二乃推しの俺氏、風二乃の子供になってた件 (Miurand)
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プロローグ:なんか思ってたのと違う

推しの子という作品を読んで思いついたものです。二乃と風太郎がイチャイチャするところをオリ主が観察してほっこりするのが主な内容になります。

後々妹が生まれたり、親戚達が遊びに来たりとかそういった話もあるかもしれないです。

多分不定期亀更新です。

無双とか原作ヒロインを取るとかそういった要素は一切ないです。
ちなみに今回はプロローグですので、かなり短めです。



普通の男子学生であった私は、先日死んでしまった様です。

 

何があったのか…。思い出せねぇ…。

 

あっ、そういえば五等分の花嫁を読んでたんだっけ?そして風太郎のお相手が決まったんだけど……。

 

なんと四葉!!これは予想外ッ!!!俺は二乃推し、特に風太郎の二乃のカップリングが大好き過ぎてどうしようもないやつだった。

 

なので、二次創作ではよく二乃と風太郎がイチャイチャする系のものばかり読んでいた。

 

 

 

なのに!公式は四葉ッ!?四葉のことは嫌いではない。むしろ好きな方だ。

 

だけど違う。そうじゃない!?俺は風太郎は二乃を選ぶと信じてたんだぞ!?あんなに分かりやすくアタックしてた上に尽くしてる子のどこが気に入らないんだよぉおおおおお!!!

 

……とか叫んだのは覚えてる。もしかして、ショック死じゃないだろうな…?そんな情けない死に方いやだ…。

 

せめて最後に二乃と風太郎が実際にイチャイチャしているところが見たかったなぁ…。

 

『その願い叶えてやろう』

 

えっ?なに今の声?

 

『ちちんぷいぷい!』

 

えっ?なに?身体が急に落ちて……ギャアアア!?!?既に死んでるのに死にたくないッッ!?!?(矛盾)

 

助けて〜!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オギャー!!!!」

 

「元気な男の子が生まれましたよー!」

 

「大丈夫か?」

 

「う、うん…。やっと生まれたよ、私達の子供……」

 

………あっ、これはそういうことか!?

 

もしかして、俺が五等分の花嫁世界に転生して、オリ主として活躍して、風太郎と二乃をくっつけて見せろと!!そうおっしゃるんですな!!頑張ってやろうじゃねえかッ!!!!

 

ふぅぅうううっっ!!テンショ〜ン、フォルテッシモッッ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「頑張ったな……『二乃』」

 

「ありがと、『フー君』…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……あれれ〜?おかしいぞ〜?今、俺がよーく知っている名前が……。

 

 

「なあ二乃、名前のことなんだが…」

 

「分かってるわよフー君。前に相談して決めたでしょ?」

 

「ああ。上杉風太郎と」

 

「上杉二乃の息子は……」

 

 

 

「「上杉幸太…」」

 

 

 

………………俺、上杉幸太だってよ。

 

 

父親、上杉風太郎

母親、上杉二乃(恐らく、元中野二乃)

 

俺、長男の上杉幸太

 

……………………

 

いや、確かに二乃と風太郎のイチャイチャを見たいとは言ったよ?ええ言いましたとも!!

 

確かに見れるだろうね!?だって夫婦なんだもん!!

 

けどなんか違う。俺が想像してたのとなんか違う!俺は学生の頃特有のあの甘酸っぱさのあるイチャイチャが見たかったんだけど!?

