[ヤンデレエピソード・リクエスト募集中]ヤンデレ調とメンヘラ切歌……………そしてブラコンなマリアに包囲された僕はどうあっても助からない (タク-F)
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第1話

発作的にシンフォギアのヤンデレモノを書きたくなりました。今回は[F.I.S組]を中心に据えたいと思います!


 僕……[佐藤 裕人]は転生者であり錬金術師だ。しかも大規模錬金術師組織お抱えの僕は他人から見れば羨ましがられるように見えるかもしれないが…………現在進行型でピンチを迎えている。

 

 

「裕人……ナンデ私と目を合わせてくれないんデスか?? もしかしてアタシの事が嫌いなんデスか?」

 

「どうしてヒロトは私達から離れようとするの……? もしかして私達の事が嫌いなの?」

 

「もう……勝手に出歩いたら駄目じゃない……。私はもう誰一人として失いたく無いの。それなのにどうして貴方は……裕人は……」

 

 簡潔に僕の現状を話すならば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だけど僕は屈する訳にはいかない。ここで僕が屈すれば……

 

「マリアさんは今すぐに道を空けて、調ちゃんはギザギザ大鋸を、切歌ちゃんはその物騒な大鎌を今すぐに格納して貰えるかな? 僕は束縛されるのがたまらなく苦痛だから……」

 

 だからこそ僕は訴える。しかし返答は変わらない。

 

「そう言って少しでも目を離せばフラフラと私達の元から消えるんだよね?」

 

「裕人……貴方は確かに私達F.I.Sのレセプターチルドレンの中でも年長組なのは認めるわ。貴方の行動は無計画な行動では無いのかもしれない……()()()()()()()()()()のよ? 私達が家族である以上は……ね?」

 

「アタシ達は家族デスよ? 家族が離れ離れになってしまったらアタシは悲しくて仕方ないじゃないデスか? アタシは悲しいデス……裕人がアタシ達の事を家族と思ってくれてないのがとても悲しいデス……どうして裕人はわかってくれないのデスか?」

 

「ねぇ切ちゃん。私良いことを思いついたよ? 裕人の足を斬り落とせば私達から逃亡するなんて出来ないと思うんだけど……どうかな? シュルシャガナなら出来るよね?」

 

「待ちなさい調……確かに裕人の足を切断すれば逃亡する事はできないかもしれないわ。だけど裕人が苦痛に藻掻き苦しむ姿を調は見たいって言うのかしら? ()()()()()()()()()を考えましょう? それでも裕人がわからず屋だと言うのなら……」

 

 おかしい……今の一連の流れで僕の脚を今すぐに切断しない事には至ったけど、その選択肢が消えていない事に違和感なく会話が進行してる事が異常そのものだ。

 

「マムぅ……助けてぇ……」(震え)

 

 しかしこの嘆きは誰にも届かない。そして捕食者達が僕の体を再度拘束し始めた事に気がついた。だから僕は意を決して逃げ出した。

 

「ッ! 流石に勘弁してもらうよ!」

 

 ジワジワと背中へと迫るその大鋸をジャンプして躱すとイガリマの峰を足場にして5メートル程の跳躍をし、施設の照明を僕の手鏡で乱反射させて3人の視界を一時的に奪う。

 

「ッ! 眩しい!」

 

「そんな!」

 

「この際力づくでヒロトを捕らえるわよ! ただし怪我させないようにね!」

 

 ガングニールとイガリマとシュルシャガナ……どう考えてもヤベェ組み合わせなんだよなぁ……そして何よりタチ悪いのは……

 

「御本人様達は手段を選ばないって事だよね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※所変わりナスターシャのモニタールーム

 

 この施設……F.I.Sの責任者を務めるナスターシャに差出人不明の封筒が届いた。それを不審に思った職員は確認を兼ねて尋ねる事にした。

 

