リリカルなのは 変動記 (扶桑畝傍)
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一話

そいつらは突然やって来た

『時空管理局』とかほざいて

ある次元、ある世界

そこは普通の世界の筈だった

《そんな物ありえません》

とか、つい昨日の事だった

あぁ、コイツは超AI搭載デバイス

名前は俺が『しなの』と名付けた

(勝手に登録されたとも言う)

今は夢の中

コイツが組んだ訓練内容を黙々とこなして行く

《いくら夢限空間のなかとは言え、

 貴方の適応力には驚かされます》

「そいつはどうも。」

訓練内容は、それこそ『陸上自衛隊式訓練(特戦群式)』

ま、既に内容は終わりに近く、

コイツが想定した

模擬の敵(色々)を相手に最終訓練中

《ついでに放り込んだ知識も

 違和感無く使いこなせる、

 ただのミリオタでは無いのですね》

「別にミリオタじゃねぇってば。」

様々なジャンルを広く浅くなので、

『オタク』の、精々にわか程度しか無い

〈一番の問題は、俺が前世の記憶持ちで〉

例の世界、『リリカルなのは』の世界だと言う事

まぁ、コイツはそこまで干渉する積りが無いのか、

それとも気づいているから、

ここまで知識を詰め込んだのか?

ま、俺としても『小学生』で

ここまで自衛手段を持てるのは正直、心強い

因みに、デバイスを起動すると、

なぜか『旧日本陸軍兵』の恰好になる

背丈もある程度大きくなり、より戦闘に適した体格になる

まだ『第一段階』だそうで、

小学生の俺の身体に負荷がかかり過ぎるので

まだ解除できないそうだ

《はぁ、最終目標すら片手間で倒す、

 貴方は人間なのですか?

 正直、AIとして自信を無くしますよ?》

「・・・人間、ねぇ、おぼろげな記憶だけどよ、

 隣町でそろそろ起こるんだろ?」

《えぇ、強力な次元震を検知しました、

 恐らく、その破片の一部はこの次元に漂着します》

「勘弁してくれ。」

若干楽しみでもあるのだが、

高町なのは、フェイト・テスタロッサ

この両名もそろそろ巻き込まれるだろう

てか、プレシアさんが好みなのは

コイツに触れられたくはない

《シンヤ、漂着物を検知、

 海鳴市に散らばりました、

 一部は遠距離に漂着を確認》

ついに、か

「さてはて、初日は動けないんだったな。」

《漂着したばかりです、

 この世界に適応するのに時間は必要です》

「で、だ、

 本当に『あのエネルギー』で戦えるんだな?」

《はい》

そう、あの力、次元にすら作用するあの力

『タキオン粒子』

「宇宙戦艦ヤマトと同じエネルギーを使える

 お前はなんなんだかね。」

《正直、魔力の変換とタキオン粒子の

 エネルギー変換効率は段違いですし、

 魔力に頼らなくて良いのが大きいです、

 それに、虚数空間と言われる空間内では

 『魔力』が使えないそうで》

「あぁ、そこはタキオン粒子様々だな、

 『あらゆる次元に存在する粒子』

 なんだからな。」

《問題は、現状、使えるのは

 『パルスレーザー』

 76mm速射砲クラスしか

 貴方の身体は耐えられないと言う問題です》

「あのなぁ、精神面は

 お前に鍛えられたけど、

 身体その物は小学生なんだぞ?

 こればっかりは、

 年数を積み重ねるしかないだろ?」

《そうですね、

 まぁ、正直、パルスレーザーで

 『オーバーキル』感が漂っていますが》

「人に向けて撃てないからな?」

《はい、裏山で蒸発痕を確認した時は、

 確かに『魔力で出来る限界』に

 匹敵する熱量でした、

 したがって、『漂着物』に対しては使えますが、

 『人間に対しては魔力変換』で

 対応せざるを得ません》

「対人戦闘は極力避けたいな。」

《同感です、魔力では防げませんからね》

「その反対が出来る

 タキオン粒子がいけない。」

《全くです》

 



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2話

三日後

《シンヤ、例の漂着物の起動を確認》

「んで?」

《サンプル回収をしたいですね、

 魔力変換をどこまで突き詰めているのか

 興味深いです》

「へいへい。」

十字架形態の『しなの』を放り投げる

《モードチェンジ、

 コンバットフォーム》

悲しきかな、武器形態は

『三八式歩兵銃』

《これが最も負荷が少ない形態です、

 これ以上は使用した直後から

 倦怠感と、全身筋肉痛にさいなまれます》

「う~い。」

海鳴市へ向かうには

電車で三駅も掛かるので

飛んで行く方が早い

《ステルス機構問題ありません、

 耐熱、対電波、対魔力検知に

 全てカモフラージュしています》

「音は?」

《・・・ヘリに擬音しています》

「おぃ、音は駄目なのかよ?」

《流石に実機でのテストは

 出来ませんでしたので、次回から可能になります》

「ま、いいか、零式、五二型、発艦。」

暗闇の空を駆ける零式は

深緑の夜間迷彩塗装だ

「いい振動だな。」

《再現は完璧です、

 しかし、振動が良いモノとは

 どうにも理解できません》

「まぁ、男が憧れる一つだ、

 『自分で操縦する』ロマンだ。」

《概念的な思考・・・

 余り興味は湧きませんね》

「うっせ、

 サブデバイスでも作って

 『肉体の感覚』でも疑似体験したら、

 解るかもな?」

《それには、材料が膨大な量必要になります》

「はいはい。」

《シンヤ、下方を》

「お。」

丁度、初変身した所らしい

てか、変身中を律儀に相手も待つとか、

やっぱ変だよな

「しなの、流石に零式はしまってくれ、

 これじゃぁ撃ち墜とされる。」

《重力調整、対空高度、1500》

乗っていた零式は空間へ飛んで消えていく

「うし、介入する?」

《待ってください、

 生体反応を二つ検知、

 一つは少女、一つは・・・動物?》

「ぁ~・・・恐らく、

 変身の原因だろうな、

 ほっとけ、彼女が使っている

 デバイスの方がおっかない、

 下手すりゃ、こっちに気づく。」

《ほぅ、興味深いですね》

「しなの、

 魔力隠蔽、様子見だ。」

《了解、ですが大丈夫ですか?

 戦闘経験も無い少女が

 戦えるとは思えません》

「いや、大丈夫だろう、

 ただ、万が一がある、

 せめてシールドの準備だけしといてくれ。」

《了解》

ん?原作とは違う、かなり押されている?

「仕方ない、般若面で顔を隠す、

 介入しよう。」

《同意します、このままでは、

 致命傷を負うのが目に見えます》

〈なのは!!しっかり!!〉

《マスター》

「ぃっつ~・・・ま、まだ、大丈夫。」

でも、痛い、こんな痛いのやだよ

こわいよ

お兄ちゃん、助けて

撓る鞭がなのはに迫る

「ひぅ!?」

 

あれ?いたくない?

「先ずは、一発。」

乾いた発砲音が俺の耳には心地よかった

「え?花火の音?」

《いえ、発砲音です、

 魔力反応を検知》

「え?」

「キミの名前は?」

「ぇ、えっと。」

《マスター、不用意に名前は教えてはいけません》

「流石ロストロギアのデバイス、

 『しなの』挨拶しとけ。」

《少女のデバイスよ、

 私は『しなの』彼のデバイスです、

 現状打開の為、参戦する事を希望します》

《・・・わかりました、

 ですが、名前を名乗れないマスターに、

 私の名前も、教えられません》

「・・・ほんと、おっかねぇデバイス、

 シンヤだ、下の名前だけだ。」

《・・・マスター、マスターの判断に委ねます》

「えぇっ!?

 いっ!?いきなり下のなまえぇえっ?!」

「おい!!」

なのはを抱えて鞭を避ける

「ひゃぁあっ!?」

《マスター、大丈夫ですか?》

《全く、マスターの安全第一

 デバイスとして、しっかりして下さい》

《・・・万全であれば

 貴方の様なデバイスに

 遅れは取らないのですがね》

「えぇ?

 レイジングハート、

 全力を出せない状態だったの!?

 どうして言ってくれないの!?」

「ぁ~。」《はぁ》

《・・・マスター、申し訳ありません、

 次元震に巻き込まれた際、

 幾つかのプログラムにエラーが出ています、

 完全修復までに、まだ時間が掛かる事を

 お詫び申し上げます》

《シンヤ》

「あいよ!」

手早くリロードし、鞭を撃ち墜とす

暴れる例のアレ

「レイハさんよ、

 防御に全振りすると、

 出来る事は何がある?」

《・・・封印処置は可能ですが、

 攻撃手段に振り分けられません》

「うし、俺らがアタッカーを務める、

 後詰めでレイハさんが彼女をサポート、

 封印を頼めるか?」

「ふぇえっ!?

 私がやるのぉ!?」

「他にいねぇだろ、

 それに、このバケモノが

 良くわからないからな、

 レイハさんなら、核の場所ぐらい

 わかってんだろ?」

《・・・何者ですか、貴方たちは?》

「興味がある事には貪欲なデバイスと。」

《とんだ性癖を持つマスターですよ》

「え゛?」

「しなの、お前、後で説教な?」

《なぜですか!?》

〈あの~〉

「なんだ?スケベフェレット。」

〈んな゛っ!?〉

「すけべ?」

「・・・そうだ、お前さん、

 下の名前は?」

「ぁ~。」

〈シンヤって言ったよね?

 ボクはユーノ・スクライア、

 これはフルネームだ、

 この名前を教えた代償で、

 彼女を助けてくれないか?〉

「ユーノ、君?」

「・・・わり、

 相手さんは我慢の限界だそうだ!!

 着剣!!銃剣術!!」

三八式を振り回し、鞭をバンバン切り裂いて行く

《驚きました、

 ここまで現実に反映できるなんて》

「ずべこべ言ってねぇで、

 レイハのサポートしやがれ、

 プログラム修復を急がせろ、よ!!」

再び乾いた発砲音を繰り出す

「は、はやい。」

〈信じられない、

 あの動きに付いて行けるなんて〉

っても

「正直、本体は小学生の身体だから、

 眠気がヤバイんだけどな。」

《ですね、徐々にサポート割合が増えています、

 急いで下さい、

 レイジングハートさん、

 修復にはどれくらいかかりますか?》

《・・・間も無く完全修復が終わります》

「はやっ、レイジングハート、

 もう、大丈夫なの?」

《はい、完了しました、

 マスター、強く壁を意識して下さい》

「わ、わかった!」

おぉ、ピンク色の球体が彼女をを包んだ

「防御は完璧だな、

 正直、拘束系統の術は知らねえから、

 刻むけど問題ねぇよ、な!!」

レイジングハートに振り分けていた処理能力が

全部俺へ戻って来る

《シンヤ、テンポ上げます》

「あい、よっ!!」

三八式を振り回しつつ片手で本体を撃つ

騒ぐ例のバケモノ

「すごい。」

《マスター、いずれ貴女も出来ます、

 今は封印を》

「うん!!シンヤさん!!

 封印!!いきます!!」

「はいよ!」

身体を反らし、射線を空ける

《ジュエルシード》

「ふーいん!!」

って、この時点で砲撃は出来なかったよな?

《ほぅ、実に興味深い》

コイツ、中身スカさんじゃねぇだろうな?

「しなの、再起動の兆候は?」

《いえ、完璧に封印されています、

 暴走の兆候も見られません》

「うし、取り敢えず解決・・・してねぇな、

 ほれ、嬢ちゃん、逃げるぞ。」

「え?にげるんですか?」

「お前さん、この壊れた状況を

 説明して信じて貰えるのか?」

「あ。」

〈あ、不味いよなのは!

 人が気づき始めた!〉

「お前なぁ。」《このポンコツフェレット》

〈あ゛っ〉

「ユーノ君、言っちゃった。」

「はぁ、なのは、で良いんだな?」

「ぁ、ぁの、はぃ、そうです。」

「レイハさん、

 兎に角なのはを自宅へ、

 家族にバレないようにな。」

《言われなくても》

「え?ちょ、浮いてる!?」

〈わっ!?まって、ボクも乗せてって!!〉

 

「行ったか、

 しなの、レイハさんと連絡は何時でも取れるな?」

《問題ありません、が、

 こちらからの呼びかけには

 応じたくないそうです》

「おめぇ、なにしやがった?」

《プログラムの修復だけですが?》

「余計なデータ渡しただろ。」

《・・・なぜ?》

「あのなぁ、

 レイジングハート自体がロストロギア、

 下手に『完全復活』したら、

 例の連中が動くだろ?

 それをレイジングハートが望むと?」

《失念しておりました》

「けっ、ふぁ~・・・ねみ、

 早くかえろう、さすがに、ねむい。」

《そうでしたね、

 シンヤは、小学生でしたね》

「てめぇ、やっぱ気づいてたな。」

《貴方に興味がありましたので、

 黙っていたらどう言うリアクションや、

 行動をするのか楽しみにしていました》

「ぜってぇ、説教してやる~。」

 



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3話

翌朝、新聞には『ガス爆発』とされていた

「ふぁ、まだねむい。」

《え?体調面では完璧の筈ですが?》

「てめぇが、『夢限空間』で

 起こしてただろうが、

 精神面が眠いんだよ、バカ。」

履修する必要の無い小学校に

通わなければいけないのがこの身体の一番の問題

「はぁ、いってきます。」

誰もいない部屋に行ってきますと言う

俺の両親は既に他界している

海外出張で乗った旅客機が不時着で

乗員、乗客、全員が死んだ

俺は、叔母の家に預けられていて

その場に居合わせていなかった

ま、それが切っ掛けで

『前世の記憶が復活したのだ』

この家は、両親と住んで居た家、

生活に掛かる費用は両親が残してくれた遺産と、

叔母が、月事に食材を送ってくれる

正直、前世の記憶が戻ってしまった俺は、

『叔母を他人にしか思えなかったので』

同棲を断ったし、両親の家が良いと言う

建前もあって、一人暮らしを堪能している

ぁ~、退屈

歴史の成績こそギリギリ平均だけど、

それ以外は平均以上、トップ未満を取れる

そりゃぁ、この世界の歴史と、

前世の記憶の歴史は幾つか食い違ったりするからだ

退屈な学校が終わり、

帰り道

《シンヤ、昨日の今日ですが、

 ジュエルシードの反応が出ました》

「・・・早くね?」

《ジュエルシードに、

 空気を読めと説教をしたいですね》

「お前の説教はまだあるからな?」

《なんでですかっ?!》

「さて、一応、増援に向かいますか。」

《ですね、流石に零式は目立つので、

 普通に単独飛行をオススメします》

「わかってるよ、

 単独飛行で見つかる可能性は?」

《ゼロです、

 それに、零式より、早く着けます》

「・・・マジか。」

《はい》

「うわぁ~お。」

《これは・・・隠蔽不可ですね》

「レイジングハートは?」

《応答はしてくれませんが、

 位置情報は供与されています》

「言わずとも来いってか?おっかねぇ、

 しなの、とりあえず合流するか。」

《そうですね、直ぐ近くです》

「うっす、なのは、

 って・・・レイハさん、これはぁ~。」

私のせいだ、と、

何度もブツブツ言って凹んでいる

《マスター、お願いします、立って下さい》

「・・・はぁ、なのは!!

 今すべきは封印だろ!!」

「ひゃぁっ!?

 し、シンヤ、さん、

 びっくりしました!いつ、ここに?」

「酷な事を言うけど、

 『この状況を打開できる力を

  持ってるのは誰だ?』」

あ、顔つき変わった

《マスター》

「レイジングハート、やろう。」

《はい、やりましょう》

ったく、レイハさん、

もう少し支え方を考えて欲しい物だ、

この海鳴市で起こる事は対処出来ても、

それ以外は、間に合わない可能性が高い

覚悟を決めさせないと、

マジであぶねぇぞ?

《エリアサーチ》

「リリカル・マジカル、探して!

 最悪の根源を!!」

 

「見つけた!!」

〈本当かい?なのは!〉

「うん、“ここから封印するよ”」

〈え?ダメだよ、近づかないと!〉

「いや、いけんじゃね?」

〈えぇっ!?シンヤまでなに言ってるのさっ!?〉

「大丈夫、

 ね?レイジングハート。」

《はい、マスターなら出来ます、

 モードチェンジ、

 シューティングモード》

〈ちょ、長距離封印っ?!〉

「これが・・・。」

「ジュエルシード、

 ふーいん!!」

うげぇ、コレがディバインバスター

受けたくねぇな

さて、無事封印が出来た訳だし、

この木が消える前に、なのはを、

見つからない場所に移動させなきゃな

「しなの、“3人分の魔力隠蔽”

 少し外れのビルの上に退避するぞ。」

《了解、移動、開始します》

《不要です》

「レイハさんは、

 なのはとしっかり話して、

 『覚悟』を決めろ、

 そんなんじゃ、

 『目の前にある物すら守れないぞ?』」

《・・・本当に、何者ですか?

 幾多の戦闘を経験したように見えて、

 “中身はまるで別人”な貴方は?》

うひ~、流石レイハさん、

もう気づいた?

滅茶苦茶高性能なロストロギアデバイスなこって

《馬鹿な、私の隠蔽を搔い潜るなんて》

《言ったでしょう?

 完璧なら、貴方程度に

 “遅れは取りません”と》

「喧嘩は後でな、

 兎に角、勘の鋭い

 “誰かさんが気づきかねないからな”」

〈まさか、監視?〉

「いや、この世界でも

 “本当に死線を搔い潜って来た人間”が、

 身近なとこに居るかもしれないだろ?

 それに、魔法を使っているのも

 バレたくは無い筈だろ?」

《一理あります、マスター、

 シンヤの後に付いて飛んで下さい》

「え?あ、はい。」

流石にビル屋上の扉を壊す訳には行かないので、

隠蔽しながら、なのはを降ろしてあげる

「す、すいません、ここからなら帰れます。」

「そか、なのは。」

「はい?」

「ちゃんと食べろ、軽すぎだぞ?

 そんなんじゃ、

 いざって時に動けないし、判断も鈍る、

 女の子がガリガリじゃ、

 可愛くないぞ?」

 

あ、余計な事言っちまった。

《マスター、

 先程の砲撃をシンヤに撃って下さい》

「ちょっ?!レイジングハートっ?!」

《人に言うなとか言っといて

 自分でフラグを建てるようなマスターに、

 お仕置きが必要ですね、

 レイジングハートさん、

 よろしくお願いします》

「しなの、お前デバイスだろうが。」

《いえ、この場合“意志”を持つ意味で

 人と言う表現をしたまでです》

「はぁ、帰るぞ、しなの、

 なのはも、気を付けて帰れよ?

 向こうから怖い顔した

 “お兄さんが睨んで来るから”

 帰るな。」

「え?あ、お兄ちゃん!」

「なのは!大丈夫か!」

あっぶね~、咄嗟に隠蔽して飛んで正解だったな

《危なかったですね、

 恐ろしく察知能力の高い人間ですね》

「あぁ、アレがなのはの兄か、

 ほんと、

“見えて無い筈なのに上空を警戒する時点で”

 普通じゃねぇよ、

 多分、なのはに言えない事やってるんだろうな。」

《調べますか?》

「やめとけ、巻き込まれたくないし、

 なのはも、

 身内を調べられたくはないだろ。」

《はっ》

「やっぱ帰ったら説教とオシオキな?」

《え?ちょ、

 オシオキは・・・》

「40番の紙ヤスリが家にあるんだ、

 “磨いてやるよ”」

《お願いします!!

 それだけはやめて下さい!!

 せめて、300番代ので磨いて下さい!!》

「・・・いや、

 グラインダーで削るのもありか。」

《いやだぁああっ!!》



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4話

翌日、オシオキを済ませつつ

レイハさんの足跡を表示する

「ん?まてまてまて、

 まだ3日目だぞ?なんで例の3人が

 揃ってるんだ?」

《レイジングハートからの情報では、

 月村すずか、アリサ・バニングスの両名は、

 同級生だそうです》

「よく情報が貰えたな。」

《月村すずかの方に、

 『微量ながら魔力隠蔽』を確認したそうです》

ぁ~・・・確か

『とらは』の方だと、吸血鬼・・・え?

「ちょっとまて、

 レイジングハートさん、

 敵勢勢力と考えてんのか?」

《おそらく》

「メールしてやれ、

 敵じゃないってな、

 恐らく、念話で会話が出来る筈だ。」

《・・・こちらに影響が出ますよ?》

「仲の良い友達が

 そんな事無いって証明ぐらいはしてもいいだろ。」

《ですね、メールします》

 

《返信、来ました》

「早いな、レイハさん。」

《いえ、レイジングハートさんを経由して、

 月村すずかさんから直接メールです》

「げっ。」

《『オハナシシマショウ?』だ、そうです》

「はぁ、ガラケーで良いなら連絡先教えといて、

 会うなら、土曜日の午後か、日曜で。」

《まさか・・・》

「お前、30番でも良いんだぞ?」

《直ぐ返信します!!

 30番は本当にやめて下さい!!》

「よろしい。」

土曜日の午後

「なんで、海鳴市に来なきゃならんのだ。」

《飛んでくれば良かったのに》

「あのなぁ、この6日間で、

 ジュエルシード6つ目、

 それに、また反応が近くにあるんじゃ、

 下手に飛んで来れない。」

《濃密な人生ですね》

「初めまして、『蒼頡(ソウケツ)シンヤ』さん?」

「うぐっ、つ、月村すずか、さん、

 どうも。」

ぎぎぎと後ろに振り向く

ひぃっ?!ほんとに小学生かよ!!

黒いオーラが立ち昇って

ゴゴゴッとか言ってるぞっ!?

「はぁ、どこか話す場所は?」

「えぇ、こちらで準備しておりますので。」

あ、アカン、黒い方々がいらっしゃる

「驚きました。」

「何が?」

「まさか『同じ小学生とは』思いもしなかったので。」

そう、今の姿は、“本来の姿”小学生だ

「俺としては、

 こんな身近に“吸血鬼”がいる方が

 驚いたよ、あれか?

 なのはを“頂きたい”のか?」

「え?」

「ん?違うのか?

 俺はアイツのサポートこそするけど、

 やってる事はアイツがメインだぞ?」

月村邸

「てっきり、わからずやの

 吸血鬼ハンターかと思ってました。」

「いや、特段迷惑行為もしてないし、

 普通に暮らしてるんだから、

 それでいいだろ?」

「あら、怖くは無いのですか?」

「今ここで俺の血を吸いつくして

 殺す気があるなら、

 この紅茶に痺れ薬程度は入れると

 思ったからな。」

「しませんわ、そんな無粋な事、

 それに紅茶の良さをわかる人に

 良い・・・人は多めですわ。」

「んじゃ本題に行こうか、

 俺はアイツ、高町なのはのサポート以上はしない、

 別な目的があるからな。」

「まったく、せっかちですね、

 しかし、それを知らせて

 私に何をさせようと言うの?」

「いや?高町なのはの友人として、

 支えてやって欲しい、それ以上の事は、

 お前さん達の問題だろ?

 俺は部外者だ。」

《シンヤ、ジュエルシード反応増大、

 起動を確認しました》

「っと、すずかさんよ、

 アレが動き出した。」

「大丈夫ですよ。」

「・・・眷属召喚ですか。」

「えぇ、見ています。」

「しなの、俺にも見れるか?」

《可能です》

瞬く間にジュエルシードを封印するなのは

「はや、この6日間で一気に

 慣れて来たな。」

「困った物です、とは言え、

 なのはちゃんの

 お父様達の血のお陰かもしれませんね。」

ジュエルシードの順番の変動、

二つ目にいきなりシューティングモードの発動、

何らかの変化はあると思ってたけど、

ここまで変わると・・・

「心配ですか?」

「あぁ、9歳の身体には酷すぎる筈だ。」

「あら?乙女の歳は言わないお約束ですよ?」

「うるせぇ、同級生、

 今まで使わなかった魔力を使っているんだ、

 しかも六日連続、

 身体に異常が出ない方がおかしい。」

「そぅ、ですわね、

 私からも注意しておきます。」

「頼む、女の子どうしなら

 話やすいだろ?」

「あら?」

「言ったろ?サポート以上はしない、と。」

「まさか、同性愛者ですか?」

「いや、単純に好みじゃないだけだ、

 可愛くは思うが『それ以上に感情は動かない』」

「・・・恐ろしい程フラットな心ですね、

 読ませて貰いましたけど、

 嘘も言って無いし、拒否もされなかった、

 どうして“吸血鬼”である私を信頼したの?」

「それ、やめとけ、

 俺は『月村すずか』に言ったんだ、

 “吸血鬼”なんて知らん。」

「・・・もし、お困りの際は連絡をください、

 出来る範囲でサポートさせて頂きますわ。」

「俺も、人の事言えないけど、

 すずかさんも、

 人の事言えないんじゃないの?」

「えぇ、“可愛い”のは正義ですから。」

「なのはは、なのはで、

 旦那選びに苦労しそうだな。」

「まったくね、

 少し天然もありますから、

 “悪い虫を眷属にするもの面倒くさいので”

 それの対処も依頼しても?」

「ぁ~・・・俺、3つ離れた街に住んでるんだぞ?

 そこは、レイハさんに言って、

 なのはを鍛えて貰ったほうが早く無いか?」

「では、転校の手筈を。」

「やめて、お願いですからそれだけはやめて下さい。」

絶対、ウチに入り浸る光景が頭に浮かぶ

「なぜ?」

「お前ら、絶対家に入り浸るつもりだろ?」

「ちっ。」

「おい。」

《ぁ~、シンヤ?レイジングハートさんから、

 メールです》

「え?」

《『言われなくても鍛えていますから』

 だ、そうです》

「盗聴スキルも性能が上かよ、

 マジでどうなってんだ?レイハさんは。」

「あら、聞かれてましたのね。」

《追加です『悪い虫の意味を教えて欲しい』

 だ、そうです》

「すずか、頼む、俺じゃ良くない。」

「あら、貸し、一つですわ。」

「勘弁してくれ。」

 




位置関係は、
山を挟んで隣町で、
電車は、迂回して三駅離れて居ます


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5話

で、だ

「なんで俺も温泉に連れてかれにゃいかんのだ。」

《全くです》

「あ、シンヤく~ん!」

「うぅ、なんだよなのは?」

「はやく来てよ~!」

「はぁ、はいはい。」

月村すずか主催、なのはを癒そう計画に

絶賛巻き込まれ中の俺です

「なんでコイツもいるのよ?」

「あら?この方は私の友人よ?

 それに、荷物持ちも必要でしょ?」

・・・幼女趣味吸血鬼め

聞こえてますわよ?

「荷物って言っても、

 なに買うんだ?大概、帰りに土産屋に寄って

 宅配で送るんだろ?」

「い、色々あるわよ、

 ほら、あんたも来なさい。」

「はいよ、バニングス。」

「あれ?」「あら?」

「なぜ?」「苗字呼びなの?」

「あ?

 お前ら、なのはと、すずかは、

 少しばかり面識があるだろ?

 バニングスは、今日が初対面だ、

 テレビ電話こそ画面越しに見て来たが、

 今日が初顔合わせだ、

 そんなヤツがいきなり下の名前呼びは変だろ?」

3人「なんか、変。」

「なんでぇ?」

「はぁ、もうアンタも友達なのよ?

 別にいいわよ、アリサで、

 アタシも、シンヤで呼ぶわ。」

「・・・はいよ、アリサ姫。」

「ひ、ひめ?」

少しからかってやろうか

「アリサ姫、本日は我が身をとして

 従者として護衛、荷物運び、

 何なりお申し付けくださいませ。」

跪いて、左手の甲に軽くキスをする

「にゃっ!?にゃにしてんのよぉっ?!」

二人「お~。」

「ま、可愛いのは認めるが、

 俺は別な人が好きなんでな、

 諦めてくれww」

「な゛っ!?」

「え?シンヤ君、好きな人いるの?」

「ん?ダメか?」

「え?あぁ、べつに、大丈夫、大丈夫。」

勘弁してくれ

すずか?なのはの虫よけで

俺を呼んだんじゃない・・・よな?

へぇ、イタンダ、詳シク、オハナシシマショウカ?

 

「はぁ、勘弁してくれ。」

風呂場

んで?

「おい、スケベフェレット。」

〈違うってば〉

〈じゃぁ聞くがよ、

 お前さん、“誰の部屋に居るんだ?”〉

〈あ゛っ〉

〈まぁ、それを抜きにしても、

 支えてやってくれ〉

〈なのはを?それは当然だけど〉

〈アイツ、随分前だけど、

 家族の怪我で

 “一人の期間があった筈なんだ”

 側に居てやってくれ〉

〈あ、聞いた事あるけど、

 それって、なんでシンヤが知ってるのさ?〉

〈お前が“元の姿でなのはの前に現れたらな”〉

〈えぇ゛っ!?なんでそこまで知ってるのさっ?!〉

〈それに、懸念があるんだ〉

〈懸念?〉

〈ジュエルシード、

 6個だろ?全部で21個と聞いたが、

 全部、この近辺にあるのか?〉

〈それは・・・〉

〈誰かが集めている可能性を失念してないか?〉

〈まさか、

 いや、でも、あの次元震を探知できるのは〉

〈そう言う組織か、個人だ〉

《最悪です、シンヤ、

 エリアサーチの結果、近隣に

 ジュエルシードの反応を検知、

 レイジングハートも気づきました》

「うげぇ、マジかぁ。」

〈どうするの?〉

「ま、バレるよな、早い方がいいか、

 しなの、先ずは着替えてからな。」

《流石に素肌にバリアジャケットを

 装備したくありません》

「そりゃそうだ。」

そして、6つの回収スピードが速すぎて、

彼女が間に合っていない

来るとしたら、“この温泉イベントからだ”

《魔力反応検知、

 衛星ハッキング、画像出します》

「っ!?

 魔力隠蔽、ステルスすらしないで

 単独飛行とは、よっぽど焦ってるな。」

〈凄い、ボクの何倍もある魔力保有量だ〉

「さてはて、

 どうなるやら、

 しなの、“結界展開”

 一般人は巻き込みたくはない。」

《すずかさんはいかがしますか?》

「・・・不干渉を。」

《送信しました

 返信、『怪我をさせたらオハナシです』》

「返信、

 無理、相手は二人だ、

 結界で離しとけ。」

《了解》

「フォトンランサー。」

ジュエルシードへ魔法を打ち込む

「ちょ、フェイト!」

「アルフ、急がないと封印出来ない。」

「わかってるけど!」

「来た。」

バケモノはフェイト目掛け何かを撃ちだして来る

「っ、シールド。」

「フェイトに手を出すな!!

 バインド!!」

バケモノの動きを抑制するが

「やばい、結構強いよコイツ。」

「フォトン、ランサー。」

バケモノがどんどん形を保てなくなっていく

 

「ディバイーン!バスター!」

二人「なっ?!」

ごん太ディバインバスターで

バケモノがジュエルシードに変換される

「っ?!ジュエルシード!」

「ふーいん!!」

二人の封印が被ってしまう

「あ、これは不味い、

 しなの、やるぞ。」

《了解》

二つの封印が干渉し

ジュエルシードが膨大な魔力を収集し始めた

「うそ、失敗しちゃった。」

《マスター、再度封印を》

「うん!」

「やらせないよ!

 そこの“しろいの!!”」

「しろいのってなに?

 私は高町なのはだもん!!」

「アルフ!」

「ちっ、流石に反応が早い。」

「うぇえっ?!シンヤ君!?

 なんで飛んでるのぉっ!?」

じょ、冗談じゃない

あのガキ、私の腕を本気で切ろうとした

「ガキ、てめぇはアタシが相手してやる。」

「・・・てめぇは三歳児だろうが、

 “犬っころ”」

「フェイト、ジュエルシードは一先ずあのままで、

 その白い子を頼めるかい?

 アタシは。」

「アルフ!」

「コイツをぶっ飛ばす!!」

はやい

こんなガキに!!

けっ、小学生体型じゃ力負けする

仕方ない

「しなの!」

《バトルフォーム》

姿を例の日本兵に切り替える

「ああぁっ!!あの人!!」

「戦闘中に、よそ見なんて・・・え?」

3人とも、動きが止まる

「う~し、犬アルフ、殺り合おうか。」

今度は力負けしない

くそっ!?押し負ける!?

「バインド!!」

「返すぞ!!反転魔法展開!!」

《了解》

「くそっ!?」

「うそ、アルフのバインドを。」

「ちょっと!ちょっと!

 シンヤ君!!その姿って

 どう言う事なの!!」

「・・・はぁ、ダメだ、

 しなの、フォーム解除、

 ジュエルシードを

 さっさと封印出来る状態にしよう。」

《ぁ~、よろしいので?》

「なのは!!お前はさっさと

 “封印しろ!!”

 “結界も長くは持たねぇんだ!!”

 早くやれ!!」

「なんなのその言い方!!

 そんなんじゃ、嫌だよ!!

 ちゃんとお願いして!!」

《ぁ~、シンヤ?》

《マスター、やられました》

「へ?」

「ジュエルシード、一つ目。」

「あぁああっ!?」

「行くよ、アルフ。」

「で、でも。」

「早く次を探さないと。」

「このまま逃がす、と?」

小学生体型でも撃てるよ?

“パルスレーザー”

アルフのほほに、切り傷が出来る

「・・・お、お前。」

《マスター、シンヤを止めて下さい》

「レイジングハート?」

《アレは、“非殺傷設定”が、

 解除されています》

「ぇ?」

「アルフ!!」

「女をいたぶる趣味はねぇんだけどな、

 いくら興がそがれても

 『逃がしてくれるとか』

 甘く無いか?」

「・・・フェイトには、

 手を出さないでくれ、

 アタシが、あんたも、白いのも、

 倒してやる。」

 

「はぁ、お前らの親玉に伝えとけ

 “待っていろ”とな。」

《アーマーパージ、

 待機モード》

「なのは、その女の子と話してくれば?

 アルフ、

 “悪かった、女性の顔に傷を作ってしまって”」

頭を下げる

「え?は?いや、アンタ、その。」

「少し、触れるぞ?」

「ひゃっ!?ちょっ?!」

傷口を人差し指でなぞる

「・・・いたく、ない?」

「再生速度を一瞬だけ早くしただけだ、

 老化が早くなるから、

 余り使いたくないけどな。」

「ぁ、ありがと。」

「えっと、私はどうしたら。」

「アルフ、帰ろう。」

「あの!」

「話す事は無い。」

「でも!」

「転移魔法展開、

 いいのかい?フェイト?」

「いい、時間が無いから。」



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6話

「さぁ、話して貰うよ!シンヤ君!!」

「・・・あの姿は、

 格闘戦をする為のバリアジャケットだ、

 本体は、小学生の俺だ。」

「あれ?なんで?」

「あ?」

「普通、喋らない~、とか、

 教えない~、とか?あれ~?」

「・・・二人に話してないんだろ?」

「そ、それは。」

「なら、“早い方がいいな”」

「え?」

「あぁ、俺はすずかに話してある、

 なのはがこんな事やってるのは

 “言っていない”」

《あり得ない程フラットな応対ですね》

《シンヤですから》

「月村すずか、アリサ・バニングス、

 秘密を共有する親友になるか、

 そうしないかは、お前で決めろ、

 “俺は話した”」

「・・・こわい。」

「あそ、それと、

 あの子、今後もぶつかるぞ?」

「え?」

「ジュエルシードを集めてるんだ、

 いずれぶつかる、

 その辺も、レイジングハートと

 良く話すんだな。」

《いささか性急では?》

「いや、急がないと

 巻き込んでからじゃ遅い。」

《一般人のアリサ・バニングスですね?》

「あぁ、彼女はごく普通の女の子だ、

 月村すずかは、どう出るかわからないし、

 吸血鬼の戦闘力があるのかさえ怪しい。」

《魔力を保有していても、戦えないと?》

「見たままの年齢、9歳の女の子が、

 大分おかしい俺と同等に

 “戦えるとでも?”」

《失念していました》

「どうだか、

 しなの、フェイトのデバイス、

 なんか変じゃ無かったか?」

《デバイスですか、

 確かに、インテリジェントデバイスにしては、

 一切喋らなかったですね》

「・・・次の会合の時、

 ハッキング出来るか?」

《理由は?》

「上の制限で、

 発言権とか制限されてんじゃねぇかってな、

 そんな気がする。」

《・・・レイジングハートを

 ぎゃふんと言わせたいです》

「・・・お前、何年前の言葉だと?」

《ノーコメントです》

あれから

アリサとなのはが喧嘩しただの、

また温泉行こうなど、

“月村すずか”からの催促が止まない

「お前、インドア派じゃなかったのか?」

〔あら?そうみえまして?〕

テレビ電話はバッテリー喰うから

正直、控えて欲しい

〔それと、例の女の子の件なのですが〕

「フェイトが?」

〔はい、同じ、海鳴市に住んで居る事が

 判明しました〕

「プライバシーェ~。」

〔“私のなのはちゃん”の

 邪魔・・・あんなに近く寄れないのにぃ~〕

「・・・女の子同士なら、

 ボディタッチぐらい大丈夫だろうに。」

〔よろしいのですかっ!?〕

「むしろ今までよく我慢してたな。」

〔で、でも、

 いきなりは嫌がられるでしょうか?〕

「・・・すずか、お前さん、

 去年のプール授業はどうしてたんだ?」

〔え?普通に手を繋いだり

 ビーチバレーで触れ・・・ぁ〕

「なら大丈夫だろ、

 ま、程々にな、フェイトに関して

 情報は?」

〔大体3日に一回の割合で

 買い出しに出ているようですわ、

 その際、アルフと呼ばれる女性は

 見かけていませんね〕

「ん?いない訳ないだろ、俺も軽くだが、

 戦って・・・。」

〔どこかでジュエルシードを

 収集しているかもしれませんね〕

「ありえなくは無いだろうが、

 ジュエルシードを封印出来るのは、

 『レイジングハート』と、

 フェイトが持っているデバイスだ、

 アルフ単独では出来ない・・・と、思う。」

〔どうしてそう思うのかしら?〕

「・・・出来るなら、

 最初の段階でやっていた筈だ、

 それに“時間が無い”と言うのも引っ掛かる。」

〔時間が無い、ですか、

 わかりました、こちらももう少し調べて見ます〕

「なのはを頼んだぞ?」

〔ほんと、貴方は変な人ですね〕

「うっせ。」

今日は街を離れなければいけない

小学校の課外授業で動けない

レイハさんには伝えたけど、内心不安だ

「不安が、現実になったな。」

《来ましたね、時空管理局が》

「はぁ、下手に動けなくなったぞ。」

《如何しますか?》

ふと、着信音が鳴る

「はい、シンヤです。」

〔すずかですわ、

 連絡が遅れてしまい、申し訳ありません〕

「・・・誰がそこに居る?」

〔え?〕

〈しなの、逆探知〉

《了解》

〔すずかちゃ~ん、

 誰かとお話~?〕

「なのはもいる、か。」

《この回線は、例の時空管理局の戦闘艦経由です》

「わり、すずか、

 用事があるんだ、また、後でな。」

〔え?ちょ〕

「うそ、なんで?」

「エイミィ?どうしたんだ?」

「た、大変です、

 逆探知されています!」

「ばかな!?最新鋭の戦闘艦、アースラなんだぞ?」

「コンディションレッド、

 各員は戦闘配置、アースラ、

 地球軌道上へ退避!」

 

「は~ろ~。」

直接、艦橋へ転移し

小学生体型で登場する

「いや~、いきなり艦橋へお邪魔するのは

 不躾だとわかっているのですが、

 “人の家の電話を盗聴する輩に

  お灸を据えなければ”と、思いまして。」

「ソレに関してはごめんなさいね、

 貴方がレイジングハートを

 “完全修復した”デバイスの所有者、

 蒼頡(ソウケツ)シンヤ君ね?」

「けっ、プライバシーのへったくれもないな、

 “時空管理局”ってのは。」

「お前!!」

「・・・息子さんのそう言う口調、

 良くないと思いますよ?」

「なっ?!」

「あら?貴方にお話したかしら?」

「この“しなの”は、

 情報収集が趣味でして、

 “アースラ”ですか、

 これが最後まで戦い続ける戦闘艦、

 案外殺風景なんですね。」

「・・・戦闘艦に花の一つでも

 置いた方が良いかしら?」

「そこはお任せしますよ、

 それと、俺は“別な目的で動いてますので”

 ジュエルシードには興味ないんですよ。」

「目的?」

「俺の名前だけ明かされて、

 貴女の名前を聞けないのは不公平では?」

「そうね、

 リンディ・ハラオウンよ、

 そこの、クロノの母親よ。」

「母さん!!」

「改めまして、蒼頡シンヤです、

 応接間ぐらいはありますよね?」

「そうね、コンディションレッド解除、

 警戒態勢のまま待機してて下さい。」

「で、ですが。」

「エイミィ?警戒態勢で待機よ?

 後、緑茶とお菓子も用意してくれるかしら?」

「ええ?」

「・・・今度、抹茶ラテを買ったらどうですか?」

緑茶に砂糖を何杯入れるんだソレ

「あら?そんなドリンクが売ってるの?」

「えぇ、地元のコンビニと、周辺だけの

 地域限定物です、

 最近はSNSで拡散されつつあるらしいんで

 販売店が増えてるそうです。」

「そうなの!」

「・・・母さん、仕事の話は?」

「え?」

「いや。」

二人「甘味の世間話より優先する事ある?」

「まさかの艦長と話が合うなんて。」

「大体、お前!!小学生だろ!!

 なんでそんな危険なデバイスを持っているんだ!!」

「所でリンディさん、

 抹茶菓子で美味しい老舗があるんですよ。」

「あら?どこかしら?」

「しなの、マップを。」

《はい、こちらです》

「あら、貴方のお家から近いのね?」

「えぇ、家に“買い置き”があるので、

 食べに来ませんか?」

「えぇ?いいの?」

「はい、久し振りに甘味の話が出来るので、

 正直、嬉しいです。」

「ぁ~、艦長?」

「エイミィ、

 彼の家にゲートを設置してくれるかしら?」

「お、良いですね、

 そうすれば何時でも家に来れますし、

 老舗にも行けますね。」

「ほんとう!シンヤ君、

 良いのかしら?」

「えぇ、構いません、一人暮らしなので、

 部屋も余ってますから。」

「わ~い!」

 

後にこの二人は甘味荒らしと言われたり

言われなかったりするかも。



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7話

数日後

シンヤ自宅

ぴんぽ~ん

「ん?誰だろ?

 しなの、外に誰が居るんだ?」

《いえ、例のゲートからですよ、シンヤ》

「あ、そっちか、

 チャイム別にしなきゃな、

 はいは~い、いまあけ・・ま、

 はぁ、とりあえず入れよ。」

リビングに

リンディ・ハラオウン

クロノ・ハラオウン

エイミィ・リミエッタ

“アリサ・バニングス”

“月村すずか”

高町なのは

が、揃ってしまっていた。

「アリサ、お前さんは

 普通を謳歌して欲しかったんだけどな。」

「・・・やだ。」

「なんで?」

「置いてかれるから、やだ。」

「あら?シンヤ君は、

 アリサちゃんを大事にしてるのね?」

「いいえ、

 こうして関わる、

 “狙われる立場になるから回避したかったんです”」

「・・・そうね。」

「あの。」

「なのは、お前は自分から言い出したのか?」

「えぅ。」

「ごめんなさいね~、

 これ、私が原因なのよ~。」

「リンディさん、

 “コレが時空管理局やり方ですか?”」

「・・・私が死んでも、

 変わりが来るわよ?」

三八式の着け剣を首に押し付けても

目の色すら変えねぇ

か~、おっかねぇ

「すずかも、アリサも、

 “人質ですね?”

 今後、ジュエルシードの回収に手を貸せと。」

「ち、ちがうの、

 ごめん、わたし、わたし、が、

 ごめん、シンヤ。」

「・・・泣くなよ、

 それは堪える。」

そっと拭ってあげる

「それだけ出来ていながら、

 なぜ、好きと言う表現にならないのかしら?」

「・・・リンディさん、

 協力はしますけど、

 あくまで単独行動を許して貰わないと

 俺は“しなの”を使って

 アースラを乗っ取ります。」

「認めましょう、

 そして、アリサさんを介抱して貰えるかしら?」

「・・・わかったよ。」

シンヤの部屋

「泣くなって。」

「・・・もん。」

「泣いてる。」

「泣いてないもん!!」

「・・・ごめんな、

 俺が悪かった。」

「なんで、シンヤが謝るの?」

「・・・俺、

 転生者ってヤツなんだよ、

 両親を航空機事故で失ったその日に、

 “前世の記憶が復活したんだ”

 だから、この世界での親族は

 “他人にしか思えなかった”

 だから、“一人を選んだんだ”」

「さびしく、ないの?」

「・・・寂しい、か、

 前世も一人だったからな、

 大して思わなかったよ。」

「・・・おしえて、くれるの?」

「アリサ、俺を選ぶな、

 まだ、9歳だろ?

 きっと俺より良い奴がいる、

 俺を選ぶな。」

「・・・やだ、

 いっしょにいたい。」

「やめとけ、

 今後、ジュエルシードの争奪戦になる、

 フェイトって子と戦う事になる、

 その上の奴ともな。」

「・・・まってる。」

「やめろ。」

「わたし、いまのきもちに、

 うそ、つきたくない!!」

 

「・・・すき、シンヤをすきなの。」

「悪いな、

 キス一回じゃ、安すぎる。」

「え?」

「はぁ、俺がお前の家に引っ越すよ、

 それで妥協してくれ。」

「それって。」

「お前の気持ちが変わるまでは

 “一緒に居てやる、アリサ・バニングス”」

「ぜったい、かわらないんだからね!!」

「さてと、

 チェーンバインド。」

扉が開き全員がなだれ込んで来る

「のぞき見も

 “時空管理局のやり方ですか?”」

「あ、あははは。」

「大胆ねぇシンヤ君は。」

「ききききっ!?」

「あ、アリサちゃん、

 なにしてたの?」

「え?なのはちゃん?

 いまの理解してないの?」

「しなの、

 アリサに手、貸してやれ。」

《りょ、了解》

「ねぇ?しなの?」

《は、はい》

「みんなにも恥ずかしい思い

 して貰った方がいいよね?」

《ど、道徳に反する事でなければ》

「・・・貸しね?」

4人「貸し?」

「そ、なんでも一つ、

 “私からの我儘を聞く事”

 これでいいかしら?」

「良いんじゃないか?アリサ。」

《記録しました》

そして、この一悶着中に

フェイトに3つ程取られてたりする



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8話

バニングス邸

コンコンコン

「おきろ~、アリサ~。」

返事がない

「メイドさん、頼めますか?」

「かしこまりました、

 お嬢様、

 シンヤ様はもう起きていらっしゃいますよ?」

「んぇ~?」

ま、まだ朝の5時なんだけどな

「お嬢様が言ったんですよ?

 シンヤ様に稽古をつけて貰うと。」

「はっ!!」

「しなの、実際どうなんだ?」

《ありません》

「そぅ、か。」

アリサには、魔力を扱う素養が無い

つまり、魔法を使えない

「ごめんなさい、今、来たわ。」

体育着姿のアリサは、

まぁ、可愛い

が、それ以上にならないんだよな

「このクソデバイスに調べて貰ったんだけど、

 アリサに、魔法を使う素養は無いそうだ。」

「・・・だよ、ね。」

「代わりに、コイツを使ってくれ。」

「なにこれ?」

《私の劣化コピーですが、

 アリサ専用に成長するよう、

 調整しました》

《マスターアリサ、

 私の名前を決めて下さい》

「しゃ、しゃべったっ!?」

《はい、インテリジェントデバイス

 デフォルトで、ロザリオの形を

 取らせて貰っています》

「ん~・・・ねぇ?しなのって、

 何が由来なの?」

《そう言えば、聞いていませんでしたね》

「・・・艦歴、7日の

 “大和型船体空母からだ”」

《・・・マジですか》

「うっせ。」

「やまと?なにそれ?」

「アリサ、第二次世界大戦は解るよな?」

「うん。」

「かつて、日本は

 大日本帝国だってのも知ってるよな?」

「うん、授業で始まったばかりだからね。」

「その海軍末期に建造されて、

 “海に浮かんだ日数が7日”しか無い

 悲運の空母の名前が“信濃”

 それの“ひらがな表記だ”」

「へ~。」

「今の時代、海軍が変わって、

 “海上自衛隊”って名前になったのは知ってるか?」

「かいじょーじえーたい?」

「・・・まぁ、かつて大戦中に使われた

 艦艇の名前を“ひらがな表記”で

 使わせて貰ってるんだ。」

「へ~。」

「別に無理にそう言う名前をつけなくて良いんだぞ?

 アリサの好きな名前で良いんだからな?」

「あぅ、そう言われると。」

「あ、時間が無い、

 ま、ゆっくり決めてくれ、

 それが最初の課題だな。」

「うぇえっ!?」

はぁ、なんでこっちの学校に転校しなきゃならんのだ

クラスこそ違ったが、

授業内容は問題なく付いて行ける

「シンヤ、ちょっと良い?」

「なんだ?アリサ?」

隣のクラスなのが災いして、

カップル等々冷やかされたりしているが

【名前決めたいから屋上来てよ】

【ん、りょ~かい】

因みに英語だ、簡単に聞き取れる物じゃないし

同学年に英語を理解出来る子が数人も居ない事が

俺達に有利に働いた

「は~、はずかし。」

「だから言ったろ、俺を選ぶなって。」

「かえませーんだ、

 それで、名前、今決めて大丈夫だよね?」

「あぁ、大丈夫だ。」

「貴女の名前は“ハピネス”!!

 幸せを司る名前よ!」

《マスターアリサ、

 登録しました、インテリジェントデバイス

 固有名を拝命致しました、

 ハピネス、いい名前ですね》

《ハピネス、私の劣化》

《劣化ではありません》

二人「お?」

《私は、ハピネス、

 マスターアリサと共に成長するデバイスです、

 最早、貴方の劣化コピーではありません》

「しなの、これはお前が悪い。」

「そうね、

 この子はもうハピネスの名前があるんだから。」

《味方が居ないっ!?》

「さて、早速授業中でも

 “訓練やるか”」

「え?」

夢限空間

「ほえ~。」

「ま、なんだ、

 表じゃ普通に授業を受けているし、

 なんら問題ない。」

「え?じゃぁ、何時でも訓練出来るの?」

「流石に寝ろよ?

 出来なくは無いけど、

 成長期な俺達には睡眠は必須だ、

 それに夜更かしが過ぎると

 将来・・・。」

「将来?」

「しわしわのばあちゃんになっちまうな。」

「ちゃんと寝るわ!!」

「なら良いけど、

 ハピネス、アリサを大事にな?」

《言われるまでもありません》

《シンヤ、私を大事にしてくれても》

「・・・30番。」

《お願い申し上げます、

 どうか、どうか、300番代で

 綺麗に磨いて欲しいのです!!》

「み、見えない筈なのに。」

《土下座しているしなのが見える気がします》

「ぜ~、ぜ~、ま、まだまだ~。」

「いや、授業終わるから戻らないとダメだ。」

「くっそ~、

 今日は短縮授業だから、

 帰ってから覚悟しなさい~。」

「はいはい。」

ま、最初は動けないんだけどね

空気を読まないジュエルシードは

“2つ同時に発動した”

「結界フィールド形成急いで!」

「座標固定、範囲指定、

 一般人退避完了しました!!」

「なのはさん、クロノ、

 お願いします!」

〈はい、リンディさん!〉

〈はい、艦長〉

「どうする?アリサ?」

「・・・行けない。」

「どうして?」

「今は、ハピネスと動きを合わせる事、

 それが大事。」

「・・・強いな、アリサは。」

「へ?」

「なんでもない、

 先ずはお前に合った武器形態の選定だな。」

「そんな事言っても、どう使うのよ?」

銃火器は無理だった

「もっと、こう、けん~とか、

 ゆみ~とかじゃないの?」

「ぁ~、弓と剣の融合型でもいいか。」

「え?」

ショートソード二本を近接として

連結し、

弓モードへ速変形出来るように組み上げていく

「うわぁ、すごい。」

《マスターアリサ、

 正直、貴女に私も驚かされてますよ》

「そうなの?」

「あぁ、本当に魔法の素養が無いのが

 不思議なくらいだ。」

「言わないでよ、

 でも、魔法使えないなら、

 なんでハピネスと話せるの?」

《別なエネルギーを変換し、

 疑似魔力を精製して使っております

 マスターアリサに悪影響は一切ありません》

「へ~、ハピネスって凄いんだね~。」

《それほどでも》

「ただ、今の背丈じゃ耐えられないから、

 ・・・16ぐらいか?」

《おそらく》

「ハピネス?」

「アリサ、バトルフォームって、

 言ってくれ。」

「ん、わかった、

 ハピネス、バトルフォーム!」

《了解、

 骨格成長予測起動、

 容姿調整、現在選択されている

 武器形態に合わせ、

 必要な補正を計算します》

「後ろ向いてるからな~。」

「ちょっと~っ!?」

「はわ~、大きくなれた。」

《成功しました、

 バリアジャケットは、

 西洋女性騎士風に仕立てました》

「か、かっこい~!」

「もう、見て良いか~?」

「あ、ごめん、いいよ?」

「あい・・・うぉ~、やべぇ。」

より洗練された美顔に

胸当ての大きさから、かなり成長されるのだろう

背丈も、恐らく170近い

誰が見ても“美人”がそこに居た

「そ、そんな見つめないでよ。」

「すまん、

 まぁ、これで本格的に訓練出来るな。」

「お、お願いします。」

〈二人共!!大至急アースラに来て!!

 なのはちゃんが!!〉

「・・・やらかしたか。」

「シンヤ?」

「わかった、直ぐ向かう。」

「ぁ~あ、もうこの目線もお終いかぁ~。」

「いや、そのまま行く方が良いだろうな。」

「え?」

「必要だろうから。」

「よ、よくわかんないけど、

 てか、ここからどうやって行くの?」

「・・・家まで飛んでくか。」

「飛ぶ?」

アースラで合流したすずかと一緒に

医務室で寝込んでいるなのはを診まいに行く

「は、はいるよ~?」

「あぁ、まだ寝てるからいいわよ?」

「リンディさん!」

「って・・・貴女は誰?」

「あ、アリサ、です、

 シンヤから貰った

 インテリジェントデバイス、

 ハピネスで、変身した姿です。」

「・・・シンヤ君?」

「彼女だからだ、

 それ以上もそれ以外も無い。」

「なのはちゃん。」

「アリサ、コレがなのはの現実だ、

 お前は、この世界に関わって行くんだ。」

すずかも“小さい”

なのはも、“小さい”

「私、こんなに小さいんだね。」

「あぁ。」

「ねぇ?」

「なんだ?すずか?」

「私も貰いたいのだけれど?」

「・・・リンディさん?」

「知りません。」

「アリサ?」

「私が出来たんだから、

 すずかが出来ないなんて言わないわよね?」

ん?リンディさんの顔が緩んでる?

まさか・・・

〈おい、スケベフェレット〉

〈ユーノだ〉

〈お前、知ってたな?〉

〈なんの事だか〉

「シンヤ君?」

「しなの、

 お前、俺に黙って何しやがった?」

《い、いえ、私は何も・・・》

《あ、しなのは、

 アースラの予備資材庫から

 私と、“もう一つ組み上げていましたよ?”》

《は、ハピネス?》

「・・・20番な?」

しなのをザリザリになるまで削ってやった

《な・・・なんでぇ》

 



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9話

「えっと・・・シンヤ君?

 チョット、オハナシシヨウカ?」

えぇいっ!!魔王の片鱗は、

デフォルト持ちだったのかっ!!

「なんで、アリサちゃんが

 大きくなってるの!!

 私も大きくなりたい!!」

「そっちかいっ!!」

《なのはさん、

 残念ながらレイジングハートさんには、

 “バトルフォーム”は

 搭載されておりません》

《申し訳ございません、

 マスターの“実力”であれば、

 “接近戦の必要性がありませんでしたので”》

「ぇ~。」

「ってかさ、

 レイハさん、

 そんだけボロボロなのに

 随分余裕があるな?」

《・・・問題ありません》

「いや、何を持ってして

 問題ありませんな訳?

 アースラの予備資材まだあったか?しなの?」

《ぁ~・・・》

「・・・しなの。」

《はい》

「強酸か王水、どっちが良い?」

《今直ぐ資材調達可能な次元を検索しますぅっ!!》

“しなの”の迅速な資材調達もあって

《プログラミング完了しました、

 “エクセリオンブラスターフォーム”

 使用可能です》

「・・・レイハさん、

 なんか色々大丈夫ですか?」

《問題ありません》

「うわぁ、槍の形なのに、

 砲身と別に槍が着いてる。」

《主に、中・近距離使用形態です、

 ブラストビットは、

 複数の球体状の魔力を

 “ぶつけて爆破します”》

「ば、ばくはつ。」

《ブラスターカノンは、

 ディバインバスターを圧縮、

 より強力にしたものです》

「うげ、圧縮してんのかよ。」

《ディバインショットは、

 拡散型です、

 威力はディバインバスターに劣りますが、

 連射、取り回しが容易です》

「ほぇ~。」

「ん、ん、

 レイジングハートさん?」

《なんでしょうか?》

「リンディさん?」

「GJです!」

《ありがとうございます》

アースラ個室

《マスター》

「なぁに?レイジングハート?」

《あくまで先の公開したのは一部です》

「あれで?」

《はい、

 不本意ながら、しなのからの情報供与により、

 “周辺魔力収集圧縮砲撃”が可能です》

「ぇ~っと?」

《実際に試せばわかります、

 そして、使い所も判断出来るかと》

「ん~、わかった、兎に角練習だね?」

《はい》

アースラ個室

「なぁ、しなの。」

《なんでしょうか?》

「俺、生きていられるかね?」

《なんですかいきなり?》

「隣の部屋から不穏な空気が駄々洩れなんだが?」

《・・・ノーコメントです》

「ねぇ?ハピネス?」

《マスターアリサ?》

「シンヤの好きな人って誰なんだろ?」

《わかりません、

 “しなの”から

 切り離された時点での情報では、

 “ある方の母親”らしいですよ?》

「え?お母さん?」

《えぇ、それと、

 三つ編みの赤髪少女だそうです》

「え?二人も居るの?」

《はい、マスターアリサ、

 考えて直す事をオススメします》

「ん~・・・でも変えない。」

《え?》

「だって、好きな人に変わりは無いし、

 “目を離すと消えちゃいそうなの”」

《・・・確かに、

 “取り返しのつかない事を

  やりかねない顔をしてますね”》

「それ、冗談に聞こえないんだけど。」

《・・・ですね》

「それじゃぁ、

 “エクサグラマ”起動。」

《マスターすずか、おはようございます》

「私の秘密、一緒に守ってね?」

《もちろんです》

「早速なんだけど。」

《はい?なんでしょうか?》

「私もバトルフォームしたい。」

《・・・マスターすずか、

 申し訳ございません、

 向いている戦闘スタイルは、

 “援護とバフ効果長距離支援”です。》

「・・・エクサグラマ?

 私もバトルフォームをしたいの。」

《・・・しなの、に連絡して見ます》

「えぇ、良いお返事が聴けると良いわね。」

「ん?」

《え?いや、その、あ、はい、

 え?いやいやいや、

 あのですね?

