平沢姉妹と真鍋和の幼馴染みは軽音部でのんびり日常を過ごす。(完結) (春はる)
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井島 晴(いじま はる)

 

 

家族構成 母、父  三人家族

 

 

1年3組(1話~10話)➡️2年1組(11話~)

 

 

一人称「俺」

 

 

平沢姉妹の平沢 唯(ひらさわ ゆい)平沢 憂(ひらさわ うい)真鍋 和(まなべ のどか)とは幼馴染み。

 

 

 

趣味は料理をする事(特にお菓子を作るのが好き)。

 

専業主婦の母が料理やお菓子作りが大好きで、その影響で料理が好きになった。

 

将来はお菓子も作れる料理人になって、自分のお店を開きたいと思っている。

 

料理の腕前は高く、特にお菓子を作るのが好きな為休みの日によく作っている。作ったお菓子は平沢姉妹と和にあげている。また、休みの日の昼や晩に憂と一緒にご飯を作るの事が多い。

 

幼馴染みの平沢姉妹と和と全員と仲がいいが、特に憂とは一緒にいることが多いため、唯と和の二人以上に仲がいい。

 

理由として、憂も料理をするため二人で行動する事が多いのと、何より小さい頃から唯と和、憂と晴のペアで行動したりと一緒にいたりした為。

 

 

小さい頃に公園で野良犬から、憂を守ろうとしてふくらはぎを噛まれた事がある。その為、ふくらはぎに噛まれた後の傷がある。

 

 

 

部活は、料理部と軽音部の二つに入ってる。

 

軽音部に入部した理由は、料理部と家でお菓子(クッキーやマドレーヌなど)を作ったりしている事を、唯が言った為お菓子を食べたい軽音部メンバーの圧に断れきれなかったから。

 

楽器をしたことは無い為、軽音部内では澪と一緒に皆のフォローをする事がある。…が、基本はお菓子を食べながら演奏しているのを見るか、皆と喋りながらお茶会するのが多い。

 

 

前々から唯のギターを借りながらコードを練習をたまにしていたが、2年に進級してから親が唯と同じギターを買ってきた為、ギターの練習を梓に教わったりしながら本格的に始めた。

 

 

 

 

佐竹 守(さたけ まもる)

 

 

1年3組(1話~10話)➡️2年1組(11話~)

 

 

一人称「俺」

 

 

晴とは同じクラスだが、七瀬萌経由で仲良くなった。

 

仲良くなってから、お昼をよく一緒に食べる仲で、晴経由で、唯と和と仲良くなった。

 

七瀬萌とは恋人同士(中学から付き合ってる)

 

 

 

 

七瀬 萌(ななせ もえ)

 

 

1年2組(1話~10話)➡️2年1組(11話~)

 

 

一人称「私」

 

 

晴とはクラスは違うが、部活(料理部)入部の際に晴と仲良くなる。

 

晴経由で、唯と和と仲良くなりクラスは違うが一緒にお昼食べたりしている。

 

佐竹守とは恋人同士(中学から付き合ってる)

 

晴と同じように小さい頃からお菓子作りが好き。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

桜ヶ丘高校

 

元々女子校だったが数年前から共学になった。まだ数年しか経ってないので男女比で言えば、4:6で女子が多い。

 

 

 

 

 

料理部

 

週二日で活動している。クッキーやマドレーヌなどのお菓子を作る。週二日の為、部を掛け持ちしてる人が多い。掛け持ちしている人は多いが、元々お菓子作りが好きな人が入部しているため、活動日には部員全員が集まる。

 

料理(お菓子)作りが好きな人達が集まってるため、味や見た目が好評で、文化祭のクラスや部活での料理系のお店では一番人気で、売り上げも一番高いお店。

 

 

 

 

第1話から第10話までの料理部の部員数は、晴を含めて九人。

 

三年生 四人  

 

二年生 三人  

 

一年生 二人

 

 

 

第11話からの料理部の部員数は、晴を含めて八人。

 

三年生 三人(先輩A・B・C)  

 

二年生 二人(晴・萌)  

 

一年生 三人(双子兄妹・憂)

 

 



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本編
第1話



本編です。



 

 

~晴視点~

 

 

今日は、数年前から女子高から共学になった桜ヶ丘高校の入学式がある。

 

学校に向かう前に幼馴染みの平沢唯を、迎えに行っていた。行ってると言うより、お隣さんなのですぐに家に着いた。

 

晴(中学の時はいつも和と登校してたのに、何で今日は俺なんだろう?)

と考えながら唯の家のインターホンを押した。でも出てきたのは唯の妹の憂だった。

 

晴「憂、おはよう。唯は起きてる?」

 

憂「晴くん、おはよう。それがお姉ちゃん慌てて学校に行っちゃった…」

 

晴「そうなの?」

 

憂「うん」

 

晴「唯の事だから時間を見間違えたってことかな……」

 

憂「うん。慌ててた時に、"時間が~"って言ってたからそうだと思うよ」

 

晴「分かった。行ってくるね」

 

憂「いってらっしゃい」

 

憂に唯の事を聞いてから学校に向かった。

 

しばらく通学路を歩いてると、後ろから声をかけられた。

 

和「晴、おはよう」

 

晴「ん。和、おはよう」

 

声を掛けてきたのは、幼馴染みの平沢姉妹、そして三人目の幼馴染みである真鍋和だった。

 

挨拶を返すと、和は唯の事を聞いてきた。

 

和「聞かなくても分かるけど、唯は?迎えにいったんでしょう?」

 

晴「和の予想通りで、迎えに行ったらもう学校に行ってたよ。それで憂に聞いたら、慌てて家を出たって言ってたから時間を見間違えた感じだと思うよ」

 

和「やっぱり…。全く変わらないわね、唯は」

 

晴「確かに。……でさ、何で俺に唯を迎えに行かせたの?。中学の時は和と一緒に登校してじゃん。なのに何で今日は…入学式の日に俺なの?」

 

和「それは、唯が言ってきたのよ。"久しぶりに晴くんと学校に行きたい"って言ってたから晴にお願いしたの。それが高校の入学式の日だったわけよ」

 

俺は、唯の迎えに行く事になった理由を聞いて"なるほど"と呟いた。その後も話しながら登校してると学校が見えてきた。下駄箱辺りで人だかりがあり、そこに向かうと新入生のクラス分けが載ってたので、自分の名前を探した。

 

俺の名前は、井島 晴(いじま はる)なので『い』を探した。それで見つけたので、唯と和の名前も探すと同じクラスだった。

 

和「同じクラスなのね」

 

晴「だね。じゃあ唯はもう教室にいるって事か」

 

和「そうね、教室に行きましょう」

 

そう言って教室に向かった。教室に着き中に入ると、俺達を見た唯が和に抱きついていた。

 

唯「和ちゃん、時間見間違えちゃったよ~。晴くんごめんね」

 

晴「大丈夫だよ。そんなの慣れてるから」

 

唯「そんなの⁉️和ちゃん、晴くんがそんなのって言ってきたー」

 

和「でも、いつもの事でしょう。だから言われても仕方ないわよ。特に今日は唯が言ったのに、忘れてたんだから」

 

唯「和ちゃんまで、ひどいよ~!」

 

そう言われた唯は和に"ひどいよ~"と言っていた。しばらく、和と唯のやり取りを見ていると、教室に先生が来た。

 

"そろそろ入学式が始まる"と言われたので、先生の案内された講堂に向かった。

 

入学式が終わった後は、解散となり三人で帰った。

 

 

 

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入学してから翌日、部活の勧誘チラシをたくさん貰ったのを、教室で見ていた。

 

見てみると一枚のチラシに目が行った。

 

晴(料理部……。週二日が活動日で基本的に作るのはお菓子……凄くいい……)

 

俺は料理を作るのが好きで、特にお菓子作りが好きなので料理部に興味が出てきた。

 

料理部の活動日が今日なので、放課後向かうことにした。

 

 

 

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その後、放課後に職員室で部室の場所を聞いて向かった。そこでクラスは違うが、同じ学年の七瀬 萌(ななせ もえ)という女子と仲良くなった。

 

そして部活終わりに、萌(名前を呼び合うことになった)の彼氏で、同じクラスの佐竹 守(さたけ まもる)とも仲良くなって、その日は終わった。

 

 

 

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部活に入部してからしばらく日が経ち、あと一週間で四月が終わる頃になった。

 

 

~昼休み~

 

 

お昼を守と一緒に食べて過ごしていると、唯が大きい声を出しながら俺の所に来た。

 

唯「晴くーん、軽音部の部室に一緒に付いてきてー!」

 

晴「え…え?いきなり何、軽音部?」

 

いきなり唯がそう言ってきたので理由を聞いた。

 

聞いてみると、唯は軽音部に入部をすることに決めたらしい。それで軽音部の部室に向かうのに通る廊下に、オカルト研究会とかの不気味な部活の部室があって怖いため、"付いてきて欲しい"と俺にお願いしてきた。

 

晴「和にお願いしたの?」

 

唯「"用事で行けないから無理"って言われたから、晴くんにお願いしたの」

 

晴「(あ、今日は生徒会があるって言ってたな)分かった、一緒に行くよ。今日は部活はないから」

 

唯「ほんと!ありがとうー、晴くん❗」

 

唯がお礼を言って、俺に抱きついてこようとしてきたので、頭を押さえても動きを止めた。

 

唯「ぶ~、頭押さえないでよ~」

 

晴「だったら抱きついてこないでよ」

 

唯「……憂の抱きつきは止めてないくせに

 

晴「憂のなんだって~」

 

唯「憂ばっかりずるいもん。私だって晴くんに抱きつきたいもん」

 

晴「和に抱きついてばっかりの唯に言われたくないよ」

と、言い返しながら過ごしていると、昼休みが終わる前の予鈴がなったので、自分の席に座った。

 

 

 

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~放課後~

 

 

放課後になり、軽音部に向かうために唯と一緒に廊下を歩いてた。

 

晴「唯は何で軽音部に入部したの?軽音部ってバンドを組んで、ギターとかの楽器を使って演奏するのに。(……まぁ唯の答えは予想できるけど……)」

 

唯「実は……先生から軽音部を聞いたら軽い音楽って言われたから、口笛とかをするだと思ったんだ」

 

晴「(やっぱり)…なるほどね」

 

唯「それでね、ギターとか出来ないから"入部するのやめます"って、伝えようと思ったんだ」

 

向かってる間に、昼休みに聞けなかった軽音部に入部した理由を聞いた。口笛とかをやる部活だと思ってたらしい(唯らしい考えだった)。それでギターとか楽器をやる部活だと思わなくて自分は出来ないから、入部するのをやめるという事を伝える為に行くと、唯から言われた。

 

 

話してると、職員室で山中先生に教えてもらった部室の音楽室に着いた。先に唯が入ろうとしてるけど、なぜか怖がって入ろうとしなかったので、俺が先に音楽室に入ったが誰もいなかった。

 

晴(誰もいない。……もしかしてとなりにある広めの準備室にいるのかな?)

そう考えて、準備室の方に入ると中に三人の女子がいた。三人の内の一人が俺の方に来た。

 

律「もしかしてあなたが平沢唯さん?…いや男子だし、唯って女子っぽい名前だから違う人なのかな?でも男子でも女子っぽい名前の可能性も……

 

俺に名前を確認してきた女子は途中から小さい声で独り言を呟いていたが、聞こえていたので声をかけた。

 

晴「俺は井島晴だよ。その平沢唯って女子は俺の後ろにいる子だよ。俺は、唯に頼まれて一緒に来たんだ」

 

律「あ、そうなんだ。後ろの女子……あ、どんくさい子だ。……とりあえず二人とも中に入って」

 

そう言われたので中に入り、机とイスがあるところに向かいイスに座った。

 

座ってから女子三人から自己紹介をしてもらった。さっき相手してくれた女子が田井中律で、黒髪のロングヘアーの女子が秋山澪、そしてお嬢様みたいな雰囲気を出してる女子が琴吹紬とのこと。

 

三人がしてくれてから唯が自己紹介を始めてその次に俺が自己紹介した。

 

晴「俺は井島晴です。俺の事は晴でいいよ。……軽音部に来た理由は、隣にいる唯にお願いされてきました」

 

律「平沢さんとはどういう関係なの?」

 

晴「唯とは幼馴染みだよ」

 

澪「あ、じゃあ私と律と一緒だ。私達も幼馴染みなんだよ。は…晴は…、部活は入ってるのか?」

 

晴「うん。料理部に入ってるよ」

 

律「へぇ~、なに作るんだ?」

 

晴「特にお菓子を作る部活だよ」

と、俺が入ってる部活の事を聞かれたので、料理部に入部しててお菓子を作ってる事を伝えると、唯が俺の説明を始めた。

 

唯「晴君の作るお菓子は凄く美味しいんだよ!それに料理も美味しくてね。休みの日に作ってくれるからいつも食べてるんだ~」

と、唯の説明に皆は興味津々で聞いていたが、そもそも唯の入部の事を話にきたので、俺は声をかけて話を止めさせた。

 

晴「俺の話は置いといて、唯の入部の話をしないといけないでしょ」

 

そう言うと、律達三人が唯に好きな音楽やギタリストなどを、聞き出したりしていた。俺は質問責めをされてる唯を見守りながら机にあるお菓子を食べていた。

 

 

見守っていると、唯が入部をやめることなどを三人に伝えて、三人はやめさせない為に色々と唯に試していたりと、色んな事が起きた。それでも何も進まなそうだったので、俺が一言だけ皆に声をかけた。

 

晴「軽音部なんだから、一曲ぐらい何か披露したら?」

 

俺がその一言を言うと、三人が"それだ!"と叫んで演奏の準備を始めた。

 

 

そして最終的に、唯は三人の軽音部をやめるのをやめると決めた。なので、俺は先に帰ろうと思い唯に声をかけた。

 

晴「唯、俺は帰るから」

 

唯「え、晴くんは軽音部に入らないの?」

 

晴「…え?」

 

帰るのを伝えると、そんな事を言われた。言われた事に驚いていると、律達も便乗してきた。

 

律「晴も入ってくれよ~」

 

澪「うん。一人でも多く部員がいてくれた方が、ありがたいし」

 

紬「それに晴くんのお菓子を食べてみたいもの」

 

律「あ、確かに。唯が凄く熱弁してたから、私も気になってたんだ。ムギの持ってくるお菓子も美味しいけど、晴のお菓子食べてみたい」

と、唯の一言で皆が入ってくれオーラを向けてきたが、俺は断った。

 

断ると唯が会話に入ってきた。

 

唯「憂に、"晴くんが私のお願い聞いてくれなかった"って、言っちゃうよ。そしたら憂に嫌われちゃうよ。好きな人に嫌われるのは傷つくってどこかで聞いたよ」

 

晴「(それは……、こういう時に憂の名前を出すのは、無いよ……)…唯、そのやり方はないよ…。……はぁ…分かった。入部するよ。帰る前に職員室に行って入部届けだしてくるから」

 

俺がそう言うと、四人は喜んでいた。そして唯以外の三人が、憂の事と俺との関係を根掘り葉掘り聞いてきたが、頑なに答えないようにした。唯も答えようとしたので口を手で塞いで言わせないようにした。

 

律「あ、写真撮ろう。二人の入部記念に!」

 

唯から、憂の事を言わないようにしていると、律が写真を撮ろうと言ってきたので、写真を撮った。

 

その後は俺は職員室に向かった。四人は逃がさないように見張っていたので書きづらかったし、担任の先生も不思議そうに見ていた。

 

担任「掛け持ちになるがいいのか?」

 

軽音部への入部届けを書き終わると、先生にそう言われた。

 

晴「一応、大丈夫です。料理部は週に2日の活動ですし、軽音部の方も入部しても大丈夫と思ったので」

 

俺がそう答えると、先生は"分かった"と言って受理してくれた。そのあと職員室を出て、皆で途中まで一緒に帰った。

 

晴「言っとくけど、俺二つの部活の掛け持ちだから軽音部に毎日行くのは無理だからね。料理部は週に2日の活動があるからそれ以外だったら行けるから」

と、皆に伝えた。それを聞いた皆は"分かった"と、二つ返事で言ってくれたので安心した。

 

 

家に帰った俺は、ご飯を食べお風呂に入ったあとはすぐに寝てしまっていた。

 





3作目です。次の話の投稿は未定ですが、出来上がり次第投稿するつもりです。


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第2話


第2話です。

約一ヶ月ぶりの投稿です。楽しんでもらえたら嬉しいです。

それでは、本編をどうぞ。



 

 

~晴視点~

 

 

唯と俺が軽音部に入部した日から翌日の昼休み。

 

和「え、結局軽音部に入ったの?」

 

唯「うん。どうしても入ってほしいって言われて」

 

俺は和と唯と一緒にお昼を食べていた。その際に、唯は軽音部に入った事と理由を教えてた。

 

和「マジで!?……あ、マネージャーとしてよね」

 

唯「ちゃんと部員としてだよ」

 

和「じゃあギターを買って、やることになるのよね」

 

軽音部に入部した唯に、和はギターの事を聞いた。ギターの事を聞かれた唯は、"貸してくれるよね……?"とか"五千円で買えるよね"とか言っていた。

 

晴(ギターって、確か……結構高いはず……)

と、俺は二人の話を聞きながらギターの値段を考えながら弁当を食べてると、和に話しかけられた。

 

和「しかも、晴も入るなんて……。晴は、何で入ったの?」

 

晴「唯が、俺に軽音部の皆がいる前で、憂関係で言ってきたから……」

 

和「あ、なるほどね。唯の天然の脅しってわけね」

 

晴「そういうこと。しかも唯を含めた軽音部全員とも、俺が職員室に入部届け書くのを見張ってきたから、書きづらかったけど」

 

和「それは……ご愁傷さまね……」

 

和と話している間に、弁当を食べ終わった俺は話を切り上げて、昼休みの予鈴がなるまでの間は守と話をしていた。

 

 

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~放課後~

 

 

放課後になり今日は料理部の活動日なので、唯に軽音部に行けない事を伝え、同じ部員の萌と一緒に向かっていた。

 

萌「いや~、まさか晴っちが軽音部に入るとはね~。これも幼馴染みの唯のお願いなのかな~?」

 

晴「なんていうか……天然の脅しみたいな感じで断れなかっただけだよ」

 

萌「ありゃ、そうなんだ」

 

萌と軽音部に入部した話をしていると部室に着いたので、話を途中で切り上げて部室に入った。

 

晴「先輩、来ましたよ~」

 

萌「先輩~、晴っちが軽音部にも入部したみたいですよ」

 

先輩A「へぇ~。でも確か、軽音部って廃部寸前だったと思うのだけれど……」

 

晴「そうですね……。廃部寸前だったんですけど、俺含めて五人部員が入りました。しかも全員が一年です」

 

先輩A「じゃあ新生軽音部って所かな……」

と、先輩と軽音部に入部した事を話してると、料理部に所属してる部員全員が集まったので、部活が始まった。

 

今日は、放課後の部活活動内で作る事が出来るクッキーを作ることになってる。その為、俺は唯を含めた軽音部の皆の分と、憂と和の分を作ることにした。

 

 

 

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完成したクッキーを持ちながら、萌と一緒に俺は下駄箱に向かっていた。

 

下駄箱が見えてきた時に、軽音部の皆と守が待っていた。守を見た萌は、走り出して守に話しかけた。

 

萌「守、帰ろ!」

 

守「うん。晴、じゃあ先に帰るよ」

 

晴「うん。今日の料理部、クッキー作りだったから萌から貰えるよ」

 

守「お、マジか。楽しみだ」

 

萌「ちょっと、教えないでよ!驚かそうと思ったのに!…さっさと帰るよ。守!」

 

萌がそう言って守の腕を引っ張り帰っていった。残った俺と唯達も帰ることにして靴を履きかえた。履き替えてる途中に、唯がクッキーの事を言ってきた。

 

唯「晴くん!私達の分のクッキー作ってるよね!」

 

晴「そりゃ作ったよ。帰りながら渡すから」

 

唯から言われたクッキーの事に返事をして皆と一緒に帰り始めた。

 

帰ってる途中で皆に作ったクッキーを渡していった。渡し終えてから、皆が待ってた理由を聞いてみた。

 

晴「皆、下駄箱に居たけど、何で居たの?」

 

澪「えっと唯が部室に来た時に、今日は晴が料理部の活動だって言ったんだ。それで帰る時に、晴を待っとけば作ったのを貰えるかもって言われて待ってたんだ」

 

晴「あはは……、そうなんだ。まぁ明日にでも味の感想を教えて。この味が食べたいとか、他のお菓子も食べたいとかあったら教えて。休みの日にでも作るから」

 

ムギ「ありがとう、晴くん」

 

律「クッキーの形、きれいだよな~」

 

澪「うん。しかも見た目だけでも、すごく美味しそうだよね」

 

律と澪が、クッキーの見た目を褒めてくれた。それを聞いていると、俺にムギが話しかけてきた。

 

ムギ「そうだ。今度の休日にギターを見に楽器店に行くの。それで晴くんはその日予定ある?」

 

晴「ううん。休みの日は基本料理してるぐらいだから特にこれって用事はないよ。だから行けるけど、何で楽器店に……?」

 

律「唯のギターを見に行くんだよ。ほら、唯はギターを持ってないから」

 

晴「なるほど。……まぁ、今度の休みね。待ち合わせ場所とか教えて」

 

俺は"行く"と返事をして、待ち合わせ場所や時間を聞いてから、皆と別れて唯と一緒に家まで向かった。

 

向かってる最中に、和に会ったので和の分のクッキを渡した。そのあとに、唯の家に着いたので憂にクッキーをあげるために、家に入った。

 

リビングに向かうと、憂がキッチンで晩ご飯の準備をしていた。

 

晴「憂」

 

憂「あれ?晴くん、どうしたの?今日は一緒にご飯作る日じゃないよね?」

 

晴「うん、作る日じゃないよ。けど、今日料理部でクッキーを作ったから、憂に渡しに来たんだ。これ、ご飯の後とかにでも食べてよ」

 

憂「わぁ、ありがとう。後で食べて感想言うね」

 

晴「うん」

 

憂に渡すと、嬉しそうな顔でお礼を言われた。唯に言われても嬉しいが、やっぱり"憂に言われる方が嬉しいな"と思いつつ、家に帰ることを伝えた。

 

晴「じゃあ家に帰るよ」

 

憂「うん。……あ、晴くん。今度の休みだったよね?晩御飯一緒に作るの」

 

晴「うん。なに作るか決めてなかったよね。今決めとく?」

 

憂「当日に一緒に食材を買いながら決めようよ。考えるのも楽しみの一つだから」

 

晴「それもそっか」

 

俺はそう返事をしてから家に帰った。

 

 

 

 

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~休日~

 

 

しばらく経ち休日になった。俺と唯は楽器店に行くために、一緒に待ち合わせ場所に向かっていた。

 

待ち合わせ場所に近づいた時に、唯が横断歩道で人にぶつかったり、渡りきる前に犬を撫でようとしたりしていた。その度に唯に声をかけたりして時間がかかり、律達が目の前にいるのに全然着かなかった。

 

やっとの思いで数メートル先にいた律達に着いた。皆で集合した後に楽器店に向かった。

 

律と唯が話してる間に、俺は澪にギターの事を聞いた。

 

晴「ギターってどれくらいの値段がするの?」

 

澪「高いやつは10万以上するやつもあるけど、唯に薦めたのは、5万ぐらいのギターを薦めたんだ」

 

晴「やっぱり値段が違うだけでも、ギターの状態って違うの?」

 

澪「うん。安すぎると、色々と心配の要素があったりするんだ。高すぎるのは純粋に高すぎて買えないのもあるから、5万ぐらいのがちょうど良いんだ」

 

晴「へぇ~、そういうもんなんだ」

 

澪「うん、そんな感じだよ。……晴は、ギターとか買わないのか?」

 

澪の話を聞いて"へぇ~"と思ってると、澪がそう聞いてきた。

 

晴「それ、昨日お母さんにも似たような事を言われたけど、料理とかに没頭してるから別に良いかなって思ってるよ。……ただ、ギターのコード?っていうやつは覚えてた方が良いかなって思ってるよ」

 

澪「まぁ、買うかどうかは人それぞれだからいいけど。……何でコードを覚えた方がいいって思ったんだ?」

 

晴「今後、休日とかに唯が"コード教えて"とか言って家に来そうだから、すぐ教えられるようにした方が良いと思ったんだ」

 

澪「あぁ~…なるほど。唯と会ってあまり時間が経ってないけどそれは分かる。……じゃあ楽器店でコードの説明が書いてある本もあるから、おすすめの本を教えるよ」

 

晴「うん。よろしく」

 

楽器店に向かってる間、俺は澪とギターの値段を聞いたり、いろんな話をした。その途中で、ゲーセンなどの色々なお店に寄って、今はファーストフード店でくつろいでいる。

 

晴「……ねぇ、楽器店に行かないの?」

 