 

「この子、フー君に似てて可愛いわ…!」

 

「そりゃどーも」

 

……俺はこれからどうなるんだろう…。

 




こんな駄文&不定期亀更新でよろしければよろしくお願いします。


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結婚して子供ができても油断できない二乃ママ

R18に引っかからないのかちょっと心配…。R15入れてるから問題はないと思うんだけど……。


生まれて間もない俺氏。前世は二乃推しの風二好きだったんだけど、まさかそのカップリングの子供に転生するとか予想外すぎるんだわ……。

 

前にイチャイチャを見れると言ったな?それが怪しくなってきた。いや、正確には最初から怪しい。何故なら、子供が産まれるとそちらの世話に力を注ぐことになり、次第にイチャイチャできなくなってしまうからだ。

 

あとは、あれだ……。

 

(今世の)実の父親と実の母親がイチャイチャしてるところを見せられてみ?君らはそれで尊いと言えるかい?

 

答えはNOだ。

 

「いや、お前も十分可愛いぞ…」

 

「やだ、こんな時にフー君ったら…♡」

 

「すまんな…。つい本音が出ちまった…」

 

「それじゃあ仕方ないわね♪」

 

うーん…。前言撤回!やっぱり最高!!推しの子に生まれてよかった!!

 

 

…………あれ?別の作品のタイトルにこんなのなかったっけ…?まあ、気のせいやろ(すっとぼけ)

 

 

……しばらくは入院生活だ。まあ誕生したての頃はそんなもんだろう。二乃が会える時間が少なくて寂しそうにしてたのが声だけでも分かる…。これから俺は推しに愛情を注がれるのか……。

 

なんて幸せなんだ…。この転生はマジで最高かもしれん……。イチャイチャも見たいけど、推し本人に愛情を注がれるとか最高じゃない?但し異性としては論外になってしまうけど……。

 

まあ入院生活は特に語ることがないので割愛しよう。そして俺氏が退院し、家族全員で過ごすことになるのだが…。

 

 

 

 

「ばぶー…」

 

言葉喋れないの辛い…。

 

「きゃー!!久々に会えたね幸太!!やっぱり可愛い〜!!」

 

「ああ…!二乃の子供だからそりゃ可愛いに決まってるだろ?」

 

「やーねフー君♪この子は男の子なんだから、フー君似のカッコいい子に育ってもらわないと♪」

 

……尊いというか、やばい。ウザイかも(笑)

 

マジかよこの夫婦…。バカップルってやつじゃないだろうな…?アリだけど。むしろウェルカム!!

 

「さあ、私たちの家に帰りましょうね?幸太!!」

 

これからお二人の愛の巣に俺が割り込むことに申し訳ないと思ってしまう…。だが仕方ない。だって俺は赤ん坊なんだもの。誰かを頼らないと生きれないから仕方ないね()

 

「はい幸太!これが私達の家よ!」

 

…………

 

すまん。赤ん坊ってほぼ視力ないのか、見えないんだわ。本当にスマソ…。

 

「二乃。そういえば今日はアイツらも来るんじゃなかったのか?」

 

「あーっ!!そうだった!!ちょっと準備しないと!」

 

「俺がやっとく。二乃は幸太のお世話をしてやってくれ」

 

「あら、気が利くわねフー君♪」

 

あいつら…?多分親戚とか友人だろうけど……。まあ前者だよな…?となると…。

 

 

五つ子全員揃うのか……。

 

 

 

しばらく待つと…。

 

ピンホーン!

 

「あっ!フー君、今幸太にミルクあげてるから出て!」

 

「はいよ!」

 

………俺、今何してる?

 

二乃のアレを吸ってる……のか…?うせやろ!?こんなことができる日が来るとか思わなかったわ……。

 

「あらこの子、フー君が吸う時と似たような顔をしてるわね…」

 

「は、恥ずかしいことを言うなッ!」

 

仕方ないだろ。俺だって男なんだもの。だがなそこの(恐らく)画面の前の諸君。意外といやらしい気持ちにはならないのだよこれが。

 

俺の体が赤ん坊だからなのだろうか、なんというか、安心感が強い。

 

母親という存在が如何に偉大かがよく分かる。赤ん坊の頃の記憶が消えてしまうのはものすごく勿体ないことだなぁ…。と、しみじみ感じている。

 