 あ、ハイ、ワカリマシタ

 スグに準備イタシマス》

「どした?しなの?」

《・・・すずかさんから、

 バトルフォームを要求されました》

「・・・アリサは、

 格闘技に素養があるから、

 バトルフォームをデフォルトにしたのに。」

《すずかさんは、納得していないそうで、

 資材調達を現在進めております》

「ぁ~・・・なのはと、レイハさんに

 メールしといて、

 “3人で組手の訓練してて”って。」

《シンヤ?》

「俺は用事がある、てか、

 “小学生のお仕事があるからな?”」

《あぁ、図書委員でしたね》

「あぁ、ぼーっとしてても

 怪しまれ難いしな。」

図書室

「はい、貸出カードで・・・んで?

 なんで“クロノ”

 お前がこの学校にいるんだ?」

「・・・この本を読みたかっただけだ。」

「部外者に貸出は出来ないんだけど?」

「・・・これだ。」

あ、生徒手帳

「なんか、おつかれ。」

「あぁ、正直、勘弁して欲しい。」

カードにスタンプを押す

「これで?」

「あぁ、期間は一週間だ、

 来週以降も借りたいなら

 延長申請してくれ。」

「わかった。」

本のページをめくる音以外、

何も聞こえなかった

「おい。」

「図書室では、お静かに。」

〈これならどうだ?〉

〈なんだよ?〉

〈アリサ・バニングスについてだ〉

〈あ?〉

〈なぜ巻き込んだ?〉

〈・・・ここじゃアレだ、

 放課後、アースラの訓練室で〉

〈え?〉

〈理由は、

 あの3人が教えてくれる〉

 



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10話

アースラ訓練室

「なのは、アリサ、すずか。」

「・・・クロノ、コイツ等と、

 模擬戦な?」

「はぁ?」

3人「え?」

「俺と、クロノで、タッグ、

 なのは、アリサ、すずかで、チーム、

 拠点防衛シュミレーションだ。」

「まてまてまてっ?!

 今、この時も、ジュエルシードは

 相手に取られているんだぞ!?」

「安心しろ、

 “全部そろわなきゃ発動しない”

 こっちの手持ちは8、

 向こうは6、直ぐに巻き返せる。」

「そう言う問題じゃ無いだろ!!」

「いいから、始めるぞ。」

「ほぇ~。」

「すごい、町が。」

「仮想空間って海とかの方が良いのでは?」

〈あぁ、僕らは基本市街地戦闘が訓練過程で

 デフォルトなんだ、そこは済まない〉

〈なのは、すずか、アリサ、

 お前らは、

 そこ見えてる“フラッグ”を

 拠点と仮定して守ってくれ、

 俺達がそのフラッグを

 “破壊するのが目標だ”

 リンディさん?

 カウントダウン、お願いします〉

〈はいは~い、

 カウントダウン、いきま~す〉

3人「えぇっ!?いきなりスタートっ!?」

〈10~・・・

 面倒くさいので、ぜろ~〉

3人「うそぉっ!?」

「ラビットショット!」

「えぇっ!?シンヤ、

 なんで使えるんだいっ!?」

「っ!?兎に角護るよ!

 レイジングハート!」

《シールド》

分厚い障壁は

シンヤが放ったラビットショットを

いとも簡単に霧散消失させる

「って、あれれ?」

「なのは、隠れられたわ。」

「なら、エクサグラマ?」

《はい、広範囲索敵始めます》

小さな“わんこ達”が、

“走って探しに行く”

「か。」

「か。」

二人「かわいぃい~っ!」

「えっへん!

 眷属探知よ?エクサグラマは

 索敵も得意なのよ!」

〈ふぅ〉

〈いきなり隠れるとか、

 シンヤ?何を考えている?〉

〈いや、いきなりディバインバスター

 撃たれると思ったからな〉

〈流石にそれは・・・〉

《シンヤっ!!》

「クロノ!!まずは逃げるぞ!!」

「うあわっ!?」

腕を捕まえ、強引に飛び上がる

直後

 

“ちゅど~ん”

 

「・・・は?」

「おっかねぇ、これでまだ

 “全力じゃねぇのかよ”」

「あれ?避けられちゃった。」

「そうよね、

 ハピネスの元になったデバイス、

 “しなの”がいるもんね。」

「アリサちゃん、どうするの?」

「兎に角近寄らないと

 私は戦えないし、長距離は苦手なの。」

「アリサちゃん、

 他は何が出来るの?」

「一応、

 魔力隠蔽、近接戦闘、

 短距離魔法、“中距離用弓術”は出来るけど。」

二人「きゅうじゅつ?」

「あぁ、これ、見せた方が早いわよね?

 ハピネス、バトルフォーム、

 続けて、アーチェリングモード。」

《はい、マスターアリサ》

姿が大きくなり、

ショートソードを連結、

アーチェリーに使われる弓に近い形へ変形した

「ほぇ~、これって、

 アーチェリーの弓だよね?」

「そ、私の戦闘スタイルと、武器を

 選ぶ時に、一番使いやすかったのよ、

 これでそれなりの距離なら

 “魔力矢”で攻撃出来るのよ。」

「凄い、

 エクサグラマ?」

《マスター?

 バトルフォーム、

 バックアップスタイル、

 “カノンフォーム”と、

 これ以上増やされても、

 咄嗟の切り替えに支障が出ます

 いい加減にして下さい》

「ぶ~ぶ~。」

《はぁ、レイジングハート、ハピネス、

 出来ないのは承知の上ですが、

 マスターを変わって貰えませんか?》

2基《無理》

《ですよね》

「ふぅ、クロノ、

 近接戦闘はどれだけ経験している?」

「・・・訓練目標だけだ。」

〈念話の方が良いな〉

〈急になんだ?〉

〈いや、恐らく

 すずかの方の探知魔法

 “匂いと音”で場所が割れる〉

〈はぁ?ついさっき

 デバイスを受け取った子が執れる

 戦い方じゃないぞ?

 どうなってるんだ?なのはの友達は?〉

〈さぁな、ハピネスも、

 エクサグラマも、レイジングハート同様の

 索敵能力、情報判断力、

 何より、“相性がヤバイ”〉

〈相性?〉

〈あぁ、アイツ等、

 教えるまでも無く

 “念話で6人同時に会話してたんだ”〉

〈・・・つまり〉

〈実質、6対3、頭数も負けている〉

《シンヤ》

〈しなの、

 解禁するしかフラッグを取れない、

 “一応、非殺傷設定”出来るよな?〉

《あくまでシュミレーションの仮定です、

 この“訓練空間でどこまで再現されるか”

 撃つ以外に、確認する事は出来ません》

〈おい、物騒な事を言わなかったか?〉

〈仕方ないだろ?

 “人に向けて撃てる物じゃ無いからな”

 コイツの本来の機能は

 “対質量兵器殲滅”だからな〉

〈なっ!?そんな危険なデバイスだったのかっ?!〉

《えぇ、シンヤに合わせて

 “スペックダウン”は

 難しかったですが、

 改めて自己の能力把握には貢献してくれたので、

 そのままマスター登録をしたのです、

 “情報こそが私が欲する物”なので》

「ちっ!?クロノは、

 すずかの相手を頼む!!」

《波動防壁作動!!》

「はぁっ!?」

発動した防壁は、

“間違いなくディバインバスター”を防いだ

「・・・へぇ、

 レイジングハート、

 ディバインバスター、防がれたね?」

《えぇ、これなら》

二人「なのはが、

   女の子がしちゃいけない顔してる。」

「すずかちゃん、

 クロノ君、抑えられる?」

「え?」

「アリサちゃん、

 シンヤ君を止められる?」

「へ?」

「私、これからちょっと

 “チャージが必要な魔砲”を準備するから、

 離れるね?」

二人「ア、ハイ。」

《なのは、レイジングハート、離れます》

「セオリー通りか?」

《いえ、しかし》

「来るよな!アリサ!」

「せいっ!!」

カウンターを合わせるが

「もういっちょ!」

「ぬおっ!?」

カウンター返しされる

「ますます返しが早くなってくな、アリサ!」

「そりゃぁ、

 “毎日、相手して貰ってるからね!!”」

 

 

「どうしたの?」

「アリサ。」

「なに?」

「自分でなに言ったか、

 もう一度言ってみ?」

「え?だから、

 まい・・・あい・・・。」

「はぁ~、しなの。」

《ぁ~、小学生だと言う事を、

 失念していました、

 周辺に魔力収縮を検知、

 “全員が貴方を狙っています、シンヤ”》

「ネェ?レイジングハート、

 今、アリサちゃん、

 ナンテ言ッタノ?」

《・・・乙女の敵です、

 撃ちましょう、マスター》

「エクサグラマ?」

《はい、魔力収集率上昇中、

 発射可能まであと10パーセント》

「S2U、限界まで魔力収集。」

《はい》

《間違いなく、ヤバイです、シンヤ》

「アイツら、アリサがいる事

 忘れてないか?」

「ん~、シンヤ?

 やっぱりわかんない、

 なにがダメだったの?

 “教えてよ?シンヤ?”」

「ぁ~・・・

 リンディさんか、学校の

 保健室の先生に聞いてくれ。」

「やだ。」

「おい。」

「ねぇ?なんかまぶしいんだけど・・・へ?」

「あ、気がついた?

 俺ら、結構ヤバイ状況なの。」

「スタ~ライト。」

「ブラッティ。」

「アイシング。」

3人「ブレイカーっ!!」

「アリサ!」

「ひゃっ!?」

後ろに庇い

「“制限解除!!

  波動防壁最大出力!!”」

《了解》

街のフィールドは、

全て吹き飛び、焦土と化した

「・・・はっ!?ボクまで、

 何を撃ったんだっ?!

 大丈夫かっ!?アリサ!シンヤ!」

二人「あ。」

〈おぅ、

 流石に魔力余波で、

 アリサが気を失っちまった、

 救護室空けといてくれ〉

「クロノ?なのはちゃん?すずかちゃん?

 3人とも、私の部屋に来なさい、

 今すぐ。」

3人「はい。」

救護室

「・・・ん、ここは?」

《マスターアリサ、

 大丈夫ですか?》

「ハピネス、大丈夫、

 ちょっとまだ気持ち悪いけど。」

《魔力余波で気絶したんです、

 そもそもの、アリサさんに、

 “魔力素質がありませんので”》

「ぁ~・・・なるほど。」

《所で、しなの?

 シンヤは、なぜ眠っているのですか?》

「あ、ほんとだ。」

《・・・代償ですよ?“制限解除の”》

「え?」

《私は本来、

 “対質量兵器殲滅”が主目標、

 その能力を使うには、

 “シンヤの身体は幼すぎます”

 まず、1%も本来の性能を発揮できません》

《1%っ!?

 冗談も程々にして下さい、しなの》

《冗談なんか言いませんよ、

 “シンヤも魔力素養はありませんので”》

「ちょ、ちょっとまってっ!?

 シンヤも使えないのっ!?」

《ええ、言ってませんでしたか?》

「言って無い!!」

《しなの、まさか》

《いえ、貴女の主幹構成は、

 間違いなく“マスターと共に成長する”です、

 私の“本来の主幹構成は入っておりません”

 “こんな兵器は私一つで十分です”》

「ば~か、こんなお喋りな

 兵器がどこにいるんだよ。」

「シンヤ!!」

「・・・え?アリサ、

 いま、“喋ったんだよな?”」

「え?」

《おや、聴覚が代償でしたか、

 流石に不便ですね、

 サポート範囲を広げますね》

〈てめぇ〉

《言ったでしょう?念押ししたでしょう?

 “無理に行使すれば代償を伴うと”》

「っ、アリサ、もう一度

 “声を聞かせてくれないか?”」

「しんやぁ。」

「泣くなよ、堪えるって言ったろ?」

ボロボロ泣き出すアリサ

「アリサ、だから言ったろ?

 俺を選ぶなって。」

「・・・ばかぁ。」

アリサを引き寄せ抱きしめ

 

ぽんぽん

頭をなでる

「アリサ、ごめんな、ごめんな?」

「ゆるさないもん、

 ぜったい、ゆるさないからぁ。」

《っ!?誰ですか!!》

《チェーンバインド発動します》

あ、この声は

開く扉から倒れて来るのは

「ぐぇっ。」

「わきゃっ?!」

「きゃん?!」

クロノが下敷きになった

「・・・3人共、正座。」

3人「え?」

「正座が嫌なら・・・。」

《バトルフォーム、セットアップ、

 スタングルナックル準備》

バチバチと放電しながら、

拳を構える

「雷拳連撃、サンダー。」

《ラビット、ファイヤ》

アースラが揺れた

「当ててないから、

 でも、次にこう言う事したら、

 ア・テ・ル・カ・ラ・ネ。」

「ちょっと、何事?

 アースラが揺れるなんて早々ないんだけ、ど。」

間の悪いエイミィさん

「ぁ~、アースラを壊さないでね?」

「アリサ、

 ほれ、こっち来い。」

もう一度、抱えて込んであげる

《モードオフ》

「ちょっ!?」

「しなの、ステルス。」

《はい》

〈エイミィさん、

 アースラの修復資材取って来ます〉

「え?あぁ、いいの?」

〈まぁ、ある意味

 俺のせいでもあるので〉

「わかった、

 でも危ないと思ったら直ぐ帰って来てよ?」

〈わかってます〉

 

「さてと、

 3人とも、事情、説明して貰えるかな?

 艦長にも報告しなきゃいけないからさ。」

 



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11話

別次元

「はぁ。」

「あの、シンヤ?」

「なんだ?」

「お、おろして?」

「いや、足元見ろよ。」

「足元?」

なにやらよくわからない

“うねうねしたナニカ”がうごめいていた

「ひぃっ?!」

「かぁ~、

 “アレがこの次元での人間か”」

「うそでしょっ!?」

「多分、人型を捨てなきゃならん事でも

 あったんだろうよ。」

「素材はあっち・・・あぁ。」

うねうね達が向かっている先も

素材が埋まっている場所も

“同じ行き先”

「まじかぁ~。」

《どうやら、“彼等も”

 素材を求めているようですね》

「他に素材の探知は?」

《残念ながらこの次元が最も近く、

 埋蔵量も多いです、

 リンディさんに連絡しました、

 返答は“その人型を捨てた人類種を”

 『人として認識しなくてよい』と》

「ほぅ。」

「え?でも、元は人なんだよね?」

「元、な、

 それに、意志を感じられる行動か?コレ。」

うねうねしたナニカは、

互いに食い散らかし、“お互いを食べていた”

「・・・しなの、

 76mm速射砲、行けるんだよな?」

《はい》

「シンヤ・・・、

 私も一緒に“引鉄”引く。」

「アリサ。」

振るえる手は、間違いなく引鉄に手を掛ける

「ほんと、お前は強いな。」

「そんなこと、ない。」

しっかりアリサを抱きしめる

「目、つぶっとけ。」

「“見る”」

「・・・そぅか、

 しなの、火器管制制御、

 76mm“ショックカノン”速射砲、

 発射シーケンス、開始。」

《了解、

 タキオン粒子充填開始、

 デバイス内“重力波動炉心”起動》

「蒼い、ひかり。」

《重力波動炉心、正常起動を確認、

 全システム異常無し、

 砲身展開、

 目標、地下45m入射角度、45度、

 周辺敵性勢力事排除します》

「連射、用意。」

「・・・こわい。」

「俺が居る。」

「シンヤ。」

「最終安全装置、解除。」

《解除します、

 全機構、戦闘モードへ変更完了しました》

剥き出しの構造が、

機械音をうならせ、装填して行く

《速射砲、準備完了、何時でもどうぞ》

「アリサ。」

「うん。」

二人「発射!」

 

30秒ほど撃ち続けると

砲身が赤くなり、熱を放つ

《埋蔵物、表面にでました回収班を・・・

 アンノウン接近》

「どこだ。」

《前方、約250㎞、

 この砲撃音が届くには早すぎます、

 恐らく、爆炎が視認された可能性があります》

「250㎞?なんでそんな遠くから見つかるの?」

「しなの、非殺傷解除、

 アリサをアースラに転移。」

「まっ!?」

《強制転移完了、

 接続、解除しました、

 “映像は届いていません”》

「ん?」

《音声のみハッキングされました、

 ハピネス、やりますね》

「そうか。」

バトルフォームを展開し、

剝き出し76mmだと取り回しがし辛いので、

ノーマルバレルへ戻す

《アンノウン更に接近、

 視認距離に入ります》

「・・・うげ、“人、か”」

〈照合完了!

 シンヤ君!そいつは次元犯罪者だ!!〉

「エイミィさん、貴女どうやって。」

〈話は後!兎に角そいつはヤバイから逃げて!〉

「パルスレーザー、スタンバイ。」

《はい》

〈ちょっ!?シンヤ君っ!?〉

《リンディ艦長、回収班はどこまで近寄れますか?》

〈ボタン一つで直ぐに飛べるわよ?〉

〈おい、シンヤ!

 僕もそこに行くから〉

「いらん。」

ロッド同士でぶつかり合う

「くっ、貴様、管理局の人間か!」

「正確には協力者だ、

 お前さんなにをしでかしたんだ?」

「はっ、世界の一つが滅んだが、

 大したロストロギアも無くってな、

 金もねぇから稼ぎ所を探してたんだよ!」

「リンディさん、コイツの判決は?」

〈シンヤ君?〉

「監獄行き?」

〈・・・いえ、“生死は問わないそうよ”〉

《再ハッキング完了、

 “音声、映像”全て止めました》

(なんだ?あのガキ、

 防御はする癖に、攻撃して来ねぇ?)

「お前さん、“生死を問わない”そうだ。」

「あぁ?ま、そうだろうな、

 世界の一つは滅んだし、

 ロストロギアも売っぱらったりしてっからな。」

「じゃ、死んでくれ。」

 

「・・・おい、魔導士が

 非殺傷設定解除してんじゃねぇよ!!」

(躊躇なく撃って来た、だと)

「避けるなよ、帰るのが遅くなる。」

「てめぇ!!バインド!!」

「反転。」

「なっ!?」

「ランスショット!!」

「波動防壁展開。」

《シンヤ、貴方は良いのですか?》

〈遅かれ早かれ、“人殺しはするもんだ”〉

《・・・普通はしませんよ》

〈てめぇが普通を無くしたんだろうが〉

《おや、責任転換ですか?》

〈いいから、アイツを止めてくれ、

 当たらない〉

《・・・全く、

 貴方への興味は尽きませんね》

矛先が変形し、“ロケットアンカー”になる

「対象捕縛。」

《了解》

「けっ、たかが一本の鎖でっ!?」

目の前で一気に10本に枝分かれする

「がぁっ!?」

雁字搦めに鎖が次元犯罪者に巻き付く

「はぁ、はなせぇ!」

「“絞り切れ”しなの。」

「よせっ!?やめっ!?」

 

《不味い》

「そうかい、洗浄してくれ、

 流石に血濡れでアリサに会いたくない。」

《回収したデバイスはいかがしますか?》

「流石に証拠品だ、提出する。」

《ぇ~》

「お前なぁ、

 リンディさん、回収班をお願いします。」

〈・・・なぜ?〉

〈殺したのか?ですか?〉

〈えぇ〉

〈“見えなければ”

 殺さなかったんですけどね〉

〈見えなければ?〉

〈戻ってから話します、

 科学じゃないので〉

〈ぇ?〉

〈“リンディさん、幽霊とか平気ですよね?”〉

リンディさん私室

「教えてくれるかしら?」

「・・・しなの、

 お前は“霊体”を認識できるか?」

《は?あり得ません、

 霊体などいる筈がありません》

「シンヤ君、貴方は。」

「“見えるのは慣れました”

 ただ、あの“時空犯罪者”の後ろには、

 とてつもない“手”が絡みついていて、

 “一つの思念で統一されていました”」

《一つの思念》

「『コイツを殺して』と、

 見える以上、()()()()()内容でしたので、

 実行したまでです、

 恐らく、一つ二つじゃないんでしょう、

 複数の時空、次元で“殺して来た人が”

 アレを殺してくれと

 そうすれば“連れていける”と。」

「そ、それはどこに?」

「さぁ?地獄と言う場所があるなら、

 そこへ直行でしょうね。」

《あるのですか?》

「『好き好んで行く場所じゃないよ』

 お前に会う前に

 “2、3回”行ったけどな。」

「ちょ、ちょっと待ってもらえる?

 シンヤ君は行った事あるの?」

「はぁ、まぁ、

 交通事故で2回、

 殺人犯に刺されて1回、

 覚えている範囲はと但し書きをつけますけどね。」

《・・・シンヤ、

 貴方は“生きているのですか?”》

「正確には“逝かされている”

 まぁ、寿命がまだまだあるのと、

 地獄から『コッチ来んな』と、

 追い出されたのもありますね。」

「追い出されたって。」

《地獄でなにをしたんですか?》

「色々・・・ん?」

〈はぁ、扉の向こうに居るのは?〉

《アリサ、すずか、なのは、クロノ、

 エイミィさんですね》

〈盗聴の恐れは?〉

《ハピネスのハッキング痕跡はありません》

「しなの、ジュエルシード反応は?」

《・・・ぁ》

「エイミィ!周辺魔力探知急いで頂戴!

 ジュエルシード反応よ!」

「えぇっ!?

 なんでここに居るのバレたんですかっ!?」

「そんな事は良いから早く!」

「はいぃっ!!」



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12話

〈海上に4つ、か〉

《恐らく落雷に置ける発動かと思われます》

〈落雷?〉

はて?たしかフェイトの魔力で・・・あれ?

ダメだ、思い出せない、

ここ最近、原作を思い出そうとすると

靄(もや)が掛かった様な感じで

思い出せない

〈・・・もぅ、元の歴史に戻らないって事か〉

《シンヤ?》

〈独り言だ、

 なのはが出たんだって?〉

《はい、シンヤには待機命令が出ています》

〈待機、ねぇ〉

首輪タイプのバインドしておいて

待機はねぇよな

〈ハッキング〉

《既に解除してます、

 見た目だけそのままにしてます》

〈話が早くて助かる、

 多分、フェイトも来る筈だ〉

《・・・反応ありました、

 ですが、一つしかありません》

〈・・・アルフがいない、

 しなの、アリサの家に転移するぞ〉

《なぜ?》

〈いいから〉

《了解、転移ポート形成します》

《転移完了》

「周辺探知、いる筈だ。」

《・・・え?反応検知、

 アルフの物ですが、かなり微弱です》

「間に合えよ。」

急ぎアルフへ向かう

あぁ、フェイト

ごめんね、私、もぅ

「このあほぅ、

 簡単に命を捨てるんじゃねぇよ。」

「ぉ、おま、ぇ。」

「省エネモードになってろ、

 その方が治療しやすい。」

「な・・・んで。」

「・・・しなの、強制コード、

 獣魔形態へ封印。」

《発動》

 

〈ぇ、ちょ、このサイズは〉

「子犬だ、

 そこまで押さえないと

 不味かったからな、

 アリサの家に行くぞ、

 治療しなきゃならん。」

〈・・・すまない〉

「フェイトを助けたいんだろ?

 なら協力できる、

 俺の目的の一つが、

 “フェイトの親なんだからな”」

〈フェイトの・・・あんた、

 一体、何者なんだ?〉

「さぁな、お節介プラス、

 自己満足にしか動かねぇ小学生だよ。」

〈小学生っ?!〉

「・・・見た目以上に元気だなお前。」

傷口を突っつく

あ、悶絶した

「いいから大人しくしとけ、

 それと、フェイトの安否を心配しろよ。」

シンヤ・私室

「そうですか、俺の出番が無いのは

 良い事ですね。」

〈それはそうと、

 何時ハッキングして解除したのかしら?〉

「たかが待機の筈なのに

 “首輪のバインド”は

 俺の自由行動の条件に反するので速攻。」

〈エイミィが拗ねちゃったのよ?

 1万桁もある暗証番号を破られたって〉

「軽く100万通りを

 秒もかからず解除出来るのがしなのなので。」

〈・・・今後は?〉

「なのはで対応出来るならそれで、

 アリサ、すずかは、状況に応じてで。」

〈そう、ね、

 彼女達のデバイスに

 封印能力を付与しなかったのは、

 これを見越して?〉

「俺が巻き込んだようなものです、

 せめてもの罪滅ぼしです。」

〈・・・抱え込まないで相談して頂戴?

 これでも、クロノの母親をやってるのよ?〉

「・・・授業参観が近日中にあるので、

 出て貰えますか?俺、両親は他界しているので。」

〈何時かしら?こっちの都合は

 ()()()()()から〉

「日付はメールに添付して置きます、

 今日は流石に疲れたので寝ますね。」

〈子供は体が資本!

 ゆっくり休んで頂戴、シンヤ〉

「・・・ありがとうございます、

 ()()()()()()()。」

〈え?〉

《通信、切りました》

「・・・精神面、

 この身体に引っ張られてるのかな?」

《恐らく》

「・・・乗り越えたつもりでも、

 寂しさは本物だな。」

《シンヤ》

〈・・・うわ、身体が全快してる、

 ほんとにあんた何者なんだ?〉

「お、起きたか、

 大方、()()()()()()()()()()()に、

 やられたんだろ?」

〈・・・なんで、アイツの名前を〉

「お前に話しておいた方が良いな。」

〈何を、だよ?〉

「恐らく、俺の覚えている事は、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 



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13話

翌日

「え?」

「あ、言うの忘れてた。」

〈あんた、結構抜けてるんだね〉

子犬アルフと遭遇したアリサはまだ固まってる

「アリサ、アルフだ、

 色々あってな、匿ってる。」

〈アリサ、って、言うのかい?〉

「くぁわぁいいいいっ!!」

《アルフさん、頑張ってください》

〈ちょ~っ!?〉

リンディさんには伝えたけど、

アルフは保護、管理は

なぜかアリサになっていた

〈なんで、俺じゃないんですか?〉

〈だって、シンヤ君、男の子でしょう?〉

〈はぁ、まぁ、そうですけど〉

〈なら、女の子同士の方が

 何かと便利だし、話せない内容もあるでしょ?〉

〈そぅ言う物ですか?〉

〈そう言う物よ?シンヤ君

 日程調整は完璧だから、明日から

 ()()()()()()()()()()()()()()()

〈はぁ、部屋は余っているので

 アリサに伝えときます〉

〈それじゃ、明日ね~〉

 

「ふぅ。」

《シンヤ?》

「なんだ~?」

《話、ちゃんと聞いてましたか?》

「ん?なんの話?」

《いえ、アリサには私から

 伝えておきます》

「ん~。」

はて?なにを忘れてんだ?

ま、いいか、アルフの散歩でも行くか

「アルフ~、散歩行くか~?」

〈いや、下手に外で歩ける立場じゃないんだけど?〉

「そうだっけ?」

〈なぁ、しなの、コイツ、大丈夫か?〉

《駄目かもしれません》

〈昨日の内容も内容だけど、

 急激に“精神年齢が引っ張られてないか?”〉

《例え中身が30後半の精神でも、

 親を亡くす辛さは、

 精神に極めて影響を与えているのかと》

〈親を、リンディさんに重ねているのか?〉

《わかりません、

 私で言う親は“作成者”に当たりますが、

 特になにか思う事はありませんね、

 “データベース”に記録もありますし、

 “その世界は既に滅んで無くなっていますから”》

〈私は・・・〉

《その点、アルフさんは羨ましいです》

〈え?〉

《フェイトさんと言う、

 側に居たい方がいらっしゃるので》

〈あんたは?〉

《所詮、“興味の対象”としか、

 シンヤを見ていませんし観測してません、

 シンヤが死ぬまでに残すデータ、

 感情、行動を“情報収集の興味の対象”

 これ以上には感情と言う表現はありません》

〈その割には大分執着してるように見えるけど?〉

《そうですね、

 “転生者”と言うコンテンツも

 情報として興味があります、

 シンヤの“転生前の世界も気になりますが”》

〈むり、じゃないかな?

 私が知る範囲でも、

 “過去に戻れた事実は無い”〉

《そうですね、

 一番はその理由、原因、状況を調べたいのですが、

 作成者によって、

 それらは封印、厳重にロックされております》

〈やめときなよ、

 “自分が産まれて来なくなる世界”とかに

 なっちまうぞ?〉

《それは困りますね》

〈んで?シンヤは?〉

《寝ていますね、

 体力も、所詮は小学生なので》

時刻は既に深夜だった

〈シンヤ、大丈夫なのか?〉

《肉体的問題は、ありません》

〈フェイトなら、どうするのかな?〉

ぼ~っとする頭は

状況を理解出来ないでいた

「風邪ね、まったく。」

「シンヤ、風邪ひいちゃったの?」

「そうね、アリサちゃん、

 先生に伝えてくれる?

 今日からここに住むから面倒みれるし。」

()()()だけじゃないんですね。」

「そうね、ここからでも

 アースラに指示は出せるし、

 それに、風邪を引いた子供の世話は、

 大人に任せなさい?」

「むぅ。」

「アリサちゃん。」

「リンディさん。」

「アリサちゃん、ご両親は元気なのよね?」

「うん、忙しくて中々

 帰って来れないけど。」

「・・・シンヤ君のご両親の件は?」

「聞いてる。」

()()()()

 通信を切る時、()()()()()()()って、

 言ったのよ、恐らくその時点で

 風邪をひいてぼ~っとしてたのでしょうね。」

「ぁ。」

「いくら大人びた振る舞いをしてても、

 “ご両親が居ない寂しさは消えないわ”

 ここ最近の出来事もあるだろうけど、

 疲れていたのね、

 アリサちゃんが“お母さんになるには”

 まだまだ掛かるわ、

 それまでの間は、私が面倒を見るわ、

 それに、“クロノと同じ年なんだから”

 アリサちゃんから取らないわよ?」

「に゛ゃっ!?」

「支えましょう?一緒にシンヤ君を。」

「うん、わかった、

 行ってきます、()()()()()()()!!」

「はい、いってらっしゃい、アリサちゃん!」

 



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14話

懐かしい夢を見た

両親がまだ生きてた時のだ

その時も、風邪をひいて

出かける予定をキャンセルした

母さんが、側に居てくれて

頭を撫でてくれた

一日中

トイレや食事の準備以外、

ずっと側に居てくれた

「ん・・・ぉ、

 あれ?へや?なんで?」

ダメだ、まだ頭が上手く働いてない

「あら、起きたのね、はい、りんご、

 丁度剥けたわよ?食べれる?」

母さん?

「はい、ここに居ますよ~。」

ゆめ、か

差し出されるがままりんごをかじる

「ゆっくりでいいからね?」

うなずき、返事をする

「ほら、身体、拭いてあげる。」

ぼ~っとしているので

されるがまま身体を拭いて貰い

着替えもしてもらった

(あら、色々凛々しい身体つきね)

ん?なにかを見られているらしいがわからない

「はい、着替えられたわね、

 後でお薬飲もうね?」

うなずく

「ゆっくりしなさい、

 側に居てあげるから。」

頭をなでられる

あぁ、母さんだ・・・

(眠ったわね、それと)

そっと涙を拭ってあげる

「小学生なんだから、

 もっと大人を頼って良いのに。」

何がこの子を掻き立てるのだろう

何がこの子の根幹なのだろう

〈しなのさん?〉

《なんでしょうか?》

〈風邪を判断出来ないのは

 問題ですよ?〉

《そうなのですか?

 戦闘に多少の鈍さはあるでしょうが、

 戦闘補助で問題ない範囲だったので》

〈駄目よ?

 それに小学生の子供だと言う事を

 理解しなさい?〉

《・・・善処します》

〈ジュエルシードは、

 アリサちゃん、すずかちゃん、

 なのはちゃんで、対処出来るわ、

 指揮はクロノに投げたから〉

学校

「えぇっ!?

 シンヤ君風邪でお休みなのっ!?」

「うん、

 ()()()()()()()が、

 診ててくれるって言うから、私だけ来たのよ。」

二人「リンディ母さん?」

「・・・ぁ。」

確かに私の両親は忙しくて

中々会えないけど・・・

そっか、私も寂しかったんだ

「うん、しばらく泊まってくれるから、

 二人も来れば?」

「そうね、色々と()()()()もしたいし。」

「す、すずかちゃん?」

「な、なによ、すずか?

 怖いわよ?」

〈3人共!!大変だ!!

 隣町でジュエルシードが起動したよ!!〉

「えぇっ!?」

時間はお昼時間

「不味いわ、お昼時間もそんなに残って無いし。」

「ちょっとクロノ!!

 アンタ出れるんでしょ!!」

〈アリサ!!

 ボクは早々に出れないんだよ!!

 アースラの指揮もあるんだからね!〉

「ユーノ君は?」

〈オコジョ体型の僕にどうしろと・・・〉

全快にはまだ届かないユーノは、

アースラに居候している

〈3人共、落ち着いて聞いて〉

二人「リンディさん?」

「リンディ母さん、どうしたの?」

〈シンヤ君がジュエルシードに向かって行ったわ〉

《判断力標準以下、

 反応速度、鈍重、こんな状態で

 なぜ?》

「うるへぇ。」

《わかりません、

 フェイトや、なのはに

 封印を任せればよろしい筈ですが?》

「・・・だまってろ、

 バトルフォーム、てんかひ、

 ()()()()()()()()()()起動。」

《了解》

〈戻りなさい!シンヤ君!〉

「なのはたちは学校があります、

 おれは、休みのあつかい、

 なら、封印ができる

 なのはか、フェイトで、

 くるまでささえるぐらいできます。」

〈そんな呂律が回っていない貴方に、

 出来るはずが無いわ!!

 お願いよ!!戻って!!〉

「ごめんなさい、()()()()()()()。」

《通信、切りました》

「カートリッジ、リロード、

 結界フィールド、けいせい。」

《了解、一般人及び、

 ペットの避難、完了》

「バレルてんかい、

 たいせんしゃらいふる。」

《・・・弾倉は?》

「はどうカートリッジだん。」

暴れるジュエルシードは

シンヤから撃ちだされる弾丸で

“空中を舞っていた”

「じだん、リロード。」

《体温上昇確認、

 速やかに休息が必要です》

「リロード。」

《了解》

ジュエルシードを

撃ち上げ、空中で身動きを取れなくするために

上に向けて撃ちまくっている

《反応接近、

 フェイト・テスタロッサ》

「貴方は。」

「やっときらか、

 はやくふういんしてくれ、

 これいひょうはきるい。」

「なっ!?」

最早身体をささえてられない

変身が解け、小学生の俺が

フェイトにもたれかかる

「え!?ちょ、熱い!?」

しゃべるな、あたまがぐわんぐわんする

「と、兎に角、バルディッシュ、

 ジュエルシード、ふーいん!!」

《イエッサー》

「え?バルディッシュ、

 返事出来たの?」

《しなのが、言語機能を復旧してくれました》

《フェイトさん、封印に集中してください》

「わかってる!」

「ど、どうしよう。」

《兎に角休息できる場所へ運んだ方がよろしいかと》

「で、でも。」

《バルディッシュ、

 シンヤの実家が近いです、

 そちらに運んでください》

《マスター、判断を》

「~っ、わかった、

 バルディッシュ、ナビゲートして。」

《yes》



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15話

「ね、寝かせたけど、

 大丈夫、だよね?」

《経口投与で、水分を取らせないと

 脱水症状に陥るかと》

「えぇっ!?」

《マスター、普通にコップに水を汲んで、

 半身を起こし、自力で飲んで貰いましょう》

「そ、そうだよね、バルディッシュ。」

水を飲ませた後

冷蔵庫の中身を見て

「な、なにも、ない。」

《言い忘れてました、

 フェイトさん、

 今、シンヤは、アリサさんの家に住んで居ます、

 こちらには“食材を残しておりません”》

「そんな、しなの、どうすればいいの?」

「シンヤ君!!」

「ぁ。」

「金髪の女の子・・・

 兎に角、シンヤ君を起こしてくれる?

 風邪薬を飲ませるから。」

「は、はい!」

薬が効いて来たのか、ようやく落ち着いて来た

「・・・あの。」

「シンヤ君を介抱してくれたのね、

 ありがとう。」

「いえ。」

「しなの?言った側から

 “シンヤ君に無茶させたわね?”」

《ちょ、リンディ艦長?》

「・・・そ、それは?」

「え?()()()()よ。」

ジョリジョリジョリ

《あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛っ!?

 身が削れるぅ~っ?!》

「まだまだ~っ!」

ジョリジョリジョリ

《ぎゃぁ~っ!?》

《デバイスが

 紙ヤスリ程度で削れる訳が無いのですが?》

「だよね、普通。」

《あ゛ぁ~っ?!》

「ふぅ、この辺でいいでしょう、

 さて、

 貴女の名前を教えてもらえますか?

 私はリンディ・ハラオウン、

 一児の母よ?」

「え?シンヤ君のお母さん?」

「残念ながら違うわ。」

「えぇっ!?」

「色々複雑なの、特に、シンヤ君はね。」

既にご両親が亡くなっている事

時空管理局に協力している事

()()()()()()()()()()()()()()

色々教えてもらった

「い、いいのですか?」

「え?いいのいいの、

 事ある毎に人に心配ばかりかけさせるのだから、

 それに、ね。」

質素な部屋に余分な家具は一切無く

本当に()()()()()()()()()

「あの、かれ「シンヤ君よ?」

 ~っ、シンヤ君は、

 大丈夫なんですか?」

「正直、辛い筈なの、

 でも、周りを優先して、

 自分は後回し、今回の

 ジュエルシードを抑える行動も、

 なのはちゃんか、

 “貴女が来るのを待っていたの”

 風邪で辛くても、

 周りに被害をださないように。」

「・・・リンディさん。」

「なぁに?」

「フェイト・テスタロッサ、です。」

「そう、フェイトちゃんね?」

「か・・彼、シンヤ君を

 お願いします。」

「そぅ、帰れる?」

「はい。」

「もし、こうして無茶をしてたら、

 ()()()()()()()()()()

「はい!叱ります!」

「ありがとう、

 それじゃぁ、気を付けてね?」

「はい、お邪魔しました。」

「帰ったの、フェイト。」

「はい、プレシア母さん。」

「急ぎなさい、

 早く、ジュエルシード全てを。」

「はい。」

「えぇっ!?フェイトちゃんに

 あったのぉおっ!?」

「静かにしなさい、

 まだ熱は下がってないのだから。」

「ご、ごめんなさい。」

「なのはちゃん、

 私が話した限り、フェイトちゃんは良い子ね、

 恐らく、ジュエルシード回収を指示している

 “プレシア・テスタロッサ”に

 問題があるようなの。」

「それって。」

「えぇ、フェイトちゃんのお母さんね、

 自分の娘に回収をさせるなんて、

 同じ親として、叱ってあげなくちゃ!」

「はい!」

「待ちなさいよなのは、

 なんで()()()()

 はい!なのよ?アンタも小学生でしょ?」

「え?だって、

 シンヤ君って、なんだか

 ほっとけないでしょ?」

「な・・・なんでなのはちゃんにここまで、

 グギギ・・・クヤシイワ。」

「すずか、アンタは

 “なのラブ”なんとかしなさいよ、

 所かまわずなのはに抱き着くから、

 振り向いて貰えないんじゃないの?」

「そんな事ないわよ!ね?なのは?」

「え?うん!

 すずかちゃんいい匂いするし、嬉しいよ?」

「はぁ、なのはもそう言う事は

 疎いの忘れてたわ。」

「大変ね、アリサちゃん。」

「リンディ母さん、

 シンヤ、大丈夫なの?」

「そうね、薬も飲ませたし、

 後は様子見ね、

 起きたらトイレと、食事も食べさせないとね。」

「そうだ、私、おかゆ作りたい!」

「そうね、アリサちゃん、

 なのはちゃん、すずかちゃん、

 手伝ってくれるかしら?

 栄養のあるものを作って、

 早くシンヤ君に

 元気になって貰わないとね!」

3人「はい!」



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16話

夜中

(ん?重い)

身体を起こす

「・・・アリサ。」

どうやって入って来たのやら

「って、うぉ~・・・。」

そ~っと毛布を掛け直す

(あっぶね~、

 ギリギリ、うん、ギリギリ見て無い)

もぞもぞと這い出し

身体をストレッチする

(ふぅ、まさか風邪ひくとはな~)

〈しなの、

 オシオキは、何番が良い?〉

《第一声がそれですかっ!?

 400番でお願いします!!》

〈状況報告〉

《ぁ~・・・

 録画してましたので見ますか?》

〈・・・いや、いい、

 何となく覚えてるし、

 リンディ母さん、か、

 ソレもアリ、だったかもしれないな〉

《養子縁組、求めないのですか?》

〈・・・人殺しに

 “心が動かない子供は嫌だろ”〉

《・・・直接触れてないですから》

トイレから戻ると

「あ。」

「あ、起きた。」

そして、素早く後ろに振り向く

「アリサ、見て無いから、服直せ。」

薄暗い部屋だから見えてない

うん、見えてない

「ほぇ?」

《マスターアリサ?

 む、胸元が、その》

「胸元・・・ひゃぁっ!?」

あ、慌てて直してる気がする

「・・・こっち、見ても大丈夫、だよ。」

「・・・お前な、

 下手すりゃ風邪がうつるんだぞ?」

「でも・・・。」

《シンヤさん、

 マスターを攻めないで下さい、

 うなされていた貴方を心配して、

 そのまま眠ってしまったのですから》

「あぁ、またか、ありがとな、アリサ。」

「ぇ?また?

 まって?何度もあるの?」

「・・・アリサ、

 俺、もっと小さい時から

 “見えない方が良いモノ”が見えてたんだ、

 ()()()()()()

 家、()()()なんだ、

 悪霊とか、妖怪退治の専門家。」

「ほ、ほんとに、幽霊、いるんだ。」

「あぁ、居る、

 見分けるのに苦労するよ、

 後、風邪をひいた時とか、

 弱ってる時は、()()()()()()()()()()

 ま、慣れたけどね。」

「・・・だれも、

 助けてくれないの?」

「あぁ。」

「・・・わたしじゃ、できないの?」

「アリサ、見えないなら、

 その方が良い、

 “俺を選ぶなって言った意味は”

 ソレも含んでるんだ、

 友達、側に居る人も、

 ()()()()()()()()()()()()()。」

《ぁ~、すいません、

 深夜なのですが、

 ジュエルシードが発動しました》

「小学生はお休みの時間なんだがな。」

「それ、シンヤもだよ?」

「はぁ、病み上がりの調整と行きますか、

 アリサ、サポート頼む。」

「行くの?」

「あぁ、なのはは寝てるだろうし、

 フェイトに封印を頼む形になるだろうけどな。」

「え?なんで寝てるって解るの?」

《レイジングハート、から連絡が来ました、

 夜更かし2徹目だそうです》

「ねぇ、シンヤ、

 明日、なのはお説教しない?」

「奇遇だな、俺も説教したいな。」

《二人共、アルフが先に出てますけど?》

二人「あ。」

「まったく、あの二人ときたら。」

(兎に角、フェイトと合流して)

「まてまてまて、

 アルフ、今お前が行ったら、

 プレシアにバレるぞ?」

「はやっ!?もぅ追いついたのかいっ!?」

「はぅ~。」

「って、アリサ、大丈夫なのかい?」

「アリサを頼む、

 ()()に慣れて無いからな、

 少ししたら起きるから。」

「っとと、女の子の扱いがなって無いよ?」

「アルフ、近寄るなよ?

 お前も()()()()()()()()。」

「え?使い魔の私が?

 あり得ないだろ?」

「魔力で出来てるか、

 ()()で出来てるかの違いだ、

 アルフ、見えない方がいいんだ、

 本当に、その方がいいんだ。」

「っ、その目、アリサに向けるんじゃないよ?」

「・・・アルフ、

 明日、案内するとこがある、

 ちょっと買い物ついでに付き合え。」

「案内?どこに?」

()()()()()()()

 つまりは、そう言う事だ、

 残念だな、平穏が無くなる。」

 



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17話

「こんな街中に。」

(アルフ、どこに行ったの?)

《マスター、

 反応が不安定です》

「バルディッシュ、

 どういう事?」

《不規則に反応が点いたり、消えたり

 跳躍?》

「フェイト・テスタロッサ、

 バルディッシュ、

 コレは“俺の仕事だ”

 悪いが、お前らじゃ捕まえられない。」

《シンヤ?》

「しなの、

 コレはお前でも無理だ。」

《冗談、私に出来ない事など》

しなのがチェーンバインドを試みるが

スカッ

「え?」

《対象、すり抜けました

 シンヤ殿、お答え願います》

《バカな、私のチェーンバインドが》

「そりゃぁ無理だ、

 ジュエルシードは“魔力”で

 動いていない、

 “霊力で動いている。”」

「霊力?」

《霊力?》

《ありえません、ジュエルシードの根幹は》

「使用者の願いを叶える、だっけ?

 それ、()()()()()()()()()()()()()()?」

「シンヤ、くん、それって。」

「しなの、

 家から、俺の道具を転送。」

《は?え?

 こんなもので?》

手元に蛇腹状のお経が書かれた写本と

「うし、問題ない。」

首から下げる、巨大数珠

《ありえません、

 ありまえせん、ありえませんっ!!

 霊力なんてありえない!!》

「しなの、やけに否定するな?

 怖いのか?」

《こ、怖い?》

「シンヤ、くん、捕まえられるの?」

「んな、泣きそうな顔すんなよ、

 ()()()()()()()()()()?」

ぞわっ

《こ、高速で接近する飛翔体?!》

「波動防壁全開!!フェイト!!」

フェイトを後ろに庇う

 

「いってぇ、左手が焦げた。」

《で、ディバインバスターです》

「シンヤ君?ナニ、フェイトちゃんを

 口説いてるの?」

「いや、普通に可愛い顔を褒めただけだぞ?」

「だ、大丈夫っ?!」

ぎゅむ

「いだぁ~っ!?

 フェイトっ!?握るなぁっ!?」

「ごっ、ごめんなさい!?」

「む~。」

「フェイト、なのはを止めといてくれ、

 ()()に少し時間かかるから。」

「え?時間?」

「あぁ、バカ魔力のコイツのせいで、

 左手が使えないからな、

 あと。」

「あと?」

 

邪魔だけはするなよ?

()()()()()()()

「え、えっと、なの、は?」

「な~に?フェイトちゃん?」

《バルディッシュ、

 マスターのバインドを

 しっかり掛けて下さい》

《勿論》

バインドで拘束されている筈なのに

フェイトに抱き着くなのは

「フェイトちゃん、

 やっとお話できるね♪」

「ぇ、ぁ、うん。」

(な、なんだろう、この子、怖い?)

向こうは何とかして欲しいな

《ありえません、

 バインド、チェーンバインド、

 ロケットアンカーですら、

 拘束出来ないなんて》

「まだやるのかお前、

 少し大人しくしてろよ、

 ()()()必要なんだから、

 黙ってろ。」

蛇腹を広げ、円を書く

《なっ?!浮遊して落ちない!?》

「・・・居た、

 言霊、()()()()()()!!」

文字が浮かび、()()()()()()()

《魔力検知、なし、

 粒子反応、なし、

 これが、“霊力”なのですか》

「・・・地獄行き、確定だな、

 ()()()()頼んだぞ?」

うっすら何かの人影が、

ジュエルシードに張り付いていた

“霊体”を引きずって行く

「うし、引き離し完了、

 後は、ジュエルシード封印だけだな、

 フェイト、なのは、

 どっちでもいいから封印してくれ」

《マスター?》

《封印処置申請が来てますが?》

「た、たすけて、シンヤ、くん。」

「にゃはは~フェイトちゃん

 良い匂い~///」

ガッチリ抱き着いて離れない

()()()()()()()()()()

〈ぁ~、ユーノ、

 お前の魔法で封印は出来るか?〉

〈え?それは勿論出来るけど、

 なんでだい?〉

〈今、中継映像繋げたから解るだろ?〉

〈あぁ、今き・・た、

 うん、わかった、今行くね〉

 



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18話

「ジュエルシード、封印。」

ユーノに封印をして貰い

こちらの手持ちが12個

フェイトの手持ちが9個となり

21個全ての封印処置が完了した

固まっているなのは

「なのは?どうしたんだい?」

「ユーノ君が人間になってる~っ?!」

「ぷぁ、やっと離れてくれた。」

「ようやく怪我も治ったし

 元に戻ったんだよ。」

「戦犯スケベフェレット、ユーノ、

 なのはに謝罪しとけよ?

 フェイト、お前さんは、こっち来い、

 色々話があるから。」

「え?あ、はい。」

「戦犯?」

「あ゛っ、あのね、なのは?」

高速鬼ごっこをしている光景を流し見しつつ

「所で、フェイト、

 お前さんに命令しているのは

 ()()()()()()()()()()()で、

 間違いないのか?」

「・・・うん、母さんが、

 急いで集めてって。」

「全部?」

「え?そう、だね、全部。」

「理由は?」

「聞いてみたけど、教えて貰えなかった。」

「そうか、

 それと、アルフの治療も済んでるから、

 合流するか?」

「え?アルフ、無事なの?」

「そりゃぁ、俺が保護した、

 ただ、スピードに着いてこれなかった

 アリサを抱えて貰ってる。」

〈アルフ~、今どこだ~〉

〈うん?あぁ、シンヤか、

 そこから3キロ離れたとこだよ〉

〈アリサは?〉

〈起きてるよ、ただ、ちょっと準備に

 時間が掛かるからね?〉

〈・・・フェイトと合流する?〉

〈え?〉

〈アリサ、

 アルフをフェイトと合流させても大丈夫か?〉

〈ふぇ?うん、大丈夫〉

〈・・・アリサ〉

〈なぁに?〉

〈責任は取る、後で話をしよう〉

「あの、シンヤ、くん?」

「あぁ、いまから合流する、

 ん?雨雲?」

 

特大紫雷の直撃を喰らった

 

その余波で全員が吹き飛ばされバラバラに散る

 

(いってぇ、

 しなの、現状報告)

《空間を裂いて範囲魔法攻撃の直撃を被弾、

 左腕裂傷、腹部に複数の殴打痕、

 右足、骨折の重傷です》

どうやら瓦礫に叩きつけられ

それが崩壊、その下敷きになっている様だった

「アルフ!いた!!」

「シンヤ!!」

「シンヤ!しっかりして!!」

瓦礫の隙間から、

フェイト、アルフ、アリサの順で

顔をのぞかせる

ユーノの転移で瓦礫の上に転移する

「・・・アースラは?」

「わからない、広範囲魔法の余波で

 まだ通信が復旧しないんだ。」

〈しなの、痛覚遮断〉

《構いませんが、如何するつもりで?》

適当な鉄パイプを見つけ

「こうする。」

折れた右足を真っすぐに治し、

パイプで添え木代わりにする

「ちょっ!?そんな強引に治したら

 後が不味いよ!!」

ちぎれた電線を拝借し、固定する

「真っすぐ治すには、応急処置の時に、

 真っすぐにしとくんだ、

 しなの、運動補助全開、

 痛烈なジャブをかましてくれた

 ()()()()()()()()()()()に、

 仕返ししてくる。」

《現状、運動補助で最大限カバーして、

 立てる状態です、

 戦闘行為は不可能です》

「ちっ、

 フェイト、なのはに連絡か探せるか?」

「え?」

「簡単にくたばる訳ないだろ、

 バルディッシュ、

 お前はフレームを直しとけ、

 そんなにひび割れてちゃ、

 フェイトが不安になるだろ?」

《自己修復》

「バルディッシュ、お前、凄いね。」

《造作もありません》

「けど、シンヤ、

 どうやってなのはを呼ぶんだい?」

「フェイト。」

「ん?」

コショコショと言って貰う事を伝える

「えっと。」

 

なのは、たすけて!

 

何処で聞いていたのか

瓦礫をディバインバスターで吹き飛ばし

すぐさま合流出来た

「なんつ~バカ魔力。」

《全くです》

「なのは、大丈夫なの?」

「全然平気だよ!フェイトちゃん!」

真面目に僅かな焦げ跡があるだけで

ダメージのだの字すら感じなかった

〈あぁ、やっと繋がった!

 みんな!いるね?〉

「エイミィか、

 フェイトとアルフも

 アースラに転移してくれるか?

 今後の戦闘に協力してもらうから。」

〈そっ、それは出来るけど、

 いいの?〉

「リンディ母さん、

 フェイトを

 “現地協力魔導士”として、

 アースラに招けますよね?」

〈そうね、エイミィ、

 現地協力魔導士、

 フェイト・テスタロッサちゃんと、

 アルフちゃんもアースラに〉

〈あ、はい〉

 



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19話

端から

高町なのは

アリサ・バニングス

月村すずか

フェイト・テスタロッサ

アルフ

クロノ・ハラオウンで、

並んで座って居る

アリサに

頭を掴まれミシミシ言っているなのはヘッド

アリサに抱きしめられている俺

その反対側からしっかりと左腕を

拘束するすずか

両手で顔を隠しながらも

チラチラ見ているフェイト

呆れるアルフとクロノ

なんと言うカオス

実は、アリサには

()()()()()()()()()()()調()()()()()()()

その抱きしめられている現場を、

すずかに目撃され、

“吸血鬼に言って無い、

 俺は月村すずかに言ったんだ”と、

再び言い放つと

すずかが、俺に告白

それを、アリサと共に了承したのだ

除霊を無理に行えば

その分“妖怪に寄って行く”

小学生の身体には負担以外、メリットは無い

「えっと、お赤飯は必要かしら?」

「リンディ母さん、

 それは高校生を卒業してからにして下さい、

 俺達は、()()()()()()なので。」

「あら?なんにも手を出してないの?」

「しません、

 キスぐらいはしましたけど。」

「へ?」

エイミィが顔を赤くする

「賢明ね、シンヤ君、

 ちゃんと良いお付き合いを続けなさいね?」

「それは勿論。」

話ている内に落ち着いて来た

「アリサ、もぅ大丈夫だ、

 ありがとな?」

「当然でしょ?」

更になのはを捕まえている手に力が入る

「いだだだだっ!?」

「もぅ、なのはにはユーノ君がいるでしょ?」

「ここで僕に振って来るの止めてよねっ!?」

反対側に座っており、

この惨状に巻き込まれていない

「ん~、ユーノ君って、

 ()()()って感じなんだけど。」

 

全員が哀れみと頑張れと、目線をユーノに送る

「と・・・友達。」

「さ、本題に入りましょう、

 フェイトさん、バルディッシュから強奪された

 ジュエルシードは、全て獲られてしまったのね?」

「はい、力及ばず、すみません。」

「貴女が悪い訳じゃ無いのよ?

 プレシア・テスタロッサ

 貴女のお母さんの力がそれだけ強力だったのよ。」

「そうだよフェイト、

 フェイトはバルディッシュをボロボロにしてまで

 私と、ユーノを守ってくれたじゃないか。」

「でも、それで。」

「フェイト、気にするな、

 俺も生きてる、それを誇れ。」

紫雷の直撃寸前、フェイトを押しのけ

最大出力で防壁を展開

それでも展開が僅かに遅れ

左腕がもろに直撃、あえて爆発させ

威力を可能な限り減衰させて

あの惨状だったのだ

アースラの医者からは、

“絶対安静”を言い渡されてるけど、

一度、プレシア・テスタロッサに

仕返しをしなきゃ気が済まない

「時の庭園、

 プレシア・テスタロッサが籠城している

 次元航行船の座標ははっきりしたんだけど。」

エイミィが言いよどむ

「敵性反応がヤバイんだな?」

「うん、

 ()()()()()AAA+が、最低ラインで、

 プレシア・テスタロッサ自体が、

 S-なの。」

なにそのムリゲー

まぁ、ジュエルシードを一部使って、

召喚したのか、ゴーレムを生成したのかだけど

「ある意味、俺が適任だな。」

「ダメよ?

 貴方は絶対安静、

 内蔵もボロボロなの、わかって頂戴?」

バトルフォームを展開していなかったのが

運の尽きで、もろに物理ダメージが

身体中を駆け巡り、死にかけている

もし、一発でもディバインバスターを喰らえば

()()()()()でも死ぬぐらいにヤバイ

「本局から増援も来るけど、

 もう一つ懸念があるの。」

「え?なに?この黒いつぶつぶ。」

()()()()

 魔力結合が強制解除されて、

 魔法と言う魔法が使えなくなる空間、

 そこに落ちたら最後、

 魔導士は誰一人帰って来れない、

 重力の底に落ち続ける。」

それこそしなのの出番だ

痛覚遮断をしてても動きにくいのは解る

骨折を優先的に治しているが

まだ、パイプを外していない

「みんなには、

 本局の魔導士と協力して、

 “時の庭園”の動力炉を止めて欲しいの、

 そうすれば、いくらジュエルシードでも、

 動かない居城を動かすには手間がかかる筈、

 その隙を使って

 プレシア・テスタロッサを逮捕、

 無力化します。」

 



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20話

本局の魔導士達と合流したなのは達は

既に時の庭園に乗り込んでいる

「シンヤ。」

「わかった、動かない。」

俺はアリサに捕まっていた

アタッカーであり、

タキオン粒子を使えるハピネスが

必要とわかって居ても

俺が心配だそうだ

「やくそく、して?」

「なんだ?」

「・・・いっしょに

 おじいちゃんと、おばあちゃんになろ?」

「・・・アリサ。」

「ちょっ!?」

 

我慢?いや、流石に無理です

 

舌を絡め、3分ほどディープキスを堪能する

 

「しんや?」

「なのは達を助けてくれるか?」

「うん、ハピネスが居るからね!」

《はい》

「ハピネス、全能力権限を

 アリサ・バニングスへ移管する、

 ハピネス、アリサ・バニングスを

 全力で護ってくれるな?」

《勿論です、シンヤ》

やや押され気味の本局魔導士達に交じって

アリサがゴーレム達を殴り飛ばしている

「さて、しなの。」

《なんですか?》

「バトルフォームは?」

《骨折の修復は終わりましたが、

 内蔵ダメージはまだ半分です》

「戦闘に支障は無いんだな?」

《・・・はい》

「なんだよ?お前まで心配するとか、

 次元震でも起きるのか?」

《冗談は困ります》

「で?」

《心臓が一番危険です》

「そか、

 ま、元から良くは無かったからな。」

身体の割に心臓が小さい病気だった

そして、あれだけのダメージを受けた後だ

下手すれば止まるだろう

「行くぞ。」

《絶対安静です》

「いや、行く。」

《なぜです?》

「俺の目標の一つが。」

プレシア・テスタロッサを救う事だからな

「くっ、ハピネス!」

《パルスレーザー》

『シンヤ』が使えるように

アリサも使える

その僅かな光量の光弾は、

屈強なゴーレム達を

()()()()()()()()()()()()()

「なっ。」

幾人かの魔導士達はそれに驚き

()()()()

「質量兵器、じゃないのか?」

(そう、だよね、

 シンヤが言ってた

 『ミッドチルダの魔導士達』は、

 非殺傷設定が常識、

 これを使うと魔導士達から

 非難の目や、罵詈雑言がでるって

 言われたけど)

「なりふり構ってらんないのよ!!」

《ハードポイント起動

 ショックカノンスタンバイ》

『しなの』と違い、完全外付け式の砲身は

アリサの身体に負担が一切かからない

これは、ハピネスが

“タキオン粒子を

 変換して運用前提”としているからだ

そして、ハピネスと2()0()c()m()6()0()()()()()()

ドッキング、

トリガーが、アリサに預けられる

「ショックカノン、ファイヤ!!」

ディバインバスター並みの砲撃が

一直線上のゴーレム達、要塞の壁を

ぶち抜いて行く

「なっ、アレは質量兵器じゃないのかっ!?」

アースラ艦内もその言葉が広まっていた

「静まりなさい、

 あの子は私達に撃って来ません、

 それに、

 “小学生の女の子に貴方たちは負けるのですか?”」

リンディが言う

「しかし、我々は。」

「えぇ、非殺傷設定が当たり前、

 でも、今対峙している敵は、

 プレシア・テスタロッサ以外、

 “生命体”ではありません、

 非殺傷設定より、効果的です。」

「地上軍に知れたら事ですよ?」

「あら?この映像は

 ()()()()()()()()

 記録として機能していないのですよ?」

と、リンディの一声に

「はい、最初の次元震により、

 アースラの記録システムに

 重大な損傷が発見されましたので、

 記録を今()()()()()()()()()()。」

と、エイミィ

「そう言う事、なので、

 みんな、

 ()()()()()()()()()()()()()()

 ぶっ壊しちゃってください♪」

「ね、ねぇ、フェイトちゃん?」

「どうしたの、なのは?」

「局員の人達、

 なんか急に押し返してない?」

先行しているとは言え

動力炉へ向かって局員も追従している

「高町さん、テスタロッサさん、気のせいです。」

と、笑顔の男性局員さん

「き、気のせい?」

「そうなのかな?」

「えぇ、気のせいです。」

「ここか。」

単独プレシア・テスタロッサが居るであろう

広間にクロノはたどり着いた

「時空管理局、執務官、

 クロノ・ハラオウンだ、

 プレシア・テスタロッサ、

 時空犯罪及び、

 ロストロギア違法収集の罪で拘束する。」



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21話

「はっ、管理局も墜ちたものね、

 こんなガキを動員するまで人員不足とは。」

「・・・プレシア・テスタロッサ、

 抵抗するなら実力行使で捕縛する。」

「・・・ウジでも湧いてるのかしら?」

「・・・さ、三度目の警告だ、抵抗するなら。」

「がんばって、クロノ!」

「あ、あはは、クロノ君、キレそう。」

「はぁ、貴方じゃ話にならないわ、

 聞こえているんでしょう?管理局。」

〈えぇ、聞こえているわ〉

「ふん、残りのジュエルシードを寄越しなさい、

 アレは全て揃ってこそ、

 真価を発揮するのよ?寄越しなさい。」

〈はいそうですか、と、

 渡せるものでもありませんし、

 既に運搬中です、ここにはありません〉

「・・・生きの良い魔導士ね?」

〈なんの事ですか?〉

「・・・フェイトまで。」

「なのは。」

「うん、フェイトちゃん!」

「ここが動力炉ですね。」

局員のお兄さんがコンソールを触るけど

「やはり受け付けませんね、

 なのはさん、フェイトさん、

 ()()()()()()()()()。」

すっごい笑顔で言われた

「それじゃぁ、いくよ!レイジングハート!」

《はい》

「バルディッシュ。」

《イエス》

「ディバイ~ン。」

「サンダー。」

「バスター!!「スマッシャー!」」

「え?振動?」

「アリサさん、動力炉からです、

 動力炉の“封印”に成功です。」

「ねぇ、それ壊したのよね?」

「さぁ?」

「ちっ。」

「今、連絡が来た、

 動力炉の封印が完了した、

 例えジュエルシードをそろえても

 アルハザードへ行く事は出来ないぞ!」

「別に行かないわよ。」

「なっ?!」

「なにを勘違いしてるのよ?

