転生したのは宇宙海賊の力を持つ者だった。 (北方守護)
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特別編。
特別編 原作世界へ その1


この話では鈴とシャルロットとラウラがもう学園にいる設定です。

幾つか大いなる力が使える様になってます。

それと一夏、箒も少し設定が変わってます。


学園が施設関係の整備で連休になった、ある日の事……

 

「ジャジャーン!よく来てくれたね皆!!」

スペースラビット敷地内にある束専用の研究棟に武昭と一夏、箒、鈴、簪が呼ばれていた。

 

束姉(たばねえ)何かやらかしたんなら早めに自首を進めるよ」

 

「いや、それよりも千冬姉にお仕置きしてもらった方が良いんじゃないか?」

 

「うむ、その方が姉さんには効くな」

 

「ねぇ!私が何をしたか説明する前に変な事を言わないでくれるかな!?」

束は昔から付き合いのあるメンバー達の対応に戸惑っていた。

 

「まぁ、武昭達から話を聞かされてるからね、私達は……」

 

「うん……ある意味、束さんの自業自得……」

 

「リッちゃんとカンちゃんにも、そんな目で見られてたの!?」

束は鈴と簪の対応にも驚いていた。

 

その後、束は研究室の隅っこでいじけていたがクロエに慰められて機嫌を直した。

 

「ありがとう、クーちゃん……じゃあ説明するね!今回私は皆を呼んだのは()()を見せたかったんだよ!!」

束が研究室にあった布が掛けられていた物から布を取ると大きなリング状の何かがあった。

 

「束姉、コレって何?」

 

「ふっふっふっ、コレは私が開発した隣の私はどんな人!?(並行世界移動装置)だよ!!」

 

「並行世界移動装置って……あぁ、ゴーオンジャーのレンジャーキーですか?」

武昭が束に開発した物が何か聞いて束の答えに武昭は心当たりがあった。

 

「そうだよ!タッくんはゴーオンジャーの大いなる力を使ってマッファルコンを呼んでるでしょ?だから私はその原理を研究してコレを作ったんだ!!」

 

「けど、束さん……コレって本当に大丈夫なんですか?」

 

「ボンボン!それはボクが安心だって保証するボン!!」

一夏が不安に思った事を束に尋ねると研究室にある機械の影から小さい丸っこいロボットが姿を見せた。

 

「あっ!ボンパーじゃない!!あんたもいたんだ!!」

鈴はそれに見覚えがあると近づいて声をかけた。

 

そのロボットはボンパーと言い炎神戦隊ゴーオンジャーのメンバー達をサポートしていたロボットだった。

 

「ボンパー、久し振りだな……あれ?確か走輔さん達の所に居た筈じゃなかったか?」

 

「そうだよ、けど、束が僕に手伝って欲しい事があるって言うから来たんだボン」

 

「そうか、ボンパーが手伝ったなら大丈夫か……それで束姉、コレを作ってどうするの?」

ボンパーと話していた武昭は束に作った理由を尋ねた。

 

「それは勿論、並行世界に行ってみたいんだ!」

 

「束姉、興味本位だけで作ったんなら俺は「違うよ!タッくん!!」おぉっ!?」

 

「私がコレを作ったのは並行世界の技術を見て宇宙開発に役立てたいからだよ……」

束は武昭の意見に反論したが直ぐに落ち込んだ。

 

「そうだったんだ、ごめんね束姉、変な事を言って……」

 

「ううんタッくんが、そう思ってもしょうがないよ」

武昭が謝罪すると束はそれを受け入れた。

 

その後……

 

「じゃあ束姉、ここに立ってれば良いの?」

 

〔うん!コッチで操作をすると目の前のリング内の空間が歪んで並行世界に行く事が出来るよ!!〕

武昭達は束が開発した発明品の前に立っていた。

 

「姉さん、こんなに大人数でも平気なのか?」

 

〔うん!それは問題ないボン!僕も確認したから大丈夫だボン!!〕

箒の疑問にボンパーが答えた。

 

「じゃあ今から装置を起動させるから動かないでね」

束が何かを操作すると装置が起動した。

 

「おぉ、コレが並行世界への入り口なんだな」

 

「じゃあ行くか……って、そうだ束姉、俺達の専用機って持ってても問題はないの?」

 

〔うん問題はないよ、それにタッくんのゴーカイチェンジや大いなる力も使えるから大丈夫だよ〕

 

「そうなんだ、じゃあ行って来ますか!!」

皆は武昭が入ると、その後に続いて入って行った。

 




出演者&出演作品。

ボンパー
炎神戦隊ゴーオンジャー
ゴーオンジャー達のサポートロボット。


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特別編 原作世界へ その2

武昭達が装置内の空間から出ると、その場はIS学園のアリーナだった。

 

「あれ?ここって……学園のアリーナよね?」

 

「うん……しかも一番広いアリーナだよ……けど、なんで?……」

鈴と簪は自分達が居る場所を確認した。

 

「束さんの発明が失敗したって事か?」

 

「うむ、姉さんでも失敗する時はするんだな……」

 

「束姉に連絡するか……あれ?」

一夏と箒が話してる中武昭が束に連絡するが違和感があった。

 

「どうしたの?武昭」

 

「いや、束姉に連絡したんだけど通じないんだよ、箒からも連絡してくれないか?」

 

「あぁ、分かった……ん?私の方も通じないぞ?」

違和感があった武昭が箒に連絡を頼むが通じなかった。

 

「うーん……もしかしてだけど……束姉の発明は成功してるかもしれないな……」

 

「どういう事武……もしかして……」

 

「あっ!皆!アレを見なさいよ!!」

武昭の言葉に簪が何かに気づくとアリーナのピットからISを起動させた何人かが出て来たが、その顔には見覚えがあった。

 

「なっ!?アレって、まさか俺か!?」

 

「私も居るだと!!」

 

「ちょちょっと待ってよ!なんで私にソックリなの!?」

 

「私!?嘘……」

 

「やっぱり……束姉の発明は成功してたみたいだな……」

 

「武昭……もしかして、ここって俺達の知る学園じゃないって事か?」

 

「一夏、そんなの聞かなくても分かるではないか」

 

「箒の言う通りね……まぁ、まさか違う世界の私達に会うとは思わなかったけどね……」

 

「うん……私も驚きすぎて逆に冷静になった……」

ピットから出て来たのはコッチの世界の一夏、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ、簪、楯無達で同じ顔の自分がいた者達は驚いていた。

 

そんな中、楯無だけが近づいて来た。

 

「えっと、貴方達は何者かしら?どうやってここに侵入して来たの?それになんでそっくりな人達がいるの?」

 

「あぁ、何と言いましょうか……一応俺達もIS学園の生徒なんですよね……」

 

「えっと、私は学園の生徒会長をしてるんだけど、貴方達の中で君だけが見た事無いのよね?」

 

「そっか、()()()()()()には俺がいないのか……じゃあコレを見てください」

武昭は楯無に自分の学生証を渡した。

 

「あら、コレは……学園の学生証ね……嘘……偽造じゃなくて本物?……」

 

「学園の学生証は偽造不可なんですよね?()()()()()()

 

「!?なんで私の名前を知ってるの!!」

 

「まぁ、俺も生徒会の一員ですからね」

武昭に名前を言われた楯無は驚いていた。

 

「嘘を言わないで!!私は貴方みたいな人を知らないわよ!!」

 

「嘘じゃないですよ……正確に言うと()()()()()()()()の生徒会ですけどね」

 

「こことは違う世界って……もしかして貴方達は違う世界から来たって言うの?」

 

「えぇ、ちょっとした装置の起動実験をしたら、ここに来たんです」

 

「そうだったの……じゃあ、そこにいるカンちゃんも……」

 

「うん、そうだよ…(刀奈)お姉ちゃん」

 

「!!それを知ってるって事は……貴方達の言う事は真実って事ね……とりあえずは私に着いてきてくれるかしら?」

 

「えぇ、良いですよ……多分、先生達に説明するんですね」

 

「やっぱり、知ってるのね、じゃあ行きましょうか、他の皆はここで待機しててね」

武昭達が楯無の後について行ったのを見た織斑一夏達は指示通りアリーナで待機する事にした。


武昭達が楯無に連れられて行った場所では千冬と麻耶がいた。

 

「ふむ、お前達が楯無から連絡があった者達か……確かに同じ顔ではあるな……」

 

「はわわわ、何で同じ顔の人が?」

千冬はスッと視線を向けて麻耶は慌てていた。

 

「お前達に聞きたい事があるんだが……その男性は何者だ?」

 

「あぁ、この中じゃ俺だけがいないから当たり前っすね、俺は海城武昭、2()()()()()()()()()です」

 

「何!?それは本当か!!」

 

「えっ!?けど、そんな情報はコッチには入ってません!!」

 

「それはそうですよ、俺達は()()()()()()()()()じゃありませんから、それは楯無さんに渡した学生証で解りますよね?」

 

「うむ、確かに海城の言う通りだった……それに他の者達の学生証も確認したが番号が違う生徒の物だったからな……とりあえずはその話を信じるとしよう」

千冬の言葉に武昭が説明すると千冬と麻耶は慌てていたが証明が出来た事で納得していた。

 

「それで海城達は何故、コッチの世界に来たんだ?」

 

「あぁ……それなんだけど……簡単に言うと俺達の世界の()()()()()()()です」

 

「何?……その兎と言うのは、まさか……そう言う事なのか?一夏、篠ノ之?」

千冬は武昭の言葉を聞いて気になった事を武昭の世界の一夏と箒に尋ねて2人揃ってうなづいた事に頭を抑えた。

 

「なるほど……そう言う事なら納得するしかないな……」

 

「それで織斑先生、俺達はどうなってどうしましょうか?」

 

「そうだな……まずは〔バラッパバラババン、バラッパバラババン〕なんだ今の音は?」

 

「すみません、俺の奴っすね、もしもし〔ヤッホー!やっと通じたねー!!〕束姉?」

千冬が武昭達にどうするか説明しようとした時に武昭のモバイレーツに着信が来たので出ると束からだった。

 

「何!?束だと!!」

 

「あぁ、束さんって言っても俺の世界の束さんですよ、束姉、さっき掛けたのになんで出なかったの?」

 

〔ニャハハハ!ごめんねー!装置を起動させた時、ちょっとだけ席を外してたんだー!けど、もう大丈夫だからー!!〕

 

「そうだったんですか、それで束姉、何で俺達はIS学園のアリーナに出たの?」

 

〔ん?あぁ、それはねコッチから移動させる時に自動的に人がいなくて広い場所に出る様に設定してたからだよ〕

 

「なるほど……けど、そのお陰でコッチの織斑先生に疑われてるんですけど?」

 

〔ありゃ?そうだったんだ、そうだそっちのちーちゃんに変わってくれるかな?〕

 

「分かりました、織斑先生、束姉が変わってくれって言ってるんですけど?」

 