俺がそう言うと、皆忘れてたみたいですぐファーストフード店から出て楽器店に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

楽器店は初めて来たので、お店の中を見るのが新鮮だった。

 

唯と澪と律は、三人でギターを見てて、そういう俺も店内を見渡していた。見渡してると、ムギから質問された。

 

ムギ「晴くんは、楽器店に来たの初めて?」

 

晴「うん。俺って料理とお菓子を作るのが趣味だから、行くお店って材料を買いにスーパーに言ったり、ケーキ屋だったりに行くのが多いんだ。だから楽器店に入ったの初めてなんだ」

 

ムギ「確かに、楽器やってない人は入る事はないわね。……そうだ、この間のクッキー美味しかったわ。今度チョコのクッキー食べてみたいのだけれど、作ってもらっても良い?」

 

晴「うん。明日の日曜日に作って、来週に持ってくるね」

 

ムギの質問に答えると、お菓子の要望を言われたので、作ってくる事を伝えた。

 

その後に、澪にコードの説明などが載ってる本を教えてもらいそれを買った。買い終わって唯達がいるギターコーナーに向かうと、律が大きな声を出した。

 

律「バイトしよう!」

 

晴「え、バイト?」

 

律がいきなりバイトと言ってきたので、律に詳しいことを聞いてみた。

 

 

聞いてみると、唯が欲しいギターが25万するギターらしい。そして唯が持ってる所持金は、澪が言ってた最低ラインの5万しかない。同じギターで5万で買えるのもあるけど、25万の方を諦めきれない唯の為に皆でバイトしようということらしい。

 

 

晴「じゃあ、何のバイトするか決めないと」

 

律「まぁ、それは来週の放課後に雑誌を見て皆で決めるって事で」

 

晴「了解」

 

皆でバイトして唯のギターを買える分の金額を稼ぐということになって、今日は解散した。

 

帰る最中に、憂にいつも買い物してるスーパーで待ち合わせのメールを送った。

 

ーーーーーーーーー

 

スーパーに着き、憂と一緒に買い物をしていた。今日の晩御飯は、平沢家で憂と一緒にご飯を作って、唯と三人で晩御飯を食べることになっていた。

 

憂「晴くん、今日は何作る?」

 

スーパー内を回って食材を見ながら、何を作るか考えてた。

 

晴「どうしようか……。お、ニンジンとかじゃがいも安い」

 

憂「あ、本当だ。……ねぇ、晴くん。お肉も今日特売だって。だから買おうよ。」

 

晴「ほんとだ。……これだったら肉じゃがにする?」

 

憂「うん、そうしよう」

 

見て回って、カゴに入れた食材を見て肉じゃがを作ることにした。

 

晴「あと、もう一品欲しいよね」

 

憂「焼き魚……にする?」

 

憂の焼き魚の提案に頷き、作るメニューの食材を買って平沢家に向かった。

 

 

そして家に着き、肉じゃがと焼き鮭を作り始めた。

 

 

作ってる間、唯が"ご飯まだ~"と言ってリビングをゴロゴロとしていた。その当たり前の光景を見ながらしばらくしてご飯が完成した。

 

唯にもご飯を運ぶのを手伝ってもらい、三人で食べてその日は終わった。

 



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第3話


遅くなりましたが、第3話です。

今回はバイトを探すところからスタートです。原作同様、作中の皆はスマホではなくガラケーを持っており、雑誌などでバイトを探すのは一緒です。

では、本編をどうぞ。



 

 

~晴視点~

 

 

唯のギターを見に行った休日……土曜日から一日跨いだ月曜日の放課後。

 

俺は軽音部の部室で、唯達とチョコ味のクッキーを食べながら、バイト雑誌を見ていた。

 

バイト雑誌を見ている理由は、唯が欲しいギターが25万と高いギターだったので、バイトしてお金を貯める話になったので、自分達が出来るバイトを探している所だ。

 

律「それにしても食べたの2回目だけど、やっぱり晴のクッキー美味しいな。ムギ、晴にクッキー作りのお願いしたの……ナイス!」

 

律にそう言われたムギは微笑んでいた。そんな中、しばらくバイトを探してると、律が声をあげた。

 

律「これはどうだ?」

 

律が提案してきたバイトは、ティッシュ配りだった。皆は大丈夫そうな反応だったけど、澪だけいい反応じゃなかった。

 

澪「声をかけて渡すのは無理……」

 

理由を聞くと、そんな返事だった。他にも律が提案をしてきた。ファミレスのバイトなど色々提案してきたが、澪は、"オーダーを聞きに行けない"とかの理由で、"無理"と言っていた。

 

晴「本当に苦手なんだ……」

 

澪「そうなんだよ……」

 

澪の反応をみて、"恥ずかしがり屋なの本当なんだ"……と思った。苦手なんだ……と呟くと、澪から"そうなんだよ"と呟くように返事をされた。

 

唯から聞いていたけど、唯の話し方が大げさだったから、そこまでじゃないだろうと思ってたが、あながち間違ってないって分かった。そんな事を思ってると、また律が声をあげた

 

律「お、これなんかどう?交通量調査っていうやつ」

 

晴「確か、道路を通る車や人の数を計るやつだったよな」

 

律「あぁ、晴の言う通りの内容で合ってるよ。雑誌にもそう書いてあるからさ」

 

律が言ってきたバイトに反応すると律がバイト内容を肯定してくれた。雑誌を見てみるとその通りだった。

 

その後に澪に確認すると、大丈夫と言っていたので、交通量調査のバイトに決まり、その日は解散した。

 

 

 

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家に帰った後に平沢家に向かった俺は、憂に休みの日にバイトをする事とその理由を教えた。

 

憂「お姉ちゃんのためにバイトしてくれるんだ。軽音部の人優しいね」

 

晴「唯が欲しい言ったギターが25万するギターだったから、全然お金が足りなかったんだ」

 

憂「同じので安いのなかったの?」

 

晴「同じギターで5万で買えるのあったんだけど、そっちより高い方に釘付けになってたんだ。一目惚れってやつだね」

 

憂「お姉ちゃんって気に入ると、それ以外に目がいかなくなっちゃうもんね……」

 

そんな会話をしながら晩御飯を作っていた。

 

憂「ねぇ晴くん。そのバイトって一日なんだよね?」

 

晴「うん。そうだけど……」

 

憂「じゃあ、お昼ご飯分のお弁当を作ろうよ。軽音部の皆さんのお礼ってことで」

 

晴「そうだね。唯のギターの為にバイトしてくれるもんね」

 

憂とそんな話をしている内に晩御飯を作り終えたので、お皿に料理を盛ってテーブルに置いて唯と憂と俺の三人で晩御飯を食べた。

 

 

 

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~バイト当日~

 

 

 

朝早くに唯の家に来た俺は皆で食べるお昼を、憂と一緒に作っていた。

 

 

出発する時に憂は唯にお昼のお弁当を渡した。そして二人で行こうとした時に、憂が声をかけてきた。

 

憂「晴くんの好きな卵焼き、多めに作っといたからね」

 

晴「お、ありがと。憂」

と、言って頭を撫でてあげた。

 

憂「えへへ~。良かった、喜んでくれて……」

と、言った憂は照れながらも大人しく撫でられたままでいた。

 

撫でた後に、唯と集合場所に向かった。

 

 

 

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バイトをする場所に着いて説明を受けてから、まず俺と澪がペアでやることになった。

 

 

横並びのパイプ椅子に座ってバイトを始めた。

 

しばらくしていると、澪が話しかけてきた。

 

澪「一つ気になってた事聞いて良い?」

 

晴「うん。いいけど……」

 

澪「憂って子はどんな子なんだ?前に晴が入部する時に唯が言ってたけど。その時から気になってたんだけど……」

 

カウンターを"カチカチ"と押して答える

 

晴「あぁ~……、憂は唯の一個下の妹なんだ。それで俺の片想いの相手だよ」

 

澪「唯の妹……(唯と似た性格の妹かな?)」

 

晴「澪の想像と違って、憂はしっかり者で真面目でいい子だよ。唯とは正反対の性格なんだよ」

 

澪「何で私の考えが分かったの?」

 

晴「今まで、唯や俺とかの知り合いで、唯の妹って言うと必ずって言って良いほど、唯と一緒の性格って思い浮かべる人がほとんどだったからだよ」

 

"カチ"と押す。

 

澪「あ、そ…そうなんだ……。何でその憂ちゃんの事が好きになったんだ?」

 

 

晴「平沢姉妹と、あと真鍋和って幼馴染みの女子がいるんだけど、和と唯の二人、憂と俺の二人で一緒にいることが小さい頃から多かったんだ。それで一緒にいる内に好きになった感じかな…」

 

澪「そうなんだ…」

 

澪とそんな会話をしながら時間になるまでカウンターを押していた。

 

 

 

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~お昼~

 

 

 

晴「はい。今日は俺と唯の妹の憂が一緒に作ったお弁当を持ってきました。皆どうぞ~!」

 

律「おぉ~、スゲー美味しそう!」

と、律が言ってから皆が食べ始めた。

 

ムギ「唯ちゃんの前に言ってた通りで、凄く美味しいね」

 

澪「確かに、唯が力説してたの分かるほど美味しい」

 

食べ始めると皆は"美味しい"と笑顔で言いながら食べてくれてるから、作った側の俺は凄く嬉しかった。それを見ながら俺は卵焼きを食べた。

 

晴「ん~、やっぱり憂の作った卵焼き美味しい……」

 

憂が作った卵焼きや、他のおかずを食べたりして時間が過ぎて言った。食後に、ムギが持ってきていたお菓子を食べた。

 

晴「……!めっちゃ美味しいんだけど……!これどこのお菓子!?」

 

ムギ「毎回貰うお菓子が多くて、それで家にあったのを持ってきただけだから何処の銘柄までは覚えてないの。晴くんごめんね……」

 

晴「(沢山お菓子とか貰うって凄いな……)……ううん。大丈夫だよ。……高級なお菓子なのは確実だと思うけど、スーパーとかお菓子屋の材料売ってるお店回って作りたいな……

 

ムギ「晴くん?」

 

晴「ねぇ、ムギ。この同じお菓子ってまだ家にある?出来ればお菓子の箱とかに材料書かれてるラベル?とかあれば助かるけど……」

 

ムギ「え、うん。お菓子自体あるし、材料が書かれているのもあったと思うけれど……。それがどうしたの?」

 

晴「ちょっと再現というか、当然完全とはいかないと思うけど、似た感じのこのお菓子作ろうと思って……」

 

唯「ほんと、晴くん!?」

 

ムギ「そんなことが出来るの?」

 

晴「材料的に用意できない物もあると思うし、代わりになる材料も用意できないかもしれないけど、ちょっと作るのを挑戦したいなって」

 

唯「楽しみだな~」

 

俺がお菓子の事を言うと、唯が凄い笑顔で楽しみしていていた。

 

ムギ「じゃあ週明けに持っていくわね」

 

晴「うん。ありがとう」

 

持ってきてくれると言ってくれたムギにお礼を言った。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

午後になり、午前との組み合わせを変わってバイトをして1日が終わった。

 

晴「明日もバイトもあるんだよね」

 

ムギ「ええ。だから明日も……「お菓子宜しくね!」……」

 

ムギの言ってる最中にお菓子宜しくと大きな声で唯が言って皆に苦笑いしてしまった。

 

ムギ「頑張ろうって言おうと思ったんだけど」

と、ムギに言って唯も"あはは……"と苦笑いしていたが、唯と一緒に歩いて帰り始めた。

 

帰る時に唯が皆に"ギターを買ったら毎日練習頑張る"と宣言していた。それを言って唯は先に歩いて帰っていたので、俺は律達に手を振ってから唯を追いかけて帰った。

 

 

そして次の日もバイトをして、最終的に一人八千円のバイト代を貰った。全員分を合わせても唯の欲しい値段のギターには届かないので、また別のバイトを探すかとなってると静かになってた唯が口を開いた。

 

 

唯「このバイト代はみんな自分のために使って!自分で買えるギターを買って、それで早く練習して皆と演奏したいんだ。だからまた楽器店に付き合って貰ってもいい?」

 

唯の言葉を聞いた俺と皆は承諾した。

 

唯「ありがとう。晴くん帰ろ!」

 

晴「うん。皆、じゃあね」

 

唯と一緒に帰ろうとした時に、唯が変なダンスをして律達を見たら苦笑いしていた。俺は唯の手を引いて家に帰った。

 

 

 

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~平日~

 

 

~放課後~

 

 

バイトした休日から日が経ち、平日の放課後になり楽器店に着いた。

 

唯が買える金額のギターが置いてある場所に向かってると、唯が一目惚れした高いギターの前で止まってしまった。

 

晴「唯、やっぱりそのギターの方が買いたい?」

 

唯「うん……」

 

俺が"買いたい?"と聞くと頷いていた。

 

澪「よっぽど欲しいんだな、唯は」

 

晴「唯って気に入ると、それ以外に目が行かなくなっちゃうのが殆どだからね。まぁそれだから今も諦めきれないって事だと思うよ」

 

律「なるほどな。じゃあまたバイトするか」

 

ムギ「ちょっと待ってて」

 

律が"またバイトをするか"と言った時にムギが"待ってて"と言って店員さんの方に向かっていった。

 

 

しばらくしてると、値段が五万になり唯は欲しかったギターを買えた。安くなった事に驚いてると、ムギの家の系列のお店だからと言われた。

 

晴(やっぱり、ムギはお嬢様なんだな……)

と思いながら、唯がギターを買えた事でその日は解散となった。帰る前に、ムギからバイトで話していたお菓子とその材料が書いてあるラベルを貰ってから、家に帰った。

 

 

 

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~翌日~

 

朝、唯は和と一緒に学校に向かってたので、俺は途中まで憂と一緒に登校していた。

 

憂「それでね昨日の夜、お姉ちゃんが嬉しそうに声を出してたから、ちょっとうるさかったんだ。しかも、今日の朝お姉ちゃんを起こしに行ったら添い寝してたんだよ……!」

 

晴「まぁ喜ぶのは分かるよ。昨日ギターを買った時の唯は凄く笑顔だったからね。でも添い寝は予想外だね」

 

憂「うん。添い寝はビックリしたよ!」

 

憂と一緒に唯の話題で盛り上がりながら通学路の分かれ道についたので、そこで憂と分かれて学校に向かった。

 

 

 

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~学校・放課後~

 

 

授業が全て終わって放課後になったので、軽音部の部室にいた。部室では澪と唯がギターの事で話していた。

 

澪「まだ練習してないの?」

 

唯「うん。キラキラしてピカピカしてるから触るのが怖くて~」

 

澪「それは分かるよ。……それにギターについてるフィルム外してないもんね」

 

二人が話してるのを聞いていた。澪が言ったフィルムを見てみた。

 

晴(初めて買った時のガラケーの画面についてるフィルムみたいなやつかな。……唯は外すのに踏ん切りが付かない感じだろうけど)

と、思って唯のギターのフィルムを掴んだ。

 

唯「晴くん?……あぁー!?」

 

唯が俺の名前を呼んだが気にせずフィルムを剥がした。剥がすと、唯が大きな声で叫んだ。涙目になってる唯に伝えた。

 

晴「今日の晩御飯は、唯の好きなおかずいっぱい作るし、明日クッキーを持ってくるから」

 

澪「それで機嫌が直るわけないと思うけど」

と、澪が俺が言った事に突っ込んできたが唯の機嫌が直り"やる気が出た"と言ったのを見て澪は驚いていていた。

 

澪「うそ……機嫌が直った……」

 

晴「唯はこうでもしないと踏ん切りが付かなくて練習とか何かしらの行動がつかないと思って剥がしたんだから」

 

澪「な、なるほど……。さ…流石、唯の幼馴染みだな」

と、澪は俺の言葉にそう呟いていた。

 

その後に、唯がライブのみたいな音の出し方などを聞いて、澪がアンプというのを使うことを教えていた。

 

唯が試しにアンプにコードをさして音を出していた。

 

唯と俺はそれを聞いて、一緒のタイミングで"おぉ~"と言ってしまった。

 

唯「かっこいい……」

 

澪「やっとスタートだな」

 

晴「まぁ皆で頑張って活動しようよ」

と、俺が言うと律が"目指せ武道館ライブ!"と言っていた。

 

 

その後に、唯がコードをアンプから外した時に大音量の音が出てきたのでビックリして耳を塞いでしまった。

 

"音量を下げずに、アンプからコードを抜いたのが原因"と、澪が教えてくれた。

 

それを聞いた唯は"早く教えて"と言っていたのを見て、俺も凄く共感して頷いた。

 

そんなこんながあった今日はそれで終わった。

 

 



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第4話

前回から1ヶ月と20日ぐらいになりましたが、第4話です。遅くなりました。

後書きにお知らせを書いてますので、そちらも本編に続き読んでいただければありがたいです。


では、本編をどうぞ。


唯のギターの件からしばらく経ったある日。

 

軽音部の部室で作ってきたクッキーを食べながら、俺は気になっていた事を軽音部の皆に聞いてみた。

 

晴「あのさ、気になったんだけど……。軽音部に顧問は居ないの?」

 

澪「あ、そういえば……。うん、居ない……」

 

律「確かに居ないな……」

 

前から気になっていたのは、軽音部の顧問の事だった。料理部の活動がある時は必ず顧問はいるのに、俺が軽音部の部室に来ても顧問を見かけない。その事を聞いてみたが、顧問は居ないと言われた。

 

晴「じゃあ、誰が顧問になってくれるか先生に聞かないと……」

 

澪「顧問をお願いするってなると、山中さわ子先生かな……。音楽の先生だし、それにクラスの人が話してるのを聞いたけど、吹奏楽部の顧問らしいからぴったりだと思うよ」

 

ムギ「でも、もうすぐ中間テストだから、そろそろテスト期間になるでしょう。先生達も忙しくなると思うから、お願いするのはその後の方がいいと思うけど」

 

晴「あぁ~、確かに。落ち着いてからの方がいいかもね」

 

ムギの言葉に"確かに"と言いながら共感した。その為、軽音部の顧問の事は、テスト終わりに話すって事になり解散になった。

 

 

 

 

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~帰り道~

 

 

 

軽音部が終わって、和と唯と俺の三人で帰っていた。

 

 

和「中間テストの勉強はしてる?」

 

三人で帰ってると、和がテストの事を聞いてきたから答えた。

 

晴「俺はしてるよ。……唯はしてないと思うけど……」

 

唯「晴くん、私だってちゃん勉強してるよ!ほら、コードの勉強を……へ?中間テスト……テストあるの⁉️」

 

晴「部室で俺と澪とムギの会話に出てたの、聞いてなかったの?」

 

唯「いや~、晴くんの作ってくれたクッキーが美味しくて、話は聞いてなかったよ」

 

和「はぁ……。今度こそ、ちゃんと勉強しときなさいよ。中学の時は試験勉強なんてしてなかったからね」

 

唯「だったら大丈夫だね!」

 

和「いや、大丈夫じゃないけど…」

 

晴「あはは……」

 

唯の能天気な言葉に、いつも通り苦笑いしながら三人で帰った。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

しばらくして中間テストが全て終わった。

 

今日はテストが終わった日の翌日。

 

俺は料理部に向かっていた。

 

テスト終わりに一斉に部活が始まるから、料理部と軽音部の両方が重なってしまったが、唯達に"今日は料理部に行く"と伝えていた。

 

部室に着いて中に入った。けど、部室にはまだ全員集まってなかったので、他の部員が来るまでのんびりして待っとこうと椅子に座った。すると、先に来ていた萌からテストの事を聞かれた。

 

萌「ねぇ、晴っちはテストどうだった?」

 

晴「高校になってからテスト内容が難しかったけど、何とか高得点取れたよ。萌の方は?」

 

萌「私も守も、平均点以上の高得点を取れたよ。イエイ!」

と、ピースサインをして教えてくれた。それに"そうなんだ"と俺は呟いた。

 

萌「で、和と唯はどうだったの?」

 

晴「あれ?二人から直接聞いてないの?」

 

萌「うん。今日は、私と同じクラスの友達と一緒に居たから、話聞いてないんだ」

 

萌のテストの点数の事を聞いた後に、和と唯のテストの事を聞かれた。唯達と仲がいい萌が俺に聞いてきた事に疑問に思い"直接聞いてないの?"と聞いた。すると"クラスの友達と一緒に居たから"と教えてくれた。

 

晴「あ、そうなんだ。……えっと、和は俺と萌と同じ感じで点を取ってるよ。ただ、唯の方はクラスで唯一追試だったよ」

 

萌「ありゃ~、もしかして勉強してなかった的な感じ?」

 

晴「そういう感じだよ」

 

顧問「よーし、皆集まったから部活始めるぞー」

 

二人と話してると、先生が声をかけて来たので先生の方を向いた。

 

今日は、お菓子は自由という事なので、俺は交通量調査のバイトでムギが持ってきてくれたお菓子のモドキを作ることにした。

 

 

俺は、準備を始めて作り始めた。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

~部活終わり~

 

 

下校時間になり、俺は生徒会終わりの和と一緒に帰っていた。帰りながら俺が今日部活で作ったお菓子の話をしていた。

 

和「今日は、何のお菓子作ってたの?」

 

晴「前に皆でバイトした時に、ムギが家から持ってきたお菓子を再現しようと思ってて、そのお菓子モドキを作ってた」

 

和「ムギ……、軽音部の人だよね?」

 

晴「そうだよ」

 

和「それで、そのお菓子の再現は出来たの?」

 

晴「出来てない」

 

ムギの事を聞かれて答えながら、お菓子が出来てない事を教えると、和は"え?"という顔になっていた。

 

和「出来てないの?意外と再現をするの難しいの?」

 

晴「……そのお菓子って高級なやつなんだ。だから用意するのが難しい材料とかあるんだ。でもま、他の材料を代わりに作ってて今日の部活で完成に近づいたよ」

 

和「だから、まだ完成はしてないのね」

 

晴「そうなんだよね。あと一つ材料を入れたらちゃんと完成しそうなんだけど、それが分からなくて悩んでる感じかな」

 

和「そう。……私は、お菓子作りにそこまで詳しくないから助言は出来ないわね。まぁ完成したら私にも食べさせてよ」

 

晴「うん、分かってるよ」

と、会話しながら家に帰った。

 

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

 

唯がテストの追試が決まってからしばらく日が経ち、追試の前日になった。

 

唯「澪ちゃん助けて!」

 

放課後に部室に過ごしていると、家で追試のための勉強とかをしていたはずの唯が、澪に助けを求めていた。

 

何でも誘惑が多くて中々勉強が捗らなかったらしい。

 

ほっとく事も出来ないし追試も駄目になったら部活も出来なくなるかも知れないので、唯の勉強を見るというなので、荷物を持って唯の家に向かうことになった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

唯の勉強に付き合うために澪達と一緒に唯の家に向かっていた。

 

 

澪「いきなり皆で押し掛けて大丈夫なのか?」

 

唯「今日はお父さんが出張でね。お母さんも付き添いでいないから気兼ねしなくていいよ」

 

澪「そうなんだ」

 

唯「妹は家に帰ってきてると思うけどね」

 

律・ムギ(唯(ちゃん)の妹……)

 

澪(唯の妹。確か、晴は真面目でしっかりした子って言ってたっけ……。でも唯の影響で全然そのイメージが出来ないんだけど……)

 

晴(家に着いたら、憂にお菓子モドキのあれを聞いてみるかな。他の人に聞いたらヒントが出るかもしれないし)

 

唯から妹が家にいる事を聞いた時に、皆が静かになったから皆が考え事をしてるんだと思った。そういう俺はお菓子の事を憂に聞こうと考えながら、平沢家に皆と向かっていた。

 

 

 

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~平沢家~

 

 

 

唯「ただいまー」

 

憂「お姉ちゃんお帰り。……あ、もしかして軽音部の皆さん?はじめまして、妹の平沢憂です。いつも姉がお世話になってます」

 

澪・律・ムギ((出来た子だー!))