「こんにちはー!私が来ましたよ〜!」

 

「あら四葉。久しぶりね」

 

「おお!上杉さんと二乃の子供かぁ…。可愛い!!私の子供にしたいくらいに可愛いです!!」

 

「ダメだからな?」

 

そういうお前も可愛いからな。ブーメランだぞブーメラン。

 

「やめなさい四葉。私も『上杉』なんだから」

 

「おーっと!そうだったね!」

 

「こら四葉、あまりはしゃぐと幸太が泣いちまうだろ?」

 

「すみません風太郎さん!」

 

別にそれくらいで泣かんで。お腹空いた時と何か出ちゃった時は仕方ないから泣くけど…。

 

「こんにちは〜」

 

「やっほ〜!」

 

「一花!三玖!」

 

「フータローの子供、かわいい…。お持ち帰りしていい?」

 

「ダメに決まってるでしょ!?この子はフー君と私の愛の結晶なんだから!」

 

「おっ?言ってくれるね〜?お姉さん妬けちゃうなぁ…」

 

やっぱまだ風太郎への想いは忘れられないわけか……。やはりこの世界は二乃ルートで終了した原作ってことでいいわけかい?

 

「フータロー、このパンは私の自信作なの。食べる?」

 

「おっ?美味しそうだな」

 

「はい。あーん」

 

「えっ?」

 

「ちょっと三玖!!何してんのよ!?」

 

「何って、フータローに食べさせようとしてるの」

 

「私という正妻がいるの忘れてないでしょうね?」

 

「忘れてない。結婚とか関係なく、フータローを寝取るつもり」

 

「サラッとやばい発言したわよあんた…」

 

「流石に冗談」

 

「冗談に聞こえないんだけど…」

 

うん。ドロドロな展開になったら全力でギャン泣きするからな。俺は平和でほのぼのが好きなんやで。

 

「それで三玖、お店の方はどう?」

 

「大丈夫だよ。なんとかやっていけてる」

 

「ごめん…。1人じゃ大変でしょ?」

 

「ううん。私は大丈夫。今は幸太のお世話に集中して」

 

「三玖……」

 

朗報。俺の叔母は聖人で天使だった。

 

「その隙にフータローと2人きりになって色々ヤるから…」

 

前言撤回。とんでもない人でした。

 

「フー君、しばらくは私のお店に行かないで頂戴」

 

「あ、ああ…」

 

三玖も相変わらずと言ったところか。結婚して子供できたからと言って油断できない状況やんけ。シリアスなのはごめんよ〜。

 

「あれ?もう皆さんいるんですか?」

 

「五月!」

 

「教師の方はうまくいってるか?」

 

「ええ!ただ少し疲れてしまいました…。ちょっと癒してくださいよ風太郎くん!」

 

「癒すって……どうやってだ?」

 

「そうですね…。じゃあほっぺにキスを」

 

「はぁ!?」

 

「ズルい五月。私もしてほしい」

 

「私もお願いしようかなー?」

 

「じゃあ私もお願いしまーす!」

 

「あんたら!フー君は私のものだって言ってるでしょうがッ!!!」

 

本当に結婚しても油断できない環境にいるんだなぁ…。浮気しないかどうかは風太郎に全てかかってるわけだ。

 

「相変わらずお兄ちゃんはモテモテだなぁ…」

 

「おお!らいは!久しぶりだな!」

 

「うん!ってあっ!もしかして二乃さんとの子供?」

 

「ええ、そうよ」

 

「可愛い!抱っこしてもいい?」

 

「…ふふっ。いいわよ」

 

「わーい!」

 

「そういえばらいは。親父はどうしたんだ?」

 

「お父さんはお仕事」

 

そういえば上杉家の借金はどうなったんだろうな?マルオさんが払ってくれたんかね?