「何!?いや変わろう……もしもし本当にお前は束なのか?」

 

〔そうだよー!ちーちゃん!とは言っても私が知ってるちーちゃんとは違うから何とも言えないね〕

 

「本当にお前は束なのか?私が知っている束ならば、その様な口調で話す事は無い筈だが……」

 

〔まぁ、場所が変われば人も変わるんだよ、ちーちゃん〕

 

「そういう事か……ならば納得するとしよう」

千冬はどこか諦めた様な表情をしていた。




この小説内でのオリジナル設定。

学園の学生証は色々と細工されており偽造は不可能とされている。


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特別編 原作世界へ その3

原作のキャラ達のセリフの前には名前をつけます。

こっちの世界は時系列的には学園祭の後になります。

織斑「」→原作世界です。


千冬達との話を終えた武昭達は最初に現れたアリーナに来ていた。

 

織斑「なんで俺なのに、そんな事を言うんだ!!」

 

「顔は同じかもしれないけど、俺とお前は違うんだよ」

原作の織斑と武昭の世界の一夏がアリーナの中央で相対していた。

 

「はぁ……コッチの一夏は自分の考え方が正しいと思ってるんだな……」

 

「どうせアイツは何でも守れるって勘違いしてるんでしょ」

観客席で武昭と鈴が話してると凰と篠ノ之が話に入ってきた。←名字表記は原作世界のキャラです。

 

鈴「何よ!あんたも私なら一夏にそんな事を言うんじゃないわよ!!」

 

箒「そうだ!鈴の言う通りだぞ!!」

 

「あのね、確かに私とあんたは同じ顔かもしれないけどね、私が向こうで過ごしてきた時間はコッチと違うでしょ」

 

「うん、それは鈴の言う通りだな。それと私と鈴、武昭と一夏は向こうの世界では、ある企業に所属しているからな」

 

シャル「えっ!?そうなの!!」

 

「因みに私と本音もそこの企業に所属してる」

 

「結構なお給料貰ってるんだよぉ〜」

 

「そうだ、ここにはいないけどシャルも所属してるぞ。ちなみに言っておくけど、その企業はコッチには無いからな」

武昭の言葉を聞いたシャルロットは体をビクッとさせていた。

 

そうやって話してると開始のアラームが鳴り2人の模擬戦が始まった。

 

一夏の機体は初期状態の白式だったが織斑の機体は二次移行を終えていた。

 

織斑「なんだよ!まだ二次移行してないじゃないか!!」

 

「そう簡単にしてたまるかってんだよ、それに俺はそんな事をしなくても良いと思ってるんだ」

 

織斑「そうかよ……だったら俺が手にした力を見せてやるよ!!」

織斑が雪片弍型で攻撃してきたのを一夏は同じく雪片弐型で防いだが……

 

「ふーん、これがお前が()()()()()なのか?」

 

織斑「う、嘘だろ!?なんで片手で受け止められるんだ!!」

一夏が片腕で持った剣で防いだ事に織斑は驚いていた。

 

「まさか、これだけが手にした力って訳じゃないよな?」

 

織斑「当たり前だ!だったらコイツはどうだ!!」

距離を取った織斑はエネルギー状の爪を展開させると接近戦をしてきた。

 

「なるほど、お前がそれで来るなら俺も()()を使わせてもらうか」

一夏は雪片を収納すると右手を翳した。

 

「来いっ!レンジャーアームズ!!サイブレード!!」

一夏がそう叫ぶと右手に手刀を模した白を主体とした武装が出現した。

 

織斑「なっ!?なんで他の武装があるんだよ!!」

 

「それをお前に説明する理由は無い!喰らえ!サイブレードカッター!!」

 

織斑「うわっ!?そんなの見た事が無いぞ!!」

 

「当たり前だ!()()は俺の世界であの人から受け継いだ力なんだからな!!」

織斑は一夏の攻撃の激しさに反撃のタイミングを取れないでいた。

 

観客席では……

 

鈴「嘘でしょ……一夏だって色々鍛えてるのに……」

 

箒「おいっ!なんだあの武装は!!何らかのインチキをしているのでは無いか!!」

 

「インチキなどでは無い、アレはこちらの一夏が鍛えて手にした力だ」

 

「箒の言う通り……アレは一夏が鍛えて()()()()()()()()()()()……」

 

「それに鍛えてるって言うけど、相手は1番強くても楯無さんだろ?コッチじゃそれ以上の強さの人達と相手をしてるからな」

凰と篠ノ之がイチャモンを言ってきたのを箒と簪、武昭が反論した。

 

楯無「あら?そう言うって事は私よりも強い相手がいるのかしら?」

 

「えぇ、確実に楯無さんよりも強い相手ですよ、()()()()()

 

簪「ねぇ!そっちの織斑君が使ってるのってゲキチョッパーの武器だよね!?」

 

「うん、そうだけど……なんでこっちの私はアレを知ってるの?」

 

簪「だって!私は小さい時から【あのシリーズ】を観てるんだもん!!」

 

「ん?なぁこっちの簪に聞きたいんだけど【あのシリーズ】って何だ?」

 

楯無「簪ちゃんが言ってるのは多分【コレ】の事ね。はい、どうぞ」

楯無がスマホを操作して何かを出すと武昭達に見せた。

 

そこには……

 

「なっ!?嘘だろ……コレは確かに俺達が知ってるスーパー戦隊のレジェンド達だ……」

 

「武昭の言う通りね……ほらこっちにはリュウレンジャーの皆が居るわ」

 

「コッチにはシンケンジャーの丈瑠さん達がいるぞ」

 

「こっちの世界じゃ、あの人達は本物じゃ無いんだ……」

武昭が見せられたのは自分達の世界では実在していた人達がこっちでは仮初の存在である事だった。

 

「まぁ、世界が変われば何かが変わるからな……おっ、そろそろ決着がつきそうだな」

何処かで納得した武昭の言葉を聞いた皆がアリーナを見ると一夏がある武装を出していた。


アリーナでは……

 

織斑「くっ!なんでお前は俺なのに、そうなったんだよ!!」

 

「さっきも言った筈だ。俺とお前は顔が同じだけで過ごしてきた時間や歴史が違うんだ」

 

織斑「そうかよ!けど俺だって()()()()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

「皆を守る為に努力をしてるだって?……なぁ、お前に聞きたいけど皆を守るって言ってるけど、その皆ってのは誰の事なんだ?」

 

織斑「そんなの……俺の周りの皆に決まってるだろ!!」

織斑の言葉を聞いた一夏は軽くため息をついた。

 

「お前……ふざけてるのか?……皆を守る……そんなのは出来る訳無いんだよ!!」

 

織斑「うわっ!?嘘だろ……俺だって鍛えてるのに……?」

織斑は攻撃を一夏に簡単に受け止められ、そのまま吹き飛ばされた事に驚いていた。

 

「大体、お前は守るって事を簡単に考え過ぎなんだよ!!」

 

織斑「くっ!?急に速さと威力が上がった!?」

 

「俺はあの人達から教えられた!守ると言う事がどれだけ辛い事かを!!」

一夏の攻撃を食らった織斑はアリーナの壁迄吹き飛ばされてS・Eが0になって気絶したのでそのまま負けた。

 

一夏は織斑を見る事も無く武昭達の所に戻った。

 

 

 

 



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本編。
第0話 始まり。


周りが全て白い世界に1人の男性が寝ていた。

 

「ん……俺は一体?……ここはどこだ?……」

 

〔おぉ、目を覚ましたか〕

 

「誰だ?って……あんたは!アカレンジャー!?」

男性が声の主を確認すると赤いスーツで胸に黄色のVの字があり眼部が横の八の字型の人物が立っていた。

 

「なんでアカレンジャーが?……これは夢か……?」

 

〔いや、これは夢では無い現実だ……それよりも君がここにいる理由は私が呼び寄せたからだ〕

 

「アカレンジャーが俺を?……どう言う事だ」

 

〔その前に……君はここに来る前の事を覚えているか?〕

 

「ここに来る前の事?……そんなの……ん?どういう事だ?何も覚えていない……だと?……どういう事だ!」

 

〔それは君が命を落としたからだ……子供を救う為に……〕

 

「なっ!?俺が子供を救っただって?……ぐっ!?なんだ!急に頭が……グワァー!!」

男性は強烈な頭痛を感じると、そのまま膝をついて蹲った。

 

それから少しして……

 

「ハァハァハァ……そうだ……俺は事故に遭いそうになった子供を救おうとして……けど、なんで俺なんだ?」

男性はアカレンジャーに自分がここにいる理由を尋ねた。

 

〔それは君が……私……いや()()()()()()()()()()()()()()()()

アカレンジャーが、そういうと背後が光り出して男性が目を隠していると光がおさまったので見ると……

 

「一体何が……なっ!?……アカレンジャーの後ろにいるのは……スーパー戦隊達の赤き戦士達じゃねえか!」

アカレンジャーとは違う様々なモチーフのスーツを纏った赤い戦士達が立っていた。

 

そんな中から1人の戦士が男性の前に来たが、男性はその戦士の名前を知っていた。

 

「あんたは……海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイレッド、キャプテン・マーベラス」

 

「へぇ、そこまで知っているのか」

ゴーカイレッドが変身を解除すると1人の男性が立っていた。

 

「あぁ、これでも生前はあんたらの番組はそれなりに見てたからな……けど、俺があんた達と同じ思いを持っているって、どう言う事だ?」

 

「じゃあ聞くが……何であんたは子供を助けたりしたんだ?あんたとは何も関係ないだろ」

 

「確かに関係なかったな……けど、俺は小さい頃に家族を失ってな……その子の親に同じ思いをさせたくなかった……

まぁ綺麗事を言っても、俺のエゴにしか過ぎないけどな」

 

「良いじゃねぇか、それでも。あんたは自分がしたいからしただけ……俺と一緒じゃねぇか……自分がやりたいからやった」

 

「そう……なのか?……まさか、だから俺が……」

 

〔あぁ、自分の命をかけてまでやるべき事をする……それが我らスーパー戦隊の思いだ!〕

アカレンジャーが言うとアカレンジャーとマーベラス以外の戦士達の姿が消えた。

 

〔だからこそ、君に()()()()()()()()()()()()

 

「なっ!?これは、まさか……モバイレーツにレンジャーキー!!」

アカレンジャーが男性に手を翳すと1つの宝箱が現れたので中身を確認すると携帯電話の様な物とスーパー戦隊の戦士達の人形が入っていた。

 

「それに、これだけじゃ無いぜ……さぁ!来やがれ!!」

マーベラスがフィンガースナップをすると赤をメインカラーとした海賊船が空を飛んでいた。

 

「ゴーカイガレオンまで……けど本当に良いのか?アカレンジャー、キャプテン・マーべラス」

 

「あぁ()()()()()()()()()()()()

 

「ん?どういう事だ?……どうしたんだ?体が何か薄く……」

 

