クロストリガー (スカーレット・ウィング)
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設定集1

オリキャラの九斬とクロスキャラについての解説と設定置き場その一
興味ない方はとばしてどうぞ
年齢は原作開始時なので面倒だが引いてクレメンス


九斬 

 

 

所属:A級九斬隊隊長

ポジション:シューター

年齢:25歳

身長:184cm

誕生日:不明(本人はボーダーに来た日と言っている)

職業:大学生

好きなもの:会話、料理

 

 

パラメータ

トリオン: 8    攻撃:7

防御・援護:10   機動: 8

技術:   10   射程: 7

指揮:   6  特殊戦術:6

合計:62

 

 

トリガーセット

メイン        サブ

バイパー       バイパー

旋空         メテオラ

孤月         シールド

グラスホッパー    アイビス

 

 

サイドエフェクト

トリオン受信体質

トリオンの動きを検知できる。トリオンを使用した行為を検知するため目に見えなくてもよい。脳内では常人の情報とは別で処理しているため、負担が大きく長時間の戦闘ができない。ただし、映像や記録ではそのものにトリオンを使用していないと検知できなため実際に自分で戦線に出ないといけない。

過去に面識のある者には少し異なるらしい。

ストレス解消のためにメテオラとアイビスで仮想空間を破壊する悪癖がある。

 

 

 

性格

十年以上戦場で暮らしていたが平和な暮らしに適応している。

十年以上いなかった子供などもはや他人だと考えており出身や親の顔は覚えているが、帰省する気はない。

ネイバーフッドで多くの死を見てきたことから基本的はできる限り争いを避けようとする。

危ない橋は基本的に他人にはわたらせず、自分が渡らない限りは他人にはわたらせない。卑劣パターンもあるが安全だと判断してからさせる。

面倒見はかなり良く、自身の部隊を持ち東と同様に育てている。方向性が異なるのの実戦派のためとりあえずボコボコにされる。

勉強面に関してはトップクラスで3年で高校の卒業資格をとれるほど。

大学では日系外国人として通っており太刀川と同じ学年で顔を合わせる機会が多く、よく勉強面の面倒を見ている。基本的に学業面は太刀川をおんぶにだっこしているため太刀川は逆らえない。(面倒を見るメンバーの中で一番優しく、レポートとやってもらってたり、テスト前には答案レベルのまとめ集をもらって赤点を回避しているため)

話すことが好きなためとにかくおしゃべりだが場面はわきまえているため重要な場面でふざけることはない。料理の腕は普通にあるが披露する機会は少ない。が、泊まりの際は食べにくる隊員が多い。主に太刀川と風間が太刀川の勉強の合間にくる。

 

派閥的は忍田派だが友好目的にやってくるネイバーには友好で返すと考えているため、かなり玉駒より。

理由は争いでメンバーの死ぬことを回避するため。

 

あるものは九斬以上の危険人物はいないと言うが…。

 

容姿

白髪で眼鏡をかけており、相当モテ、その人気は烏丸と同等。

サングラスをかけることもあるがそのときどうみてもあっちのひとにしか見えないと太刀川達にからかわれ人前ではあまりかけなくなった。

 

 

交友関係

古株組のため太刀川、風間、東とよくいる。加古の炒飯は軍食で鍛えられているため効かないとおもいきや有効。太刀川と二宮によく身代わりにされ、タダ飯が食べれると割り切って食べにくる。そして虚無になったり悟りを開いたりしている。

基地や街を歩くとトリオンを受信して体調を崩すため、普段は隊室からでることはすくないレアキャラと見せかけて太刀川個人戦をよくしているため姿をみるだけならそこまで珍しくない。話せるのはレア。買い物はネット。

 

 

 

戦術

射撃トリガーで複数の相手の足止めをして時間を稼ぎ、チームメンバーに倒させる。太刀川とよくランク戦をするため近寄られても崩れない。バイパーで大勢を崩してほかのメンバーに倒させるのが基本。が全く倒せないわけではなく、一対一になればそれなりにやられる。複数を相手取る場面が一番厄介で時間切れでスコアレスにしたこともある。

性格上自分が突撃するため指揮はあまり得意ではなくその場で考えて行動するため事前準備はほとんどしない。

一番優れるのは緻密なトリオン制御と装備の切り替え。ラグなく打ち続けることができるほど長けており、出水を正面から打ち勝てるほどの手数をほこる。並みの相手なら近づくことすらできない。これを自分の周囲に放つことで疑似的なシールドを展開できるためシールド装備が一枚少ない。

サイドエフェクトでトリオンを使用する行動はすぐに見つかりアイビスで打ち抜かれるため、スナイパーがいる隊には真っ先に狙われ、大きな被害がでるためランク戦のキーマンになる。特に東にはこっそり目の敵にされておりお互いすぐに落とそうとする。撃墜数は二宮。他の部隊は東を補足することが容易ではないため東を落とした九斬を狙うのがセオリー。

 

リアルタイムというかバイパーの軌道は毎回引いている。サイドエフェクトの関係でバッグワームを使用できない。そのため、アタッカーがすぐに寄ってくるがスナイパーの場所を身代わりにしてくる。

 

あくまでアイビスはスナイパーを打つためだけに持っているためスナイパー訓練には参加していない。時折、ハンドガンを持っていることもあるが単純に恰好付けで持っているだけなので実戦で使ったことはない。荒船に目をつけられておりレイジにならないかと勧誘されまくっている。うるさい。

 

ポイント自体は大量に持っているが小さい違反を繰り返している(メテオラ自爆)ため少なく見える。もともとはアタッカーだったが後進育成の関係でシューターに転向した。

 

アタッカーとの戦績は高いが本人曰く才能があれば十年もすればこのくらいの実力にはなれるとのこと。あと五年もすれば太刀川に勝てなくなると言っている。

 

 

 

オリジナルトリガー

ブラックバード

高機動型トリガー。見た目は流星のロックマン3のブラックエース。圧倒的速度と火力で敵を粉砕する。ただし大量のトリオンを放出によって速度を生み出しているためガス欠が早い。だが九斬はこの問題を解決しているらしい。



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設定集2

九斬組

 

瀬田 薫

 

所属:九斬隊

ポジション:攻撃手

年齢:20

身長:170㎝

誕生日:2月28日

職業:女優

好きなこと:哲学書を読む

 

パラメーター

トリオン:6  攻撃:10

防御・援護:8 機動:6

技術:10  射程:3

指揮:4  特殊戦術:8

合計:55

 

トリガー

メイン    サブ

孤月     孤月

旋空     スコーピオン

シールド   シールド

バッグワーム バイパー

 

 

概要

九斬隊初期メンバー。現在は女優業が忙しいため一年の半分は三門市外で活動している。そのため、ポイントが低く、薫のことを知らないB級に吹っ掛けられることもしばしば。主に緑川。

儚い。人気が高く知名度も相当高い。嵐山隊以上にファンが多い。

よく隊室で九斬と役の練習をしている。ここはカラオケかと。

 

戦術

任意の人物になりきり動きをまねる。使い手は自分の体で行うので体の小さい機動戦術は真似できない。主なレパートリーは生駒旋空や太刀川の旋空二刀流など。これは高所恐怖症を克服するために他人に成りきることで解消しているが、おえたあとに一人震えている。腕は上位クラスで仕事の都合上ポイントこそ少ないが本部にいる時はよく太刀川と戦っている。

 

 

 

 

白鷺 千聖

ポジションシューター

年齢20

身長152㎝

誕生日4月6日

職業女優

好きなことお茶、買い物

パラメーター

トリオン  8  攻撃7

防御・援護 8  機動5

技術    7  射程6

指揮    8  特殊戦術6

合計55

トリガー

バイパー     ハウンド

グラスホッパ―  メテオラ

シールド     シールド

テレポーター   バッグワーム

概要

九斬隊初期メンバー。那須と異なり平面的に機動する。薫とは幼馴染で色々とある。聞こうとすると笑顔でごまかす。とても怖い。

こいつも隊の訓練室で役の練習をしている。防音室ちゃうねんぞ。

 

市ヶ谷 有咲

所属:九斬隊

ポジション:スナイパー

年齢:16

身長:152㎝

誕生日:10月27日

好きなこと:盆栽

パラメーター

トリオン:8  攻撃:7

防御・援護:5 機動:4

技術:5    射程:8

指揮:3    特殊戦術:4

 

概要

弟子。盆栽は部屋に飾られている。盆栽について聞くと饒舌になる。

わりと行き当たりばったりの作戦をとる部隊に振り回されている。

 

戦術

何の変哲もないスナイパー。現在育成中のため、悪くはないが特別うまいわけでもない。

 

 

八潮 瑠唯

 

所属:九斬隊

ポジション:オペレーター

年齢:21

身長:169㎝

誕生日:11月19日

職業:大学生

好きなこと:なし

 

パラメーター

トリオン:6  機器操作:10

状況分析:8 並列処理:9

戦術:5  指揮:4

合計:42

 

概要

機械じみた正確な操作と包まない発言から実はアンドロイドなのではないと疑われている。プラグを実際に探して女性陣にボコボコにされた馬鹿がいる。

 

 

 

 

九斬隊は結成は三輪隊より少し早いくらい。昔はガチガチにやっていたが東隊の解散を機にランク戦をあまりやらなくなった。それでもA級に並べるほど強い。が、自爆メテオラをはじめとする真似してほしくない行為や小さい違反を繰り返し行ったため、減点処分を大量に受けている。最近は薫と千聖が女優業に力を入れているため、そろうことが少ない。

 

 

 

Roselia組

 

湊 友希那

ポジション:アタッカー

年齢18

身長155㎝

誕生日10月26日

職業高校生

好きなこと音楽を聴く

パラメーター

トリオン7  攻撃9

防御・援護5 機動5

技術7    射程6

指揮6    特殊戦術4

合計49

 

トリガー

孤月   ハウンド

旋空   バイパー

シールド シールド

フリー  バッグワーム

 

 

概要

ポンコツ一号。リサがいないと生活できない。リサと同居している。家事はほとんどリサ任せ。良くも悪くも一途なので勉強は上の方。

第一次侵攻で親を亡くしいるためネイバーへの殺意は高い。がリサを危険にさらしてまでわざわざやることでもないと考えている。隊員内で実は恋人同士ではと疑われている。

 

 

今井 リサ  

ポジション:シューター

年齢18

身長158㎝

誕生日8月25日

職業高校生

好きなこと編み物

パラメーター

トリオン8 攻撃6

防御・援護9機動8

技術  6 射程7

指揮  4 特殊戦術4

合計52

 

トリガー

レイガスト    メテオラ

スラスター    バイパー

バッグワーム   シールド

シールド     グラスホッパー

 

概要

友希那の介護要員。こいつがいないと友希那は死ぬ。普段から家事をやっているだけにそれなりにできる。よく差し入れとしてクッキーなどのお菓子をもってくる。勉強は真ん中へん。

第一次侵攻で友希菜同様親を亡くしているもの復讐にはほぼ興味がない。

 

 

宇田川 あこ

ポジションシューター

年齢15

身長148㎝

誕生日7月3日

職業中学生

好きなことカッコいいこと

パラメーター

トリオン12 攻撃10

防御・援護5 機動5

技術5    射程6

指揮2    特殊戦術7

合計52

 

 

トリガー

メテオラ   メテオラ

ハウンド   バイパー

シールド   シールド

バッグワーム カメレオン

 

概要

天才中学生。真剣に一番カッコいいことを考えた結果こうなった。出水の合成弾をみて真似ができる天才。基本的には崩し役。カメレオンはカッコいいから、それ以上の理由はなく実用性は皆無。ネイバーへの恨みはないが引き立て役として爆発してくれ。無常。

 

 

氷川 紗夜

ポジションスナイパー

年齢17

身長161㎝

誕生日3月20日

職業高校生

好きなことお菓子作り

パラメーター

トリオン6  攻撃7

防御・援護5 機動5

技術9    射程8

指揮7    特殊戦術6

合計53

 

トリガー

アイビス   イーグレット

ライトニング バッグワーム

孤月     バイパー

シールド   シールド

 

概要

奈良坂のライバル。もとはアタッカーだったが自分よりも早い速度で成長する日奈に劣等感を感じシューターに転向にするも同じように追い抜かれスナイパーに。その後和解する。複数のポジションをこなせるのはある意味天才。シューターのセンスはあまりない。真面目の中の真面目。他人にも自分にも厳しく凛とした姿は人気がある。そのためボーダー内でファンクラブがあるとかないとか。

荒船がレイジやらないかと誘ってくる。しつこい。

 

白金 燐子

ポジションオペレーター

年齢17

身長157㎝

誕生日10月17日

職業高校生

好きなことオンラインゲーム、クロスワード

パラメーター

トリオン7  機器操作9

状況分析7  並列処理6

戦術5    指揮7

合計41

 

概要

コミュ障で九斬以上のレアキャラ。部隊部屋にいる上、来客にはテントを張って中に隠れてしまう。ときどきゲームのシミュレーションで手が動くが周囲から普段から機器操作の練習をしていると思われている。

 

戦術

あこが盤面を崩す、または友希菜とリサでアタッカーをとる動き。紗夜によるとバイパーによる反撃など隙が少ない部隊。




スナイパーは個性の出し方が難しいから少なめです。


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設定集3

扱いきれなかったので没としました

設定は残しておくので部隊コンセプトとか使っても良いよと


pastelpalet組

 

丸山 彩

ポジションスナイパー

年齢16

身長156㎝

誕生日12月27日

職業高校生

好きなことSNS、自撮り研究

パラメーター

トリオン7  攻撃6

防御・援護5 機動5

技術   7 射程8

指揮   4 特殊戦術4

合計46

トリガー

ライトニング バッグワーム

アイビス   シールド

イーグレット フリー

シールド   フリー

 

概要

白鷺の後輩。よく相談しており嵐山隊の会見をみて入隊を決めた。アイドルなのかは疑問である。すぐにテンパり白鷺にフォローしてもらっている。重要な場面ですぐに外してしまう。が、落ち着いて狙えればそこそこ当たる。落ち着いて狙えれば。

 

 

 

若宮 イヴ

ポジションアタッカー

年齢17

身長163㎝

誕生日6月27日

職業高校生

好きなこと時代劇鑑賞

パラメーター

トリオン9  攻撃9

防御・援護7 機動8

技術   6 射程5

指揮   3 特殊戦術4

合計51

トリガー

孤月     孤月

旋空     旋空

シールド   シールド

バッグワーム グラスホッパ―

 

概要

サムライに憧れガール。気持ちだけで二刀流を習得した。ただしそれだけすぐに撃たれて落ちる。スナイパーのカモ。さらに切ろうとするから余計にすぐ落ちる。シューターのほうがトリオン的に幸せになれると二宮が愚痴る。

 

 

 

氷川 日菜

ポジションシューター

年齢17

身長156㎝

誕生日3月20日

職業高校生

好きなことアロマオイル作成

パラメーター

トリオン 8  攻撃8

防御・援護7  機動5

技術   7  射程6

指揮   4  特殊戦術6

合計51

トリガー

バイパー   孤月

ハウンド   スコーピオン

シールド   シールド

バッグワーム テレポーター

 

概要

お姉ちゃん大好き天才ガール。才能はピカイチだがムラが激しい。その才能は二宮が認めるほど。ただ、安定感と性格が向かないため入隊ならず、加古は本気でイニシャルKを捨てようか考えたほど。やめた理由は適当なことと手綱を握れそうになかったから。合成弾もできるが完全に感覚でやっているためできないこともある。

お姉ちゃんの真似をしているだけだがそれが姉に強い劣等感を抱かせた。現在は和解している。

 

白鷺 千聖

ポジションシューター

年齢20

身長152㎝

誕生日4月6日

職業女優

好きなことお茶、買い物

パラメーター

トリオン  8  攻撃7

防御・援護 8  機動5

技術    7  射程6

指揮    8  特殊戦術6

合計55

トリガー

バイパー     ハウンド

グラスホッパ―  メテオラ

シールド     シールド

テレポーター   バッグワーム

概要

隊の実質リーダー。那須と異なり平面的に機動する。となり初期の初期の九斬隊に在籍していたが女優業をやりたいため抜けて後輩である彩の部隊に入った。薫とは幼馴染で色々とある。聞こうとすると笑顔でごまかす。とても怖い。

こいつも隊の訓練室で役の練習をしている。

 

 

大和 まや

ポジションオペレーター

年齢16

身長161㎝

誕生日11月3日

職業高校生

好きなこと機材いじり

パラメーター

トリオン6  機器操作7

状況分析6  並列処理6

戦術  5  指揮  5

合計35

 

概要

機械オタク。珍しい機材に触りたくて入ったといってもいい。エンジニアではない理由は好きな時に触れるから。玉駒支部にも出入りりており、宇佐美と一緒にニヤニヤしている。

 

 

 

丸山隊

もとは第二の嵐山隊として結成されたが彩の本番での弱さ、日菜の自由な発言によって外された。白鷺がいるかどうかで成績が上下するため、ランク戦の戦績は芳しくない。

 

 

afterglow組

 

上原 ひまり

ポジションスナイパー

年齢17

身長155㎝

誕生日10月23日

職業高校生

好きなことスイーツ

パラメーター

トリオン6  攻撃6

防御・援護6 機動5

技術   6 射程8

指揮   5 特殊戦術4

合計46

トリガー

イーグレット アイビス

シールド   シールド

アステロイド バッグワーム

フリー    フリー

 

概要

大きい。どこがとは言わないけど大きい。圧倒的に普通。なぜかリーダー。

 

 

美竹 蘭

ポジションアタッカー

年齢17

身長157㎝

誕生日4月10日

職業高校生

好きなことなし

パラメーター

トリオン5  攻撃8

防御・援護6 機動5

技術   6 射程4

指揮   7 特殊戦術4

合計45

トリガー

孤月     スコーピオン

旋空     

シールド   シールド

       バッグワーム

 

 

概要

静かに燃えるガール。とみせかけてわりとすぐ沸騰する。実力は大体辻。仕切っているのでなぜ君はリーダーではないのか。謎である。

実家は華道をやっていて父が変装(丸わかり)してよく様子を見に来ている。父的には危険なのであまりいてほしくないが嫌われたくないし楽しくやっているので見守っている。来馬同様支部を作ろうとしたら恥ずかしいといわれて断られた。これ誰の説明だよ。

 

 

宇田川 巴

ポジションシューター

年齢17

身長168㎝

誕生日4月15日

職業高校生

好きなこと和太鼓

パラメーター

トリオン9  攻撃9

防御・援護7 機動8

技術   5 射程6

指揮   6 特殊戦術4

合計54

トリガー

メテオラ    メテオラ

バイパー    ハウンド

シールド    シールド

グラスホッパ― バッグワーム

 

概要

熱い祭り女子。熊谷同様かなりアクティブ。商店街のイベントで太鼓をたたくのは有名。夢女作成機。一週間ラーメン生活をするほど好き。

 

 

 

羽沢 つぐみ

ポジションスナイパー

年齢16

身長156㎝

誕生日1月7日

職業高校生

好きなこと入浴剤集め

パラメーター

トリオン6  攻撃7

防御・援護8 機動6

技術   7 射程8

指揮   7 特殊戦術4

合計53

トリガー

イーグレット アステロイド

アイビス   バッグワーム

ライトニング 

シールド   シールド

 

概要

商店街にあるコーヒー店の子。女子会が良く行われ接客でファンになったものも多い。

 

 

青葉 モカ

ポジションオペレーター

年齢17

身長158㎝

誕生日9月3日

職業高校生

好きなことポイントカード集め、睡眠

パラメーター

トリオン6  機器操作8

状況分析6  並列処理6

戦術4    指揮  4

合計34

 

概要

パンと昼寝が大好き。なんなら任務中でも寝る。もちろん始末書。問題児。

 

 

 

上原隊

正直いってなんで美竹隊じゃないのか疑問である。美竹パパが鈴鳴支部の話を聞いて支部を建てようとした話は有名。華道家って儲かるのか?それでもB級上位で戦えるほどにはつよい。蘭が挑発に弱いのが難点。



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原作開始前
1話


導入なので少なめです


「もうすぐでつくぞお前達。俺の故郷だ。やっとお前達に見せられる。」

狭間のような空間で青年は一人呟いた。握りしめた手の中には五芒星の飾りがあり、四か所が白くなっており、ほかの場所は黒くなっている変わったデザインになっている

青年の表情はまるで死地へと向かう兵士のようだった

 

 

ゲート発生、ゲート発生。危険なため。直ちに避難してください。

瓦礫の中を二人の男が走っていた。片方は年相応ので髭を生やし、腰に何かを差している。もう一人は背が低く、何も持っていない

だが二人に共通していえるのは尋常ならざる速度で走っている

 

 

「ついに初の人型だ。気分が上がるねぇ。風間さん。」

「そういう軽い気持ちでやると怪我するぞ、太刀川。」

「でもが迅が言うには俺も風間さんも怪我はないって聞いているけど?」

「だが、奴の予知も外れることもある。それよりもお前が相手の地雷を踏みぬかないか不安だ。」

「もしかしたらさらわれた奴が運よく帰ってきたかもな。」

 

 

そう軽口をいいあいながら反応があった地点へ走る

そこには背の高い青年が手を顎に当てて、考え事をしていた

 

 

 

「やっとついた…があのでかい箱が侵略者の拠点の可能性も否定できない。ひとまずどうにかして確認をとれる質問を考えないと。話の通じる連中だと安心できるのだが。」

「おい、お前がネイバーか?」

青年は二人組に気付いて振り返った。

「ああ、俺はネイバーだが一つ聞きたいことがある。」

「そうか。お前を拘束する。投降しろ。」

「そう固いこと言うなよ風間さん。なんだよ、言ってみろよ。」

「ここは日本なのか?」

「「!」」

ネイバーからありえない質問を聞かれ驚いた

「そうか…俺は…帰ってこれたんだな…」

「風間さん。勝手に自分の世界に入ったんだけど。」

「どうやら戦う意思はなさそうだがどのみち本部に連れていく。手伝え。」

青年は何かぶつぶつ呟きながらまた考えているかのようだった。

そして涙を流しこうつぶやいた

「ここが日本だ。俺の故郷。」

そういって胸元から何かを漁る動作をした後

 

 

バタッ

青年は安心したのか倒れた。

 

 

 

「俺の予想通りさらわれた奴だったんだろ」

「ならお前が背負っていけ。俺ではでかすぎて背負えん。」

 

 

その時、別の場所でサングラスをした青年は何かに気付いたかのようにこう呟いた

「これで少しは良い未来へいけるかな。あとは本部がどう扱うか、不安要素はまだまだ尽きないけど。」

そういって大きな四角い建物、ボーダー本部へと向かった

 

 

「ここは…俺は倒れたのか。身の振り方は決めておかないとな。」

暗い部屋で青年がそう呟いたとき

 

「目が覚めたようだね。」

 

声がした方を向くとそこには若い男が一人と顔に傷のある強面の男の二人がいた

 

「さて、お前がどこか来た何者なのか、話してもらおうか。」

強面がこちらへ圧を強めながら言った。」

 

青年は答えた

「おれはネイバーであり、日本出身だ。」

二人は驚き聞いた

「私は忍田という。この施設の長をしている。先ほどの発言はどういうことなのか説明してもらえるかな。」

若い男が少し砕けた様子で青年に聞いた

「おれは10年以上前にネイバーにさらわれたものの一人だ。正直言ってネイバーで暮らしていた期間が長いからほぼネイバーといってもいいだろう。」

青年は答えた、すろと強面が

「私はこの組織の長の城戸だ。君には二つの道がある。一つは虜囚としてこの部屋で一生を終える。もう一つは」青年は途中で遮り

「あんたらの下で兵士になるか。ですよね?」

「そうだ。だが、お前がいた国の情報をどちらの道を選ぼうとも話してもらおう。」

 

青年は少し考えたのち

 

「俺もそれで構わない。が、俺はせいぜい兵士のまとめ役程度でほかの国へ遠征に行ったことがないから言えることは少ないけど。」

自嘲気味に青年は言うと

「それで構わない。嘘偽りなくお前が知る情報をいいたまえ。」

「じゃあまず自己紹介から。俺は九斬。日本にいたときは違う名前だったが憶えていない。俺がいた国は科学国家スイレイ。そこで兵士をしていた。ほかの国から連れてこられた連中と5人から10人程度の集団で1部隊として活動していた。弾丸兵として戦線に出さされる。ここでトリガー使いとしての素質を測る。そしてトリガー使いとしての素質がなければ実験体として様々な薬物投与や新型兵器の的にされる。」

「なんて国だ。」

忍田は憤る

「つづけても?」

「さえぎってすまない。続けてもらって結構だ。」

「では、最後は体に爆弾を詰めて敵兵の近くで爆破される。俺も何度か起爆したことがあってかなり精神にきた。俺は運よく薬物実験や兵器のテスト、敵国との戦闘を生き抜き10年がたったある日、ある国が襲った。敵の強さを前に上層部をはじめとする国の連中は逃げ出した。そして、のこされたのは前線で戦っていた俺達一般兵だけだった。俺の持ち物に五芒星のペンダントがあったはずだが。」

「これのことかな?」

「ああ。それだ。それはブラックトリガーの出来損ない。俺の元部隊メンバーだ。」

聞いていた忍田はもちろん、聞くことに徹していた城戸の顔に驚きの表情がでた

 

「ブラックトリガーの作り方はしっているか?」

「もちろん知っている。優れたトリガー使いが全トリオンを使って作るものだが。」

「そう。優れたことが重要だ。俺はもちろん、ほかのやつも特段優れたものではない。だから何が原因で失敗したのかはわからない。が、おおよその見当はついている。」

「君には条件がわかるとでもいうのかね?」

「いいや、俺がわかるのはそれだけ。考えられるのは単純にトリオンが足りなかったこと、もう一つはそもそもこれは不完全で俺が入ることで完成すること。」

「つまりこれは君がブラックトリガーになるということでいいんだね?」

「ああ、お前らが俺を処分したいならそういう賭けをしたいからそういうことで。後のことは少しずつ話していくよ。」

「わかった。お前の処分はしばらく保留にする。われわれの旗下にいる間は身の安全を保障しよう。」

「最後に一ついいか。」

「なんだね。」

「人と話すって良いな。」

「そうか。」

城戸は少し笑ったような顔をして去っていった

 

 




退屈ではありますがさすがにここは省けなかった


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2話

「指令、重要な話とは何でしょうか。」

「ああ、先日太刀川と風間が捕縛したネイバーの件だ。」

少年は恨みのこもった顔をする

 

「まぁまぁ落ち着けよ三輪。まだ処分するって決まったわけじゃないし。」

「黙れ裏切り者め。なんでお前がここにいる。」

「私が呼んだのだ。」

「なぜです。ネイバーは敵、ネイバーと仲良くしようとするこいつらは絶対従いません。」

「彼は日本の出身だ。」

 

興奮していた少年は驚きの表情をみせる

 

「じゃあ、ほかの人たちは。」

少し表情に歓喜の色を見せ問う

「いや、彼がさらわれたのは10年以上前のことらしい。おそらくだが他の者はいないだろう。」

少年の表情が再び曇る

その時

 

「ネイバーを連れてきました。」

 

扉が開き、3人の青年が入ってくる

 

「さて、ここでもう一度私に話したことを話したまえ。」

「ええ、では。」

 

そうして九斬は話始める自身の十年について

 

 

 

「君はこのあとどうするつもりかね?」

「ここの戦闘員として働くかペンダントになるしかないでしょう。だが、半分ネイバーの俺を許せる奴はそこまで多くないでしょう。こうして話す時間があるのならともかく、しったらたいていの奴は俺のことを良く思わないでしょうし。今は問題ないかもしれませんがあなた方が退いたあと、事情を知らない者があがってきたときでしょう。」

 

一同は一部唸りながら考える

確かにネイバー達と戦ってきたから腕はそれなりに立つ方だろうそれにこの組織はできたばかりで戦力はまだまだ少ない

 

「では君の実力を見せてもらおう。実力次第だが正隊員として君の所属を認めよう。」

「それがまるいと思います。いきなり自称軍人とはいえ勧誘したわけでもない奴を優遇しすぎると組織の崩壊につながりますからね。」

「では、後程試験については伝える。」

 

 

九斬が退出した後一同は彼の者行う試験について話し合った

 

 

その一方で三輪は一人考えていた

(奴は自分のことをネイバーといった。だが、出身は日本といった話した内容からも人づてに聞いただけはない。)

先ほど話を聞いた青年について考えていた

三輪にとってネイバーは大切な姉を殺した憎い仇でしかなかった

だが、青年の話をきいて自身の覚悟に揺らめきが生じていた

(奴は自分のことをネイバーとも言っていた、死の覚悟もできている証拠だ。近界で育ったこちらの世界の人間と俺は戦えるのか。)

結論が出せず悩みながら歩き出した

 

 

「なんとか城戸さんたちを軟化させたいからねぇ。利用させてもらうよ、九斬さん。」

「おい迅、お前はあいつをどう見てる?」

「おれは入っても問題ないと思うよ、俺のサイドエフェクトがそう言ってる。」

「俺は熱い勝負ができると思ってる。あいつの腕はなかなかありそうだ。」

「そういうことなら太刀川さんと仲良くできるんじゃない?良い仲間になるとか。」

「それじゃあ面白くない。あいつとは並ぶよりも対面したい。」

「そうか。ならあいつは太刀川さんにまかせておけば安心かな。」

「そうだな。あと迅、俺と戦え。」

「良いよ。けど勉強は大丈夫か?」

「それはあとで考える。どうせあいつのことでいっぱいだからまだ来ない。」

そういうとふたりは部屋のなかへ入っていった

 

 

 

 

「ではまずここで訓練用トリオン兵の相手をしてもらう。向こうで兵士をやっていた発言を疑うわけではないが実力がわからなけければ適切な判断ができない。」

「それよりもあれ、輝いていえて眩しいからちょっと待ってくれ。」

!!!

