マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルートマギウス上級幹部裏切チャート戒 (ルブロフスクス)
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Part.Zero
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再走しました。



 多分これはN番煎じだと思うけど。

クソレズ魔境硝煙と闇金の薫り香ばしい都市神浜を一部と二部続けて無給&無休で駆け抜けるRTAはーじまーるよー(2回目)。

 

 ではニューゲームを選択してからの、みんなに人気のノーマルを華麗に避けて、いつもどおりのハードを選択して(ノーマル*1とハード*2の説明いる?初めての人の為に一応置いときますね)……タイマーはまだです。

 

 あくしろよこの新米と思う方もいらっしゃるでしょうがこれには理由があります。

 1つ目としては最近のアップデートによりキャラクリ画面から例の飛ばせないオープニング前のロード時間がほぼランダムになったためです。

 もう1つはハードとベリーハード限定で難易度選択画面からキャラクリ画面までのロード時間がやっぱりこちらもランダムでなってしまったからなんです。

 以上の理由から今回はタイマースタートを「オープニング開始直後」とさせて頂きます。

 全部マスクステータスって奴の仕業なんだ。

 

 ではではキャラクリのお時間です。今回は速度と経験、そして精神が高ければ何でもヨシ!!(現場猫)

 先駆者兄貴達は神浜中を駆け回られていましたが、今回は本編以降のほとんどでは基本的に室内でなんとかしなければいけません。 つまるところヒッキープレイです。

 ただ本編開始前は走り回らなきゃいけないのでその為の速度です。

 

 では行きましょうせーの 。

 ドン!  

魔力:3 攻撃:3 防御:5 速度:9 経験:8 精神:8  

うーんそうかそうかそうきたか*3

全ステータス一桁前半!?良いと言うまでバケツ両手に持って廊下に立ってなさい!!

 

 さて今回のバージョンと先駆者兄貴達が走っていた旧バージョンの差異の方を説明したいと思います。ほんとにほんとにだいぶ時間が空きましたからね。アップデートもそりゃあ来ますよ。

 まず第二部が実装されました。

またそれに伴って交友関係でチェック出来る事項とかが増えました。(血縁関係、交友関係etc…)

特に有り難いのは組織図ですね。これがなかったらこのチャートも多分ありえないですから。

二つ目は第二部で旧マギウス構成員として登場したキャラが第一部で全員登場します。

少なくとも今回のチャートでは好感度調整がすごーく大変なんですよアレ。  

他にもいろいろあるのですが今回は取り敢えず置いておいて必要に成ったら適宜説明、紹介します。

 

 そろそろ出たかな。

魔力:2 攻撃:7 防御:1 速度:8 経験:2 精神:8  

ペロっ!うーんこれはネイピア数。

良いのが出るまでステータスについての説明でもしますかね。

 

 まずは魔力です。

これが無いと何も始まりません。魔術師√だとしてもです。これの(このゲーム内での)定義は概ねソウルジェムの濁りにくさという解釈でいいと思われます。

一部後半のマギウス→イヴ&アリナ→ワルプルギスの鬼畜三連戦や二部七章の二木の決戦で生き残る為には大体50以上ないといけません。

ただ高すぎるというのも困り物で90以上だと意味の分からない因果が付いてきます。因果量から魔力が決まるという設定だからねしょうがないね。

 

 攻撃、防御、速度、経験は意味そのままだから飛ばして精神の説明をしましょう。

精神はほぼSAN値です。

低ければ低いほど発狂&絶望しやすくなります。

40以下だと魔法少女の真実を聞いて魔女化、25以下だと魔女を見て魔女化します。なるほどこれが永久機関ちゃんですか。

85以上だとしたらその子はやっぱり理解不能な因果がセットかサイコパス予備軍かもしれません。(酷い偏見)

 

魔力:75 攻撃:51 防御:39 速度:89 経験:100 精神:90

十分走れる範疇のステータスが出ましたね。

若干ゃ防御と攻撃に不安がありますが、無駄に戦わなければ大丈夫*4

てか経験と速度すっごいおっきい、何をすればこうなるんだろ。魔法少女狩り?

しかしこれは想定以上にやれる事が増えますね。うまくやれば大幅なタイム短縮が見込める気がしますね。

 

 それじゃ名前と願い事を決めましょう

 まずは命名です。 

おまじな大饗宴の命名表を……よしましょうか。

マギレコRTAにおいては名前は非常に重要です。変な名前だとクラスのみんなに虐められて魔女化一直線ですし(1敗)、近しい名前のキャラを引き付ける効果がありますからね。(一族のガバ運のせいで残念な事にそのお恵みに授かれませんが)

えーといい感じに品格があって淫夢要素ゼロの名前は…  

伯耆 桜雲(ほうき さくも)」ですかね。

うん綺麗な名前でいいとこのお嬢様っぽいな。

うん疑ったら駄目だぞ。

(あれ ほうき さくも

    ほ     も

あれあれ 

あれれれ?

やっぱりホモじゃないか(憤慨)

これだからヘイト企業バ○ナムは…あっセ○系でしたねマギレコは…ごめんなさいバンナ〇さん。許さなくて良いです。)

 

 次は魔法少女の願いです。願いは導出される固有魔法が汎用性と応用性を持つように決めるのがRTAに限らず通常プレイでも王道でございますがこれがなかなかに難しい。

使い所がよく分からなかったり、そもそも明らかに普通だと思われる使い方をすると何故か魔力消費がとんでもなく多くなったりと。

それに同じ固有魔法でも願いによってだいぶ性質が変わってきます。

このRTAの創始者がお使いになられていた「停止」でも、某メロンの姫君の物体特化+自我特化だけでなく、概念特化、物理物体特化、魔法物体特化、生物特化etc…

いろいろありますのでそこも気を付けつつ決めなければなりません。(8敗)

まあ特化型は精神状態で変わったりすることが多いシロモノなので通常プレイでは気にする必要はありませんがこれはRTA、コロコロ変わっているということはMSSとかの掘り下げを踏んでいる証拠なので発覚したらすぐに再走しなくてはいけません。

 

 また一部の固有魔法はキャラの教養によって応用先が増えます。(ココ重要)

例えば御園かりんの「窃盗」、敵から魔力を、武器を、時間を、あともっと色々を奪えるマギレコで最強と言っても過言では無い固有魔法ですが、奪えるものはほぼ彼女の知識依存です。

つまるところプレイヤーが入れ知恵をすれば更に奪える物が増加するというわけです。

走者も過去に何回か彼女にやらせましたね。

傑作が2つあるのでご紹介。

意味ないと思うけど外道注意。

まずは1つ目、名付けるなら「ほぼほぼ1型糖尿病にする攻撃」

これはかりんちゃんに膵臓を奪うと良いよと教えました。位置は正確に教えましたし、奪っても何も起こらない臓器だからだいぶ痛いだけだよってとても親切に正確に教えましたね。神浜に来たばかりのスズネさんにぶつけさせました。

何故かCROSSCONNECTIONの二日目はありませんでした。

二つ目は「強制貧血攻撃」

二部で樹里にぶつけさせました。

奪ったのは腸骨(骨盤の一部)と胸骨。

くり抜くかたちで奪うよう指示して、奪われたことを気づかれないようにしました。

かりんちゃんは「こんなのすぐバレると思うの。」とか言っておりましたがそこは大丈夫 、なにせ魔法少女の耐久だと骨が無くなった、折れたと考えるより先にその痛みでただの腹痛だと勘違いしますからね。

ミスドの下っ端から聞いたんだけどその後二木で魔女化したんだってさ。なんでだろ。

 

 まあそんな訳で、マミさんが兵法や兵器について勉強したことは無駄でなくむしろやるべきだったんですね()。というかこれをしないからモブ魔法少女や黒羽根はあんなに弱いのでは。(邪推)

まあ大体が中学生とか小学生ならしかたないね。遊びたいざかりだもの、お勉強は嫌いだよね。走者も嫌いです。

 

 それで今回どうするかなんですけども 。

上記の事を鑑みてなおかつRTAに適しており走者も使いやすいものを探した結果ですね、固有魔法は「反転」でそれを導く願いは「状況を完全にひっくり返したい。」  になりました。また特化型は概念特化+物体特化です。

 

 この反転という魔法、おいおい解説しますが結構多芸です。

まずは基本として自分に向かって飛んでくる物の方向を逆向きにする事が出来ます。まあこれでも十分チートですが、他にも色々出来て例えば、鍵を「開いている状態」から反転して「閉まっている状態」にして施錠する、敵の心臓周りの血液の流れを反転させ静脈に動脈血を流して破裂させる、あとは簡易的なワープも可能です。  ほんとに簡易的ですし、使いどころさんはほとんどないので今回は滅多に登場しないと思いますが。

しかも建物の一階から最上階とか、川を挟んでむこう岸へだとか、利便性がね。

ただ得意じゃないものを反転させようとすると消費魔力が飛躍的に増大するのでそこでバランスとれてるみたいですね。

今回のチャートにおいてはこの固有魔法を使いこなす事がとても重要です。とてもじゃないですね嘘を付きました五番目ぐらいに重要です。一番目に重要なのは出来るだけチャート通りにシナリオを進める事とオリチャーを臨機応変に発動する事です。

 

 さーて他に決める事はあ る か な。

 

 あ、年齢と住所と開始年ですね。

 

 年齢は十八です。例のベテランさんお二方と同じ年齢ですね。

大学生の何が良いかって通ってるとこ(つまるところ大学)が防犯対策万全なんですよ。

誤解されないよう言っておくと、犯罪と言ってもナイフを持った不審者がーとか下半身裸の男がーとかいうよくあるのじゃなくて、学生主導の有名な団体が校舎を占拠したとか武装集団が攻撃しにきたとかの方です。防犯と言うより対テロですね、あのヒトを下等生物だと見做してるマギウス系統の連中が攻めてきてもへっちゃらなので安心。

さすが最高学府。

 

 次、住所です。

基本的にベテランさんやPennen姉妹、クソレズエロハみんなのいろはちゃんとその妹に擦り寄るには西育ち西住みの方がべたべたのベターです。

 

 みかづき荘に入り浸っていれば自称最強さんや透明さんを心理的にコントロールして完全な手駒にすることも出来ます。

バレたらベテランさんからの評価はガタ落ちするけどね。(8敗)

これはどうでもいい話ですが住所を東にするとたまーに開始直後に魔女化してゲームオーバーになり、更に最初のセーブ地点がそこなので(このゲームはゲーム開始と同時にオートセーブが挟まる)ずーっとリスキル状態になるそうです。

怖いねえ。(11敗)

そんなこんなで西にも中央にも顔を出せる北養区に設定します。

 

 

 さて最後の項目、開始年です。

某パラドゲーみたいに開始年をかなり細かくいじれたら良いのですがそうも行きませんのでざっくりと一年前に設定。

本編開始前は魔女と愉快な仲間たちが神浜と一般人含めた神浜の人間を壊しに壊しまくり、頃しに頃しまくるので適切に対処しなければなりません。

それにこの一年は本編に向けた大事な準備期間にも当たりますのでここをしっかりと抑える事によって大幅なタイムの短縮を狙っていけるわけです。

 

