ばされた。

 

 

はやて「お、オートスコアラーを突きだけで吹き飛ばした!?」

 

アインス「な、何という威力だ……!」

 

切歌「あ、あんなショボい刀の何処にあんなパワーがあるデスか!?」

 

フェルト「あのヘッドホンの子が持ってる刀をスキャニングして見ましたけど、あの刀は魔力でもフォニックゲインでも無いエネルギーで形成されてるみたいで、そのエネルギー自体圧縮されてるみたいです」

 

フェイト「そっか、刀を小さくしたことでエネルギーが圧縮されてパワーが増したってことなんだね」

 

 

一方で、指令室のメンバーと同じように葉の攻撃でファラが吹き飛ばされた光景を見て驚くレイア。

 

そんなレイアの隙を突くようにツナが獅子戦吼を放ち、レイアを吹き飛ばす……だがツナの攻撃はこれで終わりでは無く、高速移動でレイアの吹き飛んだ先に回り込み、再度獅子戦吼を放つと言うモーションの繰り返しで、敵に獅子戦吼の連続攻撃を浴びせる技ーーXレオドライブを繰り出し、反撃の隙も与えない程の猛攻でレイアにダメージを蓄積させて行く。

 

 

弦十郎「おお! 先程の獅子の闘気による攻撃と高速移動を組み合わせた連続攻撃か!」

 

クリス「す、凄え!」

 

翼「ま、まるであのオートスコアラーが獅子の群れに襲われてる様だ」

 

はやて「あ、あの茶髪の子、なんちゅうスピードや!」

 

切歌「は、速過ぎるのデス!」

 

調「全然目で追えない……」

 

セレナ「わ、私もです」

 

なのは「あ、あの子、フェイトちゃんより速くない!?」

 

フェイト「う、うん、絶対に私より速いと思う」

 

フェルト「ね、義姉さんよりも!?」

 

ルナマリア「う、嘘でしょ!?」

 

アインス「オートスコアラー1体を撃破寸前まで追い詰めた実力だけでも驚きなのに、フェイトよりも速いスピードを持つとは恐れ入るな……」

 

アニュー「そ、そうですね……」

 

 

S.O.N.Gの中で随一の機動力を誇るフェイトさえも凌駕するスピードを持つツナに一同が舌を巻いている一方で、先程葉に吹き飛ばされたファラが体勢を立て直し、ツナの猛攻を受けているレイアを助けに向かおうとするが、葉によって妨害される。

 

ファラは妨害する葉を倒すべく大剣から無数の竜巻を放つが、葉はスピリット・オブ・ソードから真空仏陀斬りを放ち、竜巻を斬り裂いて霧散させた。

 

 

翼「おお、竜巻を斬り裂くとはな……!」

 

なのは「フェイトちゃんやフェルトちゃんの言う通り、エネルギーが圧縮されたあの刀のパワーは凄まじいね」

 

 

葉は竜巻を斬り裂いた後ファラと激しい剣戟の応酬を繰り広げる一方で、レイアにXレオドライブでの猛攻でダメージを与えていたツナは両手の掌底から放つ獅子戦吼の時より強大な炎を纏った獅子の闘気で、敵を吹き飛ばすと同時に爆炎で焼き尽くす獅子戦吼の強化技ーーXレオバズーカでレイアを地面へと叩き落とす。

 

その後ツナはナッツを再びI世のガントレットに形態変化させ、地面にいるレイアに向かって行くが、レイアは近くにいたアルカ・ノイズ数体をツナに襲わせて阻止する。

 

 

クリス「くそっ、アルカ・ノイズめ! 良いところで邪魔しやがって!」

 

調「……あれ?」

 

切歌「? どうしたデスか、調?」

 

調「茶髪の人とヘッドホンの人の戦いが凄すぎて今まで気付かなかったけど……何でアルカ・ノイズはあの2人を襲わなかったのかな?」

 

セレナ「! そう言われてみれば……」

 

 

調のその言葉に、一同はアルカ・ノイズが今までツナと葉を襲わなかったことに疑問を抱く。

 

 

翼「確かに。あの2人がオートスコアラーと戦っていたとは言え、襲わない理由は無いな……ん? そう言えば、もう1人の赤髪の少年はどうした?」

 

『え?』

 

 

翼の言葉により赤髪の少年ーー炎真のことを思い出した一同はその姿を探していると……ツナを襲っていたアルカ・ノイズの群れに向かって、別のアルカ・ノイズ数体が勢いよく飛んで来て激突し、激突したアルカ・ノイズ達はその衝撃により消滅した。

 

 

フェルト・アニュー・ルナマリア・セレナ・切歌・調『ええええええええっ!!?』

 

クリス「何だこりゃーーーーー!!?」

 

弦十郎「あ、アルカ・ノイズが、アルカ・ノイズを攻撃しただと!?」

 

なのは「い、一体どうなってるの!?」

 

フェイト「アルカ・ノイズがアルカ・ノイズを攻撃するなんて、あり得ないよ!」

 

はやて「アインス、私はもうあかんかもしれん……とんでもない幻覚を見えてもうた……」

 

アインス「し、しっかりしてください、我が主! これは現実です!」

 

 

アルカ・ノイズがアルカ・ノイズを攻撃するというあり得ない光景に、S.O.N.G一同は驚愕の声を上げる中……

 

 

翼(この光景、3年前と同じ……もしや、あの赤髪の少年が!)

 

 

翼だけは目の前の光景にデジャヴを感じており、3年前に奏を救った赤髪の男性が取ったノイズに別のノイズにぶつけて相殺させた時の状況に似ており、翼は赤髪の男性に瓜二つな炎真がアルカ・ノイズに別のアルカ・ノイズをぶつけて相殺させているのではないかと予想する。

 

彼女のその予想は当たっており、炎真が大地の炎の重力操作で何体かのアルカ・ノイズの動きを封じ、そのまま捕らえたアルカ・ノイズを武器として射出し、別のアルカ・ノイズにぶつけて相殺する光景がモニターに映し出されるのだった。

 

 

翼「やはりか!」

 

なのは「もしかして、さっきのはあの子がアルカ・ノイズを飛ばしたからなの!?」

 

ルナマリア「ど、どうやったらそんなことができるんですか!?」

 

フェイト「フェルト、何かわかる?」

 

フェルト「ちょっと待ってください……これは、アルカ・ノイズがいる場所の重力が他と異常に違う!」

 

アインス「重力……まさか、あの赤髪の少年は重力を自由自在に操作できると言うのか!?」

 

クリス「マジかよ!?」

 

アニュー「と言うことは、赤髪の子が重力を操作してアルカ・ノイズの動きを封じ、別のアルカ・ノイズに向けて射出してぶつけていたんですね」

 

セレナ「す、凄いですね……」

 

調「アルカ・ノイズと戦う私達からしたら、信じられない戦い方ですね……」

 

切歌「常識外れも良いところデスよ!」

 

はやて「ほんまになぁ……」

 

エルフナイン「僕も目の前の光景に驚きを禁じえないです。錬金術師やオートスコアラー以外でアルカ・ノイズをあんな風に利用する人がいるなんて……」

 

弦十郎「だが、これで納得も行った。アルカ・ノイズがオートスコアラーと戦っていた茶髪の少年とヘッドホンの少年を襲わなかったのは、赤髪の少年がアルカ・ノイズ同士を相殺させて数を減らしていたのだな」

 

 

日頃からアルカ・ノイズと戦うS.O.N.Gの面々からしたら信じられない独特の戦法で敵の数を減らしていた炎真の影ながらの活躍に、一同は驚きと興味が入り混じった視線で見ていた。

 

一方で炎真はレイアとファラと戦うツナと葉の援護として、重力操作で残っていたアルカ・ノイズ全てをレイアとファラに向けて射出する

 

レイアとファラは迫り来るアルカ・ノイズを自身の武器で攻撃して破壊する……が、それによりアルカ・ノイズが全て破壊されたことになり、レイアとファラへの攻撃に専念できるようになった炎真は人差し指にある動物の顔の形をしたリングーーアニマルリングに大地の炎を灯し、そのリングから大地ユニコーンVer.Xのガイアを呼び出す。

 

炎真が呼び出したガイアもナッツに劣らぬ程の愛らしさがあるので……

 

 

『か、可愛い……///』

 

 

当然装者&魔導師の女性陣はナッツの時と同様ガイアにメロメロになっていた(笑)

 

そして炎真はガイアに形態変化の指示を出し、ガイアは大きな鳴き声と共に体を輝かせ、炎真の右腕の手甲と合体するとその姿を変えて行き……攻撃形態である大地の角(コルナ・デッラ・テラ)へと形態変化するのだった。

 

 

セレナ「今度はお馬さんが槍に変わった!?」

 

クリス「あの小さい馬もさっきのライオンと同じ力があんのか!」

 

調「ライオンさんがガントレットに変わったり、お侍さんが巨大な刀に変わったりしたのを見たから、もう驚きはしないけど……」

 

切歌「とんでもないことに変わりないデスよ!」

 

翼「うむ、確かにな」

 

はやて「なあアインス、あのお馬さんはユニゾンデバイスやと思う?」

 

アインス「いえ、恐らく先程の侍と同様違うと思います」

 

フェルト「赤髪の子とお馬さんから魔力反応は感じられません。さっき茶髪の子とライオンさんの魔力反応も調べましたが同様です」

 

なのは「武器に変わるライオンさんやお馬さん、お侍さんもそうだけど……」

 

アニュー「魔力やフォニックゲインでは無い未知の力を持つあの子達は一体何者なんでしょうか?」

 

ルナマリア「もしかして、次元漂流者……だったりしますかね?」

 

フェイト「そうだね、その可能性は高いと思う。そう考えれば、あの不思議な力や武器も異世界の技術だって説明がつくよ」

 

 

S.O.N.G一同がツナ・炎真・葉の3人の正体について考察する一方で、戦場では炎真が右腕に装着した大地の角の先端部をレイアとファラに向けると同時に大地の炎をある程度集束及び圧縮すると、大地の角の先端部から大地の炎のエネルギー弾ーーグラビティマグナムを発射する。

 

炎真が放ったグラビティマグナムを受けてはいけないと感じたレイアとファラは即座に回避して直撃を避けるが、エネルギー弾自体から放出される重力波によって吹き飛ばされる。

 

 

ルナマリア「あのエネルギー弾、直撃していないのにオートスコアラーを吹き飛ばした!?」

 

フェルト「あのエネルギー弾から重力波を確認できたわ。恐らくそれで吹き飛ばされたんだと思う」

 

なのは「あの弾には高い重力エネルギーが圧縮されていたんだろうね」

 

フェイト「重力操作ができるあの赤髪の子だからこそできる芸当だね」

 

アニュー「もしオートスコアラー達があれを受けていたら、ただでは済まされなかったでしょうね」

 

アインス「だが、直撃を避けたとは言ってもオートスコアラー達は体勢を崩した」

 

はやて「オートスコアラー達を倒す絶好のチャンスが到来や!」

 

 

なのは達魔導師組のその言葉通り、ツナと葉がそれぞれI世のガントレットとスピリット・オブ・ソードを構えながら、炎真のグラビティマグナムで体勢を崩したレイアとファラに接近する。

 

 

クリス「よっしゃあ行けーー!!」

 

翼「勝機を零すな!」

 

切歌「決めるデーース!!」

 

調「お願い!」

 

セレナ「頑張って!」

 

 

翼達装者組の声援を受けているかのように、ツナはI世のガントレットに大空の炎を一点に収束し、葉はスピリット・オブ・ソードの刀身に巫力を集中させると、大技を放つ為の構えに入る。