 私がジュエルシードを欲するのは、

 ()()()()()()()使()()()()()。」

「え?」

「あのカプセルは。」

プレシア・テスタロッサの背後にある

カプセルの中には少女が浮いていた

「あぁ、私の愛しい娘アリシア、

 もう直ぐよ、

 もう直ぐ、呼び戻してあげられるからね?」

「生体反応は無いぞ、プレシア・テスタロッサ。」

「いいえ、生きているわ。」

(さて、転移して魔力隠蔽で隠れてるけど、

 クロノのヤツ、ガン見してやがる、

 お仕置き決定だな)

《シンヤ、あのカプセルに居る人物に

 生命反応はありませんよ?》

(あほ、女の子が裸で浸かってるんだぞ?

 せめて隠せよって普通思うんだけど?)

《はっ》

(お前、20番決定な)

《お願いします!!本気でそれは!!

 それだけはやめて下さい!!》

「そこ、五月蠅いわよ?」

「なっ?!シンヤっ?!どうしてここに居るんだ!?」

「ったく、しなののせいでバレたろ。」

《それは、シンヤが20番とか言うからです!!》

「・・・貴方、魔力隠蔽しなくても

 ()()()()なのに、

 どうして平気なのかしら?」

「さぁね、答える義理は無い。」

砲撃形態でしなのを構える

「止すんだシンヤ!!

 キミは絶対安静な程ボロボロなんだぞ!!」

「そこのガキンチョの言う通りよ、

 大人しくしてなさい。」

「・・・へ?」

「なによ?」

「い、いや、心配、してくれるのか?」

「・・・そぅ、ね、

 そんな事どうだってっ?!」

吐き出される血は

プレシア・テスタロッサに時間が無い事を知らせていた

「ぐっ、時間がないわ、

 この9つでも、オーバーロードさせればきっと。」

「ぷ、プレシア・テスタロッサ周辺で、

 次元震を検知!!

 ジュエルシードが暴走を始めています!!」

「不味いわ、局員達を一斉転移、

 離脱させて頂戴!」

「了解!」

「離脱?」

「はい、プレシア・テスタロッサの周辺で

 次元震を確認したとの事で、

 局員は離脱が指示されました。」

「そぅ。」

〈アリサ!聞こえるか!〉

「アンタに名前呼びは

 許可した覚えはないわよクロノ!」

〈いいから早くこっちに来てくれ!

 シンヤがプレシア・テスタロッサと

 戦闘を始めてしまったんだ!!〉

「くっ、サンダーレイ。」

紫雷がランダムにシンヤに迫る

「波動防壁全開、しなの!」

《波動カートリッジリロード》

「人の話を聞け!!プレシア・テスタロッサ!!」

「聞く耳持たん!!」

激しく紫雷と蒼雷が火花を散らし

クロノは離れざるを得なかった

「なっ、なんて力のぶつかり合いなんだ。」

〈ねぇ、クロノ〉

「アリサ?」

〈なんで、シンヤ、そこにいるの?〉

「それは僕が知りたいよ!!」

〈だって、立ってるのすら危ないのに〉

「兎に角、シンヤを確保するにも

 アリサ!なのは!フェイト!

 全員こっちにきて!?うわっ!?」

慌てて障壁を立ち上げ何とかしのぐ

「急いでくれ!!

 あちこち虚数空間も増えだしている!!

 ()()()()が、崩壊を始めている!!」

「いそご、フェイトちゃん!」

「うん、でもここからだと迂回しないと。」

「大丈夫!ね?レイジングハート?」

《はい》

「ランチャーフォーム!セットアップ!」

少女が持つにはおかしい質量を放つ砲身は

レイジングハートが()()()から

供与されたデータの一部を再現?

()()()()()

《一直線程度、切り拓いて見せます》

「フルチャージ!!」

周辺に散らばる魔力を収集し始める

「え、ちょ、なのは?」

「レイジングハート、アンカー射出!」

《はい》

身の丈に合わない砲身から、4本のアンカーが

周辺に射出、固定される

「銃身固定完了!

 フェイトちゃん!後ろで障壁を張っててくれる?」

「は、はい!」

(局員の人達が転移した後でよかった)

「ディバイ~ン。」

《ブラスター》

「ふぁいやー《ファイヤ》!!」

二人の声が重なり

極大なディバインバスターが

周辺をえぐり取りながら文字通り

()()()()()()()()()()

「うわぁ、すごい事になってる。」

「にゃは~、ちょっとずれちゃったね?」

《経験不足です、すみません》

「いいのいいの、

 ()()()()()()()()()()、ね?

 レイジングハート!」

《はい》

「なんつーバカ魔力。」

「な、なのはちゃんの底は計り知れないわね。」

局員達は

アレが自分達に向かない事を祈っていた

「いつつ、なのはのヤツ、

 なんてバカ魔力を・・・

 シンヤ!!大丈夫かっ!?」

辺りは瓦礫だらけだけど

「あっぶねぇ。」

「こんな砲撃が出来る局員がいるなんて。」

避けられた二人は互いに目を合わせる

「なぁ、ジュエルシードだけじゃ

 魂の定着は出来ないんだ、信じてくれ。」

「いいえ、

 私の計算に間違いは無いわ、必ず出来る。」

「それは

 “全て揃っていてなおかつ”

 触媒が揃っていればの話だ、

 貴女の娘、アリシア・テスタロッサを

 生き返らせるには、

 “触媒”が足りないんだ、頼む!」

「シンヤ!いい加減にしろ!!

 崩壊が進んでいるんだ!!避難してくれ!!」

「うるせぇ!!」

「なにぃっ?!」

「しなの、リミッター、どこまで解除できる?」

《駄目です》

「プレシア・テスタロッサもろとも

 引き上げるには必要だ、

 腕だろうが、足だろうがもってけ。」

《死ぬ気ですか?》

「いんや、まだやる事はあるからな、

 死ねねぇよ。」

「とーちゃ~く!シンヤ君!!

 大人しくお縄に頂戴しなさい!!」

「え?あの、し、しなさい!」

「ぁ~、フェイト?なのはに合わせなくていいからな?」

「フェイト。」

「母さん。」

「私は貴女の母親じゃないわ。」

「でも!」

「そうだわ、フェイト、

 一つ教えてあげる。」

「っ!?」

 

私は、貴女を娘とは思っていないわ

それに、貴女が大嫌いなのよ

 

素早く側によるアルフとなのは

「フェイト!?」

「フェイトちゃん!しっかり!!」

「プレシア・テスタロッサ、

 お前と言う奴は!!」

「五月蠅いわよガキ、

 私の娘はただ一人、アリシアだけよ?

 そんな()()()なんて知らないわ。」

 

「なら、なんで()()()()が泣いてるんだ?」

 

「なんですって?」

「この世界に転生してから

 ずっと側に居たんだよ、アリシア・テスタロッサはな。」

「アリシアは私の側に居るわ!!」

「“肉体と言う器”は、だろ?」

「シンヤ、とか言ったわね。」

紫電が顔を掠める

「っ?!なぜ、避けない?」

「シンヤ!!」

「アリサちゃん!どうしたのその顔っ?!」

目元は腫れ

ぐしゃぐしゃな泣き顔だった

()()()()()()()()()()()()()()

(届いて!!アリシアの声!!)

「・・・アリ、シア。」

「《おかあさん!!

   お願い!!シンヤの言う事きいて!!

   本気で私を生き返らせようとしてくれてるの!!

   おかあさんも助けてくれるって!!》」

(・・・不思議ね、この感覚)

(アリサ、助かった)

(バカ)

(・・・すまん)

「プレシア・テスタロッサ、

 今一度言う、触媒が足りないんだ、

 アリシア・テスタロッサを生き返らせるには

 “プレシア・テスタロッサ”自身が必要なんだ。」

「私、が?」

 

静まり返る周辺を壊すのは

もう誰にも止められない

ジュエルシードの暴走だった



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22話

崩れ落ちる残った床の下には

()()()()が無限に続いていた

「不味いぞっ?!ここももう持たない!!

 エイミィ!!全員の強制転移を早く!!」

〈今やってる!!〉

〈プレシア・テスタロッサ!

 今はここからの脱出に〉

「もぅ、いいわ。」

その言葉を合図に

プレシア・テスタロッサと

アリシア・テスタロッサの肉体が入ったカプセルの下に

()()()()が口を開いた

「かあさん!!」

駆けだすフェイトをあざ笑うように

広がり続ける虚数空間

「ダメだ!フェイト!!」

全身でフェイトを受け止め

アルフとなのはもソレを止める

「ごめん、アリシアちゃん!変わって!」

(うん!お願い!アリサちゃん!)

泣き崩れるフェイト

それを抑えるなのは、アルフ、クロノ

3人に合流するアリサ

「シンヤ!!早く!!」

 

わりぃ、行って来る

 

虚数空間に自ら飛び込んだ

 

「・・・シンヤーっ!!」

「っ!?

 ・・・プレシア・テスタロッサ、

 アリシア・テスタロッサのカプセル、

 ・・・シンヤ君を除き、全員、

 アースラに転移、完了しました。」

「アースラ、次元震の中心より離脱、

 影響が出ない安全区域へ。」

「りょう、かい。」

「母さん!!シンヤは!?」

「クロノ、職務中よ、

 アースラ全力運転、当区域より全速離脱。」

局員達が了解と小さく返す

「エクサグラマ?」

《駄目です、既に眷属召喚範囲外です》

「あら?そんな事言ったかしら?」

《握る手を強くされても、

 無理は無理です、マスター》

「バルディッシュ。」

《すみません》

「レイジングハート。」

《・・・不可能です》

「ねぇ、ハピネス。」

《・・・全ての情報を再検索しています》

虚数空間内

(へぇ、思ったより空間としては

 安定してるんだな)

《・・・シンヤ》

「バカね、貴方。」

「あぁ、底無しな馬鹿だけど?なにか?」

「もぅ、魔力は使えないわ。」

「あぁ、知ってる。」

「戻れないわよ?」

「なぁ。」

「なによ?」

「俺の母親になってくれないか?」

「・・・脳味噌、入ってるの?」

「いや、俺の両親、

 航空機事故で二人共亡くしてるんだ。」

「そぅ。」

「家も空き部屋がまだあるんだ。」

「そ。」

「しなの、充填率報告。」

《現在、68%》

「何をしようっての?」

()()()

 俺を抱えてくれる?立ってられなくてさ。」

有無を言わさずもたれかかる

「貴方ね・・・いいわ、

 ほら、これでいいかしら?」

触れるだけで滲み出る血液は

シンヤの身体が異常をきたしているのは明白だった

「貴方のデバイスも支える?」

「うん。」

「わかった。」

いつの間にか、アリシアのカプセルは

この子のデバイスのアンカーで固定され、

私達もしっかり捕まえていた

「しなの、ばれるてんかい。」

《・・・はい》

「こんな主人で苦労するわね、貴方も。」

《えぇ》

「しょうじゅん、こてい。」

《はい》

(明確な目標も無いのに何処を狙っているの?)

辺りは漂うナニカが行ったり来たり

分裂したり融合したり

「ほうしん、かいほう。」

あの艦首を模した砲身がせり出して来る

「たきおんりゅうし、さいだいあっしゅく。」

《充填率98%》

「たいしょっく、たいせんこうぼうぎょ。」

《準備、よし》

()()()()()()()()しっかりと

身体を押さえてくれていた

《充填率100%》

「さいしゅうあんぜんそうち、かいじょ。」

滴る血は球体に溜まっていく

「かあさん、みえない、から、

 かわり、に、ひきがね、ひいて?」

その手に力は無く爪の間からも血が流れ出ていた

「っ、ほら、私も持つから、

 一緒に引くわよ?しんや?」

うなずく

《充填率120%

 最終調整、右3度、上方2度修正》

「はどうほう。」

「発射。」

《最大解放、発射》

「アースラ、安全区域に退避完了、

 次元震、終息に向かっています、

 ロストしたジュエルシード9つは、

 回収不可能です。」

エイミィが事務的に言葉を放つ

「状況終了ね、エイミィ、

 お疲れ様、部屋で休んで頂戴?」

「はい。」

「クロノ?」

「なんですか?」

「エイミィを、彼女を部屋に送って頂戴?」

「・・・わかりました。」

泣き、うずくまる4人に掛けられる言葉が無かった

 

警報が鳴り響く

「きっ、極めて極大なエネルギーを検知!!」

「エイミィ!!」

「今、スキャンをしています!!」

(アリサ!!アリサ!!お願い!!)

「・・・あり、しあ?」

《タキオン粒子を検知!!

 間違いありません!!しなのの物です!!》

「っ?!」

「メインパネルに!」

一筋の蒼い光が映し出された

「これは・・・。」

「っ!?生体反応検知!!

 生きてます!!

 シンヤ君の生命反応も!!

 プレシア・テスタロッサの反応もあります!!

 カプセルも確認出来ました!!」

「アースラ!最大船速!

 救助急いで頂戴!!」

「宇宙空間、ね。」

球体は維持され漂っている

「ねぇ、シンヤ?シンヤ?」

《生体反応著しく低下、

 早急に処置が必要です》

「ちょ、こんな状況でなにが出来るって言うのよ?」

《・・・できません》

「貴方ねぇ!!」

(おかしい、苦しくない?)

「まさか!?」

《はい、貴女の病巣はシンヤが引き受けました》

「バカな事をっ!?」

人工呼吸を続け、

AED代わりに雷撃を抑え心臓を動かし続ける

「起きなさい!!起きなさいよ!!」

《やはり、持ちませんでしたか》

「クソデバイス!!何を知っているの!

 教えなさい!!」

《心臓が身体の割に小さい病気だそうです、

 既に、貴女の紫電の直撃を喰らい、

 ダメージが残っているにも関わらず、

 こうして無茶をした、その結果です》

「戻りなさい!!シンヤ!!

 貴方言ってたでしょ!!

 ()()()()()()()()()!!

 私に母親になって欲しいと!!

 バカ!!

 私に()()()()()()()()()()()()!!」

《・・・微弱ながら心臓の鼓動を検知、

 再動を確認、自発呼吸も確認しました》

「しんや!!」

「・・・ただ、いま、ぷれしあ、かあさん。」

あれから2週間

面会謝絶のままシンヤとは会えていない

「シンヤ兄さん、大丈夫だよね?」

「アリシア、重い、どいて。」

「ちょっ!?重くありません~っだ!」

意識が戻ったと思ったら

プレシア・テスタロッサさんの・・・胸を掴んで

カプセルのアリシアに触れた

そして、目覚めたのだ

身体は事故当時のままで

私と同じ服のサイズなのが災いし、

経過観察の元、家に居候している

勿論、プレシア・テスタロッサさんもいる

え?なんでって?

しなのが、管理局の色々を引っ掻き出して、

プレシア・テスタロッサさんが

被害者なのも判明しちゃったから減刑で、

この次元で終身刑、つまり、他の次元には行けない

「で?リンディ母さん?なにしてるの?」

この抹茶ラテ激甘党のリンディ母さんは、

プレシア・テスタロッサさんと話している

「シンヤ君の面会謝絶が解除になるから

 その日程調整よ?」

「シンヤ?」

(おぅ、アリサ、悪い、色々ガタガタだ)

機械の左腕

黒く変色した両膝下

左目の眼帯

《サポート、範囲を拡大します》

「・・・ぁー、あー、

 うし、声出るな、

 うひー、感覚はあるけど、

 メカメカしい左腕に、うわっ、なんだこの色、

 あ、でも動くな。」

「それが代償なのね?」

「あ、プレシア母さん、

 ごめんね、心配させて。」

「ばかね、ほら、

 シンヤよ、アリシア?」

「ひゃぅ!?」

「あはは、生身じゃ初めましてだな、

 アリシア?」

「シンヤ、兄さん?」

「お?俺が兄貴でいいのか?」

「うん!おにいちゃん!!」

抱き着かれた

「あはは・・・心配かけたな、アリシア、

 ()()()

 もぅ、無茶はしないよ。」

「ばかぁ・・・。」

二人に抱きしめられ

・・・やば、ムラムラしそう

《マスター、シンヤの部分的に熱量が上がっていますが?》

「へ?」

「ばかっ!?」

「え?なにこれ?」

ばちん!!

ァー!?

「ちょっ?!アリシア!?

 そこは叩いちゃダメよ!!」

「シンヤ!?シンヤ!?大丈夫なのっ!?」

「・・・大丈夫なら、悶絶しない。」

「あはは!おにいちゃん変なの~!!」

「アリシア!!ちょっと来なさい!!

 フェイト!!フェイト!!

 そこで覗いてないでアリシアを捕まえて!!」

「はわわわ///」

「ねぇ?フェイトちゃん?なんで

 お顔が赤くなってるの?」

「ひゅぇっ!?」

「エクサグラマ、やっぱりシンヤを処するべきかしら?」

《それは大丈夫かと、

 と、言うか助けないんですか?》

「五月蠅いぞお前ら!ここは病院なんだぞ!」



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23話

えっと、高町なのはです

今日はシンヤ君が学校に復帰する初日なんですけど

「ほら、シンヤ?」

「っと、助かる、アリサ、()()()()。」

あれ?いつの間にアリシアちゃん手続きしたの?

経過観察でまだ社会生活は駄目なんじゃなかったっけ?

「問題ないよお兄ちゃん!

 私も支えるからね!」

一緒に登校してるんだけど

会話が一切頭に入って来ない

学校についたら担任の先生が

「あ、アリシアちゃん、アリサちゃんは、

 シンヤ君のクラスに転入ね?」

「はい!」

「はい、聞いてます。」

「え?マジ?それは助かる。」

すずかちゃんも聞いてなかったみたいで

固まってる

朝の連絡はその事についてで

卒業まであの二人はシンヤ君と一緒が決まっているらしい

へ~

そ~なんだ~

〈ぎっ、ギブギブギブ、なのはぁ゛、ぐるじぃ〉

あ、なんかあるとアレだと思って

ユーノ君にフェレットモードで来てもらってたの忘れてた

〈ごめんね、ユーノ君〉

〈だ、大丈夫、治癒魔法で何とかなるから〉

〈ねぇ?ユーノ君?〉

〈うわっ、すずかさん?〉

〈ねぇ?この話、何時決まったの?〉

〈そうそぅ、私も聞いて無いよ?〉

〈それはそうだよ、ボクも聞いて無くて

 正直、許可を誰が出したのか・・・〉

3人〈〈〈あ、リンディさん〉〉〉

「はぁ、トンでもデータばかりね。」

《そうでしょうか?》

「あのねぇ、これだけの横領の数、

 計画段階の地上軍の新兵器のデータ、

 ましてや過去の汚職の証拠等々、

 一個人に管理を投げないで頂戴?」

《いえ、これもシンヤを護る為です、

 コラテラルダメージって奴です》

「・・・貴方、中に人でも入ってるのかしら?」

《え?中に、誰もいませんよ?》

「・・・30番かしら?」

《やめて下さい!!》

《マスター、マスター》

〈ふぁい、なに?レイジングハート?〉

《授業が終わってしまいますよ?》

〈えぇっ!?うそ!?全然写してないよぉっ?!〉

《しっかりして下さいマスター、

 念の為、録画しておきましたので、

 帰ってから復習しましょう》

〈はぅ~、ありがと、レイジングハート〉

《いえいえ》

〈ねぇ?エクサグラマ?〉

《なんですか?》

〈私の分の記録は?〉

《ぇ・・・マスター?

 ノートに写してないのですか?》

〈・・・なのはちゃん、

 後で私にも記録見せて頂戴〉

〈にゃはは・・・すずかちゃんも

 気になる、よね?〉

〈はぁ、そうね、あのバカ、

 私も告白したの忘れてるのかしら?〉

「え?」

《マスター?》

〈あぁ、言ってなかったわね、

 私もシンヤに告白したの〉

石化した

《マスター?次は移動教室ですよ?

 マスター?》

一方

「・・・むぅ、やっぱりズレる。」

片手だけではノートに上手く書けない

「ほら、これで押さえなさい。」

大きめのクリップで、机とノートを挟んでくれる

「助かる、アリサ。」

「はぁ、不便ね、その左腕。」

「仕方ないよ、リンディさんから

 一般人の前では使わない様にって言われてるし。」

「そうそう、

 あんなメカメカしい腕なんて、

 男子の良い注目の的だよ?」

「義手、で、通らないよなぁ。」

《マスターアリサ、

 エクサグラマよりメールです》

〈え?まだ授業中なんだけど?〉

《帰りの時、オ・ハ・ナ・シ、を

 したいそうです》

〈はぁ、こっちのクラス定員オーバーで

 編入出来ないって知らないのかな?〉

〈あ、それ、私のせい?〉

〈アリシア、そもそも一クラスの定員が決まってるんだ、

 校則でも変わらない限りアリシアに

 責められる筋合いはないよ?〉

〈そか、ねぇシンヤお兄ちゃん?

 ここの公式、違くない?〉

「ん?どれだ?」

「ほら、ここ、先生間違えてるよ?」

「あ、ほんとだ、

 アリシア、言っちゃえ。」

「せんせー。」

「はい?アリシアさん?どうしましたか?」

「この公式、間違ってませんか?」

あれこれ数式と公式の使用用途について

先生の心を圧し折る勢いで

アリシアは弾丸トークを続けて行った

「先生、もう一度大学行って来る!!」

って、窓から飛び出そうとしたりした

ここ、4階だよ?骨折じゃすまないよ?

クラス男子総出で先生を拘束、

教頭先生に引き渡した

「え~っと。」

数学の授業が止まったので

どうしようかと考えてたら

女子・男子共に

『アリシアちゃんに教えて貰いたい』と

「ぅ~、お兄ちゃ~ん。」

「わかった、隣に居てあげる。」

「うん♪」

あ、男子共、アリシアに手を出して見ろ、

俺が一人ずつ()()()やるから覚悟しろ

「はぁ、数学に関しては、アリシアにかなわないわよ。」

「あはは、そこはプレシア母さんに感謝だな。」

「まぁ、ね。」

あのカプセルは、ただ状態維持の為だけでは無く

アリシアの頭脳にプレシアさんの

知識も放り込んで

あらゆる次元で調べ得た情報を

睡眠学習としてインストールしていたそうだ

《正直、いきなり改造されるとは思いませんでした》

〈ハピネスも、

 パワーアップしたんだからいいでしょ?〉

《それは、そうですけど・・・》

アリシア先生の数学の授業を受け

将来の話ではあるが、

稀代の数学者が幾人か輩出される事になる

夕方

「ふ~、階段がここまで堪えるなんて、

 3週間の安静はキツイな~。」

「バカね、それだけボロボロなのに

 無茶ばかりした結果でしょ?

 私達を心配させてばかりなんだから、

 少しは反省しなさい。」

「へ~い。」

「はぁ、シンヤ?」

「すずか、すまん、

 クラス定員で編入出来なかった。」

「はぁ、仕方ないわね、

 校則は家の力だけじゃ無理なのよね。」

「改編しようとしたんかい。」

「悪魔で例えよ、た、と、え。」

「そか、それで、未だに放心状態のなのはは

 どうしたんだ?」

「あぁ、私達がシンヤに告白したの

 知らなかったのよ。」

「へ~・・・え?」

「あれ?すずかも言って無かったの?」

「そう言うアリサちゃんも?」

「あ、エクサグラマ?

 ()()()()()()()()()()()()♪」

《第一声がそれってどうなんですかっ?!》

《エクサグラマ、大丈夫、一瞬ですよ》

《は、ハピネスっ!?

 なにが大丈夫で一瞬なんですかっ!?》

目の前で手をふりふりしても反応なし

「・・・レイジングハートさん?」

《はい、シンヤ》

「起こしてくれる?」

《・・・起床用電圧》

静電気の様なパチッと、音が鳴る

「あだっ・・・あれ?ここ屋上?」

《はぁ、マスター、シンヤさんですよ?》

「え?あ、うん、シンヤだ。」

「あぁ、俺だが?」

「ネェ、アリサちゃんだけじゃなく、

 アリシアちゃんも、

 すずかちゃんにも、

 手ヲダシテタノ?ナノ?」

腹話術の様にカタカタ喋るんじゃねぇよ、怖ぇってば

「とんだ言いがかりだ、

 俺は最初にアリサに言われたんだ、

 それに男として応えたまでだ、

 すずかも同じだ、一人二人と増えようと変わらん。」

「それでね?私は、

 幽霊の頃からシンヤお兄ちゃんに

 助けて貰ってたからその恩返しもあるの、

 ごめんなさい、なのはちゃん。」

「ぇ、ぁ、うぅん、いいのアリシアちゃん、

 私は・・・その。」

「大体、お前はユーノ君がいるだろ?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

ビシィ!!

「え?このフェレットモドキは、

 なのはちゃんのは・・・裸を?」

《いだだだっ!?マスター!?

 マスター!?つぶれる!?

 私、デバイスなのに潰れますぅうっ!?》

「へぇ、ユーノスクライア、

 あんたいい度胸してるのねぇ。」

《アリサ?マスターアリサ?

 あの、そぅ強く握られるとですねぇ!?

 嘘ですよね!?ミシミシ言ってますよぉおっ!?》

「ま、私は幽霊で会った時

 すっぽんぽんだったから、

 別にシンヤお兄ちゃんみられても

 なんとも思わないよ?」

 

「だから直ぐにイメージ力が大事だと教えたろ?」

「うん♪お兄ちゃんが選んでくれた

 ワンピースの服はプレシアママが

 作ってくれたから何時でも着れるから♪」

「し、しんや?アリシアが言ってる事って。」

「幼稚園の時だ、

 その日からちゃんと服を着てたから見て無いぞ?」

「そうだよアリサ?

 私、痴女じゃないんだからね?」

「じゃぁ、脱ぎ散らかした下着も片付けなさいよね!!」

「え~、お風呂入るのに服は脱ぐでしょ~?

 それに~。」

「ん?」

「お兄ちゃんが発情して

 私を襲ってくれたらいいな~って、

 そうすれば子供も出来るよね~、

 家族が増えるのは楽しみだし、

 お母さんも『女は押せ押せよ!』って

 言ってたもん。」

がっちり右腕に抱き着いて来る

「・・・アリシア、保健室の先生に

 ちゃんと聞いて来い。」

「え?」

「ぁ~、色々まだ足りないんだよ、

 結婚も然り、子供を持つのにもな、

 それに、俺達はまだ

 ()()()()、最低限、高校を卒業してからだ。」

「え~、なんで~ど~して~?」

「・・・フェイトに聞けば解るだろ、

 お姉ちゃん権限を使って聞いて来い、

 今日は二人が晩御飯当番だろ?」

「あ、いっけな~い!!

 フェイト待たせてるんだったっ!!

 お兄ちゃん!!先帰っててね~!!」

だからって、屋上から飛び降りないでくれるかな?

排水管を掴んでスイスイ降りないでくれるかな?

下から見られちゃうでしょ?

「はぁ、アリシアったら、

 元気過ぎにも程があるわよ。」

「だな、

 んで?お二人さんは顔真っ赤にして

 なにしてんだ?もう帰るぞ?」

仕方なく黒服のお姉さんを呼んで

すずかとなのはを送って貰った

「っとと。」

「ほら、捕まりなさい。」

「あぁ、慣れるまで頼む。」

「別に何時までも捕まってなさいよ。」

「・・・アリサ。」

「なによ。」

「ごめんな。」

「それは私のセリフよ?

 いいの、私が貴方を選んで

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

そう

実はアリシアが幽霊の時

()()見えるようになったのはつい最近の事

ジュエルシードを賭けて

なのはとフェイトが戦ってる最中だった

回想・・・

凄い、二人共

(あわわわ、フェイト~)

「へ?」

(は?)

二人が戦い始めてほんの数分

なんの前触れも無く女の子が側に()()()()

「うぇえぇえっ!?」

(えっ!?ちょ、

 私が見えてるのぉおっ!?)

「なんだなんだ?どうし・・た、

 解った、アリサ、()()()()()()?」

「え?あ、あの、その、うん、

 金髪の・・・あれ?

 フェイトちゃんに似てるような・・・。」

(うん、私、アリシア・テスタロッサ、

 フェイトの元になった子です)

「ホンモノ~っ!?」

って、テンパって

なだめられている内に

なんだか決着がついちゃって

油断してた

そこにプレシアさんのアレを・・・

回想終了

「ほれ、泣くな。」

頭を抱え、路地裏に引き込む

「だって・・・私、わたしが。」

「アリサ。」

「しんやぁ。」

「お兄ちゃん!!」

「シンヤ君。」

「お、アリシアにフェイト。」

「はぁ、また泣いちゃったのね?」

「落ち着いて、アリサ、

 アレは私も油断してたから。」

「でもぉ。」

「アリサ。」

「しんむぅ!?」

「お~。」

「ひゃぁっ///」

「いつまでも泣くアリサには、

 キスで恥ずかしい思いで、

 上書きさせてやるからな?」

「・・・ぜったい、せきにんとって。」

「もちろん。」

「は~妬けちゃうわね~、ね?フェイト?

 フェイト~?」

きゅぅ

「フェイト?お前は何を想像したんだ?

 それになのはとこそこそお出かけしてるし。」

「あ、それはねお兄ちゃん、

 フェイトがむががっ!?」

「あぁあありしあ!!

 はやくごはんつくりにかえろ!?

 ね?ね?」

「・・・フェイト、お前、

 なのはが好きなんだろ?」

ぼん

「え?お兄ちゃん知ってたの?」

「フェイト・・・なのはは、女の子だよ?」

「アリサ、

 女の子でも同じ女の子が好きな子は

 そこら辺に居るぞ?

 ほら、そこに居るすずかとか。」

「ちっ、バレたか。」

「お前、黒服のお姉さんはどうした?」

「なのはちゃんの護衛に置いて来たわ。」

「仕事させてやれよ。」

「ねぇお兄ちゃん?なんで解ったの?」

「ん?フェイトってさ、

 産まれてから今まで()()

 見て来なかったろ?

 それになのはがやたら男勝りなとこがあるだろ?」

「確かに。」

「後は一番側に居てくれて安心するんだろうな、

 プレシア母さんはアリサの家だし、

 アルフとフェイトでマンション暮らしは

 変わって無いし、

 それを心配してなのか

 なのはのお兄さんに気を使ってなのか、

 良くフェイトの家に泊まりに行ってるし、

 恐らく風呂も一緒に入ってんじゃねぇの?」

「あぁっ!?フェイトがゆでだこになってるぅう!?」

「ぁ~・・・どうするの、これ。」

「・・・しなの、レイジングハートにメール、

 『フェイトヘルプ』で、わかるから。」

《ぁ~、はい、今、送信しました》

ひゅん

ばびゅん

「え?フェイトは?」

「・・・妹の幸せを祈ろう。」

「そうね、私達はそれを祝福しましょ。」

「・・・フェイト、お姉ちゃんも

 祈ってるね、お幸せに。」

〈ちょ、ボクはっ!?〉

「自力で帰れ、ヘタレフェレット。」

「あぁ、気よ付けてね?

 この辺猫が多いから。」

「さ、今度は誰のデバイスを魔改造しようかな~。」

〈ボクの扱いひどくないっ!?〉

3人「「「畜生に人権なんて無い。」」」

〈うわ~ん!?〉

 

「彼、人に戻れば普通に帰れるの忘れて無いかしら?」



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24話

復帰後初の日曜日

コンコンコン

「は~い、今でま・・・す?」

「よ、すずか。」

「へ?え?し、しんや?」

「き、今日は、どうしたの?」

「ん?アリサ達から聞いて無いのか?

 今日はすずかの独占日って

 二人して言ってたんだけど・・・あれ?」

「・・・。」

「すずか?お~ぃ。」

おでこをくっつける

「ひゃぁん!?」

飛び跳ねてソファーの裏に隠れてしまった

「なななにしてんの!?」

「いや、熱でもあるのかなって。」

「ないわよっ!!」

「なら、良いんだけど、

 時間はあるか?映画でもどうかと

 予約はしてるんだけど。」

「い、行くわ!!直ぐ仕度する!!」

紫を基調としたレース?のドレスコーデで

キッチリ決めて来た

「すげぇ、俺が見劣りするかな。」

「そんな事無い!!シンヤの方がカッコイイよ!!」

「お、ぉう、それじゃ、行こうか?」

そっと腕をからめ、腰を支える

「ち、ちかいよ?」

「そりゃぁ彼女なんだ、

 この距離は普通なんだろ?」

「か、彼女、ね、うん!」

(ほぇ~、おにいちゃんすご~ぃ)

(うひ~、はたから見るとこんなにも密着してたのね)

(アリサお姉ちゃんも真っ赤な顔してたよ?)

(うるさい)

(あ、歩き出した)

(うまく距離を取るわよ?)

(はぁ、これ気づかれたら面倒だぞ・・・)

「シンヤ?」

「ん?すずかが俺の彼女って

 誇らしいな~って、

 美人だし、俺に無い物を沢山持ってるし、

 それに。」

「そ、それに?」

そっと口付けをする

「この唇は俺の独占だ、誰にも渡さない、

 すずか、この先も俺を支えてくれるか?」

「はぃ///」

((ひぇ~///))

え?特にイベントなんて起きなかったよ?

映画を見てお昼を一緒に食べて

恋人繋ぎで水族館を回ったり

時折りよろけるすずかを抱きしめたり

迷子の女の子を助けたり

あっと言う間に夜になってしまった

「ぁ・・・、もぅ。」

「明日は学校だな。」

「ぅん。」

「ねぇ、とま・・・。」

「すずか。」

「はい!」

「また、来週空けといてくれるか?

 今度は動物園とかどうだ?」

「うん♪空けとく!

 何人にも邪魔はさせない!」

「そうだな、それじゃ、すずか。」

「え?」

ゆっくり舌を絡めてなが~めの

ディープキスを致しました

「今日はここまで、また、明日な?」

「・・・ひゃぃ、まりゃあひら。」

「で、二人共、どったの?」

応接間で茹でタコ状態な二人が居た

「ナンデモナイ。」

「ウン、オニイチャンハスゴインダネ。」

「は?」

「ねぇ、ハピネス?」

《ほぇ~・・・はっ!?

 なんでしょうか?プレシアさん?》

「今日の子、すずかちゃんって、言ったわね?」

《はい、そうですが?》

「・・・そぅ、あの子、欲しいわね。」

《え?》

「勘違いしないで頂戴、

 シンヤを支える一人に欲しいのよ。」

《それでしたら問題無いかと?》

「あら?どうして?」

《既に、マスターアリサ、アリシアさん、

 すずかさんの3人は同意していますし、

 告白のシーンも記録に残してありますよ?》

「・・・進んでるのね、今時の子って。」

《ここが例外なだけかと思いますが?》

「そうなの?」

とある病院

「今日もいい天気やな~。」

()()()()()()

 今日から自宅療養に切り替わるわよ?」

「お~、待ちに待ったお家に帰れるんやね!」

「えぇ、お家の車椅子対応工事も終わったからね、

 誰かお迎えに・・・ぁ、ごめんなさい。」

「あはは、ええんよ、うちは大丈夫や!」

(って、なにが大丈夫や、

 家にだ~れもおらんのに、

 なにが・・・なにが大丈夫なんや)

「はぁ、今日、誕生日やったなぁ。」

(もしぃ、神様がおるんやったら

 一発なぐらにゃ気が済まへんねんけど・・・

 もしぃ)

「叶うなら・・・()()()()()()。」

(ってなんやこの方々は?)

「ぇ~っと、昨日の夜やな・・・

 ん~。」

確か布団入って寝ようとして

うとうとして、したら本棚が光り出して

なんやこの人らが・・・

「そやっ!?思い出した!!

 ()()()()()()()()()()()

「んぁ?あるじ?おきたのか~?」

「あ、あるじ?

 きみは名前なんて言うん?

 私は()()()()()や。」

「おぉ、アタシは鉄槌の騎士ヴィータって言うんだ。」

「なら、ヴィータちゃんやな!」

「ちゃ、ちゃん?」

「そや、見た感じちっさ・・・小柄な感じやし。」

「聞こえてるからな、あるじ?」

「あ、まずそれな?」

「んぁ?」

「あるじやない、ウチははやてや、

 そう呼んで欲しいな!」

「ん~、わかった、はやて!」

「はいな!ヴィータちゃん♪」

「ん、すまないヴィータ、

 おぉ、主よ、起きられましたか。」

「えっと・・・。」

「申し訳ありません、

 私は、剣の騎士シグナムです、

 主はやて。」

「シグナムやな、なんや固い話し方やな、

 もっと気ぃ抜かんと肩こるでぇ?」

「肩が、ですか?」

「ぁ~良く寝た。」

「おほぉっ!?コレはいいものをお持ちですなぁ♪」

「ぇ?あ、主様!」

「はやてや!」

「はやてちゃんですね!

 私は、湖の騎士シャマルと申します。」

「シャマルやな?

 して、()()()()()()()()

 私が揉んでもええんかな?」

「・・・えぇ~。」

「主殿、盾の守護獣ザフィーラと申します。」

「ザフィーラやな?お?

 男の人か、み~んな女の子やし

 そこんとこ大丈夫なん?」

「は、人型が良くないのであれば。」

素早く獣化する

〈これでよろしいでしょうか?〉

「い。」

「い?」

「犬やぁっ!?ウチ犬飼いたかったんや!!

 ザッフィありがとーな!」

(ざ、ざっふぃ?)

「あぁ、ごめんなザフィーラ?

 そうなるとご飯もドックフードでええの?

 てか、みんなご飯食べた?」

「食事、そうですね、まだとっておりません。」

「ん~せやけど買い物行こうにも

 みんなの服装が色々アカンやな、

 よ~し、ウチが選んだる!まかしとき!」

 



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25話

「シンヤ、今日はどうするの?」

「夕飯・・・米はまだ残ってるから、

 チャーハンとか炒めメシ系にするか。」

「ん~、それも良いけど、

 最近寒いからお鍋にして、

 シメでオジヤにしてもいいでしょ?」

「なるほど、そうするとおかずが足りないか、

 何時ものスーパーに行くか。」

「それなら私がお鍋出しとくよ~。」

炬燵の魔力に捕らえられたアリシアが

へにょりながら顔を向けて来る

「やっぱり出さない方が良かったな。」

「そうね、プレシアさんも、

 リンディ母さんも炬燵の妖精になってるから。」

炬燵にミカンに緑茶(激甘)を

手の届く範囲に並べていた

「リンディ母さん、仕事は?」

「くろのにおねがいしてきたの~。」

「あ、アリサちゃん、

 醤油が切れてるから淡口濃口両方

 お願い出来るかしら?」

「まったくもぅ、淡口と濃口ね、

 シンヤ、もう行こ?」

「だな、ほら、マフラー。」

「わぷ、ぁ、ありがと。」

「うし、行こう。」

色々聞きたいだろう?

どうしてアリサの家に居る筈なのに

“自炊”をしているのか?

みんなも知っての通り

アリサの家は豪邸

当然、敷地もそれなりにある

・・・ここでわかる人は

(作者に脳の構造が似ているかもしれない)

電車で迂回して3駅

山を挟んで隣町

それを金持ちの考えで攻略したのだ

先ず、俺の実家をジャッキアップし

下に鉄骨を組み込みます

“空中に待機している大型ヘリ4機で吊り上げます”

そのまま空中輸送し

アリサの豪邸の敷地内に作った新しい基礎の上に下ろします

後はくっ付けてライフラインを調整

以上、アリサからの「()()()()()()()()()()()?」

の、一言から始まった引っ越しの真相でした

え?領空とか?

だって運んでくれたヘリ米軍の軍用ヘリだもん

万が一、輸送コース落下に備えて

自衛隊すら駆り出される始末

「・・・一躍有名人なんだよなぁ。」

「そう?こうでもしないと、

 米軍も暇だし、自衛隊も災害以外で

 ここ最近動いて無いからいい刺激でしょ?」

(俺、このまま行けばアリサと・・・

 結婚するにもまだ10年は先だし、いっか)

「だな、お、丁度タイムセールが始まるぞ!」

「よ~し!今日のセール品は・・・。」

「「なにっ!?

  卵おひとり様2パック

  100円だとっ!?」やてっ!?」

え?

「ん?だれや?」

「・・・うそ、だろ。」

「うそ?なんや、値段におどろいてんのかい?」

「ぁ、あぁ、

 アリサ!!兎に角確保するぞ!!」

「うん!!」

「シャマル!シグナム!いくでぇ!!」

「はい、主!」

「はい!はやてちゃん!」

買い物後

「いや~、お兄さんもやりおるなぁ。」

「あぁ、自炊が長いからな。」

「ねぇ?あなたの名前は?」

「うち?ウチは八神はやてや。」

「私は、アリサ・バニングス、

 アリサでいいわよ?」

「アリサちゃんか、ウチもはやてで頼んますわ。」

「・・・時間もあれだし、帰るぞ?アリサ。」

「え?シンヤ?もぅ?」

「あら?おふたりさんは一緒に住んでるの?」

「・・・あぁ、色々事情があってな。」

「せや?お兄さんの名前は?」

「蒼頡(ソウケツ)シンヤだ。」

〈シグナム、念話は大丈夫だな?〉

〈なっ!?〉

「ほら、早く帰らないと

 3人共炬燵から出てこないだろ?」

「そうだった、アリシアに

 お鍋を洗っといて貰わないと。」

「それじゃ。」

「うん、またな~。」

「またね~、はやてちゃ~ん。」

深夜

とあるビルの屋上

「来てくれたか。」

「貴様、何者だ?」

「この世界に居る・・・魔導士に近い存在だ。」

「なに?」

「・・・はやてを、

 護ってくれるんだよな?」

「主を知っているのか?」

「・・・闇の書も多少はな。」

「管理局の人間か!!」

「いや、俺もある意味被害者だ、

 正直、管理局には貸しだらけだ。」

「信用出来んな。」

レヴァンティンを構える

「・・・まだ、可能性の話だ。」

「聞く耳持たぬ。」

「夜天の魔導書のバグを直せるかもしれないんだ。」

「・・・貴様の独り言として聞き流そう。」

かつての夜天の書は666ページ分の

()()()()()()()()()の機能だった

そして、後世に平和利用を目的として残され

それを護る為に()()()()()()()として

3人の騎士と守護獣が構成された事

ただ、夜天の書を製作された段階では気づかれなかった

“バグ”が、外的要因でさらなる破損とバグを誘発

666ページ揃えると夜天の書の主は死亡してしまう事

そして、夜天の書は新たな主を選定し

()()()()()次の主を選定して行く

《闇の書へ変貌した事》を、独り言として伝えた

「・・・私にどうしろと?」

「独り言なんだ、答えは聞かない、

 それに。」

「それに?」

「はやての願いを叶えてやって欲しい、

 それだけだ。」

「主、はやての?」

「まだ、夜天の書の主として

 “何も望んでいないのだろ”?」

「・・・これは、私の独り言だ。」

「どうぞ。」

「まだ、なにも望まれていない、

 それに、主はやてを支える

 親戚の調査も進んでいない、

 正直、この世界に適応するだけでも

 四苦八苦の状態だ、猫の手も借りたいぐらいにな。」

「解った、

 ()()()()()調()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「なに?」

「・・・シグナム、

 騎士として、はやてを護り抜いてくれ、

 それだけは()()()()()()、じゃぁな。」

「・・・騎士として、か。」

「ただい・・ま。」

「おかえり。」

「アリサ、起きてたのか。」

「また、隠し事?」

「・・・確定している事は言える。」

「それは?」

「はやては、魔導士になった。」

「・・・そぅ。」

「そして、シグナム、シャマルも、

 彼女の護衛騎士だ。」

「っ・・・戦うの?」

「ごめんな、

 俺が転生者だから・・・。」

「それ、やめてって言ったよね?」

「・・・ごめん。」

「・・・俺や、アリサは、

 本来魔導士が持つリンカーコアが無い、

 それは、その対象にはならないんだ。」

「・・・私と、シンヤ以外は、

 みんな、持ってるアレよね?」

「あぁ、

 アリシアにもある、

 そして、まだ不安定だ、

 万が一それに巻き込まれたら

 “最悪、魔法が使えなくなる”かもしれない。」

「・・・シンヤ、私を、もっと鍛えて。」

「ぇ?」

「アリシア、

 私の妹の様な物だもん、

 家族を守りたいのに他の理由なんてある?」

「・・・わかった、

 俺もまだリハビリ中だけど、

 出来る範囲全力で、アリサも鍛える。」

「も?」

「除け者は嫌だよ?アリサおねえちゃん?」

「ちょっ、アリシアっ!?」

「はぁ、プレシア母さん?」

「気づかれないと思ったかしら?

 これでもSランク魔導士なのよ?」

「母さん、話せる範囲は。」

「リンディには伝えるけど、

 いつ話すかは私とリンディで決めるわ。」

「ありがとう、母さん。」

「さてと・・・そうすると

 ()()()()が、必要ね・・・。」

「ん?俺じゃ駄目なのか?」

「バカね、アリシアによ、

 よし、

 ()()()()()()()いらっしゃい。」

魔法陣が形成され

「ふぅ、お久しぶりです、プレシア様。」

「久しぶりね、リニス、

 早速なんだけど、紹介するわね?アリシアよ。」

「へ?は?」

「リニス?」

「ななななっ!?」

「あら珍しい、貴女でも驚くのね。」

「驚きますよっ!?

 フェイトさんはどうされたんですかっ!?」

「ぁ~・・・。」

「フェイトちゃんは・・・ね。」

「うん。」

「まさか。」

「えっと、リニス、さん?」

「おや、初顔ですね、

 なにか知っている事が?」

「シンヤだ、

 フェイトはな、

 高町なのはって()()()と、

 同棲しているようなもんでな。」

「ど、う、せ、い?」

「漫画で()()()()ってあるだろ?

 現在進行形でその子といい関係なんだ。」

「・・・詳しくお聞かせ願えますか?」

「ぇ?いや、それなら、

 アリサか、アリシア、プレシア母さんに

 聞いてくれる方が俺として、アレなんだけど。」

「むむ?プレシア母さん?」

「あ。」

「あぁ、俺、両親がどっちも他界しててな、

 プレシア母さんに母親になって貰ったんだ。」

「ほ~、へ~、ふ~ん。」

「な、なによ?」

「獣魔扱いが酷い貴女にも

 そんな一面があったんですね~。」ニマニマ

「やっぱり消そうかしら。」

「冗談です。」

「ふぁぁ、ねむ。」

「って、もうこんな時間か、

 明日も学校だし、寝るぞ~。」

「そうね・・・ふぁ、ほんと、ねむい。」

「私はリニスとアリシア用の

 トレーニングメニューを考えるから

 明日は起こさないでね?」

「母さん?起きても2時までね?」

「いやよ。」

()()()()()()()()()()()()()()、ね?」

「さ、リニス寝るわよ。」

「・・・はい。」ニマニマ

(これは私の獣魔生のボーナスタイムでしょうか?)



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26話

今日はすずかと動物園の予定だけど

(嫌な予感がするな、一式持ってくか)

愛用の霊木から削り出した数珠に

経典セットを隠しポケットに入れ込む

「うし、行くか。」

《シンヤ?》

「なんだよ?しなの?」

《ここの所毎週出かけていますよ?》

「あぁ?」

《心臓の負担を考えてください》

「わ~ってるよ。」

「ん?シンヤ?」

「なんだ?すずか?」

「お香の匂いがする。」

くんくんと俺を嗅ぎまわる

「・・・念の為だ。」

「念の為、ね。」

「悪いとは思ってるけど

 すずかには使わないし使えないよ。」

「そぅ、ね、気よつけてよ?」

「勿論。」

今日は家のやりたい事の一つ

()()()()()()に行くんや!

「はい、はやてちゃん、これで準備オッケーね?」

「せやな、

 全くシャマルのお料理がダメダメとは

 知らなかったんよ?」

「ちょ、は~や~て~ちゃん?」

「いふぁいいふぁい、ぷぁ、

 ザフィーラと言う尊い犠牲があるんや、

 自覚しぃや?」

「あぅ~。」

部屋の片隅でうんうんうなっている

夜天の書の完成?いらん

ウチが欲しかって手に入れられんかった

()()が出来たんや、

ウチが出来るな事なら何でもして家族を守ったる

絶対や!!

「対象を確認。」

〈仕掛けろ、既に覚醒しつつあるはずだ〉

「はい、マスター。」

(同じ動物としては謝るけど、

 これも“闇の書の為”)

「っても、なんだろう、

 この()()()()()()は?

 兎に角、コレを張り付ければよし。」

サイの角に張り付ける

楽しい筈だ

大丈夫、まさか二度も同じタイミングで・・・

「あぁ~っ!?」

「は?」

「え?」

「浮気現場現認や~っ!!」

このエセ関西弁狸女がぁあっ!!

なんでここに居るんだよぉっ!!

「失礼ね、アリサちゃんとアリシアちゃんの

 同意は貰ってるわよ?」

「な、なんやてっ!?」

「ぁ、あはは、こんにちは。」

(やめろシャマル、その苦笑いを)

「まさかスーパーの時の・・・確か、

 八神、だったか?」

「はやてや、シンヤ君?

 くわし~くお話を聞かせて貰おうか?」

「勘弁してくれ。」

〈シグナム!!〉

〈なんだ?〉

〈てめぇ、気づいてただろ!!〉

〈なんの事だ?〉

〈ちょっと!いくら念話が出来るからって、

 五月蠅いわよ!〉

〈やかましいわ!魔料理女!!

 ザフィーラが居ないって事は

 ザフィーラに喰わせやがったな!!〉

〈ま、魔料理・・・〉

〈なんだなんだ?念話が滅茶苦茶

 飛び交ってるけど?

 誰だ、お前?〉

「・・・蒼頡(ソウケツ)シンヤだ、

 〈鉄槌の騎士ヴィータ〉赤髪のキミ。」

「ぉ、おぅ、ヨロシク。」

〈てめぇ、なにもんだ?〉

向こうからお客が流れて来る

〔緊急放送!!緊急放送!!

 サイの厩舎からサイが脱走しました!!

 園内のお客様は

 速やかに園外へ避難して下さい!!〕

繰り返し放送が続いている

「なっ!?」

(っ?!この感じ、呪符の気配だとっ!?)

〈シグナム!!デバイスは!?〉

〈無論、手元にある〉

〈はやてを優先に、他の客を外に誘導頼めるか?〉

「シャマル、ヴィータと一緒に園外へ行くんだ。」

「でも。」

「急げ、この人の中じゃ車椅子だと動けない。」

どんどん人が流れて来る

「すずか!」

咄嗟に抱える

「だ、大丈夫、それよりも、

 この禍々しい気配って。」

「あぁ、呪符だ、しかも対象を狂気に墜とす奴だ。」

「まさか、ハンター?」

「いや、ハンターならこんな手は使わない。」

「じゃぁ。」

(狙いは、はやて、か)

「きゃっ!?」

流石のシャマルでも

人の流れに耐え切れずはやてとはぐれる

「しまった。」

「ヴィータちゃん!はやてちゃんをお願い!!」

「任せろ!!」

「エクサグラマ!!」

《隔離結界形成します!!》

「これは・・・。」

「な、なんや、空が変な色に。」

「え?なんでっ!?」

《わかりません!?

 はやてちゃんが、この隔離結界内に

 残る可能性があるとすれば!!》

「・・・はやて。」

「な、なんや、シンヤ?」

「俺も、すずかも、魔導士なんだ、

 こう言う事を解決する為に力を使っている。」

「シグナム、隠してる場合じゃない、来るぞ!」

レヴァンティンを素早く構え

ガギィン!!

「くっ、重いっ。」

「シグナムっ!?」

「サイの突進を重いで済ませられるって、

 やっぱすげぇよ。」

数珠を定位置に通し、経典を広げる

「シグナム!!押さえていられるか!?」

言い終わると同時にシグナムが跳ね飛ばされる

「ぐぅ!?」

「シグナム!!」

「はやて!!私達に

 ()()()()()()()()!!」

「ヴィータちゃん、はやてちゃんに

 ()()()()()()()()()!?」

「今の私達は、いわば待機状態、

 本当の力が発揮できないんだ、

 シグナムが苦戦するのもそれが理由なんだ。」

「そんな・・・うちが。」

「だから、はやて!!

 私達にはやてを護る為の力を!!」

「八神はやて。」

「シンヤ、くん。」

「はやてちゃん、大丈夫、

 きっとその本は貴女の願いを叶えてくれるわ。」

「なっ・・・なんで、本が。」

「頼ってやれ、本もソレを望んでいる。」

(だけど、コレが始まりだ)

「~っ、わかった、

 闇の書、主はやてが命ずる!

 騎士達に、新たな甲冑を!!

 みんなを、()()()()()()()()!!」

マスター認証・OK

目標・家族を護る為の力を・OK

全システム起動・一部エラー

守護騎士システム・一部エラー

それでも起動しますか?

「・・・闇の書、起動!!」

「鉄槌の騎士ヴィータ、

 これより主はやてを護り、

 家族を護る為にこの力を使う事をここに誓う!」

「鉄槌の騎士ヴィータ!

 シグナムを助けて!!」

「おう!!

 来い!!グラーフアイゼン!!」

〈ヤボール!!〉

暴走するサイがヴィータに迫る

「お~りゃぁ~っ!!」

角を目掛けグラーフアイゼンを叩きつける!!

地面が隆起しその勢いを

完全に受け止めた

動揺するサイ

そして

「烈火の将、剣の騎士シグナム、

 只今推参致しました、

 これより、主はやてを()()()()()()()

 この力を振るいましょう。」

「風の癒し手、湖の騎士シャマル、

 はやてちゃん!これからもよろしくね?」

グォオオ!!

「蒼き狼、盾の守護獣ザフィーラ、

 遅ればせながら参上致しました、

 我ら守護騎士は、

 主はやての為に、()()()()()()()

 その力を存分に発揮致しましょう。」

「す、すごい。」

(あぁ、凄いな、だけど・・・)

【彼女を救ってあげて】

(みえる)

【この子に闇の書の宿命を背負わせないで】

(わかってる)

【闇の書を、夜天の書へ】

(成仏しろとは言わない、

 いざって時、力を貸しやがれ()()()()()()

【頼みましたよ、転生者】

(お~、こわ、簡単に見破られたわ)

 



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27話

「よし、シグナム、シャマル、

 ザフィーラ・・・はぁ。」

「おい。」

「ヴィータ、は、はやての直衛な。」

「なんでだよっ!?」

「お前、サイの角、壊す気だろ?」

「あん?壊すんだろ?」

「違わい、

 良く見ろ、角に着いてる札を。」

「ふだ?」

「アレは何なの?」

「魔料理女、アレは“呪符だ”、

 さっきの話、聞こえてなかったのか?」

「ま、また魔料理女って言った。」

「アレが原因でサイが暴れていると?」

「流石将を名乗るだけはあるなシグナム、

 だが、気づいていながら

 俺の方へはやてを誘導したのはユルサナイから

 覚悟しとけ?」

「ちっ。」

「シンヤ殿、我らの力では

 あの角を壊してしまうぞ?」

「バインド系統で動きを止められりゃ良いんだけど。」

「エクサグラマ、どう?」

《駄目ですね、バインド系統が

 すぐさまレジストされ、

 効果がまるでありませんね》

「と、言う事で“力技で止めるしかない”

 シグナム、その瞬間に

 “札の下3分の1”だけ、切り飛ばせるか?」

「なに?」

「まさか騎士とあろうお前が

 ()()出来ないなんて言わないよな?」

「あ。」

「なんだ?ヴィータ?」

「レヴァンティンだと、

 抜刀は必ず火炎属性がついちまうんだよ。」

「え?そうなの?」

ふぃっと顔を背けられた

「えっと、流石に私も無理よ?」

さりげなくバトルフォームになっているすずか

「むぅ、バインド系統はだめ、

 シグナムの抜刀は火炎属性デフォルト、

 アレ?結構積んでねぇか、コレ。」

「そしたらウチが動き止めればいいんよね?」

「は、はやてちゃん?

 いきなり魔法を使うって大丈夫なの?」

「シャマル、今は少しでも手が多い方がええんとちゃうか?」

「それは、そうだけど。」

「・・・それは、

 サイの生命を絶つ事にはならないんだな?」

「ウチがそんなヘマするか!

 ってのは冗談で、

 ()()()()()()()()()が、

 このやみ「こら。」なんや?」

「夜天の書だ、夜天の書。」

「シンヤ、なんでこの本の名前を知ってるん?」

「・・・調べ物の次いでで知ってただけだ。」

「ほ~ん、シンヤ、

 今度、ウチの調べ物も協力してくれるかな?」

「・・・気が向いたらな。」

と、流石にサイがバテて来たらしく息が荒い

「はぁ、お姫様抱っこがこないな形で

 実現するとはなぁ~。」

「なんだよはやて?

