宇宙戦艦紀伊 (アオトル)
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第1話 カ二号作戦


さて、今回の話は火星を絶対防衛線にした防衛作戦。

カ二号作戦の話ね。

因みに、蟹じゃなくてカ2号よ。

知らなかった人は気を付けてね。



 

:火星沖:

 

 

 

【ガミラス艦隊】

 

 

オペレーター1「司令官殿。間もなくテロン艦隊と接触します。いかがなさいますか。」

 

司令官「ふん、そんなもの決まっているだろう。全軍突撃だ。」

 

オペレーター2「陣形も組まずにですか⁉」

 

司令官「先の戦いで奴らとの戦力差は判明している。テロンどもの兵器はこちらに傷もつけられんガラクタ兵器。そのうえ、奴らの船の装甲は無いも同然。どこに恐れる必要がある。」

 

オペレーター2「そういう事ではありません。陣形を組む事は敵に対し、効率的な攻撃を行う事や艦隊の安全を守る事、柔軟な対応を取る為にも必要な事です。なので…」

 

司令官「貴様は二等臣民の分際で、親衛隊であるこの私に指図するつもりか。」

 

オペレーター2「いえ、そういうわけでは…」

 

司令官「ならば黙って命令に従え。二度は言わんぞ。」

 

オペレーター2「ッ、 ザー・ベルク。」

 

司令官「全艦に伝えろ。このまま突撃し、テロン艦隊を撃滅する。」

 

オペレーター3「ザー・ベルク」

 

オペレーター1「司令官。敵艦隊を補足しました。」

 

司令官「映像を出せ。」

 

オペレーター1「ザー・ベルク」

 

画面に地球艦隊の映像が映し出される。そこには…

 

司令官「なんだ、この陣形は。まるで三枚の板だな。」

 

オペレーター1「恐らく正面へ火力を集中させる事と、被弾面積を減らす事が目的だと思われます。」

 

司令官「なるほど、無駄な事を。全艦に通達。突撃は中止。奴らに対して側面を向け、一斉射で片づける。」

 

オペレーター3「…あの状態の敵に側面を見せるのですか?」

 

司令官「何か言ったか?」

 

オペレーター3「いえ、何も」

 

 

 

【地球艦隊】

 

 

山南艦長「なんだ、あの艦隊は。全く陣形を組んでいないじゃないか。」

 

沖田司令「先の作戦で自信が付いたのだろう。地球の船など取るに足らないとな。」

 

山南「嘗められたものですね。」

 

沖田「あれほどの勝利を収めたのだ。そうなっても仕方ない。」

 

山南「貴方はそんな事しないでしょうけど。」

 

沖田「無論だ。」

 

オペレーター「司令。敵艦がこちらに側面を晒し始めました。」

 

沖田「ふむ、おそらく一斉射撃による早期決着が狙いだな。」

 

オペレーター「いかがいたしましょう。敵はすでに射程圏内ですが。」

 

沖田「敵艦が回頭し終えるまで待機だ。本作戦の要である艦首陽電子衝撃砲は、改良が行われた事で火力や射程が強化され、更に、機関が暴走する危険性を排除できた。だが発射にかかる時間は変わっていない。確実に仕留めるためにも今は待機だ。」

 

オペレーター「了解しました。」

 

山南「しかし、信長の三段撃ちですか。彼女の発想は凄いですね。」

 

沖田「うむ、艦を改造した手腕もそうだが、発想が素晴らしい。今回の発射に時間のかかる陽電子衝撃砲は正に、かつて三段撃ちに使われた鉄砲と同じ条件だ。」

 

山南「それにこの陣形もそうです。彼女はこの船を見て即座に本来の正しい運用法を発見しました。」

 

沖田「そうだな。艦の設計を見ただけでここまでの戦略を立てることができるのは素晴らしい才能だ。」

 

山南「そうですね。」

 

オペレーター「司令、間もなく敵艦隊が回頭を終えます。」

 

沖田「うむ、作戦を第二段階に移行。全艦、艦首陽電子衝撃砲、発射用意。正確に狙え。」

 

オペレーター「了解。全艦、艦首陽電子衝撃砲、発射用意、繰り返す、艦首陽電子衝撃砲、発射用意、正確に敵艦を捕捉せよ。」

 

山南「いよいよですね。上手くいけば良いですが。」

 

沖田「やってみなければ分からんさ。」

 

 

 

【ガミラス艦隊】

 

 

オペレーター1「敵艦からエネルギー反応を確認。」

 

司令官「ふん、無駄な足掻きを。」

 

オペレーター1「いえ、司令官殿、これは今までに観測されていないパターンのものです。」

 

司令官「何?」

 

 

 

【地球艦隊】

 

 

オペレーター「司令、全艦、エネルギー充填完了しました。いつでも行けます。」

 

沖田「うむ。目標、敵艦隊。艦隊最前列、一斉射。てー‼︎」

 

沖田の号令と共に、最前列の艦から青白い閃光が放たれた。

 

 

 

【ガミラス艦隊】

 

 

司令官「な、なんだ、今のは⁉︎」

 

オペレーター2「司令官、先程の攻撃でデストリア級2隻、ケルカピア級3隻、クリピテラ級5隻が轟沈!あれは敵の新兵器です!」

 

 

 

【地球艦隊】

 

 

オペレーター「敵、戦艦2,巡洋艦3、駆逐艦5,撃沈を確認!」

 

山南「おぉ!」

 

守「凄い…」

 

航海士「よし!」

 

地球艦隊は初めての大きな戦果に高揚した。

 

沖田「気を緩めるな!戦闘はまだ続いているぞ!最前列はミサイルと魚雷を撃ちながら最後列へ移動。2列目の射線を開けろ。一列目は移動しながらエネルギー再充填。急げ!」

 

オペレーター「了解!」

 

発射を終えた最前列の艦がミサイルと魚雷を撃ちながら横へ移動、2列目に射線を開け、最後列に移動。2列目が1列目がいた位置に移動した。この時、発射されたミサイルと魚雷は敵艦にダメージを与えていた。

 

オペレーター「司令、2列目が発射準備、完了しました。」

 

沖田「よし、第二射、てー‼」

 

地球艦隊はこの一連の動きを繰り返すことで、ガミラス艦隊に損害を与えていく。被弾して轟沈、或いは戦線離脱をする艦も出たが、ガミラス艦隊に対して艦首を向けていた為、その数は想定よりも少なかった。

 

 

 

【ガミラス艦隊】

 

 

司令官「何なのだあれは!あんなものが有るとは聞いていないぞ!どうなっている!」

 

オペレーター1「あれは恐らく敵の新兵器です。」

 

司令官「そんなことは分かっている!」

 

オペレーター2「司令官!我が艦隊の損害拡大中!いかがなさいますか!」

 

司令官「このまま撃ち続けろ!奴らを沈めるのだ!」

 

オペレーター2「ですがこのままでは…」

 

司令官「やかましい。奴らの装甲がゴミである事には変わりない。ならば早く沈めればよいのだ。」

 

オペレーター3「司令官!わが艦隊の砲撃が上手く命中しません!」

 

司令官「何をやっている!敵は動いていないのだぞ。なぜ当たらない⁉︎」

 

オペレーター3「敵がこちらに艦首を向けている為、標的が小さく、命中しづらくなっています。」

 

司令官「おのれぇ、辺境の星の分際でぇ!」

 

オペレーター2「司令官!」

 

司令官「今度は何だ!」

 

オペレーター2「後方に感あり!敵の増援です!数は67!」

 

司令官「なにぃ⁉」

 

 

 

【地球艦隊】

 

 

オペレーター「司令。作戦は順調に進んでいます。」

 

沖田「うむ。」

 

山南「沖田司令。戦況はこちらが優勢で損害も想定より抑えられていますが、此方の損害も1割を超えました。そろそろではないかと。」

 

沖田「うむ。敵もそろそろ対策を取ってくる頃だろう。この辺りが頃合いだな。作戦を第三段階へ移行。通常兵装での攻撃に切り替える。」

 

オペレーター「了解しました。」

 

 

 

:火星衛星ファボス:

 

 

 

【ファボス駆逐艦隊】

 

 

オペレーター「艦長、旗艦キリシマからの通信です。」

 

艦長「内容は。」

 

オペレーター「”作戦を第三段階へ移行。敵艦隊の座標を送る”とのことです。」

 

艦長「よし、待機中の全艦に通達。作戦は第三段階に移行した。窯に火を入れろ。ダイモス艦隊と合流する。」

 

 

 

:火星衛星ダイモス:

 

 

 

【ダイモス駆逐艦隊】

 

 

オペレーター「艦長、旗艦キリシマからの通信です。作戦が第三段階に移行しました。」

 

艦長「ようやく我々の出番か。待機中の全艦に通達。これよりファボス駆逐艦隊と合流し、敵艦隊を叩く。」

 

 

 

:火星沖:

 

 

 

【ファボス・ダイモス駆逐艦隊旗艦】

 

 

オペレーター「間もなく目標宙域に到達します。」

 

艦長「よし、全艦に通達。本艦を中心に突撃陣形を取れ。構築が完了次第、敵艦隊に突撃する。」

 

    ・

    ・

    ・

オペレーター「艦長。全艦配置に就きました。」

 

艦長「よし、全艦、突撃を開始せよ。駆逐艦乗りの意地と実力を見せつけてやれ!」

 

指示が届いた瞬間、待ってましたと言わんばかりの勢いで、駆逐艦の群れが突撃を開始、ガミラス艦隊を肉薄していく。

 

 

 

【ガミラス艦隊】

 

司令官「くッ、蛮族共が‼うおっ」

 

オペレーター1「艦尾に被弾!航行に支障なし。」

 

司令官「くそ、撤退だ!」

 

オペレーター2「撤退ですか⁉」

 

司令官「聞こえなかったのか!撤退だ!急げ!」

 

オペレーター1「敵艦直上‼」

 

司令官「なにぃ⁉回避しろ‼」

 

オペレーター1「ダメです!間に合いません‼」

 

直後、艦橋が爆炎に包まれた。

 

司令官「うわぁッ‼」

 

 

 

【地球艦隊】

 

 

山南「…駆逐艦の連中、凄まじいですね。まるで狼の群れだ。」

 

沖田「うむ。流石だな。駆逐艦に突入されるのは艦隊にとっては悪夢と言えるだろう。」

 

山南「ですね。あれを見るとつくづくそう思います。」

 

その時、敵の旗艦と思われる超弩級戦艦が爆沈した。

 

山南「…艦橋を潰し、全方位から魚雷の飽和攻撃か。惨い事をする。」

 

沖田「あの超弩級戦艦も試製空間魚雷を全方位から喰らえば一溜まりもない、か。 彼女の言った通りだな。」

 

山南「そうですね。」

 

オペレーター「司令!敵艦隊が退却していきます‼」

 

山南「まぁ、これだけ殺られたらそうなるだろうな。」

 

オペレーター「追撃しますか?」

 

沖田「いや、ここまでだ。こちらも損害を出している。それに全体的にはこちらの性能が劣っている。返り討ちにされるのが落ちだ。全艦に通達。陣形を整え、敵が完全に撤退するまで警戒を維持せよ。追撃は無しだ。」

 

オペレーター「了解。」

 

    ・

    ・

    ・

 

オペレーター「司令、敵艦隊の撤退を確認。周辺に異常ありません。」

 

沖田「うむ。作戦を最終段階に移行。これより地球に帰還する。帰るまでが作戦だ。気を抜くな。喜ぶのは帰ってからだ。」

 

 

 

 

それから後、帰還の際にガミラス側からちょっかいを掛けられたが、あらかじめ想定されていた為、撃退に成功。駆逐艦とムラサメ級が2隻ずつ不意打ちで沈められたが、損害はほとんど出さなかった。

そして、艦隊は無事に地球へと帰還した。

 

 

この大勝利に地球の各地で歓喜の声が挙がった。中でも軍上層部が一番喜んでいた。というのも、彼らは開戦初期から謎の敵性異星人の有する技術力に、地球の技術力が負けている事を理解していたからだ。その証拠に、もうすでに地球脱出計画が極秘ではあるが話題に持ち挙がっている。そんな中での大勝利だった。中には涙を流していた者もいたと言う。

 

 

 

 

 

 

 

???「作戦が大成功を収めた。ねぇ…。まぁ、そうなるように手を尽くしたのだから、このくらいの成果は当然よね。もし、これで失敗してたら人類はそこまでだった、て事だし良かったわ。そうじゃなくて。」

 

そう言いながら彼女は新聞を置き、外の街並みを眺める。

 

???「でもこれは序の口、重要なのはここから。…これから忙しくなるわね。 まったく、面倒な事を押し付けられたものだわ。まぁ、文句を言える立場じゃないんだけど。」

 

???「成すべきことを成す。それだけよ。それで十分。 やってやろうじゃないの。」

 

愚痴を終えた彼女は仕事へと戻っていった。

 

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

面白いと思っていただければ幸いです。



???は三つとも同じ人物で本作の主人公です。

主人公の介入により、カ二号作戦は原作と異なる結果になりました。


感想が有った際、返信可能な物であれば、後書きに返信のコーナーを設けます。


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第2話 研究報告

本当、堅苦しいのって苦手なのよねぇ。


今回の話は、”研究”に関する報告ね。

私って本当、色々しているから大変なのよ。



カ二号作戦から数か月後

 

 

:極秘研究施設:

 

 

 

「…以上が研究の成果です。完成した新装甲、シールド発生装置、ハイパードライブエンジンは、これから運用試験を行った後、改善点を洗い出し、最終的に実用可能レベルにまで改良していきます。 装甲やシールド発生装置は1年も有れば完全なモノを提供可能です。ですが、ハイパードライブエンジンに関しては物が物である為、実用化に至るまでにそれなりの年月が掛かります。早くて3年、慎重を期すのであれば5年ほど掛かります。」

 

藤堂極東管区行政長官「うむ、ご苦労。十分な成果だ。ハイパードライブエンジンに関しては君の言う通り慎重に行ってくれ。」

 

「有り難うございます。」

 

藤堂「それからもう一つ。先の作戦が成功したのは君のおかげだ。人類を代表して感謝を述べさせてもらおう。ありがとう。芹沢 光 国連科学技術局長官。」

 

