ウマ娘に転生しました。えぇ…足無いじゃん… ((トヨ))
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オギャア!吾輩爆誕!

感想、ここすき、コメント、しおり、評価、誤字報告ありがとうございます。


吾輩はウマ娘である。名前はまだ無い

 

レースで一攫千金を夢見た、少女の物語

 

おかねもうけまぁぁぁぁしょおぉぉぉぉぉぉ

 

 

というわけでウマ娘に転生したっぽいです!ヒャッハァ!!

吾輩、爆誕!!オギャア!

でもちょっと周りの様子がおかしい…普通赤ちゃんが産まれたら

 

「元気なウマ娘ですよ!」

 

みたいな感じだと思うんだけど、でも吾輩の場合

 

「元気な…っ、ウマ娘です……」

 

みたいな感じなんです…

え?望まれてない感じの出産や超難病持ちのパターンだったりする???

吾輩の母上と思わしき女性に抱かれた時も

 

「無事に産んであげられなくてごめんね…」

 

って言われたのが第一声。

これはヤバいのでは…と将来への不安と恐怖でギャン泣きしてすぐ寝ちゃいました…頭脳は大人なんだけどやっぱり赤ちゃんの本能には勝てないね(1敗)

 

 

産まれてから数日して気づいたんだけど

 

吾輩、両足が、無い???なんじゃこれ!?

正確には膝から下が無い

 

いやーこれは…母上も周りの方々も曇りますねぇ…生まれつきレースで走るという選択肢を与えられないとは…レースでお金稼ぎ…無理じゃん…orz

くっそぉぉ推しウマ娘ちゃんを間近で見ながら億万長者になる夢がががが…前世では全く運動が出来ず、学校の成績ではお情けで評価2を貰ってたくらい運動音痴だった。今世ではウマ娘になったから運動神経良いと思うのになぁ、実に無念である。

 

ならば、トレーナーになるしか無いよなぁ!?そこで合法的に推しウマ娘ちゃんたちをhshsするんだよぉ!二次創作でもウマ娘のトレーナー沢山おるし死ぬほど勉強すれば足無くてもトレーナーになれるやろ(楽観視)

前世では努力という努力を怠ってきたが、大大大好きなウマ娘という作品の世界に転生したのだ、推しウマ娘ちゃんたちを間近で見なきゃ、死んでも死にきれねえ!テイ×ルド、ウオ×ダス、ウラ×キン等々で尊さ補給を生でしたい!!!

 

というわけで、前世では全くやらなかった筋トレと勉強を死ぬほど頑張ろうと思う。何故筋トレかって?足無いんだから上半身鍛えて動けるようにしないと詰むだろうが!!早速母上と看護師さんが見てない隙を伺って腹筋と腕立てをするぜ!!Let's マッスルマッスルゥゥ!!!あ、でも腹減った……母乳うめぇ!!!(2敗)

 

 

 

どうも僕です。現在小◯6年生!

名前は■■■■■■■

ウマ娘は、どうやら三女神様のお告げで名前が決まるらしい。なにやら宗教チックですな。

見た目はなんと、尾花栗毛!パツキンやパツキン!ワイ勝ち組!しかも最近身体の一部分が邪魔で邪魔でしょうがない。え?どこかって?えっち。

 

同期のウマ娘は中央地方問わずトレセンへの受験勉強で大忙し。え?僕?僕は地元の公立へ行くんで。暫くは独学でトレーナーの勉強しないとね。

ここで過去を振り返ろうか。

 

幼少期は勉学にあまり触れる機会が無かったから、ひたすら筋トレをした。勿論母上の目を盗んで。今更ながら知ったが、母上は父上と離婚していたらしい。産まれてからずっと母方の祖父母の家で暮らしてたからなんとなく察してたけど。

なんでも父上の家はウマ娘関系で有名な家系(ラーメンじゃないよ)らしく、僕の足が無いから「走れんウマ娘など要らぬ!」みたいな感じで色々と揉めたらしい。離婚の原因完全に僕のせいじゃん…すまんなぁ…と母上に謝ったら、めっちゃ泣かれた上に謝られた。えぇ…なんか地雷踏んだ?結果的に僕が母上を慰める形になった。なんで?

 

筋トレの話に戻ろうか。小学生に上がる頃には両の手で独立完全二足歩行術を取得した。

 

クララが立った!!

 

母上に僕自力で歩けるよ!ドヤァ、と見せつけたらまためっちゃ泣かれた。解せぬ。

 

フォーム確認の為に録画しておいた動画を後で見たら泣かれた理由が分かった。動きがキモ過ぎる。思わず「えぇ…ゴキブリかよ…」と言ってしまうくらいキモかった。きっと母上も娘のあまりのキモさに涙が出てしまったのだろう。カサカサする動きにならないように体幹を鍛えた。あと手もプルプルしていた(おかげで顔が思ったよりこわばってたから余計母上も涙腺にきたんだね…)ので更に筋トレも増やした。

 

普段の移動では二足歩行術使わないけどな!普通に車椅子を使ってます。しかも手元のレバーでウィーンて動くめっちゃ高性能なやつ。母上の実家も割と良い家らしく、お金には困ってないどころか裕福な家庭である、ワイ勝ち組。

 

しかも

[朗報]母上の友人の子供に推しウマ娘ちゃんおる

いやー母上の友人同士のお茶会に付いて行った時の話なんだけど、でかい屋敷の一角でまさに絵に描いたようなお茶会でのこと。もう隠せないですわ、うち資産家でしたわ。パクパクですわ!あ、知ってた?そこでシンボリ家、メジロ家等の面子がいらっしゃるのでありますよ!連れられて来た子供たちはみんな僕よりも年下っぽかったからもうところかまわず、かまちょかまちょの猛アピールしましたとも!!!!

あ、僕はガワだけは「■■■■■■■と申します~。宜しくお願いいたします~。おほほほ」みたいな某薙刀タンポポみたいな感じでやってるから心配ねぇっす。

そしたら!SO!!ちっちゃいルナちゃまとお友達になれましたぁぁぁぁぁ

はううううううお持ち帰りいいいいいいいいいいいいい

 

 

アッ……

 

 

おっと失礼、回想しただけで逝っちまったぜ。なんつー破壊力だ…ぐひょひょ…

メジロの子たちはルナちゃまよりまだ幼かった。僕の漏れ出るウマ娘オタクのオーラに気づいてしまったのかギャン泣きされたので退散しました。

 

凹む。

 

それから時は過ぎて現在ではみんなとたまに会って遊んだりお菓子食べたりする仲になっている。定期的に尊みを補給させてもらってまぁす。

 

 

学校では普通に馴染めている。まぁヒトも通ってる普通の共学だしね。忍法二足歩行術をやってみせたらクラスでバカウケした。主に男子に…忍法はロマンだもんね。

もうすぐで卒業シーズンなので、そろそろ中央のトレーナーになる為の勉強が必要になると思って母上に相談してみた。そしたら涙もろい母上の目がまたうるうるしてきたので

迫真の演技で励ましたら喜んでくれたみたいでハグされた。すごくやわらかかった。僕は母上似である(確信)

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるウマ娘の日記

 

 

◯月×日

本日、思い当たる節があったので産婦人科へ行ったら、やはり命を授かっていたようだ。男の子か女の子か、はたまたウマ娘か、凄く楽しみである。

 

 

△月◻︎日

本日、産婦人科にてお腹をエコーで診てもらったら、ウマ耳がある!!お腹の中の我が子がウマ娘だと言うことが判明した。この子もレースで活躍することを期待されるだろう。大人の勝手な期待だが、我が子が是非レースで活躍するところを見てみたい。気が早過ぎるがとても楽しみである。

 

 

×月※日

私のお腹もだいぶ大きくなってきた。

本日の検査で、私のお腹の子には

先天的に両脚が無い

ことが判明した。

私が悪いのだろうか……

妊娠が判明してからは人一倍健康に気を遣ってきたつもりだった…それ以前の生活に問題があったのだろうか……

旦那や旦那の両親からは堕せと言われた……この子は産まれてくることすら許されないの?

 

 

⏫月☆日

旦那やその両親が煩いので離婚を決めた。

幸い私にはレースで稼いだ賞金がある。私の実家にも恥を忍んで協力を頼もうと思う。

この子には将来、過酷な運命が決まってしまっている…何があっても全力で支えると決めた。命を懸けてでもこの子を守る、これが私にできる唯一の罪滅ぼしなのだから……

ちゃんと産んであげられなくてごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…

 

 

¢月◆日

本日、我が子が誕生した。名前は■■■■■■■

元気に産まれてきて良かった。ただ、やはり…両脚が……

■■■ごめんなさいごめんなさいごめんなさい

 

 

@月$日

■■■が生まれてもう5年もの月日が経過した。時が過ぎるのは早いもので来年にはもう小学生である。

同じ年頃の子供たちと比べると聡明で物分かりの良い子だ。将来有望であることが伺える。

それだけに……

先程、あの子が手だけを使って一生懸命に前へ進んでいる姿を見たときは言葉が出なかった。こちらに気付いて

 

「お母さま!私1人でも歩けます!」

 

と声をかけてくれたが、無理して作った笑顔を見て涙を堪え切れなかった。

私はこんなにも弱いのに、誰に似たのか本当に強い子だ。

 

 

#月&日

あと数か月で■■■はもう中学生。いつも思うが子供が成長するのは早いものだ。

家から近い公立の学校へ通うことになる。あの子の才能なら中央のトレセンへ進学することが出来たのではないかと考えてやまない。本当に…

いや、これからは悲観的なことは言わない、泣かないと■■■と約束したではないか。

 

「やめて!私の足のことで、お母さまが悲しんだら、私まで悲しくなってしまいます。お願い!泣かないでお母さま。お母さまが泣いてしまったら、今まで頑張って来た私の努力はどうなっちゃうの?ライフはまだ残ってる。ここを耐えれば、私は先へと進めるんだから!」

 

珍しく敬語を崩して、初めて激励された。一字一句覚えている(多分合ってる。しかし、ライフとは何のことだろうか)。

 

更に、今日あの子の夢を教えてもらった。あの子なら絶対に実現可能だ。足が無かったとしても、それだけの才能があると確信を持って言える。昔誓ったように全力で支えることは変わりない。

頑張れ、■■■■■■■!!

 

 

 

 

 

 

とある皇帝の手記

 

私には、幼馴染であり姉のように慕っている人物がいる。彼女はウマ娘であるが、ここ中央トレセン学園には在籍していない。それどころか地方のトレセンにも在籍していない。レースに出場してすらいない。いや、在籍できない、出場すらできない、と言った方が正しいか。

 

彼女には生まれつき足が無いのだ…

 

しかし、彼女が五体満足であったなら…何度そう愚考しただろうか。いや、彼女に失礼だな。何故なら彼女は足が無いことを一切悲観していないからだ。仮に身の上話ならどうだろうか…とてもじゃないが、満足に生きられないだろう。

 

しかし彼女は常に前向きで、皇帝として挫けそうになった私を何度も励まし、叱咤し、慰めて、褒めてくれた。やはり姉さんは凄い。

珍しくこんなにも姉さんのことを綴ってしまうのは、もうすぐ姉さんがこのトレセン学園にトレーナーとして入ってくるからだろうな。

 

未だ夢への道半ばではあるが、今すぐにでもこのトレセン学園を姉さんに見て欲しい。

 

全てのウマ娘を幸せにする、こんなにも壮大な願い、夢の原点は姉さんの為なのだから。

 

 




お疲れ様でした。
※まだトレセンにすら行ってませんね、説明詐欺してしまい申し訳ないです


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いざトレセン学園へ

たくさんの感想とか評価とか、お気に入りとかしおりとかありがとうございます。やっぱりウマ娘効果すごいですね
おかげさまで続けられました。

但し前話よりはやっつけ感パナイです。マジパナイ

ちなみに投稿者はウマ娘始めるまで、競走馬をキタサンブラック、ディープインパクト、ハルウララの3頭の名前しか知りませんでした。そんなレースもよくわからないにわかです。


やあ

 

僕だよ。

 

 

中高と順調に進学しまして、前世の知識があった為学年では成績常にベスト5だったのさ!

1位にはなれなかったよ…天才はいる…悔しいが。

あと体育は物理的に無理ゲー、あと歴史変わり過ぎててワロタ

流鏑とか、ウマ娘本人がやっとるやんけ…。

あと身体の発育がやべぇよやべぇよ、忍法二足歩行術するには…ちょっと、いや、かなり邪魔過ぎる…男子の邪な目線にもう慣れました(白目)

パクパクさんと先頭民族さんに分けてあげてよ僕の身体ァ!!

今世では、中身が前世の性格をかなり引き摺っているが、ガワはウマ娘。

でもヒトオスにもヒトメスにもあまり興味ないことが判明。

…ウマ娘ちゃんにはハァハァするんだけどねぇ…ヒトは…なんか……はい、すまんな。

 

 

高校を卒業してからはトレーナーになる為の予備校へ進学した。

この世界ではなりたい職業ランキング1位が中央のトレーナーだからね、ウマチューバーは5位とかだったよ。

2〜4位はトレセン学園関係の仕事。

すげえな。

 

 

特に思い出に残ってるのが授業の一環で地方のトレセンに行った時のこと。

一通りトレセン内を見学した後、指導実習ということで1日とある栗毛のウマ娘ちゃんとペアを組んだんだけど、その娘タイムが伸び悩んでたんだよねぇ…イライラ気味だったみたい。

走りを見た後に、

フォームに変な癖ついてるからこんな感じに直すとええよ?

って教本通りにアドバイスしたら

 

「うるさい!貴方、走れないのに口出ししないでくださいよ!!」

 

ってキレられた。

 

……前々からいつかそう言われると思っていたよ。

そりゃそうですよねー

 

前世でバズっていた分かりやすい例を出そうか。

トレーニングジムで、マッチョマンが筋トレしているところに、ヒョロガリの今まで筋トレしたことなさそうな奴がいきなり来て、こう言う

「そのトレーニングあんまり効果無いっすよwww」

 

まさにこの状況である。

 

初対面で、しかも生まれてから1度も走ったこと無さそうな見た目の奴にアドバイスされるとか、たしかに聴く耳持てないよね……

 

 

 

バカめが!

前々から予想していたと言ったであろう、秘策があるのだよ!

フハハハハハハ!!!

 

私に任せたまえ!!!

 

大きな声を出したから周りに見られてるけど、ペア相手の栗毛ちゃんを待機させ、更衣室を借りた。

 

()()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

秘密兵器!ウマ娘用義足~!

 

説明しよう、前世のパラリンピックとかで見るヒト用の義足を実家に頼んで作ってもらったのさ!

実家の庭で軽く走ってみたけど、いやー走るって良いね!!死ぬほど練習したよ!

これが、私だけの景色…ンギモヂイイイイイ

 

 

ここからは実演だ、栗毛ちゃんのフォームと基本のフォームとの違いを自分の身体で再現して教えていく。

ついでにメリットデメリットも一緒に

まだ半信半疑っぽいので、実際に並走しながらフォームチェックすることにした。そうすれば走ってる時に体感してもらえるだろうからね。

 

というわけで並走だ!!

実は本気で走るのもダート、というかターフで走るのも初めてなんだよね~

wkwktktk

栗毛ちゃん初めての共同作業だね♡

 

え、ダートの砂めっちゃ足取られるやん。

おっっっっっも

…ナニコレ?こんなんで走るの?

ま、まあなんとかなるやろ…ゲート入ろ。

うおっ思ってた以上にゲートせまい!?!?

こわいこわいこわいえ、むりむりむりだしてだしてだして

あ、開いた

 

 

な、なんとか栗毛ちゃんと並んでスタートすることに成功。

よ、余裕だし(震え声)

というかこっちが出遅れたのに栗毛ちゃんも同じくらいのタイミングってことは……栗毛ちゃんゲート訓練しないとね!

というか待って待って待って足重すぎる栗毛ちゃんについてくのとバランス取るので精一杯で人のフォーム見るどころじゃねえよヤバいよヤバいよカーブだよカーブってあんな鋭かったけうおおおおおおおおおまがえええええええええええええええええええええええええええええええええ

 

 

 

 

 

ってことがあってね……いやーあの時は若かった。(1年前)

庭じゃなくてきちんとコースで走る練習をするんだった。

まだヒトだった時の感覚が抜けてなかったねあの時は。

いろんな人にも迷惑をかけてしまって、本当に申し訳なかった。

本当の黒歴史とはこれですね。

 

でも栗毛ちゃんの走っているお顔を間近で見れたのは控えめに言って最高でした…これだから並走はやめられねえぜ!!ぐひょ…

トレセンに入れたら一体どれだけのウマ娘ちゃんと並走できるのか…妄想がはかどりますな!?

 

あの後、意外にも栗毛ちゃんに謝られた。仲良くなって、今でもたまに連絡取ったり遊んだりしてるよ。

そう言えばあの子もオペちゃんって言うんだよ!!栗毛でオペちゃんって運命感じちゃうね!!

あ、あとね予備校生の同期に

あの卑しか女杯1位ヒトメス(桐生院葵)さんがいたんだよね。

仲良くなっちゃった~、えへへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな葵さんと一緒にこれからトレセン学園の入社試験と面接を受けるよ!

緊張のし過ぎでもう足がガクガクのブルブルでヤバ…あ、足無かったわ!ワロス←何故かウケない

 

僕が説明会を受けた時にはもう理事長が皆大好きあの秋川やよいさんだったし、秘書さんは緑の悪魔こと駿川たづなさんだったよ!

それだけでもうテンション上がり過ぎて某記者さんみたいに白目剥いてプルプルしちゃってました。おかげで周りの人や職員さん達に凄く心配されましたテヘペロ

 

やらかしたなぁ…それだけでも評価下がってそう…凹む。

 

その一件以降、何故かたづなさんと親しくなった。

お互いの連絡先も交換したし、やたら親身にしてくれる。

良い人やで〜ほんま。

 

だがアドバイスとガチャ演出の時は許さん

 

というわけで、いざバクシンバクシーン!!!

 

 

 

 

よし…

試験はなんとか答案を全部埋められたし、面接は……緊張して何言ったかよく覚えてないけど大丈夫やろ……多分……

あとは気合をぶち込めて合格を祈るだけですわー!!

 

ってなんかたづなさんからウマインきたわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある緑の回想

 

「私は走ることができませんので…レースで走るウマ娘たちの気持ちが理解できないから、トレーナーになるには相応しくないのでは…と悩んだ時期もありました。

実際にも言われました、走れないくせに…と。

でも私はもう迷いません。

迷ってるうちにも、トレーナーがついてなくて伸び悩んでる娘が沢山います。

そんな事なら…私がトレーナーになるのが罪なら…それを背負ってでも、トレーナーになります!

全てのウマ娘ちゃんを笑顔にしたいんです!」

 

面接の時の■■■■■■■さんの言葉。

まるでシンボリルドルフさんと同じ夢…

しかし■■■■■■■さんの言う全てのウマ娘たちの中に、貴方は入っているのでしょうか……?

 

説明会の時も緊張のあまり、具合を悪くされてましたね。

今日も面接終わりに少しお話しましたけど調子が悪そうでしたねぇ…緊張してただけなら良いですけど…

 

ただでさえ、普段から生活が大変なのに。

私は足の怪我をした時に長い期間歩けなかったことがありますが、それはもう想像を絶する程に辛かった、主に精神的に。

それが生まれつきとなると…想像すらできない。

 

彼女はウマ娘の名家出身であり走れない以上、ウマ娘に係る仕事で大々的に名を挙げるにはもうトレーナー業しかありません。

絶対にトレーナーにならないといけないという重責が相当な負担になっているはずです。

 

結果は、まあ問題ないでしょう。あの理事長の事ですから、分かり切ったようなものです

でも心配ですね…この後連絡しちゃいましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるヒトメスの回想

 

これからいよいよトレセン学園で入社試験と面接です。■■■■■■■さんと一緒に合格してみせます!!!