〔どうやら、そろそろ転生する時間の様だな……あとは新たな世界で君が生きたい様に生きるんだ……〕

アカレンジャーとマーベラスが手を振ると男性とゴーカイガレオンの姿が完全に消えた。

 

「さてと……これで俺の役目も終わりだな……」

 

〔あぁ、すまなかったなマーベラス……〕

 

「へっ、俺がやりたくてやった事だ気にするな…じゃあな」

 

〔あぁ……あの者は新たな世界において辛い思いをするかもしれない……だが彼ならば……〕

アカレンジャーが何かを決意するとマーベラスと共に姿を消した。

 

 




設定。
名前
海城 武昭(かいじょう たけあき)
身長178cm 体重69kg
瞳、髪 共に黒。

一夏、箒、鈴音とは幼馴染。
小さい頃に公園に捨てられていたのを麻耶が保護した。

小遣いなどを貯めたお金で株をして会社を設立した。
会社名はスペースラビット。
束からは身内扱いされておりタッくんと呼ばれている。

ここには武昭、一夏、箒が所属している。

この小説では束と箒の仲は良い。





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第1話 IS学園

日本のどこかにあるIS学園……

その校舎にある1年1組の教室では1人の男子生徒が机に突っ伏していた。

 

彼の名前は織斑 一夏(おりむら いちか)と言いこのIS学園に於いて2()()()()()()()()()()()()()1()()だった。

 

(なんで、俺がこんな所に居るんだ?……って言うか()()()()()()()()()()……アッ箒じゃないか)

一夏が教室内を見回すが誰かがいない事に気付いたが幼馴染だった女生徒がいた。

 

そうしてると……

 

「あのー……次は織斑君の番なので自己紹介してくれますか?」

緑色の髪に黄色いワンピースを着た眼鏡を掛けた女性が声をかけた。

 

「アッ、すみませんでした……俺の名前は織斑一夏って言います。

男性なのに何故かISを動かしたのでここに居ますが、どうかよろしくお願いします」

一夏が終えて座ると背後から声がした。

 

「ほう、お前にしては中々良い自己紹介だったな」

一夏が声の主を確認すると女性にしては背の高いスーツを着た人物が立っていた。

彼女は織斑千冬と言い一夏の姉だった。

 

「アッ、千冬姉、何でここに……痛っ!?

 

「学園では先生と呼ぶんだ」

一夏が理由を聞くが口調が違ったので出席簿で叩かれて頭を抑えてる中、千冬は教壇に立った。

 

「諸君、私が担任の織斑千冬だ。

君達を1年で使いものになる為のIS操縦者に育て上げるのが仕事だ。

私の言う事はちゃんと聞き、ちゃんと理解しろ。

出来ない者には出来るまで教える。

たった1年だが鍛え抜いてやる。」

千冬の話が終わると生徒達が歓声をあげたので千冬は、どこかうんざりした表情を浮かべた。

 

「はぁ……毎年毎年、私のクラスにはこの様な者達しかいないのか……」

 

「あの〜織斑先生〜 私の隣の席が空いてるんですけど〜」

制服の袖をダボダボにした生徒が千冬に気になっていた事を尋ねた。

 

「あぁ、そこの席の生徒は……「すみません!遅れました!!」はぁ、何故遅れたんだ?」

千冬が答えようとした時に1人の生徒が慌てて入ってきたので理由を尋ねた。

 

「俺だって遅れたく無かったですよ、けどね……あの駄兎が仕事を俺に回すからこんな時間になったんですよ!文句なら向こうに言ってください!!

 

「そうか、分かった、今日は構わないだろう……そうだ、ちょうど良いからお前も自己紹介をしろ、()()()()()()()()()()()()()()()

千冬は悪戯っ子の様な笑顔を向けて遅れてきた生徒に言った。

 

「はい、分かりました……えーっと、俺の名前は海城武昭って言います。

織斑一夏の次に見つかった2()()()()()()()()()です。

一応、一夏、千冬「ここでは先生だ」織斑先生とは一夏が幼馴染なんで、その関係からで……。

まぁ、よろしくお願いします」

武昭が自己紹介をするとクラス内の生徒達が歓声を上げていたが武昭は構わないで空いていた席に座った。

 

「私の名前は布仏本音って言うんだよ〜 よろしくねぇ〜」

 

「俺の名前はってもう知ってるか、皆からは名前で呼ばれる事が多いからそっちで呼んでくれるかな?」

 

「分かったよ〜 好じゃあ私の事も名前で良いからぁ〜」

2人は自己紹介を終えた。

 

その後、最初の授業が始まった。

 




この小説では一夏は朴念仁ではありません。

武昭のお陰で、ちゃんと女性に興味があります。


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第2話 英国

最初の授業が終わり休憩時間に入ると武昭の席に一夏と箒が来た。

 

「よっ、武昭。今朝は来るのが遅かったな」

 

「当たり前だ、本当なら間に合う筈だったのに()()()()であぁなったんだよ」

 

「その……なんだ……代わりに私が謝らせてもらう」

 

「いや、箒に謝られる筋合いは無いよ、それよりも兎さんに【仕事しないと嫌いになります】とでも連絡しておいてくれ」

 

「確かに、あの人にはそっちの方が効くな「ちょっとよろしいかしら?」ん?」

3人が話してると金髪にロールが掛かった女生徒が話しかけてきた。

 

「まぁ!なんですの、その態度は!?わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度という物があるのでは?」

 

「そうだ、言い忘れてたが俺はアンタみたいな女尊男卑に染まった奴は苦手なんだ」

 

「なんですの!?その態度は!!」キーンコーンカーンコーン

 

「ほら、チャイムが鳴ったから席に戻った方が良いぞ一、一夏達もな」

 

「あぁ、そうだな」

 

「くっ!後でまた来ますから覚悟しておきなさい!!」

武昭が言うと一夏達は自分の席に戻った。

 

その後、授業が始まり副担任の山田麻耶が進めていたが、ふと何かを思い出した様に教室の後ろにいた千冬が教壇に立った。

 

「あぁクラス代表を決めるのを忘れていたな」

 

「先生、クラス代表とは何ですか?」

 

「その名前が表す通りにクラスの代表だ。クラス対抗戦などに参加したり、委員会や会議などに出席をしてもらう……

言わば普通の学校で言う所の学級委員長の様な物だ、だが一度決めたら1年間は変更出来ないから、ちゃんと考えてもらう。

自薦他薦は問わないから意見がある者は挙手しろ」

 

「はーい!私は織斑君を推薦します!!」

 

「私は海城君が良いと思います!!」

 

「なっ!?俺はそんなのやらないぞ!?」

 

「織斑、推薦されたからは拒否出来ないぞ」

 

「織斑先生、俺はクラス代表になると仕事が遅れるから受けたく無いんですけど……」

 

「そうか……では副代表も任命しよう、もし海城がなった時には代わりにという事で」

 

「それなら構いませんけど「お待ちください!何故、この私が推薦されないのですか!?」はぁ、何か面倒臭そうだな

2人が話してると先程声を掛けた金髪女生徒が立ち上がった。

 

「その様な選出は認めらませんわ!実力からしてこのセシリア・オルコットが選ばれるのが当然です!

大体、物珍しいというだけで極東の猿にされては困ります!!

わたくしがこの様な島国まで来たのはISの技術を習う為であってサーカスを行う為ではありませんわ!

それにクラス代表といえば実力トップの者が行う者で、それはイギリス代表候補生のわたくしです!

大体、文化としても後進的な国で暮らす事でさえ、このわたくしには耐え難い屈辱で……」

 

「そこまで言うなら日本に来なきゃいいだろう……」 

 

「おぉ一夏、俺もその意見に賛成だ」

セシリアが自身の演説に酔ってる中、一夏と武昭が口を開いた。

 

 「何ですって?……今、何とおっしゃってるか分からなかったのですが……」 

セシリアは怒りから顔を赤くして体を震わせていた。

 

「もう一度言ってやるよ、そこまで日本に来るなよ」

 

「あぁ、別にこっちとしては日本に来て欲しいって頼んだ訳じゃないからな」

 

「なっ!?何故、わたくしがそこまで言われなくてはならないのですか!!」

 

「だって、この国で暮らす事が屈辱なんだろ?」

 

「それに日本は文化的に後進的な国だから無理して住む事も無いし、それにアンタに聞きたいがISを作ったのはどこの国の誰か知ってるよな?」

 

「そんなのは当然ですわ、篠ノ之束博士に決まってじゃありませんか日本に住われている……ッ!

 

「分かったみたいだな……それにISの世界大会とも言えるモンドグロッソの初代優勝者はそこにいる織斑先生だよな?」

武昭が千冬を指さすとセシリアの顔が段々青くなっていった。

 

「それに、周りを見回して見ろよ、アンタがどう見られてるか」

セシリアが言われた通りに他の生徒を見ると睨まれているのが分かった。

 

「あとは、アンタはイギリス代表候補生だって言ったよな?それはイギリス全体の意見って事で良いんだな?」

 

「なっ!?何故、その様になるのですか!!」

 

「当たり前だろ、それともイギリスじゃ日本をバカにすると代表候補生になれるのか?」

 

「おい、そこまでにしておけ、これでは決まりそうに無いからお前達3人で模擬戦をしてクラス代表を決めてもらう、それで良いな?」

 

「はい、俺は構いませんよ」

 

「あぁ、俺も武昭と同じだ」

 

「分かりましたわ、完膚無きまでに貴方達を叩き潰してあげますわ!」

 

「よし、ならば授業を再開する。山田先生、お願いします」

千冬に言われて授業を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 



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第3話 届け物。

授業を終えた後、千冬が教壇に立った。

 

「それで先程のクラス代表の件だが、推薦された織斑、海城、それとオルコットを自薦したと見て、この3人で模擬戦を行って決定する事とする。お前らもそれで構わないな?」

 

「はい、俺は構いません」

 

「一夏と同じ意見です」

 

「わたくしもそれで構いません!」

 

「そうか、では今から1週間後にアリーナを使用する事とする!」

千冬は、そう言うと麻耶と一緒に教室を出た。

 

お昼になって、一夏、箒、武昭は食堂で昼食を食べていた。

3人が食事をしてると箒が話しかけた。

 

「そう言えば、模擬戦をすると言われたが2人はどうなんだ?」

 

「まぁ、それなりに体を鍛えてはいたかな?」

 

「あぁ()()()()()()()()()()()()()()()って言われてたからな」

 

「師匠から……あぁ、()()()か」

3人が食事をしながら話してると1人の生徒が近くに来た。

 

「ねぇ君達でしょ?噂の男性操縦者って」

 

「はい、そうですけど……そのリボンの色からすると先輩ですか?」

 

「えぇ、そうですけど……何か用ですか?」

武昭が言うと先輩は理由を話し出した。

 

「1週間後に代表候補生の子と模擬戦をするって聞いたから私が教えてあげようと思ったんだけど……どうかな?」

 