ヒカリ「いいえ、藤堂長官。それは私だけの成果ではありません。確かに作戦の大筋を考えたのは私です。しかし、それを成功させるには現場の人間に相応の実力がなければ意味が有りません。それに、船の改装にも多くの方々に協力していただきました。このどれかが欠けていたら作戦は成功しなかったでしょう。私だけが称賛されるのは彼らに申し訳が立ちません。」

 

藤堂「ふむ、なるほど。それは確かに一理あるな。では改めて。君達のお陰で作戦が成功した。ありがとう。」

 

ヒカリ「どういたしまして。我々も頑張った甲斐が有るというものです。」

 

藤堂「うむ。」

 

ヒカリ「そういえば芹沢軍務局長。」

 

芹沢「何だ。」

 

ヒカリ「先日、プロトン魚雷と侵蝕魚雷の生産が開始されました。侵蝕魚雷の方はプロトン魚雷程生産することはできませんが、どちらも1か月以内に納入が可能です。宇宙機雷ライトンR30マインはこの二つの魚雷と違い、数をそろえる必要が有るので運用可能状態まで(そろ)えるのに1年と少し位の期間が必要になります。」

 

芹沢「うむ、ご苦労。あの二つが有るだけでも戦況は変わるだろう。」

 

ヒカリ「えぇ、そうですね。”上手く扱えたら”の話ですが。」

 

芹沢「…分かっている。」

 

藤堂「本当に何から何まで助かっているよ。」

 

ヒカリ「有り難うございます。」

 

沖田「君には感謝しているが、しっかり休んでいるのか?さっき説明したもの以外に、例の計画や個人的な研究もしているそうじゃないか。大丈夫なのか?」

 

ヒカリ「ご心配には及びません。休みはしっかり取っています。」

 

沖田「そうか。それならばいいが。」

 

ヒカリ「ところで話は変わりますが、先の作戦で使用した戦術は多用しない事をお勧めします。」

 

芹沢「なぜだ。」

 

ヒカリ「理由はいくつがございます。まず、第一に質の差です。相手は我々が観測可能な領域外。遥か彼方からこの太陽系にやって来る事が可能な技術を有しています。今回勝てたのは運良く、使用された新兵器が敵に通用するモノだったからに他ありません。」

 

沖田「うむ。確かに奴らとの技術の差は大きい。それは、これまでの戦闘で嫌というほど理解している。」

 

ヒカリ「次に、彼らはバカではないという事です。次からは間違いなく対策を取って来るでしょう。我々は彼らに”地球人は手強い”と認識させたのですから。」

 

藤堂「なるほど。」

 

ヒカリ「最後は戦場です。今回の戦場は火星。絶対防衛線でした。所謂(いわゆる)、背水の陣と言える状況です。作戦で使用された陣形は攻撃的で尚且つ、後ろを気にしないモノです。今回は火星が後ろに有ったので良かったですが、それが無い空間では逆効果になります。」

 

芹沢「なるほど、理解した。」

 

ヒカリ「有難うございます。」

 

ヒカリ「あぁ、それからもう一つ、報告が有ります。」

 

藤堂「まだあるのかね。」

 

ヒカリ「はい。今日はこれで最後です。」

 

藤堂「それで、内容は?」

 

ヒカリ「回収した敵艦の残骸を調査した結果。敵に関する情報をいくつか入手しました。」

 

芹沢「それは本当か!」

 

ヒカリ「はい、事実です。これから説明しますので、こちらの資料をご覧ください。」

 

そう言いながら3人に資料を渡す。

 

ヒカリ「まず。敵はガミラスという名の巨大な星間国家です。解読した情報にはガミラス帝国とあったので、おそらく独裁政権だと思われます。」

 

藤堂「ふむ。独裁か。我々にとっては嫌な思い出しかないな。」

 

ヒカリ「私も同感です。話を戻しましょう。彼らの兵器は我々よりも上でしたが、それよりも重要なモノを見つけました。」

 

芹沢「それは何だ。」

 

ヒカリ「エンジンです。解読した情報によると、彼らが”ゲシュ=タム機関”と呼称するエンジンはワープ航行を可能にする機関の様です。」

 

芹沢「ワープだと⁉」

 

ヒカリ「はい。当初から敵はワープ航行技術を有しているのではないかと噂されていましたが、それが今回、確かなモノとなりました。現在、部下と共に調査を行っています。」

 

沖田「ふむ。そうなると、ワープを用いた地球本土への直接攻撃の可能性も考えなければならんな。」

 

ヒカリ「それから最後に、現在相次いで降り注いでいる隕石は、遊星爆弾と呼ばれるガミラスの兵器だということが分かりました。」

 

沖田「そうか。これで確定したな。」

 

ヒカリ「そうですね。今出せる情報はこのくらいです。まだ解読できていない情報も有りますので解読を急いでいます。」

 

藤堂「うむ。想像以上の成果だ。君には…、ゴホン。君達には本当に感謝している。有難う。」

 

ヒカリ「当然の事をしたまでです。」

 

藤堂「それでもだよ。さて、それではそろそろお暇するとしよう。」

 

ヒカリ「本日はわざわざ足を運んでいただき、有り難うございました。」

 

 

 

:芹沢 光 執務室:

 

 

三人が帰った後。執務室で一人、光は研究結果を纏めた資料を読んでいた。

 

「さて、少しではあるけど確かに歴史が変わったわ。これならこの計画も実現できそうね。」

 

芹沢ヒカリは転生者である。生前は男だったが女性として転生した。転生の際に、健康な体と天才頭脳を得た彼女は自身の夢の為に行動していた。因みに、男だった時の記憶は記録として保有している。その夢というのが、

 

「私の考えた最強の艦隊、或いは地球 ねぇ…。いいえ。”私”ではなく”俺”かしら。」

 

夢。正確には彼女ではなく、彼女の前世の男が考えていたモノだ。今の彼女は特にこれといった夢は無く、『己の才能で人類の未来に貢献できればいいかな』、位の感情しか持っていない。 これは彼女が生まれながらの天才であるが故の弊害だった。 彼女の中身が前世のままであったなら、与えられた才能に喜びを感じ、第二の人生を謳歌できた事だろう。 だがそうではない。 彼女は男だった前世の”記録”を有しているだけの(れっき)としたこの世界の住人なのだ。  物心がついた時からなんでもできたという事は、幼い頃の彼女にとって残酷な事だった。 それでも彼女は、自身に才能を与えた男に感謝の意を示し、お礼として、彼の夢を(かな)えようと行動し始めた。もっとも、それ以外にやる事が思いつかなかった事や、人類の為にもなると考えたからでもあるのだが。 その結果、彼女は国連科学技術局長官に就任する事になった。

 

「それにしても、前世の私が考えた最強の艦隊・地球て本当、幼稚なのよね~。別に悪くわないんだけど、才能が無いの丸出しなのよね。どんなものにも相性や組み合わせが有る。なのに、その辺りを考えずに強力なシステムをありったけ搭載する。そんなことしても最強の(ふね)なんてできないのにねぇ。」

 

彼女の考える最強の地球と艦隊構想は、前世の自分が考えていたモノを軸に、大幅な変更が()されていた。これは前世の考えが彼女の言う通り、単純にシステムを詰め込んだだけのモノだったからだ。そこに、システム同士の相性や組み合わせ等は一切考慮されていなかった。

 

「まぁ、当然と言えば当然かしら。才能が無かったから天才頭脳なんてモノを求めたんでしょうし。でもやっぱり単純よねぇ。多少は制限を設けてほしかったわ。まぁ、物語が滅茶苦茶にならないようにする為の世界の修正力か、或いはテレサの干渉か。どれだけ頑張っても波動エンジンは作れないのよね~。ただ、”(わか)らない”じゃなくて正解を()()()()隠されている感じだから理解が及ばないってわけじゃないんでしょうけど。まぁ、今は回収したガミラス艦のゲシュ=タム機関で我慢するしかないわね。」 

 

「にしても、”生まれながらの天才”なんて、本人からすれば世界の全てがつまらないモノになるって事に気づかなかったのかしら。いや、思いついたけど状況をイメージできなかったから大丈夫と思ったのか…。たぶん後者でしょうね。」

 

はぁ~とため息をこぼす。

 

「まぁ、過ぎたことを悔やんでも仕方ないわ。別に有ると困るってわけじゃないし。それに、今は面白そうなのが居るしね。」

 

そう考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。

 

「失礼します。」

 

「噂をすれば何とやら、てね。入っていいわよ。」

 

「芹沢長官。こちらの資料を届けてほしいと頼まれたのでお持ちしました。」

 

「あら、ありがとう。後で目を通しておくわ。そこに置いといてちょうだい。」

 

「分かりました。」

 

「というか、そういう堅苦しいのはやめてよ。いつも言ってるでしょ。ましろ。まぁ、時と場所は考えないといけないけど、今はその時じゃないんだから、肩の力抜きなさい。」

 

「そうだよ、シロちゃん。普段からそんなに堅苦しかったら大変だよ?ちゃんと息抜きしないと。ね。もかちゃん。」

 

「そうだね、ミケちゃん。宗谷さんは少し、気を張り過ぎじゃないかな。」

 

宗谷(むねたに) ましろ「そういうわけには。ていうか、貴女達が緩すぎるんです!」

 

(みさき) 明乃(あけの)「大丈夫だよ、シロちゃん。ちゃんと切り替えが出来ていたらそれで良いんだよ。」

 

ヒカリ「いいじゃない、ましろ。切り替えは大切よ。でないと、ここぞという時に的確な判断が出来なくなるわ。常在戦場の心構えは立派だけど、ほどほどにね。それに、何よりつまらないわ。」

 

ましろ「それが貴女の本音でしょう。」

 

もえか「光さんはそういう人だから…。ましろさんも諦めた方がいいよ。その方が楽だから。」

 

ヒカリ「ちょっと。もえか。それ、どういう言う意味よ。」

 

もえか「ふふ、そのままの意味です。」

 

ましろ「なるほど。参考になります。」

 

ヒカリ「もえか、どうしてくれるのよ。ましろが学習しちゃったじゃない。」

 

ましろ「貴女は私を何だと思ってるんですか…。」

 

ヒカリ「からかい甲斐(がい)の有る面白い奴。」

 

ましろ「もうやだ、この人。」

 

明乃「あははは。」

 

もえか「光さん。用も済んだので私たちはそろそろ失礼します。」

 

ヒカリ「あら、もう行くの?」

 

もえか「えぇ、まだやる事が残っているので。」

 

ヒカリ「なら仕方ないわね。頑張りなさい。」

 

もえか「はい、それでは失礼します。」

 

明乃「じゃあね。ヒカリちゃん。」

 

ましろ「失礼します。」

 

 

三人が退出た後。

 

 

「やっぱり、面白いわね。特にましろ。いじり甲斐があるわ。」

 

「さて、資料の内容は何かしら。」

 

 

ヒカリは届けられた資料を読み進めていく。

 

 

「…なるほど。亜光速試験船イザナミの各種実験とスペシウム弾頭弾、ナノマテリアルの生成は成功。シルバーシャークGやユニオンコアなんかはもう少し時間がかかりそうね。」

 

読み終えた資料から目を離す。

 

「それにしても、原作より2年も早くカ二号作戦が実行されたのは幸運だったわ。おかげでまだ地球には余裕が有る。もし、原作通り2198年に実行されていたら、遊星爆弾の影響で地球は今ほどの余裕は無かったでしょうね。」

 

「まぁ、お陰で”俺の考えた最強”に必要な技術は既に幾つか研究を終了している。 そういえば私、イズモ計画にも関わっていたから、今思えば本当にギリギリね。」

 

「それでも、何としてもやり遂げたいわね。」

 

ヒカリは改めて、人知れずそう誓った。

 




最後まで読んでいただき有り難うございます。

面白いと思っていただければ幸いです。


今回の話で新たにタグを追加します。

今回の話に登場したネタを順に、
スターウォーズから、ハイパードライブエンジン、シールド発生装置、プロトン魚雷。
蒼き鋼のアルペジオから、侵蝕魚雷、ナノマテリアル、ユニオンコア。
ウルトラマンメビウスから、宇宙機雷ライトンR30マイン、亜光速試験船イザナミ、スペシウム弾頭弾、シルバーシャークG。
ハイスクール・フリートから、宗谷 ましろ、岬 明乃、知名 もえか。
以上です。


主人公の名前は、ウルトラマン界の天才、ウルトラマンヒカリから取っています。
変身者のセリザワ・カズヤの芹沢と、ウルトラマンヒカリのヒカリです。
そして偶然ですが、ヤマトには同じ”芹沢”がいるので、主人公は芹沢軍務局長の娘という設定です。
主人公の人格モデルはMuv-Luv Alternativeより、香月 夕呼です。
※あくまでもモデルです。


:感想返信のコーナー:

本作のカ二号作戦は原作の2年前、2196年2月20日に実行されました。

前話の誤字報告、有難うございました。


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第3話 凶行


えぇっと。私、岬明乃です!

今回はヒカリちゃんの代わりで来ました。

今回の話は…どう言えばいいんだろう? う~ん。

艦長。そのまま言えばいいのでは?

え~と、それじゃあ改めまして。

今回の話は軍が色々やらかしちゃった話だよ。

やらかしたで済む事でしょうか?