 

対するレイアとファラは体勢が悪い状態でありながらも、それぞれ大型コインと大剣を盾にして防御の構えに入るが……ツナがI世のガントレットから放った究極の一撃と化した球状の大空の炎ーーバーニングアクセルと、葉がスピリット・オブ・ソードから繰り出した鋭い斬撃ーー後光刃がその防御を打ち破り、レイアとファラに大きなダメージを与えた。

 

そしてツナと葉の一撃を受けたレイアとファラは地面へ大きく叩き付けられ、満身創痍の状態で力無く倒れている光景が映し出されるのだった。

 

 

『やったーーー!!』

 

エルフナイン「す、凄い……ガリィだけでなく、レイアとファラまで戦闘不能まで追い詰めるなんて……!」

 

弦十郎「ああ、とんでもない少年達だ……!」

 

 

その光景を見た装者&魔導師組は歓喜の声を上げ、弦十郎とエルフナインはガリィに続いてレイアとファラを戦闘不能まで追い込んだツナ・炎真・葉の3人の実力に驚きを隠せなかったのだった……

 

 

To Be Continue Extra Story 5.5……



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第5話 奇跡の殺戮者との邂逅……そして、駆け付ける『戦友』達

超ツナ「バーニング……アクセル!!」

 

葉「阿弥陀流……後光刃!!」

 

レイア「ぐあああああああああああああああっ!!?」

 

ファラ「きゃああああああああああああああっ!!?」

 

 

ツナのバーニングアクセルと葉の後光刃が炸裂し、2人の攻撃を受けたレイアとファラは大きく吹き飛んだ後、地面へ叩き付けられるように倒れる。

 

 

レイア「く……か、身体が……」

 

ファラ「う、動かない……」

 

 

地面に力無く倒れるレイアとファラは、先程ツナと葉から受けた一撃により体を動かすことさえままならぬ程満身創痍で、これ以上の戦闘続行は不可能であった。

 

 

炎真「ツナ君、こいつらはどうするの? 取り敢えず戦闘不能まで追い込んだけど……」

 

超ツナ「こいつらは人形とは言え、命を持っている。本当なら破壊せずに済ませたい……だけど、このまま野放しにしておけば後々大変なことが起きると思うんだ。だから、このまま破壊する」

 

阿弥陀丸『拙者もツナ殿に同意でござる。アルカ・ノイズと言う怪物と言い、此奴らを放置するのはあまりに危険でござる』

 

葉「そうか……わかった、覚悟を決めてるんならオイラも文句はねえ。さっさと終わらせよう」

 

超炎真「うん、そうだね」

 

超ツナ「ああ、やるぞ!」

 

 

ツナ・炎真・葉はレイアとファラにトドメを刺すべく動き出し……

 

 

葉「阿弥陀流、真空仏陀斬り!!」

 

超炎真「グラビティマグナム!!」

 

超ツナ「バーニングアクセル!!」

 

 

それぞれ技を放つ。

 

 

ファラ「くっ! ダメ、回避できない……!」

 

レイア「派手に窮地、ここまでか……!」

 

 

ダメージで動けないレイアとファラが死を覚悟した……その時。

 

 

?「俺の許可無くそいつらを破壊されては困るな」

 

 

何処からかそんな声が聞こえたのと同時に、レイアとファラの近くに人影が現れ、その人影は掌から金色のバリアのようなものを展開し、ツナ達3人の技を防いだ。

 

 

超ツナ・超炎真・葉『何っ!?』

 

 

3人がその光景に驚く中、レイアとファラの元に魔女に近い格好をした幼い金髪の少女が舞い降りる。

 

 

?「まったく……適当にこいつらの相手をしたところで引き上げて来いと言った筈なのに、破壊される寸前にまで追い詰められてどうするんだ?」

 

レイア「ま、マスター……!」

 

ファラ「き、来てくださったのですか……!」

 

?「当然だ。お前達にはまだ働いて貰わねばいかんからな。ここで倒されてしまっては俺の計画に支障が出る」

 

 

レイアとファラからマスターと呼ばれた金髪の少女は呆れた様子で2人にそう言う。

 

ツナ達3人は自分達の攻撃を防いだその少女が只者では無いのを感じたのか、警戒しながらも驚きの表情を浮かべていた。

 

 

葉「何なんだ、あの小さい女の子は……!?」

 

超炎真「今、あの人形達からマスターって言われてたけど、まさか……!」

 

超ツナ「あの子があいつらの主人ーーキャロルって言う奴か……!」

 

?→キャロル「如何にも。俺の名はキャロル・マールス・ディーンハイム、こいつらオートスコアラーのマスターにして錬金術師……そして、奇跡の殺戮者だ!」

 

超ツナ・超炎真・葉『き、奇跡の殺戮者!?』

 

 

金髪の少女ーーキャロル・マールス・ディーンハイムは高らかな声でツナ達3人に名乗り出る。

 

 

葉「ず、随分と物騒な名乗り文句だな……お前の目的は一体何なんだ?」

 

キャロル「フッ、俺のオートスコアラーを破壊寸前まで追い込んだ貴様達の実力に敬意を評して教えてやろう。俺の目的はただ1つ……世界解剖計画『万象黙示録』を完遂させることだ!」

 

超炎真「せ、世界解剖計画!?」

 

超ツナ「! まさか、この世界を滅ぼすつもりなのか!?」

 

 

キャロルの口から出た目的ーー世界解剖計画『万象黙示録』を聞いたツナは、彼女が世界を滅ぼすつもりであることを超直感で気付く。

 

 

キャロル「そうだな、結果的にそう言うことになる……だが、父から託された『世界を知る』という命題を果たす上では必要なこと。その為なら、俺はこの世界を壊すことに躊躇いなど無い!」

 

超炎真「世界を知る為に世界を壊すなんて、そんなのおかしいよ!」

 

キャロル「フンッ、貴様達に理解して貰おうとは思っていない。誰にどうこう言われようと、俺は己に課した命題を完遂させる!」

 

超ツナ「何がなんでも譲れないって言う訳か……」

 

葉「……大事なものは人それぞれで、そいつが本気でやってりゃ上も下もねえ……けどな!」

 

超ツナ「だからと言って、それを黙って見てやれるほど俺達はお人好しじゃない! ここでお前の計画を止める! 行くぞ炎真、葉!」

 

超炎真「うん!」

 

葉「おう!」

 

 

ツナ・炎真・葉の3人はキャロルの計画を止めるべく、キャロル・レイア・ファラに攻撃を仕掛ける。

 

 

超炎真「大地の重力(グラヴィタ・デッラ・テラ)!!」

 

フォンッ!!

 

ファラ「うっ!?」

 

レイア「ぐっ!?」

 

キャロル「くっ! こいつ、重力を操作できるのか……!?」

 

 

炎真が大地の炎の重力操作でキャロル達を押さえ付ける。

 

 

超炎真「ツナ君! 葉君!」

 

超ツナ「ああ、一気に決着をつける! Xレオバズーカ!!」

 

葉「阿弥陀流、後光刃!!」

 

 

ツナと葉が重力で押さえ付けられているキャロル達に向けて大技を繰り出し、一気に決着をつけようとするが……

 

 

キャロル「俺を……俺の錬金術を、舐めてくれるなーーーーッ!!」

 

超ツナ・超炎真・葉『っ!?』

 

 

キャロルが重力で押さえ付けられているにも関わらず錬金術を無理矢理発動し、地面に展開した錬成陣から地・水・火・風の『四大元素(アリストテレス)』の力を宿した4つのエネルギー波をツナ達3人に向けて放つ。

 

 

葉「まずい! 巫門遁甲!!」

 

 

葉は攻撃を中断し、巫門遁甲でキャロルのエネルギー波を緊急回避し……

 

 

超ツナ「くっ、ナッツ! 形態変化・防御モード(カンビオ・フォルマ・モード・ディフェーザ)!!」

 

ナッツ「ガオオオオオオッ!!!」

 

超炎真「ガイア! 形態変化・防御モード(カンビオ・フォルマ・モード・ディフェーザ)!!」

 

ガイア「ヒヒーーーーンッ!!!」

 

 

ツナと炎真は自分達の相棒であるナッツとガイアに指示を出し……

 

 

超ツナ「I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)!!」

 

超炎真「大地の盾(スクード・デッラ・テラ)!!」

 

 

ナッツはボンゴレI世ことジョットのマントを彷彿とさせる漆黒のマントーー『I世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)』、ガイアはガトリング砲付きの白い大型シールドーー『大地の盾(スクード・デッラ・テラ)』とそれぞれ形態変化し、ツナと炎真は相棒達が形態変化した武装でキャロルのエネルギー波を防御するが……

 

 

超ツナ「ぐあっ!?」

 

超炎真「うわぁっ!?」

 

葉「ツナ! 炎真!」

 

 

エネルギー波のあまりの威力に、防御した状態のまま大きく吹き飛ばされ、地面へと叩き付けられた。

 

 

葉「2人とも大丈夫か!?」

 

超ツナ「くっ……ああ、ナッツ達のおかげで直撃は避けられた」

 

ナッツ「がうう……」

 

ガイア「ヒヒーン……」

 

超炎真「でも、さっきの攻撃で大地の炎の重力が……」

 

 

ナッツとガイアのおかげでツナと炎真はエネルギー波の直撃は避けられたものの、炎真がキャロルの思わぬ反撃で重力操作を中断してしまい、キャロル達は大地の炎の重力から解放されていた。

 

 

ファラ「流石はマスターですわ」

 

レイア「お見事」

 

キャロル「フンッ、あんな力技の何処がお見事だ? まあ、あの状況ではああせざるを得なかったがな。流石はお前達を破壊寸前まで追い込んだだけのことはある。俺でも奴等とまともに戦えばただでは済まされないだろうな」

 

 

キャロルはツナ達の実力を改めて評価し、まともに戦えばただでは済まされないことを感じていた。

 

 

キャロル「今日のところは退くぞ。お前達やガリィを早く修理してやらんといけないしな」

 

レイア「申し訳ありません、マスター……」

 

ファラ「御手を煩わせることになって、不甲斐無いばかりです……」

 

キャロル「フンッ、まったくだ。修理が終わったら、たっぷりこきを使ってやるから覚悟しておけ」

 

レイア・ファラ『! はい……!』

 

 

そう言ってキャロルはテレポートジェムを取り出し、レイアとファラと共に撤退しようとしていた。

 

 

超炎真「逃がさない! 大地の……!!」

 

キャロル「そう慌てるな。お前達の『相手』はちゃんと用意してある」

 

超炎真「え? うわぁっ!?」

 

超ツナ・葉『炎真!?』

 

 

撤退しようとするキャロル達を再度大地の炎の重力で捕まえようとした炎真であったが、突然彼に向かって来た『何か』によって妨害される。

 

炎真を妨害したのはアルカ・ノイズで、その数は1万ほどの大群であった。

 

 

超炎真「アルカ・ノイズ! それに、この数は……!?」

 

葉「凄え数だ……!」

 

超ツナ「いつの間にこれだけの数を……!?」

 

キャロル「ここへ来る前にあらかじめ展開しておいた。流石の貴様達もこの数を相手にするのは骨が折れるだろ? そう言う訳で貴様達の相手はこの1万のアルカ・ノイズに任せて、俺達は退散させて貰おう」

 

 

キャロルは手に持つテレポートジェムを地面に向かって叩き落とし、転送用の錬成陣を展開するのだった。

 

 

超ツナ「逃がすか! Xカノン!!」

 

葉「阿弥陀流、真空仏陀斬り!!」

 

 

ツナと葉がキャロル達に向けて技を放つが……

 

