ハイスクール・フリート 菊の艦隊 (梅輪メンコ)
しおりを挟む

人物紹介

ヤベェ完全に人物紹介忘れてた
ちなみにオリジナルキャラの名前考えるのめっちゃ辛い


雷樹(大石) 静

誕生日:4月15日

性格;普段は明るく仲間想いだが怒ると鬼のようになりとてつもなく怖くなる

年齢:32(アニメ本編)

役職:菊花艦隊司令長官兼日本武尊艦長

階級:中将

 

元々海軍の家系に生まれたので小さい頃から海軍になると思い士官学校に首席で入学。、そのまま首席で卒業した天才と呼ばれていた。あまりの作戦能力の高さにまだ、卒業したばかりの時に早速欧州への遠洋派遣艦隊の司令長官として出向くこととなった。この時に一緒の同期で親友である香織を副司令として連れてった。そして菊花艦隊で知り合った大石輝と婚約を果たし2人の子を授かっている。趣味はぬいぐるみ製作

 

 

二宮 香織

誕生日:9月13日

性格:かなり温厚

年齢:32(アニメ本編)

役職:菊花艦隊参謀総長兼武御雷艦長兼日本武尊副艦長

階級:准将

 

静と同期でいつも試験などでは二位であったが(静が頭おかしいくらい良い点数を叩き出しているだけ)静を嫌うことなくいつも一緒に行動をしている、そしてよく静に振り回されいきなり欧州派遣艦隊の副司令として連れてかれた(拉致された)。艦隊の中では一番書類仕事を片付けるのが早いのでよく静にお願い(押しつけ)されている、あとよく静と一緒にいるので艦隊の隊員からは参謀ではなく副司令と呼ばれている。ちなみにお酒にめっぽう強い趣味は模型作り

 

 

 

 

鈴木 しおり

誕生日:2月3日

性格:結構アグレッシブな性格

年齢:28(アニメ本編)

役職:航海参謀兼武御雷副長兼日本武尊航海長

階級:大佐

 

元々は神社の生まれで親戚などから疎まれ内気な性格だった、逃げるように入った士官学校では航海術で抜群の成績を収め、菊花艦隊の航海参謀に抜擢されそこで静と出会ったことにより内気な性格から一転、明るくアグレッシブな性格となった。趣味は占い

 

 

一色 葵

誕生日:4月25日

性格:結構おとなしい

年齢:27

役職:通信参謀

階級:中佐

 

小さい頃からインターネットや通信関係に強く、自分で作ったプログラミングで色々とやんちゃをしていた・・・らしい、ゲームをよく作っているのでゲーム好きの前田と仲がいい

 

 

大石 輝

誕生日:6月1日

性格:面倒見がいい

年齢:30

役職:航空参謀兼硫黄島要塞基地司令

階級:准将

 

静と同じ海軍の家柄に生まれ、とても面倒見が良かったせいか同期からは「輝ママ」と言うあだ名で呼ばれてる用になった。趣味は家事

 

 

西崎(加藤) みか

誕生日:3月6日

性格:オラオラ

年齢:30

役職:武御雷砲雷長兼日本武尊砲雷長

階級:中尉

 

大石と同期で、士官学校時代に色々とやんちゃをしていてため、色々と仕事をこなすのが得意となっていた。そして大石が婚約したのを見て同期の加藤と婚約をした。趣味は海戦ゲーム

 

 

徳川 十兵衛

誕生日:12月3日

性格:おっとり

年齢:62

役職:武御雷兼日本武尊機関長

階級:大尉

 

菊花艦隊の中で一番の年長者であり隊員からは生き字引として日常や色々なことを聞いている。孫もおりよく電話をしているのが確認されている。趣味は読書

 

 

加藤 直樹

誕生日:7月7日

性格:しっかりもの

年齢:30

役職:武御雷航空科班長

階級:大尉

 

大石や西崎と同期で大石が婚約したのを見て勢いに乗って士官学校時代から気になっていたみかにプロポーズをするとそのままゴールインできたと言う伝説が残っている。趣味は航空機の写真を撮ること

 

 

前田 啓介

誕生日:11月21日

性格:明るい

年齢:29

役職:武御雷航海長兼日本武尊航海員

階級:中佐

 

いつもはヘラヘラとしているが格闘技のこととなるといつもでは考えられないくらいしっかり者となることで有名。生粋のゲーム好きなのでよく葵の作ったゲームをやらせてもらっている。趣味はゲームを楽しむこと

 

 

森 なおみ

誕生日:1月8日

性格:はっきりとしている

年齢:24

役職:武御雷、日本武尊衛生科班長

階級:中尉

 

艦隊の士官メンバーの中で一番若く、艦隊の中で一番美しいと言われており本人の知らないところで巨大なファンクラブが出来上がっている。趣味は服を自分で作ること




なんか段々と最後に行くほど解説が雑になっている気がする


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

人物紹介2

今回は静の家族や友人について出て聞きます、今回は凄いざっつーです

(ネタバレありますネタバレしたくない人は直ちにブラウザバックを!)


後,私の独自解釈もあります


雷樹 茂

静の父親で軍令部総長をしている、ただ孫に甘く静によくそのことで怒られている

 

雷樹 真澄

静の母親で昔、情報省で諜報員の教官をするために世界中を飛び回っていた影響で世界中の諜報機関にコネを持っており、すぐに情報を手に入れられることが出来る

 

大石 和樹

静と輝の間に生まれた双子の兄で妹の真由美と一緒に静の実家である茂の家に住んでおり将来は海軍になりたいと言っている

 

大石 真由美

静と輝の間に生まれた双子の妹であり和樹と一緒に茂の家に住んでおり、将来はブルーマーメイドになりたいと言っている

 

大高 忠教

現職の総理大臣であり、菊花艦隊の出動要請を出すことのできる数少ない人物の1人である、時に静とも会合をして情報交換を行ったりもしている

 

スー・チー

今の中華日報のCEOをしており元々は中華民国の諜報員であったが静と出会い諜報員を退職しそのまま天下りのような感じで中華民国最大の新聞社に入社し、その情報収集能力から新聞社のトップにまで上り詰めたため、よく静に海外の手に入れた情報をくれる

 

菱田元就

菊花艦隊の前衛潜水遊撃艦隊の司令であり菊花艦隊を影から情報収集で支える重要な存在、よく硫黄島では大の音楽好きで有名でよく静などは吹奏楽を教えてもらっている

 

本田一誠

前衛遊撃航空打撃艦隊の司令として菊花艦隊を支えている存在で、よく静から別途任務を任されており静から絶大な信用を得ている。本田自身艦隊の中で1位2位を争う切れ者だが、本田自身は静には勝てないと言っている

 

トーマス・チェンバレン

イギリス連邦の首相であり過去に静の暴いた汚職事件により著しく信用を失ったイギリスの回復を行なった苦労により、静と敵対するとろくなことがないと悟った

 

メンシェル・ヴィルト

ドイツ共和国の首相であり静の暴いた汚職事件を見ていた彼は静と敵対するよりも手を結んだほうがいいと考え日本に対してある提案をした

 

セシル・J・シルバー

今のアメリカ合衆国大統領であり欧州での静の暴いた汚職事件とイギリスからの助言で敵対する行動を取らなかった・・・のちにこの行動が自分を救うととなった

 

 

 

 

この世界は私の独自解釈のもとこんな感じでストーリーを進めていきます

 

・欧州動乱が引き分けなのでドイツ皇帝は健在、亡命もしていないが動乱の影響により権力は大きく失った

 

・第二次世界大戦が起こっていないので中国は南の中華民国と北の中華人民共和国に分かれたまま

 

・朝鮮に関しては冷戦があったため史実通り別れている

 

・ソ連に関しては第二次世界大戦が起こっていないので史実よりも早くソ連は解体されている

 

・日本の領土は上は千島列島、下は台湾まである



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第一章〜集う者たち
プロローグ


人生初投稿です間違いとかここが変だよと思ったら指摘お願いします


10年前海賊の間で『死神』と言われて恐れられた人物がいた、この人物は日本の遠洋派遣艦隊司令長官として東大西洋での船舶護衛任務や麻薬取締、海賊の摘発などに従事し派遣された2年間の間に摘発した件数は

 

船舶護衛:120件

麻薬取締:743件

海賊の摘発:847件

 

これは、今まで派遣された派遣艦隊や欧州のブルーマーメイドの中でも過去最多記録となっていて今もその更新はされていないしかし一部の業界では彼女は『破壊神』と悩みの種を作ってくるとして嫌がられている節もある。

 

 

 

 

 

 

 

ー10年前ー 大西洋カナリア諸島沖西100キロ沖洋上

 

イギリス海軍からの救援要請を受け現場海域に到着したがそこ地獄絵図だった、艦橋は海賊による攻撃なのか大きな穴が空いており船内は機銃攻撃による無数の穴が空いており所々に血溜まりができ中にはそれに混じって肉片も混ざっていた、死臭がとても酷く見るにみられない状況だった。

 

「あれ以降連絡が無かったからまさかとは思っていたが、まさかここまで酷いとは。」

 

近くにいた日本遠洋派遣艦隊の突入部隊が中に突入した時、その惨劇を見て絶句してしまった。

 

「ボートが係留されてたからおそらく襲撃した連中もろとも相打ちとなって死亡していますね」

 

「機関銃を持って襲撃して来たみたいですねここに機銃が放置してあります」

 

各々乗務員が全滅した原因を探っている中、突入隊隊長である雷樹 静は目を瞑っていた、そして

 

「・・・また、いろいろな話を聞かせてくれると約束したのに」

 

そういうと次の瞬間怒りに燃えた気配を纏い振り返って

 

「ここで亡くなった者たちらを弔うためにも襲撃した奴らを根絶やしにするぞ!」

 

「押忍!」

 

その襲撃事件のあった1週間後に一大巨大海賊の拠点が壊滅したという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくたって派遣期間が終わり、日本に帰国してま少し経ったある日、海軍呉基地で報告書をまとめていた私は近くの養護施設に職業体験の話をしに行ってくれないかと頼まれ、私は二つ返事で了解し養護施設に行って仕事の話や欧州に行っていた時などの話をした。その時に私は最後に

 

「海は人の夢のように広い 海は人をどこまでも連れてってくれる」

 

そういった時私は『少しでもかっこいいことを言えたかな』心の中でそう思っていた。

 

 

 

 

 

しばらくして私は軍令部総長であり父でもある雷樹 茂総長から連絡があり東京の軍令部に出頭するよう命じられた

 

後日、軍令部に出頭するとそのまま総長室に通された

 

「おう、来たか」

 

「雷樹 静准将 ただいま出頭いたしました」

 

「なに、ここは誰も聞いていないから別に敬語じゃなくてもいいぞ」

 

頭を掻きながらそういうと静は笑いながら

 

「じゃあお父さん今日ここに呼んだり理由はなに?」

 

「今日はお前に朗報があるんだこれを君にと閣下から渡されたんだ」

 

そういって白い封筒が渡されたその封筒の送り主を見て目を見開いてしまった。手紙を読み終えると

 

「驚きました、まさか今上天皇からとは思いませんんでした」

 

「しかも菊花艦隊の司令官に推薦するとは」

 

「お前は欧州の時に色々とやっていたからなそのことも含めての今回の事だろう」

 

菊花艦隊それはこの日本において一部の人間しか知らない天皇直属の菊花隊の海軍部門であり存在すらあやふやになっているほどの超機密事項の部隊であるそこの司令官に今回静は任命されたのだ

 

「今回の件でお前は昇進をすることとなる、まぁ元々お前を昇進出来なかったのは委員会のブタどものせいでもあるがな」

 

茂の放った言葉に苦笑しつつもこのことに関する返事をした

 

「了解しました。 司令官の件は受けようと思います」

 

「表向きは前任の辞任によるによる昇進とすることにした」

 

「わかりました」

 

そういって出て行こうとした時、総長に『実はもう一つ渡すものがあるんだ』と言って茶色い封筒が渡されたそれを読むとそこには新造艦計画書について書いてあった

 

「これは?」

 

そういうと総長は

 

「今度、建造が完了する新型艦だ」

 

紙をめくるとそこにはその船の詳しいスペックが載っていた

 

「すごいですね。 まさかあの51センチ砲搭載戦艦だなんて。 しかも、海軍最新型巡航噴進弾を装備しているなんて」

 

「やむおえまい、近年の国際情勢では、それくらいの兵装が必要なのだろう」

 

「因みに戦艦の方はお前の乗る船じゃないぞそれにその計画書には続きがあるぞ。 そっちがお前の乗ることになる船だ」

 

そう言って次のページに進んだ表紙を見た時、思わず『えっ』という声をあげてしまった。

 

「お父さん、この国は、この技術の開発に成功していたんですか!」

 

「あまり大きな声で喋るな。 これに関しては、口外無用だぞ。 気をつけろ」

 

「すいません」

 

あまりの驚きに思わず声が張ってしまったので少し注意を受けてしまった

 

「お父さん、この船も今建造しているの?」

 

「いや、そちらに関しては、既に洋上試験も完了している」

 

そうなのそう言っていますすぐにでも見てみたいと思ってウズウズしていたらそれが表に出ていたのかお父さんは笑いながら

 

「船を見るなら陸奥湾の大湊にある秘密港にいるから見てくるといい雷樹 静中将」

 

「はいっ!失礼しました」

 

そう返事して計画書を机に置いて勢いよく部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

静が出て行ったあと茂は執務室の机に座り静が見ていた計画書に目をやるそこには『超弩級大型戦艦;日本武尊建造過程報告書・戦略空母:武御雷建造進行度報告書」と書かれていた。




人生初投稿だからすごい緊張した小説って意外と描くの大変なんだねー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

プロローグ②

なんかやる気がでたので頑張りたいと思いますでも初回よりはるかに文字数減ります


司令部から新幹線に乗って八戸まで行きそこから車に乗って大湊の秘密港に出向いた

 

「よくお越しくださいました司令長官殿」

 

「ごめんなさいねいきなり訪れてしまって」

 

「いえ大丈夫であります」

 

基地から基地司令と思う人が出てきて挨拶をしてきた

 

「早速で悪いんだけど艦を見せてもらっていいかしら」

 

「はいこちらにどうぞ」

 

そう言って通してもらった先にあったのは緑色で戦艦以上に大きく見えるほどのとても大きな船体で艦橋がとても細く甲板は平べったくまるで運動会が出来そうなほど広い

 

「これが航空母艦・・・」

 

生まれて初めて見る空母に驚きなにも言葉が出なくなっていた

 

「どうしましたか?」

 

基地司令の言葉でハッ!と我に帰った

 

「すいません、なんせ航空母艦を初めて見た者で」

 

と笑いながら頭を掻きながらそう言った

 

「そうですよね私も初めはそうでした、そもそも航空機そのものが架空の産物だと思っていましたから」

 

そういって艦橋の扉を開いた

 

「見ますか?この階段の下が航空機のある格納庫ですよ」

 

そういって階段を降りて行くと段々と暗緑色に日の丸のついた横に伸びた丸っこい板のようなものがついた機械らしきものが見えてきた

 

「これが航空機・・・」

 

航空機を初めて見た時思わず見入ってしまったこの日本にこんな技術があったなんて、そう思っていたら

 

「これは海軍所属の艦上戦闘機電征です」

 

そう言って基地司令が細かい解説をしてくれた

 

「そもそも航空機が飛ぶ原理は翼の形を変化させて空気の差を生み出しそこに生まれた揚力と呼ばれる力で飛ぶのです」

 

「この電征は色々な派生系が作られておりこの武御雷には電征IV型が主に搭載されています」

 

「他の種類は搭載してあったりするの?」

 

「他のとなりますと艦上爆撃機の海王だったり電子作戦機の星鵬だったりが主な航空機となります」

 

「へぇ」

 

この船にある主な航空機の解説が終わりこのまま艦橋に行くことにした

 

「おぉ・・・」

 

艦橋には登った時の感想は

 

「甲板がよく見えますね」

 

「なんせここから航空機の発艦を見たりするのですから」

 

そしてふと艦橋の横を見るとあるものが目に入った

 

「あれは・・・日本武尊!」

 

そうとなりにいたのは計画書で見たあの日本武尊だったのだ

それはまるで黒鉄の要塞のようであった

 

「すごい」

 

もはやそれ以外言葉が出なかったこれだけのものを作ってしまう今の日本にもだが何よりもこの見た目に反さない存在感、重量そして何より敵おも狭間つきそうな圧倒的な偉大さが感じられた

 

「計画書のスペックを見てわかっていたつもりだったけどやっぱり凄いわね」

 

「百聞は一見にしかず、とはよく言ったものです」

 

基地司令も思わず似たような感想が漏れていた

 

「あれだけのものをよく作ったものです」

 

そう言いながら反対側にある日本武尊を見ていた

 

 

 

 

その後も基地の色々なところを見て回ったそうしたらある隊員が何やら基地司令に言っていたそれを聞いた基地司令は

 

「もし良ければうちの方で夕食を取りませんか?」

 

私は次の日がちょうど時間があったので二つ返事で「いいですよ」と返事をしたそして食堂まで向かっていた時に基地司令が

 

「今日はカレーの日なので美味しい海鮮カレーを味わって下さい。」

 

と誇らしげに言っていた食堂に着くと職員が驚いていたが基地司令が

 

「楽にしてくれ、今日は新しい司令官が親睦の挨拶に来てくださったついでに夕食をいただいてもらうこととなった」

 

それを聞いた基地要員は胸を撫で下ろしていた配膳をする時静は自分から配膳の列に並んでいた時他の隊員は驚いた様子で見てきた

 

「別に司令官ご自身が採りに行かなくても・・・」

 

そう言うと静は

 

「こう言うのは自分がしないといけないからね別に偉いからって特別なことをしてもらうのは嫌だからさ」

 

「人にやってもらう生活を続けているといいお嫁さんになれないしね」

 

そう言って食事を共に食べた後、静は基地を後にした




百聞は一見にしかず小説書くのが結構大変3,000字とか行く人すごいと思った 
すいません本編はもう少し先になるかも


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

集う仲間達

物話の細かいイメージがまとまらんアバウトなのはできているのに



陸奥湾から帰ってきた静を迎えたのは自分の親友であり自分の右腕とも言える二宮 香織大佐であった

 

「お帰りなさいませ准将」

 

「もぅ、いつものように軽い口調になっていいのに」

 

「TPOは守らないといけませんので」

 

「別に誰も見てないからいいじゃないの」

 

「・・・それで昨日は私に仕事を押し付けてどこにいってたんですか?」

 

このままでは水掛け論になってしまうと思ったのでさっさと話題を別のに移した

 

「ちょっと用事でね、この後ちょっと総長のところに行かなきゃいけないから部屋をよろしくね。」

 

そう言って静は総長の部屋へと向かっていった

 

 

 

 

 

 

執務室に着くと置いてあったソファーに座るよう茂に促され座るとある紙を渡されたそこには『人事異動書』と書かれた紙があった

 

「これは?」

 

「武御雷の人事表だ確認するといいい」

 

茂に促され紙を読むと

 

 

 

 

次期菊花艦隊総旗艦『武御雷』艦橋乗務員

 

司令長官:雷樹 静 中将

 

参謀総長・艦長:二宮 香織 准将

 

航海参謀・副艦長:鈴木 しおり 大佐

 

通信参謀:一色 葵 中佐

 

航空参謀:大石 輝 准将

 

砲雷科班長:西崎 みか 中尉

 

機関科班長:徳川 十兵衛 大尉

 

航空科総長:加藤 直樹 大尉

 

航海科班長:前田 啓介 中佐

 

衛生科班長:森 なおみ 中尉

 

 

 

 

 

渡された紙を読んで静は内心とても嬉しかったなぜなら親友と一緒に同じ船に乗ることが出来るのだからその気持ちを汲み取った上で茂は集合は第3会議室にしているから行ってこいと言われた

 

集合場所の第3会議室に向かうともう既に集まっており私が最後に来た人だった割り当てられていた席に座ると部屋に茂が入ってきて

 

「初めましてかな、私は軍令部総長の雷樹 茂だ以後君たちの指令は私からのものが多いと思ってくれ。それじゃあ各々自己紹介と行こか」

 

そう言ってまずはわたしに自己紹介を勧めてきたので私は席をたち

 

「初めまして、私は菊花艦隊の司令長官となる雷樹 静と言います以後よろしくおねがいします」

 

そう言って私は席に座った次に自己紹介したのは参謀総長となる香織だった

 

「初めまして私は武御雷艦長兼参謀総長の二宮 香織と申します、以後よろしくお願いします」

 

そう言って席に座った次に自己紹介したのは隣に座っていた少しおどおどとした様子の子だった

 

「はっ,初めまして」

 

「こっ,航海参謀と副艦長をけっ、兼任します、、、すっ、鈴木 しおりと言います 以後よっ、よろしくお願いします。」

 

そう言って勢いよくお辞儀をしたため机に頭をぶつけてしまったそれで他の隊員の空気が少し和やかになった

 

空気が和やかになったところで自己紹介したのは

 

「私は通信参謀となる一色 葵ですよろしくねー」

 

と、とても明るい雰囲気の自己紹介であった

次に自己紹介したのはがたいのいい誠実な見た目をした男性であった

 

「今日から航空参謀を務める大石准将だ,皆、よろしく頼む」

 

と、威厳があるような雰囲気で座ろうとした時

 

「相変わらず堅苦しいねー輝ママさんよー」

 

「その名で呼ぶな!!」

 

「そういえばこの2人と私は士官学校からの腐れ縁だからね〜」

 

と、顔を赤らめながら席に座った

 

次に自己紹介したのは先程口を挟んだ2人だった

 

「ハロー、砲雷科の西崎 みかでーす よろしくー」

 

「俺は航空科の加藤だ以後よろしく」

 

先ほどのようにとても明るい雰囲気だった

 

次に自己紹介したのは白髪の紳士服がとても似合いそうな40代に見える男性であった

 

「私は機関科の徳川 十兵衛でございますよろしくお願いします」

 

徳川はそう言って席に座った

 

次に自己紹介したのはいかにもチャラい感じの男だった

 

「どうも〜航海科の前田っす。よろしくっす。」

 

とても軽い感じで挨拶が終わった

次に自己紹介したのは思わず見惚れてしまいそうなほどの綺麗な女性だった

 

「衛生科の森 なおみですよろしくお願いします」

 

そう言って全員の自己紹介が終わると茂が

 

「自己紹介は終わったなこれからは菊花艦隊はこの日本を守る部隊としてより一層努力してもらいたい。次に集まるのは7月の進水式の時だ以上、解散」

 

 

 

 

 

 

第3会議室を出ると静は香織に

 

「また一緒の船に乗れてよかったね」

 

「そうですね」

 

「さぁ仕事だがんばるぞー」

 

「昨日押し付けた仕事も残ってるんですからそれもやって下さいね」

 

「わかったよぉ〜」

 

そう言いながら執務室に戻っていった




オリジナルキャラ考えるのツライ


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

静かな進水式

ちなみにこれはアニメ本編の始まる前なのでアニメキャラは二章くらいからだと思います。


ある夏の暑い日陸奥湾の大湊である船の進水式がひっそりと行われていた

 

『パァン』

 

と言う軽い音で中くらいのくす玉が割れた少人数の人は拍手を鳴らし壇上には今上天皇の代理として軍令部総長の雷樹 茂が祝辞の言葉を述べていた

 

「諸君今日はめでたい日であるがこのように質素な式典になってしまって申し訳ない、しかし諸君らの必要性、今現在の国際情勢を鑑みて諸君らの重要性をよく理解してもらいたい」

 

祝辞を述べると台座に置かれている赤色のボタンを押すとジリリリリリリと音がなり二つの大型艦のいるドックに水が入ってきて徐々にドック内に水が入ってきた

 

元から武御雷に乗艦していた静たちはすでに出港準備を終えていた

しばらくしてドック内に水が貯まると徐々にに船体が浮いてきた

 

「出港よーい 機関圧力一杯」

 

「ヨーソロー機関圧力一杯」

 

号令をかけると乗務員は足早に配置につき出港するための準備が着々と進んでいた

 

「機関圧力よし、出港可能」

 

機関室から返事が来ると静は

 

「微速前進 針路200」

 

「承知しました航海長 微速前進 針路200」

 

空母武御雷はゆっくりとその巨体を大海原にむけて進んでいった

 

 

 

 

 

途中、菊花艦隊の護衛艦隊と合流し武御雷は菊花艦隊との合流地点であるアリューシャン列島南400キロ洋上に向かっていった

 

「無事に出港できましたね」

 

「みんなが色々とやってくれたからだよ」

 

静は無事出港できたのは大湊の隊員やここにいる乗務員のおかげだと言った。

 

「さて,今頃あっちにいる艦長は驚いているだろううなぁー」

 

と言って武御雷の護衛任務をしている利根型巡洋艦を見ながらそういった

その頃と利根型巡洋艦に乗っている艦長は

 

「すごい,この日本はこのような船を作ってしまう技術がああったとは」

 

と言いながら射撃指揮所に出ながらそう述べていた

 

 

 

 

 

 

大湊を出港してから集合場所のアリューシャン列島に着くまでの間武御雷ではほぼ毎日月月火水木金金のように訓練を行っていった

 

・・・カチッ

 

ストップヲッチを持って時間を計測しているのは艦長はである香織であった

 

「だいぶ慣れてきましたね3分21です初めの頃は15分とかかっていたのに」

 

「みんなが慣れてきたいい証拠だよ」

 

「あっそうだこの船にいるみんなのことを知りたいから一緒に回らない?」

 

そう言って艦内を静と香織は艦内を回ることにした

 

まず最初に訪れたのはエレべーターに乗ればすぐにいける格納庫であった

格納庫に降りた時静に気づいたいくつかの隊員が少し慌てた様子で動いていたそうしたら奥からこちらに近づいてくる人がいた

 

「驚きました、まさか司令官自らこちらに来られるとは」

 

「いきなり邪魔してごめんなさいね」

 

「いえ、大丈夫であります」

 

「あなたの所属は?」

 

「はっ、私は電征第一航空隊隊長 萩野 宗雄大尉であります」

 

萩野はそう言って格納庫を案内してくれた格納庫の案内をしてもらっているとふとある航空機が眼に留まったそれは今まで見てきた航空機と違いプロペラがなく代わりに扇風機のようなものがついていた

 

「あの航空機はなんなの」

 

それに指を指すと萩野が「あぁ、あれですか?」と答え次にこう言った

 

「あれは新型の噴式艦戦・艦攻両用機『閃電改』です

 

そこには暗緑色に染まった新型機が鎮座していた




すいませんちなみに主人公の年齢とか時代はまだ鮮明には決まっておりません、と言うか誰か真雪さんの年齢わかる人いないですかー出来れば真雪と同じくらいの年齢にしたいのにー


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

合流

今日は頑張って3本投稿してみました


「これが閃電・・・」

 

目の前にある見たことない形をした航空機を見てじっと見てしまった少しだけだが新型機を配備すると言っていたがこれだとは思わなかった

 

「この航空機はあそこにある電征と何が違うのですか?」

 

そう香織が聞くと

 

「噴式はまずスピードだ格段に違います」

 

そう言って噴式の詳しい解説をしてくれた

 

「まずあそこにある電征は最高時速750kmに対しこの閃電は最高時速1400kmもでます」

 

あまりにも速すぎる速度に頭が追いつかなくなってしまった

 

しばらく格納庫を見て星鵬の中を視察してそのまま格納庫を後にした

 

格納庫を後にした静たちは次に向かったのは機関室であった

ゴォゴォと大きな音のなる巨大なエンジンの前にいたのは機関長の徳川であった

 

「おや,司令官殿がどうしてこんなところに」

 

「ちょっと艦内の散策をしてたところでね気になったから来てみたんだ」

 

「そうでしたか」

 

機関室に来た理由を理解しつつ機関の紹介をしてくれあ

 

「この船は最新型のガスタービン機関を搭載し7万トンもの巨体を最高速度30節で動かしているとても大きな機関です」

 

確かにエンジンを見ていると天井にまで届きそうなくらい大きいのがわかる

 

「かくゆう私もこう言う大きな機関を見てずっと動かしてみたいとうずうずしておりますた」

 

そう言いながら徳川は頭をかいていた

 

ありがとうと言い残してそのまま静たちは次の目的地である診察室に出向いていた

 

診察室に行くと案の定そこには船医の佐渡先生がいたしかしその手には酒瓶があった

 

「ZZZ・・・」

 

酒を飲んでいたのか寝てしまっており思わず苦笑してしまったそのままでも可哀想なのでとりあえず起こしてから戻ろうと思った

 

「先生・・・佐渡先生!」

 

少し大きな声を出したため驚いて酒瓶を落としかけてしまった

 

「全く気おつけて下さいね」

 

「あぁ、すまんのうこれからは気をつけるとしようなねぇ」

 

そう言って診察室をでていった次に向かったのは食堂であった

 

食堂では給料員ほ田嶋さんが食事の準備をしていた

 

「こんにちは」

 

「あっ、司令官殿」

 

「いい匂いね今日のメニューはなにかしら」

 

「昨日は結構肉などが多かったので今日はヘルシーな野菜多めのメニューにしようかと思います」

 

「そうなの、いつも田島さんの料理って美味しいによね」

 

「あら、そう言っていただくとますますやる気が出るものです」

 

そう言ってありがとう邪魔して悪かったわねと言い帰ろうと思っていたら

 

「あっ、そうそうちょっとしほくをお願いしってもいいかでしょうか

 

そう言って奥に行ったと思うと冷蔵庫から何かお皿に載っていたものを見て

 

「いいですよ」

 

と言って近くのテーブルに座って渡されたお皿の上に乗っていたおにぎりのような見た目をした大福を食べると中から程よい甘味が出てきてその後からフルーツの味が出ていきてとても美味しい味だった

 

「・・・これはもしかしてプリンアラモードが中に入っているの?」

 

「はいっ。大福の中にプリンを入れてみたかったので入れてみたのですけどいかがでしたか」

 

「うん、とても美味しいねぇ、そうでしょ香織ちゃん」

 

そういって香織の方を見ると香織は聞こえていないのか夢中になってまるでリスのような見た目をしてべていたそれを見た田嶋は普段では絶対に見られないような見た目をしている香織に思わず笑ってしまった因みにこの時食べた大福はのちに武御雷の人気デザートとなるのであった

 

「とてもおいしかったよまたそう言うのがあったら教えてねー」

 

「はい、了解しました」

 

食堂にもいったのでもうほとんどの艦内の場所を巡ってしまったので静が

 

「さて、あらかた見たし私の部屋に行こうか」

 

そうして長官室に行って業務と休憩をしていたら艦橋から呼び出しがありもうすぐ合流地点に着くと言う報告があったのですぐに艦橋に登った

 

艦橋に登ると通信参謀の一色から

 

「まもなく合流地点です」

 

と言われながら渡された双眼鏡を覗くと前方に無数の黒い影が見えてきた

 

「あれが菊花艦隊・・・」

 

目の前にうつる大量の艦船の多さに少し驚いてしまった




千文字ほどでかいているけどこのままでいいのかなあ因みにこれから中間テストが近くなるので少し投稿ができなくなるかもしれませんご了承ください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

司令官

奥から見えてきた影のようなものの正体はは多くの船でありあまりの数に少し驚いてしまった

 

「すごい数ですね、中には空母までもいるんですね」

 

他の艦橋要員も艦隊の大きさに歓声をあげていた

 

「すごいこんなにもたくさんの船があったなんて知らなかった」

 

艦橋のみんなが色々と言っている中航海参謀の鈴木は

 

「と、とてもたくさんの船がいるこっ怖いな〜、ぶつかったりしないかな」

 

とずっと舵から手を離そうとしなかった

そんな光景を見ながら静は

 

「さぁ、これから色々と忙しくなるぞ〜」

 

と言いながら武御雷は菊花艦隊との合流をした

 

 

 

 

 

「初めまして次期司令長官殿」

 

合流してから最初に言われたのは現菊花艦隊司令長官の挨拶であった。そうまだ静はこの艦隊の正式な司令長官とはまだなっていないのであるなぜなら菊花艦隊は超機密事項のため情報漏洩を防ぐために洋上で仕事の受け継ぎやその他諸々の訓練をするそうだなので正式な任命をするにはまず最初に前の司令官から仕事のやり方などを教わってから正式な司令長官になるのだ。つまり静は正確に言うと司令長官見習いのような立場になるのだ。

 

言っている言葉の意味を理解しながら静は現菊花艦隊司令長官の後に続き今の旗艦であるイージス艦おおよどに向かった向かっている途中現司令長官は

 

「みんななやさしいからそんなに緊張しなくてもいいよ」と言ってくれて少し安心した

 

 

 

 

 

大淀の会議室に着くと8人ほどの人が座っていたそうすると現司令長官は「皆この子が新しいうちの司令長官だ」と言って私を紹介してくれた

 

「はっ、初めまして次期菊花艦隊司令長官となる雷樹 静と申しますこれから皆さんの元で学ばせてもらいますがよろしくお願いします」

 

と言ってお辞儀をしたそうすると他の部屋にいた人たちは全員自己紹介をしてくれた

まず自己紹介したのは一番手前の席に座っていた人だった

 

「まず私は前衛潜水遊撃打撃艦隊司令官菱田 元成と申します今後もよろしく」

 

それに続いて他の人も次々に自己紹介を始めた

 

「私は航空打撃艦隊司令官本田 一誠だよろしく」

 

「初めまして私は参謀総長をしている中村 雫と申します以後よろしく」

 

「私は航海参謀の山田 実だよろしく」

 

「私は通信参謀の冨森 実友だよろしく」

 

「私は航空参謀を務めている前田 努と言うよろしく」

 

その時私は前田という苗字にもしかしてと思ったので一応聞いてみることにした

 

「あのもしかしてですけど前田 啓介という人はご存知ですか?」

 

「知っているも何も啓介は私の息子だ」

 

やっぱり、と思っていると

 

「啓介は今もヘラヘラしているのか?」

 

そう言われて私はうっかり「はい、今でもヘラヘラと明るく過ごしています」

 

そう言った瞬間明らかに雰囲気が変わった先ほどまで温厚だった顔はまるで鬼のような顔になっていた

 

「あの野郎鍛錬もまともにせず遊びやがって・・・」

 

そう言いながらぶつぶつと何かを言っていたがあまり聞かない方がいいのでではないかと思い自分の上司となる司令官の方に向くと

 

「それじゃあこれから色々と教えていくからちゃんと付いてきてね」

 

そう言って司令官は私に戻って他の参謀達をつれてきてもらってもいいかなと言われ私は仲間達を呼びに行くために武御雷へと戻った




なんかだんだんとお話がこじれてきた気がするのは私の気のせいだろうか


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

モールス信号機

アンケート作りました読んだ人は是非答えてくだい


船に戻って皆を連れて行くために準備をしていると前田くんが何かソワソワしていたのでどうしたのか聞いてみると

 

「今日はなんか死にそうな予感がしてきた気がする」

 

と言っていたのでさっきのことを言うと

 

「おぉ神よどうか我らを救い給え」

 

と謎のことを始めそうだったので聞いてみると

 

「これから地獄の鍛錬が始まるんだ、あぁどうしよう」

 

と顔色が悪くなり青くなっていたその時私は前田くんが顔面蒼白になるほどのことっていったいどんなことをされてきたんだこれこっちに飛び火してこないよね(フラグ)

 

 

 

 

 

そんなことを思っていると準備ができたので内火艇の運転をしおりちゃんにおしつ・・・任せて再度おおよどに向かっていった

 

 

 

 

 

おおよどについてお互いに自己紹介が終わるとみんなそれぞれのところに行って研修をするために各々の場所へと移動して行った私も司令官のところについて行ったその時に気になったのが仕事の研修をするときに自分たちの乗ってきた船はどうなるのか聞いて見たところどうやら熟練の乗組員が色々と教えるために乗ってきた船に乗ってくるそうだ

 

「それで今から私は何をすればよいですか?」

 

「そうだねぇ、まずは書類の整理からいこうか」

 

そう言って執務室の部屋を開けるとなんとも言えない光景があった、まず目に映ったのは机の上にある大量の紙類や封筒が無造作においてあり床には大量の段ボールが積み上がっていた、そこはまさにお部屋ならぬ汚部屋となっていた私は思わず口を開けたまま呆然としてしまい司令官に声を掛けられはっ!と意識が戻ってきた取り敢えずこの部屋を片づけることから始まった

 

 

 

 

 

部屋の整理をしている時に段ボールの山からある機会が出て来たその機会をみつけた時司令は「あぁ、その機械はね軍令部からの極秘命令を受ける時に使う機械だよ今度君にも教えるからちゃんと覚えてね」と言って散らばっている封筒を回収して棚に預けたその機械は何か導線のようなものがのびた機械にドアノブがついたような見た目をしている機械だった

 

 

 

 

 

しばらくして部屋の掃除が終わり綺麗な執務室になると早速さっき見つけた機械の使い方を教えてもらった

 

「この機械はねモールス信号機て言ってねここのドアノブのような所を押すとそこの導線から海軍D暗号の電波に変換されて電波が軍令部に届くと直接総長のところに届くようになっている」

 

モールス信号機この時私は教科書などでこの機械を目にした事があるがまさか自分が使う事になるなんて思ってもみなかったそう思って居たら司令は私に見せて来たのは斑点と横棒の隣に平仮名が開かれた紙だった

 

「まずはこれを覚えてもらってから次に暗号化する方法を覚えてもらうよ」

 

それを聞いて思わず頭が真っ白になってしまった『これを覚えろだって!冗談じゃないYO。誰か嘘だと言ってくれHelp me!!』

 

そう心の中で思いつつもちゃんと一週間後にはモールスを打てるようになっていた。この時私は自分の記憶能力に感謝した、ちなみに私はこの機械をバックにはめ込んだ持ち運びのできるモールス信号機を徳川さんにお願いし、作ってもらった。




ちなみに最後に出て来たバック入りモールス信号のイメージは某大佐が飛行船襲撃の時に使って居たものです
電池に関しては野戦電話のように手回しで発電します


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鍛錬

モールス信号の解説をしてもらった日の夜、武御雷の会議室でささやかな宴会が開かれていた

 

長机の左側に私たちが研修組が座り反対側には現参謀たちが座っていたそして奥には現司令官が座って居た

 

「諸君、とても華やかとは言い難いが食事を楽しんでもらいと思う。乾杯」

 

そう言ってグラスを持ち上げるとそれに続いて座っている皆も『乾杯』と言いグラスに口をつけた。

 

 

 

 

 

少しして食事も終わったのでもっと楽しみたかった静たちは上の甲板に上って開催されていたほかの航空隊員達らの宴会に飛び入り参加した、その時に酒飲み対決として香織と艦隊の中で一番強いと言われた航空隊長と対決し香織が圧勝し他の隊員たちを驚かせて居た。

 

 

 

 

 

しばらくして宴会もお開きになったところで解散しようとした時突如私たちは司令に呼び止められ司令にこう言われた

 

『明日朝早く起きてね鍛錬をするから。』

 

そう言って帰っていった私はその時ほろ酔いしていたがその言葉に酔いが覚めてしまったまさか前田くんが青ざめる程の訓練をさせられると思うと酔いなんかどこかに吹っ飛んでしまった。ちなみに前田くんは下戸なのでそもそも酔って居なかったのでそれを聴いた瞬間に顔が青ざめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日に朝早くから自分の部屋の電話が鳴り電話を取ると相手は司令であった

 

『そろそろ起きて着替えて甲板に来てもらっていかなあと他のみんなもついでに起こしてもらっていいかな』

 

そう言って電話を切ったそして布団からもぞもぞと出て一応ジャージ姿に着替えて他の子を起こしながら(香織は寝起きが悪すぎるので枕を引っ張って起こした)甲板に登っていった

 

 

 

 

 

甲板に登ると何かお音が聞こえるようになりだんだんと近づくとその音の正体がわかるようになった

 

「この音は格闘技の音!」

 

甲板からは格闘技の時の独特の音がなっていたそっとドアを開けるとそこには司令などの参謀が組手をしているところだった、もともと剣道をして居たので雰囲気でわかった『この人たち、絶対プロだ。』そう思って見ているとなんとその中には前田くんまでもが混ざっていたしかもその顔はいつもの軽い感じではなくまるで今までこんな事をやってきたような感じの目をしていた

 

じっとその様子を見ているとふと視線に気がついた司令がこっちを向いて

 

「雷樹くんもこっちにくると良い1から教えてあげるよ。」

 

そう言って手を小招きした

私は腹を括って鍛錬に臨みに行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍛錬をして見たがまだ最初だからなのか私はそんなにキツくなく代わりに前田くんは昔から行っていたのかすごい鍛錬をして居た、いやもはや鍛錬ではなく一種の地獄と化していた。

まず最初に甲板を30周しその後に腹筋・背筋をそれぞれ3000回ずつ行いその後にまたどっか持ってきたかわからないバーベル上げをしていたしかも200k

思わず私は『すごい』と口から漏れてしまったそうすると司令が

 

「前田さんは実家が道場をやっていてねその影響で啓介くんもやって居たのだろう」

 

「かくいう私も前田さんから格闘技を教わったんだ。」

 

そう言いながら私に格闘技の基本の方を教えてくれた

 

「意味は女性だからこういう護身術は学んどいたほいがいいよ。」

 

確かにと思いながら格闘術を教わっていったそしたら徐々にみんなが集まって来たので今度はみんなで鍛錬をするようになっていった

 

そしてまた自分達の仕事を覚える日々が続いて行った




ちなみに甲板でしていた格闘技のイメージは自衛隊格闘術です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

司令長官任命式

時系列が飛びます


あの日から2年が経った、あの時とから変わったことと言えば私と大石さんが婚約をした事とあとはしおりちゃんの性格がオドオドしていたのが逆にとても明るくなったこと、武御雷の格納庫が星鵬とその護衛隊以外の機体が全て噴進機の閃電改や吼星となった事だろう。ちなみに鍛錬に関しては私も200kのバーベルを持てるようになり格闘技に関しても十分役立つようになった

 

まぁ婚約に関しては何回もプロポーズを受け私が折れてしまったと言う言い方が一番正しいかもしれない

 

しおりちゃんに関しては本当に理由がわからない、いつの間にかとても明るくなっておりとても昔は心配性だったとは思えないほどフレンドリーになっていた

 

噴進機に関しては徐々に電征から変更されていって攻撃・防御などあらゆる面で性能向上をし、あらゆる状況にも対応できるようになった

 

 

 

 

 

今日は今まで艦隊旗艦だったおおよどから武御雷に艦隊旗と長官旗を移すささやかな式典が武御雷の会議室で行われていた。ちなみになぜ会議室で行うのかと言うとあまり他の隊員の邪魔をしたくないという考えと、もう日付が代わった時点で既に司令官になっているので本来だったら部屋に置いてさっさと行きたかったらしいのだが一応型式でも必要らしいのでこんな感じなのだという

 

 

 

「今日はこのような日に式典ができたことを光栄に思う」

 

そう言って艦隊旗と長官旗とバッチの入ったトレーを渡してそれに続いて他の参謀達もバッチをそれぞれのいままでの教え子に渡していった

 

「もう自分が教える事はないな」そう言って前の司令官はおおよどに戻って行ったちなみにおおよどには他にもこの期に退役する隊員なども居て見送るために甲板には多くの隊員が居た

 

「帽振れ〜」

 

そう言いながら去っていくおおよどを見て私は顔から涙が流れていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日司令官となった私に早速前衛遊撃艦隊がレーダーで捕らえた情報が入った

 

「通信員からの報告!小笠原諸島父島沖、西400浬に置いて海賊とおもわしき船団とブルーマーメイド艦艇が戦闘を開始したと報告がありました。」

 

「どのくらいの規模?」

 

「はっ、報告によると中型艦1 小型艇多数。」

 

「了解、前衛潜水艦隊並びに航空隊に打電現場海域に向かい中型の武装の有無を確認し海賊の物なら直ちに中型艦を撃沈せよ、なお航空隊は夜間仕様の攻撃機でロ号弾使用し小型艇を殲滅せよ。」

 

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このとき私は迷っていた、何故なら目の間に居る船団は最近ここら辺を荒らしている海賊だったのですぐに対処しなければならない、しかしあまりにも小型艇の数が多いのだ、なのであの中型艦を攻撃しようにも小型艇に邪魔をされ、かと言って小型艦を攻撃すると今度は中型艦から砲撃を食らってしまう、とりあえず救援を呼ぼうとしたときだった、突如中型艦から水柱が上がったと思うと船体が真っ二つに折れ曲がりながら沈んでいった、いきなりのことに海賊たちかとても混乱して居たその時だった、何か上から降ってきたと思うと突如炸裂してとてつもなく大き名爆発音ととも目の前が真っ白になった次に目を開けると海賊達の小型艇が跡形も無く消えていた、私は思わず空を見ていたそうすると爆発の時の光で一瞬だけ明らかに飛行船ではない空とぶナニカが見えた

 

結局、この爆発は改造した中型艦の燃料に引火して起こった事だろういということで終わりを告げた




やっと本編キャラ出せた
すいません作品都合の関係上もしかすると真雪さんはちょい数年前まで働いていたことになるかもしれません


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新たな任務

コンのお話が終わると多分本編にいくと思います


小笠原での戦闘から一週間ほどが経った時、私は突如軍令部より召集が下ったそれにより私は艦隊を香織に任せ自分は硫黄島秘密基地まで航空機で送ってもらいそこからは船に乗って軍令部のある新霞ヶ関にある海軍軍令部に向かった。

 

 

 

 

 

軍令部に着くとそのまま総長の執務室へと通された

 

「いきなり呼んですまないな。」

 

と言いながらカーテンを閉めて外から見えないようにすると静かに紙を渡したそれを読むとそこには武御雷の改修計画書だった

 

「近々君の船は改修をするために陸奥湾の大湊に行ってもらう、その間君達の艦隊の旗艦はこないだ完成した日本武尊に乗艦して貰う。」

 

そう、前に大湊に行った時にまだ建造中であったあの日本武尊は実はあの時はまだ建造途中であの時は内装工事が始まったばかりだったので中に乗れなかったがようやく船に乗艦出来ると思い、うれしい気持ちでいた

 

「では一週間後大湊に行ってくれ。」

 

そう言って紙を鞄の中に入れて部屋を出ていった

 

そのあと艦隊に戻る途中よく改修計画書を見るとそこには新型タービンの搭載や空調設備の交換そして、新しく車両積載用ハッチが新たに追加されると同時に新たに海兵部隊が追加されることとなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間後大湊に着いた私達は荷物を持ったままとなりの日本武尊にそのまま乗艦した

 

「結構広い艦橋ですね。」

 

香織がそういうと

 

「それにあっちと比べるとやっぱりこっちの方が重量感があっていいですね」

 

しおりもそれに同調して同じような言葉をかけていた

 

「それじゃあ各員部屋まで行って1500に会議室に集合!」

 

「了解。」

 

そう言った各々割り当てられた部屋へと向かっていった

 

 

 

 

 

1500と、なり会議室に続々と各班長や参謀達が集まっていった集まった人が全員席に座ると静が

 

「実は軍令部から司令が届いているんだ。」

 

そう言うと会議室の雰囲気が一気に変わった

 

「次の司令は最近南シナ海で活動を活発にしている中華武装組織の拠点の発見及び殲滅、この作戦は日本政府及び"中華政府"からの要請でもある」

 

中華政府の名を聞き会議室が騒然とした、日本ならいざ知らずまさか国外からの要請があるとは思わなかった

 

「ちなみにこの作戦は極秘裏にブルーマーメイドが我々の正体を探るべく参加すると言う情報があるとらしい」

 

またもや会議室が騒然とした、まさか自分たちの艦隊が公の場に晒されてしまう恐れがあると思い皆が落ち着かない様子だった

 

「皆心配しなくていい、総長はそのことも考えてこの作戦に新しい人を配属してくれたわ。入ってきていいよ。」

 

そう言うとドアからガタイのいい黒く日焼けした体に髭の生えたまさに海の男と言えるような男が入ってきた

 

「お初にお目にかかる、私は菊花艦隊海兵隊隊長九鬼 政信というこれからよろしくたのむ。」

 

そう言って空いていた席に座った

 

「さて、主役も揃った事だし今回の作戦の詳しい説明をする」

 

そう言って部屋の電気を消しプロジェクターを起動して作戦内容を詳しく伝えた

 




ちなみに武御雷の改装は第三次世界大戦の時の改装です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

作戦準備

静から今回の作戦の詳しい内容をプロジェクターを見ながらきいて説明がおわり再び部屋が明るくなると香織が

 

「成程、まさにコレは逆転の発想ですね。」

 

そう言って香織は早速計算機にかてきます、と言って電算室へと向かっていった

 

早速必要な資材の調達と弾薬の集計を行ってきますと言ってみかは部屋を出ていった

 

そして次々と計画遂行のために出て行く一同だったが、私は葵と徳川さんを呼び止めた

 

「葵と徳川さんはちょっとこっちにきて貰っていいかな?」

 

そう言って私はまず徳川さんには

 

「徳川さんは前に作ってくれたモールス信号機の手腕を使ってちょっとコレを作ってもらって良いかな。」

 

そう言って紙を渡し、それを見た徳川さんは

 

「ほうほう、コレはとても面白いですねぜひ作らせて貰いたいと思います。」

 

そう行って紙を持ったまま部屋を出て行った

 

部屋から見送った私はそのまま葵の方を向いた、そしてこう言った

 

「葵には前見せてくれたデータを使ってちょっと委員会の情報を探ってくれないか。」

 

「いいですけど、どうして委員会を?まさか司令は・・・ムグッ。」

 

その続きを言おうとしたとき静かに口を塞がれてしまった

 

「その続きをまだ言わないでほしいまだ確証がとれていないからね。」

 

そう言って静は小声で

 

「実は、このことは内密にしほして欲しいんだけど最近、陸軍の倉庫から弾薬などが盗まれたっていう報告があってねもしかしてと思って“通信参謀“である一色 葵中佐に極秘裏にこの案件の調査を要請する。」

 

と行って声色を変えた口調で言った

 

司令官が自分の役職で呼ぶということは司令官は本気で“海上安全委員会“を疑っている証拠だった

 

そう聞いて私はハッキングルートを考えながら

 

「了解しました一色 葵中佐要請を受理しました。」

 

「結果が出たら直接私の所まで渡してくれ。」

 

「はっ」

 

そう言って私を部屋から出て行った、そしてそのままの足取りでパソコンルームの一番奥の私だけのプライベートルームに入ってあるアドレスを入力すると指紋認証と音声キーの画面が出てきて指を置くと

 

『Hallo、Abyssal world』

 

音声と声帯認証をクリアすると何か幾何学的な紋章が出た後何枚もあるディスプレイ一杯の大量の文字や数字の羅列が出て来た

 

「さて、久しぶりに一仕事やっていきますか。」

 

そう言って髪を結ってキーボードを叩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一週間ほどたった時に各部署から報告が入り海賊の拠点の場所や人数、持っている武器の種類、補給能力などこれでもかというほど様々な報告が机の上に溜まっていった、そして徳川に頼んだ”例のモノ”もできたという報告が入ってきた後残っているのは葵に頼んだ例の調査の件だけだが、そう思っているとドアがノックされ入って来たのは葵だった

 

「どうだった調査の結果は?」

 

「いやー久しぶりにあそこまでハッキングしたのも久しぶりだったけど、それよりも釣り上げた物の方がもっとえげつない物だったよ」

 

と言ってポケットからUSBデータメモリを取り出して予めオフラインにしておいたパソコンに繋いで見てみると其処には今の役員含め多くの幹部の不正などが乗っていた。

 

「うーん、承知はしていたけどまさかここまで酷いとは。」

 

そう言いながらパソコンの画面を見ていた、そこには賄賂や資材の横流し、セクハラ、パワハラ更には”弾薬の販売に関する売り上げ”なども載っていた

 

「ここに載っている弾薬の売り上げの数はちょうど無くなった数と同じですね。」

 

ちょうどその時一緒に書類の整理をして葵の調査のことを知っている香織がそう言った。

 

するとナニカ黒いモノが隣で渦巻いているような気がした香織はこの感覚を感じたことがあったので恐る恐る隣を見るとまるで鬼のような顔をした静がいた、その顔に葵もいつも優しい印象の静がこんなになることに少々萎縮してしまった。

 

「盗んだもので自分達の私服をこやしているとは・・・現場を知らんブタどもが。」

 

そう言って全部のデータをコピーしてからパソコンからUSBを抜きそれをそのまま封筒に入れ私の名前のもと念のためお菓子の箱の中に入れ補給に来た船に乗せて軍令部に送って貰った。

 

 

 

 

 

後日、海上安全委員会の面々全員がに軒並み道徳警察に逮捕されついでに賄賂などを送って居た政治家なども逮捕されたことにメディアは騒然とした。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

作戦開始

〜ある日の深夜 海賊の拠点〜

 

「あぁ〜暇だなぁ何かブルマーでも来ねえかな」と海賊の仲間が呟いていた、たとえブルマーメイドが来ても自分達には委員会が売ってくれた武器や弾薬が大量にあったのでブルマーが来ておい返せると思っていた。補給に関しても問題はなかったので慢心をしていた次の瞬間だった、突如として海面から現れた謎の黒い集団にナニカを撃たれすぐに意識を飛ばしてしまった。

 

「よし次にいくぞ」

 

黒い服を身に纏った集団はそのまま眠らせた海賊を森に隠してそのまま森の奥に姿を隠していったその中の一人はまるで死神のような雰囲気を纏っていた

 

 

 

 

 

〜作戦開始のすこし前〜

 

「えぇ!!司令も行くんですか!」

 

思わずしおりがそう叫んでしまった。

 

「うん、そうだよ」と満面の笑みで静は頷いた

 

「し、しかし船の指揮は一体誰が取るんですか」

 

そういうと隣にいた香織がポンとしおりの肩に手を置き

 

「だめだよしおりちゃんこの人は欧州の時でも司令官なのに真っ先に突入していっちゃう人ですから」

 

そう言って香織はもうあきらめていた

 

「わ、わかりましたでも気をつけてくださいね。怪我でもしたら困りますよ。」と言って艦橋に戻っていった

 

 

 

しおりを見送ると私は欧州の時に使っていたラハティL-39対戦車ライフル(49・5kg)を持って海兵隊員のいる甲板へと向かった

 

 

 

 

「しかし、ほんとに来るとは思わなかったな、船は香織にでも任せているのかい?」

 

「ええそうよ、香織ちゃんは基本的に何でもできるしね」

 

「確かにそうだったな。あいつは基本的になんでも優秀だったからな。」

 

と、とても軽い感じで喋っているが実は九鬼と静と香織は同期なのであるなのでこのように軽い感じで喋っていたのだ

 

「さて、もう時間だしっかり頼むよ『死神』さんよ」

 

「ふん、上等よ」

 

そう言いながら梯子を使って下に留まっていた水陸両用車「海鋼」に乗って行った。

 

 

 

 

 

海鋼が海岸の近くに着くと海鋼の水密ハッチが開き中にいた隊員は外に出て見張りの有無を確認した、空気入りチューブを傷つけないように慎重に海岸に近づいていき見張り役が1人しかいない岩場の近くのところに行き見張りを麻酔銃で眠らせ上陸をした、続いて湾岸設備のあるところ行き敵の高速艇に細工をし弾薬に赤外線マーカーをつけ、沖合の仲間達に準備ができた事を知らせをした

 

 

 

 

 

〜洋上 日本武尊〜

 

「観測班より報告!目標の島より赤外線ランプの点灯を確認したとの事であります。」

 

「了解、全艦統制射撃!交互撃ち方 目標敵海賊の拠点、全艦最終安全装置解除、これより噴進弾による攻撃を行う。甲板用員は直ちに遮蔽物に退避せよ。」

 

「目標!!、敵、海賊拠点、距離、一万八千、射撃用意、よし!」

 

「主砲、一斉射、用意よし、、、ってー!!」

 

と西崎が号令をすると同時に艦内に大きな振動が響いた

 

ドーン、、と爆音と共に重量約2tほどの砲弾が島に向かって飛んでいった…



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

作戦終了

日本武尊が発砲したと同時に先に上陸した海兵隊は行動を起こした、まず近くの倉庫内にいた数人の人間を拳銃で頭を撃ち抜いた。そして、建物の中に進んで中にいる海賊共に尋問を行う事にした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海賊たちは混乱していたいきなりなにかが飛んできたと思うと置いてあった機関銃や弾薬を木っ端微塵に吹き飛ばした。そして、島の森から音がしたと思うとそこから光を灯した装甲車のような車が突っ込んできて付いていた機銃を撃ち仲間たちを亡骸にしていった。

 

 

 

 

建物の中に進んだ静かたちは建物の中にいた武器を持った連中をミンチにし、武器を持って居ない海賊を数人捕らえ椅子に括り付け情報を聞くとそのまま銃で頭を撃ち抜いた。

 

 

 

 

 

海賊のボスとその部下は必死に桟橋に逃げて居た

 

『まずいここにいたら全滅だ、ひとまずここから脱出して体制を立て直すぞ』

 

そう思いながら船に乗り込みエンジンを点火した直後だった突如自分が炎に包まれた、一体何があったのかわからなかった

 

 

 

 

 

 

その頃日本武尊では

 

「攻撃終了、これより海兵隊回収地点へと移動する 全艦に通達!取り舵、右回頭180度」

 

「了解、右回頭180度ヨーソロー」

 

全艦取り舵を取って海兵隊の回収予定地点まで進んでいった

 

 

 

 

 

「おぉ、汚い花火が上がったねぇ」

 

そう言いながら細工をして爆発を場所の方を見ながら静がそう言った。すると伝令兵が

 

「間も無くこっちにブルーマーメイド艦隊が来るそうです。」

 

伝令が報告をするともい生き残りがいないのを確認し九鬼が

 

「よし、長居は無用だ引き上げるぞ。」

 

そう言って海鋼に乗り込み再び海中へと姿を消した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある無人島の近くを通った漁船から『何かが爆発したような音と光があった。』という通報があり、上層部が一掃され、指揮系統が混乱している中、唯一まともに動けた私と福ちゃんが急遽那覇から船を出した。しかし現場に着くと最初に見えたのは焼け焦げた人の死体であった。それを見て気分を悪くしながら奥に進むと建物が見えてきた。

 

「どうやらここは海賊の拠点だったみたいですね」そう隊員が言いながら広場のようなところに着くと思わず私達は吐いてしまった。そこには赤色の水溜りが大量に出来ておりつづら折りに死体の山が出来上がっていた、中には体の下半分がなく上半身しか残っていない死体もあった。

 

「コレは酷い」

 

誰かがそう言うと「いくら何でもちょっと海賊が可哀想に感じてきますね。」他の面々も同じような言葉を発している時、ふとそれほど損傷が酷くない建物があり、しかも“灯りが付いていた”思わず手に銃を持つとそっと開いて中を覗いた、しかしそこにはすでに冷たくなっていた海賊の亡骸があった。しかしその見た目は酷いものだったある人は右腕から先がなく、またあるものは肉を削られていて周りにナイフと肉片が落ちていた、そして一番酷いのは手の指を一本ずつを斬られ首から上が床に落ちていた死体だった。

 

思わず入ってこようとした他の隊員に「入ってこないで」と叫んでしまった。

 

 

 

 

 

他のところも見ていると小さな小道がありその先には桟橋があった

 

そこに向かうと爆発した船の残骸と水平線ギリギリに見える“大きな黒い影“があった

 

「あれは・・・!」

 

双眼鏡でその正体を見ると慌ててカメラで撮って正体を調べようと取りに行って戻って来た時にはもうその姿は無かった。




おそらく次から本編へと行くと思います
もしかしたら間幕があるかもしれない


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新しい命

ちょっと小話を挟んでみました


あの海賊の拠点殲滅からまた幾分かの月日が流れた。その間にみかと直樹が婚約をし、私は双子の男女の子どもを授かったためしばらくの間育休を取っていた。

 

 

育休を取っている間は香織に司令を任せ、私は子供の世話をするために艦隊の業務を香織に任せた。

 

 

 

育休になるすこし前に香織やみんなから『子どもを産んだらちゃんと見せにきてくださいね』と言われ、しおりからは安産のお守りを渡され『うちの実家のお守りです、元気に帰って来てくださいね』と言われ私は艦を一時的に降りた・・・。

 

 

 

お腹が大きくなり入院をしている時も代わる代わる艦隊の人達や家族などが見舞いにきてくれて、艦隊の仲間達は今の現状などを教えてくれた。その時見舞いに来た第一航空隊隊長の萩野君から『元気な子を産んでくださいね、みんな司令の子供を観たがってますよ。』と言われ私は嬉しい気持ちになった。

 

 

 

そう言われたからすこし経ち、私は陣痛が起こり直ぐに手術室へと向かうここととなった、私が手術室にいるとき部屋の前では知らせを聞いて艦隊から飛んで来た輝がソワソワしながら待っていた。

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・オギャー、オギャー」

 

と手術室から大きな声が聞こえ部屋が開くと二人の子を抱えながら看護師さんが

 

「おめでとうございます、元気な赤ちゃんですよ。」と言って二人の赤ん坊を抱えて出てきた。

 

それを観た輝と私の両親と輝くんの両親が揃って大喜びした。この報告はちょうど大湊に停泊していた艦隊にも届き、基地が一時お祭り騒ぎになったという。

 

 

 

しばらくして私と子供達の容体が安定して病院から退院すると、真っ先に近くの伊豆半島の松崎市の近くの秘密港にいる艦隊に産まれた自分達の子供を見せにいくついでにいでに艦隊のみんなに会いにいった。

 

 

秘密港に行くとみんなが双子を見てにっこりとし艦橋のみんなが抱っこをしていった。

そしてちょうど香織が抱っこをした時に子供がおお泣きをしてしまいその光景をみんなで大笑いしたりもした。

私が仕事に復帰した時についでに宴会をする事となり私は出撃していく艦隊を子供たちと見ながら家に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

育休を取っている間もちょくちょくとみんなが遊びに来てくれて赤ん坊の面倒などを観てくれていた。(ちなみに後で知った事だがみんなルーティンを決めて家に来ていたらしい)

 

やがて育休の時がすぎ子供たちを親に預け私は仕事に復帰していった。

 

 

 

 

『司令長官の復帰と出産に乾杯!』

まず艦隊に復帰した私は宴会に参加しみんなと色々と騒いだりして一夜を過ごし、次の日から業務に取り掛かった。

 

 

 

 

育休の期間が終わっても帰還すると必ず輝と一緒にわたしの実家に行き、孫に甘々な茂を叱り子供達と一緒に遊んだりしていった。

 

 

そんな子供達の成長を見ていきあっという間に年月が経ちに兄の”和樹”と妹の”真由美”は小学生となり将来の夢に和樹は『海軍になってお父さんのようなかっこいい軍人になりたいです』と言い真由美は『ブルーマーメイドになって世界中を旅してみたいです』と言い拍手をもらっていた。

 

 

 

そんな子供たちも来年は小学3年生となり元気に過ごしており、そんな様子を見ながら私は休暇から帰って来た。

 

 

 

 

 

 

私が休暇から帰ってくると、香織からいきなり報告があった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第二章〜アニメ本編
動き出す陰謀


ある日突然とある船のアイコンが写ったその船は過去にやっていたある極秘の実験艦だった

 

 

 

 

 

某所

 

「一体どうするんだ!この実験が漏れると我らは確実に粛清されるぞ!」

 

「しかし、どうやって回収するんだもうすぐ海軍の連中が異変に気づくぞ!」

 

そう言っていると1人の男が

 

「海軍に関しては欺瞞情報を出し、海洋学校の教官船に海洋調査として研究員に扮した部下を送り込むというのはどうか」

 

その意見が通り早速準備が進められた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜武御雷〜

 

海賊の拠点の殲滅が終わってから少し経った頃改装が終わり船体に車両積載用ハッチと新しく噴進弾発射口が追加され更に、新たに回転機翼機も、追加され、海兵隊に新しく水陸両用戦車である『景虎』が追加された

 

武御雷に到着して香織がやって来ると

 

「何、電波妨害?」

 

「はい、どうやらここ数日の間で何隻もの船が通信障害が起こっているそうなんです。」

 

香織が執務室へ移動しながら報告をすると静は目を閉じて考えた

 

『この時期に通信障害が起こると噴火の影響か、もしくは噴火の予兆か、はたまた何か人為的なものか。』

 

そう思っていると香織が「一応調査部隊を編成しておきますか?」と言っていたので編成を頼もうとした時だった、通信員が上がってきて

 

「前衛潜水艦隊より報告!只今西之島新島において火山活動があったとの報告がありました。」

 

その時私は火山活動による電磁波の影響だろうと考えた

 

 

 

 

 

 

 

しかし、何かが引っかかると思って椅子に座りながら考えていた・・・

 

 

 

 

 

西ノ島新島の報告があってから少し経った頃私は軍令部から出頭命令が下った

 

 

 

軍令部に行くと総長に会い

 

「そういえば最近、陸軍の師団長には会って来たのか?」

 

と言われそういえば今まで海の仕事や子育てで忙しくあまり菊花師団に赴く事がなかった。

 

「そういえば最近はあまり会えていないですね」と答えると茂は

 

「行ってくるといい、最近中々来ないからきっと暇を持て余しているぞ。」

 

と言われ私は早速、菊花師団司令部のある子東京奥多摩に向かった

 

 

 

 

基地に到着すると門の前にはある人物が立っていた。

 

「おぅ、久しぶりだなぁ」

 

そう言って黒を基調とした陸軍の軍服を着た男が手を振って出迎えた。

 

「お久しぶりでございます熊谷 師団長」

 

「和樹くん達は元気にしておるか?」

 

「はいっ!来年はもう小学3年生です。」

 

「そうか!それは良かったまた会えたら会いたいと伝えてくれ。」

 

そんな会話をしながら司令部の執務室に通され今の現状などを伝えた。

 

 

 

 

 

「ほぅ、西之島新島付近で噴火より前から通信障害か・・・」

 

そう言いながら手であごを撫でた

 

「このことを閣下はどう思いますか。」

 

「うーむ、確証は持てないが俺はこの件はくさいと思っている。」

 

と言って熊谷は早速、部下に過去の西之島新島の出来事を調べさせた。

 

「結局が出たらまた、モールスでお知らせします。」

 

そう言って陸軍の新しい兵器を私に紹介してくれてから分かれた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

入学式

もしかするとしばらく静でないかも


それは私が5歳の時に親友のもかちゃんと一緒に養護施設にやって来たある黄色い目をした紺色の制服を着たある女性の話だった。

その時はブルーマーメイドじゃ無かったので少し残念だったがその人の話を聞いていると色々な話をしてくれた。そして最後に私たちに

 

 

「海は人の夢のように広い 海は人をどこまでも連れてってくれる」

 

 

そう言っていたその時、わたしはその人がとてもかっこよく見え、そしてブルーマーメイドになったらまたあの人に会いたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

9年後

 

ー入学式当日ー

会場に向かう一つのスキッパーがいたそのスキッパーに乗っている少女、岬明乃はスキッパーを走らせ横須賀女子海洋学校に向かっていた、海洋学校の近くの桟橋に着くと前にいた少女にぶつかってしまい朝食に食べて居たバナナの皮をぶつかった拍子に落としてしまい、それにつまずいてぶつかって来た少女が海に落ちてしまった。

 

「大丈夫?つかまって」

 

「いい、着衣泳は得意だ」

 

「うぁ〜ずぶ濡れだね。」

 

「これからん入学式なのに〜」

 

「ついてないね」

 

「お前が言うな!」

 

濡れてしまった制服などを洗って乾燥している間に間にシャワー室で体を洗い髪を乾かしていた

 

「下着とかここに置いとくねプレスもしておいたから」

 

そう言いながら渡すと少女は明乃を睨んだ

 

「着替えるから出ていってくれないか」

 

「あっ、ごめん」

 

一旦扉を閉じたと思ったらもう一回扉が開き

 

「折角同じ学校だからこれからよろしくね」

 

一言声をかけてから会場の武蔵に行った

 

 

 

 

 

ー入学式会場ー

 

「もかちゃーん」

 

入学式で人が家族連れも多い中自分の親友の名前のよんで気づいて振り返って手を振ってくれた

 

「もかちゃん、お待たせ」

 

「ミケちゃん、もう間に合わないかと思っちゃったよ」

 

なかなか来ない親友に少しもえかは心配していた

 

「クラス発表は最後らしいよ」

 

「モカちゃんと同じ船だといいなぁ」

 

「うん、 そうだね」

 

そう喋っていると

 

『まもなく入学式を開始いたします、新入生は整列してください」

 

と入学式のアナウンスが流れ武蔵の前甲板で入学式が始まった、武蔵にマストに海洋学校の校旗が掲げられると入学式がはじまった。

 

「では、宗谷校長よりご挨拶です」

 

校長の真雪が壇上に上がった

 

「皆さん、入学おめでとうございます。校長の宗谷です。皆さんは座学、実技で優秀な成績を収め、この横須賀女子海洋学校に晴れて入学しました。すぐに海洋実習が始まりますが、あらゆる困難を乗り越えて立派なブルーマーメイドになってください。」

 

 

 

 

 

入学式が終わりクラス分けの表を見に行く途中

 

「もかちゃんは乗りたい船とかある?」

 

「うーん、どうだろう・・・あまり考えたことないかも」

 

「ミケちゃんはあるの?」

 

「うーん、私もないかも」

 

「でもやっぱりモカちゃんと同じ船に乗りたいな。」

 

そうこう話しているとクラス分けの貼っているところの前に立った。

 

「じゃあ『せーの』で見ようか」

 

「うん」

 

「「せーの」」

 

そう言うと自分の名前を見開いて探した。




果たして明乃たちの言った言葉はいったい誰のことばに出てきた人とはいったい誰なんでしょう笑


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

入学式2

今回いつもより長めです


『せーの』

 

と言って一斉に自分の名前を探しているとまず最初に

 

『超大型直接教育艦 武蔵 艦長 知名 もえか』

 

と、書かれていた。

 

「すごいよモカちゃん‼︎武蔵だよ‼︎いいなぁ〜私も武蔵に乗りたかったなぁ〜。」

 

「ミケちゃんもすごいよ、ほら。」

 

そう言って指を刺した先には

 

『陽炎型航洋直接教育艦 晴風 艦長 岬 明乃』

 

と書かれていた。

 

「でも正確には晴風は航洋艦だから正確には艦長じゃないらしいよ」

 

「でも艦長は艦長だよ、小さい艦の方が隅々まで目が行き届いて、いいんじゃないかな?」

 

「そっかぁ、一クラスの人数は武蔵でも晴風でも一緒だもんね、ある程度自動化されているとはいえ大きい艦は大変だね」

 

と言いながらそれぞれの艦に関して感想を述べていた

 

「でも・・・大丈夫かなぁ・・・・・艦長なんて受験勉強だけでまだやった事ないのに」

 

「大丈夫だよ・・・ミケちゃんはきっといい艦長になれるよ・・・・ほらあれが晴風だよ」

 

そう言って指を差した先にあった艦を見た

 

「なんか、かわいい」「ヘェ〜、あれが新しい家になるのか」

 

そう思ってじっと晴風を見ていた

 

「やっと会えたのに・・・また離れ離れだね・・・」

 

「大丈夫だよ、艦は違っても同じ海の上にいるんだから」

 

少し悲しくなってしまったもえかを明乃は同じ場所にいるのだからと励ました

 

「ミケちゃん・・・」

 

「それに私は晴風の仲間、モカちゃんには武蔵の仲間ができるし。」

 

そう言って

 

「それにあの人も言ったしね」

 

「うんっ!」

 

『海は人の夢のように広い 海は人をどこまでも連れてってくれる』

 

「じゃあね」

 

そう言って2人はそれぞれの場所へと続いていった

 

 

 

 

 

晴風 艦内

 

『はぁ、なんで晴風なんだろう、これじゃあ落ちこぼれだ』

 

「宗谷さん、久しぶりだね、元気出して、宗谷さんが艦長じゃないなんて、何かの間違いだよ、成績ならトップクラスなのに。」

 

「んっ!」

 

「あぁ!、一緒の艦なんだ〜。」

 

「ついてない」

 

「縁があるのかな?」

 

「絶対ない!」

 

「えへっ・・・、あっ、私?私は岬 明乃2人は?」

 

「宗谷さん、お知り合い?」

 

「知らない、知らないったら、知らない」

 

「宗谷さん?じゃあ、あなたが副長の宗谷 ましろさんだよね。あなたは?」

 

「私は、機関助手の。」

 

「黒木 洋美さん」

 

「あっ、うん」

 

「よろしくね」

 

『岬 明乃』

 

 

 

しばらくして教官である古庄が入って来た

 

「晴風クラス、全員揃ったか?」

 

そう言いながらクラスを見渡し確認すると

 

「艦長!」

 

「はい!」

 

『艦長!』

 

「起立!」

 

「指導教官の古庄だです。きょうからあなたたちは、高校生となって、海洋実習に出る事になります。辛いこともあるでしょうが、穏やかな海は、良い船乗りを育てないという言葉があります。仲間と助け合い、厳しい天候にも耐え、荒い波を超えたときに、貴方達は一段と成長するはずです。また陸に戻った時、立派な船乗りになって会える事を楽しみにしています。」

 

古庄は自己紹介と海洋実習についての言葉を述べ、教室を述べると古庄は教室を出ていき追いかける形で明乃も出て行った

 

「あの!古庄教官!」

 

「なぁに?」

 

「あの、どうして私が艦長なんでしょう」

 

「そっ、その私は艦長になれる成績では、」

 

そう言っていると古庄は

 

「じゃあ貴方の理想の艦長とは?」

 

「えっ?それは、船の中の、お父さんみたいな、あの、船の仲間は家族なので。」

 

「んっ、ではそうなればいい、何か困ったらきっと"幸運の船"が貴方を助けてくれる。」

 

そい言って古庄は離れていった・・・

 

幸運の船 それは数年前からブルーマーメイドの間では有名な噂話である。

 

 

 

ある日沖縄で仕事をしていた人が任務のためにある島を調査した時、なんとそこは海賊の拠点であったことに気付かずそのまま入ってしまったが既に海賊はおらず海賊が全員縛り上げられていた。その時沖合を見ると大きな船が止まっていて思わず写真を撮ったがそこには何も映っておらず。それはまさに”幸運”にも自分達を助けてくれたように思えたのでその名前がついた。以後ブルーマーメイドではこの話が徐々に広まっていった。

 

 

 

 

 

晴風 艦橋

 

「あれ、五十六?」

 

「ね、こ」

 

「可愛い。」

 

「うわぁ!また、この猫!おま・・、艦長が連れて来たんですか?」

 

「ううん、勝手に乗り込んだみたい。」

 

その時、出航の合図がなる。

 

「あっ、出港準備をしないと。」

 

「この猫、どうするんだ」

 

「もう降ろせないですし、ネズミ対策になりますから、いいんじゃないですか?」

 

「そんな!、猫と航海するのか!?」

 

猫が苦手なのかましろが嫌そうな顔をした

 

「じゃあ大艦長ということで。」

 

「私よりも階級が上・・・」

 

しかも、自分よりも階級が上なことにがっかりしていた

 

「あっ!私、岬 明乃です。よろしくね!」

 

「副長の宗谷 ましろだ。」

 

「私は書記の納沙 幸子です。」

 

「水雷委員の西崎 芽衣よ。」

 

そういえば肝心の航海長がいないと思っていると

 

「すいません!遅れました、ごめんなさい・・・・・はぁ、はぁ、わ、私、こ、航海長の知床 鈴です。」

 

と、息を切らしながら艦橋にやってきた。

 

「貴方は?」

 

「ほう、ほう」

 

「砲術委員の立石 志摩さんだよね。」

 

「うん」

 

全員の自己紹介が終わると晴風は出港準備に入った

 

「出港準備、錨をあげ〜」

 

するとあまりいい音ではないラッパが鳴り響いた

 

「両舷、前進微速150度ヨーソロー」

 

「晴風出港!」

 

タービンが起動しスクリューが勢いよく回り始め

 

ゆっくりと晴風が進み始めた

 

「航海長操艦」

 

『航海長操艦』

 

「両舷前進減速、赤黒なし、針路150度。」

 

「いただきました航海長」

 

「両舷前進減速、赤黒なし、針路150度。」

 

航行して隣を見ると隣は武蔵だった。

 

「あっ!モカちゃーん!」

 

そこには士官服に着替えて手を振っているもえかの姿があった。

 

「モカちゃ〜ん」

 

もう一回親友の名前を言って目的地の西之島新島へと向かって行った

 

 

 

 

 

まさかあんな事件に巻き込まれすとも知らずに。




さてあの人とは誰でしょうね 笑


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

異変

出港から2日がたった

 

「予定通りに行けば、明後日には西之島新島に到着できますね。」

 

すると突然船の速度が落ち始めた何があったと思うと機関が故障をしたとのこと

 

「はぁ、海洋実習の集合場所に行くのに機関の故障なんて、ついてない」

 

「これは、万事休すですね」

 

「ココちゃん、感心してる場合じゃないよ」

 

「一応、古庄教官には伝えておくね。」

 

そうして急遽機関の修理をする事となった

 

「そういえば晴風の機関って高圧缶だったよね」

 

「そうそう、高圧缶はあまり安定性がよくないから、最大速力にするとすぐに壊れちゃうんだよね。」

 

そう言いながら壊れた箇所を探して行った

 

 

 

 

 

「現在の位置は?」

 

「えっと、28°10’50”N、139°33’30”E72、4マイル」

 

「あと、何分で着く?」

 

「じゅっ、巡航速度で4時間」

 

「はぁ、初めての海洋実習に遅刻なんて、ついてない」

 

「ご、ごめんなさい。私が針路を間違えたせいで。」

 

「まぁ、機関が損傷してなくてよかったじゃん、最悪実習どころじゃなくなっていたよ」

 

「エンジンは直ったので、しばらくの間は大丈夫だと思いますよ。」

 

「晴風は高圧缶だもん、速度は速い分、壊れやすいからね〜。」

 

「はぁ、ついてない、そういえば艦長は?」

 

自分の船の艦長はと言うと

 

「今日もいい天気だね、五十六。」

 

と五十六のお腹を触っていた。

 

「ぬ・・・」

 

「やっぱり海はいいなぁ〜」

 

そう思っていると

 

「艦長ぉ〜、副長が呼んでるよ〜」

 

と芽衣の声が聞こえた

 

「このままだと、集合時間位間に合わないってさ〜」

 

「え?なんで遅刻の連絡はもう通信員のつぐちゃんにおねがしたよ?」

 

「でも呼んで来いってさ〜」

 

「うん、わかった」

 

 

艦橋に戻ると

 

「いったいどこに行ってたんですか!」

 

「ちょっと甲板に」

 

「遅刻しそうな時に何を!」

 

「遅れるっていう連絡は、もうつぐちゃんに送って貰ったし、だから五十六に餌を・・・」

 

次の瞬間水柱が上がった

 

「なっなんだ!!」

 

「猿島より発砲!」

 

「なんだって!」

 

突然の猿島の発泡があり艦内に動揺が走った

 

「ただの脅しでしょ、決めるならとっくに決めてるわよ、猿島なら。」

 

しかしもう一回砲撃をされ、さっきよりも距離が近くなっていたことから

 

「さっきより近くなってる、もう、反撃しようよ」

 

と言っていたが明乃は

 

「野間さん手旗信号を」

 

「了解」

 

手旗信号をするもなお猿島からの砲撃は続きいよいよ実弾まで使ってきたすると明乃が

 

「右舷魚雷戦用意」

 

と言ったのでましろが

 

「艦長、一体何をする気ですか!教官艦に攻撃をしたら反乱とみなされますよ!」

 

しかし明乃は

 

「このままじゃ怪我人が出る!逃げられないなら魚雷を撃って足を止めるの!」

 

そう言って模擬弾頭の発射準備を始めたすると芽衣が

 

「えっマジ!打つの、打つの!いよっしゃ〜」

 

と喜んでいたのであえて目を逸らした模擬弾の発射準備が終わると

 

「方位角左90度、敵速18節、距離60、発射よーいよし」

 

「撃て」

 

号令と同時に模擬弾が発射され猿島に命中し晴風はその場を退避した

 

 

 

 

 

そのあと猿島から届いた

 

『・・・・・学生感が反乱、猿島を攻撃。猿島は沈没、・・・・・艦長以下乗組員は全員無事、・・・・・・・なお、この事件の首謀者は航洋直接教育艦晴風とし、海上安全整備局は同感を反乱者と見做し行方を追っている。

 

この通信を受信した周辺の軍艦などには衝撃が走った、しかし、軍令部とある艦隊はこの受信を怪しんだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

間話:欧州の思い出

今回は久々にあるDVDを見て何となく思いついたので書いてみました


それは、ある日武御雷に乗艦していた時のことだった。

 

「あぁ〜、暇だな〜」

 

と、いきなり西崎が言った(この時はまだ婚約していなかった)

 

「どうしたのいきなり?」

 

と、静が言うと

 

「いや、何かさ〜、こう面白い事でもないかな〜、って思ってさ」

 

そう言いながら甲板の発艦訓練を見ていた

 

「面白い事はないけど、面白い話だったらいっぱいあるけどな〜」

 

「どんなの?」

 

「たとえばわたしが香織と一緒にヨーロッパに行った時に香織が壊れた話とか。」

 

「ちょっと!静ちゃん!それは言わないって約束じゃ・・・」

 

「ふふーん、ねぇ艦長その話もっと聞かしてよ!」

 

「いいよー」

 

「ちょっと!」

 

香織の話も聞かずに静は話し始めた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパ遠洋艦隊旗艦

 

「司令ー」

 

「ん?香織ちゃんどうしたの?」

 

「探しましたよ、司令。」

 

「ごめんごめん。ちょっとね。」

 

そう言って香織は紙を渡した

 

「今度の補給目録です」

 

「ありがとう」

 

と言って紙を受け取った

 

「今度の寄港地はポーツマスか・・・・」

 

そう言って次の寄港地を確認した、すると

 

「ねえ、オーロラ観に行かない?」

 

「はあ?」

 

突然静がそんな事を言い出した一体なぜいきなりこんな事を言い出したのかは分からないが急遽オーロラを見に行く事となった。

 

 

 

 

 

「・・・・で、どうして私達まで読んだの?」

 

と、レンタカーに居たのは静と香織とこの前のミッションで親友となったマリア=クロイツェルとマイヤー=アメルハウザーであった。

 

「全く貴方達はいつもこんな感じなんですから。」

 

と、言いながら少し苛々していた

 

「いや、私も実はを言うとオーロラって見た事ないんだよね〜。」

 

と、マリアが言うと

 

「確かに、あまりオーロラって見ませんね。」

 

と香織が言うと

 

「まあ、そうそう北極圏に行くわけではありませんからね。」

 

とマイヤーが答えた、しかし、その声はさっきとは打って変わって少し嬉しそうな感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらく進んでいると

 

「あぁ〜どっかのバカがねー。先に飯だって言うからだよー」

 

「あぁー、うん」

 

「そうですね・・・」

 

後ろの席にいた香織とマイヤーが小さく頷いた。

 

「どっかのバカひとりとは言わないよ、バカ2人がだ、飯だ、飯だと騒ぎ立て、もう夜の10時だよ。」

 

「如何だろうなー、これは静の落ち度じゃないかな〜」

 

「何だと!」

 

宿が取れないことに香織は静の落ち度だと言った

 

「私は別にテントでもいいよー」

 

とマリアが言うが

 

「いや、私はですね少しでも盛り上がればと思って、先に食事をしようと・・」

 

「どう言う盛り上がり方よ!」

 

「でも、結果的に盛り上がっているでしょう!?」

 

「だから、あなた達がこう言う結果を招くような事をしでかすからでしょうが。全くどうして香織もマイヤーさんもいつもはしっかり者なのにどうして今回は2人してあんぽんたんになったんだよ!」

 

「何ぃ?」

 

「あやまれ」

 

「何だとぉ!」

 

などと言っていると静が

 

「あぁ〜こんな時ピーテオなんていう街に行った方がよかったんじゃないの?」

 

「ピーテオ?何でそっちに行かなかったのよ。」

 

と、マリアが聴くと

 

「マイヤーが『行かない』って言ったからよ」

 

「マイヤー」

 

と、恨めしそうに言った

 

「何ですか、艦長もこっちに矛先ですか。」

 

「私もね、静の言う通りピーテオだと思ったんだよ。」

 

『wwwwww・・・』

 

 

 

 

 

 

その後も一向に宿は見つからず結局は

 

「おい、このバカヤロー!」

 

『wwwwww』

 

「よく聞け!ここをキャンプ地とぉーする。」

 

『wwwwww』

 

「ただのww・・ただのww道端じゃないですかwww」

 

そう言ってテントを設営し、静とマリア、香織とマイヤーと2人ずつ車とテントに分かれて泊まった

 

 

 

 

 

 

次の日一行はキルナに向けて車を走らせたが途中で香織の様子がおかしくなり、突如窓を開けて

 

『お母さーーん、私は今、北極圏にいまーす、北極圏は今日も雪でーす。あはははは・・・』と叫んだ

 

これを見たマイヤーは香織のためにしりとりをするが、効果がなく取り敢えず香織をキルナに着くまで寝かせて、キルナに付いた時に香織を起こす事にした。

 

 

 

 

 

しばらくしてキルナに着いて香織を起こすとすっかり良くなっていたが先程のことを覚えており顔を真っ赤にして手で覆っていた。

 

 

 

キルナに着くと一向は宿を取って夜にオーロラを見ることができた、しかもその時は今までの観測上一番大きなオーロラだった。

 

「わぁー、凄い綺麗」

 

「一面のオーロラだー」

 

そう言いながら来たみんなで空いっぱいのオーロラを前に写真撮影をした。

 

 

 

 

 

 

「・・・・て言う話だよ。」

 

そう言い終わると西崎が

 

「へぇーそんなことがあったんだ。」

 

「はっ、恥ずかしい・・・」

 

そう言って香織は顔を赤くしていた、すると

 

「司令だって壊れたじゃないですか!」

 

えっ!と言う声と共に皆が静の方を見た、その後香織が帰り道に静が壊れた話をして静が顔を真っ赤にして俯いていた。

 

その後この話は武御雷のいい笑い話となって行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

怪しい電文

今回の改造のイメージは新旭日の艦隊で潜水戦艦になった日本部尊です


丁度、機関の改装と船体の改造を行い"潜水戦艦"となった日本部尊に乗艦して菊花艦隊を指揮していた静は通信員からの報告を読んでいた

 

広域電波通信で捉えた情報によると横須賀海洋学校の陽炎型が反乱したものだったがこの情報を艦橋要員を始めとして艦隊のほぼほぼの人が怪しんだ、するとみかが

 

「今、私の姪が海洋学校に行ってるんだけど、集合場所までは自衛用の模擬弾一発しかないらしいよ、だから沈没したのはおかしいと思う。」

 

と言い私は

 

「そもそも学生が反乱なんておかしいし第一、反乱したのはまだ若い新一年生だ反乱をするにはまだまだ次戦経験が乏しい。」

 

と言っていると軍令部から通信がありそこには

 

『一刻も早く晴風を発見直ちに保護されたし』

 

と書かれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍令部では職員がひっきりなしに各所を走り回っていた

なんせ学生艦が反乱を起こしたのだ、ひっきりなしに電話などがかかってきて業務が完全にオーバーヒートのような状態へと変化していった

 

 

 

そんな中、総長の茂は渡された報告を読んで不思議に思っていた

 

『なぜだ、海洋学校の航洋艦には初めに自衛用の模擬弾一発しか搭載していないはずだ、しかも模擬弾は威力が低いから適切な処置をすれば沈まないはずだ、一体なぜ?』 色々な疑問が浮かぶ中まず最初にすべきことを考え机の下からモールス信号機を出した。

 

 

 

 

 

 

 

「まずは晴風を探すところからだねー」

 

そうみかは言うと

 

「でもどうやって探します?このだだっ広い海の中から。征電の逆探使ってもなかなか骨が折れるよ。」

 

そうしおりが言うと、ふとあるアイデアが思いついた

 

「いい方法がある」

 

そういうと艦橋にいた全員が静の方を向いた

 

「まずね西之島新島であんなことがあったと思うとまず事情を聞いてもらおうと次の集合場所に行こうとするだろ。」

 