 

「……この子、フータローに似てる」

 

「あー、確かに。フータロー君にそっくりだね?」

 

「可愛いですね〜!お持ち帰りしてもいいですか?」

 

「だからダメだって言ってるでしょうが!!いい加減警察に通報するわよ!?」

 

まあ勝手に持ち帰ったら例え身内だろうと誘拐だからな…。

 

「なんか意見が揃う辺り五つ子だよねぇ〜」

 

「ホント」

 

「不思議なこともあるものですね!」

 

つか、よくよく考えたら俺もモテモテなんか?ヤッタネ!!

 

「そういえば、お義父さんはどうしたんだ?」

 

「パパもお仕事よ。そう簡単に来れるわけないでしょ」

 

「それもそうだな…」

 

なんか家族の団欒って感じで暖かくていいですなぁ…。俺はこういうの好きだぞ。

 

「さて、みんなも集まったことだし、今日は久々に張り切っちゃおうかしら!」

 

「なんだよ二乃。俺と2人の時は張り切ってくれてないのか?」

 

「いやーね♪いつも本気で料理してるに決まってるじゃない♡フー君に食べてもらうんだから♪」

 

くそ!イチャイチャしやがって!!爆発せずにもっとやれッ!!

 

「あはは…。こういうところを見ると私達は立ち入る隙はないね…」

 

「そうだね。でも私はまだ諦めない」

 

おい三玖。やめなさい。昼ドラ特有のドロドロ展開になっちゃうでしょ。

 

「あはは!二乃と風太郎さんラブラブですね!私も早くそんなお相手を見つけられれば………」

 

「相手なら目の前にいる」

 

「いや、ダメですからね三玖!?」

 

「二乃さん。私も手伝うよ!」

 

「ありがと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「はい、あーん」」」」

 

「いや、俺の口は1つだけなんだが…」

 

「じゃあ口を五等分すればいいだけですね!」

 

「怖えわ!!何する気だ!?」

 

案の定モテモテな上杉風太郎氏。

 

「ホントコイツら…。人の旦那をなんだと思ってるのかしら……」

 

…ちょっと思ってたのとは違う転生ではあるが、これはこれで原作にはなかった展開を見ることができるので楽しみではある。ちょっとワクワクしてきたな…。

 

 

「二乃の料理はやっぱり美味しいね」

 

「らいはちゃんのカレーは最高です!」

 

「もー、五月さん褒めすぎ」

 

「それじゃあ2人とも。私達はそろそろ行くから」

 

「おう!一花も女優業がんばれよ!」

 

「ありがと、フータロー君!」

 

そういえば、一花って海外にも影響力があるくらいの大女優なんだっけ…。親戚にこんな人がいるなんてすげえな何気に…。

 

「三玖も店を頼んだぞ」

 

「うん…!」

 

「四葉も、そういえばオリンピックに出るんだっけか?応援してるぞ!」

 

「ありがとうございます!」

 

マジカヨ!!四葉って結婚しない場合はオリンピック選手になってるのかよ!?

 

「五月も、教師頑張れよ!」

 

「はい!」

 

「じゃあまたね、お兄ちゃん!二乃さん!」

 

「おう!またな〜!」

 

「じゃあねー!」

 

ふぅ…。先程はまでは騒がしかったのに、一変して静かになったな…。

 

あれ?静かになった途端に眠くなって…。

 

「……zzz」

 

「あら?幸太寝ちゃったわ…」

 

「よっぽど二乃に抱かれるのが良かったみたいだな」

 

「もう、フー君ったら♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ばぶ?」

 

あれ?暗いな…。そうか。寝ちまったんだっけ?やはり赤ん坊だから仕方ないのか……。

 

 

「あんっ!フー君、もっとぉ♡」

 

「今夜は寝かさないぞ…!」

 

「それぇ♡私が言おうと…んっ♡してたのにぃ…♡」

 

 

…………………

 

聞いちゃあかんものを聞いてしまった気がする……。

 

