ストライクウィッチーズ A級戦犯ウィッチの真相 (白銀の髪)
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調書  A級戦争犯罪人調書第36頁 烏川仁美

名前 烏川仁美 Hitomi Karasugawa

 

最終階級 特務少佐

 

所属 オラーシャ社会主義共和国連邦空軍 第941航空隊

 

生年 1932年10月7日

 

執行日 1957年10月7日

 

没年 1957年10月7日

 

軍歴 1936年〜1956年

 

階級遍歴 扶桑皇国海軍 二等魔道飛行兵→一等魔道飛行兵→上等魔道飛行兵→魔道飛行兵長→二等魔道飛行兵曹 →一等魔導飛行兵曹

     カールスラント帝国空軍 伍長→下級軍曹→軍曹→上級軍曹→先任軍曹→曹長→特務少尉→特務中尉→少尉

     リベリオン合衆国    少尉→移籍

     ブリタニア連邦     少尉→特務大尉→移籍

     オラーシャ帝国     特務大尉→特務少佐

     オラーシャ社会主義共和国連邦   特務少佐

 

部隊遍歴 舞鶴基地第299飛行隊→扶桑皇国海軍スオムス第二義勇飛行隊→扶桑皇国海軍オストマルク義勇飛行隊→扶桑皇国海軍カールスラント第三義勇飛行隊→カールスラント帝国空軍第58航空隊(JG58)→カールスラントオラーシャ第2義勇飛行隊→カールスラントアフリカ第4派遣飛行隊→ストライクウィッチーズ(501JFW)→ブレイブウィッチーズ(502JFW)→カールスラント第199航空隊(JG199)→ストライクウィッチーズ(501JFW)→カールスラント第199航空隊(JG199)→ストライクウィッチーズ(501JFW)→リベリオン第988航空団→ブリタニア第199航空団→オラーシャ第999航空隊→グリムウィッチーズ(511JFW)→オラーシャ社会主義共和国連邦空軍第941航空隊

 

機体遍歴 九〇式→九五式→九六式→He112→Fi167→ホーカータイフーン→He112→Bf109B2→零式二一型→Bf109G2→Ju87→Fi167→F4F1→スピットファイアMkⅡ→Yak3→Mig3→Bf109G6→零式五二型→紫電三二型→Yak7→P51B→烈風二一型

 

撃墜記録(ネウロイ) 確定238機 共同撃墜126機 合計スコア 301

 

撃墜記録(ウィッチ) 確定146人 共同撃墜0人 未確認488人 合計スコア 194

 

撃破記録 戦車 291両 航空機 681機 艦船 92隻 合計スコア 4847

 

その他  民間人 約18000人

 

罪状 戦争犯罪項目A(平和に対する罪)

   戦争犯罪項目B(人道に対する罪)

   領空侵犯

   スパイ行為

   および多数の重犯罪

   多数の軽犯罪

 

判決 死刑(絞首刑)

 

烏川仁美。世界で唯一のA級戦犯ウィッチであり、戦犯として処刑されたウィッチでもある。彼女はなぜ、A級戦犯として逮捕され、処刑されたのか。その真相を知る人間はすでに少なく、当時の彼女を知る人間も少ししかいない。彼らが生きている間に、私は、彼女の真相を調べたいと思う。

 



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サムライ 坂本美緒氏

かなり遅れましたが、新年あけましておめでとうございます


「あなたが記者か?」

 

「ええ、はい、今日はあなたに会えて光栄です、坂本美緒さん」

 

「はは、私はそんなに敬われるような人間じゃない、外だと少し寒いだろう、上がってくれ」

 

「では、遠慮なく」

 

「粗茶だが」

 

「すみません」

 

「で、何が聞きたいんだ?あの戦争のことはほとんど話したはずだ」

 

「今回は1人のウィッチについて聞きたいんです」

 

「私がそいつについて知らないかもしれんぞ」

 

「いえ、知っているはずです、烏川仁美特務少佐について」

 

「そうか…ついに聞きにくるか」

 

「はい、知っていることならなんでもいいので教えてください」

 