そう言うとみんながハッとしそれぞれの仕事をし始めた参謀たちは進路の決定を行い

 

「全艦に通達!この任務は日本武尊単艦で行う、他の艦は硫黄島菊花艦隊司令部に寄港せよ」

 

そう言って艦隊から日本武尊が離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜晴風 艦橋〜

 

「学校からの連絡は?」

 

「まだありません」

 

「私たち見捨てられたんじゃないの?」

 

晴風が反乱容疑にかけられているのを当然学校も知っているはずだ。

そして、学校もなんらかの情報を聞こうと通信をしてくるはずだ。しかしいっさいのの通信がなくみんな不安がっていた。

 

「大丈夫、まだ事実確認中なのかもしれないし」

 

艦長としてみんなを励ましていた

 

「こ、このまま鳥島沖10マイルまで退避でいいんだよね?」

 

鈴が念のため行き先を明乃に聞いた

 

「うん、私たちが沈めたみたいになっているけどちゃんと事情を説明して誤解を解かないと。」

 

「このまま行って、捕まったりにしないかな。」

 

やっぱり不安なのか、鈴は涙目で聞いてきた

 

そんな中幸子が一人芝居を初めちょっとみんなが引いていた。

 

「やっぱり信じてもらいないってこと?」

 

芽衣がそういうと色々な機関が味方してくないと思うと不安になった

 

「あぁ、こんな時みかおばさんがいてくれたらなぁ〜」

 

みんなが聞いた事ない人の名前に首を傾げていると

 

「その人は誰なんだ?」とましろが聞き

 

「みかおばさんはね私のお母さんの妹で海軍にいてこの前婚約したって聞いてそれきり何にも連絡がないんだよね。」

 

「海軍か・・・」

 

確かに海軍なら確かに日本の軍隊のため海上安全委員会の息もかかっていないし、もしかしたら助かるもしれないと思った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

発見と違和感

芽衣の叔母である西崎 みか(今は婚約したので苗字が加藤なのだと言う)という人に会えたらもしかすると私達の疑惑を晴らしてくれるかもしれない、そう思っていると立石がそばを飛んでいるカモメを指差した。

すると納沙は

 

「こんな時、あんな風に学校に戻れたら良いんですけどね・・・水素やヘリウムを使わずに空を飛ぶ船って作れないですかね。」

 

「あんなの空想の産物だ馬鹿馬鹿しい。」

 

しかしましろたちは知らなかった、空を飛ぶ産物はもうすでに実戦配備され既にこの日本の守護神として影で君臨している事を。

 

 

 

 

しかし、ましろは一つ心当たりがあった、それは前に酒に酔っていた自分の母が言っていたある言葉だった。

 

『ホントにあの小笠原の時のあれは何だったんだろう』

 

その後詳しい話を聞くと、真雪が小笠原諸島に行った時、、非常事態として海賊の捕縛任務に駆り出された時、空から大きなものが降ってきたんだらしい、それが爆発すると一瞬にして海賊たちの小型艇を消し去りその時、上空に一瞬だけ明らかに飛行船じゃない形をした空を飛んでいる物がいたんだと言う。

 

 

 

 

 

やがて時刻もお昼となり

 

「みなさーん、食事の用意ができました〜。」

 

炊事室から食事のできた放送が流れる

 

「本日のメニューはカレーです!」

 

今日の昼ごはんのメニューを聞き

 

真っ先に反応したのは立石だった

 

「カレーっ!」

 

「そういえば今日は金曜日でしたね」

 

海軍の頃から残っている金曜日のカレーはしっかりと受け継がれていた

 

「じゃぁ交代で食べに行こうか」

 

「うぃ」

 

「うちのカレーはどんなのかな」

 

そんな話が艦橋で賑わっていた

 

 

 

 

 

〜日本武尊〜

 

「やっぱりうちのカレーは良いねぇ」

 

そう言いながら日本武尊特製の激辛カレーを静は食べていた。その時だった「報告!ただいま逆探知より船のレーダー波をとらえてたとのことです。」

 

そう報告が入り静は残りのカレーを勢いよく食べ艦橋に登っていった

 

 

 

 

 

「状況は」

 

艦橋に登るとまずいつも操舵輪を握っている前田に代わって握っていたしおりに聞いた。

 

「ただいま北北西の方向40マイルにてレーダー波を探知したとの事です」

 

「やはり来たか。」

 

「艦長の読みが当たりましたね」

 

そう言っているとレーダー要員が上がってきて

 

「報告します!ただいまレーダーが電磁波攻撃を受けています!」

 

「なんですって!」

 

予想だにしない現象に静は直ちに日本武尊を戦闘態勢にし全員に電磁波攻撃対策と海賊に占拠されいる事を考え武器の装着を指示し、現場に急行した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

攻撃

日本武尊が急行している時

 

 

〜晴風 艦橋〜

 

野間が見張り台から艦影を捉えた

 

「右60度、距離30000。接近中の艦艇はアドミラルシュペーです!」

 

「えっ!?」

 

野間の報告に全員が驚いた

 

「どうしてドイツの船が?」

 

「ドイツからの留学艦ですね」

 

納沙がタブレットを使ってなぜ日本に海外の船がいるのかを報告した。

 

「取り敢えず戦闘配置に!」

 

明乃は、驚愕しながらクラスメイトに指示をした

 

「総員配置につけ!」

 

まさかのシュペーの登場によりクラスメイトは楽しみにしていたカレーがお預けとなってしまった

 

「速力20節で接近中!」

 

「見つかっちゃいました!!」

 

「そのようだな」

 

シュペーの動きに捕捉されたことを認識した。

 

「シュペー主砲を旋回しています!」

 

野間から28cm砲が旋回してるとこを伝えた

 

「撃ってくる」

 

「えっ!?」

 

「問答無用ですね」

 

主砲旋回の報告があり一気に艦橋に緊張が走った。

 

 

 

 

 

 

 

〜日本部尊 艦橋〜

 

「調音、レーダー班より報告!急行している近海に”二隻”いるとのことです。そのうち陣営はは陽炎型駆逐艦と2軸の中型艦だとのことです。」

 

「了解」

 

「まさか同じ海域に二隻もいたとは、驚きですね。」

 

しかし、走って艦橋に上がってきた通信員の次の言葉に衝撃が走った。

 

「ほっ、報告します!たっ、ただいま中型艦より発砲音ありと、報告がありました!」

 

「なんですって!!」

 

「一体どうなっているんだ」

 

「停戦命令は?」

 

「今のところ周辺海域の電波を探しましたが出されておりません。」

 

「なぜだ、まさか警告なしで撃沈すると言う気なのか!」

 

「いや、まだわからんぞ威嚇なのかもしれない」

 

そう言いながら最大船速で海域に進んでいった。

 

 

 

 

 

〜その頃 晴風艦橋〜

 

シュペーが停船命令もなく砲をむけてきて緊張が走る

 

「野間さん白旗を!!」

 

「了解!」

 

そう言ってマストの上に白旗をあげる。しかし、

 

「シュペー主砲発砲!?」

 

「何で!?」

 

「エンジンも止めないとダメだ!」

 

「確かに白旗だけじゃ降伏になりませんね」

 

確かに白旗をあげてもエンジンを停止していないと逃走の恐れ有りとみなされ、正式な降伏とはならない

 

「でも、逃げるんだよね?」

 

鈴はこの場から逃げることを確認する。

 

「うん、180度転換する、面舵いっぱい!前進いっぱい!」

 

明乃は逃走を決意する。このまま止まっても射撃が止まるとは限らない。

そうなったら晴風はただの的となるだけと判断した。

 

「面舵いっぱ〜い」

 

鈴は舵を右側に取る

 

「着弾!」

 

砲弾は右側に着弾した。晴風はシュペーの攻撃を回避しながら、海域からの脱出を図った。

 

「シュペーも速度が上がりました。」

 

「追ってきた!!」

 

「早く逃げよう〜よ!」

 

逃走する晴風に対しシュペーも速度を上げた

 

「シュペーは基準排水量12100t、最大速力28、5節、28cm砲6門、15cm砲8門、魚雷発射管8門、最大装甲160mmと小型直教艦とあって巡洋艦サイズの船体に直教艦並のサイズの砲を積んでいます。」

 

納沙はタブレットでシュペーのスペックを報告する。

 

「着弾!」

 

と話している間にもシュペーの砲弾が着弾する

 

「主砲の最大射程は360000m、300kgの砲弾を毎分2、5発発射可能、1発でも当たれば轟沈です。まぁ副砲でもうちよりは強いんですけど・・・」

 

「装甲と火力はあちら遥かにが上・・・」

 

そう言って明らかに部が悪いことを実感する

 

「うちが勝っているのは速さと俊敏さだけ・・・」

 

明乃は勝っている速力で逃げ切ろうとするが

 

「このままだと機関がぶっ壊れちまうよ!」

 

と機関が悲鳴を上げ始めていた。その為速力も限られていた。

 

「魚雷打って足止める?」

 

「もうない!」

 

「だーそうだった。」

 

元々、晴風には模擬弾1発しかなく猿島の時に使ったので。芽衣は頭を抱えた。

 

「こっちの砲力は?」

 

「70で5・・・」

 

「7000で50mm・・・シュペーの舷側装甲は?」

 

「80mmです」

 

「30・・・・」

 

「30までよれば抜けるのね」

 

「ちゃんと会話が成立している。」

 

ちょっとの単語だけで会話が成立していることに驚いた。

 

「これが艦長の器ってやつですか・・」

 

「そんな訳なだろう!」

 

納沙の言葉に真白は否定する。

 

「マロンちゃん、出せる速度は?」

 

「第四船速まででい!」

 

「27節か・・・」

 

「向こうの最大船速とほぼ同じです」

 

「どうしたら・・・」

 

どうしたら逃げられるかと考えていた時、立石が

 

「ぐるぐる」

 

「ん?」

 

「ぐるぐる」

 

「はっ!、鈴ちゃん取り舵一杯!」

 

何かを思いついたようで鈴に取り舵を取らせた

 

「取り舵いっぱい!・・取り舵30度!」

 

「何をする気ですか!」

 

「煙の中に逃げ込むの!!」

 

煙幕を展開させその中に逃げ込もうと考えた。

 

「もど〜せ〜、面舵いっぱい!」

 

「面舵いっぱい!面舵30度」

 

「1発でも当たればやられる。速度と小回りを生かして逃げ切るしかない!!・・・・・マロンちゃん燃料を不完全燃焼させて!」

 

「合点承知!」

 

「黒煙が煙幕がわりだな」

 

「機関に負担はかかるけど、よろしくね」

 

「よっ、よろしくって・・・・・」

 

エンジンに負荷をかけるこの方法に黒木は呆れた。

 

『ハァ〜、また後で総点検ね』

 

この後にあることを前にため息が出てしまった

 

「鈴ちゃん不規則に進路を変えて、できたら速度も。ただしできるだけ速度を落とさないように」

 

「う、うん」

 

不規則に動いて回避行動を指示した

 

「艦長、止めるには実弾使うしかないよ。」

 

しかしジグザグ航行ではやはり心許なく西崎が足を鈍らせようと提案をする。

 

「戦闘、左砲戦30度、同行のシュペー・・・・」

 

ここにきて明乃は芽衣の提案を受け実弾による攻撃を指示する

 

「何を言ってる。猿島の時とおなじことになるぞ!これ以上やると本当に反乱になる!」

 

確かに彼女の言う通り相手は違う国の船だヘタをすると国際問題となる。

 

しかし明乃は

 

「でもこのままだと怪我人が出る!」

 

と晴風の安全を優先した

 

「し、しかし実弾で攻撃したら。」

 

「シュペーのシュクリューシャフトを狙い撃って速度を落とす。・・・副長」

 

明乃はじっと真白を見る

その間にも砲弾は着弾する

 

「わ、わかりました。」

 

真白もここで覚悟を決め鍵を出した

 

「実弾、りょうだん初め・・・」

 

実弾装填キーが回され主砲に実弾が装填された

 

「まる」

 

立石が砲撃準備が完了したことを知らせた

 

「装填よし・・発射準備良し」

 

あとは岬の命令を待つだけだ

 

「スクリューを打つには、どれくらいつめればいいかな」

 

「水中だと大幅に威力が落ちる」

 

「水中弾ていうのがあったでしょう?」

 

「それは巡洋艦以上でうちには積んでいない」

 

「理論上は12、7cm砲弾の水中直進距離は約、10メートル。装甲を抜くことを考えると・・・30以下まで寄ってください」

 

納沙がタブレットで計算をすると必要な距離を求める

 

「八の字航行のまま距離を30まで詰めて。」

 

「近づくの?怖いよ〜」

 

「何を言っている!」

 

「じゃあわかりました!」

 

そう言って両眼を隠した

 

「近づいてください!」

 

「前が見えないよ〜くらいよ〜」

 

そう言って徐々にシュペーとの距離が近づいていった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

会合

晴風がシュペーに近づいている途中

野間はシュペーからでた小型艇に気づいた

 

「シュペーより小型艇が向かってきます!」

 

「えっ!」

 

野間の報告に艦橋のみんなは困惑した

 

シュペーは副砲で小型艇を撃ち至近距離で着弾し小型艇と一緒に乗員が吹き飛ばされた。

 

「小型艇の乗員が海に落ちました。」

 

野間からの逐一の報告に艦橋員は理解できずに困惑していたすると、納沙が一人芝居を始めたため、真白がツッコミを入れた。

 

「シロちゃん・・・」

 

「宗谷さんもしくは副長と呼んでください」

 

真白はどうやらあだ名が気に入らなかったようだ。

 

「ここ任せていい?」

 

「は?」

 

突然のことに思わず変な声が出てしまった。

 

「ドイツ艦を引きつけてもらっていい?、ココちゃん甲板にみなみさんを呼んでおいて」

 

真白はこれから何をするのか検討がついた

 

「何で、敵なのに助ける!?」

 

「敵じゃないよ」

 

「えっ?」

 

「海の仲間は・・・家族だから・・・」

 

「・・・・」

 

「じゃあ、言ってくるね」

 

そう言って艦長帽を渡しスキッパーに乗りながら救助に向かっていった

 

「距離30まで近づけ!」

 

シュペーを振り切るのと艦長を掩護するために晴風をシュペーに近づけた

 

「大丈夫?しっかりして」

 

晴風がシュペーを引きつけている間に明乃は海に落ちた女性を救助しジャケットを脱がし、心臓の音を聞いた。心拍はあったので生きていると確信した。

 

「大丈夫・・・あなた・・・・生きているよ」

 

女性が生きていたことに安堵しそのままスキッパーに乗せた

 

その頃晴風では距離30に到達していた

 

「撃っちゃえ、撃っちゃえ、撃っちゃえ」

 

30まで到達し二番砲塔が推進機に狙いを定めた

 

「二番砲右、攻撃はじめ!」

 

号令とともに火を噴きスクリューに命中した

 

「目標に命中!シュペー速力落ちています!」

 

『やったー!』

 

野間からの報告であちらこちらから歓声の声が上がった。

 

 

「取り舵いっぱい!第四船速ヨーソロー。」

 

そのまま退却する形で今出せる最大船速でこの海域からの脱出を図った。

 

「取り舵いっぱい!」

 

鈴は離れられるようになり意気揚々に舵を取っていた

 

「逃げるときはテキパキしていますね」

 

そんな様子を納沙は苦笑して見ていた。

 

スキッパーから女性を船に乗せる時に

 

「うぅ〜」

「重いっす・・」

 

救助した女性を担架に乗せ媛萌、百々が愚痴をこぼしながら医務室へと運んで行った。

 

そして艦橋に戻ると

 

「シロちゃん!」

 

「ん?」

 

「・・・・ありがとう」

 

「・・・・適切な指示をしたまでだ」

 

真白は少し照隠しなのか顔をプイッと背けていた

 

 

 

 

しばらくして、シュペーから逃げ切りみんなで喜んでると野間から報告が入った

 

「前方より超大型艦接近距離15000!」

 

その言葉に艦橋にいた全員が双眼鏡を持ち、前方を覗いた

そこには見たこともないような黒くとても大きな船が見えた。

 

「ココちゃんあの船は?」

 

明乃は聞くも「さぁ、あんな船は初めて見ました」と言って調べたが出てこなかった

 

それは納沙のタブレットにも載っていないと言うことで驚いたがそれよりも次の発光信号で艦橋にいた乗員はみんな驚いた

 

『コ・ラ・チ・ラ・ハ・ニ・ホ・ン・カ・イ・グ・ン・ヤ・マ・ト・タ・ケ・ル・ハ・レ・カ・ゼ・ニ・ツ・ゲ・ル・コ・レ・ヨ・リ・ホ・ン・カ・ン・ハ・キ・カ・ン・ノ・ホ・ゴ・ヲ・オ・コ・ナ・ウ・ヤ・マ・ト・タ・ケ・ル・カ・ン・チ・ョ・ウ・ラ・イ・キ・シ・ズ・カ』

 

この言葉にみんなが驚き喜んだ。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

話し合い

〜日本武尊〜

 

「いました晴風です、発光信号を、晴風に告げる本艦は貴艦の保護を行う日本武尊艦長雷樹 静」

 

「無事、発見できましたね」

 

そう香織が言うと信号をさらに発光をした『我らこれより貴艦に乗艦の許可を求む」

 

すると返信があった『ホ・ン・カ・ン・ハ・キ・カ・ン・ノ・ジ・ョ・ウ・カ・ン・ヲ・キ・ョ・カ・ス・ル』

 

 

 

 

内火艇に乗り晴風に行くと

 

「日本武尊艦長 雷樹 静です」

 

「晴風艦長 岬 明乃です」

 

お互いに敬礼をすると静が

 

「ではこれまでの経緯などを話してもらってもいいですか?」

 

と言って食堂に通され今までの経緯を録音しながら聴いた

 

「なるほど、了解しました。ではこれから我が艦は晴風の護衛任務を行います。」

 

「はい、よろしくお願いします。」

 

そう言って船に戻った

 

 

 

「おぉ〜・・・・・」

 

「わぁ、凄い大きな砲塔だね〜」

 

「うんうん、すごいバキュンって感じ」

 

「すごいロマンがある」

 

「すごい、撃ってみたい!!」

 

などと西崎やみんなが感想を言っていると

 

「どうだいうちの船の大砲は?」

 

と後ろから声をかけられ振り向くとそこには芽衣にとても似ている女性がいたそれを見て芽衣は、

 

「みか伯母さん」

 

と言って飛びついた。

 

「久しぶりだね麻衣また大きくなったねぇ〜」

 

と、みかは言っていた。その時ちょうど戻ってきた明乃が言った

 

「あれ?めいちゃんその人は?」

 

と聞いて「私は日本海軍 日本武尊砲雷科班長 加藤 みかです」

と言ってめいちゃんにとても似た人が敬礼をしたが、私思わず似ていたの少し唖然としてしまい気づいて慌ててで敬礼をした、そしたらメイちゃんが紹介をしてくれた

 

「この人さっき言った私のおばさんだよ。」

 

そう言うと「これから私たちが、あなたたちを安全に学校に送るから。」

 

と言われすごく安心できた、そのあとみかさんを呼びにきた日本武尊の船員に「お袋さん」と呼ばれていてその人はチョークスリーパーを喰らっていた。

 

 

 

 

一方機関室では

 

「ちょっと失礼してもいいかな?」

 

と少し老けた紳士と言えるような風貌をした人が晴風の機関室に入ってきた

 

「誰でい、あんたは?」

 

とマロンが聞くと

 

「私は日本武尊 機関長 徳川 十兵衛だ、艦長から晴風の機関の調整を頼まれてここに来た者です。」

 

そう言ってマロン達は直観的に『この人はプロだ、』と思いそのまま後ろにいた機関科の人達といっしょに修理を始めた

 

「・・・ねえ、マロン。」

 

「言わなくてもわかってらい」

 

素人でも分かりそうなほど的確に修理をしている様子を見てマロン達はじっと見ていた・・・

 

『あとはここだけ・・・、ん?これは・・・』そう思いながら船の下を見た

 

『キールに大きな負担がかかっている、これは本格的にドック入りか廃艦にしないといずれ”沈む”ぞ』

 

そう思って後で報告書ともし沈没したとき用改造計画書のを書いて提出しようと思って機関室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

船に戻るとまず香織がきて

 

「どうでしたか?」

 

と、聞かれ私は

 

「事情を聞くと、どうやらさきに猿島が発砲し、乗務員の安全の確保のために模擬弾を発射したみたいだね。」

 

そのあとに

 

「これは多分クロだと思う」

 

と言って葵ちゃんを執務室に呼んでほしいと言ってから報告をしにいった。

 

 

 

 

 

「お呼びでしょうか司令」と言って入ってきたのは葵だった。

 

「ごめんね葵”中佐”いきなり呼んじゃって。」

 

私を階級で呼ぶと言うことはまた重要なことなんだろうとおもい要件を聞くと何とまた委員会を探って欲しいと言われ。私は電算室に行き前回とは違う方法で調査を行った。




ちなみに言いますこの日本武尊は海軍からの借り物という設定です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

対潜戦闘

その日から、晴風は日本武尊の護衛を受け小笠原諸島沖を航行していた

 

日本武尊 艦橋

 

これからのことについて色々と考えていると

香織が「海上安全委員会の広域通信です。」と恐る恐る紙を渡して来た。

 

それを読むと艦橋が恐ろしく冷え切った雰囲気となった

 

 

 

 

 

ふと、晴風の方をみると明かりがついていたので

「あれ?なんで電気が付いているんだろう?」

 

「あかりを全部消してって言っといて」

 

発光信号でそう伝えると晴風の航海灯も含め明かりが全部消えた

 

 

 

 

 

「しかしこう見るとあの船ってとても大きいですよね」

 

納沙がそういうと

 

「排水量も主砲の口径も教えてくれなかったしね。」

 

と明乃が言って

 

「あぁ、私もああゆうの撃ちたいなぁ。」

 

とそれに続くように西崎も言った

 

「と言うか、そもそもあの船って見たことあります?」

 

納沙がそう言うと日本武尊から発光信号があり環境や航海灯の消灯を指示してきた。

向こうのほうが経験があるので何か理由があるのだろうと思い全ての明かりを消した。

 

「うわ!暗っ!」

 

あまりの暗さに西崎が驚く

 

「そのうち慣れますよ」

 

と納沙がいった

 

 

 

 

通信室にいた八木は広域通信を受信した、しかしその内容はとても信じられない事だった

 

『現在、横須賀女子会用学校の艦艇が逸脱行為をしており、同校すべての艦艇の寄港を一切認めないよう通達する。また、以下の艦は抵抗する様なら撃沈しても構わない、航洋艦晴風!』

 

その電文にとても驚いた。

 

 

 

 

 

日本武尊の艦橋では全員が怒りの雰囲気になっていた。なぜなら特に確証もないのに勝手に反乱と、決めつけた新入生の船を撃沈させる命令をした委員会にとても怒りを覚えた。

 

「何が反乱だ確たる証拠もなく勝手に決めつけている政府のブタどもが」

 

「ホント、良い加減にして欲しい物ですね証拠不十分で決めつけるなんて、しかもまだ高校生になったばかりの子達を。」

 

「取り敢えずアイツらには冷や水を大量にかけないとですねぇ。」

 

と艦橋ではどう委員会を貶めようかと考えていた

 

 

 

 

 

その頃晴風の艦橋では

 

「げ・・げき・・」

 

撃沈落ちう言葉を聞き、固まる立石

 

「撃つのは好きだけど、撃たれるのはやだ〜」

 

西崎は他の艦から、撃たれると思い頭を抱えていた

 

「何処の港にもよてないって事?」

 

「そう言う事だ、」

 

「私達完璧にお尋ね者になってるよぉ〜!!」」

 

現状を理解し泣きながら鈴は操舵輪を握っていた

 

「もしかして、武蔵も同じ状況かも・・・だから、非常通信を送って来たのかも」

 

「こっちと違って、簡単に沈むような艦じゃない」

 

たしかに武蔵は戦艦だから簡単には沈まない。だが。もえかがいたずらで、救難信号を出すはずが無く今すぐににも助けに行きたいと思っていた。

 

「でも助けを求めていた・・・・だから・・・」

 

「我々の方が、助けが必要だろう!」

 

しかし、今の晴風の現状は撃沈命令が出ており何処の港にも寄港出来ないでいた。

 

「ともかく、実技試験もしていない私たちがどうやって助ける気だ!海軍の人たちも言ってたように学校へ戻る方針を変えるべきでは無い」

 

真白の言う通り、私達はまだ海に出て日の浅い、いわば雛鳥のような物。

ろくに訓練もせず救助にいくなど無謀そのものである。

 

「で、でもだいじょうぶなのかな」

 

と、鈴が不安そうに声をあげた。

 

「何が?」

 

「だって、撃沈命令がでてるんでしょう?あの、海軍さんがいきなり攻撃してることも何てことはないよね?」

 

「いや、それは無いと思う。」

 

「どいして?」

 

即答した真白に明乃が7問をした。

 

「母から聞いた事なんだが、昔から海軍はブルーマーメイドとは仲が良いが海上安全委員会とは仲が悪らしいんだ。 まぁ、理由としては大体委員会のほうが悪いらしんだがな。」

 

「へぇ〜」

 

海軍と委員会が仲が悪いという事を知り、あの人達が学校まで自分たちを守ってくれることに甘えて自分達はこのまま学校へ戻る事を決めた。

 

「それじゃあ学校に戻ろう」

 

「うぃ」

 

明乃の意見にみんなが同意した。

 

「じゃあ艦橋に私が入るから、みんなは、休んで。」

 

明乃がそう言うが

 

当直表を見せながら

 

「今日の当直は私と鈴ちゃんです。」

 

と言って見せて来た確かにそこには納沙と鈴の名前が入っていた

 

「正しい指揮をするには、休むのも必要だ」

 

「私は大丈夫だから・・・」

 

「いいから休んでください!!」

 

「うぅ〜分かったよ、しろちゃん」

 

このままにすると先を見てやって来そうだったので真白が部屋までついていった

 

 

 

 

 

日本武尊 艦橋

 

「軍令部とソナー班より、連絡がありました!」

 

と通信員が艦橋に来て報告をしに来た、その時の当直である香織が聞いた

 

「なんだ?」

 

「はっまず軍令部からは今後の作戦内容についてと、ソナー班からは我が艦の後方から東舞校所属の伊201の推進機音を探知したとの事であります」

 

「了解した引き続き警戒をしてくれ。」

 

「はっ!」

 

そう言って下がっていった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

対潜戦闘2

晴風で撃沈の話をしていた頃日本武尊では会議室で今後のことについて話し合っていた。

 

「さて晴風を送り届けたあとは私達はそのまま消えた艦艇たちを追うことなる。」

 

「その事は軍令部には・・・」

 

「あぁそこは問題ないこの伝令は既に総長に相談し、既に海軍すべての艦艇に通達されている。」

 

「了解しました。」

 

「では次についてだがここはまず一色 葵中佐からの報告を聞こうか。」

 

そう言って視線が葵に集まった

 

「まず今現状報告できる事はプロジェクターを通して伝えたいと思います。」

 

そう言って部屋の電気を消し、棚からプロジェクターを取り出した。

 

「まず、報告できる事は・・・」

 

そういとうとしたときだった突如として艦内のアラームが鳴り響いた

 

 

 

 

 

 

 

「何事だ!」

 

艦橋に上がってきた静が最初にアラームがなった原因を聞いた

 

「潜水艦が急速に深度を増したため念の為対潜戦闘配置を発令しました。」

 

「そうか、了解した。」

 

 

 

 

日本武尊が会議を始めている時、晴風も既に後ろからくる潜水艦の存在に気付き戦闘体系になっていた

 

そして潜水艦の正体が東舞校所属の伊201と分かった

 

「東舞校?」

 

聞いた事ない学校に首を傾げる西崎、少なくとも女子校でない事はたしかだった。

 

「男子校ですね!」

 

そう言って納沙は説明を始めた

 

東舞鶴男子海洋学校 通称東舞校

 

日本にあるホワイトドルフィンの男子専用の養成学校の一つで他にも江田島、室蘭にあるという

ここの大きな特徴といえば潜水艦が配備されている事だった。

 

「へぇー男子校なんだ」

 

すると左舷側の見張りをしていた山下秀子が意外そうに言った。

山下に続いて右舷側で見張りをしていた内田まゆみが

 

「潜水艦は全部男子校ですもね・・・でも暑くて狭くて臭くて」

 

と言った一回潜水艦に乗ったことがあるのだろうか

 

「わ、私にはムリー」

 

潜水艦の話を聞いて鈴は潜水艦の中をイメージして自分はダメだと思い泣いていた

 

「全体追っ手だよ!撃っちゃおう!」

 

西崎が伊号潜に先制攻撃をしようと提案するが明乃は判断に悩んでいたそして一つの考えに達した

 

「ココちゃん、伊201と交信できないかな。」

 

「普通の電波だと海水で減衰するので届きませんね」

 

「じゃあ普段はどうしているの?」

 

「潜水艦だからっていつまでも潜って言うわけじゃない!!」

 

「そうだよね、時々は海上の様子を見ないと怖いよ〜」

 

「シロちゃん!潜っているときは向こうもソナーで探っているんだよね!」

 

「当然だ!!」

 

「じゃあ此方からアクティブソナーをモールスの代わりにしたら?」

 

「恐れらく可能だと思いますが・・・」

 

「そんなことをしたら間違いなく攻撃したと思われるぞ!!」

 

真白はアクティブソナーを撃てば伊201潜は攻撃目標を探している=攻撃するつもりという認識となり危険だと話す

 

「ソナーでも何でもいいから撃っちゃえ!」

 

とにかく何かを撃ちたい西崎はそんなことを言い始めた。

 

「馬鹿なことを言うな!!」

 

「万里小路さん、艦名と所属、それと交戦の意思がないこと伝えて。できる?」

 

「一切、承りました」

 

そう言ってアクティブソナーで伊201にコンタクトを試みた

 

 

 

 

「・・・っ!、司令!晴風がアクティブソナーを打っています!」

 

「なんですって!潜水艦に攻撃される可能性があるぞ!」

 

日本武尊ではアクティブソナーを発信していることに驚愕した。




すいません作品の都合上大湊の養成学校は消去させてもらいました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

対潜戦闘3

晴風からアクティブソナーに発信をすると伊201が行動を起こした

 

「目標、進路変更、急速に深度を増していますわ」

 

伊201は自分たちが攻撃されると思ったのか深度を増し見つからないように深く沈んでっているかのようだった

 

 

 

 

 

 

「晴風の速度が落ちています、おそらくソナーで探りやすくするためかと」

 

「わかった此方も速度を落とそう、これは撃つかもしれん。全艦、対潜戦闘配置!」

 

そう言うと艦内の至る所からブザーがなった。

 

 

 

 

 

日本武尊で対潜戦闘準備が終わった瞬間の事だった

 

「魚雷音探知!方位270数四!二本は此方に向かってきます!!」

 

「了解した、直ちに回避行動をとれ、マ式マメ爆雷全弾一斉発射ぁ!」

 

号令が鳴るとともに爆雷の発射する音が鳴った

 

 

 

 

 

魚雷音に関しては晴風でも捉えた

 

「魚雷音探知!二本此方に向かってきます!」

 

「取り舵いっぱい!」

 

「取り舵いっぱい!」

 

回避行動をすると上から何かが飛んでいき海中に着水すると爆発を起こし魚雷が誘爆した。

 

「すごいっ!何だあの爆雷は!魚雷を迎撃したぞ!!」

 

真白が驚いたまさか爆雷で魚雷を迎撃するとは思わなかった

 

 

 

 

 

「やはり実弾を使ってきたか」

 

「どうします?」

 

「追い返すしかないだろう、みかもう一回攻撃した時ように”Z弾”を装填しておいて、このことを晴風にも連絡!」

 

「了解」

 

そう言って第一主砲にZ弾を装填した

 

 

 

 

 

晴風ではさっきの攻撃で伊201の所在がわからなくなってしまった

 

「全速を出せば振り切れるとー」

 

「だから全速は出せねえつーの!!」

 

無謀なことを言い出した鈴にマロンが怒鳴り、明野は万里小路に聞いた

 

「万里小路さん今の潜水艦の位置ってわかる?」

 

「恐れ入りますがもっとゆっくり進んでいただかないと」

 

「ゆっくり進んだらやられちゃうよ〜」

 

目視不能の潜水艦に翻弄されていた、その中で明乃は

 

「とにかく今は逃げ回ろう」

 

あくまで逃げることを考えていた此方には撃沈する気なんてないのだから。

 

 

 

それから一時間が経った・・・

 

「周囲何も見えません・・・」

 

あれから一回も攻撃はなくただ静な海が広がっていた

 

「あれから一時間、速度差からも十分距離は開いたかと・・・」

 

「潜水艦もずっと潜れる訳ではないだろうからね・・・でも、朝まで油断はできない。」

 

明乃がそう言うと納沙が

 

「あっそういえば日本武尊から通信があったんでした」

 

「なぜそれを早く言わん」

 

忘れていたことに真白はツッコミを入れた。

 

「えっと、本艦は伊201からの再度攻撃があった時、主砲による攻撃を行う!!」

 

「何だと!」

 

まさか潜水艦に対し砲撃をすると言うのだ、真白が驚くのも無理はない

 

「ま、まさか撃沈とかしないよね。」

 

さすがの西崎もこれには少し青ざめていた

 

「いやそれはないと思う、と言うか潜水艦を砲弾で撃沈するのはとても難しい」

 

確かに真白の言う通りである潜水艦に砲弾を当てることはかなりの確率で外れるからだ

 

 

 

「ファ〜、眠い・・」

 

「ファ〜・・・駄目だ・・・眠い」

 

流石にこの時間はいつもは寝ているのでかなり士気が下がって来ていた中

 

「そんな皆さんに特製のどら焼きでーす」

 

ほまれが差し入れにどら焼きを持って来た

 

「どら焼き!?」

 

西崎が眠いと言っていたがどら焼きが来たことによりテンションが上がっていた皆もどら焼きを取って食べ始めていた

 

「ほか部署には配ったの?」

 

と明乃が聞くと

 

「はい、艦橋が一番最後です」

 

どら焼きの登場で気が緩んでいた

 

 

 

 

 

日本武尊 艦橋

 

「潜水艦の磁気探知機は如何だ?」

 

「今のところ反応は・・・ちょっと待ってください・・・っ!磁気探知機に反応あり!しかも撃って来ました」

 

「雷跡二つ、左120度30!晴風に向かっています!」

 

ソナー班とレーダー班の報告により日本武尊艦内は再び緊張した雰囲気となった。

 

「マ式豆爆雷を晴風につく前に迎撃せよ!!」

 

と号令がかかり爆雷が発射されると晴風の近くで爆発が起こったため晴風に衝撃が伝わった

 

 

「・・・・なっ、何じゃー!」

 

その衝撃により医務室にいた女性が目を覚ました

 

「ど、何処じゃ?・・・此処は?」

 

「ふむ、意識はしっかりしているようだな、此処は横須賀女子海洋学校所属、航洋直接教育艦晴風の医務室だ。私は此処の責任者の鏑木 美波だ」

 

美波は女性に自己紹介と今いる艦の名前を言った

 

「晴風・・・」

 

女性は此処が何処かを把握し自己紹介をした

 

「わりはアドミラル・シュペー副長のヴィルヘルムミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ。だがなぜわしは此処に・・・」

 

「覚えていないのか?」

 

「う、うむ途中から何があったのか・・・」

 

シュペーからお前が出てきて、しかもそのシュペーから砲撃を食らったと聞いている。うちの艦長がスキッパーで出て、気絶していたお前を救助した。」

 

「そうか、世話になった。」

 

そう言うと晴風が大きく揺れたおそらく伊201を撒こうと動いたのだろう

 

「一体如何なっておる?」

 

「この晴風は現在潜水艦に追われているようだ」

 

「潜水艦!?潜水艦からの攻撃を受けているのか?だがこれは・・・ええい、此れでは埒があかん!わしの制服は何処じゃ!」

 

「此処にある海水で濡れていたが、ちゃんと洗濯し乾燥機にもかけてある」

 

そう言って机の上に置いてある制服を彼女に渡した

渡されると急いで着替えて医務室を出た

 

「艦橋はどっちじゃ?」

 

「案内しよう」

 

美波はミーナを艦橋まで案内し晴風の艦橋まで案内をした

 

その頃日本武尊の艦橋では

 

「ソナー班潜水艦は捕捉できたか?」

 

「はい完璧に捕捉しました」

 

「よし、みか!砲身を少し変えて潜水艦の魚雷発射管だけをつぶせる?」

 

「了解!じゃあ射撃指揮所発射角度を変えて散布回を広げて潜水艦の100m前方で着弾させて」

 

「了解しました、砲身を5度ずつずらし散布回面積を増やします」

 

「砲塔左240度打ちかたよーい」

 

そう言うと第一砲塔が左側を向いて発射準備が完了した

 

「発射準備完了、いつでもいけます!」

 

「よしZ弾発射!」

 

「っ撃!」

 

すると日本武尊第一砲塔が轟音とともに砲弾を発射した。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シュペーの現状

日本武尊が射撃指揮所に命令をしている頃晴風艦橋では

 

「このど下手くそな操艦は何だ!艦長は誰じゃい!この船はど素人の集まりか!」

 

「いま、潜水艦と戦闘中でして」

 

「そんな事わかっとる!!」

 

「と言うかお前は誰だ!」

 

真白はいきなり艦橋に殴り込んできたミーナを怪しんだ

 

「ん?、わしか?わしは、ヴィル・・・」

 

と名乗ろうとすると

 

「あっ!ドイツ艦の子だよ、目が覚めたんだ!よかった。」

 

と、先に明乃が正体を言ってしまった

 

「いや、それより今は戦闘だ・・・」

 

そう言って潜水艦戦の戦術を教えようとした時だった。突如隣から光と大きな音が聞こえた

 

「なっ、何だ!」

 

「日本武尊が発砲しました!!」

 

あまりの大きな音に艦橋にいた全員が驚いてしまった。

 

 

 

 

 

発砲した日本武尊では着弾までの秒読みが行われていた

 

「着弾まで5秒!」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

次の瞬間空中で爆発があったと思うと海面に何かが落ちて海中で爆発を起こした

 

「グアっ!爆発音確認!」

 

ソナー員が海中での爆発を確認すると海中での爆発は艦橋でも確認できた

 

「これで発射管はやれたでしょうか」

 

香織が聞くと静は

 

「さあな」

 

とソナー班からの報告を待っていた。

 

 

 

 

 

晴風では野間が逐一報告を入れていた

 

「着弾までおよそ5秒!」

 

「万里小路さん今すぐ聴音きって!!」

 

「かしこまりました」

 

直感で明乃は万里小路に聴音を切るように命じた、次の瞬間海面が大きく盛り上がり爆発をした

 

「おぉ!」

 

艦橋にいた全員がそう言うと爆発が終わり聴音を再開した万里小路が報告をした。

 

「万里小路さん、今の潜水艦の機関音は聞こえる?」

 

「現在、艦の軋みと圧縮空気の排出音が聞こえますおそらく急速浮上中かと。」

 

「了解」

 

「伊201より救難信号の発信と応答を探知、現在東舞校の教員艦が30節で接近中」

 

「日本武尊から発光信号『我に続け』」

 

航行不能となった伊201は救難信号を発信しこのまま晴風は海域から離脱をした。

 

 

 

 

 

伊201との戦闘も終えゆっくりと航海をしていると

 

「あの船は何じゃ?」

 

とミーナが聞いてきた

 

「なんか海軍の“実験艦”らしいですよ」

 

と納沙が答えた

 

「ほぅ、そうなのか」

 

とミーナが答えると内田が

 

「でも不思議だよね」

 

「何が」

 

明乃が不思議がっている内田に何がおかしいのか聞いた

 

「だってあの船って実験艦って事は検査をする人とかがいるわけじゃん、でもあの船ってそんな感じの人とか見当たりませんでしたよね。」

 

「ああ、確かに」

 

内田の言ったことにみんなも賛同した

 

「海軍の船のデータベースにも名前すらありませんからね」

 

納沙がそう言いながらタブレットを見ていた

 

「本当に不思議な船ですよね」

 

そう言いながら日本武尊を見ていた

 

 

 

 

それからミーナは晴風の監督生として厄介になる事となったことと事情聴取をする事が決まった

 

「えっと、ココちゃん・・・・部屋は・・・・何処が空いていたっけ?」

と空き部屋の有無を聞いてきた

 

「えっとですね・・・・今空いているのは副長の部屋ですね」

 

「えっ!・・・私の・・部屋・・・・」

 

真白は空いているベットが自分の部屋だけだと知り固まった。

そんな真白を尻目にミーナを連れて副長の部屋に行った。

部屋を開けるとそこにはぬいぐるみが置いてあるベットがありとてもファンシーな部屋となっていた

クラスメイトに見られたくなかったのもこのためだったようだ。

 

「うわっ!すご〜」

 

「夜いたサメさんもいますね」

 

「普段の宗谷さんからは想像できない部屋です」

 

と言いながら納沙は写真を撮っていた

 

「いい部屋だな、今日からよろしく頼むぞ!」

 

「はぁ〜」

 

恥ずかしながら真白はため息をついた

 

こうしてミーナという予想外のお客さんを乗せ晴風と日本武尊は横須賀女子海洋学校へと向かって行った。

 

 

 

 

 

晴風の乗員が少し休息をとった次の日、ミーナから事情を聞くために静はみかと一緒にスキッパーで晴風に向かっていった

その時晴れではミーナの紹介をしていた

 

「新しい友達の紹介をします!ドイツの・・・ブラウンシュガーインゲマメ・・・何だっけ?」

 

名前を全部覚えれない明乃は全然違う名前になっていた

 

「サイシュン!」

 

『っ!?』

 

自分名前を忘れた明乃に腹が立ち自分で自己紹介をした

 

「ヴィルヘルムスハーフェン校から来たヴィルへミーナ・ブラウンシュバイク・インゲノール・フリーデブルクだ!アドミラルシュペーで副長をしてた!」

 

「うーん、名前が長いからミーちゃんでいいや。」

 

「誰がミーちゃんだ!」

 

そのあと静たちが晴風に着き事情を聞くために食堂に集まった

 

「はじめましてヴィルへミーナさん、私は日本武尊艦長 雷樹 静です」

 

「雷樹・・・静・・・!!もしかしてあなたはあの雷樹 静さんですか!!」

 

「ええそうですが?」

 

そういうと

 

「お会い出来て光栄です」

 

と言われて私は少し困惑してしまった

 

「ミーちゃん、どうして静さんの名前を知っているの?」

 

元々から知っていたかのような言葉使いに対して明乃が疑問を持った

 

「静さんは日本の遠洋派遣艦隊のアドミラルをしていて、その時に多くの海賊や麻薬取締さらには政府の汚職事件など、多大な功績を与えてたことなどから色々な国から勲章をもらっていて、欧州では英雄なんて言われているんだ」

 

と自分の過去を言われ少し恥ずかしくなってしまった

 

「凄い!凄い!外国でそんなに活躍してたなんて」

 

「しかもそんな功績まで残しているとは」

 

など明乃たちが色々な言葉を残して、私は心の中で悲しくなってしまった。

 

「それに、派遣された期間の間に摘発された海賊などの数は未だに更新をされていないんだ。」

 

その言葉に明乃たちはさらに驚いた。

 

「だから海賊の間では『死神』と言われ恐れられていたんだ。」

 

「へぇ〜」

 

そんな話をしていても事情聴取もできないのでさっさと話題を変えてレコーダーを起動し話を聞いた。

 

「我等がアドミラル・シュペーが・・・一体何があったのかわしにも分からんのじゃ・・・」

 

「分からないって?」

 

「我らの船も貴校との合同演習に参加する予定だった。」

 

「えっ!そうなの!」

 

「なんで艦長が知らないんですか?」

 

真白は呆れるように言った

 

「・・・わしらは合流地点に向かっていたが、突如として電子機器が動かなくなって調べようとしたら誰も命令を聞かなくなった。」

 

「それって叛乱?」

 

「いや、そんな感じにも見えなかった・・・第一、我が艦長が指揮しとる艦で叛乱なんて起こるはずがない。」

 

「じゃあシュペーが海賊などに占拠されたわけでは無いか・・・」

 

そう言って海賊では無いとすると何だろうと考えていると。

 

「わしは艦長から他の艦に知らせるよう命じられ、脱出した」

 

「・・大変だったね」

 

ミーナの苦労を労った

 

「帽子を拾ってくれたのは感謝している・・・・これは我が艦長からあずかった大切なもの・・・、シュペーに戻って返さねば・・・必ず。」

 

そう言って帽子の方を見て明確な決意を持った瞳をしていた

 

「ひとまず学校に戻ってシュペーや武蔵については学校の教官たちに任せましょう。」

 

そう言って録音を切った時だった納沙が入ってきて大きな声で

 

「艦長!!校長からの全艦帰港命令が出ました!!」

 

「えっ?」

 

この後納沙からの報告により晴風では喜びの声が聞こえた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

事件発生?

納沙からの報告は

 

『私は全生徒を決して見捨てない。皆を守るためにも全艦可及的速やかに学校に帰港せよ』

 

と書かれており

 

「艦長!先程の内容をクラスメイトたちに報告してください!」

 

「そうですね」

 

明乃は艦橋に行き艦内放送で先程の通信を報告した

 

「学校からの全艦帰港命令が出ました。『晴風も学校が責任を持って保護をするので戻ってくるように』って・・・なお、帰還中は一切の戦闘行為を禁止だそうです!」

 

『よかった!!』

 

『やった!』

 

ともう先頭が無いことに安堵する。しかし猿島のように虚偽の報告をするかもしれないのでやはり、なるべく会わずに学校に戻ろうと思った。

 

 

 

 

 

聴取が終わった後静は日本武尊に戻り通信内容を伝えた後葵から「報告することがあります」と言われ私は葵を執務室に通し鍵を閉めた。

 

「では、報告を聞こうか。」

 

そう言って葵からファイルを渡され読んでいるとそこには詳しい委員会と海洋研究所のとある実験に関しての報告書であった。

それを静は読み終えると

 

「ふぅ、まさか委員会がこんな物を研究させていたとはね。しかもこれをバイオテロに使おうとは。」

 

そう言ってファイルを閉じて隠した。

 

「これからどうしますか、艦長。」

 

葵がそう言うと

 

「そうだね〜、取り敢えず晴風を海洋学校に送った後は艦隊を硫黄島にある菊花艦隊司令部に集結させておくように通達しておいて、私たちはそこで改装した武御雷に乗艦をする。」

 

と静が言うと

 

「やっと旦那さんに会えますね。」

 

と笑いながら言った

 

「あぁ、そうだな。」

 

静は嬉しそうに返事をした。

 

 

 

 

 

その頃日本武尊の倉庫にて

 

「まだまだ資源に余裕はありそうですね。」

 

「ええ、そうね」

 

森と部下が資材の集計を行なっていった

資材を数えていた時空っぽになった段ボールがあった

 

「あら、この箱は・・・・・何ですって!」

 

森が慌てて艦長を探しに行った、森の見ていた箱には『トイレットペーパー』と書かれていた。

 

 

 

 

 

〜晴風 倉庫〜

 

「お米が120kg、缶詰肉が10箱・・・・・」

 

「まだまだ余裕っすねー」

 

和住がタブレットに物資の記入をしていた倉庫を見ていると

 

「あ、あれ!」

 

青木がダンボールを見るとたちまち顔が青くなった

 

「如何したの?」

 

和住も気になって覗くと和住もたちまち顔が青くなった

その段ボールには『トイレットペーパー』と書かれていた。

 

 

 

 

その頃、晴風艦橋では

 

「横須賀まであとどのくらいだ?」

 

「えっ!、えっと・・・・あと26時間くらいかな?」

 

「艦長、可能な限り急ぎましょう。学校側からは戦闘禁止命令が出ているとはいえ、これ以上他船と遭遇したくない」

 

真白は明乃そう進言した確かに学校から戦闘禁止命令が出ているが100%安全とは言えないからだ。

 

「アァー!もう魚雷撃たないんだー」

 

西崎はドンぱちしたがっていたが残念そうにしていた

 

「艦長」

 

「・・・」

 

真白は明乃に聞くが反応がなく何処か上の空だった。

 

「艦長!」

 

「ふぇ!ご・・・ごめん。」

 

「大丈夫?岬さん具合が悪いなら休んだほうが

 

と、鈴が心配そうに聞いて来た

 

「う、ううん・・・大丈夫・・・」

 

大丈夫と言うが如何も説得力がなかった

 

そんな状態の明乃を納沙は一人芝居で表し皆が苦笑いをした

 

「ううん・・・きっと武蔵は大丈夫だよ!私たちは急いで学校へ戻ろう!」

 

明乃は武蔵が無事だと信じて急いで学校に戻ろうと言った

 

「かん・・・」

 

真白は明らかに大丈夫じゃないと思い声をかけようとした時

 

「艦長!大変大変!」

 

「一大事っす!」

 

と艦橋に和住と青木が慌てた様子で入って来た

 

「如何したの?」

 

「トッ、トイレが!」

 

「トイレ?」

 

2人揃って首を傾げた

 

「トイレに何かあったの?」

 

「とっ、兎に角、緊急会議の招集をするっす!」

 

トイレでないがあったのかは不明だが、2人や様子からただ事ではないと思い最低限の必要な人員を残して教室に集まった

 

 

 

 

 

 

日本武尊 艦橋

 

『トイレットペーパーが無い』

 

艦橋に上がってきた森から報告されたことは備蓄のトイレットペーパーがなくなってしまったと言うものだった

 

「どうします、艦長l

 

「どうするって言っても補給艦では遅い、買い出しに行くしかないだろう」

 

そう言って買い出しに行く人たちの編成を考えた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

買い出し

教室に集まった生徒たちは突然の招集に何事かと思い、教壇に立った和住が理由を説明し始めた。

 

「日本トイレ連盟によると女性が一日に使うトイレットペーパーの長さの平均は12.5m。晴風のクラスは全部で30人航海実習は2週間続く予定だったので、余裕を見て250ロールは用意していたんです・・・それが」

 

そう言うと和住が手でばつ印を作り

 

「もうトイレットペーパーがありません」

 

『えぇ〜!!』

 

教室の中でクラスメイトは驚愕した。

 

「誰がそんなに使ったの!?」

 

と駿河がクラスメイトに誰が使ったのか聞いた

 

「このクラス、トイレ使い人ばっかなの?」

 

同じ機関科の広田はそう言ったが現実的に考えて可能性は低かった。

 

「一回10cmにしたら?」

 

「えぇ〜困る〜」

 

伊勢がそう提案するも若狭がそれを却下した

 

「誰よ!無駄にいっぱい使っているのは!」

 

そう言って西崎が立ち上がり犯人を探した。

 

「ああ〜でも私、トイレットペーパーで鼻も噛んじゃいますねぇ〜」

 

そんな中、納沙がトイレットペーパーを使っていたことを自白した。

それに続いて

 

「すいません!私、待ち込んだティッシュがなくなったので一個通信室に持ち込みました。」

 

と八木も告白をした

 

「そういえば食堂でも見たよ、ロール」

 

「ちょこっと拭くのに便利なんだよね」

 

「うん、便利便利!」

 

と杵崎姉妹が白状をした。

 

「ったく、どいつもこいつもすっとこどっこいだな!!」

 

とマロンが呆れながら鼻を鳴らした

 

「如何しよう・・・無くなったらトイレ行かなるのかな。」

 

と、鈴は心配をしていた

 

「それもこれも日本のトイレットペーパーが柔らかすぎるから!ついたくさん使ってしまうんだ」

 

ミーナは立ち上がりトイレットペーパーの力説をし始めた。

 

「蛙鳴蝉操」

 

とトイレットペーパーで論争している様子を見て美波がボソッと呟いた

 

「戦争だと!」

 

ミーナは戦争という言葉だけに反応した。しかし、「せんそう」は「せんそう」でも戦う方ではなく

 

「意味は『五月蝿いだけで無駄な論議』って事です。

 

このままでは埒があかないので

 

「艦長、まとめてください」

 

と真白が明乃に事態の収集をお願いした

 

「え!?・・・ん・・・みんな落ち着いて!」

 

「みんな、他に欲しいもの、必要なものはない?」

 

と言ってクラスメイトを黙らせ今、必要なものを聞いた

 

「魚雷!」

 

「ソーセージ!」

 

「模型雑誌!」

 

「真空管!」

 

とクラスメイトからは必要ないものばかりでた。

 

「えっと取り敢えず海軍の方からもらえないかきてみませんか?」

 

「うん、そうだね。」

 

と真白が言って明乃が賛同した。

 

 

 

 

しかし返答は、

 

『えぇ、向こうもないの!』

 

とクラスメイトが驚いた

 

「まぁ、向こうも試験航海であまり必需品を搭載をしていなかったみたいですからね。」

 

と納沙がそう言って物資が少ない理由を話した

 

しかし、肝心の問題が解決せず、真白は

 

「トイレットペーパーが無いとこの先の問題が解決しません!!」

 

「そ、そうだね・・・燃料・弾薬は学校経由じゃないと補給できないから、トイレットペーパーや薬品、衛生面に関わるものの補給を念頭におこう」

 

「でも、位置がバレるから通販できないんですよ」

 

問題はどう補給するかだが

通販は位置が特定されるので使えず

今、横須賀女子は全艦学校以外での寄港は禁止されている。

 

すると西崎が

 

「買い出し行こう、買い出し!」

 

西崎の言う通り、何処かで補給をしなければならない

 

「買い出し?」

 

西崎の買い出し案に納沙が近くの買い物ができるところを探した。

 

「ここにオーシャンモール四国沖店がありますけど・・・」

 

と言って補給できそうな場所を見つけた

 

「買い物・・行きたい、行きたい」

 

「日焼け止め忘れちゃったし・・・」

 

「私もヘアコンディショナーなくなっちゃった。みんな私の使うんだもん」

 

 

 

その頃日本武尊では

 

「晴風から通信です」

 

「何と言ってきた」

 

「はっ!トイレットペーパーを少し分けてもらえないかと。」

 

「それは無理だ、こっちだって無いんだから。」

 

そう言って静はトイレットペーパーは渡せないと通信をしたすると晴風から通信がさらに入った

 

「通信、此方も買い出しについて行ってもいいかと」

 

その通信に静は頭を掻いた

 

「艦長、此方はもう準備ができましたが。どうしましたか?」

 

「晴風が着いて行きたいってさ」

 

そう言って静は買い出しに行く前田と一色をよんだ

 

「お呼びでしょうか司令」

 

そう前田が言うと静は

 

「君たちには万が一のために銃の携帯を許可する」

 

その言葉に二人は驚いたそう言うと静は理由を伝えた

 

「多分、あう言うところにはブルマーが這っていると思う。それに未確認情報だが委員会の連中が探っているらしい、一応陸軍とも連絡がついていてまっすぐオーシャンモールに行くらしいけど万が一のこともある、だから銃の携帯を許可します。」

 

「了解!」

 

 

 

 

 

 

そう言って前田たちは私服に着替え晴風のスキッパーと一緒に内火艇でオーシャンモール四国沖店に向かっていった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

尾行

オーシャンモールに着くと無料のシャトル水上バスに乗り換え買い物をしていった

 

「やっと着いた」

 

「媛萌ちゃん、それかえって目立つよ。」

 

と伊良子が言うと和住はサングラスにマスクと明らかに怪しい姿をしていた。さすがのこの姿に前田たちは苦笑いをした。

 

「確かに・・・」

 

「せめてサングラスだけににしなよ」

 

そう言われ和住は渋々マスクをとった

 

「じゃあ、さっさとトイレットペーパーを買って帰ろう」

 

そう一色が言うと伊良子が

 

「実は他にも買いたいものがあって・・・」

 

と言って伊良子はケーキの材料を買いたいと言った

 

「ミーナさんのために?」

 

「う、うん・・・」

 

「どうします前田さん・・・」

 

「仕方ないだろう、行くしか無いか」

 

そう言ってケーキの材料のある場所へ行った。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ねぇ、気づいた?」

 

「・・・あぁ。」

 

「私たちを付けているのが”3組”いるね」

 

「おそらく一つはブルマーだろう、そいてもう一つはおそらく艦長の言っていた陸軍の人だろう、そしてもう一つは・・おそらく”委員会”の部下といったところか。」

 

「そうでしょうね、じゃあまずは陸軍の人と会いましょう。」

 

そういって一色は陸軍と思われる人に会うために適当な理由付けを皆に言い、陸軍のいるところへ歩いた

 

 

 

 

「あなたの所属は?」

 

いきなり後ろから声をかけられたにも関わらず私服を着ていた男性は

 

「私は菊花師団二番大隊所属の池田 衛大尉です、あなた達のことは既に閣下から聞いています、本日は貴方達の護衛任務を行うことになっています。」

 

所属と名前を聞くと

 

「了解しました、それで?あなた達はどこから入ってきたの?」

 

そう一色が聞くと

 

「はっ、潜水艇より裏口から入りました。ただいま付近一帯に監視をさせています。」

 

といって侵入方法を知った

 

「今、ブルマーと委員会の連中が晴風乗員を追っている、此方も拳銃を持っているが万が一のこともある、特に委員会からの接触を守ってほしい。」

 

「了解しました」

 

一色の要請を受けると池田大尉から離れて前田のところに戻っていった

 

 

「ごめん、ちょっと長くなっちゃって」

 

「いいえ、全然大丈夫ですよ」

 

と、いって明乃達はトイレが長くなったことを許した

 

「さて、遅れたお詫びに何か奢ろうか」

 

「えっ!いいんですか!」

 

「うん、いいよ」

 

『やったー』

 

そういって先程の事を報告すべく、近くの喫茶店に入った。

 

 

 

 

 

前田達は明乃達と離れた席に座り状況を報告した。

 

「今、ブルーマーメイドと委員会の部下がこっち見ているね。」

 

「あぁ、そうみたいだな」

 

そういっているであろう場所を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明乃達が買い物をしているときブルーマーメイドの平賀は

 

「東舞校の戦闘や発見報告から考えると、この近くに晴風がいるはず。」

 

「ここら辺一帯に哨戒艇を出しますか」

 

「えぇ、そうね」

 

部下の1人がそう言って平賀も賛同した時だった

 

「むっ!あれは・・・!」

 

人混みの中に映る、高校生くらいの集団が見えた

 

「如何しましたか?平賀監察官?」

 

「今、晴風の乗員と思わしき人物を発見したわ!」

 

「え!?本当ですか。」

 

「えぇ、急いで追いかけましょう」

 

こうして平賀たちの尾行が始まった

 

 

 

 

 

「今あの喫茶店に入ったけど、"彼女達の後ろにいる2人"は誰なんでしょう?」

 

「さぁ、わからない」

 

そう言っていると1人の部下が報告をした

 

「数人、怪しい集団があの喫茶店を囲んでいます、恐らく晴風乗員を拘束するつもりかと・・・」

 

「厄介だわ、一刻も早く晴風乗員を保護しなくては。」

 

そう言っていると店から目標が出て来てその瞬間に数人の大人が銃を突き分けて囲んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ行こうか。」

 

一色がそう言って会計を済まして出て来たときに数人の黒い服を着た大人達が私たちを囲いこう言った

 

「お前たちに次ぐ、直ちにそこにいる晴風乗員を引き渡せ!」

 

私たちにそう言って銃を突きつけて来た、晴風のみんなは何が起こったか分からずポカーンとしていた。

 

「嫌、って言ったら?」

 

「その時はお前たちを無理やり拘束させて貰うだけだ」

 

「そっか・・・じゃあ・・・嫌だ。」

 

その瞬間に銃を撃とうとしたが、それは叶わなかった。何故なら後ろから何者かに殴られ、気絶したからだ。

 

「大丈夫ですか、閣下」

 

「こっちは大丈夫、あとはお願いできる?」

 

「了解しました」

 

そう言って伸びているお方達を回収して。池田は去っていった

 

池田達を見送った一色は草むらの方を向いて

 

「さてと、そこにいるんでしょブルマーの人達。」

 

そう言うと草むらの方から申し訳なさそうな顔をしてブルーマーメイドの制服を着た隊員が出てきた。まず草むらから自分達の事を見ていたブルーマーメイドの隊員に驚いたが、それよりもさっきの武装集団やこのブルーマーメイドに、もう気づいていたことだった。

 

「さて立ち話も何ですし船に行って話を聞きましょう」

 

「はい・・・」

 

と力なく返事をし、自分達が誰からの指示なのかを推察しているだろうと思い、何もできることはないと思った。

そしてそのまま内火艇に乗って晴風と日本武尊の停泊している所へと向かった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

凶変

前田達が襲撃を受けた頃日本武尊では執務室では静が熊谷との情報交換をしていた。

 

『まず此方からわかった事は・・・・』

 

「了解しました」

 

『やはり委員会が関わっていたか』

 

「その要ですね」

 

そう言って静は椅子に座ったまま上を向いた

 

『全く、こんなめんどくさいことをしおって、自分たちのミスは自分たちでなんとかすれば良い事を、他のところまで巻き込みやがって』

 

そう言ってテレビ電話越しに熊谷は愚痴をこぼした

 

『この事は俺から総長に伝えておくから』

 

「わかりました」

 

そう言っていると熊谷の部下が入ってきて紙を渡した

 

『・・・どうやらやっぱり襲撃を受けたみたいだ、まぁどうせ委員会の連中だろう。襲撃した集団は任してもらってもいいか?』

 

「はい、お願いします」

 

そう言って通信が切れた。ゆっくりとお茶を飲もうとした時通信員から連絡があった

 

「レーダーにて“5つ”の反応がありましたそのうち一つはうちのとわだ型補給艦と思われます。」

 

「了解した、引く続き警戒を頼む。」

 

そう言ってそのままお茶を飲み始めた、しかしこの時静はうっかり晴風に報告する事忘れていたのだ、それの影響で晴風では突然現れた五隻の船に驚いた。

 

 

 

 

「間宮・明石及び護衛の航洋艦二隻に加えましゅう型補給艦一隻!右60度、此方に向かう!」

 

野間の報告で艦橋が騒然とする

 

「また攻撃されちゃうの〜!」

 

「嫌な予感が当たった!」

 

「ど、如何しよう〜艦長たちまだ帰ってきてないし・・・」

 

「ボイラーの火を落としているから、どちらにしよ逃げられない!」

 

「・・・・」

 

不安そうに成り行きを見た立石、その手には先程五十六が捕まえたネズミのようなハムスターような生物が居た。元々、このネズミの様な生物は姫路たちが拾った箱の中から出てきたものでそれを五十六が捕獲し、立石が気に入り彼女の手にそのネズミが居た。しかしそのネズミは怪しい雰囲気を出していた

 

 

 

明石、間宮、舞風、浜風は探照灯を照らしながら、晴風の周りを囲んだ。そんな中、ましゅう型補給艦は日本武尊に近づいて、接岸すると中から艦長の下田が出て来た。

 

「お久しぶりで御座います、司令官。」

 

と、敬礼をし。

 

「おぅ、済まないね」

 

静も敬礼をした。

 

「では直ちにh・・・」

 

と言おうとした瞬間

 

「晴風、発砲!」

 

と近くにいた隊員から大きな声で報告があった

 

「何だって!」

 

静がそう返すと

 

「司令、直ちに物陰に隠れてください!」

 

と言って近くの土嚢置き場に身を隠した。すると土嚢に何かが当たった様な音がした。次に見た時は発砲した立石がミーナによって投げ飛ばされて海に落ちていった。

 

 

 

 

 

間宮達が近づいている時、晴風の艦橋ではパニックになっていた

 

「逃げられないよ〜!」

 

「どマヌケどもが何をやっている!艦長は如何した!」

 

とミーナが艦橋に怒鳴り込んできた

 

「まだ戻って来ていません」

 

「何〜!」

 

「艦長たちが戻って来ました!っ!?ブルーマーメイドの哨戒艇もいます!?」

 

「なに!?」

 

「ブルーマーメイドって、まさか私たちを捕まえに来たの〜!」

 

そんな時

 

「カレーなんか食ってる場合じゃねぇー!」

 

と立石の怒声が響いた。

 

『っ!』

 

艦橋にいたみんなが驚いて立石の方へと向いたするといつもはのほほんとしている立石がまるで威嚇する様に此方を見ていた。

 

 

「たっ、立石さん?」

 

納沙も今の立石の様子に驚いていた

 

「何だ・・カレーって?・・・」

 

今日は金曜日では無いのでカレーは無い

ミーナも立石のカレーに困惑していた

 

「そっそれより逃げないと!」

 

と、鈴が言うが

 

「何言ってんだ!逃げてたまるか!攻撃だ!」

 

と普段らしく無い立石の様子に西崎は

 

「おっ?・・撃つのか?撃つのか?」

 

と、言ったが真白がやめろ!戦闘行為は禁止だ!

 

「黙れ!」

 

立石は全く聞く耳を持たなかった。

立石怒気に少し真白が怯んでしまった。

 

「タマちゃん如何しちゃったの急に〜!」

 

と鈴が涙目で叫んだ

 

「いいから止めろ!」

 

真白が立石を取り押さえようとし、西崎もそれを手伝った。

もしかすると間宮の接近でパニックになっているかもしれない。抑えなければ本当に発砲するかもしれないそう思い立石を取り押さえようとした

 

「離せ!離せ!」

 

「大人しくしろ!」

 

2人に抑えられて、立石は暴れ出す。

 

「うわっ!」

 

立石はとてつもない力で2人を突き飛ばし壁に叩きつけた。

 

そして立石は四つん這いになって飛び移っていった、そして20m機関銃のある場所に着くと機銃の向きを明石の方へ向けた

 

「本当に撃つ気だ!」

 

そして機銃を四方八方へ撃ちまくった、立石を追いかけた真白達は甲板へ伏せ、姫路達は立石の様子を見て怯えていた。

 

 

「あぁー、撃っちゃったねー」

 

何て西崎が棒読みな言い方でそう呟いた

 

「なんて事をしたんだ!」

 

そう言って真白は絶望した、これで反乱したことが確定したも同然だと思ったからだ。

 

やがて機銃の弾がなくなり別のに移動しようとした時に

 

「このドアホウのドマヌケが」

 

と言って思わず投げ技をかました、しかしミーナはこの先が海である事をすっかり忘れておりそのまま立石は海に真っ逆さまに落ちた。

 

「しまった!」

 

そう言ってミーナが下を見るも既に立石は海に落ちていた

 

「タマちゃーん」

 

「立石さん」

 

「大丈夫」

 

と立石を探したが何と立石は波に乗って帰ってきた、姫路たちは立石の戻りかたに驚いていたが。ミーナや真白達が到着し

 

「よくぞド無事で」

 

「いや、そこはご無事だって・・・」

 

と言って西崎は指摘をした

 

「あら?あなたそんなところにいたの?」

 

と言って海水に浸かってぐったりしているネズミに気づいた。

 

「タマちゃん、大丈夫?」

 

「うぃ」

 

「あれ?、いつのの調子に戻ってる。」

 

頭が冷えたのかいつもの調子に立石は戻っていった

 

「みんな聞いて、補給艦の子が助けに来てくれたんだよ〜」

 

そう聞いて間宮から通信があった、その内容は先程明乃が話した内容と同じであった。

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

採血

間宮と明石の補給をする頃、晴風の倉庫では

 

「ごめんね、疑いが晴れるまで少しの間ここにいてもらう事になるけど」

 

そう言って倉庫に通された明乃としては家族を軟禁する事はとても辛い事だった。

 

「うぃ」

 

と、立石は一人で倉庫にいられるか心配をした。

 

「あの・・艦長・・私も一緒に。」

 

「メイちゃん・・・」

 

芽依も立石を1人で倉庫に入れるのは心配だったので自分も倉庫に入ると言った

 

「何を言っている?意味もなく拘束するわけには・・・」

 

と真白は西崎の我儘に反対したが

 

「じゃあ、メイちゃんはタマちゃんの監視役としてそばにいてくれる?」

 

と、西崎と立石を一緒にいる事を許可した

 

「了解」

 

「ま、まぁそれなら。」

 

と、真白も許可をした

 

「取り敢えず、やる事もないからトイレットペーパーでも詰めておけ。」

 

そう言って、買ったトイレットペーパーを箱の中に詰めていった。

 

「ほいほーい」

 

「緊張感にかける・・・」

 

西崎のゆるゆるな雰囲気に真白は呆れた。

とは言っても、なぜ立石が発砲したのかを聞くために平賀と静は晴風に来ていた。

 

「こちら海上安全整備局、安全監督室情報調査隊の平賀二等監察官。」

 

と言って明乃は平賀の紹介をした

 

「この度は誠に申し訳ありませんでした。」

 

と言って真白は深々と頭を下げた

 

「あ、あの姉さんの、いえ・・宗谷 真霜の居る部署ですか?」

 

「ええ、私は、宗谷一等監察官の命令であなた方に接触したんです」

 

「シロちゃんのお姉さんってブルーマーメイドだったの!!」

 

「あ、ああ・・・」

 

と真白は小さく頷いた。そして、平賀は現状を報告した

 

「現在、海上安全整備局は猿島の報告を鵜呑みにし、晴風が反乱したと言う情報を流しています。ですが、我々、安全監督室の展開は異なってい ます。」

 

「え!?」

 

「宗谷校長も宗谷一等監察官も自衛のためにやむ終えず交戦したと推測しますが、間違いありませんか?」

 

「はい、間違いありません」

 

「そうですか・・・それで、今回発砲した生徒は?」

 

「取り敢えず身柄は拘束してあります」

 

「そう・・・・」

 

「すいません、普段は大人しくて、あんな攻撃するような子じゃ無いんですけど。」

 

「また、戦闘になると思って気が動転したのかもしれないわね」

 

そう言って立石達の居る倉庫へと向かおうとした時、突如平賀達は呼び止められた

 

「ちょっといいかい?」

 

振り向くと静が立っていた、平賀達は階級に驚くと

 

「何で御座いましょうか、中将殿?」

 

「これを宗谷一等監察官と宗谷校長に渡してもらえる?」

 

と言ってUSBを手渡した、

 

「これは?」

 

「できればオフラインで見てくれ」

 

オフラインで見ろ、と言う事はそれだけ他で見られると不味いものがこのUSBに乗っている事を裏付けるものだった。

 

「了解しました、これは直接わたしから直接宗谷一等監察官にお渡しします。」

 

と言っていったん船方に向かって行った・・・

 

 

 

「出来れば先程発砲した生徒の血液採取と先ほど報告にあった捕まえたネズミとやらを渡してもらって良いかい?理由は後から説明するから」

 

と言っていたので、明乃達は急遽、美波を呼んで立石達のいる倉庫へと向かって行った

 

 

 

 

 

 

倉庫では西崎や立石がトイレットペーパーを段ボールに詰めていた

 

「しばらく拘束されるのは仕方ないよね〜・・・まぁ、私も付き合うからさ〜」

 

「うん・・・」

 

立石は、自分のせいで大勢の人をに迷惑をかけてと思いとても落ち込んでいる様子だった。

 

「いやぁーいい撃ちっぷりだったよ〜タマ。引っ込み事案な砲術長だなぁ〜って思ったけど見直しちゃった!」

 

落ち込んでいる立石に西崎は元気付けようと励ました。

 

「でも・・・何で・・あんな事したんだろう?」

 

立石自身も発砲した瞬間もあまり覚えていなかった

 

「心に撃て撃て魂があるんだよ!!」

 

「?」

 

西崎の言葉に首を傾げていると、倉庫のドアがノックされ明乃達と美波が何かのカバンを持って来て入ってきた。

 

「タマちゃん、あれから変化はない?」

 

「うぃ」

 

「うん、大丈夫そうだよ、さっきも元気だったし」

 

「そっか〜、じゃあ美波さん、お願いできる?」

 

「わかった」

 

そう言って鞄の中から注射器を出した、それを見た立石は顔を青くして後退りをし始めた。

 

「タマちゃん大丈夫?」

 

そう言いながらも明乃達は立石の腕を掴んだ。そのあと倉庫からは絶叫が聞こえたと言う



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

憶測

立石の絶叫が聞こえ採血が終わると立石は涙目で刺された所を脱脂綿で抑えていた

 

「いや〜すごい声だったね」

 

と言いながら西崎は耳を覆っていた、どうやら立石の叫びは耳にきた様だ。

 

『どおしたの?』

 

杵崎姉妹が叫び声で飛んで来たみたいだ。

 

「実は・・・・」

 

と、真白が事情を説明した

 

「成程、それは叫ぶわけだ。」

 

「大変だったね」

 

そう言って立石を労った

 

ネズミに出会ったが為にこんな事になってしまったので立石はこれからネズミが大嫌いになった。

 

 

 

 

 

採血した血を静に渡す為に甲板に出たがそこにはガスマスクに防護服と見た目が凄い格好をした静がいた。

 

「あの、静さん?」

 

『何?』

 

「えっと、その格好は一体?」

 

『あぁ、これ?、これは今から日本武尊の医務室に行ってある実験をするからそのための対策。』と言って血の入った試験管と袋に入れたネズミを渡すとそれぞれスポンジの入った箱に入れ。

 

「さて、血も回収できたことだし、早く“佐渡先生”に渡すか・・・」

 

佐渡先生という言葉を聞いた時、美波が驚いた

 

「佐渡先生だと!もしかして佐渡 貴明医師か!!」

 

「え、ええそうだけど」

 

と、少し引き攣った顔で静は返事をした

 

「だったら、是非実験を手伝わして欲しい!頼めるか?」

 

美波は興奮した様子で頼み込んでいた。

 

静は、はぁ。とため息をついて通信機の電源を入れ

 

「佐渡先生、こっちから1人助手を送っても良いですか?」

 

と聞いて佐渡からは

 

「一体誰だい?」

 

と聞いて

 

「鏑木 美波さんです。」

 

と、返すと

 

「鏑木君なら是非連れて来てくれ、まさか晴風にいるとはな。」

 

そう言って美波も一緒に内火艇に乗って日本武尊に向かっていった。

 

 

 

 

その様子を見て明乃達は

 

「美波さんがあんなに興奮するなんて・・・」

 

「佐渡先生って一体どんな人だろう。」

 

美波のあんな興奮した様子は初めて見たので、佐渡先生と呼ばれた人が一体どんな人物なのか気になっていた・・・。

 

 

 

 

日本武尊に着くとまず静と似たような格好をした他の隊員が二つのケースを預かり美波用のガスマスクを渡した、それをつけて美波と一緒に医務室となりの“実験室”へと向かった。

 

「おう、来たか。」

 

実験室に着くとそう言って佐渡が席を立った。

 

「お久しぶりです“師匠”」

 

と言って佐渡に近づいて挨拶をした。

 

「さて、早速だがこれからやる事は口外無用だ、いいね。」

 

と、いつもでは考えられないくらいしっかりした口調で言った。

 

「了解しました」

 

と美波が言ってこれからやる実験の詳細を聞いた。

 

 

 

 

着けていたガスマスクや防護服などを消毒して甲板に出た静は下田から補給と今回"新しい機体"が来たとの事でその受領書にサインをしていた。

夜にやると危ないとの事で搬入は明日の朝する事となった。

 

 

 

 

 

次の日晴風が12、7cm砲から長10cm砲に換装をしていた。

 

 

「ヨーソロー、ヨーソロー」

 

と言って上から長10cm砲が下されていた。

 

「明石に長10cm砲のストックがあったなんて」

 

標準装置も九四式高射装置が取り付けられた

 

「凄い!前の主砲よりも射程が伸びましたよ」

 

「もう、戦闘にはならないだろうけどな・・・」

 

換装された長10cm砲を見て砲術科のクラスと一緒に見ていた。

 

「晴風艦長」

 

と、杉本が明石から出てきた

 

「ここに長10センチ砲のスペックが書かれている。後で目を通してくれ。」

 

「はい、どうも有難うございます。」

 

「それで、本当に教官艦が攻撃してきたの?」

 

明乃にUSBデータを渡したときに杉本が聞いてきた

 

「うん」

 

「我々は演習が終わった後で合流する予定だったから状況がわからなかったの」

 

「じゃあどうして補給を?」

 

「校長先生の指示で・・・」

 

「お母さ・・校長の?」

 

「さっき連絡があって古庄教官の意識がやっと戻ったみたいだから、これで何が起ったか証明できるね」

 

これでなぜ実弾で攻撃をしたのか、なぜ猿島が沈んだのか、なぜ晴風を反乱と見做したのか。これでこの真相がわかるのも時間の問題だと思った。

 

「それじゃあ私は立石さんの事情聴取をするわ、あとは頼んだわよ」

 

^『はい』

 

平賀達は事情聴取へといった

 

 

 

「ありがとう」

 

「なぜ、私に?」

 

突然、有難うと言われ真白は困惑した

 

「だって、シロちゃんのお母さんが私たちを信じてくれたから。」

 

「うちの母は、自分の信念を貫く人だから」

 

「それこそブルマーだよね!」

 

「ブルマー?」

 

真白はブルマーという言葉に疑問を抱いた

 

「みんなブルーマーメイドの事をこう読んでいるよ!」

 

「ブルーマーメイドを略すな!」

 

ブルーマーメイドを略したことに大きな声をあげた真白はある事に気づく。

 

「ん?」

 

そこには五十六に加え三毛猫とロシアンブルーの猫三匹がいた

 

「うぁ〜」

 

と明乃が言っていたが真白は

 

「な、なぜ猫が増えている!」

 

「ああ、うちと明石の猫よ」

 

「そうなんだ」

 

「補給艦ではネズミが発生しやすいの」

 

杉本が猫を飼っている理由を話した、すると猫は真白に近づいた

 

「く、くるな・・くるな・・・来るな!」

 

「うわーーーーーあ。」

 

と言って真白は逃げるが猫は真白を追いかけていった。そんな様子を明乃は

 

「シロちゃんって猫に好かれていいなぁ〜」

 

と呑気に答えていた

 

 

 

 

「ところで何だけどさ、あの船って何?」

 

と杉本が指した先には日本武尊がいた

 

「ああ、あれですか?あれはね・・・・」

 

と日本武尊の話をした

 

「なるほどあれは海軍の実験艦か・・・でもそれにしては随分と重武装だなぁ〜」

 

そう言って感想を述べたが実験艦の割にはかなり大掛かりな武装だと疑問にも思った

 

「それって普通じゃないの?」

 

藤田が杉本に聞くと杉本は

 

「いや実験艦ていうのはもっと色んな実験をするために色んな兵装をつけてごちゃごちゃしてるはずなんだ、なのにあの艦は随分とスマートになっている」

 

そう言って改めて兵装を見ると確かにバラバラではなく武装が綺麗にまとまっていた。

 

「それに実験艦特有のつぎはぎした後もないし、それに極め付けはあの独特の船体だ、あんな船体は今まで見たことがない。」

 

船体を見ると確かに両端に行くほどシャープな形となっており艦橋を変えると本当に”潜水艦”のような見た目をしていた。

 

「珊瑚が見たことがないってことは相当ね」

 

しかし次の杉本の言葉に藤田達は驚いた

 

 

「もしかするとあの艦は次期日本海軍総旗艦の艦なのかもしれない」

 

 

その言葉に藤田はもちろん明乃も驚いた。

 

「それってどういう事?」

 

「そのままの意味だよ、あれは日本海軍の最新鋭艦だと思う、そして主砲は恐らく”51cm砲”。」

 

その言葉に藤田達はさらに困惑した

 

「それってもしかして大和型より強い?」

 

明乃が聞くと

 

「当たり前だよ、ヘタをすると巡洋戦艦なんかも一撃だと思う」

 

その言葉に藤田達は次の言葉が出なかった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新しい機体

杉本が日本武尊を見ていると補給艦から”布に包まれた何か”がクレーンによって運ばれていた。

 

「あれは何?」

 

と明乃が聞くが

 

「さぁ?私たちも知らないのよね」

 

と返し、続いて

 

「あれの写真を撮るなともいわれてるしねぇ〜」

 

「えっ!」

 

思わず明乃は驚いてしまった、ずっと着いてきた補給艦の子達なら何か知っていると思ったからだ。しかも撮影は情報漏洩になると言って禁止されていた。

 

「あれって何だろうね〜、何か世界を動かすようなものだと思ったんだけどねぇ〜」

 

そう言って杉本は明石に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本武尊 格納庫

 

「いや、思ったより早かったですね」

 

「ああ、そうだな」

 

香織の言葉に静はそう言って目の前にある機体を見ていた。

 

「中型輸送攻撃回転翼機『松花』か・・・」

 

中型輸送攻撃回転翼機 松花

 

ガ式機関砲一機と赤外線誘導噴進弾を搭載した中型機に輸送能力を付与した機体である。

 

 

 

「試験飛行はいつにしますか?」

 

「まぁ、もうちょっと後でいいかな。」

 

静は晴風が隣にいるので試験飛行はもう少し後でいいと言った。

 

 

 

 

 

「それじゃあ我々はこれで、これから武蔵の補給に向かう」

 

「えっ!武蔵?」

 

杉本の言った言葉に驚いた明乃、もしかしてと思ったが

 

「でも、武蔵もビーコン切ってて位置がわからないんで調査も兼ねているんだよね。」

 

「そ、そう・・・」

 

武蔵の居場所は知らず杉本も探索と補給を一緒にしているようだ。

武蔵は今何処にいるはわからない、そんな考えが明乃の頭を覆った

 

『モカちゃん・・・今どこにいるの?』

 

そう思って海の方を見た

 

 

 

 

 

 

「艦長、晴風の修理が完了したみたいです」

 

「そうか・・・では、横須賀に・・・」

 

「艦長、横須賀女子から電文です」

 

これからこのまま横須賀に行こうと思った時、伝聞があった

 

「ん?」

 

そこを読むとそこには海軍並びに横須賀女子、ブルーマーメイドに消えた艦艇の捜索及び調査が来た

 

一方その頃横須賀女子海洋学校では真霜が晴風との接触をしたとの報告をしていた

 

「艦長・乗員共におかしな様子はありませんでした」

 

「そう、ありがとう」

 

真霜の報告を聞き真雪は安心した

 

「海上安全委員会にも報告をあげたけど、まだ晴風に危険分子がまだ乗船しているのでは、と疑っているわ。学校に戻る前に全員拘束すべきではないかとの意見もあるの、これ以上晴風に何かあると私だけでなくお母さんの立場も危うくなるわ。」

 

「私の心配はしなくて良いわ、でも何か異常事態が発生していることは確かよ。貴方はその解明を急いで。」

 

「分かっているわ。」

 

今回の件で何かが起こっていると思って真雪は真相究明へと舵を切り出した、まずは晴風の命令撤回が出来たことにホッとした。

 

 

 

「晴風の護衛をしていたのはどうやら海軍の実験艦らしいですね。」

 

「また、茂さんにお礼を言わないと。」

 

「そうですね」

 

そう言って報告書を読んでいると突如ドアがノックされ入って来たのはちょうど噂していた茂であった。

 

「これは、茂総長自らいらっしゃるとは・・・」

 

「ちょっと電話じゃ話せない案件だからね、こっちに直接来させてもらったよ。」

 

そう言ってソファーに座り持っていた鞄から機密と書かれたファイルを取り出した、それを見た真雪達はまず部屋のカーテンを閉めた。

 

「まずはこれを見てくれ」

 

そう言ってファイルの紙を見るとそこには驚きのことが書かれていた

 

「総長殿、これは本当なんですか!」

 

「まだ、確証ではないがほぼほぼ会っていると言っても過言ではない」

 

そう言ってもう一回紙に目を通すと其処には『Rats実験動物に関する報告書』と書かれていた。

 

 

 

 

 

紙をすべて読むと真雪達は信じられないと言ったような顔で上を向いていた

 

「まさか整備局では無く、委員会がこんな事をしでかしていたなんて」

 

「この事はどう報告します?」

 

「その件に関しては私から直接“今上天皇”に報告しようと思う」

 

茂が言うと真雪達は驚いた。

 

「閣下に報告するのですか!」

 

「ああ、その方が揉み消される心配がないからな」

 

そう言って茂は揉み消される心配の無い天皇に直接報告しようと言った。

 

「それにわしの娘は閣下の直接的な部下だしな。」

 

その言葉に真雪達は疑問に思った

 

「この事は口外無用だ気をつけろ外でこの事を言うと“拘束”されるぞ」

 

と言って静が菊花艦隊の司令長官をしていることを話した。

 

「菊花艦隊・・・まさか本当に存在していたなんて。」

 

「しかし、よくこんな長い時間委員会相手に秘匿出来ましたね。」

 

と、それぞれ感想を述べた。

 

「まあこのことに関しては国家最重要機密情報の類いになるからな」

 

そう言って茂は

 

「委員会についてはこちらから対処しておく、そっちは引き続き失踪艦の調査と他の情報に関して報告を頼む。」

 

と言って懐から通信機を取り出した

 

「これは?」

 

「真霜君と私を直接繋ぐ機械だ、傍受対策もしっかりしてある。」

 

この機械は中華武装集団の襲撃した時に静が徳川に造らせた特別な通信機器だったが襲撃の時以降使う機会がなかったので埃を被っていたのをそのまま持ってきたのだ。

 

「分かりました、以後何か情報があればこれで直接通信します。」

 

「ああ、頼んだ。」

 

意図を理解した真霜はそのまま部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

晴風は修理・補給が終わり日本武尊と共に捜索のため出港した。




ちなみに私のイメージでは

海上安全委員会
   ↓
海上安全整備局
   ↓
ブルーマーメイド

みたいな感じのイメージです



松花のイメージはソ連製MI24V型のイメージです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

休憩

アスシオン島沖

 

 

 

 

 

ブルーマーメイドの艦隊が消えた学生艦を探しているのと同じように東舞校の教員艦も捜索をしそのうちの一隻が武蔵を発見した。

 

 

 

東舞校所属 あおつき 艦橋

 

「教頭先生、哨戒船より入電です。発5分隊二号船宛旗艦あおつき。武蔵を発見。北緯19度41分東経145度0分で巡行中。無線で呼びかけるも応答なし。ビーコンも反応無しなので電装系の故障でしょう。」

 

あおつきの副長が報告をした

 

「武蔵の位置を横須賀女子海洋学校に伝えろ。まあ、見つかってよかった。随分と心配しただろうな、生徒との安全確保は最重要だと言うのに、複数同時に実習艦が行方不明になるとは・・・」

 

「幸い伊201に乗艦していた我が校の生徒達は全員無事に救出できましたが・・・」

 

「晴風は教員艦との撃ち合いにもなったと言うし・・・いったい何が・・・いや何が起きたにせよ、直ちに武蔵の保護に向かおう。」

 

「哨戒船を呼び戻せ。」

 

 

 

 

 

 

その頃ある島では二隻の船が停泊していた

 

晴風のみんな各々の時間を楽しんでいた。あるものは日光浴をし、ある物はパライリングをしていた。

 

「こんな事をしていていいんでしょうか」

 

と真白が呟くが

 

「みんな猿島の時から緊張していたからいいんじゃないかな?」

 

「はぁ、静さん達は今も仕事をしているのに・・・」

 

と言って日本武尊を見た

 

 

 

 

 

一方日本武尊では松花の試験飛行の準備をしていた。

 

「どうだい?調整の方は。」

 

「これは司令長官殿、はい!十分に。」

 

そう言って一人の隊員が言った

 

「まもなく試験飛行もできると思います」

 

そう言うと静が

 

「じゃあその時はお願いね」

 

「はい!」

 

そう言って格納庫を出た

 

 

 

 

 

艦内を歩いていると

 

「・・・ねえ、静ちゃんなんか臭わない?」

 

と香織が言って匂いを嗅ぐと確かに何か磯臭い匂いがした

 

「どこから匂っているんだろう?」

 

そう言って匂いのもとを辿っていくとそこには『医務室』と書かれた部屋だった。

 

「ねえ、香織ちゃんまさかだけど・・・」

 

そう言うと中から二人のガスマスクをつけた男女が出てきた。言うまでもなく出てきたのは佐渡と美波であった。

 

「おお、しれ・・・艦長ちょうどいいところに来てくれました、あのネズミについての報告です」

 

と言って数枚の紙を渡した、それを読むと静は佐渡に返した。

 

「なるほど、あとはワクチンを作るだけですか」

 

「ええ、でもこのウイルスはどうやら海水をかけると消滅してしまう効果があるみたいなんです」

 

「海水を?なんで?」

 

静は海水をかけるとウイルスがなぜ消えるのかを聞いた

 

「さあ、まだそこまでは分かりませんが恐らく海水に含まれるマグネシウムが反応しているものだと思います。」

 

と言って去っていった。

 

 

 

 

 

 

次に出向いたのは食堂であった、其処には田嶋さんの他に晴風の杵崎姉妹や伊良子がいた。

 

「田嶋さ〜ん、あれ?君たちは晴風の・・・」

 

「はい、私達は晴風の杵崎 ほまれと杵崎 あかねと伊良子 みかんです」

 

と言って自己紹介をした

 

「私たちは今ミーナさんの歓迎会用のケーキを作っているんですよ。」

 

と田嶋が今ここにいる理由を伝えた。

 

「なるほど、じゃあ歓迎会に私も参加しようかな。」

 

『はい、ぜひ来てください!』

 

そう言って私と香織は急遽歓迎会に参加することにした。

 

 

 

 

 

その頃晴風甲板では

 

真白と明乃が晴風の甲板で海を見ていると後ろで駿河達が星座占いをしていた。

 

「明石と間宮は着いたかな・・・・」

 

「え?」

 

「武蔵の所に・・・」

 

と言って武蔵の心配をした。そんな中後ろでは・・

 

「えっと・・今月の運勢は・・・」

 

「あ、さそり座は9位」

 

「おうし座は11位か・・・」

 

「まあ、ビリじゃないからいいんじゃない?」

 

「ちなみにふたご座は何位だ?」

 

と、真白は聴くと

 

「12位、特に水辺では運気が下がります」

 

「・・・・」

 

やはりか、と思っていると突如水がかかった。

 

「あっ・・」

 

「・・・・ついてない」

 

といって真白は濡れた髪を持ち上げた

 

「凄い!当たってる!!」

 

「あ〜心理テストもあるよ宗谷さんやってみる?」

 

と伊勢が進めるが

 

「やらん!!」

 

と言って着替えに行った

 

「それじゃあ、知床さんやってみる?」

 

「わたし!?」

 

と、たまたま近くにいた知床に伊勢が進めた。

 

 

 

 

 

時間となり静と香織としおりとみかが内火艇に乗った。なぜしおりとみかがいるかと言うと、食堂の近くに行った時にたまたま晴風の歓迎会の話を聞き自分たちも行きたいと駄々をこねたのだ。

 

「ねえ香織ちゃん、しおりちゃんってあんな駄々こねる子だったっけ?」

 

と静が香織に聞いた

 

「さあ?前からあんな感じだったような気はしますけどね。」

 

としおりの変化はわからないと返したが、香織はなぜしおりがあんなにも性格が変わったのかの理由を大体わかっていた

 

『多分あなたがしおりに寄り添ったからだと思いますよ。』

 

そう思いながらしおりを見て晴風に向かって行った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

歓迎会

晴風に着くと明乃が出てきて

 

「ほまれちゃん、あかねちゃんと・・・静さん!!」

 

と、一緒いた静達に明乃は驚いた

 

「よっ!お邪魔させてもらうよ」

 

そう言って内火艇からケーキの入った箱を取り出した

 

「それは歓迎会のケーキですか?」

 

「あぁ、それと芽依ちゃんも呼んできて貰っていいかな」

 

そう言ってみかを指差すと明乃は理解して西崎を読んだ

 

「みか叔母ちゃんどうしたの?」

 

放送をきいて飛んで気た西崎がみかに言った

 

「いや、久々に色々と話そうと思ってさ。」

 

そう言って西崎と一緒に奥に行った。

 

 

 

 

 

 

歓迎会の準備ができると晴風の乗員全員を招集し歓迎会の主役のミーナがケーキの火を消し晴風について感想を述べた。

 

 

 

 

 

 

 

その頃横須賀の病院では・・・

 

古庄が目を覚ましたことにより事情聴取を行なっていた。

 

「・・・・・では、晴風に発砲したにはなぜですか?」

 

「それは・・・・」

 

「一歩間違えれば死傷者も出していたと思われるのに・・・」

 

と、ブルーマーメイドの隊員に色々と質問を受けていた。

 

「それが・・・覚えていないんです・・なぜこのような事をしたのか・・・」

 

「本当に分からないのですか?」

 

そう言っていると、病室のドアがノックされ中に真霜が入ってきて

 

「ごめんなさい、ちょっと二人だけにしてもらってもいい?」

 

と言って中にた、隊員を退室させた。

 

「・・・大丈夫ですか、古庄先輩?随分と長い間海水に浸かってたみたいですけど・・・」

 

「後輩に心配をかけるなんて情けないわね。ありがとう」

 

そう言って真霜は腰をかけると

 

「すいません、調書が完成するまでここにいてもらっていいですか?」

 

と事実上の軟禁をすると言う報告に古庄は納得していた

 

「生徒に向かって発砲したのに思い出せないなんて自分に腹が立つわね」

 

古庄はこの件について責任を取れ、といわれたら教官を辞職するつもりだった

 

「晴風は大丈夫?」

 

と古庄が聞いたので真霜は

 

「はい、晴風の方は海軍の方が真っ先に保護をしてくれたようです」

 

「そう、私からも有難うと伝えてもらって良いかしら?」

 

「分かりました、古庄先輩」

 

そう言っていると

 

ピコンっ!