ヒカリちゃん?今、凄く機嫌が悪いよ。



 

:カ二号作戦から1年と半年:

 

 

:芹沢 光 執務室:

 

そこにはデスクに座り、右手で眉間を抑えながら目をつむっているヒカリの姿が有った。そして、彼女からは離れていてもピリピリするほどの苛立っているオーラを出していた。

 

明乃、ましろ、もえかの3人は離れた場所からその様子を見ていた。

 

明乃「どうしよう。ヒカリちゃんが怖くて近づけないよ。こんなに機嫌が悪いヒカリちゃん初めて見たよ。」

 

ましろ「いったい、どうしたんでしょうか?部屋も何時も(いつも)以上に散らかっていますし。」

 

もえか「たぶん先月のあれじゃないかな?」

 

明乃「あれ?」

 

もえか「カ二号作戦で調子に乗って大反攻作戦を決行した軍が、ガミラスに返り討ちにされて壊滅的損害を被った(こうむった)話。

 

ましろ「あぁ、あれですか。」

 

明乃「あれかぁ。」

 

ましろ「確か、かなり(ひど)かったんですよね。」

 

もえか「えぇ、参加した艦艇の8割が轟沈、沖田司令と千早大佐の機転のお陰で辛うじて全滅は免れたみたいだけど。」

 

明乃「8割…」

 

ましろ「かなり、沈められましたね。」

 

もえか「えぇ、本当に危なかったそうよ。」

 

明乃「だから怒ってるのかな?」

 

ましろ「たぶん、そうだと思います。」

 

 

その時、通信装置のコールが鳴り響いた。

 

それを聞いたヒカリはすぐに応じた。

 

 

ヒカリ「どうしたの。」

 

≪千早群像艦長から長官宛ての緊急通信です。≫

 

ヒカリ「繋ぎなさい。」

 

≪了解しました。≫

 

明乃「どうしたんだろ?」

ましろ「さあ?」

 

≪ヒカリ長官。千早少尉です。≫

 

ヒカリ「前置きはいいわ。結果だけを報告してちょうだい。」

 

≪分かりました。今回の緊急任務ですが無事に成功しました。≫

 

ヒカリ「そう。良かったわ。」

 

≪現在、コンゴウと共に帰還中です。≫

 

ヒカリ「コンゴウ?どういう事かしら。てっきり撃沈したと思っていたけど。」

 

ましろ「撃沈⁉」

 

≪はい。どうやらコンゴウの乗組員は”開発された新兵器の実戦テストを行う”としか知らされていなかったようで、それがどんな物なのかは一切(いっさい)聞かされていなかったようです。≫

 

ヒカリ「それだけじゃないでしょう。とんでもない内容を知らされただけで任務を放棄するのは軍人として失格じゃないの?」

 

≪はい。ですが、コンゴウの艦長は父さんだったので納得して此方(こちら)の降伏要請に応じてくれました。≫

 

ヒカリ「なるほど。運が良かったわね。」

 

≪自分もそう思います。≫

 

ヒカリ「それじゃあ、そのままここに連行してきなさい。」

 

≪大丈夫ですか?≫

 

ヒカリ「何が?」

 

≪コンゴウは技術局ではなくて軍の所属ですよ。勝手に連行して大丈夫なんですか?≫

 

ヒカリ「心配いらないわ。コンゴウはもう私達の物だし、そもそも馬鹿どもに文句なんて言わせないわ。」

 

≪…そうですか。それではコンゴウを連行してきます。≫

 

ヒカリ「頼んだわよ。」

 

≪了解しました。≫

 

 

そして通信が終了した。

 

 

明乃「あ、終わった。」

ましろ「どうしたんでしょうか?かなり凄い単語がいくつか有りましたが。」

もえか「さぁ。」

 

ヒカリ「貴女達。いつまでそうしているつもり?」

 

明乃「ごめんね、ヒカリちゃん。忙しい時に遊びに来て。」

 

ましろ「そうですよ、艦長。だからあれほど、やめた方がいいって言ったのに。」

 

ヒカリ「なんだ、そんなこと?別に遊びに来るくらいあんた達なら何時(いつ)でもいいわよ。」

 

ましろ「そうですか…」

 

もえか「ところで、何かあったんですか?」

 

ヒカリ「えぇ、あたしが想像もつかなかった馬鹿をやった奴がいたのよ。で、その対処を群像に任せてたってわけ。」

 

明乃「へぇ、そうなんだぁ。」

 

もえか「その”馬鹿”はいったいどんな事なのでしょうか?」

 

ヒカリ「本当に馬鹿な話よ。この間の反攻作戦が大失敗したのは知っているわよね。」

 

ましろ「はい。」

 

ヒカリ「実はあの作戦。父さん…あぁ、芹沢軍務局長の事ね。父さんは問題だらけの作戦だったから流石に反対していたの。」

 

明乃「え?でも…」

 

ヒカリ「そう。この作戦は最終的に賛成多数で強行されたの。で、惨敗したってわけ。」

 

明乃「なるほど。」

 

ヒカリ「で、ここからが問題。作戦を強行した連中はその結果、自身の立場が危うい物になったわ。彼らはこの大失態を何とかする必要が有った。」

 

明乃「うんうん。それで?」

 

ヒカリ「彼らは考えたの。なんで失敗したのかってね。それで思い至ったのは火力不足。火力が足りなかったから負けたんだって考えたの。馬鹿よね。明らかに作戦そのものに問題が有るのに。」

 

ヒカリ「そして次に、どうしたらそれを解決できるだろうって考えたわけ。で、馬鹿どもはとんでもない事を思いついたの。」

 

もえか「それはいったい?」

 

ヒカリ「簡単な話よ。今使われている新装備は科学技術局が由来の物。ならばきっと、科学技術局にはまだ表に出していないだけで強力な兵器が、それこそショックカノンを超えるものが有るんじゃないか。そう考えたの。」

 

ましろ「…まさか。」

 

ヒカリ「そう、そのまさかよ。馬鹿どもは勝手に技術局の開発記録を漁っていたの。そして見つけてしまったのよ。よりによって、使用時の副作用が危険すぎて封印していた兵器をね。」

 

もえか「副作用?」

 

ヒカリ「えぇ、その兵器の名をD4レイ、正式名称、異次元壊滅兵器D4。発射された光線の周囲と光線の命中地点に次元崩壊を引き起こし、その空間の次元諸共(もろとも)、対象を崩壊させる兵器よ。ショックカノンなんて比べ物にならないわ。」

 

ましろ「凄いですね。」

 

ヒカリ「凄いなんてレベルじゃないわ。現状、これを防ぐにはD4レイ以上のエネルギー兵器で次元崩壊を食い止めるくらいしかないわ。それ自体も、完全に崩壊を押し返さないといけないの。で、問題なんだけど。この兵器、out of controlなのよ。」

 

明乃「アウト・オブ・コントロール?」

 

ヒカリ「out of control。制御不能って意味よ。」

 

ましろ「まずくないですか?」

 

ヒカリ「まずいわよ。実験の時は、近くに待機させていた超重力砲実験艦、ハルナの超重力砲で何とか押し返したけど、半径2㎞圏内が空間ごと消滅したわ。」

 

もえか「恐ろしいですね。」

 

ヒカリ「でしょ。そんな兵器を馬鹿どもは詳しく調べたりせずに、単純に強力だからという理由で勝手に持ち出したの。しかもunder control、完全に制御しているなんて言うんだから救いようがないわ。」

 

ましろ「思っていた以上に大事(おおごと)だった。」

 

ヒカリ「そうよ。こんなとんでもない兵器を何にも知らない人間が、開発者の管理外で使用しようとしたのよ。本当に危なかったわ。群像を向かわせたのは万が一、D4レイが使用された際に抑え込むためよ。彼には、さっき言ってたハルナの艦長を任せていたからね。」

 

もえか「では今回は間に合ったという事ですね。」

 

ヒカリ「えぇ、そうよ。それに今回の件は色々と利用できるわ。ふふふ。」

 

明乃「うわ、ヒカリちゃん、すっごい悪そうな顔してる。」

 

ヒカリ「それに、D4レイを搭載しているんだから当然、コンゴウはうちの物よねぇ。無論、艦長の千早 翔像も。優秀な人材が向こうから来てくれて助かるわぁ。無論、馬鹿どもに拒否権は無いけど。」

 

ましろ「それは違う気が…」

 

ヒカリ「違っても文句は言わせないわ。それだけの事をしたんだから当然よね。軍法会議に掛けようが、一部が暴走した事にしようが無駄。逃がしはしないわ。」

 

ましろ「そうですか。」明乃「ヒェッ」もえか「仕方ないですね(^^)」

 

ヒカリ「そうよ。でも、偶然、気が付いたから良かったけど、下手したら冗談抜きで世界が滅んでいたかもしれないわ。」

 

明乃「そんなに大変だったんだ。」

 

ヒカリ「えぇ、ちょうど開発記録を整理していたんだけど、何故かD4レイの記録が無かったのよ。作ったのは確か。他の皆も覚えていたからそれは間違いない。なのに、記録どころか封印中の実物すらない。おかしいって思ったわ。それで詳しく調べたら記録が削除されていたことが分かったの。更に調べたら監視映像の記録も消されていてね。復元したらD4レイを勝手に持ち出している連中が映っていたの。本当に驚いたわ。で、そいつらを調べたら何と、軍の人間だったの。」

 

もえか「そんな事、本当にあって良いのですか?」

 

ヒカリ「良くないわよ。本当、呆れるわよねぇ。で、後は”全て”の監視カメラを使って、リレー方式でどこに持っていったのかを調べたの。そしたら行先は何と、改装中のコンゴウがいるドックだったのよ。そこからさらに調べたら今日、コンゴウが新兵器の実戦テストをするって分かってね。」

 

もえか「なるほど。それで千早艦長を。」

 

ヒカリ「本当、間に合ってよかったわ。でも、コンゴウと千早大佐を手に入れたののは幸運だったわ。怪我の功名ね。」

 

ましろ「ところで、コンゴウはどうするんですか?」

 

ヒカリ「とりあえず、いったん解体してD4レイを降ろすわ。その後、新たに改造を(ほどこ)して実験艦にするつもりよ。」

 

ましろ「解体するんですか。」

 

ヒカリ「そうなのよ。D4レイが機関に直接組み込まれていてねぇ。解体しないと取り出せないのよ。あ、そうそう。改装が終わったらあんた達にはコンゴウに乗ってもらうから。」

 

明乃「え、私達が乗るの?」

 

ヒカリ「そうよ。あんた達にはとある艦に乗ってもらう事になるわ。コンゴウはそれまでの練習用ってことね。」

 

もえか「練習用、ですか?」

 

ヒカリ「えぇ。あんた達に乗ってもらう艦はねぇ。地球が造れる艦の中で文字通り、最強の艦なの。普通の艦に乗っている人間じゃあ扱いきれないわ。良くて60%。赤点ギリギリね。」

 

ましろ「なるほど。今から慣れろという事ですね。でもなぜ私達なんですか?」

 

ヒカリ「当り前じゃない。確かに最初は軍の人間も乗せるつもりだったわ。あたし達は技術面でのサポートの為に乗るっていう感じね。でも今回の件で今の軍を信用できなくなったわ。だから信用できるあんた達を乗せるの。さっきも言ったけど、この艦は最強なの。もし、今回のような事がもう一度起こって、この艦を奪われでもしたらお終いよ。もう誰にも止める(すべ)がないわ。」

 

もえか「それほどに凄いのですか。でもなぜそんな艦を?」

 

ヒカリ「何が有っても守らないといけないものを守るための艦だからよ。そうね。あんた達、口は堅いかしら?」

 

ましろ「はい?」

 

ヒカリ「質問に答えなさい。」

 

明乃・ましろ・もえか「はい、堅いです。」

 

ヒカリ「よろしい。じゃあ、この艦の説明をしようかしら。あぁ、言っとくけどこの話、外に漏らしたら…さて、どうなるでしょうね。」

 

明乃・ましろ・もえか「はい!絶対に漏らしません‼」

 

ヒカリ「なら安心ね。それじゃあ、まずは名前から教えてあげるわ。」

 

もえか「名前、ですか。」

 

ヒカリ「そう。この艦の名前はね。」

 

ヒカリ「”紀伊”て言うのよ。」

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

面白いと思っていただければ幸いです。


今回はD4レイが絡んだお話です。D4レイがどれだけヤバいかは、”D4レイ ウルトラマン”で実際に調べてみたらすぐに分かります。 ガチでヤバいです。

今回の話は、作戦大失敗→挽回するために技術局の装備を漁り、封印中の兵器を勝手に持ち出す→どんな物かも知らずコンゴウに搭載、運用しようとした。→記録整理中のヒカリにバレる。→群像、緊急出動→コンゴウ拘束の流れです。

因みに、この世界の金剛型宇宙戦艦コンゴウとハルナはカ号作戦の時、改装の最中だったため作戦には参加しておらず、そのため沈んでいない。つまり、この世界には原作では1隻しかいなかった金剛型が3隻いる事になります。

ヒカリちゃんが新たに【コンゴウ】【千早 翔像】【軍の弱み】を手に入れました。余程の事が無い限りもう止まりません。


:感想返信のコーナー:

誤字の指摘、ありがとうございました。


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第4話 紀伊計画


今回のお話は、科学技術局で進められている計画、

紀伊計画の説明ね。

あと、前回は悪かったわね。明乃なんかに任せちゃって。

ちょっと、ヒカリちゃん⁉ それどういう事⁉



 

ましろ「紀伊、ですか?」

 

ヒカリ「そうよ。この艦を語るには、とある計画について話す必要が有るわ。」

 

明乃「とある計画?」

 

ヒカリ「その計画はイズモ計画と呼ばれているわ。」

 

もえか「そのイズモ計画とはどういった物なのでしょうか?」

 

ヒカリ「イズモ計画。それは一言でいえば地球脱出計画よ。」

 

明乃「地球を」

 

ましろ「脱出?」

 

ヒカリ「そうよ。」

 

もえか「それはつまり、地球はガミラスに勝つ事ができないと判断された、という事でしょうか?」

 

ヒカリ「その通りよ。この計画が始動したのは、ガミラスとの戦争が始まってから1年後の事よ。」

 

もえか「そんなに早くから決まっていたんですか。」

 

ヒカリ「まぁ、当然といえば当然よ。 なんたって、相手は私達が観測できる領域外からやってきた存在で、技術力では圧倒的にこちらが劣っている。 そのうえ、どんな目的で地球にやってきたのか。どんな存在なのか。それらが全く分からなかったのよ。 分かっているのはこちらが圧倒的に不利だという事だけ。 本当。なんでこんな奴の相手をしようと思ったのかしら?まさか、本気で勝てるとでも思ってたのかしらね。」

 

ヒカリ「軍は最初、ガミラスは観測可能圏外からやって来ているという事実から、持久戦に持ち込めば補給が追い付かなくなって勝てると踏んでいたわ。でも、その兆候は一切なし。ま、当然よね。ワープ航行なんて技術を有しているのよ。無意味よ。」

