空母戦闘群転生ス (加持屋)
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0章 プロローグ
0話 プロローグ
2040年。憲法の改正により日本も他国に攻撃できるような原子力空母を持つことが許された。これにより原子力空母しょうかく、ずいかくを就役させた。
だがこの艦隊の初任務中に事件は起こった………
これから起きることも知らず彼女達は、訓練をしていた。
8月26日 13:00 太平洋硫黄島沖20km
「標的機20機接近。皆さんいきますよ。教練対空戦闘用意。」
海自幹部用作業服を着てCICで指示を出している彼女が、空母群の旗艦しょうかく艦長‘しょうかく’である。
階級は海将だ。
「了解。標的機を捕捉。ミサイル攻撃初め。」
「了解です。スタンダードミサイル攻撃初め。」
たかおのVLSからスタンダードミサイルが発射され、標的機に命中する。
この護衛艦たかお艦長‘たかお’である。初めての男性の艦娘である。
数少ない男性艦娘のリーダー的存在である。階級は一等海佐だ。
「標的機8機撃墜。更に接近。砲で処理する。砲雷妖精さん打ち方初めです。」
「了解です。左30度、高角40度。打ち方ー初め。」
あたごの主砲127mmが発射されすべて命中し標的機は、海の藻屑となった。
と同時に全艦のCICのレーダーから標的機の反応が消えた。
このイージス艦あたごは、兄のたかおと共に北朝鮮に派遣された陸自を護衛した艦として有名ある。
その制服のボタンもとれそうな位大きな胸に翻弄され、幹部でもあたごの言うことなら聞いてしまうことがあるという。なお本人は無自覚である。階級は一等海佐だ。
「さすが、たかおとあたごだね。僕も負けてはいられないな。」
CICで状況を見ていたしらつゆ型イージス艦しらつゆ型2番艦しぐれ艦長‘しぐれ’はそう言ているが海上自衛隊の軍艦の中で1番の年長者で経験や技術は一番あり世界からも技術力は認められいる。階級は一等海佐だ。
「いやー。それにしても実弾を使うのはいいね。」
彼は原子力空母しょうかく型2番艦ずいかく艦長‘ずいかく’だ。男性艦娘でたかおと仲が良い。階級は一等海佐だ。
「確かにそうだね。私は初めて使ったよ。」
彼女はイージス艦しらつゆ型4番艦ゆうだち艦長‘ゆうだち’ある。姉であるしらつゆの退役したため建造された最新鋭のイージス艦だが、まだ就航されてから日が経っていないために足を引っ張ってしまうことが多い。階級はー等海佐だ。
「皆さーん。訓練は終了です。私のところに来て補給してくださーい。」
こう彼女は補給艦あかし艦長‘あかし’だ。今まで海上自衛隊が国外などで活躍できた影の立役者である。あかしの補給に助けられた自衛艦は数少なくはない。階級は一等海佐だ。
演習が終わったたかおは、副長妖精としゃべっていた。
「何で訓練終わったあとに警戒任務するんだ?」
「仕方ないでですよ。あの長門海将が“何か起きる気がする。”とか言ってましたかね。」
「それこの前も言ってたよな。実際に動くこっちの身にもなって欲しいよ。」
「でも今回は、教官の神通さんもいってたよ。」
モニターで話かけてきたのはあたごだ。
「えー。マジかよ。神通さんの勘はあたるからな。」
「ほら。そんな事言ってないで出発するわよ。」
そういって来たのはしょうかくだ。任務を遂行させようとすることに関しては、さすが旗艦と言えるだろう。
「了解。」
たかおは面倒くさそうに返事をした。
「では、皆さん取り舵一杯南に向かいます。」
しょうかくの声で艦隊は大きく反転し南に向かった。
……………………………………………………
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出会い
1話 最悪の嵐
8月30日 9:00 太平洋フィリピンサマール島沖50km
空母群(第7護衛群)は警戒地であるサーマル沖に到着した。サーマル沖は太平洋戦争のレイテ沖海戦時戦場になっており今も日米両艦が数多く沈んでいる。
だが今はそんな影もなく静かな海であり、激しい戦闘の跡など何処にも見当たらない。
