僕等のヒーローアカデミア-Awakening a New Power- (アマネ009)
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化変司と創鉄星

Side-化変司(かへんつかさ)-

俺の名前は化変司、性別は言わずもがな男。そして俺のが今いる世界は「僕のヒーローアカデミア」の世界、俗に言う転生と言う奴だ。

そして今、俺は(ヴィラン)に追いかけ回されていた。いや、正確に言うなら(ヴィラン)の作った殺人ロボに追いかけ回されていた。ロボットの見た目は人形で、銀色一色と言う極めてシンプルな物だった。

さらに付け加えるなら追いかけ回されているのは俺だけではなかった、そこかしこがロボットで溢れかえっていて、ヒーロー達がロボットを破壊して回ってはいるが、いかんせんロボットの数が多いせいで、何体か取り逃してしまっていた。

自分に向かってくるロボットを個性を使って破壊する。それに加え……

 

(見捨てたら、目覚めが悪いからね)

 

襲われそうになっている人を助けていく。特定の状況下以外は個性の使用が禁止されてるとは言えど、これくらいは許してほしいものだ。

因みに俺の個性は一言で言ってしまうと「変化」だ。これがどう言うものなのかと言うと、自分自身の体を別の者に変えてしまう個性だ。ただし、何にでも変化出来るわけではなく、人の形をしている事と言う制限がある。

変化と言う個性の真髄は、変化した者の能力が使えることにある。とは言えど強大な力はそのまま使える訳じゃない。普段はセーブされていて、リミッターを外せば全力が出せるようだが、それをするととんでもなく疲れる。それどころか鼻や目から出血した事もあるので、よほどの事がない限りはリミッターを外す事はないだろう。

 

(しかし、一向に数が減らないのはどう言うことだ?)

 

殺人ロボを破壊しつつ、数が減らない理由を考えてみる。直ぐ様思い付くものとしては、個性でロボットを複製している。破壊されたロボを瞬時に修復できるくらいだろうか。何にせよ、本体を見つけ出して叩かなければ。延々とロボットと戦わせられるはめになるだろう。

その時だった。遠くから、高速で何かが跳んで来るのが見えた。それはあっという間にロボットの群れへと突っ込んでいき、市街地を縦横無尽に跳ね回りながら、次々とロボットを破壊していった。

 

(誰かと思ったら、ミルコじゃないか!)

 

顔の表情は一切変えずにいたが、内心ではテンション爆上がりだった。何故ならヒロアカの好きなキャラの内の1人だったからだ。

流石はミルコと言うべきか、圧倒的な速度でロボットを破壊していく。そこらの名も知らぬモブヒーロー達なんかよりよっぽど頼りになる。

するとミルコはその場にいたロボットをひとしきり倒したのち……

 

「あっちの方だな!」

 

そう言うと、そのまま何処かへと跳んでいってしまった。

ミルコの個性は「兎」つまりは聴力は当然優れている。それに、殺人ロボがミルコの向かった方向へと次々向かっていることから、恐らくミルコは本体を見つけ出し、それ故に(ヴィラン)は己の身を守るためにロボットを集めざるを得なかったのだろう。

すると、建物をぶち抜いて空へと何かが飛んで行くのが見えた。手足だけが殺人ロボとにたような装甲で覆われ、どこかで見たアメコミヒーローのように宙を飛んでいるあれが、ロボットを街にばらまいた(ヴィラン)だろう。

 

「クソが!こうなったら街ごと全て吹き飛ばしてる!」

 

それに続き、ロボットが次々と空へと飛んでいく。

 

(まだあんなに残っていたのか!)

 

何百という数の殺人ロボが空へと飛び上がると、それらが次々と赤く発光していく。

 

「そいつを全部街に落とすつもりか!ふざけたことをしてくれんじゃねーか!」

 

あの数のロボットが地上に落下し爆発したら、(ヴィラン)の言った通り街は吹き飛んでしまう。それにあそこまで高く飛ばれてしまっては、跳ぶくらいでは手出しができないだろう。それに中途半端な場所で爆発したら街に被害がてないとも言い切れない。

 

(仕方がない……リミッターを解除するか)

 

完全にリミッター解除すると、背にそれぞれ色の異なる6枚の羽根が出現する。そしてそのまま飛翔し、ロボットへと向かっていく。

 

「パラダイス・ロスト!」

 

頭上に出現した魔方陣のようなものから数多の光線を発射し、ロボットを撃ち抜いて次々と爆散させる。

 

「呆気ないな」

 

あっという間に全てのロボットを破壊し終え、残るは本体の(ヴィラン)だけとなった。ロボット現れない所を見るに、個性でロボットを複製していた線が濃厚だろう。

これ以上何かが出来るとは思えないが、迅速に意識を刈り取り、気絶した(ヴィラン)を担ぎ上げ。フードを目深にかぶった後に、地上へと降りる。

変化を使えばフードなど被る必要はないのだが、この姿は普段使いしているので、今顔を見られるのは宜しくない。

 

「ヴィランは気絶させておいた、受けとれ」

 

ミルコへとヴィランを投げ渡し、その場から素早く飛び去る。

 

「あ!おい!待ちやがれ!」

 

やはり「跳ぶ」のと「飛ぶ」ではどうしても差が出てしまう、もし来たのがホークスだったら逃げ切ることなどできなかっただろう。ある程度離れた場所で地上へと降りる。

念のために変化を使って別の姿に変わっておきたいところだが、服装は変わらないので、あんまり体型が違いすぎる変化をすると、衣服が大変なことになる可能性がある。

 

(買い物に来ただけだってのに、あんな事件に巻き込まれるなんてな……)

 

目的は果たせなかったが、今の服装のままではいたくなかったので、さっさと自宅へ戻り、服を着替えることにした。

次の日。なんとなく愛用のSNSを見ていると、昨日の事件の動画が上げられていた。まさかとは思ったが、見てみるとそこには俺が映っていた。タイミングとしては、空に飛び上がっていく辺りからの物だった。

顔は写っていないようだか、例え映っていたところで、別の姿で過ごせばいいだけだ。人の噂も七十五日と言うからな。

 

 

 

Side-創鉄星(そうてつせい)-

 

人口の八割が個性と言うものを持ち得たこのご時世、だが僕にそういったモノが発現したようすはなかった。

そしてそれは、僕の友である緑谷出久も同様だった。だが、僕も出久もヒーローになると言う目標を諦めちゃいなかった。だから僕達はとりあえず体を鍛えることにした。理由としては、どんなヒーローだろうと個性にかまけて己の肉体を鍛えていないとは思えなかったから。もしそんな事をしていたら、個性が使えない状況になった時に、ただの役立たずと化してしまうからだ。

だが爆豪勝己は、そんな僕たちが気に入らないのか、度々突っかかって来るのだった。

 

「無個性野郎共が、いっちょ前に鍛えてんじゃねーよ!」

 

最初はボコボコにされるだけだったが、ある時僕は気づいてしまった無個性でも爆豪に勝てるであろう方法を。

自慢ではないが僕は他の人たちと比べても断然頭が良かった、それこそ大人顔負けなくらいには。だから僕は俗にいう「サポートアイテム」という物を作ってみることにした。とりあえず思いついたのは全身に装着するフルアーマーの様なものだった。だが、当然そんなものがいきなり作れるわけはないので、先ずは手をの部分だけを作ることにした。そして一回目……

 

「そんなガラクタで俺に勝てると思ってたのか!?」

 

あっという間に破壊されてしまった、だが所詮試作品でしかないのでこんなものだろう。そして2回目……

 

「何回やっても無駄なんだよ!!」

 

試作品よりは原型を保っている、やはりもっと耐爆性と耐熱性が欲しいところだ。おあつらえ向きに、とある海浜公園には漂流物や不法投棄によって、材料には事欠かなかった。僕と出久は体を鍛えるついでに使えそうな物を回収して回った。そして3回目……

 

「チッ!!手こずらせやがってクソがッ!!」

 

所々傷は付いているが、これと言って大きな損傷は見られない、だが戦いには負けてしまった。理由は簡単、確かに防御面は良くなったが、攻撃面は皆無なのだ。

そして月日は流れ、進路について本格的に考える時期となった。

 

「えーお前らも三年と言うことで!!将来を本格的に考えていく時期だ!!今から進路希望の紙を配るが皆……!!!」

 

一旦担任が話すのを止め、沈黙が訪れる。すると、先ほどの厳格そうな雰囲気とは一変して楽観的な顔になり……

 

「勿論皆、ヒーロー志望だよね!」

 

あたり一面に進路希望のプリントがばら撒かれ、それと同時に皆が自分の個性を見せびらかすように使い始める。

校内でので個性使用は禁止されているというのになぜ使うのか、それに何故担任注意されても止めようとしないのか、僕には全く理解できなかった。

 

「センセェー!皆とか一緒くたにすんなよ!」

 

そんな最中、いつものように爆豪が周りを見下すような事を言い始めた。そんな爆豪の志望先は雄英だったか。国立雄英高等学校、ヒーローを目指すのなら避けては通れぬ道だ。その偏差値はなんと79、その中でも一番の人気を誇るヒーロー科は倍率300というとんでもない数字をたたき出していた。

 

「そういやあ、創鉄と緑谷も雄英志望だったな」

 

(このタイミングで言う事ではないと思うが……)

 

思わずため息をついてしまう、すると当然のように爆豪が突っかかってくる。

 

「おい!テメェ等!」

 

爆轟がこちらに歩いて来、その拳から爆破が放たれんとしたが素早くそれを受け止める。改良を重ねたガントレットには傷一つついていなかった。

 

「今のは無いんじゃないかな?爆豪君、校内での個性使用は禁止、それくらい君達も分かってると思ってたんだけどね」

 

敢えて他の者たちにも伝わるように君たちと言っておく、だがそれだけでは気が収まらないので続けて……

 

「あぁ済まない、分からないからさっきみたいに個性を見せびらかしたんだろうね。お陰で僕もこうやってサポートアイテムを装備してないといけない訳だ」

 

出久が僕を見ながらうろたえていた、僕と爆豪のやり取りなどいつもの事なので、いい加減慣れて欲しいところだ。

 

「チッ!!」

 

これ以上騒ぎを起こせば内心に響くと考えたのか、爆豪は自分の席へと戻っていった。

そして放課後になり……

 

「てっちゃん!むやみやたらに力を振り回すなって言ったのは君だよね!?なんでそんな喧嘩腰なのさ!!」

 

「ははッ!生憎とそういう性格なものでね、そっちこそいい加減慣れてくれたまえよ」

 

変える準備も済み、いざ下校しようとしたところで爆豪がこちらに向かって歩いてきた。

 

「話はまだ済んでねーぞ」

 

「話?これ以上話すことなど無いと思うが……」

 

「テメェ等には無くてもこっちにはあるんだよ!!いいか、俺はこの平凡な市立学校から、初めての!唯一の!「雄英進学者」っつー"箔"を付けてーのさ。つーわけで……お前らは雄英受けるなよ」

 

「何故君に僕たちの進路を決められなければ行けないんだ?」

 

「あぁンッ!?」

 

「おっと!あまり騒ぎを起こすのは良くないんじゃないかな、内申に響いて雄英に入れませんでした~、なんてのは君だって嫌だろう?」

 

「チッ!!んな事はテメェに言われねぇでも分かってんだよクソがっ!!」

 

掃除用具の入ったロッカーを、八つ当たりと言わんばかりに蹴り飛ばすと、爆豪はそのまま教室から出ていった。

 

「……だからさっきも言ったばかりじゃないか」

 

「そうだったかな?……それよりも出久、今日はどうする?」

 

「うん、今日も鍛えようかなって思ってる」

 

「そうか、なら今日も海浜公園でいいな」

 

そうして、僕と出久は材料収集と体を鍛えるために海浜公園へと向かうのだった。だがその途中、出久がヘドロの様な姿をした(ヴィラン)に襲われるのだった。

 

 

 




「化変司」
この物語のメイン主人公
気が付いたらヒロアカの世界に転生していた、言わば転生者。「変化」という個性を使い体を全く別の者へと変える事が出来る。
強大な力をもったキャラに変身した場合。強制的に力をセーブさ、リミッターを外せば全力が出せるようになる。しかし、長時間リミッターを解除していると、反動によりまともに動けなくなってしまう。それどころか鼻や目から出血してしまう事もある。
主にグランブルーファンタジーのキャラに変化するが、司はグラブルを知らない。
※実は幼いころは変化先の姿も化変自身の年齢に合わせたものになっていた。

「創鉄星」
この物語のサブ主人公の一人で、見た目は完全に若いトニー・スターク。
原作には存在しない人物の一人。緑谷出久とは幼馴染であり、かなり仲が良い。
無個性であるが、その天才的な頭脳から幼くしてサポートアイテムを作り上げている。


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深水操加と雷道電磁

『わかんない……わたしの個性こんなんだから……そうかちゃんは?』

 

『わたし?わたしはね……ヒーローなるの!』

 

 

「うぅん……」

 

深水操加は夢を見ていた。幼いころ友達と公園で将来の夢を語り合った事。操加はヒーローになりたいと答えたけど、その友達はなんて言ったのか思い出せずにいた。

 

「操加ー!早く起きないと遅刻しちゃうわよー!」

 

「は……!そうだった!」

 

今日は雄英高校の一般入試の実技試験の日、操加は自分の個性「操水」がどこまで通じるのか不安に思っていたが、やるからには全力でやるだけだと気合を入れた。

 

「操加ー?」

 

「はーい!今行くよー!」

 

朝食を取り、身支度を済ませ、母親に挨拶をせ、会場に向けて出発する。

そしていざ試験会場へと到達すると、まだ何も始まっていないというに緊張してきてしまった。

 

(緊張するなー)

 

一旦立ち止まり、頬をはたいて気合を入れなおす。そしていざ歩き出そうとしたところで。

 

「おい」

 

「ひゃい!」

 

突然後ろから話しかけられたことに驚いて、操加は思わず変な声を出してしまった。振り向くとそこには茶髪の男の人がいた。恰好からしても同じ受験生だが、一体何の用なのだろうか。

 

「落としたぞ、お前のだろ」

 

そう言って手渡してきたのはお守りだった。もしやと思い、操加はポケットを探ったが、ポケットには入ってなかった。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

母親から受け取ってそのままポケットに入れたのはマズかった、今ままで良く落とさなかったと、そう思った。

 

「今日は俺のライブにようこそー!!!エヴィバディセイヘイ!!!」

 

筆記試験を終え、実技試験説明会場へと到着。着席してしばらく待っていると派手な見た目の男性が現れ、行き成りそんな事を言い出した。

しかし会場はそんな男性とは相反するように静まり返っていた。どこかで見たような気がすると思ったら、ボイスヒーローのプレゼントマイクだった。

 

「こいつぁシヴィー!!!受験生のリスナー!!なら実技試験の内容をサクッとプレゼンするぜ!!アーユーレディ!?」

 

実技試験の内容が説明され始める。各自指定の演習会場へと向かい、そこで仮想(ヴィラン)であるロボットの掃討を行いそのポイントを稼ぐ。もちろんアンチヒーローな行動は控える事、それと事試験内容に直接関係ないギミックの存在などが説明された。

 

(ふむふむー、0ポイントですか……何か裏がありそうですね)

 

「俺からは以上だ!!最後にリスナーへ我が校"校訓"をプレゼントしよう。かの英雄ナポレオン=ボナパルトは言った!真の英雄とは「人生の不幸を乗り越えていく者と」!さらに向こうへ"PlusUltra"!それでは皆、良い受難を俺からは以上だ!!それでは皆、良い受難を!!」

 

「模擬市街地演習」が行われる演習会場へと着く。演習会場というかそれは最早街にしか見えない、こんなのが複数あるというのだから驚きだ。

操加は周りを見回すと、会場前でお守りを拾ってくれた人と目が合った。

 

「その青みがかった長髪……同じ会場だったか」

 

「あ、はい。そうみたいですね」

 

「電磁」

 

「え?」

 

「俺の名前、雷道電磁」

 

「あぁ、なるほど。私は深水操加です」

 

自己紹介をしていると……

 

「ハイスタート!」

 

何の前触れもなくプレゼントマイクの声が響き渡った。

 

(え、スタート?まさかもう始まった……?)