 

試験に同席していた者たちは驚きの表情を見せた

 

「これは、いくつか聞いてもいいかい?」

「別に構わないけど。」

「じゃあ」そういって孤月を抜いた

「それが装備ですか。効率の良い装備ですね。」

 

一同に疑問と驚きが走った

 

「忍田さん、こいつはたぶんサイドエフェクトを持っていますよ。」

「その可能性が高そうだな。試験はいったん中止にする。」

一度解散しサイドエフェクトの調査を行うことにした

 

 

 

「あんた、それが他の奴と違うってわからなかったのか?」

「正直言って話したことはない。余計なことを言ってモルモットにされたくなかったからな。」

「へぇ、あとで俺とバトんない?」

「まだ俺の処遇は決まっていない。このままなら問題はないだろうがこのまま終わるとは思えん。戦闘できる立場にならないこともありえる。今はそう簡単に約束できない。」

「そうか。なら俺はいつでも歓迎だ。時間があったら忍田さんたちと相談して取り付けるさ。」

「そうなるといいな。お互いにな。」

 

 

 

「彼のものの処遇については風間が部隊に入れるもしくは入るということでいいか?

「はい。問題ありません。」

「彼のものについてどう思う?」

「今すぐにことを起こすことはないでしょう。向こうもこちらからの信用を得ようと動いているので問題ないと思います。」

「では戦闘面では?」

「申し分ないと思います。すぐにトップクラスになると思います。」

「そうか。では、くれぐれも気を付けること。」

 

「次に彼にサイドエフェクトがあるというのは本当かね?」

「はい、訓練室をみて眩しい、装備を見て効率が良いと言っていたのでおそらくトリオンが見えていると思います。ただ、本人はちょっと目が良いくらいにしか思っていませんでしたが。」

「それが本当なら色々と試しておかなければならないことがあるな。」

「それが本当ならこちらとしても色々と役に立つな。詳しく調べてみんとわからんが。」

「ひとまず調査は鬼怒田に任せる。」

「わかったわい。」

「ただし、時間がかかるが可能ではある。完全にやろうと思えば10年単位の時間が必要になる。」

「それでいいだろう。今は戦力の拡充が優先だ。」

会議はそう締めくくられた

 

 

そのころ九斬は

「つい口が滑ってしまったがうまくごまかせた。」

自身のサイドエフェクトについて考えていた

 

 

 

「南に100m、北に120m、西に250m。」

「よし、終了だ。」

 

九斬のサイドエフェクトについての調査が終わった

 

「それにしてもすごいねぇ。換装しなくても見えるなんて。」

そう声をかけたのはエンジニアの一人だ

「前からよく見えるとは思っていましたがまさかサイドエフェクトとは思いませんでした。」

九斬のサイドエフェクト、トリオン受信体質はトリオンが視界に移りこみ、視界を遮る。密度によって見え方が変わるが調査がなかなか進まない理由は

「頭が痛ぇ」

そう脳への負担が大きいことだ常人には見えないものが見えるということは常人よりも脳への負荷が大きいことになる。このデメリットによって長時間の調査が思うように進まないのである。

 

 

「眼鏡があったからすぐに回復できるが、さすがに眼鏡まではトリオンでつくれないからなぁ。」

戦闘中に眼鏡が落ちてしまうことが多々あったがフレームまでトリオンで作ってしまうと今度は目の前がトリオンで埋め尽くされてしまい何も見えなくなってしまった。

それに眼鏡といってもトリオンの視認性を抑えるだけで、見えなくなるわけではない。

そのうえ

「訓練用の仮装空間でも負担が大きいと模擬戦がね。」

訓練として利用する仮想空間はすべてトリオンで構成させているため、特に負担が大きい。そのため

「10分で倒れるとは。」

活動時間がかなり短くなっており、これはあくまでなにも起こらなかった場合であり、実際には戦闘を行うため建物が壊れるため

「5分ももたなかったのは悲しいなぁ。」

すぐに休憩しなければならなくなったのである

 

 

「まさか一本しか本気でやれないとはな。」

模擬戦の相手をした太刀川が少し気を落とした風に言った

太刀川の言う通り九斬は一本目こそ打ち合い九斬が勝利したもの、二本目の途中から動きが悪くなり、三本目では目に見えるほどに動きが悪く中断した

 

 

「これじゃあ俺とランク戦ができるのは当分先になりそうだな。」

他のメンバーが調査が終わらず、どうしようか悩んでいるのにこのありさまである

この男は他者と戦うのにはまっており、勉強そっちのけでランク戦に興じ、叱られている。全くこりていない

 

 

 

九斬の休憩時間中

「太刀川、お前に出した課題は終わっているのか?」

ギクッという声がしたあと

「待ってくれ風間さん、俺は一緒に調査に協力していたんだ。今からやるから。」

「なら、次回から模擬戦の相手は変更する。」

「それはひどくないか。」と太刀川は反論する

「太刀川が馬鹿なのは今に始まったことではないが。」

そういって九斬が解いた回答用紙をみる。

「お前、負けているぞ。十年も勉強してないやつに。」

 

 

九斬が解いているには中学二年相当の問題であるまだまだ成績こそよくないが太刀川と大差ないほどの正答率だ特に数学は80点以上を出している

「これはこいつがもともと知っていたんだ。そしてできる奴なんだ。」

太刀川が苦し紛れに答える。

「じゃあ、なんで英語はお前と同レベルなんだ?」

「それは、英会話をやっていたんだ。」

普段あっさりしている太刀川がなぜここまで往生際の悪くあがく。それはなぜか

「課題追加だな。」

そう、この男は学業に関しては壊滅的で留年を心配されるほど酷い。そのためこうして見張りが付き勉強させているのだ。

 

 

「太刀川、お前九斬に追いつかれたら高校卒業まで個人戦を禁止にするぞ。」

「それはひどくないか。」

太刀川の嘆きに同意するものは少ない、全面的に太刀川が悪いのだから

 

 

 

 



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3話

本編とは関係ないから飛ばしてもそこまで問題ない
時間が飛びます


「おい太刀川、言いたいことはあるか。」

「これはあいつがもともと勉強ができるやつだ。もともと博識なやつだ。」

みっともない言い訳をするのは太刀川慶19歳。詰め寄るは風間蒼也19歳。

なぜこうなったたかは簡単である。太刀川は他の追随を許さないほどの馬鹿である。

戦闘面以外が壊滅的にひどく、隊の部屋できなこ餅をたべて部屋を汚し禁止にされ熊谷を6回連続で読み間違う、dangerをダンガ―と読んだのは有名で数えだしたらきりがない。そしてここまでのことになったのには理由がある。

「風間さん、課題終わった。」

そう、2年前にネイバーフッドから帰ってきた男、九斬がいるからである。

九斬は最初こそ躓いていたがどんどん学びついに高校卒業資格を得たのである。

太刀川の十年は負けたのである。

「なんでお前はここまでできるんだよ。」

「それはお前が個人戦に明け暮れていいる間に勉強してたから。」

「チクショウ。」

「十年いなかったからな。結構新鮮で面白い。」

「太刀川、お前を戦地へ捨てるか。」

「え、俺捨てられるの?冗談だよね。おい九斬も何かいえよ。」

 

風間がどうしたものかとなやんでいると

「今から昼ご飯をつくるけどリクエストはあるか?」

「まじ?じゃあ」

「あたしの炒飯はどうかしら?」

声がする方を向くと長身の美女が立っていた。彼女は加古望19歳。A級で自分の部隊を持つライバルである。太刀川の元気が目に見えてなくなった。それどころか

「出水たちと飯の予定があるから。」

慌てて逃げ出した。だが逃げ出したのは太刀川だけではなかった。

「これから隊の打ち合わせを中食をとりながら行うから。」

風間も逃げ出した。

 

なぜ二人が逃げ出したのかは加古の作る炒飯は8割で普通の美味しいが2割の確率で劇物ができるのである。多くの者が被弾しており、美女の手料理と喜んだら死ぬというとんでもない罠である。

 

「連絡もしていないのになんで俺がここにいるってわかったんだ?」

ここはただの会議室の誰かの部屋ではない。

「二宮君がここにいるって教えてくれたのよ。」

悲報:二宮にスケープゴートにされる

「それにしても炒飯が嫌いな奴って結構いるんだな。」

「そうなのよ。私のような美人が作るのに失礼よね。」

そうじゃない。だれも死にたくないから逃げるのである。

「他に食べる奴はいるのか?」

「堤君がいるわ。そろそろ来るはずだわ。諏訪君にもふるまおうとしたけど用事があるって逃げられちゃったわ。」

諏訪は逃げ出した

しかし堤は逃げられなかった

 

 

「堤はなんでそんな顔してんだ?タダメシ食えるじゃん。」

「…お前はなんでタダメシと喜べるのか、あれは食べ物じゃない。」

震えながら言った

 

 

 

堤は死んだが九斬は堤の分も食べて部屋に戻った

 

 

 

 

 

「君たちには遠征選抜試験をに受けてもらいたい。」

ボーダーの指令官城戸は九斬隊に問う。

 

「俺と八潮は構わないが瀬田と白鷺はだめだ。」

「なんでかね。」

「そんなもん簡単だ。二人が弱いからだ。」

「彼女たちは君の元で成長していると聞いているのだが。」

「そこじゃない。戦闘能力だけなら通用するだろうが問題はそこじゃない。ネイバーフッドは未知の領域だ。何が起こるかはわからない。遠征の目的はさらわれた連中の奪還と調査だ。ここで人員を欠くと次の計画が頓挫レベルで問題が生じる。一番は俺が何らかの理由で置いていかざるをえない状況になった場合だ。まず起こらないとは思うが俺が重傷を負ったときにそのまま進めるか?」

反論しようとした瀬田と白鷺は何も言えない

 

「ともかく、最低俺が負傷しても動きにでない程度になるまでは行かせられない。」

「そうか。遠征の際は君と八潮君のふたりということにしよう。」

「ではわれわれはこれで。」

そういって退出した

 

 

「私も遠征に行かせてください。」

白鷺は食い下がる

「それを決めるのは上層部だ。俺は避けたいと言っただけでこれがそのまま通るとは思っていない。言ったら抗議するがな。それに」

「俺はお前らには死んでほしくない。新メンバーを入れようと思ってるしな。」

「え!誰ですか?」

それは会ってのお楽しみだ、そういって隊室へと向かった

 

 

「予想通り九斬隊は二人不参加ですね。」

「少々過保護のような気もするが遠征の失敗はできないから慎重で良いと思います。」

「最低限自分の身を守れるくらいは必要だが。」

 

「そうなると大分絞られますな。」

 

若い方がトリオン器官が成長しやすいという理由もあり、ボーダーの隊員はほとんどが学生である

実力面だけならまだしも精神面もとなると少ないといえる

 

 

この遠征で決まっているのは、A級経験のある者を遠征隊員として連れていくこと

その隊員は近いうちにある試験で決めるとしているが、元A級1位の部隊を率いた東と未来予知のサイドエフェクトを持っている迅は行くことが決定していた

 

「遠征メンバーは迅、東、九斬のほかにあと二人程度選びたいが。」

「残りの候補は太刀川、風間、出水、二宮、加古、鳥丸だが出水と鳥丸は若すぎるし二宮と加古は仲が良くない。」

結論がでるのに時間がかかったが遠征メンバーが決定した

 

 

試験を行う予定だったが決まってしまったため決定したメンバーにメールで通達が届いた

 

 

──[近いうちに遠征へ行くことが決定した。明日の14時、本部長室へ時間厳守で集合すること。]――

 

 

 

 




太刀川ディスリと加古炒飯回


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原作開始
4話


勉強会
内容に関しては全カットします


「おい、九斬。俺とやろうぜ。」

ガラの悪い青年が声をかけた

 

青年は影浦という。粗暴な言動や行動が目立つがそれはサイドエフェクトが影響している。名称は感情受診体質。影浦に向けられた感情を感知できる。悪意や敵意は不快なためあれているが、よく知る人物からは気遣いができるため慕われている。

 

「影浦か。悪いがこれから出水と米屋の勉強見るからできねぇ。終わってからならできるがどうだ?」

「なら、俺も勉強会に参加する。どうせ米屋のヤローは終わってからお前とやるだろうしな。」

「そうか。こっちで教材を用意できるが学校の課題にするか?」

「学校の課題。さっさと終わられせてお前とやる。」

「そうか。待ってる。」

 

 

 

「おかえり、カゲ。九斬さん、相手してくれた?振られちゃったらゾエさん慰めるよ。」

「余計な気まわしはいんだよ。」

そう言ってカバンをもって出ていこうとする

「あれ?どこか行くの?」

「出水たちが勉強を見てもらうらしいからなぁ。俺もやるついでに勉強してくる。」

「勉強はついでか。ゾエさんもついて行っていいかな?ちょっと心配だし。」

「まぁ九斬も他の奴を連れてきてもいいとは言ってやがったからなぁ。」

「じゃあ、ゾエさんもとりに帰らないと。」

 

 

九斬隊室前

「「あっ」」

「なんでてめぇがいんだよ。二宮。大学の内容なら大学出てるやつのとこいけよ。」

「影浦。大学に行っても基礎として数学は必要だ。」

「けっ。せいぜいさっさと終えてさっさと帰れ。長居されると九斬とやれないからな。」

「お前。年上にはさんをつけろと言ってるだろ。」

「まぁまぁ二人とも落ち着きなよ。こんなとこで喧嘩しちゃあ九斬さんに悪いし。早く入ろう。」

「命拾いしたな。北添に感謝しとけ。」

「それはこっちのセリフだボケ。」

 

「おい、九斬今日は誰がくんだ?」

「おい。」

「まぁ二宮。そう固いこと言うな。こっちのほうがやりやすいし気が楽だ。あとは出水たちか。」

「「「お待たせしましたぁ。」」」

「おう。ってちょっと多くないか。さすがにこの部屋じゃ入りきらないし面倒見きれないぞ。とりあえず会議室と代打を呼ぶからちょっと待ってろ。」

そういって九斬は携帯を操作し始めた

 

ここにいるメンバーは二宮、影浦、北添、出水、米屋、国近、当真、迅、太刀川の9人。そもそも机の数がたりない。そのため、九斬が動かなければならないが自分でいいだしたことといって全部やってしまった。

第三会議室で勉強会が行われるこになった

 

 

「さすがに9人の面倒はみれないので村上と風間に来てもらいました。太刀川は風間に聞いてくれ。」

「なんで俺だけ名指しなんだよ。」

「保護者の忍田さんと風間を差し置くほど出しゃばりではないので。」

「おい、太刀川。さっそくこれをやれ。」

「九斬はもう少し優しいけど...」

「そうか。九斬のぬるいやり方では満足できないということか。」

「チクショウ墓穴掘った。」

 

「あの、俺は誰を見ればいいのですか?」

「高校組だ。わからないなら俺を頼れ。」

「わかりました。」

勉強会は始まった

 

 

 

「いや~できる奴がいると捗る捗る。それに教えるのも上手いなら最高だぜ。」

「こっちは地獄だったんだけど。」

「それはお前が全く理解できないからだ。」

「そこ九斬に教えてもらったらすぐにわかったけどな。」と太刀川は笑う

((((それはお前が言えたことではない))))

 

「さて、勉強会も終わったことだし俺とバトんない?」

「影浦が先だ。少しは自重しろ。そして次は村上だから明日以降だ。」

「俺は今日じゃなくとも問題ありませんから後日でお願いします。」

「なら週末にやるか。」

「そうですね。楽しみにしておきます。」

村上帰宅

「なら次は俺だな。」

「勉強して待ってろ。」

そういって九斬と影浦、北添、太刀川は隊室へと向かった

 

 

その後待ち時間に加古が来訪し北添は当たりを引き、太刀川が炒飯に沈んだのは言うまでもない。

 

 

 

 

真夜中の住宅街を走る一団がいた。

A級1位太刀川隊の太刀川、出水。同じく3位風間隊の風間、歌川、菊地原。さらにA級7位三輪隊の三輪、米屋の七人だ。

 

「止まれ。」

太刀川がいい全員の前に立ちふさがった男を見る

 

「皆さんお揃いでどこへ用事?」

少々挑発気味にいった

 

「玉駒に未登録のトリガーがあると聞いてな。」

「あるけどそれの持ち主はもうボーダーに入っているから、。」

「何を言ってる。本部で入隊式を終えるまでは隊員じゃない。そいつはただの野良ネイバーだ。」

「そうかい。なら、戦るしかなさそうだ。ところで冬島さんと九斬さんは?」

「二人ともダウンしているよ。」

太刀川、と風間がいさめる

「これはラッキーと。」

軽口をたたく。

 

「このまま戦うつもりか?いくら風刃があるとはいえ1対7だぞ。」風間が尋ねるとその時、

「嵐山隊現着しました。」嵐山隊が現れた

「忍田派と手を組んだか。」

 

(ひとまず一番悪い未来は回避できた。九斬さんが出てくるとこっちに勝ち目がなかったからな。体を押して出てくることもあるからまだ完全に出てこないと決まったわけじゃないがまずはプランAだ。)

厄介な相手が出てこなかったことに安堵し心の中で作戦を立て太刀川と切りあう

 

序盤に出水の攻撃態勢にとちった佐鳥が発砲し場所がばれ、嵐山隊対出水、三輪隊、スナイパーに別れた。

7分ほどきり会った後菊地原が

「この人時間稼ぎばっかり。この人無視していきましょうよ。」

「なら、こっちも作戦を変えなきゃいけないな。」

 

迅の顔つきが変わった。そして風刃を振り抜いた。それに対し太刀川と風間は急所である首を守るように構えたが風刃の能力を知らず経験の浅い歌川と菊地原がは何が起こったのかわからなかった。

そして菊地原がベイルアウトした

 

その後太刀川たちは迅にいくつかの手傷を負わせたものの全滅、佐鳥の援護と討伐に向かった木虎と米屋は米屋が敗北したがそのすきついた当真の狙撃を時枝が身代わりになり相打ち、木虎が失った足にスコーピオンを生やし当真を撃破。公園で相対したが全滅を知った出水サイドも撤退を選択した。

 

 

この件についての問答が発生、忍田が相手をすると宣言、これに対し城戸はもう一人の黒トリガー天羽を出撃させると宣言した。その中に迅が登場、自身が持つ黒トリガー風刃を手放すことを条件に空閑遊馬の入隊を認めさせた。

その後廊下で迅は太刀川と会い、ランク戦復帰を宣言し太刀川はおおいに喜んだ。

 

 

そのころ九斬は隊室で寝ていたためこの一件を知るのは翌日になることになる。




ちなみに九斬が関わると迅たちの敗北がほぼ確定します
理由は九斬がいるので迅が風刃をもっても太刀川が萎えずに強くなり続けたから
さすがに九斬、太刀川、風間の攻撃をしのげるほどの実力はないので空閑と雨取は九斬隊に入隊していたでしょう


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5話

今日は年に数回行われるボーダーの入隊式。現在戦闘試験の最中、観客席で正隊員たちが様子を見ていた

 

「よぉ迅、風刃を手放したんだってな。」

「話が早いね。」

「太刀川の野郎が元気だったからな。それでどいつだ?」

「それはお楽しみってことで。」

「相変わらず面倒なやつだな。」

 

「ありがとう。」

「あ?」

「遠征から帰ってきた日。あの中に九斬さんがいたら守り切れなかったから。」

「あぁ~。そういえば忍田がそんなこと言ってた。」

「おかげで良い未来に行けそうだ。」

「そんな賭けしなくても直接良い未来に行けます。って言えばいいのに。面倒なやつだな。」

 

「知ってる人が多くなるとそれだけ未来が増えるから。」

「まぁ、背負い込むなよ。精神病むほうがめんどうだからな。」

「気をつけるよ。」

 

「で、どいつだ?お前の秘蔵っ子は。あそこまでしていませんでしたはねぇだろ。」

「ああ、そろそろだと思うよ。」

そう言って迅は去っていった

「相変わらずの秘密主義なことで。」

少し気を損ねながら言う

 

(どうせ白髪のチビだろ。もったいぶる必要があんのか?他の連中よりはデキるみたいだが上位に入れるかどうかだろ。)

 

少し苛立ちながら考えているとついに件の白髪チビの順番になった。

そして試験が始まった。

記録は1秒を切った。これまでの記録は4秒だっため、不正を疑うものもいたがもう一度同じようにやって見せた。

 

(想像以上にデキるやつだな。間違いなく即戦力クラス。普段なら争奪戦が起きそうだが迅の奴がからんでいるところをみると玉駒にはいるのか?いや、少しまえに玉駒に移った奴がいたな。結局身内びいきか。)

と若干落胆していると

 

大きな衝撃を感じた

 

(本命はスナイパーだったか。いや、なら迅はスナイパーのほうに行くはず。スナイパーはおまけか。)

そう結論付けて隊室へと戻った

 

 

 

後日

「九斬さーん。」

「誰かと思えば緑川…と新人記録の。なんのようだ?」

緑川がここに来た理由と顛末を話した。

 

「はぁ~。迅に勧誘された三雲を恥をかかせとして返り討ちにあったと。情けねぇ。」

「でも最後の二戦は戻せたし。」

「阿呆。七戦も乗せられた時点で負けだ。もし勝って調子乗っていたら降格させてたからいい薬になったろ。自分よりも才能のあるやつはいるってことがわかった。新入りだからってなめてかからないことだ。」

そう言って説教していると

 

「ほうほう。緑川の言っていた通りだ。厳しいけど優しいと。」

九斬が二回目のため息をはいて

「二人まとめてボコボコにしてやる。ついてこい。」

 

二人揃ってボコボコにされた

 

 

 

玉駒支部にて

 

「空閑、どうだった?」

「九斬さんって人に指導してもらった。すごく強かった。全然戦わせて貰えなかった。」

「何?九斬と戦ったの?あたしでも勝てないのに勝てるわけないじゃない!」

先輩の木南が言った

 

(木南先輩でも歯が立たないなんてどうやって遠征部隊になるのは簡単じゃないな。)

 

早速自身の目的が達成できるか不安になった。

 

 

 

「こんなところに呼び出すとは何の悪だくみだ?迅。」

「近日来る大規模侵攻についてさ。」

「おおかた俺が死ぬってところだろ?知っていても聞かないのわかって言ってるだろ。」

「はは、そうなんだけさ。一応言っておこうと思って。」

 

 

「で、早く続きを言え。お前はそんなことのためだけに呼び出す奴じゃないだろ。」

「実はさ、メガネ君たちが窮地に追い込まれる。」

「当日は遊撃することになっている。動かせる部隊を増やすのが仕事になりそうだからずっと構っていられねぇぞ。」

「それはわかってる。だけどさ、どこかで九斬さんがフリーになる時間があるんだ。そこで援護してほしいんだ。」

「できたらな。多分そんな余裕はないだろうが。」

「いや、それでいいんだ。他の奴にも頼んでおくから。」

そう言って迅は去っていった

 

 

「そういうことは黙っておけよ。気分損ねる言動筆頭じゃねぇか。」

と悪態をつき考える

 

(レプリカっていう自立兵によれば複数の大国が接近するが一番高いのはアフトクラトルだろうなぁ。向こうにいた効に時も時も一番来ていた気がする。ただ、ヤマはると外した時にまずいから初手はなし、基地スタートか…)

 

 

思考をまとめると隊室へと向かい策をねり始めた。

 

 

 

 

 

鈴鳴支部

 

「今日は模擬戦の予定はありませんが何の用でしょうか。」

丁寧な口調で聞いたのは村上鋼。ボーダーでもトップクラスのアタッカーだ。

「実はな、近々起こる大規模侵攻の時にうちのメンバーの面倒を見てほしくてな。」

「それならA級部隊のほうがいいんじゃないかな?」

来馬は至極当然な疑問を問う。九斬はA級でボーダーの中でもタイマンで勝てる相手は少ないほどの実力者だ。あの太刀川や二宮に勝利を重ねるほどの実力者だ。頼み込めば断ることなどまずないだろう。

 

「理由はA級部隊は主戦力になるから足並みを揃えさせたいこと。次にスナイパーを見てほしいからスナイパーがいないところは難しいこと。そしてスナイパーは新入りだから腕は普通なこと。だから連携や技量が求めらえるところだと意味がない。あとそいつは結構真面目だからヘマしてベイルアウトすることになったら病みかねないから。」

「要するにスナイパーがいるけど技量を必要としないってことですか。」

「別役のことをディスるわけではないが精密な狙撃は求めていないだろう?」

「そうですが五人となると今さんの負担が。」

「心配はいらん。八潮をつける。」

 

「それでは瀬田さんは?」

「あいつも遊撃で行動する。アタッカー内なら誰でもやれるからな。」

「色々と面倒をかけるだろうが二人をよろしく頼む。」

「わかりました。頑張ってください。」

 

返事を返すと九斬はあとにした。

 

 

 

 




ここまででバンドリ要素皆無
そろそろ出さないと詐欺になる


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6話

他の長編読んでました 懺悔


基地の南、西、南西、北西、北を大量のトリオン兵が出現し隊員たちが出動したとき

 

――太刀川隊隊室

 

「お二人は行かなくていいのですか?」

太刀川隊オペレーター国近が尋ねる。

 

「待機指示がでてる。それに俺は長時間戦えない。特に俺を知っている連中なら俺が離脱してから仕掛けてくるだろうからな。」

「ならそれまでひと勝負どうです。」

 

国近がゲームに誘うと

「阿呆。今は勤務時間だ。終わってからにしろ。」

 

―太刀川、聞こえるか。

通信が入る

 

「こちら太刀川。どうぞ。」

―基地へ爆撃型トリオン兵が来る準備してくれ

「了解。」

 

「じゃ、俺は行くから。」

そう言って太刀川は退出した。

 

「そろそろ俺も行きますかね。」

「もう行っちゃうの?もう少しいてよ。」

「状況が全くわからん。司令部に行ってから考えるから予定も言えん。」

「頑張ってくださいね~。」

 

――司令部

「戦況はどう?」

「九斬か。人型が二人現れた。一人は合同で相手をしているがもう一人のほうはブラックトリガーで風間が撃破された。」

「ブラックトリガーの奴を相手したいところだがあと5,6人出てきそう。」

「なぜだと思う。」

「遠征において人っていうのは相当大事なはず。爆撃と人型の陽動でこっちの戦力をあぶりだそうと考えていると思います。」

「なるほど。」

「なんで、ほいほい出て行っていいものかとねぇと。でも人型は多くても二派だと思います。」

 

(風間を倒した奴は相性も良く慢心気質だから苦労はしない、だが見ている奴がいると面倒だからなぁ)

そう考えていると

 

「基地内の人型が侵入しました。風間隊と遭遇したものと同一。」

 

「基地内に誰がいる?」

「スナイパーと諏訪隊、風間隊です。」

「なら諏訪隊に訓練室までおびき寄せるようにしてくれ。俺も向かって戦う。」

 

―北

「あらら、派手にやってるねぇ。」

「別に。全部つまらない色だったから。いろいろやったけど。」

「一つ頼みがあってさぁ。俺のほうやっといてくれない?」

「別に構わないけど何か見えたの?」

「ああ、かなり大事なね。」

「じゃあ、九斬さんと戦うように言ってよ。」

「わかった。じゃああとはまかせた。」

 

(これで未来は動き出した。九斬さん、頼みますよ。)

 

―南

「二宮さん、そろそろ南西部に行きますか?」

そう聞いたのは二宮隊ガンナー、犬飼だ。

「そうだな。生駒隊や王子隊に偵察させる。」

指揮を執るのはB級1位二宮隊隊長、二宮。重大な規定違反で降格させられるも強さと戦術はトップクラスでこの場を指揮している。

 

南地区のトリオン兵を排除し次の動きをしようとしたとき

「活きのいいのがいるじゃないか。」

人型ネイバーが現れた。

 

 

 

「おい、氷見。近くに誰がいる?」

「近いのは湊隊と瀬田さんよ。」

 

二宮は思考をめぐらす。ここで計算できる戦力はさっき連絡があった湊隊の四名、瀬田、自身に犬飼の七人。辻は相手が女性であるため戦力にならない。斥候にだした生駒隊と王子隊をどうするか。

そして敵の装備がわからない上に基本的に性能が劣っている以上うかつに飛び込むのは危険である。さらに五人はまだ合流できていない。いったん時間を稼ぎ合流をすることにした。

 

「犬飼は残れ。後はトリオン兵をやれ。指揮は王子にやらせろ。」

「「「「了解。」」」」

 

どうするかを考えていると

 

「あなた、優しいのね。」

女が話しかけてきた。

「敵であるお前と話すことなどない。」

「つれないなぁ。少しくらいお話ししようよ。」

「お前と何を話すことがある。」

「そんなにいうならやろっか。」

(犬飼、ひとまず合流するまで時間を稼ぐ。絶対に落ちるなよ。)

(了解。)

 

 

本部

 

「どうしたぁ。骨のあるやつはいねぇのか?ミデンのサルどもぉ。」

「復帰そうそうブラックトリガーとはついてねぇ。」

「あ?」

 

(堤、九斬のやつがいる訓練室へ行くぞ。)

(わかりました。それまでこいつを引き連れていけばいいですよね。)

 

堤と諏訪は下がりながらエネドラにショットガンを撃っていく。

そして訓練室にたどり着き訓練モードを起動した

 

(おい九斬、まだつかないのか?)

