現代日本にTS転生したスターリンはデンドロでソビエトの復活を目指すようです (ソヴィエト社会主義共和国連邦)
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プロローグ
終わりと始まり


初投稿です。


1953年 3月5日 モスクワ郊外

 

「以上になります、同志スターリン」

 

私の目の前で報告する禿げた男の名はフルシチョフ、党幹部の1人だ。

「うむ、素晴らしいな」

そして私はヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・ジュガシヴィリ、諸君らにはヨシフ・スターリンというのが分かりやすいだろう。

「他に報告は?」

 

「特にありません」

 

「よろしい、下がれ」

 

「了解です、同志スターリン」

 

フルシチョフが部屋の外に出て行く

 

「はぁ、何をやってもアメリカに勝てる気がしないな。どうすればよかったのだろうか?まぁいい今日は秘蔵のウォッカを開けるとするか。」

 

ソヴィエツキーウォッカ、世界最高級のウォッカだ。

これは私のようなソヴィエトという超大国の主人であっても飲むのを躊躇ってしまうような超高級ウォッカだ、我がソヴィエトにもこれを飲む人間はほぼいないだろう。

 

そうソヴィエトにはスターリン以外このウォッカを飲む人間はいないのである。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「がはぁ」

私がこのウォッカを飲んだ瞬間、体は熱を帯び意識が朦朧とした。喉の感覚から察するに吐血もしたらしい。

 

「ようやくですね。同志スターリン、いや、スターリン」

 

なぜやつがここにいる?死んだはずでは?死体の写真だって確認したはずだ。私の優秀な暗殺者であるラモンがしくじるはずもない

 

「その顔、どうして私が生きているのかと思っていますね?」

 

そうだなぜ貴様が生きている、トロツキー!

 

「なぜ私が死ななかったのか、それは、、、何んていうとでも?さっさと死んでください。レフの、息子の仇です」

 

やめろ、やめろやめろまだわたしにはやらなければならないことが

 

「死にたくないという顔をしてますねぇ、ですがこれで終わりです。さようなら息子の仇」

 

やつが拳銃を取り出す。そしてたった一回私の頭に向けて引き金を引く

 

そしてトカレフ9mm弾が私の皮膚を裂き、骨を砕き、深く脳にまで到達する。

 

..........................私はここで死ぬわけには、強く誰にも侵されない理想郷を作らなければ

 

【その願い聞き入れたぴょん!】

 

なんだこのふざけた語尾と言動は、いやそんなものはどうでもいい願いを叶えてくれるのであれば神でも悪魔でも、たとえヒトラーであろうとも利用してやろう。

 

視界がはっきりし、いつの間にか別の、白い草が広がる平原にいた

 

【交渉のお時間だぴょん!あなたには今3つの選択肢があるぴょん!】

 

目の前にいきなり全身白の.....確か日本の民族衣装で、巫女服だったかな?を着た11、2歳の子供が現れる。

こいつが私の悲願を達成するために必要だと思うと少し涙が出てくるがそんなことは言ってられない、こんなのでも私の願いを叶えてくれるらしいからな

 

【無視しないでほしいぴょん!】

 

ふむ、話だけでも聞いてみるか

 

「すまないな、考え事をしていてね、それで選択肢というのを聞かせてくれたまえ」

 

【わかったぴょん!】

 

さて、どんなのが出てくるのか、

 

【1つ!魂を分解して大いなる流れに戻し消滅するぴょん!】

 

これはないな、死んでしまっては元も子もない、まあ一度死んでいるがな

 

「論外だな、消滅してしまっては我が悲願を達成できん」

 

【2つ!地獄落ちぴょん!】

 

「地獄?」

 

【地獄だぴょん!】

 

「こういうのって普通は天国とかじゃないのか?」

 

【いけると思ってるのかぴょん?】

 

あぁ確かに無理だな大粛清などで何千万人も殺した私には天国へ行く資格はないということか

 

【納得したようなので次行くぴょん!3つ目はぴょんの個神的な依頼だぴょん!】

 

他二つがロクでもない以上最後のこれが唯一の選択肢ということだ

おそらくこれ以外選ばせる気もないだろうしな

 

【あなたのいた世界とは別の世界線のとある時代にゲームを自称した何かがあるぴょん!それをプレイして情報くれだぴょん!】

 

「それと我が祖国の再興に何が関係あるんだ?」

 

【簡単だぴょん!おそらくこのゲームはゲームと偽装しただけの別の世界の可能性が高いだぴょん!そこにはいろんなものがあるぴょん!そこでソビエトを再興するといいぴょん!】

 

「なるほど、いいだろう、その依頼を受けよう」

 

【助かるぴょん!】

 

「そういえば情報はどうやって渡すんだ?」

 

【五感を常にモニターしておくぴょん!だからただプレイするだけでいいぴょん!】

 

「わかった、では頼む」

 

【受けてくれてありがとうだぴょん!ではしっかりお願いだぴょん!】

 

 

意識がまた闇に沈んでいく

 



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第1章 グランバロア編
キャラメイク


学生につき忙しいので更新は不定期、3、4日は日が開くというとんでもないことをしようとしてるダメ筆者ですがよろしくお願いします。


【起きるぴょん!】

 

目を開けるとモスクワの私の部屋とは全く違う柔らかな印象を受ける天井が見える。

 

【起きるぴょん!】

 

あぁ件の依頼主が呼んでいるようだ、起きなければならない約束を反故にされてはたまらん。

 

「あぁ今起きた」

 

おかしい、私の声はこんな高音ではなかったはずだが、これではまるで

()()()()()

 

【起きたぴょんね!】

 

それになぜか髪も長いししかも金髪だしかもどうも視界だって低いように感じる。

 

【起きたようだし現状の説明をするぴょん!ここは20XX年の日本国!その首都東京にあるマンションの一角ぴょん!】

 

日本?アメリカの勢力圏の極東のあの日本か?そうなのだろうなきっと

 

【そうぴょん!そしてこのマンションの所有者は私の眷属...............眷属っていうのはあなたみたいな人のことぴょん!そしてこのマンションは眷属のものだし食料その他生活に必要なものは毎日届くぴょん!つまり社会と関わることなくデンドロ.............ぴょんが依頼したあのゲームのような何かに専念できるぴょん!】

 

完全に専念できるというのは良いな、働きながら依頼を行う必要があるかもと危惧していたが問題ないようだ。

 

【そしてあれがデンドロをやるための機械ぴょん!】

 

そこに置いてあったのは、ヘルメットにゴーグルをくっつけたような奇妙な機械であった。これでゲームができるらしい

 

【困った時は隣の部屋に私の眷属がいるから彼女を頼るぴょん!じゃあ、あとはしっかりやるぴょん!】

 

「ちょっとまっt」

 

行ってしまったようだ

 

「どうしたものか、全くこの体についての説明を受けていないぞ」

 

まあ良いそんなことは些細なことだ。

早くソヴィエト再興のためにもこのデンドロとかいうものをやってみなければ

ほうほう被って、スイッチを押せば良いんだな。そしてキーワードを言うのか。

ポチッとな

そしてキーワードを言うのであったな

「リンクスタート!」

瞬間視界が暗転する

 

 

「はーい、ようこそいらっしゃいましたー」

 

気がつくといままでいた部屋とは別の空間にいた

部屋の内装は木造洋館の書斎を思わせる。

 目の前では見知らぬ猫が、作りの良さそうな木製の揺椅子に座りながら私に話しかけている。

 ……猫?

 

「邪魔する」

 

戸惑いはあるがとりあえず挨拶をしておこう、この猫が何なのかすら私にはわからないのだから

 

「うん、いいねー。礼儀正しい人好きだよー」

 

 猫はペラペラと日本語を話す。

 しかしなぜかその語尾は常に伸びていた。 

 

 「君は.............何だ?」

 

「あ、僕は<Infinite Dendrogram>の管理AI13号のチェシャだからー。よろしくねー」

 

 「そうか、よろしく頼む」

 

 「よーしー。じゃあまず描画選択ねー。サンプル映像が切り変わるからどの方法が良いか選んでねー」

 

猫……チェシャがそう言うと周囲の風景が一変した。

 書斎から広々とした空間……どこか中世ヨーロッパ風の町並みになっている。

 そこには多くの人々が歩いていたが、一定周期でその姿が切り替わっていた。

 いや、姿ではなく見え方が切り替わっている。

 現実に見るような姿から絵のような姿に絵のような姿からその中間のような姿に

 

「どうするー?」

 

チェシャが聞いてくる。

 

「リアルで」

 

そもそも慣れていない絵のようなものにするなど言語道断

これ以外選択肢がないようなものだ

 

「オッケー」

 

 その言葉と共に景色は元の書斎へと戻った。

 

「次はプレイヤーネームを設定してもらうねー。ゲーム中の名前は何にするー?」

「ゲームの中の名前?」

 

なぜ違う名前にするのだろうか?

 

「そっかー君はそうだったねー元の名前と同じで良いと思うよー」

 

そうなのか?きっとそうなのだろうな

 

「ではそうしてくれ」

 

「じゃあそうするねー。次、容姿を設定してねー」

 

チェシャがそう言うと、目の前にのっぺらぼうのマネキンと、沢山の画面が現れた。

 画面の中には「身長」、「体重」、「胸囲」などの言葉と共に並んだスライド式のバーや、目や鼻が収まった画面がある。

 

「これは……」

「そこにあるパーツとスライダー使って自分のゲーム内での姿アバターを作ってねー。あ、僕みたいに動物型にも出来るよー」

 

 と言われたものの……。

 あまりにもスライダーとパーツが多すぎてどこから手をつけていいものか。

 

「ゆっくり悩んでいいんだよー。こっちは現実の三倍の時間があるからさー。……あー、でも前にログインとログアウト繰り返しながら地球時間で一ヶ月かけて作った人いたなぁ……」

 

凄まじい努力と集中力だ。俺にはそこまで出来そうもない。

 それに素人が作成するにはあまりにモデリングが細かすぎてこのままではどうしても不出来なものになる。ゲームではなく本物の人間の顔を作れと言われているようなものだ。

 

【現実準拠にして欲しいぴょん!】

 

クライアントの声が聞こえる。いつでも連絡できるのか、まあ良い理由はわからないが従うとしよう

 

「現実の姿をデフォルトにすることはできるか?」

「できるよー」

 

 チェシャはフリフリと尻尾を振った。

 するとマネキンだったものが私そっくりになる。

 

特に変える必要もないだろう

 

「完成で」

「いいのー?全く同じだとリアルで特定されたりするかもよーだから少しはいじることをお勧めするよー。」

 

そうかそういうものなのか、いやクライアントに確認しないとまずいな

【ちょっとならいいぴょん!髪とか目とか!】

 

「わかった、では目の色と髪の長さをもっと長くしてくれ」

 

髪はこれ以上短くすると不自然といういわゆるショートカットだったから多少伸ばすことにした

 

「オッケー、じゃあ他の一般配布アイテムも渡しちゃうねー」

 

 チェシャは空中に向けて肉球付きの猫の手を振った。

 するとカバンが一つ、何もない空間から落ちてきた。

 

「これがヨシフの収納カバン、所謂アイテムボックスねー。中は収納用の異次元空間だからー。ついでにヨシフの持ち物なら入るけどー、逆に言うとヨシフの物以外は入らないからー」

「なるほど」

 

便利なカバンだが犯罪には使えないということだろう。

 

「まー、PKしてからランダムドロップしたのを拾ったり、《窃盗》スキル使って盗んだりすればいけるんだけどねー」

「…………」

 

 何と言ったものか。

 

「ちなみにねー。《窃盗》スキルのレベルが高い人はこの四次元○ケットみたいなアイテムボックスの中からも盗めるからー。気をつけてねー」

 

 異次元空間にも対応したSFチックな泥棒にどう気をつけろと言うのだ。

 

「ちなみにそれは初心者用だけど、他にも色々種類あるからー。盗まれにくいのとか、小さいのとか、容量が大きいのとかー」

「ちなみにこれの容量は?」

「サイズは教室一個分くらいかなー。重さは地球換算で一トンくらい?」

「結構入るな。十分だ」

「商人やると足りないらしいけどねー。そういう人は買い換えるかなー」

 

「あ、アイテムボックスの類は全壊すると中身ばらまかれるから耐久度には注意してねー」

「気をつけなければな」

「次は初心者装備一式ねー。ヨシフはどれにするー?」

 

 チェシャは本棚から取り出したカタログを俺に見せる。

 そこには色々な武具が一揃いで載っている

 和装、洋装はもちろん、中華やインド、中東や南米の歴史的な衣装のようなもの、逆にSF映画のような衣装もある。その中には我が祖国の軍服まであった。

 

「これにしてくれ」

 