 

と真霜の携帯が鳴りそれを見た真霜は「これ差し入れです、食べていてください」と言って足早に部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃晴風では歓迎会を行なっていた。

 

 

「「ええ!静さん結婚していたんですか!」」

 

「ああ、そうだよ」

 

静の発言にその場にいた全員が驚いていた

 

「じゃ、じゃあ結婚したお相手の名前とかは・・・」

 

と広田が聞くが

 

「ごめん、お相手に関してはちょっと言えないんだ。ごめんよ」

 

「い、いいえいいえ、大丈夫です」

 

と言って広田は手を横に振った

 

そしてその後も色々と晴風の生徒から質問攻めにされた・・・

 

 

 

 

静の様子を横目に見て参加者のしおりはふと隅っこで沈んでいる生徒を見つけた。

 

「どおしたんだい?」

 

と声をかけると、その子は「ヒャいっ!」と言って飛び上がった、その様子はまるで静に会う前の私のようであった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

しおりの過去

私、知床は今、絶賛ショックを受けています。なぜならさっきやった心理テストで『真面目系クズ』と言う結果に沈んでいます。そんな時いきなり声をかけられ思わず変な声が出てしまいました、声のした方を見ると、そこには紺色の服を着た女性が立っていて。「どおしたの?」と言われて誰か分からず困っていると

 

「ああ、私?私はね〜日本武尊航海長 鈴木しおりだよ。」

 

自分と同じ航海長・・いいなぁあんな感じで、なんて思っていると心を読んだのか如く

 

「何、私も初めは貴方みたいな感じだったんだよ」

 

「えっ!」

 

私は思わず声に出てしまった、あり得ないと思ったからだ。するといきなりスマホから写真を出し

 

「ねぇ、私どこにいると思う?」

 

と言われて写真を見ても何処にもいないように感じた、しかししおりさんに「ここだよ」と言われて写真を見ると、明らかにおどおどとした様子で顔を赤くしている女性がいた

 

「まさかこの人ですか?」

 

余りにも今と違うので嘘を言っているのではないかと、思ってしまった。するとしおりさんは私にこう言った

 

「実はね、私の実家は神社なんだけど私よりも妹の方が巫女に向いていてね。小さい時から周りの人から色々と言われてきたんだよね。」

 

そう言って色々と言ってくれた

 

 

 

 

 

 

〇〇神社で私は長女として産まれたの、家族や妹からは「大丈夫何かあったら私に言って、すぐに駆けつけるから」と言われていたが親戚や、神社の職員からは『使えない子』や『不良品』などと言われ、いつしか私は人の言うことが怖くなってしまった。また文句を言われるかもしれない。そんな恐怖が心の中で渦巻いていた。そんな日々を送っていると、ある日突然父から「しおり、もしここにいるのが嫌なら。士官学校に行くのはどうだ?」といきなり言われ、「どうして?」と返すと「いや、俺が昔海軍にいたからそのれでどうかなって思っただけさ。」そう言って話を続けた。その時、私は『士官学校か・・・』と思っていた、そう言えば思い返すと、私はいつも海辺の公園で海を眺めていた。そしてそのまま私は士官学校の試験をして操艦に関してずば抜けていい成績だったので、私はそのまま航海科に配属され訓練をし、いくつかの艦を回ったある日、私は軍令部から転属書を渡され、何処に配属されるかと思っていると、聞いた事もない艦でしかも其処の航海長をする事となり。待合室に行くと既に多くの人がおりビクビクしながら中に入り待っていると最後に今の艦長となる静と出会った。

 

 

 

 

 

「〇〇神社・・・」

 

そこは知る人ぞ知る神社で政治家や実業家などがお忍びで参拝に来るほどの有名な神社であることを知床は知っていた。

 

「で、その後はどうなったんですか?」

 

「その後はね・・・」

 

 

 

 

 

艦に乗るとまず静から言われた事は

 

「無理をしない事、困ったらパブに行くか、私に相談する事」

 

と言ってみんなは笑っていたが私は笑えなかった。

 

 

 

 

いつものように仕事をしていると西崎に無理やりパブに連れて行かれ無理やり酒を飲まされて酔った私は今までの事を全部言っていたようで、そのあと艦長から「いままで辛かったんだね、よしよしここには君を責める人はどこにもいないよ。ここだは自由なんだ、どんな事でもやって良い、自分の好きなように生きれば良い。」と盛大に酔っ払いながら言っていた。私はの言葉に思わず泣いてしまった。その時に私はなにか吹っ切れたような気がした。次の日から私は好きな事をしていくと決めた、そして艦長のような人になりたいと憧れるようになった。後日、あの事を聞いても本人は全く覚えていなかった。

 

「て言うことがあったのよ」

 

「へえ〜」

 

「晴風の艦長は自分を投げ打つことがあるだろうけど決して見捨てることはない、だから彼女のことを信じてこれから行くと良いわ。」

 

 

そう言ってしおりは去っていった。

その後ろ姿はとてもかっこよく見えた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

間話:お袋さん

ある日武御雷艦内でみかと葵が一緒に歩いていた

 

「ふあ〜ぁ・・眠い」

 

「みかちゃん昨日飲みすぎたでしょ。」

 

「うん・・・そうだねー」

 

葵の言葉にみかは元気なく返事をした

 

「これからはちゃんと考えて飲んでよ香織と対決なんて当たるわけないんだから」

 

どうやら昨日の夜酒豪の香織との酒飲み対決で負けたようだ

 

 

 

昨日の夜

 

「副長!今夜酒飲もうよー。」

 

「え?いいけど今日この仕事終わったらねー」

 

士官室で書類をまとめていた香織にみかがパブに行って飲みたいと言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

書類仕事が終わりみかと香織がパブに行くと其処には暗い雰囲気をした隊員とそれを囲むように座っている他の隊員達がいた

 

「ど、どうしたの?」

 

と近くにいた1人の隊員にみかが聞くと

 

「あ、砲雷長ですか・・・いいえ気にしないでください・・・」

 

と言ってまた酒を飲み始めた、そんな中みか達が酒を飲み始めて盛大に酔ってきた頃

 

「チクショーやってらっかてんでー」

 

と言って後ろにいた隊員達が各々何かを言い始めていた、気になって聞いてみると

 

「なーに、たかがプロポーズに失敗しただけだろーそんな気にすんなって」

 

と言っていたのでどうやらプロポーズをしたが失敗して自棄酒をしていたようである、それを聞いたみかは酔っ払った状態で

 

「バカヤロー、失敗したなら何で失敗したのか思い返してみろ!もし自分が悪いんだったら普段から気をつければいいだけだし、相手が悪いんなら他にもっといい人がいるに決まってんだろ。この世に何人、人がいるってんだ、ああ?行ってみーや」

 

と言って香織と勝負をして負けてぶっ倒れていた、そんな様子を見ていた隊員は

 

「「お袋・・・」」

 

と言って他のいめていた隊員も同じような感想を抱いていた。この出来事によって次の日からみかは隊員から「お袋」と呼ばれるようになった、しかしこの事を覚えていないみかはよく『お袋』と言った隊員によく技をかけているが香織から本当であると聞いて顔を真っ赤に染めて俯いていた、その後も落ち込んだ隊員などに酔っ払ったみかがよく相談やアドバイスをしたりしている為、いつかその光景は『参謀の人生相談室』として迷人生に悩んだりする隊員や誰かに告白しようとする隊員が必ずみかに相談するようになっていった。ただしみかが酔っ払った時だけ行われるためみかがパブに行く話があった時だけ必ず隊員がいるようになったと言う、そのことを聞いた静は大笑いしていたが香織から『貴方も似たようなことをしていたんですよ』と心の中で思いしおりの方を見た



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

武蔵発見!

晴風で歓迎会が行われている頃近くの海域では

 

「武蔵、安定して巡航中ですね」

 

東舞校教官艦旗艦あおつきでは副官が報告をした

 

「皆、無事なら良いが」

 

すると次の瞬間武蔵の砲塔が回りあおつきらの艦隊に向き発砲をした

 

「撃ってきました!」

 

「何!?」

 

その直後艦隊の近くに着弾し一隻が機関部に被弾し航行不能となった

 

「対水上戦闘用意!!」

 

「しかし、それでは生徒の船を撃つことになります」

 

「どこかで浸水させて傾斜をつけてから、救助を行う」

 

「・・・対水上戦闘用意」

 

副官は納得した上で全艦に戦闘用意をさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「しかし、これは美味しいな」

 

とミーナが言った。

 

「はいこれ」

 

と言って静が何かが入った箱を渡した。

 

「何じゃ、これは?」

 

と言って箱を開けると中にはミーナのマスコット姿になったぬいぐるみが入っていた

 

「これは・・可愛いのう」

 

もらったぬいぐるみを見てミーナは喜んでいた。それを見た真白は

 

「これ、もしかして自分で作ったんですか!」

 

そう言って今度自分にも作って欲しいと言った、その姿はまるで香織がスイーツを食べている時のような顔だった、ちなみにこの後納沙とミーナは同じ趣味だった事を知って、とても仲良しになった。

 

 

 

 

 

歓迎会を楽しんでいると

 

キィーーーーーーン

 

と音が鳴り八木から東舞校と武蔵が接触したとの報告があった。その報告を聞き日本武尊と晴風は急いで出港をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「増援八隻到着、陣形、整いました!!」

 

合計十四隻になった艦隊は武蔵に物量で攻撃をしようとした

 

「何としても足を止めるぞ!噴進魚雷、攻撃はじめ!!」

 

と言って噴進魚雷を発射するが全てはちゃめちゃな方向へと飛んでいった

 

「何!?」

 

「教頭!増援艦隊との通信途絶!データリンクも止まりました!!」

 

「武蔵発砲!着弾します!!」

 

次の瞬間大きな衝撃が艦に伝わった

 

 

 

 

 

 

「すごい、すごすぎます・・・」

 

納沙は続きの言葉が出なかったまるでその様子は戦場さながらであった

 

「いきなり夾叉もなしに当てている・・あんなのに狙われたら・・」

 

西崎も46cm砲の餌食になったらと思うと言葉が出なかった。

 

「操艦もあんなに細かく動いているなんて」

 

知床は200m以上もある大きな船があんな動きをしていることに驚いていた

 

「何で・・どうして・・」

 

そんな様子を明乃は双眼鏡越しで驚愕していた

 

 

 

 

 

日本武尊 艦橋

 

「さすが頭いい子が乗っているだけ有りますね」

 

「でもどうします?ここから攻撃しますか?」

 

しおりと香織がそれぞれ言うと

 

「対水上戦闘用意!航空機の発艦用意!」

 

「了解!」

 

そして艦内のいるところからブザーがなり日本武尊の主砲が武蔵に向いた

 

 

 

 

 

「・・・っ!日本武尊の主砲、武蔵に施行中!」

 

『えっ!』

 

野間の報告に艦橋にいた全員が日本武尊を見ると1・2番砲塔が動いて標準を武蔵に向けていた

 

「まさか、武蔵を攻撃する気なのか!」

 

「みかおばさんが撃つんだ〜!」

 

「流石に生徒の乗っている船ですよ、いくら何でも・・・」

 

と納沙が入った直後、轟音と共に爆煙が日本武尊から鳴った

 

 

 

 

 

 

「各部配置よし、艦内防水扉閉鎖完了、松花いつでも行けます!」

 

「了解!全砲塔に模擬弾装填、及び噴進弾の発射用意!目標、武蔵第一・二副砲、みか!正確に狙って!」

 

と人のいない所を重点的に狙った

 

「了解、1・2砲塔軸線に乗りました、絶対当たります!」

 

「噴進弾も準備完了いつでもどうぞ!」

 

各部から準備完了の報告が入ると

 

「発射!」

 

「射テェー!」

 

みかが発射ボタンを押すとまず爆炎とともに2tの砲弾が発射され次に轟音とともに噴進弾が空に上がった

 

 

 

 

晴風 艦橋

 

「ばかな!学生の乗っている艦だぞ!静さん達は何を考えているんだ!」

 

真白は静達の行動に思わず声を大きくしてしまった。まさか、海軍の人たちが本来守るはずの国民を攻撃しているのだから。

そんな中明乃は

 

「もかちゃん・・・シロちゃん・・悪いけど・後任せていい?・・私、行ってくる・・」

 

「ちょっと待って下さい!どこに行く気ですか!」

 

真白の問いに明乃は

 

「武蔵の所・・・」

 

と答え真白が

 

「馬鹿を言わないでください!私たちは状況を把握し、学校に伝えることが任務だ!それに今は海軍の船が発砲しているんです!ヘタをすると巻き込まれますよ!!」

 

というが明乃はもえかの事しか頭になくパニックを起こしていた、無理矢理にでも行こうとする明乃に真白はついに

 

「いい加減にして下さい!自分の艦をほったらかしにして飛び出す艦長がどこにいますか!!」

 

と、今までの鬱憤を晴らすかの如く叫んだ、しかし真白の静止も聞かず明乃はスキッパーに乗って飛び出した

 

 

 

 

 

「晴風よりスキッパーが発進しました!!」

 

「何だって!誰が乗っている!」

 

「艦長の岬 明乃です!」

 

と射撃指揮所にいた隊員から報告があり静達は驚いた

 

「何をしているんだ!このままいくと砲撃に巻き込まれるぞ!!」

 

香織がそう言うと静が

 

「直ちに護衛に向かう!松花発艦!そして晴風に通信!貴艦は直ちに東舞校の職員の救助にあたれ」

 

そう言って格納庫から松花が発艦した

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「艦長を護衛する機関z・・」

 

と真白が指示を出そうとした時

 

「日本武尊より通達!『貴艦は直ちに東舞校の救助をされたし、艦長はこちらで守る』だそうです。」

 

「そうか・・・」

 

納沙の報告に真白は遅い戦艦で一体どうやって守るのかと思っていると日本武尊の後ろから”何か”が飛んで行った

 

「何だあれは!」

 

真白が叫ぶが

 

「分かりません、私も見たことありません!」

 

と納沙がいって真白は"空とぶ何か"をただ見ていた

 

 

 

 

 

 

「機関全速、面舵一杯!全砲塔武蔵に向けよ!」

 

「ヨーソロー、面舵一杯!」

 

そして武蔵と日本武尊の戦艦同士の一騎打ちが始まった




そういえば書いて欲しいネタとかあったら感想のところに書いてもらっていいですか?できる限り要望は飲みたいと思います


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

追跡不能

明乃を守るために日本武尊から発艦した松花は明乃のスキッパーを上空から追いかけた

 

「これより武蔵に接近する、水流噴進用意!急げ!」

 

『了解!』

 

そう言って機関室からは水流噴進の用意がされた

 

 

 

 

 

 

日本武尊で水流噴進の準備をしている頃、松花では

 

「スキッパーを発見これより追跡を開始する」

 

と言って明乃の乗るスッキパーを追いかけた・・が次の瞬間岩礁にぶつかり明乃は海に放り出された、パイロットはすぐさま日本武尊に報告を入れた。

 

「スキッパーの乗員が海に落ちました!これより救助をします!」

 

そう言ってハーネスを下ろした

 

 

 

 

 

 

『スキッパーの乗員が海に落ちました!これより救助をします!』

 

「何だと!」

 

その報告があった時だった、突如日本武尊に衝撃があった

 

「報告しろ!!」

 

怒鳴るように今の衝撃の原因を聞くと

 

「武蔵の直撃弾です!後部甲板に直撃!火災発生!!」

 

報告を聞くと静は

 

「砲撃はいけるか?」

 

「まだまだ撃てます!」

 

と戦闘能力の有無を確認しまだ戦える事を確認すると

 

「砲撃続行!火災は直ちに消火せよ!」

 

そう言って砲撃を続行した

 

 

 

 

 

 

「すごい、まるで映画のようですね・・・」

 

日本武尊と武蔵の一騎打ちを救助しながら納沙は言った

 

「艦長は大丈夫かな?」

 

西崎が言うがまさかこの時海に落ちているとは思っていなかった

 

 

 

 

 

 

 

「火災、急いで消火しろ!弾薬庫に引火はしないが三番砲塔が使えんくなるぞ!」

 

そう言って応急修理班が急いで消火作業をしていたその時、武蔵の着弾した勢いで海水が勢いよく甲板にかかり一気に消火が終わった。

 

 

 

 

 

 

「武蔵、離れていきます・・・」

 

そう射撃指揮所から報告があった

 

「追いかけますか?」

 

「いや、もういい」

 

しおりが聞くが静はもう追跡はいいと返した

 

「とりあえず目標の1・2番副砲の破壊はできましたね。主砲はとりあえず一番の旋回装置を故障させることはできましたけど・・・」

 

香織が言うと

 

「ああ、だがまずは晴風艦長に話を聞こうか・・・」

 

そう言って明乃のいる医務室に向かった

 

 

 

 

医務室に向かうと毛布に包まれ暖かい飲み物を飲んでいた明乃がいた

 

「あ、静さん・・」

 

と元気のない声で明乃は言った

 

「・・・まあ、とりあえず話を聞こうか、なぜ晴風を飛び出したんだい?」

 

そう静が言うと明乃は武蔵に乗っている親友のことを話した

 

 

 

「成程・・親友を助けたいがためにか・・・」

 

そう言って静は上を向いた、そしてこう言った

 

「親友か・・親友のことも大事だが、まずはいきなり取り残された晴風の乗員のことは考えなかったのかい?」

 

そう言うと明乃は俯いてしまった。

 

「親友は確かに大事だ、だがあまり親友のことを心配してもそれがいずれ暴走してしまうこともある、今回の件で分かっただろ?」

 

「はい・・・」

 

静の言葉に明乃は頷くので精一杯だった。

 

「あまり親友のことを心配するとかえってその親友すらも心配することとなってしまう。」

 

「・・・」

 

そう言って医務室を出て行こうとした時

 

「あまり気を張りすぎるとかえって自分を壊すよ」

 

そう言って医務室を出ていった。

 

 

 

 

 

 

晴風に明乃を渡した時真っ先に真白が頭を下げて謝った

 

「申し訳ありませんでした!」

 

「いいよ、いいよ別にこっちに人的被害はなかったし」

 

「し、しかし・・」

 

「それに、今回ばかりは明乃さんも反省したようだし、あまり責めないであげて。」

 

そう言って静は艦に戻っていった

 

 

 

 

 

 

 

その頃横須賀女子海洋学校では

 

「東舞校教員艦十六隻が航行不能!!」

 

秘書の報告に真雪は驚きをあらわにした

 

「先に報告をしとけばよかったわ・・」

 

そう言って先に武蔵の状況を言わなかったことに後悔をした

 

「教員艦は最新鋭の装備だったはず、なのに何故・・・」

 

そう疑問に思っていると

 

「電子機器と誘導弾が全て機能不全を起こしたようです。」

 

「乗組員は?」

 

「三重の安全装置は伊達ではありませんね、軽傷者が数名だけです」

 

秘書の報告に真冬はホッとした

 

「機能不全ということは、電磁波攻撃でも受けたの?」

 

「さあ、そこは分かりかねます」

 

「武蔵の燃料と弾薬は?」

 

「出港時に満載状態なので推定で燃料は8割弾薬に関しては海軍の艦と撃ち合いになったので7割ほどかと・・」

 

「なぜそんなに搭載を?」

 

「大和型の砲弾を洋上補給するのは困難なので・・・」

 

と秘書は武蔵の弾薬に関してそう述べた

 

「撃ちあった海軍の艦は?」

 

「実験艦の日本武尊です」

 

真雪は撃ち合った海軍の艦を聞いて心の中で少し驚いた

 

『まさか日本武尊とは・・茂さんの言った通りになったわね・・・』

 

そう思っていると教官が入ってきて

 

「校長、比叡、鳥海との通信が途絶しました!」

 

「なんですって!」

 

教官からの報告に真雪は声をあげてしまった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

機雷発見

誤字を指摘してくださった方ありがとうございます。直しておきました


比叡と鳥海の通信途絶した事に真雪は驚いた

 

「今、所在不明の艦艇は?」

 

「摩耶、五十鈴、名取、時津風、天津風、磯風並びにドイツより参加予定だったアドミラルシュペーです」

 

「そんなに・・・いま動かせる艦艇は?」

 

補給活動中の明石、間宮。護衛の秋風、舞風、浜風。偵察中の長良、晴風、浦風、萩風、谷風、そして海軍からの援軍で日本武尊です。

 

「山城、加賀、赤城、生駒、伊吹は現在ドックに入っていてどんなに急いでも後半年は動かせません。航洋艦は前倒しはできますがせいぜい後3ヶ月は無理かと・・・」

 

と教官と秘書の報告に真雪は考えた

 

『私の独断でも茂さんに本格的に所在不明艦の捜索の要請しないといけないわね・・・』

 

そう思いながら艦艇の映る画面を見た

 

 

 

 

 

 

晴風 艦橋

 

晴風の艦橋はとても重い雰囲気となっていた。そんな中八木が艦橋に上がってきて

 

「あの、艦長、ちょっといいですか?」

 

「どうしたの?」

 

「さっきから全然通信がなくてその代わり変な電波が続いているんだけど・・」

 

すると明乃と真白は目を向かい合わせて

 

「どっかの機械が故障したのか?」

 

と真白は聞くが

 

「実は言うと私のタブレットも今使えないんですよねー」

 

そう言って納沙が砂嵐になっている画面を見せた

 

「どうしてだろう、調べてみようか」

 

「私もついていきます」

 

と言って八木と一緒に変な電波の原因を探った

 

 

 

「そんなので大丈夫なのか?」

 

真白が言った先にはダウジングバーを持って探している八木がいた

 

「意外といけるんだよ、これが」

 

と言ってダウジングの指した先には医務室があった

 

「ここって医務室だよね。」

 

「ええ、そうですが」

 

そう言って医務室のドアを開けるとハムスターのような生物にメスを持った美波がいた

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

と真白は驚くが

 

「いやいやあれは美波さんだよ」

 

と言って美波がただメスを持っているだけだと言った、すると明乃達の足元から美波の前にいるハムスターのような生物がいて

 

「ん!」

 

それを見た五十六が目を光らせてハムスターのような生物を追いかけた

 

「うげっ!」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁ!」

 

「なんだ、なんだ!」

 

と言って晴風の照明が全てついた頃五十六はネズミを捕まえて艦橋に上がってきた

 

「すごいね五十六、鼠捕まえたんだ」

 

と言って鼠に触ろうとした時

 

「触るな!」

 

美波が大きな声で言った

 

「そいつがウイルスの元凶だろう」

 

そう言って鼠を箱に入れると通信関係のところから報告が上がった

 

「電探室復旧!」

 

「ソナーよく聞こえますわ」

 

「通信戻りました」

 

「まさかこいつが・・」

 

真白が言うと

 

美波は箱を密閉してから

 

「こいつ用のワクチンは今、師匠が作ってくれているまもなく実用出来るだろう。」

 

「師匠!それはいっt・・・」

 

真白が美波の言った師匠のことを聞こうとした時納沙から

 

「日本武尊より報告!前方に浮遊機雷あり直ちに全速後退せよ!!」

 

その報告を聞いて明乃はすぐさま後進一杯を指示した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本武尊 会議室

 

「さて、軍令部から通達があった」

 

そう言って静は紙を見せたそこには

 

『海軍所属の全ての艦艇に通達する、直ちに行方不明となっている艦艇の捜索を行え、ただ該当する艦艇を発見した場合は直ちに軍令部に報告せよ』

 

と書かれていた、すると葵が

 

「分かりましたですが菊花艦隊は皇族の所有物です、確かに維持と管理は海軍にありますが指示権限は今上天皇しか持っておりませんよ。」

 

と言ったが静はそのことも予測していたようでもう一つの紙も見せた、そこには先ほどとほぼ同じような内容が今上天皇より送られていた

 

「分かりました、まもなく武御雷も改修が終わるという報告がありましたので硫黄島要塞の仙空偵察隊に直ちに捜索を始めるよう伝えておきます。」

 

その後、艦橋より機雷発見の報告があった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

機雷除去

翌朝、機雷を発見した日本武尊と晴風はこれからのことで話し合うために静が晴風に出向いた

 

「さて今この海域にある機雷は系止機雷、沈殿機雷、浮遊機雷、短止系機雷のようだ」

 

「はい」

 

「じゃあ機雷掃海に関しては駆逐艦の晴風がやり易いが安全のために日本武尊が先行しワイヤーを切る、その後ろを晴風の機銃で撃ってもらっていいか?」

 

「了解しました」

 

そう言って日本武尊と晴風による機雷掃海が行われた

 

 

 

 

 

「掃海用意!ワイヤーカッターを下ろせ!」

 

と言って日本武尊に戻った静から号令が降ったそうすると日本武尊からワイヤーカッターが海に投下されスキッパーと内火艇で走り回った、しばらくすると機雷が浮いてきた。

 

 

 

ドンっ!ドンっ!

 

「ヒャッハー撃てる撃てる!」

 

「・・・」

 

と西崎が興奮した様子で機銃を撃っていた

 

そんな様子を見ながら静は浮いて来る機雷を見ていた。

 

「掃海艇か此方に来るそうです、どうやらここら辺の機雷原は米日が緊張した頃にどうやら撒かれたそうです。」

 

「そうか・・・」

 

報告を聞いて静は

 

『戦争と言うとは技術の発展を促す、しかしそこには必ず多くの人の血が流れている』

 

静は幼い頃に会ったひいお爺様から聞いた話を思い出していた、そして機雷の掃海が終わると再び捜索を再開した。

 

 

 

 

 

 

昼食の時間となり食堂に行くと田嶋の他に杵崎姉妹や伊良子がいた。

 

「あれ?田嶋さんどうして晴風の子が?」

 

静が聞くとどうやら伊良子達がミーナにドイツ料理を作るらしく田嶋に知らないか聞きにきたらしい。

 

「ドイツなら艦長の方が詳しいですよ、一回欧州に行っていたですし・・・」

 

そう言うと伊良子達は一斉に自分の方を向いた

 

「そっか!静さんヨーロッパ行ってたんですね、もし知っていたら教えてもらって良いですか?」

 

そう言われて、私はマイヤーに教えてもらったドイツ料理を教えた

 

 

 

 

 

そうして夜になって晴風食堂ではドイツ料理を作って伊良子たちがミーナに見せた

 

「ドイツ料理といえばこれアイスバイン」

 

と言ってアイスバインを出すが

 

「うーん、うちではローストする事が多かったな。」

 

と少しダメ出しをし

 

「じゃ、じゃあ次は時間がなくて本物はできなかったけど、ザワークラウト」

 

「ああ、たしかにザワークラウトでは乳酸発酵だからな確かに似てるものだな。」

 

と言ってまあまあな感想を言った

 

「じゃあ最後は静さんから教えてもらったルーラーデン」

 

と言ってルーラーデンを出した

 

「おお!ルーラーデンかこれは良い、なかなかの物を作ったな!」

 

と言ってミーナからは絶賛であった

 

『『静さんありがとう』』

 

と伊良子達は心の中で教えて貰った料理に安堵し、静に感謝した



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

座礁

行方不明の艦艇の捜索に向かっている日本武尊と晴風は進んでいた、すると晴風から発光信号があった

 

日本武尊 艦橋

 

「真水を分けて欲しい?」

 

葵の報告から晴風の蒸留装置が故障した為水を分けてもらえないかとの要請だった

 

「どうします?」

 

「どうします?って渡たすしかないだろ?」

 

香織の言葉に静は答えて急遽真水を渡すこととなり早速準備が始まられた

 

「念のためにうちにタンクも入念に掃除するよう言っといて」

 

と言って日本武尊の真水タンクと濾過装置の緊急点検も行われるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

あらから少したち、晴風に渡す準備ができたとの報告があった

 

「じゃあこっちから送るって言っといて、みか頼むよ」

 

「あいよ」

 

そう言ってみかは手にシモノフ対戦車ライフル(みかが大改造をしたもの)を持って甲板に出た

 

「コ・チ・ラ・ハ・ジ・ュ・ン・ビ・カ・ン・リ・ョ・ウ」

 

発光信号を送るとすぐ返事があった

 

「コ・チ・ラ・モ・ジ・ュ・ン・ビ・カ・ン・リ・ョ・ウ」

 

そういうとみかがシモノフを晴風の甲板に向けて撃ち、和住達が撃ってきたロープをしっかりと船体に固定した

 

 

 

徐々に渡されていくポリタンクを見ながら

 

「いやー、良かったですね点検しても特に壊れているところがなくて」

 

「ああ、全くもってその通りだ」

 

そう言うとしおりが

 

「この先は時化てるみたいです」

 

と言ってこの先は時化ていることを報告した

 

「了解、急いで水を渡し次第晴風に報告。」

 

「了解」

 

そして晴風に真水の供給が終わるとそのままロープを離してそのまま海域に突入した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大雨の中を進むと次第に雨は酷くなり大嵐となった

 

「まさかそのまま低気圧帯に侵入するとは」

 

あまりにも雨がひどいので確認をするとなんと台風とほぼ同じような低気圧になっている海域に突入していたのだった。

 

「こっちはまだ良いけど晴風はもっと酷いでしょうね」

 

そう言って時折甲板にも海水がかかるレベルで酷い状況だった

 

 

 

 

 

少しして大時化を過ぎると晴風では甲板に人が出て各々洗濯や体を洗っていた

 

『甲板や左舷側にいる男性乗務員は今すぐ窓や船内に移動せよ』

 

流石に男のいるところで色々とやりづらいだろうからと言うことで静は甲板などにいる男性職員を直ちに船内に移動させた。

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「いや〜日本武尊に真水があって良かったね」

 

「ああ、全くだ」

 

西崎の言葉に真白も賛成した

 

そう言いながら甲板で体などを洗っている内田達を見ていた

 

 

 

 

 

体を洗ったあとしばらく航行していると納沙から報告があった

 

「艦長!救難信号です!」

 

その報告を聞いて明乃は艦橋に登った

 

 

 

同じように報告を聞いた静も救援準備を始めていた

 

「何処からだ?」

 

「新橋商店街船です、米国のリバティー船を改造したもので全長135m総トン数14000t、現在左に傾斜しているとのことです。現在一番近くにいる艦はうちらの艦です。」

 

「避難は?」

 

「現在、乗員乗客552名が避難しているとのことです。」

 

葵の報告に静は避難状況を確認した

 

「新橋に通信、無闇に海に飛び込むな、それと松花の発進準備と内火艇の準備を」

 

『了解』

 

と言って早速日本武尊から松花が発艦した

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「怪我人は?」

 

『確認した限りでは十数名ほどの軽傷者が。」

 

と新橋と繋いで怪我人の確認や被害を確認していた

 

「現在新橋は左から浸水し機関は停止、この通信もいつまで持つか分かりません。」

 

「艦内で火災の発生はありますか?」

 

「今のところ火災などは確認されていません」

 

「分かりました、今海軍の方から新型飛行船が向かっています、それに軽傷者を乗せて下さい」

 

「分かりました」

 

と言って通信を切ると納沙から

 

「艦長、日本武尊から晴風はそのまま新橋の近くまで進んで救助を行え、との事です。」

 

「分かった。」

 

そう言って晴風は新橋の近くまで進んで行った。

 

 

 

 

「こちら松花一番、新橋を発見これより救助を開始する」

 

と日本武尊に報告をして救助を開始した

 

 

 

 

「おい、なんだあれは!」

 

新橋の上にいたある人が空に指を差した、その先にいたのは今まで見たこともない形をした飛行船だった

 

「あれがさっき言っていた海軍の新型飛行船なのか・・・」

 

新橋の艦長は初めて見た飛行船らしきものに驚いた。そして其処から紐が落ちてきて隊員らしき人物が降りてきた

 

「日本武尊 航海員の新見正良と吉良 翔です、怪我人から先に救助しますまずは怪我人をここに運んでください。」

 

と言って上から担架を下ろしてきた、新橋の艦長はすぐさま怪我人を担架の近くに運んだ

 

「1人ずつ運びます気をつけて下さい、揺れますよ。」

 

と言って1人ずつ上に運んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

「すごいな、さすが海軍の新型機だ」

 

と真白が新橋の近くに着くと既に救助活動をしている松花を見て感想を言っていた

 

「ダイバー隊は直ちに潜水し、スキッパー隊は海に落ちた人達の救助を開始せよ」

 

『了解』

 

と言って晴風の救助も始まった

 

 

 

 

 

「晴風副長の宗谷真白です」

 

「日本武尊副長の二宮香織です救助状況は如何ですか?」

 

内火艇やスキッパーに乗ってきた香織や真白が新橋に乗り避難状況を聞いた

 

「怪我人に関しては先程海軍の飛行船が殆どの人を運んでくれました。あと避難が完了していないのが居住区のみです。」

 

「わかりました、では我々は艦内に残っている人がいないか確認していきます。」

 

と言って香織達は新橋の中に入って行った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

浸水

新橋の中に入った香織達は直ちに異変に気が付いた

 

「スプリンクラーが動いてない・・・」

 

「故障でしょうか。」

 

「ええ!じゃあ非常用システムが作動してないって事?」

 

「そう言うことになるな」

 

と言って新橋の非常用システムが動いていないことに危機感を抱いた

 

「それって・・・」

 

「この船って・・・」

 

「火災が起こると直ぐに火だるまね、さっさと避難させちゃおう」

 

と言って残っている人たちの避難を始めた

 

 

 

 

 

日本武尊にはさまざまな情報が入って来た

 

「現在新橋は左舷中央部から浸水、亀裂の大きさからしてさらに浸水は進むでしょう、火災は確認されておらず晴風が直接接岸し救助を行っています」

 

「わかった、晴風には岩礁に注意せよと伝えて」

 

「了解」

 

と言って通信員が去って行った

 

「・・・ふへぇ〜」

 

「なんか艦長も行きたがっているみたいですね。」

 

としおりが言うが

 

「そうかね?」

 

「そう顔が言っていますよ」

 

「そうか・・・艦長としてここにいないといけないのは分かるが、やっぱり現場に行って直接確認したいと思っているのかもね。」

 

と言いながら香織たちの無事を祈った

 

「艦長・・・」

 

静の顔を見てしおりは少し心配した。

 

 

 

 

 

「間も無く避難が終わります。」

 

「了解あなた達は直ぐに内火艇に乗って離れてて下さい」

 

「了解」

 

と言って最後の乗員を避難させ終わって自分も内火艇に乗ろうとした時後ろから声をかけられた

 

「あ、あの・・・多聞丸と鈴丸がいないんです」

 

『え!』

 

「気づいたら近くにいなくて・・・」

 

「小さい子ですか?」

 

「はい・・」

 

「捜索していないのは第五区画だけだ!」

 

「行きましょう!」

 

と言って真白と香織とミーナは第五区画へと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「乗員の避難完了」

 

「ダイバー隊も引き上げました!!」

 

「了解、怪我人は医療テントに避難した人には温かい物と毛布を」

 

と収容した避難民に指示をしていた、その時

 

「艦長!現在新橋で副長らが艦尾方向に捜索を開始したとの報告あり!」

 

「何ですって!」

 

と言って新橋を見た、現在新橋は沈みかけており非常に危険だった、咄嗟に静は香織に連絡をとった

 

「香織!聞こえる?」

 

『艦長、何でしょう?』

 

「急いで新橋から離れて!沈むわよ!」

 

『りょ、了解!』

 

と言って通信を切った

 

 

 

 

 

 

 

第五区画を捜索していた真白と香織はコンビニの近くに2匹の猫がいることに気がつき、其処には『TAMONMARU』と『SUZUMARU』と書かれていた

 

「なんだ、この猫だったのか」

 

と言って見つかった事をミーナに伝えた、すると静からの通信が入った

 

『香織!聞こえる?』

 

「艦長、何でしょう?」

 

『急いで新橋から離れて!、沈むわよ!』

 

「りょ、了解!」

 

と静の通信に急いで離れようとした時、突如上の屋根が落ちて来て咄嗟に真白を突き放した

 

 

 

 

 

 

「艦長!新橋が転覆しています!」

 

「何ですって!副長達は?」

 

「はっ!ミーナさんはすでに離れていますが副長と晴風の副長はまだ中に・・・」

 

「何ですって!」

 

と言いながら新橋を見た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「痛ったぁ!はっ!香織さんは!」

 

と言って見渡すと頭から血を流して倒れている香織がいた

 

「香織さん!香織さん!」

 

と言って揺さぶると香織が「ううっ」と言う声を出して上半身を起こした

 

「ま・・・・・真白・・・さん?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「わ・・・私は・・大丈夫」

 

「待っていてください!すぐに手当てします!」

 

と言って近くにあった医療キットを取りに行こうとした時、足を掴まれた

 

「あなたは・・・今すぐこの子達を連れて・・・外に出て・・・」

 

と言って多聞丸と鈴丸を指差した

 

「そ、そんな事・・・出来るわけないじゃないですか!」

 

と香織を置いて出ていく事を拒否したが

 

「行け!このままじゃお前も死ぬぞ!!」

 

と言って香織の剣幕に真白は渋々ダクトを通って船外に出た

 

 

 

 

 

 

その頃日本武尊では

 

「艦長!ブルーマーメイドが到着しました!」

 

と言って上の飛行船を指さした、そのあとスキッパーからブルーマーメイドの隊員が乗ってきた

 

「ブルーマーメイドの岸間です、救助活動に来ました今の状況を詳しく教えて貰えますか?」

 

と言って静はまだ中に真白と香織がいる事を話した

 

「了解しました、では救助に向かいます。」

 

「よろしくお願いします。」

 

と言ってスキッパーは新橋へ向かった

 

 

 

 

その頃ダクトを通っていた真白は懐中電灯をつけて進んでいた、すると懐中電灯の電池が切れ灯が消えてしまった

 

「うう、ついてない・・・・・・クソッ!」

 

と言って懐中電灯を上に叩きつけた

 

 

 

「ん!何か叩く物!何でも良い!急げ!」と言ってハンマーで船体を叩くと返事がありすぐさまバーナーで船体を焼き切り真白の救出に成功した。救助された真白は

 

「早く助けてください!このダクトの先にもう1人の怪我人がいます!」

 

と言って聞いたブルーマーメイドの隊員がダクトの中を通り怪我をしている香織を発見し救助をした。

 

 

 

 

 

 

 

「そう、香織は頭を打ったが軽症と」

 

「はい!佐渡先生のお墨付きです。特に日常生活も問題なく出来るとの事です」

 

葵からの報告を聞いた静はほっとしていた

 

「とりあえず良かったわ、大きな怪我もせずにできて。」

 

と香織の怪我について感想を述べ

 

「それに新しい仲間も連れてきてくれたしね」

 

と言って香織が救助された時に一緒にいた一匹のキジトラ柄の猫を思い出していた

 

 

 

 

「シロちゃぁぁぁぁん!よかった無事で・・・」

 

「艦長!」

 

「よかった、心配したんだよ!」

 

と言って真白に飛びかかってきた明乃に真白は驚いていた、そんな姿を横目に静はブルーマーメイドの隊員に担がれている香織にあった

 

「海軍としての職務を果たせたな・・・」

 

「はい、艦長・・」

 

そうしていると香織の足元に一匹の猫が寄ってきた

 

「おや、君は?」

 

と言って静はこの猫がどこから来たのか不思議に思っていると

 

「嗚呼、その猫ですか?」

 

と香織が言ってその猫が救助者である事を伝えた

 

「なるほど、そう言うことかじゃあ飼い主に渡さないとな」

 

と言って、飼い主を探した

 

「鈴丸!」

 

「よかった無事だったんだな!」

 

「はい、この通り。」

 

と言って鈴丸を引き渡そうとしたが、鈴丸は離れようとせず、ずっと香織に引っ付いたままだった。

 

「どうした?鈴丸?ほら、飼い主さんだよ」

 

と言うが一向に鈴丸は離れようとしなかった

 

「凄い懐いてる、私達ですら余り懐かなかったのに・・・」

 

と飼い主が言って鈴丸の様子を見て

 

「あの・・・・よかったらそちらで預かってもらっても良いですか?」

 

「え?」

 

「その子がそんなに懐くなんて初めての事ですし、良いでしょうか?」

 

と、夫婦の言葉に少し香織は考えたのち

 

「・・・・・・・・・・わかりました、私が責任を持ってお預かりします。」

 

と言って静を振り返ると

 

「すいません艦長、仲間が一匹増えても良いでしょうか?」

 

というと静は満面の笑みで

 

「いいですよ、丁度クロにも会いますし、一匹くらいいいでしょう。」

 

と言った、静の言ったクロとは静達が武御雷に乗って大湊にいる時に武御雷に乗り込んでいた黒猫の事である。その猫はとても輝に懐いていたので今は輝が飼っている。

 

 

 

 

そんな中佐渡と鏑木はウイルスのワクチンの生産の書いた紙をブルーマーメイドの隊員に渡していた

 

「これを、横須賀女子にお願いします。」

 

と言って岸間が封筒を受け取りスキッパーに乗って帰っていった

 

「あとは量産のみだ」

 

「そうですね師匠」

 

と言って走り去るスキッパーを見た



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

比叡発見

ウルシー環礁での事故からまた日本武尊と晴風は行方不明艦の捜索に出ていた

 

「副長も無事で良かったですね」

 

としおりが香織の方を見ながら言った

 

「まあ、頭に包帯だけどね」

 

と言ってぐるぐる巻にされている頭を指さした

 

「佐渡先生は本当にすごいよ」

 

と言いながらこの前のウルシー環礁で怪我人たちの指示がとても的確だったことを思い出した

 

 

 

 

 

そんな中突如レーダー班から報告があった

 

「報告!前方より感あり、距離12000!」

 

「了解、晴風にも伝達!」

 

「敵速18節、大きさは200m程と思われます。」

 

と電探班の報告に艦橋が一気に緊張感が走った

 

「確か行方不明艦で200m程の船って・・・」

 

「比叡くらいでしょうか?」

 

と言って目視で確認できるとのことで確認をすると大和に似た艦橋の艦が現れた

 

「やっぱりあれは横須賀の比叡!」

 

そう言うと比叡から光が見えた

 

「比叡発砲!」

 

「面舵一杯!」

 

「ヨーソロー面舵一杯!」

 

転舵するとすぐ横を砲弾が着弾した

 

「やっぱり比叡も・・・」

 

「ああ、感染している。総員防護服を着用!海兵隊員には強襲準備を!」

 

『了解!』

 

と言って総員戦闘体制となった

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「比叡が日本武尊に発砲しました!」

 

「撃ってきたってことは・・・」

 

「例にウイルスに感染していますね。」

 

と言って野間からの報告に明乃たちはウイルスに感染していると言った。

 

「学校から報告です!」

 

と納沙は学校からの報告を聞いた、それは

 

『ブルーマーメイドの到着まであと四時間それまで海軍と協力しできるだで補足し続けよ』

 

とのことだった

 

「あと四時間・・・」

 

真白は到着までの時間を聞いて唖然とした、しかしそんなことは納沙の報告によって弾き飛ばされた

 

「このままだと三時間後にはトラック諸島に到着します!!」

 

「何だと!」

 

近くに交通の要所であるトラック諸島があることに気づかなかった

 

 

 

 

 

そのことは日本武尊も把握していた

 

「どうします艦長、このままだとあと三時間でトラック諸島に着きます!」

 

「このままいくとパンデミックとなります!」

 

「艦長!」

 

と香織たちに言われ、静は

 

「一応案はあるのだが、この案は晴風に協力をしてもらわないし、晴風には危険だ、どうする?」

 

「一応聞いてみて、返事をもらっては?」

 

と言ってとりあえず晴風にこの作戦のことを伝えた

 

 

 

 

 

 

「日本武尊より通信です!」

 

「繋いで!」

 

『今比叡の現状は把握しているかい?』

 

「はい!把握できています。」

 

『それで何だが、今思いついた作戦では確実に比叡を足止め出来るがその分晴風にも危険が伴うが、どうする?』

 

と言われ明乃たちはしばらく考え、艦橋の全員に確認を取ると

 

「・・・・・・・・・わかりました作戦を聞かせてください」

 

と言って作戦を聞いた

 

 

 

 

 

「・・・作戦開始」

 

と言って晴風がまず比叡を引きつけてトラック諸島から引き離し、近くの岩礁に向かった

 

「比叡を引きつけるよ、二・三番主砲、撃ェー」

 

と言って晴風の二・三番砲塔が火を吹いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃横須賀女子海洋学校校長室では真雪、真霜そして茂がいた

 

「これが今回の調査で分かったことです・・」

 

と言って紙を渡した

 

「実験艦は深度1500mまで沈降サルベージは不可・・・のはずが火山活動により上昇した・・と」

 

「猿島に乗せた研究員は全員拘束し情報を吐かせました、やっぱり茂さんの言う通り彼らは研究員ではなく委員会の手下でした。」

 

「・・・このウイルスの特性は?」

 

「はっ!このウイルスは感染者同士で一つの意思に従い行動するようです」

 

「まるで蜂や軍隊アリのようだな」

 

「殺鼠業者を早めに呼んで正解だったわ」

 

とウイルスの感想を述べていた

 

「しかし、ウイルスの対抗薬はどうします?余り情報がないので作るのは困難ですよ。」

 

と、真霜はこのウイルスに対する薬はまだ完成していない事を考えていた

 

「その件に関しては大丈夫」

 

「先程、こちらにも対抗薬の件に関しては把握している。」

 

「え!?」

 

「今、彼処には佐渡先生と鏑木さんがいるからな。」

 

「ゴッドハンドと海洋大始まって以来の天才が・・・」

 

「元々佐渡先生は船医なんだ、鏑木さんは佐渡先生の弟子で丁度晴風に航海演習に参加していたんだとさ」

 

「なるほど・・・」

 

「で、その2人から今回のウイルス対するワクチンの開発が出来たらしいのでそのデータを渡してもらったのよ」

 

「て言うわけで、これはそのまま大高総理に渡そうと思う」

 

「分かりました」

 

そして、今後のワクチンの生産と量産の話をしある程度固まったところで

 

 

 

「しかし委員会もバカなことをするねえ〜」

 

「全くです」

 

と言って今回の委員会の失態を愚痴っていた

 

「まあ、とりあえずは委員会の連中は一刻も早く出国の準備をしているらしいが、まもなく拘束されるだろう。」

 

「そうですか・・」

 

「拘束して居なくなったあとの対応はこちらで任せてもらって良いかい?」

 

「分かりました」

 

と言って茂は部屋を出て行った。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

黒い艦

比叡を発見した日本武尊と晴風はトラック諸島から比叡を引き離すために静かな考案した作戦を行なっていた

 

「比叡を右に晒せ!一番主砲発射!」

 

と言って日本武尊の一番主砲が火を噴いた

 

「だんちゃーーーーく、今!」

 

と言って比叡の左舷側に大きな水柱が立った、その頃晴風では

 

「比叡発砲!」

 

「ここらがかなり浅くなる、万理小路さん!海底までの報告を詳しくして!」

 

「承知しました、ここから先はかなり浅くなっております、ゆっくりとお進みください。」

 

「鈴ちゃん第三戦速!」

 

「第3戦速!了解!」

 

晴風がそのまま環礁地帯に入ると比叡も晴風を追って環礁地帯に突入した、その頃先回りをし晴風を待っていた日本武尊では・・・

 

「比叡は!」

 

「そのまま晴風を追ってまもなく予定通過地点です!」

 

「よし、比叡が環礁地帯に入ったぞ!みか!2番砲塔を上の岩に!」

 

「了解!」

 

と言って晴風が通過すると2番砲塔が浅瀬の上にあった岩に砲弾を打ち込み崩れた岩はそのまま浅瀬を埋め比叡は勢い止まらずそのまま埋められた環礁に突撃し、座礁し、船体が大きく傾いた。

 

「まだ前部砲塔がある!」一番は比叡の主砲に撃ち込め!」

 

と言って比叡は砲塔を潰され完全に沈黙した

 

「よし、海兵隊と前田くんに通達!突入せよ!」

 

と言って九鬼らと前田が比叡に突入した

 

「行け!まずは生徒達を保護する!」

 

と言ってゴム弾の入った銃を襲ってきた生徒に撃っていった

 

 

「え?銃声!」

 

「まさか静さん達は生徒を撃ち殺しているのか・・・?」

 

と言ってまさかと思っていたが徐々に中からぐったりと倒れた様子の横須賀女子のセーラー服を着た生徒が出てくると真白達はホッとした

 

 

 

 

しばらくし比叡の全生徒へのワクチン投与が終わると、戦闘態勢解除がされ日本武尊では隊員が甲板に出て休憩をしていた。

 

「いやー、まさか本当にうまくいくとはね」

 

と言って静達は甲板に出て座礁した比叡を見ていた、すると水平線の向こうから一隻の黒いインディペンデンス級の船が向かってきていた

 

「ん?あれは・・・」

 

前田はあの黒い船を見た事があるのか目を細めて口元が笑っていた

 

「また訓練をさせるか・・・」

 

と言って艦内に戻っていった

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「本当に比叡を止めれたんだ!」

 

と西崎が嬉しそうに言った

 

「とりあえず静さん達のおかげで何とかなったな!」

 

真白は静のおかげで比叡を止めることができたと思っていた

 

「ん?」

 

ふと、真白が沖の方を見ると一隻の黒いインディペンデンス級が見えた

 

「あれって・・・・まさか!」

 

と言って真白は思わず甲板に走って出て行った

 

 

 

黒いインディペンデンス級が晴風に近づくとマストから1人の黒い制服を着た女性が降りてきて自己紹介をした

 

「私はブルーマーメイド強制執行課の宗谷真冬だ!よろしくな!」

 

と言って周りを見渡した

 

「おお!真白ぉ!」

 

「ね、姉さん・・・」

 

「シロ、久しぶりだな、おい!」

 

「ね、姉さん・・やめてよ!」

 

と言って真白と真冬が姉妹である事を理解した。

 

「2人とも仲良いなぁ〜」

 

と、言って明乃は2人の様子を見て仲の良い姉妹だと言った

 

「気が小さいぞ!これから根性注入してやる!」

 

「根性注入?」

 

明乃が謎の言葉に首を傾げた

 

「いらない!根性注入なんて!」

 

と言って真白は拒否したが

 

「お願いします!」

 

「ば、ばかやめ・・・」

 

と、真白は何をするのか知っているのか明乃に辞めさせようとするが

 

「おう、任せとけ!」

 

と言って真冬はやる気満々でいた

 

「よし!まずは回れ右だ!」

 

「ん?」

 

なんか思っていたのと違うことに明乃は首を傾げた。

 

「いくぜ・・・根性・・・ちゅうn」

 

と言って明乃の尻を触ろうとした時、突如真冬がとまった、何があったと思うと真冬の後ろには黒い服にガスマスクと赤外線ゴーグルを付けた2人が真冬に銃を突きつけていた

 

「なぁにしてるのかな?」

 

『この声は静かさん?』

 

と明乃は真冬に銃を突きつけている声の主を静かだと認識した

 

「この声は・・・ま、まさか!」

 

と言って油の切れた機械のように振り向くと、其処にはマスクで表情は見えないが明らかに怒った様子の静と前田がいた

 

「お、お久しぶりです!教官!」

 

「「教官!」」

 

真冬の放った言葉に明乃達は驚いた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

鬼教官

『教官!』

 

真冬の言葉に明乃達は驚いた

 

「教官って、まさか静さん達が!?」

 

「全然教官みたいな雰囲気無かったのに!」

 

と、言って全然教官をしていた雰囲気がないと感想を述べた

 

「ええ、一時的に教官をしていたのよ。その時に私は剣道を、前田くんは格闘術を教えていたのよ」

 

『へぇ〜』

 

と、静達の昔話を聞いて明乃達は納得していた

 

「さてと、真冬くん、君は今何をしようとしていたのかな?」

 

と言って全く笑っていない顔で真冬に向いた

 

「あ、あのですね・・・い、今・・・ひ、久々に・・・い、妹に・・・あ、会えたので・・・」

 

「じゃあその手は何?」

 

と言って真冬の手を見た、するとその手は先程のセクハラをしようとしたままの状態で固まっていた

 

「こ、これですか?・・・これはですね・・・ちょっと・・・」

 

「ちょっと何をしたかったの?」

 

「い、いえ!何もありません、し、失礼しました!」

 

と言って去ろうとしたが静に首根っこを掴まれてしまった

 

「まだ、話は終わってないでしょう。」

 

「ひっ!?」

 

「じゃあ、取り敢えず来てもらおうか。まずはその腐った根性を叩き直すとこからだ」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!助けて真白ろぉぉぉぉぉぉ」

 

と言って泣きながら静によって何処かに連れてかれていた

 

「ね、姉さんがあんなに懇願するなんて。いったいどんな事をされたんだ・・・」

 

生まれて初めて見た真冬の顔に真白はいったいどんな事をされたのか気になった

 

 

 

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ほれほれ、まだ足りんぞ。ほれ、あと30回。」

 

と言って真冬は信管を抜いた砲弾を4個担いで腕立て伏せをしていた

 

「うわぁ・・・」

 

そんな様子を艦橋から明乃達が見ており、その様子はさながら鬼に見られて苦行をしている罪人のようであった

 

「姉さんか真っ白になって帰ってきたのはこれが理由が・・・」

 

と言って真冬が過去に体が白くなってほぼ死んだ蛾のような見た目をした真冬を思い出していた

 

「お願いしたら護身術でも教えてもらえるだろうか・・・」

 

真白はよく真冬にセクハラされるので護身術を習えば少しは解消されるのではと思い後日実際に静にお願いして護身術を習ったのであった・・・

 

 

 

 

 

暫くし、真冬の地獄の特訓が終わり真冬が解放されると今後のことを明乃に聞いた

 

「これから、比叡を寄港する、お前達はどうする?」

 

「私たちの任務は行方不明艦の捜索です、クラスメイトに依存がなければ私たちは引き続き捜索を行います。」

 

というと

 

「よーし、よく言った!ただ無理はするな、無理と思ったらすぐに連絡しろ!本来、これはブルーマーメイドの仕事だからな!」

 

「はい!」

 

「まあ、まずお前さんの場合はその腐った根性からだな」

 

「か、勘弁してくださいよー」

 

と言ってその姿に明乃達は笑い晴風達は出発しようとした時、八木から報告があった

 

「艦長!広域通信に多数の報告あり!」

 

と言って明乃と真白と真冬と静は紙を見た

 

「南方200マイル アドミラリティ諸島と北東300マイルトラック諸島沖か・・・」

 

行き先は二つあったまずはアドミラリティ諸島もう一つはトラック諸島沖だったどちらに行こうか考えていると

 

「よし、私たちはトラック諸島に向かう、お前達は近場のアドミラリティ諸島に向かってくれ!」

 

「分かりました!」

 

と言って晴風は護衛の日本武尊と共にアドミラリティ諸島に向かっていった

 

 

 

 

 

その頃べんてんでは・・・

 

「いやー、まさか教官に出くわすとは・・・」

 

「相変わらず艦長は悪運が強いですなー」

 

「うるさいやい」

 

とべんてん副長に言われ言い返し艦長席に座ると

 

「しかし、なんかおかしかったなあー」

 

「ん?何がですか?」

 

「いや、なんかさっきあった教官が変だなーって思ってよ」

 

「何処がですか?」

 

「いや、なんかうちらに隠し事があるみたいな・・・まあ、気のせいだろう」

 

「そうですか・・・艦長、進路はこのままトラック諸島沖でいいですか?」

 

「嗚呼、向かってくれ」

 

「了解」

 

何かモヤモヤとした疑問が残ったがそんなことは忘れて目撃情報のあったトラック諸島沖に向かった・・・

 

 

 

 

 

その頃の日本武尊 艦長室

 

「そうですか・・・了解しました。この任務が完了次第直ちに戻ります、はい、では。」

 

と言って静は電話を切った。

 

「ふぅ、パーシアス作戦か・・・間も無く決まるのか・・・」

 

『もし武蔵が東京湾に向かっていたとしたら東京は火の海だ、何としてもそれは阻止せねば!!』

 

と思いふけていると艦橋から呼び出しがあり静は艦橋に向かった

 

「艦長、如何しました?」

 

「・・・・・武蔵捕縛作戦が間も無く発動されるそうだ・・・」

 

静はゆっくりと答えた

 

「艦長・・では!」

 

「ああ、武蔵の補足をするために硫黄島要塞より常時偵察機の空中待機を行なうよう伝えろ!」

 

「了解!」

 

と言ってしおりは通信室に伝達をし、そのまま硫黄島要塞に伝えられた

 

「さて、このまま晴風の護衛は出来なさそうだ・・・これを見たまえ」

 

と言って静は香織に一つの紙を渡した

 

「これは・・・・艦長!」

 

「ああ、そうだ。我等はアドミラリティ諸島の偵察が終わり次第硫黄島要塞へと帰還する!」

 

と言って日本武尊は晴風と共にアドミラリティ諸島に向かって行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

シュペー発見

日本武尊と晴風はアドミラリティ諸島沖で発見報告のあった海域へと向かっていた・・・

 

「艦長、如何しました?」

 

「いや、もし報告のあった艦が本当にシュペーだった場合はどうしようかと思ってね・・」

 

「ああ、確かに確か晴風にはシュペーの副長が乗って居ましたね」

 

と言ってしおりは後ろをついてきている晴風を見た

 

 

 

 

 

その頃晴風ではシュペーの奪還作戦を立案していた

 

「わしがシュペーの詳細について話しておこう」

 

と言ってシュペーの写真を出し

 

「まずシュペーはこの前の時にスクリューを破壊している、だから速力は落ちているが武装は生きておる、接近は危険だ」

 

と言ってシュペーのスペックの乗った写真を見ながら

 

「シュペーには甲板に燃料を加熱するパイプが露出している、そこを狙ってからが一番いいが・・・」

 

「そこを狙うには静さんの乗っている艦の新型飛行船を使うのが一番いいと・・」

 

「そう言うことじゃ」

 

と言ってそのまま日本武尊に繋いで協力を煽った

 

 

 

 

 

「晴風より通信です」

 

と言って香織が受話器を静に渡した

 

「はい、こちら艦長の静です岬艦長何か御用で?」

 

と言って晴風の要請を聞いた

 

「そうかい、それは晴風全員の承諾は取れているのかい?」

 

『はい、大丈夫ですみんな士気も上がっていて、やる気十分です!』

 

「分かった、だが生徒たちでだけ行くのは危ない、こっちからも人員を派遣するが良いかい?」

 

『分かりました!』

 

と言って通信を切った

 

「どうしました?艦長。」

 

「晴風からの要請だよ。」

 

「と、言いますと?」

 

「うちの松花を使わせてくれないかだってよ」

 

「それは・・・・・。」

 

まさか晴風からの要請で松花を要請するとは思わなかったようで香織は目を丸くしていた

 

「全く、あの船にはつくづく”風”が吹いてる気がするよ」

 

と言って松花の発艦準備と突入隊の編成をした

 

 

 

 

 

「とりあえず静さんたちへの要請はできたから後は準備するだけだね」

 

と言っても目撃情報のよくある海域へと向かっていった

 

 

 

 

 

「前方に感有り!」

 

見張り員の報告に艦橋には緊張が走った

 

「艦影からしてアドミラルシュペーと思われる!」

 

「総員戦闘配置!以後艦長にかわり副長の私が指示をする、主砲砲戦用意!」

 

と言って静に艦の指揮を任された香織はまずシュペーの気を引くために堂々と前進した

 

 

 

 

その頃格納庫では

 

「松花各機準備完了、乗員乗り込み完了、いつでも行けます!」

 

パイロットが言うと静は

 

「全機発艦せよ!」

 

と言い静と他の海兵隊を載せた松花が空に上がっていった

 

 

 

 

 

「日本武尊が作戦を開始しました!」

 

「よし、最大船速でシュペーの右舷に侵入せよ!」

 

「了解!」

 

「日本部尊が気を引いている隙に・・・」

 

と言って明乃がいい最大船速でシュペーの右舷側に突入を敢行した

 

 

 

 

 

「松花発艦を確認、これより作戦『和』を開始する、一・二番砲塔シュペーに回せ絶対に艦橋と松花と晴風に当てるな!」

 

「了解、腕がなるね〜」

 

みかは意気揚々にいい砲撃を始めた

 

 

 

 

 

日本武尊で砲撃を始めた頃松花では

 

「まもなくシュペー上空です!」

 

「了解した、総員降下用意!」

 

と言って静が号令を発すると松花からロープが下され次々と隊員が降りていった

 

「よし、後は頼む!」

 

「了解!これより帰還します、司令もお気を付けて」

 

と言って静は最後にロープを降りた、ロープを降りるとすでに交戦が始まっており模擬弾を込めた89式小銃を感染している生徒に向け発砲をしていた

 

「これじゃあまるで海賊の制圧だな・・」

 

その様子を静はまるで海賊の制圧だと比喩しそのまま晴風の乗員と合流し艦内へと入っていった。

 

 

 

「すごいな、まるで映画だ・・・」

 

シュペーに無事接岸出来た晴風の乗員はすでに戦闘を行なっている甲板を見て感想を述べていた

 

「こんな状態そうそう見れませんからね」

 

と納沙がなかなか見れないレアな状況だと言った

 

「よし、突入隊。突撃せよ!」

 

『押忍!』

 

と言って志願した晴風の乗員が一斉にシュペーに乗り込んだ

 

 

 

 

 

「うわ〜すごい状況っすね〜」

 

「うん、何だか海賊を制圧してるみたい・・・」

 

と突入した青木と等松今の甲板の状況を見ていた、その様子は片や小銃を持って遠距離からの攻撃に対し片や近接武器しか持たずただただ蹂躙されている図だった、そんな様子を横目に静たちと合流し艦内に突入をした



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

懇親会

艦内に突入した静たち海兵隊と晴風の突入隊は一同ミーナの指示通りに艦橋と機関室に向かっていった

 

「こっちは機関室に行く、艦橋はそちらに任せた。」

 

『了解!』

 

と言って廊下を進んでいると数人の生徒が道を塞いでいた

 

「ゔゔゔ〜」

 

静が格闘技で抑えようとすると万里小路が前に出て長い袋から薙刀を取り出した

 

「万里小路流薙刀術・・・」

 

「ゔがあ!」

 

生徒が襲って来ると万理小路は目を開いて

 

「当たると・・・痛いですよ!」

 

と言って薙刀で3人の生徒を叩き飛ばした

 

「うおー!凄いっす!」

 

青木が感想を述べると

 

「凄いけど・・・凄い・・凄い・・痛そう・・・」

 

と言って叩き飛ばされた生徒を見てご愁傷様と思っていると後ろからまた生徒が出てきて今度は静が対処をした

 

「・・・・ふっ!」

 

というと追いかけてきた生徒を壁に叩きつけていた

 

「うわぁ〜・・・」

 

『大丈夫かな?あの生徒死んでないよね・・・』

 

と思って顔面が真っ赤になって気絶している生徒を見た

 

「其れじゃあ、こっちはこのまま機関室に向かう!そっちは艦橋へ!」

 

「了解!」

 

と言って突入班は二手に分かれ、青木はネズミを追いかけた五十六を追って行った、その頃制圧しきった甲板では佐渡が生徒達にワクチンを打っていた

 

「こっちは制圧しました!また生徒が運ばれてきます!」

 

「よし!こっちは終わった、今からそちらに向かうからワクチンを持ってこい!」

 

「はい、師匠!」

 

と鏑木が言って佐渡の後について行った

 

 

 

 

 

艦橋についたミーナ達は艦橋に立っていた自分の艦長の名を叫んだ

 

「テア!」

 

テアと呼ばれた艦長は振り向くと感染している事を確認し、襲いかかってきて

 

「うう〜いやぁ〜!」

 

と言って回し蹴りをするが体格が小さい影響かすぐに取り押さえることができた

 

「帰ってきましたよ・・・」

 

ドイツ語でそう話すとテアはその隙にワクチンを打たれそのままミーナの腕の中で眠ってしまった

 

 

 

 

機関部の制圧も終わりマストから白旗が上がると作戦は終了した

 

 

 

 

 

全生徒のワクチン接種が終わると撃たれたが特に被害がなかった日本武尊の甲板で懇親会の準備をしている中、静達は各々の自己紹介をしていた

 

「明乃、静さん、此方がシュペーの艦長・・・」

 

「テア・クロイツェルだ、今回は私の艦の副長が世話になったのと我が艦の危機を救ってくれた事に感謝する。」

 

「晴風艦長の岬 明乃です」

 

「日本武尊艦長の雷樹 静です」

 

と自己紹介を済ますと

 

「静殿、私はあなたに会えて光栄です。」と言ってテアが手を握ってきた

 

「お、おう。こちらこそ“マリア”の自慢の子に会えて嬉しいよ。」

 

「「え!」」

 

静の発言にテアとミーナは驚いた

 

「は、母上を知っているのですか!」

 

「ああ、よく知っているよマリアとはよくヨーロッパでお世話になったしね」

 

と言って欧州での思い出を話した

 

 

 

 

「・・・へえ、母上のことをよく知っているのですね。」

 

と言ってテアは返事をした

 

「あの、テアさん?」

 

静との話がひと段落すると明乃が聞いた

 

「ん、何だ?」

 

「あの、シュペーはこの後どうなるんですか?」

 

と、テアに今後の予定を聞いた

 

「この後はゼーアドラー基地で修理と補給を行う予定だ」

 

「じゃあ、ミーナさんは・・・」

 

「無論、我々と共に行く」

 

その言葉を聞いて納沙は衝撃を受けて静かに晴風の自室へと戻って行った

 

 

 

 

少しして準備ができると

 

「ご飯の準備ができました!!」

 

と言って懇親会が始まった、用意されたテーブルには所狭しと料理が並べられていた

 

「これは・・・一体誰が・・・」

 

などとテアが思っていると

 

『私たちが作りました』

 

と言って伊良子と杵崎姉妹とシュペーの給糧員と田嶋達日本武尊の給糧員が出てきた

 

「これは・・・凄いな・・」

 

と言って『寿』と書かれて巻き寿司を見ていた

 

「ドイツ艦の子も頑張って日本料理を作っていましたよ」

 

と、田嶋がシュペーの給糧員のいる方を指さすと、其処には満足げな顔をしたシュペーの給糧員の子達がいた

 

 

「・・・艦長、そろそろ」

 

「ん、ああ。」

 

このまま料理に夢中になっていても料理が食べられないのでミーナに促されてテアは壇上に立った

 

「今回、我々の普段の努力により艦と自らの心を取り戻した、このめでたい日に感謝し、日本武尊の艦長に音頭をとっていただきたい」

 

「え!?」

 

その時、丁度コップをもらっていた静は思わずコップを落としそうになった、まずは飲み物をもらって静は壇上に立った

 

「えっと・・じゃあ乾杯!」

 

『乾杯!』

 

『プロージット!』

 

静の音頭とともに懇親会が始まった

 

 

 

 

懇親会が始まり日本料理とドイツ料理の二つの国の料理が振る舞われた、そんな中テアの取ったザワークラウトの量に美波がドン引きし、シュペーの給糧員の作った捜索寿司は晴風のなかで賛否両論があったりしている中

 

「はい、艦長」

 

「あぐ!、ムグムグ・・・・・」

 

ミーナがテアにソーセージを食べさせていた

 

「それ、ソーセージ?」

 

と明乃が今テアの食べている物を聞いた

 

「我が船特製のブルストじゃ!これがずっと食べたくてなー」

 

と言ってミーナはブルストを食べていた

 

「はむ、ムグムグ・・・なかなか行けますね!」

 

さらに残ったブルストを万里小路が絶賛しながら食べた、そんな様子を見て真白はブルストを取ろうとした時

 

「ぬうー、パク!」

 

と言って五十六が掠め取って行った

 

「あっ・・・」

 

ここでマシロの不運が炸裂し、周囲からは笑い声が聞こえた

 

 

 

懇親会が進んでいくとある場所に人だかりができていた

 

「ん?どうしたんだろう?」

 

と言って明乃が見にいくと其処にはシュペーの生徒に囲まれている静かがいた

 

「本物だ〜!」

 

「写真撮ってください!」

 

「握手お願いできますか?」

 

「ここにサインください!」

 

などとまさにライブ会場のようであった、そんな中静は1人ずつちゃんと要望に答えれる限りのことをしていた

 

「凄い、あんな人気があるなんて・・」

 

そんな静の様子を見て明乃はそんな感想を言っていた

 

「まあ、静さんはドイツでは英雄みたいな人だからな。」

 

「あれ?テアさん。」

 

突然出てきたテアに明乃はミーナはどうしたんだろうと思った。

 

「ミーちゃんは?」

 

「ああ、ヴィルへミーナはあっちに行っておる・・さて静さんがヨーロッパで英雄になった理由は知っておるか?」

 

「ううん」

 

「そうか・・・じゃあ貴官はノルウェー海事件を知っておるか?」

 

「うん、知ってるよ教科書に出てきたから」

 

「そうか・・その事件の内容は知っているな」

 

ノルウェー海事件、当時世界初となる攻撃型飛行船の輸送をしていた船団が海賊に襲われ、護衛についていた護衛艦一隻もそのまま海賊の手に渡ってしまい周辺地域で略奪などが行われた、すぐさまノルウェー海軍やブルーマーメイド艦艇を派遣したが、ことごとくが海賊によって奪われた護衛艦に返り討ちにされ、いよいよドイツやイギリスなどの欧州に到達するかと思われた時、丁度ポーツマスで補給を行なっていた日本の遠洋派遣艦隊が最新鋭の噴進弾で護衛艦を海底に沈め、鹵獲された戦闘飛行船は機銃で撃ち落とすという荒技で海賊を一網打尽にした事件である、その時艦隊の司令をしていた静がさまざまな国から表彰や勲章を貰った。

 

 

「その時、遠洋派遣艦隊の司令をしていた静さんがその海賊を一網打尽にしたんだ。」

 

「へえ〜」

 

初めて知った静の過去に明乃は内心驚いた感じで感想を述べた

 

「まあ,私も初めて会った時は興奮してしまったよ」

 

と言って先程の光景を思い出していた

 

「静さんってそんな凄い人だったんだ。私あんまりそういうの聞かなかったから・・」

 

「そうなのか?」

 

「あんまりそういうのを自慢しないですからね、あの人は。」

 

「貴方は?」

 

突然背後から出てきた女性にテアは誰だと聞き

 

「私は日本武尊副長 二宮 香織よ、よろしく。」

 

「おお、まさか死神の右腕までいるとは・・・」

 

「あんまそういうのは言わないでほしいなぁ〜」

 

と言ってテア達の隣に座った

 

「死神の右腕って?」

 

テアの言った言葉に質問をすると

 

「遠洋派遣艦隊の副司令で私が乗っていたのよ、艦長の近くでずっと支援をしていたからね、いつのまにか誰かが勝手に言い始めたのよ。」

 

と言って解説をした

 

「じゃあ、静さんと香織さんはどっちも凄い人だったんですね」

 

と言って明乃がキラキラした目で香りに言った

 

「まあ、あまりこのことは言わないで。」

 

と言って口に人差し指を置いた、そしてそのまま懇親会のお開きも近くなって行った

 

 

 

 

シュペーの相手をし終わって日本武尊の艦長室で静と香織は休憩していた

 

「ああ、疲れたー」

 

「お疲れです、艦長!」

 

「待ったく、どうして私だけこんなに人気なんだろう」

 

「それは艦長がいい人だからじゃないですか?」

 

「よく言うよ」

 

静は先程の生徒の相手に疲れて執務室で休憩をしていた

 

「しかし、この後は硫黄島か・・・」

 

この懇親会が終わると静達は改装の終わった武御雷に乗艦するために、この後硫黄島要塞へ向かう予定を思い出していた

 

「寂しくなりますか?」

 

「・・・どうだろう、でもまたあの晴風には会える気がすると思っているよ」

 

「・・・そうですね」

 

静と香織はまた晴風に会えると思ってとりあえずは最後に晴風との時間を楽しもうと思い再び甲板に出た



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

別れ

すいませんお話の関係上赤道祭はほぼほぼカットします!


懇親会も終わりが近づいてきた頃、静は明乃と真白を呼び出していた

 

「何でしょう、静さん?」

 

「何かありましたか?」

 

「おお,きたか」

 

そう言って柵から離れて今後の予定を伝えた

 

「・・・これから私達は晴風の護衛を離れて一旦帰還することとなった」

 

「そんな!」

 

「本当ですか!」

 

明乃達は驚きをあらわにした

 

「これから私達は軍令部からの招集があってね、それでこれから行かなければならない」

 

「そうですか・・・」

 

と言って明乃や真白が離れていくと懇親会が終わりシュペーと別れる時が来た

 

「短い時間だったけど楽しかったです」

 

「ああ、こちらも楽しませてもらったありがとう」

 

と言って晴風がシュペーと離れた

 

ボォォォォォォォォォォォォォォ!

 

汽笛が鳴ってシュペーと晴風は離れて行った

 

 

 

 

 

少し前納沙は真白の部屋で任侠映画を見ていた

 

「盃は返しますけん・・・以後ワシを晴風のものと思わんでつかい・・・帰るゆうても・・・帰れんぞ・・・」

 

と言うと遠くから汽笛が聞こえ、納沙は外に出る為に走って行った

 

 

 

「どうした?、副長」

 

「・・・いえ、何でもありません」

 

と言ってミーナは納沙のことを頭の隅に置いた、すると

 

「ミーちゃーん!」

 

と言う納沙の大きな声が聞こえた

 

「わしゃあ旅行って来るけん!」

 

「体を厭えよー!」

 

と、お得意の任侠映画の言い方で別れを言った

 

 

 

 

 

シュペーを見送った明乃達は今度は反対を向いて

 

「じゃあ次は静さん達に別れをしないと・・・」

 

「「え!?」」

 

明乃の言葉に艦橋にいた明乃と真白以外の全員が驚いた

 

「日本武尊帰っちゃうの!?」

 

と、特に西崎が一番大きな反応をしていた

 

「まだみかおばさんと沢山話したかったのにー!