あの時に知った■■■■■■■さんの命懸けの覚悟。同期としてとても尊敬するに値するものです…

 

あれは初めて地方のトレセンに行った時のこと。

あ、回想に入りますよ?

 

 

 

今日私は授業の一環で地方のトレセンに来ました。

そこで、初めてウマ娘に指導するのですが、やはり緊張しますね…だけど私は名家の娘です、同じく名家であり、お友達の■■■■■■■さんもいらっしゃいます、恰好悪いところは見せられません!

 

と私が意気込んでいたところに

 

「うるさい!貴方、走れないのに口出ししないでくださいよ!!」

 

と大きな声が聞こえてきました。

私も含めて周りにいた予備校生やウマ娘、先生方が一斉に声の方に注目してしまいます。

 

な、なんなんですか!あの態度は!流石に失礼過ぎます!大体■■■■■■■さんがどれだけ努力してるとお思いですか!?と思っていると

 

「そうですよね…ごめんなさい。少し、待っていて頂けますか?勝手に走ってはいけませんよ?」

 

と言って■■■■■■■さんは何処かに行ってしまった。

 

あれから…15分ほど経っても戻ってこない。

■■■■■■■さんのことが気掛かりなので探しに行こうとしたら、丁度車椅子の音が聞こえてきた。

 

さっきの事、大丈夫かな?と思って真っ先に声を掛けようと振り返るとそこには…

 

足の生えた■■■■■■■さん!?!?

あれ?もしかして義足???

やたら荷物のバッグが大きくて重そうだなって思ってたけど義足が入ってたからだったんですね!?というか義足お持ちだったんですね!?!?情報が多い!!

 

それにしてもあれは…変わった形の義足ですね。奇抜な形をしていますが、ちゃんと歩けるのでしょうか?

あ、歩けてる。

!!初めて■■■■■■■さんが歩いてるところを見ました!!しかもジャージ姿!!!感激!感激です!

ご自身の身体を使ってフォームについて指導されています!!!

それでもまだペア相手のウマ娘さんは不服な様ですが…

 

え!?ダートコースで並走しながら指導する!!??そ、そんなこと可能なのですかっ!?

 

あ、お二人がコースを使える番が来たようですね。■■■■■■■さんが頻りに足元を気にしていますが、本当に走れるのでしょうか?

今お二人がゲートインしました…あれ?■■■■■■■さん、凄くそわそわしてませんか??涙目になってる!?

あ、スタートしました

2人とも出遅れてますね……ペアウマ娘さんの方はやっぱりフォームに問題ありですかね。

■■■■■■■さんは…必死な形相で走ってる!?フォームはきれいだけどや、やはり義足で走るのは無理があるのでは…

と私の心配をよそにいよいよカーブにさしかかりまし

バキバキッ!!!

 

…え?もの凄い音が鳴ったと思ったら何かがこちらまで飛んできて足元に落ちた。

これって…何かの破片?

 

「キャーッッ!!」

と続けざまに女性の叫び声。

何事かと思い顔を上げると

 

ああっ!!■■■■■■■さんがダート外で倒れてる!?きゅ、救急車!!!!

 

 

 

 

あの後、全員トレーニングをするどころでは無くなったので強制終了。

私は心配だったので病院までついて行きました。

診断結果は軽度の打撲。それと頭を強くぶつけたそうです…

ですが命に別状は無いそうです。よかった…

でも一番ひどいのは…耳。

あの時私の足元に飛んできたのは折れた義足の破片でした。

義足の破片の一部が運悪く■■■■■■■さんの耳に当たって耳の一部が欠けてしまったそうです…

あぁ…折角の綺麗な耳が……

本人は大して気にしてなさそうにして、ウマ娘の指導の仕方を相談してきました。

思わず私は聞いてしまいました、

どうしてそこまで身体を張って無理をしてまで、できるのですか?

と。

 

すると彼女は、キョトン、とした顔で言いました。

 

「私は私がしたいことをしているだけですよ?」

 

彼女の中では、並走して指導するということは当たり前のことなのでしょう。

確かにウマ娘ならば、とても効率は良いと思います。

ただし走れるならば、ですが。

どれほどの覚悟で、彼女がトレーナーになろうとしているのか、しかと伝わりました。

 

 

そんなことがありました。

同期として、そしてお友達として、並び立てるようなトレーナーになってみせましょう!

 

 

 

ふぅ、無事終わりましたね…

■■■■■■■さんは…あれ?元気が無さそう…何かあったんですか!?

まさかあの時みたいに体調が良く無い!?

 

 

 

 

 

 




義足についてですが、世間一般的にウマ娘レース用の義足は未だ開発されていない。
人の陸上競技もリアルほど注目されていないので、レース用義足は物珍しい。
但し、普段の歩行用の義足は人ウマ娘関係なく普及しているはず、という設定です。


コントレイルかっこかわいい
毎年、天皇賞秋では第4コーナーに入ると大逃げする馬の亡霊が見えるそうな…みたいなSSありそう()



面接での没ネタ
「■■■■■■■さん、貴方にとってウマ娘とは?」


ウマ娘


それは君が見た光


僕が見た希望


ウマ娘


それは触れ合いの心


幸せの青い雲




青雲〜」

「青雲ですね!?」


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ワクワク(トレセン学園雑用)クライマックス

評価、おきに、しおり、誤字報告、ここすきありがとうございます。
今回は短め。



エフフォーリアおめでと~

※今更ですがチームスピカのトレーナーの名前はアニメ版の中の人から取って付けてます。


さてさてぇ!!

晴れてトレセン学園へ入社しまぁす!

これから入社式ですぜ!

今は体育館で並んで座って待機している状態。待機シャトル。

格好はオハナさんとか葵さんとかみたいなパンツスタイルのスーツを着て、ガワだけの歩けない義足をつけて車椅子に乗っている。

何も無いと裾プラ〜ンで周りの人の心臓に悪いからね。靴も一応履いてる。

髪の毛は胸の辺りまで伸びていて邪魔なんだけど、バッサリいこうとしたら周りから凄く止められたので、ポニーテールにしてある。僕の一存では切れないのだ…

耳には青色のイヤーキャップ、右耳に黒のリボンをつけてる。どちらとも母上から就職祝いでもらったのだ!

プレゼント嬉しいよね!

何故耳が欠けてるのかと言うと、地方トレセンでの()()()並走ですっ転んだ時にどうやら耳を切ったらしい。

目が覚めて鏡見たら耳に包帯巻いてあって片方短いから流石に焦ったわ。でもオサレなイヤーキャップあるから無問題!ヨシ!

 

桐生院パイセンは入社試験成績1位という事で代表挨拶をするらしい、やっぱすげえや!

僕はねぇ…合格者全員の下から3番目くらいかなぁ…天才はいる…くやじいが。

ぐぬぬ

 

でもでもトレーナーってのは成績が全てじゃないんじゃい!

お母ちゃん!私、日本一のウマ娘になります!(スペちゃん声真似)←激似自画自賛

あ、足無えから無理だわ、ワロス!←個人的なツボ

じゃけん母上、立派なトレーナーになるぜよ!

 

ところでこの世界、チームリギル、スピカ、カノープス、シリウスがあるんだよね

ゲームとアニメ混ざってるぅ!

ゴルシ、マックイーンがシリウスにおるんよ、去年マックイーンがデビューしてた!

オグリキャップが有記念勝ってた!

感動して大泣きしたよ…

ルナっちとマルちゃんはドリームトロフィーなうだしね。

他の娘はどうなんだろ?

はっ!ワンチャン推しウマ娘ちゃんをスカウトできる可能性あり!?

 

はぅあああああああああああ

 

 

 

葵さんの挨拶も終わって全体へのお話も終わったし、これから各自に内示を伝えられて、明日から仕事に励むことになるだろう!

あ、お?リコピンおった!リコピーン!ピスピース!

 

残念ながら我ら新人は各チームのサブトレとなって経験を積むらしい。

推しウマ娘ちゃんのスカウトがががが…あ、でもチームに入れば推しと触れ合える可能性が!?

 

ひゃっほうぅぅぅぅぅう!!!!

 

成績上位数名はいきなり担当を持つことができるらしい。

やはり葵さんはハッピーミークを担当するのかな〜?でもこの世界にハッピーミークがおるか分からんな。

というか、成績上位勢に無個性みたいな奴おったけど、もしかしてあやつ…アプリトレーナーではなかろうな…?

そしたら3年間は重賞レース全て掻っ払われてしまうぞ……おそロシア……

 

 

新人全員で共有トレーナー室(学校の教員室のトレーナー版)へ戻り、今か今かと内示を待ってたら来た!僕の番!

ええと、何何…トレーナーとサブトレーナーのサポート及び管理の仕事……?

 

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あれ?ぼくさぶとれぇなぁじゃないの?

え?

 

も、もしかして成績が悪かったから…?

あああああああもっとちゃんと勉強しておくんだった!?

まだ見ぬウマ娘ちゃんとの妄想してばかりで全然勉強が捗らなかったんだ!

とかいう言い訳をしてる場合じゃなかったんだなぁ…ちくせう…

何が悲しくてヒトオスとヒトメスとだけ関わらなきゃいけないんだ…

大体なんの仕事やねん、トレーナーのサポートと管理って!

 

 

 

とか言ってる時期もありました…

やっぱりトレーナー業務って激務なんだなぁ

もう真っ黒だよぉ…

 

(ブラックな)ワクワクいっぱい、届けるよー!

 

サポート分野では、クソみたいな量の書類の分別やこれ紙媒体である必要なくね?ってやつのデータ管理化をした。

ぱそこんよくわかんなーいとかほざきやがる老害にはつきっきりで教えたりした。

てか、おっさんらに教えてる途中に、その人が地方に転勤になったり、退職したりすることがあったんだけど……ならなんで僕が手取り足取り教えなきゃいけなかったんですかねぇ!今まで教えてたの全部無駄じゃん!早く言えよ!!!上役の奴らめぇ…!おにおこだよ!おにおこ!マジパナイ

 

管理分野では、トレーナー共を定時退社させるのはもう物理的に無理なので諦めた。

なので日付跨ぐまでに絶対帰らせる、有給月1絶対消化、を目標にした。

それで日付跨ぐまで残りそうな奴には一緒に残って手伝い、私も帰れないんですけどアピールをめっちゃした。

有給を絶対取らせるために、有給中の仕事は全部引き継いだ。サブでも判断できる書類整理だけだったし。

そんなこんなで1年間はずっとこんなことしてたねぇ…僕えらい!自分をなでなでしてあげましょう!なんつって。

そんなのよりご褒美は、チームにお手伝いに行った時に推しウマ娘ちゃんたちとお話できることなんですよ!はぁ〜癒されるぅ〜

というか、オハナさんとか妖怪トモヲサワル(沖野トレーナー)とかのとこいくと、私らのことは良いからウマ娘ちゃんとお話してて良いよって言ってくださるんですよねぇ!あなた方が神か!まあ書類整理しながらね、おしゃべりするんですけどね。

 

あと生徒会!ルナちゃま、エアグルーヴ、ナリタブライアンの3人しかいないってバカナノ?え、これから増えるのかな?

とりあえず門限近くまで仕事してるのがデフォルトとかだったのでそんなことはさせまい!と門限1時間以上前には終わらせられるように手伝ってるよ今でも!学生もブラックかよやべえな!

あとルナちゃん!慕ってくれるのはとてもHAPPYなんだけど、入社試験に合格した後に

「目立たぬ様あえて低い点数を取られたのですね、流石です、姉さん」

とか

仕事のペーパーレス化を提案したら

「今まで誰も目をつけていなかった書類仕事の無駄を省く…か。流石は姉さん、この案ならすぐに採用して学園全体で使用できますね」

とか

なんか、やけに持ち上げて来ない?

前者は僕の実力(未定)なだけだし、後者は普通の会社ならどこでもやってることだよぉ…

無駄に皇帝に肯定されてるよ…こわい…何かしたっけ僕…?

 

 

 

 

 

 

そういえば現在、みんなを笑わせられるギャグを開発中である。

 

何個かあるんだけど何故かウケないからね…くそぅ

 

去年チームリギルの、グラスちゃん朝日杯FSでの初GⅠ勝利おめでとう打ち上げに、参加させてもらえた時のことなんだけど。

酔った勢いで

「一発ギャグ片足立ち」

をやったんだけど、大ブーイングを食らった。

義足を放り出して片手で一点倒立をして、いやそれ手でしょ!ってツッコミ待ちだったんだけど、めっちゃ怒られた。

そうだよね…いくらチームの部室だからといって食事中だから埃が舞うよね…ごめんなさい…

と思ってたら、オハナさんとルナちゃんとグラスちゃんを除く他の人は僕が義足だって知らなかったみたい!

あれぇ?言ってなかったっけ?そりゃー驚くよね、急に足を引っこ抜くんだもの、ほんとにごめんちゃい…後悔はしてます…反省はしてません…最初に言うべきだったのかぁ…

 

次こそはドッカンドッカンさせられるような一発芸を!

 

 

あ、そういえばなんか僕と同じ年に入学したらしい僕と名前が似てるお嬢さま風の黒鹿毛ウマ娘ちゃんにやたらガンつけられて絡まれるんだけど何だろう?

でも、カワイイから許す!ね!?ラヴちゃん!!!

ウマ娘ちゃんに罵られるなんて貴重な体験なかなかできないもんね!

 

 

 


 

 

 

 

「納得できません!!

何故ねぇ…■■■■■■■さんのみこのような辞令が出ているのですか!?

サブトレーナーですらないこの役職、私は聞いたことがない!

『トレーナーとサブトレーナーのサポート及び管理…』とは何ですか!?

完全に雑用のみをやらせようとしているではありませんか!?」

 

「シンボリルドルフさん!落ち着いてください!」

 

「そうか…君も彼女と面識があるのだったな…

謝罪!■■■■■■■の処遇に関しては完全に私の力不足でこのような形になってしまった…本当に申し訳ない…たづなにも凄く詰められてしまったんだよ。…コワカッタ…」

 

「え?たづなさんも…ですか?」

 

「私も全く納得できていません。

いませんが……シンボリルドルフさん、理事長に抗議をしても無駄なんですよ、この件は」

 

「?……なっ!まさか!?」

 

「そのまさかなんですよ…」

 

「何故ですか!?いくら彼女が名家の娘だと言ってもまだ只の新人、どうして理事会が介入されているのですか!?」

 

「回答…私からは立場上、明言することが出来ない。

なのでこれは独り言だ…

 

とある理事の娘が二人、このトレセン学園にいるそうだ。

一人は生徒として、もう一人はトレーナー候補として。

しかし、二人とも母親は別だという。

彼の言葉を要約すると

 

『片方にはトゥインクルシリーズに万全の状態で挑み、活躍をしてもらいたい。

だが片方は…まだ生きていたのか、雑用でもやらせとけ。』

 

との御達しなのだ…」

 

「……」

 

「残念ながら未だに理事会は頭の硬いジジイ共ばかりで、彼の息が掛かっている者たちばかりだ…私の力が及ばず本当に申し訳ない…」

 

「…………いえ、それならば理事長が謝られることではありません。

私の方こそ申し訳ありませんでした。

……彼女にこのことは?」

 

「伝えておりません…」

 

「そうですか…

私たち生徒会が万全のサポートをし彼女の名声を上げさせ、奴らにこちらの意見を無視できないようにさせます。

何としてでも姉さんにはトレーナーになってもらいたい、いや…ならなくてはいけない存在です。

 

でも、姉さんなら私たちの協力無しで何とかしてしまいそうですけどね…」

 

「姉さん…ですか。そこまで…■■■■■■■さんのことを慕って信頼されているのですね?」

 

「当然ですよ。だって姉さんですから、ね」

 

 

 

 




起承転結をガン無視です。


アンケートのご協力ありがとうございます。予想外の量で恐れ慄いております。
全部とお好きにが1位2位だったので、投稿者の好きな順番で全部投稿していきますので、宜しくお願いいたします。


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幕間:VSシンパイルドルフ

アンケートのご協力ありがとうございます。
予想外の量で恐れ慄いております。
全部とお好きにが1位2位だったので、投稿者の好きな順番で全部投稿していきますので、宜しくお願いいたします。

今回、ウマ娘でそのネタする必要ある?って感じですがどうしてもやりたかった…悔いは……あります。
あとタグにシリアスもシリアルも曇らせも入ってないから普通の話になっちゃってもワンチャンありですよね(震え声)


あれは1億…いや十数年前の事かな?

僕がまだ小◯生の時(1話参照)

彼女と出会ったのさ…

 

「しんぼりるどるふです!よろしくおねがいいたします!」

 

かっはぁぁぁ……

 

大◯翔平選手の165キロのストレートが心臓に当たったレベルの衝撃だったね、それはもう深い衝撃だったのだ…

 

その後すぐに、ルナちゃんを膝の上に乗せて一緒にお菓子を食べる仲にまでなった。

お菓子でちょちょいっと釣ったら膝の上に来てくれたのさ。

ちょろかわ〜

姉妹がいないから妹ができてしゃーわせ…

と思っていたら

 

「おねえさま、って、と、およんでもいい?…ですか?」

 

うっ…ふう……

 

きみぃ、敬語なんていらねぇよぉ!

ルドルフちゃんって呼んでいい?って聞いたら

 

「るな!るなってよんで、おねえさま!」

 

 

アッ、スゥーーッ………

 

 

それからというものの

おねえさまおねえさま、と

くっついて来るルナちゃんがもう…やばい…とうとい…とける……

一緒にお歌を歌ったり、絵を描いたり…

 

唯一できなかったのがかけっこなんだよ…

他の子たちに混じって遊んで来なさい、と言っても

 

「おねえさまといっしょにいるもん!」

 

かわえぇ〜

 

が、あれは申し訳なかった。

走りたそうに耳もピコピコしてたし、前かきもしてた。

このままではルナちゃんの走ってる姿が見れない…ションボリルドルフ…

 

というわけでねえさま頑張りました!

競走しよう!今日、そうしよう!

 

……

 

もうルナちゃんと一緒にかけっこして走ってる姿を見たいから義足を付けて走るのを練習したようなものなのだよぉ!

朝も昼も夜も練習!春も夏も秋も冬も超え願い焦がれて走った。

たまにルナちゃんの前でもやったなぁ…盛大にすっ転んだりして恥ずかしかったけど。

 

「もうやめてお姉さまー!!」

 

って泣かれたりもしたっけなぁ…かわえぇ…

 

ちゃんとね、カッコいいところは見せれたんだよ!

僕がもう高◯生になった時だったけど、やっと見せれたね。

あの時は完全に、ズの付くサイと戦ってたなぁ…気持ち的には。

でも結局泣きながら怒られちゃったよ…おかしいな…?

 

 

そして数年後、事件は起きた

ルナちゃんがトレセン学園に入った頃、恥ずかしいからと言う理由で「姉さん」呼びに変わってしまったのだ!!