 

周りは動いていないようだが、操加は構わずに走り出す。するとほぼ同時にもう一人だけ走り出していた。それはなんと電磁だった。

 

「おいおい!二人だけかよ!実践じゃカウントなんざねぇんだよ!!賽は投げられてんぞ!!?」

 

やはり、スタートの合図だったようだ。ほかの受験者たちも遅れて走り出す。

 

『標的ヲ補足武ブッ殺ス!!』

 

指先に水を集めて弾丸のように発射する、その水弾は見事ロボットを貫き、ロボットは爆散する。

 

「よしッ!行ける!」

 

操加はその後も調子よく、どんどんロボットを破壊していく。

 

一方電磁は……

 

「ふッ……!」

 

体から雷撃を放って、次々とロボットを爆散させていく。雷道電磁の個性は「電磁力」基本的に使うのは電気だが、ある程度は磁力も操作出来る。

だがしばらくすると、ビル群をなぎ倒しながら進む巨大なロボットが見えて来た。

そしてその瞬間、試験会場は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。圧倒的な脅威の前に、受験者は次々と逃げ去っていく。

 

「……大きすぎでしょ」

「……デカすぎる」

 

実技試験説明会場で説明されていたが、恐らくアレが0ポイントの仮想(ヴィラン)なのだろう。普通に考えればアレを破壊するメリットは存在しない。

しかし電磁は走り出していた、何故なら仮想[[rb:敵 > ヴィラン]]の足元に倒れこんでいる女子を見つけてしまったからだ。だが、走り出していたのは電磁だけではなかったようだ。

 

「止まれェ……!!」

 

「えッ、止まった……!?」

 

磁力を操り、巨大なロボットの動きを止めようとする。だが完全に動きを止める事は出来なかった。

 

「おい!そこの!お前も走り出したんなら何か考えがあるんだろ!!さっさとしろ!!」

 

「は、はい!!」

 

その緑髪の男子が巨大ロボット向けて飛びかかる。

 

「SMASH!!」

 

そう叫びながら殴り飛ばすと、巨大ロボットは見事に撃破された。しかし、当の男子は何やら慌てふためている、どうやら着地の事は考えていなかったようだ。

 

「アイツ……!」

 

強大な磁力を放ったためか、電磁は鼻から出血していた。この「電磁力」という個性、強大な力を放ちすぎると、鼻から出血、全身を倦怠感が襲うというデメリットがあるのだった。

すると、倒れこんでいた女子が、先ほどまでロボットだったモノに乗り、浮遊していく。そしてその男子が落下してきた瞬間、顔にビンタした。すると、その男子の体がフワリと浮かび上がった。

 

(なるほど、そういう個性か……)

 

しかし、女子の方も限界を迎えていたのか、すぐに個性を解除してしまい、周りの浮遊物ごと地面に落下してしまう。

 

「た、助かったよ……って、大丈夫!?」

 

その女子が嘔吐すると、男子の方はどうしたらいいのかわからずオロオロとしていた。

そして……

 

「終了ー!!!」

 

終了の合図が響き渡り、残ったロボットも動きを止めていく。操加がその女子に駆け寄って行き、背中をさする。

 

「大丈夫?あ、そうだ」

 

水を操り、余計な汚れを抜き取り……

 

「飲んで……、あ!安心して埃とかそういうのは省いてるから!」

 

「あ……ありがとね」

 

「良かった、僕だけじゃどうしたらいいのか……」

 

しかしよく見てみると、その男子も右手を抑えていた。多分怪我をしているのだろう。

 

「お疲れ様~、お疲れ様~。ハイハイ、ハリボーだよ。ハリボーをお食べ」

 

注射の様な形をした杖をついた低身長の老婆が、ハリボーなる物を配りながら歩いてくる。老婆の名はリカバリーガール、個性は「癒し」対象者の治癒力を活性化させ、傷を治す個性である。

 

「自分の個性で傷ついとるようだね、まるで体と個性がなじんでないみたいじゃないか」

 

「え!い、いや……そんな……」

 

リカバリガールの唇が大きく伸びる。「チユ――――!」という音と共に個性が発動され、男子の腕は一瞬で治癒されていく。

 

「ちゃっちゃと行くよ、他に怪我した子は?あんた達はどうだい?」

 

「いえ、私は大丈夫です!」

 

「あぁ……俺も大丈夫だ」

 

 

そしてそれから一週間後、雄英から封筒が届いた。

 

「雄英から……」

 

雄英から届いたと言う事は合否の発表だろう。封を開けると中からは数枚の資料と、小さな機械が入っていた。

 

「これって映像を投影する奴だっけ」

 

装置を机の上に置くと空中に映像が浮かび上がる。

 

『私が投影された!!』

 

「あ!オールマイトじゃん!なんで!?」

 

『何故私が投影されたのか気になるだろう、それは私がこの春から雄英に教師として勤めるからさ!!早速だが合否の発表と行こう!!』

 

投影された映像が暗くなりドラムロールが鳴り響く、そして最後のドラムが鳴り終わり……

 

『おめでとう!合格だ!!』

 

そしてそれは、電磁の方でも……

 

『おめでとう!!合格だ!!筆記試験は少し危うかったようだが、実技は74ポイント!合格者の中でも上位の成績だ!!』

 

「よし……」

 

電磁は小さくそうつぶやいた。対して喜んでないように見えるが、実はそんな事はなく、内心ではとても喜んでいた、ただ単に感情が表に出にくいタイプなのだ。試験の時のように「例外」もあるのだが。

 

 

 

時は少々遡り入学試験後の事。雄英高校ヒーロー科の会議室では、重要な会議が行われていた。

 

「実技総合成績が出ました」

 

大画面に受験者の成績が映し出される、それは上位から順番に並び、それを見た教師陣からは感嘆の声が上がった。特に目立つのは爆豪勝己と化変司、そして創鉄星と緑谷出久だろうか。

 

「救助ポイント0点でここまでやるとはなぁ!」

 

「後半、他が鈍っていく中、派手な個性で敵を寄せ付け迎撃し続けた。タフネスの賜物だ」

 

「そして化変司と緑谷出久、アレに立ち向かったのは過去にも居たけど…ブッ飛ばしちゃったのは久しく見てないね」

 

「緑谷の方は、雷道電磁の援護もあったようだがな!」

 

「うむ、アレの動きがあそこまで鈍くなるとはね」

 

「創鉄星、どうやら無個性のようだが?」

 

「しかしあのフルアーマーのサポートアイテム、まだ学生の身だと言うのにかなりの完成度だな」

 

(……ったく、わいわいと……)

 

こうしてその後も会議は続いていくのだった……。

 

 

 




「深水操加」
この物語のサブ主人公の一人。
原作には存在しない人物の一人。
「操水」という文字通り水を操る個性を持つ。青みがかった長髪で、性格は明るく、基本的に誰とでも仲良くなれる。
戦闘服は上は胸元の空いた白いジャケットに、下がホットパンツの様なズボンと、ハイソックスとブーツを合わせたものを着用している。
腰回りには水を入れたボトルを携帯するためのホルスターが取り付けられたベルトを巻いている。

「雷道電磁」
この物語のサブ主人公の一人
原作には存在しない人物の一人。
「電磁力」という電気と磁力を操る個性を持っている。茶色の短髪ででガタイが良いが、少々無口である。
戦闘服はコンバットスーツにジャケットを組み合わせたようなもので、腰回りには鉄製のボールを収めておくホルスターが複数ある。
腕には簡易的なレールガンを撃つ為のレールが取り付けられている。



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雄英入-化変司と創鉄星-

出久がヘドロの様な姿をした(ヴィラン)に襲われたが、オールマイトの手によって救出。その後色々とあったようで、出久はある人物と共に海浜公園に来ていた。その人物とは……

 

「まさか海浜公園のゴミ掃除をしていたのが君たちだったとはね」

 

オールマイトであった。何故かというと、出久が個性を受け継ぐため、その下準備として体を鍛えるためにやってきていたのだ。

 

「なるほど。普段から鍛えているだけあって、中々にいい筋肉をしている」

 

オールマイトが出久の体をペタペタと触りながらそんな事を言う。そして、何かに納得したかのように頷き。

 

「これなら予定を早めてもよさそうだ」

 

オールマイトが自らの頭に手を伸ばそうとした時、赤いロボットの様なものが二人の元へと走ってくるのが見えた。

 

「おや、出久じゃないか、それにオールマイト?これはどう言う組み合わせなんだい?」

 

「その声……てっちゃん!?」

 

どうやら、その赤いロボットは、フルアーマーのサポートアイテムを来た星のようだった。

 

「コレの機能を少し試そうと思ってね……さて、早速だが「スキャン」」

 

目の部分から緑色の光が出て、出久の体を言葉通りスキャンしていく。

 

「健康状態に異常なし、ふむ……ちゃんと機能したようで何よりだお次は……」

 

「え?待ってくれそれは困る、非常に……」

 

オールマイトの静止も聞かずに、オールマイトの体をスキャンしてしまう星だった。だが、提示されたデータを見て思わず絶句してしまった。

 

「こ、これは……おいおい。どうなっているんだ」

 

「……緑谷少年には既に話してしまっているが、君もこのことはネットに書き込んだりしないでくれよ?」

 

オールマイトから聞いた話。それは五年前に大怪我をし、度重なる手術と後遺症で、今や三時間程しか活動できないと言う事だ。

 

「てっちゃん、僕……」

 

出久が申し訳なさそうな顔で星を見つめる、だがそれに対して星は……

 

「おいおい、もし君が僕に対して申し訳ないと思っているなら、そいつはお門違いって奴さ。君がオールマイトから個性を受け継ぐのは、君がオールマイトに認められたからだろう?それに僕は、世界に示すつもりでいるからね、無個性でもヒーローになれると……そういう意味でも個性を受け取るわけにはいかないのさ」

 

(この少年は……!!)

 

オールマイトは、出久に対してヒーローは「無個性」でも成り立つような仕事ではないと言っていた。だが星は、個性を受け取れる可能性があったとしても、自分は無個性のままヒーローになってみせると言い切ったのだ、その覚悟に満ちた言葉は、オールマイトの心に響いた。

 

「そういう訳だ出久、君は遠慮なく個性を受け継ぎたまえ」

 

そして、出久はオールマイトから個性を受け継いだ。受け継ぐと言っても大層な儀式などではなく、オールマイトのDNAを取り込めればなんでも良いらしく、出久はオールマイトの髪の毛を食わされていた。

それからの10ケ月は、自らの個性を体になじませるための特訓を行った。

 

そして、遂に入試試験当日となり……

 

「てめぇ等はどけ!!」

 

「かっちゃん!」

 

「俺の前に立つな!ぶっ殺すぞ!」

 

「相変わらず口が悪いようで何よりだよ、勝己君」

 

だが、勝己は何も言い返さずそのまま素通りしてしまった。あのヘドロ事件以来、勝己は出久達に対して突っかかっていくような事がなくなってしまっていたのだった。

 

「出久、足元」

 

「へ?」

 

足元に小石が転がっていて、星はそれに躓かぬように注意しようとしたが、時すでに遅く、出久はそれを踏んでしまい、バランスを崩して転びそうになったところで……

 

「大丈夫?」

 

何故か出久は転ぶことなく、それどころか宙に浮いていた。

 

「え?な、何?」

 

「私の"個性"ごめんね勝手に、転んじゃったら縁起悪いもんね」

 

どうやら、出久の体が宙に浮いたのはこの女子の個性によるものだったらしい。

 

「緊張するよね、お互い頑張ろうね」

 

そう言ってその女子は、校内へと向かっていった。

 

(女子と喋っちゃった!)

 

「「女子と喋っちゃった」とでも言いたげな顔だが……喋ってはいないからな?」

 

 

 

Side-化変司-

いよい雄英の試験当日となったが、どの姿で行こうか悩んでいる。いつも使っている姿ではあの時の事がバレる可能性があるので、他の姿で行きたかった。

 

(……めんどくせぇな、いっそダイスで決めるか……まずは性別。奇数で男、偶数で女……)

 

サイコロを転がし出た目は4、つまりは偶数だった。

 

(マジかよ……しゃあねぇ、これも運だしな)

 

ちなみに、女性用の衣服もいくつか用意してある。別に俺の趣味ってわけではなく、この個性故に必要だったからだ。まだ個性のコントロールが未熟だったころ、性別が女性に変わってしまい、しばらくの間戻れなくなってしまい。その間に必要になったからだ。無論そういったことは学校にも伝わっているし、個性届にも書かれている。変化する元によって大きく体格が変化するのが問題ではあったが。

あと、個性を使って別の姿に変化すると、変化元の正確に寄り、言動もそれにつられてしまうのだ。頭で考えているときは影響は受けないのだが、いざ言葉にしようとすると、元の方につられて行くのだ。

 

(さて次は……)

 

こうして、変化する姿を運で決め、その姿に変化してから会場へと向かう。ちなみに服装の方は母親の個性、描いた絵を現実の物とする個性で用意してもらっていた。

会場へと到着すると、原作キャラ「緑谷出久」の姿を発見した、だが……

 

(なんだ出久の隣にいる茶髪っぽいのは……デカいキャリーケースなんか持って)

 

気になったので近寄ってみる、会話の内容からして友達のようだったが。こんな奴を俺は知らなかった。

 

(原作に居なかった奴……どういうことだ?いや、それを言ったら俺がいる時点でおかしいんだけど……)

 

その後、原作通りに事は進んでいった。ジャージに着替え、模擬市街地演習の演習会場へと向かうと……

 

(なんだあのアイアンマン!?)

 

元の世界では有名なアメコミヒーローにそっくりな姿をした奴を発見してしまった。周囲を見回してみたが、出久やお茶子、天哉の姿はなかった。つまり俺は別のステージに居るのだが、他の原作キャラを探したかったが、今はそれを気にしている場合ではないなかった、何故ならもうそろそろ何の前触れもなしにスタート合図が響き渡るはずだからだ。

 

「ハイスタートー!!」

 

思った通り、原作通りにスタートの合図が響き渡る、無論それを知っている俺はそれと同時に走り出す、するとアイアンマン(仮)もスタートダッシュを決めていた。

 

(え?マジでなんなのアイツ……)

 

気にはなるが、今は試験に集中する。蒼い剣を召喚し、迫りくるロボット達を斬っていき次々と破壊する。しかしどうしても気になってしまい、アイアンマン(仮)の方を見ると、そいつはロボットを殴る蹴るの暴力で破壊していた。どうやらそこまでの再現性はなかったようだ。

この試験は敵を倒す以外にも見ているポイントがある。それは、救助活動だ。そんな訳で、ピンチになっている人を助けつつ、巨大ロボットの出現を待つ。

 

(どうせなら、ぶっ飛ばしたいよなぁ)

 

そして遂に、ビルを破壊しながら巨大ロボットが登場する。やっぱりと言うべきか、あの姿を見てしまった奴らは次々と逃げだしていく。

 

「あの存在は……均衡は崩す、なら私が滅するだけだ」

 

喋った途端に変化元に寄ってしまった。剣から銃へと変え、いざ破壊しようとしたところで……

 

「待ちたまえ、足元に誰かいる」

 

アイアンマン(仮)に話しかけられた。どうやら巨大ロボっとの足元に誰かいるようだが、俺にはジャージがしか見えなかった。

 

(ん……あ!葉隠か!!)

 

何故それにアイアンマン(仮)が気が付いたのか分からない、いや、もしかしたらセンサーの類が付いているのかもしれないが、アイアンマン(仮)は葉隠に向かって走り出していた。

 

「おい君!ボクにはアレを止めるほどの火力は持ち合わせていない!君の方でどうにかできないか!?」

 

「私に任せておけ」

 

アイアンマン(仮)が葉隠を救助したのを確認した後、銃を巨大ロボットに向けて構える。

 

「抗いなど無意味だ。ガンマ・レイ!」

 

銃から光線が照射され、巨大ロボットに風穴を開けた。それから少しして終了の合図が響き渡る。

 

「いや助かったよ、今の僕一人では荷が重くてね」

 

「助かったよー、君もありがとねー!っていうかさっきの何?すごいね!」

 

「うん、君も無事で何よりだ」

 

その後、リカバリーガールが怪我人の治療をして回わった。

 

そしてそれから一週間後、雄英から封筒が届いた。もちろん、合格ではあったが、内心では少しだけ不安もあった。だがそれ以上に気になることがあった、それは……

 

(あのアイアンマン(仮)はどうなったんだ?)

 

原作には存在しない、アイアンマン(仮)こと、緑谷出久の友人の合否であった。

 

 

 



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個性把握テスト

Side-化変司-

入学試験を終え時が経ち、春となり高校生活の始まりを迎えた。俺の制服は特注品で、変化に合わせてサイズが変わり、更に男女の変化にも対応できるという優れものだ。俺のDNAを組み込んだで作られているが、ここまでの物が出来るんだから驚きだ。

姿も普段使いしてる姿で来ていた、いつもの姿で街に繰り出し行っても特に問題が起きたことはないので、いつも通りに使っていても問題はなさそうだった。

1-Aの教室へとたどり着いくと、原作通り馬鹿でかい扉が見えた、その前で緑谷ともう一人、確か出緑谷の友達だったはずだ。

 

(ここにいるという事は受かったと言う事か、と言う事は代わりに誰かが落ちたのか)

 

確か一般入試で三十六人の一クラス十八人、それに推薦入試が二人で二十人だったはずだ。落ちたとなると、峰田か青山あたりが落ちそうなものだが、いや個性把握テストの順位を考えると、葉隠や耳郎あたりも怪しい。

それ以上にあの友人の正体が気になるので、思い切って話しかけてみることにした。

 

「お前達も1-Aか?俺は化変司そっちは?」

 

「あ、僕は緑谷出久です」

 

「僕は相鉄星、君の想像通り1-Aさ」

 

ふと相鉄が、この前やけにデカいキャリーケースを持っていたことを思い出した。もしかしたらあの中身にアーマーが入っていて、アレを着て戦ってたのは相鉄なのではないだろうか。それにアーマー越しで若干くぐもっていたが、何となく声が同じような気がする。

 

「相鉄か、一つ聞きたいんだが、アイアンマン……あのロボットの様なアーマーを着てたのはお前か?」

 

「アイアンマン……確かにあのアーマーを着ていたのは僕だが、何故そんな事を」

 

「あぁ、実際に見せた方が速いか」

 

説明するよりは速いと思い、試験の時に使っていた姿へと変化する。

 

「姿が変わった!?それに制服も!どういう仕組みなんだ……もしかして自分のDNAを使って作られた服なのかな、いやそれより体そのものがこんなに変化するなんてすごい個性だ。身体能力は……」

 

「あぁ君はあの時の、なるほど」

 

知っていたとはいえ、行き成り目の前でぶつぶつ早口で喋り出されるのは少し驚く。名前も確認できたし、

姿元に戻し、1-Aの教室へと入る。入ったところでまた見たことのない奴を見つけた、ガタイのいい茶髪

男子に、青みがかった長髪の女子。と言うか机の数が多い。数えてみたところ22個ある。

 

(って事は、原作組は誰も落ちてないってことか。ってかなんで22人になったんだ?まぁ先生方に聞けばわかるか)

 

飯田と麗日が原作通り、緑谷に話しかけに行った。それに続き茶髪男子と蒼髪女子が話に加わりに行ったので、趣味が悪いが聞き耳を立てる。

どうやら男子の方は雷道電磁、女子の方が深水操加という名前のようだ。名前からすると雷道の方は電気系の個性だろう、上鳴と被っている。いや、もしかしたら磁力も操れるかもしれないから「電磁力」かもしれないが。深水の方は多分水を操る系だろう、髪の色もそれっぽい。

峰田と青山が来ないところを見ると、やはりこの二人は落ちたのだろう。

 