 

キャロル「じゃあな、未知の力を持つ小僧ども。 このアルカ・ノイズの大群を相手に生き残れたら、今度は俺が直々に相手をしてやろう。精々足掻くんだな」

 

 

転送が完了してキャロル・レイア・ファラはその場から消え、ツナと葉の技は虚しくその場を通り過ぎるのだった。

 

 

超ツナ「くっ!」

 

葉「逃げられちまったか……!」

 

超炎真「逃げられたのは悔しいけど、今はこのアルカ・ノイズ達を何とかすることに集中しよう!」

 

阿弥陀丸『炎真殿の言う通りでござる! ここでやられてしまっては元も子もないでござるよ!』

 

葉「……そうだな。何とかしてこいつらを倒すぞ!」

 

超ツナ「ああ!」

 

 

ツナ・炎真・葉はキャロル達を逃してしまったことに悔しさを感じながらも、1万のアルカ・ノイズを倒すことに気持ちを切り替える。

 

 

ナッツ「GAOOOOOッ!!!」

 

超ツナ「獅子戦吼!!」

 

 

ナッツが天空の雄叫びで何体かのアルカ・ノイズを石化させ、ツナが獅子の闘気で粉砕し……

 

 

超炎真「大地の重力!!」

 

ガイア「ヒヒーンッ!!」

 

 

炎真とガイアが大地の炎の重力操作で何体かのアルカ・ノイズの動きを封じ、そのまま別のアルカ・ノイズ達にぶつけて相殺させ……

 

 

阿弥陀丸『阿弥陀流……!』

 

葉「真空仏陀斬り!!」

 

 

葉がスピリット・オブ・ソードから真空の刃を連続で飛ばし、アルカ・ノイズを次々に斬り裂き、アルカ・ノイズの数を減らして行くが……それでもアルカ・ノイズの数はまだ多い。

 

 

葉「はあ、はあ、はあ……なあ、あと何体いるんだ……?」

 

超ツナ「さあな、数えている余裕なんて無い。それにしても、なんて数だ……!」

 

超炎真「このままじゃジリ貧で、僕達の方が先にスタミナ切れになるだけだ……!」

 

 

アルカ・ノイズ1体ごとの戦闘力は低いが如何せん数が多い上、解剖機関による分解効果と言う厄介な能力を持っているので、常に神経を張り詰めらながら戦うツナ達3人の体力は消耗するばかりである。

 

 

葉「この状況を何とかしねえとな……なあ、ツナと炎真にはこいつらを一気にまとめて倒す技とかは無いか?」

 

超ツナ「……あるにはあるが、その技を放つまでに時間がかかる上、まとめて倒すには敵を一箇所に集める必要がある」

 

超炎真「僕も複数の敵をまとめて一箇所に集める技があるけど、普段以上に重力の制御をする上、ツナ君と同じで発動までに少し時間がかかるんだ」

 

葉「そうか……2人がその技を放つ為には、オイラが時間稼ぎをしないといけねえ訳だが……流石にこの数を1人で相手にするのは無理があるぞ」

 

阿弥陀丸『確かに。せめて、あと何人か人手が多ければ……!』

 

 

ツナと炎真にはこの状況を打開する為の大技があるが、その技を放つまでにどうしても時間を要してしまうので、誰かが時間稼ぎをしないといけない。

 

しかし、1万近くの数のアルカ・ノイズを葉1人だけで押さえるのは流石に無理があった。

 

時間と人手が足りず、圧倒的に不利な状況が続くツナ達にアルカ・ノイズの大群が容赦無く襲い掛かる。

 

 

超炎真「アルカ・ノイズが来るよ!」

 

葉「くそっ、ちょっとは休ませろってんだ!」

 

超ツナ「感情と言うか、意志すら無さそうな相手にそんなこと言ったって無駄だ! 今は兎に角、数を減らして行くしかない!」

 

 

打開策はあるが実行できないツナ達は、今はアルカ・ノイズの数を減らすしかないと覚悟を決めて迎撃しようとした……その時!

 

 

?「果てろ! ロケットボム!!」

 

?「時雨蒼燕流 特式十の型……燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)!!」

 

?「ゴールデン中華斬舞!!」

 

?「カウカウプリウェンペ(荒くれものの雹)!!」

 

 

赤い炎を噴射させて飛翔する大量のダイナマイト、燕の形をした青い炎の斬撃、金色に輝く無数の斬撃、無数の氷の塊が何処からか飛んで来て複数のアルカ・ノイズを撃破した。

 

 

超炎真「ツナ君、今の攻撃って……!」

 

超ツナ「ああ、あのダイナマイトと青い炎は間違い無い……!」

 

阿弥陀丸『葉殿、先程の金色の斬撃と氷の塊はもしや……!』

 

葉「ウェッヘッヘッ、良いタイミングで来てくれたんよ♪」

 

 

ツナや葉達にとってよく知る技で、その技を放った人物をすぐに想像することができたと同時に……

 

 

獄寺「十代目〜!」

 

山本「おーい、ツナ〜! 炎真〜!♪」

 

超ツナ「獄寺君! 山本!」

 

超炎真「2人とも!」

 

 

ツナや炎真のクラスメイトかつ親友で、『十代目(ツナ)の右腕』を自称するダイナマイト使いであるボンゴレファミリーの嵐の守護者である銀髪の少年ーー『獄寺隼人』

 

同じくツナや炎真のクラスメイトかつ親友で、変形刀である『時雨金時』を用いた時雨蒼燕流という剣術の使い手であるボンゴレファミリーの雨の守護者である黒髪の少年ーー『山本武』

 

 

ホロホロ「葉〜! 久しぶりだな!♪」

 

コロロ『クックルク〜!♪』

 

蓮「フンッ、こんな変な奴らに何を手こずっているんだ? 葉」

 

馬孫『葉殿、阿弥陀丸殿、お久しゅうございます!♪』

 

葉「蓮にホロホロ! 久しぶりだなぁ♪」

 

阿弥陀丸『おお、馬孫殿にコロロ殿! 久しぶりでござるなぁ♪』

 

 

葉と同じくシャーマンキングを目指すライバルにして友達で、トンガリ頭がトレードマークの中国のシャーマンである少年ーー『道蓮』と、彼の持霊である中国の武将の霊ーー『馬孫』

 

同じくシャーマンキングを目指す葉のライバルにして友達で、額のヘアバンドと青い剣山頭が特徴のアイヌ民族の末裔である北海道出身のシャーマンの少年ーー『ホロホロ』と、彼の持霊であるコロポックルの精霊ーー『コロロ』

 

ツナと炎真、そして葉のそれぞれの戦友達が3人の加勢に現れ、合流するのだった。

 

 

獄寺「十代目、お怪我はありませんか!?」

 

超ツナ「ああ、大丈夫だ。良いタイミングで来てくれて助かった」

 

山本「ははは、気にすんなって。蓮やホロホロ達も友達が無事で良かったな♪」

 

ホロホロ「おう!♪」

 

蓮「フンッ」

 

超炎真「あれ? 獄寺君と山本君は葉君の友達と知り合いなの?」

 

山本「知り合いって言っても、さっき会ったばかりだぜ。最初は獄寺が霊の馬孫を見て気絶したりして大変だったのな♪」

 

獄寺「この野球バカ! 恥ずかしいことバラすんじゃねえ!!///」

 

馬孫『いや〜、その時は驚かせてしまい申し訳ありません』

 

超ツナ・超炎真『(俺(僕)達と同じだ……)』

 

阿弥陀丸『(馬孫殿も拙者と同じ状況になったでござるか……)』

 

 

ツナと炎真が阿弥陀丸を見て気絶したように、獄寺も馬孫を見て気絶してしまった様だ(笑)

 

 

葉「2人とも馬孫が見えるってことは、霊が見えるんか?」

 

蓮「いや、正確には違う。獄寺と山本が馬孫とコロロ以外の霊が見えていないことから、馬孫とコロロが普通の人間にも見えるようになっている様だ」

 

葉「そうか、馬孫とコロロも阿弥陀丸と同じになってるんだな」

 

ホロホロ「阿弥陀丸もそうなのか?」

 

コロロ『クルッ?』

 

葉「ああ、どう言う理由なのかは知らんが阿弥陀丸も霊視能力が無いツナと炎真にはっきり見えてるんよ」

 

馬孫『何と! 阿弥陀丸殿もそうであったか!』

 

阿弥陀丸『そうなんでござるよ。ところで、獄寺殿に山本殿でござったか? 拙者の姿は見えているでござるか?』

 

獄寺「お、おう」

 

山本「ははは、ばっちり見えてるぜ♪」

 

ホロホロ「ええと、ツナに炎真だったか? お前ら阿弥陀丸の姿が見えるってことは、コロロや馬孫の姿も見えてんのか?」

 

超ツナ「ああ、見えてる。それにしても、霊ってコロロみたいな可愛いのもいるんだな」

 

超炎真「うん、そうだね」

 

コロロ『クル〜ッ///』

 

 

馬孫とコロロも阿弥陀丸と同様、霊視能力の無い普通の人間にも見えるようになっていた。

 

 

葉「ところで、お前ら良いタイミングで現れたけど、何でこんなところにいるんよ?」

 

ホロホロ「いや、それが俺達自身よくわかんなくってよ……」

 

山本「俺らや蓮達も気が付いたらここにいたのな」

 

獄寺「取り敢えず情報を得ようと辺りを散策していたら、この奇妙な生命体と戦っていた十代目達を偶然見かけて加勢に来れたって訳です」

 

超炎真「! それって……!」

 

超ツナ「俺達と状況が似ているな……1つ聞きたいんだが、ここに来る前に……」

 

蓮「っ! 貴様ら、話は後にしろ! 来るぞ!」

 

蓮以外『え? うわぁっ!?』

 

 

獄寺・山本・蓮・ホロホロの4人の介入により先程まで沈黙していたアルカ・ノイズ達が攻撃を再開し、ツナ達は咄嗟に回避する。

 

 

ホロホロ「なろぉっ! いきなり攻撃を仕掛けて来るとは良い度胸じゃねえか!」

 

山本「って言うか、あいつらは一体何なんだ? ツナ」

 

超ツナ「あれはアルカ・ノイズと言って、詳しいことは知らないが生き物では無いようだ」

 

獄寺「んなっ!? あれはUMAじゃないんですか!?」

 

超炎真「絶対違うと思うよ、獄寺君……」

 

葉「あとあいつらはあんな見た目だけど、攻撃した対象を分解させる厄介な能力があるらしいから油断しない方が良いぞ」

 

蓮「フンッ、なるほどな。道理で貴様が手こずる訳だ。だが、あんな奴等に負ける俺では無い! 行くぞ、馬孫!」

 

馬孫『はっ、坊っちゃま!』

 

ホロホロ「俺らもやるぜ、コロロ!」

 

コロロ『クックルク〜!』

 

 

蓮は道家の至宝である宝剣ーー『宝雷剣』、ホロホロはアイヌ民族が儀式で使用する木製の祭具ーー『イクパスイ』とそれぞれの媒介を構える。

 

 

獄寺「俺達もだ! 来い、瓜!」

 

瓜「にょおん!」

 

山本「次郎! 小次郎!」

 

次郎「ワン!!」

 

小次郎「ピィィ!!」

 

 

獄寺はベルトのバックルの形をした嵐のボンゴレギアーー『嵐のバックルVer.X(イクス)』から嵐猫Ver.X(ガット・テンペスタ バージョン・イクス)の『瓜』を、山本は首に掛けてあるネックレスの形をした雨のボンゴレギアーー『雨のネックレスVer.X(イクス)』から雨犬Ver.X(カーネ・ディ・ピオッジャ バージョン・イクス)の『次郎』と雨燕Ver.X(ローンディネ・ディ・ピオッジャ バージョン・イクス)の『小次郎』を呼び出す。