(あと3分で着く。偵察に5分欲しい。)

(わーった。絶対見つけろよ。)

(ああ。任せておけ。)

 

「へい、Mrブラックトリガー。俺と遊んでくれよ。」

「サルがぁ。」

 

(それにしてもどうなってんだ?どこをうっても手ごたえがねぇ。分身とかじゃねぇだろうなぁ。)

諏訪は考えながらショットガンを撃っていると

 

「「あ?」」

訓練モードが解除された

「無敵時間は終わりかぁ?」

「必要なくなっただけだまぬけ。」

エネドラが声のした方を向くと

「さっさとくたばれ。」

無数の弾が襲った。

「おれのボルボロスはそんなチンケなもんで勝てるほど甘くねぇんだよ。」

「だろうな。だが、その慢心が敗因だ。」

「何言ってんだ?現にてめぇの攻撃は俺に効いてねぇ。」

「だから負ける。いつから援軍が一人だっていったよ。」

「あ?」

 

二本の刃がエネドラの体を貫いた。

「二人とも良い働きだよ。」

「九斬さんで倒してくださいよ。」

「今敵に目を付けられると動きにくくなるから許してくれ。」

雑談していると

 

「やはり負けたのね。エネドラ。」

「ミラか。早く回収してくれ。」

「残念だけどあなたはしないわ。昔は賢い子だったのに。浸食がすすんでいる。」

「ふざけんな!ボルボロスは俺が一番。」

「あなたのデータを読めばすぐに見つかるわ。それじゃあ。」

エネドラはとどめを刺された。

 

「うげぇ。血だらけだよ。」

「そういうな菊地原。早く片付けるぞ。」

「俺は外でかき回してくる。ここは任せた。」

「「「お気をつけて。」」」

 

 

アフトクラトルの遠征艇

(あの男、まさか暴竜?そんなはずはないわ。なによりあの国があれほどの人物を手放すとは思えない。)

「ミラ。何か気になることでもあったのか?」

「はい。それが・・・」

 

「それが本当ならかなり厄介だな。我々はほぼあの男一人に撤退させられたのだからな。」

 

(問題は奴とミデンのつながりか。下手をしたらあそこが敵に回るか。)

 

 

 

南---

 

「あなたたちは相当強いけどこれは装備の差ね。同等なら私は負けていたかも。」

少女が対峙する二人の青年に向けて言う。

 

「強いねー。」

金髪の軽そうな方が答える。

 

(どうします二宮さん。俺も二宮さんも満身創痍ですしいったん退きます?)

(いや、そろそろ湊達が来る。ここで退くと入れ違いになる。ここで待つ。)

 

「そりゃあ遠征部隊になるくらいだからね。じゃあ、そろそろ終わらせないとね。」

「このままだと僕たちはどうなるのかな?」

「んー?それはね私たちの国で働いてもらうことになるかなー。たぶん私の部下になるかなー。」

「それは大変そうだねー。」

「なんでー?」

「君が僕たちを連れ行くの。」

 

「だれかと思えば可憐な子猫ちゃんじゃないか。」

「二宮さん、到着したわ。」

「湊と瀬田か。助かる。さっさとケリをつける。」

 

「あら、手土産が向こうから来てくれたわ。女の子はあまりいなくて華がなかったところなの。」

 

第二ラウンドが開始された。

 

 

空閑サイド---

 

「空閑―、元気ー?」

「これはこれは九斬センパイ。」

「結構追い詰められてるじゃないか。」

「そうだよ。あの爺さんが強くてね。」

「まぁ、あんなの誰でも厳しいだろうな。」

 

「いやはやここまで評価をいただけるとは老体に鞭を打った甲斐があります。」

「なぁ爺さん。交渉しないか。」

「交渉。いったい何のことでしょうか?」

「簡単な話だ。あんたらの採集の邪魔をしないからここは帰ってくれない?」

「ほう。それは魅力的なことですな。しかしあなた方は私たちのようなものから市民を守ることが仕事では?」

「そうだがこっちには60億以上の人がいるからなあんたらが乱獲しなけりゃあこっちでごまかしておくってわけ。そうすればお互いに楽ができるだろ?」

「なるほど。しかし私はこの部隊の指揮官でもトップでもないのでね。拠点に戻って指揮官の判断を仰がなくてはね。」

「嘘いうなよ。あんたには独断できる権限があるはずだ。なぁ国宝オルガノンの使い手ヴィザぁ。」

「私のことを知っている者がミデンにいるとは。ミデンの進歩も侮れませんなぁ。」

 

(空閑、ここは俺に任せろ。)

(本当に良いの?)

(相性の関係だ。今回は正直かばう余裕はないだろう。誤射で倒すよりはましだ。それにそいつにベイルアウトはついてねぇ。万が一解除後にくらえば死ぬだろうからな。)

 

「わかれてしまってよろしいでしょうか。」

「問題ねぇよ。そいつは味方が少ない方がやりやすい。」

「はは、そうとう自信がある様子で。それでは始めましょうか」

 

 




こっそり設定
絵馬には鳩原の一件は他言無用の条件で九斬が話しているのでほんの少し態度が柔らかいです


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7話

原作にたぶん追いつくから終わり方は失踪か打ち切りになるはず
ただし他に良い終わらせ方を見つけられればそっちになるけど
時間稼ぎのためのオリジナル編をつくるしかないのか…


空閑side

 

「さて、どうしようか。」

九斬と別れた後どう動くのかを考える

 

城戸の言う通り自分のトリガーはボーダーの一部の者しか知らない。下手に動いて敵と勘違いされるのがまずい。ならば面識のある嵐山隊や緑川になるのだがどこにいるのかわからない。かといってC級トリガーでは単独で動いている自分が怪しまれてしまう。自分の立場を悪くすることは三雲や迅の立場も悪くすることを理解している。

 

だからこそ選択肢は隠密行動をとることと待つこと。それでもまだまだトリオン兵の討伐に戦力が足りないことも理解している。故に空閑のとる行動は

 

 

トリオン兵を討伐して待つことだった

 

 

 

九斬side

 

「爺さん、そろそろ本気でかからないと終わらせてしまうよ。」

「まさか性能で劣るミデンのトリガーでここまでやるとは。本国のトリガーではすでにやられていましたでしょう。」

 

そう答えたヴィザの体には無数の穴が開き、トリオンが流出している。

 

「そうだな。まぁおれの慈悲に感謝して負けてくれ、さっきから鬱陶しい女と一緒にな。」

「ミラ、私を回収するまで動く必要はないでしょう。下手に開くと餌食になります。雛鳥の回収に集中してください。」

「ようやく本気でやる気になったか。まぁおせぇが。」

「ふっふっふ。それはどうでしょうか。」

「上等。倒してやるよ。」

 

互いの最上級戦力がぶつかる最終ラウンドが始まった。

 

 

 

迅side

 

「あれ、こっちに来たの?遊馬。」

「いやいや連絡が取れなくてとにかく知ってる人のところに来た。」

「そうか。メガネ君のところに行ってほしいところだけど…。」

「それは俺もわかってる。」

「それでも三雲のところへ向かってくれ。そろそろこの戦いも終わりに近づいている。ここからそう遠くないはずだから。」

「うん、わかった。迅さんも気を付けて。」

 

 

空閑が去った後で迅は思考を巡らす

(九斬さんが敵の最大戦力を止めてくれたおかげで全体的に余裕ができつつある。このままいけば)

自分が見てきた未来のなかでも良い未来へと進んでいる

 

「みんなが頑張っているんだ。ここで俺だけしくじるわけにはいかないなぁ。」

 

 

 

二宮side

 

ボーダーの精鋭を相手にミルは追い込まれていた

(一番厄介なのは長身の剣士。まるで違う人を相手しているかのように剣術が変わる。それに盾持ちと男は私の遠距離攻撃を警戒している。ちびっ子と狙撃手は私を乱してくる。髪の長い子は長身ほどじゃないけど鋭い攻撃をしてくる。)

装備の半分を消費してなお倒せない敵に対して焦りを感じるほど余裕がないこともわかっている。だが

(全部思い通りになると思ったら大間違いよ。)

少しでも相手の思惑を崩そうと悪あがきともとれる行動をする。

 

「大分動きに余裕がなくなってきたね、子猫ちゃん。」

「いたいけな少女一人によってたかってされたらね。」

「それは儚い。しかし、私たちにも譲れないものがあってね。」

「いいのよ。だから戦うのだから。」

 

勝負が決まるのは時間の問題だった。

 

 

九斬side

 

 

「そろそろ終いか?爺さん。」

「ええ、この様では戦闘は続けられませんから。それに、」

 

「作戦は終わりの様ですから。」

 

「チッ。しくじったのか。が、ワープ女じゃ俺はだしぬけねぇぞ。」

「そうでしょうな。単独でこの私と張り合うのですから、下手な作戦では返り討ちになってしまう。なので、」

 

小さな生物の形をしたものが多数飛来した。

 

「っへぇ。てっきり集中してくると思っていたが、機転はきいていたか。」

対処しあたりを探っても敵の気配はなくなっていた。

「こちら九斬、逃げられました。他の地域の討伐に行きます。」

 

九斬対ヴィザ、九斬勝利

 

二宮side

 

アフトクラトルの遠征部隊ミルは右腕と左手を失い、追い詰められていた。

 

「ただ、小さい方の剣士は踏み込んでこない。私に隙がなければ浅い。なら、」

ボーダーの精鋭7人に囲まれながらここまで戦えるものを褒めるべきだろう。

ここまで来たらいつ倒されるかの違いしかない。ならば道は二つしかないだろう。時間を稼ぐか倒すか。ミルはここで

 

「そう来ると思っていたわ。」

 

倒す道を選んだ。

 

「さすがは遠征にくる程の猛者。儚いね。」

湊ごと瀬田はミルを斬った。

 

--戦闘体活動限界、緊急脱出--

 

湊の戦線離脱で敵性人型を討伐した。

 

「あらら、負けちゃった。」

「お前を本部へ連行する。」

「おっけぇ、じゃああたしたちがいくよ。」

「まぁ、いいだろう敵の奪還に注意しながら行け。」

 

「ねぇ、私はこのあとどうなるの?」

「それをお前にいう必要はない。お前たちも話すな。」

 

 

南地区の戦闘、ボーダー勝利

 

 

東地区ボーダー本部前side

 

「早く金の雛鳥を渡しなさい。」

アフトクラトルのミラは焦りを浮かべながらトリオンキューブとなった雨鳥を抱えてボーダー本部を目指す三雲の前に立ちふさがった。しかし、ミラに余裕はない。なぜならこちらの主戦力はことごとく撃破され、かつて自分たちを粉砕した九斬が向かってくるかもしれないからだ。それに、時間をかければ援軍がやってくる可能性もある。そうなれば撤退ができなくなるかもしれないからだ。

 

そして

 

「ブースト」「風刃」

 

二つの刃がアフトクラトル遠征部隊隊長のハイレインを貫いた。

そして、三雲が持っていたトリオンキューブが偽物であることに気付くも援軍の到着、戦況の不利をさとり撤退した。

 

 

迅side

 

「終わったー。」

突如戦闘中であった迅は倒れこんだ。

「もう敵の追加はありません。」

 

対峙していたアフトクラトルのヒュースに投降を促し第二次大規模侵攻は終結した。



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8話

サブタイトル考えるの面倒でナンバーにしたけど全然書いてないの露呈してむなしくなった


ボーダー本部屋上

 

「九斬さんがおれを呼び出すなんて珍しいですね。」

「話すことがあるからな。まずお前、今回さぼりすぎじゃねぇのか。担当区域を天羽にさせて俺に人型4人も相手させやがって。」

「それは悪かったって。でもこうしたほうが被害を抑えられるからさ。」

「そこじゃねぇよ。なんで俺たちがせっせと働いている中敵の弱兵と遊んでんのって話だ。さっさと仕留めて援護にいけよ。そうすれば執心の奴らはもっと楽できただろ。」

「それに関してはおれが関わらない方が安全だと思ったからだよ。」

「まぁさぼりに関してはこの辺にしておく。なんで見た未来を共有しない?できたほうがお互いに楽ができるだろ。」

「それは…。」

 

「話は終わりだ。一人で抱えるなよ。限界まで抱えられて爆発した方が処理が面倒だからな。それにボーダーってのはそこまで弱い組織じゃないはずなのはお前もわかっているだろ。」

「九斬さん。」

「倒れない程度に頑張れよ。」

 

「バレていたのかな。…確かにメガネ君たちのためにも少しくらいは働かないととな。」

 

 

 

鈴鳴支部

 

「今回は二人が世話になったな。」

「いえいえなかなか部隊外のひとと組むのは新鮮で。こんなこと言うのもなんですけどおもしろかったです。」と村上。

「それは良かった。それなら組ませた甲斐があったというものだ。」

「僕もなかなかいい経験をさせてもらったと思っているよ。」と来馬。

「俺はなんか自信が少しなくなりました。」と太一。

「そんなこと言っても二人はA級の部隊にいるもの。実力は低いといってもA級の中での話よ。B級も含めれば低い方には入らないわ。流石は瑠唯さんだわ。ほとんど仕事をやってもらったようなものだわ。」と結花。

 

「そう言わせられたなら上手くいったと思っていいな。遠征計画が進めば個人で行くやつも出るだろうし今回みたいに普段組まないやつと戦うのは大事だ。」

「そういうってことは他の部隊でもやるということですか?」

「そうだな。いつまでもボーダーにいるわけにはいかないことにもなるだろう。それこそ五年、十年先の話になるだろうが。」

「俺たちもベテランになるってことっすか…。」

「太一はドジを減らさないとな。」

「「「ははははは。」」」

 

 

九斬隊室

 

「そういや市ヶ谷、桐ケ谷。どうだった?」

「どうだったって。大規模侵攻の時に鈴鳴と動いたこと?」

「そうだ。」

「あたしはたのしかったよ。」

「私は大変でした。」

「そうか。ならいい経験になったな。」

「今後もこういうことをしていくからな。」

「あたしは楽しいから問題ないよ。」

「どこでも能力を発揮できるようにするのは大切ね。」

「私は断りにくいです。でも、気づかされる場面もあっていいと思います。」

「ならよかった。」

 

 

 

会議室

「大規模グループ会社の令嬢が訪問?」

「そうだ。大規模グループ会社、緋ノ宮家の令嬢がボーダーを視察することになった。そこで、向こうの指名で案内と九斬君。君を指名してきた。」

「何を考えてんだよ。普通嵐山隊とかだろ。」

「真意は不明だが緋ノ宮グループは世界でも屈指の会社です。うまくいけば出資元としても大きな利益になります。」

「で、唯我みたいに俺に面倒を見ろと。」

「そうなる可能性が高いがそれだけ価値のあることだ。受けてくれるか?」

「拒否権がないのに聞くって真っ黒じゃないすか。受けるけどさ。」

 

「そうか。日程については今後決めるから今日は下がってくれ。」

「はいはい。あ、他の奴も巻き込んでいいのか?」

「あらかじめ伝えておくこと、3人以内であることを満たせばであればいいだろう。」

「じゃ、後で連絡するんで。」

 

(どう見ても面倒ごとの香りしかしない。なんでわざわざこんな時に接触してくる?買収か?まぁ、会って聞けばいいか。道ずれは出水と米屋、あとはもういいや。)

 

わりとてきとうな九斬であった。

 

 

 

緋ノ宮家

 

「二穂様、ボーダー本部への訪問が決まりましたわ。」

緋ノ宮グループの令嬢、二穂に双子の従者、依咲里が報告する。

 

「うむ、ご苦労。しかし、日程はまだであろう?」

「そうですわ。それにしても二穂様。なぜあの者を案内人にしたのですか?」

「それはだな、一番面白そうだからだ。さらに聞いてみたいことがある。」

「聞いてみたいことですか?」

「それは秘密だ。だが、九斬という男、妙なのだ。」

「「妙?」」

華賀利と依咲里が尋ねる。

 

「うむ、調べてみたのだがどうやら戸籍が存在しないようだ。もちろん、公開していない場合もありえる。だが、何もなさすぎる。」

「何もないとは?」

「会見を見たことがあるか?」

「はい、なかなかぶっ飛んだ方でしたわ。」

「そう。あのようなことをするものが学生時代から何の事件も起こしていないないとは考えにくい。よって何か公表できない秘密があるに違いない!」

 

「しかし二穂様、それが本当であればボーダーに危険人物がいることになります。少し考えすぎではないでしょうか。」

「もちろん依咲里の言う通りかもしれない。だが、わたしの感が囁くのだ。あの者には重大な秘密があると。」

 

「二穂ちゃん、用ってどこかに行くの?」

友人の雪枝がやってきた。

「雪枝か。後日、ボーダー本部へ視察に行くことになった。お前も来るか?」

「私も行っていいのかな。」

「向こうも人数の指定はなかったから大丈夫だ。楓も誘うからな。」

「なら私も行く。」

「日程が決まったら連絡するからな。」

「楽しみに待つね。」

 

「ところで二穂様、ボーダーには訓練施設があると聞いていまして…。」

「こら華賀利。」

「そういってやるな、依咲里。わたしも是非とも体験してみたいものだ。」

 

 




わからない人は
二穂  令嬢
華賀利 緩い方の従者
依咲里 厳しい方の従者
雪枝  庶民の方の友人
楓   令嬢の方の友人
で覚えてください

この手の誰やねんキャラはでるかもしれないので忘れていなければイメージを書くはず
一応説明しておくとスクールガールストライカーズというゲームの登場人物です


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9話

オリジナル展開はまだしも章展開はランク戦を終わらせてからじゃないと面倒だなぁと


「さぁ!やってまいりました。B級ランク戦ラウンド4夜の部。今回対戦するのは二宮隊、影浦隊、玉駒第二、東隊の四どもえとなります。実況は海老名隊オペレーター、武富桜子。解説は加古隊長と九斬隊長でお送りします。」

司会を務める武富が説明をする。

「よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

加古と九斬があいさつをする。

 

「注目はなんといっても玉駒第二。本日はどのような展開となるでしょう?」

「まぁ、今回の肝は玉駒だろ。どこが取るかで結果が決まるだろう。特に今回は東隊にMAP選択権があるからな。」

「つまり、玉駒第二は不利になると?」

「そうなる。結成したばかりで実践も少ない。歴のある他の部隊からみればカモになる。玉駒をどこがどうやって取るかによって変わると思うよ。」

「では、加古さんはどうですか?」

「九斬君が言っていた通りよ。玉駒次第で結果が決まるわ。」

「お前、俺がバッサリ言ったことを蓑するな。」

「いいじゃない。あなたの厳しさはみんな知っているわ。」

「ったく。俺がお喋りだからってさぼろうとするなよ。」

「わかっているわ。これはお仕事だもの。手は抜かないわ。」

 

 

「ステージは市街地B。それではB級ランク戦ラウンド4、スタート!」

 

 

「これは、深雪です。一体どういうことでしょうか。」

「アタッカー封じでしょう。影浦に空閑と優秀ですから奇襲を避けようとしてのことでしょう。」

「そうね。これは東さんの作戦ではないわ。小荒井君かしら。」

 

今回のフィールドについて解説を挟んでいると。

 

「ここで三雲隊長と犬飼隊員が遭遇。戦闘になりました。」

「これは厳しい展開です。できれば他の部隊を巻き込めないと動きがないので空閑が活かせません。」

「三雲隊長入り口を壊して校舎内へ侵入しました。」

「良い判断です。乱戦になれば空閑が脅威になってきます。」

「そういえば空閑君と戦ったことがあるような言い方ね。」

「緑川と一緒にな。評価に関しては試合が終わってからにしてくれ。さすがにここで言うのはな。」

「ならあとで行くわ。」

 

 

解説と雑談をしているうちに三雲が東の壁抜きで倒され、雨鳥が砲撃。雨鳥を倒しに動いた犬飼を影浦が撃破。アタッカーの乱戦の中北添の爆撃で乱れたところを空閑が奥寺を、影浦が小荒井を、東の狙撃で辻を撃破。北添、絵馬は二宮に倒される。残りは影浦、東、二宮の三名で全員バッグワームを使用して膠着状態に入った。

 

 

「戦況は膠着状態となりましたがこのまま時間切れでしょうか?」

「二宮が動かなければ、な。」

「といいますと?」

「この状況なら東は射手と攻撃手だから自分から仕掛けるにはリスクが高すぎるだろうし性格上まずない。影浦も東を運よく見つけられればいいが二宮に割り込まれると相打ちか負けの可能性が非常に高い。二宮は東がいそうな場所を攻撃するだけで好戦的な影浦を釣れるし東から見ても二人が戦っているように見せられる。となると一番動かしやすいのは二宮ってわけだ。これは実力がどうであれポジションの相性の問題だからこうなったらどうしようもない。」

「あら、二宮君有利なの?でも絶対動くことはないわね。」

「ああ、あいつにこれくらいの大胆さがあればもっと上っていけるのだが。東のせいでいらない知恵がついてしまったからな。前の脳筋のほうが持ち味を活かせていると思うが、これは本人の方向性の問題だからな。どうしようもない。」

 

 

 

 

そうこう話しているうちに始めに話した通り時間切れ。

 

 

「タイムアップ!2対2対2対1となりました。結果は九斬隊長の言う通りになりましたがどうでしょうか?」

「ちょっと玉駒に焦りが見られました。三雲はしっかり戦術を練るタイプでしょうしログをみれば東の壁抜きは分かっていたはず。それにあの場面三雲の取り合いなので逃げの構えを見せれば四人はにらみ合いになったはずです。なのでバッグワームを起動するだけでよかったと思います。それに雨鳥の砲撃も迂闊です。あれを乱戦の時に打っていれば得点になっていたでしょう。惜しいですね。」

「エース以外の頑張りの結果ね。エース以外がどれだけ働いたかの結果が今回の試合に出ているわ。」

 

「それでは、B級ランク戦ラウンド4夜の部終了です。」

 

 

 

 

太刀川隊室

 

「そういや出水、緋ノ宮のとこの視察あるだろ?」

「ああ、あれだろ。ボーだー初の内部公開になるってやつだろ。」

「そうそう。そこで案内役に俺と出水に決定したから。」

「おれに拒否権ないの?」

「ない。先にいうと逃げそうだから。」

「私は聞いてるよー。」

オペレーターの国近は答える。

 

「おいおい、なんで出水は誘って俺を誘わない。」

会話に乱入してきたのはこの部屋の主、太刀川である。

 

「お前に案内ができるか。恥をさらさないようにランク戦でもしとけ。」

「辛辣すぎないか。それに出水も国近もそこまでできるやつじゃないだろ。」

「そうだが、同年代のほうが向こうとしても気が楽だろうと思ってな。あとお前ほど酷くない。」

 

「それにしても今回の視察に来る子達ってどんな感じなの?」

「それは俺も詳しいことはわからんが好奇心旺盛で行動力が高いって聞いている。」

「かなりアクティブなんだねー。ゲーマーな私とは合わなそうだけどなー。」

「それでも流行とかは追いかけているだろ?なら大丈夫だろ。一般の友人もいるらしいしな。」

「その子もなかなかアクティブだねー。」

「いや、声をかけたのはお嬢様の方だ。」

「そうなの?これは行動力がある。」

「なんでも食べていた焼きそばパンに興味を持ったらしくてな。焼きそばパンから始まる友情。」

「私もしてみたいなー。恋愛でも友情でもいいから。」

 

「そういえば俺が来るときいつも唯我いないけどなんかあるのか?」

「それは…。」

国近が言いよどんでいると。

「ランク戦のときにすぐに倒しただろ?それと個人戦のときとか容赦なかっただろ?それで避けるようになってる。」

「ヘタレすぎだろ。」

 

 

九斬隊室

 

「九斬さん、僕にシューターを教えてください。」

頭を下げ、教えをこうのは玉駒第二の隊長、三雲修である。

「え、やだ。」

さっぱり断ったのは九斬である。

「なんでですか。」

「俺とお前じゃあ戦術が違う。これはわかるか。」

「はい。九斬さんはサポート重視ですがしっかり敵を倒すこともあります。」

「はい残念。教えないのはそこじゃない。」

「ならどこですか。」

「根本だよ。根本。実際にお前が俺の操作ができたとしても意味がない。」

「意味がない?」

「そう。簡単にいえば脅威にならない。お前にトリオン量じゃダメージにならない。あれはダメージにならないと意味がない。一番は経験で培った感覚みたいなものだから言語化できないし理論派のお前とは相性が悪い。仮にできたとしてもさばききれずにやられるのがオチだ。」

 

「そうですか。」

と三雲は肩を落とす。

「だが、大事なのは戦闘に関わることだ。」

「かかわること?」

「そう。いるかもしれない、仕掛けがあるかもしれないといった疑心は地味に有効だったりする。一番よく俺がやるのはいかにも近くに仲間や仕掛けがあるようにみせかけること。例えば目線をそらして合図を送るフリとか同じ方向を何度も見るとかだな。」

「なるほど。それなら戦闘力の低い僕でもできそうです。」

「もう一つ重要なことがある。」

「重要なことですか。」

「爆弾だ。」

「爆弾?」

「相手を倒しうるものだ。これがあるだけで面倒くささが変わる。」

「それは。」

「それは自分で考えろ。」

 

そう言って九斬は立ち上がり部屋を出ようとして立ち止まり。

 

「どうせ他の奴らのとこにも行くつもりだろ?俺が長々といっても覚えていられないからこの辺にしておく。」

「ありがとうございました。おかげでなにかつかめそうです。」

「それは結果で示してくれ。それと気負わないことだ。」




試合展開に変わりはないので巻きです。
同じもの見てもしょうがないでしょ

ちなみに九斬の中でB級は
上位 エース以外の働きによって決まる
中位 ある程度戦術を無視してもエース一枚で勝てる
下位 エース一人いれば圧勝できる


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10話

多くの人を収容できるほど大きい部屋には異質な光景が広がっている。

血を流し倒れる人が数十人、彼らを倒したと見られる男が一人刃を持って立っている。

 

「兄さん、何してるんだよ…。それに、」

男の弟と思われる人物が声をかけた。その後ろには部下と思われるものが数人いる。

 

「使い終わった玩具は片づけるでしょう?」

男が答える。

 

「お前は誰だ。お前は兄さんじゃない。」

「いえいえ、私はあなたの兄ですよ。それにどのみち革命を起こすのですから変わりませんよ。」

「その中には俺たちの支持者がいたんだぞ。」

「ええ、そうでしょう。ですが、私にとってはもういらないものですから。」

 

そういって男は立ち去ろうとする。

 

「ひとつ聞かせてくれ。」

「なんでしょう?」

「お前は俺をどう思っている。」

「私は・・・」

 

男は語りだした。

 

「なら、良い。辻褄は合わせておく。」

「助かります。こちらですることは少ないに越したことはありませんから。」

 

――――――

 

 

「なんだ?今のは。」

 

不機嫌そうに起きたのは部屋の主、九斬である。

(それにしても妙な夢だったな。)

先ほど見た夢について考える。

(あの場面はあの時のはず、それにあいつがいたってことは…)

 

「まぁいいや。どうせ会うのは相当あとになるだろうし。それに視察もあるしな。」

 

 

――――――

 

「今日君たちを案内する九斬だ。よろしく。」

「うむ。私は二穂。こっちが従者の華賀利と依沙里、友人の雪枝と楓だ。」

「今日は施設内の見学ということでいいのかな。」

「うむ。それにいくつか聞きたいこともあるが、これはあとで聞くぞ。」

「お手柔らかに。」

 

 

 

「ここが部隊室のフロアだ。1部隊に1部屋割り振られている。私物を持ち込んでほぼ家のようにしているものもいる。」

「部屋というのは全員同じなのでしょうか。」

雪枝が尋ねる。

「あまり他の部隊の部屋に入ったことはないが同じはずだ。順位が上だからといって無理がそう通るわけじゃない。」

「つまり、部隊を組んだばかりの新人と長年部隊を組んできたベテランは同じ扱いというわけか。それでは不満はでないのか。」

「まだ若い組織だから関係ないし上位のほうは気にしない派が多いから今のところは問題ないよ。」

 

施設の解説をしながら質問に答えていると。

「だれだね。このA級1位の太刀川隊の部屋の前にいるのは。って九斬さん!」

 

「尊ではないか!お前、ボーダーに入ったのか。」

「げっ。二穂さん。来るなら言ってくださいよ。」

「む?何か見られて困るようなことでもあるのか?」

「ななななな、何もないですよ。ね、九斬さん。」

「そうだな。見られて困るようなこともない。」

「ほほほほほ、ほら、九斬さんもこう言っていることですし。僕も新人を育てないといけないので。それでは。」

 

そう言って逃げるように立ち去ろうとする唯我。

「ちょっと待て尊。なぁ、尊はボーダーではどうなのだ。」

「どう、とは。」

「ボーダーでは個人の腕を磨くための施設があると聞いている。戦績はどうなだ?」

「それは。」

唯我が言いよどむ。

「へっぽこっす。」

 

!!!