 

と言って頭を抱えた

 

「ま、まあまずは日本武尊にありがとうって言おう、色々と助けてもらったし」

 

「嗚呼、そうしよう」

 

と言って艦橋にいた生徒が今度は反対側にいる日本武尊の方を見た

 

 

 

 

その頃日本武尊では

 

「寂しいか?みか」

 

「さあ?どうだろうね、でも色々と話せたし・・・でも、別れというのはいつでも悲しいなあー」

 

「なあに、別れというのはいつでも寂しいものだ、機関長!準備はできてる?」

 

「はい、司令いつでも行けます!」

 

「よし、晴風に発光信号!」

 

 

 

 

「艦長!日本武尊より発行信号です!」

 

「なんて言ってるの?」

 

内田の報告に明乃は内容を聞いた

 

「これより我が艦の最大の特徴をお見せする、なおこれは軍事機密より口外無用である。だ、そうです。」

 

「日本武尊の最大の特徴?」

 

「いったい何をするんでしょう・・」

 

と言っていると日本武尊の艦橋がが徐々に下がって行っていることに気がついた

 

「あれ?なんか日本武尊の艦橋下がってきてない?」

 

「「え?」」

 

と言って日本武尊を見ると確かに艦橋が下がっていた

 

「まさか、沈んでいるのか!」

 

「ウソー!」

 

「・・・潜水艦・・」

 

と言うとワーワー言っていた艦橋が一気に静かになった

 

「な、なるほど潜水艦か・・・しかしなんな大きい潜水艦なんて見たことないぞ!」

 

と言っていると日本武尊は海中に没した

 

 

「行っちゃいましたね・・・」

 

 

 

日本武尊を見送った晴風は

 

「よし!微速前進!取り舵20!」

 

「ヨーソロー!」

 

と言って晴風は明石との合流地点であるモルッカ諸島へと向かった

 

 

 

 

 

「潜航完了、深度80!」

 

「しかし、艦長。あの子達にこの艦の秘密を教えても良かったのでしょうか・・・」

 

「なあに、口外無用と言ったしあの子達なら守るでしょう。よし、このまま進路を硫黄島へ取れ!」

 

「了解」

 

「旦那さんが待っていますよ"大石"司令長官」

 

「うるさいやい」

 

と言って日本武尊は潜航したまま硫黄島を目指した



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

硫黄島要塞

潜航したままの日本武尊はその足で硫黄島要塞に向かっていた

 

「このままだと、あと1日半で到着です・・・」

 

「了解した、一応通信気球で予定到着時間を伝えといてくれ、あと迎えと明後日のことを伝えてくれ」

 

というと艦橋のところから気球が飛び出して空に浮かんで行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「ええ!日本武尊いないの!」

 

明石と合流した晴風はいきなり大声で迎えられた

 

「あ、嗚呼シュペーと別れた時にな・・・」

 

と言って潜水していった日本武尊を思い出していた

 

「そんなぁ、またあの不思議艦を見られると思ったにー!」

 

と言って頭を抱えていた

 

「ま、まあ。またいつか会えますよ・・」

 

と言って海を見ていた

 

 

 

 

 

 

その頃硫黄島近海では

 

「・・・っ!日本武尊より通信!」

 

近くを周回している仙空が日本武尊からの通信を捉えた

 

「何!なんと言っている!」

 

「はっ!発日本武尊宛硫黄島要塞、明日正午ごろ要塞に到着、護衛の潜水艦求む。であります!」

 

「了解した」

 

「っ!まだ続きがあります!硫黄島に到着した翌日明朝、菊花艦隊全艦出撃す、準備せよ!」

 

「了解、直ちに硫黄島要塞へ連絡!」

 

通史を受信した仙空は直ちに硫黄島要塞の受信アンテナに受信された

 

 

 

 

「仙空4番より入電!」

 

「なんと言っている?」

 

「明日正午ごろ日本武尊が到着する模様です、護衛の潜水艦を求めていますが・・・」

 

輝が報告を聞くと

 

「よし、ア号戦隊を派遣して日本武尊の護衛を行え!」

 

と言い急遽、硫黄島要塞からア号戦隊が出撃した

 

 

「副司令、仙空2番より通信です」

 

「なんだ?」

 

「はっ!発仙空2番宛硫黄島要塞、青ヶ島北西800付近にて不審電波あり。であります!」

 

「不審電波か・・・」

 

「よし、司令が帰ってきたらすぐに報告だ」

 

「はっ!」

 

と言って通信員は持ち場に戻って行った

 

『もしかすると行方不明艦かもしれない・・・静が帰ってきたら熊谷さんにお願いしといた方が良いかもな・・・』

 

と思って静の帰りを待った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃の日本武尊では

 

『もし横須賀近辺に武蔵が来た場合のことも考えとかねば、その時は熊谷さんに出動要請をしなくては・・・』

 

と考えていた静は武蔵が横須賀に来た時の作戦行動を考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、硫黄島の東400マイル程に達した日本武尊は無事ア号潜の出迎えを受けた

 

「前方に五隻の艦あり!出迎えのア号潜です」

 

「無事に到着できましたね」

 

「ああ、そうだな」

 

香織の言葉に静は頷いた。そのままア号潜の護衛を受けてそのまま硫黄島要塞港に入港をした

 

 

 

 

タラップを降りると真っ先にある人物が出てきた

 

「お帰りなさい、司令!」

 

と言って出てきたのは航空参謀であり夫でもある輝だった

 

「おう、ただいま!」

 

と言って輝からの報告を受けた

 

「今の様子はどうだ?」

 

「今のところ目立った異常はありませんね。、ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「昨日、仙空より不審電波があったとの報告があり、現場に行っても何も発見できませんでした・・」

 

「そうか・・・行方不明艦の可能性もある、念の為熊谷さんに菊花師団の出撃要請をしておこう」

 

「了解しました!」

 

と言って輝は通信室に向かって行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃晴風では急遽マロンの提案で赤道祭の準備がされていた

 

「出し物何やります?」

 

「えぇ〜やるのぉ〜?」

 

と納沙が言うが西崎達はあまり乗り気ではない様子であった。と言うのもマロンと納沙以外のほとんどのメンバーは赤道祭ではなく他の好きなことを各々していたからだそんな中艦橋に黒木が上がってきて

 

「艦長!き、機関長が・・・」

 

「ん?マロンちゃんがどうしたの?」

 

「き、機関長が・・その・・拗ねました・・・」

 

「「はぁ?」」

 

黒木の発言に艦橋にいた全員は顔がポカーンとなっていた

 

「だから!機関長が拗ねました!」

 

「なぜ、そんなことに・・・」

 

と、真白が言うとこうなるまでに経緯を話した

 

「成程、自分の思うようにならなくて拗ねたのか・・・」

 

「そうだね、あまり任せっきりにした私も悪いね、よし私も手伝うから赤道祭をやろう!」

 

と言って明乃たちは赤道祭の準備を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃武御雷の会議室では

 

「ほう、それで?今回の件に関してはあとは親父さんに任せる感じでいいのか?」

 

「はい、それでいいと思っています。」

 

テレビ電話で静は熊谷と通話をしていた

 

「まあ、武蔵が横須賀近辺に来た時のことも考慮して大隊を浦賀付近に展開させておく、あとはどう出るかだな・・」

 

「はい・・・これで委員会も少しはマシになるでしょうか・・」

 

静の問いに熊谷は

 

「さぁ、どうだろうな?上に立つものは腐りやすいからな。大高総理もそこを気にしておられる。」

 

と言って腕を組んだ

 

「まぁ、今回の件で日本政府は一旦、委員会を停止させるらしいが。さてこれが吉と出るか、凶と出るか・・」

 

「わからないものですねぇ。」

 

と言って静は椅子に深く座った

 

「・・・そういえば和樹くんと真由美ちゃんは元気にしておるか?」

 

「ええ、元気ですよ。この任務が終わるとそのまま家に帰ってしばらく休暇を取るつもりです」

 

「そうか、その時はちゃんとうちにも寄ってくれよ。楽しみにしているぞ」

 

と言って通信が切れた

 

「・・・ふう、艦隊の準備は?」

 

と言って隣にいた香織に出撃準備の状況を聞いた

 

「全艦補給完了、乗員の乗り込みも完了、いつでも出撃できます」

 

と言って静は

 

「了解、直ちに菊花艦隊全艦に通達、全艦出撃せよ!港外に出次第前衛遊撃艦隊はア号戦隊に続け、航空機は常時空中待機、対潜対艦警戒を十分にせよ!そして、メインマストに菊花紋章旗を掲げよ!」

 

「了解!」

 

と言い武御雷メインマストに白色の布に菊の紋章の入った菊花艦隊の艦隊旗が上がった

 

「全艦出撃、進路を320度に取れ!」

 

「進路320度ヨーソロー」

 

「このまま進路を千葉県沖に取り、航空機の行動範囲に伊豆半島が入るようにしろ!」

 

「了解!航海参謀進路決定せよ!」

 

こうして菊花艦隊は今まさに日本の守護神としての真価を発揮しようとしていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

想定外の事態

菊花艦隊が出撃した翌日ブルーマーメイドの富士山山頂にある遠水平線レーダーが突如大型艦を探知した

 

「大型艦の種類は?」

 

「バルーンの映像によると大和型の船体に赤いラインを引いていたとことです」

 

「間違いなく武蔵ね・・・」

 

真霜はとても焦っていた、武蔵はてっきりフィリピンに向かっていると思い戦力を集中的に配備してしまった

 

「完全に戦力を集中させたことが仇となったわね・・・」

 

真霜は真雪に連絡をとっていた

 

「ぃま、真冬の弁天が急いで向かってくれているけど間に合うかどうか・・・」

 

「現状、武蔵とまともに戦えそうな艦艇は?」

 

「現在、まだ動かせそうな艦艇というと・・・予備で置いといた平賀・福内の艦隊しか・・・一応海軍にも連絡をしたけど海軍も太平洋側にいて、とてもついた頃には東京が火の海よ・・・」

 

真雪は思わず手を頭に置いてしまった

 

「武蔵はあと三時間で浦賀水道に到達します」

 

言葉が出なかった、まさか武蔵がフィリピンではなくこの東京湾に近づいているとは思わなかったのである

 

「現状、武蔵に一番近いのは晴風よ・・・ただこれは晴風には負担が大きいわ・・・」

 

「わかったはわ晴風にはこっちから伝えておく、武蔵の居場所を細かく伝えるようにね・・・」

 

「よろしく頼みます・・・」

 

と言って通信が切れた

 

「・・・茂さんに聞いてみますか・・・」

 

と言うと真雪は電話を繋いだ

 

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「現在、武蔵は伊豆半島沖10マイルを18節で航行中だそうです」

 

納沙の報告に一気に緊張が走った、そんな中明乃は

 

「武蔵が・・・」

 

と親友のもえかのことを案じていた

 

「あと何処くらいで武蔵と接触する?」

 

真白は武蔵との接触時間を納沙に聞いた

 

「あと、2時間くらいですね・・・」

 

「あと、2時間か・・・」

 

そのまま時はたち、ついに武蔵との接触時間となった

 

「もうすぐ、予定時間か・・・」

 

すると野間から報告が入った

 

「左10度水平線に艦影あり!」

 

すると艦橋にいた全員が左側に双眼鏡を向けた

 

すると

 

「閃光視認。目標、発砲した模様!」

 

その直後晴風の近くに砲弾が着弾した

 

「しっかり距離をとって!」

 

明乃は少しでも安全のために武蔵との距離をとり可能な限り武蔵の位置を報告し続けた

 

「主砲弾四、此方に接近!」

 

その間も武蔵からの砲撃が晴風の近くに着弾していた、そして何回も砲弾を避けていると、突如武蔵の左舷側に大きな水柱が立った

 

「なんだ!」

 

「艦長!ブルーマーメイドからの通信です!」

 

「ブルーマーメイド・・・」

 

「ブルマーからの撤退指示です!」

 

と言うと近くに四隻のインディペンデンス級沿岸戦闘艦が近づいた

 

「晴風の状況は?」

 

艦隊の指令をとっていた福内は晴風の現状を聞き把握すると安全のために晴風を離れさせた

 

「とりあえず、被弾はなしこのまま撤退させます!」

 

「了解、これより右舷前方の武蔵に対し強制停船オペレーションを実施します!突入チームは相手が学生であることに留意し、極力格闘は控えるように」

 

と言って突入チームの持っている箱の中にはワクチンとテーザー銃が入っていた

 

「これよりオペレーション開始します」

 

というと一斉に四隻のインディペンデンスは武蔵に近づいた。ブルーマーメイド艦隊に接近に気づいた武蔵は全砲塔をブルーマーメイド艦隊に向け砲弾を放った

 

「艦隊左90度一斉回頭とーりかーじ!」

 

と言ってブルマー艦隊は武蔵の砲弾を避けさらに噴進魚雷攻撃を行った

 

「噴進魚雷、発射はじめ!」

 

というとブルマー艦隊から放たれた噴進魚雷は全て武蔵に命中した、そんな様子を知床は

 

「すごいあんなに綺麗な艦隊行動をするなんて」

 

と感想を述べていた

 

 

 

「武蔵の様子は?」

 

「武蔵は以前、浦賀水道に向かっています」

 

と言って目立った被害はないと報告した

 

「1番艦、3番艦。右90度一斉回頭、突撃せよ!」

 

と言って二隻のインディペンデンス級が武蔵に近づいた

 

「1、3番艦主砲発射用意!」

 

「撃ちー方はじめ!」

 

と言いインディペンデンスのMK110、57ミリ速射砲から砲弾が放たれ、そのうちの一つが三番副砲に着弾し破壊した

 

「右舷副砲、破壊しました!」

 

そして2度目の噴進魚雷の発射をした

 

「噴進魚雷、発射はじめ!」

 

しかし発射された噴進魚雷は武蔵に近いせいか電磁波の影響を受け、はちゃめちゃな方向に飛んでいった

 

「なんですって!」

 

「ゆ、誘導システムにエラー発生!」

 

と言って近くに武蔵の砲弾が着弾した

 

「・・・っ!無誘導通常魚雷発射はじめ!」

 

「無誘導ですか!」

 

「ええ、このまま武蔵に近づくわよ!」

 

「りょ、了解!」

 

と言い

 

「魚雷、無誘導に設定!」

 

「第一戦速おもーかーじ0度よーそろー!」

 

「全艦魚雷攻撃はじめ!」

 

と言い魚雷が一本ずつ放たれた、その間も武蔵は砲撃を続けそのうちの一つが最後尾の艦に当たり煙を上げた

 

「4番艦被弾!」

 

野間の報告に晴風艦橋にいた全員がブルーマー艦隊を見た

 

「ブルマーが!」

 

西崎は被弾した艦艇を見て驚いていた

 

「魚雷全弾命中!」

 

「4番艦艦尾に直撃弾!」

 

「4番艦より報告!我航行不能!戦闘の続行は不可能!」

 

「通常魚雷残弾ありません!」

 

「艦隊は武蔵の右艦尾に回り込み突入要員を乗り移らせて!各艦無人機準備出来次第発艦せよ!」

 

と言って4つの飛行船が空に上がった

 

「武蔵の様子は?」

 

「砲を無人機に向けています、警戒している模様」

 

「右180度一斉回頭と同時に無人機を接近させる!」

 

「ヨーソロー」

 

と言って武蔵の注意を引いて無人機を武蔵の射撃指揮所に近づけた

 

「艦長!無人機が。」

 

武蔵の艦橋にいたもえかはブルマー艦隊の無人機を見た

 

「全艦射撃用意!」

 

と言って武蔵の4番副砲を破壊したが武蔵についている速射砲が目隠しをしている無人機向け発射し飛行船を叩き落とした

 

「速射砲!」

 

「面舵いっぱーい全速退避!」

 

と言って逃げようとするが前方を砲弾で塞がれ二隻に命中した。そんな様子を見ていた納沙達は

 

「知床さん!もう少し距離を取りましょう!」

 

「は、はい!」

 

と言って安全なところから見ていた

 

「ブルマー一隻だけになっちゃった」

 

西崎は四隻いたブルマー艦隊が残り一隻になったことに驚きを隠せなかった

 

 

 

 

 

 

「平賀隊あと一隻です!」

 

「学校主任、総員退艦命令を」

 

「承知しました」

 

と言って席を立とうとした時

 

「校長!横須賀市内に大量の陸軍の戦車が!」

 

「戦車ですって!」

 

いきなりの報告に真雪は驚いた、まさか陸軍がここにきて行動するとは思ってもいなかったのである

 

「所属は?」

 

陸軍がどこからきたのか真雪は聞いた

 

「それが・・・どこの部隊かもわかりません」

 

「なんですって!」

 

「ただ、戦車の横に”菊の紋章”がついていたとの報告が・・」

 

「・・・」

 

菊の紋章のついた部隊と聞いて真雪は一つしかこころ当たりがなかった

 

「菊花師団ね・・・」

 

 

 

 

 

その頃横須賀市内では

 

「急げ!時間がないぞ!」

 

「噴進弾固定完了!」

 

その頃横須賀やその近辺の町の道路に所狭しと車両が並んでいた

 

「熊谷師団長、各隊準備できました」

 

「よし、このまま付近一帯の交通規制を厳重に、一般市民に危害が及ぶことはないようにしろ!」

 

「了解!」

 

「師団長、現在武蔵は浦賀水道に向かっているとのことです」

 

「了解した、直ちに菊花艦隊へと連絡はとれるか?」

 

「少しお待ちを・・・横須賀女子海洋学校より通信です」

 

「つないでくれ」

 

「どうぞ」

 

と言ってパソコン画面を見せた

 

「私は菊花師団、師団長 熊谷三郎少将であります」

 

「横須賀女子海洋学校校長 宗谷真雪です」

 

よ、お互いに自分の所属を言った

 

「まず、宗谷真雪さんにいきなり報告もなくいきなり街に来た事を謝する、そしてこれから我々の作戦についての内容を説明します」

 

「分かりました」

 

と言って熊谷は作戦の内容について詳しく説明した

 

「まず我々は武蔵が浦賀水道に入った時用の補欠であります、まずは武蔵に大石静司令長官による菊花艦隊がまず航空戦力にて武蔵の戦闘能力を奪う予定です」

 

「航空戦力ですって!」

 

航空戦力という言葉に真雪が反応した

 

「はい、ですがまずは我らの噴進弾搭載車で武蔵主砲の破壊を試みます!」

 

「よろしく頼みます」

 

と言って通信を切った、通信を切った熊谷は

 

「・・・菊花艦隊の居場所は今どこだ?」

 

と菊花艦隊の居場所を聞いた

 

「少しお待ちください・・おそらくこの辺りかと」

 

と言って部下が指差した

 

「そうか・・まずは大石司令長官に連絡、航空戦力の投入を求む!」

 

「了解!」

 

と言って菊花艦隊に通信をした

 

 

 

 

 

その頃菊花艦隊では作戦計画が練られていた

 

「長官!熊谷師団長より通信です!」

 

「つないでくれ!」

 

と言って通信を繋ぐと

 

「こちら大石!何か情報ですか?」

 

「いや、こちらからはいますぐに航空戦力の投入を求む」

 

と言ってブルーマーメイド艦隊が三隻航行不能になったことを告げられた

 

「ブルマーが三隻も・・・」

 

「長官!」

 

「・・・全艦に通達!これより作戦『松』を開始する、直ちに全航空母艦に通達、直ちに全航空機を常時発艦できるようにし、武蔵に攻撃を加えよ。各部戦闘配置につけ!」

 

『了解!』

 

「航空参謀、先に星鵬を発艦させ状況把握に努めよ」

 

「了解!」

 

と言って菊花艦隊に戦闘旗が上がり空に鋼の翼が飛び立った・・・



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空飛ぶ何か

菊花艦隊から航空機が殺到している頃晴風では

 

「武蔵、こちらに指向中!」

 

野間の報告に艦橋に緊張が走った、次の瞬間武蔵から放たれた砲弾が晴風の近くに着弾し、衝撃が走った

 

「うわぁー!」

 

船体は大きく揺れ明乃は転んでしまった

 

「どうします・・艦長」

 

「どうしよう・・このままだと・・」

 

その時野間から報告があった

 

「武蔵より発光信号!」

 

「なんて言ってるの?」

 

「はっ!貴艦はそのまま距離を空けられたし、接近は危険、主砲弾未だ豊富。武蔵艦長 知名もえか」

 

「モカちゃん!無事だったんだ!」

 

「艦長・・・」

 

「うん、行こう武蔵の所へ」

 

「はい・・・」

 

「学校に連絡をして、許可が出たら発光信号・・」

 

と言った瞬間武蔵の一番主砲が突如爆発をした

 

「何があった!」

 

あまりのことに真白は爆発した原因を聞いた

 

「今、横須賀市内方向から噴進弾が飛んできました!」

 

「なんだって!」

 

本来、海軍しか持っていないはずの噴進弾が陸地から飛んできたことに真白は驚いた

 

 

 

 

 

 

 

「噴進弾目標に命中しましたがノイズが凄いです・・・ギリギリでした」

 

「師団長、この攻撃は少々危険と判断します」

 

「そうだな・・よし噴進弾攻撃は中止、戦車部隊に通達、もし武蔵が射程内に入ったら直ちに砲撃できるように準備しとけ」

 

「はっ!」

 

「砲塔三時方向に回せ!」

 

というと一本道に並んでいた戦車が一斉に海の方向へと向き発砲準備がなされた

 

「もし菊花艦隊の作戦が失敗した時の最後の切り札だ、心してかかれ!」

 

「はい!」

 

そして武蔵が来ないことを熊谷は願った・・・

 

 

 

 

 

 

その頃海洋学校で武蔵を迎え撃つ準備をしていた真雪は突如通話があった

 

「宗谷校長、晴風より通信です」

 

「繋いでちょうだい」

 

「晴風艦長 岬 明乃です。宗谷校長、私たちに作戦許可をください、クラス全員の許可は取れています」

 

と言って晴風による武蔵への作戦を上申してきた。そして陸地から噴進弾が飛んできた事も伝えた。

 

「噴進弾のことはこちらも把握しています。分かりました、この作戦は横須賀女子海洋学校校長 宗谷真雪が許可します。ただし時間は五分、少しでも危険と感じたら自分たちの安全を最優先にしてください。こちらでも武蔵を迎え打つ準備はできています」

 

「ありがとうございます」

 

と言って通信を切った

 

「とりあえずこっちも準備をしないと・・・」

 

と言って準備をしているとまた通信があった、通話に出るとそこには静かが映っていた

 

「お久しぶりです真雪さん」

 

「ええ、お久しぶりね。でも今はそんな呑気な状況じゃないわよ」

 

「わかっています、こちらからお伝えすることがあります」

 

「なんでしょう?」

 

「まもなくうちの艦隊の前衛遊撃艦隊が現場海域に到着します、よって武蔵の兵装を破壊する許可が欲しいのですが・・・」

 

と言って武蔵に安全に乗艦するために武蔵の兵装の破壊許可を求めた

 

「・・・分かりました。貴官の艦隊の安全と国家の安全のために武蔵の兵装の破壊を横須賀女子海洋学校校長の宗谷 真雪が許可します」

 

「ありがとうございます」

 

「ただし、その代わりとして今向かっている艦隊の手助けをして貰っていい?」

 

「艦隊・・・ですか?分かりました、まもなく航空機が到着します。そしたら直ちに晴風の援護と武蔵への攻撃を行います」

 

と言って通信が切れた

 

「航空機の投入か・・・一体どんな物なんでしょう・・・」

 

と言って生まれて初めて見ることとなる航空機に少し興味があった

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「作戦許可が出ましたただし時間は五分、自艦の安全を最優先にせよとの事です。メイちゃん魚雷全門発射用意!」

 

「全門発射・・・まじ!」

 

「多分攻撃できるのは一回限りその時に一気に攻撃をして武蔵の足を鈍らせる」

 

「分かった全部当てて見せるよ!姫ちゃん、かよちゃん行くよー」

 

「はいなー」

 

「りょーかーい」

 

と言って魚雷発射管を回して武蔵の方向に向けた、それと同時に新しく換装した5インチ砲も同じように武蔵に砲を向けた

 

「目標敵進30度敵速18節!」

 

「第五戦速、340度ヨーソロー」

 

武蔵の砲撃を避けながら晴風は武蔵に近づいた

 

 

 

 

「晴風より発光信号です!」

 

「なんて言っているの?」

 

「はっ!我貴艦の救出に向かう、繰り返す我貴艦の救出に向かう、だそうです」

 

「ミケちゃん・・・」

 

と言って近づいてくる晴風を見た、その上空で一つの飛んでいる飛翔体が晴風を捕捉していた・・・




ちなみに今戦車部隊のイメージは某人造人間アニメの最初のシーンに出てくるやつです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

戦闘の終わり

今回は長めです(なかなか切るとこ出んかった・・・)


武蔵が浦賀水道に到達するまであと20分となった、その頃武御雷では

 

「まもなく、第一次攻撃隊が武蔵と接触します!」

 

「了解した」

 

「星鵬からの情報はどうだ?」

 

「陸軍の方にも情報を渡せ!!」

 

と言ってあちらこちらに乗員が走り回っていた

 

「星鵬からの情報によると晴風は現在、武蔵の足を鈍らせるために近づいて魚雷攻撃をする模様です・・」

 

「しかし、それでは晴風の退路が武蔵の砲弾で塞がれてしまうおそれが・・」

 

「司令!」

 

CICで現場の報告を聞いていると一人の隊員が報告をした

 

「何事だ!」

 

「はっ!現在、前衛遊撃艦隊が特別混成艦隊と合流しました!」

 

「そうか、それであっちの艦隊の編成は?」

 

「はっ!編成は舞風、浜風、比叡、アドミラルシュペー、てんじんです」

 

「本当に寄せ集めた感じの艦隊だな・・」

 

前衛遊撃艦隊と合流する前の編成を聞いて香織は寄せ集めとの感想を述べた

 

「合流した後の編成は?」

 

そんな香織の感想を横目に静は合流した後の編成を聞いた

 

「はっ!編成は虎狼、海虎、海狼、比叡、アドミラルシュペー、舞風、浜風、神風、太刀風、響風、旗風、てんじんです。」

 

 

「凄い編成になったな」

 

合流した艦艇を聞いて思わず香織は凄い、という感想を述べた、すると

 

「萩野より通信!」

 

「繋いでくれ」

 

と言うと萩野からの通信があった

 

「こちら第一航空隊隊長萩野。ただいま武蔵と接敵。これより攻撃を開始する!」

 

と言って機体についているカメラから対艦噴進弾が放たれたのを確認した

 

 

 

 

 

 

前衛遊撃艦隊と武蔵攻撃艦隊と合流した頃、晴風では

 

「これより武蔵に接近する、総員衝撃に備えよ!」

 

「「了解!」」

 

「右魚雷戦、目標武蔵艦尾、全門発射!」

 

「っ撃!」

 

と言うと晴風の魚雷発射管から魚雷が発射され、5インチ砲からも砲弾が飛んでいった、5インチ砲も着弾するが大きなダメージは出ず、魚雷は全部当たり速度が落ちた

 

「魚雷全部当たったよー!」

 

「だめだ、全然ダメージが入っていない・・・」

 

「武蔵速力低下!」

 

と野間が言った途端、生き残っている2・3番主砲から武蔵の砲撃が降り注いだ

 

「っは!総員衝撃に備えて!!」

 

と言った瞬間近くに武蔵の砲弾が着弾し船体が浮き上がった衝撃で被害が出た

 

「後部発煙機使用不能」

 

「爆雷投射機損傷」

 

「第五運用科倉庫火災発生、現在消化中」

 

「無線機使用不能」

 

「たった一撃でこんなにも被害が・・・」

 

知床は武蔵の破壊力に改めて恐ろしく感じた、その間も武蔵の砲弾は降り注ぎ晴風の船体が大きく揺れ、そのうちの一発が甲板に向かっていった

 

『まずい、当たる!』

 

と思って真白は思わず目を瞑ったが、代わりに聞こえたのは爆発音と聞いた事ないくらい甲高い音に加えものすごい速さで晴風の横を通り過ぎていった何かだった

 

「なんだあれは!」

 

真白が思わず窓を見上げるとそこには見た事もない形をし、とてつもないスピードで旋回している何かだった、すると武蔵の回りに無数の水柱が立った

 

「今度はなんだ!」

 

と言って後ろを向くと、霧の中から大量の艦艇が出てきた

 

「識別信号を確認、比叡、浜風、舞風、アドミラルシュペー、てんじんと・・・大量の不明艦です!」

 

「不明艦だって!」

 

と言って艦橋にいた全員が後ろの方を見た、そして上空にいる見た事ない飛行物体を見た

 

「何あれー!」

 

「凄い・・・早い・・・」

 

「あんなの見たことありませんよ!」

 

流石の立石も上空にいる飛行物体には驚きを隠せていなかった、そして謎の飛行物体の去って言った方を見ると2枚の板が張り出たような見た事のない船が多数の駆逐艦と巡洋艦に守られて向かってきていた

 

 

 

その頃てんじんに乗っている古庄は

 

「よかった、間に合って・・・しかし、まさかね幻の艦隊をこの目で見るとはね・・・」と言って隣にいる虎狼を見た

 

 

 

その頃虎狼に乗艦していた前衛遊撃打撃艦隊司令の本田一誠は

 

「長官、本当に良かったのでしょうか・・」

 

「いや、司令長官の考えておる事もわからんでもない」

 

「どう言う事ですか?」

 

副官の言葉に本田は

 

「いいか、この艦隊の所有者は誰だ?」

 

「それは勿論、今上天皇ですよ・・・・・ああ、そう言う事ですか!」

 

と言って副官は納得した

 

「そうだ、2000年にもわたってこの国を保ち続けてきた皇族にそう簡単に手出しは出来んわけだ、それに司令長官は欧州では英雄となっている。もし英雄を汚すこととなれば欧州の国民が黙っていない。」

 

「なるほど・・・長官もよく考えておられる」

 

「本当だ・・・あの人は私の想像を超えてくる事もあるからな・・」

 

「全くです・・・」

 

と言って武蔵に砲撃準備と晴風に向けて発光信号をした

 

 

 

 

 

「不明艦より発光信号!」

 

「なんと言っている」

 

「読み上げます、『遅れてしまって申し訳ない、これより援護を行う。菊花艦隊司令長官大石 静』っ!!」

 

「「静さんが!!」」

 

艦橋にいた全員は驚いた、まさか静が来ているなんて思ってもいなかったのである

 

 

『静さんの帰還命令ってこの事だったんだ・・』

 

明乃は静が帰還していった理由が分かり納得していた

 

「野間さん!てんじんと静さんのところに無線機が使えないことを教えて!」

 

「了解!」

 

と言って野間はマストに上がり手旗信号をした

 

「晴風は現在無線機の使用不能・・と。了解した。通信長!晴風との通信には発光信号で伝えよ!」

 

「了解」

 

「司令、第一次攻撃隊が攻撃を開始しました!」

 

「了解した」

 

と言うと武蔵の速射砲群が閃電から発射された噴進弾によってボロボロになるまで破壊された

 

 

 

「凄いな・・」

 

そんな様子をシュペーからテアとミーナが見ていた

 

「日本はこんな技術を持っていたのか・・・」

 

と言って上空を飛んでいる閃電を見た

 

 

 

晴風では増援が来てくれたことでやる気に満ち溢れ武蔵への突入を決めた

 

「晴風はこれから武蔵に突入します、援護をお願いします!」

 

晴風からの要請を受けた古庄は

 

「了解した、これより我艦隊は晴風の武蔵乗艦作戦の援護を行います。突撃準備をせよ!目標・・武蔵!」

 

「全艦突撃せよ!」

 

古庄の号令と共に混成艦隊全てから砲弾が繰り出され、駆逐艦からは魚雷が多数放出された。砲弾と魚雷はそのまま武蔵へと向かい着弾した。武蔵も負けじと生き残っている砲塔を全て動かし撃ち返した、撃たれた艦は怯まずそのまま砲撃を続行した

 

「晴風に砲弾を寄せ付けるな!弾薬庫が空になるまで撃ち続けろ!」

 

と本田が言って武蔵に砲撃を続け三番砲塔を破壊したた

 

 

 

 

 

その頃静たちは被弾したブルーマーメイド艦隊の救援を行なっていた

 

「武蔵の様子は?」

 

「今、前衛遊撃艦隊が武蔵と交戦、航空部隊は第二次攻撃隊も出す必要はありませんね。武蔵の武装は2・3番砲塔のみです。」

 

静は報告を聞いて頷いていた

 

「そうか・・・ブルーマーメイド艦は如何だ?」

 

ときいて今の救援状況を聞いた

 

「今ブルーマーメイド艦は全艦曳航完了しました」

 

「了解した、もし負傷者がいたら佐渡先生に渡してくれ・・・」

 

「はっ!」

 

 

 

 

武御雷に助けられた平賀たちはデッキに出て休憩をしていた

 

「ねえ、ちょっとのりりん」

 

と言って平賀が福内をつついた

 

「なんですか?」

 

「あの旗を見て・・」

 

と言って武御雷のマストを指さした

 

「あれって、まさか・・・」

 

「ええ、間違い無いわね・・」

 

と言ってマストに上がっている白い旗を見た

 

「「あれは菊花紋章旗だ!!」」

 

と言って旗の名前を言った

 

「ってことはあれは今上天皇の所有物なの!」

 

「凄いわね・・」

 

福内はその船の所有者を知って皇族の力を思い知った

 

 

 

 

 

その頃武御雷CICでは静が菊花師団に連絡を取ろうとしていた

 

「熊谷さんに連絡できる?」

 

「はい、こちらを」

 

と言って輝が受話器を渡した。静は受話器を受け取った

 

「こちら、雷。目標は間も無く制圧完了、虎たちは巣に戻られたし」

 

と言うと返事があった

 

「こちら虎、了解したこれより巣に帰る」

 

と言って通信が切れた

 

 

 

 

 

「総員よくきけ!」

 

熊谷が言うと作業していた隊員が一斉に熊谷に向いた

 

「作戦はほぼ完了だ、これより基地に帰還する。直ちに撤収せよ!」

 

と言うと今まで展開していた戦車や噴進弾搭載車が徐々に奥多摩の基地に戻っていった

 

 

 

戻る途中熊谷は聞いた

 

「梅輪はどうだ?」

 

「は!今のところ海兵隊員を乗せて武蔵に向かっているところです」

 

「了解した、海兵隊には着いた時に極力害を与えんよう言っておいてくれ」

 

[は!」

 

「師団長!晴風が今武蔵に突入を開始したようです!」

 

「それは本当か!」

 

「はい、ただいま武蔵と接触を図る為近づいている模様・・」

 

と言ってつまみを回して無線を聞いていた

 

 

 

 

 

 

その頃晴風は武蔵に突入するために90度回頭し武蔵に突撃していった

 

「なんとか隙を作らないと・・・」

 

と明乃が言っていると

 

「艦長、これ使えないですかね・・」

 

と言って煙幕用の噴進弾を見せた

 

「もしもの時にって明石が載せてくれたんです」

 

と納沙がなぜここ噴進弾があるのかを言った

 

「メイちゃん、タマちゃん」

 

「「ん?」」

 

と言って噴進弾で何をするのかを言った

 

「分かった!よし、タマ行くよ!」

 

「うぃ」

 

と言って艦尾方向に二人は向かった

 

「鈴ちゃん!」

 

「は、はい!」

 

すると明乃は知床の方を向いて

 

「晴風を武蔵の前に出して!」

 

と、突拍子もない発言をした

 

「え!武蔵の前・・ですか!」

 

と言って迷ったが

 

「知床さん・・・前進、武蔵の前へ!」

 

真白が後ろから支えるように言った

 

「りょ、了解」

 

と言って速度を上げた

 

 

 

「武蔵の前に出るのか!」

 

その様子をミーナは見ていた

 

「晴風を撃たせるな!全てこちらに引きつけろ!」

 

と言って砲塔が武蔵に向いて注意を引きつけた

 

 

 

 

艦尾に走った西崎たちは布に包まれた噴進弾を取り出し

 

「タマ、時間がないからいそぐよ!」

 

と言って急いで噴進弾の準備をした、その間も武蔵は混成艦隊に砲撃をし駆逐艦はジグザグ航行をしながら避けていった

 

「噴進弾いつでもいけるよ!」

 

西崎の報告に明乃は

 

「前進いっぱーい、面舵いっぱーい、艦尾を武蔵に向けて!」

 

「前進いっぱーい、面舵いっぱーい」

 

と言って武蔵の前に行った

 

「タマちゃん、発射準備!」

 

と言ってタイミングを見計らった

 

「タマ、魂で撃て!」

 

西崎の言葉に立石は武蔵が後ろに来るまで待った

 

「この弾でチャンスを掴む・・」

 

と言って発射ボタンを押された噴進弾はレールを伝って勢いよく武蔵に飛んでいった、そして武蔵を完全に煙幕で覆い被さった

 

「げほっげほっ」

 

発射した煙幕にむせてしまった西崎は

 

「艦長、今だー!」

 

と言って武蔵への体当たりを敢行させた

 

「鈴ちゃん、面舵一杯!武蔵の右舷へ!」

 

「面舵一杯!」

 

と言って知床は勢いよく舵輪を回したが

 

「だ、舵輪が回りません!」

 

「え!?」

 

先程の武蔵の衝撃で梶が損傷してしまっていたのだ、如何しようと考えていると

 

「・・・は!パラシュートあったよね!」

 

と言ってパラシュートの有無を確認した

 

「え、ええ・・・」

 

と真白が力無く言うと

 

「姫ちゃん、ももちゃんパラシュート用意!」

 

と言ってパラシュートを準備させた

 

 

「パラシュート用意したっすけど、如何すんすか?」

 

と青木が聞くと

 

「それを右舷後方に投げて!」

 

「「へ?」」

 

「急いで!」

 

「「はい〜!」」

 

と言ってパラシュートを海に投げ込んだ、投げ込まれたパラシュートは水中で開き大きな力を生み船体が大きく動き煙幕の中に突入した

 

「武蔵見えた!」

 

「パラシュート切り離して!」

 

「えい!」

 

と言ってこれ以上必要のないパラシュートを斧で切り離した、そしてそのままの勢いで武蔵に体当たりをしていった

 

「激突するぞ!」

 

「衝撃に備えて!」

 

と明乃が言うと各部署は衝撃に耐えられるよう何かに捕まっていた、そして

 

どぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!

 

と大きな金属音がぶつかった音が響き煙幕からは武蔵に体当たりした晴風が出てきた

 

「万里小路さん!」

 

「出来てますわ」

 

「へ?」

 

武蔵とぶつかった晴風は直ちに突入部隊の編成をしようとしたが既に編成はできており万里小路が薙刀を持って武蔵に突入していった。その時頭上から3機の大型回転翼機が近づいて武蔵の後ろ甲板に着陸し中から大勢の海軍の隊員が出て来た。

 

「あれは海軍の・・・」

 

真白はあの海軍の人達はきっと自分の母が呼んだものだろうと推測し、明乃を見た。するとやはり親友に会いたいのかそわそわした雰囲気で武蔵を見ていた

 

「艦長」

 

「ふぇ!」

 

いきなり声をかけられた明乃はびっくりした様子で真白を見た

 

「行って来てください」

 

「え?」

 

「武蔵の艦長のところに」

 

言葉の意味を理解した明乃は「ありがとう、シロちゃん!」と言って武蔵に行った、そしていつの間にか先程飛んでいた謎の飛行船がいなくなっていることに真白は気付いた

 

 

 

明乃は急いで外階段を使って武蔵の環境に登っていった。そして艦橋に到着するとドアを叩いた、しばらく叩いていると突如内側からドアが開き中からもえかが出てきた

 

「モカちゃん!」

 

「ミケちゃん!よかった無事で・・・」

 

と言ってお互いに抱き合って喜んでいた

 

 

 

 

 

 

しばらくし、武蔵艦内の制圧が終わり、晴風の乗員は休憩をしていると

 

「ねえ、なにあれ」

 

と若狭の指さした先にいたのは見たこともない大きさの艦に平べったい甲板を持ち、砲がない形をした緑色の不思議な艦艇が徐々に晴風に近付いていた・・・




梅輪

大型の兵員輸送用の回転翼機。イメージはチヌーク


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

晴風の最期

ちなみに本作品に出て来る兵器はOVAの方を参考にしています


徐々に近づいて来る艦艇に晴風は何だなんだと騒ぎ始めた

 

「一体なんでしょう、あの艦艇は・・・」

 

と言っているとその艦艇は晴風を通り過ぎて武蔵の曳航準備を始めた

 

「艦長・・・あれ見てください・・・」

 

と言って驚いた様子の真白が指差した先にあったのはマストに掲げられた一つの白い旗だった

 

「あれは・・・菊の紋章!」

 

「て事は・・・あれは皇族の所有物なのか!」

 

と言っていると艦艇から人が出てきて武蔵にロープを繋いでいた

 

「艦長!後ろを見てください!」

 

と、宇田から言われ後ろを向くと、そこには大型の巡洋戦艦らしい船に引っ張られているブルーマーメイド艦隊がいた

 

「・・・凄い、大艦隊だ・・・」

 

と言って真白は近づいて来る駆逐艦を見ていた

 

「凄い、凄い!あの駆逐艦6連装だよ!6連装!」

 

「え!?」

 

と言って近づいてくる駆逐艦を見ると2つ魚雷発射管には六本の穴があった。そして晴風を曳航準備が整うと駆逐艦から通信があった

 

「駆逐艦より信号!我、これより曳行をす、ご苦労であった。だそうです」

 

「そうか・・・」

 

と言って真白は武御雷の甲板に乗っているものを見た。

 

 

 

 

 

武蔵などを引き連れた菊花艦隊は横須賀港に停泊をした・・・ 

 

「久しぶりの陸だー!」

 

と言ってタラップを降りた西崎と立石は地面に横たわり続々と晴風から乗員が降りて来るのを明乃は見ていると

 

「作戦がうまくいって良かったわね・・・」

 

と言って静が話しかけてきた

 

「静さ・・・」

 

と言って返事をしようとしたが静の着ている制服がこの前見ていた紺色の服では無く右胸に菊のマークを書かれ左胸には大量の勲章がついていた

 

「静さん・・・その制服・・・」

 

と言って制服のことを書いた

 

「ん?嗚呼、この服。この服はね・・・」

 

と言って自分が菊花艦隊の司令長官である事を言おうとすると、突如晴風から軋んだ音がして沈み始めた

 

「おお、これは・・・」

 

そんな様子を晴風の乗員は沈みゆく晴風に敬礼をして見ていた

 

『まるで、仕事を終えたかのような感じだな・・・』

 

と言って敬礼が終わるまでその様子を見ていた。すると

 

「静さん・・・」

 

と言われて振り向くと、そこには真雪と教官がいた

 

「今回は晴風のこと・・・ありがとうございました」

 

と言って真雪と教官は一緒に頭を下げた

 

「別に、良いですよ。国民を守るのも菊花艦隊の大事な役目なんですから・・・」

 

と言って一緒に明乃に声をかけた

 

 

 

 

 

「岬艦長」

 

「はい、なんでしょう」

 

「改めて言わせてもらうわね、私は菊花艦隊司令長官大石 静中将と言います。以後、よろしく」

 

「はい・・・」

 

と言っていると静は輝に呼ばれ

 

「長官、そろそろ」

 

「ええ、分かったわ・・・」

 

と言って去って行った

 

 

 

 

 

さっ行った静の姿はまるで歴戦の勇者のような風格であった




次回からはOVA編と航空機の登場による各国の動きを書いていきたいと思います。






あと夏休み編もね


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第三章〜OVA編
各国の動き


この世界では第二次世界大戦が起こっていないので私の独自解釈のもと、ソ連は崩壊しましたがまだ中国は分裂したままにしております


武蔵との戦闘から開けて数日が経った頃、軍令部では記者会見が行われていた

 

「では、欧州動乱の時に先程の航空機なるものは開発に成功していたのですか?」

 

記者の質問に茂は

 

「はい、確かに我々日本国は欧州動乱の時に航空機の開発に成功していました」

 

「では何故、今まで開発の成功を発表しなかったのですか?」

 

「この航空機が欧州動乱のような戦闘の引き金となることを恐れた時の大正天皇が直ちに航空機の開発に成功した研究所を買収し情報の秘匿をしました」

 

「でも、それは平和利用しようと考えなかったのですか?」

 

「航空機の研究中に起こった事故で民間人が危険に晒されることを考えると安全を考慮したまでです」

 

と言って淡々と質問に対し返答をした。そして記者会見が終わると静は自分のSNSで声明を出した

 

「もし、この航空機に関して各国が工作員を派遣するのであれば、私は容赦なく鉄槌を下す!!」

 

こと言葉に欧州各国は揃って冷や汗をかいた。何故なら静は欧州では英雄となっているのに加え、いくつもの政治の汚職事件も告発しており今まで数個の政権が崩壊したのを知っているからだ。

 

その頃イギリスの首相であるトーマス・チェンバレンは

 

「まずいぞ、ミセスシズカが公式に声明を出した、間違っても軍や情報部には工作員の派遣をさせるなと伝えてくれ、余計なことをして彼女を怒らせたくは無い。そして米国にも日本の航空機の件については忠告をしてくれ『余計な手出しはするな、下手に突くと大きな爆弾となって自分に降り注ぐぞ!』と言って送ってくれ」

 

と秘書に行った

 

同じ頃ドイツ首相メンシェル・ヴィルトは会議で

 

「ミセスシズカが声明を出した、こちらとしては前のフロンティア汚職事件の様な結末は迎えたくない、よって我々は何もしない方針でいいですか?」

 

と言うと満場一致で賛成となった、同じように他の国々でも同じように工作員を送らない方針を固めていた。

 

 

 

その頃イギリスから電報を受け取った米大統領セシル・J・シルバーは

 

「なるほど・・欧州の英雄はここまで絶大な力となるとは・・」

 

と言って手紙を閉じ、執務室の机で目を瞑った

 

『今ここで我々が動いてしまうと2回目のフロンティア汚職事件が起こってしまう、そうなると私の支持率が一気に下がることに加え民主党にも被害を与えてしまう・・・』

 

フロンティア汚職事件・・・それは静が欧州にいた頃、ユーゴスラビアで起こった汚職事件で時の大統領ジョコダ・ヴィッテが貿易企業であるフロンティア社を通じてイギリスに献金をし、それが静によって発覚、それが革命にまで発展した21世紀最初で最大の汚職事件といわれいている事件である。その時献金を受けたイギリスは著しく信用が低下し経済が危機的状況となった、そのあとは前向きに政治を行なったことにより徐々に信用は回復しつつあった。

 

「秘書官、直ちにペンタゴンとCIAに繋いでくれ」

 

と言ってペンタゴン長官とCIA長官にシルバーは強く日本には手出しをするなと言った、もしこれでも行動を起こそう者なら大統領特権を行使するといって長官たちは大統領の言葉の理由を理解し、部下に厳命をした。

 

 

 

 

 

 

その頃日本では

 

「よし、ますは欧州と米国の押さえつけはできた・・・あとは・・・」

 

「お隣さんですね・・」

 

といって地図に載っている中華人民共和国を香織と見ながら静はそういった

 

「一応、工場は全て硫黄島と熊谷さん菊花師団の保護下にあるけど・・・」

 

「それでも心配ですか?」

 

「まあな・・・まぁ、あちらが突っ込んできても葵から情報は貰っているからね」

 

といって紙を香織に見せた

 

「それをスーさんの出版社に売ると・・・」

 

「そうだ。スーは喜んでそう言うのは買ってくれるだろう」

 

といって今、中華日報の取締をしている友人のスー・チーを思い出していた

 

 

 

 

 

その頃スー・チーは

 

「なるほど、このことも考えて静は声明を出したのね・・よくやるわ」

 

といってタブレットに目を落としていた

 

「さてと・・秘書さん、これを静のところに送って」

 

といって一つの手紙を出した

 

「これは?」

 

「北中国の工作員の情報についてだ、君から直接静のところに届けてくれ」

 

「分かりました」

 

といって部屋を出て行った

 

「もしかすると情報をくれるかもしれない」

 

といって中華人民共和国が何か行動を起こして中国の統一のきっかけを作ってくれることを願った

 

 

 

 

その頃の中華人民共和国の会議室では

 

「直ちに日本に工作員を送って情報を手に入れるべきだ!!」

 

「そうだ!今欧州と米国や南中国も工作員を送ったと言う情報はない、この機会が他の国と差をつけられるチャンスだぞ!」

 

「しかし、君達もフロンティア汚職事件の顛末を知らない訳じゃないだろう、ここは慎重になるべきだ!」

 

「そうだ、もしこの事がバレて中華民国に情報が流れてみろ、間違いなくこの国は崩壊するぞ!」

 

といった感じで意見は二手に分かれていた、まずは直ちに工作員を送って他国との差を付けようとする意見と日本の、主に静の報復攻撃を恐れ慎重になるべきとの意見で対立をしていた

 

 

 

 

 

数時間にも及ぶ会議で疲れが見え始めた頃

 

「ではこう言うのは如何でしょうか」

 

ある士官の意見に会議室にいた全員が耳を傾けた

 

「まずは近くの海賊組織に資金援助をし、行動をしてもらいその隙に情報を手に入れると言うのは・・如何でしょうか?」

 

その意見に会議室にいた殆どの人が

 

「なるほど、その考えだと直接被害があるわけではないな」

 

「確かにいい考えではあるな」

 

といって会議はある士官の言った計画が進もうとしていた、その計画を上進した士官は

 

『よし、うまく誘導出来た。後は本国に情報を渡すだけだ』

 

と言ってその後中華民国に情報を送った




ちな、会議のもめているシーンは紺碧の艦隊のモルガン艦隊出撃の時のイメージです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

休暇

軍令部で記者会見のあった頃テレビ局や新聞社は多忙を極めていた。何故ならこの短期間に多くのスキャンダルや事件が舞い込んで来たからだ。情報をまとめると

 

・航空機の存在についての公表

 

・皇族の所有物である菊花艦隊と菊花師団の存在の公表

 

・武蔵の東京砲撃未遂事件

 

・海上安全委員会制度の無期限に及ぶ活動停止

 

の四つが上がるもう航空機で一杯一杯なのに、海上安全委員会の無期限の活動停止処分というスキャンダルまで舞い込んできたので編集者たちはパンクしかけていた

 

 

 

 

その頃硫黄島要塞では

 

「さてと・・・メディアに対する情報統制は総長の一言でみんな黙りましたね。今のところ目立った行動はありません」

 

「そうだろうな。なんせ余計なことをしたら会社が無くなってしまうんだから」

 

 

記者会見の終わり頃茂から

 

「もし、メディアが海軍ならびに陸軍の行動を邪魔するようなら。私は断じてこれを許さない。もし、そのような報告があればそのメディアを情報漏洩の容疑者として資産の没収を行わせてもらう!!」

 

と高らかに宣言をしていた、この発表にメディアは凍りつき何も行動を起こせなくなってしまった。

 

「まあ、これからは私と航空参謀は休暇だ。後のことは頼んだぞ」

 

「はい、お任せください」

 

と言って静は部屋を出て行った

 

 

 

 

 

静と輝はその足でそのまま子供達のいる東京の雷樹邸に向かって行った

 

「「パパ、ママ!」」

 

と言って2人の子供が玄関に着くと飛びついてきた

 

「ただいま、ちゃんと良い子してた?」

 

「うん!ちゃんと良い子してた!」

 

静は真由美に聞くてあとは輝に子供達を任せると静はそのまま自分の父のいる書斎へと向かった

 

「おう、来たか」

 

書斎に入ると早速静は茂から現状を聞いた

 

「・・・なるほど、今のところ工作員などの動きは無いと・・・」

 

「ああ、お前のあの声明が思ったより大きな効果をもたらしたようだ」

 

と言って茂は各国の諜報機関が今の所動いていないことを静のおかげだと言った

 

「まあ、これは大高総理から聞いたことなんだか。ドイツから打診があった」

 

「打診?」

 

技術大国であるドイツからの打診に少し興味が湧いた

 

「ドイツからは技術を提供する代わりに日本とドイツを結ぶ定期航空便を作れないかと言う打診があったようだ」

 

「それで総理はなんと」

 

ドイツからの打診に静は返答はしたのかと聞いた

 

「いや、まだ検討中だ、なんせ航空機は今上天皇の持っている権利だからな」

 

と言って上を向いたそう、研究所は皇族の所有となっており技術を提供しようならまず、今上天皇の許可が必要となる。

 

「しかし今上天皇は渋るだろうな」

 

と言って今上天皇の性格を思い出していた

 

「たしか、慎重な性格でしたよね」

 

「ああ、ちゃんとした情報管理を保証しない限り・・・」

 

と言おうとした時書斎のドアが開き真由美が

 

「ママ、お爺ちゃん。おばあちゃんがご飯だって」

 

「おお、分かった」

 

「行きましょうか」

 

と言ってそのまま夕食となった

 

 

 

 

 

「ねえママ、水族館行きたい!」

 

夕食をとっている途中真由美が水族館に行きたいと言ったので週末に久々に家族で水族館へ行く事となった

 

 

 

 

 

その頃硫黄島要塞では・・・

 

「司令〜まさかこの書類仕事を私に押し付けるために休暇を取ったんですか〜」

 

と言って香織が書類の山に悲鳴をあげていた

 

 

 

 

 

週末になり、水族館へ行く準備が整うと静達は水族館に向かった行った

 

 

 

「付けれられてるわね・・・」

 

「ああ,そうみたいだな」

 

と言ってバックミラーから後ろにいるボートを見ていた

 

「おそらく北中国ね・・・」

 

と言って和樹達に「何かにしっかりつかまって」と言うとボートは速度を上げていった。付けている北中国の船も静が速度を上げるのに気づくと同じように速度を上げ追跡を開始した

 

「しっかりつかまってなよ、よく揺れるよ!」

 

「「うわぁ〜〜〜〜!」」

 

と言って水路を90度曲がって隣の水路に行くと、ついてきた船は曲がりきれずそのままフロートの角に突っ込んで事故を起こし、そのまま警察のお縄になった

 

 

 

 

 

船を撒いた静達は水路を進んでいると

 

「わー、すごかった」

 

「凄い揺れたね、お兄ちゃん」

 

と言ってさっきの感想を言っていた

 

「よし,じゃあこのまま水族館に行こうか」

 

「「わーい」」

 

と言ってそのまま水族館に行く水路を通って一行は水族館に着いた

 

 

 

「あっ、イルカだ!」

 

「他にもいっぱい魚がいるねお兄ちゃん」

 

と言って真由美と和樹は水槽の中にいる魚達をを見ていた

 

 

 

 

「今、熊谷さんにお願いをしてきた『喜んで護衛を行う!』と言っていたぞ」

 

と言って輝が熊谷に電話をして帰ってきた

 

「あの基地の人なら特選隊が飛んで来そうね・・・」

 

と言って基地に行った時に全員が2人に色々と甘えてた様子を思い出して静は内心呆れていた

 

『奥多摩の基地の人たちもうちの子供達に甘いんだから・・・』

 

と言って和樹達と一緒に水槽を見ていた

 

 

 

 

 

水槽を見た後イルカショーを見るために会場に向かっているといくつかの視線を感じた、しかしそれはこっちを敵視するものでは無かった

 

『早いわね、もう特選隊がつくなんて』

 

と思って和樹達に少し飲み物を買ってくると言ってその場を去った

 

 

「特選隊の人ですか?」

 

と言って後ろから声をかけると、少し驚いて

 

「やはり、静さんには敵いませんな・・・」

 

と言って頭を掻いて

 

「ええ、私は今回護衛任務をする林です」

 

と言って軽い敬礼をした

 

「・・・はぁ、では守りはお願いします」

 

と言って近くの売店で飲み物と昼食を買ってイルカショーの会場に戻った

 

「お待たせ〜」

 

「遅いよママ」

 

「もうすぐ始まるとこだったんだよ!」

 

と言って和樹達は遅かった静に少し顔を膨らませていた

 

「ごめんごめん、ちょっと並んでたからね。ホイこれ」

 

と言ってこの水族館名物のイルカケーキを渡した

 

「「わぁー!イルカケーキだ!」」

 

と言って和樹達はケーキを紙皿に乗せ、食べているとイルカショーが始まった

 

 

 

 

 

 

イルカショーも終わり水族館も堪能した静一家はここまで乗ってきたクルーズ船にのりそのまま帰路に着いた、そしてそのまま実家の書斎に行き水族館に向かう途中尾行を受けたことを話した

 

「報告はこっちでも聞いている、熊谷くんからだ・・・」

 

と言って報告書を静に渡した

 

「やっぱり北中国でしたか・・・」

 

と言って先ほど尾行していたクルーザーが北中国の諜報機関のものである事を知った

 

「熊谷くん達の特選隊が水族館に来る途中で何人か怪しい人物を拘束したらしい、まああの人達は轟轟したらしいけどな」

 

「全くあの人たちもあの子達に甘いんですから・・・」

 

と言っていると

 

「あら、水族館から帰って来たの?」

 

「お母さん・・・」

 

と言って書斎に和樹達の祖母であり静の母である真澄が入って来た

 

「あらあら、熊谷さんも良くやっているわね・・・」

 

と言って報告書を読んでいた

 

「成程・・・こっちから探ってみるから何かあったら報告するわね」

 

と言って書斎の本棚の本を引いて中にあるドアに入って行った

 

「・・・真澄がつてを使って動いてくれる見たいだから、あとはゆっくりと孫達と過ごしてくれ。」

 

と言って言葉の"本当"の意味を理解した静はそのまま書斎を出て行った

 

 

 

「・・・これからまた、一波乱きそうね・・・」

 

と言って和樹達のいる居間に向かった




今回出てきた静の母 雷樹 真澄は昔、現職の総理大臣の大高 忠教の父親の大高弥三郎が立案した情報省で工作員の訓練教官をしておりその功績が認められ、彼女の下で訓練をすると腕のいい諜報員になれると有名になり、各国の諜報員の訓練場に赴き教鞭をとった影響で、各国の諜報機関に非公式で独自のネットワークを敷けるほどの影響を持ってしまった













と言う設定・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

休暇の終わりと新しい仕事

居間に戻った静は和樹達に呼ばれた

 

「ママ、ちょっと来て!」

 

と言われて和樹に腕を引っ張られると其処には輝と和樹達が一緒に作ったであろう陸奥型戦艦の模型があった

 

「おお、これは凄いね〜、これ和樹が作ったの?」

 

「うん、パパと一緒に作ったの」

 

と言って自慢そうに自分の方を見た

 

「ちょっとお兄ちゃん!私も手伝ったんだからね!」

 

と言って真由美も陸奥の艦橋部分を指してここを作ったと強調していた

 

「いやー結構頑張っていたよ二人とも・・・」

 

と言って輝が出てきて陸奥を作っていたときの二人の様子を言っていた。そしてそのまま夕食の時間となり食事をとって一緒に寝て。日が流れてついに休暇最終日となった

 

「パパとママ明日からお仕事なの?」

 

休暇最終日になって昼食をとっていると真由美が静に聞いた

 

「そうだよ・・・ごめんねいつも一緒に居てられなくて・・・」

 

と言って申し訳なさそうな顔をして言った、すると

 

「ううん、大丈夫。よく熊谷おじちゃんが遊びに来てくれるし、お爺ちゃんも優しいから・・」

 

と言っているがやはり寂しいのかいつもより元気の無い言い方で返答をした、如何しようと考えていると、静は後ろから茂に呼び出された

 

 

 

 

茂に呼ばれ書斎に行くと茂から次の仕事内容を言われた

 

「横須賀海洋学校にですか?」

 

「ああ、そうだ。お前には直接皇居に出向いてもらい命令を受領し、そのまま横須賀女子海洋学校に向かってくれ」

 

「分かりました」

 

指示の内容に少し困惑しながらも静は受領し部屋を出て行こうとしたとき

 

「まあ、そういう事だからしばらくはここから通勤することとなる・・」

 

それを聞いた静は内心これでしばらくは真由美の近くに入れると思い問題が解決した、と思ってホッとしていた。なおしばらくは自宅にいると聞いた和樹たちはとても喜んでいた

 

 

 

 

 

次の日になって輝は硫黄島要塞に向かって行って静は東京にある新皇居に出向いていた

 

 

 

 

新皇居に着くと早速今上天皇の執事に案内され

 

「では、ここでお待ちください」

 

と言われ客間に通されそのまま置かれているソファーに座っていると入ってきたドアから今上天皇が入ってきた。咄嗟に静は敬礼をした

 

「お久しぶりでございます、閣下」

 

「いえいえ、静殿も座ってくださいな」

 

と言って静は

 

「では、お言葉に甘えて」

 

と言って先ほど座っていたソファーに再度座った

 

「・・・では、報告と次の仕事についてお話しますね」

 

と言って紙を渡した

 

「では、ここで読ませてもらいます」

 

と言って紙に書いてあることを読んだ

 

「・・・なるほど、分かりました。しかし閣下、本当にこれを”学生艦”つけてもよろしいのですか?」

 

と言って一応確認をした

 

「大丈夫です、委員会に関しては大高くんが押さえてくれましたし、整備局は私の部下も大勢いますし・・」

 

と言って整備局に味方が多いことを言った

 

「分かりました、このことは既に・・・」

 

「はい、私から直接手紙にて伝えてあります」

 

「分かりました、では私はこのまま横須賀に行って参ります」

 

と言って客間を出て行った

 

 

 

静が出ていった一人となった今上天皇は

 

「・・・凄いですね、大石くんははやっぱり・・・」

 

と言って静の情報統制の方法に舌を巻いていた

 

「とても私にはあんなことできませんよ・・・」

 

と言って窓から海を見ていた

 

 

 

 

 

その頃横須賀にスキッパーで向かっていた静は

 

「しかしまさかね、”対空電探”を試験的に”沖風”に付けるとはねー」

 

と言って受け取った紙を思い出していた

 

 

 

 

 

横須賀女子海洋学校に着くと出迎えたのは真雪であった

 

「直接会うのは久しぶりですね」

 

「ええ、そうですね」

 

と言ってそのまま校長室へと向かった

 

 

 

「さてと・・手紙は受け取ったわ、まさか今上天皇から来るとはね・・・」

 

と言って手紙の差出人に驚いていた

 

「正直言って私も驚いているのよ、まさかあんなに慎重な今上天皇が試験的に対空電探を沖風につけようだなんて・・・」

 

と言っていると真雪が今後の計画を話した

 

「とりあえずは新型電探に関しては航海レーダーの上に設置する予定よ・・」

 

「わかったわ・・・とりあえず今の沖風を見せて貰っていいかしら」

 

と言って猿島フロートの内部ドックに向かった

 

 

 

 

 

「これが、沖風ね・・・」と言って目の前にある陽炎型駆逐艦を見ていた

 

「もう少しで浮きドックが来て晴風からレストア品をこっちに付けるわ・・」

 

と、隣で真雪が今後の予定を言った

 

 

 

 

 

内部ドックで沖風を見た後。しばらく、校内で話していると真雪が

 

「そう言えば、比叡の時に真冬にあったって聞いたけど、あの子の様子はどうだった?」

 

「・・・何、また特訓をしてやろうと思っただけよ・・・」

 

と言って真雪は呆れていた

 

「まぁ、あの子もちょっとは痛い目を見ないとね・・」

 

と言って真雪は久々に真冬を連れ出しても良いと言った

 

「よし、ちょうど私、しばらくは陸上勤務だからたっぷりしごけるわね・・・」

 

と”イイ”笑みでそう言った。そんな様子を見て真雪は

 

『だから貴方は真冬から鬼なんて言われてるんですよ・・・』

 

と言って昔家で真っ白になって行っていた真冬を思い出していた。そう思っていると

 

「ああ、そう言えばなんだけどさー真白ちゃんが私に護身術を習いたいって聞いてきたんだけど。教えてもいいの?」

 

と聞いてきてなぜそんなことを頼んだのか理由をおおよそ把握し

 

「ええ、良いわよ教えて・・あの子のためにも」

 

と言って許可を出した

 

「じゃあ、早速行きますか」

 

と言って静はこの後仕事のある真雪と別れて、真白のいるという図書室に向かった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

書類仕事

「ナニコレ・・・」

 

と言って図書室についた静は端っこのテーブルで唸っている明乃たちを見ていた

 

「え!なんで静さんがここに?」

 

と静に気づいた真白が言うと明乃ともえかも後ろを向いた

 

「静さん!」

 

「どうしてここに、何か用事でもあったんですか?」

 

「ああ、ちょっと真雪さんにね・・」

 

と言って少しぼかした言い方で返答をした

 

「あ!そうそう真白ちゃん頼まれた事なんだけど真雪さんが良いって」

 

「本当ですか!」

 

と言って少し嬉しそうな声で返答をした

 

「シロちゃん、頼んだことって?」

 

「え?ああ、ちょっとお願い事をしててだな・・・」

 

「何をお願いしたの?」

 

と言って明乃は内容を聞こうとした

 

「実はね、真白ちゃんからぬいぐるみを頼まれたんだ・・・」

 

と言って静は格闘術の事を恥ずかしくて言えない真白に違う理由をつけた

 

「へぇー、じゃあ私の分も作ってもらっても良いですか?」

 

「え?」

 

突然の明乃の言葉に真白は思わず変な声が出てしまった

 

「艦長・・・これ以上静さんに仕事を増やすのは・・・」

 

と言って静に迷惑がかかるのではと言ったが

 

「ええ、良いわよ」

 

「本当ですか!」

 

と言って返事はOKであった

 

「書類の方は・・・」

 

と聞いたが

 

「報告書なら大丈夫、全部香織に任せてあるから」

 

と言って自分には他の仕事があると言っていたが明乃達は顔に書類仕事はやだ!と書いてあるように見えた・・・

 

「へ、へぇー」

 

と少し引き攣った笑みで明乃達は返事をした

 

「あ、そうそうそういえば私ちょくちょく仕事と報告でここに来るから」

 

「「「え!?」」」

 

突然の報告に明乃達は少し固まった

 

「静さんここに来るんですか!?」

 

「ああ、真雪さんにしっかりと報告とかしなきゃ行けないからな!」

 

と言って静はここに来る要件を言った

 

「それに・・・真冬を迎えに行こうと思ってね・・・」

 

と言ってイイ笑みでフフフ・・・と言っており明乃達はなんか身の危険を感じた

 

『姉さん、あんた今まで何して来たんですか・・・』

 

真白は内心真冬の行動に呆れていた

 

 

 

 

 

その頃、べんてんでは・・・

 

「む!」

 

「どうしました?艦長?」

 

何かを察した真冬の様子にべんてんの副長はどうしたのかと聞いた

 

「なんか、今帰ると地獄を見る気がする」

 

「へ?」

 

副長は当然どうしたんだろうと思った、何故ならいつもはオラオラとしており熱血な真冬が何か身の危険を察知したかのように普段では絶対しないであろう逃走計画を練っていた。

 

『どうしたんですか!艦長!』

 

そんな様子を副長は内心とても驚いていた、ちなみにこの後港に着いた真冬は即効静に捕まり地獄の訓練を巻き込まれたべんてん乗員と一緒にやった

 

 

 

 

 

「そういえば、何をしていたの?」

 

と言って静は今まで明乃がやっていた事を聞いた

 

「ああ、これですか?報告書ですよ・・・」

 

と言って報告書という言葉を書き固まっている明乃を見た

 

「じゃあ再開しますよ、このままではテスト休みが全部潰れますよ」

 

「ひぇぇぇぇぇぇー」

 

明乃が叫んでいるのを横目に静は図書室をさった

 

 

 

 

 

夕方となり一通りの今日やる分の書類が終わると明乃と別れ真白はそのまま校門へと向かった、校門には静が立っていた

 

「お待たせしてすいません」

 

「いいよ、全然。こっちもさっき着いたばかりだから」

 

と言ってそのまま学校にある武道場へと向かった

 

 

 

武道場に着くと静は早速柔道着に着替えた

 

「柔道着の方は大丈夫?」

 

と言って真白の方を見ると真白も既に着替え終わり準備ができていた

 

「はい、中学生の時に少し授業でやりましたので・・・」

 

「分かった、じゃあ早速基本から教えていくよ」

 

と言って静と真白のマンツーマン講座が始まった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

昔の訓練

今回途中で結構時系列飛びます


真白に格闘術を教えることとなった静は早速学校の武道場で格闘術の基本を教えていた

 

「なるほど・・・結構覚えが早いね」

 

「有難うございます」

 

と言って真白の習熟の速さに静は舌を巻いていた

 

「・・・よし、じゃあ今日はここまで、また明日同じ時間にここに来て」

 

「わかりました」

 

と言って柔道着から真白は制服に着替えた

 

 

 

「そういえば静さん」

 

「ん?何?」

 

「真冬姉さんなんですけど・・・一体どんな訓練をしたのですか?あんなに怯えている姉さんは初めて見たもので・・・」

 

と言って比叡の時を思い出していた

 

「ああ、そうか真白ちゃんは知らないのか・・・じゃあ、何やったか教えてあげるよ」

 

と言って昔話をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年前・・・

 

「教官をして欲しい・・・ですか?」

 

「ああ、そうだ・・・君と前田くんが適任だと思ってね」

 

いきなり軍令部に呼ばれた静と前田は茂から新しい要請があった

 

「これはブルーマーメイドからの要請でね、ちょうど関係強化にいいかなと思ってな。それで君たちを呼んだんだ」

 

と言って今度新しく新設される特別執行課・・・いわゆるブルーマーメイドの特殊部隊の様なところの訓練をして欲しいと言われた

 

「・・・分かりました、しばらくの間教官として訓練を行いたいと思います」

 

「よろしく頼んだ」

 

と言ってそのままブルーマーメイドの訓練施設へと向かった

 

 

 

 

 

 

車に乗ってブルーマーメイドの訓練場に着くと早速挨拶をした

 

「今日からここで教鞭を取ることとなった大石 静と前田 啓介だよろしく頼む」

 

と言って早速訓練をしようとした時であった、突如後ろから気配を感じたので咄嗟に腕を掴むと

 

「いてて・・・何でわかったんだ!」

 

と言って1人の女性が掴まれた腕をさすっていた

 

「全く、お前はいつから変態になったんだ。真冬・・・」

 

と言って掴んだ相手の名前を言った

 

「全くお前と言う奴は・・・」と言って呆れ

 

「訓練を行う」

 

と言って外に出て早速訓練を開始した

 

 

 

 

 

 

 

「ほれ、どうしたまだ始まったばっかだぞ」

 

と言って地面に倒れているブルーマーメイド隊員を見ていた

 

「きょ、きょうかーん・・・初日からこれですか・・・」

 

と言って今までの数時間で行ったことを思い出していた

 

「腕立て伏せ、腹筋共に2000回に加えベンチプレスですか・・・」

 

と言ってそのまま倒れた

 

「ふん、こんなもんですぐ息を上げているとは。まだまだ足りんな」

 

「そうですね、明日からもっと叩き上げますか・・・」

 

と言って初日は解散した

 

 

次の日になって訓練を行うためにまずは柔軟を行った、しかし昨日の疲れが取れていないのか

 

「ぎいやぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

と所々から悲鳴が上がっていた

 

「よし今から訓練を行うぞ!」

 

「「ええ〜!」」

 

訓練を行おうとしたときに先程柔軟をしていた特別執行課の面々は驚いていた

 

「今からですか!」

 

「もうちょっと休憩させてくださいよ!」

 

と駄々をこねてが

 

「五月蝿い!いちいち文句を言うな。文句があるならさっさと動け!」

 

と言って近くにあった木に殴ってしまい殴られた木にヒビが入った。それを見た面々は顔を青くしてせかせかと訓練を始めた、そんな中

 

「おい、真冬ちょっといいかい?」

 

と言って訓練生にセクハラをしようとしていた真冬を静達は捕まえた

 

「な、何でしょう教官・・・」

 

と言ってこの後真冬には特別キツくしたメニューをやらせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらく時が過ぎ訓練場にいた面々は段々と訓練にも慣れ、対人戦闘用に前田が格闘技を教え静は剣道を教えた、そして真冬には他よりもきつい訓練を課し、そろそろ最後の訓練を考えていた。

 

 

「「旅行!?」」

 

静の発言に訓練をしていた執行課の隊員は驚いた

 

「一体どこに行くんですか?」

 

と1人の隊員が聞くと

 

「フフフ、聞いて驚け、海外に行くぞ!」

 

「「・・・え!?」」

 

突然海外に行くと言うことに隊員が驚いた

 

「海外に遠征に行くんですか!」

 

と言って次の旅行場所に驚いた

 

「ああ、そうだ来月ウラジオストクに行くぞ準備をしといてくれ」

 

と言って静は教官室に戻っていった

 

「「・・・や、やったー!」」

 

海外に行けると思った訓練生はウキウキした様子で準備をしていた、しかし真冬は

 

『おかしい、教官がわざわざ旅行に海外に行くなんて・・・きっと何かあるに違いない!』

 

と思って色々と考えを巡らせていた、そしてついに一ヶ月が経ち一行はロシアのウラジオストクに着いた

 

 

 

 

 

「何処ですか・・・ここ」

 

と言って訓練生が着いたのは真っ白な平野が永遠と続く大地だった

 

「何言ってんだ、今からここでキャンプをするんだよ」

 

「「へ?」」

 

と言って何言ってんだこの人は、と言った表情で静を見た

 

「今からここシベリアにて10日間のキャンプをする!」

 

「「はぁー!」」

 

と言って訓練生は

 

「騙されたーーーー!」

 

「チックショー!帰らせてくれー!」

 

と言って今すぐ帰りたいと言ったが

 

「ちなみに逃げようとしてもパスポートは私が持っているし、もし逃げたら真冬と同じ目に遭わすから」

 

と静に言われ回収されていたことを思い出して肩をガックリと落として逃げることを諦めた

 

 

 

「早く急いで!夜になっちゃう」

 

と言って所々にテントが設営されキャンプの準備が整った

 

「じゃあ準備出来たらそのままテントに入って休憩!」

 

と言ってこれからここの訓練名物となる地獄のシベリアキャンプが始まった

 

 

 

夜になってテントで休んでいたある訓練生は

 

「寒!一体どうなってるの!」

 

と言って今の気温を見た

 

「ま,マイナス20度・・・」

 

と言って今の気温に絶句した

 

「もっとあったかくしないと」

 

と言ってテントの中で重ね着をした

 

 

重ね着をしていると、ふと空が晴れていることに気づいたある訓練生が外に出ると

 

「わぁ〜すごい星空・・・」

 

と言って空一杯の星を見ていたそしてそれに気づいた他の訓練生も外に出て星空を観ていた

 

「日本の田舎でもこんなに見れないですもんね」

 

と言って作ったココアを飲みながら外に出た全員で上を向いていた、ちなみにその時真冬は静と前田によってセクハラ未遂による現行犯で追加訓練をさせられていた

 

 

 

 

 

そしてあっという間にシベリアキャンプも終わり日本に帰国し指導最後の日になった

 

「教官、ちょっときてもらっていいですか?」

 

と言われて目隠しをされて2人は腕を引っ張られた、そして目隠しを取ると其処には飾り付けされた部屋があった。そして

 

「「教官、今まで有り難うございました!」」

 

と言って小さなパーティーが開かれた

 

「お、おうありがとう・・・」

 

と静が言って訓練生から花束を貰った、そしてパーティーが始まった

 

 

 

 

パーティーも終わり訓練場の門に車が来ると門まで真冬達が着いてきてそのまま車に乗り込むと

 

「またここに来れたらきてください!」

 

「ああ、また来れたら来るよ」

 

と言ってそのままっ車は訓練場から去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ってことがあったのよ」

 

「姉さん・・・」

 

と言って既にその時からセクハラをしていた事に呆れていた

 

「まぁ、今となっては良い思い出だけどね」

 

と言って武道場の電気を落とした

 

「じゃあ、また明日」

 

「はい、では」

 

と言って2人とも帰路についた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

密封指示書

次の日、静が武道場に行くとそこには真白となぜか真雪がいた

 

「・・・なぜ真雪さんが?」

 

静は呆れたように言った

 

「別に良いでしょ、特に問題なわけでも無いし」

 

と言って真雪が見学をすることとなった

 

 

 

武道場に入ってしばらく教えていると

 

「すごいわね・・これなら引退したらこっちに来て欲しいくらいだわ・・」

 

と冗談を言っていた

 

「冗談を、私はまだまだ現役で続けますよ・・・」

 

と言って真白に投げ方を教えた

 

 

 

しばらくコツなどを教えて休憩をしていた時、静が

 

「そういえば何だけどさ、今晴風クラスが解散するって噂になっているって知っている?」

 

「へ?」

 

静の言った一言に真白は変な声が出てしまった

 

「そんな噂があるんですか?」

 

「ええ、軍令部とかで少し噂になっているわよ」

 

「へぇ〜そんな噂が・・・あつ!でも晴風乗員全員に密封指示書が届きましたね」

 

「そうなんだ」

 

と言ってその中身を想像しつつ続きを聞いた

 

「でも、納沙さんだったら何か知っているかもしれないですね」

 

と真白は明日封筒を配ってもらおうと考えている納沙に今度あったら聞こうと思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日静は前日についた浮きドックに乗った晴風を見て

 

「やっと始まったか・・・」

 

と言って晴風から部品と取っているのを見ていた、すると

 

「あら?静さんですか?」

 

と言われて後ろを向くと其処には楓と執事がいた

 

「おやおや、これは万里小路殿、今回はどのような御用件で・・」

 

と言って華族制度は廃止になったがそれでもやはり華族の影響を残している万里小路家の娘に敬意をはらった

 

「そんな敬意を表されても困りますわ、貴方の家も子爵でありますのに・・・そうですね・・・強いて言えば晴風を見たかった、でしょうか・・・」

 

と言って浮きドックに入った晴風を見た

 

「では、私はここで・・」

 

と言って静はその場を去った

 

 

 

 

 

しばらく晴風を見ていた楓は一緒にいた執事に

 

「お嬢様そろそろお戻りになって頂かないと・・」

 

と言ったが

 

「時期に戻りますのでもう少し待っていただけませんか?」

 

と言ってもう少し待ってほしいと言った

 

「分かりました、御当主様にそうお伝えしておきます」

 

というと執事は報告をするために去って行った執事が去って行ったのを確認すると

 

「其処にいるのはわかっておりますわ・・」

 

と言うと車の後ろから納沙と宇田と八木が申し訳なさそうに出てきた

 

「万里小路さん、お渡しするものが・・・」

 

と言って封筒を渡した

 

「確かに受け取りましたわ」

 

と言って納沙から封筒を受け取った

 

「万里小路さんさっきの『戻る』って・・・」

 

「ええ、実は父上から呼ばれていまして・・・」

 

と言うと納沙達は絶句した

 

「それってまさか!」

 

と言っているとメールが届き八木達は次の場所へ移動しようとすると楓が

 

「ちなみに静さんも気付いておりましたよ」

 

と言って執事に連れられて行った

 

「・・・静さんすごいね、私達が静さんを見たのは万里小路さんと話している時で何も喋らなかったのに・・・」

 

と言って移動しながら八木達は静について話していた

 

「最近よく学校に静さんもきていますし・・・はっ!もしかしてヘッドハンディングとか!」

 

「「ヘッドハンディング?」」

 

納沙の言葉に八木達はなぜそんな事をするんだろうと思った

 

「だって私達は色々と活躍しましたし、船も無くなってしまいました。だから船を与える代わりにうちを引き込もうと毎日のように学校に来ているのでは!」

 

「「ああー、なるほど〜」」

 

と言ってなかなか筋の通っている考えに納得をした

 

「でも静さんって校長に会っていたっけ?」

 

八木がそう言うと宇田がは

 

「いや、むしろ校長室よりドックで見かける事の方が多いかも」

 

と言って何をしているのか考えていた。その頃自主研修をしていたマロン達は・・・

 

「いい自主研修ね・・」

 

「だろ!」

 

と言ってエンジンを直していた、すると

 

「やっぱりいい腕ね」

 

と言って一つの人影があった

 

「だれでぃ、あんたは」

 

「明石艦長、杉本珊瑚だ・・・妙な噂を聞いたんで会いにきた」

 

と言っている頃、杵崎姉妹のいる和菓子屋でも

 

「いらっしゃいませー!」

 

と言うと視線の先には間宮艦長の藤田がいた

 

「ちょっと話があるんだけど・・・」

 

と言って杵崎姉妹とみかんに話しかけていた

 

 

 

 

「結局どうなんでしょう、わからないですね・・・」

 

と言って航海科のいるというかカレー屋に向かって行った、すると前からセグウェイに乗った美波がやってきた

 

「あっ、美波さん!」

 

「ん?なんだ。」

 

「これ、学校からです」

 

と言って封筒を渡した

 

「感謝する」

 

と言って美波は連絡のあった大学へ戻って行った

 

 

 

カレー屋に着くと航海科のみんなが出されたカレーも食べずに暗い雰囲気でただじっと下を向いていた

 

「あの〜失礼しま〜す」

 

と言って納沙が言うと航海科の4人が納沙の方を見て鈴と内田は泣き目になり納沙に飛びついた

 

「うわぁ〜〜!ここちゃぁーん!」

 

「ど、どうしたんですか皆さん」

 

突然のことに納沙は少し驚いてしまった

 

「私達、バラバラになっちゃうんでしょ!」

 

「へ?」

 

突然言われたことに納沙は何でそんなことになっているんだろうと思って詳しい理由を聞いた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

密封指示書2

いきなり泣きつかれた納沙はなぜ晴風クラスが解散になると言う話になっているのかを聞いた

 

「だって見たぞな、間宮の艦長が伊良子さん達をスカウトしてたぞな!」

 

「それにマロンちゃん達もヘッドハントされたって聞いたし」

 

「きっと航海長も比叡あたりから引っこ抜かれるぞな!」

 

と言って航海科のメンバーが理由を言っていた

 

「ちょっと待ってください!それってどういうことですか!」

 

と納沙が言うと鈴達が詳しくいった

 

「・・・なるほど、海軍にヘッドハントされた時に編入があるため、みんながバラバラになる可能性があると・・・」

 

詳しい状況を聞いた納沙は情報の整理をした

 

「嫌だ!みんなと離れたくないよ!!」

 

と、鈴が言って

 

「そうだ!静さんなら何か知っているかも!」

 

と言って勝田が静に会おうとするが

 

「だめですよ、静さんはまさに海軍の人なんですから、聞いても教えてくれませんよ・・・」

 

と言って納沙がその行動は無駄であることを告げた、晴風がないことに加え、頻繁に静が学校で目撃されていることが徐々に不安感を募らせた

 

「という事はこれは実質の転学書という事ですか・・・」

 

と言って封筒を光に当て中に入っている紙を見ていた、そんな暗い気持ちで寮に戻ると先に来ていたミーナが任侠映画鑑賞をしていた

 

「おう、遅かったから先に見ておったぞ・・・」

 

と言ってすたたびテレビ画面に視線を戻した

 

「ミーちゃん・・・」

 

と言うと納沙はミーナの隣に座り泣きながら

 

「うちのクラス・・・解体になるかもしれないです・・・」

 

と言ってミーナの服の袖を掴みながら言った、するとミーナから

 

「そうか・・・じゃあ、もしそうなったらわしの学校に留学せんか・・・」

 

「え?」

 

突然の提案に納沙は少し唖然としてしまった

 

 

 

 

 

その頃、校長室では真雪と静が対面に座っていた

 

「そう、予定通り取り付けが完了しそうなのね・・・」

 

「ええ、もうすぐ準備ができるわ・・・

 

と言って静が目を落とした先には『クラス再編成案』と書かれた書類があった

 

 

 

 

 

突然ミーナから留学を提案された納沙は

 

「ドイツに行けばミーちゃんと一緒・・・でもクラスのみんなとは・・・」

 

と言って選択を悩んでいた

 

 

 

翌日、真白にあった納沙はクラスのことについて話した

 

「あの指示書でそんなことが・・・」

 

「はい・・このままだとバラバラになるって噂が、副長は何か聞いていませんか?」

 

と言って校長の娘である真白に聞いた

 

「うーん、特に校長も静さんは何も言ってなかったからな・・すまん、私は何も知らなくて」

 

と言っていたが真白もそのことは無視できない案件であった、なぜなら自分達は乗る船がない、という事は二学期から実習ができないということになる。

 

「私も艦長に聞いてみるが、決して早まった行動は慎むように。落ち着いてクラスを纏めておいてくれ。」

 

と言って真白は図書室に向かった

 

 

 

 

 

その頃真雪と静は猿島のドックにいた

 

「ちょーかーん、取り付け作業と同期が終わったよー」

 

と言ってドックにいる沖風から葵が出てきて報告をした

 

「わかった・・晴風のレストア品も付け終わったし、あとはドックに水を入れるだけね・・・」

 

「ええ、貴方からの増援もあったおかげでかなり早く準備が出来たわ、ありがとう」

 

と言って真雪と静は沖風を見ていた

 

「・・・さてと、私はこれから用事があるから。今度は会うのは13日ね・・・」

 

と言って静は去っていった

 

 

 

静を見送った後真雪は増援に来た葵達にお礼を言った

 

「菊花艦隊の皆さん、手伝っていただき有難う御座います」

 

と言うと

 

「いえいえ、"国民を守る"のも私たちの大事な役目ですから・・・」

 

と言って乗ってきた船に機材などを乗せて帰っていった

 

 

 

 

 

その頃図書室に着いた真白は明乃にクラス解散のことを伝えた

 

「え?今そんなことになってるの?」

 

「そんなこと初めて聞いたけどなー、あっ・・でも」

 

「ん?」

 

もえかの言葉に明乃は内容を聞いた

 

「もかちゃん、何か知ってるの?」

 

「うん、間宮と明石の艦長が晴風の子を欲しがってるって言ってた気がするけど・・・」

 

「でも家族がバラバラは嫌だなー」

 

「そうだね、晴風の場合は船もないしね」

 

と言っているともえかは

 

「私も情報を集めてみるね」

 

と言ってスマホを触り始めた、明乃も

 

「私もみんなのところに行かなきゃ・・・」

 

と言うが

 

「晴風に関しては納沙さんに任せてあります、なので艦長はまず報告書の提出をして下さい」

 

「えー、じゃあシロちゃんも手伝ってよー」

 

と言って明乃は真白に止められてそのまま机に倒れた

 

「・・・仕方ないですね」

 

「わーい、ありがとう!」

 

と言って報告書をまた、、まとめ始めた

 

 

 

 

その頃諏訪公園では納沙と宇田と八木が話し合っていた

 

「クラスを取りまとめるってどうしたらいいんでしょう」

 

「まずは連絡・・・」

 

「でもそれじゃあ何か足りないですよね」

 

と言っていると納沙の視線の先に三笠の装甲板が映った

 

「はっ!東郷ターン、東郷ターンですよ!」

 

「「東郷ターン?」」

 

東郷ターンと言う初めて聞いた単語に宇田達は早速意味を調べた

 

東郷ターン

日露戦争最大の海戦、日本海海戦において東郷平八郎貴下の日本艦隊がロシア艦隊に丁字戦法を取る際に全艦に取り舵を指示しロシア艦隊に横腹を見せるような行動をとった

この時の行動を司令官であった東郷平八郎の名を取って東郷ターンと言った

 

東郷ターンの内容を読み終わった宇田達は納沙の一人芝居にジト目を向けた

 

「みんなで一つになればどんな困難でも立ち向かえます!そのために署名を集めましょう」

 

「なんで署名?」

 

「署名だと一致団結には最適じゃないですか?」

 

「なるほど・・・横須賀の人に呼びかけて署名を集める・・いいかもしれない!」

 

「でも大丈夫なの?」

 

納沙の意見に宇田は心配したが八木は乗り気だった

 

 

早速3人は水雷科と砲雷科のメンバーがいたボーリング場に向かうとやっぱりそこには昨日と同じメンバーがいた

 

「すいませーん、ちょっといいですか」

 

と言って納沙がクリップボードを持って署名を迫った、クラス解体に反対だった一同はサインをした




すごい微妙な感じだけどここで切ります


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

署名集め

すいません人物紹介2にすこしだけ独自解釈を追加しました。ここ変だよ!って思ったら感想欄に書いて下さい!!
(あと、高評価もできればよろしくお願いします)


署名をした砲・水雷科メンバーは

 

「ねえ、私たちも手伝っていい?」

 

と聞いたので喜んで納沙は署名用の紙とクリップボードを渡した

 

続いて納沙達が訪れたのは機関科メンバーのいる麻雀店であった、その頃麻雀店では駿河がボロ負けしていたが昨日と違い、駿河は上の空状態であった。無論長い付き合いなのでそれに気づかない他の面々では無かった、そんな中若狭がみんな同じ学校に転学するものだと思っていたが、広田がもし転学する事になっても場所の空きを作るために通う場所はバラバラになると言った、それに驚いた伊勢が驚いて席を立つと衝撃で牌が倒れて公開された

 

「あら?これじゃ死んじゃうね〜」

 

と言ってやってきた納沙にとんでもない事を言われて次の牌を取ると上りの牌だった。そしてクラスの署名活動を行なっている頃、静は新皇居にて今上天皇と会談をしていた

 

「・・・では諸外国から要請されても基本的に拒否する方針でよろしいでしょうか」

 

「はい、もしこの技術が悪用される可能性にある国などから要請があっても拒否する方針でお願いします」

 

「分かりました。ではまずですが、ドイツからの打診はいかがいたします?」

 

と言ってドイツからの打診の返答を聞いた

 

「もし、本当にその気があるなら管理と運用は完全にブラックボックス化した形でこちらに任せて売り上げだけをドイツに渡す、と言う方針でお願いします」

 

「分かりました、この事は直接、大高総理に伝えておきます」

 

「お願いします・・・ところで外国の様子はどうですか?」

 

と聞かれて静は

 

「概ね、特に目立った行動は起こしていないと報告があります・・・」

 

「そうですか、色々とご苦労をおかけします」

 

と言って今上天皇は静に頭を下げた

 

「そんな!我々は貴方様にお仕えし、この国を守るのが仕事です。どうか顔をお上げください」

 

と言うと今上天皇は

 

「いえいえ、こちらはあなたのおかげで色々と知ることができました」

 

と言って窓の近くに立ち海を見た

 

「・・・海は広いですな」

 

と言うと何かしんみりした様子で静にこう言った

 

「人と言うのはどうしてこんなにも差を付けたがるんでしょうか・・・」

 

と言って諸外国の現状を見てこう問った

 

「・・・それが人間の性と言うものなのでしょう・・・」

 

今上天皇の問いに静は今考えられる中で最善の答えを答えた

 

「全く醜いものです・・・」

 

と言って静も同じように夕陽に沈む太陽を見てその足でとある料亭に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜になり料亭についた静はそのまま部屋に通された、先に部屋にいたのは茂と総理大臣の大高であった

 

「おお、来ましたか」

 

と言って空いているところに静を座らせると

 

「とりあえず集まりましたし、乾杯と行きましょう」

 

と言って盃を掲げ酒を飲んだ

 

 

 

 

 

「・・・さてと、感想を聞きましょうか」

 

と言って大高が静に今上天皇の報告を聞いた

 

「とりあえず、打診に関しましては今上天皇が管理と運用はこちらで行い、売上だけをドイツに送れと言っておりあまり乗り気ではありませんでした・・・」

 

「そうですか・・・」

 

と言って大高は渋い顔をした

 

「実はですな、他の欧州や米国からも同じような打診があったのですが・・・」

 

「恐らく渋るでしょうな、特に米国は閣下は許可しないでしょう」

 

「そうでしょうな、米国には恐ろしいとこがある」

 

と言って米国の腹黒さを思い出していた

 

 

 

 

「とりあえずはドイツには先程の条件を呑むかはわからないが一応木戸くんからドイツ政府に報告をしておきます」

 

「分かりました・・・それでなんですが総理、ちょっとお聞きしたいことが」

 

「なんでしょう?」

 

大高は静の問いに耳を傾けた

 

「東機関からの情報はありますか?」

 

と言うと大高が険しい表情となった

 

「一応情報はあります、ただこの情報が本当ならかなり博打な計画でしょう」

 

「一体どんな?」

 

茂が聞くと

 

「どうやら北中国は海賊に資金提供をして航空機の情報を盗もうとしておるらしいのです」

 

「なんと!そんな事がバレれば北中国は海賊に資金提供をしたとして国際非難の的だ。一体誰がそんな計画をしたのか・・・」

 

と言っていると静が

 

「どうやらそうしたのは中華民国の諜報員のようですよ」

 

と言って持っていた鞄から紙を出した、それを読んだ二人は

 

「・・・なるほど、これはスーくんから貰ったものかい?」

 

と言うと

 

「はい、訳文は私が書きました」

 

と言って大高を見た

 

「・・・そうか、そうするとこの情報は本当の様だな・・」

 

と言ってまた紙に目を通していると

 

「総理、あとこれを」

 

と言って静はUSBメモリを渡した

 

「これはスーがくれた北中国の諜報員のデータです、必ずオフラインで見るようにして下さい」

 

「分かった、これは本郷くんに直接渡しておく」

 

と言って大高はUSBデータを大切にしまった

 

 

 

 

「さて、沖風の方はどうですか?」

 

突然言われた事に静は思わず驚いてしまった

 

「驚きました、まさか総理が知っているとは・・」

 

「いえいえ、この事は私も今日知りましたからな」

 

と言って大高が沖風の対空電探について今日知った事を言った

 

「総理、この事はなるべくご内密に・・・」

 

「ええ、分かっております」

 

と言って理由を察知した上で頷いた、そして話の議題はは次から次へと、止まるとことを知らなかった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

密封指示書開封

料亭での話も終わりに近づいてきた頃

 

「沖風につける対空電探は旧式の物なので盗まれてもいいようにはなっていますが万が一のことも含め”自爆装置”も付けてあります」

 

静の報告に茂と大高は驚いた

 

「それは・・・生徒に危害は及ばないのか?」

 

と茂は安全性を聞いたが

 

「大丈夫ですよ、自爆装置と言っても対空電探の中身をテルミットで焼くだけです」

 

と言って茂たちはホッとしていた、流石に学生艦を沈めるような事はしないと言ったからだ

 

「ですが、電探の情報を聞いた国は沖風を狙うでしょうな・・・」

 

「一体どうしようものか・・・」

 

などと言っているとついに時間となり静たちはそれぞれ帰路に着いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、車を運転していた茂はバックミラーを見て

 

「付けられてるな・・・」

 

「そのようですね・・」

 

と言って静は座席の下から新型の20式自動小銃を取り出した

 

「タイヤを狙います・・」

 

「おう、頼んだ。後処置は任せとけ」

 

と言うと天井を開けた、天井から自動小銃を撃ちまくった

 

ダダダダダダダダダダダダダダダダダァン!

 

一旦撃ち終わると其処には窓ガラスにヒビがあるがまだ動いている車がいた

 

「やっぱり改造していたか」

 

と言うと次に20式噴進弾を取り出し撃とうとした

 

「おいおい、気をつけろよ、あまり騒ぎを大きくするなよ」

 

と言うと静は

 

「分かってるって」

 

と言ってバズーカを発射した

 

バシュ!ヒュぅぅぅぅぅぅぅドーン!

 

と言うと追ってきた車は木っ端微塵に吹き飛んだ

 

「やったー!」

 

「派手にやり過ぎだ、明日ニュースになっても知らんぞ」

 

と言って自宅に着いた、次の日事故車が爆発したとして大きな報道となった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日横須賀駅前で駿河たちは署名活動をしていたが

 

「署名全然集まらないよー!」

 

と言って駿河が署名の数がいまいちである事を言った

 

「日焼けしちゃうよー!」

 

と言って内田が言っていると

 

「それならいい方法があるよ!」

 

と言って報告書まとめが終わった明乃がまずチラシを配りそして公園の使用許可を出して人を集めて署名をして貰おうと言った、その頃西崎達は商店街で積み将棋をしていた

 

「絶対話しかけないでよ!」

 

と言ってゆっくりと動かしていたが

 

カタッ!