「お友達ごっこがしたいなら余所へ行け。ここはヒーロー科だぞ」

 

担任の先生、相澤先生が寝袋に包まり寝転がっていた。と言うかこの先生は何で廊下で寝転がっていたのだろうか。

 

「静かになるまで8秒、君たち合理性に欠くね」

 

「先生……ってことはこの人もプロヒーロー……見覚えがないけど」

 

相澤先生はメディア嫌いってらしく、そういうたぐいの物には一切出ないようだ。ありとあらゆるヒーローの情報を集めている出久が一目で分からないくらいなんだから相当な物なんだろう。

 

「担任の相澤消太だ。早速だが、体操服着てグラウンドに出ろ」

 

唐突過ぎる言葉に俺以外の皆が驚いている。相鉄と雷道、そして深水は俺と同じ転生者かもしれないと考えていたが、今の反応からするとそうではないようだ。敢えて驚いて見せたという考えも出来るが、そんな事をする意味はない。

それで、これからグラウンドに出て何をするのかと言うと「個性把握テスト」だ、それも入学式やガイダンスなどを省いて行き成りだ。

 

「揃ったな。これから個性把握テストを行う」

 

「入学式は!?ガイダンスは!?」

 

「ヒーローになるなら悠長な行事に出る時間はないよ、雄英は「自由」な校風が売り文句。それは「先生側」もまたしかり」

 

個性把握テストと言っても、何も特別難しいことをするわけではない。ソフトボール投げや50m走等、今まで学校でやってきた体育テストを個性ありきでやるだけの話だ。

 

「爆豪、中学の時、ソフトボール投げ何mだった?」

 

「67m」

 

「じゃあ個性を使ってやってみろ。円からでなきゃ何しても良い」

 

先生からボールを受け取り「死ね」の叫び声と共にボールを投げ飛ばした。出た結果は705.2m

それを見た生徒達からは、歓声と共に楽しげな声が聞こえて来た。中には「すげー面白そう」と言う奴もいた。

 

「……面白そうか。ヒーローになる三年間、そんな腹づもりで過ごす気か?よし、ならトータル成績再開の物は見込みなしと判断し、除籍処分としよう」

 

その言葉に皆は「理不尽だ」等と反論するが、自然災害、大事故、身勝手な(ヴィラン)、世界はは理不尽にまみれていると、そしてそんな理不尽を覆していくのがヒーローだと言う。

 

「「Prus Ultra」さ。全力で乗り越えて来い。さあ、本番だ」

 

そして始まった個性把握テスト、ジャージは大きさだけは変わってくれるので、テストの内容に合わせ変化をして次々とこなして行く。変化で飛ぶことが出来るので立ち幅跳びは∞、それ以外もいい成績と言っていいだろう。

とそこで一つ気になったことがある。それは緑谷が原作より明らかに受け継いだ個性を使いこなしているのだ。見た感じ既に「フルカウル」を使っている。そのせいもあってか早々に爆豪が難癖を付けに行って、相澤先生に止められる羽目になっていたが。原作通り指がダメになったら、個性で治してやろうかと考えていたが。どうやらそんな事はしなくてもよさそうだった。

それともう一つ、あの3人だ。相鉄はやはりあのアーマーを着ていないとダメなのかいい成績を出せていなかった。雷道も個性がテストにかみ合っていないのか、あまりいい成績ではなかった。それでも素の運動神経はかなり高いようだ。深水は水を操るという個性をうまく使いこなし、それなりにいい成績を残している。

 

さて、全項目が終了したわけだが、トータル最下位が除籍。全員が集められ、その前に相澤が立つが原作では暗い顔をしていた緑谷だったが、ここではそんな顔はしていなかった。一番成績が低かったのは葉隠だが、見えないため一体どんな表情をしているか分からない。

 

「んじゃ、パパっと結果発表。トータルは単純に合計の点数。無駄を省くために一括で開示する……ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

その言葉に多の生徒が驚き、叫んだが。八百万や相鉄など一部の生徒はソレに気付いていたようだ。

 

「あんなの嘘に決まってるじゃない、ちょっと考えればわかりますわ」

 

「……どうだかな」

 

「……?それはどういう事ですか」

 

思わず口に出ていたようで八百万が俺に尋ねて来た。

 

「あの先生は、クラスの全員を除籍処分にしたことがあるらしい。まぁ噂でしかないがな」

 

何でそんな事を知っているのかと突っ込まれても困るので敢えて噂で聞いた程度と言う事にしておく。

 

「まさか……いくら何でもそこまで」

 

 

そして初日が終了し、下校となった。とりあえずあの3人のいずれかと接触して置こうと探してみると、緑谷、相鉄、飯田、麗日の4人組を発見。

 

「む、君も無限を出していた無限男子」

 

「俺は化変司だ、お前は確か……飯田天哉だったか。それと麗日お茶子」

 

「あ!ちょうど良いところに、君の個性について聞きたいんだけれど。アレって変身するたびに身体能力は変わってるんだよね、だってテストの度に違うのに変身してたんだから。それに飛べるという事はもしかして他にも何か……」

 

「待て待て落ち着け、そのあたりの事は教えてやるから」

 

とりあえず緑谷を落ち着け俺の個性について説明する。すると興奮したように再び早口で何かを喋る出す緑谷。とりあえずそっちはもう放っておくとして、俺も相鉄に一つ尋ねる。

 

「相鉄、個性テストを見た感じではお前は個性を持っていないんじゃないか?」

 

「あぁ、その通りだよ。生憎とこんなことになるとは思っていなくってねサポートアイテムを持ってきていなかったんだよ。まぁその点についても改善方法はいくつか思いついているがね」

 

雄英の校長の「ハイスペック」的な個性を持っているかとも思っていたがそうではないようだ。どうやら素の頭脳でアレを作ってしまうほどに頭がいいのだろう。

 

(そのうち他の二人にも色々と聞いておくか……まぁこれ以上変な事は起きなければいいが)

 

だが、俺のそんな思いがやすやすと覆されることになるもの時間の問題であった。

 

 

 



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屋内戦闘訓練-その①-

雄英高校での生活が2日目を迎えたが、どうやら今回一般入試の定員は36人から40人へと急遽変更されたらしく、1クラス22人となっていたようで、峰田と青山はB組となっているとの事だった。

そしてヒーロー科の時間割はなかなかハードである。通常のクラスでは時間割は6限までだが、このクラスのみ7限もある。午前中は必修科目である普通の授業が行われ、しかも普通の授業を行う教師陣も皆プロヒーローだというのだ。

そして昼休み、この雄英高校の大食堂では「クックヒーロー」の「ランチラッシュ」が作る一流の料理を安価で頂けるというのだから驚きである。

そしていよいよ午後の授業、ヒーロー基礎学が始まる。

 

「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」

 

オールマイトの登場に、教室は一気に沸き立った。 意気揚々と教壇に立ったオールマイトが取り出したプレートには「BATTLE」と書かれていた。

 

「早速だが、今日はコレ!戦闘訓練!!そしてそいつに伴って・・・こちら!」

 

オールマイトがそういう言うやいなや、教室の壁がせり出してきてロッカーが現れた。

 

「そう!入学前に送ってもらった『個性届け』と『要望』に沿ってあつらえた…戦闘服(コスチューム)!!」

 

これにより教室内のほぼ全員のテンションが上がり、中には立ち上がって喜ぶ者もいるくらいだった。

 

「格好から入るってのも大切な事だぜ少年少女。自覚するのだ!!今日から自分は…ヒーローなんだと!!……着替えたら、順次グラウンド・βに集まるんだ!」

 

各々が戦闘服(コスチューム)に着替え、戦闘訓練が行われるグラウンド・βへと向う。すると化変が緑谷に尋ねる。

 

「出久、その戦闘服(コスチューム)は?」

 

「あぁ、これ?これはてっちゃんに作ってもらったんだよ」

 

「……なるほど、そう言う事か」

 

化変が気になったことは、出久の戦闘服(コスチューム)が原作とは違う事であった。色は黒っぽく、肩から胸のあたりにはオールマイトの戦闘服(コスチューム)と似たようなラインが入っていた。マスクは着けておらず、手足にはガントレットとレガース、肘と膝の保護は厳重そうであった。

 

(インフィニティー・ウォーの時のキャップみたいだな……)

 

そして今回のヒーロー基礎学は対人戦闘訓練だ。「ヴィラン組」と「ヒーロー組」に分かれ2対2の屋内戦を行う。

そしてこれには状況設定があり、「(ヴィラン)がアジトに核兵器を隠しており、ヒーローはそれを処理する」という設定だった。ヒーロー側は制限時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収する。ヴィラン側は制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事だそうだ。

コンビと対戦相手は、プロは他事務所のヒーローとの急増チームアップすることが多い、それを踏まえてかクジによって決定された。

 

そして第一戦、ヒーロー側は緑谷出久&麗日お茶子。そして(ヴィラン)側が爆豪勝己&飯田天哉となった。

これは原作通りの派手で危険な対戦であり、勝敗も変わらなかったが、緑谷が既にフルカウルを使えているためか、たいして怪我をしていないようだった。

 

そして場所を移して第二戦、ヒーロー側、芦戸三奈&創鉄星。(ヴィラン)側、化変司&切島鋭児郎。

 

「司だっけ、個性は変化だよな。いろんな姿に変化出来るやつ」

 

「あぁ、だがこの個性は俺も把握しきれていない。あまり期待はしてくれるなよ」

 

化変の個性は自分でも把握しきれていないものだった、今現時点で自らの意志でできる変化は、おおよそ10前後で、その変化が一体何なのかもほとんど理解していなかった。戦闘服(コスチューム)は制服と同じように作られているが、変化に合わせて見た目が変わるようになっていた。

 

「確かお前の個性は硬化だったな、だったら防御を固めるのが得策か……あのアーマーは建物ごと構造をスキャンしてきそうだからな」

 

「マジか!?あのアーマーってそんな事も出来るのか!」

 

「多分だけどな……もしそうなら一つ下の階で待ち構えていた方が良いかもしれないな」

 

すると、化変の予測通りヒーロー創鉄がアーマーの機能を使い、建物全体のスキャンし始めた。

 

「核は建物の最上階、ヒーローチームは四階に移動を開始したようだな」

 

「そんな事までわかるの?すっごいねー!」

 

「気になるのは司の個性だ、一体どんな変化を隠しているのやら……」

 

 

 

一方、その様子もモニターで見ていたオールマイトとクラスメイト達。

 

「ヒーローチームは行動を開始したみたいですが、ヴィランチームは四階に移動したきり、動きがないですね」

 

「うむ、創鉄少年のアーマーにはスキャン機能が備わっている、それで建物全体をスキャン、既に核の場所とヴィランチームの動きは把握しているようだ」

 

「なるほど。そこまで把握されてしまったとなると、ヴィランチームにとっては不利な状況ですわね」

 

「4階で止まっているという事は、その階で待ち構えるつもりかしら。動きが把握されてるのを分かっているみたいね」

 

八百万、蛙吹に対してオールマイトはその通りと答え、続けてこう言った。

 

「だが化変少年の個性はまだまだ変化を隠しているようだ、ヒーローチームは動きを把握されているが、ヴィランチームに個性を把握されていない!この戦闘は化変少年の変化次第で状況が変化するだろうな……あ!今のはシャレじゃないよ!!」

 

 

 

「なぁなぁ、司の個性ってさ俺等ん中の誰かに化けるって事、できたりしないのか?」

 

「いや、出来ない。どうも俺の変化はそういった類のものではないらしくてな」

 

化変の個性にはある制限が存在していた。

まず一つは、最低限人の形をしているという事で、鳥や魚と言ったものには変化できない。

二つめが、大きすぎるもの、または小さすぎるものには変化できない。

三つめに、変化先の顔が分からなければ変化できない。

と言う事が、いつの間にか部屋にあった表紙の無い本に書かれていた。

因みにその本によると普段使いしている姿は「サンダルフォン」試験の時に使った姿は「ゾーイ」と言うらしい。

 

「おっと……どうやら来たようだぜ」

 

「最上階に行くにはこの階段から上っていくしかなからな」

 

(ヴィラン)チームは切島が前に出て化変が後方へ、対してヒーローチームは芦戸が前に出て来た。相鉄が両手をヴィランチームへと向けた瞬間、化変と切島の体制が崩れた。その瞬間を狙い、芦戸は酸を使った素早い移動で階段を目指して進んでいく。

 

「見えない弾丸……!?空気弾か?切島!頼む!」

 

「おう!任せとけ!!」

 

切島が効果を使い創鉄の前に立ちふさがる、切島が創鉄の攻撃を防いでいる間に。上の階へと向かおうとしている芦戸を化変が追いかける。

 

「やはり硬化を使われると厄介だな……それなら」

 

創鉄が次にとった行動は、アーマーでの体当たりだった。スピードの乗ったその体当たりは切島を吹き飛ばし、そのまま化変へと向かっていく。

 

「切島!?仕方ない、アレを使うか……」

 

化変が別の姿に変化した途端、辺り一面に鋭い冷気がまき散らされる。先ずは前方にいる芦戸に冷気を放って足元を凍らせて足を止める。次に創鉄のアーマーに冷気を浴びせると、スラスターは停止、そのままの勢いで壁へと突っ込んで行ってしまった。

この姿は「イシュミール」、氷の能力を持っているが、それに反して寒さには強くない。化変自身も寒いのは苦手だったので、さっさと別の者に変化したかったが。また別の者に変化するには30秒待たなければならない。

 

「捕縛テープで巻く必要があるんだったわね」

 

凍り付いて動けなくなったヒーローチームに捕縛テープを巻き付ける。凍ったままでは不味いので30秒経過後に変化を使い、炎で氷を溶かした。炎を使っている今の姿は「パーシヴァル」という、イケメンなので化変はこの姿も気に入っていた。

ともかく、この戦闘訓練は(ヴィラン)チームの化変と切島の勝利となった。

 

 

 



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屋内戦闘訓練-その②-

Side-轟焦凍-

(アイツ、氷だけじゃなくて炎も使えんのか)

 

見た所俺の方が出力は高そうだったが、アイツはまだ力を隠してる気がする。

 

(だとしても関係ねぇ、俺は俺のやり方でやるだけだ)

 

 

Side-1-A-

 

しばらくして、第三戦め。ヒーロー側、轟焦凍&尾白猿夫。(ヴィラン)側、深水操加&雷道電磁。

 

「えっと、雷道君は電気を操るんだったよね」

 

「あぁ……そうだな、多少だが磁力も操れる」

 

この二人は実技試験時にも同じ会場に居た、なので大体はお互いの能力は把握していた。

 

「あ!そういえば、轟君の個性って分かりますか?」

 

「……確か、把握テストの時に氷を出していた気がする」

 

「なるほどなるど、それならもしもの時を考えていた方が良さそうだね!」

 

 

 

「さてと、俺達もそろそろ行こうぜ」

 

「いや、外に出てろ。危ねぇから……向こうは防衛線のつもりだろうが……」

 

焦凍は壁に手を当てると、氷の方の個性を使い、一気に建物を凍らせてしまった。

 

「俺には、関係ない」

 

「……俺って要るのか?」

 

 

 

一方、その様子もモニターで見ていたオールマイトとクラスメイト達。

 

「仲間を巻き込まず、核兵器にもダメージを与えず、尚且つ敵も弱体化!もしかしたらヒーローチームはこれで終わったと思っているかもしれないね!!」

 

「どうやら、深水さんは自分たちの周りに薄い水の膜を張り巡らせたようですわね。凍ってしまったせいで、中がどうなっているのかは見えませんが」

 

それから焦凍は、猿夫を一回に残して一人だけで階段を上り、核兵器があるであろう五階を目指して歩いていた。

 

「ほぉ、尾白君を置いて一人で上の階に、よほど自分の個性に自信があるようだね」

 

 

そして5階に到着し、核兵器がある部屋まで到達した焦凍であったが。そこで焦凍は多少ではあるが、驚くことになった。何故なら、核兵器があると思われる場所を、氷の球体が覆っていたのだから。

 

「チッ、読まれていたのか……だが」

 

そしてその瞬間、氷の球体を突き破って、数発の水の弾丸が焦凍へと向けて発射された。しかし、焦凍は瞬時に氷の壁を作って、その弾丸を防いだ。

そして、それに対して操加は右側から回り込むようにして次々と弾丸を放っていく。今度はそれに対して壁を作るのと同時に、冷気を放って足元を凍らせようとした。しかし、操加も負けじと水の壁を立ち上がらせて、何とか防ぐことに成功する。

 

「うっとおしいな……」

 

このままでは埒が明かないと考えた焦凍は、再び建物すべてを凍らせる程の冷気を放とうとした。だがその瞬間、何かが焦凍の体に巻き付いたのだ。

その巻き付いた何かを見ると、二つの鉄球が付けられていた捕縛テープであった。

 

「な……俺が、負けたのか……?」

 

「一人で来るとは余程自身があったようだな……だが、慢心しすぎだ……俺が居ない事に気が付かなかったとは」

 

そこから先はあっという間だった、焦凍と言う最強戦力を失ってしまい、尚且つ一人となってしまった猿夫はあっという間に捕縛されてしまい、ヒーローチームの負けとなってしまった。

 

そしてその後、残る対人戦闘訓練がすべて終了し……

 

「お疲れさん!どうやら皆大きな怪我も無いようだ!!そして真摯に取り組んだ!!初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!!皆は着替えて教室にお戻り!」

 

言い終えたと同時に、急ぐように走り去っていった。これは一部のものしか知らない事だが、オールマイトのがあの姿でいられる時間は限られており、そしてもうそろそろ限界を迎えようとしていた。落ち込む勝己を気にしながらも、その場を去っていくのだった。

 

そして放課後となり……

 

「なぁ!皆で今日の戦闘訓練の反省会でもしねぇか?」

 

「反省会か……アレ?そういえばかっちゃんは……」

 

「おい、出久。アレを見ろ、オールマイトが呼んでる」

 

出久が創鉄の指さした方を見ると、扉からこちらの事をのぞき込みながら、手招いているのが見えた。

 