あの調子じゃ、2人目ができるのは恐らく時間の問題だな(予言)

 

さて、もう一度…。

 

 

「ふふふ…。フー君ってやっぱりひ弱よね…。形勢逆転ね」

 

「や、やめてくれ二乃…!俺はもう…!」

 

「今夜は寝かさないんじゃなかったの?あの台詞、そのまま返すわね♡」

 

 

 

………………………

 

寝かせろやッ!!!!…………zzz

 

案外すぐに寝付けた幸太であった。

 




実を言うとイチャイチャ系とかほのぼの系を書くのは初めてだったりするので上手く書けてるからちょっと心配…。


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パパとママ、どちらを先に呼ぶべきだ…?

 こちらは無茶苦茶久しぶりの投稿です。気分転換の為に軽く執筆しました。というか今更気づいたんですけど、過去話で何故か五月が敬語のままでした。やらかしたぁ…。大人五月は既にタメ口だったのに……。ということで、どこかのタイミングで修正します。


はぁ〜良く寝たね。昨日は目覚めた瞬間に両親(推しカプ)の情事(音のみ)のせいでちょっと寝れなかったけど(大嘘)。

 

「あら幸太。おはよう。お腹空いたでしょ?」

 

と言って早速ナニとは言わないけど、何の恥じらいもなく出す二乃。しかし俺も赤ん坊。恥とかそういうの以前に食欲という欲によって自然と咥えてしまうのだ。本能って恐ろしい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

……という時期が懐かしく感じるようになってしまいました。

 

なんと俺は1歳になってしまったのだ。そろそろ喋れそうなのですよ。記念すべき第一声はなにを言ってやろうか…?

 

んまぁそんなことはどうでもいいんだけど、今は二乃が入院してます。

はっ?まさかタヒんだ!?なんて思ってる人もいるかもしれんけど、そんなことはないっす。ちゃんと生きてますよ。2人目がそろそろ生まれるとのことだぜ。いくらなんでも早すぎワロタ。

 

そりゃあ、あんだけ毎日ヤれば当然の結果か…。

というわけで何をしようか考えているところ。ここしばらくは父親である風太郎にお世話されておるんだけど…。

 

「フータロー。何食べたい?」

 

「そうだな…。オムライスを頼む」

 

「分かった」

 

三玖氏が堂々とフータローの嫁やってんですがそれは…………。

二乃がいたら修羅場になりそう(確信)

 

「いや〜、すまんな。二乃がいないとどうしても飯がな……」

 

「簡単な料理は作れるようにするべき」

 

「三玖が言うと説得力があるな…」

 

元々料理ができなかったが積み重なる努力のお陰でできるようになったんだもんな。今では二乃に匹敵するレベルにまでスキルアップしている。

 

「あ……う………」

 

「うおッ!!幸太がそろそろ何か喋りそうだッ!?二乃の為に録画しておかねば!!」

 

「もうそんな時期なんだ…。早いね」

 

「1年前はハイハイすらできなかったのになぁ……。今では器用に歩けるようになってるんだぜ…?」

 

「う……う…………」

 

「そうだ!頑張れ!何でもいいから何か言ってみろ!!」

 

録音を始めたか…。言っておくが、俺は転生者であることを無闇に隠したりはしないぞ。無闇に言いふらすこともしないけどな。

 

「あっ、あっ、あー………うわきはするなよ?」

 

「初めての言葉がそれはおかしいだろッ!?!?」

 

「フータロー。いつも一体二乃とどんな会話してるの?」

 

「いや、普通の夫婦らしい会話だが…」

 

「ウソつけ。いつも『昨日も良かったわよ♪フー君♡』とか、『二乃、今日は寝かせないからな…』とか言ってたじゃねえか。夫婦というよりはバカップルって印象の方が強いな。お陰であまり眠れなかった時があったんだからな。やめろとは言わんけど少しは自重してくれ」

 

「こ、こいつ……!?」

 

ヤベっ。流石にやりすぎたかもしれんな。病院とか連れて行かれないかな…?