「すみません、先輩の提案は嬉しいんですけど今の自分でどれだけ出来るか確かめたいので、断らせてもらいます」

 

「そう、そう言うことなら分かったわ、なら何か聞きたい事があったら教えてあげるから」

先輩が、その場を離れると箒が声をかけてきた。

 

「なぁ、なんであの様に断ったのだ?」

 

「無理して敵を作る事も無いだろ?それに多分、あの先輩は俺達と何らかの繋がりを持ちたいみたいだったからな」

 

「やっぱり、俺達が男性操縦者だからだろうな」

 

「一夏の言う通りだな、だが、これからどうするんだ?機体を使用して訓練しようにも、この時期は貸出が一杯の筈だが……」

 

「仕方ないな……千冬さんに言って()()()()()()()()()()()

武昭が言った場所に2人は心当たりがあった。

 

「あそこか……まぁ、あそこならば鍛える事には事欠かないか」

 

「箒も来るなら、なつめさんに知らせておくぞ?」

 

「そうか、では私も行かせてもらうとしよう、なつめさんには私から連絡をしておく」

 

「分かったよ、じゃあ俺は放課後にでも職員室に行って許可を貰ってくるよ」

武昭は話を終えると昼食を再開した。


放課後になって武昭は職員室の千冬の所に来ていた。

 

「と言う訳で外出許可を欲しいんですけど」

 

「なるほど……だが直ぐに外出許可を出す事は難しいな」

 

「それって、俺と一夏だけですか?」

 

「あぁ、世界で2人だけの男性操縦者ともなるとな……」

武昭は千冬の言葉を聞いて状況を理解した。

 

「分かりました……けど()()()()()()()()()()()()

 

「そうだな、少し時間が掛かるがな……そう言えばお前に()()を渡しておこう」

 

「コレって……どこの鍵ですか?」

武昭は千冬から渡された物を見て頭を捻った。

 

「本来なら海城と織斑は家から通う予定だったが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「そう言う事情でしたか……じゃあ俺と一夏は寮に住む事になったんですね」

 

「そうだが……ちょっと困った事があってな……()()()()()()()()()()

千冬からある事を聞いた武昭が一瞬何を言ってるんだ?という表情を見せたので千冬が説明した。

 

「あぁ……お前が変に思うのも分かるが寮部屋の調整上少しの間だけ、そうなったんだ」

 

「少しの間って事は……ずっとって訳じゃないんですね?」

 

「そうだな、大体1ヶ月といった所だ、だからそれで納得してくれ」

 

「分かりました、迷惑をかけたのは俺達の方ですから気にしないでください」

 

「すまないな、おっと、もうこんな時間か、今日はもう帰ると良いだろう。

それと私は学生寮の寮長もしてるから何か困った事があるなら寮長室に来ると良い。」

 

「はい、それでは失礼します……あ、そう言えば荷物が無いんですけど……」

 

「その事なら、こちらから連絡をしたら()()()()が荷物を持って来てくれるそうだ」

 

「笑里さんが?あぁ、そう言えば()()()()が日本に来てるって聞いたな」

2人が話してると千冬が電話が鳴ったので出るとゲートの警備員からだった。

 

「海城、今荷物が着いたと連絡が来たから、私と一緒に行くぞ」

武昭は千冬と一緒にゲートに向かった。


2人がゲートに到着すると1組のカップルが立っており武昭と千冬が来た事に気づくと手を上げた。

 

「幸人さん、笑里さん、お久し振りです、すみません急に用事を頼んたりして」

 

「うん、久し振りだね武昭くん」

 

「そうだな。それと気にするな俺も武昭に会いたかったからな」

1人はメガネをかけた女性で名前を三条 笑里(さんじょう えみり)もう1人は黒いスーツを着た男性で名前を三条 幸人(さんじょう ゆきと)と言った。

 

「それで荷物だけど会社の武昭くんの部屋に合った奴を持ってきたから、必要な物が足りなかったら連絡してね」

 

「そうですか、分かりました、それじゃよいしょっと」

 

「では、これから海城の部屋に案内「ちょっと待った」三条さん?」

武昭が荷物を持って千冬の案内で寮に行こうとした時、幸人が千冬の肩を掴んで引き止めた。

 

「うん……背骨がかなり歪んでて肩もかなり凝っているみたいだな、こっちの車で来て良かった」

 

「はいはい千冬ちゃん、こっちに来てね」

 

「幸人さん、笑里さん、俺の方の準備は出来ましたよ」

千冬が幸人に引き摺られている中、笑里と武昭は車の後ろのスペースにマットなどを敷いていた。

 

「ゆ、幸人さん?一体、何を……まさか……あのっ!私はまだこれから仕事が!」

 

「ほんの10分程度だから安心しろ」

千冬は自分が何をされるか理解すると震えていたが幸人は構わずマットに横たわらせると上着を脱いで袖を捲った。

 

それから少しして幸人が千冬の体の整体を始めたが……

 

ガリッ!ゴリッ!ボキッ!バキバキ!

 

「アッ!幸人さん!そこは、ガッ!?」

千冬の体から凄い音が聞こえると同時に軽く悲鳴を上げていたが武昭と笑里は普通に話していた。

 

その後……

 

「仕事が忙しいのは分かるが、あまり体に負担を掛ける様な事はするな」

 

「はい、分かりました……ありがとうございます幸人さん」

 

「それじゃ私達は、これで帰るから、じゃあね」

幸人と笑里は武昭と千冬に少し話しかけるとその場から離れた。

 

「ふぅ……相変わらず幸人さんは人の話を聞かないですね」

 

「そうだな、だが体が楽になったな、なら寮に案内しよう」

千冬は腕を回しながら武昭を寮に案内した。

 

 

 

 




出演したレジェンド&作品。

三条 幸人(さんじょう ゆきと)
爆竜戦隊アバレンジャー。アバレブルー。

三条 笑里(さんじょう えみり)
爆竜戦隊アバレンジャー。

スペースラビットでは専任整体師として所属している。
世界中に顧客がいる為2人で世界を回っている。





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第4話 寮部屋。

千冬の案内で寮に到着した武昭は番号が書かれた鍵を渡した。

 

「これが海城の部屋の鍵だ」

 

「分かりました、そう言えば部屋の子は俺が行く事は知ってるんですか?それと一夏は……」

 

「同部屋の者には説明している、それと織斑の場合は篠ノ之が同部屋だ」

 

「そうですか……何となく厄介者を一纏めに感じがあるんですけど……」

 

「まぁ……事実だとしてもそんな裏を言うな……」

そう言った千冬は遠い目をしていた。

 

「分かりました、荷物を持ってくれてありがとうございます」

 

「気にするな、私は職員室に戻るが門限は午後8時までとなっているから注意する様に、それと私は学生寮の寮長もしているから何かあるなら、いつでも来ると良い」

千冬は武昭に言うとその場から離れた。


寮に入った武昭は自分の部屋を見つけると床に荷物を置いてドアをノックした。

 

コンコン「すみません、今日からここでお世話になる海城武昭ですけど……」

 

「はーい、ちょっと待ってて〜」ガチャ

中から住人の声がしてドアが開くと狐の着ぐるみを着た女子が出てきた。

 

「あぁ〜 いらっしゃ〜い 話は聞いてるから入って良いよぉ〜」

 

「ありがとう、まさか本音さんが同部屋だったなんて思わなかったよ」

武昭は荷物を持つと部屋に入った。

 

「それで本音さんは……こっちのヌイグルミがあるベッドを使ってるの?」

 

「そうだよぉ〜 そっちの空いてるベッドを使って良いからぁ〜」

 

「うん、分かったよ……ん?()()は……()()()()だな入れたのは」

武昭が段ボールから荷物を出してるとスケボーとハーモニカが入っていた。

 

「あれ〜?あきっちってスケボーとかやるのぉ〜?」

 

「あぁ、知り合いから習ってな。それにしてもここの何処でやれば良いんだ?」

 

「う〜ん……体育館とかぁ〜?」

 

「まぁ、今度織斑先生にでも聞いてみるか……それにコイツも吹けるかどうかも……」

 

「ねぇ、あきっち ハーモニカで何か聞かせて〜?」

 

「隣の部屋とかに迷惑になるかもしれないから少しだけで良いなら……」♪〜

武昭はハーモニカを手にすると軽く曲を奏で始めた。

 

「うわぁ〜……初めて聞く曲だけど何か凄く落ち着くなぁ〜……」

曲を聞いた本音は柔らかい笑顔を浮かべていた。

 

そんな中……

クキュ〜……

 

「ん?今の音って……もしかして本音さん?」

 

「う、うん……私だよぉ〜(恥ずかしい〜)」

何かの音がしたので発生源を探してると本音が赤い顔を袖で隠して答えた。

 

「そっか……そう言えば食堂ってまだ開いてたっけ?」

 

「えっと〜もう閉まってるよぉ〜」

本音が時計を見ると学食の終了時間になっていた。

 

「材料があれば何か作れるんだけど、今日は……ん?コレって……」

武昭が段ボールの中を見ると何か入った袋があったので確認すると幾つかのアンパンとお菓子が入っていた。

 

「本音さん、コレで良かったら食べる?」

 

「ふぇ?けど、それってあきっちのじゃ……」

 

「俺なら大丈夫だよ。それにコレを俺にくれた人なら同じ事をするからさ」

 

「そうなんだ……じゃあ頂くね……ん!?美味しい!!こんなアンパン初めて食べたよ!!」

武昭から貰ったアンパンを食べた本音はその美味しさから凄く喜んだ。

 

「そっか、じゃあ俺も食べるか……うん、やっぱり青海(おうみ)さんの作ったアンパンは美味しいな」

 

「ねぇ、あきっち……もう一個……貰って良い?」

 

「あぁ、構わないよ、ホラ」

本音は武昭から貰ったアンパンを食べ終えたのでもう一つ催促すると武昭は笑顔で渡した。

 

その後……

 

「うーん……とても美味しかったよ、ありがとう、あきっち」

 

「別にお礼を言われる様な事はしてないよ、困ってる人がいたら自分が出来る事をする、ただそれだけだよ」

 

「そうなんだ……ねぇあきっちに頼みたい事があるんだけど……」

武昭の言葉を聞いた本音は何かを考えるとある事を言った。



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第5話 青き戦士……

ちなみに前回の話の感想でありましたが……

荷物内にあったアンパンは電磁戦隊デンジマンのデンジブルー、青海大五郎が作った物で
ハーモニカは爆竜戦隊アバレンジャーのアバレブラック、アスカが持っていた物を模して作った物です。
スケボーの持ち主は今回出演します。


武昭の学生寮の部屋が決まった次の日の朝……

 

「本音、ここに俺に会わせたい人が居るのか?」

 