「おや? ナスターシャ教授じゃないですか……こちらに顔を出されるという事は経過の方は順調ですか?」

 

「ええ。何とか目処がたちそうなので少し調べ事を……」

 

「ソレは良かった。そういえば匿名でこのような封筒が研究所宛に届きましたが……」

 

「差出人不明の手紙……ですか。わかりました……私が開封しましょう。他に同封されたモノはありますか?」

 

「いえ……この封筒のみで職員が娯楽として購入する新聞に入っていたとの事で……」

 

「なるほど。すぐに彼……裕人を呼び戻しなさい。ここは彼の領分でしょう……」

 

「それが……シンフォギア装者達から身を隠す為に現在逃亡中らしく……」

 

「ッ! 今すぐにマリア達を鎮圧して裕人を呼び戻しなさい!」

 

「はっ……はい! まずは装者達の鎮圧へと移ります!」

 

 ナスターシャはすぐに報告に来た職員にマリア・切歌・調の3人に鎮圧を命令し、自身は提出された封筒を開封する。

 

「…………やはり白紙ですね。しかし()()()()()()()を封筒に貼り付けた理由は明白ですね」

 

 そのエンブレム……炎と天秤の示す結論と詳細を語る事が裕人の役割だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はい。再度僕へと視点が帰って来ました。いややっぱりもう少し隠れていても良いですか? 

 

「裕人さ〜ん! 出てくるデスよぉ〜!」

 

「裕人ぉ〜そろそろ出てきなさぁ〜い!」

 

「出てきてくれないの……どうしてだろう?」

 

 うん……やっぱりまだこの3人の警戒網が怖くて姿を現せられない。絶対に出たら碌でもない目に遭わされるのは明白だろう。

 

「ッ! 今アタシ達は忙しいんデス! 邪魔するなデス!」

 

「っ! 離して! 私達は裕人を見つけなればならないの!」

 

「こんな横暴……マムが許すなんてあり得ない……」

 

 バタバタと誰かによって引き剥がされる3人の気配を感じた後……その中心部と思われる場所に1枚のハンカチが落ちていた。

 

黄色のハンカチ……か。ナスターシャ教授のご指名……ね」

 

 教授からの直接の指名……つまりは僕の仕事が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 




オリ主のプロフィール

名前……佐藤 裕人(平凡以下の錬金術師)

適合聖遺物……虚像の小鏡(杖の先端に埋め込まれている)

年齢 19歳

好きな物 キャラメル

嫌いな物 トマト

趣味・特技 推理小説の閲覧・戦略ゲーム

備考 聖遺物との適合以外平凡な為に幹部よりF.I.S研究所に放逐された掃いて捨てられる程度の錬金術師。具体的に使用可能な属性は[光]と[影]属性の錬金術のみで中級技能がやっと使える程度の実力。

感想やご応募は気長にお待ちしています。


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白紙の手紙……そして僕の悲劇が幕を開ける

届けられた手紙の詳細が語られて……裕人は運命に囚われた。

今回より裕人君には要所要所でアンラッキーダイスを振って貰います!皆様も裕人君をイジメたければ活動報告にて是非リクエストをお願いします!


 さて……教授に呼び出された内容に相当な不安を覚えるも流石に逃げるべき事と逃げてはいけない事の分別はわかる僕は気が進まないが大人しく向かう事になった。

 

「とはいえ放逐された3流に出来る事って……ねぇ……?」

 

 誰に……とは言わないが悪態をつきながら歩いていると教授の部屋へと到着した。

 

「着きましたよぉ〜〜呼び出された案件を教えてくださ〜い!」

 

「待っていましたよ。それでは単刀直入に本題へと入りましょう……」

 

 うん。呼び出したんだから当然教授は待っているのはわかっていた。だけど…………

 

「なんでマリアさん達までここにいるんですか!?」

 

 そう……先程僕の事を捕縛する為に追い回していたマリアさん・切歌ちゃん・調ちゃんが当たり前のように部屋の中央で拘束されていた。

 