 

明乃「はぇ~。そうなんだ。」

 

ましろ「? それってもしかして…」

 

ヒカリ「ましろ。そこまでにしておきなさい。それ以上詮索したら、面倒事に巻き込まれるわよ。」

 

ましろ「は、はい…。 分かりました。」

 

ヒカリ「話を戻すわね。この計画の為に建造される艦はイズモっていうんだけど、ちょっとした問題が有ったの。」

 

もえか「問題、ですか?」

 

ヒカリ「簡単な話よ。まず、当然の事だけど、この艦は脱出用だから可能な限り多くの人を乗せる必要が有るわ。更に、乗っている人達が長旅でおかしくならないよう、艦内設備も充実させなければいけない。そうやって”快適な空間”を求めて設計していたのだけど、それに力を入れ過ぎて自衛能力が貧弱なモノになっちゃったの。」

 

ましろ「それは仕方ないのでは?」

 

ヒカリ「えぇ、確かに仕方ない事よ。でもね、今はガミラスとの戦争の最中。つまり、脱出の邪魔をする”敵”がいるの。そんな状況で、大勢の命を乗せるのに自衛能力が皆無なんて、以ての外(もってのほか)よ。」

 

ましろ「確かに…」

 

ヒカリ「そこで急遽、艦の設計を書き直したんだけどね。それでもまだ不安材料が残ってしまったの。そこで彼らに私が提案したの。『だったらそこで諦めてもう一つ、この艦を護衛する為の、戦闘に特化した艦を作ればいいじゃない。』ってね。そしたらそれが採用されてね。その護衛艦建造計画が技術局に回ってきたの。」

 

もえか「なるほど、それが先ほど話した”紀伊”という戦艦なのですね。」

 

ヒカリ「そうよ。因みに軍は”言い出しっぺのお前達がやってくれ”って言ってきたのよね。尤も、軍にはもう、追加で戦艦をもう一隻作る余裕も、配置する人員の余裕も無いっていうのが本音でしょうけどね。」

 

明乃「あぁ、だから私たちが乗るんだ。」

 

ヒカリ「そういうこと。技術局は前線には殆ど出ないけど、運用する為の軍人は居るし、そもそも、技術局の人間以上に上手く扱える人間なんて滅多に居ないしねぇ。」

 

ましろ「そうかもしれませんが…」

 

ヒカリ「だから、あんた達に託すのよ。さっきの軍の暴走のせいで、より慎重に人選を行う必要が出てきたの。で、現状、信用して託せるのはあんた達しかいないって事になったのよ。」

 

もえか「先ほどの件ですね。」

 

ヒカリ「そうよ。」

 

ましろ「まぁ、普通、そうなりますよね。」

 

ヒカリ「話を戻すわね。この戦艦は絶対に守らないといけない船を守るために建造されるから、詰め込む技術は限界まで詰め込むわ。多分だけど地球最強の艦になるわ。まぁ、その分運用には慣れが必要でしょうけどね。一応、そのあたりはしっかり対処するけど、どこまでマシになるかは実際に建造するまでは分からないわね。」

 

明乃「なんだか凄そう。」

 

ヒカリ「実際凄いわよ~。 スペシウム弾道弾やプロトン魚雷なんかのミサイルや魚雷は当然でしょう。他にも、大口径の主砲に、対空戦闘を重視した対空火器に、いろんな攻撃から艦を守るための各種シールドシステムの搭載、最新の艦載機もたくさん搭載するし、エンジンも最新の物を搭載するわ。」

 

ヒカリ(波動エンジンや波動砲とかも有るんだけどねぇ。地球はまだ、波動エンジンやイスカンダルの事を知らないし…ね。)

 

ましろ「本当にてんこ盛りですね。」

 

ヒカリ「私達人類にとって、宇宙への長期航海は完全に未知の領域なのよ。だから、いつ・どこで・何が必要になるのか、私達はまだ完全には分かっていないのよ。」

 

ヒカリ「分からないならどうすれば良いか。答えは簡単。百貨店みたいに色々搭載して、どんな状況でも対応できるようにする。紀伊はこれを体現しているわ。ある意味、実験艦と言っても良いかもしれないわね。」

 

もえか「なるほど。私達が運用しなければいけない理由が分かりました。ところで、その紀伊という艦はいつ頃、私たちの所に来るのでしょうか?」

 

ヒカリ「気が早いわよ、もえか。そうね。少なくとも1年以内にはあんた達の下に届くようにするわ。それまではコンゴウで練習しておきなさい。コンゴウを完全に乗りこなせないと紀伊は任せられないわね。」

 

ましろ「分かりました。」

 

ヒカリ「後これ。紀伊に乗る人間のリストよ。今のうちに仲良くなっておきなさい。紀伊が完成してからだと時間が足りないと思うわ。」

 

明乃「分かった!任せて、ヒカリちゃん!」

 

ヒカリ「それじゃあ、任せたわ。」

 

もえか「はい。それでは失礼します。」

 

ましろ「了解しました。失礼します。」

 

明乃「それじゃあ、またね!」

 

 

そう言うと三人は退出していった。

 

 

ヒカリ「さて。当面の問題は解決したし、後は私達、開発組が頑張らないとね。」

 

ヒカリは一人つぶやきながら紀伊の諸元を見た。

 

 

 

:艦名:

紀伊型宇宙戦艦紀伊

 

:艦種:

恒星間航行用超弩級宇宙戦艦

 

:識別番号:

BBM-01

 

:全長:

420m

 

:艦幅:

50.6m

 

:最大幅:

71.7m

 

:艦高:

118.18m

 

:最大高:

124.34m

 

:最大速力(通常航行時):

亜光速

 

:乗員:

184名

 

:メンタルモデル:

デルタコア

 

:主機関:

波動エンジン

 

:副機関:

重力子エンジン×150基

 

:ハイパードライブ等級:

クラス1,0

 

:兵装:

次元波動爆縮放射機(250サンチ口径)×1門

超重力ユニット×10基

主砲:54サンチ三連装陽電子衝撃波複合砲塔×3基(実体弾も使用可能)

副砲:25サンチ三連装陽電子衝撃波複合砲塔×2基(実体弾も使用可能)

魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)

15連装ミサイル発射塔×1基

爆雷投射機(マスト付け根)

ミサイル発射管×8門(艦底部)

垂直発射装置×54

16サンチ四連装高角速射レーザーカノン×8基

11サンチ三連装高角速射光線砲塔×4基

16サンチ連装高角速射レーザーカノン×12基

9.5サンチ連装高角速射光線砲塔×14基

9.5サンチ三連装速射光線機関砲塔×8基

司令塔近接防御火器×4基

対空高出力レーザーシステム

アクティブ/パッシブ デコイシステム

シルバーシャークG×4基

重トラクター・ビーム発生装置

重イオン砲塔×4基

 

:艦載機・艦載艇・艦載車両:

デルタ7イーサスプライト級軽インターセプター×2機

RZ-1 Aウィング・インターセプター×7機

BTL-B Yウイング・スターファイター×5機

TIEアドヴァンスド×2機

A/SF-01 Bウイング・スターファイター×1機

T-65B Xウイング・スターファイター×14機(予備機×3機)

ガンクルセイダー×14機(予備機×3機)

ガンクルセイダーMX×2機

ガンウィンガー×1機

ガンローダー×1機

ガンブースター×1機

低空強襲トランスポート/兵員用×2機

全地形対応戦術攻撃兵器(AT-TE)×3台

BARCスピーダー×23両

CK-6スウープ・バイク×23両

 

 

:特殊装備:

波動防壁、強制波動装甲、偏向シールド発生装置(光子・粒子、両方搭載)、ナノマテリアル、各種ソナー・センサー、多次元クローキングシステム

 

ヒカリ「かなり詰め込んだけど…。これでもまだ拡張性が有るのよねぇ。本当、メンタルモデル様々ね。」

 

そもそも、メンタルモデルが一人いるだけで、大和クラスの戦艦を十二分に運用する事が可能になる。

そこに、蒼き鋼のアルペジオのイ401を参考にした、艦の性能を最大限に引き出すベストな人数を設定。

後は、それ以外で必要な人員を追加したのだが。

 

ヒカリ「でもまさか、原作2199のヤマトの乗員999人を下回るとは思わなかったわね。」

 

そう、ヒカリの想定以上に乗組員が少なくなったのだ。

 

ヒカリ「まぁその分、色々詰め込む余裕はできたけど。…これで良かったのかしら?ちょっと不安になるわね。」

 

ここでヒカリは少し思案してみたが、

 

ヒカリ「…まあ、大丈夫でしょう。どうせもう、人数増やせないし。」

 

 

ヒカリは外出用の服に着替え、部屋の施錠をした後、車に乗って技術局から出ていく。

 

 

ヒカリ「結局のところ、彼女達が上手くやってくれるかどうかね。詰め込める物は全部詰め込んだんだから。」

 

そう言うと、ヒカリはコンゴウが入渠するドックに車を走らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

:技術局所属第2整備ドック:

 

ヒカリ「お疲れ様、群像。お手柄ね。」

 

群像「大袈裟ですよ。運が良かっただけです。そもそも、貴女が気付かなければ俺たちは何もできませんでしたよ。」

 

ヒカリ「あっ、そ。まぁ、そういう事にしておくわ。…さて。」

 

ヒカリは体の向きを変え、面と向かって彼と対峙する。

 

ヒカリ「貴方がコンゴウの艦長。千早 翔像大佐ですね。私は国連科学技術局長官の芹沢 光です。技術局へようこそ。我々は貴方を歓迎します。」

 

そう言うと、ヒカリは翔像に手を差し伸べた。

 

翔像「貴女方の歓迎、心から感謝します。ところで、貴女のその発言はつまり、()()()()()と捉えて良いのでしょうか?」

 

ヒカリ「えぇ、それで構いませんわ。」

 

翔像「分かりました。貴方の事はこちらでも有名ですから。貴方が言うのであればきっと、そうなるのでしょう。これからよろしくお願いします。」

 

翔像はそう答えると、彼女の手を取った。

 

ヒカリ「こちらこそ。」

 

 

 

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

面白いと思っていただければ幸いです。


陽電子衝撃波複合砲塔は、ショックカノンと霧の艦隊の主砲のハイブリットです。

レーザーカノンは霧の艦隊の兵装で、光線砲よりも強力という設定です。

乗組員が少ないと思った方。大丈夫です。ちゃんと計算しています。

アルペジオのイ401はイオナを除き、5人で運用されていました。
これはオリジナルの伊401の約32分の1です。
宇宙戦艦ヤマトはオリジナルと比べると、約3.34分の1の人数で運用されています。
これを浮沈戦艦紀伊に適応させると約780人になります。この780人を32で割ると約25人。
これはハイスクール・フリートの、大和級の運用に必要な人数の30人を下回っています。
なので、艦の運用に37人、歩兵戦力45人、整備士39人、保安部11人、航空戦力52人、合計184人となります。

兵器の数が多いのは、乗員を大幅に削減できたので、その分、艦の設計に余裕ができたからです。因みに、これでも、()()余裕が有ります。

BBM-01のMは、アメリカ軍でマルチタスクを意味しており、宇宙戦艦紀伊はあらゆる事態を想定している為、これにしました。因みに、BBは戦艦だそうです。

デルタ7はコスモゼロ枠。 TIEアドヴァンスドは、量産性度外視の高性能プロトタイプ。 ガンウィンガー・ガンローダー・ガンブースターは、意外と(分離状態で)搭載可能なサイズの機体でした。(まさかの三機とも、Bウィングよりも小さい) このBウィングは、オリジナルに有った欠陥は有りません。


:感想返信のコーナー:

ヒカリが所属しているのは国連科学技術局、すなわち国連の組織です。   

      →軍
国連政府→→
      →科学技術局

上記のように、軍と技術局は同じ立ち位置に在ります。
そして、ヒカリは科学技術局”長官”です。
つまり、芹沢軍務局長や藤堂行政長官と同じ、国連の人事決定に関与できる立場の人間です。
因みに、”技術局の意見”という形で政治にもある程度関与できます。

こんな立場の人間が、他の高官や幕僚の弱みを握ったらどうなるか… 

ヒカリの言う「ウチの物」とは、国連科学技術局に配属させる、という意味での「ウチの物」です。決して、ヒカリ個人の物という意味ではありません。

ゲシュ=タム機関は波動エンジンだ、という事は認識しています。
しかし、ガミラスでは技術が足りず、ゲシュ=タム機関はある種の”劣化コピー品”のようなものになっていると私は考えています。
そして、コピー品はオリジナルと全く同じかと言われると、そうではありません。
なので、ゲシュ=タム機関から計算し、波動エンジンは恐らくこんな物ではないか?という考察を行うために、ヒカリはゲシュ=タム機関を解析しています。

地球が波動エンジンを作っているのだからガミラスも作れるはずだ、と言う読者の皆様。地球には真田さんが居る事をお忘れなく。



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第5話 始動


今回のお話は前回から少し、時が過ぎているわ。

今はちょうどメ号作戦が実行されている頃ね。

技術局からも応援を出しているし、原作よりもマシな結果になるといいんだけど。



 

【冥王星沖】

 

 

 

:国連宇宙海軍・科学技術局 混成艦隊:

 

:旗艦キリシマ:

 

 

「~より敵艦隊を発見。」

 

「艦種識別。超弩級宇宙戦艦1、戦艦13、巡洋艦37、駆逐艦多数」

 

「敵艦隊より入電。『テロン艦隊ニ告グ。直チニ降伏セヨ。』返信は」

 

「"馬鹿め゛と言ってやれ。」

 

「は、?」

 

"馬鹿め゛だ

 

 

:コンゴウ:

 

「千早艦長。旗艦キリシマからガミラスへの返信です。内容は、馬鹿め。」

 

「沖田さんらしい回答だな。さて、総員戦闘配備。撃ち合いが始まるぞ。」

 

「了解。」

 

 

:ハルナ:

 

「艦長。キリシマからの返信です。内容は、馬鹿め、です。」

 