 特にあの憎きマホウショウジョ・スレイヤー、スズネアマノ=サンと混沌のサラサハンナ=サンは重点です。

 彼女達のベリーアグレッシヴな活躍で数多の魔法少女が「グワーッ」や「アバーッ」となる展開がプレイヤーの涙を誘う!のでなんとかあの問題児どもをどうこうせねばなりません。どうこうってなんだよ。

 

 魔法少女歴はステータスから自動で決定されます。たぶん大ベテランですねクォレは。この年でベテランじゃなかったら間違いなくあまり戦闘出来ないへっぽこですからね。

もう再走するのは嫌ですよ。

さて大体こんなもんですね。あとは全部ランダムに任せて、まあ前回そのせいで致命的なガバをしたのでこうやって再走しているんですけどね、そこはしょうが無い。だってRTAだもの、あんまり凝りすぎると設定だけで一時間+ロードで10分ぐらいかかっちゃーう。

 

 はい皆様大大好きうーどっかん、クソナガロードと無限ループOPのお時間です。  

先駆者兄貴達も解説されていらっしゃいましたが、このロード時間の間に経歴生成とそれに対応する為の辻褄合わせが行われています。

凝ったキャラを作ると、もちろんそれ相応のロード時間を要します。

また極稀にですが設定の組み合わせによっては辻褄が合わなくなってロード中にフリーズします。

本当にアレは心臓に悪かった……。

あとこれで生成される経歴はほんへ開始前までに熟読しておくことが推奨されてますが、このRTAでは一切読みません。(ガバの温床)

 

 

 ではOP(恐ろしく長いお祈り)と走者のしょうもない自分語りに飽きて来た皆様のためにぃ……

 

 こんなものをご用意しました。

 

ぷはー、今日もいいペンキ☆

 

あ、霊夢。またサボり?

 

…  

…  

……

 

 さて、こんなものをご用意しました。(無表情)

 

 今後滅茶苦茶にされるであろうチャート紹介です。

滅茶苦茶にされるってはっきり分かってんならこれ必要なくない?いや無くない。(反語)  

まずは一部のチャートから。

命名するとしたら

「マギウス上級幹部裏切りチャート」です。

おおまかな最終目標としてはワルプルギスの夜討伐、QB(キュゥべえ)コアの魔法少女浄化システム生成とマギウス解体です。(まあ二部入ったら自動浄化システムの無効化目指すし、自称:ネオマギウスとかいう非正統後継危険団体が出てくるんですがそれはそれとして。)

マギウスの目的は究極のところ、イヴの羽化による自動浄化システムの完成ただ一点です。

 ですので実のところあの子を羽化させる方法は何でも良かったりします。

言ってしまえばワルプルギスの夜を呼ぶ必要はあんまりないです。

それこそ発狂鶴乃をウワサと魂の原核まで融合したウワ鶴にして、街をチンドンチンドンと練り歩かせれば一瞬のうちにエネルギーが目標量まで集まります。

やったね。

更に嬉しい事にいろはとやちよも手も足も出せません。相手が鶴乃かつ救出する手段がありませんから(ない訳ではないけど、この状態になると基本的な感情がすぐ具象化する上、自身がヒト/魔法少女であるという自己認識が飛んでいるのでそれを調教するところから始めないといけませんし、これをやるにも混沌ちゃん以上のそれこそハードの瀬奈ちゃんクラスと同じくらい強い暗示が必要なのでほぼ無理ゲなんですよ)ね。

 

 というわけで 。

マギウスにワルプルギスの夜を呼ばさせる為にはウワサ達とイヴによるエネルギー貯蓄総量を一定以下かつチームみかづき荘有利な状態にしないといけないのですが、裏切るとは言えあくまでマギウスルート、回収総量を減らす動きを見せると終☆了されてしまいます。

ですが今回就くのはマギウスの上級幹部。

職権乱用未満どころか通常業務の範囲内として貯蓄総量を減らす事が出来ます。

やる事は至極簡単。 

余剰分のエネルギーを積極的にウワサ強化、我らが要塞フェントホープの防衛強化、あとはあの憎ったらしいマギウス共の諸々の研究に注ぎ込むだけです。

 

 そんなんじゃチームみかづき荘が大敗するだけじゃないかいい加減にしろ!と言いたくなるところですがご安心下さい。

 

 マギウスの上級幹部ですよ。みっふと同じかそれ以上の位ですよ。

 

 羽根達みたいに活動を拘束されたりはしませんので、チームみかづき荘にはウワサの弱点とか攻撃パターンとかの情報をバリバリ横流し出来ますし、彼女達とパトロールも可能です。やらないけどね。

そして白羽根程度かそれ以上なので証拠隠滅もお手の物です。  

おガキ様どもに裏切り者かと怪しまれたら証拠隠滅と欺瞞情報を流した上でテキトーにゴマを擦っておけばおkです。

それに完全な西育ちではないので、黒羽根たちに密告されたりする心配もありません。だから出身を北養にする必要があったんですね。

またおおまかな流れを示しますと、

チームみかづき荘がせっせせっせとウワサ討伐を進めている前半の章と本編直前はチームみかづき荘と情報交換をしてそれと並行する形でモブをスカウト&訓練して精鋭部隊を組織します。

あと下衆い決断を簡単に下せる優秀な人材の混沌さんは救出、洗脳されてるだけのナントカサンは適度に悔い改めさせて蝶々の恥ずかしいコスプレしてる人に返却します。

 

 中盤から後半開始直後にかけては精鋭部隊に対マギウスではこっそりと、対チームみかづき荘には大規模に活動してもらいます。

その一方で伯耆には対マギウスで色々と仕込みをしてもらって、最終的にはマギウスから精鋭部隊ごと脱退します。

()らこんなマギウス嫌だ。

あとはチームみかづき荘とフェントホープに凸って、トンチキトナカイ(ホリナ)をはたいて、蛾にモキュといろはを投げ付けて、ワルプルギスの夜を討伐して一部はタイマーストップです。

 

 

 もちろん重大な問題点はしっかりと有りまして、マギウスの翼活動初期から参加しているかつ神浜の中で強さ順で15位以内という条件を満たさなければマギウスの翼幹部には成れないんですよね。

マギウスの活動初期から参加するのは里見さんとこの病院で例の三人組に付きまとっていれば無問題です。但し病院は出禁になります。

強さ15位以内は……まあ今回は怪しいかもしれませんがクリアしている事を祈りましょう。

言うまででもないですがこれも次の部、この場合は即ち第二部の下準備をする期間でもあります。

ほとんどの場合、(下準備は)少しでもミスったら再走です。リカバリーは走者がアルまどではない限りほぼ無理無理のむりくぼです。

下準備でゴニョゴニョするのはウワサとか人材とか一個限りのアイテムとかなので変な方向に誘導したら戻って来ないどころか別の悪影響をもたらします。

リカバリもドンピシャの影響を与えるとは限らないので基本的には対症療法にしかならないです。

 

 細かい部分や端折った部分はおいおい説明します。二部のチャートは……まだ良いよね。

二部が始まる前に解説パートを挿し込みます。

 

 

 

 さてそろそろ始まるかな。

 

 来ましたね。

 

 「…ルゴ、ネッケッサ……ト……デスケンデ……」

あれまあ誰か喋ってる。自室じゃないの?

もしかして声的にみたまさんですかね。

まあ視界がはっきりするまで待ちましょう。

「……ィウス イン ウルテリオレス グラドゥス オルディニス。」

「ふぅ……はい、起き上がって大丈夫よ。」

はい、みたまさんでしたね。初手調整中とは珍しいですが、まあ調整チュートリアルをスキップする手間が省けましたしこれは良いガバです。

「もう、シャワールームで倒れてて大変だったのよ……桜雲はほかの子と違ってほぼ普通の人間なんだから無理したらあっさり命を落とすことになるんだから……」

はい?なんですみたまさん、今「シャワールームで倒れてて」とか言いました?ここは廃劇場の跡地にある調整屋ですよ。

たしかに冷蔵庫とかトイレとかはあるかもしれませんけどそんな本格的に生活する設備はないですよ。

「うーん……やっぱり頭打ってたみたいねぇ。一応病院で診てもらうをお勧めするわ。」

いやいやむしろ病院に行ったほうがいいかもしれないのはそちらだと思うんですけどねえ……。ほら桜雲ちゃんの動きは特に問題なし、なしだけど、あの今ベットから起き上がったんですけど、いやここ本当に調整屋ですかね。

なんかその嫌に小綺麗な、感じが、するんですが……

「『本当にこんな綺麗なとこが調整屋なの?調整屋といえばボロボロの廃墟じゃない?』ってひどいわねぇ。桜雲も住んでるんだし、いくら魔法で誤魔化せるとはいえそんなおかしな痛みに傷んだ落書きの廃墟にそのまま調整屋を構えるわけないじゃないの。もちろん方々に頼み込んでもらって土地を押さえてくれたことへの感謝は忘れてないわよ。」

なるほどおここが住居兼調整屋ですかあ。

そりゃあわざわざ調整屋に行く必要がなくなって便利なこったあ。

便利ですけどこれはオリチャーを入れる余地が増えすぎて、再走必須なのが悲しいなぁ……(諸行無常)

この再走は投稿するとしたらおそらく解説なしですね。

あっ、そうだ(唐突)、まさかだとは思うんだけど、チュートリアルの魔女は倒した扱いになってますよね。

なってたらタイムもらって帰るから……なってませんでした頭にきますよ~。

じゃけん魔女を探しつつステータス確認をしましょうね。

 

 

……少女移動中

いやあちゃんとした建物になりやがってさあ……

一応平屋建てみたいですけどなんか地下階がありましたからね。金かかってやんの。

しかもみたまさんの言うことが本当なら多分桜雲がガッツリ調整屋の設立周りに関わってますねえほぼ経歴ガバだぞコレ。どうすんのさ。

というか居住地設定どうした。

 ここは新西、いやチョットマテ街並みからしてここ中央区ですね。もしかしてつねに酔っぱらってて、中央区を北養区と勘違いしていらっしゃる?

いやまだこの子18だぞ、さすがに未成年飲酒は辞めてくれよ。

もし飲んでたら飲み方がどうであっても酒クズって呼びますので。

いや朝から酔っ払ってるなら絶対に酒クズでしょ(巨大主語)。

 

 じゃあメニュー開こうか……

 はい、やっぱりちゃんと魔法少女になっていて、

スリーサイズは、ウエストは理想的、ヒップは貧弱、バストはもっと貧弱……

バストAAですかまあその……何かよく分からんけど頑張れ(応援する気なし)

 

 性格は『冷酷』、『陽気』、『怠惰』。

RTA的には良いけどさあもうちょっと、いや本当にもうちょっとでいいからマトモな人間って出ないものなのかな……いやでも本当にマトモな人間だったら魔法少女として生き残ってないか。じゃあ感謝すべきなんだろうね。納得いかんけど。

 

 魔法少女歴は…九年!?