納得できない!!バンバンッ

皆お馴染みのあの喋り方にもこの頃から変わったんだよぉ…あの可愛かったルナちゃんが…とうとう皇帝に…なるんだね…

 

ルドルフちゃんの担当トレーナーはオハナさんだった。

アニメ通りチームリギルに入ったらしい。

僕が入社する前にもルドルフちゃんを通してお話ししたこともあるんだよ!

ウマ娘想いの良い人だよね!

入社してからは更に話すようになって、ルドルフちゃんのトレーニングメニューを一緒に考えたりするんだ!

 

 

デビューしてから無敗の3冠を取った時なんかはリギルにお邪魔してもう全力でお祝いをした。

が、思ったより厳かな場だなって思ってたら、来週ジャパンカップ走るとかアホか。

本当に史実の競走バ通りのレース日程で走るやん、アプリトレーナーじゃないんだから。

オハナさん血迷ったか、と思いついカッとなって凸ったら、ルドルフちゃんがオハナさんが止めるのを無視してレースプランを組んでいたらしい。

疑ってごめんよオハナさん…

お祝いの席の空気を壊してしまったので、そのまま終わりにしてもらいルドルフちゃんと二人きりにしてもらった。

ウマ娘として生まれてから初めて人に怒っちゃったよ…。

ルドルフちゃんと初めて喧嘩もした。

結果、無視されてレース出場、からの3着。

テレビで見てても明らかに調子悪そうだったからなぁ…。

身体を張ってでも強引に止めた方が良かったのか、逆に目一杯応援して調子を上げてもらえた方が良かったのか……

 

しかし……考えるのはやめた

翌月の有記念に万全の状態で走ってもらう為にもすぐトレセン学園に行って、帰ってきたばかりのルドルフちゃんと無理矢理面会させてもらい仲直りした。

結果は1着!本当に良かったよぉぉぉぉ。

 

シニア級に入って、難無く春天1着。

の後にしつこいくらい怪我に気をつけるように言ったら、宝塚出走出来て1着!秋天1着!JC1着!有 1着2連覇!

史実では成しえなかったGⅠ9冠達成!!!

あなたが神か……いや皇帝ですね。

 

その後問題の世界への挑戦、また再三怪我に注意するように言ったけどレース中の足の違和感で敗退、そのまま帰国という史実通りの結果となった。

ニュースでルドルフが怪我したって見て心臓が止まった…体感的に10秒は死んでたね、あれは。

どうにかして防ぎたかったけど、僕が現地についていけないから無理だったのかな……凹む…超凹む…夢の凱旋門が……

 

現在は怪我も無事完治して夏冬ドリームトロフィーで活躍してて安心だぁー

 

 

 

 


 

 

 

姉さんとの出会い?

あれは私がまだ4歳くらいの時かな、

お母様の友人同士のお茶会に一緒について行ったんだ。

集まった子供たちの中で車椅子に乗った足のないウマ娘がいたんだ、それが姉さんだね。

一番年長だったからか、自ら色んな子に挨拶に回っていてね。

私の番になった時、覚えたばかりの自己紹介と挨拶の言葉を言ったんだけども、緊張していたからちゃんと言えたかは定かではないがね。

そしたら、姉さんは

 

「■■■■■■■と申します、宜しくお願いしますね。

丁寧なご挨拶、ありがとうございます。

よく言えましたね、いい子いい子」

 

と言って褒めながら頭を撫でてくれたんだ。

更に

 

「こちらに美味しい人参クッキーがありますよ、一緒に食べましょう?」

 

と言われてね。

私はクッキーを食う気満々だったのさ……フフッ…

流石の私も子供の頃は現金なもので、もう褒められてお菓子を貰えて有頂天さ。

すぐに姉さんに懐いてしまったよ。

膝の上に乗ってお菓子を食べさせてもらったり…ねえさまと呼んだり…かなりやんちゃをしてしまった…

その日のお別れの時も、姉さんと離れたくなくて、恥ずかしながら大分ぐずってしまったんだ。

 

これが姉さんと出会った日の話。

 

 

それから、何回も姉さんと遊ぶ仲になったんだ。

本当に姉が出来たようだったよ。

しかし、どうしても出来ない遊びが出てくる。

子供たちでの定番の遊びと言ったら、かけっこ、だろう?

でも、姉さんは参加できない。

勿論当時の私もかけっこに参加したかった。

姉さんにも、みんなと遊んできなさい、と送り出されもした。

でも私を見る姉さんの寂しそうな顔、今でも思い出せる。

そんな顔されたら遊びに行けないじゃないか、姉さんを独りにはしない、子供心ながらにそう思ったんだ。

 

 

そしたらある時、姉さんが義足を付けて走る練習を始めたんだ。

最初は立つ練習から、やがて歩けるようになり、数年かけて短い距離なら走れるようになった。

そこまで辿り着くまでの過程は全部知っている。

間近で見ていたのだから。

もしかしたら私が9冠を取るまでの過程よりも過酷だったかもしれない。

 

何度も何度も転んで、身体中アザだらけになりながら。

まさに四苦八苦、七転八倒しながら歩けるようにまでなった。

姉さんが、姉さんの実家の庭を歩いて1周出来た時は思わず二人で狂喜乱舞してしまい、抱き合って転んでしまった。

 

次はいよいよ走りへの挑戦だ。

歩きから走りへの練習は、それはもう見ていて痛々しいものだった。

立つ、歩くよりも動作に勢いがつく為、いくらサポーターを付けていても転倒するたびに傷が増えていく。

 

 

 

 

思い出すのは、姉さんが転倒した回数が計百を越えようかという時、当時の私はもう見ていられなくなって我慢出来ず泣きながら姉さんに駆け寄ってもうやめて欲しいと言ってしまったんだ。

すると姉さんはこう言った

 

「こんな足の為に、

これ以上誰かの涙を見たくない、

みなさんに笑顔でいて欲しいんです。

だから見ててください、

私の、

"走り"」

 

姉さんのあまりの気迫に、私は思わず後退りしてしまった。

姉さんが起き上がってスタートラインに着く。

姉さんの深呼吸が聴こえる。

 

「フゥーー……スッ

No fear,No pain

愛の前に立つ限り

恐れるものは何もない

 

かすかに聴こえた姉さんの言葉。

それは、自らを奮い立たせる言葉だった。

 

痛い

 

怖い

 

辛い

 

そんな思いを押し留めて走る。

何故なら

私たちの笑顔が見たいから…

 

 

 

 

それが、姉さんの走る…頑張る理由。

素直にすごいと思える。

今でも皆の笑顔を見る為に日々努力してるのだろう。

ならば私も皆を幸せにするために邁進しよう。

 

 

 

 

姉さんが走り出した。

 

全長100mもない庭。

全力ではない、しかし本気で走る姉さんの姿に見惚れてしまっていた。

 

もう間も無くゴール地点というところ、姉さんは減速する様子がない。

このままでは庭の端の木にぶつかってしまう!?

と焦って声をあげようとしたら

 

姉さんが跳んだ

 

そのまま前方宙返りをして

 

右足で木を蹴り

 

その反動で後方宙返りをして

 

左膝に当たる部分と蹴って折れた右足、左手を支えに着地した。

 

 

それを見て数秒か、はたまた数十秒か立ち尽くしてしまった。

 

我に帰った私は一目散に姉さんの元へ駆けて無事を確認しに行った。

 

姉さんは右手を握って親指を立て此方に見せて笑っていた。

 

「大丈夫!」

 

 

 

 

あの時の走りは今思い出しても美しい。

現在の私もトゥインクルシリーズを駆けた私もあのような走りを皆に見せられているだろうか。

 

最後のは姉さんなりのパフォーマンスだったのだろうが、木を蹴り倒すのは流石にやり過ぎ。

あの後泣きながら怒った記憶がある。

そうだ、今思えば走ってる時に姉さんの右足に炎が宿っていたような…木も焦げた跡があったような……

もしかしてあれが姉さんの"領域"(ゾーン)か?

私の場合は雷が迸るんだが、姉さんの場合は炎?

もしあれが、競争ウマ娘としての姉さんの"領域"(ゾーン)だとしたのなら……やはり惜しい、な。

姉さんと全力でターフを走りたいという欲は今でも諦めきれないものだ……

 

その後、姉さんが短い距離なら走れるようになった為、私と並走出来るようになった。

今でも時間があるときには軽く並走を頼んだりする、やはり至福のひと時だよ。

並走しよう!へぇ、そうしよう!……フフフッ……

 

 

だが、姉さんが地方のトレセンへ実習に行った際に、いきなりダートを走ってしまうとはね…いくら走れるようになったからといって油断大敵だろう。

おまけに怪我をしたと聞いた時はもう心臓が止まる思いをしたね。

そのくせ本人はケロッとしているから心底ムカついた。

ぶっつけ本番で義足でダートを走るとか、どういう神経をしているんだ。

信用してもらうには、身体で知ってもらうのが一番とか言っていたが、姉さんの場合はやり過ぎなんだよ。

耳に大怪我まで負ってしまって…姉さんの大事な耳が…

イヤーキャップで隠せるし痛くないから問題無い?

そういう事ではないんだ、どれだけ私が心配したか!

 

 

私の日本ダービー後の不調は姉さんの所為だよ、全く…

当時、どうやら姉さんは私の不調を知らなかったらしい。

まあ、ダービー後は姉さんが入院してしまって、一度しか会ってないからね。

夏休み中もお互い忙しかったしあの菊花賞後まで会う機会が無かったから、姉さんが知らなかったのも無理はない。

その後、どうしてその時言ってくれなかったんだ、って詰め寄られた。

姉さんも怪我明けだった上に忙しかったって、だからこちらの心配をして欲しくない、などと説明していたら…姉さんが泣きそうな顔になってしまったのでこれからはちゃんと言うことを約束させられた。

あ、話が逸れたから戻そうか。

コホン、閑話休題。

 

 

 

それで……例の菊花賞からの中一週でジャパンカップ出走。

菊花賞の後、初めて姉さんに怒られて初めて姉さんと喧嘩をした。

……今でも怒ってるって言われてしまう。

うむ、あれは反省しているよ。

姉さんの言った通りだったよ、私は功を焦っていたんだ。

ジャパンカップで敗退した後…初めての敗北を経験した後、姉さんはすぐ電話をくれたんだ。

あの叱咤激励が無かったら、恥ずかしながらまともにウイニングライブに出れなかったんじゃないかな。

その後、私がトレセン学園に戻ると姉さんが来ていたから直ぐに仲直りした。

あの時は姉さんの顔を見れて凄く安心できたよ。

 

それ以降は、漸く私は人に頼ることを覚えたんだ。

そうしたらリギルや生徒会のみんなとの結束力が一層高まったと感じたよ。

それからは再び連勝街道を走ることが出来て、9冠を達成した。私には絶対があるとまで言われるようになった。

姉さんやオハナさん、リギルや生徒会、その他大勢の人たちのおかげだね、感謝感激だ。

 

 

後は、苦い思いをした海外への挑戦だな。

あれは私の未熟さが諸に出てしまったな…向こうで体調不良になってしまって、それがレースでのコンディション不良に繋がった。

ただそれだけだよ、正に汗顔無地…自分の体調管理不足が敗因になってしまうとは…。

今は足の状態は万全さ、何も問題はない。

ドリームトロフィーの結果を見れば分かるだろう?

 

 

 

実際はホームシックになってしまって体調を崩したのは姉さんには内緒だ……

 

 

 

で、昨年は待ちに待った姉さんの我がトレセン学園への入社。

実は生徒会会長権限をちょこっと使って、まずはリギルのサブトレーナーに就いてもらおうと考えていたのだが……

 

実に不快だな…姉さんをサブトレーナーですらない、実質的な雑用係にするとは。

お陰様で姉さんにトレーニングを見てもらう機会が格段に減ったじゃないか。

これでは予定と違う…

ではなくトレーナーとしてトレセン学園に入ったのにトレーナーをやらせないとは言語道断、あり得ないだろう。

姉さんは何も言わずに受け入れているが……

 

しかし、それが逆に学園にとって功を奏する結果となった。

姉さんのお陰で我々生徒会の仕事や学園の職員全体の作業効率が上がっている。

ふん、姉さんの有能さを侮っていたようだな!

この署名の数なら姉さんをサブトレーナー以上に押し上げる事は可能だろう。

やっと今年からだ、漸く…

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、教えを乞うフリをして姉さんに近づいた愚か者が多かったな。

特に中年の男性職員、トレーナーが多い。

姉さんも姉さんで油断し過ぎだ、どうしてすぐ密室で二人きりになってしまうのか。

しかも距離感が異様に近い。

そのせいか、お礼と称して何度も食事に誘われたりしていた。

一番酷かったのは、肩から背中、腰にかけてマッサージをしようとしていた奴。

何がお礼だ、自分が姉さんに触りたいだけではないか、完全にセクハラだぞ。

姉さんも普通にしてもらおうとするな!危機感が欠落している…

それだけではない、この前の奴なんか姉さんの胸を凝視していたぞ、姉さんは気づかなかったのか…?

下心満載のセクハラ野郎は調べたら懲戒処分ギリギリのことをしていたので、証拠を集めてちょちょいっとたづなさんに手伝ってもらい処分した。

他にも色々としつこかったり、やけにボディタッチが多かったり、そういう輩は大体何かしらやらかしているので、処分は楽だった。

 

全くもう…昔から何度も注意しているのに異性との距離の近さ、危機感の無さ、これらだけは治らない…誰にでも優しいのは美点だが…そういう面で見ると欠点でもあるな。

 

 

あとは……突然、当たりがきついウマ娘に罵られていたり…

何故かゴールドシップと登山しに行ったり…

何故か切腹しそうになっていたり…

何故か樫本トレーナーにスカウトされていたり…

と色々と波瀾万丈な様子…

くっ、仕事が手につかん……

 

 

ん?姉さんの日常についてやけに詳しいって?

それは…まあ…車椅子や服に少し仕掛けを…だな…

 

 

 

 

 

 

 




需要があるか不明な
ルドルフの回想の台詞
主人公目線
「(はぅあっ)■■■■■■■と申します、宜しくお願いしますね。
(尊いぃぃぃ)丁寧なご挨拶、ありがとうございます。
よく言えましたね(ナニコノカワイイイキモノ!?)、いい子いい子(撫でて良い??良いよね!?)」ニコニコスマイル

「こちらに美味しい人参クッキーがありますよ、一緒に食べましょう?(餌付けしたいぃぃ、あーんしたいぃぃ)」




ここで、全く関係のない趣味のやきう話をば
嫌な人は閲覧非推奨

某所でウマ娘のやきうmmd動画を見て、自分が某竜党であることを思い出しました。

ウマ娘の応援歌…欲しいな…
でパク…考えました。


1.右 ミホノブルボン
俊足だGo行くぞ 走れ走れブルボン
狙いは一つだ三冠 ターフを駆け抜けろ

2.遊 エイシンフラッシュ
光の速さで突っ走れ ドラマティックに
ターフを駆け抜け 魅せろよフラッシュ

3.三 ライスシャワー
全てをかけてレッツゴー いくぜ時代のヒーロー
夢に描いたステイヤー ライスシャワーよ走れよ

4.一 メイケイエール(友情出演)
乱れる雲を討ち 嵐に向かう娘
立ち上がれメイケイ 名古屋の意地だ

5.二 トウカイテイオー
冴える闘志は 会心の走りを呼べ
光るターフを 駆け抜けろテイオー

6.左 ハルウララ
頑張れ頑張れ走れ みんなの応援をのせて
桜吹雪の道を行く ウララウララハルウララ

7.中 サイレンススズカ
強い風に立ち向かえ 永遠の伝説となれ
速く走れスズカよ そのスピードで

8.捕 セイウンスカイ
レースを創れ 煌めくナイスリードで
今日も期待してます セイちゃんファイトだ

9.投 ウイニングチケット
強気の勝負で 勝利を掴め
全身全霊 それゆけチケゾー

監督 シンボリルドルフ
七冠ルドルフ 絶対皇帝
必ず1着 ゴールイン

どれが誰のか分かりますでしょうか。


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幕間:VS薙刀蒲公英

1週間ほど旅行に行っていたので遅くなりました

感想、ここすき、コメント、しおり、評価、誤字報告ありがとうございます。
モチベの維持につながっております。

この物語は皆様のコメント等によってガバが補完されていっております。
この場を借りてお礼申し上げます。


僕は今でも後悔してることがある。

薙刀蒲公英グラスちゃん…正直すまんかった

 

 

 

夜中にこっそり義足でターフを走る練習をしようとして偶々見かけた自主トレ中のグラスちゃんに

 

通りすがりの雑用係だ、覚えておけ!

そんなんでレース走って勝てると思ってんの?

義足の僕にすら勝てんぞ???

これが不退転の覚悟ですよ!

一緒にお風呂入ろう!ぐへへ…

 

って絡んですみませんでした(土下座)

だってあまりに"怪物二世"を意識し過ぎて焦って過度なトレーニングをオハナさんに内緒でしてたんだもん。

折角チームに入ったのにさぁ

無茶なトレーニングを繰り返してたからさぁ…思わず、ね?

 

でも完全に煽っちゃってるよね、やらかしたよ…

ただカッコつけて走りたかっただけなんだよ…

おさまりが付かなく…口が勝手にベラベラと…

一貫性が無くて芝生える。

 

 

はい、ターフを走りました。

この後滅茶苦茶トレセンとルドルフちゃんと色んな人に怒られました。

でも今回は義足折ってないんだよ!?凄くない?僕も成長してるのさ!

…え?そもそも勝手に走るな?

はい、仰る通りです。後悔しています、反省も……していますよ、ええ。

カーブがなぁ、あとちょっとなんだよなぁ…

カッコつけようとして、僕の生き様見せてやる!、とか言っちゃってさぁ…

カッコ悪いところ見せちゃったなぁ…

次は転ばないぞ!

僕頑張るぞー、おー!

 

ちなみにお風呂には一緒に入れました。きれいでした。ナイス美尻。

 

 

 

 

 

 

そしてクラシック級に入って直ぐグラスちゃんは怪我をした。

 

 

 

 

あのさぁ

またもや史実を知ってたのに防げなかった…

ルドルフちゃんの二の舞じゃん

何のためにトレーナーやってんの?(まだトレーナーじゃ無いけど)

自分が情けない……

 

 

……切るか…………

 

 

 

 

 

髪を。

一度やってみたかったんだよねぇ!

刀で長い髪をバサってやるやつ!断髪?だっけ?

髪ばっさーっていけば反省してますって雰囲気でるやろ!

思い立ったが吉日というもんね!

では自室で早速。

下にシートを敷いてその上に座って刀…は無いから代わりに包丁でいいや!

いざ参る!

あれ?どうやんのこれ?

逆で持ったらやりやすいのかな?

 

と、髪を切ろうとしてるところを()()入ってきたグラスちゃんに見られて止められてしまった。

グラスちゃんに

 

「私が悪いんです!!もう二度と!このような事はなさらないでください!」

 

って泣きながら怒られた。グラスちゃんが悪いって何?悪いのは僕だよ?ごめんね??

 

やはり僕は自由に髪を切れないのか……

 

………ションボリル(ry

 

グラスちゃんに怒られた直後、()()()()()()きたルドルフちゃんにも泣きながら怒られた。

はい、髪は大切にします。

 

 

 

 

オハナさんに、将来的にトレーナーとしてチームを作るなら担当ウマ娘一人一人にのめり込み過ぎるのは良く無いって言われた。

 

オハナさん……推しが目の前におるのにのめり込むな、なんて無理無理無理カタツムリ!