「ぁあ~もう!あの爺さん、何考えてんだよ!んなの、絶対怒るだろ!」

 

「それも狙っているだろうな。」

 

「流石、沖田司令ですね。実に大胆です。」

 

「大胆過ぎんだろ!」

 

「そうだな。さて、おしゃべりは後回しだ。いおり。機関出力、戦闘出力へ。」

 

「はいな。機関出力、戦闘出力へ。」

 

「よし、総員、戦闘配備」

 

 

そして、キリシマから返信がなされた直後。両艦隊からビームが放たれ、砲撃戦が開始された。

 

    ・

    ・

    ・

 

 

【地球 芹沢 光 執務室】

 

 

「とうとう始まったわね。」

 

ヒカリは一人、執務室でつぶやいていた。

 

「にしても、イスカンダルの波動エンジンがあんなに凄いとはねぇ。ガミラスのゲシュ=タム機関が可愛く思えるわね。」

 

前回の軍の凶行の後。イスカンダルからの最初の使者、ユリーシャ・イスカンダルの来訪が有った。

彼女が地球にもたらした波動エンジンの設計図のおかげで、イズモ計画はヤマト計画へと変更され、脱出艦イズモは長期航海が可能な戦闘艦ヤマトへの改装が行われた。

なお、ヒカリは少し手をまわしてみたが、ユリーシャがテロに巻き込まれるのを防ぐことはできなかった。

 

「おかげで紀伊計画にも修正が必要になったんだけど。 最近までゲシュ=タム機関で動かしていたから、波動エンジンに取り換えるだけでもかなり大変なのに、いろいろと再調整する必要が出てきたからさぁ大変。」

 

ヒカリは真田さんと共に、イスカンダルから提供された波動エンジンの設計図を解析したが、その結果、現在流用されているゲシュ=タム機関よりも高性能である事が判明し、換装する際に再調整しなければならなくなった。

 

「まぁ、ヤマト抜錨には間に合わないでしょうね。 第一、この作戦で手に入る波動コアは一つだけ。コアを量産するには時間がかかるでしょうし、今回は諦めるしかないかしらね。」

 

そう。今回の作戦でサーシャ・イスカンダルが携えてくる波動コアは一つだけ。そして、その一つはヤマトに搭載されることが決定している。つまり、紀伊への波動エンジンの搭載は見送られる事になる。

 

「なんで気付かなかったのかしら。よく考えれば分かった事なのに。」

 

「私もまだまだ、という訳ね。」

 

はぁ~、とため息をつきながら、どうした物かとヒカリが考えていると、突然、電話が鳴り響いた。

 

「何かしら? もしもし。どうかしたの?」

 

≪今、芹沢軍務局長がお越しになっています。長官に話が有るそうです。≫

 

「いいわ。応接室に通しなさい。」

 

≪分かりました。≫

 

「いったい何を話したいのかしら?」

 

 

 

【応接室】

 

 

「うむ。元気そうだな。ヒカリ」

 

「えぇ。健康には気を使っていますから。それで?話とは何のことですか?」

 

「うむ。話というのは波動エンジンの事だ。」

 

「…それがどうかしましたか?」

 

「先ほど、火星から連絡が有った。コアを回収したそうだ。だが…」

 

「コアは一つしかなかった。…ですか。」

 

「そうだ。二人目の使者が持ってきたコアは一つしかなかった。そして、持ってきた本人も事故で亡くなってしまった。」

 

「そうですか。その使者には哀悼の意を示しておきましょう。」

 

「それと、提供されたコアは、ヤマトに搭載されることが決定した。」

 

「当然でしょうね。」

 

「だが、我々としては、技術局の艦、紀伊を遊ばせておく余裕は無い。」

 

「そうですね。なので、我々は紀伊を現状維持の状態で運用「その必要は無い。」…と言うと?」

 

「波動コアならもう一つ、既に我々の手にある。」

 

「? …! まさか!」

 

「そうだ。提供されたコアを調査した結果。それは、最初の使者が乗ってきた宇宙船。そのエンジンに搭載されていたコアらしき物とほぼ同一の物だった。」

 

「あなた方はイスカンダル側への許可も得ず、勝手に解体して調査していたのですか。」

 

「君に話せば、君は反対していただろう。」

 

「当然です。このような、恩を仇で返す様な事は絶対にさせません。というか、使者が自分で帰る事になった場合はどうするつもりだったんですか。未知のテクノロジーを完全に復元できるとは思えませんが。」

 

「心配には及ばない。解体・調査が行われたのは、彼女がテロで意識不明の重症を負った後だ。」

 

「最低ですね。」

 

「何とでも言ってくれて構わん。それだけ今の地球には余裕が無いのだ。」

 

「そうですか。…それで?何が言いたいんですか?」

 

「…分かって言っているだろう。 まぁいい。つまり、先ほど、使者の宇宙船から回収していた波動コアを、紀伊に搭載する事が決定されたという事だ。反対は認められない。」

 

「…そうですか。私も組織の人間です。私にとっても都合が良いですし、命令には従います。ですが、いい気分にはなれませんね。」

 

「先ほども話したが、地球にはもう、そういった事を考慮する余裕は無い。我慢したまえ。」

 

「分かっています。…では、今後の予定を改める必要が有るので、私はこれで失礼します。」

 

そう言うと、ヒカリは応接室を出ていった。

 

「…すまない。ヒカリ。」

 

 

 

【執務室】

 

 

「はぁ~。紀伊を起動させる目途は立ったわ。でも、いい気になれないわね。全く、何勝手に解体してるのよ。イスカンダル側に問いただされたらどうするつもりなのよ。」

 

「もういいわ。この件は諦めましょう。それよりも予定を組みな直さないとね。」

 

ヒカリは思考を切り替え、当初の予定を変更するために各部署に連絡を入れていく。

 

「あら。また連絡ね。今度は何かしら。」

 

≪ヒカリ長官。先ほどコアが届きました。≫

 

「分かったわ。三番ドックの特別格納庫に運んでおいてちょうだい。」

 

≪了解しました。≫

 

「本当に拒否権は無いみたいね。まぁいいわ。やってやろうじゃないの。」

 

    ・

    ・

    ・

 

 

:1か月後:

 

 

【ガミラス・冥王星基地】

 

 

「これは間違いないのか。ゲルフ。」

 

「間違いありません。シュルツ司令。古びた艦に偽装していますが、威力偵察中を行ったポルメリア級が撃沈されています。」

 

ゲルフ・ガンツ基地副司令がヤマトの映像を、ヴァルケ・シュルツ基地司令に見せて報告していた。

 

「ふむ。撃沈されたことに関しては大した驚きはない。最近のテロンであれば、これぐらいは考えられた事だ。問題は…」

 

「この艦のサイズ、ですね。」

 

「うむ。この艦はこれまでのテロンの艦よりも巨大だ。恐らく、我々でいう所のガイデロール級、或いはゼルグート級のような存在なのだろう。」

 

「えぇ、私も同意します。この艦は既存のテロン艦で一番大きい物より、約50%も大きい。ほぼ間違いなく、テロンの切り札だと考えられます。」

 

「見たところ、まだ完全には稼働できていないようだが、それも時間の問題だろう。万が一という事も有る。完全に起動する前に沈めようと思うのだが、どう思う。」

 

「それがよろしいかと。この状態でも敵を沈める能力が有るのですから、完全に起動すればどんな事になるやら。最悪の場合、この星系から追い出されるかもしれません。」

 

「そうだな。ヤレトラー少佐。」

 

「何でしょうか。」

 

「直ちにこの艦に向け、惑星間弾道ミサイルを1発、そして、ありったけの遊星爆弾を発射してくれ。」

 

「それはどういった意図でしょうか。」

 

「本命はミサイルだ。遊星爆弾はそれを隠すためのダミーだ。テロンはもはや辺境の蛮族ではない。ガミラスの敵だ。ミサイルだけでは確実に堕とされるだろう。」

 

「なるほど。遊星爆弾の群れに混ぜて隠すわけですか。確かにそれならテロンをだます事も可能でしょう。」

 

「そうだ。万が一、ミサイルが堕とされても遊星爆弾の群れが残っている。此奴(こいつ)を確実に仕留めるにはこれぐらいは必要だ。」

 

「了解しました。遊星爆弾の方はどれくらい撃ち込みますか。」

 

「無制限だ。撃ち込める限界まで撃ち込め。」

 

「了解しました。」

 

そう答えるとヤレトーラは退室しようとしたが、シュルツに呼び止められる。

 

「ヤレトーラ少佐。そういえばこの間、特大の小惑星を確保していただろう。あれも使用してくれ。」

 

「ザー・ベルク」

 

ヤレトーラが今度こそ退出する。

 

    ・

    ・

    ・

 

シュルツは大量に発射される遊星爆弾と、発射体制に入った惑星間弾道ミサイルを見ながらつぶやいた。

 

「これで仕留められると良いのだが。」

 

 

 

しばらく後。地球では、ヤマト発進の準備をしていた際にこの流星群が観測され、大騒ぎになった。

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

面白いと思っていただければ幸いです。


今後、台本形式だったりそうでなかったりしますが、これは、私がまだ慣れていないので、どんな形が読みやすいのかという実験的な意味合いが有ります。

この時期にはまだ、イオナはいません。

執務室での話は、メ号作戦が終了して約6時間後の話です。

紀伊に使われる波動コアはユリ―シャが乗ってきた船の物となります。
なお、本作では、ユリ―シャが乗ってきた船は波動エンジンとなっています。(原作がどうなのか分からなかった。)

本作の芹沢軍務局長は、娘が居るお陰で原作よりも少し丸くなっています。

地球が原作よりも強くなった結果、シュルツさんに凄い警戒されるようになりました。


:感想返信のコーナー:

台本形式のタグを追加しました。

ゲシュ=タム機関と波動エンジンの関係について、二度のご指摘を受け、以前は情報の海に潜っていましたが、今回は深海まで潜りました。その結果…
はい、同じですね。申し訳ありませんでした。こちらの落ち度です。
なので、「ゲシュタム機関で我慢する」とヒカリが言っていたのは、取り敢えず、状態の良い鹵獲したゲシュ=タム機関を使用する、という意味に、ゲシュ=タム機関を調べるのは、波動エンジンを紀伊に搭載する際のサイズを予想する為、という意味に変更させていただきます。

宇宙戦艦ヤマトの武装はむしろ、原作よりも少し多いです。(ヒカリがちょくちょく協力している為)あくまで少ないのは脱出船イズモの事です。ヤマトはイズモを戦闘艦として再設計しています。因みに、大和にもメンタルモデルがいるので省人化と武装の増加が行われています。


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第6話 ヤマトの抜錨


今回の話はヤマト発進よ。

いよいよね。

この世界における歴史的瞬間に立ち会えるなんて機会、

見逃せないわ。



 

【ヒカリ執務室】

 

 

「いよいよヤマトの門出(かどで)ね。私も(たずさ)わっていたし、愛着が()いてくるわね。しっかり進宙させてあげないと。」

 

「その為にも、ヤマトを狙う惑星間弾道ミサイルはしっかり撃墜しないとね。」

 

原作の事を知っていたヒカリは万が一の備え、起動前のヤマトを守る必要が有ると上層部に進言し、衛星軌道上に複数配備されている要撃衛星の内、数機をヤマト防衛の為に配置していた。

 

「にしても、ヤマトも原作より強力になったわね。」

 

ヒカリは、ヤマトの諸元が記載されている書類を見ながらつぶやく。

 

 

 

:艦種:

超弩級宇宙戦艦

 

:識別番号:

BBY-01

 

:全長:

333.00m

 

:艦体幅:

43.60m

 

:最大幅:

61.77m(安定翼展開時:87.22m)

 

:艦体高:

94.54m

 

:最大高:

99.47m

 

:最大速力(通常航行時):

亜光速

 

:乗員:

594名

 

:メンタルモデル:

デルタコア

 

:主機関:

波動エンジン

 

:副機関:

艦本式コスモタービン改(74式推進機関)×8基・2軸(核融合推進方式)

 

:ハイパードライブ等級:

クラス2.0

 

:兵装:

次元波動爆縮放射機(200サンチ口径)×1門

主砲:48サンチ三連装陽電子衝撃砲塔×3基(第一、第二砲塔のみ実体弾も射撃可能)

副砲:20サンチ三連装陽電子衝撃砲塔×2基(第一砲塔のみ実体弾も射撃可能)

魚雷発射管×12門(艦首および艦尾両舷)

短魚雷発射管×16門(両舷側面)

八連装ミサイル発射塔×1基(煙突部)

ミサイル発射管×8門(艦底)

94式爆雷投射機(マスト付け根)

垂直発射装置×46基

12.7サンチ四連装高角速射光線砲塔×8基

8.8サンチ三連装高角速射光線砲塔×4基

12.7サンチ連装高角速射光線砲塔×8基

7.5サンチ連装高角速射光線砲塔×10基

7.5サンチ三連装速射光線機関砲塔×4基

司令塔近接防御火器×2基

対空高出力レーザーシステム

格納式シルバーシャークG×2基(艦底)

重トラクター・ビーム発生装置

重イオン砲塔×2基

 

:艦載機・艦載艇・艦載車両:

零式52型空間艦上戦闘機 コスモゼロ×2機

99式空間戦闘攻撃機 コスモファルコン×32機(+予備機×4機)

空間汎用輸送機SC97 コスモシーガル×2機

100式空間偵察機×2機

キ8型試作宙艇×1機

90式内火艇×2隻

作業用装載艇×6隻

特2式多目的換装車×6両

 

:特殊装備:

波動防壁、偏向シールド発生装置(光子・粒子、両方搭載)、ナノマテリアル、各種ソナー・センサー

 

 

 

「ただでさえ、原作でも異常な強さを見せていたのに、そこからさらに強くなるなんて。あたしが言うのもなんだけど、ガミラスはご愁傷様としか言えないわね。」

 

原作でも、単艦でガミラス軍を突破して帰ってきた最強の戦艦。宇宙戦艦ヤマト。原作を知る身としては、さらに強化されたヤマトを見てガミラスが可哀想になってくる。

 

「ま、地球をここまで荒らしたのだから当然の報いね。」

 

すると突然、警報が鳴り響いた。

 

≪長官。今すぐ第一作戦室に来てださい。緊急事態です。≫

 

「分かったわ。それで、何が起きたの。」

 

≪ステーション04が遊星爆弾を観測しました。軌道計算の結果、起動準備中のヤマトに向かっています。≫

 

「ヤマト上空に展開させている要撃衛星を使いなさい。」

 

≪展開中の要撃衛星は既に攻撃態勢に入っています。ですが、それでは遊星爆弾の数が多すぎて足りないんです。≫

 

「なんですって。…こっちにデータを送りなさい。」

 

≪了解。≫

 

ヒカリは送られてきたデータを見ると頭を抱えた。

 

「してやられたわね。・・・すぐに向かうわ。ただ、展開中の衛星の配置を、遊星爆弾の軌道の外に置きなさい。万が一、撃ち漏らしが激突して大破したらヤマトを守れなくなるわ。」

 

≪了解しました。直ちに変更します。≫

 

「それから、軍にも連絡しておきなさい。」

 

≪既に報告済みです。≫

 

「そう。それじゃあ、すぐ向かうわ。」

 

ヒカリは通信を切ると、急いで作戦室へと向かう。

 

(本当、してやられたわ。多分、地球の技術レベルが飛躍的に向上した事が原因ね。)

 

(つまりは私のせい、という訳ね。もう少し加減すべきだったかしら?)