「うん、多分今朝もいる筈だよ……やっぱり……」

武昭は本音の案内でどこかに連れてこられており到着したのは幾つかある整備室の1つで扉を開くと内巻きのミディアムヘアに赤い瞳で眼鏡を掛けた女生徒が作業をしていた。

(ちなみに寝る前に武昭は本音から“さん付け“しなくていいよと言われた)

 

「かんちゃん、また徹夜したの?」

 

「!?……なんだ、本音か……貴方は?……」

女生徒は何らかの作業に熱中していたが本音に声をかけられてビクッとしてコッチを向くと本音の後ろに武昭がいた事に気づいた。

 

「あぁ、初めまして。本音の同居人で2人目の男性操縦者の海城武昭って言うんだよろしく」

 

「そう……私の名前は更識 簪(さらしき かんざし)って言います……名字で呼ばれるのは苦手だから名前で呼んで……」

 

「そうか、じゃあ俺も武昭で良いよ……それで簪は何をしてたんだ?って……まさかISを作ってたのか?」

武昭と簪は自己紹介をして簪が何をしてるか気になった武昭が周りを見ると途中まで組み立てられたISの機体があった。

 

「なんで簪はISを作ってたんだ?しかも……見ると1人でやってるみたいだけど……」

 

「貴方には関係ない……私は早くコレを完成させないとダメなの……()()()()()()()()()()()()……だから、もう出て行って……」

武昭が理由を尋ねるが簪は話さないで武昭と本音を整備室の外に押し出すと扉に鍵を掛けて作業を再開した。

 

外に出た武昭は本音に事情を尋ねた。

 

「本音、なんで簪は1人でISを作ろうとしてるんだ?」

 

「うん……あのね、かんちゃんは日本の代表候補生なんだけどね……専用機が無いの……」

本音は事情を話した。

・元々は専用機の開発は行われていた。

・だが、開発していた企業が男性操縦者が見つかったとの事で、そっちに人員等を回す事にした。

・その為、簪の機体の開発が凍結された。

・その結果、簪自身が機体を引き取って自分で開発する事にした。

……との事だった。

 

「なるほど……そんな事があったのか……けど俺の機体は()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え?あきっちって、もしかして……専用機を持ってるの?」

 

「ん?あぁ()()()が俺の専用機の待機形態だ」

武昭はポケットから装飾がされてるゴツい携帯電話を出すと本音に見せた。

 

「ふぇ?私、携帯電話が待機形態の機体なんて初めて見たんだけど……」

 

「まぁうちの会社で開発した特別製だから、ん?チャイムが鳴ったか……本音、とりあえずは教室に行くぞ」

 

「うん、分かったよ……」

2人が話してるとチャイムが鳴ったので一先ず教室に向かった。

 

一方……

 

「ん?コイツは……」

武昭が所属する会社【スペースラビット】にある開発室の1つである事が起きていた。

その開発室にある棚には沢山の色で様々な姿をしている何者かを模した人形が沢山あり、その中の1つで青いスーツを纏った者の人形が光り輝いていた。

 

「丈さん、コレを見てください」

 

「ん?コレって、どうやら()()()()()()()()()()()()()()()()リュウジ」

それを見た2人の男性が話していた。

 

1人は大原 丈(おおはら じょう)と言い白衣を着ており、もう1人は岩崎(いわさき) リュウジと言い青いスーツを着ていた。

 

「コレで後は()()()()()()()そして……」

 

「まだ見つかっていない()()()()の戦士の力を受け継ぐ者ですね」

2人が光り輝く青い戦士の横を見ると1つ分のスペースが空いておりグリーンとピンクの人形が置かれており、その横も1つ分空いていた。

 

「けど、必ず見つかる筈だ、他の皆が見つけてきてくれるんだからな」

 

「そうですね、丈さん」

2人は話を終えると何らかの作業を再開した。

 




出演したレジェンド&出演作品。

大原 丈(おおはら じょう)
超獣戦隊ライブマン イエローライオン。
スペースラビット開発室に所属している。
武昭の荷物にスケボーを入れた人物。
仕事の合間に武昭にスケボーを教えた。

岩崎(いわさき) リュウジ
特命戦隊ゴーバスターズ ブルーバスター。
スペースラビット開発室に所属しており、丈の部下。
武昭の家庭教師の様な物をしていた。



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第6話 クラス代表決定戦。武昭vsセシリア。

クラス代表決定戦を行うと決めて日にちが経って、当日のアリーナのピットで……

 

「織斑先生ー 一夏の機体はまだこないんですか?」

 

「あぁ、搬入が遅れてるみたいだな」

武昭の疑問に千冬が答えた。

 

決定戦を行う前に戦う順番を決めると……

1回戦目 織斑一夏vsセシリア・オルコット。

2回戦目 海城武昭vsセシリア・オルコット。

3回戦目 海城武昭vs織斑一夏。

と決まったが一夏の機体の到着が遅れていた。

 

「全く……企業として最低だな、約束の期日まで来ないなんて……」

 

「先生、このまま一夏の機体が遅れるなら、俺が先に出ましょうか?」

 

「織斑君!たった今機体が搬入されました!!」

武昭が千冬に提案をした時に麻耶が慌てて入ってきた。

 

その後、皆が機体の搬入場所に来ると白を主体とした機体が置かれていた。

 

「これが織斑君の専用機になる【白式(びゃくしき)】です!!」

 

「これが俺の専用機……」

 

「ん?けど今来たって事は……初期化(フィッティング)最適化(パーソナライズ)第一移行(ファーストシフト)が終わって無いんじゃ?……仕方ないか……織斑先生、今から調整してどれくらい掛かりますか?」

 

「うむ……最低限で30分と言った所だな……悪いが」

 

「分かりましたよ俺が先に出ます。その代わり()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あぁ、仕方ない」

武昭は千冬から許可を取るとアリーナに向かった。


アリーナではセシリアが自身の専用機【ブルー・ティアーズ】を展開して待機していたが……

そんな中武昭がグラウンドにある入り口から入場してきた事に気付いた。

 

「なっ!?何故、貴方がここに来たんですの!?」

 

「あぁ、ちょっとした事情があって一夏の前に俺との試合が先になったんだ」

 

「そうですの……それで貴方が()()()()姿()()()()()()()()は私に降参する為ですね」

セシリアが見た武昭の姿は制服姿だった。

 

「いや、俺は負けを認めないし……ここに来たのは、セシリア・オルコット!お前と戦う為だ!!」

武昭はポケットから以前本音に見せた携帯電話と赤い人形を取り出した。

 

「何ですか?そんな物で私と戦えると思ってるんですか?」

 

「あぁ、お前に見せてやるよ!俺が受け継いだ戦士達の力を!!」

武昭は人形に何かをすると鍵状に変化し、それを携帯電話にあった穴に差し回した時だった…

 

「ゴーカイチェンジ!」 ゴーカイジャー!

足元に錨の様なマークが発生し武昭の姿が人形と同じ姿に変化した。

 

「ゴーカイレッド!さぁ!派手に行くぜ!!」

 

「くっ!姿が変わった所で私が勝つ事には変わりません!!」

 

『それでは!海城武昭vsセシリア・オルコットの試合開始!!』

宣言が聞こえると2人の戦いが始まった。

 

地面にいた武昭は持っていた拳銃型の武器(ゴーカイガン)でセシリアに攻撃するが難なく避けられた。

 

「その程度の攻撃なんて、わたしには効きませんわ!!」

 

「そうみたいだな!だったらコッチはどうだ?」

武昭は短剣型の武器(ゴーカイサーベル)にあるワイヤーを伸ばすと振り回して攻撃した。

 

「キャッ!?私に攻撃を当てるなんて!それではこれならどうですか!!」

セシリアは変則的に移動するサーベルに当たるが上空まで上がると背中にあったスラスター状の武装(ブルーティアーズ)を作動した。

 

「お行きなさい!ブルーティアーズ!!」

 

「おっと!なかなか面白い武器だな!!」

 

「ふん、その様な口を聞くのもここまでですわ!!」

武昭は攻撃を避けていたがブルーティアーズに囲まれた。

 

「このまま負けを認めるのならこれ以上の攻撃は致しませんわ」

 

「へっ、俺は諦めたりしないし、お前にはまだ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

武昭はベルトから先程とは違う赤い人形を取り出した。

 

「何をしようが!貴方の負けですわ!!」

 

「ゴーカイチェンジ!」 ハリケンジャー!

武昭がゴーカイチェンジをしたと同時にブルーティアーズから攻撃が発射されて砂煙が巻き上がった。

 

「ふん、所詮は男性操縦者など、この程度……なっ!?」

砂煙が晴れるとそこには赤い服を着た藁人形が立っていた。

 

「一体、何が起きたと言うんですか!?それに彼は!!」

シャン

何処かから音がしたので見るとピットの入り口に傘を持った先程とは違う姿の赤い戦士が立っていた。

 

風が鳴き、空が怒る。空忍ハリケンレッド!!

 

「いつの間に、そんな所に!ですが姿が変わろうとも!私の勝ちは決まってます!」

 

「そいつはどうかな!【超忍法!空駆け!!】」

セシリアが武昭に攻撃をするが武昭は空を掛けて避けた。

 

「そんな!ですが!その程度では!!」

 

「喰らえ!ジャイロ手裏剣!!」

武昭は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まさか!?そんな事が!!」

 

「さっきから何回も攻撃されてるとなお前の欠点にも気付くんだよ!まぁ、それを今は言うつもりは無いけどな!!」

武昭はブルーティアーズを破壊すると、そのままセシリアに向かったが、セシリアは軽く笑みを浮かべた。

 

「かかりましたわね!ブルーティアーズは全部で6()()ありましてよ!!」

腰部にあったミサイルが武昭に向かってきた。

 

「お前にも教えてやるよ!俺の力はこれだけじゃ無いってな!!」

武昭はベルトからまた新しい人形を取り出した。

 

「ゴーカイチェンジ!」  ジュウオウジャー!!

 

大空の王者!ジュウオウイーグル!!

 

「また!姿が変わったですって!?」

今度は武昭の姿が鷲を模した赤い戦士に変化したのを見たセシリアは驚いていた。

 

「ですが、そこから何が出来ると言うのですか!?」

 

「幾ら、お前が機体で空を飛べたとしても元々空を飛べる生物には敵わない! 野性解放(やせいかいほう)! 