大変申し訳ないがこれだけは無視させてもらう。

僕は推しウマ娘ちゃんたちと触れ合いたいという邪な理由でトレセン学園に入ったのだ。

別に、命を懸けてGⅠを勝たせる〜とかそーいうのはノーサンキューなのだ。

 

でも怪我だけはいかんよ〜

怪我なんてしちゃったらシリアスなお話になっちゃうだろ!

僕はもうウマ娘ちゃんの曇った顔は見たくないのだ。

スポーツに怪我は付き物とか知らん知らん!!

綺麗事だって?

ふふふ、

 

そうだよ。

だからこそ、現実にしたいんじゃない。

本当は綺麗事が一番良いんだもん。

 

もう推し関係無くウマ娘ちゃんの怪我は死ぬ気で防いじゃえ!

よし、えい、えい、むん!

 

せや!今更だけどグラスちゃんやリギルの皆に怪我予防のストレッチ入念にするように注意喚起したろ!ついでに教えたろ!

 

 

あ、グラスちゃん!まだ怪我治ってないんだから無茶しちゃダメだよ!

焦るのは分かるけど、チームのトレーニングは見るだけって言ったでしょ!我慢することが今のトレーニング!

めっ!ほら!エルちゃんも何か言ってあげて!ほら!今日も良いお胸様ですね!

 

 

 

とかやってたら、グラスちゃんに呼び出されて

 

「■■■■■■■さん

 

このグラスワンダー

不肖の身ではありますが、

精一杯精進いたす所存でございます。

私のトレーナーになってください。

お願いいたします。」

 

と土下座された。

 

 

さっきも言ったけど僕まだサブトレーナーですらないよ?

しかも君リギルに入ってるよね?

って土下座やめてやめて!!

返事は一旦保留にしてもらって、後でオハナさんにどうなってるんですか!?って聞いてみたら

 

「グラスワンダーの方から言われてね。随分と信頼されているのね。

名残惜しいけどアナタが正式にトレーナーとして担当を持つことになったら良いわよ。」

 

と言われた。

 

どうしてこうなった?

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

私がトレーナーさん…ではまだないですね。■■■さんと出会ったのは、私がデビューしてしばらく経った頃。

私が夜中に無茶な自主トレーニングをしていた時の事です。

 

 

私はマルゼンスキー先輩に準えられて"怪物の再来"や"怪物二世"として期待されています。

当時は、レースで絶対に勝たなくてはならない、勝つのが当たり前と考えており、オハナさんに内緒で過度な自主トレーニングをしておりました。

今思えば愚かでお恥ずかしい限りです…

 

「無茶なトレーニングは身体を壊しますよ!」

 

私の走る最低限の外灯に照らされたターフに女性の声が響きました。

この時間、ここには私以外居ないと思っていたので、驚いた私は立ち止まって声の方へと振り返りました。

声がしたターフの外側の方にはジャージ姿にエルのようなマスクをつけた尾花栗毛のウマ娘がいらっしゃいました。

それが彼女との運命の出会いです。

当時はまだ■■■さんとは関わりが薄く、シンボリルドルフ会長と仲の良い方で、オハナさんを通して何度か顔を合わせた車椅子に乗ったウマ娘の職員さん、くらいの認識でした。

そんな方が、消灯後の時間にジャージにマスク姿で、しかも普段乗っている車椅子無しでいる状態に大変驚いて混乱してしまいました。

そんな状態の私に彼女は近づいてきて再度声をかけてきます。

 

「こんな時間までリギルはターフの使用申請を出していません。グラスワンダーさん、無茶なトレーニングは身体を壊しますよ。さぁ今日はもう終わりにしましょう。」

 

皆さんには内緒でしていたトレーニングを見られてしまった私は気が立っており素っ気ない強気な態度で接してしまいました…

 

「■■■■■■■さん、このような時間にこのような場所で私に何か御用がおありですか?」

 

ぁ……

私は通りすがりの雑用係です、覚えておいてください。

そんなことよりもグラスワンダーさん、その無茶な自主トレーニングを止めに来ました。

貴方にはオハナさんが毎日最適なトレーニングを考えてくださっています。

今日はもう身体を休めましょう。」

 

「オハナさんのトレーニングはしっかりとこなしています。その上でしていることです。それに、貴女には関係のない事でしょう。放っておいてください。」

 

「関係のない事ではありません。貴女はこのトレセン学園で最も期待されているルーキーの1人です。貴女の実力なら、順調に行けばクラシック三冠や世界を目指すことも」

「だから!!その為の努力を!トレーニングをしているんです!」

 

「…正直、そのような状態で朝日杯フューチュリティステークスで勝てるとは思えないのですが?」

 

それは私にとって衝撃的な発言でした。

周りの方々やメディアでは既に1番人気確実、1着を取れるかどうかではなく1着をレコード更新で取れるかどうかと言われていた中で、この発言です。

 

「そのようなトレーニングをしていては怪我をしてしまいそもそもレースに出走できない可能性が高くなってしまうかと。

そうなった場合、オハナさんの想いや我々の期待、そしてあなた自身のこれまでの努力を棒に振るおつもりで?」

 

「なら…ならばどうすれば良いというのですか!私は、このトゥインクルシリーズに!不退転の覚悟で」

「甘い…甘いですね。その程度で不退転の覚悟?片腹痛いですね…それでは義足の私にすら勝てませんよ?」

 

「え?な…義足?」

 

突然の暴露に理解が追いつきませんでした。

この自然な立ち姿が義足?

 

「良いでしょう。私は口があまり達者ではありませんので。今からターフを走ります。この姿をその目に、焼き付けてください。

私の生き様見せてやる。

 

そう言いながらジャージの上着を脱ぎ棄て、呆然としている私を尻目にターフへと歩みを進めました。

 

スタート地点に立つ■■■さん、今なら分かります、あれはGⅠレース級の気迫でした。

 

命、燃やすぜ

 

そう呟くと同時にスタートしました。

走るフォームはとても綺麗でお手本その物でした。

これが本当に義足での走りなの!?あの時はそう疑ってしまいました。

 

 

しかし、第1コーナーにさしかかったところで彼女は転倒しました。

私が呆気に取られていると何かが足元に飛んできました。

よく見たらそれは、金属製の棒状のようなモノ、義足でした。

カーブでの負荷に義足が耐えられず、こちらまで弾け飛んできたのでしょう。

事態を重く見た私は義足を拾って■■■さんの元へ駆け寄りました。

 

そこで私が見たものを、私は一生忘れません。

 

転倒時の痛みに顔を歪め歯を喰いしばりながらも両手のみで懸命に前に進もうと、絶対にゴールせんというその姿。

 

これこそが命懸けの、不退転の覚悟!

 

私が甘いといわれる理由を理解しました。

私は彼女の身体に縋りつきながら言いました。

 

「■■■■■■■さんの覚悟と決意、しかと伝わりました!もう大丈夫です!御身体を休めてください!」

 

すると

 

「あれだけ言ったのに恰好悪いところをみせてしまってごめんなさいね…」

 

「…いいえ、そんなことありませんよ。」

 

「本当にごめんなさい、ご迷惑おかけしてしまうのですが、近くにある車椅子を持って来ていただけますか?」

 

そう言いながら痛みに顔を歪めているので私は辺りを見回し、■■■さんの車椅子を見つけ持って来ました。

それから彼女を車椅子に乗せる手伝いをして、治療の為にウマホで人を呼ぼうとしたら

 

「人は呼ばなくて大丈夫です。いつものことですから…自分で手当てできます。」

 

物凄い勢いで転倒していましたが、あれがいつものこと…?だとしたら一体今までどれだけの苦痛を…

って考えている場合じゃありません。

 

「だとしても!保健室までご一緒します。良いですね?」

 

「…分かりました。お願いします…」

 

不服そうに了承してましたが、ここは譲れません。

 

義足を回収して、保健室に着くまではお互い無言でした。

そして、無理矢理手当を手伝っていると

 

「結局何が言いたかったのかと言うと、

グラスちゃんはグラスちゃんなんですから、焦らなくて良いんです。

自分が思うままに走ってください。

だから、居残り自主トレは、めっ!ですよ。グラスちゃん。

 

我ら思う故に我ら在り。

私は足が無いので一人では何もできません。色々な人の支えがあって今日まで生きてトレセン学園で働くことが出来ています。

レースも同じだと思うんです。私は出走できませんが…

一緒に出走するウマ娘、それを支える裏方の人たち、その人たちの協力があってこそレースが成立します。

えと…要するに抱え込まないでください。私じゃなくてもいいから、オハナさんやリギルの皆さん、クラスメイトやルームメイトに、今抱えている思いを話すことをお勧めします。

みんな一緒になって悩んで考えてくれる人たちばかりだと思います!

 

同じ時代に今出会えた仲間たちよ、我ら思う故に我ら在り

 

人生は、トゥインクルシリーズは誰も皆一度きりです。

みんなで協力して、悔いの無いようにしましょう。

あっ…今更ながらグラスちゃんって勝手に呼んじゃったけど良いですか?ありがとうございます。えっと、私のせいで二人とも泥だらけですしお近づきの印に一緒にお風呂に入りませんか!?私ウマ娘ですから特例で寮に住まわしてもらえているんですよ!美浦寮です!え、同じですか?じゃあ一緒に入りませんか?良いんですか!?えへへ

 

 

私は私。だから私の走りをすれば良い。”怪物二世”と評価されるあまりそんな単純なことが分かっていませんでした。

後半はぼうっとしてしまっていたのでなんと仰っていたか定かではありませんが、その後お風呂にご一緒させて頂いたことは覚えています♪

これを機に仲が深まりましたね。

後日、オハナさんに報告したらこっ酷く叱られ、そして凄く心配されました。

■■■さんの仰る通りでしたね。これ以降オハナさんによく相談をするようになりました。

 

 

 

 

 

そして朝日杯FSでは無事に1着をとれました。チームの皆さんとクラスメイトの皆と■■■さんに盛大に祝っていただきました。

だけど■■■さん、それを一発芸にするのはちょっと……いや凄いんですけどね。

 

 

そしていよいよクラシック級に挑戦というところで、

怪我をしてしまいました。

やはり以前の無理が祟ったのでしょうね…

これも■■■さんの仰るとおりに…オハナさん、■■■さんごめんなさい…

去年転入してきたばかりのスぺちゃんやセイちゃんやキングちゃんは皐月賞へ挑戦。

エルは世界への足掛かりとしてNHKマイルカップへ挑戦。

 

 

私だけ何もできない…本当に無様です…

 

 

 

 

ある時■■■さんに相談しに行こうと部屋を訪れたところノックをしても返事がありません。

でも部屋に居らっしゃる気配はします。失礼ながらドアに耳を当てて中の音を聴いてみると

 

「切るか」

 

切る!?何やらただごとではないご様子。

ドアノブを捻ると鍵はかかっていなかったようでドアはすんなり開きました。

中を見ると部屋の真ん中、シートを敷いた上に座った■■■さんが包丁を逆手に持っていました。

急いで近寄って包丁を奪い取りました……間一髪。

 

私のせいでそこまで思い詰めていただなんて……

 

 

「私が悪いんです!!ごめんなさい!!もう二度と!このような事はなさらないでください!」

 

「グラスちゃんは悪くありませんよ。だから、ごめんなさい。もうしませんよ。」

 

と約束してくださいましたが……心配なので暫く頻繁に様子を見に行くことを決意しました。

その後、部屋を出たらすぐにシンボリルドルフ会長がいらっしゃいました。

会長さんも心配して様子を見に来たそうです。

 

そして現在、オハナさんは基本的に他の皆さんのトレーニングを見ているため、■■■さんの方からリギルに頻繁に顔を出してくださるようになりました。

凄く私の事を気にかけてくださいます。

私が皆さんのトレーニング風景を見てソワソワして立ちあがってしまった時など

 

「グラスちゃん、気持ちは分かりますがまだ怪我は治っていませんよ。

我慢することが今のトレーニングです。ほら、座りましょうね。

エルちゃんにも協力して貰いましょうか」

 

と言ってエルを呼ばれて無理矢理大人しくさせられてしまいます。

 

 

更に怪我再発予防の為のストレッチを今まで以上に教えてくださり、実践してくださいました。

 

 

 

 

もう私の心境は今までとは違っています。

レースで皆に勝ちたい、その気持ちは同じですが、

 

それと同じくらい■■■さんの為に勝ちたい。貴女と勝ちたい。

そう思うようになりました。

 

ここまで面倒を見て下さったオハナさんには大変申し訳ないのですが、チーム移籍のことを相談しました。

すると

「やっと相談に来たのね。最近はもういつ来るのか、とずっと待っていたわよ。」

と言われてしまいました。

 

今年から急に仲良くなったので、薄々勘付いていたらしいです///

そしてオハナさんが注意点を教えてくださいました。

 

1.■■■さんはとある理由によってまだサブトレーナーですらない為、担当を持てないということ。

しかし、現在は3月上旬。来月から来年度への辞令が出るため、そこでトレーナーになれる可能性が高いということらしいです。

 

2.私の移籍は■■■さんにとってデメリットが大きいということ。

私の実績はGⅠを取っているとは言え、現在は療養中で夏まで復帰はできない、復帰しても実力は未知数というウマ娘を担当しなければならないということになってしまいます。

走れないウマ娘を担当するということは、トレーナーとしての実績をそもそも作れないということになってしまいます。ましてや■■■さんは新人トレーナー、周りから厳しい目で見られてしまうことでしょう。

 

 

……私は必ずや怪我を完治させ、■■■さんに勝利をお届けいたします。

絶対に汚名は着させません。

今度こそ、貴方から教わった不退転の覚悟でレースに挑みます!!

 

 

 

いざ、参りましょう。まずは■■■さんの部屋へと向かって決意表明、そしてトレーナーさんになっていただくお願いを……

 




新キャラ楽しみだぁ

追記
メジロブライトでしたね!
どーゆうサポカでキャラ性能になるか楽しみですね!


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[朗報]僕サブトレーナーになれた

レース描写は全カットです。

知識が皆無な為表現できません。ユルシテ…ユルシテ…


1天井してキタちゃん1枚ゲットしました。
ちなみにエルは5枚来たので完凸した上に2枚余りました。
……その分キタちゃんに来てくれよぉぉぉ!!!!
萎えているので更新スピードが下がる恐れがあります。
※主人公の名前の文字数変更しました。
6文字→7文字


「さて、次の人は……あぁ彼女ですね。」

 

ペラペラと捲る複数の書類の音と共に一人の男性の盛大な溜息が聞こえる。

 

「■■■■■■■、入社1年目、現在までトレーナーとサブトレーナーによるウマ娘への指導の補助及び事務作業の補助と彼らの勤退管理を行う業務についております。

トレーナーやサブトレーナーと違って担当ウマ娘やチームが無い為評価の基準を客観的に把握しにくいですが…」

 

「提案!彼女についての評価方法は私たちにとって目に見える形での成果を確認して決めるのが良いだろう。したがって、私の方で第三者の視点に基づいた資料を作成したのでそちらを閲覧してから評価をして欲しい。たづな!説明を頼む!」

 

「承知しました、理事長。では皆さま、予め配布しました資料の2部目を1ページ目からご覧になってください。まずは…」

 

「割り込み失礼する。何故秘書である君が説明するのかね?理事長、今の話の流れからして、貴方が説明すべきでは?」

 

「解答!今から説明する資料は全てたづなが作成してくれたものだ。だから、作成者自身が説明することによって皆の理解が深まるはずだ。」

 

「……了解した。止めてしまってすまない、続けてくれ。」

 

「…では説明を続けさせていただきます。まずは……

 

 

……これらのデータから■■■■■■■さんの作成した立案書の内容の取組によって学園職員たちの作業の効率化、残業時間の削減が為されたと判断できます。

以上の結果を参考に評価をお願いいたします。」

 

「感謝!たづな、説明ありがとう!

余談だが、生徒たちからの評判も良く、シンボリルドルフ生徒会長を始めとした一定数の子たちからサブトレーナーとしてチームに配属してほしいという相談や署名を貰っている。更には直接彼女に逆スカウトした子もいるようだ。」

 

理事長がそう言った途端に複数の失笑が室内に漏れた。

 

「…今の理事長のお言葉に何か可笑しな点でも?」

 

「ヴェッ、マリモ!!」

 

「いやはや逆スカウトですか…まだサブトレーナーにすらなってない()()()を指名するとは、その子の目は節穴か…実力はたかが知れてるやもしれませんな」

 

「否定!高山理事、職員や生徒をそのように言うのは感心しないぞ!」

 

「いや申し訳ない、理事長。ですがかの者は一度懲戒処分を受けている。そのような者をご指名とはねぇ。」

 

「既知!彼女は少々行き過ぎた行為があった。故に譴責の処分を下している!しかしそれは生徒たちを想っての行為であると判断できる!」

 

「理事長、そうは言いますが、職員たちに聞いたがターフ内の異物調査に、通常とは違う芝の抉られ方と、あの後のターフの整備は大変だった、とね。現場で働く者の意見も聞いてみては如何ですかね、最早コースへの立ち入りを禁止にしても良いのでは?」

 

「否定!彼女はあの後大変反省しており以降ターフは使用していない。しかし彼女もウマ娘の1人だ、ターフで走る権利を奪ってはならない!現場の職員たちには苦労をかけてしまうが、協力を頼むつもりだ。それに見合った特別手当も出す。それで納得して貰えないだろうか!」

 

「ふむ…まあ理事長がそう言うならば良いでしょう。ですが万が一の時、責任はお願いしますよ。」

 

「承知!貴方に言われるまでも無いことだ!っと、話がずれてしまったが、

結論!成果を上げていて生徒たちにも慕われている者をもう遊ばせておく暇は我が学園には無い!それについては異論は無いな!?」

 

理事長の問いかけに一同はタイミングはバラバラながらも頷く。

 

「辞令!では■■■■■■■を……

 

 


こんなーレースはー

はーじめてー

 

 

どうも

 

いまは東京競バ…じゃない東京レース場に来ておりまする。

いやぁ、滾るねぇ!やっぱり本場のターフを見ると思わず身体が熱くなっちゃうよ。

まぁ僕は走れないんだけどね!!HAHAHA

 

今回見るレースはこちらぁ!!

日本ダーヴィー!!⤴︎(タイトル画面のタイキ風ボイス)

 

そして僕はいまスペちゃんことスペシャルウィークのレース応援でこちらに来ておりまする。

アッ…隣で生ウオダスが喧嘩し始めてとうとい……recジー

 

はい、チームスピカのサブトレなう、です。

新年度に入って、入社2年目となった僕はサブトレとして持ち回りで成績上位チームを担当することになりました。

面談の時に理事長たちにめっちゃ謝られながら辞令言い渡された。トレーナーにしてあげられなくてごめんって。でも僕、懲戒処分くらったりしてやらかしてるんだよなぁ、昇進なんてないと思ってたからサブトレにしてもらっただけでも奇跡だわ。

もうあと数年は雑用やる気でいたからね。

 

やらかした(グラスちゃんに吹っかけた格好悪い煽りの)次の日にたづなさんから聞いたんだけどターフの整備めっちゃ大変だったらしい。そりゃ義足で走る奴なんか今までいなかったから当然ですわ。その話を聞いた後もう滅茶苦茶焦って職員さんたちにお礼と謝罪をしてきた。もう土下座ですわ!