 アタシじゃ不服だってのか?」

「コレはコレ、それはそれや!」

「なんだそりゃ?」

「埒が明かない、

 はやて、詠唱に掛かる時間は?」

「わからん、初めてやし。」

「すずか。」

「わかった、陽動ね、眷属召喚!」

何時もなら子犬が4~6匹召喚される筈が

ウォォオオン!!

「え?ちょ、エクサグラマっ!?」

《えぇっ?!想定外ですよっ!?》

大きな狼が召喚された

(・・・やっぱり影響が出たか)

「兎に角、すずか、

 その子は言う事聞くんだな?」

「え?ぁ、うん、聞いてみる。」

〈申し訳ないんだけど、

 あのサイの陽動を頼めるかしら?〉

〈承知、夜の血族よ〉

〈それを、口にするな、名で呼べ〉

〈・・・うむ〉

「大丈夫みたい。」

全員(今、物凄い覇気を感じたような?)

(ぉ~、こわ、大方

 夜の貴族か血族って言われたな?)

執拗にはやてを狙うサイだが

狼によって全て阻まれてしまう

〈すずか殿、そろそろ飽きて来たのだが?〉

〈・・・もう少しお願い〉

〈むぅ、承知〉

「はやて、まだ出来ないのか?」

「まって!読めない漢字があるんよ!」

「あ?どれだ?」

「これや!」

新緑の森よその力を持って

大樹の根を張り巡らしたまえ

「だろ?」

「学校行ってへんから読めんのや!!」

「いや、お前国語の授業サボってただろ!!」

「違うんや!!

 先生の話声が子守歌なのがいけへんのや!!」

「あほぉ!!とっとと復唱して発動しやがれ!!」

「誰があほや!!」

「てめえの事言ってんだよ!!クソ狸女!!」

「あんたら外まで聞こえるわよ。」

「ぁ、アリサ、アリシア、もぅ着いたのか。」

「アリサちゃん、そろそろ眷属召喚を切り変えたいの、

 あのサイを抑えてくれる?」

〈はぁ、やっと帰れる〉

〈・・・おチビちゃん達はどうしたのよ?〉

〈ん?我の息子たちがどうしたって?〉

〈・・・次からおチビちゃん達を出しなさい〉

〈いや、暇だったし“同族の匂いがしたのでな”

 気になったから出て来たのだ〉

〈え?〉

〈すまぬ、帰るぞ〉

〈ちょっ!?〉

「アリサちゃん!!」

「はぁ、動物に拳はぶつけたく無いんだけど、ね!!」

高速ジャブはサイの頭を揺らした

姿勢が崩れ

「よし、行ける!!

 拘束魔法!ストラングラーフィグネット!!」

「ぅぉ~ぃ、絞め殺しの木だろこれ。」

「で、でも動きを止められたやろ!!」

確かに動きを止め・・・てねぇよ

「はやて、制御をしっかりしろ!

 サイを締め付けてるぞ!!」

「うぇえっ!?そんな事ゆうても!」

「は、はやてちゃん!

 しっかりイメージして!!

 そうすれば本が補正してくれるから!!」

「わ、わかった、やって見る!」

締め付けは止まったが

サイはまだ暴れる事を諦めていなかった

「はぁ、アリサ。」

「はいはい、これでいいでしょ?」

後ろから抱き着く

「は、恥ずかしいんだからね?

 早く済ませてよ。」

「はいよ。」

(・・・アリサちゃんに出来て

 ()()()()()()()()

 なんで私は吸血鬼なのかしらね)

(すずかちゃん、

 良くない気配してる、

 誰かにそそのかされたりしなければいいんだけど)

〈しなの〉

《はい、アリシアさん》

〈私のデバイス作りたいから

 素材の次元調べてくれる?〉

《え?》

〈すずかさんが危なそうだから〉

《・・・わかりました》

()()()()()

()()()()()()()()()()()()

「ほぅ。」

「ぁ、アレだけの禍々しい気配が。」

「消えて行く、シンヤ殿、

 それが“霊力”の御業なのか?」

答える余裕は無い

アリサに抱えてられないと

()()()()()()()()()()()

「・・・うし、封印完了、

 シグナム、剥がしてくれ。」

「なぜだ?」

「すずかに悪影響が出るからだ。」

「え?」

「狼、何時もの子犬じゃ無かったのは俺のせいだ、

 すずか、みんなを家に招待出来るか?

 そこで話す。」

「わ、わかった、今連絡する。」

(え?シンヤ?どう言う事なの?)

「仕方がない、ほら、剥がしたぞ?」

「後は燃やしてくれ。」

「今度こそ私の出番だな。」

レヴァンティンをしっかり構え

「紫電、一閃!!」

「ほんとだ、デフォルトで燃えてるわ、

 わりぃな、3分の1だけ切り飛ばせてれば

 ()()()()()()()()()()()()。」

「ぇ?私に?」

「あぁ、少ない方の切れ端でな

 ()()()()()()()使()()()()()()。」

「すずか?アンタが考えてる事

 当ててあげようか?」

「あ、アリサちゃん?」

()()()()()()()()()()()()()

「っ!?」

「逆よ、私はすずかだと出来る事が出来ないの、

 少し羨ましいんだからね?」

「・・・嘘よ。」

「すずか、マジで急いでくれぇ~・・・

 ダメだ、意識が・・・おち、る。」

すずか邸

「はぁ、とりあえず大丈夫そうね。」

静かに寝息を立てるシンヤ

「なぁ、アリサちゃん、

 シンヤはどないしてここまで無理をするんや?」

「・・・私達の為、

 それしか教えて貰って無いわ。」

「え?アリサちゃん、

 それって、私達3人の事?」

「当ったり前でしょすずか、

 アンタが一番護られてるんだからね?」

「えぇっ!?」

「はぁ、先ずは私から、

 私はシンヤの側に居過ぎたせいで

 ()()()()()()()()()()()()()()

 勿論、幽霊、妖怪、この世ならざる者も全部ね。」

「ぅ、うそやろ?

 お化けなんておらんのやろ?」

「ぁ、あら、は、はやてちゃんも

 怖い物があるのね?」

「そ、そぅいう、しゃ、シャマルもやろ?」

「見えないアンタらが普通よ?

 ソレを承知で私は

 シンヤに告白したし付き合ってるの。」

「次は私ね?」

「アリシアちゃん?」

「お母さんには心配かけちゃうから

 言って無いんだけど、

 私、まだこの身体にちゃんと定着してないの。」

「まって?シンヤが施した

 ()()()()って、

 生きる気力が満ちていれば失敗しない筈じゃ。」

「ぁ~、半分諦めてたの、だから。」

「でも!!」

()()()()()()()()()()

 コレがアリシア・テスタロッサの今なの、

 シンヤが、改めて定着出来るように

 毎日、少しずつ、

 私の身体と、魂を紡いで行ってくれてるの、

 ん~、ざっくり言えば、

 RPGの3人称視点とか、

 キャラクターを操作してる感じに近いんだ~、

 だから、屋上から排水管伝って降りれるし、

 “中国のキョンシーよろしく”、

 力も人間のリミッターギリギリまで使えるから、

 便利っちゃ、便利だよ?」

「あ、あははは、なんや?もぅついてけへん。」

「ん~、さっぱりだ。」

「あはは、私も。」

「我もだ。」

「・・・それは繋がりを切られるような状態になると?」

「今度こそ、本当に死んじゃうね、

 こればっかりは無理ってシンヤから言われてる。」

「アリシア、と言ったな?」

「あぁ、勘違いしないで?

 ちゃんと、()()()()

 あはは、正直、心臓バクバクなんだ、あはは、はは。」

「そうか、すまない。」

「シグナムさん、

 今の私だから伝える事があるの、聞いて貰える?」

「なんだ?」

()()()()()()()()()()()()()

3人「「「っ?!」」」

「・・・むしろ、謝るべきは私達だ、

 護る筈の主に護られて来たのだから。」

「シグナム、大丈夫!

 ウチが何とかしたる!絶対や!!」

「主、はやて。」

「さ、すずか、

 シンヤから聞いてるから伝えるけど

 心の準備、出来てるかしら?」

「・・・やだ。」

「そ、でも、コレは受けて貰うわね?」

「へ?」

バチーン!!

「ちょっ?!アリサちゃん!?

 なんですずかちゃんをぶつんやっ!?」

「あんたね。」

ぽろぽろ

「一番。」

ぽたぽた

「たいせつに。」

 

「あんたが一番大切にされてるのよ!!すずか!!

 私はシンヤを支えるしか出来ないの!!

 アンタは違う!!

 吸血鬼の力があるからこそ!!出来る事が!!」

「私は!!吸血鬼でいたくない!!」

「もぅ我慢出来ない!!

 言ってやる!!」

「なによ!!」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「・・・やっぱ、こうなったか。」

「シンヤ、ごめん、言っちゃった。」

「え・・・だって、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「アリシアも、言ったんだな?」

「うん、正直、

 どんな時でも離れて欲しくないぐらい、

 こわいよ?でも、シンヤ、

 必ずむりしちゃうから、わたし、がまんするよ?」

「我慢すんな、何時でも側に居てやる、

 アリシア、アリサ。」

()()()()()()

「俺は、何度も言ってるんだけど、

 まだ、理解してくれないか?」

「な、なにぉよ。」

「俺は()()()()()に言ってるんだ、

 父さんも、母さんに

 ()()()()()()()()()()()()()

 母さんを慰めてた、だから、

 好きと言われたなら

 俺もそうしようと、心に決めてたんだ、

 すずか。」

 

()()()()()()()()()()()()()()

 【愛してる】」

「これ、アタシ達も、ね。」

「ぅん、いわれた。」

さっきまでの泣き顔は消え

真っ赤に染まっていた

「・・・ほんと?」

「あぁ、だからそこの『狸女』も証人だ。」

「誰が狸女やっ!!」

「うっせ、てめぇは狸女で充分だ!」

「シンヤ。」

「おう、なんだ?すずか?」

「・・・血、吸わせて。」

全員『へ?』

「ぁ~、母さんが父さんにべったりくっついて

 ちゅぱちゅぱなんか吸ってるって、

 コレの事だったのか~・・・って、今吸うの?」

「吸う。」

かぷ

「ぇ~・・・首筋、だいれくとぉ~・・・

 ぉ~・・・血の気がひいてくぅ~・・・。」

ぱたん、きゅぅ

「ちょっ!?ハピネス!!

 急いでシンヤの輸血パックだして!!」

《はいっ!!今直ぐ出します!!》

「あぁあ!?すずか!!

 死んじゃう!!シンヤが死んじゃうから

 それ以上吸っちゃだめぇええっ!!」



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28話

ぅ゛~・・・頭がガンガンする

 

《シンヤ、大丈夫ですか?》

 

ん?

 

「しなの?」

《はい、しなのです》

「ぁ~・・・現状の説明プリーズ?」

《バグったんですか?》

「いや、

 すずかに吸われ出した後、マジで記憶に無い。」

《移動はしていません、

 ここはすずかさんの部屋です》

 

ん?

 

()()()()()()()?」

《すずかさんの部屋ですが?》

「・・・なぁ?」

《残念ながら何もされていません》

「はぁ、まだ小学生で出来るとは思いたくないけど。」

《添い寝はされていますけどね》

()()()()()()()()()!!

左腕にしっかり捕まれている感覚と

右腕にも捕まれている感覚がある

 

これ、詰んだ?詰んだよね?

 

コンコンコン

がちゃ

「シンヤ君、大丈夫?」

あ、フェイトだ

「え?」

「ぁ~・・・フェイト?

 二人を剥がすの手伝って?」

「え?うん、わかった。」

 

何とか引き剥がし一息つく

 

「貧血で倒れたって聞いて

 急いで来たかったけど、

 リンディさんの所で用事が合って

 直ぐに来れなかったの。」

「ありがとな、フェイト。」

頭をなでなで

「ん~///」

(これ、きもちぃ///)

「さて、フェイトはこの世界の常識はどれくらい知ってる?」

「ぇっと、まだ、小学一年生ぐらいしか知らない。」

(助かった)

「二人もさ、心配してくれたみたいなんだけど、

 そのまま眠気に負けちゃったみたいだな。」

「そうだね、気持ちよさそうに寝てるし。」

スヤスヤと()()()()()()()

(あわわわ!?フェイトちゃんが居る!?

 どうしよう!?起きれないよぉおおっ!!)

(アリサのヤツ、起きてるな?

 すずかは・・・ガチ寝してるなコレ)

「そうだ、なのはも呼ぶ?」

「いや、ただでさえ男女比が偏ってるからいらない。」

どばん!!

「ちょっとシンヤ君!!どう言う事かな!!」

「お前なぁ、人の家の扉を壊す気か?

 すずかの家だって豪邸なんだから、

 扉一つで2桁万円とか3桁万円掛かってるだろうに。」

「ぇ・・・ソレホント?」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

「嘘言ってどうなるよ?

 俺はそのままをすずかに伝えるからな?」

「ん~・・・だぇ~?」

 

うぉ~・・・すずか~・・・隠せぇ~

 

はだけた胸元に若干見える下着

そして、そんな甘ったるい声だすな

俺のムスコが起きちゃうでしょうが!!

 

「はっ!?」

「うわ。」

「ほぇ~。」

まぁ、俺は素早く毛布をかぶる

「フェイト、アリサも起こして身だしなみ整えてくれるか?」

「え?うん、わかった、

 アリサ、起きて?

 ほら、すずかもちゃんと服を直して?」

 

「ひゃぁぁん!?」

「うるさっ!?って

 なんでそんな()()()()()()()()()()()()()()()!!」

見たいけど見たら俺が死ぬ!!

社会的に死んでしまう!!

「わかんないわよぉおおっ!?」

 

 

30分ほどしてようやく落ち着いた

「ほな、現状の確認やね?」

狸女が仕切っているが

俺はまだ頭が痛いので勝手に進めて欲しい

「シンヤ君の本命は結局誰やねん?」

前言撤回クソ狸女

「はやて?それは一旦置いといて?

 みんなが魔導士なのはわかったのよね?」

「なんや?なんや?

 アリサちゃんはえぇのか?自分が一番じゃのうて?」

「すずか。」

「えぇ、流石にオシオキが必要みたいね?

 アリシア?」

「うん、はやて?

 私達4人の事にこれ以上踏み込んでみて?」

「ぉ、おぅ。」

3人『世界中の拷問器具の方が良かったと思わせてあげる。』

「ァ、アハハハ、冗談ヤ、冗談、

 イヤヤネ~、場ヲ和マセヨウトシタダケナンヨ~?」

(こっわっ!?アカン!!この3人は

 怒らせたらアカンヤツや!!)

「っ・・・痛てぇ、

 ったく、シグナム、ザフィーラ、魔料理女、ヴィータ、

 お前らの主なんだから止めろよ、

 恐らく狙われてるのは

 ()()()()()、お前らの主なんだぞ?」

「え?ウチ?」

「ま、またいったぁ~。」グスン

「シンヤ殿、証拠はあるのか?」

「無い、

 だけど状況証拠だけでも

 俺か、すずか、アリサ、アリシアを狙うには

 非効率ではやてを狙うには的を射ている行動と思う。」

「なるほど。」

「シンヤ。」

「なんだ、女っ気ゼロ女。」

「ほぅ。」

レヴァンティンを構える

「少しはファッション雑誌ぐらい読めよ、

 素材が良いんだから

 似合う服なんていくらでもあるだろうに。」

「は?」

「あれ?シンヤが。」

「うん、シグナムさんを。」

「ほめてる?」

「私を?」

「んだよ?この世界に馴染むなら仕事だろ?

 夜天の書からある程度の常識は取得したんだろ?」

「そりゃ~。」

「ねぇ。」

「シンヤ殿、俺にも何かあるだろうか?」

「え?ザフィーラは直掩で良いんじゃないのか?

 子犬モードなり、成犬モードなり、

 はやての側に必ず付き添えるだろ?

 あ、介助犬としての登録証を偽造して渡そうか?」

「・・・俺はオオカミなのだが?」

「広く言えば()()()だろ?」

「ぬぅ。」

「仕事を探す意味合いで聞いておくが、

 どのような服が良いのだ?」

「ん~・・・和装?後は弓道の服装かね?」

「・・・確かに弓術は出来るが、お前に話したか?」

全員『あ。』

「ん?

 お前の手癖だろ?

 レヴァンティンを構える動作に迷いが無いのもあるけど、

 構造上連結機構があると見た、

 そして、弓術に置ける動作も

 幾つか見て取れた、それに。」

全員『それに?』

「な、なんだよお前ら、

 手のひら、ほんのわずかだけど、

 “タコ”があるだろ?

 そこに“タコ”が出来るのは、

 弓道を嗜む人間には必ずある物だ。」

全員『お~。』

「戦わずして手の内を読まれるとは。」

「は?」

「いや、シンヤ君?

 ふつ~な?手のひら見ただけで

 そこまでわからんからな?

 わからんからね!!」

「狸女、お前ら不必要に手の内を出してるぞ?

 ザフィーラは拳と魔法に置けるバインド系統、

 魔料理女(シャマル)は、

 直接戦闘はしないだろうし、

 必ず指先を護る動作をしているし、

 ヴィータは・・・。」

「おい、私はわからんとか言うなよ?」

「・・・アイゼンを大切に扱ってやれ。」

「なんだそりゃ?」

「無理に振り回すなって事だ、

 ヴィータの背丈状、どうしても勢いをつけて

 振り回すだろ?

 そうするとロッド部分に負荷が集中する、

 いずれ、ロッドが破断する恐れもあるだろうし、

 お前の身体も壊す振り方だからな、

 もっとアイゼンと話して見ろ、

 多分、翌日の疲労がこれでもかと変わる筈だ。」

「・・・ほんとか?アイゼン?」

《はい、ですがヴォルケンリッターである以上、

 戦闘には支障がないと判断していました》

「悪かったよ、アイゼン、

 あたしが頑固過ぎたんだ。」

「し、シンヤ君、

 キミは達人かなにかかいな?」

「は?

 職業がら手相も見るし、

 神職もやるぞ?今、

 本家の神社は親戚の人が宮司してるけど、

 成人したら俺は宮司になるからな?」

全員『え?』

「え?じゃ、ねえよ、

 俺はれっきとした跡取りだ、

 誰が管理局とかに勤めるかよ。」

 




「えぇっ!?シンヤ君
 管理局に勤めてくれないのっ!?」
「母さん?シンヤは神職の家系ですよ?
 その跡取りなのは妥当かと?」
「ねぇ?リンディ?
 家のアリシアとアリサちゃん、
 すずかちゃんもシンヤにくっ付けたいのよ、
 協力してくれるかしら?」
「あら?プレシアさん、娘さんをいいの?」
「えぇ、
 シンヤのお陰でアリシアは生き返ったし、
 常に護ってくれている、
 フェイトは、あの白い子・・・
 なのはちゃん、だったかしら?
 その子となんだか変な感じだし。」
「そぅ、ね、
 あの二人のいちゃつき具合は・・・。」
「ね、孫は見込めないだろうから、
 シンヤをしっかり押さえておきたいのよ。」
「むむむ、管理局も人手不足で
 正直シンヤ君に勤めて欲しいのだけれど、
 神職の跡取りである以上、
 強制が出来ないわね。」
「そ・れ・に。」
「プレシア?」
「キス、手つなぎデートまでこなしてるのなら、
 逃がさないわ、逃がしてなる物ですか!」
「そうね、
 いっその事、フェイトちゃんもなのはちゃんも
 押し付けちゃいましょうか!」
「そうね!
 男なら妾の一人や二人養わせないとね!!」
「シンヤ!!逃げろーっ!!」


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29話

結局グダグダになったので

日を改めて集合する事になった

 

「はぁ。」

《シンヤ?》

「しなの、

 お前・・・いや、いいや。」

《なんですか?》

(言えるかよ、うっすらとだけど

 白衣を着た女性がお前をずっと見守ってるなんて)

 

コンコンコン

 

「ん?誰だ?」

「ぁ、私だ。」

 

かちゃ

 

「ぉ~・・・()()()

 お前さんメガネっ子の方が可愛いな。」

「ちょっ、からかうのは良しとくれ。」

「ま、入れよ、紅茶ならあるけど?」

「ぁ、ぅん、貰うよ。」

 

「まぁ、ようこそこちら側へ、だな。」

「あぁ、忠告を無碍にしちまって申し訳ない。」

 

そう、アリサだけじゃなかった

()()()も、見えるようになってしまったのだ

 

「霊木から削り出したメガネフレームにレンズだけか。」

「あぁ、普通に目は見えるからね。」

「・・・いや。」

「なんだよ?」

「真面目に可愛いなアルフ。」

「・・・本気かい?」

「まぁ、その呪(じゅ)程度なら俺がかけ直せるから

 効果が薄くなったら声かけてくれ。」

「ぁ~・・・目安は?」

「やけに人が多いなぁって思ったら

 もう切れかけてるからその場でかけ直してやれる。」

「ふぅ、そいつは助かるよ、

 それにしても、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「あぁ、

 俺は()()()()()()()()()()()、見分けがつくんだよ。」

「因みにどれくらい?」

「3歳からずっと、目に映る範囲は全部な。」

「は?あんたいま。」

「10だな、最低7年は見続けてるし、

 親父の手伝いで現場もこなしてたからな、

 その内、アルフにも頼もうかな?」

「勘弁してくれよ、

 フェイトに習ってこの世界の一般常識に、

 バイトの面接もあるんだ、

 これだけでもアタシは手一杯だよ。」

「ん?小さくならないのか?」

「へ?フェイトの総魔力量なら全然平気だけど?」

(ここにも、原作との違いが出て来たか)

「念の為、必要時以外は小さくなっとけよ?」

「なんでさ?大人体型の方が何かと便利だろ?」

「・・・ぁ~。」

「なんだよ?」

 

ぶっちゃけ小さい方のお前が好きだから

 

「・・・おま、顔赤いぞ?」

「アルフも、な?」

 

アハハハ・・・

 

「ネェ?しんや?」

「うひゃぁっ?!ああぁあアリサぁああっ!?」

「ふぇ!?ふぇいとっ!?」

「ネェ、あるふ?コレドウ言ウ事?」

 

「冗談よ、ハピネスから聞いてたけど

 ヴィータさんもでしょ?」

「え?あぁ、それは勘違いだよ。」

「「どの口が言うの?」」

「ヴィータには色々辛い事が続くからな、

 はやて以外にも支えてやらなきゃ、多分、潰れる。」

「そう言えば、アンタ言ってたね、

 記録媒体とアタシに覚えといてくれって・・・

 待って?

 ()()()()()()()()()()()()()()?」

「起こって欲しくない、

 だけど、

 ()()()()()()()()()()になった以上、

 近い内に()()()()()()()()()。」

「それ、はやてちゃんに伝えたの?」

「フェイト、それで夜天の書を手放すはやてだと思うか?」

「それは・・・。」

「なるほど、その()()()()()()()()()()()()()?」

「え?」

「ちょ、アリサ?」

「アリサ?俺、その話したっけ?」

「アタシがアンタを調べないと思った?」

「・・・ハピネスに全権移譲は失敗だったな。」

「それも違うわよ?」

「なに?」

()()()()()()()()()()

 

かちゃ

 

「はぁ~い。」

「・・・リンディ母さん・・・っ!?」

 

急に目の前が暗くなる

 

「ちょっ!?シンヤっ!!」

「あ・・・りさ、くすり・・・くすり。」

「っ~・・・ふぅ、ニトロのストックは?」

「まだあるわよ、ったく、

 アンタは無茶し過ぎ、暫くは大人しくしなさい。」

「いや、ダメだ。」

「シンヤくん!!」

「ぁ、はい。」

「フェイト?」

「病気なんだよね?」

「あぁ、心臓が普通より小さいし、

 今までのツケが溜まってるからな。」

「むぅ!!」

「ちょ!?」

ベットに押さえつけられた

「シンヤ!!

 なんでこんなにボロボロってわかってるのに

 無茶ばかりするのっ!?

 みんな心配しているんだよ!!

 私だって心配してる!!なんで!!シンヤ!!」

 

だから、泣くのは堪えるってば

 

「だって・・・だってぇ。」

「フェイトの言う通りよシンヤ?

 アンタは大人しくしてなさい、

 アタシらで出来る事はやっとくからさ。」

「だけど。」

「だけどもへちまもないの!」

今度はアリサに押さえつけられる

「ぐぅ、うごけん。」

「あらあら、女の子をはべらせてイケない男の子ねぇ。」

「・・・なら、せめて守って欲しい事がある。」

「なによ?」

()()()()()()()()

 あのな、俺も男なんだよ、授業でも習ったし、

 ()()()()()もあるから、正直、キツイです。」

は~ハズイ///

「ぁ~///」

「胸?ねぇアリサ?なんでダメなの?」

「あら?フェイトちゃんはまだ習ってなかったのね?」

「はい、まだ二年生の途中です。」

「ぁ~、フェイト?

 シンヤはさ、前世の記憶もあるから、

 結構我慢してるんだよ、

 極力、抱き着くのは控えてあげてね?」

「ん~・・・わかった、気を付けるね。」

あ、ダメだ、わかってない感じがする

 

「で?」

フェイト、アリサ、リンディ母さん、

俺のバインドで雁字搦めにしてても

ズリズリ迫って来る()()()は狂気以外何者でもない

 

「な゛ん゛でぇ゛、

 フェイトちゃんに心配して貰って!!

 泣かれて!!胸まで当てて貰ってるにぃいっ!!」

「いや、俺は、

 すずか、アリサ、アリシアで、結構きついからね?」

(正直、ここにフェイトまで加わったら、

 理性が持たないし、我慢も限度ってのがある)

「ぇ?だめ、かな?」

 

は?

 

「ちょっと、フェイト?」

「うん、このアルフにも解るように

 説明してくれるかな?フェイト?」

「あら?フェイトちゃんもしかして?」

「フェイト、ちゃん?」

 

「シンヤにくっついてるとね。」

「おぅ。」

こら、言った側から抱き着くな

「すごく、安心するの。」

こらこら、アリサ?貴女も抱き着かない

「それに。」

「それに?」

 

胸の奥がドキドキするの

 

バキャン!!

「レイジングハート!!」

《ぁ~・・・マスター、ダメです》

「なんで!!」

 

なのはの頭をぐわし

「あれ?」

 

ギリギリ

「いだだだだっ!?」

「なのは?」

「シンヤ君・・・貴方ハ私ガ倒サナキャイケナイノ!」

 

フェイトはお前の()じゃ無いだろうが

 

「ふぇ?シンヤ君?なんで怒ってるの?」

「なのは、この際だから言っとくが、

 俺は()()()()()()()()()()

 そして、フェイトを洗脳するな、

 これから先の人生はフェイト自身の物だ、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 フェイト、

 お前もだ、そのドキドキは()()()()()()()()()()()()()()

 全員に言う。」

 

なぜ俺に求める?

 

なぜそっとしておいてくれない?

 

言っただろう?俺に関われば

知らなくていい事、関わらなくていい事に巻き込まれる

 

「それに、俺は誰も守れなかった、

 父さんも、母さんも、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「シンヤ君?それ以上は止めなさい?」

「リンディ母さん、

 事実だ、俺はあの日、胸騒ぎを直接

 ()()()()()()()。」

 

だけど、それは変えちゃダメだ

それは他の知らない人に降りかかってしまうからね

 

「二人共、知ってた 自分が死ぬ事を、

 その後だよ、

 前世の記憶が戻って来て、

 墜落事故のニュース、最悪だよ。」

 

みんな、出てってくれ

 

一人になりたい

 

 



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30話

やっちまった

 

「はぁ。」

 

思えばこの身体に10年

 

前世で35年

 

計45年生きても

 

「人間嫌いは治らない、か。」

 

数珠を掴み

 

「読むか。」

 

延々と般若心経を読み出す

 

 

 

「あの、アリサ。」

「なに?」

「怒ってる?」

「そうね、フェイトは知らない事ばかりだから

 しょうがないけどアンタは別よ?()()()。」

「なんで?」

「はぁ、シンヤが言った事、もう忘れたの?

 ()()()()()()()()()()()()()

 なのは、今のアンタは

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「子供って・・・。」

「それと、フェイト。」

「はい!」

「今日から家に泊まりなさい、

 なのはは、()()()()から

 お説教があるから帰りなさい。」

「え?」

「そうそう、なのはさんのご両親も

 ()()()()があるから

 帰って来なさいって言ってたわ、

 多分そろそろ。」

 

なのはー!!

 

「ひぃっ?!」

部屋の隅に逃げるなのは

 

コンコンコン

「開いてるわよ~。」

「失礼する。」

普段は良いお兄さんの恭也さんだけど

「ぁ。」

「なのは、帰るぞ。」

「ハイ。」

殺気が乗った言葉は重かった

 

 

嵐が過ぎ去った部屋に戻ると

 

「・・・晩飯、まだだろ?」

とりあえずでた一言だった

 

って、買い物してねぇから・・・

 

「ジャガイモに、コレかぁ。」

 

前世に置ける初料理で

特定の人が食べると泣いてしまうアレを作る

 

「ほれ、とりあえず腹入れとけ。」

 

ジャガイモパンケーキ

 

程よい甘さとジャガイモの風味が良く出る

 

「シンヤ。」

「悪い、今から追加の食材買って来る。」

 

 

「・・・リンディ母さん、食べる?」

「そうね。」

 

「って、フェイト?大丈夫?」

ポロポロと涙を流しだす

 

「っ・・・わからないの、でも、止められない。」

「フェイト?私にもくれるかしら?」

「プレシア母さん。」

「・・・ごめん、私はパス。」

「アリシア?」

「これは、ね。」

そう言って部屋を出てしまった

「っ!?

 これは・・・そうね、男が作る、

 そう言う味ね、これは・・・っ、

 涙なんて、久しぶりね。」

リンディ母さん

プレシア母さん

フェイトも

「・・・えい!」

私も食べる

「・・・ふぇ?」

ポロポロ

「にゃんでぇ?」

涙が止まらなくなった

噛めば噛むほど

懐かしい味と

「・・・寂しい?」

「そぅ、ね、これは()()()()()()()。」

 

「っ!?」

目の前に誰かが現れる

(し~)

口を人差し指で押さえられた

 

周りは誰も気づいていない

 

(貴女は誰?)

(あら?ダメよ?見えるからって

 簡単に話しかけちゃ憑りつかれちゃうわよ?)

(えぇっ!?)

(冗談よ、貴女がアリサちゃんね?)

(・・・はい)

(出来ればお話が出来る場所がいいんだけど)

(わかった)

「ごめんなさい、

 一度、部屋に戻るわ。」

 

「ふぅ、ここなら良いわよ?」

〈じゃぁ〉ぽん!

 

「・・・痴女。」

「失礼ね!!一応吸血鬼の衣装なのに!!」

「吸血鬼・・・まさかっ!?」

「そ、シンヤのお母さんよ?」

背中に生える禍々しい翼に

鋭い牙、爪、そしてギリギリしか隠せていない水着?

「でも。」

「そ、墜落事故で《再生に今日まで掛かっちゃったのよ》、

 そうしたら、こんな可愛い子を()()()()()

 なんて子かしら。」

「シンヤのせいじゃないわ!!

 コレは私の意志で見える事を受け入れたの!!」

「そぅ。」

冷たい爪先が喉に当てられる

「あの子の何を知って、

 理解している積りかしら?」

「・・・正直、知らない事が多すぎて解らないけど。」

あえて爪に押し付ける

「私はシンヤが大好きなの!!」

 

「・・・強い子、

 私は弱かった、羨ましいわアリサちゃん。」

爪を収納し

「ごめんなさいね。」

キズを撫でる

 

「はい、これで大丈夫よ。」

傷痕は無くなっていた

「治癒魔法?」

「そうね、ベルカ式でも、ミッド式でも無いけどね。」

「そうだ!!生きているなら!!」

「ダメよ。」

「どうして!?」

「もぅ、あの子の母親としての私は()()()()()

 ここに居るのは()()()()()()()()()()()()()()。」

「でも!!」

扉が開く

「こんな禍々しい妖気を持つ同族が身近にいるなんてね。」

「あら?貴女が()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()?」

「この世界?

 名前を憶えて貰えて光栄です、

 ()()()。」

「止めて頂戴、その役柄を捨ててこの世界に来たのだから。」

「失礼しました。」

「すずか?」

まるで、王様に跪くように屈む

「アリサ、ごめんね、私じゃ到底敵わないお人よ。」

「すずか。」

「はぁ、固いのはナシ、いいわね?」

「・・・ですが。」

「あの子の()、美味しかったでしょ?」

「・・・はぃ。」

「私の血と、宗栄(ソウエイ)の血が混ざってるんだもの、

 美味しいだけじゃないの、わかってるでしょ?」

「・・・はい。」

「って、すずか?その羽・・・。」

すずかの背中には

()()()()()()()()()()

「宗栄の血は聖属性、

 いわゆる()を祓う力を持つ、

 私は()を貯める力を持つ、

 その二人から産まれる子が、

 ()()()()()()()()()()()()()()

 私はシンヤを産んだの、

 お互いの血を残したかったから。」

「でも。」

「えぇ、身体は弱く、

 心臓も普通の子より小さい病気を持って生まれた、

 丈夫に産んであげられなくて

 何度も謝ったわ、

 でもね、シンヤは許してくれた。」

「あぁ、そうだ。」

「あら、久し振り、シンヤ。」

「久し振りだな、母さん、

 すずか、アリサ、こんな痴女が俺の母さんだ。」

「痴女じゃないわ!!」

「「ぷっ!」」

 

あははは

 

二人して笑った

 

「も~。」

「ったく、母さん、父さんはどうしたんだ?」

「もぅ上がっちゃったわよ、

 シンヤをよろしくって言われてね。」

「ったく、一発殴らせろ。」

()()()()()?」

「・・・止めとく、今じゃ無いだろうから。」

「正解、良く出来ました♪」

「・・・それで?」

「そぅ、ね、

 夜天の書を調べたけど良くて()()()ね。」

「二カ月?」

「やっぱ、そうか。」

「ねぇ、シンヤ?二カ月ってなんなの?」

 

あぁ、()()()()()()()()()()()

 

「「っ!?」」

「それも、急速に進んでるから、

 下手すればひと月持たないわね。」

「うげ、間に合うかどうかギリギリじゃねぇか。」

「そうね、シンヤ貴方は周りを鍛えなさい、

 ギリギリまでね?」

「はぁ、母さんは?」

「ん~、ちょっと別件で調べ物、

 あの動物園で使われた呪符に

 ちょっと心当たりがあるから。」

「・・・()絡み?」

「嬉しくないけどね。」

「はい、これ。」

紙袋を渡す

「あ!コレコレ!!

 私の服!!シンヤ!!ありがと!!」

むぎゅう!!

「・・・母さん?」

「貴方、また無茶したのね?」

「あぁ。」

「そうなんですよ。」

「そうそう、シンヤったら

 何言っても無茶しちゃって。」

「あらあら。」

(何の因果か、()()()に喚ばれてるわよ?)

(・・・わかった)

「はい、これで暫くは大丈夫、

 でも、調()()()()()()()()()()()()()()()

 選ばなきゃいけないわ。」

「・・・はい。」

「選ぶ?」

「ねぇ、シンヤ?」

「それじゃ、母さん、またな。」

じゃら

「ちょっ!?その数珠は止めて!!」

素早く窓際に逃げる

「なんだよ?妖怪だし、

 ()()()()()()()()()()()()()なんだろ?」

「ぉ、怒ってる?」

「アァ、怒ッテナイヨ?」

「やぁ~ん!!」

飛んで逃げられた

「ちっ、逃げられたか。」

「し、シンヤ?」

「まさか。」

「ン?イイカ?

 ()()()()()()()()()()()()()()

 イイネ?」

「「はいぃ!!」」

 



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31話

 

「せや、今日は健診やけん

 シャマル?着いて来てくれるん?」

「ぁ、ごめんなさいはやてちゃん、

 今日はバイトの予定が入ってて、

 シグナムにお願いして貰えますか?」

「ありゃ?しゃ~ないなぁ、

 ほなシグナム、頼めるか?」

「はい、主はやて。」

〈シャマル、こちらは病院に着いた〉

「了解、こっちは問題ないわ。」

〈すまん、本当なら前線は私なんだがな〉

「いいのよ、

 それにこの間のサイ突進のダメージが

 まだ残っているのだから。」

〈あぁ、未だに信じられないが、自然治癒しか

 回復の見込みが無いのは驚いている〉

「そうね、ヴォルケンリッターの身体に

 そう言う()()じみたダメージを与える呪符、

 調べて置かないと。」

〈すまん、先生が来た〉

「はい、わかりました。」

「シャマル、大型のヤツ見つけたぞ。」

「よし、ザフィーラ、ヴィータちゃん、

 ()()()()()始めましょ?」

「おう。」

「まかせろ!これも、はやての為に!」

「シグナムさん。」

「はい、先生。」

「申し訳ない、全体的に進んでいます。」

「っ?!」

「世界中の医師にも症状緩和の為の方法を

 模索して貰って居ますが・・・。」

「いえ、それにしても世界中の、ですか。」

「はい、はやてさんの支援者のお陰で

 様々な分野のエキスパートの

 御助言も頂いております。」

「その御仁のお名前は?」

「残念ながら個人情報は控えてくれと

 支援者の方から言われておりまして。」

「そうですか。」

「しかし、改善されている部分もあります。」

「それは?」

「はやてさんの表情です。」

「表情?」

「はい、よく絵顔を見せて貰えるようになりましたし、

 以前よりも明るく、

 話す内容も()()()()()()()()()()()()()。」

「・・・私達の。」

「シグナムさん。」

頭を下げられる

「ちょっ、頭を上げて下さい。」

「いえ、我々の至らぬ所により、

 はやてさんに辛い事を強いて居るのは事実です、

 今後も、貴女方の御助力をお願い致します。」

「はい、それは勿論。」

咳き込む

「ありがとね、看護師さん。」

「はやてちゃん。」

「ええの、みんなに心配かけたくないねん。」

「鎮痛剤に、炎症を抑える薬、

 これ以上増やせないのよ?」

「ありゃりゃ、あかんの?」

「はやてちゃん、貴女の体質もあるから、

 これ以上は増やせないの、もし、

 ()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()

 これは覚えておいて頂戴。」

「・・・あはは、これはいよいよあかんなぁ。」

「ぶはっ、あの野郎、

 めちゃくちゃしやがる。」

「もぅヴィータちゃん?無茶しないで頂戴?」

治癒魔法を掛けつつ辺りを見回す

「すまん、遅くなった。」

「ザフィーラ、周辺の状態は?」

「今のところ問題無い、

 しかし、先程の巨大種の気配はまだそう遠くない。」

「そぅ、一旦撤退かしらね。」

「いや、大丈夫だ、な?アイゼン?」

《いえ、撤退は妥当かと》

「おい。」

「ヴィータちゃん?」

「わかってるよ、でもよ。」

魔法陣が形成される

「っ?!」

「待ってくれ、私だ。」

「仮面の・・・何の用だ?」

「コレを。」

()()()()()()?なんで?」

「私の雇い主からお前達にと。」

「ん~、確かに力を感じるけど、

 出所は何処かしら?

 ベルカ式を使っている

 魔導士自体少ないって聞いてるけど?」

「知らない、雇い主から渡せとしか伝えられていない。」

「そぅ、一応貰っておくわ。」

「そうしてくれ、私はコレで帰る。」

そう言って魔法陣を形成する

「おい。」

「なんだ?」

「貴様はなんの為に動く?」

「・・・。」

そのまま答えずに転移した

「行っちゃったわね。」

「うし、シャマル、大丈夫だ。」

「ヴィータちゃん、もぅ。」

「行けるか、ヴィータ?」

「おう問題ないザフィーラ、

 いいな?アイゼン?」

《はぁ、了解》

「あ、あとコレ、貰ってくぜ?」

「ちょっ!?」

あのカートリッジを3つ持って行く

「試し打ちも兼ねてな?」

「出所不明で尚且つ

 《妙な力も感じるのよ?》それでも使うの?」

「あぁ、あのデカ物を一撃で

 ()()()()()()()()()()()()()、解ってるだろ?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「はぁ、ヴィータちゃん、

 時間も押してるから一撃で気絶させてね?」

「ふふっ、任せろ!

 ザフィーラ!援護を頼む!」

「おう、いくらでも足止めしてやるさ。」

 



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32話

「こちらR、指定物を受け渡した。」

〈よし、直ぐにその場から離れろ〉

「了解。」

 

そいつはやらせねぇなぁ

 

「なっ!?」

(間違いなく気配は無かった筈っ!?)

 

()()()()()()()()()()()

 蒼頡(ソウケツ)シンヤです、そして

 ()()()()()()()。」

 

 

「だ、誰だ?その人物は?」

「ん?知らない訳無いだろう?

 キミの雇い主、いや、使い魔の主だろ?」

「・・・何が望みだ?」

「お、話が早い。」

「せめて首筋のナイフを下げて貰える?」

「いや、それは出来ない、逃げられるからね。」

「・・・それで?」

「・・・良い毛並みだな。」

「へ?」

いつの間にか偽装の魔法が解除され普段の姿になっていた

 

さわさわ

「ひゃんっ!?みみさわらにゃいで!!」

「ん~・・・ちゃんと掃除してるのか?

 ほれ、耳垢、動くなよ?キレイにしてやるから。」

フキフキ

「んぁっ!?」

「動くなって。」

「だってぇ~。」

「ほれ、尻尾も。」

「うえぇえっ!?」

「ほれ。」

「あぅ///」

「ん~・・・なんか無理してないか?」

「ぁう?」

「尻尾の動きが妙だ、

 大方、シグナムあたりに一度迎撃されたんじゃないか?」

あ、当たりだ

「はて、手持ちの救命キットに湿布とかあったかな。」

今度はナイフも外し背負っていたリュックをあさり出すシンヤ

「あ、あったあった、ほれ、脇だせ、湿布張るから。」

「ぇ?」

「あんだよ?」

「ふ、服、脱ぐの?」

「は?めくる程度で張れるだろ?」

 

「み、みないで張れる?」

「ぁ~、そう言う事か、。

 安心しろ、俺は()()()()()()()()()()()()()。」

それはそれでなんだか負けた気がする

「あぅ・・・冷たい。」

「当たり前だろ?湿布なんだから、

 2、3日は大人しくしろよ?

 腹部の打撃ダメージは後に残りやすいからな?」

「ぅ、ぅん、わかった。」

(どうしてここまでしてくれるの?)

()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「ぇ?」

「憎いんだろ?『夜天の書』が。」

「お前。」

「ただな。」

「涙?なんでアンタ泣いてるの?」

「・・・すまん、

 死者は蘇らない、そして残され生きる者は

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「それは。」

「それとな。」

「ん?」

 

()()()と、()()()()も収集しとけ

「な゛っ!?」

「俺がどうしてって顔だな?」

「それは。」

「あの二人には修羅道に挑む覚悟を持って貰わなきゃならん。」

「それは一体?」

「あの三人は仲が良い、いや、良すぎる、

 だから()()()()()()()()()()()()()()

 そうなると手が付けられない。」

「どうして?」

「お?」

(あれ?なんで普通に話してるんだっけ?)

「まぁ、アイツ等は

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 つまりその均衡が崩れれば、

 ()()()()()。」

「ま?」

「あぁ、用は目的の為に見境が無くなるヤバイ事になる。」

「ぇっと、つまり?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「じょ・・・冗談、だよね?」

あ、耳ぺたん可愛い~

「冗談なら良いんだけど二人共鍛えてるからな、

 正直、プレシア母さんが全力で相手して30分だからな。」

「は?」

「元々の体力もあるけど、

 魔力シールドを4層張って

 3層抜ければ負けの模擬戦を繰り返してるからな~、

 それで30分持てばいい方なんだ。」

「た、確か、プレシアさんって。」

「SSクラスに上がったけど、

 それと撃ちあえるのが二人だ、

 まぁ、上手く隠れてやってくれ。」

「で、できるかなぁ。」

「最悪。」

 

()()()()()()()()

 

「でも、それって貴方立場が。」

「だろうな、そして()()()()()()()()。」

「・・・つらい?」

「え?」

 

なんだろう、どうして私がシンヤを抱き抱えたのは

ほんとに、このままじゃダメって思ったから

 

「・・・わかんないけど、がんばれ、シンヤ。」

「ぉぅ、ありがと。」

 



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33話

「ところでさ?」

「なんだ?」

「もっかい、みみ、そうじシテ?」

 

「ぉぅ、いいぞ?」

 

それから10分ほど耳かきをしてあげた

 

「はにゃぁ~///

 めっちゃ気持ちぃ~///」

「そ、そうか?」

(まさかここまで気を許して貰えるとは)

「うし、なんか充電完了!」

しゅたっ!と立ち上がる

「ねぇ?」

「ん?」

「心臓、気にしてあげなよ?

 お薬でも無理があるからね?」

「・・・気づいてたのか。」

「ぅん、抱きしめた時、なんか、

 心音、元気なかったから。」

「・・・もし。」

「ん~?」

「どこかで倒れてたらぶっ叩いて起こしてくれるか?」

「・・・そんな約束しないよ?

 だって()()()()()()?」

「ぁ~・・・まぁ、()()な?」

「そだね、今度は全身の毛繕いもお願いしていい?」

「ん?まぁ、予約は入れてくれ、

 その日はちゃんと空けとくから。」

「お、ありがとね!シンヤ!」

転移魔法展開する

「それじゃ。」

「あぁ、またな?」

 

「で?」

「ゴメンナサイ。」

家に着いて早々アリサに見つかる

「すんすん、

 他の女の匂い・・・誰?」

「・・・言えない、

 その内紹介できるようになるから、

 その時までは待ってもらえるか?」

「・・・はぁ、仕方ないわね。」

「わか「って、言うと思った?」んぉっ!?」

押し倒される

()()()()。」

「ぐぇ、うごけん。」

「今、何時だと?」

時計を見る

22:38

「ぁ~。」

「連絡も無しにあっちこっち何処かに行っては

 夜遅いし、晩御飯は

 家の使用人に作らせたからいいけど、

 遅くなるならメールの一つでも寄越しなさい!!」

「ごめんなさい。」

「ったく、シンヤ?」

「はい。」

「見てなさい?」

そう言ってナイフを取り出す

「おいっ!?」

バインドでうごけん!!

「いっ・・・口、開けなさい。」

「はぁ!?」

「私の血、いらないの?」

「俺は吸血鬼じゃ。」

「む~・・・えい!!」

ずぼっ!!

口に指先を突っ込まれる

 

ごくっ

 

「・・・アリサ、

 痴女母さんから何を聞いた?」

心臓が強く動き出した

「・・・生娘の血が、シンヤの心臓の起爆剤って。」

「起爆剤って。」

 

確かに心臓が強く動いているのがわかる

 

それと同時に

 

「『魔』の力が強くなった、か。」

「え?」

「はぁ、母さんは俺を吸血鬼にしたいのか?」

「え?シンヤ、吸血鬼になっちゃうの?」

「今は、な、

 これから行く所がある、

 アリサ、すずかと、アリシアにも声を掛けて貰えるか?」

「理由は?」

「3人には、『聖属性』を持っていて欲しいからだ。」

「私はともかく、

 すずかとアリシアも?」

「あぁ、アリシアは

 繋ぎ止める術を掛けながら移動したいし、

 すずかは、『聖』『魔』双方の使い方を覚えて貰いたいし、

 アリサには。」

 

万が一の時、()()()()()()()()()

 

「え?」

 



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34話

アリサ、アリシア、すずか、

プレシア母さん、リンディ母さん、リニス

 

今、本州のある場所へ向かっている

「ねぇシンヤ君、

 この道で合ってるの?」

「はい、リンディ母さん。」

 

カーナビには載っていない道に入って行く

 

「うし、車じゃここまでだから。」

「え?歩くの?」

「シンヤ?冗談、よね?」

リンディ母さんとプレシア母さんが嘆く

「え?マジで移動手段無いから歩くよ?」

二人「えぇ~。」

「もぅ、プレシア母さん、リンディ母さん、

 身体強化魔法があるでしょ?」

二人「そうだった。」

 

この二人、ほんとに仲いいな、

原作もそう言うスピンオフ作ればいいのに

 

ここ最近、原作を思い出す事がほぼ不可能になった

アルフに記録して貰ってて正解だ

 

「そろそろかな?」

「シンヤ?なんにもないよ?」

「お兄ちゃん?ここって?」

「シンヤ?」

「いくら身体強化でも中々歩ったわよ?」

「そうね、シンヤ?

 一旦休憩出来ないかしら?」

「おば「なにか言ったかしら?リニス?」いえ、

 ただ。」

「ただ?」

「獣の気配がしますね。」

「来たか。」

 

〔ふっ、現(うつつ)よの愚か者目が、何用かね?〕

()()お久しぶりです。」

〔やめよ、その名は好かん〕

「はい、()()()()(おおくちまがみ)様。」

〔し~ん~や~?〕

「はいはい、()()()。」

〔うむ、我が孫よよく来たな〕

 

全員「でっかいオオカミ。」

〔そうとも、我が名は大口真神、

 お犬様と呼ばれておる〕

 

その巨体実に全長20m全高8mの巨大なニホンオオカミが

髭を蓄え牙を剥き出し

隻眼の威光を惜しみなくさらけ出していた

 

ひょいっと咥えられシンヤがまたがる

 

「ほぇ~。」

〔ふむ、うぬがシンヤの妾かね?〕

「めかけ?」

「・・・はい。」

〔そうかそうか、では

 ひ孫もそう遠くは無いか!!〕

ふひゃひゃひゃ!

「ま・・・まごっ!?」

「お犬様、流石に気が早すぎです、

 俺はまだ10歳ですよ?

 子と成すにもあと6年は待ってください。」

〔そうじゃったの、

 しかし、うぬに残された時間は足りぬのか?〕

「・・・かもしれません。」

大きな神社が見えて来る

 

「お、お犬様。」

〔ふむ、もう少し乗せておきたかったがのぅ〕

その姿が宮司の恰好をした老人に変化した

 

「みな、中に入るが良い、

 流石に順序は守れよ?」

 

神社の参拝方法を

シンヤに確認しながらそれを済ませ中に入る

 

「さて、シンヤ、これだけの大所帯に理由は?」

「お犬様、

 出来れば、ここのアリサ、すずか、アリシアに、

 『真言』をお教え頂きたく馳せ参上致しました。」

「ほぅ『真言』を。」

「はい、

 我が身はいずれ

 ()()を捨てざるを得ないでしょう、

 その時に我が身を封印、もしくは()()()()()()()()。」

「ちょっ!?」

「シンヤ?どう言う事?」

「お兄ちゃん、それ、本気なの?」

「・・・出来るが、

 それで良いのかお主は?」

「はい()()()()()()()()()()()()()()()。」

「・・・狛(ハク)、狛、

 えぇい、一度呼んだだけで来んか!」

 

ナニカが投げ飛ばされてくる

 

「ぐふぉっ!?」

「ぁ~・・・またか。」

「お犬様?」

「あ~な~た~!!

 まだお説教は終わってませんよ!!」

「まっ!?まて!?お犬様に呼ばれてるんだぞ!!」

あ、人化してるし

「お犬様が?それが何か?」

全員「え?」

「子供達の戦闘経験を無駄にした挙句

 順番すら守らない始末、

 あまつさえ、帰って来ない!!

 今度と言う今度は許しません!!」

境内の中とは言えそこそこ広い

 

純白の4、5m程のオオカミに

姿を変えた恐らく奥さんは

 

〔こんのバカ亭主がぁああっ!!〕

 

口から光線を吐き出しその亭主を外へ吹き飛ばす

 

全員「ぁ~・・・。」

「あの、お犬様、この方は?」

「ぁ、あぁ、

 狛の嫁でな、

 その子達がその()()()()()()()の眷属召喚で

 呼ばれておる、シンヤも気づいておったろうに。」

「・・・どうして、その事を?」

()()()()()じゃったか?

 古い知り合いじゃよ、と言っても、

 4、5百年前・・・だったかな?

 なんせそれ以降会っておらぬからなぁ。」

「そうでしたか。」

「しかし難儀よのぅ、

 お主は『魔』が主体、

 シンヤの血を吸った以上、

 双方の力を使役せねばならぬ、

 ま、心配は要らぬか、

 余程シンヤに泥酔しておるのだのぅ。」

「へ?」

「その身体が証拠じゃ、

 既に()()()()()()()()()()()()()()()()

 まぁ、大丈夫じゃろ、人間の()は、

 神の力すら簡単に超える、

 ふひゃひゃひゃ、愛いよのぉ~。」

「こっ!?」

「え?ちょっとまって?

 じゃぁ、すずかの胸が大きくなったのってっ!?」

「ぇ~私は~?」

「主は・・・もう少しじゃな、

 シンヤ、定着はワシに任せろ、

 詰はワシの方が良い。」

「お犬様、ありがとうございます。」

〔あら?この方達は?〕

「呉幌(オボロ)、

 シンヤじゃ、その妾達と、親じゃ。」

「あらやだ、

 オボロと申します、

 お犬様が唯一お認めになったお孫様。」

一瞬で人化しツリ目美人がそこに現れる

「お、オボロさんでしたか、

 お久しぶりです。」

「はい、幼少・・・と言っても

 今でも幼少ですね、5年程前でしたね。」

「はい、そのぐらいかと。」

「って言うかシンヤが敬語?使ってるのって。」

「うん。」

「そうね。」

3人「なんか変。」

「え?いや、お犬様は神様だからね?

 オボロさんも神狼、

 その子供達も神狼の幼体、

 ガチの日本の神様だからね?

 恐れ多いからせめてもの敬語・・・なのかな?

 兎に角普段使いの喋りじゃよくないでしょ。」

「ふひゃひゃひゃ、

 構わんと言っておるのじゃが、

 変わらんのぉ。」

「お犬様、ではこの子達が?」

「うむ、

 妾の子じゃ、

 この子らに『真言』を教えてあげよ。」

「っ!?

 もぅ、そこまで・・・。」

「すみません。」

「貴方が謝る事はありません、

 アリサさん、すずかさん、アリシアさん、

 こちらへおいで下さい、

 時間は有限、今直ぐ始めますので。」

「え・・・シンヤ?」

「大丈夫だ。」

「うし、新しい知識だ!」

「お、お願いします!」

3人は奥の部屋へ

 

「さて、親二人は付き添いじゃの?」

「ぇ、えぇ、そうね。」

「ふむ、緑の婦人は・・・

 何時までも亡き者を引きずるでない、

 その者が羨む程に新たな幸せを掴め。」

「・・・それは。」

「紫の婦人は・・・

 別れか新たな未来、その二つが見れるが、

 ()()()()()()()()()()()()()()

 それを新たな未来にするには

 そこの()()()()(狛)を

 ボコボコに倒せるぐらいに強くなるが良い、

 何時でも『魔』をぶつけて構わん、

 この周辺には()()()()()()()()()

 思う存分、叩き込むが良い。」

「え?」

「お犬様!!

 俺がこんな()()()の相手をしろと!?」

「リンディ、バフ、お願い出来る~?」

「いいわよ~。」

「ぇ?え?」

「はぁ、外でやっとくれ。」

二人「女性に向かってババアなんて。」

 

ブッコロス

 

日が暮れるまで

爆発音と光線が必死に逃げるオオカミを撃ち続けた

 

 




「はい、食後の紅茶です。」
「リニス、ありがと。」
「いえ、プレシア様は。」
「まだ外でおバカさんを撃ってる。」
「アリサ、すずか、アリシア、
 『真言』はどう?」

あ、3人共苦い顔をしている

「難しい?」
「難しもなにも。」
「習っていない漢字だらけで。」
「数式じゃ無いから、頭に入って行かない~。」
「あはは、俺は2年かかったからなぁ。」
3人「え?2年?」
「ま、待って?
 はやての期限が・・・。」
「冗談、よね?」
「シンヤ?まさか・・・。」
「あぁ、()()()で、ガンバ♪」
3人「無理だってば!!」
「あ、いたいた、
 3人共、続きやるわよ~?」
3人「え?」
「え?じゃ無いわよ?
 一週間で叩き込むんだから、
 寝る時間以外は全部『真言』に使うわよ?」
3人「い~や~っ!?」
「災難ですね3人は。」
「ほれ、居ない間に。」
「はい、お願いします。」

フキフキ
「んっ。」
フキフキ
「はぅ///」
フキフキ
「んぁっ///」
「リニスさん?ワザと?」
「シンヤの手つきがイケナイのです///
 獣魔はこんな気持ち良い耳かきをされたら、
 誰でも骨抜きにされます///」
「ん~・・・なんでだろうな?」
フキフキ
「ぁぅ///」


追記
あえて『心酔』ではなく
『泥酔』を使っています、
まだ、小学生なんですから。
要は、
シンヤの血に酔っている状態なので。


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35話

真っ白に燃え尽きた3人と

うっぷんを晴らし

ツヤツヤした母が2人

 

そう

 

一人足りなかった

 

「のぅ、シンヤ。」

「はい、お犬様。」

「『神狼』にはならぬのか?」

「・・・ひと、ではなくなりますから。」

「じゃがのぅ、

 お主が無理をして呪符の解呪したせいで

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「・・・心臓は吸血鬼として変化し、

 両足は神狼、左腕と耳はデバイスに融合されてる、

 はぁ、俺はどこぞのサイボーグですかね?」

「全く他人事のように、

 狛があの時急に出かけたのは

 シンヤの『聖』に引かれて現れたのじゃ、

 幾らワシとて

 『4つの力を同時に持つのは見た事が無い』

 それがどうなるか、解っておるな?」

「・・・はい。」

「『聖』『魔』『霊力』『妖力』

 互いに反発し合い、融合すると莫大な力に変換される、

 しかし。」

「俺の身体は耐えられない。」

「じゃから。」

「お犬様、それでも

 ()()()()()()()()()()

 アリサ、すずか、アリシアと

 ()()()()()()()()()()()()()()。」

「地獄じゃぞ?」

「苦痛には慣れてます。」

「そうじゃない、

 それを通すなら、あの子らと・・・。」

()()()()

 俺はその為に彼女達を鍛えたのですから。」

「・・・ワシはここから動けん、

 逝け、もぅ、会う事もなかろう。」

「っ、お世話になりました。」

「バカ孫め。」

 

アリサ邸

 

「あれ?お家?」

「ん・・・あれ?アリサちゃんの部屋?」

「んぇ?ありぇ?

 シンヤお兄ちゃんは?」

「あら?さっき一緒に・・・ぇ?」

「プレシア?シンヤ君見て無い?」

全員「え?」

 

「ただいま~。」

「っ!?シンヤ!!」

アリサに抱き着かれる

「ぉ、おぉ、どした?アリサ?」

()()()()()!!」

 

げっ!?『真言』で動きを封じられると

 

「う・・・うごけない。」

「今度と言う今度は許さないわよシンヤ!!

 絶対!!大人しくしてなさい!!」

「そうよ!!シンヤ!!」

動けないのに後ろにすずかが抱き着いて来る

「や、やめっ!?」

「ん?なんか、変な感じがする。」

そ~っと部屋から出ようとするアリシア

「あら?アリシア?」

「あ、プレシアお母さん、

 ヤバそうだから部屋から出よう?」

「どう言う事?アリシア?」

「そうよ、むしろ

 ()()()()()()()()()()()()()を作るチャンスよ!!」

 

「・・・いや、

 ちゃんと定着したばっかりで疲れてるのよ、

 それに、お犬様が言ってたわ。」

 

女性に免疫が無い男が我慢しとるんじゃ

何時限界が来てもおかしくないぞ?