「この後の事を鑑みてそのまま連れて来ました。これは私の直感ですが……彼女達も無関係で終われるとは思っていませんから……」

 

「ははは…………とりあえず呼び出した内容をお願いします」

 

 そうして僕は教授よりのエンブレムが目立つ封筒を差し出して来た。

 

「これは……疑いようがありませんね」

 

「でしょうね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で中身が空白です。裕人の領分である事は明白ですね?」

 

「わかってますよ。とはいえ……」

 

 僕は情報を解読する為にまずは炙り出しを試したがこれは当然効果無し。

 

「最初は王道の炙り出しをしましたがまぁ……予想通り意味無しですね。当然教授も試しましたよね?」

 

「ええ。当然私にもある程度の聖遺物知識は有りますから一般的な暗号解読は一通り試しましたよ?」

 

「となれば……」

 

 僕は次に自身の持つ聖遺物を用いる事にした。

 

「虚像の小鏡でこの手紙の周囲の光を屈折させて……」

 

 う〜ん……こういう幻破り神獣鏡(シェンショウジン)が果たすべきなんだけど……僕はあの聖遺物とは対極そのものな性分だしなぁ……

 

「あら? マム……その手紙をスクリーンに映して貰えないの? 私達も見たいのだけど……」

 

「そうですね。手筈を」

 

「ハッ!」

 

 ここに3人を捕らえた研究員がスクリーンを準備して僕の映した像をさらに投影するとその全容が錬金術師用語で投影された。

 

「成程……鏡を用いて光の屈折を操作して、それをスクリーンに映させる事を考えれば組織的な動きが必要な事・そしてこのF.I.S研究所に送りつけて来た最大の理由は明白ですね」

 

「おや? そのニュアンスでは裕人の古巣でも対応出来ると言えるみたいですね?」

 

「何なら古巣の方へ知らされていれば世界を二分出来ると思いますよ? もちろん地形的な意味合いではなく、影響力ですがね?」

 

「裕人の古巣……つまりはヨーロッパね?」

 

「マリア……あたしは多分日本だと思うデス。なにせ裕人は日本人デスよ?」

 

「あれ? 僕の故郷を含めたプライバシーは?」

 

「今は気にしてる場合ではなく解読をしてくださいね? まぁ……じきに終わるのでしょう?」

 

 う〜ん……マトモに取り合ってもらえないのが解せぬ。

 

「…………あぁ〜〜……なるほどぉ〜〜……」

 

「裕人? 物凄く苦虫を噛み潰したような顔をしてるわよ? そんなに大変な事があったの?」

 

 マリアさん……拘束されながら僕に語りかけてもシュール何だけど……

 

「あたし達に言えない隠し事デスか? もしかしてあたし達を捨てて逃げ出すつもりデスか? そんな事許さないデスよ? もしも裕人が逃げ出すなら絶対に許さないデスよ? もしも逃げ出すなら裕人の脚をイガリマでぶった斬るデスからね?」

 

「う〜ん……なんでそんな突飛な発想をしてくれるの? そもそも僕は今錬金術師として悲惨な結果を見てるんだけど……」

 

「だったら裕人の発言が嘘をついてない事を証明するデス! 手始めにあたしのイガリマの鎌を飲み込めば許してあげるデスよ?」

 

「いや死ぬから! しかも最悪の場合魂も殺されるから勘弁してよ!」

 

 何故か拘束されてる3人よりも四肢が自由な筈の僕が追い詰められてる気がする。あぁ……どうにかして3人から逃げられないなかぁ……? 