「出水先輩!なんで言っちゃうんですか!もう少しでごまかせそうだったのに。」

「そういうなよ。どうせバレてんだろ。俺は出水公平。こいつのチームメイトだ。」

「私はオペレーターの国近柚木だよ~。よろしくね~。」

 

「で、実際はどうなのだ?このものの言う通りなのか?」

二穂が唯我に詰め寄る。

「九斬さんもなにか言ってください。ほら、フォローを。」

「雑魚だな。」

唯我はなだれ落ちる。

「間違いなくA級最弱だしB級含めても上位にはこない。」

 

「やはり尊は尊で安心したぞ。」

「二穂さん。当たりが厳しくないですか。」

「いつも私から逃げ回っているお前が突然戦えると言ったら驚いてしまった。」

 

みんなで笑いあった。

 

 

施設の見回りを終えて会議室に戻る最中

 

「お前に一つ聞きたいことがある。」

二穂が尋ねる。

「なんでしょう?」

「十五年ほど前、一人の少年が暴力団の事務所を襲撃した事件が起きた。」

「これはまた物騒な。」

「その少年は暴力団によると喜々としてバットを振っていたという。」

「血の気の多い人がいたものですね。」

「この者はお前ではないか?」

「正気か?」

「うむ。このような事件を起こした者が十五年もおとなしくしていることは少ないだろう。」

「だから素性の知れない俺だと。言いがかりじゃないのか。」

「だからこそだ。」

「あまり他人の過去をどうこういうのは良い趣味とは言えないよ。」

「しらを切るつもりか。まあいい。この話は終わりだ。」

 

「あと一つ。お前の名前を言ってみてくれ。」

「俺は九斬だが?」

「違う。そうではない。フルネーム、といったほうが良いか。これまであってきた者たちはフルネームで自己紹介をしていた。だが、お前は九斬としか名乗らなかった。それに皆お前のことを九斬と呼んでいる。これはなにか事情があるのか?」

 

二穂の指摘に出水と国近はしまった、という表情を見せる。

 

「ええ、その通り深い事情があります。が、これはボーダーの踏み込んだことなので現状部外者の君たちに言えることはない。」

「む、そうか。ならどうすれば教えてくれるのか。」

「そうだな…遠征計画は知っているか。」

「ああ、これまでにさらわれた者たちを奪還に行くらしいな。」

「そう。その部隊に選ばれたら教えてやれないこともない。結局は上の許可がいるがね。」

「本当だな。」

「それはこのあと交渉してくださいとしかいえない。」

 

 

会議室

 

「視察はどうだったかな?」

本部長の忍田が問う。

「うむ。良い設備があると思う。そして司令官。九斬の秘密を私に教えろ。」

「何故?」

「そこに重大な何かがあると踏んでいる。世間には言えないなにかが。」

 

「九斬はなんと?」

「遠征部隊になったら教えてやると言った。」

「いいだろう。君たちがボーダーに入り、遠征部隊になったのなら君の望み通り九斬の秘密について話そう。」

 

「了解した。次に本題だが。」

 

そう言って二穂はカバンから何かを取り出した。

 

「トリガーか。」

九斬がいち早く反応する。

 

「何故民間人の君たちが?」

「それは三門市で起きた大規模侵攻の数日後に緑の長い髪をした少女にもらったのだ。」

「みても?」

「構わんぞ。」

 

 

「他にはあるのか。」

「ああ、五人分ある。」

カバンからさらに四つ取り出した。

 

「解析してもいいのかい?」

「うむ。我々では解析できなかった。だからボーダーに解析を頼む。」

 

「こんなものはみたこともない。解析にはかなりの時間がかかることはわかってくれ。」

「それはこちらもわかっている。頼むぞ。」

 

「訓練室で起動実験からですね。」

「私も起動はしたが使うのははじめてだ。」

 

二穂たちはエンジニアたちと訓練室に向かった

 

 

 

 

 

 

「彼女たちから取り上げるのはやめたほうがいい。」

九斬がいった。

「向こうで俺もあったことがある。ほぼブラックトリガーだと思ったほうがいいと思う。向こうであれは実際に他人が使えなかったし死んだら使えなくなったから相当面倒なモノですよ。それこそそいつの怒りを買いかねない。」

 

  それこそ、共同出兵の理由にされかねない

 

不穏な言葉を残して訓練室に向かった。

 

 

 

会議室

 

「共同出兵とはどういうことだね。」

「ここから先は妄想にはなるが、そいつはなにかしらの目的があって行動しているはずです。逆にあれだけのトリガーを作れるとしたら囲い込みに動くはず。」

 

「そこまで言うということは知っているのか?」

「ああ、向こうであったことがある。ただ、少女ではなく女性だったが。」

 

「それに、下手なことをして怒りを買うよりは緊急時の備えにするべきということか。」

「勿論、ただの愉快犯の可能性もあるが向こうからしかけてくることは低いとみてる。だからボーダーに入れて管理下に置いた方が都合が良いと考えている。A級になったら解禁でってことにすれば特典でと思わせることもできるし。」

 

 

訓練室

 

「結果はどうだ。」

「どうしたもこうしたもあるか。これまで開発したトリガーを馬鹿にするような性能をしとる。とんでもない拾い物だわい。」

 

「装備は見えているもので全てか?」

「今のところはな。大剣に槍、弓、大砲、後の一つがよくわからんがグローブのように思える。しばらくは新作に使えそうじゃ。それに飛行装備まであるとは驚いた。」

 

「じゃ、ちょっと性能テストついでに遊んで来るとしますか。」

「九斬、わかっとるな。」

「ええ、あくまで情報収集。さすがに武器もった素人相手につまらない真似はしませんよ。」

 

「じゃあ、お嬢さん方、俺と少し遊ばないかい?」

「九斬か。よし、私もこいつがどれほどのものなのか試してみたくなった。方法はどうするのだ?」

「そうだな。ここは一人づつやっていこう。さすがに制圧はしないから安心してくれ。」

 

そういって五人の装備の試運転を行った。

その結果、九斬は見事に一撃で粉砕された。序盤こそしっかりと受け、攻撃をさばいていたが力を込めて攻撃を繰り出した。この結果はボーダーを驚かせることとなった。同席していた東や迅、風間などもいたが全員ひきつった表情をしていた。

 

「これがブラックトリガーではないとは…いや使い手を選ぶという意味ではブラックトリガーといえるのか。」

本部長の忍田が呟いた。

 

相手をした九斬は弓場の射撃やアタッカーを除けばさばけるほどの防御力をもっており、その堅さはボーダーでもトップクラスに位置している。もちろん本気で相手をしていたわけではないと思うがその九斬の防御を一撃で砕いた五つのトリガーには恐怖を感じざるをえない。

 

いつかこのような力をもったものがやってくると考えると一抹の不安を上層部に残す実験結果になった。

 

 

 

 

 

 

 

「シューターばっかりやってるから腕が落ちたんじゃないのか?」

五人と戦ってまけた九斬を太刀川が煽る。

 

「そんなにやりたいならやろうじゃないか。」

「ほう。」

「ちょうど教授から課題を出せと言われていたのでね。」

「バトろうってことじゃないのかよ。」

「当たり前だろ。そんなんでテストはダイジョブか?みんなで風間ブート勉強会を開催しないといけないか?」

「待てって。テストにはまだ一週間以上ある。慌てるような時間じゃない。」

「そういって前日に泣きついてきたのはどいつだよ。」

 

「くだらんことをいってないで報告書を作れ。」

問答にみかねた風間が仲裁する。

 

「じゃ、そういうことで。」

九斬は部屋を後にする。

 

「本気でさっきのことを言っていたわけじゃないだろうな?」

「あたりまえだろ。相手に攻撃を誘導していただろ。ぶった切られたのは予想外だったみたいだが、それは俺も思う。あそこまでの火力はアイビスでもない限りボーダーじゃでない。」

「彼女たちにトリガーを渡した存在が何かはわからんが彼女たちの扱いに関しては慎重にいかなければならない。太刀川、むやみに戦闘するなよ。」

「わかってるって。そん時はちゃんと許可取ってやるから。」

 

 

ボーダートップのアタッカーはボーダーの顔。やすやすと負けるようなことがあれば今後に影響が出るほど重大な責任を負っている。

 

 

 

 

「報告書としてはこんなところですかね。」

幹部が集まる会議室で九斬は先日のトリガーの報告書を提出した。

「あれには相当なトリオンを消費します。現状場面を絞らないと使いものにはならないでしょう。玩具としてならまだしも彼女たちの力量も踏まえれば風刃と同じ扱いで良いと思います。」

「ではひとつ、あれは一体何なのだね?」

「全容まではわかりませんが、緑の髪をした女が世界中でトリガーを配っている。ってことですね。向こうで一回だけ会ったことがあります。知っているのは最初に起動した奴にしか使えないことと使えば使うほど進化していく学習型ってことですね。」

 

「会ったというのはいつだね?」

「たぶんあれでのし上がったので新兵の頃だから8年くらい前だと思います。」

 

「仕様についてはどうやって知ったのだね?」

「それは実験ですね。で何度も起動していくうちにトリオン消費が減っていることに気が付きました。」

 

「では最後に、なぜこちらに来るときにもってこなかった?」

「向こうではかなり名が知られていたのでそいつがここにきていることをバレたくなかったってことですね。下手に大軍を送り込まれたら対処できないと思っていましたので。」

 

「よかろう。では連絡事項だ。二日後、女性型ネイバーの尋問を行う。向こうは瀬田を条件にしてきた。隊長であるお前も同席しろ。」

「了解。」

 

 




お嬢様なら唯我との絡みは見逃せない



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11話

スクスト勢は設定を固めてないから固まったら設定を公開します


「お前たち遅いぞ。」

「ちょっと盛り上がってしまってね。」

「まぁいい。捕虜の尋問だ。」

「玉駒にいるんじゃないの?」

「もう一人いる。二宮隊が合同で捕えた。」

「俺、関係なくない?」

「それが捕虜が瀬田とじゃないと話さないと言っている。だから隊長であるお前も事情を知っておけというわけだ。」

「めんどっ。わがままいうなよさっさと話して遊んでいろよ。」

 

風間がお前がいうなみたいな顔をしていたがスルーして部屋まで来た。

部屋には瀬田に忍田本部長、空閑と三雲がいた。

 

「先ほどはどうも。」

「では尋問を開始する。」

「やっと通じた。で、連れてきたの?」

「子猫ちゃんの儚いラブコールに答えないわけにはいかないからね。」

 

「瀬田先輩っていつもこんな感じなんですか?」

「ああ。平常運転だ。」

三雲はまた癖の強いひとだと思った。

 

「子猫ちゃんはおいて行かれることを分かっていたということかい?儚いね。」

「おおよそね。そもそもあたしはアフトクラトルの住民じゃなくて連れてこられたもの。帰属意識はないわ。」

「嘘は言ってないよ。全部事実だよ。」

 

「ではこの後どうしたいのかな。」

「どうもしないわ。あなたが話し相手になってくれるのなら他にはないわ。」

「子猫ちゃんは欲がないんだね。」

「あなたと話すととても落ち着くの。不思議な気分よ。その仰々しい話し方が気に入ったのかも。」

「それは光栄だね。そんな儚い子猫ちゃんのために今後も話せるように努力しよう。」

「結構情熱的なのね。」

「それはうれしい誘いだ。」

「ところでヒュースはなにか話した?」

 

瀬田は忍田に目をやり、忍田はうなづいた。

 

「いいや、なにも話していないよ。」

「やっぱり。彼は孤児院にいたのを拾われているから大恩を感じているの。だから真面目な彼が国のことを話すことはないわ。帰れることはもうないのにね。」

瀬田「これはなかなか儚いことになってきそうだね。」

「なんとしてでもヒュースは国へ帰りたいと考えているわ。あたしは彼と違ってミデンに所属してもいいと思っている。それだけ覚えてちょうだい。」

「話したいなら呼ぶと良い。儚い子猫ちゃんのために時間をつくるよ。」

 

「最後にひとつ良いことを教えるわ。彼は用心深いから足止めのために属国をけしかけてくるわ。」

「それは本当か。」

少し興奮した様子でいう。

「本当よ。実際によく使う手だもの。二回はあると思っているわ。10日以内に一度目があると考えてるの。たぶんガロプラね。」

「なんでそう言えるか。」

「可能性が高いのはガロプラかロドクルーン。ロドクルーンはトリオン兵が中心でガロプラは兵力自体は多くないけど強兵がいるの。つまりガロプラのほうを信用してるの。両国に指令を出しているだろうけどくるのはガロプラとあたしは見ているわ。」

「貴重な意見に感謝する。」

「構わないわ。雇い主がいなくなるのは困るもの。」

 

尋問は終わった。

 

玉駒

 

「空閑、今日アタッカーたちが乱戦してたみたいだけどどうだった?」

「全然、村上先輩たちと一緒に太刀川ってひとにやられたから戦えなかった。用事があるって言って終わったら結局戦えなかった。」

 

反省会をしていると

 

「また九斬さんに挑んだの?あんたはまだまだ弱いんだから早いわ。」

 

木南が乱入して先輩風を吹かせるのであった。

 

 

 

 

「こんにちは。死神です。風間蒼也というものに太刀川慶に単位を取らせるために私を呼び出されてきました。」

「あのー九斬さん。どうしたんですか。」

 

正体を見破られた九斬は頭の被り物を取った。

 

「そこは察して乗ってくれ。俺は課題で忙しいのに太刀川が危ないせいで課題が終わらなくて気が立ってる。口には気を付けたまえ。」

「太刀川さんならさっき個人戦に行きましたよ。」

「悪いが防衛任務はすべてキャンセルだ。一人で頑張れ。」

 

「え。補填の人っていない感じ。」

「ああ。少し奴には世間体を分かってもらわねばならない。故に部下から厳しい叱りを受けさせる。」

「まだその設定続いているんだ。」

「今から探しに行くが出会ったら伝えてくれ。課題の邪魔をした罪は重い、と。」

 

顔を引きつらせつつ出水は答えた。

俺らもああなるのかね。

そのつぶやきは自分たちの隊長に向けられたものなのかそれとも将来の自分に向けられたものなのか。

 

 

どこかの会議室

部屋には異質な光景が広がっていた。椅子に座らされ勉強をする男性、それを見張るものが五人。積まれているのが参考書でなければ拷問の現場かと思うほどには殺伐としている。

 

自分の課題をやりつつ様子を見る九斬。あとは麻雀に夢中なにぎやかし。

なぜ麻雀をしている奴がいるのか、それは九斬にしかわからない。

 

「あのー、そろそろ休憩しません?」

「貴様に休憩する時間などあると思うのか?貴様のせいで課題が終わっていない、この意味が分かるか?」

「わからないといったら?」

「面白い冗談を言うな。個人戦を許可制にする。か、許可がなければ施設を使えなくする。」

「俺が悪かった。」

 

(どうしてこうなった。いつも通り九斬からカンペを貰ってパスするはず、それに講義もチョロいものにしたはず。なのにどうして囚人のような扱いを受けなければいけないんだ。)

 

「いけないなぁ?これじゃあ単位は取れないねぇ。」

 

この男、完全にやっている。課題の邪魔をされた腹いせにさんざん煽りちらすつもりである。

挑発に関しては九斬が一番言っているがさらに本来であればここに風間のスコーピオンの如きの鋭さを持つ口撃も追加されていた。

太刀川感謝しろ。

 

「貴様が終わるまで俺もお前も泊りだからな。熱い日々を過ごそうではないか。」

 

 

 

無事太刀川は単位を取得することができ、解放された。

余談だが少しばかり勉強するようになったとか。

 

 

 

 



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12話

予定としてはB級ランク戦やって、敵が来て終わりのつもりです
話し的に打ち切り風になるのでそういうことです

はい、ガロプラです


「敵が来た。作戦はAで行きましょう。」

「大事にしたくないのは向こうも同じってことか。」

 

迅が敵の襲来を告げ、九斬は感想を述べる。

 

「わざわざ夜に仕掛けてくるってことはこっそりしたいことがあるってことだ。捕虜の暗殺かなんだろ。」

「なんだよ。わかんないのかよ。」

「じゃあ、本命遠征艇、対抗捕虜の暗殺、大穴雨取で。」

「まじ?」

「ことを大きくせずに大きい被害がこの辺かなって。こっちの矛先を属国に向けさせるのが狙いかなって。」

「それならこの動きにもありか。」

「じゃ、頑張ってくださいねー。」

 

九斬と迅は遠征艇の防衛にトップアタッカー達を送り出した。

 

「それじゃあ俺たちも仕事をしますかね。」

「敵の侵入には時間がかかるからまだ遊んでいけるから先にどうぞ。」

「おいおい。敵を見つけるだけでも大変なんだけど。」

「知らん。何が気に入っているのかどうでもいいが俺はメガネも雨取も遠征には連れて行きたくない。」

「その割にはいろいろ言ってくれてるみたいだけど?」

「味方が強いに越したことはない。それだけ好き勝手やれることだからな。っとそろそろ敵が入ってきそうだ。行くぞ。」

 

そう言って九斬は部屋を後にした。

 

「厳しいこと言うけどなんだかんだでちゃんと指導してくれてる。優しい人だってわかっているよ。だけど、」

 

   いつも死相が見えるのは勘弁してほしいけどね。

 

 

 

「こちら木崎。配置完了。」

奈良坂「こちら奈良坂。こっちも完了しました。」

 

ボーダー本部へ進軍するのは隊列を組んだ人型トリオン兵。集団で楯をはり、スナイパーの攻撃を防ぐ。

 

対してボーダーは屋上のスナイパーと地上のガンナー、シューターを合わせ、火力を集中させて各個撃破を狙う。

すると敵は屋上に向けて犬型トリオン兵を展開。スナイパーの動きを封じる。

上からの援護を失った地上組は退かざるを得なくなった。

 

 

(「もしもーし。聞こえる?」)

 

地上組の一人三輪に九斬から通信が入る。

 

(「どうした?ネイバーの位置が分かったのか?」)

(「イエスイエス。そこから四本先の通路のとこに屋上に飛ばした反応があるから飛ばした奴がいるかも。」)

(「わかった。米谷とそいつのところへ行く。」)

 

「米谷。九斬がネイバーの居場所を見つけた。いまから行くぞ。」

「了解。今回はどんなやつかな。」

「どんなやつでもネイバーなら倒すだけだ。」

 

そこには確かな覚悟があった。

 

太刀川「あんたらの狙いはこのコンテナの中だ。まぁ、やるなら俺たち四人を倒してからにしな。」

 

ボーダーとガロプラの主力が激突する。

 

 

「あんたらの狙いはこのコンテナの中だ。まぁ、やるなら俺たち四人を倒してからにしな。」

 

そう言って不敵に笑うとカメレオンで姿を消していた風間がガトリンとラタリコフの背後から現れてガトリンの左手を切った。そしてガトリンの手に注目を集めている間に瀬田がラタリコフの右手を斬った。

 

しかし、二人は腰につけている装備を取り出し、ガトリンは大型の銃身をラタリコフは小型の銃身を纏った。

 

(「あらら。生えちゃったよ。」)

(「次は足を狙う。」)

 

そういっているとガトリンは銃身から砲撃をした。

瀬田が反応しシールドを展開するが止められないが、村上がレイガストとシールドを使って受けきった。

しかし直後に犬型トリオン兵の攻撃を受けて右腕をやられてしまう。

 

(「あっぶねー。いきなり終わるところだった。」)

(「助かりました、薫。」)

(「少し攻勢に出すぎたようだね。儚い。」)

(「これ太刀川が場所明かしたのまずいんじゃない?」)

(「そうとは限らない。明かしたことで相手の攻撃を誘導したともとれる。乱射されるほうが守りにくいから俺はこれで良いと思う。」)

 

ボーダーのトップアタッカーが激突する。

 

 

(「地上部隊気を付けてね。精兵が動き出した。枠は同じだけど動きのキレが違うやつじゃないかな。」)

(「ありがとうございます。それに特徴はありますか?」)

(「外見上の違いはねぇが明らかに動きが違う。回避行動、隊列を外れる奴ってとこ。)

(「倒していいやつなのか?」)

(「さぁな。だが姿揃えているってことは乗り換えも考えたほうがいいだろう。」)

 

「じゃあ二宮、なんか案出せ。」

「そらみろ。精兵はこのまま木虎と黒江、笹森と辻に任せる。俺たちはここで敵を押していく。」

 

 

レギンデッツ「ヨミ。いくらなんでもミデンの対応が早すぎる。このままだと隊長たちが目的を果たす前にこっちがやられる。」

ヨミ「落ち着いてレギー。対応は早いけどまだまだこっちにも駒は残っているし決定打を打ってきたわけじゃない。向こうにいるのは攻撃能力は低い観測手がいるはずだよ。副隊長も槍使いと二人を押さえてる。こっちは無理して倒す必要はない。隊長たちが目的を果たすまで耐えればいい。腐らず僕達のできることをやろう。」

 

レギンデッツ「じゃあどうする?打てる手は少ないぞ。」

ヨミ「大丈夫。十五分程度時間を稼げばいいはず。下手に動いて観測手にみられるとまずいからそこでトリオン兵のパターンを変えよう。」

 

 

 

(状況はよくないがこの二人だけで援軍はないなら問題はないが、時折飛んでくる援護が厄介だ。精度こそ高くないが無視できない程度には狙ってくる。これに二人の攻撃が重なると避けにくい。だが、隊長がいうには暴竜がミデンにはいるらしい。騒ぎを大きくしたくなさそうだから出てこないのか?ならば少し楽にはなるが。)

 

 

民家でガロプラの遠征兵、コスケロと三輪、米谷が激突。戦況は本部の屋上から援護する九斬の射撃もあって三輪、米谷が有利。しかしコスケロのトリガーは一撃で戦闘不能にできるため、油断はできない。

 

(さすがにここでしのぐのは厳しいな。少し目立つことと狙撃が怖いが屋上から別の家に移動するか。)

と考えていると米谷に左手を斬られてしまう。

 

「っ!」

 

たまらず屋上へ後退し、三輪たちもすぐに追い打ちをかける。

 

「四年前、ここで大規模侵略を行った国を知っているか?」

戦闘中にもかかわらず三輪は問いかけをする。

 

「戦闘中にお喋りはよくないよ。」

民家からコスケロのトリガーが飛び出してきて二人にとりついた。

 

攻勢にでるコスケロだったが迅の風刃の遠隔斬撃に倒れた。身柄を確保に動くも脱出トリガーを使用に逃走に成功した。

 

 

 

「三輪たちは倒した。次は経験の少なそうなあいつか。ってあれは玉駒の捕虜。これは完全にやっただろ。いや、チビが追いかけている。様子をみるか。」

 

 

 

(さて、大砲のチャージは完了したが、どう使うべきか。ヒゲは俺とラタに攻撃をしかけてくる。伸びる斬撃を使ってくる、剣術だけならこの中で一番だ。次に斧使いは爆撃と斧の連撃と接続しての重い一撃がある。火力でみれば一番だ。そして楯使い。前には出てこないがこちらの射線を切ってくる、一番排除しなければならない。長髪はバランサー。下がって楯使いの援護に徹しているが砲撃にいち早く反応しているし最初に俺に追撃ではなくラタの手を斬ったところからもこの中で一番厄介なやつだ。最後に一番若そうな双剣使いだが一人でラタを押さえている。相当な実力の持ち主だ。早いとこ勝負を決めなければ援軍がくることも踏まえれば厳しくなってくるだろう。)

 

 

(「おやおや、相手がそろそろ仕掛けてくるよ。ここからが本番だね。」)

(「ならここが踏ん張りどころってことですね。」)

 

(相手が仕掛けてくるということは選択肢を削る意味でこいつを早めに潰したほうが良い。ならば、)

 

その余裕を無くしてやろう。

 

風間はカメレオンを起動し、姿を消す。ラタリコフはこれまでの透明化は他の装備を使えないことを看破してるため攻勢にでる、するとトリオンが漏れているのを発見攻撃をした。しかし、風間は腕を斬り、それを囮にラタリコフの逆に回り込み両足を斬った。すかさず瀬田が追撃を放ちラタリコフは戦闘不能になった。

 

それをみたガトリンはすぐさま砲撃の体制に入る、太刀川が寄せるがこれは悪手だった。太刀川で隠れて砲撃の銃口が見えなくなってしまった。だが、瀬田の判断は早かった。旋空を起動し太刀川ごとガトリンを斬った。だがガトリンもただでは終わらなかった。装備の鎌で体を固定し砲撃を放った。

これは村上と瀬田ののレイガストとシールドに阻まれて失敗に終わった。

ガトリンとラタリコフは見事、と言い脱出した。

 

ガロプラによる遠征艇破壊作戦は失敗に終わった。




迅のところはかわらないのでバッサリと
遠征艇防衛に薫を追加しました
捕虜護衛でもいいんだけどガトリンの考察に入れたかっただけです

九斬効果で太刀川は少し賢い
ただし単位が取れるほどではない


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13話

圧倒的に気力が足りないので失踪しかけた


 

「B級ランク戦ラウンド5、今回の対戦は香取隊、玉駒第二、柿崎隊の三つ巴となっております。解説には湊隊の今井隊員と九斬隊の白鷺隊員に来ております。」

 

「よろしくねー。」

「よろしくお願いします。」

 

「お二人の注目はどこでしょうか?」

 

「あたしは構成的に三雲隊かなー。」

「といいますと?」

 

「香取隊と柿崎隊にはスナイパーがいないから射程の有利かなーって。」

「なるほど。今井さんはスナイパーが重要になってくるということでしょうか?」

「そうだねー。千聖はどう思う?」

 

「私も今井さんに同意します。ですが、玉駒の仕掛け次第では覆る可能性もあると考えています。三雲君は毎試合戦略を練っていますから成功すれば勝機は十分にあります。」

「なるほど。ではまもなくスタートです。」

 

 

 

香取サイド

玉駒は負けて落ちてきたし柿崎もも勝ってるから眼中にない。

 

 

玉駒サイド

今回はスパイダーを使って空閑を活かしていく。チカは打たずに待とう。

 

柿崎サイド

まずは合流を急ぐ。まずはそこから

 

 

全チームが合流を目指し、序盤は静かなものになる。柿崎隊と香取隊が遭遇。

激しい攻防の末、空閑が乱入しワイヤー地帯へ逃走、香取が深追いしメンバーと合流するも柿崎隊と交戦になる。

照屋に雨取を倒しにいくよう促し若村と柿崎が相打ちになる。

照屋の機転によりレッドバレッド狙撃をを回避、ハウンドをうけ行動不能になるも雨取を撃破、そのまま離脱した。

香取は三雲を倒しに行くもワイヤーと空閑の機動の前に敗北した。

 

 

「決まったー--。得点1対4対1。玉駒第二の勝利です。今回の試合はどうでしょうか。」

「惜しかったねー。いつもならだれかが援護にはいるけど運悪く援護がなかったからねー。詳しいことは千聖先輩にお任せってことで。」

「全く今井さんったら。とにかく玉駒の作戦勝ちですね。玉駒はに狙われていることに気づいてうまく利用したところです。照屋ちゃんの防御は良かったわ。」

 

「それでは本日はここまでです。」

 

 