やっぱりピンチの時のジャパニーズドゲザは強い、許して貰えたからね。というか全然怒ってなかったけど。むしろどんどん使ってくれ!って言われたし。

ウマ娘想いの良い人しかおらんのか!この学園は!最高かよ!ここが天国か……1回死んでるし推しが沢山いるから確かに天国だわここ。

 

話を戻して、スポーツのチーム同士ってギスギスしてるから持ち回りしても大丈夫なのかって思ったけど、なんかウマ娘たちって心まで清らかなんだね、レース前の作戦とかマーク相手とか以外だったら普通に情報交換してんのよ。このトレーニングが良かったとか、この食材が身体に良い、とか。これはつよつよですわ…(確信)

 

 

 

と言うわけで

やったね、■■■ちゃん!昇進した上に推したちと触れ合えるよ!!

 

はいそこ今までとあんまり変わらないとか言わない!

 

カノープス、シリウス、スピカ、ファースト、リギルを担当するよ!

どこも重賞ウマ娘がいて推しだらけのエリートチームだね!

 

 

グラスちゃんとルドルフちゃんにスピカに配属が決まった事を言った瞬間2人の目のハイライトが無くなったのが怖かった。

 

ごめん!まだグラスちゃんのトレーナーになれないよ…あと持ち回りだからリギルにも来るから!ね?おちつこ!

 

 

き、気を取り直しまして!

スピカのみんなの状況を説明するね

 

スペシャルウィークちゃん、アニメの通りこれからダービー走る、クラシック級

 

サイレンススズカちゃん、金鯱賞で無双してた、シニア級

去年はいつまで経ってもリギルから移籍しないから焦っちゃって余計なアドバイスしちゃった…でも影響なかったみたいだからヨシ!聞き流してくれたかな!

 

トウカイテイオーちゃん、デビューまだ

ルドルフちゃんの菊花賞の応援しに行った時に、初めて会ったんだけどそれはもうちんまくてかわゆかった…(恍惚)

 

メジロマックイーンちゃん、シリウスなう、ジュニア級

まだまだ先のことだけど天皇賞のプレッシャーに負けないで!

 

ゴールドシップちゃん、シリウスなう、謎級、でも来月の宝塚記念出るっぽい

こないだの登山楽しかった!

 

ダイワスカーレットちゃん、デビューまだ

隣で可愛い。

 

ウオッカちゃん、デビューまだ

隣で可愛い。

 

ゴルマクはアプリ、他はアニメ1期と同じ状況なんですねぇこれは

 

 

現在、スぺちゃんと妖怪トモヲサワル(沖野トレーナー)は控室で待機中。

ついでにスズカちゃんも付き添い&励ましで控室。

僕は他のメンバーと一緒に最前列で待機って感じ。待機シャ(ry

 

 

カノープスとシリウスとリギルも来てるけど別の場所で観てるよ。

でもグラスちゃんゴルシちゃんマックイーンちゃんルドルフちゃんは僕らスピカと一緒に観てる。

グラスちゃんとルドルフちゃんはそんなに僕のこと気にかけてくれなくても良いんだよ?リギルのみんなのとこ戻ったら?

え?僕と一緒が良い?もう…しょうがないなーニンマリ

って何で僕を通して睨み合ってるのかな?かな?

もうルドルフちゃんはテイオーちゃんに構ってあげなさい!ほら!

 

 

あぁ…スペ×スズ、ゴル×マク、テイ×ルド、ウオ×ダスが間近で見られてるだけで

もう……もう!もう!!!

 

 

 

 

 

「「「走れ今を まだ終われない」」」

 

何度見てもウイニングライブは良いね…感激モノだよ…

泣きそう…てか泣いてる……

着順結果はアニメ通りだったよ…あ?分からない?ならアニメ1期見ろよ(ダイマ)

 

良かったねぇ!スペちゃん!!絶対お母さんたちも喜んでるよ!

セイちゃん…キングちゃん…他のみんなも…ほんとに頑張ったねぇ……うぇぇぇぇぇぇぇん!!!

 

 

 

あの後ずっとグシュグシュしてしまってチーム全員のハンカチをダメにしてしまった。ほんと…ごめん…感動が……また思い出して涙が…

毎回レース観に来る度にこうなっちゃうのを止めたいんだけどさぁ、どうしても、ね。オタクのお前らなら分かるよなあ!?

自分の担当持っちゃったらどうなるんだろこれ、脱水で死ぬんじゃなかろうか!

 

さてさて次に観に行くとしたら…ゴルシちゃんの宝塚かな?楽しみー

ゲート内で乗り上げるのだけは絶対にやめろよ!?絶対だぞ!?振りじゃ無いからな!?(愉悦)

 

 

 

 

 

 

んー最近キングちゃんの様子が気になる……せや!声かけたろ

 

 


 

 

こんな気持ちを抱いたのは最近か、それともウマ娘として生を受けた時からかしら…

 あるときはウマ娘のレースを見ているとき…

あぁ…どう足掻いてもあの舞台に立つことは私には出来ない…

 あるときはウマ娘の並走トレーニングを見ているとき…

私にはライバルはいない…一生懸命競い合って切磋琢磨し合う相手はいない、そしてこれからも一生そんな相手は現れることはない…

 あるときはシンボリルドルフと併走しているとき……併走?笑わせるわね。

相手はお遊びで走っているのに、対して私は必死に走る…競走相手として見られていない……潜在的に見下されているのよ?

お前は競うに値しない存在だと…だから相手はお気楽に笑っていられる…

私はそれで良いのかしら……?

全てのウマ娘から競走相手として一生見られることはなく、周りの人からは保護対象として見られている。

どんなに頑張っても温かい目で見られて……所詮愛玩ウマ娘ってところかしら?

 

だけど、それを認めてしまったらもうおしまい。

私の中にある封じ込めていた感情が暴れ出してしまう。

 

「私はウマ娘だ!」

 

「全力で走らせろ!」

 

「競走させろ!」

 

「ヒヒーン」

 

ん?今のは何かしら……?

 

………

 

だ、だからそれに目を逸らしながら心に蓋を被せて今日も明るく健気に振る舞う……

 

でも、いつまで能天気で居続けられるのかしら……?

 

 

ねぇ

 

ス■■カ■■■?

 

 




主人公についての構想が少し固まりました(今更)


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幕間: 「注射をしている最中、謝罪しないでくれ」

続きを書こうとしていたのですが、スコーピオ杯全敗したので急遽思いついた何も関係ない短編です。
※主人公の名前の文字数変更しました。
6文字→7文字


時が過ぎるのは早いもので、姉さんがトレセン学園に入って来て1年経ち新年度になった。

新年度最初の難関と言えば、あれだ。

 

健康診断の採血。

 

あれが平気な者がいるだろうか、いやいるはずがない。

私も生徒たちの模範になる為に注射を克服しようしとしたが……無理難題だな……

しかし当日までには覚悟を決めなくては!

そういえば姉さんは注射は平気なのだろうか?

今度、それとなく聞いてみよう。

 

やはり姉さんも苦手だったらしい。といっても子供の頃の話だそうだが。

今ではもう、注射針が刺さる様子を観察する余裕さえあるらしい。

いやはや…流石と言うべきか。

余裕綽々とは正にこのことだ。

私なら例え克服することができても観察する余裕まで身につけることができるだろうか…とととと当日までになんとか覚悟を………

 

 

当日になった……注射……頑張る……

 

 

 

 

さて、残すはあと採血のみ……

…私は皇帝だ…いつまでもこのような場所で怖気付いているわけにはいかない!

我の前に道は無し。なればこそ…勇往ー邁進!道は自ら切り拓く…!

い、いくぞ!

ん?

あ、あれは姉さん!これぞ天からの助け!

 

 

 

もう30分も姉さんを引き止めてしまっている…

姉さんにも他の手伝いがある…分かってはいるのだが…

すると何かを察した姉さんが

 

「ルドルフちゃん、貴方がいなければ私はここにいることは無かったわ。」

 

「え?」

 

「悪い意味じゃない、私は今貴方とここに居ることを誇りに思っているの。感謝しているわ、ルドルフちゃん。」

 

「……私もだ、姉さん。行こう!」

 

「一緒に頑張りましょう。」

 

ああ!なんだかよく分からないが勇気が出た、気分は最高だ!さあ、行こう!

 

 

 

私は今、腕を差し出したことを猛烈に後悔している…

あ、あんなにも注射針とは恐ろしいものだったか!?

ぅぅぅぅぅーー

 

「ほら、ルドルフちゃん、手を握っててあげるからね?ほらこっち見て。頑張って」

 

「ぅー……姉さん、すまない…」

迷惑かけてしまってすまない…

ん?姉さん?

 

「注射の最()()罪するなんて……フフッ…」

 

…… 注射……さいちゅう、しゃざい…ちゅうしゃ…!!

「っ!!……フフフッ…」

なんと!!

 

「今です!」

 

「っ……フフフッ!…最中、謝罪…ハハハッ!」

 

「ルドルフちゃん、終わりましたよ。よく頑張ったね。」

 

 

 

 

あっさりと乗り切ることが出来た。

流石は姉さん。駄洒落で私の気を逸らしてくれるとは。

これからは駄洒落を考えている間に注射を打ってもらおう。

うん、そうしよう。

では残りの生徒会の仕事に取り掛かるとしようか。

 

 

 

 

 

ウギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

 

 

 

ん?注射が苦手な者がまだ残っていたのかな?

注射の最中、謝罪だなんて、か……フフフッ

 

 

 


 

 

新学期と言えば始まりの季節である。

これからの期待に胸が膨らみ色々と興奮してしまうのも無理はない。

世の中には興奮することが色々あるが、一番興奮するのは、学生たちの健康診断である間違いないね。

 

学園内でも数少ない女性トレーナーということで、健康診断のお手伝いをお願いされたのだ!ぐひょひょ…

当日は合法的にお触りが出来てしまうかもしれない!?!?

あーでもみんなテンション下がってるだろうからあまりふざけるのも憚られるなぁ…

最後に採血が待ってるからね……

ウマ娘は注射が苦手な子が多いので、取り押さえ要員も居るほどなのだ

え?僕?ルドルフちゃんにも聞かれたけど、僕は前世もあるからね。そりゃあ昔、子供の頃は苦手だったけど。今はもう全然余裕よ、余裕綽々釈由美子よ。

だからアニメのテイオーちゃんみたいに泣き叫んだりなんてしないのさ!

ほ、ほんとうなんだからね!!

 

 

さて生徒たちの健康診断が始まって暫く経った。

途中テイオーちゃんが本気走りで逃げ出したりしたけどはちみーで釣ってなんとかなった。

そして、残り僅かな人数になったんだけど、なんでルドルフちゃんこと我らが皇帝さまは僕の前でずっと喋っているの?

会ってから世間話で始まり今では駄洒落評論会になっている。

もう30分くらい経ったよ…

話を聞くと残すは採血だけっぽいんだけど。

ははーん、取り繕ってはいるけどルドルフちゃんも注射苦手なんだねぇ!

よく見たら耳は垂れてるし、ずっと僕の手に尻尾は巻きついてるし。

 

じゃあ僕がついていってあげるからほら励ましてあげるから!

一緒にがんばろー!マーベラス!

 

いやビビりすぎでしょ、めっちゃプルプルやん。

今お医者さんが準備してるんだけど、あーあ涙目になっちゃって…かわいい…やばい…Sっ気に目覚めそう…。

ぅぅぅぅぅ、とか言っちゃって!かわゆ…

ほら手握っててあげるからほらこっち見て、直ぐ終わるから!

 

「ぅー……姉さん、すまない…」

 

もーしょーがないなー

「注射の最()()罪するなんて……フフッ…」

 

「っ!!……フフフッ…」

 

孔明「今です!」

 

 

 

 

 

作戦成功ー!V!ブイブイブイー!V

 

 

 

 

 

 

 

はー、これで全員終わったかな?

無事しゅーりょー!

じゃあ葵ちゃん、トレーナー寮もどろーか。

え?手伝いのついでに僕らも健康診断受けるって?

は、はぁ!?き、聞いてないぞ!え?説明要項に書いてあった?み、見てなかった…

葵ちゃん!ちょっと待って!!車椅子押さないで!心の準備が……

え?注射平気なんですよね、って?そりゃあ勿論!決っっっして注射が怖いだなんて思ってないやい!

よ、よしっい、イクゾー! デッデッデデデデ!カーン

 

 

 

 

 

 

ウギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!

 

 

 

 

数時間後、東京湾に浮かぶ■■■■■■■の姿が発見されたとかされてないとか。

 

 

 



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このターフで一番美しい推しを守るため

タイトルは内容に何も関係ありません。


コントレイル流石でした!!!お疲れ様!!


ここ数日お母さまが、学園を辞めて帰って来いと更にうるさくなった……

私はキングなのよ!GⅠレースに勝ってお母さまをギャフンと言わせてやるはずだったのに…

この体たらくは何?

前回の皐月賞は2着、そして今回のダービーは……14着…。

スペさんやスカイさん、エルさんにグラスさんも皆GⅠレースに勝っているのに…私だけ……3強とは一体何だったの…?

わ、私は…お母さまの言う通り才能が無い…?

トレセン学園に来たこと自体が間違いだった?

…そんな…そんなことって……

 

その時

「キングヘイローさん。

間違いじゃありませんよ、貴方が選んだことは。

だから後悔などしないで、諦めないでください。」

 

背後から声をかけられた

「あ、貴方は…」

顔だけ振り変えると車椅子に乗ったウマ娘がいた

 

「申し遅れました、私ス■■カ■■■と申します。」

 

「知っているわよ、貴方は有名だもの…」

 

「それは…光栄ですね。

…貴方のお母さまで有らせられるグッバイヘイローさんの現役時代はそれはもう酷い時代だったそうです。

だから貴方のことをとても心配されているのでしょう。

同じ夢を見ていたのに、回り道ばかりでお2人共すれ違っておられるだけです。」

 

「急に何!?貴方にお母さまと私の何が分かるのよ!!」

 

「……貴方の名前は?」

 

「…え?」

 

「貴方のお名前は!?」

 

「…キングヘイローよ…」

 

「もっと大きな声で!貴方の名前は!?」

 

「一体なんなのよ!?」

 

「良いから!貴方の名前は!?」

 

「キング!!」

 

「誰よりも強い!?」

 

「っ…勝者!!」

 

「その未来は!?」

 

「輝かしく!…誰もが憧れるウマ娘!!………そう…一流のウマ娘といえばこの私!!…

キング、ヘイローッ!!!

そうよ、私はキングなのよ!!!」

わ、私は…

 

「そう、貴方はキングヘイローです。一流のウマ娘なんです。それで十分です。」

 

「なんで…貴方…このコールを知って…」

 

「キングさん、はっきり言って貴方はスプリンター向きです。そして脚質は、終盤まで足を溜めて一気に解き放つ差しが向いています。

ダービーの時のような逃げは愚策でした。走り切るスタミナが足りていません。

その為、クラシック三冠の最後、長距離の菊花賞は大変厳しい戦いになるでしょう。

それでも挑戦しますか?」

 

スタミナが足りてないことなんて自覚してるわ!でも!

「私はキング、一流のウマ娘なのよ!当たり前じゃない!挑戦せずに諦めることなんてしないわ!」

 

「よろしい、なら7月から私のいるチームで行われる夏合宿に貴方もついて来なさい。そこで長距離を一流に走り切ることができるスタミナを徹底的につけます。現在貴方にトレーナーは付いていませんね?」

 

「…ええ、そうよ。皆一流の私に相応しくない人ばかりで…って合宿!?え、なんで」

 

「詳細な日程が決まり次第連絡しますから。ほら、UMINE教えてください。」

 

「え、ええ…って貴方!勝手に話を進めないでくださるかしら!?」

 

「ん?でも今同意してくださいましたよね?じゃあ今日はもう遅いし明日から私のいるスピカで一緒にトレーニングしましょう。」

 

「だから勝手に!」

 

「大丈夫、貴方のことはずっと見て来たのでトレーニングメニューくらい明日までにすぐ作れます。」

 

「もう!話を聞きなさ……ずっと見て来た…?」

 

「ええ…私がここに来てから、ね。そろそろ私は戻りますので、クールダウンとストレッチを充分行ってくださいね。では」

そう言うと車椅子を操作して行ってしまった。

 

「あ、ちょっと……もう…なんなのよ……ずっと見て来たって………。私はお母さまとすれ違っている?…私は…スプリンター……差し………」

なんなのかしら…あの人……?

 

 

 

翌日、放課後に同じクラスのスペさんと一緒にスピカの部室へ向かった。

 

スペさんは昨日のうちにス■■カ■■■さんから連絡を貰っていたみたいで、寮に着いたらすぐ連絡が来た。

 

「さっきス■■さんから聞きました!キングちゃんと一緒にトレーニング出来るなんて嬉しいです!明日から一緒に頑張りましょうね!」

 

もうホントにスペさんったら……

 

 

 

現在、スピカの部室内。

 

「私の一存で暫くキングさんはスピカで一緒にトレーニングします。

皆さん、勝手に決めてしまって申し訳ありません…

でも凄く良い子なので皆さんもすぐ仲良くなれると思います。ね、スペちゃん?」

 

「はい!キングちゃんは私がここに転入した時から面倒見てくれる凄く良い人なんです!」

 

なっ!

「ちょっと!スペさんにス■■カ■■■さん!」

 

「長いから私のことはス■■で良いですよ、私はキングちゃん、って呼ばせてもらいますね。

と言うわけで良いですよね?トレーナーさん?」

 

「あ、ああ構わない。様子を見て、このままスピカに入ってくれれば尚嬉しい。

先日のダービーではうちのスペが1着、君は14着と残念な結果になってしまったが……見るからに良いトモをしているな……どれ…」

 

「…お触りは禁止されていますよ?トレーナーさん?」

 

 

そんなこともあって私はスピカでトレーニングをすることになった。

 

…本当に細かく私のトレーニング考えて来てる…

 

 

 

スピカのメンバーであるゴールドシップさんの宝塚記念も無事終わって夏合宿の時期になった。

 

まさか今年になって私もチームの夏合宿に参加できるなんてね…しかもメンバーがとても豪華で……!!

 

 

なんて思ってたら急にス■■さんが合宿に参加しないなんて言い出した。

 

……はぁ!?人を散々煽っておいて何なのよ一体!?

スピカの皆さんや他のチームの皆さんも納得がいってないみたいじゃない!

 

皆さんで相談した結果、体調が悪いとかじゃない限り無理矢理連れて行くことになったわ!!

 


 

勢いでキングちゃんに声を掛けようとしたけどなんか画面真っ暗なウマホに向かってぶつぶつ言っている……

こ、これ声掛けていいやつなん?

……ま、まぁいいか!よーし僕も一流のトレーナーをイメージしてなんか良い感じに話かけるぞー

 

「わ、私は…お母さまの言う通り才能が無い…?

トレセン学園に来たこと自体が間違いだった?

…そんな…そんなことって……」

 

……………

キングちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!

 

 

 

 

 

トレーナー室に戻ってきた。

沖野Tが云々唸りながらトレーニングメニューを作成している。

泣いているキングちゃんを見て気づいたら頭の中が真っ白になっていて勝手に口がベラベラと動いていた。

勢いで夢だったキングコールしちゃったよぉ〜うへへ…

しかもキングちゃんの連絡先ゲットしてしまいました!?!?

ふぉぉぉぉぉぉ⤴︎⤴︎⤴︎⤴︎⤴︎⤴︎

もう何人もの推しウマ娘ちゃんたちの連絡先を頂いているけど、この興奮には未だに慣れないんだよぉぉ!!!

 

というか菊花賞までトレーニング見るって言っちゃったなぁ…欲望が漏れ出てしまった……

…グラスちゃんにどう言い訳しよ……

というか、沖野Tに許可もらわないと…事後承諾になっちゃうけど…まあ貸しもあるしなんとかなるかな…?