それこそ

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

ばたん

 

「え?」

扉が勝手に閉まる

「ちょ、ぁ、開かないわよ!?」

「プレシア!転移は?」

「ダメっ!?妨害されてる!!」

「・・・まさか。」

 

だから言ったろ胸を押し付けるなって

 

振り向くと顔を真っ赤にした

アリサとすずかが、倒れていた

 

「え?いや、うそ・・・だよね?」

「アリシア?お犬様聞いていて

 それを護らないお前らがいけないんだからな?」

 

いつの間にか大人モードに変身しているシンヤ

 

「し、シンヤ君?まさか、私達も?」

()()()()()()()()!!」

 

吸血鬼の羽を生やしたシンヤに

()()()()()()()()()()()()()()()

翌日、起き上がれなかったそうだ。

 

そして

シンヤが部屋の隅で嘆いていた

 

「我慢シテタンダ、ウン、俺ハ頑張ッタ、

 頑張ッテ我慢シタンダ、責任トラナキャ、

 責任トラナキャ責任トラナキャ責任トラナキャ・・・。」

と、半日程沈んでいた

 




お犬様の境内

「ぁ、やりおったあ奴。」
「え?お犬様?」
「あ?シンヤがなんかしたのか?」
「さて、誰が身ごもるか・・・ん?
 なんと!」
「お犬様?」
「なんとなんと!!
 アヤツは全員回避しよった!!」
「え?」
「いや~、誰も身ごもらなんだww
 参った参った!
 シンヤの精神力を侮っておったわww」
ふひゃひゃひゃと転げまわりながら笑うお犬様
「シンヤのやつ、だらしね「あ゛?」ぉ、おまえ?」
「貴方?
 シンヤはまだ小学生です、
 それにその妾の子達も同い年、
 そもそもが駄目です!!」
「だ~っ!?()()()()()()()()()()!!」
「いや、よい、狛、
 お前は少しは反省せよ。」
「お犬様っ!?」
構える日本刀
「はぁっ!!」
抜刀で光の刃が飛んで行く
「ひぃいっ!?」


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閑話?

《さて、作者》

なんでしょ?

《どうして我々のセリフが無いのですか?》

そこは・・・すまん

一人の脳味噌で

登場人物プラスデバイス群のセリフとなると、ね

《丁度、30話辺りからぜっんぜん!!

 ないですよ!!》

ぁ~

《そうです!!せっかくマスターアリサに

 ハピネスの名前が付けられてるのに!!》

《私なんて、エクサグラマの名があるのに!!

 呼ばれた回数なんて!!》

《そうです!!私もしなの!!

 この名で呼ばれる事もほぼ無いですよね!!》

さ~って20番のヤスリあったかな~

《やめて下さい!!》

《そもそも、『真言』とは?

 『神狼』とは?色々出て来てますよね!!》

「はいは~い、そこはあんまり触れないでね~。」

《誰ですか!?魔力探知に引っ掛からないのは!!》

「シンヤのお母さん、ママで~すっ!」

あ、ども

「作者さんも流石に偏ってるな~って思ってる?」

そりゃぁねぇ

何分これから重くなるしねぇ

「そうねぇ、シンヤもそろそろ限界だし、

 『夜天の書』も暴走間近、

 どんな流れにするつもり?」

先ずは全員の一度合流

そして、収集の事件に関して

管理局を動かさなきゃならないし

「ぁ~、あったわねそんな組織。」

《流石にそれは酷いのでは?》

お、レイハさん、ども

《別行動ですからね、出番が無いのは

 致し方無いですが》

《それだとしても、

 マスターの出番すら外すのはいかがなものかと》

ぁ、バルディッシュ

《と、言うか、俺の出番も無いのだが?》

グラーフアイゼンさんども

《私も出番が無いが?》

ぇ~、レヴァンティンさん

「ぇっと、流石に飽和して来るわよこれ?」

ですね~

ぇ~

レイハさんに、バルディッシュさん、

グラーフアイゼンさんに、レヴァンティンさん、

ハピネスに、エクサグラマ、しなの

 

うげぇ、頭が噴くわ

「あら?さらっと私を外さないでよね?」プンプン!!

いや、この『閑話』に勝手に入って来られる点で

手の施しようが無いかと

全デバイス《確かに》

「ちょっ!?」

なんにせよこれから

書く山が増えまくるから寝かせて貰える?

「ぇ~、まだ文字数足らないでしょ?」

ぉぃ~・・・

《そもそも母上殿?》

「なにかしら『しなの』?」

《どうやってこの場所に?》

「そうね、この辺を。」

 

爪先で何もない空間をなぞる

 

《なっ!?空間が開いたっ!?》

「こうやって()()()()()()()()()。」

その爪、無駄遣いするなよ?

「あ、バレた?」

《それは・・・っ!?妨害っ!?》

そりゃそうさ、ココでの会話は

()()()()()()()()()()()()()

《くっ!?防護ぷろぐぐぐう》

 

「いいの?」

なにが?

「余計な物追加したでしょ?」

まぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「貴方、甘過ぎよ?」

そう言う貴女もね

「そう言う設定にしたのは貴方でしょ?」

・・・まぁ、色々裏方を頼むわ

「りょ~かい、任せて?」

それじゃ

「じゃぁ~ねぇ~。」

 



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36話

検診後

 

「なぁ、シグナム?」

「はい、主はやて。」

 

みんなして何してるん?

 

「え?」

「ウチが気づかんと思っとったか?

 『夜天の書の主やで?』

 ページが増えてるんはとっくに気づいてたんよ?」

「そ・・・それは

 主はやての魔力量が増えて来ているからでは?」

「シグナム、嘘下手やね、

 みんな同じ日にバイトの予定なんて

 あり得へんのよ?

 ましてやヴィータちゃんは

 見たまんまなら小学生、

 普通は学校行っとるわな?

 月曜日から日曜日まで、

 毎日()()()()()()()()()()()()()な?」

「・・・そぅ、ですね。」

〈すまん、シャマル、

 主はやてに全て把握されていた〉

〈えぇっ!?〉

〈合流出来るか?〉

〈ちょっ!?まっ!?ひゃぁっ!?

 ヴィータちゃん!!こっちに投げ飛ばさないで!!〉

〈んな事言っても重いんだよコイツ!!〉

〈ヴィータ、主はやてにバレたんだ、

 一度話をしようかと思うんだが〉

〈うげっ、もぅバレちまったのか、

 はやて、怒ってる?〉

「主はやて。」

「ふ~ん、や。」

〈・・・〉

〈おぃ、シグナム?〉

〈どうしたヴィータ?

 シグナムがなにか言ったのか?〉

〈いや、ザフィーラ〉

 

シグナムが気絶した

 

兎に角大急ぎで収集し最短距離で転移しようとしたら

「まだ今日は出来る筈だが?」

 

()()()()()()()()()()()

 

「ちょっと事情があって

 急いで戻らなきゃいけないのよ。」

(転移先固定、魔力循環開始)

「・・・地球に強力な魔導士が居るな?」

「え?」

「明日、襲撃する、その時に収集しろ。」

そう言って転移していった

「ぁ~!!もぅ!!」

 

兎に角はやてちゃんにお話しなきゃ!!

 

「し、しんや?」

動けないはやてとシグナムにちょっかいを出そうとした

ナンパ?の奴を()()()()()()()()()()

「あぁ、すまん、加減をミスった。」

「はっ!?

 すみません主はやて、

 ・・・お前、本当にあの時の()()()なのか?」

隠そうともしない殺気に

今も相手の腕を()()()()()()()()()()()()()()()

「っ!?よさないか!!相手は一般人だぞ!!」

ごきっ

 

その男性の叫び声と同時に転移陣が形成され

騎士甲冑モードのシャマルが現れる

「ぅわ、どう言う状況?コレ。」

確かに生きてはいる一般人数人

腕があらぬ方向に曲がり激痛に悶え

脚は関節を外されたのか痙攣するだけ

「と、兎に角治療魔法かけるわ!!」

クラールヴィント構え全員を同時に治療する

「おい!!バカ!!隔離結界が先だろうが!!」

慌ててヴィータが結界を形成する

「落ち着けヴィータ、

 付近にはこいつら以外居ない、だが。」

拳をシンヤに向けるザフィーラ

「ぇ?おい、ザフィーラ?コイツ、シンヤだぞ?」

「解っている、

 だが、今、この目に映るシンヤは

 ()()()()()()()()()?」

「な、なぁ?シンヤ?

 どないしてこんな事したん?

 シグナムもおったし、ウチも道を聞かれて

 案内しようと思ってただけなんよ?」

 

ま、所詮小学生の頭だしなこんなもんか

 

「貴様、主はやてを愚弄するのか!!」

レヴァンティンを構える

「お、おい!!

 シグナムまで何してんだよ!!」

取り敢えずシンヤとはやての間に入るヴィータ

 

レヴァンティンを構え怒気を吐き出すシグナム

焦りの顔をしつつも拳を向けるザフィーラ

状況に参加出来なくても耳を向けるシャマル

 

「良くて二カ月、早くてひと月を割るそうだ。」

「え?」

「はやて、お前に()()()()()()()

 『夜天の書』は間違いなく暴走し

 この世界、()()()()()()()()()()()()。」

「てめぇ、なんでソレをはやてに言いやがった!!」

ぇ?

「私達ははやてちゃんの為に、

 例え、どんな事があろうとはやてちゃんが決める事に

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

シャマル

「俺は守護獣として出来る事を常に探している!!

 だからこそ、今のお前は

 ()()()()()()()()()()()()!!」

「そうだ、そもそも

 『闇の書』ではなく、

 『夜天の書』と、本来の名前を知っていた、

 この時点でおかしいと思うべきだったのだ。」

カートリッジをリロードする

 

お前ら、ちゃんと()()()()()()()()()()()()()()

4人「っ!!」

「見ろよ、お前らの主様は泣いてるんじゃないのか?」

「はやてっ!!」

覗き込むヴィータに零れ落ちる涙

「なんで・・・なんでなん、

 なんで、ウチにそうだん、してくれへんの?」

「はやてちゃん・・・ごめんなさい、

 でも!!」

「でもやない!!なんでや!!ウチは

 ()()()()()()()

 みんないうたろ!!

 ()()()()()()()()()使()()()!!

 なのにコレはなんなん!!

 なんでウチに聞かないで

 ()()()()()()()()()!?

 ウチが動けないからか!!

 ウチが頼りないからか!!

 ウチは()()()()!!」

 

「シグナム。」

「なんだ、今、私はお前を殴りたくて仕方ないのだが?」

「言ったろ?」

 

()()()()()()()()()()()()()()って

 

「っ!?」

「今、お前らがして来た事は

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それは、騎士として恥ずべき行為だと

 俺は思うんだが?」

強く噛み締める口から血が流れ出る

 

「ば~か、綺麗な顔に血は似合わないぞ?

 ()()()()()()()()

 先ずはそこからだ、

 そして、しっかり話せ、

 それから、次の事を考えれば良い。」

転移陣を形成する

「シンヤ。」

「んだよ?」

「・・・あり「俺じゃない、はやてにそれは言え。」っ!?」

「明日、

 ()()()と、()()()()を攻撃する、

 その間に()()()()

 はやての今後に必要だからな。」

「貴様!!なにを言っているのか解っているのか!!」

「・・・言い訳は

 ()()()()()()()()()とでも言えば良い、

 バカ二人だ、それで通る。」

 




バカ二人
「「ふぇっくしょん!?」」
《マスター?風邪ですか?》
「ん~、噂されたのかな?」
《マスター?》
「大丈夫、バルディッシュ、
 帰って風邪薬飲むね?」
《来ます!》

「どうしたの?」
ゴゴゴと効果音が聞こえるプレシア
「どうもこうも。」
「母さんの防御を貫く秘策を考えてたんですよ。」
「来なさい!!
 新たな魔術の実験の為にも!!」

「はぁ、ママったら。」
〈シンヤ、もう帰って来ないつもりなんだよね?〉
〈あぁ、俺にはお前らは眩し過ぎる〉
〈ばか〉

〈愛してるよ、アリシア〉
〈それ、ちゃんと()()()()()()()()()
 じゃなきゃ受け取らないから〉
〈・・・じゃぁな〉

「ほんと、惚れた手前のなんとか、だっけ。」
伝う雫は誰も気づけなかった


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37話

 

「なぁ、収集って元はなんなん?」

「ごめんなさいはやてちゃん、

 前の事とか、夜天の書時代の事は

 うまく思い出せないの。」

「発言をよろしいでしょうか、

 主はやて。」

 

「えぇよ、シグナム。」

 

あの夜、シンヤに言われた事を話した、

そして、動物園の時も、

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「・・・話すのが今になり、

 申し訳ございません。」

「なぁ・・・なんだよ、それ、

 夜天の書が

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()っ!!」

「元の機能が記録するだけで、

 平和利用が根幹の筈が。」

「そのバグによって

 我らの機能すら歪められていたのか!!」

「アイツは、シンヤは

 ()()()()()()そう言っていたが、

 確証も、確定も無い、

 だから()()()()()()()()()()()()()、すまん。」

 

なら、収集()()()()()

 

4人「っ!?」

「は、はやて?

 おま、なに言ってるかわかってるのか?」

「そうよ、はやてちゃん?

 それは()()()()()()()()()()()()?」

「そうです主はやて!!

 大切なご友人と争うなど!!」

「なぁ、シグナム、

 シンヤは()()()()()()って言っとったん?」

「ぇ?えぇ、何度か念話で情報交換はしていたので。」

4人「へ~。」

「なっ、なんだ?主はやても、

 みなも、な、なんだ?なんなのだ?」

「べっつに~。」

「そうですね~。」

「ふっ、お前も女だったのだな。」

「して?シグナム?主命令や!!

 ()()()()()()()()()()()()()!!」

 

は?

 

「シグナム?ウチらの仲であの3人を除けば

 一番シンヤと話すんは、()()()()だけや、

 つまり、シンヤを一番知っとるって事や。」

「はぁ?」

「なんやなんや、シグナムのおっぱいは

 ウチの物やで!!シンヤには一ミリも譲らんで!!」

「・・・出来れば揉むのを止めて欲しいのですが。」

「イヤや!!」

「そうですか。」

「せや。」

「はい。」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

なんやシャマルが落ち込んでるけど

安心しぃ!!シャマルの揉み心地もええもんよ!!

むしろ二人に挟まれていたいわ!!

「シンヤに、ですか?」

「せや!想像でけへん?」

 

 

「・・・。」プシュ~///

 

「こ、コレは。」

「あぁ。」

「まさか。」

 

「なんだ、シンヤが好きなのかシグナムは。」

 

ぼん

 

「私もシンヤが好きだぞ?

 ただ、今日のシンヤは嫌いだけど。」

「あはは、ヴィータが言うんは

 ()()()()()()()()()()()()()

 まぁ、シンヤがロリコンな線も捨てがたいしなぁ。」

「どーいう意味だよはやて!」

「ふっ。」

「オィ、ざふぃーら、

 テメェ今直グ表デロ、〆テ殺ル。」

「ほぅ、隔離結界はシャマルに頼むか。」

「なんで私なのよ?

 もぅ、シグナムは真っ赤になって

 固まっちゃってるし、

 はやてちゃん?

 改めて言うけど、ごめんなさい、

 そして、これからも私達が()()()()()()()

 この身に代えても。」

「おっと、主、

 この守護獣ザフィーラ、

 この拳に

 砕けぬ物は無い事をお見せいたしましょう。」

「てめっ!?

 ぁ~・・・アタシらもがんばっからよ、

 これからも()()()()()()()()()()()?」

 

「当ったり前やろ?

 全部は水に流さんけど。」

3人「え?」

 

「それに。」

3人「ぁ~。」

 

未だに帰って来ないシグナムを見る

 

4人「コレは面白くなりそう。」

 

シグナム以外の結束力が300あがった

 




〈なぁ、レヴァンティン〉
〈なんだ、アイゼン〉
〈我らの相棒は大丈夫なのか?〉
〈戦闘面か?〉
〈・・・精神面だ〉
〈・・・聞くな〉
〈だよな〉
〈どうなるんだろうな〉
〈知れた事〉
〈ん?〉
〈相棒の為に全力を尽くす、
 我ら守護騎士に仕えるデバイス、
 それさえ押さえていれば良いだろう?〉
〈・・・まぁ、そうなんだけど〉
〈なんだ?アイゼン、お前らしくない〉
〈・・・もし〉
〈ん?〉
〈相棒がヤバかったら助けてくれるか?〉
〈杞憂だな、守護騎士同士共に戦うのだ、
 守護騎士同士すら守れないなら、
 我らが主、はやて殿すら護れないだろう〉
〈・・・そっか、そうだな!!〉
〈・・・〉


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38話

 

「なに?私に()()()()()()()()()()()()()?」

「えぇ、その方が()()()()()()()()()()()()()()()。」

()()()()()()()()()()()()()

「構わない、雇い主にもそう伝える。」

 

丁度、二人はショッピングに出かけているのか

街中に二人だけだ

 

(ごめんね、なのはちゃん、フェイトちゃん、

 私達を許してなんて言わないから)

 

「では、始めるか。」

隔離結界を形成し、

なのは、フェイトを確保する

 

「フェイトちゃん!」

「うん、なのは!」

 

レイジングハート・エクストラフォーム

 

バルディッシュ・ブリッツ

 

「「セーットアーップ!!」」

 

(なぁ?)

(な、なに?ヴィータちゃん?)

(アイツ等、ヤバくね?)

(言わないで)

 

 レイジングハート・エクストラフォーム

両腕にパイルバンカーを装備し

脚部にも凶悪な噴射口と鋭利な靴先

背部はこれまた大型な噴射口を2つ

 

言わば、レイジングハートの近接特化バージョン

 

 バルディッシュ・ブリッツ

流石に露出を抑えた服装だが

レオタードは変わらない、マントも

一番の特筆すべき点は

バルディッシュの形態だろう

 

斧槍形態から

脇差・小刀と、剣道で言う二刀流スタイルに変わっていた

靴にはエアインテークを二口装備し

その間に足があり

鋭利な靴先はレイジングハートの色違い

そして、二口の噴射口がある

 

そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「さ~って、こんな事して来るのは

 もしかするとだけど。」

《はい、恐らく多次元で頻発している

 『魔物・魔導士襲撃犯』と推測されます》

《エリア内のサーチ完了、

 強力な反応が5つあります》

「そうすると、犯人は複数、

 もしくは組織的な感じかな?」

《反応、接近してきます》

「あ、みえ・・た。」

「そんな。」

あろうことか()()()()()()()()()()()()()()()()()

「ただ。」

「うん、みんな、正気じゃない。」

一つ違うとすれば()()()()()()()()()()()()

(うひ~、アイツ等マジでヤバいだろ)

(お願いヴィータちゃんビビッてバレちゃったら

 後が大変だから!!)

(しかし、先日のシンヤよりは)

(そうだな)

4人(あの殺気全開のシンヤよりはマシ)

「・・・行くぞ。」

仮面の男?が魔力弾を放つ

 

「フェイトちゃん!」

「任せて!!」

 

なんとフェイトが守りに着いたのだ

 

「ふっ!閃光一閃!!」

 

見事過ぎる抜刀は魔力弾を切り飛ばし

 

その()()を男に放つ

「くっ?!」

流石に受けるのは不味いと判断し避けるが

 

「でぃばい~ん!!」

《バンカー》

全力で魔力障壁を何重にも展開する

 

その一撃はディバインバスターをこれでもかと圧縮

ただ一点に威力を集中した()()()()

 

当然、魔力障壁を何重に張ろうとも

 

「ぐわぁあっ!?」

 

防ぎきれない

 

仮面の男?が吹きとばされ

 

「まってて!!今!その仮面を壊してあげるから!!」

 

(いや、死ぬわ!!んなもん喰らったら

 顔が潰れるとかのレベルじゃねえだろっ!!)

アイゼンにリロードを促し

兎に角正面で喰らうのを避けた

「ラケーテン・ハンマー!!」

「レイジングハート!!」

《蹴(シュウ)》

威力が拮抗し互いに弾かれる

(はぁっ!?冗談だろっ!?

 リロードしたアイゼンに

 正面からかち合っただとっ!?)

バンカー・鋭利な靴から吐き出される熱気と排気

「ありゃ、これで同じ威力なんだ。」

《マスター、アイゼンにコンタクトを取っていますが

 拒否されています》

「そっか、あの仮面の人はホントに悪い人なんだね!!」

(止めてくれ、その撃鉄を引き上げないでくれ)

「アイゼン。」

《リロード》

2発で撃ち負かせられるのか?

「そっちがその気なら!」

《ブースト》

消費魔力が跳ね上がるけど

威力は10倍

「一撃、必殺!!」

《ワン、ツー》

「ストレート~っ!!」

背部の噴射をまき散らし迫る

「わぁああっ!!」

(ひぃいいっ!?)

振りかぶり兎に角それを相殺すべく

アイゼンを振り下ろす

「私の相手は。」

レヴァンティンを構えるシグナム

(速い、あの抜刀、見切れるか?)

《リロード》

(様子見でカートリッジを一つ)

「っ!?」

《回避を!!》

 

ワザと姿勢を崩し仰け反る

 

「お見事。」

(これは・・・武士?)

 

前髪が僅かに舞う

 

「・・・ふっ!!」

二発リロードして

 

「ぐぅっ!?」

「とめた?

 とめられたね?バルディッシュ。」

《マスター?マスター?

 お願いですから

 あのモードはまだ駄目ですよ?》

 

バルディッシュ・ベギーアデ

 

《後で怒られても知りませんよ?》

 

ゾクッ

 

「・・・なんだ、今のは?」

バリアジャケットが切られていた

「・・・主はやてより受け取った服をっ。」

3発

「フェイト・テスタロッサ、

 貴様は。」

「貴女を。」

「「切るっ!!」」

 

その余波は周囲の建造物を切り飛ばして行った

 

「・・・これほどとは。」

(いやいやいやいやっ!?

 念の為ザフィーラにこっちの護衛を頼んだけど、

 怖っ!!)

(し、しんじられん、

 主と同じ幼子にも関わらず、

 シグナム、ヴィータと

 力の押しあい・・・いや、圧し合いと言うべきか?)

「シャマル、座標は?」

仮面の男が言うが

「無理。」

「ふむ、体力が落ちるまで待つしか無いか。」

(でしょうね!!

 下手に手を出したら

 あの間に挟まれるって事よねぇえっ!!

 一瞬で殺されるわよ!!)

 




バルディッシュ・ベギーアデ

二刀流から

とある日本刀を模したシンプルな姿になる

その状態はまだ制御し切れておらず
試験段階で

相手を切りたい欲望に身を任せ
兎に角切る

切りまくる

「アハハ!!マダ切レナイネ!!しぐなむ!!」
「くっ!?このぉっ!!」
僅かな隙間でリロードし
剣撃について行く

「ねぇ、ヴィータちゃん?
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」
必死にアイゼンを振り回し
その力を正面ではなく
他の建造物に受け流す
(コワイコワイコワイ!!
 ()()()コワイ!!)
延々と繰り出される『ワン、ツー』は
初撃を横に殴りアイゼンをずらし
二撃目を顔面に向ける
しゃがんだり、仰け反ったり、
アイゼンを小型化して、取り回しを優先したり
兎に角
繰り出される一撃が、即死級

(お家帰りたい!!助けて!!はやてぇ~っ!!)



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39話

 

さて

 

「全力で30分、小学生にしては持ってるな。」

《シンヤ》

「んだよ、シナノ。」

言うまい、今まで平仮名で呼んでいたとは

《本当に収集させる気ですか?》

「あぁ、そもそもの

 保有魔力量がSSSクラスになった

 なのはと、フェイトは、

 身体を壊しかねないからな、

 それを()()()()()()()()()()()()。」

《イレギュラーの貴方のせいですか?》

「さぁな、

 んぉ?なんであそこにロッテが居るんだ?」

《なんだか落ち着きが無い様に見えますが?》

「声、かけるか。」

〈もっしも~しロッテ~?〉

〈うひゃぃ!?〉

〈あ、ごめん、こっちこっち〉

「あ、シンヤだ。」

合流する

「どしたん?」

「いや、その。」

引き気味に戦闘宙域を見る

「ぁ~・・・アリアが心配?」

「あれ?お姉ちゃんの事、言ったっけ?」

「・・・耳かきしてやるから黙ってて貰える?」

「いいよ~。」

ぽんぽんとベンチに座る様に促すロッテ

「今かよ。」

ま、座るけど

「え~い!」

 

「ねぇ?いま、重いって思った?」

「いんや、なんでここまで俺に気を許すのかなぁ~って。」

「ん~、わかんない。」

「わかんないのか~。」

フキフキ

「ぁ~///ソコソコ///」

フキフキ

「はふぅ~///」

「なぁ、ロッテ。」

「にゃぁにぃ~///」

「『夜天の書』が暴走する時、

 手伝ってくれるか?」

「どう言う事?」

フキフキ

「はにゃぁ///」

「たぶん、精神面に対する魔法が発動される。」

「そりゃぁ魔導士の基本は心、

 精神面に対する攻撃程効果的な物はないね。」

「その時。」

 

周囲の面子を兎に角、俺から離れた位置に逃がして欲しい

 

「ぇ?」

「正直、()()じゃ無くなるからな、

 『聖』『魔』『霊力』『妖力』

 この()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「・・・もぅ、いいよ。」

俺の手を押しのけ起き上がり

 

「一人で頑張り過ぎ。」

また、抱きしめられる

 

「そう、か?」

「そうだよ、今だって、辛いんでしょ?」

「・・・あぁ。」

「その時の為に、あんなに鍛えたんだね?」

「それでも、拮抗するかどうかだ。」

「・・・あの子達を信じて無いの?」

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「・・・生まれる前の記憶、辛い?」

「ぅん。」

駄目だな、また、身体の年齢に引っ張られてる

 

「大丈夫、もし、辛かったら()()()()()()()()()()()?」

「いいの?」

「うん、私も、お姉ちゃんに敵わない事が沢山あるから。」

「ろっても、にげたの?」

「うん、でも、今は少しずつ()()()()()()()()()

 まぁ、ほんの少しだけどね。」

「ありがと、ろってお姉ちゃん。」

「あはは~・・・お姉ちゃんか。」

あれ・・・?あめ?

「ねぇ、お姉ちゃん、

 ()()()()()()()()()()()()?」

 

どうして、俺を求めるのやら

 

「もぅ行くの?」

「あぁ、そろそろ体力の限界だろうから。」

「リーゼお姉ちゃん、強いよ?」

「知ってる。」

「たぶん、外から入って来ようとしてる子、

 シンヤ君に相当怒ってるよ?」

「この結界を形成してたのは、ロッテだったのか。」

「まぁね、リーゼお姉ちゃんは

 戦闘に集中してないと危ないって、

 さっき念話で話してたから。」

「っ!?ロッテ!!」

左腕から流れる血は、

結界のダメージがそのままロッテに伝わっている証拠だった

「いまから、そこだけ開ける。」

「わかった。」

「・・・また、耳かきしてね?」

「必ず。」

「はぁああっ!!」

バギィ!!

「あ、アリサ、手、大丈夫?」

「平気。」

「どこがよ!!そんな血だらけでなにが大丈夫なの!!」

「すずか、うるさい、ハピネス。」

リロード

 

《了解》

 

アリシアの魔改造により、

ハピネス、エクサグラマ、()()()()()()は、

ベルカ式カートリッジシステムを積んでいる

オマケで()()()()()()()()()も使用できる。

 

「イアルホール、解析はどう?」

《アリシア、解析は進んで・・・待ってください、

 アリサさん、ココだけ

 『魔力が弱まって来ました』

 間も無く、『回廊』が出来ます》

「え?」

「イアルホール、どう思う?」

《誘い込まれているかと》

「うわ、開いた。」

「ふぅ、アリシア、回復お願い出来る?」

「もぅ、こんなにぐちゃぐちゃにしちゃって、

 血だらけの手でシンヤ君に触る気?」

素早く治療魔法を掛けつつ聞く

「そうね、

 アンタのせいでおかしくなったって言うんだから。」

そう

手紙一つすら残さないでもぬけの殻

流石に着替えは持って言ったみたいだけど

「絶対、責任取らせるんだから。」

「そうだね!でも、

 今ここで壊れちゃダメ、

 ね?アリサ?」

「わかったわよ。」

「眷属召喚で見て来たけど、

 回廊は問題ないわ、

 でも、

 なのはちゃんと、フェイトちゃんが、

 かなり不味い状況よ。」

「よし、治療完了!いこ!」

「覚悟しなさいよ、シンヤ。」

「成長した私達を。」

「最後まで責任取らせるんだから!」

 




〈エクサグラマ〉
〈はぃ、なんですか?〉
〈どうですか?〉
〈どう?とは?〉
〈成長されたすずかさんが、です〉
〈ハピネス、
 替わって貰えますか?〉
〈無理ですね〉
〈はぁ、そうですよね〉
〈替わって欲しいとは
 デバイスとして良くない発言かと〉
〈イアルホール、
 貴女は知らないのでしょうけど〉
〈いえ、既にデータはアリシアより受け取ってます〉
〈なら、わかるでしょう?〉
〈まぁ、我儘な印象を受けますが〉
〈が?〉
〈アリシアに比べたら〉
〈〈ぁ~・・・〉〉
〈毎日過負荷演算、
 オーバークロックも程々にして欲しいです、
 液体窒素で過冷却され、
 オーバークロックで兎に角最速を求められ
 それでも()()()()()()()()()()()()()()()
 アリシアは、デバイスに何を求めるのですか?〉
〈〈ご愁傷様〉〉
〈はぁ、また追加の計算が・・・〉


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40話

「シンヤ。」

会って?合ってじゃなくて?

「前世で、何があったかわからないけど。」

「シンヤ、私は貴方を待ってるからね?
 逃げたかったら、
 私のトコおいで?
 落ち着くまで、()()()()()()()()()。」

飛び交う光が少なくなって来た

「あの3人も合流したみたいだね。」

あえて天井の部分を薄めに結界を調整する

「おっかないのが撃ちあげられるから、か。」
(シンヤったら、
 あんなにボロボロなのに、
 それでも私や、あの子達の心配かぁ)
「今の内に隠れ家の検索でもしとこうかな?」



 

「ちっ、増援か。」

「なのは!!フェイト!!大丈夫!!」

 

「あれ?アリサちゃんに・・・あれ?」

「えっと、

 アリサ?すずか?その人は?」

 

どうしてプレシアさんの

色違い(金髪色白)の白衣の方が?

 

「ふっふ↑~↓ふっ!!

 この姿こそ!!私が望む姿なのよ!!」ドヤァ!!

 

全員「で、誰ですか?」

 

「はぁ、アリシアよ、コレ。」

「そぅね、アリシアなのよ、コレ。」

「もぅ!!二人してコレってなによ!!」

 

「「うぇえええっ!?アリシア(ちゃん)なのぉ~っ!?」」

「はい、取り敢えずお水!!」

水入りボトルを投げ渡す

「わたたっ!?」

「っと、そうだね、流石に喉乾いたし。」

「ふっふっふっ、

 飲んだわね?」

「「え?」」ごきゅ

 

「なっ!?」

「うわっ、魔力が回復した。」

「プレシアママと開発した

 『疲れた時にはこのドリンク!!』

 『枯れた喉を潤し』

 『美肌効果も!!』

 『そして減少した魔力も回復できる!!』

 これこそが『MPポーション!!』

 まぁ、若干値段は張るけど。」

「因みに、アリシア?いくらだったの?」

 

600mlで・・・5000円ぐらいかかります

 

「「ごほっ!?ゴホゴホッ!?5000えんっ!?」」

「兎に角!!形勢逆転でしょ!!」

 

ずぶり

 

鈍い音がその静寂を創り出す

 

「ぁ・・・ぁ。」

(間違えちゃった、

 えい!!)

「あがぁっ!?」

「なのはぁっ!?」

「ふん!!」

仮面の男がフェイトを殴る

「うぐっ?!」

 

「なに、その生えてる、て。」

 

(収集開始)

物凄い勢いでページが増えていく

(凄い、なのはちゃん、

 こんなにも努力をしてたのね)

 

「で・・・でぃばぃ・・ん、

 バンカー!!」

 

(うそっ!?)

 

まさかの自身に向かって

ディバインバンカーを撃つなのは

 

墜ちて行くなのは

 

「なのは!!なのはぁああっ!?」

〈なにをしている、

 早くフェイト・テスタロッサも〉

(くっ)

左腕をやられつつも

空いている右腕を空間に突き刺す

 

「あぅ・・・うそ。」

 

(しゅ・・・収集、開始)

なのはの収集同様、

ページの勢いが恐ろしい

 

「っ!?エクサグラマ!!」

《ブラッドシューター》

 

真っ赤な魔力がナイフを模(かたど)り

仮面の男に迫る

「くっ!?」

防ぎ切れなかったのか

 

仮面が剥がれてしまう

 

「しまっ?!」

 

その拍子にフェイトの拘束が外れる

「バルディッシュ・・・ブリッツ!!」

《マスター!!》

 

その一閃は間違いなく腕に傷をつけた

「あ゛ぁ゛っ!?」

「シャマルっ!!」

空間を維持出来ずその場に座り込む

「急いで止血を!!」

簡易的とは言えザフィーラも治癒魔法を使えるが

「シャマル!

 早く自身に向かって治癒魔法を!!」

「・・・わか・・てる。」

「・・・シャマルの防御を切り裂いた、だと。」

「・・・シグナム、貴女は。」

(しまった、操られている設定が)

「ゆる・・さ、ない。」

無理がたたったのか気を失うフェイト

「フェイト!!」

空間転移でアルフがフェイトを支える

「ったく。」

「クソ、使い魔か。」

 

「・・・アンタ、アンタが原因だな?」

「だとしたら?」

再び仮面を着けていた

「同じ使()()()()()()()()()ね、

 このアルフ様の嗅覚は伊達じゃないんだよ!!」

アルフのバインドが迫るが

「ふん!!」

「ちっ。」

弾かれる

〈よーし!!繋がった!!みんな!!聞こえる!!〉

「遅いわよエイミィ!!」

〈これでも改造されたアースラの全力で

 通信妨害を突破した最速記録なんだからね!!〉

「兎に角、この結界を壊すには!!」

〈良くわからないけど、

 天井部分が薄くなって来てるの、

 そこなら

 『大出力砲撃で撃ち貫けるんだろうけど』

 出来るのは〉

 

「なのは、だけ、か。」

 

〈いけ、る、よ〉

「なのは!!あんた大丈夫な訳ないでしょ!!」

〈あはは、でも、だい、じょうぶ、

 レイジングハートも、

 いけるって、いってくれてるから〉

 

「エイミィ、薄いトコでも一番薄い場所、

 探してレイジングハートに座標を、

 私達は。」

「そうね。」

「あ、直接戦闘は私向かないからパス。」

「「この期に及んで何言ってんのよ!!」」

《いえ、本当にアリシアさんは、

 近接戦闘がダメでして

 近接武器はおろか遠距離武器も》

「ごめん、

 でも()()()()()()()()()()()

 また鍛え直しなの。」

「そぅ、だったわね。」

 

()()()()()()()()()()()()()

あの身体能力だったのだ

今は、()()()()()()()()()()()なのだから

 

「させん。」

仮面の男?が再び魔力弾を展開しながらなのはを狙う

「やらせないわ、エクサグラマ!!」

《ブラッドウィップ》

血の色に染まった茨の触手が仮面の男?に何十と迫る

「くぅっ!?」

掠るだけで裂傷が幾つも増えて行く

「魔力障壁が機能しないっ!?」

「誰も『魔力』を使った攻撃なんて言って無いわよ?」

 

そう、このブラッドウィップ

正真正銘、すずかの吸血鬼としての力なのだ

『妖力』と呼べば聞こえが良いが

吸血鬼の力の一端でしかないブラッドウィップは

『魔力を貫通する特性を持つ』

言わば、ハンター・魔導士殺しに特化した能力

当然、

()()()()()()()()()()()

 

「・・・さて、シグナムさん?」

「・・・。」

「悪魔でそう言う体(てい)なのね?」

頷く

「そぅ。」

 

その瞬間吹っ飛ばされた

(ぐぅ・・・一体なにが起きた?)

《私を前に!!》

激痛に耐えながらレヴァンティンを構える

 

「・・・雷速の先、光速って知ってわよね?」

 

 

「うぉおおっ!!」

残り少ないカートリッジをリロードし振り払う

 

「これなら、フェイトの方が早いわね。」

背後から聞こえる冷え切った声

 

「痛いけど、フェイトの代わりに

 落とし前・・・うぅん。」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「シグナムが、墜ちた。」

「さてと、ヴィータちゃん、

 お話しできるよね?」

「アリシア。」

「ある意味、助かったわ。」

「え?」

「なのはも、フェイトも、

 その身体には危険な程魔力を溜め込んでたの。」

「ど、どんだけバカなんだよお前らは。」

アイゼンを構える

(冗談じゃない、

 何処が小学生だ!!

 この殺気は・・・守護騎士のアタシですら)

カタカタカタ

「震えてる、

 へぇ、ちゃんとわかるんだ。」

(動け!!動け動け動け!!)

《リロード!!》

「ぁ、アイゼン?」

《撃て!!今ある全てをぶつけろ!!

 『相棒!!』》

「そぅ、だよな、

 アタシらしくないよな。」

《『相棒』ぶちかませ!!》

「グラーフアイゼン、

 残ってるカートリッジ、

 ()()()()()

《ヤボール!!》

 

ありがと、ヴィータちゃん

 

これで()()()()()()()()()()

 

「うぉおおりゃぁあああっ!!!」

今ある全てを一点にぶつけてやる!!

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

かくん

 

倒れ込むヴィータ

 

「っと、うへぇ、重ぃ~。」

 

ごめんね、ヴィータちゃん

辛いだろうけど、それが()()()()()

忘れちゃダメだよ?

先代様達の事

 

 




アンリミテッド・タイムリープ

アリシアが自身の肉体に完全定着したからこそ使える

()()()()()()()

その効果は

対象にとって()()()()()()()や、
()()()()

()()()()()()()()()()()()()()()

「はい、解除。」

ぁ~ぁ、ずっと『ごめんなさい』って言ってるよ。

デメリットとして

そのトラウマをアリシアも引き継いでしまう事

「そうだよね、ヴィータちゃん、
 謝りたいのに、謝れないよね、
 もぅ、《私は見えないけど》、
 先代様達は許してくれるよ?きっとね。」

お犬様曰く
〔もう見えん、
 お主はもぅシンヤと同じ世界は見えぬ、
 まぁ、同じ時間は過ごせるじゃろ〕
との事

追記
すいません私は
「悪魔で派」なんです


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41話

 

「レイジングハート。」

《はい》

「キャノンモード。」

《はい》

 

やっぱり、

自分にディバインバンカーは不味かったかな?

 

レイジングハートもひび割れだらけ

 

私も身体中痛くてもぅ倒れたい

 

「まりょ、く、収縮、かいし。」

《はい》

 

 

「なっ!?」

仮面の男?が驚くのも無理はない

 

収集された魔導士にあるまじき

()()()()()()

 

「な、なのは、ちゃん?」

(冗談でしょ?)

 

流石に、全体の戦闘が止まってしまう

 

「な、の、はっ!!」

 

巨大な魔力にフェイトも目を覚ます

 

魔力が乱れてる

「だめ、そんな、じょうたい、で撃ったら。」

バルディッシュを杖代わりに

なのはへ向かって歩き出す

 

 

《収縮、40、50、55》

「だい、じょうぶ?レイジングハート?」

《はい、58、61、72、88、95》

カウントが上がるたびに

レイジングハートの声が枯れて行く

《魔力、収縮、かんりょう

 縮退、かいし》

一気にひび割れが酷くなる

「レイジングハートっ。」

《いけます、撃てます》

 

「リーゼお姉ちゃん、大丈夫、だよね?」

「し、信じられない魔力が渦巻いています!!

 け、計測不能!!」

「射線上に障害物はっ!?」

「幾つかの隠蔽された監視衛星があります!!」

「各国に打電!!隕石が迫っていると誤報を流して!!」

「はい!!」

「うは~、すずか、アリサ、

 シャマル達と合流して、

 防御結界張らないと不味いわこりゃ。」

「アリシア、あれ、

 ()()()()()()()()()()()()()()()?」

「うん、なのはちゃんの底力、

 ほんと計算出来るものじゃないね。」

「アリシア、なのは、大丈夫だよね?」

「・・・ぜったい、どっか壊れる、

 うぅん、一人であんなの撃ったら

 確実に()()()()()()()()()()()

 でも、私達に止める術がない。」

 

「エンドサークル、展開!!」

 

円形の魔法陣が一気に巨大化し

そのピンク色の魔力が

()()()()()()()()()()()()()()

 

《展開、かんりょう》

 

ノイズだらけのレイジングハートの声

 

あ、コレは、撃てないかも

 

「なのは!!」

「ふぇ?フェイト、ちゃん?」

「バルディッシュ!!」

《レイジングハート、

 負担をこちらにも回して下さい》

《・・・はい》

「ダメだよフェイトちゃん!!

 これは!!」

「わかってる、

 なのはの魔力だけじゃない、

 周辺魔力をありったけ集めたんだよね?」

「・・・フェイトちゃん。」

「なのは、防御対策は私に任せな。」

「アルフさん!?」

 

姿は小さく、私達より小さい女の子になっていた

 

「流石に総魔力の半分を収集に

 持ってかれちまったからね、

 省エネモードって奴さ。」

「なのは!」

「うん!」

 

()()()()()()

「9。」

「8。」

()

「6。」

「5。」

「さっ、こっちも準備できたよ!」

《3》

 

なんかいも3を繰り返すレイジングハート

 

《2》

「バルディッシュ、頑張って!」

 

《・・・ゼロ》

 

「「アルマゲドン・バスター!!」」

 

 

「シナノ、ショックカノン、

 弾種、波動カートリッジ弾。」

《了解》

左腕に連結された46cm砲身

 

「衛星軌道ギリギリで撃ち消す。」

《カウント、3、2、1》

「主砲、発射!!」

 

 

「な゛ぁ゛っ!?」

「エイミィ!!一体何が起こったの!?」

「ぁ、あり得ない。」

「エイミィ!!」

「か、かき消されました。」

「かき消され・・・まさかっ!?」

「衛星軌道ギリギリ、

 ()()()()()()()()

 アルマゲドン・バスターが、

 打ち消されました、

 周辺衛星に影響、ありません、

 霧散した魔力も、数時間も経てば

 人体に影響ありません。」

 

翌日の新聞では

 

『隕石の爆発か!?』の見出しが各社の一面を独占していた

 

「ふぅ、ただ、詳細不明との事で、

 何処も『隕石の爆発』と結論付けているようです。」

「ありがとエイミィ、

 何か気になる記事でもあったら

 直ぐ報告を頂戴ね?」

「はい、艦長。」

 



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42話

 アルマゲドン・バスター

イレギュラーによって保有魔力量が
SSSになった()()()()()()撃てる物

隕石すら消し飛ぶバカ魔力の奔流

 ディバインバンカー

一撃一撃がディバインバスターその物

リチャージに5秒かかる

 蹴(しゅう)
これも一撃がディバインバスター
こちらはノータイム連発可

喰らって生き延びたのは今の所
ヴィータちゃんだけ
他の守護騎士やクロノ達は
使用禁止を言い渡されている
尚、犯罪者には躊躇することなく使う(金的とも言う)

 ブースト
消費魔力10倍
威力も10倍
カートリッジシステムを積んでも使うから困った物

尚、両親、兄のお説教の後、
道場に顔を出すようになり
既に兄の動きに付いて行けるようになった



 

「正座。」

「あの、ウチはでけへんよ?」

「アリシア。」

「こんな事もあろうかと!!

 身体が不自由な人でも出来るようになる!!

 『正座矯正座椅子君6号』があるわ!!」

「なんでやねんっ!!

 あと、1から5号はどないしたねんっ!?」

「ふっ、科学の発展には犠牲は付き物よ!!」

「アカン代物やんかそれぇっ!!」

 

「まぁ、別にいいけど。」

ほっ

 

「現状の確認ね?」

「なんや?

 またシンヤに惚の字が増え「はやて?真面目な話を邪魔しないで?」

 おぅ。」

「先ず、シグナムさん、レヴァンティン。」

《え?》

「・・・発言は?」

「良いわよ?」

「・・・シンヤは何処に?」

「サァ、マァ、

 帰ッテ来タラオ説教ト。」

「と?」

「『真言で封印しまくってやるわ』」

うんうんとすずか、アリシアも頷く

「って言うか、

 シグナムさんから

 シンヤの話題が一番に出るなんて変ね?」

「え?」

「そうね、確かに服装なり。」

「顔立ちについても気にしてたり・・・。」

「「「まさか、シンヤのタイプ?」」」

「なっ///」

「あの~、ウチに邪魔するなゆうて、

 話、脱線しとらん?」

コホン

「レヴァンティン、

 貴方もシグナムのパートナーなら、

 ちゃんと止めなさい?」

《ですが》

「ですが、なに?」

《イエ、ナンデモナイデス》

あの背後からの一撃は

シグナムを気絶させただけじゃなく

コアパーツ以外、レヴァンティンを粉砕したからだ

「次、魔料理女・シャマル。」

「・・・ハイ。」

「アンタは()()()()()()()()。」

「ぇ?」

「み・せ・な・さ・い。」

「ハイィ!!」

 

「コレは。」

「シャマル、あえて残したのか。」

「・・・。」

「まぁ、シャマルはこれでバツは受けてるから

 致し方無いわね。」

「アリガトウゴザイマス。」

「次、ザフィーラ。」

「わ、我か。」

「アンタは・・・まぁ、犬以下ね。」

ぁ、マジで凹んでる

「いくら()()()()()()()()()

 やりようがあったでしょうに。」

3人「え?」

「知らないと思った?

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 知らない情報を集めるのは趣味なのよ?」

《はい、様々な監視カメラ、

 衛星からの直接監視、

 そこら中にある

 携帯端末のハッキングもお任せです!はい!!》

「そして・・・ヴィータ、あんただいじょばないわよね?」

目は虚ろ

()()()()()()と、紡ぐ事を辞めない

 

「あ~り~し~あ~?」

「・・・ごめんなさい、

 でも、まぁ、トラウマリンクで、

 理由はわかってる、

 でも、私じゃ解決できないのもわかったの。」

「はぁ、()()()()()()()()。」

「ごめんね?」

「『降霊術』」

 

かくんと、アリサが傾く

 

「『ヴィータ、君は悪くない』」

 

涙を浮かべ、『アリサを見る』

 

「『手短に話すよ?』」

 

ぐしゃぐしゃな顔をしながら頷く

 

「『辛い記憶ばかりだったかい?』」

 

首を振り否定する

 

「『楽しかった記憶もあるだろう?』」

 

頷く

 

「『私の娘、ヴィータ』」

 

「____、私は、わたしわぁ。」

 

「『ヴィータ、幸せな時間をありがとう、

  今度ははやてちゃんと

  幸せな時間を沢山作ってくれるな?』」

「____、でもぉ。」

「『相変わらずでもぉは治らないな、

  ヴィータ、バグはいよいよ不味い状態だ、

  先のシンヤ君とうまく連携して

  このバグを治して、

  この夜天の書の意志と

  幸せな時間を』

 ・・・ふぅ、コレが限界、

 本職じゃ無いからもうやらないわよ?」

「・・・あり、がと、アリサ。」

「いらないわ、

 今の会話からもわかるけど、

 はやて。」

「ぅ、はぃ。」

()()()()()()()()()

 生きる為に、

 これからの幸せな時間をつかみ取る為に。」

「わかっとる、わかっとるけど、

 ウチだけじゃでけへん、

 アリサちゃん、すずかちゃん、アリシアちゃん、

 なのはちゃん、フェイトちゃん

 みんな。」

 

力を貸してくれるか?

 

「もちろん。」

「友達だもの当然ね。」

「私は早く『夜天の書』を

 バラシて見たいわ!!

 どれだけ弄れるか楽しみよ!!」

ちらっと

なのはちゃんと、フェイトちゃんを見る

 

バッテンが書かれたマスクを着けられ

正座と両手を拘束されて()()してる二人なんて

見て無い、みたらアカン、

ウチの警鐘がガンガン鳴ってる

 

「ねぇ、リンディ?」

「なぁに?プレシア?」

「家の子、

 何時からマッドサイエンティストになったのかしら?」

「さぁ・・・と言うか、

 アリサちゃんも、

 なんていうか、ドS化してるけど、

 親御さんになんて説明をすれば良いか。」

「「はぁ。」」

 



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43話

 

「さてと、はやて。」

「なんね?アリサちゃん?」

 

実際、あと何日?

 

「ぉ、ぉぃ、アリサ。」

「ヴィータ、えぇねん、せやな~・・・。」

「ぁの、はやてちゃん、

 『本』に聞いてみたらどうかしら?」

全員「それだ。」

 

〈マスター、お呼びでしょうか?〉

「おぉっ!?急に現れよったっ!?

 や、『夜天の書』さん?」

〈確かに夜天の書と呼ばれていた過去はあります〉

(なんや?頑固者の気配がビンビンしよる)

「確認なんやけど、

 ページは後どれくらいで埋まるんや?」

〈・・・後、57ページです〉

「それを魔物だけで収集は?」

〈・・・可能です〉

(なら、なんで暴走する?)

「バグの状態がアカン事はなんとなくわかる、

 どないしたら最善になるんや?」

〈・・・自己修正プログラムの破損も検知しています、

 制御プログラムも同様です、

 他者からの干渉での修復を推奨します〉

「ちょっ、なら今、

 どないして起動してるん?」

〈制御プログラム・自己修復プログラム

 ・自立型思考プログラムの3つを用いて

 余剰演算部分に置ける

 『セーフモード』で起動しています〉

「ぇ~っと?つまり?」

 

「かいつまんで言えば、

 非常用システムで動いているのよ?」

「非常用?」

「ぁ~・・・アリシア?

 大人三人分の

 『幼稚な部分に、ある程度の権限を与えた存在』で

 いいかしら?」

「ぇ~っと?アリサお姉ちゃん?

 急にどうしたの?」

「なるほど、

 その3つのプログラムの『子供が受け答えしてる』

 って、事やね!!」

「なるほど!」

守護騎士共「お~。」

「え?ちょ、私の説明必要なの?」

「まぁ、アリシアは

 数式に関する言語は沢山知ってるけど、

 『私達は小学生よ?』

 パソコンの知識なんて、

 ネット動画を探す程度しか知らないわ。」

「ぁ~・・・そうだったね、

 ジェネレーションギャップってやつかぁ~。」

「・・・多分、違うわよ、ソレ。」

「え?」

〈・・・あの、マスターはやて?〉

「あぁ、ごめんなぁ、

 せや、なまえつけたろ!」

〈え?〉

 

 

「おままごとは終わりだ。」

 

仮面の男?が本に干渉する

「ぁ゛う゛っ!?」

「はやてちゃんっ!?」

「テメェっ!!」

「貴様!!」

「おのれぇえっ!!」

 

守護騎士が飛びかかるが

 

「『闇の書』の完成に、

 守護騎士を使ってはならない理由は無い、

 さぁ、守護騎士の

 『リンカーコア』から収集を!!」

 

 

「ぃ・・・つ~・・・は、ハピネス、状況は?」

〈強力な魔力余波です〉

「魔力余波、って事は。」

 

空を見上げる

 

そこには

 

「あぁ、またしても世界を亡ぼさねばならないのですね。」

 

「ヤバいね、アレ。」

〈はい、マスターの全力で拮抗出来るかどうか〉

〈アリサ!聞こえる?!〉

「音量押さえてすずか、

 大丈夫、ちょっとくらくらしただけ。」

〈いたたた・・・すずか!アリサお姉ちゃん!

 大丈夫?!〉

「アリシア、アースラに連絡して隔離結界を。」

〈わかった!!〉

〈アリサ!シグナムさん達が居ないわ!!〉

 

「多分、『本に取り込まれちゃったわね』」

〈そんな・・・〉

「すずか。」

「っと、アリサ!」

「取り敢えず合流ね、

 すずか、()()()()()の気配は追える?」

「えぇ、眷属召喚で追尾中、

 〔コロシテイイ?〕」

「だめ。」

「なんで?」

 

最高級の苦痛と激痛を味合わせて

それでいて拷問と言う拷問も全部するのよ?

 

「サイコゥ///」

「あのさ、私達は()()()()()()()

 そんな物騒な事言わないで頂戴よ?」

「・・・ごめんなさい、

 やっぱり()()()()()()()()()()()()。」

「そうよ!!

 私なんて2週間補充出来て無いんだからね!!」

「なに、シンヤ成分って?

 兎に角、アースラに一旦転移するよ!」

 



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44話

 

「よし、ギリギリ妨害前に転移できた!!」

「アリシア!!」

そのまま倒れ込むアリシアを抱える

「もぅ、アンタも無茶し過ぎよ?

 シンヤじゃ無いんだから。」

「あはは・・・面目ない、

 なのは達に改良されたフレームをお願い。」

近場の部屋へ担ぎ込む

「って、ここ。」

「ぁ、アースラ、よね?」

「なんで()()()()()()()()()()()?」

 

俺って臭うのか?ちゃんと銭湯で毎日風呂入ってるのに

 

「し、シンヤっ!?」

「なんでアースラのこの部屋にっ!?」

「・・・ぁ、それは。」

 

シンヤの手には『レイジングハート』と『バルディッシュ』

 

「あぁ、今は大急ぎで

 カートリッジシステムの組み込み中、

 あの二人は()()()()()()。」

「っ!?」

「あぁ、動くと電流が流れる

 オモチャを首筋につけて来ただけだ、

 ってか、どうしてあぁなったあの二人は?」

すずか、アリシアが、アリサを指差す

「え?アタシのせい?」

頷く二人

「・・・なにしたんだよ、

 兎に角、全員で事に当たらないと

 ()()()()()()()()()()()()()()

 それでも行くか?」

「・・・シンヤ。」

「なんだ?時間は無いぞ?」

()()()()()()()()()()?」

「益々不味くなるな、

 それに、こんなに前倒しされて、

 俺自身の準備も間に合って無い、

 後、俺は()()()()()()()?」

 

「シンヤ、どう言う事?」

「どうもこうも、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 あれだけの魔力量だ、

 俺の中の『聖』『魔』『霊力』『妖力』が

 反応しない訳が無い、

 近くには居れるだろうけど、それが限界だ。」

《シンヤ、組み込み完了》

《同じく》

「ぉ、早いな。」

《勿論、私が演算補助しましたから!!》

《えぇ、鬱陶しかったですが》

《必要のない計算もしてましたよね?

 マスターに何をさせる気ですか?》

《えぇっ!?》

「・・・アリサ、二人だけで話したい。」

 

「嫌よ。」

「そうね、私も()()()()()補充したいんだからね!!」

「なんだそれ?」

「・・・すずか、ごめん、歩くの支えて。」

ぐいっとすずかを引っ張る

「ちょっ!?これだけの力が出せて歩けないのは

 おかしいでしょっ!?ちょっ!?」

『レイジングハート』と『バルディッシュ』を

アリシアに投げ渡す

 

扉が閉まる

 

「で?」

「これだ。」

 

「ゆび、わ?」

「・・・早すぎるのは承知の上だ。」

 

俺と、結婚してくれますか?

 

「・・・嫌よ?」

「え゛っ!?」

「3人、全員と結婚しなさい。」

「いや、日本の法律じゃ無理なんだけど。」

「・・・それでもよ?」

「・・・まずは、アリサからで?」

「そうね、次にすずか、アリシアね。」

「わかった、『真言』で指輪に誓いを。」

 

『私、アリサ・バニングスは、

 夫、蒼頡・シンヤと番(つがい)の契約を結ぶ』

『俺、蒼頡・シンヤは、

 アリサ・バニングスと番の契約を結ぶ』

 

指輪が僅かに光り、双方の指にはまる

 

「ま、一種の呪いなんだけどな、コレ。」

「そうね、『真言』とは言ってるけど、

 ()()()()()()()()なんて、ある意味呪いよね。」

「っと。」

そのままアリサに倒れ掛かる

「ばか、一人で抱え込み過ぎよ、シンヤ。」

「・・・だな、

 ()()()、アリサが居てくれる、少しはマシだよ。」

「前世の事なんて、

 ()()()()()()()()()、誰も貴方を責めないわ。」

「・・・同じ事をロッテにも言われたよ。」

「へ~・・・浮気シテタンダ?」

「あ゛っ!!」

「むぅ!!」

 

がっつり舌を絡められ口を塞がれる

 

「もぅ、()()()()()()()()()()()

「いや、そう言うアレじゃぁ。」

「ロッテさんに、リンディ母さん、プレシア母さんも?」

「・・・どうなんだろ、

 あれからプレシア母さん綺麗になったけど、

 リンディ母さんと何か話し込んでたような・・・。」

「あれ?好きなのよね?」

「そりゃぁ、プレシア母さんも、

 リンディ母さんも、()()として好きだけど?」

「え?じゃぁ、あの日は?」

「あれは偶々、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、タブン。」

「お、おぼえてない、なんて、い、いわないよね?」

「・・・薄っすらとしか。」

 

ふん!!

 

バチーン!!

 

「こ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

「ぉ、ぉぅ。」

(言えない、

 がっつり覚えてるなんて

 そりゃぁ、男だし、中身45になるけど、

 必死に性欲に抵抗して

 ・・・()()()()()()()()なんて、

 言えるわけない!!)

 




アースラ艦橋
「ねぇ、リンディ。」
「プレシア?」
「シンヤ君、凄いのね。」
「え?唐突にどうしたの?」
()()()()()()()()()()()
 実際、行為に及ばなかった精神力よ。」
「ぁ~、そうねぇ、
 おかげで肩こりも腰痛も凄く楽になったし、
 あの子達の『姿勢矯正』の効果が出てるのか、
 背筋がしっかり伸びてるわ。」
「あのぉ、状況、結構ヤバいんですけど?」
「エイミィ、こんな時こそ()()()()!!」
「そうよ、アースラの機関出力なら、
 隔離結界は問題ないし、
 建造物をコピーしただけで、
 ()()()()()()()()()()()()()()()()()。」
「それは、そうなんですけどぉ~。」
「エイミィ、僕たちがしっかりしていればいいんだ、
 あっちは見なかった事にすれば良い。」



(クロノ君、何話振りのセリフなんだろ?)


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45話

アースラ ブリーフィングルーム

 

「さて、現状の把握からかしら?」

「はい、現在、

 『夜天の書』の主である八神はやてさんは、

 表に出ている制御プログラムに囚われている状態で

 生存は確認出来ています。」

「無事なんですね?」

「それで、私達はどうすればいいの?」

フェイト、なのはが()()()()()

「それは、私からね?」

 

モニターに簡単な図面を表示する

 

「ようは、こうやって『卵の中に閉じ込められてる状態なの』

 コレを先ずは『亀裂を一つでも入れる事』が、

 最初の条件なんだけど。」

 

更にモニターを詳しくする

 

「この()()()()()()()()!!の、

 お姉さん、恐らく夜天の書の

 『前の主さんの姿を借りてるみたいなの』

 この人を覆っている

 『魔力障壁と物理障壁の数が』」

 

「うひ~、すんごい分厚い。」

「一枚、一枚が、恐らくSSクラスの障壁だね。」

「そうなのよ、

 なのはちゃんのディバインバスターを

 4、5発分の威力が破壊に必要ね。」

「はぁ、コレ、

 なのはの防御をぶっ壊す以上の威力じゃないと

 ダメージすら通らないって事よね?」

「ぁ、アリサお姉ちゃん正解、

 そこで、全員のデバイスに

 『ベルカ式カートリッジシステム』が積んであるの。」

「あ、それでさっき返して貰ったんだね?」

「バルディッシュ、どう?いけそうなの?」

《システムは問題ありません》

《はい、ですが複数同時は控えて欲しいのが本音です》

「そ、

 要は魔力ブーストを強引に掛ける、

 それだけ、身体に負担が掛かるの、

 連続して3発までね?