「しょうかく艦長。佐世保基地から連絡です。サーマル沖では低気圧が発達しているようです。」
「そう。じゃあこれ以上ここにいると危険ね。サーマル島に避難しましょう。」
「そうしたいですが…………。」
「どうしたの?」
「さっきフィリピン海軍から連絡がありましてフィリピン全土の港は全部大波で入港できないっていう連絡ついさっき入ってきたばっかなんですよ。」
「ええ?そんなにひどい波なの。じゃあどうしましょう?」
「日本に戻るしかありませんね。」
「そうですね。仕方ありません。全艦に通達。取り舵一杯!!単縦陣全艦19ノット。北に向かいます。」
「はい。了解です。」
「とりあえず低気圧を抜けましょう。」
空母群は低気圧を抜けるため北に向かった。
「佐世保基地に連絡。“我第7護衛群帰投する”」
…………………………………………………………………………………………………
艦隊は低気圧を避けようとしたが低気圧は艦隊についてくるように移動してきたため全艦大きく揺れていた。
14:00 フィリピン海 しょうかく艦内
「揺れが大きくなって来ましたね。」
「そうですね。各艦との距離700mにしてください。」
「わかりました。」
「あと全艦に通達。総員荒天準備、波浪に注意·警戒せよ。」
「了解。」
だが各艦は、しょうかくからの連絡より早く準備をしていた。
そのあとまた波が強くなっていき艦は揺れが大きくなり各艦内にいる艦長他、妖精も立っていられないほどになっていた。
「たかお艦長大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないは、これ船酔いだわ。ちょっとお手洗いに行ってくる。」
「トイレ汚くしないで下さいね。」
「それ今いうことじゃないだろう!!」
たかおと副長妖精のくだらない話をしている中でも艦隊は進んでいた。しかし
速力は大幅に落ちており5ノットにも届いておらず進んでいるとは言いがたかった。
その後も艦隊は佐世保へ向け進んでいた。各艦長ともかろうじて見える味方艦を確認するため、艦橋に上がり指示を出していた。
「んー。やっぱりちょっとしか見えないですな。」
「たかお艦長、しかありませんよ。こんなこともありますからね。」
「確かにそうだ。しかし、こんなときは航海用レーダーが頼りだからな。」
「そうですね。航海用レーダーがなければ大変なことになりますから。」
ふざけるように副長妖精は話していたが、冗談が現実となるとは思っていなかった
「たかお艦長!」
艦橋に飛び込んできたのは普段CICにいるはずの砲雷長だ。砲雷長はイージス艦の全火器を管理する役職だ。
「どうした?砲雷長。」
「水上レーダーと対空レーダー、通信機器が故障し探知不能です。」
「なんだと‼」
「ちっ。味方艦に発光信号で連絡しろ。」
たかおは味方艦にレーダーが故障し探知ができないことを伝えるように命令したが帰ってきたのはもっと悪い知らせだった。
「味方艦を確認できません。」
「どういうことだ?航海用レーダーに映っているだろ。」
「さっきまでは味方艦の探照灯の光で確認できたのですが。」
これは艦隊のたかお以外の艦がもっとひどい状況に陥っており、レーダーだけではなく艦内の電気まで止まってしまっている為である。
「レーダーがなぜ、いきなり故障するんだ。」
「私にはわかりません。」
その言葉に艦内は静かになったがそれも航海長の声でかき消された。
「航海用レーダーも故障。味方艦を探知できません!!」
たかおは、信じられないという顔をした。確かに、たかお型イージス艦は建造させてから10年以上足っているとはいえ、つい最近、近代化改装したばかりでレーダーも最新型のため故障するなんてありえないはことだからだ。それもいきなり全レーダーが一気に故障したのだ。
それにイージス艦であるたかおや補給艦である明石なら電気がきれることはまだわかるが、原子力空母であるしょうかくやずいかくが艦内の電気がきれることなどありえないため、たかおはかなり焦っていた
第7護衛群の船員の中でこの緊急事態のせいでこの先起きることを予測できたのは誰一人もいないだろう…………
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2話 濃霧の中で