 

(…いいえ、やっぱり必要な事だったわ。それに、もう過ぎた事だしこの事は忘れましょう。それより、今起きている事に専念しないと。)

 

 

 

【第一作戦室】

 

ドアが開き、ヒカリが入室する。

 

「状況は。」

 

「流星群、成層圏到達まで後38分です!」

 

「この基地に配備されているシルバーシャークGも全て起動しなさい。説明書はここに有るわ。」

 

「了解。」

 

その指示を受けて、基地が更に慌ただしくなる。

 

「後、砲術科から立石 志摩、歩兵科から五十鈴 華、航空科からリネット・ビショップ、特殊兵科からアイハラ・リュウ、イカルガ・ジョージの5人を呼びなさい。大至急よ。」

 

「それと、ヤマトに連絡を入れなさい。内容は、遊星爆弾は我々に任せてほしい、よ。」

 

「了解しました。」

 

指示を出し終えると、ヒカリもシルバーシャークGの起動作業に加わった。

 

 

 

【ヤマト艦内】

 

 

相原「沖田艦長。司令部から入電。大量の遊星爆弾が本艦に向かっているとの事です。また、ヤマト上空に展開中の要撃衛星が迎撃態勢に入っているが、万が一の事が有る為、可能な限り急ぐようにとの事です。」

 

真田「現在、全世界の電力だけでなく、ドックで修理中の艦の動力も使ってエネルギーをチャージ中だ。これ以上、時間を早めれば起動に失敗する可能性が有る。」

 

相原「新たに入電。技術局からです。遊星爆弾は我々に任せてほしいとの事です。」

 

沖田「うむ。遊星爆弾は技術局に任せ、我々は予定通り起動準備を続ける。」

 

 

 

【第一作戦室】

 

 

立石「うい。」華「ただいま参りましたわ。」リネット「リネット・ビショップ、到着しました。」リュウ「来たぜ、芹沢さん。」ジョージ「俺で最後か。」

 

ヒカリ「来たわね。それじゃあ、状況を説明するわね。」

 

ヒカリは5人に状況を説明する。

 

ヒカリ「で、貴方達に来てもらったのは他でもない、シルバーシャークGの射撃手をしてもらうためよ。」

 

華「射撃手ですか。」

 

ヒカリ「そうよ。人類の希望、ヤマトが狙われているの。一発も撃ち漏らすわけにはいかないわ。」

 

ジョージ「なるほど。だから俺たちが呼ばれたのか。」

 

ヒカリ「えぇ、そうよ。これはウチで上位を争う射撃の名手である、貴方達にしかできない事よ。」

 

リュウ「っしゃあ‼ 俺達で一つ残らず撃ち落としてやる!」

 

立石「うい!」華「はい。」リネット「了解。」ジョージ「おう!」

 

「流星群到達まで後4分!」

 

「要撃衛星が遊星爆弾の迎撃を開始しました。」

 

「間もなく、起動準備が完了します。」

 

ヒカリ「全員、配置について。」

 

それを聞くと、五人はそれぞれのシルバーシャークGのトリガーを握る。

 

「シルバーシャークG、起動準備完了。いつでも行けます。」

 

ヒカリは起動スイッチを手に取り、周りを見渡す。

 

ヒカリ「シルバーシャークG、起動。」

 

カチッ

 

直後、5基のシルバーシャークGにエネルギーが行き渡る。

 

「シルバーシャークG、起動完了!」

 

「ま、間に合った…」

 

「第一陣、すでに射程内です!」

 

リュウ「ここから先は、俺たちの番だ。」

 

ジョージ「あぁ。」

 

「イメージングセンサー、展開。」

 

正面大型ディスプレイに標的が表示される。

 

「光学補正完了。アタックライン、算定。」

 

5人がそれぞれの標的に照準を合わせ、その動きに連動して5基のシルバーシャークGの砲塔が稼働、砲身が(そら)を見上げる。

 

ヒカリ「シルバーシャークG、ファイヤ!」

 

リュウ「いくぞぉ‼」

 

ジョージ「よっしゃあ‼」 立石「うい‼」 リネット「了解!」 華「参ります!」

 

5人が同時に引き金を引き、遊星爆弾の大群に向け、紅白い(あかじろい)光が放たれた。

 

 

 

【ヤマト艦内】

 

 

相原「地上のシルバーシャークGが遊星爆弾の迎撃を開始しました。」

 

沖田「起動まで後どのくらい時間がかかる。」

 

真田「約3分です。」

 

沖田「うむ。そのまま続けろ。起動に成功次第、直ちに発進する。」

 

 

 

【第一作戦室】

 

 

五人が引き金を引くと同時に紅線(こうせん)が放たれ、遊星爆弾が破壊されていく。

 

作戦室に響くのは引き金を引く音と、命中した事を示す電子音のみ。

 

全員が固唾を飲み、静かに見守る。

 

五人の射撃の腕は凄まじく、現在まで一度も外した弾は無く、一発も撃ち漏らしが無かった。

 

だがその時、

 

「ッ!」

 

ジョージが放った一発が外れてしまう。

 

 

が、すかさずリュウが撃ち落とす。

 

ヒカリ「ナイス、アシスト」

 

その後、ジョージはすぐに気を取り直し、再び引き金を引く。

 

「第二陣、残り12%」

 

「冷却機が限界。連続発射のリミットは…」

 

ヒカリ「狙われているのは人類の希望よ。限界まで冷却しなさい。壊れたら新しいのを作ればいいわ。」

 

「第三陣、来ます!」

 

「ヤマトより入電、後3分持ち堪えてくれ、とのことです。」

 

ヒカリ「ヤマトに返信しなさい。もとより全弾撃墜するつもりよ。」

 

「了解。」

 

 

「ん? これは…、長官。これを見てください。」

 

ヒカリ「どうしたの?」

 

「一つだけ、他とは明らかに異なる動きをしている遊星爆弾が有ります。」

 

ヒカリ「…なるほど。これが本命という訳ね。」

 

敵の狙いに気付いたヒカリは、この本命の遊星爆弾を分析する。

 

ヒカリ「やっぱり、明らかに人工物ね。(多分、原作でヤマトを狙った巨大ミサイルね。)」

 

ヒカリ「この標的だけターゲットカラーを変えなさい。」

 

「了解。」

 

すると、無数の標的の中で一つだけ、目立つ色をした標的が現れる。

 

ヒカリ「撃ちながらでいいから聞きなさい。この目立つ標的がターゲットゾーンに入ったら、同時に優先して撃ち抜きなさい。良い? 同時よ。ただし、他の遊星爆弾も有るから一撃で決めなさい。」

 

華「お任せください。」

 

立石「うい。」

 

リネット「分かりました。」

 

ジョージ「任せろ。」

 

リュウ「任せろ!」

 

そして、第三波の迎撃中。

 

「ターゲット。射程圏内まで後20秒。」

 

20からカウントが進み、

 

「5、4、3、2、1、今!」

 

直後、5人同時に照準を合わせ発射。5人はまるで、結果は分かっているかのように、即座に遊星爆弾の迎撃に戻る。

 

そして、放たれた光は同時にミサイルに命中し、ミサイルは爆散した。

 

ヒカリ「流石、良い腕ね。」

 

「長官!ヤマトが、ヤマトが起動完了しました!」

 

ヒカリ「間に合ったわね。」

 

「第三陣、撃墜完了。」

 

「超大型の遊星爆弾が接近。全長、約7㎞。これが最後です。」

 

それを聞き、リュウが照準を合わせようとするが、

 

ヒカリ「ジョージが狙いなさい。」

 

その手が止まる。

 

ヒカリ「これだけ大きな遊星爆弾よ。一撃で粉砕しないと新たに数を増やすだけよ。」

 

リュウ「地球の運命は、この肩に掛かってるって訳か。」

 

ジョージ「地球の…運命が…」

 

ジョージの手がプレッシャーで震える。

 

だが、

 

 

ジョージ「…最高のプレッシャーの中でこそ、最高のシュートが決められるってもんだ!」

 

 

ジョージが気合を入れ直すと、手の震えは止まっていた。

 

 

「目標、ターゲットゾーン突入。」

 

「要撃衛星、並びに全シルバーシャークG、連動完了。」

 

ジョージがゆっくりとトリガーを構え、照準を合わせる。

 

そして、

 

リュウ「シュート!」

 

カチッ

 

5基のシルバーシャークGから同時に光線が放たれ、1テンポ遅れて要撃衛星のシルバーシャークGからも光線が発射される。

 

放たれた光線は一点で収束、一条の光となって遊星爆弾に命中し、爆散、(そら)を真っ赤に染め上げた。

 

 

「   」

 

作戦室が静寂に包まれる。

 

射撃手の五人は次の遊星爆弾に備え、いつでも撃てるように構える。

 

他のメンバーは、何も映っていないディスプレイをじっと見つめる。

 

そして、少しの間を置き、ディスプレイにOPERATION COMPLETION の文字が表示される。

 

「全ての遊星爆弾、撃墜完了。」

 

ヒカリ「…良し。」

 

リュウ「よっしゃあ‼」

 

ジョージ「よっし!」

 

華「やりましたわ!」

 

立石「うい‼」

 

リネット「やったぁ!」

 

遊星爆弾が全て撃墜された事を認識すると、作戦室にいた全員が歓声を挙げて喜んだ。

 

 

「ヒカリ長官。ヤマトと軍司令部から通信が来ています。」

 

ヒカリ「繋げて。」

 

ヒカリがオペレーターに促すと、大型ディスプレイにヤマト艦長席の沖田と、軍司令部にいる藤堂と芹沢が映り、全員(ヒカリ以外)が気を引き締める。

 

沖田 ≪ヒカリ君。ヤマト乗組員を代表して君たちに感謝する。ありがとう。≫

 

藤堂 ≪うむ。我々からも礼を言おう。ありがとう。君たちのおかげで人類の希望は守られた。≫

 

ヒカリ「有難うございます。ヤマトは人類の希望です。決して失うわけにはいかないので、あらゆる事態を想定していた事が功を奏しました。まぁ、当然の結果という事ですね。」

 

芹沢 ≪お前は相変わらずだな。≫

 

ヒカリ「さて、沖田艦長。ご無事で何よりです。」

 

沖田 ≪うむ。≫

 

ヒカリ「藤堂長官。我々も現在ドック入りしている艦の中で、ダメージレベルが低い艦を優先して修理します。」

 

藤堂 ≪ふむ。それは構わないが何故かね。≫

 

ヒカリ「冥王星基地の攻略作戦を実行する為です。可能であれば、ヤマトにも参加していただきます。」

 

藤堂 ≪ほう。≫

 

沖田 ≪ふむ、ヤマトも、か。≫

 

芹沢 ≪それはどういうことだ。≫

 

ヒカリ「今回の件でハッキリしましたが、ガミラスは我々に対する認識を改めているようです。 正直に言ますと、先ほど降ってきた遊星爆弾は我々の想定していた数を遥かに上回っていました。 最悪の状況を想定していたのでギリギリ対応できましたが、恐らく次はありません。 今度は本腰を入れて攻撃してくるでしょう。 例えば、そう、大量の遊星爆弾と共に大艦隊での地球本土へ進攻、などが予想できます。」

 

芹沢 ≪それはあり得る事態なのか。≫

 

ヒカリ「はい。十分にあり得ます。先ほどの攻撃は恐らく遊星爆弾で引き出せる最大火力なのでしょう。ですが、その攻撃は失敗しました。最大火力のロングレンジ攻撃が失敗した場合、次に行うのは?」

 

沖田 ≪…なるほど。確かに直接攻撃しかないな。≫

 

ヒカリ「えぇ、それに、これまでの戦いから察するに、冥王星基地にいる司令官はなかなかに優秀なようです。恐らく艦隊を分散させ、隠密行動で最終防衛ラインにまで迫って来ると考えられます。」

 

藤堂 ≪それはまずいな。≫

 

芹沢 ≪えぇ。それに、警戒システム【スペースレーダー】はまだ未完成、火星周辺までしか敷設(ふせつ)されていない。≫

 

ヒカリ「ガミラスがワープ技術を使えば余裕で飛び越えられます。」

 

藤堂 ≪つまり、ギリギリまで気付くことができないという事か。≫

 

ヒカリ「はい。それ(ゆえ)の冥王星基地の攻略です。彼らが本格的に動き出す前に叩かなければまずい事になります。それに敵は戦力を増強してくるでしょう。万が一という事も有りますので、なので、私としてはヤマトにも参加していただきたいのです。」

 

ヒカリ「すでに作戦の大筋は考えてあります。細かい部分は、今後の状況や皆さんの意見を考慮して煮詰めていきます。」

 

藤堂 ≪うむ。許可しよう。ガミラスの冥王星基地は目下の脅威だ。早急に排除しなければヤマトが帰還するまでの猶予が無くなってしまう。ヤマトも含めた稼働可能な艦艇を全て動員しよう。≫