武昭が叫ぶと背中から翼が出現し本当の鳥の様に飛んでミサイルを避けた。

 

「なっ!?こんな事が……」

 

「どうやら()()()が終わったみたいだから、コイツで終わらせる!!喰らえ!ゴーカイジュウオウシュート!!」

武昭は持っていた武器にある程度エネルギーを貯めるとそのまま発射してセシリアに攻撃をした。

 

「キャッ!?……そんなシールドエネルギーが……」

攻撃を受けたセシリアはシールドエネルギーが機体が起動出来る最低限しか残らなかったので負けが決定した。

 




使用したレンジャーキー

ゴーカイレッド。(海賊戦隊ゴーカイジャー)
ゴーカイサーベル
カットラス状の武装。
ゴーカイガン
マスケット状の武装。

ハリケンレッド。(忍風戦隊ハリケンジャー)
使用技。
変わり身の術
やられたと見せかけてスーツを着た藁人形を残す。
ジャイロ手裏剣
左腕にあるハリケンジャイロから発射する手裏剣。
超忍法 空駆け。
空中を最高時速200kmで掛けながら攻撃する。

ジュウオウイーグル(動物戦隊ジュウオウジャー)
使用技。
野性解放
翼が出現しそれを使って飛行したり大きく羽ばたかせて風で攻撃をする事も可能。
ジュウオウバスター
上部に赤と青のキューブが存在する武装。
ジュウオウシュート
自身のカラーのエネルギーを発射する攻撃。





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第7話 クラス代表決定戦。一夏vsセシリア。

武昭はセシリアとの戦いを終えると一夏がいるピットに戻ってきた。

 

「よっ、そっちの準備は終わったのか?」

 

「あぁ、武昭が戦ってる時にな、けどお前たちの映像は不公平だからって言って見れなかったけどな」

 

「そうか、なら織斑先生、俺もどこかにいた方が良いですか?」

武昭が近くに居た千冬に尋ねると少し考えて…。

 

「そうだな、山田先生、私は海城を待機場所に連れて行くので次の試合を任せても良いですか?」

 

「はい、分かりました」

千冬は麻耶に許可を取ると武昭と共にどこかに向かった。

 

到着した場所はアリーナの近くにある空き教室の一つで、そこにはひと組の机と椅子が置いてあった。

 

「それで織斑先生、俺はここで待ってれば良いんですか?」

 

「あぁ、試合が終わり次第私か誰かを迎えに来させよう」

千冬は武昭に言うと教室を出てアリーナに戻った。

 

「さてと、どれだけ掛かるか分からないから少しばかり寝てるか」

武昭は椅子に座ると、そのまま眠りについた。


一方、アリーナでは一夏とセシリアが開始の合図を待っていた。

 

「悪かったな、待たせて」

 

「いえ、私も先程先生に事情をお聞きしましたわ……ですが、それとこれとは関係はありません!」

 

「あぁ!アンタの言う通りだ!セシリア・オルコット!!」

2人が叫ぶと同時に開始の合図が鳴り響いた。

 

「お行きなさい!ブルーティアーズ!!」

 

「おっと!それ位の攻撃なら!問題は無い!!」

一夏は飛び回るビットを剣を振りながら避けていた。

 

「そうですか……では!これならどうですか!?」

 

「うおっ!?これからも攻撃が来るのか!けど……そうじゃないと面白くない!」

一夏は攻撃を避けながら以前に教わった事を思い出していた。


スペースラビットにある訓練所の一つで一夏は()()()と木刀を使って特訓をしていた。

 

「ホラホラホラ!敵に攻め込まれてるだけじゃ、勝てないぜ!!」

 

「くっ!そんな事、言われなくても!分かってますよ!!」

 

「そうやって攻めるのも良いけど!ハッ!」

一夏は木刀を飛ばされると同時に勢いでそのまま尻餅をつくと木刀の先を鼻先につけられた。

 

「さぁ、どうする?一夏君」

 

「俺の負けです、()()()()

一夏が負けを認めるとコウと呼ばれた男性は手を差し出して一夏を立たせた。

 

一夏と特訓をしていた男性はコウと呼ばれていて赤いジャケットを着ていた。

 

「大分、強くなってきたね……けど、どんな時でも油断したらダメだよ」

 

「はい、分かりましたコウさん」

 

「さてとお腹も空いたから何かご飯でも食べに行こうか?俺が奢るよ」

 

「ありがとうございます!コウさん!!」

 

「そうだ、一つ言っておくけど一夏君は相手を見た目で判断する事が多いけど相手がどんな事をするかは常に頭の中に考えてた方が良いよ」

コウは一夏に助言すると共に訓練所を出て行った。


「コウさんが教えてくれたのは基本的な事だった……けど、そんな基本的な事だからこそ!」

 

「まさか!?こんな短時間の間にブルーティアーズの攻撃に対応して来たと言うのですか!?」

 

「あぁ!そして、お前の攻撃を受けていて()()()が分かったよ!!」

一夏はブルーティアーズに囲まれていたが何かに気づいて、そのまま移動した。

 

「(やっぱり……コイツにはある欠点がある!……それは!!)」

 

「くっ!?ブルーティアーズを!!ですがまだ1つだけですわ!!」

 

「さっきも言ったろ?俺はある事に気づいたって!!」

一夏はブルーティアーズを破壊する為に()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「この武装は俺から距離を取ればそれだけ反応が遅くなるんだ!そして!!」

 

「ブルーティアーズを全て破壊したですって!?(ニヤ……)」

一夏はブルーティアーズを破壊するとセシリアに接近し、それを見たセシリアは驚いたが怪しげな笑みを浮かべた。

 

「これで終わりだ!!」

 

「掛かりましたわね!ブルーティアーズはまだありましてよ!!」

 

「なっ!?そんな武装が!!けど!最後まで諦めねぇ!!」

一夏はセシリアに接近戦に仕掛けたが腰部から発射されたミサイルを見て驚きながらも攻撃を喰らいながらセシリアに向かった。

 

「なっ!?あの攻撃の中を!?」

 

「これで!終わりだ!!」

 

S・E(シールド・エネルギー)emptyにより織斑一夏敗北です〕

一夏がセシリアに攻撃を加えようとした時に放送が流れた。

 

「「………はい??」」

その放送を聞いた一夏とセシリアは同じタイミングで何が起きたか分からなかった。

 

 

 

 

 

 




出演したレジェンド&作品。

コウ
騎士竜戦隊リュウソウジャー。リュウソウレッド。

スペースラビットでは戦闘教官を行なっている。

前回はセシリアが負けを認めて千冬達もそれを受けたので放送がありませんでした。


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第8話 クラス代表決定戦。武昭vs一夏。

セシリアとの戦いを終えた一夏は千冬から負けた理由を聞かされていた。

 

「なるほど……俺が攻撃を受けすぎたからだったのか……」

 

「その通りだ、これからはちゃんと自分の状態を考えながら行う事だ」

 

「それと、これが専用機の使用マニュアルになります」

2人が話してると麻耶が分厚い図鑑の様なマニュアルを一夏に渡し、それを見た一夏はゲンナリした。

 

「それではエネルギーの補給を終えた後に海城との戦いを行ってもらう山田先生、ここをお願いします」

 

「はい、分かりました」

千冬は麻耶に任せると武昭を呼びに向かった。


千冬が武昭を呼びに行ってアリーナに出ると補給を終えた一夏がいたので武昭は変身を終えて一夏の前に立った。

 

「さてと、これで終わりだな」

 

「あぁ、今回は失敗しないぜ!」

2人が話してると開始の合図が鳴り響いた。

 

「行くぞ!武昭!!」

 

「へっ!そう簡単に勝てると思うなよ!!」

ゴーカイチェンジ!!  ダイレンジャー!!

開始と同時に一夏は武昭に接近したが武昭は慌てる事無くゴーカイチェンジを行うと頭部に獅子の意匠がされた緑色の戦士に変化した。

 

天幻星(てんげんせい)!シシレンジャー!!」

 

「なっ!?変化しただとっ!?それが武昭の専用機の能力か!けど!姿が変わった所で、どうなるって言うんだよ!!」

 

「見せてやるよ!コイツの能力をな!天幻星・霧隠(てんげんせい・きりがく)!!」

一夏の攻撃が武昭に当たる寸前に一夏に武昭が両手を向けると霧が放出された。

 

「くそっ!こんな事で俺に勝てると思ってるのか!!」

 

「あぁ!見せてやるよ!幻・快速列車(まぼろし・かいそくれっしゃ)!!」プワァーン

 

「何っ!?なんで列車が!!グワッ!?」

一夏が霧中で戸惑っていると何処かから音が聞こえたと同時に列車が走ってきてそのまま激突した。

 

「どうだ一夏?列車との衝突なんて、そうそう味わえねぇぞ」

 

「あぁ、けど今の攻撃位で俺に勝てるかっ!!」

 

「だったら次はコイツだ!」

ゴーカイチェンジ! アバレンジャー!!

武昭がゴーカイチェンジをすると黒いスーツの所々に白い四角の意匠が着いていて頭部が何処か恐竜の様だった。

 

「無敵の竜人魂!アバレブラック!!」

 

「今度は油断しないぞ!!」

 

「喰らえ!ダイノスラスター!!ファイヤーインフェルノ!!」

 

「なっ!?炎が!!熱っ!!」

 

「幾らSEがあっても熱を防ぐのは無理だろ!!これで終わりにしてやる!!クレセントムーン!!」

武昭がダイノスラスターに力を込めて月を描く様な動作を行って振るうと半月状の斬撃が放たれ炎を食らって戸惑っていた一夏は、そのままSEが無くなり敗北した。

 

「くそっ!まさか2連敗するなんて思わなかったぜ!!」

負けた一夏はアリーナの地面に降りるて悔しがっていた。

 

「一夏、この事は()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「えっ!?それって!!」

一夏は武昭に言われた事に心当たりがあったみたいで震えていた。




使用したレンジャーキー。

天幻星・シシレンジャー。(五星戦隊ダイレンジャー)
使用技。
天幻星・霧隠れ。
霧を発生させて姿を隠してあらゆる幻影を作り攻撃する。
幻・快速列車。
霧の中から列車の車両が出てきて攻撃する。

アバレブラック。(爆竜戦隊アバレンジャー)
使用武器・使用技。
ダイノスラスター。
フェンシングの長剣の様な形状をしていて柄の所にダイヤルがあり、それを設定するとそのダイヤルに適した技が発生する。

ファイヤーインフェルノ。
ダイヤルをファイヤーに合わせると発動する。
地面に突き立てて炎を発生させる事も出来る。

クレセントムーン。
ダイノスラスターに力を込めて月を描く様に振るうと斬撃が放たれる。





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第9話 決定戦後。

代表決定戦が終わった後、武昭はある生徒の寮の部屋の前に来ていた。

 

「すみませんが海城ですけど、今、大丈夫ですか?」

 

「(少々、お待ちください)お待たせしました私に何か用ですか?」

武昭がドアをノックすると出てきたのはセシリアだった。

 

「あぁ、少しオルコットさんに()()()()()()があってさ」

 

「提案したい事……ですか?」

 

「そうだ、決定戦は俺がオルコットさんと「セシリアでよろしいですわ」そう?じゃあセシリアって呼ばせてもらうけど……

結果としては俺が2勝したんだ」

 

「!……えぇ、先程織斑先生から聞かされました、それで私に何を提案するんですの?」

 

「いやー 俺が2勝したのは良いんだけど……このままならクラス代表になりそうだから、セシリアさんに代表を譲ろうと思ったんだ」

武昭の言葉を聞いたセシリアは軽く怒っていた。

 