 

「トレーナーさん、少しお話があるのですがよろしいですか?」

 


 

「トレーナーさん、少しお話があるのですがよろしいですか?」

 

戻ってきたス■■に声を掛けられた。

「ん?おお?何だ?」

 

「実は……というわけで明日から菊花賞までキングヘイローさんをスピカでトレーニングを見る約束をしました。宜しいですよね?トレーナーさん?」

 

……は?なんだ急に?

「何がというわけで、なのか説明が皆無で全く分からないんだが……入部希望?いや菊花賞までということは、違うのか?」

 

「私から強引にお誘いしましたので…一応合意は取れたと思いますが……入部体験…的な?」

 

また急な事を言いやがってこいつ…

「的な?ってお前なぁ…」

 

「きっとキングさんもスピカを気に入ってそのまま入ってくれると思いますよ!だからヨシ!」

 

「ヨシじゃねえよ!大体そういう事は事前に相談してくれよ!」

 

「申し訳ないです!その場の勢いでつい…じゃあここはこの前の貸しの取り立てという事で、許してください。キングさんのことは私が責任を持って見ますので。」

 

ぐっ…ここでそれを持ち出してくるか…

「…分かったよ。それを言われちゃ仕方ないな、というか拒否するつもりは無かったが…」

 

「ありがとうございます。では、早速キングさんのトレーニングメニュー考えますね。」

 

「おう…」

こいつの言う貸しとは、俺がス■■のトモを不意に触ってしまった事故の事だ。

気をつけてはいるんだが…手が勝手に無意識で…

今でも思い出せるが均等に鍛えられていて、重賞ウマ娘と比べても遜色ない見事なトモだった。それだけにやっぱり惜しいよなぁ…

 


 

「ありがとうございます。では、早速キングさんのトレーニングメニュー考えますね。」

 

よーし許可ももらったし、徹夜でメニュー考えるぞー!!

あ、スペちゃんに連絡しとこ。

 

 

 

 

さーて、ゴルシちゃんの宝塚記念も無事終わった事だし!(勿論1着)

あれ……スズカちゃんとエアグルーヴちゃんはいつ走るんだろ……?あれ?うっ…頭が……

 

えっと…なんだっけ?そう!いよいよ夏合宿!

生ウマ娘ちゃんたちの生水着姿が海で!!拝見できるなんて!!!

うおおおおおおお、ファイアー!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ってすっげー楽しみにしてたけど砂浜で車椅子無理じゃね?

どしよ…詰んだ…みんなに迷惑かけるわけにもいかないし。

宿にずっといたら合宿行く意味無いし。

 

お留守番かぁ………仕方ないね………

ごめん、キングちゃん…勢いで誘った僕が馬鹿だった……

作ったメニューを沖野Tに託すしか手がないか…

内容を調整する時は逐一連絡してもらうか……迷惑かけるなぁ……

うわぁーやらかしたー……

 

 

……ションボリ……ルドルフ……うぇぇぇ…

 

 

 

 

 

き、気を取り直して!

今後スズカちゃんは毎日王冠からの天皇賞秋に出るんだね、なるほどねーそれは原作と同じかー

いやー、毎日王冠ではやっぱりスズカちゃんがぶっちぎっちゃうのかな?

生で「どこまで行っても逃げてやる!!」聴けるのかなー!?!?

それとも復帰したグラスちゃんの下剋上なるか?はたまたエルちゃんが勝つか?

からの天皇賞秋でしょ?もう楽しみ過ぎてやばいね!!!

 

ん?天皇賞秋?

 

 

 

 

 

………………え?



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海か……航海に行こうかい?なんて

遅くなりました…


我らが同士アグネスデジタルは永久に不滅です。



そう言えば、今年の有馬記念に主人公の名前の参考にした馬が出走しますね。
主人公は架空馬魂持ちの架空ウマ娘ですよ。
過去の競走馬とも多分名前被ってないはずです。


葵ちゃんには

「大丈夫です!私が何から何までサポートしますので、一緒に行きましょう!それにス■■さんにもリフレッシュは必要だと思いますよ!」

 

と真剣に言われ

ルドルフちゃんには

 

「姉さんが新しくウマ娘をスカウトしたと聞いたが、私に相談してくれても良かったのではないかな?

まあそれは良い……良くはないが、取り敢えず今は置いておく。

問題は合宿の件だ。今の私は充耳不聞でね。姉さんが何を言っているかさっぱり分からないが、合宿への参加は絶対だよ。去年は役職の都合上無理だったが、今年こそ参加してもらう。良いね?」

 

と、有無を言わせない迫力で言われ

グラスちゃんには

 

「ぜんぜん何とも思っていませんが、あえて言わせていただきますと、せめて一言でも私に相談してくれても良かったのではないでしょうか??

確かにス■■さんはまだ私のトレーナーさんではないですし、現在はスピカをメインに見ています。けど……

ええ、キングちゃんと一緒にトレーニングできることはとても嬉しいですよ?

でも合宿では私が最初にトレーニング見てもらうんですからね?分かっていますか?

……は?合宿に参加しない?今更何意味不明な事を仰られているのですか?私も含めて皆さん迷惑だなんて思っていませんから心配しないでください。なので以降はそのような事を言うのは禁止ですよ?分かりましたか??

………ええ、まったく、これっぽっちも怒っていませんよ???」

 

と、ニコニコ笑顔で言われ

キングちゃんには

 

「何やら貴方が合宿不参加だなんて噂が入ってきたのだけれど、貴方自身が私を誘ったのだからまさか本当に来ないなんてことは無いわよね?

何?車椅子だから海では皆さんに迷惑をかけてしまう?そんな事私たちがサポートするから何とかなるでしょう?

………最後まで責任取りなさいよ……このおバカ……

 

と、ごもっともな事を言われてしまいニゲラレナイノ…

そうだよなぁ…僕が誘ったんだからやっぱ責任持たないとなぁ…

 

ほかのみんなからも総バッシングを受けた。

 

「「「来いよス■■、怖いのか?」」」

 

……砂浜なんか怖くねぇ!!野郎オブクラッシャァォァォァォァ!!!!!

 

みたいな感じ。

 

そこまで言われちゃあしょうがない!行くっきゃない!やるっきゃない!負けっこない!僕はチャレンジャー!!

 

 

車椅子のタイヤ、キャタピラに変形できないかなー?

 

 

チェンジ、ウマッター3!スイッチオン!

大中山おろしぃ!!

 

 

てな感じで出来ない?無理か

 

おふざけはここまでにして、じゃあ……

義足つけて松葉杖使えば何とかなるか?

最悪の場合は必殺二足歩行すればいいか!

でも両手使えないな……外出用のリュックは必須として……

あとは、水着なんていらないしというか持ってないし、普通の着替えだけで良いね。

それと………

 

 

 

 

そんなわけで合宿当日。

ルドルフちゃんからモーニングコールが来て、グラスちゃんが自室までお迎えに来た。いや、そんなに厳重にしなくても逃げないよ?

 

結局集合場所までグラスちゃんと一緒に来た。

おー…グラスちゃんがエルちゃんとスズカちゃんに宣戦布告してる…毎日王冠が復帰戦だもんねー…

あのぉ……なんでキングちゃんにも宣戦布告してんの?君は菊花賞走らないよね?

 

 

話してるうちにメンバーが全員集合。

カノープスシリウススピカリギル葵ちゃんミーク連合軍で行く合宿なのでバス1台貸し切りなのだ。

早速みんなでバスに乗り込む。が、

むー…車椅子で乗り込めないタイプのバスだから、畳まないといけないのか……今義足つける時間ないから…軍手つけて背中に担ぐか…?

 

「よーしス■■、離陸すんぞー」

 

「ひょえっ!?」

身体が浮いた。何事!?!?

 

………ォォォォォォ

僕は今ッ!!理性を手放そうとしているッッッ!!!

どうやらゴルシちゃんに抱っこされているらしいッ!!!

 

おほぉ〜…ち、ちかい!

いいにおい!やわらかい!ふつくしい!

 

「おース■■軽いなーちゃんと飯食ってっか?マックイーンなんか昨日

『合宿が楽しみ過ぎて落ち着かないのでデザートパクパクして来ますわ!』

ってやけ食いしてたんだぞ」

 

「私はそのような事は言っておりません!また嘘ばっかり言って!それに食後のデザートをいつもよりほんの少し、ほんの少しだけ増やして嗜んだだけ……って何でその事を知っていますの!?」

 

「お、おう…テキトーに言っただけなんだ……まさか本当に食べてるとはな…なんかごめんなマックイーン……っと着陸すんぞー」

 

「なっ!?…ほんっと〜〜〜に貴方って人は!!」

 

「ス■■さん、車椅子積んどいたっスよー」

 

「あ…ありがとうございます?」

 

ぽけーっとしてたら座席に座らされていた。

車椅子の積み込みはウオッカちゃんがしてくれたらしい……なんか至れり尽くせりで申し訳ない。ちなみに簡易移動用の折り畳める車椅子とメイン移動用の自動車椅子の2台持ち込みである。金持ちは正義。

 

「ゴルシちゃんウオッカちゃん…忍びねえな…」

 

「かまわんよ」

 

「知っているのかライデ…ゴルシちゃん!?」

 

「うひゃあ!?急に大きな声出して何なの!?」

 

隣に座ろうとしていたキングちゃんに怒られた。

ごめんね……というかキングちゃん隣に座ってくれるんだね。ありがてぇ…てぇ…

てっきりトレーナー同士で隣かと思ってたらそうでもなさそうね、ってあれ?他のトレーナーたちは隣同士やん?

 

各チームのトレーナーが順番で点呼をしていき、最後にオハナさんが合宿の概要を軽く説明していざ出発!!

 

 

ひまだ…

各トレーナーたちはずっとノートpcと睨めっこしている……よく酔わないなぁ……

僕がやる事なんてキングちゃんのメニュー考えるだけだしもう昨日までに全部やってきたからやることが無い…いや葵ちゃんもしてるし僕も何かやった方が良いの?

 

んーそうだ、スズカちゃんの秋天のことでも考えるか。

ゲームでは嫌な予感はするけど無事完走して、アニメでは骨折したけど復帰…だったよね?

アニメでは怪我した場面が大分マイルドに描かれてるけど、もし骨折した瞬間に踏ん張れなかったら頭から地面に突っ込んでいった可能性もあるよね……おそロシア…ガクブル…

怪我した原因が詳しく分かってないんだっけ……それってやばくない?

一応グラスちゃんの怪我の件以降関わったウマ娘ちゃんやチームには柔軟体操やストレッチ、マッサージをそれはもう徹底的に指導してる。

スズカちゃんには特にね、1人だけ走ってる量が段違いなんだよなぁ…

 

「ねぇ、どうして私だったの?貴方、ずっと見てたって言ってたでしょ?

勿論、トレーニングを見てくれて感謝しているわ。でもかなり急だったから、気になって…」

 

トレーナーが見てないところで走るのはやめさせたいんだけど、あの子極度の走りたがり屋だからなぁー、1日でも走れないと調子下がり始めるし……

なるべく足への負担が少ないルームランナーはどうなんだろうか…それで満足してもらえないかなー…

 

「ちょっと!聞いてるの!?」

 

「ふぇ?」

え?おおう!キングちゃん顔近い!!

「あ、ええとごめんなさい…考え事をしてて…」

 

「だから…どうして私に声をかけてくれたの?って言っているのよ。しかもずっと私の事見てたって言っていたでしょう?どうして?

一流の私が気になるっていうのも分かるけど?

でも最近は、その、結果が出てなかったから……チームでトレーニングだなんて凄く急な話だったし」

 

急にぶっ込んできましたわね…

確かに今までちゃんと話したこと無かったけど…

というかずっと見てたとか言っちゃったなー僕。

まさか原作とアプリ、アニメで他の娘たちと同様にずっと見てましたなんて言えねぇ…ど、どーしよ…

 

「え…えーとね…」

 

「何よ?勿体ぶらずに教えなさいよ。それとも後ろめたい理由でもあるのかしら?」

 

考えろ…考えろ僕!!初心だ!初心に返って考えるんだ!

 

……Don't think.feel!!!

 

 

 

キングちゃんの一流なところ……

 

緑色のイヤーキャップが似合っててすき

 

お嬢様口調なところがすき

 

「は?と、突然何よ?」

 

こっそり高笑いの練習してるところもすき

 

「な、何で知ってるのよ!?」

 

中等部なのにプロポーション良くてすき

ウララちゃんを毎朝起こしてあげてるのもすき

お母さまを見返そうと頑張ってるとこもすき

どんな状況でも一流であり続けようとする姿がすき

決して諦めない貴方の不屈の走りがすき……

 

「……」

 

 

いやー、ここすきをあげてくとキリがないね!あとはー……って全然話の内容と関係ないし言い訳が纏まらない!?どどどどどーーしよぉぉぉもうキングちゃんが呆れ顔に!?……なってない?…あれ?なんで?なんで顔真っ赤なん!?ま、まさか熱発!?

 

その後、合宿所に着くまでキングちゃんにそっぽ向かれてしまった…なんでだー?

 

 

 

さて、ようやっと合宿所に着いた。

バスから降りるときもまたゴルシちゃんに抱っこしてもらっちゃった、きゃはっ☆

 

ハァハァハァ……ウーーッウマダッチ!!!

 

到着した豪華なホテルは、トレーナーは各自1人部屋、生徒たちは複数人部屋。

普段も1人部屋だから複数人部屋羨ましいなぁ…

各自部屋に荷物を置いて30分後ロビーに集合ね。

 

早速午後のトレーニングの時間だオラァ!

 

 

 

 


 

 

 

 

バスに乗る前にグラスさんから

 

「キングちゃんには負けませんから……お覚悟を。先着するのは私なので」

 

スズカさんとお話しするよりも凄い気迫で言われたのだけど……もしかしてグラスさん菊花賞も出走するのかしら?

 

 

 

…………って気を紛らわそうとしたけれど!!

 

ほんとになんなのよ…あの人は…

す、すすすすすき…って!?

ウララさんには何度か言われたことはあるけれど…大人の人から言われたのは初めてで…

それも私の走りが好きって……

っ〜〜〜〜!!!

 

「キングちゃん!?顔真っ赤だけど大丈夫!?まさか熱中症!?」

 

「え!?だ、大丈夫よ!そんな大袈裟なものじゃないわ、ちょっと暑いだけ!ロビーは涼しいから直に治るわよ。」

 

もう!スペさんに心配されてしまったわ!

一旦深呼吸して落ち着きましょう……

 

………

 

なんか、エレベーターホールの方からカランカラン聴こえてきたのだけれど…

 

……!

大きなリュックを膝に乗せ、片手で車椅子を漕ぎながらもう片方の手で2本の松葉杖と2本の義足を抱えながら音の発信源は近づいて来た。

先程の音は、車椅子を漕ぐ度に抱えている杖と義足同士が当たって出ていた金属音だった。

 

まったくあの人は!!

少しは人に頼りなさいよ……

 

呆れながらも、私が彼女の手助けをしようと1歩足を踏み出すよりも早く速歩きで近付いた人たちが二人。

 

「姉さん、部屋を出る時は連絡してと言っただろう?ほら、杖と義足は私が持つから貸してくれ」

 

「いやだってこんなことでわざわざ生徒会長を呼び出すのも申し訳ないでしょう?これくらい1人でも出来るし…」

 

「そうですよ、わざわざ会長さんが御手を煩わせる事はございません、お戻りになられてください。ス■■さん、私を呼んでくだされば良かったのに。荷物、お預かりしますね?」

 

「立場は関係ないだろう?後から知り合った君には分からないかもしれないが、姉さんと私は幼馴染であり肝胆相照の仲だ。私が姉さんを手伝うのは至極当然であり当たり前の事。君は下がっていてくれ、私がやろう。ほら姉さん早く荷物貸して。」

 

「過去の関係を持ち出して年上の方が偉そうに振る舞われるのはいかがなものかと。しかもそのような大それた想い、随分と一方的なお気持ちの様に伺えますが?それならば私はス■■さんの担当(暫定)ウマ娘です。トレーナーさんの手伝いをする事は当然の事です。ス■■さん早く荷物をこちらに。」

 

ええと、会長さんとグラスさん?

……なにをしているのかしらこの二人は…

手伝うのかと思っていたら突然言い争いをし始めた。

 

ハァ……

 

「お二人ともいい加減にしなさい!ス■■さんが困っているじゃないの!?会長さんは杖と義足をお願いします。グラスさんはリュックを持ちなさい。私が車椅子を押すから、ほら行くわよ。」

 

「キングちゃん?別に良いんですよ?私一人でも」

 

ほんっとうに、この人はもう!

 

「あなたはまず人に頼る事を覚えなさいな!素直に頼っていたらお二人の言い争いも起こらなかったでしょうに、反省なさい!

……私も貴方に面倒見てもらっているのだから、少しくらい手伝わせなさいよ…」

 

すると、ポカンと惚けた顔をして此方を見つめてきた

「……な、何よ?」

 

「……うん、そうだね!ありがとう!キングちゃん!」

 

ぁ…………………っ!!何よそのウララさんみたいに純粋無垢な笑顔は!?!?!?

 

「ほ、ほら!早く行くわよ!」

 

「うん!」

 

グラスさんから心気高い人って聞いてたけどやっぱりなんか全然違うじゃないの!?

でもグラスさんが嘘を言うわけないし、何なの!?二重人格なの!?!?

 

と、私は心中穏やかでないままやっとロビーに集合できた。

 

 

 

ワイワイと騒ぎながらビーチに到着。周りを見渡しても辺りに人が見当たらず、完全に私たちの貸し切り状態の様ね。

近場のビーチなのにここまで来るだけでも凄く暑い。なのにトレーナーたちはスーツって……大丈夫なのかしら?

 

「よーしこっからは各チーム毎に行動な。とりあえずスピカはあそこらへんに移動するぞー」

 

トレーナーの言葉を聞いて各々が動き出す中、私とスピカの皆さん、マックイーンさん、ゴールドシップさんでアイコンタクトを取る。

 

「ではス■■さん、これ持ちますね!」

「じゃあ私はこれを持ちますわ」

「ス■■号出航じゃーい!!」

「え?え??え!?」

 

またもや周りに頼らずひっそりと義足を付けようと苦戦していた彼女の荷物を皆さんで全て奪い、ゴールドシップさんが彼女を肩車して指定の場所へ移動して行く。

………シリウスのトレーナーが焦ってるけど2人とも事前に伝えてはないのかしら……?

 

 

指定の場所に着いてまず、持ってきたパラソルを差して折り畳み式の椅子を何個か設置。そのうち一つにス■■さんを座らせる。隣にブルーシートを敷いて皆さんの荷物を置いて陣地の完成。

 

「よーし、皆着替えてきて良いぞー。更衣室はあっちな。ス■■は皆が着替え終わるまで待っててくれ。ゴールドシップとメジロマックイーンも手伝ってくれてありがとうな、シリウスのトレーナーがオロオロしてるから早く行ってやれよ。」

 

「じゃーなみんなー」

 

「ではこれで失礼しますわ」

 

「ありがとー!マックイーン、ゴルシ」

 

「じゃあ私たちも着替えに行きましょうか」

 

「「「はーい」」」

 

やっぱり暑過ぎ、早く着替えたいわね。

 

 

 

「よし、皆着替え終わったな。準備運動とストレッチをやったら、俺が各自に渡したトレーニングを予定通りにしてくれ。キングヘイローはス■■が指示したトレーニングをしてくれ、じゃあ始めようか!」

 

「キングー!準備運動とストレッチ一緒にしようよ!」

 

「ええ、良いわよ。お願いするわね」

やっぱりテイオーさんって滅茶苦茶身体柔らかいわね……

 

 

 

 

さて着替え終わったし、早速ス■■さんにトレーニングルームメニューを教えてもら……って

 

「ちょっと貴女!?汗凄いけど大丈夫なの!?ジャケットくらい脱ぎなさいよ!!ほら、水分取って!!」

 

尋常じゃないくらい汗をかいてぐったりしてるじゃない!?