ベテランってレベルじゃねえぞオイ 。

暗算が正しければこの子は多分小学四か五年生で契約してます。何があったんだよ……

後でQBは叱りつけるとしてこれはエグいなあ。この年まで魔女化せずに生き永らえている事が奇跡ですよ。そりゃあ経験も100になるというものです。

じゃあ続きを見ていきましょうか。

服装はクソダサTシャツ一枚と首元に黒い金属製のチョーカーですか。

まあ…そうですよねその、今すぐ戻って服を着させます。

他のキャラだとこんな状態で外出しようとするとアラート出るんですけどね。なんででしょうね。コレガワカラナイ。

というかみたまさんが何も言ってこなかった時点でそのね。

 

……交友関係と変身後のソウルジェムの位置が少しでも悪かったらリセットしますね。

このキャラは御しきれない可能性が高い。今まで走って来た中でも今回は深刻な方です。

 それでは皆様お待ちかね、チッキチキの交友関係チェックのお時間です。

序盤最強と名高い回れ右ポイントなだけあり、ここを通過する条件はかなり厳しめでありかつパスしたかどうかの判別も後からしかできないため難しく、強力なガバ誘導装置としても働きます。

避けるべき魔法少女としては、文字通り芸術品に昇華しようとしてくるトンチキ芸術家(アリナ・グレイ)、良くないイベントをぽこじゃかとネズミの如く殖やすマゾヒスト(七瀬ゆきか)、ステータスを隠してくる混沌さん(更紗帆奈)、チャートどころかシナリオクラッシャーのサヨナラ勝ちさん(神名あすみ)、ハードのみだが最悪進行不能を起こす歴史研究部の皆さん。

こいつらが出た場合、有無も言わずリセです。手懐けた状態で始まる事は滅多に有りません。出るなよ、出るなよ。

では一応レンジを魔法少女に絞って、好感度順に並べて、それでは行きましょう。

せーの!! 

・八雲みたま

・里見灯花

・純美雨

・柊ねむ

・夏目かこ

・梓みふゆ

・胡桃まなか

・七海やちよ

は?(威圧)

本当かコレ。

ウソだろあまりにも引きが良すぎないか?

ホントか?

 

 えー申し訳ございません。酷く取り乱して仕舞いました。

まず灯花と親友かつねむと友人であるという事はほぼ確実にマギウスの翼に白羽根以上での入信を保証します。これでストーキングの必要性が消えました。

 

 更に将来幹部となるみふゆさんとも知り合っており、これまでの神浜での活躍によっては四人目のマギウスに推薦してもらえるかもしれません。

 

 という事はですね、

幹部級以上でマギウスに入れる事が確定したので、これまで考えていたクッソ面倒くさいストーキング作戦とゴマすり作戦をやる必要はありません。

あとは純美雨とかこちゃんがいるので常磐組のコネも確保してますね。という訳でファミレスはしごもバッサリカット。

 

 ただ不安なのが純美雨の方が夏目かこより上に来ている事ですね、恐らくですがかこ伝いでは知り合ってはおらず、蒼海幇絡みで知り合った可能性が高いです。

どのように絡んだかは経歴を読めば分かるのですが、ヤのつく自由業関連での絡み方だとすると、というか明らかにそれですね。まあそうするとただでさえ低い今の神浜の治安はさらに低下している恐れがあります。

ヤの人達みたいな人達のカツアゲでお金を確保して生きている野蛮な魔法少女にとっては単なる朗報ですが、私のようなヒッキープレイをするような人にとってはなかなかアブナイガバです。

これがどうして危ないかって言うと、夜に出歩く際にお邪魔虫が(たか)ってくる可能性があるんですよ。

集ってきた虫ははたけば良いのですが抵抗のある子の場合、逃げて警察に駆け込むのが関の山であり、はたかないと増えるあいつらは何度も何度も虫のように集って心優しい子たちのメンタルが大変な事になってあとは御存じの通り…(6敗)

なお、そういう奴らに対して攻勢防御をすればいいなどと言ってはいけません。

よっぽど特殊か、魔法少女歴が長い子じゃない限り自分の手でミンチと化した虫を見ると精神値が終わりになられます。

まあせいぜい本編直前まで持たせれば良いので巣荒らしまではしなくて良いかな。取り敢えずこのガバは対症療法で行こう。

 

 あとやちよさんからの好感度がひくいのはまあその、草不可避。

 

 気を付けるべきなのはこれぐらいですかね。なかなかいい仕事をしてくれたじゃないですか桜雲さん。これからも頼むよ。

え?さっきまでバストAAとか酒クズとか散々貶してたじゃないかって?

ナンノコトカナーシラナイナー。

 

 では早速魔女退治といきますか。

先ほどお着換えの最中、自室(推定)から数丁のAKとトカレフ、あと長いナイフを発見したので持ち出してきたんですが、

何かとっても嫌な予感がするんですよね。

それにさっきみたまさんが調整中に詠唱してたし、単にみたまさんの魔法少女としての能力が低くて魔術的サポートが必要なだけだったらいいんですが。

あ、いくらズボラだと言ってもお着替えは見せさせませんよ。

なにせ花も恥じらう……恥じらう?

まあいいか。魔女を探しにイクゾォー!デッデッデデデデ!(カーン)

 

 ようやく見つけました魔女結界です。

では桜雲ちゃんの初陣を華麗にキメて見せてやりやしょう。

魔女結界に突入と同時に左手握りしめて変身、変身できてない。

そもそも左手に指輪がないじゃん。右手にもないし。

メニュー開いて探しましょうか。どれどれ、ははぁチョーカーについてる箱の中か。

では首元を手で覆っていざ変身!

 

変身!

 

(できて)ないです。

やべえよ…やべえよ…嫌な予感ってこういうことかよ……

これでこのRTAは"マギレコRTA変身禁止縛りワルプルギス撃破ルートマギウス上級幹部裏切りチャート"になりました。

 本当にありがとうございます折角ご足労いただいて誠に申し訳ないのですが変身禁止縛り要素は速やかにお帰り頂けると幸いです。

 まあ駄目そうですね。

ええい致し方なし、AKもって魔女に突貫。使い魔は無視。邪魔してくるようなら踏みつぶしで寝てもらうか、体当たりで吹っ飛ばせばヨシ!

さて気付かれる前にクラウンチングして、カウントダウンスタートさせてじゃあいきますよ。

 

突   貫!

 

 

 使い魔の索敵範囲に突入、体高が低いやつは蹴っ飛ばして、そこそこあるなら体当たり。

かなり高いなら目の前の小さいやつ踏んでとび上がって、頭部に乗り上げてさらに跳躍。

八艘飛びの要領で加速しつつ跳んで、撥ねて、舞って、最奥が近くなったら反転使って敵への衝撃も無理矢理こっちに向かわせて跳ね上がり、速度落とさずむしろ重力で加速しつつ最深部の壁をナイフで切り裂きます。

 

いましたよでっかい敵です。毎度初期の神浜でおなじみ砂場の魔女のゼノビアさんです。

こいついつもチュートリアル魔女してんな。

じゃあ早速ですがグリーフシードを渡してもらいましょうか。

気づかれる前に高高度からAK二丁で射撃開始、敵さんによるアイサツの咆哮が終わる前までに半分削って、攻撃モーションに入った頃にはだいぶ接近してるので射撃ダメージは倍加中。リロードも忘れずに、このまま攻撃のアタリ判定が出る前に倒す、倒し、倒せた。

 

 はい。

ギリギリ倒せました。

走者はそこそこ神経にキマしたが、この子の疲労値は一切溜まっておりません。

グリーフシードもばっちり頂きました。では帰りましょうか。

ちなみに入手出来た経験値はたったの5でした。本当にありがとうございました。

 

 

 時期的に初日はこれ以上イベントが起こりません*5ので、魔女を適度に狩りつつ翌日まで倍速して……あれ?なんで倍速止まったんです?なんか弾薬取りに帰ってますけど別に倍速していいんじゃないですかね。

 

 「おかえり、記憶戻ったってことは杞憂だったみたいねえ。」

 おっただいまみたまさん。さっきは話の途中で抜け出してすまんな。

「いいのよぉ、それじゃあ私は施術に戻るから何かあったら呼んでねえ。」

 "Tutorial Clear"

 

 マ゜ッ゜(絶望)

 

 

 今じゃあまた呼んでねみたいな感じで颯爽と戻って行きましたが、アイツを許してはなりません。

調整屋のチュートリアルをクソ長くして私を嵌めてきました。数フレームロストです。

 

 そんな訳でセーブをして……

キリが良いので今回はここまで。

ご視聴有難うございました。マタネ。

 

今よく考えたらリセすべk……いやこんな短縮の余地があるのは初めてな上、大筋は変わってないので続行。

*1
まともにストーリーが進むモード。ランダム要素も殆どなければ、意味不明な分岐も無く、もちろんストーリー分岐以外でボス戦の相手が変わることは無い。

*2
ランダムと理不尽、あと悪意のある分岐。そういうちょっとどうかしてる愉快な仲間たちで出来てるよ。ドMじゃないと自負するならおすすめしない。ただリョナ系のスチルは沢山あるので、そう言うのに興味があるならやって、どうぞ。

*3
この数字の並びにも一応元ネタあり。

*4
要出典

*5
グリーフシード窃盗犯に遭遇する確率は下げられてしまいました。




整合性を上昇させた代わりにこの子と神浜のイカれ具合が加速しました。
あと執筆環境を変えたせいか謎の二連半角スペースが文の終わりに入るようになった。原因不明。


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Fragment.1:厄ネタは猫を被って(背負って)

 不幸を呼ぶ白猫の噂を聞いたのは何時だったか。

 少なくとも魔法少女になってから少しは経っていた気がする。

 

 なにかいい匂いがするからと、校内をふらふらと歩きまわっていたらいきなり匂いが消えたからあたりを見回してみたら女の子ふたりが密会中。

 

 何かなと思ってこっそり覗いてみたら、今追ってるかなり悪質ないじめの計画犯とそのナンバー2。

「やっぱりあの白い猫のウワサって本当なのかな。」

「うーん。私も流石にあり得ないと思ってたけど眼前でみせられちゃったらねえ。」

「ポケットにこっそり仕込もうと思って後をつけてたらいきなり倒れて、しかも腕の中から白猫が出てくるんだもん……」

「まあでもあの猫はなついてるみたいだし?私たちがやんない限りは不幸のどん底なんじゃない?」

「んふふふふっ、じゃあ直接やらなくて済むからだいぶ楽になりそうだよね。いじめの証拠潰しって物凄く大変だもの。」

 はぁ…………本当に同じ人とは思えない。

 少なくともあの時のクラスぐるみのそれより数倍は酷い。

 まあここで証拠もなく止めに入るのは観鳥さんらしくない。とりあえず一応シャッター音を消して……

 

 よし、ばっちり。

あとはちょっとだけ泳がせて犯行現場を押さえようかな。

「まあ変に寄ってくるのも嫌だし、今度は総シカトでもする?」

「あれもしかしてビビってる?大丈夫だって。今まさに不幸なあいつからあの猫は離れられないから。」

 

 そういえばさっきから会話が単なるイジメの計画にしては出てくる単語がおかしい。

特に猫やら不幸やら。

猫……?文脈からして隠し言葉か何かだろうか。

いやでもウワサと出てきたから、そのまま受け取ってよさそうだ。

それにしても不幸を運ぶ白猫か……普通不幸にまつわるなら黒猫が定石じゃないかな?