 

そして……

 

 

獄寺「行くぜ、瓜! 形態変化(カンビオ・フォルマ)だ!!」

 

瓜「ニャアアアアアアア!!」

 

山本「次郎、小次郎! 形態変化(カンビオ・フォルマ)!!」

 

次郎「ワオオオオオオオン!!」

 

小次郎「ピィィィィィィィィ!!」

 

蓮「馬孫! 憑依合体 IN 宝雷剣!!」

 

ホロホロ「コロロ! 憑依合体 IN イクパスイ!!」

 

 

獄寺と山本は瓜・次郎・小次郎を形態変化させ、蓮とホロホロは馬孫とコロロを自身の媒介に憑依させた。

 

4つの眩い光が治まると……

 

口に赤色の炎が灯ったパイプ型の発火装置を咥え、目にはサングラスのようなものを掛け、体中にダイナマイトを帯びたベルト、周囲に展開した髑髏の装飾が施された黒い輪っかの形をした『SISTEMA C.A.I.(スィステーマ シーエーアイ)』のシールド、さらには10年後の戦いで使用していた髑髏の形をした火炎放射器ーー『赤炎の矢(フレイムアロー)』を左腕に装備した獄寺

 

大昔の剣客のような和服を身に纏い、柄の先端部分にそれぞれ小次郎と次郎の顔を模した金属の装飾が施された二本の刀を鞘に納めた状態で両腰に装備した山本

 

媒介の宝雷剣により千変万化する形状に、様々な武具へと姿を変える中国4000年の武の歴史を具現するO.S『スーパー武神』を具現化と共に、葉のスピリット・オブ・ソードのようにサイズを凝縮させた蓮

 

媒介の祭具であるイクパスイによりコロロの力がより強く引き出され、高い氷結速度と大規模な攻撃を可能にする大きな鳥の頭に近い形をしたO.Sを具現化させたホロホロ

 

……それぞれの形態変化とO.Sを果たした獄寺・山本・蓮・ホロホロの4人の姿が露わになるのだった。

 

 

葉「おお〜、ツナと炎真の友達も動物を武器に変化させられるんだな♪」

 

阿弥陀丸『獄寺殿も山本殿も大変イカした姿でござる!♪』

 

超ツナ「葉の友達も武器に霊を取り憑かせられるんだな」

 

超炎真「オーバーソウルだっけ? あの2人のも凄そうだね」

 

葉「ウェッヘッヘッ、まあな♪ さて、これで何とかなりそうかな? もうひとふんばりするぞ、阿弥陀丸!」

 

阿弥陀丸『おう!』

 

超ツナ「俺達もだ!」

 

超炎真「うん!」

 

ボオッ!!

 

 

頼もしい4人の戦友達の登場によりツナ・炎真・葉の3人の士気が高まり、ツナと炎真は死ぬ気の炎を強く燃え上がらせながら拳を構え、葉は再び阿弥陀丸を春雨とフツノミタマノツルギに憑依させ、サイズを凝縮したスピリット・オブ・ソードを具現化させる。

 

1万近くのアルカ・ノイズの大群に対し、7人の少年達の反撃が今開始される……!

 

 

To Be Continue……



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第6話 アルカ・ノイズ軍団を討て! 炸裂の超(ハイパー)コンビネーション

獄寺・山本・蓮・ホロホロの頼もしい戦友達の登場により士気を高めるツナ・炎真・葉。

 

数では相変わらず1万近くいるアルカ・ノイズ軍団に負けているが、3人だけで戦っていた時とは打って変わり、7人になったことでできることの幅が広がっていた。

 

そして、それは……

 

 

葉「うしっ、頭数が増えたからこれでツナと炎真の技を放つ為の時間稼ぎができるな♪」

 

 

ツナと炎真の大技を出す為の時間稼ぎが可能になったことを意味していた。

 

2人をよく知る獄寺と山本は葉の言った言葉を即座に理解する。

 

 

獄寺「なるほど、確かにこの数をまとめて一掃するには十代目の『X BURNER』と古里の『ブラックホール』しかねえな」

 

山本「そんじゃ、俺達はツナ達の技の準備ができるまでの時間稼ぎに専念だな♪」

 

 

獄寺はベルトから大量のダイナマイトを取り出し、山本は腰の鞘から次郎と小次郎の2本の刀を抜刀し、戦闘態勢に入る。

 

 

蓮「葉、こいつらをアテにして大丈夫なんだな?」

 

葉「おう。ツナと炎真はシャーマンじゃないけど、めちゃくちゃ強いから頼りになるぞ♪」

 

蓮「フッ、そうか……では、俺もこいつらの技の時間稼ぎに協力してやろう」

 

ホロホロ「まあ葉がそこまで言うなら、俺もダチを信じて時間稼ぎに協力するぜ!♪」

 

 

ツナと炎真に会ったばかりの蓮とホロホロも、友達である葉の言葉を信じ、時間稼ぎに協力することにするのだった。

 

 

超炎真「ありがとう、皆」

 

超ツナ「やるからには必ず決めてみせる。技の準備ができるまでの間、何とか堪えてくれ」

 

葉「おう♪」

 

山本「任せろツナ、炎真♪」

 

獄寺「十代目達には指一本触れさせません!」

 

蓮「フンッ、貴様らの準備が完了するまでにこいつらを片付けてしまっても文句言うなよ?」

 

ホロホロ「相変わらずのトンガリっぷりだな、オメエは! まあ、こっちのことは気にしないで大丈夫だぜ!♪」

 

 

そう言って葉・獄寺・山本・蓮・ホロホロの5人はツナと炎真を守るように前に立ち……

 

 

獄寺「山本、俺は十代目達を守りながら後方から援護する! 前衛は任せたぜ!」

 

山本「OK、任せとけ!♪」

 

葉「オイラ達も前衛で戦うぞ、阿弥陀丸!♪」

 

阿弥陀丸『承知したでござる!』

 

蓮「俺達も前で攻めるぞ、馬孫!」

 

馬孫『はっ!』

 

ホロホロ「んじゃ、俺とコロロは獄寺と一緒に後ろから援護してやるぜ!」

 

コロロ『クックルク〜ッ!』

 

 

葉・山本・蓮が前衛、獄寺・ホロホロが後衛と役割分担し、迫り来るアルカ・ノイズ軍団との交戦を開始しようとしていた。

 

 

ホロホロ「初っ端から派手に行くぜ! くらえ! カウカウプリウェンペ(荒くれものの雹)!!」

 

獄寺「果てろ! ロケットボムVer.X!!」

 

 

戦闘開始と同時に、獄寺が大量の推進器付きの追尾型ダイナマイトを、ホロホロが大気中の水分を凍らせて作り出した無数の氷の塊をそれぞれ放ち、飛行型を中心に複数のアルカ・ノイズを爆破または凍結させて撃墜する。

 

 

ホロホロ「へへっ、やるじゃねえか!♪」

 

獄寺「へっ、そっちもな! 自然の力を操れるなんて、シャーマンってのは大したもんだぜ!♪」

 

ホロホロ「まあな! けど、こんなのはまだ序の口! 俺とコロロの力をもっと見せてやるぜ! モソソクルッペ(眠っている者を目覚めさせる霜)!!」

 

獄寺「なら、俺も嵐の守護者の怒涛の攻めを見せてやるぜ! 赤炎の矢(フレイムアロー)!!」

 

 

獄寺は左腕の髑髏型の火炎放射器から放つ嵐の炎のレーザーで、ホロホロは凍らせた地面から突き出た霜柱でアルカ・ノイズを撃墜しながら、後方にいるツナと炎真の護衛を務めていた。

 

一方、前衛を務める葉・山本・蓮の3人はアルカ・ノイズに向かって駆け出す。

 

 

山本「よし、俺らもやるか! ええと……」

 

葉「オイラは麻倉葉だ。葉って呼んで良いぞ♪」

 

山本「よろしくな、葉。俺は山本武、好きな方で呼んでくれ♪」

 

葉「んじゃ、武って呼ばせて貰うな♪」

 

山本「おう♪」

 

 

片やユルユルな、片や天然な少年2人が和やかな雰囲気で呑気に自己紹介をしていると……

 

 

蓮「そこのユル天然コンビ! 呑気に自己紹介している場合か!? 目の前の敵に集中しろ!」

 

葉「おお、すまんすまん♪」

 

山本「ははは、悪りぃ悪りぃ♪」

 

蓮「はあ、まったく……」

 

 

蓮から叱咤されてしまうのだった。

 

改めて目の前の敵に集中した3人は……

 

 

蓮「まずは俺から行かせて貰おう! 受けるがいい! 我が必殺の刀幻鏡!!」

 

 

先陣を切った蓮が地面にスーパー武神の刀身を地面に突き刺すと、具現化された無数の槍や刀が地面から広範囲に渡って突き出し、大量のアルカ・ノイズを貫いて破壊する。

 

 

山本「おおっ、凄えな!♪」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、相変わらず蓮のO.Sは迫力があるなぁ♪」

 

山本「俺達も負けてられないな♪ 行くぜ、葉!」

 

葉「おう!」

 

 

葉はスピリット・オブ・ソードを、山本は雨の炎を灯した次郎と小次郎の2本の刀をそれぞれ構えると……

 

 

葉「阿弥陀流……後光刃!!」

 

山本「時雨蒼燕流 攻式八の型……篠突く雨!!」

 

 

鋭い斬撃を放ち、近くにいた複数のアルカ・ノイズ達をまとめて斬り裂くのだった。

 

 

阿弥陀丸『おおっ、見事な剣技でござるな! 何という流派でござるか?』

 

山本「時雨蒼燕流って言うんだ。俺の親父から教わった完全無欠・最強無敵の剣術さ♪」

 

阿弥陀丸『時雨蒼燕流……聞いたことが無い流派でござるが、完全無欠・最強無敵とは大きく出たでござるな! この戦いを切り抜けたら、是非拙者の阿弥陀流と勝負をして欲しいでござる!』

 

葉「って阿弥陀丸が言ってるけど良いか、武?」

 

山本「ああ、良いぜ。俺も本物の侍と勝負してみたいしな♪」

 

馬孫『抜け駆けとは感心せんな、阿弥陀丸殿! 坊っちゃま、私も武将として完全無欠・最強無敵の剣術と勝負してみたいです!』

 

蓮「フッ、良いだろう。完全無欠・最強無敵と言われたら、黙ってはおられんからな!」

 

山本「ははは、何か楽しくなって来たな。それじゃ、こいつらをサクッと片付けようぜ!♪」

 

葉「おう!♪」

 

蓮「フンッ、当然だ!」

 

 

そう言って気合いを入れ直した葉・山本・蓮の3人はアルカ・ノイズに向かって行き……

 

 

蓮「散るがいい! ゴールデン中華斬舞!!」

 

 

蓮がスーパー武神の黄金に輝く刀身から繰り出す無数の突きで大量のアルカ・ノイズを薙ぎ払い……

 

 

葉「阿弥陀流、真空仏陀斬り!!」

 

山本「時雨蒼燕流 特式十の型、燕特攻(スコントロ・ディ・ローンディネ)!!」

 

 

葉がスピリット・オブ・ソードから真空の刃を放ち、山本は右手の刀から出した小次郎が放出する雨の炎を水をえぐるように巻き上げながら突進し、大型のアルカ・ノイズを斬り裂く。

 