「オッケー。じゃあ初期武器はどれにするー」

 

 カタログの別のページを開く。

 木刀や刃を潰した模擬剣、ナイフ、弓、スリング、杖、その他諸々の武器が載っている。

 

「レイピアで」

 

 以前使っていたことがあるからな

 

「オッケー。じゃあ装備と武器を……とりゃー」

 

 気合が入っているのかいないのか分からないチェシャの掛け声と共に俺の姿は一変した。

 先ほど選択した衣装に切り替わり、腰のベルトにはレイピアがぶら下がっている。

 

 

「そうそう、これ最初の路銀ねー」

 

 チェシャは俺に五枚の硬貨を手渡す。それはどうやら銀貨のようだった。

 

「銀貨五枚で5000リルねー。ちなみにおにぎり一つで10リルくらいだよー」

 

 そうなると1リルは凡そ10円くらいか。ならば5000リルはそれなりに大金だ。

 

「最初からこんなにもらっていいのか?」

「うん、そのお金がなくなる前にお金稼げるようになってねー」

 

 以後は金銭的な支援はないらしい。

 この金銭は計画的に使わねばならない。

 

「さて、いよいよだけど<エンブリオ>を移植するねー」

「なんだそれは?説明をしてくれ」

 

「オーケー。エンブリオは全プレイヤーがスタート時に手渡されるけれど、同じ形なのは最初の第0形態だけー。第一形態以降は持ち主に合わせて全く違う変化を遂げるよー」

 

「千差万別だけど、一応カテゴリーはあるよー」

 

「大まかなカテゴリーで言うとー。

 プレイヤーが装備する武器や防具、道具型のTYPE:アームズ

 プレイヤーを護衛するモンスター型のTYPE:ガードナー

 プレイヤーが搭乗する乗り物型のTYPE:チャリオッツ

 プレイヤーが居住できる建物型のTYPE:キャッスル

 プレイヤーが展開する結界型のTYPE:テリトリー

 かなー」

というような説明をしてくれた、

 

「でー。話している間に<エンブリオ>移植完了ねー」

「え? ……おわぁ!?」

 

 気づくと、私の左手の甲には淡く輝く卵形の宝石が埋め込まれていた。

 

「それが<エンブリオ>ねー。第0形態はそんな風にくっついているだけなのだけど、孵化して第一形態になったら外れるからー」

 

 つまり今は卵を温めているようなものか……。

 

「ちなみにこれ、卵のまま壊れることは?」

「しないよー。第0形態で<エンブリオ>に当たるダメージは全部プレイヤーに行くからー」

 

 あー、なるほど。プレイヤーが死んでも<エンブリオ>は無事、と。

 

「孵化後の第一形態からは普通に傷ついたり壊れたりするけどねー。それも時間掛けて自己修復するけどー」

 

 何となく生物っぽい。

 

「ちなみに卵のくっついている場所は第一形態になると紋章の刺青になるよー。それがこの世界でのプレイヤーの証明書みたいなものだからー。じゃないとプレイヤーとの見分けつかないからねー」

「へぇ」

 

「あと紋章には<エンブリオ>を格納する効果もあるよー。用事がないときは左手にしまっておくのー。このゲームをプレイする限りはずっと一緒ですのでー。大事に扱ってくださいねー」

「ああ」

 

 まだ俺の<エンブリオ>がどういう風に進化するかは分からないけれど……まぁ、結局はパーソナル次第って話だからなるようになるか。

 

「よろしくな、相棒」

 

 もちろん<エンブリオ>から返事はなかったが、どことなく輝いた気がした。

 

「じゃあ最後に所属する国を選択してくださいねー」

 

 チェシャは書斎の机の上に地図を広げる。

 それは古びたスクロール型の地図だったけれど、広げ終えると変化が起きた。

 地図上の七箇所から光の柱が立ち上り、その柱の中に街々の様子が映し出されている。

 

「この光の柱が立ち上っている国が初期に所属可能な国ですねー。柱から見えているのはそれぞれの国の首都の様子ですー」

 

 それぞれの光の柱の周囲には、国の名前や説明が光の文字となって浮かんでいる。

 

 白亜の城を中心に、城壁に囲まれた正に西洋ファンタジーの街並み

 騎士の国『アルター王国』

 

 桜舞う中で木造の町並み、そして市井を見下ろす和風の城郭

 刃の国『天地』

 

 幽玄な空気を漂わせる山々と、悠久の時を流れる大河の狭間

 武仙の国『黄河帝国』

 

 無数の工場から立ち上る黒煙が雲となって空を塞ぎ、地には鋼鉄の都市

 機械の国『ドライフ皇国』

 

 見渡す限りの砂漠に囲まれた巨大なオアシスに寄り添うようにバザールが並ぶ

 商業都市郡『カルディナ』

 

 大海原の真ん中で無数の巨大船が連結されて出来上がった人造の大地

 海上国家『グランバロア』

 

 深き森の中、世界樹の麓に作られたエルフと妖精、亜人達の住まう秘境の花園

 妖精郷『レジェンダリア』

 

ふむこれはどれも魅力的だな

カルディナが少し弱いような気もするが。

 

「グランバロアで」

 

「オッケー。ちなみに軽いアンケートだけど選んだ理由はー?」

「最も攻められ辛そうだったからだな」

 

「じゃあグランバロアに飛ばすよー」

「あ、ちょっと待った。このゲームって何を目的に進めればいいんだ?」

 

 ゲームというからには何らかの目標がありだろうと思って聞いてみると

 

「何でもー」

 

 と、返された。

 

「何でも、とは?」

「だから、何でもー。英雄になるのも魔王になるのも、王になるのも奴隷になるのも、善人になるのも悪人になるのも、何かするのも何もしないのも、<Infinite Dendrogram>に居ても、<Infinite Dendrogram>を去っても、何でも自由だよ。出来るなら何をしたっていい」

 

 チェシャの口調が変わった。

 

「君の手にある<エンブリオ>と同じ。これから始まるのは無限の可能性」

 

 間延びした喋りから、語るような口調に。

 

「<Infinite Dendrogram>へようこそ。“僕ら”は君の来訪を歓迎する」

 

 その言葉の直後、周囲から書斎が消え去った。

 机も、書架も、チェシャさえも消失し、私自身は空に浮かんでいた。

 

「え?」

眼下には見覚えのある世界の形。

 さっきまで見ていた地図と同じ形の大陸を見下ろしている。

 やがて私の体は吸い込まれるように大陸の一点、私が選択したグランバロアへと向かって――高速で落下していった。

 

 こうして、私は<Infinite Dendrogram>の世界に足を踏み入れた。

 




時系列的にはグローリア襲来の半年ほど前となりますが、スターリンはアルター王国には行かないのでグローリアの出番はありません。
スターリンがアルターへ行くのは超級激突のあたりになります
それとこの作品は原作通りに進むわけではないのでそこのとこお願いします。例えば筆者が血迷ってオリジナルSUBM出したりするかもしれません

そしてこんな駄作を読んでくださってる皆様にいうまでもないと思いますが海道 左近先生のインフィニットデンドログラムは素晴らしい作品ですので是非そちらの方もお願いします。



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NEET脱却!и 初戦闘!

И←andのロシア語ヴァージョンです
前話でチェシャがリアルの顔そのままの危険性を指摘しないというミスがあったので加筆、修正しましたが。大きな影響はないので読まなくても問題はないです。
リンクスタートはただ言わせたいだけです。深い意味はありません


◻︎グランバロワ首都  ヨシフ・スターリン

 

「いきなり高所から落とすとは驚いたな、」

いきなり空から落とされた私は驚いて高鳴る心臓の鼓動を感じていた

 

「しかしとてもゲームとは思えんな」

 

クライアントがゲームのような何かというのも頷ける。

しかし、これからどうすればいいのやら。国を作るのだまずは強くならなけらば、しかしどうすれば強くなれるのか、それが全くわからない一応はゲームなのだから、素振りで強くなるとは思えない。まずは聞き込み調査だな。

 

「おい!そこのお前達!そうだそこのチャラそうなお前達だ!」

「あ”?」   チャラ男A

「あ“?」   チャラ男B

「なんだい?」チャラ男?C

「このゲームで強くなるための方法を教えろ!」

「おいおい嬢ちゃんチャラ男はないぜチャラ男は」

「教えて欲しいか?ならそれ相応の礼ってもんがあるだろゲヘヘ」

「まずはジョブに就いた方がいいと思うよ、君は始めたばっかのようだしね」

 

ジョブかそんなのもあるのか

 

「でもこんなふうに街中で聞くよりリアルの方でwiki(攻略情報集積サイト)を見た方がいいと思うよ」

 

なるほど現実世界にもゲームの情報があるのか

 

「ありがとう、名もなき青年達よ、ではまた」

 

「お、おいちょっと待て!」

なんか有象無象が騒いでいるが知ったことではない

私はそのままのログアウトした

 

 

 

ほうほうジョブには3種類あるのか

以下wiki引用

 

<Infinite Dendrogram>のジョブは大きく分けて三種類ある。

 下級職、上級職、超級職スペリオルジョブの三種だ。

 この<Infinite Dendrogram>内のジョブは全てこの三種のいずれかに分類される。

 下級職は無職のものがまず就くジョブで、かなり敷居が低い。レベル上限は50。

 上級職は下級職で実力をつけたものが就くのを前提として、複数の転職条件が設定されているジョブ。レベル上限は100。

 下級職は六つまで、上級職は二つまで同時に就くことができ、合計で500レベルが上限だ。

 

 では残る超級職とは何か。

 超級職は上級を極めた者でも成るのが困難な条件を達成しなければならない。しかも各超級職が先着一名しか就けないらしい。

 そして超級職にレベル上限はない。

 そう、超級職ならば500でカンストのレベルを、追加でいくらでも上げられてしまう。

 バランスもあったものじゃない、とは思うが超級職もそんなに数は多くないらしい。

 また、当然ながらレベルは上昇するほどに必要経験値が増大して上げづらくなるので、上限はなくともそこまで出鱈目にレベルが高い人は“あまり”いないらしい。

 つまり少数は出鱈目にレベルが高いようだ。

 <超級エンブリオ>といい、<Infinite Dendrogram>の運営はあえて格の違う強さを用意しているようにも思える。

 なお、超級職は<超級エンブリオ>とは違い、ティアンが就いている場合もあるそうだ。

 

 

だそうだこれらのジョブに就くにはジョブクリスタルというものが必要らしい

そうとわかれば早く行こう。善は急げと東方では言うらしいしな

 

「リンクスタート!」

 

 

そしてジョブクリスタルの前に到着だ。

えっとwikiに書いてあった通りここをこうして、こう!

 

【テッテレー!】

BGMと共に私はジョブに就けたようだそしてメニューに燦然と輝く

 

魔術師(メイジ)》の文字

 

なぜこれにしたか?簡単だ遠距離攻撃の火力がたかいからだ

「次は確かレベル上げか、」

北の海でのレベリングが一番だそうだ、そこに行ってみようと思う

 

 

グランバロワ首都の北 海上 《魔術師(メイジ)ヨシフ・スターリン

 

水上歩行ポーションの効果は素晴らしいな、海の上を歩けるなんて

2000リルも出した甲斐があったな

だが、あれが、モンスターとやらか、見た目は.............魚人だな。トライデントも持っているようだ。

奇襲するか

炎の球(ファイアーボール)」!

私の放った魔法が魚人に向かって行く、そして魚人は無抵抗に攻撃を受けた。そしてそのまま光の塵となって消えていった

 

「え?弱くないか?」

 

 




だいたい2044年5月スターリン初ログインだぴょん!原作だとちょうどフィガロが超級に進化したあたりだぴょん!