 

 

「本部長、キャバクラ行きません?」

「急にどうしたんだ。」

「そうですよ。人としてどうかと思います。」

 

「いや大学で話題になってね。そもそも本部長は指令と行けって言うんですか。」

「そうじゃないだろ。今話す内容ではないと言っている。せめて私一人の時にしてくれ。」

「そうだとまぁ、じゃあ家に呼ぶからキャバクラはまた今度にする。」

「そうしてくれ。間違ってもボーダーの施設内には呼ぶなよ。」

「何でですか。大人の女性とイチャイチャして何が悪いんですか。」

「あのな、九斬君。ここはそういう場所ではないんだ。」

「でも諏訪は麻雀…」

「それでもだ。多くの未成年者がいる。親御さんになんて言えばいいのかわかっているのか。」

 

「保健体育の勉強はバッチリですね。」

「馬鹿者。根付メディア室長も頭を抱えていたぞ。最近は勝手な行動をとるものが多いと。」

 

「じゃあ家で待っているのでお手すきの際はぜひお越しください。」

「イベントの案内ではないのだが。」

 

九斬退出後

 

「全く。普段は良い先輩なのだが、こういうところは直して欲しいものだな。」

「そうですね。デリカシーはないのかしら。」

 

 

 

廊下にて

「おい、迅。今夜キャバクラ行かない?」

「ちょっとまってよ俺まだ19歳だよ。」

「一歳くらい大丈夫だって。予知使えばうまく誤魔化せるだろ?」

「そういう使い方は絶対よくないと思うんだけどなぁ。」

 

九斬は少し考えてふとひらめいた。

 

「普段から怒られないように尻触っているとは思えない発言。」

「痛いところをついてくるなぁ。」

「そういえば空閑だっけ?ネイバーの。」

 

「そうだよ。」といってまずい顔をする。

 

「その時見逃してやっただろ。」

「それに関しては完全に交渉とかなかったって。」

「じゃあ今から行こうかなぁ。」

「さすがに九斬でもそれは駄目でしょ。」

「冗談だって。半分はね。」

「半分がなんなのかが不安だけど。」

「今日はデリヘルにするか。」

 

話が終わりかけていたが

 

「お前の予知があれば呼んだ奴が当たりかどうかわかるじゃん。」

「さっきそういうのよくないって言わなかったっけ?」

「言った。が男には逃げては行けない場面がある。」

「絶対にここではないことはわかる。」

 

「俺もただ遊んでいるわけじゃない。お前と同様に街中を歩くことで優秀なトリオンを持っているいるやつを見つけられるかもしれない。」

「それは完全に後付けでしょ。あとスカウトの相手違わないか。」

「細けぇことはいいんだよ。長くなったな。家でしているので興味があったら来いよ。」

 

迅にキャバクラを出入りしている噂が流れて女性人気が落ちたのはいうまでもない。

 

 




意訳実際はもっと会話しているけどまぁ、忠実にしようとするといいかたとかでボロがでて面倒だから雑に

閲覧数が恐ろしく下がっているけど実は戦闘に需要あったりするんですかね


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14話

スーパーアンチ回なので注意


 

「どうもー。キャバクラ問題ってそんなに重かった?ってお揃いで。完全に雰囲気間違えたね。…はい。で、今回は玉駒がどんな面倒ごとを持ってきた?」

「おいおい。早速こっちに問題があるというのね。まぁいいや、じゃあメガネ君。初めていいよ。」

 

「では。このヒュースを玉駒に、僕たちの部隊に入れて

「断る。」

 

(早速でてくるか。さすがにあの人は組織にの規律に厳しいから大変だな~。)

 

「なんでですか。戦力の増強はボーダーにとってもプラスになります。」

「はいはい。じゃあ順番に言っていくわ。まず一つ目、増強は良いけどお前だから駄目。で、どうせそいつは玉駒に入るんだろ?お前って実はボーダー嫌い?」

 

「いえ、ですがラッド騒動も大規模侵攻も僕が空閑と出会ったことで解決に貢献したと思っています。」

「論外。ラッドなんて俺が帰ってくれば終わっていたから時間が解決した、大規模侵攻も早く目的が分かった程度。敵の主力を倒したわけでも有効打を打ったわけでもない。何なら防衛箇所を増やしただけだ。」

 

九斬の容赦のない言葉に三雲は口を閉ざす。

 

「そもそも入隊方法だって警戒区域に不法侵入して隊員に救助してもらっている。本来ならこの時点で資格すらない。何故か入隊しているのは驚いたけど誰がやったんだろうなぁ。」

 

迅の方に視線を送る。

 

「まあ上げだせばキリがないからこの辺にしておいて本題に入ろう。俺はねこいつの入隊には反対だし論外だ。大方船頭にしようとか考えているだろうけどそんなのもう一人にやらせればいい。なにより本国の情報は話さないだろ。」

 

ああ、ヒュースは答える。

 

「そんなのついたら逃げ出すに決まっているじゃないか。着いてから逃走するともかく遠征艇ごと逃げられやら奪還計画までおじゃんだ。つまり遠征部隊の中にこいつが混ざることが危険だということだ。そこまでで反対だ。」

 

「お前に意見はよくわかってる。だがもう一人は信用が低くあまり情報を渡さないこういうところも含めているんじゃないのか?」

 

「別にボーダーに欲しい情報は詳細である必要はない。せいぜい装備と戦力さえわかればあとは一気に下がる。」

 

九斬の怒涛の口撃に反撃ができない一同。ついに衝撃の一言を言う。

 

「一番の問題は先日の遠征艇防衛戦のとき、こいつは支部を脱走し敵国と密会していた。話内容まではわからないがおおよそ自分を船に乗せることだろう。決裂して結果的に敵を倒したことにはなったがね。これ責任問題で支部解体とかできそうだけど。」

 

「待て、それはやりすぎだ。それにそんなこと初めて聞いたぞ。」

あまりに重い発言に思わず忍田がかばう。

 

「そりゃあ言わないですよ。こんな弱み、大事なとこまで取っておくでしょう。ねぇ?」

 

城戸の方を向き城戸も頷く。

 

「と、ここまでは組織の重役として反対したけど。ここから個人と俺ととしては別に入ってもいいけど責任は全部お前らが取れよって話。本部に飛ばずに独断で動いたことにするとか小南とか宇佐美も面倒見てる子供も含めて罰則の対象にしてでもね。」

 

「かーぁ。これは一本取られたなぁ。わかった。ヒュースが原因で起こる問題は全部こっちで対処するし責任もとる、これでいいか?」

「よかろう。だがこちらからもう一つ条件を課す。雨取を次の遠征計画の機関員として搭乗させる。」

「ってことは部隊の結果に問わず雨取だけは遠征部隊に入るってことだよな?それでもいいか?三雲」

 

「はい。それでいいです。」

 

「よかろう。ならばヒュースのボーダー入隊を許可しよう。」

 

ヒュースの入隊が決定した。




単純に支部の人間が本部の意向にここまで逆らうのはおかしいと思いマスタ。
強引な感じがしたけど迅もわりと強引だったしええやろ


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15話

 

 

 

 

 

 

「さぁ本日はB級ランク戦ラウンド6。実況は太刀川隊オペレーターの国近でーす。解説には影浦隊の北添隊員と末葉隊のフェイ隊員のあほのトリオでお送りしまーす。」

「いやいやぞえさん、成績真ん中位よ。」

「いえーい!フェイちゃんだよー。」

 

「それでは早速今回の見どころはどうでしょうか?」

「やっぱり玉駒第二だよね~。あれが完成すると突破が大変そうだし。」

「フェイは王子君でーす。栞ちゃんがね王子隊がどこを狙うかだって言ってた。」

「それはフェイちゃんの意見といえるかは怪しいけどそういうことね~。」

 

 

 

王子隊サイド

「今回は市街地Aで行こうと思う。」

「マップで封じることはしないのですか?」

「カシオのいう通り地形戦を仕掛けるのもアリだとは思う。だけど機動力を発揮しにくいものを選んでしまうと逆に僕らの強みが出せなくなる。それに前の試合は玉駒に時間を与えすぎた結果玉駒有利で戦況が動いた。だから早く仕掛けて玉駒の準備ができる前に崩そうと考えたんだ。」

「それなら他の動き次第ではあるけどこちらが不利になることは低そう。」

 

 

 

 

玉駒第二サイド

「王子隊は機動力が高い、ワイヤー陣が完成する前に戦闘がおこる可能性が高い。だから空閑は戦闘にどんどん関与して荒らして点を取ろう。千佳はいつも通りバッグワームで宇佐美先輩の指示でポイントについて。」

「了解。」

「うん。」

 

 

 

生駒隊サイド

「玉駒のやばない?」

「やばいな。」

「やばいっす。200万回見たけど勝てる気がしないっす。」

「そういえばなんやけど俺の好きなカレー知ってる?」

「なんや?いこさん何食ってもうまいうまいいうから全部好きかと思うたわ。」

「ナスカレー。」

「遊んどらんと始まるではやせぇや。」

「あかん、カワイイカワイイマリオちゃんが輪に入れなくて怒ってしもた。」

「怒ってへんわ。」

 

 

 

「さぁB級ランク戦ラウンド6スタート~。初期位置は距離が均等になるように配置されるぞ~。」

 

「王子隊、玉駒第二、がバッグワームを展開して生駒隊とは合流を優先する動き。」

「どっちも集団戦が強いからねぇ。」

 

 

 

(王子隊はおそらく僕を狙っている。空閑の釣りには食いつかなかった。動きのない生駒隊はマイペースだ。下手をうてば簡単に崩される。近づいてくる二人をぶつけても待ち構えているとまずい。)

 

三雲は近くの建物の看板を打ち抜いた。

それに反応して集まるものが二人。

南沢と樫尾が遭遇する。

 

 

 

 

 

合流を果たした王子隊と生駒隊が対峙、人数差と前衛を欠く生駒隊が不利かと思われたが雨取の鉛弾が蔵内を襲い機動力が落ちたところを空閑に仕留められる。

空閑はそのまま生駒へ攻勢にでる。水上の援護もあり、お互い無傷で膠着状態になる。

 

空閑の襲撃に乗じて離脱に成功した王子と樫尾は分かれて三雲を追走する。

空閑は三雲の援護へ行こうとするがここで氷川と白鷺が到着。空閑を足止めする。

 

(思っていたよりもやりにくい、生駒隊はともかくあっちの二人はおれを狙っている。生駒隊の攻撃をあっちに打たせよう。)

 

 

 

「生駒旋空が炸裂。これは生駒隊が有利か。」

「旋空ってどうなの?うちコゲツ使いいないんだよねぇ。」

「旋空は弧月のオプションで伸ばす効果があるよー。効果と距離は反比例する。」

「そうなんだー。」

「あれ?フェイって弧月使ってなかったっけ?」

「チームを組んだ最初に使ったけど栞ちゃんに幻踊勧められてそれから幻踊使ってるから全然わかんない。」

 

 

樫尾が雨取を捕捉し攻勢にでる。これは雨取の機転により無事ワイヤー地帯への逃走に成功、樫尾は三雲に撃破される。が、すぐさま王子が到着し三雲を撃破する。

 

 

 

残された三人は雨取の砲撃を合図に王子が仕掛けるが空閑を崩せず敗北、グラスホッパーを使い回避しようとしたところを生駒の旋空弧月に斬られて敗北した。

狙撃対決は雨取の鉛弾を隠岐が受けそこを白鷺攻撃されて撃破された。

雨取は自主離脱した。

 

 

スコアは3対2対5で生駒隊の勝利となった。




フェイは残念組です。米谷クラスなので勉強面は部隊のメンバーにボコボコにされています。戦闘はかなり強いです。もしかしたら装備を公開するかもしれません。


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16話

モチベーションがなくて失踪してた


 

「これで入隊オリエンテーションは終了だよ。あとはポジションに分かれて訓練の時間になるから各自分かれてね。」

 

 

「それでは二穂様、私と雪枝様はポジションが異なるので失礼します。華賀利、二穂様は任せます。」

「うむ。早く昇格して部隊を組めるようお互い励まねばな。」

 

アタッカーの二穂と華賀利、雪枝のシューター、依咲里はスナイパーと別れて別行動となる。

その後二穂と華賀利は何戦か行い休憩中

 

「華賀利。あの者はどう見える?」

「とても慣れていますわ。私達と同様に心得のあるタイプですわ。」

「お前もそう思うか。よし、少しあいつと手合わせをしてこよう。」

「まぁ。私でなはいけませんか?」

「いや、あいつはおそらくだが正規の者も含めても屈指の実力者と見た。ならば将来越えなければならないものとなるだろう。ここで一度実力を測るというのもいいだろう。幸い向こうは昇格のためのポイントが欲しいはずだ。乗ってくるだろう。では行ってくる」

「ご武運を。」

 

そう言って二穂はヒュースのもとへと向かった。

 

「ヒュースといったか。」

「お前は。」

「私と勝負せんか?」

(この女はたしかミデンでも重鎮だったはず。俺を除けばC級の中ではトップクラスだ。そうばればポイントも大量に持っているだろう)

「いいだろう。何本勝負だ?」

「10本だ。」

 

 

 

結果は2対8でヒュースの圧勝だった。だがヒュースは不満があった。

 

(たかがC級と侮りすぎたな。ダメージを受けるくらいは考えていたが二本も取られるとはな。結果としてB級にはなったがこうして失敗するのは注意しなくては。)

先ほどの戦いの反省をしていた。

 

 

早速昇格したヒュースに小荒井達が絡んでいると

 

「面白いことやってるじゃないの。」

「太刀川さん。」

(この二人はたしかボーダーでも指折りの実力者だと小南が言ってたな。)

「俺と薫、どっちとやる?」

(小南が言うには薫の方が強いと言っていたな。ならば)

「薫と戦いたい」

「ほう、ふふ、なかなか儚いね。」

ヒュースは疑問符を浮かべたが他の者は慣れているのか無視して始まった。

 

戦況は薫優位三本は数合打ち合い薫の勝利、四本目はヒュースが仕掛けたものの難なく躱して薫の勝利、五本目はくらいついて片腕を斬るも敗北。ヒュースの五連敗となった。

 

(だいぶ腕が落ちている。あれほどの使い手は本国でも数えるほどしかいない。しばらくは剣を鍛えるか。)

 

「どうでしか?」

「うむ。見た通り相当な実力だ。これは引く手あまただろう。だが少々傲慢なところを感じた。どこでもやっていけるが故に衝突も多いだろう。折れて意見を合わせることはまずない。付き合うなら相当苦労すると思うぞ。」

「そこまでとは。華賀利感服いたしました。」

「我々も早く昇格して部隊を組めるよう精進せねばな。」

 

 

 

 

「帰ったよ、隊長。突然どうしたんだい?新入りと戦えだなんて。」

「まぁな。ちょっと確かめておきたいことがあってな。お前はどう見えた?」

「そうだね。相当優秀なものだね。才能だけならトップクラスではないかな。」

「だろうな。戦力としてみるなら俺を超える逸材になるかもしれない。」

「ふっ。それは慶や私に言っているが一向に超えられる気がしないのだがね。」

「意外と気持ちの問題かもしれないぞ。頭を空にしたら勝てるだろう。慌てなくても5年もあれば俺を超えられるさ。まだまだこれから伸びる。」

「そうなるいいね。まだまだ伸びるとは次期に本部長を超えるということかい?」

「たりめぇだ。お前はボーダーの柱になれ。あと、話は変わるが新入りはネイバーだ。アフトクラトルのな。」

 

 

「っ、そんなことをここで言ってしまってよかったのかい?トップシークレットではないかな。」

「知るかよ。この一件で起こる問題は全部奴らが片付けることになっているから俺が原因でも良いんだよ。俺が蒔いた種を処理するのは向こうだ。処理しなくて良い問題を起こせるのは楽でいいなぁ。」

「ずいぶんと意地の悪いことをするんだね。」

「まぁな。ちょっと独断が過ぎるってもんだ。少し勢いを削っておかねぇといざってときに裏切りかねねぇ。」

 

「かなり遠くを見ているんだね。私では想像がつかないよ。」

「そうか?実はかなり近くに来るかもしれないぜ。ってな。」

「それが冗談であるといいね。」

 

 

「今回はB級ランク戦ラウンド7。影浦隊、東隊、玉駒第二、鈴鳴第一です。解説には二宮隊の犬飼隊員と末葉隊の神無木隊員です。」

「「よろしくねー。」お願いします。」

 

「では早速お二人の気になるポイントはどこでしょうか?」

「玉駒が増えてることだねー。」

「それにこの時期に補強とは珍しいわね。」

 

結束「マップは市街地Dとなりました。」

 

 

影浦隊side

 

「ゆずるは大丈夫?」

「大丈夫だよ。悩みは解決したから存分にやろう。」

「じゃあ、ほかのやつらを蹴散らしてやろうじゃねぇか。」

 

 

 

 

東隊

 

「こいつですよ、例の大型新人。そういえば玉駒のエンブレムを付けていたような…」

「で、どんなやつなんだ?」

「あのときは上がったばっかだから弧月しか使ってなかったけどマスタークラスにも勝てるくらい強かったっす。」

「そうなると使える策が限られてくるな。どう出てくるのかを考えておこうか。」

 

 

 

玉駒

 

「上位に入るためにはここでも大量得点が必要だ。空閑はヒュースと組んで積極的にポイントを狙いに行こう。千佳は建物の外で待機だ。絶対勝つぞ。」

 

 

鈴鳴

 

「っていう作戦なんですけど。」「それだとフリーの相手に狙わない?せいぜい一回がいいところじゃない?」

「いや、ありかもしれない。ずっといると目をつけられるなら上手く使えばみんなの注意を惹けるんじゃないかな。時間がないけど詰めていこう。」

 

 

 

 

B級ランク戦ラウンド7の激闘が行われている裏で

 

 

「おいおい、ボーダーのホープがこんなところにいていいのかよ。」

「あ?そんなもんてめぇを捕まえれば終わりだ。捕えるために親しくしてましたで終わりだろ。」

「そうかよ。ならこの密談も減らさないといけねぇなぁ?」

「そういやぁ今回は一人なのか?いつもは連れがいるのに珍しいもんだ。」

 

「それは違います。」

 

物陰から一人の女性が現れた。

 

「お前か。やけにお供の回数が多いような気がするがなにかあるのか?」

「それを聞いてどうs」

「私は先生の備品です。このような後進国になぜ身を置くのですか?先生であれば国を作ることもできるはずですが。」

 

「指導者ってのは面倒だからな。いろいろとやらないといけないことが多すぎるからな。その割に報酬がどうみても渋いからな。誅殺されないならなら有力者のほうが都合がいいんだよ。」

 

(面倒な理屈をこねなくても単純に故郷だからで良いだろ。なんでそんな面倒なことをする。俺はまだまだ及ばないのか。)

 

「俺とお前が密会していることって誰にも言ってないのか?」

「ああ。他には見回りってことにしているからな。例え見つけられなくても裏にいたとでもいえば追及できないし俺がいなくなれば防衛戦力に大きな穴ができる。そう簡単に縛れないさ。」

「その辺の敵より立ちが悪いな。」

 

嫌味っぽく相手がいう。

 

「そういや近々侵攻してくる連中がいるぜ。」

「攻めてる暇あるなら自国の整備でもしていればいいものを。で、どこだ?」

「#######だ。」

「チッ。どこから漏れた。アフトが喋ったか。相変わらずせこい真似をする。」

 

「そうだな。神を自称する奴にろくな奴はいねぇってのがよくわかるな。準備の状況から半年以内ってところだな。しっかり備えておけよ。ここでやられるなんてことがあったらやばいからな。」

「この俺を何だとおもってる?いまさらそんなへまはしねぇよ。」

 

「それじゃな。お互い闇討ちには気を付けようぜ。」

「必要であればすぐに私をお呼びください。すぐに参ります。」

 

 

 

 

「おや、隊長。今夜は長かったね。」

「そうか?いつもと変わらないと思うが道草が長かったかな。で、どうだ、玉駒のネイバーは。」

 

「実力は相当なものだ。トップクラスの実力はある。タイマンなら勝てる相手はかなり限られてくるね。だけど一人よがりだ。はたして彼が制御できるか腕の見せ所だね。」

「ま、想定通りだな。あれは歩みよれないタイプで融通が利かない。よくも悪くも現場型。将軍にはなれない。間違いなく上層部ともめる。だからおいて行ったんだろう。くだらねぇハッタリにかからなければいいけどな。」

「そうだね。大きな権益を得たと思ったらもっと大きな損をしては意味がないからね。」

 

 

 

 




二穂の興味のおかげで三バカはむしられずに済みました

正隊員は最初から本気でやったので結果は準拠します



実力の力関係としては

忍田=九斬>>薫>>>>太刀川

なので相当開きがあります


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17話

現状トリガーって三門市限定ですけどどう考えても兵器が効かない時点で危険すぎるから他の国にもトリガーが存在するが交流はない体で進めていくけど実際はどうなんですかね


 

 

寿寿苑にて

 

夕食に小南の奢りでやってきた宇佐美、小南、三雲、雨取の四人は店の入り口で薫、千聖、栞、あおいと遭遇する。

 

 

「あ、薫さん!それに千聖さんも珍しいわね。」

「おや、こんな時間に逢瀬とは…儚いね。」

 

「あのー瀬田先輩ってこんな感じなんですか?」

三雲がこっそりと宇佐美に聞く。

 

「そうだよー。独特の雰囲気でしょー。」

面白いでしょといいそうな顔をしていう。

「そうですね。」

三雲は苦笑いする。

 

 

「あなたが三雲君ね。」

 

「あなたは。」

 

「私は神無木栞。薫とは元チームメイトよ。こっちは末葉あおい。今の私のチームメンバーなの。それで小南さんと話しているのが白鷺千聖さん。薫さんとは長い付き合いでよく会っているそうよ。」

 

「三雲修です。でこっちは雨取千佳です。」

三雲と雨取は頭を下げる。

 

「大体のことは聞いているわ。A級の中でもなかなか度胸のある子ってそこそこ有名よ。」

 

 

「今日はね。運よく時間が取れたからみんなで食事会って感じよ。みんな部隊が別々になって忙しくなったの。」

「そうなんですか。」

「外で話すのもなんだし続きは入ってからね。」

 

一同は店に入ると

 

「「あっ」」

 

二宮隊がいた。

 

「なかなか珍しい組み合わせだね。」

犬飼が感想を述べる。

 

「子猫ちゃんたちとは入り口であってね。せっかくだから一緒に来たのさ。」

挨拶をしていると宇佐美と小南が辻をいじっていた。

 

「子猫ちゃん、あまりいじめてはいけないよ。困っているじゃないか。」

そう言うと小南と宇佐美は残念そうな顔をして席に着く。

「あの、薫先輩。あり、ありがとうございます。」

「気にすることはないさ。不得手のことくらい誰にだってあるものさ。」

 

「あの、辻先輩って。」

「そうよ。女の人が苦手なの。薫さんみたいに例外が何人かいるけど基本あんな風になっちゃうわ。」

 

 

 

時間は進み

 

 

「そういえば雨取ちゃんて、ネイバーみたいだね。」

犬飼が話題を挙げる。

「千佳はネイバーじゃないわよ。」

小南は反論する。

「雨取ちゃんは、ね。」

犬飼は反応する。

 

「ネイバーといえば隊長から儚い話を聞いたことがある。」

薫が思いだしたように言う。

「九斬さんの?なにそれ面白そう。」

「これは隊長の完全な妄想ってことは注意しておくよ。最初はネイバーの被害が少なすぎるっていうことさ。」

「そうなの?それにしては毎日のように現れてるから多いような気がするけど。」

「逆だよ。世界中のゲートをこの三門市に集めているとしてらもっと多いはずだよ。隊長曰くトリオン兵はちょっかいや偵察になる。これで相手の動きが悪ければ侵攻してくるらしい。」

「確かに。いくら接触している間しか攻撃できないとはいえそれは少ないか。」

「よって隊長の結論がこうだ

 

    ()()()()()()()()()()()()()

 

           ってことさ。」

 

 

 

 

「三門市以外にもトリガーが存在するってどういうことよ!」

小南が興奮して詳細を尋ねる。

 

「ここからはかなり汚い話になってしまうけどね、トリガーは言ってしまえば爆弾や銃の比ではないほど強力な兵器だと隊長は言っていた。表向きには安全のためと言われても納得できないのが持たざる者の運命というものさ。」

「それとトリガーが他に存在することになんの関係があるのよ。」

ぴんとこない小南が疑問を呈する。

 

「小南ちゃん、つまり三門市、対ネイバー限定とはいえその気になれば世界征服だってできるものをいくら信用できて扱いに長けているとしても民間人に管理は俺ならさせないかなぁ。」

「そう。あくまでボーダーは民間組織、国や県の組織ではない。利益を求める企業の側面が強い。それに、」

 

「スポンサーの意向によっては侵略行為もある、ね。」

犬飼が付け足すように言う。

 

 

「でもさ、仮に九斬さんの想像の通りだったとしてもどうしてこんなことを思いついたのかなぁ。」

「それはね、簡単な話だよ。」

「簡単、ねぇ。」

犬飼の目が光る。

 

「もともと隊長は陰謀論が好きでよくありえないことも説としているんだ。その中で均衡による世界の平和のという話がある。その中で一つの勢力の力が強くなりすぎるのは良くない。っていうものがあるのさ。」

「自分と同じくらいのやつとは容易に戦わないってものだよね。」

「そうだとも。実際どうなっているのかはわからないし時間軸がずれているのかもしれないけどかつての帝国が拡張主義だったのは捕えた敵国民とネイバーフッドのトリガーを交換していたっていうことさ。」

 

「でもそれだと市民革命なんて無理でしょ。トリガーは通常兵器が効かないんだから。」

「そんこと簡単だとも。彼らはトリガーをもってはいたが訓練などしていなかった。トリガーの強さは折り紙付きだからね。だからしていたとして

も少数だとてもじゃないがすべてを守り切れるほどではない。少なからず市民に味方した貴族にもトリガーを持っていたと隊長は考えているようだよ。」

 

 

「あの、こんな重要なことを僕たちが聞いてもよかったんですか?」

三雲は恐る恐る聞いた。

 

「ふふっ。問題ないさ。大事なら本部に呼んで話すさ。ただの個人の妄想にすぎからね。残念ながらこの説を立証する証拠を何一つない。隊長風に言うなら

      

       てきとうなことを言って相手が反応したら儲けものだろ?