「私が烏川と初めて会ったのは、扶桑海事変の時だ」

 

「はい」

 

「私たちは当時は少佐だった、北郷少将率いる第12航空飛行隊として扶桑海、ウラルの方に進撃した」

 

「初めて見たのはその時だ、確か、ガランド少将、当時は大尉だったな、まぁ、ガランド少将と飛んでいたよ、数キロ先から見た時はそうだった」

 

「彼女は未だに旧式を使っていたのを覚えているよ、あれは九〇式だった」

 

「九六式ではなかったのですか?」

 

「いや、確かにあれは九〇式だった、魔導機関を背負っていたからな」

 

「そうですか…」

 

「で、だ、その後も何回か出撃したが、その時も常に戦闘空域すぐそばにいたよ」

 

「烏川の軌道は人ができるような物じゃなかった、何度か真似しようとしたが、無理だったよ」

 

「九〇式でできるのだから、九六式で出来ないはずがないと思ったさ、だが、できるようになったのは零式に乗ってからだ、速度でも旋回能力でも劣る九〇式でどうしたらできるのか、毎晩考えたよ、そのおかげで私は強くなったと言ってもいい」

 

「私の空戦の基礎とその応用を作ったのは北郷少将だが、そのさらに応用は烏川が作ったと言っても過言ではない」

 

「その割には撃墜数が少ないですよ?」

 

「それは…他のウィッチの撃墜数としてカウントされていたからだ、299飛の上に289空があった、289空には烏川を含めて21人のウィッチが在籍していたよ、撃墜数も平均80以上だったこれがどう言うことかわかるか?」

 

「いえ…」

 

「扶桑海事変だけで烏川は1700機弱以上を撃墜しているんだ」

 

「おかしくないですか?世界最高でもエーリカ・ハルトマン氏の1291機が最高なんですよ」

 

「今考えればわかることだよ、ネウロイは無限に出てくる、なのに、なんで都合のいい時には数体ずつしか出てこないのか、考えればわかることだ、常に無限とも思える数が出てきていた、そして、私たちは烏川の撃ち漏らしを撃墜して撃墜していたのだとね」

 

「元犯罪者や訳ありのウィッチがどうなるか知っているか?」

 

「いえ」

 

「烏川と同じように無限にぶつけられて、ちり紙のように散っていく、その時の上層部は命をなんと考えていたのだろうな」

 

「………」

 

「それで、だ、その時、北郷少将は扶桑海事変に戦艦部隊が出動するのを阻止しようとしていた、結果的に失敗して、北郷少将は怪我を負って前線から退いた、その時、烏川はどうしたと思う?」

 

「………」

 

「一瞥しただけでまた戦闘に戻ったんだ、人が戦艦に撃たれたのに、助けに行こうともしなかった」

 

「そして、あいつが出撃までの間、戦線を押しとどめた、たった1人で、だ」

 

「彼女の魔法力は高かったのですか?」

 

「それについても後で話そう、烏川は扶桑海事変が終わるや否や、スオムスに行ってしまったよ、だから、その間のことは知らん、だが、次にあった時は扶桑皇国軍人ではなかった、カールスラント軍人として、501JFW、ストライクウィッチーズにきていたよ」

 

「烏川特務少佐の年齢が見えないのですが…」

 

「烏川の年齢か、調書通りだ、1932年生まれ、つまり、扶桑海事変の時に5歳だったってことだ」

 

「その年齢だとウィッチには…」

 

「ああ、なることはできない、本来ならな」

 

「だが、あいつはその、本来、に当てはまらない人間だったよ、だが…、そうか…もう、軍機指定の期間は終えたんだったな、烏川は人造ウィッチとして、作られた人間だったからだ」

 

「それは…」

 

「その名の通り、作られたんだ、魔法力を使ってな、そのおかげで、人より成長が少し早かった、1.8倍、だったかな、そのせいで、成長は普通の人間の12歳で止まったらしい、だから、体も1番小さかったよ、ルッキーニより少し、小さかったな」

 