 

「落ち着きなさい切歌……一応嘘をついてはなさそうよ?」 

 

「マリアさん……」

 

 女神だ……拘束されてるから威厳はないけど女神だ……

 

「逃げ出したら一切の容赦なく脚を斬り落とせば事足りるわ。いえ……意識ある間にね♡」

 

 気の所為だった。どれほど僕は信用されて無いって言うんだよぉ……

 

「っと嘆いてる間に大体終わりましたよ。まずはこのままだと月が墜ちて来ますね。コレは比喩ではなく冗談抜きのガチです」

 

「っ……!? NASAの発表が虚偽の発表だと?」

 

「えぇマム……月の本来の公転軌道と現在の軌道を計算すれば恐らく誤差では済まない結果になると。その計算式はご丁寧にも付随されてたので……。と後は()()()()()()()()()()()()()()です。なのでもしかしたら世界の何処かで再誕してるかもしれませんってね?」

 

「およよ……フィーネが……」

 

「でもおかしいよ裕人……私達F.I.Sならとっくにフィーネの転生先になる筈だがら……」

 

 調ちゃんが珍しく本当の意味で不安そうにしていた。確かに僕も不安だ。だけど……

 

「その辺りは僕にもわからないです。でも……マムに送られて来た情報はこれが全てですね」

 

「フィーネの件は……後の課題ですね。その件は様子を見る事にしましょう。それよりも問題なのは……」

 

「月の軌道……ですよね。ちなみに今の結果だと凡そ1年もかからず……らしいです」

 

「裕人……私達が裕人に遺せるモノは絶対に遺してあげるからね? 

 

グサリ

 

 マリアさんが不安を隠しきれない僕に優しく語りかけて抱きしめてくれた次の瞬間……僕は意識を失った。そして……僕が次に目覚めた時の右頬には鋸が通り過ぎたような傷が彫られていた。

 

「え……?」

 

 ●裕人のアンラッキーダイスロール 1/3 (1D10)

 ○何が起きた? 

 

 1 身体部位の欠損

 2 身体部位の欠損

 3 身体部位の欠損

 4 捕食(意味深)

 5 身体部位の欠損

 6 身体部位の欠損

 7 身体部位の欠損

 8 イガリマの絶唱

 9 記憶喪失

 10 首切断

 

 結果 ⑤ 身体部位の欠損

 

 どうやら僕の身体の一部に欠損があったようだ。どうして……? 

 

 ●裕人のアンラッキーダイスロール 2/3 (1D10)

 ○何処が欠損した? 

 

 1 右手首

 2 左手首

 3 右耳

 4 左耳 

 5 右脚

 6 左脚

 7 鼻

 8 右目

 9 左目

 10 臓器

 

 結果 ② 左手首

 

 どうやら僕の左手首が鋭利なモノで切断されたようだ。そして僕が気付かなかった事を考慮すると相当昏睡させられたらしい。そしてそのせいか僕の左手首は義手になっていた。

 

 ●裕人のアンラッキーダイスロール 3/3 (1D8)

 ○他の被害は? 

 

 1 義手には毒と何らかの機械が仕掛けられてる

 2 義手には毒と何らかの機械が仕掛けられてる

 3 義手には毒と何らかの機械が仕掛けられてる

 4 何も無い(詳細は気付けない)

 5 何も無い(詳細は気付けない)

 6 何も無い(詳細は気付けない)

 7 何も無い(詳細は気付けない)

 8 爆弾だ! 

 

 結果 ④ 詳細は気付けない

 

「だけど……どうして僕はこんな目に……?」

 

 こうしてこの謎の詳細を識る事の出来なかった僕は後に悲劇を識る事となる……が、コレこそが後のフロンティア事変と呼ばれた出来事になるとは思いもしなかった。

 

 




次回よりフロンティア事変へと突入します!
迫りくる装者!公転軌道を外れた月!隠蔽したアメリカとの対立!そして対峙するのは大天使ヒビキエルと愉快な仲間達!圧倒的OTONA達!まだ見ぬフィーネ!全てを混沌へと変えるフロンティア事変をお楽しみにお願いします!