 

「ああ〜!やっちゃった!」

 

と言って今度は立石の番になるが立石はなんと駒一つで駒全体を動かしており、この光景に西崎は心底驚いた

 

「嘘でしょ!」

 

「うぃ!」

 

と言って立石はドヤ顔をしていた、散々負けたがこれで勝ったと言ったような顔で西崎を見ていた

 

「あ!ここに居ましたか」

 

と言って二人を見つけた納沙が呼びかけを行った、その頃三笠公園では主計科と機関科のメンバーが屋台の設営をおこなっていた

 

 

屋台の設営が終わると公園内にはいろいろな屋台が出ていたカレー屋、射的屋、輪投げ屋などなど、テアやミーナも真白と一緒に駅前で広告を配っていた影響か、多くの人が来て署名をしてくれた

 

 

 

夕方になり黒木やマロンが打ち上げ花火をしていた

 

「ちょっと!花火なんて打ち上げてもいいんすか!」

 

と青木が聞くが、黒木達はちゃんと手続きをしているとの事で大丈夫だと言った

 

 

 

 

しばらくして署名も集まり、打上げをしていると真白が

 

「そういえばどうしてこんな噂が流れたんだ?」

 

と聞くと

 

「みかんちゃんが間宮の艦長にスカウトされてたぞな!」

 

「断ったけどねー」

 

「マロンちゃんも明石艦長にスカウトされたけど」

 

「それも断ったんでい!」

 

「「え!?」」

 

「万理小路さんも誤解だったし・・・」

 

「あれ?ひょっとして・・・」

 

「話広げたのって」

 

「え?私達?」

 

と言って機関科のメンバーを全員が見て真白は睨んでいた

 

「「ごめんなさい・・・」」

 

色々と混乱はあったが目的の署名は大量に集まった為そのまま要望書を持って職員室まで持って行った。密封指示書開封まであと14時間となった

 

 

 

 

 

 

 

次の日晴風メンバーは中庭に集められていた、いよいよ密封指示書開封時間となり

 

「時間です・・・密封指示書開封せよ」

 

と言って運命の開封時間となります一斉に封筒を開けて中身を見ると

 

「え?」

 

そこにはこう書かれていた

 

『晴風クラスの編入に関する通知

 

標記の要項に横須賀女子海洋学校ならびに日本国海軍関係者の審議を踏まえ、晴風クラスは6月13日より貴殿には横須賀女子海洋学校所属の陽炎型航洋直接敎育艦Yー469に異動を通知します』

 

と其処には書かれていた

 

「46・・・・9」と言って明乃は新しくなる艦の番号を言った

 

「岬艦長・・・」

 

と真雪から言われ明乃は顔を上げた

 

「あなた方の団結力と行動力を見せてもらいました、職員の中にはクラスを分けるべき、と言う案もあったけど一緒にしておいて良かったわね」

 

と言って同じクラスのままだと言ってクラスメイトは全員喜んでいた

 

 

 

 

移動してドックに着くと其処には一隻の陽炎型駆逐艦がいた

 

「これが新しい船・・・」

 

と言ってドックにいた沖風を見ていた、すると八木が

 

「ねえ、何あれ」

 

と言ってマストについている金網に棒ををつけたような不思議な機械があった、すると後ろから

 

「あれは対空電探だよ、試験的に載せたんだ」

 

と言って聞いたことある声を聞き後ろを向くと其処には静がいた

 

「「静さん!」」

 

「よ、どうだい?新しい艦は」

 

と言って沖風を見ていた

 

「はい、とても嬉しいです。またみんなと一緒に過ごすことができるようになって・・・」

 

と言って嬉しいと言った

 

「そうかい、それじゃあ“新しい晴風“と一緒に初航海をしてきな」

 

「はい!」

 

と言って明乃は出港準備を始めた

 

 

 

 

「出航用意、錨を上げー」

 

と言うと錨が上がり万里小路が前よりも上手くなったラッパを吹いていた

 

「両舷前進微速、赤黒なし進路150度」

 

と言うと晴風は猿島フロートから出港していった、出港していく晴風の横ではもえか達が真雪から注意を受けていた

 

 

 

 

 

 

晴風IIを見送った静と真雪達教員は

 

「・・・さてと今日はめでたい日だ、何か奢るよ」

 

「宜しいのですか?」

 

「じゃあ空いている会議室でも使いますか」

 

「嗚呼、今から何頼むか・・・」

 

と言ってスマホのフードデリバリーサービスアプリを開いて全員の注文を聞いた




20式小型噴進弾のイメージはM20バズーカです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

間幕:欧州の思い出2

ある日武御雷の食堂で香織が銃の手入れをしていた

 

「おや?艦長、何してんの?」

 

其処にみかとしおりがやってきて今やっていることを聞いてきた

 

「ああ、これ?これねぇ私の愛銃」

 

「へえ自分の銃か・・・」

 

と言うと其処に

 

「へえ愛銃か・・・懐かしいなぁ」

 

と言って静がやってきた

 

「「司令!」」

 

と言って座っていた3人が立ったが

 

「ああ、いいよいいよ座ってもらって」

 

と言っていつも通り3人を座らせた

 

「懐かしいね、スーは元気にしてっかなー」

 

「今は新聞社にいるって聞きましたけどね」

 

「ねえ、スーって誰?」

 

と言ってしおりが話に出てきたスーという人を聞いた

 

「スー?あ!そうか。その話はしていなかったね」

 

と言って昔話をし始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるスイスとオーストリアの国境線近くの山道の道端でとある車が止まっていた

 

「ったくーなんでこんな時にパンクするのよ!」

 

と言ってぶつぶつ言いながら香織がタイヤ交換をしていた

 

「まぁ、仕方ないんじゃない?これの旅の面白いところだし」

 

と言って車の上で静がそらを眺めながら言っていた

 

「クッソ〜、さっきのじゃんけんで勝てとけばよかった」

 

と言ってタイヤを変えていた

 

 

 

 

「平和だね〜」

 

と静が言っていると近くを車がものすごい勢いで走って行った

 

「何だ?」

 

と香織がいうと、すぐ横をさっき通り過ぎた車より大きな車が走り去って行った

 

「何だったんだ?」

 

と香織がいうと

 

「追うわよ!」

 

と言って勢いよくボンネットを閉めて車の中の赤いスイッチを押すと後ろのトランクから車に繋がれた二本のガスボンベが現れた途端、大きなエンジン音が鳴り始め香織がタイヤを固定して車に乗り込むと静がアクセルを踏みロケットスタートのような加速をし、先程通り過ぎた2台の車を追いかけた

 

 

 

 

追いかけた車の後ろに着くと

 

「どっちにつく?」

 

「前の車!」

 

「了解!」

 

と言って香織が車の上から愛銃のS&W M500を取り出し後ろの車を狙った

 

「タイヤ!」

 

と静が言うと香織はタイヤを撃ったが改造されていたのかパンクした様子もなかった

 

「何ですって!マグナムが・・・」

 

「やっぱり改造車か・・・香織!先回りするよ!」

 

「OK!」

 

と言ってちょうど前の2台は遠回りする道を走ってくれたので静の車は近道をする為に脇道に逸れた

 

「香織、出たら宜しく!」

 

「あいよ、今度はただの弾じゃないよ!」

 

と言って香織はリボルバーの銃の弾丸を特別仕様の榴弾に変えていた

 

 

 

そして脇道から出るとちょうど2台の車の間に出た

 

「よし来たー!」

 

「・・・・」

 

バァン!

 

音を立てて放たれた弾丸はそのまま車のタイヤに当たり車はスピンしながら崖にぶつかり爆発をした

 

 

 

 

 

静は追われていた車をそのまま近くの路肩に停めさせて事情を聞いた

 

「さてと・・とりあえず無事でよかったどっかの国の"諜報員"さん」

 

「え!?」

 

静の言葉に香織は驚いた

 

「しずちゃん如何して?」

 

と言った理由を聞くと

 

「追っていた車には"ペンガルの海賊"の刺青がしてあった、それにペンガルの海賊は基本的に女子は雇わない、という事は何かしらの情報を奪ったのがバレて追いかけられた、ってところじゃない?」

 

それを聞いた女性は

 

「流石は欧州の英雄、よく分かってるわね・・・ええ、そうよ私は中華民国情報部所属のスー・チーよ、よろしく」

 

と言ってスーは手を差し出してきた

 

「ええ、こちらこそ」

 

と言って静は手を握った、そしてスーは静に紙を渡した

 

「これは?」

 

と内容を聞くと

 

「ペンガルの海賊の購買記録、本国からの許可は出ている。貴方なら何かに役立つでしょ?」

 

と言って顔に笑みを浮かべていた

 

「・・・ふう、とりあえずこれは有効活用させて貰うわ、ありがとう」

 

と言ってこの後、スーとは仲良くなりこの後欧州の作戦時では必ずスーから情報があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って事があったのよ」

 

「「ヘェ〜」」

 

と言い終わるとついでに食事や準備をしていた田嶋も話を聞いていた

 

「じゃあそのスーさんは今も諜報員をしているんですか?」

 

と聞いたが静は

 

「いいや、今は退職して中華日報のCEOをやってるよ」

 

「「え!?」」

 

と言ってみか達は一回にスマホで中華日報のサイトを開いた

 

「ヘェ〜この人がスーさんか・・・」

 

と言ってサイトに載っていたスーの顔を見ていた

 

「まあ。今も情報をくれたりするんだけどね」

 

「「ヘェ〜」」

 

と言っているうちに夕食の時間となり香織も銃の手入れが終わり、そのまま名物の激辛カレーと食べて静以外は火を噴きながら食べていた




ちなみに静の愛銃はコルトガバメントです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新しい艦

新しく自分たちの艦となった晴風IIに乗艦した明乃達はしばらくして航行が安定してくると必要最低人数を残して教室に向かった

 

 

 

 

 

「「わぁ〜!」」

 

と言ってまず教室に入って目に飛び込んだのは教卓の前に置かれていた大量のぬいぐるみだった

 

「すごーい、これ全部私たちの形をしているよ」

 

と言って明乃がぬいぐるみを持つと其処には手紙が入っていた、其処には

 

『晴風クラスに

 

今回は新しい艦の就役おめでとう、それに合わせて私からささやかなプレゼントです。

 

大石 静より』

 

と書かれていた

 

「え!これ全部静さんが作ったんすか!」

 

と言って青木が驚いていた、こんな短期間でこんなに大量のぬいぐるみを作るのは大変だと言うのを知っているから苦労して作ったんだろうと青木は思った

 

「これはありがたい、大切に使わせてもらおう」

 

と言って真白が自分の形をしたぬいぐるみを取ると真白のぬいぐるみの手に何か別の手紙がくっついていた、其処には

 

『真白ちゃんへ

 

格闘技の件だけどまた今度教えてあげるね、それで真冬のセクハラを撃退できるくらいになっているからまた一緒にやりましょうね。

 

大石 静より』

 

と書かれていた

 

『静さん・・・』

 

と手紙を読んだ真白は心の中で静に感謝していた。なんせお気に入りのブルースがボロボロになってしまい丁度悲しんでいた所に、自分に似たぬいぐるみをくれたこと、格闘技の先生として教えてくれたことに感謝していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃とある会議室では

 

「いやー、取り敢えず晴風Ⅱの就航に乾杯!」

 

「「乾杯」」

 

と言ってささやかな宴会が行われていた

 

「取り敢えず無事就役できてよかった」

 

「ええ、そうね主砲に関してもシュペーが渡してくれたし」

 

と言って飛び入り参加したテア達が

 

「いえいえ、我々は晴風に大きな借りがありますから」

 

と言って砲塔を渡した理由を言った

 

「それに、ついでに載せたこいつもうまく機能しているしね」

 

と言って静は手に持っていたタブレットを見せた

 

「これは何ですか?」

 

とテアが聞くと

 

「これは試験的に晴風Ⅱに付けている新しい電探だよ」

 

「「ヘェ〜」」

 

と言って新しく載せている対空電探を少しぼかした言い方で言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして宴会も終わりそれぞれ別れて帰ろうとした時、茂からの電話があった

 

「どうしたの、お父さん?」

 

と聞くと

 

「すまない今から家に来てもらって良いか?お前に客人が来ているぞ」

 

と言って家に客人が来ていると聞いて後片付けをさっさと済ませて乗ってきた改造スキッパーに乗って急いで自宅へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

自宅に着くと早速真澄によってそのまま書斎に向かった、書斎に着くと茂ともう1人スーツを着た男性がいた。その男性は静を見ると

 

「お久しぶりでございます静殿」

 

「ええ、お久しぶりね・・・スーから何かもらったの?」

 

と聞いて男のやってきた意味を大体把握した

 

「はい、会長よりこちらを渡すよう言われました」

 

と言って一枚の紙を出した、それを静がパラパラと捲ると男は

 

「では、私はこれで仕事が終わりましたのでここで失礼させていただきます」

 

と言って帰っていった

 

 

 

 

男が帰った後しっかりと紙を見た静は驚いた様子で茂に紙を渡した

 

「これは一体なんだ?」

 

「こりゃどえらいもんよ」

 

と言われて茂が紙を見ると心底驚いた様子だった

 

「驚いた・・・まさか北中国の諜報員のメンバーリストとは・・・」

 

と言って北中国の情報管理能力の無さにも驚いた

 

「今、閣僚会議に参加している中華民国の諜報員が渡してきた情報だそうです」

 

と言って静が今中華民国の諜報員の情報を言った

 

「ふーん、そうか・・・まぁこの情報を送ったのも、もしかすると定期便を作りたいと思っているのかもしれんな」

 

と言って視線を落とした先には一枚の写真があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには最近、南シナ海で暴れている海賊にあっている中華人民共和国の諜報員が写っていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第4章〜夏休み編
大ニュース


7月の終わり頃、突如として今上天皇から宮内省を通じてとある声明を出した、その内容は

 

『今、全国4箇所に建設中である国立の民間空港の建設に先立ち、ここに試験的に民間の航空路線の開設とともに皇立航空兵学校の開設を宣言するものである』

 

と言って今、実際に建設の進んでいる海上空港の様子を上から撮った映像や場所を公開した(新東京・福岡・和歌山・千歳)そして航空兵学校の予定開設日時と学校の場所、入学に必要な必要要項などが書かれていた。このニュースに日本のみならず世界中が驚愕した、このニュースにイギリス、フランスの欧州各国や米国、中華民国などの国々は直ちに留学生の選定を開始した

 

 

 

 

 

その新しく誕生する空港と航空兵学校の報告は静にも届いた

 

「いや〜まさか今上天皇が国内でこんな事をするなんてね」

 

晴風を見送って硫黄島要塞に戻った静はいつも通りの仕事に取り掛かっていた、そして先のニュースを見ていた

 

「まぁ、このことは大高総理と話をした上で決まっているらしいですからね、ちゃんと課税対象になるらしいですしね」

 

「しかし、これがどれだけの税収になるのか想像もつかない」

 

と言って建設中の空港の写真を見た

 

「後日、ここの空港の安全対策の視察に行くことになる、今上天皇から安全対策に関する相談をされ案を提出したが・・・これが通るかどうか」

 

「あの、すごい厳しい検査ですか?」

 

と言って安全対策の案を思いだしていた

 

『航空機並びに空港全体の安全対策の計画案

 

1、まず空港に入るまでの出入り口を一つにし、全員の顔の確認をできるようにし、外から入ってきた荷物も全て事前に申請させた上で中身の確認をする

 

2、全乗員の金属探知機とX線検査による体内および所持品の検査

 

3、ガラスや各ブロックごとのシャッターは全て防弾とし、テロなどがあった際のために周囲を陸軍や海軍の小型艇を常時周回させる

 

4、航空機の乗車は航空機の離陸30分前に開始すること

 

5、空港を利用する人全員の指紋を取る

 

以上が現状最も安全と考えられる最善の策と思われる』

 

この内容を見た政府はこの計画案をほぼそのままの形で通す事となった

 

「仕方ないだろ、もしテロリストや工作員が乗り込んでみろ、この技術が国外に漏らされるんだぞ」

 

「まあ、そうですけど・・・」

 

と言っていると執務室に通信兵がやってきて報告をした

 

「警戒をしている仙空5番より入電、こちらに向かう潜水艦と思わしき艦艇を発見、基地司令が警戒体制を敷きました!」

 

と言って接近してくる艦艇がいると報告をした

 

「そうか、まあどうせロシア連邦だろうまったく懲りない連中だ、これで”3回目“だぞ」

 

と言って静が文句を言っている少し前、報告をした仙空では

 

「・・・・・っ!報告、磁気探知機に反応あり!」

 

「何!艦種は?」

 

「この大きさはおそらくロシア連邦海軍のキロ型潜水艦と思われます、聴音ブイを投下して詳しい艦種を探します」

 

と言うと仙空から聴音ブイが落とされた

 

ピーン!ピーン!

 

海上に落とされた聴音ブイは直ちに近づいている潜水艦の聴音を開始した、その音をつまみを回しながら聴音員が確認した

 

「・・・間違いありません、この音はキロ型です!」

 

「よし、要塞に攻撃要請だ」

 

と言って通信員が要塞に報告をするとすぐに返事が来て撃沈を許可すると帰ってきた

 

「よし鮫退治だ、戦闘用意!対潜魚雷投下」

 

「了解、対戦魚雷投下します」

 

と言って仙空から2本の対潜短魚雷が発射された、発射された魚雷はそのままキロ級潜水艦にあたり船体が真っ二つになって沈んでいた

 

「・・・圧壊音確認、沈んでいきます」

 

と言って聴音員が報告をすると仙空は入れ替わりの時間となり基地へと戻って行った

 

 

 

派遣した三隻の潜水艦が全て撃沈されたことにロシアのヨーゼフ・チャイコフスキー大統領はは日本の対潜能力に恐れ慄いた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリエンテーション

とある夏休みの日晴風クラスはとある孤島に集まっていた、そんな晴風クラスに古庄は

 

「これよりオリエンテーションを行う!」

 

「・・・え!?今日って遊びじゃなかったの!」

 

と言ってポカーンとなっていた西崎が驚いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この集合のかかる少し前、明乃は古庄から呼び止めれられて食堂に来ていた

 

「どうぞ」

 

と言って古庄から紅茶を差し出されると明乃は「有難うございます」と言ってそのまま紅茶を飲みながら話しをした

 

「新しい艦はどう?」

 

「え?あ、はい。問題ありません元の晴風と同じ部分も多いですし、みんな喜んでます」

 

「そう、それはよかったわ・・・それで、試験的についている対空電探の方は?」

 

「はい、それも宇田さんが頑張って使いこなしています」

 

と言って宇田が初めて対空電探のマニュアルを読んでいた時、アタフタしながら覚えていたのを思い出していた

 

「そう、そのこともあとで校長に報告しとかないとね」

 

と言って対空電探のことを報告しようと考えた

 

「あのー、それでお話って何ですか?」

 

「そうね、本題にはいりましょうか」

 

と言って古庄は話を始めた

 

「まあ、話といっても連絡事項のようなものだけど・・・」

 

と言って内容を話し始めた

 

「晴風クラスには夏休みに特別実習を予定してるの」

 

「特別実習・・・」

 

「ええ、詳しいことは後で伝達されるけど先にちょっと伝えておこうと思ってね」

 

と言って話が終わった

 

「・・・それだけですか?」

 

「ええ、それだけよ・・・何か悪いことでも身構えてたの?」

 

「えぇ!ち、違います私は何も・・・」

 

と言って古庄が言うと明乃は少しあたふたしてしまった、そんな様子を古庄は

 

「ふふっ」

 

と言って少し笑っていた

 

「じゃあさっきの話、軽くでいいから他の乗員にも伝えておいてね」

 

「はい」

 

と言ってっ2人はわかれた

 

 

 

 

「・・・それからそのことが伝言ゲームのように伝わっていって・・・なぜかどこかで遊びに行くって内容にすり替わったようですね」

 

と納沙が言うと八木が

 

「私はちゃんと伝えたのに・・・」

 

と言って真白が

 

「遊びに行くってのが念頭にあったせいで実習のところをよく読まなかったんだろう・・・」

 

と言って真白がこうなった理由を考えた

 

「しかしなぁー、遊びに行くにはうまく全員揃ってたし、艦を動かすしでおかしいなと思ったんだよね・・・」

 

「うい・・・」

 

「いや、そこで気付け!」

 

と言って真白が西崎に言っていると後ろから

 

「あ、あのー私たち遊びに行くからって誘われちゃって来ちゃったんですけど・・・」

 

と言って後ろから時津風の水雷長と天津風の機関長の大谷由美子と加藤小百合が出てきた

 

「遊びに行くって聞いたから・・・」

 

「旅は道連れてなぁ!」

 

と言って2人を誘った西崎とマロンが笑いながら言った

 

「これどうするんだ・・・」

 

と真白が言っていると後ろから

 

「来ちゃったものはそうがないんじゃないんですか?」

 

と言って平賀と福内が出てきた

 

「あ!ブルーマーメイドの・・・」

 

「平賀さんと福内さんですね」

 

と言って納沙が言うと古庄が

 

「ふう、今日はあと“2人“が来るけど、取り敢えずはこの2人が今回の実習の手伝いに来てもらいました」

 

「よろしくー!」

 

と言って紹介された平賀は生徒達にピースをしながら言った

 

「・・・さて、うまく情報が共有されていないので、改めて今回の実習について説明します」

 

と言って古庄が経緯を話し始めた

 

「晴風はラット事件以降一時的にではありますが沈んでしまったため、新たに艦を与えられるまで実習に参加できませんでした。そこで今回、夏休みを利用して特別実習と言う形で穴埋めをする事になりました」

 

「要するに強制的な補習授業みたいな物ですね」

 

「ええー!うちらガチの補習終わったばっかなのに!」

 

と言って納沙が要約すると若狭が叫びながら頭を抱えた。そんな様子を見て古庄は

 

「確かに晴風クラスだけ一時的に艦を失ってしまったのは不可抗力・・・そのせいで補習が増えるのもかわいそうであると言うことで・・・」

 

と言って古庄が一呼吸してから

 

「無事実習を終えたら明日は1日自由時間とします」

 

「「やったー!」」

 

次に行った古庄の言葉に晴風クラスは一気に湧いた

 

「ただし!実習自体は気を引き締めて取り組むように!返事は!」

 

「「はい!」」

 

と言って古庄が喝を入れた

 

「では、実習の内容を伝える!」

 

と言って今回行う実習を発表した

 

「実習内容はこの島を使った、横須賀女子海洋学校オリジナルオリエンテーティング!」

 

『『オリエンテーティング!!』』

 

発表された内容に明乃達は息を呑んだ

 

「・・・えーっと、私たちは何をすればいいの?」

 

「I don’t know」

 

と言って由美子と小百合は悩んだ



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリエンテーション2

「あ!そういえば古庄教官!」

 

「ん?何かしら」

 

「あの、さっき言ってた後からくる人って誰なんですか?」

 

と明乃が聞くと

 

「ふふ、あなた達の知っている人よ」

 

と言って誰が来るのかは言わなかった

 

「それで、オリエンテーティングって何?」

 

西崎がオリエンテーティングとは何かを聞くと納沙がタブレットで意味を調べた

 

「えっと・・・オリエンテーティングとは・・・地図とコンパスを使って、各地に置かれたポイントなどを通過しながらゴールを目指す一種の野外スポーツのような物だそうです」

 

と言って納沙が説明を終わると

 

「魚雷打てるチャンスってある?」

 

と聞くが

 

「いやあるわけないだろ!」

 

と言って突っ込んだ

 

「わ、私、小学生の時にやったことあるかも・・・」

 

と言って知床が言うと

 

「あっ、やったやった!」

 

と言って内田も反応した

 

「何か看板に書かれた数とかを記入しながら森の中を歩くやつだよね、あの時鈴ちゃん道に迷って泣いたりしたたよね」

 

「そ、そうだっけ・・・」

 

と言って鈴は昔話を暴露され少し顔を赤くしていた

 

「やっぱり、幼馴染だから知るエピソードですね」

 

と言ってクラスメイトで話が盛り上がりけた時、古庄が

 

「はいはい、そこまで」

 

と言って静粛にさせると

 

「元々、オリエンテーションってのは訓練で行われていた物なの」

 

「競技として点数を競う物なの、でも今はグループで行う登山っていうのが広く浸透しているわね」

 

 

と言って平賀と福内がオリエンテーションの話をすると

 

「今回行う実習もグループ班で行います。まず四つの班に分かれてください」

 

と言って古庄が言うと早速班分けが始まった

 

「あの・・・私たちはどうすればいいでしょうか」

 

と言って晴風クラスじゃない由美子と小百合はどすればいいかを聞くと

 

「そうね・・・せっかくだから参加で」

 

「やっぱり!?」

 

「しかたないネ!」

 

と言って2人も参加することとなった

 

「それで・・・どう別れればいいですか?」

 

と言って明乃が聞くと

 

「班分けは自由です、3分以内に決めて決まったら四つに分かれて整列してください」

 

と言って古庄は班分けは自由だと言った

 

「じゃあどうします?」

 

「科で分けますか?ちょうど四つありますし・・・」

 

「うーん、それだとグループごとに得意・不得意別れてちゃうもんなあー」

 

と言って納沙の意見に明乃は否定的だった

 

「確かに能力は均等に分けた方がいいかもしれませんね」

 

と言って納沙も競技である以上均等に分けるべきという案に賛成だった

 

「じゃあ科ごとにグー・チョキ・パーで別れたら?」

 

「いいのかそんな決め方で・・・」

 

と言って真白は不安な様子であった

 

「でも三つしかないよ」

 

「あっ!そうか」

 

「なら、もうひとつはこれぞな!」

 

と言って勝田が提案をした

 

「なにそれ?」

 

「フレミングだYO!」

 

と言ってグーチョキパーにフレミングを追加して組み分けがされできたチームは

 

グーチーム

明乃、和住、加藤、美波、柳原、内田、姫路、日置

 

チョキチーム

真白、小笠原、万里小路、黒木、若狭、伊良子、勝田、山下

 

パーチーム

納沙、杵崎ほまれ、松永、武田、等松、野間、伊勢、鈴、広田

 

フレミングチーム

西崎、杵崎あかね、宇田、八木、立石、大谷、青木、駿河

 

の四つが決まり古庄は早速地図を配った

 

「よし、では。各グループに地図を配る」

 

「これが地図?」

 

と言って渡された地図を見て明乃は不思議に思った。なぜならその地図は真っ白の島の形をした地図で四つのスタート地点と道のりが書かれていた

 

「ほとんど書かれていないけど・・・」

 

「見てわかる通り、その地図は不完全です。各グループにはその地図を持ってそれぞれ別の位置からスタートしてもらいます」

 

「進む道にはいくつかのチェックポイントがセットされていて、道中そのポイントを見つけながら進み地図と照らし合わせて、現在位置や方角を割り出し、最終地点へ辿り着くこと。制限時間は3時間、では解散!」

 

と言って古庄は早速オリエンテーションを開始した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オリエンテーションを行っているグーチームの美波はとても歩きづらそうであった。それもそう、彼女は頭脳は大学生並みでも肉体は小学生、体力も明乃達とは違うのだ

 

「お、重い・・・」

 

と言っていると加藤がバックを持ち上げて

 

「ジェニーが持つよ!」

 

「あ、有り難う・・・」

 

「You’re welcome」

 

「しかし、これなにが入っているんだ?」

 

と言ってマロンが中身を見ようとすると

 

「あれ?見なかったの?」

 

と内田が言って明乃が中身の説明をした

 

「水と、食料。あとは発煙筒とかだね。非常用の準備だけど、今回はトレーニング用の重り代わりじゃない?」

 

と言うと明乃達は早速ポイントを見つけ地図に書き込んだ

 

「しかし、悪かったなジェニー。こんなつもりで呼んだわけじゃ無かったんだが・・・」

 

と言ってマロンが加藤に謝った、すると加藤は

 

「No problem!!山登りも楽しいネ!!」

 

と言って加藤は楽しんでいた

 

と言っていると明乃が

 

「そう言えば古庄教官の言っていた後の2人って誰なんだろう?」

 

と言って先程言っていた後からくる2人の助手が誰なのかを考えた

 

「さあ?一体誰なんでしょうね・・・あ!もしかして静さんとか!」

 

と言うが

 

「いや〜、でも今静かさんって空港建設の安全対策の仕事で忙しいでしょ?」

 

と言ってこの前ニュースで言っていた事を思い出していた

 

「ああー確かに・・・でも楽しみですね。もし空港が完成したらここから一気の北海道とか沖縄に行けるんでしょ?」

 

「そうだね・・・えっと確か東京から沖縄まで3時間だっけ?」

 

「それはすごいネ!」

 

と言って明乃は道に迷うことなくスイスイと登っていた

 

「艦長は場慣れしてますね」

 

「そんなことないけど・・・昔、もかちゃんと色んなところを探索したのを思い出したら、ちょっと楽しくなっちゃって」

 

と言って養護施設時代の思い出を思い出していた

 

「あいかわずだな〜艦長は」

 

と言ってマロンは陸でも海でも変わらない姿に笑っていた

 

「ポジティブなのは良いことダネ」

 

と言っているとまたポイントがあったので早速地図にまた記した



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリエンテーション3

グーチームが空港の話をしている頃納沙達のパーチームは

 

「赤のG、発見!」

 

「赤のGは此処と・・・」

 

と言って木に登っている野間の報告を聞いて地図に記入をしていた

 

「位置の把握はほぼ出来ましたね」

 

「でもこれで良いのかな・・・」

 

と鈴は野間のお陰で簡単に見つけられるが木の上に登って見つけるのはOKなのかとおもっていると納沙が

 

「そう言うのはルールには載って無いので良いと思いますよ」

 

と言ってこの方法を続行することとなった

 

 

 

 

 

その頃フレミングチームは

 

ガサガサ

 

「ぷはあ!」

 

と言って茂みの中から西崎が出てきてその後に立石達も出てくると

 

「うーん、迷った?」

 

と言って暫し此処で休憩を取ることとなった

 

「ぷはぁ!道に迷って飲む水は美味い!」

 

「こんなんで大丈夫っすかね?」

 

と言って青木は行先に不安を感じた。そんな中、宇田は膝を抱えていた

 

『ぬかった!じゃんけんによって四つに分かれたチーム・・・一見ランダムのように見えるけど。実は好んで手を出すのには正確が出ている』

 

と心の中で思うと

 

『例えばグー、握り拳はよくエネルギッシュなイメージ。そして石から連想される職人やリーダータイプ!』

 

と思ってグーチームの面々を思い出していた

 

『つまりこのチーム分けは性格によって結果似たタイプで構成されている!!』

 

と内心思うと

 

チョキは平和と攻撃のバランス力を重視した慎重なチーム、パーチームは紙のような柔軟があるが、裏もあるかもしれない怪しさが漂うようなチーム、そしてフレミングチームは本来じゃんけんに存在しないものだと言うことで目立ちたがりが多い!と言う目星をつけて見渡すと

 

目立ちたがりの西崎、新しい物好きのあかね、好奇心旺盛の青木と駿河、自由人の八木、と言って面々であながち自分の考えが間違っていないと思うと

 

「・・・出す手、間違えた気がする」

 

と感想を述べた

 

「めぐちゃん、どうしたの?」

 

「ううん、なんでも無い」

 

と言って宇田の様子に気づいた八木の声に返答をした

 

「何はともあれ、とにかくポイントを探すのが先決っすねー」

 

「位置がわからないと、どうしようも無いしね」

 

と言って青木の意見にあかねが賛成し早速ポイントを探すこととなった

 

 

 

 

 

その頃チョキチームでは

 

ジジジジジ!

 

「うわっ!」

 

「宗谷さん!」

 

と言ってセミに突撃されれ驚いた真白が尻餅をついた

 

「大丈夫?」

 

と言って黒木が手を差し伸べて起き上がると

 

「宗谷さん、今日3回も突撃されてるね」

 

「先頭を言ってくれているから犠牲になっておるぞな」

 

と言って伊良子が今日で3回目だと言うと

 

「はぁ〜、ついてない」

 

と言ってお決まりのセリフを言うと

 

「副長の不運を除けば極めて順調だけどね」

 

と言って小笠原は書き込まれた地図を見ていた

 

「優秀なのは間違いないんだけどねー、うちの副長。運はないけど・・・」

 

と言って真白は不運さえなければ真面目で完璧だと言った。すると

 

「ポイント発見しました!」

 

と言って山下がポイントを見つけた

 

「さすが航海科、よく見ているね」

 

と言って若狭が感想を言うと

 

此処まで順調に進めているのは山下さんの功績が大きいな」

 

と言って真白も山下のことを褒めた

 

「よし、ウチも何個か見つけるぞな!」

 

と言って勝田もやる気満々で探し始めた

 

「もしこのポイントが救助者のいるポイントだど仮定していたとしたら・・・よし、これからはポイント探しを重視、広範囲を捜索しつつゴールを目指す!それと時間には遅れないように気をつけるぞ!」

 

「「了解!」」

 

 

と言って早速チョキチームは時間を気にしながらポイントを探し始めた

 

 

 

 

 

 

その頃、ゴール地点で各チームの到着を待っていた古庄達は

 

「まだどのチームもゴールに辿り着いていませんね」

 

と言って平賀が声をかけると

 

「この時間だと真っ先にゴールを目指したチームはゼロですか・・・?」

 

「そうね、最低限のポイントでゴールを目指すなら最速を目指さなければ・・・目標を達成できない。でもそれは数ある内の一つの想定よ。この実習の内容をどう受け止めるかはあの子達次第・・・もうそろそろ来るはずなんだけど」

 

と言って古庄は持っていた時計を見た

 

「さっき言っていた残り2人の助手ですか?」

 

「ええ、そうよ」

 

「それで、誰が来るんですか?私たちも聞かされていないんですよ」

 

と言って福内が聞くと

 

「あら、聞いていなかたの。それはね・・・」

 

と言おうとした時平賀達の後ろから声がした

 

「それは、私たちだよ」

 

と言って2人は後ろを向くとそこには静とみかがいた

 

「「大石中将!」」

 

と言って平賀達は驚いた

 

「よ、これからお邪魔するで」

 

と言うと平賀達は咄嗟に敬礼をした

 

「ああ、良いよ。そう言うのは、今回は私も君たちと同じ何だから」

 

と言って辞めさせると

 

「驚きました、まさか中将が来られるとは」

 

「いやー此処最近書類ばっかでねー。たまには外に出たいと思ったんだよねー」

 

と言って古庄に近づくと

 

「それじゃあこれからよろしく、古庄教官」

 

と言うと

 

「ええ、よろしく」

 

と言うと早速古庄は

 

「しかしよく此処まで生徒に気づかれずに来れたわね」

 

と言うと

 

「そんなの簡単さ、生徒達の気配を察知して木の上を飛んできたのさ」

 

と言って静は此処まで来るのは簡単だったと言うと

 

「・・・はぁ、校長から聞いた通りだったわね」

 

と言って古庄は少し呆れた表情で言った

 

「なに、そんな驚くことでもないでしょ」

 

と言うと古庄は内心

 

『それが出来たら苦労はしないわよ』

 

と言って気配を察知するなんて言う所業の難しさを言った

 

「さて、今日は2人にも用があるんだ」

 

と言って平賀達に言うと

 

「君たち、明後日って予定はあるかい?」

 

と聞くと

 

「え、ええ。明後日は休暇日ですが・・・」

 

と言うと

 

「あ、そうか!そうだった、じゃあ他の人にするか・・・」

 

と言うと平賀達は何の事かを聞くと

 

「ああ。明後日、君達ブルーマーメイドには建設中の空港の視察に連れて行こうと思ってたんでな。海洋学校からはそこにいる古庄教官が来るんだが、どうしようかな・・・」

 

と言うと平賀達は

 

「「え!空港にですか!?」」

 

と言って驚いていたそして

 

「「是非行かせてください!」」

 

と言って行きたいと言った

 

「え?でも君たちは休暇なんじゃ・・・」

 

と言うが

 

「いえ、私たちも行きたいと思います。建設中の空港なんかそうそうお目にかかれませんし」

 

と言うと静は

 

「そうか・・・わかった。じゃあ明後日の朝9時に軍令部に来てくれ。そこから空港に向かうから」

 

と言って電話をしてブルーマーメイドの2人は明後日に空港に向かうことになった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

オリエンテーション4

静が平賀達と明後日に空港に行くことを伝えるとは古庄は静にあることを聞いた

 

「そい言えばどうやって此処まで来たの?」

 

と聞くと

 

「ああ、ここの近海までは飛んで来たんだけど着陸してなるべく大きな音が聴こえないように注意して、島の側でカモフラージュして隠してあるよ」

 

と言うと近くの茂みからゴソゴソと音がすると

 

「いっちばーーーん!」

 

と言って茂から西崎達フレミングチームが最初に場所に到着した。すると西崎は

 

「え!?みかおばさん!それに・・・静さんもいる・・・ドウイウコト?」

 

と言って不思議に思っていると宇田が

 

「あ!もしかして古庄教官の言っていた二人の手伝いって・・・」

 

「ああ、うちらの事よ」

 

と静が言うと西崎がみかに飛びついていた

 

「みかおばさん!久しぶり!」

 

「ばか、まだ別れてから数ヶ月しか経ってないぞ」

 

「だってみかおばさんと話をするの楽しいもん!」

 

と言って子供のように甘えていたすると別のところから話し声が聞こえそこから納沙達パーチームが出てきた

 

「あら二着でしたか・・・それに静さん!」

 

と言うと後ろについてきた面々も驚いた

 

「え!?何でここにいるの!?」

 

「そりゃ今日は私も手伝うために来たのさ」

 

と言って事情を説明すると今度は明野達グーチームが到着した

 

「あ!ゴールだ!・・・え!?何で静さんがここに!?」

 

と言って驚いていたので先程と同じ説明をして真白のチョキチームが時間ギリギリで到着をした

 

「すまない・・・時間を管理していた私の時計が不具合を・・・」

 

と言って真白は持ち前の不幸のせいで迷惑をかけたことに謝罪していたが黒木達が宥めていた

 

 

 

 

 

全員集まったと言うことで一度晴風クラスは集合をかけられ、古庄が静達を紹介し終わり西崎が古庄に一位になった褒美はあるのかと聞くと無いと言われがっくりしている所にさらに追い討ちのように

 

「それに、実習はこれで終わりじゃ無いわよ」

 

「「え!?」」

 

と言って固まる一同

 

「これから記入した地図を回収し、レポートを提出してもらいそこから採点させてもらいます」

 

「うへぇ〜、まだレポートもあるのかぁ〜」

 

と言って西崎ががっくりしていると平賀が

 

「でも、もう終わったも当然よ!レポートを乗り切ったら明日は自由時間!さあもう一息だ、頑張れ若者よ!」

 

と言って激励をすると

 

「「おおー!」」

 

と言って早速生徒達はレポート作成をしている中、静達は

 

「うへぇ〜、全く。システムの更新だなんて・・面倒なものを押し付けられたわね」

 

と言って晴風の対空電探のシステム調整を行なっていたするとマストから

 

「仕方ないんじゃ無いですか?司令官。艦隊の中で葵以上に電算機に強い人なんてあなたくらいでしょうし・・」

 

「まあ、そりゃそうなんだけどさ・・・」

 

と言ってタブレットを見るとデータの転送が終わった事を告げた

 

「お!こっちは終わったよ〜!」

 

と言うとみかが降りてきた

 

「さてと・・・また新しいマニュアルを置いとくか・・・」

 

と言って電測室に新しい機能の入った電探の使い方が書かれたマニュアルをおいていった。ちなみにこのあと宇田が戻ってきた時に宇田が発狂した・・・らしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、静とみかは島のある所にある人物を呼んでいた

 

ガサガサ

 

「お、来たか」

 

と言って茂みから出てきたのは柔道着に着替えた真白であった

 

「じゃあ早速、練習をしますか」

 

と言って静とみかで真白の格闘技をみた

 

 

 

 

 

静達が格闘技を教えてすこし経った頃みかが

 

「あ、そう言えばどうなの?」

 

「何がですか?」

 

「芽衣の様子」

 

と言ってみかは普段の西崎はどうなのかを聞かれたので真白はいつもは魚雷が打てないと嘆いている、と言うとみかがすこし笑いながら

 

「ふふ、そうか・・・魚雷ねぇ〜」

 

と言ってみかはしんみりするような顔で

 

「よかった、いい学校生活を送れてるんだね」

 

と言うと嬉しそうな顔で格闘技を教えていた

 

 

 

 

 

少しして静達は真白の格闘技を終え、そのまま二人は航空機の隠してある場所へと向かった

 

「さてと、明日は少し背伸びができるよ」

 

と言うとそのまま航空機から寝袋を出してそのまま睡眠に着いた

 

 

 

 

 

 

 

翌日、晴風クラスは島の川で水遊びをした

 

「海・・・じゃなくて川だー!」

 

と言って晴風クラス+大谷、加藤を加えたメンバーは各々川で水遊びを始めた。そんな様子を見て

 

「元気があっていいわねー」

 

と言って静は設置された机の上で作業をしていた

 

「指令も昔はあんな感じだったんですか?」

 

と言って隣にいたみかが聞くと

 

「さぁ、如何だろうね。少なくとも今よりは元気あったわね」

 

と言っていると平賀達が水着に着替えて平賀に関してはビーチボールまで持ってきていた

 

「賑やかねー」

 

「二人まで完全にお遊びモード・・・」

 

と言って真白はジト目を向けるが

 

「ふふっ!実は私たちも半分夏休みで来ていたのよ。まぁ、明日。予定が入っちゃったけど」

 

「ビーチバレーでもする?ビーチじゃないけど」

 

と言ってウキウキした様子で平賀が言うと早速ビーチバレーを楽しむこととなった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空港視察1

平賀達と生徒間でビーチバレーで楽しんでいる頃、明乃はパラソルの下で地図の採点をしている古庄に話しかけた

 

「古庄教官!」

 

「ん?」

 

「古庄教官も水着なんですね」

 

「ああ、あの子達が持ってきたのよ。まあ、どんな格好でも採点できるから仕方なくね」

 

と言ってブランケットを羽織ると明乃が心配そうな顔で

 

「あの、この実習の結果次第でさらに実習なんて可能性も?」

 

と聞くが古庄は

 

「それはないわ、元々この実習自体補修みたいなものだし。点数をつけると言っても、判断能力や適性を見るのが目的だから」

 

と言って古庄はこれ以上の実習がないことを伝えるとホッとした顔をした

 

「チーム分けの方法も採点基準よ」

 

「え!?それって、もしかしてマイナスなんじゃ・・・」

 

「ふふっ、そうかしら?」

 

と言って古庄は笑みを浮かべて誤魔化すと

 

「岬さーん!」

 

「艦長も一緒にやろう!」

 

と言って鈴と若狭が呼ぶと明乃は古庄も一緒に遊ぼうと誘った後にビーチバレーに参加した

 

「ふう、まずは採点ね」

 

と言って地図を開くと其処にはフレミングチームの書いてある地図で『まいぞー金』『温泉足湯サイズ』と書かれており古庄は思わず首を傾げた

 

 

 

 

 

そして実習も終わり、それぞれ解散しようとした時。静が平賀達と古庄にカードを渡していた

 

「ああ、そうだ。はいこれ」

 

「なんですか?これ?」

 

「明日空港に入る時に必要になるから無くさないでね」

 

「分かりました」

 

と言って受け取ると空港という単語に明乃達晴風クラスは驚いた

 

「「ええー!古庄教官空港に行くの!」」

 

「ええ、そうよ。明日、建設中の東京海上空港に視察に行くのよ」

 

と言うと明乃達は羨ましそうな目でカードを見ていた

 

「いいなあー、空港かー」

 

「行ってみたいよねー」

 

と言って各々空港の話をしていると静が

 

「あ!そう言えば空港の完成した時に抽選で空港の内覧会があるからその時に応募すればいいよ」

 

と言って近くにあったカモフラージュした航空機のカモフラージュを取ると明乃達は物珍しそうに見ていた

 

「もしかして昨日これで来たんですか?」

 

と明乃が聞くと

 

「ええ、だから今日は特別に航空機の飛んでいるところが見られるわよ」

 

と言うと明乃達は急いでカメラを取りに行った。そんな様子を見て静達は笑っていた

 

「あはははは!みんな同じこと考えていたんだね。あははははは!」

 

「そうですね・・・私も航空機が飛んでいるのは気になりますし・・・」

 

と言っているとカメラを持ってきた明乃達はウキウキした様子で見ていた

 

「じゃあ少し離れててね、あと風で物とかが吹っ飛ばない様に気をつけて」

 

と言ってエンジンを起動すると途端の強い風が吹いた

 

「うお!これは凄い風っす!」

 

「飛んで行っちゃいそうだよー」

 

と言っていると航空機が徐々に前に出ていき少し沖まで行くと途端に物凄い勢いで水飛沫を立てながら飛んで行った

 

「「おおー!」」

 

そんな様子を明乃達はただただ驚いた様子でカメラに収めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、軍令部の前では3人の女性が集まっていた

 

「もうすぐですね」

 

と言って古庄が時計を見ながら言うと軍令部の前に車が止まった。そしてその車から静と輝が出てくると

 

「皆さん集まっていますね。それじゃあ早速参りましょうか」

 

と言うと古庄、平賀、福内の3人を車に乗せるとそのまま車は発進し高速道路に乗った

 

 

 

 

 

高速道路に乗っている間、静は今回の視察の資料を平賀達に渡し今回巡る場所を教えた

 

「今回あなた達には空港の保安検査場と空港内の建物などを見てもらいます」

 

「分かりました、では今日へよろしくお願いします」

 

と言っていると車は空港へつながる道へと入って行った

 

「しかし随分と厳重な警備ですね」

 

と言って平賀は空港につながる高速道路に止まっている軍用車の数を見てそう言った

 

「そりゃ国家事業ですし、それに今までに何人かの工作員の拘束もありました。これくらいの警備じゃないと情報が盗まれてしまうんですよ」

 

と言って厳重な理由を言うと平賀達は料金所へと到着した

 

「・・・では入場許可証を提示してください」

 

と言って昨日渡されたカードを見せるとそのまま空港内へと車は入って行った

 

 

 

 

「おお、これは凄いですね!」

 

「なかなか広いわね」

 

「あ!此処売店とかもありますよ!」

 

と言って少し興奮気味の平賀を福内が抑え、古庄は空港の大きさに驚いていた

 

「それじゃあ、早速保安検査場に行きましょう」

 

と言って保安検査場と書かれている場所へと向かうと其処には金属探知機にX線検査機の置かれた大きな部屋があった

 

「おお、此処が保安検査場ですか・・・」

 

と言って感心をしていると

 

「此処で全員の荷物検査を行い、さらに体内に金属などを持っていないかなどの検査を行います」

 

と言って解説をした

 

「成程・・・これだと危険物を中に持ち込む事はなさそうね」

 

と言って古庄達は保安検査場から出てそのまま屋上へと向かった

 

 

「おお、眺めがいいですね」

 

と言って屋上に出ると福内は滑走路の長さに驚いた

 

「随分と大きな道路ですね・・・」

 

「それは滑走路と言って其処から航空機が飛んでいくんですよ」

 

「「ヘェ〜」」

 

と言っていると滑走路にいたクレーンから何かが運ばれているのが見えた

 

「あれは何を運んでいるんですか?」

 

「ああ、あれは航空兵学校に使う訓練機ですよ」

 

と言って貨物船から徐々に荷下ろしされている航空機を見てそう言った

 

「元々は私たちの艦隊で使っていた電征と呼ばれるプロペラ機をそのまま学校に使うんです」

 

「そのプロペラ機ってなんですか?」

 

と言って古庄がプロペラ機とは何かを聞くと

 

「ああ、そうでしたね。プロペラ機って言うのはあんな風に航空機の前についている棒みたいなのを回転させて飛んでいくものでプロペラ機の他に昨日私たちが乗ってきたジェット機と呼ばれるものがあります」

 

「そうなんですね」

 

と言っていると一行は視察を続けた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空港視察2

屋上に上がった一行は静から航空機の違いを知るとそのまま航空機の格納庫まで移動した

 

 

 

 

「しかし格納庫まで行くのに中で車を使うなんてね。とても広いわね・・・」

 

と言って此処までくるのに移動手段として車を使った事に驚いた

 

「そrや大きさは1152ヘクタールも有りますからねそれにまだこの空港は拡張工事計画まであるのでまた更に大きくなるのでターミナル間をモノレールを走らせるとかになりますね」

 

と言うと平賀達は驚いた様子で

 

「「1152ヘクタール!!」」

 

と言ってその大きさに驚いていた

 

「1152ヘクタールってどのくらいの大きさ?」

 

「えっと1152ヘクタールを東京ドームの大きさで割ると・・・」

 

「大体200個くらいですね」

 

と言って静は大きさを言うとされに驚いた表情で

 

「「200!!」」

 

とその大きさに驚いていた

 

「それって今地球上にあるどんな民間施設よりも大きいですよね」

 

「ええ、今あり民間施設の中では一番大きくなりますね、ただ此処は航空兵学校も併設されます。なので其処で使う航空便も初めは少ないと思うのでほとんど訓練兵の訓練飛行だと思いますよ」

 

と言うと平賀達は納得した表情で

 

「やっぱり初めてのことはみんな恐いんですね・・・」

 

「私もやっぱり初めは大丈夫なのかと思っちゃいますね」

 

と言っていると静が

 

「まあ此処は主に旅客で賄う予定ですが”貨物”に関してはまた別のところで扱うんですよ」

 

と言って貨物という言葉に反応した一同は

 

「え!?貨物よう空港もあるんですか?」

 

「ええ・・まあ元々は菊花師団用の航空基地に指定した貨物がやってくるって言う方法なんだけどね」

 

と言いて詳しい説明をすると納得した表情で軽く頷くと静が

 

「それじゃあ、此処にも航空機が間も無くきますのですこし待ってて下さい」

 

と言って双眼鏡を貸し出すと一行は静の向いた方へと双眼鏡を向けると其処に一つの影が見えた

 

「あれは?」

 

と言って福内が聞くと

 

「今日、試験的に福岡から飛んで来た旅客機です。良かったら見ていって下さい」

 

と言っていると旅客機は空港の近付くと機体の下からタイヤを出し滑走路に着陸した

 

「おお、着陸するのは初めてみました!」

 

「なかなかにすごかったわね・・」

 

「これはお宝物ですよ!」

 

と言ってはしゃいで様子を見ていた静は

 

「・・・よし、じゃああれに乗りますか」

 

「「へ?」」

 

と言って静の発言に一行は驚いた

 

「え?乗るってあれにですか?」

 

「うん、そう。あれよ」

 

と言ってこれから着陸した航空機に乗る事を伝えると平賀達は

 

「「え・・・えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

と言って格納庫に響くくらい驚いていた

 

「い・・・今から乗るんですか・・・あの旅客機に・・・」

 

「は・・・初めての・・・人・・・・」

 

流石に驚いたのか古庄も言葉が出ていなかった

 

「だってほら、最後のところに書いてあるでしょ?」

 

と言って渡された資料の最後のページに『今回の最終予定 試験飛行中の旅客機に同乗し、千歳まで同行した後。もう一度航空機に乗り、もう一度東京海上空港に戻る』と書かれていた

 

「ほ、本当だ・・・」

 

と言って平賀達はすこし緊張した様子で滑走路に着陸してきた機体に近づいてつけられていたタラップを登り機内に入った

 

 

 

 

 

「わあ、結構広いんですね」

 

「なんか想像と違って驚いたわ・・・」

 

「へぇ〜内装もお洒落ですね」

 

と言って機内の感想を述べていると静が

 

「さあ、もうすぐ離陸するので座ってもらってもいいですか?後、携帯の電源は切って下さい」

 

と言って静が平賀達を席に座らせ、席にあったシートベルトを閉めさせて携帯の電源を切った事を確認をすると操縦席に行き安全が取れたと言うと静も席に座り、頭上のランプがシートベルト着用ランプが着くと航空機のエンジンが起動してプロペラの回転する音がするとゆっくりと動き出し滑走路へと向かった

 

「おお、凄いですね・・・」

 

「感動です・・まさか人生のうちで空を飛べるなんて・・・」

 

と言って航空機の動いている様子を見て感動している一行に静はすこし苦笑をしていると航空機は加速を始め離陸を開始した

 

「うお!結構圧がかかるんですね」

 

「でもこれくらいだったら全然平気ですね」

 

と言っているとふと振動が消えたと思い窓を見ると本来ありえない高さに座っているのが確認できた

 

「おお!本当にすごい!」

 

「飛んでる!飛んでるよ!のりりん!」

 

「本当に空を飛んでいるのね・・・」

 

と言ってすこし興奮気味で窓の外を見ていると静が

 

「まあ、初めはみんな興奮するか・・・」

 

と言って様子を見届けていると上についていたランプが消え、静がシートベルトを外すと

 

「え!シートベルト外していいんですか!?」

 

「ええ、大丈夫よ。ほら、此処のランプがついていないときは外しても大丈夫なのよ」

 

と言って上についていたシートベルト着用ランプのところを指差すと納得した表情で平賀達は理解した様子でシートベルトを外すと離陸の時の感想を言っていた

 

「凄かったですね、本当に飛んでいるなんて。しかも今は雲の上を飛んでいますよ!」

 

と言って窓を指差すと其処には普段浮かんでいるはずの雲が下に見えていた

 

「すごいわね、私もこんな経験初めてだわ」

 

と言っていると突如

 

ぐうぅぅーー!

 

と言う音が聞こえ、音の下ほうを向くと其処には顔を赤くしてお腹のところに手を押さえていた平賀がいた

 

「す、すみません・・・すこしお腹がへちゃったみたいで・・・」

 

と言って恥ずかしそうに言うと福内が呆れたように

 

「全く・・・どうしてこんな時に腹の虫が鳴るんですか!全く・・・」

 

と言っていると静が奥に入って何かを運んできた

 

「良かった、ちょうど此処で食事を取ろうと思っていたから。ちょうど良かったわ」

 

と言ってトレーを前に置くと平賀達はこれは何かと聞くと

 

「ああ、それは機内食ですよ」

 

と言って平賀達に明けさせると其処には美味しそうな肉や魚を使った料理がホカホカの状態で出てきた

 

「「わあ、美味しそう」」

 

と言って平賀達は見た目の感想を言うと早速用意してあった箸やフォークなどで食事を摂り始めた




ちなみに今回出てきた飛行機のイメージはYS-11のイメージです


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

空港視察3

東京の空港から予定の中に組み込まれていた旅客機の試験飛行に搭乗した平賀達はそのまま機内で機内食を食べていた

 

「んんー!これ美味しい、本当に厨房で作られたような味ね」

 

「この魚も美味しいわ、身も柔らかくて・・」

 

「良かった、『美味しい』って言ってもらえて」

 

と言って各々料理の感想を言って食事がすみ、そのまま静の解説を受けていると機内に放送があった

 

『間も無く当機は千歳空港に着陸致します、乗客の皆様はシートベルトをお閉め下さい』

 

と言ってランプがつくと静達は席につきシートベルトを締め窓から様子を見ていた

 

「しかし凄かったな〜!」

 

「ええ、まさか雲の上を飛ぶなんて」

 

「ええ、そうだったわね」

 

と言っていると旅客機は着陸準備へと入りそのまま千歳空港へ着陸をした

 

 

 

 

「すごい・・本当に北海道まで三時間でついちゃった・・・」

 

「これだけ早いとは驚きですね」

 

と言っていると先ほどの東京とは違った形をした空港があった

 

「さっきとは全然違った形をしていますね」

 

「そりゃここは土地がありますからね、それにここは鉄道もつながっています。だから広い空港が出来上がるんですよ」

 

「「へぇ〜」」

 

と言っていると福内があることに気づいた

 

「あれ?じゃあ東京の方に鉄道は作らないんですか?」

 

と聞くと静はなかなか鉄道が作れない理由を話した

 

「それがね・・・鉄道を敷くためには土地がいるんだけど・・・なかなか土地の買収が進まなくてね・・・それで鉄道だけは建設が一年遅れることになったのよ・・・」

 

と言うと納得した表情で

 

「なるほど・・・そんな裏事情が・・・」

 

と言っていると滑走路に1機のジェット機が着陸してきた

 

「あれはなんですか?」

 

と言ってジェット機の名前を聞いた平賀に静は

 

「ああ、あれは丁度付近の警戒任務を終え後退して帰還してきた航空機ですね」

 

と言ってさらにあの機種の詳しい話をした

 

「あれは青嵐という墳式機で主な用途は対艦対潜攻撃用の沿岸哨戒機です」

 

と言うと興味津々で見ていた平賀達を早速、開港前の空港の中に入れ視察を行った

 

「うわあ。さっきよりも大きいですね」

 

「凄い大きいからまるでショッピングモールね」

 

「飲食店も結構あるのね」

 

「ええ、ここは他に何も無いですので近くの住民にはここをショッピングモールとして使ってもらおうと言うことでかなりの飲食店が参入しました」

 

「へえ〜、あ!ここ、この前テレビでやっていたお店だ!」

 

と言って平賀が見ていると福内が呆れたように平賀の襟を引っ張って静香の元まで引っ張っていった

 

「いい歳のあんたが何しているんですか!」

 

「そんなあ〜!」

 

そんな様子を見て静と古庄は笑っていた

 

 

 

 

 

 

そして千歳空港の視察が終わると一行は整備の終わり、いつでも飛び立てる状態の旅客機に乗り込み、また東京海上空港へと戻って行った

 

 

 

 

 

「それじゃあ今日の視察はこれで終了となります。今日は有難うございました」

 

「いえいえ、こちらこそ今日は有難うございました」

 

と言って空港から最初の集合場所である軍令部前まで着くと其処で平賀達とは解散した

 

 

 

 

 

そして各々今日あったことの報告書をまとめるために平賀と福内はブルーマーメイド支部へ、古庄は横須賀女子海洋学校まで戻って行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

思い出1

空港視察を終え、ブルーマーメイド支部に戻った平賀達は自分達の上司である宗谷真霜のオフィスに戻った

 

「「平賀・福内監察官ただいま戻りました!」」

 

「あら、お帰りなさい。どうだった、空の旅は?」

 

と言って今日の感想を聞くと

 

「はい!とても不思議な感覚でした!」

 

「自分達が鳥みたいになった気分で、雲の上を飛んでいたみたいでした!」

 

と少し興奮した様子で言うと真霜は少し笑いながら

 

「ふふっ!それは良かったわね。"静姐さん"も喜んでいると思うわ」

 

と言って二人に今回の報告書はもう遅いので明日でいいと言うとそのままデスクに座り、仕事を再開した。すると平賀が

 

「あ1そう言えば宗谷一等監察官。どうして雷樹静中将のことを”姐さん”って言うんですか?」

 

と言って今まで言っていた言い方に質問をすると真霜は

 

「ああ、そういえば言ってなかったわね・・・ちょっと別の場所に行きましょう」

 

と言うと真霜は二人を休憩室まで連れて行った

 

 

 

 

 

 

 

休憩室に着いた三人は真霜の奢りで飲み物を買い、席に座ると真霜が話し始めた

 

「そうね・・・まず静さんと初めて会ったのが私が6歳の頃って言ったかしら?」

 

「はい、確か雷樹茂軍令部総長と宗谷真雪校長が仲良しでその時に会ったと・・・」

 

「ええ、そうよ。静とは私が6歳の時にお母さんが茂さんに呼ばれて静さんの実家に遊びに行った時なのよ」

 

と言って真霜は思い出を語り始めた

 

 

 

 

 

〜十数年前〜

 

「真霜、着いたわよ」

 

その時私はお母さんに起こされ、車を降りると其処には大きな庭を持ちさらに絵本に出てきそうな見た目の家があった

 

「・・・お母さん、ここ何処?」

 

と言って真冬に聞くと

 

「あ、そういえば真霜は初めてだったわね。此処は私のお友達の家よ」

 

「お友達・・・?」

 

と言っていると大きな家から一人の優しそうな男の人が出てくると

 

「お!真雪くん、来たのかい」

 

「ええ、今丁度着いたところなんです」

 

「そうかいそうかい・・・ん?そちらのお嬢さんが真霜ちゃんかい?」

 

「ええ、長女の真霜です。ほら、この人がこの前話していた茂さんよ」

 

と言ってこの人が前に言っていた茂さんと言うことを思い出して女子紹介をした

 

「は、初めまして!む、宗谷真霜と言います!よろしくお願いします!」

 

と言ってすこし緊張してしまったが茂さんはすこし笑みを浮かべて

 

「おお、初々しくてかわいいねえ。さあ、上がりなさいな私の娘にも合わせてあげないとな」

 

「ええ、私も久々に静さんに会いたいわ」

 

と言って家に上がると廊下にいろいろなものが置かれていて私はジョロジロ見てしまった

 

「・・・んええ、お母さん。あれ何?」

 

と言って指さした先にはいろんなメダルがあった

 

「ああ、これかい?これはね、娘の静が剣道の大会で勝った時の物だよ」

 

「へぇ〜」

 

その時私は剣道というものがわからなかったがなんか凄いという事だけわわかったので、静さんが言ったどんな人なのかが凄い気になっていた

 

「さて、静は今、自室にるはずだ。呼んでくるよ」

 

と言って客間についた私は母と一緒に座って待っていると隣の部屋の襖が開き其処から茂さんともう一人、私よりも大きくて黄色の目に茂さんに似て少し紺色と黒の混ざったような髪色をした綺麗な女の人が入ってきた。その女の人は私たちの座っていた反対側に座った

 

「あら、静さん。久しぶりね」

 

「ええ、お久しぶりです。真雪さん3年ぶりくらいでしょうか?」

 

「ええ、そのくらいかしらねあの時はまだ小学生だったわよね。今いくつ?」

 

「この前。13になりました」

 

「あら、じゃあ来年は中学生?大きくなったわね」

 

「はい、おかげさまで」

 

と言って少し話をすると茂さんが

 

「あ、そうだ。少し私と真冬さんだけで話があるんだ、静達は何処かで遊んできなさい」

 

「分かりました」

 

「え!?」

 

ほとんど母のそばからあまり離れたことのなかった私は初めて会った静さんに少し緊張していました。すると静さんは私の手を繋いで

 

「それじゃあ、私の部屋に行こうか」

 

と言って私はそのまま静さんの部屋に着いていくことになりました

 

 

 

 

 

静さんの部屋に着くと私は思わず驚いてしまいました

 

「わぁ〜凄いお人形さんの数!」

 

と言って部屋中にあったいろんな動物のぬいぐるみを見て私は静さんの部屋のぬいぐるみをジロジロ見ていた

 

「静さん、これ全部買ったの?」

 

「静でいいよ。ううん、これは私が作ったの」

 

「え!?そうなの!すご〜い!」

 

と言っていると近くにあったイルカのぬいぐるみを取って

 

「よかったらこれで遊ぶ?」

 

と言ってそのまま私はそのイルカのぬいぐるみで遊ぶことになった

 

 

 

 

 

「あはははは!楽しいね静!」

 

「ええ、そうね。楽しいね真霜」

 

と言って楽しんでいると部屋のドアがノックされると奥から母と茂さんの声がして帰る時間となってしまい私が少し寂しそうにしていると

 

「じゃあ、これあげるよ」

 

と言って遊びに使っていたイルカの人形を渡してくれた

 

「え、いいの?」

 

「ええ、いいわよ。他にもまだいっぱいあるし」

 

「・・・じゃあありがとう!静!じゃあね!バイバイ!」

 

「ええ、また会おうね!」

 

「うん!」

 

と言ってその日は別れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・っていうのが初めてあった時の思い出ね」

 

「へえ〜、そうだったんですか」

 

「詳しいことは初めて聞きました」

 

と言って休憩室で話を聞いていた二人は驚いていた

 

「じゃあその時にもらった人形ってあるんですか?」

 

「ええ、今もうちに置いてあるわ」

 

と言ってさらに真霜は思い出を語り始めた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

思い出2

空港視察を終えた平賀達は真霜に静との思い出を聞くといろいろな思い出を語り始めた

 

「でもいろんな思い出があるけど、一番忘れられないのが動物園の時かしら」

 

「「動物園?」」

 

「ええ、あの時の記憶は忘れられないわね」

 

と言うと真霜はその時の記憶を話し始めた

 

 

 

 

 

 

〜真霜が小学3年生の頃〜

 

初めて会った日から何度か遊びに行った時、私が母に

 

「ねえ、今度静お姉ちゃんとどっか遊びに行けないかな?」

 

「え?静さんと?」

 

と言って母は少し心配しましたが静さんなら大丈夫だと思い茂さんに連絡を取ると、OKという返事があったので

早速何処か空いているところが無いか調べると

 

「あ、此処がいい!」

 

「え?此処でいいの?」

 

「うん、此処に行きたい!」

 

「・・・わかったわ、じゃあそのように伝えておくから」

 

「わーい、やったー!」

 

と言って母の開いていたパソコンには『新上野海上動物園』と書かれていた

 

 

 

 

 

 

 

 

そして少し日が経ち、いよいよ動物園で静と一緒に遊ぶ日がやってきて私はウキウキした気分で待ち合わせ場所に向かった

 

「あ!静お姉ちゃん!」

 

「お!真霜、元気してたか?」

 

「うん!元気してた、お姉ちゃんは?」

 

「ええ、私も元気よ」

 

「じゃあ今日はその子のことお願いね。今日は手の離せない仕事があって・・・」

 

「大丈夫ですよ真雪さん、仕事頑張ってください」

 

と言って静は真霜と一緒に動物園へと入っていった。まさか今日、あんなことがあるとも知らずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

動物園に入った静と真霜はいろいろな動物を写真を撮ったり見たりして楽しんでいた

 

「あ!お姉ちゃん、しろくまだよ!しろくま!」

 

「ええ、そうね」

 

「なんかかっこいいね」

 

「確かに、なんかかっこいい気もするわね」

 

と言っていろいろな動物を見ている時だった。突如真霜が

 

「お、お姉ちゃん」

 

「ん?どうしたの?」

 

「と、トイレ行きたい・・・」

 

「え!?」

 

と真霜が言うと慌てて近くのトイレに駆け込み用を足している時だった。

 

 

パンっ!パンっ!

 

 

と言う乾いた音がしたと思うと、一斉に動物園に来ていた人たちが一斉に入口の方へ逃げ出していた

 

「っ!何?」

 

「これは・・・ちょっと待っててね」

 

と言ってそっと静が外を見ると

 

「あれは銃声だった・・・まさか!」

 

と言っていると真霜が

 

「どうしたのお姉ちゃん?」

 

と言って近づこうとしたが

 

「危ないから近づかないで!」

 

と小さな声で言うと私をそのままトイレの奥の道具入れのところに隠れた

 

「ど、どうしたの!?お姉ちゃん!?」

 

「シーっ!」

 

と言って静が静かにするように言うと小さな声で

 

「今此処は・・・海賊がいる・・・」

 

「え!・・・」

 

突然のことに驚いた、此処に海賊がいるとは思って見なかったのである

 

「お、お姉ちゃん・・・ど、どうしたらいの?」

 

と言って少し泣き目になりながら聞くと

 

「まずは落ち着いて深呼吸しよ」

 

「うん」

 

と言って2回ほど大きく深呼吸をすると静は

 

「いいかい?まずは此処からでちゃだめよ、私はトイレの出口から外の様子をそっと見てくる。動かないでね」

 

「うん・・分かった」

 

と言うと静はゆっくりと動き出してトイレの出入り口からゆっくりと外の様子を見るとそのまま戻ってきて

 

「やっぱり間違いない、此処は海賊が周りにいっぱいいる」

 

「そんな・・!」

 

と言っているとトイレに何かが近づいてくる気配がした

 

「まずい!」

 

「か、隠れなきゃ!」

 

と言って咄嗟に道具入れの中にあった段ボールを頭にかぶって様子を見た

 

 

カチャ・・・カチャ・・・

 

「・・・・」

 

『どうか見つかりませんように・・・』

 

と言ってそのまま通り過ぎるのを待っていると誰かの呼ぶ声がし、近づいてきたテロリストはそのままいそうでトイレを出ていった

 

「・・・言ったようね・・どう?体調は?」

 

「うん・・大丈夫、お姉ちゃん・・・」

 

と言うと静は独自に考え始めていた

 

「あれはソ連製のAK 47・・・とM1911・・・どっちも裏では何処でも買える代物・・・」

 

「ねえお姉ちゃん・・これからどうすれば良い?」

 

と聞くと静は

 

「うーん、とりあえず何か情報がないか調べてみるか・・連絡は危ないからできたらお父さんにメールを送信してみるか・・・」

 

と言って携帯を見ると其処には今の状況が記事となって載っていた

 

『動物園のレストランで立て篭もり事件発生?』

 

『立て篭っているのはこの前、摘発されたテロリストとの見解も』

 

『すでに犠牲者が多数いる可能性が』

 

などとまだ発生したばかりだったので情報が錯綜していた

 

「・・・取り敢えずまだ詳しいことはわからないか・・・取り敢えずメールで人数と配置を送っとこ」

 

と言って反対側にあった従業員用出入り口をみると真霜に

 

「ねえ。ちょっと裏を見るからダンボール被ってて」

 

「分かった!」

 

と言って私は静に渡されたダンボールを被って静の帰りを待った。

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、静と真霜が段ボールで隠れている時、真冬と茂は急遽設営された作戦本部で話し合っていた

 

「どうですか?」

 

「いや、まだわからん。なんせまだ事件が起きたばかりだからな。情報が足りん」

 

「あの子達・・大丈夫かしら・・・」

 

「何、アイツなら大丈夫さ」

 

と言っていると茂の携帯にメールが送られてきた

 

「お!無事だったか!」

 

と言いてメールを開けて真紙を読むと途端に顔が青くなった

 

「どうしましたか?中将殿(この時はまだ総長ではなかった)」

 

と言って真雪もメールを読むと其処には

 

『トイレ 避難 テロ八人 あk47、1911』

 

と書かれていた




ちなみに真霜は何回か静の家に遊びに行っているうちに、言い方がお姉ちゃん呼びするようになりました


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

思い出3

『トイレ 避難 テロ八人 あk47 1911』

 

このメールに作戦本部にいた茂と真雪は顔を青くしていた

 

「まさか、あそこに居るっているの!?」

 

「その可能性が高いな・・・しかしどうやってメールをしたんだ?」

 

と言いていると少しパニックになっている真雪が

 

「と。とにかく電話をしないと!」

 

と言って受話器を掛けようとすると茂が止めた

 

「だめだ、今彼女達は静かにしているはずだ、そんなところに電話をしたら音でバレてしまう」

 

「で、ですが・・・」

 

「だからメールでできれば連絡をしよう。あの子はきっと通知を切っているはずだから」

 

と言って茂は携帯で静にあることをメールした

 

 

 

 

 

その頃、静はトイレの反対方向の出入り口から外の様子を確認していた

 

「・・・搬入口に二人・・人質は全員レストランか・・・」

 

と言っていると胸に入っていた携帯が何か光ったと思い携帯を開くとメールが届いていた

 

『静、大丈夫か?もし大丈夫なら人質の場所と配置とかを連絡してくれ』

 

「・・・はぁ。私は死なないみたいな言い方はやめてほしいな、いくら今まで行っていたとしても失敗することなんかザラにあるんだから」

 

と言って愚痴をこぼしながらメールを書いて送った

 

 

 

 

 

 

 

「お、来たか・・・」

 

と言って作戦本部にいた面々はメールの内容に緊張した様子で見ていた

 

「裏の搬入口に二人、人質は全員レストラン区域にそれを見張っているのが3人、あとは不明・・・か」

 

「と言う事は今確認できている外の3人も含めると全員の居場所の確認ができましたね」

 

「ああ、だが人質の中にテロリストが紛れ込んでいるかもしれん。油断は禁物だ」

 

「「はい!」」

 

「じゃあ、情報があるまで一応、テロリストと連絡を取ってくれ」

 

と言って一人がレストランの電話番号を入れると一人の男が電話に出た

 

「なんだ?」

 

『君たちの要件はなんだ?』

 

「俺たちの要求は捕まった仲間の解放だ、もしこの要件が呑まないのであれば人質を全員殺す!」

 

と言って通信が切れた

 

「どうでしたか?」

 

「ああ、やっぱり立て篭もりをしているのは、この前真雪くんが捕まえた海賊の残党だ」

 

「そうでしたか・・・そう言えば真霜達は?無事なんですか?」

 

「ああ、そちらも無事を確認している」

 

と言って茂は真雪に先ほど送られてきた写真を見せると安心した

 

「よかった、無事で・・・」

 

「だがいずれにしてもあの中にいる事は変わらない。今、静に人数と配置、持っている武器の種類を確認してもらった」

 

「あとは交代の時間だな」

 

と言って作戦を考えている頃静達は・・・

 

「よし、あらかた終わり。それじゃあ真霜、どうする?」

 

「ど、どうするって言っても・・・」

 

と言ってトイレの道具入れに隠れている二人は悩んでいると静が

 

「あ!じゃあここから出て、隠れながら外に出てみようか!」

 

「え?でも周りは海賊ばっかりじゃ・・・」

 

「大丈夫、その時のために少し拝借してきたから」

 

と言って裏にあった模擬刀を取り出すと

 

「あ!そうか、お姉ちゃん剣道強いもんね!」

 

と言っていると静達は入ってきた反対側の出入り口からそっと出ると、徐々に外に向かって忍足で進んで行った

 

 

 

 

「大丈夫?お姉ちゃん・・・」

 

「・・・大丈夫、ここから外に出れると思うから・・・」

 

と言って先程見ていた時、海賊のいなかった場所に向かった、すると目の前をテロリストが通り、静達は息を潜めた

 

「おっかしいなぁ。聞こえた気がしたんだがな」

 

「おい!早くしろよ!」

 

「ああ、悪い。今行く」

 

と言って椅子に下で声を潜めていた二人はドキドキしながらテロリスト達が去って行くのを待った

 

「・・・・ふう、行ったようね」

 

「こ・・怖いよ、お姉ちゃん・・・」

 

「大丈夫よ真霜・・・お姉ちゃんがずっと近くにいるから」

 

と言いて徐々に進んでようやく人のいないダクトに近づいた時だった、突如後ろから走ってくるような音がしたのだ

 

「・・・!誰か来る!」

 

「え!?・・でもどうしよう・・お姉ちゃん・・・」

 

と言って心配すると

 

「大丈夫、ちょっと真霜は先に登ってて。ちょっと相手してくる」

 

「相手って・・まさか海賊とやるの!」

 

「大丈夫、相手は一人。そのくらいだったら大丈夫よ」

 

と言うと真霜をダクトに上げると静はそのまま足音のする方へと向かった

 

「・・・大丈夫かなお姉ちゃん・・・死んじゃったりしてないよね・・・」

 

と言って私は心配になったが、暫くすると遠くから

 

 

ウギャァァーー!バコン!バキッ!バババババババババァン!

 

 

と言った悲鳴が聞こえてそれが収まるとダクトの出入り口に血まみれの静がやってきて

 

「大丈夫、もう安心して良いよ」

 

と言って私をダクトから下ろすと其処にはボコボコになり倒れている海賊の人がいた

 

「大丈夫!お姉ちゃん!怪我とかは・・・もしかしてお姉ちゃんがやったの?」

 

「え!?あー・・・うん。ちょっとコツを使ってね・・・」

 

と言って苦笑いして海賊達の身包みを剥がして、トイレから持ってきたホースを使った縛りながら人質になったいた人達の拘束を解くと、外から一気に機動隊の人たちが入って来て、ボコボコになっていた海賊達を見て静に色々と聞きそのまま私たちは解放された

 

 

 

 

 

 

真霜ー!」

 

と言って解放された私達に真っ先に母が飛びついて喜んでいました。母を見た私はついに今までの恐怖から涙が出てしまった

 

「う・・うわぁぁぁぁ!お母さーん!うわぁぁぁぁぁ!」

 

「よかった・・・怪我とかなくて・・」

 

と言って安心していると静がやってきて

 

「真雪さん・・今日はすいませんでした・・・真霜を危険な目に合わせて・・・」

 

と申し訳なさそうに言ったが母は

 

「大丈夫、真霜のことを守ってくれてありがとう・・・静さんの方こそ怪我はない?」

 

「いえ、私は大丈夫です、ちょっと久々にヤリ会いましたが・・」

 

と言って頭をかいていると茂が静のもとにやって来て

 

「おお、やっぱり無事だったか!それに今回はご苦労だったな」

 

「お父さん!いつも私は死なないと思って!今日はお説教からですよ!まずお父さんはですね・・・」

 

と言って茂を正座させて、今日のメールのことを説教していた。そんな様子を見て母は少し笑みを浮かべていた

 

 

 

 

 

 

 

「・・・てな事があったのよ」

 

「え!?宗谷監察官って新上野動物園テロの被害者だったんですか!?」

 

「うん・・まあそんな感じ」

 

「驚きました、まさかあの時に宗谷監察官が動物園で遊んでいたなんて・・」

 

「ふふっ!そうかしら」

 

と言って少し驚いていると

 

「あ、そうそう。後から姉さんに聞いたんだけど、あの時立てこもっていた海賊。静さんの模擬刀でやられたらしいわよ」

 

「「え!?模擬刀!?」」

 

と言って静がその時にテロリスト全員を模擬刀で薙ぎ倒したと言う話だった

 

「それでその時に姉さん、やりすぎたって反省したらしいよ」

 

と言ってテロリストが全員病院で全治2ヶ月の怪我を負った話をした

 

「2、2ヶ月ですか・・・」

 

「こりゃテロリストが可哀想に思えて来ました・・・」

 

そして二人は内心で

 

『『静さんをよく怒らせている真冬さんって凄いな〜。よく生きていられますね』』

 

と言って二人はこの前、静によって船のマストに吊し上げられていた真冬を思い出していた

 

「ああ、そうだ。このことは真冬には内緒ね」

 

「それはなんででしょうか・・」

 

問い言って福内が内緒にする理由を聞くと

 

「簡単よ・・その方が真冬にとって良いと思わない?」

 

「「ああ〜」」

 

と言ってこの後は夜遅かったのでそのまま解散という流れとなった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第五章〜劇場版
演習


平賀達の空港視察が終わってから1ヶ月ほど経ったある日、静達は硫黄島要塞である話をしていた

 

「しかし、本当に驚きました。まさか招待されるなんて・・・」

 

「ああ、全くだ」

 

と言って目の前にあった紙を見た。其処にはある内容が書かれていた

 

『招待状

 

今回、菊花艦隊司令長官 雷樹静中将に今秋に開催される競闘遊戯会の来賓として招待いたします。

 

横須賀女子海洋学校校長 宗谷真雪』

 

「来賓として呼ばれているが、その日はまゆみが歓迎祭に行くんだ」

 

「じゃあ旦那さんに任せれば良いじゃないですか」

 

「まあ、そうだな。仕方ない・・・とりあえず今日はこの後訓練だったな」

 

そう言うと静は座っていた席を立ち、艦橋へと向かった

 

 

 

 

 

艦橋に上がった静は艦隊の現状を聞いた

 

「雷樹司令長官殿、ただいま艦隊は全艦乗員の乗り込み完了。出撃準備完了」

 

「了解した。よし、全艦に通達。菊花艦隊、出撃!」

 

「了解しました司令長官、これより菊花艦隊は軍事演習を行うため、予定地点まで進路を向かいます」

 

「ああ、頼んだぞ」

 

「はっ!航海参謀、進路決定せよ!」

 

そして要塞から菊花艦隊が演習のために出撃をして行った

 

 

 

 

 

硫黄島要塞を出撃してから少し経った頃、静は香織にあることを聞いた

 

「日本武尊の様子はどうだ?」

 

「はっ!通信は安定している模様です」

 

と言って香織が右斜め後ろの方を見ると其処には日本武尊がいた、ただその様子は人の気配がなかった

 

「通信誘導装置は無事、機能しているわね」

 

「はい、後は潜航実験のみです」

 

「そうか・・・」

 

と言っていると艦隊は無事予定地点につき、目標の島に向かって航空機を飛ばし始めた

 

『総飛行機発動!総飛行機発動!』

 

と言ってマストに旗が上がると艦隊旗下の航空機が全て発艦準備を始め、準備が終わると

 

『発艦はじめー!発艦はじめー!』

 

と言い艦隊の航空機が空に飛び上がり、島にある目標目掛けて模擬爆弾や機銃を撃っていた。そんな様子を艦橋上の見張り台から見ていた静は

 

「いつも思うが凄い光景だな・・・」

 

「はい、まるで映画のワンシーンのようです」

 

そんな感想を言っていると見張り台に珍しい人物が上がってきた

 

「司令、艦長」

 

「お?何で森さんがここに?」

 

「実はちょっとお話が・・・」

 

と言って二人を食堂に呼び出すと森は事情を話し始めた

 

「実は今日ここに来てもらったのは他でもありません。実は田嶋さん達から相談がありまして・・・」

 

と言って森は田嶋達給糧員が新しい料理を制作しているとのことでその試食をお願いされた

 

「ほうほう、じゃあ早速試食してみたいな」

 

「はい、分かりました。じゃあ田嶋さんお願いできますか?」

 

「分かりました」

 

と言うと田嶋は冷蔵庫から皿に乗った野菜みたいなものがケーキの形に盛り付けられている食べ物があった

 

「ケーキ?」

 

「野菜・・・」

 

それを見た二人は頭に?マークが大量に生まれたが森の説明で納得した

 

「これはサラダケーキと言って野菜をケーキに見立てて作ったんですよ」

 

「「なるほど〜!」」

 

と言って詳しい中身を話した

 

「まずこの白い部分は豆腐で作って、周りの緑色の部分はきゅうりを薄切りにして被せたもので、これはイチゴに見立てて乗せたトマト、中にはいろいろ詰めた野菜が何層にも重なっています」

 

と言ってケーキを切ると断面からカラフルな色が出てきた

 

「凄い、本当に野菜だ」

 

「ここも凄い細かいですね」

 

「さあ、どうぞ。上からドレッシングをかけて食べてみてください!」

 

と言ってフタチが一口食べると驚いた顔で二人はお互い顔を見合った

 

「「え!?なにこれ、美味しい」」

 

と言ってガツガツ食べて感想を言った

 

「どうでしたか?司令、艦長」

 

「「めっちゃ美味かった!」」

 

と言って満足だったと言うと、田嶋達は嬉しそうに

 

「じゃあこれは新しいメニューに追加できますね」

 

と言って満足そうだった

 

 

 

 

 

食堂を後にした二人は再び艦橋に上がり、状況を聞いた

 

「航空参謀、状況説明を頼む」

 

「はっ!現在演習を行った航空機の収容完了、後は基地に帰投し今度は陸上での訓練を行います」

 

「了解、それではこれより基地に帰投する。航海参謀は最短進路の決定、通信参謀は要塞へ通信」

 

「了解しました」

 

と言うとしおり達は各々部署に指示を出し、艦隊は問題なく硫黄島要塞内部ドックに到着した



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会前日

演習を行った日より2週間ほど経ったある日、静はいよいよ明日開催される競闘遊戯会に参加するため、準備を行ってきたがその前に別の仕事に追われていた

 

「全く、どうしてこんな時に北中国の情報が入ってくるのよ!!」

 

「それは、タイミングですからね・・・運が悪かったかのかと・・・」

 

「はぁ〜、取り敢えず今わかっている範囲の情報全部持ってきて!!」

 

「了解しました」

 

と言って香織が部屋を出て少し経ち香織と葵が一つづつ段ボール箱を持って入ってきた

 

「はい、司令。言われた通り全部持ってきましたよ」

 

「え!そんなに有るの!!」

 

「ええ、なんせいろんな情報が収集艦から来ますからね」

 

「ああ、そういう事か」

 

と言って納得すると静は早速、運ばれて来た段ボールの中身を読み始めた

 

 

 

 

 

 

そして渡された資料を読んでいると静があることに気づいた

 

「あれ?此処の通信で使っているFって何だろう・・・」

 

「海賊が使っている暗号でしょうか?」

 

「Fは何かの頭文字?」

 

「「うーん・・・」」

 

と言って3人は考えが詰まってしまった。すると部屋の時計が4時を示す音が鳴り静は

 

「あ、時間だ。じゃああとはお願いできる?」

 

「はい、あとはお任せ下さい。司令」

 

「ええ、頼んだわ」

 

と言うと静は部屋を出て輝と合流をするとそのまま水上機の止めてある桟橋へと向かった

 

「じゃあ今日は俺が操縦するよ」

 

「ええ、頼んだわ」

 

と言って水上機に乗り込み発動機をつけるとプロペラが動き出しそのまま空へと飛び上がって行った

 

 

 

 

そして静達の乗った水上機は途中、邪魔もなく無事に東京水上機基地へと着いた

 

「んー、着いたわね」

 

「ああ、此処まで特に邪魔もなかったしな」

 

「よし、じゃあこのまま和樹達のところに行きましょ」

 

と言うとそのまま静達は雷樹邸へと向かって行った

 

 

 

 

 

家に着くと早速和樹達が飛んできた

 

「「パパー、ママー!」」

 

「おお、和樹。ただいま」

 

「おかえり、ママ」

 

と言うと後ろから茂が出てきて

 

「おお、思ってたより早かったな。さあ輝くんも夕食の準備ができてる、みんな食堂に来てくれ」

 

「「はーい!」」

 

と言うと和樹達は走って食堂まで行って

 

「こら!家の中で走らないの!」

 

その後を静夫婦もついて行って行くと其処には茂夫婦意外にも2人の人物が来ていた

 

「あ、お義母さんお義父さん」

 

「お袋と親父。今日来ていたのかい?」

 

「ああ、久々に孫の顔も見たくなってな。さっきまで久々に遊んでいたわい」

 

「ごめんなさいね、主人が如何しても孫に会いたいって言うので・・・」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ。お義母さん、最近忙しくてなかなか行けなかったですし」

 

と言って家に輝の両親の大石亜由美と大石蔵良が来ていた

 

「しかしお袋が来ていたとは・・・」

 

「あら、私が来て何か問題でも?」

 

「いや、久々に会えて嬉しいだけだよ」

 

と言って早速8人で夕食が行われた

 

 

 

 

 

夕食が進み箸が進んでいる中、蔵良が

 

「そう言えば静くん、明日競闘遊戯会に来賓として出るんだろ?」

 

「ええ、そうですね。明日の午前中は来賓として参加しますね」

 

と言うと蔵良が

 

「そうか・・・あ、いや。なんせ今日はこの後総理から呼ばれててな。明日、札幌に帰るんだ」

 

「そうなんですか、総理に・・・」

 

と言って要件は何だろうと考えていると亜由美が

 

「ちょっと貴方、今は食事の時間です。ちゃんと夕食を楽しみましょ、折角真澄さんが作ってくれたのだから」

 

「あ、ああ。そうだな、すまないね静くん」

 

「いいえ、大丈夫ですよ」

 

「ああ、そうだ。たまにはうちの実家にも来てくれよ。まあ周りには畑しかないがな」

 

「ええ、ちょうど再来月に空港もできますし。そうなったら北海道まで4時間くらいで行けますし」

 

「おお、そうだったな・・・空港が開港したら簡単に此処まで来れるのか・・・」

 

「だからって毎日のように飛行機に乗らないでくださいね」

 

「「あはははは」」

 

と言って全員が笑い夕食を楽しんだ

 

 

 

 

 

そんな楽しい夕食が終わり、和樹達を風呂に入れている時。静は茂に呼ばれて書斎へと入っていくと、其処には蔵良をソファーに座っていた

 

「お父さん、何でしょう」

 

「ああ、まずはこれを見てくれ」

 

と言って茂は静に紙を渡し、内容を見ると同じ内容を渡された蔵良も驚いた顔で詳しい話を聞いた

 

「まずは、その紙に書かれている通り。とある海賊がフィリピン沖にある米国のモースボール状態の要塞を奪取したとの情報があった」

 

「おと・・いえ、総長殿。この情報は確かなものですか?」

 

「ああ、この情報は間違いない」

 

「しかし如何して海賊が、しかも米国の要塞を・・・」

 

「米国ではこの情報はまだ公式には公表していない」

 

「しかし海賊に如何して要塞の攻略が出来たのか・・・」

 

「それに関しては前々から資金の動きを監視してきましたが、北中国が資金援助をしていたとの疑いがありますがまだ確証には至っておりません」

 

「そうか・・・まあ取り敢えずは海賊の動きに注意が必要だ。蔵良、この後総理に会ったらこの件を伝えといてくれ」

 

「ああ、分かった。この事は総理に伝えておくが、政府は如何動くだろうな・・・」

 

「慎重に海賊の動向を伺うだろうな」

 

「そうですね、いくら大高総理がよくても周りの官僚どもが慎重になるでしょうし」

 

「全く、官僚の人間も海上安全委員会と同じではないか。自分の保身のために平気で祖国を売ろうとするのだ」

 

「ああ、下らんな」

 

「同感です」

 

と言うと茂が静に

 

「今日はもう遅い。後のことは私たちでやるから、お前はゆっくり休みなさい」

 

「分かりました、ではおやすみなさい。お父さん、お義父さん」

 

「ああ、おやすみ」

 

と言うと静は部屋から出てそのまま寝室へと向かい、眠りについた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会開催

次の日、静は来賓として参加するために大礼服に着替えて朝に雷樹邸を出て会場である猿島フロートへと向かった

 

 

 

 

 

会場に着いた静はそのまま出迎えられ、そのまま来賓用の部屋に通されて待っていた

 

「では、此処でお待ちください。時間となったらお呼びいたします」

 

「ありがとう・・・ふう、さてと報告があったから見てみますか」

 

と言うと静は携帯を開いて秘匿通信に切り替え、内容を見ると其処には

 

『司令、近々モスボールした海賊が行動を起こす模様、注意されたし』

 

「海賊が行動を起こす・・・か。全く、面倒なことをしてくれる。再来月には開港式典があると言うのに」

 

と言って静が文句を言っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り、静が雷樹邸に着いた日。太平洋上のとある場所では横須賀女子以外に所属している大和型戦艦の艦長がそれぞれ大和の甲板に集まっていた

 

「お久しぶりです、わざわざここまで足を運んでもらって」

 

と言って大和艦長の宮里十海と副長の能村進愛が出迎えると

 

「気にしなくていいって〜」

 

「大和に乗艦する貴重な機会ですしね」

 

と言っている紀伊艦長の千葉沙千帆と副長の野際啓子の2人と

 

「そ・れ・に、招くよりも招かれる方がコストが低いもの。こちらは気楽なもんよ」

 

「みんなの仕事量が増えないのは助かります」

 

と言って信濃艦長阿部亜澄と副長の河野燕の2人。合わせて6人が甲板にて顔を合わせていた

 

「それにしても相変わらず呉の制服は派手だね〜着るの大変じゃない?」

 

「あず社長、失礼ですよ」

 

と言って阿部の言葉に河野が注意を入れると宮里は

 

「ふふっ、そうでもないですよ」

 

と言ってあまり大変ではないと言った

 

「格好いいですよね、うちの千葉さんならもっと似合うかも・・・」

 

はっはっはっ!私は動きやすい方がいいなぁ」

 

と言って野際の意見に千葉が動きやすい方がいいと答えると阿部が

 

「今年ももう、競闘遊戯会の季節か〜、気がつけばあっという間ね」

 

と言って少し年寄りのような言い方をした

 

「あれか?歳をとると時が経つのが早く感じるやつか?」

 

と千葉が感想を言うと

 

「同い年でしょう?」

 

「でも、私はそんなに早くは感じないな」

 

と言って阿部が反論するが

 

「あず社長、働きすぎで老化が進んでいるんじゃありませんか?」

 

「そんなに働いてないって〜」

 

と言って河野の意見を否定すると

 

「そりゃ、私だって寝ずに働けるならいいなーって思うんだけど、遅くまで起きていると専務が寝かしに来るし・・・」

 

と言って阿部は河野の方もチラッと見ると

 

「上が休まないと、下の子も休めないですから」

 

と言うと

 

「しかし、寝る気のない奴をよく寝かしつけられるな」

 

と言って尊敬するように河野を見ると

 

「ナイスクエスチョンですよ、千葉さん。私も気になります」

 

と言って野沢が気になるような言い方で聞くと

 

「うーん・・不思議といつの間にか寝ちゃっているかな」

 

と言って河野でも不明だと言うと

 

「アレですか?こう・・・首の周りをトンっ!と」

 

と言って能村はテレビなどでよくあるイメージを言うと千葉が

 

「いや〜、アレはフィクションだろ・・・あ、でもそれ出来そうな人知っているかも」

 

「誰なんですか?」

 

と野沢が聞くと

 

「ほら、前に言ってた前田流格闘技だよ」

 

「ああ〜、アレですか。確かに艦長の興味のある格闘技ですもんね」

 

「「前田流格闘技?」」

 

と言って聞いたことない格闘技の流派にに首を傾げいると千葉が詳しい話をし始めた

 

「前田流格闘技っていうのはある格闘技の名門なんだけど、なるべく実践を意識している格闘技で、由緒ある格闘技なんだ」

 

「「ヘェ〜」」

 

「で、その中でも前田家現当主の次男の前田啓介っていう人なんだ」

 

「その前田啓介さんって今何してるの?」

 

「さあ、今は海軍に入ってるって話だけど・・」

 

などと話していると阿部が

 

「あ、そう言えば新しい武蔵の艦長も呼べば良かったね」

 

「でも、横須賀の生徒は歓迎祭の準備で忙しいでしょうし、遊戯会を終え次第、親睦を深めたいですね」

 

「今年はどんな子が艦長なんだろう」

 

と言うと河野が

 

「あ、そう言えば宗谷家の三女か入学するって聞きましたね」

 

「宗谷家・・・ブルーマーメイドの名門家だな」

 

「三女って言うと・・・」

 

「現役ブルーマーメイドの宗谷真霜さんと宗谷真冬さんの妹ね」

 

「確かに横女の校長も宗谷じゃなかったけ?」

 

「まさに絵に描いたようなエリート一族だな」

 

と言って宗谷家の感想を言うと

 

「確か真霜さんも真冬さんも横女時代はどちらも武蔵の艦長を務めていましたよね」

 

「じゃあそうなるのかな?」

 

と言っていると宮里が

 

「あ!そういえば再来月に空港か開港するんでしたね。現地では如何なっているんですか?」

 

「うーん、私はあまり詳しくは知らないんだけど。空港の周りは陸軍と海軍が護衛をしているみたいで物々しいんだってさ」

 

「そうなんですか」

 

と言ってお祭り騒ぎになっているのかと思っていたが、意外な反応に宮里達は少し驚いていた

 

「なんせ、少し前にどっかの新聞社が空港を知りたいがために勝手に中に入って捕まったらしいからね。まあ、空港って名前がついた商品は飛ぶように売れてるらしいけどね」

 

「「ヘェ〜」」

 

「ただ海の上にあるからまだいいんだけど。よく佐世保の近くでも航空機は飛んでいるんだけどね、凄いうるさいのよ」

 

「うるさい?」

 

と言って千葉の話を聞いた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会開催2

競闘遊戯会の少し前。大和に集まっていた他校の大和型の艦長たちが話している時、千葉が空港についてある話をした

 

「「うるさい?」」

 

「そう、この前航空機が上を通ったときに通り過ぎた後にすごい大きな音が鳴ったんだよ」

 

「それが航空機の音なの?」

 

「まあ、正確には航空機のエンジンの音。航空機が速いから通り過ぎた後に響くんだよね、まあみんな航空機が見れるって言ってそんなに気にしていないんだけどね」

 

「そうなんですね、意外な航空機の欠点あり。ですね」

 

「まあ、何はともあれ私としては空港の開港が待ち遠しいね」

 

「ふふっ、そうですね」

 

と言うとその後も少し会話を楽しんだ艦長達は各々自分の艦に戻り、一夜を過ごした

 

 

 

 

 

次の日、カモメが飛び合っている中、沖合には横須賀女子海洋学校に所属している学生艦の全てが停泊をしていた

 

そして呉、舞鶴、佐世保の海洋学校の学生艦全艦が停泊し、大和型からは各艦艇の艦長が内火艇を下ろしそれぞれ

 

呉代表、宮里十海と野村進愛

 

佐世保代表、千葉沙千帆と野際啓子

 

舞鶴代表、阿部亜澄と河野燕

 

の六人が内火艇に乗り込み近づいてくる、そんな様子を画面越しで見ていた真雪達教員は

 

「いよいよですね・・・」

 

と言って画面を写した先には明乃達がケーソンの前で待機をしており内火艇が近づいてくるのを待っていた。そして内火艇が近づいているのを確認すると

 

「ヨーイ・・・」

 

と言ってタイミングを見計らうかのように手を下ろすとケーソンの上に立ち、ロープを持っていた納沙や西崎達が一気に引っ張ると海中から横断幕が出てきた。其処には

 

『歓迎!呉・佐世保・舞鶴女子海洋学校の皆様 横須賀女子海洋学校一同』

 

と書かれていた

 

「「おお〜!」」

 

横断幕を見て他校の生徒達からは歓声が上がった

 

「「ようこそ、横須賀へ!」」

 

と言っていよいよ9月名物の競闘遊戯会が始まった

 

 

 

 

 

全国の海洋学校生、留学生、ブルーマーメイド隊員、一部の海軍士官の一同がオープニングセレモニーの会場の海上スタジアムに集まっていた

 

「おはようございます」

 

そんな中、校長の真雪が挨拶をした

 

「「おはようございます!」」

 

「今日は遠路はるばる集まってくれた生徒の皆さん、まずはご苦労様でした」

 

と言って真雪はここまでの苦労を労った。そんな中テントではブルーマーメイド用に用意されたテントでは真霜、真冬、平賀、福内、岸間、寒川、志度がいたが真冬は机に突っ伏しており、揺するも起きず呆れていると後ろからやってきた静の拳骨によって目を覚ましていた

 

「起きんか馬鹿者!」

 

ゴンっ!