「ゴメン、ちょっと用事があるから」

 

そう言って、出久と星はオールマイトに人気のなさそうな場所へと連れていかれた。こういう時、オールマイトがするのは出久に譲渡した個性の話だ。

 

「うん!緑谷少年もそれなりに使いこなせるようになってきて何よりだ!!」

 

「いえ、僕だけじゃそんな……てっちゃんのアドバイスのお陰ですよ」

 

「オールマイトの説明は抽象的すぎるからね、アレでは伝わるものも伝わらない」

 

「う、うむ。その件に関しては申し訳ない。私自身、昔っから感覚で使っているものでね。うまく説明できないんだ」

 

オールマイトの説明は「グッと引き締めろ」や「ガッと力を籠めろ」等、それは酷い物だった。なので、星が出久とオールマイトの個性の使い方を観察し、その違いを細かに出久に説明、そして今に至るというわけであった。

 

「あ、あの、もしかしてそれだけですか」

 

「……あぁ、それだけさ、時間を取らせてしまって済まないね」

 

再び教室へと戻ろうとしたところで、出久はふと勝己が教室に居なかったことを思い出した。

 

「あのさてっちゃん……僕の個性の事、かっちゃんには話した方が良いと思って」

 

「おいおい正気か?オールマイトに口止めされているだろう」

 

「いや、そのあたりは流石に伏せるよ……」

 

「……OK分かった、出久の好きにすると良い」

 

教室に居なかったという事は既に下校をしたとみていいだろう。なのでそのまま二人は、勝己を追いかけて外を目指すことにした。

どうやらそんな遠くまでは行っていなかったようで、あっという間に発見することが出来た。

 

「かっちゃん!!」

 

「あぁ!?」

 

「これだけは、君に言わなきゃいけないと思って……!僕の個性、人から授かった"個性"なんだ。誰かからとかは絶対に言えない!でも、嘘みたいな話だと思うけど本当で……」

 

「テメェ……馬鹿にしてんのか!?アレだけ使いこなしておいて何言ってやがる!!」

 

「違うんだ!!僕なんかまだまだで……!!いつかちゃんと自分のモノにして。"僕の力"で君を超える」

 

「おい出久……言おうとした事と違うぞ」

 

星は呆れて思わず首を横に振ってしまう程だった。すると勝己はフラフラと出久の方へと近寄りながら……

 

「何だそりゃ……?借りモノ……?俺をどこまでコケにすりゃあ気が済むんだ……あぁ!?今日俺は!!テメェに負けた!!そんだけだろうが!!そんだけ……」

 

「かっちゃん……」

 

「氷の奴を見てッ!敵わねぇんじゃねぇかって思っちまった!!それに勝ったアイツらにもだ!!クソ!!ポニーテールの奴の言う事にも納得しちまった……!!クソが!!テメェ等もだ!!こっからだ俺は!!いいか……!?俺はここで!一番になってやる!!俺に勝つなんて二度とねぇからな!!」

 

そう言い放った勝己の眼には涙が浮かんでいた。勝己のプライドはエベレストの様に高い、そんな彼がここまでになるという事は、よほどショックを受けるような出来事だったのだろう。

するとその時……

 

「いた!!爆豪小年!!」

 

訓練が終わった際に勝己に事を気にしていたオールマイトが、どうやら勝己の事を追いかけてきたようだった。それもわざわざムキムキの状態になってまで。

 

「言っとくけど、自尊心てのは大事なものだ!!君は間違いなくプロになる能力を持ってる!!君はまだまだ……」

 

「放してくれオールマイト、歩けねぇ。言われなくても俺は!アンタも超えるヒーローになる」

 

「(アレ……?立ち直ってる)あ……うん……」

 

「オールマイト……」

 

「そんな目で見ないでくれ。教師って……難しい……!!」

 

こうして勝己の導火線に火が付いた、それでも出久と星のやる事は変わらない。今までと同じく、ヒーローを目指して努力を重ねるだけ。

 

しかし、その数日後。皆は知ることになる、オールマイトの言っていた、真に賢しい(ヴィラン)の正体を。

 

 

 



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転生者用掲示板

転生者専用スレPartXX

 

:127:鬼殺隊な転生者

それで今風柱と……

 

128:名無しの転生者

うぉ!なんだコレ!?

 

129:ニュータイプな転生者

>>128

どうした、掲示板は初めてか?力抜けよ。

 

130:名無しの転生者

話の流れを遮るようで申し訳ないんだが、これは一体何なんだ?

 

131:名無しの転生者

>>130

ん~?もしかして神様的な存在から説明を受けてない?

 

132:名無しの転生者

いや、説明も何も気が付いたらヒロアカの世界に居て、そんな神様的存在には会ってすらない。

 

133:名無しの転生者

>>132

ヒロアカの世界とはこれまた微妙な……因みに個性は持ってるん?

 

134:名無しの転生者

変身する個性を持ってる、ただヒロアカの世界に存在する奴には変身できません。この前得た本には「サンダルフォン」「ゾーイ」「パーシヴァル」「イシュミール」と、自分の変身できるヤツについて載ってたけど、正直なんのやつなのだか分からない。

 

135:名無しの転生者

それって「グランブルーファンタジー」ってソシャゲのキャラだと思うんだけど、もしかしてご存じない?

 

136:名無しの転生者

いや、全く知らない。そもそもそんなソシャゲは聞いたことないです。

 

137:鬼殺隊な転生者

ふむ、大分話が長くなりそうだね。だとしたら自分でスレを立てた方が良いよ。その方が色々と恩恵を受けられるからね。

此処へアクセスできたという事は、多分やり方も大丈夫だとは思うけど……

 

138:名無しの転生者

>>137

済まない、助かる。やり方なら大体分かったので、早速やってきます。

 

 

 

1:個性「グラブル」な転生者

よし、これで良いのか?

 

2:名無しの転生者

>>1

コテハンwwwグラブル知らないのに良く略し方分かったな。あ、一応キャラの説明はした方がいい?

 

3:個性「グラブル」な転生者

>>2

いや、本に説明が追加されたから大丈夫だ。それと、少し気になる事があるんですけど、聞いてもいいか?

 

4:名無しの転生者

>>3

それは良いけど……君、変な喋り方してるね。

 

5:個性「グラブル」な転生者

>>4

変身する個性の副作用と言うか、変身先の影響を受けて喋り方に影響が出るんです。

頭で考えてることには影響しないんだが、この掲示板だとより変な感じになってしまうんですよね。

 

6:鬼殺隊な転生者

なるほど……それで。聞きたいことと言うのはなんだい?

 

7:個性「グラブル」な転生者

まず、「創鉄星」「深水操加」「雷道電磁」と言う名に聞き覚えは?

 

8:名無しの転生者

誰ぞそれ、そんな奴等ヒロアカに居たか?

 

9:鬼殺隊な転生者

残念だけど、俺にも聞き覚えが無いよ。

 

10:名無しな転生者

博識な鬼殺隊ニキも知らないとなると……どう言う事だってばよ?

 

11:個性「グラブル」な転生者

それで、俺とその三人が雄英のA組に入ったんだが、何と人数が22人居るんですよ。それで青山と峰田はB組に居るようなんだが、B組も22人になってるんだ。

それで、今初めての戦闘訓練が終わって家にいる所。

 

12:鬼殺隊な転生者

なるほど、この時点で原作とはちょっと違ってきてるんだね。因みに名前からすると「深水操加」が水を操る的な個性、「雷道電磁」が電磁力を操る的な個性、「創鉄星」が鉄を作り出す的な個性かな?

 

13:個性「グラブル」な転生者

いえ、創鉄に個性はなく無個性なようです。ただ、凄まじく頭が良いのかアイアンマンみたいなスーツを作る事が出来るようです。あ、因みに創鉄は主人公の出久と幼馴染なようです。

 

14:名無しの転生者

アイアンマンとかwwwトニー・スタークなのかな?

 

15:鬼殺隊な転生者

この掲示板にはLiveモードと言うのがあって、転生者の視界をそのまま動画として流す……一種の生配信の様なものなのだけど、そう言えばもう家に帰っているんだったね。

 

16:個性「グラブル」な転生者

なるほどそんなものが……では、明日それを使って三人の事を撮ってみます。

 

17:名無しの転生者

よろしく頼むよー。ちな、他に原作と違う点ってあるの?

 

18:個性「グラブル」な転生者

そうですね、出久が強くなっていて、コスチュームがインフィニティー・ウォーの時のキャップみたいになっているのと。轟&尾白のペアが深水&雷道ペアに負けてた事くらいか。

 

19:名無しの転生者

原作で対戦してた奴らがペアになってて草。

っていうか轟君が負けちゃったの!?あの時点じゃ氷しか使ってなかったけど、それでも強いはずなんだけど。

 

20:個性「グラブル」な転生者

いきなりの事ですっかりと忘れてましたが、こっちはもう遅い時間なんだ。

では、失礼する。

 

 

 

翌日、雄英高校へと向かうと、校門前には報道記者やカメラマンといったメディア関係者が蔓延っていた。どうやらオールマイトが雄英の教師として就任した事は、ニュースとして全国にしれらており、連日マスコミが、直接本人か生徒たち、あるいは学校の関係者に聞き込みをする為に集まっているのだった。

 

(面倒だな……少し離れた所から飛び越すとするか)

 

少し離れたところまで移動してから、塀を飛び越える。マスコミに見られることなく飛び越えることが出来たため、騒ぎにならずに済んだ。

 

(おっと、教室に入る前にアクセスしておくか……)

 

 

52:鬼殺隊な転生者

それで、どうにも知らないキャラが現状三人、スレ主含めると四人追加されているらしい。

 

53:仮面ライダーな転生者

なるほどねぇ、そうなると他にも原作には存在しないキャラも居る可能性も出てくるわけだ。

 

54:個性「グラブル」

待たせたな。何だか、知らない間にちょっとだけ伸びてますね。

 

55:名無しの転生者

来たわね、新しくこのスレを見に来た人の為に、ちょっとだけおさらいしている所よ。

 

56:仮面ライダーな転生者

とは言っても、リアルタイムでここを見てる新参は僕だけだけどね。

 

57:個性「グラブル」

仮面ライダーですか、俺も仮面ライダーは好きなのでちょっとうらやましいな。

それじゃあ、早速Liveモードをやって行くぞ。

 

58:鬼殺隊な転生者

……茶髪でガタイのいい男子が「雷道電磁」青みがかった長髪の女子が「深水操加」若いころのトニー・スタークみたいなのが「創鉄星」……で良いのかな?

うん、やっぱり知らないし、見たこともないね。

 

59:仮面ライダーな転生者

もしかしてマーベルの世界も混じってるとかないよね?僕の所、仮面ライダーだけかと思ったらマーベルのアベンジャーズも混じってる世界だったし。

むしろアベンジャーズに仮面ライダーをぶち込んだ……って言った方が正しいのかな。

 

60:ニュータイプな転生者

どう言う訳か多作品が混じった世界に転生したってのは最近ではさほど多くは無いけど聞く話。かく言う俺の転生した世界もガンダムかと思ったらスパロボだったし。

 

61:個性「グラブル」な転生者

おっと、担任が来たようなので……いや、このままでいいか。

 

62:名無しの転生者

そうしてくれると助かるよ、情報は多い方が良いからね。

 

 

「学級委員長を決めてもらう」 

 

「「学校っぽいの来たー!!」」

 

A組のほぼ全員がヒートアップ、ほぼ全員が手を挙げた。これが普通科ならばこのような事にはならなかったのだろうが。このヒーロー科では、「学級委員長」は集団を導くトップヒーローの基礎を鍛えられると言う重要な役職だからだ。ならば手を上げない理由はないのだろう。

この中で上げていない人物は、化変、轟、雷道の三人である。

 

 

63:名無しの転生者

グラブル君は立候補しないの?パーシヴァルなんか適任だと思うんだけど。

 

64:個性「グラブル」な転生者

>>63

え、それって俺の事ですか?まぁ、確かに「パーシヴァル」なら適任かもしれませんが、中学の時にえらい目に合ってんですよね。

 

65:鬼殺隊な転生者

グラブル君に一体何が……?いや、大体は想像がつくんだけど。

 

66:個性「グラブル」な転生者

え、もしかしてこれから先ここではずっと「グラブル君」呼びに?まぁ、良いんだけどさ……。

……想像がつくみたいだし、別に大したことではないから話しも良いけど。

えっと、前にも説明したんですけど、俺の喋る事って変身した先に引っ張られるんですよ。まぁ、そう言う訳で、家臣共って言っちゃったら、しばらくの間「王様」って呼ばれてたんですよ。

 

67:名無しの転生者

王www様www

 

68:個性「グラブル」な転生者

……そうこうしてるうちに決まりましたよ。一応原作通り出久が委員長と百が副委員長です。

 

69:仮面ライダーな転生者

因みにグラブル君は誰に投票したの?

 

70:個性「グラブル」な転生者

俺は出久に入れましたよ。この後天哉君が非常口君になると思うから、そしたら委員長も天哉になるだろうし。

 

71:ニュータイプな転生者

「非常口君になる」というパワーワードよwww

 

72:鬼殺隊な転生者

言わんとしてることは分かるけどwww

あ、そしたらそろそろヴィランが侵入する頃合いじゃない?

 

73:個性「グラブル」な転生者

そう言えばそうですね、一応警戒しておくとする。

 

74:名無しの転生者

原作とは違う何かが起きないとも限らないしね、警戒して置いて損はないと思うよ。

 

75:個性「グラブル」な転生者

よし、授業に集中するので一旦失礼する。

 

 

(……侵入してくるとしたら、破壊されたゲートの様子から見るに死柄木と黒霧だろうな)

 

化変には原作知識がある、とは言えどこの二人の個性はとてつもなく厄介なもので、二人まとめて一人で相手するには、出来ない事もないだろうが、できればそんな無茶はしたく無いところだった。

 

(触れただけでアウトってのは、厄介すぎるよな……)

 

 

 



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USJ襲撃-その①-

原作通り雄英には(ヴィラン)が侵入した。前もってその事を知っていた化変は、前もって職員室付近で待機し、予想通り来た(ヴィラン)は死柄木と黒霧であった。

余計な事はせず、スマホで録画して証拠として先生に提出した。恐らくこれで雄英側も警戒を強める事だろう。

 

そしてそれから数日後、ヒーロー基礎学として人命救助訓練を行う事となった。コスチュームの着用は各自の判断との事だが、皆コスチュームを着用していた。

準備を済ませ、バスが待機している場所へ行くと、飯田がキビキビとした動きでクラスメイトを並ばせていたが、バスの座席は対面式であったので、何の意味もなかった。

 

「緑谷ちゃん、あなたの個性、なんだかオールマイトに似てる」

 

唐突に蛙吹が緑谷に対しそう言うと、緑谷は明らかに動揺してしまう。

 

「出久も増強系の個性だからね。もっとも、オールマイトとは比べるべくもないが」

 

緑谷の個性の真実を知る創鉄が咄嗟にフォローを入れた。

しばらくすると、大きなドーム状の建物の前でバスが止まった。先生に引率されて中へと入ると、どこぞのアトラクションテーマパークに似た光景が広がっていた。

 

「「「すっげー!!USJかよー!!!」」」

 

「水難事故、土砂災害、火事……etc.……あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も、ウソのU災害やS事故ルームJ」

 

そんな説明をしたのは雄英の教師の一人、スペースヒーローの13号だった。どうやら麗日はそんな13号のファンらしく、一人テンションを上げていた。

 

「始める前に、お小言を一つ二つ……三つ……四つ……」

 

13号の増えていく小言の数に内心「増える……」とツッコミつつも、その話に耳を傾ける。13号の個性は「ブラックホール」その個性で災害から多くの人を救い上げている。が、その一方で、この個性はなんでも吸い込みチリにしてしまう、それはつまりいとも簡単に人を殺せると言う事だった。

13号は言う、今の超人社会は一見成り立っているように見えるが、一歩間違えれば容易くに人が殺せるような状況にあると。

この授業では心機一転、人命救助の為に個性をどう活用するかを学んでいこうという事だ。

 

「君たちの力は人を傷つける為にあるのでは無い。助ける為にあるのだと心得てください」

 

そう言って13号が丁寧に頭を下げると、多くの生徒が13号に対して拍手を送った。

そしていざ、授業を開始しようとしたところで相澤は視界の端に黒い靄の様なものを見た。その黒い靄は瞬く間に大きくなっていき、その中から何者かが悪意に満ちた目でこちらを見ていた。

 

「一かたまりになって動くな!!!」

 

迅速に雄英へと連絡を取ろうとしたが、どうにも通信がつながらなかった。恐らくヴィランの個性による妨害で通信を遮断されているのだろう。あの手この手で色々と試してみたが、やはり雄英と連絡はとれそうになかった。

 

「どこだよ……せっかくこんなに大勢連れて来たのにさぁ……オールマイト、平和の象徴……いないなんて……子供を殺せばくるのかな?」

 

相澤の警告と(ヴィラン)からの悪意により、生徒達も否が応でも気が付かされてしまった。これが訓練でもなんでもなく、本当に(ヴィラン)が襲撃してきたのだと。

 

「ヴィラン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

「先生、侵入者用のセンサーは?」

 

「勿論ありますが……」

 

だが、センサーには何の反応もなかった。通信が遮断されている事と言い、(ヴィラン)は用意周到にこの襲撃を画策していたと見るべきだろう。ならば先ずはその妨害している(ヴィラン)をどうにかしなければならない。

相澤はゴーグルを着けて首元に巻いている捕縛武器を構える。

 

「先生は!?1人で戦うんですか!?」

 

緑谷は生粋のヒーローオタクの為か、イレイザーヘッドの戦闘スタイルにも詳しかった。一人で戦おうとするのは無謀だと引き留めようとしたが……

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、生徒は任せたぞ」

 

階段を飛び降りて(ヴィラン)の集団へと突き進んでいく、個性を消され戸惑っている(ヴィラン)達を捕縛武器で絡め捕り、次々と無力化していく。

 