 

と、いうことさ。」

 

 

「でた~九斬さんのあてずっぽう。これ絶妙に心当たりがあることを突いて来るからみんなついつい反応しちゃうからね~。」

 

「ともかくね、まとめるなら地球出身の者が現れても驚きはないってことさ。」

そう言って食事を再開した。

 

 

 

数日後

 

 

 

「これで我々も揃ってB級に昇格することができた。だが、あの者は一日で昇格を果たした。心得があり先を取られてしまった。まずは奴の過去を知るために遠征部隊に全員で合格することを目標にしていこうと思うのだが皆は異論ないか?」

「「問題ないですわ。」ありません。」

「わ、私も大丈夫だよ。」

「私も問題ないと思うけど、」

 

「「「「けど?」」」」

 

「他のチームがどれだけの実力なのか知っておかないと計画が立てられないでしょ?」

「うむ。敵を知り味方を知ればということか。我々の戦術を決めるためにも早速偵察に行くとしよう。」

二穂、華賀利、依沙里、雪枝の四人は隊室のある上階へ行こうとする。

 

 

「待って二穂ちゃん、駄目よ。突然来られても困ってしまうし迷惑になるかもしれないわ。それにチームによって戦術が違うから参考にならないかもしれないわ。今日のところは訪問の連絡にしておいた方がいいわね。」

 

「そうだな。では、どこから訪ねるのが良いか…どこか希望はあるか?」

「私はオペレーターですので情報交換は概ね終わっております。そのため希望はありません。」

「私はターニャ様にお会いしたいですわ。あの体術、惚れてしまうほどにキレのあるものですわ。きっと生身でも相当強いと思いますの。」

「私は出水さんと二宮さん、加古さんに那須さんかなぁ。一人で戦えるって聞いたから気になるなぁ。」

「スナイパーは交流が既にあるから気にしなくて大丈夫よ。」

 

「そうか。では、太刀川隊、二宮隊、加古隊、那須隊、末葉隊になるか。」

「あら、九斬さんはいいの?多くの隊員がお世話になってるって話よ。」

「あいつには多くの隊員が頼るということはそれだけ実力をもっているということだ。いきなり力を借りてしまっては我々の戦術とはいえまい。我々は遠征部隊を目指している。あくまですでにあるものに手を加えてもらわなければ到底遠征部隊に入ることは難しいとは思わないか?」

 

「そうね。ひとまず私たちがどこまでやっていけるか試してからにしましょうか。」

 

 

 

若き芽が一つボーダーに芽生えた。

 

 

 

「諏訪、暇だな。」

「おう、なら麻雀でもするか?」

「諏訪さんも九斬さんもさすがに仕事中に麻雀は駄目ですよ。」

「堤、どうせ向こうが来るまで暇なんだ時間をつぶそうってことよ。きっちり切り替えれば問題ねぇよ。」

堤はだらだらしている年上二人にため息をつく。

 

「そういえば迅のやつが変なこと言われたわ。」

「あ?なんだよ。わざわざあの野郎がいうってこったぁ面倒ごとの匂いがしてきたぜ。」

「そういやそうな顔をするなよ。なんか拾うらしいぞ。」

「何かって、その何かがわからねぇと意味ねぇだろ。」

「まぁまて、迅がいうにはバッグワームに包んで運んでいるのが見えるっていうんだ。」

「はぁ?どういうことだよ。」

「そりゃあ、見せられないものだろネイバーフッドの装備とかその一部とかだろ。」

「そんなもんいちいち隠す必要があんのかよ。見えても何かわからないだろ。それこそ小型のトリオン兵じゃねぇのか。」

二人はこの後見せられないものの正体について言い合いをした。

 

「二人とも、そろそろゲートが開くそうですよ。」

 

 

この後九斬に暗い結末をもたらすことを予見できる者はまだ誰もいない。




二穂たちのことは五人組でチームを組む前提かつヒュースが圧倒的過ぎて空気だったことB級昇格を優先したため交流をしていなかったという裏話を暴露しておきます

雪枝ちゃんは結構来るタイプですじゃなきゃお嬢様といないでしょ

年齢は
二穂  中3
華賀利 高1
依沙里 高1
雪枝  中3
楓   高2
となります年齢を上げようと思ったけど理由がないからいいやの精神


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18話

時系列的には二月下旬なので大学は終了で高校はしてない


今回、ちょっとアレな描写があるので注意っす


 

「さすがに射程持ちがいるとはかどるぜ。」

「なら隊長じきじきに変更したらどうだよ。結構余裕あんだろ?」

「バカ言え、俺は作戦を考えるからやるなら堤だ。」

「自分、なかなか厳しいです。」

「なら機動ましましはどうだ?遠距離捨てて。」

 

「ただでさえ長距離よえぇのに捨ててどうすんだよ?」

「だからだよ。いっそ潔く諦めろ。密集陣形の隊に爆弾投げられたらことだろ。機動装備入れとけば緊急脱出にも使えるしリポジションも早くなる。射手なんて射手なんてすぐに育たないしセンスのポジションだ。笹森が育つまではやめとけ。そこまで器用じゃないだろ。」

 

雑談をしながらトリオン兵を倒していく。

夕暮れにさしかかり次のシフトと交代する時間が近づいてきた。

 

「諏訪、堤。バッグワームを貸せ。」

突然これまでとは異なる緊張した声色で言う。

 

「あぁ。ついに迅の野郎が言ってた隠すもんか。」

任務開始直後に話していたことを思い出す。

 

(「瑠唯、薫はいるか?」)

(「ええ、いるわ。今訓練室で台本を読んでいるわ。」)

(「そうか。なら今からすぐに治療セットを持ってこさせてろ。」)

(「了解。すぐに向かわせるわ。」)

 

通信をしながらトリオン兵の中にある何かをバッグワームに包んで運び出す。

そして二人を連れて近くの民家に運び込んだ。

カーテンを閉めて外から様子を見えないようにした。

包んでいたものを解く。

 

「「っ。」」

二人は絶句した。中には小学生低学年ほどの少女が寝ている。意識はないが胸部が動いており、すこし線が細いことをぞ除けば大きな問題はないように見える。

 

「こいつには爆弾が仕掛けられれている。今から薫が処理する道具を持って来るから説明する。」

「多分子宮に仕掛けられているから処理は難しいものではない。ただそうとう面倒なことになる。」

 

結論をいきなり言った。

 

「は?どういうことだよ。」

「こいつは簡潔に言うと先兵。敵国からの攻撃だ。」

「こんな幼い奴がか?」

「ああ、子供が流れ着いたと油断したところで爆発させたところを、というやつだろう。」

「ふざけんなよ!」

 

あまりに非道な扱いに諏訪はキレた。

 

「幸い爆弾は取りやすい場所にある。あとは爆弾をしっかり管理すれば問題ないはずだ。これ以上は見てみないとなにも言えない。」

 

手を付けられず悶々としていると

 

「待たせたね。持ってきたよ。」

薫が到着した。

 

薫からカバンを受け取ると道具を取り出し少女の服をめくり陰裂に差し込み広げる。

その動きに諏訪と堤はとっさに目を背ける。

 

 

十五分ほど作業をしたのち手を突っ込む。少女の狭い陰道に苦戦しつつも全体で見れば三十分もかからないうちに処理を終えた。

 

爆弾と思われる筒を箱にしまうと

「これで処理は終わりだ。ただ本部にこれを説明すると思うと気が重い。」

 

山場を越えた安堵からか九斬の口から軽口がでる。

「本部には一報入れたから運ぶぞ。」

 

 

 

「お待たせしました。」

司令室には令室には司令である城戸、本部長をはじめとした幹部に風間、東といった有力隊員が揃っていた。

 

「こいつに説明するのやなんだけど。」

「それってもしかしておれのこと?」

 

迅の顔を見るとすぐに口撃する。

 

「テメー以外に誰がいんだよ。未来みた内容を全部話してくれればこんなことしなくてもよくなるし、」

「し?」

「うぜぇ顔を見なくて済む。」

「おそろしく私情で話すね。」

「独断専行が過ぎるのわかってんなら説明をしてからにしろ。意図から計画まで全部な。」

「それは…」

 

迅は言葉に詰まる。信条として知った故により危険な未来へ動くことに恐怖を感じているためいくら信頼していようと話すことができなかった。

 

 

「まぁ、そんなことより今は近くにある脅威への対処だな。」

「では話たまえ。少女との関係を。」

 

「じゃあまず少女に関しては正直どうでもいい。」

「どうでもいい、とは?」

 

「簡単に言えばどこの者でも構わないし関係ない、ってこと。所詮は兵器。自国の貧民だろうが敵国の王族だろうが同じってこと。」

「そんなことが許されていい訳がないだろ。幼い子供にこんなことをさせて。」

忍田が怒鳴る。

 

「逆だよ。幼いからこそ。こいつに爆弾が入ってるって誰が想像できる?子供に難民のふりをさせるところもあるしうちだって子供を兵士にしてる。そうとやかくいえる立場ではない。勝つためにどんなことでもするさ。略奪だってそうだ。市民を傷つけることで敵軍の信用を貶める。何も不思議じゃない。」

 

「ここからは妄想と憶測のカーニバルになるが俺の予想を話しておくとだな、少女は尖兵、見つけたらまず保護をするだろう。で、ここのミソは兵士に使えそうなやつにしておくことで殺されないようにする。」

「で、攻撃を開始する直前に送り付けたやつに仕込んだ爆弾を起爆する。それで本陣を崩して立て直すまでに略奪パーティーだ。これが実際に起きたときの被害だが推測で

 

五年前をはるかに超えるレベルの被害が出るだろう。下手をすれば街一つ消えることになる。

 

 

「それは本当…なのか…。」

信じられない様子で忍田は尋ねる。

 

「割と少なめにの話なんで実際は青天井。最悪ボーダー解散して橋頭保確保が最悪だと考えてる。」

「おい、そんなことがありえるのか。」

「簡単な話家族を盾従わないとどうなるかわかるよな?とかされてまず無理でしょう。全滅まで戦わせられるほど基盤も強くない。正隊員が十人くらい消えたら戦闘力が半減すると思っている。」

 

「だが、そんな重い話ばかりするでないわ。問題は敵をこちらの戦力で太刀打ちできるかじゃろう。何か情報はないのか。」

重苦しい雰囲気のなか鬼怒田が口を開く。

「どのみちその戦いで我々が負けるようなことがあれば三門市だけの問題ではなくなる。そうなれば世界中の人間にネイバーの脅威が襲い掛かることになる。そうなれば娘にも会えんくなるのは御免じゃ。」

怯えた者たちを奮い立たせるためか自身のためか鼓舞する言葉を口にする。

 

 

「じゃあまずおそらくの仮想敵の情報を出します。作戦はそれからにしましょう。」

 

「敵は科学国家シャフト、捕えた敵兵や自国民で人体実験を繰り返す国だ。まず満足で帰ってくることはない。ですが、多くの傘下を抱えておりその動員によって兵力は大きく前後します。」

「前後するといわれてもおおよその検討は付いているのだろう。もったいぶらずに早く言え。」

「単体の抱える戦力は約300名、全員を投入はできないが最低10はくると思ったほうがいい。傘下も含めれば1000はいると聞いたことがある。そこにトリオン兵が万はいると見ていい。戦況次第では新型の投入もあり得るだろう。問題はアフトクラトルのように五体満足で捕える必要がない点だ。アフトクラトルは兵士にしようと考えていたからあまり死傷者がでなかったが向こうは実験まで生きていればだから手足の切断もあるだろう。それに薬漬けで精神崩壊した連中もある。まぁ使い捨てようだからそこまで強くはないが精神的なダメージはあるだろう。そうなって少しでも判断が鈍れば儲けものだ。雑兵で敵の正規兵を倒せるからな。心構えが必要になるな。何にせよこれから準備にかなりの時間を費やさないと遠征どころか本拠地を失うことになる。備えなんかは完全に根付さんと唐沢さんにどうにかしてもらうとしてももっと鍛えないといけないのか、しんどっ。いろいろ計画とかやり直しなんであとは皆さんでどうぞってことで。じゃ失礼しました。」

 

話を打ち切り出ていこうとする、そして立ち止まり

 

「数年前のことなんで今のことはさっぱりなんで聞かれても困るんで。」

 

忠告のように言って部屋を出た。

 

 

 

 

「あぁぁぁぁ。もう来るのか。時間がねぇ。早くケリをつけないと、だな」

 

 



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19話





会話のない状況説明がなぁ、書けないなぁ


 

会議からしばらくして

「呼ばれた理由は分かっているな?」

「え?あそこの情報を黙っていたことかな?」

「そうだ。君の知る情報をなぜ共有しなかった?」

 

城戸の方も理由の検討はついているが普段から九斬は飛んだ行動をすることがある。自身の予想を確かめる意味合いも含まれている。

 

「簡単にいえば言う意味がないからだな。」

「詳しく説明してもらおうか。」

「じゃあ、例えばアフリカを拠点にしている謎の民族が攻めて来ますって話を聞いて国防上どう思います?」

「こちらが質問をしているはずだが?」

「話し進まないんでいいから答えてください。」

「無論、関係ないと捨ておくだろう。」

「そういうことです。いつ戦うのかもわからないような相手の警戒なんてするだけ無駄って話。まぁ、潤沢な資金に豊富な人員でもいれば話は別だが。戦力を拡大しないといけないなか大戦の影なんて見せたら日和って逃げちゃうでしょ。俺としてはのこのこやってきた阿保を捕まえてこっちの豊かな暮らしで懐柔しようとか考えている。」

 

 

「だが、君は普段から玉駒に向けて本部への従属姿勢を押している。これは本部への反逆行為なのではないかね?」

「言うだけただってもん。じゃあ玉駒に言いまくってますけど実際に何かしてます?」

「何も聞いていないな。」

「でしょうね。事実言ってるだけで何もしていない。あと大事なことで士気にかかわるからあえて言わなかったんすけど、次の戦いは数日に及ぶながーいものになるからそこのところは考えてくださいよ。」

「なぜそれを早く言わない?」

「俺の知る限るではボーダーの長期戦はせいぜい大規模侵攻が最長だ。今回は三日から十日かかると考えている。長期戦は本当に旧ボーダーの連中くらいしかいないだろ。で、そのメンバーも戦線に出られる奴は数人しかいない。それならできる奴には足止めしてできないやつがいる戦線を抜けばいいからな。長期戦を見るよりもここはあくまで作戦として引き気味に戦うことにした方が兵士の心理的に安定する。それに、」

 

「それをいらない問答で邪魔したのは司令の方でしょ。」

「そのいらない問答の原因を作ったのは君では?」

「まぁそんなことはどうでもいいとして、本部の準備ができていないとこっちとしても計画が立てられないから早く頼みますよ。大局を考えるのは無理なんで局地案は出せるかもしれませんが。」

 

「あと、他言無用なんだが…

 

 

 

どこかの屋上

 

「そっちの首尾はどうだ?戦力になりそうか?」

「戦力にはなるが結局長期戦の経験がない。正直未知数だ。良い方にも悪い方にも転がるだろう。使えるのはもって半分。半分の逃亡も頭に入れておかないと話にならないだろう。」

「かー--。厳しいねぇ。だが相棒でここなら良い方か?」

「当然です。先生に従事してもついてこられない半数の者など爆弾を付けて敵の前で爆発させればいいのです。」

「お前、こんなに過激だったか?」

「相棒に会えなくて嫉妬しているのさ多めに見てくれ。」

「そうなのか。」

「いえ、この人がてきとうなことをいってるだけです。私は嫉妬などこれっぽちもしておりません。どこの馬の骨も知らない女どもに特製トリガーを渡したとか関係ありません。」

 

((全部今自分で言ってねぇか。))

 

「作戦の打ち合わせだ。相棒は二日ほど暴れて相手の注意を引く。それで相手が基地に狙いを付けたら基地で待機、それでまた外で迎撃でいいのか?」

「ああ、敵の動き次第で日程のずれは起こるがずれても二日程度だろう。」

「俺たちは相棒が基地で備える間に外を突破されないようにこっそりと敵を倒すってことだな。けどよ、なんでボーダーと合流しちゃあいけないんだ?敵が同じなら共同戦線を張っても問題ないだろ?」

「残念だが反ネイバーと和解できなかった俺を例外にするのが限界だった。今からお前らを会わせたところでいかに俺からの紹介だろうと信用が揺らぐ。それに連携に問題が出るだろう。それに問題が起きたら」

「俺たちを内通者と疑う馬鹿が出るってわけか。俺たちを土壇場で生贄にする可能性もあるってねぇ。ちょっと信用なさすぎないか?仮にも所属組織だろ?」

「部隊はできても上層部がそうとは限らない。さっきの通り裏でつながっていて俺たちを差し出されるのが最悪だ。そうなれば隠しているトリガーも没収され逆転の機会はない。完全屈服だけは避けなくてはいけない。ある意味全世界数十億人の命がかかっているってわけだ。」

「なんか壮大な話になってきたな。数十億人の命運がかかっていると考えると急に肩が重くなってきた。」

「安心しろ。そん時は死んでる。駄目なら誰も攻められる前にこの世にいねえからな。安心してバンザイ特攻できるぞ。」

「それは安心していいのか。」

「後顧の憂いがないならプラスだろ。最初に死ぬのは俺だろうしな。」

「まぁ、そうだろうな相棒は優れすぎてるからな。奇しくもあの時と同じになるのか。」

「まぁ、どいつもこいつも不甲斐なければそうなるがまずウルトラCでも使ってこなければ大丈夫だろう。アレもあるしな。」

「そうだと良いですけどね。」

 

 

(この戦いで俺も命を懸けないと勝機すらないかね。現状の戦力では全く足りない。消耗戦をするなら最低でも倍は欲しかったがないものを言っても仕方がないか。)

 

 

 

 

玉駒第二

 

「悪いが雨取は基地で待機だ。」

「なんでですか千佳は僕たちのチームの一員です。だせない特別な理由があるんですか。」

「空閑とヒュースは気づいているだろ。」

 

「簡単に言えばアフトクラトルの侵攻の時、雨取の存在に気付いた向こうはどうした?」

「目的を千佳にした。」

「違う。目標を雨取にした、だ。雨取にはそれだけ敵の注意を引きつける可能性がある。それはつまり防衛計画が破綻することになり、敗北につながる。できればヒュースも待機させたいところだが。」

 

「アフトクラトルは大国故にあちこちへ遠征しているから敵が多く顔見知りにであうからか?」

「そう、アフトクラトルに強い恨みを持つ奴がいて損害構わずに攻撃してきて想定以上の戦力を投入されるのは避けたいからね。そんな奴はいないだろうけど。」

 

ネイバーフッドの生活がわからない三雲は何のことかわかっていない。

 

「こっちなら戦いは数千と連れていけるが向こうは数千万で都市も国もまずない。それだけの人間を養えるほどの物資が用意できないからな。直情的な奴を連れていけば本来の目的を果たせなくなる可能性が高くなるからな。戦いは基本的にリスクは避ける傾向が強い。逆らえないものがあるのさ。」

 

「ちなみに今回、スナイパーは基地の屋上での援護がメインになるからすべての部隊から抜いて合同部隊を作るから何を言っても意味がなかったけどね。」

 

 

 

太刀川と迅

 

「敵が大量に来るってことはよ、派手にばとれるってことだよな?前回は隠さないといけなかったし薫がいたからあまり楽しめなかったけど。」

「まぁそういう意味じゃあ好きにできるが長期戦が予想されるからな。面白そうだからってほいほいついて行ってやられましたじゃ話にならないぞ。お前なら戦闘員として優遇されるかもしれないけど。やったね、勉学から逃げられるよ。仲間はいないけど。」

 

「勉強から逃げられるのはうれしいが出水たちと離れるのはな…。」

「他にもっとあるでしょうよ太刀川さん。」

「けどよ、迅。俺が苦手なのわかってるだろ。」

「そうだね。だけど、ボーダーとして負ける理由にはできない。そんなことしたら数十万人が危険になるからね。」

「それに今回は序盤は防御重視だから大変だよ。この時代に籠城戦をやることになるとは。昔の日記とかみると結構精神的につらいっぽいし。でも太刀川なら問題ないか。」

「ちょっと今バカにされてないか?」

「「気のせい。」です。」

 

「そういえば一個太刀川さんに言うことがあった。」

 

 

風間隊

 

「なんで風間さんだけあんたと一緒に動くんですか?連携的にはうち(部隊)うち(部隊)で動いた方が良くないですか?この人囮にして。」

「純粋に敵がわからない以上殿しなくちゃいけない場面で風間を置いて基地に戻れるか?」

「それは、」菊地原は言葉に詰まる。」

「何、敵の拠点に乗り込むわけじゃない。トリオン兵を送ってくるような奴を追い払うのが仕事みたいなもんだ。心配なら俺一人で行くことにするが。」

「その辺にしておけ九斬。」

「え?俺の方が叱られるの?一応年上だよ?そこは俺を立てて菊地原を叱るだろ。」

「俺はお前が吹っ掛けたと思っている。普段の行動を省みろ。」

「さーせん。まだ行くところあるんでこのへんで。」

 

 

 

 

二宮隊

「わざわざお前が来るとはな。」

「一応俺はただの一部隊の隊長ってだけだからな。鳩くらいやるさ。」

「で、用件はなんだ?お前が来るということは何か重要な話があるだろう。」

「これは極秘の筋からの情報なんで他言無用だが鳩原らしき奴を発見した。」

一同は予想していなかったことに驚く。

「おい、どういうことだ。どうしてあの馬鹿がいることがわかった?」

普段の二宮とは思えないほどの剣幕で詰め寄る。

 

「それは極秘って言ってるだろ。まだ確認が取れていない。ただの似た奴って可能性が高い。双眼鏡とかで見たわけじゃない、シルエットとかの話だ。」

「だが、そいつが馬鹿(鳩原)の可能性があるなら調べる。そそのかした奴も含めてな。」

「いつになくやる気だね。ただ、今回はあまり前に出られないから接触機会は少ない、他の部隊に迷惑が掛からない程度に動くといい。」

「規律を重視する九斬さんが独断を許すなんて意外だね。」

「俺が言っているのは本部を立てるってことだ。普段から独断してばっかの俺が言えた口かよ。だが機会は逃すなってことだ。その先に厳しいものが待っていたとしてもだ。」

 

(言えるかよ。あんなことになっているんてよ。)

 

 

 

遠征艇

「あぁぁあぁ。|師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠師匠《先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生先生》。

私は私は解放いたします。あのような貧弱で蒙昧な者たちではなく私と一緒にぃぃぃ。プレゼントは受け取っていただけたでしょうか。愛を込めた贈り物。私はこれほど愛しております。今私が参ります。」

「まもなくミデンに着くぞって。はぁ。相変わらず好きだねぇ。あたしとしては暴龍と呼ばれるあいつと戦うのは楽しみだねぇ。」

「あのお方に怪我をさせたら許しませんわ。」

「その程度で怪我をするような奴がそんな異名が付くかよ。」

「あなたはあのお方の執念を知らないから言えますの。配下のために命を懸けることができますの。そうでなければここまでの戦力を揃えていません。私以外の者に傷つくのは許しがたいですがそんなそなたも愛おしいですわ。」

「まぁ、なんだ。執着してしくじらないように気をつけろよ。」

「あなたの方こそ楽しくなって遊びすぎないように頼みますわよ。」

 



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20話

フィクションミリタリーとかいう謎のジャンルで補給の話とかあるけどトリオン体はエネルギー効率が良いとかでてきて後出しのやりたい放題してきたと感じる


 

 

「ゲート発生、数60。トリオン兵、数1000を超えます。」

「なら部隊は引き気味に戦い敵をひきつけて狙撃と砲撃に倒させろ。人型に遭遇したら他の部隊と合流しろ。戦果をあげる機会は後にたんまりある。焦らずにじっくり根比べと行こう。」

 

「じゃあこれから敵の威力偵察に行ってきますか。あとは任せますよ司令官。」

「ああ。存分に暴れてこい。」

 

 

 

(おそらくあいつがいるはず…俺の身一つで見逃してもらえるかどうか。これだけの戦力を投入してくるとは、勝負を急いているのか俺を早く引きずり出そうとしているのか、そこを見極めたいな。)

 

 

「スナイパーの援護があるとここまで戦いやすくなるとはな。うちにも欲しくなってくるぜ。堤、お前やってみねぇか?」

「それだとクロスレンジの火力が落ちて強みが消えますがいいんですか。」

「ちっ。やっぱり新しく入れるほうがいいか。だが、そんな奴はそうそういねぇよな。くそったれ。」

「とにかく、今回は長期戦になる話ですからあまり前に出すぎてやられないように頼みますよ。」

「大丈夫だろ。後ろでスナイパーの援護があるうちは温存しろってことだろ?あいつが言うには敵が動いてきたときに反撃できるだけの余力を残しておけばいいだろ。」

「笹森。出番は後に来るって言ってた。わりぃが今は前に出るなよ。」

「問題ないです。今は前みたいなエース機の奇襲に備えるってことですね。」

「あの野郎はてきとうなことは言うがこういう場で嘘は言わねぇ。じっくりとやるぞ。」

 

 

戦いに慣れている者は作戦を理解して守備重視で展開しているが経験の浅い者は違った。攻勢は後で行うが体力のない自分がその時まで戦えるのかを不安に思い、功績を取ろうと前へ出てしまい押される部隊がいくつか現れた。多くは近くに配置した上位部隊の救援と叱責によって落ち着きを取り戻したが敵の攻撃が激しい場所では救援がうまくいかず窮地に立たされていた。

 

「前に出すぎだ。飛び出るなとは言わないが味方の支援が見込めるようにしてからにしないと今回みたいになる。」

「「「はい。」」」

 

助けられた部隊は軽率な行動により窮地に陥ったことを反省し他の部隊の近くに寄って戦線を構築した。

 

 

「九斬君、少しいいかな。」

「本部長。こっちも相手の狙いが見えてきたところです。」

「そうか。では頼む。」

「敵兵力の進軍方向は本部を狙っている。大方戦力を削って大大的に反攻できなくなったところをじっくり選別するつもりでしょう。なら、外の戦線を壊してでも本部内の戦力を隠しておいた方が安全だと思います。」

 

「しかしそれでは市民の方に被害が出るのではないのか?」

「そこが悩みどころです。こっちの動きがバレれば市街地へ向かって誘ってくるでしょう。間違っても本部長が出ることはしないでください。負け筋なんで。」

「だが、戦況次第では私が出る必要があるのではないのか?」

「いらないいらない。向こうは多分アフトクラトルの戦闘を見ているはずですからこっちの戦力換算に入っているでしょう。そうなれば向こうにとっていつ出てくるのかは相当重要になると思います。最低でも人型のナンバー3くらいを相手してほしいですね。」

「リーダーは倒さなくて良いのか?」

「戦争は相手の名誉を傷つけずに負かすことです。激しく傷つければ強い恨みを買うことになって街が飛びますよ。」

「そうなれば存続に関わる問題になる可能性がでてくるのか。わかった。戦局が動き次第連絡する。引き続き続行してくれ。」

「了解。」

 

(さて、どう動くかね…釣るか行くか、いや戦線を動かすのは良くないか。ならば)

 

 

 

戦闘開始から一時間が経過した。戦線は膠着状態になる。本部を落とし選別を行いたい敵と完全ににらみ合いになったところもあるが上位陣がいるところは着実に撃破、戦線を押し上げている。時折市街地へ向かう動きを見せて陣地から引きずり出そうとするがその動きはスナイパーに捕捉されて撃滅されていった。

 

 

「そろそろ動きましょうか。私もそろそろでないと殲滅されそうですし。カルラ、あなたも好きにして構いません。」

「やっとか。待ちくたびれたぜ。」

「ですが、少し妙な点があります。」

「んだよ。初期配置は敵戦力の秤だろ?反撃が弱い地域に兵力を入れて突破って話だろ?」

「はい、ですが有利な戦線はありません。いかに発展が目覚ましいといえども後進国。穴があるはずです。何かあるとみていいでしょう。」

「考えすぎだろ。基本的にトリオン兵じゃよっぽどのやつでもなければトリガーもちには勝てねぇんだからこんなもんだろ。」

(はー。さっきまで先生先生って言ってたのに突然変わるよなぁ。あれがなければもっと昇進できるってのに。)

「ではお互いに頑張りましょう。」

「誰にものを言ってんだ。おれがそんまヘマはそうそうしねぇよ。」

 

 

「さらにゲート発生人型ネイバーの反応を確認、数3。」

「ついにできてきたか。部隊の合流を指示。絶対に単独で戦うな。複数人でかかれ。」

 

 

「おやおや確か君はアフトクラトルのヒュース君じゃあないか。親に見捨てられて可哀想に。言ってくれればうちで拾ったのに。」

「チッ。」

「知ってるの?」

「ああ。うちは大国だからねぇ。アフトクラトルと違って勢力が割れていないから大国の中の大国だよ。使える兵力も桁違いだ。四つの国が集まったようなアフトクラトル(寄せ集め)とはわけが違うんだよ。知っているかい?」

アフトクラトルは内部では争いをしていてね。よっぽどのことがないと協力できないんだ。馬鹿だよね~。」

「それ以上アフトクラトル(祖国)のことを悪く言うな。これ以上は許さん。」

「なんでいちいち君の許しがいるのかな~?」

 

 

アフトクラトル(祖国)のことを悪く言われたヒュースは我慢できなかった。

 

「貴様ああ!」

「そういうとこ、変わってないなあ。」

 

憤慨してヒュースは襲い掛かるがそれをわかっているように流して大勢を崩す。そのまま一撃を与えようとする。

が空閑が間に入り受ける。その間にヒュースは立て直し後退した。

 

「なんで庇うのかなあ。こいつは君たちを裏切って帰る気満々だよ~。そんな奴守っても意味ないと思うんだけど。」

「そんなこと決まっている。ヒュースは僕達の仲間だからだ。」

「ふーん。随分緩いんだね。どうせすぐに本性をみせるよね。」

 

 

 

「お前、強そうだな。俺といっちょ闘う(ばとら)ない?」

「少しは骨のあるやつだと良いんだけどねぇ。精々簡単に終わらないでくれよ。」

 

 

ー-回想ー-

「で、大事な話ってなんだよ迅。」

「いやあ、実は太刀川さん、ぶった切られて負けます。」

「それは前にも言ってなかったか?」

「詳しく言うとそれが何日目なのかはわからないけどやられますんで少しでも粘ってください。そうすれば良い未来が増えますんで。」

ー---

 

(さて、あいつの予知を覆すためにもここで人肌脱いでやろう。)

 

 

 

 

 

「なんであなた達から師匠(先生)の匂いがするのかしら?」

「む?その先生とやらが誰かはわからん。なにか情報が欲しいな。」

(楓。わかっているな。)

(ええ。二穂ちゃん。連絡よね。)

(それと華賀利、まだ動くなよ。)

(承知いたしましたわ。))

 

師匠(先生)はあ、かっこよくてぇ優しいの。それでどんな時も守ってくれるの。」

「容姿のことをきいたのだが…」

「それはぁ、目はきりっとしてるんだけどぉ優しさがあってぇ、黒い髪で背の高くの。」

((忍田本部長だな。)ではないかしら。)

 

「うむ。なかなか意外ではあったが、弟子もいると聞いている。まさかネイバーにもいるとは…前の頃の話は聞いていないから大変だな。」

 

 

 




恐ろしく情緒不安定な弟子そしてすれ違い…アンジャッシュかな


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21話

 

 

「ふ~。危ない危ない。もう少しでやられるところだ。」

 

口では落ち着いているものの、状態は多くの裂傷を抱えている。相手はいくつか傷をつけた程度で趨勢は明らかだった。

一番見込める狙撃は敵の数が多く対処でいっぱいだ。援軍の要請こそしたもののいつまで持つかはわからない。

 

(装備の差がここまででかいとはなぁ。弧月が簡単に刃こぼれする。向こうも援軍を警戒して深く踏み込んでこない。今のうちになにか活路を見いだせないとな。)

 

「これだけの差があっても折れないのは良いね。私の配下になれよ。専用の装備も作らせてやる。」

「そこまで俺を買ってくれるのはうれしいけどこっちにも譲れないものがあるんでね。」

 

そこからの打ち合いはそう長いものではなかった。装備、練度で劣る太刀川に勝ち目は薄い。だが、少なくともここで押さえている間は他の者に手出しはできない。信じる仲間に頼る。自分の戦闘データ、稼いだ時間が意味があると信じで。

 

だが、現実は非情。いくら再構成が可能といってもノータイムで行えるわけではない。必ず再構築の隙が生まれる。その隙を埋めるために一本で戦うことを強いられた。本来は二刀流で押していくスタイル。まともに打ち合う前に勝敗を決することがおおくともボーダーには太刀川と同等の実力者が何人かいる。

 

おかげでここまで粘ることができている。しかし、武器を入れ替える瞬間は何物にも代えられない隙になっている。それは相手の攻撃が激しくなるにつれて増えていく。敗北の瞬間は確実に近づいている。

 

 

 

 

「見えてきたよ~。君たちの弱点()。」

 

空閑とヒュースの連携に穴はない。ヒュースの散弾で注意を分散させて空閑の鋭い一撃で敵を倒す。時折三雲が警戒の外から攻撃を打ち崩しにかかる。ランク戦で決まっていたはずの攻撃はさばかれている。

装備の差もあるが経験が大きいのだろう。相手は戦争国家。なんども戦争を仕掛けてきた。これまでにも連携で戦いを挑んできたものもいたのだろう。だが反撃が弱弱しい。近寄る空閑にしかできていない。このまま攻め続ければいずれ倒せるだろうと三雲は考えた。

 

(それは駄目だ。)

ヒュースから待ったがかかる。

 

(あいつの動きが妙だ。本来であれば装備の性能的に押してくるのは向こうのはずだ。それにあいつは相手に攻撃させて手札を使わせて来る。この状況はあいつの狙いだ。こちらが踏み込めばカウンターでやられる。スナイパーの援護か離脱覚悟で攻撃するやつが必要だ。おそらくだが狙いを定めている、もしくは定めたはずだ。油断したらやられるぞ。)

(でもこのままだと押し切られるんじゃないの?)