 

「っ痛ぇ〜」

 

「すいません静さん」

 

「大丈夫、これくらいこの馬鹿者にとってはいい薬にもならんさ」

 

と言って海軍士官用に用意されたテントに戻った。その間も真雪の挨拶は続いていた

 

「みなさんは日頃、別々の学校で学んでいますが。ぜひこの機会に交流を深めてください。また明日の競闘遊戯会では、皆さんの頑張る姿を見れることを楽しみにしています。それともう一つ・・・」

 

と言うと真雪は横にある大スクリーンに目を向けるとスクリーンにある映像が映った

 

「今回海軍と共同開発し、ブルーマーメイドに新たに導入される予定の超甲巡『あずま』がドックで最終調整を行なっております。来賓の方は是非この機会にご覧ください」

 

と言ってスクリーンにあずまのプロフィールを写した。それを頭に大きなたんこぶを作った真冬が目を輝かせてみていた。あずまを見ていた静は

 

「あのあずまには対空電探がつけられていない・・・と言うことは情報漏洩を恐れて、今上天皇が売らなかったんだな」

 

と言って対空電探のない理由をおおよそ把握しそのままセレモニーは終わった

 

 

 

 

 

セレモニーの終わった生徒達は各々パンフレットに沿って街に観光に出ていった。そしてもえかも行こうとした時、後ろから

 

「その制服・・・あなたが新しい武蔵の艦長ね」

 

と言って宮里達に声をかけられた

 

「あ、ごめんなさい。私たちは大和、信濃、紀伊の艦長よ」

 

と行って自己紹介をするともえかは

 

「ようこそ、横須賀へ。先輩方からの方から有難うございます。私は・・・」

 

と言ってもえかは自己紹介をしようとした時、

 

「知名艦長!」

 

「角田さん、どうしたの?」

 

と言って角田がトラブルがあったと言ってきた。するともえかは少し申し訳なさそうな顔をしたが宮里達は

 

「言ってあげなさい。クレームはスピードが命よ!」

 

『クレーム?』

 

と言って宮里が阿部の言葉に首を傾げた

 

「こっちのことは気にするな、また後でな」

 

と言って千葉が自己紹介は後でもいいことを伝えると

 

「すみません、先輩方。また改めて伺います」

 

「ええ、楽しみにしているわ」

 

と言うともえかは早速角田について行った

 

「何か・・・ほわっとした子ね」

 

「知名と呼ばれていたな、どうやら宗谷家のものではなさそうだぞ」

 

と言って宗谷ではないことを言うと宮里が

 

「もしかして受験に失敗したんでしょうか・・・」

 

「其処まで極端ではないだろ・・・多分」

 

と言って千葉は宮里の意見を否定した




やっと劇場版のあらかたのイメージができた


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

歓迎祭

新しい武蔵艦長のもえかを見送った宮里達は移動しようとした時、後ろで何かざわついているのに気づき、後ろ向くと其処にはある人物を中心に周りを記者に囲まれている図であった

 

「あの人、確か海軍の・・・」

 

「ええ、間違い無いわね」

 

「雷樹静中将ね・・・」

 

と言って記者の言っていることを聞いてみると

 

「中将殿、空港の開港まで後2ヶ月ですが、このことにどう思いますか?」

 

「中将殿、あなたは空港の安全責任者とお聞きしました。空港の詳しい安全についてお教え願いますか?」

 

「中将殿、航空機の安全性はどうなんでしょうか?」

 

と言う記者の質問に静は鬱陶しそうな顔でキッパリと

 

「すみません、そう言うのは一切お断りさせていただきます。私はこれから用事があります、なので質問に関してはまた後ほど・・」

 

と言って去って行った。そんな様子を見て宮里達は

 

「すごいわね、あんなにも付いて来ていた記者達を一気に蹴散らすなんて・・」

 

「私たちには到底できないことね」

 

「私もあんな感じになりたいわね」

 

と言ってそれぞれ自分の副長を呼んで歓迎祭を楽しんだ

 

 

 

 

 

オープニングセレモニーが終わった後、若狭達はある噂話をしていた

 

「ちょっと小耳に挟んだんだけどさ・・・」

 

「何何?どんな話?」

 

「このよう遊戯祭に来たブルーマーメイドや海軍の人って、スカウトを兼ねてるらしいよ」

 

「え?それじゃあもしかしたら卒業したらお声が掛かるかもってこと?」

 

「ありそうな話ね」

 

と言った話に入ってきた広田がそう言うと黒木が

 

「噂話に夢中になってる場合じゃ無いよ」

 

「そうね、すぐに歓迎祭がはじまるわ」

 

「おうおう、ちゃっちゃと行くぞ!走れ走れ!」

 

と言った柳原が駿河、若狭、広田の三人を後ろから押すとそのまま自分の持ち場まで行った。そんな様子を見て真白は

 

「ハァ〜、大丈夫か?うちの出し物は・・・」

 

と言って心配したが明乃は

 

「何日も準備したし、きっと大丈夫だよ」

 

と言って大丈夫であると言うと

 

「骨が折れますが、全て視察して回らないと・・・」

 

「うん、そうだね」

 

と言って二人は出し物を視察を始めた。そんな様子を後ろから真雪と古庄と静が見ていた

 

「例の件は私から話す事でよろしいでしょうか。校長」

 

「ええ、よろしく頼んだわ」

 

「私のもお願いしとくよ。私はこれから子供達の世話をしないと」

 

と言って静は私服に着替えるために去って行った

 

 

 

 

 

横須賀の町はお祭りムードとなっており、道の脇には沢山の屋台が並んでいた。そんな中明乃と真白は

 

「武蔵クラスは有意義な展示だな・・・」

 

と言って展示してあった武蔵の砲身を見てそう言うと声をかけられた

 

「ねえねえ、お姉さん達って海洋学校の人?」

 

「うん、そうだよ」

 

と言って明乃が返事するのを見て真白は何か違和感を覚えた

 

『うーん、あの子・・誰かに似ている様な・・・』

 

と言うとその女の子は

 

「じゃあ写真を撮ってもらっていいですか?」

 

と言って首から下げていたカメラを見せると

 

「うん、いいよ」

 

「わぁ〜、やった〜!」

 

と言って近くを通りかかった人に写真を撮ってもらうと女の子は満足した様な顔で

 

「ありがとう!」

 

と言って満面の笑みを見せると

 

「おーい!まゆみー!ママが呼んでるよ〜!」

 

「あ、まってお兄ちゃん!」

 

と言ってその女の子が向かった先にはその子の親子と兄らしき人物がいたが、二人はその顔に見覚えがあった

 

「え!?静さん!?」

 

「な、何でここに!?」

 

と言って驚いていると静は

 

「おや、君たちもここに居たのかい。そりゃそうさ、だってこの子達は私の子供だから」

 

と言ってまゆみと呼ばれていたこの手を取ると

 

「へえ〜、そうなんですか」

 

「驚きました、婚約していたとは聞きましたが。まさか子供までいたとは・・・」

 

と言って驚いているとまゆみが

 

「ねえねえ、ママ。さっきこの人たちに写真を撮ってもらったの!」

 

と言うと静は嬉しそうな顔で写真を見ていた、その顔はまるで優しいお母さんの様であった

 

「すごい、静さんのお子さんすごく可愛いですね」

 

「だろ?私の自慢の子だよ」

 

と言ってまゆみの頭を撫でるとまゆみは嬉しそうに笑みを浮かべていた

 

「あ、ごめんなさいね。邪魔をしちゃったみたいで」

 

「いえいえ、大丈夫ですよ」

 

「それじゃあまゆみ、この後はどこに行きたい?」

 

「うーん、じゃあ海辺のところに行きたい!」

 

「OK!それじゃあ行こうか。おーい、輝、和樹。行くよ!」

 

「おう、分かった」

 

と言って屋台で食べ物を買っていた二人を呼ぶと

 

「それじゃあ、また」

 

「はい、今日は楽しんで行ってください」

 

「バイバイ、お姉ちゃん!」

 

と言って別れた

 

 

 

 

静達を見送った二人は

 

「海の仲間は家族。今日と明日はすっごい大家族だね!」

 

「そうですね」

 

と言って巡回を始めようとした時、隣りを等松が走っていった

 

「パン粉!パン粉!」

 

「等松さん!」

 

「ミミちゃん!?」

 

と言ってついて行った先には曲がりしているトンカツ屋の店があった

 

「まさかパン粉が切れるなんて・・・こんなにお客が来るなんて予想外だよ」

 

と言って繁盛している店を見ていると等松が足を滑らせて持っていた皿が宙に舞ってしまった

 

「うわわわわ!」

 

「おっと!」

 

と言って明乃と真白はその皿をきれいにキャッチして何とか割れる事態を防いだ

 

「ありがとぅ〜!助かったよ!」

 

と言って等松がお礼を言うと

 

「我々も手伝った方が良さそうですね」

 

「だね」

 

と言って二人は客足が落ち着くまで店の手伝いをした

 

 

 

 

 

少しして客足も落ち着くと等松が映画を見ると言うことで明乃達もついていく事になった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

歓迎祭2

戦艦三笠の一室で行われている自主映画の上映に足を運んだ明乃達は状況を見て安心していた

 

「こっちは順調そうですね」

 

「うん、そうだね」

 

と言って上映をするための準備があったのだがここで問題が起きた、鈴がスクリーンを引っ張り出そうとしたのだが上手く引っ張り出せず思い切り破いてしまったのだ

 

「ドドド、どうしよ〜!これじゃあ上映できないよ〜!私のせいで・・・」

 

「鈴ちゃんのせいじゃないよ!」

 

「そうぞな!」

 

と言って勝田の山下が尉めるが空気は重かった。すると明乃が

 

「スクリーンの代わりになる物があればいいんだよね」

 

「「え?」」

 

「白くて大きなものがあれば・・・」

 

「あ、分かりました。等松さん、一緒に来てもらってもいい?」

 

「え!また走るの!でもマッチのためなら!」

 

と言って等松は真白と一緒にあるものを買いに行った

 

 

 

それから少しして無事に映画は上映された

 

「模造紙って綺麗に映るんだね」

 

「上等なスクリーンぞな!」

 

と言っていると明乃達の写って居るシーンへと移りその場面を見て二人は顔を赤くしていた

 

「なんか、自分の出て居るところって恥ずかしいね」

 

「そ、そうですね」

 

と言って上映が終わり、次の場所へと向かった

 

 

 

 

 

歩行者天国の道路の一角では晴風メンバーが同人誌販売を行なっていた

 

「新刊ありますよ〜」

 

「立ち読み大歓迎です」

 

「ここは大丈夫そうだな」

 

「ええ、絶好調っす!」

 

と言って青木が売れていることを言うが八木が

 

「私は問題ないけど売れてない・・・」

 

「八木さんはどんなのを作ったの?」

 

「私もお手伝いいたしました」

 

と言って『電波本』と書かれた本の作者欄に自分の名前があることを言うと、真白は顔を引き攣らせながら

 

「これは・・・人を選ぶ本だな・・・」

 

と言って売れない理由を察しながら青木から本を渡された

 

「副長もどうぞっす!」

 

「いくらだ?」

 

と言って渡された本分のお金を出そうとしたが

 

「クラスのみんなには無料で献本してるっす!ネタを提供してもらってるんで・・・」

 

と言って青木は無料でクラスメイトには配布していたのだが内容がGLの本であり、それを読んだ真白は顔を赤くしていたが明乃は分からなかったようで

 

「ねえ、シロちゃん。これ何してるの?」

 

と聞いていたが真白は顔を赤くしながら次に行こうというとこで次の巡回場所へと向かった。その頃街の一角では西崎と立石による漫才が行われていたが人の集まりはイマイチであった

 

同じ頃、砲雷科メンバーによる焼き鳥屋は大繁盛していた

 

「ガツンとお客が来ちゃったね」

 

「全然、捌ききれないし」

 

と言って人数に対するならば人の比率が噛み合わず捌ききれていないようであった

 

「押さないでくださーい」

 

「順番にご案内しまーす」

 

そして、日置がよそ見をした時、うっかり焼いているところに指を置いてしまい火傷をしてしまった

 

「うわっ!ズキュンと火傷しちゃったよー」

 

「これは、何とかしないと・・・」

 

そんな様子を真白は打開案を考えたが明乃があるアイデアを考えた

 

「並んでいる間に退屈しなければいいんだよね」

 

「なるほど・・・わかりました」

 

と言って閑古鳥だった西崎達の漫才を焼き鳥屋の隣に持ってきてwinwinとなり喜んでいると何処かからゴオォォォォ!と言う音が聞こえ、上空を空港視察の時に乗った航空機が飛んでいた

 

「あ!あれ!」

 

「おお、あれが航空機か・・・」

 

「すごい・・・あんな大きいものが・・・」

 

「バキュンと驚くね」

 

と言って並んでいた人達も上を向いて写真を撮っていた

 

 

 

 

次に明乃達が訪れたのは機関科メンバー立案の晴風ボイラーを使った温泉であった。そして柳原に唆されてお風呂に入った二人は同じタイミングでお風呂を出て、同じタイミングで同じ場所を洗っていた。その動きの一致率に時津風艦長の榊原つむぎと副長の長澤君江は

 

「何なんですかね、あの動きの一致率」

 

「よっぽど息があっているのかしら?」

 

「艦長、私たちもうちのこにあれをしたらうけますよ」

 

「何で同級生から笑いを取らないといけないの?」

 

と言って長澤の案に榊原は却下した

 

 

 

 

 

そして巡回も終わりに差し掛かった時、明乃達はある少女と出会った。その少女はたこ焼き屋の前でお金を取り出していたが30円しか持っておらず、店の前でうずくまっていたが明乃がそのたこ焼きを買ってあげていた

 

「はい、これ。食べる?」

 

「・・・ワァー!タベルタベル!」

 

と言ってその少女は嬉しそうに食べていた

 

「見事な食べっぷりだね」

 

「名前はなんて言うんだ?」

 

と言って真白が少女の名前を聞くと

 

「私、スー」

 

と言って自己紹介をすると

 

「スーちゃんね、よろしくね」

 

「どこからきたんだ?おうちの人は一緒じゃないのか?」

 

と言って家族の居場所を聞くと

 

「スーだけ、遠くから来た。日本初めて!」

 

「1人で来たのか!?」

 

と言って真白は外国に1人で来ていることに驚いた

 

「じゃあ、大冒険だね」

 

「うん」

 

と言うと明乃は自己紹介をした

 

「私は岬明乃、ミケって呼んで。こっちはシロちゃん」

 

「ミケ、シロ!」

 

「え?おおぅ」

 

「スーちゃん日本語上手いね」

 

と言うとスーは日本語は日本だ働いているお父さんに教わったと言うと、後ろにあった焼きそばの屋台を見て食べたそうにしていると明乃たちは仕方ない。と言って焼きそばを二つ買って一つをスーにあげて近くのベンチに座った




すごいキレが悪いですが読みやすさを考えて、ここで切らさせてもらいます


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

歓迎祭3

巡回の終わりにスーという外国の少女と知り合った明乃達は近くのベンチに腰をかけるとそのまま買った焼きそばを食べていた

 

「美味しいね」

 

「そうですね」

 

と言って居ると聞いたことのある声がした

 

「おや、君たちもここに居たのかい」

 

「あ、静さん」

 

「ご無沙汰しています」

 

と言って二人が軽い挨拶をすると

 

「おや、君は?」

 

と言ってスーの方を見ると

 

「あ、この子はスーちゃんって言ってさっきお友達になったんです」

 

「ほう、そうなのかい。それは良かったね、初めましてスーさん」

 

と言ってスーに挨拶をすると

 

「ハジメマシテ!シズカ」

 

「お、おう。よろしくな」

 

と言って内心静は同じあだ名を持つ友人に少し驚いたが何とか平常心を保ちながらその場を凌いだ。すると明乃が

 

「そういえば何で静さんがここに居るんですか?」

 

となぜここに静が居るのかを聞くと

 

「ああ、それは・・・ちょっと待っててな、もうすぐ来るから」

 

と言うと静は腕時計を見ながらそう言った

 

「もう直ぐ来るって何ですか?」

 

と言って真白が内容を聞こうとした時だった。突如街の方からキィィィィ!と言う甲高い音とともに先ほど飛んでいた航空機よりも遥かに大きい航空機が明乃達の上を飛んで行った

 

「な、何ですか!?あれは!」

 

と言って真白がいうと静は

 

「あれは大陸間輸送用武装旅客飛行艇『白鳳』さ・・・」

 

と言って飛んで行った航空機の名前を言うと海岸沿いにいた人たちが一斉に見たこともない航空機に驚き、写真を撮っていた

 

「スゴイ!ナニアレ」

 

「あんなに大きな物が・・・しかもさっき見た奴よりも大きいぞ!!」

 

「静さん、もしかして来るって言ってたのってアレですか?」

 

「ああ、そうだよ。ちょうど今日が試験飛行の日だったんっだ」

 

と言って明乃の言葉に静は頷いた

 

「へえ〜、スゴイ大きいですね」

 

と言って大きさに驚いて居ると静が

 

「そりゃそうさ、あれはここから欧州まで飛ぶ為に作られたんだ。あんなに大きくなる訳だよ」

 

「何で欧州まで行ける様にしたんですか?」

 

と言って真白が理由を聞くと

 

「だってアレは政府と皇族の両方が共用で使う為に作られたんだ。途中、燃料補給のためにどこかの国に着陸してそれで他国に情報を盗まれない為にも欧州まで自力で行けるように作られたんだ」

 

「「へぇ〜」」

 

すると明乃と真白の携帯が光り、そこには古庄からのメールがあった

 

「業務連絡・・・」

 

「私も・・・」

 

と言うと二人はスーと別れ、呼ばれた部屋まで向かった

 

 

 

 

 

部屋に着くと二人はソファーに座り、古庄から

 

「ごめんなさいね、歓迎祭の途中で呼び出しちゃって」

 

と言って歓迎尺の最中に呼び出した事を謝すると

 

「いえ・・・」

 

「あの・・どう言ったお話で・・・」

 

と言って真白が早速、要件を聞くと

 

「宗谷真白さん・・あなた、艦長をやる気はある?」

 

「え?」

 

「・・・」

 

古庄の言葉に二人は豆鉄砲を食らった様な顔をすると

 

「比叡の艦長が病気療養で暫く休学する事となったの」

 

と理由を言うと真白が自分艦長に推薦されたのかと聞くと

 

「比叡の艦長、副長・・並びに複数の生徒から要望があったのよ。是非あなたを艦長にと・・・」

 

「え、でも私は・・・」

 

と言って真白が少し他時白くと古庄は紙を持ち

 

「あなた、実力試験では力を発揮できなかったみたいだけど。定期考査は学内トップレベルの成績を収めている。おまけにあの1ヶ月、晴風の副長をやりきった実績もある。急な話で申し訳ないけど、なるべく早めに返事を貰えると助かります」

 

と言うと明乃は少し動揺していた

 

「シロちゃんが・・他の艦の艦長さんに・・・」

 

と行って部屋から出ようとした時、今度は明乃が呼び止められた

 

「あと、岬明乃さん。あなたはもう少し待っていて貰っていいかしら?」

 

「は、はい・・・じゃあシロちゃん、ちょっと外で待ってて」

 

「分かりました・・・」

 

と言って真白が部屋を出たのを確認すると

 

「・・・岬さん、実は貴方にも移籍出来ないかという要望があったんですよ」

 

「え!?誰からなんですか?」

 

と言って自分を要望した人物を聞くと

 

「これは静さんからの要望でね。貴方をもしよければ航空母艦の艦長として任命できないかと言うことよ・・・」

 

「航空母艦・・・?」

 

と言って聞いたことない言葉に首を傾げていると古庄が

 

「航空母艦というのはこの前の事件で航空機を載せていた艦艇の事であり、晴風の何倍も大きな艦艇です。できれば貴方の返事も早めにしてもらうと助かります。あと、このことはできれば内密にとの事です」

 

「そうですか・・・静さんが・・・」

 

と言って部屋を出て真白と合流した明乃はそのまま海岸を歩いていた

 

「・・・シロちゃ!」

 

「・・・艦長!」

 

と同じタイミングで声をかけてしまい、少し気まずくなってしまった

 

「・・どうぞ・・・」

 

「ううん・・・」

 

と言ってこのあとそうしようかと考えていると

 

「ん?スンスン」

 

「魚・・?」

 

と言って本来ありえない匂いがしたと思い、視線を向けるとそこには焚き火をして魚を焼いて居るスーの姿があった

 

「シロ!ミケ!これ一緒に食べ・・・」

 

と言ってスーは明乃達と魚を食べようとしたが明乃達は何処かから持ってきたバケツですぐさま消火を行った

 

「え?」

 

と言ってスーが困惑していると

 

「ここは焚き火禁止だ〜!!」

 

と言って真白が看板を指差して注意をするとスーは訳がわからず困惑していた

 

「スーちゃん、日本語読めなかったんだね・・・」

 

「ナンデムリ?」

 

というがとりあえず後始末を済ませると

 

「だいたい何でここに居るんだ」

 

「スー、ここでゴハン食べてネル!」

 

というと真白は驚いた表情で

 

「ホテルは取ってないのか?」

 

と聞くが

 

「ナイ!スーここで寝泊まりスル!」

 

「「え!?」」

 

と言って二人は驚くと明乃が

 

「じゃあうちらの寮で泊まるといいよ」

 

と提案するが

 

「ココガイイ!ウミガヨクミエル!」

 

と言ってあくまでもここに泊まることを譲らなかった

 

「しかし、ここで一人で寝泊まりするのは・・・」

 

と言って真白が少し心配すると

 

「じゃあ、私もここで寝るよ」

 

「え!?」

 

明乃の考えに真白は思わず驚いてしまった

 

「ホント!ヤッター!」

 

と言ってスーは嬉しそうだった。すると真白は

 

「うーん、だとすると寝具が心伴い。それに学校には外泊許可もいる」

 

と言うと明乃が

 

「あ!じゃあちょっと待ってて寝具はもしかしたら持ってきてもらえるかも。シロちゃんはその間に学校に外泊許可をもらって来てくれる?」

 

「わ、分かりました」

 

と言って真白は学校へ明乃は何処かに連絡をした




また歯切れ悪いですがここで切らさせてもらいたいと思います


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会1

真白が学校に外泊許可を明乃が何処かに電話をして少しした時、真白が帰って来ると同時に静が寝袋を持って来た

 

「艦長、学校から外泊許可を取ってきました。・・・って静さん!!」

 

「ああ、そうだよ。明乃さんから呼ばれてね。寝袋を持ってきたんだ。それじゃあ明乃さん、明日返してね」

 

「はい、分かりました」

 

と言って寝袋を明乃に渡すとそのまま静は去って行った

 

 

 

 

 

そのあとテントを立てた後に歯磨きなどをするとそのまま静から借りた寝袋を敷いて3人で川の字になると

 

「お母さんやお父さんと一緒にこればよかったのに・・・」

 

と言ってお父さんがいるなら、その人と一緒に寝泊まりすればいいと言うが

 

「ママ病気、ズット病院にイル・・パパこの国のドコに居るかワカラナイ」

 

「「え!?」」

 

スーの言葉に驚いた2人

 

「パパと連絡ツカナイ、スーはパパの事サガシテル」

 

「そうだったのか・・・」

 

「私に手伝えることがあったら言って、何でも手伝うよ」

 

と言ってスーの言葉に明乃と真白はそう言うと

 

「じゃあスーはずっと1人で暮らしていたのか?」

 

「NO!兄弟たくさんいる、みんな仲良し!」

 

「そうか・・・」

 

と言って真白がホッとすると

 

「ミケとシロもナカヨシ・・・デモ・・・昼のホウガモット仲良しダッタ」

 

「そんな事は・・・」

 

と言おうとするとスーはそのまま眠ってしまった

 

「寝行っちゃったね、スーちゃん・・・」

 

「えぇ・・・」

 

と言って明乃と見あったいると真白は昔の事を思い出していた

 

 

 

 

 

その日は真白の部屋で真霜、真冬の三人で川の字で寝ることとなった

 

「今日は三人で寝るもん!!」

 

「ハハッ!困った奴だなシロは・・」

 

「貴方がホラー映画なんか見せるから・・・」

 

と言って真白が川の字で寝る理由が如何やら真冬の見ていたホラー映画が原因のようだった

 

「見せてねえよ、シロがいきなり部屋に入ってくるから・・・」

 

「ウー、ついてないよ・・・」

 

と言って今ではお決まりの台詞をいうと

 

「おいおい、あんなもんにビビってたらブルーマーメイド、ましてや艦長になんかなれんぞ」

 

「なるもん!!」

 

「ふふっ、真白は頑張り屋さんだから。きっといい艦長になれるよ」

 

「やった〜!」

 

 

 

「ふぅ,・・」

 

真白はそんな思い出を思い出すと思わずため息が出てしまった。するとスーが真白腕を掴んで

 

「・・・ママ・・」

 

「ふぇ!」

 

スーのいきなりの発言に思わず驚いてしまったが明乃は

 

「きっと夢を見ているんだよ」

 

「そ、そうなのか?」

 

と真白がいうと明乃は続けて

 

「きっとママのことを思い出しているんだよ・・・シロちゃん頼りになるから・・・」

 

と言って明乃は真白は頼りになる人間だというと

 

「私はそんな・・・」

 

と言って否定したが

 

「実はね、私もシロちゃんみたいに推薦があったの」

 

「え!?」

 

明乃の言葉に思わず真白は驚いてしまった

 

「推薦って・・・艦長もですか・・・?」

 

「うん・・静さんからね、私を良ければ航空母艦の艦長にならないかって・・・」

 

「航空母艦・・・」

 

と言ってこの前授業で古庄教官が言っていた新しい艦種のことを思い出した

 

「それでねシロちゃん、私は如何しようか悩んでいるの・・・」

 

「そうだったんですか・・・」

 

と言って真白は明乃も自分の似たようなことになっていることに驚いた

 

「それでねシロちゃん。私、本当はね・・・」

 

「え!?」

 

明乃の次の言葉に真白が驚くと、そのまま明乃は寝てしまった

 

 

 

 

 

その頃静は自室である紙を読んでいた

 

「スーザン・レジェス・・・地元では観光船の操舵のアルバイトをしている・・・海外渡航歴はこれが初めて・・・パスポートも正式なもの・・・特に怪しいところは無しか・・・」

 

と言って静はスーの事を少し警戒していた

 

「今、入国に関しては制限をかけている・・・私の思い違いだといいが・・・」

 

と言ってそのまま静は子供達と明日に備えて就寝した

 

 

 

 

 

次の日、先に起きた明乃と真白はスーのためにおにぎりを置くとそのまま一旦寮の方へと向かった

 

 

「うう、グットモーニング」

 

と言って遅れて起きたスーは置いてあったおにぎりとお茶を見てお礼をするとテントを片付け、おにぎりを食べながらタブレットで海の方を見て

 

「OK、行こう」

 

と言っておにぎりを食べ終えた。

 

 

 

その頃、競闘遊戯会の会場ではいくつかの内火艇が一列に並んでいた。そして放送があった

 

『それだはただいまより、競闘遊戯会を開催します』

 

「いけ〜!」

 

「頑張れ〜!」

 

『第一種目、障害物競走・・・ヨーイ・・・』

 

と言って教官が旗を振ると一斉に並んでいた内火艇が進み出した。その様子を来賓席から見ていた静は

 

「始まりましたな」

 

「今年はどんな結果になるんだろうか」

 

「やはり此処は大和クラスじゃないか?」

 

「いや、団結力の強いと言われる信濃クラスの線も捨てきれんぞ」

 

「今年も賑やかだな」

 

そんな他の海軍士官の言葉に耳も貸さず静はあることを考えていた

 

『もし、海賊が行動を起こすなら。警戒が弱まっているはずのこの競闘遊戯会を狙うはず・・・しかし、足止めをするにも大規模な行動が必要だ・・・しかし如何やって・・・』

 

と悩んでいると携帯がなり来賓の部屋から出て電話に出ると相手は葵からだった

 

「長官、私です」

 

「おお、葵か。如何した?」

 

と言って要件を聞くと

 

「長官、近々。海賊が行動を起こすそうです。この事はブルマーには・・・」

 

「ああ、分かった。ブルマーにはこちらから伝えておく」

 

「分かりました」

 

と言って通話が切れるとそのまま静はブルーマーメイド用の来賓室へと向かった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会2

ブルーマーメイド用の来賓室に着いた静は扉を開けて真霜を呼んだ

 

「如何しましたか?姉さん」

 

「ああ、ちょっと話がしたい。来てもらっていいか?」

 

「・・・分かりました」

 

「ああ、あと真雪さんも呼んでくる。これは重要な話だからな」

 

と言って真雪を呼び、そのまま人気のないところまで移動すると

 

「まずはこれを見てほしい」

 

と言って静が携帯を見せ、真霜達がそれを見ると険しい表情となった

 

「アメリカ軍の作った要塞が海賊の手によってモスボール・・・こんな情報をどこから?」

 

「これは少し前に米国から直接伝えられた”極秘“の内容だ。すでにこの事は東南アジア、並びに日本国政府にも通達されている」

 

「そんな話、ブルーマーメイドには一切情報がありませんでした」

 

「そりゃそうさ、この情報は政府によって厳重の管理されていたからな」

 

「しかし、この情報、にわかには信じられません。周辺地域の海賊は殆どが貴方によって潰されているはずなのに・・・」

 

と真霜が言うと

 

「ああ、私も正直驚いたよ。なぜなら此処の海賊は弱小海賊だったのにも関わらず、あんなに米軍が警備していた要塞のモスボールをしてしまったんだから」

 

「誰かが資金援助をしたのかしら?」

 

と真雪が言うと

 

「真雪さん、その線はあり得るかもしれません・・・これを見てください」

 

と言って静はまた別の画面を見せると2人とも驚いていた

 

「・・・これは、密会の写真ですか・・・?」

 

「ああ、その可能歳が高い」

 

「相手は身なりからして中国人?」

 

と言うと静は

 

「まだそこまではわからないがいずれにせよ厳重な警戒が必要となる」

 

「そうですね、取り敢えずブルーマーメイドには私から言うとして・・・」

 

「学校には私から言っておきます」

 

と言うと障害物競走が終わったとの放送がありそれぞれ元の場所へと戻っていった

 

 

 

 

 

そして来賓席に戻った静はそのまま競技の観戦を再開した

 

「それでは第五種目、水上無差別合戦・・・ヨーイ・・・はじめ!」

 

と言って試合開始のブザーがなると会場に設置されたウレタンマットに乗っている生徒が一斉に相手の水風船を割ろうと襲いかかったがある所で士官達が驚いていた

 

「おお、これは凄い」

 

「あんなに綺麗に三人を倒すとは・・・」

 

「さすがは万里小路家の御令嬢だな」

 

と言って開始早々2本のウレタンソードで三人の水風船を割った万里小路を見て歓声をあげているとまた別の場所でもまた同様の歓声が上がった

 

「凄いなあの生徒」

 

「ああ、あんなに体を捻って避けているとは」

 

「どうやらあの生徒はクロイツェル家の娘らしいぞ」

 

と言っていると此処でハプニングが起こった。何と阿部のウレタンソードがドイツの留学生の生徒の水着がうっかりめくってしまいその生徒は思わず海に飛び込んでしまった

 

「ああ、やっぱり起こったか」

 

「あの生徒はかわいそうね・・・」

 

と言って士官室では女性士官が男子士官に睨みを効かせていた

 

「風船が無事でも、落水は失格とします」

 

と言う放送が流れると黒木は1人の生徒を投げ落とした。それを見て静は

 

「あはは!あんな方法があるなんて、うまく突いたわね」

 

と言って笑っているとウレタンマットの端で野間と万里小路が追い詰められていた

 

「さあ、この状況。一体如何するんだ?」

 

と言っていると野間が万里小路を上に飛ばし、ウレタンソードで回転技を披露した

 

「おお、竜巻サイクロンか」

 

「何ですか?それ」

 

静の言葉にある女性士官が聞くと

 

「高速回転の遠心力で攻撃力は通常の四倍、さらに風による追加攻撃でさらに四倍、合わせて十六倍の攻撃力になる幻の合体技・・・」

 

「・・・恐ろしいですね」

 

「ああ、久々に使っている人を見たよ」

 

と言うと襲いかかった生徒全員が水風船を割られた上に吹き飛んでいた

 

「おお、一気に九人も・・・」

 

そして試合も中盤に差し掛かった時、ウレタンマットの一角では黒木、野間、万里小路と多くの相手をした三人が集まっているところに逃げ回っている他の駿河、柳原、広田、等松、納沙の五人が一斉に三人の後ろに隠れたが

 

「嗚〜呼、あれは終わったわね」

 

「そ、そうですね」

 

「コントかよ・・・」

 

と言ってウレタンマットから落ちていく晴風メンバーを見ながらそう言った

 

 

 

 

 

そして昼食の時間となり、静はある場所へと向かった

 

「・・・美味しい」

 

「美波さん、まだハンバーグたくさんあるよ」

 

「肉じゃがも作ってきたから」

 

「まだまだたくさんあるよ」

 

と言って昼食を配っている伊良子と杵崎姉妹が言うと

 

「これこそ,和気藹々・・・」

 

と言って楽しいと思っていると若狭が

 

「ねえ、艦長。その子誰?」

 

と言って明乃がご飯をあげている見た事ない子のことを聞くと

 

「あ、スーちゃんだよ。私とシロちゃんの友達だよ」

 

と紹介をした

 

「OK!じゃあ一緒に食べよう」

 

と言って和気藹々をしていると知った声が聞こえた

 

「おお、みんな楽しんでいるようだね」

 

「あ、静さん」

 

「よ、みんな元気してたか?」

 

と言ってやってきた静に明乃が

 

「よかったら一緒に食べませんか?」

 

「え、艦長。良いんですか?それに静さんも」

 

と真白は驚いたが静は

 

「おお、招待してくれるのかい?それじゃあ少しもらおうかな」

 

と言って晴風クラスの輪に入ると早速静は先の競技の話をした

 

「しかし、さっきのは惜しかったね」

 

「はい・・・あんな事故さえなければ・・・」

 

と言って真白は悔やんでいたが

 

「なに、あれはあれで面白かったぞ。それに競技というのは勝つのが一つでもあるが楽しむ事も一つの楽しさでもあるぞ」

 

「それは・・そうですが・・・」

 

と言っていると静の持っていた携帯がなり、届いた内容を見ると静は

 

「ごめん、ちょっと用事ができたんだ。席を外させてもらうね」

 

「分かりました」

 

と言って席を外れて静は急足でブルーマーメイドの待機しているテントまで向かった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

競闘遊戯会3

今回は結構長いです(なかなか切れんかった)


とあるメールを受け取った静は急足でブルーマーメイドのいるテントまで向かうと。ちょうど真霜が他の隊員を集めている最中であった

 

「あ、姉さん」

 

「真霜も情報を貰ったのか?」

 

「ええ、ついさっきね。姉さんも?」

 

「ええ、そうよ」

 

「取り敢えず私は至急本部に戻るわ」

 

「分かった」

 

「艦隊を出撃させるの?」

 

「いや、まだ分からん。だかもしこれで国家の安全に関わる事なら艦隊の出撃もあるやもしれん」

 

「そう、分かったわ」

 

と言うと真霜は平賀と福内を連れて本部へと急いで戻って行った

 

『もしかするとこれが戦闘の引き金となるかもしれんな・・・』

 

と思っていると真雪から図上演習の会場来てくれとのことで静は会場へと足を運んだ

 

 

 

 

 

会場に着くと静は早速、真雪の隣に座り真雪からいくつかの質問を受けた

 

「今回の事件、貴方は如何思う?」

 

「・・・私はこれはくさいと思っている」

 

「外国が絡んでいると?」

 

「まあ、憶測だがな・・・まだ未確認情報だが、北中国が戦闘の準備を始めているという報告もある・・・」

 

と小声で言うと真雪が驚いた

 

「何ですって!?」

 

「真雪さん、この事はあまり漏らさないでください。あと声が少し大きいです」

 

「あ、ごめんなさいね」

 

と言っているとトーナメントに明乃と真白がいることに気がついた

 

「おやおや、如何やら真白ちゃんと明乃さんがそれぞれ出ているみたいね

 

「ええ、そうね・・・」

 

「この状況だと、とちらかが勝ったら、それぞれ決心がつきそうね」

 

「・・・」

 

と言って試合を観戦していた

 

 

 

 

 

その頃もえかはあることを考えていた

 

『ブルーマーメイドと海軍の人が少し慌ただしかった・・・何かあったのかも』

 

と思うともえかは早速行動に移した

 

 

 

また同じ頃、スーは1人、ゴムボートと背中に担いだ船舶用エンジンを持って埠頭に行き、そこからゴムボートにエンジンを取り付けて海の上を進んでいった。その先には先程、障害物競走で使った廃棄用の小型フロートがあった・・・

 

 

 

 

 

そして試合が進み、図上演習競技の決勝は静の思っていた通り、明乃と真白での対決となった

 

「やはり、貴方の言ったっ通りになったわね」

 

「ええ・・・そうね・・・」

 

と言って静は内心とても不気味な気配を感じ取っていた

 

『この気配・・・何かが起こる気がする・・・』

 

そう思っていた時だった。突如真雪の携帯画面が光り、それを見た真雪は険しい表情となり

 

「静さん、ちょっときてもらっても良いかしら?」

 

「・・・わかりました」

 

と言うと2人は会議室へと足を運んだ

 

 

 

 

 

会議室に着いた2人は早速、真霜から報告を聞いた

 

「情報は?」

 

「北緯25度東経135度付近の洋上で試験運用している水生成プラントが海賊に占拠されたわ」

 

「それは確か、植物栽培と人工タンパク質合成ユニット搭載型の自己完結型の・・・」

 

と静が言うと

 

「そう、プラントの技術者は全員人質にされている・・・」

 

「厄介ね・・・」

 

と真雪が深刻そうに言うと

 

「それだけじゃないわ、静さんの言っていた占拠された海上要塞が動き出しているの」

 

「何ですって!?」

 

「アメリカからの情報だと、海上要塞の武装は破壊してあるから使えないって・・・」

 

と言って画面に海上要塞とプラントの位置を映し出すと

 

「ただ、プラントと合流したら技術者に無理やり修理させるでしょうね・・・」

 

「・・・国土保全委員会は?」

 

「人質の救出が最優先、主力をプラントに向けて海上要塞は余剰戦力でマークすることになりそうね・・・」

 

と言うと静が

 

「この装甲だと、ブルーマーメイドやホワイトドルフィン、海軍の艦艇でも難しそうね」

 

「数で囲んで、乗り込んで制圧するしかなさそうね・・・むこうに撃てる砲がない間にね」

 

と言って海上要塞の写真を見てそう言うと

 

「もし海上要塞とプラントが合流たら・・・」

 

「自給自足な上難攻不落の海賊行為の拠点となりうる・・・」

 

「想定しうる最悪の展開ね・・・」

 

と言うと三人は深刻な表情を浮かべた

 

 

 

 

 

その頃、明乃達は図上演習の真っ最中であった

 

「あやつ、さっきから事もなげに低い確率の成功判定を引き当てよる・・・」

 

とミーナが感想を言うと

 

「艦長の幸運とシロちゃんの不運の相乗効果ですかね・・・」

 

と納沙が答えると

 

「しかし宗谷もただやられているわけではない」

 

「「え?」」

 

と2人が不思議に思うとテアが解説を始めた

 

「先程、岬艦長が撃沈したのはすでに中破している艦艇だった。宗谷は岬艦長が次にどこを狙うかを予想して、継戦能力の落ちた艦を被害担当艦としていた」

 

そんな試合の様子を見ていた晴風メンバーは

 

「名勝負っス!漫画にしたい位の・・・」

 

「これもうどっちが勝つかわかんないわー」

 

「口八丁手八丁って奴だね」

 

「いや、使い所違うから・・・」

 

「うう、艦長も副長も頑張れ!!」

 

と応援をしていた。その頃、会議室では

 

「直ちに競闘遊戯会を中断して、横須賀湾内にいるブルーマーメイド艦、海軍の艦艇を全て出港させるよう来賓に伝えて」

 

「了解しました」

 

と言って秘書の老松が出ていくと通信があった

 

「校長,廃棄フロートが動いているのですが・・・」

 

と言うと静が

 

「何ですって!?まさか・・・」

 

と静は慌てた

 

「如何したの?静さん」

 

「まさか彼等は旅順港閉塞作戦をする気か・・・?」

 

「何ですって!?」

 

旅順港封鎖作戦、日露戦争の時にバルチック艦隊が到着すると不利な状況となると考えた当時の大本営が旅順港を封鎖するために当時所有していた貨物船の一割ほどを使って旅順港を封鎖しようとしたが結局は失敗に終わった作戦である

 

「取り敢えずブルーマーメイド艦隊を出港させないと・・・」

 

「くそっ!とても今からじゃ間に合わない!!」

 

と言った次の瞬間突如地面が大きく揺れだした

 

「うわっ!」

 

「遅かったか!!」

 

と言って2人は会議室の机につかまった

 

 

 

 

その頃図上演習の会場では真白の圧倒的優勢の状態で試合が進んでいた

 

「これは・・・どんな不運がきてもシロちゃんの勝ち・・・ですね」

 

「見事じゃ」

 

「・・・このターンで決着ですね」

 

「うん、シロチャンやっぱ凄いね。私なんかよりずっと立派で・・・」

 

と続きを言おうとした瞬間、突如会場全体が揺れ動いた

 

「うお!」

 

同じ頃外では爆発したフロートの爆風でタグボートに載っていたスーは海に投げ出されてしまった

 

 

 

外に出た明乃達はボロボロに破壊されたフロートを見て驚いた。そしてブルーマーメイド隊員によって救助されたスーの姿を見て急いでスーの元へと向かった

 

 

 

 

「爆沈したフロートの操舵を行なっていたと思われる少女を保護しました。怪我人はいませんでしたが、水路が封鎖されたため横須賀湾内のブルーマーメイド艦並びに海軍艦艇は全て出港不能」

 

老松の報告に真霜、真雪、静は悔やんだ

 

「やられたわ、これでまとまった戦力はホワイトドルフィンだけになってしまったわ」

 

「くっ・・・」

 

 

 

 

 

 

その頃救助されたスーはある夢を見ていた

 

「Knowing your skill.I’ve got favor to ask.(お前の技術を見込んで頼みたい事がある)」

 

「What is it?(それだけで良いの?)」

 

「I want you to move the float at a specific time.(所定の時間にフロートを動かして欲しい)」

 

「I’ll preparer the tugboat.(タグボートは用意する)」

 

「Is that it?(それだけ?)」

 

「As you can see.The bean of the float fits just within the base.The depths around it is also shallow.an ordinary sailor would crash it by you,,,(見ての通り、停船位置に対してフロートの大きさはギリギリだ、付近の水深も浅い。並の船乗りならぶつけちまうがお前なら・・・)」

 

「It will be easy!(簡単だわ!)」

 

「Heh thought so(ふっ、流石だな)」

 

「So where are we?(でも、此処どこなの?)」

 

「Where in a port in Japan called Yokosuka.(ああ,日本の横須賀という港だ)」

 

「Japan?(日本)」

 

「We,ll take care of the immigration stuff.and you’ll be well rewarded.(出国の段取りはこちらでするし、報酬もはずむ)」

 

「I don’t need money.Can we go look for my dad in Japan instead?(お金はいらない。でも日本にいるお父さんを探す事はできるかな・・・?)」

 

「Ann it’s a price of cake.(ああ、そんな事ならお安い御用だ)」

 

「Really!Then I’ll do the job.leave it tome!(ほんと!じゃあやる!任せて!)」

 

「But do it so nobody sees you.it’s supposed to be surprise.there’s gonna be a festival close by and we’re shooting up fireworks from the float for a people to see. (ただ、この仕事は誰にも気付かれずにやってくれ。サプライズなんだ、近くでフェスティバスがあってな、その客にフロートから花火を見せるんだ)」

 

するとスーが目を覚ますと見た事ない場所だった

 

「ん?ココ・・ドコ?」

 

「ふう、大丈夫?あなたに聞きたいことがあるんだけど・・・あのフロートを動かしていたのってあなたで間違いない?」

 

と言って質問をしようとした時、病院のドアが叩かれた

 

「ドアから離れさい!学生は会場で待機よ!」

 

「お願いです、中に入れてください。あの子は友達なんです!」

 

とドアの向こうから聞いたことある声がすると

 

「ミケ!シロ!」

 

「あの子達を知っているの?」

 

と古庄が言うとすーはあたまを縦に振った

 

「そこ子達を通して頂戴!」

 

と言うとドアが勢いよく開きそこから明乃と真白が入ってきた

 

「スーちゃん!」

 

「ミケ、シロ!」

 

「よかった・・・」

 

と言ってスーに抱きつくとスーは申し訳なさから泣き出してしまった

 

「うわぁぁぁー、仕事やんとしたら・・・パパを探してくれるって,・・うあぁぁぁぁ・・・」

 

と言ってそのあとスーから詳しい話を聞いた

 

 

 

 

「少女は海賊に利用されていました。なお日本に来る前に海賊の依頼を受けて、海上要塞でも仕事をしていたようです。いま要塞の内部構造を話して貰っています」

 

と古庄の報告を聞くと静は

 

「使い終わったら消す・・・海賊の常套手段だが、まさか女の子思うを踏み躙るとは・・・」

 

と言って怒りに満ちていた

 

「その子は動けるの?怪我は?」

 

とスーの容態を聞くと

 

「大きな外傷はありません、脳波、内臓も異常なしです」

 

と報告を聞くと

 

「・・・その子を武蔵に乗せられないかしら?」

 

「え!?」

 

真雪の言葉に古庄と老松が驚いた表情を見せた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦1

フロートの爆沈があってから少し経った頃、スーが真雪によって高速艇乗せようとした時

 

「待ってください!」

 

と言って真白と明乃が近づいた

 

「学生は、全員会場へ待機と命令が出ているはずよ」

 

と言うと

 

「スーちゃんを連れて行くなら私たちも連れて行ってください」

 

「その子を1人で行かせたくないんです」

 

「「お願いします!!」」

 

と言って2人が頭を下げた

 

「ミケ、シロ・・・」

 

「スーちゃんは私たちの友達なんです」

 

「そばに着いていたいんです、同じ艦が無理ならせめて晴風で随伴を・・・」

 

「随分とはっきりものを言うようになったわね・・真白」

 

と言って真雪は真白がはっきりと思うをぶつけてきたことに母とした少し嬉しく思った

 

「じゃあ、私たちも一緒に・・・」

 

と言って連れてくれるのかと思ったが

 

「それとこれとは話が別よ、あなた達を連れて行くわけには・・・」

 

と言おうとした時、海上にいた艦艇達から煙が上がっているのが見えた

 

「罐に火が?」

 

と言って驚いていると

 

「私たちに行かせてください」

 

「もかちゃん!」

 

「知名艦長!」

 

と言って2人の間からもえかが出てきた

 

「いつでも出航できるように機関科の子達には先に動いてもらいました」

 

「学生を危険に晒すわけにはいかないわ」

 

と言って真雪が学生を乗せるのは渋ったが

 

「要塞の武装は使えないと聞きました。ですから私たちが対処しても危険は大きくないと見積もります」

 

「あなた・・・何処でそれを・・・」

 

と言って真雪が驚いていると電話が鳴り、電話に出ると

 

「国土保全委員会から宗谷真雪校長に緊急要請です。二正面作戦の混乱を鑑み、宗谷真雪に統合作戦参謀として協力を要請したい。なお、この要請は海上治安維持法第十一条に基づくものある」

 

「十一条・・・ブルーマーメイド関係者を一時的に引用する条文ね」

 

「ご協力をお願いします、宗谷校長」

 

と言って通話が切れると

 

「時間がありませんし,学生艦の扱い方に慣れている私たちが乗った方がいいと思うんです。舵の効きも砲の偏差も毎日触って知っていますから」

 

と言うともえかタブレットを差し出して

 

「艦隊編成と作戦概要です。他のクラスの子達と先輩方にも賛同してもらっています」

 

と見せると

 

「いつの間に・・・」

 

といって真白はこんなに短時間でこれだけのことができていることに驚いた

 

「宗谷さんと、ミケちゃんはスーちゃんの所にいたから伝えるのが今になっちゃったけど・・・」

 

と言うと真雪が

 

「よくできているわ。ただし、宗谷真霜を現場責任者としてのせます。わかっているわね?」

 

「はい、指揮に従います」

 

と言うと後ろから近づいてくる人影があった

 

「今から海上要塞に行くんだって?」

 

「あ、静さん。はい、今から我々学生艦隊は要塞に向かいます」

 

「おお、そうかい・・・宗谷真雪校長に通達します。我々菊花艦隊は今上天皇の指示により、一時的に学生艦隊の指揮下に入る事となりました」

 

「・・・分かりました、ではこの作戦概要を読んでください」

 

「了解!」

 

というと各々自分の持ち場へと向かって行った

 

 

 

 

 

出撃準備が行われている途中、武蔵の甲板には真霜ともえかの姿があった

 

 

「ねぇ、知名さん」

 

「ん?」

 

「貴方が行きたがるのは、お母さんのことがあるから?・・・私たちも憧れた凄腕のブルーマーメイド・・・」

 

「有難うございます。母のことを覚えててくださって」

 

というともえかは海を見ながら

 

「私も、海にいるみんなを守りたいんです。道は遠いけど・・・いつかは・・・」

 

と言って水平線を見ていた

 

 

 

 

その頃晴風へと向かい内火艇では・・・

 

「はぁ〜、結局決着はつかなかった・・・けど結論は出さないといけない」

 

そう思っていた頃、明乃も似た様な感情を抱いていた

 

「シロちゃんとの決着はつかなかった。でも答えは出さないと・・・」

 

と言って真白と同じ様な状況にある明乃も悩んでいた

 

 

 

 

着々と準備が進んでいる頃、横須賀女子海洋学校の会議室では

 

「くれぐれも人質の安全を最優先にしてくれ。これは政府全体の総意だ」

 

「それはもちろんです。それで、海賊からの要求は?」

 

と言って通信している政府からの報告を聞くと

 

「現時点では何も入って来ていない」

 

「入っていない?」

 

と海賊の要求が何もないことに不思議に思った

 

「君達の報告は読んだ、我々も同じ考えだ。要塞にプラントを取り込み半永久的に海賊行為を行うか、もしくは・・・」

 

「直接都市を狙う?」

 

真雪の見解に政府は

 

「その通り、もし要塞が都市に突っ込んできたら止めようが無い。人質の救出は最優先だがプラントと要塞を絶対にドッキングさせるな。そのためにはあらゆる手段を使っても良い」

 

「了解しました」

 

「人命が優先だが、要塞は必ず破壊しろ。これは閣下の要望でもある」

 

というと通信が切れた

 

 

 

 

 

 

その頃晴風艦橋では

 

「出港準備!」

 

「うぃ」

 

「砲術、水雷準備完了」

 

「航海いけます!」

 

「機関いつでも行けるぞ!」

 

「「ヨーソロー!」」

 

「艦内警戒閉鎖良し!」

 

「一つ甲板近錨、各部出港準備よし!」

 

と言って艦長帽を取ろうとしたが五十六がすやすやと寝ていた。真白が戸惑っていると五十六が目を覚まし、床に降りていった。そして艦長棒を取り明乃に渡すと

 

「副長!」

 

「行きましょう!」

 

と言って明乃が艦長帽をかぶると

 

「晴風出港!!」

 

それと同時に万里小路のラッパがなり錨が上がり、等松が旗を揚げると汽笛を鳴らしながら出航して行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦2

晴風が出航した頃、武蔵では

 

「各艦、出航準備完了!」

 

というと真霜が手を上げた

 

「信号、予定順序に各艦揚錨。出航せよ!」

 

「出航用意!錨を上げ!」

 

それと同時にラッパが鳴り響くと錨が金属音と共に巻き上げられていった

 

「両舷前進微速!進路130度ヨーソロー!航海長操艦」

 

というともえかの隣から航海長が出てきて

 

「いただきました航海長、両舷前進微速、赤黒なし進路130度」

 

そして汽笛を鳴らしながら武蔵も出港をして行った

 

「定刻五分前行動、何事もブルーマーメイドの慣習通り。先行させた晴風もそうだけど、良い腕ね」

 

「ありがとうございます」

 

「よろしい、湾外に出次第、第四警戒序列に占位せよ!」

 

「了解!」

 

晴風を戦闘に陣形を組んでいるとべんてんもそこに合流を果たした

 

「遅れて来た弁天だけが動けるとは・・・」

 

「全くだわ。あの子は悪運が強いのよね」

 

「悪運・・・ですか?」

 

と言って映像を見ていた

 

 

 

 

 

武蔵達が要塞に向かっている途中、あうーは武蔵の艦橋の床で座っていた

 

「どうしたの?」

 

「知ってイルヒトイナイ」

 

「そうでも無いと思うよ」

 

と言ってもえかが窓に指刺すとそこには晴風がおり艦橋には明乃と真白がいた

 

「ミケ!シロ!」

 

と言ってスーも手を振ると晴風から発光信号があった

 

「エット、アレシラナイ信号、ナンテイッテルノ?」

 

「戻ったら一緒にご飯食べよ。だって」

 

「ウン、食べる!」

 

 

 

 

「大丈夫かな?」

 

と言って発光信号用のライトを持った明乃が言うと

 

「届いているみたいですよ」

 

と言って武蔵の艦橋で手を振っているスーを見て安心した。すると

 

「後方のシュペーから信号です!」

 

「なんて言ってるの?」

 

「本艦も協力するとのことです」

 

「え!?」

 

納沙は思わず双眼鏡でシュペーのほうをみると何かを言っているミーナがいた

 

「『仁義で首括っとれ言うなら括ろうじゃないの!』艦長!シュペーに返答しても良いですか?」

 

「え?良いけど」

 

と言って納沙はミーナに向けて返答をした

 

 

 

「『ワシら海で、ええ思いするために船乗りになったけぇ。海で体張ろう言うんが何処が悪いの』・・・か。ふふ、やるなあ」

 

不敵な笑みを浮かべていると後ろからテアに声をかけられた

 

「副長、楽しそうだな」

 

「ええ、帰国する前にもう一度、晴風と同行できるとは思いませんでしたが」

 

「そうだな」

 

と言って晴風を見ると

 

「それに、今回は英雄と共に作戦ができるんだ。とても嬉しい限りだよ」

 

「そうですね。それにこれでシュペーの実力を見せる良い機会ですし・・」

 

と言って菊花艦隊と合流するのを楽しみに待った

 

 

 

 

 

同じ頃、呉の大和では

 

「罐の温度が上っとらんだらぁ!横須賀に負けんようしりぃ!」

 

と言って大和の艦橋では能村が伝声管を使って機関室に声を荒げていた

 

「副長、無理をさせて罐を壊してしまっては元も子もないわ。少し落ち着きましょう」

 

「あ、はい・・・」

 

と言って、宮里が能村を落ち着かせている頃。信濃では

 

「一年も2年も気合十分、うちの子達も24時間残業行けそうなテンションね」

 

「また、ブラックな人使いを・・・」

 

と言って阿部の発言に河野が注意を入れると

 

「まずは武蔵の艦長がどんな仕事っぷりか、お手並み拝見といきましょうか」

 

と言って双眼鏡越しに武蔵を見た。その頃紀伊では

 

「さて、どうなる事やら・・・」

 

「一年生が旗艦ですが、大丈夫でしょうか?」

 

「事前の根回しは完璧だった。我々上級生のメンツを潰さず、むしろ手伝おうと言う気分にさせたんだ」

 

「なるほど見事なものですが、あまり活躍されると私たちの立場が脅かされるかもしれませんよ」

 

「ふっ、頼もしいじゃないか。それくらいではないと我々も張り合いが無い」

 

と千葉が不敵な表情になると艦長帽を深く被り

 

「「「出港用意!!」」」

 

と言い学生艦が出港していくのを画面越しで真雪は

 

「必ず全員無事帰って来なさい」

 

と言って学生艦の無事を祈る真雪の姿がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学生艦艦隊が出港して少し経った時、先行していた晴風の対空電探がある反応をとらえた

 

「対空電探に反応、数五こちらに接近!!」

 

「来たか!!」

 

と言うとキィィィィィン!!と言う音とともに前方から噴進機が飛んできて艦隊の周りを一周した。それを見た武蔵以外の大和型戦艦の艦長達は

 

「おお、あれが航空機か・・・まるで雷ね・・・」

 

と言って宮里が噴進機の甲高い音に驚いていた

 

「うおぉぉ!専務!あれうちにも載せたい!!」

 

「ダメですよ、社長。あれは皇族の所有物です。本来なら見ることもできないんですよ」

 

「うう、そうだけど・・・」

 

と阿部は飛んできた噴進機を見て興奮していたが河野が抑えていた

 

「なんだか、いつもより音が甲高いな」

 

「ええ、それにあの航空機はどうやら形もよく見ると違いますし・・・」

 

「ああ、たしかに」

 

と言って千葉と野際はいつもがこうで見ているものとは違うことに不思議に思っていた

 

 

 

その頃、晴風では

 

「レーダーに感あり、菊花艦隊です!!」

 

と言うと水平線から多数の影が見えると多数の駆逐艦や巡洋艦に囲まれた艦隊が目視出来た



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦3

海賊によって占拠された海上要塞植物プラントに対処するために出撃した学生艦艦隊は菊花艦隊との合流を果たした

 

「やはり、いつ見ても大きいな・・・」

 

「・・・そうだね、特に武御雷はね・・・」

 

と言って多数の駆逐艦に囲まれている中央に鎮座している緑の船体をした大きな艦を見てそう言った。その頃、真冬と平賀と福内、静と葵がべんてんのCICにて現状を確認していた

 

「現状はどうなっている?」

 

「現在バルーンがプラントの偵察を行なっています。もうすぐ映像が入るはずです」

 

と言って画面にバルーンに搭載されているカメラを見せると

 

「見えた!!」

 

「現在、目標は本艦の280度、38マイル、8節で西南西移動中」

 

と現在のプラントの偵察情報を割り出した

 

「よし、潜入部隊を高速艇で送り込み、内部の人質と海賊の配置を確認。可能ならプラント内部の監視システムをジャックせよ!」

 

「了解!」

 

と言うと静が

 

「ああ、それと。海賊が重火器を持っている可能性がある。十分注意した上、海兵隊と合同で敵に当たってくれ」

 

「了解しました」

 

と言って福内が画面を叩き始めた

 

 

 

 

 

その頃晴風の艦橋では明乃が監視を真白が操舵を行い、それぞれ仕事についていた。すると黒木が

 

「宗谷さん、夜食です」

 

と言って艦橋に食事を持って来た

 

「ああ、ありがとう」

 

と言って夜食を受け取った際に黒木が

 

「何か悩んでいるなら私に相談して・・・」

 

と小声でいうと真白は反射的に明乃の方を向いたが明乃はばつが悪そうにしていた

 

「今はまだ作戦に集中します」

 

と言ってこれから大事な作戦があるので取り敢えずはそちらに意識を集中させた

 

 

 

同じ頃、武御雷艦橋では

 

「あーん、ムグムグ・・・しかし、指令も悪い人だね。なんでわざわざ岬艦長を誘うんだろ?」

 

と支給された焼きおにぎりを食べながら香織がそう言うと

 

「さあ、指令ですからね。きっと、断る前提だったんじゃ無いでしょうか。あんな事件があれば晴風艦長も乗組員と深い絆ができていると思ったんでしょうしね」

 

「まあ、そうなんだろうけどさ」

 

と言って司令通り海兵隊員の出撃準備を行なわせた

 

 

 

 

 

そして、もえかと真霜がべんてんに乗艦し、話し合いが行われた

 

「現在、プラントの内部状況はおおよそ把握済み、人質は全員ここに・・・」

 

と言って福内が画面に指を指すと

 

「見張りは?」

 

と真霜が聞くと

 

「人質の見張りは3人、交代の時間はまだ・・・」

 

「海賊の配置は?」

 

「管制室に12、上層部にも6、あとは食堂で食事をしているものかと・・・」

 

と福内がいうと

 

「人質がいなければ、突っ込んで、ドカーン!って行けるのにな」

 

と言って真冬のリアクションによりマントが福内にかかったが真冬はそれに気づいていない様子だった

 

「真冬・・お前は周りを見て行動しような」

 

と言って静がマントをとった

 

「あ、すみません」

 

「大丈夫よ、ただ真冬よ。プラントは政府としては無傷でできれば奪還を要望するはずだ。だからあまり暴れるのもいけないぞ」

 

「そうね、人質の救出にあたってはテロリストに見つかる可能性は高いけど。母さ・・校長からも人質が最優先と命令が出ているわ。でも、人質さえ救出すれば手加減する必要・・・無いでしょ?」

 

と真霜がとても怖い笑みを浮かべながら言った

 

「ひぃ!」

 

「うっ・・・」

 

と言ってその顔に真冬と福内は引いていた

 

『真霜・・・怖くなったな・・・』

 

と静は内心純粋な時の真霜を思い出していた

 

「貴方は何かプランはあるかしら?」

 

と言って真霜はもえかに何か作戦案はあるかと聞くと

 

「うーん、これだけ情報が集まっていると言うと事は監視装置に欺瞞情報を流して、その間に人質を救出。でしょうか?」

 

「概ね正解ね」

 

と言うと続きを静が言った

 

「だけど今は見張りの交代時間がまだ不明だ、だから迅速な制圧が必要となる・・・」

 

「でもその場合は大きな陽動が必要ですよね」

 

「大丈夫よ、そのための私達なんだから」

 

と言って静は作戦案を伝えた

 

 

 

 

 

「・・・作戦は以上です。まずこの方法なら間違いなく人質に危害が及ぶ可能性はありません」

 

「確率は?」

 

「95%、残りに5%はべんてん乗員の暴走の可能性ですが。宗谷真霜と雷樹静が抑えてくれるでしょう」

 

と言って確率は100%であることを遠回しに言うと

 

「真霜くんと静くんか・・・彼女達なら確かに真冬くんの手綱を引けるだろう。よろしい、作戦を承認する。プラントが我が国の管轄海域外に出る前に、必ず作戦を完遂せよ」

 

「了解しました」

 

と言ってそのまま情報はべんてんに届けられた

 

 

 

 

 

「・・・本部より、作戦決行の指示がありました」

 

「よーし、腕が鳴るぜ。姉ちゃん、作戦の指示は?」

 

と言って指示を仰いだが

 

「こちらの指揮官はあなたでしょ?」

 

「あ、そうだった」

 

と言って自分が指揮官であることを忘れていた

 

「私たちはこのまま学生艦隊に戻って大至急、要塞に向かうわ。今のままなら0600に管轄海域に侵入するはず、その瞬間にこちらも攻撃を開始します」

 

「了解しました」

 

「こちらも直ちに星鳳を飛ばして索敵、および周辺海域の情報収集を開始します」

 

と言って静は弁天に着陸させていた中型回転翼機松輪に乗り込み武御雷に戻って行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦4

静達が作戦を考えている頃、晴風では明石から大きな荷物が載せられていた。その大きさは晴風の15cm単装砲に匹敵するほどの大きさであった

 

「何あの大きいの?」

 

「普通の倍くらいあるよね〜」

 

「ふっふっふっ、私の秘蔵コレクション」

 

「おお〜!これは幻の36インチ魚雷っすね!初めて見たっす!」

 

「「36インチ!!」」

 

と珊瑚が晴風に乗せているものの名前を聞いて姫路と松永は驚いていた

 

「そう、試験的に開発させたけど、無駄に威力が大きく過ぎて使い道がなくなった」

 

「これなら要塞にも聞くのかなぁ?」

 

「普通に正面から撃っただけなら多分効果はない」

 

「それじゃあ積む意味ないんじゃない?」

 

と姫路はそんなとんでもないものを積んだ意味はあるのかと聞くと

 

「きっとあなた達の艦長ならきっと面白い使い道を考えてくれるはず。他のむ含めて、レポート、楽しみにしているから」

 

「「えぇ〜!」」

 

と言って3人は驚いていた。その頃、武御雷では・・・

 

「星鳳、並びに護衛隊に次ぐ。発艦せよ!これより我が艦隊は常時警戒体制へと移行、直衛艦隊は対潜輪形陣へと移行し対潜、対空警戒を現にせよ!前衛遊撃艦隊はこのまま学生艦隊と合同であたれ!前衛潜水艦隊は要塞付近の警戒を、海兵隊員は直ちに海鋼並びに景虎を発進させプラントにいる海賊の注意を引け!航空隊は星鳳が現場海域の情報収集が開始次第、第一次攻撃隊を発艦させよ。第二次攻撃隊はそのまま待機、回転翼機隊はプラント制圧が開始次第、艦橋付近の海賊に攻撃を加えろ」

 

「「了解!!」」

 

と言うと菊花艦隊直衛艦隊はサイレンを鳴らしながら武御雷を中心に輪形陣へと移動した

 

「進路を風上に向けよ!」

 

「了解、進路風上へ!最大船速!!」

 

と言って直衛艦隊は舵を左に取り回頭を始めた、それを見ていた学生艦隊では興奮が起きていた

 

「すごいぞ、航空母艦からの発艦シーンが見られるぞ!」

 

「すごいですね、此処から海上要塞までかなりの距離がありますけどね・・・」

 

「航空機だとそこまだ余裕で攻撃できるんでしょ?バキュンだね」

 

と言って測距儀から直衛艦隊を見ていた

 

 

 

 

同じ頃武蔵では

 

艦橋にもえかと真霜が上がり報告をした

 

「全艦補給完了、出撃準備完了。菊花直衛艦隊は現在、攻撃機並びに偵察機の発艦中!」

 

「よろしい、それでは要塞に向かいます」

 

と言うと菊花直衛艦隊とべんてん達のプラント制圧艦隊と前衛遊撃艦隊、前衛潜水艦隊と学生艦隊を含めた海上要塞攻撃艦隊が別れそれぞれ目標へと向かった

 

 

 

 

 

要塞攻撃艦隊を見送ったプラント制圧艦隊旗艦のべんてんでは真冬が通信機を取り

 

「ふっ、潜入作戦開始。我らに生けぬ海は無し、迅速にそして徹底的にやれー!」

 

「「うっす!!」」

 

と言ってべんてん格納庫で準備をしていたブルーマーメイド隊員が早速、先行して人質の解放のために動き出した

 

 

 

 

 

その頃、武御雷では星鳳が発艦準備を終え、発艦を開始していた

 

「電磁射出機準備良し、ロケットブースター準備良し。発艦せよ!!」

 

と管制員が言うと星鳳が勢いよく速度と音を上げて飛んでいった

 

「続いて、電征護衛隊。発艦せよ!」

 

と言って後ろに控えていた電征6機は順序に従いながら順次発艦をしていった

 

「電征隊の発艦が終わったら次は第一次攻撃隊の発艦準備にかかれ!」

 

「第一次攻撃隊は目標の再確認を行え!」

 

「回転翼機隊の準備は如何だ?」

 

と言って武御雷のCICでは乗員がひっきりなしに走り回っていた。そんな中、静は

 

「プラントの現在位置と作戦進行度は?」

 

と言って現状を聞くと

 

「はっ!現在、プラント制圧部隊は内部に侵入している頃かと。海上要塞に関しては現在星鳳が向かっており、あと10分ほどで報告が入るかと・・・」

 

「了解した、第一次攻撃隊の発艦が終わり次第、竹扇隊並びに梅輪隊は発艦し。攻撃を開始せよ!」

 

「了解しました!!」

 

と言うと報告があった

 

「長官殿、星鳳より海上要塞の位置情報が届きました」

 

「早いな、もう着いたのか。それでは、報告を聞こうか」

 

「はっ!現在海上要塞はレーダーによる位置情報では南東南方向に90マイルほどを10節で航行中とのことです」

 

「そうか・・・その情報は学生艦隊には?」

 

「はっ!もう伝えてあります」

 

「了解した、あとはプラント制圧がどのくらいで終わるかだな」

 

「そうですね」

 

と言って送られてきているプラントの映像を見ながらそう言った

 

 

 

 

その頃、プラント内ではブルーマーメイド隊員と合流した海兵隊員が内部に侵入していた。バラストタンクから侵入した制圧部隊は1人の海兵隊員がエレベーターに乗り込み残りの人員は全員階段から上がっていった。そのよう明日を静は隊員の頭についているカメラから、真冬はCICの画面で見ていた

 

エレベーターの前で警戒をしていた海賊はエレベーターの音がなり交代の時間ではないので不審に思い扉の方を見ているすきに階段脇からブルーマーメイド隊員が海賊を撃ち抜いた

 

 

そして人質のいると思われる区画に着くと海兵隊員は早速監視カメラのハッキングを始め、ブルーマーメイド隊員はファイバーカメラを使って人質区画の海賊の人数を確認した

 

「同期しました」

 

と言って海兵隊員のハッキングした監視カメラの情報が映るとそれぞれ確認し、静達が電算機を使って欺瞞情報を流し始めた。そしてファイバーカメラによって三人が見張りをしているのを確認した潜入部隊は人質の救出方法を考えた

 

「Hun?(ん?)」

 

「What’s wrong?(如何した?)」

 

「There was static.(今,ノイズが)」

 

「Switch the camera.(カメラを切り替えてみろ)」

 

と言って海賊は監視カメラを切り替えるが」

 

「All clear.(異常なしか)」

 

と言って変わらない映像を見てそう言うと

 

「Send some men to the hostage area in case.(一応、人質区画に人をおくれ)」

 

「Aye aye.(了解)」

 

と言って海賊はこの情報に警戒に警戒をした



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦5

海賊が監視カメラを見て警戒している頃、潜入部隊は手にテーザー銃を持って秒読みを行なっていた。そして扉から一斉にブルーマーメイド隊員がテーザー銃を放つと海賊に当たり、見張りをしていた海賊は気絶をした

 

 

そして潜入部隊はそのまま人質のいる倉庫の扉を開けた

 

「あなた方は?」

 

「ブルーマーメイドと海軍です。救助に来ました」

 

と言うと人質の科学者たちは歓声をあげた

 

「もうすぐ海賊が来ます、さあ急いでください、時間がありません」

 

と言うと科学者達は立ち上がって海兵隊が確保した通路を通って脱出を行なった

 

 

 

 

 

その頃、弁天のCICでは真冬が時計を見ていた

 

「・・・予定時間です」

 

と福内が言うと

 

「よし、作戦開始!!」

 

と言って艦隊に発光信号を送った

 

 

「作戦開始の指示です」

 

と発光信号を受け取ったシュペーは

 

「宜しい・・・攻撃・・・始め!!」

 

と言うとシュペー達艦隊の砲塔が周り、プラントに向けて砲撃を開始した

 

 

 

砲撃を受けたプラントの管制室には衝撃が走った

 

「What’s going on?(何事だ!)」

 

「We’re under attack!(砲撃です!)」

 

「Show me.(出せ)」

 

と言って1人が外の映像を出すと海上に装甲を施した小型艇のようなものが見えた

 

「Are they abandoning the hostages.(人質を見殺しにするか)」

 

「We’re going to counter attack.(反撃するぞ)」

 

と言って海賊は手に持っていたアサルトライフルで反撃をするが小型艇には全く傷が付いていなかった、それどころか小型艇らしき物から砲撃と銃弾の嵐は飛んできた

 

「うおっ!」

 

「グァ!」

 

と言って撃たれた海賊は軒並みその場に倒れた。その頃救出した科学者は高速艇によって武御雷に運ばれた

 

 

 

そして武御雷CICで通信を受けた香織は

 

「全人質、収容完了」

 

「よし、弁天に報告」

 

「了解!」

 

と言って弁天に報告をすると、弁天が勢いよくプラントに向かって走り出した。その頃プラントでは海賊が物陰に隠れながら海鋼や景虎に攻撃をしていた。すると突然、上からスポットライトが当てられ海賊は眩しさのあまり目を閉じてしまった。それを見ていた九鬼は

 

「おお、やっと来たか。よし、作戦はこれでほぼ完遂だ、武御雷に戻るぞ」

 

と言うと海鋼や景虎は潜航して武御雷に戻って行った。同じ頃海賊にスポットライトを当てた竹扇は攻撃を始めていた

 

「目標複数確認、機関砲発射!」

 

ブォォォォォォォン!