 

「幸太は天才だ!間違いない!!1歳の時点でここまで喋れる奴が凡人なわけがない!!!流石は俺の子供だな!!!!」

 

…勉強はできるけど馬鹿なんですかね()

 

「……ただ者ではない気がするんだけど…」

 

あらら、気づいちまったか三玖さんや。俺はただ者ではないぞ。前世の記憶を持ち合わせて異世界から転生してきたことを除いてはただの一般人だがな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という夢を見たのさ☆

 

 

いや、本当に夢だったんだよ!!一歳はまだ口の構造?舌の動き?とにかく大人みたいに動かせないからあんなに器用に話せるわけがないでしょうが!

 

だが、俺がもうすぐ2歳寄りの1歳になったのは本当だ。もうすぐ喋れそうなんだ。二乃も夢と同じように妊娠しているのだが、まだ入院するほどお腹は大きくなっていない。

 

で、まあ……………

 

 

「幸太!ママって言って!!」

 

「いいや!パパって呼ぶんだ!!」

 

………………なんか夫婦でしょうもない?微笑ましい?賭け事をしているようだ。

 

「ほら幸太!!ママよ!マーマ!!」

 

「違う違う!!パパだ!パーパ!!」

 

「ちょっと邪魔しないでよフー君!!子供の初めての言葉はママって相場で決まってるのよ!!」

 

「相変わらずミーハーだな二乃は!!ここはやはりパパと呼ばせるべきだろう!!」

 

親達にとっては重要なことなのかもしれんが言わせてくれ。俺からしたら無茶苦茶どうでもいいんや……。そろそろそれくらいは喋れるとは思うが、これはどちらの希望を叶えてやるべきか……。

 

「パー………」

 

「うおお!!いいぞ!!その調子だ!!!」

 

「ダメよ!ここはママって呼んだ方がいいわよ〜?ママって呼んでくれたらおやつあげるわよ、ほら!」

 

そう言って我が母親は自作のシュークリームを俺に見せつける。ゴクリ…。この娘、母親というアドバンテージを最大限に利用する気満々だ……!!!

 

「くっ…!!ならパパと呼んでくれたら勉強を教えてやろう!!小学校に入学してから苦労することのないように徹底的にな!!」

 

「馬鹿じゃないの!?流石にまだ早すぎるわよ!!それに子供が勉強で喜ぶわけないでしょ!?」

 

うわぁ……。それで喜ぶ子供はいませんて……。育児下手くそ系パパ……?………何そのパパ。

 

「……マー」

 

「うわぁあ!!待ってくれ幸太!今ママって呼んだらお父さん悲しくなっちゃっうぞ!!泣いちゃうぞ!?いいのか!?」

 

「子供相手にどんな脅迫してるのよ!?」

 

いや、ホントだよ……。仕方ないなぁ。ここは…………。

 

「………パーマ」

 

はい残念。いつ誰が2択だと言った?俺が新しい3択めを作れば問題ないのだよ!!

 

「ぷっ…!!」

 

「「あははははははッ!!!!!」」

 

ありゃ?そんなに面白い要素あった?今のでそこまで笑える要素ある……?

 

「流石俺の息子と言うべきか、随分変わった子だな…!!」

 

「これは引き分けね…!むしろこの子の一人勝ちだわ…!!仕方ないわね。このおやつは幸太のものよ!」

 

「あーい!」

 

「よし!父ちゃんからは勉強のプレゼントだ!!」

 

「えー……。まだしたくないよそんなの」

 

「「…………えっ?」」

 

「………あっ」

 

やべ…!!普通に喋っちゃったよ…!!つか普通に喋ることできたの!?完全にやらかした……!!!!