葉・獄寺・山本・蓮・ホロホロの5人がアルカ・ノイズ軍団と激しく交戦する中……

 

 

超ツナ「オペレーションX(イクス)……!」

 

『了解シマシタ、ボス。X BURNER(イクスバーナー)、発射シークエンスヲ開始シマス』

 

 

ツナが彼自身の必殺技の一つである技を放つ為の発射プログラム『オペレーションX(イクス)』を発動させると、彼の声に連動してヘッドホンから機械音声が発せられ、さらには両目に装着しているコンタクトディスプレイには上下に二つのゲージが表示され、その中心には複数のアルカ・ノイズ達をターゲットとしてロックオンしようとしていた。

 

それを確認したツナは右手を後ろへと向けると柔の炎を逆噴射し……

 

 

『ライトバーナー、柔ノ炎、10万……15万……』

 

 

柔の炎の出力を上げて行き、ある程度の出力まで上がったところで柔の炎の逆噴射を一旦止めると……

 

 

『レフトバーナー、剛ノ炎、グローブクリスタル二充填開始。 10万……15万……』

 

 

今度は左手のXグローブの手の甲にあるクリスタル部分に剛の炎を充填し始め、Xグローブは橙色の輝きを放っていた。

 

一方、炎真はと言うと……

 

 

超炎真「はあああ……っ!!」

 

 

両手に大地の炎を収束し、高重力のエネルギーを生成していた。

 

大技の準備に入るツナと炎真に、飛行型のアルカ・ノイズ達が攻撃を仕掛けようとするが……

 

 

獄寺「邪魔させるかよ!」

 

 

獄寺が嵐のバックルVer.XからSISTEMA C.A.I.の一つである弾倉ベルトのような形をしたカートリッジを取り出し、左腕の赤炎の矢に接続すると、右手に装着している黒い髑髏型のリングーー『C.A.I.リング』から灯した黄色の炎ーー晴の炎をカートリッジへと注入する。

 

注入が終わると同時に、獄寺はカートリッジを接続した赤炎の矢を飛行型のアルカ・ノイズに向けると……

 

 

獄寺「嵐+晴! フレイムランチャー!!」

 

 

先程までの赤い炎のレーザーでは無く、嵐と晴の炎を帯びた弾丸が連射して放たれる。

 

放たれた弾丸は晴の炎の特性である『活性』によって速度が不規則に加速し、飛行型のアルカ・ノイズを次々に撃ち落として行く。

 

アルカ・ノイズ達は標的をツナと炎真から獄寺に変え、攻撃を仕掛けるが……

 

 

獄寺「甘えんだよ! SISTEMA C.A.I.!!」

 

 

獄寺は周囲に展開している中央に透明な障壁が張られたSISTEMA C.A.I.のシールドでその攻撃を防ぐ。

 

SISTEMA C.A.I.のシールドの障壁は『分解』の特性を持つ嵐の炎と『鎮静』の特性を持つ雨の炎で形成されていることから、相手の攻撃は鎮静で弱体化と共にエネルギーが分解されて行き、さらには電気のような形をした緑色の炎ーー雷の炎の特性である『硬化』によってシールドの強度が増しているので、分解の能力を持つアルカ・ノイズと言えど突破することは容易では無い。

 

そして獄寺はSISTEMA C.A.I.のシールドに集まっているアルカ・ノイズに対し、嵐のバックルVer.Xから鉤爪がついたカプセルのような形をしたカートリッジを取り出して赤炎の矢に装着し、C.A.I.リングから灯した雷の炎を注入すると……

 

 

獄寺「果てろ! 赤炎の雷(フレイムサンダー)!!」

 

 

赤炎の矢から雷の炎の硬化によって威力を増した赤い炎のレーザーを放ち、アルカ・ノイズ達を撃ち抜いて破壊する。

 

だが、それでも別のアルカ・ノイズ達が獄寺を倒そうと躍起になっているかのように突進して来る。

 

そこへ……

 

 

ホロホロ「調子に乗ってんじゃねえ!」

 

 

ホロホロがO.Sの形状を鳥の頭に似た形から剣の形へと変えると……

 

 

ホロホロ「くらえ! ネイケフイケキロロ(どことして何一つ非のうちどころのない力)!!」

 

 

アルカ・ノイズ達を一刀両断すると同時に巨大な氷の中へと閉じ込めた。

 

 

獄寺「悪りぃ、助かった!」

 

ホロホロ「なぁに、良いってことよ♪ にしても、こいつらどんだけいんだ? キリがないぜ」

 

獄寺「十代目から聞いた話じゃ1万だとよ。まあ、どんだけいようが十代目達に指一本触れさせねえ!」

 

ホロホロ「おおっ、頼もしいこたぁ♪ んじゃ、行くぜ!」

 

獄寺「ああ! 足引っ張んじゃねえぞ! ロケットボムVer.X!! 赤炎の矢!!」

 

ホロホロ「へっ、そっちこそ! カウカウプリウェンペ!! モソソクルッペ!!」

 

 

獄寺とホロホロは再び激しい攻撃でアルカ・ノイズ達を殲滅して行く。

 

一方、前衛で戦う葉・山本・蓮はと言うと……

 

 

山本「時雨蒼燕流 守式四の型、五風十雨!!」

 

 

山本が相手の呼吸に合わせて攻撃を躱す回避奥義でアルカ・ノイズの攻撃を躱し、左手に持っていた次郎の刀を鞘に納めると同時に雨のネックレスVer.Xから3本の小刀を取り出し、その小刀から雨の炎を逆噴射させて飛翔すると……

 

 

山本「守式四の型から特式十一の型……燕の嘴(ペカッタ・ディ・ローンディネ)!!」

 

 

右手に持つ小次郎の刀から無数の突きを繰り出し、何体かのアルカ・ノイズを纏めて斬り刻んで倒して行く。

 

 

葉「超・占事略決……巫門遁甲!!」

 

 

葉もアルカ・ノイズ達から感じるエネルギーを頼りに巫門遁甲を使用し、攻撃を回避すると……

 

 

葉「阿弥陀流、後光刃!!」

 

 

スピリット・オブ・ソードによる一閃で複数のアルカ・ノイズを纏めて斬り裂く。

 

 

蓮「ほう……その妙な回避技と言い、あれからさらに腕を上げたようだな。葉」

 

葉「ヘヘッ、まあな。伊達にアンナの地獄の修行を受けてないさ♪」

 

蓮「フッ、そうか……ならば、貴様の技を盗ませて貰おう! 超・占事略決……巫門遁甲!!」

 

葉「うええっ!?」

 

阿弥陀丸『な、何と!?』

 

 

蓮は葉が使用していた巫門遁甲を見ただけで覚えたのか、完全に再現するかの如くアルカ・ノイズの攻撃から感じるエネルギーの波を見極めて受け流し、完璧に回避すると……

 

 

蓮「武神!!」

 

 

スーパー武神による一閃で複数のアルカ・ノイズを纏めて斬り裂く。

 

 

蓮「どうだ、葉? 貴様がやっていたのと遜色は無いだろう?」

 

葉「す、凄えな、蓮。オイラがやったのを見ただけで巫門遁甲を覚えちまうなんて」

 

蓮「フンッ、当然だ。貴様に出来て俺に出来ないものなど無いからな」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、そうか♪ んじゃ……オイラもお前の技を1つパクらせて貰うとするか!」

 

蓮「な、何っ!?」

 

 

そう言って葉はスピリット・オブ・ソードを突きの構えにした状態で突撃すると……

 

 

葉「阿弥陀丸、新技行くぞ!」

 

阿弥陀丸『承知!』

 

葉「阿弥陀流……斬光時雨!!」

 

 

閃光の如く速く、豪雨の如く激しい無数の突きを繰り出し、複数のアルカ・ノイズを纏めて切り刻んで破壊する。

 

 

馬孫『ぼ、坊っちゃま! 今の技は、もしや……!』

 

蓮「き、貴様、まさか俺達の中華斬舞を……!」

 

葉「ヘヘッ、そう言うこと。お前に出来たことをオイラも出来たぞ♪」

 

蓮「……フフフ……フハハハハッ!! まったく、貴様と言う奴は侮れん奴よ!」

 

 

蓮は葉に自身と馬孫の技を真似されて怒るどころか、寧ろ面白いとばかりに高笑いしていた。

 

 

蓮「だが、俺は負けん! 貴様より多くこいつらを倒す! 行くぞ、馬孫!!」

 

馬孫『はっ!』

 

葉「ウェヘッヘッヘッ♪ オイラ達も負けてられねえな、阿弥陀丸!」

 

阿弥陀丸『そうでござるな、葉殿! 参りましょう!』

 

 

葉と蓮は共に駆け出し、互いに競うようにアルカ・ノイズ達を倒して行く。

 

時間稼ぎを務める葉達5人の活躍により、1万近くいたアルカ・ノイズ達の数は半分近くへと減っていた。

 

そこへ畳み掛けるように……

 

 

葉「阿弥陀流、大後光刃!!」

 

 

葉が巨大化させたスピリット・オブ・ソードによる無数の斬撃で斬り裂き……

 

 

獄寺「嵐+雲! フレイムインフレーション!!」

 

 

獄寺が嵐のバックルVer.Xから新たに取り出したカートリッジを赤炎の矢に装着し、C.A.I.リングから灯した紫色の炎ーー雲の炎をカートリッジに注入後、雲の炎の特性である『増殖』により枝分かれた赤い炎のレーザーで撃ち抜き……

 

 

山本「時雨蒼燕流 特式十三の型・右太刀……雨大燕(ローディネ・グランデ・ピオッジャ)!!」

 

 

山本が新たに編み出した型で、居合の構えから小次郎の刀を抜刀し、抜刀と同時に放たれた巨大な燕の形をした雨の炎の斬撃で斬り裂き……

 

 

蓮「四閃刀幻境!! 槍! 刀! 戟! 多刃!!」

 

 

蓮がスーパー武神を槍や刀等の様々な武具に変化させながらの連続攻撃で貫き……

 

 

ホロホロ「コロロ最大の冷技を受けやがれ! エピッタルキウパシホルッケ(全てをのみこむ雪崩)!!」

 

 

ホロホロが媒介をイクパスイからスノボに切り替えると大量の雪を作り出し、街中であるにも関わらず巨大な雪崩を……って、雪崩!?