いきなり倒れるっていうのも、だいぶ盛りすぎ……もしそんな厄ネタなら真っ先に観鳥さんが見つけているはずだし……。

嘘くさいな……。

 

 こんな感じで流石に嘘か何かだろうと思いつつ一応こっそりと情報は集めておいて、もちろんすぐに観鳥報で扱うことはなかったのだけれど、しかし現実はそんな甘い考えをごくあっさりと裏切って来た。

 

 

 それはあまりにも唐突だった。

いつも通り登校して、クラスメイト達と談笑しながらHRが始まるのを待っていた。

まず玄関のあたりから黄色い歓声、なにかはわからないがこれは逃せないと思って一階に駆け下りていった。

降りてみればもうとっくに見渡す限りごった返す人の山。

そしてその中心は徐々に動いているようで、足を踏まれただの、押し込められて苦しいだのと悲鳴がたびたび上がる。

「さっき廊下にすっごい可愛い白猫がいた!」

「でも生徒指導の先生は門閉めてたって言ってたよ?」

「飛び乗ったんだよそれ。」

「あ、今職員室の方に猫が行った!」

 

 白猫かあ……。

あの噂の白猫が頭をよぎるがそうだとすればとっくにここの騒ぎは熱狂から酸鼻なそれへと変貌しているはず。

ということはただ本当に白猫に惹きつけられてるだけ……?

普通猫一匹でここまでの大騒ぎになるのものなんだろうか。

それとも最近の流行に観鳥さんが乗れていないのか、そうでなければここにキュゥべえ、あとそれとおかしな固有魔法……たとえば近くにいる小動物が勝手に衆目を引き寄せてしまうようなのを持った魔法少女がいるのかもしれない。

 

 もしそうだとしたら間違いなく制御不能に陥っているだろう。何せキュゥべえに魔法をかけてしまって未だに解除出来ていないのだ。

 もちろんこれは推測、あてずっぽう。

全くの的外れである可能性も排除できないけれど、おおかたはあっていてほしい。 

 そう思考を巡らせてできるだけ早く見つけてその解除を手伝ってあげようと人の群れの中へ飛び込んだんだのだけれけど……。

ここまで騒ぎが大きくなると人の体温だけで室温が上がってくる。

掻き分け、掻き分け、今まさに動いているだろう騒ぎの中心へなんとか潜っていっているけれど、潜航というよりこれじゃあ溶岩遊泳だ。

 

 

 そして、ようやくたどり着いたかと思ったの束の間。

 

「え?」

どさり、どさり、どさり。

 

 変な音がした。

いや、それが何を意味をする音なのかは理解できる。

けれど付随して溢れる疑問のせいで実感が追いつかない。

次々と白い猫求めて騒いでいた生徒たちが声も上げられず昏倒していく。

渦中から遠い順に半ば強制的な方法で熱狂が冷やされていく。

「なにが……起こって……」

 茫然と立ち尽くす間に崩壊は着実に近づいてくる。

 

 ばたり、ばたり、ばたり。

 

 ついに足元近くでヒトが倒れた感触がした。

 熱狂を冷ました温度が皮膚という皮膚を撫で回したような感触をおぼえる。

 それに呑まれないように屈むとつい今さっき倒れた人が視界に入ってくる。

ああ、なんで屈んでしまったんだろう。

ほら、ソウルジェムもじくじくと濁り始めてる。

 

 だってだってそれは、足元にあるその顔面は、先ほどまで談笑しあっていたそれだったのだから。

「────!ちょっと、ねえ、息してよ?」

せめて足元の彼女だけ助けようと、いや足元の彼女だけは助けられる状態であって欲しいと体を揺するもぐったりと倒れた彼女は何の反応も示しそうにない。

 

 けれど揺さぶるうちにその首元が曝け出されて──徐々に空気に溶け込み始めているけれど、魔法少女ならよく知っている精緻な文様が刻み込まれていた。

「はぁ…………なんだ、魔女だったのか。

 

……嫌になっちゃうな、色々と。」

 おかしなことでもなんでもなく、ただ魔女の仕業でしかなかったと分かると鳥肌が収まってくる。

 

 騒ぎの話題が話題だけに魔法少女かその類の仕業であると考えてしまった。 

もし真っ先に疑うことができていれば……いやたらればを考えていても仕方がない。

誰のおかげかは分からないが、もうとっくに魔女は逃げているか倒れているようだしとりあえず救急車を呼ぶのが先だ。

通報しようかとスマホを取り出した矢先。

 

 見知った声が聞こえた。

「令ー!大丈夫かー?」

ひなのさんが足元に倒れた人の山をえっちらおっちら避けつつ駆け寄ってきた。

「ごめんひなのさん、取り逃がした。」

「ああそれはいい。取り敢えず被害状況の確認が先だ。残ってる先生がこっちの安否確認をしに来る前に片付けようか。使い魔が隠れていて確認しに来たところに痛烈な一撃を……余り考えたくはないからな。」

119番通報しつつ、玄関から職員室まで被害者をカウントしていく。

「さてと……ここが本丸か。」

 

 先程までの熱狂の終着点。もちろんここも例外なく凍えきっていた。

 その出入り口の引き戸は見るからに傾き、ところどころに残った荒々しい凹み傷があの熱狂が実際に起こったということを生々しい伝えてくる。

「令、頼めるか。」

「あんまり得意じゃないんだけど……」

二枚の扉を纏めて勢い良く蹴りぬく。

がたっと扉は一気に外れて中の惨状が曝け出される。

「これはまた……」

 何かが焼け焦げた跡も、誰かが血を流した跡も無い。

 そんなことが起こる暇もなく、ある一点に引き摺られ良いように弄ばれた跡だけが残っていた。

 

 「多分ここにいた先生たちはまだ……あ、あああ。」

廊下に倒れている先生はいなかったんだ。じゃあだとしたらどうなったのかは想像に難くない。

「散々手遅れになったところを見てきたが、ここまでくるのは……」

ふらりとひなのさんが座り込む。

釣られて観鳥さんも腰を下ろす。

ソウルジェムが濁りきるほどではない。ある程度じくじくと穢れて、それでとまってしまう。

それが嫌になるけれど、もうどうしようもない。

これまでの経験がこんな程度のことで倒れるべきでないと思考を歪める。

結局、職員室でへたり込んだまま安否確認を待つことになってしまった。

 

 

 

「残念だがその白猫の噂とやらは今のところ東では聞いたことがないな。」

 翌日、二人で十七夜さんのところへ行って相談をもちかけた。

「だけどあそこまでの規模なら、なんかそっちにも多少は被害出てるんじゃないか?」

「いや、寡聞にして存じ上げないな。おそらく偶然にも出没場所が南凪に寄っているか、それとも出現したばかりか、そのどちらかだろう。だがどちらにせよ放置は悪手だ。とりあえず正体にアテをつけて作戦を練ろう。」

 

 十七夜さんに促されて、件の猫について今持っている情報を包み隠さず伝えつつ、正体と作戦についてああでもないこうでもないと意見を交わす。

 

 「とりあえず纏めておこうか。今考えられる仮説としては。」

・不幸を運ぶ白猫とは洗脳能力をもった魔女とである。

・不幸を運ぶ白猫とは一般人から魔力回復をする魔法少女とその使い魔。

・そもそも神浜の治安が悪いので住民が動物に乱暴を働き、その反撃を食らっているだけ。

「最後のは……」

最後のが真相だとしたら観鳥報なんて廃刊まった無しだよ。そんな敗北宣言は流石にしたくない。

「こればっかりは致し方ない。神浜の宿痾だからな。

ともかく、それ以外は都君たちが洗脳されて被害を増やす可能性がある。

よってこの作戦ではタイムリミットを設ける。

それをオーバーしたなら君たち纏めて今の神浜の最高戦力を集めて討伐を行う。

…………まあ、そんなこと言ったがようはこれは偵察以外のなにものでもないってことだ。

よろしくたのんだぞ。」

 

 

 

 

 

 

「さてと、どっから探そう…………と言っても近いところから探すだけなんだけどな。」

 取り敢えず学校近くの魔女がよく居着いている場所から手当たり次第手分けして回っていく。

 

「あれ……この匂い…」

 探し始めてから六本目の路地裏、いつぞやいじめ犯を見つけた時と同じ匂いが漂ってくる。

辿るまでもなく、見上げた建物の屋根からそれは強烈に薫ってきた。

心の中で住民に謝りつつ室外機や窓に足をかけつつ屋根へ上る。

顔をあげれば、一匹の白猫が気持ちよさげに昼寝している。

いつもの癖でカメラを取り出し一枚。

シャッター音がして、猫が起きるのかと思いきや、その子は特に気にせず眠り続けている。

抜き足、差し足、猫へと歩みを進める。

 写真のシャッター音ですら無視してくれたんだ、抱き上げる程度どうってことない。いやもしかしたら首元を撫でることも、舐めることも、ゆくゆくは絞めてキスして。そのあと頭から…………痛っ。

 

 気付けばいつの間にかこっちに寄っていた猫に首元を引っ掻かれていた。

急速に頭が冴えていく。

観鳥さんは今何をしようとしていたのだろう。

観鳥さんの目的はこの子をレンズに納めることと、例の不幸を運ぶ白猫の噂かどうかを確かめること。

「……ごめんね」

無駄に興奮していたようだ。それにしてはあまりにも欲求が過激すぎるような気がするけれど。

 

 この子が無実だとしても、観鳥さんが襲いかかったら反撃してしまうだろうし、そこから本当にいないかもしれない不幸を運ぶ白猫であると認められてしまうのは申し訳ない。

 

 しかしこの子は一向に観鳥さんから離れようとしないな。それどころか観鳥さんの顔を興味津々と見つめている。なんならゴロゴロ喉を鳴らしている。

そんなこんなで二、三分が経過した頃だったろうか。突如背後に人の気配を感じた。

恐る恐る振り返ると、なんてことはない。

ひなのさんだった。

 