 

憂は挨拶をした後に、律達にスリッパを出してちゃんと対応していた。家に上がった皆は唯の部屋へと向かっていった。

 

憂「晴くん、お帰り」

 

俺が靴を脱いで上がったら、憂がそう言ってきた。

 

晴「うん、ただいま」

 

憂の言葉に"ただいま"と伝えた。

 

俺にとって平沢家は、もう一つの実家みたいなものだから、いつもお邪魔する時は"ただいま"と言っている。

 

 

唯の部屋に行く前に憂に声をかけた。

 

晴「あとでキッチン使ってもいい?」

 

憂「晩御飯を作るには少し早いから、お菓子作る感じなの?」

 

晴「うん、そうだよ。今さ、元々あるお菓子を再現してるんだ。完成に近づいたけど、最後の最後で中々完成しないんだ。まだ物足りない感じなんだ。あと一つでも材料入れれば味が決まって完成すると思うんだ」

 

憂「私にも手伝ってほしい感じ?」

 

晴「うん。憂にも手伝ってもらったら完成するかもしれないし」

 

俺がそう言うと、憂は"分かったよ"と言ってくれた。憂の返事を来てから、唯の部屋へと向かった。

 

部屋に入ると、ちゃんとノートなどを出して勉強をやる体制になっていた。俺はとりあえず部屋に荷物置いた。

 

荷物を置いてすぐに憂がお茶とお菓子をもって部屋に来た。その時に憂の事についての話になった。

 

律「憂ちゃんは何年生?」

 

憂「中三です」

 

澪「じゃあ受験生だ。どこの高校を受けるのか決めてるの?」

 

憂「桜ヶ丘高校を受けようかと思ってます。……けど私でも受かるかどうか」

 

律「唯でも受かったから大丈夫でしょ。何なら唯から勉強を教えてもらえば?」

 

憂「それは……私一人で頑張ります。それに晴くんから教えてもらって頑張りたいですし……」

と、どんどん語尾が小さくなっていった。律は唯に当てにされてない感じで言うと憂はすかさずフォローをしていた。

 

 

ムギ「晴くんは、憂ちゃんから頼りにされてるんだね。」

 

晴「頼りにされるのは嬉しいよ」

 

ムギに言われた事に答えてから、俺は皆に声をかけた。

 

晴「俺はちょっとキッチンの所に行くから、唯の面倒をよろしくね」

 

律「お、お菓子作るのか?」

 

晴「今日で完成するか分からないけどね。」

と言って、キッチンに憂と向かった。

 

ーーーーーーーーー

 

 

皆に一言断ってからキッチンで、憂と一緒に俺が作ってるお菓子再現作りを始めた。

 

晴「それでね、このお菓子がそうなんだ」

と言って、家と料理部で作って完成させたやつを憂に見せて、まず憂に食べてもらった。

 

憂「……うん、凄く美味しいよ!これでもいいと思うけど。本物のはどんな味か確かめたいから食べてもいい?」

 

晴「うん。本物の方はこれだよ」

 

本物のお菓子も出して食べてもらった。

 

憂「……うん。確かに晴くんの再現したお菓子、どこか物足りないね」

 

憂も俺と同じ感想だった。それを聞いてから二人で家にある材料を使って作り始めた。

 

 

作ってる間、唯の部屋から律の大声や澪の"うるさい!"という声が聞こえていた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

憂と一緒にお菓子を作り始めてしばらくして、俺は声を出した。

 

晴「やっと、出来たー!」

 

憂「やったね!晴くん❗」

 

お菓子再現がうまく出来た。試行錯誤しながら作り続けて完成した。本家の物と近くて味も物足りるように出来たので、憂とハイタッチして喜んだ。

 

喜んでいるとインターホンがなった。憂が出ると、平沢家に来たのは和だった。

 

和が家に来たのは、勉強を頑張ってる唯にサンドイッチを作って差し入れとして、持ってきたみたいだ。俺もお菓子が完成したので、お菓子を差し入れとして唯の部屋に和達と向かった。

 

部屋に入り、サンドイッチとお菓子を机の上に置いた。サンドイッチを、一つもらうと美味しかった。自分が作ったお菓子を食べてもらうと、皆から美味しいと言ってくれた。ムギからは本物と凄くそっくりで美味しいとお墨付きをもらった。

 

食べてる間は、唯と和の昔話をしていた。その後に勉強が再開した。

 

 

しばらくして勉強が終わり、あとは本番で唯がミスしなければ大丈夫の状態になったので、解散となった。

 

 

 

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~追試結果~

 

 

今日は追試の、テストが帰ってくる日だ。

 

律は普通だったが、澪はそわそわしていて、ムギに至ってお茶をコップに注ぎ続けていて溢れしまってた。それを見た瞬間に声をかけて止めさせた。

 

そういう俺はあまり心配はしてなかった。昔から唯は一つの事を集中してやると上達するから、今回のテストは100点を取る予感がしていた。

 

そして待ってると、部室のドアが開き唯が入ってきた。顔をうつむかせて入ってきたから澪達は心配していたが、唯は震えながら採点された答案を見せて、一言呟いてきた。

 

唯「100点取っちゃった……」

 

澪「極端な子⁉️」

 

晴(やっぱり……)

 

唯が100点を取ったことに澪が大声を出して驚き、律とムギも声を出してなかったが、凄く驚いている顔をしていた。

 

澪「でも、追試は何とか出来たから、やっとバンドの方に集中出来るな。唯、コードは覚えてるよな」

 

唯「うん!……あれ?」

 

澪「……もしかして忘れたの……?」

 

唯「ずっと、勉強でXとかYとかやってから~」

と、唯が言った事に澪は大声を出していた。

 

晴「まぁ何とかなったから、次は顧問だよね」

 

ムギ「明日の部活で皆と話し合う感じよね?」

 

晴「それでいいと思うよ」

と、ムギと話ながら唯と澪のやり取りを見て放課後を過ごした。

 




次回は、顧問の話を書いてその後に夏休み編を書こうと思います。


~お知らせ~

活動報告にも書きましたが、まず書くストーリーの変更をします。本小説のあらすじに、第一期と第二期と映画の話を軸に書くと記載しましたが、それを変更してアニメ第一期のみのストーリーを軸に書くという事にしました。

申し訳ありません。

ですので、アニメ第一期を軸に主人公と憂を付き合わせてアニメ一期の最終回の文化祭まではしっかり書きますので、気長に待ってくださればありがたいです。

よろしくお願いします。


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第5話

前回の投稿から1ヶ月以上過ぎてしまいましたが、第5話です。

今回は文字数が、前回より少ないです。前回が4825文字、今回は2461文字と前回より半分ぐらい少なくなっていますので、物足りない等と思うかもしれませんがご容赦ください。

では、本編をどうぞ。



唯の中間テストの追試も終わって、やっと日常が戻った。

 

そんな日の放課後、軽音部の部室で皆とお菓子を食べつつお茶会をしていた。

 

唯「ん~~、おいしい~!」

 

ムギ「やっぱり、このお菓子美味しいわ」

 

唯の追試勉強の際に完成したお菓子を出したので、皆は美味しいと言いながら食べていた。

 

俺はその言葉に嬉しいと思いながら、皆に声をかけた。

 

晴「まぁ、お菓子の話は置いといて、テストの次にやらなくちゃいけないのがある」

 

唯「何を~?」

 

晴「顧問がいないから、先生の誰かに顧問をお願いしないといけないんだ」

 

ムギ「そうね。テストも終わって答案も返却してもらったから、先生達の仕事も落ち着いていると思うわ」

 

律「顧問って言っても誰にお願いするんだ?」

 

澪「一番の候補は、山中先生だ」

 

律「……あ、あのメガネをかけた音楽を担当してる先生か!」

 

ムギ「えぇ。しかも吹奏楽部の顧問もしてるから、一番適してると思うわ」

 

澪「いつお願いしに行く?」

 

唯「明日でいいんじゃない?今日はのんびりしようよー」

 

晴「そののんびりはいつもしてるけどね~」

 

唯「失敬な……!頑張ってコードをもう一回勉強をしてるんだから」

 

晴「次は忘れないようにねー」

と、今日はのんびりと下校時間まで過ごして、放課後が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日~

 

 

翌日になり軽音部の部室に行くと、律と唯の二人が何かを見ながら話をしていた。

 

晴「何見てるの?」

 

律「これ、過去の軽音部のアルバムだよ。今日、一番早く部室に来たから、少し暇だったんだ。だから、なんか面白い物がないかな~って探してたら出てきたんだ」

 

晴「へぇ~」

と、俺は言いながら、アルバムの写真を見せてもらった。見てみると、凄い衣装を着ていたので驚いた。

 

晴「結構、凄い衣装着てるね……」

 

律「だろ~。いつの時代のバンドだよって感じだよな」

 

唯(私のイメージはこんな感じだったけど……)

 

律の言葉に"そうだね……"と、返事をしながら見ていると、気になる写真を見つけた。

 

晴「(山中先生に似てる)……ねぇ、この写真に写ってる人さ、山中先生に似てない?」

 

唯「あ、晴くんもそう思ったんだ」

 

晴「唯も?」

 

唯「うん」

 

俺が山中先生に似てる人の写真の事を聞くと、唯も似てると思ってたみたいだった。

 

律「……確かに、似てるな……(これが本人だったら、使えるかも)」

 

一緒に写真を見てた律は一言呟いて、一人笑っていた。

 

律「そうだ、あと一つ見つけたんだけどさ……」

と、一人笑っていた律が、そう言って見せてきたものがあった。

 

ーーーーーーーーー

 

 

そして先生にお願いするために、職員室に向かった。

 

 

職員室前に着くと、ちょうど他生徒と話をしていたので、声をかけようとしたが、俺のとなりにいた律がアニメやらドラマやらのナレーションみたいに山中先生の説明をし始めた。

 

しかも先生にも聞こえる声の大きさで言っていた。

 

さわ子「ちょっと、聞こえてるわよ」

と、先生が反応してきたので、顧問のお願いをした。

 

晴「先生、軽音部の顧問になってください」

 

さわ子「……中間テストが終わった今でも、まだ顧問が居なかったのね」

 

晴「……一応、テスト前には気づいてたんですよ。でもテスト期間中だったので終わった後の方がいいかなと思って、今日お願いしに来ました」

 

さわ子「あら、気が利くじゃない。確かに、先生達もテストの間は大変だしね」

 

晴「それで、顧問については?」

 

さわ子「ごめんね。吹奏楽部の顧問もしてるから、ちょっと難しいわね。他の先生を紹介するわよ」

 

晴「無理ならそうで……、どうした、唯?先生の顔をじっと見て……」

 

先生から顧問の話をしている時に、唯が"じー"と先生の顔を見ているのに気が付いて、"どうした?"と唯に聞いてみた。

 

唯「先生って、この学校の卒業生?」

 

さわ子「え、えぇ……そうだけど」

 

唯「軽音部にいました?」

と、唯が先生に行った瞬間に先生が血相を変えて部室に走っていってしまった。いきなりの動きだったから一瞬"え?"と思ってしまったが、とりあえず俺達も部室に向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

部室に着くと、先生がアルバムを見ていた。唯が先生に似ていた写真を見せて一言だけ言い放った。

 

唯「この写真の人は先生だったんですね」

 

さわ子「……そうよ。その写真に写ってるのは私よ」

 

律「じゃあ、この声も先生?」

 

唯の写真の後に、律がカセットテープに録音している声を流した。これがアルバムを見てた時に律がもう一つと言ってきたやつだった。

 

録音されてた声は、デスボイスというか怖い感じの声だ。録音された声を律が流した瞬間、先生が小さくが丸くなった。

 

さわ子「やめてー!」

と、大きく叫びながら小さくなってしまった。

 

晴(ここまで嫌がってると黒歴史的な感じかな。てか澪も小さくなって丸くなってるし……)

 

俺がそう思ってると、澪が先生の隣で小さく丸くなって怖がっていた。

 

澪「聞こえない……聞いてない」

と、言っていた澪に苦笑いしてしまった。澪の様子を見ていると唯が先生にギターを渡し、先生は受け取った瞬間に人が変わってギター技術を色々披露してきた。

 

強烈だったのは、歯ギターでそれを見ておれは"うわー"と思ってしまった。技術の披露が一通り終わった頃に、いきなり先生が落ち込んでいる感じになった。

 

さわ子「おしとやかな先生キャラで通そうとしてたのに……」

 

晴「え?」

 

さわ子「そう、そう思ったのはあの頃……」

 

先生の言った言葉に、"え?"となってると、いきなり先生が語り始めた。

 

晴(なんか話が長くなりそう)

と思って語り終わるまで、聞き流してた。そしてやっと話が終わると、律が先生の方に手を置いて一言だけ言い放った。

 

律「先生、これをバラされたくなかったら、顧問になってください」

 

唯「りっちゃん、たくましい子……!」

 

晴「おぉ……、強行手段だー」

と、律の行動に俺と唯は驚いたが、先生は相当知られたくないからか、顧問になってくれた。……手段はあれだが、結果的に顧問になってくれたので良かった。

 

そして、この日はとりあえず解散となった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

それから日が経ち、夏休みになった。

 




次回は、夏休み編になります。


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第6話

1ヶ月以上と遅くなってしまいましたが、第6話です。

前回の第5話よりは200文字ぐらい増えましたが、結局のところ2000文字後半で、文字数は少なめなので、ご了承下さい。



 

~晴視点~

 

 

 

律「潮の匂いだー」

 

唯「すごーい。海が広がってるよー」

 

律・唯「あーー!」

 

夏休みなり、俺達軽音部と顧問の山中先生は電車に乗っていた。そこで電車内から外を見てると海が見えて唯と律の二人が窓を開けて叫んでいた。

 

軽音部の皆で電車に乗ってる理由は、夏休み前に遡るんだけど……。

 

 

 

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~回想~

 

 

 

一学期の終業式から、数日前のある日。

 

 

俺は唯と律は、軽音部の部室に集まっていた。澪とムギはまだ来てなくて、先生も仕事でまだ来てなかったから、部室にいるのは、三人だけだった。

 

そして、今は唯はテストの追試のせいでギターのコードを忘れてしまったから、コードの練習をしていた。

 

唯「上手く指が動かなーい!」

 

律「本当に忘れたんだな」

 

晴「そこが唯らしいけどね。一つやり込むと他の事を忘れちゃうからね」

 

唯「晴くんに褒められた!」

 

晴「褒めてないけど……」

 

唯「えー、りっちゃん!晴くんが全然褒めてくれなーい!それに頑張って練習してるのに、ご褒美もくれないよー」

 

律「そんな事、私に言われても知らんわ!」

と、律は言って唯の頭をチョップをした。

 

俺は席に座りながら律達の様子を見ていると、澪が"ドン!"と扉を開けて入ってきた。そして机に荷物を置いた後に、律達の方を向いてから、一言を言ってきた。

 

澪「合宿をします❗」

 

晴「澪、いきなりどうしたの?合宿をするって言って……」

 

澪「夏休みが終わって、しばらくしたら学園祭があるんだよ。そこでライブをやりたいのに練習してないね」

 

晴「俺が軽音部に来れてない時も?」

 

澪「うん、全くしてない。3ヶ月ぐらい合わせてはないな。個人で自由にやってた感じだよ」

 

晴「なるほど。……でもバンド練習って言っても、曲って作ってあるの?」

と、質問したら澪は目を反らして一言呟いてきた。

 

澪「いや、全く作ってない。……だから合宿とかをやってどうにかしようと思ったんだよ!」

 

澪の言葉に少し苦笑いしてしまった。

 

晴「まぁ確かに、学園祭でライブをやるにはしっかり練習をしないといけないし、合宿するのもアリだよね」

 

澪「そう!晴の言う通りだよ!律と唯、そういうことだよ!」

と、澪が唯と律の二人にそう言ったが、二人は文化祭の出し物で盛り上がって話を聞いていなかった。お互いに"メイド喫茶"とか"お化け屋敷"と言い合っていた。その為、澪は律にげんこつを落として、律と唯は澪の目の前で正座をしてた。

 

律「何で私だけ……」

と、律の小さく呟いた時に、部室の扉が開いた。扉の方を見ると、ムギだった。

 

ムギ「遅くなってごめんなさい。……何かお菓子食べる?」

 

部室に入ってきたムギは、律達の様子を見てお菓子の提案をしていた。

 

 

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ムギがお菓子の準備をしてくれた後に、皆で食べてると先生もやってきた。

 

先生から、何を話してたのか聞かれたので、合宿をする事を伝えた。学園祭があるから、そこでライブをするために練習をするという理由も伝えた。

 

すると先生は、俺と同じ質問を澪にしていた。

 

さわ子「そういえば、曲は作ってるの?」

 

澪「まだ無いです。曲が無いので、合宿までにどうにかして、練習したいていうのもあります」

 

さわ子「なるほど……。合宿で、作詞や作曲を全部するのは無理だと思うから、合宿に行くまでに皆は作詞してくる事にしましょう。そして合宿中に作曲して練習って事にするわよ」

と、先生が指示してくれたので、皆はとりあえず返事をした

 

さわ子「でも、合宿するとは言ってたけど、合宿する場所とかはあるの?」

 

先生が合宿でやる事を言った後に、合宿をする場所を聞いてきた。

 

律「そこだよな~。お金とかもあまり無いから、高い場所は無理だし……」

 

澪「……。な、なぁ……ムギ」

 

ムギ「何ですか?」

 

澪「別荘とかある?」

 

ムギ「ありますよ」

 

皆「あるの!?」

 

合宿をする場所で悩んでた時に、澪がムギに別荘の事を聞いていた。澪の言葉に被せるような勢いでムギが"ある"と言ってきたので、ムギ以外全員驚いてしまった。

 

ムギ「えぇ、ありますよ」

 

晴「じゃ、じゃあ、別荘を合宿で使わせてもらっても大丈夫!?」

 

ムギ「一応、親に話を通したりしなくちゃいけないけど、多分大丈夫だと思うわ。とりあえず確認しとくから待っててもらってもいい?」

という、ムギの言葉に皆は一心不乱に頷いた。

 

澪「じゃあ、場所は確認中だけど、夏休みは合宿するから練習を頑張るからな!」

 

晴「あとは、合宿までの間に歌の歌詞も考えてきてよ」

 

俺と澪の言葉に皆は頷いた。

 

 

 

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~現在~

 

 

という事が、終業式の数日前に起きた出来事だった。

 

そして今は、唯達軽音部メンバーと先生の皆で、電車に乗ってムギの家が持ってる別荘に向かっていた。

 

律「潮の匂いだー」

 

唯「すごーい。海が広がってるよー」

 

律・唯「わぁーー!」

 

隣の席で唯と律が叫んでいた。

 

一応、皆が乗ってる電車の座席は四人が座れるボックス席だ。律と澪、唯とムギの四人が座ってるので、俺と先生は唯達が座ってるボックス席の隣にあるボックス席に二人だけで座ってる。

 

 

隣のボックス席で窓を開けて叫んでる唯と律の二人を見ていると、先生に話し掛けられた。

 

さわ子「そういえば、晴くんは何で軽音部には入ろうとしたの?確か、料理部に最初は入っていたのよね?」

 

晴「あぁ~……。唯に脅されました」

 

さわ子「……脅された?なんか物騒ね」

 

先生に、軽音部に入部するきっかけを教えた。元々、料理部だけで、軽音部には入部する予定は無かったこと。唯の付き添いで部室まで行った際に、唯に好きな人とかの事で言われたので、断れなかった事などを話した。

 

さわ子「それは災難ね。……料理部の活動日は週2日だから、掛け持ちは出来るのよね。他の料理部部員が他の部活に入部してるからね」

 

晴「そうですね。……それに今は入って良かったですよ。自分が作ったお菓子を食べてもらって、感想を言ってもらえるので」

 

さわ子「なるほどね。確かに、晴くんのお菓子は美味しいもの。……お菓子作りを始めたきっかけはあるの?」

 

晴「えっと、お母さんが料理やお菓子作りが好きなんです。それで、手伝いで俺も料理をする事があったんです。それで作るのが好きになって、特に俺はお菓子を作るのにハマってしまった感じですね」

 

さわ子「へぇ~。じゃあ将来は料理屋さんか、パティシエとかになりたいとか思ってるの?」

 

晴「将来はお菓子も作れる料理人になって自分のお店を開きたいって思ってます」

 

さわ子「しっかり夢を持ってるのね~」

 

先生と話をしていると、別荘の最寄り駅に着いたので電車から降りて、別荘に向かった。

 

 

 

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ーーーーーーーーー

 

 

 

晴「別荘、大きいね……」

 

澪「晴の言う通り、大きい……」

 

他の皆も、別荘の大きさに驚いていた。

 

ムギ「本当は、もっと大きい所の方が良かったのだけれど、一番小さい別荘しか借りられなかったの」

 

律「これでも、一番小さい別荘なの!?」

 

ムギの言葉に、皆は一様に驚いてしまった。

 




次回は、6話の続きを書いて投稿します。

ただ、出来てないので次の話は投稿に時間が掛かると思います。


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第7話


前回から、1ヶ月以上の投稿ですが第7話です。遅くなりましたが、書けました。

では、本編をどうぞ。



 

~晴視点~

 

 

別荘に着いた時に、俺と皆は大きく立派な別荘を見て驚いていた。

 

別荘を大きさに驚いたが、これでも小さい別荘だという事をムギから聞いた時が、さらに驚いた。

 

そして別荘の中も凄かった。

 

晴「……中もすごいんだけど……」

 

澪「うん、広々してる。……これでも小さい方の別荘なんだよな……」

 

さわ子「澪ちゃんの言う通りで、確かに凄いわね。ここが小さい方の別荘で、しかもバンドの練習が出来る立派なスタジオもあるなんて……。とてもそんな風には見えないわね」

 

皆で驚いていると、律と唯が色々と別荘内を探索をしていた。俺はその二人の後を着いていくと、テーブルの上にフルーツ盛り合わせが置いてあったり、冷蔵庫の中には霜降り肉が入っていたりとしていた。

 

ムギ「なるべく普通にしてほしいって言ってたのだけれど……」

 

晴「……まぁ、うん。そっか」

 

ムギの言葉に、そう返事をしてしまった。けど、折角の合宿だし、それにこんなお肉はそうそう使えない。ご飯を作る時に使ってみたいと思った俺は、ムギにお願いした。

 

晴「ねぇ、ムギ。このお肉だけはそのままにしててくれる?」

 

ムギ「え?」

 

晴「こんなお肉は中々使えないから、料理する時に使ってみたいんだ」

 

ムギ「そういえば晴くんは、お菓子だけじゃなくて料理も出来るんだったのよね」

 

晴「うん。だから、これだけ置いてくれる?」

 

ムギ「じゃあ、そのままにしとくわね。フルーツとベットのを片付けてもらわないと……!」

 

ムギにお肉だけ置いといてとお願いして、オッケーをもらった。すると、ムギはそう言いながら携帯を出して電話を掛けはじめた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

電話を済ませたムギと一緒に澪を探した。澪がいたのは、別荘にあるスタジオで、先生も一緒にいて二人で紙を見ていた。

 

晴「何を見てるんですか?」

 

さわ子「澪ちゃんが考えてきてくれた歌詞よ。二人も考えてきてるでしょ?」

 

ムギ「あ、はい。ちょっと待ってください。……先生、これです」

 

晴「……えっと、はい」

 

先生と澪が見てたのは、澪が考えてきた歌詞だった。先生から俺とムギの歌詞の事も聞いてきたので、二人で書いてきた紙を見せた。

 

さわ子「二人が考えてきたのが、普通な感じで良かったわ……」

 

俺とムギが考えてきた歌詞を見た先生は、ホッとした顔をして、そんな一言を言っていた。俺は、その一言の意味を聞こうとした時に、扉から声を聞こえてきた。

 

律「海に行こうぜー!」

 

唯「イエーイ!」

 

大声を出してきたのは、水着に着替えてる律と唯だった。

 

澪「練習は?」

 

律「そんなの遊んだ後にやるからー!」

 

唯「そうだよー!」

 

澪「ちょっ!?」

 

二人は澪の言葉を聞き流してから、走っていってしまった。

 

澪「二人とも……!」

 

ムギ「私も行きたいかな」

 

晴「ムギも遊ぶ?」

 

ムギ「うん。折角来たんだし……」

 

さわ子「まぁ、確かに遊ぶのもありって言えばありなのよね。近くに海もある訳だし……、一回ぐらい遊んでもバチは当たらないと思うわ」

 

ムギと先生はそう言って唯達のあとを追いかける感じで、出ていってしまった。

 

澪「晴は遊びたい?」

 

晴「俺も遊びたい気持ちはあるけど、それ以前に晩御飯とかの材料とか買いに行きたいって思ってる。献立とか色々と料理の事をしたいかな……」

 

澪「………私も海に行くーー!」

 

晴「澪も行くんだね……」

 

俺は澪の言葉に、そう呟いてしまった。

 

 

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ーーーーーーーーー

 

~街中~

 

 

皆が海で遊んでいる間、俺は買い物をするために街中に出ていた。別荘には自転車もあったので、自転車に乗って別荘から一番近いスーパーに来ていた。

 

晴(それにしても暑いな……。自転車がなかったら、大変だったかも……)

と、俺は思いながら、スーパー前の駐輪場に自転車を止めてスーパーの中に入った。

 

晴(それにしても、ご飯どうしようかな……)

 

スーパーの中で野菜とかを見ながら、俺は今日の晩御飯を考えていた。

 

特に悩んでいるのは、別荘に霜降り肉という食材がある為、お肉をどんな料理にするかという事だった。

 

 

まず思い付くのは、ステーキ。けどこれは、冷蔵庫にあった肉の大きさを考えれば、結構重たい。特にメンバーは俺以外全員女子だからやめた方がいい。全員男子なら別だけど……。

 

他にも色々と考えていると、ピンと来たものを思い付いた。

 