「すごい……!多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

 

「分析している場合じゃない!速く避難を!!」

 

飯田にせかされた緑谷も避難を開始する。だがしかし、そんな生徒たちの前に黒い靄、黒霧が立ちふさがった。

 

「初めまして。我々は(ヴィラン)連合。僭越ながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

その言葉に生徒たちは驚きを隠せなかった。オールマイト、誰もが知る№1のヒーロー、そんな彼を殺そうというのだ。

 

「まぁ……それとは関係なく、私の役目はコレ」

 

先手必勝とばかりに切島と爆豪が黒霧に攻撃を加えた。

 

「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」

 

だが、その攻撃が黒霧にダメージを与えたとは思えなかった。

 

「危ない危ない。そう、生徒といえど優秀な金の卵……」

 

「ダメだ!!どきなさい二人とも!!」

 

瞬間、黒い靄が生徒達を覆っていった。13号もそれに抵抗しようとブラックホールで吸い込んでいくが、それよりも靄が広がる速度の方が速かった。

 

「散らして、嬲り、殺す」

 

 

 

Side-緑谷、蛙吹、深水-

 

「水難んん!!!」

 

上空から水の中へと落下、すぐさま水面へと上がろうとする緑谷だったが……

 

「来た来た……!」

 

「ボガァァ!!」

 

すぐ目の前まで水中特化と思しき(ヴィラン)が迫ってきていた。

 

「おめーに恨みはないけど、ここでサイナラだ」

 

全身にワン・フォー・オールの力を巡らせようとしたその瞬間、何かが(ヴィラン)を蹴り飛ばした。どうやらそれは蛙吹だったようで、そのまま舌を使い緑谷を巻き取って一気に水上へと上がり、近くにあった船の上に避難する。

 

「ここに飛ばされたのは私と緑谷ちゃんだけかしら」

 

次の瞬間、水中から勢いよく何かが飛び出してきた、そのままこの船の上へと飛び上がって来た。

 

「おや、緑谷君に梅雨ちゃんじゃないですか!お二人もここに?」

 

二人は(ヴィラン)が飛び上がって来たのだと思い咄嗟に身構えたが、どうやら飛び上がって来たのは深水だったようだ。

 

「操加ちゃんもここに飛ばされたのね……しかし、大変な事になったわ」

 

「カリキュラムが割れてた……!単純に考えれば先日のマスコミ騒動は奴らが情報を得るために仕組んだもの……!」

 

「オールマイトを殺すつもりのようですが、そのような事が出来るのでしょうか……?」

 

「普通に考えれば無理よね……でも、殺せる算段が整っているから、こんな無茶をしてるんじゃないかしら?」

 

蛙吹の考えを聞いて、緑谷はブツブツと考え事にのめり込んでしまった。

 

(奴等にはオールマイトを殺す算段がある……多分そのとおりだ……でも、いったい何故……?)

 

するとそこに深水が……

 

「ちょっと良いですか?ヴィランはオールマイトを殺す算段がある、そうですよね?つまりそれは前もって用意周到に準備をしていた事。だとしたらちょっとおかしくないですか?」

 

「おかしい?……そうか!!下に居る連中は明らかに水中戦を想定している!つまり、此処の設計を把握してそれにあった人員を集めたという事!」

 

「だとしら何故私や操加ちゃんがここに飛ばされたのかしら?」

 

「多分それは、ヴィランが私たちの個性を把握していないんですよ!」

 

操加の言う通り、もし仮に(ヴィラン)が生徒たちの個性を把握していたとしたら、蛙吹や操加を態々水難ゾーンには飛ばさなかっただろう。この施設には火災ゾーンも存在する、普通ならそこに飛ばすはずなのだ。

 

「ふっふーん、私の個性を把握してなかった、そこがヴィランの運の尽きという訳です!いざ!!」

 

深水が水面へと両手をかざすと、水面に渦が巻き始め、あっという間に巨大な渦潮が出来上がった。

 

「なんだこりゃぁ!?引きずり込まれ……!?」

 

「おい!こんなの聞いてねぇぞ……!!」

 

ヴィランの言葉を聞く限りではやはり、(ヴィラン)は生徒達の個性を把握していなかったようだ。

そして、その大渦はあっという間に(ヴィラン)を飲み込んでいく。しばらくしてその渦が消えると、意識を失った(ヴィラン)が次々と水面に浮上してきた。

 

「いっちょ上がりですよ!」

 

「凄い……!!あんなに大きな渦をあんな数秒で作り上げるなんて!!」

 

「とりあえず第一関門突破って感じね、私達何もしてないけれど」

 

無事、水難ゾーンから脱出できた三人。初先頭にして初勝利。だが敵に自らの力が通用したという事を、錯覚していると気が付く瞬間はすぐそこまで迫っていた。

 

 

 



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USJ襲撃-その②-

イレイザーヘッドこと相澤消太は、現状に違和感を感じていた。そもそもこの襲撃は前もって予測されており、何らかの要因で外部との通信が遮断された場合でも、この場所で何らかの異常が起きた場合には、すぐに増援が来る手はずになっていたはずなのだ。

 

(チッ……いつまでたっても誰も来る様子もない、どうなってやがる)

 

しかし、未だに増援としてきたヒーローは一人もいないのだった。

 

 

 

Side-耳郎、八百万、上鳴、創鉄-

一方、場面は山岳ゾーンでは……

 

「コエー!マジで!!見えた!!三途の川が!!」

 

「良いから黙って手を動かしたまえよ!」

 

創鉄ら四人が(ヴィラン)に取り囲まれ、戦闘を行っている状態であった。

 

「そうだよ、今は口より手を動かして」

 

「今はここをどう切り抜けるかですわね」

 

現状は八百万の個性で作り出した武器を使って応戦していた。耳郎にしても個性を使った攻撃、指向性を持たせた音による攻撃で相手の動きを封じており、それに加えて相手の強さは祖程でもなく、難なく倒せるレベルのヴィランであったが、如何せん数だけは多かった。

 

「つーか上鳴、アンタ電気男じゃんバリバリってやっちゃってよ」

 

「あのな!戦闘訓練の時に見てただろ!俺は電気を纏うだけだ、放電できるけど操れたりはしねぇ、三人とも巻き込んじまうの」

 

「まぁ、僕のアーマーはその程度の電気ではビクともしないがね。そういう事で、電気を纏った状態で敵にツッコんで行きたまえよ」

 

そう言い、創鉄は雷の背中を蹴って(ヴィラン)の方へと飛ばした。

 

「ちょ!マジかよ!!」

 

放電状態の上鳴に接触した(ヴィラン)は感電してダメージを負った。

 

「あ、通用するわコレ。俺強ぇ!!」

 

だが、それを見たヴィランは上鳴から距離をとって行く、どうやらそう何度も通用すつてではなさそうだった。

 

「つーか創鉄のアーマーは何かねぇのかよ!こう……ばー!!ってやるやつ!!まさか見かけだけって訳じゃねぇだろ!?」

 

戦闘服(コスチューム)の要望に指向性を持たせなかったり、語彙力が壊滅してる君には何も言われたくないが……あるにはあるぞ」

 

「マジか!?じゃぁ……」

 

「どこでもいいからアーマーに触れて全力で放電しろ」

 

「何だか分かんねぇけど、よし!!」

 

言われた通りに上鳴は、アーマーの方の部分に手を置いて全力で放電した。周囲に放出されるはずだった電機も含め多量の電機がアーマーへと吸収されて行く。

 

「想定以上だ。三人とも、伏せたまえ」

 

創鉄の指示通り三人が伏せると、創鉄は両腕からエネルギーを照射しつつその場で一回転した。電気のエネルギーを真面に喰らった(ヴィラン)は、皆感電して倒れ伏して行った。

 

「……絶縁シートを作るまでもなかったですわね」

 

「うぇ~い」

 

上鳴を見ると、何故かアホ面を晒し、親指を立てて奇妙な動きをしていた。どうやら電気のW数が許容量を超えると、一時的に脳がショートしてこのような状態になってしまうようだ。

 

「全く君という奴は……戦闘服を改良した方が良いんじゃないか?」

 

 

 

Side-化変、尾白-

黒霧の個性によって化変と尾白は火災ゾーンへと飛ばされていた。

 

「やはり火災ゾーンだけあって、炎熱系の個性持ちが多いようだな」

 

化変がぐるりと周囲を見回すと、手から火を出している者、体に炎を纏っている者等々、様々な火に関係する個性を持っている(ヴィラン)が多く集まっているようだった。

ふと、化変は新しく追加されている新キャラの事を思い出した。化変の記憶が正しければその「エルモート」というキャラも炎を操るはずだ。

 

「俺達二人だけって……ちょっとやばくないか?」

 

先ほども言ったが、この火災ゾーンに飛ばされてきたのは化変と尾白の二人だけだった。その上既に周囲をヴィランに囲まれてしまっている状態であり、普通に考えれば圧倒的に不利な状況だろう。

 

「おい、俺が本物の炎ってモンを見せてやるぜ。精々火傷しちまわねぇように気を付けるんだなァ」

 

「ハッ!姿が変わった程度で何が出来る!?やっちまえ!!」

 

「燃えろ燃えろォ!」

 

迫りくる(ヴィラン)達の足元から炎の柱が吹き上がった。数が多い上に、個性の関係もあってか倒れた敵は少なかった。

 

「悪りぃが火の海だ!」

 

続けて火炎弾を連続で発射しヴィランを次々と吹っ飛ばしていく。その様子に(ヴィラン)も怖気づいたのか、先ほどまでの勢いが無くなっていた。

 

「あ……相手はたったの二人なんだ!数で押しつぶせ!!」

 

ただヤケクソになっているだけなのかどうかは分からないが、それでも(ヴィラン)達は突撃することを止めようとはしなかった。

 

「チッ……うっとおしいな。おい尾白、巻き込まれねぇように伏せてろ」

 

「え?お……おう」

 

「ド派手に行くぜェ!」

 

尾白が地面に伏せたのを見計らい、周囲の(ヴィラン)達を自分を中心とて発生させた炎の竜巻に巻き込んでいく。そしてトドメと言わんばかりに腕から発生させた炎で竜巻を両断するかのように薙ぎ払った。

 

「紅蓮炎獄陣!」

 

爆発するかのように竜巻が散り、後に残ったのはズタボロにされた(ヴィラン)だけとなった。

 

「うっとりするようなキレイな炎だったろ?まぁ、もう聞こえちゃいねぇだろうがなァ」

 

ゆっくりと立ち上がり周囲を見回す尾白、そして次に化変の方へと顔を向けると……

 

「ヴィランよりお前の方が怖かったよ……」

 

 

 

場面は移り変わり、イレイザーヘッドはというと……

 

「23秒……」

 

「本命か……!」

 

此方に向かってきた死柄木に対して相澤は、首に巻いた捕縛布を使って動きを封じようとした。だが、死柄木にその布をつかみ取られてしまった。

 

「20秒」

 

「ち……!」

 

周囲の(ヴィラン)をすり抜けて死柄木の方へと向かっていく。つかみ取られた捕縛布を利用し、それを引っ張る事で死柄木を自分の方に寄せて懐に潜り込んで肘による打撃を叩き込んだ。

 

「動き回るからわかり辛いけど、髪が下がる瞬間がある」

 

だが、決まったと思ったその攻撃は防がれており、死柄木の手のひらが触れている場所が崩れていた。

 

「一アクション終えるごとだ。そしてその間隔はだんだん短くなってる……無理をするなよイレイザーヘッド。その個性はじゃ集団戦との長期戦はキツイか?君が得意なのは奇襲からの短期決戦……そうだろ。それでも真正面から飛び込んできたのは生徒達を安心させるためか?随分とカッコいいじゃないか……だけどなヒーロー、本命はオレじゃない」

 

その時、相澤の後ろから巨大な手が伸び……

 

 

そして13号の方も生徒達を助けるために遺憾なくその個性の力を発揮していた。だが、それが逆に仇となった。

 

「13号、災害救助で活躍するヒーローはやはり……戦闘経験は他のヒーローと比べても半歩程劣るようですね」

 

黒霧の個性によってブラクホールと言う個性を逆に利用されてしまい。13号は自分の背中に大きなダメージを負う事になってしまった。

 

(し……しまった)

 

その様子を見て、足がすくみ動きが止まってしまう飯田、だが……

 

「飯田ァ!!!走れって!!!」

 

「くそぅ!!!」

 

佐藤の大声によって何とか再び走りがした。だが、それを黒霧がただ黙って見ているはずもなかった。

 

「散らした子供……助けを呼ばれても面倒ですので」

 

(皆を……僕が!!任された!!クラスを……!!僕が!!)

 

目の前に出現した黒霧の個性による靄に飲まれそうになったその瞬間、何かがその靄を吹き飛ばして行った。

 

「これ以上好きにさせるか」

 

黒い靄を吹き飛ばして登場したのは、再びサンダルフォンの姿となった化変であった。

 

「今のうちに早く行け!!」

 

黒霧を化変が抑えている間に何とか、飯田は何とか外に出る事に成功した。飯田の個性があればすぐに助けを呼びにけるだろう。

 

「……」

 

黒霧はそれを追う事もなく、個性を使い死柄木の傍まで移動した。そしてその傍には脳がむき出しの怪物に押さえつけられ、腕をへし折られた相澤の姿があった。

 

「死柄木弔」

 

「黒霧、13号はやったのか?」

 

「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして、一名逃げられました」

 

「はぁ?あー、あっそ……じゃぁアレ使うか」

 

「宜しいのですか?アレは得たいがしれない、何が起こるか……」

 

「いいから早く出せよ」

 

黒霧が個性を使い再び黒い靄を出すと、そこから出て来たのは、赤い球体の周りに黒い水晶が浮かび、その頭上に天使の輪っかが付いた、得体のしれないナニかだった。しかも、それだけではなく……

 

「はははッ!!良いじゃんコレ!!これは面白い事になりそうだ!!!」

 

本来ならヒーロー側であるはずの、エクトプラズム、セメントス、ミッドナイト、プレゼント・マイク達までもがその靄から出て来たのだった。

 

 

 



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USJ襲撃-その③-

黒い靄から出て来た者達が、その光景が化変は理解できなかった。いや、ここに居る雄英側の人間は誰一人として理解できていないだろう。

 

「な……何の冗談だ……それは」

 

イレイザーヘッドが個性を使ってヒーロー達を見た。もしも個性で操られているならば、抹消してしまえば解けるハズだった。だが……

 

「冗談?俺達はヴィランです、何の冗談でもないないですよ」

 

相澤の問いに対して、そう答えたのはセメントスだった。

 

(どうなってる、個性で操られている訳じゃないのか?)

 

脳無に再び頭を叩きつけられ、相澤は今度こそ本当に気絶してしまう。しかし、化変の方もただ何もしなかったわけでもなく、現状を打破するために、アレに接続していた。

 

 

198:個性「グラブル」な転生者

緊急事態、アレが何なのか教えてくれ。

 

199:名無しの転生者

来て早々にLiveモードか……なるほど、確かにあんなのはヒロアカで見たことないな。

 

200:名無しの転生者

ってか、何で教師陣がヴィラン側にいるの?

 

201:名無しの転生者

そう言う個性か?いや、個性だとしたらイレイザーヘッドの個性で解けてるか。

 

202:鬼殺隊な転生者

いや、確かアレってグラブルに出てくる魔物みたいなものだったと思う……確かエクシアとか言う名前で、バーサスの方では記憶を改竄するとか言う厄介な事をしてきた。

 

203:個性「グラブル」な転生者

分かった、それで対処法は?アレを倒せば元に戻るのか?

 

204:ニュータイプな転生者転生者

バーサスだと戦った後に記憶は戻ってたよね、でも確かにエクシア自体を倒しちゃった方が速いと思う。

 

205:個性「グラブル」な転生者

分かった、早速やってみる。念のためLiveモードはこのままにしておく。

 

 

化変がエクシアを倒すために突撃すると、エクトプラズムが分身を作り出した。その分身に対して次々と光線を発射して分身を攻撃する。

 

「YEAHHHHHHHHHHHHHH!!!!」

 

その分身に気を取られている内に、プレゼントマイクの声による攻撃が飛んでくる。それを受けてしまい思わず竦んでしまうと、セメントスの個性によって操られた床が化変へと迫って行く。無論それにとらわれぬように素早く移動して回避する。

 

(チッ……そう簡単にはやらせてはくれないか。それにエクシアのすぐ近くにはミッドナイトが控えている、個性で眠らされでもしたらそこで終わりだぞ……!)

 

そんな様子を見ている生徒達も、その場から動けずにいた。戦いのレベルのあまりの違いに、自分たちでは足手まといにしかならないと悟ってしまったからだ。

 

(長くは持たないが、リミッターを解除するか)

 

すると、ましたから巨大なエクトプラズムが大きな口を開けて迫って来た。その上横からはセメントスが操作している床が迫ってきている。

 

「生徒如キガ、イツマデモ逃ゲラレルト思ウナ」

 

(クッ……マズイ!)

 

だが、その時。凄まじい量の水が押し寄せてエクトプラズムを押し流して行った。

 

 

 

Side-切島、爆豪、雷道-

一方倒壊ゾーンでは、切島、爆豪、雷道等が群がる(ヴィラン)を全て倒していた。

 

「これで全部か、弱ぇな」

 

「っし!早く皆を助けに行こうぜ。多分皆USJ内に居るだろうし、攻撃手段の少ねぇ奴らが心配だ!」

 

「さて……此処からどうする?」

 

「俺はあのワープゲートをぶっ殺しに行く!」

 

「この期に及んでそんなガキみたいな……」

 

「うっせぇ!」

 

そして雷道も少し考えた後に……

 

「……確かに、あのワープゲートを抑えておくのには賛成だが、何か作戦はあるのか?」

 

「当然モヤの対策が無いわけじゃねぇ」

 

すると、そんな様子を見ていた(ヴィラン)が背後から近づいて攻撃しようとするが……

 

「……背後から攻撃すれば、行けるとでも思ったか」

 

雷道は振り向くことなく電撃を飛ばし、その(ヴィラン)を倒してしまった。実は雷道は個性の影響か体から微弱な電磁波が出ており、それが360度全てを把握するレーダーの様な役割も果たしているのだ。

 

「……ケッ!んな三下の奇襲なんざわかってたわ!!」

 

「……この程度なら、他の奴等も大丈夫だろう。それで……俺と爆豪はワープゲートを抑えに行くが、切島、お前はどうするんだ?」

 

「ダチを信じるか……男らしいじゃねぇか!ノッたぜおめぇ等によ!」

 

 

 

凄まじい量の水でエクトプラズムを押し流したのは深水だった。エクトプラズムの分身が押し流されたことにより道が開け、化変はセメントスからの攻撃を回避するが。そこに物凄い速さで飛んできた脳無の攻撃が迫っていた。

 

(リミッターを……ッ!?)