(それよりも攻勢にでて失敗する方が危険だ。だから癪だがやつを待つ。)

(九斬さんのこと?)

(そうだ。やつならあいつの守りを崩せる。ちょうどこっちにきているはずだ。)

 

「作戦会議は終わったのか?相変わらず自分勝手奴だからな。そんなのだから捨てられるんだよ。少しは協調したらどうだ?それともうちに来るか?それならいくらでも好き勝手できるぞ。実力さえあればな。チビもどうだ?あんな雑魚なんて捨てて来ないか?」

「あいにく隊長(リーダー)はもう決まっているから。」

「そうか。ヒュース、お前はどうだ?」

「俺も貴様の誘いには

「親を取り返せるとしてもか?」

「何?」

「アフトクラトルを落とすのは無理だが一人くらい攫ってくるくらいはできる。対立状態だ。対抗勢力の弱体化は願ってもみない機会だ。よほど仲がよくない限り救援なんてしないのはお前が一番よくわかっているだろ?」

 

悪魔の誘いだ。ヒュースのがボーダーにいるのは親を母トリガーの贄にさせないためにアフトクラトルへと帰ることだ。別にボーダーでなければいけないわけではない。極論アフトクラトルへと帰還できるならどの勢力でも構わないのだ。ボーダーにいては選抜試験も含めれば早くても半年はかかるだろう。だがここで裏切ればそれより早くいける可能性がある。しかし嘘の可能性もある。

ヒュースはチラリと空閑の方を見る。空閑には嘘を見抜くサイドエフェクトがある。何の反応もないことからバックはともかく本人にその気があることを示している。だからこそ悩んだ。嘘とはっきり断言できるなら判断は簡単だった。しかし玉駒を信用している。以前ならこの誘いには乗ってっていただろう。それほどまでに存在が大きくなっている。すぐに結論を出せない。ここまで優柔不断だったとはと思いながらもこれほどまでに信用したことはない。ハイレインに裏切られても自棄にならなかったのは玉駒のおかげでもある。自分の意思を尊重してくれている。それに

 

ヒュースが帰りたいなら悲しいけど帰らせてやりたい。

 

陽太郎(先輩)の言葉を思い出した。右も左もわからない自分に教えてくれた年下の先輩。

 

「悪いがその誘いは断らせてもらう。俺はボーダー(俺の部隊)で目的を果たす!」

「ここまで譲歩してやったってのに振ってくるは…ならここでその目的も潰してやるよぉ!」

 

攻勢にでようとしたとき

 

「てめぇが潰れろ。」

 

無数の弾丸が襲った。

 

「後進国の分際でやってくれる。お前は!」

「どーも。通りすがりのガンマンです。死んででください。」

 

避け場がないほどの弾幕が襲う。

 

(さすがにこいつが出てくると戦力が足りない。このままだとやられてしまう。癪だが退くしなないか。)

 

 

「逃したか。逃げ足の速い奴め。」

 

晴れた後には何もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「なかなか粘ったようだがここで終わりだねぇ。」

 

相手には裂傷をいくつも与えたがどれもダメージにはなっていない。

それに対して片手を失い、足にも大きな傷を作っている。

 

「俺も楽しめた。あとは他の奴に任せて休むとするさ。」

「そうか。ではさらばだ。」

 

太刀川にとどめをさそうとする。

 

「「そうはさせない。」よ。」

 

「遅かったじゃないか。」

 

迅と薫だ。ボーダーでもトップクラスの攻撃手(アタッカー)のコンビが現れた。

 

 

(戦術(スタイル))は太刀川でいいかな?)

(そうだね。その方がおれとしてもやりやすい。)

 

二人は構えて戦闘が始まるかと思ったとき。

 

「カルラ、撤退よ。コード(クソガキ)が逃亡したわ。まぁ師匠(先生)が相手だから仕方ないど。」

「っち。ここから盛り上がってくるところだが撤退だ。だが、まだ終わりじゃねぇ。明日以降相手してやる。首を洗って準備をしておくんだな。」

 

 

ゲートを展開して消えていった。

ゲートが閉じると迅は息をついた。

 

「君なら相手が戦うかどうかわかっていたのはないのかい?」

「いやぁ、正直いって五分でさ、どう転ぶのかわからなかったんだ。ちょっと小手調べていどだったけど戦闘になったら大変だったし。」

「本部の話なら今日のところはひとまず大丈夫だ。敵は撤退をしているらしい。」

 

 

長い一日目が終了した。




三雲が空気じゃないかって?
二宮曰くかじっただけの雑魚なのでこんなもんやろ


心理戦って空閑の影響かないなぁって


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22話

九斬君の口調なんだけどキャラがぶれてるわけじゃないってのを報告しておきます



アンケートの結果、数が少ないのでアレかもしれませんが圧縮する方向に決めました
その関係で内容の重複すること覚えておいてください



 

 

 

「君たちは人型と接敵したが大丈夫だったのか?」

「うむ。一方的に話されて終わった。それにしても本部長も隅に置けんな。」

「なにを言われたんだ?」

「なに、本部長の弟子にだった。やたらとながながしゃべらて結構退屈だったぞ。だが幼子を一人置いていくのはどうかと思うぞ。」

「何を言っているんだ。私の弟子はボーダー発足してからだ。おそらくだがそれは私ではない。」

「む、そうだったか。早とちりをしてしまったな。すまなかった。ではこれで退席させてもらうぞ。」

「ご苦労だ。今日は休むといい。」

 

 

 

「これで報告は終わりか、被害状況はどうなっている。」

「太刀川君をはじめ戦線に出られないのは6名。他は消耗は軽微で明日も出られるとのことです。」

「そうか。損害が少なくてよかった。これなら明日以降もやっていけそうだな。」

 

忍田は安堵した。ボーダー発足以来初の長期戦。前にも当人の経験はあるがその経験者は10人にも満たない。山場の初日を乗り越えられた安心感がした。

 

 

「それはどうっすかね。」

水を差す奴がいる。九斬だ。水を差すのは決まって幹部格しかいない時だが気分のいいものではない。

 

「正直様子見ってのが強かった。こっちの陣形とかマークする奴を探していると思います。屋上の狙撃手組は今日みたいな援護はできないと思います。」

「確かに敵の後ろにいる狙撃手(スナイパー)は厄介だが今日の動きは打つ手なしにも思えたが。」

「おい迅、例の資料を出せ。」

「いや、聞いていないですよ。おれのサイドエフェクトはそういうもんじゃないって。」

「あ?いいから未来をみてそれを資料にすんだよ。街をぶらついている暇があるならできるだろ。」

 

明らかに楽をしようとして失敗した。

 

 

「まぁ、気の利かないやつのことは置いといてだ。明日は屋上の防衛が肝になるだろう。なぁ迅。」

「そうですね。多くの未来で屋上で戦うのが確認できます。正直に言うとここが重要な場所になります。負けるとまずい未来が多くなります。」

 

「俺は今日のように下には展開して兵を寄せてから屋上に攻撃する可能性が高いと見ます。正直街へ行くのはブラフで戦力を向けさせないのが目的だと思う。」

「では、今日のように展開する部隊と屋上で対応する部隊に分ける。それで良いか。」

「まぁ、俺としては延々と遅滞戦をしたいところなんで正直誰もついてこられなさそうなんで早期決着は嫌だけどしゃーないか。さっさとケリをつけろと愚民もうるせーからな。」

「そういう言い方は駄目だ。」

「どうせ聞けやしないって。戦術のせの字もわからねぇ奴を説得するのは面倒だ。だったら嫌なら楯になって死んどくかって言えば大体の奴は文句言えねぇさ。」

「我々しかいない場での発言なら問題ないが外では言うな。そうなればトリガーを没収する。」

「わーってるって。そんなヘマはしないですって。」

「あとは登録外のトリガーが使われた反応があった。お前の協力者か?」

「そうだ。」

「われわれと顔合わせはしなくて良いのか?」

「んまーまだっすね。敵には伏兵にしておきたいんで。わざわざ見学にきているってことにしておきたいんで。協力者だとわかると陣容がばれるんで本部長か俺がやられて敵が攻勢に出るときに明かすのがが理想っすね。」

「そこまでいうならいいが決してこちらを倒すようなことはするな。」

「わーってるって。ちゃんといないところに配置してるんで敗走か後退でもしない限りは問題ないと思います。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体どういうつもりだ?敵を前にしてお喋りとはずいぶん偉くなったものだな。」

「今日は攻勢にでないのしょう?ならばわざわざ戦う必要もないはずよ。1000体も犠牲にしてなんの成果もないあなたの方が問題ではなくて?」

「ふん。いくらでも作れるものなど被害にもならんわ。まぁいい明日は今日のようにさぼるのは許さんぞ。」

「肝に命じますわ。私たちとしても明日は山場となるでしょうし。」

「ふん。せいぜい役に立つことだな。」

「そういえば一つ気になることがあります。」

「なんだ。」

「今日の動き、なんだか読まれているよう思いますわ。カルラといいコード(クソガキ)といい敵の救援が完璧すぎますの。内通者でもいるのではないかと思いまして。」

「貴様、言っていいことと悪いことの区別もできなくなったか。」

「冗談ですわ。あなた方がどれだけ非道だとしてもそんなことをするほどではないわ。敵に規模はわかりませんが未来が見える者がいると思いますの。」

「そいつがこちらの動きを読んでいるということか。ならば予定を早めてそいつをつぶすとしよう。基地にも兵を送り、未来を見る時間を無くせばいい。」

「あら、彼女たち(バトルドール)を使うつもりかしら。」

「当然だ。基地さえ落としてしまえば損害はいくらでも補填できる。問題はボルボロスを倒した男よ。やつのトリガー次第で作戦を変えねばならんな。」

「そうね。時間制限があるからなのか自身も囮にしたものかで基地の制圧が大きく変わるわね。」

「だが、実際にやらねばわかるまい。ガロプラの夜襲には出てこなかったようだしな。」

 

 

「さて、どうしてくれようか。簡単に降伏してくれるなよ。試したい人形(兵器)がたくさんあるのでな。」

不敵に笑うその背後のタンクには番号が書かれており7個ある。不気味に光り輝いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、会議はどうよ。」

「おおよそ予定通り。ただ予定を早める必要があるかもしれない。敵が仕掛けてくるのが早まりそうだからな。」

「なら、こっちで抜け道を張っていればよさそうだな。」

「ああ。あとはウルトラCがないことを祈るばかりだ。」

「無神論者の相棒が祈るなんていうとは…明日は槍でも降るか?」

「祈るくらいするさ。祈る先が神じゃないだけで。」

「そうかい。その祈り、通じるといいな。」

「ああ。少しでも、な。」

 



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23話

 

 

「ゲート発生、敵が」出現します。」

「よし、では部隊を展開。作戦通りトリオン兵を討伐しろ。」

 

 

陣形は昨日とは変わり、人型が出現することも考慮しすぐに合流できるように部隊の間隔を近づけた。

その分部隊のいない空白地帯が増えたがそこは天羽と基地砲撃で埋める算段だ。

 

 

「妙ね。」

「栞もそう思うか。」

「ええ、相手が少し遠いわね。」

「それは私も感じますがこちらをひきつけさせて戦線を伸ばして各個撃破が目的なのでしょうか?」

「その線は薄そうなの。それが目的なら市街地へ向かう動きを見せた方が陣形を崩しやすいもの。いくら迅君の予知で私たちが負けなければ市街地に被害がほとんどないといってもおかしいわ。」

「ならば別の目的があると考えるのが妥当か。」

「でも、それが何かわからないしわかってもここを離れるわけにはいかないから本部にいる人たちに任せるしかないけどね。あの人(師匠)ならなにか気づいていそうだけど何もないってことはこっちは任せるってことと思ってもいいはずよ。」

 

 

 

 

「おおむね予想通りだな。」

 

基地の屋上で様子をうかがっているのは九斬。敵の攻撃に反応するために待っている。

しかし戦線はいずれも膠着状態で優勢こそ取れている場所もあるが他の部隊の足並みが揃わない。

敵もボーダーの上位部隊には多くの兵を配置しており簡単には持ち場を離れることができない。

 

 

「あの野郎嘘だったらゴーグル壊してやる。」

 

 

待つのが苦手な九斬からしてみればただ眺めている状況は退屈だった。

迅は基地に侵入を許し部屋でサポートを行っているオペレーターに被害が出るといわれたため戦線に出ることができないのだ。

さらに戦線にでると敵があの手この手で足止めを行い少なくない犠牲がでるといわれてしまいこっそり計画もできないなった。

よって屋上から狙撃組や砲撃と一緒にちまちま撃つしかやることがないため暇なのだ。

 

 

「奈良坂、そこ。」

「了解。」

 

 

ときおり狙撃手に指示を出して撃たせているが現場派の九斬としては手持ち無沙汰なのである。

 

 

「そろそろか。」

 

 

「敵の攻撃がくる。撤収だアタッカーと交代だ。」

 

 

狙撃で援護をしていた者たちと入れ替わりで攻撃手たちがやってくる。

 

 

「ねーねー。本当に敵が来るの?」

来るなりそうそうに文句をたらしたのは緑川だ。ここには主にスコーピオンをメインとしているものが多い。弧月に比べて射程が短く敵に接近しなければならないそのため敵の相打ち狙いの自爆やダメージを受ける機会が増えるため長期戦には向かないとしてこの場に配置されたものもいる。

 

 

「そろそろ敵も狙撃が鬱陶しいと思う頃だろ。黙らせにくると思うがどう来るか。残させて悪いな。」

狙撃がやめば敵をひきつけられないとして一部は残して狙撃をさせている。近接戦もできる荒船に木崎、機動力のある隠岐など詰められても簡単にやられない7人が残った。

 

 

「いえ、こちらにとっても少しでも前の奴らを楽にできれば勝率が上がるでしょう。そうなれば俺のメソッドも役に立つでしょう。」

「そんな器用な奴(村上)はそうそういねぇよ。せいぜいうかつに近寄れないがいいとこだよ。」

「それでも十分だと思います。レイジさんほどではなくとも俺くらいならそれなりに意味がいるでしょう。」

「ちょっと怖くなってきたな。」

 

 

 

 

「そういえばさ、緋ノ宮たちはなんで遠征部隊を目指しているの?ネイバーに関係なさそうだけど。」

「む、お前ならまぁよいか。私はなネイバーフッドには重大な何かがあると思っている。」

「トリガー技術じゃないの?」

「いや、もっと深いことだ。トリガーがどこから来たのかとかなぜネイバーフッドという奪い合わねばならない機構を作ったのかだな。」

「そういうところに目をつけるんだ。トリガー技術には興味ないの?」

「興味があるかないかと聞かれるとある。だがあまりにも欠陥が多すぎる。」

「俺は何とも思わなかったけどやっぱり変に思うのかな。」

「うむ。まずそもそも侵略が異常だ。これほどの技術があれば内政に重点をおけばまずやっていけるはずだ。侵略という行為自体に敵を増やす欠点がある。完全に屈服させて併合や属国にするならともかく小競り合いをするには少し過ぎると思う。どうにも争われているような気がしてな。そう思えばブラックトリガーの異質さにも納得がいく。」

 

 

「それは元になった人の意識があるってことじゃないの?」

「そう。本来であればそうなのだがその話は誰からのものだ?誰かが聞いたわけでも調べて発表したわけでもあるまい。万人に使えない理由の推測にすぎない。となればトリガーそのものに何かしらの設定がなされていると考えるのが妥当だ。」

「それにもともと万人が使えるはずのトリガーがなぜ特定の者にしか使えなくなるのか、普通であれば当人専用の尖ったものになるはずだ。そこにこの世界の真理があるとみた。だからこそ遠征を行いトリガーを解き明かすのが私の目的だ。なぁ、雪枝。」

「うん、二穂。付け加えるならもともとトリガーは欠陥で作られたもので私たちが発展させるようにしているっていう説もあるよ。」

 

 

(目的はこれだけではなさそうだけどこれは嘘をついていないってことは本当なのか。こんなことは思いつかなかったな。そいいえば九斬さんも似たようなことを言っていたっけ。)

 

 

「敵が増えてきた引き締めていくぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、そろそろ始めるぞ。今日はしっかりと働けよ。」

「当たり前だろ。誰に言ってんだよ。」

「了解よ。」

「気は進みませんが仕方ありませんねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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24話

全然思いつかなくて落としかけた


 

 

 

 

 

「さて。いろいろと聞きたいことはあるが、だ。なんでてめぇがここにいる、舞姫。」

「あら、あなたはたしか特記戦力だったかしら。私は戦闘人形(バトルドール)No.1よ。確かに元の戦闘データはのものだけど私とはそれだけよ。」

「ああそうかい。なら、死んでいけや。」

 

 

 

あおいと栞の二人は柿崎隊と合流し敵の戦線と接敵、着実に敵を撃破するも圧倒的な数の前に前進ができず膠着状態になっている。

 

 

「これは…厄介ね。」

「そうだな。ここまで固められてはなかなか前に出ることはできないな。他の部隊と合流して一点突破を狙うべきだと思うがどうだ?」

「私もそれで良いと思うわ。防衛線の突破には火力が欲しいからできれば出水君か二宮君、あとは加古さん当たりとしたいわね。こっちが動くのと呼ぶのどっちが早い?」

「近くにh加古隊がいるけど残念だけど移動する余裕のある所はないわ。代わりにこの場所を受け持てる部隊がないと駄目よ。」

「なら、動きがあるまでここにいることになりそうね。」

 

 

 

千聖と二宮は共同戦線を張る。ボーダーでも屈指の実力者である二人の攻撃は次々と敵を撃破していく。

しかし、前線を押し上げるには火力が足りない。敵は堅牢な楯と装甲をもったトリオン兵を前列に配置して正面火力を受け止めている。側面や背後に回り込んだ弾は敵を破壊するものの依然として敵兵力は健在だ。

 

 

 

 

加古は那須隊と緋ノ宮隊を抱えて戦闘している。もともと自分の部隊は火力的優位よりも戦術的優位を優先しているため物量でこられると押し切れない。

那須は火力こそ高いが防御面に不安がある。熊谷は逆で防御には安定があるものの攻撃力は低い。

緋ノ宮隊は入隊、結成が遅かったため大規模戦闘の経験がなく、攻勢に出る際に不安がある。

できれば他の部隊を呼びたいが他も自分の戦線でいっぱいだ。自分が移動もしくはこの戦線を放棄することも考えたが前者は二穂の行動力が高く攻撃の意識が高いため自分がいないなれば那須隊の静止を振り切って攻撃する可能性が高すぎる。後者はこの戦線の背後を通って奥の戦線を構築しているため孤立する恐れがあるため難しい。

 

 

(こんな時に二宮君がいてくれたらね。)

 

いつもはからかってばかりいる同期の顔が浮かんだ。

 

(こんなときに出てくるなんて相当悩んでいるみたいなね。もっと簡単に考えないとね。)

 

 

「少し良いか?」

「二穂ちゃん何かしら?」

「思い過ごしかもしれないが、

 

 

「本当なら相当厄介なことになりそうね。残念だけど私たちが離れるわけには行かないわ。」

「む?そうか?戦力を集めて動かさねば敵に先手を取られることになる。逆に詰めの手はあるのならば良いのだが現状ないのが事実だ。敵が動くよりも先に動いた方が良いと思うのだが。」

「そこなんだけど敵の戦力がわからない以上リスクが高すぎるわ。この膠着も狙いだろうけどむしろ攻撃に出てくるのを待っていると本部はみているわ。部分的な攻勢はできても敵前線の突破まではできないわ。それに市民に被害がでればボーダーとしても大変なことになるわ。」

「つまりここで長々と敵の遅滞戦術に付き合うしかない。ということか。面倒だな。」

 

(戦果があればどうとでもなると思ったが私が思っている以上に基盤は脆いのだな。ボーダーが大規模な行動ができないのはこういうこともあるのか。いや、誰かが止めているとすれば。だがその者は何を得るというのだ。ボーダーが発展すれば未知の資源を獲得できる。リターンは十分なはず。であれば何が狙いだ?さっぱりわからんな、。)

 

 

 

 

「さて、てめぇが舞姫なら俺の腕を持っていくくらいはできただろうが所詮人形。キレも深さもねぇ。」

「私が、No.1の私が、手も足も出ないなんて…。」

 

 

[瀬田だ。基地に侵入してきた敵は倒したけど他にはいるかい?]

[いやいねぇ。トリガーを回収しておけばひとまず問題ない。爆弾の類も仕掛けていないところよほどの自信作か興味がないのどちらかだろうな。まぁいい。早く外へ行って戦線を上げてこい。]

[承知した。]

 

 

「壊れたか。とどめは…いらねぇか。これ以上はあれこれ言われてうるせぇからな。まぁただの嫌がらせだな。」

 

 

[本部長、俺も外に出て攻勢に出る。どこから行くのが良い?]

[そうだな、瀬田君とは逆の方向を頼みたい。]

[了解。じゃああっちですね。]

 

 

 

「ああもう!いくら斬っても減らないわ。むしゃくしゃする!もっと斬りごたえのあるやつはいないのかしら。」

 

 

部隊の展開の中央。そこに展開するのは玉駒第一と出水だ。隊長は先日の戦いで負傷、唯我は戦力外で無事一人となった。そのため玉駒第一とともに左右に展開する部隊を守る要にいる。

 

 

「まぁまあ、小南さん。そう言っていると太刀川さんをボコボコにしたやばい奴が出てきますよ。」

「そうだぞ。そうなれば俺たちはそいつに全力を注がないといけなくなる。左右の部隊が各個撃破される原因にもなる。」

「でも、どいつもこいつも楯を持ってて鬱陶しいことこの上ないわ。出水、あんたはなんかないの?仕方なく同席を許可してあげているんだから少しは仕事しなさい。」

「待ってくださいよ~。一応俺、隊長やられているんだけど。」

「そんなものは簡単にやられた太刀川に言いなさい。」

「頭は残念だけど隊長に言えないっすよ。」

「ふーん。」

 

全員がボーダーのトップクラスの実力者であるため通常のトリオン兵では相手にならず会話をしながらやるほどの余裕を見せている。しかし地点の重要さから攻勢に出られない苛立ちを小南は抱えている。

距離をとって攻撃できる三人とは異なり長期戦が予想される今回の戦いにおいて近接戦闘がメインの小南は思うように前にでることができない。

 

「やぁ、調子はどうかな?」

「「「「薫。」」さん。」」

「基地のことはもういいのか?」

「ああ、問題ないよ。少し様子を見てから隊長も出るからもう少しだけ待つことになりそうだよ。」

 

 

基地内の敵を撃破し薫が合流。散っている戦線を集結させ攻勢に出ることを伝えた。

 

 

「僕と桐絵で右側から行こう。左は隊長に任せていくとしようじゃないか。」

「けどあいつ私たちよりも遅くなるんでしょ?間に合うの?」

「そこは意地でも合わせるさ。そういう人だからね。」

「そお?ならいいけど。」

 

 

「レイジさん。」

「いうな。わかっている。」




二穂ちゃんの経営者的考察(深すぎて外れる)


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25話

 

 

 

「あら?あなたたち、少し強そうね。」

「おやおや可愛い子猫ちゃんが。私は君を傷つけたくはない。お互い戦わずお茶でもしようじゃないか。」

「薫さん!何言ってるの!」

「桐絵、淑女には戦場でもお茶をするほどの優雅さが必要なものだよ。」

「え、そうなの?じゃああんた!お茶にするからちょっと待ってなさい。」

「嫌よ。時間稼ぎには乗らないわ。基地に送った人形達(ガラクタ共)を倒したみたいだけど人形達(あんなの)と一緒にしてもらっては困るわ。あなたたちくらい相手にならないわ。」

「ふふ、戦場とはいえ高貴ものであれば様式美がある、私は瀬田薫。そして隣の子猫ちゃんが小南桐絵だよ。」

「わたしは暴龍の弟子にしてクロワ皇国第6王女エルネスタよ。」

 

 

(なるほど。隊長の関係者じゃないか。隊長を探しに来ている可能性が高そうだ。ならば話題は出さない方がよさそうだね。)

 

 

「そもそもその暴龍って誰よ。」

「これだから後進国は困りますの。暴龍というのはかつて皇国の守護者であまりの強さから暴龍の異名を持った最強の者ですの。私は彼を探しに来ました。そして私は彼から手ほどきを受けています。この意味が分かります?」

「やめておけ、ということなのだろうがそうはいかないよ。ここで私たちが君を通せばその先にいる者たちに迷惑が掛かってしまうからね。譲るわけにはいかないかな。」

「なら、あなたたちを倒してから進むわ。」

 

 

 

 

 

「ちぇ、こっちは冗談の通じなさそうなむさい男かよ。」

 

[こちら二宮、人型と接敵。交戦する。]

 

「あれれー?たった3人でやる気なの?近くに仲間がいるなら来るの待ってあげてもいいよー。」

「その必要はない。俺たちだけで十分だ。」

「そう?その判断は後悔するとおもうなぁ。」

 

無数の人型トリオン兵が展開される。

 

「早く潰れちゃいなよ。早く(人形)で遊びたいからさぁ。」

 

 

 

 

 

「昨日のやつはここじゃなかったか。まぁいいか。倒せば来るよな?お前たちに選ばせてやるよ。おれに倒されるのかもっと強い奴を呼ぶかをな。」

 

白鷺は持ち場を離れあおいと栞、柿崎隊との合流に成功したが昨日トップクラスのアタッカーの太刀川を倒したものと遭遇した。

 

(これは相当まずいわね。相手は単独だけど太刀川君を倒せるほど、つまり本部長クラスの可能性が高そうね。それに他の場所でも敵の攻勢が来ている。今のメンバーじゃ厳しそうね。何か手を打つ必要がありそう。幸い相手は待ちの行動がある。ひとまずは時間を…)

 

現状の戦力では相手に勝てないと踏み援軍を待つ結論を出したが。

 

「ブシドー!」

 

若宮が先走ってしまった。

 

「「イヴ。」ちゃん。」

 

若宮はいとも簡単に撃破されてしまう緊急脱出した。

 

「そうだよな。信じられねぇよな。まぁ、全員倒してからじっくり探すとさせてもらうぜ。」

 

(完全に裏目にでたわ。かなりまずいわ。)

 

 

 

「巨大トリオン兵出現!基地へ向かってきます。」

「あれはなんなんだ。あれほど巨大なものは見たことがない。」

 

[本部本部、こちら九斬。どうぞ]

[ああ、九斬君か。あれはいったい?]