 

よく考えなくてもウマ娘はヒトよりも体温が高い。

だから冬の寒さはヒトより平気だけど、夏の暑さはヒトより苦手。

なのにヒトと同じようにスーツなんて着てたらそりゃあぐったりしちゃうわよ!!

 

「汗はかいちゃってるけど、こまめに水分取ってるから大丈夫よ?でも…確かにジャケットくらいは脱ごうかしら?」

 

まだトレーニングが始まってすらないのに大丈夫かしら…?って!?!?

 

「シャツ!下着!」

 

「え?……あー、暑いから中に透け防止の着てこなかったの。まぁ周りは女性しかいないし別に気にしなくても」

「トレーナーが居るでしょう!?着替え、持って来ているでしょう?ほら、手伝ってあげるから荷物持って」

「えぇ?時間勿体ないし大丈」

「もしも、倒れられでもされたら私が困るのよ!!一流の私に一流の指導を出来る状態でいて貰わないと意味が無いわ!!分かったらさっさと水着に着替える!!良いわね?」

 

「心配させてごめんなさいね?分かったわ、着替える。でも水着は持ってないからジャージの方に着替えてくるわね」

 

「え?水着持って来ていないの?後の日のオフで泳いだりはしないの?」

 

「そもそも水着持ってなくてね。今まで泳いだ事ないのだけれど、どうせ泳げないから水着要らないかな、って」

 

……

 

「そう、ならオフの日に覚悟しておく事ね。取り敢えずジャージに着替えに行くわよ。手伝うから。コラッ!抵抗しないの!ちゃんと捕まって!!」

 

……………

 

「っ……ねぇ……この身体中の痣、どうしたの?」

 

「あ……えっと、走る練習してる時にどうしてもコーナーが曲がれなくてね?沢山転んじゃうの。恥ずかしいからみんなには内緒にしてね?………アーアーコセンノプロフェッサーホシイナー

 

 

本当に恥ずかしそうに頬を染めながら、なんて事ない様に言っているけれど……

 

そう、そうなのね…

グラスさんが言っていたのはこの事だったのね…

 




すみません、反省します。

ちなみに投稿者の推しはタキオンです。



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ウマ娘は美しい容姿を擁しているからね

あけましておめでとうございます。
サボってました。

チームシリウスにスぺちゃんとススズ加入しましたね。



みなさまアンケートポチってくださってありがとうございました。
止めるの忘れてましたw


一応想定通りに進めますね。
っても勿体ぶってる割にはたいしたことが無いので期待はしないでくださると心情的に楽ですわ


この世界とは全く別の世界、つまり異世界でその命は芽生えました。

アルパカ、ウシ、オカピ、キリン、シマウマ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ラマ等々、どの草食動物にも当てはまらない、しかしそれらによく似た動物の牝のお腹の中にその命は宿りました。

その動物の牝はヒトの手によって完全に管理されていました。

ヒトに世話をされ、ヒトの命令に従って走り、繁殖し、そして子どもを授かりました。

その動物の牝はお腹の中に2つの命を授かっていました。

ヒトは片方の命を取り除いてしまいました。

 

この世に生まれてくることが出来なかった命。

母親にも認知されず、名前も与えられず、潰えた命。

その子の魂は世界を超えて漸くこの世に誕生することができました。

 

 

あれ?でも両足がありませんね?

 

 

 


 

 

 

いやー参ったね。

真夏の浜辺ってこんなに暑かったっけ?

……あっ、ウマ娘ってヒトより体温高かったんだっけ。いっけねー失念してたわ、だからかー。

パラソルの下にいるのに汗ダラダラ止まんなくて焦ったわ。キングちゃんにも心配されちゃったし気をつけなきゃ、反省。クールビズ重要。

ウルトラソ◯ル?それは◯'z…

 

お着替えしてきたんだけど、人前で着替えるの久しぶりで恥ずかしかった//

キングちゃんにも身体見られちゃった(〃ω〃)

上は半袖シャツ1枚に、義足は付けてないから下は長袖のジャージ。

いやぁだいぶマシになりましたねぇ!やっぱりスーツは暑すぎんよ!!!

 

早速だが…

キングちゃんにスタミナを付ける為、ひたすら泳いでもらおう!!

兎に角スタミナつけりゃアプリでも菊花賞は勝てるんだから間違いない(賢さGG)

あ、万が一溺れちゃった場合僕じゃ助けに行けないから、スタミナトレーニングする必要がある他の娘と一緒にやってもらうよ!

 

ということで、

「いざ行けキングちゃん!!あのはるか彼方にうっすらと見える島まで泳いで行くのだぁぁぁぁ!!!」

 

「いや無理に決まっているでしょう!!何を仰っているの!?というか貴方、そんなキャラだったかしら???」

 

やばい、なんかキングちゃんの前だと素が出ちゃう。今まで"し"抜きでいや死ぬ気で保って来た大和撫子としてのキャラが崩れてしまう!?まだカバーは間に合う!!大丈夫!!ここを切り抜ければ

 

「スッー、はい。今のは、あの、ほんの冗談ですよ?お茶目なス■■流ジョークです。

改めて言いますと、キングちゃんの菊花賞に向けて。この合宿での目標はスタミナ増量とスパート開始位置の把握、この2点です。

まずはスタミナをつけるため、ひたすら海で泳いでもらいます。足に負担をかけずに行えますので、溺れない程度に体力の限界まで行います。辛いトレーニングとなりますが、一緒に頑張りましょうね!」

 

……なんか視線が冷たい…

 

「ええ、分かったわ。やってやろうじゃないの。」

 

「あ、万が一ですが、溺れてしまった時のことを考慮して、必ず他の娘と一緒に行ってください。幸いトレーニングが被る娘は沢山いますので。

恥ずかしながら私は泳いだことが無いので助けに行けないんです。なので、お願いしますね?」

 

「そんなに心配しなくても大丈夫だと思うけど……?まあ、分かったわ。」

 

「それで、あとは

「ス■■さん!!お待たせ致しましたー!」

 

うーむ、こちらに笑顔で走って向かって来るスク水ウマ娘……いいねぇー

 

「丁度グラスちゃんも来ましたね。」

 

合宿中は僕がグラスちゃんのことを見て良いらしい。オハナさんに言われた。

トレーニングメニュー考えたのオハナさんなんだけど、良いらしい。しかも状況によるトレーニングの微調整も僕が判断して良いらしい。

よくある転生モノと違って僕にはウマ娘のステータス見えないんだよ?

何とかなるかなぁ?

 

「オハナさんからの指示があったと思いますが、グラスちゃんもまずはスタミナを付けてもらいます。キングちゃんと一緒にひたすら泳いでください。

あそこのブイを目指して、そこから往復してもらいます。取り敢えず10往復。準備は良いですか?早速よーい……どん!」

 

 

この夏合宿でのキングちゃんのトレーニング予定は

スタミナ→スタミナ→お休み→スピード

グラスちゃんは

スタミナ→スピード→お休み→パワー

アプリ風に行ってみたけど、実際はもっと複雑なんすよ。

日にちや時間、ウマ娘ちゃんの体調と調子毎に細かくトレーニングを変えてく必要がある。

あとウマ娘たちのメンタルケアとか賢さトレも室内で個人でやったり、チームメンバー全員とかでやったりする必要もあってスケジュール管理も大変やでぇ。

 

 

 

 

 

うーん、ぼーっとトレーニング見てんのも暇だなー。

一応回数やタイム測ったり、声掛けしたりはするんだけどね。

何より身動きとれないのがねぇ……水分補給ばっかりしちゃう。

む、足音が近づいてきてる。

 

「やあ、姉さん。2人の様子はどうかな?」

 

「ごきげんよう、ルドルフちゃん。ご覧の通り、2人とも一生懸命やってくれてる。気が早いけど合宿明けのレースが楽しみ」

 

「それは重畳だ、姉さんが指導したウマ娘がどんな活躍をするか私も楽しみだよ。」

 

「期待に応えられるように指導頑張りますね。

ルドルフちゃんは今見回り中?」

 

「そうだね……って姉さん?」

 

「え?あぁ…水筒の中身無くなっちゃって…」

 

「ふむ……自販機で買ってこようか、私も喉が渇いてしまったからね。何か注文はあるかな?」

 

「そう?ありがとね、これお金で、スポーツドリンクをお願いできる?」

 

「承った、では買ってくるよ」

 

「いってらっしゃーい」

 

やっぱり優しいなールドルフちゃん良い子!

 

 

 

……

………

…………あれー?全然ルドルフちゃん戻って来ないけど、どしたんだろ…自販機が近くに無かったのかな?

遠くまで行って貰っちゃって申し訳ないなぁ…

 

キングちゃんたちは…ノルマまであと少しだね

「ノルマまであとちょっとですよー!!!頑張ってー!!!!」

 

泳いでるから聴こえて無いかな?まあいいや、ノルマ超えたら笛吹けば聴こえるでしょ

 

「おぉ!!!!マジでいんじゃん!!」

「だから言ったろ!?」

「じゃあ選り取り見取りってことか!!!」

 

へ?男の声?

声のする方を見てみたけど、あの人たち明らかに職員さんやトレーナーじゃないよね…

この人たち顔はイケメンだけど…僕はウマ娘ちゃんしか興味ないからなぁ…

 

会話の内容から察するにウマ娘を見にきた観光客とかかな?

この時期、ここら辺一帯をトレセン学園が貸し切ってるって有名だし一般の人は立ち入り禁止だったような…警備員さんいないの?

 

「おい!あそこに金髪の子いるじゃん!」

「お、良いねぇー!!!」

「どストライクだわ!」

 

3人組がこっちに近づいてくるぅ…

うっへぇ……間違いなく僕のことだよね……?

まあここは?トレセン学園の職員の1人として、ビシッと言ってお帰り願おうか!!!

 

「あの、貴方たち。ここはトレ

「ねえ君トレセン学園の子だよね?」

「めっちゃ可愛いじゃん!」

「どこ住み?てかUMAINEやってる?」

「いやあの

「走らないなら俺たちと一緒に遊びに行かない?」

「ほら座ってないで行こうよ」

「ねぇどこ住み?てかUMAINEやってる?」

「ですからあの

「暑いよね、ホテル行く?」

「ほらほら立って立って、うお!?手めっちゃ綺麗だね!?」

「ねぇねぇどこ住み?てかUMAINEやってる?」

 

話聞けよこいつらァ!!!(怒)

こら!!てか勝手に手を掴むなよぉ!

お前らなんかに連絡先教えるか!!

今までこんなにがっつかれた事ないからお姉さん困惑しちゃう!!

とか言ってる場合じゃ…あっあっ、そんな引っ張っちゃ

「あの、手を

「ねぇねぇねぇどこ住み?てかUMAINEやってる?」

「ちょっとくらいサボっても大丈夫だって!」

「エスコートしてあげるから一緒に行こうよ!」

 

「きゃあっ!!!」

 

「うおっ!?」

 

いってぇぇぇぇ………おでこ打った……ぐすん…

 

足無いんだから引っ張られたら顔からダイブするに決まってるでしょうが!!!

 

「え?え?どーなってんのこれ?」

「は?あ、足が

「何をしているんだ?貴方たちは?」

 

うーんこの威圧感は…

 

「ここはトレセン学園が貸し切っている為、部外者は立ち入り禁止だ。即刻立ち退いてもらおうか」

「うわぁ!本物のシンボリルドルフじゃん!!」

「こんな近くてみれるとかやべえな!」

「あの…UMAINEを…」

 

おぉ…耳を絞ったルドルフちゃんの『汝、皇帝の神威を見よ』が全然効いてない…新鮮だな…

あ、グラスちゃんだ

 

「ス■■さん、大丈夫ですか?」

「ええ、少しおでこが痛いけど大丈夫。ありがとう、グラスちゃん」

「もう少しでキングちゃんがトレーナーさんと警備員さんを連れてきてくれるはずなので」

 

そう言って濡れタオルでおでこを抑えてくれるグラスちゃん……ひゅいぃぃぃ水着グラスちゃんが目の前に!?!?!?尊ありがた申し訳ねぇ…でもひんやりタオル気持ちいいのぉぉぉぉぉぉぉ

 

 

 

あの後すぐにキングちゃんが警備員さんを連れて来て3人組は連れていかれた。多分もうここら辺のビーチとかホテルとかは全部出禁でしょ、あいつら。

何故みんなの対応がめっちゃ早かったのかというと、僕の悲鳴を聴いたルドルフちゃんが神速で駆けつけて来てくれたのと、キングちゃんとグラスちゃんのノルマが丁度終わって海から上がってきたところだったからだって。いやー不幸中の幸いだね。

 

 

 

 

 

というわけで数週間経ちました!

あれから「姉さんに何かあったらいけない」と言って四六時中シンパイルドルフちゃん(ルナモード)がついてくるようになった。……生徒会長さんも案外暇なのかな?まぁサマードリームトロフィー終わったばかりだから今は休養期間みたいなものか………あれ?

じゃあなんで合宿に参加してるの?って聞いたらリギルのサポートや色々なウマ娘にアドバイスをしたりが主目的で来てるみたい。

なるほどね………ん?夏合宿の殆どを僕と一緒に居るような……

甲斐甲斐しく世話してくれるのは嬉しいけど、甘え過ぎてもダメになっちゃいそう。

キングちゃんやグラスちゃんに相談しても、お世話係が付いててくれるから却って安心してトレーニング出来る、とか言って取り合ってくれない。

僕は惚け老人か何かかな?

 

 

それはさておき、現在キングちゃんとグラスちゃんは砂浜でフォームを意識した走り込みをしてもらってる。

ついでに葵ちゃんのハッピーミークも一緒に。

ターフの上やアスファルトの上を走るより断然足に負担が少ないからどんどん走らせちゃおう!

はりきっていこー!(親の声より聴いた声)

ただし僕は椅子の上で高みの見物である。

 

「グラスちゃん!!フォーム崩れてる!!!キングちゃん!!ペース遅くなってきてる!!!頑張って!!!!」

 

「「はい!!!」」

 

うーん…キングちゃんはそろそろ3000m充分に走れるスタミナついたかなー?詳しくは学園に帰って併走トレーニングしないと分からんな。

グラスちゃんはスズカちゃんとエルちゃんを差し切れるだけの末脚を身につけなきゃだよなー。僕の指導なんかでスズカちゃんの逃げて差すとかいうチートに対抗できるかな?

 

「姉さん、どうかしたのかい?」

 

「え?」

 

「彼女らのことを集中して見ていないようだったからね」

 

一瞬ぼーっとしてただけで感付かれるなんて、ルナモードはエスパー持ちかなのかな?

そのうちコロナモードで煽りダンスしながら襲って来ないよね?僕は鋏持ってないから倒す相手じゃないよ??皆既日食の時にエクリプスモードにならないよね???

 

「いえ…あの…今更なのだけれど…私の指導で2人がちゃんと成長できているのか不安でね?本格的な指導はキングちゃんたちが初めてだから…」

 

「確かに言われてみればそうだったね、何だか初指導とは思えないけれども………

!!!

そうか!姉さんは初指導する為に始動したんだね!?」

 

「え?」

 

「ひゃわあ!?」

 

「え?」

 

大きな声がした方を見るとキングちゃんが砂浜を転がっていた

 

 




追記:重要な事を書き忘れておりました。
最近グラスのキャラソンがめっちゃ好きです。
めっちゃエ○ゲのED(or挿入歌)っぽくない?
ダ○ーポとかに合いそう


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ペロッ……これは敗北の味!

おひさしぶりーふ
gw期間中にたくさん更新したいですよろしくおねがいします。
30連でチアネイチャ2人、団長キング1人お迎え出来ました。


知っていた、分かっていたつもりだったんだ。

スポーツに怪我は付き物って。

身近にいる人が…ルドルフちゃんが、グラスちゃんが怪我をしたから理解していたつもりだったんだよ……

でも、怪我をしたところを目の当たりにした事はなかった。

砂浜に倒れているキングちゃんを見た瞬間、頭の中が真っ白になった。

気がついたら全身砂まみれになっていた………いや本当に。

恐らくハイハイだか匍匐だかでキングちゃんの元に行ったんだろうけど…キングちゃんにも砂めっちゃかかってるやん……ごめんなさい…

 

結果的にキングちゃんは砂に足を取られて転んじゃっただけ…らしい。

けど念の為に2日間は体を動かすトレーニングを休んでもらうことにした。

これでもめっちゃ譲歩したんだけど…

本当はレントゲンを撮りに近くの病院まで連れて行こうとしたんだけど、足に痛みも違和感もないから大丈夫とか言ってめっちゃ抵抗された!!

うぐぐ……ちょっとでも違和感があったら僕に言うんだぞキングちゃん!!!え?大袈裟なんかじゃないわ!!!

 

 

 

あれから、時間的にもトレーニングは終了となり、みんなから取り敢えず落ち着け、と部屋に放り込まれた。

……キングちゃんの元に行った時…僕はオロオロするだけで何も出来なかった…

グラスちゃんが足の確認、ルドルフちゃんがアイシングの準備、葵ちゃんとミークちゃんがトレーナーを呼んで来てくれたけど……

僕キングちゃんに砂ぶっかけた(意味深)だけじゃん…

取り敢えずキングちゃんのマッサージとストレッチはトレーニングしない日でも欠かさないようにしてもらおう。

 

結局僕は……トレーナーとしてもウマ娘としても半人前だ…いざと言う時の冷静な判断力がない。ウマ娘ちゃん天国にいるという状況に甘えて、無意識にもしものことに関して目を逸らしていた……

対応に関しては人に頼らなきゃ物理的に無理。

怪我人を揺らさずに運んだり、手当てする為の道具の安定した持ち運びや用意が出来ない…………………クソが……………

 

 

 

 

 

この足が、この足さえ

 

 

 

 

いや

 

 

 

 

 

それは言い訳だ、要は四六時中重い物を持ち運びしながら義足で歩いたり走ったり出来るようになれば良いだけだろ!メンタルとフィジカル!!

レッツマッスルマッスル!!

 

 

僕には夢がある。ウマ娘ちゃん達と併走すると言う夢が!走りながら彼女らのお顔!

chichi!

shiri!

hutomomo!

を直近で見ると言う夢が!その為にも命燃やすぜ!死んでも死にきれねえ!

 

 

というわけで、ジーっとしててもドうにもならねぇ!

ウマ娘の身体は頑丈だから無理をしたって早々は壊れないでしょ。

ギリギリまで頑張って、ギリギリまで踏ん張って!

(限界を)振り切るぜ!

限界なんてぶっ壊してやれ、自分の手で!!

まずは走り込み1000本からだ!!!

我が身は既に覚悟完了!

 

 

 

 

 

 

 


 

「ひゃわあ!?」

 

「え?」

 

おや?

声がした方に姉さんと一緒に顔を向けるとキングヘイローが砂浜に倒れている……怪我か!?