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共生触蟹 シンビオーシスト

なるべく2日に1回は午後8:00に投稿します。



 ◇ グランバロワ首都の、北の海上

 

 あれから4時間後、レベル20まで上がった私は、自身のステータスを見ていた。

 

 「うむ、ステータスが上がっているな」

 

 wiki(攻略情報集積サイト)で調べたところ、このステータスというものがありそれが高いほど、攻撃の威力や自身の防御力、さらには動けるスピードまで変わるらしい。

 

 「しかし、ほとんどMPしか上がっていないな?」

 

まあいい、れべりんぐ?とやらかを続けるとするか。

 

 ――瞬間、視界が傾いた。

 

 

 否、傾いているのは視界ではなく私自身。

 コメカミに残る衝撃と痛みが、側頭部に何かが掠めたのだと知らせる。

 簡易ステータスは今の衝撃で私のHPが八割消失したことを告げた。

 

 しかしなんだ今のは?、おそらく銃器の類だろうが、一体どこから?この海の上には遮るものなど一つもない。つまり射手は水平線の向こうにいるか、水中にいるか、もしくは()()()()()()()()()()()()()()()()

 

転移が可能だったりする可能性もあるが、おそらくそこまでの距離を転移することはできないだろう。もしできるとしても、それだけの実力者が私を殺しきれないとは思えない。

 

 「つまり、消去法で、水中か、透明化だな」

 

しかしそうだとしても今、射手はどこにいる?先程の遠距離攻撃が連射可能ならば既に撃っているはず、ならば次は接近戦に切り替えるはずだ、つまり、現在射手は接近中、ならば射手の現在位置は()()()()()()()()()()()()()()()()

 

炎の矢(ファイアーアロー)

 

何もない空間に弾速を重視した3本の矢が向かって行く

 

「giyaaaaaaaaaaa!」

 

やはり接近していたらしい。運のいいことに着弾の衝撃でやつの透明化も切れたらしい。

しかし、面妖な姿をしているな。背中にイソギンチャクを背負った大蟹という姿をしている、まあいい

風刃(ウィングカッター)

氷の槍(アイシクルジャベリン)

水弾(ウォーターバレット)

これだけ叩き込めば死ぬだろう

私であれば死ねるな。

 

 ------煙が晴れるとそこには()()()()()()()()()()()

 

「gyaaaaaaaaasaa!」

 

やつのイソギンチャクが伸びて私に迫る。

 

魔導障壁(バリア)

 

 私が咄嗟に発動した魔法と触手がぶつかり合う。

 

 

 しかし抵抗虚しく突破されてしまう。

 咄嗟に体を横に逸らして避けたが左腕を持っていかれてしまう。

 

 「Gygygygygygygygygygygugy!」

 

 次の触手が迫る。

 

 炎の矢(ファイアーアロー)

 炎の矢(ファイアーアロー)

 炎の矢(ファイアーアロー)

 

 なんとか撃ち落とそうと魔法を乱射するが、その全てが虚しく空を切る。

 

 (まずい、死ぬ!)

 

 『全く、仕方のないマスターだな』

 

 (なんだ、今の声は?例のエンブリオとやらが光っているそれ関係か?)

 

 『今、僕は覚醒した、いまなら使えるはずだよ。エンブリオ』

 

 エンブリオとやらが使える?

 まあいい、今は

「あの蟹をぶち殺すのが先だな!」

  

 ------------瞬間私の右腕から第0形態のエンブリオが消え、代わりにそこには鋼鉄に包まれ、銃が内蔵された機械の腕が現れる。

 

 「お、らぁ!」

 

 そしてそのままその腕ですぐそこまで迫っていた触手をぶん殴る

 

 この機械の腕はSTRで言えば3000ほどの力がある。そんな威力の攻撃を受けた触手はそのままHPを全損させて消滅する。

 

 「Gyaaa?gyaaaaaaaaaaaaa」

 

 怒ったあの蟹が突っ込んでくる、だがそれを私が見逃すはずがない。

  

  「p p p p p p p p」

 右腕に内蔵された銃が火を吹く

 そこから発射された7.62mm弾が時速2628km(音速の2倍)で蟹に迫る。

 

 「gyaaaaaaaaaa!」

 

 奴は触手を重ねて防ごうとするが、音速を軽く超えた速度で迫る銃弾に対応できるまでもなく、その体に次々と穴が開く。

しかしそのまま速度を変えず私の方に迫る。

そしてそのままの速度で巨大な鋏を振り下ろした。

しかし私も負けじと右腕でアッパーを放つ

 

 二つの強力な攻撃がぶつかり、大きな衝撃波が発生する。 

 

 「死ねええええええええええ!」

 

 そして徐々に奴の鋏に罅が入っていき

 

 奴の鋏が砕けた!

  

 すかさず私は至近距離から奴の頭部に向けて引き金を引く

 放たれた7.62mm弾は奴の頭部の殻を砕きそのまま奴の脳にまで達した

 「gyaaaaaaaaaaaaaa!」

 

 断末魔のような声をあげて奴が倒れたかと思うとそのまま塵になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【<UBM>【共生触蟹 シンビオーシスト】が討伐されました】

 【MVPを選出します】

 【【ヨシフ・スターリン】がMVPに選出されました】

 【【ヨシフ・スターリン】にMVP特典【伸縮触蟹 シンピオースト】を贈与します】

 

 

 

 

 

 

 

 



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◾️◇???

いきなり高評価食らってびっくりした後舞い上がって夜更かしして書きました。高評価つけてくれたら更新スピード上がるかもしれません。
高評価お願いします(懇願)



【捷欲馳足 ショウシツキ】

 最終到達レベル:83

 討伐MVP:【神獣狩り(ゴットハント)】カルル・ルールルー Lv103(合計レベル:603)

 <エンブリオ>:【不壊不朽 ネメアレオン】

 MVP特典:古代伝説級【威鬼棲天 ショウシツキ】

 

【無色蟷瞑 インビンジブル】

 最終到達レベル:12

 討伐MVP:【大教授】Mr.フランクリン Lv10(合計レベル:510)

 <エンブリオ>:【魔獣工場 パンデモニウム】

 MVP特典:逸話級【透過瞑套 インビンジブル】

 

【容貌改異 ミメーシス】

 最終到達レベル:42

 討伐MVP:【大提督(グレイトアドミラル)】醤油抗菌 Lv103(合計レベル603)

 <エンブリオ>:【大炎醸 アブラスマシ】

 MVP特典:伝説級【体改乎貌 ミメーシス】

 

【狐視炭々 エンリョウ】

 最終到達レベル:56

 討伐MVP:【殲滅王(キングオブターミネーター)】アルベルト・シュバルツカイザー Lv35(合計レベル535)

 <エンブリオ>:七星転身 セプテントリオン

 MVP特典:伝説級【焼却狐眼 エンリョウ】

 

【廻天胴柱 ツクモゴマ】

 最終到達レベル:88

 討伐MVP:【虐殺王(キングオブジェノサイダー)】レーナ・イチジョウ Lv529(合計レベル1029)

 <エンブリオ>:【万物切断 ダーインスレーブ】

 MVP特典:古代伝説級【廻天大盾 ツクモゴマ】

 

 

【共生触蟹 シンビオーシスト】

 最終到達レベル:4

 討伐MVP:【魔術師】ヨシフ・スターリン Lv20(合計レベル:20)

 <エンブリオ>:【鉄血兵装 ハーキュリーズ】

 MVP特典:逸話級【伸縮触蟹 シンビオーシスト】

 

「ムゥ?」

 

 闇の中、定められた作業と記録を行いながらソレは首を傾げた。

 平時には無言で作業を行い続けるソレにとって珍しいことだ。

 

「不可思議な。<UBM>を上級にも満たない低いレベルで打倒しうるとは。珍しいケースだ」

 

 ソレの疑問は無理からぬことだった。

 <UBM>とは格別にして隔絶の存在。

 他のモンスターとは一線を画す性能差を有する。

 ある例外を除けばモンスターのレベルは50、あるいは100でカンストだ。人間のようにジョブを切り変えて合計で500レベルに達することはない。

 しかしそうであるがゆえに、亜竜、純竜に代表されるボスモンスターは同レベルの人間よりもステータス面で遥かに強い。

 そして、<UBM>は倍以上レベルの高いボスモンスターと比較しても同等以上の戦闘力を有する。

 下級――レベル50以下の<UBM>を倒すのにもティアンなら上級パーティが複数必要になる。

 上級の<マスター>でも苦戦は免れない。

 ゆえに<UBM>を上級にも満たない低いレベルで倒すなどそうあることではない。

 数多くの低レベルプレイヤーが集まって打倒し、偶然この人物がMVPになりでもしたのか、とソレは戦闘のログを呼び出した。

 しかして現実は想像を超えていた。

 その人物――スターリンは単独で<UBM>である【シンビオースト】を撃破していた。

 

 「何にしても、喜ばしい。既存の<超級>が強まるだけでは意味がない。新たな力が伸びなければ、百の<超級>は揃わず……<“無限インフィニット”>にも届かないからな」

 

 そしてソレは独りでコクコクと頷いた後、もう一度スターリンの記録に視線を戻して言葉を紡ぐ。

 

「さて、彼は……【シンビオースト】を扱いきれるかな?」

 

 ソレは未来を想像して、わずかに口元を緩める。

 

「何にしても、楽しみながら強くなればいい。この世界ワールドは君達にとっては・・・・・・・最初から最後まで、遊戯ゲームだからな」

 

 そしてソレ――<UBM>を担当する管理AI4号ジャバウォックは己の職務へと戻ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇グランバロア首都の北  【魔術師】ヨシフ・スターリン

 

 「か、勝った、のか?」

 

 付近に動くものは一つとしてない。今まで圧倒的な存在感を放っていたあの蟹のモンスター(シンビオーストという名前らしい)は影も形もない。

 

 「いくら、なんでも、いきなり、強く、なりすぎ、だろう」

 

 まだ息が荒い。しかしそれも仕方のないことだろう、何せ左腕の肘から先がないのだから。

こういう時は早く止血しなければ、と思い、布はないかとアイテムボックスの中を確認してみたが、見事に昆布(魚人のドロップアイテム)しかなかった。

 

 そうして途方に暮れていると

 

 「やあお嬢さん、どうしたんだい?」(イケメンボイス)

 

 いつぞやのチャラ男?Cが声を掛けてきた。私が無言で左腕を掲げるとチャラ男Cは

 

 「あーなるほどね、それじゃあこれ使って」

 

 と私に瓶に入ったポーションをくれた

 ほう、これがwikiに書いてあったHP回復ポーションというやつか

 

 「これを傷口に掛ければいいんだな?」

 

 「いいや、それは飲む用の薬だよ」

 

 ん?事前に聞いてたのとは違うな?まあ飲む用のだって言っているのだ。飲んでみようか

 

 「そうだったのか、感謝する」

 

 言われた通りに飲んでみると左腕がどんどん生えてくる。生えてくる?普通のポーションは止血程度の効果しかないはずだが?

.......................い、一応確認しておこう、私の記憶違いかもしれないしな

 

 「なあ、飲んでから聞くのもなんだが、これ、なんだ?」

 

 「それはね超快癒万能霊薬(スペリオルエリクシル)って言って部位欠損まで直せる優れものだよ」

 

 高そうだな、ほんっとに高そうだな。私の貧弱な財布で払えるかどうか、

 

 「おいくら万リル?」

 

 「5000万だね」

 

 よし払えないな、どうにかして払わない方向に持っていかなくては、

 

 「あ、あとでしっかり代金はもらうから」

 

 /(^o^)\オワタ

 

 「あ、俺こういう者だから、んじゃまた」

 

 そう言って水上バイクに跨ると、エンジンをふかし、行ってしまった。

 

  「誰が払うか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ..........................ステータスの確認するか

 

 

 まずは孵化したというエンブリオの確認だ。その性能がこちら

 

  《鉄血兵装 ハーキュリーズ》

 

  ステータス補正

  HP G

  MP E

  SP E

  STR E

  AGI G

  END F

  DEX G

  LUK F

 

  《スキル》

  《神の右ヴェリカラ・ルーカ》

   MPを消費してパワーアシストの出力を上げる。MPを最大限使用 でSTR5000相当

  《弾薬製造(プロイゾドヴォストル・ヴェリペラストラ)

   MP、または金属を使用して弾薬を製造する。

概要

右腕を丸々覆う手甲型のエンブリオ、機械によるパワーアシスト機能も付いており、スキル無しでも常人の何十倍もの握力がある

さらには内蔵火器として7.62mm弾を放つ銃が入っている

 

  これは..........................いいな!遠距離火力も近接格闘能力両方あるし腕に限定すれば高い防御力もある。撃ってみた感触からすれば有効射程も300mはあるだろう。かなり有用なエンブリオだ。

 

 

 そして次はあの蟹からドロップした特典武具とやらだ。

 その性能がこちら

 

 

 【伸縮触蟹 シンビオーシスト】

 <逸話級武具(エピソードアームズ)

 食欲の権化を持ちし蟹の概念を具現化した逸品。

 背中より伸びし触手を操ると同時に弱者と共生する。

 ※譲渡売却不可アイテム・装備レベル制限なし

 

 ・装備補正

 END+30%

 防御力+100

 

 ・装備スキル

 《伸縮触手》

 《共生共栄》

 

 ほう、防御力が上がりさらに中距離の攻撃手段まであるのか、だが、この《共生共栄》というのはなんだ?そんなスキルを使った気配はなかったが..........................もしやパッシブスキルとやらか?

 

  《共生共栄》自身のレベルの10分の1以下のレベルのモンスターを収納することができる。またそのモンスターのスキルを使用することができる。

 

.......................................これは、使えないな。

 

 

  




いつも拙作をご覧くださり、ありがとうございます。
次回からは少し時間が飛びます。


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双胴白鯨 モビーディック・ツイン

みんなターニャちゃん好きすぎじゃない?