晴(バーベキューか……。肉を食べやすいサイズにするから食べやすいし重すぎないはず……。野菜も焼いて食べるし皆で楽しみながら食べれる)

 

晩御飯の献立を思い付いた俺は、必要な野菜とかを選び始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

買い物が終わり、両手に大きいレジ袋を持った俺は、前後に付いている自転車のカゴに荷物を入れた。

 

 

晴「ふぅ~、重たかった~……。(買い物中に明日の御飯の分とかで、色々と買ってしまった……)」

 

そんなことを思いながら、自転車に乗って行こうとした時だった。

 

さわ子「晴くん」

 

いきなり先生から名前を呼ばれたので辺りを見ると、道路に車に乗ってる先生がいた。

 

晴「先生、どうしたんですか?」

 

さわ子「いや~、唯ちゃんが迎えに行った方がいいって言ってきたのよ。"晴くんが買い物をする時は大量に買うから"って……。……それで迎えに来たのよ」

 

晴「……そうですね(流石、幼馴染みだな~……)」

 

唯が先生に言った言葉に、そう思ってしまった。

 

さわ子「じゃあ、荷台に荷物と自転車を車に乗せましょう。私も手伝うわ」

 

先生と二人で、車に買った食材と自転車を乗せた。その後に車に乗って先生が運転を始めた。

 

 

車が動き始めてしばらくした後に、先生が話し掛けてきた。

 

さわ子「……でも唯ちゃんの言う通りで、すごい買ってたわね。これじゃ自転車だと危なかったかもね」

 

晴「確かに重たかったんで、あのまま自転車に乗ってたら重さでハンドルを持っていかれてたかも……」

 

さわ子「けど、晩御飯を作るのにあそこまで食材が必要なの?」

 

晴「いや、今日の晩御飯の分だけじゃなくて、明日の朝の分とか色々と買っちゃったんです」

 

さわ子「あぁ、それであの量になったのね」

 

晴「そうなんですよ。買い物してながら、あれもこれもと作る物を考えてたら、あれだけ買ってしまって」

 

さわ子「一応、別荘に冷蔵庫とかあったけど、その中に食材は無かったの?」

 

晴「それが霜降り肉だけしか無かったんですよ。だから色々と買ってしまって……」

 

さわ子「なるほどね~。……ん?霜降り肉が入ってたの!?」

 

晴「うぇ!?い、いきなり大きい声出さないでくださいよ……」

 

さわ子「あ、それはごめんね。でも、霜降り肉が入ってるなんて、流石はお金持ちの子ね~。でもそのお肉を使おうとする晴くんも、流石の料理好きね」

 

晴「下手な霜降り肉だとあまり美味しくないのがありますけど、冷蔵庫に入ってたそのお肉って絶対美味しいお肉です。そんなお肉って滅多に使えないから、使ってみたいじゃないですか」

 

さわ子「それは分かるわね」

 

別荘に着くまでの間、先生とそんな話をしていた。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

~別邸~

 

 

別荘に着き、夕飯の支度を始めた。皆はお風呂に入りに行っている。その間にバーベキューの準備を始めた。

 

晴(流石はムギの家の別荘……。バーベキュー用の道具も全部揃ってた。本当にすごいな……)

と内心驚きながら、食材の準備から火付け等をしていた。そして、全て終わった頃に皆が上がってきた。

 

律「スゲー」

 

真っ先に声をあげたのは、律だった。

 

澪「この準備、晴が一人でやったのか?」

 

晴「うん、そうだよ」

 

澪「凄いな……」

 

唯「早く食べようよー!お腹空いたー」

 

唯の一言で皆のお腹から音がしたので、俺はお肉と野菜を焼き始めた。

 

そこからは俺が焼いて、焼けたお肉とかを自分のもお皿にのせて確保しながら、皆に渡していった。皆は凄く美味しそうに食べてくれていた。

 

ムギ「美味しいわ。晴くん、焼き加減も上手いのね」

 

晴「そりゃ、ずっと料理してたら、なんとなく分かるよ」

 

ムギの言葉にそう返しながら、食べながら焼いていった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~別邸・スタジオ~

 

唯・律「「お腹いっぱいだ~。もう動きたくない」」

 

夕飯を食べた後にスタジオで、夏休み前に言っていた歌詞を作ってくるという話をしていた。二人も渡して歌詞を書いた紙を渡した後に、さっきの事を言いながら寝転んでいた。

 

俺・澪・ムギ・唯・律が書いてきた歌詞を見ている先生はというと、凄く唸っていた。

 

しばらく唸ってから、俺達の方を見ながら口を開いた。

 

さわ子「ん~、無難に選ぶと、晴くんとかりっちゃんかな~。ムギちゃんや唯ちゃんのでもいいんだけど」

 

澪「え?わ、私のは……?」

 

晴「俺とムギが先生に渡した時にも、似たような事を言ってましたけど……、澪のは駄目なんですか?」

 

先生の言ったことに不思議に思い、俺がそう聞くと先生が澪が書いた歌詞を見せてきた。律達も覗き込んできたので少し見づらかったが……。

 

しばらく見ていると、律が声を発した。

 

律「か……かゆい……!」

 

さわ子「ほんとに破りたい……!」

 

晴(……キャピキャピ……って、言うのかな……。なんか……うん。俺も、律と先生と同じ心情になってる……)

 

俺も律と先生みたいな状態になってると、澪が涙目になりながら、声をかけてきた。

 

澪「そ、そんなに……私の歌詞は駄目なの……かな……」

 

そんな涙目で落ち込んだ顔をされると、否定できない……。律と先生も何とかフォローをしていたがあまり効果はなかった。

 

律「ゆ、唯は……どう思ってるんだ?」

 

唯「凄くいい……!澪ちゃん、私はこの歌詞が凄く好きだよ!」

 

唯には、澪の歌詞は凄く刺さったらしい。

 

律「マジか!ムギはありか?」

 

ムギ「……はい」

 

律「ホントに?」

 

ムギ「はい……」

 

律「マジ……?」

 

ムギ「どんとこいです」

 

唯の次に聞かれたムギもそう答えていた。

 

晴(なんか歌詞とかいうよりも、澪と唯の二人を見てうっとりしているように見えたけど……)

と思っていると、先生がため息を付きながら声をかけてきた。

 

さわ子「とりあえず、澪ちゃんが作ってきた歌詞にしましょう」

 

先生がそう言ってきたので、澪の歌詞に決定した。

 

その日は楽器練習して終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

その後は、合宿で泊まる期間中に皆で協力しながら何とか曲ができた。ふわふわ時間(タイム)という曲名になった。

 

そして、所々海で遊んだりしたが練習もして何とか曲が演奏が出来るまでになった。

 

ちなみに、ボーカルは決めなかった。作詞者の澪が歌うという話になったけど、拒んだりしてうまく話がまとまらなかった。

 

唯がやりたそうにしていたが、先生がとりあえず演奏できるように練習をした方がいいと言ってきたので、決めなかったのが理由だ。

 

 

そんなこんなで、充実した合宿が終わった。

 





次の話も出来てないので、投稿は遅くなります。ご了承ください。


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第8話


前回から日が空きましたが、続きです。

前回の7話より文字数は少ないですが、読んでもらえたら幸いです。

では、本編をどうぞ。



 

~晴視点~

 

夏休みに合宿をしてから日が経ち、夏休みが終わり二学期に突入した。

 

二学期初めの始業式が過ぎて通常の授業が始まってから、しばらく経って学園祭が近づいてきたある日。

 

そんな日の放課後、俺は料理部に向かっていた。

 

 

その向かってる時に、唯に捕まってしまい軽音部の部室まで連れていかれた。部室には、律とムギと、何故か丸くなってる澪がいたけど、ひとまず唯に質問をした。

 

晴「唯、いきなり部室まで連れてきてどうしたの?……それに、今日は料理部の活動日だったんだけど……」

 

ムギ「あれ?今日は休みじゃないの?いつもここに来てるけど」

 

晴「学園祭が近いでしょ。料理部って、学園祭で毎年お菓子を作って販売するって先生と先輩が言ってたんだけど、出来るだけクオリティーが高いお菓子を作る為に、学園祭前日まで平日全てを活動日にしてるって言ってたよ」

 

律「学園祭の準備も含めてか?」

 

晴「らしいよ。だから、気合い入れてやろうとしてたんだ」

 

律「それで部室に行こうとしたら、唯に捕まったと……」

 

晴「……うん。まぁ、今日料理部に行くのは無理かな……」

と、俺はそう呟くと唯が声を掛けてきた。

 

唯「料理部の事はごめんね!でもそれ以上に大変なことがあったの!」

 

晴「大変なことって何?」

と、唯の言葉にそう聞き返すと、ムギが唯の代わりに答えてくれた。

 

ムギ「今日ね、学園祭で演奏するから講堂の使用申請をお願いしに行ったの。そしたら、軽音部がクラブ活動として認められてないって言われたの」

 

晴「……え?」

 

唯「だから……」

 

晴「いや聞こえてたよ。でも……え?なんで?顧問の先生もいて、先生同伴で夏休みに合宿に行ったり、何よりここで活動もしてたのに?」

 

ムギ「そうなのだけど、そう言われたのよ」

 

俺は、ムギの説明に開いた口が塞がらない感じだった。少しそのままになってると、律が声を上げた。

 

律「生徒会室に行ってみよう!」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~生徒会室~

 

 

唯「たのもう!」

 

律「部長は私!」

 

二人の生徒会室への入り方を、俺は無視して和の名前を呼んだ。

 

晴「和、いるー?」

 

唯「え、和ちゃんいるの?」

 

晴「え?唯、知らないの?」

 

唯んぽ言葉に、俺はそう聞き返してして唯が反応しようとした時に、和が近くに来て声をかけてくれた。

 

和「あれ?唯と晴、どうしたの?」

 

唯「本当に和ちゃんがいた……!でも、何でいるの?」

 

和「何でって、私生徒会に所属してるからだけど」

 

唯「え、そうなの!?さすが和ちゃんだよ!」

 

和が生徒会に所属してる事に、唯は驚いていた。

 

律「……晴、この二人も幼馴染なんだよな……?」

 

晴「……うん、そうだけど」

 

律の言葉に言葉を返すと、和が質問してきた。

 

和「それで三人は、ここへ来てどうしたの?」

 

ここへ来た事を質問してきた和に、軽音部が部として認められてない事を教えて、その理由を聞きに来た事を伝えた。

 

すると、和が生徒会室にある棚からファイルを出して調べ始めた。

 

しばらくして、和が口を開いた。

 

和「……部活リストにはないわね」

 

晴「それ本当?」

と、俺が和に聞き返すと、和は頷いてファイルを俺に見せてくれた。

 

俺はファイルを受け取ってリストを見ていったけど、確かに軽音部のは無かった。

 

その間に、律が生徒会の陰謀とか言って唯はその話に乗っかっていた。

 

晴「部活を新しく立ち上げたりするのって、この部活申請用紙が必要なんだね」

 

和「そうよ。……てか、軽音部はその部活申請用紙を出してないんじゃないの?」

 

律「そんな話聞いてないぞ!」

 

澪「聞いてるだろ!」

 

和が申請用紙の事を聞いて、律が聞いてないと答えた時に、部室で丸くなってた澪が生徒会室の入り口で大声を出して生徒会室に入ってきた

 

律に近づいた澪は、部活申請用紙の事を説明して、メンバーが集まった時に、律が書くと言っていたらしい。けど、あとで書くと言ってそのままになってたと澪達の会話で分かった。

 

ただ、俺はその様子を見てないし、そんな話も知らなかったから、澪にその事を聞いてみた。

 

晴「俺、その申請用紙の話知らないんだけど、料理部の活動で俺がいなかった時にあった話?」

 

澪「そうだよ。晴が料理部に行って軽音部にいない時に、あった出来事だよ」

 

晴「そうなんだ」

 

澪と話をしている間に、和が代わりに部活申請用紙に書いてくれていた。

 

 

その為、この件は解決したのだった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日・放課後~

 

 

今日の放課後、俺は料理部の部室に向かった。

 

部室に向かってる間、萌から昨日料理部に来なかった理由を問い出されてしまった。

 

萌「晴っち!何で昨日は部活に来なかったの!?」

 

晴「行く途中に、唯に捕まったんだよ……」

と、言って昨日の出来事を説明をした。そして説明を終えると萌が一言だけ呟いてきた。

 

萌「……晴っち、お疲れ」

 

晴「……うん」

 

萌との会話が途切れ、無言のまま部室に向かった。

 

 

部室に着いた後は、部員達で学園祭に販売する為のお菓子をお互いに助言しあいながら作っていった。

 

今日はそんな一日で終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

さらに日が経った。

 

俺は料理部に出ながら、軽音部にも顔を出していた。そして今日の俺は、軽音部の部室に顔を出していた。

 

夏休みでの合宿と夏休み明けからの部活動で、ふわふわ時間の演奏が安定して演奏できるようになっていたけど、今日も今日とて、皆は最初はお茶会をしていた。

 

そのお茶会に俺はお菓子を出した。俺が出したお菓子は学園祭に出す為に料理部で作った試作品だ。そのお菓子の味の感想を聞くためだ。

 

皆から味の感想を聞いている中、先生がやってきた。すると先生が、ボーカルをそろそろ決めると言ってきた。その為、皆でボーカルを決める話をしたけど、すぐに唯が歌うという事に決まった。

 

唯に決まった理由は簡単で、合宿の時に澪が恥ずかしがって唯がやりたがってたからだ。

 

ボーカルが決まってすぐに、試しにギターを弾きながらやってもらったが、無理だった。歌を歌うとギターを弾けず、ギターを弾くと歌が歌えずになる感じだった。

 

それを見た山中先生が練習させると言ってきて、そのまま唯をつれて部室を出ていってしまった。残された俺を含めた他の皆は、今日は解散にすることになった。

 

 

先生と唯が部室を出た日の翌日。

 

その放課後に先生と唯が部室に来て、先生が"待たせたわね!"と言ってきた。

 

さわ子「唯ちゃん!」

と、先生に名前を呼ばれた唯は、演奏を始めた。

 

唯の演奏は前よりも上達してたから、歌も期待してしまった。律達も期待していて歌うまで待ってると、歌い出しになった。

 

けど、声を聞いた瞬間に驚いてしまった。驚いたのは唯の声が枯れてたからだ。

 

なんでも、先生が練習をさせ過ぎたから声が枯れてしまった。そのせいで唯が歌えなくなってしまい、澪が歌うことになったのだった。

 

 

そんなこんなで、学園祭の準備を進めたり律達が練習をしたりして日が過ぎていった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そして、学園祭当日になった。

 

 





次回は学園祭の話を書いて投稿予定です。ただ、話は出来てませんので、期間は空いてしまうと思います。


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第9話


前回から、二ヶ月以上も期間が空いてしまいました。来週に投稿してたら、三ヶ月も期間が空いてしまう所でした。(大して変わらないと思いますが)

前回から期間が空いた割に、所々雑だったりクオリティーが低いかもしれませんが、それでも楽しんで読んでくれたら幸いです。

そんな訳で、第9話です。

では、本編をどうぞ!



 

~晴視点~

 

~学園祭当日~

 

 

とうとう学園祭当日になった。俺は部活、料理部のが出している学園祭での出し物の店番をしている。

 

料理部は部室を解放してる。つまり、部室をお店として使ってる。

 

そして今は、俺と先輩で一緒に店番をしていた。

 

晴「ありがとうございました~」

と、しばらく店番をしている時だった。

 

澪「晴もお店の当番してたんだ……」

 

いつの間にか料理部の部室に来ていた澪が、そう呟いてきた。

 

晴「まぁ、最初だけね。部員の人、いろんな部活を掛け持ちしてたりしてるから、どうしてもやらなくちゃいけなくて……。交代するのは、もう少し後かな」

 

澪「そっか……」

 

晴「交代したら、すぐ部室行くから」

と、悲しそうな顔をした澪に伝えると、"唯達の方にも行ってくる"と言って、部室を出ていった。

 

澪が出ていってたから少ししてから、交代の時間になった。

 

交代しにきた萌にあとを頼んで、鞄を持って軽音部の部室へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~軽音部・部室~

 

 

部室に入ると、中にいたのは澪だけだった。

 

晴「あれ、澪だけ?他の皆は?」

と、聞きながら、机の側に鞄を置いた。

 

澪「唯達も、晴みたいに当番してたんだ。すぐに交代できないって言ってて、私一人だったんだ」

 

晴「……一人で練習してたの?」

 

澪「それぐらいしか出来ないし、なにより本番だから……」

 

そう言った澪は練習を始めた。俺は椅子に座り澪のベース演奏を聞いていた。

 

しばらく聞いていると、部室の扉が開く音がした。俺と澪は同時に扉を見てしまったが、見てみると唯達だった。

 

律「待たせたな、澪」

 

唯「ごめんねー、澪ちゃん」

 

澪「皆……遅いぞ」

 

ムギ「ごめんね」

 

晴「でも皆が揃ったから、練習出来るね」

 

俺の言葉に皆は頷いて、練習を始めた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ふわふわ時間の演奏練習が終わった。

 

晴「前に聞いた時より上手くなって感じがするよ」

 

ドンッ!

 

俺がそう言うと、いきなりドアが開いた。

 

さわ子「皆、いるわね」

 

入ってきたのは先生だった。

 

晴「先生、どうしたんですか?」

と、部室に来た先生に聞くと、顧問だから皆のために何かしたいと思って、衣装を作ってきたと言ってきた。

 

そして見せてきた衣装が、なんていうかメイド服のようなドレスのような……、ゴスロリって言うのかな……、凄く作り込んでる衣装だった。

 

それを見た澪は、さらにガチガチになっていた。唯とムギはいつの間にか先生持ってきてた衣装に着替えてた。

 

晴(唯とムギ、いつの間に……)

 

さわ子「お気に召さなかったか~。……じゃあ、私が使ってた昔の衣装はどう?」

 

澪「やっぱり、さっきの着たくなってきた!」

 

晴「先生、とりあえずこれ以上いると澪の緊張がもっと酷くなるから出ていってください」

 

俺は先生にそう伝えて部室から追い出しといた。

 

けど、唯はこの状況のせいなのか"忘れた!"と叫んでいたり、澪は遠い目をして外を見ていた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

そこから機材を講堂のステージ横に運ぶことになった。

 

律「唯と晴は、機材を運んで」

 

晴「分かった。……うわっ!重た……」

 

唯「澪ちゃんは?」

 

律「澪はまだ立ち直ってないから、他の仕事をお願いしてる。今の澪に、機材を運ばせると落とすかもしれないだろ?」

 

晴・唯「「確かに……」」

 

そうして、唯とお互いに機材を一個ずつ持って講堂のステージ横にまで運ぶ事になった。

 

ただ、機材が凄く重いから、歩いては廊下に置いて少し休憩を繰り返して、運んでる。

 

ムギ「~~~♪」

 

運んでいる最中、隣をムギが口ずさみながら機材を軽々と持って歩いて行った。

 

晴・唯((軽々と持ってる!?))

と、俺と唯はそのムギの姿を見て驚いてしまった。

 

驚いたりしながら、なんとか講堂のステージ横まで運ぶことができた。

 

そこに和もいたから、少し話をしてから部室へと戻った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~部室~

 

 

部室に戻ると律とムギがいて、ムギがお茶の準備をしていた。それを見た俺は鞄に入れてたお菓子を出して机に並べた。

 

唯「わぁ~、晴くんのお菓子だ!」

 

律「今日のお菓子はなんだ?」

 

晴「マドレーヌだよ」

 

ムギ「これも晴くんの手作りなのよね?」

 

晴「うん、そうだよ」

 

お菓子を出したら、いつもの様に皆が食いついてきた。

 

晴「ちゃんと澪の分も置いといてよ」

 

律「分かってるってー」

 

晴「ほんとかな……」

 

唯「そういえば、りっちゃんと澪ちゃんは幼馴染みなんだよね?」

 

律と会話をしていると、唯が澪と律の関係の事を質問をしてきた。

 

律「そうだぞ。……なんだって幼稚園から付き合い……、いや小学校からだっけ?」

 

晴「なんで分かんなくなってんの?」

 

律の言葉に、咄嗟にツッコミしてしまった。が、そのあとは、小学校とかであった出来事とか話してくれた。

 

律「じゃあ、唯達はいつからの幼馴染みだ?」

 

澪との出来事の話し終えた律が、俺と唯達の事を聞いてきた。

 

晴「俺と唯と憂は家がお隣同士だから、律と澪みたいに幼稚園からじゃなくて、幼稚園に入る前からの付き合いだったよ」

 

律「へぇ~。和はいつからだ?」

 

晴「和は、幼稚園からだね。……三人一緒にいる事はあったけど、唯は和と一緒に行動するのが多かった。だから、自然と俺は憂と一緒にいるのが多かった感じだよ」

 

唯「確かに、和ちゃんとよく一緒にいたね。私って」

 

晴「多分、俺より和の方が頼りになるみたいな事を直感的に分かって、一緒にいたんじゃないのか?」

 

唯「それはそうかも~」

 

律「……否定してあげろよ」

 

澪「機材、運び終わった?」

 

律のツッコミに俺は少し笑っていると、澪が入ってきた。

 

晴「終わって時間になるまで待ってる感じだよ」

と、澪の言葉に俺はそう返した。

 

律「落ち着いてんな」

 

澪「もう子供じゃないし、いつまでも動揺してられないしな」

 

律の言葉にそう返した澪だったけど、席についてティーカップを持った時の手がすごく震えていた。

 

その事を言われた澪は律に詰め寄り、"代わりに歌ってくれ"と言っていた。

 

律「じゃあ、ドラムはどうすんだ!」

 

澪「私がやるからー!」

 

律「じゃあ、ベースは!」

 

澪「それも私がやるー!」

 

律「やってもらうかー!逆に見てみたいわ!」

 

二人のやり取りは"漫才みたいだな"と思って見ていた。

 

澪「じゃあ、晴に歌ってもらったらいいじゃないかな……!」

 

晴「……ごめん、無理」

 

俺は、澪の言葉にすぐに"無理"と言ってしまった。澪はショックを受けた顔になってしまった。

 

晴「だって……俺、練習してないよ。歌だけじゃなくて楽器もそうだもん。ギターのコードは覚えてるけど、じゃあ弾けるかと言われると、無理だと思うし……」

 

俺の言葉に澪は、"律~"と言いながら律に助けを求めていた。その様子を見ていた唯が声の事を謝っていた。

 

唯に謝られた澪は、勇気を振り絞って"頑張ってやる"と言った。

 

 

そこから少し時間が経ち、今は講堂のステージ横にいる。

 

俺は演奏しないが、ステージ横で応援することにした。

 

晴「澪、頑張って。今まで練習してたからね」

と皆がステージに行く時に、澪にそう声かけた。澪は俺の言葉に頷いてステージに出ていった。

 

 

そうしてライブが始まった。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

ライブが終わった。

 

ライブが終わると、見にきてくれた人達から拍手が沢山されていた。

 

そして澪が満足そうな顔をして、ステージ横に歩こうとした時、コードとかに絡まって倒れてしまった。

 

澪「あ……」

 

"カシャ"とカメラのシャッター音が聞こえた。今の状況は澪の下着が丸見えの状態だった。俺は即座に顔をして横にして見ないようにした。

 

その直後、澪の叫び声が聞こえた。

 

澪の叫び声を聞いて俺は"あのボリュームだと学校中に響いたな~"と、呑気なことを考えていた。

 

そうして学園祭が終わった。

 

 

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~翌日・部室~

 

 

律「澪にファンクラブが出来たんだよ!」

 

晴「澪ってそんなに人気なんだ……。けど、当の本人は……」

と言って澪の方を見てみた。

 

澪「パン……パ……お嫁に行けない……」

 

本人は魂が抜けた状態で、部室の隅で丸くなってしまっていた。

 

そんな澪の様子を見た俺は、苦笑いしか出来なかった。

 





次の話も出来てないので、今回のように期間が開いてしまうかもしれません。気ままに待ってくれたら嬉しいです。


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第10話


前回から2ヶ月ぐらい期間が空いてしまいましたが、前回の続きです。

今回の10話は、クリスマス会の話です。

では、本編をどうぞ。



 

~晴視点~

 

学園祭が終わってから日が経ち、12月に入りクリスマスが近くなってきた辺りだ。

 

晴「寒っ!」

 

朝、家から出るとあまりの寒さにそう言ってしまった。

 

クリスマスも近い時期の寒さだから、マフラーと手袋をしているが寒かった。

 

晴「憂、おはよ」

 

家から出ると、平沢家から憂が出てきたから"おはよう"と、声をかけた。

 

憂「あ、晴くん!おはよう」

 

唯「おはよー」

 

憂からの"おはよう"を聞いた後に、唯も出てきて唯も"おはよう"と言ってきた。

 

晴「唯もおはよう」

 

唯にも"おはよう"と言って学校に向かった。

 

しばらく歩いてると、いきなり突風が吹いてきた。

 