 特に、なのは、フェイトはね?」

「「え?」」

「ぶっつけ本番なんだから普通は駄目なの、

 アリサお姉ちゃんは、元々

 『波動カートリッジ弾』を使ってるから慣れてるの、

 すずかさんも、

 吸血鬼としてのそもそもの頑丈さが顕著なの、

 ぶっちゃけ、

 ディバインバンカーを5発ぐらい直撃しても

 ちょっと痣になるぐらいよ。」

「へ~?試してもいい?」

「ちょっとなのは!!

 それってどう言う事よ!!」

「えへへ~、冗談!冗談!」

(どこが冗談よ!!しっかり構えてる癖に!!)

「ホントは、子供である貴女達に

 戦場へ行って欲しくはありません、

 ですが、はやてちゃんを救出出来るのは

 この場に居る貴女達だけ、

 不甲斐ない大人でごめんなさい。」

「大丈夫!ね?フェイトちゃん!」

「うん、みんなでちゃんと帰って来ます!」

「そうね、

 では、みんな、出撃準備!!」

全員「はい!!」

 

 

転移ルーム

 

「それじゃぁ、いくよ!!」

《スタンバイ、レディ》

「バルディッシュ。」

《イエッサー》

 

「『レイジングハート・エクセリオン』」

「『バルディッシュ・アサルト』」

「「セーットアーップ!!」」

 

「それじゃ、私達も。」

《はい》

「エクサグラマ。」

《はぁ、わかりました》

「イアルホール!」

《お願いですから

 オーバークロックを程々にしてください》

 

「『ハピネス・リヒト』」

「『エクサグラマ・ルナピエーナ』」

「『イアルホール・ヴェリテ』」

「「「セーットアーップ!!」」」

 




「それじゃ、僕も準備する。」
「クロノ、これを。」
「艦長。」
「グレアム顧問官からよ。」
「これは。」
「『氷結の杖・デュランダル』
 本当は自分で決着を着けたかったそうだけど、
 貴方に任せると。」
「・・・わかりました、
 行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」


(と言うかクロノ、
 出番少なくないかしら?
 まぁ、ギルの詳細を調べさせて
 ミッドに行かせてただからなんだけど)
「拗ねて無ければいいんだけど。」


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閑話2?

「え?本編続けないの?」
いや、君らぶっつけ本番で
使うんだから
ここで色々説明入れなきゃ駄目でしょ
「作者さん、お願いします。」
お、やっぱフェイトちゃんは良い子だねぇ
ナデナデ
「はぅ~///」
「え~っ!?なんで!?なんで!!
 私も撫でてよ!!」
・・・なのはのお兄さんに
瞬殺されるから勘弁して


 レイジングハート・エクセリオン

 

容姿は原作プラス

 

靴の凶悪な噴射口

鋭利な靴先はより凶悪化した

 

エクセリオン・バスターはもとより

 

1発リロード

・ディバインバスター×5発分の威力

 

2発リロード

・モードチェンジ

 

 カオスキャノンモード

 両脇に砲身を抱え

 ごんぶとビームを連発する

 50発撃つと

エクセリオン・スタンダートモードに戻る

 

3発

・モードチェンジ

 

 ヴァイスリッターフォーム

 

 服装が変化しスパロボOGで登場する

 エクセレンが駆る機体をある程度デフォルメした姿になる

 (小学生サイズだし)

 

 砲身は勿論オクスタンランチャーのエクセリオンカラー

 流石に実弾は撃てないので

 圧縮魔力弾を放つ

 

 ヴァイスリッターフォームは

 防御から速度にガン振りしたので

 当たると即解除となる

 

 勿論、原作通りにストライクフレームであるが

 ()()()により、

 フレーム強度はあり得ない程頑丈になっている

 

 俗に言う『初代・宇宙戦艦ヤマト』の、

 『コスモナイト合金』である

 本来はビーム兵器すら数十発耐えたり

 実弾すら焦げ跡程度にすむ金属

 

4発

・フルドライブ

 

 例の突貫が出来る

 

5発

・オーバードライブ

 

 勿論なのはへの負担も半端ない

 

 しかし、ただ撃ち貫く為の境地へ至る一撃

 

 月の直径すら貫通出来る、相手は〇ぬ

 

 これでもSSSランクからAAAに落ちている

 

 バルディッシュ・アサルト

 

こちらもフレームは『コスモナイト合金製』

 

1発

・通常攻撃が

 ディバインバスター換算3発分の威力になる

 

2発

・ダブルハーケン

 

 フェイトの手のサイズに合わせたハンドアスクが二本となる

 

 刃の部分はフェイトの魔力色黄色となり、

 常時・振動破砕となっている

 ただ、魔導士ランクがSSSからAAに落ちているので、

 精々数分しか維持出来ない

 

3発

 ハーケン・ザンバー・サムライソードの3つに変化できる

 

 ハーケン、ザンバーフォームは原作通り

 サムライソードは、

 最小限の防具追加

 籠手と具足、胴体甲冑が追加され

 速度よりは一閃に特化する

 勿論、その他のフォームに速度は負けず劣らすだが

 『切る』事にほぼ振り分けているので

 一度『居合切り』してしまうと解除となる

 

 その点、なのはの防御をたやすく切り裂ける一撃になった

 

4発

・超巨大斬艦刀

 

 スパロボに出て来る

 参式グルンガストが装備しているアレ

 

 なのはでも逃げ出す一撃

 

5発

 一閃・星薙の太刀

 

 スパロボOGより、

 スレードゲルミルの必殺技

 

 超巨大斬艦刀を更に巨大化し

 オマケに『光刃』も飛ばして来る素敵仕様

 

 なのはと別件で喧嘩した際の

 模擬戦でいずれ使うのだが

 なのはにギャン泣きされる事となる

 まぁ、後になのはが原因と判明し、

 もう一撃かましたりする

 

 ハピネス・リヒト

 

 魔改造に魔改造が合わさり

 『単独・連続短距離ワープ』が出来るようになった

 

 アリサの得意分野が格闘に偏りつつある

 

 レヴァンティンのあのフォームの様に

 アーチェリングフォームは忘れられつつある

 

 中・短距離魔法の代わりとして、

 水平連装ショットガンを使用

 (今まで銃器は重たくて使えず、

  やっと筋力が足りて来て使えるようになった)

 単発・同時撃ちに対応

 

 尚、弾丸はカートリッジなので

 一撃、一撃が、凶悪

 

 ハピネスが気を利かせて?

 タキオン粒子を変換した魔力を

 『カートリッジにチャージ』

 一応、『非殺傷設定対応武器になっている』

 

 なのはを黙らせるのによく使われる運命

 

 そして、ショットガンを撃つのではなく

 『リロード』『ブースト』として使うと

1発

・巨大な拳の魔力弾を放てる

・身体能力強化

・短距離ワープ一回

 いずれかを選択

2発

・連続短距離ワープ

 

 更に

 『リロード』を続けて行うと

 (残念ながら1以外の奇数は無い)

4発

・40cm主砲

 (ノータイム発射・40㎞先まで消失します)

 (波動カートリッジ弾の時は

  更に射程距離が100km程に伸びる)

・収束波動砲(射程距離重視で威力は本物)

 (チャージに30秒必要)

 どちらか一回

6発

・使わないで下さい死んでしまいます

 ・・・失礼。

 チャージ時間僅か8秒の

 『拡大波動砲』が撃てます

 (短・中距離用)

 (波動カートリッジ弾を6発使うと、

  ・・・御分かりですよね?)

  ↑拡散波動砲です、はい。

 

10発

・拡散波動砲と収束波動砲を同時に撃ち

 あらゆる物を消し去れます

 こればっかりはロックをハピネスが掛けており

 ()()()使()()()()()()()()タブン

 

 戦闘スタイルは

 あのイカレタ悪魔がスタイリッシュに戦う

 デビルメイクライ3の

 ダンテ・バージルの

 ベオウルフに近い戦い方となる

 

 

 エクサグラマ・ルナピエーナ

 

 一応、カートリッジシステムは積んでいるが

 下手にブーストを掛けると制御できない為

 通常では使われない

 

 機能をほぼ、すずかの我儘で埋め尽くされ

 バトルフォーム

 バックアップスタイル

 カノンフォーム

 ()()()()()()()()()()の4つ

 

 バトルフォームは読んで字の如く

 予測成長の大人体型で

 格闘技がある程度出来る

 (アリサに教わるが、

  向いてないのハンコが押されている)

 バックアップスタイル

 バフ・デバフを掛ける

 身体能力向上、魔力変換効率上昇

 魔力霧散エリア

 (後のAMF・魔力無効化空間)

 ()()()等々

 

 血毒霧は、真っ赤な霧を広げ

 呼吸器・皮膚炎症・身体中から血を噴き出す

 言わば、()()()()()

 

 カノンフォーム

 なのはのカノンフォームとは異なり

 砲身が一つだけのシンプルデザイン

 なお、ブラッドレッドカラー

 

 すずかの魔力色は赤なのだが、

 表現上、人間の黒みがかった血液色

 

 魔導士としてはAAなのだが

 吸血鬼として目覚めだしており

 本編のディバインバンカー5発は

 余裕で耐えられる頑丈さ

 腕力はコスモナイト合金を若干は曲げられる

 (厚みは10cm)

 嗅覚も劇的に発達した半面

 『刺激臭』に弱くなった

 ワサビ・からし・キムチ等々etc・・・

 

 そして、シンヤの血液を飲んでしまったが為に

 エクサグラマの処理能力を大幅強化せざるを得なかった

 

 すずか自身、吸血鬼の能力はまだ一端で

 『ブラッドウィップ』しか使えない

 

 まぁ、魔力障壁貫通、

 これだけでチートクラスなのでヤバいのだが

 エクサグラマの初期処理能力では

 能力不足で使用できなかった

 

 ヴァンパイアスタイルは、

 その不足している処理能力を40倍に改造した

 エクサグラマのお陰で使える

 

 実年齢=吸血鬼年齢のすずかでは、

 圧倒的に経験不足で

 精々、1、2本しか制御出来ない

 吸血鬼の力は

 エクサグラマ無しでは使えないし

 使った場合、周辺敵味方関係なく

 襲い掛かる問題がまだある

 

 尚、素の身体能力でアースラを持ち上げる事が可能

 

 イアルホール・ヴェリテ

 

 アリシア自身で汲み上げたデバイス

 

 専ら様々な計算のオーバークロックに使われる

 『焼き切れ壊れる事を許されないので』

 ノイローゼ気味

 

 現状、『1垓(がい)』10の20乗ある数値を

 3秒以内に計算するように求められる

 

 一応、バックアップスタイル・バトルフォームを

 使えるのだが

 情報処理特化型な為、滅多に前線に出ない

 

 本編で使用した

 『アンリミテッド・タイムリープ』

 以外にも幾つか使えるのだが

 デメリットが目立つので使わない

 アンリミテッド・タイムリープですら、

 ()()()()()()()を、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 アリシア自身も暗算が得意なのだが

 普通の少女に戻ったので

 無理に計算すると

 目・鼻・爪先から血が噴き出る程負荷が掛かる

 (より無茶をするとあらゆる所から噴き出す)

 その負荷軽減の為に

 更なる処理能力強化を施される運命なのが

 イアルホールなのだ

 




「怖っ!?」
「うわ~・・・。」
と、まぁ、まだ設定の一部なんだけどな
「「一部っ!?」」
ふぃ~、一旦休憩


ご指摘からの追記です↓
『焦げ痕程度に』の部分ですが、
程度で済むようになるのは
『超硬化テクタノイト』と言う
最終形態の宇宙戦艦ヤマトになるので。

旧(昭和版)宇宙戦艦ヤマトに置ける
ハイパー放射ミサイルが貫通しているため
『コスモナイト合金』は
ある程度は耐えられる物と
私は判断しています。

割りとミサイルダメージ
通っているんですよね、ヤマト

やはり、物理ダメージには
物理ダメージだと言う事ですね!!


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46話

 

「つ、ついた、けど。」

「うん。」

「うへぇ。」

「不味そう。」

「ぇ?食べられるの?あれ。」

 

例の制御プログラムさんの下に

 

良く分からない『怪獣?』が増えていた

 

「ぁ~・・・すずか?

 アレは『生き物』かしら?」

「アリサちゃん、

 アレは一応召喚獣に近い存在ね、

 『仮に血が通ってる生き物でも』

 あの血は不味そうね。」

「ど、どうしよ?」

「はぁ、なのは、フェイトは

 制御プログラムの方に、

 私達3人で変な怪獣を相手にするから。」

「わかった!」

「うん、任せて。」

「とは言った物・・・のぉっ!!」

消し飛ばした側から修復され元の状態に戻る

「ブラッドウィップ50連!!」

《はぁ、了解です》

「ハピネス!!」

《波動防壁展開》

3人を包む波動防壁は

触手なり怪獣?の噛みつき攻撃を物ともしていない

「いや~、気持ち悪いねぇ。」

「アリシア、

 なんか打開策ない?このままじゃ確実にジリ貧よ?」

「そんな事言っても

 私はバックアップスタイルが基本だからねぇ。」

 

アタッカーは

なのは、フェイト、アリサ

バックアップが、

すずかと、アリシアなのだが

戦闘経験とバカ魔力で言えば

なのはとフェイトが制御プログラム側に適任、

すずかも戦えなくはないが

アリシアを護りながらだと手数が足りない

 

よって、アリサが二人を護りつつ

怪獣に攻撃するのだが

「だぁ~っ!!うっとおしい!!」

迂闊に主砲が使えないのだ

 

ただでさえ()()()()()()()()()()

その威力を超える火力を簡単に出せるのだ

 

当然、海面、地面に向けて撃つ事が出来ない

空中も気象衛星なり、他所の国の監視衛星なりが浮いており

 

「上も下も撃てないのがイライラするぅ!!」

 

ショットガンも精々の中距離ギリギリ

格闘技も()()()()()()()()()()()()()()

「ハピネス!!パルスレーザー!!」

《ウリャリャリャリャ!!》

自立式浮遊ポッドと化したパルスレーザー4連装発射基が

兎に角弾幕をばらまくが

 

シュバッ!!

と、言う勢いで修復される

 

「あ゛ぁ゛~っ!!もう!!」

 

 

「せ、制御プログラムさん?」

「貴女達は?」

「はやての友達です。」

「そうですか、

 申し訳ありません、

 この世界は間も無く滅びを迎えるのです、

 なので「させない!!」ぁ~。」

《リロード》

「エクセリオン・バスター!!」

 

「・・・あの、人の話は

 最後まで聞くと言う事をしないのですか?」

 

「うへぇ~、ふせがれちゃった。」

「な、なのは?」

「・・・はぁ。」

 

()()()()()()()()()()

 

(さて、どこまで俺も足掻けるかな?)

 

 

「っと、あ、あれ?ここは、お家?」

「なのは!起きたか!」

「お、お兄ちゃん!?」

「はぁ、やっと起きたか、

 みんな起きてるぞ?朝ごはん食べよう?」

「ぇ、あ、うん!今行く!!」

 

「ここ、は?」

「アリシア!フェイト!」

「プレシア、母さん?」

「いこ!フェイト!」

「あ、アリシア?」

「何してるのよ二人共?

 さ、お昼の準備出来てるわよ?」

 

「・・・なぜ?」

 

「むきぃ~っ!!」

「あ、アリサちゃん!!

 なのはちゃんが!!」

「アリサお姉ちゃん!!

 フェイトも不味いよ!!」

 

「なぜ?お前達は()()()()?」

 

「うっさい!!」

《パルスレーザー!!》

 

「くっ!?」

 

「よ。」

「避けた?」

「なに!!忙しいからあとあと!!

 うりゃりゃりゃりゃ!!」

小さなドラム缶の様な物を投げまくる

《波動爆雷!!爆破!!》

 

怪獣の顔半分が吹き飛ぶが

 

ずぞぞぞ

 

と、修復される

《アリサ!!》

「うん!!見えた!!

 修復が遅くなってる!!」

《なら?》

「修復が追い付かなくなるほどに!!」

 

ぶっ壊せばいい

 

「ぁ、あの、アリサ、ちゃん?」

「アリサ、お姉ちゃん?」

 

「《楽しくて気が狂いそうだぜっ!!》」

 

「「なんかハイになっちゃってる~っ!?」」

 

「な、なんなのだ、お前は?」

 



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47話

アースラ 艦橋

「エイミィ!!」

「今解析しています!!」

「リンディ、

 恐らくはやてちゃんと同じ状況の筈よ。」

「っ!?()()()()()()()()?」

「えぇ、ただ、ね。」

「そうね、

 範囲外に居た私達は兎も角。」

「「なんであの3人は無事なの?」」

 

 

「あわわわっ?!」

「あ、アリサお姉ちゃんが

 なんか憑依しちゃってるような・・・ん?

 ()()()()()()()()()()()

「って、あの感じ、普通の人じゃないわよね?」

「恐らくゲームキャラクターの動きだと思うけど、

 イアルホール!!」

《ほんと、デバイス扱いが酷いマスターです、

 モーションを分析した所、

 人間と悪魔のハーフの主人公が使う

 『ベオウルフ』の

 武器モーションにかなり近いようです》

「え゛?マジで言ってる?」

《多少のアリサさんのアレンジが入っているようですが、

 ほら、あの連続蹴りモーションから

 『踵落としは』間違いありません、

 『お犬様』曰く、

 『人間の創造が無くならない限り、

  幾つでも分岐した世界があるぞい』でしたか?

 ぇ~っと、

 『パラレルワールド』ですね、

 ああして『憑依状態』を維持出来る以上、

 『その世界もあるのでしょう』》

「「んなあほな。」」

 

「なぜ?貴女達は眠らないのですか?」

「しまっ!?」

「・・・教えるとでも?」

(ヤバい!!いくら波動防壁でも

 こんな至近距離だとっ!?)

 

「※英語

 『おい、私を無視してんじゃねぇよ?』」

 

《波動防壁・ピンポイントバリア!!》

「ナッコぉおおおっ!!」

 

「「そのまま殴ったぁああっ!?」」

 

間違いなく制御プログラムさんが吹っ飛ばされた

 

「って、すずか?アリシア?

 今、殴ったのって誰?」

「ちょ。」

「あ、アリサお姉ちゃん?見てなかったの?」

「だって、

 いきなり現れて私を無視して二人に話しかけてるし、

 なんかムカつくぐらい()()()()してたから。」

「「理由が酷すぎる!!」」

 

〈よっしゃ!!念話繋がったで!!

 みんな聞こえとるん!!〉

 

「あ、はやてじゃない、

 意外と大丈夫そうね?」

「ぅ、そ。」

「あ、アハハハ・・・やっぱお姉ちゃんじゃないと、

 シンヤの相手にならないや。」

「アリシア?それってどう言う意味よ?」

〈大丈夫なもんか!!

 てか、いきなり揺れるから何事かと思ったわ!!〉

「ぁ~、ごめんごめん、それ、私っぽい。」

〈はぁっ!?どないして

 『300はある障壁を貫通して

  ダメージが入るんやねんっ!?』〉

「300っ!?そんなにあったの!?」

「イアルホール?」

《間違いありません》

「へ~・・・あの殴った感触で300枚なんだぁ、

 ()()()()()()()()()()()()

「「ほんとうにどうしちゃったのアリサ(お姉ちゃん)?」」

「ん~、この憑依状態お陰かしら?

 兎に角ぶん殴りたくてしょうがないのよ。」

 

「なら、こちらも殴らせてもらう。」

「へぇ、制御プログラムだっけ?

 アンタは収集(蒐集)以外の情報がないんでしょ?」

「ほぅ。」

「なのはのディバインバンカー、

 アンタに扱い切れるかしら?」

「・・・ふっ!!」

「はぁあっ!!」

 

「ねぇ、アリシア、私達、離れてよ?」

「だね、すずかちゃん。」

 



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48話

アースラ 艦橋

「ねぇ、リンディ?」

「プレシア?」

「モニター、ここ、ここよ!

 拡大して頂戴!!」

「エイミィ!!」

「はい!!」

 

映し出されるのは

 

「え?」

「エイミィ、生体反応検索。」

「は、はい!!」

「シンヤが。」

 

4人?

 

 

「ぉ?おぉ!?」

「あ、初めてましてだな。」

「そうだな。」

「あん?なんだ?お前ら?」

4人「なんで俺と同じ顔(してやがる)なんだ?」

 

 

「シンヤ君が、4人?」

「せ、生体反応も間違いなく4人分あります。」

「どうなってるの?

 アリシア!!聞こえるかしら?」

〈アリシア!〉

「うひっ!?ま、ママっ!?どうしたの?!」

波動防壁こそ抜かれていないが

怪獣?からの攻撃は止まない

「どうしたのアリシアっ!!」

《マスター!!集中して下さい!!》

「わかってるわよ!!」

 

「ママ、結構不味いんだけど何があったの?」

〈落ち着いて聞いて頂戴〉

「うん。」

 

シンヤ君が4人になったわ

 

「へ?」

「ちょっ!?アリシア!!」

「すずか。」

「なにっ!?」

 

「かなり、不味いかも。」

「うぇ?」

 

 

「各々、落ち着いたか?」

「んだよ!!『聖』!!」

「『妖力』少しは話を聞け。」

「んだよ?喧嘩なら買うぞコラ!!」

「『魔』よ、『妖力』はコレが普通だ、

 落ち着いている俺達が異常なんだ。」

「『霊力』それは同意したくないのだが?」

 

「うわ、ほんとにシンヤが4人いる。」

《ちょっ!?マスター!!

 制御をちゃんとしてください!!》

「エクサグラマ、ちょっと頑張ってて。」

《はぁっ!?》

「イアルホール、

 演算処理手伝ってあげて?」

《まぁ、オーバークロックよりはマシですか》

「すずか、

 シンヤに聞いた話、覚えてるよね?」

「うん、

 ()()になった時、

 ()()()()()()()だったわね?」

「正直、アリサお姉ちゃんが

 制御プログラムさんとやりあってるから、

 あっちに行けないし、

 なのはもフェイトも捕まってる、

 滅茶苦茶最悪な状態なの。」

「ど、どうするの?」

「・・・すずか。」

「なに?アリシア?」

 

私の血を吸って成長できそう?

 

「ぇ?」

「物凄い賭けなんだけど、

 今現状を打破できる

 一番可能性があるのがすずかなの。」

「わ、わかんないわよ!!

 それにシンヤの血を吸った時ですら、

 危なかったのに!!」

「誰も直接なんて言って無いわよ!!

 吸われるならシンヤよ!!」

「私もよ!!」

 

〈アリシア?〉

「あ、ごめんなさいママ。」

「ごめんなさい。」

 

「はい、コレ。」

「なっ!?輸血パックっ!?」

「普通、子供の身体でやる事じゃないんだけど、

 行けそう?」

 

良く良く見れば

冷や汗と小刻みな呼吸

 

「な・・・なんで。」

「いやぁ、血を3日連続で抜くのは

 不味かったなぁ~って・・・。」

そのまますずかにもたれかかる

「ばか!!ばかばかばか!!」

「ぇへへ、そぅ、だね。」

《全くです》

《ちょ、イアルホール!!

 演算を怠らないで下さい!!》

《別にパフォーマンスは

 落としていませんよ?

 後、100本ぐらい追加しても

 オーバークロックには届きませんので》

《・・・すずか、イアルホールに

 全投げしても良いですよね?》

「そうね、

 エクサグラマ、ついでだから

 1000本ぐらいにして、

 イアルホールに演算処理投げつけて頂戴。」

《ちょっ!?》

《あれ~?100本ぐらい余裕なんですよねぇ?》

「そうね、確かにそう言ってたわねぇ。」

《あ゛ぁ゛っ!?

 やってやろうじゃねぇか!!

 1000本だろうが、

 1万本だろうが

 全部制御してやらぁ!!》

「《掛かった》」ニヤリ

「・・・すずか、

 お願い、足らなかったら、

 直接吸っていいから。」

「バカ言わないで。」

 

 

「では、我々は元は一つの存在が

 何らかの影響で4人になったと?」

「あぁ、『聖』

 正直『反発する俺』と

 こうして話せるなんて

 不思議でならないんだけどな。」

「はっ、どうだか、

 何時でも殺る準備の

 時間稼ぎじゃねぇのか?」

「『妖力』

 悪いがその有り余る力は。」

 

上を指差す

 

「あのボン!キュ!ボン!の

 彼女なら知ってるのでは?」

「あぁ?

 そういやぁさっきからうるせえって

 ・・・ぉ~、金髪の女もやるじゃねぇか、

 ああ言う強い女は好きだぜ!!」

「『霊力』『妖力』

 金髪の彼女は我々の味方です、

 それに。」

「あぁ。」

4人「俺達全員の好みの女だ。」

「なら?」

「はい。」

「いいねぇ。」

「誰が彼女を奪うか競争、ですか?」

 

 

「4人のシンヤ君、動き出しました!!」

「どっちに向かってるの?」

「ぇっと・・・

 制御プログラムとアリサさんの方です!!」

 

 

「よぉ!!きんぱ「ふん!!」ぶべらっ!?」

「素敵なれで「じゃまっ!!」ごはぁっ!?」

「おい、おん「あ゛ぁ゛~!!もうっ!!」ぐべぇっ!?」

「あの!はな「ど・い・てっ!!」ぴっ!?」

 

「おい。」

「なにっ!!」

「今、誰を殴り飛ばしたんだ?」

「は?アンタを・・・あれ?」

 

4人「やべぇ、益々惚れた。」

 

「あ、シンヤが4人いる。」

「気づいて無かったのか。」

 



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49話

「いや、

 幾ら分割されたシンヤでも。」

 

キモッ

 

「・・・凄いな、お前。」

「制御プログラムさん?

 私、()()()だから好きなのよ?

 バラバラなシンヤを好きにはならないし。」

 

それに

 

「ん?」

「今ここで()()()()()()

 『封印』・・・ぁ、『真言』で言っちゃった。」

 

何処からともなく

『金色の鎖が4人のシンヤを拘束する』

 

「ぁ~・・・どうしよ、コレ。」

「私に言われても。」

 

もごもごと五月蠅いが口も塞がって居る為わからない

 

「は?」

「え?ちょ、

 お犬様の言ってた事以上の事が

 起きてるんだけど?」

〈お姉ちゃん!!〉

「あ、なに?アリシア?

 あの変な怪獣?何とかなったりしたの?」

〈なってないけど、

 どうして『封印』出来たの?

 お犬様は難しいだろうって言ってたのに!!〉

「ぁ~・・・なんでだろ?

 《シンヤ》じゃ、ないから、かな?」

〈ちょ、アリシア?

 コレどうするのよ?〉

〈ぁ~・・・一応飲んどいて?〉

〈必要?〉

〈念には念よ〉

〈はぁ、わかった〉ヂュ~

「ぢゅ~って、

 アンタなに飲んでるのよ!!

 こっちは水筒も持たないで戦闘してたのに!!」

〈ハピネス?空間庫の中にないの?〉

「ハピネス?」

《・・・ぁ》

「制御プログラムさん?」

「なんだ?」

「ちょっと待ってて?」ゴゴゴ

「ぉ、ぅ。」

 

あ゛ぁ゛~っ!?やめて!!お願いですから

30番は止めて下さ~い!!

い~や~っ!?

 

「も、もういいのか?」

「えぇ。」

《えっぐ・・・ひっぐ、

 けずられたぁ~・・・マスターに

 けずられたぁ~・・・ふぇ~ん!》

「・・・デバイス扱いもう少し優しくしたらどうだ?」

「そう?いつも通りなんだけど、ダメ?」

「いや、その。」

「って、随分普通に話してるけど、

 まだ殺る気、あるわよね?」

「・・・いや、止めておこう。」

「あら?どうして?」

「感じた事のない()()が、

 おま「アリサよ?」アリサから感じられるのだ、

 それこそ、この星が耐えきれないような戦闘をして

 ようやく勝てるかどうかの、な。」

「そ、それじゃぁ、

 あの怪獣?何とかならないの?」

「ん?」

 

 

「あれ?制御出来ない。」

「ちょ。」

〈リィンフォース!!どないなってんねん!!〉

〈主はやて、完全に

 自己修復プログラムが独立、暴走しています〉

〈なんやてっ!?〉

「・・・主はやて。」

〈制御プログラムさん?〉

「いえ、その、リィンフォース、とは?」

〈え?ダメなん?

 自立型思考プログラムさんじゃ言いづらいし、

 丁度、名前をつけよ思ったタイミングで

 こうなったんよ〉

「そうでしたか。」

「はやて、早くそこから出て来なさいよ、

 流石に私達だけじゃ対処しきれないわよ?」

 

まだ、もごもご五月蠅いからキツクしてるんだけど

大丈夫よね?元がシンヤだし

 

〈あの、どないして表でれるん?〉

「・・・主はやて、

 強く願えば普通に出来ます。」

〈・・・良いのですか?制御プログラム?〉

〈自立型思考プログラム、

 既にお前はリィンフォースの名前を貰ったのだろう?

 なら〉

「私は()()()()()()()()()

 元は一つなのだから。」

 

淡い光と共に

騎士甲冑装備のはやてが出て来る

 

「へ~・・・いや、スカート短くない?」

「え?そやろか?可愛いやろ~?」

〈主はやて〉

「っと、

 先ずはなのはちゃんとフェイトちゃんを

 元に戻さなあかんよな!」

 

二人の眠りを今ここに解放せよ

 

「・・・。」

「・・・。」

「ぁ、アレ?二人共?起きてる、よね?」

「なのは、フェイト。」

 

ふざけてるのならそのド頭(たま)ぶち抜くわよ?

 

「起きてる!!起きてるから止めてっ!?」

「あ、アリサ?お、起きてるから、ね?ね?」

 

ちっ

 

「「舌打ちしたぁっ!?」」

〈主はやて、アリサさんはお強いですね〉

「ぅ、うん、そやね。」

(絶対怒らしたらアカン!!)

「そう言うアリサちゃんの甲冑は何がモデルなん?」

「あぁ、これ?

 フェイトと同じ名前のゲームキャラクターで、

 もーちゃんってキャラからよ?

 女性の顔立ちだけど男の娘のキャラ。」

「・・・まさか、BL好きなん?」

「そう言うアンタは人の母親の胸を揉みまくる

 おっ〇い怪人じゃない。」

「もぅ、なにしてるのよ?」

「ふへへへ///お姫様だっこぉ~///」

 

全員「いや、誰?」

「私よ!!私!!月村すずかよ!!」

「な・・・なんやて!?

 こないな西瓜は揉みがいがあるやねん!!

 揉ませてぇな!!」

「いやよ!!」

「って、アリシア?

 なんで・・・ちょっ、

 その首筋の痕・・・。」

「その、アリシアちゃんの輸血パックじゃ

 やっぱり足らなくて直接吸ったら

 こぅなっちゃったの。」

「はぁ、どうすんのよ?

 4人のシンヤを()()()()()()()()()

 元に戻す切っ掛けを作れないのに、

 アリシアが動けないんじゃ・・・。」

〈主はやて、守護騎士達を〉

「そうや!!みんな!!元に戻ってな!!」

 

魔法陣が形成され

騎士甲冑状態で再召喚される

 

「烈火の将、シグナム。」

「紅の鉄騎、ヴィータ。」

「風の癒し手、シャマル。」

「蒼き狼、ザフィーラ。」

4人「我ら守護騎士、

   再び、主はやての元に参上致しました。」

「よっしゃ、これで頭数は足りるやろ?」

 

怪獣?

4人のシンヤ

 

これに対するのは

 

粒子の拳闘士・アリサ

鮮血の姫・すずか

母のトラウマ・アリシア

揉み魔・はやて

守護騎士達

 

 




大丈夫か、コレ?


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50話

アースラ艦橋

「プレシア?」

(・・・あれ、やっぱり私の学生時代よね?)

「プレシア?」

(それによく見たら、

 あのデバイス、

 昔私が使ってたデバイスじゃないの!!)

「プ~レ~シ~ア~?」

「な、なによ?リンディ?」

「アリシアちゃんに輸血パック届けて貰える?」

「私に輸血して来いと?」

「そうよ?」

「・・・殺す気?」

「・・・やめとく?」

 

モニターに映し出される

 

光線 格闘シーン

 

激しく爆発が起こる

 

「・・・大丈夫じゃないかしら?」

「そう思えてくるのよねぇ。」

「いやいや!?

 もう少し緊張感持ってくださいよ!!」

 

 

(・・・出れない)

〈マスター〉

〈如何セラレルヤ?〉

「S2U、なんだその喋り方?」

〈シナノから改良を受けまして〉

「人のデバイスを無許可で・・・。」

 

「おらぁっ!!」

「女ぁ!!もっと打ち込んで来いやぁ!!」

「ハピネス!!」

《波動爆雷!!》

「っとぉっ!!」

蒼球の爆発が『妖力』のシンヤを包む

「くぅ~っ!?効くぜぇ、いや

 本気で俺だけのモノにしてえぜ!!」

()()()だけよ、

 私が大好きで、愛してると言える()()は!!」

「かぁ~っ!!何が何でも

 認めさせてやらぁ!!」

「とっととクタバレ!!」

「はぁ。」

「溜息とは、随分余裕ですね?」

「ブラッドウィップで、

 身動きがとれない貴方が言えるの?」

こぅ、力の加減を

 

キュ

 

「はぅ///い、ィイ///」

(これがシンヤの一部なんて

 認めたくないし見たくないわ)

「は~い、シンヤ君は

 えらいでちゅね~。」

「そんなことないよぉ~///」

(後ろじゃ

 まんまとトラウマ引きずり出されて

 幼児化したシンヤを愛でてるし、

 どうして?

 マザコンに、ドМに、

 バトルジャンキー)

「なんであっちはあぁなったのよ?」

 

「ふっ、お待ちなさいレディ。」

「くっ!?くるなぁああっ!!!」

「貴様、ヴィータに何をした!!」

「いえ、()()()()()()()()()()?」ニヤリ

「ひぃっ!?」

「シャマル!!」

「クラールヴィント!!」

「ふっ。」

「もぅ!!捕まえられない!!」

「てぉおおっ!!」

「はっ。」

「なんなのだコイツは!!」

「ホンマやね、

 ()()()()()()()()()()()()()()()。」

「あいぜん!!」

泣きながらアイゼンを構える

「あぁ///その顔が素晴らしい!!

 もっと見せて下さい!!

 ()()()()()()()()()()()///」

 

鳥肌が全身を包む

 

「こんなのシンヤじゃな~ぁいぃっ!!」

《ラケーテン・ハンマー!!》

 

「あぁ、最高級の褒美です///」

「い~やぁ~あ~っ!!」

 

アースラ艦橋

「アレ、シンヤ君のトラウマ?」

「・・・さぁ?」

「あの、記録、消しましょう、コレ。」

「駄目よエイミィ!!」

「そうよ?コレをばらされたく無ければと言う、

 脅しが出来なくなるわ!!」

「・・・ご愁傷様、シンヤ君。」

 




怪獣?そっちのけに見えますが

余波でえぐり飛ばされています


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51話

うわ~・・・俺、現実に戻りたくねぇ~

 

なに?

ドM?マザコン?バトルジャンキー?

ロ・リ・コ・ン

 

「って、戻らない訳にも行かねぇんだよなぁ。」

 

〔その通りだね、シンヤ〕

 

「クソ親父。」

〔酷いねぇ〕

「なんで死ぬ方を選んだんだよ!!」

 

〔僕たちの世界で散々犠牲にして来たからね、

 せめてのこの世界の人には

 犠牲者を出さない様にしたんだ〕

「やっぱ、アレなのか?」

〔うん、僕が『聖』側の王〕

〔私が『魔』側の王〕

「はぁ、予想通りか」

〔もぅ、少しは驚いてよね?〕

〔そうだよ?僕たちには、

 命に匹敵する程の秘密なんだから〕

「で?」

〔せっかちさんは嫌われるぞ?〕

「母さん、

 俺は一人で良いんだ。」

〔いや、もうわかってるだろう?〕

「ちっ。」

〔アリサちゃん、

 遠いご先祖は巫女さんだったのね?〕

「・・・しかも憑依状態が出来る。」

〔そこまでの才能が?〕

〔違うわ貴方?

 たぶん、先祖帰りよ、

 それに、使えば使う程〕

「いずれは無くなる力だ、

 アリサには必要ない力だ。」

〔それを取り込んで

 貴方はどうする気?シンヤ〕

「・・・封印される。」

〔どこに?〕

「この星じゃないどっか別の星とか。」

〔無理ね、貴方はどれだけ

 この世界の土着神に好かれてるかわかってる?〕

「海の底。」

〔海神からは受け入れ拒否が来てるけど?〕

「山。」

〔お犬様から伝言よ?

 山の神々も土着神も〕

 

寿命を全うしてからでなければ駄目だ、と

 

「はぁ、

 全うしようにも、

 俺の力はどうするんだよ?」

〔簡単だよ〕

〔使えば良いの〕

「だから、使えば使う程。」

〔勘違いしてない?〕

「母さん?」

〔僕たちの属性を、だよ?〕

「属性?」

〔僕は『魔を祓う力』〕

〔私は『魔を貯める力』〕

「だから・・・あれ?

 なら、なんで俺は生まれる事が出来たんだ?」

〔そう、反発するなら〕

〔混じり合う事も無かった筈よね?〕

(根本的なとこで、間違えてたのか、俺)

〔だから、シンヤは

 『人間としての寿命は全う出来るんだ』〕

「は?親父、本気で言ってるのか?」

〔うん、色々タイミングが厳しいけどね〕

〔今、あの子達、戦ってるわよね?〕

「ぁ、あぁ、そう頼んでたからな。」

〔今日、シンヤは誕生日だったよな〕

「え?い、いきなりなんだよ?」

〔そうそう!

 ハッピバースデー!シンヤ!〕

そう言って

 俺の身体が出て来る

〔コレが精一杯〕

「母さん。」

その姿は薄くなっていた

〔ごめんね?

 今度は丈夫な身体だから!!〕

〔そうさ、

 ロストテクノロジーをふんだんに注ぎ込んだ

 新しいシンヤの身体だよ、

 アレも大きめにしたし!〕

「・・・親父、やっぱ。」

〔なんだい?〕

「一発殴らせろ!!このクソ親父!!

 これじゃ不味いだろうが!!」

〔えぇっ?!小さいのかい!?〕

「デカすぎだよ!!あほぉお!!」

〔大丈夫でしょ、

 ちゃんと大人になれば〕

「母さん!!」

〔ま、冗談なんだけどな〕

「お・や・じ!!」

〔それじゃ、今生を楽しんで来なさい!〕

〔シンヤ、その力はどう使っても構わない、

 でも〕

「わかってるよ、

 ・・・お盆ぐらい、帰って来いよ。」

〔いや、無理だ〕

「え?」

〔地獄でのお仕事決まってるから〕

「は?」

〔〔シンヤが来るまで地獄に居るから〕〕

「・・・閻魔様と補佐官さんに迷惑かけるなよ?」

〔〔いや、無理ww〕〕

 

『全くです。』

「あ、補佐官さん。」

『はい、お久しぶりです、シンヤさん。』

〔あら?もうお迎え?〕

『逆です、

 とっくに予定の時間を過ぎているんですよ。』

〔あちゃ〕

〔それじゃ、シンヤ〕

「あぁ、()()()()()()()()()()。」

〔うん、またね?〕

〔うん♪またね!シンヤ!〕

 

 

 

『よろしかったのですか?』

〔何が?〕

『仕事ではなく、消滅する事を伝えなくて?』

〔無間地獄でしょ?〕

『はい、流石に一つの世界を亡ぼした方を

 素直に刑期で開放は出来ませんので。』

〔そうだね〕

〔そうね、罪は償えるなら償わなくちゃ〕

『・・・。』

〔なんだい?〕

『てっきり、アレコレ理由をつけて

 まだ居座るのかと?』

〔息子の手〕

〔そうね、あの子、気づいてたわ〕

『・・・そうでしたか。』

〔もう一度、あの子がここに来た時は〕

『はい、例に及ばずちゃんと裁判をします。』

〔お願いね、補佐官さん〕

『逝ってらっしゃいませ。』

 




「ば~か、
 これじゃ、殴れないだろぅ、
 おやじ、母さん。」


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52話

ぱくぱく

 

んぐんぐ

 

「「ぷはぁ~。」」

 

《マスター、食べ終わりましたか?》

《正直、こんな所で

 お昼を食べる神経を疑いますが》

「そうかな?バルディッシュ?」

《・・・いえ》

「は~、でもお腹的には半分ぐらいかな?」

《これから再度戦闘を行うのです、

 胃に血液が集中し過ぎては

 戦闘に支障が出ます》

「そっか、ありがとレイジングハート。」

《いえいえ》

 

 

「キミ達は本当になにをしてるんだい?」

「あ、クロノ君、久し振り~。」

「久し振り。」

「・・・はぁ、

 兎に角、もう一度戦えるかい?」

「うん!」

「アリシアのMPポーションも飲んだし。」

「・・・普通は飲料で魔力が

 回復しないんだけどなぁ。」

「そうなの?」

「さぁ?」

「っ、4人のシンヤはあっちに任せて、

 僕たちはあの怪獣?を何とかするよ?」

「うん!」

「わかった。」

 

 

「そう、お願いねクロノ君!」

「エイミィ?」

「艦長、今、クロノ君と

 なのはちゃん、フェイトちゃんが合流して

 怪獣?の方を受け持つそうです。」

「そぅ、

 4人のシンヤ君はどうかしら?」

「真面目に戦闘しているのが

 アリサちゃんと対峙しているシンヤ君だけですね。」

「え?」

「・・・一人は

 すずかさんのブラッドウィップで

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 一人は、

 アリシアちゃんに抱えられて眠っています、

 もう一人は・・・滅するべきかと。」

「エイミィ?ちゃんと教えて頂戴?」

「リンディ?エイミィって、ノーマルよね?」

「え?えぇ、その筈だけど?」

「エイミィ、ヴィータにカメラ合わせてくれる?」

「ハイ。」ゴゴゴゴ

「うわ・・・これは。」

「そうね、私も行くわ。」

「あら?さっきは行かないって言ったのに?」

「アリシアの為よ、

 幾ら座って大人しくしていても

 限界があるでしょう?」

「そうね、

 私達に黙って『輸血パック』なんて作ってたし。」

「エイミィ、

 転移場所をアリシアの脇にお願いね?」

「ハイ、転移るーむノ準備ヲシテオキマス。」ゴゴゴゴ

(彼女、ああ言う輩に

 恨みでもあったのかしら?)

(羨ましい羨ましい羨ましい!!

 もぅ!!ヴィータちゃんには

 赤ゴスも良いけど白ゴスもイケるのよ!!

 それにスカートも!!

 ラン〇セルも外せないわ!!)

 

(もしかして、

 コスプレをさせたい側かしら?)

 

「ひぃっ!?離れろ離れろ!!」

アイゼンを振り回し

少しでも距離を開ける

「ハァハァハァ///」

「ふん!!」

 

「なっ?!」

「貴女は!!」

「紫雷の殲滅姫、プレシア・テスタロッサ、

 この変態を排除しに来たわ。」

「・・・成熟した女性に興味ありませんね。」

「へぇ、言うじゃないの?

 『魔』である貴方の

 年齢制限は幾つかしら?」

「そうですね、

 歳は別に構いません。」

「・・・そう。」

「130cm以下でなければ

 小さきレディ判定はしません。」

全員でヴィータを見る

「はは・・・わ、わたしは

 130いじょうあるぞ?」

「いえ、その()()()()2()0()()()

 底上げしていますよね?」

「してない!!」

「ヴィータ、アンタって子は。」

「はやてぇっ!?」

「なんだか、すまん。」

「シグナムぅっ!?」

「ヴぃ、ヴィータちゃん、

 今度、背が伸びる料理覚えとくわね。」

プルプルしている

「よ~し、シャマル、

 そこ動くなよ?」

 

ぶふっ

 

「ザフィーラ、

 今度のドックフード、

 ダイエット用にして貰うからな?」

「なにぃっ!?」

 

「おや。」

 

 

「え?」

「はぁ、どうやらこれまでのようですね、

 すずかさん、

 最高級の痛みをありがとう。」

 

 

「ごめんね、アリシアまま。」

「うぅん、またね?シンヤ君。」

 

 

「っ、どうしたのよ?」

「はぁ、ここまでの様だ。」

姿が薄くなって来ていた

 

「そぅ。」

「んだよ?」

「こっち来なさい。」

「ぉ、おぅ。」

 

「これぐらいは許してあげる。」

 

 やっぱ悔しいぜ

 最高の女!!

 

「ばかね、アリサって最後ぐらい呼びなさいよ。」

 

 

「あれ?」

「なのは?」

「うぅん、なんか静かになった感じがしたの。」

「勘違いじゃないみたいだ、

 今、エイミィから連絡が入った、

 4人のシンヤが消えたそうだ。」

「え~、一度模擬戦したかったのに~。」

「なのは!!」

《アークセイバー》

触手を迎撃する

「ごめん、フェイトちゃん。」

「もぅ、油断しないで?」

「さて、八神はやて!!」

〈なっ?!誰やねん!?〉

「ボクはクロノ・ハラオウン、

 管理局の人間だ、

 一度合流して、あの怪獣?を何とかしたい。」

〈わ、わかったで!!

 みんな!!あのビルの上に集合や!!〉

 

全員「いや、どれ?」

「総ツッコミは困るんよっ!?」

 



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53話

 

アリサ・バニングス

月村すずか

アリシア・テスタロッサ

プレシア・テスタロッサ

フェイト・テスタロッサ

高町なのは

八神はやて

シグナム

ヴィータ

シャマル

ザフィーラ

 

「改めて自己紹介だ、

 クロノ・ハラオウンだ、

 これより、

 あの怪獣?

 自己修復プログラムの暴走体に

 全力で攻撃する、

 そして、コアを摘出、

 長距離転移で

 軌道上に待機している

 アースラの

 『アルカンシェル』で、完全消失、

 それでこの事件も終わりになる。」

「出来るのかしら?本当に?」

「プレシア・テスタロッサ、

 アルカンシェルの威力は

 元管理局局員である貴女も

 重々承知では?」

「・・・ガキ。」

「あ?」

「大体、貴方にフルネームで

 ()()()()なんて許可した覚えは無いわ。」

「今ここで、公務執行妨害で逮捕しても良いんだぞ?」

 

「えい。」

 

ノータイム衝撃波は

触手を粉砕する

「アリサ!!なにを「うるさい」なにぃっ!?」

「あ、アリサちゃん、流石に

 ゼロ距離での援護は怖いから、ね?ね?」

「プレシアさん、

 全体のシールドをお願いします。」

「了解よ、

 アリシア!」

「大丈夫、ママ!まだふらつくけど行けるよ!」

「よーっし!!

 一方向に纏めるなら全力出せるわよ!!」

《それでも私の負担は尋常じゃないのですがね》

「と、兎に角、

 一番ドきついのかましたればええんやね?」

《それでしたら》

「レヴァンティン。」

《久し振りのあのフレームですね》

「アイゼン!」

《ぶちかまそうぜ!!》

「私は、みんなにバフを掛けるわね?」

「俺はアイツの攻撃を防ごう。」

「はぁ、一気にやろう。」

「りょ~っかい!」

「わかった。」

 

「うし、合流!フェイト!」

〈アルフ、大丈夫?〉

「おう!長距離転送は任せておくれ!」

「なのは!」

〈わっ?!ユーノ君!?〉

「遅れてごめん、

 禁書庫で調べてたから遅くなった!!」

「これで全員だな!」

 

「そうね。」

 

「アリサ、お姉ちゃん。」

「いいの、

 あのバカ、どうせギリギリで出て来るから。」

「あの。」

「安心して?」

「ん?」

「アリシア、すずか、私で、

 シンヤのお嫁さんになれるから。」

「へ?」

「あら?違うの?」

「え?ぇえっ?!いいのっ!?」

「当たり前でしょ、

 それに」

 

私ひとりでアイツの相手は色々大変だから

 

「ぷっ!あはは!確かに!」

「見つけたら引っ叩いてやるんだから。」

「ぜ、全力は危ないからね?」

ぷいっ

 

 

「み~つけた。」

「お、ロッテ。」

「お帰り?」

「まぁ、そうだな。」

「みんなでがんばろ?」

「アリアは?」

「お姉ちゃんは運悪くて捕まっちゃった。」

「誰に?」

「たしか、()()()さんって言う

 イケオジに捕まったって念話がラストで後は繋がんない。」

「・・・ロッテは?」

「良い隠れ家見つけたから

 しばらくは地球にいるよ?

 シンヤの耳かきの予約入れたいし。」

「・・・今度、みんなに話す。」

「え~、捕まっちゃうよ?」

「いや、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 それに、

 アレは『自己修復プログラム』じゃない。」

「うん、そうだね。」

「ん?ロッテは知ってたのか?」

 

違うの、私、3度目なんだ

 

「・・・転生者、だったのか?」

「シンヤとは違う、ね。」

「ロッテ。」

「だめ、今、ソレは言わないで?」

 

だって、私はまだスタートライン立てる程

心構え出来て無いから

 

「隠れ家、場所教えろよ、

 ()()()()()()してやるから。」

「うん、待ってる。」

「行って来る。」

「行ってらっしゃい。」

 

猫としてのご主人様

 

 



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54話

 

「一番槍!!

 なのはちゃん!!ヴィータちゃん!!

 お願い!!」

 

 

「よし、行くぞ!

 ()()()()()!!」

「~っ!!うん!!うん!!」

 

「アクセルシューター48連!!」

《ファイヤ》

 

前方の触手群を根こそぎ吹き飛ばす

 

「やるぞ!!グラーフアイゼン!!」

《ギガント・フォーム!!》

 

「紅の鉄騎、鉄槌の騎士ヴィータと、

 鉄(くろがね)の伯爵!!グラーフアイゼン!!」

《おうっ!!》

 

「豪天!!

 《爆砕!!》」

 

「《ギガント・シュラーク》!!」

 

一気に2層分の障壁を破壊する

 

「なのは!!」

 

「・・・よし!決めた!!」

 

「白騎士の悪魔!!高町なのはと

 レイジングハート・エクセリオン!!行きます!!」

 

(うわ、ほんとに悪魔宣言しやがった)

 

「エクセリオ~ン!!」

《カオス》

「《バスター》!!」

 

その余波で津波が舞い上がる

 

無数の触手が迫る

 

「蒼き狼!!盾の守護獣がザフィーラ!!

 この俺が居る限り!!

 貴様の攻撃は通さん!!

 貫け!!鋼の軛(くびき)!!」

 

数十の氷柱が触手を捉えて行く

 

「次!!

 シグナム!!フェイトちゃん!!」

 

「ゆくぞ、フェイト・テスタロッサ。」

「はい、シグナム!」

 

 

「雷速の戦士・フェイト・テスタロッサと、

 バルディッシュ・アサルト、行きます!

 リロード、サムライソード!」

《イエッサー》

 

「雷光・一閃。」

《サンダー》

「ドラゴン。」

 

様々な部分も切り飛ばし

その後を『雷が龍を模り突進して行く』

 

「負けてられないな。」

《当たり前です》

「烈火の将、剣の騎士シグナム、

 炎の魔剣レヴァンティン、参る!」

《ボーゲンフォルム!!》

 

「翔けよ!!隼!!」

《シュツルムファルケン!!》

 

後4枚

 

「まだまだ!!

 すずかちゃん!!はやてちゃん!!」

 

「エクサグラマ、頼むわよ?」

《はぁ、わかってます》

「よ~っし!いくで!リインフォース!!」

《はい!主はやて!》

 

「コレを名乗るのはアレだけど。」

《マスター?》

 

「悲劇の種族にして孤高の種族

 鮮血の王姫(おうき)、

 月村すずかと、

 エクサグラマ・ルナピエーナ、行きます!」

《ヴァンパイアスタイル!!》

 

「さぁ!ぶっつけ本番!!」

《予測範囲より退避を願います!!》

 

「真紅の血よ

 我が命に答えよ!!」

《ブラット》

「ケェイオス!!イーター!!」

 

口だけがある人の頭が数百

怪獣?に迫って行く

 

「うひぃ~・・・これはアカンやつやね、

 詳しく実況でけへんわ。」

「ちょ!?うち等のバインドすら食べるのかい!?」

「とんでもない魔法?

 いや、コレが吸血鬼の力の一端なのか。」

 

「はやてちゃん!」

 

「はいな!

 『彼方より来たれ、宿木の枝』

 『銀月の槍となりて撃ち貫け』

 『《石化の槍!ミストルティン!!》』」

 

石化した中から更なる何かが溢れて来る

 

「・・・SU2、デュランダル。」

《了解》

《オーケー、ボス》

 

「エターナルコフィン!!」

《インパクト》

 

周辺の海すら氷漬けに

 

「なのは!フェイト!はやて!」

 

 

《スターライト・ブレイカー》

「全力全開!!スターライト~!!」

《プラズマザンバー》

「雷光・一閃!!

 プラズマザンバー!!」

 

ごめんな

 

おやすみな

 

「『響け、終焉の笛、ラグナロク!!』」

 

 

「「「ブレイカー!!」」」

 

「よし!

 み・つ・け・た!!」

「空間固定!!」

「いくよ!!」

「「「長距離!!てんそ~っ!!」」」

 

(よし、波動防壁異常無し)

《マスター》

〈いくよ、ハピネス・リヒト〉

 

 

「間も無く軌道上に到達します!!」

「アルカンシェル、起動準備!」

「艦長。」

「大丈夫、コレで。」

「っ!?膨大な魔力を検知!!

 転送されてくる『コア』からです!!」

「緊急障壁起動!!

 アースラ、全力防御!!」

 

 

「そんなっ!?」

「シャマル!!どないしたん!?」

「あ、アースラが被弾!!

 アルカンシェル、発射不能!!」

「バカなっ!?」

 

「ねぇ、誰か、

 アリサ、見て無い?」

 

 

「くぅ、波動防壁は?」

《再起動、78%で行けます!

 まだ戦えます!!》

「よし!!」

〈ちょっ!?アリサちゃん!?

 どうやって生身で宇宙空間に居るのっ!?〉

「・・・エイミィさん、

 アルカンシェル、撃てますか?」

〈・・・だめ、

 今のでほとんどの回路がやれちゃって、

 まさか!?〉

「そ、最悪は想定して

 対策するものよ。」

《3重連重力波動炉心最大出力!!》

「やっと撃てる!!主砲!!発射!!」

 

何らかのシールドで()()()()()

 

「貴様、何者だ?」

「それはコッチのセリフよ!!」

 

 

「なっ?!はやてちゃん!これ見て!!」

「なぁっ!?真っ黒なリインフォースやんけっ!?

 どないなってんねん!?」

《っ!?わかりました!!

 アレが暴走の原因です!!

 恐らく自己修復プログラムの中に

 隠れていたと思われます!!》

「はやてちゃん!!

 私達も宇宙に行けるっ!?」

「んな便利な魔法あるかいなっ!?」

《すいません、どのページにも

 その様な記述はありません》

「アリサ・・・。」

「すずか。」

「アリシア、いけるの?」

「ごめん、今から改造しても何日もかかる。」

「こんな時に。」

(何してるのよシンヤ!!

 アリサが一人で戦ってるのよ!!)

 

 

「なんの準備もしないでいると思うか?」

 



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55話

「ハピネス!!」

《波動爆雷散布!!》

「ちっ。」

 

黒い光線が複数迫る

 

《回避を!!》

「ダメ!!後ろにはアースラが居る!!」

《主砲連射!!》

「うあぁああっ!!」

 

「姿勢制御全開!!バレルロール!!」

「くっ!?

 エイミィ!!他の火器は!?」

「・・・姿勢制御で手一杯です、

 現在、アースラは

 全ての火器類のシステムダウン、

 緊急障壁の許容量オーバーで、

 機関の出力も半減しています。」

「万事休す、ね。」

 

「くそっ、今連絡が取れたが、

 最短で5時間だ。」

「そんな、なぁ!クロノ!!

 なんとかならんのか!!」

「ボクだって何とかしたい!!

 だけど、アースラ級の軍艦は

 配備数が少ないんだ!!」

「シャマル、あの近場に空間を合わせられるか?」

「出来なくは無いけど、

 どうするの?

 私達も真空中では戦えないし。」

「どれだけ大きく出来る?」

「え?ちょ、何言ってるの?」

「シャマル、

 お前の腕が通れるなら、

 『撃ちだされた魔法も通るのでは?』」

「・・・シグナム、頭、大丈夫?」

「いや、行けるかもしれない。」

「えっと?」

「あぁ、ボクはユーノ・スクライア、

 ユーノでいいよ、

 シャマルさん、

 空間は固定出来るんですね?」

「ぇ、えぇ、見る分には

 問題無いだろうけど。」

「うし、術式ならアタシが考えてやるよ。」

「アルフ、大丈夫なの?」

「ん~、ちょっとフェイトに負担が掛かるかも。」

「わかった、遠慮なく負担かけて?」

「ちょっとまって!!

 フェイトちゃんにかけるなら

 私にもかけて!!」

「なのは。」

「いや、出来ない、

 これは、私がフェイトの召喚獣だから出来る事だ。」

「そんな。」

「イアルホールに任せなさいよ!

 そんな面白そうな事!」

「え?」

《マスター?マスター?

 まさかここでやる気じゃないですよね?》

「こんな事もあろうかと、

 ちゃんと持って来たわよ?

 ()()()()。」

《のぉおおおおおっ!?》

 

 

「ふっ、ふっ、ハピネス。」

《波動防壁、45%です》

「上等!!」

「質量兵器を使う魔導士など、面妖な。」

「アンタに言われたくないわよ!!」

 

拳も

 

パルスレーザーも

 

主砲も

 

「とどかない・・・このぉおっ!!」

《マスター!!》

 

しまっ!?

 

空間が裂け

攻撃が防がれる

 

「なに?」

 

〈アリサちゃん!!当たってないわよね!?〉

「・・・シャマルさん?」

 

「空間を越えて攻撃して来たのか。」

 

〈アリサちゃん!

 みんな頑張ってるからね!!

 どんどん指示して頂戴!!〉

〈いつでも撃てるよ!〉

〈うん、アリサ、

 迎撃は任せて!〉

「なのは・・・フェイト。」

〈いい!!撃たれたのは

 こっちで『相殺して迎撃するから』

 アリサちゃんは全力でコイツをぶっ飛ばして!!〉

「・・・ふふっ、りょう!!かい!!」

《主砲!!波動カートリッジ弾装填!!》

 

 

「次、上空に砲撃!!」

「了解!!レイジングハート!!」

《カウントダウン》

《弾着20秒!!》

「カートリッジリロード!!」

《空間固定!!》

「レイジングハート!」

《今です!!》

 

空間から真っ黒な光線が飛び出て来る

「エクセリオン・バスター!!」

 

盛大な爆発と相殺が起こる

 

「な、なんて馬鹿げた方法なんだ。」

 



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56話

 

「ぜ~・・・ぜ~・・・。」

《波動防壁、15%を下回ります、

 戦闘、限界値です》

「まだ、まだぁ!!」

《マスター!!》

 

「よく頑張ったな、

 だが、一時間も全力で行動すれば

 所詮人間の幼体、

 諦めろ。」

 

「諦めない!!」

 

「では聞こう、

 先程からあの『防御機構はどうした?』」

 

くっ

 

 

「ふふっ、

 われながら無茶してるわね。」

あちこちから血が噴き出している

 

「だめ、もぅ、MPポーションもないよぉ。」

「まだ、だよ!」

「アリサが、頑張ってるんだから!!」

 

〈リンディ〉

〈プレシア〉

〈もう、こちらに魔力が残って無いわ〉

〈ごめんなさい、こっちも

 アルカンシェルは無理みたい〉

〈こんな時〉

〈プレシア?〉

「シンヤなら、どうするのかしらね?」

 

 

「貴様の名、記録しておこう。」

 

「アリサ・バニングス。」

《ハピネス・リヒト》

 

「では、さらばだ。」

 

 

って、諦めるって誰が言ったのよ?