 

間一髪のところでリミッターを解除が間に合い、なんとか脳無の攻撃を防いだものの、殴り飛ばされて地面に叩きつけれ、かなりのダメージを負ってしまった。

 

「オールマイトはいつ来るんだよ、アレにやられてないなら来てもいいころだろ」

 

 

237:個性「グラブル」な転生者

マズイなリミッターを解除したのはいいが、キツイぞこれは……!

 

238:ニュータイプな転生者

オールマイトまで記憶改竄されてたら終わりだったけど、死柄木の台詞からするとオールマイトは改竄されてないのか?個性の中には歴代の継承者の意思があるから、精神系の攻撃には対処出来そうだけど。

まだ来ないってことは、何かあったのか……?

 

238:鬼殺隊な転生者

グラブル君はリミッターを解除したんだよね、でもその状態でまだ6枚羽って事は完全にリミッターが解除されたわけではないと思うんだ。十二枚羽は無理なの?行けたら脳無なんか余裕だと思うけど。

いや、そもそもサンダルフォンの強さなら6枚羽にすらならなくとも十分だと思うんだけどなぁ。

 

239:個性「グラブル」な転生者

十二枚羽?まだ上があったのか……でもそれはまだ無理そうだな。

多分、俺が個性を使いこなせてなからだろうな。だから本来の力を全く発揮できてないんだろう。

 

240:名無しの転生者

水でエクシアもやられてくれれば問題が一つ解決したんだが、流石にそうは上手く行ってくれないか。

 

241:名無しの転生者

ミッドナイトがエクシアの傍から動かないのが唯一の救いか、ミッドナイトにまで来られたらかなりヤバいよね。

 

 

「パラダイス・ロスト!」

 

頭上に出現させた魔法陣から数多の光線を脳無降り注がせる。その光線は何度も脳無とエクトプラズムの分身をを撃ち貫くが、脳無の個性によって高速で再生してしまっていた。エクトプラズムの分身にしても、本体をどうにかしない事には際限なく出てくるため、いくら分身を倒しても無意味だった。

プレゼン・トマイクとセメントスの標的が化変から、緑谷達に変わり、一先ず化変の負担を減らす事には成功した。

 

「どうしましょう緑谷君、思わずやってしまいましたが、これはどう言う状況なんでしょう!?」

 

「多分だけど、あの変なのが関係してるんだと思う。でも、抹消でどうにか出来なかったという事は個性じゃない?だとしたら一体アレは何なんだろうか……」

 

「考えるのもいいけれど、どうにかしないと化変ちゃんが大変よ」

 

「ともかく、アレに攻撃してみますね」

 

エクシアに対する水弾を連射して攻撃するが、その攻撃は教師陣によって全て防がれていた。一方で出久は、この状況を打破するにはどうしたら良いのかを考えていた。

 

(あの変なのを攻撃されるのを嫌っているという事は、やっぱりアレをどうにかすれば先生達は元に戻るに違いない。でも、どうすればアレに攻撃を届かせることが出来る?深水さんの攻撃も防がれてしまっているし、どうにかして不意を付くことは出来ないか……)

 

深水が水難ゾーンにある膨大な水の巧みに使う事で、教師陣の攻撃は防ぐのに一役を買っているは確かだが、それでも完璧に防げるわけではなく、防御に手いっぱいでエクシアに対する攻撃は出来なくなってしまっていた。

 

(そうだ!一瞬でもいい、一瞬でも良いからアレから気をそらせれば!)

 

出久が思いついた作戦はこうだ、先ずは深水の個性で再び膨大な量の水で教師陣に攻撃をする。

 

「無駄な事ですよ」

 

当然それは二度も通用するものではなく、セメントスによって防がれるだろう。だが真の狙いはセメントスの作った壁と、まき散らされた水によって視界を制限する事だった。

 

「梅雨ちゃん!!」

 

その一瞬をつのスキを突き、蛙吹が緑谷をエクシアまで飛ばし、緑谷がエクシアを撃破する。作戦は見事成功し、緑谷はエクシアに対して拳を振るった、だが……

 

「え……?」

 

間に入った脳無によって、エクシアに対する攻撃は防がれてしまった。

 

(速ッ……!いつの間に……!?)

 

そして、脳無の腕が緑谷に振り下ろされようとした瞬間。逆に脳無が吹き飛ばされて行った。そして脳無を吹き飛ばした誰かは出久を抱えて地面に着地した。

 

「もう大丈夫、私が来た」

 

そう、脳無を吹き飛ばして現れたのは、他ならぬオールマイトであった。

 

 

 



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USJ襲撃-その④-

瞬間、オールマイトは一瞬にして相澤を救出、その後にエクシアを粉砕しようとした。だが、それは当然脳無によって阻まれてしまう。

 

「私もアレにやられて意識を失っていたが……私と彼らで何が違ったのか」

 

どうやらオールマイトもエクシアの記憶改竄を受けていたようだ。だが他の教師たちとは違い、記憶を改ざんされることは無かったようだが、その代わりに意識を失ってしまっていたようだ。

 

「助けるついでに殴られた、ハハッ……流石に速い、目で追えなかった。でも、思ったほどじゃない。本当だったんだな……弱ってるって話」

 

「オールマイト、駄目です!あの脳みそヴィラン、化変君がどんなに攻撃しても直ぐに再生してしまって……!」

 

「緑谷少年、大丈夫!」

 

緑谷に対してピースサインで答えると、オールマイトは一気に脳無の懐へと飛び込み打撃を与えた。

 

「マジで効いてないな!!」

 

だが、相手は脳無一人だけではない。記憶を改竄されてしまった教師陣もオールマイトを倒すために攻撃を開始したのだ。

 

「Shit!!これは本当に……!!やりづらいな!!!」

 

相手が脳無ならオールマイトも全力で力を振るえるだろうが、相手が教師陣ではそうもいかなかった。

化変等もオールマイとに攻撃が集中している隙にエクシアをどうにかするために動いたが、エクトプラズムの分身がそれを阻む。

 

 

273:名無しの転生者

オールマイトが来たのは良いけど相手が教師じゃな、全力で攻撃するわけにも行かないし。

 

 

274:名無しの転生者

しかしエクトプラズムの分身が厄介ですね、ほとんどオールマイトの方に向かっているのに、数人でこちらの攻撃が抑えられてしまってるんですから……流石はプロヒーロー。

 

 

275:個性「グラブル」な転生者

脳無だけなら手がない事も無いんだけど、どうにかならないものか……

 

 

276:仮面ライダーな転生者

お、何か手がある感じ?

 

277:個性「グラブル」な転生者

割とえげつない方法だからあまり使いたくはないけど、そんな事も言ってられないからな。後はどうやって脳無だけを引きはがすかだが……

 

 

その時だった、何処からともなく放たれた冷気が次々とエクトプラズムの分身たちを凍らせていった。

 

「この冷気は轟か!?」

 

「どう言う状況だか分からないが、攻撃されてるってことはそういう事でいいんだな?」

 

隙をついて凍らせることは出来たが、凍らせているのは足元だけな上にプロ相手には長くは持たないだろう。だが一瞬隙さえあれば十分だった。その一瞬の隙を狙って化変はエクシアを狙い打った。

見事化変の放った光線はエクシアを貫いた。貫かれたエクシアは消滅し、記憶を改善されていた教師陣は動かなくなってしまった。ともあれ、これで残すは脳無だけとなり、形成は逆転したと言えよう。

そうなれば化変のやる事は一つだった。

 

「少し離れてくれオールマイト」

 

「化変少年、一体何を言って……」

 

「あんたを巻き込まない自信がない、それにこれを喰らうのはあんたでもマズイ」

 

化変が別の者へと姿を変える。はたから見ればそれは只の少女にしか見えなかっただろう。この姿の名前は「リッチ」当然ただの少女の訳が無かった。

 

「さっきやられた分、憂さ晴らしさせてもらうね」

 

だがその姿から異様な雰囲気を感じたオールマイトは、言われた通りに脳無から距離をとった。

 

「おらおらおら」

 

化変が手を振るうと白い何か、所謂幽霊のようなものが脳無を包み込んでいく。するとそれに包まれた脳無が腐ったかのように崩れ始めた。それに加え、脳無の目からは血の涙が溢れてきていた。

 

「お……おぉ、これはちょっとえげつないな」

 

その光景を見たオールマイトは思わず引いてしまった。

 

「並みのヴィランよりヴィランしてるじゃん……何なんだよアイツ」

 

いくら外部からの衝撃に強かろうが、体内を毒に侵食されればどうにもならないだろう。だがそれだけならばもう一つの超再生でどうにかなったかもしれないが、これには毒に加えて腐敗の効果もあった。その二つが合わさる事によって、脳無の超再生を上回る速度で侵食することが出来ているのだ。

そしてなぜオールマイトを脳無の傍から離れさせ、化変自信も味方から距離をとったからと言うと、この技は敵味方問わず周囲に居るもの全てを巻き込んでしまうからだった。

 

「あ……もう限界なんで、後をよろ」

 

長い時間リミッターを解除した反動でまともに動けなくなってしまう化変。だがもう勝負は決したようなものだろう、毒と腐敗に侵食されてまともに動くことも出来ない状態、こんな状態の脳無にオールマイトが負けるはずもない。

そして次の瞬間、オールマイトの拳が脳無の腹部にクリーンヒットする。だが一発にはとどまらずそこからさらに何度も拳を叩き込んでいく。

 

「無効ではなく吸収ならば限度があるんじゃないか!?」

 

そして百発近く打ち込んだ後に大きく拳を振りかぶり……

 

「Plus Ultra!!」

 

その声と共に拳を振り抜くと、脳無は天井を突き破りUSJの外にまで吹き飛ばされて行ってしまった。

 

「やはり衰えた、全盛期なら五発も撃てば十分だったろうに……百発近くも撃ち込んでしまった」

 

「何が衰えただよチートがぁ……!全然弱ってないじゃないか!あいつ……俺に嘘を教えたのか!?」

 

更に、そこへタイミング良く助けを呼びに行っていた飯田が戻って来た。

 

「ただいま戻りました!!」

 

駆け付けた教師陣の姿を確認した死柄木は撤退するべく、黒霧に個性の発動を促した。だが、それを阻止すべくスナイプの撃った弾丸が的確に死柄木の手足を撃ち抜いた。

 

「ぐッ……黒霧!早くしろ!!」

 

黒霧の個性が発動するが、それを逃すまいの13号がブラックホールで引き寄せようとする。だが、黒霧の個性の方が発動が速く、あえなく(ヴィラン)達には逃げられてしまった。そして去り際に死柄木は……

 

「今度は殺すからな、平和の象徴オールマイト」

 

そう言い残し、消えていった。

 

「まさか予想の上を行かれるとはね。それより今は生徒の安否だ」

 

今回のこの襲撃は、雄英の防護壁が破壊と化変の撮った証拠映像によって予測され、更にそれに備えられていたはずだった。だが実際はどうだろうか、警護を担当していた教師陣はエクシアによる記憶改竄を受けてしまっていた。何とかオールマイトは免れたようだが、仮にオールマイトまで記憶の改竄を受けていたとしたら、それはもうとんでもない事になっていただろう。

 

 

そしてとある場所、隠れ家とも言えるバーに現れた黒い靄から死柄木が現れて床へと倒れこんだ。

 

「完敗だ……脳無もやられた。手下共は瞬殺だ、生徒共も強かった……平和の象徴は健在だった……!話が違うぞ先生……」

 

『違わないさ』

 

それを否定する声が聞こえて来たのは、カウンターの端に置いてあるテレビモニターからだった。

 

『ただ、見通しが甘かったね』

 

その中年くらいの声の男は、諭すかのように死柄木へと話しかける。

 

『うむ、舐めすぎたな。(ヴィラン)連合なんちゅうチープな団体名で良かったわい。ところで、ワシと先生の共作脳無は回収してないのかい?』

 

その中年の男よりも更に年老いた男の声がモニターから聞こえて来た。

 

「吹き飛ばされた場所の正確な位置が分かりませんでした、それではいくらワープとは言えど探せません。それに時間もありませんでした」

 

『せっかくオールマイト並みのパワーにしたのに……まぁ、仕方ないか、残念』

 

口では残念と言っているが、その脳無に対してはもう何の感慨も抱いてないような口ぶりであった。

 

「……それより先生、教師共を操れたのは良かったんだが、結局のところアレは何だったんだ?」

 

『操るのとは違うね、アレは記憶を改ざんして自分がヴィランだという記憶に変えられてしまったのさ。そしてアレがなんなのかは、今は秘密にしておこう。後の楽しみとして取っておきたいからね』

 

「それと、オールマイト並みのパワーを持つ奴がいたな……それに姿を変える奴とそ、あの水を操るやつも……!!あいつらが居なければオールマイトを殺せたかもしれないのに……!クソがッ……!」

 

『悔やんでも仕方がない、今回の事だって決して無駄ではなかった。今度はじっくりと時間をかけて精鋭を集めようじゃないか。我々は自由には動けない、だからこそ君の様な「シンボル」が必要なんだ。死柄木弔!今度こそ君と言う恐怖を世に知らしめようじゃないか!!』

 

先生と呼ばれた男が死柄木に奮起を促す言葉をかけると、死柄木は次第に落ち着いていった。

しかし、一方で先生は今回の襲撃でオールマイトを殺せるなどとは思っていなかった。今回の雄英襲撃による敗北には死柄木の成長を促すという別の目的もあったのだ。

 

「まさかこれ程早く私の求めるものに出会えるとはね、何たる幸運か」

 

それに加え、とある目的も思いがけずに達成することが出来た。はたして、その目的とは一体何なのだろうか。

 

 

 



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USJ襲撃-その後-

USJ襲撃による事件も幕を下ろした。この事件による重傷者は脳無にやられ、両前腕粉砕骨折、顔面骨折となった相澤と、黒霧にやられ、背中から上腕にかけての酷い裂傷を負った13号の二名。そして軽症者として、リミッターを長時間解除して体に負担をかけ過ぎた化変の一名。本来なら緑谷も両足に重傷を負うのだが、既にある程度個性を使いこなせているために怪我を負う事はなかった。

そしてエクシアによって記憶の改竄を受けていた教師陣はと言うと、記憶は元に戻ったようだが、突然の奇襲を受けたようで、当時の詳しい状況などは覚えていないようだった。

 

余談ではあるが、黒霧を倒すと息巻いていた爆豪は、結局到着するころには全て終わっており、自らの活躍が無くなったことにブチ切れていた。

 

 

324:個性「グラブル」な転生者

なんとかUSJ襲撃事件が終了しました。

 

325:名無しの転生者

いきなりLiveモードが途切れたから心配だったけど、無事で何より。

 

326:鬼殺隊な転生者

Liveモードは使用者が気絶したりで意識を失うと終わる仕様になってるからね。

 

327:個性「グラブル」な転生者

リミッターを長時間解除してたせいで体にかなり負担がかかってしまいまして、途切れたのは多分そのせいですね。

 

328:名無しの転生者

それにしても、よく雄英の教師を四人も相手にして戦える事が出来たよね。

 

329:個性「グラブル」な転生者

いえ、それは教師陣が弱くなってたからですよ。記憶を改竄されたからなのか、理由は分かりませんが、多分本来の力を殆ど発揮していない状態でしたよ。

 

330:ニュータイプな転生者

そう言えばリッチって骸骨みたいな星晶獣じゃなかった?あんな少女みたいな感じじゃなかったと思うけど。っていうか、喋り方が安定してきたね。

 

331:名無しの転生者

リッチは割と最近になって実装されたリミテッドキャラですね。まぁ転生した年代なんて人によって違うでしょうからね、知らない人も当然いるかと。

 

332:仮面ライダーな転生者

それもいいだけど、個人的にはエクシアがヒロアカの世界に居たことが気になる。そもそもあれはグラブルの世界の奴だからね。

 

333:個性「グラブル」な転生者

そのエクシアの事について詳しく教えてもらえると助かるんですが……

>>330

喋り方は多分これに慣れて来たから安定したんだと思います。昨日は戦闘中でしたのでそれどころではありませんでしたが。

 

334:鬼殺隊な転生者

そうは言われてもグラブルって分からない事の方が多いんだよね。ベリアルがエクシアという混乱の種をまき散らしてたくらいにしか情報がないし。それに記憶の改竄なんて副産物程度の物でしかなかったはずだよ。

 

335:個性「グラブル」な転生者

思って以上に情報が無いですね。しかし、これは言った方が良いのか、言わない方が良いのか……

 

336:名無しの転生者

言ったところで信じられるか怪しいとと思うよ。恐らく高確率で何言ってんだコイツってなるんじゃないかな。

 

338:鬼殺隊な転生者

俺達にとっては当たり前の事だけど、普通の人からしたら別の世界があるなんて信じられないようなことだものね。

 

339:個性「グラブル」な転生者

確かにその辺りをよく考えて行動した方がよさそうですね……ん?創鉄から電話が来たので一旦失礼……

 

 

『やぁ化変、一つ聞きたいんだが、君は電気を操る者に変化出来るかな』

 

「電気?どうだったかな、少し確認して来るから待っていてくれ」

 

 

340:個性「グラブル」な転生者

グラブルのキャラで電気を操る事が出来る奴っています?