 

と言うけたたましい音とともに竹扇に搭載された20 mm機関砲が鳴り響くと甲板にいた海賊を排除した

 

その頃戦闘が行われている右舷の反対側の左舷では弁天が近付き。真冬が弁天の後ろ甲板に立ち、潜入部隊との合流を果たした

 

「よし、続けー!!」

 

「「うっす!」」

 

と言って真冬が中に突入を開始した

 

 

 

 

中に突入した制圧部隊はエレベーターホールに近づいた。ちょうどその時、4人の海賊が降りてきて、扉が開くと真冬がその中に突入をして4人を蹴りで気絶させた。そしてそのエレベーターはそのまま上の階へと登って行った。エレベーターが上に登っているのを確認したブルーマーメイド隊員と海兵隊はそのまま階段を登り、一番上の5階を目指した

 

 

 

5階についたエレベーターは一旦何かが倒れた音がして、そのまま扉が閉じるが途中で何かに引っかかりまた扉が開いた。同じ頃、階段を登り切った制圧部隊は海賊が倒れているのを確認すると

 

「あっ・・・」

 

と言ってご愁傷様、と言った表情でブルーマーメイド隊員はその場を去った。残った海兵隊員は海賊の拘束を行なっていた

 

「しかし、なんで今回は全員を生捕りになんて命令があったんでしょうか?」

 

と海賊を拘束している1人の海兵隊員が言うと

 

「さあ?まあ噂によると今回の件が来た中国の仕業じゃないかって話だけど・・・真相は如何やら」

 

と言って拘束した海賊をそのまま入ってきた搬入口に運んだ

 

 

先に進んだ真冬は植物プラントの生成場所に突入を行い。音に気づいた海賊は咄嗟に持っていた銃を放ったが、真冬は恐ろしい身体能力でそれを交わして上に登り、海賊が唖然としている隙に後ろからパイプを使って回し蹴りを喰らわして、反対側の壁に飛ばし気絶をさせた。その後から追ってきた他のブルーマーメイド隊員が気絶させた海賊と踏んで追いつくと

 

「管制室は上です」

 

「よし、続け」

 

「あ、艦長こっち・・・」

 

と言うが既に遅く、真冬は管制室の道とは反対側の方向に走り出してしまった

 

「あ・・・」

 

と言ってブルーマーメイド隊員が少し唖然とすると

 

「潜入部隊だけ続け!!」

 

と言って真冬がの後を急いでついて行った。その頃管制室では現れた竹扇と侵入してきたブルーマーメイドに慌てふためいていた

 

「What’s the station?Stop intruders at the plant.(状況は如何なっている?プラント区画で侵入者を食い止めろ)」

 

と言って海賊のリーダーが指示を出していると、突如管制室のドアが開いた。そして警戒をしていると、そこか倒れた仲間が出てきてその隙に反対側から三人のブルーマーメイド隊員が出てきて他の入り口から入ってきたブルーマーメイド隊員もそれぞれ海賊に向けて銃を向けていた。そして管制室の窓からも竹扇が銃を向けて攻撃準備を行なっていた。そして海賊の持っていた銃を捨てさせ、リーダー以外の海賊が投降をするとリーダーは左右のブルーマーメイド隊員と竹扇の機関砲に睨まれリーダーは牽制をしていると真冬が恐ろしいジャンプ力で管制室目掛けて飛んだ

 

「とうっ!」

 

それき気づいた海賊はリーダーに向かって何かを言うと

 

「でりゃぁ!」

 

と言って真冬が管制室の窓を突き破って中に突入した。咄嗟にリーダーはマントに向かって銃を放つがそこにはもう真冬の姿は無かった。ふと海賊が上を見ると真冬が海賊のリーダーの喉元にチョップを喰らわしてリーダーをよろけさせた

 

「根性ある奴が1人も・・・根性!」

 

と言って逃げようとした海賊に鼻フックをかけると

 

「あ・・あ・・あが・・あが・・あっ」

 

と真冬は悪い笑みの表情となり

 

「Noooooooooo!!」

 

と海賊の悲鳴がプラントとに響いた。それを見ていた竹扇のパイロットとシュペーから見ていたテアは

 

「「あれは子供には見せられんな・・・」」

 

と同じ感想を抱いていた。真冬にやられた海賊は最後の力を振り絞ってベルトについていた機械のボタンを押すと、その機械のランプが赤く点滅していた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二正面作戦6

プラントの制圧が行われている頃、学生艦隊では

 

「偵察中の星鵬より入電、要塞の進路、速力ともに依然として変化無し」

 

と言って星鵬からの偵察情報を報告した

 

「射程内まで後10分です」

 

「予定通りなら、そろそろ内部に突入した頃ね」

 

「全艦に攻撃準備をさせますか?」

 

「ええ、要塞側に情報が伝わる前。つまりプラント制圧直後に初弾、発砲します」

 

「了解しました。再確認しますが、本艦が他の上級生や遊撃艦隊を指揮下に置くので問題ありませんね?」

 

と確認を取ると

 

「ええ、それは既に通達済みよ。それにもうすぐ武御雷から第一次攻撃隊が要塞に向かって攻撃を行うわ」

 

と言うと上空を甲高い音が通り過ぎて行った。同じ頃、要塞を偵察していた星鳳では

 

「あれ?なんだこの電波?」

 

「ん?どうかしたのか?」

 

「この通信を見てください」

 

と言って星鵬に乗っていた通信士が紙を見せると謎の電波が流れている事だった

 

「・・・武御雷に繋いで電算機を使う許可を」

 

「了解」

 

と言って通信士は武御雷に通信を繋いだ。同じような物を晴風の通信室にいた八木も不審に思った

 

 

 

 

 

同じ頃晴風の射撃指揮所では

 

「要塞って見える?」

 

「全然、水平線の向こうだもん」

 

「え?それってどのくらい?」

 

と三人が言っていると

 

「うーん、現在の位置関係は大体フルマラソンの距離くらいかな?」

 

「42.195km?」

 

「それって、横須賀から横浜より遠いんじゃない?」

 

「多分品川の向こう」

 

「晴風の主砲は水平線のちょい先くらいまでしか届かないのに」

 

「武蔵はそこまで届くんでしょ?バキュンだね」

 

と言って日置が双眼鏡を除いた。同じ頃、艦橋では納沙が電話を取り報告を聞いた

 

「艦長、プラント。制圧完了の報告です」

 

報告を聞いた明乃は帽子を深く被り

 

「総員戦闘配置!」

 

と言って艦隊は戦闘配置についた

 

「遠距離・・・」

 

「くーっ!見えない距離からの超長距離射撃、あれぞ大型艦の夢だね〜!」

 

と言って西崎が興奮していると納沙が射撃の話をし始めた

 

「大和型の測距儀は大体海面から37m付近にあるとしてそこから見える距離は・・えっと23k。砲弾はその倍近くまで届きますから・・目標に命中させるのには目標近くでの弾着観測が必要ですね・・・って誰か聞いてます?」

 

と言って誰も解説を着ていないことを指摘した

 

「攻撃始め!」

 

「大和型戦艦及び日本武尊にて統制射撃を行う!」

 

「了解、旗艦武蔵より大和型及び日本武尊に通達、要塞に対して統制射撃を行う!」

 

「「了解、旗艦の諸元にて攻撃を行う!」」

 

「砲術長、目標要塞。位置は星鳳のデータを使用。交互打ち方」

 

「了解」

 

と言うと大和型の4隻と日本武尊の五隻の砲塔が3時方向に向き、左右の砲が上を向いた

 

「射撃、用意よし!」

 

「各艦に通達、武蔵。攻撃準備完了」

 

と言うと他艦からも返答があった

 

「「攻撃準備完了!」」

 

「撃ち方始め!!」

 

と言うと5隻の砲塔から爆炎が上がり砲弾が繰り出された、撃ち終わった左右の砲身が下がると今度は中央の砲身が上がり砲弾が装填されると中央の砲身が上がった。そしてその砲弾は要塞の近くに着弾をし、大きな水柱を挙げた

 

「星鳳より入電。初弾全弾至近!」

 

報告を聞いた能村は

 

「流石に初弾命中は難しいだな〜」

 

すると

 

「星鳳より続報、目標は初弾発砲と同時に約5度外方へ転身。旧進路のままだと初弾は夾叉!」

 

その報告に宮里達は驚いた

 

「転進しなければ初弾夾叉ですか・・・」

 

「ふーん、なかなか武蔵の艦長も大したものね」

 

「どえらい物ね〜」

 

と武蔵を見ながらそう言うと

 

「続いて武御雷の第一次攻撃隊、攻撃を開始。攻撃完了まで暫し待機せよ!」

 

と言って航空隊が要塞を視認した

 

「目標発見!各自攻撃を開始せよ!」

 

と言うと航空機から噴進弾が発射され爆炎を挙げた

 

「第一次攻撃隊、攻撃終了。帰投する!」

 

と言って炎を挙げている要塞を確認すると航空機隊は撤退を始めた。報告を受けた学生艦隊は

 

「星鳳より入電。第一次攻撃隊、攻撃終了。続いて修正諸元きました」

 

と言うと少し砲塔が動いて中央の砲火が発砲をおこなった。それを見た納沙は

 

「おお!交互撃ち方、最初は左右の砲、次は中央の砲が発砲して修正する撃ち方ですよ」

 

と納沙が交互撃ち方の解説をした

 

「斉射・・・」

 

「大和型4隻と日本武尊の46cmと48cmの45門同時発射は・・見てみたいよね・・・」

 

「弾着・・・」

 

「そっかぁ〜安全圏にいたら見えないか・・・」

 

「残念」

 

と言って西崎の望みが砕かれたことにショックを受けていると

 

「ここは安全圏内だから、安心安心!」

 

と言って鈴がホッとした様子で言った

 

 

「距離を詰めたほうがいいかしら?」

 

と言って命中率を上げる方法を考えたが

 

「大丈夫です」

 

と言ってもえかが時計を見ると

 

「・・弾着」

 

と言うともえかの言う通り砲弾がゲートに当たり爆発を起こした

 

「星鵬より入電、目標のゲートに命中」

 

その報告を聞くと真霜はもえかに微笑んだ

 

「やるわね・・突入艦隊に連絡!」

 

と言うとホワイトドルフィン艦隊に通達をした。




一般に公開されている日本武尊の主砲口径は19インチの48cmとなっています。それに緊急時用に島風と同じ零式五型五連装魚雷発射管を両舷に一基ずつ備えています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

事態の急変

時は少し戻り、星鵬が不審電波を探知した頃まで戻る。その頃武御雷の格納庫で人質に飲み物を配っていた静達は星鵬からの報告を聞いた

 

「電算機を使わせてほしい?」

 

「はい、星鵬からの情報からですと、プラント陥落直後に内容不明の不審電波があったと・・・」

 

「電波・・・」

 

と言って静が香織からの報告を聞いて、少し考えると

 

「よし、その情報を直ちに電算機に回して解析を行ってくれ」

 

「了解しました」

 

と言って香織が戻ると静は考えを巡らせた

 

「不審電波・・・プラント陥落直後に・・・まさか!!」

 

逸物の不安を感じた静は急いでホワイトドルフィンの突入艦隊に通信を入れた

 

 

 

 

 

そして時は戻り学生艦隊が砲撃を終了した頃に戻る

 

「艦長、武御雷より入電」

 

「なんて言ってるの?」

 

「はい、直ちに突入艦隊を要塞から離れさせよ!だそうです」

 

「なんで今更・・・」

 

と思っているとさらに通信が入った

 

「艦長、晴風より通信。プラント陥落直後に内容不明の不審電波ありとの報告」

 

「え!?」

 

「なんですって!」

 

と二人は驚いた。その頃突入艦隊では

 

「艦長、武御雷より入電です」

 

「なんと言ってきた」

 

「はっ、『貴艦隊は要塞から離れられたし』だ、そうです」

 

「なぜ、今更・・・」

 

と言っていると要塞から砲身が出てきて艦隊に向けて砲撃が開始された

 

「要塞から砲撃!?」

 

報告を聞いた突入艦隊の艦長は驚いた

 

「何!?」

 

要塞からの砲撃に艦隊は混乱した

 

「面舵一杯!安全整備局に連絡!要塞は稼働状態にあり、本艦はこれより突入を開始する!」

 

「了解、要塞に突入を行います!」

 

と言って中に入ろうとするもさらなる事態が起こった

 

「ゲート入り口、推定幅14メートル高さ25メートル!」

 

「この艦での突入は不可能です!」

 

と言って現場では混乱が起きていた

 

 

 

 

「なんですって!?要塞から砲撃!?」

 

要塞の情報は真雪のところにも届いた

 

「武装は破壊したってアメリカは言ってたわよね・・」

 

「事前情報ではそうでしたが・・・」

 

「学生達を行かせるんじゃなかった・・・」

 

と言っていると

 

「作戦が失敗しただと?」

 

と言って政府側からの通信があった

 

「まだ失敗ではありません」

 

と言って真雪は反論するが

 

「要塞の武装が生きていて内部に突入できないとなればどうやって止めるんだ?」

 

と回答を求めると

 

「航空隊の攻撃で・・・」

 

と言って時間は少し掛かるが航空隊の攻撃によって要塞を破壊することを提案するが

 

「すぐ近くに内部に入れる船があるんじゃないか?」

 

と言って政府はホワイトドルフィンの鑑定よりも小さい艦艇で進入できないかと提案すると

 

「それは学生の艦のことですか?」

 

「私は特に・・何も言ってない」

 

と言って通信が切れた

 

「はぁ・・・」

 

と言って真雪はため息が出てしまった。その頃報告を受けた静は直ちに第二次攻撃隊の発艦と最終手段の用意をするためにある所に通話をした

 

 

 

 

「通信、繋がりました」

 

「ああ、分かった・・・夜分にすみません熊谷師団長」

 

「おお、どうした?何かあったか?」

 

と画面越しに熊谷が聞くと

 

「熊谷閣下、実か事態が急変しました・・・もしかすると”中距離弾道墳進弾”が必要になってくるかもしれません・・・」

 

と言うと熊谷が深刻そうな顔をして

 

「・・・詳しく理由を聞かせてくれ」

 

と言って要塞の武装が生きていたことを説明すると

 

「できるだけ粘っては見ますが。もしもの時は国家の安全を優先するために中距離弾道噴進弾の発射許可を貰っておいてくれませんか」

 

「・・・分かった。今から直接今上天皇、並びに総理に聞いてみる」

 

「よろしく頼みます」

 

と言って通信を切ると香織が深刻そうな顔で見た

 

「・・・司令、まさか本気ですか・・・?」

 

「・・・もし本気で使うなら、最初に近くの艦隊には急速で離脱してもらわなければ・・・」

 

「しかし未だに使われた事はありません。破壊力も未知数です、もしかすると学生にも被害が及びますよ」

 

と言うと

 

「まあ、あくまでもこれは最終手段だ。本当に使うことにならないよう祈るばかりだ・・・」

 

と言って飛んでいく攻撃隊を見ながらそう言った

 

 

 

 

 

「最悪ね・・・」

 

その頃武蔵艦橋では真霜がタブレットを見ながらそう言うと

 

「距離を詰めます」

 

「向こうも撃ってくるわよ」

 

「ホワイトドルフィンががんばって引きつけてくれています。その間に、できるだけ砲弾を叩き込みます」

 

と言うと報告があった

 

「星鵬より報告、これよりホワイトドフフィンの撤退を援護し、日本武尊の特殊砲撃で要塞の武装の破壊を試みる。だそうです」

 

「一体どうやって?」

 

と真霜が不思議に思っているとまた報告があった

 

「射撃指揮所より報告!レーダーが真っ白になったそうです!」

 

その頃星鵬では

 

「電探欺瞞箔、散布開始」

 

「了解しました。電探欺瞞箔、散布開始」

 

と言って星鵬からアルミホイルが撒かれレーダーを敵味方共に一時的に使用不能にした

 

「それじゃあ今のうちにできるだけ砲弾を叩き込みます。撤退が終わったら日本武尊には砲撃を許可して下さい」

 

「了解!」

 

と言うと大和型四隻は一斉砲撃を行った

 

 

 

 

 

その頃晴風では

 

「・・・だそうです」

 

と言って

 

「現在の位置と予想進路は?」

 

「こちらです」

 

と言って真白の返答に納沙がタブレットを見せると

 

「まずいな・・・六時間以内に到達可能な距離に幅14mの艦はありません」

 

「それって・・・」

 

と深刻そうに明乃が聞くと

 

「ホワイトドルフィン、ブルーマーメイド、海軍全てです・・」

 

「今のままだと五時間でプラントに合流・・そうなったら再び奪い返されると思います」

 

「プラント逃げちゃえばいいのに・・・」

 

と言って凛が時間を稼ぐ方法を考えたが

 

「どのみち、プラントの速度じゃ追いつかれますよ」

 

「えぇ〜」

 

と言って鈴が困った表情をすると

 

「囮だったのかな?・・・もし武装が使える状態で。もし要塞が東京湾に入ったら・・・」

 

「そしたら首都圏は火の海です!」

 

「今、湾内にあの要塞を止められる艦はありません。我々で止めるしか・・・」

 

と言った時だった突如、武蔵から通信が入った

 

「艦長、全艦に緊急電です!」

 

「なんて言ってるの?」

 

「旗艦武蔵から全艦に告げる。これより、菊花艦隊の秘匿兵器を使用する、総員衝撃波と閃光に注意されたし。なお双眼鏡の使用を一切禁止する。だそうです」

 

「秘匿兵器!?」

 

「何をする気だ?」

 

と言うと隣にいた艦隊から一斉に何かが飛んでいくのが確認できた

 

「噴進弾!?」

 

「ああ、だが何かがおかしい気がする」

 

と言って飛んでいった噴進弾を見て真白がそう言った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

事態の急変2

今回は長めです


前衛遊撃打撃艦隊が噴進弾攻撃を行う少し前、前衛遊撃艦隊司令長官の本田はあることを聞かされた

 

「なんですって!?それは本当ですか!?」

 

「ああ、もし要塞を止めることができなければ中距離弾道噴進弾を使用することが御前会議で決定された・・・」

 

と言って静がそう言うと本田は

 

「待って下さい!弾道噴進弾は未だ未知数の攻撃能力です。もしそれを使えば学生にも被害が・・・」

 

「ああ、だからこれは最終手段だ。だから、それまではなんとか粘ってもらいたい。そのためなら秘匿兵器の使用も許可する」

 

「・・分かりました。それでは日本武尊にZ弾の装填と全艦、武装安全解除をさせます」

 

「ああ、頼んだぞ」

 

と言って通信が切れた

 

「・・閣下は本気で考えておられるのでしょうか」

 

と隣にいた副官が聞くと

 

「さあ、わからん。ただ長官は此処の防衛ラインを越えたら、まずは学生艦を避難させてから。発射するだろうな」

 

「・・・つまり我々が要塞をここで食い止めないといけないと言うことですか・・・」

 

「そう言うことだ、もうすぐ第二次攻撃隊も到着する。その時にうちの航空戦力も投入する必要がある」

 

「分かりました、直ちに航空機部隊を発艦させます!」

 

「ああ、よろしく頼んだ」

 

そう言うと副官は部屋を出て行った

 

 

 

 

 

そして噴進弾攻撃がされると日本武尊も行動を起こした。無人の艦内からけたたましいサイレンが鳴ると砲身にZ弾が装填され、爆炎を上げた

 

「日本武尊、発砲しました!」

 

「これより閃光と衝撃波に注意せよ!」

 

「着弾まで10秒!」

 

 

 

 

 

そして武蔵艦橋では秒読みが行われた

 

「5」

 

「4」

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

と言った次の瞬間、何かが薄く光ったと思うと途轍もない光と音が炸裂した

 

「うっ!」

 

「まぶしっ!」

 

あまりの眩しさにもえか達は目を塞いでしまった。そしてその後の途轍もない衝撃波がやってきて大和型の船体が少し揺れた

 

「うおっ!」

 

「きゃっ!」

 

そして揺れが収まったと思った時だった。先ほど発射した噴進弾が要塞に直撃し、大きな光と爆炎と共に火山の噴火のような光景が生まれた

 

「これは・・・」

 

「まるで地獄のようね・・・」

 

そんな様子を見ていたもえかと真霜は恐怖した。まさか海軍がこんなに恐ろしいものを作っていたとは思っていなかったのである

 

「要塞は?」

 

と真霜が聞くと

 

「星鵬より入電。要塞は未だ健在、接近は危険との事だそうです。ただ、上部装甲帯が吹き飛んだとのことです」

 

「そんな・・・」

 

真霜は絶句した、あれだけの爆発でも一部しか破壊できていないのだから

 

 

 

 

 

「何ですって!それはもう決定されたのですか!?」

 

会議室で政府からの報告を聞いた真雪は驚いた

 

「先程、総理等、並びに今上天皇が御前会議を行った結果。急遽、決定がなされた。君たちの艦隊を要塞が突破した事を確認したら、中距離弾道噴進弾の発射を行う」

 

「・・・了解しました」

 

「作戦の成功を祈っている」

 

と言って通信が切れた

 

「・・・最終兵器を本気で使うつもりなんですか。静さん・・・」

 

と言って今、海上で作戦を行なっている学生艦隊のことを思い出していた

 

 

 

 

 

「そんな・・・海軍の兵器でもダメだなんて・・・」

 

晴風の艦橋では真白が絶句をしていた。すると明乃が

 

「・・・この晴風なら・・・中に入れる」

 

「確かに最大幅は10.8mですが・・・正気ですか?」

 

「分かんない・・・でも・・・私達がやれるなら・・・」

 

と言って明乃は要塞の内部に突入することを考えた。それを聞いた真白はため息をつきながら

 

「・・・はぁ〜、艦長ならそう言うと思っていました」

 

「っ!シロちゃん!!」

 

「5分待っていてください、作戦を考えます」

 

と言って真白は作戦を考えている間も大和型と日本武尊の砲撃は行われていた

 

ドンッ!ドンッ!

 

そして放たれた砲弾は殆どが要塞に命中していた。だが・・・

 

「クソッ!秘匿兵器や大和型の砲撃でもダメか!」

 

と言って砲撃を受けながらも動いている要塞を確認した。同じ頃、ホワイトドルフィン艦隊も突入部隊を出撃させるために要塞へと近づいたが要塞からの砲撃によりこれを断念した

 

 

 

「晴風が作戦案を上進して来たわ」

 

「ミケちゃんが!?」

 

と言って要塞に近づいた武蔵艦橋で真霜がタブレットを見ながらそう言うと

 

「ええ、晴風が中に突入をして動力部を破壊するって」

 

「・・・じゃあやることは一つですね」

 

「何をする気?」

 

「簡単です、我々が撃って撃って撃ちまくって、その間の中に晴風を突入させます」

 

「ホワイトドルフィン艦隊でも近づけなかったのに?」

 

と言って真霜が単艦で要塞に挑むことに驚いた

 

「私とミケちゃんなら大丈夫です」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

ともえかは明乃に対して何か絶対的な自信があると言った

 

「はぁ、あなたも言い出したら引き下がらないタイプなのね。仕方ないわ、確かに政府からも。学生を使ってでも要塞を止めろと命令が来てるの。だけど私としては安全を考慮して作戦を練って欲しい・・・」

 

「分かっています。あとは要塞の中を・・・」

 

と言ってもえかが内部情報を知ろうとすると

 

「ソレ!ワタシシッテル!」

 

と言ってスーが内部構造を知っていると言った

 

「はぁ、そうだったわね」

 

と言って真霜がため息をつくと

 

「要塞と政府から通信です!」

 

と言って真霜に生徒がタブレットを見せた

 

「何と・・・」

 

タブレットを見た真霜にもえかが内容を聞くと

 

「予想通りよ、近隣の船を引き上げてプラントを明け渡せ。さもなくば東京湾に突入すると・・・」

 

「最悪・・・ですね・・・」

 

と言ってもえかが表情を険しくすると

 

「それよりも政府からの方が最悪よ・・・」

 

と言って政府から来た内容を伝えた

 

「もし、要塞を止められなければ。中距離弾道噴進弾を使用することが御前会議で決定されたわ・・・」

 

「中距離弾道噴進弾?」

 

と聞いたことない言葉にもえかは首を傾げた

 

「中距離弾道噴進弾って言うのはね。日本が所有する中で最強に近い兵装なの・・・いまだに使われたことはないからわからないけど・・・破壊力は想像を絶する物と言われているわ・・・」

 

と言って真霜が説明をすると

 

「じゃあ、先程の攻撃よりもすごい・・・と言うことですか・・・?」

 

「ええ、おそらくあれの何十倍にも大きな衝撃でしょうね」

 

真霜の言葉に武蔵艦橋にいた全員が絶句した。先程の攻撃でもあれだけの衝撃が来たと言うのに弾道噴進弾はそれよりも恐ろしいほど大きな破壊力を持っていると言うのだ

 

「もし発射されることとなったら・・・」

 

「私達の艦隊も無事では無いでしょうね・・・」

 

その発言に艦橋は沈黙した

 

「しかし、こうなった以上。作戦を承認します」

 

と言うと真霜はスーを見て

 

「それと・・・あの子を晴風に送って・・・」

 

と言った

 

「了解、晴風に連絡!」

 

と言うと艦橋上部から手旗信号が送られた




気づいたらお気に入り50件行っ取った!!
いつも読んでくださり有難うございます!!これからも精進してまいります!!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

事態の急変3

政府から送られてきた通知に驚いている頃、武蔵から手旗信号を送られた晴風では

 

「作戦を承認する・・・だそうです!」

 

と内田が報告をすると晴風にフックが飛ばされて、スーがフックを使って晴風に向かってきた

 

「え!?」

 

大胆な乗艦方法に驚いているとスーはスキッパーに降りて晴風に乗艦した

 

「スーちゃん!?」

 

「何しに来た!?」

 

と真白と明乃が驚いていると

 

「手伝いに来た!スー、要塞の中。知ってる!!」

 

「え?本当に?」

 

「それは助かるが・・・本当にいいのか?」

 

と真白が聞くと

 

「トウゼンヨ、もうファミリーよ!!」

 

と言うとスーは何かを嗅ぐと猫のような足捌きで隣にいたがあかねに近づくと

 

「さっきのいい匂い!!」

 

と言うと

 

「私の作った肉巻きミルフィーユカツおにぎりなの。よかったら食べて」

 

と言って差し出すとスーは嬉しそうにそれを食べた

 

 

 

 

そして作戦が開始さると陽動艦隊と戦艦部隊とで分かれると晴風以外の駆逐艦や巡洋艦は要塞に対し陽動を開始した

 

「啄木鳥作戦開始!」

 

と言うと要塞からの砲撃をホワイトドルフィンと前衛遊撃艦隊の駆逐艦と巡洋艦が引きつけ、戦艦は砲撃を開始した

 

 

 

 

砲撃が開始されると能村が違和感を覚えた

 

「あれ?武蔵、照準とミスしとるん?」

 

と言って一つだけ離れたところに着弾した水柱を見てそう言うと

 

「いいえ、あれを見て」

 

と宮里が手前側を見ろと言うとその水柱に突っ込んでいく晴風の姿があった

 

「ありゃ〜」

 

その光景を見て能村は驚いていた。その頃晴風では

 

「目標まで、距離30・・水柱まで距離0.5・・くっ」

 

と次の瞬間、野間のいる見張り台に水が掛かった

 

「弾着が近づきます!!」

 

「艦長!!」

 

艦橋で真白が少し回り道をした方がいいのではと思っていた時、明乃が何かに気づいた

 

「おも〜か〜じ、赤色の水柱。ヨーソロー!」

 

と言って明乃は染色弾によって赤色に染まった水柱を見て、その意図を瞬時に理解した

 

「了解〜!」

 

と言って鈴が涙目になりながら勢いよく舵輪を回すと、晴風は水柱の中に突入を開始した

 

「艦長!!」

 

真白は明乃の指示に驚いたが

 

「大丈夫、絶対当たらないから。モカちゃんを信用してあの赤い水柱の中に突入して!!」

 

と言って晴風は赤色に染まった水柱の中に突入を開始した。

 

「うわっ・・まさか・・・こんな方法で」

 

と言って真白は水柱で晴風を隠しながら要塞に近づく方法に驚いた。それを見ていた本田は

 

「おお、これは見事な物だ・・・」

 

「染色弾で道案内とは・・・」

 

「全くだ、長官でもこんな事はしないぞ」

 

と言って双眼鏡でその様子を一部始終を見ていた

 

「高め5」

 

もえかが双眼鏡をみながらえそう指示を出すと武蔵の砲身が少し上がり、砲弾が上がると染色弾が放たれた

 

「染色弾で道案内なんて・・・」

 

双眼鏡で見ていた真霜も本田や真白同様に驚いていた。その頃、晴風と同様に近づいていた駆逐艦艦隊も陽動を始めていた

 

「艦長、我々は囮として目立つよう、後退せよと・・・」

 

と言って天津風副長の山辺あゆみが艦長の高橋千華に言うと

 

「くっ、本当は私が一番に突入したかったのに・・・」

 

と言うと山辺が左舷方向を指差しながら

 

「あれを見てもそう思います?」

 

「ん?」

 

と言った先には武蔵の染色弾によって船体が少し浮き上がり、水柱に突っ込んでいる晴風の姿があった。それを見た高橋は

 

「・・・よし!囮で一番目立つわよ!」

 

「はい!そうしましょう!」

 

と言って晴風の様子を見た2人はあれでは命が幾つあっても危ないと本能的に感じ、指示通りに動くことに他のメンバーも賛同した

 

「要塞は目の前です!!」

 

と言って野間が報告を入れると

 

「野間さん、退避を!」

 

「了解!」

 

と言って野間を見張り台から避難させた

 

「万里小路さんも退避完了」

 

「艦内防水扉、閉鎖完了」

 

と言って船底部にいる万里小路の避難も完了し、突入できる準備が整った

 

「みんな、捕まって!!」

 

と言って最後の水柱が着弾し終え、晴風は要塞の真下に近づいた

 

「ドンピシャ〜!」

 

と言うと晴風は要塞砲の死角に入った

 

「両舷停止!後進一杯!急げ!」

 

と言って破口から侵入した際の勢いを少しでも稼ぐために後進を入れ、破口に向かって進み突入を行なった。そして突入をした際にマスト上部の見張り台から上の部分がぽきりと折れ、野間が

 

「私の・・・部屋がぁぁぁぁぁ!」

 

と言って叫んでいた

 

 

 

 

 

 

晴風が中に入ったのを確認した真霜は

 

「砲弾で道案内するなんて・・・あなた達も無茶するわね・・・」

 

と言って先程の方法を見て驚いていた

 

「ミケちゃんなら絶対大丈夫ですから」

 

ともえかは絶対的な信頼を明乃に寄せていた

 

「・・・はぁ、うちの家族も大概とは思っていたけど・・・この子達も相当ね・・・」

 

と言って真霜は宗谷一家を思い出していた。その頃、本田は静に報告を入れていた

 

「・・・成程、晴風のが中に突入を・・・」

 

「はい、我々の駆逐艦では幅が大きく、中に入ることができませんでしたので・・・」

 

「そうね、少なくとも。神風型では厳しいでしょうね、それにうちの秋月型は海洋学校のとは少し船体の大きさも違うからね・・・」

 

「なんとも恥ずかしいものです・・本来なら我々が率先して行く物ですが・・・」

 

「そうね・・本来、我々は国民を守る立場。それなのに今はその国民が危険を冒して中に突入している・・・」

 

「・・これでうまくいけばいいのですが・・・」

 

と少し本田は心配をした。もしこの作戦が失敗すれば中距離弾道噴進弾が飛ぶ事になる、そうなれば晴風も巻き添えを喰らう事になるからだ

 

「・・・本田さん。心配もわかりますが、まずは成功を祈りましょう。もうすぐ第二次攻撃隊が到着します。もしもの事が無いことを祈りましょう」

 

「そうですね」

 

と言ってカメラに写っている航空機隊を見ていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

突入

今回で記念すべき百話でーす!!
いつも読んでくださっている方、誤字修正を教えてくださる方ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします!!


内部に突入した晴風は状況確認を行なった

 

「被害報告!」

 

「前部マスト、上部欠損!」

 

「電探どちらも反応有りません!」

 

「機関、舵、スクリュー、異常なーし!」

 

「全砲門異常無し。全力発揮可能」

 

「炊飯器無事です」

 

「聴音避難完了です」

 

と言って納沙がまとめると

 

「艦内状況把握完了。電探、ソナー使用不能。対空電探も使用不能。それ以外は問題なし!」

 

「前方、見張りを厳に。スーちゃん、道案内よろしく」

 

「任セテ!コノママ暫クマッスグ!」

 

と言って水路を進んでいた

 

「コノ先ハドックニナッテイテ・・」

 

と言うと納沙がある疑問を抱いた

 

「なんで外の砲が生きていたんでしょう?」

 

と言ってホワイトドルフィン艦隊を近づけなかった砲撃の理由を考えた

 

「海賊が修理した・・・?」

 

と西崎が少しある考えをしたが

 

「トキドキ、外カラ人ガ出入リシテタ」

 

と言うと真白はある考えが浮かんだ

 

「じゃあひょっとして中にも武装が・・・ハッ!」

 

 

と言って晴風が内部ドックに出た途端、複数のスポットライトが当てられた

 

「やっぱり!」

 

「面舵一杯!急げ!」

 

「はいぃぃぃぃぃ!」

 

と言って鈴が涙目で舵を回すと、中に設置されていた砲塔から砲弾が飛び出し、晴風に近くに着弾した

 

「反撃して!」

 

「うぃ」

 

と言うと晴風の15cm単装砲が仰角を上げ砲撃するも。手前の障害物に防がれてしまった

 

「弾かれた!」

 

と野間が双眼鏡で確認をすると船体が揺れ、左右ジグザグに回避行動を始めた

 

「全然当たらないよ〜!」

 

「回避するの早すぎ・・」

 

「バキュンと当てたい!」

 

「ピィィィィ!」

 

「うぃぃぃぃ・・・」

 

と艦橋では鈴が必死に回避駆動を取り、立石が唸っていた

 

「艦長、擁壁が邪魔でこちらの砲弾が当たりません!」

 

「上から撃ち込むしかないですね」

 

と納沙が言うと

 

「主砲の仰角を上げるのは?」

 

「天井・・・邪魔」

 

「だー!何か打ち上げるのないんか!」

 

「それだ!爆雷準備!」

 

明乃の司令に真白は何をするのか分からなかった

 

「艦長!目標は潜水艦ではありません!」

 

「ヒメちゃん、モモちゃん爆雷用意!たまちゃん、お願い!」

 

「うぃ」

 

そして晴風の後部甲板では爆雷の投射準備が行われた

 

「投射距離と飛行秒時は?」

 

「単射で210mの7.2秒っす!」

 

「一番上で上がった時がそれだから・・・」

 

「えっと・・仰角は50度・・・」

 

「天井の高さから割り出すと・・・計算出ました!一杯一杯で旋回してください!」

 

と言って等松が携帯で計算をすると立石は20m単装機銃で準備を整えていた

 

「了解!」

 

そして鈴が迫撃砲の回避をしながらドリフトをを行った

 

「まだっすか?」

 

と青木は爆雷の発射レバーを持った状態で聞くと

 

「まだ?」

 

「あと少し、ヨーイ・・・っ撃て!」

 

と言って青木がレバーを引くと爆雷は投射され、一旦砲座まで届くと

 

「ヒーハー・・ドーン!」

 

と言って立石のはなった20ミリ単装機銃の弾丸が爆雷に当たり。爆雷が近くで爆発をするとそのまま誘爆を起こし、砲塔は破壊された

 

「「大成功!」」

 

と言って等松、青木、和住はハイタッチをした

 

「砲塔・・沈黙!」

 

と野間の報告に真白は唖然としていると明乃が指示を出した

 

「前方開口部に突入!」

 

「りょ、了解〜!」

 

と言ってそのまま晴風は動力部へと向かった

 

 

 

 

 

その頃、武御雷では・・

 

「総理、現在の状況は詳しくお知りでしょうが。ただいま晴風が要塞内に突入し、動力部の破壊を試みています。よって弾道噴進弾の発射はまだ、と言うことでお願いします」

 

と言って通信相手の閣僚会議室に伝えると

 

「その件はわかっています。それよりも我々はこの事件の首謀者について報告を聞きたいです。既に事前情報はここにいる全員が知っています」

 

と大高が言うと静は納得した表情で話を始めた

 

「分かりました。ではまずは、これを見てください」

 

と言って画面が分かれて映像を映し出すと、閣僚達は少しざわついた。その映像は北中国の構成員が海賊に献金している様子の写真であった

 

「これは・・・本当なのですか!」

 

「だが、これは・・・国際問題になるぞ!」

 

「厳しく抗議すべき案件だ!」

 

と言って少しざわついた会議の場を大高が収めると

 

「それで・・・他にはありますか?」

 

「はい、それと・・・これはもしかすると直接“戦争”に関わってくる事かもしれません」

 

戦争という言葉に閣僚達は動揺が広がった

 

「まずはこれを見てください」

 

と言って画面にある映像を映し出すと

 

「これは・・・旅順港か・・・?」

 

と言って映し出されたのは北中国領内の偵察写真であった

 

「この写真からですとここにいる艦艇は全て、北中国軍の軍艦です。そしてここ、ここには砲弾や噴進弾が詰め込まれています。つまり、これは戦闘準備を行なっているものかと思われます」

 

静の報告に閣僚達は真剣な表情となった。もし戦闘が起これば北中国との戦争になる可能性が高い、そうなると日本に本土にも被害が及ぶ可能性がある。すると大高が

 

「木戸くん、直ちにこの情報を中華民国大使館に・・」

 

「分かりました」

 

と言うと外務省長官の木戸は会議室を出て中華民国大使館に通報をした

 

「・・・さて、まだ報告することはありますか?」

 

と大高が聞くと

 

「はい、では先の情報を踏まえて・・・」

 

と旅順港の情報を元に推測を言おうとした時、静にある報告が入った

 

「・・・今、要塞内部から爆発音を確認ということです」

 

その報告を受けた閣僚達は喜んでいたが大高が

 

「それは機関部が爆発したのかい?」

 

と聞くと静は

 

「いえ・・・要塞はまだ動いているとの事・・・恐らく今の爆発は、晴風に搭載していた36インチ魚雷のものかと・・・」

 

と言って今の要塞の映像を見ると、閣僚達はまた真剣な表情へと戻った

 

「まだ動いているのか・・・」

 

その映像を見た大高と茂は腕を組みながらことの次第を見ていた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

突入2

閣僚会議で静が北中国について話している頃、晴風では・・・

 

「まるで神殿だな・・・」

 

と言って先程、36インチ魚雷で吹き飛ばして露わになった機関部を見て感想を言うと

 

「スーちゃん、ここは知ってる?」

 

「ううん」

 

と言ってスーに聞くが知らないと言われ、明乃は

 

「砲撃、許可します」

 

と言って立石に発射許可を出すと

 

「うい」

 

と言って砲弾を放つが、全て柱に邪魔をされ、動力部には届かなかった

 

「柱が邪魔で、砲弾が通らない!」

 

「まずいな・・・」

 

と言って真白が頭を抱えると

 

「枯れ木も山の賑わいじゃがの・・柱も要塞の賑わい・・かのう」

 

と言って一人芝居をすると

 

「柱・・・柱に食い潰されるにはいかんけえ!」

 

と言って真白がノリに乗っかると

 

「おうよ!」

 

「は!」

 

「魚雷が自由に動き回ればいいのに・・・」

 

「それだ!ココちゃん!美波さん呼んで!」

 

と鈴の発言に何かを思い付いた明乃は美波を艦橋に呼んだ

 

「怪我人か?」

 

と言ってセグウェイに乗って飛んできた美波は内田と山下に腕を掴まれセグウェイはそのまま明乃の手に渡った

 

「美波さん、これ貸して」

 

「え?それ、私の兎走鳥飛24号!」

 

と言って驚くが明乃が説明をすると美波は納得した

 

「完成だ・・・」

 

と言って目の前にある改造セグウェイを見た

 

「題して超ダブルクロス号っす!」

 

と言ってセグウェイに魚雷を乗っけた急造感たっぷりのメカを艦橋にいる鈴がタブレットで動かしていた

 

「ここれなら全然怖くない!」

 

と言って少し興奮した様子で動かしていると、真白がある事に気がついた

 

「艦長、水深が浅くなってきています」

 

「どうして?」

 

「原因はわかりませんが、このままだと座礁します」

 

と言うと明乃は勝田の方を向いて

 

「鈴ちゃんは今、手が離せないから。サトちゃん操艦よろしく」

 

「了解ぞな!」

 

そして艦尾を動力部に向けると

 

「目標、見えました!」

 

「攻撃始め!」

 

と言うと鈴がタブレットのボタンを押し、改造セグウェイは勢いよく飛び出した

 

「無線の届くギリギリまで後退」

 

と言って船体を艦尾方向を後ろにし、なるべく動力部から離れるように距離を取ると

 

「両舷停止、両現後進減速!」

 

「マロンちゃん、爆発と同時に全速後退の準備!」

 

「ガッテンデイ!みんな正念場だ!」

 

「「了解!」」

 

と言って機関室では脱出の準備が行われた

 

「ふっふっふっ、ハイパードリフトターン・・!」

 

と艦橋では鈴が興奮状態で改造セグウェイを動かしていた

 

「突っ込め〜!」

 

「鈴ちゃんにも撃て撃て魂があったよ!」

 

と言って意外な発見に興奮していた。そして改造セグウェイが動力部に入ると

 

「後進一杯!」

 

と指示を出すと、改造セグウェイは動力部内で起爆をし、動力部が爆発を起こした。その様子は外にいた武蔵や本田にも伝わった

 

「おお・・・」

 

「やったか!」

 

「要塞の速度低下!」

 

「やったぞ!成功だ!」

 

その様子をリアルタイムで見ていた静と閣僚達は・・・

 

「おお、やったぞ!」

 

「これで作戦完了だ!」

 

と言って歓声の声をあげた

 

「よかった・・・無事成功して・・・」

 

と言って静が安心していると更なる報告があった

 

「現在、第二次攻撃隊が現場に到着。ただし、作戦の完遂により、中止しました」

 

「ああ、ありがとう」

 

そしてホッとしているのも束の間、ここに問題が発生した

 

「信号弾、あり。晴風です!」

 

「なんだって!」

 

すると大和型4隻と日本武尊による統制射撃を行ったが出口に落ちた瓦礫は塞がったままだった

 

「要塞崩壊まで、およそ60秒」

 

「直ちに攻撃待機に攻撃指示を。晴風には通信を送れ!貴艦はそのまま前進せよ、瓦礫はこちらが片付ける!!」

 

と言うと早速第二次攻撃隊の孔星から対地攻撃用噴進弾が発射された。その頃、要塞内にいた晴風は

 

「弾着音確認、大和型の砲撃です!」

 

「空気の流れ無し・・外海へ繋がっていない!」

 

と野間からの報告があると

 

「主砲は?」

 

「弱々」

 

と言って晴風の主砲では瓦礫の撤去ができないと言うと

 

「めいちゃん、魚雷は?」

 

「せっかくの発射チャンスなのに角度が悪すぎていてないよ!!」

 

と言って魚雷の方もダメだと言うと

 

「残り時間は?」

 

「過ぎてます!もう持ちません!」

 

「大和型の砲撃は最低でも30秒・・・」

 

「間に合わない」

 

と言うと通信が入った

 

「航空隊から通信です、貴艦はそのまま進まれたし。瓦礫は我々が片付ける。だそうです」

 

と言ってそのまま晴風は出口に向かって進んだ。

 

「全機に次ぐ、これより噴進弾を出口に瓦礫に向け、発射せよ!」

 

と言うと孔星から噴進弾が一斉に発射され。出口の瓦礫を吹き飛ばし、晴風が無事に要塞から出てきた。晴風の生還を確認した艦隊は全員がホッとした様子で喜んでいた。

 

「よかった、晴風も無事に生還し、要塞の制圧も完了、これで取り合えずは一件落着ね」

 

「そうですね」

 

その様子をカメラで見ていた静と香織はホッとした様子で映像を見ていた

 

「さてと・・あとは我々の出番だな」

 

「ええ、基地に着いたら情報を吐かせます」

 

「ああ、頼んだ」

 

と言って武御雷と直衛艦隊は前衛遊撃艦隊との合流と第二次攻撃隊の回収のために移動を開始した

 

 

 

 

 

その頃、晴風では要塞を止めた事で高揚感に溢れている中、真白は何かを決めた顔で明乃に話しかけた

 

「艦長・・私もようやく『always on the deck』の意味が分かった気がします」

 

「シロちゃん・・・」

 

と内心明乃はソワソワしていた、真白が比叡の艦長になるのか、それとも晴風の副長としてこのまま残るのかを

 

「決めました・・・私、艦長になります」

 

「っ!」

 

すると明乃は俯いて寂しそうに顔を下に向けた。やっぱり真白は入学当初から艦長になりたいと言っていたので、晴風から去るのかと思うと、寂しくなる。そう思っていると。真白は水平線を見ながら

 

「でもそれは今じゃないんです」

 

「え?」

 

真白の言葉に思わず明乃は顔を上げると

 

「晴風にいれば必ず、この後もいろいろなことに巻き込まれるに決まっています。私が艦長になるにはもっともっと経験が必要です」

 

「え!?」

 

「だから私は、晴風に残ります」

 

「ありがとう、シロちゃん!」

 

と言って明乃は嬉しさのあまり真白に飛びついた。こうして海賊による海上テロ事件は幕を閉じた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

真の目的

海上テロ事件が晴風の功績によって一応は解決した。要塞から脱出しようとした海賊はホワイトドルフィンによって拘束され、静の元へと引き渡された

 

「それでは我々はここで」

 

「はい、ご協力ありがとうございました」

 

と言ってホワイトドルフィン隊員にお礼をすると静は英語で

 

「お前達には聞きたいことが山ほどある。覚悟しておけよ」

 

と言うと海賊はあまりの恐ろしさに顔を青くし、ブルブル震えていた

 

「よし、連れていけ」

 

と言うと武御雷の部下が海賊を連れて行くと静はそのまま艦橋へと向かった

 

 

 

 

 

艦橋に着いた静は早速、報告を受けた

 

「司令長官殿、要塞は分遣隊が中に入り、調査を開始しました」

 

「よし、集めた情報は全て私に送ってくれ」

 

「了解しました」

 

「司令長官殿、武蔵からこっちに来れないかとの通信がありました」

 

「分かった、それでは松花の準備をしてくれ」

 

「了解しました、準備が出来次第。お呼びいたします」

 

「司令長官殿、艦隊はこのまま硫黄島要塞へと向かうのでよろしいでしょうか?」

 

「ああ、このまま要塞に向かい、奴らから情報を聞き出せ」

 

「分かりました、それと晴風から通信で例の件のお断りの連絡でした」

 

「そうか、やっぱり断ったか」

 

「司令の考え通りでしたね」

 

と香織が言うと

 

「ああ、そうだな。あのメンバーだからこそ、真の力が発揮されるものだよ」

 

と言って晴風の方を見た

 

 

 

 

 

そして松花の準備ができたとの事で早速、静は武蔵へと向かった

 

「間も無く着陸します、お気をつけて」

 

「ああ、わかった」

 

と言って扉を開けると目の前には真霜ともえかが立っていた

 

「お待ちしておりました、大石 静司令長官殿」

 

と真霜が言うと

 

「ああ、大丈夫。それよりどうしたんだ?呼び出して」

 

と言って要件を聞くと

 

「実は・・・先ほど報告がありまして。海上要塞に対応している頃に不審な人物を拘束したとの情報がありまして・・・」

 

「・・・わかった、とりあえず詳しい話はうちの所で聞こうか。さあ、乗って」

 

と言って真霜を松花に乗せるとそのまま松花は飛び立っていった。それを見ていたもえかは

 

「やっぱりすごいわね・・・」

 

と言って飛んでいく松花を見て驚いていた

 

 

 

 

松花に乗り込んだ真霜は早速詳しい内容を話し始めた

 

「私達が海上要塞に対処しているときに、菊花師団の陸軍基地の近くの場所で複数の武装集団を拘束したらしいの、詳しい内容は後で来るらしいけど・・・」

 

「うーん、臭いな」

 

「やっぱり姉さんもそう思う?」

 

「ああ、私も怪しいと思う。特に菊花師団の近くというところがな」

 

「もしかして、航空機の情報?」

 

「ああ、その可能性が高い・・・お、もうすぐ着くぞ。降りる準備をしてくれ」

 

と言って松輪が武御雷に着くと早速香織から報告があった

 

「司令!要塞から北中国の上陸用潜水艦を拿捕したとの事です」

 

「そうか・・・やっぱりか」

 

「え?どう言うことなの?」

 

と訳がわからない真霜と香織に静が詳しい話をし始めた

 

「つまりは、北中国は他国との差をつけて国力の回復を狙い、航空機の情報を盗み出そうと考えた。だが硫黄島要塞は我々菊花艦隊が常に目を光らせている。陸地の方も警察と陸軍が目を光らせている。そこでだ、情報を盗むには大きな陽動をして注意を引く必要がある。これでもう分かっただろ?」

 

と言うと2人は納得した表情で事の顛末を理解した

 

「成程、それであの海賊による海上テロ事件ね、納得だわ」

 

「だとしたらこれは国際問題になりますよ、いくら北中国が亜細亜連合に加盟していないとはいえ。これは十分北中国に抗議できる案件ですよ!」

 

と香織が言うと

 

「ああ、だから多分これは大きな賭けだったんだろうな。だから北中国側も揚陸潜水艦なんて言う豪勢なものを使ったんだろ」

 

「成程・・・しかしこれで北中国の作戦は失敗しました。これでもう彼らがちょっかいをかけることはないでしょう」

 

「いや、そうとは限らんぞ」

 

「「え!?」」

 

と2人が驚いていると三人はちょうど会議室に着き、中で詳しい話を始めた

 

「さて、さっきの北中国の話だが。作戦が失敗したと言うことはむしろ彼等を刺激してしまったかもしれん」

 

「「何ですって!?」」

 

と2人が驚くと静がテレビ画面にある映像を出した。それは閣僚会議の時に使った旅順港の写真であった

 

「これが今の旅順港の様子だ。ここを見て頂戴、ここには武器弾薬の集積場が」

 

と言って画面を拡大するとたしかに港には軍艦と軍艦に乗せる用の武装の積み込みが行われていた

 

「これは・・・戦争の準備?」

 

と真霜が憶測を言うと

 

「そう、もしこの準備が整えばおそらく南中国の上海、香港、広州辺りを攻めてくるでしょうね」

 

「そうなると、台湾にも攻撃の手があるかも知れない・・・」

 

「そう言うこと、もし台湾が攻撃されれば日本としては戦争に参加せざるを得なくなる」

 

「最悪ね・・・」

 

「ああ、全くだ。これからは南シナ海、それと黄海、そして日本海では海戦が行われるかもしれない」

 

「どうして日本海?」

 

となぜ中国は日本海側に領土を持っていないのに日本海の戦いの場となるのかが真霜は分からなかった。しかし香織は

 

「もしかして・・・朝鮮ですか・・・?」

 

「あっ!」

 

「そう、北中国と安全保障を結んでいる朝鮮もおそらくこの戦いに参加する恐れがある」

 

「だとしたら中華民国、日本と中華人民共和国と朝鮮との戦いになると言うことですか?」

 

「それに欧州各国、それにアメリカもこちら側に着くだろう」

 

「まるで日露戦争のようですね・・・」

 

「ああ、構図がとても似ているな」

 

と言って旅順港の画面を見ていた

 

「何も起こらないことを願うしかないな」

 

「そうですね、再来月には空港開港式典がありますしね」

 

と言ってネット記事のポスターを見ながらそう言った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

事後処理

武御雷の会議室で今後の情勢を推測した静達は空港の安全確認について再確認をした

 

「当日の警護は空港周囲は陸軍の高速艇と菊花師団の回転翼機部隊で上空からの監視。ブルーマーメイドは式典会場の警戒をすることになっていたわね」

 

「はい、その予定でしたが・・・」

 

「じゃあ空港直通線には陸軍とブルーマーメイドの増援をお願いできるかしら?」

 

「ブルーマーメイドはいつでも大丈夫です」

 

「陸軍には総長からお願いをさせて貰います」

 

「わかった・・・では前日に危険そうな場所を全てチェックした後、各自配置に着くよう厳命して下さい」

 

「分かりました」

 

と言って空港開港記念式典の細々とした訂正を行うと真霜にそのデータを渡した

 

「これで取り敢えずは安全ね」

 

と資料を受け取った真霜が言うが

 

「いや、まだ安全とは限らない。自爆テロという方法がある」

 

「でもどうやって防ぐ気なの?」

 

と聞くと静は

 

「簡単なことさ、当日前夜に壇上に防弾仕様の強化プラスチック板を配置する。これで少しは被害はマシになると思う」

 

とこのことは秘密裏にと念を押しながら言った

 

「なるほど・・・それなら大丈夫そうね」

 

と言って真霜達は甲板に上がると

 

「それじゃあ次会うのは式典会議の時ね」

 

「ああ、その時にまた会おう」

 

というと松輪に乗って武蔵へと戻っていった

 

 

 

 

 

松輪が飛んでいったのを確認すると静達、菊花艦隊は学生艦隊と別れ、硫黄島要塞へと帰還した

 

 

 

 

硫黄島要塞についた静は早速、拿捕した潜水艦について報告を受けた

 

「司令長官殿、拿捕した潜水艦に関してはソ連製ロメオ型潜水艦でありました」

 

「・・旧式だな」

 

「ただ機関部に大規模な改造がなされていました」

 

「そうか・・・ではその捕虜は?」

 

「ただいま監視室にて監視しております」

 

「分かった、ついでにこちらで拘束した海賊のその中に放り込んでおけ」

 

「了解しました」

 

と言うと武御雷から目隠しをされ、手首に拘束された海賊がゾロゾロと監視室に向かって歩いて行った。それを見た静は

 

「よし、それじゃあ海賊のリーダーと他数人を連れて来い・・・やるぞ」

 

と言うと静は情報を吐かせるために尋問室へと向かった

 

 

 

 

 

尋問室に着くと早速数人の海賊が椅子に括り付けられ、さらに手足を器具によって固定され、口は猿轡にされていた

 

「よし、始めるぞ・・・オラァ!起きんか下衆野郎!」

 

と言って静が手に持っていたブラックジャックで海賊のリーダーを殴ると目を覚ました海賊は喚き立てようとしたが猿轡によって声が出せなかった

 

「ん〜!ん〜!」

 

「おうおう、随分と喚くじゃないか。さて、その口で話してもらおうか・・フンっ!」

 

と言って何回か殴ると海賊は顔が膨れ上がり原型をと留めておらず、鼻血も出ていた

 

「さあ、言う気になったか?あぁ?」

 

と言って髪を引っ張り海賊のリーダーを見ると海賊は沈黙を通したままだった

 

「よし・・・ならばさらに行くとするか。おい、もってこい!」

 

と言って静の手にナイフが渡された。すると静は

 

「なあ、日本の極道って仕事に失敗したらケジメの為に小指を切られるんだって。だからお前も仕事に失敗したんだからね?ケジメは付けないと・・・な!」

 

ザシュッ!

 

「クァwせdrftgyふじこ!!」

 

と言ってナイフを使い小指を切られた海賊のリーダーは言葉にならない声を発すると何かを言い出した

 

「モゴモゴ・・・」

 

「何言ってるかわかんねえよ!!」

 

と言って海賊に向かって静は鈍器で殴るとその際に猿轡がはずれ、海賊の歯が数本折れて口から血を吐きながら飛び出した。そしてそのままぐったりと首を下に下げて何も喋らなくなった

 

「ふん、こんなもんか。おい、こいつをそのまま運んで石抱きにさせろ」

 

と言うと隊員がボロボロになった海賊をギザギザした石板の上に正座させ、上から石板を乗せるとバキッバキッ!と言う音とともに海賊のリーダーがそのまま悲鳴を上げながら気絶をした。その音を聞いていた他の海賊は自分のああなりたく無いと思い、泣きながら次々と情報を言い始めた

 

・うちらは北中国によって資金を得た事

 

・北中国が自分達に要塞とプラントの奪還が上手くいけば報酬が弾むと言われた事

 

・北中国はもうすぐ中華民国に総攻撃をする事

 

などなどだったが殆ど、事前に知っていた事だったので取り敢えず連れてきた面々の足を全て粉砕すると適当に放り出し、軽い治療をさせると本国へ送還した

 

 

 

 

 

海賊に対し尋問を行った静はとりあえず部屋を出て要塞内の長官室へと戻っていった

 

「・・・ふぅ、疲れた・・・」

 

「お疲れ様でした」

 

と言って長官室に着くと香織がお茶を机に置いた

 

「ああ、ありがとう・・・」

 

と言ってお茶を飲むと静が

 

「あ、そうだ!ちょっと、萩野くんを呼んでくれるかい?」

 

「分かりました」

 

と言って少しすると萩野が部屋に入ってきた

 

「お呼びでしょうか、司令」

 

「ああ、萩野くんにちょっとお使いをお願いできるかい?」

 

と言って萩野にA4サイズの封筒を渡すと

 

「これを横須賀女子海洋学校と軍令部、それと奥多摩の菊花師団本部に送ってくれ」

 

「・・・了解しました」

 

と言って封筒を受け取ると萩野は部屋を出て水上機基地に向かい電征に乗り込むとそのまま東京の奥多摩の航空基地に向かった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

第六章〜中華南北戦争編
開港記念式典


皆さん、今年最後の投稿です。良いお年をー!!


あの海上テロ事件から二ヶ月が経った、その間は摘発した海賊や航空偵察で発覚した情報などを纏めており。直ぐに二ヶ月が経ってしまった

 

 

 

 

 

そして東京の一角では物々しい雰囲気となっていた、夥しい数の警官、軍人そして世界各国からやってきた記者団に、周り周回している海軍と陸軍の巡視艇、そしてブルーマーメイドの小型艇。そしてそこに到着した車列に一斉にシャッターがたかれた

 

「今日行われる空港開港記念式典に出席される為に只今、天皇皇后両陛下の乗られた車列が只今到着致しました」

 

そうある記者が言うと一台の車から二人の人物が降りてきて。敷かれていたカーペットの上を歩き、記念式典の行われる東京海上空港のターミナルへと足を運んだ

 

 

 

 

 

会場に着くと既に式典に招待された各国大使館の大使やこの国の資本を支える資本家や企業の社長、そしてブルーマーメイドや海軍、陸軍の幹部など。たくさんの要人が設置された席に座り、式典の始まりを待っていた。そして今上天皇が壇上に上がると祝辞の言葉を述べた

 

「今日、全国四箇所に開港する空港の設立に喜びをあらわにすると共に。ここに空港の開設、並びに皇立航空兵学校の開設を宣言するものとする」

 

そう言うとターミナルの外ではたくさんの風船が空に浮かび上がり、菊花艦隊と菊花師団の音楽隊による祝賀行進曲が演奏されると外では抽選で当たった空港第一号便に搭乗する乗客の姿があった。その中には明乃と真白の姿もあった

 

 

「あ!艦長にシロちゃんも写っていますよ!!」

 

「あ、本当だ。みんな見て!艦長が写ってるよ」

 

と言ってテレビで空港開設の様子を見ていた納沙がそう言うと西崎が寮に着いているテレビ画面に晴風メンバーを集めると、みんなが画面に集中して見ていた

 

「おー、本当に映っているよ」

 

「しかし、艦長の運の良さがここで発揮されるとはね」

 

と言って西崎が応募した第一号便に当たり、クラス全員で盛り上がっていたのを思い出していた

 

「しかし映像だけですけどすごい人が集まっていますね」

 

「ねえ、だってほら。空港までの道ってブルーマーメイドの人たちが守っているんでしょ?それに今日は空港周辺地域は船舶出航制限、交通規制、外出自粛が引かれていて厳戒態勢ですもんね〜」

 

と言って画面を見ていると映像が空港の屋上へと変わり、航空機に搭乗する人たちの映像が流れていた

 

「そう言えば艦長達って北海道に行くんだっけ?」

 

「ええ、確かそうだったはずですよ」

 

と言って納沙がタブレットを見ながらそう言うと

 

「そっかー、じゃあこれは福岡行きのが映ってるから艦長の姿は見れないかー」

 

と西崎が残念そうに言うと

 

「で、でもチャンネルを変えたら他の航空便の映像が映っているのでは?」

 

「「それだ!!」」

 

「ヒャイ!!」

 

と言って鈴の案にクラスメイトはテレビのチャンネルボタンを変えると北海道便の映っている映像局があった

 

「あ、あった!艦長達の乗る航空便だ!!」

 

と言っていると乗り込んでいく乗客の中に見知った顔が写っていた

 

「あ、丁度艦長も映っているよ。最後に乗ったんだね」

 

と言って最後に乗り込んだ明乃達を見て乗客が全員乗ったのを確認した職員がかけていた階段を外し航空機の扉が閉まり。いよいよ離陸準備が始まった

 

「いよいよですね」

 

「うん、ちょっと緊張しちゃうね。本当に飛ぶのかさ」

 

と言っていると滑走路に一番最初に立った北海道行きの航空便は徐々に速度を上げ、前のタイヤが浮くと後ろのタイヤも浮いて空に飛んで行った

 

「「おお〜!」」

 

そんな様子を見て晴風メンバーは驚いていた

 

「すごいな〜、あんなに重そうなのが飛んじゃうなんて・・・」

 

「はい・・・圧感でした」

 

「お土産、ちゃんと買って来てくれるかな」

 

と言って飛んでいく映像が映し出されて次にコメンテーターの言葉が入ると晴風メンバーは明乃のお土産を楽しみに帰りを待った。ちなみにこの日の視聴率は99.2%と過去最高記録を叩き出していた




高評価お願いします・・・(切実な願い)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

報告

新年初投稿です、今年もよろしくお願いします!!
今年は少し投稿間隔が空くかもしれません、それでも頑張って繋げていきたいと思います


式典が終わり、空港から飛び立っていく航空機を見て。静は

 

「ふぅ、とりあえず問題なく式典が出来てよかったわ」

 

そう言うと隣にいた熊谷が

 

「そうだな、この前の航空写真の影響で政府と軍上層部では緊張が高まって居る」

 

「なんとかこじれない事を祈るだけですね」

 

「ああ、全くだ」

 

そう言って空港から最後のに飛び立った福岡行きの旅客便を見届けると、二人はそのまま車に乗ると永田町の新国会議事堂に向かった

 

 

 

 

 

新国会議事堂に着くと。早速二人は大臣室に連れられ、先に座っていた大高と茂の姿があった

 

「おお、来ましたな」

 

「その様子だと、特に問題はなかったようだな」

 

そう言って二人をソファーに座らせると

 

「・・・実は、今日お呼びしたのは他でもありません。北中国の一件で本郷少佐から報告がありましてな。それを共有しようと思いましてな。入ってきてもらっていいかい?」

 

そう言うと大臣室の扉が開くとそこから一人の男性が入ってきた

 

「お久しぶりです。総理」

 

「ああ、座ってくれ。本来は赤坂あたりで歓迎会を開きたいと思っていたんですがね・・・」

 

「いえ、私はこれが終わり次第、青島に向かわなければなりませんので」

 

そう言って席に座ると本郷は持っていた鞄からファイルに入った紙を取り出すとそれを部屋にいる全員に配った

 

「これが、今回調べた結果です。今の北中国の主力戦車と今の北中国国内の経済状況です」

 

そう言って紙を見せるとそこには北中国の主力戦車の写真と街の様子が映された写真があった

 

「現在、北中国では脱北する人が相次いでおり国境付近は軍によって警備されています」

 

「しかし、どうやって入国したんだ?相当な警備だったんだろ」

 

そう茂が言うと本郷は

 

「いえ、実は天山山脈の方は軍の警備が薄く、そこから難なく入れました。その時、ついでに脱北している人がいたのでそれの手伝いも・・・」

 

そう言うと大高達は納得した表情で視線を紙に戻した

 

「しかし、主力戦車はここ数年、南中国から盗まれた85式戦車かと思ったが・・・まさかT−54のままだったとは・・・」

 

「だが、85式戦車は何処に配備しているんだ・・・」

 

そう言うと本郷は机に一枚の写真を見せた

 

「これは私が天安門広場で極秘に撮影したものです。ここに写っているのがおそらくその85式戦車を基に作られたものかと・・・」

 

そう言って写っていたのは迷彩色に塗装された戦車であった

 

「うーん、やはり紫禁城か・・・」

 

「しかし現状、黄海は全て北中国の支配下だ。南中国は重慶の周りを最新鋭装備で固めている、これを突破するのは至難の業だぞ」

 

そう言うと本郷が

 

「実はその事である話がありまして・・・」

 

そう言うと本郷は小声で

 

「まだ確証はありませんが・・・北中国が自前で噴進弾の開発に成功し、しかも陸上からの超長距離噴進弾を実戦配備したと言う噂があります」

 

「それは真か!?」

 

そう言って大高が驚いていると今度は静が

 

「実は私もこの前の要塞の内部調査の一件で報告があります」

 

そう言って持ってきたパソコンにポケットから取り出したUSBメモリを取り出すとそれをパソコンに繋いであるデータを見せた

 

「内部調査を行なった分遣隊からの報告で中にあった砲塔が北中国製100mm連装砲と思われるとの報告です」

 

そう言うと部屋にいた全員がやはりと言った表情であった

 

「そうでしたか。しかし、あまり戦争を回避したいところですが・・・あまりに手出しをするのであれば多少の制裁は必要になるのでしょう」

 

そう言うと大高は臨時会で新しい法案を通すために部屋を出た。それに続く形で本郷も部屋を出て行った

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、しかし今日のことはご苦労だった」

 

そう言って大臣室に残った二人に茂が感謝をすると静達は

 

「いえ、テロ行為のような事もありませんでしたし」

 

「こちらも大きな問題がなく安心しました」

 

そう言って今日の式典の感想を言った

 

「しかし、式典が終わったからって今度は北に注意しなければならない。頼んだぞ」

 

「「了解しました」」

 

そう言うと二人は部屋を出て行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

時代の変化

空港の開港式典から数ヶ月が経ち、季節は雪の降る冬へとなった。その間に菊花艦隊の尊氏型と駆逐艦が退役し、予備役となり。新しく新型の伊豆型装甲軽空母の導入と最新鋭の阿蘇型駆逐艦が順次、寿命となった艦艇と共に新しく入った。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、なんだかんだあって忙しかったわね」

 

そう言って静は司令官室で紅茶を飲んでいた

 

「ええ、空港が開港して。思っていたよりも人がやってきて急遽増便したりと忙しかったですね」

 

そう言って香織が隣で同じ様に紅茶を飲んでいると

 

「しかし、まさか海軍がライセンス購入をして尊氏型を建造するなんてな」

 

「ええ、私も聞いた時は驚きました」

 

「確か、就役は再来年。だったかな?」

 

「はい、確かそうだったと思います」

 

そう言って静は茂から聞いたことを思い出していた

 

「しかし、新しい阿蘇型もなかなかの物じゃないか」

 

「はい、最新鋭20式艦上遠水平線レーダーに21式海中探知機に主砲は127mm連装砲二基・・・これだけ見ても恐ろしいくらい強いですね」

 

「ああ、それに伊豆型装甲軽空母も入ってきたな」

 

「はい、尊氏型を元に速度、艦隊ネットワークシステム、兵装、レーダー、装甲、全てにおいて強化されています」

 

そう言うと静は席を立ち窓の外を見ながら

 

「しかし・・・随分と数が減ってしまったな・・・」

 

そう言って前までは艦艇でいっぱいであったドックを見てそういうと

 

「それは仕方ないと思いますよ。これからは一隻一隻の艦艇の大きさも違いますし、大体、前よりも個々の攻撃能力は上がっていますし、そう言った面では数が少ない方がいいかもしれませんよ」

 

「まぁ、そうなんだがな・・・」

 

そう言って秋月型に変わって新しく入ってきた阿蘇を見て

 

「やっぱり・・・大きいわね」

 

そう言って隣にいる利根型巡洋艦と比べると大差ない東の大きさに静は時代の変化を感じた

 

 

 

 

 

 

そしてその日の仕事をこなしていると軍令部から一通の知らせが届いた

 

「そっかぁ・・・やっぱり利根型も変わるかぁ」

 

「やっぱり、老朽化が進んでいたようで。『利根』『那智』『羽黒』の三隻は予備艦となり大湊に置かれると言うことですが・・・その他は全て解体だそうです」

 

そう言って静は先ほど渡された紙を見てそう言うと香織も似た様な感情を抱いていた

 

「・・・とりあえず、この事を全体にも話しておいて。利根型に乗っている船員達には準備をさせないといけないから」

 

「分かりました」

 

そう言って香織によってこの事が要塞にいる全員に伝えられると全員が少し驚いていた。まさかこんなにも早く新しく鑑定が変わるとは思っていなかったのである。そんな中、放送を聞いた菊花艦隊のある隊員は

 

「なぁ、最近艦艇が一気に新しくなっていないか?」

 

「ああ、やっぱり緊張してるからじゃないか?」

 

「北中国とか?」

 

「ああ、多分そうだと思う。ここの所北中国と北朝鮮と思う艦艇が領海侵入を繰り返しているっているって話だ」

 

「おー、怖い怖い。戦争にでもならないといいが・・・・」

 

そう言っていると隊員の上司がサボっている隊員を叱るとそそこさと隊員は去っていった

 

 

 

 

 

その頃静は新しく入ってくる新型巡洋艦の概要を見ていた

 

「・・・ほぅ、これは凄いな」

 

「どうしましたか、司令?」

 

「これを見てみな」

 

そう言って静は香織に紙を見せると香りは驚いていた

 

「驚きました。まさか対空対潜対艦全てにおいて特化するとは・・・どちらかと言うとこれは器用貧乏になるのでは?」

 

「ええ、それは私も心配したわ。でも総長が大丈夫だって言ってたけど・・・」

 

「なんか心配ですね・・・」

 

そう言って二人は少し新しく来る艦艇に不安の念を抱いた

 

「でもまあ、ここ最近は北連合の管轄侵入が相次いでいる。それを用心してのことだろう、今、国内の建造ドックはフル稼働だそうだよ」

 

「それはそうでしょうね、これだけの艦艇を作ることになったのですから」

 

「ああ、それにこれからは新しい艦隊での出撃だ。忙しくなるぞ」

 

「はい」

 

そう言って静は掛けてあった上着を着ると司令官室を出ていった。これから新しく入った阿蘇型との訓練を行うために・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある日の午後のニュース、そこではこんなニュースが上がっていた

 

『・・・次のニュースです。今年の北中国、および北朝鮮の艦艇の管轄海域侵入件数が過去最多を更新しました。このことに対し政府は北中国および北朝鮮に警戒をしている模様です。なお、この管轄海域侵入に国民は不安が高まっています。この事管轄海域侵入に関して今日は軍事に詳しいコメンテーターの安永さんに今日はお話を伺いたいと思います・・・』

 

 

 

 

 

 

徐々に国民の間では戦闘への不安感が募っていった




伊豆型軽空母
イメージはアメリカ級強襲揚陸艦。艦橋前に20式垂直発射機(Mk41 VII)と127mm連装砲を前後に搭載した艦艇。艦載機は新型ステルス航空機『夜鷹』(F-35)を20機搭載し、竹扇を4機、松花を3機、ホバークラフト揚陸艇を二つ搭載した艦艇

阿蘇型駆逐艦
まや型駆逐艦をベースとし、艦砲、船体、レーダーシステム、艦隊運用能力を強化した艦艇。なお、噴進弾発射システムに若干の変更を入れた。主な武装は20式垂直発射機二基と127mm連装砲二基、20mm対空機関砲二基、三連装魚雷発射管二基。艦載機は松花又は竹扇のどちらか一機


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

二度目の桜

菊花艦隊に新しく阿蘇型駆逐艦が入ってからまた時は過ぎ、桜の咲く季節となった。静の姿は東京海上空港に隣接されている皇立航空兵学校の来賓室に来ていた

 

「ふぅ、しかしもうあの事件から一年か・・・早いわね」

 

「はい、晴風も今年で二年生ですね」

 

「ああ、そう言えば最近は連絡が出来なかったな。後で寄ってみるか」

 

そう言ってついて来た葵と部屋でゆっくりしていると。係の人がやって来て静達を入学式の会場まで通した

 

 

 

 

 

そして入学式が始まり、滞り無く進み遂に来賓の話となり手短に静は話すと入学式は終わり。静は航空兵学校の校長室へと入った

 

「失礼します」

 

「ああ、久々だね。静くん」

 

「はい、古畑前菊花艦隊司令長官」

 

「その名前はよしてくれ。今はここの校長だ」

 

そう言って皇立航空兵学校東京分校の校長となった前任の古畑与太郎はそう言って頭を少し掻くと

 

「いやー、驚いたよ。まさか隠居まがいなことをしていたらいきなり呼ばれてね。それでそのままここの校長になったさ」

 

「ふふっ、前任らしい言い方ですね」

 

そう言って静は恩師にまた会えたことに少し喜んでいると古畑は

 

「まあ、こっちにきてからはまた忙しい日々だ。指令だった事を思い出すよ」

 

そう言って古畑は懐かしむ様に少し上を向くと

 

「でも、今回は前みたいに汚部屋にはしないでくださいね」

 

「ああ、じゃないと掃除係の人から怒られてしまうからな」

 

「その様子だと、既に叱られた後ですか?」

 

「ははっ!やっぱり君には隠し事はできんか」

 

そう言って少し笑うと古畑は置いてあったインスタントコーヒーでコーヒーを作るとコップを静に渡した

 

「時間がなくてこれくらいしか出来ないが・・・」

 

「恐縮です」

 

そう言ってコーヒーを飲むと古畑は静にある事を聞いた

 

「さて、この後はどこか行くのかい?」

 

「はい、この後に横須賀女子に行こうかと・・・」

 

「そうか、じゃあ引き止めないほうがいいな」

 

そう言ってこの後、少しだけ話をすると静は校長室を出るとスキッパーに乗って横須賀女子海洋学校に向かった

 

 

 

 

 

 

「よっと、着いたか・・・」

 

そう言うと静はスキッパー停留所の桟橋の上で立っている人影を見た

 

「はぁ。全く、本当にいきなり来るわね」

 

「いやー、たまたま近くをきたんでな。ついでにあの子達を見ておこうかなって」

 

そう言うと真雪は溜息をつくと静を校内に案内をした

 

「ほぉ、ここで座学か・・・」

 

「ええ、今は丁度晴風クラスが座学を受けているわ。見て行く?」

 

「うーん、取り敢えず見学はいいかな。ちょっと遊びにきただけだし、そもそも私がいたら集中できないでしょ?」

 

「まぁ、そうね」

 

そう言うと二人は食堂に向かうと真雪がお茶を持ってきた

 

「はい、どうぞ。粗茶ですが」

 

「ありがとう」

 

そう言ってお茶を啜ると、真雪が聞いた

 

「ねぇ、管轄海域侵入の件なんだけど・・・やっぱり起きてしまうの?」

 

「・・・」

 

「生徒はなかなかない戦闘に少し浮ついた雰囲気があるの」

 

そう言うと静は

 

「・・・まだ分からんな。航空機という登場により、軍事バランスが少しづつであるが揺らいできてしまっている。まあ、もし戦闘になっても生徒達は関わらないさ」

 

そう言うと静は今後のことで話し合っていると、日が落ちてきていることに気がついた

 

「あら、もうこんな時間なのね」

 

「色々と話していたら時間が経ってしまったわね」

 

そう言っていると食堂に晴風の生徒が入って来た

 

「あれ?静さん!?」

 

「「え!?」」

 

「よ、久々だね」

 

「「お、お久しぶりです!!」」

 

そう言って前よりも少し大人っぽくなった晴風メンバーを見て、静は成長を感じた

 

「さて、じゃあ顔も見れたし。そろそろ帰りますか」

 

そう言って席を立つと西崎が

 

「あの、静さん」

 

「ん?如何したの?」

 

「その・・・みかおばさんに会ったら今度うちに来てって伝えといてもらって良いですか?」

 

「ええ、分かったわ」

 

そう言うと明乃が見送りについていくと言うことで真雪と先に分かれると桟橋まで静と明乃の2人きりで歩いていた。すると明乃が思い出したかの様に言った

 

「そう言えば静さん。覚えていますか?」

 

「何を?」

 

そう言って静は明乃が言ったことに疑問を抱いたが、次の言葉に疑問が晴れた

 

「私が小さい頃、呉の養護施設で静さんがお話をしていたことを」

 

「ん?ああ!!あの時ね、覚えているわよ。もしかしてその時に私に質問した子って・・・」

 

「はい、私です」

 

そう言うと静は納得した顔で懐かしむ様に言った

 

「懐かしいな、あの時は欧州から帰ったばっかで・・・そんな時にあったねぇ。あの時の子がこんなにも大きくなるなんてな」

 

「はい・・・私もどこかで会ったことあると思っていたのですが・・思い出せて良かったです」

 

そう言って明乃と思い出話しをしていると2人は桟橋に着いた

 

「じゃあ、またいつか」

 

「はい、また会える事を」

 

そう言って静は改造スキッパーに乗った。それを見ていた明乃は内心

 

『わ、こういうのメイちゃんが喜びそう・・・』

 

そう思って黒塗りにゴテゴテの装甲板のようなものが付き、大きなエンジンが付いたまさに”魔改造“と言える様な見た目をしたスキッパーを見てそう思った。するとスキッパーは大きな音と共に少し沖合へ行くと巨大な水柱と共に物凄いスピードで走っていった

 

「また、会えるかな」

 

桟橋にいた明乃は見えなくなるまで桟橋にいると寮に戻って行った



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

艦隊派遣

皇立航空兵学校の入学式の日から一ヶ月ほどが経った頃、硫黄島要塞では静が熊谷と連絡を取っていた

 

「・・・じゃあ捕まえた集団は米国と欧州各国ですか・・・」

 

「それに中東地域の工作員だな」

 

「はぁ、全く呆れたものです。そんなに面子が大事なら捨ててしまえばいいのに」

 

「それができたら苦労はせんさ」

 

そう言って静は熊谷から今まで摘発した工作員の件数とその国を聞いて呆れていた。すると熊谷が話題を変え、新しく来る艦艇のことを聞いて来た

 

「ああ、そう言えば新しく来る艦艇があったよな」

 

「はい、“木曽型巡洋艦”ですね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ああ、それだ。あれはどのくらいのスペックなんだ?」

 

「えーっと。どれくらいだったっけ?」

 

そう言って静は隣にいた香織に聞くと

 

「えーっとですね・・・武装は127mm三連装砲四基に20式垂直発射機が三つに三連装魚雷発射管二基に20mm機関砲四つに近接防空噴進弾が二つ、それにホ式豆爆雷投射機八つ、レーダーは20式遠水平線レーダーに海中には21式海中探知機を使用しています」

 

「すごいな、それだとかなり船体が大きくなるのでは?」

 

「はい、巡洋艦では世界最大の大きさになりますね。まぁ、巡洋戦艦並みの大きさですよ」

 

「それは大きいな」

 

「しかも建造ドックで大忙しで作ったので武装の取り付けは要塞で行うんですよ」

 

「それは大変だな」

 

「それで海軍の方でも『もがみ型フリゲート艦』の建造も急いでいますよ」

 

「ああ、だが陸軍の方ではこの戦闘を機に朝鮮を再び支配し、大陸の足掛かりとしようと考えている奴らも一定数いるそうだ」

 

「はぁ、呆れたものです。今更何をするんですか、むしろ南北朝鮮を統一させて冷戦時代の遺物の処理を行った方がよっぽど良いのに・・・」

 

「それには同感だ。総理達は『強硬派』と呼んでいる彼等を抑えるのには苦労しているよ。まぁ、陸軍内部のほとんどは総理派と皇族派で埋まっているから今のところは抑えやすいが・・・」

 

「問題はもし戦闘が陸戦が主流となったっ場合。ですか?」

 

「ああ、そうだ。もし陸戦がメインとなれば、陸軍の強硬派が勢力を伸ばすことになる。そうすれば厄介な事になる」

 

「大陸進出を危険視するロシアと米国が手を繋ぎ、日本に圧を掛けてくる・・・と?」

 

「そういう事だ、強硬派の連中は目先の欲に駆られやすいからな。其処をついてクーデターを起こすやもしれん」

 

「・・・その時は私たちが動かないと行けませんね」

 

「ああ、我々は“皇族”の部隊だ。だからどんなにクーデターがあっても我々は今上天皇の命令が第一優先となる」

 

「そうですね、今上天皇は賢明な判断をしますから」

 

「ああ、だから我々は信頼をする事ができる」

 

「そうですね」

 

そういうと二人は今度行う合同訓練の調整で話を詰めた

 

「それでは、一週間における合同訓練はこの様な日程で」

 

「ああ、了解した。では、また訓練の日に」

 

そう言って熊谷は通信を切った

 

「・・・ふぅ、強硬派か・・・面倒な事をしてくれる」

 

「そうですね、今のところは落ち着いた様子ですが・・・」

 

「まぁ、それは戦闘があった後の話だ。今は目の前の合同訓練に集中だ、いつ戦闘が起こるか分からんからな」

 

「そうですね、司令」

 

そう言うと静は会議室から出て武御雷艦橋へと上がり、発艦訓練の様子を見ていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数日が経ち、この日から一週間行われる菊花艦隊と菊花師団の合同訓練が開始された

 

「久しぶりだな」

 

「はい、直接会うのは秋の要塞事件以来ですね」

 

「ああ、今日から一週間よろしく頼むぞ」

 

「はい、こちらこそ」

 

そう言って二人は握手をすると早速、訓練が始まった。訓練場となった島にある市街戦を想定して作られたコンクリートのビルのとある一室の入り口に数人の兵士が秒読みを刻み、中に突入を行なった。また、別の海岸ではトーチカを模した沿岸砲台に訓練弾が装填され、海辺には多数の上陸艇と海鋼が上陸訓練を行っていた

 

「撃て撃て!敵は目の前だ、上陸を阻止しろ!」

 

「敵、沿岸砲台からの砲撃あり。繰り返す、沿岸砲台からの砲撃あり。至急、援護を求む」

 

「こちら萩野隊、了解した。直ちに援護行う」

 

そう返事が来ると上空に萩野率いる航空隊が沿岸砲台を爆撃するために上空を通り過ぎた。沿岸砲台も負けじと対空火器を撃ち、初日から合同訓練は活況を呈していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、静は熊谷を武御雷の会議室に通し、大高総理から渡された報告書を読んでいた

 

「・・・今の所北中国、並びに北朝鮮は各部隊で弾薬、並びに相次いで合同訓練を行っている。おそらく戦闘準備をしている可能性あり・・・だそうですが」

 

「ああ、だが開戦の兆しは今の所なく、もし始まるとすれば再来年の冬頃と・・・」

 

「うーん、なかなか面倒な事をしてくれるな」

 

すると静の持っていた電話が鳴った

 

「ん?誰からだ?」

 

そう言って静は一時退席をし、電話に出ると相手は珍しい人物からであった

 

「お久しぶりです。静殿」

 

「おや、テアちゃんかい。久しぶりだね」

 

そう言って、冬にドイツに帰ってしまったテアからの連絡であった

 

「如何したんだい。こんな時期に」

 

「・・・父上からの伝言です」

 

テアの父親からの伝言。つまりそれはドイツ海軍の参謀会議で決定された事の報告である事を認識すると静の表情は真剣になった

 

「今度、ドイツ海軍は日本に遠洋派遣艦隊として第二機動隊群の派遣が決定されたそうです。尚この事はドイツ時間の明日午前0時に発表するそうです」

 

「と言う事は日本時間の明日八時発表か・・・分かったわ。お父さんに感謝するって言っておいて」

 

「分かりました。では」

 

そう言って電話が切れた

 

「・・・第二機動隊群が・・・ドイツ如何やら本気の様ねドーバー海峡の守りを半分にしても日本の味方をする様ね」

 

そう言ってドイツ政府が本気で日本との航空機の直行便の本気度が伝わると、すぐにこの事を会議室にいる熊谷に伝えた




木曽型巡洋艦
これは作者の完全オリジナル艦艇。船体はロシア海軍のキーロフをモチーフにメンコが考えたもの(ロマンたっぷりのバ火力巡洋艦をイメージしたもの)大きさが少しおかしいかも知れませんが・・・
武装
50口径127mm三連装速射砲×4
20式垂直発射機×3
三連装魚雷発射管×2
ホ式豆爆雷投射機(アルファ対潜迫撃砲)×8
20mm機関砲(ファランクス)×4
近接防空噴進弾(RAM)×2

レーダー
20式遠水平線レーダー
21式海中探知機

艦載機
竹扇×1
松花×1

ちなみに大きさは特に考えていません。(多分230mくらい?)後、一応描いてみたので見て下さい(少し文字と絵が汚いです。ごめんなさい)


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再編成

「それは真か!!」

 

そう言って静が会議室に戻ると先程テアから伝えられた事に驚いていた

 

「はい、先程決定されたことの様でドイツ海軍第二戦隊群が日本に遠洋派遣を行うそうです」

 

「そうか・・・第二戦隊群が来るのか・・・」

 

「ドーバーの守りを半分にしても日本に恩を売りたい様ですね」

 

「余程航空機の特権が欲しいのがよく分かる。しかし、だとすると英国、米国も艦隊派遣を決めるかもしれんな」

 

「そうですね、ただでさえ艦隊編成の再編で忙しいのに、ここに外国艦がやって来るとなると・・・」

 

「情報漏洩に一層気をつかんとな。一応、航空機工場は前の場所から変わり工業用海上フロート丸々を買い取った場所に移し終わったが・・・」

 

「陸上基地の方は大丈夫ですか?」

 

「ああ、設計図は安心できるところに隠してある。そうそう取られないところにな」

 

「ははっ、確かにあそこに隠しておけばお天道様でも気付かないでしょうね」

 

そう言って二人は設計図は和樹達の作った陸奥の模型の中に隠している事を思い出していた

 

「まぁ、そろそろ他国でも航空機の開発ができそうだと思いますけどね」

 

「そうだな・・・まぁ、航空機のお陰で今の所は平穏が保てておる。最もそれが揉め事の原因にもなっているがな」

 

「そうですね」

 

そう言うと二人はこの後は和樹達のことで少し話すとその日は終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本時間午前八時。突如ドイツ政府より発表された事に世界が驚いた。その内容はこうであった

 

『現在の国際情勢を鑑みてドイツ政府は第二戦隊群を日本に派遣する事を決定』

 

このニュースにアメリカ、イギリスなどの各国は衝撃を受けた

 

イギリス首相官邸

「不味いぞ!ドイツが日本に艦隊派遣を決めた。このままだと我がイギリスはドイツに先を越されてしまう!!こっちも考えなければ・・・」

 

ホワイトハウス

「ドイツが艦隊派遣を決めた。余程航空機の特権が欲しいのだろう・・・よく伝わって来る。我々も欧州に遅れをとるわけにはいかない、こちらも何か案を考えなければない・・・」

 

そう言って各国の首脳はドイツの艦隊派遣に日本に対する多くの提案を考えた

 

 

 

 

 

菊花師団との一週間の合同訓練を行っている菊花艦隊は合同訓練の最終日に静は熊谷から誘いで菊花師団の司令室に来ていた

 

「へぇ、結構頑丈に作られているんですね」

 

「ああ、近くで戦闘が起こってもすぐに対応できる様にな」

 

そう言いながら熊谷は紅茶を持って来ると静に差し出した

 

「しかし、今日で訓練も終わりか・・・」

 

「はい、短い様に感じました」

 

「なに、人は全員夢中になれはすぐに時は進むさ」

 

「そうですね。今日は夜に宴会を開く予定ですし・・・給糧員の人たちが忙しそうにしていましたよ」

 

「ああ、なんせ数百人分の食事だからな。それは忙しいだろうな」

 

そう言って二人は風の音を堪能していると

 

「・・・やはり、平穏が一番ですね」

 

そう言って静は静かな雰囲気に戦闘が起こっていない今が一番だと思った

 

「ああ、そうだな。平和なのは人が死なない、血を見ることがない。人類で一番幸せな事なのかもしれんな」

 

そう言って二人は今、日本が置かれている現状を思い出していた

 

「さて、この後は宴会だ。楽しむとするかね」

 

「はい、じゃあ行きましょうか」

 

そう言って二人は席を立つと準備が整い、後は音頭を取るだけの宴会の会場となった武御雷甲板に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、合同訓練の終わった菊花師団、艦隊は島に持ってきた戦車を輸送船に乗せ、それぞれ帰路についた

 

「はぁ〜!終わったねぇ」

 

「ええ、こっちも大変だったわ。陸上との連携ってあんなに大変なのね、久々に風呂でグッタリしたわ」

 

「ああ、分かるわ。その気持ち、なんか浴槽に入ると力が抜けちゃう感じよね」

 

「そうそう」

 

そう言って武御雷艦橋では女性陣がそう呟いていた。すると静が

 

「はぁ、帰ったら艦隊再編かぁ。きついなぁ」

 

「だからって休暇は取らないでくださいね」

 

そう言って香織は去年のラット事件の後処理を全てやらされた事を根に持っていた

 

「分かってるわよ」

 

そう言っていると艦隊は硫黄島要塞に到着した

 

 

 

 

 

要塞に到着した静は早速、艦隊再編成案を練り始めた

 

「うーん。やっぱり全体的にバランスの取れた編成がいいかねぇ」

 

「はい、その方が他種の攻撃に対応ができるのでいいと思います」

 

などと言って二人は新しくなる艦艇を含めた艦隊再編成案を考えた。ここで静は菊花艦隊の変更後の所属艦艇を見た

 

潜水艦

ク型潜水艦

ク号01潜 ク号02潜 ク号03潜 ク号04潜 ク号05潜

 

駆逐艦

阿蘇型駆逐艦(対潜対艦特化型)

阿蘇 飯野 舟通 高見 天香具 蓬莱 高州 大雪

 

塩見型駆逐艦(対潜対空特化型)

塩見 鋸 身延 有明 蓮華 白砂 樽前 茶臼

 

巡洋艦

木曽型巡洋艦

木曽 赤石 飛騨 日高 奥羽 讃岐

 

航空巡洋艦

虎狼型航空巡洋艦

虎狼 海虎 海狼

 

戦艦

日本武尊

 

航空母艦

伊豆型装甲軽空母

伊豆

 

信長型航空母艦

信長

 

武御雷型航空母艦

武御雷

 

と言った全三三隻を見て静は

 

「はぁ、取り敢えずこれで編成を組むとして・・・早く帰りたいなぁ」

 

「それは司令が早く仕事を終わらせればいい事ですよ」

 

「うんまぁ、そうなんだけどさ」

 

そう言って静が再編成案を完成させたのは二日後のことであった




阿蘇型駆逐艦
まや型をベースに対艦戦闘に特化した艦艇。日本にある山から名前は来ている
武装
127mm連装砲二基
20mm機関砲二基
三連装魚雷発射管二基
20式垂直発射機二基
18式対潜迫撃砲二基

塩見型駆逐艦
阿蘇型と同様にまや型をベースに対空を強化した艦艇。阿蘇型と同じく名前は日本にある山の名前から来ている
武装
127mm連装砲二基
20mm機関砲二基
近接防空噴進弾二基
三連装魚雷発射管二基
20式垂直発射機二基
18式対潜迫撃砲二基
20式遠水平線レーダー
21式海中探知機

本来山の名前は巡洋艦からだった様な気がしますが菊花艦隊では本来は駆逐艦は山の名前から来て、巡洋艦は山脈から取っています


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新生菊花艦隊

静が要塞で艦隊の再編で頭を抱えてから数日が経った頃、静は思い出したかの様に紙を見ていた

 

「ああ、そっか信玄と謙信は海軍に売ったのか・・・使うのは皇立航空兵学校からの卒業生が出てから・・・と。さて、残った船員は退役する人を除いて全員が艦隊に編入・・・それで航空兵は退役する人を含め希望者は航空兵学校の教師に移動して残りは伊豆型と虎狼型に回されるか・・・」

 

そう言って静は編入表を見てそう言うと

 

「ええ、段々と初めの頃にいた人達がいなくなっていますね」

 

「まぁ、そろそろ如何だ。五年になるか?」

 

「いえ、もう七年です」

 

「そうか・・・もう七年か・・・此処に来てから」

 

そう言って自分が士官学校の卒業して軍令部に配属された矢先に、欧州へと遠洋派遣艦隊の司令官として任命された時のことを思い出していた。当時、総長になったばかりの茂にいきなり『欧州に行って来い!』なんて言われて、何言っているんだこの親父はと思っていた事を思い出していた

 

「それで二年間欧州にいてそのあとまた二年を陸の仕事で、その後に此処か・・・もう七年も経つんだな」

 

「早い物ですね」

 

「ああ、その通りだな」

 

そう言って静は外にある滑走路で訓練をしている隊員を見てあの頃と変わらない景色を見て懐かしく感じた

 

「・・・私はあと何年くらいで引退になるんだろうか・・・」

 

「・・・それはどうでしょうね。まぁ、司令ならあと三十年は大丈夫そうですけどね」

 

「ふふっ、それは分からんさ。明日には死ぬかもしれんぞ?」

 

そう言うと香織が即答で

 

「いや、それは無いです」

 

そう言ってありえないと言っていた

 

「・・・まぁ、熊谷さんとも話したけど・・・やっぱり今が一番いいかも知れないわね」

 

「はい、そうですね」

 

そう言って同じように香織も外を見ながら言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして菊花艦隊の再編が決まり、発表がされた

 

前衛潜水艦隊

潜水艦:ク型01、02、03、04、05潜水艦

 

前衛航空打撃艦隊

装甲軽航空母艦:伊豆

航空巡洋艦:虎狼 海虎 海狼

巡洋艦:木曽 飛騨

駆逐艦:阿蘇 舟通 有明 蓮華

 

司令直衛艦隊

戦略航空母艦:武御雷

特務艦:日本武尊

巡洋艦:赤石 日高

駆逐艦:飯野 高見 大雪 塩見 鋸 樽前

 

後衛航空打撃艦隊

装甲航空母艦:信長

巡洋艦:奥羽 讃岐

駆逐艦:天香具 高州 身延 白砂

 

この発表に菊花艦隊のメンバーは早速、艦隊行動を行うために準備を行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時は経ち、菊花艦隊の利根型巡洋艦が全て木曽型巡洋艦に置き換わると新しくなった菊花艦隊は初の訓練のために大海原へ出港していった

 

「司令、菊花艦隊全艦出向準備完了。いつでもどうぞ」

 

そう言って武御雷艦橋に上がってきた静に全員が敬礼をすると静は帽子を少し深く被ると全艦に出撃命令を下した

 

「了解した・・・菊花艦隊全艦出撃。航路70に設定し各艦出港せよ」

 

「「了解!!」」

 

そう言って各艦艇が硫黄島要塞から出港をしていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして各艦艇が合流地点に向かっている途中、武御雷艦橋ではみかが懐かしむ様に言った

 

「あー、なんか色々と変わっちゃったね」

 

「はい、艦艇もそうですが人員を変わっちゃいましたよね」

 

「本当ね、本田さんと菱田さんが定年で辞めちゃったからね」

 

「でも後任の人は二人が育てた人らしいですね」

 

「道田優斗と山田勲か・・・」

 

そう言って静は艦隊司令であった本田一誠と菱田元就が辞めて後任に副司令であった道田優斗と山田勲がそれぞれ前衛航空打撃艦隊と前衛潜水艦隊司令官になった事を思い出していた

 

「でも二人とも驚いていましたよね」

 

「ええ、なんせいきなり二人とも朝早くに呼ばれて武御雷の会議室で司令官バッジをとっとと付け替えて行ったらしいですからね」

 

「なんか・・・うちの時と似ていますね」

 

「まぁ、あの二人は同期で同じ様な感じで司令官バッジを受け取ったらしいけどね・・・まぁ、そんな感じで少し自由なところが此処のいいところだろ」

 