よろしければ感想をお願いします。また、活動報告にて気軽なリクエストもお待ちしています。


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乙女の為の錬金術♡

何故かダイス君が前回ハチャメチャに荒ぶったので軌道修正の時間だあぁ!

尚……今回は3人称視点でお送り致します。裕人君の1人称視点と比べてどちらが良いか教えて貰えると凄く嬉しいです。


※裕人が意識を失った翌日の研究所某所にて

 

「ふふっ……どうやらキチンと持って来たのね?」

 

()()()()()()裕人の身体の一部を持って来たデスよ? これであたし達にどんなメリットがあるんデスか?」

 

 切歌達3人の装者の前に立った人物……パヴァリア光明結社大幹部のカリオストロは妖しく笑いながら1つの藁人形を取り出した。

 

「そうねぇ……それじゃあ早速本題を始めるわ。まずはこの藁人形を陣の左側に置くわ。そして貴女達の持って来た彼の左手首を陣の右に置いて……€§¢¿¡€£¢¿¢£€………………」

 

 カリオストロは陣の両側に必要なモノを置くと詠唱を始めた。すると最初に裕人の左手首が光に包まれ……そして無数の粒子へとその姿を変えた。

 

「ッ!? 裕人の左手首が消えちゃう!? どうしてそんな事を! 「慌てないでそのまま見てなさい! すぐに解を見せてあげるから!」へ……?」

 

 調は動揺のあまりシュルシャガナのペンダントに手を掛け詠唱準備に入ったがカリオストロはすぐさま静止した。そして次に藁人形に変化が訪れる。

 

「さっきの粒子が……藁人形に集まって行く……?」

 

「なんだろう……? うっすらと形になって行くような……?」

 

 マリアも不安そうに様子を伺うが……次第にそれが形を変えていった。

 

「藁人形が……裕人みたいになっていってる……デスか……?」

 

 そして切歌の呟き通り左側の藁人形が次第に裕人を模した人形へとその姿を変えていった。

 

「よし! コレで終わりよ? さて、その人形の説明に入るけど……貴女達は[呪いの藁人形]を識っているかしら?」

 

「対象となる人物の写真とDNA……つまり髪の毛を括り付けて木に釘を打つあの藁人形……だったかしら?」

 

「大正解♡まずはその藁人形の概念を利用したわ。貴女達に持って来させた彼の左手首をまずはあーしの錬金術で微分子レベルまで分解して藁人形と融合させたわ。さて……次の段階に移るから貴女達の髪の毛もそれぞれ貰えるかしら?」

 

「ええ。二人共良いわね?」

 

「構わないよ。切ちゃんも良いよね?」

 

「モッチロンデース! 次は何をするデスか?」

 

 3人は躊躇いなく自身の髪の毛を抜くとカリオストロへと手渡した。

 

「素直な少女達の恋をあーしは応援してあげるわ♡その為に今の人形に貴女はの髪の毛を縫い込んで……」

 

 カリオストロは慣れた手つきで縫い込むと再び陣の上に人形を設置する。そして詠唱を再開した。

 

「€§¢¿¡€£¢¿¢£€………………ッ! 来たわよ♡」

 

 すると裕人の面影を宿した人形が明確に裕人と瓜二つの精度へと変化を遂げていた。しかし3人の視線はもう1つの……3色の釘へと変わっていた。

 

「緑と……白と……ピンク……? コレってもしかして私達の……?」

 

「そうよ? 貴女達の髪の毛を用いて作ったその釘こそが貴女達の望んだ成果よ? まずは彼の様子を映してあげるわ♡」

 

 するとカリオストロは眠っている裕人の姿をスクリーンに映した。ちなみにカメラのセッティングをしたのはマリアである。

 

「そこの1番小さなおチビちゃん……まずはその人形の左肩に自分の色をした釘を撃ってみなさい?」

 

「……???」

 

 調は言われるがままに釘を撃つ。すると映像の裕人の左肩に何かしら刺されたような傷が発生した。

 