 

[馬鹿でかいトリオン兵っすね。なかにトリオン反応がいくつもあるので部位破壊をしないと止められなさそうですね。同時破壊だと厳しいですけどね。]

[ならば私が出た方がいいか?]

[いえ、それをやると多分敗北ルートだと思います。向こうの思惑としてはこっちの予備戦力を使い切らせるのが狙いです。本部長を切ればこの攻勢がもっと激しくなると思います。それに相当なトリオンを積んでいるのであと5人くらいいないと火力が足りないですね。]

[ならばどうする?これ以上戦力を投入できないとなると打つ手がないぞ。]

[俺がやります。]

[だが君は端翼の援護に向かわなければならないだろう。]

[いまこそウルトラCの使いどころですよ。ここまで隠してきたおかげで向こうにばれていないやつがいるでしょう?]

[協力者か?]

[その通り。そいつが倒れるまでに戦線を修正できれば俺が対処する時間ができます。]

[では任せるがくれぐれも頼むぞ。]

[ええ、わかっています。]

 

 

 

[おい、聞いていたか?]

[勿論だ。相棒。俺がアレの足止めをすればいいんだろ?]

[ああ、だが無茶はするな。お前にはやることがあるからな。]

[尻ぬぐいのことか?やめてくれよ。それは相棒のやることだろ。]

[ははっ。そうだな。自分の責任を他人には背負わせたくねぇな。]

[アレを使っていいんだな?]

[ああ、駄目そうなときは連絡をよこせ。切り上げてそっちに向かう。]

[相棒こそ無茶するなよ。]

[誰にもの言ってる。俺よりも弱いお前に言われるほど鈍っていねぇよ。奥の手もあるからな負けるなんてヘマはしねぇよ。]

 

この身に代えてでもね。

この覚悟のつぶやきは聞こえていない。

 



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26話

気力がなくて落としかけたパート2


 

 

「あれは…」

「とんでもないものが出てきたようだね。」

 

 

「私としてはあなた方を葬りたいところですが優先することができました。命拾いしましたね。」

興味を失ったかのように立ち去ろうとする。

 

「ちょっと待ちなさいよ!まだ勝負は終わっていないんだけど!」

このまま続けていれば負けていたかのような言い方に小南が食ってかかる。

 

「少し落ち着くと良い。」

薫が止めに入る。

「向こうが引いてくれるんだ。慌てる必要はない。ここは一度あの巨人によって陣形が崩れているだろう。僕達でフォローをする必要があると思わないかい?」

 

「そうね。あいつの思惑は気になるけど今は深追いよりも仲間を助けた方が良いわね。ありがと。」

「気にする必要はないさ。隊長も同じだろう。今は敵を追い返すことが重要だ。」

 

 

 

 

 

どうしようかしら。

 

戦局は相当悪いと千聖は判断する。前の戦士は相当な腕の持ち主で湊隊が合流したものの柿崎隊、日奈がやられている。さらに致命傷を避けるためとはいえ右腕を失いトリオンを大量に流出している。そのため多くのトリオンを使ってかく乱する千聖の戦術に非常に悪い影響を及ぼしている。

 

(この状況ではいつも通りはできなさそうね。三人もそこまでの余裕はないだろうし。)

思考を巡らせるがこの状況を打開できる方法は思いつかない。だが相手はおそらく薫を待っている可能性が高いことが推測できる。しかし接敵前に人型と遭遇していると連絡を受けている。いくら薫と小南がボーダーのトップだとしても簡単に倒せるとは思っていない。

他に頼れそうなのは太刀川は昨日の戦いで負傷しできてこれない、薫と小南は前述のとおりすでに敵と交戦している、九斬は独自で動き敵の気を引いている、残るのは迅しかいない。

だが千聖は迅のことを危険な人物と思っている。被害をに減らせるのならば平気で他人を殺すと思っている。アフトクラトルの大規模侵攻の時、昇格したばかりの新人が生死の境をさまよった話を聞き不信感を募らせている。

つまり自分たちを見捨てて他の戦線にいる可能性を考えている。この場にいる四人で敵を粉砕しなければならないと結論をだした。

 

 

(敵は鎧にハルバード…かしら。これまでの感じ鎧は固すぎて火力が足りない。集中しようにもハルバードの斬撃で動かされて絞り切れない。相手が構えているから膠着しているけどこの均衡は相手次第で簡単に崩れそうね。あの人の言っていたことがここまで的中するとはね…。)

 

 

「遠征に来る連中ってのは基本的に専用装備を持っているのが普通だ。全員に使えるような汎用装備だけじゃあ限界が来る。だから個人装備を作れって言ったのに通らなかった。」

 

 

(あの人が言っていたことが現実になることは十分わかっていたはず…いや、これを遠い未来と油断していた、というのが正しいわね。あの人には何が見えているのかしら。でもなんで知っていたの?いや今はそのことは後よ。目の前に彼女に勝つ方法を考えなくちゃ。)

 

戦局は良いとはいえないがこのままであればジリ貧になりいつかは突破されてしまうだろう。時間を稼ぐか勝負にでるか迷う時間はない。

 

千聖は時間稼ぎはできないと判断した。

 

千聖とあこの弾で崩しにかかるも狙いは割れており崩しきれなかった。

そして千聖のトリオンが切れ、攻勢限界が来た。

 

 

「お前たちはなかなか強い。が、あたしには遠く及ばないね。そろそろ終わりにさせてもらうとしようかね。」

 

(ここまでかしらね。)

 

 

「そうはさせないよ。」

 

とどめを刺される直前迅の風刃がカルラを襲った。

 

「お前は…昨日の。こいつらも限界のようだからな。次はお前と遊ぶとするよ。」

 

 

 

 

 

 

「おいおい、最初の威勢はどうしたのかな~?」

「クソガキが。」

 

コードと相対した二宮隊は取り巻きのトリオン兵を撃破するも戦闘人形(バトルドール)と呼ばれる兵を投入すると戦況は変化するも着実に撃破していく。

しかし、最奥にひかえる狙撃手を排除できずにいた。

 

「しかしおもしろいことがあるものだねぇ。これが君の部下だったとはねぇ。」

 

狙撃手の正体は元二宮隊の狙撃手、鳩原未来だった。

 

「それにしても仲間には随分優しいんだねぇ。ほかのは容赦なく葬ったのにあれだけはかたくなに手をださないなんてさぁ?早くしないと部下がやられちゃうよ?」

 

鳩原の生来の正確な狙撃によって犬飼と辻は片っ端から武器を破壊され戦闘に参加できない。

 

「こいつは人撃てないからとんだ役立たずかと思ったけどこういうのなら使えるからなかなか気に入っているんだよね。」

 

二宮も鳩原を攻撃することができずしのいではいるが攻撃を受け、ダメージを積み重ねていった。

 

 

「君というものがここまでやられるとはなかなか厄介なようだね。」

薫が到着した。二宮は一瞬顔をしかめるも

助かった、それだけを小さく答えた。

 

「遠くからではあるが見ていたよ。私も彼女の狙撃には相当手を焼いたからね。」

「何人来ても結果は同じだよ。こいつの狙撃の前には誰が来ても無駄さ。」

「その慢心が付け入る隙にならないと良いね。」

 

戦闘は佳境を迎える。



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27話

興味がなさ過ぎてまた落としかけたパート3



 

 

 

「援軍の、割には、消極的、すぎないか?これなら、手負いの、方が、早く倒せ、そうだな。」

 

ハルバードを振るい迅に攻撃をする。しかし、迅はその攻撃を未来視で回避する。

 

(ひゃー、ぎりぎりだ。回避に集中しないとおれまでやられちゃう。こんなのと戦えるなんて、さすがは太刀川さんだ。

反撃したいところだけど…振りが早くて踏み込んだらやられるな。風刃も全然通らないし。勝つならもう一人人手が欲しいな。)

 

 

「妙だな。お前予知できるだろ。」

「あららら。ばれちゃった。」

「案外あっさり明かすんだな。」

「参考までに何でわかったのか教えてくれない?」

 

カルラは少し考えた様子を見せ、

 

「時間稼ぎになるのは癪だがいいだろう。それはお前の行動があらかじめ来るのがわかっているように動くからだ。私の動きを見てではなく別のモノを見ている。この違和感からそうだと思ったのだがこれで良いかな?」

「そう、納得納得。確かにちょっと不自然過ぎたってことね。次からは気をつけるよ。」

「お前に次があるといいな。」

 

 

 

 

 

師匠(先生)はどこにいるのでしょうか。まさかアレを使用できるものがいるとは思いませんでしたわ。あれでは容易に近づけませんわ。一体どうしたら逢えるでしょうか。」

 

「ネイバー発見。駆除する。」

「おっ。今度は女の子か。こっちも仕事なんでね。悪く思うなよ。」

「っは。骨のありそうなやつがいるじゃねぇか。」

「みんな早いって。ゾエさん追いつくのでいっぱいいっぱいだよ。」

 

 

三輪、米屋、影浦、北添が遭遇した。

 

 

「はぁ、私はあなた達に割く時間はないの。さっさとどっか行きなさい。」

「女。一つ聞く。五年前、ここで起きた大規模攻撃について知っていることはあるか?」

「何?いきなり尋問?答えたらどっか行ってくれるの?」

「ない。貴様がどう答えようともここで殺す。」

「あらそんな物騒なこといっちゃていいのかしら?後進国の分際で。たまたま大国からの防衛に成功したくらいで図に乗らないで欲しいわ。いいわあなた達を倒してゆっくり話させてもらうわ。」

 

 

「ようやくやる気になったか。せいぜい俺を楽しませてくれよ!」

 

 

影浦の突撃を合図に戦闘を開始した。

 

 

 

 

 

 

「おかしいおかしいおかしい。なんであいつに通用しない。さっきまでつうようしていただろ。」

 

物陰に身を隠しわめいているのはコード。敵の主力の一人だ。序盤はうまくいっていた。捕虜とした者達を壊し人形に変えてきたバトルドールを運用し顔見知りを攻撃できないことを盾にサポートしていた二人に大ダメージを負わせることに成功。さらに救援にやってきた長髪も簡単にダメージを与えていった。だが徐々に攻撃が当たらなくなり、人形を撃破されていった。気づいたときには大半を破壊され残るのは鳩原を含めて4体になった。

 

 

「まずいまずいまずい。このままではやられてしまう。そうなればまずいことになる。先に降伏するか。いや、あの男は許さないだろう。でも長髪の方が階級は上だ。あいつに取り入れば手出しはできないだろう。よし、この手で行こう。」

 

自らの保身を考えてた。

 

「こんなところに隠れていたか。そろそろ消えろ。」

「ま、ま、待ってくれよ。いい情報があるんだ。だから降伏する。だから見逃してくれ。」

 

二宮と薫は顔を見合わせ相談する。

 

「そうだね。情報次第で君を見逃すこともあるね。今はとにかく人手が欲しいからね。」

 

コードは裏でほくそ笑んだ。

(やっぱり情報通りミデンは人手不足。巨人が動き出した以上僕たちの勝利はゆるぎない。ここはいったんしたがっておいて奴らを蹴散らしてから戻ればいい。よくわからないまま負けるよりも策を講じて負ける方がダメージが大きい。そうなればこの行動(降伏した振り)も作戦として扱うから問題ない。甘い連中だ。散々人間を持っていかれてるってのにのんきなもんだ。)

 

「ひとまずトリガーは回収しておくよ。」

「待ってくれよ。ここは戦場だ。あんたたちが安全なところまで連れて行ってくれるんならともかくこんなところでトリガーを取られたら死んじゃうじゃないか。」

「黙れ。お前は捕虜だ。俺たちがいなくなったあとで逃げるつもりなら許しはしない。人形の指揮権も俺たちによこせ。」

 

(おいおいおい、全然寛容じゃない。人形の徴収ならともかくトリガーに指揮権もだと?ふざけるなよ。途中で見つかったらどうすんだよ。このまま死ねって言うのかよ。こいつらじゃ駄目だ。もっと甘い奴のところにいかないと殺されちまう。だがここでにげれば問答無用で射殺コースだ。幸い戦闘状態じゃない、いいタイミングで逃げ出して甘くてなおかつこいつらに譲らないやつを探さないと。)

 

「わかった。トリガーが人形に指示を出すのと一緒だ壊さないように気をつけろよ。僕はこの辺で隠れているから終わったら迎えに来ることでいいんだな?」

「態度は気に入らないがいいだろう。ことが済むまでせいぜい死なないようにきをつけることだな。」

 

 

(危なかったー。こっちの総力までは把握していないようだ。一体しか隠せなかったが仕方ない。下手に動いてバレるよりはずっといい。こいつを失えば僕は丸裸だ。そうなればその辺のトリオン兵にも負けるかもしれない。瓦礫を掘って中に隠れよう。うまくいけば遠征艇に戻れるかもしれない。)

 

 

 




後半コントみたいですがこんなやつなんでこうなります


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28話

全国の60人のファンの皆様ながらくお待たせしました


 

 

「ゲートの発生多数、100を超えます!」

「ここに来て大量の援軍か、戦況はどうなっている?」

 

現れた敵に対し戦線を展開、二宮と瀬田の活躍により近界民を一人撃破に成功するも多数の戦線で後退を許し劣勢だ。ただでさえ劣勢な戦線に兵力が増えれば突破される可能も出てくる。

 

 

「やはり私が出るしかないか。」

 

忍田はいよいよと戦場にでる準備に動く。

 

「だから待てって言ってるだろ。敵はこっちの予備を吐かせに来てんだよ。」

「しかしだな、九斬君。このままでは突破されてしまうぞ。」

「それはこっちで組みなおせている。敵の狙いはこっちの戦力を削ることを目的にしている。市街地へ行くやつは狙撃班に任せれて基地の近くにこっちが集合の動きを見せれば自然と向こうも寄ってくる。」

 

 

「それは本当なのか?君がそこまでいうのであれば反対はしないがもしものことがあればと根付さんは言っている。そこは大丈夫か?」

「協力者に任せている。どのみち負けたら俺は処刑だろうからな力尽きるまで暴れてやる。そのときは俺がみんなの前に俺のせいでしたって頭を下げるさ。」

「そうか…私もいつでも出られるように準備するがくれぐれも気を付けてくれ。」

 

通信を切ると九斬は思考を巡らす。

 

(敵の狙いが俺とは言えねぇよな。上手く俺がここで消えても向こうは止められないし俺を見つけるまで破壊を続けるだろう。最終的には勝てても被害が大きすぎるればボーダーは終わりだからな。ここからの俺の動き次第と思うと気が重くなるがしかないか。)

 

「俺の手にかかっているとはここで活躍すれば英雄になれるさ。そう思うだろ?」

 

勝利の栄光を口に出す。これは自分を鼓舞するためなのかそれとも…

 

 

 

「加古隊長、聞きたいことができた。」

「何かしら、二穂ちゃん。」

 

加古とてボーダー中では古株にあたる上一時期東のもとでともに戦術を学んでおり、経験の豊富な自分の知見に自信を持っていたが敵の動きに目ざとく気づき危険を回避する二穂の話をうけ、聞き入れるようになっている。

 

「それはだな、

 

 

二穂が戦いの最中に気付いたことを加古に告げる。

 

「それが本当なら厄介ね。本部に言った方がいいのかしら。」

「いや、この程度のことならすでに報告しているだろう。問題はどちらかといえばこちらだろう。」

 

 

「二穂様は何を話されているのでしょうか。」

「詳しくはわからないけどきっとこの状況を打開する方法を話しているはずです。」

「どんな作戦でも私は二穂様に従うだけですわ。」

「なら私たちでしっかり支えていかないとね。」

「はい♡。必ず勝ちましょう。」

 

 

 

 




失踪した理由は完全にモチベーションを失ったこと一択です

他の話を書きたかったところですが強引にでも終わらせてからじゃないといけないと思い続きを始めた次第であります
いつも通りの読者置いてけぼりの超展開をしますがご了承ください


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29話



全国60人の皆様、お待たせしました(二回目)


不定期ですが完結目指してやっていきたいと思います(二回目)


 

 

とある建物の屋上

 

 

 

「本部、聞こえるか?」

「ああ、聞こえている。」

 

忍田本部長が応答する。

 

「戦況はどうだ?」

「どこも厳しいな。かろうじて押さえている場所がほとんどだ。余裕のある所はない。」

「一応起死回生の一手がある。」

「それは本当か!」

「ただ、ボーダーの管理下にないトリガーを使う、城戸司令の許可は取ってあるから問題はねぇ。だが、この後落ち着くまで通信はできないから言っておこうと思いましてね。」

「そうか…このままでは巨兵に打つ手はない。君に頼るしかないのは心苦しいが頼むぞ。」

「ええ、なんとしてでも倒しますよ。」

「君の実力を疑うわけではないがくれぐれも注意してほしい。君もボーダーの一員だ。」

 

 

 

 

 

建物の屋上で九斬は隣に男を呼びつける。

「交代だ。俺がでる。」

「そうそうに交代って戦時かよ。」

「何いってんだ。戦時だろ。おまけに窮地だがな。」

「それはおっかねぇ。さっさとおさらばしてぇな。」

「向こうの狙いは俺たちだ、逃げても追いかけてくるから腹くくれ。」

「だな。こここからは相棒がアレで巨兵をやるとしてオレは何をする?」

 

 

「別行動で敵を倒せ。ボーダーには合流しなくていい。」

「おいおい、それだとオレ攻撃されるだろ。」

「そん時は逃げろ敵兵に擦り付けろ。この戦況だ、わざわざ悠長に鬼ごっこするほどの余裕のある部隊はもうないはずだ。深追いはできない。安心して逃げ回れ。」

「そうかい。じゃあオレから一つだけ。」

「んだよ。時間がないから早くしろ。」

「の割には結構話が長いような気がするがまぁいい、絶対死ぬなよ。」

 

九斬は驚いた表情を見せ、

 

「あ?何言ってんだ、俺がコイツを使って負けたことがあるか?」

「ねぇけど、もう使わないとしまい込んだアレを使うって相当追い詰められているだろ?」

「安心しろ速攻でケリをつける。分岐点すらねぇよ。」

「そうか…じゃあ後で必ず。」

「ああ、あとは任せた。」

 

 

 

九斬はトリガーを起動し飛び去って行った。

 

 

 

「その言い方、あの時と同じじゃねぇかよ。まだオレは頼りにならないのかよ…」

 

怒りか諦めか真意は誰にもわからない。

 

 

 

 

 

斧と戦斧が激しいぶつかりを見せる。

打ち合いの間を縫って迅と薫が攻撃を仕掛けるが硬い鎧を前に傷をつけるので手一杯だ。

 

(「全然崩れないわ。迅、ちゃんとやってるでしょうね。」)

二人がかりでも一向に崩せない守りに小南は憤る。

(「やってるって。踏み込んだらやられるのは小南もわかってるでしょ。」)

(「小南ちゃんのいう通りだね。この調子だとこちらが力尽きてしまうよ。」)

 

小南の意見を肯定するように薫が言う。

 

(そうはいうけどね。)

迅は全体的な利益を選ぶ癖がある。それは小南も薫も十分理解しているし多くの者が残った方がボーダーにとっても個人にとっても良い結果となる。だが、自分の身に危険が迫る中最後まで徹しきれるものは少ない。特に打ち合いを続けて疲労が多い小南から愚痴がこぼれるのも仕方のないことだろう。

 

 

(あたしたちがこいつを倒さないと巨兵は誰が止めるっていうのよ。)

 

小南の焦りはもっともだ。現状どの部隊も自分の担当区域の防衛で手一杯だ。休息や作戦を練る程度の余裕はあるが他の区域、部隊へ回せるほどの余裕はない。そんなことができるのは遊撃している九斬と援護部隊の狙撃組位だ。文字通り総力を結集して臨んでいる。自分たちがボーダーでも精鋭中の精鋭であることは理解している。だからこそ巨兵を何とかしなければならない。

 

(どうして迅はもっと攻勢にでないのよ。)

 

頭は相当苛立ちを感じているが体は冷静に戦っている。

状況を確認しようと見渡すと一筋の飛行物体が巨兵に向かって飛んでいくのが見えた。

 

 

(「あれは…隊長の秘密兵器だったかな。」)

(「本当!」)

小南は歓喜の声をあげる。

(「ああ、飛行機能を持った高機動アーマーだと聞いている。ただ消耗が激しいから使用時間が短いらしいから分岐点と見たのだろう。僕たちもそろそろ勝負にでる頃合いだろうね。」)

(「迅、聞いてた?ここから勝負よ。さっきまで見たいな情けないのはなしよ。」)

(「わかってるって。」)

 

 

(そうは言ったけどこの人は九斬さんの協力者だ。どうしたらいいのかな、ここで俺たちが勝っても負けても未来に影響はないけど…)

 

未来が見えることは必ずしも良いことだとは限らない。

 

 

 

 

 

 

「二穂ちゃんすごいわね。あなたの言うとおりにしたらここまでできちゃうなんて。」

「いや、これは先輩方の指揮があってこそだ。私だけではここまではいかないだろう。」

 

 

加古隊、那須隊を中心としたこの戦線は他と比べて余裕のある状況になった。

二穂が自ら囮を買って出て釣り野伏を成功させたのだ。

 

 

「いくらトリオン兵が設定された動きしかしないとしても実際に襲われれば攻撃手でも二穂ちゃんたちほど堂々としてはいられないわ。」

「そうか?あたしはこれでも社長令嬢。度胸がなければやってはいけん。」

「二穂様がするのであれば従うのがメイドの務めですわ。」

「あら、令嬢にしてはお転婆が過ぎないかしら。」

「お前もいうか。まぁ社長になる気はないからどうでも良いがな。」

「そうね。今はいったん本部に状況を報告するから待機よ。」

 

 

(「こちら加古ひとまず落ち着けそうよ。」)

(「それは本当か!」)

(「ええ、二穂ちゃんが体張ってくれたからよ。褒賞ものだと思うわ。少し余裕ができたから二部隊くらいまでなら融通できそうよ。」)

(「そうか!では…」)

 

 

「二穂、大丈夫?」

「雪枝、大丈夫だ実際戦闘はほとんどしていないそれにしてもこの程度で引っかかるとはおもわなかったな。」

「え!そうでしたの!」

「それは私も思った。少し動きが訓練で出てくるものより悪いように感じたし。」

「あまり考えたくはないが罠の可能性もあるな。どこも余裕はない、ここで上手くいった思わせればここから食い破ることも可能か…」

「でも、使える物資って限りがあるでしょ。いくら陽動とはいえここまでするでしょうか?」

「不可解な点はあるが我々にはまだ指揮権がない、できるのはせいぜい局地的にしかできない。ひとまずこの戦いを超えることにしよう。」

「はい。」「そうだね。」

 

 

戦いは終盤へと向かう



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30話

気づいたら6月月1投稿になってるって嘘だろ


 

 

目にもとまらぬ斬撃が巨兵に無数の傷をつくっていく。それは巨兵の再生よりも早く、傷をなぞるもの新しくできるものとできる。

だが、巨兵はものともせず基地へ向けて歩みを続ける。

 

 

(これだけでかいとこれだけ斬ってもたいしたダメージにはならないか、もっと深くいかないといけないな。問題は間に合うかどうか、基地から砲撃はしているが効果はほぼない。迷う時間はない、さっさとしないと終わる。基地が落ちて戦える奴は何人いるかわからない。攻撃を受ける場面は見せらない。)

 

 

(現状、敵が基地を狙っているため市外へ避難が順調に行えているが敵が市外へ向かった場合住民の避難誘導を行っているC級は逃げ出す者も多く出るだろう。

A級や一部の者であれば戦闘を続行できるがそれでも半数に満たない。特にそうなればC級が行っていることを残りの者でやるしかなく、残った者の多くは戦闘経験が豊富で戦闘力が高い。どの部隊も余裕はないため見捨てなければならない場所が出てくる。

そうなればたとえ勝利しても批判は免れない。下手をすれば解体、もしくは他の組織の傘下、出資の停止となればボーダーとしてはやっていけないだろう。)

 

 

 

ボーダー作戦室

 

「巨兵の状況はどうなっている?」

「砲撃、九斬と思われる者の攻撃が命中していますが効果は薄く進撃は止まりません。」

「巨兵の攻撃で基地はどうなる?」

「一撃で破壊されることは低いが何度も殴られれば壊れる。何回まで耐えられるかは補償できん。」

「職員に避難命令を!」

 

「いや、外にでれば巨兵に踏みつぶされるし何やら外を歩き回っている不審なトリオン兵がいる話もある。下手に動けばやられる可能性が高い。基地内の避難所の方が良い。」

「そえでは避難所に誘導しておきます。」

 

 

トリオン兵と戦闘を行っている戦線は5を超える。戦闘に参加していない者は昨日の戦いで大きく損耗しているため戦闘に参加できない。人型が出現している中、各地で激戦を繰り広げられている。追加の兵力を送るどころか戦線の後退や放棄をしている。屋上からの援護も巨兵の接近によって行えなくなり、孤立しつつある。そうなれば敵が市外へ向かう可能性が高くなり、市民に多大な被害がでる。

 

 

「報告です!加古隊が緋ノ宮隊の奮闘により敵を押し返しました!」

「本当か!何人かを他にまわせるか?」

「はい、消耗は軽微で加古隊と緋ノ宮隊が現地に残り警戒を行うため移動できませんが他の部隊ならできるとのことです。」

「ならば、その者たちを他の戦線に回し打開する。私も出る。」

「しかし、九斬さんからは出るなと言われているのに大丈夫でしょうか?」

「だが、ここで動かなければ市民に被害がでる。九斬君も理解している。後の指揮はお任せします。」

 

そういって忍田は部屋をあとにした。

 

 

 

 

攻撃のペースは変わらず巨兵を斬り続けている。しかしダメージになるような大きなものはない。その間にも巨兵は歩みを進め基地に近づいてゆく。

 

(これだけやっても効果はなし、となればでかい一発が必要だな。さてどこを斬るか…迷う時間はほぼないがあいつがまだでてきていない以上全力ではやれない、さっさと出てきてくれりゃあ楽だがあいつはそれを理解している。だから俺を誘っている。中か外か。いや、あいつならあそこだろうが。)

 

 

「そしてどこを斬るか。胸か腹かはたまた頭か。まぁどこでもいいか。」

 

決着のため力をため始める。

 

 

 

 

 

「女、五年前にここに来たことはあるか?」

 

地に伏す相手に尋問したのは三輪。姉を殺した犯人を捜すために人型に尋問を行っている。

 

「早く先生のところに行かないと。」

 

女は文字通り体を引きずりながら基地の方面へと移動する。

 

いつもなら鉛弾で押さえるところだが相手はすでにトリオン体は破壊されて生身である。ボーダーのトリガーは民間人にあたってもいいように生身にはダメージがない。純粋な力比べならば圧勝だが今は戦闘中だ。こいつをみているのは自分と狙撃手として見張らせている奈良坂の二人だけだ。他の者は別の場所へフォローに回っている。

個人的な目的である姉殺害の犯人を捜すために何度も聞いているが相手の反応は要領を得ず、ひたすら「先生のところへ。」と言い脚のない体を腕を使って懸命に移動している。

攻撃をしても死なないのあれば攻撃をして気絶させたいところだが勝負はついており今更とどめを刺す気にはなれないのである。見かねて奈良坂から自分がしようかと提案もあったが個人的へ行動をしているのもあり、断っている。

 

 

(こいつは敵だぞ、何を迷っているんだ。なんでなんだ。俺は、俺はこのためにボーダーに入ったんじゃないのか?)

 

這いずる敵を前にふと九斬の言葉を思い出した。

 

 

「復讐ってのは儀式だ。お前の場合なら姉の死を乗り越えるためのな。下手人殺して満足するなよ。そこが目的の限り復讐は死ななきゃ果たせねぇよ。復讐して死ぬ気ならともかく、生きる気があるならやめとけ。」

 

 

当時は大好きだった姉を悪く言われたような気がして意味がわからなかったがなんとなくわかったような気がした。

 

 

(復讐で喪失感を埋めていたのか…)

 

「ふっ。」

 

 

「奈良坂、移動するぞ。」

「いいのか?」

「ああ、この状況ならこいつに固執するよりは他の者を助けた方が良い。」

「わかった。なら移動しよう。」

 

 

復讐にとらわれた青年は大きな一歩を踏み出した。



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