晴「風、強いし、寒すぎでしょ……」

 

唯と憂も寒がってる様子を横目に見てると、ふと気になった事があった。

 

晴「憂、マフラーは?」

 

憂「去年、洗濯してたら風で飛んでいっちゃったんだ」

 

晴「ありゃま。言ってくれたら誕生日プレゼントとかで買ってあげたのに……」

 

憂「言うの忘れちゃったんだよ~」

 

晴「憂にしたら珍しいね」

 

憂「……えへへ~」

 

そんな感じで話してると、唯が憂に近づいて自分が使ってるマフラーで、余っていた部分を、憂に巻いてあげた。

 

憂「ありがとう、お姉ちゃん。……って、あれ?お姉ちゃん、手袋の片方は?」

 

唯「どこかに無くしちゃって」

 

どうやら唯も防寒具の一つを無くしてたみたいだった。そうしてると憂が唯の手を握って暖めてあげていた。

 

晴「ほんと、仲良いね。二人は」

 

その光景を見た俺はそう呟きながら、二人と登校をした。

 

 

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~学校・放課後~

 

 

~軽音部部室~

 

 

学校に登校し、授業が全て終わり放課後になった。

 

今日は、料理部には行かずに軽音部の部室に俺はいた。そして、しばらく澪達とのんびりと過ごしている時だった。

 

律「クリスマス会のチラシを作って来ましたー!」

と、律が大声でいきなり言ってきた。

 

澪「やるって決まってたっけ?私、知らないけど」

 

律「言ってないからね!」

 

澪「言えよ!……で、日時は12月24日。場所はムギの家で会費1000円」

 

律の言葉に澪はツッコミながら、律が作ってきたクリスマス会のチラシを見て呟いていた。

 

ムギ「ごめんなさい。私の家は無理なの。常に予定が入ってるから、一ヶ月前から予約しないと……」

 

晴(凄い家……)

とムギの言葉にそう思ってると、律と澪がお互いの家の事で話を始めていた。

 

お互いに"家が汚いから無理"とか言い合っていたが、しばらくして澪が唯と俺の方を見てきた。

 

澪「じゃあ唯か晴の家のどっちかになるけど、どっちにする?」

と、澪が聞いてきたから、答えた。

 

晴「唯の家でクリスマス会をやろうよ」

 

澪「え、いいの?」

 

晴「俺、いつも唯の家でクリスマス過ごしてるから」

 

澪「でも、クリスマスの日に大人数でお邪魔して迷惑じゃないの?……唯、大丈夫?」

 

唯「問題ないよ。その日は親は居ないから」

 

律「そういえば、試験の勉強で行った時も親は居なかったよな」

 

唯「よく旅行に行ってるんだ。クリスマスはドイツに旅行に行くんだって」

 

唯の言葉に皆は"へぇ~"となっていたが、俺は唯に話しかけた。

 

晴「今回はドイツに行くんだ」

 

唯「そう言ってたよ。晴くんの方は?」

 

晴「沖縄に行くって言ってたよ。"今回の沖縄旅行で47都道府県制覇だー!"……って、二人が自慢してきた」

 

唯「そうなんだ~。じゃあおばさん達は、次に旅行する時は、海外に旅行するの?」

 

晴「海外はしないって言ってた。沖縄旅行の次はまた北海道から旅行するってさ」

 

唯「へぇ~」

 

澪「……晴の親も旅行してるのか……?」

 

二人で話をしていると、澪がそう言ってきた。

 

晴「そうだよ。唯の親は海外で、俺の親は国内で旅行するのが多いんだ。……だから俺も家に一人でいるの多いから、よく唯の家で過ごすのが多いって感じだよ」

 

俺の言葉に、澪は"そ、そうなんだ……"と呟いていた。

 

ムギ「他に用意するのものはある?」

 

唯「料理は任せて!」

 

律「……唯が作るのか?」

 

唯「憂と晴くんが作ってくれるから!」

 

律「だと思ったよ」

 

唯と律の言葉に苦笑いしてると、律が"あ!"と声をあげた。

 

律「プレゼント交換しないか?」

 

ムギ「やろうやろう!」

 

澪「律。今回は変なの持ってくるなよ……」

 

律の提案にテンションが高くなってるムギの横で、澪が律に対してそう言っていた。

 

その事が気になった俺は、"どういう事?"と聞くと小学生とかのクリスマスの時に、律がビックリ箱をプレゼントしてきたと教えてくれた。

 

晴・唯「「ベタやな~」」

と、俺と唯がハモって言ってしまった。だって、ド定番の驚かし方だったからだ。

 

律「二人でハモってツッコむな!……それより唯にはツッコミを入れられたくなかった!」

 

晴・唯「「ベタ子さん」」

 

律「おい……」

 

ムギ「楽しみだわ!クリスマス会」

 

律はジト目で見てきてる横で、ムギは凄く楽しみにしてる笑顔だった。

 

そうこうしていると、プレゼントを選ぶためにもう帰ろうという話になったから、荷物を持って校門へと向かった。

 

校門に着くと和と会った。すると唯がクリスマス会に和を誘った。最初、和は遠慮気味だったけど参加してくれることになった。

 

 

その後は近所の商店街とかでプレゼントを選んで解散となった。

 

俺は平沢家に行って、憂とクリスマス会の料理の話をした。

 

憂が、パーティーとかで作る料理の殆どを作るという事になり、俺はケーキ作りと憂の手伝いをするという事で話を終えて自分の家に帰った。

 

家に帰った後は、ケーキ作りを始めた。というより、下準備だけを済ませてから、晩御飯を食べて寝る準備をした。

 

 

そうして一日を終えた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~クリスマス会当日~

 

 

晴「よし。ケーキは完成っと。……憂、そっちはどう?」

 

憂「こっちも作り終わったよ」

 

俺は平沢家で、憂と一緒にキッチンに立って料理をしていて、ちょうど今作り終わって完成したのを机に並べた。

 

俺と憂が料理している間、唯は部屋の飾りつけのを作ってる。……というより、ケーキにイチゴを乗せてもらった時以外の時間全て作っている。

 

晴(スゲー沢山作ってる……)

と唯を見ながら思ってると、インターホンが鳴った。

 

俺と憂で、律達を迎えた。

 

律「お邪魔しまーす」

 

晴「いらっしゃい」

 

憂「コート、持ちますね」

 

律「お、ありがとうね。……なんかこうして見てみると、二人が夫婦に見えるな」

 

憂「え、そ、そう……?」

 

晴「そう見える?」

 

律の言葉に俺と憂は顔を見合わせた。憂は顔を少し赤らめてたから、俺も少し恥ずかしくなってきた。

 

唯「あ、皆来たんだね~」

 

律「唯は何やってんだー?」

 

唯「部屋の飾りつけを作ってるんだー」

 

澪「……しっかり者の夫婦と、だらしない姉。何か事件が起きそうな感じだな」

 

晴「……何言ってるの?」

 

澪の言葉にそうツッコミを反射的にいれたけど、澪は目を逸らして"入るね"と言って、リビングへ向かっていった。

 

皆もリビングに向かってたから、俺と憂も向かった。

 

 

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~リビング~

 

 

律「すげー!」

 

リビングに戻ると、テーブルを見ながら律がそう叫んでいた。

 

そりゃそうだと思う。何故なら、唐揚げからフライドポテトといったパーティーに出てくる食べ物が盛り付けられたお皿や、ケーキがテーブルに並んでいるからだ。

 

ムギ「この料理の全部を憂ちゃんと晴くんが作ったの?」

 

唯「私もこのケーキ作ったよ」

 

ムギの言葉に唯が素早く反応した。

 

律「凄っ!」

 

唯「ケーキの上にイチゴを乗せました!」

 

律「私が言った凄っ!を返せー!」

 

晴「でも、唯が飾りつけとかしてくれたお陰で助かった所もあるよ」

 

憂「そうです!晴くんの言う通りでお姉ちゃんは色々と手伝ってくれました!」

 

律・澪・ムギ(二人ともフォローしてる)

 

唯「和ちゃんは遅れてくるから、先に乾杯しよー」

 

晴・憂「「飲み物、配るね」」

 

唯の言葉を聞いて、憂と一緒に皆の分の飲み物を配った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

律「かんぱーい」

 

律の言葉に、皆も"乾杯"と言ってから、皆は料理を食べ始めた。

 

律「本当にこの料理、凄く美味しいな」

 

澪「そうそう。晴と憂ちゃん、二人で定食屋みたいなお店出来るよ」

 

さわこ「本当よ。……あ、晴くん。私にお酒ちょうだい!」

 

晴「え、先生!?いつの間に居たの!?」

 

律と澪が話してると、いきなり先生の声が聞こえて、声をした方を見ると先生が何故か居た……。

 

その事に澪達も、"どうやって家に入ってきたか"という話を始める程に驚いていた。

 

さわ子「それよりも軽音部のクリスマス会なのに、なんで顧問を呼ばないのよ」

 

澪「そ、それは……」

 

唯「彼氏とクリスマスを過ごすと思って、声をかけませんでした!」

 

さわ子「そんなことを言うのはこの口かー!」

 

唯の言葉に先生は怒って、唯のほっぺを引っ張り始めた。どうやら地雷だったみたい。

 

さわ子「罰として、唯ちゃんはこれを着なさい」

と、先生はいきなり唯に何かを持たせて着替えに行かせた。

 

しばらく待つと、唯がサンタクロースの衣装を着て出てきた。

 

唯「イエーイ!」

 

意外と似合ってた。そう思ってると、先生は澪を見てどこかに連れていった。と思ったら、玄関の方から澪の叫び声が聞こえてきた。

 

しばらくして戻ってきたけど、被害にあった澪は"お嫁にいけない"と呟いてた。その時に和もやってきた。

 

憂「高校生ってなんだか凄いね……」

 

晴「あれは特殊なだけだよ」

 

憂の言葉に答えると、律が声をあげた。

 

律「プレゼント交換しようぜ!」

 

ムギ「やりましょう!」

 

憂「高校生って切り替えも早い……!?」

 

晴「憂。さっきも言ったけど特殊なだけだよ。特にこのメンバーは……」

 

憂にそう言ってると、プレゼント交換を始まった。その時に、唯が言った事を引きずってるのかヤケクソで先生が仕切ってた。

 

その状態でプレゼント交換が続いた。そしてその結果、俺は海苔の詰め合わせというお歳暮みたいな物だった。和のプレゼントで和らしいと思った。

 

俺が選んだプレゼントは澪に当たった。俺が選んだのはマフラーと手袋だ。

 

唯と憂の二人の会話でマフラーと手袋を選んだんだ。唯と憂の二人に当たらなくても、今の時期は寒いから誰に当たっても問題ないと思ったのも理由の一つだ。

 

この時に先生は律のプレゼントのビックリ箱だった。

 

それで先生が壊れたかのようなテンションになったから、少し怖く感じたが、プレゼント交換の後は一発芸をしたりした。

 

そうしてると、雪が降ってきてホワイトクリスマスになって"おぉ~"となったりしながらクリスマス会が続いていった。

 

そうして皆が帰ることになった。

 

皆が帰った後、俺は平沢家に泊まり3人で川の字で寝た。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日~

 

翌日、目が覚めると目の前に憂の顔があった。

 

俺は今の状況を確認してみると、憂と抱き合いながら掛け布団に被った状態で寝ていた事が分かった。

 

憂「……へへへ~……」

 

今の状況を理解してすぐに、憂は可愛い笑い方の寝言を可愛い笑顔で言っていた。

 

晴(……でも、なんで俺と憂は抱き合って寝てたんだろう?最初はそんな風に寝てなかったのに……)

 

憂「……晴くん……」

 

俺が一人で抱き合って寝ている事に、寝起きであまり働かない頭を使ってると、憂がより強く抱きついてきた。

 

憂の様子に俺は"まぁ今は深く考えなくていいか……"と思って、俺も憂と同様に抱きついた状態でもう一度寝ることにして目をつぶった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

その後、憂に起こされた。

 

 

その時に、憂の顔が赤かったのは見なかった事にした。

 

唯は先生の時と変わらずに、憂に聞いていて憂がさらに顔を隠していた。俺はその様子に苦笑いしながら、12月25日のクリスマスをのんびり過ごした。

 

因みに、憂が俺の方の掛け布団に潜って抱きついて寝ていたのは、唯に掛け布団を取られて寒くなったから俺の方に入ってきたと、教えてくれた。

 

その話を聞いた俺は"そうだったんだ"と納得した。

 





続きが出来てませんので、次回も2ヶ月、3ヶ月も期間が空いてしまうかもしれません。

ですので、次回の投稿も気長に待ってくれたら嬉しいです。


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第11話


前回から2ヶ月と少しと期間が開いてしまいましたが、やっと投稿できました。

今回は、年明け後から新歓で中野梓が入部する辺りのストーリーですが、部活の新勧部分は晴が料理部での出来事を書いていますので、軽音部での勧誘の話はほぼありません。

それでも読んでくれたら嬉しいです。



 

 

~晴視点~

 

 

クリスマス会をやってから日が経ち、1月3日になった。

 

今日は、軽音部の皆と近くの神社で初詣に来ていた。

 

同じ料理部の萌とその彼氏の守は、元旦の1日に行ったらしいのでここに来ていない。

 

澪・ムギ「「そんなことない!」」

 

神社前にいると、いきなり二人が叫んだ。

 

晴「律。……あの二人どうしたの?」

 

律「年末年始の唯の過ごし方で、唯はぐ~たらしてたのに体重が増えない事を言ったから、二人が叫んだんだ」

 

晴「あ~、確かに唯って体重が増えるなんて本当にないよ。小さい頃からそうだったよ」

 

澪「は、晴までそんなこと言うの……?」

 

晴「え」

 

ムギ「晴くんまで……ひどいわ」

 

なんか俺の言葉に二人がさらに落ち込んでしまった。

 

律「唯……あと晴も、取り敢えずあの二人に謝っとけ」

 

晴・唯「「ごめんなさい!」」

 

律に言われて、とりあえず二人に謝っておいた。

 

 

そこからはお参りしておみくじを引きに行って、その日は終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

軽音部の皆と初詣に行ってから結構な日が経って、春が近づいてきたある日。

 

そんな今日は、憂の高校合格発表の日になった。

 

唯はガチガチに緊張している。憂の方も少なからず緊張している感じだった。

 

晴「憂。絶対、合格してるよ。だから自信をもって」

と、俺が伝えると憂は"う、うん"と言って合格者の受験番号が張り出されてる掲示板に向かっていった。

 

因みに、俺は憂は合格出来てると信じてるから緊張はあまりない。

 

だって、唯も合格して入学している。それに受験当日までの間、俺は憂に勉強を教えてた時に、答えの間違いは全くなかったからだ。

 

そう思ってると、合格者の受験番号が張り出されている掲示板から憂が戻ってきた。

 

憂「は、晴くん!!私の番号があったー!」

と、憂は言いながらいきなり抱きついてきた。

 

晴「番号があったって事は、合格したって事だ」

 

憂「うん!!」

 

憂の返事に俺は嬉しくなり、未だに抱きついている憂の頭を撫でてあげた。

 

晴「憂、おめでとう!」

 

憂「えへへ~」

 

唯「よかったー!」

 

俺の隣にいた唯も凄く喜んでいたが、喜んでいる途中から選挙みたいな言い方になっていた。

 

 

しばらくして唯は落ち着き、憂は少し顔を赤くさせながらだけど俺から離れたので、皆で帰ることになった。

 

 

俺は澪と憂以外の皆と話をしながらで、憂は澪と話をしながら家に帰った。

 

 

皆とは途中で分かれて、俺は平沢家にお邪魔して憂の合格のお祝い料理を作った。

 

勿論、お祝いを受ける当事者である憂は休んでもらって俺一人で作った。

 

料理を食べた憂に、満面の笑顔で"美味しい"と言ってくれたから嬉しかった。

 

 

そんなこんなで一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ー澪視点-

 

 

今日は、唯の妹……憂ちゃんの桜ヶ丘高校の合格発表の日だ。

 

 

合格者の番号が張り出されてる掲示板の側には、憂ちゃんと姉の唯に幼馴染みの晴がいる。

 

私と律とムギは少し離れた場所で、三人の様子を見ていた。

 

様子を見て少しした頃に、憂ちゃんが晴に抱きついていて唯も喜んでいた。

 

律「わー、憂ちゃん……大胆だな~」

 

澪「確かにね。それに唯の喜びながら言ってる言葉なんて、選挙とかでよく聞く言葉だよ。……親バカならぬ姉バカみたいだな」

 

ムギ「そうね。……でも、憂ちゃんが合格できて良かったわね」

 

ムギの言葉に私と律は頷いた。

 

少しして三人が私達の所にきたから帰ることになった。

 

 

その時に、私と憂ちゃん以外の四人は、少し前を歩きながら話をしていたから、私は憂ちゃんと話をすることにした。

 

澪「憂ちゃん、合格おめでとう。良かったね」

 

憂「はい!」

 

私の言葉に、憂ちゃんは笑顔で返事をしてくれた。

 

澪「……そういえば合格が分かった時に、唯じゃなくて晴に抱きついたのはなんでなんだ?」

 

憂「それは……反射的にです。……でも……勉強を教えてくれたのは晴くんですし、それに幼馴染で何より好きな人だから……」

 

私の質問に憂ちゃんは顔を赤くさせながら答えてくれた。

 

澪「(物語でたまに見る両片思いっていうやつじゃ……)因みに聞くけど、いつから好きなの?」

 

憂「……他の人に言わないですか……?」

と、控え気味に聞いてきたから私は何度も頷いた。

 

憂「小さい頃、晴くんとよく公園で遊んでいたです。そんな時にある出来事で晴くんの事を好きになったんです。というより、その頃はかっこいいって思ってた感じですね」

 

澪「しばらくして、好きだって事を自覚した感じ?」

 

憂「……そうですね……。でも去年のクリスマス会の後ぐらいに、前以上に好きって意識をしてしまいましたけど……」

 

私の言葉に憂ちゃんはどんどん声が小さくなりながら答えてくれたが、顔がリンゴと言う程に赤くなってしまったから、最後に聞きたいことを聞いてから、恋バナはやめようと決めた。

 

澪「因みになんだけど、その公園での出来事ってどんな事なの?」

 

憂「……二人で遊んでいる時だったんですけど、犬……野良犬だと思うんですけど、その犬が襲ってきたんです」

 

憂ちゃんの言葉に私は驚いたが、話の続きに耳を傾けた。

 

憂「それで、晴くんが私の前に出て追い払おうとしてくれたんです。……でも晴くんは、結局ふくらはぎを噛まれちゃって、近くを通ったお巡りさんが助けてくれましたけど」

 

澪「犬に噛まれたって、晴は大丈夫だったのか?」

 

憂「はい。助けてくれたお巡りさんが応急処置と両親に連絡をしてくれて、しかも病院にまで連れていってくれたんです」

 

澪「それは良かった。……でも言われてみれば、学校のプールとかでふくらはぎに傷を見たような気がするけど、ひとまずその時に意識してた感じなんだね」

 

憂「……そうです。その時に凄くかっこよかったって思ってましたけど、多分この時から晴くんの事が好きになってたと思います」

 

澪「そっか……」

と、憂ちゃんと話をしていると、皆と分かれる事になったから晴達に"また学校で"と言って家に帰った。

 

 

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~4月~

 

 

~晴視点~

 

 

憂の合格発表があった日から時間が過ぎて、進級して二年生になり、そし日から学校か始まる日になった。

 

 

そして今は登校中にバッタリ会った和と一緒に学校に向かっている。

 

和「唯は?」

 

晴「唯は去年の入学式の日と同じで、慌てて一人で向かったよ」

 

和「はぁ……相変わらずね、唯は」

と、唯の話をしながら登校していて、しばらくして学校に着いた。

 

学校に着いた時にクラス表を確認した。

 

クラス表を見てみると俺と和は同じクラス、二年一組だった。

 

唯達のクラスも確認をしたかったが、クラス表を見てる生徒が多くて確認はできなかったから、見るのはやめてクラスに向かった。

 

一応、澪が同じクラスなのは分かった。同じあ行だから上から名前を見た時に知った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~二年一組~

 

 

教室に着いて自分の席に荷物を置いてから、教室内を見てみると、ポツンと席に座ってる澪がいた。

 

澪に気がついた俺と和は澪に声をかけにいった。

 

晴「澪、おはよう」

 

和「澪もいたのね。おはよう」

 

澪「晴!それに和も同じクラスだったんだ……!……二人ともおはよう!」

 

俺と和が声をかけると、澪は心の底から嬉しそうにして挨拶してきた。

 

嬉しそうに挨拶してきた事を聞くと、俺と和と澪以外の皆は違うクラスだから、俺がいるのはクラス表で知ってたけど、それ以外の知り合いは誰もいないと思ってしまったらしい。

 

その話を聞くと、"そっか……"と呟いて苦笑いしてしまった。

 

因みに、守と萌の二人も同じクラスだった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

クラスでの出来事や新一年生達の入学式とかが過ぎた後に部活勧誘の時間帯になった。

 

先輩三人と萌と俺の合計五人で部活のチラシや料理部の魅力とか色々と説明していた。

 

そうこうしていると午後の授業になった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~放課後~

 

 

~料理部・部室~

 

 

午後の授業が終わり、放課後になった。

 

俺は、先輩三人と萌の皆と部室で一年生が来るのを待っていた。

 

萌「中々、来ないね~」

 

晴「だね~」

 

先輩A「といっても、なんだかんだ一人くらいは来るもんだから、気長に待っとけば大丈夫だぞ」

 

先輩B「そうそう。顧問の先生が言ってたのだけれど、最低でも一人は入部してきたらしくて、部員が途切れた事はないって言ってたわよ」

 

晴・萌「「へぇ~」」

 

先輩と話をしていると、"ガチャ"と部室として使ってる家庭科室の扉が開いた。

 

先輩C「誰か来たわね」

と、先輩が呟くと同時に一人が覗いてきた。

 

後輩(兄)「あの~、料理部に入部したいんですけど~」

 

後輩(妹)「にぃに、早く入ってよ」

 

一人が覗いてきたと思ったら、二人がやってきた。

 

萌「……いきなり二人やってきたー!」

 

後輩二人「……!」

 

二人来たことに萌が大声で叫んだから、びっくりしてしまった。しかも入ってきた後輩二人も驚いてしまってる。

 

晴「萌、いきなり叫ばないで。あの後輩二人がびっくりしてるし」

 

萌「だって二人も来てくれたんだから!」

 

先輩A「二人とも少し黙る」

 

晴・萌「はい……」

 

先輩に注意されたから、静かにした。俺と萌が静かにしている間に、先輩が質問している。

 

話を聞くに、部室に来た二人は双子で男子が兄で女子が妹だそうだ。

 

それで、二人ともお菓子とかは作った事は無いみたいらしいが、前にテレビでパティシエのお菓子特集というのを番組を見た妹の方が作りたいと思ったらしい。

 

けど、お菓子の材料とかその他諸々よく分からないから、料理部に入って教わった方がいいと思ったらしい。兄の方も妹に触発されたとの事。

 

後輩(兄)「……僕と妹、お菓子作った事は無いんですけど大丈夫ですか?」

 

入部の経緯を話してくれた後に、大丈夫かどうかを聞いてきた。

 

先輩A「大丈夫大丈夫!俺も高校に入る前までお菓子作りどころか炊飯器でご飯を炊くこと自体したことないやつだったから」

 

先輩B「私も作ったことなかったわ。私達世代では、この子が唯一の料理お菓子作りが得意な人だったしね。……と、まぁそういうわけだから大丈夫わよ」

 

先輩はそう言いながら、もう一人の先輩の肩に手を置いて、自分達の事を含めながら、作れなくても大丈夫だという事を説明していた

 

先輩C「そう、私は昔からお菓子作りが好きよ。……で、この二年の二人も、私と同じで小さい頃から作ってるから得意なのよね」

 

萌「うんうん、そうでーす」

 

晴「そうだけど、その前に自己紹介しないんですか?」

 

先輩達「「……そうだった!」」

 

俺が言った言葉に、先輩達はそう叫んでから、お互いに自己紹介をした。

 

 

そのあとも話をして、最終的に一年生の双子は入部してくれる事になった。

 

そこで、ちょうど下校時間になったので、各自家に帰った。

 

明日の放課後にも、もう一度集まる事になった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~平沢家~

 

 

自分の家に帰った後に、平沢家にお邪魔してた。

 

 

今日も、唯と憂の二人と晩御飯を食べる事に、なってるからだ。で、今は憂と一緒に晩御飯を作ってる所だ。

 

晴「軽音部の方はそんな感じだったんだ……」

 

晩御飯を作りながら、憂から唯達……軽音部の状況、新入部員勧誘の事を聞いていた。

 

憂曰く、部員は集まりそうな感じはなさそうと言っていた。けど、一人だけもしかしたらって子はいるらしく、明日の新入生歓迎会で、軽音部の演奏に誘うと言っていた。

 