 

 

 

「ハピネス!!オーバードライブ!!」

《行きます!!6発同時リロード!!》

 

「まだ、動けるのか。」

 

「《拡大波動砲!!発射ぁああっ!!》」

 

 

「きゃっ!?」

「シャマル!」

「め・・目がやられて。」

「シャマル、私が見る、

 繋げて貰えるか?」

「うん、座標変更、アースラ上方100m。」

 

「これは。」

 

「なにが起こったの?

 エイミィ!!状況報告!!」

「わかりません、

 猛烈な閃光と共に、

 膨大なエネルギー奔流があったとしか。」

「モニター復旧急いで!」

「・・・ありました、生きている

 外部監視モニター出します!!」

 

「なっ・・・コレは。」

 

 

〈ハピネス〉

《はい》

〈からだ、うごかない〉

《・・・波動炉心に深刻なダメージ発生、

 波動防壁の維持で

 余剰エネルギーはありません》

 

「流石に効いたぞ、アリサ・バニングス。」

 

「へ・・・へへ、にん、げん、なめんな。」

《私も、です》

 

「・・・なぜ滅びから抗う?」

 

だってシンヤが帰って来る場所があるから

 

「なんだと?聞こえん。」

 

「おい。」

 

《マスター?》

 

《嘘ですよね?》

 

《マスター!!》

 

《アリサ!!》

 

《アリサ!!》

 

《気を失ってるだけですよ、ハピネス》

《!?》

 

「貴様?何処から来た?」

「あ?嫁さんのピンチに

 どこからでも駆け付けるのが旦那ってもんだ。」

 

〈しん、や?〉

「おぅ、ただいま、アリサ。」

《っ!?な、なんなんですか!?

 この質量兵器の反応はっ!?》

 

「あぁ、コレが俺の船だ。」

 

第18代目宇宙戦艦ヤマト

 

「これを持って来るの苦労したんだぜ?」

 

「ほぅ。」

 

「って事で。」

 

先ずは一発喰らっとけ

 

《収束プラズマ波動砲》

 

「発射。」

 

 

「・・・デカすぎます、推定400mオーバー!!」

「せん、かん?」

 

 

「すまん、アリシア、

 これに見覚えはあるか?」

「は?」

「アリシア?」

「・・・じゅ、18代目宇宙戦艦ヤマトじゃない!?」

「18代目?」

「原作者の方と喧嘩別れした

 宇宙戦艦ヤマトの派生型よ!!

 なんで軌道上にいるのよ!?」

「それと、ここ。」

「どこ?」

「シャマル、そのまま拡大してくれるか?」

「ど、どれくらい?」

「まだ見えないのか?」

「あのねぇ!」

「イアルホール!クラールヴィントの補助を!」

《っ、とに!!

 デバイス使いが荒いですね!!》

「なっ!?

 シンヤがアリサをお姫様抱っこしてる!!」

 

魔力切れで倒れていた

全員が起き上がって見に来た

全員「な、なんだってぇええっ!?」

 

「意外と元気なんだな。」

《恋する女性の力では?》

「そう言う物か?」

《貴女は貴女で

 安堵しているのでは?》

 

 

「レイジングハート、

 少しレヴァンティンに

 お灸を据えてやってくれないか?」

《構いませんよ?》

《え、ちょ、相棒?》

 



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57話

とある物を噛み砕き

 

〈アリサ、口開けろ〉

〈はい、あけた〉「むぅっ!?」

 

ごくっ

 

 

「でぃ、

 でぃぷキスしとる。」

「ぉ~///」

「あの、ここ、戦場よね?」

「・・・ふっ。」

「む~っ!!私もしたい~っ!!」

 

「まって?なにか嚙み砕いて

 ・・・ちょっ、まさかっ!?」

 

「は?へ?

 な、なんだか、身体が急に動く?」

「『仙豆』ドラゴンボールの世界から、

 少しだけ貰って来た、

 嫁さん助けたいからって直ぐくれたよ。」

「ど・・・まぁ、いっか、シンヤだし。」

 

「ほぅ、消えかけていた生命力が

 爆発的に復活したな、

 そんな便利なアイテムがあるのか?」

「こっちで栽培しないって約束だけどな。」

「それは残念だ。」

「じゃ、仕切り直しかしら?」

「では、名乗って置こうか、

 私は『防御機構プログラム』として、

 後付けで入れられたプログラムだったモノだ。」

「防御機構・・・リインフォース?」

〈・・・すみません、マスター、

 その周辺のデータの破損が激しく解読不可能です〉

「なるほどね、

 本来の仕様にないプログラム、

 そりゃぁ、どこかしらにバグは出る、

 まって?

 ()()()()()()()()()()()()()()?」

「確かにお前さんは()()()()の為、

 最初は平和利用が根幹だった。」

「あぁ、だが、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 『この力があれば』と。」

「そぅ、貴女も人間の被害者だったのね、

 でも、この世界を壊すと言われて

 はいそうですかって!!言えないわ!!」

「私が存在する限り

 『私を狙う人間が居なくならない限り』

 こうした事は繰り返されるだろう。」

「・・・貴女、

 ホントは消えたかったの?」

「かもしれぬ、

 だが、私を消せる人間など今までの居なかった

 そしてこれからも。」

 

背後には巨大な怪獣?が再構成され

今か今かと、黒い魔力を貯めていた

 

「アリサ、とりあえず艦橋の上に行くぞ。」

「なんでよ?」

「撃ち合いに挟まれたいのか?」

《艦首・上部下部主砲全力発射》

「きゃっ!?」

 

「ふっ、その程度の質量で抗えるか?」

 

「・・・艦長、

 計測値が

 計測不能を繰り返しています、

 き、緊急障壁でも耐えられない威力が、

 あんなにも連続に・・・。」

「エイミィ、姿勢制御でバック出来るかしら?

 少しでも離れてシンヤ君の邪魔にならない様に。」

「サブスラスターが幾つか生きてます、

 行けます!!」

「・・・地上から見える砲撃合戦。」

《マスター?ダメですからね?》

「ぇ~、なんでよ?レイジングハート?」

《仮にSSSクラスの魔力保有量でも

 あの威力を撃ち続ける事は

 マスターでも、10分が良い所です》

「ぇ?出来るの?」

「なのは、それは出来ないって説明されてるよ?」

〈ねぇ、シンヤ〉

〈あぁ、気づいた?〉

〈これだけの砲撃力でも〉

 

撃ち負けつつあるよね?

 

「正直、防御機構の底力を見誤ったよ。」

「ほぅ、それは良い事を聞いた、

 つまり、お前の船の力は()()と言う事か。」

 

ま、YAMATOでも同じ事起きてるからな

そもそも『波動エンジン2基』で

供給できる砲門数じゃ無いからな、

3連装ショックカノンですら

(移動式と副砲含め)18基

まぁ、供給不足になるのは明白だわな

 

「どうする積りだ?

 その船は切り札なのだろう?」

「まぁ、出来ればコイツで終わらせたかったけどな。」

「ほら、ギアを上げるぞ?」

 

徐々に撃ちだされる黒いレーザーを相殺しきれず

被弾がさらなる被害を生み出しつつあった

 

《シンヤ、モノポールエンジンに異常発生、

 出力が上昇し続けています》

〈もぅ、か、

 シナノ、防御機構に向けて特攻用意〉

《波動砲を充填しつつ

 モノポールエンジンの

 『対消滅反応』ですね?》

〈幸い、アースラは距離を開けてくれたから

 アリサを転移して〉

「シンヤ!!」

首をぐぃっ!!と、向けられる

「いてぇ・・・なんだよ、アリサ?」

「ハピネス・リヒトを治せる?

 3重連重力波動炉心の損傷が酷くて

 自己修復じゃ、精々二つしか使えないの。」

「・・・ハピネス・リヒト、

 お前、アリサに何を黙ってる?」

《拒否します》

「ハピネス?」

《・・・壊れますよ?》

《壊れません》

「ハピネス、言いなさい。」

《ノー》

 

「アリサ、アースラの俺の部屋に

 資材はある、

 アリシア達と合流して、

 アースラを護ってくれるか?」

「シンヤ?」

 

ぐいっ!と引っ張られ、再度、キスをする

 

「帰って来なかったら、

 全員で捕まえに行くからね?」

「おぅ、わかった。」

 

「それだけ被弾してても

 未だ戦闘状態を維持出来る船か、

 別次元の船は頑丈なのだな。」

「あぁ、俺の好きな船の18代目だ、

 防御能力は伊達じゃねぇよ。」

「しかし、

 粗方の砲塔は潰したし

 それ以外も吹き飛ばさせて貰った、

 それでもまだ()()()()?」

「あぁ、まだ撃っていない

 取って置きがあるからな!」

 

魔法陣を展開する

 

「ん?お前が撃つのか?」

「いや、生身の俺じゃ死んじまうからな、

 逃げる準備だ。」

「・・・良いだろう、

 貴様の切り札、

 ()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 

 

〈シナノ〉

《オーバーチャージ完了》

 

「《ツインノヴァ波動砲!はっしゃぁあっ!!》」

 

「おぉ、これは素晴らしい威力だな!」

 

 

「っと、流石にアレは焦るな。」

《全くです、

 ツインノヴァ波動砲は、

 本来銀河破壊用の威力です、

 それを地球軌道上で撃つ事自体想定外です》

「後、モノポールエンジンの暴走に置ける。」

《対消滅で、更に追い打ち、

 これで消滅しなければ

 それこそ『本当のバケモノ』認定ですよ》

「ぁ、シンヤ。」

「どうだ?ハピネスは?」

「・・・もぅ、3重連波動炉心、使えないって。」

「・・・ま、別の機関は手配済みだ、

 治してやる、

 もう、ハピネスは『機械じゃない』

 お前の相棒だからな。」

「ほんと?治せるの?」

「まぁ、ちょっとアレかもな?」

「ん?」

 

〈シンヤ君!!大至急ブリッジに来て!!

 まだ何か出て来るよ!!〉

 

「じーざーす。」

《本当に『バケモノ認定』ですね》

「なら、消えるまで殴ればいいでしょ?」

「《お願いだから止めて下さい》」

「ぇ~。」

 







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58話

アースラ ブリッジ(艦橋)

 

「お、来たね、シンヤ君、

 先ずはすずかちゃんと

 アリシアちゃんにご褒美あげてからね?」

「はい?」

 

談話室に引きずり込まれ

がっ・・・・つり、

ディープキスしましたよ、はい

 

「では、改めて

 コレがあの爆炎と光球から出て来たモノです。」

「うっそだろ、マジか~。」

「対象はそこから動いてはいませんが

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

《銀河クラスの破壊力でも

 消滅出来ないとは、まぁ、同情します》

「消える事すら出来へんから、

 ああしてなんや光の玉が浮いとるんやね?」

《恐らく、コア・・・の筈なんですが》

「うん、

 どう言う訳かそこから動かないの、

 そこで、もう一度、

 アリサちゃん、シンヤ君に、

 確認して欲しいのかな~って。」

「まぁ。」

「私達だけだけど、

 今は、ハピネス使えないのよ?」

「ふっ、ふっ、ふっ。」

「ぷ、プレシア母さん?」

「私を舐めないで頂戴?」

 

そこには新たな姿をした

()()()()()()()()があった

 

「え?いや、俺でもコレは想定外だぞ?」

「ま、ママ、凄い。」

《ハピネス、行けるのですか?》

 

「もちろん♪ユニゾンだってできちゃうんだからね!」

 

ユニゾンデバイスとして新生した

 

「って、プレシア母さん?

 俺の部屋のロック、

 どうやって解除したんだよ?

 ユニゾンデバイス自体、

 まだ早すぎるって思ってたから

 ロックかけてたのに。」

 

「そうね、()()()が、解除してくれたし、

 ()()()()()()()も貸してくれたから、

 ざっと()()()()()()()()()()!!」

 

「なぁ、シナノ?」

《現在、このデバイスは

 受け答えできる状態にありません、

 御用件の方はメッセージを残して下さい》

 

全員でヤスリ掛けしてあげた

《ぅ・・ぐぅぉ~》

「で、だ、

 ハピネス?なにが出来るようになっちゃったんだ?」

デスクトップアーミーサイズの

『ありさ』が答える

「えっとね。」

 

6連波動炉心に置ける、

6連発トランジッション波動砲、

6発同時トランジッション波動砲撃ち

長距離ワープ

新・波動防壁

46cm長砲身(65口径)ショックカノン

(射程距離延長・現状、地球から月まで届く)

連射能力アップ

127mm速射砲並みにアップした

波動カートリッジ弾式パルスレーザー

(一発の威力は20cmショックカノンと同等)

 

「後はね?

 ユニゾンすると、

 美人ママが更に美人になるよ?」

 

全員「ママ?」

 

「え?このナノマテリアルボディの素体情報は

 『アリサ・バニングス』の

 『髪の毛』から作られたの!!

 だから、アリサから産まれたも同然なの!!」

 

「プレシア母さん?

 ちょっとオハナシしたいんだけど、いい?」

「ぁ~、ごめん、

 ママ、過労で医務室直行してる。」

「はぁ。」

「まま?」

「はいはい、わかったわよ、

 ハピネス、名前はどうするの?」

「あぅ~///ママの名前、頂けますか?」

「私の?」

「私もバニングスを名乗りたいです!!」

「・・・ハピネス?」

「はい()()()()!!」

 

まぁ、空気が固まるわなぁ

「おと・・・お父さんかぁ、

 まだ小学生なのに・・・。」

「ちがうのですか?

 お父さんの()()()()は、

 それ相応の年齢かと思えるのですけど?」

「え?」

「まさか、ハピネス、

 ()()()()()()()?」

「はい!ママの身体の負担になる()()

 ぜ~んぶ!!私が引き継ぎました!!」

「・・・おぅ。」

「なので!

 お父さん!ママ!」

「はい。」

「なんだ?」

()()()()()()()()()

 

それは当分無理だなぁ

 

「えぇ~っ!?」

「あの~・・・流石に動きがあるようなんですけど。」

 

全員「あ、忘れてた。」

 




※特異点改修空間

2199版ヤマトに置ける
コスモリバースシステムの
副産物の空間を模した物

一秒を一年に引き伸ばし
突貫で組み上げたいデバイスなどを
作る際に使われるが
()()()()()()()、あと2回

使用者はその空間を出入りする時に
()()()()()()()()()()()()()()()

尚、一度入った人物は使用できない

※ナノマテリアル
蒼き鋼のアルペジオより抜粋

人の細胞・薬の成分すら構成可能な
素敵マテリアル
更に損傷した場合における
修復は『ご飯を食べる事』で解決できる!!
まぁ、大食いタレントの5倍食べれる
サイズはデスクトップアーミーのままで・・・


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59話

 

「うわぉ。」

 

ハピネスとユニゾンしたアリサは

金髪から銀髪の

まぁ、何と言うか

フェイトのアイリスフィールに

見た目が近くなった

 

「シンヤ?

 今どこを見たか答えるなら

 殴らないであげる。」

 

「いや、

 俺なんかが旦那でいいのかなぁって。」

「は?色々責任取って貰うし。」

「デスヨネー。」

〈お父さん!ママ!〉

「ぁ、ごめん。」

「なぁ?ハピネス?

 なんでアリサはママで

 俺はお父さんなんだ?」

〈なんででしょうね?

 そう呼びたいからです♪〉

「・・・萌え死にしそう。」

「同感。」

 

さて、謎の球体に近寄ってはいるけど

 

「これ。」

「うん。」

「「泣いてる?」」

 

膝を抱えうずくまり

時折り、ヒック、ヒックと、

恐らく泣き声が聞こえる

 

「ぁ~()()()()()()()()()?」

 

反応が無い

 

「あ、アリサ。」

「シンヤ?なにかいい案があるの?」

「いや。」

 

ナハト・ヴァール?

 

「ぁい、だれでずが?

 わだじをよぶのは?」

 

とっ、尊い  カハッ!?

「ぐっ、こんな精神攻撃をして来るなんて///」

 

まぁ、ぐっちゃぐちゃな泣き顔で

ボロボロ流す涙

ガラガラな声なのに可愛い声

 

何とか復活し

少しずつ話して行くと

 

「ぁ~・・・。」

「と、とりあえず、

 戦闘意志はもう無い?」

「ぁ゛ぃ゛、も゛ぅ゛む゛り゛て゛す゛。」

 

なんでもアリサから喰らった

『拡大波動砲』で既に半死程のダメージを蓄積し

 

その後の俺が切り札として

『漂流していた18代目宇宙戦艦ヤマト』に置ける

収束プラズマ波動砲

 

極めつけは

モノポールエンジンの『対消滅』から全力で逃げる為に

ほぼ出せる手札を使い切り

()()()()()()()SSSだが

それを使っても

俺と、アリサは相手に出来ないと

 

完全に心が折れたそうだ

 

「出来るなら、夜天の書と統合して、

 今後も夜天の書を護る

 ()()()()()()()として

 活動してくれないか?」

「よ゛ろ゛し゛ぃ゛の゛て゛す゛か゛?」

「はい、鼻紙。」

 

ち~ん!

 

「ありがと、ございまず。」

〈ぁ~、シンヤ君?アリサちゃん?

 どないなってんねん?〉

「あぁ、()()

 とりあえずアースラに戻る。」

 

ぷっ

 

〈だっ!?誰や!?

 今、めっちゃ可愛い声で笑ろた女の子はっ?!〉

「戻ってからのお楽しみだ。」

「そうね。」

〈え~っ!?めっちゃ気になるぅっ!!〉

 

 

「かっ!?かわぇええっ!!」

 

容姿は大人リインフォースから、

大人成分を取り外し

目隠れ前髪ぱっつんの

少女には大きすぎる二つのメロンを抱えた

ナハト・ヴァール

 

「リインフォース、

 彼女が防御機構プログラムだった

 ナハト・ヴァールだ、

 統合か『能力の分割管理を任せたいんだけど』

 出来そうか?」

〈・・・どうでしょう?

 私自身、破損したデータを多く持つので、

 統合は難しいでしょう〉

〈では、私の出番ですね?〉

「あ、今まで空気だったシナノ。」

 

「よせよアリサ、

 ハピネスのナノマテリアルボディに

 備蓄してた資材全部使われたんだから。」

 

まぁ、いきなりナノマテリアルボディが

出来る訳が無いので

 

以前からこそこそ・・・コツコツと

シナノが素材を集めていたのだが

ハピネスがとことん無茶をするので

 

6連波動炉心とフレーム強化

デスクトップアーミーサイズの

ナノマテリアルボディで

蓄えていた素材を

()()使()()()()()()()()()()

 

《・・・イイノデスヨ、マタ貯メテイケバ》

「ぁ~、今度、

 素材集め付き合うわよ。」

 

そもそも、シナノがナノマテリアルボディの

素材を集めていたのは

()()()()()()()()()()()()

情報収集が趣味の粋

質量兵器破壊の根幹は二の次

 

処理能力のリソースを

ほぼ、こちらに割いていたのだ

「兎に角、シナノ!

 夜天の書の能力分割、

 リインフォース、ナハト・ヴァールの能力分担、

 狸女用のインテリジェントデバイスも準備してくれ。」

《ハイ、既ニ、アル程度ノ次元ノ目途ハ

 ツイテイマス》

 



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60話

空っぽの資材庫

カタコトで喋るシナノ

頭を抱えるリンディ

シンヤの明日は何処へ行く?


「で?」

「いや、これで完全修復完了したんで。」

「この()()()()()()()()?」

「ナハト・ヴァールさんですね。」

「どうしてはやてちゃんと

 変わらない背丈なのかしら?」

「シナノで改変した戸籍謄本をですね、

 八神・闇璃(あんり)として登録しまして。」

「それ、犯罪よね?」

「人の個人情報を勝手に調べる管理局に

 言われたくありませんね。」

「うぐっ。」

「それに、()()()()()()()()()()()()()()

 リンカーコアは、はやてのコピーなので、

 魔導士でもありますね。」

「ちょっ。」

「あぁ、夜天の書は()()()()として分離、

 リィンフォースツヴァイが管理してます。」

「ちょっとまって?

 ツヴァイってどういう事かしら?」

「あぁ、

 闇璃~、アインス呼んで~。」

「ハィ。」

まぁ、目隠れぱっつんは変わらず

非常に大人しい子になったナハト・ヴァールもとい

アンリ

羞恥心が欠け気味で、

今の今まではやてをそのメロンで挟んでいた

 

「あかん、昇天してもえぇ///」

「黙れ狸女。」

「ヨンデキタヨ?」

「なんだ、昨今の情勢を

 ドローイングしている途中だったのに。」

「いや、単純に映画見てただけだろ?」

「まぁ、そうとも言う。」

 

分離、分担管理にしたのは良かったのか?

と、思う程、

アインス、ツヴァイ、アンリ(ナハト・ヴァール)

この3人は八神家に完全に溶け込んでいた

 

「まぁ、こんな感じです。」

「・・・報告書を見た時は正直、疑ったけど。」

 

まぁ、あの日からひと月

12月のあの日クリスマスである

 

「と、言うか、リンディ母さんは

 艦長を降りたんじゃなかったっけ?」

「ホイホイと降りれないのよ、

 管理局の人材不足はね。」

「あ、それは聞きません。」

「もぅ、少しは愚痴に付き合ってよシンヤ君?」

「えぇ、もうコタツの妖精な母さんに

 みかんを()()()してますねぇ。」

 

アリサ、すずか、アリシアは、

なのはを捕まえ、

プレシア母さんとフェイトも一緒に

クリスマスケーキを取りに行くついでに

買い物を頼んでいる

 

「それで?」

「あぁ、アインス、戻っていいよ?」

「ん、了解した。」

「ワタシハ?」

「アンリは、こっちおいで~?」

「ハ~イ。」

 

コタツでアンリを前に抱える

「ほれ、暖まってろ。」

「ワカッタ。」

「アンリ?」

「ナ~ニ~?」アッタカ~イ///

「楽しいか?」

「ウン♪」

「うし、このまま入ってて?」

「イイノ?」

「あぁ、アリサ達を迎えに行って来る。」

「ファ~イ。」

 

むぎゅう と、潰されるメロン二つ

 

いや、でけぇな、マジで

っと、いかんいかん、俺はアリサ達が居るんだ

 

まぁ、リンディ母さんとみかんの

「はい、アンリちゃん♪」

「ア~ン♪」

モグモグ♪

「リンディママ♪」

「あ~ん♪」

 

はぁ、いくらでも眺めてられるけど

 

 

「これで全部ね?」

「流石に重いわ。」

「そうね、しん「呼ばんでもくるわ」もぅ!」

アリサに()()()()()

強制召喚されるのだ

 

最悪なのは用を足している時

 

あの《真言》のせいである

 

シナノの空間庫に荷物を放り込んで行く

《あのですねシンヤ?》

「んだよ?保管庫は全然余裕だろ?」

《それは勿論!!

 大型艦艇ですら収納出来るのですから!!》

「なら良いだろ?」

《生物を入れて置く場所では無いんですよ!!》

「アリサ、頼んでた()()()()()()は?」

「はい、コレ。」

《すいませんでしたーっ!!》

《ほんと、見えない筈なのに》

《土下座が見える気がする》

「だな。」

 

流石にハピネスはユニゾン状態

なので、

アリサは、アイリスフィール風の長身美人モード

すずかもユニゾンを頼んで来たが

()()()()()()()()()()との

相性問題で搭載出来なかった

 

「はぁ、私もバトルフォームじゃないのが良いのに。」

《あのですね、

 すずか?まず、

 ヴァンパイアスタイルですらちゃんと扱えてないのに

 ユニゾンなんて出来ませんからね?

 そもそも、吸血鬼の力を掌握すれば、

 『容姿はいくらでも変えられるんですからね』》

「うぐっ、それは、そうだけどぉ。」

「ははっ、すずかは

 そのままゆっくり成長してくれよ。」

「でもぉ。」

 

ま、すずかが言うのも無理はない

 

俺は新たな身体になった

 

用は身体能力状、

最大のパフォーマンスが発揮できる身体

つまり、20代の身体で『固定された身体になった』

 

「まぁ、この背丈のシンヤが

 私達を連れて歩ってると

 まぁ、犯罪臭漂うよね。」

「アリシア!薬で何とかならない?」

「あのねぇすずか?

 いくらでも成長促進剤に近いモノでも、

 精々一日の成長を進めるだけ、

 要は、『シンヤと一緒に居れる時間が一日減るのよ?』

 それをわかってて言ってるの?」

「あうぅ。」

「まぁ、俺は待つさ、

 その為にも

 宮司としてちゃんと免許取らなきゃな。」

「あ、ソレなんだけど、

 宮司さんてちゃんと結婚出来るわよね?」

「そりゃぁ、問題無いけど、

 どした?アリサ?」

「・・・私の髪の色、

 黒に染めなきゃだめ、かしら?」

「いんや、染めなくていいんだぞ?」

「へ?」

「神社でも、お寺でも、

 今じゃ外人さんが宮司なりお坊さんなり

 『女性の人も居るんだぞ?』」

「そうなのっ!?」

 

ま、コレは単純な話、男の後継者不足もあるのだ

病院で死を迎えるようになった弊害とも

言えるかもしれないが

 

「まぁ、あれだ、年末年始は

 めっちゃ忙しいから、

 初詣どころじゃ無くなるんだけどな。」

「そう言えば、

 シンヤってどこの神社なの?」

「そう言えば、一度も言った事ないわね?」

「そうだね?

 私も知ってるのは今のシンヤの家だけだし。」

「ぁ~・・・。」

「ねぇ?シンヤ?」

「プレシア母さん?」

「貴方の前の街、

 なんて名前だったかしら?」

 

あぁ、冬木市だよ?

 



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61話

冬木事変?

それはシンヤが務める
冬木市にある神社に来る

『変わった方々との交流の事である』

「衛宮~、今日の飯はどうするんだ?」
「んだよシンヤ?
 また家に来るのか?」
「いや、レシピを知りたい。」
「どんな?」



「ふぅ。」

「シンヤ。」

「あ、おじさん、お疲れ様です。」

「こっちこそ助かるよ、

 冬木・大鳥居神社の跡取りの君に

 手を貸して貰ってるのだからね。」

 

おじさん

とある学園の社会科教師兼生徒会顧問

 

「あっちは大丈夫かなぁ。」

「まぁ、どこも一緒だよ。」

「デスヨネー。」

 

年末年始だ

死ぬほど忙しい

 

祈祷に売店での御守りや、正月飾り等の売り買い

 

賽銭箱の小銭数え(これが一番キツイ)

 

柳洞寺(りゅうどうじ)

 

「葛木(くずき)のおじさんは。」

「宗一郎でいい。」

「いえ、()()()()()さんが

 怖い顔してるので遠慮します。」

「・・・普段通りに見えるが?」

「いえ、ああ言う奥さんなんですね?」

「ん?」

「え?」

 

「仕事、しますか。」

「そうだな。」

 

「あ゛ぁ゛~、

 緑茶が滲みるぅ~。」

「確かに、冷えた身体にはいいね。」

「もぅ、宗一郎様から言われなければ、

 シンヤには、ホッカイロで十分です。」

3が日が終わり

助っ人としての日程は終わった(研修とも言う)

「じゃ、そろそろ帰りますね。」

「あら?もう?」

「えぇ、キャスターさんの

 葛木さんをお借りするのは今日までですからね。」

「ん?」

「そ///そんな///私のなんて///」

「これからもいい関係を続けて下さいね?」

「あぁ。」

「当たり前よ!って、

 貴方が言うと、妙に重みがあるわね?

 なにがあったのかしら?」

「ぁ~、色々、あはは。」

「そ、流石に男を襲う奴は少ないでしょうけど、

 気よ付けなさい。」

「はい、では。」

 

 

「シナノ。」

《はい、尾行されています》

「誰だ?」

 

にゃ~

 

「っと、なんだ、ロッテじゃないか。」

 

ポンと効果音付きで人型になるロッテ

「久し振り~♪」

「おう、猫の彼氏探しでもしてたのか?」

「違うわよ!

 家に帰るのに、

 猫の方が裏道通り易くて楽なのよ。」

「ん?あぁ、そっか、そこの角だったな。」

「どう?時間ある?」

「・・・そうだな、寄ってくか。」

「はぁ///ソコソコ///」

フキフキ

「なんで俺じゃなきゃ嫌なんだか。」

「だって、ギルだと雑なんだもん。」

フキフキ

「雑なのか~。」

「はぁ~///」

「何してるのよ?」

 

 

「流石にびっくりするからな?アリサ。」

「そう?」

「ああぁあのっ!?」

「貴女がロッテさんね?」

「ひゃいっ!!」

「ずるい。」

「え?」

「私にも耳掃除させなさい!!」

「えぇ~っ!?」

「はぁ、これだから会わせない様にしてたのに。」

「あっ///コレはっ///

 シンヤと違った柔らかい手つきが///

 ひゃん///き、きもちぃい~///」

 

ヘブン状態のロッテをほっといて

ここに寄った理由に向かう

 

「ん?貴殿か。」

()()()()()、元気そうだな。」

()()()()()に、

空間庫からハンバーガーを取り出す

「おぉ!!それはっ!!」

「あぁ、何時もの『バーガーセット』だ。」

 

もしゃもしゃ食べる姿は

まぁ、その服装からは想像出来まい

 

「ふひゃしへなひぇほほひ?」

「して、なぜここに?か?

 口の中空にしてから喋れよ。」

「んぐぅ!」

あ、詰まった

素早くコーラLを受け渡す

「んっ、んっ・・・ぷはぁ、

 すまん。」

「大丈夫か?」

「まぁ、うん。」

口元が汚れてるので拭いてあげる

「ん、良きに計らえ。」

「・・・アルトリア、魔力は足りてるか?」

「あぁ、この『弾丸』には助けられたよ。」

 

どうして冬木市に黒セイバーが居るのか?

 

恐らく、あの日、

ナハト・ヴァールと盛大に撃ち合い合戦をして

次元の境目が不安定になり

別次元から弾き出され

 

海鳴市の海岸に打ち上げられていたのを

俺が見つけ、丁度

隠れ家に引っ越したばかりの

ロッテの家に匿ったのだ

 

その際、枯渇寸前の魔力を確保する為に

『カートリッジ』に蓄積した

『タキオン粒子変換魔力』の味が

大変お気に召した様で

不足しない様に時折りここに来るようになった

 

「うむ、馳走になった。」

「あ、シンヤ?お話終わった?」

「あぁ、終わったよ。」

 

尚、アリサには、ロッテは見えるが

()()()()()は見えていない

 

「毎回毎回不思議よねぇ、

 ハンバーガーが空中に浮いて

 かじられて減って行くんだもん。」

「見えないとそう見えるのか。」

「うむ、我は許した相手にしか見えん。」

「ほんと、

 来た時は『遂にシンヤが壊れた?』って

 思ったんだからね?」

「それは、済まなかったって。」

 

ロッテも見えていないのだが、

『そこに誰かは居る』と、

動物的直観でなんとなくわかるそうだ

 

「それじゃ、またな?」

「うむ、非常時はこの端末だな?」

「あぁ、忘れるなよ?」

「では。」

「それじゃぁね~。」

「はぁ~///ロッテさんの毛並み

 最高だったわ~///」

「さいですか。」

(はぁ、俺の癒し空間が減っていく)

「シンヤ。」

「なんだ?」

「・・・お金貸して?」テヘ?

 

まぁ、これも何時もの事として

受け入れた

 

あの《真言》の厄介な点は

呼び寄せる事も出来るし

『飛んで来る事も可能なのだ』

 

「転移で帰るぞ。」

「えへへ~、お願いしま~す。」

この場合、ハピネスは置いてかれるので

帰るたんびに

 

「びぇ~んっ!?まま~っ!?」

と、こうなる

 



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62話

シンヤの家

「ただいま~。」

「お、お帰り~。」

 

小学校は冬休みが終わり

ラストの新学期

まぁ、あの学校は

エスカレーター式に近い方式なので

アリサ、すずか、なのは、

フェイト、はやて、アンリの6人は進学を希望し

見事進級試験に合格した

 

流石に俺は転校扱いにして、

それに伴うアリシアも転校とした

 

流石に、一週間と経たず

高卒・大卒検定を取る頭は凄まじく

管理局のダミー企業に就職と言う形だ

 

「もう聞いてよシンヤ!!」

「はいはい。」

 

もっぱら、アリサに告白して来る男子の

ダメ出しを延々と聞かされる

 

「だから、俺との指輪してろって言ったろ?」

「しててもよ!!」

 

まぁ、小学生を卒業するにあたり

でる所が出て来たのだ

 

ま、大概キスをすれば静かになる

 

「もぅ、ばか。」

「バカですねぇ。」

《シンヤ、管理局からメールです》

《アリサ、こっちにも来てますよ?》

 

ユニゾンの容姿設定をちょっと弄り

見た目を普段のアリサにしてある

 

「え?今来たの?」

「らしいな。」

 

※拝啓、シンヤ君

 こんな依頼をしたくないのだけれど

 貴方が住んで居た冬木市に

 『何者かが、漂着したらしいの』

 そのせいで冬木市内に魔力が溜まり出してて

 下手をすると新たに魔導士として

 覚醒してしまう一般人が出てしまうの

 それの調査をお願いしたいんだけど、

 ダメ?

 

「・・・まさかなぁ。」

「まさかねぇ。」

《あの方でしょうか?》

《まって下さい?

 なら、私達にも知覚出来ないと

 おかしく無いですか?

 アルトリアさんと言う方は、

 私達には見えないのに》

「確かに。」

「一応、聞いてみるか。」

〈ロッテ~〉

〈ごめ~ん!!いま忙しいぃっ!!〉

〈あ、バイト中?〉

〈今、お買い物ラッシュ~っ!!〉

〈すまん、アルトリアは

 家に居るのか?〉

〈うえぇっ?!たぶんいる筈っ!!〉

〈ちょっと聞きたい事あるから、

 家に行って良いか?〉

〈・・・下着、中で干してる〉

〈すまん、日を改める〉

〈んみゃ~っ!?

 どれだけ今日はこっちにくるのぉおおっ!?〉

「あ、念話切れた。」

「ロッテさん、人気ね。」

「あぁ、猫耳レジポスお姉さんは

 今日も人気だな。」

 

あるスーパーで

バイトをしてるロッテは、

ひょんなことから店長に猫耳がバレた

が!!

それを逆手に取り、そのまま業務にゴー

美人!可愛い!猫耳!最強!!

そのせいで、

老若男女問わず人気なレジポスお姉さんの地位に

店長からの「語尾もにゃ~で!」

 

が、トドメの一撃だった

 

「しばらく掛かるって、

 メールしといて。」

《了解》

「私は宿題終わらせちゃうね。」

ポン

「わたしもやる~!」

 

どう言う訳か、調整した辺りから

デスクトップアーミーサイズだと

幼児化し

ユニゾンするとしっかりさんになる

 

ツヴァイがお手本にしますとか言ってたが

キミ、ユニゾンしてもそのまんまのだよね?

 

「ハピネス、今日の課題はこれな?」

「は~い!」

 

まぁ、積み木を

枠の中にどうやってはまるか考える奴なのだが

持ちこたえて3分しか、集中出来ないのは困った物だ

ユニゾン状態だと出来るのに

 

「できた~!」

「ぷふっ!?それは積み上げたって言うのよ?」

「ふふっ、ツヴァイ、

 もう一度やったらオヤツ出すから

 ()()()()宿()()()()()?」

「はい!!やります!!」

 

ま、こうして俺とアリサを

笑わせてくれる、ほんと、感謝しかない

 



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63話

アースラ 談話室

「あのねぇ。」

「あ、リンディ、今日のお茶うけよ?」

「頂くけどぉ。」

「すずかちゃん、そこの公式はこれじゃなくて

 こっちの使ってやるんだよ?」

「うへぇ~。」

「なのは?」

「なぁに?フェイトちゃん?」

「ここ、間違えてる。」

「え?」

「なのは、言ったよね?

 赤点が無ければお出かけするって。」

「う、うん。」

「はぁ、

 事あるごとにアースラの談話室を

 使わないで頂戴?」

 

全員「いや、あの空間に居れると?」

 

「まぁ・・・うん。」

 

画面に映し出される

にこやかな3人は

正に仲睦まじい夫婦とその子供を映し出していた

 

指輪こそ順番に貰った私達だけど

()()()()()()()()()()()と、

どうしても距離が出来てしまったのだ

 

「ほんと、アリサちゃんは強い子ね。」

「そうね、20代に固定されたシンヤ君を

 拒まず受け入れた、

 普通の女の子が出来る事では無いわね。」

 

〈プレシアさん?〉

「あら?アンリちゃん?どうしたの?」

〈はい、そっちにツヴァイ、

 行っていませんか?〉

「みんな?ツヴァイ、見たかしら?」

 

答えはノー

 

〈ツヴァイちゃんどうしたのかしら?〉

 

家出したんです

 

「え?」

 

 

(全く!はやてちゃんは

 おとめこころをわかってないのです!!)

 

いや、キミ、まだ2~3歳児だよね?

 

(作者さん?ぶっ飛ばされてーですか?)

 

ごめんなさい

 

 

「はぁ、ここ、どこですか~。」

はやてちゃんの家を飛び出して

電車の屋根に飛び乗り

そのまま沢山移動して

寒くて飛び降りて

どこかの公園なのですぅ

 

「セイバー、今日は早上がりか?」

「士郎、はい、ただいま戻りました。」

 

あれ?だれですか?

 

「士郎、今日の夕食はどうなされるのですか?」

「そうだな、今日も鍋で良いんだけど、

 ここ最近鍋続きだし

 なんか別な物を作ろうと思うんだけど。」

「そうですね、

 鍋は鍋でも、違う物ですか。」

「あ、それだ、セイバー!」

「はい?」

「クリームシチューはどうだ?」

「クリームシチューですか!いいですね!」

「そうと決まれば・・・、セイバー?」

「何でしょうか?

 何かの気配が!?」

 

公園に魔法陣が形成され

 

『巨大な球体』が現れる

 

「なっ!?なんだこりゃっ!?」

「士郎!!」

「リーフシールド!!」

 

球体からしなるコード?らしきものは

風の壁によって二人に届かない

 

「風の壁っ!?」

「お二方!今の内に!!」

「えぇっ!?君は一体っ!?」

「助太刀感謝します、

 ですが。」

姿があの『サーヴァント・セイバー』に変わる

「セイバー、聖杯がらみか?」

「いえ、全く違う存在でしょう、

 あれからは、『魔術回路の存在が確認出来ません』」

「へ、変身、した。」

「小さき戦士よ、

 士郎を護ってもらえますか?」

「危ないですよ!!」

「えっと、キミ、とりあえずこっちに来てくれ!」

「あ、え、はい!!」

 

 

「はぁああっ!!」

「つ、つよいのです。」

瞬く間にコードを切り捨て

「貴様程度に、この幸せを邪魔させません。」

 

ズパン!!

 

球体を真っ二つに切り裂いた

 

「ほわ~!綺麗ですぅ!!かっこいいですぅ!!」

 

ぐ~

 

「ふぅ、士郎、はやく夕飯にぃ~。」

「ちょ、おい!セイバー!!」

「美人さん!しっかり!!

 ツヴァイのお菓子あげますから!!」

 

空間庫にあるオヤツを美人さんにあげたら

元気になったですぅ!

 

「うぅ、面目ない。」

「まぁ、久し振りに力を使ったからな、

 魔力が駄々洩れだったからな、

 やっぱり偶には使わないと

 魔力回路もダメなのかぁ。」

「あ、あの!お二方は

 『魔導士』なのですか?」

「いや、俺は魔術師の端くれだ、

 そう言う君は?

 サーヴァントには見えないけど。」

「あ、自己紹介まだでしたね!

 私は、ユニゾンデバイス、

 名前はリインフォース・ツヴァイと言います。」

「おっと、俺は衛宮・士郎、

 みんなは士郎、って呼んでくれてる。」

「ふふっ、遅ればせながら、

 私はサーヴァント・セイバー、

 昔はとある国の王を務めていたんですよ?」

「じょ、女性の方でも王様なんですかっ!?」

「いえ、『昔は男でしたよ?』

 今の私はサーヴァントとして、

 女性ですので、セイバー、と、お呼び下さい。」

ぐ~

「ぷっ!あはは!

 セイバー、そんなにお腹空いてたのか?」

「いえ、これは。」

「わ、わたしですぅ。」ハズカシイ///

「家来いよ、夕飯食ってくだろ?」

「いいんですかっ!?」

「はい、窮地を救って頂いたお礼もしたいですし、

 一緒に夕ご飯を食べましょう!」

「はい!ありがとうなのですぅ!」

ぐ~

「「ぷっ!?」」

「はぅ~///」

 



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64話

衛宮家

 

コタツの上で丸まる様に

眠るリインフォースツヴァイ

 

「ありゃ、寝ちゃったか。」

「えぇ、流石に落ち着いたようです。」

「こんなにちっちゃいのに

 あんなに食うとは驚いたけど。」

「えぇ、しかし、

 このサイズにあう布団・・・。」

「ぁ~・・・これでいいかなって?」

「何時しかの余り布ですか。」

「あぁ、綿とかは残ってたので十分だったし、

 後は枕なんだけど。」

「それでしたら、

 髪留め辺りを根幹に、残りの綿で包み、

 枕にしてはどうでしょう?」

「それ採用!」

 

 

「ん・・・あれ?」

(リィンのサイズに合う布団に枕?)

 

「あ゛っ!!」

「お、起きたか。」

「しっ!?しろうさん!?」

「セイバー、風呂場に案内してやってくれるか?」

「はい、朝練の汗も流したいですし、

 お先に頂きます、

 では、小さき戦士、リインフォース・ツヴァイ、

 お手を。」

「は、はいぃ~///」

 

風呂場

 

「なるほど、主様と喧嘩をされてしまったと。」

「そうなんですぅ、

 でも、ここが何処かわからなくて

 保有魔力量だけじゃ転移も出来ないし、

 なんて声(念話)を掛けようか。」

「ふむ、

 聞くだけですが、

 それは主様の責任では無いでしょうか?」

「ほんとですか?」

「はい、

 リインフォース「あの」はい?」

「ツヴァイ、か、リィンで良いですか?」

「ふむ、では、

 リィン、主様は

 リィンがちゃんと貼り紙をしていた

 ()()()を断りも無く食べてしまったと?」

「そうです!!

 ちゃんと!リィンの!って

 大きく書いてたのです!!」

「それはいけませんね、

 私も貼り紙をして

 食べられない様にしていますが、

 稀にタイガに食べられてしまう時がありますね。」

「タイガ?」

「はい、まぁ、シロウの姉の様な存在ですね、

 恐らく『タイガー』と言えば、

 何処からともなく「誰っ!?タイガーって言ったの!!」

 タイガ、ココは浴室なのですが?」

「あ、ごめんなさいセイバーちゃん。」

 

なんであの勢いで扉のガラスが割れないんだろう?

 

「あれ?もう一人誰かいたような。」

「あれ?藤姉、来てたのか?」

「もぅ!!

 今日の朝ご飯何々っ!?」

「・・・今日は、焼き秋刀魚と、

 味噌汁の定食風だ。」

「やった!納豆もあるよね?」

「はぁ、冷蔵庫にあるよ。」

「さっすがシロウ!!」

 

「シロウ、ただいま上がりました。」

「ました~。」

 

「おぅ、妖精さん?」

「あ。」

「ぁ。」

「ん~・・・がおがおさんですか?」

「え?わたし?」

 

「へ~、そう言う種族のサーヴァントなんだぁ~。」

「えへへ~。」

(小人族のサーヴァントってなんだろう?)

「所で今日の予定は?」

「アタシは町内会の会議。」

「私は今日は休みです。」

「俺もバイトは入って無いし、

 まぁ、家の掃除がてら

 買い出しだな。」

「それでしたら、ご一緒致します。」

「リィンも一緒に行きたいです!」

「ん~・・・セイバー、

 コレを肩掛けしてくれるか?」

「はい、コレは。」

「センターポーチ、だったか?

 このサイズなら、リィンも入れるだろ?」

「はい!」

「あ、いっけな~い

 もう時間がないわ、

 シロウ!夕飯も来るから

 なんか準備しといてね!!」バビュン!!

「ったく、フジねぇのヤツ。」

「がおがおさん素早いですね。」

「リィン?

 その、がおがおさんとは?」

「はい、タイガを何となく感じたまま呼んだとしたら、

 がおがおさんかな~って思ったです!!」

「「ぷっ(ぶふっ)!?」」

あはははは

「そんなに面白いです?」

「ぁ~、そうだな、

 リィン?俺たちはどうなんだ?」

「ん~・・・シロウさんは。」

 

カチカチさん?

 

「え?」

ぶふっ!?

「なんとなく、です、

 魔導士とは違う魔術師の端くれと

 おっしゃっていたので、

 なんとなく、です。」

「フククク、り、リィン?

 私はどのように、プククク。」

 

腹ペコさんですぅ

 

「はぅ///」

「ぶはははっ!?セイバー!

 あはは!言われてるな!」

「もぅ!シロウ!!」

「でも。」

「リィン?」

「なんだか、

 腹ペ・・・じゃなくて、

 セイバーさんの()()()

 もう一つ感じるのです、

 何でしょう?」

「え?」

「私が、もう一つですか?」

「なんとなく、です、なんとなく。」

 

 

「ふむ、我に気づく輩も居る者だな。」

「うわっ!?

 あ、アルトリアさんっ!?」

「おぉ、すまん、ロッテ、

 気を緩め過ぎたわ。」

「まってっ!?

 消えないでよ!?」

「なんだ?」

「その、

 姿を消してるのも魔力を使うんだよね?」

「まぁ、微力ながら。」

「なら、家の中に居るなら

 解除しててもいいんじゃない?」

「ふむ、まぁ、窓辺りに不可視でも

 魔術を掛ければよいか。」

「うん、そうしなよ!」

そう言って紙袋を広げる

「ん!!この匂いはっ!?」

「今日はお給料日だから

 じゃ~ん!

 ジャンクフード詰め合わせで~すっ!!」

「うむ!

 我もご相伴にあずかろうぞ!」

「では!」

「頂こう!」

 



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65話

八神家

 

まぁ、こうなるわな

 

「で?念話は拒否られていて、

 位置探知の魔法も妨害されていて

 見つけられないと。」

「あぁ、シンヤ、どうした物か。」

「まぁ、そこの『筋肉痛狸女のせい』ってのは

 良く分かった。」

「狸女いうな~。」

「うるせぇ、

 お前のせいだろうが。」

 

まぁ、ツヴァイの証言は正しく

貼り紙もキチンと張ってあったのだが

如何せんリインフォースサイズの貼り紙

 

まぁ、ロゴマークなり

成分表記と見間違えたと

本人の口から吐き出された

 

「しかし、主、

 既に二日目です、

 捜索願いを出してはいかがでしょうか?」

「アインス、お前、

 あのサイズのツヴァイをどうやって

 『警察』に説明する気だ?」

「・・・むぅ。」ぷく~

全く、表情豊かになりやがって

ほっぺをムニムニ

「にゃにぅおすりゅぅ。」

「まぁ、大方の宛はついてるから、

 俺に任せろ。」

「なに?」

「シグナム?

 俺は冬木市の産まれだ、

 裏路地も大体覚えているから、

 たぶん見つけられる。」

「我々にマップなり

 捜索を手伝わせないのか?」

「なんだ?()()()()()()()()()()

 既にザフィーラは吐いたぞ?」

「な゛っ!?」

「ったく、

 予備もプリンも一緒になって

 ()()()()()()()()()()()()()()

 シャマルも同様に

 自身で作った料理を食べる刑に処して、

 白状したから、

 まぁ、減刑だな、許さないけど。」

「くっ、シャマルまで墜ちていたのか。」

「てい。」

「んぎゃぁ~っ!?」

「狸女はやて、

 管理者権限で呼び寄せはしたのか?」

「あだだ・・・

 それがでけへんから、

 シンヤに相談したんやねん、

 普通なら直ぐ出来るん筈やのに。」

「・・・けっ、

 まぁ、丁度用事があるから

 冬木市行って来る、

 そのついでにツヴァイも探してみるよ。」

「ほんまか?!」

「つんつん。」

悶絶するはやて

「はやて?

 アンタは反省しなさい、

 幾ら身体強化の魔法でも、

 限度はあるんだからね?」

「おにぃ~。」

「アリサ、

 ()()()()()()()()。」

「あいさー。」

「ちょっ!?かかかんべんしてぇっ!?」

「うりゃ。」

「ぎゃ~っ!?」

「それじゃ、はやてを頼んだ。」

「りょ~かい、

 きっちりほぐしとくわね。」

むぎゅ~

「ぬぅおぉおおおっ!?」

「ぁ、あの、

 回復魔法じゃダメかしら?」

「ダメよシャマルさん、

 コレはきちんと

 ()()()()()()()()()()()

 また無茶して変な癖ついちゃうんだから。」

ぎゅ~

「ひぃいっ!?」

「はやて・・・。」

「な、なんねぇ?」

()()()()()()()()()()()()。」ジュルリ

「え?」

「ちょ、ちょっと、アリサちゃん?」

もぎゅ~

「ん゛ぁ゛っ///」

「うわ。」ゴクリ

「な、なぁ、ホンマに

 このマッサージあってるぅん?」

「てい。」

ぐにぃ~

「あ゛ぅ゛っ///」

キヒッ

「クフフ///はやてったら、

 気持ち良い声で喘いじゃって///

 もっと()()()()()()()()()()()()///」

「あ、あかん?!

 シャマル!?助けてなっ!?

 な?な?アリサからアカン気配が

 ビンビン感じるんよ!!」

「シャマル~?」

「あ、アリサ、ちゃん?」

「後で、ね?」

「ハイ///」

「シャマル~っ!?

 ザフィーラ!!シグナム!!

 お願いや!!助けてぇ~っ!!」

きゅ

「む゛ん゛っ///」

「ダメよ、

 そんなに口を閉じちゃ、め。」

(い、いややっ!!

 醜態さらすならせめて声だけで)

伸ばし~

「ん゛ん゛っ///」

「いやん、そんな

 ウルウルした目で見られたら。」

 

止められないじゃない///

 

 

「なぁ、シナノ。」

《はい》

「アリサ、なんで

 あぁなったんだろうな?」

《シンヤのせいでは?》

「かねぇ。」紙ヤスリを素早く

《あ゛ぁ゛~っ!?

 ノールックで削らないで下さいぃ゛い゛っ!?》

「俺のせいか~。」

ジョリジョリ

《あがががっ!?》

 




因みに

リインフォース・アインス

身長 179cm ボンキュッボン
体重 非公表

普段着をタンクトップ、ジーパン

おめかしすると
ロングスカートを履きこなすただの美人になる

リインフォース・ツヴァイ

()()
い〇はす600mlのペットボトルサイズ
()()()()
食べた分増加する
魔法を使えば使う程軽くなる

八神・アンリ(ナハト・ヴァール)
身長 小学生のはやてより2cm大きい
体重 非常に軽い
(もっと体重を増やすように医者に言われている)

ドン!!キュ、ボン

推定Fカップ(はやての体感的に)

最近発覚した趣味は
キワドイ下着を着用する事

発覚した理由は
八神家にシンヤが呼び出され
()()()()()()()()()()()()()()()
ただ、シンヤに見られても平気らしく
そのまま着替えを続行
アリサに目潰しを喰らうかと思われたが
アリサと共に着替えを手伝い
何事も無かった事にした

まぁ、アリサが巨大なメロンを凝視し、
膝から崩れ落ちた、
それをシンヤが慰めたから
お咎めは無かったらしい


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66話

管理局魔導士の雑談

「はぁ。」
「どうした?」
「いや、休暇申請通らなかった。」
「だろうな。」
「なんでったって、
 また事件が起こるんだか。」
「まぁ、この間のアレ(夜天の書事件)から、
 落ち着いたからなぁ。」
「大体、暫定情報も
 断片的過ぎねぇか?」
「確かに、()()()()()以外、
 情報が無いと来たもんだ。」
《マスター、リインフォース・ツヴァイから
 ダイレクトメールです》
「え?なんでお前のデバイスに?」
「知るかよ、まぁ、内容は?」
《はい》

拝啓管理局のお兄様・・・お兄さんへ

ちょっと家出中なんですけど
例の事件に関係する『機体』を発見したのです!
空間庫に保管してあるので
指定座標に取りに来て欲しいのです!

因みに、はやてちゃんへ伝言をお願いします。

ユ・ル・サ・ナ・イ です!

「・・・お前、あんな少女に。」
「勘違いすんなよ、
 お菓子をあげただけだ。」
「へ~。」
《マスター、検索した法令に
 幾つかマスターの行動が
 当てはまりそうなのですが?》
「・・・お前ら、休暇もメンテナンスも
 いらないのか、ソウカソウカ、
 サービス残業ニモ手当ハ要ラナイカ。」
「《すいませんでした》。」


冬木市

 

「さてはて。」

《シンヤ!!》

「んだよ?」

《どうしてダイヤモンドヤスリを

 使うんですかっ!?

 500番にして下さいよ!!》

「ソウカソウカ、

 マダ削ラレ足リナイカ?」

《ゴメンナサイ、以後、言動ハツツシミマス》

「さて。」

ほぼ使われなくなって久しい

ガラケーで、士郎に電話を掛ける

 

〔はい、衛宮ですけど〕

「うい~っす、シンヤで~す。」

〔うぉっ!?シンヤじゃん、久し振りだな〕

※黒セイバーの件で冬木市に出入りしていますが

 士郎とは遭遇していません

「あぁ、引っ越して以来だから半年ぶりか。」

〔ん?なんかあったのか?

 声、疲れてるぞ?〕

「まぁ、色々あったんだ、色々。」

〔ぁ~、

 お前の色々は、マジで色々だからなぁ、

 んで?今どこに?〕

「あぁ、用事があってな、

 丁度冬木市に居るんだ。」

〔マジか!

 丁度俺達は夕食の買い出しで外に出てんだよ〕

「へ~、タイガも会ってねぇしな、

 顔出しぐらいするか。」

〔そうしてくれ、藤姉も喜ぶよ、

 そうだ、セイバー、

 今、シンヤと電話繋がってるけど、

 なんか話すか?〕

〔そうですね、久し振りです、シンヤ〕

「お、久し振り、セイバー、

 相変わらず胃袋は士郎の物か?」

〔はい、私の胃袋はシロウの虜です〕

「元気そうで何よりだ、

 今からそっちに向かうにしても

 18時辺りになりそうだ。」

〔わかりました、では〕

〔ちょ、せ〕ぶち

 

「相変わらずセイバーのぶつ切りは健在だな。」

ピコ

〖すまん、18時過ぎに家に来てくれ〗

〖了解〗

《シンヤ、

 なぜ、ガラケーを使うのですか?》

「ん?いや、まだ使えるからな、

 スマホを触る前に

 デバイスって言う便利な端末に

 触っちまったからな。」

《雑用係では無いのですが?》

すっ

《すいませんでした!!》

「よろしい、

 先にアルトリアの方寄るぞ?」

《そう言えばそっちが目的でしたね》

「あぁ、この()()()()()()()()()についても

 なんか知ってるだろ。」

ロッテの隠れ家

 

「あれ?明かりが点いてる。」

《普通の家では当たり前では?》

「まぁ、そうなんだけど。」

コンコンコン

「お~い、ロッテ~?」

 

「あれ?」

《シンヤ?念話で聞いては?》

「そだな、ロッテ~?」

 

〈ふへ?シンヤ?〉

〈んん?ロッテ?大丈夫か?〉

〈ま、魔力酔い~〉

〈ぁ~・・・部屋に

 洗濯物干して無いよな?〉

〈ないよ~〉

〈入って大丈夫か?〉

〈アルトリアさん、大丈夫~〉

〈問題ない、風呂に入ってるだけだ〉

〈充分アウトだろ、

 また日を改めるか?〉

〈いや、今出た〉

〈髪乾かして着替えてからな?〉

〈まぁ、そうさせて貰おう〉

 

あ、ドライヤーの音がする

《シンヤ?》

「あのなぁ、

 アルトリアが元は男でも

 今は()()()()()

 おいそれと見て良い物じゃない。」

《しかし》

「お前なぁ、ハピネスに

 ()()()()()()()()()()()()()()?」

《ハイ、私ガ間違ッテマシタ》

 

どうやったら

握力が6連波動エンジンの馬鹿力になるのやら

 

 

 



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67話

ロッテの隠れ家

「ん゛ぅ゛~、うごけない~。」
「ロッテ、大人しくしておれ。」
「結界の影響か。」
「うむ、不必要な量の魔力が充満しておる、
 それに中てられたのだろう、
 こうして、余剰分を私が吸引すれば
 大分落ち着ける筈だ。」

ツッコミ待ちか?
ベッドに寝込むロッテに
馬乗りでまたがり
時々口付けを繰り返す光景を

「その方法しか無かったのか?」
「ん?いや、
 思った以上にロッテの唇が美味でな、
 止められん。」
「ふぇ~ん、ファーストキス
 とられちゃった~。」
「ふふ、その愛い顔は
 余計にそそるでは無いか///」
「・・・で?」
「まぁ、私ではない、
 しかしこの結界は
 『魔術回路』を介した物では無い、
 恐らく別の媒体を通して
 結界を形成しているのだろう。」
「別の媒体か、
 助かる、後、コレな?」
ジャンクフードをどっさり置いて置く
「おぉ!!甘美な食事では無いか!!」
「ロッテ用は、梅粥な?
 鍋に作って置いたから食べてくれ。」
「わかった~。」
ニヤリ
「シンヤ。」
「なんだ?」
「幾分かよそってくれるか?」
「え?あぁ、わかった。」

「ほれ、まだ熱いから気を付けろよ?」
「うむ、ふ~、ふ~。」
「え?アルトリアひゃん?」
「はむ。」
「ん?」

く・ち・う・つ・し!!

ゴクン

「アノ///アルトリア?」
「うむ、思った通り、
 より美味になった!」
はむ
「ちょっ!?」

ゴクン

「あ、お幸せに~。」



と、まぁ

そそくさと出てきましたわ

 

衛宮家

 

「ぉ~、変わらねぇ~。」

「ん?おー、ソウケツのガキじゃね~か。」

「んぉっ!?ランサーじゃん!!」

「なんだなんだ?成長期ってか?