「この人造ウィッチを作る研究には、いろんな国が関与してたよ、扶桑、リベリオン、ブリタニア、オラーシャ、カールスラント、スオムス、ロマーニャ、ガリア、オストマルク、ヴェネツィア、ヒスパニア、ヘルウェティア、ベルギガ、ネーデルラント、パッと思いつく国は全て関与しているよ、公にはしないがな」

 

「第一次ネウロイ大戦で被害を負った国は多かったからな、人工的にウィッチが作れるとなれば、それに乗りたくなるのが当時の情勢だったのだろう」

 

「これらの情報は戦争が終わってしばらくしてからわかったことだがな」

 

「話が逸れたな、私は宮藤を連れて501JFWにきていた、烏川が1番最後だったよ、訓練中に出撃してみたら、烏川が戦闘してるんだ、軌道はさらに洗練されていたよ、その時の彼女の機体はHe112だったな」

 

「He112とは?」

 

「カールスラントの採用されていない、試作機止まりの機体だよ、カールスラントの基地で放置されていたのを使いはじめたのがはじまりだそうだ、烏川のは二代目だったがね」

 

「それで、彼女の装備も貧弱極まりなかった、なんせ、機関銃じゃなくて小銃を使っていたよ、曲芸飛行顔負けの戦闘だったよ、その場に居合わせた全員が顔を見合わせた」

 

「最新機に追いつくことが不可能な試作機で、貧弱すぎる装備で、大型のネウロイ3機と渡り合っていたんだ、中型もいたし、小型も多かった、大侵攻の前触れ、大規模な威力偵察かと思ったよ」

 

「そして、すべてのネウロイが烏川に引き付けられていた」

 

「私たちが撃っても引きつけれないほどにね」

 

「まぁ、それが彼女の固有魔法であるということも、戦後に分かったことさ、戦中に分かったことなんてほとんどない、それに、あいつの固有魔法は…、あいつの固有魔法は持っているだけで命を削る」

 

「どういうことで…」

 

「怪異呼込、そう呼んでいたよ、常に発動し続け、持っているだけで命を削る、そういう固有魔法だった、私たちはこれに助けられたことも多い、烏川に不可解なほどネウロイが食いつくのもこれで説明がついた」

 

「ストライクウィッチーズに着任してからは、さらに酷かったよ、当時、私たちは分からなかったが、今ならわかる、烏川はネウロイに対する人力警報機として働いていた、だから基地で見た記憶はほとんどない、当時のレーダーはまだ試作品の類だったし、問題も多かった、その点、人力の方が効率が良かったのだろうな」

 

「さらにこの固有魔法、まさに人力レーダーにはもってこいだよ、本当にね」

 

「多分だけど、彼女だけでネウロイに対処したことも多いだろう、全てがすべて、警報機として出されたわけじゃないだろうからな…多分だが、彼女の撃墜数はこの時点で10000機を超えていただろうな、もしかしたら20000機を超えていたかもしれない」

 

「それは…」

 

「そうだ、ありえない、だが、そう考えるしかないんだ、少しでも、そう考えないと、烏川は、あいつは、一切報われない」

 

「それは…報われるなら…不確定情報でも撃墜数を加算するということですか?烏川特務少佐だけに?」

 

「………そうだ、それに、あいつは日に何百枚も書類を書いていたらしい、その書類が連合国軍総司令部に関連資料として残っているはずだ、私は閲覧出来なかったが、もしかしたら君なら閲覧できるかもしれない、旧連合国軍総司令部は今の国連、リベリオンのニューヨークにある、行ってみるといい、私も、リベリオンの知人に声をかけておく」

 

「………ありがとうございます、続きは…」

 

「私はそのあと魔法力が弱っていったからな、当時はそのことで頭がいっぱいだったんだ、すまない。それと、この後は私よりも他の人間に聞いた方がいい、その方が細かいことやちょっとしたことも聞けるだろうからな」

 

「ありがとうございます」

 

「これは私の電話番号だ、何かあったらかけてくれ、できる限り対応する」

 

「ありがとうございます、では、私はこれで」

 

「ああ、頑張ってくれ」

 

「はい」




坂本さんの口調はこんな感じでいいのか?