 ひなのさんは観鳥さんの腕にいる子を見つけたのか嬉しそうに駆け寄ってきた。

「もしかしなくともその猫は!」

「いや、ハズレだったんだけど結構懐いて来てね。」

「んむむむ……そう簡単にはいかないか。」

観鳥さんは苦笑いしながら言ったのにつられたようで彼女もまた笑った。

そうしてまあ多分切り替えて次あたるぞとでも言いたげに口を開いて──呑み込んだ。

笑っていない。

推し量ることのできない怒りを浮かべている。

いやあれは本当に怒りか?憤怒というよりむしろ渇望。それも正しくない。

羨望より狂信というべきかもしれない。

「令、その子を渡せ。

その子を持つべきはお前なんかじゃない。

アタシがその猫を抱き上げ、撫で回し、舐め上げ、絞首し、咀嚼し、嚥下し、その残滓を凍結し、固定し、守護し続けるのだ。

ゆえに渡せ、渡せ、渡せ。」

唐突にジャーゴンを捲し立てた彼女の表情は怒りからえも言えぬものへと変貌していく。

その眼は虚ろで、顔は紅潮し、口からは意味もなく涎を垂らしている。

「ちょっと、ひなのさん?!」

さあ、早くアタシに渡せ。

さあ、さあ、さあさあさあさあさあさあさあさあさあさあ。

 

ああそうだ、あの白猫だ。あの猫のせいに違いない違いない。

あの不幸を運ぶ猫が観鳥さんの身体を硬直させているのだ。

今すぐ潰さないと、喰らわないと、味わわないと。

あのチーズのような白い白い毛を剝いてその下を舐めないと。

そうすれば、願いが叶う。もちろんKGPv3GPL2cYP2z様の願いが。

 

 

ガリッ

 

 

 首元に再び痛みが走り、こんな表現であっているのかわからないけれど酔いから醒めていく。

見れば猫が今度は強く深く引っ掻いていた。

「ありがとう。おかげで助かったよ」

白猫を撫でながら感謝の意を示したが、白猫は器用にぬけだしてひなのさんの肩へひとっ跳び。

そっちにもまた同じように首元に強烈な一撃を与えた。

「ちょっと何すんだ!せっかく構ってやろうとしたのに……あれ?これ……?」

咄嗟に避けたおかげで傷が浅くて済んだか、特に痛みに顔をゆがめることもなく傷口を見つめている。

「魔女の……口づけ?」

自分でも確認してみるとそこにはあのときと同じ文様が刻み込まれていた。

魔女の口づけ、やがて魔女の糧として死を選ばされる者に与えられる印。

 

 何故?

 普通魔女は魔法少女に口づけをしない。

そんな進んで外敵を呼び込むほど馬鹿じゃない。

だとしたら、これは。

 

 「上から結界が来るぞッ」

結界の入り口が頭上に浮かんでいる。

そしてそれが下降しつつひとりでに開き観鳥さんたちを覆ってくる。

空気が変わる。最近ようやく慣れてきたこの感覚。

「むざむざとやられるくらいなら、あたって砕けろで待たずに突っ込んでくる。

嫌いじゃないけど……」

嫌いではないけれど、よりによってその相手がこの観鳥さんたちなのは困るなあ。

 

 気味の悪い帳が降りてきて先ず目に入ったのは悠然と結界内を飛び交う羽の生えた使い魔たち。

視線をおろして地面には帽子かぶって行進する使い魔たち。

「時間かかり過ぎてこの魔女がとんでもない奴だと思われるのもあれだな。

令は左側、アタシは右側を。手分けして倒すぞ……ってもう来たか。」

 

 向かってくる使い魔から順に倒していっているけれどこれはしかしなかなかの大群、全部相手にしていたら日が暮れそう。

それに戦意喪失してすごいスピードで結界外に逃げていくのもいる。いちいち追ってたら魔力の無駄になることは間違いない。

 

「ひなのさん。逃げようとしてるのは負わなくていい。

とりあえず進路妨害してくる奴優先。」

 

 

 

 そうこうしてようやく最深部にたどり着いた。

魔女の部屋にあったのは巨大なお菓子のオブジェに囲まれた小さなあかい人形。

 

 「はぁはぁ。魔法少女やってきてここまで使い魔相手に骨折れるのは初めてだ。

なるほど、本体がこれだからあんなにヘビーだったか。」

ひなのさんはそう言っているけれど、むしろ使い魔がここまで強いのにも関わらず何もしてこないのは明らかに怪しい。

「生憎、そんなのに騙される訳にはいかないからね。」

念のためひなのさんが薬品付けにして動けなくしてから(最初から動いてないけど)、確実撮影をかけてから奥の手も出せないほど激烈に打ち込む。

 

「や、やったか?」

 弾頭とともにまき散らされた煙が晴れて極彩色が戻ってくる。

 

はたして魔女は──1つの傷も負わず観鳥さんの放った弾を周囲にくるくると回して、変わらぬ笑みを浮かべていた。

「なっ……んで……確実撮影をかけたはずなのに」

それに焦ったのか、畏怖したのか何発も無駄に打ち込んでしまう。

 

≪縺昴s縺ェ縺ョ縺倥c縺ェ縺上※、縺ゅ◆縺セ縺ョ繝√?繧コ縺後⊇縺励>縺ェ!!!≫

 

 怯える様子もなく魔女はこっちの射撃をすべて回収して、衛星の如く従えている。

「この感じだと薬品もあんまり効いてなさそうだな。」

「ってことは今のところ打つ手なし、か。けど危害を積極的に加えてくるわけでもないから」

とりあえず一旦帰って予定通り十七夜さん達を呼ぼうか。と声をかけかけた。

 

 けれどその必要はなかった。

 

 

 

「結界が硬化してる。ドアも消えてる。

 

あの魔女……アタシたちをここで飼い殺す魂胆だ。」

 

普通魔女の結界の壁面はすぐに再生するとはいえ流れ弾で傷つく程度にはもろい。

だけど、この結界は一切の攻撃が通用していない。

「さっきからこの魔女は本当に面倒な絡め手ばっかり……」

 

嫌な予感がして小さい魔女の方を向く。

さっきから一歩も動いていなかったはずの魔女がふわりふわりと浮かび上がっていく。

 

「なにか揺れて……」

魔女の動きにあわせて巨大なお菓子のオブジェがゆらゆらと動き始め、それに伴って足場がおぼつかなくなっていく。

けれど、それはむしろ揺れているというより……

 

 ≪繧ゅ≧縺薙▲縺。縺九i繧ゅi縺??縲!≫

 その虚ろな眼窩の奥を青白く光らせたかと思うと、周囲のお菓子が次々と引き抜かれていく。一点に収縮して輝きそして…………視界が純白に染まった。

 

こういうことをしてくる兆候はあった。

使い魔が異常に知的だった、自ら魔法少女を誘い込むほどに好戦的だった。

だからこれは、偵察にとどめておかなかった自業自得で……

 

そして

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 「さーすがに猫の上に猫かぶるのは飛躍し過ぎだったかな〜?

 まあいいや。

 そこの二人、流れ弾当たったりとかしてない?」

 

 

 その熱と衝撃が直に伝わることはなかった。

 

 代わりに目の前には白い長髪の少女がいた。

銃を二丁クロスして背中に掛けていて、緑と赤を基調としたコートに身を包んでいた。

「魔法少女……?」

 その姿は魔法少女という余りに無骨で、戦場帰りと呼ぶには余りに華美だった。

 

「当たらずとも遠からず、かな?

 

 でも、今のところ目的は一緒でしょ?単純明快あのアカイのをぶっ飛ばす。だからさ、協力してくれると嬉しいな。」

その赤いのは観鳥さんたちの代わりに攻撃をもろに喰らってぐったりとしている。

「それはもちろん。そうだね……観鳥さん達が後方に回ろうか?」

「本当?じゃあお願いできる?私は魔力少ないからサポートあるとかなり楽になるからね。」

 

「胡散臭いなアイツ……」

ひなのさんステイステイ。

それは分からなくもないけどここで突っ込むのはやめたほうが良いよ。

 

 

「さ~てとシャルロットちゃん、特に切羽詰まった理由もなしに猫に向かってああいうことするのは動物愛護の観点でアウトだからね。いやそんな絵面にした私も悪いんだけどね。」

そうやって語りかけつつ彼女はその人形の頭を鷲掴みにして、

思いっきり壁に投げてそこに間髪入れず銃撃した。

「さっきと違って攻撃を吸収出来てない!?」

「もう本体が出かかってるからね。」

驚く暇もなく、オブジェのあったところから黒い化け物が飛び出してくる。

「それじゃ、後方支援よろしくっ!」

 

 黒い本体は口を開いて彼女に勢いよく飛び込んだかと思うとギリギリで顔面だけ押し戻されて白い部分が体にめり込み絶叫を上げる。

「わーぉここまでの慢心とは驚くね。」

痛みに悶える口元へ手榴弾が五六個投げ入れられ、爆炎が上がる。

「牙の破砕ヨシ!

二人とも、ちょっと準備するから牽制よろしく。倒せるなら倒しちゃっていいよんっと」

 

 そういっては私たちのうしろに隠れて何やらごそごそとやったかと思うと、

 

「いっきまーす!」

観鳥さんの頭を踏み台にして背中の上へロケランに始まり爆発物満載したの猫(に化けた彼女)が魔女に突っ込んでいく。

魔女はこれ幸いと口を閉じてご満悦。

けれどその表情は何事もなく脇腹を割いて出てきた彼女を認めるとすぐさま怒りに変わる。

 

「あれあれどっち向いてるの?こっちだよこっち!」

 一方の彼女はもはや一仕事終えたとでもいうかのように足場に座って両手を降って魔女を煽っている。

その声に応えたのか応えていないのか魔女は一気に方向転換しつつその惰性で彼女の周りの足場を崩して下から掬い上げるようにかぶり付くも、

()()()()()!この足場崩して!」

「わ、分かった。落ちないで。」

取り敢えず彼女の言う通りにするとなんと彼女は近くの足場を全部無視して真っ逆さまに落下。ギリギリで五点着地をしてなんなく生きて帰ってきた。

「いやはや魔女の鼻先三寸でこんなことするのは久々で肝が冷えるなあ。

やっぱり私は魔女退治には向いてないね」

その戦いを見ていて肝が冷えるのはこっちだよ。

「さてあとは待つだけ。ありがと二人とも。」

「は、はあ。」 

気楽な彼女と違って魔女は何回もおちょくられて怒り心頭な様子。

 

 

 だが、

 みしり。

≪???≫

 みしりみしりみしり。

皮という皮に亀裂が入り、切込みを叩き台にその毒々しい体躯が一気に畳み込まれて縮んでいく。

 ≪縺?d縲√□縲√d繧√※≫

なんとか足掻いて一矢報いようとするも、

 ≪縺?#縺代↑縺??√〒縺ヲ縺薙l縺ェ縺≫

 その状態であっけなく内側から爆炎に焼かれて斃れた。

 

 