 

 

ホロホロ「イッヤホローーーッ!!♪」

 

獄寺「んなーーーっ!? 雪崩ーーー!?」

 

葉「ホロホローーー!?」

 

山本「お、おいおい……!?」

 

蓮「貴様ーーー!! 何をやっているかーーー!?」

 

ホロホロ「あ! わ、悪りぃ! ついテンションに任せてやっちまった! そう言う訳なんで、皆……何とか避けてくれーーーー!!」

 

葉・山本『ええええええっ!?』

 

獄寺・蓮『ふさけんな/ふざけるなーーーーーー!!!』

 

 

葉と蓮はO.Sを逆噴射させ、獄寺はSISTEMA C.A.I.の1つである炎のホバーで移動し、山本は小刀3本で飛翔して何とか緊急回避し、ホロホロが発生させた雪崩はアルカ・ノイズ達を飲み込んだ。

 

その後、テンションに任せて雪崩を発生させると言うおバカをやらかしたホロホロはと言うと……

 

 

蓮「この馬鹿者が!!」

 

獄寺「状況考えて技を使え、この馬鹿!!」

 

ホロホロ「す、すびばせん(すみません)……」

 

葉・山本『あははは……』

 

 

激怒した蓮と獄寺にボコボコにされると同時に説教され、やらかしたホロホロはボロボロの状態で正座して反省していた(苦笑)

 

その様子を後ろで見ていた葉と山本は苦笑するばかりであった。

 

一方でアルカ・ノイズは言うと、葉達の攻撃とホロホロの雪崩で一気に数が半分以下に減ったものの、上手く雪崩から逃げられた個体がいたのか、まだまだ数は多かった。

 

 

葉「うへえ〜、まだいるんか……」

 

獄寺「ったく、数だけは多いぜ!」

 

山本「あはは、本当にな」

 

蓮「泣き言を言っても始まらん。こいつらを倒すしか無いのだからな。ところでホロホロ、巫力はまだあるんだろうな?」

 

ホロホロ「……悪りぃ、さっきのでほとんど使い切っちまった……」

 

獄寺・蓮『馬鹿野郎/馬鹿者ーーーー!!!』

 

ホロホロ「ほんと、すまねえ!!」

 

山本「まあまあ。って言っても、俺や獄寺も炎をだいぶ消費しちまったな……」

 

葉「オイラも蓮も巫力はそんなに残ってねえ。何とかツナと炎真が技を放つ準備が終わるまで持たせないと……」

 

 

葉や獄寺達の巫力や死ぬ気の炎がもうじき切れそうになると言う危機的状況の中……

 

 

超炎真「皆、お待たせ! そこから離れて!!」

 

葉・獄寺・山本・蓮・ホロホロ『っ!』

 

 

技の準備ができたのか、炎真が葉達にその場から離れるように警告する。

 

 

獄寺「やっと準備ができたか! 山本!」

 

山本「ああ! 葉達もここを離れるんだ!」

 

葉「お、おう!」

 

蓮「フンッ、わかっている!」

 

ホロホロ「あいつが何すんのか知らねえが、わかったぜ!」

 

 

葉や獄寺達は炎真に言われた通りアルカ・ノイズ達から距離を取る。

 

それを確認した炎真は……

 

 

超炎真「超重力BH(スーペル・グラヴィタ・ブラックホール)!!」

 

 

両手から超重力エネルギーを持った大地の炎をアルカ・ノイズ達に向けて放つ。

 

放たれたその大地の炎は……ブラックホールを形成し、残っていたアルカ・ノイズ達を引力で吸い込んで行く。

 

 

葉「うえええっ!?」

 

ホロホロ「何ーーーっ!?」

 

蓮「こ、これは、ブラックホールなのか!?」

 

山本「ああ、そうだぜ!♪」

 

獄寺「古里は大地の炎を使って重力操作ができるからな! その気になりゃ、今みたいなブラックホールを作り出せるんだ!」

 

ホロホロ「マジかよ!?」

 

葉「え、炎真、凄えな……」

 

蓮「ちょ、ちょっと待て! ブラックホールで残りのアルカ・ノイズと言う奴らを吸い上げるのは良いが、その後はどうするのだ!? このままだと俺達も直に吸い込まれるぞ!?」

 

山本「ははは、心配すんなって! この後ツナがブラックホールごとアルカ・ノイズって奴を消し飛ばしてくれるしな!♪」

 

獄寺「十代目のX BURNERには古里のブラックホールを消し飛ばせるだけの威力があるからな!」

 

葉・蓮・ホロホロ『はああっ!?』

 

 

獄寺と山本のその言葉に葉達がツナのいる方へ視線を向けると……

 

 

超炎真「トドメは任せたよ、ツナ君!」

 

『ゲージシンメトリー!! X BURNER、発射スタンバイ!!』

 

超ツナ「ああ……任せろ!」

 

 

丁度良く必殺技の発射準備を終えたツナの姿があり、今にも発射しようとしていた。

 

それを見た獄寺と山本は……

 

 

山本「獄寺!」

 

獄寺「わかってる! お前ら、絶対に俺らから離れるなよ! じゃねえと、爆発の余波で吹き飛ばされるぞ!」

 

葉・ホロホロ『ええええっ!?』

 

蓮「な、何だと!?」

 

 

葉達の前に立ち、この後の爆発の余波に備えて獄寺はSISTEMA C.A.I.のシールドで、山本は雨の炎を灯した次郎と小次郎の2本の刀で防御の構えを取る。

 

そして……

 

 

超ツナ「X BURNER超爆発(イクスバーナー・ハイパーイクスプロージョン)!!」

 

 

ツナはXグローブのクリスタル部分にチャージした剛の炎を解放し、左手から凄まじい高密度のエネルギーと化した巨大な橙色の炎ーー『X BURNER』を、炎真のブラックホールに吸い込まれて身動き取れないアルカ・ノイズ達に向けて放つ。

 

X BURNER……後ろに回した片方のXグローブから逆噴射した出力調整が容易な柔の炎で姿勢を制御し、相手に向けたもう片方のXグローブから出力調整が難しいが爆発的なエネルギーを持った剛の炎を巨大な砲撃のように放つツナの代名詞とも言える技で、この技を使用する際はコンタクトディスプレイとヘッドフォンによる発射誘導プログラムーーオペレーションXで柔の炎と剛の炎の2つの炎圧を安定させている。

 

そして、ツナが今放ったのは通常のX BURNERの炎圧を規定値以上まで上げ、さらなる破壊力を持った『X BURNER 超爆発(イクスバーナー・ハイパーイクスプロージョン)』である。

 

ツナのX BURNERは真っ直ぐにアルカ・ノイズ達とブラックホールへと向かって行き、それらを全て飲む込むと……大規模の爆発を発生させ、爆発の余波として激しい爆風が葉や獄寺達に襲い掛かる。

 

 

獄寺・山本『ぐっ!?』

 

葉・蓮・ホロホロ『うわあああああああっ!!?』

 

 

獄寺と山本は死ぬ気の炎を最大出力で放出して葉達を爆風から守り、葉・蓮・ホロホロの3人は残りの巫力を振り絞って具現化したO.Sを地面に刺し、吹き飛ばされないよう踏ん張っていた。

 

暫くして爆風が収まると……

 

 

葉「ふえ〜、やっと爆風が収まった……って、うええっ!?」

 

ホロホロ「何ーーーッ!?」

 

蓮「ば、馬鹿な!?」

 

 

葉・蓮・ホロホロの3人は信じられないものを目にする。

 

彼らの視線の先にはアルカ・ノイズの大群は疎かブラックホールも跡形無く消えており、残っているのは地面にできた巨大なクレーターのみであった。

 

 

葉「つ、ツナ、凄え……」

 

ホロホロ「ま、マジかよ、ブラックホールごと消し飛ばしやがった……」

 

蓮「し、信じられん、何て威力だ……」

 

阿弥陀丸『つ、ツナ殿が味方で、本当に良かったでござる……』

 

馬孫『た、確かに……ツナ殿、末恐ろしい方だ……』

 

コロロ『く、クル〜……』

 

 

葉達シャーマン&持霊組はブラックホールを消し飛ばしたツナのX BURNERのあまりの威力に戦慄し、ツナが味方で良かったと思うのだった(笑)

 

 

獄寺「流石は十代目! お見事です!♪」

 

山本「あははは、やっぱツナは凄えな♪」

 

 

獄寺と山本は既に見慣れた光景なので、笑顔でツナを称賛していた。

 

 

超ツナ「ふう……」

 

超炎真「お疲れ様、ツナ君。 X BURNER、流石の威力だね♪」

 

超ツナ「炎真もお疲れ様。ブラックホールでアルカ・ノイズ達を一箇所に集めてくれて助かったよ」

 

超炎真「えへへ、どういたしまして♪」

 

 

空中にいるツナと炎真は拳を軽く合わせながら、互いに労うのだった。

 

こうして戦闘は終了し、ツナ・炎真・葉・獄寺・山本・蓮・ホロホロの7人の少年達と1万のアルカ・ノイズ軍団の戦闘は、7人の少年達の完全勝利により幕を閉じるのだった……

 

 

To Be Continue……



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第7話 S.O.N.Gへ……

1万のアルカ・ノイズ軍団を倒したツナ・炎真・葉・獄寺・山本・蓮・ホロホロの7人の少年達。

 

ツナ・炎真・獄寺・山本のボンゴレ組(炎真は違うが)はハイパー化やギアアニマルの形態変化を、葉・蓮・ホロホロのシャーマン組はO.Sをそれぞれ解除し、ひと息ついていた。

 

 

ツナ「はあ〜、何とか倒せた……」

 

炎真「流石に疲れたね……」

 

獄寺「お疲れ様です、十代目!♪」

 

山本「お疲れさん、ツナに炎真♪」

 

炎真「獄寺君も山本君もお疲れ様♪」

 

ツナ「2人ともありがとう。時間を稼いでくれたおかげで何とかなったよ♪」

 

獄寺「いえいえ! 十代目の右腕として当然のことをしたまでです!♪」

 

山本「だな。 あ、因みにツナの右腕は俺な♪」

 

獄寺「なっ、この野球バカ! 俺から右腕の座を奪おうとは良い度胸じゃねえか!!」

 

山本「お、やるか? 言っとくけど、ツナの右腕は譲らないぜ♪」

 

獄寺「上等だ! 今日こそ白黒付けてやる!!」

 

ツナ「ちょっ、ちょっと獄寺君に山本!? 喧嘩しちゃダメだってば!」

 

炎真「ふ、2人とも落ち着いて!」

 

 

ツナの右腕の座をかけて争う獄寺と山本、2人の争いを止めようとするツナと炎真。

 

そんなボンゴレ組(炎真は違うが)の様子を遠巻きに見ていた葉達シャーマン組はと言うと……

 

 

ホロホロ「なあ、獄寺と山本は何を言い争ってるんだ?」

 

蓮「知るか。それにしてもあのツナと言う男、先程と雰囲気がまったく違う様だが、二重人格と言う奴なのではないか?」

 

ホロホロ「だよな。さっきブラックホールを消し飛ばした奴と同一人物とは思えねえぜ」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、まあ良いじゃねえか。ツナが良い奴なのは間違いねえんだからよ♪」

 

ホロホロ「そう言う問題か!? まあ、それは俺も同意するけどよ」

 

蓮「フンッ、まあいい……ところで葉、貴様達がここで何をしていたか聞いても良いか?」

 

葉「おう、良いぞ♪」

 

 

葉はここへ至るまでの経緯……オートスコアラーやキャロル、そして彼女達の目的である世界解剖計画ーー万象黙示録のことを含めて蓮とホロホロに話す。

 

 

蓮「キャロル・マールス・ディーンハイム……まさか、錬金術師なんてものが存在するとはな……」

 

ホロホロ「世界を知る為に世界を壊すって、明らかに矛盾してるじゃねえか! そのキャロルって奴はイカれてんのか!?」

 

葉「さあな、キャロルが何を思ってそれをやろうとしているのかはわからねえ……けど、少なくともあいつが本気だってことは確かだ。だから、オイラはキャロルのことを放っておく訳にはいかん」

 

ホロホロ「葉……」

 

蓮「……キャロルと言う奴の計画を阻止する為に動く気か?」

 

葉「ああ。それに……世界の救世主ーーシャーマンキングを目指す身としては、世界の危機に立ち上がらない訳にはいかんだろ?♪」

 

 

葉はゆるやかに笑いながら、キャロルの万象黙示録を止める決意を口にする。

 

 

蓮「フッ、確かにな。貴様が世界の危機に立ち向かうと言うのなら、俺も黙って見ている訳にはいかんな」

 

馬孫『仰る通りです、坊っちゃま!』

 

ホロホロ「俺も力を貸すぜ、葉! 世界が壊されそうになってるって時に、黙って見てるなんてできねえからな!」

 

コロロ『クックルク〜ッ!♪』

 