それはそれとして時間が結構飛びました。

全世界のゼタファン、抗菌ファンの皆さんすみません、今回、スターリンが盛大に二人をディスります
 
 


 

 ◆

 

 かつて、【エンペラー・ホエール】という上位純竜クラスの種族がいた。

 その中でも白色にして双子が接続して生まれてきた個体があった。

 自然界では忌避される白色畸形《アルビノ》。

 だが、群れは奇異なる赤子を群れは見捨てず、共に生きることを決めた。

 それゆえに見た目とは違い、二体は穏やかに成長していった。

 

『ダディ♪ マミィ♪』

 

 右側の鯨は甘えん坊で、両親や半身によく甘えていた。

 左側の鯨はそんな半身に少し呆れつつ……可愛い弟だとも思っていた。

 それでも、白色畸形の双子はどちらも同じことを考えている。

 群れと共に『穏やかに平和に生きていける』、と。

 

 しかし、そのささやかな夢は叶わない。

 群れ自体が人間の新兵器……【アヴァン・ドーラ】と呼ばれる戦艦のテスト標的に選ばれたからだ。

 未知の兵器による蹂躙。上位純竜クラスをも葬るフラグマン兵器の脅威。

 砲火によって同胞が殺される中、ただ二頭……一頭だけ生き延びた。

 群れを殺され、半身も致命傷を負い、身体の右半分は動かない。

 白色畸形は一頭分の力で懸命に逃げた。

 それも限界を迎える。

 流れた血は多く、次第に最後の一頭も死のうとしていた。

 けれど、死の間際。白色畸形は力に目覚めた。

 それは周囲の水によって肉体を形成する力。

 この海で最も偉大な存在と似た力に目覚め、白色畸形は肉体の傷を癒したのだ。

 

 だが、失われた命は還らない。

 群れは滅び、半身も抜け殻……白色畸形の体の一部でしかなくなっていた。

 悲しみは深く、怒りは天を衝く。

 されど、白色畸形に力はない。

 

『――――』

 

 だからこそ、白色畸形は誓ったのだ。

 生き延び、力をつけ……いつか必ずこの海洋から人類を駆逐してみせると……。

 

 ◇◆

 

 それから間もなく、世界が変わった。

 大陸は異邦の存在によって文明を滅ぼされ、世界の理さえも塗り替えられた。

 白色畸形自身も、異邦の存在によって【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】という銘を刻まれた。

 だが、それ以外に白色畸形……【モビーディック・ツイン】は何も変わらない。

 海洋の弱肉強食の中で力をつけ、いつの日かこの海で人類を滅ぼすことを望んだ。

 

 しかし、復讐の機会はなかった。

 文明を失った人類は海に出る力を失くし、海は死地と化した。

 不死身の【モビーディック・ツイン】は強くなり続けたが、滅ぼすべき人類が自らの生息域に存在しない。

 それはかつての白色畸形ならば『穏やかで平和に生きていける』と喜んだろう。

 だが、【モビーディック・ツイン】にとっては焦燥の日々である。

 他のモンスターを喰らい、かつての人間の兵器に対抗する力を得ても、使うべき復讐対象が見当たらない。

 陸に上がれぬ身ゆえ、待つことしか叶わない。

 

『――――』

 

 だが、長い年月が過ぎたある日。そんな日々に変化が生じた。

 自らの生息域に入り込んだ強大な怪物を倒し、何度目かの成長を感じた頃……海に大勢の人間の気配を感じたのだ。

 都市のような巨大な船で、小国家ほどの人間が乗っているようだった。

 それこそは歴史に伝わる【グランバロア号】の出航。海洋国家の始まり。

 そして、【モビーディック・ツイン】にとっては待ち望んだ復讐の時間である。

 人間を滅ぼすため、【モビーディック・ツイン】は都市船へと向かう。

 

「――ふむ。随分と良く育ったものだ。これならば適格だろう」

 

 だが、その前に……奇妙なモノが現れた。

 ソレは人間に様々なモンスターの部品を混ぜ合わせたような男。

 それでいて、決して人間ではないと感じる存在。

 そんな奇妙なモノが、航行する【モビーディック・ツイン】の前に出現した。

 

「思考も単純明快。これならば、後に海洋国家に投下する<SUBM>に相応しい」

『――――』

 

 何者であろうとも今の【モビーディック・ツイン】にとっては邪魔者でしかない。

 背面に形成した砲を放ち、ソレを消し飛ばさんとする。

 

「閉じ込めておけば交渉も必要ないか。時期を合わせて放てばいいだけだ」

 

 だが砲弾はソレを消し飛ばすことはない。

 ソレに命中する前に……巨大な何かに阻まれた。

 

「では、捕獲を開始する」

 

 そんな言葉を発するソレと【モビーディック・ツイン】の間に、より奇妙なモノがいた。

 それは、【モビーディック・ツイン】よりも巨大な……()だった。

 

『…………Hihi』

 

 棺の小窓から、巨大な目が【モビーディック・ツイン】を見下ろしていた。

 そんな奇怪な棺に、ソレは命じる。

 

「《収斂進化《コンバージ》》――次元界獣ボルティウス」

『Hihi……『Cululuoow』』

 

 そして棺の中から――ソレは現れる。

 

 寸前とは声まで変えて、未だかつて【モビーディック・ツイン】が見たことも感じたこともない存在が現出する。

 結論から言えば……不死身の<SUBM>はあっさりと敗れ去った。

 自分の存在自体を畳まれ(・・・)、【モビーディック・ツイン】の意識が遠のく。

 

「心配することはない。君の望みは叶う」

 

 その最中に、ソレの……管理AI四号ジャバウォックの声を聞いた。

 

「今よりも後の時代に。――今よりも多くの人間を相手にしてな」

『――――』

 

 ならば良いと、【モビーディック・ツイン】は眠りにつく。

 もはや手段と目的も見失い、より多く人間を殺すことだけを考えて。

 復讐の実りが増すのを、封印の中で静かに待つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◆

 

 彼女(スターリン)の初ログインの3ヶ月後

 グランバロアに凶報が届き、激震が走った。

 

 ――<SUBM>出現。

 ――試験航海に出ていた軍事船団の艦隊が壊滅。

 ――<SUBM>【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】はグランバロアへ侵攻中。

 

 グランバロア全船が混乱する中、スターリンはその報を……一つの区切り・・・と見定めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◾️

 

 

 

 □■<北西境界海域>

 

 <SUBM>の出現が伝えられた後、白鯨との会戦によって戦死したカイナル・グランライトの遺した記録が届けられた。

 その記録を基に四大船団合同の対策会議が開かれ、即座に討伐艦隊の結成が決定された。

 詳細な戦闘記録から敵の能力特性を解析し、打倒可能と目されるプランが練り上げられ、討伐艦隊はグランバロアを出港。

 討伐艦隊を構成するのは軍事船団の運用可能艦船の八割。

 貿易船団所属の<GFRS(グランバロア架空戦記協会)>から供出された新兵器群。

 プランに合わせて選出された<マスター>達。その中に混じる第5形態にまで進化したエンブリオを持つスターリン。

 

 そして、二人の<超級>

 【盗賊王】ゼタと……討伐艦隊旗艦の甲板で彼女の隣に立つ男だ。

 

「…………」

 

 【大提督】醤油抗菌。

 【モビーディック・ツイン】と最初に会敵した<マスター>の一人。

 その事件を経て<超級>に至り、死したカイナルから超級職を引き継ぎ、【モビーディック・ツイン】と同時期に発生した<第四海底掘削城>の事件を即座に解決した。

 今、グランバロアで最も強い男だ。

 

 (・・・・随分と雰囲気が変わったな)

 

 スターリンは幾度となくこの男と決闘していたため、この男のことはよく知っていた

 しかし、違う。

 今と昔。スターリンから見て同一人物なのは間違いないが、気配はまるで違う。

 かつて決闘で仲間達と遊んでいた彼だが、今の顏に『遊び』は一切ない。

 口元を引き締め、眼光鋭く水平線の先を睨んでいる。

 

(軍事船団の先代船団長が亡くなったのであったな……)

 

 

スターリンは、想像する。

 もしも先生が、偉大なるレーニンが【モビーディック・ツイン】に殺されたならば、と。

 結論は、彼ほどの振れ幅・・・はないだろうが自分も似たような気持ちだろうと思った。

 あまり悲しまないのではなく、……元より私の心が無に近いというだけのことだが。

 

「……やれるか?」

 

 そんなことを考えていると、彼はからもう一人の超級にであるゼタに話しかけていた。

 何を『やれるか?』と聞かれたのかはすぐに察せられた。

 

「無論。あなたと軍事船団がアタッカー。私はサポート。やり遂げます」

 

 【モビーディック・ツイン】は恐ろしい怪物だ。

 いくら体を欠損させても、海水で欠損部分を埋め合わせる。

 さらには海水から無尽蔵に兵器を作り出す。

 攻防一体。海がある限り、水がある限り、かの怪物は不死身。

 

 

「進呈。作戦の前にこれを装備しておいてください」

 

 ふと、とある問題に気づいてゼタは醤油抗菌に護符のようなアクセサリーを手渡した。

 

「これは……」

 

 その護符は潜水士などが用いるもの。

 酸素を確保し、ある程度までの気圧水圧の変化から身を護る装備。

 ゼタが常用・・している装備の予備だった。

 

「必須。艦隊ならともかくアナタには要るでしょうから」

「……会議で決めた以上のことをやる気だな」

「肯定。お互いに」

 

 二人がそんな言葉を交わし終えた頃、艦隊は決戦の海域へと辿り着いた。

 

 

 

 

 

 

 

◇◆

 

 見渡す限り陸も文明も見えない大海原。

 大海の蒼に染まらぬ『白』が存在した。

 

 双胴船の如き巨大な鯨は、あえて体の上部を……人間の兵器を模した武装パーツを鮫の背鰭の如く海上に露出しながら大海を征く。

 それこそは、【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】。

 第二の<SUBM>にして公的に観測された最初の<SUBM>である。

 この怪物は投下されたポイントから、ひたすら真っすぐにグランバロアを目指していた。

 これは【グローリア】のような管理AIとの契約の結果ではなく、己自身の意思。

 この海洋の人類を一人でも多く滅ぼさんとして、海上の都市船へと侵攻している。

 理由は、人類に対する自然界の復讐と言うのが正しいだろう。

 人類の兵器によって家族と半身を殺されたモノが力に目覚め、かつて自分達を滅ぼした人類の力を手にして逆襲に来る。

 映画の世界で探せば両手の指以上には見つかるありふれた筋書きだ。

 

 ただし、ありふれていることは……この存在の脅威を軽減させる要因にはならない。

 

 時折、【モビーディック・ツイン】の進路を遮るように、他のモンスターや討伐を目論む人間が立ちはだかる。

 モンスターは縄張りを荒らされたことに怒ったモノ。

 人間は軍事船団に先駆けて初の<SUBM>を討伐しようと逸った者や他国の者だ。

 だが、それらが【モビーディック・ツイン】を倒すことは決してない。

 幾多の攻撃を受けても、白鯨の進路は変わらない。

 攻撃を回避することはなく再生する身体で受け止め、直進と砲撃によって敵を蹂躙。

 白鯨は海と同じだけの生命力と弾薬を持つ怪物。

 超物量戦の権化に対抗するには、相対した者達はあまりにも脆弱だった。

 

 仮にこの海でこの白鯨を倒さんとするならば……それは最大最強の個【海竜王】しかなしえない。

 しかし、【海竜王】と【モビーディック・ツイン】が相対することはない。

 遥か昔から海を遮る最古の超存在を、同じく古の存在である【モビーディック・ツイン】は知っており、絶対に境界線を超えない。

 <外海>には入らず、<境界海域>を泳ぐのもあれが通らない時期だけだ。

 【海竜王】の境界線の先に復讐対象人間はいないため、踏み込む理由は全くない。

 ゆえに、この【モビーディック・ツイン】の脅威を払うのは最古の力ではなく、今この海で生きる者達以外にありはしない。

 

『――――』

 

 【モビーディック・ツイン】は、水平線の先にいる存在を感知している。

 自らが目指す海上の都との間に陣取った、人類の大艦隊。

 都市船を護り、自らを討滅するために集った最後の堤。

 それを理解していても、【モビーディック・ツイン】は進路を変えない。

 敵陣に進み、全て滅ぼして突破する。

 それまでと同じように決断を下した【モビーディック・ツイン】は、水平線の先の艦隊を視界でも捉え、

 

 

 ――巨大な炎に呑み込まれた。

 

◇◆

 