 

341:ニュータイプな転生者

いるよー、SSRキャラだとアルベールやユーステスがそうかな、両者共に武器ありきだけど。

 

342:鬼殺隊な転生者

フェザーも電気出してなかった?あ、それとSRだとアレクってキャラが電気出せるけど、どれか変身できるキャラいる?

 

343:個性「グラブル」な転生者

アルベールが出来ますが武器ありきとなるとちょっと問題が……ゾーイ等みたいに武器を召喚できるのなら問題ないんですが。

 

344:名無しの転生者

そう言えば襲撃の時のリッチ、杖持ってませんでしたね。

 

345:仮面ライダーな転生者

グラブル君の戦闘服って変身するたびに変わるけれど、それって自分のDNAを組み込んでるからでしょ?それって武器にも同じことできないかな。

グラブルって武器ありきで力を発揮するキャラも結構いるから、そう言う武器を作ってもらった方が良いと思うよ。

 

346:個性「グラブル」な転生者

なるほど、ありがとうございます。電話の続きをしてきますので再び失礼……

 

 

「済まない、待たせたな。一応電気を使う事は出来るが、ちょっと条件が必要でな、少し協力して欲しいんだが」

 

「なるほど、別に構わないよ。それで、僕はなにをすればいいんだい?」

 

「あぁ、それはだな……」

 

 

USJの襲撃の翌日、学校は臨時休校となった。しかし創鉄は用事があるからと言い、上鳴、化変、雷道等をある場所に呼び出していた。

呼ばれた場所は雄英の敷地内の一角だった。三人がその場所へと到着すると、その場所にはゴテゴテしているが、円状で大きな謎の装置が組み立てられていた。そしてその傍には創鉄だけではなく、オールマイトの姿もあった。

 

「なぁ創鉄、こんな所に呼び出して何するつもりなんだ?ってかそのデッケー装置は何なんだ」

 

「ちゃんと説明するから少し待っていたまえよ。それと化変、要望の物はちゃんとできているから、その分ちゃんと協力してくれたまえよ」

 

そう言って創鉄が化変に手渡したのは球体の様なものだった。

 

「小さな穴の開いている部分に血を付けてから変化したまえ。そうすればその変化に合わせてそれも変わるはずだ」

 

言われた通りに球体に自らの血を付けると、白いラインが赤色に変わっていった。その後アルベールへと変化すると、先ほどまで球体だったはずのそれは、見事に剣へと変化していた。

 

「上手くいったところで何をするのか説明するが、することはいたって簡単だ。君達にはこの装置に電気を流してもらいたい、それも極力全力でね」

 

「それは構わないが……オールマイとは何故ここに?」

 

「何かあった際に対処してほしいと頼まれてしまってね!だが私が居るからと言ってあんまり危ない事はしないでくれよ?」

 

「分かっている、心配はないさ……では頼むよ」

 

三人らがその装置に電気を流すと、中心に置かれたものに向かってレーザーの様なものが照射され始めた。

しばらくして創鉄がストップの声を掛け、中心に有った物を取り出しに向かった。

 

「ふむ、問題なく完成したようだ。君達には感謝する」

 

今回創鉄が作った物は、創鉄が着用しているアーマーを動かす際に使われるバッテリーの様なものだ。今まで物のでは非常に燃費が悪く、長時間の運用は出来なかった。

USJの襲撃の際、終わり際にはバッテリーが切れてしまい、アーマーは只の重りと化してしまった。もし今後何方あった際に、再びアーマーが役立たずな喪になってしまったら目も当てられない。故にこうして新しいバッテリーを作る事にしたのだ。

 

「……その小さい輪っかみたいなのは何なんだ?」

 

「詳細は省かせてもらうが、簡単に言ってしまえば半永久発電機関だ」

 

「嘘だろ!?そのちっさいのが!?」

 

「最近の若い子って、凄いなッ……!」

 

皆が驚くのも無理はないだろう。雄英高校にしてもかなり高い技術力を持っているが、仮に半永久発電機関が作れたとしてかなり巨大なものになってしまうハズだ。しかし、化変はそれをほんの10cm余りと言う小さなサイズで作り上げてしまったのだ。

 

「あぁそうだ、これは上鳴に」

 

そう言って創鉄が上鳴に手渡したのは今さっき作った半永久発電機関に似た形のものと、甲の部分とと指先に金属の様なパーツの取りつけられた一組の手袋であった。

 

「何かさっきのに似てんな」

 

「それはちょっとした発電機だ、それを戦闘服に取り付けておけば君が動くたびにそれに電気が充電されて行く仕組みになっている。それとその手袋の方は簡単に説明すると、電気を弾丸のように飛ばすことが出来るようになる。今回の協力の例だとでも思ってくれたまえ」

 

「マジかよ!?こんなスゲーもんくれんのかよ!ありがとな!」

 

「雷道、君にも貸しとしておくよ。何か必要な物があるのならば遠慮なく言ってくれたまえ」

 

「分かった……その時が来たら頼む」

 

その後解散となり、化変は再び掲示板へと接続する。

 

 

379:個性「グラブル」な転生者

ただいま戻りました。

 

380:呪術師な転生者

おかえりー、そして初めまして。名前で分かると思うけど、呪術廻戦の世界に転生した者です。

 

381:鬼殺隊な転生者

おかえり、それで創鉄に呼び出されてったみたいだけれど、一体どんな用事だったの?

 

382:個性「グラブル」な転生者

>>380

初めまして、こっちはヒロアカの世界に転生したものです。

>>381

どうやらリアクター作りに強力な電気が必要だったみたいで、呼び出されたのはそれです。

 

383:名無しの転生者

リアクターって、あのアーク・リアクターの事ですよね?確かにヒロアカの世界も技術力は高いですけど、もうリアクター作っちゃったんですか……!?

 

389:個性「グラブル」な転生者

創鉄の技術力やばいですよ、僕の変化する武器も一日で仕上げてくれたんですから。

 

390:仮面ライダーな転生者

一日って、ジョバンニかよw

 

391:名無しの転生者

そう言えばUSJ襲撃の後は雄英体育祭だったよね。

 

392:名無しの転生者

確かグラブル君を含めると原作より四人生徒が増えてるんでしたっけ?これは原作にはない流れになりそうですね。

 

393:鬼殺隊な転生者

創鉄は無個性なんだったよね?確か体育祭は戦闘服の着用が禁止されてるけど、どうするんだろ。

 

394:個性「グラブル」な転生者

確か例外はサポート科が自分で作り上げた物とでしたね。後は個性によって必要な場合もそうだったかと……創鉄のコスチュームは自分で作ってますし、無個性だから許可はおりそうですけど、その辺りは実際に当日になってみないと何とも言えませんね……

 

395:鬼殺隊な転生者

確かにね、じゃぁ雄英体育祭の時もLiveモードをよろしくね。

 

395:個性「グラブル」な転生者

了解です。

 

 

 



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雄英体育祭-①-

臨時休校の翌日、雄英高校は予定通り開校されたものの、どこからか情報が漏れたのか数多くのマスコミが雄英に押し寄せていた。

 

「朝のHRが始まるぞ、席に付けー!」

 

「ついてるよ、ついてないのおめーだけだ」

 

それから少しすると、包帯を体中に巻き付けた相澤が現れた。教室中から驚きの声と心配の声が上がっていたが、相澤はそれを制して話を始めた。

 

「雄英体育祭が迫っている」

 

「「「クソ学校っぽいのきたぁぁぁぁ!!」」」

 

しかしそれに対して、ヴィランが侵入したばかりなのに開催しても良いのかという声が上がった。

 

「だからこそ開催するんだ、雄英の管理体制が盤石だと示すためにな。それに警備体制は例年の五倍になる」

 

そして何より、雄英にとって体育祭は最大のチャンスだ。かつてはオリンピックがスポーツの祭典と呼ばれ全国が熱狂したが、個性の発言に伴いそれも縮小して形骸化していった。雄英体育祭はそれに代わる日本のビッグイベントの一つとまで言われているからだ。

そして全国のトップヒーローもスカウト目的で観に来る。つまり、それの結果次第で将来の人生がが左右されることになる。そしてチャンスは年に一度で計三回のチャンス、プロヒーローを目指すならば絶対に外せないイベントなのだ。

 

午前の授業が終わると生徒達が化変の周りに集まり出した。

 

「化変、USJの時は助かったぜ、ヴィランに操られていた先生達に一人で立ち向かっていくなんて」

 

「俺達なんて動けなかったからな、化変がいなけりゃどうなってたか……」

 

むしろそれが当然の反応と言えよう、相手はプロで複数人も居たのだ。むしろそれに立ち向かっていた化変の方がどうかしている。

 

「……俺一人だけじゃない、緑谷と深水が居なければ俺もどうなっていた事か」

 

「いえいえ、USJに大量の水があったからこそ何とかなった訳でして」

 

「そんな、僕なんか対して役に立ててなかったよ」

 

「それに轟もだ、いいタイミングで来てくれた」

 

「……あぁ」

 

するとそんな様子を見ていた爆豪が勢いよく立ち上がったかと思うと、化変の元へと歩いてきた。

 

「いつまでも調子に乗ってられると思うなよ、俺はテメェも超えていくからな……!」

 

それだけを言うと再び自分の席に戻って行った。その後、化変は緑谷や創鉄、飯田や麗日と共に食事をするために学食へと向かった。だが、その途中でオールマイトが皆の前に現れた。

 

「緑谷少年と、創鉄少年が……居た!!ごはん一緒に食べよ?」

 

その言葉に思わず吹き出してしまう麗日。すると化変が緑谷へと近づいてそっと耳打ちする。

 

「緑谷、オールマイトと話すなら俺も同行する」

 

「え?……いや、でも」

 

「心配するな、オールマイトの弱体化なら俺も知っている。体調を見抜ける変身があるからな」

 

当然そんな変身は無い、だが原作知識などと言う事を言う訳にも行かないので、あえて嘘を言ったのだ。

 

「まさか化変少年にも知られていたとは……」

 

「当然、この事は何処にも漏らしていないので心配はいらない」

 

「それで、私に話があって来たのだろう?こちらの話はその後にしよう」

 

化変はあごに手を当て、何から話すべきかとしばらく考えた。前にも掲示板通り馬鹿正直に話しても信じることが出来ない話故に、この件よく考えて話さなければならない事だからだ。

 

「まず一つだけ質問をしたい、先日の件の先生達と共に靄から出て来たアレ……その後何か判明したことは?」

 

「あ、それは僕も気になっていました。アレが個性だとしたらイレイザーヘッドの抹消で消えていたハズ……でもそうはならなかった。つまりそれは個性では無いという事だけど、でもそうだとしたら……」

 

「ストップだ緑谷少年……アレについては私たちの方でも問題になっていてね。一体アレが何なのか……個性では無いとしたら機械なのか、それとも生物なのか。方々をあたってみたが何一つとして情報を得られなくてね」

 

情報が何一つないのは当然の事だろう、そもそもエクシアはこの世界のモノですらないのだから。

 

「ふむ……ぜひともサンプルが欲しい所だね。その場に居合わせなかったことが悔やまれるよ」

 

「……一つだけ、あくまでこれは噂程度の情報でしかないから、そのつもりで聞いて欲しい。アレは記憶の改竄をできるようだ、だがそれが本来の能力とかではなく、副産物程度の物でしかないらしい」

 

「一体どこでそんな情報を……!?いや、なるほど記憶の改竄か、しかもそれが本来の力ではないと……そんなものがヴィランの手にあるというのか、これは少々厄介だな」

 

「俺の方でももう少し有益な情報が得られないか調べてみるつもりだ」

 

「いやしかし、生徒である君に危険な事は……」

 

「分かっているさオールマイト、無茶はしない」

 

そう言うと化変は席を立ち、そのまま仮眠室から出て行ってしまった。

 

「色々と思う所はあるだろうが、今度は此方の話をしよう」

 

そう言うとまず最初にオールマイトが言ったのは、マッスルフォームの制限時間が一時間前後になってしまったと言う事だった。

 

「そんな事よりも体育祭の話だ、緑谷少年君は今、何%程の力を引き出せているんだ?」

 

「そうですね……今のところ大体8%くらいでしょうか」

 

「おぉ、思っていたよりも調整できているな」

 

本来ならばこの時点での緑谷はフルカウルすら扱えていないハズだった。だが、創鉄の存在や、幼いころから特訓を続けていたかいもあってか、普通より早く個性をうまく扱えるようになっていた。

 

「オールマイト、わざわざ出久に継がせた個性の調子を見に来たわけでもないだろう。本題にはいらないか?」

 

「……ぶっちゃけ私が平和の象徴として立っていられる時間って、そんなに長くない」

 

USJ襲撃の際にも死柄木はオールマイトが弱っていることを知っていた。しかもその口ぶりからすると、それを誰かから聞いた可能性が高い。

だからこそオールマイトから個性を授かった緑谷にはオールマイトを継、この雄英体育祭と言うビッグイベントを通して、次世代のオールマイトを……

 

「君が来た!!ってことを世の中に知らしめて欲しい!!」

 

 

そして放課後となり、皆が一様に変える支度をしていると……

 

「うおぉぉぉ……何事だぁ!?」

 

皆が麗日の方へと視線を向ける、するとドアの前にかなりの数の生徒が群がっていた。

 

「モブ共が……敵情視察のつもりか?邪魔だからどけ」

 

爆豪がそう言うと、気だるげな眼付をした一人の生徒が、人ごみを押しのけて爆豪の前まで歩いて来る。

 

「どんなもんかと見に来たが、随分と……」

 

だがその言葉を遮るように、今度は小さな生徒が人ごみの中から現れた。

 

「ちょっと待て、化変って奴は何処にいる?」

 

二人の間に割って入って来たのは、何と、本来ならばA組に在籍しているはずだが、何故かB組に在籍している峰田だった。

 

「それは俺だが……何の用だ」

 

「なぁなぁ、個性で女にも変身できるんだろ?一体夜はどんなエr……」

 

その言葉が最後まで言われる前に、巨大な拳で頭を叩かれてそのまま何処かに運ばれて行った。そんな様を見ていた気だるげな生徒がため息をつくと、再び口を開いた。

 

「普通科や他の科って、ヒーロー科から落ちて来た奴って結構いるんだよ……知ってた?」

 

この生徒、心操人使の言うように、ヒーロー科から他の科へと移っていったという生徒はそれなりに存在する。だがそれはまた逆もしかり、体育祭の成績によっては、他の科からヒーロー科への編入もあり得る、この体育祭とはそういう面も持っているのだ。

 

「宣戦布告?少なくとも普通科(おれ)は、調子乗ってると足元救っちゃうぞ……って言う、宣戦布告をしに来たつもり」

 

その大胆不敵な宣戦布告に乗っかるように別の生徒、B組の鉄哲徹鐵が人ごみを押しのけて前へと出て来た。

 

「隣のB組のもんだけどよヴィランと戦ったつったから話聞こうと思ってたんだがよぅ!!エラく調子づいちゃってんなぁオイ!!」

 

その大胆不敵な言葉に、今度はA組の生徒、雷道が前へと出て来た。

 

「調子に乗っているか……俺達は確かにヴィランと戦う事になった。そしてその結果相澤先生と13号が大怪我を負う羽目になった、下手したら死んでいたかもしれない……それは生徒である俺達もだ。それを分かったうえで同じことが言えるのか?」

 

普段無口であまり喋る事の無い雷道の様子に一部のA組の面々も驚いているようだった。

 

「そりゃぁ……確かに、悪かったな」

 

バツが悪そうに頭をかきながら謝罪する鉄哲。

 

「分かったのならそこをどいてくれるか……邪魔になってるんだ」

 

爆豪が無駄に生徒達を挑発したせいで、一触即発の状態になりかけていたが、雷道の言葉によって何とか落ち着きを取り戻した。

 

 

そして、二週間と言う準備期間はあっという間に過ぎてゆき、とうとう雄英体躯歳当日を迎えるのだった。

 

 

 



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雄英体育祭-②-

438:名無しの転生者

遂に雄英体育祭の当日となりました。

 

439:名無しの転生者

待ってたぜェ!!この瞬間をよォ!!

 

440:名無しの転生者

!?

 

441:名無しの転生者

!?

 

442:呪術師な転生者

グラブル君に一つ聞きたいことがあるんだけど、そっちだと誰が入試一位通過なの?

 

443:個性「グラブル」な転生者

あ、それ僕です。本当なら爆豪のままにしようかと思ったんですけど、思わずやり過ぎてしまいまして……

 

444:仮面ライダーな転生者

と言う事はグラブル君が選手宣誓するのね。

 

445:個性「グラブル」な転生者

そうなんですよね、とりあえず普通に選手宣誓して終わろうと考えていたんですが……

 

446:鬼殺隊な転生者

ですが……?

 

447:個性「グラブル」な転生者

やっぱりそのまま普通に選手宣誓しても面白くないなって思ったので、皆様のお力を貸していただこうかと。

 

448:呪術師な転生者

いいねー、そういうの好きだよ。「日和ってる奴いる?」でもやっとっく?

 

449:名無しの転生者

東京リベンジャーズのかwwでも、挑発するのだと爆豪と被っちゃわない?

 

450:個性「グラブル」な転生者

確かに被るのはちょっと……何と言うか、違う事がしたいですよね。

 

451:鬼殺隊な転生者転生者

俺からも一つグラブル君に質問なんだけど、コラボキャラには変身できたりするの?

 

452:個性「グラブル」な転生者

コラボ……なるほど。因みに何とコラボしてるんですか?

 

453:呪術師な転生者

一覧として挙げてくね。

 

アイドルマスター シンデレラガールズ

テイルズ オブ アスタリア

アイドルマスター sideM

ストリートファイター

スレイヤーズ

サクラ大戦

サムライスピリッツ

Shadowverse

刀剣乱舞

カードキャプターさくら

進撃の巨人

名探偵コナン

Persona5

ラブライブ!サンシャイン!!