 

「キングちゃん!!!!」

 

姉さんが悲痛な声でキングヘイローの名前を呼んだ直後、座っていた椅子から砂浜へ顔面からダイブした。

…………ダイブ!?

 

「姉さん!大丈夫か!?」

顔を上げた姉さんは私の声を無視して両手を器用に使い砂浜を駆けて行く、その動きはまるで…………蜥蜴?いや、私も早くキングヘイローの元へ向かわねば。

 

「キングヘイロー!大丈夫か!?」

 

「キングヘイローさん!?大丈夫ですか!?」

 

「キングちゃん!!!」

 

「ぶわっぷ!!!ちょっと!ス■■さん!!砂!!!」

 

姉さんの勢いが強過ぎてキングヘイローがおもいっきり砂をかぶっている…とにかく姉さんを落ち着かせないと!

 

 

 

 

 

 

キングヘイローの容態を見たところ、何処にも異常は無い…砂に足を取られて転んだか、あるいは足を捻って転んだか?

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「皆さん、大きな声を出してしまってごめんなさい。少し足首がヒリヒリするだけで、少し休めば治る程度の痛みだわ、大丈夫よ。」

 

「キングちゃん、立ちあがろうとしないでください。会長さん、アイシングの用意をお願いしてもよろしいでしょうか?どうやら、砂に足を取られて転んでしまったみたいで」

 

「委細承知した、少し待っていてくれ。」

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「あの、グラスさんに会長さん。私の話聞いていたのかしら?平気よ。」

 

「私たちは、トレーナーさん呼んできますね!!」

 

「あの……」

 

「キングちゃんキングちゃんキングちゃん…」

 

「あぁもう!貴方はさっきから私の名前を念仏の様にブツブツと唱えるのをやめなさい!気味が悪いのよ!!」

 

「…ぁ………キングちゃん!!病院!!!救急車!!!呼ぶから!!」

 

「貴方も貴方でぜんっぜん私の話を聞いていないのね……殆ど痛くないのだから平気よ、救急車は呼ばないで」

 

「痛みないの!?骨折!?!?靭帯断裂!?!?びょういん!!きゅうきゅうしゃ!!!」

 

「今何を聞いていたの!?いい加減に落ち着きなさいよもうーー!!!」

 

あそこまで冷静さを失った姉さんは珍しいな…手早く準備して戻ろうか。

 

 

 

処置をした後、キングヘイローを医者に診て貰ったところ、骨や筋肉、関節に異常は無かったようだ。落ち着き払ったキングヘイローとは逆に姉さんの方が周章狼狽して煩かったのがとても珍しくて印象に残っている。

なんとか2日程トレーニングを休ませる、という条件で落ち着いては貰えたが、凄く不満気な顔をしていた。

思えば、私が怪我をした時も大袈裟なくらい心配をしてくれたものだ。あの時は毎日電話をしてくれて…!

だが、今回のキングヘイローの時の方が私の時より………むぅ……

 

 

 

 

 

 


 

毎日王冠、私の復帰レースとなります。エルやスズカさんも出走するレース、絶対に負けられません。

ただ、懸念事項が2つ…。

1つは、結局私の走りが朝日杯FSの時の走りに戻ってないこと。更に、約10ヶ月ぶりのレースですから、レース感も鈍ってしまっていることでしょう。

しかし、それは勝てない言い訳にはなりません。ス■■さんの指導の下で培ってきたこの走りで勝利を掴んでみせる所存です!

……が2つ目の懸念はそのス■■さんのこと。

私たちの指導の際にどこか集中力を欠いている…そんな気がしてならないのです…

キングちゃんが砂浜で転んだ日、結果的にはなんともありませんでしたが、ス■■さんはとても取り乱していました。今まであんな彼女は見たことありません。その日は夕食も取らず塞ぎ込んでしまっていたり、以降暫く元気が無いように見えましたが、今日までしっかりと指導をして下さっています。

そして、あの日から1番変わったことは、私たちのトレーニング中は必ず義足を着用して来られることです。ス■■さんに一体どのような心の変化があったのか、私にお話して下さらないので分からないのです!キングちゃんも指導することになった時にあれ程何かあったら相談して欲しいとお願いしましたのに……。

私は信用されていないのでしょうか?

やはり生徒の身では出過ぎた真似だったのでしょうか?

……いけません、邪念を振り払ってレースに集中しないと、もう間もなくゲートインなのに…!

 

 

 

 

 

『小細工無用の真っ向勝負、府中1800毎日王冠スタート!』

 

「っ!」

 

やってしまいました、スタートミス…ですが落ち着いて持ち直します。

やはりスズカさんは先頭キープ、その後ろにぴったりとエル。スズカさんを徹底マークする気ですね。私も少しずつスズカさんと距離を詰めなければ!

 

 

くっ…ペースが速いっ!?今の私では……

スズカさんが息を入れるタイミングで一気に仕掛けるしかない!

 

「……………っ!今です!!」

 

 

『グラスワンダーが早めに出てきた大欅の向こう側!さあどうだどうだどうだ!

サイレンススズカに、詰め寄って来たのは外外"怪物二世"グラスワンダー!さあ真っ向勝負!!』

 

 

あと少し!ここで!!

 

あ、足が……

「くうっ!!」

 

届かない……届かない!届かない届かない!!!

 

 

『坂を登る!サイレンスまだ逃げる!外に少し寄れたかエルコンドルパサー!グラスワンダーは伸びが苦しい!

200を通過!!サイレンススズカだサイレンススズカだ!!

2番手はエルコンドルパサーだが離れている!

グラスワンダーは3番手も苦しい!

 

グランプリウマ娘の貫禄!!!

サイレンススズカ今ゴールイン!!!

どこまって行っても逃げてやる!!!

見事だ見事だサイレンススズカ天王盾に向けて視界良し!』

 

 

「ハァッ…ハァッ……ハァッ………」

 

……………私はっ……ごめんなさい………ス■■さん……

………ス■■さん?

 

 

……今のほっと安心したような表情は何ですか?

 

 

 

 

 

 

今……スズカさんを見て……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら控え室にいました。3着にも入らなかった私にウイニングライブに出る資格はありません…

 

 

コンッコンッ

 

「グラスちゃん?入りますよ?」

 

この声はス■■さん…

 

「……はい…」

 

彼女が車椅子で入ってきました…

 

ス■■さん……何故…?…どうして?…なんで?……

 

「グラスちゃんごめんなさい、私の能力不足で

「なんでですか?…なんでスズカさんを見ていたんですか?」

 

「…え?」

ス■■さんが目が大きく見開いて驚いてます。

私の感情は止まりません、涙が溢れるのも厭わず私は叫びます。

 

「貴方の指導を受けているのは私です!私の指導をしているのは貴方だけなんです!!

レース中はわたしだけを見てください!!!

私は!

勝てなかった悔しさや罪悪感よりも、貴方に見てもらえていなかったことの方が……っ」

 

これ以上は言葉が続きません…

 

「ごめんなさいグラスちゃん、その通りですよね…ほんとにごめんなさい。駄目なサブトレーナーで

「謝罪はいりません。何故スズカさんを見ていたのですか、スズカさんの方が良いんですか?教えてください。」

「スズカちゃんの方が良いとかではないんですよ!本当に

「では何ですか!何で見てたんですか!!」

「それは…その…言えないんです…」

「それは私が信頼するに足り得ないからですか」

「違うの!そうじゃなくて

「ス■■さんが夏合宿の時から悩んでいるのは知っています!なんで私に相談してくださらないんですか!なんで………っ」

 

 

堪らず私は控え室を飛び出してしまいました。

 

 





世界を魅せたその走り
このレースで解き放て
凱旋に賭ける娘
走れ走れエルコンドル



大和の誇りを胸に秘め
女グラス今行くぞ
さあ薙刀振り回し
勝利を掴め
グ・ラ・ス!ワンダー!


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三女神「絶望がお前のゴールだ」

書き溜め分が誤操作で計2回も消えて萎えていたのであけましておめでとうございます初投稿です。(遅くなってしまい申し訳ございません)


一昨年ウマ娘にドハマりしそのまま去年初めて競馬を始め、年収支が約マイナス月収分でした。でもそれは夏競馬が1回も当たらなかったのと11月以降1回も当たらなかったせいなのです。しかし今年こそはプラス収支と帯を狙えると思います。余裕です。


やらかしちゃったZE☆

 

いやー…本当にやらかした…

グラスちゃんに怒られちゃったよ…

ここ東京レース場からトレセン学園まで学生寮は近いから帰り道の心配は無いけど。

もうレースもウイニングライブも終わってるし、とりあえずちゃんと謝らなきゃ!

…電話しても出てもらえない…メッセージ送っても未読…

 

どどどどどどどどうしましょう~

 

き、キングちゃんタスケテ!!

……え?「完全にあなたが悪いじゃないの。知らないわ自分でどうにかしなさい先帰ってるわよ」って?

そ、そんな~…

いつまでもここにいてもしょうがないから帰るかぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばい、自分の部屋に着いた後謝る方法が何も思い浮かばないまま数時間経ってしまった。

部屋の電気すらつけてないし夜ご飯食べ損ねた…でも今はそれどころじゃないよ!

ちょ、直接グラスちゃんに謝りに行く?

で、でもぉ…勇気が出ない…コワイ…切られないよね?…うごごご……

確かにグラスちゃんよりスズカちゃんの方に意識が行ってたのは…認めます、ハイ…

グラスちゃんにはとても悪いことしちゃったな…スズカちゃんの足の隠れたダメージの蓄積が気になったって正直に言えば良かったかな。

走りたがりな性格によるハードな趣味自主トレと過去にも見ない大逃げの脚質が原因と思われる。

でも一応別のチームだし、お医者さんにも問題無いって言われてたし…

しかも、あの毎日王冠だよ?実質GⅠと言われた伝説の98年10月11日開催の毎日王冠のウマ娘バージョンだよ?

スズカちゃんに魅入っちゃうのも仕方がない部分も無きにしも非ずというか…………

 

折角だからさっきのレースを見直そう。うん、そうしよう。

ノートPCを立ち上げて先程のレース映像を再生する。

 

 

 

全員ゲートに収まった

 

ゲートが開いて、スズカちゃんは完璧なスタート!あっ、グラスちゃんは少し出遅れた…

 

スズカちゃんがバ群の2番目を走っているエルちゃんと5バ身程差をつけて先頭を逃げている、グラスちゃんは出遅れを盛り返して前から5番目

 

第3コーナーから第4コーナーにかけてグラスちゃんが上がっていく、スズカちゃんが息を入れたその隙を見逃さずグラスちゃんがスパートをかけようと足を踏み込んで最終直前へと入っていくっ!

 

グラスちゃんは歯を食い縛り必死にスズカちゃんに食らいついて行く

 

「グラスちゃん……がんばれ………頑張れぇ!!!」

過去の映像なのに思わず声を出してしまう

 

でも、無情にも、スズカちゃんとの差は、開いていく

 

1人、また1人と、グラスちゃんを抜き去っていく

 

結果は5着

 

でも掲示板入り!よく頑張った!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら目から涙が溢れていた

 

レースの反省をするつもりがそれどころでは無い

 

涙が止まらない

 

この心のモヤモヤは何?

 

何かにぶつけたくなる衝動的な気持ちが溢れてが止まらない

 

これは…これが、本物の"悔しい"気持ち?

 

これがウマ娘の本能?

 

今まで本気で誰かと走ったことが無かったから知らなかった…!!

 

「これが悔しい…そうだよね、悔しいよねグラスちゃ………ッ!?!?」

僕は気づいてしまった

 

僕は仮とはいえグラスちゃんのトレーナーなのだ

 

僕はレース中、必死に走るグラスちゃんを見ていただろうか

 

本気でグラスちゃんを応援していただろうか

 

さっきまでの自分をぶん殴りたい

 

担当ウマ娘をほったらかして他所のウマ娘を気にし続けるだなんて

 

トレーナーとしてあるまじき行為だ

 

 

何が推しを幸せにしたい、だ

 

何が推しの怪我を見たくない、だ

 

本来なら担当ウマ娘と二人三脚一心同体でレースに挑まなければならないのに

 

ボクは自分の立場を理解しているのか

 

いつまでオタクを拗らせてるんだ

 

アニメやアプリでウマ娘を観るのとは違う、これは現実だ

 

気づくのが遅い、遅過ぎる

 

グラスちゃんが怒って失望するのも当然だ

 

 

「ああああああああごめんなさい、ごめんなさい、グラスちゃん…」

 

 

 

僕は"トレーナー失格"だ

 

 

 

 

 

 




勝手に沼にハマる、ドツボにドボン


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本当の闘い(推し活)はここからだぜ!

ウマ娘の舞台始まりましたね~
ヴェルトライゼンデ強過ぎて震えました。



※今迄にちょこっと出てきてたモブウマ娘についてちょこっと書き加えたので良かったら見直してみてください。今後話を膨らませる予定です。


 

トレーナーとして絶対にしちゃいけないことしちゃった…

泣き疲れちゃったから風に当たりに外に出たけど…

もう夜遅いし、トレセンは消灯してるし、早く寝ないと明日に響いちゃう

本当はこんなことしてる場合じゃ無いのに

2週間後にはキングちゃんの菊花賞

その翌週には………スズカちゃんの天皇賞秋……うぅぅぅぅぅ……………

 

 

 

 

うじうじウィンウィンしてたらいつの間にかトレセン学園内の三女神像の前に来ちゃってた……

 

「…三女神様ぁ」

 

「こんな時間に何をされているのですか?」

 

「ぴっ!!」

び、びっくりした!!!でもこのたわけたわけと罵倒してくれそうな低音ボイスは!!

 

「る、ルーヴちゃんこそ、こんな時間にどうしてここに?」

 

「お恥ずかしながら忘れ物に気づきまして、急を要するものだったので遅い時間ですが取ってきたのです。

ス■■さんは…………何かお悩みですか?」

 

ドキ土器ッ!?なななんでバレて!?!?ってカマかけの可能性もあるか!!!ここはおすまし顔で切り抜けよう!

生徒に相談する内容じゃないし…

 

「な、何のことでしょうか?私はただ…夜風に当たりに散歩していただけですよ」

 

「……涙の跡がありますし、目も腫れてますよ」

 

嘘ん!?鏡確認しとけばよかった…まさか誰かに会うとは思ってなかったというか…そのことについては無警戒だったというか…

 

「あの、これは……そう、その、ゴミに目が入っちゃって」

わわわ我ながら完璧な言い訳

 

「今日のグラスワンダーのレース結果に関連することですか?」

 

!?!?!?!?!?

 

「えっっっ!?な、なんで分かっ……………ちちちち違いますよ」

 

「なんで誤魔化せるとお思いなのか分かりませんが、彼女はまだリギル所属ですよ?我々も一緒に応援しに行ったではありませんか。まさかもうお忘れに?」

 

その時ス■■に衝撃走る。

そ、そうだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!

 

「なのでレース後のグラスワンダーと貴方がひと悶着あったことは皆知っています。詳しくは存じ上げておりませんが…」

 

レース後焦ってたせいで忘れてたけどそう言えばそうじゃん…あの場にみんないたじゃん……アホか僕は…

 

「それで?」

 

「え?」

 

「なにがあったんです?」

 

「いや…でも、こんなこと生徒に相談することじゃ…」

 

「はぁ…会長といい貴方といいどうして我々のことを頼ってくださらないんだ…いや会長が人に頼らないのはこの人の影響もあるのか?まったく…」

 

「?あ、あの」

 

「グラスワンダーの走りが不甲斐なかったことと関係ありますか?」

 

「ち、違う!!グラスちゃんは不甲斐なくなんてない!そんなこと言わないで!!」

 

「!!……申し訳ありません。」

 

「あっ…大きな声出しちゃってごめんなさい…」

 

「いえ、私の方こそ言い過ぎました、失礼しました。ですがこうでも言わないとどうせあなたは本心をおっしゃってくださらないでしょう?」

 

「うぅぅぅ…違うの。僕がトレーナー失格なだけなの…」

 

「トレーナー失格?ス■■さんが?」

 

「うん。。」

 

「何故です?」

 

「レース中、グラスちゃんを見てなきゃいけなかったのに…スズカちゃんの脚が心配で…

トレーナーさんが許可してるし、脚に異常も無いから大丈夫って分かっててもスズカちゃんは普段からあんな走りをしてるでしょ?だから心配で」

 

「スズカの友人として、彼女の事を心配してくださることは有難いですが、それは…」

 

「うん、余計なお世話、だよね…グラスちゃんにもバレて怒られちゃった…

結局はまだファン気分が抜けてなかったの。僕は未だに応援するだけの側の気分でいた…担当ウマ娘と一緒に努力していかないといけないのに。

でも、それでも!もう目の前のウマ娘ちゃんが怪我するのは絶対に嫌なの!!

防げるはずの、防げたはずの怪我なんて絶っっ対にしてほしくない!!!

去年のグラスちゃんの怪我も!僕がここに来る前だけどルーヴちゃんの熱発や骨折だってルドルフちゃん経由で伝えてれば良かったし、そもそもルドルフちゃんの怪我だって僕が

 

「いいですか、ス■■さん。

『ウマ娘の未来は誰にも分からない。』」

 

「え?」

 

「『何故だか解る?それは、ウマ娘自身が創っていくからなのよ。』」

 

「あ…」

 

「『どこで走っても、どんな時も。ウマ娘の未来は、ウマ娘が自分の手で創っていく。』

……これは私が骨折で苦しみこの先の学園生活について、未来について憂いている時に母が送ってくれた言葉です。」

 

「ルーヴちゃんのお母さま……あっ、伝説のオークスウマ娘、ダイナカールさん……」

 

「ええ、そうです。……伝説?

トレーナーという存在はとても頼りになり、我々にとってなくてはならないものです。

我々を支え、そして貴方のおっしゃった通り目標に向かって共に走ってくれる存在であると私は思っています。

一方で、完璧な存在ではないということも理解しています。失敗や挫折も当然する。

そんなに全部を背負い込もうとしないで、グラスワンダー達に正直に相談してみてはいかがでしょうか?

私がそうであったように、彼女らも情けないだなんて思わないと思いますよ。

むしろ、相談したら喜んでもらえるのではないでしょうか。」

 

…未来は誰にも分からない。

こんな当たり前のことをどうして忘れていたんだろう。

ウマ娘は異世界のウマの魂を受け継いだだけで、ウマとはまったく別の存在だ。

それに、僕にできることは僕のやり方で正面からぶつかるだけだ!

ジーっとしててもドうにもならない!

やるしかねぇ、今、やるしかねぇんだ!!!

 

「うん、そうしてみるね!ルーヴちゃん本当にありがとう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、お母さまって本当の闘いはここからだ!って言ったりしない?」

 

「…よくご存じですね?幼少期の私を励ましてくれる時によく言われました。なんでも現役時代の口癖だったとかで」

 

「うわぁ!やっぱりそうなんだ!?」

 

……なんかだいぶ印象が変わったな……

 

 




エアグルーヴのヒミツ(妄想):ガイアフォース(幻覚)とは気が合いそうで合わない。よく口喧嘩をしている。


ダイナカール(幻覚)のヒミツ①:口癖は「本当の闘いはここからよ!」

ダイナカール(幻覚)のヒミツ②:実は、目立ちたがり屋だけどそれ以上に照れ屋さん

ダイナカール(幻覚)のヒミツ③:実は高所恐怖症

誰か「ウマ娘プリティダービーネオフロンティア(仮)」書いて(懇願)


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