 至極、単純な話だ。

 【モビーディック・ツイン】はグランバロアに向け、不死身の再生力任せで障害物や敵を避けもせずに直進する。

 それはグランバロアの<エンブリオ>やソナーでも観測できている。

 ならば進路予測は容易であり……罠を仕掛ければ確実に掛かる。

 ゆえに醤油抗菌は、【モビーディック・ツイン】の進路上の海域に時間を掛けて『爆薬化』を施した。

 アブラスマシのスキルで爆薬に変じた液体は、『着火で燃え上がる』という性質以外は臭いも色も成分も元のままであり、嗅ぎ分けることも見分けることもできはしない。

 広範囲の海を全て爆薬に変えた後、海流・液体操作の<エンブリオ>やジョブを持つ者を複数動員し、海水が留まるように調整する。

 そうして出来たのがこの巨大な『燃料だまり』……爆薬海域。

 この爆薬海域こそが、【モビーディック・ツイン】討伐の第一段階である。

 

『…………!』

 

 爆発によって海水が焼失した海の底に、【モビーディック・ツイン】が着底する。

 海域一つ分という膨大な爆薬の炸裂。その衝撃と熱量は、<SUBM>である【モビーディック・ツイン】のHPも大幅に削るだけの威力を発揮した。

 全身の体表が焼け焦げ、四つある眼球のうち三つは白濁し、上部にあった艤装も破壊されている。

 だが、仕留めきるには海域二つ三つ分は足りない。

 これまでの数多の損傷と同じく、死ななければ回復可能な代物。

 【モビーディック・ツイン】は海中において不死身の怪物。

 今は爆発で海底を晒すほど海水が吹き飛んでいるが、間を置かず再び海水が流れ込むだろう。

 そうすれば、即座にこのダメージは全快する。

 【モビーディック・ツイン】はそう考えていた。

 

『…………?』

 しかし実際には、海が流れ込んでくることはなかった。

 

 いまだ機能する眼球で彼方を見れば、海が壁のように反り立っている。

 否、海が流れ込んでくるのが……堰き止められているのだ。

 

「――隔離」

 

 必殺スキル《天空絶対統制圏》を発動したウラノスによる、超広範囲の空気壁。

 そこにサポートする海流・液体操作の<マスター>達が助力し、その壁に掛かる海水の圧力を限界まで軽減している。

 これにより、【モビーディック・ツイン】を中心として囲うように、空気の堰堤ダムが形成された。

 それがある限り、【モビーディック・ツイン】を修復する海水は流れ込んでこない。

 海ある限り倒せないならば、海そのものを遠ざける。

 空気堰堤。【モビーディック・ツイン】討伐の第二段階である。 

 

「討伐対象、【大提督】の攻撃により重大な損傷発生!」

「再生、確認できず! 空気堰堤、健在!」

「海を押し留めている者達も、十分はもたせてみせる、と!」

 

 重大なダメージを負い、回復源である海から切り離され、さらに露出した海底に打ち上げられて身動きもままならない。

 三重苦を負った【モビーディック・ツイン】に、更なる追撃が加えられる。

 

「目標【モビーディック・ツイン】に対し、全砲スタンバイッ!」

「全艦に通達! 全砲スタンバイ!」

「――撃てぇ!」

 

 それは空気堰堤の外側にL字に展開した軍事船団の艦隊。

 【大提督】の《無敵艦隊》で強化された全ての艦の砲が、静止目標と化した【モビーディック・ツイン】に十字砲火を浴びせかける。

 グランバロアの最新鋭の砲が、最大のクランが試作した強力な兵器が、長距離攻撃型の<エンブリオ>の必殺スキルが、第五形態に進化したスターリンのエンブリオによる砲撃が、【モビーディック・ツイン】の身体を抉っていく。

 

『…………』

 

それらの攻撃は既に重大なダメージを負っていた【モビーディック・ツイン】にとっては危険なものだった。

 しかし、【モビーディック・ツイン】に焦燥はない。

 

「ッ!? あれは……!」

 

 降り注ぐ砲弾と必殺スキル。

 しかし、次第にそれらの攻撃の効果は薄くなっていく。

 なぜならば……焼け爛れていたはずの【モビーディック・ツイン】の体表が、いつしか強固な装甲・・に置き換わっていたからだ。

 

 【モビーディック・ツイン】の持つ固有スキルの名は、《蒼海置換》。

 水液体を自らの肉体や武装に変換するスキル。

 そして、生物の体内に最も多く含まれるものもまた、水。

 【モビーディック・ツイン】は自らの身体の重要な器官を残し、皮や肉を小型化しながら、余剰分の体液・・・・・・を強固な装甲に変換して体表に回したのだ。

 

 この時点で一点、白鯨は人類の想定を超えていた。

 欠損したモノを補うどころか、どこまで削っても問題ないか把握できるほどに『傷つき方』を熟知している。

 この海で、最も傷ついた生命体であるがゆえに。

 

『…………』

 

 【モビーディック・ツイン】は防御どころか、装甲の隙間から小型の砲までも突き出し、堰堤や艦隊に向けて砲撃まで実行し始める。

 この程度で自分を完封したと思い込んだ人類を、嘲笑うかのように。

 

「攻撃の効果、大幅減!」

「目標からの砲撃により、水流操作要員二名死傷!? 艦隊司令、このままでは……!」

「くっ……」

 

 【モビーディック・ツイン】の撃破よりも先に、堰堤の崩壊が来る。

 その予感に艦隊に緊張が走ったとき……。

 

『――俺が引っぺがす』

 

 そんな通信と共に、堰堤に囲われた海底へと降り立つ姿があった。

 鎖で繋がった巨大な『甕』を引きずりながら走る、赤と黒のツーブロックの髪。

 その男の名を、全員が知っている。

 

「コーキンッ!」

 

  ◇◆

 

 【大提督】醤油抗菌は独り、砲弾降り注ぐ地獄の戦場を走っていた。

 

「ああ、そのくらいはやると思ってたさ……」

 

 見据えた先には、装甲に覆われた巨大な鯨の威容。

 あの日、あの時、彼の友人の命を奪った仇敵の姿。

 それは接近する彼に向けて砲を向け始めていたが、

 

「だからこそ俺が……ブチ砕く」

 

 直後、彼の足元が爆発する。

 水たまりを爆発させ、耐爆装備により耐え、爆風によって飛翔する。

 文字通りの爆発的加速で醤油抗菌は白鯨との距離を詰める。

 

「――フォームシフト」

 

 瞬間、彼の『甕』――アブラスマシが二つに割れ、巨大な手甲となって彼の両腕に装着された。

 そして飛び込んだ勢いのまま、両の拳をハンマーのように装甲へと叩きつける。

 金属同士がぶつかり合う甲高い音が響き、同時にアブラスマシの力が装甲の内まで及ぶ。

 

「瘡蓋・・が邪魔だ、クソ野郎」

 

 怨嗟の籠った言葉を吐き捨てると同時に、彼は手甲の内で指を鳴らす。

 オーダーメイドの手袋から生じた小さな火が装甲の隙間に入り込み……着火・・。

 

 血肉が爆炎を発し、装甲を内側から弾け飛ばした。

 

『……!?』

「まだだ」

 

 驚愕の様子を見せる白鯨に、彼は冷酷に……しかし熱量をもって告げる。

 

「――肉片パーツ一つ遺さず灰にしてやる」

 ――絶対に殺してやる、と。

 

 

 とある前提・・の話をしよう。

 高位の<UBM>ほど複数のスキルを持つ者が多い。

 それは一つだけのスキルでは対応しきれず、成長過程のどこかで死ぬ可能性が高まるからだ。

 海がある限り不死身かつ無尽蔵の火力を持つ【モビーディック・ツイン】だが、それを封じられればこの通り。

 

 ゆえに当然――第二スキルも保有している。

 

 第二スキルの名は、《紅海置換》。

 それは名が示すように、普段用いている《蒼海置換》の逆だ。

 周囲の液体を自らの肉体や艤装……固体に変える《蒼海置換》とは違い、《紅海置換》は自らの体液を気体に変える。

 【モビーディック・ツイン】が傷を負った際に飛び散った体液が少しの時間を置いて揮発し、無色・無味・無臭・無害の気体となるのだ。

 気体は呼吸と共に周囲の敵対者の体内に取り込まれる。

 

 そして一定量を超えた瞬間に――敵対者の全身を液体に変える・・・・・・。

 

 血肉の全ては紅い液体となってこの海に流れていくだろう。

 ダメージを負うほどに散布される探知不能の超猛毒。【モビーディック・ツイン】の切り札である。

 しかしこのスキルは普段ならば不活性である。

 なぜなら体液が飛び散った時点で即座に海に溶けるため、揮発しない。

 気体を一定量吸ったときにのみ効果を発揮する《紅海置換》は、液体の状態では無害。

 《紅海置換》は海から切り離された上で、白鯨が痛めつけられた状態でのみ効果を発揮する。

 

 ――つまり、今である。

 

 既に攻撃によって傷つきはじめてから数分が経過し、大量の気体が発生している。

 白鯨自身にも感知できない毒ガスだが、既に充満して堰堤からあふれ出しているはずだ。

 

『…………』

 

 今、白鯨に肉薄して攻撃している醤油抗菌は溶けていない。

 それは身に着けた……ゼタに持たされた装備のお陰であり、気体を吸っていないからだ。

 そのことは白鯨も分かっているし、問題にもしていない・・・・・・・・・。

 気体は周囲の艦隊へも届いているだろう。

 艦隊にいる者達が溶けてしまえばこの壁も消え、海が届き、【モビーディック・ツイン】は完全回復する。

 そうなれば、醤油抗菌は問題にもならない。圧倒できる。

 ゆえに、今か今かと白鯨は艦隊の人間達が溶けるのを待って……。

 

『…………?』

 

 一向にそのときが訪れないことを疑問に思った。

 それは海水が流れ込んでこないことに気づいたときと、同様の疑問であり……。

 

 

「――《コードNull:ファラウェイ・ホーム》」

 ――下手人も同一であった。

 

◇◆

 

 そもそもゼタが醤油抗菌に潜水用の装備を持たせたのは、【モビーディック・ツイン】の手口を読んでのことではない。

 自分の戦術・・・・・に巻き込まないためである。

 

(大気組成・・・・。問題なし)

 

 《天空絶対統制圏》で広範囲に空気堰堤を形成しながら、もう一つある操作を行っていた。

 それは堰堤の内側の大気のコントロール。

 とある環境に寄せるためのものであり、具体的な数値で言えば次のとおり。

 

 大気圧:0.75kPa。

 大気組成:二酸化炭素95%、窒素3%、アルゴン1.6%、他成分極微量。

 大気中の水分:0.03%。

 

 その数値の羅列が示すのは、【モビーディック・ツイン】の知らない世界の大気。

 <Infinite Dendrogram>とも、地球とも違う世界。

 彼女のウラノスが、最も作りやすい環境。

 

 ――彼女の世界火星の大気である。

 

『……!?』

 

 【モビーディック・ツイン】は強靭な肉体を持ち、長時間の深海への潜航も可能な存在だ。

 ゆえに海を奪われたことのみに気を取られ、周囲の大気の激変に今まで気づかなかった。

 大気のコントロールの影響で、自分の第二スキルも全て無力化されている。

 気づかれもしないままに切り札を潰され、さらに肺が新たな空気を取り込むこともない。

 海底に残っていた僅かな水分さえも、乾ききった世界に霧散して消えた。

 この海で頂点に近い生命体が絶望的な異世界火星に苦しめられている。

 

 その様を、ゼタはひどく冷たい目で見下ろしていた。

 

 

◇◾️ 

 

  「ほぉ、これがこの国で最も強いと言われる『超級』の戦いか」

 

 強い、圧倒的とも言っていいほどの力を持っている、だが

 

  「だがしかし、ちと詰めが甘いな、抗菌、そしてゼタとやら」

 

 所詮は世間知らずな小娘とパリピな若者ということだな(なお自分の容姿は棚にあげる模様)

 そういうとスターリンは全身を覆う鎧を変形させ始めた。

 

 「MODEチェンジ 戦闘機(イストリビーチリ)

 

 両腕は翼に、足は尾翼とエンジンに、頭は機首に、それぞれ変わった

 そして変形が終わった後のその姿は旧ソ連製戦闘機Mig 23に酷似していた。

 

 

 「では2人の代わりにトドメを刺すとするか、」

 

そういうとスターリンはその戦闘機型エンブリオのスロットルを噴かし垂直上昇すると、戦場へと飛翔していった。

 

◇◾️

 

 モビーディックツインは怒った、必ずやかの邪智暴虐な人間を殺さなければならないと

 

 もう二度と自分のような存在を生み出さないために、もしかしたらいるかもしれない同族の為に、自身の最後の力を振り絞って、最後のスキル、『白体置換』を行使した

 

 『白体置換』は海水の代わりに自身の体を武装へと置換するスキルである。その置換効率は高く強力な武装を置換することが可能だったが、置換してしまった体積は『蒼海置換』では補填することができず今までに一度も使っていなかった。しかし今回、自身ではなく同族のために、エンペラーホエールの未来のためにその力を行使した。

 

 今回【モビーディックツイン】が武装へと置換した自身の体積は実に8割にも及ぶ。それだけの体積を使用して作られたのは。

《80cm列車砲》かつてドイツ軍が運用した、史上最大の大砲だった。

それは、かの【獣王】ですら一撃で屠りうるほどの威力を持っていた。

 

『……!!!』

 

 

そしてその砲弾がゼタに向かって放たれる、ゼタはコードNullの制御に気を取られ、気づいていないようだ。

 

 

 ------そして巨大な爆発が起こる、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ------砲弾がゼタに当たる前に

 

 

 

 

 

 

 

 「大丈夫か?ゼタとやら、」

 

 常人を超えるAGIを持つゼタはそれを運良く見れた。

 

 

 なんとそこには時速2500km以上で飛行する、航空機が存在した。

 おそらく今の声もスキルか何かであろう。

 

 

 「無事のようだな、では私は行くぞ!MVP特典が欲しいからな」

 

 そういうと戦闘機に乗った謎の人物は行ってしまった。

 

 

 そして【モビーディックツイン】の上空に到達するとそこで

 

 「MODEチェンジ戦車(タンク)

 

 と、謎の人物が言うと一瞬で戦闘機が戦車へと組み変わった、そしてその主砲を下へ向けると、その砲を発射した。

 その主砲から放たれた85mm榴弾は【モビーディックツイン】の、体に命中し、少し内部に侵入したのちにそこでエネルギーを解放させた。それは【モビーディックツイン】の残り少ないHPを削り切った!