「ッ! まさかの結果デース! コレは凄いデース! 裕人が浮気でもしたらすぐにお仕置きできるデース!」

 

「…………凄い……」

 

「コレよ……そうよコレよ! コレがあればもう裕人が聞き分けが悪くても言い聞かせられるわ! なんて最高の道具なのかしら!」

 

 しかしこの場に於いて誰もが裕人の事を束縛する事しか浮かんでいない事を指摘出来る人物は存在しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※とある日本の新聞記事(1面)とそれを見た裕人の反応

 

 [QUEEN OF MUSIC マリア・カデンツァヴナ・イヴが参加を表明! 風鳴翼との邂逅で果たして……?]

 

「日本で合同ライブ……か。教授ならコレを期に活動を開始するだろうなぁ………………よし。どさくさ紛れに日本に逃亡しよう。幾ら世界が違うといえど日本ならきっと僕は生活できる。みんなとひっそりと離れられる良い機会なんだ。どうにかして隙きを見て逃亡して……最悪の場合は二課へ亡命すれば命は助かるよね……? いやこの場の方が明らかに危ないけど……」

 

 裕人が己の重大な過ちに気付かない限り悲劇を回避する事が確定した瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

※某[手を繋ぐ]系二課のお日様ちゃんの様子

 

「はぁ〜〜♡翼さんの大舞台かぁ〜〜。絶対に見に行かないと……。あっ未来は当然誘うとしてクリスちゃんでしょ? 創世ちゃんでしょ? 寺島さんに板場さん……師匠に相談しないと……」

 

 少女達の元から逃げ出したい錬金術師と大天使(ヒビキエル)の出会う まで……そう多くはかからないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

※大幹部が単独で出掛けた事による結社の様子

 

サンジェルマン! カリオストロの馬鹿がまた勝手に出掛けたワケダ! 律儀に置き手紙を残して逃げ出したワケダ! 

 

「はぁ…………その置き手紙には何が書かれていたのかしら……?」

 

 因縁浅からぬ悠久の巫女フィーネが死んだ知らせを受けたサンジェルマンは次のリィンカーネーションが発動する前に目的の聖遺物である[アン・ティキ・ティラの歯車]を探していたが、その最中確認された月の落下とそれに伴うF.I.Sの焚き付けで為すべき事が山積みだった。そしてそれを察してプレラーティも補助に回っていたが、同じく大幹部のカリオストロが単独で姿をくらませていたのだ。

 

 [サンジェルマンとプレラーティへ

 

 この間焚き付けたF.I.Sの装者達に興味が湧いたからちょっと出かけるわ♡ついでに月の落下対処には()()()()()()()()()()だからフィーネの同行はあーしに任せてね♡

 

 カリオストロより]

 

「私にはアイツがただ遊び呆けているだけにしか見えないワケダ……」

 

「強く否定はしないけど確かに今は手が離せないわね。とはいえフィーネの動向が気になるのも事実。そしてF.I.Sのレセプターチルドレンはフィーネの転生候補がいる事を考えればカリオストロに一任するのは1つの選択肢ね。プレラーティ……カリオストロに連絡しておいて貰えるかしら……()()()()()()()()ってね?」

 

「………………サンジェルマンがそこまで言うならアイツに任せるワケダ。ただ私個人としては気が進まないワケダ……」

 

「プレラーティの懸念はよく分かるわ。ただ……()()()()()()()()()()()()()()()()でしょう?」

 

 サンジェルマンの視線の先に置かれた資料……チフォージュ・シャトーの建設における進捗報告とそれに対するラピスフィロソフィカスの輝きによる新たなる兵器のファウストローヴの完成もまた並行して進む1つの案件だ。

 

 

 




次回より[QUEEN OF MUSIC]の開始です!裕人君の最初の抵抗をお楽しみにおねがいします!

よろしければ感想をいただければ嬉しいです。




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