 

「ねえ、フー君、この子天才よ?」

 

「あ、ああ…!!間違いない…!!」

 

「よし!今日はあの子達呼びましょう!!」

 

「いや待て。あいつら何か予定があるかもしれんだろう?」

 

「大丈夫よ。実を言うと姉妹で予定が空いてる日を共有してるのよ。だから明日なら空いてるはずだわ」

 

「えー……。日曜くらいゆっくりさせてくれよ………」

 

「それ、休日は家事を殆ど肩代わりしてくれている人の台詞?」

 

「あいつらがいると妙に疲れるんだよ……」

 

「あら……。私は……?」

 

「……言わなくても分かってるだろ?」

 

父親は前髪を弄りながらそう返答する。これは照れ隠しをする時の仕草である。

 

「あらやだ♡嬉しい♡今日は寝かさないわ…!!」

 

「馬鹿…!お前のお腹の中には子供がいるんだから控えろ!」

 

「ちぇ……。でもそれもそうね……」

 

……ということで、明日は再び五つ子が全員揃うことになるんだってさ。下手したら俺が一番疲れる可能性があるんだけど………。

 

 

 

 

 

はい日曜になりました。俺が起きたら既に五つ子は集まっていた。

 

「ねえねえ、コータ君が器用に喋るって本当!?」

 

「じゃあ、私にはお姉ちゃんって言ってほしいな」

 

「はいはーい!私にもそれ言ってほしい!!」

 

「わ、私にも言ってほしいな!」

 

1、3、4、5の順で俺にそう話しかけてくる。

 

「うん。えっと………」

 

「もう忘れたの!?私は一花だよ!い・ち・か!」

 

えっと……。お母さんの兄弟や姉妹は叔父さんとか叔母さんって呼ぶのがオーソドックスだよな……?

 

「い、一花叔母さん……?」

 

「んんんん???何を言ってるのかなコータ君は?私は一花お姉さんだよ!一花お・ね・え・さ・ん!!」

 

なんでぇ…!?叔母さんでも間違いじゃないでしょ!?もしかして呼ばれ方を気にするタイプなのあなた!?というかその目怖いんですけど……。

 

「………一花」

 

「あ、あの……私は一花お姉さ…」

 

「一花…!一花!!」

 

ちょっとムッと来たので呼び捨てにしてやるもんね!ふんだ!!あ?大人気ない?だって俺まだ1歳だもん!!精神年齢…?なにそれおいしいの?

 

「あーあ。一花が変に過剰な要求するからよ」

 

「ええ!?私そこまで難しいこと要求した!?」

 

「一花。お前は幸太から見たら叔母さんで合ってるだろ?何故そこを訂正しようとする?」

 

「いや、確かにそうなんだけどさぁ…。やっぱりフータロー君には分からないかぁ………」

 

一花がそう言うと、父親はニヤリと意味深な笑顔を浮かべる…。この人、意味わかってらっしゃるようだ……。

 

「あー!その顔絶対意味わかってるでしょ!?」

 

「さあな。なんせ俺は鈍感だからな」

 

「本当に鈍感な人はそんなことも言わないしそんな顔もしないよ!!」

 

「じゃあ次は私の番。私は三玖だよ。三玖お姉ちゃんって呼んでくれると嬉しいな」

 

静かなトーンで優しくそう話しかけてくる三玖叔母さん……いや、お姉さん。この人には定期的にお世話になっているし、ここは素直に要求に応えることにする。

 

「うん!三玖お姉ちゃん!」

 

「……!!フータロー!!二乃!!この子もらってもいいかな!?」

 

「ダメに決まってるだろ!!」

「ダメに決まってるでしょ!!」

 

三玖お姉ちゃんは珍しく大声でそんなことを言うが、息ぴったりの夫婦に拒否された。まあ当然の反応だわな。

 

「えっ?私は呼び捨てなのに、なんで三玖はお姉ちゃん呼び……?」

 

「はいはーい!じゃあ次は私の番ですね!私は四葉叔母さんですよ〜!!」

 

下手すると子供よりも元気で明るく接してくる四葉叔母さん(仮称)。あなたは叔母さん呼びでもいいんだ……。やはりこの人は5人の中でもずば抜けて人間としてできているようだ……。

 

だが、敢えて叔母さん呼びはしない。

 

「四葉……お姉さん!四葉お姉さん!」

 

「あ、あれ?いや、私はお姉さんじゃなくて叔母さんですよ!」

 

「四葉お姉さん?」

 

あれ?お姉さん呼びじゃダメなの?