 あんなに手こずっていたのに、彼女が加勢した瞬間あっという間に片付いてしまった。

それに彼女の指には指輪がなかった。魔法少女の意義とは……

 

 

「なあ、令。

 今気付いたんだが、もしかしてこの結界。」

彼女の動きにすっかり見とれていたところを一気に引き戻される。

「この結界?何かおかしなところ、ッ?!」

魔女が倒されたことで結界が揺らぎ、徐々に現実に戻っていく。

 同時に驚愕の、否妥当な事実が姿を現す。

 猛烈に横から殴りつける風、 容赦なくかかり三半規管を狂わす重力。

観鳥さん達は遥か上空に投げ出されていた。

 「「「うわあああああああああ」」」

「あ、私は猫になればいいや。」

そういえば猫はある程度高所から飛び降りても大丈夫だと聞いたことがある。

それに加えて仮にも魔法少女ならこの程度の高さからの着地など造作もない。

ずるいな……

 

 「ふうなんとか着地出来た……もうこんな厄介な魔女はごめんだな。」

彼女はそのまま着地、観鳥さん達も彼女のサポートをうけつつなんとか着地。

「実質彼女に任せっきりだったから魔力消費は抑えられたものの……ここまで好戦的なのは疲れるな……」

 

見れば彼女はふわぁと欠伸をしたあと猫のまま立ち去ろうとしていた。

いや駄目駄目。ここまでので彼女が化けている猫が例の不幸を運ぶ白猫であるのは明々白々。

問い詰めねばならない。

 

 

 「なあ、ちょっとさ。」

ひなのさんが猫に先回りして猫の動きを止める。

「こっちもあまり時間がないから単刀直入に言う。

あの不幸を運ぶ白猫ってのはお前なんだろ?

こっちへの敵意がないのはわかっている。こっちも敵対するつもりはないから件のウワサの真相を教えてくれないか。」

「…………まあ、そうだねえ。ここじゃあれだからねえ。ちょっと着いてきてくれるかな?

あ、大丈夫大丈夫。時間制限はなんとかしておくから安心して。」

 

 もはや何も言うまい思うまい。

いちいち突っ込んでいたらとんでもないものが出てきそうだ。

着いていけば路地裏に入り込み、曲がって、進んで、更に曲がって、階段を降りて、狭い地下道に入って、鉄の重い防火ドアを開けて更に狹い路地裏に出て……

すっかり方向感覚を失った頃に「着いたよ。」と言われれて周囲を見渡すと古めかしい木製のドアが奥まったところに鎮座していた。

 

 彼女は臆すこともなくずんずんと侵入し店の奥に「お兄さん三人でーす。」と張り上げたあと適当に座席を見つけて勝手に座った。

 

 しばらくして店員さんが注文を取りに来る。

彼女は適当に飲み物を観鳥さんたちの分を含めて頼んで本題に入る。

「えっと……この度は南凪にお住いの皆様に多大なるご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。

 

……思ってもないことをよくつらつらとだって?

察しが良くて嬉しいなあ、その通り。」

彼女はひなのさんが不快感を浮かべるとそれに面白がって応対する。

 

「どっから話そうかなあ……よし決めた。

なんか私って一部の魔法少女から異様に狙われているんだ。

特段恨みを買うようなことをした覚えもないのにね。

この前だってすれ違いざまに……いや名前出すのはよくないね。

でも東と西のトップ、それに調整屋が庇ってくれるからそれでもこうやって生きていけるんだけど……

 いやああの人も容赦ないなあ、時間オーバーしたら最高戦力で叩き潰すなんて。厄介なのはわかるけど私はだいぶ省エネな魔法少……

 

おっといけない話が逸れた。

つまるところ、多分この魔女も私のおっかけの一人かその手下かもしれなくて自分なりに調べていたのだけど、あの一般人を口づけで疑似的な使い魔にしてくるのがどうにも避けられなくて。

 

それで基本的には擬似使い魔にやられる前に本体を叩いて潰す……けどこれのせいで強制解呪されてしまう人が増えて、結果的に私が出没すると不幸になるってことでこんな二つ名をつけられちゃったんだ。

 

……一応これで君たちが欲しい真相は全部かな。()()()()()()()()()()()()()()。」

「ってことはアタシ達はあんたのゴタゴタに巻き込まれたってことか?」

「そうともいうね。」

彼女の話がちょうど終わった頃に注文が届く。

 

彼女だけ高そうなパフェを一人で食べている。

ほんとに彼女は自由だな。

 

そうして飲み終わったころ、ひなのさんが思い出したように口を開いた。

「そういえば名前を教えてもらってないな。」

彼女はひとしきり迷った挙句、

「うーん。なんて名乗ろうかなあ。

 変なこと言って勘違いさせちゃうのも良くないし、ここで本名を言うのは折角助けてもらったのに失礼ってところもあるし何より品が無い。

 そうだねえ…………

 

 私はフェレス・F・B。フェレス・ファータ・バイセプス。

 名前の通り外国人だよ。多分ね。

じゃあそろそろ潮時だからまた今度。代金はこっち持ちで。」

 

 

そういって椅子から立ち上がった彼女の姿をレンズに入れる。

 タイミングを見計らって……

 カシャッ

「あっ撮られちゃった。またね!」

 

突如として喫茶店の壁にヒビが入る。

二人共逃げ惑うこともできずに広がっていく亀裂に呑み込まれる。

 

猫に化けていた彼女が手を振っているような、そんな気がした。

 

 

 

 

 

「観鳥君、あとそれに都君

はぁ……なかなか起きないな。」

 

その二人は学校の近くでそろって仲良く地面の上で熟睡していた。

タイムリミットが来たのでこっそりつけた発信機を頼りに二人を探しにきたが、やはり予想通りというべきか、ここまで仕込まれると、もはや恐怖しか覚えない。

「まったく……ほんとに君は」

 

 

 

 

 あれからどうやら道路に放り投げられて爆睡していたらしく気付いたころには既に月が上っていた。

久々に親に説教を喰らう羽目にあってしまった。

「あれっ……」

 あのとき撮った写真を見直すとそこに彼女の姿はなかった。

かわりにレンズに直接書いたような直筆のメッセージがあった。

咄嗟にカメラのレンズを確かめるもそこには何の汚れもなく綺麗なまま。

『Thank you for entertaining and helping me.』

そういえば振り向いた彼女を撮ったもう一枚はどうなっているのか確かめるとやはり彼女の姿は映っていなくて。

『The Witch's Grief Seed is in your breast pocket.』

 

 

……まさかね?

胸ポケットをまさぐると硬い感触。

特徴的な形状。

しっかりと入っていた。

 

 

 

「これは……完全に目を付けられちゃったって感じか……な?」

 

 

これがあの明らかに胡散臭くて自由な人との出会いだった。

 




・今回のイベント
 走者にも分からん。無から生えてきた。犯人はアイツで良いと思う。

・フェレス・ファータ・バイセプス
 自由な人。パフェが好きらしい。正体はわかんないですね(すっとぼけ)

・お菓子の魔女
 魔改造しました。そのモデルはレリエルたん。

・早くない?
 早くない、というか仕方ない。

・観鳥令
 書いてて惚れた。イケメン。ただし今回は胃痛枠。

・なぎたん
 保護者兼胃痛枠。お疲れさまです。


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Page.2:神浜ウォーカー第一夜

年度初めは色々と忙しいので初投稿です。


(ガメラ2の例のSE)

 

 常盤組組長をお尋ねするRTAはーじまーるよー。

 前回のあらすじ、チュートリアル、盛大にガバッた。以上。

 

 ではさっさと行きましょうか、二日目でございます。

 ここからゲーム内で三日間以内に終わらせるべきなのはただ一つ、常盤ななかサンに謁見して協力関係を取り付けておくことです。

 これがないとアザレアも散華終章も介入出来ずにあぼーんしちゃいます。

 

 聡明な皆様は独力で解決すればいいだろ? とか思われるでしょうがそれで上手くいくのは解決結果が混沌さんがこちらによって殺害された時だけで、それ以外だと対混沌戦線がそのままこちらの討伐グループに変貌(敵は本能寺に有り)してしまいます。しかも場合によっては混沌さんに手を下したとしても何か企んでると討伐グループが組まれちゃうんですよね。これだからハードは。

 

 もちろんななか氏に直で接触するのは困難を極めます。そこで取り巻き連中に仲介してもらう必要があるんですがぁ、このプレイではすでに交友関係に入っているので、適当に喋りに行くだけであっさり紹介してくれるんですよね。

 いやあ引きが良いと楽だなあ。この調子だと三日目へ入らない内に例のハロウィンめいた義賊ちゃんも拘束出来るかもしれません。それじゃあ、美雨とかこちゃんにアポ入れたあと魔女を狩りつつイクゾーデッデおっとお。

 

 そのまえに組長遭遇時の最悪なパターンのためにみたまさんから孵化寸前のグリーフシードを譲ってもらって、道中で今後のことも考えて盗聴器を適当に十個ぐらい購入しておきます。チャートの壊れ具合によってはまた後で買い足しておきます。まあそんなに使わないだろうし大丈夫。

 

 

 では倍速中の画面は非常に酔いますので、この画面は隅に置いといてこの前のパートの倍速で一瞬にして飛ばされた桜雲ちゃんの自室の様子をじっくりと見せるといたしましょう。

 

 桜雲ちゃんの使ってる部屋は二つありまして調整屋に裏口から入ってすぐの階段を降りて左に曲がると廊下があってここら辺でございます。

 ではまず応接室から。その右手のドア。開けると大きめの部屋が、はいこれでございます。

 照明は落ち着いた光のシャンデリアで、床には臙脂色を基調としたトルコカーペット、そしてふかふかのソファに重厚で落ち着いた色調の本棚が二つ。そして同系色だが厚みが薄い見世棚そして埋め込む形で収納棚、奥にはやっぱり赤みが差したどっしりとした木製の机。

 机の方に進んで行くと、右手の方に部屋が続いていてそこには天蓋つきのベット、さらにすすんでバスルーム。

 これは多分使えるでしょうけどただそれだけの飾りなんでしょうね。

 廊下に出て今度は反対側むしろこっちのドアの先が本命です。というか自室です。

 ここを開けるとですね……

 

 

 うぉっと解説中ですが倍速が止まりました。何があったんです? 

「すまんな嬢ちゃん、分かっとるう思うけどここで佛さんなってもらうでな」

「もうな、こっちはキレるのを通り越してまっとるのよ」

 えー、あのですね、落ち着いて聞いてください。あなたが倍速している間に路地裏でヤのつく自由業周りのヒットマンに囲まれました。嘘はついておりません。

 いやあなんでこうなったんでしょうねえ経歴ガバですかね。

 それにしてもヤのつく自由業の皆さんに狙われるってどういう風の吹きまわしかな? 