晴「なるほどね」

 

憂「料理部の方はどうだったの?」

と、憂から料理部の事を聞かれた。

 

晴「こっちは、二人入ってくれたよ」

 

憂「二人も入ってくれたの!すごいね!」

 

晴「うん。双子兄妹なんだけど、二人はお菓子作った事がないって言ってたから、教えがいがあるよ」

 

憂「(晴くん、嬉しそう)でも、二人も入ってくれて良かったね」

 

 

晴「本当良かったよ。……憂は部活どうするか考えてるの?」

 

憂「私?……私は特には決めてないかな……」

 

料理部の新入生の事を話した後に、憂に部活を決めているのか聞くと、決めてないと言われたから、料理部に誘ってみることにした。

 

晴「じゃあ、料理部に入らない?」

 

憂「料理部か~。少し気になってるんだよね……」

 

俺が料理部の事を言うと少し考え始めてしまった。

 

晴「まぁ、入る入らないは別に憂次第だからゆっくり考えて。今は晩御飯完成させよ」

と、憂に伝えてから、料理を作り完成させた。

 

三人で晩御飯を食べた後、俺は家に戻ってお風呂に入り寝た。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

~翌日・放課後~

 

 

~料理部・部室~

 

 

講堂で部活紹介などをする新入生歓迎会が終わった後に、俺は料理部の部室にいた。

 

昨日と同じく、萌や先輩達と話をしながらのんびりと部室で過ごしていると、部室のドアが開いた。

 

やってきたのは、昨日入部してくれた双子だった。

 

後輩(兄)「どうも……」

 

後輩(妹)「先輩!どうも!」

 

物静かに入ってきた兄と、元気いっぱいの妹という対照的な双子だ……ということを思っていると、二人が閉めたはずのドアがまた開いた。

 

憂「晴くん、いる~?」

 

次に入ってきたのは憂だった。憂は俺の名前を呼んできたから、"とうしたの?"と質問した。

 

憂「……えっと、私料理部に入部しようと思って、入部届けを持って来たんだけど……」

 

俺の質問に、憂はそう言ってきた。"入部届けを持ってきた"と言った瞬間に先輩と萌がもうスピードで憂の元に駆け寄った。

 

先輩B「それ本当に!?」

 

萌「せ、先輩!この子で三人目ですよ!三人も入ってきてくれました」

という事を、二人が言うと他のメンバーも似たようなテンションになっていた。

 

その様子に双子は呆気に取られていて、先輩達に責め寄られている憂は困惑していた。

 

タジタジになった憂は、俺に近づいて背中に隠れてきた。

 

まぁ確かに、さっきの責め寄られる状態は誰だろうと、逃げたくなる程だったのは誰が見ても理解はできていた。

 

萌「ねぇ、晴っちその子は知り合いなの?」

 

憂が俺の後ろに隠れた事に不思議に見ている萌がそう聞いてきた。

 

晴「唯の妹の、平沢憂だよ」

と、俺が伝えると憂は自己紹介を始めて、先輩達と話を始めたから、俺も少し会話に入りつつ憂のフォローに入った。

 

憂「この後少し用事があるので、そろそろ帰ってもいいですか?」

 

少し話をした時に憂がそう言ってきた。憂の言葉に先輩は"帰っても大丈夫"と答えていた。

 

先輩A「じゃあ、料理部は週2日だからね。活動する日は晴から聞いてね」

 

憂「はい、分かりました」

と、先輩の言葉に憂は返事をしてから部室を出ていった。

 

先輩C「いや~、まさか三人目が来たのはよかったよ」

 

憂が出ていった後に先輩が憂の入部届けを見ながらそう呟いていた。

 

晴「……俺、そろそろ軽音部の方に顔を出してきますね」

 

先輩A「おう。そのまま帰っても大丈夫だからな」

 

晴「分かりました」

 

俺は、軽音部に行く事を伝えてから、場室を出た。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

しばらく、軽音部の部室……音楽室準備室の近くに来た時だった。

 

律「確保ー!!」

 

中から律の大声が聞こえてきた。

 

部室のドアを開けて、部室内を見てみると、黒髪をツインテールにしている一年生らしき女子が律達に抱きつかれている状態だった。

 

晴「どういう状況?」

 

部室内のそんな光景を見た俺は、そう粒いていた。

 





双子は名前は考えてないので、次回以降も今回と同じで名前表記は双子(兄)と双子(妹)と表記します。

次回は早めに投稿が出来るように頑張りたいですが、次の話が出来ていませんので、今回のように期間があいてしまうと思います。

1ヶ月から遅くとも3ヶ月開いてしまうかもしれませんがそれでも待ってくれたら嬉しいです。


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第12話


遅くなりましたが、続きです。

では、本編をどうぞ。



 

 

~晴視点~

 

 

晴「どういう状況?」

 

"確保ー!"という言葉が聞こえた軽音部に入り、律がツインテールの子に抱きついてる光景を見た俺はそう呟いてしまった。

 

澪「えっとこれは……」

 

俺の呟きに澪が俺の側に来て、今の状況を澪が説明してくれた。

 

話を聞くと、ツインテールの子が軽音部に入部してくれるらしく、それを聞いた律が抱きついたと教えてくれた。

 

澪から話を聞いた俺は、律の方をもう一回見てみた。未だにツインテールの子に抱きついたままだった。

 

晴「律。いい加減、その子から離れてあげて。凄く迷惑な顔してるからさ」

 

律「えー、やだ」

 

晴「じゃあお菓子作ってこないし、家に遊びにきてもあげない」

 

律「分かった!」

と、律はツインテールの子からすぐに離れた

 

晴「……律が迷惑かけてごめんね」

 

梓「あ、いえ大丈夫です」

 

晴「えっと、皆は自己紹介した?」

 

俺がそう聞くと首を横に振って、澪が"してない"と教えてくれた。

 

晴「じゃあ、自己紹介しようよ。律たちもいいよね?」

 

俺がそう言うと皆は頷いてくれたので、俺から始めた。

 

晴「まず俺は、井島晴です。軽音部と料理部の二つに入部してます。本職は料理部だけどね」

と、俺が自己紹介を終えると、澪と律と唯とムギの順番に自己紹介が進んでいった。

 

皆が終わると、ツインテールの子の番になった。

 

梓「私は、一年二組の中野梓です。パートはギターをしてます」

 

澪「じゃあ唯と一緒だな」

 

晴「確かに」

 

梓「そうなんですね!唯先輩、よろしくお願いします!」

 

俺と澪の言葉に、梓がそう言った。

 

唯「!……唯、先輩……。唯先輩……!」

 

梓の先輩発言に、唯は噛み締めるような感じで繰り返し自分で言い始めた。その状態の唯に律が声をかけて、唯を元に戻していた。

 

そこから、梓が入部を決めたきっかけなどを聞いたりして、梓のギター演奏を聞くことになった。

 

梓は初心者でまだまだと言っていたが、演奏を聞いてみると、凄く上手かった。

 

梓の演奏の上手さに皆は静かになってしまった。

 

梓「もしかして、聞き苦しかったですか……」

 

晴「……そうじゃないよ。スッゴく上手くてびっくりしちゃったんだ!」

 

梓「上手かったですか?」

 

俺の言葉に梓は嬉しそうにしながら、聞き返してきた。

 

皆は梓の言葉に頷きながら、律が唯に声をかけた。

 

律「唯はどうだった?」

 

唯「ま、まだまだだね!」

 

律に梓の演奏の事を聞かれた唯は、強がっている言葉を言ってしまった。

 

梓「私、唯先輩のギター、また聞きたいです!」

 

唯「え!?」

 

梓にそう言われた唯は目を泳がしながら慌て始めた。

 

唯「あ、あー、ちょっと文化祭の後にぎっくり腰になって、弾くのが難しいんだー……」

 

晴「うわー……まさかの強がりから言い訳まで言っちゃったよ」

 

律「……と、とにかく、軽音部に入部してくれるんだよね?」

 

律がそう聞くと、梓は頷いてくれた。

 

そして梓が部室から出ていくと、唯が大声を出した。

 

唯「み、皆っ!ど、どうしよう!?」

 

澪・律「「練習しろ」」

 

唯の言葉に澪と律がハモってそう伝えて、この日は解散となった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

~晴の家~

 

 

家に着き、ただいまーと言いながらリビングに入ると、お母さんがギターを持って待機していた。

 

晴「え?……なんでギターを持ってるの?てか、なんで家にギターがあるの?」

 

母「今日、私が買ったからね。晴がギターを弾く姿を見たくてね!」

 

晴「え……?」

 

母「お父さんとも相談したんだけど、晴ってギターのコード?って言うのを勉強というか覚えているでしょう?」

 

晴「う、うん」

 

母「唯ちゃんのギターを借りながら、そうやるのは不便だと思ったお父さんとお母さんが、唯ちゃんと同じギターを買いました!同じギターの方が使いやすいだろうしね」

 

お母さんの堂々とした言ってきた発言に、何も言えなかった。

 

その状態でいると、お母さんがギターとケースなどの付属の諸々を強引に差し出してきた。

 

晴(……親二人とも行動力凄いし思いっきりさがあるから、誕生日でもないのに何かしら買ってきて、俺にくれるから反応に困るんだよな……)

 

そんなことを思いながら、折角買ってきてくれたので貰わないとお母さん達の気持ちに失礼になるから、ギターを貰った。

 

ギターと諸々を受け取った俺は部屋に戻り、部屋の隅にギターを置いた。

 

晴(明日、ギターを持ってて……唯は絶対に人に教えるのは無理だから、梓に教わろう)

 

部屋でギターを見ながら、俺はそう決意した。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日~

 

 

翌日になり、ギターケースを背負いながら学校に行くと、同じクラスである和と澪、守と萌の四人に驚かれて理由を聞かれた。俺は昨日家で起きた事を伝えた。

 

そして昼休みには律達にも伝わり、軽音部全員にも驚かれて色々と聞かれたので、澪達に説明した内容をそのまま伝えた。

 

 

そんなこんなで時間が過ぎて、ホームルームが終わり放課後になった。

 

ギターケースを背負いながら廊下に出た俺は軽音部の部室へに向かった。料理部は今日は休みだからだ。

 

廊下を歩いてると、憂の姿が見えた。

 

晴「憂ー」

 

憂「?……あ、晴くん!」

 

晴「憂は帰り?」

 

憂「うん、そうだよ。晴くんはこれから軽音部に行くの?」

 

憂の質問に俺は頷いた。

 

憂「……その背負ってるのってギターだよね!?なんで!」

 

少し話した後に、憂が俺がギターを持ってるのに気がついて質問してきた。

 

俺は、朝と昼休みに澪達に話した事を伝えた。すると憂は苦笑いしながら"晴くんの両親は凄いもんね……"と呟いていた。

 

憂「あ、晴くん。軽音部に一年生の子が入ってくれて良かったね」

 

ギターの話の後に、憂が梓の事を言ってきた。

 

晴「唯から聞いた?」

 

憂「聞いたのもあるけど、それ以上に軽音部の部室まで案内したのは私だよ」

 

晴「そうなの!?」

 

憂「うん。部活勧誘の時から、凄く軽音部を気にしてる感じだったんだ。だから声かけて案内したんだ」

 

晴「憂のお陰なんた。ありがとう」

と言いながら頭を撫でてあげた。

 

憂「えへへ~、そうでもないよ~」

 

俺に撫でられている憂はそんな事を言いながらも、嬉しそうにしていた。

 

晴「……じゃあ、部室に行くね」

 

憂「うん、頑張ってね」

 

晴「まぁ、やることはほとんどないけどね」

 

軽く話してから、俺は憂と別れて部室へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~軽音部・部室~

 

 

ギターケースを背負いながら部室に着くと、梓以外の皆が集まっていた。

 

晴「梓はまだ来てないんだ」

 

俺の言葉にみんなが頷いた。その直後にドアが開いた。

 

梓「こんにちわー」

 

晴「言ってる側からやってきた」

 

澪「噂をすればってやつだな」

 

梓「あれ?晴先輩、ギター持ってたんですか?」

 

晴「えっと、これはね……」

 

梓の質問に皆にした説明を伝えた。

 

梓「晴先輩の両親って決断が凄いですね。どんなギターか見せて貰っても良いですか?」

と、梓が言ってきたからギターケースを開けてギター見せた。

 

梓「これって唯先輩と同じギターですね」

 

晴「母親曰く、俺が前まで唯のギターを借りながら、コードとかを覚えてたから、別のギターより唯が使ってるギターの方が使いやすいだろうってのも言ってた」

 

梓「へぇ~」

 

少しギターの事で梓と話をしていると律が声をあげた。

 

律「じゃあそろそろ……」

 

梓「あ、練習ですか!」

 

律「お茶にするか」

 

律の言葉に皆はいつものように椅子に座って雑談を始めた。俺もお菓子を出しといた。

 

その様子に梓が戸惑っていたから、声をかけようとした時に、先生がやってきた。

 

梓「あ、こ、これは……!」

 

お茶をしている事を怒られると思った梓が慌てたが、先生は普通にムギに"ミルクティーをお願い"と言った。

 

その光景を見ていた梓は困惑してしまい動かなくなったが、少しして梓が動き出してギター取り出した。

 

晴「練習するの?」

 

梓「あ、はい。自主性が試されてると思うので」

 

晴「自主性?……まぁ、それはいいとして、梓にお願いがあるんだ」

 

梓「お願いですか?」

 

俺は頷きながら、"ギターを教えてほしい"と伝えた。

 

晴「一応、コードとかは覚えてはいるんだけど、実際弾くのとは感覚は違うでしょ?」

 

梓「確かにそうですね。イメージ、想像で弾き方とかが分かってても指がうまく動かせなくて弾けないとかよくありますしね」

 

晴「それに自分一人でやるより教わりながらの方がうまくなると思って」

 

俺がそう言うと、梓は納得してくれた。それで梓が説明しながら”じゃーん”と弾いた時だった。

 

さわ子「うるさーい!!」

 

いきなり先生が大声で文句を叫んできた。その声に驚いて、梓は泣き出してしまった。

 

律「さわちゃんのアホー!!」

 

晴「なんで大声を出したんですかー!」

 

さわ子「だって静かにお茶をしたかったんだもん」

 

律「もっと言い方ってもんがあるでしょ!」

 

俺と律は先生と話をしている間に、澪が梓に声をかけていた。

 

すると、梓が立ち上がった。

 

梓「……こんなんじゃ駄目ですーー!!」

 

晴「怒りはじめた……」

 

俺の一言は気にせずに梓は"ティーセットを片すべき"と言ったりして、先生が"やめて!"と言ったりする光景が広がったが、唯が梓に抱きつき頭を撫で始めた。

 

澪「それで収まるわけ……」

 

梓「……は~」

 

澪「収まったー」

 

唯の行動によって梓が収まったので、そこから少し話をしていった。皆が先生との会話に一区切りがついた後に俺が先生に声をかけた。

 

晴「とりあえず、先生は明日から一週間はお菓子は禁止です」

 

さわ子「晴くん、そんな事言わないでよー!」

 

俺がそう言うと先生は泣きながら叫んできた。

 

晴「……じゃあ、他の人が練習しても文句は言いませんよね?」

 

さわ子「お菓子を食べれるなら、文句は言わないわ!」

 

晴「じゃあ、今ここでギターの練習をしても問題ないですよね?」

 

さわ子「問題ないわ!」

 

先生から許可を貰った俺は梓の方を見た。……見てみると、唯がお菓子を使って梓を遊んでいた。

 

その光景を見て苦笑いしたけど、声をかける事にした。

 

晴「梓。オッケーだから、もう一回ギターの弾きかた教えて」

 

梓「……あ、はい」

と、梓は返事をしてさっきまで座っていたソファーの所でギターをやることになった。

 

練習を再開しようとした時に、先生から俺が唯と同じギターを持っている事に気が付いて、なんでギターを持ったいるのか質問してきた。

 

俺は皆にした理由を教えてから、すぐに梓にギターを教わった。

 

今日は、それで一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日・放課後~

 

 

今日は料理部の活動があるので、憂と一緒に料理部部室に向かっていた。

 

憂は今日の料理部が初めての活動だったが、部室に着くまでは昨日あった軽音部での出来事を話をしていた。

 

晴「……で、昨日の軽音部がそんな感じだったんだ」

 

憂「軽音部、凄くワイワイしてて楽しそうだね」

 

晴「料理部も和気あいあいしてるから楽しみにしててよ」

 

憂「うん!」

 

そんな話をしながら歩いていると、料理部部室の家庭科室に着いた。

 

部室に入り挨拶した。

 

晴「晴と憂が来ましたー」

 

萌「晴っち、憂ちゃんが来たー」

 

部室内に入ると萌のそう叫んだのを横目に見ながら、部活が始まった。

 

それぞれ好きなように作ることになって、1年双子達は先輩や萌が教えて、俺は憂と一緒に作った。

 

そんなこんなで時間が過ぎていき、部活が終わり下校時間になったので、帰る事になった。

 

 

その帰り道に、唯達と会ったので軽音部の今日の出来事を聞くと、澪から梓にあだ名がついたと教えてくれた。

 

なんでも、先生が猫耳を持っててそれを梓がつけたので、あずにゃんというあだ名になったそうだ。

 

皆は一様に凄く可愛かったと言ってきたので"ちょっと見てみたいな"と、俺と憂が言うと部室に来たら見れるよと言ったので、憂と一緒に見る事に決めた。

 

 

そんな話をしながら帰路についた。

 





次回も、今回のように三ヶ月も期間が開くかもしれませんので、気長に待っていただけたら幸いです。


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第13話


前回から3ヶ月ぐらい空きましたが、続きです。

お待たせしました。13話ですが、クオリティはあまり期待しないでください。

では、本編をどうぞ。



 

 

~晴視点~

 

 

梓が軽音部に入部してから、結構な日が経ち季節が夏になった。

 

料理部で活動しつつ、軽音部に顔を出して過ごしていた。

 

さわ子先生が梓にメイド服を着させようとしたりする出来事があった。

 

他にも、唯達と帰り道にアイスを食べている時に梓がまだ軽音部の雰囲気に慣れないという事を聞いたりした日々が過ぎた。

 

 

そんなある日。

 

 

軽音部で過ごして皆と話をしている時に、梓の歓迎会をするという話になった。

 

殆どは唯と律が遊びたいっていうのが大きいと思うし、澪もその辺について色々と言っていたが最終的に公園で遊ぶという事になった。

 

その話が終わって、今日の軽音部は解散となったので家に帰る事になった。

 

律「あ、晴。おねがいがあるんだけど」

 

晴「ん?」

 

律「公園に行く日にさ、昼ごはんを作ってきてくれないか?」

 

晴「あぁ……、ピクニックとかで出掛けたみたいな感じの弁当ってこと?」

 

律「そうそう。折角、公園に行くんだからそういうのがあった方が一層楽しそうだし!」

 

晴「分かった、作っておくよ」

 

律「ありがとう」

 

律に返事をしてから学校を出た。

 

家に帰るまでの間に、律に頼まれたお弁当の中身を何にするか考えてから、スーパーに寄った。

 

 

スーパーで買い物をしてから家に帰った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~公園へ行く前日の夜~

 

 

~平沢家・キッチン~

 

 

俺は憂と一緒にキッチンで、明日のお昼に公園で食べる弁当の準備をしている。

 

弁当に入れるおかずの中で、前日の今日に下ごしらえとかをしといた方がいいのもあるからだ。

 

そんな中で、俺は憂に話しかけた。

 

晴「そういえば、憂って明日の公園行くの?」

 

憂「私?」

 

晴「うん。唯から話は聞いてると思うけど、その時に"一緒に行こう"とか誘われなかった?」

 

憂「あ~、誘われたよ。けど、それ梓ちゃんの、軽音部の歓迎会だから行くのやめとこうって思って、行かない事にしたよ。……晴くんは私にも来てほしいの?」

 

晴「そりゃ、憂にも来てほしいなって思ってる。憂が梓に声をかけて軽音部に来させてくれたし、軽音部じゃない憂も皆と楽しんでほしいから」

 

俺がそう言うと、憂は調理しながら考え込んでしまった。

 

憂「……晴くんは、私が来てくれたら嬉しい?」

 

晴「それは当然だよ。俺が憂と一緒に居て楽しくないとか嬉しくないとか思った事ないよ。だから、憂が来てくれたら嬉しいよ」

 

憂「……私も行く」

と、憂はちょっと小声で呟いてきたが、"行く"と言ってくれた。

 

晴「じゃあ皆にメール送ってくるから、少しだけ料理任せていい?」

 

憂「う、うん。分かった」

 

憂の返事を聞いた俺は手を洗ってから、自分の携帯を置いてる場所へ向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

リビングでゴロゴロしていた唯に、憂も明日来る事を伝えた。すると、唯が憂がいるキッチンへ行ってしまい、"いきなり抱きつかないで……!"という憂の声が聞こえてきた。

 

その憂の声に少し苦笑いしつつ、律達にも憂が明日来ることをメールをした。

 

少しして澪達から"了解"や"楽しみ"とかの返事がきて、全員から返事が返ってきたのを確認してから、キッチンまで戻った。

 

憂「あ、晴くーん、助けてー……!」

 

キッチンに戻ると、未だに唯に抱きつかれている憂から助けを求められた。

 

晴「唯。そろそろ憂から離れてあげてよ。憂は料理してて、危ないんだから。それに憂がちょっとやめてほしそうな感じになってるんだから」

 

唯「え~、そんな事ないよー」

 

晴「そんな事なくても、今は料理しているから抱きつきたいなら料理が終わった後にしてよ」

 

唯「分かったよ」

と、返事をした唯はリビングに戻って、またゴロゴロとし始めた。

 

晴「憂、なんかお疲れ様」

 

憂「ううん、大丈夫だよ。お姉ちゃんに抱きつかれるの好きだから。でも料理している時はやっぱり困っちゃったから、晴くんありがとう」

 

晴「どういたしまして」

と、憂に伝えてから、俺も途中だった料理作りを再開した。

 

しばらくして下ごしらえとか、今の内に終わらせたかった準備が終わったので、俺は家に帰った。

 

 

そうして一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

 

~憂視点~

 

 

明日、軽音部の皆と晴くんが梓ちゃんの歓迎会をする為に公園に行く。

 

その前日の今日。

 

晩御飯を食べた後に、晴くんと一緒に明日のお昼に公園で食べる弁当に入れるおかずの下ごしらえをしている。

 

そのおかずの下ごしらえをしている時に、晴くんから質問された。

 

晴「うん。唯から話は聞いてると思うけど、その時に"一緒に行こう"とか誘われなかった?」

 

憂「あ~、誘われたよ。けど、それ梓ちゃんの、軽音部の歓迎会だから行くのやめとこうって思って、行かない事にしたよ。……晴くんは私にも来てほしいの?」

 

晴くんにそう伝えてから、"私にも来てほしいの?"と聞いた。すると即答で"来てほしい"と言われた。

 

晴「憂が梓に声をかけて軽音部に来させてくれたし、軽音部じゃない憂も皆と楽しんでほしいから」

 

しかも、そんな事を言われた。

 

憂「……晴くん自身は、私が来てくれたら嬉しい?」

 

晴「それは当然。俺が憂と一緒に居て楽しくないとか嬉しくないとか思った事ないよ。憂が来てくれたら嬉しいよ」

 

晴くん個人の気持ちを聞いたら、嬉しいことを言ってくれたから、"私も行く"と伝えた。

 

すると、皆に私も公園に行く事を伝えるって言って、キッチンから離れて居なくなった。

 

憂「もう晴くんは……(でも晴くんに……好きな人にあんな風な事を言われるのはやっぱり嬉しいな)」

 

私は、料理をしながら晴くんに言われた言葉を噛み締めてると、後ろからいきなり抱きつかれた。

 

唯「憂~」

 

憂「ちょっ、お姉ちゃん。いきなり抱きついたら危ないよ。私、料理してるんだから~」

 

唯「だって、憂が明日来てくれるのが嬉しくなっちゃって~。憂は抱きつかれるのは、嫌なの?」

 

憂「お姉ちゃんに抱きつかれるのは嫌じゃないし、嬉しいけど、今はダメなの」

 

お姉ちゃんにそう言っても中々離れてくれなくて、どうしようか悩んでると、晴くんが戻って来たのが見えた。

 

憂「あ、晴くーん、助けてー……!」

 

晴「唯。そろそろ憂から離れてあげてよ。憂は料理してて、危ないんだから。それに憂がちょっとやめてほしそうな感じになってるし」

 

私が助けを求めると、晴くんがお姉ちゃんにそう伝えてくれた。

 

唯「え~、そんな事ないよー」

 

晴「そんな事がなくても、今は料理しているから抱きつきたいなら料理が終わった後にしてよ」

 

唯「分かったよ」

 

晴くんに説得されたお姉ちゃんは、やっと離れてリビングに戻っていった。

 