葉「蓮、ホロホロ……ウェヘッヘッヘッ、あんがとな♪」

 

 

協力してくれる蓮とホロホロに、葉は嬉しそうに笑いながら感謝の言葉を口にする。

 

そこへ……

 

 

ツナ「葉君達もキャロルの計画を止めるつもりなんだね」

 

炎真「僕達と同じだね」

 

 

獄寺と山本の言い争いを止めたツナと炎真が2人を引き連れてやって来た。

 

因みにツナと炎真は獄寺と山本にキャロル達のことを説明済みである。

 

 

葉「おおツナに炎真、お疲れさん。最後の奴、凄かったぞ〜♪」

 

炎真「葉君達もお疲れ様♪」

 

ツナ「葉君達が時間稼ぎしてくれたおかげだよ。本当にありがとう♪」

 

葉「どういたしまして♪ そういや僕達と同じって言ってたけど、ツナや炎真達もキャロルの計画を阻止する為に戦うんか?」

 

炎真「うん、あんな話を聞いたからには黙っている訳にいかないよ」

 

ツナ「まあ俺達の場合は、大切な家族や友達、仲間を守る為に戦うと言うのが正直なところだけどね」

 

獄寺「良いじゃないですか、十代目! その方が俺達らしいっすよ!♪」

 

山本「ははは、確かにな♪」

 

 

ツナや炎真達も葉達と同様キャロルの万象黙示録を止める為……そして大切な家族や友達、仲間を守る為に戦うことを決意する。

 

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、オイラ達も似たようなもんさ♪」

 

ホロホロ「まあな。俺達も世界の為にってよりかは家族や友達の為にって言う想いの方が強いからな♪」

 

蓮「フンッ……自身にとって大事なものを守りたいと言う気持ちが強いのは当然だ。それを疎かにする様では、結局何も守れんからな」

 

 

葉達もツナ達の戦う理由に共感していた。

 

世界の救世主ーーシャーマンキングを目指す身とは言え、葉達にとって1番大事なのが家族や友達と言う身近な存在であるのはツナ達と変わらないのだ。

 

 

葉「そんな訳で……改めてオイラ達と一緒にキャロルの計画を阻止しようぜ♪」

 

ツナ「うん。改めてよろしく、葉君♪」

 

 

ツナと葉は共に戦うことを決め、固い握手を交わした。

 

 

ツナ「あ、そうだ。まだそっちの2人にはちゃんと自己紹介して無かったね。俺は沢田綱吉、皆からはツナって呼ばれてます♪」

 

炎真「古里炎真です。改めてよろしく♪」

 

道蓮「道蓮、中国出身のシャーマンだ。こっちは俺の持霊の馬孫だ」

 

馬孫『蓮坊っちゃまの持霊の馬孫でございます! 改めてよろしくお願い致します!♪』

 

ホロホロ「俺は北海道出身のアイヌ民族のシャーマン、ホロホロ。んで、こっちは俺の持霊でコロポックルの精霊のコロロだ。改めてよろしくな、ツナ、炎真!♪」

 

コロロ『クックルク〜ッ!♪』

 

葉「オイラも武と獄寺にちゃんと自己紹介しとかねえとな。オイラは麻倉葉、もう知ってると思うけどシャーマンだ。こっちはオイラの持霊の阿弥陀丸だ♪」

 

阿弥陀丸『葉殿に仕えます持霊の阿弥陀丸でござる。山本殿、獄寺殿、改めてよろしくお願い申すでござる♪』

 

獄寺「獄寺隼人だ。十代目ーー沢田綱吉さんの右腕はこの俺だ! よーくこの名を覚えておけ!」

 

山本「山本武だ、改めてよろしくな。因みにツナの右腕は俺ってことで♪」

 

獄寺「てめえ、やんのか野球バカ!?」

 

山本「お、やるか?♪」

 

ツナ「そこ! 喧嘩しちゃダメだってば!」

 

 

そんな感じで改めて自己紹介を終えたところで、今後どうするかについて話し合う。

 

 

獄寺「それで十代目、これからどうします? キャロルってガキの居場所を突き止める為にも、まずは情報収集が必要だと思うんっすけど……」

 

ツナ「確かにそうだけど、まずは一旦家に帰らない? 俺、リボーンにキャロル達のことを話して相談したいし……」

 

炎真「僕もアーデル達に相談したいかな」

 

山本「だな。小僧達にも話さないといけない話だし、笹川先輩達にも手伝って貰おうぜ♪」

 

蓮「そいつらは貴様達のように腕が立つのか?」

 

ツナ「うん、頼りになる仲間だよ♪」

 

ホロホロ「へえ〜、そいつは凄えな! なあ葉、俺達も竜やチョコラブ、ファウスト、リゼルグ達に手伝って貰おうぜ!♪」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、そいつは良いな♪ うっし、オイラ達も一旦家に帰ってアンナに……って、あああああああああっ!!?」

 

葉以外『っ!?』

 

 

葉が突然大声を上げたことに周りの面々は驚く。

 

 

ホロホロ「い、いきなり大声を上げんじゃねえよ! びっくりするじゃねえか!」

 

蓮「騒々しい奴め。何かあったのか?」

 

葉「あ、いや、色々あって忘れてたんだが……実はオイラ、アンナに晩飯の買い出しを頼まれてたんよ……その途中で拾った変な宝石の所為で意識を失って……そんで気が付いた時には一日過ぎちまったもんだから、今頃アンナは夕飯抜きにされてめちゃくちゃ怒ってると思うんよ……」

 

ホロホロ「おいおい、マジかよ!? ってことはお前、このまま帰ったら……!」

 

葉「お仕置きされるに決まってんだろぉ〜(泣)」

 

阿弥陀丸『葉どのぉ~(泣)』

 

ホロホロ「お、お前、相変わらずアンナに尻敷かれてんなぁ……まあ俺もあいつにこき使われたことがあるから、怖え気持ちはよくわかるけどな……」

 

コロロ『クル〜……』

 

 

ホロホロもかつて葉の住んでいる炎にお世話になった際、アンナにめちゃくちゃこき使われた経験があるので、アンナにお仕置きされることに恐怖する葉に同情するのだった。

 

 

蓮「フンッ、あの女に怖気付くとは情けない奴らだ」

 

葉「何言ってんだよ? 蓮だってマンキンの旧アニメのお正月スペシャルで、ビデオで「死にたいの?」って言ってたアンナにビビってたじゃねえか」

 

蓮「ばばば馬鹿を言うな! だ、誰があんな女なんかに……って、貴様は何をメタ発言しておるのだ!?///」

 

ホロホロ「なんだなんだ、流石の蓮もアンナが怖えのか? まあ無理もねえって、あのおっかねえアンナを怖がらない奴なんている訳ねえからな。恥ずかしがることなんかねえぜ♪」

 

蓮「だ、だから、俺はビビってなどいないと……!///」

 

阿弥陀丸『あ! あんな所にアンナ殿が!』

 

葉・蓮・ホロホロ『ぎゃあああああああああっ!!?』

 

 

阿弥陀丸のその発言に葉とホロホロ、そして蓮が悲鳴を上げるが……

 

 

阿弥陀丸『嘘ぴょんでござる♪』

 

 

阿弥陀丸の冗談であった(笑)

 

 

葉「あ、阿弥陀丸〜!(泣)」

 

ホロホロ「お、お前な、冗談でもそう言うのやめろよ! 寿命が尽きたかと思ったじゃねえか!」

 

阿弥陀丸『はははは、申し訳ないでござる。蓮殿が正直にアンナ殿を怖いと言わないので、思わず揶揄ってしまってござるよ♪』

 

蓮「き、貴様〜〜〜!!」

 

馬孫『ぼ、坊っちゃま! どうか落ち着いてください! 血圧が〜!』

 

 

自身を揶揄った阿弥陀丸に怒り心頭の蓮、そんな蓮を宥める馬孫に、苦笑する葉とホロホロ。

 

そんな葉達の様子を遠巻きから見ていたツナ達は……

 

 

獄寺「じゅ、十代目、あいつらが言っているアンナって女なんですが、リボーンさんと同じ感じがするのは俺の気の所為ですかね……?」

 

ツナ「き、奇遇だね獄寺君、俺もさっき同じことを考えてたよ……絶対にリボーンと同じ滅茶苦茶スパルタで、恐ろしい人だと思う……もし、アンナって人とリボーンを会わせたりなんかしたら……!」

 

炎真「ううっ、考えただけでも恐ろしいよ……!」

 

山本「あははは……おっかねえのな……」

 

 

アンナにリボーンと同じイメージを重ねており、2人が出会うことがないことを切に願うのだった……まあツナ達の願いは無情にも打ち砕かれることになるのだが、今の彼らにそれを知る術は無い(笑)

 

 

ツナ「そう言えば、獄寺君と山本達がどうやってここに来たのか聞いてなかったね」

 

山本「ああ、そういやちゃんと話してなかったな」

 

獄寺「俺と山本はリボーンさんに呼び出されて、ボンゴレの化学班が修理したSISTEMA C.A.I.と時雨銀時を受け取った後、日本に来てたコロネロや風に修行をつけて貰ってたんっすよ」

 

炎真「そう言えば、2人の武器は復讐者(ヴィンディチェ)との戦いで壊れたんだったね」

 

ツナ「なるほど……コロネロや風に日本に来ていたのも、リボーンが2人の元へ行ったのもそう言う理由だったんだね」

 

 

炎真の言う通り、獄寺のSISTEMA C.A.I.と山本の時雨銀時は虹の代理戦争の最終戦ーー復讐者(ヴィンディチェ)の『スモールギア』と『ビッグピノ』との戦いで破損してしまったことから、ボンゴレの化学班に修理で預けていたのだ。

 

そして漸く修理が完了したSISTEMA C.A.I.と時雨銀時をリボーンから受け取った獄寺と山本は、同じくリボーンに呼び出されて日本に来ていたコロネロと風に武器の修復具合を確かめるのも兼ねて修行をつけて貰ったのだ。

 

 

山本「武器が完全に直ってんのを確認できた俺らは、家に帰ろうとしたんだけどさ……」

 

獄寺「帰る途中で拾った変な宝石が放った光によって意志を失い、気が付いた時にはここにいたと言う訳です」

 

ツナ「! やっぱり、俺達と同じだ……!」

 

獄寺「十代目達もそうなんですか!?」

 

炎真「うん、僕達もリボーンの修行が終わって帰る途中で種のような形をした宝石を拾ったんだ。そして、その宝石から光が放たれて……」

 

山本「俺らが拾った宝石も種のような形してたぜ。まさかツナ達も同じだったなんて、凄い偶然なのな……」

 

炎真「僕達もびっくりだよ。拾った宝石はどっか行っちゃったし、一体何だったんだろ?」

 

山本「俺達が拾った奴も今は無いんだよなぁ……まあどっか行っちまったものを考えてもしょうがないし、どうやって並盛町に戻るかを考えようぜ」

 

ツナ「そうだね。葉君達も同じ状況みたいだし、一緒に元の場所へ帰る方法を考えよう」

 

 

自分達を並盛町では無い場所へ移動させた正体不明の宝石が気になるが、今手元に無い以上気にしても仕方ないので、並盛町にどうやって戻るかを考えることに切り替えるツナ達。

 

一方葉は阿弥陀丸に揶揄われて怒り心頭だった蓮を何とか宥め、蓮とホロホロにどうやってここへ来たのかを聞いていると……

 

 

葉「蓮とホロホロも変な宝石を拾ったのか!?」

 

ホロホロ「ああ、久しぶりにお前ん家に遊びに行く途中で会った蓮と一緒に向かっていたところで拾ったんだ」

 