「ほんなら大人しくそこで立っとれ、動いたら痛いからな」

 

 あっ……ふーん(オリチャー発動)

(動かなくても痛いので止まら)ないです。

 こんなのまともに受けてたらタイムロスにしかなりませんし、逃げてもいろっいろと問題の先送りになるだけなのですぐに片付けます。しまっちゃうおじさんです。

 もちろん銃火器は使いません、こんなところで使ってしまうとすぐにパトカーが来てお縄です。(1敗)

 

 いやあ神浜の警察は動けるような状態じゃあないはずなんですがねえ。その時不思議なことでも起こるのかな。

 じゃあ近い順に処理していきます。基本的に殺害する必要はなく気絶させるだけで十分です。けど魔法少女暴力を喰らったプレーンな人間はベコベコに凹むんですが、あくまで殺そうとはしていないっていう建前が大事よ。

 

 まず一人目、初手発砲してきますので屈みつつ襲って手刀で拳銃を落とし、そのまま首掴んで壁に勢いよく押し付け慣性で頭打たせて黙らせます。返す刀は二人目へ、さっき掴んだ首を離さずぶん回して無力化。

 

 そのまま一人目を振り回しながら三人目、四人目。危っっない今狙撃が耳元をかすめましたね、多分屋根の上からですねもちろん次は喰らいません肉壁をかまえて数発受けつつ屋根に登ってさっき不遜にも打ち込んできた五人目をリロードされる前に思いっきりグーパン。続けざまに六人目は蹴り飛ばし、七人目は突貫してきましたがすべからく飛んで火に入る夏の虫、肉盾には向こうからの八人目による射撃を防いでもらいながら飛び上がって膝を顔面にめりこませてさようなら良い夢見てね。そして当の八人目は反対側の屋根の上、飛び移りつつシールドバッシュ。ここは最速を取るなら七人目への攻撃中に来たのを躱す勢いで七人目を両足ローキックで蹴り落として、屋根を滑りつつ跳んでのタックルなんですがここは安定をとりました。そしてちょっと遠くで今か今かと狙撃銃構えている九人目あれが奴さんの本命です。走者は親切なので狙撃する前にボロボロの赤い盾をシュゥゥ――――――ッ!! してダイナミックで幸せなキスをさせてあげて状況終了。

 

 ぬわああああん疲れたもおおおおん。

 変身出来ないのが実質被弾縛りにもなってるので神経がゴリゴリすり減らされます。でもこんなに前線張るのは序盤だけだからミスしなければ、ミスさえしなければ……(フラグ)

 

 さあさっさと美雨とかこたんの御尊顔を拝んで常盤女史との協力を取り付けに行きましょうぞ。

 

「ギッ……タスケ、キュウキュウシャ……」

 あれさっきサンドバッグで殴って寝かせたはずの人だ。あれ食らってなんで生きてるんですかねえ。ちょっと失礼…………アッ、えーっとそのですね何もありませんでした。なんか魔力反応があった気がしましたが気の所為です。気の所為です。大事なことなので2回(ry

 

 調子が狂いましたがタイムは狂っていません。続行します。

 

 ここがあの女のハウスね、お邪魔しまーす。

「ふぁあぁ……誰ダこんな朝早くから」

 おはよう美雨さん。もう十時前ですよ。

 さて恒例の指輪チェック、よし嵌めていて色も青色。問題なし。それと魔法少女図鑑にも登録済みちゃんと名前もあってるね。このチェックをしないと本当に冗談みたいなガバが起きるので重点です。

 

「桜雲じゃないかてどうしたんだ血まみれじゃないカ……」

 はいここでイベントが発生しました。ななかさんへの連絡フラグは捨てました。大丈夫かこちゃんに聞けば良いから。

 

 条件は蒼海幇の敵対組織の構成員を3人以上10人以下殺害した直後に美雨と遭遇することです。おっかしいな殺してはいないんだけどな(すっとぼけ)。

 内容はシマを荒らしに来た蒼海幇の敵対組織への懲罰行動を通じて神浜の治安を改善するというお使いイベントなのですが、これ本当にお使いの範囲なのかな? 

 

 普通のRTAでこれをやるくらいなら再走した方がマシです。しかし残念ここは自分からの荒事が悪い影響を出す裏切チャート。色々くれる(もちろんタイムも)蒼海幇とのコネクションを確保出来るのでやった方がお得です。

 まあ元々は件の西側のゴロツキを大陸から神浜のあいだの反復運動ですり減るまで使い潰すつもりだったんですが仕方ないね。

 

 それに神浜の治安度がノーマルのそれを基準として一定値より多く減少していると、これの影響が本編に出るようになります。

 これがまたガバの発生源になるわけですが、先んじてこのイベントを発生させることで影響を長期間(だいたい二部終盤まで)に渡って無効化出来ます。

 だから素通りせず叱りつける必要があったんですね。(メガトン構文)

 

「『本気で襲い掛かって来たら相手をしたほうが面白いって』ホントにお前は……

 ……取り敢えずシャワー貸してやるナ……あと服もワタシのだけれど」

 

 ああ……美雨ちゃんは優しいなぁ。まあなんか妙に信用されてない感じがしたけど気にしない気にしない。

 

 ありがとね美雨ちゃん、シャワー借りて戻って来たら最初のお使いイベントなので軽いムービーが入りますがスキップ可能です。

 

 

 

「本当に申し訳ない。チャカとタマは組が持つ」

 

 ヒャッホウこれでほぼ銃火器が無尽蔵に使えます。やっぱり持つべきものは扱き使って良い人脈とパトロンですね。

 どうやらムービー中にパッパが来てたみたいです。かっこいいね。

 

 そういえば舎弟の皆様は? 

「警備に回した。ったくサツも軍も数年前ので尻尾を巻いて逃げ帰ってこないせいで治安維持が俺らみたいな筋物の仕事とはなあ。まあ筋物言っても蒼海幣はここ数年で慌てて錆付いたツテとコネを辿って何とか傾きなおしたって感じだがな」

 

 うっ……わ。

 クソ治安ここに極まれりですか。どうすんのさコレ。なんとか(治安良いふうに)インチキできんのか。

 龍が如くになっちまうよこのRTA。

 

「あと、こうやって頼んでおいて何なんだ、三ヶ月以内に片付けてもらえると助かるんだが……」

 あ、いいっすよ(快諾)三ヶ月以内にきっちりお灸を据えてまいります。

 ですが三ヶ月もかけているのはRTA走者の名折れも名折れ、とっととお片付けして恩恵を最大限に受け取ります。 

おっと弾薬と手榴弾を多めにくれました。

 

 では受注したので次の目的地へなんだい美雨さん。

「ソウダ。なんか最近うちのが迷惑かけてるみたいだが、大丈夫カ? ……こんなこと言うのは無礼極まると理解してるけど許してやてくれないカ、どうもアイツでも抑えられないみたいらしいナ。何でも目に入ると体のコントロールが効かなくなるらしいネ」

 

 はい? もしかして紫の狂犬ちゃんの話? 

 ということはなんですかね、飼いならしてるんですかあの子を。

 ヒエッ……(狂犬制御失敗で10敗)

「じゃ、またナ。なにかあったらまた聞いてくれればいいネ」

 まったねー。

 

 いやあ走者的には大満足です。あとはこのまま夏目書店まで行って、生け花展のチラシを貰ってななか氏に頭下げるか、分からせて協力関係を気付いたら終わり! 

 この調子だとPage.2は5000字弱で終わりそうだぞ。もしかしたら世界記録狙えるのでは……? 

 

 はーいかこちゃーんネクロノミコン買いにきたよー

「売ってませんよー」

 あれ冷たいな

 というわけで夏目書房でございます。たまーにでっかい時があるんですが今回は平均的なサイズですね。

 因みに件のネクロノミコンは超低確率で入荷してます。もちろんそのときはかこちゃんのSAN値がイッテルので当然売ってはくれませんが。

 ルルイエ異本は布教してくれるけどね。あのかこちゃんはそうだなあトッテモカワイカッタナ(こわくてこわくていやだった)

 

「うーんこの匂いは美雨さんのところに行きましたね。……今度は何を企んでいるんですか」

 何ってお使いたのまれに行っただけですが……

「うーんとっても怪しいですよ……まあ何やってもいいですけど怪我だけには気を付けてください。あなたの戦い方、いっつも危なっかしいんですから」

 はーい。

 さてここでグリーフシードを落とすふりをしつつかこちゃんの指輪確認、あと穢れを回収しておきます。

「あっ、この前の忘れ物ですよ」

 金属バットね……チアの子が交友関係にいないので野球絡みではないっぽいから普通に攻撃用に使っても無問題でしょう。

(攻撃用に金属バット用意してるの武器選びの癖がだいぶ曲がってるのが如実に出ていて個人的にはすき)

 

 おやおや大事なことを忘れていました危うくロスするところだったよ。

 そこにある華心流生け花展のチラシ一枚下さいな。

 

「あっ……はいどうぞ。

 そういえば知ってるかもしれませんけど、迷っている人がいたら助けてあげて下さいね。私は、待ってますから」

 

 これは……不味いな。こんなセリフ聞いたことありません。絶対にななか様になにかが起こってます。ここの道中で一二個グリーフシードを稼いで埋め合わせる予定でしたが捨てます。

 最大戦速で展示会場に急行します。待ってろよ突撃となりの生け花展示会。

 

 と言っても長いことには変わりないので倍速を

 

 おっとすぐに倍速が止まりましたね。なんですかね今度は……ってななか様じゃないですか。

 ちょうど良かった。かこちゃんからなんかおかしいって聞いたけど

 

「…………誤解とのことで色々とあなたのことは調べさせてもらいました。

 しかしというかやはりその中にあなたが犯人ではないという証拠は見つかりませんでした。

 それどころか……どうも方々で名前を明かさずに事件を起こしていると、その中には私の見たそれと似通っているものもありました。

 

 あの子たちにはこんな終わり方にしてしまって申し訳ないですが…………いいえもうその必要はありませんね。

 

 今日という今日はここで止めて、潰します。

 もう二度と神浜を乱すことのないように、もう二度と人々が弄ばれないように」

 

 

 ななか様! 何してんすか、やめてくださいよ本当に!

おっおまいきなり変身して襲う宣言とか愛が重すぎるぞ。

 はいというわけで不本意ながら対常盤ななか戦です。

 ただし、すでに常盤ななか戦は20回ぐらいやってるのでわりとあっさり99.9%ぐらいの確率で勝てます。

 ちなみに20回とも被弾はしてました。だめだなこりゃ。

 さっきから魔女狩りしてて分かったんですがこいつ魔法少女相手だと分がわるっもう始まってる!? (緊急回避)

 まあ良いでしょう。

 今度は銃火器が解禁されてますけど被弾禁止なので結局使えませんが……おっと手が滑った何故かさっきまで持ってたグリーフシードが向こうに飛んでっちゃった。

 

 ほぼ丸腰かつ変身する様子がないと見たのかいきなり踏み込んで殺しに……殺しに!? あれこれリセ秒読みでは? 