「でも二人はいきなりのことで少しフリーズしていましたけどね」

 

「ハハッ!あれは面白かったな」

 

そう言って静は司令官バッジを受け取ったはいいもののあまりにも突拍子な出来事に数分ほど固まった後に驚きの声をあげていた事を思い出した

 

「まぁ、あの二人はすごい人物だと思っているよ」

 

「はい、あの二人は作戦能力、航海術、人望。全てにおいて優秀ですからね」

 

「ああ、そうじゃないと先輩方が安心して後任を任せられるわけないよ」

 

「まぁ、それは此処にいる全員にも言えますがね」

 

そう言うと艦橋に居た士官全員が笑い声をあげていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして要塞を出港してから数時間が経ち、菊花艦隊は演習場所となる海域に到着した

 

「よし、それじゃあ今から艦隊演習といきますか」

 

「了解、全艦に通達!これより艦隊演習を行う。各員戦闘配置!!」

 

そう言うと艦内のブザーが鳴り乗員が全員配置につき、艦隊演習が行われた

 

「総員戦闘配置!目標、方位110、8節で西南西に移動中」

 

「了解、直衛艦隊に連絡。目標には噴進弾攻撃を行え」

 

そう言うと直営艦隊の大雪から噴進弾が発射されると目標に命中した。そしてこの後も艦隊は演習を行うと要塞に戻って行った




ク型潜水艦
そうりゅう型潜水艦をベースに最新式21式海中ソナーと戦術情報処理システムを搭載した潜水艦


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開戦の兆し

新しくなった菊花艦隊が演習を行ってから数週間が経った頃、静は皇立航空兵学校東京分校やって来ていた

 

「おお、来てくれたか」

 

「はい、先輩のお誘いを断る理由なんてありませんよ」

 

「ははっ、その言い方はよしてくれよ」

 

そう言って校門で待っていた古畑は静を誘って校内の視察をした

 

「しかし、艦隊から人が来ると聞いた時は驚いたよ。なんせ此処の教師は殆どが老兵ばかりだったからな。嬉しい限りだ」

 

「ええ、私も驚きました。まさかあんなにも希望者が多くいるとは思っていませんでしたし。何より今年の予算の割合が増えましたからね」

 

「ああ、今度空港も台北近郊にできるんだろ?」

 

「はい、台湾桃園空港ですね」

 

「どんどん航空路線が増えるな」

 

「政府にも、海外からの国際便の要望が多いそうですよ」

 

「だろうな、航空路線があるだけで経済需要が生まれる。それに航空路線があればそれだけで他国よりも優位性を保てる。それだけ航空機と言う存在は特別なんだ」

 

「ですね、それだけ情報機密は守らなければいけませんね」

 

そう言って二人は座学を行なっている教室等についた

 

「あれは?」

 

「ああ、あれは普通の座学ですよ。あの学年の実機を使った訓練は再来月だからね。お、そろそろ航空隊が戻ってくる頃だ。見ていくかい?」

 

「はい、ぜひ」

 

そう言って二人は航空兵学校の屋上に向かうと古畑は

 

「今年で二年目になるがあの子達を見ていると来年には艦上訓練だ。もう陸での訓練も慣れた様子だよ」

 

「頼もしいですね。未来ある若い子が航空機と言う物を手にして夢を手にして行くんですから」

 

「ああ、そうだな」

 

そう言っていると遠くからブォォォォォン!と言うエンジン音が聞こえ、空から主脚を出して深緑色に塗装された一機の電征と白色に塗装された五機の電征が先々月完成した第二滑走路に着陸をした

 

「訓練生は白塗装なんですね」

 

「ああ、間違いない様にな。さぁ、降りるぞ。ついでだ格納庫の整備科訓練生を見て行こう」

 

そう言って二人は帰ってきた電征隊を入れた格納庫に向かった

 

「うーん、どうだ?」

 

「おい!こっちスパナもってこい!!」

 

「遅くなるとドヤられるぞ!!」

 

「こっちは終わったぞ。次に回れ!」

 

格納庫の中では訓練生が電征隊の発動機の点検を行っていた

 

「へぇ、もう点検作業ですか」

 

「あの子達は一年生の時に叩き込まれた優秀な子達だ。すでに実機の点検もできるさ」

 

「頼もしいですね」

 

そう言っていると一人の生徒が二人に気づいた

 

「あ、敬礼!」

 

「ああ、大丈夫だ。作業を続けてくれ」

 

「は!」

 

そう言って一旦、格納庫にいた訓練生全員が敬礼をしたが古畑がそれを止めた。そして二人は格納庫外に行くとそこで懐かしい人物に出会った

 

「あ!司令じゃないですか。今日は視察ですか?」

 

「あら、近藤じゃないか。久々だな」

 

そう言って静に声をかけたのは武見雷第二航空隊隊長をしていた近藤紀夫であった

 

「ああ、そうか近藤教官は武御雷にいたか」

 

「はい、まさか司令が来ているとは思っていませんでした」

 

「しかし、艦隊でモヤシって言われていた近藤がねぇ」

 

「司令、それは言わないで下さいよ」

 

そう言っていると遠くから走ってくる一人の人物がいた

 

「教官〜!」

 

「ん、おお武田か。どうした?」

 

「さっきあっちで・・・って校長先生!!」

 

そう言って武田と呼ばれた生徒は古畑を見て驚いていた

 

「ああ、ついでだ。紹介するよ、この人は菊花艦隊司令長官大石 静中将だ」

 

「お前が行きたい場所の人だぞ」

 

「そ、そうでしたか。は、初めまして武田 勝訓練生です!よろしくお願いします!!」

 

そう言って武田は勢いよく礼をした

 

「ああ、成る程ね。いいよ、そういうのは」

 

「そ、そうですか?」

 

「ええ、君が艦隊に来ればよくわかるわよ」

 

そう言って静は艦隊のことを話すと武田は近藤を連れて去って行った

 

「ああいうのを見ていると初々しいわね」

 

「なに、再来年には君のところに来るんじゃないか?中々実技は優秀だぞ?」

 

「ああ言ったのがきてくれると嬉しいわね」

 

そう言って静と古畑はこの後は軽く施設を見ていくと静は軍令部に向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南朝鮮 泰安沖 西100km近海 哨戒艇チャムスリ艦橋

 

「今の所、目立った変化は見られません」

 

「よし、司令部に報告だ」

 

そう言ってチャムスリ艦長が軍司令部に報告を入れようとした時だった、ソナー要員が報告を入れた

 

「ソナーに感あり!感ニつ!魚雷です!!」

 

「何!?」

 

そう言った瞬間であった。魚雷がチャムスリの船体に当たり、爆発をした

 

「うわぁ!!」

 

「か、艦尾に命中!浸水も起こっています。さらに二つ当たります!!」

 

そう言った直後、チャムスリは爆炎と共に沈んで行った。生存者はただ一人といなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この哨戒艇撃沈のニュースは世界に衝撃をもたらした。そして此処から後に中国南北戦争と呼ばれる戦闘へと加速して行くのであった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開戦

南朝鮮の哨戒艇が撃沈されたニュースはすぐに日本にも届いた。対馬要塞から与えられた情報に大本営では職員が走り回っていた

 

「もっと正確な情報を集めてくれ。ヘタをすると戦争になるぞ!!」

 

「おい、対馬要塞のレーダーで補足したのは如何なってる!!」

 

「哨戒艇の生存者はいるのか!?」

 

そう言って職員が走り回っている中、首相官邸では緊急会議が開かれていた

 

「では、今から南朝鮮の哨戒艇が撃沈されたものと思われることについての会議を行いたいと思います」

 

すると会議は情報を少し公開するのと完全に封殺する意見に分かれたが、結局は一部の情報公開をし、情報統制を行うことで決定した

 

 

 

 

 

翌日の朝のニュースの第一報はこうであった

 

『南朝鮮の哨戒艇が撃沈されたもよう。北朝鮮の仕業か!?』

 

このニュースによって全世界に動揺が広がった。そして、各メディアでは非戦論を訴えるメディアと開戦を訴えるメディアと別れ、それぞれが対立をしていた

 

 

 

 

 

哨戒艇が撃沈されたニュースを受け取った静は予想よりも早かった攻撃に驚いていた

 

「そうか・・・哨戒艇の撃沈・・・思っていたより早いな・・・」

 

「はい、予想よりも半年早い仕掛けでした」

 

「はぁ、何とか総理には抑えてもらいたいな」

 

「はあ、開戦派の連中の欲望は大陸進出の足掛かりですからね」

 

「ああ、連中は目先の欲に囚われてその先のことを考えていないからな。出来れば主な戦いが海戦であることを祈るよ」

 

「そうですね」

 

そう言って二人はこの事件が開戦へとつながらないことを祈った

 

 

 

 

 

哨戒艇の撃沈のニュースは来月から卒業しブルーマーメイドや海軍軍人になる明乃達にも届いた

 

「そんな・・・」

 

「・・・いよいよ始まってしまうのか?」

 

そう言ってクラス全員が動揺をしている中、明乃は

 

「大丈夫だよ、きっと静さん達が収めてくれるって」

 

そう言うがクラスメートは心配の声が上がっていた

 

「取り敢えず、全員落ち着け。まだ決まった訳じゃない」

 

「そうそう、海賊の可能性だったあるんだし」

 

そう言って取り敢えずは学校最後の海洋実習を受けるためにクラスメイトはそちらの方に意識を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしれ哨戒艇撃沈のニュースがあってから数ヶ月が経った。結局哨戒艇撃沈のニュースは真相不明のまま南朝鮮で殉職者の葬儀が行われた

 

 

 

 

 

 

 

哨戒艇撃沈のニュースでメディアは騒いでいる中、軍上層部では

 

「やはり来るのか?」

 

「いや、分からない。だから警戒は必要だろう」

 

そう言って大本営では今回の哨戒艇撃沈で太平洋方面に展開している艦隊の一部を日本海に回すかどうかの話し合いをしていた

 

「しかし、いつ侵攻してきてもおかしくは無い」

 

「現在、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカの艦隊が遠洋航海としてきている」

 

「しかも、フランスは情報収集艦を引き連れてな」

 

「アメリカは遠征洋上基地を連れて来ている」

 

「確実に戦闘に参加する気だぞ」

 

そう言って現在、台湾の各海軍基地に停泊している海外派遣艦隊群を思い出すと

 

「しかし、本当に侵攻があった場合南朝鮮はいつまで持つだろうか・・・」

 

「少なくとも一週間、いや下手をすると3日で降伏かもしれんぞ」

 

「なんとしてもそれは避けねば」

 

「今、南朝鮮は旧式の74式を買って防衛力を強化しているが・・・」

 

「それでも北朝鮮の侵攻を阻むのは難しい。この前アメリカ陸軍が南朝鮮に軍の派遣を決めたが・・・」

 

「間に合うかどうか・・・」

 

そう言って幕僚達はいつ来るかわからない侵攻に頭を悩ませていた。そして緊張が続く中、時は流れ二か月ほどがたった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年 5月13日 午後23:30頃 南朝鮮 北緯三十八度非武装地帯第七監視所

 

「・・・今のところ異常無し」

 

そう言って監視所に居る兵士が暗視双眼鏡を見て北朝鮮の動向を観察していた。すると監視所の下から別の兵士が声をかけた

 

「おい、交代の時間だ」

 

「ああ、分かった」

 

そう言って最後に暗視双眼鏡を見た、するとそこには・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無数の戦車と歩兵部隊が侵攻していた様子であった

 

「ん?どうした」

 

暗視双眼鏡を見て震えている兵士を見て呼びに来た兵士が声をかけると

 

「・・・来た」

 

「っ!まさか!!」

 

「し、司令部に連絡!!北朝鮮が侵攻を開始!!1号線より侵攻を開始!!!」

 

そう言って通信が入り、北緯三十八度線を超えて北朝鮮軍主力戦車T34−85が南朝鮮第一号国道線を伝い攻撃を始めた




補足説明
現在日本に展開している艦隊は第一から第九艦隊までいる。*マークのある艦隊は航空戦力を投入予定の艦隊

太平洋方面
*第一艦隊
 第二艦隊
 第九艦隊

東シナ海方面
*第三艦隊
 第四艦隊

日本海方面
 第五艦隊

オホーツク海方面
*第六艦隊
 第八艦隊

台湾方面
*第七艦隊


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

侵攻

20XX年 5月13日 午後23:30  北朝鮮が南朝鮮に宣戦布告。同時刻、北緯38度軍事境界線を越え北朝鮮軍が侵攻を開始

 

同年 5月14日 午前0時 緊急アジア連合総会が開始され、アジア連合憲章第32条に基づき連合軍を結成し釜山に連合軍本部を設置

 

同年 5月16日 アメリカ合衆国大統領セシル・J・シルバーはアジア連合軍に日本に派遣した遠征艦隊をそのまま釜山に派遣する旨を伝えた

 

同年 5月17日 日本に派遣を行ったイギリス、フランス、ドイツ三国も同様に派遣した艦隊を同様に釜山に派遣する事が決定された

 

同年 5月23日 侵攻してきた北朝鮮軍は釜山からの連合軍の攻撃でソウル南10kmまで攻め込まれた戦線を押し返すことに成功。翌日南北朝鮮は休戦協定を結んだ

 

この10日間の出来事は後に『第一次南朝鮮侵攻作戦』と呼ばれる出来事となり、日本のみならず世界各国が一時騒然と化した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を報告で受けた静は深刻な表情で今までの戦線の推移を纏めた報告書を見ていた

 

「・・・」

 

「司令・・・いよいよですか?」

 

「・・・ああ、これで始まったも同然だ。もうすぐ北中国の侵攻が始まる。今度は向こうの戦車も混ざって侵攻してくるだろうな」

 

「ええ、南朝鮮政府は休戦協定を結ぶことはできましたが・・・」

 

「どうせ、すぐに破って侵攻をしてくる」

 

すると香織は

 

「ですが、今度来る時は米軍もついています。そう、易々と突破はできないと思われますが?」

 

すると静は

 

「いや、彼らの目的は南中国を落とす事。どちらかというと彼らは朝鮮に興味は無い」

 

「では何故、わざわざ自国の軍の一部を使っても朝鮮に派遣軍を?」

 

そういうと静は

 

「奴らの狙いは諸外国の注意を朝鮮に向け、南中国に連合軍を派遣させないのが目的だろうな」

 

すると香織は静に質問をした

 

「ですが、そう言った戦力は一体どこから・・・」

 

そういうと静は眉間に指を当てると

 

「そうなんだ、一体どこからその戦力を抽出するのか・・・」

 

「情報部に要請しますか?」

 

香織がそう言うが静は

 

「いや、いい」

 

「何故・・・?」

 

「いや、此処はそう言うのが得意な人に依頼をするさ」

 

そう言うと静は携帯を取り出すと電話を掛けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピリリリリ!ピリリリリ!

 

そう言ってオフィスで電話が鳴離、受話器をとったスーは片手に紙を持って新聞の原案を読んでいた

 

「はい、もしもし?」

 

『あっ、スー?』

 

「・・・何ですか、また依頼ですか?言っておきますがもう私は退職した身です。それにこっちはさっきの戦闘で大忙しなんですよ」

 

『そこを何とか!依頼料値上げするから』

 

「・・・分かりました。では分かったら連絡する」

 

『ありがと、いつも助かるよ』

 

ツーッ、ツーッ

 

そう言って電話が切れたスーはため息を吐くと

 

「はぁ・・・陳さん、ちょっと用事ができたから後お願いできる?」

 

「分かりました、お迎えは必要でしょうか?」

 

「要らないわ」

 

「畏まりました」

 

そう言って会社を出たスーはそのまま自宅に向かうと自宅にあるパソコンに送られた静の依頼を読んだ

 

「・・・はぁ、よりにも寄って()()も依頼ですか・・・相変わらず人使い荒いんだから・・・ま、それだけお金も貰っているし、今度新作バック買お〜」

 

そう言うとスーはパソコンの画面を叩き始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

電話を切った静は

 

「・・・よし!これでOK」

 

「・・・相変わらず鬼ですね・・・」

 

「こっちは依頼料払っているんだ。それくらいして貰わないとね」

 

「いつか刺されても知りませんよ?」

 

そう言って香織はため息を吐くと静は」

 

「ああ、そうだ葵を此処に読んで」

 

「葵ですか?」

 

「ああ、()()調()()をな」

 

「分かりました」

 

そう言うと呼び出された葵は

 

「お呼びですか?司令」

 

「ああ、私から要請をする」

 

「・・・どんなのでしょうか?」

 

そう言うと静は要件を言った

 

「・・・分かりました。ですが相手は国家です。結果ががいつ出るかは分かりません」

 

「ああ、それでも構わない。だが、くれぐれも注意してくれ、まだ決まったわけじゃない」

 

「分かっています」

 

そう言うと葵は去って行った

 

「・・・」

 

葵が去ったのを確認すると静は椅子に深く座ると

 

『いよいよ始まってしまった・・・これから数年間は戦争の渦に多くの人々が巻き込まれる事になる・・・恐らくまゆみ達も・・・』

 

そう言うと六年生になった二人を思い出していた

 

『多くの血が流れる前に早く解決せねば・・・!!』

 

そう思うと不意に静は眠ってしまっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北朝鮮侵攻のニュースはブルーマーメイド第一管区に配属された明乃も耳に入っていた

 

「いよいよ・・・」

 

「どうしましたか?」

 

「え?いや、大丈夫だよ・・・何でもない」

 

そう言って同僚のブルーマーメイド隊員に言われて我に帰った明乃は目の前の仕事に集中をした

 

『やっぱりみんなで心配していた事が起きてしまった・・・静さんは今はどうしているんだろうか・・・』

 

そう思って明乃は今回の侵攻で連合軍の被害は微小であったが、侵攻してきた部隊は捕虜を含めると八千人ほどになったと言う報告を受けて自分の知らない場所で血が流れているのを想像すると思わず胸が締め付けられた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

大国の動き

私はある夢を見ていた。それは北中国の旗の掲げられた要塞が世界中に国の戦車で囲まれ、拮抗していた時だった。突如周りにいた戦車が退却を開始し、一面から消えると突如上空に飛んできた一機の航空機が上空から()()()()()を落として上空を旋回していた。そして落とされた黒いナニカは上空で爆発をすると強い光と共に強烈な爆風を放ち、そして上空に聳え立つ巨大なキノコ雲を生み出していた・・・

 

 

 

 

 

「・・・い!」

 

「・・・れい!!」

 

「起きんか静!!」

 

「んわ、はいっ!」

 

 

香織の声に静は思わず驚いた声を上げると香織はため息を吐いた

 

「はあ、しっかりして下さいよ司令。しかもこんな所で寝るなんて・・・」

 

そう言って静は時計を見ると翌日の朝8時を示していた

 

「おや、こんな時間なのかい」

 

「全く、こんな所じゃなくてちゃんと士官室で寝て下さい。ちゃんと静のベットはあるんだから・・・」

 

「あはは・・・ちょっと疲れちゃってて・・・」

 

「・・・はあ、もう良いです。さて、司令。スーから情報がありましたよ」

 

「あれ、昨日頼んだよね。もう来たんだ」

 

そう言って香織が紙を渡すとそれを見た静は

 

「・・・やっぱりか」

 

「どうかしましたか?」

 

「これを見てみな」

 

そう言って香織に紙を見せると香織は心底驚いた表情を見せた

 

「これは!()()()()()()()()()の情報ですか・・・」

 

そう言って書かれていた紙にはロシア軍がウクライナ国境付近に軍隊を集めている情報であった

 

「ああ、予想した通りだ。ロシアは北中国に献金をして注意が此処(極東)に向いている内にNATOに加盟したウクライナを占領するつもりだ」

 

そう言ってロシア軍が軍備を固めている事を警戒した。ウクライナは元々NATOに加盟を従っており、それを巡ってロシアと対立をしていたが。先の北朝鮮の侵攻のどさくさに紛れてウクライナはNATOに加盟をした。これに際してウクライナにアメリカ軍が進駐を行った

 

「では直ちにこの事を知らせますか?」

 

「ああ、直ぐに大高総理にお願いしてこの情報をアメリカに」

 

「分かりました。では、そのように」

 

そう言うとこの情報はすぐさま日本政府に送られ、そのままアメリカへと渡った

 

 

 

 

 

ロシア軍の進駐の情報を受けた大統領は

 

「ふむ・・・日本からの情報・・・秘書官、君はこの情報をどう思う」

 

「は、この情報は極めて危険なものと思われます。もしこの情報が本当ならば我々NATOはウクライナをめぐって戦争になる可能性があります」

 

そう少し硬った表情で言うとシルバーは

 

「ああ、正直私も信じがたいものがあるが今までのウクライナのNATOを巡って争ってきたからな。ありえん話ではない」

 

そう言うとシルバーは情報の真偽の調査を行った

 

『もし、この情報が本当なら第二次欧州動乱が起こる可能性があるぞ。いや・・・下手をすれば()()()()()()()()()()になるかも知れない・・・!!』

 

そう思うと思わずシルバーは身震いをした




ウクライナの緊張がこのまま戦争に発展しないことを祈ります・・・


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

再侵攻

静がロシアの軍事行動に関する情報が通達されてから三ヶ月後。この日、静は皇居に出向いて御前会議に参加していた

 

「・・・と言う事で現在太平洋方面に展開中の第九艦隊を日本海方面へと展開し、更に我々陸軍省としては閣下に菊花艦隊の出撃を要請致します」

 

この言葉に一部軍人は驚きを露わにしたが。静達海軍上層部と菊花師団関係者はあらかた予想をしており、いつかこうなるだろうとは思っていた。

 

「では、私から小野陸軍省大臣にお聞きしたい事がございます」

 

「何でしょうか?」

 

そう言うと静はある質問をした

 

「ではお聞かせください。貴方達、陸軍省は我々海軍省に話を通さずに()()()の開設を閣下に要請したのは如何言う事でしょうか?」

 

そう言うと陸軍省の軍人は黙り込んでしまった。そう、この御前会議が始まる二ヶ月ほど前。陸軍省対中国強硬派は皇居に出向き、空軍省開設の要望書を提出し今上天皇に一喝されてこの事がニュースで話題となった

 

「今までの航空機の有用性を鑑みて空軍省の開設は私も考えていた。だがこれは私の一任では作れない。海軍省とも話し合いをした上で新しい物を渡して下さい」

 

そう言われた強硬派は今上天皇の利権をまるで我が物のように使う態度に一気に世論で叩かれることになり。強硬派は一気に力を無くしていた

 

「それは・・・我々もまさか強硬派があそこまでの暴論を行うとは思わず。我々の管理能力不足で、この件に関しては完全に我々の落ち度であった」

 

そう言うと小野寺は謝罪をした。海軍省、並びにこの御前会議に参加している面々は小野寺陸軍大臣は聡明な軍人であることは知っていた為、特に言及することはなかった

 

「・・・さて、その件はひとまず置いておきましょう。では、私からみなさまに報告すべき事がります。これを見て下さい」

 

そう言うと静は御前会議の大画面に先のロシア軍のウクライナ国境付近の軍の情報を見せた。初めは疑い深い表情をしていた官僚たちであったが、静からの情報を見るとほぼ確信に近い雰囲気となった

 

「・・・と言うことで世界が南北中国に気が向いている隙にNATOへと加盟したウクライナの占領を行うものかと」

 

そう言うと官僚達はウクライナに侵攻が始まると思うとアメリカにはウクライナの方面に集中させるのと、今までに航空機関連で拘束した工作員の国別で一番がアメリカであるのでそう言った危険分子の排除もあると思われる

 

「それで、ここ時は既に米国には伝えてありますか?」

 

「ええ、既に外務省を通じて米国に通達をしています」

 

そう言うと幕僚達は今後のウクライナに注意しつつ、次に必ず来ると思われる北中国、北朝鮮への対策を行っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年 9月4日 午後22:00 中華民国 西安要塞

 

「・・・っ!レーダーに感!来ました北中国軍です!!」

 

「直ちに総員戦闘配置!司令部に打電」

 

そうして要塞に響き渡るサイレン音に兵士たちに緊張が走った。同時刻、中国人民共和国は中華民国、並びに日本に戦線を布告。北朝鮮は休戦協定を破棄、北緯38度線より第二次侵攻を開始。これに伴い、アジア連合加盟国並びに日本に遠洋に来ていた英、独、米、仏の四カ国も参戦を表明。

 

 

同年 9月8日 午前2:00 対馬要塞遠水平線レーダーに北中国の艦隊を確認

 

同時刻 近くを航行していた米海軍ミサイル巡洋艦ポート・ロイヤルに巡航ミサイルが被弾し大破。これに対しアメリカ国防総省は正式に中華人民共和国に宣戦を布告。攻撃した中国人民共和国第一艦隊にミサイル攻撃を開始

 

同年 9月24日 午後20:00 釜山を拠点に進駐したアジア連合軍は国道7号線を使い北朝鮮へと進軍、同時刻にアメリカ第8軍は開城市にて大規模な陽動作戦を開始

 

同年 10月3日 午前13:40頃 平壌陥落。そのまま連合軍は平壌に駐留

 

同年 10月15日 日本海側北朝鮮海軍第一艦隊が咸興より出港

 

同年 10月24日 日本海にて日本海軍第九艦隊と北朝鮮海軍第一艦隊が接敵。第一次日本海海戦勃発

 

同年 10月25日 第一次日本海海戦は北朝鮮側の大敗で終了

 

同年 11月30日 安州市にて北朝鮮軍降伏。連合軍との講和条約締結



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

出撃

今回は短めです


9月4日、北中国より宣戦布告を受けた日本は全国に国家緊急事態宣言を発令。そしてアジア平和条約に基づきアジア連合加盟国に参戦を要請。全日本陸海軍は危険レベルを最高レベルの戦闘態勢に引き上げ、昼夜問わずの外出規制に加え国民に各都市部からの避難を要請。日本各地の空港は飛行制限が設けられた

 

 

 

「ついに始まったか・・・」

 

「ええ、今回の宣戦布告に我々菊花艦隊と菊花師団両名に出撃命令が降りました。対馬要塞にて黄海監視の任につけと・・・」

 

香織の報告に静は閉じていた目を開けると

 

「分かった・・・艦隊は明晩出撃とする。総員に出撃準備をしておくよう伝えてくれ」

 

「分かりました」

 

そう言うと香織は部屋から出て行った

 

「・・・ふう、いよいよか・・・」

 

静は外の様子を見るとそう呟いた

 

「いよいよ始まってしまった。欧州動乱以降の本格的軍事行動。なるべく新兵達に血を流してほしくないな」

 

そう言いながら今年此処に配属された武田少尉を見て少し微笑んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全艦補給完了、人員の全員搭乗完了。菊花艦隊、いつでも出撃できます」

 

香織の言葉に司令官席に座っていた静は暗闇の海を見ると

 

「了解、菊花艦隊出撃。進路340、対馬要塞に向け出撃」

 

9月5日 午後20:06 菊花艦隊硫黄島要塞を出撃。途中、和歌山空港より飛来した第32飛行団の護衛を受けながら琵琶湖海峡を通過。二日後の9月7日に菊花艦隊は対馬要塞海軍基地に到着

 

「いよいよ戦場か・・・」

 

「ええ、今対馬要塞は日本海軍の最前線基地です。緊張していますね」

 

そう言って要塞に到着した菊花艦隊は早速警戒機の発艦と航空機隊の警戒を開始した

 

「今回は最新鋭ステルス多用途戦闘機『夜鷹』を満載ですからね。これで偵察も楽に行えますね」

 

「ああ、そうだな」

 

そう言いながら武御雷から発艦する夜鷹を見ながらそう言った

 

『もし北中国が本当に超長距離噴進弾を実践配備しているのならば日本に飛んでくる事がないようにしなくては』

 

静はそう思うと飛んでいく夜鷹を見た

 

 

 

 

 

翌日、対馬要塞作戦本部では現在の戦況と今後の作戦検討が行われていた

 

「早朝に確認された北中国艦隊は当時通過中であった米第七艦隊所属のポート・ロイヤルに巡航噴進弾を発射。ポート・ロイヤルは大破し、今は鎮海軍港にて緊急修理中。この攻撃に米国正式に北中国に宣戦布告と共に攻撃した北中国第一艦隊に噴進弾の飽和攻撃を開始。2隻を撃沈したとのことです」

 

報告に作戦司令部には沈黙が走った。米国が本格介入する事になったと言うことは、ほぼ必然的に欧州各国も挙ってこの戦争に参戦する事になる。そうすれば多数の国を巻き込んだ大規模な戦闘となってしまう可能性があった

 

「米国の参戦か・・・」

 

「予想よりも早く決まったな」

 

「ああ、恐らくだが米国はこの戦闘を早急に終わらせ、ロシアのウクライナ侵攻に備える考えだろうな」

 

「だとすると欧州も参戦する可能性もあるぞ」

 

そう言って幕僚達は話し合っていると

 

「ですが、まずは現在の戦況を元に今後の作戦を立てる方が優先かと思われます」

 

「そ、そうだな」

 

そう静の言葉に幕僚達は少し驚くと地図を広げて状況説明をした

 

「現在、連合軍はソウル北20キロの所で膠着。現在まで確認された北朝鮮軍の戦死者数はおよそ4000。捕虜は2000、それと共に北朝鮮軍の戦車ときた中国軍の戦車を鹵獲し、今は解析にあたっています。対して我が軍の戦死者数は800であります」

 

そう言うと幕僚達は圧倒的に勝っている戦況に直ちに進撃する案があったが静が北中国に新兵器があることを伝えると一気に攻勢ムードは消え去った

 

「取り敢えず、今南中国も太原市まで進軍をしました。ここは共同歩調にて北朝鮮を先に降伏させてからの方が良いかと。なので私は米第八軍を開城市にて大規模な陽動作戦を展開し、そこに航空戦力を叩き込みます」

 

航空戦力という言葉に幕僚達は本格的に軍事作戦に航空機が使われることを想像すると思わず身震いしてしまった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

新八八艦隊計画

静達菊花艦隊が対馬要塞に到着してから二日後、熊谷率いる菊花師団も輸送艦によって無事に対馬要塞へと到着した

 

「お疲れ様であります」

 

「おお、静くんか。待っていたぞ」

 

「ええ、では熊谷閣下。こちらに」

 

「ああ」

 

そう言って静に作戦指揮本部へと通されると熊谷含めた海軍、陸軍両陣営の幕僚達が集まり話をしていた

 

「今回、我々陸軍は米国第八軍、並びにアジア連合軍と共に北朝鮮への侵攻作戦を行うに当たり。米軍は開城市にて大規模な市街地戦を展開する事となった」

 

市街地戦と言う言葉に幕僚達には緊張が走った。だがそれよりも静から発せられた言葉の方がよりこの場を騒然とさせた

 

「なお、今回の開城市揺動作戦には我々菊花艦隊航空隊が先導して敵駐屯地の破壊を試みます」

 

明確に航空隊の導入を宣言した事に幕僚達は息を呑んだ

 

「そう言う事ですので、私はこれから米軍にこのことを報告するとともに作戦準備に入ります」

 

そう言うと静は作戦室を出て行った

 

 

 

 

 

 

静は作戦室を出ると外のバルコニーにて夜風に当たっていた。すると静は後ろから熊谷に声をかけられた

 

「どうだね、戦況の方は」

 

「熊谷団長・・・ええ、今のところは特に目立った動きはないそうです」

 

「そうだろうな・・・静くん、君はこの戦争をどう思っている」

 

そこ問いに静は少し間を置くとその問いに答えた

 

「正直、私としてはこの戦争は欧米各国が我々日本に航空機の特権を手に入れるためのいわば()()()()というべき戦争と言える気がします」

 

その答えに熊谷は賛同するとともにどこか悲しげな表情を浮かべた

 

「そうだな、この戦争は元は北中国が始めた戦争だが。これに乗じて米国より派遣された艦隊が参戦。英国、独国も後方支援を表明。確かに英国などはこう言った面で恩を売って航空機の特権を得ようとしているのはもはや明確だな」

 

「ええ、特に英国は我わと同じ島国ですので航空機があれば19世紀の黄金時代のようにに返り咲きたいと思っているのでしょうね」

 

「全くだ、面倒なことをする。これでは前戦で戦っている兵士たちが哀れに思えてくるな」

 

そう言って二人は航空機の登場によって混沌渦巻く世界にどこか恐ろしいところを感じた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、静と熊谷は釜山にある米陸軍第八軍司令部に来ていた

 

「雷樹静中将と熊谷三郎中将をお連れしました」

 

そう言って二人は司令官室に入ると司令長官のアーノルド・フレッチャー中将の歓迎を受けた

 

「よくいらしてくれました」

 

「はじめましてフレッチャー中将閣下」

 

そう言って挨拶をした三人は状況説明を受けた

 

「現在、我々第八軍は元山市からソウルにつながる場所を占領しています」

 

そしてフレッチャーは開城市を指すと悔しそうな表情を浮かべながら戦況を説明した

 

「現在、ここの開城市では同盟軍(北朝鮮軍と北中国軍の総称)が建物を使ったゲリラ戦を展開し、攻略が進まない状況です」

 

「成程・・・開城市は前から北朝鮮領・・・向こうのほうが地の利はありますね」

 

「ええ、そこで我々とアジア連合軍は開城市攻略作戦を立てました」

 

「そこで我々の航空隊に攻撃命令をと・・・」

 

「ええ、そんな感じです」

 

そう言うと静はそのことを了解し、その後も詳しい作戦内容と通信手段の話などで詰めていた

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、海軍軍令部では茂が秘書から渡された紙を見ていた

 

「はぁ、まさかこの計画が上申されるなんてな」

 

そう言って茂は難しい表情をした。紙には『新八八艦隊計画構想と必要予算見積』と書かれた紙が書いてあった

 

「新八八艦隊・・・八隻のイージス巡洋艦に八隻の戦略空母を主力とした日本海軍の新構想・・・か」

 

新八八艦隊計画

最新鋭イージス巡洋艦と戦略空母の建造をそれぞれ八隻ずつ建造し、全ての建造を8年以内に完了。航空機を使った新たな戦略構想を掲げる計画

 

「だがこの計画が始まれば軍事力バランスにヒビが入る事になる・・・航空機という最強に近い武器を持った日本は己の力の過信によって身を滅ぼす可能性がある。そもそも航空機に利権は閣下にある事を忘れては居ないか?」

 

茂はこの計画には反対の意見であったため。そう呟いていた、すると茂の部屋に電話が入った

 

 

 

 

電話に出ると相手は大高総理であった

 

『雷樹さん、少し時間はありますでしょうか?』

 

「おや、総理ではありませんか。今日はどうされましか?」

 

『実は今日私の所に『新八八艦隊計画構想』と書かれか紙が届いたのでな。これをどう思っているのかお聞きしたくて・・・』

 

そう聞かれると茂と大高は今晩に紀尾井坂にある料亭で落ちあう事になった

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜、茂は先に来ていた大高と料亭で先の新八八艦隊計画構想について話していた

 

「・・・つまり雷樹さんは新八八艦隊計画については反対の意見だと?」

 

茂の意見に大高はそう言うと茂は反対の意を示した

 

「ええ、私個人としましてはこの計画はいささか無茶な計画だと思います。この計画は航空機の新しい戦略構想を考えてのものではありますが。この計画は各国の軍事バランスを壊す。そう言う意味でも私は反対です」

 

その言葉に大高は何した様子を見せた

 

「よかった、私も実はこの計画には反対でしてな。閣下にも意見を聞きたと思っていたんですよ」

 

「成程、そう言う事ですか」

 

そう言って二人はその後も八八艦隊についての意見を交換していた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開城市市街地戦

9月24日 午後18:00 アジア連合軍元山前線基地

 

この日、20:00から開始される開城市攻略作戦の為にアジア連合軍第二、第三師団は出撃準備を行なっていた

 

「いよいよ、作戦決行か・・・」

 

「ええ、我々菊花艦隊航空隊は予定では19:50に離陸を開始し、開城市への攻撃を開始します」

 

同じ頃、東シナ海洋上では菊花艦隊が作戦を成功させる為に航空隊の発艦準備が行われていた

 

「さ、取り敢えず作戦の詳しい内容を飛行隊と共有するぞ」

 

「は!了解しました」

 

そう言うと静と香織の二人は艦橋から飛行隊控え室に向かうと、そこには既に飛行隊のメンバーが席に着いていた

 

「・・・よし、取り敢えず今作戦の目標と概要をもう一回伝えておく。まず、今回の目標。それは以下の二つである」

 

1、開城市市内の対空、対艦噴進弾の破壊。

 

2、同盟軍開城市基地の破壊

 

「そして、今回の作戦順序は以下の通りである」

 

作戦第一段階

菊花第一航空隊による開城市市内の敵防御陣地の破壊と敵の混乱を促す

 

作戦第二段階

破壊し、混乱中の戦闘地域全域に星鵬の妨害電波発信

 

作戦第三段階

妨害電波発信中に米軍とアジア連合軍の総攻撃を開始

 

作戦最終段階

連合軍は二週間以内に平壌陥落を目指す

 

「以上、今回の作戦で君達航空隊には一番槍として開城市に突入して敵陣地の破壊と敵の混乱を招いてもらう。いくら地図があるとは言え詳しい敵地の情報がない中苦労はするだろうが。この作戦が成功すれば南北朝鮮は統一、さらに同盟軍は朝鮮、南中国の両方から攻められることになる。君達には作戦の成否が掛かっていることを認識してもらいたい」

 

「「ハッ!!」」

 

そう言って飛行隊のメンバーは敬礼をした

 

「よし、それじゃあ。最後に言っておく。()()()()()()。必ず戻りなさい、これが第一、命を大事にしなさい。機械と違って人は変えが効かないの」

 

そう言うと隊員達は少し緊張した様子で部屋を出て行った。その様子を静は静かに見届けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同日 午後19:30頃 武御雷艦橋

 

準備を終えた夜鷹は作戦空域に出撃する為に離陸準備を開始していた

 

「司令、全機発艦準備完了。只今より、北朝鮮攻略作戦を開始します。なお、作戦準備に伴い福岡空港からは星鵬改、並びに星鵬護衛隊が作戦空域近くに展開」

 

「米軍、並びに連合軍との通信は良好。指定したチャンネルにて通信を行なっています」

 

「航空隊との通信も良好。司令、いつでも出撃完了です」

 

各部署からの報告が入り、世界初の本格的市街地作戦が始まろうとしていた

 

「・・・いよいよね」

 

「ええ、では司令・・・本当に宜しいでしょうか。ここで攻撃を加えれば我々も先頭に加担することになります」

 

そう言って香織は確認を取った。すると静は少し間を置くと

 

「・・・ええ、いいわ。初めて頂戴」

 

そう言って作戦開始の合図をした。それを聞いた艦橋要員全員に緊張が始まった

 

「分かりました。総員第一種戦闘配置、以後二十四時間の常時警戒態勢を怠るな。通信班は連合軍並びに航空隊との連携を細かく行え、航空隊に下命。作戦を開始する」

 

「了解、航空隊に連絡。直ちに作戦開始。繰り返す、直ちに作戦を開始せよ。航空隊は発艦し、開城市敵防御陣地の破壊を行え。星鵬隊に連絡、鷹は上がった、狼は狼煙が上がるまで待て」

 

そうして作戦開始された艦内では緊張した声が響いていた

 

 

 

 

 

同時刻 元山市アジア連合軍臨時司令部

 

「司令、通信です『鷹は上がった、狼は狼煙が上がるまで待て』です」

 

「そうか、いよいよ始まったか。よし、第一軍団に出撃命令を」

 

同時刻、通信を受けたアジア連合軍は進撃を開始。戦車100台以上にも及ぶ連合軍は予備兵力を残して三分の一の兵力を開城市攻略に向けた

 

「これより、開城市攻略作戦を展開する。最初に航空隊が攻撃を仕掛ける。攻撃と同時に電波妨害が起こるが、作戦通りに砲撃を開始する」

 

「「了解」」

 

そうして連合軍は闇に紛れて山道を進んでいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦開始から30分後・・・

 

発艦した夜鷹攻撃隊は進路を開城市に向けて飛んでいた。夜鷹攻撃隊隊長を務めるのは萩野の後輩である時島晴信中佐であった

 

『・・・よし、通信は良好。これより作戦空域に入る、全員心してかかれ』

 

『『了解!!』』

 

『よし、では作戦開始。全員空対地誘導弾発射!!』

 

そう言って操縦桿の赤ボタンを押すと機体の下部に取り付けられた大型の18式空対地誘導弾が切り離され、開城市市内の敵陣地を真っ赤な炎に染め上げた

 

『よし、第一段階成功。通信 我、攻撃ニ成功セリ。コレヨリ巣に帰る。狼は攻撃を始められたし』

 

そう言うと航空隊は旋回して元きた道を引き返した

 

 

 

 

 

 

初めは何が起こったかわからなかった。ほんの少しの灯りしか灯っていなかった陣地に何発ものミサイルが飛んできて陣地は木っ端微塵に破壊された。最後にあった他の陣地の通信はどうやら他の場所でも同じ様にミサイルの攻撃があったものと思われる通信で途切れた。そして、遠くで特徴的な甲高い声が聞こえ、その方を向くとそこには前に大きな話題となっていた航空機なるものと思われるものが飛んでいた。

 

「あぁ・・・あれが・・・航空機・・・」

 

攻撃で負傷し、倒れた俺は息も絶え絶えに空を見ていた

 

「ど・・・うせ・・・なら・・・」

 

そして徐々に霞む視線は確かに航空機を捉えていた

 

「よく・・・見たかったな・・・」

 

そう言ってそこで俺の記憶は途切れた



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

開城市市街地戦2

9月25日 午前6:00

 

明晩より始まった開城市攻略作戦は第一段階の航空機による空爆が終了したのち。米軍のM777 155mm榴弾砲による砲撃の後、10式戦車を主力とした連合軍第三戦車師団が突入を開始。開城市市内で大規模な戦闘が開始された

 

「全車前進。航空隊が敵陣地を破壊した!我々は突撃を行え!!!」

 

号令と共に街に突入した戦車師団は瞬く間に開城市の攻略を行なった

 

ドォン!

 

ドォン!

 

バババババババァン!

 

突撃した戦車師団は途中米軍と合流して開城市最終目標である北朝鮮陸軍開城市司令部を目前とした

 

「さて、ここまで大きな抵抗なく来れた」

 

「そうだな、星鵬の電波妨害もスポットに変わった。戦車大隊は直ちに攻撃を開始、敵兵を炙り出せ!!」

 

そう言って10式戦車からの砲撃で建物のの上層が破壊されるとしたから白旗を掲げて北朝鮮軍の兵士が投降をした

 

「敵兵の投降を確認。最終目標地点の確保に成功。レーダーから敵軍の撤退を確認」

 

「よし、結果をすぐに報告してくれ」

 

そうして作戦はわずか三日後の9月26日に終了した。投降した兵士たちは済州にある収容所へと送還された。わずか三日で終わったことに勢いずいた連合軍は開城市を攻略した翌日、目標を平壌に向けて進撃を開始した。今まで北朝鮮の圧政に苦しんでいた人々はやって来た連合軍に初めは不思議そうに見ていたが。連合軍の手厚い保護に軍に志願するものも増えており、訓練場では志願兵が訓練を行なっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦が三日で終わった事は対馬にいた静にも届き、初めは驚いたものの。同盟軍の士気の低さから攻略作戦も早く終わるものだと思っていたがこんなにも早く終わるとは思っても見なかった

 

「しかし驚きましたね」

 

「ええ、まさか三日で終わるなんて。早く終わるとは思ってはいたものの」

 

そう言って香織と静は開城市攻略作戦終了後に連合軍が予定よりも早く平壌に向け進撃を開始した報告を聞いた

 

「そう・・・もう平壌に・・・」

 

「ですが今の連合軍の士気は高いです。確かに士気が高いうちに一気に攻め込むのが良いでしょうね」

 

報告を聞いた静は星鵬に連絡を入れるとレーダーで同盟軍の待ち伏せの有無を確認させ、地上部隊との連携を図った

 

「さて、そろそろ熊谷さんも前戦に着いたかな?」

 

「如何でしょうか。現在、南中国は北京市での戦闘で勝利を収め。北中国軍は敗走、ハルピンを手に入れれば我々の勝利が確定します。熊谷司令は南中国軍の支援でしたよね」

 

香織は静に現在の熊谷率いる菊花師団の現在位置を予想していた

 

「そうね、現在熊谷さんは第三艦隊と第8師団が確保した遼東半島から合同で北朝鮮軍を北から圧迫する予定の筈。もう到着して作戦を開始しているかもしれないわね」

 

そう言って静は空を見上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、菊花師団は到着した大順で戦車師団に戦闘命令を発し、第8師団とともに丹東市へと進撃を開始した

 

「よし、全車両に通達。我々菊花師団は丹東市に兵を向け。遼東半島の確保を行う。なお、南中国軍との合流をしたのち。我々は連合軍に加わりハルピンを目指す。総員奮励努力せよ」

 

そう言うと戦車100近くで構成された連合軍は丹東市に向け進撃を開始した

 

ドォォォォォン!!

 

バババババババァン!!

 

無数の砲撃音は発砲音は夜空を赤く染め上げていた。その様子を見ていた熊谷は双眼鏡越しで

 

「これは・・・とても国民は見られないものばかりだな」

 

そう呟きながら倒れた兵士を見ながらそう言った。北朝鮮軍の補給路が菊花艦隊の航空隊のよって破壊されたせいか餓死して様子の兵士も多く見受けられた

 

『もしこの戦争が長引けば被害はどんどん大きくなる。向こうが降伏をしてくれると良いのだが・・・』

 

熊谷は餓死していた兵士たちに黙祷を捧げると進路を丹東市に向けて進撃を行った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開城市攻略作戦から数日後。静の元にある情報が届いた

 

「何ですって!?それは本当なの!!」

 

「はい・・・確かにブルーマーメイドが戦場視察を政府に要請したと・・・」

 

そう言って香織が報告をしたのはブルーマーメイドが日本政府に戦闘の状況を知るために視察団を派遣したいと言うものであった

 

「一体何を考えているんだブルーマーメイドは。今前戦に行けば下手したら誤射を受けて死ぬことになる。これは海賊摘発行為じゃないんだ。その事を理解しているのか!?」

 

そう言って静はブルーマーメイドの上層部は戦闘行為をいつもの海賊摘発行為同じと捉えているのではないかと思ってしまった



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

視察団と世論

久々の投稿です。これからもおそらく亀更新ですが、なるべく早く投稿できる様、頑張ります


10月3日

 

開城市の陥落から一週間後。連合軍にある吉報が届けられた。それは連合軍が北朝鮮の首都平壌を制圧したと言う報告だった。この報告に軍令部や国民は喜びを露わにしていた。一方軍令部の中にはこの浮ついた雰囲気を危険視する考えをする軍人もいた。そのうちの一人が軍令部総長雷樹茂だった

 

「・・・不味いな・・・」

 

茂は自宅の書斎で新聞紙を広げながら平壌に入る10式戦車とM1エイブラムス戦車の写真を見ながらそう溢した。現在、連合軍は快進撃を続けているがこの状況がいつまで続くかは分からない。慢心をしているといずれしっぺ返を食らう可能性があるとそう思っていると書斎の秘匿回線電話に連絡があった、相手は忠教であった

 

「総理、今日はどうされましたか?」

 

『ああ、茂総長は朝刊は読みましたか?』

 

「ええ、今読んでいるところです」

 

そう言うと忠教は真剣な眼差しで茂に聞いた

 

『茂総長、貴官はこの進撃速度に疑問を覚えませんか?』

 

「・・・正直、いくら敵の抵抗が少ないとはいえ少し早すぎるかと・・・現在、海軍第9艦隊が日本海の北朝鮮艦隊を監視していますが。彼らは武器の積み込みや燃料の搭載すら始めていないとの事です」

 

『それは不可解ですな。もう平壌まで陥落したと言うのに・・・いや、それとも艦隊を動かすほど余力がないのか・・・』

 

忠教がそう考察をするも一旦はその事を頭の片隅に置くと茂に本題を話した

 

『ああ、そうでした。そういえば今朝ハワイのブルーマーメイド本部から連絡がありましてな。平壌に視察団と記者団を派遣させろと言う者でした』

 

「何を馬鹿な、平壌は占領したばかり。それに前線の目と鼻の先ですぞ。そんなところに視察団なんか派遣できるわけがない」

 

そう言って茂は驚きの声を出した。視察団派遣の話は開城市が陥落した時にも上がっていたがあの時は危険だと言って拒否をしていた。なぜなら連合軍の武器には軍事機密にされているものあり、とてもじゃ無いが記者団に見せる訳にはいかなかった

 

『ええ、一応返事魔は出していませんがマスコミもどうやら現地での映像が欲しいようでそちらの方からも電話が鳴り止みません』

 

「うーむ、困ったものですな」

 

今のところはマスコミを抑える事が出来ているがマスコミはせいつから送られていうる以外の映像が欲しいようで前線基地近くで憲兵隊に記者達が捕まえられている事もあった

 

『ですが、マスコミにもガス抜きをせねばならない場合もあります。内閣では一部地域での報道を開始する意見もありまして・・・』

 

「いいのでは無いでしょうか。軍部では奪還地域の安全は確保済みの報告も上がっています。記者団には一応安全の補償は出来ないと言っておけばいいでしょう」

 

そう言って茂は忠徳にそう提案をすると早速その案は採用される事になった

 

 

 

 

 

 

 

 

連合軍が平壌に進駐したニュースは全国に届いていた。そんな中、帝都のとある中等学校でも朝から生徒達は連合軍の快進撃に浮ついた雰囲気をしていた

 

「さて、次の授業は・・・歴史か・・・」

 

そう言ってブラウンヘアに特徴的な黄色の瞳をした少女はカバンから教科書を取り出していると少女は隣から声をかけられた。声をかけたのは黒髪に少女と同じ黄色の瞳を持った青年だった

 

「真由美、ちょっといいか?」

 

「お兄ちゃん。どうしたの?」

 

そう言って二人は席を立つと教室の外に出た。同級生の中では美形で成績も優秀な二人は学校の中でも注目の的だった。両親が近衛軍(菊花艦隊と菊花師団を合わせた俗称)の菊花艦隊司令長官とその航空参謀で祖父は軍令部総長ともなればむしろ注目されない方がおかしなくらいだった。その為、二人の学校の行き帰りには必ずと言って良いほど護衛がついていた

 

「それで?わざわざ呼び出してどうしたの?」

 

「さっきじいちゃんから連絡があって母さん達が帰って来るらしい」

 

「本当!?」

 

和樹の言葉に真由美は心底嬉しそうだった。ここ最近は例の戦闘のこともあって中々帰ってこられなかったが為に真由美達は早く帰ってこないかソワソワしていた

 

「ああ、今日の夜に帰って来るらしい」

 

「そうなの?じゃあ、今日は早めに帰ろう」

 

「ああ、そうしよう」

 

そう言って二人は嬉しそうにしながら両親の帰りを今か今かと待ち続けた

 

 

 

 

 

 

 

その日の夕方、雷樹邸に一台の車が止まるとそこから静と輝が降りると早速和樹と真由美の二人が私服姿で出迎えていた

 

「「おかえりなさい父さん(母さん)」」

 

そう言って二人は無事に帰ってきた静達に喜ぶと静達も返事をした

 

「ああ、ただいま」

 

「どうだい学校のほうは?楽しくやっていけているか?」

 

「はい、楽しくやって行けていますよ」

 

そう言って四人は久々の親子の再会に花を咲かせていると真澄が出てきて食堂で夕食の準備をして待っていた。そして四人は少し早めの食事を取っているとそこに茂が帰ってきた

 

「おーい、帰ったぞー」

 

「あ、じいちゃんが帰ってきた」

 

そう言って和樹は食堂の入り口の方を見るとそこから茂が入ってきた

 

「お、静達はもう戻っていたか。思ったより早かったな」

 

「ええ、少し早めに仕事が終わったので」

 

「ご無沙汰していますお義父さん」

 

「ああ、構わんよ」

 

そう言って茂も荷物を置いて着替えてくると夕飯を取り始めた




補足説明
この世界の学制は初等学校6年、中等学校3年、高等学校3年、大学校4年で、中等学校まで義務教育で飛び級制度がある


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

反撃

雷樹邸で久々の家族全員で食事をしている静達は久々に会う二人の子供達と会話に弾み、そして二人が寝ると静は茂の部屋に行くと戦況報告をしに向かった

 

「・・・と言うわけで現在の戦況は圧倒的に我が軍の優勢です」

 

「ああ、逐一報告は聞いている。連合軍は現在平壌近郊で一旦進軍を停止させている。だが、北朝鮮軍は威興市近郊でゲリラ行為を行なっている。まるでベトナム戦争の様相を呈しているらしい」

 

「威興市と言うと・・・海軍ですか?」

 

「ああ、彼らは艦隊の出撃準備を行なっているらしい。最も、出港するには時間がかかるらしいがな」

 

「攻略には時間がかかると言うことですか・・・」

 

「ああ、現在、第九艦隊が威興市にて艦隊出撃準備を確認した。本来なら直ぐにでも攻撃をしたい所だが・・・」

 

そう言いながら茂は懐から一枚の写真を出した

 

「これは・・・?」

 

「本郷少佐から送られた写真だ。同盟軍は威興市近郊にこのYJー8対艦ミサイルを多数配備している。接近すればこのミサイルが第九艦隊を壊滅させる可能性が高い」

 

「厄介ですね」

 

「だが、出航してしまえば問題ない・・・だが、問題は艦隊が沿岸沿いを航行してそのままウラジオストクに()()した場合だ」

 

「それは・・・」

 

「あり得ない話ではないだろう。昔から両国とロシアは密接な関係があった。あの社会主義国の後継国だ。我々を裏切る可能性もなくはない」

 

「・・・もしそうなれば米国と露国の大国間戦争になりますよ」

 

「できれば考えたくない事案だな」

 

二人は地図に書き込んだ戦況を見ながら呟く。現在の戦況は平壌からほぼ横一列にかけて伸びた戦線を見た

 

「取り敢えず、私は休暇を取っているけど。いつ動くかわかりませんね」

 

「ああ、もし第九艦隊との海戦となれば日本としては日露戦争以来の海戦になる」

 

「それに、あの時とは違いミサイルが飛び交う見えない距離での戦闘となります」

 

「見えない距離での戦闘・・・結果がどうなっているかは目視で見れないと言うことだな」

 

茂が小さく唸ると静も同様に今後の戦争と推移を考えていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月10日 午後19:00

 

休日2日目の今日。静は久々に家族で団欒をしていると静の携帯に緊急連絡が入った

 

ピリリリリリ!

 

「はいもしもし・・・何ですって!?」

 

静は電話を切ると急いで東京海上空港に向かった

 

キキィィィィーー!!

 

「おい、そんなに急ぐなよ」

 

「そんなこと言ってる場合じゃないわ!」

 

車で高速を猛スピードで空港に向かっている静と輝は事情を説明した

 

「爆装した閃電が3機千歳空港から南下中よ。後20分で東京上空に到着するわ」

 

「何だと!?」

 

輝は驚愕した様子を浮かべた

 

「ええ、急ぐわよ」

 

そして静はさらに車の速度を上げ、空港へ道に入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、東京海上空港地下軍事管制室(以後東京管制室と呼ぶ)では職員がレーダーに釘付けとなっていた

 

ピーッ!

 

「SIF照合。北部方面隊所属308飛行隊。閃電改3機。コールサイン、ワイバーン。応答ありません」

 

「エリアホテル数キロワン。ヘディング190、高度3万2000、速度720ノット。なお南下中」

 

「千歳はどうだ。繋がったか?」

 

『北部SOCはじめ各飛行隊とも応答ありません』

 

「ダイレクトラインで基地の指令を呼び出せ、出るまで続けろ!」

 

副司令官がマイク越しに命令をすると司令官にある疑念を言う

 

「まさか、千歳が・・・叛乱?」

 

「馬鹿、そんな事あるわけないだろう」

 

『要撃機上がりました』

 

管制員の言葉と共にレーダーに二種類のマークのついた映像が映る。

 

『東京101よりウィザード03、佐渡島303よりプリースト21。会敵予想時刻ネクスト04、およびネクスト10』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迎撃に上がったのは現在、日本各地の空港や飛行場に配備されている『鷲』(現実世界のF15に相当)が迎撃に上がった。パイロットは英語で管制官に通信を入れる

 

『トレボー、こちらウィザード03。現在、高度3万2000』

 

『ウィザード03、こちらトレボー、これより誘導を開始します。同高度にて方位040へ』

 

『了解』

 

通信から入る東京管制室からの通信にパイロットは鷲を右に旋回させる。その様子を東京管制室では逐一レーダーで観測し、逐一管制官が報告を入れた

 

『ワイバーン、尚も南下中。応答ありません』

 

『追尾SS37よりSS 27へハンドオーバー。ウィザード会敵予想時刻調整、ネクスト05』

 

管制官の報告はすぐさま要撃機隊にも届けられた

 

『ウィザード03、同方位030、距離90ノーチカルマイル、高度3万2000』

 

パイロットは管制官の誘導に従い航路を変更させた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

管制室では今後の話がなされていた

 

「指令、もし会敵しても応答がなかった場合は?」

 

そう問いかけるも次にブザー音が聞こえた

 

『北空SOC、繋がりました』

 

そして指令は電話の受話器を取った

 

ガチャ

 

「こちら中空SOC、どう言う事なんだ。南下している閃電をすぐに引き返させろ」

 

しかし返答は驚きのものだった

 

「・・・何、上がっていない!?」

 

『少なくとも千歳空港からは発進を確認していません。308飛行隊の所有機を確認していますが、回線が普通、ダイレクトラインも不通を起こしています』

 

「北空の飛行隊を全て確認しろ。最優先だ」

 

『了解』

 

そして司令は受話器を置くと深刻な表情になった

 

「指令・・・」

 

「SIFコードは確実に変更されているし、外部からの侵入は不可能なはずだ・・・システムエラーか?」

 

「自己診断プログラムが常時走っているんです。エラーのまま遂行する事はあり得ません」

 

司令の懸念に副司令が否定した。司令は現状の把握を開始した

 

「・・・ウィザード、コンタクトはまだか?」

 

『目標、正面、距離25ノーチカルマイル。レーダー探知どうか』

 

『コンタクトできない。目標高度の指示をこう』

 

だが、依然として爆走中の閃電改型を発見できていなかった

 

「目標は後どのくらいで首都圏に入る?」

 

「約10分ほどかと・・・」

 

副司令の報告を聞いた司令はある命令準備を発した

 

「・・・入間の高射群に発令。直ちに・・・迎撃体制に入れ。それと・・・長官に緊急連絡だ」

 

「え!?」

 

司令の言葉に副司令は驚いた表情で司令を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃空中では鷲が索敵を行っていたが、依然として閃電改を発見出来ていなかった

 

『トレボー、こちらウィザード03、レーダーに反応なし。再度目標の確認をこう』

 

『目標正面、距離15ノーチカルマイル、方位190、高度3万2000、速度マッハ1.2、ウィザード減速せよ!』

 

『補足できない!レーダーに反応なし!』

 

『繰り返す、補足できない!目標はどこだ!』

 

パイロットの声は東京管制室に響き渡った

 

「危険です。一度退避させて、再度・・・」

 

「時間がない、奴が進路を変えればプリーストのアプローチが遅れるかもしれん」

 

『警戒、同位置、高度差なし』

 

『警戒せよ、ザザッ!ウィザード、警k・・・ザザザザザーーッ!!』

 

突如、通信に雑音が雑音は入り始め、最後に

 

『警告!退避して下さい!』

 

すると次の瞬間、レーダーからワイバーンの反応がロストした。これには司令も思わず椅子から勢いよく立ち上がってしまった

 

「レーダーアウト・・・撃墜された・・・?」

 

「まさか・・・」

 

『目標、転身します!方位210、降下しつつ増速中!』

 

『プリースト接近。距離20マイル』

 

「上の管制塔に緊急連絡だ!」

 

管制官がそう叫ぶとすぐさま管制塔に連絡が入った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、東京海上空港の民間管制塔では管制員達がレーダーに集まっていた

 

「何だこれは?」

 

「こっちに来るぞ」

 

「これが軍から連絡のあったやつか、無茶しやがる・・・」

 

「まさか、二度目のRATs事件が?」

 

「冗談じゃないぜ・・・全く」

 

管制塔では管制官が各々文句などを言いながらそれぞれ指示を入れ始めた

 

「アプローチに入った便を除いて着陸待ちは空中待機だ!高度に注意しろ!」

 

「台湾、樺太線を全て和歌山に回せ、急げ!」

 

そして東京海上空港の電光掲示板から台湾、樺太行きの電光掲示板が一気に暗くなり、通信が入った

 

『お客さまにご連絡いたします。ただいま上空の天候が不安定のため、一時航空機の離着陸を停止させて頂きます。ご迷惑をお掛け致しますが。今しばらくお待ちください』

 

そして成田に建設されている貨物空港では上空を飛ぶジェット機の姿が確認された

 

『成田上空を通過。東京へ向かっています!60秒後に首都圏に到達します!』

 

『プリースト、レーダーコンタクト。ワイバーンを補足しました』

 

「・・・武器の使用を許可する」

 

司令は武器使用許可を発令した。あとはワイバーンを撃墜するのみである

 

「しかし・・・」

 

「人口密集地に入る前に堕とせ」

 

その司令は上空に飛ぶプリーストにも通達された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こちらトレボー、武器の使用を許可する。ワイバーンを撃墜せよ』

 

管制官の命令にパイロットは耳を疑った。

 

『トレボー、もう一度言ってくれ』

 

『繰り返す、ワイバーンを撃墜せよ!』

 

命令を受けたプリーストは旋回した。そしてパイロットは深呼吸をして返事を行った

 

『・・・了解、ワイバーンを撃墜する』

 

そしてプリーストがロックオンしたその時、突如レーダーから閃電改3機が消え、代わりに撃墜されたはずのウィザード2機が映った。ウィザードは雑音混じりに通信を入れた

 

『ザザッ。こちらウィザード、指示をこう・・・こちらウィザード03・・・』

 

通信を聞いた副司令は直ちに攻撃をやめさせた

 

「プリースト21待て」

 

管制官はウィザードに通信を入れた

 

『ウィザード、こちらトレボー。無事ですか?』

 

『トレボー、こちらウィザード。強力な電波妨害にあった模様。現在位置を見失った。繰り返す、指示をこう。繰り返す、指示をこう』

 

そして東京海上空港のレーダーがウィザード03の反応をとらえた

 

『ウィザード03、確認しました。周辺空域にストレンジャー無し』

 

「プリースト、攻撃を中止せよ」

 

「攻撃中止、了解」

 

司令は表情が固まってしまった。

 

「ワイバーンが、消えた・・・」

 

そして力無く椅子にへたり込んだ。

 

『FIが指示を求めています』

 

その言葉に副司令もハッと我に帰り指示を出した

 

「警報解除。プリースト、帰投せよ。ウィザードも帰投させろ」

 

管制室ではホッとした雰囲気となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本政府この一件を同盟軍によるサイバー攻撃と判断し、急遽調査を始める事となった。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

菊の秘密軍隊

今回は菊花師団と菊花艦隊設立の歴史の回です。






久々におじゃる丸のわすれた森のヒナタを見て号泣してしまった・・・


一昨日発生した謎の攻撃に職員達はその後始末に奔走していた。謎の不明機は日本軍に対するサイバー攻撃とし、政府は情報統制を徹底させた。

大本営ではサイバー攻撃特別対策班を設置し、常時サイバー攻撃に対応可能な監視体制を作った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月13日 13:00頃

 

「それで、追跡はできなかったと・・・」

 

「はい・・・幾つもサーバーを経由して侵入された様です。追跡できませんでした。すみません・・・」

 

「謝らなくていいわよ。それだけ、相手が用心深かったって事よ」

 

武御雷作戦室で葵の報告を聞いた静は部屋から葵を退出させると静は今後の戦局を予想していた

 

「(一昨日の攻撃で日本は航空戦力の要であるレーダーに自信をなくしつつある・・・よって航空機による攻撃も減ってしまう・・・)」

 

そう考えていると静は敵の思惑が見えた気がした。

 

「(そうか!同盟軍は毎日のように航空機による攻撃が原因で戦線を大幅に押されている。それで少しでも進行を抑えるために航空レーダーにハッキングを仕掛けたのか・・・)」

 

そう呟くと静はならばと作戦を練り始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月14日 午前4:00頃

 

大連近郊 アジア連合軍日本派遣部隊駐留地

 

熊谷率いる菊花師団は一時日本に帰国する為に大連に集まっていた。

 

「はぁ・・・」

 

熊谷は宿舎の一室で一枚の命令書を見た。

 

「帰国命令・・・」

 

御璽の押された命令書には菊花師団を首都防衛の任に就かせる命令であった。

 

「(首都圏の防衛・・・軍は何を考えている・・・)」

 

現在、派遣されている連合軍は快進撃を続け、同盟軍が降伏をするのも時間の問題と思われている。相手はT-54や少数の劣化版85式戦車。対してこちらはM1エイブラムス戦車や10式戦車、99式戦車などの最新鋭戦車である。戦車戦では性能面で圧倒的な力を持っていた。その為、戦線では戦車は温存しているのか前線には戦車ではなく歩兵や榴弾砲が多く確認されていた。

熊谷は少なからずこの命令書に疑問を抱いていた。確かに、戦況は圧倒的に連合軍優勢。戦局は優位に進んでいた。だが、ここで兵力を抜くのは正直に言えば驚きの一言だった。

 

「(まあ、帰国しても我々は菊花師団。100年以上の歴史を持つ我々はその歴史を背負っているのだからな)」

 

そう思うと熊谷は近衛軍の歴史を思い出し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菊花師団の歴史は1903年の日本での航空機開発実験成功からであった。

航空機の開発に成功した直後、時の明治天皇は情報秘匿をすべく研究所を皇室財産を使用し、研究所(後の日本航空研究所)の用地や施設、研究員を買収。特高と協力し、徹底的に情報秘匿に努めた。当時、ロシア帝国との緊張の高まっていた時期。航空機の開発が成功したことがロシア帝国にもれれば日本はすぐさま戦争に突入してしまいかもしれない。強大なロシア帝国を前に折角の航空機の情報を奪われまいと当時の政府とも共同し、徹底的に隠蔽が測られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

1904年2月6日 日露戦争勃発

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争勃発時に航空機の有用性を説いた軍人もいたが、それは軍務省の中でも数少ない意見であった。

そして翌年の9月5日ポーツマス条約により、日露戦争は終結した。

この際、航空機の情報を知っている軍人の殆どが奉天会戦や二〇三高地攻略戦などで戦場の名誉の戦死を遂げていた。残ったのは天皇陛下が信用に値すると判断した陸軍の将校のみであった。

この二人が後の菊花師団となる人物であった。

この時の戦争で多くの兵士を亡くした日本軍は天皇陛下の勅令で近衛師団の縮小と称し、近衛師団の実質解体とそこから抽出された人員による菊花師団の創設を極秘裏に宣言。航空機研究を極秘裏に、本格的に開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

極秘裏に設立された菊花師団に初めて命令が下ったのは1916年、欧州動乱中の際だった。

日露戦争の勝利で列強入りした日本は欧州動乱に参戦し、清の利権を獲得しようと考えた大隈重信総理大臣は大正天皇に菊花師団の出動を要請。これに応じ、菊花師団に出動準備が入る。

しかしその一週間後、連合軍、同盟軍両軍に厭戦気運が高まり、結果戦争は両軍の講和という形で集結した。

 

 

 

 

 

 

この数年後、今後多様化する時代に備え、1920年に特務艦『鳳翔』の建造を開始。これを機に菊花艦隊の設立を宣言。

 

1922年12月27日 特務艦『鳳翔』竣工

1923年1月15日 菊花艦隊設立

 

初期の菊花艦隊は旗艦鳳翔をはじめとした退役済みの雷型駆逐艦『曙』『漣』の二隻の合計三隻で構成され、拠点を硫黄島に決定。同時に航空機の研究拠点を硫黄島に移転を決定。

それからの10年ほどは硫黄島を拠点に航空機の研究が行われていた。

 

 

 

 

それから10年ほど経った1938年頃。日米の関係が悪化した際、昭和天皇陛下の勅命により、菊花師団、菊花艦隊ともに戦闘準備が行われた。

この時、菊花師団の陣営は97式中戦車チハ40両、一個歩兵連隊(偵察大隊、小銃大隊、砲兵大隊)

菊花艦隊は旗艦『翔鶴』、薩摩型防護巡洋艦三隻、峯風型駆逐艦五隻であった。

しかし、日米の関係悪化はソ連の介入により最悪の事態は防がれていた。

 

 

 

 

 

 

日米関係が修復され、次に起こった冷戦期では菊花師団、菊花艦隊を合わせて『近衛軍』もしくは『菊軍』と呼称する様になる。

この時期に急速に航空機に関する研究が進められ、1947年ドイツで開発された噴進弾の仕組みを取り入れた世界初の7式墳式戦闘機『草薙』の開発に成功(史実のF-86セイバーに相当)。それから数十年。日本の守護神となるべく日本政府も民間企業を通し、航空機産業に予算を送り始める。

そして1950年、レシプロ戦闘機の中で最高傑作と称される15式艦上多目的戦闘機『電征』が完成する。

この時期、菊花艦隊は噴進魚雷搭載艦艇の建造の為に続々と除籍された艦艇を配備。過去最大規模の大きさとなる。この際受け渡された艦艇は改装を行い近代化改修を施され、最近まで使用されていた艦艇もある(ちょうど古畑司令官時代までの艦隊)

この時の菊花艦隊旗艦は改大鳳型航空母艦『麒麟』である(一時、麒麟からこんごう型イージス艦『おおよど』だった時期がある)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2018年、菊花艦隊はRATs事件によるパーシアス作戦時に置いて初めて公の場にその姿を公に表した。当然、航空機の情報の関する追及はあったものの、当時の情勢を鑑みて仕方ないと言うのが今の世論であった。

そして2020年。菊花艦隊に本格的なイージス艦の導入を決定。全国の造船所で建造が開始。2022年から旧式艦艇から入れ替えを開始。半年後に入れ替えが終わると言う前代未聞の速度で世代交代が完了。世界最強の近衛部隊となり日本の守護神として硫黄島要塞を拠点に活動を開始。

 

 

2022年 9月4日 中国南北戦争勃発

 

 

入れ替え完了から3ヶ月後。新編菊花艦隊発は対馬要塞に出撃、そして武御雷を航空基地とし、開城市攻略作戦に航空機による爆撃を敢行。それからと言うもの、毎日の様に航空機を投入し、戦線を有利に進めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな近衛軍の秘匿され続けた歴史を思い出すとここ数年だけで大きな変化を受けたと思ってしまった。

 

「思えば菊花師団の初戦闘もあの作戦が初めてだったな・・・」

 

熊谷はパーシアス作戦時に横須賀市内から12式地対艦誘導弾を武蔵主砲に放った事を思い出していた。地対艦誘導弾を用いても撃沈には至らなかった事に改めて大和型の堅牢さを認識していた。ならば、大和型に改良を加え、17式艦対艦誘導弾を搭載した日本武尊はどれだけ堅牢なのか。想像もできなかった。現在、日本武尊は菊花師団の移動拠点や移動砲台として、日本海沖から16式51cm誘導砲弾(米軍のM982エクスカリバーを元に51cm砲弾に対応させた砲弾)を放ち続けている。大和型は既にブルーマーメイド管轄になっている為、日本武尊は日本海軍が運用する唯一の戦艦である。また同時に日本武尊は世界で最後に建造された戦艦となっている。この攻撃で戦果を上げている日本武尊を見て世界中の政府は戦艦への見方を変えつつあると言う。

 

「(戦艦がまた海軍に編入される可能性が見えてくるな・・・)」

 

そんな事を思っていると熊谷は武器の積み込みを終えた報告を聞き、熊谷率いる菊花師団は戦線から離脱し、進路を横須賀へと向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在の菊花師団の編成

 

師団長部隊

普通科3個連隊

戦車大隊

特科連隊

施設大隊

偵察隊

後方支援連隊

通信大隊

 

総勢6800名の過去最大規模の人数で構成されている。




一般的な日本軍組織図
天皇陛下

大本営・政府
↓↑
陸軍省・海軍省・空軍省(空軍省は近日設立予定)
↓↑
陸海空各軍務省参謀本部
↓↑
陸海空各方面軍



近衛軍組織図
天皇陛下
↓↑
陸海空各司令官
↓↑
陸海空各部隊








この世界の99式戦車は90式と同じラインメタル社製120mmL44滑空砲です。

今回調べた皇室財産ってすごい金額で驚いた。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

消えた艦隊

10月15日 大本営

 

それは日が昇るかどうかの時間。大本営通信課から届いた情報に役員達は大慌てであった。ただでさえ、五日前にサイバー攻撃を受け、責任者の首が飛び、ようやく後任が決まった時にこの情報である。

 

「艦隊の位置は掴めたか?」

 

「いえ、依然として強力な通信妨害により遠水平線レーダーは真っ白です」

 

それは北朝鮮軍の艦隊が威興市から消えたと言う情報省からの連絡であった。情報を受け取り捜索に入ろうとしたところで突如遠水平線レーダーが真っ白になり、情報が錯綜していた。

 

「情報省につなげ。出来るだけ情報をかき集めろ!」

 

「佐渡島飛行場に連絡。仙空を発進させ、索敵を開始。対馬要塞の菊花艦隊に連絡。警戒機を飛ばせ」

 

通信課は多忙を極めた。通信妨害に役に立たないレーダー。索敵にも時間がかかっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

対馬要塞で艦隊が消えた事を聞いた静は海図を見ていた。

 

「レーダーが使えないという事は・・・」

 

「はい、実質目を封じられたという事です」

 

香織が隣でそう呟くと静は海図を見て小さく唸る。

 

「うむ・・・星鵬はどう?」

 

「はい、以前妨害がひどく・・・索敵は困難を極めています」

 

「・・・」

 

静はもう一度海図を見る。

 

「星鵬に通信。今から言う座標に向かって飛んでくれ」

 

「はっ!」

 

そして静が座標を教えるとすぐさまそれは星鵬に伝えられた。

 

「司令。どうしてその場所を?」

 

「海図を見てみな」

 

「・・・あぁ、成程」

 

香織は海流図を見て納得する。その隣で静は説明をした。

 

「同盟軍艦隊は燃料が乏しい。少しでも燃料の節約をしたいと思うはずだ。だから対馬暖流に乗るはずだ」

 

「成程、対馬海流ですか・・・しかし、本当にいるでしょうか・・・?」

 

「いるはずだ。ただでさえ現状北中国は幾つも油田を抑えられている。確保している油田も数は知れている」

 

静の目には次の作戦が浮かんでいるようにも見えた。香織は静の考えている事を想像していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海上では隠れるように航行する艦隊があった。

 

「こうして隠れながら脱出する事になるとは。世も末だな」

 

艦隊司令はそう呟きながら他の艦艇を見る。どれも満足な整備ができず、燃料の質が悪いのも相まって速力も通常の半分以下であった。

そして艦隊は燃料の節約のために海流に乗って航行をしていた。

艦隊は十六隻。それぞれ駆逐艦二隻、フリゲート艦三隻、コルベット艦三隻、ミサイル艇四隻、魚雷艇四隻。いずれも旧式艦で、兵装も満足ではなかった。

 

「日本海軍に見つかればその時は俺たちの終焉だ」

 

艦隊司令はそう呟くと真っ暗な空を見ていた。司令は日本の所有する唯一の技術、航空機を必要以上に恐れていた。

 

「(航空機は脅威だ。たとえこの戦争が終わっても、日本は列強を相手にせねばいけなくなるかもな・・・)」

 

司令はそんな未来を予想しながら通信員に聞く。

 

「レーダーはどうだ」

 

「はっ!以前、本国の通信妨害が強く、我々も現在位置を割り出すのがやっとです・・・」

 

「警戒をおこたるなよ」

 

「はっ!」

 

全員が真っ黒な空や海を双眼鏡越しに目を皿にして見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月19日 午前4時34分 日本海海上

 

佐渡島飛行場より北朝鮮海軍の捜索を行なっている星鵬は日の出に映る多数の影を確認した。

 

「敵艦隊発見。方位240。速度8ノットにて北東方面に航行中」

 

「了解。直ちに佐渡島飛行場に連絡します」

 

この情報は直ちに佐渡島から海軍省に送られ、日本海を航行する第五艦隊と太平洋から増援に駆けつけた第九艦隊に通達された。

第五艦隊、第九艦隊の陣営はほぼ同じで、陣営は

 

まや型イージス巡洋艦 一隻

あさひ型対潜駆逐艦 一隻

あきづき型対空駆逐艦 一隻

もがみ型フリゲート艦 二隻

そうりゅう型潜水艦もしくははつなみ型潜水艦 二隻

 

日本艦隊は菊花艦隊と第一、第六艦隊以外はほとんどがこの陣営である。

また、再来月に行われる海軍艦隊の統廃合により、第七から第九艦隊そして第四艦隊は解体され、配置転換が行われる予定である。

よって第九艦隊はこれが最後の任務であった。

 

「我ら最後の航海は歴史に名を残す戦いをしようではないか」

 

出航前、艦隊司令がこのような事を話した。

他の全員もそうだ。

どうせなら最後くらい名を残したいと乗組員達もいつも以上にやる気に満ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10月24日 午後8時38分 第九艦隊旗艦『たかお』CIC

 

「司令、微弱ながら推進音を探知したと報告がありました」

 

「了解。方位は?」

 

「はっ!南西南30キロ地点であります」

 

「うむ・・・艦長、見た前」

 

「ここは・・・」

 

「ああ、雷樹司令の予感が的中だな」

 

そういい海流図を日本海の地図と合わせた図を見ると司令官は指を指す。

 

「艦隊をここで待ち伏せる、何もない海域に加え電波妨害がある。恐らく誘導噴進弾や電子系統に期待しすぎるのもダメだ」

 

「では・・・」

 

「まずは偵察機を出す。松花発艦準備!」

 

「了解、松花発艦準備を開始。敵艦隊の位置を探らせます」

 

「誘導噴進弾は松花のレーザー誘導に切り替え。松花との通信は確保しておけ」

 

そしてたかお後部甲板から松花は離陸する。

 

「松花カメラとの同調完了。映像に問題なし」

 

「敵艦隊は必ずいる。噴進弾発射用意!砲雷激戦用意!」

 

「対艦噴進弾発射用意よーし」

 

「主砲発射用意よーし」

 

「魚雷用意よーし」

 

「全武装発射用意よーし」

 

そして全ての準備が整ったところで松花から通信が入った。

 

『敵艦隊を確認!数十五・・・十六!十六隻を確認。駆逐艦二、フリゲート三、コルベット三、ミサイル艇四、魚雷艇四隻です!』

 

「全砲門開け。全艦対艦噴進弾発射。発射後対空、対潜警戒を厳にせよ」

 

「対艦噴進弾発射!弾数二、撃てぇ!」

 

シュゴオォー!シュゴオォー!

 

そして発射された二発の噴進弾は艦隊旗艦に向けて飛翔していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「弾数二。北北西より接近中!ミサイルです!」

 

「やはり気づかれたか・・・対空防御。CIWS発射。迎撃せよ」

 

ブオオオオオォォォォォォォオオオオオオ!!!!

 

ドオォォォン!!ドオォォォン!!

 

発射された機関銃は赤い線を描きながら夜空に二発の花火を上げた。

 

「戦闘用意!対空対潜警戒を厳にせよ!」

 

「直ちに北北西に船を向かわせます」

 

「いや、船は出すな。どうせ日本の潜水艦に返り討ちに遭うだけだ。船を密集させて対空密度をあげたほうがいい」

 

「了解!船を呼び戻せ」

 

こうして戻ってきた魚雷艇を加え、艦隊は日本軍の攻撃を待ち構えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この司令の予測は正しかった。日本艦隊には、はつなみ型潜水艦『やまなみ』『たつなみ』が海中に身を潜め、近づいてくるであろう小型艇を待ち構えていた。

 

「魚雷艇。遠ざかっていきます」

 

「向こうさんもこちらの意図に気づいたか?・・・まぁ、なんにせよなかなか面倒そうな相手だ。南波、敵艦の位置は把握しているか?」

 

「はい、逃すことはありません」

 

「よし、アンテナを上げろ。上の船に提案をする」

 

「はっ!」

 

潜水艦艦橋から海上に浮上したアンテナはたかおCICに繋げられた。

 

『こちら深町。司令、俺から提案があるんだが・・・』

 

そしてはくりゅうの艦長は司令官に提案をする。それを聞いた司令官は作戦を許可した。

 

「ああ、良いとも。作戦を許可する」

 

『感謝する』

 

こうして通信を終えた潜水艦二隻は艦隊を離れて行った。

 

「うまく行きますでしょうか」

 

「大丈夫さ。彼らなら上手くやってくれる」

 

司令はそう言うと口角を上げていた。



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

進化する戦い

お待たせして申し訳ありません!!(土下座
今まで更新しなかったのは作者のやる気ダウンと、この作品のカンペを無くしたからです。
そして、書きかけのこれをなんとか記憶を頼りに書いた次第です。

そして最後にご報告をさせていただきますので、最後まで読んでください。


10月24日 午後8時32分 日本海沖

 

北朝鮮海軍艦隊に先制攻撃を行った日本海軍はある作戦を展開していた。

海中を進む二隻の潜水艦『やまなみ』と『たつなみ』船内では攻撃準備がなされていた。

 

「魚雷室。準備はどうだ?」

 

『問題ありません。いつでも発射できます』

 

「了解、聴音。聞き漏らすなよ」

 

「ええ・・・っ!感あり、方位〇四〇、距離八万。ドンピシャです」

 

「よし、射程距離ギリギリまで近づいて攻撃する。おそらく向こうも同じ考えだ。タイミング合わせるぞ」

 

「了解」

 

深町は確認を取ると艦長帽を深く被った。

 

「(こんな日本海のど真ん中で戦闘をすることになるとはな・・・・)」

 

深町は砲戦から進化した現代の戦い方に技術の進歩を感じながら指令を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、潜水艦『やまなみ』発令所

 

「魚雷発射用意。数二、模擬弾を発射せよ」

 

「了解、模擬弾発射。攻撃用意!」

 

「目標、旅大型駆逐艦。模擬弾発射!」

 

やまなみ艦長の海江田四郎中佐は攻撃指令を発令。同タイミングで僚艦のたつなみも攻撃を開始。

 

「「攻撃を開始せよ(しろ)!」」

 

そうして放たれた魚雷計四本は海上を進む艦隊に一目散に向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魚雷探知!」

 

「何!?」

 

それはいきなりであった。

ソナーに突如として魚雷が接近していると言うではないか。

即座に私は指示を出す。

 

「全艦回避行動。ジグザグ航法で魚雷を撹乱する」

 

全員が指示通りに艦を動かす。

アメリカと同規模の海軍力を持つ日本海軍に勝てる気もしないが、最後まで善戦をしたいと思っていた、その矢先だった。

魚雷探知を聞き、艦隊は紡錘陣形を取りつつ船体を右に左に動かす。徐々に魚雷が接近する中、艦隊は逃げるように今出せる最高速度を出す。

 

「距離三千!・・・二千五百!・・・二千!」

 

早い、噂の十八式魚雷か?そう思いつつ魚雷が外れる事を祈る。緊張が艦橋を包む中、聴音員が悲鳴に近い声をあげる。

 

「こ、このままでは本艦に直撃です!」

 

「回避!回避!」

 

「間に合いません!」

 

「右舷要員は退避!」

 

「防水隔壁を閉じろ!!」

 

やはり我々に勝ち目は無かったか・・・・特に日本の潜水艦は他国を大いに凌駕する性能を持っている。それに伴って魚雷も世界一の技術を持っている。旧ソ連製のオンボロ艦では分かっていたが勝ち目は無かったか・・・・

 

そう思い、司令官は思わず目を閉じる。

この艦隊に魚雷を惑わす囮ブイなんて搭載していない。

元々ウラジオストクに亡命してそこで物資の補給をする予定だったのだ。自衛用の武器ですら陸上に持って行かれてしまった。

現在、連合軍は解放戦争なるプロパガンダがなされており、戦意は高く、連戦連勝を繰り返している。武器も兵士も足りない同盟軍は勝てるわけがなかった。

半年後、いや下手すれば二週間後には国も地図から消滅しているだろう。連合軍はこぞって獲得した利権争いを始めるだろう。そう、まるで日清戦争後の清帝国の様に・・・・

冷戦時代に分断された朝鮮と中国。統一した後も経済の立て直しで忙しいだろうと予測していた。

 

生涯独身の自分は思い残す事もないかと考えながら魚雷が当たるまで秒読みの段階に入った。

 

「接触まで三・・・二・・・一・・・」

 

次の瞬間、船体が大きく揺れ、警告音が鳴り響く。すぐさま状況報告がされた。

 

『左右スクリュー共に損傷!航行不能!』

 

なんとか船体には当たらなったか。そうほっとするのも束の間。通信員から報告が上がる。

 

「二番艦も被弾!同じくスクリューです!」

 

「何!?」

 

駆逐艦が二隻ともこれでは航行不能ではないか。そうか・・・相手はこれを狙っていたのか・・・

 

「・・・まんまとやられた訳か」

 

そう呟くと同時、ある意味で予想通りの通信が来た。

 

「日本艦隊からです!」

 

「読め」

 

「『こちらは日本海軍第九艦隊旗艦たかお。制限海域を航行する同盟軍艦隊に降伏を乞う。これ以上無駄な血を流すのは我々の望むものではない』・・・であります」

 

予想通りの通信に司令官は間を置いて問う。

 

「・・・皆の意見を聞きたい。現状、我々は二隻の主力艦の足を失い、ただの浮きとかしている。

それに相手はあの日本海軍。はっきり言って勝算は絶望的と言っていい。牽引もできないことはないが、ウラジオストクに着く前に全滅しているだろう」

 

艦橋は暗い雰囲気に包まれた。自分たちの位置が完全に捕捉されている現状、兵装も十分に持たない我々に勝ち目はない。その事実を改めて自覚し、どうしようもないと理解するのに時間はかからなかった。

 

「そこであらためて聞く。このまま降伏を受け入れるか。継戦をするか・・・」

 

司令官の問いかけに士官達は驚きの表情を見せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーー返事がありませんな」

 

「奴さんすぐに降伏するかと思ったが・・・」

 

たかおCICでは司令官が返答がなかなか来ない事に疑問に思っていた。彼らの予想ではやまなみとたつなみの二隻が主力である駆逐艦のスクリューを破壊し、継戦意思を削いだ後に降伏勧告を送り、そのまま本国に連れて行くと言う流れだったが。返事が遅いことに少しだけ疑問に思っていた。

 

「返事が来るまで気長に待つとしよう」

 

そう呟きながら映像に映る艦隊を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この度は今作品を読んでいただき誠にありがとうございます。
突然な話で申し訳ありませんが、今回を持って『ハイスクール・フリート 〜菊の艦隊〜』は打ち切りという形で終了させていただきます。
中途半端になってしまい、誠に申し訳ありません。

理由といたしましてはまず最初に言った通り、この作品のカンペを作者が無くしてしまったので、今後の展開がどのようなものだったかわからなくなってしまいました。元々の原案がない以上、これ以上作品を続けるのも困難という状況になってしまいました。楽しみにしてくださった方々には本当に申し訳ありません。

二つ目にあまりにも話が飛びすぎて『今作品の着地点がわからなくなってしまった』ということもあります。ノリと勢いで書き、初めて投稿した作品ということもあったので思い入れがあり、初めは色々な案がありました。ですが、好き勝手書いた影響であまりにも複雑化して来て作者自身何を書いているのか、何を書きたかったのかわからなくなってしまいました。

以上の理由より、今回を持って『ハイスクール・フリート 〜菊の艦隊〜』は更新を終了いたします。
この作品にお気に入りをしてくださった方々、読んでくださった方々には大変申し訳ありません。
一応リメイクも考えてはおりますが、投稿できるレベルになるかは不明です。
もし投稿できればその時は読んでくださると嬉しいです。

今まで本当にありがとうございました。
明るいコメントやありがたいご指摘ばかりでとてもタメになりました。


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。