 

蓮とホロホロも葉の家である民宿へ向かう途中で、葉と同じように宝石を拾ったとのことである。

 

 

蓮「フンッ、俺は姉さんから頼まれたものを届けに貴様の家に向かっていただけだ」

 

葉「そういや前も星アワビを届けに来てくれてたな。あれ、凄い美味しかったぞ。あんがとな、蓮♪」

 

蓮「ふ、フンッ、俺はただ届けただけだ! 礼なら姉さんに言え、姉さんに!///」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、そう照れんなって♪」

 

蓮「て、照れてなどいないわ! と言うか、話が脱線してるではないか!///」

 

葉「悪い悪い♪ 話を戻すけど、お前らが拾ったのは種みたいな形をした宝石か?」

 

ホロホロ「おおっ、その通りだぜ。ってことは、お前が拾ったって言う宝石もそうなのか?」

 

葉「ああ、そうだ。ってことは、お前らもその宝石が放った光で意識を失い、気が付いた時にはここにいたってことか?」

 

蓮「その通りだ。俺達をここへ飛ばした宝石は、気付いた時には手元から無くなっていたがな」

 

葉「オイラもそうなんよ。一体何だったんだろうな、あの宝石は……?」

 

ホロホロ「まあ無くなっちまったものを考えてもしょうがねえ。今はどうやってふんばりが丘に戻るかを考えようぜ」

 

葉「そうだな。ツナ達も同じ状況みたいだし、一緒に元の場所へ帰る方法を考えるとするか♪」

 

 

自分達をふんばりが丘では無い場所へ移動させた正体不明の宝石が気になるが、今手元に無い以上気にしても仕方ないので、ふんばりが丘にどうやって戻るかを考えることに切り替える葉達。

 

ツナと葉達はそれぞれの元の場所へ帰る為に、まずはここが何処なのかを調べる必要があるのだが、現在は周りに誰もいないので聞くことさえできない。

 

それもその筈、彼らが現在いるのは先程までオートスコアラーやアルカ・ノイズ達と戦った場所で、雪崩やブラックホール、さらには大爆発と言った異常な事象が起きたものだから、一般人が寄る筈が無いのは当然である。

 

ツナと葉達は話し合った結果、まずは人がいる場所へ移動しようと言うことになり、移動を開始しようとしたところ……1台の黒いワゴン車がやって来て、その車から見覚えのある男性が現れる。

 

 

緒川「良かった、まだここにいてくれたんですね」

 

ツナ「あ! 貴方はさっきのお兄さん! ええと、確か名前は……」

 

緒川「緒川慎次です。国連管理下の超常災害対策機動部タスクフォース『Squad of Nexus Guardians』ーー通称S.O.N.Gにて、エージェントを務めさせていただいてます」

 

 

緒川は人当たりの良い穏やかな笑みを浮かべながら自己紹介をする……しかも、親切に名刺まで渡して。

 

 

ツナ「こ、これはご親切にどうも。俺は沢田綱吉、皆からはツナって呼ばれてます」

 

炎真「こ、古里炎真です」

 

獄寺「獄寺隼人だ」

 

山本「山本武っす♪」

 

葉「オイラは麻倉葉、よろしくな♪」

 

蓮「道蓮だ」

 

ホロホロ「俺はホロホロ! よろしくな!♪」

 

緒川「はい、よろしくお願いします。それから……この度はオートスコアラーとアルカ・ノイズを撃退いただいた上、我々の仲間を助けていただき本当にありがとうございました」

 

 

緒川は綺麗なお辞儀をしながら、ツナや葉達にオートスコアラーとアルカ・ノイズを撃退してくれたことに対する感謝の言葉を述べる。

 

 

ツナ「あ、いえ、気にしないでください! ところで、怪我してたピンクの髪のお姉さんは大丈夫ですか?」

 

緒川「マリアさんのことですね。安心してください、マリアさんなら先程治療を受けましたのでもう大丈夫ですよ」

 

ツナ「良かった〜」

 

葉「ウェヘッヘッヘッ、大事に至らなくて良かったぞ♪」

 

炎真「そうだね♪」

 

 

先程の戦闘で負傷したマリアのことが気掛かりであったツナ・炎真・葉は、緒川のその言葉を聞いて安堵するのだった。

 

その一方で……

 

 

獄寺(S.O.N.G……表社会でも裏社会でも聞いたことが無い組織の名前だな。国連の管理下にあるってことは、日本だけでなく各国政府から公認された組織ってことだよな……?)

 

蓮(まだ新設されたばかりの組織なのか? それとも極秘で活動する組織なのか?)

 

 

獄寺と蓮がS.O.N.Gと言う聞き覚えの無い組織に対して疑問を抱き、頭の中であれこれ考察していた。

 

そんな中……

 

 

山本「ええと、緒川さんでしたっけ? ちょっと聞きたいことがあるんですけど、良いっすか?」

 

葉「おおっ、オイラ達も聞きたいことがあるんよ」

 

緒川「はい、何でしょう?」

 

山本「信じられない話かもしれないですけど、俺ら偶然拾った変な宝石の所為でここに飛ばされたみたいで……」

 

葉「んで、ここがどこなのかがわからないし、住んでた場所にどうやって帰れば良いのかがわからなくて困ってるんよ」

 

 

葉と山本が緒川に自分達の現状を話し、元いた場所へ帰る方法を相談しようとしていた。

 

 

緒川「なるほど、そんなことが……それで偶然この場に居合わせたあなた方は、オートスコアラーやアルカ・ノイズと交戦されたと言うことですね」

 

ホロホロ「俺らが言うのも何だけど、知らない場所に飛ばされたなんて話、あっさり信じるのかよ?」

 

緒川「ええ。S.O.N.Gは超常脅威……あり得ないことに対応する為に設立された組織ですし、我々にはミッドチルダと言う魔法の文明が発達した異世界から来た協力者がいますので」

 

ホロホロ「い、異世界!?」

 

獄寺「ま、魔法だと!?///」(目キラキラ♪)

 

葉「うおっ!? どうしたんだ隼人、目が凄いキラキラしてるぞ!?」

 

ツナ「あはは……獄寺君は不思議なものが好きだから、こう言うのには凄い反応しちゃうんだよ」

 

山本「宇宙人やUMAが存在するって、普段から心底言ってるからな〜♪」

 

炎真(そう言えば獄寺君、最初しとぴっちゃんのことをUMA扱いしてたなぁ……)

 

蓮「要するにオカルトオタクと言う訳か……見た目の割に意外だな」

 

獄寺「おい、トンガリ頭!! それはどう言う意味だ!?」

 

蓮「トンガリ頭って言うな!! このタコ頭が!!」

 

獄寺「んだとぉ!?」

 

蓮「やるか!?」

 

ツナ「あ、ちょっ、獄寺君落ち着いて!」

 

ホロホロ「蓮も落ち着けって!」

 

 

ツナとホロホロが喧嘩しそうになる獄寺と蓮を宥める。

 

 

緒川「すみません、余計なことを言って話が脱線してしまったみたいですね……要するにS.O.N.Gは普通ならあり得ないことに関わることが多いので、皆さんのいきなり知らない場所へ飛ばされたと言う話も信じられる訳です」

 

山本「なるほど♪」

 

緒川「あとここが何処なのかと言う質問に対して答えると、ここは東京都新宿区の◯◯◯公園です」

 

葉「うええっ!? オイラ、埼玉から東京の新宿まで飛ばされたんか……」

 

ツナ「葉君、埼玉に住んでるんだね。俺達は東京都内だから電車使えば帰れそう……って、財布持って来てなかったんだった……」

 

獄寺「すみません十代目、俺も今金持ってないです……」

 

炎真「僕も……」

 

山本「悪りぃ、俺もだ……」

 

ツナ「とほほ……何とか徒歩で帰るしか無いかな……」

 

 

ツナ達並盛組は財布を家に置いて来てしまった様で、徒歩で並盛町に帰るしかないと呟いたところ……

 

 

緒川「宜しければ、皆さんの家まで車で送りましょうか?」

 

 

助け船とばかりに緒川がそう提案して来た。

 

 

ツナ「え!? 本当ですか!?」

 

緒川「ええ。ただS.O.N.G本部にて事情聴取させていただいた後になりますけど……」

 

ツナ「あ、まあそうですよね……皆、どうする?」

 

炎真「僕は良いと思うよ」

 

山本「俺も。折角の好意を断るのも悪いしな♪」

 

獄寺「十代目、ここはこの男の提案に乗りましょう。S.O.N.Gって組織はオートスコアラーやアルカ・ノイズに対抗している様ですし、キャロルって奴の情報を得られるかもしれません」

 

ツナ「なるほど、確かにそうだね」

 

山本「獄寺の場合、ミッドチルダって言う魔法の世界の話を聞きたいのが本音だろ?」

 

獄寺「う、うるせえ!///」

 

炎真「あはは……葉君達はどうする?」

 

葉「うーん、そうだなぁ……オイラ達も一緒に車で送って貰って良いか?」

 

緒川「ええ、構いませんよ。たださっきも言いましたが、本部でお話を聞かせていただいた後になりますけど良いですか?」

 

葉「ああ、良いぞ。蓮とホロホロも一緒に来るだろ?」

 

ホロホロ「おう! まあ元々お前ん家に行く予定だったしな♪」

 

蓮「そうだな、便乗させて貰うとしよう」

 

緒川「わかりました。あ、先に皆さんが住んでいる町名を聞いても良いですか?」

 

ツナ「はい。俺や炎真、獄寺君、山本は並盛町って言う新宿と同じ東京都内にある町に住んでます」

 

葉「オイラは埼玉のふんばりが丘って言う町だ。蓮とホロホロも一緒にそこに送って貰って大丈夫だ」

 

 

ツナと葉が自分達の住んでる町の名前を緒川に伝えると……

 

 

緒川「並盛町に、ふんばりが丘……?」

 

 

緒川は怪訝そうな表情を浮かべていた。

 

 

ツナ「あの、どうかしました?」

 

緒川「あ、いえ、聞き覚えの無い町名だったので、つい……」

 

葉「んー、まあふんばりが丘は有名な町って訳じゃねえしな。あまり知られてねえのも無理ないか」

 

蓮「うむ、確かに平凡な町ではあるな」

 

ホロホロ「まあ、そうだな」

 

獄寺「並盛町もそんな感じだな。目立つような観光地はねえし」

 

山本「あはは……雲雀が聞いたらめちゃ怒りそうな話だな」

 

炎真「た、確かに……」

 

緒川「……兎に角、本部に着いたら調べてみますね。さあ、車に乗ってください」

 

ツナ・炎真・葉・山本・ホロホロ『はーい♪』

 

獄寺「おう」

 

蓮「世話になる」

 

 

緒川に促され、ツナや葉達はワゴン車へと乗り込む。

 

ワゴン車は10人乗りだったので、全員乗るには余裕のあるスペースであった。

 

そして、ワゴン車の運転席に乗り込んだ緒川は……

 

 

緒川(謎の宝石による転移、そして並盛町とふんばりが丘と言う聞いたことの無い町名……もしかしたら、彼らは……! いや、そうと決め付けるのは早いですね。本部に着いたらちゃんと調べないと……)

 

 

ツナや葉達の話からある予想に至るが、そう決め付けるのは早いと気持ちを切り替え、ワゴン車を運転させ始める。

 

こうして7人の少年達はS.O.N.G本部へと向かうことになり、彼らはそこである事実を知るのと同時に新たな出会いが待ち受けていることを、この時はまだ知らないのであった……

 

 

To Be Continue……



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