「私にその様な事を提案して馬鹿にするつもりですか?」

 

「違うよ馬鹿にするんじゃなくて、俺は単純にやりたく無いんだよ」

武昭は頭を掻きながら機嫌が悪くなっていた。

 

「大体、俺は今は所属する企業でそれなりに忙しいんで代表をやってる暇が無いんだよ!」

 

「そう言えば、初日に海城さんは遅刻をしてましたね」

 

「あぁ、上司の仕事を押し付けられて遅刻したんだよ、だから代わりにセシリアに頼みたいんだ」

 

「その様な事情がおありでしたか……ですが海城さんは「俺も武昭で良いよ一夏達からも、そう呼ばれてるからな」分かりましたわ

でも私は武昭さんに一度負けておりますから、そんな私がクラス代表をする訳には……」

 

「だったら……()()()()()()1()()()()()()()()()()

武昭はセシリアに悪戯っ子の様な笑顔を見せた。

 

「残った1人とは……そうですね……私は異論はありませんわ」

 

「そうか、なら、一緒に織斑先生にそう言いに行くぞ……そうだセシリア、明日にでもクラスメイト達に謝罪しとけよ、日本をバカにした事を」

 

「えぇ、分かりましたわ、ありがとうございます武昭さん」

セシリアは武昭にお礼を言いながら共に職員室に向かった。


セシリアと武昭は職員室の千冬の所に来た。

 

「織斑先生、今、大丈夫ですか?」

 

「あぁ、大丈夫だが、どうしたんだ?」

 

「実はクラス代表の件なんですけど、俺とセシリアは辞退して一夏に任せたいんですけど」

 

「ふむ……海城は良いとしてオルコットはそれで良いのか?」

 

「はい、私は武昭さんに負けましたので勝者の言葉に従います」

 

「そうか……ならクラス代表は織斑に副代表としてオルコットに任せる事にする」

 

「はい、分かりましたわ」

 

「では、もう戻って構わないぞ」

2人は千冬に頭を下げると職員室を出てそれぞれの部屋に戻った。

 

 

 




今回はちょっと短めです。


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第10話 報告。

武昭がセシリアと別れて寮の部屋に戻ると本音と簪がいた。

 

「ただいまー ん?簪が来てたのか?」

 

「お帰り、あきっち〜」

 

「おぉ、ただいま……「ね、ねぇ武昭に聞きたい事があるんだけど?」なんだ?」

武昭が椅子に座ろうとした時、簪から話しかけられた。

 

「武昭の試合を見たんだけど……()()って武昭の専用機なの?」

 

「あぁ、コイツが俺の専用機だ」

簪の質問の意図を理解した武昭は机にゴーカイセルラーとゴーカイレッドのレンジャーキーを置いた。

 

「あれ?あきっち、試合の時は他の物も無かったっけ〜?」

 

「あぁ、他のレンジャーキーは()()()()()()()()()

 

「ここには無いって事は……違う所にあるんだ……」

 

「まぁ、それは企業秘密って事で、それよりも簪、凄い興味あるみたいに見てるけど……」

 

「カンちゃんは、昔っから特撮ヒーローがすきなんだよぉ〜」

 

「ほ、本音!そんな事言わないで!!」

武昭が簪の視線に気付くと本音が理由を説明して、それを聞いた簪は赤い顔になって照れていた。

 

「へぇ、そうなんだ、じゃあ今度ウチの企業に見学しに来るか?」

 

「え?それは良いけど……私のコレを変だって思わないの?女の子なのにって……」

 

「別に簪が特撮が好きでも良いだろ……人の好みなんて、人それぞれあるんだから」

 

「そう……だよね……女の子でも特撮が好きで良いんだよね……」

 

「うん、カンちゃんあきっちの言う通りだよぉ〜」

武昭の言葉を聞いた簪は嬉し泣きをしたが、それを見た本音に優しく慰められた。

 

その日の夜……

 

「……と言う事なんで、2人程見学に連れて行きたいんですけど、大丈夫ですか?」

 

〔えぇ、こっちは別に構わないよ、武昭君の友達なんだから〕

 

「そうですか、ありがとうございます、()()()()

ベランダに出た武昭は自分が所属する企業の関係者である真咲 美希(まさき みき)と携帯で話していた。

 

〔それと、ちょうど良かったわ、武昭君に伝えておく事があるの〕

 

「俺に伝える事って何ですか?」

 

〔開発部の大原さんと岩崎君から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「!……青の戦士に……そうですか、コレで残りは緑色と桃色、そして銀色の戦士ですね……」

 

〔それと、もう一つ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「え?()()()が来るんですか?まーた煩くなりそうですね……」

武昭は美希から話を聞いて軽く頭を掻いた。

 

〔そんな風に言ってても本当は嬉しいんでしょ?武昭君は〕

 

「まぁ、俺以外に初めて戦士に選ばれた奴でしたからね……」

武昭はポケットからゴーカイレッドのレンジャーキーを取り出して月に翳した。

 

〔もう遅いから、これで話を終わらせましょ、それじゃあね武昭君、体に気をつけてね〕

 

「分かりました、美希さんもなつめさんによろしく言っておいてください」

 

〔えぇ、言っておくわ、おやすみなさい〕

武昭は美希が電話を切ったのを確認すると部屋に戻って眠りについた。

 




出演したレジェンド&出演作品。

真咲 美希(まさき みき)
獣拳戦隊ゲキレンジャー。
スペースラビット広報部門担当。

真咲(まさき) なつめ。
獣拳戦隊ゲキレンジャー。
スペースラビット事務担当。
美希の娘。
()()()()と一緒に獣拳を習っており武昭とその人物の姉弟子にあたる。




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第11話 見学。

代表決定戦が終わってから日にちが経って日曜日、武昭は簪と本音を連れてスペースラビットに来ていた。

 

「ここが武昭の機体を作った企業なんだ……」

 

「あぁ、2人を連れて来る事は通してるから行くぞ」

 

「ほら〜行くよ〜カンちゃん〜」

武昭が中に行くのを本音と簪が後をついていった。

 

武昭は中に入ると受付担当と話していた。

 

「なんだ、今日はクーさんが受付をしてたのか」

武昭が受付に行くと銀髪で眼をバイザーで覆っている女性と話していた。

 

「はい、本日は武昭様が来ると聞いていたので私が担当する事になったのです。それでそちらの方々が……」

 

「あぁ、紹介するよ、水色の髪の少女が学園でのルームメイトの更識簪で隣の彼女が簪の幼馴染の布仏本音って言うんだ」

 

「初めまして、日本の代表候補生をしてる更識簪と言います」

 

「私の名前は布仏本音です」

 

「そうですか、私の名前はクロエ・クロニクルと言います、通常時は総務に勤めてますが日によってこの様に受付をしてる事もあります」

3人は其々自己紹介をした。

 

クロエは簪と本音に見学許可証を渡した。

 

「そちらを所持していると大体の部署の見学が可能になりますが見学不許可の所もあるのでご注意ください」

 

「別に俺がいるから平気だけどな、じゃあ行く「ハッ!」おっと!」

武昭達が見学に行こうとした時、2階から武昭に向かって黒いローブを纏った何者かが攻撃をして来たので武昭はそのまま防いだ。

 

「ウリャウリャウリャウリャ!」

 

「ハイハイハイハイ!」

相手がパンチを連打して来るが武昭もパンチを連打して相殺していた。

 

「なっ!?クロエさん!不審者が武昭に!!」

 

「早く警備員を呼ばないと!!」

 

「いえ、問題はありませんよ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()ほら、終わりましたよ」

簪と本音が慌ててクロエに言うがクロエは普通にしており見ると床に倒された武昭の首に相手の手刀が当てられていた。

 

「くそー 今回こそは勝てると思ったんだけどなぁ……」

 

「そうは言うけど以前よりも腕は上がってるぞ、武昭」

相手は手刀を武昭に差し出すとそのまま立たせた。

 

「武昭!その人って不審者じゃ無いの!?」

 

「不審者じゃ無いよ簪、彼は俺に拳法を教えてくれた人で……」

 

「俺は激獣タイガー拳の使い手漢堂(かんどう)ジャンだ!よろしくな!!」

不審者が黒いローブを脱ぐと赤い上着に黒いカンフーズボンを着た男性が姿を見せた。

 

「まさかジャンさんが戻って来てるなんて聞いてませんでしたよ」

 

「あぁ!俺が帰って来たのは昨夜だったからな!!」

 

「それじゃ俺が知らない訳ですね」

 

「あら、来るのが遅いから様子を見に来たんだけどジャンがいたのね」

武昭とジャンが話してると美希が書類を持って歩いて来た。

 

「「あっ、美希!(さん)」」

 

「ほらジャン、武昭君は彼女達を案内するんだから、あなたは()()()()()()に行って来なさい!!」

 

「あぁ!分かったぞ美希!!じゃあな武昭!!」

ジャンが美希に言われてその場を離れたのを見て武昭は謝罪した。

 

「すみません美希さん」

 

「気にしなくて良いわよ、ジャンも武昭君にも会えて嬉しそうだったから、それと前に聞いてると思うけど開発室に行ってくれないかしら?()()()()()()()

 

「え?武昭……そんな私、違う企業で……」

 

「あぁ、別に関係ないぞ、俺が居れば大体の所は見学出来るし、それに……いや、詳しい話は着いてからだな、行くぞ2人とも」

武昭は簪と本音を連れて開発室に向かった。


武昭は2人を連れて開発室があるフロアに来ていた。

 

「ここが開発室があるエリアだ、すみませーん武昭ですけどー」

 

「ちょ、ちょっと!武昭!!」

武昭が普通に入った事に簪が驚いているがそのまま気にせず中に入ると数人の研究者達がいた。

 

「おっ、久し振りだな武昭」

 

「あぁ、そうだね」

 

「久し振りって言ってもほんの一月程じゃないですか」

武昭が入ると気付いた丈とリュウジが声を掛けて来て近くにいた簪と本音に視線を向けた。

 

「おっと、それで彼女達が美希から連絡のあった2人か、俺はここの開発部所属の結城丈って言うんだ、よろしく」

 

「俺は岩崎リュウジ、よろしく……ん?君の名前は何て言うのかな?」

丈とリュウジが2人に自己紹介をするとリュウジが簪に名前を聞いた。

 

「あっ、私の名前は更識簪って言います……」

 

「私は布仏本音です。カンちゃんの幼馴染です〜」

 

「そうか……更識さん、君にちょっと確認してほしい事があるんだけど、良いかな?」

 

「はい、私に出来る事なら、大丈夫です」

 

「そうか、じゃあコッチに来てくれ」

リュウジは2人の名前を聞くと簪にある事を頼んだ。

 

「丈さん……もしかしてですけど……簪が……」

 

「多分そうだろうな、リュウジは()()()()()()だからな」

 