晴「憂、なんかお疲れ様」

 

憂「ううん、大丈夫だよ。お姉ちゃんに抱きつかれるの好きだから。でも料理している時はやっぱり困っちゃったから、晴くんありがとう」

 

晴くんにお礼を言って、晴くんも料理の準備を再開した。

 

しばらくして、今日やっておく必要がある準備は全部終わった。

 

晴くんは家へ帰っていったから、私もお風呂に入って寝る準備を始めて、就寝した。

 

 

一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~公園~

 

 

翌日の朝になり平沢家のキッチンで、憂と一緒に弁当を準備をした。

 

 

そして公園に着いたが、すぐに弁当を食べることになった。

 

まぁ、集合時間が朝早くじゃなくて、ちょっと遅めだったから公園に着いたのがお昼近くになったからだ。

 

律「おぉー!弁当、すごっ!」

 

澪「去年、バイトした時に作ってくれた弁当も凄かったけど、これも凄いな」

 

ムギ「澪ちゃんの言う通りね」

 

唯「やっぱり二人は凄いよ~!」

 

四人は各々感想を言ってから弁当を食べ始めた。

 

晴「梓は食べないの?」

 

梓「あ、た、食べます!凄いお弁当が出てきてビックリしただけです!」

 

一人固まっていた梓がそう言ってから食べ始めた。

 

皆が食べ始めたのを見てから、俺と憂も食べることにした。

 

梓「晴先輩が作ったんですか?」

 

晴「俺と憂が作ったんだ。昨日の夜に下ごしらえとか色々してたんだ。それで今日の朝に作ってきた」

 

梓「そうなの?」

 

憂「うん、そうだよ」

 

梓と憂、律達とも話をしながら、昼御飯を食べた。

 

お弁当箱からおかずやおにぎりが全部きれいさっぱり無くなって片付けていると、律と唯とムギが梓にデザート系を勧めていて、律が梓の口にたい焼きを突っ込んでいた。

 

たい焼きを口に突っ込まれた梓は一気に頬張って食べた。

 

澪「好きなの?たい焼き」

 

梓「はい」

 

澪に聞かれた事に、満足した顔でで返事をしていた。

 

晴「たい焼きの中身は、やっぱりあんこがいいの?」

 

梓「はい。つぶあん、こしあんのどっちも好きです」

 

晴「なるほど。……今度、たい焼き作ってみようかな……」

 

憂「家にたい焼き作れる機械あったっけ……?」

 

晴「多分、うちの押し入れに片付けてあったはず……。まぁ、この際新しいやつを探して買えばいいよ」

 

憂「そうだね」

 

律「じゃあ、あっちで遊ぼうぜ~!」

 

憂とたい焼きの事で話をしていると、律が大声でそう叫んで唯とムギの二人と少し離れた場所へ向かっていきフリスビーで遊び始めた。

 

晴「あ、憂。今日の弁当に入れた唐揚げ、味がなんとなく薄くなっちゃってたような気がしたけど、憂はどう思った?」

 

憂「んー、確かになんとなくそう感じたかな……。やっぱり冷めても美味しいのを作るの難しいよね」

 

晴「それに、夏だから保冷剤を入れて弁当を運ぶから余計に冷たくなっちゃうよね」

 

しばらく、俺は憂と弁当のおかずについて話を始めが、その最中に律と澪が騒いでるのが聞こえたが、気にせずに話を憂と続けた。

 

しばらくして、唯がこっちに来て憂を律達の所へ連れていってしまった。

 

その様子を見ていると、梓に"聞きたい事がある"と声をかけられたので、その聞きたい事を聞いた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

梓の聞きたいに答え終わると先生が話しかけてきた。

 

いきなり声をかけられた事と、いつの間に公園に来ていたのとしかも普通に先生が持っているいろんな衣装も持ってきていたのにも驚いてしまった。

 

しかもそれを梓に着せようと……いや着せかえ人形みたいにしていた。

 

そんな光景を最初は驚いて見てたけど、最終的に"先生らしいな"と思いながら見ていた。

 

そんなこんなで時間が過ぎていき、夕方になって帰ることになった。

 

梓は、先生と先生に協力をした唯と律とムギ達の着せかえ人形にされてしまってたので、疲れきった顔をとしていた。しかも憂の肩を借りた状態で立っていた。

 

そんな状態の梓と、他の皆と一緒に待ち合わせた場所に戻ってきた時に、澪が今度は帰り際に"皆!"と大声を出した。

 

澪「明日は絶対練習をするぞ。絶対に絶対!」

と、澪が言ってきた。律達はあたたかい感じに見ながら返事をしていた。

 

まぁ、帰り際にもそんな事があったが最終的に解散となり、一日が終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~梓視点~

 

 

私の歓迎会という事で、軽音部の先輩達と憂の皆と公園に来てて、ついさっき晴先輩と憂の二人が作ってくれたお弁当をお昼に皆で食べた。

 

それで今は、律先輩と唯先輩とムギ先輩が遊んでいるのを体育座りで眺めていた。

 

私の隣には、澪先輩が木に背もたれ代わりにしながら本を読んでいた。晴先輩と憂は、私の目の前で話をしていた。

 

どうやら今日の弁当に入れたおかずの味が、薄くなってたとかなんとかを話が聞こえた。

 

梓(充分美味しかったし、味もしっかりあったと思ったけどな……。料理する人にしか分からない何かがあるのかな?)

 

二人の会話を聞いてそう思ったが、私は料理しないからよくは分からなかったので、すぐに二人の会話を聞くのをやめた。

 

梓(そういえば、澪先輩演奏上手いのになんで、こんな部にいるんだろう)

と思った私は、澪先輩に"外バンはしないんですか?"と聞いた。

 

澪「うーん。確かに外バンも面白そうだよね」

 

律「あ~そんな事言って良いのかな~?」

と、澪先輩が少し答えてくれた瞬間に、律先輩がそんな事をやってきた。

 

しかも、手に写真みたいのを持ちながらやってきてて、その律先輩を見た澪先輩は凄く慌てて、写真を奪おうとしていた。

 

梓「(何か弱み握られてるのかな……?)あ、そうだ。晴先輩」

 

律先輩と澪先輩二人を横目に、晴先輩に声をかけた。

 

憂は、いつの間にか唯先輩達の方に居て居なかったけど、晴先輩の事でも一つ気になってたのがあるから、さほど気にせずに聞きたい事を聞く事にした。

 

晴「ん?」

 

梓「聞きたい事があるんですけど、聞いてもいいですか?」

 

晴「うん。いいけど、どんなこと?」

 

梓「晴先輩は、なんで軽音部に入ろうとしたんですか?料理部に入ってた先輩が軽音部に入部して、掛け持ちしたって言ってたのがずっと気になってて……」

 

私が聞いた事に、晴先輩は"あぁ……"とため息混じりで声を出してきた。

 

晴「……唯の言葉がきっかけで律達に見張られて入部届けを提出することになったんだ。それで断れなかった感じだね」

 

梓「それって本意じゃなかったって事ですよね。それでいいんですか?」

 

晴「良くなかったら一年以上軽音部に居ないよ。逆に入部して良かったなって思ってる」

 

梓「え?」

 

晴「俺ってお菓子と今日の弁当みたいなご飯を作るのが好きなのは、梓は分かったよね?」

 

梓「あ、はい。凄く美味しかったです」

 

晴「ありがとう。それで、自分の作ったお菓子を食べて"美味しい"って料理部以外の人が言ってくれるから、入部して良かったなって思ってるんだ」

 

梓「……そうなんですね」

 

晴「うん。……それと、あの皆だから一緒にいるのが楽しいっていうのもあると思うよ」

 

梓「あの皆だから……」

と、呟きながら皆の方を見ようとした時だった。

 

さわ子「やっぱり猫耳メイド服がいいかしら……?」

 

梓「わぁ!?」

 

目の前に先生の顔があって、しかも声もしたから驚いた。

 

私の声を聞いた唯先輩が私達の方を集まってきた。

 

しかも先生は持ってきたスーツケースを開けて、いろんな衣装を出してきた。それを見た瞬間に私は嫌な予感がした。

 

そしてその嫌な予感が当たった。

 

先生と唯先輩と律先輩とムギ先輩の四人に、着せかえ人形みたいにされた。

 

晴先輩と澪先輩と憂は、先生達四人の雰囲気に押されて助けに来れない状態になっていた。そんな雰囲気を感じた私は、諦めて為すがままになった。

 

帰る時、朝に集まった場所まで憂の肩を借りて帰った。その場所で澪先輩が何か喋ってたけど、気にする程の体力がなかった。

 

そのあと解散になり、一日が終わった。

 





次回も、今回同様のように投稿期間が空くかもしれません。


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第14話


3ヶ月と期間が開いてますが、第14話です。

期間が開いてますが、クオリティは低いと思います。

そして、今回の話の中で強引に話を展開している部分もあり、けいおん要素が薄いと感じてしまうかもしれませんが、その辺りは目を瞑っていただいて最後まで呼んでくれたら嬉しいです。

では、本編をどうぞ。



 

 

公園で中野梓の歓迎会をやった日から、中野梓が軽音部をやめるかもしれない騒動という出来事を挟みながら、時間が進んでいった。

 

そして、夏休みになった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~駅前~

 

 

~梓視点~

 

 

夏休みになったある日、私は憂と待ち合わせをしている駅前へ向かっている。

 

駅前の所へ近づくと、憂が待っていた。

 

梓「おまたせ~」

 

憂「服、可愛いね」

 

梓「えへへ」

 

憂に声をかけると、褒めてくれた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~ファーストフード店~

 

 

駅前で憂と会ってから、すぐに近くのファーストフード店に向かった。

 

セットメニューを頼んで商品を受け取った。

 

 

それで空いてる席に座って、ポテトを食べ始めると憂が声をかけてきた。

 

憂「そういえば、お姉ちゃん軽音部ではどうしてる?」

 

憂が聞いてきた事は、唯先輩の事だった。けど、晴先輩とよく一緒にいるみたいだから、晴先輩から聞いてないのかな……。

 

梓「晴先輩から聞いてないの?」

 

憂「聞いてるけど、晴くんって料理部てしょ。料理部の活動で軽音部にいない時のお姉ちゃんの様子を、梓ちゃんから聞きたいなって思ったんだ」

 

梓「あ、そういうこと。……でも、晴先輩が言ってると思うけど、唯先輩は全然練習しないし変なあだ名付けて来るし、やたらスキンシップして来るよ」

 

憂「お姉ちゃんてあったかくて気持ち良いよね」

 

梓「いやそう言う話じゃなくて……」

 

なんか、唯先輩の事で憂と話が噛み合っていない?

 

梓「……そういえば、今日唯先輩は何してるの?」

 

憂「家に居るよ。お姉ちゃん、暑いの苦手なんだけど、冷房も嫌いなんだよ」

 

梓「……垂れてる姿が眼に浮かぶ」

 

憂「最近は1日中グッタリしてるよ?」

 

梓「うん……だと思ったよ」

 

憂「でもゴロゴロしてるお姉ちゃん可愛いよ~」

 

梓(何だろう。この私と憂の感覚の違いは)

 

本当にそう思ってしまった。……もし、姉にするなら唯先輩は無しかな……。

 

梓「……私、澪先輩みたいなお姉ちゃんだったら欲しいな」

 

憂「澪さん優しくて格好良いもんね。……じゃあ、ドラムの律先輩は?」

 

梓「う~ん。あの人はいい加減で大雑把だからパス……かな?」

 

律「ほ~、誰が大雑把だって?」

 

梓「!?」

 

真後ろの席から、律先輩の声がして肩を掴まれた。と思いきや、すぐに私の隣の席に座ってきた。

 

梓(心臓が止まるかと思った……!まさか同じお店で、真後ろにいるなんて思わなかった)

 

律先輩に頭をグリグリされながら、真後ろに先輩がいた事に驚いていると、憂が"今日は一人なんですか?"と質問をしていた。

 

憂の質問に、律先輩は澪先輩が夏期講習で居ないから一人と答えたのを聞いて、私は律先輩に質問をした。

 

梓「律先輩は行かなくていいんですか?」

 

私がそう聞くと、"何が?"と言われてから"夏期講習に"と言うと、"なんで?"とまた聞き返された。

 

その会話に私は律先輩らしいと思い、"ですよね~……"と呟いてしまったが、律先輩は特に気にしてなかったから、安心した。

 

安心した私は、律先輩にムギ先輩の事で気になっていた事を質問した。

 

梓「律先輩。軽音部の部室にある高級そうなティーセットとか、部室で出てくるお菓子ってムギ先輩の自前なんですか?」

 

律「そうだな……。お菓子は晴が持ってきてくれるのもあるけど、ムギが家から持ってくる時もあるよ。ティーセット自体は、ムギの自前だ」

 

梓「そのティーセットってすごく高級そうに見えるんですけど、ムギ先輩って良いところのお嬢様なんですか?」

 

私がそう聞くと、律先輩は"ムギの家に執事がいる"とか、"長期休みには海外に行ってる"とかを言ってきた。

 

その言葉に私と憂が驚いたけど、すぐに"だったら凄いよな"と予想というか妄想みたいな事を言ってきたから、"えぇ……"となってしまった。

 

律「まぁ、実際分かんないけど気になるから、ムギに電話して確認してみるか」

 

梓「え、電話するんですか!?」

 

律「まぁ、気になるから」

 

"えぇ……"となっている時に、律先輩が気になるからって事で、ムギ先輩に電話をすると言ってきて驚いてしまった。

 

そうこうしていると、ムギ先輩の携帯に電話を掛け始めていた。

 

律「あれ?携帯に出ないな……家電に掛けてみるか。……あ、繋がった」

 

家に繋がったみたいだから、私と憂は聞き耳を立てて電話の内容を聞くと、驚くことばかりだった。

 

まず、家の電話に出たのは、ムギ先輩の家にいる執事だった。それに加え、今ムギ先輩は家に居なくてフィンランドにいるという事も分かった。

 

二つの驚く事を聞いた律先輩はすぐに電話を切った。

 

律「ほら、言った通りだったろ」 

 

梓・憂「「おぉ……」」

 

律先輩の言葉に、私と憂は自然と"おぉ……"と出てしまっていた。

 

梓「あ、お菓子繋がりなんですけど、晴先輩って今日は何してるんですか?」

 

律「私は知らないぞ。……憂ちゃんは知ってる?」

 

憂「あ、はい。今日、晴くんは萌先輩と一緒に料理部にいる一年生の双子の家に行って、お菓子作りを教えてますよ」

 

梓「双子……あ、一年の間で凄く仲がいい双子の兄妹で有名の二人のこと?……萌先輩は誰?」

 

憂の言った双子という言葉に、私はすぐに誰なのか気付いたが、萌先輩という人は分からなかったから、憂に聞き返した。

 

憂「うん、そうだよ。萌先輩は晴くんと同級生だよ。……で、双子の二人って料理部の皆と仲がいいけど、特に晴くんと萌先輩と仲がいいんだ」

 

梓「憂は、二人と仲はいいの?」

 

憂「うん。夏休み前の休日に、妹ちゃんと遊びに行ったよ」

 

憂の話に"ふーん"となってると、律先輩が憂に質問を投げかけた。

 

律「そういえばさ、前から気になってたんだけど、憂ちゃんって晴の事を恋愛の意味合いで好きなのか?」

 

憂「え?」

 

梓「律先輩、いきなり何を聞いてるんですか?憂だっていきなり聞かれて驚いてますし……」

 

晴先輩の話はしてたけど、そんな話になるのはいきなりだったから、私は律先輩に即座に突っ込んでしまった。

 

律「いや~、前から聞こう聞こうとは思ってはいたんだけど、タイミングがなかったから」

 

梓「……そもそもなんで、そんな事を聞こうと思ったんですか?」

 

律「なんとなく」

 

梓「え?」

 

律先輩の言葉にそんな声が出てしまった。

 

律「……って言うのは冗談で、実際は二人を見てるとただ単純に仲がいいだけじゃない感じがしたんだよな……」

 

梓「よく幼馴染みの恋愛物みたいな関係って事ですか?二人は仲がいいけど、実際お互いは両思いとかそんな感じのやつ……」

 

律「そう!そんな感じ!」

 

私は律先輩の言葉に"なるほど"って思った。そう思ってると、律先輩が憂に"実際どうなの?"と質問したから、私は憂を見た。

 

憂「……う、うん。好きだよ。幼馴染みとしても好きだし、恋愛の意味でも好きだよ」

 

律先輩からの質問に、憂は顔を赤くさせながら答えた。

 

梓(本当に晴先輩の事、好きなんだ。でも晴先輩はいい人だよね……)

 

律「告白とかしないの?」

 

梓「律先輩……!?直球に聞きすぎないですか!?」

 

憂「……合宿の後に、夏祭りがあるから思い切って誘って告白します!」

 

梓「憂!?」

 

憂が晴先輩の事を好きだと言った事に、私は"そうなんだ"みたいな事を思っていると、律先輩が直球な事を聞いて、ほぼ即答で告白すると答えた憂に私は驚いた。

 

ほんの数秒の間に、憂が晴先輩に告白するという話になってしまった。憂も憂で勢いで言った感じがするし、言った後にやっぱり無理とか言わないのか心配してきた。

 

梓「う、憂?その、晴先輩に本当に告白するの?勢いづいちゃって言っちゃったとかじゃない?」

 

私がそう質問したら、憂は少し黙っちゃったけど私の問いに答えてくれた。

 

憂「確かに勢いづいちゃった部分もあると思うけど、なんか幼馴染みのままは嫌かなって思ったんだ。ちゃんと自分の気持ちは伝えたいし」

 

憂がそう言ってきたから、私は何も言う事はしなかった。

 

だって憂が覚悟を決めた感じの顔をしてるから……と思いながら、律先輩の顔を見てみた。

 

律(……軽はずみな感じで聞いたけど、まさか憂ちゃんが告白するって言うとは思わなかった。……けど、晴と憂ちゃんが恋人同士になったらいいなと思ってたから、別にいいか)

 

律先輩は、表情がコロコロ変えながら考えている感じだった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ファーストフード店でムギ先輩の家の事や憂の恋愛の話とかがあって、話が盛り上がった後の私達は会計を済ませて外に出た。

 

憂「あ、そうだ。今からうちに来ませんか?」

 

外に出ると、憂がそう誘ってきた。

 

梓「いいの?」

 

憂「スイカもありますよ」

 

律「行く!」

 

梓「まぁ、私も行こうかな……」

 

私は少し迷ったけど憂の誘いに行くことにした。

 

 

憂の家に着いてお邪魔すると、憂が言ってた通り唯先輩がグッタリしていた。

 

その光景を見てなんか、"唯先輩だな……"と思ってしまった。

 

 

その後は、スイカも食べて一日を終えた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

梓が憂と律の二人と行動したのと、晴が萌と一緒に後輩の双子に家でお菓子作りを教えた日から日が過ぎた。

 

 

~晴視点~

 

 

夏休みの途中で、学校に言ってさわ子先生を今年も行う軽音部の合宿に誘った。

 

誘うと来てくれる事になってから、待ち合わせの時間や場所を決めた。

 

その後に唯達が近くの商店街で買い物をしてから家へと帰った。

 

そして時間が経ち、合宿当日となった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~合宿当日~

 

 

合宿当日になってムギの別荘に着いたけど、大きかった。

 

晴「去年の別荘より大きいよね?」

 

澪「うん。去年のより大きいよ」

 

唯「だよね!」

 

さわ子「本当に大きいわね……」

 

律「ムギ、もしかしてここが前に言ってた一番大きい別荘か?」

 

ムギ「ごめんなさい。今年もその別荘は取れなかったから、今日の別荘は去年よりも少し大きい別荘なの」

 

梓以外の五人「「まだ上があるの!?」」

 

ムギの言葉に去年の別荘を知らない梓以外の皆は驚いてしまった。

 

澪「と、とりあえず中に入ろうか」

と、澪が言ったから、とりあえず別荘の中に入った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

別荘内にある演奏が出来る部屋に荷物を置いたが、部屋は去年の別荘よりも広かった。

 

晴(去年よりも大きい別荘だから当たり前か。けど、これよりも上があるって本当に凄い……)

 

荷物を置きながらそう思ってると、唯達が騒ぎ始めた。

 

どうやら去年と同じくまず海で遊びたいらしく、澪と梓が止めに入っていた。

 

だけど、結局はまず遊ぶことになったので、皆は水着に着替えるようだったので俺は部屋から出た。

 

さわ子「晴くんはどうするの?」

 

部屋から出てると、俺と同じく部屋から出てきた先生が質問してきた。

 

晴「買い出しは行きたいです」

と、短く俺のしたい事を伝えると、先生は"分かったわ"と言って部屋に戻った。

 

一分もしないぐらいで部屋から先生が出てきた。

 

さわ子「ムギちゃんに車の場所を聞いてきたから、近くのスーパーまで車で行くわよ」

 

晴「あ、ありがとうございます」

 

先生にお礼を行って車の所まで向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

車でスーパーまで乗せてもらい、昼ごはんの食材と晩ごはんは去年と同じくバーベキューをするつもりだから、バーベキューに使う食材を買い込んで合宿で使ってる別荘に戻ってきた。

 

 

別荘に戻った俺は皆と海で遊び、昼ごはんを作って皆に食べてもらった。

 

その後に皆が防音室に移動したので、晩ごはんの下準備を始めた。時間が経つと、皆が出てきたから、まだ終わってない準備をしてもらって、バーベキューを皆と楽しんだ。

 

 

ーーーーーーーーー

 

バーベキューが終わると、肝試しをすることになった。ペアを組んでやるという事だったが、俺は梓と組むことになった。

 

そして、俺と梓が回る順番になったので梓のペースに合わせて歩いてると、梓から声をかけられた。

 

晴「?」

 

梓「一つ気になってたんですけど、晴先輩って憂と仲がいいですね」

 

晴「まぁ、幼馴染みだし、唯と居るよりも憂と一緒にいる方が多かったよ」

 

梓「ですよね。前に公園で歓迎会をしてくれた時とか、本当に仲良かったですし」

 

晴「あの時の弁当も憂と一緒に作ったよ」

 

梓「あのお弁当、美味しかったですよ」

 

晴「ありがと」

 

梓の言葉にお礼を言うと、梓は黙ってしまった。

 

梓(憂が告白するとか言ってたけど、晴先輩が憂の事が好きなのか確認しておかないと。二人の雰囲気的に両思いっぽいけど、私的に確認しておかないと不安だし)

 

俺の隣で、梓は歩きながら考える人みたいに顎に手を置いて考え込んでるみたいだった。

 

梓(憂の……友達の恋はうまくいって欲しいもん)

 

梓はずっと考え込んでる感じだったから、しばらくお互いに黙ったままだった。

 

梓「晴先輩、憂の事って好きですか?」

 

しばらく考えていた梓がいきなりな事を聞いてきた。

 

晴「いきなりどうしたの?」

 

梓「いや……前から憂と一緒にいる晴先輩を見てて、晴先輩は憂の事が好きなのかなって思ったんです」

 

晴「梓の目にはそう見えてたの?」

 

梓「はい。……で、どうなんですか?」

 

晴「まぁ、好きだよ。幼馴染みとしても、恋愛の意味としても好き」

 

梓に言われた事にそう答えたけど、答えた後に恥ずかしくなった。

 

梓「(憂と同じ反応になってる。)……告白しないんですか?」

 

晴「……告白……あんまり考えたことがないけど……」

 

梓「好きなら告白した方がいいです!」

と、食い気味で言ってきた梓に少し驚きながら少し考えた。

 

晴(……恋人同士になっても幼馴染みの感覚と変わらない部分があるかもしれないけど、ちゃんと好きって気持ちは伝えたいってのがあるから告白しよう……)

 

梓「晴先輩?」

 

晴「……告白するよ。合宿の後の夏祭りに」

 

梓「本当ですか!(って、憂と同じの事を言ってる……やっぱり小さい頃から一緒にいる幼馴染みだ……)」

 

梓に憂に告白すると伝え、梓が反応をした位に皆の所に戻ってきた。

 

晴(そういえば、脅かし役の律が脅かして来なかった。なんでだろう……)

 

梓(律先輩に脅かさないようにお願いしてて正解だった)

 

隣にいた梓がガッツポーズをしていたのに不思議に思ったが、特に気にせずに唯達との会話に入った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

肝試しを終えた後はお風呂に入り、その日が終わった。

 

そうして合宿も終わった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

~平沢家~

 

 

合宿が終わって家に帰ってきた日から憂が梓と遊んだ日を跨いだある日の事。

 

俺は平沢家で憂と一緒に晩御飯の支度をしていた。

 

晴(……もうすぐ夏祭りだし、憂が誘うなら今の方がいいかな)

 

ご飯の支度中にそう考えた俺は、憂に声をかけた。

 

晴「ねぇ、憂」

 

憂「?晴くん、なに?」

 

晴「もうすぐ、夏祭りでしょ」

 