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サムライ 坂本美緒の独白

お気に入り11件!ありがとうございます!
それと、坂本さんの口調ってこれでいいんかな?


いまだに私は後悔している。もう、ずっとだ。

もっと上手くやる方法があったんじゃないだろうか。

宮藤をスカウトする必要はなかったんじゃないだろうか。

烏川に頼らない方法が有ったんじゃないだろうか。

人は過去を見ても何も変わらないから、未来を見ろと人は言う。だが、この後悔は私に一生ついて回る。離れることはない。烏川は仲間だ。私たち、ストライクウィッチーズの仲間だ。だが、その記録は無い。残っていない。完全に抹消されている。だが、あの時を共に戦った人間は覚えているはずだ。真似することなど不可能なあの美しい軌道を。もっとも、これを聞いている人間はいないがね。私も限界は近い。烏川のところに行くことになるだろう。⬛︎⬛︎年も待たせたんだ。もしかしたら殴られるかもしれんな。だが、それで構わない。いくらでも甘んじてそれを受けよう。烏川はそれだけのことをする権利がある。私たちは、人間は、烏川にそれだけのことをしたのだから。もし、またみんなで集まれたのなら、今度は桜でも囲んで酒でも飲みたいな。そうしてみんなで騒いだ後に、ゆっくりと寝られたら、それもまたいいだろうな…。

 


 

「名前は?」

 

「……烏川、烏川だ」

 

「そうか、烏川、あの飛行機はどこで習ったんだ?」

 

「経験」

 

「そ、そうか…、なぁ、会ったことはないか?」

 

「無い、私は任務がある、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐にお会いしたい」

 

「わかった、私は坂本美緒、少佐だ、戦闘隊長を務めている」

 

「そうか、烏川だ、階級は上級軍曹、私と共闘することは少ないだろうが、よろしく」

 

「あ、ああ、よろしく」

 


 

「私が赤城を引きつける!」

 

「了解!」

 

「ウォーロック、もう1機来ます!」

 

「私が堕とす、赤城に集中して」

 

「あ、ああ!」

 


 

「久しぶり、坂本大佐」

 

「ああ、久しぶりだな、大丈夫なのか?今、ミーナとコネで匿えるようなんとかしてる、だから待って…」

 

「すまない、坂本大佐、いや、少将、あなたは純粋すぎる、ここにいたら、あなたまで戦争に飲まれてしまう、あなたは、負傷により後方に移送される、それがシナリオになってる」

 

「何を!…っ」

 


 

「お久しぶりだな、坂本少将」

 

「ああ、今全員で無罪を証明しようとしてる、もう少しの辛抱だ、だから…」

 

「坂本少将、他の人にも言ったが、私の事をそれ以上深く探るのはやめろ」

 

「知られたく無い過去でも…」

 

「いえ、それ以上知ってしまえば、殺されてしまう、だから、お願いします、坂本さん」

 

「そう…か」

 

「私は最後まで悪役でいる、そうすれば、ウィッチのための組織も作りやすいはず」

 

「何を!」

 

「時間です、では、また会える日まで、坂本さん」

 

「時間だ」

 

「わかっている」

 


 

「何か最期に一言言わせてやろう」

 

「私が死んでも、第2第3の私がいずれ現れる、だから、わた…」

 

「落とせ!」

 

「はっ!」

 

その顔は、縄につられているのに、微笑んでいた。縄に見合わないくらい小さな体は、縄につられて、秋風にしては冷たすぎる風を受けて、揺られていた。

 

「死亡を確認しました」

 

「そうか、遺灰と遺骨は太平洋に散布する、異論は認められない」

 

「…………了解した」

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5月28日 サムライ 坂本美緒氏 死去 死因 老衰

5月28日、坂本美緒氏が死去したことが発表されました。死因は老衰であり、葬式及び告別会は近親者などで終わらせる予定です。




次は誰がいい?アンケート用意しておきます


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