 

 

◇◆

 

 この日、グランバロアは【双胴白鯨 モビーディック・ツイン】を討伐。

 公的には<SUBM>を討伐した国となり、そのMVPには2人の<超級>と1人の上級職が選ばれた。

 




.............はっ私は一旦何を、って文字数が10000超えてるじゃん!

今回スターリンが他の2人と比べて功績が地味にも関わらずMVP取れたのは、モビーディックツインの最後の一撃が本来持っていた威力がとてつもなく、それを無効化したためタンク的なポイントと多少の攻撃ポイントが合わさってMVP取れた形です


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<GFRS>

◾️◇ グランバロア本船 クランランキングトップ <GFRS>本部

 

 グランバロア本船の一角にあるこの建物は、いつも多くの人で賑わっていた。そしてその中に一人、カウンターへと歩いていくフードを被った性別年齢不詳の人物がいた。その人物はカウンターに立っていたスタッフに「予約していたISだ、商談に来た」と伝えるとスタッフとともに奥の部屋へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

◾️◇

 

スターリンはこの日グランバロアのトップクラン<GFRS>へと商談をしに来ていた。

 

 

 「本日は<GFRS>艦船販売部門へと足を運んでいただき誠にありがとうございます。今回ご購入なされるのは全長300mクラスの大型艦船で、詳しい設計については本日協議するということでよろしいでしょうか?」

 

 受付嬢が予約内容を確認してくるので「はい」と言うと

 

 「では担当者をお呼びします。」

 

と言ってすぐに扉から眼鏡を掛け、白衣を着と70代近い爺さんが入ってきた。そして爺さんは

 

 「どうも、<GFRS>所属、売却用艦船設計局局長の北山中将だ」

 

と自己紹介し、手を差し伸べたので 私も

 

 「どうも、ヨシフ・スターリンだ、いい船を頼むよ」

 

と言いながら手を差し出し、握手をすると北山が

 

 「では早速商談に移ろう」

 

と言って着席を促すので私も座ると、商談が始まった

 

 「で、300mクラスの大型艦船とあるがこれは何に使うのだ?」

 

 「移動用兼航空母艦だな、航空機は1機しか運用しないので格納庫は小さくても大丈夫ですが、その分を装甲と速力に回してもらいたいと考えている。」

 

 

 「となると装甲空母か.............アークロイヤル級をベースに.............いやそれだと十分な装甲が確保できないな、では大鳳型をベースに格納庫に缶を増やして速力を上げて、さらに船舷装甲と水中防御を増やせばいけるな、では大鳳型をベースに格納庫に缶を増設でよろしいでしょうか?」

 

 と言っているが、専門家に任せた方が良いだろうということで

 

 「問題ない」

 

 

その後はいろいろなオプションを付けた後に名前を決めて、商談は終わりだった。

 

 

 「では、又のご利用お待ちしております。今回発注なされた、空母ウラジオストクの受け渡しは3日後になります」

 

 

なんと3日で完成するらしい。完成が待ち遠しい。

 

 

 

 

 

◾️◇そして3日後、とうとう引き渡しの時がやってきた

 

 「こちらがお客様が注文された装甲航空母艦、ウラジオストクになります。」

 

 そこにあったのは分厚い伝説級金属と一部分のみ古代伝説級金属で覆われた全長300mを超える巨艦だった。その満載排水量は40000tを超え、その巨体はドッグをギリギリまで使用している。

そのスペックがこちら

 

 基準排水量 39300t

 満載排水量 47268t

 全長 312m

 最大速力 37.8ノット

 巡航速度 18ノット

 航続距離 25000海里

 出力   320000hsp

 装備

 魔導式電磁カタパルト

 魔導レーダー

 10cm連装高角砲6基12問

 40mm 4連装機銃8基32問

 25mm3連装機銃17基51挺

 64連装対潜ロケット4基

 爆雷投射機6基

 対潜誘導魚雷5連装8基(片舷4基)

 

 装甲 伝説級金属装甲

    甲板 125mm

    船舷 300mm

    古代伝説級金属

    艦橋 200mm

 

 

史実の大鳳型の倍近い推進力を持ち、さらに船体も延長してその分多数の推進機関を搭載したため高い防御力を持ちつつ多数の対空、対潜火器も併用させ、さらに最大速力も駆逐艦と同等レベルの高性能艦となった。

 

 

 「ふむ、注文どおり、いやそれ以上のいい船だな」

 

 「私どもの技術の結晶ですからね」

 

 「それで、これいくらだ?」

 

 「大量の希少金属に高価な誘導魚雷やレーダーまで積んでますので、合計で320億リルですね。」

 

 「..........................高くない?」

 

 「払えるでしょう?モビーディックツインの賞金は高額だったと聞いておりますよ?」

 

 「......................................ま、まあ」

 

 「ではそういうことで、ご購入ありがとうございました」

 

 「あっはい」




ストックが、ない、だと(愕然)

明日は更新しません


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西海動乱

新連載始めました!あちらとこちら交互に更新して行きます!
なぜ新連載始めたかって?このままじゃいつまで経っても建国しない気がしたからです


◇◾️ グランバロア本船より北へ80km ドライフ皇国近海

 

 ただひたすらに海、海、海が続くその場所に1隻の船が高速で航行していた、その速度は35ノットに達しその巨体から発生する波はそれだけで低レベルのモンスターにダメージを与えていた。

 

 「いい船だな、これは」

 

 「ありがとうございます。ご主人様」

 

船の持ち主と思しき少女の呟きに声を返したのは、グランバロア製の紅玉人レプリカのSakiである。

 

 「この船ならすぐにカルディナに着くな、あとどのくらいだ?」

 

 「このままの速度で行けば4、5時間で着くと思われます」

 

 「そうか、なら私は一度部屋に戻るとするよ、操縦は頼んだ」

 

 「了解です」

 

◇◾️ Saki

 

10:00 異常無し

10:10 異常無し

10:20 異常無し

10:30 異常無し

10:40 異常無し

10:50 異常無し

11:00 異常無し

11:10異常無し

11:20レーダーに感あり、まだ遠い

11:30先程の物体が接近中、火器管制システム起動

11:40警報を発令、対空砲発射準備

11:42対空射撃開始、目標は純竜の群れの模様

 

◇◾️ ヨシフ・スターリン

 

なんと純竜の群れが襲ってきたようだ、対空砲を全力で撃っているが墜とせたのはまだ5%にも満たないらしい。面倒だが私が出るしかあるまい

 

「Saki!私が出る!準備しろ!」

 

「危険です、それでもですか?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「了解です、前部エレベーターへと移動してください」

 

「もう既に移動している」

 

「ではエレベーターに乗ってください」

 

「わかった」

 

鋼鉄でできた巨大なエレベーターが下がってくる。

そしてそこに乗ると、Sakiが

「この上は戦場ですのでお気をつけて」というと私が乗ったエレベーターが一瞬で上へと到達する、そして私は足のスラスターを吹かして上空の純竜の群れへと向かった。

 

◇◾️ 軍竜王 フンボルト

 

彼は、下を動く鉄の島を苦々しく思っていた。

いい休憩所を見つけたと思い、配下とともに降り立とうとすると、人間共が既に巣を作っていたようで、身勝手にも攻撃してきたのである。既に少なくない数の配下がやられてしまったため、王たる威信を懸けて島に巣食う人間共を殲滅しなければならないのである。

(むう?何か近づいてくるな、まあいい消し飛ばしてくれる)

 

グギャギャギャギョーギャオー!(総員 ブレス発射準備!)

 

グギャー!(発射!)

 

50本近い純竜のブレスが近づいてくる物体へ向けて放たれる

 

◇◾️ ヨシフ・スターリン

 

掛かったな

 

ブレスが着弾する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその全てが威力を発揮することなく散らされる。

 

◇◾️ 軍竜王 フンボルト

 

(一体どういうことだ?!あれが直撃して生きていられはずがない!)

グギャギャギュアギョーギャオーギャ(王よ!敵が近づいてきます!)

 

 (まずい!)

 

グアーギャギュ!(散開!)

 

と命令すると配下たちが散っていく

だが、1匹、2匹、と徐々に墜とされていく

 

(これ以上はやらせん!)

 

フンボルトは上がって来た人間に1v1(タイマン)を仕掛けた

 

◇◾️ ヨシフ・スターリン

 

相手が純竜級とはいえ空中戦はあまり得意でないのか、どんどん面白いように墜ちていく

この頃には初め、100匹近くいた群れはその数を半数の50近くにまで減らしていた。

 

(このまま墜としていけば勝てるn

 

しかしその瞬間フンボルトによる渾身の爪撃が直撃した

 

そしてそのまま海面に叩き落とされる。

空母から必死の援護射撃が行われるがそれをものともせずにフンボルトは海上のスターリンのもとへと向かう

 

液体艤装化(ルクイッド・ウェポン)!」

 

それに対しスターリンは超級武具を持って対抗する。

 

付近の海水を使用して多数の砲と分厚い装甲を作成しフンボルトに対し砲撃を開始した、数十発の砲弾が直撃してなおフンボルトは止まらない

 

 

 

そしてついに両者が激突する。

フンボルトは自身の配下のステータスの1部を自身に加算するスキルで

スターリンは超級武具で作った巨大杭打ち機(パイルバンカー)

 

正面から激突する

 

 

巨大杭打ち機(パイルバンカー)が徐々に壊れていくが、それを壊れる側から海水で治すことによってなんとか対抗していた、だがとてつもない速度で海水を使用していたため、また激突の余波で付近の海水が吹き飛んでしまったため付近の海水が枯渇してしまった。

 

そしてついに均衡が崩れる

 

 

海水が枯渇したため修復ができなくなった杭打ち機(パイルバンカー)がついに壊れてしまったのである。

 

そしてフンボルトによる攻撃がスターリンの体を引き裂いた!

 

 

 

 




次回よりドライフ編です


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キャラ設定andアンケート
アンケートページ1 キャラ追加のためのアンケート


 どうも皆さんこんにちは?おはよう御座います?こんばんは?

 めんどくさいので、 Здравствуйте! (ズドラストヴィーチェ)に統一しましょう!

 

 今回はですね、「現代日本にTS転生したスターリンはデンドロでソビエトの復活を目指すようです」に出して欲しいキャラクターアンケートの特設ページを作ることになりました〜 パチパチ 

 

 深夜テンション?えぇそうですとも、現在こちらの時計では午前2時を指し示しております。

 

 まあそんなことは一旦棚に上げて。

 

 アンケートしますよー 

 

 ここから先は最低限投稿に必要な文字数を稼ぐための意味なき文字列(ソビエト国歌)が続きますので、集合体恐怖症の人は注意をば

 

 

 1番

Союз нерушимый республик свободных

Сплотила навеки Великая Русь

Да здравствует созданный волей народов

Единый, могучий Советский Союз!