憂「う、うん」

 

晴「一緒に夏祭りに行かない?」

 

俺が料理しながらそう聞くと、憂は少し固まってしまったから、その様子に"え?"となってしまった。

 

晴「……もしかして予定ある感じ?」

 

憂「ううん……!何も予定はないから一緒に行こう!」

 

晴「う、うん。一瞬、固まってたからどうしたのかと思っちゃったんだけど……」

 

憂「それは、私も夏祭りに誘おうと思ってたんだ。そしたら、晴くんに誘われたから驚いちゃったんだ」

 

晴「あ、そうなんだ」

 

憂「うん、そうなんだよ!」

 

なんか、憂が食い気味で返事をしてくるのが気になるけど、一緒に夏祭りに行けるのが決まったから、内心では良かったという気持ちでいっぱいだった。

 

晴(夏祭りで憂に告白する)

 

憂(晴くんから誘われたけど、夏祭りで晴くんに告白をする)

 

隣で片手を拳にした状態で、なんか考えている感じの憂を横目に見ながら、俺は"告白をする"と考えていた。

 

そんな感じになりつつも料理を進めていき、晩御飯が完成したから、唯を呼んで三人で晩御飯を食べた。

 

 

そうして一日が終わった。

 





次回は、夏祭りの話を書こうと思います。

内容の前半は夏祭りで後半部分はアニメ一期の文化祭に関する話を書く形になると思います。

次回も、3ヶ月期間が開いてクオリティが低いかもしれませんが、待ってくれたら幸いです。


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第15話


3ヶ月ぶりの投稿です。

ただ、最後の方は雑になってます。クオリティが今まで以上に低いと思うかもしれませんが、最後まで呼んでくれたら幸いです。

では、本編をどうぞ。



 

 

~夏祭り当日~

 

 

~晴視点~

 

 

合宿が終わり、平沢家で憂に夏祭りに行く約束をしてから数日が経ち、夏祭りになった。

 

お母さんに手伝ってもらって浴衣を着てから、平沢家に向かった。

 

インターホンを押して少し待つと、浴衣を着た憂が出てきた。

 

晴「憂、浴衣似合ってるよ。可愛い」

 

憂「あ、ありがと。……晴くんも似合ってるよ」

 

晴「ありがと。……そういえば唯は家にいるの?」

 

憂「ううん。澪先輩達と遊びに行ったよ」

 

晴「あ、そうなんだ。……じゃあ、行こっか」

と言って、夏祭りをやっている場所まで向かった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~澪視点~

 

 

私は今、ドラマとかでよく見る警察やら探偵とかがやっている感じで隠れながら、数人である家を見ていた。

 

私以外に誰がいるのかと言うと、ムギと唯と律と梓の4人といる。

 

それで見張ってる様な行動をしている理由は、梓と律の発案で、反対とかの有無を言わせないでやっているわけなんだ。

 

そうしてると、浴衣を着た晴と憂ちゃんが家から出てきた。

 

律「二人が家から出てきた」

 

梓「ですね。二人とも浴衣です」

 

二人が出てきた事に反応した律二人に、私はもう一度問いかけた。

 

澪「本当に隠れながら、二人の後を付いていくのか?……律と梓」

 

梓「当たり前です。あの二人がちゃんと付き合うのか確認をしないと。……報告を待ってるだけじゃ不安ですから」

 

澪「でもあの二人なら、こんな感じで監視みたいな事をしなくても付き合うと思うけど……」

 

梓「そうですけど、確認は必要なんです……!」

と梓が小声ながらも語尾を強めに答えてきて、その反応に"え~……"といった反応になってしまったが、その時にムギが私に話しかけてきた。

 

ムギ「でもなんだか探偵になった気分で楽しいですね」

 

澪「私はそんな風に楽しめないよ。なんだか罪悪感が凄いし……てか、唯はあの二人と夏祭りに行かなくて良かったのか?」

 

唯「憂から、"夏祭りに晴くんに告白するから夏祭りに来ないでね"って言われたんだよね」

 

澪「へ、へぇ~……ん?そんな事を言われたのに、付いていっていいのか?」

 

唯「バレなきゃ問題ないよ」

 

澪(唯の事だし、すぐにバレそうな気がするけど……)

と思ってると、律が"あ、動いた"と声をあげた。

 

律「追いかけるよ」

 

梓「はい……!」

 

律と梓はそのまま行ってしまったので、私もムギと唯と一緒に二人の後を追いかけた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~夏祭り会場~

 

 

~晴視点~

 

 

会場に着いたが、結構な人数がいてこのまま会場の中に行くとはぐれる感じだったから、俺は憂の手を握った。

 

晴「結構、人がいるからはぐれない様に手を繋いで回ろ」

 

憂「うん!晴くん、最初はどうする?」

 

晴「最初は何か食べようかなって俺は思ってるよ」

 

憂「うん。じゃあその後に金魚すくいとかしようよ」

 

晴「じゃあ、まず定番の焼きそばを食べようか」

と言ってから、俺焼きそばの屋台へと向かった。

 

焼きそばの屋台に着いて、焼きそばを食べて腹ごしらえをしてから、色々と回っていった。

 

食べ物以外の屋台で、まず向かったのは金魚すくいだ。

 

おじさん「金魚すくいやるか?」

 

晴「はい。二人分で」

 

おじさん「じゃあ、一人100円だから、200円な」

 

代金を聞いた俺は屋台のおじさんに200円を渡して、ポイを二つもらって一つを憂に渡した。

 

金魚すくいをやると俺は一匹二匹ぐらいでポイが破けてしまった。

 

憂の方を見ると五匹取っており、六匹目をとなった時にポイが破けてしまった。

 

憂「あとちょっとだったのにな……」

 

晴「でも、五匹は凄いよね。俺は二匹だったし」

 

憂「二匹でも凄いと思うよ、私は。……この金魚、持って帰っても育てる水槽ないし持って帰らないで返そう」

 

晴「俺もそうしよ。育てるの自信ないし。おじさん、この金魚、戻してもいいですか?」

 

おじさん「あ、あぁ、二人がそれでいいなら……」

と、屋台のおじさんにそう言ってくれたので、屋台の金魚が入ってる所に戻した。

 

金魚すくいを終えた後は、憂と色々と回っていき花火が打ち上げる時間になった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~澪視点~

 

 

晴と憂ちゃんに付いていって、夏祭りが開催されている場所に着いた。

 

ただ人が多かったから、晴と憂ちゃんが手を繋いで夏祭り会場内に入って行くのを見た後に見失ってしまった。

 

その上、皆ともはぐれて私は梓と二人だけになってしまった。

 

澪「皆とはぐれちゃったな」

 

梓「そうですね。……こうなると、もう憂と晴先輩を尾行するの無理そうなので、私達も夏祭りを楽しみましょう!」

 

澪「そうだな。(正直に言って、やっと晴達を見張る事から解放されたし良かったよ。ずっと尾行するのは嫌だったし……)」

 

私はそう思ってから、梓にどこから回るか聞いて二人で夏祭りを楽しんでいった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~晴視点~

 

 

打ち上げ花火が良く見える場所に着いた。

 

人が少ない場所だったので、持ってきていたシートを敷い座って、花火が上がるまでしばらく待った。

 

 

そして、花火が上がった。

 

 

花火が上がってる最中に俺は"よしっ"と小声で呟いてから、憂に声をかけた。

 

晴・憂「憂!」「晴くん!」

 

声をかけると憂と声が重なり、それに"え?"ってなってしまった。

 

憂「あ……私、晴くんの事が小さい頃から好きだった……です。今も好きでこれからも一緒に居たいから、付き合ってください」

 

声が重なった事で次の言葉が出る前に、俺は憂から告白されたから、さらに言葉がでなくなった。けど、ずっと黙ったままじゃダメだとすぐに頭を切り替えて、憂の言葉に返事をした。

 

晴「……俺も憂の事が好き。それも憂と一緒で小さい頃から。……だから、喜んで付き合います」

 

俺がそう言うと、憂は満面の笑みながら、嬉し泣きなのか泣いているという顔で"晴くん!"と叫んで抱きついてきた。

 

座っていたのといきなりの抱きつきだったから、うまく受け止められなくて倒れてしまったが、憂の嬉しそうな顔を見て文句は言わなかった。

 

俺だって憂と付き合えて嬉しかったからだ。

 

そしてこの後、お互いに起き上がり座り直してから、打ち上げ花火を終わるまで手を繋ぎながら見た。

 

こうして幸せになった夏祭りが終わった。

 

 

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~澪視点~

 

 

梓以外の皆とはぐれてから誰にも会えず打ち上げ花火もゆっくりとは見られずに夏祭りが終わってしまった。

 

会場の入り口辺りで待ってると、皆がやってきた。

 

律は皆の姿を見るなり、"やっと会えた……"と呟いていた。

 

梓「結局、二人は付き合ったのかな……」

 

律「皆、はぐれた後に晴達を見た?」

と、律がそう聞いてきたが、皆は"見てない"と言ってて、私も見てないから"見てない"と伝えた。

 

律「じゃあ、付き合ったのかが分からないじゃーん!」

 

唯「でも二人なら付き合ったんじゃないかな。あの二人、好き同士だったから大丈夫だと思うよ」

 

律の言葉に唯が凄く自信を持った喋り方で言ってきた。

 

妹の憂ちゃんと幼馴染みの晴と小さい頃から付き合いから一緒にいる唯がそう言ってきた事に、皆は珍しく信じる事になった。

 

澪「まぁ、夏休み明けにでも聞けばいいんじゃない。嫌でも学校が始まれば自然と分かるだろうから」

 

私がそう言うと、律と梓は"そうだね"と言って納得してくれた。

 

二人が納得した後は解散という事になったから、それぞれ家へと帰った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

~秋~

 

 

~晴視点~

 

 

憂と付き合った夏祭りから時間が過ぎて、制服が夏服から冬服になり、学園祭の時期に近づいてきた。

 

夏祭りから憂と付き合った事は、俺と憂の両親と軽音部の皆と料理部の皆と、和が知っている。

 

皆、"おめでとう"と言ってくれた一方で"やっとか"という事も言っていた。

 

まぁそんなこともありつつ、今日は料理部の活動が休みなので、俺は軽音部に顔を出していた。

 

部室に着くと皆はもう来ていたが、梓が凄く楽しそうというか機嫌が良さそうにしていた。

 

律「なんだか梓はご機嫌だな」

 

俺が思ってた事を律が聞いてくれた。

 

律の質問に梓は、もうすぐ学園祭が始まるからと教えてくれた。

 

晴「そういえば、梓は高校に入って初めての学園祭だよね」

 

梓「はい!皆とライブをするのが楽しみなんです!……あ、去年のライブも見たかったです」

 

梓が言った言葉に澪が紅茶を吹いてしまって、その澪を梓が心配した。

 

晴「去年、澪って色々あったからね」

 

梓「何があったんですか?」

 

澪「皆、言わないで!」

 

さわ子「去年のライブならここにあるわよ」

 

先生がDVDを持って梓に声をかけてきた。

 

梓「先生、見たいです!」

 

澪「あ、梓、考え直さない?」

 

梓「え、考え直す?」

 

澪の言葉に梓が不思議に思うと先生が、唯と律の名前を呼んで、呼ばれた二人は澪が動けないようにしていた。

 

そして先生がDVDを再生させてそれを梓が視聴した。

 

視聴してから少しして、梓が顔を真っ赤にして画面から目を離した。

 

梓「見ちゃいました……」

 

澪「見られた……」

 

梓と澪がお互いに同じ項垂れた体制になり、今の心境の言葉を呟いていた。

 

そこから去年の学園祭の出来事を話していった。

 

唯が歌うために練習したけど喉がガラガラになってしまった事とかなどを話してた時だった。

 

部室の扉が開いて、紙を持った和がやってきた。

 

和に話を聞くと、どうやら講堂使用届けを出ていないらしい。律に話を聞くと忘れていたそうで澪に頭を叩かれていた。

 

使用届けにはバンド名を書かなくちゃいけないらしいが、バンドの名前なんか付けていなかったのを、今ここで気がついて皆で名前の案を出し合った。

 

でも中々決まらなかったから、それぞれ皆で考えてくる事になったので、今日の活動は終わりという事になった。

 

その後、唯のギターのげんが錆び付いてしまったので楽器店に行った。

 

お店でメンテナンスなどをしている時だった。

 

唯「は、晴くんはギターのメンテナンスしてる?」

 

晴「うん、してるよ。ちゃんと楽器店にお願いしてる。梓に色々と聞いたからね」

 

俺が唯の質問にそう聞くと、"晴くんまで……"と呟かれてしまった。

 

そんな感じでいると、唯のギターが直ったので安心してると、お金がないとかを言い始めたから、ちゃんと返す事を約束に、俺が代わりに払ってあげた。

 

ただ、この時に律と澪の方で少し問題というか雰囲気が良くなかった部分があったが、今日は解散となったので、家へ帰った

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日~

 

 

~放課後~

 

 

翌日の放課後になった。

 

 

学園祭が近いという事で、今日から料理部の部室が毎日開くシーズンになった。

 

俺は今日からは料理部の方にメインで出ることを昼休みに軽音部の皆に話をしたので、俺は料理部の部室にいる。

 

そして学園祭が初めての一年生である双子と憂に部室が毎日開く事や、学園祭で自分が作ったお菓子を売る事などを教えた。

 

学園祭の説明の後は、お菓子作りをして活動を終えた。

 

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

さらに翌日。

 

 

律が熱を出したと唯に教えてもらった。

 

この日は、料理部の活動を程々にしてお見舞いに行って家へと帰った。

 

 

そして、律が完全復活したが講堂使用届けを出し忘れていて、バンド名も最終的に先生が決めて"放課後ティータイム"という名前で決定したので、それで届けを生徒会に提出した。

 

 

ここ2、3日は料理部の活動をメインにしていた俺は、そういった事を唯や澪から話を聞いていた。

 

この時の俺は、やっとバンド名が決まったので良かったと思いながら、平沢家で憂と一緒に学園祭で出すお菓子を作っていた。

 





いきなりですが、次回は最終回となります。

次回はアニメけいおん1期の最終回である12話を題材にした内容を投稿し、本小説を完結します。

そして最終回が完成しましたので、本日3月10日の8時30分に投稿します。

次回までお付き合いお願いします。


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最終回


今回で最終回です。

文字数は前回より少ないです。

では、本編をどうぞ。



 

 

~昼休み~

 

 

~晴視点~

 

 

朝、学校へ憂と一緒に登校している時に唯が風邪を引いて熱も出した事を教えてもらった。

 

学校に着いた後に軽音部の皆に教えてあげた。

 

そして昼休みになった時に律達に連れられて、憂と梓がいる一年のクラスへと入った。

 

この時に律は澪に叩かれていたけど、いつもの事だから無視しといた。

 

律「それにしてもこんな時期に風邪引くなんて弛んでる」

 

澪「いや律のが移ったんだろ」

 

律「え?」

 

晴「それもあると思うし、あとは時期的に風邪とか引く時期でもあるから、そういうのもあるかも」

 

律「そういう感じ?」

 

晴「多分」

 

澪と律と俺で、その話をしていると憂が"あ"と声をあげた。

 

澪「何かあったの?」

 

憂「つい最近、軽音部の皆が衣装を選んでましたよね?」

 

澪「あ、うん。先生が持ってきた衣装の中で選んだけど……」

 

憂「それで浴衣みたいな感じのを選んだじゃないですか」

 

律「確かに、あれを選んだのは選んだけど関係あるの?」

 

憂「はい。お姉ちゃん、相当気に入ったみたいで、休みの日に一日中、しかも寝る時もそれを着てたんです。もしかしたら風邪を引いた一番の理由はそれかなって……」

 

晴「俺、その休みの日に唯にちゃんとパジャマに着替えてから寝ろよって言ったと思うけど、着替えてなかったんだ」

 

憂「……うん」

 

律「小学生かよ」

 

澪「……晴」

 

憂の説明に律がそうツッコミを入れてた後に、話を聞いている間に考えていた澪が俺の名前を呼んできた。

 

晴「澪、何?」

 

澪「ギターの演奏は一通りは出来る?」

 

晴「え、まぁ出来るよ。梓が軽音部に入部してから色々と教わって練習してきたから、人並み程度には出来るよ」

 

澪「じゃあ、唯が引くリードギターの練習しといてくれないか」

 

晴「唯の風邪が長引く可能性があるから、念のためってこと?」

 

澪「うん。そういう事だからやってくれるか?」

 

俺の質問に頷いて確認してきたから、俺は"分かった"と言って頷いた。

 

梓「み、澪先輩。でも……」

 

澪「まぁ、晴の言った通り念のため……万が一っていう事だよ。当日までに唯が風邪を直して来てくれれば、当然唯にお願いするから」

 

梓「……は、はい」

 

澪「じゃあ、また放課後で」

という澪の言葉を最後に澪達は自分のクラスへ戻った。

 

俺は教室から出る前に憂に声をかけた。

 

晴「あ、憂」

 

憂「ん?」

 

晴「今日の放課後はギターの練習するから、軽音部に行くよ」

 

憂「分かった。練習頑張ってね」

 

晴「うん」

と頷いてから、自分のクラスへと戻った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~翌日の放課後~

 

 

~軽音部・部室~

 

 

昨日からリードギターの練習を始めた。

 

今日の放課後も軽音部にやってきた。

 

今日も今日とて梓に教えてもらいながら練習をしていた時だった。

 

部室の扉が開いたから扉の方を見ると、唯が"やっほー"と言って部室の前に立っていた。

 

晴(……唯……じゃない。憂が髪を下ろして声のトーンとか喋り方とかを唯に似せてるだけだな)

 

梓を筆頭に皆は唯に変装した憂に集まっていた。

 

晴(憂って髪を下ろすと唯に瓜二つだから、皆は騙されてるって感じだ……)

と、憂に皆が集まってる所を見ていると練習を始めた。

 

 

曲を一回合わせると皆は違和感を感じたようだ。……そう、演奏にミスが無かったんだ。唯は何処かしらに演奏のミスをするけど、今の唯は本人じゃない。

 

ちょっとでもやれば他の人よりも上手いという天才なんだ。

 

そして皆はもう一度確認の為に演奏をしたが、やっぱりおかしいという気付いた様だった。

 

梓は皆とバッチリあった演奏が出来るから、いい事だと言っていたが、そろそろネタばらしをした方がいいと思い、憂に声をかけた。

 

晴・さわ子「そろそろいいんじゃない、憂(ちゃん)」

 

憂に声をかけた時に先生と声が被った状態になった。

 

憂(唯)「わ、私は憂じゃないよ」

 

梓「私のあだ名は?」

 

憂(唯)「あずさ2号!」

 

梓「偽物だー!」

 

俺と先生の言葉に皆が"え?"となっている間に、梓が自分のあだ名について憂に聞いて、全然違うあだ名を言ってきた為に、唯じゃない事だと理解した。

 

あだ名を間違えた事で唯になっている事がバレた憂は、観念して唯の代わりになっていた事を自白した。

 

澪「憂ちゃんが髪を下ろすと、本当に唯にそっくりだったのに、先生と晴はどうやって見破ったんだ?」

 

さわ子「え、だって憂ちゃんの方が胸が大きいでしょう。それで分かったわよ」

 

律「どこで判断してんだ、この先生は……」

 

澪「晴は?」

 

晴「俺は単純に小さい頃から一緒にいたから分かっただけだよ。見た目はそっくりだけど、声とかは頑張って似せてたからそれで気付いたって感じだね」

 

梓「恋人同士だとそこまで分かるの……?」

 

晴「いや恋人云々は関係ないよ。……それで、憂はどうして唯の代わりになってまで軽音部に来たの?」

 

憂「風邪で寝込んでるお姉ちゃんを見てるとどうしても……」

 

晴「……憂は本当にいい子だね」

と、俺はそう言いながら憂の頭を撫でたが。その時にまた部室の扉が開いた。

 

唯「やっほ~……」

 

今度は箱のティッシュを持ちながら本物の唯がやってきたが、調子良さそうではなかった。

 

皆が心配して声をかけると、"大丈夫"と言った瞬間に大きなクシャミをしたせいで、全然大丈夫ではないと皆の中で結論付けられた。

 

そんな風に皆が思ってる事を知らない唯は自分のギターが部室にあるのを見ると、ギターの元へ駆け寄り持とうとしたが倒れてしまった。

 

晴「……全然、大丈夫じゃないじゃん。無理しちゃ駄目だよ」

 

澪「唯。しばらく軽音部に来るな」

 

唯「まさかの出禁!?」

 

澪「違う。今はしっかり休んで、学園祭までに風邪を治すこと!風邪が長引いて、皆と一緒に学園祭に出られない……は、絶対に嫌だろ」

 

澪の言葉に唯は一瞬だけ静かになったが、すぐに頷いた。

 

唯「うん。私、皆と学園祭に出たい。だからしっかり休んで風邪を治すよ」

 

唯がそう言った後、憂と一緒に帰っていった。

 

俺含めた残ったメンバーは練習をして、放課後の時間が過ぎていった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーー

 

 

~学園祭当日~

 

 

唯が風邪を治す宣言してから時間が経って、学園祭当日になった。

 

朝、平沢家に寄ると体調面は大丈夫だと言っていたが、今日の朝は唯と一緒には行っておらず、憂と学校へと向かった。

 

まぁ、一緒に来ていないのは単純に料理部の役割があるからだ。

 

午前中の学園祭が始まる直後からの部室の出し物の店番兼レジ担当に俺と憂がなったからだ。

 

普通に店番をして交代の時間になったので、萌と双子に店番を任せて、俺は軽音部の部室に憂は自分のクラスへと向かった。

 

部室に着いたが、まだ唯だけは来てなかった。和も確認の為に部室に来たが、その時に唯の昔話をしてきて、律達は"いきなり何の話?"と言い返していた。

 

そんな時に扉が開く音がした。

 

さわ子「ちょりーす」

 

唯かと思ったが、先生だったので皆から文句を言われていたが先生は気にせずに話を始めた。

 

先生は衣装を改良してたみたいで、それが完成したから見せに来たと言って、"その衣装がこれよ"と言って扉の方を指差した。

 

扉の方を見ると、改良された衣装を来ている唯がいた。

 

いつの間にか学校に来ていたようで先生に捕まってたらしい。

 

皆に色々と言われていたが、"よし講堂に行こう"となった時に、唯が"あ"と声をあげた。

 

唯「そういえば、ここにギー太を置いてたよね。どこに置いてたっけ?」

 

澪「それなら憂ちゃんが唯と帰る時に持って帰ったぞ」

 

唯「え?そ、それって本当なの、晴くん」

 

晴「うん、本当」

 

唯「ど、どうしよう。ギー太、持ってきてない!」

 

晴「じゃあ、俺のギターを使う?唯が使ってる奴と同じタイプだから弾けると思うけど」

 

慌てた唯に俺はそう言ってギターを渡すとら唯は試しに弾いていた。

 

唯「あ、大丈夫……弾ける」

 

晴「良かった。じゃあ、皆ライブ頑張って」

 

唯の確認の後に、俺は皆にそう言うと頷いてくれた。

 

俺は講堂の入り口近くで見ているという事も伝えて、皆で部室を出た。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

~講堂~

 

 

講堂の入り口付近に行くと、憂が友達といたので声をかけて友達に挨拶をした。

 

そうしていると唯達のバンド、放課後ティータイムの演奏の時間になった。

 

最初は唯のMCから始まった。

 

唯「初めまして、放課後ティータイムです。……実はライブをやるのにギターを忘れてきちゃいました。けど、私の幼馴染みの晴くんが自分が使ってるギターを貸してくれたので、それで演奏します!」

 

晴「言わなくてもいいのに……」

 

憂「ふふ」

 

唯の言葉にそう思ってしまったが、唯はまだ話を続けていた。

 

唯「……練習に打ち込んできたなんてとても言えないけど、今ここが……この講堂が私達にとっての武道館です!」

 

唯のその言葉の後に、"ふわふわ時間"と叫んでふわふわ時間の演奏が始まった。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

ふわふわ時間こサビの所をもう一回演奏して、ふわふわ時間の演奏が終わった。時間的にもう演奏は出来ないけど、唯達も観客達もまだ盛り上がっていた。

 

そんな盛り上りの中で、ステージにいる唯達の声が聞こえてきた。

 

唯「りっちゃん!もう一曲!」

 

律「よっしゃー」

 

和「唯」

 

唯「あ、和ちゃん!」

 

和「もう時間だから無理よ」

 

唯「えー!」

 

そんな声が聞こえて、"最後まで唯達らしい"と思って笑ってしまった。

 

 

こうして災難もありながら楽しい学園祭が盛り上がって終わった。

 





今回まで読んでいただき、ありがとうございました。

執筆途中で書く内容の範囲をアニメ1期だけに変えたり、内容のクオリティが低くて雑な部分もあったりしたのに、最後まで読んでくれたのは感謝しかありません。

ありがとうございました。


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