 

ヒカリ「感謝します。 それでは沖田艦長。作戦が開始されるまでに、訓練や実戦テストを済ませておいてください。ヤマトは作戦が終了し、艦の修理が終わり次第、すぐにイスカンダルへの航海に戻ってもらいます。」

 

沖田 ≪うむ。了解した。我々は艦の各種テストと乗組員の訓練を行いながら冥王星へ向かう。≫

 

ヒカリ「よろしくお願いします。」

 

ヤマトとの通信が終了し、沖田の映像が消える。

 

藤堂 ≪それでは後日、各種情報がそろい次第、作戦会議を行う。≫

 

ヒカリ「了解いたしました。」

 

司令部との通信が終了し、藤堂と芹沢の映像が消える。

 

 

ヒカリ「さて、それじゃあ皆。お片付けの時間よ。てきぱき動きなさい。」

 

ヒカリの号令を聞き、全員でゴチャゴチャになった作戦室の後片付けを開始した。

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

面白いと思っていただければ幸いです。


気が付いたら話が長くなっていました。

最後が少し長かったかもしれません。

ステーション04は、ウルトラマンメビウスに登場した無人宇宙ステーションです。本作では、火星周辺から地球までの宙域の警戒システム「スペースレーダー」の中枢システムが搭載されています。
ただし、まだ完全ではないので警戒網に穴が生じており、応急処置として宇宙機雷ライトンR30マインが敷設(ふせつ)されていますが、それでも、前回のポルメリア級のように警戒網を抜けられることが有ります。

要撃衛星はウルトラマンメビウスに登場する怪獣要撃衛星です。シルバーシャークGや1200ミリ・シンクロトロン砲などの武装だけでなく、シールドも搭載しています。ガミラス戦役中盤頃に完成し、順次、打ち上げ・配備が行われました。

今回の話は、ウルトラマンメビウス第16話 "宇宙の剣豪″をオマージュしています。

今回、ガールズ&パンツァーから五十鈴 華、ストライク・ウィッチーズからリネット・ビショップ、ウルトラマンメビウスからアイハラ・リュウとイカルガ・ジョージが登場したので、タグを増やします。


:感想返信のコーナー:

誤字の指摘、ありがとうございました。

今回、ヤマトの諸元を紹介しました。ところで、これは紀伊も同じなのですが、ミサイルや魚雷は通常弾と侵蝕魚雷、スペシウム弾頭弾などに使い分けが可能なので、実際はもう少し武装に種類が有ります。
因みに、ヒカリが関わっているとはいえ、ヤマトは国連軍の所属なので、大規模な改造はできません。なので、原作より少し武装が増えた程度になっています。

ダメージコントロールについては、特殊装備の中にナノマテリアルが有ると思いますが、メンタルモデルがこれを使用する事でダメージコントロールを行います。
例)装甲に穴が開いた時、その装甲と同じ物を、穴が開いた場所にナノマテリアルで生成して塞ぎます。
(十分な量のナノマテリアルが有り、その気になれば、旧作の不死身の第三艦橋も実現可能。)

本作では、ガミラス戦役序盤からヒカリが介入している為、2196年には戦艦の改修が進んでおり、少しずつですが、ガミラスの技術に追い付き始めていました。 そして、その事に気付いたシュルツが地球侵攻作戦を立案。 しかし、御目付け役の親衛隊が茶々を入れた結果、中途半端な作戦になってしまいます。 その為、地球側に動きを察知されてしまい、地球側は迎え撃つために火星沖に艦隊を展開。結果、カ二号作戦が開始されました。
もし、親衛隊が茶々を入れなかったら、ガミラス艦隊は隠密行動を徹底。ギリギリで気付いた地球側は地球沖に艦隊を展開、激突していました。
一言で言うと、ガミラスによる地球本土進攻作戦が起きていたかもしれなかった。

本作のメ号作戦は、地球艦隊が艦隊の6割を喪失、大破が2割、中破が1割、小破が1割。
ガミラス艦隊は、艦隊の3割を喪失、中破が2割、無傷が5割、という結果になりました。
なお、古代守ですが、残存していた駆逐艦と、数隻の巡洋艦と共に艦隊の撤退を支援。その過程で数隻を撃沈、艦隊の撤退を確認後、生き残っている足止め艦隊と共に冥王星基地へ特攻を仕掛けた。(全艦、帰還が困難と判断されたため)
しかし、冥王星基地の反射衛星砲による、全方位からのアウトレンジ攻撃で全滅。
古代守は生死不明。


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第7話 メ2号作戦


今回の話は少し飛んでメ二号作戦よ。

ヤマトに関してはユキカゼが見つかっていない事、

アステロイドベルトで訓練していた事、

それ以外は原作と同じだからカットよ。



 

2199年 2月14日

 

 

 

 

 

 

 

 

【冥王星沖】

 

 

 

 

そこでは

 

冥王星基地から発進したガミラス艦隊と地球艦隊が睨み合っていた。

 

 

最初に攻撃を始めたのは地球艦隊だった。

 

その後、ガミラス艦隊が反撃を開始。

 

赤や緑、青の光が入り乱れ、あちこちで爆発の光が(まばた)いた。

 

そして、地球艦隊はガミラス艦隊の攻撃を受け、爆発を起こし艦隊から脱落する艦が出始めた。

 

 

 

 

 

:ガミラス主力艦隊:

 

 

「交戦中の第二艦隊より入電。テロン艦隊。敵にあらず。」

 

≪敵が隊列を崩し始めたぞ。≫

 

≪このまま片を付ける。≫

 

≪いいぞ。そのまま押し込め。≫

 

「第二艦隊の圧勝だな。」

 

「我々の出番は無さそうですね。」

 

「ふん。所詮、テロンは辺境の蛮族だったという訳だ」

 

 

 

 

:地球艦隊:

 

旗艦 紀伊

 

 

ココ「…な~んて事を考えてそうですね。」

 

ましろ「いや、流石にそれは無いだろ。」

 

ヒカリ「そう? 意外と有りそうじゃない?」

 

もえか「3人とも。今は作戦中ですよ。それよりココさん。状況報告を。」

 

ココ「はい。現在、巡洋艦5、巡洋戦艦3、駆逐艦12、敵艦隊の約2割を撃沈しました。こちらの残存艦艇はもうすぐ5割を切ります。」

 

ヒカリ「あら、意外と戦果を挙げてるわね。」

 

もえか「離脱した艦の状況は。」

 

ココ「問題ありません。ガミラス艦の索敵範囲外に出た(のち)、擬装を解除、予定ポイントに集結しています。」

 

そう、これまで撃沈された様に見えていたのは全て、ガミラスを騙す為の擬装だったのである。

 

もえか「今のところ、作戦は順調に進んでいますね。」

 

ヒカリ「そうね。」

 

明乃「とりあえず、もう少しあの艦隊の足止めをすればいいのかな?」

 

もえか「うん。艦隊が4割を切ったら次の段階に移って。」

 

明乃「分かった。」

 

ヒカリ「ところで、調子はどうかしら?キイ。」

 

キイ「あぁ、悪くない。寧ろ(むしろ)絶好調だ。 そうだな。 以前を100とするなら今は1000、或いはそれ以上だな。比べ物にならん。」

 

ヒカリ「でしょうね。貴女に搭載されている波動機関のコアはイスカンダルの王族が乗って来た船の物よ。調べてみたけど、ヤマトに搭載されている物よりも高性能だったわ。後、波動機関は相性が良いんでしょうね。」

 

キイ「なるほど。それなら納得がいく。」

 

また一隻、艦が爆炎を上げながら離脱する。

 

ココ「今のでちょうど4割になりました。」

 

もえか「了解。各艦へ伝達。陣形転換。応射しつつ散開、転進。ここが勝負所です。」

 

明乃「本艦は殿(しんがり)を務めます。敵損傷艦に集中攻撃。本艦に敵の注意を集めて。」

 

メイ「よーし!撃って撃って撃ちまくるよ!」 タマ「うぃ。」

 

 

 

 

:ガミラス第二艦隊:

 

 

「テロンには悪いが、初戦で全滅だ。」

 

「敵、更に陣形が崩れます。」

 

「まだ、応射してくる艦がいる。集中砲火を浴びせろ!」

 

 

 

 

:地球艦隊:

 

 

ココ「間もなく友軍の転進が完了します。」

 

明乃「本艦も転進します。リンちゃん!」

 

リン「はいぃ!」

 

明乃「キイちゃんは大丈夫?」

 

キイ「あぁ、問題無い。」

 

もえか「転進後、本艦も集結予定ポイントに向かいます。」

 

 

 

 

:ガミラス第二艦隊:

 

 

「敵の旗艦と思われる大型艦が転進した模様です。」

 

「もう一度確認しろ。」

 

「了解。」

 

「撤退行動でしょうか?」

 

「ふ、勝ったな。」

 

「まだ、立て直してくる可能性も有ります。」

 

「ならば追撃戦に移行する。足の速い先遣隊を出せ。」

 

「了解。」

 

「残りは陣形を整える。全力で追撃するぞ。奴らに休む暇を与えるな。」

 

 

「第二巡洋艦戦隊、加速。 第五駆逐隊、加速。」

 

 

 

 

:試験戦艦ハルナ:

 

 

静「知名(ちな)艦隊。集結ポイントへ向け転進。作戦が第二段階に移行したと思われます。」

 

群像「よし、周辺のミノフスキー粒子散布艦に通信。ミノフスキー粒子を更に散布して濃度を上昇させる。」

 

「了解。」

 

杏平「にしても、今回の作戦はうまくいくのかねぇ。前は結構やられてただろ。」

 

「今のところは大丈夫だと思う。離脱した友軍艦艇は全艦無事だからな。ソウ。艦隊の動きをスクリーンに出してくれ。」

 

僧「了解。」

 

「この動きを見てくれ。知名(ちな)艦隊は集結ポイントに向かっているが、追撃しているガミラス艦隊の進路は知名艦隊の進路とは別の方向を向いている。ミノフスキー粒子の影響で艦隊をロストしたんだろう。」

 

「なるほど。追撃するのに別方向に行ったら意味ないもんな。」

 

「ここまでの動きは全て予定通りだ。それに今回の作戦は知名さんと長官が中心になって煮詰めている。よほどの事が無い限り問題ないだろう。」

 

「散布艦が散布を開始、ミノフスキー粒子濃度、上昇します。」

 

「よし、我々はこのまま敵艦隊を監視する。」

 

「了解。」

 

 

 

 

:ガミラス第二艦隊:

 

 

「先遣隊からの報告です。追撃を続行するも、テロン艦隊の艦影が消失。」

 

「何だと。ジャンプで逃げたのか。」

 

「いえ、純粋に見失ったとのことです。また、偵察の要有りとのことです。」

 

「馬鹿な。レーダーの状況は。」

 

「ダメです。全く映りません。まるで霧の中です。」

 

「通信はまだ回復しないのか。」

 

「はい。レーダーに異常が出た時から本隊との連絡が付きません。」

 

「…艦隊は進路このまま。それから本隊への通信を続けろ。」

 

「了解」

 

「…テロンの奴らめ。 どこに消えた。」

 

 

 

 

:地球艦隊集結ポイント:

 

 

ココ「全艦、集結完了しました。」

 

明乃「了解。全艦に通達。照明を落とし、本艦を先頭に複縦陣。」

 

もえか「冥王星で待機中のヤマトにハイパー通信。作戦を次の段階へ移行します。」

 

ココ「了解。」

 

もえか「目標。敵艦隊主力。ガミラス本隊。」

 

 

 

 

:冥王星海底・ヤマト:

 

 

「旗艦紀伊からの通信です。作戦を次の段階に移行するとのことです。」

 

「敵基地の所在は。」

 

「アルファ1とアルファ2がオーロラの下に隠された敵基地を発見、待機しています。」

 

「うむ。他の航空隊と合流後、合図と共に攻撃させろ。攻撃目標はオーロラ発生装置と駐留している敵艦船だ。その後、航空隊は撤退。本艦が砲撃で基地と衛星砲を破壊する。」

 

「了解」

 

 

 

 

:航空隊(艦隊攻撃隊):

 

 

美緒「む、戦闘の光が見えなくなったな。」

 

ミーナ「作戦が次の段階に移ったのね。」

 

サコミズ「全機、システムチェック。艦隊の攻撃に合わせる。異常が無いよう、しっかり確認しておくように。」

 

バルクホルン「おい、ちょっと待て。あのスピード馬鹿はどこ行った。」

 

 

 

スピード馬鹿(シャーリー)「よっしゃー!あたしのスピードに付いて来られるかー!」

 

 

 

 

:ガミラス主力艦隊:

 

 

「状況は。」

 

「現在、交戦宙域に向け、艦隊の加速は順調です。」

 

「交戦中の第二艦隊は?」

 

「はい。会敵後、我が軍の優勢です。」

 

「うむ。」

 

「それと、レーダーや通信の異常について報告が。」

 

 

ドーン‼

 

 

「む。」

 

「第六戦艦戦隊にダメージです!」

 

「何だと!」

 

「火が見える!」

 

「また光ったぞ。」

 

「上部構造物が損壊。敵の攻撃と思われます。」

 

「しかし、いったいどこから。」

 

 

シャーリー「よし!」

 

 

「艦内で火災が広がっている模様です。」

 

「敵の方位は?」

 

「報告によりますと、4時。」

 

「ッ、巡洋艦戦隊を4時に展開しろ。」

 

「第17巡洋艦戦隊、加速。方位2-0-7」

 

「第二艦隊から断片的ですが、通信が入りました。テロン艦隊をロスト。」

 

「なんだと!」

 

「観測員から直接です。」

 

≪艦影確認、識別不明。≫

 

「僚艦からも緊急通信が来ています。」

 

「む、あれはなんだ。」

 

「12時方向に艦影多数!」

 

「識別信号、不明。友軍ではありません。」

 

 

 

 

:地球艦隊:

 

 

明乃「目標、敵主力、ガミラス本隊」

 

リン「りょ、両舷前進、ヨーソロー。」

 

ココ「ヤマトに通信送ります。」

 