コーラス

Славься, Отечество наше свободное,

Дружбы народов надёжный оплот!

Знамя советское, знамя народное

Пусть от победы к победе ведёт!

2番

Сквозь грозы сияло нам солнце свободы,

И Ленин великий нам путь озарил:

Нас вырастил Сталин-на верность народу,

на труд и на подвиги нас вдохновил!

コーラス

Славься, Отечество наше свободное,

Счастья народов надёжный оплот!

Знамя советское, знамя народное

Пусть от победы к победе ведёт!

3番

Мы армию нашу растили в сраженьях

Захватчиков подлых с дороги сметём!

Мы в битвах решаем судьбу поколений,

Мы к славе Отчизну свою поведём!

コーラス

Славься, Отечество наше свободное,

Славы народов надёжный оплот!

Знамя советское, знамя народное

Пусть от победы к победе ведёт!

 

 

 1番

自由な共和国の揺ぎ無い連邦は

偉大なロシア人が永遠に結びつけた

万歳!人民の意思によって建設された

団結した強力なソビエト連邦

コーラス

栄光あれ、我らの自由たる祖国よ

人民友好の希望ある砦よ!

ソビエトの旗、人民の旗が

勝利から勝利へと導く!

2番

雷雨を貫いて自由の太陽は我々に輝き

そして偉大なレーニンは道を照らした

スターリンは我々を育てた――人民への忠誠を

労働へそして偉業へと我々を鼓舞したのだ!

コーラス

栄光あれ、我らの自由たる祖国よ

人民友好の希望ある砦よ!

ソビエトの旗、人民の旗が

勝利から勝利へと導く!

3番

我々の軍は戦いによって我々を成長させ

卑劣な侵略者を道から一掃した!

大戦によって我々は世代の運命を決定し

我々が我が祖国に栄光をもたらそう!

コーラス

栄光あれ、我らの自由たる祖国よ

人民友好の希望ある砦よ!

ソビエトの旗、人民の旗が

勝利から勝利へと導く!

 

1番

Союз нерушимый республик свободных

Сплотила навеки Великая Русь.

Да здравствует созданный волей народов

Единый, могучий Советский Союз!

コーラス

Славься, Отечество наше свободное.

Дружбы народов надёжный оплот!

Партия Ленина - сила народная:

Нас к торжеству коммунизма ведёт!

2番

Сквозь грозы сияло нам солнце свободы,

И Ленин великий нам путь озарил:

На правое дело он поднял народы,

На труд и на подвиги нас вдохновил!

(コーラス)

3番

В победе бессмертных идей коммунизма

Мы видим грядущее нашей страны,

И Красному знамени славной Отчизны

Мы будем всегда беззаветно верны!

 

 

 

 

ではアンケートしますよー!

 

 出すのはここに書いてあるのだけじゃないです。

 例えば、めぐみんの場合ダクネスやアクア、カズマも付いてきます



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キャラの設定and挿絵and原作未読勢のためのキャラ紹介

ヨシフ・スターリン

概要

前世で暗殺され謎の少女に頼まれて転生し今度こそソビエト(理想郷)を作ると決めた花の14歳(73歳)

 

 

エンブリオ 《鉄血兵装》ハーキュリーズ

       形態VI

 

 

ジョブ   《弾幕王(キング・オブ・バラージ)

 

 

↓挿絵 妙子式おんなのこめーかーにて作成

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

(謎の少女)

概要

スターリンにはクライアントと呼ばれている謎の少女

スターリンを転生させるなど科学では説明できない力を持つようだが.............

エンブリオ 《不明》

 

ジョブ   《不明》

 

 

【挿絵表示】

 

 

トロツキー

概要

スターリンを暗殺した張本人でありかつてのスターリンの仲間

スターリンによって刺客放たれ暗殺されかけるが何らかの方法によって生き残った。しかし別の刺客によって息子を殺された恨みからスターリンの殺害を決意する

そしてスターリンを疎ましく思う党幹部に手引されスターリンを殺害

その後自分も拳銃自殺した

 

エンブリオ  《なし》

 

ジョブ    《なし》

 

 

Saki

概要

グランバロア製の紅玉人(自立思考人形)のレプリカ

本家ほどのスペックはないがそれでも船一隻を管理することは容易い

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

ゲオルギー・ジューコフ

 

 

 

 

以下 原作未読勢のためのキャラ紹介

 

 

醤油抗菌

通り名:“人間爆弾”,“四海最強”,<グランバロア七大エンブリオ>

本名:金城鉱

年齢:?

メインジョブ:【大提督】(船員系統提督派生超級職)

サブジョブ:【船員】(船員系統下級職),【提督】(船員系統派生上級職)

備考:グランバロア討伐ランキングトップ兼決闘ランカー,超級武具所持,グランバロア最大戦力にして最強,グランバロアの着ぐるみ担当【大提督】をカイナル・グランライトから引き継いだ,【モビーディック・ツイン】との初戦闘の後、<超級>に進化,【モビーディック・ツイン】討伐後は自身の名が英雄として讃えられることを嫌い、一時期<Infinite Dendrogram>を離れていた,

リアル:珍しいVRゲーム愛好家であり、VRゲームの辛口レビューで知られるゲーム雑誌のライター,デンドロ関連の著作として自らの体験を著した『マクシム旅団探検記』や『海底二万メテル』などを出版している

逸話:半径500メートルの海水を全て爆薬に変え、モンスターの群れを木っ端微塵にした,敵対クラン所属の<マスター>の体液を爆薬に変え、そのクランのアジトを吹き飛ばした,【モビーディック・ツイン】との戦闘時、海域全てを爆破し再生スキルを封じた

ネーミング由来:中国三国時代の武将「周瑜公瑾」と本名のもじり(今ではこのアバター名にしたことを後悔している)

 

<エンブリオ>:【大炎醸 アブラスマシ】

TYPE:アームズ系列 到達形態:Ⅶ

 

 

 

 

 

ゼタ

通り名:“四海封滅”,元<グランバロア七大エンブリオ>

本名:ゼタ

年齢:14

メインジョブ:【盗賊王】(盗賊系統大盗賊派生超級職)

備考:超級武具所持,<IF>サブオーナー,グランバロア出身で海賊船団に所属していた,ミイラ取りがミイラなミイラ少女,元ドライフ皇国決闘ランキングトップ,元グランバロア討伐ランカー,個人戦闘型と広域殲滅型と広域制圧型のトリプルハイブリッド、価値を無駄遣いする人間が嫌い

罪状:グランバロアの国宝泥棒,黄河帝国の国宝泥棒

リアル:火星在住の地球人。火星のプラントで世界で唯一の地球外出産児として誕生し、火星のプラント内で生活している,現実逃避と避難のために<Infinite Dendrogram>に来ている

ネーミング由来:本名

身長:154cm

 

<エンブリオ>:【気哭啾啾 ウラノス】

TYPE:テリトリー系列 到達形態:Ⅶ

 

 

グスタフ・S・ドライフ

年齢:?

メインジョブ:?

役職:ドライフ皇国前第一皇子

備考:先代皇王の第一子,生母の前皇后*3はエルドーナ侯爵家の出身,第二皇子との抗争で妻と二人目の息子を亡くしている,次期皇王の最有力候補

 

 

ハロン・M・ドライフ

年齢:?

メインジョブ:?

役職:ドライフ皇国皇子

備考:前第一皇子グスタフの息子,次期皇太子の有力候補

 

 

モルド・マシーネ

通り名:“殺人機械”

年齢:?

メインジョブ:?(?系統超級職)?

役職:特務兵団団長

備考:ドライフ皇国で屈指の実力を持つティアンであり皇国最多の<UBM>殺傷者,特務兵団トップクラスの実力者であり、【無将軍】以上の実力を持つと目されていた,

 

 

ザナファルド・ヴォルフガング・ドライフ

年齢:80代(故人)

メインジョブ:【機皇】(特殊超級職)

役職:ドライフ皇国先代皇王

備考:自国の強化のためには手段を選ばず、誘拐や皇族同士の殺し合いすら平気で行う外道,ドライフ皇国の闇の多くはこの人の治世に生み出された,寿命が尽きるまで後継者を選ばず、「皇位継承権を持つ者で争え。頂点に立った者を次代の皇王とする」と遺言を遺して死亡した

 

 

 

スプレンディダ

通り名:“常緑樹オールグリーン”

本名:?

年齢:?

メインジョブ:【???】

サブジョブ:【毒術師】(錬金師系統派生下級職),【猛毒術師】(毒術師系統上級職),【死兵】(死兵系統下級職)

備考:個人生存型,不死身、皇国での内戦で雇われたフリーの<超級>、第二次騎鋼戦争の為再び雇われた,本気になった【獣王】に傷は与えられなかったが、殺されずに特務兵が【衝神】を襲撃する間、時間稼ぎを成し遂げた,カルディナで指名手配されている,漫画版の絵をもとにして設定がつくられた,装備品は再生しないため、すぐに裸インナー姿になる,

 

 

ベヘモット

通り名:“物理最強”

初登場:第三章

本名:?

年齢:10代?

メインジョブ:【獣王】(獣戦士系統超級職)

サブジョブ:【獣戦士】(戦士系統派生下級職),【獣戦鬼】(獣戦士系統上級職),【拳士】(拳士系統下級職),【爪拳士】(拳士系統派生上級職),【苦行僧】(苦行僧系統下級職)

CV:高森奈津実

備考:ドライフ皇国討伐ランキングトップ,超級武具所持,西方三国最強,ドライフ皇国最大戦力にして最強,個人戦闘型と広域殲滅型のハイブリット、メインジョブのレベル1000オーバー,“ガードナー獣戦士理論”の究極到達点にして完成形.,戦闘用装備では【救命のブローチ】を付けないが、普段着では不意打ち対策に付けている,【レヴィアタン】とは異なり、他人を見下すようなことをせずに情報をしっかりと集め、決して油断も慢心もしない系最強,一般にはトゲのあるゴジ○のような怪獣の姿のみが知られている,ヤマアラシ,“動物型”<マスター>の一人,【機皇】曰く、「他者との交友を最初から否定した者」,壊した時に最も気分が晴れそうだからドライフ皇国を初期地点に選んだ,人と触れ合わずに出歩くために<Infinite Dendrogram>を始めた

リアル:ヒーローに思い入れがある?,父親は航海戦隊クルーズファイブの関係者,アメリカ人の女の子,出歩くことがない引きこもり?

ネーミング由来:旧約聖書の怪物ベヘモット

 

<エンブリオ>:【怪獣女王 レヴィアタン】

TYPE:メイデンwithガーディアン 到達形態:Ⅶ

 



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ドライフ皇国編
ドライフという国


ドライフ皇国西部・港町バレスヤ

 

そこに一隻の巨大な空母が止まっていた、しかしその空母には多数の傷があり、船体側面に至っては直径3mほどの巨大な穴が空いていた。さらに飛行甲板には無数の、穴や竜の死体などがあり当分使えそうになかった。そしてその甲板の上に二人の女性が立っていた。

 

「お帰りなさいませご主人様」

 

「あぁただいま、それにしてもよくあれから逃げられたな」

 

「ご主人様がデスペナになってからすぐにグランバロアの軍事船団が来てくれましたので」

 

「そうだったのか、軍事船団には感謝せねばな」

 

この2人グランバロアからドライフへの道中で竜王率いる純竜の群れに襲われ、片方がデスペナした後もう片方がバレスヤに到着、デスペナした方はその後グランバロアの貿易船団に送り届けてもらっていた。

 

「それにしてもここがドライフか、何というか活気がないな」

 

「そうですね、ここ最近少しきな臭いですし」

 

「皇王が崩御した場合どうなることやら」

 

「恐らく内戦でしょうね、第一王子も第二王子もどちらも力を持ちすぎている。」

 

「それで今回は第一王子に味方してドライフに親グランバロア政権を作るのが、今回の任務というわけだな」

 

「えぇそうです、新たに第六形態へと進化したあなたであれば可能であると思っています。」

 

「では挨拶に行くとするか」

 

「えぇ」

 

 

◇◾️

 

ドライフ皇国

中央大陸北西部、西方三国の一つ。

アルター王国の北側に位置している

「我々こそは文明の継承者である」との看板を掲げ、科学技術や先々期文明についての研究が盛んに行われており、中でも機械技術の分野が発達している、“機械の国”。

しかし近年皇王ザナファルド・ヴォルフガング・ドライフの病状が悪化、皇位継承権をめぐり第一王子派と第二王子派で争っている。

皇王が崩御した場合、遺言にもよるが全面的な内戦に発展すると見られる。

 

 

そして今回スターリンはそのドライフ皇国第一王子グスタフ・S・ドライフの下へやって来ていた。

 

「グランバロア政府が我々を支援してくれると?」

 