 

「……四葉お姉ちゃん?」

 

これならどう?

 

「な、なんで叔母さん呼びしてくれないんですか……!?でもお姉ちゃん呼びもいい…………」

 

ああ……。尊い気持ちなった時って人はこんな顔をするんだなぁ……。ちなみに説明は無茶苦茶むずい。

 

「えっ?えっ?四葉も?四葉に至っては要求すらしてないよね?」

 

「じゃあ次は私だね!私のことは五月でいいよ〜!」

 

うーん………。この人に叔母さんって呼ぶのはなんとなく気が引けるんだよなぁ……。ならなんて呼べばいいかな…?

 

「……………」

 

「………………あ、あれ?私は五月ですよ〜?い・つ・き!」

 

「………五月お姉さん」

 

「えっ?あれ?」

 

「お姉さんかぁ……。まあいいか」

 

なんだかんだいって一番軽いなこの人。

 

「えっ、ちょっと待って?なんで私だけ呼び捨てなの?おかしくない?!」

 

「こら!あまり騒ぐと幸太が泣いちゃうかもしれないでしょ!」

 

「それにしても、この子流暢に話すね?」

 

「本当にね!一歳とは思えないよ!」

 

「この子……。ひょっとして天才なのでは……?」

 

「ふふふっ…。気づいてしまったか…。何せ俺の子供だからな!何もおかしいことはあるまい!!」

 

「あ〜……」

 

「上杉君に似てるとなると……」

 

「デリカシーが……」

 

「心配ですね………」

 

「おい、喧嘩売られてるのかこれは?」

 

「まあまあ。それに関しては大丈夫よ。私がいるからには、風太郎みたいにノーデリカシーな男の子に育てたりはしないわ!」

 

「ああ……。確かに二乃が母親なら大丈夫かも」

 

「むしろ大きくなったら金髪になったり、ピアスをつけられてたり、ちょっとワイルドに育て上げられるかも……」

 

「ちょっと〜………。私をなんだと思ってるのよ?流石に子供にはそんなことしないわよ?」

 

うん。俺も嫌だ。ピアス穴開けるの無茶苦茶痛そうだし。

 

「でも風太郎の子供だから、案外似合うかもしれないわね……」

 

「やっぱり二乃は二乃だ………」

 

「だね………」

 

「お母さんになっても変わらないね!」

 

「だ、ダメだよ二乃!間違っても子供に刺青を入れたりしたら!」

 

「だからやらないわよ!!……この子がやりたいって言ったら止めないけど………」

 

いや、やらないからね!?それすると温泉やプールに入れなくなるもん。0…というか、なんか眠くなってきちゃった……。

 

「あらあら、幸太おいで」

 

「うーん………」

 

眠くなるとどうしても無意識に体が動いてしまう。どうやら体はまだ母親の温もりを欲しているようだ。

 

「はーい。おやすみ」

 

「おやすみ…………」

 

そうして、俺は母親の腕の中で意識を落としたとさ……。

 




 シリアス系は結構考えなきゃいけないけど、ほのぼのは比較的考える必要もないので意外と楽。まああくまで比較した場合の話なんですけどね。次はどんな話にするか完全に未定です。
 最近メインで書いてる作品は無茶苦茶シリアスなので、こちらでほのぼのを書くと気分転換に丁度いいんですよね……。


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