8月31日 9:00太平洋硫黄島沖30km
今はもう嵐はすぎおさまっていたが今度は濃霧が出てきていた。
空母群は、電気こそ復旧したがまだレーダーが直っておらず味方艦の位置すら正確に把握できていないくらいのためタービンを止め修理を最優先にしていた。
「あかしさん。あとどのくらいで直ります?」
「あっ。しょうかくさん。レーダーはなおっているはずなんですけど。なぜか作動しいんですよ。」
「おかしいですね。レーダーが直らないと航海できないですよ。」
「そういえば、ホークアイもダメなんですか?」
あかしが言っているのは、ホークアイのレーダーを使って哨戒をさせようということだ。確かにホークアイのレーダーを使えばイージス艦並の索敵能力を持つ。
「ホークアイも、やってみましたよ。ですけどホークアイもレーダーが反応しませんでしたので。今はヘリを飛ばしていますよ。」
「そうなんですか。にしても全レーダーが一気にダメになるなんて不思議ですね?」
「そうなんですよね。出港前にちゃんと確認したはずなんですよね。」
「………まあ不思議なことも起きるんですね。」
そのあともあかしとしょうかくの雑談は続き、あかしがたかおのレーダーを見に行くと言うまで続いた。
「それでは、私も戻りますね。」
「他の艦が終わってからまた来ますね。」
「はい。よろしくお願いいたします。」
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その後、しょうかくは艦橋に戻り航海妖精たちと共に周囲を見ていた。まあヘリが飛んでいるためあまり意味がないが…………。まあかたちだけである。
だがそんな、とき考えていないことが起きたのだ…………
「10時の方向のシーホーク画像に不明艦多数あり。」
空母しょうかく、ずいかくには搭載しているシーホークは無人機のためレーダーの情報とヘリについているカメラの画像を送ることができるようになっている。
「海上保安庁の船じゃないんですか?」
「海上保安庁の船だったらもっと白いですよね。もっとヘリを接近させて下さい。」
ヘリを不明艦隊に接近させ情報を探らせた。見つけたのは不思議なものだった。………
「不明艦隊の画像出します。」
「これは、加賀さんじゃないですか!!」
しょうかくがよく指導されている加賀が映っていた。
「ほー。加賀教官じゃないですか。しょうかく艦長はよく指導されてましたよね。」
副長が言っているのは、よく訓練と言って攻撃機と爆撃機計200機と対空戦闘やったことがあるからだ。
「なんでそんな呑気なんですか!!」
これでも副長を少ししかった。その後、しょうかくは考えていた。
(加賀教官は基本的に佐世保基地や五島列島にしかいないはず、なんでこんな所まで? 心配してきてくださったのかしら。でもなんでしょうこの胸に引っかかっるこの感じ、何かがおかしい気がするわ)
その後、少し考えた後副長妖精に命令した。
「とりあえず、全艦に通達。全艦長は、しょうかくに集まって下さい。」
しょうかくは全艦長にしょうかくに集まり会議をすることにした。
しょうかくに集まり情報を共有するためだ。
??艦内 海中80m 空母群から20km
「敵艦隊発見なのね。」
そんな時に別の脅威が迫っているのは誰も想像していなかった……………………………
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3話 魚雷攻撃
8月31日 12:00 空母戦闘群から5km
「イ19艦長。あれ本当に敵艦ですかね?」
「わからないね。敵の最新鋭の艦だと思うね。」
「そうですね。にしても外見が深海凄艦には見えませんね。」
「外見でだますつもりなのね。そんな艦にはお仕置きなのね。魚雷発射管1番~4番魚雷装填なの。」
「了解。」
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一方変わってしょうかく艦内では、水中で迫り来る脅威など露知らず会議が始まろとしていた。
「あかしさんが来ていませんがさっそく初めましょう。」