「えぇそうです。少なくとも内戦勃発時には超級を1名準超級を4名派遣するとのことです。」

 

「グランバロア政府がそこまでする理由はなんだ?」

 

「グランバロア政府は可能であれば【皇玉座 ドライフ・エンペルスタンド】の調査をしたいとのことです。」

 

「【皇玉座 ドライフ・エンペルスタンド】か.............」

 

【皇玉座 ドライフ・エンペルスタンド】

皇都ヴァンデルヘイムにある皇王宮、その最奥部。常にどこかの部品が動き続ける、歯車の城。

兵器であると同時に皇王の居城であるため、重臣の執務室などの居住空間も存在する。

名工フラグマンが製造したドライフ皇国の中心にして最強兵器であり、完成直後に<イレギュラー>に認定された。

【四禁砲弾】と呼ばれる煌玉竜の主砲の効果を改良して砲弾に封じた四種の超兵器を搭載し、その一つである【超重砲弾】は半径1キロメートルを超重力によって圧縮消滅させる威力を持つ。

 

現存する兵器の中で、射程と火力に関しては、他の兵器よりも圧倒的に勝っているが、「ほとんど移動することができない」「先々期文明崩壊後は弾薬を再生産することができないため、在庫を使い切らないよう、自由に砲撃を行うことができない」という二つの大きな問題を抱えているため、機動性・持続性・汎用性まで含めた総合性能では各国の【七光要塞レインボゥ】【新式大和】【グランバロア号】と同格とされている。正真正銘ドライフの最終兵器であり本来なら他国の人間は近づくことすらできない。

 

「まあいいぞ、我々が内戦で勝利し私が皇王になった暁にはグランバロアによる【皇玉座 ドライフ・エンペルスタンド】 の調査を許可しよう。」

 

「感謝いたします。グスタフ殿下、必ずやグランバロアはあなたを勝利に導くでしょう」

 

「それで、君は我々に協力してくれるのか?弾幕王(キング・オブ・バラージ)

 

「もちろんですとも、グスタフ殿下」

 

「そうか、君たちには期待している、これから我々の仲間を紹介しようついて来たまえ」

 

そういうとドライフ皇国第一王子は席から立ち、スターリンと共に地下へと向かった。

 

 

「その方がグランバロアからの使者でしょうか?お父様」

 

そこには30代ほどの若い男性と他にも数人がいた

 

「あぁそうだよハロン、紹介しよう。彼女は【弾幕王(キング・オブ・バラージ)】ヨシフ・スターリン、グランバロアの準超級で私たちに協力してくれるそうだ」

 

「ご紹介いただきました、ヨシフ・スターリンです。以後お見知り置きを」

 

「これはご丁寧に、ドライフ皇国継承権第3位、ハロン・M・ドライフですそして...」

 

「私は第一王子派筆頭貴族、エルドーナ侯爵です。そしてこちらは弟のカーティスです」

 

「ドライフ皇国厳冬山脈方面軍所属【超操縦士】カーティス・エルドーナ少将です。」

 

「私は特務兵団団長、モルド・マシーネ中将です。」

 

「失礼ですが、特務兵団とはなんでしょうか?」

 

「特務兵というのはドライフ特殊任務兵士団のことでドライフ皇国軍最強部隊であり、戦闘系超級職の者、または合計レベル500カンストし、オリジナルスキルを編み出した者や特典武具所有者のみが集められている部隊です。」

 

「なるほど、ありがとうございます」

 

「それで、現在のところ殿下の勢力圏はどこでしょうか?」

 

「主に西部ですね。エルドーナ侯爵領を始めとして他の貴族の領地もあります。この地図を見てもらえるとわかりやすいかと」

 

 ____________________________

|◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️|MMMMMMM |

|◾️◾️◾️◾️◾️◾️◾️ |M 厳冬山脈M|

|◾️◾️ 第二◾️◾️◾️ |MMMMMMM |

| ________________--------------------- |

|◇◇◇◇◇・皇都ヴィンデルヘイム |

| ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇|▽▽▽▽▽▽|

|◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇|▽▽▽▽▽▽|

| 第一王子派◇◇◇◇◇|▽▽ 第三▽|

-------///////////////////---------------

 

◇=第一王子派

◾️=第二王子派

▽=第三王子派

M =厳冬山脈

というように分かれていると教えてくれた

 

「それで、私は何をすれば?」

 

「スターリン殿はどちらかといえば護衛には向いていないので内戦に向けてエルドーナ侯爵領及びその周辺で狩りをしていてください」

 

「わかりました、では私は行きますね」

 

「えぇどうぞ」

 

そういうと私は部屋を出てエルドーナ侯爵領へと向かった

 

そしてその1ヶ月後、エルドーナ侯爵領に皇王が崩御したとの一報が届く




次回!皇国内戦編!乞うご期待!


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内戦準備

原文ママーは流石にまずいと言う事加筆、修正しました


◇◾️ エルドーナ侯爵領

 

 そこでは内戦ののための軍が大急ぎで出発する準備をしていた。

 そしてそこには、スターリンも準備を進めていた

 

 

「先代皇王は死亡、遺言は『皇位継承権を持つ者で……争え。頂点に立った者を……次代の皇王とする…』だそうです、内戦に発展するのは間違いないかと」

 

 

 

【そうか…………………….よし分かった、だが以前の協定通りに超級をそちらに派遣するのは厳しい、【盗賊王】は出奔し、【大提督】は不在だ、エドワード夫妻を送ってもいいが、現在黄河近海にいるためそちらに投入するには早くて1ヶ月は掛かるだろう。しばらくはお前だけでどうにかして欲しい】

 

 

 

「本気ですか?」

 

 

 

【投入可能で陸戦可能な存在がいないのだ、しばらくと言っても2週間ほどだ、その間だけ頼む】

 

 

 

「はぁ、わかりました、では私はこれで」

 

 

 

【あぁまた】

 

 

 

「どうでしたか?」

 

 

 そう言って話しかけて来たのはエルドーナ侯爵夫人、この1ヶ月ほどログアウトする場所や食事等を手配してくれた人だ

 

 

「ダメでした、本国はこれ以上の増援は難しいと」

 

 

 

「そうでしたか…………………….我々も2名フリーの超級を雇ってあります、さらに特務兵団の6割がこちらへ着くということです」

 

 

 

「となると【無将軍】と【潜伏王】以外のほぼ全ての超級職がこちら側に着くということか」

 

 

 

「えぇ、ですがドライフ皇国所属の超級である【獣王】が第三王子側に着くようです」

 

 

 

「”物理最強“か」

 

 

 

「えぇ、だけどこちらにも”常陽樹オールグリーン“と無尽軍団(エンドレス・アーミー)がいます。獣王はこの二人いれば倒せると信じています」

 

 

 

「まぁ獣王は二人に任せるとして【衝神ザ・ラム】はどうするんだ?」

 

 

 

「クラウディアは特務兵団主力とスターリン、あなたに任せることになります」

 

 

 

「そうか、では私は準備をせねばな、また会おう」

 

 

 

「御武運を」

 

 

 私それに対して無言で敬礼を返すと戦争用の弾薬を作成する作業を始めた。

 

 

 その1時間後、ラインハルト・C・ドライフとクラウディア・L・ドライフを除き皇族が全滅したとの情報が入った

 

 下手人は生き残った両名の皇族、ラインハルト・C・ドライフとクラウディア・L・ドライフと判明、

 

 第一王子派筆頭、エルドーナ侯爵はラインハルト、クラウディア両皇族の抹殺を決意、先代皇王ザナファルト・ヴォルフガング・ドライフの姪孫(姪の子供)のアナスタシア・Q・ドライフを旗頭とし、第三王子派と戦闘状態に突入した

 

 

 

 

 

 

◇◾️皇都ヴィンデルヘイム南方 エルドーナ侯爵領とバルバロス辺境伯領の境界

 

 

そこでは二つの、いや、1つの巨大な軍団ともう1つの小さい集団が睨み合っていた。

 

 巨大な軍団は今は亡き、第一皇子グスタフを信望する集団で新たにアナスタシア皇女を擁立しているエルドーナ侯爵率いる軍である。その数約4万

 

 小さな集団は第一、第二両皇子を殺害したクラウディア皇女率いる軍である。その数約2千

 

そしてエルドーナ侯爵が自軍に対し演説を行う

 

「敵は、正面に存在する敵は!敬愛するグスタフ殿下を殺害した物たちである!遠慮はいらん!慈悲もいらん!奴らを殺せ!殿下の仇を取れ!全軍前進!踏み潰せ!」

 

「うおおおおおおおおお!」

 

そしてエルドーナ侯爵率いる軍が前進を開始した

 

 

 

 

「どうします?殿下」

 

第三皇子派側では1組の男女が話をしていた

 

「獣王を正面に投入して、後あなたも行ってくれるかしら」

 

男の方は【無将軍】ギフテッド・バルバロス 第三皇子派で最も影響力があり。自身も神話級武具を所有し、さらに広域制圧型として高い戦闘力を保持していた

 

女の方は【衝神(ザ・ラム)】クラウディア・L・ドライフ、第三皇子の子であり第三皇子派最強の人物だった

 

「了解です、殿下、他の部隊はどう為されますか?」

 

「敵は包囲しようとしてきてるのよね?」

 

「えぇ、敵は両翼を伸ばして来ています」

 

「なら全軍に通達、全軍突撃、食い破れ」

 

「了解」

 

そして両軍が衝突する




次回、vs獣王


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“物理最強”

2時間は遅れてないからセーフ!(アウト)


 第一王子派の軍と第三皇子派の軍が戦闘を開始する

 

-------否、それは戦闘ではなく蹂躙だった

 

 

 

 

 

------第三皇子派による

 

 

 

◇◾️ 第一皇子派、本陣

 

「前面に展開していた、皇国軍第三師団全滅しました!損耗率は7割を超えています!」

 

「第三師団の後方に位置していたフリーティー伯爵家より救援要請!長くは持ちません!」

 

「敵は、こちらへ向かって来ます!」

 

「先頭は、【獣王】ベヘモッド!」

 

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◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯

◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◎◯◯◯◯◯◯◯◯

 

◾️=第三皇子派 ☆=獣王

◯=第一皇子派 ◎=本陣

 

「すぐにスプレンディダを投入しろ!スプレンディダで獣王を足止めし、その隙に特務兵主力でクラウディアを叩く、」

 

「了解!」

 

◇◾️ 第三皇子派軍先頭 【獣王】ベヘモッド

 

 

 『弱い、弱いですね』

 『Stay Alert(油断しない)』

 

鼻で笑うような怪獣の言葉を、獣が否定する。

その言葉通りにその獣の前に一人の男が立ち塞がる

 

------男の名は“常陽樹(オールグリーン)”スプレンディダ、第一皇子派が雇ったフリーの超級だった

 

 「依頼主より【獣王】を足止めしろとの依頼なのでネぇ、ここは行かせませんよ」

 

 『そう、なら死ね』

 

 怪獣がそう言った瞬間、スプレンディダに100回以上の致命的な攻撃が直撃した。その怪獣の圧倒的なステータスを背景にした、ただ、早く動いて通常攻撃を叩き込んだだけであったが、その威力は圧倒的でスプレンディダはその体の体積のほとんどを消滅させていた

 

 

だが

 

 

 「ノンノン、その程度でミーの安全圏(ティル・ナ・ノーグ)は崩れませんネぇ」

 

 

 次の瞬間、全くの五体満足でそこに立っていた

 

 『なぜ死なない』

 

 「ミーの安全圏(ティル・ナ・ノーグ)は崩れません、ユーがミーを倒すことは不可能ですネぇ」

 

そう思考するスプレンディダの視界に、拳を振りかぶる獣王の姿が見える。

 

(おやぁ? 余程イライラしていたのでしょうかね? ええ、ええ。殴ればよろしい。どうせミーの安全圏(ティル・ナ・ノーグ)は崩れませんし?)

 

 表情だけ怯えたように繕って、スプレンディダは獣王の攻撃で叩き潰された。

 繰り返される殴打が、彼を肉塊へと変えていく。

 だが、痛覚オフでいくらでも再生するスプレンディダにとってはマッサージと大差ない。

 手足が捥げようと、頭を潰されてブラックアウトしようと、彼は構わない。

 

(ハッハッハ。無駄無駄無駄(ノンノンノン)

 

 余裕綽々で肉塊状態のスプレンディダ。

 潰れた頭部が少し再生し、神経に繋がった眼球がまた周囲の光景を見る。

 

 『どういうカラクリだ?』

 

 「さぁ?どうでしょうネぇ?」

 

 

この戦いは長期化し結果として獣王はクラウディアを襲撃した特務兵団との戦いに参加出来なかった

 

 




今日は短めです


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