 まあこちらにはかこちゃんからもらった金属バットがあります。

 その愛を届かせてたまるかよっ! それ愛か? 多分(根拠なし)

 

「なおも自分ではないと言い張りますか。

 演技が得意なのは知っています。そして故に、あなたとの対話が余り意味をなさないことも」

 いや結局こっちも迎撃したから強くは言えないんですが桜雲ちゃん多分嘘つかないから話せばわかるから、話せばってギア上げてきましたね。こんなとこで被弾していてはゆくゆく死にますので完封します。 

 

 まずは3フレーム技2×4の計8連発。そして目玉の1フレーム技をノーミスで処理します。

 二本の刀による4連続の斬撃を全てあちらへのダメージにします。失敗したら金属バットごと桜雲'sbodyが真っ二つになるだけです。なあんだそれだけか()。

 

 まず一撃×2、二撃×2、三撃×2、そしてだいぶ位置がズレてるから難所です四撃×2、これで懐がガバガバになったので今です。

 突進しての、相手を吹っ飛ばすレベルの撃力があると判定が厳しくなってき、つ、い。成功しました。

 

 空中に浮かんだので攻撃当て放題です。

 どう受け身は得意かい? 

「空中戦で分が悪いのは知っているくせに」

 そりゃあよかった。

 ここはミスったらロスです。金属バットパス。

「ぶはッ……」

 頭にクリーンヒットしました。これで1ゲージ削れました。ただあと継戦不能化までもう一つゲージあるんですよね。

 落ちてきたらなんとびっくり魔女の結界にどぼん。

 さあてと、魔女の結界ということはですね。

 相棒(銃火器)の出番だぜ。れっつごー。

 お邪魔しまーす。困惑中のところすみませんが、あれ? そんなことなくて普通に立ってるのか? 

 

「……にしろ」

 なんです? 

「大概にしろっつってんだよォッ。この化け物女がッ! 

 なにかに付けては愚弄し、侮辱し、挙げ句にここまで楯突いて来るのに殺そうとしないっ!」

 

 いやだって死んでもらったら困るし。

 けど継戦能力だけは奪わさせてもらいますがね。

「醜悪で、外道で、非情な魔女、お前が名乗るべきは魔法少女である筈がないっ」

 

 ひっどいなあ。何をしたって言うんだよ。

 ちょっと恨み買い過ぎじゃないかな、そんなもんなのかな。そんなもんですね。

 

 立ち上がる前に最後まで削りきるのは無理そうですね。

 

 距離を取って弾幕貼りつつ、飛び込んできたら緊急回避。

 

 繰り返して、怯んだら、あっと弾切れならちょっと挑発して、

 

「ここで堕とすッ! 白椿! ……いない? 

 不味い使い魔がっ、くっ……このままじゃ一撃を当てる前に轢き潰されてっ……」

 上だよ上、ほらここ。 結界の天井にナイフぶっ刺して屈んでるんだよ。

 一撃必殺、魔法少女式飛び蹴り(ラ○ダーキック)だぁぁぁぁぁぁ

 はい。(冷静)

 

「ぐっ……またもや一撃も与えられずに醜態を晒すとは……」

 魔女はさっき貰った手榴弾を全部投げこんで処理して、ななか氏は引きずりだして縛っておきましょうか。 

 お嬢ちゃんや、何勘違いしとるんかわからんけれどお話しようか……

 

「元々私達、いえ私は神浜各地を飛び回ってはそこにあるものを全て喰らい尽くしていくある魔女を追っていたんです」

 

 ほへえ魔女がそんなことを……看過できないですねえ。

 なんだったら協力してあげましょ……

 

「ですが、神浜で起きる不可解な事件を追って行くうちに明らかに魔女の仕業だとすると説明がつかないと思うようになって来ました。

 なんと言いますか、あまりにも上手く行き過ぎていて、それもその上人間が考えるような、人を絶望へ陥らせる方向へ。

 そこで私達は犯人を、捜査対象を魔法少女に切り替えました。ええそうです。

 私はこれが魔女を操ることの出来る魔法少女の仕業であると気付いたのです」

 

 …………

 …………

 …………

 はい?

 へ?

 えぇ!? えぇ……ぅおお、え? (セリフ忘れ)

 

 自分から犯人が魔法少女だってことに気が付くのか……

 もはや介入する必要ないのでは? 

 いやでも普通のななかさんはこの考えに至るような思考回路持ってないから。

 

「もう騙されませんよ。今はあなたを倒す力量を持ち合わせていませんから今日のところは撤退しますが、いつか必ず」

 うわぁ……こりゃだめだ。

 仕方ないのでチャートを切り替えます。このままアザレアイベントに直接介入すると懲罰同盟が形成されてしまうので間接介入チャートで常盤組を見守ることにします。

 じゃあもう帰りますね、縄は外して置くので自分で帰ってね。

 

 

 ……!? ちょっ、背後を取られたんですけど。

「油断しまし

 

 ……ふぁれ、なんで力が抜けて、

 抜かへて眠く」

 

 ななかサンいつのまに……いやそれよりなんでいきなり寝てるんですかね。

 

 

 スゥーーーッ。

 前言撤回、直接介入ルートでいきます。

 さあてと調整屋までドナドナしますよ〜

 

 

 みたまさーん。1名急患でーす。

「!? ……分かったわ。すぐ処置するから」

 あ、こっちでベットまで運ぶよ。

 

 さて調整中に今回のアザレア介入チャート(最新暫定版ver3)について軽く説明したいと思います。

 今回はななか様が妄想、否あてずっぽうで黒幕の実態を半ば言い当てた代わりにこのキャラを狂気的に付け回すようになってしまっております。

 そこでみたまさんに頼んで正気に戻して貰うことで散華終章までスピードクリアしてしまおうという、そういうチャートでございます。

 あたいったら天才ね。

 

 一章がおかしくなるかもしれませんがストーリーとか設定がガタガタでもチャートが通れば、正確に言えばチャート成立させるポイントが残っていれば全てヨシです。そもそもこのゲームのハードは完走出来れば御の字ですからね。

「ちょっと手伝って」

 アッハイ。イキマスイキマス

 さてさて桜雲ちゃんのコネクトはどこまで出来るのかな、スキルツリー見てみましょ。

 お、視界ジャックまで達成してる。なら大丈夫そうですね。

 じゃあコネクトして、みたまさんの観測結果を出力しつつ、パソコンに繋げられないから手書きだ。

 あとはたまにみたまさんの施術に助太刀して……終わり! 

 

「浅いところからでも分かる規模の構造変化が起こっているわね。

 この感じだとどうやら固有魔法が過剰励起されて人格と思考の領域にもたれこんでいたようね。それも痕跡的に長時間……そして行き先というか指向先の魔力パターンは貴女と75.8%類似……でも私が戻そうとしたら一切抵抗がなかったから本人が意図せず事故に近い経緯で励起したのか、それとも…………

 

 いえもっと単純なことだわ……これは根を詰めすぎたようね、いきなり寝たのも諦めかけて力が抜けてそのままコントロール出来なかったからみたい。」

 

 なるほど? 疑わしいやつを固有魔法でのサーチを最大にして追ってたら使いすぎたおかげでこの子が真の敵として認識できるようになったってこと? 

 

「そうみたいねぇ……凄まじい執念ねえ」 

 紫髪の人がちらつくなあ。今回はイージーじゃなくてハードモードっぽいけど大丈夫かなあ。

 

 

 そんなこと言ってたら起きてくれました。 

「そんなッ……私としたことが申し訳ありません」

 いやいや大丈夫よ。

 

「特にここ最近はあなたのことを望んでもいないのに頻繁に頭の中に出てきて、ずっと復讐心で心が滾り続けいるからと言い聞かせて来たのですが……今考えると何故私はこの異物感を拒絶しなかったのでしょうか」

 

 さっき言ってたみたいに固有魔法が侵入してたらしいので拒絶はそもそも無理ですね。

 

 

 それはそれとして(デビルマン)、多分その推測はあってるだろうから捜査やりなおしたらどうよ。多分一瞬で片付くと思うんですけど(名推理)

「実はチームはほとんど壊滅状態で……あなたの名前を挙げたときに美雨とかこが離脱、貴方への殺害を中心にした時に、あきらが離脱してしまって。今は自分一人で」

 

 

 と゛お゛し゛て゛こ゛ん゛な゛こ゛と゛に゛な゛る゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛

 

 

 

 折角すぐにエンカウント出来て散華終章直行かと思ったらkonozamaです。

 もうめちゃくちゃだよ。

 だが、だがまだだ! 

 ま、ままままだ慌てるような時間じゃない。

 好感度高い順から呼びつけて引き取ってもらえるまでチャレンジだ。

 それで撚りを戻してもらえると嬉しいなって。

 戻せなかったら大ロスです。

 

 美雨さん今時間空いてる? 

「行けるヨ、多分調整屋だろ。かこも呼べるなら呼ぶ」

 なんでバレてるんですかね。

「なんでてかこからななか絡みで何かしようとしている。てメッセージが来たからナ」

 おう、何だと思われてんだ桜雲ちゃんは。愉快犯か? 

「毎度毎度よくわからんことするからナ。それはそれとしてアレに害意ありと断定したななかもななかヨ」

 

 はい、というわけでななかさん。何とかなりそうですよ。というかあんな感じだったのを他の子が気にかけてないわけないじゃないですか。ほら貴女が襲ってた相手もこんなに尽くしているんですよ。ね? 

(今回走者なんにもしてませんが黙っていれば問題ありません)

 

 

 あっそうだ。(唐突)

 今回の施術は普段の調整と違ってかなり特殊だし、副作用とか再発とかあると困るから連絡先交換しない? 

「これがそっちから掛かってきたら……」

 そういうことです。察しが良くて助かるよ。

 まあ多分ないから大丈夫だよ。多分。へっへっへっ

 さてお迎えが来たので盗聴器を仕込んで適当に見送って終わりです。一時はどうなるかと思いましたけどどうにかなりましたね。

 

 では自室に籠もって仲直りの様子をば

 

 あれ電話、はいこちら調整屋。

『「申し訳ないけど部外者だから」とかこっちに顔出さないのはあなたにしては自重出来てると思いますけど、だからと言ってこれは流石に趣味悪いと思いますよ、桜雲さん』

 あっはい。ごめんなさいかこちゃん。

『あながち間違ってないんじゃないですか、アレ?』

 

 全く反論出来ません。

『いいですよ、いつものことですから。

 それに今日は流石にこういうことする気分にはなれないですし』

 ですよねえ。あの調子だとしばらくは動けなさそうです。

 

 

 一応オチがついたので今回はここまでです。

 ご視聴ありがとうございました。




・RTA
浜で死んだ。上手くいったと思ったらいつの間にかそうでもない。

・常盤組組長
過労で暴走した。五回休み。ゆっくり休んでね。

・ガバ
良くも悪くも、プラマイゼロ

・みたまさん
曰く、「桜雲だったらもっと派手」とのこと


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