「まずは僕から。しょうかく姉が見つけた不明艦艦隊は、艦橋の特徴と甲板に『カ』と書いてあることから空母加賀を中心とした艦隊であることがわかった。他にも金剛型戦艦比叡、軽巡2隻、駆逐艦2隻を発見した。南の方向に進んでいるためこのままここにいあと5時間後には接触することがわかったよ。僕からは、以上だ。」
ずいかくは、話したあとシーホークが撮った加賀と見られる画像を出した。
「加賀教官は、もう退役しているだから戦闘はできないはずだ。なのに艦隊を組んでこちらに向かって来るなんてな。考えられない。」
たかおがそう考えるの当然だろう退役した艦娘は、教官などの特別な立場でない限り戦闘能力を持つことはできない。例え教官だとしても現役の頃と違い模擬弾しか打てないように擬装が改造されている。
「じゃあ次は、私ね。あたごでは、独自にシーホークを飛ばしました。」
ごをはじめたかお型、しらつゆ型などの主力護衛艦には、シーホークを2機積んでおり策敵、対潜面において大きな存在となっている。そのため最近は‘ひゅうが’や‘いぶき’の存在が薄くなっている。
「ここから5時の方向、5kmの距離に潜望鏡と思われるものを発見しましたがソナー、レーダー共に故障中のため見失ってしましました。国籍も不明でした。以上です。」
「また中国の潜水艦じゃないのか。」
とたかおが言う
「確かに中国潜水艦である可能性は捨てきれないが、しかしここまで来るのか?尖閣諸島沖であればわかるがここまで来たらそれこそ宣戦布告ものだろう。」
とずいかくが続く。
「まあ、とりあえず潜水艦は、敵か味方かわかりません。一様全艦は、対潜警戒はしましょう。」
としょうかくがまとめた。
「あかし入りまーす。」
「あかし、レーダーは、どうだ?」
とたかおが尋ねた。
「ソナー、レーダー共に故障は見受けられず。未だにどの艦も使用不能です。」
だがそんなときにしょうかくの航海長からの連絡が入った。
「あたご、シーホーク1番機から連絡。5時方向。魚雷探知。こちらに向かってます!」
「え? 例の潜水艦からですか?」
としょうかく聞く
「確認はとれていませんが、そうだと思われます。」
しょうかく航海長が言う
「そんなことより、魚雷をかわすことのほうが先だよ。」
一番年長者であるしぐれは冷静に言う。
「そうですね。タービン始動。取り舵一杯!」
「無理です。間に合いません!」
しょうかく航海長が言う。
「たかおさん。デコイは?」
「もう、発射してる。」
だが、探知式の魚雷でなければデコイにはきかないため、魚雷は狂うことなく進んでいる。
「魚雷、突入します。」
「右舷総員退避。衝撃に備え。」
しょうかくがそう言った瞬間、魚雷が大きな水柱をたててしょうかくに命中した。
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4話 接触
8月31日 13:30 しょうかく艦内
魚雷が命中したしょうかくは、浸水が発生し船体は少し傾いてしまった。随伴艦の護衛艦4隻は、攻撃した潜水艦を探していた。
「潜水艦は見つかったか?」
「まだ見つかってません。」
「馬鹿野郎。訓練不足だ!」
たかおは焦っていた。
潜水艦を見つけられないと攻撃できないだけなく、魚雷の第2次攻撃もかわすことができなくなってしまう。潜水艦が‘水中の暗殺者’と例えられるだけはある。
まだ、たかお他の随伴艦の艦長は魚雷の混乱のためまだ自分の船に戻ることもできていない。
一方しょうかく艦内では、船体を水平にする作業しており妖精達が艦内を動き回っていた。
「しょうかく艦長、被害を報告します。右舷に魚雷が命中し、破孔が発生、格納庫内で火災が発生です。」
副長妖精が報告してきた。
しょうかくはCICに戻り艦内の被害の報告を受けていた
「タービンも損傷、三軸運転から二軸運転になりました。」
機関長妖精が報告してきた。
「火災を消火し、注水をはじめて下さい。」
「了解です!!」
しょうかくの一声で妖精達の勇ましい声が艦内に響いた。
「たかお艦長からの連絡です。まだ潜水艦を発見できていないだそうです。」
副長から連絡がきた。
「護衛艦艦長達に、潜水艦を攻撃しないように連絡を。」