もえか「各艦、最大戦速。攻撃開始。」

 

明乃「全火器、使用自由。」

 

タマ「うぃ。」 メイ「派手にやるよ!」

 

 

 

 

:ガミラス主力艦隊:

 

 

「ッ! 取舵‼ 急げぇ‼」

 

 

 

もえか「てぇー‼」

 

 

 

紀伊は一気に加速。先頭にいたガイデロール級に対し、すれ違いざまに一斉射。ヤマトすらも上回る火力にガイデロール級は為す(すべ)も無く撃沈された。

 

もえか「全艦、このまま敵艦隊を突破。その後、最終段階に移行します。」

 

他の艦艇も加速、至近距離からの砲撃やミサイル、魚雷などで次々と敵艦にダメージを与え撃沈していく。

 

 

「先頭のガイデロール級が撃沈されました!」

 

「敵艦隊、一気に加速。先頭の艦に甚大な被害が出ています!」

 

「応戦しろ! 攻撃を受ければ被害が出るのは向こうも同じだ!」

 

「ダメです! 味方艦との距離が近すぎます! 迂闊に攻撃できません!」

 

「くッ。敵の進路上にいる艦艇を急いで退避させろ!逆に敵艦隊を包囲する!」

 

「了解!」

 

 

ガミラス艦隊は陣形を変え、切り込んできた地球艦隊を逆に包囲しようとした。だが。

 

 

 

ミーナ「ちょうど良いタイミングね。全機、攻撃開始!」

 

 

 

「ッ、熱源反応。下から来ます!」

 

「なんだと! うおッ」

 

 

 

リネット「シャーリーさんの識別信号を確認しました。」

 

バルクホルン「やっぱりか‼」

 

ミーナ「後でお仕置きが必要ね。」

 

美緒「はっはっは。取り敢えず、それは後にしよう。全機、突撃!続け!」

 

 

 

ガミラス艦隊は陣形を整えようとするも、下から航空隊の強襲を受け、混乱状態に陥ってしまった。

 

 

「敵の航空戦力の攻撃です!」

 

「くッ、対空戦闘!」

 

 

対空戦闘が開始されるも既に遅く、連携が取れなくなった艦隊は弾幕を張る事が出来ず、次々と沈められていく。

 

 

「弾幕薄いぞ!何やってる!」

 

「ダメです!混乱状態で連携が取れません!」

 

「おのれぇ。」

 

「敵艦隊、間もなく突破します。」

 

「逃がすな!反転して追撃しろ!」

 

「敵航空機の攻撃が激しく、反転できません!」

 

「何だと!」

 

 

 

ミーナ「全機、攻撃の手を休めないで。艦隊が抜けて反転してくるまで時間を稼ぐわよ。」

 

ハルトマン「ねぇねぇミーナ。艦隊があれだけ暴れたんだし、後は私達で全滅できるんじゃない?」

 

「そうね。でもこの作戦は全滅させる事だけが目的じゃないのよ。」

 

「えっ、そうなの?」

 

バルクホルン「おい、ハルトマン。ミーティングでちゃんと説明していただろ。…まさか、また寝てたのか?」

 

「ソ、ソンナコトナイヨー。」

 

「後でお仕置きね。」

 

「そんな~。」

 

美緒「はっはっは、その話も後回しだ。 ストライクウィッチーズ。正面の戦艦群に攻撃を掛けるぞ。全機、続け!」

 

 

 

「くぅッ、テロンの戦闘機め!ちょこまかとぉ!」

 

「何をしている!全く落とせていないではないか!」

 

「レーダーが使用不可能なのでこれが限界です!」

 

「とにかく撃ちまくれ!」

 

「敵機正面!こちらに突っ込んできます!」

 

「撃ち落とせ!」

 

「迎撃、間に合いません!」

 

「…ここまでか。」

 

 

 

:地球艦隊:

 

 

ココ「敵艦隊を突破しました。」

 

もえか「了解。艦隊指揮権を一時的にコンゴウに移譲、本艦はこのまま冥王星基地に向かいます。」

 

翔像「了解。指揮権の移譲、承りました。 全艦反転。陣形を整えた後、ガミラス艦の鹵獲作戦を開始する。」

 

もえか「リンさん。紀伊の進路を冥王星に向けてください。」

 

リン「了解。」

 

 

 

 

:冥王星基地:

 

 

冥王星基地はヤマトの攻撃を受け、満身創痍の状態だった。

 

シュルツ「ぐぅッ、 被害を報告しろ!」

 

「敵航空機による攻撃で滑走路と航空機発進口がすべて使用不能!」

 

「オーロラ擬装装置も破壊されました!」

 

「ヤマトの砲撃で各施設に被害が出ています!」

 

「反射衛星砲、沈黙!応答ありません!」

 

「ヤマトめ。 侮ってはいなかったのだが、ここまでやられるとは…。 どうやら我々はまだまだヤマトを過小評価していたようだな。」

 

ガンツ「司令。いかがしますか。」

 

「うぅむ…。」

 

シュルツは全ての情報を整理して思考を巡らせる。

 

「…確か、出撃した艦隊とは通信が繋がらないのだったな。」

 

「はい。先遣隊が交戦状態に入ったという報告の後、一切応答が有りません。」

 

(艦隊が戻ってくれば勝ち目はある。だが…)

 

「…これは私の予想だが、艦隊は二度と戻ってこないだろうな。」

 

「私も同感です。一切応答が無いのは流石に異常です。全滅したと捉えるべきでしょう。」

 

「…」 (いったい、艦隊がどんな敵にやられたのかが全く分からない。だが、そいつは間違いなくここにもやって来るだろう。ヤマトだけでもこの有様なのだ。我々に勝ち目はない。()()()()な。)

 

「…基地全職員に通達。総員、近くの艦に乗艦。この基地を放棄する。勝ち目は無くても脱出はまだ可能だ。脱出後、本国に通信。基地を放棄した事を報告する。また、この責任は全て私が負う。急げ!」

 

了解(ザー・ベルク)!」

 

 

基地の兵士は次々に乗艦していき、シュルツ自身もガイデロール級に乗艦する。

 

 

「まだ残っている者はいないか!」

 

「誰もいません!」

 

「よし。発進しろ!全速力で逃げるぞ!」

 

「了解。」

 

シュルツの指示を受け、全ての艦が発進する。

 

(む、あれがヤマトか。)

 

シュルツが視線を下に向けると、冥王星基地に向け砲撃を行っているヤマトの姿が有った。

そして、保管されていた惑星間弾道弾が誘爆したのか、まるで大噴火が起きたかのように基地から火柱が上がった。

 

「もう少し遅ければ、我々はあの中だったかもしれませんね。」

 

「そうだな。それよりも速度を上げろ。ヤマトがこちらに来るぞ。ゲシュタムジャンプの準備が完了するまで逃げるんだ。」

 

そう言った直後、ヤマトが艦首をこちらに向けてきた。

 

「…加速します。」

 

「間もなくゲシュタムジャンプの準備が完了します。」

 

「よし、準備ができ次第…」

 

その時、ガイデロール級の隣にいたケルカピア級の船体が発光すると、機関が停止して宇宙空間を漂い始めた。

 

「何が起こった!」

 

「わ、私にも分かりません。」

 

「お、おい。なんだ、あれは。」

 

「あれは。…そうか、奴が艦隊を。」

 

「に、二隻目のヤマト⁉」

 

「い、いや、ヤマトよりも大きいんじゃないか?」

 

脱出した艦隊の前に現れたのは紀伊だった。

 

紀伊は砲身をガイデロール級に向けると光弾を数発発射。それが命中すると、艦のシステムがすべてダウンした。

 

「あの攻撃は、システムそのものにダメージを与えるのか。」

 

紀伊は宇宙を漂う艦を無視し、残りの艦も行動不能にしていく。

 

「…ここまでか。 各艦に発光信号を送れ。総員、抵抗はせずに投降せよ。諸君らを無駄死にさせたくはない。」

 

「了解しました。」

 

「…はぁ。 テロンがこれ程に強力な存在だったとはな。」

 

「私も同じ思いです。まさか、手加減をしていたのでしょうか?」

 

「あれだけの被害を受けおいて、それは無いだろう。 私が思うに、開戦時は我々の技術力がテロンを上回っていたのだろう。だが、テロンは技術が進歩する速度が異常だった。だから我々は追い越されたのだろうな。」

 

「進歩ですか。確かに初期は一撃で沈んでいたのに、今ではどの艦もシールドで守られていますからね。」

 

「ジャンプもできるようになったな。」

 

「…我々はこれからどうなるのでしょうか。」

 

「分からんな。彼らが知的で文化的であれば捕虜として扱ってくれるだろう。だが、彼らから見れば我々は彼らの星を干からびさせた悪魔だ。もしかしたら酷い目に合うかもしれんな。」

 

「…そうですね。戦争だから仕方ない、で済むレベルではないでしょう。」

 

「状況次第では要交渉だな。」

 

「はい。」

 

「シュルツ司令。二隻目のヤマトが接舷します。」

 

「うむ。乗員には抵抗しないよう伝えてあるな。」

 

「はい。既に。ですが…」

 

「…親衛隊か。…まずいな。」

 

「最悪、銃撃戦になる可能性も。」

 

「君、乗組員に抵抗しないよう、もう一度…」

 

パァン❕  ダダダ、ダ、ダダ❕

 

「今の銃声は…。」

 

「すまんが急いで行ってくれ。そして、テロン人と乗組員の全員に分かるよう、降伏する事を伝えるんだ。」

 

「了解しました。行ってきます。」

 

 

「大丈夫でしょうか。」

 

「どうだろうな。」

 

それからしばらくして、複数の足音が近づき、艦橋のドアが開くと、白い装甲服を纏った兵士が銃を持って突入してきた。

 

「全員、武器を捨てて大人しく投降してください。」

 

「うむ。大人しく投降しよう。 それにしても、我々の言語が話せるのだな。」

 

「はい。みっちり叩き込まれましたから。」

 

「そうか。ところで、親衛隊が勝手をしたようで申し訳ない。」

 

「大丈夫です。こちらに怪我人はいませんから。」

 

秋山「西住殿。艦の掌握(しょうあく)が完了したであります。」

 

みほ「了解。秋山さん。念の為、機関を完全に停止させておいてください。」

 

「了解であります。」

 

「よろしいですね。」

 

「あぁ、それで構わない。そもそも、我々は捕虜の身だ。」

 

「分かりました。では、このまま何もしないでいてください。後はこちらでしますから。」

 

「了解した。」

 

 

「思っていた以上にいい反応でしたね。」

 

「うむ。もう少し手荒いかと思ったのだが…。」

 

「そうですね。おそらく、抵抗さえしなければ良いのかと。」

 

「そうだな。」

 

すると、拿捕(だほ)した艦を連れた地球艦隊が現れ、艦を拿捕していない一部の艦が漂っている艦にドッキングする。

 

「…やはり、艦隊は壊滅していたようだな。」

 

ドッキングが完了してしばらくすると、艦橋から見える景色の星が線を引き始める。

 

「これは…。」

 

直後、艦隊はハイパースペースに突入し、地球艦隊は地球へ帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

:ガミラス第二艦隊:

 

 

「こ、これは…」

 

「基地が…。」

 

第二艦隊はこれ以上の追跡は不可能と判断し、ハルナにちょっかいを掛けられながらも主力艦隊と合流しようとした。

 

しかし、そこには撃沈された主力艦隊だった物が漂っていた。

 

嫌な予感がした艦隊は基地へ急いだが、そこで彼らが見たのは完全に破壊された基地の跡だった。

 

「これからどうすれば…。」

 

「…艦隊を再編。この星系を離脱する。」

 

「よろしいのですか?」

 

「良いも悪いも、この状況では何もできん。戦線を下げた後、本国に連絡を入れて指示を仰ぐ。」

 

「了解。」

 

「…あの状況ではシュルツ司令はダメだろうな。 …はぁ。今度は私がゲールの嫌味を聞かなければならないのか。」

 

 

 

 

ガミラスは太陽系から撤退し、この日から遊星爆弾が地球に降る事は無くなった。

 





最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

面白いと思っていただければ幸いです。


今回の話は機動戦士ガンダムより、ルウム戦役のオマージュです。

ガンダムタグを追加します。

このメ二号作戦の内容は、地球圏のガミラス艦隊を一掃すると同時に敵艦を鹵獲し、鹵獲艦の機関を地球製換装して戦力を増強するというモノです。

戦闘描写は初心者なので、面白くないかもしれません。
色々と研究してはいますが難しいです。
申し訳ないです。
皆さんの脳内で補完していただければ幸いです。

ハイパー通信は、ハイパースペースを用いた通信技術です。銀河の端から端までリアルタイムで通信できるうえに、ハイパースペースを用いているのでミノフスキー粒子の影響を受けず、盗聴もされません。

艦を鹵獲する際に使用した兵器はイオン砲です。

みぽりん達が着ているのは、クローントルーパーのフェイズⅡアーマーで、この世界ではトルーパーアーマーという名でヒカリが開発したものです。
現在では、地球側の標準装備(強化宇宙服の代わり)になりつつあります。
因みに、ヘルメットについて、直接戦闘する事の多い歩兵は原作スタイルですが、そうでない者(宇宙戦艦の乗組員など)は強化宇宙服のように正面が全てバイザーとなっており、パイロットの場合はこの二つの中間的なデザインとなっています。
なお、原作よりも丈夫です。


:感想返信のコーナー:

他にも書きたい作品が有るので、どこかで原作に追いつくと思います。(行けるところまで行きます。)

ヤマトのハイパードライブ等級は、インペリアル級スターデストロイヤーと同じ等級です。

誤字報告ありがとうございます。

本作では、全ての地球艦艇にハイパードライブエンジンが搭載されています。
なので、冥王星までほとんど時間がかかりません。
地球艦艇にはシールドが搭載されているので、損傷が少ない艦はとことん少ないです。(逆にひどい艦はとことんひどい。)そして、あらかじめ整備班がドックに待機していたので(芹沢 光という、この世界の未来を知っている人間がいる)、小破艦から修理していたのも有り、メ二号作戦にしっかり間に合います。


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