「ねぇねぇ〜あきっち〜カンちゃんに何かあるのぉ〜?」

武昭と丈が話してると本音が話に入ってきた。

 

「あぁ、本音は俺の専用機を知ってるだろ?コイツはちょっと変わってるんだよ」

武昭は本音にゴーカイレッドのレンジャーキーを見せながら手の中で動かしていた。

 

 

 

 




出演したレジェンド&出演作品。

漢堂(かんどう)ジャン
獣拳戦隊ゲキレンジャー ゲキレッド。
スペースラビットに格闘部門に所属している。
武昭に激獣タイガー拳を教える。
世界中を回っている。


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第12話 受け継がれた物。

リュウジに連れられて来た簪は幾つかある開発室の1つに来ていた。

 

「あの……岩崎さん……それで私に何を確認してほしいんですか?……」

 

「あぁ、実は君に()()()を持って欲しくてね」

 

「コレって……武昭の持ってる物と同じ様に見えますけど……えっ!?」

 

「おっと危ない……やっぱり、彼女がそうだったんだな……さてと()は認めてくれるかな?」

リュウジが簪に武昭が持ってるゴーカイレッドと似た意匠の青いレンジャーキーを投げ渡したのを簪が受け取ると同時にレンジャーキーが光り輝いて気絶したがリュウジが倒れそうになった簪を支えると近くにあったベッドに寝かせて机の上にあったモバイレーツを手にした。

 

一方、簪は……

 

「うん……あれ?ここは……何処?それに岩崎さんがいない?……」

 

「なるほど、お前が()()()()()()()()()()()()()なんだな……」

簪が声のした方を見ると腰まで伸ばした長髪を後ろで束ねた青いコートを着た男性が立っていた。

 

「あの、あなたは誰なんですか?それにここは……」

 

「俺の名前はジョー・ギブケン……そして、ゴーカイチェンジ!ゴーカイジャー!

 

「えっ!?武昭と同じ?……いや色とか所々違う様な……」

 

「ここから出たいのなら俺と戦え……」

ジョーは2本持っていたゴーカイサーベルの1本を簪の足元に向かって投げた。

 

「なんで、そんな事をしないと……ッ!?」

簪が戸惑っているとジョーが向かって来たので慌てて足元のサーベルを手にして受け止めた。

 

「ほう、良い反射速度だな……だが、その程度か!!」

 

「クッ!そこまで言うなら……相手をさせてもらいます!!」

簪はジョーの攻撃を弾き返すとそのまま向かった。

 

その後……

 

「ハァハァハァ……」

 

「ここまで俺の攻撃を耐え凌ぐとは……だが、そろそろ終わりだな……」

簪はジョーの攻撃を時には防ぎ時には受け止め、色々と耐えてきたが疲労が溜まり息が上がっていた。

 

「教えてください……なんで……私にこんな事をするんですか?」

 

「理由か……俺も聞くがお前には何か夢はあるか?」

 

「夢……ですか?……あります……どうしても私がやらなきゃいけない事が……」

 

「そうか……俺にも夢があった……そして俺はそれを成し遂げる事が出来た……だからこそ」

ジョーはサーベルを地面に突き刺すとモバイレーツとブルーのレンジャーキーを簪に渡して手を差し出して立たせた。

 

「え?なんでですか?私は、まだジョーさんに勝ってません……」

 

「何を言っているんだ?俺は何も勝敗が決まったらとは言ってないぞ」

ジョーの言葉を聞いた簪は今までの状況を思い出すと照れて顔を赤くしていた。

 

「俺が見たかったのは自分の夢を諦めないかだったんだ……お前からは、その思いを感じたから俺の力を託す事にしたんだ」

 

「ジョーさん……けど……私がそれを受け継いでも……」

 

「大丈夫だ簪」

 

「え!?武昭!なんでここに!?」

簪が戸惑っていると声がしたので見ると武昭が来ている事に驚いた。

 

「俺もここで力を受け継いだんだよ()()()からな」

 

「あの人って……」

 

「ほら、それよりも元の世界に戻るぞ、ジョーさんそれじゃ」

 

「あぁ、じゃあな」

武昭が簪を連れて、その場から離れるとジョーの隣に赤いコートを着た男性が立っていた。

 

「なんだ、来ていたのか」

 

「あぁ、久し振りに武昭にも会いたかったからな……それで彼女はどうだったんだ?」

 

「感じたよ……心の中にある叶えたい夢をな……」

 

「そうか……」

2人は武昭と簪の向かった先を見ていた。


簪が目を覚ますとベッドの横に武昭と本音が立っていた。

 

「おっ、目を覚ましたか」

 

「カンちゃん、大丈夫〜?」

 

「うん、大丈夫だよ……ねぇ武昭、アレは[カチャ]夢じゃなかったんだ……」

簪がベッドから体を起こそうとした時に何かが当たったので確認するとモバイレーツとブルーのレンジャーキーだった。

 

「あれ〜、それってあきっちの物と似てるけど、どうしたの〜?」

 

「簡単だよ、それは君が()()に認められたからだ」

本音が事情を聞こうとした時リュージが部屋に入ってきた。

 

「リュージさん、もしかして、ああなる事を知ってたんですか?」

 

「うん、君なら()()()()を託す事が出来るって感じたからね」

 

「え?リュージさん達の力って、もしかして……」

 

「簪、その話は今はまだ出来ない、だから詳しい事は聞かないでくれ」

 

「武昭……うん、分かったよ」

 

「ねぇ〜2人だけで何の話をしてるのぉ〜?」

 

「それは秘密だよ本音」

 

「むぅ〜意地悪〜」

簪に秘密にされた本音は頬を膨らませて怒っていた。

 

その後、武昭達は学園に戻る為会社から出たが……

 

「まだ、あの子には僕の力を受け継がせるのは早いかな?」

何者かが会社の窓から武昭達を見ていたが、その手には武昭や簪が持っているのと似ている()()()()()()()()を手にしていた。

 

 

 



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第13話 中国から来た少女。

武昭達が会社から戻ってきた日の夜、武昭は学園の屋上で誰かと連絡をしていた。

 

「それでお前はいつこっちに来るんだ?」

 

〔2、3日後って所ね……全く内緒で行ってアンタ達を驚かせようと思ってたのに〕

 

「ハハハ、まぁ俺はある意味()()()()()()()()()から美希さんが教えるのも当然だろ?」

 

〔それも、そうね。そう言えば……新しく戦士の力を受け継いだ子が居るんですって?〕

 

「あぁ、学園にいたよ。しかもお前と同じ代表候補生だよ、日本のな」

 

〔ふーん、私と同じ代表候補生なんだ……けど戦士としての経験なら私の方があるわよ?〕

連絡していた相手の感じが変わった事に武昭に気付いていたが、そのままにしていた。

 

「そろそろ門限があるから俺は部屋に戻るよ」

 

〔そう、じゃあ私も……武昭……何でも1人で背負うとするんじゃないわよ〕

相手は武昭が何かを言う前に連絡を切った。

 

「分かってるよ…けどな、それが俺の選んだ生き方なんだよ……」

武昭は夜空を一瞥すると部屋に帰った。


それから数日後の朝……

 

「うっす、おはようさーん」

 

「あっ、おはよう海城君、ねぇ聞いた!?」

武昭が教室に入るとクラスメイトの1人が話しかけてきた。

 

「ん?聞いたって、何をだ?」

 

「新しい転校生が来たんだって」

 

「しかも中国の代表候補生なんだって」

 

「今ごろ来るなんて、私の存在を危ぶんで今更来たのでしょうか?」

 

「このクラスに入ってくる訳でもないのだろう?それほど騒ぐほどでもないと思うがな」

 

「あぁ、そう言えばコッチに来るって連絡があったっけ」

一夏、セシリア、箒が話してる中、何かを思い出した武昭が話に入ってきた。

 

「ん?武昭が知ってるって事は会社の関係者って事か?」

 

「そうよ、私が2組に転校してきたのよ」

一夏が武昭に聞いたのと同時に入口の方から声がしたので見ると茶髪で腰までのツインテールにしている少女が立っていた。

 

「なっ!?誰かと思ったら鈴じゃないか!!」

 

「えぇ、中国の代表候補生でスペースラビット中国支部所属凰 鈴音よ」

 

「えっ?鈴もそうだったのか?俺は聞いてなかったぞ?箒は知ってたか?」

 

「いや、私も初めて聞いたぞ。武昭、どういう事だ?」

鈴が自己紹介をしたので事情を武昭に聞こうと一夏、箒が視線を向けた時だった。

 

「それは昼休みにするよ。そろそろHRが始まるから席に座って鈴は教室に戻った方が良いぞ、うちの担任は織斑先生だから」

 

「そうなんだ、じゃあ昼休みに詳しい事は話すわね、それじゃあ。あっ千冬さんお久し振りです」

武昭に促されて皆がそれぞれ行動をした時に鈴は千冬と会ったので軽く挨拶をした。

 

「あぁ凰だったのか、まぁ今は許すがこれからは織斑先生と呼ぶんだ」

 

「はいすみませんでした、それじゃ失礼します」

鈴は千冬に頭を下げると自分のクラスに帰った。


その日の昼休み……

 

「さてと一夏、俺はちょっと寄る所があるから先に食堂に行っててくれ」

 

「あぁ、分かったよ、じゃあ行こうぜ箒」

武昭に言われた一夏は箒を連れて食堂に向かった。

 

一方、武昭は4組に来ていた。

 

「おっ、居たか。おーい簪ー」

 

「えっ?武昭?……どうしたの?4組まで来て」

 

「あぁ、ちょっと話しておかないといけない事があってな()()()()()で」

 

「そう……じゃあ行くね……」

武昭が簪にレッドのレンジャーキーを見せると自分のクラスに来た理由に納得して一緒に食堂に向かった。

 

武昭と簪が食堂に行くと一夏、箒、鈴、セシリアが同じテーブルに座っていた。

 

「おっ、悪いな鈴、来るのが遅れて」

 

「別に良いわよ、一夏から話は聞いてるから。それで武昭、彼女が……」

鈴は武昭の横にいた簪に視線を向けた。

 

「そうだぞ、彼女が日本の代表候補生で……」

 

「あ、あのっ、更識簪って言います。私の事は名前で呼んでください」

 

「そう、私は凰鈴音よ。中国の代表候補生をやってるわ、私の事も鈴で良いわよ」

 

「それで武昭、鈴はいつウチに所属したんだ?」

鈴と簪が自己紹介をし終えると一夏が武昭に気になっていた事を聞いた。

 

「武昭、私から言うから良いわ。スペースラビット中国支部所属の凰鈴音よ、所属したのはほんの数ヶ月前ね」

 

「確か一夏がISを動かせるって分かった時位だったな」

 

「なるほど、その時はこっちでもそれなりの騒ぎがあったからな」

鈴の事情を聞いて武昭が捕捉すると箒は納得した。

 

 

 

 

 



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