しょうかくは、難しい顔しながら命令を出した。
「艦長‼そんなことしてしまったらこの艦だけではなく他の艦まで被害が……「いいんです。」「分かりました。艦長にも考えはあるのでしょう。」
「艦長。機関が起動しました。」
「第2戦速。破孔に負担がかからないように移動してくだい。」
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「了解した。潜水艦を発見しても攻撃するなよ。」
たかおは副長から伝えられたことに返事し他の艦長に伝えた。
「お前‼この船を沈めるつもりか?」
たかおの隣にいたずいかくが怒鳴りあげた。
「お前も分かるだろう。誰だって戦争はしたくない‼」
たかおが言っていることは正しい。もし不明潜水艦が中国の国籍だとしたら日本と中国の全面戦争となってしまう。朝鮮問題がおわり尖閣諸島の問題が激化している今、戦争は絶対に避けなければいけない。
「だが、やられているばかりでは………」
言葉をつまらせながらずいかくが反論した。
「お前の気持ちも分かるが、仕方ないだ。」
ずいかくの肩に、手をのせながら言った。
「………分かってるよ。たかお。」
「ゆうだち艦長。潜水艦を発見しました。」
ゆうだちは、飛ばしていたシーホークが潜水艦を発見したと連絡が来ていた。
(このままだとやられてしまう。やられる前にやらないと。)
「ゆうだち艦長攻撃しますか?」
「アスロック攻撃をしてください。」
「了解しました。」
ゆうだちは、しょうかくの命令を聞いてはいたが焦りのあまり理解をしていなかった。
「アスロック発射します。3 2 1 発射‼」
ゆうだちのVLSから発射されたアスロックは、しょうかくに乗っていたしょうかく他の艦長も確認することができ全員が驚きを隠せなかった。
「何してんだ、てめえ‼」
たかおは、ゆうだちの胸ぐらをつかみいい放った。
「お前は、戦争を始めるつもりか‼」
「いや。………違うんだよ。これは…………」
ゆうだちは、いまやっとことの重大さを感じていた。
「たかお、その辺にしてやりなよ。」
あたごが止めに入った。
「ああ、すまない。ゆうだち。」
たかおはゆうだちを放した。ゆうだちは身体に力が入らずその場で倒れてしまった。
「いいんだよ。そんなことよりしっかり後処理しなきゃだ。」
「いや。まだ爆破させなくていいですよ。」
しょうかくは、たかお達がいる部屋に入りながら言った。
「しょうかく姉、どういうこと?」
ずいかくが質問をした。
「手前で爆発させ、潜水艦を威嚇するのです。」
「成る程、その間に逃げるだな。」
たかおがさらに付け足した。
「いま潜水艦とアスロックの距離は?」
「いま1000mです。」
「では300mになったら爆破させましょう。それまでに潜水艦のから逃げれるように全艦佐世保へ。」
空母群は、全体の進路を西に変えた。
「400,350,320,310,300mです。艦長。」
「アスロック爆破‼」
イ19艦内
アスロックが近くで爆破し、イ19はダメージを負った。
「どうしたのね?」
「近くで爆雷が爆発したようです。」
「被害は、どうなのね?」
「メインタンクが故障、空気調整ができず浮上します。」
「対水上戦闘用意。」
しょうかく艦内
「しょうかく艦長。ゆうだち艦長から連絡です。潜水艦は浮上しはじめているようです。」
「どこで浮上しますか?」
「この艦隊の真ん中にです‼」
「え?この艦隊の真ん中ですか?」
「はいそうです。」
「分かりました。総員に連絡対水上戦闘用意。」
護衛艦らは主砲を浮上ポイントに向け潜水艦への攻撃の準備した。
「潜水艦浮上します。‼」
潜水艦は、海を割るよう艦首から浮上してきた。
「What is your nationality(あなたの国籍はどこですか?) 」
しょうかくは、得意の英語で拡声器を使い潜水艦へ国籍を話しかけた。
「あのスクミズは………」
「イ19教官よ。‼」
潜水艦から出てきたのは日本語が通じる、しょうかく達も知っている人物だった。
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