ふたりはプリキュア

プリンセスコネクト!Re:Dive

コードギアス

ラブライブ!

ガチャピンとムック

アニメ版シャドウバース

鬼滅の刃

ボボボーボ・ボーボボ

 

以上、コラボした順に並べてみたよ。

 

45:名無しの転生者

こうしてみるとかなり多いですね。あ、因みについ最近銀魂ともコラボしたようですよ

 

455:仮面ライダーな転生者

こうしてみるとグラブルも節操が無いと言うかなんというか……どう?この中に変身できるのってある?

 

456:個性「グラブル」な転生者

ちょっと待っててください、やってみます。

 

457:名無しの転生者

ワクワク

 

458:呪術師な転生者

ワクワク

 

459:鬼殺隊な転生者

ワクワク

 

460:個性「グラブル」な転生者

お待たせしました。なんと……行けました!そして、選手宣誓の時に何をするのか決まりました。

 

461:仮面ライダーな転生者

おぉ!それで、何に変身できたの?そして何をする気なの?

 

462:個性「グラブル」な転生者

それはその時になってからのお楽しみと言う事で。あ、変身できた人数を言っておくと、四人行けました。

 

463:呪術師な転生者

何に変身して何をするんだろうね、なんだか楽しみになって来たよ。

 

 

 

出場する生徒たちは、各クラスごとに分けられた部屋で待機し、入場の時を待っていた。落ち着きなくウロウロしている者、友達と喋っている者、軽く準備運動をしている者と、その様子は様々であった。

 

「おや?化変さんは何故戦闘服(コスチューム)なのですか?」

 

何故か化変一人だけ戦闘服(コスチューム)を着ているので、それを疑問に思った深水が化変へと聞いた。

 

「あぁ、ちょっとな……まぁ、第一種目が始まる前にはジャージに着替えるが」

 

「そう言えば創鉄はどうなんだよ」

 

切島が創鉄へと問いかける、創鉄は無個性だが自分で作った戦闘服(コスチューム)を使いこなし、A組に入っている程である。だが、今はその戦闘服(コスチューム)も来ておらず、ジャージの状態だった。

 

「必要最低限は着用しているよ、流石にフルアーマーまでは許可が下りなくてね」

 

着用が許可されたのは、エネルギー源であるリアクターと、手足のほんの一部分だけであった。

戦闘服(コスチューム)が着用不可なのは、戦闘服(コスチューム)の無い学科が圧倒的に不利になるのを防ぐためだった。例外としてはサポート科が自分て作ったアイテムや、あるいは個性の性質上必要となってしまうと教師陣に認められた場合のみだ。

すると、轟が化変へと近づいて行き……

 

「化変」

 

「轟か、何の用だ」

 

「客観的に見ても、実力はお前が上なんだろう。けどな、俺はお前に勝つぞ」

 

轟が化変へと言った言葉は挑戦的な言葉だった、USJで轟のお陰で隙を見いだせたとはいえど、それまで教師陣を相手に奮闘していたのは紛れもなく化変だ。そして次に轟は緑谷の方に向きなおした。

 

「緑谷、お前にもだ。オールマイトに目を掛けられてるようだが、そこを詮索するつもりはねぇ。お前にも勝つからな」

 

その様子を見ていた爆豪も、何かを言うのかと思ったら、ただその様子を睨んでみているだけだった。

 

「……受けて立つよ。でも、勝つのは僕の方だ」

 

そして遂に入場の時間となった。会場に近づくにつれて歓声はどんどん大きくなっていく。

 

『雄英体育祭!!ヒーローの卵たちが、我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!』

 

出入り口の手前で一旦立ち止まり、プレゼント・マイクが1-Aを呼ぶ時を待つ。

 

『ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!』

 

そして遂に……

 

『ヒーロー科!1年A組だろぉぉ!!?』

 

A組が入場した途端、更に歓声が湧き上がる。やはりヒーロー科ともあってか人気なのだろうが、それ以上にヴィランの襲撃を凌いだと言事もあるのだろう。そしてその後B組が入場し、続いて普通科、サポート科、経営科と順々に入場していく。

全ての一年生が入場を終えると、ミッドナイトが壇上にと上がって行く。B組の一人が「18禁なのに高校に居ていいのか?」とつぶやくと、峰田が間髪入れずに「いい!」と答えていた。それに対してミッドナイトは鞭を鳴らして生徒達を静かにさせると。代表選手の名前を呼んだ。

 

「選手代表!1-A組、化変司」

 

名を呼ばれると同時にあるコラボキャラへと変身し、壇上へと上がって行く。

 

「ハーッハッハッハッ!我が宣告をしかと聞くがよい!!我らが使徒の軍勢は内に眠りし英雄の魂に誓い、此処にラグナロクの開戦を告げる!!(宣誓、私達生徒一同はヒーローシップに則り、正々堂々と戦う事を誓います)」

 

今回変身したのは、コラボキャラの神崎蘭子だ。何を言っているのか分からないの生徒達は、皆ポカンとしているがこれで終わりではない、むしろここからが本番であった。一年生は初めての雄英体育祭だから気が付かないだろうが、過去の体育祭を見ていた観客ならば気が付いただろう、壇上が今までの物とは全く違っていることに。

 

「我がミサをとくと見よ!!(私のLiveを見てください)」

 

いつもよりも大きな壇上がほんの数秒で様変わりし、ライブのステージに早変わりする。

実は化変は掲示板での相談の後、早々に学校に来て根津校長にどうにかしてステージを用意できないか掛け合っていたのだった。

披露された楽曲はたったの一つだけ、ほんの数分と言う短いオープニングセレモニーが終わると、選手入場の時以上の歓声が上がった。しかし残念ながらLiveは終了である、化変はサンダルフォンの姿へと戻るとステージの陰に隠れてジャージへと着替える。

化変が生徒たちの元へと戻って行くと、ミッドナイトが第一種目を発表した。

 

「今年はコレよ!!」

 

スクリーンに大きく障害物競走と表示された。

 

「計11クラスでの総当たりレース!コースはこのスタジアム外周の約4km!我が校は自由さが売り文句、コースさえ守れば何をしたって構わないわ!さぁさぁ位置につきまくりなさい……」

 

化変がスタートラインへと移動しようとすると、A組の一部の生徒がやって来た。

 

「お前ホントにスゲーよな!!むしろ出来ない事があんのか?って感じで!」

 

「まるでアイドルみたいで可愛かったねー」

 

そんな話をしていると、再びB組の峰田が血眼になり化変の方へとやってくる。

 

「なぁなぁ!あんな可愛い子に変身できるんならやっぱりエr……」

 

だが前の時同様巨大化し手に頭を殴られると、そのまま引きずられて行ってしまった。

しばらくして、全生徒がスタート位置についた。すると、カウントダウン用のシグナルの明かりが音を立てて消えていく。全生徒がスタートの合図に身構え、そして遂に最後の明かりが消えたと同時に……

 

『スタート!!』

 

始まりの合図とともに生徒達が一斉に走り出した。雄英体育祭の第一種目、障害物競走。はたしてこの種目で残る事のできる生徒は誰なのか。

 

 

 




次回から不定期になります。


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雄英体育祭-③-

スタートの合図と同時に全生徒が一斉に走り出した。しかしそのスタートゲートは非常に狭く、生徒達で詰まってしまっていた。

 

『さーて実況してくぜ!解説アーユーレディ?ミイラマン!!』

 

ミイラマン事相澤の機嫌は悪かった。メディアへの露出が嫌いというのもあるが、USJで受けた傷がまだ治り切っているわけではなかったからだ。

 

『無理やり呼んだんだろうが……』

 

すると、先頭集団を走っていた轟が個性の氷を使い、後続の足元を凍らせていく。しかし……

 

「甘いわ轟さん!!」

 

「そう上手くいくと思うなよ半分野郎!!」

 

当然その妨害はA組には通用せず、B組等の一部の生徒もその妨害の回避に成功しているようだった。そして、氷によって足止めを喰らってしまった生徒達の上を化変と創鉄が悠々と飛んでいった。

そしてもう一人、その氷を跳んで回避し、凄まじい勢いで前にと進んでいく生徒が一人、それは緑谷だった。この速さの理由はとても単純で、フルカウルの状態で走るというただそれだけの事だった。そして、轟をあっという間に追い抜かして行き……

 

「左から失礼」

 

轟に対して一言そう言うと、そのまま凄まじい速度で走っていた。そんな追いかけるように化変や創鉄も空から猛追する。しかし、そんな者達の前に巨大なロボットが立ちふさがった。

 

「さぁ、いきなり障害物だ!!まずは手始め……第一関門!ロボ・インフェルノ!!」

 

この巨大ロボットはヒーロー科の時も入試でも使われた0ポイントヴィランだが、数がその時の比ではなかった。そして、それに加えて小型のロボットもうじゃうじゃと出て来た。しかし、妨害はそれだけではない。

 

『え?飛べる奴は滅茶苦茶有利じゃん!不平等じゃねぇか!!だってよ!そこんとこ解説宜しく!』

 

『個性ありきの競技に平等も何も無いと思うが……だが、上を見ろ』

 

相澤の声に生徒達が空を見上げると、そこには巨大なドローンが飛んでいた。

このドローンはある程度の距離内にいる者をゴム弾で射撃するように設定、尚且つ空中を飛んでいる者を優先的に狙うように設定されていた。

化変と創鉄がドローンの射撃範囲内に入ったことにより、ドローンが二人に対して攻撃を開始した。一体一体の射撃能力は大したことは無いが、それを数で補っているようだった。

それに、ただ単純な行動しかできないのなら、ドローン同士でぶつかったりするだろう。しかし、、これ程の数が浮かんでいながらそういった事は起きていなかった。それ故に創鉄はそれらのドローンがAIによって制御されていると考えた。

 

(AIによって制御されたドローンか、面白いじゃないか)

 

創鉄はガントレットに取り付けられたリパルサーを撃って次々とドローンを撃破していく。化変の方も光線を発射してドローンを撃破する。すると、時折おかしな挙動をするドローンが現れた、後方を見ると、雷道が空中を飛んで移動しているのが見えた。

雷道の個性は「電磁力」つまり鉄の塊であるドローンに対して、磁力を使い自らをドローン引き寄せていくことで、空中の移動を可能にしているのだ。

 

(ちまちまとやってるのは面倒だな……それに雷道にも追いつかれそうだ)

 

化変はパラダイス・ロストを放って殲滅しようかとも考えたが、此処は敢えて入試試験の時に使っていたゾーイへと変身する。

 

「ガンマ・レイ!」

 

何処からともなく出した銃から光線が照射し、群がるドローンを一気に薙ぎ払っていく。

一方地上では、出久がロボットのパーツの一つを盾のように使って攻撃を防いだり、あるいは投擲して攻撃したりとで、次々と小型のロボットを破壊していく。

 

「緑谷ばかりに……!!」

 

追いついた轟も負けじと巨大ロボットを凍らせながら先へと進んでいく。

 

「あの隙間から通り抜けられるぞ!」

 

その隙間を発見すると、チャンスとばかりに他の生徒達がそこへと殺到する。しかし、不安定な状態で凍らされた巨大ロボットが倒れこみ、行く手を阻んだ。

 

「おい!?誰か下敷きになったぞ!!」

 

「死んだんじゃねぇか!?ヤバすぎんだろこの体育祭」

 

「死ぬかー!!轟の野郎、わざと倒れるタイミングで!俺じゃなきゃ死んでたぞ!!」

 

「A組の野郎は本当に嫌なヤツばかりだな……俺じゃなかったら死んでたぞ!!」

 

ロボットの残骸のから切島と鉄哲が現れた。鉄哲の個性は「スティール」そして切島の個性は「硬化」両者共に身体を固くする個性であり、自らの個性が地味な事を気にしていた切島は、この事にショックを受けた。

 

『巨大ロボットに二人も潰されていたー!!マジでウケル!』

 

(先を行かれてたまるかよ!!)

 

巨大ロボットでごちゃごちゃとした場所を、爆豪は個性を使って巨大ロボットの上を行くことできり抜ける。それを真似るように水を噴射させ、深水も爆豪の後に続く。そして瀬呂や常闇も、巨大ロボットの上を進んでいく。

 

『A組の爆豪、深水、瀬呂、常闇等がロボットの頭上を行く!!』

 

『創鉄と化変によってドローンは殆ど破壊されたからな、地上より空の方が手薄になったんだろう』

 

(流石はA組の皆だ!だけど僕だって負けてなんかいられない!!)

 

 

徐々に第一関門の突破者が出始め、緑谷、創鉄、化変、轟、爆豪等の五人が特に速く進んでいき、先頭争いをしていた。

 

『オイオイオイ!第一関門はチョロ過ぎるって!?だったらこれはどうよ!!第二関門は落ちればアウト!!それが嫌なら這いずりな!!ザ・フォール!!』

 

ステージの底が見えない程深く掘られており、柱の様になった地面には太めのロープが張られていた。

その他にも、そのロープで繋がれた地面よりもずっと高い塔がいくつもそびえ立っており、その全ての塔の様な物の天辺には、固定砲台が設置されていた。

しかもその固定砲台が放つ玉のいくつかには、先ほどまでのドローンのゴム弾だけではなく、ネットが混じっていた。あのネットに捕まってしまえば、いくら個性で空を飛べるものでも時間をくってしまうだろう。

そのような時間のロスを防ぐために、ネットを放つ砲台を優先的に破壊していく。化変は「ガンマ・レイ」を放って薙ぎ払いたいと考えた。だがそれは先ほどドローンを薙ぎ払うために使ってしまった故に、次に放つのには時間が掛かる。そしてそのクールタイムは変身しても引き継がれてしまうので、その奥義は使いどころを考えなければならなかった。

そしてそんな様子を、主に創鉄の様子を見上げる生徒が一人……

 

「長時間の飛行を可能にするサポートアイテムとはなんという技術力、是非とも間近で見てみたいものですがソレはソレ!今はアピールと言う面で負ける訳にはいきませんからね!」

 

そう言ったのはサポート科の発目明だった。発目を筆頭にサポート科にとっては順位などどうでもよかった。ただ、自らの作ったサポートアイテムさえ披露出来ればどうでも良いのだ。

 

しかし、その一方で緑谷はと言うと。本来ならばロープにしがみついて進んで行くハズだが、この世界の緑谷はそんな事をする必要などなく、なんならロープを使う必要すらなかった。フルカウルを生かした凄まじいジャンプで、次々と足場を跳んで先へと進んで行く。

だが、上から落ちて来る弾丸やネット、砲台の残骸に空中でぶつかってしまっては、谷底に真っ逆さまの可能性がある、上空に注意しながら進んでいたためか、進む速度が落ちていた。

 

「やらせるかよ……!!」

 

そこへ轟が個性を使って氷の壁を作り、緑谷の進路を塞ぎにかかる。しかし、その壁を難なく破壊し緑谷はどんどん先に進んでいく。

その様子に思わず轟は舌打ちをした、走りながら作った氷の壁故にそこまでの強度は出せなかったが、こうも容易く砕かれるとは思っていなかったからだ。

それに加え、地の速度が違った。轟にも個性を使って加速する方法はあるが、それは短距離的な使い方しかできない。長時間使用すれば副作用で身体機能が落ちてしまうので、それ故に長距離走ならば普通に走らなければならなかった。

 

『先頭争いするのは化変、創鉄、緑谷だぁ!そこから少し話されて轟と爆豪が続く!そこから下は団子状態だ!上位何名が進出できるかは公表しねぇから安心しねぇで進めよ!?』

 

ほどなくして先頭の三人が最終関門へと差し掛かった。

 

『一面地雷原と降り注ぐ小型ミサイル!!怒りのアフガンだぁ!!』

 

程なくして創鉄と化変の背後からミサイルが迫った来る、その速度はドローンよりも速かったが、それでも避けられない速度ではなかった。

 

『因みにミサイルも地雷も威力はねぇが、音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』

 

『それは人によるだろ。それと……一回避けたからって気を抜くなよ』

 

その言葉がどういう事かを考える間もなく、小型ミサイルは急旋回して方向を変え、再び化変と創鉄へと向かっていった。地上を走る緑谷が狙われていないと言う事は、小型ミサイルは一定時間以上空を飛んでいる者だけを狙っているのだろう。

放たれた小型ミサイルが数発だけなら、避けつつ進めるだろうが。既に何発もの小型ミサイルが創鉄と化変に殺到しており、破壊して進まざるを得なかった。

緑谷の方も長時間走り続けた事によりスタミナが切れかけているのか、段々と速度が落ち始めていた。

 

『先頭程この関門は不利だぜ!!さぁ、どうする!?降りて地雷原を走るか!飛んでミサイルの集中砲火を浴びるか!!』

 

化変はサンダルフォンの姿になり「パラダイス・ロスト」を放ってミサイルを撃ち落とそうと考えたが、それを放つときは止まらなければならなかった。しかし、今この時点で止まる事は致命的すぎた。

 

「俺の前を行くんじゃねぇぇぇー!!」

 

爆豪はその個性の性質上、スロースターターな部分がある。中盤以降になってやっと本調子になり、ものすごい勢いで追い上げて来た。

そこ度ふと、化変は新たに出来るようになった変身について思い出した。記憶が正しければその奥義は突進しながら放つ奥義だったはずだ。

迷うことなく「ナタク」に変身し、すかさずに奥義を放つ。

 

「火尖鎗!」

 

火尖槍と言うには槍を持っていないので不格好だが、体中に火を纏って小型ミサイルを撃墜しつつ突進していく。

 

『おーっと、此処に来て新な変身か!?小型ミサイルをぶっ壊しながら突き進んで行くぞぉー!!』

 

しかし、緑谷も追い抜かれまいと地雷の爆発をを利用して一気に加速をかけた。

 

『ゴールは目前!!一位に何のは緑谷か!?それとも化変か!?どっちだぁー!!』

 

そして、二人はほぼ同時にゴールゲートをくぐり抜け……

 

 

 



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