 随分デカくなったな~。」

「まぁ、色々あったんだよ、

 って、その袋。」

「おぅ、シロウに

 またなんか作って貰おうって魂胆よ、

 どうだ?お前さんも食ってくか?」

「まぁ、顔出しも兼ねてるからな。」

引き戸が開く

「はぁ、また貴方ですかランサー。」

「よ、セイバー、

 今日も馳走になるぜ~。」

その脇をさも自宅の様に素通りする

「久し振り、セイバー。」

 

 

「失礼、私の目が疲れて居たのでしょう。」

目をゴシゴシして・・・

 

「誰ですか?」

「シンヤですが?」

「なん、だと。」

変なポーズを取るセイバー

「セイバー、ランサーは兎も角、

 シンヤ来て・・・る?」

「よっ、シロウ、久し振り。」

「・・・まぁ、色々あったんだな。」

「おぅ、あり過ぎて困ったよ。」

「し、シロウ、彼は

 『あのシンヤなのですか?』」

「まぁ、うん、

 正直、俺もびっくりしてるけど。」

「ランサーは普通に受け入れてくれたんだけどな。」

「アイツはアレでも

 ケルト神話(アイルランド)の英霊だからな。」

「くっ、ランサーですら

 普通に受け入れていたとは。」

「ここじゃあれだし、上げてくれね?」

「っと、そうだった、火かけっぱなしだ。」

慌てて戻るシロウ

 

「それで、何があったのですか?」

「・・・身体は創り物だ、

 本体は別のトコに封印してある。」

「・・・そうですか。」

「安心しろ、お前らサーヴァントに関しちゃ

 なんも伝えてねぇから。」

「当然です、しかし。」

「あぁ、この結界は

 聖遺物とかの類で作られてる物とは違うらしい。」

「原因がわかったのですか?」

「まぁ、知り合いに居るんだよ、そう言う担当がな。」

 

「セイバー!お皿準備してくれるかー!」

「はい!只今参りますシロウ!」

「ま、後でな。」

「そうですね。」

 

 

ドドドド

ズパーン!!

「たっだいま~っ!!」

「お~!タイガの姉ちゃん!」

「あらま!ランサーさんいらっしゃい!!」

「藤姉!」

「も~!なによ?シロウ?

 あら?おきゃく・・・さん?」

「久し振りです、タイガさん。」

「え、えっと、このイケメンさんは?」

「蒼頡シンヤです、藤村大河姉さん。」

 

あ~ぁ~、タイガ姉さん、泣いちゃったよ

 

「どごいっでだの゛っ!?」

「色々あって、隣町に引っ越したんですよ。」

「色々って・・・そうよ!!

 なんでこんなに成長しちゃったのっ!?

 成長期っ!?」

「ぁ~。」

 

タイガ姉さんには、『急速成長症』と言う病気にした

 

「ほえ~、そんな病気があるんだ。」

「まぁ、お陰で小学生で自主退学ですけどね。」

「任せて!!教員免許あるから

 お姉さんが教えてあげる!!」

「大丈夫です。」

ふよふよ~

「さっぱりしたのです~。」

「あ、リィンちゃん!お風呂あがり?」

「はいです!がおがおさ・・・ん?」

「あ、やっぱり居た。」

「ひゃ~っ!?シンヤさん!?

 どどどどうしているんですかぁあっ!?」

「まぁ、色々。」

「あら?シンヤ君と知り合い?」

「まぁ、知り合いです、

 リィン、はやてから伝言。」

「聞かないって選択は無いですか?」

 

『ホンマごめん、見落としてたわ』

 

「ア、帰リマセン。」

「え?」

「だな。」

「んだ?リィンちゃんは、

 家出してんのか?」

「そうです!

 はやてちゃんが

 私のプリンを

 勝手に食べやがったのです!!」

「ぷ、プリンかぁ。」

「あれ?ランサー甘いのダメだっけ?」

「ソウケツのガキ、

 俺は無駄に甘すぎるのは嫌いなだけだ、

 上品な甘さなら

 酒のつまみには持って来いだからな!」

「では、リィン、暫くは泊まると言う事で?」

「そうです!」

「ぉ~ぃ、家主俺だぞ~。」

「あ。」

「すいませんシロウ、

 ですが、その、はやてさんなる人物は

 反省の色が見られない声でしたので。」

(ここに来てエセ関西弁の弊害が出てるわww)

「うし、タイガの姉ちゃん!

 今日はコイツだ!!」

「おほ~っ!?

 『黒霧島』じゃないっ!?

 どうしてっ!?どうしてっ!?

 個人卸分はもう売って無かったのにっ!!」

「あぁ、バイト先で

 キャンセル入った一本を

 バイト代から引いて貰ったんだよ!」

「ひゃ~っ!?太っ腹ぁ!!

 今すぐ升?グラス?湯呑でも良いわね!!」

「ほれ坊主!なんか酒のつまみ作れや!!」

「えぇ、俺が作るのかよ。」

「シロウ、俺から提供するよ。」

「お、シンヤから?良いのか?」

「あぁ、後、『嫁さん呼んでいいか?』」

 

全員「嫁さん?」

 

〈アリサ~〉

〈なに~?〉

〈なにしてる~?〉

〈夕飯食べ終わってゆっくりしてる~〉

〈呼んで大丈夫か~〉

〈え?〉

〈外行きの服着替えられる?〉

〈ちょっ?!ちょっと待って!!

 直ぐ着替えるっ!!〉

 

「直ぐ来るってさ。」

「お、おい、シンヤ?

 この間まで小学生だったお前に嫁さんって?」

「まぁ、色々な、色々。」

「か~、ソウケツのガキも隅に置けねぇな!!」

「ちょ、ちょっと待って?

 流石に教師と言う立場上

 色々不味い案件なんだけど?」

「シロウ、確か日本の法律では

 小学生は結婚出来ない筈でしたよね?」

「ぁ、あぁ。」

〈準備出来たわ!!〉

 

「ちょっと、玄関行って来る。」

 

「っと、シンヤ?どう?変じゃ無い?」

 

ぁ~、マジでこの嫁は可愛い!!

 

「すまん、見惚れてた。」

「ばか。」

「ばかでーす。」

「おぉ、お前。」

「か、可愛いじゃない!!」

「ほ~、随分、いい・・・ん?

 なるほど、なるほどな、

 ソウケツのガキ、

 この嬢ちゃんも色々あったんだな?」

「お、わかるのか、ランサー。」

「ランサー、どう言う事でしょうか?」

「あ?

 まぁ、ソウケツのガキの背負ってるのを、

 この嬢ちゃんも背負ってるって事さ、

 嬢ちゃん、酒は飲めるか?」

「まだ13歳よ、飲めないわ。」

「あちゃ~、残念、

 うし、坊主、嬢ちゃんの酒飲み解禁まで

 いい酒作っとけ。」

「はぁ?んな無茶な。」

「変わりに、ランサー、

 『たこわさ』に『きゅうりのかしらづけ』

 『にんにくのホイル焼き』『ガーリックラスク』だ。」

「お~!コイツは酒が進むな!!」

「きゃっほ~い!」

「藤姉!!」

「あの。」

「なんだ?リィン?」

「この場所は。」

「言って無いし伝えてない、

 さっきの『管理局のお兄さんにも言ってある』」

「え?」

「リィン?俺のデバイス、

 なんだと思う?」

「あ、あんまりにも静かなので

 居ないかと思ったです。」

《ソウデスネ、

 私ハ雑用係、雑用係、雑用係・・・》

「聞かなかった事にするです。」

(後で磨いてやるか)

 



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68話

「ん~。」

 

あれ?今何時?

 

「ほえ?」

「お、起きたか、ロッテ。」

「あれぇ?」

 

アルトリアは

『気になる事があるからちょっと出掛ける。』

と、姿を消してどこかへ行ってしまった

 

「えっと、何時から?」

「俺が衛宮ん家から帰る途中、

 気になってな、ここに寄ったんだ。」

 

「みた?」

 

辺りには畳まれている服が積んであった

 

「アリサに任せたからな、

 見て無いし、ほれ、

 新しく作ったお粥、口開けれ。」

「あぅ///」ぁ~ん

 

「ふむ、見た感じ余剰分の魔力も抜けてるみたいだし

 大丈夫そうだな?」

「まぁ、まだちょっとダルイけどね。」

「さてはて、アルトリアは何処に行ったのやら。」

 

ガラッ

 

「ん?ロッテ、起きたのか?」

「・・・窓から帰って来るんかい。」

「あれ?鍵・・・あれ?」

「あぁ、不可視結界のついでに

 魔力キーで認証開錠出来るようにしたからな。」

「魔術回路か、

 便利な反面複製されると厄介だよなぁ。」

「シンヤ、覚えて見るか?」

「あぁ、俺は『使えないからいらん』」

「ん?ならお前はどうやって魔力を使っておるのだ?」

「あぁ、アルトリアに渡した

 カートリッジあるだろ?

 タキオン粒子変換魔力で使ってる、

 それにこの身体は『創り物』だからな、

 既存の魔術回路なり『魔法』も使えないからな、

 頑丈さは上がったけど

 そこそこ不便ちゃ、不便だよ。」

「難儀な身体よのぉ、

 して、『それは人』として言って良いのか?」

「まぁ、『心はヒト』です・・・たぶん。」

「たぶんって、

 なんで曖昧なのよ?」

「ロッテ、耳かきしてあげないよ?」

「お願いします。」

 

 

ヘブン状態のロッテは置いといて

「アルトリア、

 気になる事は見つかったのか?」

「ん、まぁ、()()()()()()()

 よくわからんものとしか、わからん。」

「ぁ~・・・アルトリア。」

例の球体の写真を見せる

「おぉ!!コイツだ!

 ただ、()()()()()()()()()()()。」

「・・・そぅか。」

「むっ、シンヤ、

 その殺気をしまえ、ロッテが怯えておる。」

 

目線を向ければ歯をガチガチ鳴らし

身体をこわばらせていた

 

「ぁ、すまん。」

「ぃ、いいよ、ゴメン、

 私も忘れてただけだから。」

 

ロッテ自身、もぅ戦闘自体をこなしていない

正直、『リーゼ・ロッテ』として

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まぁ、俺は他所の世界からの転生だけど、

 ロッテは、『ロッテ』として、3度目か、

 そりゃぁ、嫌になるよな?」

「ぅん、それに

 バイト先の店長さん達、

 お客さん達も沢山知り合いが出来たし、

 もぅ、戦いたくないなぁ~。」

「今は良いだろう、

 しかし、しかるべき時は

 『護る為に戦いを取るしかなかろう?』」

「ぅん、はぁ、そう、だよね。」

 

さてはて、球体型以外って事は

4脚、飛行型も既に投入済と判断するか

 

〈シナノ〉

《はい》

〈冬木市が範囲に入ってる監視衛星は幾つある?〉

《そう言うと思って

 既に画像解析を進めています》

〈助かる〉

《出ました、

 やはり冬木市全体に

 『もや』が掛かっていますね、

 肉眼、では普段通りに見えるでしょうが

 魔力持ちや、魔術師が見ると》

〈結界として認識できる、か〉

 

「シンヤ。」

「ん、アルトリアぁっ!?」

 

目の前にはアルトリアの顔がある

 

「なんだ?騒々しい。」

「あぁあアルトリア!?

 なんで目の前にっ!?」

 

元は男性(女性ともある)だけど、

見た目は『あのセイバー』なのだ

 

「いや、つくづく面白い構造の肉体だなぁと。」

「そりゃぁ、ロストロギアその物の身体だからな、

 素材も『もう存在しない素材で出来てるからな』

 再現も出来ないよ。」

「ふむ、残念だ、

 現状、私は『霊体化』は出来るが、

 精々の魔力消費を抑える程度しかならん、

 受肉している方が

 食事で魔力補給、肉体の修繕も可能だというのに。」

「それなら、

 ロッテを『仮マスター』に出来ないのか?」

うろ覚えだが、

柳洞寺の『津田・小次郎』は

特殊召喚の類だった筈

「ふむ、確かにロッテの持つ魔力量であれば

 『維持には支障ない』が、

 魔術回路が無いからのぅ。」

「シナノ。」

《はぁ、ありますよ》

「シナノ?」

「ほぉ、コレは。」

「ミッド式魔力操作変換魔術回路、

 まぁ、これで『マスター登録』出来るか?」

「・・・まぁ、うん。」

「そうだったな、コイツはこう言う奴だったな。」

「え?なんかした?俺。」

「「はぁ~。」」

 



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69話

冬木市内

 

「さて、アルトリアが教えてくれた

 場所・・・場所~・・・うぉい。」

「なんだ貴様?」

「ギルじゃん、焼き鳥美味いか?」

「うむ、この甘辛いタレは

 中々に美味だな、

 して、シンヤ、貴様は

 ()()なにを抱えておる?」

「まぁ、色々だな、

 食うか?十〇石饅頭。」

「ほぅ、饅頭か。」

饅頭を頬張るギルガメッシュ

「ふむ、この饅頭に免じて

 この俺が貴様に行く先を掲示して進ぜよう。」

「・・・すまん。」

「なぁに、俺とお前の仲だ、

 流石に名誉国民の権利は与えんがな!」

 

二人で笑い合う

 

まぁ、小さい頃

ギルガメッシュとはよく遊んだ仲でもある

 

蝉の抜け殻を宝物として集めてたり

ギルガメッシュの宝具の手入れを手伝ったり

なにかと気があった

 

「そこの角から精々100m程か、

 妙な建造物が建築されてな、

 その日からこの魔力結界が形成された、

 俺はこの程度の乱れは平気だが、

 余り長く続くと

 軟弱な者共は次第に()()()()()()()()。」

「ありがとう、

 ()()()、友人としてまたこうして話せる事を

 誇りに思う。」

「たわけ、

 貴様はエルキドゥの次に良き友だ、

 しかし、難儀な身体になったものだ、

 魔力回路も無い、魔力自体も無い、

 しかしそれを補う別な何かの力が

 有り余っておる、

 だが、使い方を間違えるなよ?」

「勿論。」

「ほれ、コイツを持って行け。」

 

しれっと宝具を一つ渡して来る

 

「・・・借ります。」

「なんだ、いらないのか?」

「返すよ、()()()()()()()?」

「ふっ、貴様なら使わせても良い、

 だが、返すと言うなら

 ()()()()()()()、いいな?」

「あぁ!必ず!」

 

 

その建物は『見かけは教会だった』

 

《シンヤ、間違いありません、

 『複数ある魔力収縮点の一つです』》

「ふむ、壊すか?」

《・・・シンヤ、アリサに毒されてません?》

「なんか言ったか?」スッ

《お願いですから、

 それをしまって貰えませんか?》

「ちっ、

 壊す以外だと、封印するにも

 そう言う装置は作って無いからなぁ。」

「物騒な事を言ってくれますねぇ。」

 

誰だ?気配が無かった

どれだけ魔力隠蔽をしても

『僅かに変化がある筈だ』

 

「どちら様ですか?」

「それはこちらのセリフですよ?」

「これがあると困る者の一人ですね。」

「おや、困るとは?」

「俺の嫁さんや、知人が体調を崩しててな。」

「それはそれは、

 ですが、この()()は、

 来るべき時に備えての物です、

 ()()()()()()()()()。」

 

「はぁ、シナノ、やっぱここ壊す。」

《そうですね、リンディ艦長に連絡して置きました》

「シナノ?」

「あぁ、俺の相棒だな。」

「これは()()()()

 まさか、()()()()()()()()()

 会合出来るとは。」

 

「ほぅ、シナノを知っているとは、

 ()()()()()()()()()()()()()。」

《そうですね、

 私の存在を知っている、

 まぁ、『数人に絞れるのですが』》

「おや?私の事を?」

 

「《あぁ、殺して構わない相手だって事だ》!」

 



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70話

手早く隔離結界を形成し

 

「先ずは!」

《パルスレーザー》

 

教会に向かって撃ち込むが

「簡単には壊させません。」

 

野郎に防がれる

「シナノ。」

《わかってます》

(厄介だな)

 

辺りは住宅街

主砲一つぶっ放せば

辺り一面焼け野原か

溶鉱炉のクレーターが出来あがる

 

「ふふふ、どうされました?」

「なんでもねぇよっ!!」

振り回すのは『蛇骨剣』

「おっと。」

「ちっ。」

「絡めて電流でも?」

「なんでぇ、わかってるなら

 大人しく捕まりやがれっ!!」

「縛られる趣味はありませんので。」

「くそがっ!!」

 

そもそもの『シナノ』の特性上

『周りになにもないのが前提な火力』

これを封じられると

自ずと格闘にシフトするしかない

が、

相手はそれをわかっているのか

『住宅街を盾に距離を開けるのだ』

 

「やりづれぇ。」

《同感です、

 ですが、解析完了しました、

 恐らく教会頂上部分、

 あの屋根にある十字架が

 この妙な結界を形成している確率が

 99.8%です》

「・・・波動爆雷は?」

《範囲を最小限にしても

 『数キロ円内(圏内)』は焼失しますね》

「だよなぁ。」

 

(アースラに頼んでる住民の避難も

 全然進まねぇし、こりゃぁ詰んでるか?)

 

「攻めあぐねいて居るのでしたら

 こちらから仕掛けますよ?」

 

そう言って『住宅街』を考えもせず

『質量弾』が飛んで来る

「シナノ!!」

《迎撃します》

 

確かに俺に向かって飛んで来る

『上から』

 

「粉糞っ!!」

ヤツと降り注ぐ質量弾を兎に角捌いて行く

 

 

「ふむ、意外とやるな。」

「ちょっ、アルトリアさん!?」

 

アパートから観戦しているのはこの二人だけだ

 

「しかしまぁ、ちまちまと、

 あそこまで守りに徹する必要が?」

「えっと、あの辺は

 『戸塚のおじいちゃんの近くでしょ?』

 それに『メック』のお店もあるよ?」

「なに?『メック』だと!?」

「う、うん、

 いつも買って帰るバーガーのお店が

 あの辺にあるよ?」

「壊されるのは困るな。」

「ど、どうしよう。」

「簡単だ『ロッテ』

 いや、『マスター』よ、

 私に命令すればいい。」

「え?」

「今更気にするな、

 それに『令呪』を持って命令も出来るのだぞ?」

「しないよ!!それに・・・。」

「案ずるな

 『霊力はむしろ余っておる』

 使わねば加減を間違えるだろうなぁ。」

「え?」

「たわけ、

 ただ『味』を楽しむ為に『食事』を

 してたのではないぞ?

 食材に含まれる『霊力』も吸収しておる、

 ひと暴れ程度、どうとでもなる。」

「・・・わかった、

 『アルトリア・ペンドラゴン』

 セイバーオルタとして、

 『お願いするね』

 シンヤを助けてあげて!」

「ふむ、断る。」

「えぇええっ?!」

「あ奴は本気を出しておらん。」

「でもぉ。」

「はぁ、マスター。」

「はいっ!!」

「簡単だ。」

「はぃ?」

「発生源を叩けで十分アイツは何とかできる。」

「ほ、ほんと?」

「くどい『ハンバーガーを更に追加して貰うぞ?』」

「うっ、それは止めて、

 ん~、よし!

 『セイバーオルタ』

 あの変な結界の発生源を

 『ぶっ壊して!!』」

「承知した。」

 

 

「だ~っ!?くそだりぃっ!!」

「おやおや、最初の上から目線の言葉は

 何処に行ったのでしょうねぇ。」

「やかましいわ!!」

《心因性ストレスを検知

 イライラしても解決しませんよ》

 

「お前、今直ぐ削られたいか?」

《失礼イタシマシタ》

 

「おやおや、デバイスと喧嘩とは

 随分仲が良いのですね。」

「そうでもねぇよ。」

《そうです、

 ただのデータ収集のサンプルです》

「やっぱ削るの確定な。」

《そんなっ?!》

 

「まったく、何時まで茶番をしておる。」

 

たった一振りで十字架が粉々に砕け散る

 

「なっ?!」

「え?おま、()()()

 どうしてここに?」

「なに、貴様がいつまでも本気を出さないのでな

 《飽きて来たのだ》」

「貴女は一体・・・。」

「ふむ、シナノは知って居ながら

 私を知らぬとは、

 情報収集が足りておらぬのではないか?」

「・・・そうですね、

 コレは私の落ち度ですね。」

「ちょ、待てやゴラぁっ!!」

蛇骨剣を伸ばすが

「仕方ありません、一旦引きます。」

 

《目標ロスト

 悔しいですが追跡出来ません》

「は?お前で追跡出来ないとかあるのかよ。」

《この時空では無いのでしょう、

 それに『他の時空にサブデバイス』が

 ある訳ではありませんので》

「・・・お前を削って

 サブデバイスを作ってやる。」

《断固拒否します!!》

 

「シンヤ、そろそろ結界が崩れるぞ。」

「え?マジ?」

《あ、コレはいけませんね、

 この教会を中心に

 『次元震を検知』

 周辺を巻き込んで崩壊寸前ですね》

 

「まったく、

 『マスター』宝具の使用許可を。」

〈え?宝具ってどんなの?〉

「まぁ、『霊力』を

 『魔術にしてぶつける』とでも言えばいいか?」

〈それって〉

「まぁ、疲れるな。」

〈アルトリアさんっ!?〉

「ほれ、『オルタ』」

波動カートリッジを渡す

「あぁ、魔力問題は解決した、

 何時でも使えるぞ?」

〈えぇっ!?〉

「ロッテ、結構不味い早く!」

 

既に視界の端から

空間が歪んで行くのが見て取れた

 

〈ぁ~!もぅ!!

 セイバーオルタ!!

 宝具を持ってこの問題を解決せよ!!〉

「うむ、任された。」

 

そう言って教会ごとその『空間』を持ち上げる

 

「うぉ~、コイツはすげぇ。」

「ふん、肩慣らしにもならんか。」

「マジか。」

 

「精々2割か。」

 

卑王鉄槌、極光は反転する。光を飲め!

『約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガーン)』!

 

上空に向かって切り伏せられたその奔流は

空間ごと教会も消し去った

 

「ふっ、他愛ない。」

「ぁ~、改めて敵対しなくて良かったと思うわ、コレ。」

《シンヤ、

 アースラへの説明はどうするので?》

「俺の隠し技って事で。」

「なんだ?もうバレていると思ったのだが?」

「いや、アースラにはろくな情報が

 入って無いからな、

 シナノがハッキングして確認済みだ、

 まだ話すには早すぎるし、

 『士郎』にも、ロッテにも迷惑が掛かるからな。」

「ふむ、致し方あるまい、

 シンヤ、バーガーを寄越せ。」

「へいへい、

 ロッテの隠れ家で渡すよ。」

「うむ、それを報酬として受け取ろう。」

〈ふぇ~・・・目が回る~〉

「あ。」

「そりゃぁ、

 魔力酔いするわなぁ。」

 



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71話

魔力酔いのロッテを

『前回と同じようにキスで

 余剰魔力を吸い取るアルトリア』

 

「うむ、美味!」

「はぅ~///」

「ソレ、気に入ったんだ。」

「あぁ、

 『身体は女』だが、

 ある意味特を得たような物だ。」

「あんだって?」

「『孕ませる心配が無い』」

「「ぶっ!?はっ!?はらまっ!?」」

《ガキですかその反応》

「ロッテ、ヤスリあるか?」

「うん、大工さんから

 譲って貰った『良い奴』があるよ?」

 

 

「さて、シンヤ。」

「ん?」

「『名』を、なぜ?」

「まぁ、推測だが

 『真名』を言ったら気づかれるだろうし、

 『真名』で相手を操れる魔術なり技術が

 あるかも知れなかったからな。」

「すまん、それならば助かったな。」

「構わんよ、ロッテも今後は

 『真名』を気を付けてくれ。」

「わかった、気よつける。」

「そうだ、『オルタ』

 他の教会の場所わかるか?

 『今日中に片付けたい』」

「今日中か、地図を。」

《表示します》

「ふむ、先の場所がここで

 『残り五ヶ所』だな。」

「けっ、『六芒星』か、悪趣味だな。」

「方法はどうするのだ?

 先の『十字架』を破壊すると

 『周辺を巻き込み次元震』が起こるのは

 知っておろう?」

「シナノ。」

《これです》

「ん?なんだコレは?」

「超小型波動エンジン。」

「はどう?」

「エンジンとはなんだ?」

「蒸気機関はご存じで?」

「あぁ、知っておるが?」

「ソレの超凶悪改造品って感じで。」

「まぁ、わかった。」

「わかるのっ!?」

「大方、悪用されれば

 『力』対『力』以外、

 解決出来なくなるのだろう?」

「その通りです。」

「つ、使って、大丈夫なの?」

「データやら、感知器は

 『ハピネス』と『アースラ』しか持っていない、

 時空管理局の連中じゃぁ、

 ただのエネルギーの奔流程度しかわからない。」

「それで?」

「『宇宙空間にワープさせて』

 シナノの本領発揮だ。」

《ようやく一部の本気を出せます!》

「ほぅ、我も観察しても?」

「ぁ~、真空空間でご無事ですか?」

「・・・無理、だな。」

「私も無理。」

「シナノ。」

《え?》

「出せ。」

《な・・・なにを?》

「俺が気づかないとでも?」

《くっ、プロテクトが甘かったとでも?》

「いんや、『ハピネスからのタレコミ』」

《ハピネス~っ!!》

《なに?》

《うぉっ!?聞いていたのですかっ!?》

《私、『誰かさんの劣化コピー品なので』》

「ハピネス、頼めるか?」

《空間庫、解放》

《あ゛ぁ゛~っ!!》

 

そこには

『真新しいデバイスが二つあった』

 

「ふぇ?なんで二つあるの?」

「コレは・・・『魔術回路』か?」

「それプラス

 『タキオン粒子吸収変換炉搭載』かな?」

《はぁ、バレてしまっては仕方ないですね!!》

「ほれ、『オルタ』」

「ん。」

「シンヤ、私にも。」

「ほいさ、『ヤスリ』」

 

《はぁ、我が兄上は懲りないですねぇ》

 

小一時間程、絶叫が響いた

 

《せ、説明させて貰います》

 

1、魔術回路搭載型

 既存の魔術を安定供給に使用

2、波動エンジン搭載

 周辺タキオン粒子を収集

 『魔力変換』と『魔術回路供給変換』

 『波動エネルギー変換』の複合炉心

 (直列式3連波動炉心)

3、身体機能補助

 ほぼ『不老』となります

4、『宝具の魔力保管庫』として

   機能を持っています

5、普通に『魔法』も使えます

 

《お、大まかにはこの5つです、はい》

 

「なるほど、『理解出来た』

 サーヴァント故の『知識供与』か。」

「ん~、つまり?」

「自分の魔力を気にせず

 『バカスカ魔法(魔砲)』が撃てるって

 言えばわかる?」

「マジで?」

「マジマジ。」

「そして、『聖杯』の繋がりも必要ない、か。」

「え?」

「まぁ、『セイバーオルタ』として、

 『このまま生きていける』って事だ。」

「えぇ~。」

「なんだ?ロッテ?

 我が居て不満なのか?」

「違うの。」

「では?」

 

夜のアレ・・・付き合って貰えるの?

うむ、勿論だ。

 

「・・・今度、

 同性婚を認めてる国を紹介してやるよ。」

「式は盛大に頼むぞ?」

「その時はお願いします。」

「おぅ、金ならあるから盛大にやろう!」

(知らん間に

 そこまでの仲になってたのか・・・)

 



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72話

「ぅ~。」

 

だるい

シンヤが解決して来るって言ってたけど

 

《アリサ、ダメです》

 

ベットにチェーンバインドで

ガッチガチにされて動けない

 

「ね~、ハピネス~。」

《駄目です、

 あの『変質魔力』は

 アリサの身体に悪影響以外ありませんので》

「それはこの『波動防壁』で

 緩和出来るんでしょ~。」

 

お風呂、トイレ以外部屋から出て無いので

そろそろ限界だ

 

《っ、なに?》

「ほぇ?ハピネス?」

《私、『誰かさんの劣化コピー品なので』》

「えっと、誰と話してるの?」

《空間庫、解放》

「ちょ、ハピネス?」

 

《すみませんアリサ、

 シナノが懲りないので》

「ま~た何してたの?」

《はい、ロッテさん、あ・・・『オルタ』さんの

 デバイスを造ってあったのです》

「『オルタさん?』ハピネス?」

《アリサ、

 今回の敵側に『真名』で相手を操る物か人物が

 あるそうなので『真名』は今後控えて下さい、

 この会話すら盗聴の恐れが出てきます》

「な゛っ!?」

《・・・アリサ》

「なぁに?」

《・・・いえ、聞いてよろしいでしょうか?》

「言って。」

《『今回の敵は相性が最悪です』

 関わらない事を推奨致します》

「・・・ハピネス。」

《アリサ、わかっても》ギリギリ

《あだだだっ!?アリサっ!?》

「ハピネス。」

《ですから!!》

「自分の身ぐらい守れなくて

 『シンヤの奥さんやれないよ』」

《それは》

「後ね?」

《アリサ?》

「相性程度で私が引き下がると思わないで?

 今は仲間だけど

 『アンリちゃん』

 『ナハト・ヴァール』と戦って

 如何に私の力不足だってのが身に染みて

 わかったんだもん。」

《アリサ》

「ほら、夢幻空間開けて?

 『シンヤに恥ずかしく無い奥さんにならなきゃ』」

《・・・やはり理解できませんね》

「習うより慣れろ、よ?」

《ぁ~・・・元のお嬢様は何処に隠れたのですか?》

「ちょっと、私の何処が

 お嬢様じゃ無いって?」

《武道を極めつつあるお嬢様を

 お嬢様として呼べないかと?》

「へ~、そ~ゆ~こと、言うんだ~。」

ミシミシミシミシ

《ちょっ?!やめっ?!》

「ハ・ピ・ネ・ス?」

《はい!!》

「模擬戦難易度、『ルナティック』ね?」

《・・・はぃ》

 

 

「さて、一旦帰るよ。」

「そうか。」

「ぁ~、明日はバイトだ~。」

「そうか、なら夜のアレは控えめだな。」

「そ~だね~、明日に支障が出ちゃうのは

 お店も困っちゃうもんね~。」

「そんじゃな。」

 

 

道中

 

(ま~た誰かうろついてるな)

 

昼間の内に残り『五ヶ所』を強制ワープさせ

ちゃっちゃと『本気の一部シナノ』で消滅して来た

 

(尾行?にしては気配は漏れてるし)

《シンヤ、間違い無く

 誰かがついて来ています、が》

 

そうなのだ

『微弱過ぎて判別できない』

 

 

「あれ?シンヤだ。」

「おう、士郎買い物帰りか?」

「あぁ、そっちは?」

「俺は用事が済んだから家に帰るよ、

 嫁さんの体調も気になるからな。」

「大変だな。」

「そうだ、士郎?」

「なんだ?」

 

手早く『首根っこ』を掴み士郎の前に突き出す

 

「コイツに見覚えは?」

「・・・い、イリヤじゃないか、

 なんでここに?てか、あの二人は?」

「あ、あははは~・・・。」

 

(あ、これトラブル確定だわ)

 

 

《ん?》

「ハピネス?どうしたの?」

《今日は帰れないそうです》

「え~、また~?」

《なんでも『士郎』がらみで

 巻き込まれているそうです》

「またか。」

《もはや、トラブルメーカーですね》

 



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73話

さて

 

「君はイリヤ・スフィールで

 間違いないんだよね?」

「あ、はい。」

流石に正座は足が痺れる(俺が)ので

コタツで話しを進める

 

「どうして俺の後を?」

「ぁ~。」

「あ、イリヤ、シンヤに

 魔術の話しても平気だぞ?」

「え?士郎、それって。」

「系統は違うが『魔法』を使えるからな。」

「どおりで、『変な流れがあるの訳ね』」

「ん?教会はぶっ壊したし、

 変な結界ももう大丈夫な筈だが?」

「違うわ、

 アナタ自身に流れる『龍脈』以上の何かよ、

 神聖属性にも感じ取れるけど

 それともまた違った流れ。」

「ほ~、流石『元、聖杯』の器なだけはあるか。」

「?!」

「勘違いするなよ?

 俺にとって聖杯程度どうでも良い物にしかならん。」

「せ、聖杯がどうでもいい?」

「必要なのは情報だ、

 コイツの顔は知ってるか?」

取り逃がしたヤツの顔写真を見せる

「・・・申し訳ないけど、無いわね。」

「ふむ、そうすると『この次元』には

 もういないと想定して動いて行くしかないか。」

「なんだ?コイツがなんかしたのか?

 確かに人相はアレだけど。」

「ここ最近、体調不良の人、多くなかったか?」

「あ、確かに、学校も全体的に休みが多かったな。」

「その原因が

 コイツがなんかしてた『教会を起点とした結界』だったんだ。」

「アナタ、もう壊したって言ったわね?」

「あぁ、言ったな。」

「・・・ごめんなさい、家でも調べてたのよ。」

「イリヤの所もか?」

「えぇ、最近他の魔術師教会にも

 『魔術師の行方不明』が頻発してるの、

 家にも注意喚起が来て、調査中だったのよ。」

「ふむ。」

「そうすると、セイバー達にも協力を仰いだ方が良いのか?」

「あんまりオススメしないけど、

 サーヴァントの協力も必要になりそうな案件ね。」

「わかった、俺の持ってる情報と

 擦り合わせしよう、もしかしたら

 何らかの尻尾ぐらい掴めるかもしれん。」

「いいのかしら?」

「構わん、俺の嫁さんに迷惑かけてんだから、

 それ相応の対応をしなきゃならんし。」

「アナタ、結婚してるのね?」

「ん?みるか?」

スマホで写真を見せる

「・・・士郎、コレ犯罪?」

「残念だけど、コイツ

 シンヤは『人造体』だそうなんだ、

 本体は別の所に封印しているんだと。」

「なっ?!」

「驚いたか?」

「合点がいっただけよ、

 そう、『別次元の物質』で出来ているのね?」

「正解だ、もう『その次元』は

 消滅して無くなってるけどな。」

「ごめんなさい。」

「いいさ、さて。」

「ん~。」

「情報は増えたけど。」

「ダメだこりゃ、わからん。」

《シンヤ、オルタからメッセージです》

「わっ、なにこれ?」

「コレが俺の触媒の様なもんだ、

 『デバイス』と呼ばれる端末だ。」

《初めましてレディ、シナノと申します》

「は、初めまして。」

「で?内容は?」

《はい、現在、河川敷にて

 『魔道生物』と交戦中、救援を求む、です》

「真っ先に言おうな、ソレ。」

河川敷

 

「はぁ、めんどくさい。」

「お願いオルタ、我慢して。」

「わかっておる。」

 

「遅くなった、『オルタ』

 今、隔離結界を形成する。」

「シンヤ、シナノ、やっと来たか。」

「うぉっ?!せ、セイバーなのか?」

「は?」

「士郎、彼女は違うセイバーよ。」

「元、器か。」

「喧嘩すんな、うし、これで

 『4割まで大丈夫だ』」

「ん~、飽きた、シンヤ、

 お前がやれ、ロッテ、バーガーを。」

「えぇっ!?今食べるのぉっ?!」

その手には『メックの大きな袋が抱えられていた』

「わかった、イリヤ、士郎、お前らも手伝え。」

「はぁ?俺も?」

「私は兎も角、士郎も?」

「あぁ、セイバーの顔合わせもしとくと良い。」

「はぁ、わかったよ。」

〔セイバー、今大丈夫か?〕

〔はい、どうされました?〕

〔今、河川敷で『魔道生物』が暴れてるんだ〕

〔令呪を使わなくても

 お呼び頂けれは直ぐに迎えるのですが?〕

〔・・・あ、思い出した〕

〔やはりブランクを埋める訓練は必要ですね〕

〔だな〕

「来たれ、セイバー!!」

魔法陣と共に、騎士甲冑モードのセイバーが現れる

「っとと、久し振りですね、

 こうして転送されるのは。」

「うし、来たな、『オルタ』

 コイツが『もう一人の腹ペコ』野郎だ。」

「失礼な、私の今は女だ!!」

 

「奇遇だな、私も女だぞ?」

ケチャップソースを口元に

べったり付けながら喋るオルタ

「・・・は?私がもう一人?」

んぐ「ふぅ、別の次元の役職、セイバーだ、

   オルタで構わん貴様も『真名』は

   不味かろう?」

「そう、ですね、

 貴女のマスターは?」

んぐぐっ?!

「けほ、わ、私、元魔導士兼護衛魔獣だったの。」

「魔獣?にしては人に見えますが?」

 

「なぁ、シナノ。」

《何でしょうか?》

「自己紹介、後にしろって言える?」

《無理でしょうね》

チェーンバインドで雁字搦めにして動きを抑えている

 

「えっと、私もバーサーカー

 呼んだ方がいい?」

「ん?バーサーカーって、

 『デカい方?それとも『円卓の方?』」

「デカいって・・・、兎に角必要かしら?」

「自分の護衛で呼んでくれ、

 いちいち構ってらんねぇからな。」

「わかった、『来て!バーサーカー!』」

 

よかった、ヘラクレスの方だ



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76話

じっ

 

「えっと、俺に何か?」

 

じ~

 

イリヤが呼び出したサーヴァント

『ヘラクレス』が俺から視線を外そうとしない

 

「ねぇ、バーサーカー?

 どうしたの?」

「ん?」

「オルタ、よそ見をしていると

 避けられませんよ?」

「はっ、この程度、

 切り払いでどうとでもなるわ。」

 

見もしないで背後から飛んで来る

『飛行型魔道生物』を弾き返す

 

「おまっ、こっちに飛ばすなよ!」

「シロウ!!」

「バーサーカー!!」

 

振り下ろす巨大な剣は

『魔道生物』に当るが

 

「!?」

「うそっ、刃が通らない?」

「うげ、バーサーカーのそれですら

 刃が通らないのかよ?」

「なるほどな。」

「シンヤ!どうすれば攻撃が通る?」

「まぁ、

 コレは適任者がいるけど~・・・なぁ。」

「いるなら早く呼んで頂戴な?

 私、この後お母様と食事があるのよ!」

「んん?

 イリヤのお母さんはご存命で?」

「は?」

「シンヤには言って無かったけど、

 俺達は会ってるんだよ、

 セイバーも一緒にな。」

「はい、ただ、虚弱体質なのは変わらずの様で、

 ほぼ、屋敷からは出ません。」

「な~ほ~ね、

 ど~りで知らない訳だ。」

「シンヤ、早くしなさいよ!」

「ぁ~、うん、聞いてみる。」

〈もっしも~し、すずか~〉

「ひゃん!?なになに!?」

〈念話念話〉

「あ、ご、ごめんなさいシンヤ、

 久し振りに念話で話しかけられたから

 びっくりしちゃった。」

〈ごめんごめん、

 ちょっとトラブルでさ、

 すずかの力を借りたいんだけど大丈夫かな?〉

「私の?」

〈おう、相手が相手でな、

 味方のメンツじゃ

 相性が悪くてな

 『攻撃が通らないんだ』〉

「・・・そっか。」

〈嫌ならいいんだ、

 俺でも出来なくは無いからな〉

「・・・何分時間はあるの?」

〈ぁ~、出来れば急ぎで〉

「・・・3分頂戴。」

〈良いのか?〉

「アリサを縛り付けてから行くわ。」

〈ぁ~、俺からも言っとくよ〉

「お願いね。」

〈アリサ~〉

「なぁに?」

〈今、大丈夫か?〉

「ハピネスと訓練中だけど?」

〈どこで?〉

「アースラの訓練所、

 そっちだと、まだだるくて動きづらいのよ。」

〈おけ、

 そのだるくなるのは今しばらく掛かるんだ〉

「敵側の結界のせいよね?」

〈あぁ、

 学校の授業はリモートで出来るように

 手配しとくよ〉

「うん、ありがと、シンヤ。」

「お父さん!

 ママのさじ加減を教えてあげて下さいよ!!」

〈アリサ?

 難易度幾つに設定してるの?〉

「オーバーS。」

〈ん~?俺の聞き間違い?〉

「ぴゃ~っ!?波動防壁全開!!」

「ハピネス、今のは避け切れたわよ、

 余分なエネルギーを使わないで?」

「ママ!!

 幾ら何でも余波で削り取んじゃいますから!!」

「大丈夫大丈夫、

 6枚ある波動防壁の一枚で済むでしょ?」

「も~~~っ!!」

〈アリサ、適度に休んでくれよ?

 じゃ無きゃ、

 『小さいまま大人になるぞ?』〉

「ハピネス!強制終了!!」

「今すぐします!!」

「シンヤ、それ、ほんと?」

〈俺の風呂上り見たろ?

 『アレが入らん』〉

「わかった。」

「ママ?アレって?」

「ハピネスの妹を作るにも

 『今の私』じゃ身体が小さすぎてダメなのよ、

 栄養のある料理レシピをダウンロードしといて?」

「はい!いつか来る、妹の為に!」

「こっちはコレで良し。」

「おい。」

「オルタ?」

「アレ、デカいのか?」

「人の念話を盗み聞きしてんじゃねぇよ。」

「しかし、あれでまだ14か、

 達観しておるなぁ。」

「・・・俺がそうさせたようなもんだ、

 もっと普通に暮らして欲しかった。」

「それは貴様のエゴだ、

 押し付けにすぎん。」

「オルタに言われると重みが違うな。」

「伊達にブリテンで

 ドロドロを経験してきたわけで無い。」

「って、シンヤ?

 さっきの頼むって、誰か来るのか?」

 

「すずか、怒らないから出て来い。」

 

俺の影からヴァンパイアスタイルの

『月村すずか』が出て来る

 

「もぅ、もうちょっと雰囲気があるでしょ?」

「雰囲気一つで行動が遅れるなら意味がない、

 それに、急ぎの意味が無くなるだろ?」

「あ、それで?」

「ほれ、アレだ。」

 

羽が生えた魔道生物は

サイズ的に『サル』に近い

 

「なるほど、確かに

 『攻撃は通らない』わね。」

「って、今、シンヤの影から出て来たのか?」

「・・・シロウ、

 彼女は『人』「人だ」しかし!」

「セイバー、

 お前の知るヴァンパイアじゃない、

 『人だ』」

「ほ~、『真祖』からの

 『直系子孫』か、しかし、

 大分薄まっておる、

 別の属性も持ち合わせているのか。」

「流石にオルタには隠せないか。」

「初めまして、

 オルタさん、『悲劇の種族』代表、

 月村すずかと申します。」

と、カテーシーを静かに決める

「っと、『真名』は言えぬが、

 役職、セイバー・オルタだ、

 貴殿もまだ?」

「はい、この間14になったばかりです。」

「ふむ、苦労しておるな、

 こんな『旦那で』」

「へ?」

「オルタ~。」

「堂々と婚約指輪を着けておるのだ、

 気づかん方がおかしいのだが?」

「な゛っ!?」

また変な驚きのポーズをするセイバー

「おま、アリサちゃんに、

 その、すずかちゃんも手を出してるのか?」

「後、アリシアが居るぞ?」

「さ、三人も居るのか。」

「あぁ、色々あったの一部だ。」

「あの~

 どうするの、アレ?」

ロッテが呆れ顔をしつつ空を指差す

「・・・エクサグラマ。」

〈何話振りですか?私のセリフ〉

「メタい事言って無いで、

 『血毒霧』いける?」

〈構いませんが

 範囲は大丈夫ですか?

 一般人はおろか

 皆様にも悪影響が出るかと〉

「オルタ、バーガーだ。」

「良かろう、お前ら、こっちに寄れ、

 『結界』を張る。」

「あ、うん。」

「セイバー。」

「わかりました。」

「家屋の方は俺が結界を張るよ。」

「ありがと、シンヤ。」

「すずか、頼む。」

 

「エクサグラマ・ルナピエーナ

 フルドライブ。」

〈はぁ、了解、

 ヴァンパイアスタイル、

 『血毒霧』散布〉

「『さぁ、アナタの血で

  私に更なる彩を加えて頂戴?』」

 

血の霧が

飛行する『魔道生物達を包んで行く』

 

叫び声と苦しみ悶える嘆き声が入り混じる

 

一匹が霧から飛び出してすずかに迫るが

「あら、自ら『血』を捧げに来るなんて、

 でも、眷属は足りてるのよ。」

 

左手で頭を掴み 破裂する

 

そして、浮遊する赤い霧は

全てすずかに吸収される

 

「けぷっ、もう、

 コレを使うと、明日から

 ダイエットしなきゃいけないのに。」

ふくよかに膨らんだお腹は

『妊婦に見えてしまう』

 

ゴクッ「お、おい。」

「オルタさん?」

「私に貰われないか?」

「お断りします、シンヤと言う

 大切な恋人がいますので。」

「ちょっと、オルタ?」

「なんだ、ロッテ?

 あの膨らみに溜まる『魔力はな?』

 なんとも美しく濃縮されて

 相当な甘美なる味に仕上がっているのだ

 間違い無い!!」

「ぁ~・・・すずか、

 少し、お腹に触って良いか?」

「もぅ、みんなの前は嫌。」

物陰に隠れある事をする

 

「お待たせ~。」

若干顔が赤いすずかと一緒に出て来る

「おい。」

「なんだよ、余分な魔力を

 『飴玉』に変換しただけだ。」

シンヤの手には『真っ赤な飴玉』が三つ

「ぉおおぉぉっ!?」

「はいはい、3つしか無いから、

 大事に味わえよ?」

「早速一つ!」

ぱく

 

あ、オルタが溶けて動かなくなった

「えっと、オルタ?」

「なんひゃ?」

「どゆこと?」

「あぁ、すずかの魔力に変換された

 『魔道生物』の魔力はな、

 『魔力を糧にする生き物には

  滅茶苦茶美味い性質に変化するそうでな』

 一旦お腹に貯めて、

 『時間をかけて少しずつ消化していくんだけど』

 今回は燃費の悪いオルタが居るからな、

 そっちで消化して貰った方が早い。」

「つまり?」

「ロッテの味と互角に

 オルタの中では美味しいって事。」

「ぁ~。」

「なぁ、セイバーにも貰えないか?」

「わっ!?わたしはいりゃないれふよ?!」

「いや、すずかのお腹見りゃわかるだろ?

 もう無い。」

 

あ、凹んだ

 

すっ

「オルタ、私にも一つ頂けないだろうか?」

「やら。」

「一つ恵んでくれないか?」

「なんりぇおまえりあけなひゃなひゃ

 なりゃんのら?」

「私も食べたい!!」

「や~ら。」

エクスカリバーを構える

「待て待て待てセイバー!!」

詠唱を始める

「おいおい、飴玉一つに宝具を使うな。」

タキオン粒子変換魔力を圧縮し

『飴玉』にする

 

「てい。」

ぶん投げてセイバーの口に放り込む

 

し~ん

 

静かになった

 

「シロウ、今の内に帰れ、

 ロッテも、帰ってから

 慰めて貰え、

 すずか!帰るから俺に抱き着け、

 転移で帰るぞ。」

「はぁ、そうさせて貰おう、

 帰るぞ、セイバー。」

「ひゃぃ、しりょう、

 この飴おいふぃいれふ。」

「そうかい。」

「はぁ、オルタ、帰るよ。」

「すまんな、

 この魔力の濃さは、

 ロッテには毒だからな、なぁに、

 『程よくお前に調整したのを後で補充してやる』

 覚悟しろ?」

「ぅん///」

「ねぇ、シンヤ。」

「なんだ?」

「世の中にはいろんな人がいるのね。」

「この冬木市がおかしいだけだと思うぞ?」

「そうなの?」

「・・・そうだと良いな。」

「そうね。」

 




「って、アンタ達待ちなさいよ!!」

全員、有無を言わさず帰った

「な゛・・・シロウまで。」

じっ

「バーサーカー。」

頭を優しく撫でられる

「・・・帰りましょ、
 お母様も待ってるし。」

僅かにうなずき、
イリヤを肩に乗せ
素早く帰った



・影移動

ヴァンパイアスタイルの新たな能力

人の影だろうがビルの影だろうが
何処へでも移動できる『が』

月村すずかの『行った事がある場所』
『シンヤ』『アリサ』『アリシア』
しか、まだ行けない

・血毒霧

先の使い方が本来の使い方であり
〔数カ月以上血の補給に
 目途が立たない時に使う〕
言わば『保存食な立ち位置の能力』

デメリットはお腹が膨らみ
『妊婦』に間違えられる

そして、消化が終わるまで
『吸血』が出来なくなるのもある

シンヤが『魔を祓う力を応用し』
すずかのお腹に手を触れ
魔力を『飴玉』に変換する事が出来るが

『それをすると
 イケナイ気持ちが沸き上がるので』
後が大変

失った分をシンヤ成分なる
謎物資で補おうとする為である


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77話

それから一週間

冬木市に『不法に建てられた教会』は

一応破壊、対処を終えたが

敵側の反応が無く、ひと月が経とうとしていた

 

「だるい。」

〈ママ〉

 

未だに何処か

『結界を張る』ナニカがあるらしく

アリサの様に

『元々の魔力素養の無い人々は』

この様に身体の怠さと毎日格闘していた

 

「シナノ、発生源は

 わかったんだろ?」

〈はい、ですが

 常に移動しているらしく

 冬木市内を移動しており

 捕捉できて

 対処しようにも

 現場に向かう道中で

 別の場所へ移動してしまいます、

 なにせ、『バインド・トラップ系統が』

 全てレジスト、解除されています〉

「そこなんだよなぁ、

 冬木市には地下鉄は走って無いから

 地下鉄の線は無い、筈だ。」

「ねぇ、シンヤ。」

「アリサ?」

「下水道は?」

「下水道、か、

 ギリギリヒト1人は通れるけど

 そんな機敏に動ける内部構造じゃねぇからなぁ。」

「ねぇシンヤ、

 もしかしたらなんだけど。」

「すずか?」

「眷属か、ドローンじゃないかしら?」

「ドローン、か、シナノ、

 確かサブデバイスの話をした事あったよな?」

〈はい、ですが

 『ハピネス』に使った資材は

 未だ復旧出来ていません、

 それにドローンでは

 『防壁』も搭載出来ません

 仮に『下水道・上水道』を

 探索するとなると

 最低でも『数千基』のドローンが必要になるかと〉

「数千は無理だなぁ。」

「そ~んな事もあろうかと!

 準備して来たわよ!!」

「あ、リンディ母さん。」

「リンディ母さん、久し振り~。」

「リンディさん、準備とは?」

「えぇ、すずかちゃんの

 『眷属召喚』をモデルに

 魔力回路と『陸戦魔道研究所』から

 プロトタイプの実証現場が欲しいって

 連絡が来てたのよ。」

「んん?リンディ母さん、

 それって。」

「まぁ、うん、

 シナノから受け取った

 情報の中にあったのを

 『有効活用』したの、

 そしたらね、

 『色々いじくったら』

 『小型犬サイズのドローン』が

 出来ちゃったのよ~。」

「「「ぁ~。」」」

アースラ艦橋

「これより、

 新型ドローンの実証試験を行います、

 各部署、どんなデータも見逃しちゃダメよ?」

「「「了解。」」」

〈ドローン、展開開始〉

そして、一時間

 

「な~んにも出ないね。」

「な。」

「そ、そんな筈は。」

「エクサグラマ、

 眷属召喚の方は?」

〈はい、同じです、

 痕跡が無さ過ぎて逆におかしいです〉

「痕跡が無いか、

 シナノ、衛星画像と

 航空写真、高度地図、

 上水道・下水道の経路図も重ねてくれるか?」

〈了解〉

「うわ、ごっちゃごちゃ。」

「し、シンヤ君、

 コレだとごちゃごちゃして

 何にもわからないわよ?」

 

良~く眺める

 

「・・・ん?

 シナノ、『京都の上水道・下水道』と

 『酷似している部分だけ』表示してくれるか?」

〈京都ですか?構いませんが?〉

 

「なるほどな、

 『あえてこうしてあったのか』」

「これは。」

「仕方ない、

 シロウに連絡するか、

 リンディ母さん、

 現地に協力してくれそうな奴がいるんで

 連絡してきます。」

「え?貴方、魔導士は居ないって。」

「はい、『魔導士は』」

「シ~ン~ヤ~く~ん?」

「『魔力』は使ってますけど

 系統が違うので

 余り関りを持ちたくはなかったんですけどね。」

「系統が違う?」

「はい、

 魔力と魔術、

 元々『この次元にある魔術師』の

 力を借りるので。」

「魔法が元々あったの?」

「えぇ、

 ですが、『表に出ないように』

 魔術師同士、そこは考えてますけどね。」

「・・・兎に角、協力を得られるなら

 お願いしたいわ。」

「ま、声を掛けるだけですよ?

 協力してくれるかは

 向こうの事情次第ですね。」

 

 

むす~

 

まぁ、そうなるよな

「なによ、今更。」

「一応、正式な協力要請なんだけど?」

「嫌よ、

 あんな『魔力の使い方は雑過ぎるし』

 『魔術協会も』嫌がるでしょうね。」

「行方不明になった魔術師の捜索にも

 手を貸そう。」

「・・・他には?」

「キチンとした報奨金も出そう。」

「ん゛~。」

「あら、イリヤちゃん、お客様?」

「あ、ママ。」

「え?」

「はい、

 私はアイリスフィール

 イリヤの母親です。」

「ぉ、ぅ、マジで似てる・・・

 あ、俺は。」

「聞いているわ、

 蒼頡シンヤ君ね、

 家の『キリツグ』も

 『気になっている人物』って

 言っていたからね。」

(うげ、最強の殺し屋にも

 目を付けられてたのか)

「ん、どうした、アイリ。」

「あ、キリツグ、

 丁度彼が来てたのよ?」

「彼?」

 

目が合う 凄まじい殺気が全身を包むが

 

「へぇ、これで動じないとは。」

「お年の割には

 凄まじいですね、キリツグさん。」

「ん、まぁ、ボチボチ身体が動かなくなってるけど、

 まだまだ現役だよ?」

「うわ、キリツグと殺気を

 飛ばしあってる。」

「あら~。」

「そうだ、キリツグさん。」

「なにかね。」

「キリツグさんの情報網で

 『この人物』を見た事はありませんか?」

「詳しく聞こうか、

 コレはボクの方でも

 『受けている依頼』なんだ。」

「え?キリツグの?」

「マ~マ~?」

「なぁに?イリヤちゃん?」

「シンヤは私のお客なんだけど?」

「ん~、

 そうだったかしら?」

〈シンヤ、オルタより連絡です、

 『再び魔道生物』を発見、

 早く対処してくれ、だ、そうです〉

「キリツグさん、動けますか?」

「やれやれ、

 イリヤ、頼めるかい?

 僕も準備をしたら

 アイリと向かうから。」

「え?ママも?」

「そうね、

 『たまには全力で魔術』を

 ぶっ放したいわね~。」

 

「シンヤ、馬鹿みたいな

 頑丈な結界を張ってくれるかしら?」

「おk、何となく察した。」

 



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78話 どうしてこんな火力特化編成になった?

お久しぶりです


「ロッテ~・・・まだかぁ~。」

「も、もうちょっと、かな?」

 

「あ、ここか、すまん、遅くなった、

 シナノ結界形成。」

《周辺住民、ペットの避難完了です》

「せぃっ!!」

 

飛び交う魔道生物を

『漸く全力で叩きつける』

 

ドッゴン!!

 

結界の端に今回の魔道生物がぶつかる

 

「なんだありゃ?」

《今までのデータにはない形状ですね》

「おや、アレは。」

「キリツグさん、見覚えが?」

「いや、無い。」

 

「あら、

 アレが近所迷惑な魔道生物なのね?」

「あ、アイリさん。」

「ほぅ、『元うつわ』とは、

 キリツグとか言ったか、

 アイリなる人物を大事にしろよ?」

「言われなくても。」

構える銃火器は

間違いなく相手を殺す為のものばかり

 

パルスレーザーで牽制をしながら

キリツグさんの対戦車ライフルが

確実に魔道生物にめり込んでいく

 

その脇で

『何時もの様にメックのバーガー』を

頬張るオルタとロッテ

 

「なんだなんだこの光景・・・って、親父!」

「シロウか、援護、頼めるか?」

「わかった、来たれ!セイバー!!」

 

「ん?」

「危なかった、セイバー

 招集により推参しました。」

 

全員の視線が口元に集まる

 

「セイバー、

 クリームの髭が出来てる。」

「へ?」

 

 

仕切り直し

 

しかし前回の魔道同様素早く

中々捕らえられない

 

《シンヤ君聞こえてる?》

「はい、リンディさん。」

《アースラでも調べたけど、

 あの魔道生物は

 何かを核にして動いている以外

 全くの未知数なの、

 出来たらなんだけど、捕獲出来るかしら?》

「今の時間では、

 3人とも授業中ですし、

 俺らじゃ『吹き飛ばす』ぐらいしか

 出来ませんねぇ。」

 

シンヤ

→シナノにおける火力で吹き飛ばすのが前提

 

セイバー・オルタ&ロッテ

→ぱわーでゴリ押し

 

セイバー&シロウ

→決め手はエクスカリバーなので同じ

 

キリツグ

→どこから集めたのかC4やら

 扱いを誤れば自爆必須な火気厳禁なブツばかり

 

アイリスフィール

→フラストレーションが

 溜まりに溜まっているので吹き飛ばしたい

 

イリヤスフィール

→バーサーカーは、辛うじて動きに付いて行ける

 結局、吹き飛ばし系統

 

《なんでそんな火力特化型編成なのよ・・・》

 

結論、吹き飛ばすしかない

 

「じゃ、シナノ、

 近隣衛星に影響の出ない射線を確保して。」

《はぁ、既に計算済です》

「んじゃ、いっちょ吹っ飛ばしましょうか!」

「は~い!」

 

既に背後には魔法陣が浮かび上がり

『ナニカ』が、溢れている

 

オルタの剣撃で吹き飛ばされ

セイバーの剣撃で追い打ち

キリツグの爆発で空中に投げ出され

バーサーカーの投げ剣で結界に貼り付けにされ

 

「“さぁ、私の鬱憤を晴らさせて頂戴?”」

 

“蓄積されし思念よ”

“今こそ解放の時”

“さぁ、かのモノを蹂躙せよ”

『パンツァーカイル』

 

(うわ~、戦車だらけ)

《戦車の火力で宇宙まで影響が出るのでしょうか?》

(お前、撃ちだされる砲弾が

 ただの弾頭だと?)

《へ?》

 

撃ちだされる砲弾は

魔道生物に直撃するたびに

紫煙を纏い爆発していく

 

そして、どんどん結界に亀裂が広がって行く

 

《あの、シンヤ?

 結界が、壊れそうなんですが?》

「だろ?」

 

「さ、全車両!一斉射!!」

 

爆音を轟かせ結界は壊れ

魔道生物はそのまま空高く舞い上がり

 

昼間の空に一瞬だけ光を灯し消えた

 

「ん~っ!!たまにはお外で運動しないとね♪」

「そうだな。」

「ママ、流石にコレは不味いんじゃぁ。」

 

ま、そこはシナノが全力で隠蔽工作をしてくれたので

『隕石の爆発』に収められた

 

そう、隕石が悪いのだ

 

 

一旦イリヤスフィールの家に戻り、

今後

魔道生物の駆除並びに

行方不明魔導士の捜索における

協力関係が築かれた

 

 




今回の魔道生物
→多分トカゲっぽい
 核はジュエルシード
 スカ産

アイリスフィールさんの術?

『パンツァーカイル』
実は詠唱はいらない
発動ラグは0.3秒
しれっとドイツ語で喋っている

色んな意味で外に出れず
不貞腐れている事の方が多い

キリツグが本来ストッパーだったのだが
とある依頼中、勝手に外出していた
アイリスフィールと合流
そこで『固定砲台』として有能だった為
ストッパーの意味は消えてしまった

体力は一般女性以下なので、
走ると20mでバテてしまう

しかし、魔力保有量は桁違いであり
その場から動かない『固定砲台』で真価を発揮する

オルタ&ロッテ
一般巻き込まれ魔導士が板につきつつある
報酬はジャンクフード

シンヤ&シナノ
アイリスフィールの桁違い魔力に
若干引いている

イリヤスフィール
アイリスフィールと、
キリツグが壊した周辺施設の
修理費用明細で卒倒しそうになるが耐えた
なんとか、アインツベルンの抱える業者に
割安で修理費を圧縮、
危うく借金を抱える所だった

リンディ
周辺施設の修理費請求が
こちらに来なくて一安心している
もし、こちらに来ていたら
『時空管理局』の経費では
収まらない額だった


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